パナソニック LUMIX S9が登場!|はじめてのカメラに最適なフルサイズのミラーレスカメラ ~ 担当者へのインタビューから魅力を紹介 ~
はじめに
パナソニックから初めてのカメラに最適なフルサイズのミラーレスカメラのLUMIX S9を2024年6月20日(木)に発売するとアナウンスがありました。今回はそのLUMIX S9を開発した経緯やコンセプト、製品の魅力についてパナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社 LUMIXマーケティング担当の辻 啓太(つじ けいた)氏にインタビューしましたので是非ご覧ください。
概要
直近のLUMIXは小型モデルが少なくなっている印象がありましたが、今回の新製品は第一印象から今までのシリーズとは開発コンセプトが違うという印象を受けました。
― LUMIX S9の最大の売りポイントを教えてください
一番目立つポイントからご説明すると、小型軽量のボディとこれまでのSシリーズにないデザインです。エントリーの方にも気軽にカメラでの撮影を体験いただけるのはもちろん、普段から写真を楽しむ方のサブカメラとしてもお使いいただけるように機能面も妥協せず詰め込みました。また、同時にリリースする新アプリ「LUMIX Lab」における編集やスマホ連携の強化や、LUMIX独自のリアルタイムLUT機能も強化されており、幅広い方に使っていただけるカメラだと思っています。
― 開発時のコンセプトで最も重要視した点を教えてください
上記でも触れましたが、多くの方に日常使いとして気軽に使ってもらえるカメラを目指すべく小型軽量のサイズ・デザインと機能の両立、お求めやすい価格、スマートフォンとの親和性の三点は重要視をしている点になります。
― 今回フルサイズエントリー機の開発に至った経緯を教えてください
S5から低価格帯フルサイズ機を展開していき、Lマウントを浸透させていくためにSシリーズのラインナップ拡充を進めてまいりました。2023年に発売したS5IIも「写真・動画の双方においてプロユースとしても十分に使えるカメラ」として多くのクリエイターの皆様に迎え入れていただきましたが、一方で、スマートフォンのカメラ性能が非常に高性能になっていることもあり、カメラのエントリー層自体が少なくってきている課題も見えてきました。
日常的にスマートフォンで写真・動画を撮影している方が更なる表現を目指してカメラを手にすることはあり、そういった方々にも「気軽に撮影をお楽しみいただけるフルサイズ機のエントリーモデル」を目指して開発されたのが、今回のS9になります。
「スマートフォンでは撮影できない表現力を実現する」ことを基本軸とし、エントリー層の方にも手に取っていただきやすい「小型軽量化・価格帯」、それに伴う「デザインの変更」、これらを追求して開発が進められました。
― レンズキット構成で高倍率レンズS-R28200(LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.)を採用した狙いを教えて下さい
エントリー機では標準と望遠が1本ずつ付いたWズームキットの構成がよくありますが、レンズ1本で幅広い撮影体験をして頂ければと思い、S-R28200を採用しました。一眼カメラならではの望遠撮影をお楽しみください。
外観から見る特長
― Sシリーズ歴代最小となる小型化を実現するために開発で最も苦労したポイントはどの点でしょうか
小型化と性能の両立がポイントになります。ただ小さくすればいいというわけではなく、このモデルのコンセプトも考慮しながら仕様決めをしています。LUMIXとしては、「画質」・「AF」・「手ブレ補正」の三点はあらゆる要素の中でも特に重要な要素としている項目であり、LUMIXの強みと考えています。
そのため「S5IIと比較してもこの三点は同等の性能であることを担保しながらも、どこまで小型軽量化できるか」という観点から開発を進めました。その結果、ファインダーを無くし、メカシャッターは廃止することで本体重量は約403gまで軽量化することができました。
― LUMIX Sシリーズで初のカラーバリエーションやエクステリア張り替えサービス(有償)実施の狙いはどんなポイントでしょうか?
ボディはブラックとダークシルバー、エクステリアにはブラックの他、ダークオリーブ・ナイトブルー・クリムゾンレッドの三色をご用意し、それぞれ自由に組み合わせていただけます。ユーザー様でお好きな色にカスタマイズすることでより愛着を持ってカメラを使って頂けると考えています。是非ご自身だけのカメラを手に撮影を楽しんでくださいね。
エクステリア張り替えサービス(有償)の詳細はこちら
基本性能について
― これだけの小型化となると気になるのは基本性能面ですが、従来モデルと比較してAF性能や手ぶれ補正機能は見劣りするような事はありませんか?
LUMIXのフルサイズ機で初となるフラットデザインが採用された、小型軽量化ボディのカメラにはなりますが、前述した通りS5IIに遜色ない機能、性能を実現しています。AFでは直近(2024年5月時点)でファームアップされたものと同等の機能を搭載しています。具体的には認識AFの対象に「車・バイク」が増え、その精度も向上。さらに手ブレ補正もS5IIと同様に像面位相差AFを搭載し、こちらも直近(2024年5月時点)でファームアップされた動画の歩き撮り補正(E .I.S)が発売当初のS5IIよりも強化された状態となっています。
― 画質面ではいかがでしょうか?
S5IIと同様に新世代のヴィーナスエンジン・24.2MPフルサイズセンサーが搭載されているため、ディテールの処理やノイズリダクション、もちろん色表現なども含めてS5IIと同等の画質表現が実現されています。
新開発の機能について
― 新たに追加されたビデオファイル形式MP4Liteとはどういったものでしょうか?
背景として、S9は「日常のちょっとした瞬間を記録してSNSにアップする」といった使用シーンを想定したカメラになります。
そのため、動画データが重いと転送にも時間がかかってしまう課題に対し「少しでもデータが軽く扱えるモード」としてMP4 Liteを開発しました。また、動画のアスペクト比は通常は16:9ですが、SNSにアップする際に写真と同じ3:2で、様々な加工を施していきたいという方も多いのではないかと考えました。そこで、アスペクト比の自由度をより高めるために、これまでMOVのみで撮影ができていた3:2のアスペクト比を、MP4 Liteでもできるよう改善しています。
― 新機能ではありませんが、リアルタイムLUTにも進化ポイントがあったと発表されておりましたがどの様な進化ポイントがありますか?
進化ポイントは大きく3点あります。
・リアルタイムLUTボタンの追加
・調整パラメータの拡充
・新開発App「LUMIX Lab」
これまでもユーザー様には好評いただいていたリアルタイムLUTですが、もっと使いやすく、もっと表現の幅を拡げる進化を遂げています。カメラの背面にLUTボタンを設置しよりダイレクトにLUTを適用した撮影を楽しむことが可能となっております。またSampleのLUTを3種類既に登録していますので、購入後からすぐにリアルタイムLUTでの撮影をお楽しみいただけます。
またカメラ内での調整パラメータも拡充させ、カメラ内での調整の幅が広がるようになりました。LUTの濃度調整や重ね掛けにも対応し、表現の幅は無限に広がります。新規開発のAppではこれまでPCでの作業が必要であったLUTの作成をApp内で行えるようになり、作成したLUTファイルもAppにてカメラへ転送することができます。スマホとカメラだけで操作が完結するため、外出先でもその場に合わせたLUTの作成や調整が可能となっています。
同時発売となるMFパンケーキレンズS-R26(LUMIX S 26mm F8)について
― LUMIX S9に合わせて開発された超小型・軽量レンズという認識でよろしいでしょうか?
S9にマッチするレンズとして軽量&薄型デザインとして誕生しました。こちらのレンズはF8固定で、マニュアルフォーカスのみの仕様となっております。これは、昨今のスマートフォンのカメラ性能やカメラのAF性能が向上し、誰でも簡単にピントが合って背景がボケている高画質な写真が撮れる時代になった一方でフィルムカメラやオールドコンデジも流行として再燃していることから「じっくり被写体に向き合って撮る」「少しブレていても、それがある種いい表現になっているような写真を楽しむ」といった遊び方もあると考えています。
S9ではエントリー層をターゲットにしていることもあり、これまでとは違うレンズラインナップという観点からも、小さく薄く、従来とは異なる撮影する楽しみが体験できるレンズとして、26mm F8をご用意しました。
今回はS9を購入いただいた方にはこのS-R26レンズを「LUMIX S9 発売記念キャンペーン」も行います。またXにて、S9とS-R26の組み合わせ限定の「LUMIX S9 フォトコンテスト」を実施しますので、是非皆さんが撮影したデータを、SNS等にアップしてシェアしてほしいですね。
LUMIX S9 発売記念キャンペーンの詳細はこちら
LUMIX S9 フォトコンテストの詳細はこちら
さいごに
LUMIX S9では、S-R26(LUMIX S 26mm F8)、そしてLUMIX Labと併せてエントリー層を中心に多くのユーザー様に新しい撮影体験をご提供したいと考えています。ご検討の皆様はぜひ店頭でお手に取ってご体感ください!
LUMIX S9のインタビュー動画はこちら