#『初めての一眼レフとしておすすめのPENTAX SP』|フィルムカメラの魅力 国分真央

国分真央
#『初めての一眼レフとしておすすめのPENTAX SP』|フィルムカメラの魅力 国分真央

はじめに

皆様こんにちは!国分です。

今回は初めての一眼フィルムカメラにおすすめしたい、PENTAX SP(SPOTMATIC)を使用して作例を撮り下ろしてみました。
コンパクトフィルムカメラからステップアップしたい方や、一眼レフを使ってみたい!という方におすすめの入門機になります。
この春から使い始めるのもおすすめですので、気になっている方は是非チェックしてみてください!

久々に手に取るにあたり、まずは修理に

久々に使用して撮影をしようかと思っていたのですが、少し前から調子が悪く、巻き上げのレバーが固くなってしまい撮影自体が難しかったので、まずは修理を決意。

ボディは比較的綺麗な状態でしたし、壊れる前は大切に使っていたので直したかった気持ちもありました。
2ヶ月程度修理完了を待ち、いざ撮影へ。
この時代特有であるブラックボディ真鍮の重さが私には心地よく、外観デザインもお気に入りです。

カメラに求める好みは人それぞれだと思いますが、私は「見た目」の良さもとても大切だと思っています。
どうせ外に連れ出すなら、自分がかっこいいと思えるカメラを持ち歩きたいですし、気持ちや写真欲のモチベーションにも繋がります。

Super Takumar 特有の優しい写り

いつも写ルンですやコンパクトフィルムカメラを使っている方のステップアップとしてPENTAX SPはおすすめなのですが、装着するレンズによっても写真の雰囲気は異なってきます。

その中でも人気の高いSuper Takumar 50mm F1.4は相性がよいレンズですし、比較的安価で購入できるのでおすすめです。
私も10年前くらいに購入し、今回の修理に伴ってレンズのクリーニングもしてもらいました。

また、今までコンパクトカメラを使用していた方は、F値の低いレンズ特有のフレアやゴーストの写り込みに楽しさを見出せるのではないでしょうか。
上の作例のように逆光で撮るとゴースト・フレアが写り込みます。(※太陽は直視しないようにお気をつけください!)

ただ、このレンズは通称「アトムレンズ」と呼ばれていて、微量の放射性物質が含まれています。
ですが、ごく僅かな量なので毎日抱えて寝るなど特別なことをしない限りは人体に問題はありません。
私は自宅の防湿庫で保管しています。

もう一つ注意点としては、経年劣化で黄変しやすいレンズで、私のレンズも黄変してしまっています。
少し暖色がのるような感じなのですが、それも含め西陽の感じや温かさを感じさせる雰囲気を出したい時に使っています!
今回の作例にはないのですが、暖色の映える秋のシーズンや、色とりどりの被写体がある春シーズンはおすすめです。

すべてのカメラやレンズに言えることですが、そういった経年劣化や注意点も含め、オールドレンズやフィルムカメラは愛おしいなと感じます。
修理を含めアナログなものは手がかかるしお金もかかるのですが、その経過も長く付き合う中で相棒のような気持ちになるのです。

部屋でのファーストロール

今回は修理から帰ってきてファーストロールの作例になるので、家で物撮りから始めてみました。
F1.4で撮ると線が少しフワッとした描写になるので、順光で特にフレアなどを入れない場合はF2.8以降が個人的にはおすすめです。
こういった背景が暗い場合でもピントを確保しつつ立体感を維持できます。
構図の話も含めると、背景も同時に気にかければ物撮りはより成長するでしょう。

こちらは失敗例として見てほしいのですが、背景や光の陰影がない環境だとレンズ特有のふんわりとした写りも相まって、のっぺりした印象になります。
もちろんこの雰囲気が好きな方はOKなのですが、私としてはもう一声欲しい写真になりました。
では光と影をしっかり取り入れたら…どんな写りなのかは次の項目に載せていきます。

光と影のラインを意識

先程の空気が飽和したような雰囲気ではなく、今度はあえて光と影の濃淡が強い写真を載せてみます。およそF2.8~4の幅で絞って撮影してみました。
光の傾きが強い朝や夕方はこういった雰囲気が出やすいです。
今回は西陽で撮影しましたが、しっかりと光のラインも強調されていますし、ピント位置の立体感も分かりやすいなと思いました。

久々にSPを触って、やっぱり良いカメラだなあと再認識しました。次は朝焼けや朝の光・ポートレートなども撮ってみたいと考えています。

テクスチャーを感じられる遠景にも

最後は遠景の写真の作例になります。
晴れている日だったのでF8~11くらいに絞って撮影しました。絞ると山々のテクスチャーや雲の陰影を捉えることができます。
今回撮り下ろしに使用したフィルムはKodak GOLD 200なのですが、風景メインで撮る方はISO100のフィルムもおすすめです。

コンパクトフィルムや写ルンですと違って、一眼レフの良いところは自分の合わせたい被写体にピントを合わせられることや、絞り・シャッタースピードなどを自由に変えられることなので、表現の幅がグッと広がります。
また、フレアやゴーストなども光の状況に合わせて取り入れることができるので、自由度も高まりますね。

あとは外観面で言うとデザインのかっこよさや、真鍮による重さが所有欲を満たしてくれます。
今回のレンズはSuper Takumar 50mm F1.4での撮影でしたが、レンズ交換が出来るので被写体や時間に合わせて付け替えできるのもポイントです。
まだ一眼レフのフィルムカメラを持っていない方は是非1台目にいかがでしょうか。

おわりに

今回はPENTAX SPを修理して久しぶりのファーストロールを載せてみました。
もちろん一眼のフィルムカメラは他にもたくさんあるのですが、使いやすさやデザインの良さ・人気のレンズとしてSPはバランス型だと感じます。
また、比較的ボディもレンズも安価で揃えられるので、色んなジャンルの被写体を撮る方には入門機として是非おすすめです!
それでは。

 

 

■写真家:国分真央
1990年 東京都生まれ。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に東京都から山梨県に移住する。書籍の表紙や広告写真、CDジャケットなど幅広いジャンルで活躍中。独特な色合いと自然が溶け込むような写真が特徴で、独自の世界観を作り上げる。近年はフィルム写真での撮影にも力を入れ、執筆活動も行っている。

 

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