PENTAXのスペシャルカスタムイメージ「九秋(KYUSHU)」登場!
はじめに
PENTAXから秋バージョンの「カスタムイメージ Special Edition」が登場しました。その名は「九秋(KYUSHU)」。夏バージョンの「夏天(KATEN)」につづいてカメラとレンズを限定した、四季の「秋」を感じさせるカスタムイメージになります。わびさび感があるステキな写真を撮影できるモードになっていますよ。
「カスタムイメージ Special Edition」はカメラとレンズに指定あり
ペンタックス一眼レフカメラの「カスタムイメージ」はその美しい仕上がりに定評があります。「鮮やか」や「人物」、「風景」などはもちろんのこと「雅(MIYABI)」、「里び(SATOBI)」も人気が高く、これらを使いたいがためにペンタックスを選ぶ人もいるほどです。先日公開された「カスタムイメージSpecial Edition」の「夏天(KATEN)」も大好評で、このためにパートナーレンズを購入した人も多いと聞いています。
さて今回の対象カメラ・パートナーレンズはこのとおり。
PENTAX K-1 / K-1 Mark II
PENTAX K-3 Mark III
HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited
HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited
HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited
HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
上のカメラとレンズを組み合わせた場合のみ、カスタムイメージ設定に「九秋(KYUSHU)」が現れて選択、撮影ができるようになっています。もちろん各種パラメーターの変更も可能です。
「九秋(KYUSHU)」はわびさび感満点の描写が楽しめる
PENTAX 公式サイトから新ファームウェアをダウンロードして、カメラをファームアップすると「九秋(KYUSHU)」が選択できるようになります。果たしてどんな写真が撮れるのでしょうか?
公式サイトには
「「九秋(KYUSHU)」では、「鮮やか」に比べ、派手さを抑えた朱色がかった赤、明度が低く赤みを帯びた少しあせた感じの黄色、青みが強い 深みのある緑などが特徴的な画作りになっています。「里び(SATOBI)」では、秋の色がフラットになりがちですが、「九秋(KYUSHU)」では 彩度を抑えながら秋色にメリハリ感を感じることができます」
とあります。渋み、わびさび感を味わえるテイストに仕上がっていると言えるでしょう。
「九秋(KYUSHU)」を他の代表的なカスタムイメージと比較してみましょう。
九秋(KYUSHU)
鮮やか
風景
里び
リバーサルフィルム
このように「九秋(KYUSHU)」はおさえた色合いながらメリハリ感があり、渋みや少しもの哀しいイメージを演出できるカスタムイメージ Special Editionになっています。パートナーレンズも携行しやすいコンパクトなものが選ばれており、秋の日にブラブラと撮影散策を楽んでもらいたい、というPENTAXからの思いを感じ取ることができますね。
カスタムイメージについてはリコーイメージング公式サイトにも詳しく掲載されています。ぜひ参考にしてみてください。
https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/custom_image/special/index.html
ちなみに今後リリースされる冬と春バージョンの対象カメラ・パートナーレンズは下記のようになっています。
冬:対象カメラ・パートナーレンズ
PENTAX K-1 / K-1 Mark II、PENTAX K-3 Mark III
HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited
HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited
春:対象カメラ・パートナーレンズ
PENTAX K-1 / K-1 Mark II、PENTAX K-3 Mark III
HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited
HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
城下町で「九秋(KYUSHU)」を試す
さてカスタムイメージ Special Edition「九秋(KYUSHU)」ですが、「K-3 Mark III」と「HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited」で試してきました。秋というと紅葉した森林というイメージが強いですが、今回はあえて海が近い城下町をブラブラと撮り歩いてみました。
漁港を訪れました。この日は薄曇りでコントラストが低めの光だったのですが、「九秋(KYUSHU)」はメリハリ感を強調してくれ、どことなく秋の寂しい午後という雰囲気を表現してくれました。
港の一角には自転車置き場がありました。おそらく漁船に乗る人たちのものでしょう。「九秋(KYUSHU)」で撮ると落ち着いたトーンの中に、金属のきらめきと渋い色味がうまく混ざり合って、どことなくドラマチックになりました。
籠の中に使い込まれたロープが横たわっています。その毛羽だった様子を重厚感あふれる色調で「九秋(KYUSHU)」は再現してくれました。木々や落ち葉ではなくこのような被写体も渋く捉えてくれるので、様々なシーンで使えるカスタムイメージ Special Edition になっています。
漁港の片隅には割れかけたプラスチック製のケースが鎮座していました。何気なくシャッターを切った1枚ですが、3つのカラーの出方が何とも言えないいい感じですね。輝度の低い背景に明るい色が重なるとメリハリ感が強まってムードが高まるようです。
海辺へとやってきました。生憎の曇天でコントラストが低めの感じだったのですが、「九秋(KYUSHU)」で撮ると砂浜や海面の様子がクッキリと浮かび上がりました。女性の持っている上着の色合いもステキですね。ホワイトバランスを自分なりに変更して発色を試すのもいいでしょう。
昔懐かしい軽便鉄道が展示されていました。その車内のつり革を撮りましたがキラリと光る後方のボケ感が素晴らしいですね。「九秋(KYUSHU)」はボケを上手く使うといい感じの仕上がりになりそうです。
今にも落ちそうな葉を開放域で狙いました。やはり大きなボケの前に狙った主要被写体があると「九秋(KYUSHU)」の雰囲気が高まるように感じます。「里び(SATOBI)」ではやや眠い描写になりがちですが、こちらなら明瞭感も高くストレートな写りに感じられますね。
城門をやや遠めから撮りましたが、白壁ハイライト部のヌケ感とくすんだ空のコントラストがもの悲しさを演出してくれました。「風景」だと派手すぎ、「里び(SATOBI)」だとフラットすぎる、というようなシチュエーションでこのカスタムイメージ Special Edition「九秋(KYUSHU)」は役立ちます。
紅の橋を撮りましたが、「九秋(KYUSHU)」だとしっとりと朱色がかって、抑えめのトーンで上品に仕上がりました。わびさび感があってとても好印象です。
カスタムイメージ Special Edition「九秋(KYUSHU)」のまとめ
カメラとレンズ限定のカスタムイメージ Special Edition「九秋(KYUSHU)」。夏に続いて第2弾となりますが、なかなか面白い試みでペンタキシアンの反応も上々のようです。秋の「落ち着き」「渋み」「わびさび」をうまく表現しているカスタムイメージだと感じました。またパートナーレンズも軽量コンパクトなものが選定されているので、ブラブラと自分なりの秋を探しながら撮り歩くのにはかどると思います。
今後もカスタムイメージ Special Editionは2種類控えているので、どんな描写なのか今からとても楽しみです。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆、セミナーなどで活躍中。さまざまな企業のイメージ撮影や、ポートレート撮影、公式インスタグラムの撮影などを多く手がける。スマートフォン撮影のパイオニアとしても活動中。