シグマ 10-18mm F2.8 DC DN Contemporary レビュー|世界最小最軽量!毎日持ち歩ける超ワイドズームレンズ

三井公一
シグマ 10-18mm F2.8 DC DN Contemporary レビュー|世界最小最軽量!毎日持ち歩ける超ワイドズームレンズ

はじめに

シグマからAPS-Cフォーマット向けの超ワイドズームレンズが登場しました。この「SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」はズーム全域でF2.8と明るく、描写も良好で、何といってもクラス世界最小最軽量というコンパクトさが魅力のレンズだと言えます。フルサイズ一眼より一回り小さい、APC-Sフォーマットのミラーレス一眼にピッタリのレンズに仕上がっていますよ。スナップ撮影や旅でのワンシーンを収めるのに活躍することでしょう。

10-18mm F2.8 DC DN | Contemporaryの特徴

クラス世界最小最軽量という超ワイドズームレンズですが、シグマは小型化するにあたって光学的な妥協をしませんでした。加工に高い技術が必要とされる非球面レンズや特殊分散ガラスを複数枚採用することで高い画質を実現しています。特に1枚目のレンズは偏肉量、屈折率ともに大きな非球面レンズとすることでレンズ枚数を抑えており、トータルで画質と小型軽量化を達成しているとのことです。シグマの技術力が光っていますね。

この「SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」はワイド端で11.6cmという最短撮影距離を誇り、10mmという超ワイドな画角と近接撮影による表現を楽しむことが可能です。しかも長さ62.0mm、最大径72.2mm、重さ260gというサイズ感なので取り回しも楽チンです。常時携行して超ワイドな迫力ある写真を存分に楽しむことができるのがうれしいですね。

また、新開発の「プッシュオン式花形フード」にも注目です。今までのバヨネット式フードと異なり、押し込むだけでロックされるというものです。この新方式もフードの小型化に寄与しているとのこと。外す場合はわずかにスライドさせるだけでOKです。

ブラブラ実写スナップ!

さっそく「SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」をLマウントの「SIGMA fp L」に装着してブラブラ撮影をしてみましょう。フルサイズフォーマットで約6100万画素の「SIGMA fp L」ですが、このレンズを装着してもAPS-Cフォーマットで約2600万画素となり、同社の「SIGMA fp」より高画素での撮影が可能です。「DG DN」そして「DC DN」レンズの使い分けも写真表現を深めてくれそうですね。

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO100

古民家の広間をワイド端10mmで撮影しました。フルサイズ判換算約15mmという画角は、畳敷きの大広間を丸々と飲み込んでしまいました。APS-Cフォーマットでこのワイド感は魅力ですね。

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO100

同じ位置からテレ端18mmで「SIGMA fp L」のシャッターを切りました。直線はしっかりと真っ直ぐに写り、畳の目も克明に写しとっています。やや薄暗い環境ですが、ズーム全域でF2.8なので安心感がありますね。

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO100

秋の竹林を歩きました。そよぐ風に竹がなびき、カランカランと音を立てています。その清涼感をこのレンズは表現してくれました。葉の一枚一枚、幹の節まで力強く解像しています。

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F8 1/100秒 ISO100

10mmという画角は実に広大です。雄大な風景から狭い室内までその活躍するシチュエーションはかなり多いでしょう。このような建物の撮影でも有効です。常時携行できる軽量コンパクトさは、撮影フィールドをグンと拡大してくれることでしょう。

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F8 1/200秒 ISO100

軽量コンパクトなレンズながら解像感はなかなかです。古民家の茅葺き屋根から木々まで精細感バツグンです。掌に軽く収まってしまうレンズの写りとは思えないほどですね。

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO100

ズーム全域でF2.8という明るさは大きな魅力です。このような暗い室内から、低照度の街中、夕景シーンなどでもシャッタースピードを稼ぐことができ手ブレを防ぐことが可能です。またISO感度を上げることなくクリーンな仕上がりを得ることもできます。それがこの小さなレンズで実現するのですからすごいですよね!

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/800秒 ISO100

「SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」の10mmから18mmという画角は、APS-Cフォーマットだと約15mm相当から約27mm相当になります。このレンズに加え標準ズームの「SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary」を組み合わせると約70mm相当までをF2.8でカバーできるので、撮影を楽しめる範囲が大きく広がります。しかも両レンズとも軽量コンパクトなので持ち運びも楽チン!オススメです。

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO100

このレンズはワイド端で11.6cmまで被写体に接近できます。ワイド感を活かしながら背景をぼかした表現が可能なのです。井戸のポンプに肉薄しましたが、ピント面周囲のシャープさと背景ボケのハーモニーがいい感じになりました。

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F8 1/800秒 ISO100

この「SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」が1本あるとこのような広大な風景から室内のシーン、ワイドマクロ的なシチュエーションなどを手軽に撮影できることでしょう。ワイド端からテレ端まで安定した画質と、世界最小最軽量というハンドリングを活かした撮影が可能になります。しかし素晴らしいヌケ感と色再現性ですね!

■撮影機材:SIGMA fp L + 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/640秒 ISO100

風に揺れるコスモスを最短撮影距離で。キリリとしたピント面と、ふんわりとした優しいボケがとてもいい印象のレンズですね。オートフォーカスもステッピングモーターによる制御で高速かつ静粛です。

10-18mm F2.8 DC DN | Contemporaryのスペック

レンズ構成枚数:10群13枚(FLD3枚、SLD1枚、非球面レンズ4枚)
画角:109.7°-76.5°(APS-C)
絞り羽根枚数:7枚(円形絞り)
最小絞り:F22
最短撮影距離:11.6 (W) – 19.1 (T) cm
最大撮影倍率:1:4 (W) – 1:6.9 (T)
フィルターサイズ:φ67mm

最大径 × 長さ:
Lマウント φ72.2mm × 62.0mm
ソニー Eマウント φ72.2mm × 64.0mm
富士フイルム Xマウント φ72.2mm × 64.3mm
※ 長さはレンズ先端からマウント面までの距離です。

質量:Lマウント 260g
ソニー Eマウント 255g
富士フイルム Xマウント 250g

エディションナンバー:C023

付属品:
・プッシュオン式花形フード(LH706-02)
・フロントキャップ(LCF-67mm III)
・リアキャップ(LCR II)

まとめ

手のひらサイズながら明るく高性能な超ワイドズームレンズ「SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」。写りの良さはもちろんですが、ビルドクオリティもシグマらしく質実剛健です。簡易防塵防滴性能はもちろん、アルミ製ズームリングの使い心地もバツグンです。

Lマウント、Eマウント、Xマウントを使っているフォトグラファーなら常にカメラバッグに入れておきたい一本になるはずですよ。

 

 

■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆、セミナーなどで活躍中。さまざまな企業のイメージ撮影や、ポートレート撮影、公式インスタグラムの撮影などを多く手がける。スマートフォン撮影のパイオニアとしても活動中。

 

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