シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS Contemporary レビュー|ダイナミックで魅力的な超望遠ズームレンズ
はじめに
超望遠ズームレンズは実に魅力的です。遠くのものを思い切り近くに引き寄せたり、遠近感を圧縮して迫力を出して撮影できたり、ダイナミックに写真を楽しむことが可能です。しかし「大きい」「重たい」「高価」なことからなかなか手を出せないのも事実です。でも、SIGMA(シグマ)がリリースしているミラーレス一眼カメラ専用設計の「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」なら大丈夫。「ライトバズーカ」のニックネームを持つこの製品は、軽量コンパクトで手軽に持ち運ぶことができます。お財布にも優しいプライスで魅力なレンズに仕上がっています。
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary のスペック
・レンズ構成枚数 16群22枚
・画角 24.4° – 6.2°
・絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
・最小絞り F22 – 29
・最短撮影距離 112(ワイド端) – 160(テレ端)cm
・最大撮影倍率 1:4.1(400mm時)
・フィルターサイズ φ67mm
・最大径 × 長さ φ86.0mm × 197.2mm(Lマウント)φ86.0mm × 199.2mm(ソニーEマウント)
・質量 1,135g (Lマウント PROTECTIVE COVER PT-31を含む) 1,140g (ソニーEマウント PROTECTIVE COVER PT-31を含む)
・付属品 フード(LH770-05)、PROTECTIVE COVER PT-31
■引用:SIGMA HP
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryの対応マウントは、LマウントとソニーEマウントの2種類です。ミラーレス一眼カメラ専用設計とすることで光学性能に磨きをかけています。レンズ構成は16群22枚で、FLD1枚、SLD4枚を採用。クラス最高レベルの光学性能を誇ります。最短撮影距離がワイド端1.12m、テレ端1.6mと遠くの被写体から近くのものまで大きく写せます。うれしいのはそのサイズ感です。最大径86mm x 長さ197.2mmという大きさで、重さは1135gと手軽に持ち歩けるウエイトとなっています。カメラバッグに入れやすいスリムな鏡筒も魅力です。
使い勝手も良好!
「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」はスリムかつ軽量なので取り回しバツグンです。スポーツや航空機撮影などでも即座に対応できます。もちろん手ブレ補正機能の効きも優秀で、テレ端時でも被写体がピタッと静止したかのように捉えることができました。約4段分相当の性能を誇ります。
また、オートフォーカスの精度と速度も申し分ありません。最新アルゴリズムに最適化されたステッピングモーターによる制御は動体でも安心して撮影できます。カメラが持つ瞳AF機能などを活用し素早い動きに合わせて美しく被写体を撮影することが可能です。
鏡筒にはAFLボタン、フォーカスリミッターなどを装備し、レンズを支える左手で撮影を円滑に行える仕様になっています。ズーミングも特徴的で、回転式ズームと直進式ズームの両方が使えるデュアルアクションズームを搭載。こだわりの撮影をサポートしてくれます。オプションで用意されている三脚座TS-111を装着すれば、三脚使用も可能で、付属品にはLマウント専用となりますが、テレコンバーターも用意されています。x1.4 のTC-1411、x2のTC-2011がラインナップされており、装着するだけで焦点距離を一気に延ばすことができます。この拡張性は超望遠レンズファンにはうれしいですね。
作例
(作例撮影に使用したカメラは世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」と「SIGMA fp L」です。)
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryのワイド端100mmで歴史ある建造物を撮影しました。瓦の意匠や木で作られた壁面の様子を克明に写しとれました。ミラーレス一眼カメラ専用設計とすることで描写性能が高まっています。
次のカットはテレ端の400mmで撮影しました。ピタッとよく効くレンズ内手ブレ補正機能は、画面中心部に被写体を容易に捉えられます。もちろん400mmという超望遠域でも手ブレ知らずです。描写力もバツグンで、立体感とコントラストも高く優秀なレンズだということが伝わってきます。
100mm〜400mmのズームレンジがあれば、遠くの気になった被写体も手に取るように大きく撮影できます。このレンズはスリムかつ軽量で常時携行できるので、「!」と思った光景を手軽にクローズアップ可能です。
一般的な望遠ズームレンズは70-200mmや70-300mmとなりますが、100-400mmとなると望遠域での表現力は圧倒的で、スポーツや野鳥や野生動物、さらには風景撮影まで今まであと一歩届かなかった被写体を撮影する余裕があります。しかも今まで使っていたカメラバッグにもすんなり入るサイズ感。遠くのビル群を狙い、圧縮効果で迫力のあるカットになりました。
小型軽量かつスリムと言うことは、旅行に連れ出しやすいレンズだということです。このカットは大阪・伊丹空港の展望デッキから撮ったもので、飛行機を待っている間にサッと撮影できました。大きな前玉ではないので、ワイヤーのすき間から牽引される飛行機を写すことができ、地上で働く人々と機体のディテールが良好です。
同じく大阪・伊丹空港展望デッキからのカットです。着陸した飛行機から乗客が降りているシーンと、背景の街をうまく切り取ることができました。「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」のズームリングを操作して210mm相当で両者を入れ込めました。このレンズは2種類のズーミング操作が可能です。一般的なズームリングを回してのスタイルと、前玉部分を直進ズームレンズ的に伸長してのズーミングができるようになっています。被写体に応じて操作方法を変えられるところがいいですね。
「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」は軽量コンパクトで解像感も高く、オートフォーカスも高速で使いやすい超望遠ズームレンズと言えます。河川敷にあるグランドのスコアボードを撮りましたが、前ボケも後ボケも自然で美しく整っています。風景撮影でも大いに活躍すると考えます。
「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」は、簡易防塵防滴機能があるため、スポーツや野生動物撮影にも向いています。水辺での撮影や小雨の時でも安心のフィールドを選ばない長望遠ズームレンズは、強力な手ブレ補正機能と高速なオートフォーカス機能で、70-200mmクラスでは撮影できない領域を鮮明に写し撮ることが可能です。
「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」はワイド端の100mm付近も使いやすく、画面中央部から四隅まで安定した画質になっています。ポートレートや静物、風景やスナップショット撮影までオールランドにこなしてくれるレンズです。
まとめ
「ライトバズーカ」の愛称で親しまれた一眼レフ用の100-400mmを、ミラーレス一眼カメラ専用設計としてリニューアルした「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」。光学性能を向上させ、使い勝手とサイズ感をキープして、買いやすい価格のままという、フォトグラファーにとって魅力的な仕様となっています。このレンズがあれば、思い立った瞬間にどこにでも持って行けて、今まで手が届かなかった範囲の被写体をとらえることが可能になります。超望遠ズームレンズの世界に飛び込むのに最適なレンズになっていますよ。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。