超軽量 シグマ 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporaryを持って奥入瀬へ!
はじめに
次から次へと新しいレンズを発売するシグマが、またもや6月17日に16-28mm F2.8 DG DN | Contemporaryを発売しました。「これ、ズームレンズなの?」と思うほど小型で軽量の450g。これは旅向き、山向き、自然向きということで、このレンズを持って青森県の奥入瀬渓流に行ってきました。奥入瀬に行くなら、日本が誇る偉大な芸術家・岡本太郎氏の作品がロビーにドーンとある星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルに泊まらなくちゃ!ということでホテル内もパチクリしてきましたよ。
16mm側で撮る
広角側は一般的に被写体を広範囲で撮るレンズとして用いることが多いですが、私はどちらかというと被写体に近づくために使います。今回も奥入瀬の渓流添いにある巨木にグーッと近づいて、ドーンと撮ってみました。16mmですと、背景にある渓流の水面も入れることができました。また同じ色が重なるようなシーンでは、レンズ性能によるシャープさがものを言いますが、ここでは苔がびっしりと張り付いた根元や、幹に絡みつく葉の細かい部分などをきちんと正確に捉え、とても鮮明な描写に仕上がっています。
逆光でもフレアやゴーストが出にくい
広角で撮るとき、いつも気になるのは太陽の位置です。なぜならフレアやゴーストが出るからです。今回も渓流を歩いていると、上に向かってレンズを向ける機会がしばしばありました。しかしこのレンズ、まったくと言っていいほどフレアやゴーストが出ませんでした。さすがシグマには、ゴーストバスターズがレンズ開発部にいるという噂があるだけに、全くといっていいほど出ません。だから思い切りF11やF16に絞り込んで、光芒を楽しむ写真が撮れました。またシグマ独自のスーパーマルチレイヤーコートのおかげでもあるのでしょう。
28mm側で最短撮影距離にチャレンジ!
星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルに泊まると、ネイチャーガイドが案内する「国立公園プライベートツアー」があります。あまり知られていない奥入瀬の苔について学ぶことできるというではないですか。それは参加しないと!しかし、困った!レンズはマクロレンズではなく、16-28mmのズームしかない。28mm側でも撮れるのか苔!?ということで、チャレンジ。なんと最短撮影距離25cmで苔が撮れました。さらに苔に付いた水滴もシャープ!
歪みなしで気持ちいい~
岡本太郎氏の作品があるホテルのロビーやレストランのインテリアを撮影。素敵なホテルで脚立に乗って撮影なんて、ゲストの私にはできません(笑)。よって、少々見上げる形になるロビー写真ですが、周辺部の歪みもなく、光量落ちもありませんでした。めちゃくちゃ美味しいフレンチレストラン「Sonore(ソノール)」の内観を切り撮ると、ちょっと画家のアメデオ・モディリアーニ風の色調でいい感じです。縦線横線がきちんと出る広角レンズって気持ちいいですね。
インナーズームと、ずっと開放値F2.8が使える有難さ
28mm側でお料理撮影もしてみましたが、さすがに料理以外の周りも写ります。しかし、インナーズームのためお皿にカツンと当たることもなく、優雅に最短撮影距離25cmまで寄って撮影できました。アップで撮る料理撮影もよいですが、周りの雰囲気が感じられる料理撮影もおすすめです。また焦点距離を変えても、開放値が変わらずF2.8っていうのも魅力ですね。
まとめ
はじめにこのレンズ1本で奥入瀬に撮影に行くことは不安でしたが、それが吹っ飛ぶほどよく撮れるレンズでした。なんと言っても軽いので疲れないし、ホテル内でも自然の中でも全くもって問題なく、さらに出会った人もスナップ的に撮れました。さすがに遠くにいるカモシカや小さな鳥は撮れませんが、約6100万画素のカメラSIGMA fp Lでクロップして撮れば、普段の撮影もこれ1本でなんとかなるかもしれないと、深緑を眺めながら目論んでしまいうような楽しいレンズでした(笑)。
●協力:星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/oirasekeiryu/
■写真家:山口規子
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会理事