シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|より印象的に切り取る一本
はじめに
こんにちは、FPS24です。2021年9月24日にシグマから発売された「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、Iシリーズの中望遠レンズとして、焦点距離65mmに続きラインナップに加わりました。
実際に使用して感じる90mmの魅力は、画面を大きく整理して、より被写体を強調させた撮影が行いやすくなるという点でした。日常では見過ごしてしまうような被写体や風景でも90mmのレンズを使用することで、その存在をしっかり際立たせることができると思っています。
私たちが愛用している「SIGMA fp」にもバランスよくマッチします。Iシリーズ全般に言えることですが、日常でも非常に持ち歩きやすいコンパクトなサイズ感が魅力的です。そしてサイズだけでなく、高い光学性能も魅力的です。実際に自分で使ってみて、写真と動画の両方で表現の力強さを感じました。
今回は、私たちが引き込まれた「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」の魅力をご紹介します。
レンズのスペック
Iシリーズにラインナップされた「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は今までと同様に、繊細なこだわりが垣間見える外観が特徴的です。金属製のボディ、リングのローレット加工、操作の感触など、レンズ自体の質感を高めるために施された加工は細部にまで至ります。
レンズフードは大きく、しっかりとした印象です。外してみるとレンズのコンパクトなサイズが分かりやすいです。
最短撮影距離は50cm、最大撮影倍率が1:5となっています。近くのものを撮影するときにも、構図を絞ってしっかりと撮影ができます。
フィルターサイズはφ55mmで、Iシリーズの「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」と同じフィルターサイズになっています。この3本のレンズで広角、標準、中望遠と使い分けができて、一緒に持ち運ぶ際にもフィルターなどが共通で使えて非常に便利です。
「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」で写す風景
SIGMA fpと90mm F2.8 DG DN | Contemporaryで撮影した動画をまとめてみました。中望遠だけで綴る動画もなかなか悪くありません。
私たちはこれまで広角レンズを使う機会が多く、中望遠から望遠までのレンズはなかなか馴染みがありませんでした。そんな私たちにとって90mmという焦点距離は新鮮で、いつもとは異なる感覚で被写体を探しながら散策できる面白さがありました。
早朝、森の中を歩きました。ひんやりとした空気の森の中を歩くと、とても気持ち良くリフレッシュできます。そして少し険しいトレッキングコースでも、レンズのコンパクトなサイズのおかげで気兼ねなく持ち歩くことができます。両手を空けておきたい時にはバックパックの隙間に入れておけるので、このサイズには重宝しました。
道から少し離れた距離感の景色でも、焦点距離90mmを活かして撮影を楽しむ事ができます。
木に生えた苔が木漏れ日で優しく照らされていました。朝露で濡れたしっとりとした雰囲気も写真に収めることができました。地面ではなく木の根からも新たな葉っぱが次々と生えているのは、自然の力強さを感じます。
普段の歩き方だと見過ごしてしまうような景色も、「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」を持っているとついシャッターを切ってしまいます。
このレンズを持ってからは、遠くのものを撮ることも楽しくなりました。90mmで撮ると、街並みの背後にある山々や雲はより一層力強さが増します。
山の描写はもちろん立体感があり、遠くからでも稜線や形が綺麗に分かります。さらに、電線や鉄塔のディティールもかなり緻密に描写されています。
飛行機の窓から撮るのも面白い使い方だと思いました。コンパクトなレンズボディは機内でも邪魔にならず、90mmの焦点距離を活かして街並みをアップで撮ることができます。
普段何気なく使っている道路や建物でも、上から見ると思わぬ発見があるかもしれません。撮った写真を後で拡大して見てみるのも楽しみの一つです。日常では見ることのない角度から街を切り取って楽しめるのは、このレンズで味わえる面白さだと感じました。
被写体を引き立たせてくれるのは中望遠レンズならではの魅力です。背景のボケも美しく、より立体感が出ています。上の写真の場面では被写体との距離が少しありましたが、離れていても服の生地の肌触りが分かるほどの描写力も強みですね。
軒下に吊るされていた沢山の玉ねぎ。大きくて美味しそうです。こういった光景は都心ではあまり見かけないので、不思議な感覚で眺めてしまいます。
建物と建物の間の道を行く人。先に見える明るい空間に歩く姿に惹かれました。この辺は細い道が多く入り組んでいたので、スマホで道を確認しつつ歩かないと迷子になってしまうほどでした。
暗がりが多いような場面でも光を捉えてしっかり安定した写りになっています。実は屋根と屋根の間に蜘蛛の巣があり、それも描写されていたのには改めて驚かされます。
この季節にはありがたい囲炉裏です。炭火で体が温まるのはもちろん、お湯を沸かしたり、鍋で料理を作ったりすることが出来ます。炭火のじんわりとした暖かさが写真からも伝わってくる気がします。
「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、ピンポイントに意図した構図で、伝えたいものをしっかりと撮るような撮影に向いていると感じました。
まとめ
「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」はそのコンパクトなサイズとビルドクオリティが印象的なレンズです。しかし他のレンズと同様に光学性能も決して妥協しておらず、細部に至るまで緻密に描写できる性能を持っています。さらに同時発売された「24mm F2 DG DN | Contemporary」や、コンパクトな他のIシリーズのレンズと一緒に持ち歩くと、メリハリのある写真や映像を残すことができます。特に動画を撮影する場合には、画角の変化がより楽しめるのではないでしょうか。
取り回しの良いコンパクトな中望遠レンズなので、日々持ち歩いているレンズに「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」をプラスして出かけるという選択も気軽にできます。写真や映像を撮る上での選択肢を広げてくれるのが、このレンズの魅力だと思います。
最後に、今回ご紹介した「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」と同時発売の「24mm F2 DG DN | Contemporary」はFPS24のYouTubeチャンネルでもご紹介させていただいております。映像に焦点をあててご紹介しておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひこちらもご覧ください!
■執筆者:FPS24
2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。
「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介中
■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生
https://www.kitamura.jp/shasha/sigma/90mm-f2-8-dg-dn-contemporary-3-20210924/
■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary × 旅|山口規子
https://www.kitamura.jp/shasha/article/483892659/