シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生
掌にスッポリ収まる!小さい中望遠レンズ降臨
驚きの小ささと軽さの「90mm」がシグマから誕生しました。シグマの創立60周年記念日に「24mm F2 DG DN | Contemporary」とともに発表された、この「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、300gを切るライトウェイトで、世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」にピッタリ!
この90mm F2.8 DG DN | Contemporaryはシグマ・グローバル・ビジョン(SGV)の「Contemporary」ラインに属します。その中で最近ひときわ注目されている「プレミアムコンパクトプライム」として名高い「Iシリーズ」の1本になります。このIシリーズは同時発表の24mm F2 DG DN | Contemporaryと合わせて計6本のラインナップになり、広角から望遠までIシリーズだけでも撮影が楽しめるような構成に成長してきました。今後もレンズを拡充するようなので期待したいですね!
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの特徴
掌に収まる可愛らしいサイズ感ながら、90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの写りはなかなかのもの。そのスペックを見てきましょう。レンズ構成枚数は10群11枚で、シグマ最新の光学技術をふんだんに盛り込み、SLDガラス5枚を含むレンズ群で、カメラ側で補正できない軸上色収差を抑制しています。加えて、カメラ側の光学補正機能を利用することによって、レンズ単体を小さく軽くすることに成功しているのです。
さらに、高精度グラスモールド非球面レンズによって高い解像感とボケ味の美しさを両立しています。その高精度グラスモールド非球面レンズは、金型の表面を±5ナノメートル(0.000005ミリメートル)以下の精度で管理した高精度金型を採用。シグマ会津工場の技術力が光っていますね。絞り開放からガンガンと使っていけるレンズになっています。
90mm F2.8 DG DN | ContemporaryはIシリーズのレンズ。ということは「フルメタルジャケット」ということです。金属製の外装は高いビルドクオリティで精緻に組み上げられ、操作する楽しみを演出する絞りリングを装備。高品位なローレット加工を施したメタル製フードを標準装備と「SIGMA CINE LENS」のDNAを感じられる工芸品とも言える仕上がりになっているのです。撮るだけでなく、使い心地も絶品で、装着するだけで撮影気分を高めてくれる中望遠レンズだと言えます。
ブラブラスナップ実写!
90mmという画角は新鮮です。ポートレートで使う85mmよりやや長く、105mmよりわずかに短いからです。ブラブラと街中を撮り歩きましたが、片側1車線道路の反対側をやや斜め方向から撮るとシックリきました。オートフォーカスもキビキビとしていて、散策がてらの撮影で活躍してくれました。
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryは中望遠レンズに属する焦点距離ですが、このように遠近感を圧縮した効果を演出することが可能です。街並みや木々など、印象深い絵作りを楽しむことができますね。
90mmという画角をうまく使いこなすには、視線をレンズに合わせてやや遠くに持つことです。そしてちょっと先を予測して歩きましょう。するとなぜかちょうどいい光景が目の前に展開されるはずです。90mm F2.8 DG DN | Contemporaryは機敏に撮影者の動きに反応してくれます。
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryは被写体に寄れて、ボケが非常に美しいのが特徴です。前後とも豊かで整ったボケ感が何とも言えませんね。「ラジオ」の文字にフォーカスしましたが、自転車のライトとハンドル、そして後輪あたりのシルキーなボケがとてもキレイではないですか!
とあるお店のフラッグと影がキレイだったので、90mm F2.8 DG DN | Contemporaryをチョイ絞りで。キリリとしたコントラストと、鮮やかな発色、そして壁面のディテール描写が見た目以上にキャプチャーできました。このレンズ、なかなかやりますね。
90mm F2.8 DG DN | ContemporaryのF2.8という開放F値は薄暗いシーンでもイケます。古民家のかまどを狙いましたが、わずかに絞ってシャープさを出してみました。すり減った木製のふたが実に鮮明に写しとれました。ポートレート撮影でも活躍するに違いありません。
夏の名残がキツい日のとある県の駅前です。木に設けられた噴射機からミストが放出されていました。90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの解像力は素晴らしく、その水粒を克明に描き出しました。フレームに入った太陽の、イヤなフレアやゴーストの発生もありません。
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの最短撮影距離は50cm。テレマクロ的な使い方ができるので多くのシーンで活躍できそうです。このカットは山梨の渓谷で撮ったものですが、道標の風雨にさらされたテクスチャーをリアルに撮ることができました。
小さく軽く寄れる90mm F2.8 DG DN | Contemporary。カメラバッグにスルリと忍ばせておくと、ちょっとしたシャッターチャンスに大いに役立つことでしょう。このシーンでは十五夜のお供え物をクローズアップで撮影できました。プライスもお手頃なので、愛機の新レンズとして迎えるのもオススメです。
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの主要諸元
レンズ構成枚数:10群11枚
画角:27.0°
絞り羽根枚数:9枚 (円形絞り)
最小絞り:F22
最短撮影距離:50cm
最大撮影倍率:1:5
フィルターサイズ:φ55mm
最大径 × 長さ:L マウント φ64mm × 59.7mm
ソニー E マウント φ64mm × 61.7mm
※ 長さはレンズ先端からマウント面までの距離です。
質量:L マウント 295g
ソニー E マウント 295g
エディションナンバー:C021
付属品:マグネット式メタルキャップ(LCF55-01M)、フード(LH576-02)
まとめ
お手頃価格かつとても小さくて軽く、しかも近接撮影もできる中望遠「SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary」。これはスナップから風景、ポートレートや静物撮影までオールラウンドに役立つレンズになっています。F2.8という手頃な明るさも魅力で、美しいボケ味を堪能できるレンズです。小さなボディのSIGMA fpやα7Cにピッタリのサイズ感がうれしいですね。装着したルックスもさすがは”Iシリーズ”なのでとても決まります。キタムラの店頭で要チェックな1本となっています。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。