今イチバン映えるミラーレスカメラ「シグマ BF」

三井公一
今イチバン映えるミラーレスカメラ「シグマ BF」

新し物好きが注目の「シグマ BF」

CP+2025 直前に突如として発表され、写真・カメラファンだけでなく、ガジェットマニアの間で話題が持ちきりとなった「シグマ BF」。
Lマウント採用のフルサイズミラーレス一眼カメラです。
その独特でシグマらしいルックスは、CP+2025 会場となったパシフィコ横浜のシグマブースに、多くの人々を集めたことは記憶に新しいでしょう。シルバーとブラックのユニークな形状のボディは、持ち歩くだけで注目を集める仕上がりになっています。

「シグマ BF」の特徴

このカメラの特徴は何といっても外観デザインでしょう。アルミのインゴットから7時間かけて削り出したそのフォルムは他のカメラとは一線を画したルックスです。シンプルかつソリッドな形状はまるでテスラのサイバートラックのようですね。

ボディはエッジが立っていて、握ると手にダイレクトな感触が伝わってきますが、それが「シグマ BF」を持っているんだ、という気にさせてくれます。

操作系も独特になっています。ダイヤルと3つのボタンだけで構成されており、スマートフォンのような触覚フィードバックが新しいです。
メニュー操作は言葉で説明すると難しいので、シグマ公式のYouTubeをご覧ください。慣れれば設定や露出補正などが簡単に行えることでしょう。

▼SIGMA BF 操作方法【1.撮影編】

▼SIGMA BF 操作方法【2.再生編】

▼SIGMA BF 操作方法【3.設定編】

メモリーカードスロットはなく、内蔵されている230GBのメモリーに撮影結果を記録するようになっています。USB type-C ケーブルを使ってパソコンやスマートフォンにデータをすばやく転送可能です。6K のムービー(L-Log にも対応)も撮影でき、高速でスムーズに収録可能です。

新しいカラーモードも搭載

「SIGMA fp」シリーズのように豊富なカラーモードも搭載されています。中でも新しいリッチ、カーム、709ルックには注目です。写りはどれもこのように印象的ですよ。

スタンダード
カーム

リッチ

709ルック

FOVクラシックイエロー

FOVクラシックブルー

ウォームゴールド

サンセットレッド

シネマ

ティールアンドオレンジ

パウダーブルー

フォレストグリーン

「シグマ BF」でブラブラ実写スナップ!

写りは約2400万画素の「SIGMA fp」と同等ですが、オートフォーカスをはじめとした動作スピードが速く、同社のカメラとは思えないほどキビキビしています。独特の操作体系に慣れさえすれば、リズム感よくスナップショット撮影が楽しめますよ。

■撮影機材:シグマ BF + 45mm F2.8 DG Contemporary
■撮影環境:1/3200秒 f/2.8 ISO400

「シグマ BF」はボディが角張っているので長時間ホールドするにはやや大変ですが、おしゃれなバッグからサッと取り出して撮影するのは苦ではありません。何といっても高速な動作スピードなのですから。オートフォーカスもシグマらしくなく速くて正確です。

■撮影機材:シグマ BF + 45mm F2.8 DG Contemporary
■撮影環境:1/2000秒 f/5.6 ISO400

神田川を航行してくる船にも正確にフォーカシングし続けてくれました。今までの同社のカメラでは考えられない精度です。これには驚かされました。

■撮影機材:シグマ BF + 35mm F2 DG Contemporary
■撮影環境:1/1000秒 f/8 ISO400

描写性能は「SIGMA fp」と同等となりますが、比較するとやや線が太く暖色系に色が転ぶ傾向があります。約2400万画素というスペックは十分で、さまざまなシチュエーションをしっかりと捉えることが可能でしょう。

■撮影機材:シグマ BF + 45mm F2.8 DG Contemporary
■撮影環境:1/6400秒 f/2.8 ISO400

シャッターボタンを半押し中に背面ダイヤルを操作すると露出補正ができたり、そっと再生ボタンに触れるとプレビューできるところなど、スナップシューターとして使いやすい設計になっています。ディスプレイをタッチしてのフォーカスも使いやすく感じました。

■撮影機材:シグマ BF + 35mm F2 DG Contemporary
■撮影環境:1/1600秒 f/8 ISO400

このカメラは拡張性が皆無です。外付けのEVFなどは用意されていません。快晴の日中では最大輝度にしてもややディスプレイが見づらいと感じました。このようなシチュエーションではフレーミングに集中することが求められます。

■撮影機材:シグマ BF + 45mm F2.8 DG Contemporary
■撮影環境:1/250秒 f/5.6 ISO400

ボディ本体にストラップホールは1カ所しか設けられていません。シャッターボタンサイドにあるだけなので、右手首からブラブラと提げるスタイルが似合いそうです。街を闊歩しながら気軽に目についたものを収集していくという撮影に向いていそうです。

■撮影機材:シグマ BF + 50mm F2 DG Contemporary
■撮影環境:1/500秒 f/8 ISO400

「シグマ BF」は単焦点レンズが似合います。あまり大きなレンズはアンバランスになってしまいます。やはりマッチするのは、今回同時に発表された9本のシグマの「Iシリーズ」でしょう。ロゴが一新されシルバーも登場しました。このカットの50mmはF2ということもありサイズ感も良好です。写りも自然でいいですね。

■撮影機材:シグマ BF + 50mm F2 DG Contemporary
■撮影環境:1/640秒 f/3.5 ISO400

外国人観光客で賑わう寺社でのカットです。「シグマ BF」のオートフォーカスはスッと中央の2人に合焦してくれました。今までのシグマ機と違ってスナップショットがとても快適です。濃厚な発色も「シグマ BF」の特徴ですね。

■撮影機材:シグマ BF + 50mm F2 DG Contemporary
■撮影環境:1/8秒 f/8 ISO2000

高感度特性もまずまずです。ボディ内手ブレ補正機能はありませんが、しっかりと「シグマ BF」をホールドして優しくシャッターを押せば、高感度 + スローシャッターで低照度下の撮影も楽しめますよ。

■撮影機材:シグマ BF + 50mm F2 DG Contemporary
■撮影環境:1/100秒 f/2 ISO1600

夜間の撮影は本当に楽しいですね。ただ「シグマ BF」は電子シャッターのみなので、動体の歪みと、フリッカーには注意が必要です。「SIGMA fp」シリーズで鍛えられたシグマファンならば問題ないですが、はじめて「シグマ BF」を使うユーザーは気をつけたいところですね。

「シグマ BF」のスペック

記録メディア:内蔵メモリー(約230GB)、USBストレージ(バックアップ対応)
レンズマウント:Lマウント
撮像素子:35mmフルサイズ(35.9mm×23.9mm)裏面照射型CMOSセンサー
カメラ有効画素数 / 総画素数:約2460万画素/約2530万画素

被写体検出(人物+動物、人物、動物)、AF+MF、常時AF+MF、MF拡大(全画面x2/x4/x8)、フォーカスピーキング、フォーカスリング制御(リニア、ノンリニア)

カラーモード13種:スタンダード、リッチ、カーム、パウダーブルー、ウォームゴールド、ティールアンドオレンジ、FOVクラシックブルー、 FOVクラシックイエロー、フォレストグリーン、サンセットレッド、シネマ、709ルック、モノクローム

インターフェイス:USB Type-C USB 10Gbps(USB 3.2)準拠(マスストレージ、UVC、UAC、外部映像出力、充電/給電)
静止画撮影可能枚数:約260枚
連続動画撮影可能時間:約60分
外形寸法(幅×高さ×奥行):約130.1×72.8×36.8mm
質量:約446g(バッテリーを含む)、約388g(本体のみ)
付属品:ポーチ、Li-ionバッテリーパック BP-81、メタルボディキャップ(ブラック/シルバー)

「シグマ BF」のまとめ

ユニークかつクールで、まるでアクセサリーのような「シグマ BF」。新色のレンズも9本登場したのでセットで飾りたくなってしまうカメラですね。

アクセサリー感覚で持ち歩くのでなく、ガンガン撮影したい、という人は複数の予備バッテリーを用意することをオススメします。1日、スチルもムービーも真剣に撮るのであれば3本は必要でしょう。

写りも「SIGMA fp」と同等で、動作スピードはシグマ史上最も高速で快適になっています。他メーカーの機種と遜色ない使用感が得られることでしょう。
街中をスナップショット撮影で歩くとき、きっと多くの人の注目を浴びるに違いありません。

 

 

■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆、セミナーなどで活躍中。さまざまな企業のイメージ撮影や、ポートレート撮影、公式インスタグラムの撮影などを多く手がける。スマートフォン撮影のパイオニアとしても活動中。

 

関連記事

人気記事