森の中の風景写真の楽しみ方|齋藤朱門
- はじめに
- 森の風景写真を撮る
- 撮影場所と天候
- 撮影機材と撮影テクニック
- さいごに
- 齋藤朱門さんの撮影テクニック連載記事はこちら ・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html ・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html ・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html ・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html ・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html ・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html ・標準レンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485888321.html ・広角レンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/486245114.html 霧と雲海の風景写真の楽しみ方|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/488102555.html ■写真家:齋藤朱門 宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。 この記事に使用した機材 【ソニー】α7R IV ボディ 商品詳細ページ 【ソニー】α7R III ボディ 商品詳細ページ 【フジフイルム】GFX 100S ボディ 商品詳細ページ 【ソニー】FE 16-35mm F2.8 GM 商品詳細ページ 【ソニー】FE 24-105mm F4 G OSS 商品詳細ページ 【カールツァイス】ZEISS Batis 2/40 CF E-mount 商品詳細ページ 【フジフイルム】GF45-100mm F4 R LM OIS WR 商品詳細ページ 【コシナ】フォクトレンダー NOKTON 35mm F1.2 Aspherical SE ソニーFE用 商品詳細ページ
- この記事に使用した機材
はじめに
今回は、筆者が普段撮っている風景写真の中から森や木々を撮影した写真と、その撮影方法などについて紹介したいと思います。最近は、国際的な風景写真のフォトコンテスト等でも森の写真が上位に入ることが多くなった影響もあるのか、国内外問わず、森、特に巨木の人気がかなりあるように思います。
日本の場合は全国に様々な森が点在していることもあって、魅力的な撮影地も多く、多くの地域で楽しむことができる撮影テーマなのではないでしょうか。
森の風景写真を撮る
筆者の場合、最近多く見るようになった巨木がメインとなるシーンを撮ることはあまりなく、どちらかというと多くの木々が自然に創り出す、ある種の自然のパターンのようなものに惹かれて撮ることが多いように思います。機会があれば、ダイナミックなアセビやブナの巨木も撮影してみたいと思います。
それでは過去に筆者が撮影した森や木々の作例をいくつか紹介したいと思います。
この2つはどちらも有名な苔の森で撮影した写真です。美しい苔が広がり、そこに居るだけでマイナスイオンをたっぷり感じられる心地良い森ですが、特に霧が出るとさらに幻想的な雰囲気になります。
2つ目の作例は、もともと下見くらいの気持ちで軽く散策していたところ、急に霧が出てきたこともあり、手持ちで撮影しています。そのためISO感度をかなり高くする必要がありました。後述しますが、特に薄暗い森ではなるべく三脚を持っていくと良いでしょう。
次は紅葉の時期の森の作例です。
長野県の白樺で有名な八千穂高原で撮影した一枚。道路脇に広がる白樺の森は一年を通して撮影を楽しむことができますが、紅葉の時期は特に美しい景色を見せてくれます。
筆者が一年の中で一番好きなのが紅葉の時期の森かもしれません。色とりどりの葉のコントラストが美しく、また地域によって撮影時期や植生も異なるので、さまざまな楽しみ方がありますね。
これは紅葉の時期の八甲田山周辺で撮影した一枚。森の中に少し変わった形の木を見つけ、やや遠くから抜く感じで撮影しました。
次は冬の森の作例です。
冬は一面が白の世界になり、様々な雪景色を撮ることができると思いますが、筆者の場合、冬の森、木々の写真といえば、カラマツを真っ先に思いつきます。望遠レンズで遠くの白く染まったカラマツの整然とした美しいパターンを探すのも楽しいと思います。2つ目は雪深い地域としても有名な福島県の裏磐梯で撮影した一枚。冬でも霧があることで独特の雰囲気の森になります。
撮影場所と天候
冒頭でも触れましたが、森や林がある場所はいたるところにあるので、撮影場所は豊富にあります。たとえば、苔の森も有名な場所以外にも、あまり知られてない登山道に苔が生えていたり、探しはじめると意外な場所にお気に入りの森が見つかることもあると思います。
他に森や林の撮影場所としては、野花の群生地があります。タイミングが合えば、その時期にしか撮れない森の風景を撮ることができるはずです。
森の撮影に適した天候ですが、霧が発生したり、少し弱い雨で靄が発生しているような時が個人的には好みですが、もちろん晴天の場合でも、早朝や夕方のやわらかい光が差し込む瞬間に美しい写真が撮れると思います。
霧がある場合は、奥行き感がより強調されやすく、また余計な背景を隠してくれることもあり、普段とは全く違った表情になることが多いですね。
これを撮影したときは、雨や雹が降っているような悪天候でしたが、しっとりと濡れた紅葉が印象的な一枚になりました。
この作例は非常に稀ですが、夕日の光によってこのような瞬間に出会えることもあるかもしれません。
撮影機材と撮影テクニック
森での撮影の場合も基本的に通常の風景撮影と同様にカメラ・レンズ・三脚があれば撮影できます。時間帯的に薄暗くなる場合も多いので、その場合はどうしても三脚が必須となってきますが、明るい場所では散策しながら手持ちで様々な構図で撮るのもおすすめです。また、レンズは標準域の焦点距離がカバーできていると比較的撮影しやすいと思いますので、24-105mmなどの標準ズームレンズがあると便利だと思います。
さいごに
今回は筆者なりの森や木々のある風景写真と撮影方法をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。普段なにげなく見ているような森でも時間帯や天候によっては、いつもと違った雰囲気の風景が広がっている場合がありますので、狙って撮影してみるのも面白いと思います。森や木々の風景撮影をする機会があれば、是非この記事の内容も参考にしていただけると嬉しいです。
齋藤朱門さんの撮影テクニック連載記事はこちら
・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html
・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html
・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html
・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html
・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html
・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
・標準レンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485888321.html
・広角レンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/486245114.html
霧と雲海の風景写真の楽しみ方|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/488102555.html
■写真家:齋藤朱門
宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。