ソニー FE 24-70mm F2.8 GM II レビュー|大三元レンズで撮るポートレート 村上雅喜

村上雅喜
ソニー FE 24-70mm F2.8 GM II レビュー|大三元レンズで撮るポートレート 村上雅喜

はじめに

今回紹介するレンズはソニー FE 24-70mm F2.8 GM IIというレンズです。24-70mm F2.8という焦点距離とF値のレンズは、興味を持って調べているとたくさん出てくるレンズだと思います。SONYだけに限らず、各社ズーム全域でF2.8通しのレンズを広角・標準・望遠の3種類発売していることから、通称「大三元レンズ」と呼ばれています。

FE 24-70mm F2.8 GM IIについて

FE 24-70mm F2.8 GM IIは「大三元レンズ」の標準域を担うレンズです。「はじめに」にも書きましたが、この標準域レンズは各社が発売しており、プロのカメラマンも使用することから、どのレンズも非常に力が入っています。メーカーの技術を注ぎ込んだレンズであると言っても過言ではないかもしれません。

そんな24-70mm F2.8というレンズ。贅沢なことにSONYのEマウントでは複数の選択肢があります。今回ご紹介するSONY社純正に限らず、SIGMA社・SAMYANG社、さらには焦点距離の近いレンズも含めるとTAMRON社などもあるのです。

その中でFE 24-70mm F2.8 GM IIを選ぶ理由は何か。レンズに求めるものは人それぞれですが、まず最高峰の写りを求める方が多いのではないでしょうか。このレンズの発売日は2022年6月で比較的新しい光学設計であることと、「大三元レンズ」24-70mm F2.8という立場。この2点で写りは保証されると思って良いでしょう。

また、レンズのサイズも重視される点ではないでしょうか。SIGMA社は835g、SAMYANG社は1,027gに対して、本レンズFE 24-70mm GM IIは695g。これはCanon社、NIKON社など、Eマウントではないメーカーと比較しても最軽量の数字です。長さも119.9mmと、とてもコンパクト。軽量、小型に魅力を感じる方も少なくないはずです。

その他にも絞りリング、ズームリングの操作感を切り替えるスイッチなども付いており、操作の面でも使いやすく、非常に完成度の高いレンズになっているのではないでしょうか。

次項からはFE 24-70mm F2.8 GM IIを使用して撮影した私の写真を紹介させていただきます。

FE 24-70mm F2.8 GM IIの作例

■撮影機材:SONY α7S III + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:ISO:100 24mm F2.8 1/2000s

満開の桜と春の青空を24mmの広角を生かして見上げるように撮ってみました。光を浴びた淡い色の桜と、青空の色味も好みの1枚です。

■撮影機材:SONY α7S III + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:ISO:6400 24mm F2.8 2.5s

夏の天の川を24mmの広角とF2.8の明るさを生かして撮りました。真っ暗な場所でシャッタースピードも遅く、モデルさんの頑張りで3秒ほど止まってもらったりもしていますが、24mmとF2.8のレンズの性能が無ければ撮るのが難しかった写真なのではと思います。

■撮影機材:SONY α7S III + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:ISO:100 30mm F4.0 1/250s

日没後の空が、夕焼けから夜になるグラデーションの時間に撮った1枚です。この時間帯が私は大好きでよく写真を撮らせてもらうのですが、そんな時も広角から使えてF値も明るいこのレンズを重宝しています。ズームができて画角の微調整ができるのも大きなメリットです。

■撮影機材:SONY α7 IV + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:ISO:320 31mm F4.5 1/160s

こちらは日没前、空と海の色の変化がとても印象的な時間に撮った写真です。非常に人気のある場所で、好きな時に好きな位置から写真を撮れるわけではないので、この時もズームが役にたちました。広めに撮っておいて後でトリミングするという手もありますが、あらかじめ画角を整理し手間を省くことができるのも強みだと思います。

■撮影機材:SONY α7S III + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:ISO:100 34mm F5.0 1/1250s

水平線の向こうの雲から朝日が出た時の写真です。朝日が写真に入り強烈な逆光でしたが、少しゴーストが見られたぐらいで写真全体としては個人的には問題無い1枚になりました。これも性能を追求したレンズの逆光時の性能の高さが助けになりました。逆光時にも困ることなく写真が撮れるのは非常にありがたいです。

■撮影機材:SONY α7S III + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:ISO:100 35mm F4.0 1/250s

こちらは河津桜という早咲きの桜を撮った写真です。足元の雑草が少し気になったのであえて足元は写さず、その分桜を広く撮ってみました。桜が綺麗に咲く場所というのは人気があり、多くの人が行き交う場です。周囲の人を写さず、写真に入れたくない部分を切り取る。この作業をこのレンズであれば難なくこなすことができます。

■撮影機材:SONY α7 IV + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:ISO:100 50mm F4.0 1/1000s

5枚目の写真では朝日を撮りましたが、今回は夕陽の写真です。朝日の写真とは違い、太陽自体は写真に写っていませんが海の光の反射はとても強く眩しいものでした。ですが、朝日の写真と同様にゴーストの写りは少なく、逆光時の性能の高さを改めて確認した1枚です。

■撮影機材:SONY α7S III + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:ISO:100 70mm F2.8 1/160s

水面の波紋をとても美しく撮ることができた1枚です。水の揺らぎを綺麗に写せただけでなく、水面に映る空の色と雲の形まで写すことができました。空を映した水面のグラデーションもお気に入りで、レンズの性能の高さを感じました。

■撮影機材:SONY α7 IV + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:ISO:100 70mm F8.0 1/500s

夏らしい大きな入道雲を撮った1枚です。70mmの望遠側で遠くにある雲を大きく見せるように撮りました。夏の青空と雲のもくもくした形をイメージ通りに写すことができました。24mmの広角側ではこうは撮れなかったと思うので、やはり使いやすく便利なレンズであると思いました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。明るい時間から夕方、夜の写真まで時間帯を問わず、焦点距離こそ変化しているものの構図自体は似たような写真が多く、どのような場所であっても安定して自分が好きな構図で写真を撮ることができ、私の用途ではこれ1本でなんでも撮れてしまう性能のレンズとなっています。

持って出かけるレンズに迷った時、荷物を増やしたくない時などこのレンズを持っていれば解決する場面が多くあると思います。また、レンズのアップグレードや便利なズームレンズが欲しいけど写りも妥協したくないといったステップアップを望む方、利便性と描写の両立を望む方への最適なレンズとなるのではないでしょうか。

このレンズが気になっている、購入を迷っているという方の参考になれば幸いです。

 

 

■写真家:村上雅喜
岡山県在住。地元の岡山を中心に隣県の香川や兵庫などで瀬戸内の写真を撮る。その時にしかない風景や、どこにでもありそうな場所が光によって特別な場所に変わる、その瞬間を探してカメラを握る

 

 

関連記事

人気記事