ソニー FE 300mm F2.8 GM OSS レビュー|手持ちで使える衝撃的な軽さのサンニッパ

山田芳文
ソニー FE 300mm F2.8 GM OSS レビュー|手持ちで使える衝撃的な軽さのサンニッパ

はじめに

2024年2月に発売されたソニー FE 300mm F2.8 GM OSSは、個人的に非常に気にいった超望遠単焦点レンズであり、野鳥など動きものの撮影を楽しんでいるたくさんの人にお試しいただきたいレンズです。実際に私も日頃から愛用しており、描写性能と使い勝手の良さもあって使用頻度の高いレンズとなりました。

今回も野鳥撮影を通してFE 300mm F2.8 GM OSSをレビューしていこうと思います。

軽量で取り回しが良く手持ちで活用

焦点距離が300mmで開放がF2.8のレンズとは思えないぐらい軽く、はじめて手にとった時は衝撃で「軽っ」と声に出してしまったほどです。もう30年近く前にサンニッパを使っていたのですが、あの時のサンニッパはいったい何だったのかと思ってしまうほど軽くなりました。

製品のスペック表を見ると、FE 300mm F2.8 GM OSSの質量は1470gとあります。初代のFE 70-200mm F2.8 GM OSSが1480gですから、なんと10g軽いのです!(ちなみに現行のFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは1045gです)
※上記質量はいずれも三脚座別

このクラスの超望遠レンズとしては驚異的な軽さですよね。αシリーズのAF性能は定評があるので、軽量のこのレンズと組み合わせて、手持ちで飛んでいる鳥を撮影してみてはいかがでしょうか。以下2点、手持ちで撮影したコハクチョウとユリカモメをご覧ください。

シャッタースピードを1/3200秒の高速にして手持ちでコハクチョウを写し止めた。それなりに長い時間撮影を続けていたが、レンズが軽量のため身体的な負担はほとんど感じなかった。
■使用機材:SONY α9 III + FE 300mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F5.6 1/3200秒 ISO250
「ユリカモメは都会でも暮らしています」ということを伝えるために、背景が建物になるところでスタンバイしてユリカモメが飛んでくるのを待った。こちらに向かってユリカモメが飛んできたが、α9 IIIのAFの追従性能とこのレンズのAFスピードが相まって楽勝で撮影することができた。
■使用機材:SONY α9 III + FE 300mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F4 1/4000秒 ISO640

シャープとボケ

あまりにも軽いレンズなのでそこにばかり注目しがちになりますが、解像力も極めて良好です。ピントを合わせたところがシャープに像を結ぶのはもちろん、フォーカスポイントからはなれたところのボケも柔らかく滑らかで、GマスターらしいGマスターといえるのではないでしょうか。さすがは最高峰レンズという抜群の描写性能を体感することができます。

以下、解像力とボケを検証するために撮影したカットをご覧ください。

このレンズと5000万画素以上あるカメラボディを組み合わせることで、ボディ側の解像性能についてくることができるのかどうかをバンでテストした。レンズの解像力とボディの5000万画素オーバーの解像度、ローパスフィルターレス仕様のクリアな解像感のそれぞれが作用しあって、これ以上はないのではというぐらいの満足できる結果となった。
■使用機材:SONY α1 + FE 300mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO400
アオサギが毛繕いしているシーン。毛繕い中は目に瞬膜をはることが多いので、その瞬間を狙って撮影した。拡大画像を見ると、瞬膜がよくわかるほどくっきりはっきりと解像している。
■使用機材:SONY α1 + FE 300mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F2.8 1/2000秒 ISO200
上の画像の白枠でトリミング
水を飲みにきたムクドリ。前ボケが柔らかいかどうかチェックするために、カメラ位置を低くして画面左手前にグリーンの前ボケを入れたが、自然な感じで柔らかなボケとなった。
■使用機材:SONY α9 III + FE 300mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F4 1/1000秒 ISO1000

鳥がいる風景として撮影

鳥の周囲の風景や環境も含めてまるっと表現することが「鳥がいる風景」と呼ぶならば、300mmという画角は決して広くはないので、風景的に撮影するには撮影距離が肝となります。24-70mmズームや70-200mmズームで風景的に鳥を撮影する時とは、カメラ位置から鳥までの距離感や画面のさばき方、被写界深度のコントロールが異なってきますが、反復練習を繰り返すことで、300mmでも風景的に撮影することが可能となります。

以下3点、300mmで鳥を風景的に撮影したカットをご覧ください。

獲物を見つけたモズが獲物にアタックする直前のシーン。撮影距離に余裕を持つことで、モズを小さく写した。300mmは画角が広くないので、主役の位置は大胆に右上に寄せ、左側のスペースに余裕があるように見せている。
■使用機材:SONY α9 III + FE 300mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO500
ルリビタキの上のスペースにゆとりを待たせるために、主役は下の方に配置した。遠くにある木が、木であることが想像できるように、被写界深度が浅くなり過ぎないようにした。
■使用機材:SONY α1 II + FE 300mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F5.6 1/60秒 ISO500
300mmで風景的に撮影する時は通常、被写界深度が浅くなり過ぎないようにしているが、このカットはあえて深度を浅くして、ルリビタキがどのようなところで暮らしているのか想像してもらう写真とした。画面が窮屈に感じないように主役は大胆に左下に寄せて、右側のスペースを確保している。
■使用機材:SONY α1 II + FE 300mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F4 1/125秒 ISO200

2×テレコンをつけて600mm相当で使用

テレコンバーターをこのレンズと組み合わせて使う前までは、正直テレコンに対しては負のイメージがありました。色が滲んで、AFが遅くなるという昔のテレコンのイメージが頭にこびりついていたのかもしれません。

このレンズと組み合わせてテレコンを使うと、解像力の低下やAFスピードが遅くなるといったことはほとんど感じられず、「サンニッパに2×テレコンをつけました」ではなく、「600mm F5.6のレンズで撮りました」のイメージで撮影できます。テレコンがもはや非常用ではなくなるので、300mmと600mmの2本のレンズを持っている感覚でいられます。写歴が長く、昔のテレコンのイメージが残っている人にはぜひ体感していただきたいです。

以下、バンの若鳥とアオサギで検証した結果を3点ご覧ください。

▼2×テレコンなし

■使用機材:SONY α1 + FE 300mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F4 1/500秒 ISO400

▼2×テレコンあり

2×テレコンをつけて撮影したカットも、すこぶるシャープに像を結んでいる。AFで撮影したが、AFスピードの低下は全く感じられなかった。サンニッパと2×テレコンを持って撮影に行くと、600mm F5.6のレンズも持っている感覚でいられる。
■使用機材:SONY α1 + FE 300mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconvertor
■撮影環境:F8 1/125秒 ISO640

▼2×テレコンあり

瞬膜をはるシーンを撮るならば寄りだ、と思って2×テレコンをつけて撮影した。拡大した画像も併せて見ていただきたいが、600mmの単焦点レンズで撮影したかのように解像している。 
■使用機材:SONY α1 + FE 300mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconvertor
■撮影環境:F11 1/500秒 ISO250
上の画像の白枠でトリミング

まとめ

いかがでしたでしょうか。300mmのF2.8とは思えないような軽さなので、手持ちで長時間撮影しても身体的な負担がほとんどなく、これぞGマスターといった感じのシャープとボケを両立している描写で、非常にお気に入りのレンズとなっています。

今回のように野鳥撮影はもちろん、鉄道や飛行機など動きものを撮影している人にもぜひお試しいただきたいレンズです。

 

 

■写真家:山田芳文
「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。ライフワークは鳥がいる風景写真。主な著書は『SONY α7 IV 完全活用マニュアル』(技術評論社)、『SONY α6600 基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)、『写真は構図でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)、『やまがら ちょこちょこ』(文一総合出版)など。最新刊は『SONY α7C II 完全撮影マニュアル』(技術評論社)。

 

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