スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.21|清瀬(東京) スナップ感覚で撮る桜
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はじめに
まだまだ寒い日も続くが、いろんな花が咲き始めてそわそわする季節。
その中でも春の花の主役と言えば桜。
基本遠くへ撮影に行かないタイプなので、毎年自宅近くの徒歩圏内で。
桜を撮りに出かけたとしても花の部分にはそこまでこだわらず、画面の中にちょこっとあればいいかなと思いながら撮り続けている。
東京郊外の特に観光地でもない場所だが、そんな近所の身近な桜を、どんな思いで撮っているのか紹介したいと思う。
保育園跡の公園
雨の日、家から一番近い小さな公園。
満開の桜も撮っていて楽しいが、自分が好きなのはこういった桜の終わり際の、散った花びらと人工物との組み合わせ。濡れていなければタイヤに花弁はついていなかっただろうし、雨だから撮れた写真。
タイヤと桜の花びらだけ写したい場面だったので、カメラをタイヤの真上にもっていって自分の脚が入らないギリギリの広角で撮ってみた。 桜の花びらの入った写真はシンプルに、情報量は少ない方がいい事が多い。
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■撮影環境:1/50 f/2.2 8.8mm ISO125
橋の上から
こちらも雨の日、遠くまで見渡すことができる橋の上から。右下の自転車二台の前かごに赤と青の荷物があって、遠くに相合傘のカップル。 自転車一台だったら撮らなかったと思う。二台縦並びで、荷物の色が気に入っているところだ。全体的な構図を安定させるために、左側の濡れて反射する細い道をこの位置に入れた。
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■撮影環境:1/2000 ISO100
川岸のハートの桜
満開でなかったのが少し残念だが、ここも毎年撮っているお気に入りの場所。なかなか都内では撮れない空と、広い場所にぽつりと桜。
そんななか珍しい自転車三台縦並びに遭遇。桜の木と対になる場所に来た時にシャッターを切った。
スッキリ晴れているよりも雲に模様がある方が桜の色も出しやすくて好きだ。
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■撮影環境:1/8000 ISO100
工事現場
緑のネットにくねくねになった赤い線。真っすぐだったらなんにも感じなかったと思うが、不規則な状態に惹かれたのだと思う。その先にピンクの傘の女性がぽつり。
緑色に、特に赤い系のピンク色が映える。
左側のカラーコーンが二つあることで構図に落ち着きがでたと思う。
その場所で普通ではないと思うものを中心にいろいろと構図を考えるのも楽しい。
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■撮影環境:1/100 ISO125
川沿いの桃の花
桜より少し早めに咲く桃の花。木はまだ小さいが八重咲で花も大きく紅白なのでお気に入りの場所。これも珍しい自転車四台が駆け抜けて行ったので、花にかかる少し手前でシャッターを切った。
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■撮影環境:1/500 f/2 ISO100
川沿いの早咲きの桜
対岸に、ソメイヨシノよりも一週間ぐらい早めに咲く桜。
手前で子供二人が水切りをして遊んでいた。白黒の洋服の対比があったのと、水切りの時の体勢が面白くてシャッターを切った。
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■撮影環境:1/2000 f/2 35mm ISO100
雨の日の公園
保育園が取り壊されて鉄棒とジャングルジムだけが残った公園。
雨の日は大きな水たまりができるのを知っていたので行ってみた。
ボタンの花が落ちていたので柵で取り囲む構図にしてみた。
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■撮影環境:1/160 f/2.2 8.8mm ISO125
柵越しに横断歩道を渡る人
明るい単焦点だから撮りやすい柵越しのスナップ。絞りを開け気味にして奥にピントを持っていき、少し角度をつけてあげるとこんな感じで透けて、先の風景を見ることができる。
レンズを柵に近づけて角度や高さを気にしながら探すといいと思う。
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■撮影環境:1/160 f/1.6 ISO125
桜吹雪
よく見る花吹雪の写真は晴れていることが多いので、この曇り空でこう撮れたのが意外だった。背景が暗かったことにより、花吹雪が思ったよりも明るくはっきり写ってくれた。F1.4で撮っていたのもよかったと思う。
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■撮影環境:1/1600 f/1.4 ISO100
池の枝垂れ桜
10年ぐらい前に池のほとりに枝垂れ桜が植えられて、ここ5年ぐらいでいい感じに撮れるようになってきた。
特に夕方になると逆光になって桜の花びらも明るくなり、橋を渡る人と一緒に撮るとさらにいい感じになる。
松葉杖の女の子を心配そうに見ている子犬に物語を感じてシャッターを切った。
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■撮影環境:1/125 f/4 ISO320
あとがき
今回紹介した身近なところで撮る桜はいかがだっただろうか。
どれも自宅から徒歩20分圏内。写真を始めたばかりのころは土手を広角で見上げてみたり、望遠で一部分を切り取り圧縮効果を狙ったりするぐらいしかなかったが、夕暮れ時の逆光、池の反射、人工物など、組み合わせで毎年何か違う写真が撮れないか探すようになってきた。
毎年同じ場所で撮り続けるのも悪くないと思う。
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■写真家:富久浩二
日々の通勤風景を主に、いつも見ている変わりばえのない、しかし二度とやって来ない一瞬の情景を大切にし、ちょこっと人が入った物語りのある写真をテーマのもとに、人びとの優しく楽しい感情が伝わる事を目標に日々撮影している。子供の頃の目線、何と無く懐かしさを感じて貰える様に、ライブビューを使った低い目線、思い切って背伸びをした様な高さからの撮影が特徴的。