ソニー VLOGCAMシリーズ初フルサイズセンサー搭載のZV-E1が登場!|本格的な映像を気軽に楽しめる軽量・コンパクトモデル
はじめに
ソニーから35mmフルサイズのレンズ交換式カメラ「VLOGCAM ZV-E1」を2023年4月21日に発売するとアナウンスがありました。ソニーはVlogを“自分が伝えたいことや残したいことを動画に残すこと”と捉え、2020年6月にVLOGCAMシリーズ初号機となる1インチセンサー搭載のZV-1を発売、2021年9月にレンズ交換式APS-Cセンサー搭載のZV-E10を発売してVlog人気と共にそれを支援するカメラをリリースしてきました。そして今回シリーズ最上位モデルとなるフルサイズセンサー搭載のレンズ交換式カメラ「VLOGCAM ZV-E1」を発表しました。
取り回しの良い小さくて軽いボディーや撮影時にピントずれなどの困りごとを解消する商品レビュー機能はそのままに、大きく美しいボケを楽しめる35mmフルサイズセンサーを搭載。このセンサーと映像エンジンはα7S IIIやシネマラインのFX3に搭載されているものと同等となりますので、美しい映像はもちろん暗所での撮影性能も非常に優れています。
その他シネマティック映像を簡単に撮影できる機能や、従来アクティブモードの手ブレ補正効果を30%向上させた機能、被写体を追従し自動で構図の調整をしてくれる「オートフレーミング」機能など映像撮影をサポートするワクワクする新機能が数多く搭載されています。今回もソニーストア銀座の先行展示機(サンプル機)を触ってきましたので是非ご覧ください。
外観とカメラワークをサポートする機能
VLOGCAM ZV-E1は35mmフルサイズセンサーを搭載しながら、軽量でコンパクトなボディーサイズを実現。ボディーだけで約399g、バッテリーとメモリーカードを含む重さは約483gと非常に軽くなっています。同じフルサイズセンサー搭載した小型軽量モデルのα7Cよりも軽く、従来のVLOGCAM同様に持ち運びに便利で気軽に撮影を楽しめるようになっています。
3.0型の液晶モニターはバリアングル式になっていて、上の写真のように自撮りアングルに最適な仕様になっています。液晶はタッチパネル式ですのでメニュー操作も撮影時のピント操作も直観的に素早く行えます。またカメラ上部にはVLOGCAMシリーズではお馴染みになったモフモフ(ウインドスクリーン)を装着できるようになっていて風の強い屋外撮影でもノイズを大幅に低減してくれます。
天面のグリップ側には、赤いラインが入った大きなRECボタンが配置されており、その左下には「静止画/動画/S&Q(スローモーションとクイックモーション)」の切り替えボタンがついています。RECボタンの右側のC1ボタンを押すと、ワンボタンで背景のボケやピント合わせができます。
グリップ側の人差し指で操作する部分にはズームレバーがあり、パワーズームの操作や単焦点レンズでもズームを可能にする「全画素超解像ズーム」に対応しています。
VLOGCAM ZV-E1には、屋外撮影に適したインテリジェント3カプセルマイクが搭載されています。このマイクは、高い集音性能とノイズリダクションを提供し、クリアな録音が実現できます。また、付属のウインドスクリーンで風切り音も軽減されます。
指向性に関しては、収音する方向を[全方位]、[前方]、[後方]、[オート]から選択が可能です。これにより、自撮りや街の様子を話しながら撮影する場合など、さまざまなシーンで最適な音声録音ができます。
手ブレ補正は5.5段分の補正効果を持つ5軸ボディ内光学式手ぶれ補正と、動画撮影時に補正効果を発揮するアクティブモードに加え、さらに補正効果の高いダイナミックアクティブモードが新たに採用されています。このダイナミックアクティブモードは、従来のアクティブモードよりも画角が狭くなりますが、約30%※も手ぶれ補正効果が向上しています。従来のアクティブモードでも相当に手ぶれ補正が効くため、ジンバルなしで歩きながらの撮影を楽しむ方も多かったと思いますが、今回はさらに滑らかな映像を撮ることができるようになっています。
※α7S III搭載の[アクティブモード]との比較
「オートフレーミング」機能は撮影中にカメラを上下左右に操作することなく、まるでカメラマンが操作しているかのように被写体の動きに合わせて自動的に構図を変更できます。広く画角をとれるフルサイズセンサーのカメラで被写体認識性能を生かし、クロップした映像内で被写体を自動追尾させる事で実現しています。言葉で説明すると少し分かりづらいので是非下の動画をご覧ください。
VLOGCAMシリーズではZV-1から採用され好評の「商品レビュー用設定」も使うことができます。おすすめの商品を紹介するとき、カメラに向けた商品にピントが合わなくて困る場面では、「商品レビュー用設定ボタン」をひと押しすれば、顔から商品へ、商品から顔へのピント合わせがスムーズに行えます。
記録メディアはSD (UHS-I/II対応)カード用スロットが1つになっています。
バッテリーはα1、α9シリーズ、α7シリーズでも使われている大容量バッテリーのNP-FZ100になります。動画での連続撮影時間は約140分、 静止画撮影可能枚数は約570枚になります。
約1210万画素フルサイズ裏面照射型CMOSでの撮影性能
有効約1210万画素の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を搭載し、画像処理エンジンは最新のBIONZ XRを採用。このセンサーとエンジンはα7S IIIやシネマラインのFX3と同等のものが使われており優れた撮影性能を持っています。フルサイズの裏面照射型CMOSセンサーであることに加えて画素数は低く抑えられ画素ピッチは大きくなっていますので少ない光をしっかりと受光でき暗所撮影での美しいボケ表現が可能です。
常用ISO感度は静止画、動画共通で80 – 102400(静止画拡張時40 – 409600、動画拡張時80 – 409600相当)と、暗い環境でもノイズを抑えたクリアな映像が撮影できます。またすべての感度領域においてノイズを低減させ、15+ストップの幅広いラチチュードを実現しています。
発売時点で4K60P迄の撮影となりますが、2023年6月以降には4K 120pへの無償アップグレードが予定されていますので4K解像で最大5倍のなめらかなスローモーションで印象的な映像表現ができるようになります。無償アップグレードの詳細はこちらをご覧ください。
シネマティックな映像表現
カメラでの複雑な設定やパソコンでのソフトウェアを使った編集をする事なく、誰でも簡単にシネマティックな画作りが可能な「シネマティックVlog設定」が新機能として追加されました。液晶モニターのスルー画を確認しながら、5種類の「Look」、4種類の「Mood」、3段階の「AFトランジション速度」を直観的な操作で組み合わせながら映画のワンシーンのような印象的な画づくりができます。
Look:S-Cinetone / CLEAN / CHIC / FRESH / MONO
Mood:AUTO / GOLD / OCEAN / FOREST
AFトランジション速度:High / Mid / Low
シネマラインのFX3でも好評な、肌の色を美しく見せるスキントーンを中心としたルック「S-Cinetone」を搭載しておりシネマのようなルックを手軽に再現することができます。また階調特性を重視したS-Log3を搭載し、ユーザーが独自につくったLUTをピクチャープロファイルとして使用可能です。
優れたAFシステム
α7R Vで話題の「姿勢推定技術を用いた人物認識」がZV-E1でも採用され、人物を高精度に捉え続けることが可能です。AIプロセッシングユニットを搭載し、被写体の骨格情報を使って動きを正確に認識。瞳だけでなく、胴体や頭部の位置も高精度に認識します。その結果、後ろ向きや顔がマスクで隠れた状況でも、被写体をしっかりと認識し続けてくれるようです。
被写体認識では[人物]、[動物]に加え、新たに[鳥]、[昆虫]、[車/列車]、[飛行機]が認識対象に加わり、静止画・動画共に多様な被写体を撮影できます。[動物]の認識性能はZV-E10と比べ約40%向上し、犬や猫の頭・顔だけでなく、一部草食動物・小動物の瞳も認識。[鳥]では瞳・頭・体・姿勢に対応し、[動物/鳥]設定では両方を切り替えずに認識可能です。[車/列車]、[飛行機]、[昆虫]では被写体全体や先頭部・頭部を追尾認識します。
自撮りや集合写真撮影で、前にいる人だけにフォーカスが合ってしまい、奥の人の顔がぼけてしまう失敗を防ぐために、カメラが自動的に認識した複数の顔にピントを合わせて、ぼけ具合を調整してくれます。手動での絞り調整が不要になるので、スムーズに良い表情を捉えることができます。
さいごに
VLOGCAM ZV-E1はいかがでしたでしょうか。Vlogの種類は沢山ありますが商品レビューや旅、日常はもちろん、映画のワンシーンのように作品風に仕上げることも誰でも簡単に出来るようになっていますので、これからVlogをはじめようと考えている方も、VLOGCAM ZV-1、ZV-E10、ZV-1Fからのステップアップとしてもピッタリの製品となっています。またα7S IIIやFX3と同等のセンサーやチップを積んでいますので、プロのクリエイターのような本格的な映像表現にチャレンジしてみたい方にもお勧めの製品です。
他にもまだお伝えできていない機能が盛りだくさんの製品ですので、是非キタムラ店頭で確認してみてください。
VLOGCAM ZV-E1の性能や機能はこちらの動画でも紹介しています。