はじめに
今回はTAMRONから発売されました、SONYフルサイズEマウント用の新しい超望遠ズームレンズ「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」をレビューさせて戴きます。
焦点距離150-500mmということで、田植え直後の滋賀県高島市でサギの撮影をしてみました。まずはα9に装着してみたのですが、超望遠500mmズームとしては比較的に小型軽量化が達成されており、手持ち撮影も可能なのでフットワークが軽く田んぼから飛び立つ瞬間のアオサギを軽快に撮影することが出来ました。
AF性能も良く、α9の連写モードで動体撮影用のAF-C設定での撮影では、飛んでいるサギの着陸シーンを捉え続けてくれました。その辺りは搭載されているVXDリニアモーターフォーカス機構の速さと動作制御技術の素晴らしさを感じました。
ズーム性能
せっかくのズームレンズなので広角端150mmから望遠端500mmまでの画角の違いを見比べる為に、びわ湖に浮かぶ竹生島を撮影しました。150mmと500mmの時では構図の中で島の大きさが変わるのは勿論なのですが、島の形そのものは全体を通じて歪むような事はなく、ズーム全域で各収差が良く抑えられているので、動体撮影だけで無く風景撮影にも使いやすいレンズですね。
動画撮影にも対応
次は収穫前の麦畑を4K動画撮影してみました。まず動作音が静かなのは嬉しいですね。この撮影では焦点距離150mmから始めて途中で望遠端500mmまでズーミングしているのですが、ズームリングの回転角度が75度に抑えられている事と本体の最大径が93mmと超望遠ズームとしてはかなり細いので凄くズーミングしやすい印象です。動画撮影においてはこういった部分の操作性の良さは本当に大切であり、動画撮影での使用をかなり真剣に考えて制作されている事が感じられました。
最短撮影可能距離が短くて被写体に寄れる所は、このレンズを使用していて凄く気に入った点の一つです。150mmでは0.6m、500mmでは1.8mまで寄れますので表現の幅が広がります。この写真は500mmで撮影しているのですが、出来る限り被写体に寄ることでピントを合わせた麦だけをシャープに描写して浮き立たせることにより、立体感を演出することが可能になります。
動画撮影が気持ち良く撮影出来るレンズなので、今度は手持ちでの動画撮影をしてみました。田んぼでサギが餌を探している様子を撮影したのですが、手持ちの超望遠ズーム4K動画撮影の割にブレも気になり難く、レンズ本体に装備されている手振れ補正機能のVCがかなり強力であることが実感できました。静止画でも感じていたAFの動体追従性も、動画撮影時においても抜群の性能を発揮してくれるので本当に撮影しやすく、このレンズだと気軽に超望遠4K動画撮影を楽しむことが可能です。
圧巻の発色と滑らかなボケ味
ボケ味がとても柔らかく滑らかで発色も美しくコントラストが高いレンズなので、積極的に新緑や木漏れ日を構図に取り入れたくなりメタセコイア並木を撮影してみました。イメージ通りの明るく優しい雰囲気を描いてくれたのでとても嬉しいです。
前ボケも良い雰囲気でとろけるので積極的に使いたくなり、前ボケ構図の撮影ポイントを探してシロサギを撮影。