概要
株式会社フォトクリエイトは、WEB会議ツール「Zoom」を使ったオンライン写真展を1日限定で開催します。
おうちで旅時間とは
「オンライン×旅×写真」をテーマに、外出自粛で巣ごもり状態が続く中、旅に行きたくても行けない今だから、“おうちで旅気分を味わえる” 写真展を開催します。海外や日本国内の地方をテーマに活躍するプロカメラマン7人(当日変動あり)による、撮影時のエピソードや現地情報の共有、また写真の撮り方のレクチャーなどZoomを活用して実施します。出展者と参加者はリアルタイムでコミュニケーションを取りながら「旅×写真」について語り合う、オンラインならではの新しいスタイルの写真展です。
イベント詳細
■開催日時:2020年5月23日(土)11:00~16:00 (開催中は出入り自由)
■参加費用:無料
■開催方法:Zoomを使用
■出演者:江本 秀幸、渡 琢矢、渡辺 啓太、辻本 俊輔、榮留 皓太、佐渡 一翔 、荻島 怜、久保 鷹人
■申し込み:2020年5月23日(土)11:00迄にWEBサイトより https://peatix.com/event/1494507
(お願い/注意点)
今回こちらの写真展は「ブレイクアウトルーム」を自由に行き来します。こちらの機能を利用するには、パソコンからのアクセスからが必要となります。スマートフォンやタブレットでは、自由に行き来することができませんので、必ずパソコンからのアクセスをお願いいたします。
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EXCERPT:
株式会社フォトクリエイトは、WEB会議ツール「Zoom」を使ったオンライン写真展を1日限定で開催します。
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KEYWORDS:
写真展情報,オンライン写真展
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TITLE: カメラのお手入れ方法とは?|写真家に教わる初心者向け簡単テクニック!
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 06/01/2020 11:00:00
TAGS: カメラメンテナンス
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はじめに
新型コロナウィルスの影響でなかなか遠出ができない状況が続いています。庭やベランダでの小物・マクロ撮影や、散歩の時にちょっとしたスナップショットを撮るなど、皆さん思い思いに写真撮影を楽しんでいることでしょう。外出しない「ステイ・ホーム」のときは何をしていますか?スマートフォンやパソコンで写真、カメラ関連のウェブサイトを見ることや、YouTubeでフォトグラファーの動画コンテンツを見るのもいいでしょう。
この機会に機材の簡単なメンテナンスをするのはいかがでしょう?今使っている愛用のカメラをじっくりと観察してみてください。レンズが汚れていたり、液晶ディスプレイに指紋がべったり付着していたり、ファインダーのところにホコリが付いていたりしませんか?
というわけで、今回は「初心者向け・カメラとレンズのカンタンお手入れ」をお伝えいたします。ササっと愛機をカンタンにお手入れして、気持ちよく撮影できるようにしましょう!
用意するもの
今回は初心者向けですので、リーズナブルでカンタンなものでいきましょう。どれもキタムラ店頭やキタムラのネットショップで購入できるものです。
・ブロワー
・レンズクリーニングペーパー
・トレシー
あとはタオル、わりばし、つまようじ、があると何かと便利ですよ。
また、他にもメンテナンス用品がいろいろと販売されていますが、センサークリーニングなど難しいメンテナンスはキタムラのお役立ちサービスがありますので、後ほどご紹介します。
ブロワー
空気の力でホコリを吹き飛ばすシリコンでできた用品です。手で握って圧力で空気を吹き出させ、そのパワーでシュッ!と細かい汚れにサヨナラできます。エアゾール式のものもありますが、威力の調整が難しいのと、近づけすぎるとガスが付着してしまうのが難点です。シリコン製ブロワーが初心者にはオススメです。さまざまな種類のものがあるので、手にあった大きさのもの、好きなカラーのものなど自分にマッチした製品を選びましょう。
クリーニングペーパー
レンズやファインダー接眼部などを拭く、アルコールなどの薬剤を染み込ませた専用のクリーニングペーパーです。ペーパー単体とレンズクリーニング液単体を組み合わせて使うものもありますが、薬剤を適量染み込ませるのが難しく拭きむらができたりするので、初心者はあらかじめ薬剤を染み込ませた製品を使うのがベターでしょう。
1枚1枚が個別包装されたタイプなら開封後に薬剤が蒸発する心配もありません。枚数や大きさに応じて各社から製品が出ていますので、お使いの機種に合わせてチョイスしましょう。
トレシー
レンズ表面や液晶ディスプレイをキレイに仕上げで拭き取れるクロスです。東レとハクバの共同企画商品で、サイズとカラーが豊富に揃っています。
2ミクロンの厚手マイクロファイバーでできており、拭くだけでホコリだけでなく、水分、油膜汚れを取り除くことができます。丈夫な長繊維を採用しているため糸くずが出にくく、洗って何回も繰り返し使用できるので、カメラバッグにも常時入れておくと役立つことでしょう。スマホのディスプレイを拭くのにも最適ですよ。
カンタンお手入れのやり方
メンテナンスの前に傷や凹みがないか現状をよくチェックしましょう。ぶつけていないか、濡れていないかなどを点検します。
一通り外観を確認したら、ブロワーでホコリを吹き飛ばします。可動部分にはホコリが溜まりやすいので、重点的にブロワーで吹くことが大切です。
その際にはシャッタースピードダイヤルや液晶ディスプレイ、ピントリング、絞りリングなど、きちんとスムーズに動くかどうかも確認しましょう。もし動作に不具合があったら、キタムラの店頭やメーカーのサービスセンターに持ち込んで修理を依頼しましょう。
ブロワーで吹くときに、脱着可能なパーツがあったら外すといいでしょう。ホットシュー部分はボディ上面にあるためホコリが溜まりやすいです。シューカーバーがある場合は外して清掃しましょう。
バッテリーやメモリーカードもボディから外し、スロットの奥や接点部分にホコリが残らないようにブロワーで吹きます。三脚穴にも何か入っていないかチェックを忘れずに。
ホコリを取りのぞいたらトレシーで拭き上げましょう。もし海辺で使用した場合は、濡らしたタオルを絞ったもので、塩分を拭き取りましょう。波をかぶった・海に浸かってしまった場合は、速やかにキタムラの店頭や、メーカーのサービスセンターに持ち込んで点検・修理を依頼しましょう。
次はクリーニングペーパーの出番です。液晶ディスプレイをそっと拭きましょう。中央から四隅に向かって、指紋や油汚れを落とします。クリーニングペーパーはアルコールを含んでいるので、時間をかけていると揮発してしまいます。手際よく汚れを取りのぞきます。
お使いのカメラにEVF(電子式ビューファインダー)が搭載されている場合は、その接眼部もクリーニングペーパーでキレイにしましょう。アイカップが脱着できる場合は外してカメラボディ側を拭き上げましょう。アイカップにガラスが装着されている場合はその表面、裏面ともにブロワーをかけたあとクリーニングペーパーで拭きましょう。
次はレンズをキレイにしましょう。こちらもカメラボディと同様にまずは外観をチェックです。傷や損傷がないかを確認します。またレンズは稼働部分が大きいので、ピントリング、ズームリング、絞りリングなどが確実にスムーズに動くか、しっかりと止まるかなどをチェックしましょう。
ピントリング、ズームリングはレンズが一番繰り出した状態にし、ブロワーでホコリを飛ばした後トレシー、そしてクリーニングペーパーでキレイにしましょう。
次はレンズ部分のお手入れです。フィルターを装着している場合は外します。まずは被写体に向ける「前玉(まえだま)」からキレイにしましょう。これもブロワーでホコリをまず吹き飛ばします。もしホコリが残っていた場合、クリーニングペーパーで拭いて傷をつけてしまう恐れがあるからです。
次にボディ側の「後玉(あとだま)」を前玉と同様にキレイにしましょう。後玉はレンズの光を集める重要な部分ですので、慎重にホコリなど異物を吹き飛ばしましょう。
今度はレンズの前玉、後玉をクリーニングペーパーで拭き上げます。クリーニングペーパーを指先に巻き、レンズの中心部からゆっくりと円を描きながら外側に向かって拭いていきます。あまり力を入れず、優しくレンズの表面を撫でていくようにしましょう。クリーニングペーパーのアルコール薬剤が拭きむらとして残らないように、慎重に円形に拭いていくことが大事です。
前玉が済んだら後玉も同様に仕上げます。もし後玉部分に指が入らない場合は、クリーニングペーパーを割り箸に巻き付けてそっと慎重に拭きましょう。仕上げにトレシーでレンズを拭いて終了です。
オートフォーカスレンズには後玉周辺にボディと様々なやりとりをするため「電子接点」があります。ここが汚れると動作不良の原因になりますので、この電子接点もクリーニングペーパーで軽く汚れを落としておくといいでしょう。
また、最新のレンズには距離や絞り値などを液晶などで表示するものもあります。その表示窓もクリーニングペーパーで拭くのがオススメです。クリーニングペーパーはあらゆる部分をキレイにできるのでカメラバッグに常備しておきましょう。1枚を使い回しせず、レンズなら前玉を拭いたら後玉は新しい1枚を使用するなどが望ましいです。
フィルターの表面と裏面もレンズと同様にお手入れし、レンズフードも脱着がスムーズにいくかチェックし、ラバー部分の汚れはクリーニングペーパーで拭き上げましょう。ロック付きのレンズフードはしっかりとロック機構が動作する確認しておきましょう。
三脚座を備えるレンズも手入れしっかりと行いましょう。三脚座を外せる場合はレンズから取り外し、接合部のホコリをブロワーで吹き飛ばしましょう。スムーズに縦位置と横位置が切り替えられるか動きを確認することも忘れずに。ネジが確実にレンズを止められるかもチェックしておきましょう。
イメージセンサー
デジタルカメラで空を撮影した時などに「黒い点」が写り込んでしまうことはありませんか?それはイメージセンサーにホコリが付着しているのです。この場合はレンズをカメラボディから外して、イメージセンサーをブロワーで吹くことでホコリを取りのぞくことができます。
イメージセンサーはデジタルカメラの中で最も重要なパーツなので、ブロワーで触れぬように慎重に作業しましょう。
しかし、中にはガンコなホコリの場合があります。ブロワーでいくら吹いても落ちないホコリは、油分を含んでいることが多く、エアーの力では落とせないケースが多いです。市販のメンテナンス用具で「センサークリーニングキット」もありますが、初心者にはあまりオススメできません。前述のようにイメージセンサーは最も高価で重要なパーツだからです。もし傷つけてしまったら取り返しが付きません。
そんな時はカメラのキタムラの「カメラメンテナンスサービス」を利用してみましょう!
今までご紹介したカメラボディ、レンズのクリーニングから、イメージセンサークリーニングまで多岐に渡ってあなたのカメラをキレイに、メンテナンスしてくれます。詳細は
こちら を参照してください。
最後に
ざっと簡単な初心者向けのカメラ、レンズメンテナンス方法をお伝えしましたが、使用方法に不安がある・用具を揃えるのが大変、という人はカメラのキタムラの「カメラメンテナンスサービス」を試してみてはいかがでしょうか。
プロのメンテナンス・テクニックを実際に間近で確認してから自分でお手入れをはじてみるのもいいでしょう。それでは楽しいフォトライフを!
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんに、初心者向けカメラメンテナンスのやり方を教えていただいています。自宅でもできるカメラのお手入れを、この機会にやってみませんか?
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KEYWORDS:
カメラメンテナンス,カメラお手入れ,初心者向け
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AUTHOR:
TITLE: ニコン D6 レビュー|三井公一
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 06/05/2020 12:00:00
TAGS: D6,ニコン(Nikon) ボディー,スナップ,デジタル一眼レフカメラ
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はじめに
ニコンのプロフェッショナル向けデジタル一眼レフ「D6」がついに登場した。主に報道やスポーツの現場で活躍する「ニコン ひと桁番台」の最新鋭機だ。シャッターチャンスを確実にモノにでき、過酷な環境下でも正確無比に稼働することを求められる「闘うマシーン」である。先代モデル「D5」も素晴らしかったが、オートフォーカス性能などをブラッシュアップして正常進化を遂げた。そのニコン「D6」がいよいよ発売開始となる。
先代モデル D5 からの進化点
「D6」はどのように変貌したのか主要スペックをチェックしてみよう。まずはイメージセンサー周りだ。フォーマットはフルサイズで画素数に変更はなく、2133万総画素 / 2082万有効画素となっているが、画像処理エンジンが「EXPEED 6」にアップデートされている。
これによってイメージセンサーの広域な情報を包括的に高速処理し、豊かな階調と高品位な画質を実現。レタッチなしでも緊急を要する報道やスポーツの現場でダイレクトに入稿できるクオリティを誇る。
高感度特性は「D5」と同様で、ISO 100~102400を常用感度とし、拡張感度ではISO 50相当(Lo1)への減感とISO 3280000相当(Hi5)までの増感が可能になっている。幅広い被写体と撮影環境に対応し、あらゆる瞬間をノイズ少なくキャプチャーできるだろう。高速シャッタースピードで動体を写し止めるスポーツ報道の現場で活躍が期待大だ。
また大きく改良されたのが注目のオートフォーカス周りだ。「ニコン史上最強AF」と銘打たれ、新開発の全点クロスセンサー、全点が選択可能な105点AFシステムを搭載した。測距点こそ数を減らしたが、全点クロスセンサー化され、広いカバー範囲と相まって動きの速い被写体でも瞬時に正確にフォーカシングし続けることができる。これもアクティブな被写体を撮る際に強力な武器となる。
高速連写性能も磨きをかけた。AF/AE追従で約14コマ/秒、最大200コマまでのメカニカルシャッターによる高速連続撮影を実現し、シャッターチャンスに強いフルサイズデジタル一眼レフカメラに仕上がっている。
コネクティビティと速報性に優れた設計
「D6」のサイズは約160×163×92mm(幅×高さ×奥行き)で、質量は約1450g(バッテリーおよびCFexpressカード2枚を含む、ボディーキャップ、アクセサリーシューカバーを除く)、約1,270g(本体のみ)となっている。「D5」よりわずかに全高が増しているが、新たに「GPS」と「Wifi」、「Bluetooth」を搭載。これによりコネクティビティが増し、写真への位置情報の付加、そして撮影結果をスピーディーに送信することが可能になっている。なお有線LANは1000BASE-T、「SnapBridge」によるスマートフォン、タブレットとの接続ももちろん可能だ。
またメディアはCFexpress(Type B)/XQDカード対応ダブルスロット。[順次記録]、[バックアップ記録]、[RAW+JPEG分割記録]、[JPEG+JPEG分割記録]など多彩な記録方法が可能なので、さまざまな撮影および入稿シチュエーションに対応できる。まさにプロフェッショナル機と言える仕様だ。
詳細スペックはニコンイメージングジャパンの
ウェブサイト をチェックして欲しい。
バツグンの使用感
「D6」は、ニコンのデジタル一眼カメラを使っているフォトグラファーなら、短時間ですぐ順応できる操作体系がいい。右手の人差し指一本で電源を投入できすぐ撮影に入れるところや、右手の親指一本でメモリーカードカバーを開けられるところなど、脈々と受け継がれたニコンの伝統が使っていて気持ちいい。よく練られた使いやすいボタンとダイヤル配置、またググッとせり出して操作しやすくなったモードダイヤル部といい、被写体に集中できるカメラ設計になっているところが素晴らしい。
何よりも大きく明るい光学ファインダーが最高だ。視野率約100%、倍率約0.72倍のクリアさは、他メーカーと違ってマニュアルフォーカス時のピントの山も掴みやすく、オールドレンズを使用する際も存分に楽しめる。40万回にも及ぶレリーズテストをクリアーしたシャッターユニットも、軽快なシャッター音で撮影をリズミカルにしてくれる。剛性感の高い堅牢なマグネシウム合金採用の前・後ボディー、上面、背面、底面カバーも頼もしく、シーリングによる高い防塵・防滴性能と相まって、過酷な自然環境下または、もみくちゃになるような報道の現場でも撮影業務を確実に遂行できるタフさを有していると言えよう。
細かいところだが、プレスルームに「D6」を置いていかざるを得ない状況や、リモート撮影時に盗難防止効果が期待される「ケンジントンロック」に対応しているところも素晴らしい仕様だ。
D6作例と使用感
ニコン「D6」はメインターゲットが報道やスポーツなどを撮影対象とするプロフェッショナルフォトグラファーだが、この高い信頼性と俊敏性を求めるアドバンストアマチュアにも最高の武器となる。写りも当然素晴らしいが、明るく大きく見やすい光学ファインダーと、キレのいいシャッターとミラーのフィーリング、そしてレリーズタイムラグの少ないクイック感はどんな被写体を撮影しても実に気持ちよく感じるはずだ。狙った瞬間を確実にキャプチャーできる性能は魅力である。このカットは画質に定評のある「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」を使用して瓦屋根を撮ったが深みのあるトーンが心地よい。
ニコン「D6」はオートフォーカス機能が大幅に強化された。全点クロスセンサーの105点AFシステムは精度と正確さでフォトグラファーの期待に応えてくれる。スポーツ大会が新型コロナウィルスの影響で開催されておらず、残念ながら実戦で試すことはできなかったが、17種類もの豊富な「グループエリアAF」のパターンで狙った動体を逃がさないで撮影が可能だった。ランニング中の女性を「AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR」で高速連続撮影したがパーフェクトなフォーカシング性能を見せてくれた。
プロスポーツがターゲットなだけに当然の結果と言えるが、追従特性をカスタマイズできる「AFロックオン」や、一時的なモード切り換えができるAFエリアモードの割り込み機能など、AF機能全般的に痒いところに手が届くような設定がうれしい。さらに中央のフォーカスポイントが-4.5EV対応と低照度に強いところもいい。
ニコン「D6」の「アドバンストシーン認識システム」も進化している。オートフォーカス、露出制御、ピクチャーコントロール、ホワイトバランス、アクティブDライティング、フリッカー低減など、さまざまなシーンでの撮影をアシストしてくれる。日陰での緑葉を撮ったが自然かつ鮮やかな写りが好ましい。レンズは「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」。
また人物の顔や上体検出情報、デフォーカス情報、動き検知情報など追従性が格段にアップし、光学ファインダー撮影時に瞳の位置を優先したフォーカスポイントの選択ができるという、デジタル一眼レフカメラで初めての機能を実装している。これはスゴい。
「D5」より引き継がれた高感度特性も、画像処理エンジン「EXPEED 6」によってより低ノイズを実現している。常用感度 ISO 100~102400、拡張感度 ISO 50相当(Lo1)への減感とISO 3280000相当(Hi5)と、どんな光量下でも最上の撮影結果が得られる特性が頼もしい。「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR」を用いて東京駅を撮影したカットだが、ISO 7200 でもノイズ感が整っており、ハイライト部からシャドウ部まで安定した写りを見せてくれた。
空を悠々と舞うトビを「AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR」で狙った。「オートエリアAF」でシャッターを切ったが、しっかりとトビの鋭い眼にフォーカスを合わせてくれた。「アドバンストシーン認識システム」恐るべしである。逆光気味だが、羽毛のディテールもよく表現されており、「アクティブDライティング」の信頼性も向上しているようだ。AF/AE追従で約14コマ/秒、最大200コマ撮影できるのはうれしい。
またバッテリーの保ちが驚異的なのも特徴である。
ISO 32000で建築物を撮った。レンズは「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR」。壁面のタイルの精細感、窓ガラスの質感、また微妙な色のトーンまでしっかりと「D6」は写しとってくれた。均整なノイズ感は美しくもあり、より高感度での夜間撮影、スポーツシーンでの撮影も難なくこなしてくれることであろう。
ニコンの闘うフラッグシップデジタル一眼レフ「D6」の物語はこれから始まるのだ。
この記事に使用した機材
【ニコン】D6 ボディ
商品を見る 【ニコン】AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
商品を見る 【ニコン】AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR
商品を見る 【ニコン】AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR
商品を見る
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによる ニコン D6 の製品レビューです。前機種D5との比較も含め、実写作例も掲載!ぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン,D6,一眼レフ,作例,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: 【写真展情報】七海愛 写真展「somewhere, anywhere, nowhere 」
BASENAME: 475524788.html
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 06/10/2020 12:00:00
TAGS: 【PR】,写真展情報,キヤノンギャラリーS
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BODY:
七海愛 写真展「 somewhere, anywhere, nowhere 」
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘)は、キヤノンSタワー2階キヤノンオープンギャラリー1(所在地:東京都港区)にて、沖縄写真タイフーン<北から南から>連動 七海愛 写真展「 somewhere, anywhere, nowhere 」 を 6月23日より 開催します。
概要
■開催期間:2020年6月23日(火)~7月20日(月)
■開館時間:10時30分~17時(最終日は16時30分まで)
■休館日:日曜日・祝日
■開催会場 :キヤノン S タワー2階 キヤノンオープンギャラリー1(住所:東京都港区港南2-16-6)
■交通案内:JR 品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
■入場料:無料
※開催につきましては、状況の変化に応じて適宜 変更になる 可能性が ございます。予めご了承願います。
展示内容
本展は、毎年沖縄で開催される写真プロジェクト、『沖縄写真タイフーン<北から南から>』の連動写真展です。
七海愛氏が2009年から 2020年まで沖縄を中心に各地で撮影してきた写真を、3から10枚程度重ね合わせ画像処理を施すことで生まれた作品、約 40点を展示します。
数枚の写真を無作為に選びそれぞれが溶け合うことで、いつ・どこで撮られたかわからない作品が出来上がります。特別な意味もなく写された写真や、数年間日の目を見なかった写真が、その後の制作を経て一枚の写真作品として生み出されます 。
作品はすべてキヤノンの「PIXUS PRO 1」でプリントし、展示します。キヤノンマーケティングジャパン株式会社
作家メッセージ
どこかにいながら、何でもない写真を撮るところから始まる。
取り立てて意味もない、記録でもなく、それは生活の一部。
場所を変えても撮る対象はそれほど変わらなかった。
例えば沖縄。例えば北海道。鳥取に静岡、そしてドイツ。
公園に植わっている木、集まる鳩、散歩している犬と子供たち。
部屋の中のコップや洗濯物、時折差す木漏れ日に水面のきらめき、夕焼け。
日々の端々で撮られた断片を見返しても、相変わらず特別な意味は無い。
その写真の幾つかを、重ね合わせて混ぜ合わせる。
ハレーションを起こし、色調が反転し、退色する。
違う場所、違う時間、それらが溶け合うと
新しいイメージが生まれる。
新たに画面上で偶然出来上がったものだ。
どこでいつ撮られたかわからないイメージは写真特有の記録性を失ってゆく。
新しい世界、そのイメージは時空を軽やかに飛び越える。
七海 愛
お問い合わせ
【一般の方のお問い合わせ先】
・キヤノンギャラリーS TEL:03-6719-9021
・キヤノンギャラリー ホームページ:
https://cweb.canon.jp/gallery/
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EXCERPT:
【写真展】七海愛 写真展「somewhere, anywhere, nowhere 」の情報です。キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘)は、キヤノンSタワー2階キヤノンオープンギャラリー1(所在地:東京都港区)にて、沖縄写真タイフーン<北から南から>連動 七海愛 写真展「 somewhere, anywhere, nowhere 」 を 6月23日より 開催します。
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KEYWORDS:
写真展情報,キヤノンギャラリーS,七海愛
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 富士フイルム XF56mmF1.2 R APDレビュー|ボケと描写性能をポートレート撮影で検証
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CATEGORY: 浅岡省一
DATE: 06/12/2020 16:00:00
TAGS: XF56mmF1.2 R APD,ポートレート,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
美しいボケと高い描写性能がウリの FUJIFILM XF56mmF1.2 R をベースに、ボケの輪郭を柔らかくする APD(アポダイゼーション)フィルターを搭載し、さらに美しいボケ味を目指したレンズが、今回扱う FUJIFILM XF56mmF1.2 R APD です。XF56mmF1.2 Rを所有している筆者が、APDと比較して気付いたことやレンズ選択の方法をレビューしてみようと思います。
大口径ながらコンパクトなレンズ
35mm判換算で85mmと中望遠の焦点距離を持ち、開放F値は1.2という大口径レンズ。ただし、APDフィルターを挟んでいるため、実F値は開放でF1.7となります。APDフィルターの効果は開放で撮影した際に最も効果が出るため、明るい場所でも積極的に開放値で撮影を楽しんで欲しいとの配慮から、約3段分のNDフィルターが付属しています。
大口径レンズのため、405gという重量は手にとると塊感を感じますが、取り扱いやすい重さでもあります。全長69.7mmでフィルター径も62mmなので全体としてはコンパクトにまとまっており、金属ならではの質感が高品位な外観を保っています。
今回はX-Pro3と組み合わせて撮影をしました。大口径とはいえ全長がそれほどでもないため、カメラとレンズのバランスはとてもよく、X-Pro3 のチタン外装と相まって、高級感を伴った雰囲気を漂わせていました。
APDによる柔らかさとシャープネスの共存
■撮影機材:富士フイルムX-Pro3 + XF56mmF1.2 R APD ■撮影環境:ISO160、F1.2、1/1100sec、56mm、Pro Neg. Std 海面に太陽の反射がきらめくタイミングでの撮影です。通常のレンズですと海面の反射の丸ぼけは、もっとエッジが効いたキラキラした感じになるのですが、APDフィルターのおかげで丸ぼけのエッジが柔らかくなっており、逆光の具合やモデルさんの表情と相まって、優しさや儚さがより伝わる写真に仕上がっています。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF56mmF1.2 R APD ■撮影環境:ISO160、F1.2、1/480sec、56mm、ASTIA ボケの柔らかさが特徴とはいえ、当然シャープに写すべきところはシャープに写ります。元々描写性能がとても高い XF56mmF1.2 R をベースにしているため、基本的な描写性能に関しても文句のつけようがないでしょう。開放で撮影してもフォーカス面にある髪の毛やまつげは一本一本シャープに描写されます。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF56mmF1.2 R APD ■撮影環境:ISO200、F3.6、1/420sec、56mm、クラシックネガ
X-Pro3から搭載された新フィルムシミュレーション、クラシックネガを使ってみました。後ろからの光でハイライトがはいった腕や金属感あふれるスマホ、そしてAPDフィルターの効果でなだらかに柔らかくぼけていく自動販売機の描写に注目して下さい。
さすがに56mmだとスナップに使うにはやや長めの印象がありますが、立ち位置や切り取り方の工夫で対応できるので、このレンズをお使いになる方は、APDフィルターをいかした56mm開放スナップ撮影にチャレンジしてみると良いでしょう。出てくる絵を頭の中でイメージして逆算的に撮るような手法は、まるでパズルを解いているような感覚で面白いと思います。
開放時のなだらかなグラデーションのようなボケが真骨頂
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF56mmF1.2 R APD ■撮影環境:ISO160、F1.2、1/80sec、56mm、Pro Neg. Std ちなみに本レンズはAPDフィルターを内蔵している為、位相差AF内蔵機種であってもコントラストAFでのオートフォーカスとなります。そのためフォーカス速度はやや遅め。とはいえ最近の機種であればコントラストAF速度もかなり速くなっているので、遅すぎて撮れない!ということはないでしょう。「ワンテンポ遅れる」ということを念頭に置いて撮れば大丈夫。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF56mmF1.2 R APD ■撮影環境:ISO160、F4.0、1/340sec、56mm、Pro Neg. Hi
F4.0まで絞ってみました。開放でも十分シャープではありますが、少し絞ったことで得られるシャープな感じと被写体の立体感は格別です。レンズの基本性能が高いからこそ得られる描写と言えます。
ちなみにF5.6まで絞ると、APD無しの XF56mmF1.2 R と同等の描写になります。ですから、APDの特徴を最大限活かした撮影をしたい場合は、開放近くのF値を活用しましょう。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF56mmF1.2 R APD ■撮影環境:ISO250、F1.2、1/80sec、56mm、クラシックネガ このカットではあえて唇にフォーカスを合わせています。フォーカスが合ってシャープに描写された箇所から徐々になだらかなグラデーションのようにボケていくのがこのレンズの真骨頂です。やはり女性の肌を美しく表現したい時にはベストマッチのレンズですね。わずかにフォーカスアウトした瞳の描写も柔らかく、なにか訴えかけているかのようです。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF56mmF1.2 R APD ■撮影環境:ISO800、F1.2、1/80sec、56mm、Pro Neg. Hi なお、開放時の実F値が1.7ということは、ノーマルの XF56mmF1.2 R と比べるとそれだけ暗くなっていることを意味します。つまり、暗い場所での撮影では(F1.2と比較すると)ISOは上がりがちになりますし、それだけ手ぶれにも気をつけないといけません。
特にXF56mmF1.2 R と併用している場合は、XF56mmF1.2 R だと手持ちで撮れた環境でも、XF56mmF1.2 R APD で撮るとISOが上がり、手ぶれしやすくなるので注意が必要です。
肌を美しく表現したい人におすすめ
APDの威力は絶大で、基本的な描写性能もとても高く、XFマウント唯一無二の滑らかで美しいボケを手に入れることができます。個人的な要望を述べると、もう少し寄れるか、もしくは焦点距離が長ければ、よりAPDの効果が強調されるので表現の幅が広がると思います。
ノーマルの XF56mmF1.2 R と迷っている人は、イルミネーションを撮ったときに現れる丸ボケをカリッと表現したい場合はノーマルの XF56mmF1.2 R を、ポートレートなどで肌を美しく表現したい場合は XF56mmF1.2 R APD を選ぶようにすると良いのではないでしょうか。
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EXCERPT:
写真家の浅岡省一さんが富士フイルム XF56mmF1.2 R APDのレビューを行っています。ボケと描写性能をポートレート撮影で検証していますので、是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ポートレート,レビュー,中望遠単焦点レンズ,X-Pro3,富士フイルム,XF56mmF1.2 R APD
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AUTHOR:
TITLE: LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D レビュー|シャープで安価な小型軽量の超広角レンズ!
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CATEGORY: 齋藤千歳
DATE: 06/19/2020 10:00:00
TAGS: 9mm F2.8 ZERO-D,LAOWA(ラオワ) レンズ,単焦点
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BODY:
超広角13.5mm相当で49mmフィルターが使用可能
■LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D/Sony α7R III/13.5mm相当
■絞り優先AE(F8.0、1/250秒)/ISO 100/露出補正:−1.0EV
■WB:晴天/クリエイティブスタイル:ビビッド
凍っては割れ、積み重なった氷が湖面一部を覆った厚岸湖の日の出です。画面手前の氷が13.5mm相当の超広角ながらしっかりと四隅まで描写されています。 LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dは、シャープで解像力の高い広角レンズという側面と、最大撮影倍率が2倍を超えるようなスーパーマクロを持ち合わせた、ユニークで高性能なマニュアルレンズで、多くの写真愛好家に知られるラオワ(LAOWA)のAPS-C機向けレンズです。
APS-C機向けレンズという表現をとっているのは、本レンズは基本的にAPS-C機向けでキヤノン EF-M、富士フイルムX、ソニー Eマウント向けのものがそれぞれ用意されているためです。
ただし、マウント以外は同じ仕様のLAOWA 9mm F2.8 ZERO-D MFTというレンズもあり、マイクロフォーサーズ(以下、MFT)機でも利用できます。APS-C機に装着するとEF-Mは14.4mm相当、それ以外は13.5mm相当(画角113度)の超々広角になります。
これに対してMFT機に装着すると18mm相当(画角100度)となります。ただし、MFT機用にはLAOWA 7.5mm F2 MFTという製品も用意されており、こちらならMFT機で15mm(110度)という画角が得られます。MFTユーザーにとってはこちらも興味深いレンズなのではないでしょうか。
LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dのレンズ構成は、10群15枚、ガラス非球面レンズを2枚、ED(特殊低分散)レンズを3枚含んでいます。構成レンズの1/3が特殊レンズという豪華な内容です。
また、35mm判フルサイズに比べるとイメージサークルの小さいAPS-C向けのレンズということもあってか、大きさは最大径約53mm×60mmとコンパクト、しかもレンズフードや鏡筒部などは堅牢な金属製にもかかわらず質量は約215gと非常に軽量に仕上がっています(※大きさ、質量ともにマウントによる変動があります)。
フィルター径は49mmです。実は、このフィルター径がわかっている方にとっては重要なポイントでしょう。LAOWA 9mm F2.8 ZERO-DはAPS-C機装着時に13.5mm相当の超々広角でありながら、レンズ前玉が大きく膨らんだ出目金レンズではないので、レンズ先端部分にねじ込み式の49mmフィルターが普通に装着できます。風景を撮影する方ならC-PLやND、星景写真を撮影する方ならプロソフトンや最近流行の光害カットフィルターのスターリーナイトなどが、通常のレンズと同じよう使えるわけです。
しかも、フィルター径は49mmと小さいのです。最近35mm判フルサイズ用のレンズでは珍しくなくなった直径82mmといった大型フィルターに比べると、49mmのフィルターは種類にもよりますが、価格がだいたい1/2から1/3なのでアクセサリーのコストも安くなります。
35mm判フルサイズ用に比べ撮像素子の小さなAPS-C向けレンズであるメリットを生かした小型軽量なLAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dは、実勢価格は2020年3月現在で65,000円前後と開放F値2.8の超広角レンズとしては、コストパフォーマンスも高いです。そんなマニュアルフォーカスレンズ、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dの描写性能を具体的にみていきましょう。
カメラ性能を凌駕する絞り開放からの高い解像力
■LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D/Sony α7R III/13.5mm相当
■絞り優先AE(F2.8、1/30秒)/ISO 125/露出補正:+0.7EV
■WB:オート/クリエイティブスタイル:ビビッド
35mm判フルサイズ14mmF2.8を凌駕する13.5mm相当のF2.8ですが、開放から周辺部までしっかりと解像するのには、本当に感心します。
まず、解像力のチェックです。各種光学性能は私たちがAmazon Kindleで出版しています電子書籍『
LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D レンズデータベース 』に掲載しました実写チャートの結果を元に解説しています。
今回のテストはSony α7R IIIのAPS-Cモード(有効画素数約1,800万画素)で行っていますので、解像力の基準となるチャートは1.3なのですが、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dとの組み合わせでは絞り開放からひとまわり小さなチャートの1.2を解像する結果となっています。
絞り開放から高い解像力を発揮しているのが確認できます。
電子書籍『LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D レンズデータベース 』 本レンズの中央部分の解像力は非常に高く、絞り開放のF2.8から、基準となるチャートである1.3よりもひとまわり小さな1.2を解像し、本来は画素数的に解像しないはずの1.1のチャートまで一部解像しています。F4.0まで絞ると、さらにワンランク、シャープネスが上がり、高い解像力をF11くらいまで維持します。
ただし、F16以降では絞り過ぎによる解像力の低下、小絞りぼけなどが起き始めますので注意が必要です。あまりいいことではないのですが、ローパスフィルターレスのカメラで、カメラの画素数に対してレンズの解像力が高すぎるときに起きる傾向にある、カメラ(撮像素子)側に起因するチャートへの色付き(偽色)が、解像力のピークであるF8.0でもっとも増えるのも、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dの解像力の高さを証明しています。
周辺部分の解像力についても良好なのですが、掲載したチャートを見てもらうとわかるように、周辺光量落ちの影響で周辺側のほうが実写の結果が暗く、解像しているため、コントラストが低くみえる結果です。周辺側でも開放のF2.8から、基準値よりもひとまわり小さなチャートの1.2をほぼ解像する優秀な結果ですが、絞るほどにさらにコントラストが上がり、F8.0でピークを迎えます。周辺部分もF16以降では顕著な絞り過ぎによる解像力低下が見受けられますので注意しましょう。
基本的に絞り開放から安心して使えるレンズですが、絞るほどのシャープネスやコントラストが向上、F8.0が画面全体の解像力のピークです。広角レンズながら、絞り開放の周辺部分にも、気になる色収差などはなく、この点も優秀な結果と言えます。
LAOWA 9mm F2.8 ZERO-DのZERO-Dは「ディストーション0」、限りなくディストーション(歪み)をゼロに抑えた設計を表していますが、実焦点距離9mmの超々広角としては非常に少ないですが、わずかに陣がさ型の歪曲が見られます。
最短撮影距離はわずか12cmと近接撮影に強い
■LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D/Sony α7R III/13.5mm相当
■絞り優先AE(F2.8、1/6秒)/ISO 100
■WB:オート/クリエイティブスタイル:ビビッド
コンパクトなレンズなのですが、最短撮影距離が12cmと短いため、最短撮影距離付近の撮影ではレンズ先端に被写体がくっつくほど接近できます。
■撮影協力:WORLD SQUARE
ラオワの広角レンズは、超広角なのにシャープで、最短撮影距離が短く寄れることで知られています。今回、テストしたLAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dも同様の傾向で、最短撮影距離は、なんと12cmです。当たり前ですが、レンズ交換式カメラのレンズに記載される最短撮影距離は撮像面(撮像素子)からなので、実際の撮影時にはレンズ先端から数㎝のところまで被写体に近づくことができます。そして最大撮影倍率は、0.13倍です。
「すごく寄れるのに意外と撮影倍率は低いな」と思った方がいらっしゃるかもしれません。ただ、最大撮影倍率も焦点距離と同じように35mm判フルサイズを基準に表記されるので、実際には長辺が約185mm×短辺約123mmの範囲を画面いっぱいに撮影することができます。13.5mm相当の超広角でありながら、実際には約0.2倍近い最大撮影倍率のレンズと同じレベルの接写撮影が可能です。
0.2倍というと一般的レンズでも、十分に寄れると感じる領域ですので、13.5mm相当の超広角で寄るとパースペクティブも付き、非常に楽しい映像が撮影できます。この点も頭に入れて最短撮影距離も活用しましょう。
ラオワの超広角の周辺光量落ちは確信犯!?
■LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D/Sony α7R III/13.5mm相当
■絞り優先AE(F8.0、1/250秒)/ISO 100/露出補正:+0.7EV
■WB:オート/クリエイティブスタイル:ビビッド
レンズ設計の時点から完全に確信犯であると推察される周辺光量落ちは、すでにラオワレンズの個性といったレベルで捉えたほうがよいでしょう。
焦点距離9mmで開放F値2.8、しかも小型軽量のLAOWA 9mm F2.8 ZERO-DはAPS-C機向けのレンズとはいえ、周辺光量落ちはそれなりに発生するだろうと予測していました。しかし、実際にチャートを撮影した結果は予想以上でした。
開放のF2.8では、どうしても四隅に発生する周辺光量落ちですが、絞ると多少改善するものの、基本的にはF16やF22まで絞っても大きく改善することはテストの際にはありませんでした。。レンズ設計はどこに比重を置くかのバランスが重要といわれますが、ラオワの超広角は基本的に小型軽量で周辺までの高い解像力に比重を置いており、周辺光量落ちはレンズ設計時から確信犯的に行われていると思われます。
無理に絞って解決しようと考えるよりも、撮影時にRAW画像も撮影しておき、後処理のRAW現像時などに周辺光量落ちの補正を行うのがおすすめです。デジタルカメラ、特にミラーレス一眼では、周辺光量落ちの発生はレンズ設計時から織り込み済みであり、デジタル補正で対応するのは珍しくもなんともないですが、カメラメーカー純正レンズのようにカメラ本体とレンズが情報をやりとりし、リアルタイムで周辺光量落ちなどをカメラ側でデジタル補正できるレンズが少し羨ましくなります。
9mmの超々広角にぼけまで求めるのは酷かと
■LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D/Sony α7R III/13.5mm相当
■絞り優先AE(F2.8、0.3秒)/ISO 100/露出補正:+0.3EV
■WB:オート/クリエイティブスタイル:ビビッド
実焦点距離9mmの超々広角ですが、開放F値が2.8と明るく、最短撮影距離が12cmと短いので撮影条件によっては、それなりにぼけが発生します。
■撮影協力:WORLD SQUARE
LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dの絞り羽根枚数は7枚です。開放測光などを行う一眼レフ用のレンズであれば、少ない枚数ではないのですが、フルマニュアルのミラーレス一眼用のレンズとしては絞り羽根の7枚はあまり多いとはいえません。ぼけに注力したレンズならば10枚越えも珍しくないのが現状と言えます。この点からも、本レンズはあまりぼけに注力したレンズでないことが伺えます。
実際にぼけディスクチャートを撮影した結果は、絞り開放のF2.8から中央部を含め、ぼけの形は円形にならず、7角形です。絞るほどに7角形ははっきりし、玉ぼけの形が丸くなることはないようです。また、ぼけの質もややザワつきの強い結果と言えます。
とはいえ、焦点距離9mmの超望遠にぼけの美しさを期待して購入するユーザーは非常に少数派でしょう。基本的に被写界深度が深いためぼけづらいので、ぼけよりも解像力を重視するのは、超広角レンズの設計において当然と言えます。ただ、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dは、最短撮影距離が12cmと短いため近距離にピントを合わせて、開放付近の絞りを選択するとそれなりにぼけるわけです。ぼけの質や形はあまりよいとはいえませんが、この利点は理解して撮影時に効果的に利用することをおすすめします。
多くのAPS-Cミラーレス一眼ユーザーに勧めたい1本
■LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D/Sony α7R III/13.5mm相当
■マニュアル露出(F2.8、15秒)/ISO 5000
■WB:電球/クリエイティブスタイル:ビビッド
あまりにもコンパクトなので、つい忘れてしまいますが、14mmF2.8を越える明るい超々広角なので、星景写真を楽しむにもぴったりの1本です。 LAOWA 9mm F2.8 ZERO-DはAPS-Cミラーレス一眼で、35mm判フルサイズの14mmF2.8よりも広角での撮影を可能にしてくれるレンズです。ターゲットをAPS-C以下の小さな撮像素子を採用するミラーレス一眼とすることで、安くて軽くて小さく、しかも高性能なレンズになっています。数多くラインナップされる35mm判フルサイズ用の14mmF2.8でも画面全体で本レンズと同等以上の高い解像力を実現しているレンズは少数派といえるでしょう。
しかも、35mm判フルサイズ向けの14mmF2.8クラスのレンズで前玉が大きくドーム状にせり出していないレンズは非常に少なく、フィルターなどの利用に制限が多いのが一般的です。C-PLにND、プロソフトンなど広い風景や夜景、星空の撮影ではフィルターの撮影したいシーンも多く、35mm判フルサイズで超広角撮影をするユーザーはさまざまな工夫をして、なんとかフィルターを使っているのが現状と言えます。LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dは、そんな苦労もなく普通に丸型のねじ込み式フィルターが使え、余計な苦労なく撮影に集中でできるのは、素晴らしい特徴です。
9mmという焦点距離のため、ぼけの形と質を求めるのは酷ですが、これはほかの超広角でも大差ありません。また、解像力を重視したラオワの設計ポリシーといってもいいのかもしれませんが、周辺光量落ちは強めです。この点を理解して、必要なシーンではRAW現像時にプロファイル補正などを行えば、非常に優れたレンズに仕上がっています。
14mm相当を越える超々広角がそもそも初心者向きとはいえないですが、RAW現像時の周辺光量補正が可能なユーザーであれば、多くのAPS-Cミラーレス一眼ユーザーにおすすめしたいレンズです。RAW現像時の周辺光量補正といっても、アプリにもよりますが基本的にはレンズ名と周辺光量補正オンを選択するだけといったことがほとんどなので、初心者の方でも問題ないと思います。
あまりにも手軽でコンパクトなので14mmF2.8を凌駕する明るい超々広角レンズなのが、頭でわかっていても、撮影時にファインダーをのぞく度に「そうか、こんなに広く写るんだ」と毎回驚きながら作例を撮影しました。ぜひ、APS-Cミラーレス一眼で超々広角を探している方にチャレンジしてほしい1本と言えます。
■LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D/Sony α7R III/13.5mm相当
■絞り優先AE(F2.8、1/100秒)/ISO 100/露出補正:+1.0EV
■WB:晴天/クリエイティブスタイル:ビビッド
わずかに残っていた流氷を絞り開放のF2.8で撮影しました。14mmよりも広い超々広角でありながら、絞り開放からの解像力の高さは安心があります。
※本記事の作例写真は緊急事態宣言期間前に撮影しております。
この記事に使用した機材
【LAOWA】9mm F2.8 Zero-D 一覧
商品を見る
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
今回は斎藤千歳さんにLAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dのレビューを行っていただきました。シャープで安価な小型軽量の超広角レンズを様々な作例と共に解説頂いております。
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KEYWORDS:
LAOWA,ラオワ,9mm F2.8,ZERO-D,レビュー,超広角レンズ
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AUTHOR:
TITLE: 【写真展情報】「東京建築景 - 東京画の五人の写真家たち」
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 06/21/2020 12:00:00
TAGS: 写真展情報,【PR】,キヤノンギャラリーS
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BODY:
東京画「東京建築景 - 東京画の五人の写真家たち」
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘)は、キヤノンSタワー 2階キヤノンオープンギャラリー2(所在地:東京都港区)にて、東京画『TOKYO GA』写真展「東京建築景東京画の五人の写真家たち」を6月23日より開催します。
概要
■開催期間:2020年6月23日(火)~7月20日(月)
■開館時間:10時30分~17時(最終日は16時30分まで)
■休館日:日曜日・祝日
■開催会場 :キヤノン S タワー2階 キヤノンオープンギャラリー1(住所:東京都港区港南2-16-6)
■交通案内:JR 品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
■入場料:無料
※開催につきましては、状況の変化に応じて適宜 変更になる 可能性が ございます。予めご了承願います。
展示内容
本展は、2011年に創設されたNPO組織、東京画『TOKYO-GA』による写真展です。
コミッショナー/ファウンダーの太田菜穂子氏により推薦された、国内外の写真家5名の作品を約20点展示します。建築という観点から、「東京の都市景観」をつくり上げている色や形、デザインに着目しアプローチをすることで、世界の中でも独自の進化をし続ける東京という都市を見つめ直します。キヤノンマーケティングジャパン株式会社
東京画メッセージ
大都会、東京。この都市で生きる私たちは自分たちが暮らす街の景観にどれほどの関心を持っているでしょうか?
“STAY HOME”が未来へ希望を託す世界共有のスローガンとなった今年、私たち『TOKYO-GA』は“Homeである東京”を、建築という視界から見つめ直してみました。異なる考えや文化背景を持つ国内外の五人の写真家の眼差しを通して、東京の都市景観をつくり上げているエレメントである色、形状、デザインに向き合い、常に進化し続けてきた東京の過去、現在、そして未来に想いを馳せてみたいと思います。
東京画 TOKYO SCAPES by 100 photographers とは
2011年に創設されたNPO 組織。国内外の100名の写真家に加え、写真表現の価値と力に共感する政・財・官・クリエーターが参集し、東京と世界の都市を繋ぎ、“未来を考える”をテーマに、写真による国際交流を展開している。
創設以来、国内のみならず、ニューヨーク、マイアミ、クアラルンプール、パリ、ベルリンでの展覧会やフェスティバルに参加。近年は、都市外交の一翼を担う「パリ・東京タンデム」、「ジャポニスム2018」、「ベルリン・東京友好都市締結25 周年」等の公式プログラムとして『TOKYOCURIOSITY 2018-2020』を展開。現在、東京でのグランドフィナーレとなる『東京好奇心渋谷』の開催を控えている。
お問い合わせ
【一般の方のお問い合わせ先】
・キヤノンギャラリーS TEL:03-6719-9021
・キヤノンギャラリー ホームページ:
https://cweb.canon.jp/gallery/
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EXCERPT:
【写真展】【写真展情報】「東京建築景 - 東京画の五人の写真家たち」の情報です。キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘)は、キヤノンSタワー 2階キヤノンオープンギャラリー2(所在地:東京都港区)にて、東京画『TOKYO GA』写真展「東京建築景東京画の五人の写真家たち」を6月23日より開催します。
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KEYWORDS:
写真展情報,キヤノンギャラリーS,東京画
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AUTHOR:
TITLE: デジタル一眼レフカメラで都会の夜景写真を楽しもう!今すぐ使える撮影のコツ
BASENAME: 475908294.html
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CATEGORY: つばさ
DATE: 06/25/2020 16:00:00
TAGS: 夜景
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BODY:
■撮影機材:Canon EOS Kiss X3+EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM
■撮影環境:シャッター速度4秒 絞りF10 ISO100 焦点距離28mm・マニュアルモードで撮影
夜の都会のキラキラした夜景。
暗い場所での撮影は昼間よりも難易度が高いと思われがちですが、カメラの設定と撮り方のコツさえ知っていれば、誰でも簡単に美しい夜景の写真を撮影できます。
この記事では、都会の夜景を撮影するときに一眼レフカメラの設定や、持っておいたほうが良いアイテム、撮影をするときの注意点などを解説します。
夜景写真の基本的な撮影知識
■撮影機材:Canon EOS Kiss X3+EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM
■撮影環境:シャッター速度4秒 絞りF8 ISO100 焦点距離48mm・マニュアルモードで撮影
夜景に適した撮影モード
AUTOモードは初心者でも手軽に写真を撮れますが、全体をくっきり表現するためのF値や、レンズに入ってくる光の量を決めるシャッタースピードなどを調節できません。
夜景を撮影するときはシャッタースピードを設定できるマニュアルモードか、シャッタースピード優先モード(TV・Sモード)をつかって、写真の明るさや色味などを設定するのがオススメです。
ベストな撮影時間
夜景の撮影には主に、夕方の少し空が明るい時間に空の青色と夕焼けのグラデーションを撮影する方法と、真夜中に真っ暗になった空を背景に明るいビルを撮影する方法という2つのパターンがあります。
太陽が沈んでから20分〜30分くらいに西の空を撮影すると、夕焼けのグラデーションを撮影できます。
夜のビル群を撮影したい場合は、日が沈んで暗くなった21〜22時頃がベストです。多くのオフィスの消灯時間は22時ごろなので、それを過ぎてしまうと窓からこぼれる光がまばらになってきます。
空のグラデーションとオフィス街。どちらを主題に撮影をしたいかによってシャッターを切る時間を選ぶとよいでしょう。
ピントの合わせ方
星空や極端に暗い場所での撮影はピントが合いにくいので、液晶モニターを見ながらマニュアルフォーカスでピントを合わせが必要になる時があります。
もしピントが合っているかどうか不安な場合は、試し撮りをしてから液晶モニターで撮った写真を拡大表示して、きちんとピントが合っていることを確認するのも一つの方法です。
写真の印象をコントロールする露出補正
■撮影機材:Canon EOS Kiss X3+EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM
■撮影環境:シャッター速度5秒 絞りF9 ISO100 焦点距離48mm・マニュアルモードで撮影
露出補正とは、写真の明るさを撮影する前にあらかじめ設定しておき、ISOや絞りを設定するときに適正露出になっていない、もしくは意図してオーバーやアンダーで撮影したい時に明るさを調整する機能です。
マニュアルモードで撮影する場合には、ISOやシャッタースピード、F値を設定するときに適正露出になっているかをチェックしながら調整をしましょう。目盛りがマイナスに近づくほど暗く、プラスに近づくほど明るい写真になります。
露出をゼロに合わせると白飛び・黒つぶれが少ない写真に仕上げられるので、夜景の明るさに応じて
ISOなどを調節して適正露出(ゼロの目盛り)でシャッターを切りましょう。
撮影後にレタッチをする場合は、白飛び防止のため少し暗めで撮影するとよいでしょう。
ホワイトバランスで色を操る
露出補正では写真の明るさをコントロールしますが、ホワイトバランスでは”色味”を操ることで写真の印象を調整できます。
ホワイトバランスを太陽光(5000KBなど)に設定すると、肉眼で見るのと同じフラットな色合いになります。ビルの無機質さを表現したい場合は、ホワイトバランスを蛍光灯(4200KBなど)に設定するとクールな写真が撮れます。
一方でホワイトバランスを日陰(8000KBなど)に設定すると、ビルから溢れる明かりに暮らす人たちの生活を切り取った暖かい写真に仕上がります。
ISO感度で明るさを調節する
シャッタースピードを遅くしても十分な明るさにならないときは、ISO感度を上げて明るい写真を撮影しましょう。
ただし、ISO感度は上げすぎるとザラザラした不鮮明な写真になってしまいます。対称的に、三脚を 持っているときはシャッタースピードを長くし、できるだけISOを上げずに撮影すると滑らかな写真になります。
一方で、手持ち撮影のときは手ブレを防ぐためにISO感度を上げます。最近の一眼レフカメラやミラーレスカメラは高性能の機種も多く、ISOを上げてもキレイな写真を撮れるので、プレビュー表示を確認しながらちょうどよいISO値を探してみてください!
都会で美しい夜景写真を撮る3つのコツを伝授
■撮影機材:Canon EOS Kiss X3+EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM
■撮影環境:シャッター速度4秒 絞りF9 ISO200 焦点距離80mm・マニュアルモードで撮影
場所と使用する機材
今回の記事を執筆するにあたって、大阪市北区にある市内が一望できる展望スポット、梅田スカイビルの「空中展望台」から大阪・神戸の夜景を撮影しました。
都会の中心地に限らず、展望台や天守閣など夜景を撮影できるスポットは全国各地に存在します。夜景は季節や天気に左右されず、いつでも撮影できるのでオススメです。夜景の撮影に行くときはカメラに加えて三脚とレリーズを持参することをオススメします。
手持ち撮影でシャッタースピードの長い写真を撮った場合、どうしても手ブレした写真になってしまいます。安価なものでも良いので、カメラをしっかりと固定して手ブレのしない写真を撮影するために三脚を持っておきましょう。
三脚にカメラを載せていても、カメラを触ってシャッターを切ると手ブレの原因になります。レリーズを使用することで、撮影のときの振動をカメラに伝えずに撮影できます。(レリーズがない場合はセルフタイマーを設定することで代用可能です。)
コツ① ビルの構図を意識する
■撮影機材:Canon EOS Kiss X3+EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM
■撮影環境:シャッター速度4秒 絞りF8 ISO100 焦点距離28mm・マニュアルモードで撮影
乱立するオフィスビルの広がりを表現したいときは横向き構図の写真に、オフィスビルの高さを強調したいときは縦向き構図で写真を撮りましょう。
ビル群だけがいっぱいに映っていると、のっぺりとした写真になってしまいがちですが、一般道路や高速道路、線路など光の曲線を取り入れることで、よりダイナミックな撮影ができます。
また夜景全体を写真におさめるのではなく、あえてオフィスビルの一部分を切り取ることで、無機質なデザインの模様が印象的な写真を撮影することもできます。スマホの壁紙に設定してもオシャレです ね!
コツ② ビルに重厚感を持たせる
ビルの外壁のうちの一面だけを撮影すると、すらっと縦に長く伸びている様子を表現できるのに対して、外壁のうち二面を撮影することでビルのずっしりとした重厚感を表現した写真を撮影できます。
ほかにも高層ビル群とだけを1枚に収めるのではなく、周りの住宅街やマンションを写真の一部に取り入れることで、よりビルの重厚感や高さを強調したインパクトのある写真を撮影できます。
コツ③ 夜空とビルのバランスを変えてみる
縦向きの写真と横向きの写真、いずれにしても主題をきちんと強調するためには地上と空のバランスが重要です。
日が沈むマジックアワーに空のグラデーションを主題にした写真を撮影したい場合は、ビルの夜景よりも空を広く撮影した写真にするとよいでしょう。逆に、ビルの明かりが主題の写真を撮影するときは、空の範囲を狭くします。
撮影するシチュエーションや表現に合わせて、空とビル群のバランスを変えてみてください。
作例写真
■撮影機材:Canon EOS Kiss X3+EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM
■撮影環境:シャッター速度6秒 絞りF9 ISO100 焦点距離38mm
マニュアルモードで撮影大阪市北区にある梅田スカイビルの展望台「空中庭園展望台」から、淀川を撮影しました。淀川を真ん中に写真の奥に配置して、手前には住宅街のまばらな明かりを入れました。
■撮影機材:Canon EOS Kiss X3+EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM
■撮影環境:シャッター速度5秒 絞りF9 ISO100 焦点距離48mm・マニュアルモードで撮影
大阪駅周辺のビル群の下層階を切り取り、手前には流線型の高速道路を取り入れました。シャッタースピードを6秒にしているので、車の軌跡が撮影できています。
トラブル防止!夜景撮影でのマナー
夜景の撮影ではトラブルを避けるため撮影場所で気をつけるべきマナーについてご紹介します。
三脚が使用できるスポットかを確認する
展望台によっては、三脚を使用した撮影やカメラを固定して撮影することが許可されていない場合があります。
三脚の使用が禁止されている施設には、あらかじめ注意喚起のために張り紙が貼られていることが多いですが、もし不安な場合は施設を管理している人や警備員の方に尋ねるようにしましょう。
人混みのときは周りに注意する
人気の撮影スポットで夜景を撮るときには、周囲に注意をして撮影しましょう。
三脚を移動させることやカメラの構図を変えるときにカメラのファインダーばかりを見ていると、どうしても周囲の様子に気づかないことがあります。特に三脚を移動させるときには周りに人がいないかを確認してから移動させるようにしてください。
立入禁止の場所には絶対に入らない
室内・屋外にかかわらず立入禁止の場所に立ち入ることや、柵を乗り越えて写真を撮影することは絶対に避けましょう。
施設が定めたルールに従わない場合、建造物侵入罪などで訴えられる可能性もありますし、なにより安全に撮影をするためにも撮影が許可されているスポットでのみ夜景を撮影するようにしましょう。
まとめ
■撮影機材:Canon EOS Kiss X3+EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM
■撮影環境:シャッター速度6秒 絞りF9 ISO100 焦点距離48mm・マニュアルモードで撮影
この記事では、夜景を一眼レフカメラやミラーレスカメラで撮影するときのモードや設定方法、キレイに撮影するコツや注意点などについてご紹介しました。
昼間の撮影よりも難易度が高いと思われがちの夜景撮影ですが、三脚やレリーズといった機材を使ってマニュアルモードで正しい設定をしてシャッターを切れば、誰でも都会の夜を写真に切り取ることができます。
三脚を使用する際のマナーや周りの人に注意をしながら、マニュアルモードで自分好みの写真の明るさや色味に設定し、旅行先でとっておきの1枚を撮影してみてはいかがでしょうか?
※本記事の作例は全て緊急事態宣言発令期間前に撮影されたものとなります
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
暗い場所での撮影は昼間よりも難易度が高いと思われがちですが、カメラの設定と撮り方のコツさえ知っていれば、誰でも簡単に美しい夜景の写真を撮影できます。
この記事では、都会の夜景を撮影するときに一眼レフカメラの設定や、持っておいたほうが良いアイテム、撮影をするときの注意点などを解説します。
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KEYWORDS:
夜景,撮り方,初心者
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AUTHOR:
TITLE: SNS映えする写真を撮る方法|インスタ100選の街 びわ湖高島市
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 06/26/2020 17:00:00
TAGS: 風景
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BODY:
はじめに~滋賀県高島市について~
私が公認フォトアドバイザーをさせて戴いている滋賀県高島市は、インスタ映え100選の街でも有る。とはいえ、びわ湖畔に広がる広大な土地に人口五万人弱の長閑な田舎街を、名前を聞いただけで分かる人は極小数でしょう。
私は仕事柄、一年の半分以上を全国旅しながら生活しているので、行く先々で高島市を知っているか尋ねるようにしているのだが、知っていると答える人は殆どいないのが現状である。
しかし、私が撮影した高島市の写真をお見せすると「ここは知っている、見たことが有る」という人はかなり多い。少なくとも風景撮影を趣味としている人たちの間では高島市という名称は知らなくても見覚えの有る街になっている事は間違いなさそうである。
そう考えるとInstagramやFacebookといったSNSというものは、視覚的にものを訴えかけるには有効な手段であることを再確認させられるわけで、映える写真なる言葉が市民権を得ているのも頷ける。
現在、写真愛好家であればSNSを利用されている方は非常に多いと思う。そして少なからず、他者からのいいね等のリアクションが欲しいと考えるのが人情というものでしょう。その鍵を握る大きな要素が「映え」で有ることは誰が考えても解ることだと思います。
ではどうしたら良いのか?ここからは映える写真に関して、私なりの考えや設定を交えながらお話させていただきます。
今回の舞台である高島市は、先の町村合併により高島町、安曇川町、新旭、今津町、マキノ町、朽木村の6つの地域が合併した街です。その6つのエリアはそのままの町村名で残されており、それ故にそれぞれの特色も色濃く残っていて、各土地の個性を楽しめる事も高島市の特徴となっています。今回は写真それぞれにエリア名も記載させて頂きますので来訪時に参考にしてください。
それではここから写真を観ながら映える写真ポイントを解説させて戴きます。
映える写真のポイントその1:季節にタイムリーな写真撮影
SNSを見る側の意識として、その時期に合った写真に目が行きがちになることは当たり前の事ですよね。春に紅葉の写真を見ても、どんなに美しい写真でも何で今?みたいな雰囲気になります。やはり春といえばまず思いつくのが桜や新緑の写真です。その時期に合った写真を撮影して投稿することが共感を得る第一歩となります。
この写真はマキノ町の海津大崎で撮影した写真です。海津大崎は日本の桜の名所として有名な場所なので、桜の時期が始まると関西地方のTVのニュースではここからの中継が増える場所です。桜を窓枠構図にして、背景のびわ湖に浮かぶ観光船と竹生島が並ぶタイミングでシャッターを切っています。この時、少し映えるようにカメラの設定を変更している所もポイントになります。
使用機材はSONY α7ⅢとSEL1224Gです。この組み合わせは元々の発色も綺麗なのですが、撮影時にホワイトバランスを太陽光に設定してαの設定項目にあるクリエイティブスタイルを風景にセットしています。ここまでの設定だと普通だと思われるでしょうが更にここから設定を掘り下げております。
クリエイティブスタイル設定時にダイヤルボタンの右をクリックすると、コントラストと彩度とシャープネスをプラスマイナスで設定することが出来ます。この時はコントラスト+1彩度+2シャープネス±0に設定して撮影しております。この設定に変更することによって桜の花自体の色も増すのですが、晴れた空とびわ湖の青色にも深みが増して、より印象的なコントラストを表現することが可能となります。
映える写真のポイントその2:解像感のある写真で魅せる
折角の一眼カメラを使用しているのであれば、スマートフォンに対して優位な部分を最大限に生かすことが映える写真に繋がります。
解像感のないモヤっとした写真より、細かな部分までスッキリ描写している写真は、やはり見る人を惹きつけてくれます。
この写真は朽木村エリアで撮影したものです。朽木村は、高島市で唯一びわ湖に面していない原生林が広がる山側のエリアです。私は、朽木村エリアでは山中で植物の写真を撮影することが多いのですが、この写真もその中の一枚になります。登山道に入り大きな木のそばで見上げると雄大な自然を感じる事が出来ます。春から初夏にかけて新緑が美しく輝くエリアでもあり癒しを感じさせてくれます。
この場所の空気感を、見る人に少しでも多く伝える事が映える写真に繋がるのですが、力強く輝く新緑の葉の一枚一枚を描写してあげる解像感が必要になります。その為には一眼カメラと良いレンズが必須になりますし、カメラ自体も高画素機が欲しい所です。
撮影機材はSONYα7RⅣとSEL1635GMを使用して撮影したのですが、約6100万画素とGMレンズの組み合わせは流石としか言いようがなく、等倍で確認すると無数に有る新緑の葉の一枚一枚の葉脈まで写っており、納得の解像感に満足しました。
映える写真のポイントその3:ボケを活かして雰囲気で魅せる
一眼カメラを使用する事でボケの描写を演出することが出来ます。ピントが合っている部分から、なだらかで美しいボケを表現することにより、見る人の感性を刺激することで映える写真に繋がります。
この写真は今津町で撮影しました。今津町は知る人ぞ知る彼岸花の群生地で、琵琶湖畔に咲く無数の彼岸花の撮影に年々撮影に訪れる人が増加している、人気上昇中の撮影スポットです。写真を見てお気付きの方も居られると思いますが、赤では無く黄色い彼岸花なのです。勿論この場所でも大半の彼岸花は赤色なのですが、毎年探すと数本だけ黄色い彼岸花を見つける事が出来るので、私のささやかな楽しみにもなっています。
珍しい色の花という点でも映える写真になると思いますが、更にボケの表現をミックスさせることにより、より一層の映えを演出することが出来ます。
撮影機材はSONYα7RⅣとSEL90M28Gを使用して撮影しています。マクロレンズの特性を生かして、雨の降る中で彼岸花の水滴に写る雌蕊にピントを合わせて、開放F2.8で思い切りボケを演出した写真を狙ってみました。
映える写真のポイントその4:暮れと逆光でドラマチックに魅せる
基本的に写真は順光の方が撮影しやすく、構図に有る被写体全てを描写しやすいのですが、平凡で説明的になりがちという側面があります。一方で逆光での撮影は難しく、暗部か明部どちらかを主体にする必要が有りますが、ドラマチックな表現が出来るので映える写真に繋がります。
この写真は安曇川町で撮影しました。安曇川町は春から秋にかけて、もの凄い数の鷺が集まります。そして冬には、コハクチョウの群れが越冬にやってくる野鳥のサンクチュアリと呼べるエリアです。夕暮れに空が赤く染まる時間帯に、鷺が木の上で羽を広げる瞬間を逆光の中で狙いました。空のオレンジから濃い赤色までのグラデーションの中で、一番逆光が強い部分にあえて鷺を配置する構図にして、羽を広げた瞬間がドラマチックで印象的な雰囲気になるよう演出して撮影しています。
撮影機材はSONYα7RⅣとSEL200600Gを使用して撮影しています。SEL200600Gの望遠端600mmでの撮影なのですが、比較的強い逆光でも鷺の広げた羽の先までディテールが失われずに描写されています。こういったシュチュエーションにおいてコントラストの弱いレンズを使用すると、羽の先が逆光に飲み込まれて描写されず使えない写真になってしまうことが有るのですが、SEL200600Gに関してはその様な心配は皆無なので、安心して逆光で使用出来ます。
映える写真のポイントその5:CPLフィルターを使用して偏光で魅せる
特に風景写真では、CPLフィルターを使用する事によって色を濃くする事がフィルム時代からよく用いられてきましたが、CPLフィルターにはもう一つよく使用される理由が有ります。
それはレンズに入る光を偏光させることで、湖や川や海などの水面を反射させて水中を見えなくしたり水中を見えるようにしたりする使用方法です。水面を反射させることや水底まで描写することによって、表現の幅を広げ他の人と少し違う描写をすることで映える写真が狙えます。
この写真は高島町にある白髭神社の湖上鳥居です。まさにInstagram等のSNSでは無数にみられる撮影スポットになっています。びわ湖が日本一の広さの湖で有ることは殆どの日本人が知っていると思いますが、水質が北側と南側では雲泥の差が有ることは全国的にはあまり知られていません。高島市はびわ湖の北西側に位置しており、びわ湖の水質は素晴らしく透明度も高いので、浅瀬では湖の底が透き通って見えます。そこで、CPLを使用して鳥居前の水中に無数に沈む湖底の岩を表現して、他の方とは少し違う感じで映える写真を狙った撮影にしてみました。
撮影機材はSONYα7RⅣとSEL1635GMに、CPLフィルターとLeofoto LM-365C三脚とG4ギア雲台を使用して撮影しています。Leofotoの三脚は最近各所で話題になっていますが、凄く頑丈なのに軽量なので最近の私のお気に入り機材として無くてはならない存在になっております。風景写真の撮影において、自由雲台ではせっかく決めた構図が最後の締め付けでズレてしまいがちですが、G4ギア雲台を使用する事でミリ単位の構図合わせが簡単にしっかり素早く出来ます。それでいて軽い事もG4ギア雲台の凄い所です。
映える写真のポイントその6:NDフィルターを使用して流れる雲を描写する
青い空に白い雲は映える写真の定石ですが、更に一歩進んだ表現としてNDフィルターを使用して長秒露光することで、雲の流れを表現することができ、更なる映える写真撮影が可能になります。
この写真は新旭エリアびわ湖畔湿地帯で撮影しました。
このエリアは、冬は無数の葦に覆われていて様相が全く違うのですが、冬の終わりに刈り取りをするので春先には広大な湿地帯が広がります。この時期に撮影すると日本では無いような写真が撮れますので、映える写真の撮影にはオススメです。
この日は殆ど風が無かったので、ND10000のフィルターを使用して光量を落とすことで、露光時間5分の長秒露光にして雲の流れを表現してみました。
撮影機材はSONYα7RⅣとSIGMA14-24mmF2.8DGDNartを、Leofoto LM-365C三脚とG4ギア雲台にセットして、KANIフィルターのND10000を使用して撮影しました。
SIGMAの新しくミラーレス用に開発されたDGDNシリーズは、解像感も発色も素晴らしのですが、14-24mmF2.8の場合、前玉がいわゆる出目金レンズの為フィルターがレンズ前に装着できません。ですが、KANIフィルターの専用ホルダーと150mmの角型フィルターを使用する事で、ケラレなくフィルターを使用出来ます。今回使用したND10000になると日中でも露光時間五分が必要となり、ここでもLeofoto LM-365C三脚の頑丈さに助けられて撮影することが出来ました。ND10000を使用しても色味が損なわれないKANIフィルターも本当に素晴らしいです。
最後に
インスタ100選の街びわ湖高島市には、まだまだ紹介したい撮影スポットがたくさんあります。高島市はJR京都駅からJR湖西線を使用して約一時間で来ることができますので京都に観光旅行に来られる際に一日遠征で来て頂くのにもオススメです。
それでは皆さんの映える写真写真をSNSで見るのを楽しみにしています。
※本記事の作例は全て緊急事態宣言発令期間前に撮影されたものとなります
この記事に使用した機材
【ソニー】α7R IV ボディ [ILCE-7RM4]
商品を見る 【ソニー】α7III ボディ [ILCE-7M3]
商品を見る
【ソニー】FE 12-24mm F4 G [SEL1224G]
商品を見る 【ソニー】FE 16-35mm F2.8 GM [SEL1635GM]
商品を見る
【ソニー】FE 90mm F2.8 Macro G OSS [SEL90M28G]
商品を見る
【ソニー】FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS [SEL200600G]
商品を見る
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんに、映える写真のポイントについて解説いただいています。今回の作例には、インスタ映え100選の街 びわ湖高島市の撮影スポットで撮影し、どのような工夫があるのかも教えていただいています。
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KEYWORDS:
写真の撮り方,映え写真,インスタ映え,SNS映え写真,
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AUTHOR:
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO レビュー|PROスペックはそのままに小型軽量を実現した標準ズームレンズ
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CATEGORY: 礒村浩一
DATE: 06/30/2020 18:00:00
TAGS: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO,オリンパス(Olympus) レンズ,標準ズーム
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BODY:
使い勝手の良い焦点距離域を採用
オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」は、マイクロフォーサーズマウント用の標準ズームレンズだ。35mm判換算にして24-90mm相当の画角を持ち、高画質レンズシリーズのM.ZUIKO PROレンズながら、開放絞り値をF4.0にすることで、コンパクトかつ軽量なレンズサイズを実現している。同じくM.ZUIKO PROレンズシリーズにはこれまで標準ズームレンズとして「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」がラインアップされている。
これらのうち「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」は高倍率ズームレンズとなることから、実質的な標準ズームレンズとしては「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」と、この「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」の2本が同じカテゴリーのレンズということになる。この2本の違いは、望遠端が5mm(35mm判換算10mm相当)の差と開放絞り値がF値にして1段分の違いとなる。なお両者の質量の差はフードを装着した状態で実測およそ132g、本レンズの方が軽い。
主なスペックと外観
M.ZUIKO PROレンズ共通の高い剛性感と外装の高級感を継承しており、E-M1 MarkIIIとの組み合わせでは精悍な印象となる。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO の主なスペック
■マイクロフォーサーズ規格マウント
■広角端12mm〜望遠端45mm (35mm判換算24〜90mm相当)
■レンズ構成:9群12枚(HRレンズ2枚、DSAレンズ1枚、スーパーHRレンズ1枚、非球面レンズ2枚、EDレンズ2枚)
■最短撮影距離:0.12m(広角端) / 0.23m(望遠端)
■最大撮影倍率:0.25倍(35mm判換算0.5倍)
■絞り羽枚数:7枚(円形絞り)
■大きさ:最大径63.4mm 全長70.0mm
■質量:254g
■フィルターサイズ:58mm
■防滴仕様:保護等級1級(IPX1)*オリンパス製防滴対応カメラとの組み合わせ時に有効
画質を検証
軽量コンパクトとなったといえども、M.ZUIKO PROレンズを名乗るからには画質にも期待がかかる。そこで広角端と望遠端それぞれで撮影した画像を細かく見てみよう。
広角端12mmの解像力検証
広角端12mmで撮影。開放絞りF4.0から最小絞りF22まで一絞りごとに撮影して、画像の中央部および周辺部の解像状況を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
■画像中央部写真
開放絞りF4.0からF5.6はビルの窓枠の細い線、奥の建物のバルコニーの手すりなどを含め極めて細かく解像している。またF8.0からF11でも高い解像力が見られる。F16で若干緩くなるがまだ十分に解像しており、最小絞り値のF22ではかなりの緩さが認められる。
■画像周辺部写真
広角域の周辺画像としては開放絞りF4.0でも驚くほどに解像しており、F5.6からF8.0にかけて解像力がピークを迎える。F11では若干の低下が見られるもののまだ十分な解像力を保っている。F16では小絞りによる回折現象で解像力低下が顕著になりF22では緩さが目立つ。
望遠端45mmの解像力検証
望遠端45mmで撮影。開放絞りF4.0から最小絞りF22まで一絞りごとに撮影して、画像の中心部および周辺部の解像状況を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
■画像中央部写真
開放絞りF4.0ではビルの窓枠やアンテナなどの細い線なども十分に解像している。F5.6からさらに解像力が高まりF8.0からF11で非常に高い解像力が見られる。F16でもまだ十分に解像しており、最小絞り値のF22ではさすがに緩さが認められるものの実用範囲だ。
■画像周辺部写真
画像中央部同様に開放絞りF4.0から驚くほどに解像しており、F5.6からF8.0にかけてが解像力のピークとなる。F11で若干低下が見られるものの、まだまだ優れた解像力を保つ。F16では小絞りによる回折現象による解像力低下が顕著になり、F22では全体に緩さが目立つ。
検証の結果として、広角端・望遠端共に開放絞り値F4.0から画面全域でとても優れた解像力を発揮しており、さらにF8.0まで絞り込むことでこのレンズが最も解像力が上がるピークを迎える。
F11からF16まででも十分に高画質をキープしているので、撮影状況に応じて最適な絞り値を選択できる。ただし絞り込みすぎると小絞りの影響が出てくるので、通常はF16までの絞りの範囲で撮影することを心がけると高い画質の画像を得ることができるだろう。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROとの比較
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROの位置付けとしては、同カテゴリーであるM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROより開放絞り値を1段抑えたF4.0とすることで、レンズ径を小さくするとともにレンズ全体をひとまわりほどコンパクトに、かつ軽量化したモデルということになる。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROも開放絞り値F2.8通しのレンズとしては十分にコンパクトなレンズではあるが、より小型なカメラであるOM-D E-M10 MarkIIIやPENシリーズとの組み合わせでは、レンズの大きさがカメラボディのサイズに勝ってしまうことも少なくなかったと感じる。
それ故に今回のM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROの発売は、これらのカメラユーザーにとっても高い画質を保持しながらコンパクトなレンズを選ぶことができるメリットのあるものだといえる。
以下はM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO(左)とM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO(右)との外観の比較だ。カメラはどちらもE-M1MarkIIIである。
■正面:開放絞り値の違いによるレンズ径の違いに注目
■上面:広角端 両者をカメラに装着して並べると太さ、長さ共にその違いがよくわかる。なおM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROではマニュアルフォーカスクラッチ機構とL-Fnボタンが省かれた。
■上面:望遠端 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの方が、焦点距離が10mm長いにも関わらず、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROの方が、圧倒的に繰り出しが短いことがわかる。
これら2本のレンズの解像力の違いを確認すべく、前項で行なった解像力テストと同様の撮影をM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROでも行いその結果をM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROと比較したところ、これら2本のレンズの解像力はほぼ同等、もしくは条件によってはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROの方が上であることを確認した。
大きく重いレンズでなければ高い画質とならないといった常識は、このレンズの登場でもはや意味をなさなくなったのだ。これにより撮影者は開放絞り値の明るさで選ぶか、レンズの大きさ軽さで選ぶかといった選択が、画質に妥協することなく可能となったことになる。
一方、F4.0という開放絞り値だと浅い被写界深度によって大きな背景ぼけを演出するといった撮影は難しい。その点ではやはり明るいレンズには勝てないが、被写体と背景の位置関係をうまく調整するなど撮影時に工夫をすることで、それなりにカバーすることも可能だろう。
そもそもマイクロフォーサーズ規格のカメラは、その構造から背景をぼかしにくいという特徴があるのだから、そこは割り切って明るい単焦点レンズを用意するなどして、より効果的な演出を心がけたい。
ところで、これまでに筆者はM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROを発売開始の2013年当時から長年愛用してきているのだが、このレンズの不満点として唯一、逆光での撮影時にハイライト部が明るく滲むことがある点が気になっている。そこで、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROでも同様に輝度差の大きい状況を画面内に再現して検証を行うことにした。
レンズの焦点距離はワイド端12mm。絞り値をF4.0に揃えて撮影。快晴の空で輝く太陽を、ビルの最上部で隠す構図を作ったうえで露出補正を行ないビル壁面に露出を合わせている。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROとM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROそれぞれで撮影した画像を等倍にしてその部分を切り出し確認する。両者の描写を確認すると、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROで見られるわずかな光の滲みが、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROではまったく見られない。これは様々な状況下での撮影を行う私にとって、とても嬉しい改善点だ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO 実写作例
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO64 F10 1/25 マニュアルモード WBオート
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F5.6 1秒 絞り優先モード -0.7EV WBオート
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F5.6 1/1000 絞り優先モード +0.3EV WB晴天
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F5.6 1/1000 絞り優先モード WB晴天 手持ちハイレゾショット
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F4.0 1/2000 絞り優先モード WBオート
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F5.6 1/1600 絞り優先モード WBオート
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F5.6 1/800 絞り優先モード -0.3EV WBオート
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F5.6 1/1000 絞り優先モード +1.0EV WBオート
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F4.0 1/2000 絞り優先モード +0.7EV WBオート
■モデル:夏弥<https://ameblo.jp/beautiful-summer12/>
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F5.6 1/800 絞り優先モード +0.7EV WBオート
■モデル:夏弥<https://ameblo.jp/beautiful-summer12/>
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:ISO200 F5.6 1/125 絞り優先モード +1.0EV WBオート
■モデル:夏弥<https://ameblo.jp/beautiful-summer12/>
画質に妥協しない軽量コンパクトなPROスペック標準ズームレンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROはM.ZUIKO PROレンズシリーズに相応しい高画質の標準ズームレンズである。2013年にM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROを発売してすでに9年近く経っていることからも、オリンパスが今このレンズを最新の技術でリリースすることの意味は大きいと考える。
高い画質をキープしたまま軽量コンパクトサイズに作り上げた標準ズームレンズは、今後のミラーレス一眼カメラの方向性を示す意思表示と捉えることもできるだろう。大きく重いレンズでなければ高い画質のレンズにはならない。
そんな常識さえも過去のものとしてしまう可能性を、この小さく軽いレンズに見ることができる。
E-M5 MarkIIIとの組み合わせ
※本記事の作例は全て緊急事態宣言前に撮影されたものとなります
この記事に使用した機材
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
商品を見る 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
商品を見る
【オリンパス】OM-D E-M5 MarkIII 12-45mm F4.0 PROキット ブラック
商品を見る
【オリンパス】OM-D E-M5 MarkIII 12-45mm F4.0 PROキット シルバー
商品を見る
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の礒村浩一さんによるオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO レビューです。PROスペックはそのままに小型軽量を実現した標準ズームレンズを作例や解析と一緒にご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス.OLYMPUS,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO,レビュー,標準ズームレンズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: DJIジャパン Mavic Air 2レビュー | 本格撮影が可能なドローン
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 07/02/2020 17:00:00
TAGS: MAVIC,DJI(ディージェーアイ) ドローン,その他のカメラ
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BODY:
はじめに
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本文の最後に、坂井田富三さんが講師を務めるオンラインドローン教室開催(無料)についてのご案内がございますので、是非
こちら についてもご確認頂き、ふるってご応募ください。
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2020年5月21日にDJIから発売になった、4K/60fps撮影対応の折りたたみ式ドローン、DJIジャパンの「Mavic Air2」。非常に気になっている人も多いのではないでしょうか。本格的なドローンで実売価格が約10万円ちょっとというのも大きな魅力です。
このMavic Air2の発売形態には、「Mavic Air2本体」と「Mavic Air2 Fly More Combo」の2種類があります。筆者のおすすめは「Mavic Air2 Fly More Combo」になります。このComboには、本体の他に追加の予備バッテリー2個やバッテリー充電ハブ、予備プロペラ、収納バックなどのアクセサリーが充実したセットになっています。
「Mavic Air2 Fly More Combo」であれば、バッテリーはトータル3個のセットになるのでたっぷりとドローンを飛ばす事がでます。またバッテリーの充電を効率的にできる「バッテリー充電ハブ」がセットになるので、バッテリー3個を一度にセットし充電することが可能です。
Mavic Air2の特徴
Mavic Air2 の特徴として挙げられるのは、最大飛行可能時間34分という魅力的なスペックです。DJIのドローンは、バッテリー残量がおおよそ15~10%を切ると安全の為にホームポイントに戻るような機能があります。その為Mavic Air2で安全に飛行できる時間は実質約30分程度となりますが、30分も飛行できるのはとても魅力的だと思います。
ちなみに以前にレビューで紹介した
Mavic Mini のバッテリーは、最大飛行可能時間18分で安全に飛行ができる時間としては約15分程度です。Mavic Air2 はMavic Miniの2倍の時間の飛行が可能になっているのでバッテリー1個での撮影の自由度が格段に広がり、安心して飛行させる事でき、撮影に集中することができます。
※実際に飛行可能な時間は、操作方法や風速、飛行パターンなどにより変化します。
※左:Mavic Miniバッテリー 右:Mavic Air2バッテリー
Mavic Air2 の搭載カメラは新開発の1/2型CMOSセンサーで、Mavic 2 Zoomが1/2.3型なので、これより少し大きいですが、上位機種のMavic 2 Proは1型でセンサーサイズでは劣ります。
但し、解像度の点では有効画素数8,000×6,000の48メガピクセルになり、静止画では4800万画素と1200万画素の撮影が可能になりました。この4800万画素の撮影スペックは、コンシューマー向けのドローンの中では最大画素数の撮影が可能となっています。
レンズの画角は35mm換算24mmで絞りはF2.8固定。ISO感度は動画で100~6400。
動画は4K/60pの撮影が可能になり、さらに動画の最大ビットレートは120Mbpsとなり従来の機種よりもアップしています。
Mavic Air2はセンサーが前方と後方、そして下方にビジョンセンサーを備えています。障害物回避システムのバージョンがAPAS 3.0となり、飛行に対して旧機種よりも安心感が増しています。
ただ、上位機種にある側面のセンサーを搭載されていないので、ドローンの左右に対する障害物には注意が必要となります。映像伝送システムはOcuSync 2.0で、日本においては周波数の関係で2.4GHz帯のみの伝送となりますが、最大伝送距離は6kmと従来機よりも大幅に距離が伸びています。
※イメージ ビジョンセンサー後方部
※イメージ ビジョンセンサー下方部
Mavic Air2を操るコントローラーは、アンテナが内蔵型のシンプルな新デザインになり、スマートフォンもコントローラーの上部に挟み込むタイプに変更されて、非常に扱いやすくなっています。
使用するスマートフォンのアプリは、Mavic Miniで採用された「DJI Fly」を使う仕様になっています。
Mavic Air2を飛行させる前の準備
DJIが提供している、安全飛行フライトマップのページを確認してみましょう。マップ上に飛行制限空域、規制制限空域、おすすめ飛行可能空域などが色分けして表示されています。
残念ながら東京都内は、ほぼ飛行制限空域になっています。これは東京都が管理している都立の公園と庭園でドローンを含めた小型無人機の使用を全面的に禁止しているからです。
その他自治体でも公園での飛行を禁止しているところも多くありますので、自治体、公園管理事務所などのホームページなどで飛行可能な場所を確認する必要があります。
Mavic Air2を飛行させる
■撮影機材:MAVIC Air2 ■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離 4mm(35mm換算 24mm) 8000x6000ピクセル
今回は海岸で撮影をしてきました。風も穏やかでしたので、非常に安定した飛行と撮影する事ができました。ドローンを飛行させる際には、事前に天候を調べ雨風には十分注意する必要があります。風速計などを携帯して、ドローンを飛行前に現地の状況を確認する事も重要です。
VIDEO
Mavic Air2が飛行している状態です。もう1台のドローンで撮影してみました。
VIDEO
Mavic Air2で上の飛行状態から飛行した画像がこちら
■撮影モード:4K(3,840x2,160)フレームレート30fps
VIDEO
■撮影モード:4K(3,840x2,160)フレームレート30fps
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■撮影モード:4K(3,840x2,160)フレームレート30fps
■撮影機材:MAVIC Air2 ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO110 焦点距離 4mm(35mm換算 24mm) 8000x6000ピクセル
普段見ることできない俯瞰でみる風景は新鮮で、ドローンで撮影する最大の魅力です。
■撮影機材:MAVIC Air2 ■撮影環境:シャッター速度1/120秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離 4mm(35mm換算 24mm) 8000x6000ピクセル
Mavic Air2の楽しい機能
MAVIC Air2では新しくなったトラッキング機能が非常に魅力的な機能としてあります。このフォーカストラックを使えば、人物をロックしてドローンが自動で追尾して撮影をしてくれます。まるで映画のワンシーンのような撮影ができてとても楽しい機能です。
ただ注意点として、このMAVIC Air2では障害物回避機能のセンサーが上と側面にはないので込み入ったところでのトラッキング追尾は衝突の危険性があるので、周りの環境をよく確認した上で撮影する必要があります。
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■撮影モード:4K(3,840x2,160)フレームレート30fps
MAVIC Air2で自動撮影できるクイックショットは、ドローニー、サークル、ヘリックス、ロケット、ブーメラン、アステロイドの6種類を搭載しています。この機能を使えば、簡単に複雑な撮影をすることできます。とても楽しい機能なので有効に活用したいところです。筆者のお気に入りはアステロイドです。
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■撮影モード:クイックショット(ドローニー)
ドローニーとは、MAVIC Air2が被写体を自動で画面中央に捉え、斜め上後方に進みながら動画撮影をするクイックショットのモードです。
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■撮影モード:クイックショット(サークル)
サークルとは、被写体の周囲を回転しながら撮影するモードです。
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■撮影モード:クイックショット(アステロイド)
アステロイドは、機体が後方に上昇しながら写真を撮影しその後始点に戻ります。
動画として保存されますが、最高地点のパノラマからスタートして、下降していく映像になります。小さな地球を作り出すような不思議な動画が自動で作成できるモードです。
撮影地に行ったら、一度は撮っておくといいモードではないでしょうか。
まとめ
MAVIC Air2は、MAVICシリーズの最新機種でこのシリーズでの熟成感をあり安定した性能を発揮できる扱いやすいドローンと言えるでしょう。
カメラの性能のアップ、様々なシーンの撮影に余裕を持って対応できるバッテリー容量を搭載し、本体価格も約10万円となっており、ドローン撮影をしっかりと始めたい方の最初の1台として最適なドローンではないでしょうか。
ドローンの飛行にはいろいろな規制が伴います。使う人がルールを正しく理解し、ルールを守り安全な飛行を心がける事で、今後ドローンを楽しく安全に飛行できる環境が整っていきます。まずはしっかりと飛行ルールを学ぶことからはじめてみましょう。
国土交通省のホームページには、無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルールに関する事が記載されています。ドローンに興味のある方は一度しっかりと内容を確認する事をおすすめします。
【参考】国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
オンラインドローン教室(7/11開催・無料)について
今回初の試みとして、ShaShaの記事と連動するかたちで、坂井田富三さんによるオンラインドローン教室「ドローンの楽しみ方、選び方」を開催予定です。これからドローン始めようとされている方も、既にドローンをお持ちの方も楽しめる内容となっておりますので、是非ご参加ください。ドローンにはどんな種類があるか?から、飛ばす時の注意事項、選び方、上達方法、失敗談などをお伝えさせて頂く予定です。
■開催日時:2020年7月11日(土)13:30~14:30
■参加費用:無料
■開催方法:Zoomを使用
■参加人数:10人
■出演講師:坂井田富三
■申し込み:メールに①ニックネーム、②ドローン経験、③お持ちの方はSNSのURLを記載の上、下記応募ボタンより送信してください。応募人数多数の場合は、抽選を行い当選結果のメールをご連絡させて頂きます。申し込みは7月10日(木)AM10:00に締め切りさせて頂きます。
(お願い/ご注意)
当日はZoomを利用して教室を行います。Zoomの利用方法は当選メールに記載させて頂きますが、円滑に教室を進行する為Wi-Fi環境でのご利用を推奨いたします。
申込はこちら
この記事に使用した機材
【DJIジャパン】Mavic Air 2 Fly More Combo
商品詳細ページ 【DJIジャパン】Mavic Air 2
商品詳細ページ
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写真家の坂井田富三さんによるMavic Air 2のレビュー記事になります。製品特長や、飛ばし方など丁寧に説明していますので、これからドローンをはじめようと考えられている方も是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
DJI,MAVIC,ドローン,レビュー
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TITLE: 新宿 北村写真機店 のココがすごい!|キタムラ社員が注目ポイントを解説!
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 07/02/2020 23:49:14
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■Photo by Satoshi Asakawa
新宿東口に「新宿 北村写真機店」がOPEN
2020年7月3日(金)、カメラの聖地「新宿」に”世界一のカメラストア”をコンセプトとした、新しい写真の楽しみ方をご提供する店舗をOPEN致しました。
その名も
「新宿 北村写真機店」
1934年に高知県・高知市で創業した「キタムラ写真機店」の名を踏襲し、新たにリブランディングした店舗を立ち上げました。
乗降者数が1日359.4万人(2018年度調べ)という、JR新宿駅の東口から徒歩2分という立地で、初心者の方からプロ写真家の方までお楽しみいただける、
「カメラを愛するすべての人 」へ向けた専門店です。
以下、HPのコンセプトを抜粋してお伝えいたします。
カメラの歴史は、光を遮断された空間に、小さな穴を開けたカメラ・オブスクラという装置に始まります。風景描画のための道具として誕生した“暗い部屋”を意味するこの装置は、やがて光を定着させることができる銀塩版の発明と相まって、目で見たものを直接記録する小型機械となり、さらには人間のもつ多彩な感性を表現する手段にまでなりました。
誰もがカメラを携帯できるようになった今、写真は日常に溢れ、生活の一部となり、コミュニケーションの手段となりました。だからこそ、その当たり前のことを大切にすることで、人生が豊かになりはしないか。『北村写真機店』が提案したいのはカメラ・レンズなどの機材だけに留まらない豊かなフォトライフそのものです。
「撮る」「残す」「治す」「出会う」「知る」「寛ぐ」「繋がる」といった、カメラのある生活に関わるすべてをお客様と共有するための場となります。当店のロゴマークはカメラの基本原理である光の屈折と、Kitamuraの“K”を形取ったものです。さらに人と感性が交わるイメージもそこには反映しています。世界のカメラ愛好家が集まる街、新宿で、これまでになかった写真体験を。これまでになかった規模でお届けします。
全てのお客様に満足してお帰りいただけるよう、各フロアに様々な仕掛けを用意しています。本記事ではその一部のご紹介と、カメラのキタムラ社員である私が注目するオススメポイントをご紹介致します。期間限定のオープニングキャンペーンに関するお知らせもございますので、ぜひご覧ください。
各フロアの紹介とオススメポイント!
まずは、キタムラ史上初となる7フロア展開の地下1Fから6Fまでを、注目ポイントと一緒にご紹介します。筆者が厳選した、HPでも紹介されないオススメポイントもお教えします!
<B1F>Apple製品修理サービス
■Photo by Satoshi Asakawa
B1FはApple製品の正規修理サービスフロアです。意外と知られていないことも多いのですが、カメラのキタムラは全国に店舗を構える、Apple製品の正規修理サービスプロバイダーです。ディスプレイ(画面)やバッテリー交換などの修理を承っておりますので、より身近な写真を残す機材として挙げられるiPhoneに関しても、新宿 北村写真機店で修理することができます。
■iPhone写真展示
またお待ちいただくスペースには、ShaShaのライターとしてご参画いただいている写真家の
三井公一 さんによるiPhone写真の展示もございます。
三井公一さんのiPhoneの撮影テクニックやレビューは
こちら からご覧いただけます。
<1F>スタイル&グッズ
■Photo by Satoshi Asakawa
1Fは、店頭の入口兼スタイル&グッズフロアとなります。フォトライフを楽しむための情報発信拠点として、ここにしかない新宿 北村写真機店オリジナル商品をはじめ、カメラ愛好家のためのギヤを世界から集めました。
■「新宿写真」ジオラマ
店頭でお出迎えしてくれるジオラマは、写真の新しい価値を表現した1/1000の「新宿写真」を展示。見れば見るほど精細に造られたこのジオラマを、スマートフォン・カメラ・ビデオカメラなどで撮影することで、来店のご記念や写真を通した話題提供になればという願いが込められています。
■キタムラ写真機店マネークリップ
筆者イチオシのオリジナル商品をご紹介します。新宿 北村写真機店限定のマネークリップです。決済の電子化が進む中で小銭を持たない生活スタイルをされる方が増えてきています。私も電子決済を多く使用していますが、財布というツールの機能を削ぎに削いだ商品です。単色のカラーリングでロゴのみが差し込まれているシンプルなデザインに、グッときました。
■日本酒販売コーナー
また、日本酒の販売コーナーがあり、兵庫県にある白鶴酒造さまの「白鶴 超特撰」と、高知県にある酔鯨酒造さまの「純米吟醸 酔鯨」を販売しております。酔鯨酒造さまに関しては、弊社ゆかりの地でもある高知県の会社さまというご縁もあって、今回のOPENに合わせて「北村写真機店×酔鯨」のコラボラベルもご用意することができました。ぜひ店頭でチェックしてみて下さい。
<2F>新品カメラ
■Photo by Satoshi Asakawa
2Fは新品カメラフロアです。限られた展示スペースの中で、830点の量を取り扱っています。人がすれ違える幅の展示スペースを確保することで、気兼ねなくゆっくりご覧頂くことができます。ご不明点やご相談の際には、お近くのスタッフにお声がけいただきますと、専門知識を備えたスタッフがお客様にピッタリの商品をご案内いたします。
<3F>ブックラウンジ
■ブックラウンジ
3Fはブックラウンジフロアです。併設のスターバックスコーヒーでお飲み物をご注文いただき、それを飲みながらプリントやフォトブック等の注文を行うことができます。
また、写真集も豊富に取り揃えております。もちろんご購入いただくことも可能ですので、新しいインスピレーションの場としてご活用ください。
■フィルムコーナー
フィルムのご用意もございます。ここで展開している商品で筆者のオススメは
LomoChrome Metropolis TOKYO です。これはロモグラフィーとカメラのキタムラが共同で開発した数量限定のカラーネガフィルムで、手に入るのはキタムラの取扱店舗とロモグラフィーのオンラインショップまたは直営店だけです。
日本限定オリジナル”TOKYO”パッケージとオリジナル缶ケースがついた限定フィルムは、直射日光の下では被写体をシャープに写し出し、暖かい色はイエローやグリーンのトーンに寄る形で変化をします。現像は一般的なカラーネガフィルムと同じC-41現像ということで、新宿 北村写真機店でご購入いただき、お近くのカメラのキタムラ各店、および対応の現像所にて現像ができます。
<4F>中古カメラ
■Photo by Satoshi Asakawa
4Fは中古カメラフロアです。約6,000点の中古カメラ在庫を誇る本フロアは、限られたフロアスペースを余すことなく商品を陳列しています。
ここに関しては実際にご来店いただければお分かりなると思いますが、写真では伝えきれないカメラ・レンズの数に圧倒されます。
現行のミラーレスカメラから往年のフィルムカメラまで、幅広く在庫をお取り揃えしております。
■Photo by Satoshi Asakawa
■#北村水族館
中古フロアには筆者おすすめポイントが二つあります。一つ目は「#北村水族館」です。写真を見て頂ければ一目瞭然ですが、カメラが水槽の中に入っています…ここのブースでは防水カメラを水中に入れて実写体験ができます。防水カメラを購入前に、実際に水に入れてどんな使用感か?どんな写真が撮れるのか?が確認できるキタムラ初の試みです。ただ入れて撮るだけでなく、ライトアップされた水槽の中を撮影できることから、#北村水族館と名付けています。
■マウントアダプターコーナー
オススメポイント二つ目は、「マウントアダプター体験コーナー」です。各メーカーの様々なレンズマウントをお試しいただけるコーナーとなっておりまして、写真の通りマウントアダプターの数を沢山ご用意しております。中古カメラフロアには多くのオールドレンズとカメラがございます。様々な組み合わせでの試写ができる当コーナーに、ぜひお立ち寄りください。
<5F>証明写真スタジオ&Re-pro Center
■Photo by Satoshi Asakawa
5Fは証明写真スタジオとRe-pro Centerです。
まず証明写真サービスは、スタジオ撮影による就職活動・オーディション用プロフィール写真※はもちろん、クイック証明写真(10分仕上げ)に至るまで、写真専門店の技術で撮影いたします。ポージングアドバイス、気になる部分の即日レタッチサービス※などもご活用ください。
※プロフィール写真・即日レタッチサービスは8月にサービスイン予定となります
■Photo by Satoshi Asakawa
Re-pro Centerは、合計10の窓口を用意した中古カメラの買取査定を実施しております。何と言っても、ガラス張りで囲われている作業スペースは、お客様の思い出が詰まったカメラをしっかりと査定させていただいている工程が見えるようにして、安心していただくために公開しています。査定は膨大なデータをもとに知識豊富な専門スタッフが素早く的確に実施、適正査定、高価買取を心掛けております。
<6F>ライカ/ヴィンテージサロン&ギャラリー・撮影スタジオ
■Photo by Satoshi Asakawa
最後に6Fフロア、ライカ/ヴィンテージサロンとギャラリー・撮影スタジオのご紹介です。
まずはライカ/ヴィンテージサロン。最新のライカ製品から世界のヴィンテージカメラまでが集まる、大変価値のあるフロアとなっております。海外のオークションに出品されるような珍しいカメラの取り扱いもございますので、カメラ愛好家の皆さまが、定期的にご来店いただきたくなる体験ができます。
■ライカ製品の展示
■「蜷川実花展 -千紫万紅-」
また、ギャラリー・撮影スタジオでは、プロ仕様の機材が揃ったレンタルスタジオとイベントスペースと併用することで、撮影会からトークショーまで幅広くお使いいただけます。
OPEN時記念展覧会として、「蜷川実花展 -千紫万紅-」をギャラリーで開催します。
本展示の詳細は
こちら よりご覧ください。
オープニングキャンペーンのお知らせ
お待ちかねの情報です。2020年7月3日(金)~7月5日(日)の期間、新宿 北村写真機店オープニングキャンペーンを実施いたします。大変お買い得なキャンペーンが目白押しですので、この機会に是非ご来店ください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
デジタルカメラ人気機種が数量限定最大40%OFF
※割引は2020年6月1日(月)時点での価格に対しての割引率となっております。
※当店指定商品に限ります。※一部アウトレット商品を含みます。
※商品はお一人様1点までとさせていただきます。
※商品の引換券は抽選にて配布いたします。抽選券配布及び抽選発表は複数回ございます。
初回配布は7月3日(金)8:00~配布、10:00抽選結果発表となります。
2回目以降は店頭にてご確認いただき、配布時間前からのお並びはご遠慮ください。
Tポイントくじ
■対象:期間中、新宿 北村写真機店でTカードをご提示の上、1,000円(税抜)以上のお買い上げのお客様
※プレゼントのポイントは2020年7月10日(金)までに付与されます。
※各賞のポイントは、期間限定Tポイントでの付与となります。
※2020年7月10日(金)~8月16日(日)まで、新宿 北村写真機店でのみご利用いただけるポイントとなります。
ネガフィルム現像料金フィルム1本につき、600円(税込660円)が無料
■対象:同時プリントまたはフジカラーCDご注文の方に限ります
※現像サービス単体でのご注文の場合は、お値引きができません。
※店内で現像できるネガフィルムに限ります。
※ご注文からお渡しまでお時間を頂く場合がございます。
さいごに
いかがでしょうか。いつもカメラのキタムラをご愛顧いただいているお客様は「本当にあのキタムラ??」と、初めてご利用になるお客様には「すごい世界観!」と驚いていただける内容たっぷりの店舗だと、スタッフ一同自負しています!
今後様々なイベントや取り組みで、引き続き「新たな挑戦を、新宿から」お届けして参りますので、新宿にお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。
公式サイト・SNSのご紹介
新宿 北村写真機店
〒160-0022
東京都新宿区新宿3丁目26-14
電話番号03-5361-8300
■
https://www.kitamuracamera.jp/
■
https://www.facebook.com/kitamura.camera.tokyo/
■
@kitamura_camera_tokyo
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2020年7月3日にOPENしました「新宿 北村写真機店」について、カメラのキタムラ社員による徹底解説です。ここでしかお伝えしない注目ポイントや、オープニングキャンペーンの情報もございますので、ぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
新宿 北村写真機店,オープニングキャンペーン,カメラのキタムラ,写真展
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ユリ・ラベンダー・レンゲショウマの撮り方 | 北村佑介
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 07/06/2020 18:00:00
TAGS: 花
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はじめに
季節は夏となりました。夏は、前ボケが作りづらい花が多いので、優しく柔らかいイメージや可愛いイメージで撮ることが少し難しいです。そんな夏の花ですが、ポイントさえ掴めばそれらのイメージで撮ることも難しくありません。そのポイントをなるべくわかりやすく解説していこうと思います。
ユリを撮る
ユリは、まさに先程お伝えした、前ボケが作りづらい花です。前ボケなしの写真と前ボケありの写真の2枚を用いて、撮り方を解説していきます。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.5・ISO125・1/250秒
雨上がりに撮った一枚です。ユリのピンクと背景の緑。その色のバランスがとても気に入っています。ユリと言えば、このスカシユリを思い浮かべる方も少なくないと思います。
逆光で撮ると光を透過してとても綺麗なのですが、その分色を残しづらいです。このように、雨の日や雨上がりに撮ると、花の色が濃くなります。そこまで苦労することなく花の色をしっかりと残すことができるので、雨の日の撮影はとてもオススメです。
形や色がはっきりしているユリの葉や茎は、前ボケで使いづらいです。柔らかいイメージには前ボケは必須ではありますが、前ボケが作りづらい花の時は無理に作る必要はありません。ただ、その分後ろボケの綺麗さや色で魅せることが必要となってきます。遠く離れた緑を背景にすると、ユリに似合うとても良い色が出ます。
この写真は雨上がりなので、その綺麗な緑が強調されています。ユリは、アップダウンがあるロケーションに咲いていることが多いので、是非遠く離れた緑を探してみてください。
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 200mm F2.8L II USM ■撮影環境:絞り優先・200mm・F2.8・ISO1250・1/1000秒
先程の写真と少し似ていますが、別の日に撮ったものです。こちらは大雨が降っている最中に撮りました。大雨の日は、雨粒も大きいので止めて写したいと思い、ISOをあげてシャッタースピードを速くして撮りました。雨粒の写り方は好みが分かれますが、筆者は雨粒を止める際は1/1000秒を基準としています。
この写真と先程の写真で大きく異なる部分は前ボケです。葉や茎は前ボケとして使いづらいですが、ユリの花はそれらと比べると前ボケとして使うのに向いています。前ボケは、レンズを向けた先に花の数が多いラインを狙いました。ユリは満開であっても、他の花と比べると密度が薄いので、少し長めの200mmを用いて望遠レンズの圧縮効果を活用しました。
ラベンダーを撮る
初夏を代表するラベンダー。各地に名所があるので、旅行先でラベンダー畑に行く方も多いのではないでしょうか。決して撮りやすい花ではないですが、光を使うと色々なイメージで撮ることができます。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/750秒
満開のラベンダー畑にて
7月初旬、18:30頃に逆光で撮りました。日が沈みきる直前、コントラストはあまりないけれど、光と色は残っている時間帯。ラベンダーの色を、最もしっかりと出せる時間帯であると思っています。この時に肝心なのがホワイトバランスです。同じ写真でホワイトバランスを太陽光にするとこのような色になります。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
夕暮れ感はありますが、綺麗なラベンダーの色が失われてしまいました。どちらが良い悪いというものではありませんが、筆者は花の色をしっかりと出すという優先順位が高いことの方が多いです。そのため今回は、ホワイトバランスを大きく下げ、ラベンダーの色を出すことを優先しました。
日が沈みきる直前のオレンジ色の光の時に、低めのホワイトバランスで撮影すると、上手く調和されて綺麗な色が出ることがあります。ラベンダーに限らないので、機会があれば是非お試しください!
満開を期待して向かったラベンダー畑
■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/200秒
見頃はまだ先でしたが、夕日に照らされた咲きかけのラベンダーが目に留まりました。この写真も、やはり18:00頃です。
先程と同じく、ホワイトバランスを下げて、ラベンダーの色を出すことを優先しました。この写真のポイントは、夕日でラベンダーの輪郭が輝いているところです。それを見せるためには、主役のラベンダーを目立たせることが重要です。主役のラベンダーの後ろに、なるべく同じ色や花が被らないラインを選びました。同じ色や花が被らないラインが見つけづらい場合は、背の高い花を選ぶのがオススメです。
最初のラベンダーの写真と同じ日に撮ったもう1枚
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + New Petzval 85 Art Lens Canon EF Mount (ロモグラフィーさんのペッツバールで撮りました) ■撮影環境:絞り優先・85mm・F2.2・ISO100・1/1500秒
こちらは17:30頃の強めの光です。玉ボケがたくさんできる絶好のシチュエーションだったので、ぐるぐるボケが作れるレンズで撮ってみました。
玉ボケやぐるぐるボケなどは、晴れた日に逆光で、木々を背景にすると作りやすいです。アングルを調整し、ピントが合う本数を減らしてなるべく主役に目が行くようにしました。そうしないと、主役が玉ボケやぐるぐるボケに埋もれてしまうためです。
レンゲショウマを撮る
見頃はまだ先ですが、レンゲショウマの撮り方をご紹介します。山の上などに咲いていることが多いので、撮影の際はアクセスがそこまで良くはありません。ですが、その分涼しい場所であることが多いので、真夏に撮るにはとてもオススメの花です!そして夏に咲く花にしては珍しく、小さくて可愛いので機会があれば是非撮りに出かけてみてください。
木々に囲まれた、自然園で撮影
■撮影機材:ソニー α7II + FE 35mm F1.4 Tim ZA ■撮影環境:絞り優先・35mm・F1.4・ISO100・1/350秒
レンゲショウマは、少し俯いているものがほとんどです。なので、下から煽って撮らないとせっかくの花の形の良さが伝わりません。この花を撮る際の一番のポイントは、花の形の良さを捉えることだと思います。
花の形の良さを捉えるということで、取り回しの利く焦点距離が短めのレンズ、35mmをチョイスしました。35mmという画角は、寄れるレンズが多く、引いて撮ってもそれなりにボケも作れる万能な画角です。花を撮る方は、一本持っていても損はないでしょう。使い時が必ずあると思います。
レンゲショウマは背景が深い緑色ばかりになってしまうロケーションが多いです。この写真は、レタッチでシャドウを持ち上げて色を足しました。マンネリ化しないように、トーンカーブ等でシャドウを持ち上げることや、緑色を少し変化させるのもオススメです。
レンゲショウマの名所である山での一枚
■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF 200mm F2.8L II USM ■撮影環境:絞り優先・200mm・F2.8・ISO100・1/400秒
強い光が入っていたので、その光をふんだんに取り込みました。場合によっては強い光が入ることは避けるのですが、背景が緑ばかりになりやすいレンゲショウマを撮るにあたって良いアクセントになると思い、今回は入れてみました。強い光を入れてもメインの花の色や輪郭等がしっかり残せる時は、思い切って光を入れてみることも試してみてください。
また、長いレンズを使う時は、短いレンズの時よりも形の良さを捉えることが難しくなります。そのことをしっかりと意識して撮影しましょう。
最後に
春に比べて多少は少なくなりますが、夏も花がたくさん咲いています。熱中症等に充分注意した上で、花の撮影を楽しみましょう。最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんによるユリ・ラベンダー・レンゲショウマの撮り方をご紹介しているコンテンツになります。柔らかく優しいイメージで撮影した花々の作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
花,撮影テクニック,キヤノン,ソニー,α7II,α7III,EOS 6D,EF135mm F2L USM,EF 200mm F2.8L II USM
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AUTHOR:
TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.1|LEICA M10+SUMMARIT M f2.4/50mm
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 07/07/2020 16:00:00
TAGS: M10,ズマリットMf2.4/50mm,ライカ(Leica) ボディー,ライカ(Leica) レンズ,単焦点,ライカとカレー,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
ライカ。初めてその名前を聞いたのは、写真家に憧れていた20代前半の頃だったと思う。ロバート・キャパが戦場で撮影した写真を見た時、それを撮ったのがライカというカメラだと知った。それから古いフィルムカメラに興味を持ち、銀座の中古カメラ屋さんを、目をまんまるに輝かせて歩き回った記憶がある。
かっこよくて、高くて、名作をバンバン生み出し、世界の著名人がこぞって愛する、すごいカメラ。
そんな何だか抽象的な言葉の羅列でライカというカメラをモワモワと想像していたのだけれども、いつの日からか、ライカは憧れの象徴として私の心の真ん中にある。ズトンと、ある。
ライカで写真を撮りたい。
ライカを持って旅をしたい。そうずっと思っていた。
そんな私に2020年春、嬉しい知らせが舞い込んだ。
ライカを持って旅に出るというお仕事が決まったのだ。しかも、連載。それならば、旅先でカレーを食べて撮ってくるのはどうですかと提案すると即OKをいただいた。最終的に、毎回異なるライカカメラとレンズを持って、電車に乗って気になる駅で降り、ライカで写真を撮り、カレーを食べて帰ってくるという内容に決まった。
ライカに憧れ、カレーが大好きな私には、たまらなく嬉しい時間になる…に違いない。ああ、神様ありがとうございます。深く感謝。
でも、ライカについては初心者。初めてのことだらけ。知らないことだらけ。記事を書くというのはとても緊張する。毎回、少しずつ学んで行けたらと思う。これを読んで下さっているライカに興味がある皆さん、ライカに興味はあるけれどまだ手にしたことがない皆さんなどなど、ぜひ私と一緒に学びを深めていきましょう。
今回は、連載第一回目。伊豆半島へ。
春の始まりを感じる、3月。では、いざ旅へ。
ライカM10+ズマリット M f2.4/50mmを持って伊豆半島へ
今回の旅のお供をしてくれるのはライカ M10。レンズはズマリットMf2.4/50mm。
ボディの見た目は、スレンダー。他のフルサイズミラーレス一眼に比べてぐっと薄く小さい印象。持った感じは、見た目より重い。手にずっしりとくる感覚。調べてみると、ライカ M10のボディは高強度なマグネシウム合金製のフルメタル、トップカバーとベースプレートは無垢の真鍮から削り出されているそう。ボディ重量660g。納得。
実は、私はズマリットと名の付くライカのレンズを1本持っている。現行で発売されているフルサイズのミラーレス一眼につけて撮影している。だから、ズマリットという名前にはとても馴染みがあるのだけれど、名前の由来は知らない。調べてみると、ズマリットとは、ライカのレンズ群のうちのF1.5~F2.5のレンズの名称を言うのだと知る。その他、ズミルックスはF1.4、ズミクロンはF2、エルマリートはF2.8など、それぞれにつけられた名称がある。
名称をまとめてみると、
・ズミルックス:F1.4
・ズミクロン:F2
・エルマリート:F2.8
・ズマリット:F1.5~F2.5
・エルマー:F2.8~ など
となる。ふむふむ。F値によってレンズの名前があるなんて面白いなあと思う。旅に出る前に家で撮ってみたくなり、モノクロームに設定してシャッターを切る。
■ライカM10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/15・ISO800
■ライカM10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/30・ISO800
カッチッコッ。
ゆっくりとした重みのあるシャッター音。一枚一枚が力強く切り撮られていく感じ。
撮った写真を見てみる。なるほど。柔らかくも、力強くも自由自在。
JPEG設定からモノクロまたはカラーをセレクトでき、さらに、コントラスト・シャープネス・彩度
(カラーの時のみ)の設定で、柔らかくも、力強くも表現は自由にできる。特にこのズマリットは、コントラストに優れた描写が強みなのだそう。
さあ、準備は出来た。行こう。今日の伊豆半島は、晴れの予定。
何故伊豆半島に行くのを決めたかと言うと、大きな青い空と広い海が見たいと思ったから。
東海道線、伊東線に乗ってとことこと
お気に入りのカメラリュックにライカを入れ、JR二宮駅から東海道線に乗り込む。まずは熱海へ。リュックがいつもより軽い。ライカ一台とズマリット、それと、小さいカメラが一台だけなのでとても軽い。いつもはついついレンズを入れ過ぎてしまったりするから。リュックが軽いというのは何だか心がスカッとして気分がいい。そして、ライカを持っているというだけで、少し背筋がピンと伸びている気がする。
車窓に海が見えてくる。
最初は立っている人もいたけれど、一駅ごとに人が少なくなってゆく。どんどんゆったりとした空気になってゆく。
熱海駅で伊東線の伊豆急下田行に乗り込む。進むごとにさらに人が少なくなっていく。車窓には、海と温泉街の景色が流れてゆく。モクモクと蒸気が上がっている。温泉街がこんなに近くにあるなんて。
のんびりだなあ。ゆっくりだなあ。のどかだなあ。
■ライカM10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/4000・ISO100
■ライカM10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/1500・ISO100
ライカM10は、レンジファインダーである。レンジファインダーとは、はてさて。
まず、ミラーレス一眼の電子ビューファインダーや、一眼レフの光学ファインダーとは異なるものであるということ。ライカ M10のファインダーはガラス製で、覗くとガラスの向こう側の実際の景色がそのまま透けて見える。それは、レンズがとらえている景色とは別のもの。ファインダーを通して目で見ている景色と、レンズが捉えている景色は、光を通している穴が違うと言うこと。
そして、ファインダーの中を覗くと真ん中に小さな四角が見える。よく見ると、その四角の中には二重にずれた画像が見える。レンズの距離計を調整し、二重になっている像をぴったりと重ね合わせると、ピントが合った写真を撮ることが出来る。シャッターボタンを半押ししてピピっとピントを合わせて撮るという便利なピント合わせになれていると初めはちょっともどかしい気もする。でも、慣れくると自分で合わせることこそが面白く思えてくる。
さらに、ファインダーで見ている全景よりも、切り取られる景色は小さい。そのフレーミングは、ファインダー内で白い枠として見える。その枠をブライトフレームと言う。実際は、ファインダーよりも下の位置にレンズがついているので、ブライトフレームの画角と実際に写る画角とは少し差が生じる。レンズごとの視差を覚えて、それを見越して撮影しなければならない。ブライトフレームの大きさは、装着するレンズの焦点距離ごとに変わる。実際に撮れる画角よりも広く見えていえるので、それを理解して撮影するというテクニックが必要。
でも、切り取られる画角よりも外側が見えているので、そこに見えている被写体の動きを把握しやすいと言うのも長所の一つ。ちなみに、シャッターを切ってもファインダー内はブラックアウトしない。真っ暗にならないと言うこと。見ている穴と撮っている穴が違うため、シャッター幕が下りても暗くならないのは当然でもある。ブラックアウトしないので、いつの瞬間もとらえてシャッターを切ることが出来る。
なんだか、ライカM10はいろいろ自分で設定しなくてはいけないことがたくさんある。難しいこともたくさんある。でも、そこが楽しいのだと思う。自分で設定するのが、面白いんだきっと。
ライカと一緒に旅をしているというキラキラときめく心の中とは正反対に、電車が進むごとにぶ厚い雲が広がってどよんとした空になってゆく。晴れの予報だったのに。青い空と青い海が見たいのに。あああ。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.8・1/4000・ISO100
今日はあの駅で降りよう
伊豆半島の南の方に行こうというのは決めているけれど、どの駅で降りると言うのはまだ決めていない。Googlemapを開いて先の地図を見ていると、ステキな名前の駅を見つけた。今井浜海岸駅(いまいはまかいがんえき)。その名の通り、海も駅から近いみたい。
決めた。今日はこの駅で降りよう。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/250・ISO100
小さいけれどもなかなか立派な今井浜海岸駅。駅から続く階段を降りて、海岸の方に歩いていく。国道135号線にはブンブンと車が走っているけれど、歩いている人は一人もいない。今井浜海岸という看板を見つけ、階段を降りる。緑のトンネルをくぐり、海の方に進む。
知らない場所を一人で歩くのはいつだってドキドキする。だって未知なる探検だもの。何が起こるのか分からないので期待と不安が入り混じる。だけど、今日はライカという強力なパートナーと一緒。期待の方が大きい。ああ早く海でシャッターを切りたい。ライカのシャッターを思い切り切りたい。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/360・ISO100
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/1500・ISO100
今井浜海岸にて
着いた。海だ。誰もいない。海だ。でも、空がどんより、している。
どよどとーんとしている。
でも、海を撮ろう。
何枚かシャッターを切る。
ぶ厚い雲の空と、荒々しい海の写真が撮れる。
ううう、そうだよなあ。どよんとしているものは、どよんと写るよなあ。
曇りの景色も美しいけれど、でも、楽しみにしていた連載の第一回目だから、晴れた青い空と青い海が撮りたかったなあ…とトボトボ歩いていると海水の水溜まりに足が浸かる。ポチャッ。ああ、やだ、空がどよんとしていてさらに水溜まりに足まで浸かっちゃってブーツがびっしょり…お気に入りのブーツなのに…もう…え、水溜まり。水溜まり。あ、そうだ。やった、水溜まり。嬉しい!
そう、空を水溜まりに写してリフレクションを利用した写真を撮ろう。
砂浜に近い位置にカメラを下ろし、ピントを無限遠にしてシャッターを切る。
ファインダーも覗けないし、液晶も見えないので、勘で位置を決めてシャッターを切る。切る。切る。切る。画像を確認する。切る。切る。切る。楽しい。切る。切る。楽しい。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.8・1/4000・ISO100
リフレクションで水溜まりに写ったぶ厚い空の雲は、線対称に上下に写っている。きれいだ。雲があって良かった。どよんとした雲が、この写真の主役だ。遠くに利島(としま)が見える。小さな二等辺三角形で真ん中にぽつんとかわいらしく写っていている。私、この写真好きだ。うん、好き。ライカを持って旅をして、初めてこの写真が好きだと思える写真が撮れた。ああ嬉しいなあ、そんなことを思いながら、再び同じ構図で撮っていると、どこからともなく人の声が聞こえる。
さっきまで人っ子一人見えなかった海に、人がいる。しかも、親子連れ、三人。しかも、もうすぐ、フレーミングした中に入ってくるじゃない。
私の心臓はドキドキを加速させてドッキンドッキンとなり始める。
だって、このフレーミングの中に人が入ったらそれは絶対に美しいはずだから。
ドッキンドッキンドッキンドッキン
きた。フレームイン。切る。切る。切る。切る。切る。フレームアウト。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.8・1/4000・ISO100
画像を確認する。再生ボタンを押す。
撮った写真を見て思った。ありがとう、って。
そう。いつだって、どんなときだって、その時の状況を味方につけていくことが大切。このぶ厚いどよんとした雲は、この写真を撮るためにいてくれたのね。そう思う。
さっきは晴れていたらなんて思ってしまってごめんなさい。ああ、好きな写真が撮れた。嬉しい。
カラーも撮ってみる。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.8・1/4000・ISO100
カラーも好きだ。
カラーにすると、急に爽やかでエアリーな風が吹くから不思議。カメラを持ち上げると、液晶画面にキラキラとした光が見えた。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/4000・ISO100
無限遠のままにしているので空にピントが合っていて、太陽の光を受けた近くの砂が光って玉ボケで写った。偶然見つけた世界の美しさに、思わず笑顔になった。人がいないから、波が作り出す砂浜の造形もそのまま残っていて美しかった。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/4000・ISO100
キラキラと輝く玉ボケを液晶で確認しながら、今日ここに来て良かった、そう思った。
そう思いながら水溜まりを見ていたら、大きな波がザザーっとやって来て、一瞬で水溜まりを飲み込んだ。そして、水溜まりは消えた。跡形もなく。
河津へ
今井浜海岸駅の一つ南は、河津駅。あの河津桜で有名な河津だ。3月だけれど、もしかしたらまだ河津桜が咲いているかも知れない。淡い期待を持ちつつ、歩いて河津駅に向かう。
海岸沿いの道を歩く。歩道の崖の下はザバーンと荒々しく波がたっているのが見えるなかなかワイルドなお散歩道。ウグイスが目の前をビュンと横切る。1羽、2羽、3羽。ヒヨドリも横切る。ウグイスがホーホケキョと鳴く。ヒヨドリがピチピチと鳴く。なんてのどかなのだろう。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/1000・ISO100
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/2000・ISO100
ススキとお月様。
と見せかけて、お月様に見えるのは実は街灯。ちょっと遊んでみたり。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/90・ISO100
河津の町で
海に鳥に見とれていたら、あっと言う間に河津駅に到着。閑散としていて、人はまばら。
河津桜は一体どこに咲いているのだろう。
しばらく駅の周りを歩いていると、河津桜並木と書かれた看板を発見。ふむふむ、その先にあるのは河津川で、その周りが河津桜の並木道なのね。歩いていくと、あった。ふさふさに葉を茂らせた河津桜の並木が。見事な葉桜。河津桜は、見事に散り終えていた。やっぱり。
でも、ここで諦めないわよ。きっと、どこかにまだ咲いているはず。少しでもいいから咲いている桜を撮りたい。そう思いながら川沿いをうろうろと歩いてみる。首を伸ばして、少し先まで眺めてみる。
あ、
あった。ピンク色。
きっと桜だ。
あそこに行こう。
足が自然に速く動く。あれは桜なのだろうか。
桜だったら、撮れる場所にあるのだろうか。
吸い寄せられるように向かった場所には、河津桜の木が一本あった。ピンク色の花びらをいっぱい抱えて。
川沿いの歩道の脇にどんと立っている桜の木の下で、無我夢中になりながら私はシャッターを切った。ズマリットMf2.4/50mmの最短撮影距離は80cm。レンズに近い桜の花がトロリと美しい前ボケになる。たくさんシャッターを切っていたら、雲間から青空が見えてきた。そして、どんどん青が広がっていって最後には雲一つない青空になった。ウグイスが飛んできた。1羽、2羽。しばらくして青空の中に飛んで消えて行った。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/750・ISO100
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/750・ISO100
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/750・ISO100
なんて美しい色。なんて嬉しいの。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/180・ISO100
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/500・ISO100
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/180・ISO100
さあ、カレーを食べて帰ろう
好きだと思える写真が撮れたし、美しい河津桜も撮れた。さあ、カレーを食べて帰ろう。河津駅周辺で美味しそうなカレーが食べられるお店を探してみる。でも、歩いても、ネットで検索しても、全く見つからない。うう、これはしょうがない。移動しよう。お腹も減ったし、まずは帰る方向の電車に乗って、それから考えよう。
とりあえず飛び乗った伊豆急行線の中でGoogle検索をする。マップで伊豆半島の右側部分を表示して、カレーと入力して検索すると、10件くらいのカレー屋さんが出てきた。この中から行きたいカレー屋さんを探してみよう。
いくつかの候補の中で、出来るだけ駅から近くて気になるカレーを探す。インドカレー屋さん、老舗の洋食屋さん、とんかつ屋さん、いろいろなカレーがあるのだなあ。迷ったけれど、
野菜を自家栽培しているというお店が気になった。今日開いているか電話をしてみる。電話口では、はい、やっていますよ~と明るい女性の声が聞こえた。「やさい料理の台所むーみんの森」という可愛らしい名前のお店。
ここにしよう。
窓の外には、大きな青い空と広い海が広がっている。そう、これが見たかったんだ。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/1500・ISO100
こんなにかわいい駅の看板も。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/180・ISO100
まさかの道
そのカフェは、地図を見ると富戸駅と城ケ崎海岸駅のちょうど真ん中あたりにあって、でも若干富戸駅から近そうに見えたので、富戸駅でえいっと降りてみる。駅で降りたのは私一人。駅の周りにも誰もいない、小さな駅。Google mapを開いて検索すると、お店まで2kmちょっとと出てきた。
え、2km。地図上では近く見えたのに。こんなにお腹も空いているのに。これから2kmも歩くの。
2kmなんて普通に考えたら大したことのない距離。30分少々で歩くことができる。熊野古道を300km歩いた経験もあるので、2kmを歩くことなんてたやすい御用。でもそれは、歩くと決めた旅の中でならの話。歩くことなんて考えていないのに、カレーを食べるために2km歩きますか?と突然言われたら、あなたならどうする?
でも、電車も降りてしまった。次の電車までは30分もある。もちろんタクシーもいない。仕方がない、歩こう。
まず最初に坂道を上りましょうとGoogleさんが言ってくる。しょうがない、登りましょう。てくてく。てくてく。この道を左に曲がって、さらに坂を上りましょうとGoogleさんが言ってくる。はあ、しょうがない、登りましょう。てくてく。てくてく。この道をまっすぐ進んで、さらに坂を上って行きましょう。えええ、また坂道ですか。てくてく。てくてく。っていうか、どこまで登るのでしょうか、一体。ねえ、Googleさん。
結局、2kmの道のりの大体は上りの坂道だった。山の中の熊野古道のような細くて誰もいない道も度々あり、ドキドキの連続だった。そう、選んだお店は伊豆高原の高台にあったのだ。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/360・ISO100
予想していなかった高低差の坂を上り続け、くたくた汗だくになりながら、やっとの思いでお店にたどり着く。お店のドアをくぐった時は、やり切った達成感でいっぱいだった。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/500・ISO100
やっとカレーが食べられる
テラス席に座り、カレーが3種ついてくるセットを頼む。
待っている間、風が木々の葉をさらさらと揺らすのを見ていた。ああ、やっとカレーが食べられる。
しばらくすると、お茶とサラダが運ばれてきた。さらにしばらくすると、カレーが運ばれてきた。
どん。どん。どーーん。
びっくりするくらいの大きなプレートに載ってカレーがやってきた。思っていた以上に野菜がボリューミーに載っている。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/250・ISO100
す、す、すごいですねえ。
思わずお店の方に声をかける。
お店のオーナーらしい女性が、ゆっくりどうぞーとにっこり微笑む。
とにかく野菜のボリューミーさに感激して、気づくとそっちをメインにたくさん撮っていた。ケール、フェンネル、ルッコラ、パクチー、ニンジンの葉、かぼちゃ、などなど。さらにはルッコラのお花が可愛らしく載っている。食べてみると、しっかりとした歯ごたえと香りがあって、美味しい。このプレートにのっている野菜は全て食べることができ、そして、全て無農薬で自家栽培しているというから驚くばかり。
カレーは、グリーンカレー(辛口)、パキスタンカレー(中辛口)、ポークカレー(甘口)の3種。どのカレーもコクが深くて、しっかりとした甘みがある。野菜もたっぷりなので、食べ応えは抜群。私はパキスタンカレーが一番のお気に入り。フルーツの香りがするなあ何だろうと思ってお店の方に聞くと、りんごやマーマレードが入っていますとニコリ。水は入れず水分は野菜からのもので、ハチミツで甘みを出しているそう。こだわりがたくさん詰まった丁寧に作られたカレー。
自家栽培の畑は、今年さらに大きく広げる予定とのこと。写真を見せていただくと、整頓された畑はとても美しく、ここで育つ野菜たちは幸せだろうなあと思った。「無農薬だから、最初からしっかり作らないとすぐ虫が着いちゃうから。」とオーナーの鈴木敦子さん。お店のカウンターには、先ほどいただいたルッコラのお花が飾られていた。
ちなみにお店の名前の「むーみん」は飼っていたウサギの名前で、あのムーミンとは関係はないそう。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/15・ISO400
すっかりゆっくりさせていただいて、お話も聞いて、facebookでもお友達になって、お店を後にする。なんだかいい時間だったなあ。2km坂道を上ったけれど来てよかったなあ、そう思った。
帰りは、迷ったもう一つの城ヶ崎海岸駅を選択。大きな緩い坂道を下って行くという、とっても楽な道だった。こっちの駅から来たら楽だったのに…。いや、そんなことはもう考えない。素敵な時間を過ごせたから、もういいの。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/500・ISO400
城ヶ崎海岸駅から伊東線に乗り込む。車内は人が、1人、2人。ボックス席の進行方向に座る。静かに走り出す。
今日は結構歩いたなあ。どのくらい歩いたかなと、携帯の歩数計をチェックしてみる。約14km、20,000歩。ああやっぱり。良く歩きました。撮った枚数も見てみる。約450枚。いつもの旅の撮影枚数に比べたら、衝撃的に少ない。多分、1/5くらいの枚数だと思う。それだけ、一枚ずつしっかり撮ろうと意識を集中させていたのだと思う。
■ライカ M10+ズマリット M f2.4/50mm
■M(マニュアル)撮影・F2.4・1/60・ISO100
窓の外には、大きな青い空と広い海が広がっている。そう、これが見たかったんだ。
あたたかい光が射す車内でいつの間にかうとうとと眠りこんでいた。ライカM10をしっかり抱えながら。
おわりに
初めてのライカとの旅が終わった。改めて、ライカと言うカメラの底知れぬ魅力を感じる旅になった。
だって、あっちもこっちも自分で設定しないと撮れないという大変なことばかりなのだけど、ライカを持っているというだけで何だか誇らしい気分になる。そして、背筋がピンと伸びたような気がする。
さらには、ちょっと違う自分になれたような気分にもなっている。撮り終えた後、自分で頑張って設定して撮った写真を見返すと、なんだかとても満足な気分になるのだ。あそこで、ああ思ったから、こんな写真を、こんな風に撮ったんだ。そんな記憶がものすごくはっきりと残っている。体中に、心いっぱいに、ジンジンと音が聞こえそうなくらい強く残っている。ライカと旅をすると、撮った時の記憶が鮮明に残る、そう思う。
だからまたライカで撮ってみたい、ライカと一緒に旅をしたいと思う。
少しずつ学びながら、いろいろなライカを楽しんでいきたい。次の旅も楽しみだ。
次はあの駅で降りようか。
■「やさい料理の台所むーみんの森」
住所:静岡県伊東市富戸1095-184
TEL:0557-51-4765
HP:https://asian-restaurant-451.business.site/
■本記事の作例は全て緊急事態宣言前に撮影されたものとなります
この記事に使用した機材
【ライカ】M10 ブラッククローム ボディ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんによるライカ連載記事第一弾、LEICA M10とSUMMARIT Mf2.4/50mmの組み合わせで「カレーと旅」をテーマに様々な出会いを発見を執筆して頂いています。
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KEYWORDS:
ライカ,LEICA,M10,SUMMARITMf2.4/50mm,ズマリット,50mm,単焦点レンズ,カレー
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XF60mmF2.4 R Macroレビュー|小型なフジフイルムのマクロ入門レンズ!
BASENAME: 476127189.html
STATUS: Publish
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 07/08/2020 18:00:00
TAGS: XF60mmF2.4 R Macro,マクロレンズ,富士フイルム(Fujifilm) レンズ
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BODY:
はじめに~マクロレンズについて~
読者の皆さまは、一眼レフやミラーレス一眼における様々な交換レンズがある中で、「マクロレンズ」をお持ちでしょうか?
知人や友人に聞いてみると、単焦点レンズでも使用シーンの多い焦点距離が50mmや35mm(35mmフルサイズ換算)などのレンズを所有されていることが多く、マクロレンズを使用されているユーザーは比較的少ない印象を受けます。
一方で、花や植物・虫などの接写を試みる際や自宅で物撮りを行う時など、被写体別にみるとマクロレンズが活躍するシチュエーションも多くあります。
主にマクロレンズは最大撮影倍率が1倍以上で、最短撮影距離が短いものを指し、近くで細かな被写体の素材感や色合いを表現できます。
ハーフマクロについて
マクロレンズと切り出した際に出てくるキーワードとして「ハーフマクロ」というものがあります。前述した、カメラのセンサー上で被写体がどれだけの大きさで撮影出来るかを示している「最大撮影倍率」で分類され、一般的に最大撮影倍率が1倍以上のものをマクロ、0.5倍のものをハーフマクロと呼びます。
※メーカーによっては、例えば0.25倍の最大撮影倍率を「1/4倍」や「1:4」のような形式で表すこともあります。
今回レビューする富士フイルムのXF60mmF2.4 R Macroは最大撮影倍率0.5倍・最短撮影距離26.7cmでハーフマクロレンズの中望遠単焦点レンズです。マクロ撮影だけでなく、建造物やポートレート撮影にもオススメな本レンズをレビューしていきます。
XF60mmF2.4 R Macroレンズ概要・外観
はじめに、本レンズの概要とスペックについて見ていこうと思います。
主な仕様
■フジノンレンズ XF60mmF2.4 R Macro
■レンズ構成:8群10枚(非球面レンズ1枚、異常分散レンズ1枚)
■焦点距離:f=60mm(35mm判換算:91mm相当)
■画角:26.6°
■最大口径比(開放絞り):F2.4
■最小絞り:F22
■絞り形式:羽根枚数:9枚(円形絞り)
■ステップ段差:1/3ステップ(全20段)
■撮影距離範囲 標準:0.6m~∞
■マクロ:26.7cm~2m
■最大撮影倍率:0.5倍
■外形寸法:最大径×長さ*1 (約) ø64.1mm × 63.6mm
■質量*2 :(約) 215g
■フィルターサイズ:ø39mm
*1 先端よりマウント基準面まで
*2 レンズキャップ・フード含まず
外観
■やや長めの専用フードが付いています
■横にスマホを置き比較してみました。 外形寸法が縦6.3cmということで、4.8インチモデルのスマホを横に置いてスマホの半分くらいの長さに見えます。非常にコンパクト!
■X-T3に装着しました。 コンパクトなXマウントカメラ本体たちとのバランスも良く、重さもこのセットで800gを切ってきます。非常に軽快!
■本レンズはF値が開放F2.4となります。 マクロレンズラインナップの中にもう一つ、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroがありますが、XF60mmF2.4 R Macroは若干F値が低いため、気になっている方も多いはず!
フィルター径は、サイズ感からもお分かりになるように、ø39mmとコンパクトです。各種フィルターを揃える際には、ほかのレンズよりもお財布に優しい設計です
XF60mmF2.4 R Macroの特徴
ここからはXF60mmF2.4 R Macroの特徴についてレビューしていきます。
なんと言っても軽量!
■手のひらに収まるサイズ まず、なんと言ってもコンパクトなサイズで持ち運びが苦でないという点です。筆者はX-T3にXF16-55mmF2.8 R LM WRの標準ズームをメインレンズに据えて使用しておりますが、お出かけ先でマクロが撮りたいと思ったときに、やはりある程度寄って撮影ができるシーンに遭遇するときがあります。常にカメラバッグにXF60mmF2.4 R Macroを入れていても重さが苦になりませんので、持ち運ぶようになり、撮影の幅が広がったと感じています。
お買い求めやすいハーフマクロ!
■XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro 前述したとおり、マクロレンズよりも標準域の単焦点レンズを購入している方が多いため、あまりフィーチャーされにくいですが、本レンズはコスパが良いと筆者は思います。
後述する作例をご覧いただければ幸いですが、花や植物・物撮りだけでなくポートレートや風景にも汎用的に使用できます。
また、富士フイルムの中望遠単焦点レンズのラインナップは、こだわり抜かれた製品のため、どうしてもややお値段が高い印象を受けますが、本レンズはXFシリーズ当初から発売していることもあり、新品だけでなく中古としても、比較的お買い求めやすく購入することができます。
少し余談ですが、レンズの選択肢の話をします。XFマウントではXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroという、最大撮影倍率1倍のマクロレンズがあります。このレンズとよく比較されがちですが、正直な感想を申し上げると、レンズの構成や機能面で全く別物です。(詳しくは製品ページを御覧ください!)
1倍の最大撮影倍率、防塵・防滴機構、レンズ内手ブレ補正(OIS)が必須の場合(マクロエクステンションチューブを併用する方法を除く)は、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroという選択になるかと思います。
まずマクロレンズを体験してみたいという方には、軽量コンパクトで気軽に持ち歩けて、お買い求めやすいXF60mmF2.4 R Macroをおすすめします。
コンパクトな筐体に2つの特殊レンズ!
軽量かつコンパクトなサイズの中に、8群10枚のレンズ構成が採用されています。その中でも非球面レンズ1枚、異常分散レンズ1枚が筐体中央部に設置され、像面湾曲や色収差などのさまざまな収差を効果的に制御してくれます。実際に撮影で使用した際も、顕著に気になる収差は見受けられませんでした。
XF60mmF2.4 R Macro実写作例
実際に撮影した作例をいくつか紹介していきます。
■使用機材:富士フイルム X-T3 + XF60mmF2.4 R Macro
■撮影環境:ISO160、シャッタースピード1/250、F2.4 日陰に咲いていた、咲き始めのアジサイを真上から日の丸構図で撮影しました。
中央部の解像度は言うまでもなく綺麗で、絞り開放での撮影も目立った周辺光量落ちも、日中の撮影ということもあってか気になりませんでした。
■使用機材:富士フイルム X-T3 + XF60mmF2.4 R Macro
■撮影環境:ISO640、シャッタースピード1/60、F4 曇天の窓際で、愛猫の寝姿を撮影しました。
AFの迷いはボディ側のAFポイントを絞ってあげればさほど気にならず、しっかり表情にピント合わせしてくれています。
■使用機材:富士フイルム X-T3 + XF60mmF2.4 R Macro
■撮影環境:ISO160、シャッタースピード1/250、F5.6
■撮影地:横浜イングリッシュガーデン 遠くの被写体に合わせて、中望遠らしく圧縮効果を狙ってみました。
構図内のベンチのみ日なただったということも相まって、ドラマチックな描写になったのかなと思います。
■使用機材:富士フイルム X-T3 + XF60mmF2.4 R Macro
■撮影環境:ISO200、シャッタースピード1/500、F8 最近SNSで良く話題になっている「無機質な写真」もお見せしたく、ご紹介します。
F値を上げて撮影することで、周辺の描写もシャープな印象です。
■使用機材:富士フイルム X-T3 + XF60mmF2.4 R Macro
■撮影環境:ISO200、シャッタースピード1/125、F5.6
■撮影地:横浜イングリッシュガーデン できればポートレートを撮影したかったですが、なるべく人と行動を共にしない撮影を心掛けていたので、水道をモデルに撮影。
中望遠らしく背景のボケは綺麗ですが、この撮影はハーフマクロを活かし近距離で撮影しています。モデルとの距離が近い撮影はコミュニケーションやポーズ指示もしやすいですね。
さいごに
様々な撮影シーンで大活躍してくれるXF60mmF2.4 R Macroですが、強いて弱点を挙げるとすれば、若干AFに迷いがあるのでは?という点です。
富士フイルムの製品サイトによると
(前略)さらにXシリーズのラインアップで最高レベルのシャープネスを実現するために、すべてのレンズグループがフォーカス中に一緒にシフトします。
と記載があるように、AFフォーカス中にレンズが前後にシフトすることによって、どうしてもピント合焦が遅いように感じるユーザーも、少なからずいらっしゃるようです。
とはいえ、ボディ側のAF性能が向上するに合わせて、気にならないレベルのスピード感になっていると私自身は感じています。弱点を凌駕する、便利なハーフマクロレンズを是非試してみてください。
この記事に使用した機材
【フジフイルム】 XF60mmF2.4 R Macro
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【フジフイルム】X-T3 ボディ ブラック
商品を見る
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
富士フイルムXF60mmF2.4 R Macroのレビュー記事です。マクロ撮影だけでなく、建造物やポートレート撮影にもオススメな本レンズを作例と一緒に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
マクロレンズ,中望遠レンズ,富士フイルム,X-T3,XF60mmF2.4 R Macro,フジフイルム,FUJIFILM
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AUTHOR:
TITLE: 【写真展情報】長岡造形大学 学生選抜写真展
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STATUS: Publish
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 07/09/2020 13:00:00
TAGS: 写真展情報,【PR】
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BODY:
長岡造形大学 学生選抜写真展
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘) は、キヤノン Sタワー 2階キヤノンオープンギャラリー2(所在地:東京都港区)にて、2020年7月21日より、 長岡造形大学学生選抜写真展を開催します。
概要
■開催期間:2020年7月21日(火)~8月27日(金)*
*当初2020 年 3 月14日(土)~3月30日(金)での開催を予定しておりましたが、会期を変更いたしました。
■開館時間:10時~17時30分(最終日は16時30分まで)*
*当面の間、開館時間を10時30分~17時と時間短縮させていただきます。
■休館日:日曜日・祝日・ 夏季休館8月7日(金)~8月16日(日)
■開催会場 :キヤノン S タワー2階 キヤノンオープンギャラリー2(住所:東京都港区港南2-16-6)
■交通案内:JR 品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
■入場料:無料
展示内容
本展は、長岡造形大学に在籍する学生の中から選抜された22名の学生による写真展です。それぞれの個性を生かし制作された作品、約40点を展示します。
作品は、全てキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」PRO-1000とPRO-2000でプリントし展示します。br>キヤノンマーケティングジャパン株式会社
お問い合わせ
【一般の方のお問い合わせ先】
・キヤノンギャラリーS
・TEL:03-6719-9021
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EXCERPT:
【写真展】長岡造形大学 学生選抜写真展の情報です。キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘) は、キヤノン Sタワー 2階キヤノンオープンギャラリー2(所在地:東京都港区)にて、2020年3月14日より、 長岡造形大学学生選抜写真展を開催します。
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KEYWORDS:
キヤノンギャラリー,写真展情報
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン「EOS R5」&「EOS R6」の先行展示会で「R」新時代の息吹を感じる
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 07/11/2020 16:00:00
TAGS: EOS R5,EOS R6,ミラーレスカメラ,キヤノン(Canon) ボディー,フルサイズ
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はじめに
2020年7月9日にキヤノンからミラーレスカメラのEOS R5とEOS R6及びエクステンダー含む6本のレンズと複数のアクセサリーが発表となりました。EOS R5の開発発表から約5か月、途中ティザーサイトが立ち上がり、待ち遠しく待つ中、満を持してそのベールを脱ぐ日が訪れました。
筆者は発表の5分前からこのティザーサイトのカウントダウンを立ち上げて見ており、3桁が2桁に、2桁が1桁になり、「0」が8つ並んで少しすると、オンライン発表会『Canon EOS Presentation』が始まり、久しぶりに興奮して体が熱くなるの感じました。ライブ配信でしたので、youtubeではチャットで数多くのコメントがタイムラインを流れて行き、その同時視聴数もさることながら今回発表された製品の期待の高さを感じました。
『Canon EOS Presentation』を見逃した方はアーカイブコンテンツをこちらからご覧頂けます。
https://www.youtube.com/watch?v=U1zYzxqX2GE
キヤノン品川ショールームでの先行展示会の抽選が当たりましたので早速行ってきました。今回新たに搭載されたボディ内手振れ補正やダブルスロットなど、注目機能満載の実機に触って感じたことなど交えてEOS R5とEOS R6を紹介して行きたいと思います。
EOS R5とEOS R6の外観とその特長
EOS Rと比較すると寸法はほぼ同じで、気持ち高さが低くなり、横に広がった印象です。質量も手で持った感じではあまり差はなく、高性能になった分、EOS R5は気持ち重くなっています。
・EOS R5の寸法と質量:寸法138.5×97.5×88.0、質量(本体のみ)約650g
・EOS R6の寸法と質量:寸法138.4×97.5×88.4、質量(本体のみ)約598g
・EOS R の寸法と質量:寸法135.8×98.3×84.4、質量(本体のみ)約580g
EOS Rではセンサー部分をシャッター幕が覆っていましたが、EOS R5/EOS R6では開閉を設定で選択できるようになりました。
EOS R5、EOS R6では軍艦部のレイアウトが異なります。EOS R5の右肩には設定を一目で確認できるバックライト付きのドットマトリクス表示パネルがついており、EOS R6の同じ場所には直感的に撮影モードを切り替える事が出来るように、モードダイヤルがついています。
EOS R5/EOS R6のバッテリーはLP-E6NHで、EOS Rで使用していたLP-E6Nから大幅に容量をアップしています(1865mAh→2130mAh)。LP-E6NHとLP-E6Nは互換性があるようですので、EOS Rユーザーの方が買い替えを検討されている場合、少し安心ですね。
EOS Rは平面的なマルチファンクションバーでの操作でしたが、EOS R5とEOS R6ではジョイスティック形状の立体的なマルチコントローラーの採用をしています。またその他3つの電子ダイヤルの採用もあいまって操作性がとても良くなったのを感じました。
R5とR6の共通の特長として、EOS初のボディー内5軸手ブレ補正機構を搭載してます。更に手ブレ補正機構を搭載したシネマレンズを除く全てのEF /RFレンズを装着した場合、カメラとレンズの協調ISにより8.0段※1 の補正効果実現しています。ショールームで実際に試しましたが、被写体がぴたっと止まり、驚くほど揺れがないのを実感しました。今まで三脚を必要とした撮影に、軽装備で出かけて手持ち撮影が出来るようになることで、撮影表現の幅を広げてくれること間違いなしだと思います。
また進化した「デュアルピクセル CMOS AF II」がAF性能を向上させ、RF24-105mm F4 L IS USM装着時に世界最速の0.05秒※2というAFスピードを誇り、高精度な追従性能に加え、測距エリアは最大で縦横100%を実現しています。またディープラーニング技術を用いて被写体認識を向上させることで人物の瞳は更に小さくても、顔は横向きでも認識し、頭部までも認識出来るようにする事で各段にAF精度が向上しています。動物(犬/猫/鳥)の場合でも瞳、顔、全身を認識することで、高精度に捉えることを可能にしています。
※1 CIPA試験基準。RF24‐105mm F4 L IS USM、f=105mm時。
※2 2020年7月8日現在発売されている35mmフルサイズ相当の撮像素子を搭載したレンズ交換式デジタルミラーレスカメラの撮像面位相差AF及びコントラストAFにおいて(キヤノン調べ)
EOS史上最高の解像性能を誇るEOS R5
EOS R5はキヤノン伝統の『5』の数字を掲げるカメラで、今回からはハイエンドミラーレスカメラの位置づけとなっています。約4500万画素のCMOSセンサーと映像エンジンDIGIC Xが合わさる事でEOSシリーズ史上最高画質になります。高速連写は電子シャッター時にAE/AF追従で最高20コマ/秒、メカニカルシャッター/電子先幕による撮影時はAE/AF追従で最高12コマ/秒の高速連写を行うことが可能です。
EOS Rシリーズ待望のデュアルスロットとなり、CFexpressカードとSDカード(UHS-II)のデュアルスロットを搭載しています。
動画撮影機能は世界初※3 の8K30P での撮影を可能とし、RAWでの内部記録ができます。クロップなしの撮影ができるので、広角レンズの特性を存分に活かせます。4Kは4K60Pに加えて、高画質なスローモーション撮影が可能な120Pにも対応しています。
※3 2020年7月8日現在発売済みのキヤノン製レンズ交換式カメラにおいて。キヤノン調べ。
ファインダーは約576万ドットの0.5型でフレームレートは119.88fpsになります。実機で試してみると、とても視認性がよく、カメラを横に振っても、滑らかに被写体がついてくるのを感じました。
電源入れて、撮影準備するまでの起動時のスピードはEOS Rが0.9秒だったのに対して、EOS R5(EOS R6も同様)は約0.4秒になっています。実際試してみると、その速さを体感しました。取材用カメラとしてEOS Rを使うことがあり、それが当たり前の起動スピードと感じており、特に遅いと思った事は一度も無かったのですが、EOS R5の電源ONにした後の、起動スピードの速さにびっくりしました。この速さを知ってしまうと、もう元には戻れない感覚を覚えました。
正面(左:バッテリーグリップBG-R10、右:ワイヤレスファイルトランスミッター WFT-R10B)
背面(左:バッテリーグリップBG-R10、右:ワイヤレスファイルトランスミッター WFT-R10B)
左側面(左:バッテリーグリップBG-R10、右:ワイヤレスファイルトランスミッター WFT-R10B)
EOS R5とEOS R6の両方に使える、縦位置バッテリーグリップの「バッテリーグリップBG-R10」 と、EOS R5用の縦位置バッテリーグリップ機能を装備したワイヤレストランスミッターの「ワイヤレスファイルトランスミッター WFT-R10B」の画像です。
外観はとてもよく似ていて、ぱっと見の違いは、ワイヤレスファイルトランスミッター WFT-R10Bの方が縦位置で握った際の小指の下が抜けていないくらいに見えます。
フルサイズミラーレスの新標準 EOS R6
約2010万画素のフルサイズCMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」搭載により、優れた高感度性能と、高速性能を実現しています。こちらのCMOSセンサーはEOS-1DX MarkIII搭載センサーをベースにEOS R6用にカスタマイズしたものになります。
EOS R5と異なりEOS R6は画素数では大きく劣りますが、その分画素ピッチを大きく利用して、EOS-1DX MarkIII同様、高感度性能に優れ、常用ISO感度はISO100~102400まで撮影が可能です。AFは最高-6.5EVの暗さでも被写体を補足してピントをあわせてくれます。
連写性能はEOS R5と同等の電子シャッター時にAE/AF追従で最高20コマ/秒、メカニカルシャッター/電子先幕による撮影時はAE/AF追従で最高12コマ/秒の高速連写を行うことが可能です。
メディアは(UHS-II)×2のデュアルスロットを搭載しており、待望のダブルスロットになる事で、プロ及びハイアマチュアの方でも、満足頂ける仕様になったのではないでしょうか。
ファインダーは約369万ドットの0.5型、フレームレートは119.88fpsになります。実機で試してみると、スペック上はドット数がEOS R5に劣るものの、こちらでも十分被写体をクリアに見ることができました。
起動時間はEOS R5と同様約0.4秒となります。急に訪れたフォトジェニックな瞬間もしっかり捉えることが出来そうですね。
さいごに
EOS Rも十分に先進的なカメラでしたが、もっとハイスペックなフルサイズミラーレスカメラが出るまで、待ちにまったキヤノンファンの方が多くいらっしゃるのを良く聞き、ネット上の書き込みで見て感じていました。今回待望のEOS R5、R6が正式発表され、そのスペックの高さに満足された方も多くいらっしゃるのではないかと思います。今現在もEOS R5を購入するか、EOS R6を購入するか、迷われている方も沢山いらっしゃるかと思いますが、皆様にとってそれらの選択が最良のフォトライフをおくれるように切に願っております。
EOS R5、EOS R6と他カメラとのスペック比較
「EOS R5」と「EOS R6」、「EOS R」、「ソニー α7R IV」、「ソニー α7 III」の価格や主要なスペックの比較表を
こちらのページ で紹介していますので是非ご覧ください。
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EXCERPT:
最新機種のキヤノン「EOS R5」&「EOS R6」の先行展示会で取材してきましたので是非ご覧ください。実機を触って感じた魅力をご紹介しています。
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KEYWORDS:
EOS R5,キヤノン,EOS R6,ミラーレスカメラ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: LUMIX G9 PROレビュー | 動画も静止画も思いのまま楽しめる高性能機種
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 07/13/2020 10:00:00
TAGS: LUMIX G9 PRO,パナソニック(Panasonic) ボディー,マイクロフォーサーズ,ミラーレスカメラ
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はじめに
2018年発売の機種ながら、シャッター速度6.5段分の高性能な手ブレ補正、ピントを合わせたい被写体に瞬時にフォーカスするAF性能と動体への高い追従性能、撮りたい瞬間を逃さない高速連写機能や、4K/60pの動画記録が可能など、盛り沢山の機能を搭載。また、手の小さい方でも大きな方でもホールドしやすいグリップ形状、操作性を考慮しながら高いデザイン性でスタイリッシュさを感じさせてくれる外観など、とてもバランスの良いミラーレス一眼に仕上がっている機種です。
筆者も2018年から本機を使わせてもらっていますが、人肌を自然に美しく見せてくれる描写性能と、どんな過酷な状況でも捉えて逃さないAF性能に惚れ込んで、様々なシーンで撮影を続けています。前回(
「モデルの気持ちがわかるポートレート撮影術 ~オススメLUMIXカメラ&レンズ~」 )は女性ポートレートと本機についてのお話をしましたので、今回はまた違う被写体、違う撮影シーンでの本機のお勧めポイントをお話したいと思います。
アップデートでさらに強化された動画機能
本機は、4K/60pのなめらかで美しい映像を記録することができる、動画撮影が楽しい機種でもあります。2019年11月のアップデートでMOV形式の記録にも対応して、さらに動画機能が強化されました。
また、高画質なスローモーション、クイックモーションの再生が可能なVFR(バリアブルフレームレート)記録機能、Log撮影機能「V-Log L」(別売)、4:2:2 10bitの映像をHDMI端子から出力する「HDMIモニタリングスルー」機能などを搭載して、本格的な動画撮影が可能です。
各家庭に4Kテレビが普及してきている昨今ですので、自分で撮影した4K動画を自宅で見る楽しみ方もできますね。作例は4K/60pで撮影して、Vlog風に仕上げました。
VIDEO
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
被写体を捉えて離さない高いAF性能
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F5 1/1600秒 ISO200 +0.3EV AWB フォトスタイル:風景 2018年11月撮影
こちらは、2018年の入間航空祭で撮影しました。ブルーインパルスの曲技飛行、第1区分11番目の課目「チェンジ・オーバー・ループ」です。4機の機体がスモークを出しながら大きく宙返りする、雄大で見応えのある課目です。
スモークの立体感を出すために、宙返りのトップではなく、かなり下降した時点のカットが筆者のお気に入りなのですが、連写は宙返りする直前から始めています。白いスモークに青と白の機体なので、ともするとピントが合いにくい同色の被写体ですが、最後までしっかりと追従してくれました。
このように動きの速い被写体の撮影は、一度ピントを外してしまうと再度ピントを合わせるのに苦労して、シャッターチャンスを逃しがちですが、本機はまずピントを外す率がとても低いことと、万が一手前の塔などの違う被写体にピントが移り変わってしまっても、AFの合焦の速さに助けられて、目当ての被写体に即ピントを合わせ替えてくれる頼もしさがあります。
本機にはワンタッチで自分好みの色味、画風に写真を仕上げてくれるフォトスタイルが搭載されています。このように、コントラストを高めたいけど、あまりにも強くしてしまうと不自然さが出てしまうようなシーンでお勧めのフォトスタイルは「風景」です。背景の青空がしっとりと深い色合いになり、白いスモークが白とびしないギリギリのコントラストが一番綺麗に見えます。
コンパクトな超望遠レンズとのコンビネーションで様々なフィールドで活躍してくれる!
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F5 1/1600秒 ISO200 +0.3EV AWB フォトスタイル:風景 2018年11月撮影
こちらも同じく、2018年の入間航空祭で撮影したブルーインパルスの曲技飛行で、第1区分最初の課目「ダイヤモンド・テイクオフ&ダーティーターン」です。1~4番機が離陸した後にターンし、スモークを出しながら会場の正面に向かって来ます。車輪を出したまま飛行する唯一の課目で、車輪がしっかりと見えるように撮影すると特別感が出ます。
作例は、撮影位置に近いところを飛んで行くのがわかったので、なるべく近い位置から撮影するために、機体がスモークをオフにして、頭上を飛び去って行く瞬間を撮影しました。
使用したレンズは「LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」です。ライカ「F2.8-4.0ズームレンズ」シリーズと呼ばれるラインアップは、3本のズームレンズで広角から超望遠域をカバーしていて、本レンズは35mm判換算で100~400mmの超望遠域をカバーするレンズです。
超望遠のズームレンズながら約655gと軽く、長さも約132mmと非常にコンパクトなので、混雑回避のために電車や徒歩移動がメインで、長時間立ちっぱなしの航空祭のようなイベントにはとても有難いレンズです。
筆者はブルーインパルスの撮影で入間基地以外にも、北海道、金沢、静岡などの基地を回ることがあり、ボディ2台、レンズ2本の機材を担いで1時間近く歩き続けることなども多いので、この軽量、コンパクトな超望遠ズームレンズにはとても助けられました。
キットレンズはライカ基準の高性能レンズ
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F5.6 1/400秒 ISO400 AWB フォトスタイル:ヴィヴィッド 2018年9月ドイツにて撮影
標準ズームライカDGレンズキットのセットレンズ「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」は、35mm判換算で24~120mmの焦点距離をカバーする使い勝手のいいレンズで、ライカ基準の高い描写能力、再現能力を備えています。自然で繊細な画を生み出してくれる、本当にこれがキットレンズでいいのかしらと思ってしまうほど、性能の高いレンズです。
作例は、2018年にドイツで撮影しました。寒かったのですが天気はとても良くて、街中の明暗の差がドラマティックな日でした。このレンズとのセットだと、小柄な女性が持ち歩いていてもそれほど目立たないので、街中でのスナップにもお勧めです。
このように明暗の差が大きく、それを強調したいときはフォトスタイルのヴィヴィッドを使用すると、コントラストが高くなって、明暗差がより強くなります。構図内に赤やピンク色などの派手な色合いが多いと、スナップとしては主張の強すぎる画になってしまいますが、同系色の控えめなトーンの構図となっていますので、ヴィヴィッドを使用しても派手になり過ぎず、全体に高コントラストで、道路の硬さを感じられるようなスナップに仕上げられます。
繊細な表情を描き出すヴィーナスエンジン
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F8 1/200秒 -0.7EV ISO200 AWB フォトスタイル:風景 2018年9月ドイツにて撮影
取材で訪れたフォトキナの会場ケルンメッセから、夕日に浮かび上がるケルン大聖堂を撮影。ちょうど工事中で足組が邪魔だと思ったのですが、ケルン大聖堂をアンダーにして切り絵のようにすることで、額縁の役目を果たしてくれました。
構図下の夕焼けの強い赤色のグラデーションと上部の雲の繊細な表情を、色、形ともに解像度高く表現してくれています。彩度が高く、コントラストの高いシーンで、ベタっとせずにシャドウ部もハイライト部も色鮮やかに、でも不自然なほどではなく仕上げてくれるのが、本機の愛すべき点であります。
フォトスタイルで自分好みの写真に!
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F5.6 1/640秒 +0.7EV ISO200 AWB フォトスタイル:L.モノクローム 2018年9月ドイツにて撮影
とにかく楽しいんです、モノクロ撮影が。特にこのフォトスタイル「L.モノクローム」は、通常のモノクロよりもグレーの色の伸びが素晴らしくて、ただ白黒にしただけではない、情感豊かなモノクロ写真を描き出してくれます。日常のちょっとしたシーンも「L.モノクローム」を使うだけで、ぐっとドラマティックなシーンにしてくれるフォトスタイルです。
本機には10種類のフォトスタイルが搭載されており、「L.モノクローム」以外には、見た目に近い色味、質感、コントラストに仕上げてくれる「スタンダード」、彩度とコントラストを上げてより鮮やかに仕上げてくれる「ヴィヴィッド」、低コントラストで優しいイメージの「ナチュラル」、単色で仕上げる「モノクローム」、明暗の差をさらに高く、より印象的な画にしてくれる「L.モノクロームD」、青や赤、緑などの色味をより鮮やかにコントラストを高めに仕上げる「風景」、人肌を自然で健康的な肌色にしてくれる「人物」、低コントラストでダイナミックレンジを優先した「シネライクD」、それとは逆にコントラストを優先したメリハリのある画を得られる「シネライクV」があります。
さらに各フォトスタイルは、コントラスト、シャープネス、ノイズリダクション、彩度の細かい設定ができ、3種類のモノクロのフォトスタイルは、コントラスト、シャープネス、ノイズリダクション、色調、フィルター効果と、モノクロフィルムの写真の質感を表現する粒状の設定もできるので、自分らしい画づくりをより追及できます。
MFアシスト機能でどんな被写体もしっかり合焦
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F13 5秒 ISO200 -0.3EV AWB フォトスタイル:風景 三脚使用 2018年10月撮影
本機をポートレート撮影で使用することが多い筆者の感想として、人肌に近いオレンジ色の色味がとても綺麗に出ると感じています。そんなオレンジ色繋がりで花火も、華やかで綺麗なグラデーションに仕上げてくれました。
こちらは三脚を使用し、花火が打ちあがる付近の建物にAFでピントを合わせてからMFにして撮影しました。本機はMF撮影時にMFアシスト機能があり、指先の簡単な操作で約3~10倍、写真の中に更に拡大した写真を表示させるPicture in Pictureでは約3~6倍、全画面では最大20倍の拡大表示が可能なので、ピントの確認もしやすいです。
自然なボケ味が魅力のマクロレンズとも相性がいい
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S. ■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO6400 -0.3EV AWB フォトスタイル:スタンダード 2018年11月撮影
水族館撮影では写り込みを避けるために、水槽に近寄れるマクロレンズが活躍します。「LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.」は、35mm判換算で60mmの焦点距離のマクロレンズで、等倍マクロ撮影が可能です。コンパクトで価格のバランスも良く、自然なボケ味を実現した使いやすいマクロレンズです。
作例は、向こう側が透けている水槽を泳ぐクラゲを撮影しました。丸ボケしているのは水族館内の照明で、全体の色味には調整などなにも加えていません。JPEGで撮影したそのままになります。
クラゲは触手が長い種類が多いので、全体を構図内に入れようとすると肝心のクラゲが小さくなり過ぎて、柔らかさや質感がわかりにくい写真になってしまうので、ぐっと近寄ったカットも撮ると面白いです。
暗い、動く、ピントの合いにくいアクリルの水槽の向こう側と、なかなかの条件が揃ったなかでの撮影ですが、素早いAFと手ブレ補正機能のお陰で、楽に撮影が行えました。
家族で写真を楽しむのに最適な本機
■撮影機材:ソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F3.5 1/200秒 ISO200 AWB フォトスタイル:人物 2018年9月撮影
本機は何度言っても足りないくらいAF性能が高くて、特に人物の顔と瞳の認識性能は格別です。普通に正面を向いているシーンはもちろんのこと、後ろ姿や顔が見えにくいシーンでも、瞬時にピントを合わせてくれる顔・瞳認識AF機能は、じっとしていられない子供の撮影には特に大助かりです。
絶え間なく動く顔と瞳をしっかりと捉えて、カメラに近いほうの目にピントを合わせてくれるので、余計なことを考えずに子供の笑顔を引き出すことに集中できます。
子供を撮影するときに、いい写真を撮ろうと気張ってしまって、フレーム内に収まってくれない、言うことを聞かない子供にイライラしてしまうこともあると思いますが、主役のモデルである子供が写真を嫌いにならないように、‘笑顔を作らせる’のではなく、‘笑顔になっちゃう’状況を作ることが大切です。そして、思わず笑顔になった瞬間を逃さない瞳・顔認識AFがあれば、家族で写真を楽しめます。
キッズ撮影のときも、キットレンズの「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」が活躍します。声が届く範囲での撮影であれば広角側を、背景のボケを大きくしてポートレートっぽく仕上げたければ、望遠側にして離れて撮影すればOK。家族旅行でしたら、このセットだけでも沢山のファミリーフォトが撮影できるでしょう。
フォトスタイルは、見た目に近い色合いに仕上げてくれるスタンダードでもいいのですが、日差しの強い日や、構図内に派手な色味が多いときは「人物」にして、全体に少しコントラストを下げて、優しい風合いにすると、子供の柔らかい肌の質感を感じられる写真になります。
アップデートで追加された動物認識AF
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F4 1/400秒 ISO200 AWB フォトスタイル:風景 2020年6月都内にて撮影
2019年11月のアップデートで、AFモードに動物認識が追加されました。今までの人体認識に追加して、イヌ科、ネコ科、鳥が構図内にいるときは認識して、その体にAF枠を表示してピントを合わせてくれます。さらに被写体が動くと追尾してくれるので、人物と同じように動物の撮影ができるようになりました。
公式では動物の種類が3種類明記されているのですが、作例のリスでもカメラを向けるとAF枠が出て合焦、追尾しました。さらに、家にあったイルカ、パンダ、ヒヨコのぬいぐるみも認識しました。撮影状況にもよると思いますが、認識する動物は結構多そうですので、試してみると面白いでしょう。
■撮影機材:パナソニック LUMIX G9 PRO + LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F4 1/400秒 ISO200 AWB フォトスタイル:風景 2020年6月都内にて撮影
リスもですが、犬のように目と鼻の距離が離れている動物は、鼻にピントが合ってしまって、肝心の目がボケてしまうなどの事故も起こりがちですが、動物認識AFが働いてくれれば、艶々とした目にしっかりとピントを合わせてくれます。動いているシーンはもちろん、かわいらしく横たわっている姿も、しっかりとカメラに収められます。
ポートレートはもちろん、音速のブルーインパルスも、旅スナップも、花火、子供、動物、魚と様々な被写体に対応してくれる本機は、今とても購入しやすい価格になってきています。キットレンズの性能も高いので、初めてLUMIXを手にする方にもお勧めの機種ですよ。
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-G9-K
商品詳細ページ 【パナソニック】LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
商品詳細ページ
【メーカー名】LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX G MACRO 30mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがパナソニック LUMIX G9 PROのレビューをしています。2019年11月のアップデートした動画機能含めて紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
LUMIX G9 PRO,パナソニック,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ハッセルブラッド X1D II 50C レビュー | 大幅に進化した中判デジタルカメラの魅力!
BASENAME: 476247051.html
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CATEGORY: 上田晃司
DATE: 07/15/2020 17:00:00
TAGS: X1D II 50C,ハッセルブラッド(Hasselblad) ボディー,ミラーレスカメラ,中判
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BODY:
はじめに
筆者はフォトグラファーになる前からハッセルブラッドを長年愛用している。Vシリーズはもちろんのこと、Hシリーズ、XPan、Xシリーズとほぼすべてのハッセルブラッドを使っており、2015年ハッセルブラッドローカルアンバサダーでもある。Xシリーズに関しては初期から使用しており個人的にはX1D-50c 4116 Editionを使用して仕事と作品作りを行っている。
中判デジタルカメラの魅力は圧倒的な描写力と豊かなダイナミックレンジ、独特の立体感、16bit RAWの安心感など沢山ある。X1Dは世界最小の中判デジタルカメラであり、ハッセルブラッドらしいデザインと質感が魅力だ。
そんなX1Dがかなりブラッシュアップされ2019年 7月にHasselblad X1D IIとして発売になった。Hasselblad X1D IIは初期モデルの良さやデザインは引き継ぎ圧倒的な進化をしている。今回はリアルハッセルブラッドユーザーとして本機の魅力をご紹介したいと思う。
■撮影機材:Hasselblad X1D II 50C + XCD 4/45P ■撮影環境:シャッター速度 1/1500 F値 F4 ISO 100 焦点距離45mm
散歩中に愛犬をスナップした。5000万画素もある中判デジタルカメラにもかかわらず一般的な一眼レフやミラーレス機なみの機動力があり使い易い。写りは驚くほど繊細で中判ならではの立体感を楽しめる。
X1D IIの概要
X1D II 50Cは5000万画素の中判CMOSセンサーを搭載。センサーサイズは43.8×32.9 mmと非常に大きいことが分かるだろう。ダイナミックレンジはなんと14段と非常に広く安心感がある。RAWで撮影すると16bitで記録されるためRAW現像時にはハッセルブラッドの豊かな表現力を感じられるはずだ。
もちろん、JPEGのみでの撮影も可能で5000万画素のフルのJPEGが撮影できハッセルブラッドのナチュラルカラーソリューションにより美しいナチュラルな色で撮影可能だ。
■撮影機材:Hasselblad X1D II 50C + XCD 1,9/80 ■撮影環境:シャッター速度 1/2000 F値 F1.9 ISO 100 焦点距離 80mm
小湊鐵道の駅舎を撮影した。駅舎の中から撮影したので輝度差があるが、ハッセルブラッドのRAWはデータを豊富にもっているためPhocusで現像する際にシャドウ部分を少し上げるだけで肉眼に近いダイナミックレンジで表現することができた。
■撮影機材:Hasselblad X1D II 50C + XCD 1,9/80 ■撮影環境:シャッター速度 1/1500 F値 F1.9 ISO 100 焦点距離 80mm
JPEG撮って出しでも十分美しくシャープな写真が撮れるのもハッセルブラッドの魅力だ。ハッセルブラッドナチュラルソリューションによるナチュラルで深みのある色合いが魅力的だ。作例は近所の漁港をスナップ的に撮影した写真だ。手持ちでもブレることなくシャープに切り取ることができるのもX1D IIの魅力だ。
■撮影機材:Hasselblad X1D II 50C + XCD 1,9/80 ■撮影環境:シャッター速度 1/200 F値 F5.6 ISO 100 焦点距離 80mm
雨が上がり緑が印象的な田んぼと家屋を撮影した。X1D IIの圧倒的な画質はさすがだ。画面の端の端までシャープに解像し、木々のディテールまで確認することができる。XCD 1,9/80はF5.6まで絞れば解像感がグッと増しパンフォーカスでも立体的だ。
■撮影機材:Hasselblad X1D II 50C + XCD 2,8/65 ■撮影環境:シャッター速度 1/60 F値 F2.8 ISO 800 焦点距離:65mm
去年、台湾に行った時にスナップした1枚。暗いシーンだったのでISO800にして撮影したが全くノイズが確認できないほど綺麗だ。一昔前の中判デジタルカメラはISOを上げられなかったがX1D IIは高感度にも強い。
外観+機能
外観は堅牢性に優れたアルミ製だ。カメラを手にしただけでハッセルブラッドの造りの良さを体感できるはずだ。細部まで拘った繊細な造りは所有欲がくすぐられるはずだ。液晶モニターは前機種よりも大きくなり3.6インチ236万画素のタッチパネルを採用。電子ビューファインダーは369万画素の有機ELになっている。ファインダー倍率は0.87倍に向上しており驚くほど見やすい。
ライブビューのフレームレートも37fpsから60fpsへと大幅に進化しておりカメラを上下左右に動かした際のかくつきも気にならずとても撮影しやすい。初期モデルを使用しているユーザー目線で見ると、軌道のスピードやブラックアウトに時間など小さなことではあるが短縮されておりストレスも感じられない。今までは起動時間が10秒ほど掛かっていたが半分の5秒くらいになっている。非常に完成度が高く中判のデジタルカメラとしてはキビキビ動いてくれる印象だ。
操作
操作感はシンプル。ボタン類は最小限に抑えられ、殆どをタッチパネルで行うことができる。液晶は大きく反応速度がよくストレスなく操作できる。スマートフォンのような直感的操作が魅力だ。
もちろん、ユーザーインターフェースはカスタマイズでき自分の好きなようにできるのもポイントだ。頻繁に変更するシャッター速度や絞り値は前後のダイヤルで調整できるようになっており、ISOの変更やWBなどはタッチパネルでの操作はもちろんのこと物理的なボタンにも割り当てられている。国産の多くの一眼レフやミラーレス機の多くは様々な機能を搭載しているが本機は最小限の機能のみ。
写真を撮影するためのシャッター速度、絞り値、ISO、WB、露出補正の調整が主なので撮影に集中できるのも魅力だ。
操作は基本的にタッチパネルでの操作になる。大きな画面は設定を把握しやすくダイレクトに変えたい項目をタッチするだけなので直感的に操作できる。
■撮影機材:Hasselblad X1D II 50C + XCD 2,8/65 ■撮影環境:シャッター速度 1/1000 F値 F5.6 ISO 100 焦点距離 65mm
X1D IIにはAF-Cの機能はないので動き物を撮影する時は置きピンがオススメ。列車など通過する所が分かる乗り物は予めピントを合わせておくことで問題なく撮影できる。
拡張性
X1D IIは撮影に必要な最小限の機能が搭載されているが拡張性は十分。初期モデルでは外付けだったGPSは内蔵になりスマートになった。SDカードはデュアルスロットのSDカードを採用。UHS-IIに対応しているので高速転送が可能になった。テザー撮影や本体からデータを取り出すにはUSB-Cを使うので高速でのデータ転送ができのも魅力だ。テザー撮影ではPC & MACを使用する場合はPhocusが使用できる。
そしてX1D IIよりiPad ProとiPad Airに対応したPHOCUS MOBILE 2を使うことでiPadを使った撮影やカメラコントロールを可能にしている。実際に筆者も使用しているがPCやMACと同等にサクサクと動いてくれる。このUSB-C端子は充電も可能なので旅先に充電器を持って行きたくない場合などでも使える。さらにWiFi機能も搭載しているので直接スマートフォンに画像データを送ったり、カメラをコントロールすることもできる。
進化
Hasselbladの魅力の1つが進化だ。購入後もファームウェアアップデートが頻繁に行われるのでただのバグの修正だけではなく機能も大幅にアップする。最新のメジャーファームアップはファームウェアアップデート1.2.0 があり、動画撮影機能が動くようになった。大きなセンサーを活かした2.7K(2720 x 1530)およびHD(1920 x 1080)の動画は今までにない中判デジタルカメラの良さを活かしたものとなり、とても魅力的である。立体感などはさすが中判デジタルの動画機能だ。
動画収録は4:2:0 8ビットカラーで29.97 fpsで録画できる。2.7KはFHDよりも面積が広いのでクロップ用途にも使えるだろう。その他にもホワイトバランスツールが搭載されホワイトバランスを簡単かつ直感的に調整できるようになっている。また、初期モデルには搭載されていたフォーカスブラケットが再度X1D IIにも搭載された。画像の選択を楽にしてくれる画像のレーティングも直感的に行えるように進化しているのもポイントだ。
XCDレンズ
ハッセルブラッドのXシリーズは進化し続け、新しいレンズも出続けている。現在レンズは21mmから135mmの単焦点レンズがあり、一本の35-70mmのズームレンズとテレコンバーターとズームレンズを入れると11本のラインアップがある。
ハッセルブラッドの特長としてシャッターはレンズシャッターとなっており、ストロボ撮影でも1/2000秒で同調してくれる。一般的なフォーカルプレーン・シャッターの場合は速くても1/250秒なので約3段分のアドバンテージがる。筆者は人物撮影ではストロボを多用するので非常に助かっている。
筆者はほぼすべてのレンズを使用しているが、今回レビュー用に使用したのが中判カメラのレンズとは思えないXCD 4/45のパンケーキと標準レンズになるXCD 2,8/65、圧倒的なボケ感と明るさが魅力のXCD 1,9/80を使用して作例を撮影している。
特にパンケーキのXCD 4/45は重量がわずか320gと軽量でX1D IIとの相性は抜群。開放F値はF4ではあるが中判なので大きなボケ感も堪能できる。35mm判換算で36mm相当の画角はスナップからトラベル、日常使いまで遊べる最高の一本だ。
XCD 2,8/65は筆者が愛用している常用レンズ。50mm相当の画角は使い勝手がよくF2.8のお陰でボケを活かしたポートレートからスナップまで楽しめる。最短は50cmなのでテーブルフォトなどにも活用できる一本だ。
XCD 1,9/80は誰もが憧れる一本で、このレンズにしか表現できない独特の世界感がある。重量は1044gとヘビーではあるが写りは最強だ。35mm判換算で63mmの画角になり、開放F1.9の明るさととろけるような大きなボケは圧倒的で被写界深度は恐ろしく浅い。X1D IIの正確なピント合わせのお陰で本レンズの魅力をしっかり引き出すことができる。
■撮影機材:Hasselblad X1D II 50C + XCD 1,9/80 ■撮影環境:シャッター速度 1/1500 F値 F1.9 ISO 100 焦点距離 80mm
愛車を撮影した。ヴィヴィッドな赤が印象的な車なので赤が非常に美しく表現できているので満足だ。XCD 1,9/80は多少被写体から離れても背景をぼかすことができるので使い勝手抜群だ。このようなシーンを撮影する際はややローポジションで撮影すると良い。
■撮影機材:Hasselblad X1D II 50C + XCD 1,9/80 ■撮影環境:シャッター速度 1/400 F値 F1.9 ISO 100 焦点距離 80mm
あじさいを撮影した。最短距離近辺で絞り開放と難しいシーンではあるが、圧倒的なピント精度により思い通りの場所にピント合わせすることができた。ピント位置はシャープでボケはとろけるような品のあるボケ感だ。
■撮影機材:Hasselblad X1D II 50C + XCD 4/45P ■撮影環境:シャッター速度 1/320 F値 F8.0 ISO 400 焦点距離 45mm
砂浜に咲いていた細かい草花を撮影した。俯瞰で絞りをF8.0まで絞って撮影した。XCD 4/45は圧倒的にシャープで花のディテールや砂の細かさまでしっかりと表現できている。
まとめ
今回リアルハッセルブラッドユーザーとしてHasselblad X1D IIのレビューをさせていただいたが、Xシリーズになり驚くほどコンパクトになり35mmのデジタル一眼レフやミラーレス機と変わらない機動力を得ることができた。小さくなったとは言え、さすがは中判デジタルカメラ。圧倒的な画質とデータの豊富さは本カメラの魅力と言えるだろう。ハッセルブラッドにしか撮れない、表現できない世界があるので是非、皆さんもラージフォーマットの世界に挑戦していただきたい。
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EXCERPT:
写真家の上田晃司さんによるハッセルブラッド X1D II 50Cのレビュー記事です。ハッセルブラッドを長年愛用している上田晃司さんならではの視点で特長を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,X1D II 50C,ハッセルブラッド
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AUTHOR:
TITLE: 【写真展】中村征夫写真展「海中顔面博覧会」
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 07/16/2020 17:00:00
TAGS: 【PR】,写真展情報,品川
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BODY:
中村征夫写真展「海中顔面博覧会」
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘)は、キヤノン S タワー2階キヤノンオープンギャラリー1(所在地:東京都港区)にて、2020年7月21日より、キヤノンフォトコレクション 中村征夫写真展「海中顔面博覧会」を開催します。
概要
■開催期間:2020年7月21日(火)~8月27日(月)
■開館時間:10時~17時30分(最終日は16時30分まで)
※当面の間、開館時間を10時30分~17時と時間短縮させていただきます。
■休館日:日曜日・祝日・夏季休館8月7日(金)~8月16日(日)
■開催会場 :キヤノン S タワー2階 キヤノンオープンギャラリー1・2(住所:東京都港区港南2-16-6)
■交通案内:JR 品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
■入場料:無料
※開催につきましては、状況の変化に応じて適宜 変更になる 可能性が ございます。予めご了承願います。
展示内容
本展は、キヤノンフォトコレクションとして収蔵する作品の中から、写真家 中村征夫氏の「海中顔面博覧会」シリーズより、カラー作品30点を展示いたします。
海中に住むいきものたちの色鮮やかな生態やユニークな顔形などを、作品を通してご覧いただけます。
キヤノンフォトコレクションは、1994 年よりキヤノンマーケティングジャパンが手掛ける、日本の優れた写真家の作品のコレクションで、現在1900点余りの作品を収蔵しています。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
作家プロフィール
中村 征夫 (なかむら いくお)
1945(昭和20)年、秋田県生まれ。20 歳の時に独学で潜水と写真をはじめ、後に水中撮影プロダクションを経てフリーランスの水中写真家となる。国内外の海や自然、人びと、それらを取りまく環境などを精力的に取材。
ライフワークの「東京湾」をはじめ、空港建設に揺れる石垣島・白保、北海道南西沖地震意遭遇、九死に一生を得た奥尻島でのルポルタージュなど、社会性のあるテーマにも取り組み、「海の報道写真家」としても活躍。写真のみならず劇映画、ハイビジョン映像も手がける。
おもな受賞に、1988 年、『全・東京湾』『海中顔面博覧会』により第13 回木村伊兵衛賞、1966 年、『カムイの海』により第12 回東川賞特別賞、1977 年、『海のなかへ』により第28 回講談社出版文化賞など。
お問い合わせ
【一般の方のお問い合わせ先】
・キヤノンギャラリーS TEL:03-6719-9021
・キヤノンギャラリー ホームページ:
https://cweb.canon.jp/gallery/
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EXCERPT:
【写真展】中村征夫写真展「海中顔面博覧会」の情報です。キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘)は、キヤノン S タワー2階キヤノンオープンギャラリー1(所在地:東京都港区)にて、2020年7月21日より、キヤノンフォトコレクション 中村征夫写真展「海中顔面博覧会」を開催します。
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KEYWORDS:
写真展情報,キヤノンギャラリーS,中村征夫
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AUTHOR:
TITLE: フィルム撮影に挑戦しよう|注意点とオススメフィルムの紹介
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CATEGORY: 上田晃司
DATE: 07/20/2020 17:00:00
TAGS: FM3A,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ,フィルムカメラ
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BODY:
筆者愛用のNIKON FM3Aと45mm F2.8のパンケーキレンズ。初心者でも使いやすくオススメの一台。ブラックとシルバーが用意されている。
はじめに
ここ数年、若い方を中心にフィルム撮影をする方が増えてきている印象を受ける。街を歩いていてもフィルムカメラを持ち歩いている方も多く、筆者のYouTubeチャンネルでフィルムに関することを配信すると想像以上の方が視聴してくれているのでフィルムでの撮影に人気があることは間違いないだろう。
筆者自身も作品作りの一部はフィルムで行うこともあるのでここ数年は様々なフィルムを使い国内、海外を撮影している。筆者は様々なフィルムカメラを所有し使用している。筆者がフリーランスになってから購入したハッセルブラッド 503CW、Rolle flex 6008、Leica MP、M3、NIKON SP、Hasselblad XPAN 、NIKON F3、NIKON FM3Aなど様々なフォーマットのカメラがある。
今回は初心者の方にも楽しんでいただきたいので最も愛用しているNIKON FM3Aを使用して撮影した作例を元にフィルムカメラの楽しみ方をご紹介しよう。
千葉の海岸を散歩中に撮影した1枚。コダックらしい色合いが非常に好み。デジタルカメラにはない柔らかい描写が撮影したシーンに合っている。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF5.6 シャッター速度1/500秒
フィルム撮影に必要な物
まず、フィルム撮影に必要な物をご紹介しよう。フィルムカメラを持っていない方は近くのカメラのキタムラに行くか、カメラのキタムラのWEBページにアクセスしてネット中古をクリックしてみよう。そこからご自身の欲しいブランドで検索してみると良い。豊富な在庫があるのでお気に入りの一台が見つかるはずだ。筆者の愛用しているNIKON FM3Aは新宿・西口店で購入した。中古カメラでも保証の対象のカメラには6ヶ月保証がついており安心感がある。カメラのキタムラは全国に沢山の店舗があるのでネットで見つけた気になるカメラは店頭で受け取りできるのも魅力だ。
次にフィルムを用意する。フィルムのチョイスはとても重要でフィルムによって写りが大きく異なる。デジタルカメラでは様々な仕上がり設定が行えるのであまり気にしない方が多いが、フィルムはフィルム毎に写りが違うので最初は撮影している人の写真を沢山見て傾向を掴むかご自身で沢山試してお気に入りを見つける必要がある。昔は沢山のフィルムがあったが現在は前に比べると減っている印象だ。ただ、フィルム撮影は世界でも流行っているので新たなブランドが立ち上がるなどチョイスできるようになってきた。今回は3本の初心者にお勧めのフィルムをご紹介する予定だ。
その他にあると便利な物が露出計だ。カメラに露出計がある物は問題ないが、フルマニュアルのカメラでは露出計があれば露出決定が楽なのでオススメだ。露出計には大きく分けて2種類あり多くは入射光式だ。入射光式は遠くの被写体の明るさは測れないが人物や花など撮影者が歩いて行ける範囲であれば測光ができる。風景などを撮影する方は反射光式のスポットメーターを使うと良いだろう。露出計を使えば露出の3要素を表示してくれるのでカメラにセットするだけで適正な露出を得られるので便利だ。
セコニックのL-308Xは初心者から上級者まで使い勝手のよい単体露出計だ。コンパクトで電池持ちもよい。基本は入射光式だが、光球を動かせば反射光式としても使える優れもの。
L-308X使い方解説動画はこちら!
VIDEO
今回使用するフィルムはFUJICLOR 100とKodak Color Plus 200、ILFORD XP2 400 BLACK & WHITEの3本。どのフィルムも初心者から使い易いフィルム。ラティチュードが広く、多少露出を外しても露出が粘ってくれるフィルムたちだ。
オススメフィルムの紹介
今回は3本のフィルムを用意した。
FUJICOLOR 100
ベーシックでコストパフォーマンスに優れたフィルムがFUJICLOR 100だ。ナチュラルな発色とISOが100と風景などを撮影するのに向いている。フィルムカメラによってはシャッター速度の上限が1/1000秒の物なども多いので昼間に撮影するのであれば本フィルムはオススメ。
街中で印象的なシーンを見つけたのでスナップ撮影した。本フィルムの独特の雰囲気がこのシーンにあっている。富士のフィルムは少し暖色で緑にシフトしているので街スナップでは使い易い。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF5.6 シャッター速度1/1000秒
田舎の田園と真っ直ぐに伸びる道が印象的なシーンなので撮影した。青空がスカッとぬけていたが、デジタルのようなクリアさはなくフィルムならではの独特なトーンで表現できた。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF11 シャッター速度1/250秒
Kodak Color Plus 200
次はKodak Color Plus 200をご紹介しよう。Kodakのフィルムは主観ではあるが温かみがあり懐かしい印象を受ける。発色も豊かでラティチュードも高い。ISO200という使いやすい。カラーは少しマゼンタよりでポートレートやテーブルフォトや風景などオールマイティに使える。
小湊鐵道の無人駅で撮影した。コダックらしいマゼンタの色味が強い世界感は映画のようだ。シャドウとハイライトの独特なトーンが好みだ。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF2.8 シャッター速度1/2000秒
森の中で大木が倒れていたので撮影した。やや逆光シーンだが独特の雰囲気に撮影できた。シャドウの表現力も高くラティチュードの広さに感心する。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF2.8 シャッター速度1/125秒
ILFORD XP2 400 BLACK & WHITE
ILFORD XP2 400 BLACK & WHITEはカラーの現像液で現像できるモノクロフィルムだ。モノクロフィルムは現像に出すと現像に少し時間が掛かるためすぐに現像したいという方にオススメのモノクロフィルム。やや温黒調のトーンが魅力で柔らかめのモノクロ表現が好きな方にオススメだ。ISO 400と汎用性のあるフィルムなので使い勝手は良い。
海岸で休んでいる方の後ろ姿が素敵だったので撮影した。天気はあいにくの曇りだったがトーン豊かな本フィルムのお陰で海や曇り空のトーンまでしっかり表現できた。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF11 シャッター速度1/250秒
散歩中に妻が見つけた5葉のクローバーが珍しかったので撮影した。人肌のトーンもしっかり美しく表現できている印象だ。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF2.8 シャッター速度1/4000秒
オシャレな雑貨屋さんにあった世界の距離表を撮影。少し暗めのシーンだったがISO400の本フィルムのお陰でブレることなく撮影できた。中間部のトーンがしっかりしており筆者好みのモノクロ表現ができた。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF2.8 シャッター速度1/60秒
フィルム撮影の注意点
デジタルカメラに馴れてしまっている方はフィルムでの撮影は最初戸惑いがあるかもしれない。一度フィルムをカメラに入れるとデジタルカメラのようにISO感度は変えられないので気をつけよう。
中判カメラの場合は途中でフィルムバックを変えることができる物もあるが基本35mm版では入れ替えできない。入れたフィルムのISOは必ず覚えておくこと。デジタルカメラで36枚撮るのは簡単だが、フィルムの場合36枚撮るのも意外と時間が掛かってしまう。その為、フィルムが背面から確認できないカメラは何のフィルムを入れたのかメモをとっておこう。
飛行機に乗るときは注意
これから旅行に出かける方も増えてくるかもしれないが、高感度フィルムを使う際は注意。感度の高いフィルムの場合X線の影響を受けることがあるので注意。ISO1600まで大丈夫と書いてあってもできるだけハンドチェックしてもらおう。保安検査場に並ぶ際にフィルムだけ出しておくと安心だ。
筆者は年間に100回近く飛行機に乗るので気をつけているが、国によってはX線に通されてしまうこともある。X線からフィルムを守るバックを持っていても、不審物扱いされ基本的には中を出されることが多いので必要はない。
撮影したフィルムを現像する
撮影したフィルムは最寄りのカメラのキタムラに持っていこう。現像機のある店舗ではネガフィルムであればすぐに対応してくれる。早ければ30分〜1時間ほどで現像をしてくれる。
キタムラの現像の凄い所は追加サービスでSNS共有しやすいようにデーターを転送するサービスやネガからCDに写真をスキャンして書き込むサービスもある。近くの店舗が即日現像に対応していなくても一週間ほどで現像してくれるので時間の余裕がある方は最寄りの店舗で現像するとよいだろう。
フィルムの保存
フィルムは耐久性のあるメディアではるが高温多湿は苦手。カメラと同じように防湿庫や風通しのよい所に保管するのがベスト。ネガ保管とは別にデーター化してPCのHDDなどにバックアップしておこう。
また、デジタルカメラと違い撮影日時が分からなくなる(記録できる機種もある)こともあるので、しっかり記憶が鮮明なうちにデーターを記入しておこう。
まとめ
今回、フィルムで撮影するためのいろはをご紹介させていただいた。フィルムならではの色合いや雰囲気はどんなにデジタルカメラやソフトウエアが進化しても表現が難しい。フィルムだからこそ表現できる世界があるということも是非覚えておいていただきたい。
まだまだ、沢山のフィルムを試せる良い時代なので、是非様々なフィルムを試して思い出や作品撮影をしていただきたい。
この記事に使用した機材
【セコニック】露出計 フラッシュメイト L-308X
商品を見る
【フジフイルム】 FUJICOLOR 100 S 24枚撮り
商品を見る
【イルフォード】モノクロフィルム XP2 SUPER135 35mm 36枚撮り
商品を見る
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の上田晃司さんが初心者向けフィルムのコツとオススメフィルムのご紹介をしています。
露出計を使用した撮影の準備も含めてご紹介しています。
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KEYWORDS:
フィルム,現像,初心者,フィルムカメラ,FUJICOLOR 100,Kodak Color Plus 200,ILFORD XP2 400 BLACK & WHITE
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: DJI OSMO ACTIONレビュー | 旅の記録やお散歩Vlogにオススメ
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CATEGORY: 6151
DATE: 07/21/2020 16:00:00
TAGS: アクションカメラ,Osmo Action,Vlog,DJI(ディージェーアイ) 小型カメラ,その他のカメラ
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BODY:
はじめに
今回はDJIのアクションカメラ「OSMO ACTION(オズモアクション)」を使ってVlogをつくってみました。わたしは普段、トラベルフォトグラファーとして活動していて、旅先でのスチール写真の撮影はもちろんですが、しばしば動画を撮影してInstagramやTwitterなどのSNSに公開しています。
わたしがいつも使っているカメラに動画撮影機能はついているけどスチール写真を撮っている時に同時に動画を撮れないし、重たいカメラを旅先で固定するのはなかなかしんどいものです。
気軽に動画撮影ができるカメラがほしい!そんな悩みを抱えてる中で手にしたのがOSMO ACTIONでした。DJI製品はドローンでもお馴染みですが、アクションカメラも人気があるようです。わたしはドローンを旅先で飛ばす事もあるので、今回OSMO ACTIONをお借りして撮影できる事となってから、愛着を感じるメーカーのアイテムということもあり、手元に届くまでとてもわくわくしていました。
小さくて軽いから、カバンなんて要らない?
さっそく動画を撮影して編集するという普段は手を伸ばせていない領域にチャレンジして行きます!
OSMO ACTIONを触った第一印象は小さくて軽い!普段大きなカメラを抱えて走り回っている身としてはこの小型軽量カメラにかなりトキメキを感じます。
もうカバンなんて要らない。フットワーク軽く、着の身着のままに撮影に出掛けられるこのサイズ感は本当にオススメです。
別売りのアクセサリーも充実していて4種セットのNDフィルターや三脚にもなる延長ポールなどを使うと幅広い撮影に対応することが可能になりますね。
装備は万端、オズモアクション片手にいざ撮影へ
外観はとてもシンプルなデザインになっていて、操作も直感的に進めることがでできます。わたしは説明書を読むことが苦手でまずは触ってみる事から始めるのですがオズモアクションはサクサク撮影が進みます。
設定は液晶画面を上下左右にスワイプして、設定したい内容をタップして行くことで簡単にセッティングを進められます。動画から写真に切り替える際もさっとスワイプするだけで、とても簡単に行うことができました。
例えば「カスタムモード」では頻繁に使用する「撮影モード」と「露出設定」を保存してしまえば、次から簡単に「一覧表示」から選択することができます。また本体左側にあるクイックスイッチ(QS)ボタンを使えば、予め設定したモードや設定に素早くアクセスすることができます。
簡単操作で、誰もが素早く撮影を楽しめるように考え尽くされている感じで、優しさを感じました。
多彩な機能も充実している
・HDR撮影
・8倍スローモーション
・カスタム露出設定
・タイムラプス
・タイマー撮影モード
この機能を使っての撮影がとても楽しかったです!写真用カメラでは使えない動画に特化した機能たち。肉眼では捉えられない瞬間や時の流れの撮影をまるっと叶えてくれる。撮っている時のわくわく感と、撮影が終わったあとのどきどき感で、編集前からだいぶ興奮気味でした。
4K/HDR動画と強力な手ブレ補正
わたしは今回、空間や風景を撮影しており常に4K、HDRに設定して撮影を行いました。ディテールはくっきりとシャープに仕上がり、目で見た印象に近い階調で映像に残すことが出来ました。撮影した画像を大きな画面で見ると特に良くわかります。
そしていちばんオススメしたいのが、歩きながらの撮影にも耐えてくれるRockSteady (ロックステディ)という強力な手ブレ補正機能となります。激しい動きにも関わらず、安定したブレの少ない映像を撮影できるので、手ブレでボツを量産しがちなわたしにとってはとてもありがたい機能です。
撮った動画の編集と完成したVlog
テクニックのなさは、カメラの機能で補いたい!これはわたしの口癖ですがまさにそれを体現させてくれるデバイスです。カメラが全振りで頑張ってくれて、わたしはシャッターボタンを押すだけなのに、何だか良い感じに撮影出来てしまう。広角レンズだから空間を広く映せるところも嬉しいですね。
さて、動画はサクサク撮れたけどどうやって仕上げよう?初心者でも簡単に仕上げられる編集アプリはあるかなー?と調べてみると「DJI Mimo」という公式のアプリを発見。
▼DJI Mimo
iOSアプリ https://itunes.apple.com/app/id1431720653
Androidアプリ https://play.google.com/store/apps/details?id=dji.mimo
撮影データはWi-Fiでスマホとリンク出来るため、その場で編集が可能です。またDJI Mimoは動画編集自動作成機能もあって短編ですが選択した幾つかの動画をAIが自動で仕上げてくれる優れものです。
▼短編のVlog
VIDEO
DJI Mimoで自動作成した短編動画。使いたい動画を選択しただけで何故かすごく腕が上がったような仕上がりにしてくれます。編集に不馴れなわたしでも動画編集が楽々できました!
▼長編のVlog
VIDEO
こちらは手動で編集した動画です。BGMを選んで、動画を時系列に並べてくっつけただけの編集でしたがリバースやスローモーション、タイムラプスにタイトルやテロップの挿入も出来てやってみるとの意外とわたしでも簡単にできました。しかも楽しい!
さいごに
まだまだ初心者マークのわたしでも気軽に動画撮影にチャレンジできたし、
テクニックはないけど、ちょこっとお洒落につくりたい場合でも、カメラやアプリが補ってくれるので、簡単に楽しくできました。何より時間がない旅先でもさくっと出来ちゃうところは結構しびれるポイントでした。
4K/HDR動画だけではなく、写真撮影も高画質で残してくれるしOSMO ACTIONなら、単調な旅の記録も日常の光景も特別な時間に変えてくれるかもしれません。
というわけで、いかがでしたでしょうか。旅の記録やお散歩Vlogにもおすすめな「OSMO ACTION」のおはなしでした。
この記事に使用した機材
【DJIジャパン】OSMO Action
商品詳細ページ 【DJIジャパン】OSAP01 Osmo Action Part 1 バッテリー
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家6151さんによるOSMO ACTIONのレビュー記事です。6151さんならではの視点で切り取った風景の映像作品と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
アクションカメラ,Osmo Action,DJI,Vlog
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AUTHOR:
TITLE: ベルボン UT-3AR レビュー|このトラベル三脚は軽量だけが凄さじゃない!
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 07/23/2020 16:00:00
TAGS: 三脚,ベルボン,UT-3AR,アクセサリー,その他
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BODY:
ベルボン UT-3AR|トラベル三脚とは?
今回は、ベルボンより2019年3月に発売した三脚「UT-3AR」についてレビューして行きます。ベルボンは、BCN AWARD※2020の三脚・一脚部門で堂々の最優秀賞を獲得しており、その中でもUT-3ARは、2019年で多くのユーザーに購入された三脚です。
UT-3ARのUTという頭文字はウルトレックシリーズのことで、
トレッキングやツーリングなど、荷物を限界までコンパクトにしたい場合に最適。驚異の伸縮比による圧倒的な収納性が自慢です。
といった高伸縮比三脚であることを指します。
そんなウルトレックシリーズに属するUT-3ARは、
ミラーレスカメラに最適な軽量さとコンパクトさを実現した、気軽に撮影へ持ち出しやすいウルトレックシリーズ最軽量モデル。
と訴求されており、推奨積載質量1.5kgということもあって、ミラーレスカメラユーザーをターゲットとしたトラベル三脚です。
トラベル三脚とは?
レビューを進める前に、気になった点があります。様々な三脚がある中で、そもそも「トラベル三脚」とは一体どのような物を指すのでしょうか。実際に発売元のベルボンさんに聞いてみました。
ベルボンではトラベル三脚を、軽量・コンパクトで、足が反転する短い三脚としています。
飛行機の機内持ち込みが可能なサイズであることが多いことから、携帯性を重視した旅行向きの三脚です。
■インタビュー:ベルボンご担当者
確かに、コンパクトな三脚はかさばりにくく、旅行や登山などの移動が長い時・なるべく荷物を軽くしたい時に、大変便利です。
ただ、筆者がトラベル三脚に抱いていた正直なイメージは、「軽い分、踏ん張りが心配」といった、ややネガティブなものでした。
そんなイメージを、ベルボンUT-3ARは良い意味で覆してくれました。実際にお借りし、レビューをしている間に惚れ込んでしまい、プライベートで購入に至った本製品を、様々な角度からレビューしました。
※BCN AWARD:全国の量販店のPOSデータを日次で収集・集計した「BCNランキング」に基づき、パソコン関連・デジタル家電関連製品の年間(1月~12月)販売台数第1位のベンダーの功績を讃える賞。(引用:BCN AWARD についてhttps://www.bcnaward.jp/award/about/)
ベルボン UT-3ARのスペック・外観
まずここでは、ベルボン UT-3ARの外観・スペックについて掲載します。
ベルボン UT-3ARのスペック
主なスペックは以下の通りです。
●全高(EV含む):1355mm
●全高(EV含まず):1182mm
●エレベータースライド:173mm
●縮長:295mm
●脚径21/18.2/15.4/12.6/9.8mm
●段数:5段
●質量:786g
●推奨積載質量:1500g
●クイックシュー:QB-3AS
●付属品:専用ケース・カラビナ・使いこなしテクニックガイド
ベルボン UT-3ARの外観・付属品紹介
■最小サイズに折りたたまれたUT-3AR
■RICOH GRIIと比較
最小サイズに折りたたむと、その長さは何と29.5cm!A4サイズに収まるコンパクトさは、スーツケースやバックパックにすっぽり入ります。
GRIIと比較してみました。横に並べればなお小ささが分かりますね。
■付属品は専用ケースだけでなく、アルカスイスのクイックシューやカラビナなど
■カラビナ使用イメージ
三脚以外にもケースやカラビナ、専用の使いこなしテクニックガイドまで付属!
カラビナは付属バッグの吊り掛けや三脚を安定させるために重荷などを掛ける使用シーンを想定しています。
■アルカスイスプレートと自由雲台
雲台には自由雲台を採用。様々な角度での撮影にノブひとつで臨機応変に対応できます。またアルカスイスプレートを使用し、カメラの着脱が簡単にできます。筆者もそうですが、L字プレートなどで規格を統一しているユーザーからすると、アルカスイスの自由雲台は大変ありがたいですよね。
.ベルボン UT-3ARの特徴・使用シーン
様々な魅力が詰まったベルボンのUT-3ARですが、ここでは特徴と想定される使用シーンをお伝え致します。
最大の特徴「伸縮率」
トラベル三脚と呼ばれる理由の一つである伸縮の幅ですが、高さ36cm(縮長295mm)〜全高135cm(EV含む)の約1m差となっております。驚愕の伸縮率4.6倍です。
脚は5段伸縮ということで、様々なシーンで大きさを変えて使用できるものとなっております。
故に持ち運びが便利なだけでなく、しっかり撮影状況に応じて高さ調節ができます。
作例は北海道の美英にありますクリスマスツリーの木です。
富士フイルムのX-T3にXF16-55mmF2.8 R LM WRの約1200gのカメラを使用して撮影しましたが、雪が積もる足元の環境に関係なくしっかり固定できて感動しました。ミラーレスカメラに大三元レンズをつける範疇は、環境を問わず耐えうる構造だと感じました。
■X-T3+XF16-55mmF2.8 R LM WRをUT-3ARに装着した図
想定される使用シーン
使用が想定されるシーンは、何と言っても「旅行用」です。電車移動や登山撮影の際はなるべく荷物を軽く、でもしっかりした三脚を持ち運びしたいですよね。
実際に筆者が北海道に旅行した際、カメラリュックに忍ばせて様々な撮影スポットにこの三脚を持ち出しましたが、重さのストレスを感じることはありませんでした。
一緒に行動した知人も三脚を持ち運んでいましたが、トラベル三脚に興味津々。要所で貸してあげることもありましたが、「…これでなんら問題ないじゃないか」と嘆いていました。
それくらい、見た目よりも安定感・信頼感のあるしっかりとした作りになっていると言うことですね。
最後に
ベルボン UT-3ARは前述の通り、きめ細かな機能を余すことなく詰め込んだことで、三脚を旅行先へ気軽に持ち出すモチベーションに繋がりますよね。
三脚が重たくて旅行には持って行かない…
トラベル三脚は撮影用には不安…
そんなお悩みをお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひ一度触ってみて下さい。撮影の幅が一気に広がりますよ!
■UT-3ARで星も撮影してみました。風が強い環境下でもしっかりカメラを支えてくれたので、ブレも少なく撮影できました。
■本記事の作例は全て緊急事態宣言発令前に撮影されたものになります
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ベルボンのトラベル三脚 UT-3ARの製品レビューです。2019年度のに大ヒットした本商品がどんな特徴なのか?実際に使用してみた感想を踏まえてレビューしています。
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KEYWORDS:
三脚,ベルボン,UT-3AR,旅行用三脚,トラベル三脚
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AUTHOR:
TITLE: 【写真展】米屋こうじ写真展「-鉄道幻風景-」
BASENAME: 476348817.html
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 07/26/2020 10:00:00
TAGS: 富士フイルムイメージングプラザ,写真展情報,【PR】
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BODY:
米屋こうじ写真展「-鉄道幻風景-」
富士フイルムイメージングプラザ東京・大阪において、写真家 米屋こうじ氏による写真展「-鉄道幻風景-」を開催します。
概要
写真展の概要です。
東京会場
東京会場:「FUJIFILM Imaging Plaza 東京」内ギャラリー
住所:千代田区丸の内 2-1-1 丸の内 MY PLAZA 3階
営業時間:10:00~19:00(最終日は14:00まで)※火曜定休
開催期間:2020年7月29日(水)~8月24日(月)
大阪会場
大阪会場:「FUJIFILM Imaging Plaza 大阪」内ギャラリー
住所:大阪府大阪市中央区難波2-2-3 御堂筋グランドビル 2階
営業時間:10:00~19:00(最終日は14:00まで)※火曜定休
開催期間:2020年10月7日(水)~10月26日(月)
■入 場 料:無料
■作品点数:約30点
展示内容
写真展『鉄道幻風景』は、写真家・米屋こうじが1994 年より26 年間に渡り取り組んでおります「アジアの人と鉄道」が主テーマです。本写真展では、2018 年10 月から2020 年1 月までに撮影された最新作約30 点の展示を予定しています。
富士フイルム社製のミラーレスカメラX-T3 をメインに、ミャンマー、ベトナムへ。また2019 年10 月より、これにX-Pro3 を加え、スリランカ、バングラデシュを旅して来ました。経済成長が進むアジアの国々で、交通インフラのひとつである鉄道も近代化が進んでいます。急速な発展の過程に見えた、日本ではすでに失われた情景や風景、想像すらできないような場面、そのなかで暮らす人々にレンズを向け撮影して参りました。
日本に帰国後、それらの写真を眺めるにつれ、日常からは遠くかけ離れた場面に「あれは幻だったのでは?」と思うことがしばしばありました、また今後も国の発展が続けば、「やがては幻となる」ことが想像できます。それらの意味から『鉄道幻風景』のタイトルとしました。
米屋こうじ
プロフィール
米屋こうじ(KOJI YONEYA)
1968 年山形県生まれ。広告写真家・安達洋次郎氏、鉄道写真家・真島満秀氏に師事した後に独立。
日本はもとよりアジアを中心に世界各地の鉄道を旅しながら撮影を続ける。
写真集『I Love Train-アジア・レイル・ライフ』、
エッセイ集『ひとたび てつたび』(ころから刊)など著書多数。
旅行誌、写真専門誌等で撮影・執筆のほか、写真教室講師、フォトコンテストの審査員などを務める。
日本写真家協会(JPS)会員。
お問い合わせ
【一般の方のお問い合わせ先】
富士フイルムイメージングプラザ東京
電話番号:03-6259-1615
e-mail:imagingplaza@fujifilm.com
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EXCERPT:
【写真展】米屋こうじ写真展「-鉄道幻風景-」の情報です。富士フイルムイメージングプラザ東京・大阪において、写真家 米屋こうじ氏による写真展「-鉄道幻風景-」を開催します。
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KEYWORDS:
富士フイルムイメージングプラザ東京,富士フイルムイメージングプラザ大阪,写真展情報
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TITLE: LomoChrome Metropolis TOKYO レビュー|ワクワク感を演出するコラボフィルム
BASENAME: 476564695.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 上田晃司
DATE: 07/29/2020 18:00:00
TAGS: LomoChrome Metropolis TOKYO,FM3A,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ,フィルムカメラ
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BODY:
石垣島のマングローブを撮影しに行った際に見つけたボート。かなり明るい条件下だったが、ラティチュードも広くしっかりと情報が残っている。全体的にシアンの強い色味と独特の色のトーンが印象的だ。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF8.0 シャッター速度 1/1000秒
はじめに
ロモグラフィーとカメラのキタムラのコラボレーションフィルム「LomoChrome Metropolis TOKYO」が発売になった。ロモグラフィーはオーストリアの企業で様々なクリエイティブにあふれるカメラやフィルム、アクセサリーを発売している企業だ。そのクリエイティブさに惹かれて写真を始めるユーザーも沢山いるほど魅力的なメーカーだ。世界中にロモグラフィーファンが大勢いるのも納得がいく。
様々なフィルムを発売しており独特の写真が撮影できるのもロモグラフィーの魅力だ。今回ご紹介するのは「LomoChrome Metropolis」というフィルムだ。このフィルムはカメラのキタムラとコラボレーションしたバージョンがありパッケージがTOKYOバージョンになっている。世界有数の大都市である東京をモチーフにアレンジしたパッケージになっている。
今回、本フィルムを持って大都会東京を撮影すべきではあるが、自然豊かな石垣島を撮影してきた。
サトウキビ畑を絞り込んで撮影した。日中の解像感は高くサトウキビの葉のディテールまでしっかりと解像している印象だ。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF11 シャッター速度 1/250秒
石垣港の埠頭に置いてあるコンテナを撮影。手前の柵をボカして視線誘導効果に使っている。少しグリーンがかっているが味わいがあって好印象だ。コンテナの文字もしっかりとシャープに描いている。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF4.0 シャッター速度 1/1000秒
LomoChrome Metropolis TOKYO外観
フィルムの外装から見ていこう。一般的なフィルムのパケージは必要な情報だけが書いてあり初心者の方にとっては、イメージをし辛いかもしれない。しかし、ロモグラフィーのフィルムパッケージは作例が豊富に載っておりイメージがしやすいのが特長。今回の「LomoChrome Metropolis TOKYO」も4枚の作例が掲載されておりフィルムの特長がすぐに分かるだろう。
パッケージを空けてみるとオリジナルの缶ケースが入っている。ケースはアルミ製で高級感がある。気密性に優れ何度でも使用できるので使用後もフィルムケースとして使えるので嬉しい。アルミケースから出してみると、フィルムは紙袋に入っているのでオシャレだ。フィルムを出すだけでモチベーションが上がるのはロモグラフィーらしい。フィルムにはDXコード※がないので自分でISO設定することになるので注意が必要だ。
※DXコードとはフィルムの感度や枚数をカメラに伝達するための電気接点のこと
パッケージはロモグラフィーらしい作例多めのパッケージになっている。
パッケージを空けるとアルミ製ケースが入っている。再利用可能なのでフィルムを持ち運ぶ際に活用したい。
アルミケースを開けると紙袋に入っているフィルムが出てくるので、紙袋を開けることでフィルムを取り出すことができる。
フィルムの感度
フィルムの感度はISO100-400で選択ができる。感度設定は所有しているカメラに露出計が内蔵されている場合などに行う。露出計が無いカメラであれば設定は必要ないが露出を計算し、単体露出計を使用する場合には単体露出計に使用するISOを設定しよう。
夏の明るい日中などはISO100、曇りなどではISO200、夜などはISO400に設定して使用すると良いだろう。当たり前のことだが、ISOは最初に設定したらデジタルカメラのように後で変更はできないので最初に設定した感度で撮りきろう。今回筆者は夏の石垣島で撮影したのでISO 100に設定して撮影している。
竹富島の琉球らしい家々と町の風景を撮影した。低彩度目の落ち着いた雰囲気が筆者の感じた空気感に合っている。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF8.0 シャッター速度 1/1000秒
フィルムの特性
フィルムのカラーバランスはデイライト5500K。肉眼に近い色温度で撮影できる。フィルムの特性は直射日光下ではシャープに被写体を捉えてくれる。彩度は低めで落ち着きがある印象。暖色はグリーンやイエローのトーンになり、シャドー部は締まりが良い印象だ。青の色も少し低彩度目だがカラーシフトはあまり感じられない。
都会のように人口灯が沢山あるシーンでは光の影響を捉えやすいとのことなのでカラーシフトが好きなユーザーにはベストなフィルムと言えるだろう。露光数は一般的な35mmカメラであれば36コマ撮影できる。
鮮やかなブーゲンビリアのある町角の風景だが、本フィルムで撮影すると落ち着きのある懐かしい雰囲気に仕上がる。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF2.8 シャッター速度 1/4000秒
屋根の上にあるシーサーをハイキー目で撮影した。ハイキー目でも粘りがありしっかりとディテールまで情報を保持している印象だ。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF2.8 シャッター速度 1/2000秒
花に覆われたお店の門を撮影した。解像感も十分で花や葉のディテールもしっかりと表現できている。色のシフト具合もデジタルカメラにはない独特のトーンにシフトしており味わいがある。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF5.6 シャッター速度 1/1000秒
やや逆光気で影になっている建物を撮影。順光時に比べ、影の部分は全体的に寒色目になるが、イエローが少し入っているおかげでニュートラルに感じられる。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF4.0 シャッター速度 1/250秒
現像
現像は一般的なカラーネガフィルムと同じC-41 で行える。カメラのキタムラであればお近くの店舗に持ち込んで現像することができる。現像機のある店舗であれば1時間あれば現像できるのですぐに結果を見られるので嬉しい。
まとめ
今回、「LomoChrome Metropolis TOKYO」を使用して感じたことは、撮影前からパッケージやアルミ製ケースなどワクワク感を演出するロモグラフィーらしい魅力が詰まっている点が撮影していて楽しかった。
また、デジタルカメラで撮影すると36枚という枚数はすぐに撮影してしまうが、フィルムで36枚撮影するとゆっくりと被写体を見極めてしっかり撮影できるので丸一日掛かってしまったのも良い思い出だ。光をしっかり読み解き、露出を決めて、仕上がりを想像しながら撮影するのはデジタルでも同じことではあるが、フィルムを使うことでより神経をとがらせて撮影できるので本当に新鮮だ。
今回は離島で撮影したが、フィルムの名前にもあるように夜の都会でも使用したい一本だと感じた。筆者も作品撮りではフィルムを使うことが増えているので、これから都会を撮影する際には積極的に作品撮りで使用してみようと感じたフィルムだった。是非、ドラマチックなカラーシフトと低彩度の絵作りが好きな方は「LomoChrome Metropolis TOKYO」を使用してみてはいかがだろうか。
竹富島の水牛を撮影した。鮮やかなブーゲンビリアなどの花に囲まれた通りを進んでいく、とても画になるシーンだ。順光時は低彩度目ではあるが色も出ており印象的に仕上がる。このシーンでは少しグリーン目にシフトしている。
■撮影機材:FM3A+NIKKOR 45mm F2.8
■撮影環境:絞りF4.0 シャッター速度 1/2000秒
LomoChrome Metropolis TOKYOについて
この記事で使用したロモグラフィーとカメラのキタムラのコラボレーションフィルム「LomoChrome Metropolis TOKYO」の作例をカメラのキタムラHPに掲載しています。手に入るのはカメラのキタムラ店頭、ロモグラフィーのオンラインショップまたは直営店Lomography+だけ!
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の上田晃司さんによるLomoChrome Metropolis TOKYOのレビュー記事です。ロモグラフィーとカメラのキタムラのコラボレーションフィルムはカメラのキタムラ取り扱い店かロモグラフィー直営店での販売のみの限定品です。ぜひ作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
LomoChrome Metropolis TOKYO,ロモクローム,フィルム作例,フィルムレビュー,ロモグラフィー
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TITLE: SAMYANG AF75mmF1.8FE レビュー|コスパ最高のスナップポートレートレンズ
BASENAME: 476578418.html
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 07/30/2020 18:00:00
TAGS: SAMYANG(サムヤン) レンズ,単焦点,AF75mmF1.8FE
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BODY:
はじめに|SAMYANG AF75mmF1.8FE
前から気になってはいたのだが、実際にSAMYANGのレンズを触ったのは初めてだった。
今回レビューさせて頂くSAMYANG AF75mmF1.8FEを早速手持ちのα9に装着してみたのだが想像以上に小さく軽い。フルサイズのSONYαシリーズのボディにバランスよく収まるので気持ちよく撮影出来そうである。
SAMYANG AF75mmF1.8FE実写レビュー
レンズ構成等の紹介は後述させて戴くことにして、まずはレビュー撮影。
今回は性別も撮影場所やカメラボディ等、色々条件を変えながら3人のモデルさんを撮影してみたので参考にして下さい。
ポートレート:日中・暗所撮影
一人目のモデルはAYAMEさん。AYAMEさんとSAMYANG日本代理店KenkoTokina社のおひざ元である中野で待ち合わせして、中野をブラリしながらスナップ撮影開始。
■使用機材:SONY α9 + SAMYANG AF75mmF1.8FE
■撮影環境:ISO100/シャッタースピード1/125/F1.8
まさに軽快というのはこういうことを言うのだと思う。AYAMEさんはSONYαアカデミーや私のゼミ教室等でもお願いしている気心のしれたモデルさんなので、撮影自体の呼吸も合うのですが、機材の機動力が良いと必然的にリズムが合いやすく、更に撮影のテンポも気持ちも上がっていきますのでαのフルサイズボディと、このSAMYANG AF75mmF1.8FEの組み合わせは、いきなり気に入りました。
■使用機材:SONY α9 + SAMYANG AF75mmF1.8FE
■撮影環境:ISO100/シャッタースピード1/125/F1.8
前ボケを試したくて、壁にもたれた構図で撮影してみました。柔らかく素直で変な癖の無い私好みのボケなのでファインダーを覗いていて楽しい。撮影時に設定したコンティニュアンス瞳AFが瞳を素早く正確に捉えてくれるのでAFのスピードは速いという印象を受け安心して撮影できました。
■使用機材:SONY α9 + SAMYANG AF75mmF1.8FE
■撮影環境:ISO100/シャッタースピード1/125/F1.8
更に、AF性能を試すために薄暗い階段で撮影してみたのだが、暗さで少しAFの動きが悪くなると思っていた予想に反して、明るい所での撮影と遜色無くAFは速く正確に瞳に合焦してくれたので、ますます好印象になった。実際の撮影時間はブラリ歩きの時間も含めて待ち合わせから30分間くらいでしたが、気軽にスナップポートレートするには良いレンズだと実感しました。
ポートレート:高架下撮影
二人目はこの日が初見のユージンさんを神田で撮影。
待ち合わせのカフェで軽く話して少し緊張気味のユージンさんをそのまま撮影。
■使用機材:SONY α9 + SAMYANG AF75mmF1.8FE
■撮影環境:ISO 200/シャッタースピード1/60/F1.8
1枚目は昭和歌謡のお店の前で撮影。男性モデルなのでホワイトバランスを雰囲気重視で合わせてみたのだが、少し焼けた彼の肌と昭和感が良く似合う。レンズの解像感が有るのでそういう細かな部分までファインダーで充分確認しながら撮影出来る安心感が嬉しい。
■使用機材:SONY α9 + SAMYANG AF75mmF1.8FE
■撮影環境:ISO 200/シャッタースピード1/60/F1.8
最初に長髪とベルボトムの彼を見た時に撮ろうと思った、駅前の高架下に移動しての撮影。
水銀灯の色が高架下の雰囲気を効果的に演出してくれる場所にモデルさんを配置したのだが、神田駅前のこの場所に行ったことが有る方なら解ると思いますが、実際は作例よりかなり暗い場所なので少し心配でした。ただ実際はそんな心配は必要なく、AFは迷うことなく合焦してくれたので素早く撮影することが出来た。
■使用機材:SONY α9 + SAMYANG AF75mmF1.8FE
■撮影環境:ISO 640/シャッタースピード1/60/F1.8
少し遊び心をいれた構図での撮影。高架の鉄筋の隙間から覗いてもらって撮影。
私の「眼力ちょうだい」という謎のリクエストに答えてくれたユージンさんに感謝の一枚になりました。二人目のユージンさんの撮影も撮り直しが少なく30分以内に終了しましたので、小型軽量SAMYANGレンズとソニーαの組み合わせの取り回しの良さに脱帽です。
ポートレート:電車撮影
3人目のモデルぺしさんの撮影は京都なのですが、いわゆる有名観光地的な場所ではない宝ヶ池エリアで撮影しました。ぺしさんを撮影するのは今回が2度目になりますが、以前の撮影時に撮影しやすい印象だったので、今回の撮影もお願いしました。前述の二人はSONYα9に装着しての撮影でしたが今回はボディをSONYα7R4に変更して撮影しました。
■使用機材:SONY α7RIV + SAMYANG AF75mmF1.8FE
■撮影環境:ISO 100/シャッタースピード1/250/F1.8
宝ヶ池駅のホームで撮影。宝ヶ池駅は叡山電鉄という京都市を走るローカル線の駅で無人駅なのですが、この駅のホームの佇まいが好きで以前からポートレート撮影しようと思っていた場所です。駅のネームプレートが有る柱を中心にしたシンメトリー構図の中で木製の長椅子に座ってもらい撮影しました。レンズの収差が少ないので縦向きの柱と横向きの壁の赤い線や木製長椅子を含めシンメトリー構図のセンター出しが楽に出来るのは助かります。収差が大きなレンズだと構図の位置を決めるだけで一苦労ですから。
■使用機材:SONY α7RIV + SAMYANG AF75mmF1.8FE
■撮影環境:ISO 100/シャッタースピード1/640/F2.2
叡山電車の線路沿いに流れる小川に掛かる木製の小さな橋の上で撮影。撮影スタンバイして後ろを叡山電車が通るのを待ってシャッターを切る。レスポンスが良いので連写しなくても一枚撮りで撮れてしまう。電車が通る直前までモデルさんと談笑しながら待っていたのだが私が、「電車が来た」と言った瞬間に顔を作れるのは、ぺしさん流石でした。
■使用機材:SONY α7RIV + SAMYANG AF75mmF1.8FE
■撮影環境:ISO 100/シャッタースピード1/640/F2.2
先程の木製橋の横に有る公園で撮影。私が「ブランコ乗れる?」と尋ねると「ブランコくらい乗れます」と少し怒り気味の返答が可愛いと思ったのは内緒ですが、私のイメージは勢いよく高くまで上げて欲しかったので限界まで漕いでもらって撮影。「一番高い所で、カメラ目線で微笑んで!!」という私の無茶ぶりに答えてくれたお陰でイメージ通りの写真が撮れました。
この時はモデルさんがまっすぐ向いてブランコを漕いでから、一瞬のカメラ目線での撮影になるので、AFを「トラッキングAF」(動体撮影時に指定したエリアを合焦し続けてくれるAFモード)に設定して撮影したのですが、勢いよくブランコを漕いでいるモデルさんの頭部に常に合焦し続けてくれたので、後はモデルさんがこちらを向く瞬間を逃さないようにするだけでバッチリ撮れました。レンズがカメラ側の全てのAFモードとエリアに対応しているので、あらゆるシーンでAFが頼りになるのは頼もしい限りですね。
撮りやすい機材と撮りやすいモデルさんなので、今回も撮影時間30分以内に撮影完了することが出来た。
SAMYANG AF75mmF1.8FEの性能について
今回レビューさせて戴いたSAMYANG AF75mmF1.8FEはSONY αフルサイズEマウント対応レンズです。AFの駆動にはSTM(ステッピングモーター)を使用しており速くて静かなピント合わせが可能で静止画だけでなく動画撮影にも適しています。SONY αシリーズボディの全てのAFモードとAFエリア設定に適応しているので瞳AFやトラッキングAFも使用可能でありMF撮影時の拡大表示も可能なので、あらゆる被写体へのピント合わせを素早く対応することが出来ます。
このレンズにはCUSTOMスイッチが装備されており、モードを切り替えることによってMFフォーカスリングをシームレスな絞りリングに変更することが出来る、ユニークかつ便利な機能を備えていますので、静止画だけでなく動画撮影にも向いているレンズだと思います。9群10枚のレンズ構成にアクロマートを採用した3枚のEDレンズが使用されているので色収差についても良好です。
さいごに|SAMYANG AF75mmF1.8FEの気に入った所
私が使用して一番気に入った点は、フルサイズ一眼用の明るい高性能中望遠レンズとしては極めて軽く小さく(長さ69mmX幅65mm/フィルター径58mm/重さ230g)ボディ装着時のバランスが良いので実際に今回3人のモデルさんを3か所で撮影して、全て30分以内に撮影終了出来るほど機動性が良かった事です。
レンズ自体の造りもしっかりしており質感も良いので正直金額的にもう少し高いと思っていたのですが、当コラム執筆時価格で4万円台と、お財布に優しい点も嬉しいですね。75mmという焦点距離のレンズは珍しい部類ですが、APS-Cのカメラに50mmのレンズを装着した時とほぼ同じ画角のため、現在APS-Cのカメラを使用している方がフルサイズカメラ使用時に違和感なく撮影出来ると思います。これからフルサイズに移行される方にもオススメです。
また、現在フルサイズを使用されている方もポートレート撮影時において85mmレンズ使用時と同じ構図で撮影する場合、にモデルさんとの距離が近くなると同時に少し被写界深度も深くなるので、気軽に撮影しやすくなるというメリットが有るので、これからポートレート撮影を始める方や85mmが苦手な方にも是非試していただきたいと思うレンズです。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんによるSAMYANG AF75mmF1.8 FE のレビュー記事です。ポートレートに最適なAF機能付きの本レンズはコスパが良く、もう次のもう一本に最適なレンズです。作例と併せてご覧ください。
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KEYWORDS:
SAMYANG,サムヤン,単焦点レンズ,AF75mmF1.8FE,中望遠レンズ,ポートレート
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ヒマワリの撮り方 | 北村 佑介
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 07/31/2020 18:00:00
TAGS: 花
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BODY:
はじめに
なかなか梅雨が明けませんが、いよいよ8月!夏本番です!今回は夏を象徴する花、ヒマワリの撮り方をご紹介します。この時期になると、ヒマワリが可愛く撮れない、といった声をちらほら耳にします。それは、春に咲く小さな花と同じ撮り方をしようとしていることが原因であることが多いです。決して撮りやすい花ではないので、ヒマワリの良さや咲いているロケーションを活かした撮り方をすることがとても大切になります。その部分をなるべくわかりやすくお伝えできたらと思っています。
広大なヒマワリ畑での一枚
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境: 絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/4000秒
ずっとずっと見たかった光景で、初めて目にした時の感動は今でも鮮明に覚えています。
筆者が撮った数ある花の写真の中でも最もお気に入りの一枚です。
この写真では満開のヒマワリ畑に見えますが、行ったタイミングが少し遅く、実際は満開過ぎでした。開花状況を全く調べずに行ったなんて、立場的に口が裂けても言えません。
花は少し頭を垂れ、密度も低いです。ですが、望遠レンズの圧縮効果のおかげで満開かのように見えます。さらに絞り開放でピント位置を奥にすることによって、手前の枯れている花や少しスカスカに見える部分は、ボケて目立たなくなってくれました。
ピント位置を遠くに置いても前ボケ・後ろボケが作れるのは望遠レンズの特権です。このような写真を撮る場合は、望遠レンズで撮っても画角の中にたくさんの花が入るロケーションを見つけることが何よりも大切です。望遠レンズであれば圧縮効果が生み出せるとはいえ、咲いている花は多いにこしたことありません。花畑を撮るときは、一本の花を撮るときと比べて何倍もロケーション選びが大切になります。
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/4000秒
先程の写真とほぼ同じ時間帯に撮りました。設定と場所も同じですが、今度は花畑の中の主役を一本決めて撮りました。
ヒマワリは花の顔、ほぼ正面を捉えてあげないと、形の良さが損なわれてしまう花です。
そのため主役を決めて撮る場合は、なるべく正面を捉えてあげると良いでしょう。主役を目立たせるために、前ボケを増やして余計なところに目が行かないようにしました。
前ボケを作る際は、その被写体に近付くと前ボケが作りやすくなります。この時は手前の花に近付きました。さらにレンズの高さを下げると前ボケとして使えるものが増えるので、前ボケが上手く作れないときは、「寄る・下げる」を意識しましょう。
主役にする花は、まずは背の高い花を選ぶのがオススメです。背が他の周りの花よりも高ければ、その花のみにピントを合わせやすいためです。ピントが合っている花が複数あるとどの花が主役かわかりづらいですが、ピントが合っている花が一本だと明確にこの花が主役、ということを伝えやすくなります。
■撮影機材:Canon EOS 6D + SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM キヤノン用(非ART) ■撮影環境:絞り優先・50mm・F1.4・ISO100・1/3000秒
この写真も、先程の2枚と近い時間帯です。場所は同じで、今度はイメージをガラッと変え、標準域でシンプルに撮りました。これも主役を一本決めて撮りましたが、やはり花の顔を捉えるということが肝になっていると思います。
標準域でそこまで寄らずに撮っているため、前ボケらしい前ボケはあまりありません。前ボケがないと主役以外のものが隠せないので、背の高い花を選ぶなどして前ボケがなくて
も主役の花がわかりやすくなるよう心掛けましょう。
ヒマワリを撮る時、青空との組み合わせをイメージしている方も多いと思います。ヒマワリの黄色と空の青は補色の関係に近く、色の組み合わせがとても良いので、晴れた日は積極的に青空と写してみてください。
公園の花壇に咲くヒマワリ
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/750秒
近所の公園の花壇に小さなヒマワリが花束のように集まって咲いていました。この花壇は通路が非常に細く自由に行き来しづらい場所ですが、花との距離さえ撮ることができれば、望遠レンズの圧縮効果とボケを活かした写真を撮ることができます。
花のすぐ右側は通路となっていて、それを画角に入れてしまうと柔らかなイメージが損なわれてしまうシチュエーションでした。どんな場所でも見せたい部分だけを切り取って写すことができる、というのは望遠レンズの大きなメリットだと思っています。
地面付近からカメラを構え、地面や手前に咲いている草花を前ボケに使い、ヒマワリのみにピントが合うように撮りました。花壇なので周りにもたくさんの花が咲いています。他の花にもピントが合ってしまうとヒマワリの主役感が薄れてしまうので、できるだけ前ボケで主役以外を隠すよう心掛けました。
また、花を撮ると主役以外は緑一色という写真になってしまうことが少なくありません。花壇で撮るとたくさんの花が色となって写真を彩ってくれるので、とてもオススメです。
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/4000秒
こちらは最短撮影距離付近、寄れるだけ寄って撮りました。花びらと後ろの緑が逆光でキラキラと輝いているのがとても綺麗だったので、それらをメインに見せようとこのような写真になりました。いつもは、花の可愛さが伝わるよう小さく撮ることをオススメしているので、皆さんからどういう反応があるかドキドキです。
花の切り取り方に少し迷いましたが、一番見せたい花びらたちに目が行くように大胆に切り取りました。背景は、花との距離がある、なるべく離れた緑を狙いました。見せたい箇所が明確な時は、寄って撮るのも良いでしょう。
少し短めの焦点距離で撮る
■撮影機材:Canon EOS 6D + SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM キヤノン用 ■撮影環境:絞り優先・35mm・F1.4・ISO100・1/4000秒
16:00頃の陽が低くなり始めた時に逆光で撮った一枚です。一面が雲で覆われていて青空とはかけ離れていたので、そのシチュエーションを活かしたイメージで撮りました。
曇り空に合わせて、レタッチで黄色と緑の彩度を下げ、くすんだ色のイメージにしました。ヒマワリの写真は、黄色や緑の彩度を上げた写真をよく見かけます。確かにヒマワリの黄色は彩度を上げた方が見栄えが良いですが、周りの色とのバランスをよく見極め、彩度を下げた方が良いシチュエーションがあることも頭に入れておきましょう。
35mmという焦点距離ではありますが、開放F1.4という明るいF値のおかげで前ボケと後ろボケの両方をしっかりと生み出すことができました。そうすることによって、見せたいエリアが明確になっています。
端っこにちょこんと咲くヒマワリ
■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・35mm・F1.4・ISO100・1/2500秒
広大なヒマワリ畑の端っこに、ちょこんと咲いていました。ヒマワリは元々のサイズが大きい品種が多く、小さく可愛く撮ることが難しいです。ですが元々小さいヒマワリ、例えば咲き始めや大きくならない品種の花を撮れば、決して難しくありません。小さく撮りたいのに撮れない時は、元々小さい花を撮る。当たり前のことを言っているようですが、とても大切なことです。
さいごに
今回は空を入れた写真を何枚かご紹介しましたが、空と組み合わせたヒマワリを撮りに行く時、オススメのロケーションは「ヒマワリと空がダイレクトに繋がっている」かどうかです。ヒマワリと空の間に何もないか、木や建物が入っていないか、それだけでイメージは大きく変わります。ヒマワリと空の間に何もないロケーションは多くはありませんが、撮りに行く場所を決める時、是非参考にしてみてください。
この記事が少しでも参考になって、お気に入りの写真を撮ってもらえたならとても嬉しいです。それではまた次回。
この記事に使用した機材
【シグマ】50mm F1.4 EX DG HSM キヤノン用
商品詳細ページ 【シグマ】35mm F1.4 DG HSM Art キヤノン用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんにヒマワリの撮り方を紹介頂きました。広大なヒマワリ畑での撮影から、近所の花壇でのヒマワリの撮影方法までご紹介していますので、是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
花 撮影テクニック,キヤノン,ソニー,シグマ,EF135mm F2L USM,α7III,50mm F1.4 EX DG HSM,35mm F1.4 DG HSM Art,EOS 6D,ヒマワリ,ひまわり
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー α7S III | 先行展示での映像や実機作例をご紹介
BASENAME: 476620957.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 08/02/2020 11:00:00
TAGS: α7S III,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
2020年7月29日にソニーからついに、α7S III が発表になりました。前機種のα7SIIが登場してから約5年の歳月が経過しましたが、今回飛躍的な進化を遂げて満を持しての登場となりました。
新開発の有効画素数約1210万画素の裏面照射型CMOSセンサーと新画像処理エンジンを搭載。拡張最高ISO感度409600の進化に加えて、今まで大型のシネマカメラでしかできなかった映像表現がフルサイズのミラーレスカメラで出来るようになっています。
前機種のα7S IIでは暗所での野鳥、ポートレート、乗り物を静止画及び動画で撮影される方が数多くいらっしゃるかと思いますが、α7S III においてもそれらを撮影される方へのニーズをしっかりと満たす仕上がりになっているのを感じます。それに加えて4:2:2 10bit、4K/120Pでの美しく滑らかなスローモーションでの撮影や、放熱構造により4K/60Pで約60分間動画を撮り続ける事が出来ること、歩きながらの動画撮影時にジンバル無しでもブレを強力に抑えるアクティブモードなどにより、シネマルックな映像表現を一人で行うことも可能にしています。静止画中心に動画撮影される方にとっても、映像表現を追い求めてきたビデオグラファーにとっても全く新しい映像表現を可能にする1台になっているのではないでしょうか。
ソニーストア銀座で先行展示が行われていましたので、早速実機を触ってきました。その時撮影した映像や実機での作例を交えてα7S III をご紹介させて頂きます。
※先行展示で展示されているα7S III の実機はサンプル品の為外観が変更になる事もございますのでご了承ください。
外観と操作性について
バッテリーが大容量になり大きくなった事で前機種に比べてボディーも大きくなりましたが、その分グリップが深くなっている為しっかりと握ることができ、私の手では小指までしっかりと力を入れて握る事ができるので好印象でした。グリップをしっかり握れてカメラを構える事が出来るので重さは全く気になりませんでした。
外寸と質量
α7S III :約128.9×96.9×69.7mm、約614g
α7S II :約126.9x95.7x59.7mm、約556g
α7III :約126.9×95.6×62.7mm、約565g
α7R IV :約128.9×96.4×67.3mm、約580g
※外寸は横×高さ×奥行(グリップからモニターまで)、質量(本体のみ)
バリアングル液晶だと今までは屈んで実施していたローアングルでの撮影をはじめ、縦位置撮影や自撮りを行う際にもとても便利に使えそうです。
前機種では右側面の後ろ側についていた録画開始ボタンが、シャッターボタンの少し手前の位置にあり、スチールでシャッターを切るのと同じように人差し指で録画開始/停止の操作を行うことも可能になっていました。
ファインダーはクラス最高解像度の約944万ドットの0.64型となっており、驚くほどクリアーに、しかも大きく被写体を見ることができました。被写体にもよるのかもしれませんが、ショールーム内で見ている限りは、ミラーレスであることを忘れ、光学式の一眼レフのファインダーを覗いているような感覚になりました。
ファインダーのドット数、型、視野率、倍率
α7S III :約944万ドット、0.64型、視野率 約100%、倍率 約0.9倍
α7S II :約236万ドット、0.5型、 視野率 約100%、倍率 約0.78倍
α7III :約236万ドット、0.5型、 視野率 約100%、倍率 約0.78倍
α7R IV :約576万ドット、0.5型、 視野率 約100%、倍率 約0.78倍
VIDEO
ストラップをボディーにつなぐ為にある三角菅は通常ピラピラと動いてしまい、微かに音がしますが、その音さえもださないようにと、動かした場所で固定されるようにつくられています。音響にこだわる動画撮影者への配慮が細部迄行わたっているのを感じます。
VIDEO
液晶でのタッチ操作がより滑らかに操作できるようになっています。スマホでの操作性も日々進歩していますが、カメラでの操作性もここまで来たかと感心いたしました。最近のカメラのタッチ操作に全く不満はありませんでしたが、これを触ると、今までのタッチ操作がぎこちなく感じ、元には戻れなくなってしまうかもしれないと感じました。
高感度性能
ISO3200
ISO6400
ISO12800
ISO25600
ISO51200
ISO102400
ISO204800
ISO409600
今回はショールーム内の暗室箱でテスト撮影を行いました。新開発の有効画素数を約1210万画素に抑えた裏面照射型CMOSセンサーにより、画素ピッチを大きく利用し、集光率を高める事で、前機種よりも格段にノイズ低減がされているのを感じます。またISO感度を拡張の409600にした時でもあまり白っぽくならず、しっかりと被写体が持つ色味を残して描写しているように感じました。
手ブレ補正性能
5軸5.5段分のボディー内光学手ブレ補正に加えて、手ブレ補正効果を向上させるアクティブモードが搭載されています。このアクティブモードはわずかに撮影画像がクロップされますが、驚く程効果的に手ブレを補正してくれました。
AF性能
動画撮影時も像面位相差AFに対応しており、素早くピントを合わせて早い動きの被写体でも高速に追従させる事ができます。下の動画では瞳AFを試していますのでご覧ください。ピタッとAFがついてくるのがご覧頂けるかと思います。
VIDEO
連写・連続撮影性能
最高約10コマ/秒の撮影ができ、連続撮影性能はRAW (非圧縮)+JPEGの設定において1000枚以上※を可能としています。またこれだけ容量の大きい画像をしばらく撮り続けた後でも、すぐに次の操作や撮影に移る事が可能になっています。下の動画はRAW (非圧縮)+JPEGの設定で100枚を超える連続撮影をした後に、どのくらいで次の操作に移れるかテストしたものです。カメラ右下にある赤いランプが消えたら次の動作に移る事ができるのですが、驚くほどすぐに赤いランプが消えるのが分かります。
※撮影条件や使用するメモリーカードにより異なります。
VIDEO
新メディアカードに対応したデュアルスロット
CFexpress Type AメモリーカードとSDカードの両方を利用する事ができます。ダブルスロットの片方にCFexpress Type Aを入れて、もう片方にSDカードを入れて利用する事も可能です。下の画像はCFexpress Type Aの大きさを説明する為に撮った画像で、SDカードより小さい事がお分かり頂けるかと思います。またXQDはCFexpress Type Bの大きさと同じですので、CFexpressはType AとType Bでこれだけ大きさが異なる事が分かるかと思います。
(左)CFexpress Type A、(中央)SD、(右)XQD
さいごに
いかがでしたでしょうか。他にもUSB-typeCに対応していて給電しながらの動画撮影が可能であることや、29分59秒で動画撮影が止まってしまう制限も撤廃されているなど、まだまだ紹介しきれていないα7S III の魅力的な機能が沢山ございました。今機種は第3世代の位置づけとなりますが、中身の機能は実質的に第4世代になっているのだと思います。今後様々な被写体やシーンで今機種をレビューしていきたいと思いますので、その記事も楽しみに待っていてください。
▼写真家 中西学さんによるα7S IIIのレビュー記事は
こちら からご覧頂けます。
ソニーα7S IIIレビュー | ビデオグラファーを喜ばせる撮影機能が満載!
https://shasha.kitamura.jp/article/477816819.html
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EXCERPT:
銀座のソニーストアに行き、発表したばかりのα7S IIIの先行展示品を触ってきました。製品の挙動を映像に収めたものや、実機作例を紹介していますので、、是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
α7S III,ソニー,最速レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRレビュー|日常を楽しく彩ってくれる高倍率ズームレンズ
BASENAME: 476678972.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 08/05/2020 16:00:00
TAGS: Z 24-200mm f/4-6.3 VR,ニコン(Nikon) レンズ,高倍率ズーム
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BODY:
はじめに
2020年7月3日に発売された「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」は、小型軽量ながら8.3倍の高倍率なZマウントのズームレンズで、レンズシフト方式VR機構を内蔵しており、5.0段の手ブレ補正効果を得られる利便性の高い製品となっています。今回は、この高性能ズームレンズを身近な被写体で楽しむ方法と共に、レビューしていきたいと思います。
ゴーストやフレアに負けない高い描写性能
■撮影機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:焦点距離:200mm F6.3 1/125秒 +0.7EV ISO100 AWB ■ピクチャーコントロール:ビビッド
広角24mmから望遠200mmまでの広範囲をカバーする高倍率ズームレンズなので、重いレンズを何本も持ち歩くのが大変な時や、レンズ交換を頻繁にできないような旅行で活躍することの多いレンズですが、描写性能が高いので、日常の身近な被写体を、彩り豊かな想い出に変えてくれるレンズでもあります。
本レンズは、逆光での撮影に効果を発揮する、反射防止効果の高い「アルネオコート」が採用されています。このコーティングは、レンズに対して垂直に入射する光に対して効果的で、ゴーストやフレアを低減してくれます。
例えば、まだ太陽が低い位置にあるような朝早い時間にカメラを持って散歩するとき、逆光の位置から被写体を印象的に捉えたいとき、太陽の光芒を木の葉の隙間から表現したいときなど、自分のイメージを具現化することを、このコーティング技術が手伝ってくれます。
作例は、鮮やかな花壇の花を同じ低さから狙って、どこまでも続くカラフルさを描きました。大きめの公園ですと、四季折々の花が咲いていたり、ボランティアの方が育てたり植え替えたりしてくれている花壇があったりします。普段は見過ごしがちな小さな植物の四季の移り変わりを、豊かなグラデーションと繊細な描写性能で色鮮やかに表現してくれました。
200mmの望遠側で撮影していますが、手ブレ補正効果で、手持ちながらシャープなピントが得られています。さらに、ボケの柔らかさが格別なことと、無駄な色にじみが軽減されていることを感じられました。
シャッターチャンスを逃さない軽やかなズーミング
■撮影機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:焦点距離 200mm F6.3 1/250秒 +0.7EV ISO200 AWB ■クリエイティブピクチャーコントロール:ポップ
軽やかなズーミングは、このレンズの使い勝手の良さのひとつでした。軽すぎるからといってスカスカと安っぽい感じでもないトルクは、筆者の好みです。
高倍率ズームレンズの場合、ズームのトルクが重すぎたり、軽すぎたり、引っ掛かりがあまりにも無かったりすると、とっさのシャッターチャンスを逃す可能性が高いのです。手に馴染みの良い引っ掛かりは、画角を手に覚えさせるのに調度良く、「これくらい回せば、この画角になるな」という感覚が掴みやすいのは、大変ありがたいです。
また、作例のように追えば逃げてしまうような動く被写体の撮影でも、静かににじり寄りながら、意図する構図になるように望遠側にズームする作業がしやすく、Z 6のAFの速さと正確さとの相性も良く、羽根の細部までしっかりと描き切ってくれました。
それと、これは撮影時よりも移動時のメリットなのですが、レンズ横にズームロックスイッチがあり、レンズを広角端の24mmにした状態でこのスイッチを「LOCK」に合わせると、ズームリングが勝手に繰り出さないようになります。
高倍率ズームでたまにあるのが、カメラバッグにレンズの前面を下に向けて入れている場合、カメラボディを掴んでバッグからカメラを取り出そうとするとき、レンズがバッグの底に引っかかって、にょーっとレンズが伸びてしまうこと……単純に格好悪いのと共に、レンズの損傷も気になります。この「LOCK」スイッチは、そんな地味ながら、実際に起こるとちょっと嫌な現象を防いでくれます。
小型軽量で撮影がしやすい!
■撮影機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:焦点距離 200mm F6.3 1/100秒 -0.7EV ISO200 AWB ■クリエイティブピクチャーコントロール:チャコール(フィルター効果:グリーン)
本レンズは高倍率ズームながら小型軽量なのが大きな魅力です。約570gの軽さは持ち歩きももちろん、撮影時の腕への負担も小さいのがありがたいです。筆者個人的には、ズームを繰り出しても、不自然なほど先端側が伸びないのが好ましかったです。
これから本格的に暑くなってくると、太陽が高くなってから出歩くのは、たとえ短時間でも身体的に厳しくなってきます。そのためお勧めは朝早い時間か、夕方涼しくなってからなのですが、早起きが苦手ではない方は、朝早い時間を特にお勧めしたいです。公園などの昼間は人が多いような場所も、朝はまだ人も足跡も少なく、植物たちも強い光を受ける前で、元気なことが多いです。
撮影場所によっては、近所の建物が入り込んでしまったり、花壇の大きさがそれほどなくてこぢんまりと写ってしまう場合は、望遠側で圧縮効果を狙ったり、前ボケを使って肉眼と違うムードを作り上げると、さらに写真を撮るのが楽しくなります。
作例では、花壇の中心のほうに目立つ色合いの植物があり、手前には低い位置に違う植物が茂っていました。カラーだと散漫なイメージなってしまうので、クリエイティブピクチャーコントロールの「チャコール」を使用しました。
全体の色味を抜いて前ボケのトーンを統一することで、すっきりと見やすくなります。また、グリーンのフィルター効果をプラスして、奥の植物の色味を濃く味付けしています。
見たままを描くのも楽しいですが、そこに自分のイメージを味付けとしてプラスして描き出すのも、写真の楽しみ方のひとつです。
最短0.5mまで寄れる広角端
■撮影機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:焦点距離 24mm F6.3 1/100秒 ISO400 AWB ■クリエイティブピクチャーコントロール:トイ
広角側は24mmと使いやすい画角で、風景撮影も楽しいですし、最短撮影距離が0.5mと短いので、被写体に近付いて画面いっぱいに表現することも可能です。細かい砂の描写、明暗の柔らかさの表現共に満足できる域でしたので、いずれ海外での風景やスナップ撮影に使うと楽しいだろうなと感じました。
作例は、クリエイティブピクチャーコントロールの「トイ」を使用しました。色味の濃度を濃くすることで、構図全体を落ち着かせました。撮影時には雨が上がっていたのですが、このトーンなら、雨が降っているシーンのほうが好みな画になったかな?と思いましたので、また雨の日に再訪したい場所としたいです。
雨や埃が大敵のレンズですが、本レンズは鏡筒の可動部分などにシーリングが施されており、防塵・防滴の設計となっています。横殴りの雨風はさすがに心配になってしまいそうですが、通常のしとしとと降る雨くらいでしたら、気にせず撮影できそうです。
前後のボケのグラデーションが美しい
■撮影機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:焦点距離 200mm F6.3 1/125秒 ISO200 AWB ■クリエイティブピクチャーコントロール:ドリーム
望遠側の撮影最短距離も0.7mと短いので、ピントを合わせたい被写体にギリギリまで近付くことで、より大きなボケを生み出すことができます。筆者がこのレンズを使って楽しかったのが、前後のボケの深さと柔らかさでした。
前ボケは不思議な物体にならない程度に芯を残しつつ、優しい輪郭を描き、後ろボケは柔らかいグラデーションで、遠くなるにしたがってボケがぐっと深くなっていくので、奥行きのある自然な画を作り出しやすいのです。
そんな、優しい画を作り出したいときにお勧めのクリエイティブピクチャーコントロールが「ドリーム」です。全体に暖かい色合いになり、アンダー部分を少し持ち上げてくれると共に、輪郭を柔らかく描いてくれます。
ほんわりと優しい画ながら、被写体が小さな花なので、撮影している姿は地面に這いつくばるように低くなっています。上から撮ってしまうと地面の茶色が構図に入ってしまって、リアリティが出てしまうので、花の高さまで低くなって撮ることをお勧めします。背景を地面ではなく他の花にすることで、全体の色味が明るくなります。近所の公園でも、ご自宅の花壇でも使えるテクニックですので、ぜひ、どこまでも続く花畑をイメージして撮影してみてください。
望遠+絞り開放が楽しすぎるレンズ!
■撮影機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:焦点距離 200mm F6.3 1/100秒 ISO200 AWB ■クリエイティブピクチャーコントロール:モーニング
とにかくボケが美しいのと、望遠端で撮影していても手が疲れない小型軽量のお陰で、焦点距離200mm、絞り開放での撮影がとても楽しかったです。今年は大きな旅行に行けないなと、ちょっと寂しくなっている方も、近所の散歩や自宅のベランダでの撮影が楽しくなるレンズがあると、休日の気分も上がりそうですよ。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんにNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRのレビュー記事を執筆頂きました。作例と共にこの高倍率ズームレンズの特長を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン,レビュー,Z 24-200mm f/4-6.3 VR,NIKKOR,高倍率ズームレンズ
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AUTHOR:
TITLE: ソニー FE 12-24mm F2.8 GMレビュー|最強の大三元超広角ズームレンズ
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 08/10/2020 10:00:00
TAGS: FE 12-24mm F2.8 GM,ソニー(Sony) レンズ,広角ズーム
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BODY:
はじめに|SONY FE 12-24mm F2.8 GM
以前より私は広角ズームレンズに関して、標準ズームレンズが35mm始まりだった頃とは違い随分前から24mm始まりの24-70mmや24mm-105mmに移行していることから、広角ズームの16-35mmではなく超広角ズームの12-24mmや14-24mmに移行するべきだと言い続けてきたので今回のSEL1224GM(FE 12-24mm F2.8 GM)の発売は凄く嬉しいですね。
今回SONYから発売されたSEL1224GMですが、SONYにはSEL1224Gという同じ焦点距離のレンズが既に存在します。その違いはSEL1224GがF4通しレンズなのに対して今回発売された12-24GMはF2.8通しになり、称号もGからGMになって明るさだけでなく描写力もワンランク上になっていると思います。その辺りも大いに期待が持てますね。
SONY FE 12-24mm F2.8 GMレビュー
レンズ構成等の説明は後回しにして、作例を交えたレビューを紹介させていただきます。今回は香川県での撮影と大阪駅近辺のスナップ撮影です。撮影日順にまずは香川県での写真から観て下さい。
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS:1/640
本州から四国に掛かる瀬戸大橋を渡る途中に、与島というパーキングエリアが有る。私は初めて立ち寄ったのだが、のどかな島の頭上に巨大な近代建築の橋が架かっている、何ともアンバランスな光景が面白そうな島なので、α7RIVにSEL1224GMを装着して少し島内を散策してみた。海側の方向に向かって歩き始めると鬼百合の花がお出迎えしてくれたので、12mm開放F2.8で撮影。自然で優しいボケがオレンジの花を引き立ててくれました。
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO100 F8 SS:1/13
そこから少し歩くと、周りは高い壁と植物に覆われて全く海は見えなくなってしまう。見上げると橋は見えるので海に向かう方向は何となく解るが、迷路のような細く曲がりくねった坂道は人影も無く少し不安になる。それにしても魅力的な小径が無数にあり少し立ち寄っただけでは全然時間が足りない。上の写真の小道も凄く通りたかったのだが海とは反対に向かう道だったので、時間の無い私は涙を呑んで分かれ道での撮影だけに留めた。新緑の緑グラデーションと、石垣の質感が階段の小道の奥行ある立体感を伝えてくれるのは、流石GMレンズの表現力である。
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO100 F8 SS:1/500
小道の誘惑を跳ね除けて海側に辿り着くと、そこは小さな港になっていた。港の岸壁から瀬戸大橋が伸びる方向をみると、向こう岸に四国が見える。短時間に大型船の往来が多くて瀬戸内海の海路の凄さを実感出来た。与島のこの場所から対岸まで約5KM程なのだが殆ど橋の袂から見上げた構図で入りきるのは12mmの超広角ならではだと思う。拡大すると橋の下を通る船の小さな文字まで読める解像感が素晴らしい。
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO100 F22 SS:1/100
与島に後ろ髪を引かれながらも、急いで瀬戸大橋を渡ったのには理由が有った。その理由が、この砂浜に夕暮れまでに到着したかったからに他ならない。とは言え与島に予定より長く立ち寄ったので到着したのは夕暮れギリギリになってしまった。急いで撮影準備をして撮影ポイントを探し構図を決めようとしていると、母親に呼ばれて走ってくる少年が私の前を横切っていくので夢中でシャッターを切った。
この場所は有名な観光地なので人も多い事から出来る限り人が入らない構図を考えていたのに結果的に人物が主役になってしまった訳だが、この日に撮影した写真の中でこの写真が一番好きなので、そういったハプニングも含め、改めて写真は面白いと再確認した。
こういった一瞬の出来事に対して瞬時にピントを合わせ、シャッタースピードを変更してWBまで合わせ直せるレスポンスの良さはボディの性能も必要だが、クリアな解像感とイメージした色の再現性と合わせやすいフォーカス機能を持ったSEL1224GMのお陰で撮影可能となるので、機材に助けられている事を再確認させられる。
■12mm
■16mm
■24mm
ここ迄の作例は全て広角端12mmで撮影した写真でしたので、ここで12mm、16mm、24mmの三枚を三脚に据えて焦点距離だけを変更した写真を見て下さい。
どの焦点距離でも水平線も歪まず真直ぐで優秀なレンズで有ることが解ります。24mm撮影時と12mm撮影時で差が殆ど無いという事は本当に凄いと思います。
今回の撮影で特に凄いと感じた部分の一つが逆光耐性でした。新開発のナノARコーティングIIが採用されており、今回かなり逆光での撮影をしましたがフレアやゴーストは殆ど出ませんでした。それぞれの画角の違いも参考にして戴けるとうれしいです。
この2枚は今回の砂浜での撮影風景ですが、ボディも含めレンズ自体が防塵防滴に配慮された構造になっているので、このように砂浜の水辺でも勿論細心の注意はしておりますが安心して撮影することが出来ました。
今回の香川での撮影は梅雨真っただ中だったの、で本当に天気が心配でした。実際この日も降ったり止んだりの一日でしたが、一度は撮影してみたかった場所で何とか夕暮れを撮影出来たので満足でした。しかし与島も含めてもう一度ゆっくり撮影したいので近い将来に必ずもう一度訪れようと心に決めて四国を後にしました。
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO400 F8 SS:1/25
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO400 F8 SS:1/15
続いては地元近畿の大阪でのスナップ撮影です。
この2枚はソニーストア大阪が入っている商業施設内の写真なのですが、雰囲気が好みなので大好きな建物です。12mmで見上げると肉眼で見るのとは違った世界が広がるのも超広角の楽しみ方だと思います。それにしても撮影後に写真を見返すとこのレンズの描くシャープな線を見て更に楽しくなりました。
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO400 F8 SS:1/100
大阪駅の地下道で少し雰囲気を変えてB&W撮影(白黒撮影)。ミラーレス一眼なので当たり前ですがB&W設定にしてファインダーを覗くと白黒で見ることができるので、黒い部分の締まりやモノクロームの階調を確認して撮影でき、自分のイメージに近いB&W撮影が簡単に出来ます。特にGMシリーズのレンズは白から黒までグレーの階調を豊かに表現してくれるのでB&W撮影も楽しくなります。
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO400 F4.5 SS:1/100
この上を何本の線路が通っているのでしょうか。私のような田舎者はこの写真のように長い高架下を通ると都会を感じてしまいます。自然光や電球にLED、色々な光源から発せられる様々な特性の違いを、きちんと表現してくれますので本当に良いレンズだと感心させられます。
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO100 F5.6 SS:1/80
大阪駅での撮影の帰りに、京都駅で撮影した無数の骨組みが織り成す美しい京都駅の天井。立ったままの撮影で端から端まで殆ど構図に収まるのは12mmならでは。しかも、ここまで歪まずに撮影出来るのはただただ驚きである。
■撮影機材:α7RIV + FE12-24mm F2.8 GM
まとめ~性能のご紹介~
使用すればするほど凄いとしか言いようが無いレンズでした。抜けの良さと発色の素晴らしさはSEL1635GM譲りという印象でした。
冒頭に記載しましたが標準ズームと言われるレンズが殆ど24mm始まりの時代なので広角ズームは望遠端24mmで広角端は出来る限り広角始まりにするべきと思っているので、今回F2.8通しの、いわゆる大三元ズームが12-24mmで発売されたことは大歓迎でした。
AFはXDリニアモーターを4個搭載して制御されており、超高速かつ正確に静かにピント合わせ可能であり静止画だけでなく動画撮影にも適している。しかも14群17枚のレンズ構成の中に超高度非球面XAレンズ3枚と非球面レンズ1枚が採用されていることにより、収差を限りなく抑え解像感高めているだけでなく、EDガラス3枚とスーパーEDガラス2枚で色収差を補正し、新開発のナノARコーティングⅡにより逆光耐性が飛躍的にアップ。総合的な性能が12mm-24mmのズーム全域で単焦点レンズ並の高次元レベルに達している。
それにも関わらず、わずか847gの小型軽量な1本のレンズで12mm、14mm、16mm、20mm、24mmの単焦点レンズ5本分の役割を全て賄える機動性の良さと、コスパを兼ね揃えた個人的に最強の新・大三元超広角ズームと呼びたいと思うレンズでした。
「FE 12-24mm F2.8 GM」関連記事はこちら
■ソニー FE 12-24mm F2.8 GM レビュー|究極の超広角ズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/485004753.html
この記事に使用した機材
【ソニー】 FE 12-24mm F2.8 GM
商品を見る
【ソニー】 α7R IV ボディ
商品を見る
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんにSONYの新製品広角ズームレンズFE 12-24mm F2.8 GMをレビューいただいています。F2.8通しの広角レンズを様々な焦点距離でテストいただいています。作例と共にご覧くださいませ。
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KEYWORDS:
FE 12-24mm F2.8 GM,ソニー,SONY,広角レンズ
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AUTHOR:
TITLE: 【写真展】稲垣徳文写真展『巡礼』2010-2020
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 08/11/2020 10:00:00
TAGS: 【PR】,富士フイルムイメージングプラザ,写真展情報,難波
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BODY:
稲垣徳文写真展『巡礼』2010-2020
富士フイルムイメージングプラザ東京・大阪において、写真家 稲垣徳文氏による写真展『巡礼』2010-2020を開催します。
概要
写真展の概要です。
東京会場
東京会場:「FUJIFILM Imaging Plaza 東京」内ギャラリー
住所:千代田区丸の内 2-1-1 丸の内 MY PLAZA 3階
営業時間:10:00~19:00(最終日は14:00まで)※火曜定休
開催期間:2020年8月26日(水)~9月14日(月)
大阪会場
大阪会場:「FUJIFILM Imaging Plaza 大阪」内ギャラリー
住所:大阪府大阪市中央区難波2-2-3 御堂筋グランドビル 2階
営業時間:10:00~19:00(最終日は14:00まで)※火曜定休
開催期間:2020年10月28日(水)~11月16日(月)
■入 場 料:無料
■作品点数:約36点
展示内容
旅する写真家「稲垣徳文」が、アジアに点在する古刹を巡り撮影した写真展。写真家を夢見て、修行のつもりで世界を旅した1990年代。25年あまり経った今も、当時訪れた各地を再訪し続けている。
2010年に西チベットの霊峰カイラス山を訪れてからは、アジアの古刹を巡ることがテーマのひとつとなった。
その中でも、カンボジアのアンコール・ワットは、写真の黎明期である19世紀中頃より記録が残る史跡だ。他の史跡同様、幾多の天災や戦禍を乗り超えてきた。長い政情不安から解放された後、近年は、オーバーツーリズムの影響により、再び荒廃の危機にさらされている。
これまで写真家として得た教訓は、撮影の機会があるならばそれを先延ばししてはならないということ。今世紀初頭の佇まいを記録すべくカメラを向けている。
撮影に使用した大型カメラ『ディアドルフ』8×10(エイト・バイ・テン)のフィルムサイズは35mm判に比べおよそ60倍の面積があり、最大級のフィルムから得られる高画質が特徴のフォーマットだ。
2018-19年には富士フイルムの中判デジタルカメラ『GFX50R』を使い、アンコール・ワット(カンボジア)とボロブドゥール(インドネシア)を再訪し撮影を試みた。GFX50Rは大型カメラでは撮影困難な東南アジア特有の激しいスコールの中でも使用できる耐候性に優れ、小型軽量ながら、8×10を凌ぐ解像力を発揮する。
本写真展では、カラー作品のほか、階調豊かなモノクロ写真であるゼラチンシルバープリントに加え、19世紀の写真技法「鶏卵紙」も同時に展示します。フィルムとデジタルそれぞれの表現力をお楽しみください。稲垣徳文
プロフィール
稲垣徳文
1970年東京都出身。法政大学社会学部卒業。在学中より写真家・宝田久人氏に師事する。
朝日新聞社「AERA」編集部を経てエディトリアルを中心に活動する。
富士フイルムXシリーズはX-Pro1以来のユーザー。
「アジアの古刹巡礼」と「ウジェーヌ・アジェが写したパリの再訪」をライフワークにしている。
東日本大震災後、太陽光でプリント可能な鶏卵紙による作品制作に取り組んでいる。日本写真協会会員。
お問い合わせ
【一般の方のお問い合わせ先】
富士フイルムイメージングプラザ東京
電話番号:03-6259-1615
e-mail:imagingplaza@fujifilm.com
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EXCERPT:
【写真展】稲垣徳文写真展『巡礼』2010-2020の情報です。富士フイルムイメージングプラザ東京・大阪において、写真家 稲垣徳文氏による写真展『巡礼』2010-2020を開催します。
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KEYWORDS:
富士フイルムイメージングプラザ,写真展情報,稲垣徳文
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AUTHOR:
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISレビュー|PROレンズに肉薄する画質を誇る超望遠ズームレンズ
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CATEGORY: 礒村浩一
DATE: 08/12/2020 19:00:00
TAGS: M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS,オリンパス(Olympus) レンズ,望遠ズーム
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BODY:
マイクロフォーサーズ最長焦点距離のズームレンズが誕生
オリンパスから「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」が発表された。35mm判換算で200mmから800mm相当の焦点距離域をカバーする、マイクロフォーサーズマウント用の超望遠ズームレンズだ。
これまで同社のマイクロフォーサーズマウント用レンズでは「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」がもっとも焦点距離の長いズームレンズであったが、それを上回る長い焦点距離を採用したことで、より遠くのものを大きく撮影することができるレンズの登場となった。
主なスペックと外観
M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISの主なスペック
■マイクロフォーサーズ規格マウント
■広角端100mm〜望遠端400mm (35mm判換算200〜800mm相当)
■レンズ構成 15群21枚(EDレンズ4枚、スーパーHRレンズ2枚、HRレンズ2枚含む)
■最短撮影距離 1.3m(ズーム全域)
■最大撮影倍率 0.09倍(Wide)/ 0.29倍(Tele)(35mm判換算0.17倍相当(Wide)/ 0.57倍相当(Tele))
■フォーカシング方式 ハイスピードイメージャAF(MSC)
■絞り羽枚数 9枚(円形絞り)
■開放絞り値 F5.0 (100mm) – F6.3 (400mm)
■最小絞り値 F22
■レンズ内手ぶれ補正機構 あり(VCM機構)レンズ手ぶれ補正時 3段分の補正効果
■大きさ 最大径86.4mm 全長205.7mm
■質量 1,120g (三脚座除く)/ 1,325g (三脚座含む)
■フィルターサイズ 72mm
■防塵防滴仕様 防滴保護等級1級(IPX1)*オリンパス製防滴対応カメラとの組み合わせ時に有効、防塵機構搭載
外観
M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISをE-M1 MarkIIIと組み合わせた。フード(付属品)装着(広角端100mm時)。同じくオリンパスの望遠ズームレンズであるM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO(最大径79.4×長さ160mm・質量三脚座込み880g)と比べると太さ・長さ共にひと回り大きく重く、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(最大径92.5×長さ227mm・質量三脚座込み1475g)よりは若干細く短く軽い。鏡筒は焦点距離に応じて伸縮するタイプで広角100mmから望遠端400mmで約60mmの伸縮となる。
■広角端100mm
■望遠端400mm
鏡筒右手側面にロック機構が搭載されている。広角端100mmの状態でロック可能。
鏡筒左手側面にはAF駆動範囲を切り替えられるフォーカスリミットスイッチ、AF/MF切り替えスイッチ、レンズ搭載手振れ補正機構のON/OFFスイッチが配置されている。いずれも表面からの盛り上がりは大きくないが、ノッチ部はしっかりと指の腹で判別できるので、ファインダーを覗いた状態でのブラインドタッチは可能。
着脱可能な三脚座が付属。フット部はアルカスイス規格との互換性を持たせている。ただ三脚座の回転はあまりスムーズとは言えない。ロックねじを緩めて回転させる機構だが、回せるほどまで緩めるとレンズ鏡筒から外れそうにガタつきが出てしまう。頻繁に縦位置・横位置を切り替える筆者としては、ガタつきなくフリーに回転できるマージンがもう少し欲しいと思う。
このレンズの大きな特徴として、1.4倍と2倍のテレコンバーターがAFで使用可能という点が挙げられる。オリンパス製1.4倍テレコンバーターMC-14との組み合わせでは最大望遠が560mm(35mm判換算1120mm) F9.0に、2倍テレコンバーターMC-20との組み合わせでは800mm(35mm判換算1600mm) F13となる。
さすがに開放絞り値は暗くなってしまうが、最大望遠で1600mm相当の撮影が可能となるメリットはとても大きいと言える。なお同じく100-400mmの焦点距離を持つパナソニックのマイクロフォーサーズ用交換レンズ「100-400mm F4.0-6.3」は装着可能なテレコンバーターが存在しない。
その為、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISと純正テレコンバーターの組み合わせは、現状ではもっとも長焦点撮影が可能なAFレンズシステムである。
実写にて画質を検証
今回発表されたM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISはオリンパスの交換レンズのなかではスタンダードクラスのレンズとなる。だがレンズ構成を見るとEDレンズ4枚、スーパーHRレンズ2枚、HRレンズ2枚とPROグレードのレンズにも負けない程の構成となっている。そこでここでは100mmと400mmそれぞれの焦点距離での描写力を確認するテストを行なった。
広角端100mmの解像力検証
広角端100mmで撮影。開放絞りF6.3から最小絞りF22まで撮影して、画像の中央部の解像状態を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
画像中央部
開放絞りF5.0でも工場の配管や手すりなどの細い線が細かく解像している。F8.0からF11の間はさらに解像力が高まる。F16で若干緩くなるがまだ十分に解像しているが、最小絞り値のF22では像の緩さが認められる。
画像周辺部
画像中央部同様に周辺画像でも開放絞りF5.0から細かく解像しており、F5.6からF8.0にかけて解像力がピークを迎える。F11からF16でも高い解像力を保っているが、F22では小絞りによる回折現象による解像力低下が目立っている。
望遠端400mmの解像力検証
望遠端400mmで撮影。ここでは開放絞りF6.3から最小絞りF22まで絞りを変化させ撮影して、画像中央部の解像状況を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
画像中央部
開放絞りF6.3から手摺りが腐食して破断した箇所や鎖なども十分に解像しており、F8.0からF11で非常に高い解像力が見られる。F16でもまだしっかりと解像しているが、最小絞り値のF22ではさすがに緩さが認められるものの実用範囲に収まっている。
検証の結果として、広角端・望遠端共に開放絞りからとても優れた解像力を発揮しており、さらにF8.0まで絞り込むことでこのレンズが最も解像力が上がるピークを迎えることが判った。F11からF16まで絞っても十分な高画質をキープしていることからも、撮影状況に応じて撮影者は躊躇することなく最適な絞り値を選択できるはずだ。
超望遠レンズであるという特性から、手ぶれを抑制するためにシャッター速度を少しでも速くするべく、極力絞りを開けて撮影する機会が多くなると思われるが、解像力の面では安心して開放絞りから使用できるレンズといえるだろう。
レンズ内に手ぶれ補正機構を搭載
M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISには、これまでPROレンズの一部製品にのみ採用されていたレンズ内手ぶれ補正機構が搭載されている。これによりレンズ単体でシャッター速度3段分の手ぶれ補正効果を得ることができる。
また、組み合わせるカメラが対応製品である場合、カメラ内の手ぶれ補正機構と合わせてより効果的な手ぶれ補正がなされるという。具体的にはレンズ内の手ぶれ補正機構でカメラのぶれを補正し、カメラ内の手ぶれ補正機構によりカメラの回転ぶれを補正するという。
これは他のレンズ内手ぶれ補正機構を搭載したレンズと対応カメラとの組み合わせで使用可能な「5軸シンクロ手ぶれ補正」とは異なる補正技術とのことだ。
これにより最大400mm(35mm判換算で800mm相当)、さらにMC-20とも組み合わせると最大800mm(35mm判換算で1600mm相当)といった超望遠撮影においても、条件さえ整えば手持ちでの撮影が可能となる。これは私も正直驚かされてしまった。
短い最短撮影距離を活かしたテレマクロ撮影が可能
M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISは超望遠のズームレンズでありながら、最短撮影距離がズーム全域で1.3mと短いのも特徴の一つだ。それにより最大撮影倍率が35mm判換算では広角端100mmで0.17倍相当、望遠端の400mmでは0.57倍相当となる。
またテレコンバーターMC-14、MC-20を装着することで、最短撮影距離はそのままで画像をより拡大して撮影することもできる。たとえば柵越しに花をクローズアップ撮影することや、人物撮影でも手元のみのクローズアップ撮影などに応用することも可能だ。なお、このレンズは対応カメラとの組み合わせであれば、深度合成機能にも使用可能だ。テレマクロ撮影と併せて使うことで手前から奥までもピントの合ったミニチュア撮影なども可能だろう。
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS (400mm)
■撮影環境:ISO200 F6.3 1/1250 絞り優先AE +1EV WBオート
M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 実写作例
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS (400mm)
■撮影環境:ISO800 F7.1 1/1000 シャッター優先AE +0.3EV WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS (400mm)
■撮影環境:ISO800 F6.3 1/1250 シャッター優先AE +0.3EV WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS(400mm)
■撮影環境:ISO200 F6.3 1/160 絞り優先AE +0.7EV WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS (100mm)
■撮影環境:ISO800 F5.0 1/200 絞り優先AE WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS (100mm)
■撮影環境:ISO200 F5.0 1/1250 絞り優先AE -0.3EV WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS (285mm)
■撮影環境:ISO200 F8.0 1/500 絞り優先AE WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS (100mm)
■撮影環境:ISO200 F5.6 1/500 絞り優先AE +0.7EV WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS (400mm)
■撮影環境:ISO200 F6.3 1/400 絞り優先AE +0.7EV WBオート
■使用機材:E-M5 MarkIII ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS (400mm)
■撮影環境:ISO200 F6.3 1/60 絞り優先AE +1.3EV WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS+MC-20 (800mm)
■撮影環境:ISO800 F13 1/100 絞り優先AE -0.7EV WBオート
テレコンバーター使用作例
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS + MC-14 (560mm)
■撮影環境:ISO1600 F9.0 1/1250 絞り優先AE WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS+MC-20 (100mm)
■撮影環境:ISO1600 F13 1/500 絞り優先AE +0.7EV WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS+MC-20 (800mm)
■撮影環境:ISO800 F13 1/1000 絞り優先AE +0.3EV WBオート
■使用機材:E-M1X ,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm FF5.0-6.3 IS+MC-20 (800mm)
■撮影環境:ISO200 F18 1/50 マニュアルモード WB晴天
不可能を可能にしてくれる新次元の超望遠ズームレンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISは35mm判換算で200mmから800mm相当の焦点距離を持つ超望遠ズームレンズだ。しかも1.4倍や2倍のテレコンバーターを併用することで、これまでには考えられない焦点距離での撮影が可能となる。
これは望遠側に強いマイクロフォーサーズ規格ならではのメリットを、最大限に活かしたことにより可能となったレンズだといえる。
しかし、ただ単に「凄い望遠」というだけではなくズーム全域における解像力の高さや、短い最短撮影距離によるテレマクロ性能、そしてレンズ内に組み込まれた手振れ補正機構など、これまでにオリンパスが磨き上げてきた技術が惜しみなく投入された結果生み出された製品だと言える。
おなじく超望遠ズームレンズとして、オリンパスから年内発売が予定されている「150-400mm F4.5 TC1.25× IS PRO」が控えているが、あちらはPROレンズかつ1.25倍のテレコンバーターが内蔵されていることからも、おそらく販売価格はかなりの高価になるのではないかと予想されている。
その点、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISはPROレンズでこそないが、これまでのスタンダードクラスを超える画質と防塵防滴構造の設計などを考えると、現在想定されている販売価格での発売は決して高い買い物とは言えないのではないだろうか。
ところで、先日カメラ業界を駆け抜けたオリンパスの映像部門分社化のニュースは、とても大きなショックを写真家・写真愛好家にも与えた。しかしオリンパスからは公式に今後も製品開発とサポートを継続するとの声明が出されていることを忘れてはならない。
今回、このようなある意味「攻撃的」な製品を発表してきたことは、オリンパスが今後どのような「カメラメーカーになっていくか」のメッセージとして受け取ることもできるのではないだろうか。M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISはこれからの新製品開発にも期待したくなるレンズである。
■モデル:夏弥(https://ameblo.jp/beautiful-summer12/)
イチオシページもチェック!
カメラのキタムラネットショップでは、スペック比較をしていますので是非ご覧ください。特設サイトは下記の画像をクリック!
この記事に使用した機材
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
商品を見る 【オリンパス】OM-D E-M1X ボディ
商品を見る
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の礒村浩一さんによるオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISのレビュー記事です。PROレンズに劣らないレンズ構成を用いた本レンズを作例や解像度テストなどを踏まえてレビューいただいております。
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KEYWORDS:
オリンパス,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS,望遠ズームレンズ,マイクロフォーサーズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 猫カフェでの撮影のコツ|素敵な猫ちゃんの写真を撮ろう!
BASENAME: 476822475.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 08/14/2020 12:00:00
TAGS: α7R III,ミラーレスカメラ,犬/猫/ペット,ソニー(Sony) ボディー,フルサイズ
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BODY:
はじめに
猫大好きな筆者が、オフ日の楽しみの一つが猫カフェで過ごすのんびりとした時間。すぐに写真を撮るのではなく、のんびり猫を観察してから猫との距離を縮め写真を撮らせて頂く。
猫カフェによっては、落ち着いた照明の暗めのカフェだったり、窓から日光が入ってくるカフェだったり色々あるので、様々なシーンが撮影できてとても充実した時間を過ごせます。そんな猫カフェでの猫写真の撮り方のコツご紹介いたします。
猫カフェで撮影に適した設定は?
猫カフェにいく時は、できるだけライトな機材がおすすめ。基本は気軽に撮れる小さなミラーレス機に、レンズは標準クラスのズームレンズか単焦点の標準レンズでOKです。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO ■撮影環境:シャッター速度 1/50秒 絞りF1.8 ISO1600 焦点距離50mm(35mm換算)
オートフォーカスの設定
動く被写体なので、オートフォーカスの設定は常に被写体を追随するコンティニュアンスモードにしましょう。
ISO感度の設定
室内撮影ですので、やや暗めの場合があります。その場合はISO感度をは高めに設定して、手ブレ・被写体ブレをおこさないように注意が必要です。ISOオートで撮影する場合は、下限値・上限値の設定を確認して通常よりも上限値を高めに設定変更しましょう。
シャッター速度の設定
シャッター速度の設定には少し注意が必要です。猫の動きは俊敏なので、ちょっとした動きでもシャッター速度が遅い場合は大きくブレてしまいます。その為ISO感度を上げて撮影するとともに絞りを開けて撮影し、シャッター速度を上げて撮影します。
しかし撮影する環境によってはこのシャッター速度を上げすぎてはいけない場合もあります。
下の写真は透明なキャットウォークの上で寝ている猫を下から撮影したものですが、写真全体にしま模様が発生してしまいました。実はこの写真はシャッター速度1/1000秒で撮影していて、フリッカー現象が発生してしまったのです。このしま模様の原因は室内の蛍光灯、LED照明等の人工の光源が犯人なんです。蛍光灯、LED照明等の人工の光源の下で高速シャッターで撮影すると、光源の種類によってはフリッカーが発生して、露出ムラや色のバラつきが発生する場合があります。フリッカー軽減の対策としては、通常はシャッタースピードを東日本なら1/100秒、西日本なら1/120秒より遅く設定して写真を撮ることでフリッカー現象を軽減する事できますが、それでは室内で動いている猫の撮影は難しくなり、ブレた写真を量産する事になってしまう場合もありますので、撮影には注意が必要になってきます。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF2 ISO3200 焦点距離55mm
失敗写真を量産しない為にも、猫カフェに入ったら一度いろいろなシャッタースピードで撮影してみて、撮影した画像を確認してフリッカーが出ていないか確認をしてみましょう。フリッカーが出てしまう場合は、シャッター優先の撮影モードにしてフリッカーが発生しないシャッタースピードに設定して撮影しましょう。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF2.5 ISO800 焦点距離55mm
カメラの機種によっては、フリッカー軽減機能がある機種もあるので一度ご自身のカメラの設定メニューを確認してみてください。せっかくのいい写真が失敗写真にならないように事前に確認する事がポイントです。
猫カフェでの猫写真の撮り方のコツ
猫カフェは大きく分けて、ちょっと暗めのお部屋のパターンと明るめのお部屋のパターンの2パターンにわかれます。
明るいお部屋の猫カフェで撮影する場合は、背景が明るくなるので少しプラス補正をして撮影すると柔らかい感じで撮影することができます。合わせてピクチャースタイルやクリエイティブスタイルなどの設定で、少しコントラストを落とす設定にすると、よりふんわり柔らかい印象の写真に仕上げる事ができます。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF1.8 露出補正+0.3 ISO800 焦点距離55mm
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE35mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF1.8 露出補正+1.3 ISO800 焦点距離55mm
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF2.5 露出補正+0.7 ISO800 焦点距離55mm
猫カフェにあるおもちゃや小物を使って、猫と遊びながら撮影しましょう。遊びながら撮影する場合は、なかなか一人では難しいので、お友達やスタッフさんに猫と遊んでもらっているところを撮ると撮影に集中できます。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF3.5 露出補正+0.7 ISO1600 焦点距離85mm
窓辺がある猫カフェなら、シルエットを狙うチャンスです。コントラストの設定を高くして猫の姿をシルエット化して撮影します。その時の外光の強さで露出補正をして調整してみてください。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF5.6 露出補正 - 0.3 ISO250 焦点距離93mm
お部屋が少し暗めの猫カフェの場合、シャッタースピードが上がらないので被写体ブレに注意しながら撮影しましょう。お部屋が暗めな場合は、明るい場所とは違って猫の黒目が大きくなるので可愛らしい表情の写真が撮れるのが特徴です。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF2.8 ISO1600 焦点距離123mm
お部屋にライトなどがある場合は、背景のボケに利用してみましょう。絞りを浅くして背景にライト(明かり)を入れると、キレイなボケを演出できます。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF2.8 ISO640 焦点距離128mm
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF2.8 ISO640 焦点距離200mm
猫の表情は黒目の大きさで随分と変わります。すこし暗いお部屋であれば、黒目が真ん丸なシーンを撮るのが容易になります。目の表情をよく見ながら撮影しましょう。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO ■撮影環境:シャッター速度 1/30秒 絞りF1.8 ISO1600 焦点距離50mm(35mm換算)
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF2.5 ISO1600 焦点距離55mm
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF1.8 ISO3200 焦点距離55mm
猫写真を撮るときには、できるだけ猫の目線ぐらいまでカメラを下げて撮影することで迫力のある写真が撮れます。ローアングルで撮影しやすい恰好で撮影にいくのが良いと思います。またカメラの液晶モニターを積極的に活用してライブビューモードで撮影や、液晶タッチでシャッターが切れるカメラであればローアングルでの撮影も楽に撮れます。またローアングルで撮影する時に、床にカメラを付けて撮影すれば手ブレを軽減する効果もあります。
まとめ
猫カフェで撮影する際には、是非一度、猫カフェのホームページを確認して情報収集してから行ってみてください。猫が元気に遊んでくれる時間帯や、どんな猫がいるのかなどホームページにいろいろな情報が掲載されています。お気に入りの猫カフェが見つかったら是非可愛らしい猫の姿を撮ってみてください。寝ている猫の姿も可愛いですよ。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
この記事に使用した機材
【ソニー】Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
商品詳細ページ 【ソニー】FE 70-200mm F2.8 GM OSS
商品詳細ページ
【オリンパス】OM-D E-M1 MarkII
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
猫カフェでの撮影のコツを写真家の坂井田富三さんが紹介しています。可愛らしい猫の作例と共に撮影テクニックを紹介していますので、是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
α7R III,ミラーレスカメラ,猫,撮影テクニック,
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: マルミ光機 EXUSサーキュラーP.L MarkIIレビュー | 進化点をメーカーに直接聞いてみました!
BASENAME: 476888530.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 08/18/2020 11:00:00
TAGS: PLフィルター,マルミ(Marumi) アクセサリー,レンズフィルター,レンズアクセサリー
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BODY:
はじめに
2020年7月16日に新発売になった、マルミ光機のC-PLフィルター
「EXUSサーキュラーP.L Mark II」 。風景写真撮影では欠かせないPLフィルターですが、どんな部分が従来から変わったのか?他のシリーズとどんな違いがあるのか?非常に気になるところです。商品を単体で見ても、その違いはなかなか分かりにくいので、マルミ光機さんの東京都内にある本社にお伺いして、長野県にある生産工場とテレビ会議で取材をさせて頂きました。
今回取材させて頂いた、マルミ光機株式会社 長野工場 工場長の関さん(左)、製品開発部長の高橋さん(右)
EXUSサーキュラーP.LMarkIIの特徴
EXUSサーキュラーP.L Mark IIは、新たに専用設計された偏光膜が採用されています。 従来の高透過偏光膜よりも、ニュートラルなカラーバランスとなるよう新たに専用設計をし、被写体の表面反射を抑え、色彩コントラストを強調し、自然で色鮮やかに仕上がるように改良されたC-PLフィルターです。
フィルター径のサイズのラインアップも37mm~95mmと充実しており、様々なレンズに対応ができます。特にマイクロフォーサーズの小さなレンズのフィルター径にも対応しているのは有難いですね。
さらに日常的に使いやすい、撥水コーティング・防汚コーティング・帯電防止コーティングが施されています。この3つのコーティングがされていることで安心して様々なシチュエーションで使用する事ができます。
左:撥水・防汚コーティング無し、右:撥水・防汚コーティング有
本文
従来のPLフィルターとの比較
EXUS CIRCULAR P.L Mark IIは、高透過偏光膜を採用していることによって従来のC-PLフィルターよりも明るいC-PLフィルターになっているので、フィルターを装着した状態でもあまり暗くならず、構図の確認やピント合わせもしやすくなっているのが特徴の一つです。
明るいというのは、日常使いで非常に有効なポイントです。シチュエーションによっては、C-PLフィルターを付けっぱなしで使用する場合も多々あると思います。そんな時、シャッター速度がそれほど落ちない明るいC-PLフィルターのメリットはとても高いと思います。
マルミ光機では、このEXUS CIRCULAR P.L Mark IIの他、DHG Super サーキュラーP.L.D、DHG サーキュラーP.L.Dの3種類のC-PLフィルターが販売されていますが、EXUS CIRCULAR P.L Mark IIは高透過偏光膜を採用により、DHGシリーズのC-PLよりも1.5倍程度明るくなっています。
それぞれの仕様や販売価格も違ってきますが、せっかくいいレンズに付けるなら、EXUS サーキュラーP.L Mark IIを選択したいところです。EXUS サーキュラーP.L Mark IIは、各種コーティングが施されていることにより、キズや汚れも付きにくくなり、フィルターの耐久性もアップしています。
フィルター効果以外の部分になりますが、フィルター枠のフッ素加工もお勧めのポイントです。筆者も経験があるのですが、回転式のフィルターがレンズに強く噛みこんで外れなくなってしまった事を数回経験しています。撮影現場でこんな事が起きてしまうと焦ってしまいます。EXUS サーキュラーP.L Mark IIは、フィルターのオスネジ外周部にフッ素加工を施すことによって、そんなトラブルを未然に軽減してくれるのも安心して使用できるポイントです。
実際に使ってみて感じたPLフィルター効果
左:フィルター無し 右:EXUS CIRCULAR P.L Mark IIフィルター ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 16-35mm F4 ZA OSS ■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 16mm クリエイティブスタイル:ニュートラル
上の写真は、同じ位置からEXUS CIRCULAR P.L Mark IIフィルターの有無しの写真を合わせたものです。左半分はフィルター無しで右半分がC-PLフィルターを付けた状態で撮影しています。
青い空と白い雲のメリハリがハッキリとして夏の高原を表現するのには、C-PLフィルターは最適です。
クリエイティブスタイル(ソニー)などのカメラの機能で風景モードにすると、コントラストが強くなり、PLフィルターを付けたような感じで撮影もできますが、ちょっと気を付けたいのが風景モードでC-PLフィルターを付けて撮影すると、コントラストや色味がキツくなり不自然な仕上がりになる傾向があります。
下の写真は、同じ状況でフィルターを付けて、クリエイティブスタイルを風景にして撮影したものです。C-PLフィルターを使用する際には、クリエイティブスタイルはスタンダードかニュートラルにするのが無難なようです。
EXUS CIRCULAR P.L Mark IIフィルター使用 ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 16-35mm F4 ZA OSS ■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 16mm クリエイティブスタイル:風景
C-PLフィルターは自然風景だけでなく、街中スナップにも効果を大きく発揮します。日中の太陽の反射が強いビルの壁面を撮影すると、C-PLフィルターの効果が良く分かります。
左半分:EXUS CIRCULAR P.L Mark IIフィルター 右半分:フィルター無し ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 20mm F1.8G ■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF8 ISO800 焦点距離 20mm
上半分:EXUS CIRCULAR P.L Mark IIフィルター 下半分:フィルター無し ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 20mm F1.8G ■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF10 ISO800 焦点距離 20mm
C-PLフィルターはフィルター枠を回転させて、効果を確認しながら撮影をしますが、なんでもかんでも反射を除去すれば良い訳ではありません。上の様な写真では、赤いポールの街灯を見れば分かるように、反射を除去しすぎるとポールがフラットになってしまい、立体感や質感が失われてしまいます。C-PLフィルターを使って撮影する場合は、微妙に効果の効き具合を変えながら数カット撮影するのが良いでしょう。
C-PLフィルターは反射を除去するだけでなく、反射を強調する事も可能です。
下の写真は夕方の空の色が刻々と変わっていくタイミングの写真ですが、この様なシーンではC-PLフィルターで反射を除去するのはNGです。反射を除去するとせっかくの簿妙な空の色合いの反射が取り除かれてしまいます。
下の写真は、C-PLフィルター無しの状態で撮影したものです。
フィルター無し ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 20mm F1.8G ■撮影環境:シャッター速度1/15秒 絞りF8 ISO100 焦点距離 30mm(APSクロップ)
次にC-PLフィルターを装着して、反射を除去した状態で撮影したものです。水面の反射が除去された事により水面が暗くなることや、水面からの反射で少し明るくなっていた船体の下の部分も少し暗くなってしまっています。
EXUS CIRCULAR P.L Mark IIフィルター使用 反射弱く ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 20mm F1.8G ■撮影環境:シャッター速度1/8秒 絞りF8 ISO100 焦点距離 30mm(APSクロップ)
次にC-PLフィルターを回転させ、一番反射効果が強い状態にしました。
空のブルーが水面に写り込み鮮やかさが増し、船体も明るくなり空の反射が活かされたシーンになりました。
EXUS CIRCULAR P.L Mark IIフィルター使用 反射強く
■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 20mm F1.8G ■撮影環境:シャッター速度1/4秒 絞りF8 ISO100 焦点距離 30mm(APSクロップ)
EXUSサーキュラーP.L Mark IIは、高透過偏光膜を採用している明るいC-PLフィルターなので、暗くなるまでフィルターを付けっぱなしにして撮影を続けてもまったく問題なく撮影を続ける事ができました。EXUS CIRCULAR P.L Mark IIは、非常にニュートラルなカラーバランスで自然に仕上がるC-PLフィルターで使い勝手の良いフィルターです。
EXUSサーキュラーP.L MarkII商品ページはこちらから
まとめ
C-PLフィルターはフィルターの中では一番繊細なフィルターで、偏光膜自体は高温多湿には苦手です。高温になる車の中や湿度の高いところに保管してしまうと、C-PLフィルターの寿命が短くなってしまいますので注意しましょう。防湿庫などでレンズと一緒に保管するのがベストです。
一般的にC-PLフィルターの寿命は使用状況、保管状況によりますが3~7年ほどと言われています。筆者もそうですが自分が買ったC-PLフィルターですが、何年前に購入したかも分からくなってきますよね。そんな時は、身近で新しく購入した人がいれば、少し比較させてもらうのが一番です。劣化してきたC-PLフィルターはフィルター自体の色味が変わってきます。比べればすぐにわかると思います。
またマルミ光機さんのフィルターのケースですが、落としてしまった時でもケースが割れない素材を採用しており、ポケットなどに入れても取り出しやすい形状として楕円形のような形をしたケースが採用されています。
今回新しくなった、EXUS CIRCULAR P.L Mark IIは明るいC-PLフィルターとして日常的にあらゆるシーンで活躍してくれるC-PLフィルターではないでしょうか?
ご自身のC-PLフィルターが購入してから5年ほど経過しているようでしたら、買い替えの検討をしてみてください。
フィルターの話からそれますが、関連商品として同日に発売されたEXUS LENS CLEANING SPRAY (エグザス レンズクリーニングスプレイ)について、少しご紹介します。
レンズ・フィルターを正しく、末永く使う為にはお手入れが非常に重要です。EXUS LENS CREANING SPRAYは、高性能なレンズ・フィルタークリーナーで、専用のマイクロファイバークリーニングクロスと、イソプロピルアルコールを含むクリーナー液のセットになっているクリーニングキットです。マルミ光機さん曰く、この専用のマイクロファイバークリーニングクロスがとっても凄いとの事。
実際に使ってみましたが、とても簡単に汚れをふき取ってくれる優れモノです。専用のポーチもあるので、ハードな撮影の際には一緒に持ち歩くものいいかもしれません。
編集部オススメのその他偏光フィルターの記事
PLフィルターとは?|使い方をマスターして風景写真をレベルアップ!
写真家:高橋良典
https://shasha.kitamura.jp/article/472240981.html
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんによるEXUSサーキュラーP.L MarkIIのレビュー記事です。進化ポイントをメーカーに直接聞いてご紹介しています。
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KEYWORDS:
マルミ光機,PLフィルター
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AUTHOR:
TITLE: 【写真展】葛原よしひろ氏 作品展「安曇川 穏景」
BASENAME: 476906763.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 08/18/2020 16:31:40
TAGS: 【PR】,写真展情報,銀座
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BODY:
葛原よしひろ氏 作品展「安曇川 穏景」
コロナウィルスが世界規模で猛威を振るい日本も例外ではなく多くの影響を受け、生活様式までも変革せざるを得なくなり、私のような写真家にとって、移動の自粛を受け入れなければならない事態は死活問題でもありました。
私にとって撮影が自由に出来ないことがここまで辛いのだと思った時に、改めて日常の環境に目を向け見つめなおす事で、閉塞感を打開出来ればという想いから私の街である安曇川周辺を撮影することにしました。足元を見つめ直すことにより、普段見慣れた光景の中に見つけた新たな発見に心躍る撮影も多く有り、自分自身がいかに写真撮影が好きなのかを再確認しました。そして安曇川周辺は、このような事態の中でも穏やかで優しい時間が流れており、私に希望を与えてくれます。
葛原よしひろ
写真展概要
■会期:2020年8月19日~8月29日
■会場:EIZOガレリア銀座 (アクセスは
こちら )
■開場時間:9:30~17:30(定休日:日曜日、月曜日および祝日)
■入場料:無料
※状況により、営業時間は予告なく変更する場合がございます。
プロフィール
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家 カメラメーカー等の写真セミナー講師としも全国的に活動している 大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー JPS(日本写真家協会)正会員
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EXCERPT:
【写真展】葛原よしひろ氏 作品展「安曇川 穏景」の情報です。EIZOガレリア銀座で葛原よしひろ氏 作品展「安曇川 穏景」を開催いたします。
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KEYWORDS:
EIZOガレリア銀座,葛原よしひろ,写真展情報
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー ZV-1レビュー 動画も静止画もこれ1台で大満足!|WEBカメラにも対応!
BASENAME: 476958678.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 08/21/2020 17:21:14
TAGS: ZV-1,ソニー(Sony) ボディー,その他のカメラ,コンパクトデジタルカメラ
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はじめに
世界各国のVloggerの声を集めて、Vlogに求められる機能と使い勝手を備えたカメラ「ZV-1」がソニーから2020年6月19日に発売されました。このカメラの大きな特徴といえる「Vlog(ブイログ)」というキーワード。VlogとはVideo Blogのこと。BlogはWeb上に文章や写真を使い、自分の考えや日記を残していくものですが、それの「動画バージョン」が「Vlog」です。
ソニーの人気のコンパクトカメラRX100シリーズと同じ1インチセンサーを持ち、動画機能をより使いやすくした新しいコンセプトのZV-1は新しい写真生活を充実させてくれるアイテムです。
ZV-1には、カメラ単体(ZV-1)とシューティンググリップキット(ZV-1G)の2種類がラインアップされています。ZV-1の機能をフルに活用できるワイヤレスリモートコマンダー機能付シューティンググリップ(GP-VPT2BT)とバッテリーがもう一つ付いた(ZV-1G)がお得になっていて人気になっています。
ZV-1の特徴
■VLOGCAM ZV-1/ZV-1G 基本スペック
引用:ソニーHP VLOGCAM ZV-1/ZV-1G商品ページ
動画機能が話題になっているカメラですが、基本スペックをあらためて確認しても分かるように、AFフォーカスの測距点も425点(コントラスト検出方式)や人物・動物瞳AF、連写機能も最高で約24コマ/秒というスペックを持ち、通常の静止画撮影においてもRX100シリーズと同等の機能を有しているのが分かると思います。
ZV-1とRX100シリーズの比較
同じソニーコンパクトデジカメで気になるところのZV-1とRX100M7との違いですが、大きく言えばコンセプトの違いによるもので、レンズの画角などは大きく違っていますが、センサーや画素数などは同じで動画重視か静止画重視の違いと言えます。ともに静止画も動画撮影もコンパクトカメラとは思えないほどの高スペックのカメラですが、RX100をベースに動画撮影をよりし易くしたものがZV-1と言ってもいいでしょう。その為にRX100シリーズでは無かったバリアングルモニターの搭載、パネル上部に指向性3カプセルマイクとウインドノイズ低減機構を搭載して音声機能などが強化されています。
ZV-1は動画撮影を重視している結果、パネル上部の操作系のボタンの位置なども動画の撮影がしやすいようになっています。その為RX100M7にある内蔵フラッシュや内蔵のファインダーなどはありません。このあたりに大きなコンセプトの違いが見てとれます。
ZV-1を動画性能
ZV-1を手に入れたら、まずは撮ってみたいのが自撮りの動画ですよね。早速シューティンググリップを着けて撮ってみました。このシューティンググリップはBluetooth接続なので、ケーブルとかが無く非常にシンプルに使いやすいアイテムです。
最初にカメラの初期設定になっている、動画撮影モード(XAVC S HD)60p/50M(1,920x1,080/60p)で撮影しました。4Kで撮るのかHDサイズで撮るのかは動画編集をする環境によって使い分けをしたいところですが、4Kメインで撮る方は最初にメニューの設定画面でしっかりと変更しておく事が必要です。
今回はカメラの初期設定のままで撮影しています。最初は「背景のボケ:ぼけ」のモードにして自撮りをしてみました。シューティンググリップは、あくまでも小型三脚にもなるグリップ機能がメインでジンバル機能はありません。カメラ内の手ブレ補正機能での撮影になるので、ジンバル搭載のカメラに比べると歩きながらの撮影は少し劣りますが、よくブレが補正されて安定しています。これはHD動画撮影時の手ブレ補正機能が強化されていて、光学式と電子式の手ブレ補正を組み合わせることで、歩きながら手持ちでの自撮りでも安定した動画を撮影できるようになっているからです。
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■動画撮影モード(XAVC S HD) 60p 50M(1,920x1,080/60p)
シューティンググリップとバリアングルモニターのおかげでローアングルの撮影も簡単にできるのが魅力的です。
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■動画撮影モード(XAVC S HD) 60p 50M(1,920x1,080/60p)
清里高原で撮影の際によくお世話になっているペンションの「ゲストハウスカーリーヴィレッジ」のテラスで焚火をした際に、静止画とともに動画も撮影。こういったシーンはやっぱり動画で撮影したいシチュエーションですね。緑の木漏れ日の中で焚火の揺らぎをのんびりと眺めながら撮影するは最高です。
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■動画撮影モード(XAVC S HD) 60p 50M(1,920x1,080/60p)
暗くなればシューティンググリップが三脚にもなるので、安心して撮影をすることもできます。
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■動画撮影モード(XAVC S HD) 60p 50M(1,920x1,080/60p)
今回ZV-1でいろいろと撮影をしたことで、旅行の際には気楽に持ち運べるZV-1が欠かせなくなるような感じを受けました。持っていて、撮影していてとても楽しいカメラです。
ZV-1には、youtubeなどで商品紹介動画を撮影する場合などに便利な「商品レビュー用設定」の機能があります。
動画で商品紹介する時に、フォーカスは顔から手元の商品へとスムーズに切りかわるのがベストです。しかし通常自撮りで撮影してフォーカスを顔から商品に移すため、今ままでは手のひらなどで顔を隠してから、商品にフォーカスを合わせたりしています。これが「商品レビュー用設定」をオンにすると、顔と商品の間のスムーズなフォーカス移動ができるようになります。こういった事をされている方にはとても便利な機能になっていますね。
ZV-1の静止画性能
コンパクトなカメラでありながら、1インチセンサーと明るいレンズによる背景のボケが楽しめるが魅力です。
■撮影機材:SONY ZV-1 ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF2.8 ISO125(AUTO) 絞り優先 WBオート 焦点距離 26mm(35mm換算 70mm)
■撮影機材:SONY ZV-1 ■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF1.8 ISO125(AUTO) 絞り優先 WBオート 焦点距離 9.4mm(35mm換算 24mm) ■撮影場所:新宿北村写真機店
動物瞳AFも搭載されているので、動きのある猫の撮影も瞳にピントを合わせてくれるので安心して構図に集中して撮影ができます。
■撮影機材:SONY ZV-1 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF2.8 ISO1600(AUTO) 絞り優先 WBオート 焦点距離 25.7mm(35mm換算 70mm)
「背景のボケ:ぼけ」、「背景のボケ:くっきり」の設定は静止画の撮影モードでも有効です。ボタン一つで背景のぼけの表現を切り替えてくれます。実際には絞り値を変化させている訳ですが、初めてに方にも直感的に分かるのでとても便利な機能です。
■背景のボケ:「くっきり」設定 ■撮影機材:SONY ZV-1 ■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF5.6 ISO125(AUTO) 絞り優先 WBオート 焦点距離 9mm(35mm換算 24mm)
■背景のボケ:「ぼけ」設定 ■撮影機材:SONY ZV-1 ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF1.8 ISO125(AUTO) 絞り優先 WBオート 焦点距離 9mm(35mm換算 24mm)
ZV-1はRX100シリーズには無いバリアングルモニターになっている。今まで苦労していたタテ位置ローアングルの撮影がバリアングルモニターによって大きく改善された。実際にローアングルで撮影する猫の撮影も飛躍的に楽に撮影ができました。
■撮影機材:SONY ZV-1 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF2.8 ISO4000(AUTO) 絞り優先 WBオート 焦点距離 26mm(35mm換算 70mm)
ウェブカメラ対応PCアプリケーション「Imaging Edge Webcam」
2020年8月20日に新しく発表されたPCソフト「Imaging Edge Webcam」。VLOGCAM ZV-1をパソコンにUSBで接続することにより、Webカメラとして使用することができるようになりした。
※ 対応OS Windows®10 64bit
この「Imaging Edge Webcam」ソフトは、VLOGCAM ZV-1以外にもαシリーズやCyber-shotシリーズにも対応しており、対応カメラは33機種にもなっています。
【 対象モデル (2020/8/20現在)】
デジタル一眼カメラ α
[ Eマウント ]
ILCE-9M2 / ILCE-9 / ILCE-7RM4 / ILCE-7RM3 / ILCE-7RM2 / ILCE-7SM3/ ILCE-7SM2 / ILCE-7S / ILCE-7M3 / ILCE-7M2 / ILCE-6600 / ILCE-6500 / ILCE-6400 / ILCE-6300 / ILCE-6100 / ILCE-5100
[ Aマウント ]
ILCA-99M2 / ILCA-77M2
デジタルスチルカメラ Cyber-shot
DSC-RX100M7 / DSC-RX100M6 / DSC-RX100M5A / DSC-RX100M5 / DSC-RX100M4 / DSC-RX10M4 / DSC-RX10M3 / DSC-RX10M2 / DSC-RX1RM2 / DSC-RX0M2 / DSC-RX0 / DSC-HX99 / DSC-WX800 / DSC-WX700
デジタルカメラ VLOGCAM
VLOGCAM™ ZV-1
引用:ソニーHP「ウェブカメラ対応PCアプリケーション「Imaging Edge™ Webcam」公開のお知らせ 」
現在リモートワークなどでパソコンのWebカメラを使っている方も多くいらっしゃるかと思いますが、私もその一人でして、早速ソフトをダウンロードして使ってみました。
ソフトダウンロードサイトは
こちら
ダウンロードのボタンをクリックすると、動作確認機種のチェックがありダウンロードボタンをクリックしてダウンロードが完了します。ソフトのファイル自体は約6MB程度の小さなソフトです。このソフト自体が単体で動くのではなく、他の会議ソフトやカメラソフトからUSBでパソコンに接続したソニーのカメラがPCカメラとして使用できるソフトになります。
パソコンにソフトをインストールが完了したら、早速VLOGCAM ZV-1をUSBでカメラに接続。
接続しましたら、VLOGCAM ZV-1の下記の設定変更を行います。
・MENU → (ネットワーク) →[スマートフォン操作設定]→[スマートフォン操作]→[切]
・MENU → (ネットワーク)→[PCリモート機能]→[PCリモート]→[入]
これでパソコンとカメラの接続も完了です。今回は、人気の「zoom」で使ってみました。
普段は仕事場のデスクトップカメラにWebカメラを付けて使用していましたが、Imaging Edge WebcamソフトをインストールしてVLOGCAM ZV-1をUSBでつなげた事によって、カメラが選択できるようになりました。
VLOGCAM ZV-1がWebカメラなることによるメリットはとても多いです。当然画質は向上しますし、その他露出補正、ホワイトバランスの調整、絞りによる背景のボケの演出、ズームレンズによる画角の調整による映り込む背景のコントロールなどなど。普段使っているカメラの機能をふんだんに活用すること出来るんです。
例えばこんな事も。クリエイティブスタイルを白黒にすれば白黒でWebカメラに映し出す事もできます。
自分の環境にあった調整が細かくできそうですね。ただ使用にあたって注意すべき点もあります。Webカメラとして使用した後に、VLOGCAM ZV-1の設定が変わってしまう項目があります。
それは、「縦横比」と「JEPG画像サイズ」が変更されてしまいます。
縦横比が16:9に変更されてしまうため、PCカメラとして使用した後はちょっと注意が必要です。もちろん、縦横比が変わっているのでファインダーや液晶画面をみればすぐに気づくとは思いますが、最初は戸惑うかもしれません。
まとめ
発売されてから2カ月ほどSONY ZV-1を使ってきましたが、このサイズのカメラで動画撮影と静止画撮影の両方が満足できるレベルで撮影できる事に驚いています。どこに行くにも手放せない存在になってしまいました。特に気楽に少しお出かけする時には、本体だけならポケットにも入るコンパクトさが魅力の一台です。
ZV-1の被写界深度の浅いぼけ感のある印象的な映像や明るいレンズ、顔を明るく撮影できる顔優先AE、瞳AFなどの高いオートフォーカス性能、光学ズーム、ユニークで多彩な機能を活用すれば、普段の撮影からWen会議まで楽しいカメラライフが過ごせそうです。
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんによりZV-1のレビュー記事です。2020年8月20日に公開されたWebカメラのファームアップも試していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,ZV-1,レビュー,Vlogger,vlog
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 85mm F1.4 DG DN Art |サイズダウンしたボディーに卓越した描写性能を実現
BASENAME: 477028619.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 08/26/2020 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,85mm F1.4 DG DN | Art,単焦点
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BODY:
はじめに
シグマから待望のミラーレス一眼カメラ専用設計の85mmが登場した。この「SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art」はLマウントとソニーEマウント用となっており、F1.4という大口径で明るく高性能な新世代のプライムレンズだ。ポートレートはもちろんスナップショットや風景、静物撮影まで幅広いシーンで活躍する1本となっている。
ミラーレス専用設計プライムレンズ
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artを見て驚くのがその大きさだ。とてもコンパクトに仕上がっているのである。シグマの85mmというと「SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art」を思い浮かべる。元は一眼レフ用として設計されたもので、マウント部を変更してミラーレス一眼カメラにも対応しているものだが、描写に優れた銘レンズなので愛用しているプロ写真家も多い。これがLマウント用で94.7mm × 150.2mm、1215gとなかなかのボリューム感を誇ったが、新型のSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art だと、なんと82.8mm × 94.1mm、630gとググッと凝縮された感じになった。もう1/2くらいのイメージだ。フィルター径は86mmから77mmへとサイズダウンとなっている。
焦点距離と明るさは同じなのになぜこんなにも小さく軽くなったのか。それは「ミラーレス一眼カメラ専用設計」だからなのである。大口径のレンズマウントと、センサーにより近づけてレンズを配置できるショートフランジバック構造、そしてレンズの光学補正だけでなくカメラボディの補正機能を積極的に利用することによってレンズ設計と配置の自由度が高まり、描写性能を向上させながら軽量コンパクトなレンズに仕上げることが可能になったのだ。積極的に新しい手法を取り入れるところがシグマらしい。
レンズ構成は11群15枚で、5枚のSLDガラス(特殊低分散ガラス)と非球面レンズを採用。さらに最新の高屈折ガラスを積極的に盛り込んだ。周辺光量補正やディストーション補正(糸巻き型、タル型)はカメラ内収差補正を利用し、コマ収差などはレンズによる光学補正で行う設計となっている。これにより絞りF1.4開放から滲みの少ないシャープな像を提供してくれる。絞り羽根は11枚の円形絞り、最短撮影距離は85cmと端正なボケと使いやすいワーキングディスタンスを実現している。ポートレートだけでなくテーブルフォトでも活躍しそうなスペックだ。
使いやすい操作性
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artは、他の「DG DN」レンズのSIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art、SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporaryと同じく絞りリングを搭載している。これがとても使いやすい。指がかりのいいローレット加工された絞りリングは、1/3段ずつ心地よいクリック感でF値をコントロール可能だ。
このレンズの場合は「A」位置で固定 / 「A」に入らない開放から最小絞りの範囲でロックする「絞りリングロックスイッチ」も採用し、撮影に集中できる仕様になっている。もちろんクリック感をなくしてスムーズな操作ができる「デクリック機構」もある。さらにAFロックだけでなく、カメラボディからさまざまな機能を割り当てることができる「AFLボタン」も装備されている。
レンズ自体は防塵防滴構造になっているので、過酷な環境下での使用も問題がない。付属のレンズフードは大きさも十分で、不意に外れないようにロック機構を備えているところもうれしい。
フォーカスリングも十分なサイズがあり、マニュアルフォーカス時でも的確なピント送りができるだろう。オートフォーカスではステッピングモーターを採用し、静粛かつ高速な動作を実現している。
美しく上質なボケ味が魅力
さてSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artの描写性能を見ていこう。使用したカメラはSIGMA fpだ。まずは絞りによる写りの違いだ。絞り開放でのムーディーな描写、チョイ絞りによるいいとこ取りの写り、絞っての端正な描写など、表現意図によって自在に撮り分けられるレンズになっていると言えそうだ。
■ F1.4
■撮影機材:シグマ fp + 85mm F1.4 DG DN Art ■撮影環境:1/320秒 f/1.4 ISO100 焦点距離85mm
F1.4での描写は印象的だ。真ん中にある招き猫の瞳にフォーカスしているが、まるでそこだけにスポットライトが当たったかのように像が浮き上がり、周囲のボケ具合からクッキリと主張している。前後のボケも大きくフルサイズ機ならではの描写になっている。またスムーズで美しいボケは絞り開放での撮影を楽しいものにしてくれる。
■ F2.8
■撮影機材:シグマ fp + 85mm F1.4 DG DN Art ■撮影環境:1/80秒 f/2.8 ISO100 焦点距離85mm
2段絞ってF2.8でシャッターを切った。F1.4の絵と比較すると周辺光量が改善し、四隅が明るくなったことがわかる。またコントラストも際だってメリハリの感じられる描写になった。シャープさも増している。
■ F5.6
■撮影機材:シグマ fp + 85mm F1.4 DG DN Art ■撮影環境:1/20秒 f/5.6 ISO100 焦点距離85mm
さらに2段絞ってF5.6で撮影。画質がフラットで均一な描写となり、ピントも深く前後の招き猫が被写界深度に入ってきたのが確認できる。絞り開放F1.4時の描写とは異なり、このSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artは絞り値によってさまざまな写りを味わえるレンズだということが分かる。
作例
■撮影機材:シグマ fp + 85mm F1.4 DG DN Art ■撮影環境:1/3200秒 f/1.4 ISO100 焦点距離85mm
日射しを浴びる栗の木を絞り開放F1.4で撮影した。開放ながらピント面の栗は見事に解像しており、イガのシャープな様子をしっかりと写し出している。色合いと立体感もよく、背景のボケ感も上品に感じる。
■撮影機材:シグマ fp + 85mm F1.4 DG DN Art ■撮影環境:1/160秒 f/5.6 ISO100 焦点距離85mm
シグマ黒川本社近くの川で撮影した1枚。ユニークな水位表示をF5.6で撮った。ここまで絞ると画面全体が締まりカッチリとした印象になる。カラフルな色合いも見た目どおりに再現し、錆びたリベットや絡みついた植物などのディテールも良好だ。
■撮影機材:シグマ fp + 85mm F1.4 DG DN Art ■撮影環境:1/100秒 f/1.4 ISO100 焦点距離85mm
SIGMA fpにSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artを装着して強烈な日射しの中ブラブラと撮り歩いた。こんもりとした神社を見つけて日陰に避難して撮ったのがこのカットだ。龍の眼にフォーカスして絞り開放でシャッターを切ったが、背景のボケ感が素晴らしくいい。イヤな色づきもなく美しく柔らかい光芒が美しいではないか。積極的に絞りを開いて撮りたくなるレンズだと言える。
■撮影機材:シグマ fp + 85mm F1.4 DG DN Art ■撮影環境:1/250秒 f/1.4 ISO100 焦点距離85mm
電車内のつり革にフォーカスし、車内を絞り開放のボケで満たしてみた。ピント面のつり革がキレイに浮かび上がり、前後のそれもシルキーかつ消えゆくようにボケてくれた。また右側に入った光の感じもなかなか。車内のしっとりとした空気感までSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artは写しとってくれた。
■撮影機材:シグマ fp + 85mm F1.4 DG DN Art ■撮影環境:1/400秒 f/1.4 ISO100 焦点距離85mm
世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラSIGMA fpにSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artはよく似合う。ルックスがよいだけでなく、縦位置でもしっかりとホールドして構えることができた。サイズの大きいソニーα7シリーズならより安定した撮影が可能だろう。ボディ内手ブレ補正機能と相まって低照度のシーンでも勇気を持ってシャッターを切ることができるはずだ。
■撮影機材:シグマ fp + 85mm F1.4 DG DN Art ■撮影環境:1/320秒 f/8 ISO100 焦点距離85mm
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artは絞り開放から素晴らしい描写をしてくれるが、もちろん絞っても高画質だ。寺社の屋根部分をF8で撮影したが、その細かいディテール表現には舌を巻いた。避雷針の繊細な写りから微妙な凹凸、汚れ具合まで実に見事。より高画素のカメラでもしっかりと受け止めてくれる光学性能だ。
まとめ
ミラーレス一眼カメラ専用設計のSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artは中望遠プライムレンズの新基準となる1本だろう。新しい思想による設計と、贅沢な部材を使い、ハイレベルなビルドクオリティを持ち、卓越した高い描写を実現しているからだ。Lマウントユーザーはぜひ入手したいレンズに仕上がっている。ソニーαユーザーは「FE 85mm F1.4 GM」という選択肢も存在する。こちらは質量約820gとズシリとくる重さだが、絞りリングも同様に備えているし、メーカー純正という安心感もあるので、悩まれる方もいるはずだ。キタムラ店頭でその差を確認して判断してみて欲しい。
「85mm F1.4 DG DN | Art」はこちらの記事でも紹介されています
■シグマ 85mm F1.4 DG DN Art|新時代の究極のポートレートレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/477028619.html
この記事に使用した機材
【シグマ】85mm F1.4 DG DN Art ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】85mm F1.4 DG DN Art ソニーE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによるシグマ 85mm F1.4 DG DN Artのレビュー記事です。作例と共に是非お楽しみください。
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KEYWORDS:
中望遠単焦点レンズ,レビュー,85mm F1.4 DG DN Art,シグマ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX G100レビュー|綺麗な画質とリアルな音声が魅力的!
BASENAME: 477065185.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 08/28/2020 16:00:00
TAGS: LUMIX G100,パナソニック(Panasonic) ボディー,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ,マイクロフォーサーズ
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はじめに
2020年8月20日に発売になったパナソニックのLUMIX G100は、Vlog(Video Blogの略。文章ではなく動画で自分の日常や好きなことを表現するブログ)を撮影して発信するVloggerをメインターゲットとした、小型・軽量のミラーレス一眼です。
常に持ち歩けるサイズ感と、自撮りがしやすい機能を搭載していますので、これからVlogやYouTubeチャンネルを始めたい方はもちろん、今まで写真だけを楽しんでいたけど、これから動画撮影にも挑戦したいと思っている方にもお勧めできる製品です。今回は、動画と写真の両方の視点でレビューをお送りします。
キットレンズと手ブレ補正機能でお手軽撮影
VIDEO
■撮影機材:LUMIX G100 + LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
■出演:大川成美/筆者
本機の販売形態は、ボディと標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」がセットになったKキットと、それにプラスしてトライポッドグリップ「DMW-SHGR1」がセットに加わるVキットの2パターンがあります。
このトライポッドグリップは、静止画シャッターボタン、動画記録ボタン、スリープボタンの3つを搭載し、ミニ三脚としても使用できるので、手持ち撮影や自撮りがしやすくなるアクセサリーとして、とても有能です。単体での重量は102gと軽量でコンパクトなので、カメラに付けたままでも邪魔になりません。自撮りが多い方はグリップがセットになったVキットのほうが便利に使えるでしょう。また、このグリップはG100以外にも、7月21日に公開されたファームウェアをダウンロードすることによって、LUMIXシリーズのGH5、GH5S、G9、G99、G8でも使用(一部機能制限あり)できます。
本機は20.3M Live MOSセンサーを搭載しており、解像力と繊細なグラデーションの表現力は、他のLUMIX機種と同様に高いクオリティを維持しています。動画にも力を入れてきたパナソニックだからこそ、静止画と動画の高い撮影機能が並び立つこの性能のカメラを、今、発売することができたのでしょう。
筆者はキットレンズの「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」とは、GF9からのお付き合いなのですが、沈胴式で薄くて、焦点距離は35mm判換算で24~64mmと使いやすい画角のため、街中のスナップや海外旅行などで重宝しているレンズです。G100のキットレンズとしても、サイズのバランスはベストでしょう。
本機を使用する方は、歩きながら自分や周りを撮影することが多いと思います。動画撮影時の手ブレ補正はキットレンズを使用した場合、カメラ本体の5軸電子手ブレ補正(E.I.S.)と、レンズの2軸光学手ブレ補正(O.I.S.)が連動する5軸ハイブリッド手ブレ補正が、大きな歩きブレや、手持ち撮影によっておこる手ブレを補正してくれます(4K動画撮影時は4軸補正となります)。
この手ブレ補正は「OFF」、「標準」、「強」の3段階あり、「補正:強」を使用するとかなり画角が狭くなるので、手持ちでの自撮りの場合は自分が見切れないように気をつけましょう。作例動画は、モデル出演の作例は、筆者がカメラを持って一緒に歩いて撮影、筆者出演の作例は、トライポッドグリップに装着した本機を自分で持って撮影しています。
結果、キットレンズを使用した歩きながらの撮影は、なるべく上下に揺れないようにゆっくりと歩けば、「補正:標準」が補正力も画角もちょうどいいと感じました。どうしても荷物になってしまうジンバルを持ち歩きたくない方には、お手軽なトライポッドグリップと本機の組み合わせがいいでしょう。
内蔵マイクとスロー&クイック機能
VIDEO
■撮影機材:LUMIX G100 + LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
■出演:大川成美
※イヤホンでご視聴いただくと、さらに臨場感を体感できます
臨場感ある音声を収録できる内蔵マイク
本機はNOKIA社製のOZO Audioを採用した内蔵マイクを搭載しているので、シーンや好みに合わせた臨場感満載の音声を収録できます。作例ではモデルがカメラの周りを回ったり、左右を行き来していますが、本当にその方向から声が聞こえてきますので、音声の臨場感をさらに感じていただくために、イヤホンでのご視聴をお勧めします。
音声収録の目玉は、業界初搭載の「トラッキングモード」です。これは、顔・瞳認識AFと画角に連動して、人がどこにいるかをカメラが判別して、収音範囲を自動調整してくれます。LUMIXシリーズのカメラは顔・瞳認識AFの精度がとても高いので、この「トラッキングモード」との相性は抜群にいいです。特にイヤホンを使用すると、本当に写っている方向から声がするので、その場にいるような臨場感を体感できます。
続いて、筆者が気に入ったのが「サラウンドモード」でした。360度ぐるり周囲の音を収音してくれるので、人の声はもちろん、足元の水音や、木の上で鳴いているセミの声、遠くでケンカする犬の吠え声などを、距離感もそのままに再現してくれます。
初期設定の「オートモード」は、撮影するシーンに合わせてカメラが自動的に音声を調節して記録します。前述の「トラッキングモード」と「サラウンドモード」を状況によって自動的に切り替えてくれるので、特に意図がある撮影でない限り、オートモードで撮影すれば手軽にリアルなサウンドを手に入れられます。
「フロントモード」は、カメラの前方の音を収音しますので、出演者が全員前にいるシーンや、後ろの操作音を拾いたくないときに便利です。「ナレーションモード」は、カメラの後ろの音を収音します。少し後ろや上から話しているような、動画を見ている人が画面に集中できる音声になりますので、説明動画や自分目線のVlogなどに使用すると素敵でしょう。
なるべく持ち物をミニマムにしたいVlog撮影時に、外付けマイクが無くてもここまで臨場感あふれる音声収録ができる内蔵マイクはとても楽しくて、これからも色々なシーンで試してみたいと思いました。ただ一点、カメラ本体に直接開いている穴のような形状のマイクなので、風防が装着できません。風音キャンセラー機能も搭載していますが、ビルの間や海辺のような強い風のなかではあまり意味を成しませんので、何かいい方法を探さないといけないかなと感じました。
個性的な動画が撮れるスロー&クイック機能
動画で多用されるスローモーションを簡単に撮影できる「スロー&クイック動画」機能は、モードダイヤルに単独して搭載されています。ここに合わせるだけで、1/4倍スロー、1/2倍スロー、2倍クイック、4倍クイック、8倍クイックの動画を撮影できます。
作例には1/4倍スローと8倍クイックを収録しましたが、クイック撮影の動画は少し長めに撮影すると楽しいでしょう。動物や子供を撮影すると、コミカルで楽しい動画になりそうです。編集を勉強しなくても、スローとクイックの動画を気軽に楽しめるので、日常をもっと印象的に撮影したい方はもちろん、動画初心者の方が動画の楽しさに触れられる、面白い機能だと思います。
美肌モードを自分で作れるフォトスタイル
VIDEO
■撮影機材:LUMIX G100 + LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
■出演:大川成美
LUMIXのカメラで特筆したいのが、人肌を綺麗に描写してくれることです。筆者はLUMIX G9でポートレートを撮影することが多いですが、その理由として女性の肌色を美しく、健康的に表現してくれるからです。
キットレンズの「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」は、コントラストの高いくっきりとした写りのレンズなので、被写体を鮮やかに描き出してくれます。風景やスナップではそれがいい味を出してくれるのですが、動画で自撮りや人物を撮影するときはフォトスタイルを人物モードにすると、シャープさが少し和らぎ、全体に優しく顔を描写してくれます。
さらに、自撮りをしたいけど今日は顔のコンディションがいまいちと思うときは、メニュー画面から各フォトスタイルの詳細調整ができますので、人物モードのコントラストとシャープネスをマイナス2くらいに調節すると、全体にさらにふんわりとした描写の美肌モードを自分で作成することができます。
また、本機はLog撮影機能「V-Log L」がフォトスタイルとして搭載されています。「V-Log L」とは、マイクロフォーサーズセンサー用に最適化されたLog特性で、通常のV-Logと同じLUT(ルックアップテーブル)を利用したカラーグレーディング編集作業が可能です。
G100でPV風ムービー
VIDEO
■撮影機材:LUMIX G100 + LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
■出演:大川成美
動画の作例として、グラビアアイドルの大川成美さんにモデルとしてご協力いただき、PV風のムービーを作成しました。レンズはキットレンズのみを使用しています。
レンズ交換できるのは最高のメリット!
■撮影機材:LUMIX G100 + LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F1.2 1/640秒 ISO400 +0.7EV AWB フォトスタイル:人物 ■モデル:大川成美
自撮りだけなら、気軽に撮影できるスマホでもいいのでは……と思う方も、レンズ交換できる本機で、ポートレートの神レンズを使用すれば、ガラッと気持ちが変わることでしょう。
作例で使用した「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.」は、35mm判換算で85mmの中望遠画角、F1.2の大口径で柔らかく繊細なグラデーションを描き出してくれる、ライカの名称を冠するに相応しいレンズです。
筆者が普段からポートレート撮影で頻繁に利用するレンズですが、高性能ながら手のひらサイズでコンパクトなので、本機とのサイズバランスもしっくりきました。G9とこのレンズを使って動画を撮ったときは、仕上がった画の綺麗さに感動したので、G100とこのレンズとの組み合わせの動画撮影が楽しみになりました。
「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.」の作例は
こちら(モデルの気持ちがわかるポートレート撮影術 ~オススメLUMIXカメラ&レンズ~) の記事でもご覧頂けます。
■撮影機材:LUMIX G100 + LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:F1.2 1/2000秒 ISO200 +1.0EV AWB フォトスタイル:人物 ■モデル:大川成美
動画も静止画も高いクオリティの日常用カメラ
■撮影機材:LUMIX G100 + LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. ■撮影環境:焦点距離:12mm F3.5 1/3200秒 ISO200 AWB フォトスタイル:風景
本機の購入を検討しているのは、動画撮影に興味を持ち始めたばかりの方も多いと思います。4K動画撮影が可能で、V-Log Lも搭載されている、AFの性能は高く、顔・瞳認識AF機能は特に秀逸、3.0型のフリーアングルタッチパネルモニターは炎天下でも見やすいので、ローアングルやハイアングルの撮影も無理なく行える、滑らかで解像度の高い画質を再現するヴィーナスエンジン搭載で、ハイクオリティな撮影が手軽に行える。そして、とても有効的な価格設定になっています。
動画機が高くて手を出しにくかった方も、気負いなく購入検討ができるレンズ交換式の動画カメラとしてお勧めできるのと共に、小さくて硬派なデザインの持ち歩き用常用スチールカメラとしてもお勧めできる、パナソニックらしい機種に仕上がっていると思いました。
■撮影機材:LUMIX G100 + LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. ■撮影環境:焦点距離:32mm F5.6 1/640秒 +0.7EV ISO200 WB:晴天 フォトスタイル:ヴィヴィッド
■撮影機材:LUMIX G100 + LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. ■撮影環境:焦点距離:23mm F5 1/100秒 +0.3EV ISO200 AWB フォトスタイル:風景
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-G100K-K 標準ズームレンズキット
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX DC-G100V-K 標準ズームレンズ トライポッドグリップキット
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんによるパナソニック LUMIX G100のレビュー記事です。動画による機能紹介やモデルの大川成美さん主演の動画作品もご覧頂けます。
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KEYWORDS:
レビュー,LUMIX G100,パナソニック,vlog
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ニコン NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sレビュー | 待望のZマウント大三元 望遠ズームレンズ
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 08/31/2020 11:00:00
TAGS: NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S,ニコン(Nikon) レンズ,スナップ,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
ニコン Z シリーズカメラ用望遠ズームレンズ「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」が発売になった。待ちに待ったこのレンズは全域F2.8通しで、レンズ交換式カメラ用「NIKKOR」レンズ史上最高の手ブレ補正効果5.5段を誇る高性能な一本だ。これがあれば「Z」マウントもひと通り超広角から望遠まで、隙のないレンズ構成で撮影対象に挑むことができるので、フォトグラファーから大きな注目を集めている。
魅惑のスペック
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」の先進的なスペックを見てみよう。
・焦点距離 70mm-200mm
・最大口径比 1:2.8
・レンズ構成 18群21枚(EDレンズ6枚、非球面レンズ2枚、蛍石レンズ1枚、SRレンズ1枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
・画角 34° 20′-12° 20′(撮像範囲FX)、22° 50′-8°(撮像範囲DX)
・ズーミング ズームリングによる回転式
・ピント合わせ マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式
・手ブレ補正 ボイスコイルモーター(VCM)によるレンズシフト方式、手ブレ補正効果:5.5段※CIPA規格準拠、VRモード:NORMAL/SPORT、三脚使用時ブレ補正:有り
・最短撮影距離 0.5m(焦点距離70mm)、0.63m(焦点距離85mm)、0.68m(焦点距離105mm)、0.8m(焦点距離135mm)、1.0m(焦点距離200mm)
・最大撮影倍率 0.2倍
・絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
・寸法 約89mm(最大径)×220mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
・質量 約1440g(三脚座を含む)、約1360g(三脚座なし)
■引用:
ニコン ホームページ「主な仕様」
となっている。
全域F2.8通しで、高画質かつ被写体に接近でき、手ブレ補正もよく効くレンズに仕上がっていることが読み取れる。
ニコンらしい素晴らしい性能の数々
一番気になる点は新開発の「SRレンズ」とEDレンズ、非球面レンズ、蛍石レンズとの組み合わせにより、あらゆる撮影距離で卓越した高画質を実現していることだろう。「SRレンズ」はニコン独自開発の特殊高分散ガラスを使用したレンズで、青より短い波長の光を大きく屈折させる特性も持ち、補正が難しい短波長の光を高度に集光して色収差補正を可能にしているという。
またレンズ構成の自由度が上がり、レンズの小型軽量化にも寄与しているとのこと。実際に撮影して感じたのは、絞り開放でも色に滲みがなくクリアな写真が撮れることだ。被写体の縁に現れる色づきもなく、安定した画質が気に入った。そしてスリムかつストレートな鏡筒の形状でホールドしやすく、被写体を狙いやすかったのも好印象である。また優れた逆光耐性を持つおなじみの「ナノクリスタルコート」と「アルネオコート」の両方を施すことによってゴーストとフレアを効果的に低減し、ヌケ感のあるクリアな描写を獲得している。
手ブレ補正も頼りになる。レンズ交換式カメラ用「NIKKOR」レンズ史上最高の手ブレ補正効果5.5段を実現した強力なVR機構は「SPORT」モードを搭載。ファインダー像を安定させながら、動きの速い被写体を確実に捉えられるようになっている。低照度のスローシャッター時から、アクティブな動きを追い求める撮影までオールラウンドで有効なものになっている。実際にこのレンズを装着した「Z」のファインダーをのぞくとそれがよく分かる。面白いように「ピタッ!」と像が止まって安定するのだ。あらゆるシチュエーションで安心してシャッターが切れそうだ。
動体を撮影すれば実感できるのだが、まるで吸い付くような感じで被写体が見えるのがスゴい。走っている人物をフォローしながら連写しても確実にフレーミングが可能だった。
また「マルチフォーカス方式」を採用することによって近距離での描写を格段に向上させていると同時に、Fマウントの「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR」同等のAF性能を実現。動体にも強い高速なオートフォーカス速度を誇っている。
しかも明るい望遠ズームレンズでありながらとても被写体に接近できるのが驚きである。ワイド端ではクラス最短の最短撮影距離0.5mを実現。テレ端では1.0mまで寄れるのだ。これは大きなアドバンテージだろう。スナップやポートレート、テーブルフォトまで撮影対象を選ばないズームレンズだ。
使い勝手もプロ仕様
レンズの性質上、報道やスポーツの最前線で使用されることも想定されており、防塵防滴仕様の構造は当然と言えよう。鏡筒の可動部分はもちろん、随所にシーリングを施している。またレンズの最前面には汚れなどが付着しづらく、もし付いてしまった場合も簡単に拭き取ることが可能な「フッ素コート」も採用されている。まさにプロ仕様である。
「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」と同じく、鏡筒に絞り、撮影距離、被写界深度などの情報を表示できる「レンズ情報パネル」を搭載。上面から暗い場所でも設定値がしっかりと確認できる。レンズ鏡筒にはレンズファンクションボタンを設置。「L-Fn」ボタンをボディに近い位置に、「L-Fn2」ボタンを遠い位置に2つ設けている。これによりさまざまな機能が割り当てることができ、ボディ側のFnボタンと機能を使い分けるなど快適な撮影が実現する。
さて作例を通して「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」の写りを見ていこう。カメラは「Z 7」と「Z 6」の両方を使ってみた。
■使用機材:ニコン Z 7 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離200mm
風になびく日本国旗をテレ端で撮影。風向きが変化しはためく向きが目まぐるしく変わったが、「Z 7」と「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は確実にフォーカスし続け、そのリアルな質感を克明に捉えた
■使用機材:ニコン Z 7 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF5.6 ISO400 焦点距離70mm
ワイド端でオフィスビルを撮る。力強くそして確実に真っ直ぐなラインをこのレンズは写しとった。ハイライト部からシャドウ部までの連続感や、ウィンドウ内部の様子まで描写がいい。ニコン独自開発の特殊高分散ガラス「SRレンズ」の性能はスゴい
■使用機材:ニコン Z 7 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF11 ISO400 焦点距離200mm
インテリジェントビルとその後方に上がってきた月をシューティング。F11までググッと絞って撮影したが、解像感はさほど落ちることなく、ビルのシャープさとともに月の表面の様子までしっかりと撮ることができた
■使用機材:ニコン Z 7 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離200mm
皇居前から東京駅を狙う。日射しがファサードにかかる時刻で、はためく国旗を見るとわかる通りなかなかの強風だった。「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」のとてもよく効く手ブレ補正機能のおかげでファインダー像が安定し、手持ちで確実に水平の取れたショットを手にできた。レンズ交換式カメラ用「NIKKOR」レンズ史上最高の手ブレ補正効果5.5段は素晴らしい!
■使用機材:ニコン Z 7 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離200mm
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」はヌケ感がとてもいい。「Z 7」のEVFをのぞいていても気持ちのいい像だ。またサイズ感もよく、「Z 7」とピッタリであった。着脱式の三脚座はカンタンに外せるので、手持ち撮影がメインの場合はスリムかつ軽量化できる
■使用機材:ニコン Z 7 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離200mm
絞り開放でも「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」の解像感はなかなかのものだ。手持ちでの縦位置撮影でもファインダー像が安定し、確実に狙ったフレーミングでシャッターが切れるのはとても気持ちがいい。リアル感あふれる柱とレリーフの描写が気に入った
■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離200mm
動体の撮影も快適だ。二子玉川をブラブラ撮影中に、やってきた電車をパッと撮影したが高速かつ確実にフォーカスし続けてくれた。豊富なオートフォーカスモードを持つ「Z」シリーズはこの「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」によって撮影領域がグンと拡がることだろう
■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF4 ISO100 焦点距離200mm
F4とひとつ絞って多摩川の杭を撮った。優しい前後のボケと、キレイなグラデーションの背景がイイ感じである。グリーンの色合いも夕景のそれを感じさせてくれ、見た目に近い自然な描写となった。風景からスポーツ、スナップまでオールマイティーに使えるレンズに仕上がっている
■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF5.6 ISO100 焦点距離200mm
多摩川をブラブラと歩く。東名高速越しに見えた富士山をテレ端で撮った。富士山頂の雪煙から丹沢表尾根にかかる雲、そしてシャドウ部にうっすらと見える東名高速の外壁まで「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は情報量豊かに捉えてくれた。このレンズ、イイね
■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF5.6 ISO100 焦点距離70mm
土手上を散策するカップルをシルエットで。ファンクションボタンで置きピンをして、ちょうどいいタイミングで「Z 6」のシャッターを切った。撮り手が使いやすいレンズデザインは撮影を妨げず、むしろアシストしてくれると感じた。F5.6とチョイ絞りで周辺光量も気にならず、キレイな空のグラデーションとなった。「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は「Z」ユーザー待望の高性能ズームレンズだと実感できた
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによるニコン NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sのレビュー記事です。作例写真と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン,NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S,レビュー,望遠ズームレンズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 彼岸花・キバナコスモスの撮り方|北村佑介
BASENAME: 477152253.html
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 09/01/2020 16:00:00
TAGS: 花
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BODY:
はじめに
こんにちは!北村です。今回は、初秋に撮ることができる花、彼岸花とキバナコスモスの撮り方をご紹介致します。
彼岸花の撮り方
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF135mm f/2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO200・1/250秒
彼岸花名所での一枚です。毎年行く場所なのですが、一面が赤で覆われた満開の彼岸花畑はいつ見ても圧巻です。彼岸花を撮るにあたって一番にお伝えしたいことは、満開の時に撮るのがオススメだということです。
他の花だと、イメージによっては咲き始めや咲き終わりに撮るのもおすすめなのですが、彼岸花は満開が一番です。咲き始めは、一本一本の間隔が空いていて前ボケが作りづらいです。前ボケが作れないと、その分バリエーションが減り、同じような写真を撮ってしまいがちです。そして、枯れると途端に撮りづらくなる花なのですが、咲き終わりは枯れた花が入りやすくなってしまいます。
そのような理由で、満開の時をおすすめしています。このように引いて小さく撮りやすいのも、やはり満開の時です。サイズが大きめの花なので、小さく撮るのは簡単ではありません。ですが、満開の時だと一本だけ飛び出ている花があるロケーションを見かけることもしばしばあります。一本だけ他と高さが異なれば、このように小さく撮っても主役感が薄れることはありません。
■撮影機材:ソニー α7RII + キヤノン EF135mm f/2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/640秒
雨上がりに撮りました。花に残っている水滴がキラキラしています。雨で濡れて花の色が濃くなっていたので、露出を大きめに上げてもしっかりと色が残ってくれました。花と背景が同じ色であるロケーションで、色の薄い場所を背景に選びました。そうすると、色の濃くなった花と色の薄い背景で上手くメリハリがつきます。花と背景が同じ色である場合は、濃淡でメリハリをつけると良いでしょう。
彼岸花を撮るにあたって、ピント位置で悩まれる方も少なくないでしょう。勿論、見せたい箇所にピントをあてる、という考えで良いと思います。それでも形状が複雑な花なので目安が欲しいという方には、シベの付け根にピントを合わせることをオススメします。シベの付け根にピントをあてると、メインとなる数枚の花びらにもピントが合いやすいです。長いシベの手前がボケて、だんだんとピントが合っていく様子は柔らかいイメージにもぴっ
たりの表現だと思います。
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/640秒
夕暮れの強い光を背に受け、キラキラと輝く一本を撮りました。彼岸花は形状やイメージ的に、ローキーで撮りやすくハイキーでは撮りづらいです。ハイキーで撮りたい時は、夕暮れの柔らかい光を用いて逆光で撮るとイメージを作りやすいです。彼岸花の花びらは、光に透かすとキラキラと光る赤になるので、逆光との相性も抜群です。夕方17時頃の光が特におすすめです。
また、このように余計な色を省き、同系色でまとめた時は光の強弱でメリハリをつけるのが良いでしょう。メリハリをつけず花もボケも同じ光の当たり方をしている部分を撮ってしまうと、主役の花が目立ちません。前ボケや後ろボケには、花よりも光が当たっている部分を選ぶと同系色でまとめてもメリハリがつき、主役の花に目が行く写真となります。
■撮影機材:ソニー α7RII + キヤノン EF135mm f/2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/500秒
先程と似たシチュエーションでの一枚です。先程より少し遅い時間、日没直前の僅かな光を使って撮りました。コントラストがあまりないため、色は出しやすくレタッチもしやすいです。逆光での撮影に慣れていない方は、このくらいの時間帯に撮影するのがおすすめです。
そして先程と大きく異なるのが背景です。青い背景は、砂利を敷き詰められた駐車場の地面。丸いボケは、光が反射している車です。この写真も135mmの単焦点を使って開放で撮っていますが、これくらいのレンズで花と背景の距離を充分にとると、後ろにあるもののほとんどを色として使うことができます。彼岸花は木々の中に咲いていることが多く、背景がマンネリ化しがちなため、是非色々なものを色として背景に使ってみてください。特にアスファルトなどのグレーのものは、自分が決めたホワイトバランスの色が乗りやすいのでおすすめです。この写真は、ホワイトバランスをカスタムで、ケルビンの値を下げ駐車場を青く写しました。綺麗な赤と青のコントラストを作ることができました。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM キヤノン用(非ART) ■撮影環境:絞り優先・50mm・F2.8・ISO100・1/125秒
いつもと少し違うイメージを。あたかも人が通った一瞬を切り取った風ですが、友人に20往復も30往復もしてもらってやっと撮れた一枚です(笑)。この日のために身体を絞ってもらい、歩幅や手の振り方などを変えて何十往復も歩いてもらったので、撮影者の何倍も大変だったことでしょう(笑)。土手に咲いていた数本の中から気に入った一本を決めて、友人をシルエットにして撮りました。手厚い協力のおかげで、ほぼイメージ通りに撮ることができました。
モノクロにした理由は、花と手前の部分でメリハリがつかず、同化してしまうシチュエーションだったので、モノクロにして手前を黒で締めて視線が行かないようにしました。
花は色が命なのでモノクロにすることはあまりありませんが、きちんとした理由がある時やイメージがモノクロな時は、そうすることもあります。勿論、何となくですることもあります(笑)。絞りは、シルエットの写り方を考えて少し絞りました。
キバナコスモスの撮り方
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF135mm f/2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/1000秒
公園の人目につかない場所で咲いていたキバナコスモス。早朝の光を使って逆光で撮りました。このような柔らかいイメージは、朝でも夕方でもやはり逆光がおすすめです。明るいもの、この場合は空をなるべく入れないように切り取り、写真の中に明暗差が生まれ
ないようにしました。そのお陰で花の色がしっかりと出せました。
朝や夕方の強い光の時に逆光で撮り、空を入れてしまうと写真に明暗差が生まれます。測光モードにも寄りますが、そうするとカメラが明るい空に露出を合わせてしまい、花が真
っ暗に写ります。このようなシチュエーションで花の色を出したい時は、明るいものを写真に入れない撮り方がおすすめです。
■撮影機材:キヤノン EOS M3 + EF-M11-22mm f/4-5.6 IS STM ■撮影環境:絞り優先・11mm・F11・ISO160・1/100秒
先程と同じロケーション、今度は広角レンズで絞って撮りました。空を入れて撮ったため、花は暗く写りましたが、このように花の部分だけレタッチで明るく仕上げました。レタッチをされる方、されない方いらっしゃると思いますが、空が入った花の写真はレタッチをして完成させるのがおすすめです。普段は絞り開放で撮ることが多いですが、写真に太陽が入るシチュエーションでは光芒の形を適したものにするためや白とびを防ぐため、F8~F11辺りまで絞ることが多いです。
■撮影機材:ソニー α7RII + キヤノンEF135mm f/2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/1250秒
雨の中での一枚です。花びらから滴る水滴が綺麗でそこも見てほしい部分であったため、イメージよりも少し大きめに花を写しました。キバナコスモスは普通に撮っても色が残しやすい花ですが、雨で色が濃くなった時はより残しやすいです。雨の日にキバナコスモスを撮りに行ったときは、積極的にハイキーで撮ってみましょう。
さいごに
今年は彼岸花もキバナコスモスも咲くのが非常に早い気がします。撮りに行かれる方は、例年よりも早い予定を組むと良いかもしれません。筆者の予想はあまり当たらないとの声をちらほら聞きますが、今年はどうでしょうか。今回も読んでくださり誠にありがとうございました!
それではまた次回。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんに彼岸花・キバナコスモスの撮り方を紹介頂きました。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,花,キヤノン,シグマ,ソニー,彼岸花,キバナコスモス
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX S5|驚く程小さくなったSシリーズが発表!
BASENAME: 477194138.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 09/03/2020 18:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX S5,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
約2週間前からティザーサイトが公開されていましたが、本日2020年9月3日にパナソニックからLUMIX S5が発表されました。パナソニックはマイクロフォーサーズでは機動性を重視する中、フルサイズのSシリーズではクオリティーを追い求めプロの仕事の道具としてのカメラを追求してきました。しかし今回新たに発表された同シリーズのS5はアマチュアからプロの方々まで幅広いクリエイターの方に向けてつくられたカメラとなり、Sシリーズの高性能はそのままに、とても小型化され取り回しが良いカメラに仕上がっています。
LUMIX GINZA TOKYOでは、LUMIX S5の先行展示が始まっており早速実機を触ってきました。今回は商品企画担当の方にお話しをお伺いしましたので、お聞きした内容と合わせてLUMIX S5をご紹介いたします。
外観から見られる特長
左:S1、右:S5
S1と比較すると、非常に小さくなった事が分かります。手に持ってみると、その軽さを実感しました。この小型・軽量化を実現するにあたり、シャッターユニットや手ブレ補正機構を新たに開発。また新開発のバッテリーにおいてもバッテリー性能の向上とは別に、カメラとの接点端子をどこにすればカメラボディを小型化できるかなど細部まで徹底的に拘ってつくられたようです。
外寸と質量
S5:約132.6×97.1×81.9mm、約630g
S1:約148.9×110 ×96.7mm、約909g
※外寸は横×高さ×奥行(突起部を除く)、質量(本体のみ)
背面モニターはフリーアングルです。これなら、小型軽量になったボディーを自在に動かして自由なアングルで撮影が出来ますね。
小型・軽量化の為に執念を燃やしてつくられたカメラであるとお聞きしていましたが、反対にシーリング構造で防塵・防滴仕様になっていて、ボディーはマグネシウム合金を使用しており高い堅牢性を実現するなど、Sシリーズのハイエンドカメラのブランドはしっかり守られており、この部分は驚きでした。ハイブランド維持と小型軽量化の両方をとる事はとても大変だったかと思います。
今回レンズキットにセレクトされたレンズのLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6は2020年7月に発売された新ラインナップで、レンズを装着した状態でもとてもコンパクトに感じました。超広角20mmスタートでスナップから風景撮影まで対応でき、遠近感を強調したダイナミックな映像表現や、スペースの限られたドキュメンタリー等の動画撮影もカバーできる組み合わせとなっており、とてもオススメです!
SDカードのダブルスロットを搭載。
移動中にUSB充電が可能で、給電しながらの撮影も可能にしています。ShaSha編集部では、S1Rを使って取材を行ったり、ここ最近ではLIVE配信を行うことが多いのですが、その際にType-Cでの充電や給電はとても重宝しております。
Sシリーズ譲りの操作性
Sシリーズでは、被写体から目を離すことなく、操作を完結できることを目指して、ボタンレイアウトはS1開発時に磨き上げたようなのですが、この操作性をS5にも採用していました。撮影者が被写体から目を離すことなく、指の感覚で、必要な操作を完結できるようなボタンレイアウトになっています。
シャッター速度と絞りを調整する前後のダイヤルに加えて、その間に位置するホワイトバランス/ISO感度/露出を瞬時に切り替えることが可能な3連ボタンを配置しています。
背面右上の親指で操作する部分についてはAFの枠などを瞬時に移動が可能なジョイスティックを中心にAF-ON/AFモード切替/Q.メニューボタンを配置しています。
プロフェッショナルな動画性能
S1HやGH5等で培ってきた放熱技術を更に進化させ、動画の連続撮影時間は4K60pや10bit撮影では30分、4K30p 8bit撮影であれば時間無制限などを実現しています(動作保証温度内における動画記録時間になります)。4K60Pや10bitのきめの細かな高精細な映像を30分間撮り続けられるのは本当にすごいことだと思います。プロ/アマ問わず、シーンの一瞬を捉える撮影現場において、カメラの熱停止が原因で、例えば、演者の動きを止めてしまう、あるいは、決定的な一瞬を撮り逃す、そういったことを極力なくすことできます。
14+ストップのLog撮影を可能にすることで、広いダイナミックレンジにより暗部からハイライト部分まできめ細かに描写し、豊かな諧調表現を可能にしています。
パナソニックのシネマVARICAMシリーズは映画、ドラマ、コマーシャルでは長年好評価を受けており、その業務用映像表現のVARICAM ルックを一眼カメラに搭載しています。エントリーからステップアップを目指す方も長期間使い続けることができ、また、プロフェッショナルユーザーも安心してお使いいただけます。またV-Logを搭載するS1HやS1、V-LogLを搭載するGH5・GH5S・G9などで撮影した素材と組合せても統一されたガンマ特性とルックにより、効率よく編集することができます。
高画質・高感度性能
イメージセンサーはLUMIX S1と同じ有効画素数約2,420万画素のものを搭載。パナソニック独自の技術でVARICAM やS1Hにも採用した高感度時のノイズ低減技術の「デュアルネイティブISOテクノロジー」を搭載しています。具体的には、一つのピクセルに低ISO回路と、低ノイズ・高ISO回路の2つのアナログ回路を有することで、ゲインアンプの前段でベース感度を切り替えることにより、高ISO時のノイズを抑制する技術になります。明るさに応じて、ベース感度を自動で切り替えてくれます。
AF性能の強化
AFシステムも、LUMIX史上最高の速度と精度を実現しているようです。特に人物への補足力、検出力、追従性は、認識処理の高速化により大幅に向上したとのことでした。また人物が後ろを向いた時でもAFで捉えることが可能なようにディープラーニング技術を活用した「頭部認識」を搭載。その他人体、顔、瞳、頭部、動物も検出可能にしています。
新たなアルゴリズムとDFDの進化により、静止画においても背景抜けしにくく、被写体が小さい場合でもしっかり捉えながら、一度失った場合でもすぐに捉えなおすなど、挙動を改善しています。
動画につきましても、アルゴリズムや認識処理の高速化により、撮影者が意図した被写体を捉え続けてくれます。
このあたりはショールーム内ではその実力をしっかり試すことが出来ませんでしたので今度レビュー記事の中で紹介して行きたいと思います。
手ブレ補正機能
センサーシフト方式のボディ内手ブレ補正は5軸方向の補正を行い5段分の効果があります。レンズ内手ブレ補正を搭載したSシリーズレンズを使用すれば、2軸のレンズ内手ブレ補正と5軸のボディ内手ブレ補正を連動させる「Dual I.S. 2」により、最大6.5段の効果を発揮してくれます。
さいごに
業務用VARICAMでのビデオカメラでの映像表現を追求してきたパナソニックだけに、アマチュアからプロの方々まで幅広い層につくったカメラにおいても、一切の妥協がないと感じました。普通であればSシリーズの中で一番小さく、軽いカメラになり、価格がお求めやすくなると、それと合わせて性能も低下するものと考えていましたが、S5に関しては、S1/S1Hの高評価であった画質、操作性、堅牢性、シネマクオリティーの映像表現に関しては、ほとんどそのまま継承し、ウィークポイントであった重量、価格、AF性能などはしっかりと改善しおり、良いところどりのカメラに仕上がっているのを感じました。
▼写真家 水咲奈々さんによるLUMIX S5のレビュー記事は
こちら からご覧頂けます。
パナソニック LUMIX S5製品レビュー|フルサイズ機デビューにぴったり!高性能な小型・軽量モデル
https://shasha.kitamura.jp/article/477649197.html
LUMIX S5 キャッシュバックキャンペーン
LUMIX S5のデビューを記念して、キャンペーン対象期間中にご購入の上、ご応募いただいた方にもれなく最大30,000円をキャッシュバック中です!
詳細はこちらからご覧ください。
LUMIX S5と他のカメラを比較
「LUMIX S5」と「LUMIX GH5」、「LUMIX G100V-K 標準ズームレンズ トライポッドグリップキット」、「ソニー ZV-1G シューティンググリップキット」の価格や主要なスペックの比較表を
こちらの「スタッフイチオシ」 で紹介していますので是非ご覧ください。
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-S5K-K レンズキット
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX DC-S5-K ボディ
商品詳細ページ
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EXCERPT:
2020年9月3日に発表になりましたパナソニック LUMIX S5を銀座ショールームへ取材してきました。商品企画担当の方にお話しをお伺いしましたので、商品を触って感想と合わせてご紹介いたします。
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KEYWORDS:
パナソニック,LUMIX,S5,Vlog
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AUTHOR:
TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.2|LEICA D-LUX7
BASENAME: 477247752.html
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 09/07/2020 16:00:00
TAGS: D-LUX7,ライカ(Leica) ボディー,ライカとカレー,ミラーレスカメラ,マイクロフォーサーズ
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BODY:
はじめに
桜が美しい季節から雨が美しい季節に。
いつの間にか、季節は春から梅雨に変わっていた。
しとしと
しとしと
今日も雨が降っている。
今年の梅雨は少し長いように思う。ここのところ毎日雨が降っているような気がする。でも、梅雨は嫌いじゃない。だって、雨が好きだから。正確に言うと、雨を撮るのが好きだから。
最初に説明すると、この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、毎回山本まりこが異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をする。そしてカレーを食べて帰ってくる、という内容の企画です。今回は、連載の第二回目。
先日、LEICA D-LUX7が私のところにやってきた。箱を開けると、小さなカメラがひょっこりと出てきた。小さなボディにLEICAの赤いロゴマークが輝いている。前回のLEICA M10はどっしりと重厚感漂うカメラだったけれど、今回のLEICA D-LUX7は、レンズがボディと一体になっているコンパクトカメラだ。403g。軽い。大体350mlの缶ジュースとじくらいの重さ。前回のLEICA M10と比べて、びっくりするくらい軽い。そして、小さい。
LEICA D-LUX7は、「ライカディールックスセブン」と読む。明るく高性能な「ライカDCバリオ・ズミルックス f1.7-2.8/10.9-34mm ASPH.」レンズを搭載、フォーサーズというコンパクトカメラとしては大きな撮像素子を採用し、有効画素数は1700万画素を誇る。SUMMILUX(ズミルックス)のSUMMはラテン語で最高のものを意味するSUMMA(ズンマ)から由来し、ルックスは照度の単位であるLUX(ルクス)のことであり、最高の明るさを意味する。
要約すると、最高の明るさのレンズを搭載し大きな撮像素子を持った超軽量コンパクトカメラ、ということ。
さあ、ライカと第二回目の旅はどこに行こう。
と、一瞬いろいろな場所が頭を過ぎったけれど、あの場所に行こう、そう思った。
江ノ島。
私は江ノ島が好きだ。好きな理由は分からない。でも、江ノ島を訪れると、不思議とパワーが出てくるんだいつも。ライカと一緒に江ノ島に行こう。
まずはお庭で
お気に入りの赤いカメラリュックにLEICA D-LUX7と予備バッテリーをポンと入れる。出発。
しとしと
しとしと
雨が降っている。
家の庭のザクロの実を撮ってみる。
撮影可能範囲は、50cmから。背景ボケも、うん、美しい。
カモミールも撮ってみる。こちらは、スナップショットプラスモードにて撮影。
撮影可能範囲は、ズームのワイド側で3cmから。すごい。レンズのすぐ先で、ピントが合う。そして、びっくりするくらい、ボケる。スナップショットプラスモードは、ほぼオートだけれど、明るさ・色合いを変えることが出来る。だから、自分の好みの写真に寄せることが出来る。
むむ。ボケる、そして、小さいのになかなか楽しい。
LEICA D-LUX7のファーストインプレッション。
さあ、江ノ島に行こう。
LEICA D-LUX7と江ノ島へ
東海道線に乗り、藤沢駅で江ノ電に乗り換えて江ノ島駅へ。LEICA D-LUX7をあれこれといじっていたら、あっと言う間に着いてしまった。車窓を撮る間もなく。しまった。
江ノ島は小雨、そして、強風。今日は雨の江ノ島を撮りに来たのだからいいの。雨がいいの。強風はちょっと大変だけれども。まずは江ノ島神社でお参りして、猫たちと遊んで、中村屋羊羹店の海苔羊羹を食べて、富士見亭のテラスでかき氷(レモン味)を食べながら海を見てボーっとする。江ノ島に行くといつもこのルーティンになる。このルーティンを終えて帰宅すると、いつも気持ちがいいんだ。何故か分からないけれど、いつもとっても気持ちがいい。江ノ島は、私のパワースポットなのだと思う。
てくてく
てくてく
ついつい、細い道の奥に行きたくなってしまう。路地裏を歩くのが好きだ。メイン通りから細い道にくいっと曲がると急に静かになる。その瞬間が気持ちいい。さらにもっと奥に進むと、家の生活音なども聞こえてきたりする。それを感じながら島を歩くのはとても楽しい。
メニューボタンをいろいろ触って機能を確認しながら撮影する。新しいカメラと出会うと、このカメラにはどんな機能があるのか、どんなことが出来るのかを知ってそれを試すのはわくわくする時間。知らないことを知るのは楽しいし、自分の作品の可能性がどこまで広がるのかを、そのカメラのスペックを体感して照らし合わしている時間だから。初デート、うん、お見合いみたいな時間かな、と思う。
「フォトスタイル」でスタンダードやヴィヴィッドなど自分好みの写真の風合いを決めることができ、さらに、コントラストやシャープネスなどの詳細を決めることができ、「ハイライトシャドウ」、「iDレンジコントロール」でさらに写真の硬さや柔らかさを決めることができる。柔らかくも、硬くも、緻密に設定可能。ちなみに、ハイライトシャドウは「コントラストを下げる」を選択。柔らかい写真が撮れる。小さいのに、やっぱり楽しいカメラだ。
猫と遊ぶ
まずは、江ノ島神社でお参り。
私達の、世界の未来がHAPPYで溢れていますように。と、静かに祈る。
あとそれと自分のことも少し。
てくてく
てくてく
あ、猫。
■フィルター:レトロ
■フィルター:レトロ
■フィルター:レトロ
■フィルター:レトロ
■フィルター:レトロ
■フィルター:レトロ
■フィルター:レトロ
かわいい。ああ、かわいい。猫ってなんでこう可愛いのだろう。こっち向いてちょっとニッコリしたような思わせぶりな態度をしたから後をついていったのに、一瞬目をそらしたらどこかに消えてしまった。ツンデレならぬ、デレツンだわ。まあ、そんなところに心がキューっとして可愛いと思ってしまうのだけれども。
猫のデレツンさにすっかりやられながら、画像を見返す。連写で撮ったから、画像が大量に保存されている。すごいたくさん。LEICA D-LUX7はこのコンパクトさにして4Kフォトを秒間11コマ連続して撮れる。と、その場で調べて知る。それはとても嬉しい。
私は、新しいカメラを持つと、何の情報もないまま撮り始めるのが好きだ。自分で触って設定して、いろいろ分かっていくのが好き。情報を入れてその先入観で撮るよりも、自分の手で体で心で体感するのが好き。例えば先に機能を知ってからカメラを持つと、きっとそれを撮るための被写体を探すけれど、「こんな小さなカメラで何を撮ろうかな」とワクワクした気持ちでカメラを持つと、被写体を無限の楽しみの中で見つけることが出来る。いつもそんな気持ちの中で撮りたい。感情が先にあって、結果でそれを表現できればそれが一番美しいのではないかと思っている。
ボタンをいろいろ触っていろいろ試していると、いやほんといろいろな機能が入っているなと思う。ああ、フィルターも入っているんだ。レトロ、オールドデイズ、ハイキー、モノクローム、ダイナミックモノクローム、インプレッシブアートなど22種類のフィルターが選択できる。さっきの猫さんは、レトロで撮影。
雨を撮る
てくてく
てくてく
しとしと
しとしと
あ、あんなところにアジサイが咲いている。
この時期アジサイをよく撮るけれど、その造形は本当に美しいなと思う。そして、最近こう思う。アジサイに青い色が多いのは、梅雨の時期はアジサイが青空の代わりだからなのかな、と。アジサイの花びらに大きな青い空を重ねながら、小雨の中撮影する。
雨の時に写真を撮るのを嫌がる人は多いけれど、私はいつも雨がもう少し降ってくれたらなあと思う。そうすれば雨とアジサイを一緒に撮れるのになあ、この時もこんなことを願いながらシャッターを切っていた。少しすると、本当に雨が強くなってざあざあと音を立てて降り出した。
ざあざあ
ざあざあ
雨の江ノ島。
撮りたかった写真、撮れました。
神様、アジサイ様、雨様、ありがとう。
ざあざあ
ざあざあ
さあ、先に行こう。
これは、大好きな中村屋羊羹店の海苔羊羹。羊羹だけど海苔(のり)の味がする。甘いけど海苔の味がする。とても不思議だけれど、とっても美味しい。江ノ島に来ると毎回食べる大好きなもの。
猫を撮る。再び。
あ、猫。
大福みたいだなあ。可愛いなあ。ちなみに、この写真は今回の写真の中で一番のお気に入り。タイトルは、「猫大福」。猫さん、写真を撮らせてくれてありがとう。ちなみに、先ほどの猫さんはレトロフィルターで撮影したけれど、こちらはマニュアル露出モードで撮影。
さあ、富士見亭に行こう。あそこのテラスで食べるかき氷が好き。今日は雨だから、きっとテラスには出ることはできないだろうけど。カレーもあったら食べたいなあ。富士見亭というのは、私が江ノ島に来るといつも行く場所。寅さんに出て来そうな昔ながらの外観と内観のお食事処。とっても居心地のいい場所。
雨は植物を輝かせる。雨に濡れた植物は雨のベールを纏って一層輝いている。
着いた。
富士見亭。
えっ。
あっ。
お休み。
がーん………
定休日は調べていったのだけれど、今は不定期にお休みをしているのかも知れない。あああ。仕方がない。お店の看板をパチリ。うう。
また来ますね。大好きですから。
さあ、カレーを食べに行こう。
遊ぶように撮る
とカレー屋さんに行くその前に。
江ノ島では、フィルターを変えていろいろな写真を撮った、遊ぶように撮った。そんな作品を。
■海を眺める。
■フィルター:ラフモノクローム
■空と海とトラックと。
■フィルター:ダイナミックモノクローム
■柔らかい時間
■フィルター:シルキーモノクローム
■高架下の波が面白いリズムで揺れている。
■フィルター:ラフモノクローム
■記念写真。
■フィルター:レトロ
■波打つ海。
■フィルター:インプレッシブアート
■お土産、輝く。
■フィルター:クロスフィルター
■雨の海、輝く。
■フィルター:サンシャイン
ボタンをいろいろ押していたら、「ポストフォーカス」という機能があるのを発見。どこにどのくらいピントを合わせるかを「後から」決めることができる機能。一回シャッターを切って画像を保存し、その写真を再生してタッチして、ピントを合わせる場所と範囲を決めるのだ。だから、一枚の写真から、こんな風にピントが合う場所が違う写真を作ることが出来る。後から。
一枚の写真から生まれるたくさんの写真。子供たちがたくさん生まれていくみたいだ。カメラの中にお母さんと子供たちがいっぱいいるみたいだなと思って少し笑った。
本日のカレー
さあ、カレーを食べよう。江ノ島だから、海を見ながら江ノ島らしいカレーが食べられたらいいなと思いながら歩く。Google検索もしてみる。何軒か出てくるカレー屋さんを見てみたり、江ノ島駅まで歩く間に数件のカレーを見たのだけれど、何だか気持ちが向かない。それならば帰りながらカレー屋さんを探そう、と江ノ電に乗り込む。
Googleで検索すると、帰り道沿いのたくさんのカレー屋さんが出てきた。数ある中で心をつかまれたのが「ケムリカレー」というスープカレーのお店。なんで「ケムリ」という名前なのだろう。気になる。その「ケムリ」という言葉に惹かれてGoogleの情報を見ると、とても美味しそうなスープカレーが並んでいた。うん、ここにしよう。
藤沢駅で東海道線に乗り換えて平塚駅で降りる。雨がさっきより強く降っている。ざあざあ。駅からちょっと歩いて、メイン通りから一本入った路地にちょうちんがずらりと光った飲み屋街のような場所に入る。うん、好き、この感じ。てくてくと歩いていくと、雨の中にケムリカレーの文字とモクモクとしたロゴマークの看板が見えた。ああ、やっとカレーが食べられる。
お店の前に立つと、暖かそうに光る店内が見えた。そのお店の佇まいとその空気感がなんだかすごく好き、そう思いながらお店に入る。にっこり笑顔の男性が出て来てカウンターに案内される。お店のオープン直後だったのでお客は私一人。店内はカラフルに彩られている。来たばかりなのに何だかとても居心地のいい空間だなと感じる。
たくさんあるメニューの中から迷ったけれど鳥野菜スープカレーを注文。今日もたくさん歩いたなあ9.1km、うん歩いた、と歩数計を見る。そして、今日の写真を振り返りながらカレーの出来上がりを待つ。カウンターの中では、先ほどの男性が、テンポよく野菜を油で揚げたりスープを温めたりしている。見ているのが気持ちいいリズム感。
待っている間は、スマホで画像を見ながら今日の撮影を振り返る。アプリ「Leica FOTOS」を入れてWi-Fiでカメラとつなげれば、カメラの中の作品をスマホやタブレットで見ることが出来る。もちろん、スマホに画像を転送することも可能。雨が美しかったなあ。猫が可愛かったなあ。
しばらくして、鳥野菜スープカレーがやってきた。
わあすごい。きれい。
思わず声が出てしまう。何種類入っているのですかと聞くと、何種類ですかねえ14種類かなとにっこりと男性が答える。美しく美味しそうにそして丁寧に盛り付けられたカレー。カウンターに戻ってパキパキとスープカレーを作る男性を背景にパチリ。本当は「なんでケムリという名前なのですか」と聞きたかったけれど、お客さんが次から次へとやってきて、なかなか聞くタイミングがなくてそのままスープカレーをいただく。
まずは温かいスープをいただいて、ごはんをスープに入れて、そして、お野菜、そして鶏肉。雨で冷たくなった体がどんどん温まってくる。やさしい味でスルッと口の中に入っていく。ああ幸せ。ここに来て良かった。ケムリカレーさんありがとう。名前の由来は分からないけれど、ありがとう。食べ終わる頃にはお店はお客さんでいっぱいに。それでもテンポよく作業する男性に申し訳ないけれどとお会計をお願いし、さらに、今回の企画をお伝えして掲載許可をお願いする。快くOKをいただく。ありがとうございます。
お店を出ると、さらに強い雨が降っていた。傘を射し、LEICA D-LUX7をきゅうと胸に抱いて雨の中を走った。いい一日だったなと思いながら光るちょうちん郡の下を走った。
後日のこと
次の次の日。江ノ島の旅は楽しかったけれど、でもどうしても気になっていることがあった。やっぱり富士見亭にも行きたかったなと。あまりにもその想いが強くて、再び江ノ島に向かった。やっぱり雨が降っていた。そして強風。ずんずん歩いて富士見亭に着くと、その日は開いていた。良かった。窓際に座ってレモン味のかき氷を注文する。本当はテラスで海を見ながら食べるのが好きなのだけれど、雨で強風だから仕方がない。
そう思っていたけれど、お店の人とお話したらなんとテラスにテーブルを出してくれると言う。雨で強風だから実際はテラスで食べることは出来ないけれど、写真撮っていいよと言って下さる。嬉しい。ありがとうございます。富士見亭のみなさんはいつも優しい。
雨風にびゅうびゅうと吹かれてかき氷がふっとぶのではないかとドキドキしながらもなんとか撮影をして、店内でかき氷をいただく。レモン味。ホッ。
ここのテラスから見る海が好きだ。水平線がすーっと通っていてでもちょっとカーブしていて、日本は島国なのだなと思う。そして、ここは地球なのだと思う。そんなことを思いながら海を眺めていると、空がピカッと光り出して、横殴りの雨が降り出した。バリバリバリッ、ドドーーーン!10m先に落ちたんじゃないかと思うほどの雷の轟がして、目を丸くする。お店にいる人たちもざわつく。
10分くらいすると、さっきの雨と雷がウソだったかのように空が明るくなって小雨に変わった。まだ遠くに見える灰黒い雨雲と雷の音を聞きながら帰り道を急いだ。途中、脇の木々の葉がまるで星のように輝いているのが見えて、思わず足をとめてシャッターを切った。遠くからウグイスの声がする。すぐ近くからひぐらしの声が聞こえる。もうすぐ梅雨が終る。夏が来る。
おわりに
ライカカメラと第二回目の旅。LEICA D-LUX7は、小さいながらもいろいろな角度から刺激をくれるとても楽しいカメラだと思った。とにかく、いろいろな写真が楽しむことができるところ、小さいながらもその写りは美しくしっかりとしていてライカのカメラという力強さを感じた。頼もしいと思った。ライカのカメラはまだ数台しか撮ったことがないけれど、ライカカメラを始めたいと言う人にはぜひ試してみて欲しいカメラだと思った。
今回でライカカメラとの二回の旅が終わった。二台とも全く異なるカメラだったので、ライカカメラの幅広い可能性を知ることが出来た。次回の旅も楽しみだ。
次はどの駅で降りようか。
どんなカレーを食べようか。
ライカと一緒に。
■中村屋羊羹店
神奈川県藤沢市江の島2-5-25
0466-22-4214
https://www.noriyoukan.com/
■ケムリカレー
神奈川県平塚市紅谷町12-11
090-8034-2528
https://www.instagram.com/kemuri_curry/
■富士見亭
神奈川県藤沢市江の島2-5-5
0466-22-4334
■参考文献
ライカHP(https://jp.leica-camera.com/)
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんによるライカ連載記事第一弾、LEICA D-LUX7で「カレーと旅」をテーマに様々な出会いを発見を執筆して頂いています。
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KEYWORDS:
ライカ,LEICA,D-LUX7,カレー
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AUTHOR:
TITLE: タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD レビュー | 日常と旅をこれ一本で
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CATEGORY: 石川望
DATE: 09/08/2020 16:00:00
TAGS: 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD,タムロン(Tamron) レンズ,望遠ズーム,サイクリング/自転車
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BODY:
はじめに ~日常と旅に最適なレンズを探す日々に終止符?~
自転車や旅をテーマに雑誌の編集などをしながら仕事、プライベート問わずに写真を撮っている僕は、最高の写真を撮るために最良の機材を選ぶという選択とは少し異なる機材セレクトをしています。もちろん最新の大口径単焦点レンズや、F値の低いズームレンズを使いたいけれど、機材が重くなってしまうと移動中に疲れてしまうことや、目標の行動を妨げてしまうことがあるので、今回の旅はどのくらい歩くか? サイクリングで何キロ走るか? などを考えた上で「少しでも軽量な機材・だけど良い写真が撮れる機材を」と、相反する要素に毎回葛藤しながら選んでいます。
そんな僕が日々試行錯誤している「機材の重量と写真の良さ」について両立してくれているレンズが、レンズメーカーのタムロンから2020年6月に発売されました。
半信半疑だった高倍率ズームレンズを使ってみた
今回レビューするレンズは、タムロンが2020年6月25日に発売した、ソニーEマウント用の『28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)』。その名の通り28-200mmの高倍率ズームレンズで、最小F値は可変するけれど高倍率ズームでは世界初となる“広角側でF2.8から使用できる”「明るさ」と、質量が僅か575gとなる「軽量・コンパクトさ」を兼ね備えたレンズです。
実は、僕はこれまでに高倍率レンズというものをほぼ使用してきませんでした。低いF値のレンズを使いたいということや、シャープでメリハリのある写真を求めたいこともあり、焦点距離が35mm、50mm、85mmといった単焦点レンズを組み合わせながら旅などでの撮影をしてきました。
しかし今回のレンズは高倍率ズームで、かつ軽量・コンパクトなレンズは、僕のように徒歩や自転車など、移動手段が人力中心という人にとっては“荷物の圧縮・軽量化”ができて軽快な撮影フットワークが得られそうということに期待し、同時に僕がいままで半信半疑だった高倍率ズームレンズの写りは、いったいどんなものかということについても興味があったので、このレンズ1本だけ装着したα7Ⅱを持って、身近なところから撮影を始めましました。ぜひ以下からの写真をご覧ください。
※今回の機材「タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)」と「ソニー α7Ⅱ」。この組み合わせで重量は約1,130g。以下の写真はすべてこの機材だけで撮影しています。
単焦点レンズで撮ったような写りが出てきた!
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 28mm F3.2 1/250秒 ISO800 AWB
前述したように僕があまりズームレンズを使ってこなかった大きな理由は、シャープな画や低いF値を活かした表現の写真が撮りにくいだろうというということで、レンズ交換をする手間や撮影現場で自分が動くことを、なんとかやってきながら単焦点レンズの組み合わせで撮ってきたのですが、今回のレンズ「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」を使い始めてみると、ズームレンズの“写り”の不安は、どこかに行ってしまいました。
撮り始めた初日、近所を徒歩で巡りながら、休憩がてら寄ったカフェで、なにげなく撮ってみると、「えっ、これが高倍率ズームレンズの写り?」という、シャープでボケ味も滑らかな写真が出てきました。
軽量・コンパクトさを得て、旅や散歩の機動性を上げる選択肢にしようと思って使い始めた高倍率ズームレンズだけど、写りの良さに感激してしまって、その場でα7Ⅱのモニターに写ったこの写真をスマホで撮って「まるで、単焦点レンズで撮ったような写りの写真がでてきたんですが!」とタムロンにメッセージしてしまっていたほどです。
単焦点レンズは好きだけれども、このレンズがあれば、新たな撮影フットワークが得られるのではと頭をよぎった瞬間でした!
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 28mm F5.6 1/1600秒 ISO400 AWB
羽田空港の新航路運用のため東京の街中で見かけることが多くなった着陸間近の旅客機。飛行機のクローズアップよりは、街の雰囲気も一緒に写したいと思って広角側で撮影。焦点距離28mmがあると、街散歩中のスナップシュートには何かと便利だ。
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 28mm F3.2 1/60秒 ISO1600 AWB
夜の街中撮りも万能! 上の写真と同様に広角側で撮影。28mm単焦点レンズで撮ったような、歪みが少なくシャープで黒も締まった雰囲気に。もうこのレンズ1本だけで旅や散歩ロケができる気が……。
28から200mmという焦点距離を使いこなす
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 200mm F5.6 1/2000秒 ISO200 AWB
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 28mm F2.8 1/5000秒 ISO200 AWB
僕はこのレンズを使ってみて最初に感じたことは、高倍率ズーム域の広さというよりは、単焦点レンズで撮れるような写りに感動したことを先に記しましたが、もちろんこれ1本で広角(28mm)から望遠(200mm)まで撮れるということについても、しみじみ実感することができました。上の写真は、200mmで撮った後に、同じ位置の28mmで撮った2枚の写真です。同じレンズなのに写る範囲の振れ幅がすごいことを早速実感。
自分が動かなくてもレンズの交換をしなくても、これほど異なる2枚の写真が瞬時に撮れるのが高倍率ズームレンズの魅力なんだなと感じつつ、朝焼けの難しい空の色味を破綻せずに描写してくれました。
ところで高倍率ズームレンズを使うことによって心配だったことがありました。自分が動かずともいろんな写真を狙えるので、撮ることに対して横着してしまうんではないかと思っていたのですが、それぞれの焦点距離に合う構図を常に探してしまっているので、結果全く楽できておりません(笑)。
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 28mm F6.3 1/640秒 ISO100 AWB
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 200mm F5.6 1/200秒 ISO100 AWB
被写体の大きさは同じくらいだけど、撮影時の焦点距離がそれぞれ28mm(上)、200mm(下)で撮った写真を並べてみる。1枚目:広角ならではの景色がワイドに広がる雰囲気。2枚目:望遠ならではの圧縮感。焦点距離によって異なる、それぞれの持つ表現が、このレンズ1本でできてしまうのは本当に驚きで、高倍率ズームレンズを使ってこなかった僕にとっては新鮮な発見だ。
マクロレンズ、家に置いてきても大丈夫!
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 28mm F2.8 1/250秒 ISO200 AWB
タムロンがリリースしているソニーEマウント用レンズの共通した特徴として、マクロでの撮影性能を重視していることがあります。もちろんこのレンズも広角側の28mmでは最短撮影距離が0.19m、望遠側の200mmでは最短撮影距離が0.8mと、いずれの焦点距離でも寄れる性能を重視し、たとえば水滴などの超クローズアップでなければ、充分に寄ったマクロ写真を撮影できてしまうほどの性能を持っています。上の写真は、広角側28mmに設定して、紫陽花をフレーム一杯におさめてみました。
僕はそれほど被写体単体をクローズアップするような本格的なマクロ写真を撮ることがあまりないのですが、寄れるレンズがあると旅写真のバリエーションが増えてくれると同時に、広角側での寄れる性能とF2.8の明るいF値を活かした、主役の被写体の周りの雰囲気も写し込むような写真も狙えるのはとても便利です。
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 28mm F2.8 1/400秒 ISO1600 AWB
広角側(28mm)で夜の街を広く見せつつ、それらの背景が玉ボケになるような、低いF値(F2.8)を活かした写真を撮ってみた。
まとめ ~写りの良い高倍率ズームで写真旅を楽しみたい
旅が好きな方は、荷物をできるだけ少なくしたいと考えている。けれど写真が好きな人ほど、旅先で出会った絶景や素敵な出会いを、できるだけ最良の1枚で残したいと考えてしまって、機材が増える&重くなってしまう……といったジレンマと戦っているハズです(自分もその一人)。その解決方法の一つが、このレンズを使うことではないかと感じました。軽量・コンパクトさと写りの良さ、そしてコストパフォーマンスの良さは、メーカーの努力によって両立してくれるということを証明してくれる一本と感じるハズです。
もしも、どうしてもこのレンズ一本で旅先の写真を撮るには物足りないという人は、景色が好きな人ならば、さらに広角のレンズ、例えばタムロンの「20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)」や、ポートレートが好きな人は、F値がもっと低い中望遠レンズを何か1本、追加して持っていけば更に写真旅は充実するはずです。
僕はこのレンズを発売前から使用させていただいていたのですが、ちょうど慣れてきたころに月刊のカメラ雑誌「デジタルカメラマガジン(インプレス刊)」から“1万円で行く写真旅”というテーマで、旅記事の撮影と執筆の依頼をいただき、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)をメインで使った写真で構成した記事を作成しました。記事は「デジタルカメラマガジン 2020年8月号(https://book.impress.co.jp/books/1120110207)」に掲載されました。本記事の最後に、その際に撮った旅写真のアザーカットを掲載しますので、少しでもこのレンズで撮った旅の雰囲気を感じていただければ幸いです。
さて、あまりに万能に撮れすぎてしまっている本レンズですが、旅や散歩で写真を撮って楽しむ人は、ぜひこの高倍率ズームレンズを選び、荷物が軽くなった分、もう少し先まで旅先を伸ばしてみて、いままで撮れなかったところまで足を運ぶのはいかがでしょうか?
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 62mm F5 1/200秒 ISO800 AWB
「デジタルカメラマガジン 2020年8月号」の連載記事“1万円で行く写真旅”で、僕が選んだ旅先は東京の島「伊豆大島」。都心から120km離れた島内では、大自然のフォトジェニックなスポットが次々と遭遇することができ、写真好きにはたまらない、都心に住む人にとっては気軽に行ける離島のひとつ。写真は人気の写真スポット「泉津の切通し」。この場所には日がなかなか差し込まず、引いて撮るのもなかなか難しく、雰囲気を捉えるのが、なかなか難しいが、高倍率ズームレンズのおかげで構図がすんなり決まることに。
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 28mm F3.5 1/60秒 ISO250 AWB
伊豆大島・元町エリアにある完全予約制のカレー店「木里吉里(きりきり)」でお昼を。ゆったりとした店内の雰囲気も素敵だったため、広角側で寄れる性能を生かしながらカレーと店内を一緒のカットに収めてみた。僕は旅写真においては、美味しかった料理を食べたいという写真を撮ることとだけで満足せず、できればそこに行って食べてみたいといった、その場の雰囲気を伝えられるような写真も撮るようしているので、このようなレンズはとっても重宝する。
■撮影機材:SONY α7 Ⅱ + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
■撮影環境:焦点距離 28mm F5.6 1/160秒 ISO800 AWB
伊豆大島への行き帰りは、大型客船「さるびあ丸」に乗って。行きは夜出港のため、写真を撮れるチャンスは東京湾の夜景くらいだけど、帰りは日没前後の素敵な光に包まれたシーンが次から次へとやってくるので、写真好きには全く休む間もない嬉しい時間帯が続く。写真は東京の品川埠頭に接岸したばかりの2隻の巨大コンテナ船と、さるびあ丸がカーブした際の軌跡、マジックアワーの空といった少し欲張りな状況を広角側28mmで。
タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXDと他のレンズを比較
「タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」と「タムロン 18-200mm F3.5-6.3 Di III VC」、「タムロン 28-300mm F3.5-6.3 Di VC PZD」、「ソニー FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS」の価格や主な特長比較を
こちらの「スタッフイチオシ」 で掲載していますので是非ご覧ください。
この記事に使用した機材
【タムロン】28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ソニーEマウント用(Model A071)
商品を見る
【ソニー】α7II ボディ [ILCE-7M2 B]
商品を見る
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ライターの石川望さんにタムロンの望遠ズームレンズ「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」をレビューいただきました。日常や旅に持ち出すレンズがこれ一本で済んでしまう魅力を作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
タムロン,望遠ズームレンズ,28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: 写真家に教わるスマートフォン撮影のコツ!|人物を撮る編
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 09/11/2020 16:00:00
TAGS: iPhone,google pixel,スマートフォン撮影のコツ,撮影テクニック,スマートフォン,人物_子供
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BODY:
はじめに
誰でも手軽に美しい写真が撮影できるスマートフォン。いつでも、どこに行くときも常に携帯しているので、フォトジェニックなシーンを撮り逃しません。今や人々に「一番使われているデジタルカメラ」と言ってもいいでしょう。これだけ多くの人たちに使われるようになった理由に「操作が簡単だから」ということがあります。撮りたいものにスマートフォンを向け、シャッターボタンを押すだけでいいのですから。
何気なく撮影してしまうスマートフォンですが、ちょっとした気配りでより見栄えのする写真を撮ることが可能です。この連載ではそのコツを皆さんにお伝えしていきます。
第4回目は「人物を撮る」編です。家族や友だち、仕事仲間など人物を撮る機会はもっとも多いのではないでしょうか。iPhone 11 ProやPixel 4を使って、その場でパッとキレイな写真が撮れるコツをお教えします。キモはズバリ、構図と光とレンズワークです。
グリッド線を使って安定感ある構図を
久しぶりに友人と会ったとき、ちょっとしたお出かけで記念写真を撮るときなど、スマートフォンは気軽なため、手にしたそのままの状態でシャッターを切りがちです。
第1回の「基本設定編」 、
第2回の「都会を撮る編」 、
第3回の「風景を撮る編」 でもお伝えしたように、グリッド線をディスプレイに表示させ構図の参考にしてみましょう。ほんの少しだけスマートフォンを動かして、フレーミングを変えるだけでグッと見栄えが良くなった写真が撮れるはずです。
Pixel 4のカメラ画面にグリッド線を表示させました。9つあるブロックの中央にモデルの顔を配置した「日の丸構図」でシャッターを切りました。オーソドックスな構図ですが安定感を感じられますね
このカットは、グリッド線の左下交点にモデルの顔を配置したものです。このように、交点に被写体を置くと印象的な写真になるので覚えておきましょう
次のカットは、左上の交点にモデルの顔を配置しました。前のカットとだいぶ見た感じが変わりましたね。先ほどのカットは「桜とモデル」という印象でしたが、こちらは「モデルと桜」という雰囲気になり、写真の主題が桜からモデルに感じられるようになりましたね
またスマートフォンの高さを変えると、より画面に変化をつけることが可能です。立った状態から、手を伸ばしたりしゃがんだりして撮影すると違った写真に仕上がります。
Pixel 4のポートレートモードを使い、川を背景にしてシャッターを切りました。目線の高さで撮っているので奥行きを感じる仕上がりになりました
このカットはPixel 4を高く掲げて同じ場所で撮ったカットです。高さが少し変わるだけで、拡がり感がある写真に変わりました。同じ場所で撮ってもアングルを変えると写真の出来が変わるのがお分かりいただけたと思います。
このように人物を撮影する時に「いいな!」と思う背景の場所では、グリッド線を活用して構図を変化させ、なおかつスマートフォンの高さを変えることによって、豊かなバリエーションをいくつも撮ることが可能になってきます。
またモデルの顔も、正面、右向き、左向きというように動かしてもらってシャッターを切るといいでしょう。たくさん撮影してお気に入りのワンカットを選びましょう。
明るさと光を意識する
構図とアングルが決まったら次は明るさを意識してみましょう。人物写真はやはり顔が命。顔が暗くならないように露出を補正してちょうどいい明るさにしましょう。
Pixel 4を構えてシャッターを切りましたが、やや顔が暗くなり表情が沈んだ印象です。やはりもう少し明るく撮影したいところです
こちらはPixel 4の撮影画面ですが、右側に2つのスライダーが表示されていますが、上はハイライト部、下はシャドウ部の明るさを調整できます。自分好みに別々に調整できるのが便利ですね
両方のスライダーを明るくスライドさせて、桜とモデルの表情もわかりやすくなりました。女性を撮る場合は明るめに仕上げると喜ばれることが多いので、プラスに補正するのがオススメ
今度はiPhone 11 Proで撮ってみました。超広角カメラで太陽を背にしているので、モデルが逆光状態になっています。従ってやや暗く写ってしまっています
ディスプレイをタップして明るくプラス補正をして撮ったカットがこちらになります。超広角カメラのパースペクティブと、独特のレンズフレアが爽やかで、とてもいい雰囲気を演出してくれました
人物を撮影する場合、モデルの立ち位置にも注意したいものです。立つ場所によって光の当たり方が異なる場合があるからです。
モデルが日陰に入っているカット。フラットで肌のトーンを優しく写し撮ることができました
同じ場所でモデルに一歩動いてもらいました。すると右側から太陽光がダイレクトに当たりました。コントラストが高くなり、立体感が豊富になったのがお分かりいただけるでしょう。男性を撮る場合はこのような光でもいいと思いますが、女性の場合は日陰の方が好ましい感じがしませんか?
このようにスマートフォンの機能で明るさをコントロールする「露出補正」と、被写体の立ち位置によって変化する「光線状態」を見極めて撮影に臨みましょう。両方がうまくシンクロすると、きっと素晴らしい人物写真になることでしょう。
レンズワーク
iPhone 11 Proは3つ、Pixel 4は2つのカメラを搭載しています。そのカメラを使って、異なる印象の人物写真を撮ってみましょう。基本的に人物をスタイル良く見た目に近く撮影する場合は望遠側のカメラを使うといいでしょう。
なぜなら、超広角カメラや広角カメラの場合は大きく人物が歪んでしまうからです。もちろん意図して使用する場合はこの限りではありません。
iPhone 11 Proの広角カメラでモデルと桜を撮影しました。見上げて撮ったので拡がりのある印象のカットになりました
次は望遠カメラです。望遠といってもフルサイズ換算では52mm相当なのですが、広角レンズによるデフォルメ感がなくなって、モデルのスタイルが見た目に近く撮影できました。
ポートレートモードを駆使する
iPhone 11 Pro、Pixel 4の両機種とも背景をぼかすことが可能な「ポートレートモード」機能を搭載しています。人物撮影でこれを使わない手はありません。背景をぼかすことができるということは、モデルの後ろにうるさい背景があってもぼかして気にならないようにすることができるということです。人混みなどモデルが埋もれがちなシーンで有効的に活用しましょう。
iPhone 11 Proの場合は「ポートレートライティング」機能を使えば、モデルの顔を明るくすることもできます。Pixel 4の場合は後ボケだけでなく、前ボケも思いのままにコントロールできるのが特徴です。
アプリで楽しくレタッチする
うまく人物撮影ができたらアプリでより美しく印象的に仕上げてみましょう。オススメのアプリはグーグルの「Snapseed」です。iOSもAndroid版もあり、無料なのにさまざまな写真の加工が可能です。プリセットの「効果」をかけるだけでも作例のような写真に仕上げることができます。
プリセットの「Faded Glow」をかけました。ソフトフィルターが優しくかかり、モデルと背景がふんわりと仕上がりました
元気よくジャンプしたモデルにプリセットの「Morning」を適用して、春らしい爽やかに印象づけました。フィルターにあった動きをモデルにしてもらって撮るのもいいでしょう
ガード下でシャープな表情を見せるモデルに「ツール」内の「ドラマ」フィルターをかけました。ワイルドでダークな雰囲気に仕上げることができました。Snapseedはさまざまなフィルターと調整機能を持っていますので、いいカットが撮れたら思う存分アプリをいじくって作品にしてみるのもオススメです。
まとめ
人物も基本的には第1回の「基本設定編」、第2回の「都会を撮る編」、第3回の「風景を撮る編」のテクニックが使えます。肝心なのは構図と光とレンズワークです。これらを念頭に置いて、いいロケーションで人物を撮影してみましょう。あとは人物をリラックスさせるトークとコミュニケーションを意識すれば、きっとモデルにも喜ばれる素晴らしいカットが撮れると思いますよ。
※本記事の作例は全て緊急事態宣言前に撮影されたものとなります
カメラのキタムラよりご案内!iPhoneシリーズ、Google Pixelシリーズ取扱い中!
カメラのキタムラは全国のスマホ取扱店でソフトバンクのご契約ができます。
今回ご紹介したiPhoneシリーズやGoogle Pixelシリーズをはじめ、豊富なラインアップを取り揃えておりますので、ぜひこの機会に店舗へお立ち寄りください。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家三井公一さんによるスマホの撮影テクニック連載です。今回はスマートフォンで人物を撮る編です。家族や友だち、仕事仲間など人物を撮る機会はもっとも多いのではないでしょうか。iPhone 11 ProやPixel 4を使って、その場でパッとキレイな写真が撮れるコツをお教えします。キモは ズバリ、構図と光とレンズワークです。
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KEYWORDS:
iPhone,スマートフォン撮影のコツ,goole pixel,スマートフォン,撮影テクニック
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ペンタックス HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW|クリアでコントラスト再現に優れた中望遠レンズ
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 09/15/2020 16:00:00
TAGS: HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW,レビュー,リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
2020年6月26日 PENTAXユーザーにとって、待ちに待った最新設計の中望遠レンズが発売になりました。発売から約3か月経ち、すでにHD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AWを手にしているユーザーも多いと思いますが、筆者は普段APS-CセンサーのPENTAX KPをメインに使用しているため、今回はHD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AWの魅力をお伝えするべく、K1-Mark IIで撮影させていただき、身近な被写体とポートレートを撮影。PENTAX独自の色づくり「カスタムイメージ」とともに被写体の魅力を引き出してみたいと思います。
理想の画質を追求した新世代の高性能★(スター)レンズ
"新世代スターレンズ"と言われる D FA★レンズシリーズは、デジタル時代に相応しく、また、K1-Mark IIのために開発されていると言ってもいいレンズ。「イメージセンサーや画像処理に頼らないレンズの力を感じることができる製品として最高の画質を追求すること」し、K1-Mark IIの画作りが最大限に活かされる設計となっています。
ボディー:K-1 Mark II レンズ:D FA★85mmF1.4ED SDM AW 今回の撮影はこの組み合わせ
今回使用したD FA★85mmF1.4ED SDM AWは、K-1 Mark IIとのサイズ・重量のバランスを考慮したデザインで、レンズ先端の大型ピントリングからマウント方向にかかる傾斜部分(くびれ)が手持ちでも支えやすくなっていて、フードの取り付け部には物理的な段差を排除したことで、フードとレンズ本体が一体化するような、なだらかなデザイン。また、フード先端には保護ラバーが施されています。フィルター径 82mm なので、当然その分フードも大きくなるのですが、デザインとしてはスッキリとした好ましい印象です。
昨今のトレンドでもある大口径の単焦点レンズ。ボディーとレンズ合わせて2kgを超える重量になるので、大きく重い。その存在感は否めません。ただ、そんな重量感を忘れてしまうくらい安定したホールド感があり、美しい描写力・解像感とボケの表現が味わえる満足度の高いレンズであることは間違いないのです。
キレの良い描写力と空気感までも包み込む優しいボケ
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/80秒 絞りF1.4 ISO1600 焦点距離85mm WB:白色蛍光灯 ■カスタムイメージ:リバーサルフィルム
F1.4の開放絞りから極めて高い解像力が得られます。陽光を浴びたイチョウの葉。コントラストの高い被写体となりましたが、葉脈までシャキッとキレ良く描写しています。また、画面左下のシャドー部までしっかりと像が見えています。クリアでコントラスト再現に優れた描写とはまさにこのことではないでしょうか。
こうした光量バランスの難しいシーンで性能を発揮するのがこのレンズの特徴の一つと言えます。この一枚だけ見てもレンズのポテンシャル、解像感を損なうことなくボケを美しく再現するPENTAXの画づくりの良さを感じさてくれました。また、PENTAXならではの緑色も際立っています。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/1250秒 絞りF1.4 ISO800 焦点距離85mm WB ■カスタムイメージ:ポップチューン
これぞ写真表現といったボケの表現。前ボケ、ピント面の描写、二線ボケ、玉ボケなど、多彩なボケの表現が可能なレンズは、撮影距離と絞りを様々に組み合わせながらボケの風合いを楽しませてくれます。背景距離を考え撮影することでピント面に在る被写体が浮き立ちます。これもこのレンズの特徴です。カスタムイメージはポップチューン。信号機の色も加わってよりカラフルになりました。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/800秒 絞りF1.4 ISO100 焦点距離85mm WB白色蛍光灯 ■カスタムイメージ:ポップチューン
草むらのように背景が近接しているシーンでも開放F1.4であれば滑らかに溶け込むようなボケが得られ、小さな被写体もグッと引き立ちます。ファインダー内でその良質なボケを感じることをできるのがPENTAXユーザーの特権なのです。
そして、最短距離が0.85mで「これ以上近づけない」ということは、被写体との距離感を感じながら、その制限の中で自ずとフレーミングを考えるということも必要になってくるので〝写真を撮っている〟感覚が改めて呼び起こされます。
MFでの撮影時、花や風景の撮影であれば三脚を使用したいところ。フィルター径82mmによる鏡胴はかなり太いためピントリングを指で回すのは難しく感じてしまうこともあるはず。また、重量があるので支えることを優先すると、再度フレーミングしなければならなくなります。当然ながら三脚を使える場所なら使用するのが賢明な選択肢と言えます。
〝歪曲収差ほぼゼロ〟の距離をつかみ取る
85㎜の焦点距離は中望遠になるため、スナップ撮影では画角が狭いという感じもしますが、筆者の中では適切な焦点距離と考えております。少し距離を保つことで撮りやすい被写体もあるのです。メーカーサイトでは「被写体距離約4mで歪曲収差をほぼゼロまで補正し、無限遠から最短撮影距離まで歪みの少ない、すっきりとした描写が可能」とあり、これが撮影時にレンズ構造を活かす最大のポイントになっているからです。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/125秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離85mm WB昼光色蛍光灯 ■カスタムイメージ:モノトーン(フィルター効果:オレンジ)
日頃スナップ撮影をしている筆者にとって、非常に使いやすい焦点距離の85mmは、APS-Cセンサーで50mm前後を使う方にとっても距離感がつかみやすいと言えます。街歩きしながら少し離れた距離にあるものが目に入った時に〝サッと切り取っていく〟という撮り方です。
5~10m合焦させたいメインの被写体を置くように画面構成すると背景の雰囲気を含めて包囲できる画角となり、距離を保つことによって、深く絞り込まなくてもしっかりと描写されるのです。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/125秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離85mm WBマルチパターンオート ■カスタムイメージ: ポップチューン
停留所に滑りこむ車両をAF-C(M)で連写して撮影。コントラストの強い光を浴びた車体を色収差もなく非常にシャープに捉えています。また、車内の様子までしっかり描写されました。車体に誇張されたパースがつかないので被写体に迫った臨場感が生まれるのも中望遠の良さです。歪曲収差ゼロの威力を感じさせます。薄暮の美しい青と、車体のツヤを強調するためにカスタムイメージはポップチューンをセレクト。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/50秒 絞りF4 ISO100 焦点距離85mm WB:太陽光 ■カスタムイメージ:銀残し
地面に近いローアングルで画面中央にピントを置いて撮影しました。画面奥、木々の葉のボリューム感、質感まで絞りF4でしっかりと写し込んでいます。ここまでの素晴らしい解像感に満足しながら、〝きっと風景の撮影時にも威力を発揮してくれるだろうな〟と実感しました。
ポートレート撮影なら相性抜群
「なんと言っても人物、ポートレートを撮っていただきたいレンズ」と開発者の声もあり、この焦点距離であるならば、筆者もぜひポートレートが撮りたいと思っていたので、スタジオで実写をしてみました。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/640秒 絞りF1.4 ISO400 焦点距離85mm WBマルチパターンオート ■カスタムイメージ: ほのか ■モデル:鈴木マイラ/撮影協力:スタジオアルバ
自然光の半逆光で撮影。開放F1.4のピント面はシャープで前髪一本一本もハッキリと写し出します。その上で溶け込むように柔らかくボケ、フェイスラインのハイライトが際立ち、立体感と優しさが感じられる美しい一枚となりました。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/100秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離85mm WBマルチパターンオート ■カスタムイメージ:ほのか ■モデル:鈴木マイラ/撮影協力:スタジオアルバ
開放から1段絞るだけでレースのカーテンの細かい目(ディテール)、モデルの一瞬の表情までしっかりと写し込める上、空気感をも包み、作品としての表現力の高さを感じさせます。
自然光で撮るポートレートならナチュラルで優しい雰囲気を表現できるカスタムイメージ「ほのか」を組み合わせるのがおススメ。レンズのボケと相まってより女性らしい柔らかさを表現できます。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/400秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離85mm WBマルチパターンオート ■カスタムイメージ:ほのか ■モデル:鈴木マイラ/撮影協力:スタジオアルバ
モデルの正面から当たる定常光。顔はもちろんのこと、手前の右腕を見ていただくとハイライトからシャドーにかけての肌の丸み、立体感あるグラデーションのつながりの良さもお分かりいただけるのではないでしょうか。
モデルとの距離約2m前後でニーアップ、椅子に座って全身の撮影が可能になり、全身を写すには3m~の距離が必要で、フレーミングで背景の分量バランスなどを考慮すると4mくらいの距離をとることになります。特に屋外撮影の場合は自分自身の立ち位置も重要になり、背景も含んだ「画になる構図」を狙うことが必須です。
マニュアルフォーカスも快適な操作感
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II+ D FA★85mmF1.4ED SDM AW ■撮影環境:マニュアル撮影 シャッター速度 1/50秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離85mm WBマルチパターンオート ■カスタムイメージ:ほのか ■モデル:鈴木マイラ/撮影協力:スタジオアルバ
小型のLED照明1灯のみで、自身の手元でレフ板を支えながら撮影。画面に奥行きをもたせつつ、中望遠の程よい圧縮効果を狙いました。露出をマイナスにて撮影していますが、黒つぶれすることなくしっかりと細部のディテールも写し込みます。
機動力を優先する手持ち撮影なら、こうした暗いシーンではボディー側のクイック・フォーカスシフト・システムと合わせAFモード時にピントリングを回すことでMFに切り替えるのがベスト。ファインダー内は明瞭であるため、まつ毛の先端にしっかりと合焦させることが可能になり、ピントリングを回した際の滑らかな操作感にはストレスを感じられません。
「レンズのチカラ」を感じる一本
ポートレートはもちろん、花や風景、日常の1シーンまで、様々な被写体、シーンを撮影する中で感じることは、AF/MFともにピントの合焦の良さ、巧妙な操作感、得られる画・色、キレの良さとボケの美しさ、そして、K-1 Mark IIで撮影できることの喜び。
企画も、デザインも、光学設計も、すべてを一から見直したHD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AWは、徹底した高画質と優れた性能を持つ、まさに〝新世代スターレンズ〟。
ここぞ!という時にこそ力量を発揮してくれる「レンズのチカラ」を感じます。使い続けるほどに虜になることは間違いない、魅力ある一本です。
この記事に使用した機材
【ペンタックス】K-1 MarkII ボディキット
商品詳細ページ 【ペンタックス】HD PENTAX-D FA★ 85mmF1.4 ED SDM AW
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんがペンタックス HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AWのレビューを行いましたので作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ペンタックス,HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW,レビュー,中望遠単焦点レンズ
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TITLE: オリンパス OM-D E-M10 MarkIVレビュー|高画質と扱いやすさを両立した新しいエントリーモデル
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CATEGORY: 礒村浩一
DATE: 09/16/2020 16:00:00
TAGS: ミラーレスカメラ,OM-D E-M10 MarkIV,オリンパス(Olympus) ボディー,マイクロフォーサーズ
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BODY:
OM-Dエントリー機がブラシュアップされてMarkIVへ
オリンパスから新しいミラーレス一眼カメラOM-D E-M10 MarkIVが発表された。E-M10シリーズは、上位機となるE-M5シリーズ同様にEVF(電子ビューファインダー)を搭載する一眼レフライクなスタイリングのまま、構成する部材の構造や材質などを見直すとともに機能面でもシンプルにすることで、よりコンパクトかつ軽量化されたエントリーモデルだ。 今回発表されたE-M10 MarkIVは現在ラインアップされているE-M10 MarkIIIの後継機となるカメラだ。
E-M10 MarkIVではイメージセンサーが約2030万画素の上級機同等のイメージセンサーへと刷新された。これまでにOM-Dの他のモデルであるE-M1 X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIIIはすでに約2037万画素に統一されていたが、E-M10 MarkIIIではいまだ約1605万画素止まりのままであった。そしてついに今回のE-M10 MarkIVの登場により全てのモデルが2000万画素を超えることとなったのだ。これによりOM-Dの最新機種においてはどの機種を選んでも画質はほぼ同等となった訳だ。
E-M10 MarkIVでは、ボディ内手ぶれ補正はシャッター速度4段分から4.5段分へと強化されており、より手ぶれに強くなった。また連写コマ速数のアップやオートフォーカス時のC-AFによる追従精度向上なども施されているのも特徴だ。
その他、アートフィルターに「ネオノスタルジー」追加されるとともに「ポップアートI」と「ファンタジックフォーカス」ではフィルター効果の調整が可能なファインチューン機能が追加された。このようにエントリー機でありながら基本性能が引き上げられたことで、より快適かつ幅広い表現方法の撮影が可能となっている。
主なスペックと外観
・マイクロフォーサーズ規格マウント 有効画素数約2030万画素4/3型Live MOSセンサー採用
・スーパーソニックウェーブフィルター搭載
・常用ISO感度200-6400 / AUTO
・拡張ISO感度 LOW(ISO100相当)・8000-25600
・連写H 約8.7コマ/秒・連写L 約5コマ/秒
・静音モード連写H 約15コマ/秒
・静音モード連写L 約6.3コマ/秒
・低振動連写L 約4.8コマ/秒
・メカニカルシャッター1/4000〜60秒・電子先幕シャッター1/320〜60秒
・静音シャッター(電子シャッター)1/16000〜60秒
・ライブバルブ / ライブタイム / ライブコンポジット / インターバル / 多重露出撮影
・ハイスピードイメージャAF 121点コントラストAF
・撮像センサーシフト式ボディ内手ぶれ補正 5軸4.5段分
・視野率約100%/約1.23倍 約236万ドットOLEDビューファインダー
・3.0型チルト可動式 約104万ドット背面液晶モニター 静電容量式タッチパネル
・UHS-II/UHS-I対応 SDXC/SDHC/SDメモリーカードスロット
・MOV(MPEG-4AVC/H.264) 4K 30p/25p/24p・FHD・HD、ハイスピードムービー120fps、タイムラプス動画 4K/FHD/HD
・TTL調光内蔵フラッシュ GN=5.1(ISO100・m) / GN=7.2(ISO200・m)/RCコマンダー機能 オリンパスワイヤレスRCフラッシュシステム対応
・無線LAN・Bluetooth 内蔵
・インターフェース USB2.0(Hi-Speed)
・大きさ121.7mm(W)×84.6mm(H)×49mm(D)
・質量 383g(付属充電池およびメモリーカード含む、アイカップなし)
E-M10 MarkIVにM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZを装着。この組み合わせでは、質量はおよそ476gと500ml入りペットボトルよりも軽くなる。なおE-M10 MarkIVではE-M10 MarkIIIより約20gの軽量化がなされている。
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZを装着した状態で女性に手にしてもらった。掌にも包めるほどのコンパクトサイズであることがわかる。それでいてグリップとなる膨らみもあるので安定したホールドも可能だ。
10.7倍高倍率ズームのM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIとの組み合わせ。質量はおよそ668g。35mm判換算で28-300mm相当となり、このレンズサイズでも広角から望遠まで多くの被写体への対応が可能。
もちろん高画質モデルであるPROレンズも使用可能だ。今回はM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROと組み合わせた。イメージセンサーが上位機と同等になったことで、高品位なレンズをE-M10 MarkIVで使用するメリットが大幅に上がった。
使用充電池はリチウムイオン充電池 BLS-50。E-M10 Mark III,E-M5 Mark III.E-PL10ともに共通だ。このE-M10 MarkIVではUSB充電にも対応している。メモリーカードスロットは一つでUHS-II/UHS-I対応 SDXC/SDHC/SDカードに対応。
背面モニターは3.0型チルト可動式。レンズと同じ軸上でのローアングル/ハイアングル撮影が可能。
チルト可動式背面モニターはカメラ下部への下開きも可能。セルフィー撮影時もモニターを見ながら楽な姿勢で撮影できる。
液晶モニターを下開きした状態でのセルフィー撮影。画面で構図を確認しながら、左手で直感的に撮影できようにとボタンレイアウトも工夫されている。顔認識AFとの併用も便利。
OM-Dシリーズのなかでは唯一内蔵ストロボを搭載。TTL調光も可能。GNは5.1(ISO100・m)とそれほど強くはないが、暗い場所での撮影や逆光で顔が暗くなりそうなシーンでは便利に使える。また外部ストロボの調光コマンダー機能も持つ。なお、E-M10 MarkIVではオリンパスの電波式ストロボシステムにも対応した。
E-M10 MarkIV実写作例」
■■使用機材:::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ (14mm)
■撮影環境::ISO200 F5.6 1/500 絞り優先AE +0.9EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ (14mm)
■撮影環境::ISO200 F5.6 1/800 絞り優先AE +0.3EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ (14mm)
■撮影環境::ISO200 F8.0 1/200 絞り優先AE +1EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ (14mm)
■撮影環境::ISO200 F8.0 1/500 絞り優先AE +1.3EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ (14mm)
■撮影環境::ISO200 F4.0 1/160 絞り優先AE +1.7EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ (14mm)
■撮影環境::ISO12800 F5.6 0.3s 絞り優先AE WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ (14mm)
■撮影環境::ISO400 F3.5 1/50 絞り優先AE +0.7EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ (25mm)
■撮影環境::ISO400 F4.7 1/8 絞り優先AE +1.0EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO (12mm)
■撮影環境::ISO200 F5.6 1/1000 絞り優先AE WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO (12mm)
■撮影環境::ISO200 F5.6 1/100 絞り優先AE +0.7EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO (45mm)
■撮影環境::ISO200 F11 1/50 絞り優先AE +0.7EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO (12mm)
■撮影環境::ISO200 F4.0 1/125 絞り優先AE WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO (33mm)
■撮影環境::ISO200 F8.0 1/640 絞り優先AE +0.3EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO (12mm)
■撮影環境::ISO1600 F4.0 4秒x450コマ ライブコンポジット WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO (12mm)
■撮影環境::ISO200 F8.0 1/250 マニュアル露出 WB晴天
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II (67mm)
■撮影環境::ISO500 F5.6 1/160 絞り優先AE +1.0EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II (29mm)
■撮影環境::ISO200 F11 1/125 絞り優先AE +0.3EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II (14mm)
■撮影環境::ISO200 F11 1/200 絞り優先AE +1.0EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II (49mm)
■撮影環境::ISO200 F5.5 1/400 絞り優先AE +2.7EV WBオート
■使用機材::E-M10 MarkIV,M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II (63mm)
■撮影環境::ISO200 F5.5 1/160 絞り優先AE +1.0EV WBオート
システムとして完成系に近づいたOM-Dシリーズ
オリンパスのOM-Dシリーズはエントリー機のE-M10系、中級機のE-M5系、プロ機のE-M1系と各モデルの立ち位置が比較的わかりやすいラインアップとなっている。ただ各モデルのモデルチェンジのタイミングで、時折上位モデルとの関係性が逆転することがあった。実は前モデルのE-M10 MarkIIIは、上位機種であるE-M5 MarkIII、E-M1MarkIIIよりかなり発売が先であったため、同じモデルエディションにも関わらずイメージセンサーの画素数が少ないモデルという状況が続いていた。
もちろんカメラの画質は画素数だけで決まるものではないが、私のように「今日はがっつりと仕事で大量に撮影するからE-M1系で」、「今日はプライベートでのお散歩撮影だから軽量コンパクトなE-M10系で」と使い分けたい者にとっては、今回のE-M10 MarkIVの登場によりどのモデルを選んでも同等の画像画質が得られるようになったのは嬉しい限りだ。
また全てのモデルが同じセンサーサイズを搭載しているマイクロフォーサーズシステムは、同じレンズであればどのカメラで使用しても同じ画角で撮影できるという点も大きなメリットである。その点でもE-M10 MarkIVの進化は、一度機に複数モデルを撮影に投入しての撮影であっても撮影画像に優劣が発生しない。これもまた大きなメリットだと言える。
このようにE-M10 MarkIVの登場はこれまでOM-Dをシステムとして使用してきた者にとって歓迎すべき進化であるとともに、新しくミラーレス一眼カメラを手に入れようという方にも、軽量でコンパクトでありながら高画質であるカメラとして、とても魅力的な選択肢となることだろう。最近のフルサイズミラーレスカメラ人気のなかであっても、特徴あるカメラとして存在感を発揮するモデルとなるに違いない。
■モデル:夏弥<https://ameblo.jp/beautiful-summer12/>
■撮影協力:国立天文台水沢VLBI観測所<http://www.miz.nao.ac.jp/>
この記事に使用した機材
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家礒村浩一さんによるオリンパスの最新ミラーレスカメラ「OM-D E-M10 MarkIV」のレビュー記事です。軽量でコンパクトでありながら高画質であるカメラとして、とても魅力的な選択肢となるであろう本カメラを、作例を交えてご紹介しています。
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KEYWORDS:
レビュー,ミラーレスカメラ,オリンパス,OM-D E-M10 MarkIV
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー α7C|世界最小・最軽量 フルサイズのミラーレスカメラが登場!
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 09/18/2020 16:15:06
TAGS: α7C,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
2020年9月15日にソニーから世界最小・最軽量※フルサイズのミラーレスカメラα7Cが正式発表されました。α7Cは新コンセプトのカメラになっており「C」は「Compact」を意味するそうで、α7IIIとほぼ同等の撮影性能になっている一方、サイズ感はAPSCセンサーを搭載するα6600と同程度と非常に軽くて小さいカメラになっています。今まで大きく重たいのでフルサイズへの乗り換えを、ためらっていたAPSCユーザーにとって魅力的なカメラとなり、スマホで撮影されSNSを使ってシェアする中で、より高画質な画を求めるユーザーにとっては、APSCサイズを飛び越えて、フルサイズのカメラにチャレンジし易くなったのではないでしょうか。
ソニーストア銀座ではα7Cの先行展示が開始されましたので早速実機を触ってきました。本日は初日ということもあり、沢山のお客様がα7Cを体験され大賑わいでした。
※世界最小・最軽量:光学式ボディ内手ブレ補正機構搭載のフルサイズセンサー搭載デジタル一眼カメラとして。2020年9月時点。ソニー調べ
外観と操作性について
今回小型化の為にボディー内手ブレ補正機構やシャッターユニットを新開発した他、ソニーでは初めてとなるモノコック構造を採用し、トップカバーやフロントカバー、リアカバーにはマグネシウム合金を使用し耐久性も確保しています。
カラーはブラックとシルバーの2色あり、今回同時発表された軽くて小さい標準ズームレンズとのキット組も用意されています。
左:ブラック、右:シルバー
左:α7C、右:α7III
α7IIIはファインダーが光軸上となる真ん中にあり、軍艦部が盛り上がっている。一方α7Cはファインダーが左肩にあり、軍艦部はフラットになっています。
α7Cはα7IIIの重量比78%、体積比81%となり、とても小さく軽くなっている事が分かります。
・α7C :約124.0×71.1×53.5mm、約509g
・α7III :約126.9×95.6×62.7mm、約650g
※外寸は横×高さ×奥行(グリップからモニターまで)、質量(バッテリーとメモリカードを含む)
左:α7C、右:α7III
フォーカスを合わせる際に搭載されていたジョイスティックが省力されています。ただ液晶モニターのタッチ操作を使えば、ファインダーを覗きながらジョイスティックのようにスムーズなフォーカス移動や狙った被写体へ瞬時にピントを合わせられる事ができます。
ファインダーのドット数はα7III同様で、倍率はα7Cの方が少し小さくなっており、α7Cにはファインダーフレームレートの選択(60fps/120fps)が可能になっています。
・α7C :約256万ドット、約0.59倍
・α7III:約256万ドット、約0.78倍
α7シリーズでは先日発表されたα7SIIIに続いて2台目となるバリアングル液晶モニターを採用。
撮影がより自由になり、自撮りでの撮影や縦位置でのローアングル撮影が容易になります。
左:α7C、右:α7III
カスタムボタンのC1のあった位置に録画開始ボタンが配置されています。人差し指で回すダイヤルやカスタムボタンは省略されシンプルな操作性になっています。グリップはα7IIIの方が深くなっています。
SDメモリカード(UHS-I/II対応)のシングルスロットと、HDMIマイクロ端子 (タイプD)、USB Type-C、ヘッドホン出力、マイク入力が配置されている。
バッテリーはα7IIIと同様の「NP-FZ100」を使用していますが、撮影枚数、動画記録時間は大幅に向上しています。
・静止画撮影可能枚数:ファインダー使用時約680枚、液晶モニター使用時約740枚
・連続動画撮影時:ファインダー使用時約220分、液晶モニター使用時約215分
左:α7C、右:α6600
左:α7C、右:α6600
α7CはAPSCのセンサーを持つα6600と比較すると、重量比101%、体積比110%となり、ほぼ同程度のサイズ感であることが分かります。
α7C :約124.0×71.1×53.5mm、約509g
α6600 :約120.0×66.9×59.0mm、約503g
※外寸は横×高さ×奥行(グリップからモニターまで)、質量(バッテリーとメモリカードを含む)
AF/高速連写性能
AF/AE追従10コマ/秒の連写性能はα7IIIと同様ですが、動く被写体を追従するAF性能は、α7Cの方が高性能になっています。α7IIIがロックオンAFなのに対して、α7Cはリアルタイムトラッキングを搭載。またα7IIIでは出来なかった動画撮影時のリアルタイム瞳AFが可能になり、フォーカス操作以外のフレーミングなどに意識を集中して撮影する事が可能になります。
リアルタイムトラッキングは瞬時に起動できるようになっており、フォーカスモードがAF-S/AF-A/DMFの場合でも、AF-ONボタンを押すだけで、素早く被写体の自動追尾を開始してくれます。
AFトランジション速度を7段階、AF乗り移り感度をそれぞれ5段階に設定できる為、撮影者の表現意図に合わせて細かなフォーカス表現が可能です。
動画撮影機能
4K30P、フルHDでスローモーションの120Pでの撮影が可能で、4K映像は、6K相当の情報量を活用して4K映像を出力するため、より解像感の高い映像表現が可能になっています。
また前述の「AF/高速連写性能」のところで説明した通り、動画撮影時にリアルタイム瞳AFでの撮影が可能になり、AF乗り移り感度などを段階的に設定出来るようになっています。
シューティンググリップは
「GP-VPT2BT」 を装着して撮影する事が可能で、非常に軽装備でフルサイズでの映像表現を楽しめます。
その他撮影機能
有効画素数 約2420万画素のフルサイズの裏面照射型CMOSイメージセンサーと、高速処理エンジンBIONZ Xを搭載しています。ISO感度は静止画撮影時にISO100-51200(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)、動画撮影時にISO100-51200相当(拡張:上限ISO102400)での撮影が可能で、5軸のボディー内手ブレ補正は5段分の補正効果がありますので薄暗い場所での撮影も容易にしてくれます。
レンズキット
キットレンズでセットになっているレンズ「FE 28-60mm F4-5.6(SEL2860)」は約167gととても軽く、ボディーと合わせても約676gなので気軽にどこにでも持ち歩きができます。また駆動にはカメラ本体のスピード性能を最大限に引き出すリニアモーターを採用しており、α7Cに搭載されたリアルタイムトラッキングやリアルタイム瞳AFの性能を最大限に引き出してくれます。
α7Cと他のカメラを比較
「α7C」と「α7III」、「α6600」、「ニコン Z5」の価格や主要なスペックの比較表を
こちらのページ で紹介していますので是非ご覧ください。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
2020年9月15日にソニーから世界最小・最軽量のフルサイズのミラーレスカメラα7Cが正式発表されました。先行展示でのレポートをご紹介させて頂きます。
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KEYWORDS:
ソニー,α7C,sony,アルファー
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AUTHOR:
TITLE: 写真家に教わるスマートフォン撮影のコツ!|食べ物を撮る編
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 09/23/2020 16:00:00
TAGS: スマートフォン撮影のコツ,google pixel,撮影テクニック,スマートフォン,iPhone,静物_物撮り
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BODY:
はじめに
誰でも手軽に美しい写真が撮影できるスマートフォン。いつでもどこに行くときも常に携帯しているので、フォトジェニックなシーンを撮り逃しません。今や人々に「一番使われているデジタルカメラ」と言ってもいいでしょう。これだけ多くの人たちに使われるようになった理由に「操作が簡単だから」ということがあります。撮りたいものにスマートフォンを向け、シャッターボタンを押すだけでいいのですから。
何気なく撮影してしまうスマートフォンですが、ちょっとした気配りでより見栄えのする写真を撮ることが可能です。この連載ではそのコツを皆さんにお伝えしていきます。
第5回目は「食べ物を撮る」編です。お店での食事や家庭での料理、ピクニックに代表される屋外でのお弁当など、食べ物を撮る機会はとても多いと思います。iPhone 11 ProやPixel 4を使って、食べ物を美味しそうに撮れるコツをお教えします。今回のキモは「シズル感」です。
キーポイントは「シズル感」
食べ物や飲み物を美味しそうに表現するには、ソースや肉汁に映る光、グラスについた水滴などのキラキラ感に注目しましょう。それらは俗に「シズル感」と呼ばれるものなのですが、そのキラキラ感を見つけて上手くスマートフォンで撮影できればグンと見違えた写真になるはずです。このキラキラ感がないとメリハリのない、沈んだ「メシマズ写真」になりがちです。
食べ物を目の前にしたらよくその被写体を観察してみましょう(といってもノンビリしていると、食べ物が冷めたりのびたりしちゃうので素早く!)。ラーメンでしたらスープにお店の照明が映り込んでいないか、ハンバーグだったらかかっているデミグラスソースに窓の光が入ってないかなど注意深く見るのです。食べ物の一番光っている部分を見つけてあげるのが○です。ちょっと見る位置を変えることや、お皿を移動または回転させるだけで「シズル感」が現れる場合があるのでチェックしてみましょう。このキラキラ感こそが、食べ物の鮮度や味わいを伝えてくれる写真のエッセンスなのです。
美味しそうなラーメン。スープにキラリと入っている「シズル感」がキモです。素早く撮影してのびる前に食べましょう!
新鮮でプリプリしたお刺身も見る位置をちょっと変えるだけでこんなに「シズル感」が違って見えます。座ったままでもお皿を回転させるだけで印象が変化しますよ
洋食の王様オムライスもスマートフォンの高さと位置をわずかに動かすだけでこんなに見栄えが違ってきます。何カットか撮影して食後にいいカットを選ぶのもいいでしょう
メインを明確に
料理が運ばれてテーブルにセットされると、どうしても全体像を撮りがちです。記録として残すのであればもちろんそれでOKですが、ちょっとオシャレに見せたい場合は料理の中の「主役」を決めグッと引き立てて撮りましょう。iPhone 11 ProやPixel 4の場合、複数のカメラを搭載していますので、望遠カメラに切り替えて撮ることをオススメします。
とある居酒屋でのランチ。たいていの人はこのように記録写真的に撮ってしまいがち。何を食べたか址で参照するのにはいいでしょう
そこでグッと主役のチキンをクローズアップしました。周りの皿は一部しか写っていませんが、このくらいの情報量の方が、メインを引き立たせます。
撮影時にはグリッド線をディスプレイに表示すると、傾きやキチンとセンターに被写体があるかなど参考にできます。過去記事をご覧になってぜひとも設定してください。
・第1回「基本設定編」
・第2回「都会を撮る編」
・第3回「風景を撮る編」
・第4回「人物を撮る編」
さて今度は屋外でお弁当を撮りました。お店の中と違い移動できるので、撮影も自由度が高くなります。上から横から斜めからと、シズル感を探してスマートフォンの位置をいろいろ変えて撮ってみましょう。だいぶ写真の印象が異なってくるはずです。
IMG_5581_
斜めからお弁当を撮りました。おにぎりとおかずの配置がよくわかりますね
もし真上から撮りたい場合、iPhone 11 Proだとディスプレイ上中央に2つの「+」が表示されるので、それらを重なるようにすればそこが真上、ということになります。
IMG_5584_
遠足や旅行などの場合は背景を写し込むようにすると「あ、あそこで食べたんだな」と場所の記憶がすぐ蘇ってくる写真になりますよ。主役はお弁当ですが、行った場所を脇役として写し込むというわけです
スマホの影に注意!
料理を撮る際に気をつけたいのが「影」です。撮影するのに構えたスマートフォンの影が料理にかかってしまったことはありませんか?レストランでは照明がテーブルの真上にあることが多いので、上方から撮ろうとするとこういうケースになりがちです。
影を避けようと一所懸命スマートフォンの位置を変えたり、お皿を動かしたりしても画面の隅に黒い影が落ちてしまいます
こういう時は望遠カメラを使いましょう。望遠なら料理から離れて撮影できるので、照明の影響を受けにくくなるからです。このカットは上のものと同じ位置でiPhone 11 Pro撮影したものです。望遠カメラを使えばより「主役」を大きく撮ると同時に、影の呪縛から逃れることも可能なのです。望遠カメラを活用してみましょう
明るく鮮やかに写す
美味しいものは明るく色鮮やかに撮影するとより一層引き立ちます。第1回「基本設定編」などでもお伝えしたように「露出補正」をして、キレイに撮影しましょう。コツはハイライト部(白い部分)が飛んでしまわない程度にプラス補正をかけることです。
日光が差すカフェでの軽食を撮りました。強い西日の影響で影がキツくコントラストが高くなってしまいました。また露出もアンダーで暗く写っています
iPhone 11 Proのディスプレイを指先でタップして太陽アイコンを表示させます。そして上方向へスライドしてやれば写真が明るくなります
明るく露出補正したことによって、サンドされた具の中身も判別できるようになりましたし、モチモチとしたバンズのシズル感も出てきました。露出をコントロールすると、このように食べ物の美味しさを引き出すことが可能です
Pixel 4の場合はハイライト部とシャドウ部の露出補正が独立して可能です。これを「デュアル露出補正」といいますが、自分のイメージ通りに白い部分も黒い部分もコントロールできます。2つのスライダーを指先で動かしましょう
この写真のように生シラスなどの質感表現が難しいものでもとても美味しそうに撮ることができます。透明感とみずみずしさはデジカメを凌駕しそうな描写ですね
ポートレートモードで雰囲気よく
「え?料理にポートレートモード使うの?」と驚かれるかもしれませんが、このモードは人物だけに限りません。静物や食べ物などにも有効なのです。
有名な蕎麦をテラス席でいただきましたが、iPhone 11 Proのポートレートモードを使って、背景を美しくぼかすことができました。iPhoneの場合は距離の制限があるので注意が必要です
Pixel 4のポートレートモードは、透明なグラスや細いストローなどでもきちんと判別して背景をぼかすことができます。もしうまくボケないようなら、撮影ポジションをいくつか変えて試すといいでしょう
iPhone 11 Proは細く透明な被写体の場合はうまくぼかせないケースがあります。このカットでは箸で持った唐揚げが宙に浮いているようになってしまいました。このような場合は通常の望遠カメラでの撮影でクリアしましょう
まとめ
スマートフォンでの食べ物撮影のキモは「シズル感」をしっかりと見極めること。そして「主役」となる食べ物にフォーカスして、明るく色鮮やかに撮ることです。その際にはスマートフォンの影や、テーブル上の余計なものが画面に入っていないかなどをよく確認してシャッターを切りましょう。
またレストランなどでは、撮影時にお店の人に断ってから撮るなど撮影エチケットも忘れずに。何よりも出来たての食べ物は美味しいうちに食べるのが一番です。撮影がスピーディーに済むよう、ご自宅で練習しておきましょう。
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EXCERPT:
写真家三井公一さんによるスマホの撮影テクニック連載です。今回はスマートフォンで食べ物を撮る編です。お店での食事や家庭での料理、ピクニックに代表される屋外でのお弁当など、食べ物を撮る機会はとても多いと思います。iPhone 11 ProやPixel 4を使って、食べ物を美味しそうに撮れるコツをお教えします。今回のキモは「シズル感」です。
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KEYWORDS:
スマートフォン撮影のコツ,Google pixel,iPhone,スマートフォン,撮影テクニック
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX S5製品レビュー|フルサイズ機デビューにぴったり!高性能な小型・軽量モデル
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 09/30/2020 16:00:00
TAGS: LUMIX S5,ポートレート,パナソニック(Panasonic) ボディー,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
パナソニックのフルサイズミラーレス一眼Sシリーズに、小型・軽量モデルの「LUMIX S5」が新たに追加されました。動画も静止画もプロの要望に答えてくれる機種として名高い同社のSシリーズですが、カメラ本体の重さと大きさは、中身が詰まっているだけにしょうがないのかなと思っていた筆者と同じ考えの方は、実機を触れば思わず声が出てしまうほどの軽さと小ささに驚くことでしょう。今回は、テスト機をパナソニックさんからお借りしましたので、人物撮影をメインに、動画と静止画の両方で本機のレビューをお送りします。
キットレンズでAF性能テスト
VIDEO
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■フォトスタイル:709ライク
■出演:辻美咲
レビュー動画は、フォーカスモードは動き物を撮るAFCで、AFモードは自動認識(顔・瞳・人体)で撮影しています。
近付いてくる被写体のテストでは、座っているモデルの顔にピントが合った状態から何もせず、カメラ任せで撮影しました。モデルが立つとすぐに顔が見切れてしまう状況ですが、人体認識のおかげで体にピントを合わせ変えてくれています。
遠ざかる被写体のテストでは、最初のシーンでAFを作動させると手前の水の入ったコップにピントが合ったので、そのまま撮影をスタートしてみました。モデルが座って鎖骨が見えたあたりからモデルの体にピントが合って、意図通りのシーンが撮れました。構図右のペットボトルにピントが行くことも、見苦しくAFが迷うこともありませんでした。上手くピントが合わなければ、モデルが座ったときにタッチAFを使用してピント位置を指定しようかと思っていたのですが、本機には余計な心配だったようです。
フレームイン&フレームアウトの一本目のテストは、誰もいない、目立つものが何もない状態でカメラをスタートさせて、どのようにAFが動くのか見てみました。モデルが窓辺のコップに手をかけるときには、もうピントがモデルの体に合っているのがわかります。振り向いたモデルの顔も、見切れている状態からピントが合っています。
もともと、LUMIXシリーズの人体認識AF機能の高性能さは実感していたのですが、こんな意地悪なシーンでもしっかりピントを合わせてくれるなら、子供の運動会で動画デビューしたい保護者の方々にもお勧めしやすい機種だと感じました。
ちょっと話がそれますが、子供の成長動画なら、4KじゃなくてフルHDくらいでいいんじゃないかと思う方もいらっしゃいますが、お子さんが大きくなる頃は、4Kどころか8K画質が普通(むしろそれ以上)になっているのではないでしょうか。昔の思い出として見返す動画は、高画質で撮っておいてあげると、近い将来でより楽しく思い出の共有ができると思いますよ。
ピントが迷いやすい意地悪なシーンのテストでは、壁にピントが合った状態から撮影しています。一度顔にピントが合ってしまえば、後ろを向いても、人物が画面からいなくなりそうでも、粘ってピントを合わそうとしています。被写体がフレームから外れて、ピントを合わせられるところが背景しかなくなってしまった一瞬だけ、AFに迷いが見られましたが、すぐに顔にピントを合わせる適応力には脱帽しました。
コップの向こう側の被写体のテストでは、モデルの動きがない状態で、顔の前にピントの合いやすい明るい被写体を置いたらどこにピントを合わせるか、迷い出すかを確認したくて撮影してみました。これはもう、目が見えていれば人物の顔の圧勝ですね。
動画撮影にぴったりの高性能キットレンズ
今回はポートレートっぽい動画を撮りたかったので、かなり強い逆光での撮影が多かったのですが、キットレンズの「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」は擬色やモアレも出さず、優秀な働きをしてくれました。
マイクロフォーサーズ機からフルサイズ機に移行を考えている方は、レンズを買い直さなくちゃいけなくなることに懸念を抱かれると思うのですが、たとえば、Vlogにはまって、さらにシネマティックな映像を撮りたくなって本機の購入を考えている方は、まずはレンズキットを購入するだけでも、動画撮影を十分に楽しめると思います。
広角が20mmからなので、引きがない狭い室内での撮影もしやすく、旅先の風景などはダイナミックな広大さを演出できます。また、最短撮影距離15cmのマクロ撮影が可能なのも嬉しいところ。防塵・防滴・マイナス10度の耐低温設計と、どんなシーンでも臆せずに使用できる設計なので、海でも雪山でもキャンプでもどこにでも連れていけるでしょう。
いずれは色々なレンズが欲しくなるだろうし、使っていただきたいですが、せっかく動画撮影にぴったりの画角と性能のレンズがキットレンズで手に入るので、ぜひこのレンズも使い倒していただきたいものです。
動画のムード作りに便利なフォトスタイル
VIDEO
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■出演:辻美咲
LUMIXならではの色味を味わえるフォトスタイルも、本機には「V-LOG」を含めると13種類搭載されています。動画レビューでは同じシーンでの撮り比べをしました。カラーグレーディング前提の撮影もいいのですが、メーカーの打ち出した色味を味わうのも、シーンによっては好みのムードや、さらなるインパクトが出るのでお勧めです。
ここでは13種類を紹介しましたが、この他にも、ダイナミックレンジの広いHLG階調で動画を撮影するための「2100ライク(HLG)」、HLGフォトを撮影するための「スタンダード(HLG)」、HLGフォトをモノクロームで撮影するための「モノクローム(HLG)」が搭載されています。
LUMIX S5でVlog風ムービー
VIDEO
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■出演:辻美咲
今回は、モデルの辻美咲さんに出演していただき、モーニングルーティーン風の動画を制作しました。逆光を多用しているので、フォトスタイルは白飛びを抑えながらも自然な画にしてくれる「709ライク」を使用しています。レンズはキットレンズのみを使用、三脚と手持ちの両方で撮影しています。
さすが!Sシリーズの高い解像力!
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 ■撮影環境:F1.4 1/400秒 ISO100 WB:5000K ■フォトスタイル:人物 ■モデル:辻美咲
静止画の性能を見るのに、筆者が一番好きなレンズを使用しました。「LUMIX S PRO 50mm F1.4」は、高い解像感となめらかでとろけるような優しい描写力の融合が見事なレンズです。ポートレートはもちろん、スナップも風景も、これ一本でどんな被写体でも印象的に描き出してくれます。
撮影日は、夏の最後を惜しむかのような暑い日でした。秋っぽい作品にしようと思っていたのですが、せっかくなのでこの強い日差しを利用して、夏カットの撮り納めにしました。
背後の窓からの日差しはかなり強く、レンズ的には意地悪な状況となっていますが、ピントが合っている目はキリッと力強さを、なめらかなボケのグラデーションは優しさを表現してくれて、強い光とのコントラストで印象的なカットに仕上げてくれました。
しっかり描写するキットレンズ
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:焦点距離:60mm F5.6 1/400秒 ISO400 WB:5000K ■フォトスタイル:人物 ■モデル:辻美咲
こちらはキットレンズでのポートレートです。前述の「LUMIX S PRO 50mm F1.4」よりも、しっかり目に描写するのは開放F値の違いもありますが、画作り的にも、コントラストを抑えながら全体にきっちりと輪郭を取るように感じました。
過度な描写をしない、ストレートな表現をしてくれるレンズで、ボケのグラデーションも自然ですので、望遠側はポートレートでも十分に使用できます。
レンズジプシーにならないために
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 ■撮影環境:F1.4 1/400秒 ISO250 WB:5000K ■フォトスタイル:人物 ■モデル:辻美咲
今まで静止画メインでポートレートを撮ってきた方は「LUMIX S PRO 50mm F1.4」を使うと、光と影を自分で操作する楽しみを堪能できると思います。本機と「LUMIX S PRO 50mm F1.4」の相性は抜群で、2本目のレンズなら思い切ってこのレンズを購入することをお勧めしたいです。あれこれ買っても、なんだかしっくりこないレンズジプシーになるくらいなら、最初から性能の高いレンズを買ったほうが、結果的にはコスパがいいです。
静止画も動画もシネマティックな作品を生み出してくれるカメラ
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 ■撮影環境:F1.4 1/400秒 ISO250 WB:5000K ■フォトスタイル:人物 ■モデル:辻美咲
今回の裏テーマは、強い日差しの中での撮影でした。筆者は、腕や手に光と影の部分を作ってモデルの体に立体感と艶感を出す手法が好きなのですが、白飛びとの戦いでもあるので、機種やレンズによっては難しいこともあります。「LUMIX S5」と「LUMIX S PRO 50mm F1.4」のコンビは、この手法を問題なく使わせてくれました。
動画と静止画の撮影時間は合わせて約2時間程度、Sシリーズの中でぐっとコンパクトな本機は女性の手でも握りやすく、ほとんど疲れを感じませんでした。フルサイズ機デビューにぴったりの性能、コスパを実感した2時間でもありました。
写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
モデル出演:辻 美咲(株式会社BABYBOO)
LUMIX S5 発表日のLUMIX GINZA TOKYOでの取材記事は
こちら からご覧頂けます。
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-S5K-K レンズキット
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX DC-S5-K ボディ
商品詳細ページ
【パナソニック】LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX S PRO 50mm F1.4
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんが LUMIX S5の製品レビューを行っています。LUMIX S5で撮影した機能紹介動画や動画作品と合わせて、この製品の魅力をご覧いただけます。
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KEYWORDS:
パナソニック,LUMIX S5,レビュー,ポートレート,panasonic,ルミックス
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: コスモスの撮り方 | 北村佑介
BASENAME: 477702711.html
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 10/02/2020 16:00:00
TAGS: 花
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BODY:
はじめに
こんにちは!北村です!今回は、コスモスの撮り方を紹介させていただきます。数ある花の中でも、筆者が一番好きな花です。花畑のコスモス、道端のコスモス。様々な場所で咲き、色々な表情を見せてくれます。そして何とも「花らしい」形と色。そういったところに惹かれているのかもしれません。
一面ピンクのコスモス畑で見つけた、こちらを向いている一本
■撮影機材:ソニー α7III + シグマ 135mm F1.8 DG HSM Art ■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/1600秒
筆者は、基本的に花は逆光で撮ります。理由はいくつかあります。光で透けた花びらが、より綺麗だと感じること。逆光で輝いている部分を背景にすると、より良い色の後ろボケになる。ということが主な理由です。しかし、コスモスは基本的に太陽の方を向いてしまうことが多いため、逆光で正面を捉えることは簡単ではありません。なので、逆光で撮り正面を捉えることができたこの写真は、お気に入りの一枚になりました。横向きや後ろ向きでも形の良さが伝わりやすい花ですが、逆光で正面を撮ることができるシチュエーションに出会うことがあれば、是非チャレンジしてみてください。満開の花畑であれば、そう少なくはないはずです。
一面、綺麗なピンクのコスモスが敷き詰められていたため、135mmの圧縮効果も手伝いピンク一色の写真が撮れました。花の形の良さを強調するため、斜め上からのアングルとなっています。少し抜け感の良さが落ちるアンクルなので、なるべく花と背景が離れているラインを選びました。
これから色鮮やかになるであろうコスモス畑で、少し気の早い花
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/2000秒
コスモスは色々な撮り方をしやすく、咲き始めも満開時も見頃過ぎも比較的撮りやすい花で
す。咲き始めの花は形がとても良いものが多いので、このようにぽつんとしたイメージで撮りた
い時は、咲き始めがおすすめです。主役がどの花かが非常にわかりやすいこともおすすめの理由の一つです。
コスモスに限らず、花の周りには緑色が溢れています。その緑色に変化をもたらすことが、マンネリ化した花の写真にならないようにする工夫の一つであると考えています。具体的には、ホワイトバランスをカスタムでケルビンの値を少し下げ、暖色系の花とメリハリがつく色にする。レタッチで緑を変化させたり、色を足したりする。などがあります。この写真はそのどちらも行っています。そうすることで、花のピンクが際立つ一枚になりました。
35mmのレンズで撮影最短距離付近まで寄って撮影
■撮影機材:Canon EOS 6D + SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM ■撮影環境:絞り優先・35mm・F1.8・ISO100・1/1000秒
何とも言えない曇り空だったので、背景にレタッチでピンクを加えてみました。このような場合は、絞って花全体にピントが合うようにするのも良いと思います。この時は絞りを開けて撮り、この花の中でも特にどの部分を見てほしいかを表現しました。コスモスは後ろ向きのものを撮っても、形の良さが伝わりやすい花です。逆光+後ろ向きのコスモスは相性も良く撮りやすいので、初心者の方にもおすすめです。
11月の半ば、満開を過ぎてしばらくが経ったコスモス畑
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/750秒
ほとんどが枯れてしまっている中、夕陽に照らされキラキラと輝くコスモスを見つけました。16:00頃に逆光で撮ったものですが、後ろにある枯れた葉や茎もキラキラと輝いていて素敵なアクセントとなってくれました。コスモスの葉や茎、つぼみは、逆光で撮ると光を反射します。前ボケや後ろボケにあたる部分に上手く配置すると、このように普段と異なるイメージで撮ることができるかもしれません。
早朝、6:00頃に撮影
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/2500秒
筆者は早起きが苦手ですが、コスモスの時期は写真家らしく早起きをします。その理由がこの一枚です。朝露。コスモスが咲くこの季節の早朝は、寒暖差の影響で朝露があるロケーションがたくさんあります。綺麗な朝陽を背にして輝く朝露。その朝露を纏うコスモス。そんな宝物のような瞬間を撮ることができる可能性があるならば、早起きしないわけにはいきません。
ロケーションにもよりますが、特に綺麗な瞬間は10分あるかないかくらいだと考えています。朝陽が出てくる前に、ある程度撮るエリアを絞ってスタンバイしておくのが良いでしょう。朝陽が出てきたら、即座にホワイトバランスをイメージに適したものに合わせます。カスタムでケルビンの値を変更するのですが、朝陽や夕陽は変化が早いので、日頃からホワイトバランスをイメージに適したものに合わせる練習をしておくことをおすすめします。ですが、勿論撮ることが優先です。
ホワイトバランスやその他の設定に気を取られて、撮影枚数が減ってしまっては本末転倒です。ホワイトバランスの変更に慣れていない場合は、AWBや太陽光で撮るのが良いかもしれません。
少し広く写す
■撮影機材:ソニー α7III + SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM ■撮影環境:絞り優先・50mm・F2.0・ISO100・1/4000秒
朝の7:00ちょっと前。少し昇った朝陽に照らされたコスモス。残っていた朝露がコスモスの可憐さを際立たせてくれています。この写真はとても気に入っているのですが、太陽というとても明るいものが写真内に入っているのに絞りを開けて撮ったため、大きな白飛びが生じています。右上の太陽の周り、真っ白になってしまっている部分がそうです。絞りを絞って光が入る量を少なくし、白飛びしてしまう面積を少なくするのが正解だったかもしれません。ですが、仕上がった写真はイメージ通りになったため、これで良かったとも思っています。白飛びに関しては色々な意見があると思います。筆者は、ゼロに近い方が良いと考えています。ですが、この写真がそうであったように、イメージによっては白飛びしている部分があっても良いかもしれないと思います。勿論主役となる花は、白飛びしていない方が良いです。花の持つ、色の美しさなどが損なわれてしまうためです。
■撮影機材:Canon EOS 6D + FE 50mm F1.4 ZA ■撮影環境:絞り優先・50mm・F5.6・ISO100・1/400秒
お次も少し広く写した一枚です。画面内のコスモス全てをはっきりと写したかったので、F5.6まで絞りました。写る全てのコスモスの形の良さが伝わりそうなエリアを切り取りました。なるべく咲き誇っていて、枯れている花やつぼみが少ないエリアというのはそう多くはなかったので少し苦労しました。至って普通の曇り空でしたが、それがコスモスの綺麗なピンクを引き立たせてくれました。この写真は空のグレーとコスモスのピンクの対比が気に入っています。薄っすらと写った雲の階調が残るよう、露出やコントラストには特に気をつけました。
夕陽を背にシルエットで撮る
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/3000秒
最後は夕陽を背に、シルエットで撮りました。11月中旬の16:30頃。日没前です。パープルからオレンジにかけてのグラデーションがとても綺麗でした。シルエットで撮る時は、明るい部分、この場合は空の一番明るい部分に露出を合わせて撮りましょう。この時、コスモスに露出を合わせてしまうと、空はより明るく写ってしまい、白飛びする要因となってしまいます。
さいごに
コスモスは比較的撮りやすい花なので、レベルをほんの少し上げた内容にさせていただきました。いかがでしたでしょうか?もしも、難しいと感じた方は、以前の記事も参考になるかと思われます。今回も、何らかのお役に立てたならば嬉しいです。最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました!
写真家:北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。
著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
▼北村佑介さんの過去記事は
こちら からご覧頂けます。
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんにコスモスの撮り方を紹介頂きました。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,花,キヤノン,シグマ,ソニー,コスモス
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ DC DNシリーズのLマウント版|軽量コンパクトで使い勝手のいい高性能レンズ3本を実写レビュー
BASENAME: 477805523.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 10/08/2020 11:00:00
TAGS: SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary,SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary,SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary,シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに~シグマ DC DNシリーズ待望のLマウント版が3本登場!
Lマウントのフルサイズミラーレス一眼カメラ「シグマ fp」が大人気のシグマから、待望の軽量コンパクトなAPS-C用交換レンズが登場した。開放F1.4の明るさを誇るレンズは「SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary」、「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」、「SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary」の3本となる。
同レンズシリーズは、すでにソニーEマウント版とキヤノンEF-Mマウント版、マイクロフォーサーズマウント版がリリースされているが、今回新登場のライカLマウント版3本をシグマ fpで試してみた。どのレンズもコンパクトなのに明るく、高い描写性能をみせてくれた。
そもそもシグマ DC DNシリーズとは?
シグマのレンズといえばF値が明るく光学性能も素晴らしいものばかりだが、性能を追求するあまりレンズ本体のサイズが大きく、質量も大きい製品がほとんどであった。しかし、今回紹介する「DC DN」シリーズは軽量コンパクトだ。その秘密はどこにあるのだろうか?
それはAPS-Cフォーマットのミラーレス一眼カメラ専用の設計だからだ。フルサイズフォーマットより小さいイメージサークルを持つAPS-Cフォーマットに合わせると、レンズサイズがこんなにコンパクトになるのだ。
併せてマウントを大口径、ショートフランジバックのミラーレス一眼カメラに絞ることにより、センサーにより近づけてレンズを配置するなど適切なデザインができ、小型軽量化も実現できたのである。さらに、先日ご紹介した「
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art 」同様、レンズの光学補正だけでなくカメラボディの補正機能を積極的に利用している。これによって、レンズ設計と配置の自由度が高まり、描写性能を向上させつつ軽量コンパクトなレンズに仕上がっているというワケだ。もちろん、最新かつ高性能の硝材も積極的に採用されている。
製品名称の「DC DN」についてはシグマ公式サイトの解説が詳しい。「APS-Cサイズ相当のイメージサークルに合わせて設計したレンズには、製品名に『DC』を記します。『DC』レンズは、フルサイズで撮影された場合、画面にケラレが生じます。撮影範囲を切り替えてご使用ください。さらに、ショートフランジバックを採用したカメラに最適な設計を行ったレンズには、製品名に『DN』を記します」とのことだ。ちなみにフルサイズ用は「DG」となる。
この「DC DN」シリーズは「最新の光学設計、最適な素材選択、動画への対応、カメラ内収差補正機能への完全対応など、あらゆる点で挑戦を行い、高画質を最優先にしながらも小型化と快適な操作性を共に実現しました」(シグマ公式サイトより)というとおり、シリーズ3本を携行してもレンズ重量合計で1kgを切るという魅力的なボリューム感になっている。価格面でもリーズナブルになっており、開放F1.4のレンズを使う「悦び」を多くの人が味わえるシリーズ群となっていると言えるだろう。
SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary をレビュー
フルサイズ換算で24mm相当となる「SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary」。まずはスペックを見てみよう。
レンズ構成枚数 13群16枚
画角 83.2°
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最小絞り F16
最短撮影距離 25cm
最大撮影倍率 1:9.9
フィルターサイズ φ67mm
最大径 × 長さ φ72.2mm × 90.3mm
質量 415g
付属品 花形フード(LH716-01)
このレンズはシリーズ内で最もワイドな焦点距離だが一番大きな存在感を放つ。フルサイズフォーマットのシグマ fpに装着するとなかなか迫力を感じさせるが、軽量なので1日中持ち歩いての街中スナップでも疲れ知らずだ。F1.4という明るさと最短撮影距離25cmというスペックは魅力的で、暗いシーンからマクロ的な撮影まで難なくこなすのが頼もしい。絞り開放からの安定した描写も魅力である。ピントリングの指がかりもよく、マニュアルフォーカス時でも確実にピント合わせが可能だ。フルサイズ換算で24mm相当の画角は風景からスナップ、建築撮影などシーンを選ばない。
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/200秒 f/5.6 ISO100 焦点距離16mm EV-1.7
竹林をF5.6で撮影した。ハイライトからシャドウ部までトーンがしっかりと整っており、均整のとれた絵作りがいい感じ。竹や草のディテールも良好で、レンズの良さを実感できた
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/500秒 f/1.4 ISO100 焦点距離16mm EV-1
F1.4絞り開放で用水路の落ち葉を撮った。暑かった夏も過ぎ、秋も徐々に深まりつつあるが、水面の葉の色合いを美しくキャプチャーできた。水の清涼感と立体的なボケのハーモニーが好ましい
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/30秒 f/1.4 ISO125 焦点距離16mm EV-1.7
古民家の土間に置かれていた農機具を絞り開放で。F1.4の明るさは、このような薄暗いシーンで活躍する。開放でのカットだが、農機具の素材感がとてもいい。長い間使い込まれた道具のリアイリティが伝わってくる
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/250秒 f/8 ISO100 焦点距離16mm EV-1.3
絞り開放域での描写もいいが、絞っての写りも良好だ。秋の里山を撮ったが、微妙に色づく森の様子と刈り入れが終わった田んぼや草地の緻密なディテールがしっかりとしている。このレンズ1本をつけてブラブラと散策するのも楽しい
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/640秒 f/1.4 ISO100 焦点距離16mm EV-0.3
秋に咲く花の代表格・彼岸花に絞り開放で迫った。25cmまで寄れる驚異の近接撮影性能とF1.4という開放値を活かせば、背景もグンとボケてくれる。しっかりと主張する見事な花の色が美しい。ボケ感も立体感があり気に入った。
SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporaryをレビュー
フルサイズ換算で45mm相当となる「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」。F1.4の標準レンズ感覚で使える1本だ。スペックは以下のとおり。
レンズ構成枚数 7群9枚
画角 50.7°
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最小絞り F16
最短撮影距離 30cm
最大撮影倍率 1:7
フィルターサイズ φ52mm
最大径 × 長さ φ65.4mm × 71.3mm
質量 280g
付属品 レンズフード(LH586-01)
シリーズ内でもっとも早くリリースされた「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」はシグマ fpに装着すると45mm相当となる。シグマには「SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary」というレンズが存在するが、それよりも2段明るいことになる。その分、わずかに本レンズのほうが大きく重くなっているが、使い勝手は良好だ。まさに「標準レンズ」感覚で、どんな被写体も素直な描写で撮影できるからだ。オートフォーカスもステッピングモーター採用により静かで高速。ストレスを感じない撮影が可能だ。
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/2500秒 f/1.4 ISO100 焦点距離30mm
このレンズは、ヒトの見た自然な感覚をそのままキャプチャーできる印象だ。河川敷に建てられた大型テントを何気なく撮ったが、その素材感と空のどんよりとした雰囲気をうまく表現してくれた。シグマ fpに装着した際のバランスもよく、精悍な印象を受けた
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/125秒 f/1.4 ISO100 焦点距離30mm
誰もいない野球場。その看板を絞り開放で撮った。絞り開放でF1.4なので、背景が自然かつキレイにボケてくれた。ピント面の看板や、金属製の支柱やネットの質感も実に見事。立体感のある写りに脱帽である
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/160秒 f/1.4 ISO500 焦点距離30mm EV-0.3
ブラブラと撮影中に出会ったネコ。顔見知りなのでしゃがんで撮らせてもらったが、サッと素早いオートフォーカスは確実にネコの瞳にピントが来た。実に頼もしい。ネコの毛並みの感じ、背景のボケ感すべてがいい雰囲気だ。標準域の画角が撮りやすい
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/160秒 f/8 ISO100 焦点距離30mm
曇天の上野・不忍池。F8まで絞り込んでシャッターを切ったが、手前のボートから背景の建物までピントが来た。カリッとした締まった写りが実にいい感じ。F1.4という明るさを活かしてのボケ感と、グッと絞り込んでの深いピント描写の両方を堪能できるレンズだ
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/1250秒 f/1.4 ISO100 焦点距離30mm EV-0.7
この「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」は、初めてこのシリーズを買おうと思っている人にピッタリの1本だろう。280gという軽さとコンパクトさ、F1.4という明るさをフットワークよく楽しめるからだ。このカットのように、ボケを活かした撮影を誰でもすぐに味わえるはずだ。風景からポートレート撮影まで幅広く使えるレンズになっている。
SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporaryをレビュー
フルサイズ換算で84mm相当となる「SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary」。ポートレート撮影で活躍しそうだが、街中のスナップ撮影でも使い勝手がいい1本だ。
レンズ構成枚数 6群10枚
画角 28.5°
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最小絞り F16
最短撮影距離 50cm
最大撮影倍率 1:7.4
フィルターサイズ φ55mm
最大径 × 長さ φ66.5mm × 57.5mm
質量 285g
付属品 レンズフード(LH582-01)
本レンズはフルサイズ換算84mm相当かつ開放F1.4と「
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art 」を思い浮かべるスペックだ。しかしながら「DC DN」のこちらは、より小さく軽量である。SLDガラスを採用し、コンパクトさだけでなく軸上色収差を良好に補正し、ヌケ感のある描写を実現しているのが特徴だ。シグマ fpに装着したその佇まいは、中望遠レンズとは思えないほどである。
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/200秒 f/1.4 ISO100 焦点距離56mm
フルサイズ換算84mm相当の距離感は魅力的だ。使い慣れた「85mm」感覚ですんなりと被写体と対峙できるのがいい。ボケの感じ、立体感がいい。発色もナチュラルで好ましい。オートフォーカスも正確かつ静かである
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/400秒 f/1.4 ISO100 焦点距離56mm EV-1.3
明るい中望遠レンズは、さまざまなシーンで活躍する。スナップ、ポートレート、静物、風景などだ。ズームレンズ主体のレンズ構成に、この明るいプライムレンズを加えると絵作りのアクセントになるに違いない。ショーウィンドウを撮ったが自然なボケと立体感が実にいい
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/250秒 f/8 ISO100 焦点距離56mm EV-1
干されている稲と鮮やかに咲く彼岸花。このレンズは自然な距離感で撮影できるのがいい。F8まで絞ってシャッターを切ったので、ピントも深くなりコントラストも向上。情景をカッチリとキャプチャーすることができた。
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/5000秒 f/1.4 ISO100 焦点距離56mm EV-2
彼岸花に迫ってみた。絞り開放で最短撮影距離50cmまで近寄って撮影。黒バックに美しい曼珠沙華が浮かび上がった。後方の花も背景もキレイにボケるので、メインの花がグッと際立たせることができる。明るい中望遠らしさを手軽に味わえるレンズになっている。
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary ■撮影環境:1/8000秒 f/1.4 ISO100 焦点距離56mm EV-0.3
草を喰むヤギを発見。フレーム内に太陽が入る強烈な逆光状態だったが、このレンズとシグマ fpは高速かつ正確にヤギの瞳に合焦した。開放F1.4で安心してシャッターを切れるのがうれしい。見事な毛並みや宙を飛ぶ虫まで、しっかりとシーンを余すところ捉えてくれるレンズである
まとめ
「DC DN」シリーズ3本をシグマ fpで撮影したが、さまざまなシーンでどのレンズも満足のいく描写を見せてくれた。APS-Cフォーマットのレンズなので1.5倍のクロップでの撮影となったが、「軽さ」「コンパクトさ」のメリットを大きく感じた。どんなにブラブラと撮り歩いても疲れ知らずだったからだ。3本ともF1.4という明るく大口径なのでボケの効果も楽しめるし、レンズ本体のビルドクオリティもしっかりとしていて、シャッターを切っていて満足感が高かった。写りも「Art」ラインの流れを汲む上質なもので、画質に妥協を感じることもなかった。
リーズナブルな価格も注目だが、簡易防塵防滴仕様、金属製バヨネットマウント採用と造りにも妥協がない。Lマウントアライアンスに賛同しているライカやパナソニックのLマウントカメラにもオススメできるレンズランナップだろう。
動画撮影の場合、4K UHD 3840px×2160pxでフルに撮影できるのも魅力だ。可変NDフィルターを装着して、浅いピントを楽しむのも一興だ。
広角・標準・中望遠と揃った、気軽に持ち出せる待望の大口径「DC DN」シリーズ。Lマウントユーザーはキタムラ店頭でぜひ試してみてほしい。
写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【シグマ】16mm F1.4 DC DN Contemporary Lマウント用
商品詳細ページ 【シグマ】30mm F1.4 DC DN Contemporary Lマウント用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんが、開放F1.4のLマウント用APS-Cレンズの「SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary」、「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」、「SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary」のレビューを行っています。
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KEYWORDS:
SIGMA,シグマ,レビュー,SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary,SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary,SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニーα7S IIIレビュー | ビデオグラファーを喜ばせる撮影機能が満載!
BASENAME: 477816819.html
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CATEGORY: 中西学
DATE: 10/12/2020 11:00:00
TAGS: α7S III,ソニー(Sony) ボディー,人物_子供,ミラーレスカメラ,フルサイズ,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
ソニー フルサイズミラーレスカメラのα7シリーズの高感度モデルとなるα7S IIの後継機、α7S IIIが登場しました。最新αシリーズの高機能が搭載され、更にビデオグラファーを喜ばせる撮影機能が沢山詰め込まれています。今回機材をお借りして薄暗い空間でのポートレートや夜のドライブシーンをムービーと一部スチールで撮影してレビューしていますので、是非ご覧ください。
プロジェクションマッピングを撮影してみて
VIDEO
プロジェクションマッピングの映像を撮影する場合、色々角度や設定を変えて工夫をこらして撮影しないと、その場で見た通りに光の動きや色味を再現するのが難しく、実際の雰囲気とかけ離れた映像になってしまう事が多々ありますが、今回α7S IIIでの撮影では、目で見たのと近い映像をいとも簡単に撮る事が出来たのは驚きでした。これは有効画素数約1210万画素の新開発の裏面照射型CMOSセンサーによる高感度時のノイズ低減性能やダイナミックレンジが広くなったことが影響しているのかもしれません。
光りの当たる場所やモデルに映り込む色が刻々と変化してましたので、バランスの良い画が撮れるように4K/120fpsで少し長回しで撮影を行っていたのですが、カメラが熱を持っているのを殆ど感じませんでした。これだけの時間α7IIIで撮影していれば、カメラのグリップを握る右手や、底を支える左手に熱を感じてくるのですが今回はそれが殆どなく、α7S IIIの優れた放熱性能を感じました。この性能はα7S IIIの放熱構造によるもので4K/60Pの設定で1時間動画を撮影し続ける事が出来るようなので、安心して撮影に集中できます。
テスト動画後半のモデルの顔に黒い波の影が重なるところでは、瞳AFで撮影をしているのですが、動く影に引っ張られる事なく、しっかりと人物の瞳を捉え続けてくれました。少し意地悪なテストではありましたが、そのおかげでα7S IIIに搭載されているリアルタイム瞳AFの精度の高さを知る事が出来ました。
薄暗い屋外での撮影性能
VIDEO
薄暗い屋外でのテスト撮影を行う為、夕方18時頃から撮影を開始しました。事前にロケハンを行いモデルの顔を照らす照明が必要と考え、準備機材にはLED照明を用意していましたが、当日α7S IIIで撮影を始めてみると、おや、おや、なんと?街灯や遠くの街明かりを背景に入れた状態でも、モデルの顔を自然な明るさで捉える事ができ、またその色味と雰囲気がとても気に入りLED照明なしで撮影を行うことにしました。ISO感度は12800に設定して撮影しましたが終始ノイズが気になる事なくモデルの肌をとても美しく捉えてくれました。
時間が経過し撮影の途中で空が一段と暗くなり、街灯や街明かりが目立つようになった頃には色味も大きく変化していました。ホワイトバランスは最初から最後までオートに設定していましたが、そのような大きく色味の変化がある中でも安定して目でみた色を再現してくれていました。これは今回カメラ正面の軍艦部右下に搭載された「可視光+IRセンサー」によって、難しい光源下でも、より正確なホワイトバランスをオートで得ることができるようになっていて、動画撮影ではとてもありがたい機能です。
後半の空が暗くなっている時間は19時をまわった頃でしたが、ここでも地明かり以外は使用していませんが、十分に自然な明るさでモデルの表情を捉え続けています。またここでは手持ちでモデルの歩幅に合わせて筆者も追いかけて撮影を行いましたが、今回新搭載されたアクティブモードを使う事で、ブレを大きく減らし撮影する事が出来ました。このアクティブモードは5軸、5.5段の光学手ブレ補正に加えて、ブレを補正してくれるもので、画角は僅かにクロップされますが、今回使用してみて、驚く程効果的にブレを補正してくれるのを感じました。
色変化が大きい薄暗い環境で制作したショートムービー
VIDEO
撮影が難しいプロジェクションマッピングや夕方から夜にかけて色変化の大きな状況でモデル撮影することでα7S IIIの性能テストを行ってきましたが、その時撮影した映像をBGMと合わせてショートムービーにしてみました。動画は4K/120fpsのスローモーションで撮影し、最終出力で60fpsや30fpsに変化させて映像に躍動感を与える演出をしています。また今回カメラ内に搭載された10種類の色表現が可能クリエイティブルックという機能があり、これを使用することでよりシネマライクな表現を行うことができました。このショートムービーではビビット(VV)を使用しています。
AF性能と、ローリングシャッター歪みの低減
VIDEO
夜走行する車のフロントガラスからの映像を撮影する為、知り合いに運転してもらい、助手席側から手持ちで撮影を行いました。高速道路で目の前を走る車にAFを合わせましたが、ボディーカラーが黒色で背景の暗闇と同化した状態であったにも関わらず、素早くピントを合わせ、そのまま追従してくれ、AF性能の高さを感じました。
映像の後半は、橋を走行中に遠くのビル群を撮影しています。このように横に流れる映像を撮影すると通常、ローリングシャッター歪みによりビルがぐにゃりと曲がって見えたりするのですが、α7S IIIではその歪みが低減されており、ビルはほぼまっすぐの状態で撮影する事ができました。
夜のドライビングシーンを撮影したショートムービー
VIDEO
こちらのショートムービーは、週末の夜に彼女を迎えに行くというコンセプトで制作しています。全体にわたりLED含め様々な光の中で撮影を行いましたが、オートホワイトバランスの性能が高く、終始目で見た色味に仕上がっています。またシネマライクな色表現が可能なクリエイティブルックにより、映像にしっとりとした質感と深みを与えてくれています。
オートフォーカスの移動を調整する「AFトランジション速度」と「AF乗り移り感度」は、筆者自身が朝、目を開けて見たものが、ぼんやりした状態からちゃんと見えるまでの速度で調整を行い、出来るだけ自然に見えるようにしてます。
今回とても感動したのが、液晶モニターの色再現性能になります。α7IIIでの撮影では、実際に撮影した色味と液晶モニターでの色味が少し違うように感じる事がありましたが、今回それが解消し、外部モニターでチェックする事なく、液晶モニターでスピーディーに撮影後のチェックをする事ができました。また液晶モニターはバリアングルになっていますので、撮影の自由度が増しています。
静止画での撮影
α7S IIが登場した5年前と比べると、その後に登場したカメラの高画素化が進み、1210万画素と聞くと静止画撮影するには画素数が少なくないか?と思う方もいらっしゃるのではないかと思います。実際に写真展で展示する事を考えると難しいかもしれませんが、WEBで閲覧するには十分なサイズだと思いますし、カメラのキタムラでも4切より少し大きいサイズ迄でを
プリント推奨サイズ として紹介しており、このくらいのサイズでのプリントをされる方には十分な画素数であると考えます。
1枚のファイルサイズは1MB以下となり、とても取り扱い易く便利ですし、画素が少ない分、画素ピッチが広くなり、光をしっかりと受光することで高感度撮影時にノイズを低減する事ができます。
■撮影機材:ソニー α7S III + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:1/30秒 f/1.4 ISO250 85mm ■モデル:鈴木海那
■撮影機材:ソニー α7S III + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:1/30秒 f/1.4 ISO250 85mm ■モデル:鈴木海那
■撮影機材:ソニー α7S III + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:1/30秒 f/1.4 ISO250 85mm ■モデル:鈴木海那
動画撮影時に撮影したスチール画像は、動画編集時に被写体に徐々に寄って行くズームのシーンや横に移動するパンのシーンの時に静止画を利用して編集を行うことがあります。α7S IIIは静止画も動画も4Kと同じ大きさの為動画とスチールが共存しやすく、動画編集時に撮影した静止画を便利に扱うことができます。
写真家:
中西学
日本国内から海外まで、その時の時事を撮影することを専門する。その他、風景、ポートレートなど撮影ジャンルは多彩。また、ドローンやVRなど最新機材を使いこなし動画クリエーターとしても活動。写真家目線での映像技術を得意とする。
・公益社団法人日本写真家協会 正会員(JPS)
・一般社団法人日本UAS産業振興協議会 会員(JUIDA)
・ソニーα アカデミー講師(札幌校、銀座校、名古屋校、大阪校、福岡校)
・クラブツーリズム講師
・DJI CAMP スペシャリスト
α7S III発売前のソニーストア銀座での先行展示取材記事は
こちら からご覧頂けます。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の中西学さんがソニーα7S IIIのレビューを行っています。ショートムービーを2本作成し、気になる機能や性能を試していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
α7S III,ソニー,レビュー,FE 85mm F1.4 GM
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.3|ライカM10モノクローム+ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 10/14/2020 11:00:00
TAGS: M10モノクローム,ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.,ライカ(Leica) ボディー,ライカ(Leica) レンズ,ミラーレスカメラ,フルサイズ,単焦点,ライカとカレー
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BODY:
はじめに
「ライカには、モノクロしか撮れないカメラがあります。」
そう聞いたのは約一年前のこと。
デジタルで何でも撮れて、スマホで超簡単にレタッチ出来てしまう超便利且つ高速循環な時代の中で、あえてモノクロしか撮れないデジタルのカメラがあるなんて。しかもライカのカメラで。
へえええとその時はびっくり目をまるくしたのだけれど、デジタルだけれどもモノクロしか撮れない、いえ、モノクロだけを撮ることが出来るモノクロ専用機のデジタルカメラって一体どんな感じなのだろう。出来ることをあえて削って超シンプルに作られたカメラ。そのカメラに触れたら私はどんなことを思うのだろう。カメラがシンプルならば、撮る側もシンプルになるのだろうか。心が、体が、そう感じるのだろうか。そんな思いがぐるぐると巡って、その存在がどうしても私の頭の中から離れずにいた。
そして、一年が経ち、嬉しいことにそのカメラと旅に出る日が来た。
ライカ M10モノクロームとズミルックス M f1.4/35mm ASPH.と一緒に東京へ
この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、写真家山本まりこが異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をし、そしてカレーを食べて帰ってくるという内容の企画。今回は、連載の第三回目。
第三回目は、モノクロのみ撮ることができるライカ M10モノクロームとの旅。そして、レンズは、SUMMILUX(ズミルックス) M f1.4/35mm ASPH.。
ライカM10モノクロームと本日向かうのは東京。4年に一度の世界的なスポーツの祭典が開催されるはずだった2020年の東京の街を撮りたいと思ったから。今の東京を撮りたい。ライカで撮りたい。
JR東海道線に乗って東京に向かう。窓から少しひんやりとした風が入ってくる。最近は、ススキが揺れているのをよく見かける。あっと言う間に秋になったなあ。それにしてもお腹が空いた。カレーが食べたい。あのカレーが食べたい。いつもは、旅の最後にカレーを食べて帰ってくるのだけれども、今日はカレーを食べてから撮影に行こう。特別。
大好きなカレー屋さんへ
東急池上線雪が谷大塚駅の目の前にあるカレー屋さんモネノニワ スパイスバルは、お気に入りのカレー屋さん。いつかこの連載で紹介したいと思っていた私の大好きなお店。もう何度も訪れているので顔を覚えてくれているオーナーさんにご挨拶をし、お店の窓際のカウンター席に座る。2階にあるお店のこのカウンター席からは、東急池上線の線路と踏切が見える。数分おきに電車が行き交い、人々も行き交う。駅に行く人、買い物をする人、犬のお散歩をする人。のんびりとした街の日常の景色をこの席から俯瞰して見ていると何だかじわじわと楽しくなってくる。遮断機の音も何となく軽快なリズムに変わって聞こえてくるような気がする。
カレーを待つ間、電車のある景色をのんびりと眺める。
そして、ライカ M10モノクロームと向き合う。
ライカM10モノクロームは、ライカM10-Pをベースとして作られたモノクロ専用機の三世代目。発売は、今年2020年1月より。ちなみに、ライカM10-PのPは、プロフェッショナルのP。写真のプロフェッショナルに向けて作られたカメラで、シャッター音がライカM10よりも静かに設計されている。また、ライカM10モノクロームは、視線を集めやすいライカの赤いロゴはつけず、トップカバーの刻印も目立たないように表記され、文字の刻印にも色が付いていない。控えめ、そして、モノクローム特性をさらに際立たせたデザインとなっている。メニューボタンを押して、いろいろといじってみる。カメラの中でどんなことが出来るのかを、手探りしながら体感する時間。あっちを見たりこっちを見たり。いつも思うけれど、この時間が好きだ。
「JPEG設定」で、「コントラスト」を高・標準・低、「シャープネス」を高・標準・低と変えることが出来るので、モノクロの表現の中で柔らかくも硬くも自在に設定できる。
そして、「トーニング」で色調をブルー・セピア・セレンに変えることが出来る。
ん。色調を、ブルー、セピア、セレンに変えることが出来る…
そうか。
モノクロとは、モノクローム(monochrome)の略で「一つの色」という意味。モノクロと言うと白黒を思い描いてしまいがちだけれど、一つの色という意味だから、ブルーやセピアやセレンがあるのだ。なるほど。ちなみに、ブルーは少しブルーに、セピアは茶色に、セレンは少し紫がかった色になる。そして、色調は、強・弱・OFFと強さを選ぶことができる。ふむふむ。
そうこうしているうちに、大好きなカレーがやってきた。
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
レンズSUMMILUX(ズミルックス)M f1.4/35mmのSUMMIはラテン語で最高のものを意味するSUMMA(ズンマ)から由来し、ルックスは照度の単位であるLUX(ルクス)のことであり、最高の明るさを意味する。つまり、ライカのレンズ群の中で最高レベルの明るさを持ったレンズということ。ライカのレンズは、SUMMILUX(ズミルックス)やSUMMICRON(ズミクロン)のように、明るさ(f値)によってレンズの名称が決まる。
オーナーさんに許可をいただいて、空いていたお店の中央のテーブルをお借りしてカレーを撮影。ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.の最短撮影距離は70cm。ぐぐっと寄りたい気持ちをおさえつつ、70cmの距離を保ちながら撮影。最短距離でf値を開放にして撮影すると、背景も手前も滑らかに美しくボケる。俯瞰写真は、カメラを持ち上げていてファインダーが見えないので距離を見てピント合わせをし、勘でフレーミングを決めてシャッターを切る。見えない分、きれいにキマると余計に嬉しい。ライカM10モノクロームは、もちろんレンジファインダー。もちろんオートフォーカスではない。レンジファインダーについては、vol.1で説明しているのでそちらを読んで欲しい。
本日は、基本のスパイスカレーにラムマーボーをトッピング。日替わりで、季節のサブジ(野菜の炒め物や煮物)が添えられている。お皿になみなみと注がれたカレーは、いつもびっくりするくらいの量なのだけれど、でも食べるとこれまた何と言えばいいのか分からないくらいサラっと口から入って、スルッと食べ終えてしまう。いつも笑顔で優しいオーナーさんの人柄が表れているようなカレーで、スパイスと油は控えめ。だけれども全体としてはスパイスカレーを食べていると強く実感するという、優しいのに強い印象が残る不思議なカレーなのだ。
一度食べて虜になり、もう何度も通っている。
ふとした瞬間に食べたいなあと思い出すカレー。
トーニング:セレン強
このカレーをここで紹介出来て嬉しい。でも実は、今回紹介するのかはすごく悩んだ。と言うのも実はこのカレー、色がとても美しいのだ。カレーはブラウン、ライスはターメリックカラー(イエロー)、上に載っているのは紫キャベツのバイオレット、野菜のグリーン、トマトのレッドがのっていたりとてもカラフルで華やかなのだ。だから今回はあえての選択。モノクロで色を一色に絞っての挑戦。行きたい、食べたいと思ってくれた人がいたら、それはとてもとても嬉しい。そして、いつかまたカラーで紹介できる日があれば、このモノクロの写真と並べてみたい。それも楽しいのではないかと思う。
いつも通りスルッと食べ終える。さあ、パワー充電完了。2020年の東京の街を撮りに行こう。ライカM10モノクロームと一緒に。
東急池上線に乗ってのんびりと
東急池上線雪が谷大塚駅から電車に乗り込む。昼下がりの池上線の中は、日が当たってポカポカとしていて、いつも通りのんびりとした空気が漂っている。もうだいぶ電車にも街にも人が増えてきたなあ、一時期は電車の一車輌に2~3人なんてことも多かったのだけれど。活気が戻ってきた東京の空間を実感しながら電車は進んで行く。
いくつか電車を乗り継ぐ。
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
目的地は、国立競技場駅。
国立競技場駅へ
都営地下鉄大江戸線国立競技場駅で降りていくつものエスカレーターを登って地上に出ると、そこには新国立競技場がドンと建っていた。昔、よくこの辺りに良く来ていた。新しいホテルが建ち、すっかり新しい街に変わったなあと思いながら眺める。
私は今年の9月、この新国立競技場の中にいるはずだった。応募したチケットがたくさん当選し、その中の陸上競技観戦がこの場所だった。
トーニング:セレン強
人はぽつりぽつり。たまに車が一台二台と通っていく。静寂。
でも私は、いつの間にか人々の歓声を重ね合わせてこの場に立っていた。
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
しばらくぐるぐると周りを歩きながら建物を見て、ここに来ることができますようにと願いながら背中を向けたその時、競技場の中から大きな音が流れてきた。物凄く大きな音が。それは多分、スポーツの祭典の時に流すはずの音楽だと思われるものが大地を包むように大きな大きな音で流れてきた。その音楽を聞きながら国立競技場を眺めていた私はいつの間にか泣いていた。いろいろなことを思い出しながら。そしていろいろな未来を想いながら。秋の始めの午後の光がとても眩しかった。
トーニング:セレン強
世界が平和でありますように
そう願いながら、JR信濃町の駅を目指した。空を見上げたら、サルスベリが咲いていた。青空に白い花びらが輝いて見えた。ふと、トーニングをブルーに変えたらどんな風に写るのだろうか。そんなことがふと頭をよぎり、ブルーに変えて撮った。
トーニング:ブルー強
モノクロでも青空の青い色は伝わるのだろうか。でもなんだかきっと伝わるのではないか、そう思いながらシャッターを切っていた。
駅に向かう途中、大地に覆いかぶさるようにうっそうと茂った木々の中、遠くの方に純白の曼殊沙華が輝いているのが見えた。それはまるで舞台女優のように見えた。
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
新大久保駅へ
次に向かうのは、新大久保駅。全く違う東京の表情が撮りたい。そして、カレーを作るときに使うスパイスを買いたい。韓国料理店が立ち並ぶ街と記憶していた新大久保には、スパイス通りと言われるくらいスパイス店が並んでいる場所があるらしい。新大久保の街は以前とあまり変わらず賑やかなのではないか、そんなことを思いながら山手線を降りる。そして降りたとたんにびっくりして足が止まる。10代、20代、そのくらいの若い子たちがたくさん。駅がぎゅうぎゅうするくらいにいっぱいいる。駅前を出ても、若い人、人、人。
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
さっきまでの静寂はどこかに消えて、街には若者の楽しそうな笑い声で溢れている。Instagramでよく見る韓国の食べ物を食べながら自撮りをしていたり、アイドルショップで目を輝かせていたり。賑やかな風景。あまりの人の多さに若干目を白黒させながら街を歩く。
街が変われば、人も変わる。
人が変われば、空気も変わる。
そして、お目当てのスパイス店へ向かう。大きな通りを折れるとすぐに香った。あの匂い。インドを旅しているときにいつも香っていたスパスの匂い。街で、道で、レストランで、食堂で、ホテルで、電車で、飛行機で。いつも香っていたあの鼻からぐぐっと体の中に入り込んでくる強烈なスパイスの匂い。世界を旅していて思うのは、その土地ならではの匂いがあるということ。インドはスパイス、タイはナンプラー、中国の紹興は紹興酒の匂いが町中を包んでいた。その土地の生活の中に溶け込んだ日常という匂い。ここはあのインドの匂いがする。
トーニング:セレン強
スパイス店が並んでいるその通りを歩いてスパイスの匂いに全身包まれ、そして、行き交うインドやアジア圏の人々の言葉を聞きながら歩いていたら、いつの間にか今インドを旅している気分になっていた。オールドデリーの雑踏の中、土埃と人の渦の中を歩いているようなそんな気分だった。私は旅の中にいる。心臓がドキドキと音をたてるのが聞こえた。その心臓の音とシンクロするように、ライカM10モノクロームの優しいシャッター音が響いた。あああああ。やっぱり匂いと言うのは人の記憶を強く蘇らせるなあ、本当に。
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
香辛料専門店THE JANNAT HALAL FOOD(ザ ジャンナット ハラル フード)で、ずらりと並んだ色とりどりのスパイスたちの中から、ターメリック、シナモン、タマリンドなど買いたかったいろいろを購入。ココナッツジュースを飲みながらホッと一息。さらには、スパイス教室の友人たちからいろいろな情報をもらってアジアや韓国のお店をハシゴして気分はもう世界旅行。なんて近い海外旅行なの。なんて楽しいの。近く、旅をしたくなったらまたここに来よう、絶対に来よう、そう思いながら新大久保の街を後にした。
トーニング:セレン強
電車で移動中、スマホにダウンロードしたアプリLeica FOTOSとカメラをWi-Fiでつないで写真を見返す。お気に入りの写真はすぐにスマホに保存。
高輪ゲートウェイ駅、そして浜松町駅へ
今日は、いろいろな東京を撮りたい。JR新大久保駅から山手線で新しく誕生した山手線の高輪ゲートウェイ駅へ。噂にはよく聞いている話題の駅、初降車。天井に張り巡るトラスがとても美しくて、光が良く入る明るい駅。トイレもホテルのようにピカピカで美しかった。その中で私が特に気になったのは、いつもは見ない電車の上部が二つ並んでいた瞬間。電車の上って、こんな風になっているのだなあ。窓から見える景色が薄暗くなってきた。もうすぐ夜が来る。
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
最後は、浜松町駅へ。東京の夜景が見たい。そしてもちろん撮りたい。足早に高層ビルの上階へ。時刻は、東京の街の灯りがちょうど輝き出すとき。一眼カメラを持ったたくさんの人たちがガラスに張り付きながら夢中でシャッターを切る中に混じって私もライカM10モノクロームのシャッターを切る。暗闇に輝くカラフルな液晶画面の写真たちを眺めて自分の液晶画面を見る。モノクロ。一人。それもまた楽しい。
トーニング:セレン強
トーニング:セレン強
ここにあるのは、2020年の東京。
来年、この街でどんなことがあるのだろうか。
未来、この街に何が待っているのだろうか。
世界が平和でありますように。そうまた強く願ってライカM10モノクロームのシャッターを切った。数枚撮ると、電池が切れた。夜景を撮ることを待ち、一日の終わりを確かめるかかのように、切れた。今日も楽しかった。そう思いながら、私はライカM10モノクロームをそっとリュックに閉まった。
家で
夜。家に帰って、撮った写真をパソコンで見返してみる。サルスベリの写真でふと手が止まる。トーニングのブルーの色が美しい。白いサルスベリの花びらの色が、ブルーにくっきりと映えている。
ライカで撮った写真をパソコンで見返すといつも思う。撮った時よりも、さらにと言うか、いえ、「強烈に」美しいと感じるのだ。撮っている時の感動も、シャッターを切った振動も、全て体感して知っているのに、写真をパソコンで見返すと、初めて見る写真のようにドキッとするのだ。特に今回は、トーニングをブルーに設定したサルスベリのお花がすごく気に入った。トーニングをブルーにしてお花をもっと撮ってみたいと思った。
後日、お花を撮りにガーデンへ。もちろん、トーニングをブルー強に設定。
秋のお花をいろいろ撮った。ライカM10モノクロームのシャッターを思いっきり切った。ブルーやグレーなど、青味が少し入った色が入ると、ブルー調が少し強く表現されるように思う。
写した写真を見てみる。やっぱりこの設定の描写は、とても好きだ。
うろこ雲が広がる秋の空の下、そう強く思った。
おわりに
三回目の旅が終わった。今回は、モノクロで撮る旅。カメラがシンプルならば、撮る側もシンプルになるのだろうか。心が、体が、そう感じるのだろうか。そんなことを思いながら過ごした時間。結果はどうだっただろう。
モノクロ一色で表現される写真たちは、カラーの情報がない分シンプルに写る。でも、それを撮る時は、私の頭はフル回転だった。いつもはできるだけ柔らかい空気感でカラフルな世界を、絵を描くように撮りたいと思っている。だから、できるだけ柔らかい光を選び、柔らかく写るような設定を選んでいる。だけど、このカメラで撮る時は色が締まったスカッとした写真を撮りたいから、選ぶ光はいつもと真逆。パキッとした光を選び、コントラストもシャープネスも強を選んで撮っていた。だから、頭の中は全然シンプルじゃなくて、いろいろなことを考えながらむしろお祭りのように賑やかだった。でもそれはとても楽しい時間だった。今回の撮影で、モノクロ撮影に一気に興味が湧いた。これから、モノクロでいろいろ撮影してみたいと思う。トーニングをブルーにして。
次はどんな旅になるのだろう。
そして、どんなライカのカメラ、駅、そして、カレーに出会うのだろう。
そうだ。あそこに行きたい。ずっと行きたかった場所があるんだ。
でもまだナイショ。それは次回のお楽しみにとっておきたいと思う。
■モネノニワ スパイスバル
東京都大田区南雪谷2-15-1 2F、03-3726-1081
https://www.instagram.com/monetniwa/
■THE JANNAT HALAL FOOD(ザ ジャンナット ハラル フード)
東京都新宿区百人町2−9−1、03-3366-6680
http://www.thejannath.com
■参考文献
ライカHP
写真家:
山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんによるライカ連載記事第三弾、ライカM10モノクローム+ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.で「カレーと旅」をテーマに様々な出会いを発見を執筆して頂いています。
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KEYWORDS:
ライカ,M10モノクローム,ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.,連載
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 富士フイルム X-S10が登場|しっかり握れる小型ボディーに、びっしり詰まった高機能!
BASENAME: 478001035.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 10/19/2020 16:00:00
TAGS: X-S10,ミラーレスカメラ,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,APS-C
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BODY:
はじめに
2020年10月15日に富士フイルムより、小型・軽量ボディーに手ブレ補正機構が搭載され、大型グリップのミラーレスカメラ X-S10が発表されました。APS-Cセンサーを搭載するXシリーズに新たにラインナップされたこの「S」ラインは、もっと沢山の方にカメラを楽しんでもらいたいという想いから新設され、それを表す一つの特長として操作ダイヤルはシンプルになっており、はじめて富士フイルムのカメラを使われる方でも思い通りの撮影ができるようになっています。静止画・動画性能は
X-T4 ゆずりで、バリアングル液晶モニターを搭載。小さなボディーには上位機種の優れた撮影性能が沢山詰め込まれていました。
今回先行展示がされているFUJIFILM Imaging Plaza東京でメーカー担当の方にX-S10について取材して参りましたのでご覧ください。
刷新されたデザインとその特長
従来のXシリーズと比べると、シャッタースピード、露出、ISOを操作するメカダイヤルは廃され、シンプルなダイヤルに置き換わることで軍艦部の左右がすっきりした印象です。ただそれでも軍艦部中央の形状や革絞りの質感からレトロカメラの風合いを残し、シリーズ通して変わらず愛着の沸くデザインになっていると感じました。
グリップはミドル機では考えられない程大きく、深く握る事が出来ます。これであれば重さのある望遠レンズやF値の小さな大口径レンズを装着した場合でも、しっかりと取り回しが出来ます。これはサブ機として使われる方は勿論、X-S10でカメラデビューされた方が、徐々にレンズを買足し、大きなレンズを使うようになっても長い間このカメラを使い続ける事が出来るようにという想いから、思い切ってこの大きさのグリップをこのクラスのカメラにつける事にしたと伺いました。
左肩にはデフォルトではフィルムシュミレーションの変更が可能なファンクションダイヤルがあり、右肩にはP、S、A、M、オート、動画、カスタム設定などを変更するモードダイヤルがあります。カスタム設定はC1~4まで割振られており、4つのお気に入りの設定に瞬時に切り替える事が可能です。
右肩は、片手だけでカメラを持った場合でも素早く操作可能なように、モードダイヤルに加えて、人差し指で操作が可能なフロントコマンドダイヤルと、親指で操作するリアコマンドダイヤルがあります。また少し重たいレンズを装着した時でも深いグリップをしっかりと握りカメラを安定させて、素早く操作が可能なように設計されていますので、狙った瞬間を逃さず撮影する事ができます。
X-T4と比べてみて
左がX-T4、右がX-S10
左がX-T4、右がX-S10
X-T4 もAPS-Cサイズのセンサーを積んだ、機動性のあるカメラではありますが、X-S10はそれと比べてもご覧の通りとても小さくなり、質量も各段に軽くなっています。X-T4より更に持ち歩きが便利になり、撮影するつもりがない日でもバックに入れて持ち歩くことで、急に訪れたシャッターチャンスをものにする事が出来るのではないかと、想像するだけでワクワクしてきます。
・X-S10 :[幅]126.0mm×[高さ]85.1mm×[奥行き]65.4mm、[質量]約465g
・X-T4 :[幅]134.6mm×[高さ]92.8mm×[奥行き]63.8mm、[質量]約607g
※質量はバッテリー、 SDメモリーカード含む
X-T4と同様の有効約2,610万画素のX-Trans CMOS 4(裏面照射型)と画像処理エンジンX-Processor 4を搭載しており、高画質、高速処理は勿論、超高速のAFが可能です。
最速0.02秒の高速AFが可能で、位相差AFは画面の100%をカバーしており、動く被写体を画面の四隅まで正確にAFトラッキングし続けます。被写体が人物の時は、高速・高精度な顔検出、瞳AFを可能にしており、これら全てが上位機種のX-T4と同性能になっています。
フィルムシュミレーションもX-T4と同じく18種類の設定が可能で、長年のフィルムの開発で培われてきた富士フイルムならではの色表現を最新のミラーレスカメラで愉しむ事ができます。
X-T30と比べてみて
左がX-T30、右がX-S10
左がX-T30、右がX-S10
外寸を見るとX-S10は
X-T30 より幅、高さ、奥行き共に大きくなっていますが、実際に並べると分かりますが艦部左右の肩の高さが低くなっており、手に取ってみると外寸のような大きさの差は感じません。また深くなったグリップを握るとしっかりとカメラを固定できるので、質量の差もあまり気になりませんでした。
・X-S10 :[幅]126.0mm×[高さ]85.1mm×[奥行き]65.4mm、[質量]約465g
・X-T30 :[幅]118.4mm×[高さ]82.8mm×[奥行き]46.8mm、[質量]約383g
※質量はバッテリー、 SDメモリーカード含む
左がX-T30、右がX-S10
液晶モニターはX-T30のチルト式に対して、X-S10はバリアングル液晶モニターになっていています。
左がX-T30、右がX-S10
X-T30では、フィルムカメラライクなフラットなデザインを踏襲する為バッテリーを横に収納していますが、X-S10では大きくしたグリップの内部に縦に収まるようになっています。バッテリーはX-T30と同様にNP-W126Sを使用します。
VIDEO
バリアングル液晶モニターはマイク端子にプラグを差し込んだ状態でぐるぐる回しても干渉しないように設計されており、動画撮影されるユーザーに対しても細部まで行き届いた配慮がされているのを感じました。
ファインダー性能はX-T30と同等で、約236万ドットの有機ELファインダーを搭載し、ファインダー倍率は0.62倍になっています。
またX-S10では電子ビューファインダーに3種類のブーストモードが搭載されており、薄暗い場所でも視認性を向上させる「低照度優先」と、高いピント精度が求められるシーンに向く「解像度優先」、動体撮影時に向く「フレームレート優先」があります。
※X-T30では、フレームレートを向上させる機能のみ搭載。
メモリーカードはX-T30と同様のシングルスロットでUHS-Ⅰ対応のSDカードを使用します。
5軸6段の手ブレ補正機構
X-T4より格段に小さくなったボディーに5軸6段分の補正効果のある手ブレ補正機構を搭載する為、質量、体積共に30%小さくした手振れ補正ユニットを新開発して搭載してます。
左はX-H1、中央はX-T4、右はX-S10のボディー内手ブレ補正ユニット
ボディー内手ブレ補正のユニットは、X-H1→ X-T4の時に、質量を20%、体積を30%落とす事に成功し、開発陣の間ではそれが限界だろうと考えていたところ、X-S10のコンセプト上、ユニットを更に小さくしつつもX-T4とほぼ同レベルの手振れ補正効果のあるユニットの開発が求められたそうです。その時は最初開発陣の誰もが無理なのでは?と思ったようですが、無情にもというべきか、幸運にもというべきか、更にユニットを小型化するプロジェクトはスタートし、配線やレイアウトの工夫により、出来るだけ小さな力で制御することを可能とするなど数々の課題を解決する事で、結果X-T4→ X-S10では、質量を15%、体積を30%落とす事に成功し、小型ボディーに5軸6段の手ブレ補正効果のある、ユニットを収める事ができたとの事でした。またこの難しいプロジェクトを成功させる為には、今回とは正反対のラージフォーマットの巨大なセンサーでありながら、5.5段の補正効果を持つボディー内手ブレ補正ユニットを開発したGFX100の時の経験が大いに活かされたようです。
動画性能
4K30Pで撮影が可能で、6K相当のデータ量から4K映像を生成することで、ノイズが少ない高解像の映像を実現しています。Full HDの高画質で最大10倍のスローモーション効果が得られるハイスピード動画撮影が可能になり、18種類もの多彩なフィルムシミュレーションと組み合わせる事で、シネマライクな映像表現を可能にしています。
また動画撮影時の熱問題への対応として、冷却構造を新開発した事で、連続撮影時間は、4K30Pで約30分となっており、あまり時間を気にする事なく撮影に集中することができます。
動画撮影を開始する時は、シャッターボタンの少し手前にある、赤いボタンを押す事で、撮影モードダイヤルがどこに設定されていても、瞬時に動画撮影を開始する事ができます。またモードダイヤルで動画を選択すると、動画専用メニューに切り替わりますので、事前に設定をしておけば、その設定で動画撮影を開始する事が可能になります。
動画用メニュー
デジカメ世代には有難い親切な機能
フィルムシュミレーションの選択画面で「Q」ボタンを押すと、各フィルムアイコン毎に色再現の解説が表示されます(上記は一部で10種類の解説があります。モノクロ、セピアを除く)。はじめて富士フイルムのカメラを使われる方や、フィルムカメラを使った事がない方にはとても有難い機能ですね。
レンズキット
左はXC50-230mmF4.5-6.7 OIS Ⅱ、右のX-S10装着レンズはXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
ボディー単体の他発売予定のレンズキットは以下の通りです。
●デジタルカメラレンズキット
X-S10 + XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
X-S10 + XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
●デジタルカメラダブルズームレンズキット
X-S10 + XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ + XC50-230mmF4.5-6.7 OIS Ⅱ
~ 「X-S10」はこちらの記事でも紹介されています ~
■写真家の片岡三果さんによるX-S10レビュー記事はこちらからご覧頂けます。
富士フイルム X-S10レビュー|小さなボディーにフジ製品のいいとろこがギュッと詰まった頼れる相棒
https://shasha.kitamura.jp/article/478921868.html
■写真家のこばやしかをるさんによるX-S10レビュー記事はこちらからご覧頂けます。
富士フイルムX-S10でポートレートスナップを撮る|充実の機能と日常使いに相応しい単焦点レンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/479634542.html
特集ページ
X-S10特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介していますので
コチラのページ も合わせてご覧ください。
この記事に使用した機材
【フジフイルム】X-S10 ダブルズームレンズキット
商品詳細ページ 【フジフイルム】X-S10 XF18-55mmレンズキット
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
2020年10月15日に富士フイルムより発表されたX-S10についてFUJIFILM Imaging Plaza東京に取材して参りましたので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
X-S10,富士フイルム,レビュー,ミラーレスカメラ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ニコン Z 5は日常をドラマティックにしてくれる高画質フルサイズミラーレスカメラ
BASENAME: 478018215.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 10/20/2020 16:00:00
TAGS: ミラーレスカメラ,Z 5,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ
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BODY:
はじめに
2020年8月28日に発売されたニコンのミラーレスカメラ「ニコンZ 5」は、2018年発売のZ 7、Z 6に次ぐ、Zシリーズのフルサイズ機です。今回は、本機を日常使いしたレビューをお送りします。
画質も携行性もGOODなキットレンズ
■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF6.3 ISO200 WB:5000K 焦点距離24mmクリエイティブピクチャーコントロール:トイ
有効画素数は2432万画素で、画素数の近いZ 6シリーズ(有効画素数2450万画素)と比較されることの多いZ 5。サイズもZ6シリーズとほぼ同じで、並べて置いておくと、どちらがZ 5だかわからないほどです。外見だけじゃなく性能も酷似していることから、Z 6シリーズとどちらを購入しようか迷われる方も多いと思いますが、これからニコンのミラーレスカメラデビューをしようとする方には、Z 5をお勧めしたいです。
その理由のひとつがキットレンズです。同日発売のミラーレスカメラ用フルサイズフォーマットのズームレンズ「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」は沈胴式の形状で、約51mmと薄く、約195gと超軽量サイズなので、フルサイズ機を持ち歩くときの機材の負担をぐっと軽くしてくれます。
レンズキットのコストパフォーマンスの良さは、皆さん良くご存知だと思います。本機をレンズキットで購入する場合の価格と、本機と「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」をそれぞれ単体で購入する場合の価格を比較すると、単純に引き算をするだけで「あれ? レンズの値段安すぎない?」なんて気持ちになっちゃいますよね。その恩恵に預かれるのがレンズキットです。
Z 50のときにも感じたのですが、この沈胴式のレンズは収納時の携行性はもちろん、日常のスナップや旅行との相性が抜群なのです。
レンズの繰り出しはボタンなどがなく、回すだけで撮影可能になります。それも程よいズームのトルクなので、重すぎて撮影まで時間がかかったり、軽すぎて望遠側に行き過ぎたりということはありませんでした。
描写は、隅々までしっかりとした線で描いてくれる、何を撮っても撮りやすいレンズに仕上がっています。広角側が24mmなのは、スナップはもとより、風景や動画撮影にも使いやすい画角でした。
公式ページの「Z マウントの高画質を軽快なフルサイズで手に入れる。」というキャッチコピーは、このキットレンズを使用すると体感できます。
ダブルスロット搭載
■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3 ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF5.3 ISOオート(360) WB:5000K 焦点距離39mm クリエイティブピクチャーコントロール:ピュア
本機はダブルスロットを搭載しています。UHS-II規格対応のSDカードを2枚使用でき、1枚目のメモリーカードがいっぱいになったら2枚目のカードに記録していく「順次記録」、2枚のメモリーカードに同時に同じ画像を記録していく「バックアップ記録」、2枚のメモリーカードをRAW画像とJPEG画像で分けて記録する「RAW+JPEGの分割記録」と、使い分けることができます。また、動画撮影時に空き容量の多いカードを記録先として指定できるのは、親切な設計だと思いました。
ダブルスロットは、仕事でミスができない撮影をしているプロもそうですが、長期間の旅行や、動画と静止画の両方を撮りたい方にもありがたい機構です。
たとえば、ワーケーションを利用してあちこちで仕事をされている方や長期間の旅行をされている方は、「順次記録」でメモリーカード2枚分の大容量のメモリーカード気分で使用すれば、いざというときに容量がなくて写真が撮れない! なんて事態から解放されます。
使用メディアがSDカードなのも、Z 50や一眼レフカメラのエントリー機から乗り換える方は、使用しているメディアをそのまま使える可能性が高いので、フルサイズ機への敷居がさらに下がるでしょう。
使い込むほど楽しいピクチャーコントロール
■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3 ■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF6.3 ISO200 WB:5000K 焦点距離24mm クリエイティブピクチャーコントロール:レッド
ニコンZシリーズのカメラで楽しいのが「クリエイティブピクチャーコントロール」です。
一眼レフ機に搭載されていた8種類のピクチャーコントロール(オート、スタンダード、ニュートラル、ビビッド、モノクローム、ポートレート、風景、フラット)にプラスしてZシリーズから搭載された、より様々なイメージを描き出せるクリエイティブピクチャーコントロールは、静止画、動画ともに鮮やかさ、コントラスト、輪郭の強さ、色味などをワンタッチで変えてくれます。
適用度も0から100まで10ステップ刻みで調整できるので、見た目をガラッと変えたドラマティックな画にしたり、ほんの少しの色付けとして使用したりと、自分の個性を反映できる、使えば使うほど楽しくなる機能です。
この作例のクリエイティブピクチャーコントロールは「レッド」を使用しています。その名の通り全体に赤味が乗るのですが、プラスチッキーな赤ではなく、プリントが退色したような懐かしい色味になるため、筆者がスナップで好んで使っているクリエイティブピクチャーコントロールです。
見やすくて目に優しいファインダー
■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3 ■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF6.3 ISOオート(5600) WB:5000K 焦点距離50mm クリエイティブピクチャーコントロール:ポップ
搭載されているセンサーは、有効画素数2432万画素のニコンFXフォーマットCMOSセンサーです。画像処理エンジン「EXPEED 6」との連携によって、高い解像感とノイズを排除したクリアな画を作り出してくれます。明暗の差の大きなところでのシャドウ部の粘りや、逆光時の細部の描写性能なども綺麗に彩ってくれました。
また、ニコンのカメラ全般に言える良いところが、ファインダーの見え方です。最近は背面液晶を見ながらの撮影も増えてきましたが、直射日光が反射してしまう状況や、撮影に集中したいときなど、ファインダーを使用して撮影したいシーンはたくさんあります。本機も、背面液晶と電子ビューファインダーの両方を使用して撮影をしましたが、どちらも見やすく、目に優しいファインダーは撮影をさらに楽しくしてくれると実感しました。
常用ISO感度100-51200の威力
■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3 ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF5.6 ISOオート(12800) WB:5000K 焦点距離24mm クリエイティブピクチャーコントロール:ブリーチ
普段はほとんど使用しないのですが、フルサイズ機移行やカメラデビューに本機を選ばれる方も多いかと思い、今回は「ISOオート」での撮影を多く試してみました。薄暗いシチュエーションや望遠での撮影時にはISO感度がかなり上がりましたが、できあがった画にノイズなどの荒れは見られず、中央から画面端まで解像度の高い画を作り出してくれました。
仕上がりの画によってはISO感度も自分で設定したいところですが、そのせいでシャッターチャンスを逃すくらいなら、慣れていない方はISOオートで撮影しても十分に綺麗な画になりますので、本機を購入された方は気張らずに写真を楽しんでほしいですね。
撮影がぐっと楽になる手ブレ補正機構を搭載
■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF6.3 ISOオート(12800) WB:5000K 焦点距離160mm クリエイティブピクチャーコントロール:ソンバー
こちらは7月に発売された「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」を使用して撮影しました。旅行に便利な小型・軽量の8.3倍高倍率ズームレンズです。
望遠レンズ使用時に気になるのが手ブレですが、本機は5.0段の「ボディー内センサーシフト方式VR」を搭載しています。上下、左右、Yaw、Pitch、Rollの5軸のブレを補正してくれるので、今まで三脚が必要だったシーンまで気軽に手持ちで撮影ができるようになります。
シャッターチャンスを逃さない高いAF性能
■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF6.3 ISOオート(12800) WB:5000K 焦点距離200mm クリエイティブピクチャーコントロール:風景
本機のAFエリアモードは「シングルポイントAF」、「ピンポイントAF」、「ワイドエリアAF(L)」、「ワイドエリアAF(S)」、「ダイナミックAF」、「オートエリアAF」の6種類が搭載されています。
静止画のオートエリアAF使用時には「瞳AF」と「動物AF」が使用できます。人物の瞳、もしくは犬か猫の瞳を検出して、瞳にピントを合わせてくれます。特に人物は、構図から一度外れても、戻ってきた瞬間にサッとピントを合わせてくれるので、ポートレート撮影や小さな子供を撮影するときに重宝します。
動物AFは、公式では犬と猫に対応しているとのことですが、それ以外の動物でもライオンやヒョウなどのネコ科の動物は瞳を検出してくれました。
検出してくれない動物も、タッチAFを使用して背面液晶の画面で瞳をタッチすればピントを素早く合わせてくれるので、気まぐれな動物もシャッターチャンスを逃すことなく撮影できます。
性能、コストパフォーマンス、使いやすさともに、フルサイズ機デビューがまだの方はこの機会にぜひ! と言いたくなる機種がニコン Z 5でした。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
他カメラとの価格やスペック比較
「Z 5」と「Z 6」、「キヤノン EOS RP」、「ソニー α7 III」の価格や主要なスペックの比較表を
こちらのページ で紹介していますので是非ご覧ください。
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんにニコン Z 5のレビュー記事を執筆頂きました。フルサイズ機デビューにぴったりのZ 5の特長を作例と共に紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,ミラーレスカメラ,Z 5,ニコン
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ニコン Z 7II/Z 6II|ユーザーの要望に応えて正統進化を遂げる
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 10/21/2020 16:00:00
TAGS: Z 7II,Z 6II,ミラーレスカメラ,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ
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はじめに
ニコンは2020年10月14日、フルサイズミラーレスカメラの新製品「Z 7II」と「Z 6II」を発表しました。2018年に発売された同社初のフルサイズミラーレスカメラ「Z 7」「Z 6」の後継にあたる機種で、ユーザーの声に耳を傾け、検証を重ねて改善してきた製品になります。具体的にはデュアル画像処理エンジンの搭載やAF性能の強化といった技術面での進化に加え、従来機ユーザーの要望に応えた縦位置グリップへの対応やメモリーカードのダブルスロット化など、既存ユーザーだけでなく、新たなデジタル一眼ユーザーからの買い替えにも対応できる正統進化を遂げたとのが、この Z 7II/Z 6IIなのです。
今回、実機のβ版をニコンより貸していただくことができたので、どんな進化を遂げたのか、チェックしていこうと思います。
Wスロットとデュアルエンジンで高速かつ快適な撮影が可能
まずはメモリーカードスロットの改良について。従来機ではCFexpress/XQDスロットのみでしたが、 Z 7II/Z 6IIはCFexpress/XQDに加え、SDメモリーカード(UHS-II規格対応)のダブルスロットを搭載しています。記録方式も両方のスロットにメモリーカードを装填することで「順次記録」「バックアップ記録」「RAW+JPEGの分割記録」と、撮影者の目的に合わせて使い分けが可能となっています。なお、CFexpress/XQDスロットはPCI Express Gen3に対応しているため、 Z 7/Z 6より高速の書き込みが可能となっています。
Z 7II/Z 6IIには、画像処理エンジン「EXPEED 6」を2基搭載したデュアルエンジンを採用しています。これにより、連写性能が向上しています。Z 7IIは約10コマ/秒(Z 7は約9コマ/秒)で、高速連続撮影可能コマ数※は最大77コマ(Z 7は最大23コマ)、Z 6IIは約14コマ/秒(Z 6は約12コマ/秒)で高速連続撮影可能コマ数※は最大124コマ(Z 6は最大35コマ)と大きく性能アップしています。
※ロスレス圧縮RAW(L)/12bit時
また、従来機ユーザーからの要望が多かったバッテリーパワーパック「MB-N11」を同時発表(別売)。縦位置グリップに対応し、シャッターボタンや操作ダイヤルも設置されています。これにより、縦位置撮影時のホールディング性や操作性が格段にアップしました。撮影しながらバッテリー交換が可能な「ホットスワップ」にも対応しています。
もちろん撮影機能についても性能を強化しています。Z 7/Z 6から搭載された「ハイブリッドAF」は継承。Z 7IIは493点、Z 6IIは273点のフォーカスポイントで撮像範囲の水平、垂直約90%と広い範囲をカバーしています。さらに、2020年2月に公開されたファームウェアのアップデートでZ 7/Z 6に対応した「動物AF」も搭載されており、しかもZ 7II/Z 6IIでは動物AFと、人物や犬、猫の顔・瞳を検出する「瞳AF・顔検出AF」がオートエリアAFに加え、新たにワイドエリアAFにも対応しました。これにより、動きのある被写体の撮影でも安定したピント合わせが可能となります。
■撮影機材:ニコン Z7 II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:F4 1/80秒 ISO500 AWB
特に、この作例ように複数の被写体が混在したシーンでは、ワイドエリアAFによる動物AFで狙いたい被写体を簡単に選ぶことが可能となります。
なお、AF合焦のアルゴリズムも見直され、従来機より性能向上が図られています。しかもAFの低輝度限界をZ 7IIで-3EV、Z 6IIは-4.5EVに性能向上させています。より暗いシーンでの静止画撮影には「ローライトAF」機能が効果的で、Z 7IIでは-4EV、Z 6IIでは-6EVの暗さまでAF撮影が行えます。
ちなみに小さな仕様変更ですが、ピントを合わせた位置を電源オフ時にも記憶しておける「フォーカス位置の記憶」は、風景やポートレート、鉄道などを撮影する際、決めておいたピント位置が電源オフ、オンしても変わらないので便利な機能です。
バッテリー変更など細部に渡って使い勝手よく進化
ほかに大きな進化として、Z 6/Z 7より長時間の撮影が可能なLi-ionリチャージャブルバッテリー「EN-EL15c」(Z 7/Z 6はEN-EL15b)を採用しています。これによりEVF使用時でZ 7IIは約380コマ(Z 7は約330コマ)、Z 6IIは約400コマ(Z 6は約310コマ)と撮影可能コマ数がアップしています。
また、デュアルエンジン搭載により画像処理速度が向上したため、連写のコマ速がアップし、結果としてEVFの表示コマ数を増加させることが可能となりました。これにより、もともと高精細なEVFの動体追従性がさらに向上。実際、動く被写体を追って連写してみたところファインダーから見える像はとても滑らかな印象を受けました。
「USB給電」に加え、新たに「USB充電」も可能となっています。
Z 7II/Z 6IIそれぞれの特長や魅力とは?
ここまでは、Z 7II/Z 6IIの従来モデルからの進化についてご紹介してきました。ここからはZ 7II、Z 6IIそれぞれの魅力や特長について説明していきます。なお、もともと従来モデルのZ 7は高画素機、Z 6は高感度機・高速連写機という特長を持っていましたがこれはZ 7II/Z 6IIでも継承しています。
それでは、各モデルの特長について解説します。まずは上位機種の Z 7IIから。有効画素数4575万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、高いトリミング耐性が魅力の機種です。センサー自体はZ 7と同じですが、デュアルエンジンの搭載により画像処理速度が向上し、より快適に撮影を楽しむことができるようになりました。
■撮影機材:ニコン Z7 II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:F4 1/80秒 ISO180 AWB トリミング有
また、AFのフォーカスポイントも493点とZ 7と同じですが、前述のように瞳AF・顔認識AFと動物AFがワイドエリアモードに対応したため、より繊細なピント位置の選択が可能となりました。こうしたAF性能の高さと高画素によって、トリミングしても精細な画像に仕上げることが可能となっています。また、カメラ側の設定としてFX→DXクロップ撮影も可能なので、擬似的にズーミングすることもできます。
次に Z 6IIですが、フルサイズで有効画素数2450万画素の裏面照射型CMOSセンサーと、こちらもZ 6と同じセンサーを搭載しています。ただ、センサーサイズ自体は高画素機のZ 7IIと同じなので、より画素ピッチに余裕があり、1画素が受光できる光量がZ 7IIよりも大きくなります。そのため、暗所での撮影で強さを発揮するということで「高感度機」という位置づけになっています。つまり、Z 7IIより高感度撮影が強く、高感度ノイズが少なくなるということになります。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:F4 1/80秒 ISO1600 AWB
作例はISO1600と従来は高感度と言われた画像ですが、このZ 6IIに関しては常用ISO感度の範囲です。なお、Z 6IIの常用ISO感度は100~51200(Z 7IIはISO64~25600)。拡張すればISO204800相当(Z 7IIはISO102400相当)までの高感度撮影に対応しています。ちなみに、Z 6のISO感度も同じ範囲ですが、AFの低輝度限界性能がZ 6より向上しているため、暗所でのピント合わせも迷うケースが少なくなりました。
Z 7II/Z 6IIは、従来モデルのZ 7/Z 6とほとんど変わらない外観をしていますが、奥行きが2cm大きくなっています。これはグリップ部の握りやすさを改善した結果で、実際に使用してみるとガシッと安定したホールディングが実現していて、撮りやすさが向上していると感じました。見た目こそ同じですが、従来モデルからのユーザーの声をしっかり反映し、細部にわたって見直しと改善を行い、より使い勝手が向上しているのが新たなフルサイズミラーレスカメラ・ Z 7II/Z 6IIなのです。
ご予約特典。買取査定額より20%UP!
カメラのキタムラではご予約特典として対象製品を買取査定額よりも20%UPで下取り実施中です。対象製品及び詳細は
こちら をご覧ください。
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2020年10月14日にニコンから発表された「Z 7II」と「Z 6II」をメーカーからお借りして前機種からの進化点をチェックしてレビューしていますので、是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン,Z,7II,Z 6II,レビュー,ミラーレスカメラ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO Art レビュー | 待望のミラーレス専用Artライン マクロレンズ
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 10/28/2020 16:00:00
TAGS: SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art,シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,単焦点
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はじめに
シグマから待望のマクロレンズが登場した。このミラーレスカメラネイティブの「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」は、あらゆる収差を徹底的に抑え込み、スリムかつ軽量で、絞りリング搭載で操作性も高く、近接撮影はもちろんのこと中望遠レンズとして、あらゆるジャンルの被写体を確実に受け止めてくれる1本に仕上がっていた。
高まるマクロレンズ需要
「日常さえも想像以上」というキャッチコピーで登場した「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」。一体これはどういうことだろうか。「ステイホーム」のかけ声とともに「感染をしない、させない」ため、テレワークや外出の自粛が求められた2020年の状況が、マクロレンズの需要を後押ししたのである。外出を控え、家の中で小物や衣類、そして料理などを撮る人が増えたのだ。何気ない日常のワンシーンをデジタルカメラで撮影する人が多く現れたというわけだ。そこへタイムリーに登場したのがこの中望遠マクロレンズだ。今までは「70mm F2.8 DG MACRO」しかラインナップになかったが、よりワーキングディスタンスが取れるこの105mmが、ライフスタイルにちょっとした変化を与え、「日常さえも想像以上」に楽しめますよ、というシグマからのメッセージなのである。
SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art のスペック
レンズ構成枚数 12群17枚
画角 23.3°
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最小絞り F22
最短撮影距離 29.5cm
最大撮影倍率 1:1
フィルターサイズ φ62mm
最大径 × 長さ φ74mm × 133.6mm(Lマウント)
最大径 × 長さ φ74mm × 135.6mm(ソニー Eマウント)
質量 715g (Lマウント)
質量 710g (ソニー Eマウント)
付属品 ケースおよび花形フード(LH653-01)
■引用:
SIGMA HP
ミラーレス専用Artライン初のマクロレンズとなるこの「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」。「Art」ラインの名に恥じない光学性能至上主義の元、画面中心部はもとより、周辺部までフラットで高解像感を実現した。実写したデータを4Kディスプレイで見ると唸ってしまうほどの描写である。軸上色収差も皆無で、ボケの形状も円形で気持ちがいいのだ。シグマの心意気を感じられるマクロレンズに仕上がっている。
使用感をチェック
写りもバツグンだが使い勝手も素晴らしい。指がかりがよく、繰って心地よい絞りリングは、クリック感のオンオフができる仕様となっている。「
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art 」と同様に「A」位置で固定、または「A」に入らない開放から最小絞りの範囲でロックする「絞りリングロックスイッチ」も採用。さらにカメラボディからさまざまな機能を割り当てることができる「AFLボタン」も装備されている。ピントの移動量が多いマクロレンズなのでフォーカスリミッタースイッチももちろん搭載されている。悪天候でも安心な防塵防滴構造と撥水・防汚コートも施されているので、フィールでの撮影も怖いものなしである。
描写をチェック
さて「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」の写りを見ていこう。使ったカメラは大人気のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」である。
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:1/400秒 f/2.8 ISO100 焦点距離105mm EV-0.7
秋に咲く花の代名詞・曼珠沙華(まんじゅしゃげ)。その様子を絞り開放で捉えた。刈り入れを終えた水田の畦に咲いていたが、105mmという焦点距離で画面内に大きく写し込むことが可能だった。背景のボケ感も品があって美しくまとまっている
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:1/320秒 f/5.6 ISO100 焦点距離105mm EV-0.3
相模湾にある漁港を撮り歩いていて気になった圧力計。その様子をクローズアップで。F5.6のチョイ絞りでカッチリ感を出した。メタリックの表現と錆の描写がなかなかである。マクロレンズはふと目に付いたものをしっかりと記憶に残してくれる
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:1/1600秒 f/2.8 ISO100 焦点距離105mm EV-0.7
「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」は中望遠レンズとしても優秀だ。絞り開放から滲みもなくシャープな像を提供してくれる。観光客の背負ったバックパックの質感描写がいい感じである。F2.8という明るさは自然で優しい写りを楽しめる
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:1/3200秒 f/2.8 ISO100 焦点距離105mm EV-1.0
巣ごもり需要でマクロレンズの人気が高くなったが、この「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」1本あればさまざまな被写体に迫って撮影できる。つまり何でも被写体に変身するのだ。波打ち際で見つけた流木もモノクロームに仕上げればご覧のとおり。ものをしっかりと発見する力を養ってくれるレンズだ
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:1/100秒 f/5.6 ISO125 焦点距離105mm EV-1.3
公園に展示されている蒸気機関車。その重厚感を余すところなくキャプチャーできるのが「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」だ。厚く塗られたペイントと、やや波打った金属感がいい。特に「D51 408」と書かれたプレート部分のベコベコ感が何とも言えない
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:1/160秒 f/8 ISO100 焦点距離105mm EV-1.0
下町で発見した懐かしい雰囲気の建物をF8に絞ってシャッターを切った。瓦でできたひさしの立体感、すだれの日焼け具合と解像感、そして青々とした蔦の生命力を「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」は克明にメモリーカードに定着してくれた。このリアル感は半端ない
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:1/400秒 f/5 ISO100 焦点距離105mm EV-1.0
外車のヘッドライトを切り取ったが、艶やかにその光景を再現できた。ビビッドな発色は現場で感じた色そのものだ。解像感、ヌケ感だけでなく、色再現性もピカイチである。オートフォーカスも正確である
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:1/100秒 f/22 ISO3200 焦点距離105mm EV+-0
マクロレンズは特殊なレンズだと思われることが多いが、この「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」はググッと寄れる中望遠レンズだと思って入手して欲しい。ポートレートからスナップショット、風景、静物、フード撮影などあらゆるシーンで使い勝手のよさを感じることができるはずだ。描写は折り紙付きなので、このレンズを使うことができるライカLマウントおよびソニーEマウントユーザーは幸せだ
どんな方にオススメ?
植物や昆虫などクローズアップ撮影が好きな人はもちろん、精細感とヌケ感が両立した中望遠レンズが欲しい人にオススメだ。絞り開放からほとんどの収差がない極上の写りとボケ味を堪能できる。スリムかつ軽量なので携行も楽チンで、幅広いシチュエーションで近接および中望遠の遠近感を楽しめる。ズームレンズ主体の構成にまず加える1本としてもいいチョイスになるだろう。
まとめ
大口径、ショートフランジバックというミラーレス専用設計の「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」はまさにこれからの時代を牽引するマクロレンズと言えるだろう。極限まで封じ込めた収差やゴーストとフレア、品格が感じられる美しいボケ味、ホールドする手に馴染むスリムなレンズ鏡筒、節度感ある絞りリングなど、写りと使い勝手を高次元でまとめた1本だ。ライカLマウント版には1.4倍と2倍のテレコンバーターも用意されているので、よりクローズアップ撮影を楽しみたい人の期待にも応えてくれるはず。まずはキタムラ店頭で手にして、このレンズのオーラを感じてみて欲しい。
■写真家
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【シグマ】105mm F2.8 DG DN MACRO Art ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】105mm F2.8 DG DN MACRO Art ソニーE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがSIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artをレビューしてます。使用感の紹介や作例を用いた描写チェックを行っていますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art,レビュー,中望遠単焦点レンズ,SIGMA
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン EOS R5|航空写真家がスチル&ムービーで徹底レビュー
BASENAME: 478121231.html
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CATEGORY: A☆50/Akira_Igarashi
DATE: 10/29/2020 16:00:00
TAGS: EOS R5,飛行機,ミラーレスカメラ,キヤノン(Canon) ボディー,フルサイズ
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はじめに
キヤノンのミラーレス一眼システムのひとつ、EOS RFシステムに待望の「5」が誕生しました。EOS R5は人気のデジタル一眼レフカメラ、EOS 5Dシリーズの流れを汲んだ高画素機。「5」というと三脚にガッツリとカメラを据え付けじっくりと風景写真を撮る…というイメージもありましたが、今回のEOS R5はシャッターの秒間コマ数や手ブレ補正の段数などの秀逸さを見ても、かなり動きモノに対応してきたなという印象を持ちました。そこで、動きモノである飛行機撮影においてEOS R5を徹底インプレッション。スチルだけでなくムービーについても、その劇的な進化をレビューします。
画素数&センサー
■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:ISO100 F11 8sec 焦点距離135mm
まずはスチル撮影にてそのポテンシャルを確認。EOS R5では新開発の有効画素数約4500万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載。EOS 5D MarkⅣが有効画素数約3040万画素、EOS Rが有効画素数約3030万画素なので、これらに比べおよそ約1.5倍の画素数を誇ります。その恩恵はまず飛行機撮影においては重要視されるディテール部分に表れますが、この写真でもドア付近の小さな文字やコックピットウインドウのリベット(鋲)部分まで精細に描き出されています。WEB上の軽い画像では分かりづらいですが、もう少しコックピットウインドウに寄った画になるとコックピットウインドウのリベット(鋲)のアタマがプラスドライバー対応であることまで分かります。
ダイナミックレンジにおいても著しい進化が見られます。この写真ではボディ右側から照明を浴びていますが、ハイライト部分からシャドー部分に至る階調の滑らかさや豊かさに驚かされました。ローパスフィルターにて偽色やモアレが軽減されていますが、解像感のトレードオフもほとんど感じられません。ズームレンズで撮影された画にも関わらず単焦点レンズで撮影されたかのような空気感、解像感を得ることができました。
高感度
■撮影機材:EOS R5 + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO6400 F4 1/1250sec 焦点距離47mm
EOS R5の常用最高ISO感度は51200。有効画素数約4500万画素を誇る高画素機であるがゆえ高感度撮影において一抹の不安を感じていましたが、輝度ノイズ、カラーノイズともに高画素機にしてはかなりノイズが抑えられています。このあたりはセンサー性能とともに映像エンジンDIGIC Xの性能が大きく寄与している印象。写真はISO6400で撮影しましたが、機体のディテールがしっかりと残っています。
AF
■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:ISO200 F8 1/1000sec 焦点距離500mm
像面位相差AFの進化は日進月歩。ご多分に漏れずEOS R5のAFも目覚ましい進化を遂げています。飛行機撮影において一眼レフよりもミラーレス一眼が優れている点としてよく挙げるのが、ファインダー撮影時の測距可能エリアの広さ。機首部分などフォーカスを合わせたい場所が画面隅にくることが珍しくない飛行機撮影においては、この測距可能エリアの広さが重宝されます。EOS R5では顔+追尾優先AF使用で画面の最大約100%(縦)x約100%(横)を達成。対象レンズによるが、全画面でのAFを実現しています。1点AFや領域拡大、ラージゾーンなども設定可能で、この場合は対象レンズでないことやエクステンダー非装着など条件もありますが、画面の約100%(縦)x約90%(横)となります。測距輝度範囲は低輝度限界EV-6を達成。夜空の鈍く光る星でさえすぐに合焦したのには驚きました。約576万ドットの高精細0.5型EVFも優秀。ピントの山を非常につかみやすくなっています。
手ブレ補正
■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:ISO100 F11 1/100sec 焦点距離500mm ※1.6倍クロップ使用
EOS R5の目玉機能のひとつが強力に効く手ブレ補正機構。EOSシリーズとして初めてボディ内手ブレ補正機構が搭載されました。レンズにもよりますが、レンズに搭載された手ブレ補正機構(IS)との協調制御により最大8段分の補正効果を発揮。これだけの高画素機ですし、手持ち撮影の多い飛行機撮影ですから待望の機能が搭載されたとえいます。最も効果がわかりやすいのが駐機している機体の手持ち撮影。以前は三脚を使って長秒時露光で撮っていたシーンも手持ちで撮れる機会が増えました。動かない機体なら何秒というシャッタースピードでの手持ち撮影も視野に入るほど。シャッタースピードを上げられない中、せっかくの高画素機なのでISOを下げて積極的に高画質な写真を狙えるようになりました。こちらの写真も以前であればシャッタースピードを1/320くらいに設定し、ISOを800あたりにするか絞りを開放近くにして手持ち撮影しているところ。これが1/100で撮れるのですから嬉しいですよね。
連写
■撮影機材:EOS R5 + EF600mm F4L IS Ⅱ USM x EX2 ■撮影環境:ISO3200 F9 1/1600 焦点距離1200mm ※トリミング
EOS R5は高画素機でありながら、カード書き込み性能などの高速化により電子シャッター使用時は最高約20コマ/秒、メカシャッターや電子先幕使用時は最高約12コマ/秒の高速連続撮影を実現。写真のように月にフォーカスを合わせ機体が超高速で横切るのを待つようなシチュエーションでは、秒間コマ数の多さに非常に助けられます。この写真では電子シャッターを使用し撮影。最高約20コマ/秒の性能をフルに出すには、絞り開放であることなど条件によるようだが、かなり高速連続撮影ができたため機体を真ん中にとらえることができました。
ちなみにこの写真のように月と機体のサイズがほぼ同一で、超高速で機体が横切るようなシチュエーションである場合が、最もど真ん中に機体を止めることが難しくなります。逆に画面の中で機体が大きく月が小さい場合や、逆に月に対して機体のサイズが豆粒のような時、機体が真正面や真後ろに進んでいる場合などはそこまでコマ数がなくともOKですし難易度も下がります。
ミラーレス一眼で写真のようなシチュエーションで撮る場合、EVFや背面液晶を見て月に機体が飛び込んでからシャッターを押していては間に合いません。一眼レフ機のOVFと違い「今」を映しているわけではないので、機体が飛び込みそうだと認識したら月に飛び込む前から連写を開始するのが成功の秘訣となります。
動画(記録画質の豊富さ)
VIDEO
■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F9 1/125sec NDフィルター使用 4K/120P ALL-i
スチルカメラとしての扱いながらムービーについても妥協の無い尖った性能を持つのがEOS R5の特徴。さすがは「5」の系譜、スチルカメラながらその動画性能が多くの動画クリエーターの注目を浴びたEOS 5D MarkⅡの誕生を思い出しました。2020年7月現在、世界初となる8K/30Pでの動画撮影を実現するなど出し惜しみ一切ナシ。8.2Kオーバーサンプリング処理による、4K高画質動画や4K/119.88fpsでの撮影も可能となっています。動画記録サイズは8Kや4K、FHDを選べ、フレームレートや映像圧縮方式も選択可能。撮影するシチュエーションによって色々と組み合わせることができます。その他、8Kタイムラプス動画なども撮影可能。8K動画の1フレームを切り出し約3540万画素の画像として切り出すこともできます。
動画(AF)
VIDEO
■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F13 1/60sec NDフィルター使用 4K/60P IPB
AF方式はスチル撮影と同様に顔+追尾優先AFやゾーンAFなど色々と選択できます。機体真横を画面いっぱいに入れて追いかける場合はラージゾーンAF(横)、機体に寄って精密にコックピットウインドウにフォーカスを合わせたい場合はスポット1点にするなど、撮影シーンに応じて変更できるのが嬉しいです。サンプル動画のような離陸機を追いかける場合、肝となるのが動画サーボAFの性能ですが、一度つかまえたら離さない優秀なもの。動画サーボAFはカスタマイズできるのが特徴で、飛行機撮影においてはAF速度を上限の「速い(+2)」にし、機体の前に照明灯などが横切ってもそちらにフォーカスが持っていかれないように「粘る方向に(-2)」としました。
動画(高感度とその他性能)
VIDEO
■撮影機材:EOS R5 + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO16000 F4 1/60sec 4K/60P IPB
今回はEOS R5の「素」の状態での撮影をテストするため、外部モニターやマイク、それにウインドウジャマー(ふさふさの風防)も装着せず三脚と雲台にカメラとレンズを装着して撮影。ほぼネイキッド状態での動画撮影としましたが、やはり機体を追いかけるような撮影では外部モニターがあった方が撮影しやすく、風の強い日はやはり外部マイクとウインドウジャマーの必要性を感じました。ただ、カメラを固定して撮影する際にはEVFや背面液晶で十分だと感じる場面も多く、またウインドウカット機能が装備されているので少々の風はカメラ側が制御してくれていることも感じることができました。この動画では高感度性能をテストしていますが、Web上で観賞するくらいの大きさであればISO16000でも十分。常用ISO感度25600までゲインしてもこの大きさではほぼディテールの損失を感じませんし、夜空の質感がここまで表現されるのかと感動しました。機体の強い光を真正面から浴びているためさすがにフレアが出ていますが、これは動画らしく動きを表現できているのでOK。レンズにある絞り羽根由来の光芒が美しく表現されているのもご覧頂けるかと思います。
まとめ
EOS R5はキヤノン社がフルサイズミラーレス一眼のRFシステムにかなり情熱を注いでいることが確認できるカメラです。スチル、ムービーともにハイスペックな機能が惜しみなく投じられていますし、同社の未だ主力商品のひとつである一眼レフカメラシステムへの遠慮が見られない、はじめてのフルサイズミラーレス一眼カメラと言っても過言ではありません。
冒頭でも述べましたが「5」シリーズというと風景など静物撮りのイメージもありますが、飛行機撮影など動きモノにも気兼ねなく投入できるカメラです。ISO100でバチッと撮れた画はまさに圧巻。その空気感、精細感に驚かれる方が多いのではないかと思います。先進的なスペックを持つムービーに関しても同様。バリエーション豊かな設定をシーンや目的に応じて細かく変更できるのが魅力です。スチル、ムービーともに「新しい世界」を見られるカメラですね。
■写真家:
A☆50/Akira Igarashi
一瞬を切り撮ることを目的とする瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、テレビなど各種メディアに作品を提供するかたわら、航空会社やカメラメーカーなどの公式撮影も担当。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。
・EOS学園講師
「EOS R5」はこちらの記事でも紹介されています
キヤノン EOS R5 レビュー|スチールも、ムービーも、ポートレートが俄然楽しくなる一台
写真家:大村祐里子
https://shasha.kitamura.jp/article/482368703.html
キヤノン EOS R5 × スポーツ|中西祐介
写真家:中西祐介
https://shasha.kitamura.jp/article/482000501.html
キヤノン EOS R5 × 鉄道写真|村上悠太
写真家:村上悠太
https://shasha.kitamura.jp/article/480060111.html
EOS R5・R6と他のカメラを比較
「EOS R5・R6」と「EOS R」、「ソニー α7R IV」、「ソニー α7 III」の価格や主要なスペックの比較表を
こちら のページで紹介していますので是非ご覧ください。
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写真家の五十嵐あきら(A☆50/Akira Igarashi)さんが、航空機撮影の際にキヤノン EOS R5を使い、使用感をレビューしています。航空機のスチルとムービー作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,キヤノン,EOS R5,飛行機,ミラーレスカメラ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: イチョウ・モミジの撮り方|北村佑介
BASENAME: 478242410.html
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 11/02/2020 16:00:00
TAGS: 花
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はじめに
こんにちは!北村です!今回は、間もなく紅葉シーズンなので、イチョウ・モミジの撮り方を紹介させていただきます。花以外の写真も撮るとなると腕の見せどころですね。普段花を撮る筆者ならではの、紅葉の切り取り方をお伝えできたらと思います。
イチョウの撮り方
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 ■撮影環境:絞り優先・180mm・F4.0・ISO1250・1/350秒
公園の中で、蜘蛛の糸に引っかかっているイチョウを撮りました。ハンドパワーなどとつまらないことは言わないのでご安心ください。色とりどりの背景は、紅葉しているモミジなどです。色付いたものは被写体として選びがちですが、このように後ろボケとして使ってみても面白いと思います。カラフルなイメージにしたかったので、なるべく多くの色が入る背景を選びました。焦点距離が長いレンズを使った時は、レンズを向ける先を少し変えただけで入ってくる色が全く異なります。よりイメージに近い背景をしっかりと選ぶようにしましょう。
この時イチョウはゆらゆらと揺れていました。少し揺れていたり少し風が吹いている時、筆者はシャッタースピードを1/500秒~1/250秒は確保するようにしています。薄暗いところで開放F値もそこまで明るくないレンズを使い、シャッタースピードをある程度確保する為ISOは1250まで上げて撮影しました。ここまでISOを上げたくないという方もいると思います。しかし、花をはじめとしたネイチャーを被写体にする時は、被写体ブレしてしまうシチュエーションが多いので、ISOを多少犠牲にしてでもシャッタースピードを確保することをおすすめします。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/350秒
会社勤めしていた頃の通勤途中にあったワンシーンです。普段何気なく通っていた普通の道だったのですが、黄色く色付いたイチョウで敷き詰められたこの場所を見て、心動くシーンは身の周りにもあるんだなと思いました。身の周りにある当たり前の光景を、当たり前ではなく特別なものなんだと思うようになったのはこのイチョウのおかげかもしれません。
135mmの中望遠レンズの絞り開放で撮り、圧縮効果を使いました。アイレベル、立ったままの目線から撮ってしまうとイチョウとイチョウの間のコンクリートが目立ってしまいます。このようなシチュエーションではローアングルで撮り、圧縮効果をフルに活用して一面が色付いた道のイメージにするのが良いでしょう。また、この写真に写っていない部分は道路や看板や建物などでごちゃごちゃとしています。焦点距離が長いレンズは、見せたい部分だけを切り取ることができるので、こういった切り取りにぴったりです。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM ■撮影環境:絞り優先・50mm・F11・ISO800・1/250秒
11月の中旬、朝7時半頃に撮った一枚です。近所の公園はちょっとしたイチョウの名所なので、この時期は至る所が黄色に染まっています。花もそうですが紅葉は特に、散って地面を彩っている様もとても美しいです。咲いている時や色付いている時は勿論ですが、このように散った後のシーンを切り取るのも筆者はとても好きです。
通いつめている公園なので、散り具合や太陽の位置を正確に把握でき、イメージ通りの一枚を切り取ることができました。手前の落ち葉から奥の光芒までしっかりと見せたいことと、このレンズは絞った時の太陽の写り方が良いことが理由で、F11まで絞りました。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO4000・1/250秒
早朝、はらはらとイチョウが舞いながら落ちていく様を撮りました。日時は異なりますが、先程と同じ公園で数メートルしか離れていない場所です。ほぼ同じ場所にも関わらず全く違うイメージの写真が撮れるのは、一部分だけを切り取る望遠レンズの醍醐味かもしれません。ISOが大きく上がっていますが、落ちてくるイチョウを止めて写すのに必要なシャッタースピード、1/250を優先した結果です。落ちてくるイチョウにピントを合わせるのは困難なため、木の幹にピントを合わせました。筆者は飽き性なので粘って撮る、ということはあまりしません。ですがこの時は、そこそこの枚数のイチョウが落ちてくるシーンを切り取りたかったため、1時間半ほど粘りました。たまには粘るのもいいかもしれませんね。
モミジの撮り方
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/2500秒
雨上がりに日が射して、水溜まりの上でキラキラと輝くモミジを半逆光で撮りました。
これは、普段筆者が花を撮る時と全く同じように撮ることができました。シチュエーションも手伝ってお気に入りの一枚となりました。半逆光で撮ると、逆光で撮った時よりも透過する感じやキラキラ感は薄れますが、コントラストがそこまで強くないので被写体が暗くなり過ぎません。日中、晴れている時に逆光で撮ると被写体が暗くなり過ぎてしまう時は、半逆光で撮るのもいいかもしれません。
地面すれすれの高さから撮ったので、地面が綺麗な前ボケとなってくれました。被写体の主役感が増す写真となったのは、前ボケでごちゃごちゃとした部分が隠れてくれたおかげでしょう。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 ■撮影環境:絞り優先・180mm・F3.5・ISO640・1/250秒
陽が傾き始めた夕方、綺麗に赤く染まったモミジを見つけました。手前にあったモミジを前ボケに使い、ごちゃごちゃとした部分を隠して主役がわかりやすくなるようにしました。前ボケをフレームのように配置しているのがポイントです。前ボケを作る時、どこか一辺だけでなく四方に作ることを意識しておくと、主役の周りに主役以外のものが隣接しているこのようなシチュエーションでとても役に立ちます。この時、ピントを合わせたものに前ボケが被らないようにするのがおすすめです。前ボケが被ると、せっかく選んだ主役の色や輪郭が薄れてしまいます。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/500秒
近所の公園で紅く染まったモミジを撮りました。奥の青色はテニスコートです。テニスコートの手前にフェンスもあるのですが、綺麗にボケて目立たなくなっています。被写体と背景にする部分の距離が充分にとれている時、135mmなどの望遠系レンズであれば大抵のものは色として使えます。背景に人工物や地面が入るのは避けようと考える方が多いですが、距離をとればそれらも色として使えると考えると色のレパートリーが一気に増えます。花や自然の写真は、背景の色が緑色に寄りがちなので、こういった背景の作り方も是非レパートリーに加えてみてください。
■撮影機材:ソニー α7II + FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/400秒
綺麗な落ち葉が木の間から漏れた光に照らされていました。モミジは、花以上に形をしっかりと捉えてあげなくてはならない被写体です。薄いので、横や斜めから撮ると形の良さが出ず、線として写ってしまいます。この時も腕を伸ばし、ライブビューで撮影してモミジを真上から捉えました。そのおかげで写っているモミジ全ての形をしっかりと捉えることができました。また、このような時の露出は、明るくなっている部分の色が出るよう、しっかりと下げましょう。ローキーにする時、躊躇して露出を中途半端に下げてしまう方が多いように感じます。
さいごに
今回は初めて花以外の撮り方を書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか。いつも紅葉のおかげで、咲く花が少なくなってきたなと嘆かずに済んでいます。花の撮り方が応用できる被写体なので、普段花を撮っている方ならではの、紅葉の写真を見るのもとても楽しみです!最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました!
■写真家:
北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
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写真家の北村佑介さんにイチョウとモミジの撮り方を紹介頂きました。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
イチョウ,モミジ,花,撮影テクニック,キヤノン,シグマ,ソニー,α7II,EOS 6D,EF 135mm F2L USM, SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1,FE 35mm F1.4 ZA
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー α7C レビュー|持ち歩きに最適なフルサイズミラーレスを持って小旅行!
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 11/05/2020 16:00:00
TAGS: α7C,ソニー(Sony) ボディー,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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はじめに
ソニー「α7C」は、現時点での世界最小・最軽量(※)の約509g(バッテリー、メモリーカード含む)を実現したフルサイズミラーレス一眼です。そして、同時に発売された新しいキットレンズ「FE 28-60mm F4-5.6(SEL2860)」も約167gと超小型軽量化を実現しています。つまり、「いつでも、どこへでも気軽に持ち運べる」魅力的なフルサイズシステムとして新登場したのが、このα7Cなのです。
※世界最小・最軽量:光学式ボディ内手ブレ補正機構搭載のフルサイズセンサー搭載デジタル一眼カメラとして。2020年9月時点。ソニー調べ
どのくらいコンパクトかというと、同じソニーフルサイズ機のα7IIIに比べ、質量で約78%、体積で約81%となっており、全体として8割程度の大きさになっています。また、デザイン的に似ている箱型のα6600(APS-C)と比べても、α7Cは質量で約101%、体積で約110%程度に抑えられており、バッテリーのことも考えると従来のAPS-C機のボディにフルサイズのセンサーを入れてしまったぐらいのイメージなのです。
上記の比較の資料とは機種が若干違いますが、参考までに筆者が所有しているカメラを並べて比べてみました。比較したのはα9とα6400です。
左からα9、α7C、α6400
左からα6400、α7C、α9
ソニー α7Cの特徴
α7Cの特徴は、なんといってもフルサイズミラーレスとは思えないサイズのコンパクトさが挙げられますが、ただ小さくしただけではなく、バッテリーがα7/9シリーズと共通の大容量バッテリー「NP-FZ100」を使用していることも注目したい点。ボディはコンパクトになっても、撮影可能なコマ数を落とさない快適に使えるスタミナ性能は、旅行などの撮影に持ち出してもバッテリーを気にすることなく使用できるというメリットがあります。
また、モバイルバッテリーなどからもUSB Type-Cのケーブルで充電できるので、移動先での充電が手軽にできるのも魅力的です。
右がα6400に使われているバッテリー「NP-FW50」。真ん中はα7Cのバッテリー「NP-FZ100」で、NP-FW50の2倍の容量がある
ボディのサイドにUSB Type-Cがあり、ここからケーブル経由でバッテリーの充電が可能。なおα7Cには専用の充電器は付属していないため、家庭用コンセントから直接バッテリー単体で充電したい場合は、別途NP-FZ100専用の急速充電チャージャー「BC-QZ1」が必要になります。
そして、α7Cは「タッチトラッキング」に対応したバリアングル液晶モニターを搭載しているので、ローアングル・ハイアングルでの撮影はもちろん、自撮り撮影なども快適に撮影できるのです。まさに旅行やふだん使いにピッタリのカメラではないでしょうか。
α7のシリーズの“末っ子”ではありますが、α7Cは基本性能もしっかりと充実しています。オートフォーカスは、撮像領域の約93%をカバーする693点の像面位相差検出AFセンサーとコントラストAF枠を425点持っており、ピント合わせが難しいシーンでも被写体をしっかり捉えることができます。また「リアルタイム瞳AF」を搭載しており、人物や動物での撮影において動く被写体でも瞳にピントを合わせて追随してくれます。これは子供やペットの写真を撮影する時に、とても便利な機能です。
小型軽量でフルサイズと魅力十分なα7Cですが、EVFファインダーが非常に小さいという点が少々気になりました。ほかのαシリーズを使用しているユーザーが併用して使うと、このファインダーの小ささは少し気になるかもしれません。
α7Cのファインダー倍率:約0.59倍
α7Ⅲのファインダー倍率:約0.78倍
α6400のファインダー倍率:約0.70倍(※35mm判換算)
キットレンズ・FE 28-60mm F4-5.6の特徴とは
フルサイズセンサー搭載のデジタル一眼カメラ用ズーム交換レンズとしては世界最小・最軽量と謳われたと新しいレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」。小型軽量さと高画質を両立したフルサイズEマウント用標準ズームレンズとして、α7Cと同時に発表されました。現時点では単体での購入はできず、ボディとのキットでしか購入できないレンズとなっています(単体での発売は2021年春予定)。α7Cとの組み合わせで、どこでも気軽に持ち運べて撮影できる魅力的なレンズとなっています。また、防塵・防滴に配慮しているのもありがたい設計です。
最短撮影距離はワイド端で0.3m、テレ端で0.45mとなっており、最大撮影倍率は0.16倍。テーブルフォトや自撮りなどにも使いやすいのが特徴です。ただ、レンズをコンパクトにするために、沈胴機構を採用したズームレンズになっているので、慣れないと撮影の際に少し注意が必要になります。カメラの電源をONにした状態でも、レンズを撮影できる状態まで繰り出さないと撮影ができない構造になっているので、最初は少し戸惑うこともあるかもしれませんが、慣れれば気にならなくなると思います。
α7Cレンズキットを持って撮影小旅行!
ちょうど紅葉のシーズンになってきたので、さっそくα7Cレンズキットを持って撮影小旅行に。長野県・群馬県をドライブしながら、α7Cレンズキットの実力と魅力を感じてきました。やはり、なによりもその小ささは旅行にはとても魅力的な要素です。フルサイズのレンズ付きのカメラがジャンパーのポケットに入ってしまったのは衝撃です。今回は、その身軽さを活かすためにすべて手持ちで撮影してみました。
最初に訪れた場所は、東山魁夷が描いた「緑響く」のモチーフであり、テレビCMなどで話題なった絶景ポイントの「御射鹿池」。朝早くから多くの写真愛好家が撮影に来ていました。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境:1/30秒 f/5.6 ISO800 焦点距離60mm
池の写り込みが出やすい、太陽が上ってくる前に撮影をしていたのでシャッター速度を上げるのが難しかったのですが、ボディに手ブレ補正機構があるので1/30秒でも安心してシャッターを切ることができました。
少し移動して、赤く色づいた紅葉がとてもキレイな蓼科高原へ。
鮮やかな紅葉をワイド端の28mmで撮影しました。鮮やかな風景を強調するために、クリエイティブスタイルを「風景」に設定しています。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境:1/100秒 f/16 ISO320 焦点距離28mm
積もった落ち葉の上を歩いて、滝のほうまで散策。バリアングルモニターのおかげで、縦位置のローアングル撮影も苦にならずにできます。この場合、ピント合わせは液晶のタッチモニターを使って撮影すると、無理な体勢にならなくても簡単に撮影することができます。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境:1/160秒 f/5.6 ISO320 焦点距離28mm
ちなみに撮影している姿はこんな感じです。
遊歩道を登って滝が見えるポジションに。滝の流れる水をスローシャッターで表現したいので、頑張って手持ち撮影でチャレンジ。なんとかギリギリ表現できたでしょうか……。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境:1/6秒 f/20 ISO100 焦点距離44mm
小さいカメラなので気楽に片手で持って撮影できるのですが、さすがに手ブレも起きやすいので、スローシャッター時は特にしっかりと両手で持って撮影しないとブレてしまいます。
ちょっと遅めのランチはお蕎麦です。旅の思い出として食事の写真は必須ですよね。ある程度寄れるレンズなので、“映える”テーブルフォトの撮影も簡単!
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境:1/50秒 f/5 ISO800 焦点距離35mm
嬬恋で見つけた大きなキャベツ。このレンズは少し絞ると、より描写が鮮明になります。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境:1/160秒 f/9 ISO800 焦点距離29mm
翌朝のペンションでの朝食。α7Cとキットレンズであれば、常に持ち運べるので気負いなく気楽に撮影ができます。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境:1/80秒 f/5.6 ISO400 焦点距離60mm
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境:1/100秒 f/8 ISO800 焦点距離56mm
キレイに黄色くなっている唐松を背景にススキを撮ってみました。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境: 1/800秒 f/9 ISO800 焦点距離60mm
ちょうど木々の色が変わり始めた山々。唐松が黄色く変化していて、とても美しく風景を見ることができました。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6 ■撮影環境: 1/160秒 f/16 ISO400 焦点距離36mm
旅行に出かける前は、正直キットレンズだけでは撮影が難しいかなと思っていましたが、いい意味で裏切られた感じです。レンズの画角が28~60mmという「中途半端な画角だな~」と思っていたのですが、今回の旅行では建物などを写すことがなく風景を中心に撮影していたので、その中途半端な感じはまったくなく、スムーズに撮影できました。
動画の試撮り
実際に動画撮影してみてバリアングルモニターの使いやすさ、フルサイズセンサーのおかげで、キットレンズのF値でも大きなボケを演出する撮影ができるなど、とても魅力的に感じたカメラです。簡単に気軽に動画撮影できるだけでなく、遅回し・早回し撮影ができる「スロー&クイックモーション」などの機能などもあり、クリエイティブな動画撮影ができるカメラになっています。
キットレンズのFE 28-60mm F4-5.6を使って動画を少し撮ってみました。
VIDEO
■記録方式:XAVC S 4K
■記録設定は24p 60M(手持ちで撮影)
あると便利なアクセサリー
今回、2日間の旅行のおともにα7Cレンズキットを持ち出したわけですが、できればこのアクセサリーは持っておいたほうがいいかなと感じたものをご紹介したいと思います。
ひとつ目は「レンズ保護フィルター」です。FE 28-60mm F4-5.6のレンズキャップは、フィルター径40.5mmのとても小さなレンズキャップです。あまりに小さいので、何回もなくしそうになりました。沈胴式のレンズということもあって、撮影の際にキャップを外し、レンズを繰り出して、ようやく撮影に入るというのが、すごく手間に感じました。
そこで旅行中は、レンズキャップを外したまま、保護フィルターを付けた状態で移動と撮影を繰り返すことでスムーズに撮影できました。
今回使用した保護フィルターは、マルミ光機「EXUS Lens Protect Mark II」をチョイスしました。撥水・帯電防止・防汚コーティングされており、超低反射率(0.2%)の可視光に影響を与えない無色透明な高性能レンズ保護フィルターです。レンズのフィルター径も40.5mmと小さいので、大きなフィルター径の製品より値段もお手頃です。
ふたつ目は「シューティンググリップ」です。Vlog(ブイログ)カメラのソニー「ZV-1」と同時に発売されたシューティンググリップ三脚「GP-VPT2BT」があると、小型三脚にもなりますし、自撮りなどもやりやすくなります。旅行に持っていくと、より撮影が楽しくなるアイテムではないでしょうか?
GP-VPT2BTが少し大きいと感じるなら、ワイヤレス機能はありませんが、少し小型のシューティンググリップ「GP-VPT1」という選択肢もあります。しかし、それほど価格差がないため、ケーブル不要で自由度の高い撮影を実現した、Bluetooth対応の「GP-VPT2BT」がおすすめです。
まとめ
ソニー α7Cは高画質でAFも優秀な、とてもコンパクトなフルサイズミラーレスです。ボディやレンズを小さくすることによって、操作性の一部やファインダーの見やすさなどがトレードオフされてはいますが、旅行などはもちろん、ふだんの撮影もオールマイティーにこなせる魅力的なカメラであることは間違いありません。
気軽に持ち運べるフルサイズ機として、撮影する機会が増え、シャッターチャンスをたくさん得ることができそうな予感がします。今後、α7Cのコンセプトに合った、小さくて軽いレンズの発表を期待したいところです。
α7Cと他のカメラを比較
「α7C」と「α7III」、「α6600」、「ニコン Z5」の価格や主要なスペックの比較表を
こちらのページ で紹介していますので是非ご覧ください。
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写真家の坂井田富三さんがソニー α7Cのレビューを行っています。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,α7C,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: コムロミホさんテストページ
BASENAME: 478405344.html
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CATEGORY: コムロミホ
DATE: 11/10/2020 09:36:51
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テスト
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL F1.2 PRO 単焦点レンズシリーズ|ポートレート撮影に最適な明るく高画質なレンズたち
BASENAME: 478410070.html
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CATEGORY: 礒村浩一
DATE: 11/10/2020 16:00:00
TAGS: M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO,オリンパス(Olympus) レンズ,単焦点
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明るい開放絞り値と高画質を兼ね備えた単焦点レンズシリーズ
オリンパスのマイクロフォーサーズ用レンズのなかでも、「M.ZUIKO PRO」シリーズは高品位かつ高画質な設計を誇るレンズだ。ラインナップにはズームレンズのみならず単焦点レンズも用意されており、その中には開放絞り値F1.2という明るい単焦点レンズも用意されている。
2020年11月時点では、開放絞り値F1.2のレンズとして「M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」の3本がラインナップされている。いずれも解像力の高さと逆光への耐性、防塵防滴構造への対応など、PROレンズとしての高い要求に応えた高品位なレンズだ。もちろんF1.2という明るいレンズなので、非常に浅い被写界深度を活かした撮影が可能であることも大きな特徴だ。そこで今回は、これら3本のレンズを使用してポートレート撮影を行うことで、これらのレンズの「使いどころ」を探ることにしよう。
M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
■マイクロフォーサーズ規格マウント
■焦点距離 焦点距離 45mm (35mm判換算90mm相当)
■レンズ構成 10群14枚(EDレンズ1枚、HRレンズ4枚、非球面レンズ1枚)
■最短撮影距離 0.5m
■最大撮影倍率 0.1倍(35mm判換算0.2倍)
■絞り羽枚数 9枚(円形絞り)
■大きさ 最大径70mm 全長84.9mm
■質量 410g
■フィルターサイズ 62mm
■防滴仕様 保護等級1級(IPX1)*オリンパス製防滴対応カメラとの組み合わせ時に有効、防塵機構搭載
※引用:
オリンパス製品ページ
M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PROは35mm判換算では90mm相当の中望遠域となる単焦点レンズだ。一般的に中望遠レンズは「ポートレートレンズ」とも呼ばれるほど、ポートレート撮影との相性は良い。人物を同じ大きさでフレーム内に収めるのであれば、近距離から撮影することになる広角レンズのように被写体の形が歪むこともなく、正体として捉えることができる。特に縦位置構図での人物のバストアップ撮影では、フレーム内を縦に三等分した、上から1/3の位置に顔が納まるので、とてもバランスの良い構図とすることができる。
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F1.2 1/60 絞り優先AE +1.0EV AWB
女性モデルの目にフォーカスを合わせて撮影。人物に正体しての撮影なので、人物本来のシェイプをそのままに、すっきりした印象の写真となる。また、開放絞りF1.2の浅い被写界深度と背景が大きくなる望遠効果の相乗効果で、背景を大きくボカして人物を浮かび上がらせている。
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F1.2 1/60 絞り優先モード +1.3EV AWB
同じ状況で横位置フレーミングにて撮影。縦位置フレーミングと違って左右方向の面積が広くなるので、人物は中央ではなくフレームの右半分(もしくは左半分)に配置して、左半分(もしくは右半分)を大きな空間とした。これにより構図に安定感と広がりが生まれる。
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F1.4 1/2000 絞り優先モード +0.3EV AWB
紅葉した木の葉越しに人物を配置して撮影。フォーカスを合わせた人物は限りなくクリアに描写し、その前後は見事なまでになだらかなボケ味となっている。滲み具合もきれい。美しいボケは合焦部のクリアな描写があってこそのものだ。
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F2.0 1/1000 絞り優先AE +0.3EV WB:マニュアル
引き構図でのスナップ撮影的なポートレート撮影。背景をボカすことを考えがちな中望遠レンズでの撮影だが、ときには撮影時の状況を写真に織り込むために、背景のディティールまで気を配ることも大切。人物の立体感を出すと同時に背景の黄色い木々を輝かせるために、太陽光が半逆光で差し込むようなモデルの立ち位置と背景の位置関係を構築する。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■マイクロフォーサーズ規格マウント
■焦点距離 25mm (35mm判換算50mm相当)
■レンズ構成 14群19枚(スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ 2枚、E-HRレンズ 1枚、HRレンズ 3枚、非球面レンズ 1枚)
■最短撮影距離 0.3m
■最大撮影倍率 0.11倍(35mm判換算0.22倍)
■絞り羽枚数 9枚(円形絞り)
■大きさ 最大径70mm 全長87.0mm
■質量 410g
■フィルターサイズ 62mm
■防塵防滴仕様 保護等級1級(IPX1)*オリンパス製防滴対応カメラとの組み合わせ時に有効、防塵機構搭載
※引用:
オリンパス製品ページ
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROは、35mm判換算では50mm相当の標準域となる単焦点レンズだ。人の目で見たときの画角に近い見え方となり、背景との遠近感も自然になる。またポートレート撮影においては、手を伸ばすと被写体に手が届くようにさえ感じられる距離感が得られるのも特徴だ。モデルの全身を捉えるにも、バストアップを収めるにも扱いやすい焦点距離なので、初めて手にするポートレート用レンズとしてもおすすめしたい。
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F2.8 1/1250 絞り優先AE +0.7EV AWB
屋外にて洋風建築物の壁面を使って撮影。モデルには壁面にもたれかかるほど近づいてもらうことで、白い壁面に反射する太陽光がレフ板同様の効果を生み出す。これはレフ板が使用できない室内などでも有効なテクニックのひとつだ。このレンズは標準域の焦点距離なので、手前から奥までの壁面の奥行き感も自然になる。さらに絞りをF2.8まで絞ることで、人物の顔と胸元、手元などが均一にフォーカスを合わせられるとともに、背景がボケすぎないようにコントロールしている。
■使用機材:E-M1 X,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F1.2 1/400 絞り優先AE +0.3EV AWB
明るいレンズは被写界深度のコントロールが画作りのキモ。被写体との距離が近ければ被写界深度は浅く、被写体との距離が離れれば被写界深度は深まる。ここでは十分に被写体との距離はあるので、開放絞りF1.2でも人物全体にフォーカスが合っているように見える。また絞りを絞っていないことで、背景の廊下は奥に行くに従ってディティールを残しながらも、ほどよいボケとなっている。結果的に撮影場所の状況も伝わる写真となっている。
■使用機材:E-M1 X,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F2.2 1/25 マニュアルモード AWB
モデルに近づき、横位置でフレームいっぱいに入れて撮影。目元にピントを合わせる。被写体に近い距離からの撮影なので相対的に被写界深度もより浅くなるが、絞りを開放から2段ほど絞ったF2.2に設定することで、浅くなった被写界深度分を補っている。また、このレンズの特徴として、フォーカスが合った箇所の描写は繊細かつクリアに、背景などのアウトフォーカス部は非常に柔らかな描写となる点が挙げられる。
■使用機材:E-M1 X,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F4.0 1/40 マニュアルモード AWB
古い木造校舎の教室にて撮影。カメラ背中側の窓から差し込む午後の斜光と、机の天板に反射した光が壁に囲まれた教室のなかで複雑に交じり合う。ここでは客観的な視点の写真となるように意識して、壁面や人物に歪みが起きにくい焦点距離50mm相当のこのレンズを選択。モデルの全身がフレームに収まるように被写体から距離を取り、カメラの水平垂直を保ちながらカメラを構える。これにより、モデルのボデイラインがすっきりとしたシェイプで表現できた。
M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■マイクロフォーサーズ規格マウント
■焦点距離 17mm (35mm判換算34mm相当)
■レンズ構成 11群15枚(スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ3枚、ED-DSAレンズ1枚、EDAレンズ1枚、スーパーHRレンズ1枚、非球面レンズ1枚)
■最短撮影距離 0.2m
■最大撮影倍率 0.15倍(35mm判換算0.3倍)
■絞り羽枚数 9枚(円形絞り)
■大きさ 最大径68.2mm 全長87.0mm
■質量 390g
■フィルターサイズ 62mm
■防塵防滴仕様 保護等級1級(IPX1)*オリンパス製防滴対応カメラとの組み合わせ時に有効、防塵機構搭載
※引用:
オリンパス製品ページ
M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROは、35mm判換算で34mm相当となる広角レンズだ。ポートレート撮影において広角レンズは画角の広さと、カメラに近いものは大きく離れたものは小さく写るという遠近感の誇張が強くなるため、モデルに近づいてのバストアップ撮影などでは少々扱いにくいレンズである。しかし、逆にこの特性をうまく活かす撮影方法を探ることで、周囲の環境を写し込んだ広角レンズならではの写真構成が可能だ。
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F1.2 1/30 マニュアルモード AWB
大正期に建てられた写真館を再現した建物。ふんだんに外光を取り入れる自然光スタジオのキレイな光を活かしての撮影。広角レンズの広い画角で、床に座ったモデルの足先からスタジオの天井までを入れて広がりのある構図を作る。広角レンズはその特性から、望遠レンズと比べると背景がボケ難いが、F1.2という明るい絞りであれば背景もほどよくボカすことができる。
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F1.2 1/5000 絞り優先AE AWB
古民家の縁側に腰掛けるモデルを庭先から撮影。レンズの近くに草花を入れることで前ボケとした。引き戸のガラスに秋空が写り込むように、ローアングルの角度を合わせて撮影している。撮影場所の状況が見るものにも伝わるようにした構図。
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO200 F1.4 1/2500 絞り優先AE AWB
こちらは縦位置構図でのローアングル撮影。階段に腰掛けるモデルの足元に近づき、あえて遠近感を誇張させることでダイナミックさを感じる構図にした。背景には洋館の独特な造りを取り込むと同時に、晴れた青空も入れて広がりと爽やかさを感じられるようにした。
■撮影機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:ISO800 F1.6 1/250 マニュアルモード AWB FC-WR+FL-700WR使用
煌びやかな繁華街の灯りを背景に夜景ポートレート撮影。撮影時は路上での安全確認を怠らず、かつ歩行者や車の通行の妨げにならない位置で機材を手持ちにして撮影。人物のライティングはオリンパスの電波式ワイヤレスストロボ「FC-WR+FL-700WR」を使用。光量を最小限に絞り、かつ発光部を斜め上に持ち上げたうえで、反射板で反射させた光を斜め上から人物に照射。周囲に影響を与えないように最大限の配慮を行っての撮影だ。広角レンズの特性を活かしてカメラアングルは低めの位置にして、人物の存在感と背景のビルの大きさを表現した。M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROは広角レンズでありながらも、街の灯りの滲み具合がとても美しく表現できるレンズだ。
単焦点レンズでポートレート撮影をするということ
今回はオリンパスの開放絞り値F1.2の単焦点PROレンズ3本を使用して、女性ポートレート撮影を行い、その特徴から各レンズの使いどころを探った。これら3本のレンズに共通して言えることは、開放絞り値での撮影でも非常に解像力が高く、同時にアウトフォーカス部のボケ味も非常に美しいということだ。これは一般的に言われている「マイクロフォーサーズはセンサーサイズが小さいのでボケが出にくく美しくない」といったマイナス面を補うに十分な要素だと言える。開放絞り値が明るいというだけでなく、ボケの美しさはピントの合った箇所の解像感の高さも重要だからだ。たとえボケが大きく出たとしても解像感に乏しいレンズではその効果を十分に活かすことはできない。
もちろんポートレート撮影はボケの良し悪しだけでは、その魅力を語ることはできない。その点では単焦点レンズではなくとも、ズームレンズでも良いポートレート撮影は可能だ。ただ、画角が固定されている単焦点レンズでは、カメラマン自身がその画角に合わせて立ち位置を調整する必要がある。つまり裏を返せば、同じレンズで、かつ被写体をある程度同じ大きさになるように撮るのであれば、自ずと被写体との距離も定まってくるわけだ。これは被写体であるモデルとの程よい距離感となり、お互いの関係を構築する過程においては、けっこう大切な要素だと私は考える。人と人である以上、距離感を保つことは大切なのだ。これは撮られる側のモデルにとっても安心感に繋がる。
こういった面からも、あえて単焦点レンズを選んで撮影するということは、作品を創り上げるという気持ちを盛り上げることにも繋がり、メリットは大きいと言える。併せてPROレンズが持つ外観の高級感や信頼性、F1.2の大口径レンズの存在感も、いわゆる「写欲」を刺激してくれるはずだ。ズームレンズ撮影の枠を超えたい、作品を次のステージに押し上げたいと考えている人には、おすすめできるレンズたちだと私は思う。
E-M5 MarkIIIとM.ZUIKO DIGITAL F1.2 PROレンズシリーズ
※本記事における撮影は安全かつ適切な方法で行われています。また、感染症予防の観点からも十分な措置を講じて行われています。なお、北海道開拓の村での撮影は所有者である北海道立総合博物館による撮影許可を得て行われたものです。
■写真家:
礒村浩一
写真家。女性ポートレートから風景、建築、舞台、製品広告など幅広く撮影。全国で作品展を開催するとともに撮影に関するセミナーの講師を担当。デジタルカメラの解説や撮影テクニックに関する執筆も多数。写真編集を快適に行うためのパソコンのプロデュースも担当。
■モデル:
夏弥
■撮影地協力:
北海道立総合博物館 北海道開拓の村
この記事に使用した機材
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の磯村浩一さんがオリンパス M.ZUIKO DIGITAL F1.2 PRO 単焦点レンズシリーズのレビューを行っています。ポートレート撮影における3本のレンズの魅力を作例と共にご覧頂けますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス,レビュー,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ニコン Z 6II レビュー|AF性能も堅実にレベルアップした進化機種
BASENAME: 478509065.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 11/16/2020 16:00:00
TAGS: Z 6II,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
2020年11月6日に発売されたニコンのフルサイズミラーレス「Z 6II」は、約2年前に発売された「
Z 6 」が正常進化したといえる待望の新機種です。今回は、「Z 6」を発売すぐに手に入れて、メイン機種として使い込んできた筆者から見た「Z 6II」のレビューをお送りします。
また、私事ですが、筆者は現在所持している「Z 6」に加えて本機も購入しました。なぜ買い増しという選択をしたのかについても、レビューに交えてお話したいと思います。
Zシリーズならではの丁寧な描写性能
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:焦点距離 70mm f/4 1/125秒 ISO250 AWB ピクチャーコントロール風景
本機の有効画素数は2450万画素、撮像素子は35.9×23.9mmサイズCMOSセンサーの、FXフォーマットです。手ブレ補正はイメージセンサーシフト方式の5軸補正、AFフォーカスポイントは273点、ISO感度は100~51200(ISO 204800相当の増感可能)、モニターは3.2型TFT液晶のタッチパネルモニターを搭載、幅約134mm、高さ約100.5mmと、ここまでは「Z 6」とまったく同じスペックです。
大きさでいうと、本機は奥行きが約69.5mmで「Z 6」は約67.5mmなので、ほんの少しだけ厚くなりました。重さも、本機が本体のみで約615gのところ「Z 6」は約585gと、こちらもほんの少しだけ重くなっています。ですが、この2mmと30gには代えられないほど、「Z 6」にはなかったものが詰まっているのが本機です。
画像処理エンジンは「デュアルEXPEED 6」を新採用しています。EXPEED 6を2基搭載して処理能力が上がったことから、高速連続撮影と連続撮影コマ数が増えました。低速連続撮影は約1~5コマ/秒、高速連続撮影は約5.5コマ/秒と「Z 6」と同等ですが、拡張の高速連続撮影は約14コマ/秒で、最大124コマまで可能となりました。
そして、「Z 6」を使い続けてきた筆者が作例のカットを撮ったときに感じたのが、Zシリーズならではの繊細で丁寧な描写性能でした。
キャンプ場で朝方の焚き火を撮ったカットですが、炎の柔らかいゆらぎ、薪の質感、立ち上る煙の濃淡、華美すぎない自然な色味など、すべてが「ああ、Zで撮ったなぁ」と思える、手に馴染んだカットになりました。
筆者がこの2年間で一番使用したカメラが「Z 6」だったので、メニューの操作系統がほぼ同じで、描き出される写真がイメージに沿っていることは、当たり前ですが、写真を撮る道具として理想的なのです。
暗いシーンで活躍する低輝度性能と手ブレ補正
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:焦点距離24mm f/4 1/125秒 ISO12800 AWB ピクチャーコントロール ビビッド
暗いシーンでのAF撮影に効果的なのが低輝度性能です。「Z 6」では-3.5EVまででしたが、本機は1段分改善して-4.5EVまでのAFが可能になりました。さらに静止画では、ローライトAFを使用すれば-6EVの暗さまでAFでの撮影が可能です。夜景だけではなく、アンダー部分を重視したシックなムードのポートレートで、筆者がよく使用する機能でもあります。
作例のカットは、椿山荘で行われている東京雲海の夜バージョンです。撮影時に開催されていた、人工的に雲海を作り出すイベントで、宿泊している部屋から見下ろすと本物の雲海のように見えました。せっかくなので、雲海の中に入るというなかなかできない体験をしたくて庭園に出て撮ったのが、このカットです。
庭園はLEDのライトアップがされていましたが、かなり暗い状態でした。ISO感度は12800まであげて手持ちで撮影しています。本機は5.0段のボディ内手ブレ補正を搭載しており、Yaw、Pitch、Roll、上下、左右の5軸のブレを補正してくれます。この手ブレ補正のお陰で、三脚を使用しないで撮影できるシーンが増えました。
筆者は薄暗い水族館での撮影が多く、本機の低輝度性能がアップした点には大いに着目しました。それプラス、手ブレ補正機能で安定した撮影ができることは「Z 6」でも確証済みでしたので、買い増しに心が動いた理由のひとつと言えます。
瞳AFが動画撮影で使える!
VIDEO
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:ISO 10000
本機は動画撮影時に、瞳AFと動物AFが使えるようになりました。さらに、オートエリアAFだけではなくワイドエリアAF(L)でも瞳AFと動物AFが選択できるので、人物や動物が複数いて、ピントが任意の被写体から他に移ってしまいそうなときの撮影が格段に楽になりました。
理由は多数ありますが、筆者が本機を買い増しした理由の大きな点はここにあります。2年前よりも動画の撮影がぐんと多くなった最近では、レンズを変えたり、ジンバルや三脚に付け替える手間と時間が増えてしまい、撮影時間が今までよりも長くなってしまったり、リズムの良い撮影ができなくなってきたジレンマがありました。
「Z 6」と「D850」を併用していた時期もあるのですが、レンズのマウントが違うこともあり(急いでいるときは、マウントアダプターをつけるのすら手間に感じることも…)、いっそ「Z 6」を2台体制にしようかと考えていたところに、動画で瞳AFの使える本機の登場です。
レンズ資産はあるのだから、「Z 6」を静止画用に、本機を動画用にした2台体制がベストなのではと思えました。また、サイズと重量がほとんど同じ本機と「Z 6」なら、たとえジンバルに乗せ替える必要があっても、大きなバランス調整は必要ありません。
作例の動画では、花火の煙で瞳が隠れてしまうようなシーンでも、体付近にピントが合っているのがわかると思います。瞳が見えなくなっても顔検出が行われて、顔と平行の位置にある身体にもピントが合っているので、再度瞳が見えたときに、ピントが迷わずに瞳に合うのです。今回はジンバルを使用して、テスト的に色々と動かして撮影してみています。
しっかり進化していたAF機能
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:焦点距離28mm f/4 1/125秒 ISO25600 AWB ピクチャーコントロール ポートレート
静止画の瞳AFと動物AFも、もちろんオートエリアAFとワイドエリアAF(L)の両方で使用できます。オートエリアよりもAFの範囲が小さいワイドエリアは、撮影中に被写体以外の人が前後を横切る可能性があるシーンなどで、ピントをメインの被写体から外さないために使用すると便利です。
作例は、前述の東京雲海のなかで撮影中の子供を撮りました。雲海のスモークが出ているときは、肉眼でも近くの人が見えないくらいですので、スモークが少し引いてきたところを撮影しています。それでも、夜とスモークというピントの合いにくい状況で、顔と瞳を認識してくれるのは感動ものです。
本機はデュアルエンジンとAFアルゴリズムの改良のお陰で、「Z 6」よりも動体追従性能がかなり向上しているとのことですが、瞳と顔の検出性能の向上も感じられました。
また、操作系ですと「Z 6」では、メニュー画面から瞳AFと動物AFの切り替えをしなければならなかったのですが、本機はiメニューのAFエリアモードの項目から、ワンタッチで切り替えられるようになりました。これ、地味にストレスだったので助かります。
待ってました!撮影時の情報・アイコン表示OFF機能
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:焦点距離24mm f/6.3 1/200秒 ISO100 WB 4300K ピクチャーコントロール ビビッド
これは「Z 6」発売時から要望を出していた機能なのですが、「Z 6」では撮影時に背面液晶のライブビュー画面に、撮影設定などの数字情報やアイコンが表示されて、消すことができません。特に絞り数値、シャッタースピード、ISO感度は画面下に大きめに表示されるので、構図を作るときに心の目でその部分を取り除かなくてはならず、「D850」のようにすべて消せるようになることを熱望していました。
本機は、その願いを叶えてくれました。初期設定時、静止画撮影時の動画撮影ボタンにあらかじめ「ライブビュー情報表示の消灯」機能が割り当てられているのです。これ、実はレビュー機を触った段階では気が付かず、静止画撮影時に間違えて動画ボタンを押してしまったことで発見しました。動画撮影時にはカスタムメニューで、カスタムボタンの設定で機能を割り当てることで使用できます。
これで、画面全部を使って構図を作ることができます。ただ、電源をオフにして少し経つと設定がリセットされるようでまた情報が表示されたので、願わくば、電源を入れ直してもリセットされないようにアップデートをお願いしたいです。
安心のダブルスロット搭載
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:焦点距離 70mm f/4 1/125秒 ISO10000 AWB クリエイティブピクチャーコントロール ポップ
本機はダブルスロット機構を搭載しています。CFexpress/XQDカードと、SDカードを1枚づつ使用でき、「順次記録」、「バックアップ記録」、「RAW+JPEG分割記録」の3種類から記録形態を選択できます。さらに、CFexpress/XQDのスロットは「Z 6」よりも高速な書き込みが可能です。
筆者はシングルスロットでもそれほど不便を感じたことはなかったのですが、近年、動画撮影が増えるにつれて、撮影容量の増加と万が一のアクシデントへの恐怖など、ダブルスロットの便利さを再認識していました。それでも、カメラが大きくなるくらいならいらないと思っていましたが、こんな誤差の範囲程度のサイズアップでダブルスロットが手に入るのでしたら、やっぱりその恩恵に与りたいと素直に思いました。
これからのカメラには必須!USB給電・充電対応
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:焦点距離70mm f/4 1/320秒 ISO200 AWB クリエイティブピクチャーコントロール ピュア
筆者個人的に、これからのカメラには全部対応して欲しいと思う機能がUSB給電・充電です。普段はスマホの給電のためにモバイルバッテリーを持ち歩いていますが、これを使用してカメラの給電・充電が行えるのは、1日中出歩いて静止画と動画の両方を撮影しているような、バッテリーの消費の激しいシチュエーションでは、とても重宝します。
本機には、Li-ionリチャージャブルバッテリー「EN-EL15c」が付属しています。USB給電機能はこの付属バッテリーの他、「EN-EL15b」「EN-EL15a」「EN-EL15」でも可能です。さらに「EN-EL15c」と「EN-EL15b」では、USB充電も可能となっています。筆者は「D850」付属の「EN-EL15a」、「Z 6」付属の「EN-EL15b」も所持しているので、いつも予備バッテリーとして持ち歩いていたのですが、これからはさらに荷物を少なくできそうです。
「これ欲しかった」を叶えてくれた機種
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:焦点距離70mm f/4 1/250秒 ISO1600 AWB ピクチャーコントロール ポートレート
2年前に発売された「Z 6」ユーザーの「もっとこうなって欲しい」、「これも入れて欲しい」を叶えてくれた機種が本機なのでしょう。進化したことをわかりやすくしようとデザインや操作系統、ボタン位置などを変えたりせず、中身を堅実にレベルアップさせているのが、真面目なニコンらしい新機種だと思いました。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
Z 6IIと他カメラを比較
「Z 6II」と「Z 7II」、「Z 7」、「キヤノン EOS R6」、「ソニー α7C」の価格や主要なスペックの比較表を
こちらのページ で紹介していますので是非ご覧ください。
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写真家の水咲奈々さんがニコン Z 6IIのレビューを行っています。「Z 6」からの進化を分かり易く紹介、ご自身で何故「Z 6II」を購入したかについても語っていますので、作例と合わせて是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン,Z 6II,レビュー,nikon
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ハッセルブラッドらしいコンパクトな中判デジタルカメラ|907X 50Cレビュー
BASENAME: 478531636.html
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CATEGORY: 上田晃司
DATE: 11/18/2020 16:00:00
TAGS: 907X 50C,ハッセルブラッド(Hasselblad) ボディー,中判,ミラーレスカメラ
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はじめに
■撮影環境:f/3.5 1/125秒 ISO800 焦点距離45mm
ローポジションで海と富士山を撮影。生憎の天気ではあったが、中判デジタルカメラの繊細な再現力により細かな部分までしっかりと表現できている。曇り空の濃淡までしっかりと表現できているのはさすがハッセルブラッドだ。
中判カメラファン待望のカメラ Hasselblad 907X 50Cがついに発売になった。筆者はハッセルブラッドのデジタルカメラを長らく使用しており2015年にはローカルアンバサダーまでさせていただいた。フィルムのHasselblad Vシリーズは学生時代から複数台所有し、H5D、X1Dなど様々なハッセルブラッドカメラを使用している。そしてついにHasselblad 907X 50Cが発売になった。実は筆者はHasselblad 907X 50Cの発売前に一足先に発売されたHasselblad 907X Special Editionを愛用してる。実際に様々な写真を撮影しているので作例を元にHasselblad 907X 50Cの魅力、中判デジタルカメラの魅力をご紹介していきたいと思う。
■撮影環境:f/2.8 1/800秒 ISO100 焦点距離65mm 圧倒的なダイナミックレンジと色再現
中判デジタルカメラの魅力はなんと言っても、独特の立体感とダイナミックレンジの広さだ。16bitのRAWから得られる最高の色情報のお陰で絶妙な色もしっかりと表現できている。
スペック
Hasselblad 907X 50Cはハイブリッドなカメラで2通りの使い方が可能だ。まず、本カメラはカメラ部分の907XとCFV II 50Cの2つのパートに分けることができる。まず、カメラ部の907Xは厚みは2.8cmと非常に薄く重量はなんと200gの軽量さを誇る。この907XをCFV II 50Cに装着するとオートフォーカスの中判ミラーレス機として使用できる。使用できるレンズは専用のXCDレンズやXH CONVERTER 0,8を使用して一部のレンズを除きほぼすべてのHCレンズを使用可能。その他のアダプターを使用すればXPANなども使用可能だ。筆者のオススメは専用設計のXCDレンズを使用することだろう。21mmF4や45mm F4P、80mm F1.9など魅力的なレンズが揃っている。専用のXCDレンズはすべてレンズシャッターで振動が少なくブレにくい設計になっている。また、1/2000秒まで全速でストロボと同調するのもポイントだ。
45mm F4P との組み合わせ
パンケーキレンズを付ければ中判とは思えないコンパクトなカメラになる。
CFV II 50Cはデジタルバックとなっており単体でHasselblad Vシリーズやアダプターを使って大判カメラなどにも装着できる。アナログカメラをデジタルカメラとして使用できるのもポイントだ。ハッセルブラッドのVシリーズやSWCカメラは殆どケーブルレスで使用できるのもポイントだ。CFV II 50Cは43.8 × 32.9 mmの大型CMOSセンサーを搭載する。画素数は5000万画素でピクセルピッチは5.3μmとなっている。16bitの階調でダイナミックレンジは14段と圧倒的な画像データを誇る。記録媒体はUHS-II対応のデュアルスロットだ。SDカードは順次記録と同時記録が可能だ。液晶モニターは236万画素、3.2インチのタッチパネルを採用している。チルト式のため液晶は90度可動する。
■撮影環境:f/3.5 1/200秒 ISO400 焦点距離45mm ローポジションで撮影
90度チルトする液晶のお陰で猫目線でバッチリと撮影できた。動物AFなどはないが最大 117点の選択可能なオートフォーカスポイントのお陰でしっかりとピント合わせができる。
905SWC製品画像
筆者愛用の905SWCに装着。バッテリーが内部に入るため違和感がない。非常にバランスが良い印象だ。
A12のフィルムバックと比較
フィルムバックと比べるとフィルムバックの方が小さいが、バッテリーが外に出ていないので違和感なくつかえる。
ケーブルレスで使用可能
VシリーズやSWCシリーズなどオールドカメラを使用する場合はカメラのメニューから使用するカメラを選択しよう。
Hasselblad 501CにCFV II 50Cを装着して撮影
F8.0まで絞り込んで風景を撮影。CFE80mmの描写は未だ現役のシャープな描写が魅力だ。ディテールまでしっかりと表現できており、レンズ自体の階調も豊かだ。
可動式液晶
最大で90度までチルトできるのウエストレベル撮影も楽々こなせる。
デュアルSDカード&バッテリー
2枚のUHS-II対応のSDカードスロットを2つ搭載している。バッテリーもボディー内に収納可能になっている。バッテリーはX1Dシリーズと同じバッテリーを採用。
外観
外観はハッセルブラッドらしいソリッドで高級感が感じられる。丁寧な造りはプロダクトとしての美しさが感じられる。殆どのパーツは金属製でずっしりとした重さがある。ボタン類は少なく操作の多くはタッチパネルで行う。バッテリーはX1Dシリーズと共通となっており、カメラ内部に入れることができる。今までのCFVシリーズはデジタルバックの外にバッテリーを装着していたが、CFV II 50Cよりバッテリーはカメラ内部に収納できるのでデザイン的にもすっきりしている印象だ。それによりSWCのボディーとの干渉がなく使い勝手が良い。インターフェースはUSB-Cを外部に備えておりテザー撮影※や充電なども行える。その他、ストロボの入出力、動画用にオーディオ入力なども備える。
※テザー撮影とは、カメラとパソコン/タブレットを接続し、撮影した画像をパソコン/タブレット側のモニターで確認したり、カメラをパソコン/タブレットで制御して撮影を行うこと。
ボタン類やダイヤル
ボタン類は最低限でシャッター周りにはダイヤルを備えており絞り値や露出補正ができるようになっている。
使用感
実際に使用してみて感じたことは、シンプルだということ。基本の操作はタッチパネルで行い直感性がある。メニューも少なく操作する項目は少ないので撮影に集中できるのも本カメラの魅力。筆者はX1Dも使用しているが、X1Dはボタン類も多くよりスピーディーに設定を変えたい場合はX1Dシリーズが勝るが、じっくり撮影するには907X 50Cでもストレスは感じられない。907X 50Cはカメラ自体が小さいため大きめのレンズを装着した時は少しバランスが不安定になるので注意したい。別途アクセサリーでコントロールグリップが用意されているので80mm F1.9やマクロ、ズームレンズを使う方はコントロールグリップをオススメしたい。907X 50Cを日常使いするのであれば45mm F4のパンケーキや65mm F2.8などがオススメだ。また、縦位置は撮れなくはないが、液晶モニター自体が少し斜めになっているので少し馴れが必要だろう。縦位置が多いユーザーは X1D IIの方が正直使い易いかもしれない。CFV II 50CはHasselblad Vシリーズとの相性も抜群なのでフィルムカメラファンにも使って欲しい。
画質
筆者がハッセルブラッドを使う理由の1つは圧倒的な画質だ。16bit RAWを撮影できるため安心感がある。16bitのRAWから得られる色情報は圧倒的で深い色味をしっかり表現できる。また、ハイライトの粘り、シャドウ部の粘りはさすが中判。圧倒的なダイナミックレンジを体感できるだろう。14段分のダイナミックレンジは驚くほど表現力が高く、輝度差のあるシーンにおいても表現力は格別だ。夕日のあるシーンでもディテールを崩すことなく表現できる点はとてもメリットがある。自然風景はもちろんのこと都市風景、ポートレート、スナップなど様々なシーンにおいて圧倒的な画質を堪能できるだろう。もちろん5000万画素のセンサーから得られる世界は驚くほど緻密で立体感が感じられるはずだ。高感度性能に関しても、CMOSセンサーのお陰で中判デジタルカメラとは思えないほど高感度に強い。一昔前の中判デジタルカメラの高感度性能と言えばISO200やISO400だったが本機ではISO6400も十分実用できる印象。ISO1600やISO3200ではノイズ感もあまり感じられないだろう。恐れることなく高感度を使って欲しい。
■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO1600 焦点距離45mm 高感度1600ではほぼノイズを感じられない
CMOSセンサーになり高感度もフルサイズミラーレス機感覚で自由に使えるようになった。ISO1600で少し暗めの室内を撮影したがノイズレスでクリアな印象。ノイズリダクションによるディテールの破綻などもない。
■撮影環境:f/4.5 1/350秒 ISO400 焦点距離45mm 夕日の色やグラデーションもしっかりと表現できる
夕日の絶妙なトーンや色もしっかりと表現できるのが中判デジタルカメラの魅力。暗部からハイライトまでしっかりと粘っており表現力豊かだ。
■撮影環境:f/3.5 1/125秒 ISO800 焦点距離45mm マクロレンズで被写体のディテールを表現
マクロレンズと自然光でホオズキを撮影した。シンプルな写真ではあるが 5000万画素のセンサーと120mmのマクロの組み合わせにより圧倒的な解像感を表現できた。
スマートディバイスとの連携
本カメラはWi-Fiを搭載しているため、iOS用のアプリPhocus Mobile 2を使うことでiPadなどのタブレットで写真を見たり、RAW現像をしたりできる。必要なiPadは、iPad ProまたはiPad Air (2019)が必要になる。大きなRAWデータではあるが、サクサクと動きPCなしでもRAW現像や画像の確認ができるのもポイントだろう。人物撮影などでは有線でテザー撮影することも可能なので、PCレスでも十分活用できるので撮影現場などでも役立つ印象だ。
まとめ
実際に使用してみて907Xは個性的でワクワクするカメラであるということ。所謂、万能で超高速AF撮影や連写ができるようなカメラではないが、じっくりと被写体と向き合ってワンショットずつ撮影するには最適なカメラ。造りもよく本当に撮影していて楽しいカメラだ。それ以上に本カメラで撮影できる圧倒的な写真を見るとハッセルブラッドの力と魅力を感じられるだろう。XCDレンズも増え様々なシーンに対応できるようになり、HasselbladのフィルムカメラもCFV II 50Cと組み合わせることで問題なく使える。現代レンズにはない温かみのある柔らかな描写により印象的な写真を撮影できるのも本カメラの面白い所だろう。様々な使い方を楽しめ、最高の画質で表現ができるので是非読者の方にも中判デジタルカメラの世界を楽しんでいただきたいと思う。
■撮影環境:f/3.5 1/125秒 ISO800 焦点距離45mm 黒ネコの絶妙なトーンをしっかりと表現
ガーデンでくつろぐ猫を撮影。一般的に黒猫を撮影するとディテールは潰れて真っ黒になりやすいがハッセルブラッドなら絶妙なトーンを表現できるのでしっかりとディテールまで表現することができた。
■写真家:
上田晃司
米国サンフランシスコに留学し、写真と映像を学び、CMやドキュメンタリーを撮影。帰国後、フォトグラファー、映像作家として活動開始。現在は、雑誌、広告を中心にライフワークとして世界中の街や風景を撮影。講演や執筆活動も行っている。また、YOUTUBE チャンネル 「写真家夫婦 上田家」 で写真、旅、カメラについて情報発信している。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の上田晃司さんによるハッセルブラッド 907X 50Cのレビュー記事です。ハッセルブラッドを長年愛用している上田晃司さんならではの視点で特長を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ハッセルブラッド,907X 50C,レビュー,Hasselblad
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO レビュー|米粒がアップで撮れるレベルのマクロ性能を実現
BASENAME: 478580943.html
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CATEGORY: 齋藤千歳
DATE: 11/20/2020 16:00:00
TAGS: 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO,LAOWA(ラオワ) レンズ,単焦点
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はじめに
今回は、LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOという高いマクロ性能を持つレンズをご紹介します。まずは、その驚異的なマクロ性能を実感してもらうために、お米を撮影しました。米粒を、このサイズのアップで撮影でき、しかも風景まで撮影できるレンズは、ほぼ存在しないでしょう。それでは、LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOの特長について、ご説明していきましょう。
マイクロフォーサーズ用最大撮影倍率2.0倍のスーパーマクロ
■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO ■撮影環境:2.0秒 f/11 絞り優先AE ISO800 EV+0.3 AWB フォトスタイル/スタンダード 焦点距離100mm相当
今回紹介するLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOは、ラオワが得意とする最大撮影倍率2.0倍のマクロレンズで、マイクロフォーサーズ(以下、MFT)用となっています。焦点距離は50mm、MFT用なので装着時の画角は35mm判フルサイズの100mm相当となります。開放F値は2.8で、35mm判フルサイズにおける100mmF2.8の定番マクロレンズに相当するレンズです。ただし、最大撮影倍率は2.0倍、最短撮影距離は13.5cmと、一般的な100mmマクロレンズの2倍の最大撮影倍率を誇ります。実際には、それ以上のインパクトなのですが、詳細はのちほど解説させてください。
レンズ構成は10群14枚、APO(アポクロマート)設計を採用し、色収差を最小限に抑えているということです。なお、絞り羽根枚数は7枚です。撮像素子サイズの小さなMFT用ということもあるでしょうが、非常に軽量でコンパクトなレンズに仕上がっています。大きさは最大径53.5mm、長さは79mm、質量はわずかに約240g。コンパクトで軽量なレンズではありますが、金属パーツが多用されており、堅牢でビルドクオリティも高いレンズです。
操作系について注目したいのは、LAOWAレンズとしては珍しくカメラ本体と情報をやりとりするための電子接点が搭載されている点。おかげで、絞りの操作はレンズの絞りリングではなく、カメラ本体の電子ダイヤルなどで操作が可能となっています。また、フォーカスリングを回すとフォーカス拡大機能が自動的に有効になります。さらにはレンズデータがExifに記録されるようになったのは、個人的には非常に歓迎したい機能です。残念ながら、AF機構は搭載されていないのでMFレンズですが、ピントリングの感触は非常に滑らかで、ピント合わせは快適です。
今回は、最大撮影倍率2.0倍でMFT向けに設計された世界初のレンズというLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOを入手し、電子書籍『
LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO レンズデータベース 』を制作する際に、解像力、周辺光量落ち、最短撮影距離と最大撮影倍率の実写チャートを撮影しましたので、その結果から本レンズの性能を詳細に解説したいと思います。
100mmマクロらしい開放から周辺部まで高い解像力
■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO ■撮影環境:1/4000秒 f/2.8 絞り優先AE ISO200 EV-1.0 AWB フォトスタイル/ヴィヴィッド 焦点距離100mm相当
気になる解像力からチェックしていきます。今回のテストでは有効画素数約1,600万画素のパナソニック LUMIX GX7 Mark IIを使用しました。そのため解像力の基準となるチャートは1.3で、1.2が解像すれば上出来といえます。ですが、LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOは、絞り開放のF2.8から、さらに小さなチャートの1.1を大部分解像していました。
絞り開放のF2.8からチャートの1.2はもちろん、さらに小さな1.1までほぼ解像している。
中央部分から詳細に見ていくと、絞り開放のF2.8からチャートの1.2どころか、さらに小さなチャートの1.1まで、ほぼ解像しています。非常に高い解像力を持っているといえる結果です。ただし、絞っても解像力の大きな変化は観察されず、チャートの構成する白と黒のラインがはっきりして多少コントラストが上がるため、F5.6からF8.0あたりが中央部の解像力のピークのようです。
周辺部についても、実は絞り開放から解像力は良好です。こちらでも解像すれば上出来といえるチャートの1.2は十分に解像し、チャートの1.1を大部分解像しています。非常に優秀です。しかし、周辺光量落ちの影響だと思われますが、開放付近では中央部分に比べやや暗く描写されるため、チャートを構成する白と黒ラインのコントラストが弱まり、解像力が低く見える傾向。絞っていくほどの改善し、F5.6ではほぼ中央部と変わらない解像力が得られます。
少し気になるのは、マクロレンズにしては発生する糸巻き型の歪曲収差が強いことです。Adobe Camera Rawなどでは内蔵のレンズプロファイルを適用されていても、歪みが目立つので必要のシーンでは手動で、さらに補正するとよいでしょう。
最短撮影距離で画面に写る範囲は、なんと約8.7mm×約6.5mm
撮影倍率等倍(1.0倍)付近で撮影した花心(写真上)とLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOの最大撮影倍率である2.0倍で撮影したもの(写真下)の比較。等倍マクロでも十分なアップだが、2.0倍はそれを圧倒的に超える。
LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOの最大特徴は最大撮影倍率2.0倍です。このときの撮影距離は13.5cmとなります。作例を見てもわかるように、一般的なマクロレンズの等倍に比べても圧倒的な近接撮影性能です。しかし、本レンズがMFT用ということを正しく理解すると、さらにそのマクロ性能の圧倒的さに驚くでしょう。
おなじみSDメモリーカード(幅24mm×高さ32mm)を撮影。SDメモリーカードの一部が切り取られるレベルのアップになっているのがわかる。
35mm判フルサイズで等倍のマクロレンズは36mm×24mmの範囲を画面いっぱいに写すことができます。これが最大撮影倍率2.0倍になると35mm判フルサイズでは18mm×12mmの範囲を画面いっぱいに撮影できるのです。
対してMFT用のマクロレンズでは等倍で17.3mm×13.5mmの範囲を画面いっぱいに撮影することができます。そしてLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOのようなMFTの最大撮影倍率2.0倍のレンズは8.7mm×6.5mmの範囲を画面いっぱいに撮影できるのです。
同じ最大撮影倍率2.0倍で画面いっぱいに写る範囲は35mm判フルサイズでは18mm×12mm、MFTでは8.7mm×6.5mmなので、約1/4の範囲を画面全体にアップで写すことができるわけです。まさに驚異的なマクロ性能といえるでしょう。
だからこそ、米粒のアップといったレベルの撮影が可能なわけです。とはいえ、超近接撮影になるため、被写界深度は極めて浅く、ピント合わせは非常にシビアなので、最大撮影倍率の2.0倍での撮影は、それなりに難易度の高いものになります。
必要なシーンでは後処理でさらに補正するのがおすすめ
■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO ■撮影環境:1/125秒 f/2.8 絞り優先AE ISO200 EV+0.7 AWB フォトスタイル/スタンダード 焦点距離100mm相当
LAOWAのレンズとしては珍しく、カメラ本体と情報をやりとりするための電子接点を搭載したLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO。これによって、RAW画像にも内蔵のレンズプロファイルが適用されています。驚異的にマクロ性能の高いレンズですが、無限遠も普通に撮影できるので、寄れる高性能な中望遠レンズと考えると、小さな赤ちゃんの撮影にも便利です。
絞り開放付近ではハッキリとした周辺光量落ちが観察されますが、絞るにつれて改善。F4.0あたりでほぼ気にならないレベルになり、F5.6以降は気になることはないでしょう。
しかしながら、マクロレンズの場合は開放のF2.8で大きくボカしたいシーンも多く、そんなときは絞って周辺光量落ちに対応するのではなく、RAW画像も撮影しておき、RAW現像時などの後処理で対応することをおすすめします。
Adobe Camera RawなどではRAW画像にも内蔵のレンズプロファイルが適用されますが、それでも開放付近では周辺光量落ちが目立つこともあるので、手動でさらに補正するとよいでしょう。
もっとマクロを極めたいユーザーにおすすめの超マクロレンズ
■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO ■撮影環境:1/200秒 f/2.8 絞り優先AE ISO200 EV-0.7 AWB フォトスタイル/スタンダード 焦点距離100mm相当
最大撮影倍率の2.0倍を活用すると、わずか8.7mm×6.5mmの範囲を画面いっぱいに撮影できるLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOは、LAOWAの最大撮影倍率2.0倍のウルトラマクロシリーズのなかでも、飛び抜けてマクロに強いレンズをいえます。また、電子接点でカメラ本体と情報のやり取りができるため、絞り値をカメラ側の電子ダイヤルなどで操作でき、使い勝手もよいレンズです。
価格はMFT用のマクロレンズとしては、決して安いとはいえませんが、等倍マクロレンズでは実現できないスーパーマクロが撮影可能なため、他のレンズにはマネできないマクロ撮影が可能になると考えれば高いとはいえないでしょう。
また、絞り開放から中央部はもちろん、画面周辺まで優秀な解像力。滑らかで素直なボケと、レンズとしての基本性能も高く、マクロレンズとしてだけでなく、高性能な中望遠としてポートレート撮影などにも活躍してくれます。
あえて弱点を挙げるなら、歪曲収差と周辺光量落ちでしょう。ただし歪曲収差と周辺光量落ちは、今回テストしたLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOとパナソニック LUMIX GX7 Mark IIの組み合わせではRAWファイル自体に内蔵されたレンズプロファイルが組み込まれているためか、Adobe Camera Rawの手動で簡単に補正できるので、あまり気にする必要はないでしょう。
軽量コンパクトで驚異的なマクロ性能、高い解像力、美しいボケを実現するLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOはMFTユーザーだけでなく、マクロ撮影好きにとって非常に魅力的な選択肢といえます。ぜひ、一度“米粒のアップすら可能にする”、その圧倒的なマクロ性能を試してみてください。
■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO ■撮影環境:1/60秒 f/8 絞り優先AE ISO200 EV-1.0 WB/晴天 フォトスタイル/スタンダード 焦点距離100mm相当 最後に、このレンズにおける解像力のピークであるF8.0で撮影した1枚です。周辺部まで解像力の高い中望遠レンズと考えると風景や人物撮影も楽しくなります。
■写真家:
齋藤千歳
カメラ・写真関連の電子書籍「ぼろフォト解決」および「Foton」シリーズの出版者。レンズやカメラをみると解像力などの実写チャートを撮影したくなる性質があります。千歳市在住で北海道各地を撮影しています。
■技術監修:小山壯二
この記事に使用した機材
【LAOWA 】50mm F2.8 2X ULTRAMACRO APO マイクロフォーサーズ用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の齋藤千歳さんが、LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOのレビューをしています。驚異的なマクロ性能をご紹介する作例や絞開放の解像感をチャートでご覧いただけますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
LAOWA,ラオワ,50mm F2.8 2X Ultra Macro APO,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ニコン Z 7IIレビュー|フォトグラファーの細かな要望に応えた写りと操作感
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 11/25/2020 16:00:00
TAGS: Z 7II,ニコン(Nikon) ボディー,スナップ,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
高画質を誇るニコンのフルサイズミラーレス一眼カメラ「Z 7」のバージョンアップ版「Z 7II」が2020年12月にいよいよ発売される。大口径、ショートフランジバックのニコンZマウントを採用する「Z 7」は写りの評価が高い。光学性能の高さと高画素のハーモニーが素晴らしく、極めて緻密な描写の写真を撮ることができるのだ。満を持して登場するその新モデル「Z 7II」。フォトグラファーの細かな要望に応えた写りと操作感をインプレッションしてみた。
「Z 7II」の進化点
「Z 7II」はパッと見「Z 7」と変わらないように思える。しかしマジメな会社ニコンらしく細かなところまでリファインされているのだ。一番のトピックは映像エンジンEXPEED 6をデュアルで積み、画像処理の高速化と連写時のコマ速アップを図ったことである。センサーは有効約4575万画素と据え置いているが、これは画質に定評があるため。映像エンジンEXPEED 6が2つになったことによって、この高画素センサーのデータを最大77コマ(約10コマ/秒連写時)連写できるようになった。これはストレスを感じることなく被写体を捉え続けられるようになり、シャッターチャンスをモノにできる確率が高まるので大歓迎だ。実際に撮影していても全体的な動作のキビキビ感が心地よかった。
493点ものフォーカスポイントがフレームの約90%を網羅し、ギリギリのところにある被写体にもフォーカシング可能なのは変わらないが、オートフォーカス性能もグンと進化している。まずは「ターゲット追尾AF」だ。ニコンの一眼レフで好評だった「3D-トラッキング」 AFに似た使い勝手のこの機能は、フレーム内の被写体を追いかけてフォーカスし続けてくれるので動体の撮影に大きな威力を発揮する。スポーツや野生動物などの撮影に活躍するだろう。またオートエリアAF時にしか使えなかった「瞳AF」、「顔検出AF」、「動物AF」がワイドエリアAF時にもチョイスできるようになった。フォーカスエリアを限定して機能をONにできるので、安定したフォーカシングが可能になっている。またこの設定はスチルだけでなくムービーでも使用できるのがうれしい。絞りを開いてのボケを活かしたモデル撮影や、素早く動くネコやイヌなどペットの撮影でも威力を発揮するに違いない。さらに低輝度環境下でのオートフォーカスも-3EVに強化された。「ローライトAF」機能を適用すれば-4EVでもオートフォーカスで撮影ができる。ヒトの目では真っ暗に感じるようなシチュエーションでも正確に合焦するので驚くことだろう。
マニュアルモード撮影時にはシャッタースピードを最長900秒まで延長できるようになった。シャッターボタンを1回押すだけで最長15分もの長時間露光がカンタンに行えるようになったのである。星空の撮影やNDフィルターを使っての長秒撮影で有効だろう。
ザッと見ただけでも「Z 7II」はこのように絵作りの根幹に関わるところが着実にアップデートされているのである。
ユーザーの声をくみ取った「Z 7II」ボディ
「Z 7II」は待望のデュアルメモリーカードスロットが採用された。CFexpress(Type B)/XQDカードとUHS-II規格対応SDカードに対応し、それぞれ1枚ずつを同時挿入・使用が可能になったのだ。これはメモリーカードの2枚差しを熱望するユーザーの声をニコンが聞いた形で、フォトグラファーの声にしっかりと耳を傾けるメーカーの姿勢が素晴らしいと思う。記録方式は「順次記録」、「バックアップ記録」、「RAW+JPEGの分割記録」ができ、挿入したカード同士での画像コピーも可能になっている。高速で信頼性バツグンのCFexpress(Type B)の書き込みスピードは一度使うと止められなくなるはずだ。ちなみにPCへの撮影データコピーも爆速である。
「Z 7II」は新開発のLi-ionリチャージャブルバッテリー「EN-EL15c」を採用。USB充電に加えて給電も可能になったので、長時間の撮影やタイムラプス撮影時でもバッテリーの保ちを気にすることなく撮影に臨めるようになった。
別売りにはなるが、縦位置撮影に有効なシャッターボタン、AF-ONボタン、メイン・サブコマンドダイヤル、マルチセレクターなどを搭載したパワーバッテリーパック「MB-N11」も用意されている。Li-ionリチャージャブルバッテリー「EN-EL15c」を最大2本搭載できるので長丁場の現場でも安心だ。撮影を続けながらのバッテリー交換「ホットスワップ」ができるところもニクい。またUSB端子を給電および充電に使うこともできるので便利である。何よりも縦位置撮影時のホールド感と操作感が向上するので、ポートレート撮影や望遠レンズを多く使用するフォトグラファーはこの「MB-N11」を装着するといいだろう。
他の細かいアップデートを見てみると、チルト式画像モニター使用時に不用意にEVFに切り替わらない点、撮影画面での情報表示を消してフレーミングに集中できる点など、ニコンがユーザーの意見を真摯に汲んだ様子がうかがえる。
ルックスにも手が入れられている。「Nikon」の文字が輝くペンタ部(ペンタプリズムは中にないが)がエッジの立った精悍(せいかん)なフォルムに変更された。APS-Cフォーマットの兄弟機「Z 50」のようにシャープな印象になる端正な顔立ちに。グリップもさらに深く握りやすくなり、ホールド感が高まっている。効きがいいと評価の高い5軸5段のボディ内手ブレ補正と相まって、安定したシューティングを約束してくれる。
ニコン「Z 7II」はデュアルエンジンを搭載しただけでなく、そのフォルムも一新されているのである。スペックなど詳細は
ニコンの公式サイト を参照して欲しい。
実写
さてここからは「Z 7II」の写りを見ていこう。サンプル機での撮影となるが画質の良さは素晴らしいものであった。
公園内の池にレンズを向けてF8に絞ってシャッターを切ったがその精細感に驚いた。フレーム中央部はもちろんのこと、周辺部までキッチリと解像しきっている描写はスゴい。ニコンZマウントの底力を感じた。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/8 1/60秒 ISO100 焦点距離24mm
高山にある林道から沸き立つ雲を狙ったカット。やや湿り気を帯びている白い雲の立体感が好ましい。雲の端の写り、シャドウ部に見え隠れする立ち枯れの木と、わずかに積もった雪まで描ききる2基搭載された映像エンジンEXPEED 6の力に感服だ。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/8 1/2000秒 ISO100 焦点距離180mm
信州にあるワサビ田を訪れた。秋の太陽は動きが速くすでに夕方の色づきである。その微妙なカラーを「Z 7II」は的確に表現してくれた。また近景の石ころから、遠景の建物までシャープかつクリアに捉えてくれるカメラとレンズのパワーにニコンの底力を感じた。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/8 1/250秒 ISO100 焦点距離14mm
これはとある日の午後、ブラブラと散歩していた時のカットだ。踏切の遮断機が下りていたため、何気なく「非常停止ボタン」の標識を撮ったのだが、そのリアルな表現に舌を巻いた。ISO感度オートのためISO 90で撮れたが、ベース感度がISO 64(ISO 32相当まで減感も可能)と、広いダイナミックレンジと階調を実現しているのがいい。明るいレンズも開放域で日中にガンガン使えるところもうれしい。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S ■撮影環境:f/2.8 1/8000秒 ISO90 焦点距離70mm
東京のシンボル・東京タワーを見上げてシャッターを切った。クリアでスッキリとしたヌケ感があり、かつリベットやグレーチングまで確実に解像する「Z 7II」の写りはスゴいのひと言だ。EVF(電子ビューファインダー)も「Z 7」 同様、約369万ドットのQuad VGA有機ELパネルで、見やすさも変わらず撮影が快適だった。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/8 1/320秒 ISO100 焦点距離200mm
初冬なのに暖かい日が続いている。公園でやや色づいた葉をようやく見つけてシャッターを切った。高速かつ正確なオートフォーカスは的確に狙った葉に合焦した。その解像感が実にいい。輪郭はもちろん虫食いの感じ、葉脈のリアル感が素晴らしい。揺れ動く枝にもしっかりと追従するフォーカスも頼もしい。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/2.8 1/320秒 ISO64 焦点距離200mm
「Z 7II」は撮影していて気持ちのいいカメラだ。まずしっかりとホールドできるグリップと使いやすいボタンおよびダイヤルレイアウトのボディがいい。そして被写体をクリアかつクリーンに捉えられるEVF(電子ビューファインダー)がいい。さらにレスポンスよく美しいシーンをキャプチャーできるセンサーと映像エンジンがいい。先ほどのカットと同じ公園で撮った落ち葉だがこの立体感がとても気に入った。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/2.8 1/320秒 ISO320 焦点距離155mm
お城の瓦屋根に留まっているユリカモメ。ちょこまかと移動を繰り返す鳥に正確にフォーカシングし続け、羽毛の解像感と立体感豊かにその様子をキャプチャーしてくれた。連写速度もアップし、デュアル化されたカードスロットによって撮影枚数も増え、「Z 7II」はスキのないカメラに仕上がっている。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/2.8 1/2500秒 ISO100 焦点距離200mm
高感度というと兄弟機の「Z 6II」や「Z 6」を思い浮かべるが、「Z 7II」もなかなか素晴らしい高感度特性を持っている。「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」を装着してヨコハマの夜を撮ったが、ISO 1400でクリーンかつ情感あふれるカットが撮れた。ISO 102400相当までの増感に対応しているので、もっと条件の厳しい低照度下でも撮影できる頼もしい高解像度機になっている。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S ■撮影環境:f/1.8 1/60秒 ISO1400 焦点距離50mm
まとめ
ニコン「Z 7II」は派手さこそないが、着実かつ確実に撮り手の要望に応えて進化したフルサイズミラーレス一眼カメラと言えるだろう。使いやすいのはもちろん、何よりも大口径、ショートフランジバックのニコンZマウントの写りが素晴らしい。極上の写りをこの高解像度で味わえるのが至福である。この仕上がりぶりをキタムラの店頭で実感して欲しいと思う。
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
ご予約特典。買取査定額より20%UP!
カメラのキタムラではご予約特典として対象製品を買取査定額よりも20%UPで下取り実施中です。対象製品及び詳細は
こちら をご覧ください。
この記事に使用した機材
【ニコン】NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによるニコン Z 7IIのレビュー記事です。作例写真と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
Z 7II,ニコン,レビュー,nikon,nikkor
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ニコン NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sレビュー|待ち焦がれた超広角ズームはモンスターレンズだった!
BASENAME: 478683172.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 11/26/2020 16:00:00
TAGS: NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S,ニコン(Nikon) レンズ,スナップ,広角ズーム
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はじめに
ついにニコンZマウントに待望の超広角ズームレンズが登場した。この「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は、ニコンFマウント時代の銘レンズ「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」を上回る描写特性を持ち、なおかつ軽量コンパクトに仕上げたモンスター超広角ズームレンズだった。
「神レンズ」の系譜がようやくニコンZマウントに
ニコンZユーザー待望の超広角ズームレンズ「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は、F2.8通しの明るくて高性能な1本だ。2019年4月に発売された「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」というレンズを使っている人も多いだろう。このレンズも軽量コンパクトかつ円形フィルターが装着可能で、描写も素晴らしいものがあった。しかしF4通しとやや暗いのである。「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」や「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」が続々と発売されて「F2.8」通しの「14-24mm」を熱望するユーザーが多かった。それがようやくこのレンズで叶ったのである。
ニコンの超広角ズームレンズといえば誉れ高き「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」を思い浮かべるだろう。2007年11月30日発売のニコンFマウントのレンズだが、筆者も「ニコンD3」と「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」と発売日に同時に購入して愛用していた。このレンズの描写はとても素晴らしく、マウントコンバーターを介して他社のカメラに装着して使う人もいたほどである。「神レンズ」と呼ばれるくらい写りの評価が高かったのだ。その銘レンズがようやくニコンZマウントに降臨したのである。
ミラーレス一眼カメラ専用設計で軽量コンパクトに
「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」を手にするとそのサイズに驚かされる。「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 」は約970gだったのが、同じ明るさと焦点距離で約650gと大幅な軽量化を果たしているのである。もちろんサイズ感も一回り、いや二回り程度小さくなっている。これはスゴい。大口径、ショートフランジバックのミラーレス一眼カメラ専用設計になったことによりこのようなサイズダウンに成功しているのだ。それでいて画質に妥協がないところが恐れ入る。
レンズ構成はEDレンズ4枚、前玉の両面非球面レンズを含む非球面レンズ3枚4面とし、あらゆる部分で「神レンズ」と呼ばれた「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」の性能を上回っているのだ。ニコン独自のナノクリスタルコートとアルネオコートも施されており、厳しい条件下でもクリアな画質を誇る。逆光時に撮影したが「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 」よりヌケのいい画質であった。また軸上色収差を徹底的に排除し、サジタルコマフレアを効果的に抑制したレンズ設計は極上の写りを約束してくれるだろう。高周波の被写体から、満天の星空まで美しく撮影することが可能だ。まさに待ち焦がれた超広角ズームレンズだと言えよう。
使い勝手も良好な超広角ズームレンズ
このレンズのトピックは大きく張りだしていた通称「出目金」レンズをやめ、大口径の両面非球面レンズを採用したことだ。これにより前面にフィルターを装着することが可能になったのだ。付属する「バヨネットフード HB-97」を使用して、レンズ先端部にニコン純正の112mmネジ込み式フィルターがつけられるのである。もちろんレンズマウント部にもシートタイプのゼラチンフィルターを挿入できるフィルター枠も装備されている。またよりコンパクトな「バヨネットフード HB-96」も付属している。こちらは常時装着できる一般的なレンズフードとなる。
Zの「F2.8」通しのズームレンズ同様に、「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」にも「情報パネル」が装備されている。これは絞り値、撮影距離と被写界深度などを鏡筒部のパネルに表示できるもので、EVFを覗くことなく設定した値を確認できる便利装備だ。またサイドにはカメラで設定したファンクションを割り当てられる「L-Fnボタン」も装備。撮影をスムーズに行えるようになっている。手に馴染むサイズ感だし、いろいろと使いやすい高性能なレンズになっていると感じた。
実写
ここからは「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」の写りをご覧いただこう。使用したカメラは「Z 7II」(サンプル機)と「Z 6II」の2台である。
14-24mmという画角はとても重宝する。引きのない室内や広大な風景を撮る場合などだ。長野県・松本にある旧跡を「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」のワイド端で撮影したが、14mmらしいパースペクティブとフルサイズらしいボケ感が好ましい。夕暮れ時の微妙な色合いもうまく再現されている。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/2.8 1/400秒 ISO100 焦点距離14mm
松本城をフレーム下部に配置してやや露出アンダーのシルエット気味に表現した。それでもシャドウ部の瓦屋根や城壁、お濠で泳ぐ白鳥までカッチリとこのレンズは捉えてくれた。空のヌケ感もイメージどおりである。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/11 1/30秒 ISO100 焦点距離14mm
安曇野の清流を撮影。流れに身を任せる水草の浮遊感、手前から画面奥の木々の解像感がリアルでいい感じだ。木の葉までしっかりと解像しているところがこのレンズの威力であろう。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/6.3 1/80秒 ISO100 焦点距離14mm
森の中にあった狛犬(?)の眼にフォーカスし、絞り開放でググッと接近してシャッターを切った。超広角ズームレンズでもF2.8で接近すれば、このようにボケ味とワイド感の両方を演出することが可能だ。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO100 焦点距離14mm
山上湖の夕暮れ。湖面を渡る風が冷たい。日没直前の澄んだ空気の一瞬を捉えた。「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」のクリアかつクリーンなヌケ感が気持ちいい。水面に映った山の端もしっかりと解像している。空のグラデーションも美しいではないか。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/11 1/160秒 ISO100 焦点距離14mm
14-24mmというズームレンジは実に使い勝手がいい。とても広大な14mmから日常的なワイド感の24mmまで、広角レンズの醍醐味を余すところなく味わえるからだ。このカットはローカル線の旧駅舎を撮ったものだが、あまりパースをつけず24mmという画角で撮影した。強くデフォルメした写真から自然なワイド感まで自在に演出できるのが「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」である。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/11 1/500秒 ISO100 焦点距離24mm
F2.8通しながら軽量コンパクトになった「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」はいつでも持ち歩きたいレンズに仕上がっている。旅はもちろん登山やアウトドアスポーツにも連れて行きたいものだ。約650gという軽さと、埃や水滴の侵入を防ぐシーリングを各所に配した防塵・防滴性能は心強い。清流を渡る小橋から川面を撮影したが、そのきらめきと透明感をこのレンズはよく写しとってくれた。
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/5.6 1/640秒 ISO100 焦点距離14mm
ホリデーシーズンを控え、街ではイルミネーションの準備が始まっていた。薄暮に点灯し始めたLEDが踊り、やや寂しいライトアップの中撮影を試みた。画面中央部はもちろんとして、隅に近い部分でもLEDの形が崩れずにしっかりと写っている。さすが神レンズの系統である。F2.8という明るさもこのようなシチュエーションで威力を発揮する。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/2.8 1/60秒 ISO100 焦点距離14mm
夕闇迫る中、ダイナミックな空と雲を14mmというワイド端でうまく表現できた。濃厚で色のりのいい写りは美しい。「Z」シリーズボディにベストマッチするレンズサイズもフィールドでのフットワークを軽くしてくれる。「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は必携の1本と言えるだろう
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/11 1/2000秒 ISO800 焦点距離14mm
休日、銀座の歩行者天国をワイド端で撮った。初冬の澄み始めた空気感をクリアに「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は捉えた。ハイライト部のヌケ感、空のグラデーション、建物の直線感など文句のつけようがない描写である。風景、スナップ、建築、天体など超広角ズームレンズが活躍するシーンは多い。写りが際立つこの銘レンズをぜひとも使ってみてほしいものだ。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:f/8 1/4000秒 ISO800 焦点距離14mm
まとめ
「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は全Zユーザーが待ち焦がれた超広角ズームレンズだ。明るくて描写も最高だし、前玉にフィルターも装着でき、防塵防滴仕様で厳しい環境下でも真価を発揮できる。しかも軽く小さい。いつでも気軽に持ち出せるサイズ感なのだ。すなわち最高の描写をいつでも味わえることになるのである。この卓越した写りを多くのZユーザーに味わっていただきたいものだ。
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【ニコン】Z 6II
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによるニコン NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sレビュー記事です。作例写真と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン,レビュー,NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S,nikon
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー レンズ用マウントアダプター「LA-EA5」|あの名玉レンズがよみがえる
BASENAME: 478701205.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 11/27/2020 16:00:00
TAGS: LA-EA5,ソニー(Sony) アクセサリー,レンズアクセサリー
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BODY:
はじめに
発表は突然やってきた。ボディやレンズならばいろいろなウワサが事前に錯綜するのだが、この製品の情報はウワサの影もありませんでした。Aマウントを所有している方にとっては、とても朗報だったのではないでしょうか。名玉と言われるAマウントの「Planar T* 85mm F1.4 ZA」が、このマウントアダプター「LA-EA5」を使えば、Eマウントボディの「α7R IV」および「α6600」で像面位相差AFが使用できるようになったんです。早速、Aマウントレンズをマウントアダプター「LA-EA5」使用して撮影をしてみました。
Aマウントレンズ用マウントアダプター「LA-EA5」の特徴と注意点
マウントアダプター「LA-EA5」を使用するにあたっては、いくつか注意点があります。まずはレンズと使用できるボディの組み合わせ。SSM/SAMレンズで像面位相差AFに対応する機種は、「α7 III」「α7R III」「α7R IV」「α6100」「α6400」「α6600」「α9」「α9 II」「α7S III」「α7C」。多くのAマウントレンズが現行のαで対応可能になりますが、「Sonnar T* 135mm F1.8 ZA」や「Planar T* 85mm F1.4 ZA」などのレンズはレンズ内モーター非搭載モデルになる為、像面位相差AFに対応するのは「α7R IV」および「α6600」のみになっています。その他の機種でマウントアダプター「LA-EA5」を使って、レンズ内モーター非搭載モデルのレンズを使用する際には、オートフォーカスは作動せずマニュアルフォーカスになるので注意が必要です。
従来のマウントアダプターとの違いを整理すると下記の様になります。「LA-EA5」は小型化されてより使いやすくなったのが分かると思います。動画を撮影する際にはオートフォーカスが作動しませんので、動画撮影で使う際には注意が必要です。
α7RⅣで、Planar T* 85mm F1.4 ZAを使ってみました
α7RⅣボディに早速、マウントアダプター「LA-EA5」とAマウント「Planar T* 85mm F1.4 ZA」
を装着してみました。
ワクワクしながら届いたマウントアダプター「LA-EA5」と「Planar T* 85mm F1.4 ZA」を装着しα7RⅣの電源をON。しかしオートフォーカスが動かない。レンズの故障かな?と一瞬慌てましたが・・・ 原因は、α7RⅣのファームウェアのバージョンアップ忘れでした。α7RⅣでマウントアダプターLA-EA5に対応するには、最新のファームウェア(バージョンVer. 1.20)が必須です。因みにSSM/SAMレンズに関しては、ファームウェアのバージョンアップしなくてもオートフォーカスも稼働するので、気が付かない場合もあるかも知れません。使用する場合は、ボディーのファームウェアのバージョンアップをお忘れなく。
※ILCE-7RM4本体ソフトウェアアップデート (Windows) Ver. 1.20は
こちら
急いでα7RⅣのファームウェアのバージョンアップを実施し、再度マウントアダプター「LA-EA5」と「Planar T* 85mm F1.4 ZA」を装着し電源をON。無事にオートフォーカスも作動し一安心。早速我が家の猫を撮ってみました。
オートフォーカスのモードはコンティニュアンスモードで、フォーカスエリアはワイドにして動物瞳AFをオンにして撮影してみたところスムーズに猫の瞳にオートフォーカスでピントが合い、動く猫の瞳をしっかりと追い続けてく、あの「Planar T* 85mm F1.4 ZA」がEマウント同等に作動して撮影できる事に感動しました。実際のファインダー状況を動画で撮影してみたのでオートフォーカスの動きをみてみてください。
VIDEO
しかし、気になる点も無い訳ではありません。レンズ内モーター非搭載のレンズなので常にピントを追い続けるコンティニュアンスモードでの撮影は、最新の駆動が静かなレンズになれているとオートフォーカス駆動の音がちょっとうるさく感じるかもしれません。
■撮影機材:SONY α7RⅣ + Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)+ マウントアダプター「LA-EA5」 ■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF1.4 ISO800 焦点距離 85mm
ちょうど群馬県に撮影に出かけるタイミングにあったので、Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)+ マウントアダプター「LA-EA5」を持ち出して季節外れのひまわり畑で撮影をしてみました。※撮影日2020年11月18日
撮影場所は、群馬県富岡市の「丹生の丘ひまわり畑」。管理されている方にお話を伺ったところ、通常であれば夏の開花なのですが2020年は長梅雨などの雨の影響で枯れてしまい、再度、種を撒きなおした事により10月から11月中旬の開花になったとの事です。今年限定の秋のひまわりです。Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)の美しいボケとピントの合っているところのしシャープさは、流石名玉レンズと呼ばれる所以です。
■撮影機材:SONY α7RⅣ + Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)+ マウントアダプター「LA-EA5」 ■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.4 ISO100 焦点距離 85mm
■撮影機材:SONY α7RⅣ + Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)+ マウントアダプター「LA-EA5」 ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF1.4 ISO800 焦点距離 85mm
α7RⅣで、Vario-Sonnar T* 24-70 mm F2.8 ZA SSM IIを使ってみました
次にVario-Sonnar T* 24-70 mm F2.8 ZA SSM IIをマウントアダプター「LA-EA5」を介してSONY α7RⅣに装着してみました。こちらのレンズは超音波モーターSSM(Super Sonic Wave Motor)を使っているレンズなので、先にレビューしたPlanar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)ほどの使用できるボディの制限は無く(α7Cでも問題なく作動)、オートフォーカス動作も静かでストレス無く使用できました。
VIDEO
動きまわる猫にも動物瞳AFでピントも追従。
■撮影機材:SONY α7RⅣ + Vario-Sonnar T* 24-70 mm F2.8 ZA SSM II+ マウントアダプター「LA-EA5」 ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離 60mm
■撮影機材:SONY α7RⅣ + Vario-Sonnar T* 24-70 mm F2.8 ZA SSM II+ マウントアダプター「LA-EA5」 ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF2.8 ISO1600 焦点距離 45mm
α7RⅣで、ミノルタAF REFLEX 500mm F8を使ってみました
マウントアダプター「LA-EA5」が発売されて、Planar T* 85mm F1.4 ZAとともにもっとも使いたかったレンズがミノルタAF REFLEX 500mm F8です。このミノルタAF REFLEX 500mm F8は、反射望遠レンズ(レフレックスレンズ・ミラーレンズ)で、オートフォーカスが使える反射望遠レンズは、ミノルタAF REFLEX 500mm F8とその後継のソニーAF REFLEX 500mm F8しかありません。ミノルタバージョンのAF REFLEX 500mm F8は2006年12月からソニーブランドに変更になりましたが、その後2010年には生産完了しており、現在では中古で入手するしか方法がないレンズです。
反射望遠レンズは通常の望遠レンズより小型、軽量で、さらに原理的に色収差が発生しないという特徴を持っています。そして点光源のボケが、円形ではなく独特なリング状になる現象が発生するのが大きな特徴です。しかし、このレンズ少し制限があります。オートフォーカスで作動するのですが、オートフォーカスのエリアは中央のフォーカスエリアに限られます。
VIDEO
■撮影機材:SONY α7RⅣ + ミノルタAF REFLEX 500mm F8 + マウントアダプター「LA-EA5」 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF8 ISO400 焦点距離 500mm
後ろの自転車に太陽光が反射し強い点光源が発生。こういったシーンでは、反射望遠レンズ特有のリングボケが発生します。このリングボケを嫌う人もいますが、このレンズにしか出せない味わいですので筆者にとってはお気に入りのレンズです。
■撮影機材:SONY α7RⅣ + ミノルタAF REFLEX 500mm F8 + マウントアダプター「LA-EA5」 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF8 ISO400 焦点距離 500mm
このリングボケを楽しむために、ちょっと動画を撮影してみました。マニュアルフォーカスで合えてピントを外して夕日が照らす水面を撮影しています。リングボケをとても分かりやすく表現することができていると思います。
VIDEO
まとめ
マウントアダプター「LA-EA5」を使用し始めてまだそれほど日数は経過していませんが、すっかり欠かせないアイテムになりそうです。オートフォーカスも申し分なく動作するので、しばらくは手持ちのAマウントレンズを持ち出して撮影を楽しもうと思っています。
Aマウントレンズ資産をお持ちのユーザーにとっては、EマウントボディでAマウントレンズを有効に活用できるアイテムとしてとても重宝するのではないでしょうか。
またREFLEX 500mm F8などは現行品のレンズではないので、中古で購入して楽しむの面白いと思います。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがソニー レンズ用マウントアダプター「LA-EA5」を使った楽しみ方や制限事項などを説明しています。「LA-EA5」はAマウントのレンズを最新のEマウントカメラボディーへの装着を可能にするマウントアダプターです。
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KEYWORDS:
レビュー,ソニー,LA-EA5
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: GoPro HERO9 Black レビュー|小さく軽く頑丈で、シャッターを押すだけで迫力の映像が撮れる!
BASENAME: 478708507.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 11/28/2020 11:00:00
TAGS: HERO9 Black,GoPro(ゴープロ) ボディー,アクションカメラ,その他のカメラ
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BODY:
はじめに
アクションカメラの代名詞「GoPro」。その最新バージョン「HERO9 Black」が登場した。近ごろ流行の「Vlog」(ブイログ)で役立つ前面カラー液晶を搭載して、5Kという高解像度での収録もでき、驚異的だった手ブレ補正機能も更に磨きをかけており話題沸騰となっている。この「HERO9 Black」は手のひらに収まる軽量コンパクトさなので、普通のデジタルカメラでの撮影のお供として連れて行くのが楽しい。ビデオ撮影機能を搭載したミラーレス一眼カメラも多いが、こちらの方が気軽に面白い映像が撮れるからだ。
手ブレとはおさらば。強化された手ブレ補正機能
「GoPro」といえばアクションカメラの筆頭格だ。サーフィンやスノーボード、モトクロスやスカイダイビングなど、エクストリームスポーツをやる人が身体に装着して、ド派手なアクションを撮影するというイメージを持つ人が多いだろう。超広角レンズで自身と背景と写し込み、猛烈な動きでも安定した画面を撮影できるのがスゴいところだ。この最新型「GoPro HERO9 Black」は定評のある手ブレ補正機能をアップデート。「HyperSmooth 3.0」 (ハイパースムーズ 3.0) と銘打ち、他のカメラを寄せ付けない補正効果と安定性を手に入れた。実際に手に持って歩いてみるとその効果に驚くだろう。まるで電動ジンバルに載せて撮影しているかのようなスムーズ感を味わえるからだ。以前のモデルよりグッと安定感が増した印象である。さらに自動的に水平を保った映像を撮れる「カメラ内ホライゾンレベリング」も搭載。「リニア」の画角ならラフに撮影したムービーでもキチンと常に水平を維持したショットを手に入れられる。これは気に入った。
圧倒的な解像度
ビデオ、スチルとも解像度がアップ。 23.6メガピクセルの新開発イメージセンサーを搭載し、ビデオではなんと5Kの超高精細な映像を記録可能だ。もちろん家庭にもグンと普及してきた4K解像度を最大60fpsで記録。スムーズなスロー映像をクリエイトして楽しむことも可能だ。
スチルの解像度もついに20メガピクセルに到達した。一般的なデジタルスチルカメラとして使用しても解像度的に遜色ないカットを楽しめるようになったのがうれしい。「SuperPhoto」 (スーパーフォト) モードならばHDR的な効果を持つクリアで鮮明なスチルが撮れる。最新型スマートフォンにも負けない失敗の少ない美しいカットをこの小さいカメラで撮れるのだ。
フルモデルチェンジしたタフネスボディー
少し前から「YouTube」などのビデオシェアサービスを使って、「Vlog」(ブイログ)を楽しむ人が激増している。自分が画面に登場して、日常生活をブログ的にビデオでシェアするものだ。ガジェットの紹介であったり、ペットとの生活を映像で綴るものなどジャンルは多岐に渡るが、ほとんどの場合「セルフィー」(自撮り)が主流だ。最新モデルの「HERO9 Black」にはその「Vlog」(ブイログ)にうれしい、前面カラー液晶が搭載された。スクエアタイプの1.4インチながら、これにより自分を写しながらの構図確認ができるようになったのだ。これはブイロガーに歓迎される大きなアップデートだろう。もちろん前のモデルのように撮影モードなどの情報表示や画面オフに切り替えることもできる。
「HERO9 Black」はボディサイズが一回り大きくなっている。背面のタッチパネル液晶は2.27インチに大型化され、同時に1720mAhのバッテリーも採用されている。これにより駆動時間が最大30%アップした。アクションシーンでのバッテリー交換が減らせるのはうれしい。単純に撮影時間も延びるのでいいショットが撮れるチャンスも拡がるはずだ。また取り外し式のレンズ「Max レンズモジュラー」にも対応。それでいてボディ単体での水深10mまでの防水性能も達成している。
充実の機能
「HERO9 Black」は他にも多数の機能がバージョンアップしている。まずはエクストリームスポーツに欠かすことができないスローモーションだ。最大 240 フレーム/秒の撮影が可能になったのでクリアな映像でのスーパースローが楽しめる。
またタイムラプスの「TimeWarp 3.0」(タイムワープ 3.0) は、撮影中にジックリ見せたい部分をゆっくりと減速して撮影することができるようになった。コマ撮り中にジックリと見せたいシーンがある場合に、タップ一つで自動的に実時間での映像記録ができる。
「HindSight」(ハインドサイト)はシャッターボタンを押すタイミングが遅れた場合でも、最長30秒録画開始前の映像を撮影できる機能だ。ついウッカリしてもこの機能をアクティブにしておけば安心である。「LiveBurst」(ライブバースト)はスマートフォンでおなじみのショートムービー機能だ。シャッターを押した前後の1.5秒ずつを記録し、身近なビデオにしてくれるものだ。もちろんスチルとしてのシェアもできる。
他にはスケジュールキャプチャーがいい。これは例えば日の出のタイムラプスを撮影したい場合、早朝に早起きしなければならない。この機能でタイマーをセットすれば自動的に設定した時間に撮影してくれるのだ。これは楽チンである(笑)アイディア次第で様々なシーンで活用できそうだ。またデュレーションキャプチャーも役に立つ。撮影毎の録画時間を設定できるので、「Vlog」(ブイログ)用にこまめに撮影が必要な場合に重宝する。多くのショットを決められた長さで収録し、素材として活用しやすいからである。他にも専用アプリを使ってのFacebookでライブストリーミングが可能だし、ビデオ会議や「Zoom呑み」にも使えるので、1台持っていると何かと楽しめる小さな高性能ビデオカメラになっている。
実写
「HERO9 Black」の「SuperPhoto」 (スーパーフォト)は手軽に印象的なスチルが撮れる。夕暮れ時の河川敷を撮ったものだが、クリアな空の感じや、地面に生える芝生の微妙なグラデーションまでしっかりと写し取れた。この小ささでスゴい!
こちらは小田原の海岸での夕景だ。雲の立体感が素晴らしい。手前に拡がる砂利の高精細な写りにも驚きである。日没時の色再現もなかなかのものである。
浅草・浅草寺の仲見世を「TimeWarp 3.0」(タイムワープ 3.0) で。最後の門のところでは「スピードランプ」を使って速度を実時間にしてみた。このように緩急をつけたタイムラプスビデオを簡単な設定と操作で撮影できるのがスゴいところだ。
VIDEO
「HyperSmooth 3.0」 (ハイパースムーズ 3.0) は本当にスゴい。イージーに「HERO9 Black」を持って近所の竹林を歩き回ったがご覧のような安定したビデオがサクッと撮れるのだ。超広角レンズの効果もあって、迫力のあるウォークスルー映像に仕上がった。
VIDEO
GoProはとても小さくて軽量だ。ポケットにポンと入るし、いつでも気軽にスマホのように持ち歩ける。クリスマスイルミネーションを歩きながら撮影したが安定したビデオ映像になった。水深10mまで潜れるタフネスさもあり、どんなシーンでも連れて行けて、驚きの映像を収めることができるだろう。ただシャッターを押すだけなので楽チンだ。
VIDEO
世の中は「Vlog」(ブイログ)が大流行しているが、このように自分の写真撮影シーンを撮ってみるのも面白いだろう。これは
「Nikon Z 7Ⅱ」インプレッション記事 の撮影をしているシーンだ。スクエアタイプの1.4インチ前面カラー液晶や見やすい2.27インチ背面タッチパネル液晶は構図を決めやすい。
VIDEO
「HERO9 Black」のビデオ映像の安定性は驚異的だ。イージーにパンニングしてもキレイなショットを得られた。それでいて高精細な絵とクリアな音声が録れるのだから。アクションカメラのイメージが強いが、このように日常的に使うのもオススメだ。スマホでは撮れない迫力のあるビデオが味わえる。
VIDEO
「HERO9 Black」で撮影したショットを編集ソフトで繋いでみた。誰でもカンタンにシャッターを押すだけでステキな映像を撮れるので、ただ並べていくだけで印象的なムービーが出来上がる。アクセサリーも豊富なので、自分の撮影スタイルに合ったものを選んで、素晴らしいビデオライフをエンジョイして欲しい
VIDEO
まとめ
小さくて軽く、頑丈でどこにでも持って行ける「HERO9 Black」。シャッターを押すだけで迫力のあるビデオが誰にでも撮影できるのがスゴい。ストリーミング配信やビデオ会議にも使えるので、1台持っていると役に立つカメラだ。スチル、ビデオともにちょっとしたアイディアで驚きの映像がモノにできるのでいろいろとトライしてみてはいかがだろうか。
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
・GoPro HERO7 Blackのレビューは
こちら からご覧頂けます。
・GoPro HERO8 Blackのレビューは
こちら からご覧頂けます。
この記事に使用した機材
【GoPro】HERO9 Black CHDHX-901-FW
商品詳細ページ 【GoPro】HERO9 Black 限定BOX CHDRB-901-FW
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがGoPro,HERO9 Blackのレビューしています。スチールと動画作例と共にHERO9 Blackの特長を紹介をしていますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,GoPro,HERO9 Black,ゴープロ,vlog
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX S 85mm F1.8|この価格でこの描写力!驚くほどコスパの良い中望遠単焦点レンズ
BASENAME: 478767624.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 12/01/2020 16:00:00
TAGS: LUMIX S 85mm F1.8,パナソニック(Panasonic) レンズ,人物_子供,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
LUMIX Sシリーズ用の中望遠単焦点レンズ「LUMIX S 85mm F1.8」が、11月26日に発売されました。小型、軽量の本レンズは、85mmという画角とF1.8の明るさなので、ポートレートを撮る方が特に気になるレンズだと思います。ですので今回は、人物撮影に特化してレビューをお送りします。
空気感も描き出す高い描写性能
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 WB4600K フォトスタイル 人物 ■モデル:愛咲しおり
筆者はポートレート撮影では、開放F値での描写性能をとても大切にしています。人物が浮き出るような、見ている人の目線を被写体の瞳に惹きつけるような立体感のある表現を、開放F値で隅々まで綺麗に描き出してくれるレンズであることは重要で、特にF1.8前後の開放F値のレンズでは、マストであって欲しい性能です。
この作例では、少ししっとりとした雰囲気を出したくて、筆者にしてはアンダー目に仕上げています。絞りはもちろん、開放のF1.8です。照明などは使用せず、窓からの自然光のみで撮影しています。パカッと明るくしすぎないことで、モデルの肌の質感や、優しい空気感を描くことができます。
レンズ構成は8群9枚で、EDレンズ2枚を使用しています。ピントが合っている箇所のくっきり感は素晴らしく、ボケている箇所の優しいなめらかな描写、立体感のあるディティール表現など、価格を考えるとびっくりするほど高性能なレンズに仕上がっています。また、色収差の補正能力も高く、寄りから引きの撮影まで、繊細な描写で仕上げてくれます。ポートレートではアップから全身まで、これ一本で問題なく撮影できるでしょう。
小型・軽量なF1.8単焦点シリーズ
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 WB4600K フォトスタイル 人物 ■モデル:愛咲しおり
本レンズはサイズや操作性を統一した、F1.8単焦点シリーズのレンズの第一弾になります。今後発売予定の24mm、35mm、50mmとサイズ(最大径Φ73.6mm、全長82.0mm)、フィルター径(Φ67mm)、フォーカスリングの位置、AF/MF切替スイッチの位置、前枠の外径が同じになる予定なので、NDフィルターなどを何枚も用意する必要がなくなります。また、動画撮影時、レンズ交換後のジンバルの調整も最低限で済むのは、とても助かります。
実際にカメラにつけて撮影してみると実感するのですが、85mmにしては小さくて軽い!筆者は人間サイズが小型なので、85mmレンズで撮影していると、とても大きなレンズを持っているように見えてしまうのですが、本レンズはそんなにオーバーに見えず、外での撮影も違和感なく行えました。LUMIX S5とのバランスも良く軽量なので、立ったりしゃがんだりと、フットワーク軽く撮影できたのも、メリットのひとつです。
くっきり感の強いレンズ
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 WB 5000K フォトスタイル 人物 ■モデル:愛咲しおり
絞り羽根枚数は9枚で、円形虹彩絞りを採用しているので、光のボケもなめらかで綺麗に描写します。フレアーやゴーストも抑えられていて、余計なことを考えずに撮影に没頭できるレンズに仕上がっています。
本レンズの第一印象は、線の一本一本までしっかりと丁寧に描くレンズだと感じました。髪の毛やまつげの描写が綺麗なので、顔だけではなく、モデルの色々な「線」に注目して撮影すると、さらに楽しいと思います。そのように、ピントを合わせた範囲はくっきり感が強いので、ポートレートでは開放、もしくはF2.8程度までの絞りが使いやすいでしょう。逆に、背景までしっかりと描き出したいときは、絞ることで詳細な描写の、スナップ的なポートレートを撮ることもできます。
ポートレート撮影だと、目線ありなしに関わらず、モデルの正面のカットが多くなりがちですが、横顔や斜めの顔も意識して撮るようにしてみましょう。正面からは気が付かなかった、新たなモデルの魅力を感じられるかも知れません。
緩やかにカールしたまつげのラインをくっきりと、唇の膨らみを艷やかに表現するためには、光の状態を見て撮影位置を決めます。85mmの画角なら、大きな声を出さなくてもモデルとコミュニケーションが取れる距離から撮影できると思いますので、光とモデルの位置を見ながら、ポージングの微調整を行いましょう。また、自分が低くなったり左右にずれてみたりと細かく動いてみると、綺麗な背景が見つかります。
モデルの瞳を印象的に描いてくれる0.8mの最短撮影距離
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 WB 5000K フォトスタイル 人物 ■モデル:愛咲しおり
最短撮影距離は0.8mなので、かなりアップまで近寄ることができます。とはいっても、85mmの画角なので、通常の撮影ならモデルが圧迫感を感じるほど近づかなくても、モデルの瞳を印象的に捉えたポートレート撮影ができるでしょう。
作例のカットは外で撮影しています。かなり天気のいい日だったので、日陰に入り、左頬を透明のガラスに近づけてもらって、反射を利用して明るさを作っています。レフ板は使用していませんが、モデルの白い衣装が、下からのレフ板効果となっています。
ポートレート撮影でモデルに衣装をリクエストできる場合、迷ったら白い衣装をお願いしてみましょう。露出が測りやすかったり、腕を伸ばしてもらって自身の服でレフ効果を作ってもらえたりするので便利ですよ。
ストレートな描写で使いやすい、コストパフォーマンスの高いレンズ!
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/160秒 ISO400 WB4600K フォトスタイル 人物 ■モデル:愛咲しおり
普段、50mmを好んで使用する筆者ですが、本レンズはクセが強くないので、とてもすんなりと撮影に馴染めました。人間を相手に撮影するポートレートでは、機材に振り回されている余裕はないので、自分の好みの画角のレンズを使用しやすいのですが、本レンズはストレートな描写のお陰で、様々な撮影シーンでも戸惑うことなく使用できました。
今回はそれほど過酷な撮影シーンはありませんでしたが、本レンズは防塵・防滴仕様(LUMIXの防塵・防滴対応カメラボディ装着時)で、マイナス10℃の耐低温設計なので、波打ち際での爽やかなポートレート撮影や、雪山での幻想的なポートレート撮影なども楽しめます。ポートレートを撮影しなくても、望遠画角がお好きな方は、一度使用するとバランスの良い性能にハマっちゃうと思います!
AFはもちろん素早く、そして静かに合うので、静止画はもちろん、動画撮影でも活躍するレンズになりそうです。LUMIX Sシリーズをお持ちの方、もしくはこれから手に入れようと思っている方は、ぜひ一緒に使って欲しい、コスパのいいレンズです。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
■モデル:愛咲しおり
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがパナソニック LUMIX S 85mm F1.8のレビューを行っています。85mmという画角とF1.8の明るさは、ポートレートを撮る方が気になるレンズだと思いますので、今回は、人物撮影に特化してレンズ紹介をしています。
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KEYWORDS:
レビュー,パナソニック,LUMIX S 85mm F1.8
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: スイセン・わたげの撮り方|北村佑介
BASENAME: 478794028.html
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 12/02/2020 16:00:00
TAGS: 花
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BODY:
はじめに
こんにちは!北村佑介です!今回は、スイセンとタンポポのわたげの撮り方を紹介させていただきます。スイセンの本格的な季節はまだ先ですが、筆者は12月末から1月にかけて撮影することが多いので、今回記事にさせていただきました。つい先日も、道端で咲き誇るスイセンを見かけました。スイセンを見ると、年の瀬が迫っていることを感じます。やり残したことがまだたくさんあるような…来年頑張ります。わたげは、春の終わりに見かけるイメージがありますが、意外とどの季節にも見かけることができます。なので、筆者は花の少ない冬に撮ることも多いです。ちなみに筆者がわたげを題材にする時は、ネタに困っていることが多いです。
咲き始めのスイセン
■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/640秒
公園で、まだ咲き始めのスイセンを見つけました。筆者は、咲き始めの花を撮ることが多いのですが、スイセンは特に咲き始めがおすすめです。その理由は、スイセンは数輪密集して花を咲かせるので、満開付近になると1~2輪だけ撮ることが難しいからです。1~2輪だけ撮ると花の形の可愛らしさがよく伝わります。どの花を主役にして撮ったのかも伝わりやすいです。また、白い花なので枯れてしまった部分や傷んでしまった部分も目立ちやすいですが、咲き始めだとそういった花も少ないです。
写真をご覧いただいてわかる通り、スイセンは本当に可愛らしい形をした花です。この可愛さは正面を捉えないとなかなか伝わらないため、横や後ろから撮るよりも正面から撮りましょう。正面を捉えないと形の良さが伝わらない花、横や後ろから撮っても形の良さが伝わる花。それぞれを撮影時に意識することがとても大切です。
名所で捉えたスイセン
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/1250秒
スイセンの名所で撮影した一枚です。満開のスイセンの中で、一輪お気に入りの花を見つけました。1月上旬の昼間、とても強い光を背に受けているので、とにかく花を白飛びさせないことを最優先に考えました。逆光で花を透過させて撮ると花びらの美しさが増しますが、色の薄い花、特にこのような白い花は白飛びさせてしまうことも少なくないと思います。このように明暗差があるシチュエーションでは尚更です。白飛びに関しての考え方は人それぞれだと思いますが、筆者は主役の花は可能な限り白飛びしている部分がない方が良いと考えています。このようなシチュエーションに出会った時は、主役の花を白飛びさせないことを第一に考えましょう。
大雪が降った日のスイセン
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM ■撮影環境:マニュアル・135mm・F2.0・ISO500・1/1250秒
数年前に東京で大雪が降った時の一枚です。今まで雪の日に花を撮影する機会はそう多くはなかったため、その分行く場所や撮る花、撮りたいシーンのイメージは前もって考えていました。そのおかげで、ほぼイメージしていた通りに撮ることができました。この時、「イメージしておく」ということがとても大切だと改めて感じました。普段、ほとんどの写真を絞り優先で撮っていますが、この時は降りしきる雪の写り具合を考えてシャッタースピードを自分で決めました。F値はいつも通り開放にしたかったので、マニュアルモードを使いました。どんよりして薄暗いシーンだったので、ISOは500まで上げて、降りしきる雪を止めて写すことができるシャッタースピード1/1250を確保しました。雨や雪を止めて写す時のシャッタースピードは、シチュエーションやイメージによって異なりますので注意しましょう。
筆者は薄着が好きなので氷点下近かったこの日も、まるで秋晴れの日のバーベキューに行く
ような格好で撮影しました。結果、帰宅後数日間高熱でうなされることとなりましたが、それも含めて思い出に残る一枚となりました。皆さんは、寒い日は暖かくしてお出かけください。
夕方公園で見かけたスイセン
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/3000秒
12月下旬、16:00頃に近所の公園で撮りました。この日はとても綺麗な夕日が降り注いでいたのを今でも覚えています。ホワイトバランスをカスタムで下げ、夕暮れのオレンジのイメージを残しつつ花の白さを表現できる値に設定しました。晴れた日の夕暮れ時は、ホワイトバランスを太陽光や曇りに設定すると必要以上にオレンジに寄ってしまうことがあるので注意しましょう。晴れた日の朝や夕方など、光の色の変化が目まぐるしい時は適切なホワイトバランスに変更するのは簡単ではありません。二度と訪れないシャッターチャンスをものにするため、日頃から練習しておくことをおすすめします。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 24mm F1.4 DG HSM ■撮影環境:絞り優先・24mm・F1.4・ISO640・1/90秒
いつもよりも広角のレンズで撮りました。右から左にかけてのフレーム状に配置した葉っぱがお気に入りです。望遠レンズだとボケてしまってここまで葉っぱの質感は残せなかったかもしれません。少し上から撮り、こじんまり感をイメージしました。イメージを優先したので、花の形を捉えるということを少し犠牲にしています。花と地面の距離が近いので後ろボケも綺麗になりづらいシチュエーションでしたが、開放F値が1.4であったため、綺麗にボケてくれました。
逆光で捉えたわたげ
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.5・ISO100・1/1000秒
ここからはわたげの撮り方を書いていきます。真冬の陽が落ちる直前に逆光で撮りました。夕陽に照らされてキラキラと光る水滴を上手く一緒に収めることができました。わたげは球体なので、開放で撮ると1点にしかピントが合いません。それでも良いのですが、わたげのピントが合っている範囲をもう少し増やしたかったので少し絞りました。斜面に咲いていたので、前ボケと後ろボケを両立させることがとても難しかったです。この写真の醍醐味である水滴を綺麗に見せることを一番に考えると、後ろボケに気を遣わなくてはなりません。わたげと背景がなるべく離れているラインを狙い、その中でもコントラストがないなだらかな部分を選びました。後ろボケを優先したので、その分前ボケはあまりありません。
モノクロのわたげ
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.5・ISO100・1/1000秒
先程の写真をモノクロで仕上げてみました。花は色が大切なので、筆者はほとんどモノクロにすることはありません。この写真はわたげと水滴以外を黒く締めたら、見せたいものだけが浮かんで綺麗かもしれないと思いやってみました。色という情報を消して何かを見せたい時や、光と影のコントラストが特に綺麗な時などはモノクロにしてみるのもいいかもしれません。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 B01E ■撮影環境:マニュアル・180mm・F8.0・ISO2000・1/1000秒
180mmのマクロレンズを用いてモノクロで撮ってみました。光で照らされたわたげがとても綺麗だったので、そこだけに目がいくようにモノクロで仕上げました。決して色の調整が面倒だったわけではありません。なるべくピントが合っている範囲が多くなるようにF8.0まで絞りました。マクロレンズで寄って撮るとき、開放で撮るとピントが合っている範囲が狭すぎて何を見せたいのかわからない写真になってしまうこともあります。花の写真は開放で撮るイメージがある方が多いかもしれませんが、マクロレンズを使う時は絞った方が良いシーンもあることを覚えておきましょう。わたげはほんの少しの風でも大きく揺れるので、少なくとも1/1000秒は確保することをおすすめします。
さいごに
今回もお付き合いくださりありがとうございました!何か一つでもお役に立てる内容があったらと思っています。また次回を楽しみにしていただけたなら嬉しいです。
■写真家:
北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
この記事に使用した機材
【シグマ】24mm F1.4 DG HSM Art キヤノン用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんにスイセン・わたげの撮り方を紹介頂きました。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,花,キヤノン,シグマ,ソニー,スイセン,わたげ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 片岡さんテスト
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CATEGORY: 片岡三果
DATE: 12/03/2020 20:46:56
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BODY:
テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ライカ M10-Rレビュー|コムロミホ
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STATUS: Publish
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CATEGORY: コムロミホ
DATE: 12/04/2020 16:00:00
TAGS: M10-R,ライカ(Leica) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
長い歴史の中でカメラのデザインや撮影スタイルを引き継ぎながら作られてきたM型ライカ。そして、2020年7月また新たにM10-Rというカメラが登場した。M10をベースにM10-P、M10-D、M10モノクロームときて、今回、高画素タイプのカメラが加わることになった。
高画素機としての表現力
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/3000秒 ISO100 焦点距離50mm
M10-RのRはResolutionの略で、高画素機であることを意味している。M10は2400万画素なのに対して、M10-Rは約4000万画素の画像素子を搭載している。それにより、少し離れたところにある東京タワーのディテールも細かく解像し、建物や手前の木の質感もリアルに表現してくれている。特に驚いたのは写真を拡大してみてみると、東京タワーの右奥に小さくヘリコプターが飛んでいるのを確認できたことだ。肉眼では感じることができないところまで写っているのが高画素機の面白さの一つかもしれない。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/180秒 ISO100 焦点距離50mm
上の写真はカメラの設定をあれこれ触らずに、デフォルトの設定で撮影を行った。見たままの色を生かしながらも深みのある色表現で、しっとりとした曇りの日の雰囲気を出すことができた。撮って出しのjpegデータでも十分に作品として使用できるレベルだ。この表現力が作品を撮る意欲を十分に掻き立ててくれる。
アポ・ズミクロンとの相性
今回はM10-Rの実力を生かせるようにレンズはアポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.を使用した。アポ・ズミクロンはアポクロマートレンズを使用し、現代のデジタルカメラの性能を最大限に引き出すために設計されたレンズで、絞り開放から極めてシャープな描写を楽しめる。それでいて、滑らかで美しいボケを両立しているのが特徴だ。絞り開放のF2で撮影すると、それらを両立できるため、個人的には絞り開放で使うべきレンズだと思っている。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/4000秒 ISO100 焦点距離50mm
それにしてもM10-Rとアポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.との相性は最強だ。M10でアポ・ズミクロンを使用していた時も十分にその解像感を堪能できていたが、M10-Rと組み合わせると、さらにピント面がシャープになり、滑らかなボケを生かしながら撮影すると、今まで以上の立体感を写真に与えることができる。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO100 焦点距離50mm
ピントを合わせた被写体が浮き立つように際立ち、何気ない1コマもドラマチックなワンシーンへと写し撮ってくれる。ライカに出会ってから今まで、このライカマジックに魅了されてきた。ライカは作品を撮る上でなくてはならない存在だが、M10-Rを使用すると更なる表現力を手に入れることができそうだ。
■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックス M f1.4/35mm ASPH. ■撮影環境:f/1.4 1/2000秒 ISO100 焦点距離35mm
今回は解像感を活かすためにアポ・ズミク ロンを使用したが、ズミルックス M f1.4/35mm ASPH.のように描写が柔なかなレンズと合わせてもおもしろい。さらに柔らかな描写を楽しみたければ、オールドレンズなどのチョイスも面白いだろう。
■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックス M f1.4/35mm ASPH. ■撮影環境:f/1.4 1/4000秒 ISO100 焦点距離35mm
純正に限らず、M型ライカに使用できるレンズは数えきれないほどたくさんあり、レンズ次第ではシャープにも、柔らかくも表現を楽しめる。画像処理でシャープネスを上げたり、やわらかくしたりすると不自然になってしまうが、レンズ本来の味を生かしながら表現方法に結びつけられる。レンズの性能を最大限に引き出してくれるM10-Rを使用すれば、表現の幅がさらに広がりそうだ。
望遠、マクロ効果を得るためのトリミング
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO100 焦点距離50mm
高画素機を使用するメリットはトリミング用途でも使用できる点だ。私はスナップにおいてトリミングをすることはないが、望遠効果を得たいときやマクロ的に被写体を切り取りたいときに行うことがある。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO200 焦点距離50mm
たとえば、私が愛用しているアポ・ズミクロンの最短撮影距離は70cmのため、小さな被写体を画面いっぱいに切り取りたいと思っても叶わない。そういうときは接写リングを使用する方法もあるが、大概は撮影した後からトリミングしてマクロ効果を得ることが多いだろう。M10-Rであれば、1/4の大きさにトリミングしても約1000万画素確保でき、それはA3サイズにプリントする場合でも十分な画素数になる。
上の画像をトリミングした作例 ■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO200 焦点距離50mm
M型ライカを使用する理由
そして、M型ライカの良いところはカメラの操作がとてもシンプルな点だ。私が愛用しているM10とはほとんど外観も操作感も違いがないので、手にした瞬間から違和感なく、撮影を開始できる。違うところといえば、軍艦部分の「LEICA M10」が「LEICA M10-R」と刻印された文字が変わっているところくらいだろう。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO200 焦点距離50mm
その場の露出を気にしながら、レンジファインダーから被写体を見て、ピントを合わせてシャッターを切る。ずっと変わらない撮影スタイルのおかげで新しいカメラでもしっくりと手に馴染み、ずっと使ってきたカメラのように使用することができる。
期待以上の高感度性能
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/180秒 ISO1600 焦点距離50mm
高画素機は実はメリットばかりではない。画素数が多くなることで、受光素子の面積が小さくなり、ダイナミックレンジが失われたり、高感度性能が悪くなる傾向がある。しかし、M10-Rはその2つを克服し、むしろM10よりも性能が高いというから驚きだ。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/3.4 1/4000秒 ISO100 焦点距離50mm
まず、ダイナミックレンジに関してだが、明るい部分から暗い部分まで階調豊かに表現しており、特に暗部の粘りがあるように感じる。M10よりも性能が高いとされているが、個人的にあまり違いがなく、同じ感覚で撮影できるといった印象を受ける。
ISO1600の作例 ■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/160秒 ISO1600 焦点距離50mm
ISO3200の作例 ■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/125秒 ISO3200 焦点距離50mm
ISO6400の作例 ■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO6400 焦点距離50mm
次に高感度性能だ。ISO1600からISO50000まで設定を変えながら撮影を行った。ISO3200までは拡大すればノイズを確認できるが、そのまま見る分にはノイズがまったく気にらない。ISO6400からノイズが目立ち始めるが、許容範囲だろう。
ISO12500の作例 ■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/500秒 ISO12500 焦点距離50mm
ISO12500はノイズを確認できるが、ノイズの粒が小さいため、フィルムの粒状感に近いのではないかと思う。これはこれで表現として使ったらおもしろいと感じた。ノイズを除去しすぎて、ディテールが壊れることもなく、ISO12500と思えないほど解像感も高い。
左:ISO25000の作例 ■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO25000 焦点距離50mm 右:ISO50000の作例 ■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/2000秒 ISO50000 焦点距離50mm
さすが、ISO25000とISO50000はノイズで画質が荒れてしまう印象がある。ノイズを目立たせたくないのであれば、ISO3200までが使いやすい印象。しかし、個人的にはシーンや被写体によってはISO12500までありなのではないかと思う。ぜひ作風に合わせて、自分の許容範囲を見つけてもらいたい。正直、高画素機ということもあって高感度性能はあまり期待していなかったが、ここまで頑張ってくれているのは嬉しい。ライカM9から使用しているため、その名残であまり高感度で撮影することはなかったが、あえて高感度で撮影するのも楽しそうだと感じた。
高画素機の注意点
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO1600 焦点距離50mm
高画素なカメラは少しのブレでも写真に影響が出てしまうため、手ブレには気をつけたい。手ブレぎりぎりのシャッター速度で撮影するならば、ISO感度を上げて、シャッター速度を稼ぎながら撮影するようにしてもらいたい。この写真はISO1600で撮影しており、ノイズもなく、夜の横丁の雰囲気を引き出すことができている。そして、M10と比べてシャッター音が静かでシャッターによる衝撃によるブレも最大限に抑えられるようになっている。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2.4 1/90秒 ISO100 焦点距離50mm
そして、高画素機は細部の表現力が高い分、ピントのずれが目立ちやすくなってしまう。写真のように被写界深度が浅いシーンや厳密なピント合わせが必要な場合はライブビューを使用し、ピント位置の拡大画面を確認しながら、ピント合わせすると便利だ。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO200 焦点距離50mm
まとめ
今回、M10-Rでスナップしてみたが、一度この表現力を知ってしまうと、M10に戻れなくなる怖さがある。高い解像感を実現するだけでなく、高画素機とは思えないほどのダイナミックレンジと高感度性能を持ち合わせ、それでいて往年の撮影スタイルを貫いたM10-R。
ライカには様々なカメラがあるが、これからライカを使い始める方におすすめしたいのは、やはりM型ライカだ。前述したようにM10、M10-P、M10-D、M10モノクローム、そして、M10-RとM型だけでもさまざまなラインナップがある。撮る被写体や撮影スタイルに合わせて選択できるので、自分にぴったりなライカを選んでもらいたい。ちなみに私はシャッター音やシャッターフィーリングが好きで、M10を発売の2017年から愛用している。ぜひこのライカマジックを体感していただき、ライカのおもしろさにどっぷりとハマっていただきたい。
■写真家:
コムロミホ
福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。ニコン、パナソニック、オリンパスのカタログ撮影も担当する。ルミックスフォトスクール講師、オリンパスデジタルカレッジ講師、エプソンセミナー講師、ライカやリコーペンタックス、をはじめ多くのメーカーで講師を務める。
新宿 北村写真機店のご紹介
この記事でご紹介したカメラ機材は新宿 北村写真機店でお取扱いしています。当店ではHASSEL BLAD、Leica製品を国内最大級の品揃えをしていますので、新宿にお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。
〒160-0022
東京都新宿区新宿3丁目26-14
電話番号03-5361-8300
【HP】https://www.kitamuracamera.jp/
【facebook】https://www.facebook.com/kitamura.camera.tokyo/
【instagram】
@kitamura_camera_tokyo
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のコムロミホさんがライカ M10-Rのレビューを行っています。M型ライカの中で高画素機となるM10-Rの魅力を作例と合わせて紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,ライカ,M10-R
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 富士フイルム X-S10レビュー|小さなボディーにフジ製品のいいところがギュッと詰まった頼れる相棒
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CATEGORY: 片岡三果
DATE: 12/09/2020 16:00:00
TAGS: X-S10,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
2020年11月19日に富士フイルムから発売されたX-S10。発売前から非常に話題になっていたこちらの新製品を試用させていただき、歴代の富士フイルム製品を使ってきた上で感じたことなどを書かせていただきます。
Xシリーズの「S」ラインとは
今回のX-S10はメインのTラインとは異なる新たなライン。
このSには
・Small&Slim‥小型軽量
・Secure‥握りやすいグリップ
・Stabilization‥手ぶれ補正
・Simple‥シンプルな操作性
という意味が込められています。以前X-S1というレンズ一体型カメラも出ていますが、今回はレンズ交換式になっていて多彩な富士フイルムのレンズたちから撮影シーンに合わせてチョイスすることができます。
簡単に一言でこのX-S10を表現するのなら、「フジ製品のいいところをギュッとコンパクトにした凄いカメラ」という感じでしょうか。今まで使ってきた同社のカメラの中でも、凄いカメラが登場したと実感しています。
小さく軽いボディで世界がぐっと広がる
小型軽量なボディは、撮影のフットワークを軽くするのであれば必要不可欠でぜひ備わっていて欲しいところ。わたしも愛用しているX-T4は重さが607g※で今回のX-S10は重さが465g※です。その差は単一電池約1個分の重さ。キットレンズでもあるXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZレンズと組み合わせてX-T4のボディよりも若干軽いという組み合わせ。
※バッテリー、 SDメモリーカードを含んだ質量です。
わたしの撮影のメインはスナップ写真ですが、スナップ撮影において大事なのはフットワークの軽さだとも思っています。持ち物は軽い方がいい。それでいてしっかり撮りたいものを撮ることができる!というのが理想です。ボディが軽い分、もう一本レンズ持っていこう!となったり、身軽な分さらに足を伸ばして素敵な瞬間を探しにいく・・などなど撮影の幅が広がりそうですね!大きさも女性のわたしが構えても大きすぎず丁度よいサイズ感です。
グリップの深さは安心の深さ
わたしが最初に実感した進化ポイントはグリップです。とっても握りやすいグリップは少し手が大きい方でもカメラをしっかりとホールドすることができると思います。X-T3からX-T4はグリップが今までに比べて若干深くなりましたが、X-S10は今まで横向きに入れていたバッテリーをグリップ部分に縦に入れる形状に変更することで、とても深いグリップを作りだしています。
撮影をするときに右手で深く握ることができると安心感につながります。軽い上に深いグリップがあれば片手でも素早くイメージした通りの撮影を行うことができます。過去のTシリーズでは外付けのグリップやサムレストを使っていましたがX-S10にはこれらのものは不要だと思います。
このサイズ感で優秀な手ぶれ補正を搭載!
驚きなのはこの小型軽量ボディーに最高5軸6段の高性能な防振ユニットが搭載され、高性能ジャイロセンサーとの組み合わせで静止画と動画どちらでもブレの少ない映像を得ることができます。動画撮影時はこの光学式手ブレ補正に加えて電子式手ブレ補正を使い、更にブレを抑えることが出来ます。
富士フイルムのX-H1、そしてX-T4にボディ内防振ユニットが搭載されていますが、防振ユニットを導入すると通常は本体が大きくなったり重たくなったりします。この大きさ、この重さで防振ユニットが備わっていることは本当に優秀なカメラだといえます。(X-T4に比べて重さと体積は30%少なくなっています。)
バッテリーはX-T4からの新しい規格のバッテリーではなく、X-T3までと同じ規格のものなので、電池の持ちという意味では予備バッテリーがあった方が安心です。それでもこの大きさで防振ユニット内蔵という強みには変えられないものがあります。
はじめての方でも感覚的な操作が可能
このX-S10ですが、これからカメラを始めたいという初心者の方から、今まで富士フイルム製品に興味があったけれど、なかなか使う機会のなかった他メーカーのカメラユーザー、既に富士フイルムカメラを使っている方など、全ての方に扱いやすい操作性になっているのも特徴の一つです。
カメラの操作が複雑だとせっかく買っても使いこなせなくて部屋の飾りになってしまっている…という方もいらっしゃいますよね。シンプル、かつ感覚的に操作ができると「使いながらカメラに慣れていく」ということが容易になります。カメラは毎日のように持ち歩いてこそ、日常にあふれる決定的瞬間を逃すことなく写真に収めることができます。無理なく持ち歩けて、操作が複雑ではなく、撮りたい時にすぐ撮れる!これはとても大事なことだと感じています。
フィルムシミュレーション、全部揃っています!
富士フイルムのカメラの人気の要素のひとつにフィルムシミュレーションがあります。フィルムを作り続けてきたからこそできる色の表現。歴代のフィルムの色味をデジタルカメラで堪能することができたり、新たに登場するフィルムシミュレーションの色味を体感することができます。
マジックアワーの絶妙な空のグラデーションも繊細に表現することができます。
Velvia/ビビッドの作例 ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/55 フィルムシミュレーション Velvia/ビビッド
例えばモノクローム。モノクロームのフィルムシミュレーションは通常のモノクロ、そしてさらに質感が豊かなACROSがあり、それぞれスタンダード、イエロー、レッド、グリーンのフィルターから選ぶことができます。
ACROS イエローの作例 ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ ■撮影環境:ISO1600 F4.4 SS 1/105/ フィルムシミュレーション ACROS+Yeフィルター
現在のフィルムシミュレーションは全部で18種類。エントリーモデルには新しいフィルムシミュレーションが導入されていないこともあったりしますが、X-S10にはハイエンドモデルのカメラで公開されているフィルムシミュレーション全てを使うことができます。
注目のフィルムシミュレーションはクラシックネガとETERNAブリーチバイパス。今までのフィルムシミュレーションに比べて渋い色味で深みがあり、かっこいい雰囲気の写真に仕上げることができます。彩度が抑えられ、フィルム時代から写真愛好家に好まれた手法の銀残しを表現することができます。
ETERNAブリーチバイパスの作例 ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/25 フィルムシミュレーション ETERNA ブリーチバイパス
歴代のフィルムシミュレーションと合わせて表現の幅がさらに広がり、シーンに合わせての絵作りがより一層楽しくなります。わたしは最近もっぱら「クラシックネガ」がお気に入りで、スナップ撮影時に大活用しています。高いコントラストで深みのある写真に仕上がります。
クラシックネガで薔薇の作例 ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/680 フィルムシミュレーション クラシックネガ
アドバンストフィルターの紹介
フィルムシミュレーションとは別に、トイカメラ、ハイキー、ダイナミックトーンなど13ものフィルターを使っての撮影が可能です。フィルターで編集した作例を動画にまとめましたので是非ご覧ください。
VIDEO
Qボタンを使いこなして、より自分の表現したい作品を撮ろう
さらに富士フイルムのカメラはQボタンという項目で静止画、動画それぞれに「シャドウ」「ハイライト」「カラー」「シャープ」なども簡単に調節することができます。Qボタン選択時の画面表示数は4、8、12、16表示からカスタムすることができます。わたしのおすすめは16表示。上に挙げた項目以外に「セルフタイマー」、「顔検出/瞳AF設定」、「画像サイズ」、「画質モード」などを設定しています。X-S10は物理ファンクションボタンがX-T4などと比べて少ないので色々な設定をQボタンの中で完結できるように設定すると、より使いやすいと思います。
カメラ内RAW現像で撮った後にも変化を楽しむ
RAWという写真の生のデータでも撮影しておくと「カメラ内RAW現像」をすることができ、撮った後でカメラにSDカードが入った状態で「フィルムシミュレーション」や「シャドウ」「ホワイトバランス」「増感/減感」などなど他項目を変更してjpeg写真に新たに残すことができます。
カメラ内RAW現像でフィルムシミュレーションだけを変えると…
クラシックネガの作例 ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO200 F2.0 SS 1/45 フィルムシミュレーション クラシックネガ
アスティアの作例 ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO200 F2.0/ SS 1/45 フィルムシミュレーション ASTIA/ソフト
ETERNAの作例 ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO200 F2.0 SS 1/45 フィルムシミュレーション ETERNA
プロネガの作例 ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO200/ F2.0 SS 1/45 フィルムシミュレーション PRO Neg.Std
少し写真を明るくしたいな…という時や、違うフィルムシミュレーションだとどう表現できたんだろう?という時にパソコンを使わずともカメラ内で完結することができます。パソコンを持っていない、あまり現像ソフトを使わないユーザーにも優しい機能ですね。
グレインエフェクトを使うと、フィルム写真のような粒子感を出すことができます。(強弱や粒度を選べます)
カメラ内RAW現像前作例(クラシックネガ) ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/25 フィルムシミュレーション クラシックネガ
RAW現像後作例(グレインエフェクト強) ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/25 フィルムシミュレーション クラシックネガ グレインエフェクト 強 粒度 大 カラークロームブルー 強 シャープネス:+1
カメラ内RAW現像後作例(グレインエフェクト 強) ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO800/ F1.4/ SS1/25/フィルムシミュレーション:ETERNA ブリーチバイパス グレインエフェクト 強 粒度 大 カラークロームブルー 強 トーンカーブ シャドウ+0.5 シャープネス +1
カラークロームエフェクト機能もついているので、彩度が高い被写体に色と階調に深みを出すことができます。
カラークロームオフの作例 ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO320 F1.4/ SS 1/50 フィルムシミュレーション Velvia ビビッド カラークロームオフ
カラークロームオン作例(カラークロームエフェクト強) ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO320 F1.4/ SS 1/50 フィルムシミュレーション Velvia/ビビッド カラークロームエフェクト強
センサーはハイエンドのX-T4と同じ!
搭載されているセンサーはX-Trans CMOS 4、画像処理エンジンはX-Processor 4。これらはハイエンドモデルのX-T4と同じ。さらに最速0.02秒の高速AFが逃したくないシャッターチャンスをしっかりと捉えてくれます。
カメラを構えているところ ■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/40 フィルムシミュレーション クラシックネガ
動画機能のご紹介(VLOGを公開)
6K相当のデータ量から4K映像を生成し、ノイズが少ない高解像の映像を残すことができます。また、DCIフォーマット(17:9)での撮影や、18種類もの多彩なフィルムシミュレーションとの組み合わせにより、ドラマティックな映像を高解像度で記録することができます。
Full HDの高画質で最大10倍のスローモーション効果が得られるハイスピード動画撮影が可能です。1秒間を240コマで記録することができ、高解像且つ滑らかに記録することができます。
ハイスピード動画撮影のサンプル動画
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X-S10を使ってショートムービーを作成してみましたので是非ご覧ください。
■「秋の日のVLOG」
VIDEO
さいごに
今回はスナップ写真でお届けしていますが、富士フイルムのカメラはオートホワイトバランス機能も優れていて、人肌の表現もとっても美しいんです。ハイエンドモデルとの価格差もありながら、上位機種と肩を並べられる機能満載のX-S10。クラシカルなデザインを継承しつつ、小型軽量なボディに盛り沢山な使い勝手。今回ご紹介しきれなかった機能もまだたくさんあります。
歴代の富士フイルムシリーズを使ってきたからこそ、今回のX-S10は「凄いカメラが出てきた!これは買いですね!」と自信を持ってお勧めできます。富士フイルムのカメラのいいところを凝縮した頼れる相棒をお探しの方にぴったりなカメラです。まだ富士フイルムの色再現に触れたことのない方は、このX-S10でデビューしてみてはいかがでしょうか?
■写真家:片岡三果
https://shasha.kitamura.jp/category/27592397-1.html
北海道三笠市出身
絵画を描く気持ちで写真を表現する写真画家。
FUJIFILM X photographer。
漫画家の両親、大叔父が油絵画家という家庭環境で育ち、幼い頃から美術、デザインを学ぶ。
写真を通して一期一会を忘れないよう、自分史を提案し撮った写真をプリントして楽しむことを大切にしている。
2017年はじめての個展「A la Parisienne!」を開催。
2018年2度目の個展「No Photo, No Life.」では大盛況を収める。
2018年台湾の台北で海外初個展「A la Parisienne!〜好想成為巴黎女子!〜in台北」
2020年10-11月「空の色に魅せられて Xで残すマジックアワー」
写真集「No Photo, No Life. ~Live in the moment~」
~ 「X-S10」はこちらの記事でも紹介されています ~
■FUJIFILM Imaging Plaza東京でのX-S10取材記事
富士フイルム X-S10が登場|しっかり握れる小型ボディーに、びっしり詰まった高機能!
https://shasha.kitamura.jp/article/478001035.html
■写真家のこばやしかをるさんによるX-S10レビュー記事はこちらからご覧頂けます。
富士フイルムX-S10でポートレートスナップを撮る|充実の機能と日常使いに相応しい単焦点レンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/479634542.html
X-S10特集ページ
X-S10特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介していますので
コチラのページ も合わせてご覧ください。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の片岡三果さんが富士フイルム X-S10のレビューを行っています。
同社のカメラを使い続けてきた片岡さんならではの視点で、小さなボディーに凝縮されたX-S10の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,X-S10,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 銘匠光学 TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH レビュー|クラシカルでコンパクトな標準単焦点レンズの新星誕生!
BASENAME: 478938671.html
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CATEGORY: 齋藤千歳
DATE: 12/10/2020 16:00:00
TAGS: TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH,銘鏡光学 レンズ,単焦点
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BODY:
8群10枚のすべてが特殊レンズという豪華な標準単焦点
TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは、2019年6月に設立された銘匠光学の新レンズブランド「TTArtisan」が製造するレンズです。
■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH ■撮影環境:f/1.4 1/100秒 絞り優先AE ISO400 +1.0EV AWB クリエイティブスタイル:ポートレート 焦点距離50mm
このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは絞り開放のF1.4から解像力の高いレンズですが、開放付近だけは、にじむようなソフト描写が得られ、これも魅力的です。本レンズは、その名のとおり50mmの開放F1.4で、35mm判フルサイズに対応するライカ Mマウント用単焦点レンズです。なお、銘匠光学は純正でライカ Mマウントからのマウント変換アダプターを用意しています。それらを使えば、キヤノンRFやソニーE、ニコンZ、フジフイルムX、ライカLはもちろん、ハッセルブラッドX1D.X、フジフイルムGマウントにもレンズを装着できます。しかも、TTArtisanのマウント変換アダプターは比較的リーズナブルなのも魅力です。カメラと各種情報をやり取りするための電子接点を持たないフルマニュアルタイプのレンズですが、レンズ本体も比較的リーズナブルな価格になっています。
スペックや価格などからエントリー向けの標準レンズと思う方も多いと思いますが、レンズ構成は8群10枚で、ED(特殊低分散)ガラスレンズ1枚、非球面ガラスレンズ1枚、高屈折低分散ガラスレンズ8枚と、採用しているのがすべて特殊レンズという豪華な仕様です。また、ボケの形に配慮した12枚という枚数の多い絞り羽根を採用しています。
また、外観はライカMマウント用だけあって、金属パーツを多用した重厚な印象。質量は約400gですが、大きさは最大径が約57mmで長さが約67mm。35mm判フルサイズ対応の標準レンズとしては、やや不安になるほどのコンパクトさです。クラシカルな外観からボケ重視のレンズかと思ったのですが、メーカーアナウンスによると「超高画素時代にふさわしい圧倒的な描写力を誇り、大口径ながらコンパクトサイズ、カメラボディとのバランス・携帯性を考慮した設計」とのことです。
筆者は、そんなTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHを入手し、各種実写チャートや作例などを撮影しました。この実写チャートの結果などを元に、本レンズを詳細に解説していきます。
絞り開放から高い解像力、絞ると周辺部までクッキリ
■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH ■撮影環境:f/8 1/250秒 絞り優先AE ISO100 -0.3EV WB:晴天 クリエイティブスタイル:スタンダード 焦点距離50mm
本レンズの解像力のピークであるF8を選択しました。画面端の海面の波、灯台のライト部分の細部など、画面周辺部までクッキリと解像しています。それでは「超高画素時代」に対応したレンズというTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHの解像力からチェックしていきましょう。なお、カメラボディはSony α7R III(有効画素数約4,240万画素)を使用したため、基準となるチャートは0.8です。
絞り開放から、しっかりと解像している様子が見てとれる。
まずは中央部から見ていきましょう。絞り開放のF1.4から基準となるチャートの0.8を、ほぼ解像しています。ただし解像はしていますが、開放のF1.4付近では、ややにじむようなソフトな描写になる傾向です。絞っていくほどの解像力が増す傾向で、チャートを構成する白と黒のラインのコントラストがアップしていきます。解像力のピークはF8からF11といった印象です。絞り開放F1.4付近でのにじむようなソフト描写以外は、基本的にどの絞りでも中央部はかなりシャープです。
周辺部分については、中央部に比べて絞り開放付近で解像力が落ちます。開放付近では、中央部と同じようにややにじむようなソフト描写も見られます。ただし、周辺部も絞るほどに解像力がアップする傾向で、F8からF11あたりでは中央部と大きな差を感じないクッキリとした描写が得られます。これは、かなり優秀な結果といえます。
絞り開放付近でのにじむようなソフトな描写は、中央部、周辺部とも発生します。筆者が実際に撮影していると近接撮影でさらに目立つ印象なので、覚えておいてポートレート撮影などに活用することをおすすめします。上記の赤ちゃんの写真は、このにじむような描写と大きなボケを意識してソフトに仕上げたつもりです。
歪曲収差は、わずかに糸巻き型で発生。絞り開放付近の周辺部では、多くはないものの色収差が観察されます。とは言え、気になるシーンではRAW画像を撮影しておき、現像時に補正してしまえば問題のない範囲と言えます。
ライカMマウント用のため最短撮影距離は70cm
■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH ■撮影環境:f/1.4 1/3200秒 絞り優先AE ISO50 -1.0EV WB:晴天 クリエイティブスタイル:スタンダード 焦点距離50mm
最短撮影距離の約70cm、絞り開放で撮影しました。距離計連動型のレンジファインダーカメラであるライカMマウント用のTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは、その距離計の最短撮影距離である70cmがレンズの最短撮影距離となっています。なお、最大撮影倍率は非公開です。ライカMマウント用のレンズとしては、非常に寄れるレンズということが言えるでしょう。
ほぼ実寸になるようにプリントアウトした静物写真を複写。ライカMマウント用レンズとしては高い接写性能
レンズテストでは使用しませんが、ライカMマウント用などのレンジファインダー向けのレンズをミラーレス一眼などに装着して使う際、より高い接写能力を望む場合は、レンズを繰り出して接写能力を強化するヘリコイド付きのマウントアダプターを使うのが一般的です。さらなる接写が必要ということであれば、ヘリコイド付きのマウントアダプターを使えば、よりダイナミックな接写が可能となります。
あえて周辺光量落ちを効果として活用する
■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH ■撮影環境:f/1.4 1/3200秒 絞り優先AE ISO50 +0.3EV AWB クリエイティブスタイル:ビビッド 焦点距離50mm
絞り開放で撮影したハクチョウのモニュメント。周辺光量落ちによって画面の四隅で青空が暗くなっているのが分かります。このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは、カメラと各種情報をやり取りするための電子接点を持たないタイプのフルマニュアルレンズです。そのため多くのカメラメーカー純正レンズのように、カメラ本体の周辺光量補正など、デジタル補正の恩恵を受けられません。テストの結果も、絞り開放付近ではかなりはっきりとした周辺光量落ちが発生しているのが分かります。
絞り開放のF1.4で、かなりハッキリ発生していた周辺光量落ちは、F2.8あたりまで絞るとほとんど目立たなくなる
絞り開放のF1.4では、かなりしっかりとした周辺光量落ちが観察される本レンズですが、絞っていくと徐々に改善し、F2.8あたりまで絞ると、ほとんど気にならないレベルになります。つまり、周辺光量落ちが気になるという方は絞ってしまえば解決するとも言えるでしょう。
なお、周辺光量落ちは比較的デジタルでの補正が容易だと言われており、RAW画像を撮影しておけば現像時にかなり補正することが可能です。しかし、カメラとの各種情報のやり取りを行い、カメラ本体で周辺光量を補正している純正レンズなどでも、完全に補正していることは、ほぼありません。言うならば、意図的に周辺光量落ちを残しているようなのです。
あえて周辺光量落ちを残すのは、視線の誘導効果を狙ったものと推察されます。周辺光量が落ちることによって、画面の端に比べて中央に配置した被写体が明るく目立つため、見る人の視線を写真の主題に誘導する効果があると言われています。状況によっては、RAW現像などの後処理で周辺光量落ちを強調しているというプロカメラマンも少なくありません。
そのため、TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHの絞り開放付近の周辺光量落ちは、効果として把握しておき、活用することをおすすめします。撮影シーンによって周辺光量落ちが逆効果になる場合は、絞って解決するか、RAW画像も撮影しておいて後処理で解決するかという二択になります。これは、そのシーンでどのくらいボケを発生させたいかで判断するとよいでしょう。
12枚羽根の絞りから発生する形の美しいボケ
■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH ■撮影環境:f/1.4 1/2000秒 絞り優先AE ISO100 WB:晴天 クリエイティブスタイル:ビビッド 焦点距離50mm
絞り開放のF1.4で撮影したベンチ。ピントの合っている部分から、手前に前ボケ、後方に背景ボケがそれぞれ大きく発生しています。「ぼけのチャート」からは、TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHが、ボケよりも解像力を優先して設計されたレンズだということを感じられる結果を得ました。
「ぼけのチャート」からボケの質を観察するには、撮影した「玉ぼけ」が、できるだけフラットで、ザワつきやムラ、線などが入らないほうが滑らかで素直な美しいボケが得られると考えてください。また「玉ぼけ」のフチに色収差などの影響で発生する色付きなどもないほうが質の高いボケが得られます。
TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHの「ぼけのチャート」から読み解けた結果は、12枚羽根の絞りを採用した形については、絞っても目立ったカクツキが発生しづらい優秀なものです。ただし、解像力を優先したレンズのためか、ややザワつきと非球面レンズの影響と言われることの多い同心円状の線が入り、いわゆる「玉ねぎボケ」が発生しやすい結果といえます。
コンパクトで周辺部まで高解像なコスパが高い標準レンズ
■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH ■撮影環境:f/1.4 1/13秒 絞り優先AE ISO400 -0.7EV WB:電球 クリエイティブスタイル:ビビッド 焦点距離50mm
遠景の夜景、そして画面の四隅に細かい描写を必要とする被写体ではないので、絞り開放のF1.4で撮影しました。橋の細かな部分までしっかり解像しています。このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHはマニュアルフォーカスとはいえ、金属パーツを多用して質量は約400g、大きさも最大径が約57mm、長さが約67mm。35mm判フルサイズに対応する高解像タイプの50mmF1.4としては、さすがに小さすぎるのではないか、というのが筆者の第一印象でした。
しかし、実際に解像力チャートを撮影してみると印象は一変しました。さすがに現在主流となっている、大きくて、重くて、高価な絞り開放から画面周辺までバキバキに高解像なレンズと、このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは異なります。開放のF1.4付近は、ややにじむようなソフトが発生しますが、基本的には解像しており、中央部分はわずかに絞れば十分以上にシャープに、中央部に比べると解像感の弱い周辺部もF8あたりまで絞ると中央部と変わらない解像力を発揮します。小型軽量でリーズナブルな50mmF1.4とは思えない結果です。
わずかに絞ると消えてしまう、絞り開放付近でのみ発生するにじむようなソフト効果は、クラシックレンズなどで言われる「解像しているが紗のかかったような」といったものに近い印象となっています。筆者は、しっかり絞って全体にシャープな印象のほかに、開放付近の近接、ポートレート撮影などに活用しやすく重宝しています。しかも、わずかに絞ったF1.8やF2.0でソフト効果が消えてしまうので、ソフト効果が必要ないシーンでは少し絞るとよいでしょう。
まとめますと、このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHはリーズナブルでコンパクト、しかも開放付近での柔らかな表現を得意とし、絞れば画面周辺まできっちりと解像する明るい50mm標準レンズです。1本持っていると、ポートレート撮影から風景、建築物といった撮影まで楽しめるので便利です。また、電子接点などがない代わりに、純正マウントアダプターなどを使えば、さまざまなカメラボディで使えるのも大きなメリットと言えるでしょう。
■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH ■撮影環境:f/2.8 1/100秒 絞り優先AE ISO100 -0.3EV WB:晴天 クリエイティブスタイル:ビビッド 焦点距離50mm
周辺光量落ちの影響が少なく、周辺部の解像力もアップするF2.8を選択して撮影しました。発色もよく、気持ちのよい1枚です。
■写真家:
齋藤千歳
カメラ・写真関連の電子書籍「ぼろフォト解決」および「Foton」シリーズの出版者。レンズやカメラをみると解像力などの実写チャートを撮影したくなる性質があります。千歳市在住で北海道各地を撮影しています。
■技術監修:小山壯二
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の齋藤千歳さんが銘匠光学 TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHのレビューを行っています。開放付近で柔らかな表現を得意とするこのレンズの魅力を解像力を確認するチャートを用いて説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH,銘匠光学
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDレビュー|小型軽量でコストパフォーマンス抜群な望遠ズームレンズ
BASENAME: 478954891.html
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CATEGORY: 高橋良典
DATE: 12/11/2020 16:00:00
TAGS: 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD,タムロン(Tamron) レンズ,風景,望遠ズーム
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BODY:
小型軽量な望遠ズームレンズ
ここ数年、純正、レンズメーカーを問わず、ソニーEマウント対応レンズの新製品ラッシュが凄い!ソニーユーザーとしては嬉しい限りですが、その反面次から次へと新しいレンズが登場すると物欲を抑えるのが大変なのが困りどころです(笑)そんな中、望遠ズームの王道とも言える70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDがタムロンから発売となりました。同社のソニーEマウント対応ラインナップはこれで10本となり単焦点レンズ3本を含み超広角17mmから望遠300mmまでをカバーできるようになりました。フィルター径がすべて67mmに統一されているのでレンズごとにフィルターを揃えなくてもよいのは嬉しいポイントです。
やはり本レンズの特徴は、世界最小、最軽量の望遠ズームであるということ(2020年8月現在。同社調べ)手にすると従来の望遠レンズとのサイズ感、重量のギャップに驚かされるでしょう。長さ148mm、最大径77mm、重量545gというサイズ感は500mlのペットボトルの直径をやや太くして、3㎝程短く、そして重量を50グラムほど増やした感じです。タムロンのフルサイズミラーレスレンズ用としてはマウントの部材に初めて特殊処理の高強度Al-Mg 系合金を採用。十分な強度と軽量化を実現するなど、昔から小型軽量にこだわってきたタムロンの意思を感じます。
左:70mm側、右:300mm側
小型化の秘密は望遠側の開放値を6.3に抑えたことにあります。一見暗いと思うかもしれませんが、近年のソニーαシリーズの高感度性能を考えれば問題ではないと感じるとともにそのおかげでレンズがこれほどまでに小型軽量化できていると考えれば納得です。なお、焦点距離によるF値の推移ですが70-151mmがF4.5、152mm-276mmが5.6、277㎜-300㎜が6.3となっており、実際6.3になる焦点域は望遠側の一部だけです。もし光量が少ないシビアな条件でどうしても5.6が使いたい場合は276㎜以下の焦点域を使い、トリミングをするという使い方も選択肢に入れておきましょう。
使用感と操作感
使ってみてまず感じるのは70-300mmという焦点域の使いやすさです。同社でいうと70-180mmF2.8DiⅢ VXD、純正レンズでいうところの70-200mmなどいわゆる大三元・小三元の望遠レンズや同社の高倍率ズーム28-200mmF2.8-5.6DiⅢ RXDなどでは、もう少し遠くのものを引き寄せたいと感じることがあるものですが300㎜までをカバーしているとそのような不満はほぼ払拭されます。また100-400mm等の望遠ズームだと重量級になってしまいちょっと・・・と敬遠する方にも300mmかつコンパクトな本レンズなら軽快に持ち出せるでしょう。
AFの駆動にはRXDモーターが搭載されており、スムーズかつほぼ無音で合焦、動体にカメラを向けた際にもしっかりと追従してくれます。同社70-180㎜F2.8DiⅢのVXDモーターや純正70-300mmのリニアモーター駆動には一歩譲ると感じる場面もあったことは付け加えておきますが、実写上で不満はなくαボディ側のファストハイブリッドAFにもしっかりと対応、リアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキングの動作も満足のいくものでした。ソニーEマウントに関しては、各レンズメーカーにも仕様書が公開されており、それに準じた開発が行われるため、カメラ側の機能を制限なくフル活用することができますし、今後、ボディを買い替えた際にも安心感がありますね。
強風で舞い落ちる紅葉を狙う。短いシャッターチャンスでも素早く合焦してくれます。 ■撮影機材 ソニーα7R IV + タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離300mm 絞り優先AE(F6.3、1/125、-1EV補正) ISO1600 太陽光
蜘蛛の糸に引っかかり、風に揺れる落葉をリアルタイムトラッキングで撮影。ピントをはずすことなくしっかりと追従してくれます。開放での口径食はありますが望遠レンズなら仕方のないことだとも言えるでしょう。 ■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離300mm 絞り優先AE(F6.3、1/200、+1EV補正) ISO800 太陽光
リアルタイム動物瞳AFで撮影。こちらもしっかりと追従してくれました(※公式には鹿は動物瞳AF対応外)。 ■撮影機材 ソニーα7R IV + タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離266mm 絞り優先AE(F5.6、1/125、+0.5EV補正) ISO800 太陽光
レンズ本体にAF/MFの切り替えスイッチはなく、ボディ側で行います。AF/MFの変更は高い頻度で行いますのでスムーズに呼び出せるようカメラのカスタムキーやファンクションメニューのわかりやすいところへ割り当てておきましょう。レンズに手振れ補正は内蔵されていませんのでボディ側の手振れ補正を頼りにすることになります。三脚使用時にはボディ側の手振れ補正をOFFにする必要があるので、AF/MF切り替えと同様、素早く呼び出せるようにカメラ側の設定をしておきましょう。このレンズを使用する前は望遠域のレンズだけに欲を言えば、レンズ側にも手振れ補正機構を内蔵してほしいと感じていましたが、小型軽量化によるホールディングバランスの良さから実際に使用してみて不満を感じることはありませんでした。但しAPS-Cのαユーザーは、ボディ内手振れ補正が内蔵されていないカメラも一部ありますので、本レンズを検討する際には注意が必要です。
描写性能
カメラのキタムラ価格では5万円台後半(2020年12月11日現在)の本レンズはエントリーユーザーでも手を伸ばしやすい価格設定のため、一見、単なる廉価版レンズ?と思われがち。しかし実写に持ち出し、撮影した写真を確認すると、決してそうではないということに気づかされます。逆に言えば「この価格でこれだけ写るのか」と感心させられる結果に。
まずは解像性能。解像度のピークとなるF8~11に絞った時は言わずもがな。高解像モデルのα7R IVと組み合わせてもしっかりとした解像力で線の細い被写体が中心となる風景撮影でも満足のいく性能を発揮してくれました。また、開放時においてもその解像力は中心付近だけでなく周辺まで保たれていますので風景的引き画においても積極的に絞りを開けた撮影ができます。そしてズーム全域にわたっての解像もポイント。ズームレンズの場合、焦点距離によって得手不得手があり、どこかで解像の良くない部分が出てくるもの。もちろんテストチャートなどを使い、詳細に解像性能をチェックすれば、焦点距離による多少のバラつきは出てくるのでしょうが、純粋に写真を撮り、作品づくりをするという点においてはどの焦点距離でも満足のいく描写が得られると感じました。
朝もやの晩秋風景。朝露と蜘蛛の巣が逆光に照らされ美しい。 ■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離300mm 絞り優先AE(F8、1/250) ISO400 太陽光
初冬の山肌を撮影。高い解像力によって繊細な枝ぶりがしっかりと表現されています。 ■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離186mm 絞り優先AE(F6.7、1/500、-1EV補正) ISO400 太陽光
単なる雑草だと思うが、そのリズム感に惹かれます。手持ち撮影のため開放で撮影していますが解像力が損なわれていないことがわかります。 ■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離200mm 絞り優先AE(F5.6、1/60、-1.5EV補正) ISO400 太陽光
BBARコーティングによって耐逆光性能は良好。画角に太陽が入るシーンでもコントラストの低下や目立ったフレアやゴーストを感じる事はなく、近年におけるレンズ設計のレベルの高さがうかがえます。これなら安心して太陽にレンズを向けることが出来るでしょう。
太陽は画角に入っていませんが、完全にハレ切りするには難しいケース。レンズ前面には直射光が当たっていますが、コントラストの低下は見られません。 ■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離177mm 絞り優先AE(F8、1/30、-0.5EV補正) ISO200 太陽光
夕日に輝くススキがキラキラと美しい。このようなシーンでもゴーストやフレアに悩まされることが少ないと撮影に集中できます。 ■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離75mm 絞り優先AE(F22、1/200、-0.5EV補正) ISO800 太陽光
ボケ味について私が気に入ったのが玉ボケ表現において玉ねぎ状の模様が入らない点。これは非球面レンズが組み込まれていないゆえ。非球面レンズによる画質向上は認めるところではあるのですが、こと玉ボケ撮影時には、非搭載によるメリットは大きいと感じます。円形絞りの採用は口径食を抑えたいときに有効。開放から2段絞ってもボケのカクつきを抑えることができるとのことですが、実写上、本当に美しいボケを得るには1段絞りくらいにとめておく方が良いと感じました。
最短撮影距離付近での撮影。口径食を軽減するためにやや絞って撮影していますが円形絞りの恩恵を感じます。玉ねぎ状の模様は発生していません。 ■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離300mm 絞り優先AE(F8、1/750) ISO400 太陽光
最短撮影距離と最大撮影倍率は70mm側で0.8m/0.1倍、300mm側で1.5m/0.19倍。もう少し寄りたいと感じることもありましたが、ここは小型軽量化を優先したということでしょう。フルサイズαの7R IVやⅢなどの高画素モデルを使っている方に関してはAPS-Cモードをうまく使うのがお勧めです。また、花のアップなど望遠マクロ的な使い方が主になるという方には、ズーム全域で最短撮影距離0.85m、最大撮影倍率0.21倍、さらにMF限定ですが近接領域撮影機能を搭載し0.5倍まで寄れる同社70-180㎜F2.8DiⅢ VXDも検討の対象に入れると良いでしょう。すでに寄れるレンズを持っている方は、本レンズとの使い分けがお勧めです。
最短撮影距離まで近づいても寄りきれなかったのでAPS-Cモードで撮影しました。 ■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離300mm(フルサイズ換算450mm) 絞り優先AE(F6.3、1/60、-0.5EV補正) ISO800 太陽光
まとめ
コンパクト設計でコストパフォーマンス抜群の本レンズは「望遠レンズ購入が初めてのエントリーユーザー」や「とにかく荷物を小型軽量化して軽快な望遠撮影をしたい人」が気負いなく購入できる点でお勧めです。また、それだけではなく簡易防滴構造採用の鏡胴や本格的な描写性能から、いわゆる大三元や小三元レンズを持っているようなヘビーユーザーにも300mmまでの望遠を補う1本としてお勧めできます。長距離を歩いて撮影地にアクセスしなければならない時などの使い分け用としても検討の価値ありです。
コンパクト設計が特徴の本レンズ、歩き回っての撮影時には特にありがたく感じます。 ■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離70mm 絞り優先AE(F11、1/90、-0.5EV補正) ISO1600 太陽光
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ■撮影環境 焦点距離144mm 絞り優先AE(F8、1/10、+0.5EV補正) ISO400 太陽光
この記事に使用した機材
【タムロン】70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ソニーEマウント用
商品詳細ページ 【ソニー】α7R IV
商品詳細ページ
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写真家の高橋良典さんがタムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDのレビューを行っています。「この価格でこれだけ写るのか」と感心するほどコストパフォーマンスが良いレンズのようで、作例と共に製品の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,タムロン,70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 【写真展】MAISON ONIGIRI EXHIBITION “FOOD COUTURE”
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 12/13/2020 11:00:00
TAGS: 写真展情報,新宿
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MAISON ONIGIRI EXHIBITION “FOOD COUTURE”
フォトグラファー細見恵里と、ビジュアルクリエーター結城香織の女性2名からなる、クリエイティブユニットMAISON ONIGIRI。食べ物の色や形にインスピレーションを受け、フェミニンでありながらエッジの効いた力強さをまとった、独自の“カワイイ”を追求し続けるMAISON ONIGIRIの作品は、とりわけ同年代の女性たちに人気があります。本展では、「食欲を掻き立てるのは、美味しいと感じた幸せな記憶。自分で選んだ、お気に入りの物を身につけるファッションのように、身体を作る食べ物を味わいたい、楽しみたい」をテーマに、6F Space Lucidaをはじめ、3Fのブックラウンジなど様々な場所で、新作を含む30点以上の作品を展示します。また、デジタルサイネージや、プロジェクターを使用した動画作品も館内でご覧頂けます。
本展では、京都発のジュエリーブランド
KAORU とのコラボレーションビジュアルも展示します。定式化された価値観ではなく、「古き良きもの」、「日常の中のもの」など、様々な物の奥に見えてくる隠れた表情や普遍的な摂理を、KAORUとMAISON ONIGIRIがそれぞれ独自の視点で宝探しするというマインドから生まれた企画。コラボレーションビジュアルは全国のKAORU店舗で掲出予定です。
独自の”カワイイ”を表現し続けるMAISON ONIGIRIの世界をお楽しみください。
( 作品右:THE TASTE rose choquant / 左:DRESS CODE autumn)
展示概要
■会場:
新宿 北村写真機店 6F Space Lucida
■住所:
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-14
■会期:2020年12月7日(月)~2021年1月11日(月) 10:00~22:00
■主催:株式会社アマナ
■入場料:無料
■お問合せ:MAISON.ONIGIRI@amana.jp
プロフィール
MAISON ONIGIRI(メゾンオニギリ) 。フォトグラファーの細見恵里、ビジュアルクリエーターの結城香織の女性2名からなるクリエイティブユニット。自然界に存在する無数の食べ物の色や形にインスピレーションを受け、フェミニンでありながらもエッジの効いた力強さをまとった、独自の世界観を表現する。
2019年には、その作品が「国際ガールズ・デー 2019 @六本木」のメインアイコンに選ばれてBARNEYS NEWYORKの店頭で展開されたほか、Bloomberg Buisnessweek誌面ビジュアル制作、渋谷PARCOレストラン「chompoo」の店内装飾制作などを手がける。また、作品eclairが「The Pink Lady Food Photographer of the Year 2020」の「Production Paradise Previously Published」部門にて「3rd Place」 を受賞。
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.4|LEICA Q2
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 12/16/2020 16:00:00
TAGS: Q2,ライカ(Leica) ボディー,ライカとカレー,フルサイズ,コンパクトデジタルカメラ
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はじめに
今日、新しいライカカメラが届く。
ライカQ2。
ライカQ2は、高性能レンズ「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」が搭載された、レンズとボディが一体型のコンパクトカメラ。しかも、有効4730万画素の35mmフルサイズ機。フットワーク軽く作品作りをしたい私にとって思わず目が輝いてしまうカメラ。
この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、写真家山本まりこが、毎回異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をし、そしてカレーを食べて帰ってくるという内容の企画。今回は、連載の第四回目。最近、初めてお会いする方に「ライカの連載好きです。」と声をかけていただくことが増えた。とても嬉しい。たくさん写真を撮ってどんどん記事が長くなってしまうのが今の悩みどころ。ShaSha編集部の方には写真の枚数も文章の長さもほとんど何も言われていないので短くてもいいのだけれど、でも私の写真も文章もどんどん増えていく。ライカカメラとの旅が楽しくて。うう。さて、今回は、どうなるだろう…。
私は、ライカQ2と一緒に行きたい場所がある。
お庭で
届いたライカQ2を手に持ってみる。ズミルックスf1.7/28mm ASPH.レンズはとても小さく、ボディからのせり出しはフード含め7cmもない。それにしても美しいフォルムだなあとボディとレンズのラインをしみじみ眺めていると、レンズにMACROの文字を見つける。マクロも撮れるのね。レンズ一本にしてマクロも撮れるのは嬉しい。まずは、お庭で育てている植物を撮ってみる。レンズの根元をクルリと回してMACROに切り替えると、マクロの距離計が表示される。0.17mから0.3mまで撮影できるよう。最短撮影距離17cm。それは、すごく嬉しい。
ぐぐぐ、と寄ってみる。
赤トウガラシが生き生きと美味しそう。
カレーに入れたらとっても辛そうだ。
フジバカマは全盛期を終えてもう枯れ果てそうだったけれど、背景ボケの美しさで秋の気配を感じる写真になった。お花が咲き出した頃はアサギマダラという青い羽根の渡り蝶が数羽飛んできたけれどもう今は来ない。きっともうどこか遠くの空を優雅に飛んでいるのだろう。それにしても、このレンズ、ぐっと寄れるし背景ボケも前ボケも美しい。ライカQ2、いい。ファーストインプレッション。
メニューボタンを押してどんな機能があるのか探してみる。フィルムモードにて、STD標準・VIVビビッド・NATナチュラル・BWモノクロ・BWモノクロHC、といろいろな風合いで撮影が可能。さらにはフィルムモード設定で、コントラスト・彩度・シャープネスなどを高くも低くも出来るので、自分好みのテイストで撮影することが出来る。
さらに見ていると、デジタルズーム機能を発見。28mm・35mm・50mm・75mmと表示されている。これはさらに嬉しい。だって、1本のレンズで、マクロとそして4本のレンズ、合計5本のレンズを持ったようなものじゃない。デジタルズームだから記録画素数は小さくなってしまうけれど、でも便利であることは間違いない。駅に行くまでの道すがら、お花が咲いていたので撮ってみる。28mm・35mm・50mm・75mm。
お昼に咲いているから、昼顔なのだろうか。いつもこの道でこの紫色に会うのが楽しみだったりする。ライカのカメラでレンズをつけ変えずに、こんなにも簡単にズームした写真が撮れるなんてとちょっとした感動を覚えながらシャッターを切った。ライカQ2は、高精細な368万ドットの有機EL電子ビューファインダーを搭載している。ライカM10やライカM10-Pなどのレンジファインダー機とは異なり、撮れる画像がそのままファインダーや液晶画面に反映される。撮るものが見えているという、スマホや最近のデジタルカメラに慣れている人には手に取りやすいカメラなのではないかと思う。
ライカQ2と東京へ
JR東海道線に乗り込んでボックス席の窓際に座る。東海道線の上り列車は、先頭の数輛がボックス席であることが多い。高校生の時、オレンジとグリーンカラーの高崎線の青いシートのボックス席に座って高校に通っていたからだろうか、いまだにボックス席が好きだ。ボックス席がある電車は田舎に多い気がするのだけれど、どうなのだろう。今日は人が少なくてまばら。今日もしばらくボックス席で大きな窓を横にのんびりと東京に行こう。小山に緑が生い茂る景色から、少しずつ建物が多くなっていく外界をのんびりと眺める。今日は天気がいいなあ。空が真っ青。ライカQ2、小さくてかわいいなあ。
西荻窪の謎
最初に向かうのは、西荻窪。あるカレーを食べに行くのが目的。
先日、facebookにあるメッセージが届いた。「元気ですか?今月から月2回、第2第4土曜日にカレーランチを始めます。お時間のある時に立ち寄ってもらえると嬉しいデス。」と。スパイス料理教室仲間のYUKIさんからだった。そうそう、私山本は、スパイス料理を本気で勉強中。雑誌でカレーレシピを連載中でもあります。写真の片手間ではなく、本気でスパイスについても仕事をしていきたいと思っているので、今年の夏までスパイス料理教室のインストラクターコースに通っていた。YUKIさんは、そのスパイス教室のインストラクターコースの同期、10カ月一緒に教室で奮闘した大切な仲間。今年の9月にはれて無事卒業した仲間の中で、お店でカレーを出すのはYUKIさんが初めて。そんなYUKIさんに会いに、YUKIさんのカレーを食べに、JR西荻窪駅へ。初めて降りる駅。
改札を出てGoogleマップでアクセスを確かめながらふと前を見ると、商店街のアーケードが。
まあ、商店街。
通らずにはいられない。
商店街を眺めながら歩くのが好きだ。その町の人たちの胃袋になっているお店が並ぶ商店街は、その街を知るための辞書みたいなもの。Google先生もこの方向でいいと言っているので、商店街を行こう。小さなお店がたくさん並んでいる。てくてく。
む。
むむ。
ゾウ。
何故ゾウ?
しかも足に何かくっついている。猫だろうか。
上を向いて写真を撮っていると、女子大生くらいの二人組が気づいて話している。「あ、ゾウだ。好きでしょ?」「え、なんで?ぜんぜん好きじゃないけど…」「でもなんでゾウ?」「ね。」と言いながらスマホでパシャパシャっと写真を撮って通り過ぎていった。アーケードの屋根からゾウが吊り下げられているという疑問は膨らむばかり、謎だ。みんなが疑問に思っているようだけれど、まずは行こう。先に行こう。うん。
YUKIさんのカレー
西荻窪の街はなんだかのんびりゆっくりとしている。豆腐屋さん、お菓子屋さん、カレー屋さん、ごはん屋さんがポツポツとあり、なんだかとても住みやすそうな街だなあそして美味しいものがたくさんありそうな街だなあと思いながら歩く。デジタルズーム75mmに設定し街並みを撮影。数分歩くと、カレーの写真が大きく貼られた看板を発見。「スパイスごはんYUKI」。
ビルの地下へ。BAR METEORAのお昼部門として第2第4土曜日に月2回営業している「スパイスごはんYUKI」。ここでいいのかなと開けられていた入口のドアからソロリ中に入ると、いた。YUKIさんだ。鮮やかなカラーの店内の奥で、YUKIさんはクルクルと動きながらスパイス料理を作っている。
「YUKIさん。」
「あ。まりちゃん。え、突然来るからびっくり。」
なんていう久しぶりのあいさつをしてカウンター席に座る。YUKIさんは、変わらずの優しい笑顔。ランチメニューは、2種類。スパイスカレーランチプレートと、カレーランチ。スパイスカレーランチプレートは、野菜カレー1種、野菜炒めなどのサブジが数種、野菜のピクルス、ミックススパイスライスがプレートになっているいろいろ食べられるお得なプレート。迷わずスパイスカレーランチプレートを注文。メニューにある「スパイスティーはご自由にどうぞ♪」の文字が嬉しい。カウンターの上に置いてあるスパイスティーのポットからスパイスティーを注ぐと、スパイスがふわりと香った。飲むと、シナモンがシャキッと効いたスパイスティーだった。このくらいシャキッとスパイスが効いたお茶を口飲むのは気持ちがいい。
カレーが届く間にいろいろなことを考えた。YUKIさんは今日、どんなカレーを出してくれるのだろうか。スパイス教室に通っている間、同期たちが作るカレーは毎回何十種類と山のように食べた。毎回20種類くらいのカレーを食べていたから、トータルしたらものすごい数のカレーを食べたことになると思う。もちろん私もたくさん作ったし、YUKIさんが作ってくれたカレーもたくさん食べた。私も含め、たまにびっくりするような斬新なカレーが出来上がってくることも多かったけれど、そのほとんどがとても美味しかった。インドへの愛とスパイスへの愛が溢れる先生からみっちり教えていただき、卒業するころにはびっくりするくらい美味しいカレーをみんなが作れるようになっていた。そんじょそこらのお店には負けない美味しさだなあと思いながら仲間が作るカレーをしみじみ食べていた。そして、YUKIさんのカレーはいつも上品で美味しかった。ブレずにまっすぐ美味しい、という感じ。私は思う。写真を見れば、その人がいったいどんな人かどうかという事が分かるように、料理にもその人の人柄や性格が出ると思う。YUKIさんは、まっすぐ優しい人なのだと思う。
私はと言えば、ついつい新しいことに挑戦してみたい性格らしく、使ったことがないような素材を使って探検するような気分で料理をして成功することもあれば大きく失敗することもあったり。妄想と想像が膨らんで突き進んでしまう妄想突進型だ。そんなことを考えていたら、YUKIさんのスパイスカレーランチプレートが目の前に現れた。
まあ、なんて美味しそう。今日の野菜カレーは、たっぷりきのことレンコンのカレー。サブジは、赤ひよこ豆とキャベツのスパイス炒め、長芋のマスタードオイル炒め。そして、紫キャベツとミニトマトのスパイスピクルス、ミックススパイスライスがついている。レンズをマクロモードにして野菜カレーだけにピントを当てて撮影。ライカで寄って撮影できるのは嬉しい。いつも、寄りたい気持ちをグッとこらえながら立ち上がって撮影していたので、とても嬉しい。
さあ食べよう。まずはやっぱり、野菜カレーから。一口ぱくり。きのこがぷりっとしていて、レンコンはしゃっきり、コクが深い。特に好きなのは、酸味。絶妙。うーん、すごく美味しい。思わず食べる手が早くなる。「YUKIさん、すごく美味しい。」そう伝えると、大きな笑顔で「全部野菜だけで作っているの。お肉とか一切使ってないの。」と、YUKIさん。このカレーのコク深さを野菜だけで作り出すのは、とても大変なことだと思う。手間暇をたくさんかけないと、このコクにはならないだろうなと想像しながら食べ進める。サブジもピクルスもライスも、とっても美味しい。
相変らずクルクルテキパキと動きながらYUKIさんはサブジなどの料理を作っている。私が食べている間に、常連さんらしき人たちが数名やってきてあっと言う間に今日のカレーは完売。カレーが美味しいので「もう一杯食べたい!」と大きな声で伝えると、常連さんたちからも笑顔が返ってくる。地元の方なのだそう。
常連のみなさんと少し話をさせていただいていてふとさっきのアーケードのゾウを思い出して「あのゾウは何ですか?」と聞いてみると、あれはね、子供たちが秋祭りの時に引いたりするのねと教えて下さった。昔は手作りのハリボテで作られていて、それも味があって良かったそう。なるほど、お祭りの時の!と妙に嬉しく納得しながらうなずく。スパイスティーをごくりと飲み干し、お会計をしてまたねとお店を後にする。YUKIさん、美味しく楽しい時間をありがとう。
同期の新しい旅立ち。
おめでとうYUKIさん。
帰りがけ、YUKIさんに教えていただいたオーガニックのスパイス屋さんに立ち寄る。チャイのスパイスと、フンザのドライベリーを購入して駅に向かう。
あ、でも。そうだ。
何故ゾウなのか。
その疑問は解明されないままだった。
しまった。
くっついていた猫みたいなものはまるで分からない。
でもいいか。
また来たときに聞いてみよう。
西荻窪のゾウの謎は、続く。
移動中はスマホに入れたアプリ「Leica FOTOS」とカメラをBluetoothでつないでお気に入りの写真をスマホに転送したり。東京のアトリエに戻ると、そろそろ夕刻の時間になってきていた。チャイを作ろう。最近、インドのチャイグラスを買った。インドの町中のチャイ屋さんが使っているグラスだ。少し水色なところが気に入っている。チャイはスパイス強め、砂糖もたっぷり入ったものが好き。飲むと、インドの町に吹く風を思い出すから。
ほっ。
ひゅう。
浅草にて
翌日。今日も行きたい場所がある。合羽(かっぱ)橋(ばし)。
そう、あの、料理道具が並ぶ商店街のある合羽橋。ずっと行きたいと思っていた場所。合羽橋で料理器具を買いたい。合羽橋で買った料理器具を使ってカレーを作りたい。まずは、合羽橋がどこにあるのかgoogle先生に聞いてみると、浅草駅から徒歩で行けると出てくる。ふむふむ。浅草をお散歩して、浅草寺にご挨拶をして、合羽橋で料理器具を見る。なんて素敵なプラン。さらには、その近くに美味しそうなカレー屋さんがあったら最高じゃないと検索すると、いろいろなカレー屋さんが出てきた。中でも「西インドスパイス ガヤバジ」というお店の文字がバンと目に入ってきた。西インドのスパイスカレー。北インドや南インドカレーは人気があるけれど、でも、あえて西インドを謳うお店はなかなか見たことがない。これはもう行くしかない。インドを旅した時に、一番好きだったのが西インドのカレーだ。ジャイプールやジョードプルで食べたカレーは、スパイス強め、油も塩分も多め、肉も多め。西で食べるカレーは、バチバチと音がしそうなくらい強烈なカレーが多かった。そんなカレーに会えるのだろうか。
都営浅草線に乗ると、新しい車輛なのか鮮やかな背もたれのシートが目に入る。電車はそこそこ混んでいたけれど、ちょうど終点の駅でみんなが一旦降りるのでそのタイミングでパチリ。赤い色が美しい。ライカの赤バッジも背景の赤にシンクロして輝いて見える。赤はそう、カレーで言えばレッドペッパーの赤。ホットな赤。
浅草駅で地上に上がると、人はまばら。雷門を埋め尽くすくらいの海外からの旅人たちでいっぱいだった去年と比べたら1/5いや、1/6くらいの人出だろうか。久しぶりの浅草の町をちょっとお散歩してみる。
フィルムモードをBWモノクロHCにして、歩く。
カラーで撮ったり、モノクロで撮ったり。一瞬の心のコントラストが描けるのが楽しい。
西インドのスパイスカレー屋さんガヤバジ
さあ、合羽橋に行こう。料理道具を買いに行こう。とその前に、お腹が空いてきたので、カレーを食べに行こう。西インドスパイス ガヤバジ。調べたところによると、BARの間借りをして土日のみ営業しているカレー屋さんだそう。ビルの二階、ここで合っているのかなと少し不安になりながらも扉をそおっと押すと、中からいらっしゃいませという明るい声がした。
女性にカウンター席に案内されて、メニューを見る。迷わずスペシャルプレートを注文。だって、一番たくさんの種類のカレーやサブジが載っているから。食後にホットチャイも追加。西インドのカレー。ああ、なんて待ち遠しいの。わくわくうずうずしながらしばらくすると、スペシャルプレートが到着した。「わーすごい。」思わず声が出てしまう。ボリュームたっぷり。
なんと、カレーは4種もある。マトンの辛口カレー・鳥出汁のマイルドカレー・Moth豆のカレー・チキンキーマカレー。そのほかに、マサラ味のチキン(チキンティッカ)、マサラエッグ、サブジ、アチャール、バスマティライス、アロエ。わあああ。西インド満載。ここは楽園なのだろうか。どれからいただこうか迷うけれど、まずはマトンカレーからいただく。実は匂いが強いマトンが苦手なので少々ドキドキしながらいただくと、このマトンカレーは苦手な匂いはまったくなくてとても爽やか。美味しい。次々にカレーをいただき、ボリュームたっぷりだったプレートをあっと言う間に完食。中でも、チキンキーマカレーがとりわけ好きで「食べ終わりたくない」と思いながらゆっくり噛み締めながらいただいた。
食後にチャイをいただく。やっぱり、カレーの後はチャイがいい。あったかくて、スパイスたっぷりで、甘いチャイがいい。そんな、あったかくてスパイスたっぷりで甘いチャイを飲んでほっと一息ついて、お店の男性の方に声をかける。掲載をさせていただいてもいいでしょうかと聞くともちろんですと快くOKをいただいた。ありがとうございます。
少しお話を聞くと、店主の富永さんと、西インドのプネーという街出身のガヤさんの二人でお店を運営しているそう。「ガヤは私の名前、バジはカレーという意味だから、ガヤバジというお店の名前はガヤさんのカレーという意味です。」と教えていただいた。ちなみに、プネーという街はムンバイの南170kmに位置するデカン高原にある人口500万人近い大きな都市だ。私が思っていた西インドは、デリーから見て西側であり、インドの中では北西の地区。砂漠が広がる地域だ。ガヤさんの故郷のプネーとは大分離れている。気候も全く異なる地域。ガヤさんのカレーを食べたときに、あれ、あの西インドの味と比べて大分優しいマイルドな味だなあと思ったのは、地域が全く違っていたからだったのか。「プネーはジャイプールやジョードプルみたいに砂漠が近くにあったり華やかではないけれど、美味しいお店がたくさんあるんですよ。」と笑顔で故郷の話をするガヤさん。西インドのプネーと言う街にいつか行ってみあいなあと想像が膨らむ。最後に「照れますね」と言いがらも微笑むお二人のツーショットを撮らせていただき、お店を後にする。
お二人は、来年2021年2月に、近所に店舗を構えることになったそう。今は間借りだけれどご縁が重なってと笑顔で話すお二人のお店が誕生することを心待ちにしています。お店が出来たら、また行きます。必ず。
かっぱの町を歩く
ガヤパジのお店を出ると、もうそこは実は合羽橋の商店街の中だった。まずはカレーを食べようとgoogleマップを起動していたので気づかなかった。合羽橋の真ん中にあるカレー屋さんだったのだ。なんて素敵な立地なのかしら。合羽橋の町を歩いてみよう。
ズラリ。鍋、フライパン、包丁、皿、トング、箸などなど、料理器具が並ぶ。お店にちょっと入ってみると、目が丸くなるほど値段が安いものも多い。この木のスプーン欲しいなあ、このガラスのお皿も。てくてく。今一番欲しいのは、包丁を研ぐ砥石。長年使えるしっかりしたものが欲しい。
とある包丁屋さんの前でじっと砥石を眺めていると、買い物客らしい少し年上の男性が私の横にスーッと並ぶ。結構近い距離。もっと見たかったけれど、一人でじっくり見たかったのでお店を後にして信号待ちをするために立ち止まる。すると、さっき横にいた男性がすっと近づいてきて私の横に立つ。また結構近い距離。な、何だろう…、そう身構えたときに声をかけられた。「なかなか素敵なカメラですねえ。」と。あ、そ、そうね、ライカQ2ね、私じゃなくて。ちょっと恥ずかしくなりながら「ありがとうございます。」と答える。「レンズは何ミリ?28?それでフルサイズなんでしょ。」と聞かれる。「28mmです。これボディと一体型なんです。レンズ交換はできないライカQ2というカメラです。フルサイズの。」と答えると、男性はまじまじとライカQ2を眺めて「へー、一体型の。」と言ってスーッとどこかに消えていった。私はびっくりしながらも、ライカカメラが人を引き付ける力の強さについて深く実感した。東京の街を歩いていて、カメラで声をかけられるなんて滅多にない。ライカの磁力、すごい。
その後もふらふらと歩いていて、気になるお店に入ってお話を聞いたり。中でも、あるお鍋に一目惚れしてしまい、店員さんのお話をゆっくり聞く。美しいフォルムと美しい色のお鍋。なかなかのお値段だったのだけどああこのお鍋買っちゃうかもと思いながらもギリギリで踏みとどまってお店の外でAmazon検索をしてみたら、アマゾンの方が7,000円も安かった。ふう。
合羽橋には、カッパ様がたくさんいらっしゃる。
合羽橋(かっぱばし)というくらいなので、カッパとのご縁があるのだろうと思っていたけれど、金色のカッパ像の前に看板があり説明書きがあった。読んで見ると、1804年から1818年までの文化年間の頃、水はけの悪いこの地域は度々水害に遭っていたそう。そこで、合羽川太郎氏が私財を投じて排水工事に着手したけれど工事は難航。川太郎氏に昔助けられたことのあるカッパたちが工事を手伝い、無事工事は完了。そのことから、この辺りが合羽橋と名付けられたとのこと。他にも説あり、とのこと。
その後もたくさんのお店に入っていろいろな調理器具を見た。古いお店もあれば改装してある新しいお店もあり。あれもこれも欲しい。心が躍ってずっとドキドキしている。お料理のことを考えている間は本当に幸せだ。でも、いろいろあっていろいろ見て考えているうちに気持ちが満腹になってしまった。お腹いっぱい、心一杯。結局、何も買わなかった。また今度じっくりプライベートで来よう。そうしよう。
帰りがけにクリスマスツリーを見つける。もうそんな季節かあ。今年は月日が過ぎるのがいつもの年より何だかとても早く思える。そんなことを思いながらマクロモードで煌くツリーを撮影して銀座線に乗り込む。私の前に女性、斜め前に少し年上の男性が立つ。私は知っている。男性の視線が私のリュックの上に釘付けだったことを。つり革につかまる手に目を半分隠しながら、電車の揺れに任せて何度も何度も眺めていた。ライカQ2を。ライカの磁力、すごい。
銀座で降りて少し暗くなった街を歩く。煌々と光るライカ銀座店の前を通る。ライカQ2を抱きしめながら。さあ、家に帰ろう。
おわりに
今回一緒に旅をしたライカQ2、私はこのカメラが好きだ。とても好きだ。フットワーク軽く撮れることはもちろん、マクロ撮影機能あり、デジタルズームでいろいろな画角で撮影できることも大きな魅力。カラーもモノクロもと、いろいろな範囲を一台で撮れることに大きな魅力を感じた。ライカカメラの中では、自由度がとても高いカメラだと思う。そして、フルサイズというのは最大の魅力。
撮影している間、私は何だかいろいろな想像をしていた。私はこのライカQ2といろいろ旅をしたい。日本を、世界を。私の頭の中では、マレー鉄道に乗って壮大な自然を車窓に見つつライカQ2と一緒に電車に揺られている映像が浮かんでいた。いつの間にか。そして、タイのグリーンカレーや、マレーシアの赤いカレーが目の前に置かれ、ふわりふわりと湯気が揺れている映像が浮かんでいた。マレーシアには行ったことがないのに、何故か分からないけれど、浮かんでいた。いつかライカQ2と一緒にそんな旅をすることがあるのだろうか。分からないけれど、そんな気持ちになったことは確かだ。
そして、今回はカレーを二度も食べた。どちらも本当に美味しかった。スパイスごはんYUKIさんには、後日、掲載可能か聞いてみると、「うれしい。人生初だから!ワクワクありがとう。」とメッセージが届いた。私も嬉しい。YUKIさん、ありがとう、おめでとう。
ライカカメラとの旅はまだまだ続く。次はどんなライカカメラに出会えるのだろうか。のんびり、ゆっくり、綴っていきたいと思う。
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2021年2月移転予定。詳細はInstagramにて。
■参考文献
ライカHP
■写真家:
山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんによるライカ連載記事第四弾、ライカQ2で「カレーと旅」をテーマに様々な出会いを発見を執筆して頂いています。
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KEYWORDS:
ライカ,連載,Q2,LEICA
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: DJI Mini 2 レビュー|4K撮影やズームを可能にした199gの小型ドローン
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 12/17/2020 16:00:00
TAGS: mini 2,DJI(ディージェーアイ) ドローン,その他のカメラ
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はじめに
2019年10月に発売され人気を得た199gの小型ドローン「MAVIC MINI」の登場から約1年たち、その後継機として、「DJI Mini 2」がDJIから発売になりました。名称が少々変わって「MAVIC」の名称が外れましたが、機体重量は199gを保持しながらもスペックはレベルアップしています。
この「DJI Mini 2」には発売形態には、「DJI Mini 2本体」と「DJI Mini 2 Fly More Combo」の2種類があります。特におすすめなのが「DJI Mini 2 Fly More コンボ」です。「Mavic Mini Fly More コンボ」には、本体の他に予備バッテリー追加2個やバッテリー充電ハブ、予備プロペラ、収納バックなのでアクセサリーが充実したセットになります。特に小型軽量な「DJI Mini 2」はバッテリーも小型の為、飛行時間が大型のドローンより短くなっています。ドローン飛行を楽しむには予備のバッテリーが必須です。「Fly More コンボ」では予備バッテリーをまとめて充電できる「2WAY 充電ハブ」もセットになっており、効率よくバッテリーを充電できますので、初めて購入する方には「Fly More コンボ」がおススメです。もし、先代の「MAVIC MINI」を持っていてバッテリーの予備もあるのであれば、「DJI Mini 2」は「MAVIC MINI」のバッテリーも使用は可能です。
※「DJI Mini2」は「Mavic Mini」のバッテリーを使用できますが、電力が下がり、合計重量が200 gを超えるので飛行には注意が必要です。
【左】DJI Mini 2、【右】DJI Mini 2 Fly More Combo
特長とMAVIC Miniからの変更点
「MAVIC MINI」から「DJI Mini 2」になって大きく変更された点は動画撮影の解像度。カメラセンサーサイズは変わっていませんが、「MAVIC MINI」は2.7kであったのに対して、「DJI Mini 2」は4k対応になりました。4K対応になった事に合わせて新たにデジタルズーム機能も搭載されました。4Kモードでは2倍ズーム、2.7Kモードでは3倍ズーム、FHDモードであれば4倍ズームに対応が可能になり、動画撮影の幅も広げることができるようになりました。
また静止画においても撮影できるピクセル数に変化ないものの、「DJI Mini 2」はRAWデータの撮影保存が可能になった事が大きな変更点です。写真を撮るユーザーにとってはRAWデータで撮影できるのは、後処理で画像の調整がしやすい利点があります。
仕様部分を簡単な表にして比較してみました(赤字は前機種と異なる部分)
本体の形状はほとんど変化が無く、パッと見では「MAVIC MINI」と「DJI Mini 2」の見分けはつきません。
しかし機体の正面から見ると、改良された部分がよく分かります。
【左】DJI Mini 2、【右】MAVIC MINI
「DJI Mini 2」はカメラ部分に4kの文字が印字されています。そして機体の前部に新たにLEDライトが搭載されました。この前部にLEDライトが搭載された事によって、フライト中の機体の前後確認が分かりやすくなりました。
【左】DJI Mini 2、【右】MAVIC MINI
機体の後部を見るとUSBの仕様が変わったのが分かります。「DJI Mini 2」は、USB Type-Cに変更されています。USB Type-Cのコネクタは上下対称なのでケーブルの接続に戸惑うことがありません。
この機体のUSBの仕様変更に合わせて、「Fly Moer コンボ」のセットにある「2WAY充電ハブ」の充電ポートの仕様もUSB Type-Cに変更されています。このあたりの仕様が統一されて変更されているのも使い勝手をよく考えられていると思います。
【左】MAVIC MINI、【右】DJI Mini 2の「Fly Moer コンボ」セットの「2WAY充電ハブ」
DJI Mini 2の「Fly Moer コンボ」セットの「2WAY充電ハブ」
本体部分とは異なりますが「Fly More コンボ」セットにある収納バック。これに関しては大きく形状が変わりました。「MAVIC MINI」はハンドポーチ型の収納バックでしたが、「DJI Mini 2」は上位機種の「
Mavic Air 2 Fly More コンボ」と同様のデザインのショルダー型の収納バックに変更されています。ショルダー型になった事でドローンを飛行させている時でも、携帯するのが楽になりました。
【左】MAVIC MINI、【右】DJI Mini 2の「Fly More コンボ」セットの「収納バック」
そして今回一番大きな変化をしたのはコントローラーです。「DJI Mini 2」を操るコントローラーは、アンテナが内蔵型のシンプルな新デザインになり、スマートフォンもコントローラーの上部に挟み込むタイプに変更されて、非常に扱いやすくなっています。合わせて伝送システムも刷新されており、上位機種と同じ「OcuSync 2.0」が採用されてより安定した通信が可能になりました。この新型コントローラーは、DJI Flyアプリで、DJI Mini 2をファームウェアバージョン1.1.0.0以降に、DJI Mavic Air 2をファームウェアバージョン1.0.4.60以降に更新すれば、送信機はどちらの機体にも接続できます。ただ、残念ながら「MAVIC MINI」には対応することができません。
【左】MAVIC MINI、【右】DJI Mini 2のコントローラー
新型のコントローラーは、スマートフォンのセットもし易くなり、接続するケーブルの取り回しも改善されています。
残念ながら、「DJI Mini 2」になって簡素化された部分もあります。それはプロペラガードです。
「MAVIC MINI Fly Moer コンボ」には、プロペラガードがセットになっていましたが、「DJI Mini 2 Fly Moer コンボ」からは省略されました。このプロペラガードは互換性があるので、「DJI Mini 2」でも使用する事が可能です。フライトに自身が無い人にはありがたいアクセサリーですね。
飛行させる前の準備
DJIが提供している、安全飛行フライトマップのページを確認してみましょう。
https://www.dji.com/jp/flysafe/geo-map
※ページ上部にある選択地域、フライトするドローンの機種を選びます。
「DJI Mini 2」は、機体重量199gで航空法の対象にはなりませんが、どこでもフライトできるわけではありません。マップ上に飛行制限空域、規制制限空域、おすすめ飛行可能空域などが色分けして表示されています。残念ながら東京都内は、ほぼ飛行制限空域になっています。これは東京都が管理している都立の公園と庭園でドローンを含めた小型無人機の使用を全面的に禁止しているからです。
その他自治体でも公園での飛行を禁止しているところも多くありますので、自治体、公園管理事務所などのホームページなどで飛行可能な場所を確認する必要があります。
その他ドローンを飛行させる場所によって、航空法、小型無人機等飛行禁止法、道路交通法、民法、電波法、都道府県市町村条例など注意しなければいけない決まり事が多くあります。しっかりと事前に確認してからドローンを飛ばしましょう。
それでは機体とコントローラーを接続して、最初にカメラの設定をしましょう。
「DJI Mini 2」の静止画の設定は、JPEGかJPEG+RAWの選択が可能になりました。サイズは、4:3と16:9の2タイプが選択可能です。
「DJI Mini 2」は新たに4K動画撮影が可能になったので、動画撮影サイズのバリエーションがふえています。
事前の準備ができたら、いよいよフライトです。
飛ばしてみて
■撮影機材:DJI Mini 2 ■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離 4mm(35mm換算 24mm) 4000x3000ピクセル(1200万画素)
実際にフライトしている状態を別カメラで撮影してみました。フロントのLEDが点滅していますが、このLED点滅のカラーは変更することも可能です。
VIDEO
「DJI Mini 2」は「MAVIC MINI」に比べて、最大上昇速度や最大下降速度、最大飛行速度などがアップしていますが、実際にはそれを体感できるほどの変化は感じることはできませんでした。
というのも撮影する際には、ゆっくりとした動きを基本として撮影するので通常の撮影などでは効果は薄いのが現状です。しかし、少し遠くのポイントまで高速で移動できる事はいざと言う時に頼もしい実力アップです。
「DJI Mini 2」には、新たにパノラマ撮影機能が搭載されました。このパノラマ撮影機能モードで撮影すると、撮影ポジションで自動に撮影角度を変えながら26コマの撮影しパノラマ画像を合成して作成する事ができます。
■撮影機材:DJI Mini 2 ■撮影環境:パノラマ撮影モード 4096x2048ピクセル
撮影方法は、ホバリングしながらカメラの向きを自動で変えながら26コマ撮影しています。撮影した画像はメモリーカードに「PANORAMA」のフォルダができ、そこに全コマ保存されていて、アプリ上で自動でパノラマ画像を合成してくれます。
このパノラマ機能だけでも、とても楽しむことができる機能ですね。
楽しい機能・クイックショット
「DJI Mini 2」には簡単に撮影できるクイックショットが搭載されています。
クイックショットはインテリジェント・フライト・モードの1つで、簡単に言うとドローンが自動で素敵な動画を撮影してくれる機能です。その種類はドローニー、ヘリックス、ロケット、サークル、ブーメランの5種類で、「MAVIC MINI」より1種(ブーメラン)が増えています。
クイックショットは、コントローラーのメニューから簡単に選択することができます。
実施したい、クイックショットを選択肢、基準なるターゲットをコントローラー上で指定(上部画像で+の部分)して、後はスタートボタンを押すだけでドローンは自動で飛行してくれます。
■クイックショット・ドローニー
ドローニーは被写体を中央に捉え、斜め上後方に進みながら動画撮影をするモードです。
VIDEO
■クイックショット・ロケット
ロケットは、被写体を見下ろすように設定の高度まで上昇して俯瞰撮影するモードです。
VIDEO
■クイックショット・サークル
サークルは、被写体の周囲を回転しながら撮影するモードです。
VIDEO
■クイックショット・ヘリックス
ヘリックスは被写体を中心に、円を描きながら指定した距離まで離れていきながら撮影するモードです。
VIDEO
■クイックショット・ブーメラン
ブーメランは被写体を中心に円を描きながら上昇し、半分まわったところで下降しながら円を描くモードです。
VIDEO
まとめ
撮影が簡単にできるクイックショットもあり、ドローンのフライトを十二分に楽しめる「DJI Mini 2」は、初めてのドローンには最適です。もちろん上位機種を持っているユーザーにも4K動画やズームしての撮影ができる事になったので満足できるドローンにはなったのではないでしょうか。
ドローンの飛行にはいろいろな規制が伴います。使う人がルールを正しく理解し、ルールを守り安全な飛行を心がける事で、今後ドローンを楽しく安全に飛行できる環境が整っていきます。まずはしっかりと飛行ルールを学ぶことからはじめてみましょう。
国土交通省のホームページには、無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルールに関する事が記載されています。ドローンに興味のある方は一度しっかりと内容を確認する事をおすすめします。
【参考】
国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんによるDJI Mini 2のレビュー記事になります。製品特長や前モデルとの違いをはじめ、飛行させる際の諸注意なども説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,DJI,ドローン,Mini 2
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sレビュー|とろけるボケを体感できる最高性能レンズ
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 12/18/2020 16:00:00
TAGS: NIKKOR Z 50mm f/1.2 S,ポートレート,ニコン(Nikon) レンズ,人物_子供,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
ニコンZマウントS-Lineの最高峰レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」が、2020年12月11日に発売になりました。開放F値1.2と浅い被写界深度ながら、STM(ステッピングモーター)を複数搭載したAF駆動で、素早く正確にピントを合わせられる本レンズの性能を、ポートレート撮影に主眼を置いて見ていきたいと思います。
とろけるボケに心も溶かされる
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S ■撮影環境:f/1.2 1/250秒 ISO500 WB:4300K ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:成沢紫音
まずなによりもそのボケ味にノックダウンされました。もちろん、開放F値が1.2の大口径レンズということもありますが、スペックのF値だけではボケの描写性能まではわかりません。その描写性能を体感できるのは、肉眼で見えている状況と、撮影した画像を見比べたときです。
作例は、ニコンプラザ東京内でライブシュートの公開収録を行ったときに、実際にその場で撮影したカットです。天井の小さなスポット照明は、色にじみのない玉ボケになっています。この玉ボケのフチが二重になってしまうレンズもあるのですが、本レンズは強い玉ボケも、弱い玉ボケもうるさくないクリアーな描かれ方をしています。また、テーブルや人までふんわりとボカしてくれるので、背景に沢山のスタッフがいるのが信じられないような画になりました。
ピントはカメラに近い方のモデルの左目に合わせ、絞りは開放で撮影しています。被写界深度が浅いので奥の目である右目はボケていますが、ピントを合わせた左目から右目へのボケのグラデーションがなめらかなので、違和感を感じることなく目力の強さを演出できました。
大口径レンズはいかに大きくボケるかに主眼を置かれがちですが、ピントが合っているところから最大ボケまでが、自然でなめらかなグラデーションで繋がれているかが、とても大切だと筆者は常々思っています。
被写体を主役に仕上げる立体感
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S ■撮影環境:f/1.4 1/250秒 ISO100 AWB ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:中島あずさ
木の緑色をふんわりとボカして人物を浮き立たせるのは、ポートレートの基本テクニックになりますが、本レンズだと被写体の存在感が段違いです。
また、後ろのボケに硬さがないので、水彩画のように柔らかい背景になりました。不自然な色にじみがないので、ハイライトを飛ばし気味にした描写も楽しめるレンズです。このカットも、自分の目に見えている状況と、背面液晶に写った撮影画像を見比べたときに、しみじみと「いいレンズだな」と感じたカットでした。
本レンズは複数のSTM(ステッピングモーター)を搭載しており、AF駆動時の静音化が成されています。ピント合わせのジーッという音が極めて小さいということは、動画撮影でAFを使用できるレンズだということです。
ニコンでは現時点で初めて開放F1.2のレンズでSTMを搭載したとのことですが、これからは高性能、高解像度のS-Lineのレンズで動画を楽しめるラインナップになっていくのでしょうか。
瞳AFとの相性GOOD!
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S ■撮影環境:f/1.2 1/400秒 ISO100 AWB ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:野原ゆな
今回使用したボディはすべて「
Nikon Z 6II 」です。AFモードはオートエリアAFで、瞳AFを使用しています。先月レビューした「Nikon Z 6II」の動体AFの精度が上がっているおかげか、本レンズとの相性がいいのか、瞳AFのヒット率はとても高かったです。
全身や膝上のカット、横顔、振り向きの動きのなか、強い逆光など、撮影していて楽しいレンズだったので色々なカットを撮影しましたが、どんなシーンでもすっと瞳にピントが合うので、余計なことを考えずに光や構図に集中できました。
ポートレートで多い状況が逆光での撮影ですが、本レンズは角度のある入射光の反射率を抑えるナノクリスタルコートと、レンズに垂直に入射する光の反射率を抑えるアルネオコートを併用しています。ゴーストやフレアの低減はもちろん、構図内に強い光があっても画面内が霞んだりくすんだりせず、ヌケの良い清涼感のある画が得られました。
コントロールリングでワンアクション操作が可能
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S ■撮影環境:f/1.2 1/250秒 ISO800 WB:4300K ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:成沢紫音
本レンズは、コントロールリングに「絞り値」「露出補正」「ISO感度」のいずれかを充当できます。筆者はポートレート撮影時はマニュアル露出で撮影することが多いので、テスト撮影時はISO感度を割り当てて使っていました。
作例は室内のカットですが、背景を変えるためにモデルを中心に自分がぐるぐるとまわって撮っていたので、くるくる変わる露出にワンアクションで対応できるのは便利でした。
ただ、リングのトルクが軽いので、レンズを支えている左手の指が当たってしまい、意図しないときに露出が変わってしまうこともありました。筆者個人的には、もう少し重めのトルクのほうが好みです。もしくは、筆者はカメラとレンズの重量を支えるために、かなり左手に頼っているので、右手でしっかりホールドできる方なら、そのような誤動作は少ないのかなと、感じました。
街なかのポートレート撮影が楽しくなるレンズ
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S ■撮影環境:f/2.5 1/250秒 ISO100 AWB ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:中島あずさ
画像周辺部までゆがみが少ないレンズだと、街なかでのポートレート撮影がさらに楽しくなります。本レンズは、線対称を突き詰めた光学設計と非球面レンズを3枚使用し、歪曲収差を極限まで抑えています。
ポートレート撮影だと、人物をゆがみが出るような構図に配置しないだろうと思われるかも知れませんが、人物の背景には縦横のラインが気になる建物があったりします。それが、ボケてはいても不自然なゆがみが見られると、写真を見ている人の目がそちらに引っ張られてしまって、主役の被写体の存在感が薄くなってしまいます。
また、EDレンズ2枚を配置した光学設計で軸上色収差を補正して、たとえばモデルと背景に明暗差のあるシーンでも、色にじみを抑えたクリアーな画に仕上げてくれます。人物が浮き立つように背景を飛ばしたり、暗く落とし込んだりすることのあるポートレート撮影では、この色収差を抑えてくれるレンズはとても助かります。
圧倒的な解像感で素材の質感まで再現!
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S ■f/1.2 1/400秒 ISO100 AWB ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:野原ゆな
ピントが合っているところはもちろん、ボケている部分の、たとえば衣装のふわふわとした柔らかい質感まで再現してくれる本レンズの基本性能の高さは、シャッターを切るたびに感じました。
アップの画を奥行き深く仕上げてくれるレンズは、撮影して楽しい、PCの大きな画面で見てもう一度楽しい、撮る楽しみを教えてくれるレンズでもあります。絞り開放の描写性能が高いので、このレンズを手にした方は、ぜひ、開放での描写をまずは楽しんでいただきたいです。
さすがのS-Lineレンズ!
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S ■撮影環境:f/1.2 1/250秒 ISO2000 WB:4300K ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:成沢紫音
今回はポートレートでのレビューでしたが、50mmという使いやすい画角なので、スナップや風景撮影をしても楽しめるレンズでしょう。ポートレートではモデルとコミュニケーションを取りながら撮影するのにちょうどいい距離になり、スナップでは何かに注目したときの自然な視線を表現しやすい。撮り手のイメージを具現化してくれる、さすがニコンのS-Lineは違うと感動できるレンズでした。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんによるニコン NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sのレビューです。F値1.2の浅い被写界深度での写りや、ステッピングモーターによるAF性能などをポートレート撮影で検証しています。
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KEYWORDS:
ニコン,NIKKOR Z 50mm f/1.2 S,レビュー,nikon,ポートレート,レンズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: オリンパス OM-D E-M1X ファームウェア Ver2.0で鳥認識AFを試す|礒村浩一
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CATEGORY: 礒村浩一
DATE: 12/22/2020 16:00:00
TAGS: OM-D E-M1X,オリンパス(Olympus) ボディー,野鳥,ミラーレスカメラ,マイクロフォーサーズ
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OM-D E-M1X ファームウェアVer2.0は新機能満載
いまやテクノロジーの最先端製品でもあるデジタルカメラは、さまざまな電子機器を組み合わせることで一つの製品(ハードウェア)として構成されている。だがハードウェアのみではカメラとしての機能を発揮することができない。そのカメラ本体の機器を正しく制御する為にはファームウェアと呼ばれる制御ソフトウエアが必要不可欠なのである。これらがうまくリンクすることで、はじめてカメラとして動作させることができる訳だ。
デジタルカメラのファームウェアはカメラ内に組み込まれたメモリに記憶されている。いったん製造してしまうとメーカーの工場などで再組み立てをしなければ更新できないハードウェアと違い、多くのデジタル一眼カメラはファームウェアをユーザー自身で新しいものに書き換えることが可能だ。この作業をファームウェアのアップデートと呼んでおり、発売開始時のファームウェアから最新版のファームウェアにアップデートを行うことで、動作の安定性や機能の向上が行われる。またファームウェアによっては機能が拡張・追加されることもある。
オリンパスのミラーレス一眼カメラであるOM-Dシリーズもユーザーによるファームウェアアップデートに対応しているカメラだ。各カメラメーカーからもファームウェアアップデートに対応したカメラが発売されているが、そのなかでもオリンパスは比較的細やかに新しいファームウェアを公開している印象だ。ファームウェアのアップデートは、カメラを付属のUSBケーブルを使用してパソコンに接続したうえで、オリンパスの画像編集ソフト「OLYMPUS Workspace」を介してアップデートを行う。今回紹介するOM-D E-M1X用の最新ファームウェアは2020年12月3日に公開されたVer 2.0だ。このバージョンではこれまでのE-M1X Ver1.xの機能に加え、いくつかの新たな機能が追加されている。
OM-D E-M1X ファームウェアVer2.0で新たに追加された機能
・インテリジェント被写体認識AFに鳥認識AFを追加
・HDMI接続された外部機器への動画RAWデータ出力に対応
・深度合成対応レンズに新発売予定のM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROを追加
・動画撮影時の手ぶれ補正の安定性を向上
・マニュアルフォーカス時にフォーカス距離指標表示を選択可能
ファームウェアVer2.0ではマニュアルフォーカス時に、フォーカスリングの回転方向と繰り出し具合をスケールで表示することが可能となった。
ついに鳥認識AFがインテリジェント被写体認識AFに追加された!
今回のバージョンアップのなかで、もっとも大きな変化といえるのが「インテリジェント被写体認識AFに鳥認識AFが追加」されたことが挙げられる。ここで簡単に「インテリジェント被写体認識AF」について解説すると、OM-D E-M1Xに搭載された独特なAFシステムのひとつの機能のことである。これまでにオリンパスが蓄積してきた膨大な被写体の情報を基に、人工知能(AI)の基礎技術のひとつであるディープラーニングにより画像を統計的に判別し、被写体を認識させたうえでフォーカスを合わせ、同時に移動する被写体を追尾する技術である。
参考:
オリンパスOM-D E-M1Xレビュー|持てる力を全て注ぎ込んだプロスペックミラーレス一眼
そこで今回のレビューでは主に鳥認識AFの使い勝手と、鳥撮影におけるメリットなどについて検証してみたいと思う。なお、最初にお伝えしておきたいのだが、私はプロ写真家ではあるが普段は鳥の撮影を行うことはほとんど無い。それゆえ鳥のように小さくてすばやい被写体を追いかけながら撮影することは正直言って苦手なのである。そういう意味では、鳥の撮影においては読者のみなさんと技量的にさほど差がないと思ってもらって良いだろう。そんな「鳥撮りが苦手なカメラマン」が、このE-M1X Ver2.0でどれほど上手く撮れるのかといった検証作業でもある。
被写体認識AFの設定方法
E-M1Xで被写体認識AFを使用するには事前にいくつか設定しておく項目がある。MENU画面からカスタムメニューA3(AF/MF)画面に入り[追尾被写体設定]で[鳥]を選択。そのうえでE-M1XのAF方式を[C-AF+TR]もしくは[C-AF+TR MF]を選ぶと鳥認識AFが使用可能となる。
[追尾被写体設定]で[鳥]を選択。これを設定しておかないと鳥認識AFが作動しない。
E-M1X Ver1.xとVer2.0の被写体認識AFの違い
オリンパスのOM-Dシリーズのカメラのうち、インテリジェント被写体認識AFが搭載されている機体は、現時点においてはプロ機として開発されたE-M1Xのみだ。その理由のひとつとして、E-M1Xには画像処理の心臓部である画像処理エンジンが2機搭載されていることが挙げられる。どうやら被写体をリアルタイムで識別してそれを追いかけ続けるには相応の高速情報処理能力が必要とされるらしい。
E-M1Xには発売当初から「モータースポーツ」「飛行機」「鉄道」の追尾被写体設定が用意されており、今回のVer2.0へのファームウェアアップデートでは「鳥」が追加された。この「鳥」認識AFでは鳥の全身、頭部、瞳をピンポイントで識別し、シャッターボタンを半押しするとフォーカスを合わせてくれる。この時点でAFの追尾がスタートし、フレーム内に鳥を捉えている限りフォーカスが追いかけるというものだ。
ファームウェアVer1.xとVer2.0それぞれの被写体認識AFの状況を、ファインダー内をカメラで直接撮影して動画に記録した。Ver1.xでは被写体認識「鳥」に近い「飛行機」で、Ver2.0では「鳥」に設定している。Ver1.xでは海面の物体ごと被写体として認識してしまい、鳥のみを認識することが難しい。一方Ver2.0では鳥のみを被写体として認識できているのに加え、複数羽の鳥を個別に認識している。
VIDEO
ファームウェアVer2.0にアップデートしたE-M1Xを鳥認識AFに設定して干潟に集まる鳥を撮影。こちらもE-M1Xのファインダー内画像をカメラで動画撮影したものだ。水面を歩く鳥や飛翔する鳥を、鳥認識したAF枠がフォーカスを合わせながら追尾していることがわかる。また鳥の頭部や瞳が判別できる大きさである場合はAF枠はそれらを追いかける。さらに杭の上に何羽もの鳥が止まっているシーンでは同時に複数の鳥を見分けていることがよく判る。E-M1Xでの鳥認識AFは同時に8羽までの鳥を識別して判別が可能ということだ。この動画を見ているだけでもなかなか興味深い。
VIDEO
E-M1Xでの鳥認識AFの使い所を考える
ここではフレーミングする範囲の違いによって、一羽の鳥を鳥認識AF枠がどう変化して捉えるかを確認した。わずかな構図の変化ではあるが3パターンのいずれの場合でも、的確に状況を判別し、迷うことなく鳥の頭部もしくは瞳を捉え続けていることが判る。
足首から上、主に鳥の胴体と頭部で画面の中心を占めるフレーミング。被写体認識が鳥の頭部を認識してAF枠を頭部に合わせている。
鳥の全身が入るフレーミング。画面全体に対する頭部の大きさの比率が小さくなってもAF枠はしっかりと頭部を捉えている。
鳥の頭部にカメラを近づけてフレーミング。AF枠は鳥の瞳を判別してフォーカスを合わせているのがわかる。
鳥認識AFに設定してAFターゲットモードで121点オールターゲットを選択。追尾AF(C-AF+TR)で鳥を追尾した。通常の121点オールターゲットでのAFは画面内を占める面積が広いものや、カメラからもっとも近い距離にある被写体にフォーカスを合わせる傾向があるが、E-M1X Ver2.0の鳥認識は鳥の形状そのものを判別してフォーカスを合わせてくれる。この画像のように手前側にススキがあったとしても、E-M1Xの鳥認識AFならススキにフォーカスが取られてしまうこともないので構図を優先してフレーミングすることができる。またE-M1Xでは121点の周辺エリアに鳥がいても問題なく鳥認識してフォーカスを合わせてくれる点も心強い。これらは構図構成を自由にしてくれる大きなメリットとなる。
鳥認識AFとプロキャプチャーモードの最強コンボが可能!
E-M1Xの鳥認識AFはプロキャプチャーモードとの併用使用が可能だ。プロキャプチャーモードとは、レリーズボタンを全押しした瞬間からさかのぼって、最大35コマまで記録することができる連写モードだ。レリーズボタンを半押しした時点からカメラ内のメモリ上に画像記録を始め、全押しで連写を始めると同時に、過去に遡り画像を記録することができる。この機能は、たとえば枝にとまっている鳥が飛び立つ瞬間などでも、一瞬の挙動を撮り逃さずに撮影できるという便利で確実な撮影方法だ。プロキャプチャーモード自体はE-M1 MarkIIIにも搭載されているが、この鳥認識AFとの組み合わせが可能なE-M1Xでは、動きの素早い鳥をより確実に撮影することができる。まさに鳥撮影における最強な組み合わせといってよいだろう。
鳥認識AFとプロキャプチャーモードを組み合わせて、高い木の上にとまる鳥の挙動を撮影した。人差し指をレリーズボタンにかけ半押しにして鳥認識AFを発動させた状態でフレーミングを行い、鳥が枝から飛び立とうとする挙動を見せた11コマ目あたりでレリーズボタン全押しで撮影を開始した。おそらく通常の連写モードだと10コマ目の、鳥が大きく翼を広げた瞬間は撮り逃してしまう可能性が高い。だが、プロキャプチャーモードのおかげでバッチリ写真に納めることができたのである。
E-M1X Ver2.0 鳥認識AF作例
東京湾に面した干潟に飛来する野鳥を撮影
E-M1Xの鳥認識AFを利用して干潟に集まる野鳥を撮影した。この干潟は野鳥観察の施設もあり、また日頃から観察に訪れる人も多く、比較的野鳥撮影もしやすいスポットとなっている。それでも野鳥である以上、私のように鳥の生態に詳しくない者にとってはいつ飛来するかも、またどのような動きを見せてくれるかを予測することは難しい。したがってこの撮影ではほとんどE-M1X任せでの撮影であったと言って良いだろう。なお、ここでの使用レンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」と1.4倍テレコンバータ「MC-14」の組み合わせである。この組み合わせでは35mm判換算で最大1120mm相当にもなる超望遠レンズである。
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + MC-14 (560mm) 撮影環境:ISO1600 F9 1/1250 シャッター優先モード +1.3EV WBオート
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + MC-14 (511mm) 撮影環境:ISO640 F9 1/1000 シャッター優先モード -0.3EV WBオート
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + MC-14 (454mm) 撮影環境:ISO1000 F9 1/1000 シャッター優先モード +0.7EV WBオート
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + MC-14 (454mm) 撮影環境:ISO6400 F8.9 1/320 シャッター優先モード +0.7EV WBオート
動物園で飼育されている鳥を撮影
E-M1Xを携え動物園に赴き飼育されている鳥たちを撮影した。いろいろな鳥の種類を撮影することで、鳥認識AFの反応の違いが出るかを確かめてみた。結果としては顔の大きな鳥、顔の小さな鳥、首の長い鳥、くちばしが細長い鳥、くちばしが太くて短い鳥など特徴が異なっていてもちゃんと鳥認識AFが働いてくれた。このことからも、おそらく鳥認識のアルゴリズムを生成する過程でさまざまな鳥の写真をデータとして取り込んだのであろうことが想像できる。
また檻の中にいる鳥でも撮影を行ってみた。通常、檻越しに撮影しようとすると、鳥ではなく手前の格子にフォーカスが合ってしまうことも少なくないが、今回の撮影においては121点オールターゲットモードの場合でも、おおよそ2回に1回の割合で鳥にフォーカスを合わせてくれた。更にAFターゲットモードを9点や1点に絞ったうえで鳥の顔の位置に配置することにより、フォーカスが鳥の顔に合う割合を上げることができる。また、121点オールターゲットモードでも、C-AF+MFモードでいったん大まかにマニュアルフォーカスにより鳥の顔にフォーカスを持って行った上で、レリーズボタンを半押しすることによりかなり高い確率で鳥の顔および目にフォーカスを合わせることができた。こういった方法が檻越しに鳥認識AFをうまく活用する際のコツのようだ。
なお、ここでは「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」のレンズを、被写体との距離に合わせて使い分けて撮影している。鳥の手前にある檻の格子を大きくぼかして目立たなくするために、極力望遠側の焦点距離で撮影を行っていることから、自ずと鳥の体や上半身が背景から浮き上がる絵柄が多くなっている。この撮影を進めるうちに被写体認識AFで鳥の瞳にフォーカスをあてて撮影していると、まるで人物のポートレート撮影を行っているかのような感覚になったのが印象的だった。AF枠の動きは人物の顔認識AFや瞳AFとほぼ同じ挙動であるからだ。鳥ポートレートという新たなジャンルが生まれるかもしれないとも思ってしまった程だ。
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (150mm) 撮影環境:ISO3200 F2.8 1/320 絞り優先モード WBオート
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (115mm) 撮影環境:ISO400 F2.8 1/250 絞り優先モード -0.7EV WBオート
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS (150mm) 撮影環境:ISO640 F7.1 1/320 シャッター優先モード -0.3EV WBオート
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (150mm) 撮影環境:ISO500 F7.1 1/250 絞り優先モード -0.3EV WBオート
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (150mm) 撮影環境:ISO200 F2.8 1/320 絞り優先モード +0.7EV WBオート
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (150mm) 撮影環境:ISO200 F2.8 1/400 絞り優先モード +0.3EV WBオート
鳥撮影の楽しさが爆発するかもしれない予感を感じたOM-D E-M1X Ver2.0
オリンパスのフラグシップ機であり、かつプロ機であるという役割を担って生まれたOM-D E-M1Xは、それまでのOM-Dシリーズのカメラを総括するような高機能なカメラだ。とくにAFシステムに関しては最上位モデルに相応しく、AIによる被写体判別のデータを活かした被写体認識という、新たな可能性を提案したカメラとしてとても印象強いものであった。それだけに発売直後から新たな被写体への対応も望まれ続けている。
Ver2.0へのファームウェアバージョンアップによって追加された「鳥」認識機能の有効性は、今回のテスト撮影で十分に証明されたと感じている。何より鳥撮影を苦手とする私でさえ、わずかな時間の練習だけで飛翔する鳥を追いかけながら撮影できるようになったくらいなのだから。
兼ねてよりファームウェアの更新により、機能の向上や新機能の追加を積極的に行ってきたオリンパスのデジタルカメラだが、今回のバージョンアップで改めてその可能性を感じている。そうとなったらもっと色々な被写体にも対応していただきたいと思ってしまうのも当然なことだろう。今後のファームウェアアップデートにおいても、認識する被写体を追加していただけることを期待したい。ぜひとも。
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS (169mm) 撮影環境:ISO200 F10 1/320 絞り優先モード WBオート
この記事に使用した機材
【オリンパス】OM-D E-M1X
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の磯村浩一さんがオリンパス OM-D E-M1XのファームウェアをVer2.0に更新して鳥認識AFの試撮りを行いレビューしています。
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KEYWORDS:
レビュー,オリンパス,OM-D E-M1X
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: iPhone 12 Pro Max レビュー|三井公一
BASENAME: 479173261.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 12/24/2020 16:00:00
TAGS: iPhone,レビュー,スマートフォン
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BODY:
はじめに
今年もアップルのiPhoneシリーズがお目見えした。新型コロナウィルスの影響で発表と発売が遅れたが、「iPhone 12」、「iPhone 12 mini」、「iPhone 12 Pro」、「iPhone 12 Pro Max」の4機種が販売されている。サイズとカラーは機種毎に異なっているので、実機をキタムラのiPhone取扱い店舗で手にして感触を確かめて欲しい。今回はカメラ機能に力を入れた最上位機種の「iPhone 12 Pro Max」をインプレッションしてみたい。
iPhone 12 シリーズの違い
まずは4機種のスチルカメラ機能に関連する部分をザッと見てみよう。
iPhone 12 mini
・ディスプレイ 5.4型
・デュアルカメラ(超広角 フルサイズ換算約14mm、広角 フルサイズ換算約26mm)
・重量 133g
iPhone 12
・ディスプレイ 6.1型
・デュアルカメラ(超広角 フルサイズ換算約14mm、広角 フルサイズ換算約26mm)
・重量 162g
iPhone 12 Pro
・ディスプレイ 6.1型
・トリプルカメラ(超広角 フルサイズ換算約14mm、広角 フルサイズ換算約26mm、望遠 フルサイズ換算約52mm)
・Apple ProRAW対応
・LiDAR スキャナ
・重量 187g
iPhone 12 Pro Max
・ディスプレイ 6.7型
・トリプルカメラ(超広角フルサイズ換算約14mm、広角 フルサイズ換算約26mm、望遠 フルサイズ換算約65mm)
・Apple ProRAW対応
・LiDAR スキャナ
・広角カメラ センサーシフト式光学手ブレ補正機能
・重量 226g
どの機種も5G対応で、A14 Bionicチップ、Super Retina XDRディスプレイ(有機EL)、防塵防滴仕様、Lightningコネクター装備となっている。スペックを見ると写真・カメラファンは「iPhone 12 Pro Max」を選びたくなってくるだろう。
3つのカメラ
超広角、広角、望遠の3つのカメラを搭載している「iPhone 12 Pro Max」。注目はセンサーシフト式光学手ブレ補正機能を搭載した広角カメラと、焦点距離が長くなった望遠カメラだ。広角カメラはセンサーも大型化されているので、高い描写性能も手に入れているのが特徴だ。また長くなった望遠カメラはブツ撮りや風景撮影などにも威力を発揮するだろう。雄大な画角を有する超広角カメラも変わらず、これ1台あればワイドからテレまで写真撮影を存分に楽しむことが可能だ。
進化したナイトモード
一昔前までAndroidに暗所性能が負けていたiPhoneだが、ナイトモードを搭載してから画質的に健闘するようになってきた。今モデルから超広角カメラでナイトモードが使えない、という弱点もなくなり、描写も肩を並べるようになってきた。これは朗報だ。実際に夜の街を撮り歩いたが暗所撮影が楽しく感じた。
改善したポートレートモード
「Computational Photography」のパワーで背景を擬似的にぼかすことが可能なポートレートモード。iPhone 7 Plus時代のベータ版から着々と進化を重ね、このiPhone 12 Proシリーズでようやく使い物になる完成度になったと言えるだろう。というのもiPhoneは被写体の境界判定がGoogle Pixelシリーズと比較して甘く、意図しない切り抜きやボケない、などの問題をずっと抱えていた。それがLiDARスキャナを採用することによって改善されたのだ。小さくて細い被写体でもまずまずの精度で撮れることが多くなった印象だ。
実写
静岡名物の美味しいハンバーグを広角カメラで。色味が前の機種よりかなり鮮やかに撮れた。シズル感もよく出ており、室内のカットでも見た目よりゴージャスに撮影できる傾向がある。センサーシフト式光学手ブレ補正機能と大型化の恩恵だろう。
超広角カメラでもナイトモードが使えるようになったのがうれしい。夜の散歩でもクッキリとシャープな写真が撮れる。ただかなり暗い場所でないとこのモードが発動しない。暗所性能が高くなったためだが自分で選択できないのがもどかしいところ。オンになったらスライダーで「iPhone 12 Pro Max」がリコメンドするシャッター速度の範囲内で選んでシャッターを切ろう。
「iPhone 12 Pro Max」は一般的なデジタルカメラよりイルミネーション撮影がラクだ。A14 Bionicが的確な露出とHDR的な処理を高速に行ってくれるからである。これぞ「Computational Photography」。白飛びも黒つぶれも気にせずに端末任せで構図に専念できるので、誰にでもカンタンに美しいライトアップの撮影ができる。
iPhoneの擬似的に背景ボケを作り出す「ポートレートモード」は境界の判定に難があり、複雑な形の被写体(髪の毛、草葉、ストローなど)は曖昧な写真になってしまっていたが、LiDARスキャナを搭載した上位機種ならそれが改善した。まずまずの精度でキレイに被写体を判別してぼかすことができるようになったのは評価できる。プレビューしながらボケをコントロールできるのは以前と同様だ。
超広角カメラはフルサイズ換算約14mmと迫力がある。被写体を大きくフレーム内に配置してシャッターを切るのがコツだ。ナイトモードでもこの画角が使えるようになったので表現の幅が拡がった。室内を広く写したり風景をより雄大に写すのに使ってみよう
望遠カメラが「iPhone 12 Pro Max」はフルサイズ換算約65mmと長焦点距離化された。これによってより遠くのものを大きく、パースを圧縮しての撮影が可能になった。レンズはやや暗くなったが、静物やフード、スナップ撮影に役立つ長さとなり使い勝手が向上した。タイルの高精細な描写に驚かされた。
「iPhone 12 Pro Max」は低照度下の撮影に強くなったが、強烈な点光源には注意が必要だ。街灯やスポットライト、クルマやバイクのヘッドライトなどを正面付近から撮ると盛大にゴーストとフレアが発生する。このカットは高速道路を走るクルマを撮ったものだが、空の部分にUFOらしきものが多数写っている。正面付近からポジションを変えて、反射の少ない構図を取ることが大切である。
「iPhone 12 Pro Max」は超広角から望遠まで幅広く被写体を撮れるスマートフォンだ。東京国際フォーラムを撮ったカットだが、ハイライト部からシャドウ部まで安定したシャープな写りをしてくれた。誰でも失敗のない写真が撮れる現代の超簡単なデジタルカメラだと言えよう。
カメラ機能で選ぶなら iPhone 12 Pro Max
「iPhone 12 Pro Max」はカメラ機能を考えるとシリーズナンバーワンの機種になっている。特に大きなセンサーの広角カメラは手ブレにも強く描写もいいし、望遠カメラは一段と長くなり、撮影領域がグンと広がったと言える。また「Apple ProRAW」モードで撮ることによって、アプリによる現像処理も楽しめるようになった。ただ「iPhone 12 Pro Max」は大きくて重い。「iPhone 12 mini」の約2倍近い重量なのだ。なので実際にiPhone取扱い店舗で手にしてみることをオススメする。もし気にならないのであればチョイスする価値があるスマートフォンだ。
カメラのキタムラよりご案内!最新iPhoneシリーズ取扱い中!
カメラのキタムラは全国のスマホ取扱店でソフトバンクのご契約ができます。
今回ご紹介したiPhoneをはじめ、豊富なラインナップを取り揃えておりますので、ぜひこの機会に店舗へお立ち寄りください。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによるiPhone 12 Pro Maxのレビューです。iPhone 12シリーズの4機種の違いや、12 Pro Maxの特長を作例も交えて紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
アップル,iPhone,レビュー,スマートフォン
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 35mm F2 DG DN Contemporary レビュー|街なかに溶け込めるスナップレンズ
BASENAME: 479188303.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 12/25/2020 16:00:00
TAGS: 35mm F2 DG DN | Contemporary,レビュー,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
2020年12月18日に発売された、シグマのミラーレスカメラ用レンズ「35mm F2 DG DN | Contemporary」は、フルサイズ対応の新レンズシリーズ「Iシリーズ」として発表されたレンズの一本で、この「Iシリーズ」は、本レンズと同日発売の「
65mm F2 DG DN | Contemporary 」、2021年1月22日発売予定の「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」、すでに発売済みでSIGMS fpのキットレンズとしてもお馴染みの「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の4本がラインアップされています。
今回は、SIGMA fpと「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」を愛用する筆者が、スナップに最適な「35mm F2 DG DN | Contemporary」を持って、街を撮り歩いてみました。
街なかに溶け込めるコンパクトサイズ
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/640秒 ISO100 AWB カラーモード FOVクラシックブルー
スナップ撮影で重視したいのは、機材がコンパクトなこと。本レンズはSIGMA fpに装着すると、手のひらにすっぽり収まるサイズになります。スナップ撮影はとにかくたくさん歩きます。そんな撮影時に持ち歩きが苦にならないとともに、街なかに溶け込めるサイズなのは、筆者としてはまず嬉しいポイントのひとつです。
この「Iシリーズ」のレンズでスペックを語ることは、野暮なことのようにも思いますが、レビューなので少しだけ触れさせてください。開放F値はF2、絞り羽根枚数は9枚の円形絞り、レンズ構成枚数は9群10枚(SLD1枚、非球面レンズ3枚)、最短撮影距離は27cm、今回試用したLマウントの大きさと重さは70mm×65.4mm、325gです。
気になる描写性能ですが、ピントが合っている面のクリアーさは素晴らしく、ショーウインドウのガラスすら感じさせないほどです。かと言って角が硬い描き方ではないのは、とても筆者好みの描写でした。不自然なゆがみや、色収差もよく抑えられていて、斜めからの日差しの強い冬の日中のスナップも快適に行えました。
持つ喜びを感じさせてくれるデザイン
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/400秒 ISO100 AWB カラーモード モノクローム
撮る喜びだけではなく、所有する喜びに価値基準を置いた本レンズは、実際に触ってもらいたいと思いました。手にするとひんやりと冷たく、金属素材を主に使用したしっとりとした黒色のレンズボディは、贅沢さを感じさせてくれます。
また、フォーカスリングと絞りリング、レンズフードには、ローレットという細かい溝がついているのですが、滑り止めという利便性以上にデザインとして、いいアクセントになっています。
レンズに色々なロゴやマーク、加工などがされているものは好きではないのですが、あまりにも素っ気ないのも、いかにも「撮るだけ!」という機械感が出てしまって味気ない……本レンズは、その辺りの足し算と引き算を上手に使ったデザインに仕上がっています。
重めのトルクと使いやすい切り替えスイッチ
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/320秒 ISO100 AWB カラーモード サンセットレッド
絞りリングのトルクは重めのクリック感があるので、レンズを見ずに絞りを変えても、指の感触で狙った絞り値にしやすかったです。フォーカスリングは程よい粘り感があります。動きはスムーズなので、これくらい粘りがあったほうが、細かいフォーカスの調整がしやすいと感じました。
本レンズと「65mm F2 DG DN | Contemporay」のフォーカスモード切り替えスイッチは、新規専用開発のロングストロークスイッチが採用されています。今まではレンズに垂直に付いていて、カメラを構えたときに前後に動かして切り替えていたスイッチが、本レンズではレンズに平行に付いていて、カメラを構えた状態ではスイッチを上下に動かして切り替える形状になっています。
その形状の変化によって、切替時のしっかりとしたクリック感をより味わえるようになっているとのことですが、操作上も、ストロークが長い分しっかりと指が動くので、切り替えの誤操作が格段に少なくなりました。
便利なマグネット式メタルキャップ
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/640秒 ISO100 AWB カラーモード シネマ
本レンズは、オールドレンズを持ち歩くのに似た感覚を覚えました。小さいけれどずっしりと重く、金属的で重厚感があり、直線的なデザインと重めのトルク。そんな本レンズにはひとつ、革新的な外観要素があります。それが、マグネット式メタルキャップです。
本レンズには、通常のプラスチック製キャップに加えて、専用のマグネット式メタルキャップが付いてきます。その名の通り、磁力でレンズの前面を保護してくれるレンズキャップです。これに、別売りのカラビナ付きのマグネット式メタルキャップホルダーを使用すれば、山道を走ってもレンズキャップの紛失を防ぐことができます。
レンズキャップって、毎回迷子になっちゃうんですよね。コートのポケットだったり、ジーンズのポケットだったり、カメラバッグの中だったり、外す度に毎回違う所にとりあえず入れてしまうので、どこに入れたかわからなくなっちゃって。これは、本気で便利です!
価格も含めてバランスの良いレンズ
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/500秒 ISO100 AWB カラーモード ティールアンドオレンジ
絞り開放時の奥行き感と、ピント面からボケへの自然なグラデーションが美しく、今回は筆者にしては珍しく、アンダー目のカットを多く撮影していました。
カメラを愛する人の機材欲や、写真欲は人それぞれですが、できることなら高画素のカメラボディと、できるだけ明るい大口径のレンズが欲しいという方も多いことでしょう。F2でこれだけ綺麗にボケるなら、F1.8だったら、F1.2だったらと夢や欲が膨らむかもしれませんが、F値が小さくなることで大きさやデザイン、価格が変わってしまうようなら、筆者はこのままがいいと思いました。それくらい、すべてのバランスがいいレンズだと思います。
絞り開放でも掴みやすいピントの山でMFも快適!
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/400秒 ISO100 AWB カラーモード ティールアンドオレンジ
スナップのときは絞り値をF5.6くらいにして撮ることが多いのですが、本レンズは絞り開放の描写が楽しくて、F2でばかり撮影していました。被写界深度が浅くてもピントの山は掴みやすく、SIGMA fpの背面液晶を見ながらの、マニュアルフォーカスでのピント合わせもしやすかったです。
作例は、葉の隙間から見えるほおずきに、マニュアルフォーカスでピントを合わせています。SIGMA fpではマニュアルフォーカスを使用することも多いので、前述のフォーカスモード切り替えスイッチの感触はたっぷり味わえました。
ポートレートや動画撮影にも使ってみたいレンズ
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/100秒 ISO100 AWB カラーモード ティールアンドオレンジ
最短撮影距離が27cmなのですが、実際に撮影してみると、思っているよりも寄れると感じました。円形絞り採用なので、光の丸ボケも綺麗に出ます。今回はスナップでしたが、今度は屋外でのポートレートを撮ってみたいと思いました。このコンパクトさなら、ジンバルに乗せてもそれほど重量を感じないので、動画撮影も楽しそうです。
王道スナップレンズ
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/320秒 ISO100 AWB カラーモード 風景
現在4本のレンズがラインアップされている「Iシリーズ」、どれを手に入れようか迷われている方も多いと思います。35mm画角の本レンズは、街なかスナップを撮る方には標準画角の王道スナップレンズとして、自信を持ってお勧めしたいと思います。
この記事で紹介した機材
【シグマ】35mm F2 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】35mm F2 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがシグマ 35mm F2 DG DN | Contemporaryのレビューを行っています。スナップでの写りの検証や所有する喜びに価値基準を置いた本レンズの本体質感や操作性についても触れていますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,35mm F2 DG DN | Contemporary,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 65mm F2 DG DN Contemporary レビュー | 「Art」「Cine」レンズで磨かれた描写を独特の距離感で楽しめる
BASENAME: 479239309.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 12/28/2020 16:00:00
TAGS: 65mm F2 DG DN | Contemporary,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
斬新な製品を続々とリリースしているシグマから、またもや新たなレンズ群が登場した。「SIGMA GLOBAL VISION」3ラインのうちの1つ「Contemporary」内に設けられた「I シリーズ」がそれだ。このシリーズは高級感あふれる金属外装を身にまとい、Artラインの写りを標榜する、注目のミラーレス一眼カメラ専用設計レンズになっていた。
I シリーズの位置づけ
「SIGMA fp」と同時に発表された「SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary」。高い工作精度の金属製鏡筒と心地よい操作感の絞りリング、そして美しいメタル製レンズフードが話題になったのをご記憶の方も多いだろう。世界最小最軽量のフルサイズフォーマットミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」のキットレンズとして爆発的に売れたレンズだ。「I シリーズ」はそのデザインフォーマットを展開したイメージ、と思ってもらっていいだろう。シグマはこのシリーズについて公式サイトで下のように語っている。
“綺麗な画が撮れる”、それ以上の価値を追求し、道具選びを通して自分らしいスタイルを大切にする。そんな人々に「私はこれ」と選ばれる存在でありたい。その想いからシリーズには“I”の字を冠しています。そして、その期待に応えられるのも私=SIGMAだけ。その自信と覚悟も込めた新しい“I”の誕生です。
https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/special/i-series/
このように、「I シリーズ」は高い画質だけでなく、操作感や質感までも愉しめる新しいシリーズとなっているのだ。実際に手にするとその「想い」が伝わってくる。「モノ」としての存在感が他の製品とは全然違っているのが体感できるはずだ。
3つの新しい焦点距離
その「I シリーズ」だが、既に昨年から販売されている「
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary 」に下記の3本が加わる形となる。
・「
SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary 」
・「
SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary 」
・「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」
「SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary」のみ発売が2021年になるが、他のレンズはすでに販売が開始されている。45mmに3つの焦点距離が加わった形になるが、「高画質と常用性」に重きを置いた「SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary」、「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」。コンパクトネスを追求した「SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary」、「SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary」と性格がわけられている。4本とも仕上げが美しく、使っていて気持ちが高ぶる造りだ。選び抜かれた焦点距離も日常的に撮りやすいレンジになっているので常用できるレンズシリーズになっている印象だ。
魅惑のメタル外装
ルックスはとても精悍(せいかん)だ。メタル素材なので精密さを感じさせる輝きが美しい。このフィニッシュは「SIGMA fp」にマッチする仕上げだと感じる。もちろんライカLマウントを採用する「パナソニック LUMIX S5」などにも似合う。ソニーEマウント版もあるので「α」シリーズでもこの佇まいを楽しむことが可能だ。映画撮影用レンズ SIGMA CINE LENSシリーズで培った、見事な加工技術を自分の愛用するカメラで味わえるのが感慨深い。面白いのは「マグネット式メタルキャップ」というレンズキャップが新登場の3本に採用されたことだ。文字どおり磁力でレンズキャップをレンズに合体できるのだ。フードやフィルター装着時には使えないが、シグマらしいユニークな製品への取り組みとなっている。
「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」
新たな焦点距離の「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」。高精度グラスモールド非球面レンズを複数枚採用し、レンズ構成は9群12枚となっている。フィルター径は62mm、最短撮影距離は55cm、重量405gと使いやすいスペックに仕上がっている。実際に「SIGMA fp」や「パナソニック LUMIX S5」に装着した感じもいい。85mmより取り回しが良く、F2とほどよい明るさなので軽快に感じた。
シグマ公式サイトによると、
65mm F2 DG DN | Contemporaryは、開放F値2.0という明るさにおける最高レベルの光学性能と、ミラーレスシステムとのバランスの良いボディサイズを両立させています。中望遠で目立ちやすく、かつカメラ側での補正が効かない軸上色収差はSLDガラスを採用することにより徹底的に補正し、キレのある描写を実現。更に2枚のグラスモールド非球面レンズは、球面収差やコマ収差、非点収差の補正、そしてレンズ構成全体の小型化に寄与しています。最新の光学設計技術とそれを実現させる高度なレンズ加工技術が、高い光学性能とコンパクトさの両立を可能にしています。球面収差をコントロールすることで得られた美しいボケ味に加え、口径食の発生も抑制しているため、気になるレモン型や渦巻状のボケが抑えられ、思い通りのボケ描写が得られます。さらに、SIGMA基準の徹底したゴースト・フレア対策により、高い逆光耐性も有します。
サイズと明るさ、そして描写と操作感が実にバランスよくまとまった中望遠レンズだという印象を持った。それでは実写をご覧いただきたい。
実写
静岡の宇津ノ谷峠「明治のトンネル」をF2の絞り開放で撮影。カメラは「SIGMA fp」だ。レンズもボディも手ブレ補正機能を持たないが、絶妙なフィット感と重心バランスで安心してシャッターを切れた。明るいプライムレンズならではだ。ランプに浮かぶいにしえのレンガが美しい。
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/60秒 ISO1600 65mm
「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」はとてもヌケがいい。多摩川に架かる橋脚を撮影したが、ハイライト部の気持ちのいいヌケが気に入った。粘りのある高輝度部と深いトーン描写の暗部がお見事。
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/8 1/500秒 ISO100 65mm
フレーム内に太陽を配置して河川敷で遊ぶ家族連れを撮った。ハレーションもイヤなゴーストもなく、イメージどおりのカットを捉えてくれた。逆光時でもオートフォーカスが正確かつ高速に動作し撮影に不安はない。
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2.8 1/6000秒 ISO100 65mm
カメラを「パナソニック LUMIX S5」にスイッチして、歴史ある土壁の倉庫を狙った。F8に絞り込んでディテールを全面に表現するとともに、ピント面を深くした。このレンズは克明に壁の凹凸を浮かび上がらせた。色の再現性も良好で見た目に近い仕上がりとなった。
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/8 1/320秒 ISO100 65mm
F2の絞り開放で石の祭壇に置かれた杯にフォーカスした。背景のボケ具合が何とも美しい。落ち葉が陽光を反射した玉ボケが端正だ。また祭壇の前ボケもスムーズで好感が持てる。両ボケとも整っており、ポートレート撮影でも活躍するに違いない。それでいてピント面は実にシャープ。オススメの中望遠レンズだと言える。
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/200秒 ISO100 65mm
懐かしい自動販売機を発見した。瓶に入った清涼飲料水のものだ。昔街角で見かけたものと形状が異なるので復刻版だと思われる。その中に入った瓶のラベルにピンポイントでフォーカスしてシャッターを切った。F2絞り開放の薄いピントの切れがイイ。またアクリル製ケースに写った景色と玉ボケの写り具合が何とも言えないではないか。
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/800秒 ISO100 65mm
「パナソニック LUMIX S5」で走り去る列車をコンティニュアスオートフォーカスで狙った。「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」は全コマしっかりと合焦してシャープな車体をメモリーカードにキャプチャーしてくれた。この追従性があれば動き回るモデルや子ども、そしてペットなどの撮影でも大いに活躍してくれるに違いない。
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/4 1/1000秒 ISO100 65mm
まとめ
シグマ「I シリーズ」は同社らしいチャレンジングな製品ラインだ。緻密な加工を施された金属外装をまとい、「Art」「Cine」レンズで磨かれた描写を味わえるというユニークな製品群だと言えよう。特に「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」はちょっと長い標準レンズ&ちょっと短い中望遠レンズとして、独特の距離感を楽しめるのが面白い。明るさもF2と十分で、日常的に使用できるサイズ感なのがうれしい。この美しいレンズを自分のカメラに装着しただけでにやけてしまう。そんな存在感のある希有な新しい眼が「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」なのだ。
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【シグマ】65mm F2 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】65mm F2 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがSIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporaryのレビューをしています。Artラインの写りを標榜するIシリーズの実力を作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,レビュー,65mm F2 DG DN | Contemporary,iシリーズ,SIGMA
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: センターグラデーションフィルターを使って日の出や夕焼けを撮る
BASENAME: 479255413.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 12/29/2020 16:00:00
TAGS: 日の出・夕焼け,マルミ(Marumi) アクセサリー,風景,レンズフィルター,レンズアクセサリー
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はじめに
マルミマグネット式角型フィルターGNDシリーズに新たに(2020年12月10日発売)加わったセンターグラデーションフィルターCenter GND4 / Center GND8 / Center GND16を早速使用してみました。筆者は以前からこのマグネット式角型フィルターを使用しているので、他のフィルターとの組み合わせ撮影も合わせて実施してみました。
マルミM100センターGNDフィルターの特徴
マルミのM100シリーズの角型フィルターは一般的な丸形のねじ込み式とは違い、マグネット式になっているのが大きな特徴です。
マルミマグネット式角型フィルターGNDシリーズ センターGND4装着した状態。マグネット式角型フィルターを使用するには、専用のM100マグネットフィルターホルダーが必要になります。
マグネット式のため、フィルターの着脱が容易で素早く交換することが可能になっています。またフィルターを重ねて使用する事も簡単にできるため、ソフトGNDとセンターGNDと高濃度NDフィルターなどを組み合わせて、明暗差のコントロール、シャッタースピードのコントロールなどを実施する事ができ、クリエイティブな作品を想像することが可能です。
寒い時期には皆さん手袋をはめて撮影をすると思いますが、このマグネット式フィルターは手袋を着けたままでもフィルターの脱着がしやすいのもとても便利な点です。
フィルター装着には、最初にレンズにアダプターリング、フィルターホルダーを装着する手順が発生しますが、それほど難しくはありません。実際にフィルターを装着するまでを動画で撮ってみました。
VIDEO
今回新しく発売されたのは、Center GND4 / Center GND8 / Center GND16の3種。センターグラデーションNDタイプの濃度違いの3枚です。このセンターグラデーションフィルターは、減光するNDコートが中央部の狭い範囲に直線的に施されたフィルターになります。日の出や夕日の撮影のほか、部分的に明度の高い箇所の部分補正にも使えるフィルターになります。日の出のシーンなどでは、太陽の明るさにより中央部の明度が極めて高くなり、太陽と周囲の風景を両立させることが難しいシーンが多く発生します。そんな時に頼りになるのが、このセンターグラデーションフィルターになります。
センターグラデーションフィルター無し ■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF16 ISO100 焦点距離 67mm
センターグラデーションフィルター有り ■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/13秒 絞りF16 ISO100 焦点距離 66mm ※100 × 150 Center GND8フィルター使用
マグネットM100シリーズには何があるの?
このマルミマグネットM100シリーズには、今回のセンターグラデーションNDフィルターのほかに風景写真を撮るのに最適なアイテムが揃っています。
■ソフトグラデーションNDフィルターSOFT GND ・・・GND4/GND8/GND16の3種
減光されるND部分と透明部分の境目がなだらかなフィルターです。クリアな水平線などがなく、山や木々などの凹凸が連なる構図に適しています。
■ハードグラデーションNDフィルターHARD GND ・・・GND4/GND8/GND16の3種
減光されるND部分と透明部分の境目のグラデーションが狭いフィルターで、地平線や水平線など空と地面が直線ではっきりと分かれた構図に適しています。
■リバースグラデーションNDフィルターREVERSE GND ・・・GND4/GND8/GND16の3種
中央が最も濃く、減光されるND部分が上部に向けて少しずつ薄くなっていくフィルターで、朝日や夕日など輝度が強い光源がある撮影に適しています。
■100×100NDフィルター・・・ND4~ND32000までの9種類
日中のスローシャッター撮影を可能にする高濃度NDを含む9タイプをラインナップ。ニュートラル性が極めて高く、色彩に影響を与えることなく光量だけを減少させる高精度なNDフィルターです。
■M100ホルダーリング専用Circular PL for M100
不要な反射光を抑え、色彩コントラストを強調する風景写真撮影に欠かせないM100専用PLフィルターです。
■M100ホルダーリング専用StarScape for M100
星景・夜景撮影に適した最新の光害カットのM100専用フィルター。
実際にGNDフィルターを装着した際に、どの様に変化するか動画を撮ってみたので見てみてください。
VIDEO
GNDフィルターを使用した作例
こちらは沈む太陽を撮影したもので、センターGNDフィルター使用の有無を比較してみました。まずはフィルター無しでそのまま撮影しています。
センターGNDフィルター無し ■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF13 ISO100 焦点距離 74mm
次に太陽の部分にセンターNDを合わせて撮影してみました。太陽部分の白トビを少し抑える事ができました。
センターGNDフィルター有り ■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF13 ISO100 焦点距離 74mm ※100 × 150 Center GND8フィルター使用
こちらの写真は、上の写真よりも少し早い時間で夕焼けになる前に撮ったものです。こちらはセンターGNDフィルターを建物の上部のあたりに合わせてあえて空のグラデーションを創っています。そしてさらに印象的に仕上げる為に、高濃度のNDフィルターND500を合わせて装着して撮影しました。
センターGNDフィルター有り ■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS ■撮影環境:シャッター速度8秒 絞りF22 ISO100 焦点距離 71mm ※100 × 150 Center GND8 + 100×100 ND500 フィルター使用
こちらは、富士山をバックにゲートブリッジを撮影したものになります。最初はフィルター無しの写真です。
センターグラデーションフィルター無し ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度2秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 229mm
次は富士山のラインにセンターグラデーションフィルターを合わせた写真になります。富士山と夕焼けの境目の露出を落とす事によって、夕焼けのオレンジ色を少し強調しています。
センターグラデーションフィルター有り ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度4秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 229mm ※100 × 150 Center GND4 フィルター使用
次の写真は上の写真を撮って少し水面が暗い感じを受けたので、ソフトグラデーションフィルターをゲートブリッジの上のあたりから合わせるようにして明暗差を調整して撮ってみました。
センターグラデーションフィルター無し、ソフトグラデーションフィルター有り ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度4秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 229mm ※100 × 150 Soft GND4 フィルター使用
だいぶんと自分のイメージに近づいてきたので、ここでソフトグラデーションフィルターとセンターグラデーションフィルターを重ね合わせて撮影をしたものが下の写真になります。
センターグラデーションフィルター有り、ソフトグラデーションフィルター有り ■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度6秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 229mm ※100×150 Soft GND4 + 100×150 Center GND4 フィルター使用
ND4タイプのフィルターを使用しているので違いが少し分かりにくいかもしれませんが、グラデーションフィルターは、重ねて使用する事によって微妙な位置の明暗差のコントロールができるとても魅力的なアイテムです。
風景写真をメインで撮る方は、是非揃えたいアイテムです。とは言えいろいろ揃えるとなかなかの高額になってしまいます。最初は、サーキュラーPLフィルター for M100とマグネットフォルダーM100、そしてGNDフィルターはSoft GND4、Soft GND8に今回新発売になったCenter GND4、NDフィルターは64と500か1000を揃えるのがおすすめの組み合わせです。海などで撮ることが多い人はHard GND4などもあるといいですね。
まとめ
角型グラデーションフィルターの種類も豊富になり、シチュエーションにあった選択が可能になり、風景写真の明暗差をクリエイティブに調整する事できるようになりました。風景写真をレベルアップしたい方、作品作りをする人には是非使って欲しいアイテムです。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
2021年1月14日(木)までマルミ光機で「絶対!もらえるキャンペーン」 角型フィルター製品3点(新製品センターGNDも対象!)ご購入の方にもれなくプレゼント!が実施されています。角型フィルター製品を3点購入すると、マグネットホルダーや角型フィルター6枚をスマートに保護できる収納ポーチ「キャリングポーチ for M100」がもらえるお得なキャンペーンです。詳細は
こちらのマルミ光機のキャンペーンページ をご覧ください。
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがセンターグラデーションフィルターを使った日の出や夕焼けの撮影方法を説明してます。マルミM100センターGNDフィルターの特徴と合わせて設置方法や効果の違いを動画を使って説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,レビュー,マルミ,フィルター,マルミM100センターGNDフィルター,100×150 Center GND4,100×150 Center GND8,100×150 Center GND16,日の出,夕焼け,初日の出
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 梅の花の撮り方|北村佑介
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 01/05/2021 16:00:00
TAGS: 花
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はじめに
新年、明けましておめでとうございます!北村です。本年もどうぞ宜しくお願い致します。より一層皆さんのお役に立てる記事を書いていけたらと思っています。今回は、梅の花の撮り方を紹介させていただきます。寒い時期に咲く花ではありますが、梅の花を眺めると春がそう遠くはないんだなと感じます。
全国的な枝垂れ梅名所で撮影
■撮影機材:ソニー α7III + シグマ 20mm F1.4 DG HSM | Art ■撮影環境:絞り優先 20mm F16 ISO100 1/1600秒
普段は135mmの中望遠単焦点レンズで撮影することが多いのですが、この梅園は大きな大
きな枝垂れ梅が園内狭しと咲き乱れていたので、思わず20mmの広角レンズを使用しまし
た。正直20mmでも全然おさめきれず、もっと広いレンズを使いたいなと思ったくらいです。次に行く時は、もっと広いレンズを用意しイメージ通りの一枚を撮影できたらと思います。
ボケは使わず、手前の地面から奥の空までピントが合っているように見せたかったので、このレンズの最小絞り値、F16まで絞りました。このくらいのF値を使用すると小絞りボケによる解像感の低下を懸念される方もいると思いますが、筆者は小絞りボケを気にすることはほとんどありません。許容できるラインは人それぞれですが、花の写真ならばF16くらいまではそこまで気にしなくても良いと思っています。また、光芒の写り方も絞り込んだ理由の一つです。
咲き始めの一輪
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先 135mm F2.0 ISO100 1/750秒
まだ咲き始めの可愛らしい一輪を撮りました。温かい色味がやがて来る春を連想させてくれます。この色味はホワイトバランスをカスタムで7500Kに上げて作りました。筆者はこの辺りのホワイトバランスを使うことはあまりありません。花の色が必要以上に暖色系に寄ってしまったり、背景の色が花とミスマッチになってしまうことが多いためです。ただこの写真は元々の花の色がとても薄かったこと、曇天で蕾(つぼみ)や枝の色が強くなかったことが理由で、高めのホワイトバランスで温かいイメージに寄せることができました。
このように色の薄い花を撮る場合は、露光量に気を付けましょう。花の写真はハイキーで撮影することも多いと思いますが、シチュエーションを考えず色の薄い花をただただ露光量を上げて撮影すると、簡単に花の色がなくなってしまいます。露光量をどうするかは花の色、シチュエーションをよく見極めてからにしましょう。
紅梅
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 ■撮影環境:絞り優先 90mm F4.0 ISO100 1/125秒
紅梅を撮影しました。花だけでなく開き始めたつぼみもとても可愛らしかったので、それらをセットで切り取りました。この写真はつぼみも主役の一つなので、花までの距離とつぼみまでの距離がなるべく等しくなるようにカメラを構え、少し絞って花とつぼみのどちらにもピントが合うようにしました。
紅梅は色が濃く、露光量を上げても色が残りやすいです。ですので、他の梅よりもハイキーで撮りやすいです。また、背景に薄い色を選ぶことができれば比較的簡単にメリハリも付けられます。冬は薄い色の背景も見つけやすいと思います。ハイキーの梅の写真をなかなか撮ることができない方は、まずは紅梅で練習してみるのはいかがでしょうか。
綺麗な色をした梅
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先 135mm F2.0 ISO100 1/250秒
散歩中に綺麗な色をした梅を見つけました。このピンクは筆者が最も好きな色の一つです。ピンクが好きと胸を張って言えるような柄ではないので小声で言います。これも咲き始めを撮りました。
梅は咲き始めを撮るのがおすすめです。他にも咲き始めがおすすめな花はたくさんありますが、梅は特におすすめです。数輪密集して咲く花なので、満開前後に撮ると主役の花が伝わりづらくなります。また、咲き始めでシベが短いうちにとると可愛さが伝わり易いというのも大きな理由です。撮りたいイメージにもよりますが、是非咲き始めを撮ってみてください。
お寺の白梅
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先 135mm F2.0 ISO100 1/1000秒
お寺で白梅が綺麗に咲いていました。白と青の組み合わせがとてもお気に入りです。背景の青はお寺の一部です。遠く離れたグレーに近い色のものは、ホワイトバランス次第で綺麗な青となってくれることがあります。
人工物が背景に入ってしまうロケーションでは、その人工物は色として使えるかもしれないと考えると撮影の幅が広がります。そして人工物を色として使うには、よくボケてくれる望遠レンズがとてもおすすめです。望遠レンズで圧縮し、その色を引き寄せることができます。単焦点だとより効果的です。
梅は横や後ろから撮ると形の良さや可愛らしさが伝わりづらいので、なるべく正面を捉えるようにしましょう。形を捉える方ことを優先した方が良いタイプの花だと考えています。
満開の枝垂れ梅の一部分を切り取る
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先 135mm F2.0 ISO100 1/1500秒
満開付近の枝垂れ梅は密集度が高く、望遠レンズの圧縮効果を使えば比較的簡単に花の色で埋め尽くすことができます。満開付近の梅は一本の枝に複数輪花が咲いているので、最短撮影距離付近まで寄って撮り、どの花が主役なのかをわかりやすくしました。元々が小さめの花なので、寄って撮っても花の可愛さが充分に伝わります。
■撮影機材:ソニー α7II + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 B01E ■撮影環境:絞り優先 180mm F3.5 ISO100 1/800秒
満開の枝垂れ梅が咲き誇っている庭園へ行ったときの一枚です。帰り際、綺麗な夕陽が差し込みました。その夕陽にそっと照らされた枝垂れ梅に心惹かれ、シャッターを切りました。この写真は梅が照らされているところがポイントなので、そこが伝わりやすくなるように背
景は暗い部分を選びました。
ここまで紹介した写真は枝の先端付近に咲いている花を撮ったものが多いですが、そうした
撮り方が多いのは、写る枝の面積を少なくするためです。梅は撮るのが難しい花です。枝や主役以外の花の主張が強くなりやすいというのが理由の一つです。先端付近の花を撮ると自然と枝や主役以外の花が写り込みづらくなるので、是非参考にして
みてください。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM ■撮影環境:絞り優先・50mm・F8.0・ISO250・1/125秒
広大な梅林で様々な種類の梅が一斉に咲いている様は圧巻でした。その中でも特に見せたい部分を、50mmという画角で切り取りました。曇天でメリハリがなかったので、レタッチで上部を暗く下部を明るくし、梅と背景で明るさのメリハリをつけました。メリハリをつけることによって、この写真のどこを見せたいのかを伝えられる一枚になったと思います。
今回も読んでくださりありがとうございました!また次の記事も楽しみにしていただけたらと思います。
■写真家:
北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
この記事に使用した機材
【シグマ】20mm F1.4 DG HSM Art キヤノン用
商品詳細ページ 【タムロン】SP AF 180mm F/3.5Di LD[IF]MACRO キヤノン用
商品詳細ページ
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写真家の北村佑介さんが梅の花の撮り方を紹介しています。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
花,撮影テクニック,梅,花の撮り方,冬
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 鶴巻さんテストページ
BASENAME: 479396077.html
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CATEGORY: 鶴巻育子
DATE: 01/06/2021 20:19:34
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テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー αシリーズを自分好みに仕上げる|プロが教えるカスタムメニュー設定
BASENAME: 479406490.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 01/07/2021 16:00:00
TAGS: α,撮影テクニック,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ,APS-C
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はじめに
最近のカメラは非常にたくさんのメニューがあり、使いたい機能がなかなか呼び出せない事があったりしませんか?特に撮影するシーンが大きく変わったりすると、撮影時に設定に手こずったりして大切なシャッターチャンスを逃す事になってしまいます。そこで自分にあったカメラの設定を分かりやすく登録して、使いやすくカスタムしてみませんか。今回はソニー αシリーズのメニューカスタムのコツをご紹介します。
よく使う機能をボタンに登録しよう(カスタムキー設定)
αには、C1・C2・C3・C4のカスタムボタンがあり、それぞれに最初からボタンに機能が割り当てられています。もちろんそのまま割り当てられた機能を使っても良いのですが、使っていない機能であれば、自分がよく使う機能を入れ換えて割り当てる事も可能です。
※機種によってカスタムボタンの数が違います。
例えばα7R IIIでは、C1キーのデフォルトに「ホワイトバランス」の切換呼び出しが設定されています。オートホワイトバランス設定を多用している人にとっては、もったいないポジション設定です。「ホワイトバランス」切換呼び出しを使う頻度が少ない場合は、普段の撮影で良く使う機能を割り当ててみましょう。
例えば筆者の場合、高画素機のα7R IIIやα7R IVのC1ボタンには、「APS-C S35 / フルサイズ切換」を設定しています。特に望遠レンズ系を使用している時で焦点距離が少し足りない場合などに、フルサイズからAPS-Cサイズへとボタン一つで瞬時に焦点距離を1.5倍にすることができスムーズに撮影することができます。
α7R IV+FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSで撮影する場合、フルサイズ6100万画素で最大焦点距離が600mmですが、APS-Cモードに切り替える事によって、2600万画素で最大焦点距離が900mmで撮影できるカメラに一瞬で変わります。
その他の設定例として「人物」や「ペット」を「瞳AF」を使用してよく撮影する人は、ここに「検出対象」を設定しておくと、「人物」と「動物」の瞳AFの検出対応を素早く切り替える事ができます。特にシャッターボタン近くにあるC1・C2ボタンには使用頻度の高い機能を割り当てるのがベストです。
また、このボタン1つに3つの機能を割り当てる事ができるのをご存知でしょうか?3つの機能と言うのは、静止画撮影モード時・動画撮影モード時・画像再生モード時のそれぞれに1つの機能を割り当てることができるんです。
撮影設定2ー操作カスタム1のページに該当する項目(静止画・動画・再生)があります。
撮影設定2ー操作カスタム1のページに静止画カスタムキー・動画カスタムキー・再生カスタムキーの項目が表示されている。画像では静止画カスタムキーを選択。
動画カスタムキーや再生カスタムキーは、特に設定変更していない場合は静止画のカスタムキーに従う設定になっています。これを動画撮影時だけ使用するカスタムキーに変更する事ができます。
瞬時に撮影設定を大きく変更するとっておきの方法
撮影している時に、大幅に設定を変えたくなるシーンがある場合に皆さんはどうしていますか?例えばスポーツやモータースポーツなどの撮影の際、被写体を止めて撮影するシーンからスローシャッターで流し撮りをする際には、シャッター優先モードで、シャッター速度を大きく落としていけば撮影が可能になるわけですが、実際にはシャッター速度の変更だけでなくISO感度の設定や絞りの値もコントロールする場合も多いですよね。
そこで使用するとっておきの機能が、「メニュー」から「カスタムキー」を選んで出てくる「押し間カスタム設定呼出」です。この機能は、自分で設定したカスタム設定を割り当てたボタンを押している時だけ呼び出して使う機能です。この「押しているだけ」がキーポイントです。
例えば、筆者の場合はこんな設定をレンズについている「フォーカスホールドボタン」に割り当ています。これでファインダーを覗きながら右手はシャッターボタンに集中し、左手でレンズを支えながら「フォーカスホールドボタン」を押したり、離したりして高速シャッター撮影とスローシャッター撮影を切替えて撮影しています。
実際に撮影したのがこの写真になります。1枚目の写真は高速シャッター(1/5000秒)で撮影し、2枚目の写真では、すぐ後ろから来た次のライダーをスローシャッター(1/60秒)で流し撮りしています。
■撮影機材:SONY α9 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離185mm
■撮影機材:SONY α9 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF13 ISO64 焦点距離185mm
この設定を使うことで、ボタンを押している時だけスローシャッターになるので、通常設定でスローシャッターにしたままでブレブレの写真を量産する事も無くなりとても助かっています。筆者がスポーツ撮影をするときに愛用している機能です。
Fn(ファンクション)メニューの入れ替えしよう
普段の撮影で一番よく設定変更に使用するのが、このFn(ファンクション)メニューではないでしょうか?ここには普段の撮影によく使われるだろう設定変更項目が12個登録されています。
撮影スタイルにもよりますが、まったく使用しない項目もあったりします。例えば上段の左から4つ目の露出補正はカメラ上部にある露出補正ダイヤルがあり、そちらを使用している人にはここのスペースは無駄なスペースです。またフラッシュを使用しない人は、下段の一番左のフラッシュの切換、その横の調光補正はまったく使用する事は無いでしょう。そういった使わないスペースがあれば、自分が使う機能の入れ替えをします。
設定を変更する際は、メニューボタンから撮影設定2ー操作カスタム1ーファンクションメニュー設定を選択します。
変更したい項目を選んで、他の項目に入れ替える事ができます。
下の場合、
・「露出補正」に項目を「サイレント撮影」の切替に変更
・「フラッシュモード」の項目を「DRO/オートHDR」の切替に変更
・「調光補正」の項目を「フリッカーレス撮影」の切替に変更
・「優先記録メディア」の項目を「ピーキング表示」の切替に変更
といったように、自分が使わない項目をよく使う項目に入れ替える事によって、撮影時の設定変更をスムーズに行うことが可能になります。
マイメニューを登録しよう
メニューボタンから選択するメニュー項目は非常にたくさんありますが、少し整理する方法があります。よく使うメインの設定項目は、ここまでに簡単に呼び出せるC1・C2ボタン、およびFnキーの項目にまとめましたが、それ以外で撮影時の切換などには使わないがそこそこ使う項目をまとめたい場合などに便利な機能がマイメニューになります。
マイメニューは、メニュー項目の最後の項目の★マークの部分になります。この★マークのマイメニューに自分だけのメニュー項目をまとめることができます。デフォルトでは何も設定されていませんが、「項目の追加」から自分の必要なメニュー項目を選択して自分だけのメニューページを作成していきます。もちろん、いつでも追加・削除・入れ替えが可能です。
それほど使用頻度は高くない機能の項目ですが、たくさんあるメニューページの中から都度探していると面倒なので、マイメニューにまとめています。こうする事によって、メニューボタンを押してから必要な項目に素早くたどり着くことができます。
よく使う設定をまるごと登録「登録呼び出し(MR)」
よく使うモードやカメラの設定を、カメラ本体上部にあるモードダイヤルに2~3つ(機種によって違います)まで、メモリーカードには4つ(M1-M4)まで登録でき、モードダイヤルで簡単に呼び出す事ができます。
例えば筆者の場合、自宅で猫を撮影する事が一番多いので、猫の撮影設定をモードダイヤルの1に登録しています。
設定方法は簡単です。最初に登録したい撮影設定にカメラを設定していきます。撮影モードやホワイトバランス、ISO、AFエリア、瞳AFの設定などなど。一通りに設定したら、メニューキーから「MR 撮影設定 1/ MR 撮影設定 2の登録」を選択します。
メニューキーの「MR 撮影設定 1/ MR 撮影設定 2の登録」を選択
すると先ほど設定したカメラの設定が表示されます。登録した番号を選んで決定ボタンを押せば設定登録が完了します。
こちらの猫の写真はダイヤルモード1に登録してある設定で撮影しながら、C1ボタンに設定してあるAPS-Cモードに切り替えて撮影しています。
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 50mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離75mm (APS-Cモード) まとめ
買ったばかりのαでそのままの設定でも問題なく使用する事はできますが、使いこなしていく内に、よく使うメニューに対して使わないメニューが多く、メニューから選択する際に煩わしさが出てきます。自分なりにメニューをカスタムする事によって撮影チャンスを逃す事なく撮影に集中できる環境を整える事ができます。最初からあれもこれも設定しようとすると、結局は無駄なカスタム設定も増えてしまうので、よく使うものから少しづつ設定して使い勝手を試していくのが設定のベストな方法です。
写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがソニーのαのメニューカスタムのコツを紹介しています。メニューをカスタムする事で撮影に集中できる環境を整え、撮影チャンスをものにする事ができます。
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KEYWORDS:
ソニー,α,撮影テクニック,sony
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AUTHOR:
TITLE: DJI POCKET 2レビュー|小型ジンバルカメラで叶う旅とシネマチックな動画作成
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CATEGORY: 6151
DATE: 01/08/2021 16:00:00
TAGS: Pocket 2,レビュー,DJI(ディージェーアイ) 小型カメラ,アクションカメラ,その他のカメラ
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BODY:
はじめに
お元気ですか、6151です。
動画作成にトライしたいと言い続けて数年、すっかり動画用カメラ難民と化しておりますが、今回は以前から気になっていたDJIの小型三軸ジンバルカメラ「DJI Pocket 2」を連れて旅をしてきました。
最近はスマホなどにもスタビライザーの機能がついているので滑らかな動画を撮影できる機会も増えてきましたが、テクニックはさて置き高性能で高画質なカメラに頼って動画撮影にトライするのもおすすめ。
テクニックは後からついてくるから!まずは沢山撮ること。そして沢山撮るには「撮影が楽しくなる相棒」を選びましょう。DJI Pocket 2に触れればきっと「もっと早く使えばよかった~!」と叫びたくなるはず。
ポケットサイズで超コンパクト+最強の4K高画質
最近、カメラ機材に関してよく感じる「小型軽量は正義」という持論がありますが、小さいだけでパワーが無いならパワーのあるカメラを選びたいところ。良いものが撮りたい、でも軽やかに楽なカメラで撮影を楽しみたい。
DJI Pocket 2のセンサーサイズは「1/1.7インチ」。センサーサイズが大きくなると暗い場所での撮影にも強くなるので、夜景や室内など光が弱い空間などでも高画質で映像が残せるようになります。
もちろん動画だけじゃなく、写真も高画質で撮影可能なのでこの一台さえあればどちらの記録もさらっと美しく残せる最強カメラなんです。
「ジンバル」って最近よく聞くけど何?
簡単に説明すると、
撮影時の「手振れ」を補正してくれる機材のこと。手ぶれ補正は写真にも便利ですが、動画で使ってこそ素晴らしさを発揮してくれる機能なんです。
日常でも旅先でもカメラを構える瞬間のほとんどが「好きな瞬間」です。好きと対峙する時、テンション爆上がりしてしまいますよね。なかなか冷静ではいられません。興奮で体が揺れても写真ならシャッタースピードを上げるだけですが、動画の場合はそう上手くいかない。良い動きを撮るには自分の動きを制御する必要があるので、三脚などでカメラを固定するイメージが浮かぶと思います。
「うわーめんどくさい。。。!」
動画撮影 is MENDOKUSAI
これは動画撮影に向き合っている時のわたしの心の声です、、、スケジュールの決まった旅行先で、例えば忙しい朝食のワンシーン。珈琲に立ち上る湯気を10秒だけ撮りたい。しかし10秒のために三脚を出して撮影するって、流石にしんどい。
そんな場面にサッと取り出して撮影出来ることが理想的。そういった「面倒さ」も三軸ジンバルがついたDJI Pocket 2なら手持ちで優雅に撮影が可能。折角の爽やかな朝も手振れでガチャガチャした映像になるとがっかりですが、ジンバルのおかげでぬるっとした動きの映像が撮れるのでなんだかそれだけで「シネマチック」に見えてくる。
諦めなくても「あ、なんかいいな」という瞬間を動画で残していけるのは最高です。だって今までずっと諦めてきたんだもの。
オートフォーカスも起動も速い
サクサク撮影する写真と比べて根気のいる動画撮影、機材も時間も必要。折角撮影した良い場面も手振れで台無し、なんてことは日常茶飯事。カッコよく撮れなきゃ意味がない、でも例えば旅先で出逢う奇跡の瞬間で、日常の何気ない場面で、突然現れる瞬間に呑気に三脚立てて~カメラ設置して~なんてことをしていたら目に焼き付けるどころか見逃してしまうこともしばしば。
DJI Pocket 2はボタンひとつ、1秒ほどで起動、カメラを向けて起動から2秒で撮影も可能。「ハイブリッドAF 2.0」を搭載しているのでオートフォーカスも素早く正確。サッと撮影できてしまうのにとにかく「失敗が少ない」。
だから「あれ、わたし結構動画撮影上手いかも!」なんて嬉しくなる瞬間が増えていきます。無理せず上達するには「良い道具を使う」というのがわたしの信条ですが、自然とスキルアップに繋げてくれる機材って使い方が簡単で楽しいんですよね。
DJI Pocket 2はまさにそんな言葉が似合うカメラ。
起動が速ければ良いシーンを撮り逃さずに済むし、AFはタッチ操作で感覚的に行えるので「撮りたい」と感じた瞬間に狙い通りの映像を捉えることが出来る。
ちなみに、「Hello mode」という機能、起動と同時にPocket 2が首を振るのですがまるでこちらにご挨拶してくれているような動きで非常に可愛い。今日も宜しくね、相棒。と思わず話しかけたくなる愛嬌のあるキュートな動作で心和みます。
Vlogやセルフィーがより簡単に
DJI Pocket 2の焦点距離は20mm、絞りはF1.8と明るいレンズ。FOV(視野)は前モデルの80°から93°の画角になって、よりセルフィーが撮影しやすい画角に改良されました。広い画角であれば手持ちのセルフィーでも背景が沢山入るので旅先の記念撮影も集合写真も撮りやすい。画面いっぱいに顔だけが映る撮影は苦手ですが、背景と一緒に撮影できるならセルフィーにもトライしやすい。
速い動きにもしっかりついてくる追従も優秀で人物の撮影も楽々です。
「8倍ズーム」が搭載されているので、遠くの撮影も可能。個人的に、この8倍ズームが動画撮影ではかなり活躍してくれて、ワンパターンな動画に新しい動きのスパイスが加わり幅広い撮影が可能になりました。
10秒動画を沢山撮って編集はアプリにお任せ
楽しい撮影のあとは、動画の編集作業。折角だからいい雰囲気で仕上げたいけど、難しいことはわからない。そんな初心者なわたしでも簡単に仕上げられるDJIの公式編集アプリ「DJI Mimo」で今回もスマホからサクッと動画編集をしてみました。
▼DJI Mimo
iOSアプリ https://itunes.apple.com/app/id1431720653
Androidアプリ https://play.google.com/store/apps/details?id=dji.mimo
撮影データをWi-Fiでスマホとリンクして、その場で編集が可能なので旅先でもサッと作れてしまう便利なアプリです。サウンドやエフェクト、タイトルアニメーションのついたテンプレートを使うとより簡単に雰囲気あるクリップを自動作成できるので、使いたい動画を選択するだけで一気にシネマチックに大変身。
出来上がった動画がこちら。
ムードの違うテンプレートを使って仕上げてみました。
VIDEO
しっとりとした深海のイメージと、
VIDEO
ネオンなイメージ。
動画の雰囲気に合わせてテンプレートを変えてみました。いろいろなテンプレートがあるので、全部試したくなる!自動作成は短編ですが、いくつか作った短編動画を組み合わせてみても面白いかも。
DJI Pocket 2の推し機能まとめ
・ボタンひとつで「クイック起動」
・3軸手ブレ補正搭載カメラ
・鮮やかで繊細な映像になる「HDR動画」
・4つのマイクで音を方位的に捉えるオーディオ「DJIマトリックスステレオ」
・カメラの向きで音声にズームする「オーディオズーム」
・アプリなしで動画自動編集できる「ストーリーモード」
・4倍から8倍へ進化した「スローモーション」
・クイック合成機能で構図をチェックできる「パノラマ」
・動く被写体の追尾機能がグレードアップした「ActiveTrack 3.0」
・撮影の幅が大きく広がる「8倍ズーム」
・自動クリップで編集してくれる「AI編集」
沢山の機能が前モデルの「Osmo Pocket」よりバージョンUPしているので、どちらか選ぶならわたしはDJI Pocket 2一択ですね。アクセサリーも充実しているセットの「DJI Pocket 2 Creator コンボ」が推しです。
というわけで。話始めると止まらないくらいお気に入りになったDJI Pocket 2なのでした。
■写真家:
6151
Instagramをきっかけにフリーランスに転身したフォトグラファー。風景からブツ撮りまで幅広く手掛け雑誌やウェブで執筆活動をする傍ら、全国でフォトワークショップを開催するなど「写真の楽しさ」を広く伝える活動にも取り組む。共著「インスタグラム商品写真の撮り方ガイド」
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家6151さんによるDJI Pocket 2のレビュー記事です。6151さんならではの視点で切り取った映像作品と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,DJI,Pocket 2
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: レオフォト(Leofoto)の三脚を使った夜の飛行機撮影テクニック|長時間露光と多重露光で787を力強く撮る
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CATEGORY: 岡本豊
DATE: 01/13/2021 18:00:00
TAGS: 飛行機,三脚,撮影テクニック,レオフォト(Leofoto) アクセサリー,その他
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BODY:
はじめに
今回は、私が愛用している三脚、レオフォト(Leofoto) LS-284CEX LSレンジャーシリーズを使った夜の飛行機の撮影テクニックをご紹介します。最近のカメラは高感度撮影に対応しているものが多く、夜間撮影でも三脚を使用せずに、手持ち撮影をされている方もいらっしゃると思いますが、私の長時間露光撮影テクニックを学んだら、次回からの夜間撮影には三脚を持って行きたくなると思います。
Leofoto LS-284CEX LSレンジャーシリーズ
Leofoto LS-284CEX LSレンジャーシリーズは、軽量、コンパクトなので持ち運びも便利です。荷物の多い遠征時でも、機内持ち込みも可能ですので、ためらう事なく持っていく事ができます。更に、超望遠レンズを装着したフルサイズのカメラをのせても、ビクともしない頑丈さ。長時間露光撮影では、三脚の強度がとても重要なので、その点でも安心して使用できます。
今回紹介する作品は、空港の展望デッキから撮影したものですが、設置の難しいフェンス越しの撮影においても、カーボンの軽い足は扱いやすく固定も簡単。目的の機体が来る度に移動をしなければならないので、とても重宝しています。
LS-284CEX仕様
・パイプ径:28/25/22/19mm
・全伸長:1566mm
・最低高:176mm
・収納高:626mm
・段数:4段
・質量:2.09kg
・耐荷重質量:10kg
この作品は、
よしみカメラの787忍者レフ を使い機内の照明反射をおさえて撮影しました。
機内に持ち込んだLeofoto LS-284CEX は雲台(BV-10)を外してバッグの中に収納。三脚単体では長さ53cm。大きなスペースをとらずカメラバッグと一緒に座席上の扉の付いた棚に収納ができます。カメラバッグはマンフロット社 MB PL-BP-R-310 PL Redbee 310 です。
長時間露光撮影について
まずは、夜間の長時間露光撮影での三脚の使用法とカメラの設置について説明をします。シャッタースピードを遅くしての撮影なので、三脚は必須です。
下の写真のように、カメラをなるべくフェンスに近づけて設置するため、三脚の足の長さの調節が必要です。空港の展望デッキや、撮影地によってフェンス側を少し短くしたり、なるべくしっかり固定するのがポイント。また小型軽量三脚ではありますが、設置する時に場所をとる為、周囲への配慮は忘れないようにしましょう。
三脚の足を固定した後に必ずやってほしい事は、三脚の水準器で水平の確認をきちんとする事。水泡が真ん中に来ている事を確認してからカメラを装着してください。三脚の向きを変えたり、三脚を移動した時も、その都度必ず水平を確認してください。カメラの準備ができたら、いよいよ撮影です。
三脚の撮影位置を決めて準備する。その際カメラを装着する前に水準器で水平を確認する。
三脚を使って撮影する際、すべての足を伸ばす必要はありません。ベストアングル、または障害物が少ない隙間を狙って撮影するようにしましょう。
多重合成をするための撮影時の注意点
展望デッキにはワイヤーがつきものです。高速シャッターで絞りを開放で撮影すれば気にならないワイヤーも、絞りを絞って長時間撮影すると、はっきりと映ってしまいます。カメラをセッティングしたら、ワイヤーが画角に入っていないかを確認するようにしましょう。どうしてもワイヤーが画面に入ってしまう場合は、画面の四隅にワイヤー箇所を入れて、後からトリミングをする事を意識して撮影します。
撮影時は、ISOを上げすぎない事です。私はキヤノン社のDigital Photo Professional 4と言うソフトで多重合成をしていますが、ISO感度を高くして撮影してしまうと、合成完成時にハイライト(画面の明るい部分)が白飛びしやすくなってしまいます。ISOは100~200までにしましょう。
飛行機や作業車の光跡を撮影する場合、どこから動き出してどこで止まるのか、どのくらいの速度で移動するのかを予測するのは難しいです。なので飛行機や作業車の動きに合わせて、露光時間を変更しています。その時に注意しなければならないのがISOの設定です。露光時間を変更した時は、白飛びしないよう、忘れずにISOを下げて適正露出にします。露光時間の設定は、写したいものや、その時の状況によって全く違ってくるので、普段手持ちで使用しない1/2秒くらいから30秒という時間で撮影する事で、どのようなものが写しだされるのか、現場で体験してみてください。
撮影が全て終わるまで、三脚が数ミリでも動いてしまうと、後に多重合成する際にブレが出てしまいシャープ感を得ることができません。そこでカメラのリモート機能を使いスマートフォンと連携します。キヤノンの場合は、『Camera Connect』と言うアプリを使う事で、露出設定、撮影データ変更、シャッターを切る作業まで全て行うことができる機種もあります。もちろん私が使用している最新のEOSR5とR6には搭載されているので、普段の長時間撮影ではカメラに触れる事なく撮影し、ブレを軽減しています。この機能がないカメラの場合は、シャッターを押すことによるブレを防ぐために、タッチシャッター(数秒後に切れる)を使う事をおすすめします。レリーズを使う場合は風の影響を受けないように露光中はレリーズを手で持つと良いでしょう。
風の強い日は、どんなに頑丈な三脚を使用していてもブレてしまうので、風があまり吹いていない日を選んで撮影に行きましょう。カメラのストラップや、超望遠レンズのストラップは、風の影響を受けブレの要因となる可能性があるので、結んでしまうか、外す事をおすすめします。また、PM2.5などの有害物質が少ない視程の良い日を選んで撮影に行く事も大切です。
多重合成を楽しむ
キヤノン社のDigital Photo Professional 4を使用して多重合成をする場合、最初に合成する画像のフォルダを作成してまとめておくと便利です。ソフトを起動して、多重合成ツールを使いながら画像を重ねていきます。各写真を重ねる時、画面表示を大きく(100%に)してズレがない事を確認しながら丁寧に重ねていきましょう。途中3カット毎に保存しておく事をおすすめします。少しでもずれてしまうとぼやけた写真になってしまうので注意が必要です。
私は比較(明)で合成する事が多いのですが、色々とモードを試してみてください。一枚では表現できない世界が見えてきます。また、合成するソフトがない場合は、スマートフォンのアプリでも多重合成してくれる便利なものがあるので、自分に合うアプリを探してみてはいかがでしょうか。
Digital Photo Professional 4を起動して、多重合成ツールを使いながら画像を重ねていきます。ツールから多重合成ツールを選択して作業開始します。
各写真を重ねる時、ずれがない事を確認しながら丁寧に重ねていきましょう。画面表示を100%にして、一枚ずつ位置合わせをしながら、ずれがないか確認。途中3カット毎に保存しておく事をおすすめします。少しでもずれてしまうとぼやけた写真になってしまうので注意が必要です。
福岡空港展望デッキ
■機体:ANA 787-8 JA817A ■撮影機材:キヤノン EOSR5 + RF15-35mm F2.8L IS USM + Leofoto LS-284CEX (雲台 BV-10) ■撮影環境:20秒 F9 ISO200 WBオート ピクチャースタイルオート Digital Photo Professional 4を使って10枚を合成
今年リニューアルされた福岡の展望デッキの作品です。新しい展望デッキでは、フェンス越しとはいえ、とても近くで飛行機を撮影することができます。取材に訪れた日は、運よくボーディングブリッジの付かない8番スポットに787が駐機してくれました。羽田空港から到着後の787の周りを、定時運行の為に忙しく作業をする様子を長時間露光で表現してみました。多重合成する事で、スポットで働く人達の動きをイメージ通りに仕上げることができました。また、視程が良く、空にうっすらと雲がかかっていたので、光の反射があり普段よりも明るく撮影することができました。
羽田空港787洗浄シーン
■機体:ANA787-8 JA835A ■撮影機材:キヤノン EOSR5 + RF70-200mm F2.8L IS USM + Leofoto LS-284CEX (雲台 BV-10) ■撮影環境:1/2秒 F2.8 ISO200 WBオート ピクチャースタイルオート Digital Photo Professional 4を使って3枚を合成
羽田空港外周にて、深夜に飛行機を洗っているシーンを撮影しました。この場所では二重フェンスをクリアして撮影をしなければなりません。まず、液晶画面の露出を少し明るめに設定し、フェンスの位置が機体にかかっていないか確認します。その後、適正露出にしてからシャッターを切ります。照明に照らされている機体のハイライト部分を適正露出に調整するのがポイントです。
羽田空港展望デッキ
■機体:ANA787-8 JA821A ■撮影機材:キヤノン EOSR6 + RF15-35mm F2.8L IS USM + Leofoto LS-284CEX (雲台 BV-10) ■撮影環境:30秒 F14 ISO100 WBオート ピクチャースタイルオート Digital Photo Professional 4を使って7枚を合成
取材に訪れる日によって、駐機している機体も、飛来してくる機体も様々ですが、私のライフワークとも言える、787の撮影の為に集まってくれたのではないかと思えるほど、この日はたくさんの787がやってきてくれました。ボーディングブリッジを入れずに撮影できる位置に駐機してくれた機体は、過去にも多くの劇的なシーンを撮らせてくれた「JA821A」と言うのも嬉しい偶然でした。この作品の光跡は全て787のもの。苦難の時期に懸命に働いている空港の人々と、次世代航空機として期待されているボーイング787の作品を明るく、力強く、そして美しく創り上げる事で、この時期をみんなで乗り越えていこう、と言う想いを込めました。
まとめ
以上のように、三脚を使用して長時間露光撮影をする事によって、表現の幅がぐんと広がります。今回の作品は三脚を使用して、夜の空港のボーイング787を撮影しました。いつもとは違う夜の美しい光景を映し出す事ができる長時間露光撮影を、是非一度、夜の空港で試してみてください。
■この記事で掲載している作例は緊急事態宣言前に撮影したものです。
■写真家:
岡本 豊
1972年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学卒業後、企業の広告写真やポートレートを中心に撮影。ボーイング787に魅了され活躍の場を本格的に航空機撮影にスイッチ。現在、月刊エアライン連載「Go! Go! 787」、航空会社の撮影、セミナー等で活動中。年間50回以上787に搭乗。魅力を追う旅へ飛んでいます。Canon EOS学園講師。
この記事に使用した機材
【キヤノン】RF15-35mm F2.8 L IS USM
商品詳細ページ 【キヤノン】RF70-200mm F2.8 L IS USM
商品詳細ページ
【キヤノン】RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
商品詳細ページ
【レオフォト】LS-284CEX+BV-10 レンジャーシリーズ三脚 ビデオ雲台セット
商品詳細ページ
航空写真家 岡本豊先生のレオフォト三脚講座
講座の内容はこちらからご覧ください。
https://shop.kitamura.jp/special/sale-fair/camera/okamoto-yutaka/
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EXCERPT:
写真家の岡本豊さんが三脚を使った夜の飛行機撮影テクニックを紹介しています。長時間露光と多重露光で制作した作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
飛行機,レオフォト,三脚,撮影テクニック
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AUTHOR:
TITLE: タムロン 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD レビュー|軽量で汎用性に優れた大口径標準ズームレンズ
BASENAME: 479507401.html
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 01/14/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,タムロン(Tamron) レンズ,17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD,標準ズーム
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BODY:
はじめに
今回はタムロンから新しく発売されましたソニーEマウントAPS-C用の「17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD」について実写を交えてレポートさせて戴きます。
ズーム域は17mm-70mm(35mmフルサイズ換算25.5-105mm)と標準ズームとしては充分な画角をカバーしており、尚且つズーム全域において開放F2.8と比較的明るいレンズのため汎用性に優れています。風景は勿論のことポートレートや暗い場所での撮影も広範囲にこなせるので実写するのがとても楽しみです。外観は現在タムロンより発売中のソニーEマウント用レンズ群と同じような雰囲気で統一性が見られます。そして、レンズ本体の重量が525gと非常に軽いのでα6000シリーズにとてもマッチします。
ポートレートでの写りをチェック
まずはポートレートから撮影しました。モデルさんは世界最大規模のミスコンテスト、ミス・グランド・インターナショナル2020 日本大会のファイナリストである安藤美樹さんにお願いしました。
カメラ本体はα6400を使用してソニーの追いかける瞳AF機能を使って撮影しました。瞳AFは問題なく動作してくれ、ズーム全域での合計5カット(17mm/24mm/35mm/50mm/70mm)をテンポ良く連続で撮影してみましたがストレスを感じる事は有りませんでした。ファインダーを覗いてみた時にはタムロンらしい優しく柔らかい雰囲気があり、個人的にはポートレートに合うレンズという印象でした。
17mm(35mmフルサイズ換算25.5mm)の広角端でも歪みが少ないので、パースペクティブを活かした構図でのポートレート撮影にも使用出来ますね。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO125 焦点距離17mm ■撮影日:2020/12/20
24mm(35mmフルサイズ換算36mm)は広角ポートレートでは定番の画角になりますが、素直な描写のためズームレンズでは無く単焦点レンズで撮影したと言っても解らない位解像感も有ります。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO125 焦点距離24mm ■撮影日:2020/12/20
35mm(35mmフルサイズ換算52.5mm)は標準レンズとしての画角ですが、開放F2.8での撮影では少しボケを活かした撮影が出来るようになってきますね。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO160 焦点距離35mm ■撮影日:2020/12/20
52mm(35mmフルサイズ換算78mm)はポートレート撮影のスタンダードな画角に近いのですが、この辺りの焦点距離だとF2.8でもかなりボケを表現に取り入れる事が出来るので、より主役のモデルさんを引き立つように撮影出来ますね。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO160 焦点距離52mm ■撮影日:2020/12/20
70mm(35mmフルサイズ換算105mm)もポートレート撮影の王道の焦点距離だと思いますし私自身も好きな焦点距離なので、APS-C用の標準ズームで使えるのは凄く嬉しく思います。開放もF2.8なので本当に使いやすいですね。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO200 焦点距離70mm ■撮影日:2020/12/20 万能感抜群の焦点距離と描写力
続いては風景写真です。ちょうど雪が積もったので地元で雪の景色を撮影してみました。絞りをF8まで絞って撮影したのですが、発色も良く山のふもとの集落まできっちり解像してくれますので風景にも使いやすい印象ですね。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/8 1/500秒 ISO125 焦点距離43mm ■撮影日:2020/12/23
雪のメタセコイア並木を望遠端70mmで撮影してみましたが、フルサイズ換算105mmでの望遠圧縮効果で並木の雰囲気を出すことが出来ました。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/8 1/100秒 ISO100 焦点距離70mm ■撮影日:2020/12/23
【動画手振れ補正比較】
足元の悪い雪上での手持ち撮影でしたが、レンズ本体に手振れ補正が搭載されており静止画だけでなく動画撮影にも強い味方になってくれました。
▼手振れ補正なし
VIDEO
▼手振れ補正あり
VIDEO
京都の銀閣寺近くの喫茶店でケーキセットをテーブルフォト撮影してみました。この写真は広角端17mmで窓からの明かりを使用して、少し引き気味にお店の雰囲気も伝わるように撮影してみました。テーブルのケーキや紅茶だけでなく、カーテン越しの太陽光のコントラストも美しく優しく描写してくれるのはこのレンズの良い所ですね。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO100 焦点距離17mm ■撮影日:2020/12/21
標準域の30mmは椅子に座ったままちょうどテーブル上のトレーが良い構図で撮れる画角でした。椅子から立ち上がらずにズームで画角調整できるため、お店や他のお客さんの迷惑にならないのが嬉しいですね。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO125 焦点距離29mm ■撮影日:2020/12/21
望遠端70mmを使用してケーキだけをアップで撮影。最短撮影距離が短く寄れるレンズなのでこのカットも椅子に座ったまま撮影することが可能でした。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO250 焦点距離70mm ■撮影日:2020/12/21
仕事の際に通りがかったJR京都駅の駅舎とそこに写り込む京都タワーのスナップ写真。このレンズは駅舎の鏡面ガラスの微妙な色の違いやコントラストも表現してくれます。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO100 焦点距離61mm ■撮影日:2020/12/30
こちらも仕事の行き道にスナップ撮影した大阪駅構内の写真。通りがかりに目についたものを切り取り、素早くピントを合わせて撮影出来る機動性はスナップ撮影には一番必要な機能ですが、それらを高次元で達成しているレンズだと思います。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO125 焦点距離37mm ■撮影日:2020/12/30
大阪国際空港近辺にて撮影した着陸機の写真。日暮れ前の暗くなり始めた時間帯にシャッタースピードを上げて、間近を凄いスピードで通り過ぎる被写体をAF撮影するには開放値の明るさが絶対条件です。このレンズは流石開放F2.8なので、シャッタースピード1/1600秒に設定してトラッキングAFを使用するだけで簡単に撮影出来てしまいます。
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ■撮影環境:f/2.8 1/1600秒 ISO640 焦点距離17mm ■撮影日:2020/12/12 まとめ
短期間で出来る限り色々な被写体を撮影してみたのですが、α6000シリーズとのバランスが良く何より軽いので取り回し良く撮影出来ました。長さ119.3mm、フィルター径67mm、重量525gとズーム全域開放F2.8の明るい標準ズームとしてはかなり小型軽量であり、最短撮影距離も17mm広角端で19cm、70mm望遠端で39cmと被写体にもグッと寄れます。AFも速くて明るく写りも良いので「17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD」の万能感は抜群でした。α6000シリーズをお使いの方は是非一度お試し頂きたいと思うレンズです。
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。
大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー
JPS(日本写真家協会)正会員
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんにタムロンの17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXDをレビューしていただきました。ポートレート、風景、スナップと幅広く使える万能レンズの写りをぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,タムロン,17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 24mm F3.5 DG DN Contemporaryレビュー|質感高く所有欲まで満たされる小型軽量の広角レンズ
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 01/19/2021 16:00:00
TAGS: 24mm F3.5 DG DN | Contemporary,レビュー,SIGMA,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,単焦点
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BODY:
はじめに
今回はSIGMAの新しいフルサイズミラーレス用レンズ24mm F3.5 DG DN | Contemporaryの紹介をさせて戴きます。このレンズはSIGMAのフルサイズミラーレス用小型軽量のIシリーズとして発表されました。SIGMA Iシリーズには他に
45mm F2.8 DG DN | Contemporary と最近発売された
35mm F2 DG DN | Contemporary 、
65mm F2 DG DN | Contemporary が有りこのレンズを含めると合計4本がラインナップされる形になります。Iシリーズのレンズは本体もフードも大部分がアルミ合金を使用して造り込まれており、デザインも含め質感が高くて所有欲も満たされるので外観だけを眺めていてもニヤニヤしてしまいます。
眺めているだけでは勿体ないので早速撮影に出てみました。今回も色々なジャンルの撮影をしてみましたので作例を交えながら24mm F3.5 DG DN | Contemporaryの特性をレポートさせて戴きます。
風景
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/18 1/15秒 ISO100 焦点距離24mm
まずは私が公認フォトアドバイザーをしております滋賀県高島市のマキノ町で風景撮影から始めてみました。去年に比べて今年は雪の日が多く、高島市も雪に覆われる日が増えており撮影日も積雪が有りました。撮影時は時折雪が舞い散る分厚い雲に覆われた生憎のお天気でしたが、SIGMAのレンズが得意とするコントラスト性能のお陰も有りダイナミックな曇り空の雰囲気を表現することが出来ました。降雪という条件でも簡易防塵防滴機能が備わっているので安心して使えますね。
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/22 1/80秒 ISO100 焦点距離24mm
滋賀県南部の草津市で撮影した写真なのですが、同じ滋賀県でも北部の高島市に比べ殆ど雪は積もりません。夕暮れの時間帯に太陽の光芒が写るように最小絞りF22を使用して撮影したのですが、レンズに絞りリングが装備されているのでファインダーを覗きながら光芒を確認しながらの撮影もしやすかったです。完全な逆光状態にも係わらずゴーストもハレーションも全くと言って良いくらい発生しないので、このレンズの逆光耐性レベルは相当な物だと感じました。風景撮影は勿論のこと、あらゆる撮影シーンにおいて嬉しいポイントだと思います。
もう一点、落陽の時間帯では色の変化が多く色味を出すのが難しいのですが、このレンズは発色が良くグラデーションも綺麗に写るので曇り空から晴天まで天気を選ばずに使え、風景撮影で重宝します。
スナップ
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/3.5 1/400秒 ISO6400 焦点距離24mm
次の写真は京都から大阪に仕事で移動しなければならず、その道中でのスナップです。24mm F3.5 DG DN | Contemporaryをソニー α7Cに装着して撮影していると、フルサイズのカメラを持ち出して撮影しているのを忘れてしまうくらい小さくて軽く、スナップ撮影には最適だと実感しました。京都駅を出発するJR新快速電車の先頭車両で運転士さんの後ろ姿を撮影してみましたが、ISOオートの設定でISO6400まで上がっていたにも関わらず運転士さんのマスクの結び目までしっかり解像しており、高感度でも充分使用出来るレンズだと実感しました。
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/3.5 1/400秒 ISO250 焦点距離24mm
新快速を降りてJR大阪駅構内の渡り廊下の窓から撮影。広角24mmとは思えない程、画角の四隅まで歪みが少なく、両端のビルが真直ぐ描写されています。それに加え画像を拡大すると駅のホームの看板を殆ど読むことができ、解像感が凄く有る事を確認出来ました。
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/14 1/400秒 ISO3200 焦点距離24mm
大阪駅のエスカレーターの途中で太陽光が良い具合に差し込んでいたので逆光で撮影。風景撮影で逆光耐性を確認済みなので安心してシャッターが切れました。逆光下でも迷わず無音で素早く合焦してくれるレスポンスもスナップ撮影には欠かせないレンズ性能だと思うのですが、その辺りも非常に満足しました。
マグネット式のレンズキャップとホルダー
マグネット式レンズキャップとマグネットレンズキャップホルダー
マグネットホルダーにマグネット式レンズキャップを装着した状態
作例では無いのですが新しく導入されたマグネット式のレンズキャップも秀逸です。SIGMA Iシリーズの24mm F3.5 DG DN | Contemporary、35mm F2 DG DN | Contemporary、65mm F2 DG DN | Contemporaryの三本にはレンズ購入時に通常タイプのバネ式レンズキャップに加えてもう一枚マグネット式レンズキャップが同梱されており、合計2枚のレンズキャップが入っています。少し得した気分になりますね。今まではスナップ撮影や風景撮影等の野外撮影時にレンズキャップの保管方法に困ることが多く最悪な場合は行方不明になることが有ったのですが、オプションになりますがカラビナ付のレンズキャップホルダーが販売されておりカメラバッグ等にぶら下げておけば撮影時の保管場所に困ることが無くなります。マグネットもかなり強力なので撮影中に落下する事も無く安心して使用出来ました。これはレンズ購入時に一緒に購入されることをオススメします。
ポートレート
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/3.5 1/40秒 ISO400 焦点距離24mm
ここまで使用して収差が極めて少ないのでポートレートにも使用してみました。モデルは関西での撮影会等でお願いすることが多いHANAさんに協力して頂きました。落書きの多い高架下の歩道で撮影したのですが薄暗い状況でもAFは迷わずに合焦してくれました。モデルさんを画面中央より端に構図してもモデルさんが歪むことなくイメージ通りの撮影が出来ました。
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/3.5 1/40秒 ISO400 焦点距離24mm
もう一枚同じ場所での撮影ですが、瞳AFも機能していてストレスなくリズムよく撮影することが出来るので楽しくなります。
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/3.5 1/40秒 ISO100 焦点距離24mm
場所を少し移動して古いレンガの壁の前で撮影。このレンズは凄く寄れるので顔のアップも撮影しやすいです。絞りを開放F3.5で撮影したのですがピントの合っている右目から髪の毛の1本までシャープに解像しており、なだらかに自然で柔らかいボケの効果により立体感が出てモデルさんが浮き上がります。撮影しながら24mmで顔のアップの撮影が違和感なく出来る事に感心してしまいました。
10.8cmの最短撮影距離
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/3.5 1/50秒 ISO400 焦点距離24mm
凄く寄れるレンズなので最後にこの原稿を書きながら手元のPCのキーボードを撮影。最短撮影距離10.8cmは凄いですね。キーボードのカタカナひらがなローマ字ボタンに開放F3.5で、ひらがなにピントを合わせる事が出来る時点で凄いのですが上下のカタカナとローマ字の表記がボケる事にも驚きました。ここまで寄れるとマクロレンズみたいですね。
さいごに
今回はSONY Eマウントで御紹介させて戴きましたがLEICA Lマウント用も発売されております。金属製で質感が高いことは冒頭にも書かせて戴きましたが金属製にも関わらず230g(Lマウント用225g)と凄く軽量でありフィルター径55mm全長50.8mm(Lマウント用48.8mm)と非常にコンパクトなのでSONYのα7シリーズ、特にα7CやSIGMAの「
fp 」に非常に合うレンズだと思います。こんなに軽量コンパクトなのに驚くほど高性能で解像感、発色、収差どれをとっても申し分が無く、絞り環やAF.MF切替スイッチ、簡易防塵防滴まで備わっておりAFは凄く速くて正確でマクロ的な所まで寄れるなんて、これ以上望んだらバチが当たりそうなくらい良く出来たレンズでした。このレンズは勿論のことSIGMA Iシリーズから目が離せません。是非、実際に手に取ってお確かめ下さい。
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員
この記事で紹介した機材 【シグマ】24mm F3.5 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ 【シグマ】24mm F3.5 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんがシグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporaryをレビューしています。質感優れた小型軽量広角レンズの撮影性能を風景、スナップ、ポートレートで試していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,24mm F3.5 DG DN | Contemporary,Iシリーズ,レビュー,sigma
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 富士フイルムX-S10でポートレートスナップを撮る|充実の機能と日常使いに相応しい単焦点レンズ
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 01/21/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,X-S10,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,人物_子供,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
旅行に出かけることがままならない今、カメラを片手に出かけたい気持ちをグッと抑えている方も多いのではないでしょうか? そんな中、生活の中で撮影に臨んでいる方も少なくないはず。2020年11月に発売となった富士フイルムX-S10は、日常での撮影に強い味方となってくれる機能が装備されており、その上キットレンズを活用することで撮影シーンが広がります。また、次へのステップとして初めての単焦点レンズ選びの参考になればと思い、今回はポートレートスナップを中心に、日常的に使いこなしたいレンズについても紹介して行きたいと思います。
X-S10の深いグリップとバリアングルモニター
XシリーズのハイエンドモデルであるX-T4と一番の相違点はグリップの深さとシャッターフィーリングの良さ。手の小さい方や女性にとっても安心感が得られるホールディングの良さは特筆すべきところ。
ロー&ハイアングル撮影、セルフィー撮影、動画撮影、Vlogまで網羅し、タッチシャッターを含め“片手で撮る”という行為が増えている昨今の状況を取り入れた安定性を確保するデザイン・設計となっています。
早速、普段はカメラを持ち歩かないモデルさんにも1枚セルフィー撮影をしてもらいファーストインプレッションを聞いてみました。
「持った感じはとても軽く、ストラップを首にかけて持ち歩いても、セルフィー撮影で片手でも負担にならない重さ。写真の美肌補正にも驚き!またバリアングルモニターは、撮影はもちろん、モデルとカメラマンとで写りを確認するときにも便利です。」と、撮影時だけではないメリットも。セルフィー撮影時には美肌機能が働き、自然と明るく美しい肌色に仕上がるところにも富士フイルムらしさを感じます。
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ ■撮影環境:SS 1/75秒 絞りF3.5 ISO320 焦点距離15mm(23mm) WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi ■セルフィー撮影:鈴木マイラ
キットレンズXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZを使いこなす
軽量コンパクトな標準ズームレンズXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZの最大の特徴は広角端である15mm(35mm換算23mm)。室内などの狭い場所、風景などのダイナミックな光景、また先述のように、セルフィー撮影やグループ撮影までカバーしてくれる頼れる画角。開放F値がF3.5であることで遠景の解像力が高められ、背景までしっかりと写し込むことができます。
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ ■撮影環境:SS 1/340秒 絞りF4 ISO320 焦点距離15mm(23mm) WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
しかもこのレンズ、先端からの撮影距離が5cmときわめて近接することができるので料理や小物などのおうちフォトでも大活躍する優れもの。
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ ■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF3.5 ISO320焦点距離15mm(23mm) WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
フォーカスレンズをステッピングモーターで駆動させているのでAF動作も静か。5軸6段のボディ内手ぶれ補正に加えレンズ側の手ブレ補正機構を併用しブレを強力に補正。バリアングルモニターと併せることで動画撮影も、三脚を使わなければ撮れなかったシーンも手持ちで楽々と撮影することができるのです。XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZのこうした特徴を様々な撮影シーンにおいて活かし、使い込むほどにその魅力が増していきます。
自分好みの設定をカスタムポジションに登録しておこう
X-S10にはモードダイヤルに「C1~4」と4種類のカスタム設定を登録できるカスタムポジションが存在します。画質設定、フォーカス設定、撮影設定の設定値をそれぞれ保存することができ、撮影シーンや用途に応じて使い分け。撮影頻度の多いシーンや被写体によって登録しておけば設定に戸惑うことなく素早く撮影を行うことが可能になります。
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF35mmF1.4 R ■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF1.4 ISO160 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先 ■カスタムポジション:PRO Neg.Hi /ポートレート撮影用にハイライトを-1.5にし、AF-C、顔検出・瞳AFなども設定してカスタム登録した。
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF35mmF1.4 R ■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF2.0 ISO320 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先 ■カスタムポジション:シネマルックなETERNAは柔らかなトーンとコントラストなので、私の場合はカラーを+1、シャープネスを+2加えた設定で登録している。オールドレンズ使いにも相応しい。
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF35mmF1.4 R ■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.0 ISO320 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先 ■カスタムポジション:街中でのスナップ撮影にぴったりなフィルムシミュレーションクラシックネガ(Classic Neg.)は日常使いに。
自分なりのこだわりをカスタマイズしてそれぞれに登録しておき、ダイヤルを回すだけ。今までならカスタム設定はQボタンで一度呼び出し→変更する操作が必要でしたが、その手間も不要になるので撮影は快適です。ファンクション(Fn.)ボタンの設定も合わせて使うことで様々なシーンに幅広く対応できます。
内蔵ストロボで日中シンクロ撮影
良い意味でボディーとストロボが一体化し過ぎているので、その存在に気が付かないかも。と、思うのが内蔵ストロボ。暗い室内などで光量不足の際に使われることの多いストロボですが、屋外撮影でも活躍してくれます。
ボディ左肩にあるレバーを手前に引くことでストロボがポップアップする。
強い逆光で被写体が暗く写ってしまう場合、ちょっとレフ板が欲しいな。というようなシーンでストロボを使うだけでメインの被写体をより鮮明に写すことができます。(日中シンクロ撮影)
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF56mmF1.2 R ■左:ストロボなし/SS1/400 絞りF3.2 ISO320 焦点距離56mm WBオート雰囲気優先 ■右:内蔵ストロボ発光/SS1/200 絞りF3.2 ISO200 焦点距離56mm WBオート雰囲気優先
日中シンクロは、普段ストロボはほとんど使わないという人でも失敗をしたくない記念撮影や花撮影の補助光としても大いに役立つので覚えておきたいテクニックの一つ。また、X-S10のフラッシュ設定はX-T4同様となっており、クリップオンストロボなどの外部ストロボとのスレーブ撮影が可能なので拡張性も高くなっています。
日常使いに相応しいレンズ
今回紹介する単焦点レンズはXF35mmF1.4R、XF35mmF2R WR、XF56mmF1.2 R。
それぞれのレンズは、キットレンズにはない明るい開放値が特徴的で、小型ボディであるX-S10にも相応しいサイズ感です。
標準レンズは基準レンズ|XF35mmF1.4 RとXF35mmF2 R WR
いわゆる標準レンズと呼ばれる画角で単焦点レンズを初めて購入される方にまずはおススメしたいのが35mm(35mm換算53mm)。焦点距離に対し、開放値F1.4 RとF2 R WR の2本があり、明らかな違いは1段分の開放F値。
F1.4 Rは発売当初から根強いファンを持つ1本。ボケ方に特徴がありポートレートに相応しい柔らかな描写、とろけるようなボケが魅力。かつ、髪の毛一本一本もシャープに映し出す描写力にファンが多いレンズ。ただし、全群繰り出しAFの動作音が少々気になります。
一方で、スナップ撮影メインであれば、F2 WRを選ぶのもよい選択肢と言えます。F2 WRはAFがクイックレスポンスで描写もシャープな印象があり、人物と背景両方を活かしたいシチュエーション、建造物などの景観撮影で解像力を発揮します。加えて天候も気になる屋外であれば防塵・防滴仕様・-10℃の耐低温構造が心強い味方になってくれるはず。筆者も愛用しているレンズです。
■上:XF35mmF1.4 R / SS 1/50 秒 絞りF1.4 ISO 2500 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先 ■下:XF35mmF2 R WR / SS 1/50 秒 絞りF2.0 ISO 2500 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先
モデルとの距離は変えずに撮影すると背景の差が顕著です。玉ボケの形が美しいF1.4 R、奥行き感が出せるF2.0 R WR、この辺りは自分の好みやメインにする被写体でレンズを選んでも良いでしょう。
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF35mmF1.4 R ■撮影環境:SS 1/40秒 絞りF1.4 ISO3200 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
夕暮れ時は光量が少なく、明るい開放値である単焦点レンズが優位に。描写の良さが発揮され、薄暮の空もクリアで青さが際立ち背景の玉ボケも印象的になりました。
単焦点レンズは何よりもレンズワークとフレーミングが大切。この35mmという画角を広く感じるか、狭く感じるか、さらにはこのレンズで被写体に寄れるか引けるか。という感覚を基準に、自分自身の撮影しやすいレンズを決めていく目安にもなるはずです。
ポートレート撮影の定番 XF56mmF1.2 R
XF50mmF1.0の登場で少しばかり存在が薄く感じられますが、ポートレート撮影の定番と言えるレンズがXF56mmF1.2 R(35mm換算85mm)。X-S10のボディサイズとのバランスも抜群で、APS-Cの機動性を活かしたポートレート撮影をメインにするならばぜひ持っていたい1本。405gのコンパクトな設計は、移動を伴う撮影でも苦にならない重量と威圧感のない見た目、モデルとの距離感も最適です。
振り向いた瞬間をキャッチ。住宅街の路地裏でも背景が雑多にならず、ほどよい圧縮効果と気持ちよいボケによってモデルがグッと引き立ちます。平面表現である写真はレンズの力で奥行きを出したいもの。
■撮影機材:富士フイルムX-S10/XF56mmF1.2 R ■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF1.2 ISO320 焦点距離56mm WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
最短撮影距離0.7mで撮影。合焦点のキレの良さと、ソフトフォーカスをかけたような優しいボケ、肌の滑らかさと透明感もこのレンズの特徴です。撮ってもらうことが嬉しくなる写りのこのレンズは、歪むことなく真っ直ぐ捉えることができる画角であり、スナップや風景の撮影でも構図と切り取りを考えるのに相応しいレンズです。
■撮影機材:富士フイルムX-S10/XF56mmF1.2 R ■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF1.2 ISO320 焦点距離56mm WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
単焦点レンズは被写体で選ぶだけでなく、自分の視線を超えて“イメージの目”となり、表現を楽しめる一本をぜひ持ちたいですね。
おわりに
高速連写性能と動体追尾性能以外のほとんどの機能がX-T4から引き継がれながら、最新の機能を搭載したX-S10は、守備範囲の広いキットレンズによって身軽な装備で普段着のように気負わず撮影を楽しめます。「写真も、動画も両方気軽に楽しみたい!」という欲張りな要望に応えてくれる一台。
また、表現力の高い単焦点レンズは、今回紹介したレンズの他にもXシリーズの性能を引き出すレンズがラインナップされています。皆さんも「自分自身の1本」を見つけて〝今〟という目の前の光景、大切な人を写してみませんか。
■写真家:
こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
■モデル:鈴木マイラ
「X-S10」はこちらの記事でも紹介されています
■FUJIFILM Imaging Plaza東京でのX-S10取材記事
富士フイルム X-S10が登場|しっかり握れる小型ボディーに、びっしり詰まった高機能!
https://shasha.kitamura.jp/article/478001035.html
■写真家の片岡三果さんによるX-S10レビュー記事はこちらからご覧頂けます。
富士フイルム X-S10レビュー|小さなボディーにフジ製品のいいとろこがギュッと詰まった頼れる相棒
https://shasha.kitamura.jp/article/478921868.html
X-S10特集ページ
製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介していますので
コチラのページ も合わせてご覧ください。
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写真家のこばやしかをるさんが富士フイルムのX-S10を使ってポートレート撮影を行いました。日常的に使える標準の単焦点レンズと合わせてX-S10の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,富士フイルム,X-S10,標準単焦点レンズ,ポートレート
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 国産ソフトウェア「SILKYPIX Developer Studio Pro10」でRAW現像にチャレンジ!
BASENAME: 479718333.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 01/26/2021 16:00:00
TAGS: SILKYPIX,SILKYPIX Developer Studio Pro10,RAW現像,ソフトウェア
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BODY:
はじめに
皆さんは現像ソフトって何を使ってますか?デジタルカメラで撮影したRAWデータは、汎用的な画像データとして見る事ができるようにするため現像する必要があります。RAWデータを現像するソフトは各種ありますが、カメラメーカー純正のRAW現像ソフトやAdobe社のPhotoshopやLightroom、そしてSILKYPIXなどの現像ソフトがよく使われています。今回は、国産のRAW現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio Pro10」の使い方と特徴を紹介します。
RAW現像ソフトSILKYPIX Developer Studio Pro10の特徴
市川ソフトラボラトリーのSILKYPIXシリーズには、今回紹介するプロフェッショナル版の「SILKYPIX Developer Studio Pro10」、スタンダード版の「SILKYPIX Developer Studio 10」、そしてJPEG版の「SILKYPIX JPEG Photography 10」の3種類があります。
「SILKYPIX JPEG Photography 10」はRAW現像には対応していませんが、JPEGデータを高画質に調整できる独自の技術と露出・ホワイトバランスなどの基本的な調整機能を有しながらも、気になる箇所のみ調整できる「部分補正ツール」など、優れた機能が沢山あります。JPEGデータのみで撮影している方にも、高品質の作品作りをサポートしてくれるソフトです。
スタンダード版の「SILKYPIX Developer Studio 10」は、RAW現像に必要な基本的な機能を網羅しつつも、写真の仕上がりイメージに合わせて選択するだけで瞬時に調整結果が得られる人気の「テイスト」機能67種類が収録されています。
「SILKYPIX Developer Studio Pro10」は、スタンダード版の機能にプラスして複数の画像を合成する機能を搭載。また、定評のあるノイズリダクションを更に進化させた「ファインディティール」モードの搭載や大量の高解像度の画像でも高速表示を可能とする「セレクト」セクションの新設など、調整の自由度と使いやすさが向上しています。
RAW現像ソフトは、それぞれのカメラメーカーが自社のカメラのRAW現像ソフトを無料で公開しています。カメラメーカーのRAW現像ソフトのメリットは、「無料で使える」・「新機種のRAWデータに発売日から対応」などのメリットがあります。それでは「SILKYPIX」のようなサードパーティー製のRAW現像ソフトを使うメリットはどのようなところにあるのでしょうか?
例えば、メーカーの違う複数のカメラを使っているユーザーであればメーカー純正のRAW現像ソフトを使うとなると、それぞれのメーカーのRAW現像ソフトを使用しないと現像する事ができません。そんな時に「SILKYPIX」を使えば、メーカーの違うRAWデータを一つのソフトで現像することができます。昔ちがったメーカーのカメラを使っていた方や、今後メーカーを替える予定のある方、違うメーカーのカメラを複数持って写真を楽しむ方には、「SILKYPIX」などのサードパーティー製のRAW現像ソフトを使った方が効率よく現像作業をすることができます。
RAW現像ソフトSILKYPIX Developer Studio Pro10の基本的な使い方
初めてソフトを使う時、戸惑うのはたくさん並んでいるメニューの数々やアイコンの数です。たくさん並んでいるので、それだけで難しそうな感じがしてきますね。まずはソフトを立ち上げたら画面右上の項目の「セレクト」をクリックして、現像したいRAWデータが格納されているフォルダを選びます。フォルダ内のRAWデータのサムネイルが一覧で表示されます。サムネイルの大きさを変えるには横にあるスライダーで調整する事が可能です。
表示を切り替えたい場合は、画面左上部にある表示切替ボタンを選んでクリックします。「サムネイル表示」、「コンビネーション表示」、「プレビュー表示」が選べ、「コンビネーション表示」や「プレビュー表示」を選ぶと大きな画面イメージで画像を確認することができます。
コンビネーション表示
現像するRAWデータを探すにはサムネイル表示で全体から探し出し、その後にコンビネーション表示やプレビュー表示にすることで、現像するRAWデータを確認する手順がスムーズに進みます。
ここからRAW現像の本番です。RAW現像する画像を選んだら、画面右上の「調整」をクリックし現像モードに変更します。
画面右側に現像調整できる各種項目「パラメータ・コントロール」などが表示されます。現像の各項目の調整は、このパラメータ・コントロールやサブコントロールから現像調整を実施します。
SILKYPIXでは現像の調整を、露出補正、ホワイトバランス、調子(コントラスト)、カラー(彩度)、シャープ・ノイズリダクションの順で進めていくことを推奨しています。この調整の順番に沿って調整がしやすい様、パラメータ・コントロールには各調整項目が上から順番に配置されています。
露出補正は、パラメータ・コントロールに表示されているスライダーを使って明るさを調整します。
例えば「ホワイトバランス」項目のプルダウン▼をクリックすると、「SILKYPIX Developer Studio Pro10」でプリセット登録されているホワイトバランスの設定項目が表示され、簡単に選択することができます。または、サブコントロールが表示されるので個別に色温度を細かく設定する事も可能です。
調子(コントラスト)では、サブコントロールでコントラスト調整・ガンマレベル・黒レベル・明瞭度・かすみ除去の調整ができます。
カラー(彩度)では、サブコントロールで彩度・色表現の調整ができます。
シャープでは、サブコントロールで輪郭強調・偽輪郭抑制・ボケ保護などの各種調整ができます。
また種類を選択するとシャープの種類が選べるようになり、アンシャープマスクの設定も可能です。
シャープ調整をする場合は、かけ過ぎに注意する必要があるので画像データを等倍で表示にして効果の効き具合を確認しながら調整をしましょう。
※等倍表示ショートカットキーは「shiftキー+→ キー」
※全体表示ショートカットキーは「shiftキー+← キー」
パラメータ・コントロールの下に表示されているアイコン14種
上段左から
■ホワイトバランスの微調整
少しだけホワイトバランスを変更したい場合に使用
■トーンカーブ
調子表現の微調整、効果を与えるための明度変換をおこなうツール
■ハイライトコントローラー
ハイライト領域の色づくりをコントロールする機能白飛びした領域に階調を復元させることができます
■ファインカラーコントローラー
色を自由に操ることができる強力な色調整機能
■レンズ収差補正
現像時にレンズの収差を補正することで、より高品位な画像を生成するための機能
■回転、デジタルシフト
回転は±45度の範囲で画像の回転角度を設定できますデジタルシフトは、シフトレンズで撮影したような変形効果を与る機能
■環境設定
現像設定サブコントロールにあるデモザイク精鋭度は、現像時のピクセル分解の精緻さを決めます通常は「80」程度でOK、ノイズの多い画像では低めに設定します
下段左から
■効果
美肌効果、ノイズ付加の他、周辺ぼかし効果やシャープネスをかけたりすることができます
■モノクロコントローラー
指定したカラーフィルターをレンズに装着した効果、特定の色相の明度を調整する「明度」の2種類の設定を使って、モノクロ化する際の調整ができます
■マリンコントローラー
水中写真専用のホワイトバランスや水中で失われる色を復元する色復元など水中写真に特化した調整ができます
■スポッティングツール
写真に写りこんだゴミなどを消去したり、赤目を補正するためのツールです
■部分補正ツール
部分補正ツールは、補正したい領域を指定し、その領域内の明暗やコントラストなどを部分的に補正するためのツールです。逆光で暗くなってしまった人物の表情の明るさを持ち上げたり、光の反射で明るく映りすぎた対象物の一部のホワイトバランスを微調整する場合など、画像の一部に補正することを主な目的としています
■トリミング領域設定
画像の一部を切り取った作品をつくる場合に使用します
■編集履歴
編集内容を一覧で確認して、履歴の一部を操作し直すことも可能です。
このように「SILKYPIX Developer Studio Pro10」にはたくさんの調整機能があり、作品づくりを強力にサポートしてくれます。
「部分補正ツール」を使いこなす事ができると、細かな部分の調整が可能になり、今までとは一味違った写真に仕上げる事が可能になります。特に「スポッティングツール」は、RAWデータ上で写り込んでしまったゴミなど消去ができる優れた機能です。普段の撮影で気が付かないセンサー上のホコリも絞って撮影した際には写り込んできます。そんな場合でもスポッティングツールで画像データ上のゴミの部分を簡単に修正することができます。
スポッティングツール
一通り現像の調整ができ作品ができあがり、JPEG・TIFFデータなどに出力する場合は上部にある「現像(D)」→「一コマ現像(S)」を選択し保存場所を決めて「現像(S)」をクリックすれば作品の出来上がりです。
またRAW現像したデータをそのまま印刷するには、画面右上部にある「印刷」をクリックしプリンター設定で細かな調整を実施し、そのまま印刷する事も可能になっています。
「SILKYPIX Developer Studio Pro10」は、初めて使用する方でもRAWデータのセレクトから現像、そして印刷までスムーズな流れで作業できるようになっています。最初は難しく感じるかもしれませんが、自分の作品作りをしていきたい人にはとても頼りになるツールになると思います。
RAW現像ソフトSILKYPIX Developer Studio Pro10の凄い機能
「SILKYPIX Developer Studio Pro10」には、RAW現像機能のほかに充実した「合成機能」が新たに追加になりました。「比較明合成」・「多重露光合成」・「多重露光合成(夜景)」・「被写界深度合成」・「動体除去合成」・「ストロボモーション合成」などの多彩な合成機能があります。
3枚の画像データを「ストロボモーション合成」
「SILKYPIX Developer Studio Pro10」の6種の合成機能を使いこなすには、撮影段階から作品の出来上がりをイメージして撮影する必要があります。詳しくは、また別の機会で撮影方法なども含めて活用方法を紹介したいと思います。
高速ビューアソフトPhoto ExpressViewerもおすすめ
実際にRAW現像をやっていくと、パソコンのスペックにもよりますが、いろいろ時間がかかってストレスも溜まることもあります。特にたくさんの撮影データから現像したいRAWデータを探すのも、サムネイル表示が遅くてイライラする事も多いのではないでしょうか?そのイライラを解消してくれるソフトが最近発売されました(2021年1月21日発売)。「SILKYPIX Developer Studio Pro10」と同じ販売元の市川ソフトラボラトリーの「Photo ExpressViewer」です。
このソフトは、JPEG、TIFF、RAW画像の閲覧や整理に特化したソフトでGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)対応による高速表示など、セレクト作業を素早く快適に進めることが出来ます。RAW現像以外にも画像データにタイトルやコメントなどを付加できたり、撮影の際に使用したフィルター情報などを記録したりする事もできるので、とても便利です。また、検索機能を使って画像を検索することも出来るので、キーワード的なものを付加しておくといいかもしれません。
まとめ
今回紹介した「SILKYPIX Developer Studio Pro10」Windows版・macOS版および「Photo ExpressViewer」Windows版は、30日間無料体験が可能です。この30日間の無料期間には、機能制限などは無くすべての機能が使える状態で体験する事ができます。
気になった方は、市川ソフトラボラトリーのSILKYPIXのページからソフトをダウンロードしてRAW現像を試してみてください。
・「SILKYPIX Developer Studio Pro10」の
ダウンロードページはこちら
・高速ビューアソフト「Photo ExpressViewer」の
ダウンロードページはこちら
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがRAW現像用ソフトウェアの「SILKYPIX Developer Studio Pro10」を紹介しています。優れた特徴や基本的な使い方説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
SILKYPIX,SILKYPIX Developer Studio Pro10,RAW現像,ソフトウェア
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 私のメインカメラはキヤノン EOS R6。その驚異のスペックと操作性を中心にレビューします!
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CATEGORY: 鶴巻育子
DATE: 01/28/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,EOS R6,キヤノン(Canon) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
キヤノン製品で「6」といえば2番手と思われがちですが、EOS R6は今後、キヤノンフルサイズミラーレスのスタンダードモデルに位置付けられるそうです。EOS-1D X Mark IIIのCMOSセンサーを改良して搭載され、EOS R5と同様のエンジンDIGIC Xが採用されていると聞けば、納得。同時期に発表されたEOS R5とどちらを購入するか迷ってる方も多いのではないでしょうか。コストパフォーマンス、サイズ感、操作性を含めて考えた結果、現在、私のメインカメラは、EOS R6。その驚異のスペック、操作性などを中心にレビューします。
高画質
いつからか、デジタルカメラはまず画素数を気にする傾向になっており、約2010万画素と聞くと頼りなく感じてしまうのは確かです。しかし、EOS R6は、EOS-1D X Mark IIIをベースに開発されたCMOSセンサーとEOS R5と同様のエンジンDIGIC Xが採用されています。
こちらの港風景の写真は、キットレンズのRF24-105mm F4-7.1 IS STMを使用して高層ビルから撮影しています。コンテナに積まれるのを待つ自動車や手前の木材の細かな部分まで描写されており、非常に高精細であることが確認できます。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4-7.1 IS STM ■撮影環境:f/11 1/125秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離27mm
チェスの写真は、RF50mm F1.2 L USMを装着し開放F1.2で撮影。さすが大口径レンズ。繊細で美しいボケとピント部分のシャープさ、立体感が際立ちますが、逆光で捉えたチェスの駒の白と、背景の黒の色に注目していただくと、ダイナミックレンジの広さが確認できます。パソコン画面よりもプリント作品にしたときにこそ、階調の豊かさが実感できると思いました。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF50mm F1.2L USM ■撮影環境:f/1.2 1/50秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離50mm
画像を広告写真など仕事として使用する場合や展示で大判プリントをすることを考えると当然大きい画素数が必要となりますが、過度なトリミングをしない限り、A4やA3サイズを出力するには2010万画素でも全く支障はなく、データ保存の容量など考慮すると、通常の使用ではむしろ最適とも言えるかもしれません。
高感度性能
EOS R6の常用ISO感度は100~102400を実現しています。EOS R5に関しては100~51200までとなっていることから、夜間や暗所での撮影ではEOS R5よりも有利。こちらの高感度のISO1600で撮影した写真を見るとわかるように、高架下の壁や天井部分もノイズが感じられず滑らかに仕上がっています。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4-7.1 IS STM ■撮影環境:f/7.1 1/13秒 ISO1600 露出補正-1 焦点距離24mm
このカラスの写真はRF600mm F11 IS STMを装着して高感度で撮影しました。ISO2500に設定していますが、やはりノイズが発生していません。太陽光が当たったカラスの羽が、質感や色のグラデーションなどディテールが美しく表現されているのがわかります。高感度撮影とは思えない階調豊かな描写を得ることができ、夜のスナップ撮影や都市の夜景風景撮影にも、高ISO感度でも躊躇なく撮影が楽しめます。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF600mm F11 IS STM ■撮影環境:f/11 1/100秒 ISO2500 露出補正-0.7 焦点距離600mm
手ブレ補正性能
キヤノンはこれまで手ぶれ補正機能はレンズ側のみ採用してきましたが、遂にEOS R5とEOS R6ではボディ内手ぶれ補正が搭載されました。装着するレンズにもよりますが、5軸の補正に対応し最高でIS8段が補正される効果(レンズとボディーの協調制御による補正効果)は、他社と比較しても圧倒的です。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4-7.1 IS STM ■撮影環境:f/8 1/4秒 ISO125 露出補正-0.3 焦点距離105mm
RF24-105mm F4-7.1 IS STMを装着し、望遠端、シャッタースピード1/4秒、手持ちで撮影に挑戦してみました。100%ではありませんでしたが、かなりの確率で成功。広角側だと1秒以上に設定してもブレなく写せました。暗い場面でも、手持ちで低感度の高画質を得られるのがメリット。ほかにも、車のライトなどを利用した光の軌跡や、被写体ブレを生かした撮影をする場合、以前は三脚必須でしたが、手持ちならいつでも気軽に撮影可能ですから、スナップでも撮影の幅が広がります。
AF性能
カメラ内のさまざまな機能に頼らず撮影するのが絶対と考えていた私は、AFはワンショット、スポット1点を貫いてきました。しかし近頃は拘りを捨て、便利な機能は使ってみようと気持ちの変化が起きています。ディアルピクセルCMOS AF IIを搭載し、広範囲に及び高速で精度の高いオートフォーカスを実現したEOS R6。私も早速、顔+追尾優先AFに設定しカモメや猫を狙ってみました。ピントは瞳に面白いほどピッタリ合致。飛んでいるカモメにフォーカスが追尾し続けます。これじゃ、撮影スキルも必要なくなっちゃう?! と戸惑いを感じますが、とにかく、いいモノが撮れたらいいんじゃない?と素直に受け入れることに。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4-7.1 IS STM ■撮影環境:f/9 1/800秒 ISO125 露出補正-0.3 焦点距離24mm
このAF性能は、動物撮影にはもちろん、スポーツや子どもの撮影にも重宝するに間違いありません。測距エリアは、最大で縦横100%を達成しています。但し、レンズによって測距エリアの範囲が異なり、私が最近お気に入りの新レンズRF600mm F11 IS STMとRF800mm F11 IS STMの場合はAFエリアが横40%縦60%の範囲に制限されます。被写体は殆ど中央に配置する私にとっては全く問題ありません。余談ですが、この2本のレンズ、F11固定というハンデはありますが、軽量、安価で本気でおすすめです。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF600mm F11 IS STM ■撮影環境:f/11 1/800秒 ISO1600 露出補正-0.3 焦点距離600mm
操作性
EOS Rに搭載されていたマルチファンクションバーがなくなり、サブ電子ダイヤルが復活。私もその一人でしたが…この変更は多くのEOSユーザーの声を反映した結果?…ですよね。サブ電子ダイヤルを親指でクルクル回す感覚は、身体に染み付いているので抜群の使用感。カメラはとにかくシンプルな操作性が好みな私にとって、EOS R6はモードダイヤルというのも大きなポイントで、操作性に関しては、個人的にEOS R5よりも断然好み。
電子ビューファインダー(EVF)の進化も魅力のひとつです。画像がカクカクせず滑らかなEVFは、光学ファインダーに慣れている人でも、違和感なく使用できると思います。今まで背面モニターとの切り替えのちょっとしたレスポンスのズレがどうにもストレスでしたが、そこも改善されており、もうストレスを感じることはありません。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:f/2.2 1/2500秒 ISO400 露出補正-1 焦点距離35mm
信頼性
デュアルスロットが採用となり、画像をダブルで書き込めるのは安心感が増します。静止画、動画の記録の振り分けも可能です。さらに、新規フォルダーも作成できるので、撮影後の画像整理もスムーズに進むのは想像がつくはずです。
そして、意外と大事なのが、バッテリーです。以前までメインカメラとして使用していたEOS RPではバッテリー(LP-E17)を常に3~5本は予備として持ち歩いていました。EOS R6のバッテリーLP-E6NHは、容量が2130mAhに増量され持ちがかなり良いため、一日スナップしていても、1本で済むことがほとんど。さらにうれしいのは、EOS 5Dや6DのバッテリーLP-E6Nも使用できるため、一眼レフカメラも所有しているユーザーにとっては、とりあえずは予備バッテリーを改めて購入する必要がないのも大きなアドバンテージです。
動画性能
EOS R6の性能を動画撮影でも検証してみました。水族館で熱帯魚やクラゲを狙ってみたところ、さすがカメラ内5軸手ブレ補正機能により手持ちでも快適に行え、AF設定を追尾優先AFにセットすれば、面白いほど動くクラゲにピントを合わせ続けてくれました。私は子どもがおりませんので試せませんでしたが、小さな子どもやペットの撮影に重宝するのは間違いないですね。
今回はFHDでの撮影でしたが、もちろん4Kにも対応しており手軽に高画質の映像を楽しめます。既にテレビ画面では4Kが主流となっていますので、撮影した映像をテレビで観ると考えれば、4Kで撮影するのがベターでしょうか。
VIDEO
私がハマったのは、タイムラプス動画。空の変化や人の動きなど、時間の流れを感じる場面を選ぶと効果を感じられます。普段見慣れた風景も、不思議な世界に変化します。最近は、Youtubeなどで料理の手順説明に活用している方も多いですね。
VIDEO
まとめ
冒頭にも述べましたが、キヤノンの「6」と言えば、「5」の廉価版というイメージでしたが、これからは、これぞ「New Standard」と言えるカメラ。歴代のキヤノンミラーレスシリーズを使い続けてきて、その都度、もうひとつ物足りなさを感じていたのは事実でしたが、EOS R6は、驚異的なスペックはもちろんですが、キヤノンらしい操作性が戻ったことに加え、ファインダーの見易さが、そのモヤモヤ感を感じず、ストレスフリーで気持ちよく撮影できる理由なのでしょう。
■写真家:
鶴巻育子
1972年、東京生まれ。広告写真、カメラ雑誌の執筆のほか、ワークショップやセミナー開催など幅広く活動。写真家として活動する傍ら、東京・目黒、写真専門ギャラリーJam Photo Gallery 主宰を務める。ライフワークでは、これまでに世界20カ国、40以上の都市を訪れ、街スナップや人物を撮影。主な写真展 Brighton-a little different(2012年、オリンパスギャラリー)、東京・オオカミの山(2013年、エプソンイメージングギャラリーエプサイト)、3[サン] (2015年、表参道スパイラルガーデン)、THE BUS(2018 年、ピクトリコギャラリー・PLACE M)、PERFECT DAY(2020年、キヤノンギャラリー銀座)など。THE BUS(2018年、自費出版)、PERFECT DAY(2020年、冬青社)がある 。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の鶴巻育子さんがキヤノン EOS R6のレビューを行っています。EOS R5ではなく、何故R6をメインカメラとしているかを作例と共に解説していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,EOS R6,キヤノン
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー フルサイズミラーレス α1|新次元フラグシップモデルが登場!
BASENAME: 479818915.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 02/01/2021 16:00:00
TAGS: α1,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
2021年1月27日にソニーからフルサイズミラーレスカメラのフラグシップ機「α1」が発表されました。これまでの一眼フルサイズのフラグシップ機は画素数を低く抑えたモデルになっていましたが、α1はそれとは一線を画し有効約5010万画素の高画素のミラーレスカメラでフラグシップ機を仕上げてきました。
α1は高画素ながら15ストップの滑らかな諧調表現を可能とし、画像処理エンジンの高速化によりAF/AE追従で30コマ/秒のブラックアウトフリーの高速連写を実現。演算処理速度を高める事によりAF追従性能を向上させ、超高精細の電子ビューファインダーは世界初となる240fpsのリフレッシュレートで上下左右にパンする時の残像が大幅に低減され、電子シャッターでのフラッシュ同調も可能にしています。
ミラーレスカメラの強みを飛躍的に向上させ、弱い部分に大幅な改善が施されており、今まで見たことがないスペックの高さに、一眼フルサイズのフラグシップ機が新たなフェーズを迎えたの感じました。動画は8K30Pにも対応、ワークフローではプロの現場で必要とされる即納を実現する為高速通信性能を持っています。
今回はメーカーからリリースされた情報の中で気になる機能を紹介し、補足としてソニーストア銀座の先行展示機(サンプル機)を触ってきましたのでその時の印象を含めて記事を書かせて頂きました。是非ご覧ください。
高画素でありながら超高速性能を実現
α9シリーズから大幅に進化したメモリー内蔵積層型CMOSセンサー「Exmor RS」は有効約5010万画素となり、α9IIの約8倍の処理性能をもつ画像処理エンジン「BIONZ XR」と連携することで、ブラックアウトフリーのAF/AE追従で30コマ/秒の連続撮影を可能にし、JPEGでは165枚、圧縮RAWでは155枚の連続撮影を可能にしてます。これにより今まで撮り逃していた一瞬の動きや被写体の表情の変化をより確実にそして高精細に捉える事が出来るようになるのではないでしょうか。
高画素化により、APSCサイズにクロップした時でも約2100万画素での撮影が可能になり、またフルサイズのMサイズも2100万画素を設定することができるのでクロップのBefore、Afterで解像度を揃えることが出来るのは嬉しいですね。
電子シャッターの弱点の一つにローリングシャッター歪みがありα9シリーズでも相当軽減していましたが、α1では更にその1.5倍の歪みを抑えることに成功しているようです。他にも電子シャッターでのフリッカーレス撮影を可能にしたり、1/200秒でのフラッシュ同調を可能にしているということですので、電子シャッターの弱点は殆ど無くなっているのでは?と思いました。
シャッター速度は最高1/32000秒で撮影が可能との事ですので、どんな画を撮る事が出来るのかとても楽しみです。また天気の良い時に絞りを開けて撮影したり、スローシャッターにしたい時にNDフィルターを使う事なく撮影を進められます。
■30コマ/秒の連写音
シャッターを切ったタイミングを音で掴めるように連写音を入れているようです。元々音も振動もありませんので、設定で無音にすることも可能です。
VIDEO
■メカシャッターでの10コマ/秒の連写音
メカシャッターには2重のダンパーが搭載されていて、音も静かで振動もとても少なく感じました。
VIDEO
■シャッターでセンサーをカバー
電源OFFにするとシャッターを閉じるように選択する事ができます。レンズ交換の際にゴミやホコリがイメージセンサーに付着しにくくなりますし、誤ってセンサーを傷つけてしまいそうな恐怖心も薄れますねw
VIDEO
高画素化にも関わらず、裏面照射構造の高い感度特性などにより常用ISO100-32000、拡張ISO50-102400(拡張は静止画のみ対応)の設定が可能になっています。
AF性能
759点の像面位相差AFを画面のほぼ全域(約92%)に配置しており、425点のコントラストAFはその少し内側の範囲に配置されています。このハイブリットAFにより高密度かつ広範囲で被写体にフォーカスを合わせる事を可能にしています。
演算処理はα9IIの2倍のスピードの120回/秒になり、AFの追従性能が向上。速度変化に緩急のある被写体や、フレーミングが難しい被写体に対して追従の精度が向上したようです。
リアルタイム瞳AFは人物が下向き、横向きなど、角度のついた状態でも高精度に瞳を捉え続け、その精度はα9IIよりも約30%向上。犬や猫などは寝転がって逆さになった状態でも瞳を追従出来たり、左右の瞳の切替えも出来るようです。また今回新たに鳥の瞳にもAFを合わせる事が出来るようになっています。大空を飛び回る鷹や鷲、小鳥が枝から羽ばたいて飛んで行くところなどで是非試してみたいですね。
ファインダー/手振れ補正/外観
α7S III同等のクラス最高約944万ドットの電子ビューファインダーを搭載。リフレッシュレートは世界初※の240fpsとなり速く動く被写体を捉えやすくなっています。ショールームの中でファインダーを覗いて実際の見え方を確認しましたが、本当によく見えるので電子ビューファインダーである事を忘れてしまいそうでした。また上下、左右にパンしても残像など気になりませんでした。またファインダーのサイズは0.64型、倍率は0.9倍ですので、大きく被写体を見ることができます。
※2021年1月27日ソニー調べ。フルサイズミラーレスカメラにおいて。
α1 :約944万ドット、240fps、0.64型、視野率 約100%、倍率 約0.9倍
α9II :約369万ドット、120fps、0.5型 、視野率 約100%、倍率 約0.78倍
α7S III:約944万ドット、120fps、0.64型、視野率 約100%、倍率 約0.9倍
α7R IV :約576万ドット、120fps、0.5型 、視野率 約100%、倍率 約0.78倍
液晶モニターはチルト式を採用。光軸上に画を捉えて撮影する事ができます。
手振れ補正は5軸5.5段分のボディー内手ブレ補正機構を搭載。手持ちの動画撮影を強力にサポートしてくれるアクティブモードが搭載されています。このアクティブモードはわずかに撮影画像がクロップされますが、効果的に手ブレを補正してくれるようです。
ダイヤルやボタンによる操作系はα9シリーズから継承しており、外寸はα9IIと比較してもほぼ同程度ですが質量は約59g重くなっています。外寸はα7S IIIと全く一緒で、グリップの深さや握った感触も同じような感じがしました。
α1 :約128.9x96.9x80.8mm、約652g
α9II :約128.9x96.4x77.5mm、約593g
α7S III:約128.9×96.9×80.8mm、約614g
α7R IV :約128.9×96.4×77.5mm、約580g
α7III :約126.9×95.6×73.7mm、約565g
※外寸は横×高さ×奥行、質量(本体のみ)
メモリーカードはCFexpress Type AメモリーカードとSDカードの両方を利用する事ができます。ダブルスロットの片方にCFexpress Type Aを入れて、もう片方にSDカードを入れて利用する事も可能です。下の画像はCFexpress Type Aの大きさを説明する為に撮った画像で、SDカードより小さい事がお分かり頂けるかと思います。またXQDはCFexpress Type Bの大きさと同じですので、CFexpressはType AとType Bでこれだけ大きさが異なる事が分かるかと思います。
(左)CFexpress Type A、(中央)SD、(右)XQD
メニュー操作はタッチで滑らかに操作できるようになっています。
VIDEO
ストラップをボディーにつなぐ為にある三角環は通常ピラピラと動いてしまい、微かに音がしますが、その音さえもださないようにと、動かした場所で固定されるようにつくられています。音響にこだわる動画撮影者への配慮が細部迄行わたっているのを感じます。
VIDEO
動画性能
8K30Pで4:2:0 10bitの記録が可能で、構造上α7R IVの5倍の放熱性能を持ち、8K30Pでの撮影においても30分間の連続撮影を可能にしています。また4K 120pで4:2:2 10bitの記録が出来、高精細なスローモーション表現を可能にしています。業務用ラージフォーマットカメラ「FX9」およびプロフェッショナルカムコーダー「FX6」で好評な、肌の色をシネマチックに表現するルック「S-Cinetone」を搭載しており制作者のさらなるクリエイティブな表現要求に応えてくれます。
オートフォーカスはリアルタイムトラッキング、リアルタイム瞳AFでの撮影も可能で、フォーカスの移動スピードを調整する「AFトランジション速度」や「AF乗り移り感度」の機能も搭載されています。
※動物、鳥の瞳AFは動画では非対応となります。
その他魅力的な機能
フラッシュ撮影の際メカシャッターでは世界最速※の1/400秒で同調させる事が可能になっています。さらにAPSCにクロップすれば、1/500秒での同調も可能となり、今まで撮影できなかった映像表現にチャレンジできます。前述しましたが、電子シャッターでも1/200秒(APSCでは1/250秒)でフラッシュ同調が可能です。
※2021年1月27日時点、ソニー調べ。フルサイズレンズ交換式デジタルスチルカメラにおいて。
「ピクセルシフトマルチ撮影」という機能があり、これは16回の撮影で約1億9900万画素の画像を生成し、より高解像度の画をつくる事を可能にしています。
静止画、動画共に使えるクリエイティブルックという機能があり、10種類の色味がプリセットされていて、選択したモードをベースにさらに独自の画作りを楽しめるようになっています。
報道系のプロのワークフロー
業界トップクラスの転送速度を持つWi-Fi 802.11ac 2x2 MIMOを搭載。外付けアダプター不要のボディー内蔵型で、報道、スポーツ系のFTP転送やスタジオでの無線テザー撮影などで高速かつ安定したデータ転送が可能です。また物理的にも1000BASE-Tに対応した有線LAN端子や、SuperSpeed USB 10Gbps (USB 3.2) 対応のUSB Type-C端子を搭載しており、データ転送は勿論リモート撮影時も安定した通信を実現させています。
さいごに
フルサイズのフラグシップ機を使うプロフェッショナル及びハイアマチュアの為に、機能と操作性が磨き上げてられており、また高速性能を高めながらも高画素機となり機動性を持っている事からα1は唯一オールジャンルに対応したフルサイズのフラグシップ機となっているのではないでしょうか。今回紹介しきれなかった機能や、フィールドでの実機レビューに関しては今後記事にして参りますので、是非楽しみにしていてください。
「α1」はこちらの記事でも紹介されています
■写真家によるレビュー記事
ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480563123.html
特集ページ
α1特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひ
コチラ の特集ページも合わせてご覧ください。
■更新
・2021年2月2日:予約開始に伴い予約開始時期の文言更新と商品ページへのリンクを追記しました。
・2021年3月19日:製品の発売に伴い予約受付中の内容を差し替えました。
・2021年3月22日:「ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ」記事リンクを追加しました。
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EXCERPT:
2021年1月27日にソニーからα1が発表となりました。先行展示機を触った印象を含めてα1の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,α1
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: まるで海に潜って撮影したかのような写真が撮れる!?水族館撮影テクニックをご紹介。
BASENAME: 479835439.html
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CATEGORY: 虫上智
DATE: 02/02/2021 16:00:00
TAGS: 水族館,撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー,オリンパス(Olympus) レンズ,OM-D E-M1 Mark III
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はじめに
多くの場合、水族館というと暗い部屋でお魚を見学する場所というイメージですよね。しかし最近のスマホやカメラ機材を使用すると暗い場所でも簡単に海に潜って撮影したかのような写真が撮れるのです。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/4 1/60秒 ISO400 露出補正-1 焦点距離100mm(35mm判換算では200mm) ■撮影場所:四国水族館
この魚は熱帯の海域でよくみられる、レインボーカラーで絵になるマンダリンフィッシュ(日本名:ニシキテグリ)です。小さな魚ですがアップで撮影すると背景のボケも大きくなり、絵になります。小さな魚こそ、実はよく観察すると案外絵になる魚が多いです。見逃さないように。
最近の水族館事情
最近できた水族館はただ単に水槽に魚が泳いでいるような展示はしていない水族館が多く、魚が住んでいる自然環境に合わせた景観を考えて作られていますので、以下の写真のように本当の海や川で撮影したような雰囲気で撮影できる場所が多々あります。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/5 1/50秒 ISO3200 露出補正-0.3 焦点距離35mm(35mm判換算では70mm) ■撮影場所:マリホ水族館
この水槽は淡水魚の水槽であたかも実際の渓谷に居るような感じに見学できるように岩の色や質感、空気の泡などをうまく取り入れているので撮影するとご覧の通りです。
水族館撮影におすすめのカメラ機材
水族館の撮影でお勧めできる機材なのですが最近の最新スマホは暗いところでも撮影できるモードがあり、スマホの液晶で見るとびっくりするほど奇麗に撮影できますが最終的に大きなプリントをするときにはまだまだ解像度が足らないスマホが多いのです。ミラーレス一眼カメラならきちんとファインダーから目を離さずに作画しやすく、解像度も高いので展示用に大きくプリントしても奇麗なのでお勧めです。カメラ内部に手振れ補正機能があるカメラならより失敗しにくくなります。
推奨できるレンズは屋内撮影の場合、基本的にはより手ブレを少なくするため、広角気味でしっかり構えて撮影します。また、出来るだけ開放F値が明るい(数字が小さい)レンズが早いシャッタースピードを稼げて良いのですが、逆に開放F値が暗い(数字が大きい)レンズはシャッタースピードが遅くなり、動いている魚はブレすぎて失敗しやすくなります。その際、ISO感度を思いっきり上げてシャッター速度を速くする方法がありますがあまり上げすぎるとざらついた写真になりやすいです。また、極端に暗い水槽(深海)ではどうやってもブレますのでガラスの縁などを利用し、カメラを固定してシャッターを切るというような撮影方法もあります。
注意:水族館ではストロボは基本的には禁止のところが多いですし、使わないようにしましょう。動物にストレスを感じさせますし、もし、ストロボを焚いたとしても記念写真になりがちです。
今回筆者が撮影したカメラ:ミラーレス一眼カメラOM-D E-M1 Mark IIIはカメラ本体に強力な手振れ防止機能があり、本体は軽量で撮影がしやすいです。
※一部の写真はE-M1 Mark IIで撮影しています。
撮影レンズは主にM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROです。このレンズは高倍率ズームでしかも接写も得意とするレンズでガラス越しの撮影には便利です。
水族館撮影のポイント
水族館の撮影では場所によっては狭い通路で撮影することとなりますから、三脚を広げてじっくりというスタイルは一般見学者の邪魔になりやすいので手持ち撮影を推奨します。まずは受付で水族館マップを貰いましょう。マップには地図のほか、餌やりイベントなどの開催時間が記載されていますので撮影にまわる順番を決めるには好都合です。
水槽に着いたらまずはインフォメーションを見て、魚を観察することをお勧めします。どんな動きでどんな生体かがわかることでその被写体の興味が倍増し、撮影するモチベーションも上がります。
主にガラス越しでの撮影となりますのでレンズをガラスにぴったりと付けると反射なく撮影できますがレンズを動かすことが出来なくなりますから画角が制限されます。その際、ゴム素材で出来た
ラバーレンズフード や
忍者レフ などを取り付けると良いでしょう。
また、ガラスの反射をとるPLフィルターも効果的ですが暗い屋内だとシャッタースピードがより遅くなるので不向きです。明るい屋外での使用を推奨します。
混雑時など、水槽から離れて撮影する場合、じっくりとファインダーで水槽のガラス面の映り込みを確認して自分や、周りの建造物等ができるだけ目立たない角度で撮影します。また、場合によっては映り込みを逆に取り入れた作品も成功することがありますので映り込み=悪いというイメージを捨てることも考えてみるといいでしょう。この作例ように映り込みをわざと取り入れることで奇麗さが強調されることがあります。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/4.5 1/100秒 ISO640 焦点距離80mm(35mm判換算では160mm) ■撮影場所:四国水族館
大きな大水槽では悠然と大きな魚が泳いでいて圧倒されますが、水槽を見ている観客を取り入れることで物語性がプラスされた作品に出来ることがあります。この作例では大水槽の前に人が入り逆光になり、人がシルエットになり、また天井と床を多く取り入れることでハイビジョンTVを見ているような広がり感も強調出来ました。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/4 1/6秒 ISO640 露出補正-0.3 焦点距離16mm(35mm判換算では32mm) ■撮影場所:四国水族館
動画を見ていただくと人物が入ると雰囲気が変わることを実感できると思いますので是非見てください。
VIDEO
■撮影場所:四国水族館
水槽の上部に強いライトがあると魚がシルエットになり、まるで太陽の下で魚が泳いでいるかのような写真が撮れます。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/6.3 1/50秒 ISO640 露出補正-1.7 焦点距離28mm(35mm判換算では56mm) ■撮影場所:四国水族館
動画を見ていただくとわかりますがこの頭の形に特徴のある魚は常に早く動いているのであまりにブレすぎると何の魚か判別がつきにくくなるのでこの水槽では少しISO感度を上げつつ、露出補正をマイナスにしてシャッタースピードはある程度速くする必要があります。
VIDEO
■撮影場所:四国水族館
写真のように出来たばかりの水族館や、リニューアルした水族館はガラスや水も奇麗なので驚くほどクリヤーな写真が撮れます。あと、古くても水を変えたばかりの水槽も奇麗な写真が撮れますから事前に調べていくのも良いと思います。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/4 1/125秒 ISO800 露出補正-0.7 焦点距離12mm(35mm判換算では24mm) ■撮影場所:マリホ水族館
水族館撮影テクニックあれこれ
クラゲの展示などはクラゲ自体が幻想的な被写体ですから、多重露出機能が付いたカメラならより幻想的な作品に仕上げることも出来ます。
■撮影機材:オリンパス -M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/4 1/80秒 ISO400 露出補正-2 焦点距離12mm(35mm判換算では24mm) ■撮影場所:四国水族館
この作例はカメラを多重露光モードにセットして1枚目はピントを合わせて撮影し、2枚目はピンボケにして撮影したものです。この撮影で注意したことは2枚目の撮影時に、1枚目の主役となるクラゲを配置してからピントのずらし加減でボケの大きさを調節してシャッターを切ることです。また、ライトの当たり具合でタコクラゲが真っ白になったりしますので、露出補正はその都度変更してきちんと模様がで出るようにしました。
最近の水族館の照明はLEDを使用した太陽光を基準となるように設計されている水族館が多いのでホワイトバランスはオートではなく、基本的に全ての場面は晴天(☀)マークで撮影しています。RAWで撮影して後から色温度を微調整すれば、より自分が表現したい色に仕上げることができるためです。このクラゲの写真はあえてピンク色を少し強調しました。
実際には以下の動画のように見えています。撮影当時、タコクラゲは沢山泳いでいなかったので多重を使うとタコクラゲの量を2倍に増やすこともできますよ。(多重露光の回数により3倍とか4倍とかもできるカメラがありますが重なった部分に違和感が出ることがありますので注意してください)
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■撮影場所:四国水族館
動画を見ていただくとわかりますが、クラゲだけでもユニークな形なので絵にはなりますが静止画だと多重露出機能を使用して作品に変化を加えました。クラゲの水槽は暗いのでISO感度を多少上げつつ、露出補正をマイナス気味での撮影を推奨します。
また、水族館でしか表現できないユニークな展示物を取り入れた撮影も効果的です。水槽の周りが奇麗なピュアホワイトの壁でしたので額縁効果を考えてフレーミングしました。
■撮影機材:オリンパス -M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/7.1 1/320秒 ISO400 焦点距離24mm(35mm判換算では48mm) ■撮影場所:四国水族館
動画を見ていただくとわかりますが、この水槽のアシカは同じ動作を繰り返しているのがわかります。ですので慌てず、じっくりとフレーミングをしてチャンスを待ちましょう。この撮影では額縁構図にするためにカメラ位置が真正面でしたのでPLフィルターなどで反射を防ぐことが出来ないですが、自分の足の影をわざと取り入れて作画してみました。
VIDEO
■撮影場所:四国水族館
この写真のように魚の紹介写真になりがちなときは自分の体の一部などを取り入れてみるアイデアも面白く表現できます。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/4 1/25秒 ISO800 露出補正-2 焦点距離12mm(35mm判換算では24mm) ■撮影場所:マリホ水族館
まとめ
水族館なら外の天候に左右されず、寒い時には暖かく、暑いときには涼しく楽に気分よく撮影できる場所ですし、家族サービスにもお勧めです。また、いつ行っても同じ魚が展示しているとは限りませんので一期一会、是非その時に出会った気に入った被写体を出来る限り撮影してくださいね。最後に私が撮影した水族館写真を楽しんでもらえたら幸いです。
イトヒキアジはなかなか海に潜っても見られない絵になる魚なのですが、背景が黒でしかもペアで撮影できた時は大変嬉しかったです。この後、数か月後にもう一度この水族館に行ったのですが、もうイトヒキアジはいませんでした。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/4 1/125秒 ISO640 露出補正-3.7 焦点距離24mm(35mm判換算では48mm) ■撮影場所:四国水族館
実際に瀬戸内海に潜るとこのような同じ光景を目にします。キヌバリとアマモのコラボとか瀬戸内に潜っても濁っててこんな感じにはなかなか撮影できないんですよ(;^_^A
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/4 1/500秒 ISO800 露出補正-0.3 焦点距離34mm(35mm判換算では68mm) ■撮影場所:四国水族館
テトラポッドにメバルが居る光景は釣り人やダイバーなら想像がつきますが実際、海に潜ってもこのような場所はやっぱり濁っていてなかなか撮影は出来ないんです。この作品はテトラの白い部分にメバルが来るチャンスを狙いました。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/4 1/60秒 ISO800 露出補正-0.3 焦点距離16mm(35mm判換算では32mm) ■撮影場所:四国水族館
餌やりのタイミング時にモモイロペリカンが1匹の魚を巡って争っています。一瞬のチャンスでしたがモノに出来て良かったです。それにしても水が奇麗なのと大水槽の下から見られるこの展示方法には脱帽ですね。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/7.1 1/500秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離24mm(35mm判換算では48mm) ■撮影場所:サンシャイン水族館
大都会をまるで飛んでいるかのようなペンギン!静止画だと不思議な写真になりました。こちらも同じようなユニークな展示方法に脱帽。
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:f/7.1 1/250秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離29mm(35mm判換算では58mm) ■撮影場所:サンシャイン水族館
※今回ご紹介した作例は全て緊急事態宣言前に撮影したものです。
最後に合わせて読みたい単行本をご紹介します。この本は全国の水族館を対象に沢山の素晴らしい写真と詳しい解説で構成されていて絵になりそうな魚や各水族館のアイドル的な魚の紹介など、これからどの水族館に行ってみようかな?と思う方にとても参考になる本です。因みに私も作品を提供しておりますので探してみてください^^。
詳細:https://www.gbnet.co.jp/
■写真家:
虫上智
1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)、会員一般社団法人 日本写真講師協会認定フォトインストラクターフォトマスターEX(総合) オリンパスカレッジ講師
この記事に使用した機材
【オリンパス】オリンパスOM-D E-M1 MarkIII
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の虫上智さんが水族館での撮影テクニックを紹介しています。最近できた水族館の展示は自然環境に合わせた景観で作られているところが多く、雰囲気のある撮影が出来ますので是非試てみてください。
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KEYWORDS:
オリンパス,OM-D E-M1 MarkIII,水族館,撮影テクニック
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム GFX100S|1億画素を小型ボディに詰め込んだ夢のラージフォーマットセンサーカメラ
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 02/03/2021 16:00:00
TAGS: GFX100S,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,ミラーレスカメラ,ラージフォーマット
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BODY:
はじめに
2021年1月27日に配信された、富士フイルムのライブイベント「X Summit GLOBAL 2021」にてベールを脱いだ「GFX100S」。フルサイズセンサーを超える対角55mmのラージフォーマットセンサーを搭載した同社の「GFX」シリーズ最新作であり、モデル名の通りGFX100をベースとしつつ大幅な軽量小型化を実現した機種になります。
フルサイズセンサーよりも大きいラージフォーマットセンサーをカメラ内に収めようとしたら、当然ボディのサイズは大きくならざるを得ません。しかしGFX100Sは“HIGH MOBILITY=機動力”をキャッチコピーに掲げ、常識破りのコンパクトなボディを手に入れました。もはやフルサイズカメラと変わらないサイズ感で、1億2百万画素の圧倒的な画質を備える、革新的なカメラがここに誕生しました。
今回は富士フイルムイメージングプラザ東京にてGFX100Sの先行展示品を触ってきましたので、開発担当者への取材内容も交えつつ製品をご紹介していきます。
ラージフォーマットセンサーがもたらす圧倒的な画質
富士フイルムがラージフォーマットと呼ぶ大型センサーは、対角55mm(43.8×32.9mm)というフルサイズセンサーの1.7倍もの大きさになります。ラージフォーマットサイズのセンサーは、より広い面積でより多くの情報を受け取ることが可能になり、その情報を豊かな階調や緻密な色再現に活かしているのです。実際にボディキャップを外して現れるセンサーを目の当たりにすると、フルサイズ以上というその大きさに驚かされます。と同時に、これなら確かな写真が撮れるという確信も得られることと思います。
GFX100SはGFX100と同じく1億2百万画素という、民生用ミラーレスデジタルカメラでは世界最高(※)の画素数を引き継いでいます。一般的なミラーレスカメラというと2500万画素前後のものが多く、GFX100Sはそのさらに4倍ということになります。つまり一般的なカメラが1つの色しか表現できないところを、4つの色を使って表現できるということです。複雑な色味でも滑らかに諧調し、色再現の緻密さによって質感や立体感の美しい画を撮れる、ラージフォーマットだからこそできた圧倒的な画質がGFX100Sの特長の一つになります。
※2021年1月27日時点。富士フイルム調べ。
「写りの良し悪しは個人の感じ方や好みに左右される部分ですが、それでもGFX100Sで撮れば明らかに他とは“違う”ということが分かるはずです。きっとどなたにも感動していただけると思います」と富士フイルム(株)光学・電子映像事業部 上野氏は自信を覗かせます。
画像処理エンジンは富士フイルム最新のプロセッサーである「X-Processor 4」。GFX100から変更はないため画質はもちろん、約5.0コマ/秒の連写速度など各種性能はそのまま維持されています。顔検出/瞳AFによってポートレート撮影でも快適、さらにはAFのアルゴリズムが改良されたことでトラッキング性能が若干向上しており、動きのある被写体に対してもピントを合わせ続けてくれます。
完全新設計により大幅な軽量小型化を実現
左がGFX100S、右がGFX100
左がGFX100S、右がGFX100
GFX100から目に見えて変わったのがボディのサイズ感。横に並べてみるとその差は一目瞭然です。上野氏曰く「目指したのはフルサイズミラーレスと同等のサイズ感、そしてアンダー1kgの重量だった」とのこと。GFX100Sではフォーカルプレーンシャッター、手ブレ補正ユニット、バッテリーなどボディの内部を占める各種機構をGFX100S専用設計にて刷新。GFX100と比較して30%のサイズダウン、約500gの軽量化を果たしています。
GFX100:(幅)156.2mm×(高さ)163.6mm×(奥行き)102.9mm、(重量)約1,400g
GFX100S:(幅)150.0mm×(高さ)104.2mm×(奥行き)87.2mm 、(重量)約900g
※重量はバッテリー、 メモリーカード含む
フォーカルプレーンシャッターに着目すると、GFX100に搭載されているものと比べ、正面視で約20%、重量で約15%のサイズダウンを実現。それでいてメカシャッター/電子先幕シャッターで最速1/4000秒を実現するなど、性能は少しも犠牲になっておりません。
大幅な小型化に成功した要因の一つがバッテリーです。GFX100では縦グリップ位置にバッテリーを2個横並びで装填していましたが、GFX100Sではグリップ部分に縦に配置する形となりました。バッテリーはX-T4と共通のNP-W235。従来のバッテリーよりも大容量となり、かつ中央を削ったかまぼこ型が特徴的です。X-T4開発時からすでにGFXを見越したバッテリー設計だったようです。
静止画撮影可能枚数を比較してみると、GFX100が約800枚、GFX100Sが約460枚と電池が1つ減ったことで当然バッテリー持ちは落ちたものの、その分軽快な取り回しができる機動力を手に入れたということになります。
縦グリップの廃止・非対応も小型化を優先した大きな変更点です。現代のユーザーは縦グリップよりも小型で軽量なサイズ感を求める声の方が大きく、GFX100Sはオプションでも縦グリップは用意されていません。電子基板の配置や防塵防滴などを考えると、縦グリップを後付けできるようにするだけでボディサイズが大きくなってしまうため、割り切って廃止したそうです。
また、GFX100ではチルトファインダーへ換装するためにEVF(電子ビューファインダー)が取り外し可能でしたが、GFX100Sはボディ一体型になりました。EVFのスペックを比較すると約576万ドットから約369万ドットへ、倍率も0.86倍から0.77倍へと変更されており、さすがにGFX100のフラッグシップたる威厳が垣間見える部分です。
実際に手に取ってみても、サイズ感はフルサイズミラーレスと遜色なく野暮ったさなどは一切感じませんでした。重量面で若干のビハインドがありますが、それでも大口径レンズを装着したフルサイズと変わりないような感覚でしたので、至って普通に持ち運べると思います。グリップも深めの形状ですので、重量のあるレンズを装着しても安定して撮影ができそうです。1億画素をこんなに手軽にフィールドに持ち出せるなんてワクワクしてきませんか。
強化された手ブレ補正、刷新された操作系
GFX100Sは5軸ボディ内手ブレ補正を搭載。ボディが小型化したにも関わらず、GFX100よりも手ブレ補正段数が0.5段向上した点は驚きです(GFX100S:6段、GFX100:5.5段)。富士フイルムは機種ごとに手ブレ補正ユニットを作り変えており、その開発はGFX100Sで5個目になるそうです(X-H1、GFX100、X-T4、X-S10、GFX100S)。既存製品の開発で培われたノウハウが性能強化に繋がっており、小型ユニットでも十分な手ブレ補正力が実現できたといいます。
軍艦部を見ていくと左肩には新たにモードダイヤルが採用されました。P、S、A、Mのモードに加え、好みの設定を保存して瞬時に切り替えできるカスタムポジションもC1~C6まで備わっています。多くの人に馴染み深いであろうモードダイヤルを採用することで他社カメラからも移行しやすく、また他機種と併用するときでも操作系統が一致している方が使いやすいという考えだそうです。
また、ダイヤルを増やすとその分サイズアップを招いてしまうとのことから、GFX100Sではモードダイヤルを採用しました。モードダイヤルの前部にあるスチール/ムービーの切り替えスイッチも現代のニーズを反映したものと言えるでしょう。
さらには、親指で操作する背面のフォーカスレバーの形状も刷新されています。今までは先の細いスティック形状でしたが、GFX100Sでは平面形状のレバーが採用されました。広い面が指に当たるので操作性はさらに快適になっており、今まで以上に狙った箇所にフォーカスポイントを移動させやすくなったように感じます。
背面液晶は引き続き視野率100%の3方向チルト式。3.2インチと大型で見やすく、上90°下45°右60°に可動するため様々なアングル撮影が可能です。ボディ上部にはサブ液晶モニターが備わっており、各種撮影情報を確認できます。このモニターは電源オフにしていても常時表示されるほか、ダイヤル風の表示やヒストグラム表示に切り替えることも可能です。
記録メディアはUHS-I/UHS-Ⅱ対応のSDカードで、ハイアマチュアからプロユースには欠かせないダブルスロット仕様となります。ボディ自体はGFX100と同じくマグネシウム合金が使用されており、実際に操作してみてもしっかりとした剛性を感じます。もちろん防塵・防滴・-10℃までの耐低温構造によって過酷な撮影環境でも安心して使うことができます。
新たなフィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」
富士フイルムならではの機能であるフィルムシミュレーションには、新しく「ノスタルジックネガ」が追加されました。現状ではGFX100Sのみで選択できるもので、ややアンダートーンながら豊かなシャドー階調を残すことで、文字通りノスタルジックな雰囲気を醸す1枚が撮影できます。1億という圧倒的な画素だからこそ再現できたフィルム時代の情緒的な風合い、ぜひスナップ撮影でも使ってみたいですね。
もちろん既存のフィルムシミュレーションは全て搭載されており、ノスタルジックネガを加えた全19種類から選択することが可能です。ビビッドな色味の「ベルビア」、雰囲気のある画が撮れると人気の「クラシックネガ」や「クラシッククローム」など、フイルム時代から色にとことんこだわってきた富士フイルムの真骨頂とも言える機能に酔いしれてみては。
さいごに
富士フイルムのフラッグシップであるGFX100が登場したときには、驚異的な画質に合わせてボディサイズや価格もモンスタークラスとあってなかなか手が伸ばせる代物ではありませんでした。しかし、そのネックポイントを克服し高い機動力を手に入れた今回の「GFX100S」は本当に魅力的なカメラに仕上がっていると思います。シャッターを切るだけで1億画素の唯一無二の写りが簡単に手に入るなんて興奮せずにはいられません。今後フィールドでの実機レビューなどの記事もアップしていきますので、ぜひチェックしてみてください。
特集ページ
GFX100S特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひ
コチラの特集ページ も合わせてご覧ください。
■更新
・2021年2月25日:製品発売に伴い、予約受付中の内容を差し替えました。
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EXCERPT:
富士フイルムから発表された新作のラージフォーマットカメラ、GFX100S。先行展示機を触った印象や開発担当者への取材内容を交えて製品を紹介していきます。
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KEYWORDS:
富士フイルム,GFX100S
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TITLE: 富士フイルム X-E4|携帯性をアップしたXシリーズ最小最軽量カメラ
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 02/04/2021 16:00:00
TAGS: X-E4,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,ミラーレスカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
2021年1月27日に配信されたライブイベント「X Summit GLOBAL 2021」にて、GFX100Sと同時に発表された富士フイルムの「X-E4」。X-E3の後継機として開発されたモデルであり、“MINIMALISM(ミニマリズム)”のコンセプトを引き継ぎつつ、さらにシンプルで洗練されたデザインへと変更されました。フィルムカメラを彷彿とさせるクラシカルなルックスで、往年のカメラファンもつい手に取りたくなるような機種に仕上がっていると思います。
スマートフォンが広く浸透した現代でも、カメラを常に持ち歩いてシャッターを切ってほしい。そんな願いの下に誕生したX-E4は、従来モデル以上に携帯性にこだわって作られたカメラであり、カバンやポケットに忍ばせやすいサイズ感とデザインになっています。さらにはX-E3からセンサーとプロセッサーが進化しており、不意のシャッターチャンスを逃さず撮り収めることができるでしょう。
今回は富士フイルムイメージングプラザ東京にてX-E4の先行展示品を触ってきましたので、開発担当者への取材内容も交えつつ製品をご紹介していきます。
Xシリーズ最小・最軽量
グリップレスのフラットデザイン
背面モニターもきれいに収まっている
ファインダー搭載&レンズ交換式の「Xシリーズ」現行機の中で最小・最軽量という点がX-E4最大の特長。前作X-E3も十分に小型でしたが、今作はボディの前面/背面ともにフラットデザインとすることでシンプルなルックスに磨きをかけています。X-E3にあったフロントのグリップやリアの親指を掛ける突起部分は廃され、非常にスマートな印象に。出っ張りが少ないため、カバンの中や上着のポケットからもスムーズに出し入れできそうです。
「エントリー機寄りの価格帯とあって誤解されやすいのですが、X-E4はどちらかと言うとカメラのマニュアル設定に慣れているやや玄人向けの機種だと思います。上級者になるほどカメラの持ち方に個性が出ますから、グリップの有り無しで困るようなことはないはずです。フラットな分持ち方の自由度が高いカメラですし、自分の好きなように指の位置をアジャストして使っていただけるはずです」と富士フイルム(株)光学・電子映像事業部 上野氏は説明してくれました。
左がX-E4、右がX100V
トップカバーもエッジが立ったシャープなデザインへと変更されクラシカルな印象を強めました。レンズ一体型のコンパクトカメラ「X100V」を参考にしたとのことで、素材の違い(X-E4:マグネシウム合金、X100V:アルミニウム)はあれど色味は揃えられており、金属の質感が美しい所有欲を掻き立てるデザインに仕上がっています。
質量は約364g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)で、同時に発表されたパンケーキ型の単焦点レンズ「XF27mmF2.8 R WR」を装着するとトータル質量は448g。これはコンパクトデジカメのX100Vより約30gも軽い値になります。まさにXシリーズ最軽量、毎日持ち歩いても荷物にならないライフスタイルに寄り添うカメラとなってくれるでしょう。
ボディが薄く手に取りやすいサイズ感
実際に持ってみても、コンパクトデジカメのような手のひらに収まるサイズ感が好印象。軽いことに加えボディが薄いので、指先でつまんでサッと取り出せるような気軽さがあります。それでいて細部まで作りこまれた造形のおかげで高級感も漂わせます。持つことの喜びをこのクラスの機種でもしっかりと味わうことができる、富士フイルムのモノづくりへのこだわりがひしひしと伝わってくるはずです。
第4世代センサー&プロセッサーに進化
X-E3ではイメージセンサーが「X-Trans CMOS 3」、画像処理エンジンが「X-Processor Pro」でしたが、X-E4ではそれぞれ最新世代の「X-Trans CMOS 4」と「X-Processor 4」に刷新されました。X-T4などハイエンド機と同等のスペックによって、優れた描写力と高精度なAF性能を手に入れています。APS-Cセンサーで約2610万画素という数字も上位機種と同じで、画質に妥協なく撮影を楽しめます。
メカシャッターの最速連写8.0コマ/秒はX-E3と変わりませんが、測距点が325点から425点に増えたり、最速AF速度が0.06秒から0.02秒に縮んだりと、撮影の性能は全方位に進化しています。オートフォーカスのカバー範囲も画面全域約100%(X-E3:横50%、縦75%)と広くなり、より正確に被写体を捉えることができるでしょう。
X-E3との前面比較
左がX-E3、右がX-E4 グリップレスのデザインに変更された
もちろん、顔検出/瞳AFも備わっており快適な人物撮影が可能です。動きのある被写体に対してフォーカスを合わせ続けるトラッキングAFも撮影をサポートしてくれます。さらには-7.0EV(XF50mmF1.0装着時)の低輝度環境でもAFが可能で、小さいボディでも上位機種と全く引けを取らない撮影が可能となっています。
富士フイルムに特徴的なフィルムシミュレーションももれなく搭載。GFX100Sのみに採用される「ノスタルジックネガ」を除く、最新の18種全てのフィルムシミュレーションを選択することが可能です。雰囲気ある色調や階調へと素早く変更することができ、写真撮影が楽しくなること間違いなしの機能となっています。
富士フイルムらしいマニュアルの操作系
軍艦部にはシャッタースピードと露出のダイヤルを配置
軍艦部に着目するとシャッタースピードと露出の2つのダイヤルを配置したレイアウトはX-E3から変わりません。2020年10月に登場した「X-S10」は他社カメラからも移行しやすいようモードダイヤルを採用したそうですが、このX-E4はXシリーズ特有のマニュアル操作になれたユーザーのためのサブカメラ的な役割も考えられており、独立した調整ダイヤルを継続採用したそうです。
シャッタースピードダイヤルとレンズの絞りリングをしっかりと使って、好みの設定で撮影する。やや上級者向きではありますが、カメラとしての本格さや“撮る”こと自体の楽しさが味わえる富士フイルムならではの設計思想を感じとることができます。
F値の調整はレンズの絞りリングを使う
X-E3(左)との比較 ダイヤルにPポジションが追加された
新たにチルト式モニターを採用
その上でシャッタースピードダイヤルには新たにプログラム(P)ポジションが追加されました。ダイヤルを回してプログラムオートとすることでマニュアル操作から解放され、一瞬のシャッターチャンスを逃さず撮影することができます。マニュアル操作に慣れない人もPポジションなら安心して撮影できるため、幅広いレベルのユーザーが満足できる仕様といえますね。
背面モニターは新たにチルト式を採用。可動するモニターにも関わらず、背面の美しいフラットデザインを維持できている点に驚かされます。様々なアングル撮影に対応するほか、最大180°上方向に反転するため自分の方を向けてセルフィー撮影も楽々行えます。動画撮影など昨今のニーズを反映した進化ポイントと言えますね。もちろんタッチ操作にも対応しています。
また、EVF(電子ビューファインダー)は引き続きボディ左上に配置されたレンジファインダースタイルを維持しています。丸型ファインダーに変更された以外のスペックはX-E3と同じで、高精細な約236万ドット、視野率約100%、ファインダー倍率0.62倍となっています。
左がX-E3、右がX-E4 ファインダーの形状が変更されている
クイックメニューからカスタム設定を素早く呼び出せる
カードスロットはバッテリーと同室
小型軽量化に当たりリアコマンドダイヤルやいくつかのボタンが省略された部分も細かな変更点です。操作系がシンプルになった分、クイックメニューから呼び出せるユーザーカスタム設定をうまく使いこなすのがX-E4らしい撮影スタイルとのこと。C1~C7まで最大7種類もの設定を登録することができ、風景やポートレート、夜景などシーンに合わせた設定を瞬時に呼び出すことが可能です。
バッテリーはX-E3から共通のNP-W126S。記録メディアはUHS-I対応のSDカードで、バッテリーと同室に差し込むシングルスロット仕様です。
相性抜群の新作レンズ「XF27mmF2.8 R WR」
コンパクトなサイズがX-E4とマッチする
レンズフードの上から被せるキャップも付属する
X-E4と同時に発表された単焦点レンズが「XF27mmF2.8 R WR」です。薄型のパンケーキレンズであり、ボディがコンパクトなX-E4にぴったりの一品となっています。従来品に絞りリングと防塵防滴機能を追加してリニューアルされたレンズとなり、それでいて重量はわずか6g増に抑えられたことが特徴です。
「X-E4に付けっぱなしにしておきたい、写真が撮れるボディキャップくらいに考えていい」と上野氏が太鼓判を押すほどX-E4との組み合わせに最適。ドーム型のレンズフードも常時付けておけるよう、フードの上から被せるキャップも付属します。オールドレンズに付いてくるような柔らかめのプラスチックキャップとなっており、レトロ/クラシック感を引き立てるようこだわって作られたそうです。
ホールド感をアップさせるアクセサリー
ハンドグリップを装着した状態(左)
ハンドグリップとサムレストによってホールド感をアップ
撮影の時にカメラが安定しないという人に向けて、ホールド感を高めるハンドグリップとサムレストもオプション品として用意されています。大きめのレンズを付けたい時や片手で撮影したい時にも、これらがあればしっかりとしたグリップを確保できますね。特にサムレストは背面ボタンやダイヤルの回しやすさに配慮したこだわりの形状だといいます。トップカバーとマッチした金属の質感も良いですね。
さいごに
富士フイルムのラインナップで究極のスナップシューターと言っても過言ではないX-E4。小さいカメラを持つくらいならスマートフォンで十分?そんなことを言わせないほど満足いく写真が撮れるはずです。何よりこの洗練されたデザインがカメラファンの心に刺さるのではないでしょうか。携帯性良し、操作性良し、デザイン良しのX-E4、ぜひ一度手に取ってほしいカメラです。
特集ページ
X-E4特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひ
コチラの特集ページ も合わせてご覧ください。
■更新
・2021年2月25日:製品発売に伴い、予約受付中の内容を差し替えました。
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EXCERPT:
富士フイルムから発表された新作のミラーレスカメラ、X-E4。先行展示機を触った印象や開発担当者への取材内容を交えて製品を紹介していきます。
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KEYWORDS:
富士フイルム,X-E4
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: クリスタルに輝く氷「ジュエリーアイス」を撮る
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 02/05/2021 16:00:00
TAGS: ジュエリーアイス,撮影テクニック,ソニー(Sony) ボディー,雪/氷などの冬のシーン
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はじめに
ジュエリーアイスという言葉を聞いたことがありますか?
ジュエリーアイスは、1月中旬~2月下旬頃まで北海道中川郡豊頃町大津にある、大津海岸の砂浜で見られる透き通った氷の塊です。どうして透き通った氷の塊が砂浜にあるのかというと、海でできた流氷とは違い十勝川が凍って海に流れ出た氷が、海の波にもまれて氷の角が取れて透明なクリスタルのような氷になります。世界的にも珍しい現象であり、人気の撮影スポットになっています。
今回はそんなジュエリーアイスの撮影方法を、何度も訪れ撮影しているからこそわかるポイントを踏まえてご紹介します。
ジュエリーアイスを撮るための準備
ジュエリーアイスを撮るためには、事前の準備がとても大切です。
■交通機関・移動方法
まずは、撮影スポットまでいく交通機関の確保です。ジュエリーアイスを見ることができる大津海岸に行く手段として注意が必要なのは、公共の交通機関がないことです。車、レンタカー、タクシーなどを使って行く必要があります。当然見ごろの1月中旬~2月下旬は、道路に積雪や凍結などがあり、慣れないレンタカーなどで移動する際には注意が必要です。
自分で移動するのが難しい場合は、帯広駅出発の期間限定の「ジュエリーアイス バス&タクシーパック」などの日帰り路線バスパックを利用するのがおすすめです。
レンタカーなどで移動する場合は、海岸近くにある無料駐車場があるのでそちらを利用して、駐車場から海岸までは徒歩で移動します。無料駐車場は数か所ありますが、海岸に近い駐車場は早朝から撮影にくる方で早く満車になってしまう場合もあるかもしれません。
と言うのも、早朝の日の出のタイミングで撮影する人が多いので、皆さん結構早くから来ています。早朝から撮影する方は事前に日の出の時刻を確認し、駐車場からの移動および撮影場所決定まで含めて日の出時刻の30分~1時間前程度に現地に着くのがいいと思います。
ちなみに、大津海岸付近にはコンビニ等はありません。一番近いところでも20kmほど離れたところになります。早朝から撮影に行く人は事前に出発地点で飲み物や食べるものなどは用意してから移動してください。
■服装
ジュエリーアイスがある大津海岸の風景。雪の積もった海岸を少し歩いてジュエリーアイスを探します。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE16-35mm F4ZA
■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF8 ISO400 焦点距離29mm
ジュエリーアイスが撮影できる1月中旬~2月下旬の朝6~7時の大津海岸は、ちょうど最低気温になるような時間帯なので、マイナス15℃~マイナス20℃の寒さになります。場合によってはもっと寒さを感じることもあります。
とにかく暖かい服を重ねて着てください。耳まで覆うニットの帽子やフード付きの防寒着、手袋、スノーブーツ、カイロは必需品です。上着のポケットにもカイロを入れておくと、撮影しているときに指先などを暖める事ができます。特に足のつま先に貼るようなカイロはおススメです。
また凍結した場所を歩く場合もあるので、シューズに付ける簡易的な滑り止めスパイクなども用意しておくと安心です。
■機材
カメラ・レンズの防寒対策が必要です。極寒の撮影現場でのレンズ交換などは難しいので、あらかじめ撮影に合わせたレンズを装着し、大まかなカメラの設定も事前にしておいて撮影ポイントに向かうのがいいでしょう。
レンズは、広角のズームレンズか標準のズームレンズで問題なく撮影できます。
※JJC JJC-DHS-1 デューヒーターストリップ(使用の際には別途モバイルバッテリーが必要です)
ただ低温下の状態で撮影を長く続けていると、寒さでズームリングの動きなどが鈍くなることがあります。極寒の中で安定したレンズ性能・動作を確保したい時などには、レンズヒーターなどを装着することを検討してもよいでしょう。簡易的な対策として筆者はリストバンドなどをレンズに着けたりすることもあります。
また撮影しないときには、カメラ・レンズはタオルなどの布で包んで、カメラバックに収納して移動するなどの対策を実施しましょう。筆者は寒いところで撮影する際には、よくニット帽を利用しています。保温性もあってよく伸びてレンズを装着したカメラをそのまま素早く包むことができとても便利です。
カメラのバッテリーはフル充電したものを用意して撮影に挑みましょう。極寒の低温下ではバッテリー容量の低下が激しく、通常時のような撮影枚数をこなす事ができません。念のために予備バッテリーも用意し、ポケットなどに入れて温めておくのがベストです。
早朝の暗い段階から撮影する場合などは三脚が必要です。寒いなか手袋をしたまま撮影すると、カメラブレを起こす場合があります。三脚を使用してブレない工夫も必要です。ジュエリーアイスを撮影する時、低いアングルで撮影する場合が多いので三脚はローアングルが可能な三脚がベストです。
また、スローシャッターで波を白く表現したい場合などは、NDフィルターなどを用意しておくと一味違った写真を撮影する事もできます。
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE16-35mm F4ZA
■撮影環境:シャッター速度1秒 絞りF22 ISO100 焦点距離28mm NDフィルター使用
ジュエリーアイスを撮ってみよう
実際に海岸まで歩いて行ってジュエリーアイスを探していると、その時のタイミングにもよりますが、既に撮影されたジュエリーアイスが不自然に積み上げられたものを目にすることもあります。皆さんいろいろ工夫されて自分なりのジュエリーアイスを撮影しています。
特に撮影に慣れている方でしょうか、水の入ったペットボトルを持参してジュエリーアイスに着いた砂を洗い流して撮影している方もいらっしゃって、自分の気に入ったジュエリーアイスを見つけて撮影を楽しんでいる方が多いようです。
日の出前後の撮影がオススメなのは、ちょうどジュエリーアイスが撮影できる大津海岸から奇麗な日の出を見る事ができ、日の出前後の空の色あいが奇麗にジュエリーアイスを輝かせてくれるからです。撮影は大変ですが、キレイに撮れた時はとても感動的です。
自然が生み出すジュエリーアイスは、様々な形のものがあってお気に入りのジュエリーアイスを探すだけでも楽しめます。気に入ったジュエリーアイスを見つけたら、少しホワイトバランスの設定を自分なりに変更して撮影を楽しんでみてください。
ちょっと色温度を下げて青みを強くしてみたり、逆に色温度上げて黄色味を強くしてみたりすることで、ジュエリーアイスに写り込んだ光を様々な表現に写すことができます。
SONY α9 + FE24-105mm F4G
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF9 ISO100 焦点距離105mm
■撮影機材:SONY α9 + FE24-105mm F4G
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF9 ISO500 焦点距離101mm
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE16-35mm F4ZA
■撮影環境:シャッター速度2秒 絞りF22 ISO100 焦点距離16mm
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE16-35mm F4ZA
■撮影環境:シャッター速度1/10秒 絞りF20 ISO50 焦点距離24mm
■撮影機材:SONY α9 + FE24-105mm F4G
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF9 ISO100 焦点距離105mm
撮影後には気を付けないといけない事があります。極寒の中で撮影した後、車などに戻った時の急激に温度変化による結露には注意が必要です。寒い中撮影していたので、車の暖房を強くしたいところですが、急激な温度変化による結露発生の恐れが生じます。シリカゲル(乾燥材)を入れたビニール袋などにカメラを入れて密封し、ゆっくりと暖めて結露が発生しないようにしましょう。
■おすすめアイテム:ハクバ KDSB-MBK ドライソフトボックス M ブラック
まとめ
ジュエリーアイスは自然現象が生み出す素敵な被写体です。その時にしか撮れない素敵な形や光・色があります。いつでも撮れるわけではなく、撮影スケジュールを組むことが難しい被写体です。筆者も何回か撮影に行っていますが、まったくジュエリーアイスを見られなかった時もありました。
厳しい撮影環境ゆえに余裕を持った撮影スケジュールを組んで、事前のリサーチをして撮影にチャレンジしてみてください。下記の豊頃町のジュエリーアイスHPや豊頃観光協会のHPには、直近のジュエリーアイスの状況が掲載されてします。その他情報も掲載されているので、撮影に行く前にチェックしておきましょう。
■豊頃町の新絶景/ジュエリーアイスHP
http://www.toyokoro.jp/jewelryice/
■豊頃観光協会ジュエリーアイスHP
https://www.toyokoro-kankoh.com/
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
この記事で紹介した機材 【ソニー】Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
商品詳細ページ 【ソニー】FE 24-105mm F4 G OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがジュエリーアイスの撮影テクニックを紹介しています。限られた地域で短いシーズンのみ撮影できるジュエリーアイスの作例とともに機材の選び方や注意点も紹介。
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KEYWORDS:
ジュエリーアイス,ソニー,撮影テクニック
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: フォクトレンダー SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical レビュー|しっとりと優しい描写のF0.8の超大口径レンズ
BASENAME: 479933263.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 02/08/2021 16:00:00
TAGS: コシナ,レビュー,SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical,フォクトレンダー(Voigtlander) レンズ,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
2020年12月10日に発売された、フォクトレンダーのマイクロフォーサーズ用単焦点レンズ「SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical」は、現在発売されている写真用のレンズとしてはもっとも明るい、開放F値0.8の超大口径レンズです※。35mm判換算では58mm相当の画角になり、絞り羽根枚数12枚で自然な丸みのあるボケが得られ、金属製で高級感を醸し出すクラシカルなデザインを有する本レンズの性能と魅力を、ポートレートを通じてお伝えしたいと思います。
※2020年11月株式会社コシナ調査による
F0.8の大口径が生み出すとろけるようなボケ味
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical
■撮影環境:F0.8 1/500秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」
■モデル:水穂まき
フォクトレンダーのマイクロフォーサーズ用レンズのうち29mm以外は、10.5mm、17.5mm、25mm、42.5mm、60mmがラインナップされており、いずれも開放F値は0.95でした。これらのレンズの名称には「NOKTON(ノクトン)」が付いていましたが、本レンズはさらに明るい開放F値0.8を実現して「SUPER NOKTON(スーパー・ノクトン)」と、パワーアップをイメージさせる名称になっています。
皆様が興味を惹かれるのは、なんといってもこのF0.8の開放値についてだと思います。第一印象として強く感じたのは、しっとりとした柔らかい描写でした。ポートレート撮影で筆者が大切にしているのは女性を柔らかく描くことですが、それを得意としているレンズです。
ピント面のお話も後でゆっくり行いますが、まずはボケのタッチについて。いわゆるボケ味は優しくなめらかで、好感の持てる自然なボケ方をします。レンズの中でゆっくりと蕩(とろ)かしたような、とろみのあるボケ味を作り出してくれるのが特徴的です。
作例は、筆者が高いところからモデルを見下ろすように撮影しています。モデルの顔の背景はスタジオの床です。この床に作られた太陽の光と影の模様を、ただ白飛びさせるのではなく、印影のあるグラデーションで描き出してくれています。
何気ないシーンをムード溢れるポートレートに変えてくれるレンズ
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical ■撮影環境:F0.8 1/500秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」 ■モデル:水穂まき
前ボケがあったり奥行きがあったりするシーンは、ボケの大きさやボケ具合がわかりやすいので、レビュー撮影ではよく撮影するのですが、本レンズは壁と、そこに写った影だけで奥行き感とムードを作り出してくれるので、シンプルな背景の撮影を楽しむこともできました。
レンズ構成は7群11枚で、非球面レンズを2枚採用しています。そのうちの1枚は、独自開発のGA(研削非球面)レンズで、これを採用することでF0.8という超大口径でありながらもコンパクトなサイズ、高い描写性能が実現されています。
絞り開放時のボケ味はもちろん、周辺部の繊細な描写性能は素晴らしく、何気ないシーンをムードのあるポートレートに作り変えてくれるレンズだと感じました。もともと光量の少ないシーンでも、そこにある光だけで撮影できる大口径のレンズですので、木漏れ日や窓辺から入り込んでくる光を利用した、自然なポーズのポートレートが似合いました。
滑らかで適度な重みのトルク
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical ■撮影環境:F0.8 1/1600秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」 ■モデル:水穂まき
本レンズはマニュアルフォーカスですので、ピント合わせはフォーカスリングを動かして行います。そうなると気になってくるのが、フォーカスリングの操作性です。
するすると滑り過ぎると、ピント位置を行き過ぎてしまうし、重すぎるとシャッターチャンスを逃す可能性がある。トルクの操作性は、使用する方の好みもありますが滑らかさは必須だと思っています。まず、その滑らかさは合格。変な引っ掛かりもなくするっと動き出し、止まってくれるのは、マニュアルフォーカスのレンズでは絶対条件です。
トルクの重さは、レンズ単体で操作してみたときは、もう少し重くてもいいかなと思ったのですが、LUMIX G100に装着して操作してみると、丁度いい重さに感じました。なぜかというと、LUMIX G100のボディが軽くて小さいので、トルクが重いとカメラが回転に引っ張られるように感じることがあります。本レンズはその引っ張られる感がなかったので、小型軽量のボディが多いマイクロフォーサーズ用のレンズとして、適度な重さのトルクになっていると感心しました。
ピント面はシャキッとシャープ!なのでピント合わせがしやすい!
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical ■撮影環境:F0.8 1/1250秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」 ■モデル:水穂まき
カメラ任せの顔認識、瞳認識のオートフォーカスに慣れてしまうと、マニュアルフォーカスのレンズでのポートレート撮影は敷居が高くなってしまうかも知れませんが、じっくりと瞳にピントを合わせる作業は、写真を撮っていることを実感できる楽しい時間にもなります。
モデルとの撮影距離も2m前後であれば、29mmという焦点距離も手伝って、ボケボケすぎてピントを合わせにくいということもありません。使用するカメラにもよりますが、LUMIX G100では背面液晶でピントを合わせる箇所を等倍して見ることで、マニュアルでのピント合わせも楽に行えました。
そのピントの合わせやすさは、ピントが合っている面をしっかりとシャープに、立体的に描く本レンズの描写性能に依るところも大きいと感じました。今回は絞り開放でのポートレートに拘ってみましたが、絞り込むと切れ味のいいシャープな画が得られるので、街なかのスナップや風景でも使ってみたいレンズだと思いました。
持つ楽しさを感じさせてくれる総金属製鏡筒
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical ■撮影環境:F0.8 1/500秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」 ■モデル:水穂まき
数字上のスペックや写真ではわかりにくいけど素晴らしいのが、手にしたときに感じる高級感です。レンズ本体は金属製で、触るとひんやりと冷たく適度な重みがあります。それでも重量は703gと、F0.8の大口径レンズにしては抑えられています。
軽さと携行性を考えればもっと軽い素材でもと思えますが、じっくりとレンズを触るマニュアルフォーカスレンズの場合、金属的な触り心地のほうが撮影するテンションが上がるのは、ここを読まれている皆様なら、おわかりになると思います。
デザイン性の高いフォーカスリング
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical ■撮影環境:F0.8 1/300秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」 ■モデル:水穂まき
本レンズのフォーカスリングは、なかなか特徴的なデザインになっています。ですが、見た目だけでなく、指の滑りを防止してくれる、使いやすさも両立した考えられた結果のデザインだと実感できます。この無地とストライプの混合デザインのフォーカスリングは、カメラバッグの中から本レンズを探し出すときに触っただけでわかるので、思わぬところでも活躍しました。
ここでマニュアルフォーカスでのポートレート撮影について、ちょっとだけアドバイス。撮影慣れしているモデルさんの場合、シャッターごとや短時間で色々なポーズを取ってくれたりしますが、このようなマニュアルフォーカスのレンズを使用する場合は、手動でピントを合わせるので、ピント合わせに少し時間が必要なことをお伝えして、落ち着いてピントを合わせるようにしましょう。そうすることで、モデルさんも体の緊張を無駄に続ける必要がなくなるので、自然な表情や仕草なども撮りやすくなります。
モデルさんに声が届く程度の撮影距離なら、ピント位置は最短からスタートして、徐々にピント位置を奥に動かすとピントが合う場所を探しやすいです。そのうち、指がフォーカスの位置を覚えて、ピント合わせはどんどん早くなります。
柔らかい空気感と優しいムードが楽しめるレンズ
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical ■撮影環境:F0.8 1/2500秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」 ■モデル:水穂まき
今回は室内と屋外、両方で撮影をしてみましたが、どちらでも柔らかい空気感を作り出してくれて、しっとりとした優しいムードに仕上げてくれるので、ポートレート撮影をする方は、一度撮影をするとハマってしまうレンズだと感じました。
描写性能、デザイン共に「もっと撮りたくなるレンズ」に仕上がっています。本レンズの最短撮影距離は0.37mなので、テーブルフォトや小物の撮影も楽しめそうです。今の時期、自宅でゆっくりと撮影をするのもいいですね。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
この記事に使用した機材
【コシナ】フォクトレンダー SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX DC-G100K-K 標準ズームレンズキット
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがコシナ フォクトレンダー SUPER NOKTON 29mm F0.8 Asphericaのレビューを行っています。ポートレート撮影でボケ味やピント面の描写力を検証していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
コシナ,フォクトレンダー,SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherica,レビュー,ポートレート
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 早春の花の撮り方|北村佑介
BASENAME: 479966227.html
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 02/10/2021 16:00:00
TAGS: 花
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はじめに
こんにちは!北村です。今回は早春に咲く花の撮り方を紹介させていただきます。昨年の記事タイトルで初春という言葉を使ってしまったので頭を悩ませていましたが、早春という言葉を見つけたので無事に記事を書き進めていくことができそうです。この季節に咲く花はサイズが小さいものが多いので、可愛く撮りやすいです。また、背が低く地面を前ボケにして撮りやすい花。形を捉えやすい花も多いのでとてもおすすめです!
アネモネ
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO100 露出補正+0.5 焦点距離135mm
花壇の端っこで綺麗な色のアネモネを見つけました。アネモネは花びらに厚みがあり、色も比較的濃いものが多いので順光で撮るとのっぺりしてしまうことが多いです。このように逆光で撮り、花びらを透かすと一枚一枚の美しさが際立ちます。厚みがある花、色が濃い花はまずは逆光で撮ってみることをおすすめします。また、色の美しさが最も見せたいものの一つだったので、写真の中に入る色の数が最低限になるように構図を整えました。そのような意図の際は、花と近い色をなるべく入れないことがポイントです。
クロッカス
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM ■撮影環境:f/1.8 1/1000秒 ISO100 露出補正+2 焦点距離135mm
とても綺麗な形をしたクロッカスを見つけました。クロッカスは横から撮るとクロッカスらしさが伝わりやすい花です。ただ普通に横から撮るだけでも可愛らしいのですが、狙えるのであればより可愛らしく見える向きから撮ることをおすすめします。具体的に言うと、このようになるべく左右対称で捉えると可愛らしさが増し、花びら一枚一枚の美しさに目が行きやすくなります。そしてこの花はクロッカスの中でも色が薄い種類です。そのため、陽に当たっているものを撮ってしまうと白飛びしやすくなります。この写真は木陰の中に咲いているものを選び、白飛びを防ぎました。また、背景は木々なのですが、そのまま撮るとこの花に似合わない色となってしまうため、ホワイトバランスを下げてイメージに合う色に変更しました。
■撮影機材:ソニー α7III + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA ■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離50mm
ポツンとはみ出て咲いているクロッカス。それを50mmで撮りました。筆者が普段撮っている写真と少し異なります。いつもならば、花の美しさがシンプルに伝わるように木の幹やロープ、看板などを入れずに135mmの中望遠で撮ります。この写真は、はみ出て咲いているというシチュエーションを見つけた時、花の周りの空間も含んだ写真のイメージが浮かびました。そのため、それらを敢えて入れて撮りました。美しい花を美しく撮る。それだけでも充分ですが、この記事を読んでくださっている皆さんは是非周りの空間も含んだ花の写真にもチャレンジしてみてください。花の写真というものは、バリエーションが決して多くはありません。普段と異なる撮り方にもチャレンジすると、きっと表現の幅が広がることでしょう。
アイスランドポピー
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO100 焦点距離135mm
春を待ちきれずに咲いたアイスランドポピー。ポピーというと5月頃のイメージがありますが、このアイスランドポピーは3月頃から見かけることができます。特に早いところだと、年明け早々に咲いています。オレンジのアイスランドポピーは、ハイキーで撮っても逆光で撮っても色が残りやすく、透け感も出しやすいのでとてもおすすめです。曇天だったので光でメリハリを付けることが難しかったのですが、一本だけ咲いているというシチュエーションのおかげで印象的な一枚となりました。暖色系とも寒色系とも言えない絶妙なトーンがお気に入りです。
この写真もやはり、花と近い色を写真内に入れなかったため、花をこれだけ小さく撮っても主役感があります。
ビオラ
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM ■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離135mm
陽が沈みきる直前、わずかに残った光で照らされたビオラを撮りました。ビオラはほぼ正面、顔を捉えて撮らないといけない花であると考えています。ビオラは横から撮るとペラペラです。後ろから撮ると茎の主張が強かったり、ビオラならではの模様が見えづらかったりで良さが伝わりづらいです。そう言った理由でなるべく正面、顔を捉えて撮った方が良いということをお伝えしています。記事でも繰り返しお伝えさせていただいていることになりますが、形をしっかりと捉えないと良さが伝わらない花は、それを最優先にして撮るようにしましょう。ただそうは言っても、撮る時の優先順位は人それぞれであるのは勿論です。自分が何に惹かれてその花を撮るのか。何を写真で伝えたいのか。それらを意識して撮った写真は、きっと大切な一枚になるはずです。
シクラメン
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM ■撮影環境:f/1.8 1/500秒 ISO100 露出補正-1 焦点距離135mm
群れから外れてひっそりと咲いていたシクラメン。秋以降見かけることの多い花ですが、2月3月にも元気に咲いているのをよく見かけます。この写真は135mmでぼかして撮った写真ではありますが、周りの空間も含んだイメージの花の写真となります。この記事3枚目のクロッカスと近いイメージです。敢えて引いて撮り、花壇の縁をわざと入れることによって日常感が演出できます。日常感は筆者が大切にしているイメージの一つです。綺麗にシンプルに撮った写真とはまた異なった趣がこういったイメージにはあり、花が身近な存在であることが伝わります。
また、引いて撮ったのには、花の可愛らしさを強調するといった理由も勿論あります。
セツブンソウ
■撮影機材:ソニー α7II + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:f/2 1/1600秒 ISO100 露出補正-1.7 焦点距離135mm
今時期丁度咲き誇っているセツブンソウ。ここ数年人気の花で、SNSでもよく見かけるようになりました。そんなセツブンソウをアンダーで撮りました。色の薄い花、特に白い花はアンダー、ローキーの写真と相性が抜群に良いです。反対にハイキーの写真を撮るのは難しいです。ハイキーの写真を撮りたいからといって、ただやみくもに露光量を上げて撮ると、白い花はすぐに白飛びしてしまいます。
ハイキーで撮る際は、その花がハイキーで撮ることができるシチュエーションかどうかをよく見極めることが大切です。いくらハイキーのイメージがあるからといって、適していないシチュエーションで撮ってしまうとその花の良さを損なってしまうことがあるので注意しましょう。
スノードロップ
■撮影機材:ソニー α7III + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:f/2 1/2000秒 ISO100 露出補正-3 焦点距離135mm
最後はアンダーで撮ったスノードロップ。こちらは年明け早々に咲いているのを見ることができる花です。ぽつんと咲いている様子がとても可愛らしいです。先程のセツブンソウよりも暗めに露光量を下げて撮りました。周りに写したくないものが多かった事と、花と近い色のものも多かったため、露光量を中途半端に下げても花が目立たなかったです。その2つのことが主な理由で、露光量をそこそこ下げました。
最後に
今回も最後まで読んでくださり誠にありがとうございました!ShaShaで記事を書かせていただくようになってから一年が経ちました。これからも花の写真に関して色々とお伝えできたらと思っております。今後ともどうぞ宜しくお願い致します!
■写真家:
北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんが、早春に咲く花の撮り方を紹介しています。アネモネ、クロッカス、アイスランドポピー、ビオラ、シクラメン、セツブンソウ、スノードロップの撮り方を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,花,アネモネ,クロッカス,アイスランドポピー,ビオラ,シクラメン,セツブンソウ,スノードロップ
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: リコー GR IIIレビュー|小さなボディに詰まった多彩な機能で日常を切り取ろう
BASENAME: 479956011.html
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 02/11/2021 16:00:00
TAGS: GR III,レビュー,コンパクトデジタルカメラ,リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,スナップ,APS-C
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はじめに
フィルムカメラの頃から瞬間を切り取るスナップシューターとして定評のあるリコー GRシリーズ。携帯性の良いサイズ感であることから女性にも人気が高いそう。いわゆる「高級コンデジ」と言われるGR IIIには一眼レフに匹敵する魅力的な機能がたくさん詰まっています。
発売されてから約2年になるGR III。その間、日常のテーブルの上から海外旅行まで使用してきた筆者のよく使う機能設定やイメージコントロールなどをご紹介したいと思います。
よく使う機能をレバー、ダイヤル、ボタンに割り当てる
コンパクトカメラと思えないほど機能が豊富なので、撮影時にわざわざメニューの中を探らなくても必要な設定がすぐ変更できるよう、よく使う機能をボディの外側にあるダイヤル、ボタン、レバーに設定しています。
■ADJレバー:筆者はイメージコントロール、アスペクト比、測光モード、記録形式、フォーカスの5項目を割り当てています。
■Fn.ボタン:クロップ機能を割り当てています。ボタンを押下するたびに28mm、35mm、50mmと切り替わります。
■USER設定:MENUの「静止画設定画面」からフォーカス設定、スナップ撮影距離、測光モード、NDフィルター、イメージコントロール、タッチAFなど自分好みの設定を全て反映し、6種類登録可能。
登録した中から3つをダイヤルのU1~3に割り当てることができます。
ここまで設定してしまえば、その日の天候、光の強弱、被写体、によってWBの調整と、露出補正を行うだけであまり細かい事を気にせずに撮影に集中できます。
レスポンスのいい起動とタッチAFはテーブルフォトでも活躍
突然のシャッターチャンスを逃がさず撮影できる約0.8秒の起動とコンパクトなボディサイズは、スナップ撮影だけでなくテーブルフォトでも優位。食事を前にして一眼レフを構えるのは何かと人目も気になる上、料理を提供してもらうというシーンを考えれば少々ナンセンスかもしれません。そんなシーンでもGR IIIは最適なカメラとして応えてくれます。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm
■イメージコントロール:スタンダード
狭いテーブルでも邪魔にならないサイズがGR IIIの良さ。オートAF設定からモニター画面をタッチすることでタッチAFに切り替わるので、ピントを意図したところへすぐ移動させ、サッと撮ってお料理の冷めないうちに頂く。それこそが、料理写真の極意です。
単焦点レンズ+高画質センサーだから可能なクロップモード
明るいF値、広角28mm単焦点レンズが魅力のGR III。ズームができないと言われますが、クロップ機能を使えばGR IIIを使うシーンの想定内でほとんどの物が撮影可能だと言えます。
私がよく使うのは50mmクロップ。28mmの約1.8倍となり、いわゆる標準ズームレンズの画角です。広角レンズの歪みがなくなり、被写体に正対できるのでポートレート撮影にも向いています。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/125秒 F/2.8 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm
■イメージコントロール:レトロ
小さなボディだから、モデルさんに近づく時もお互いに表情が見て取れ、会話を楽しみながらの撮影ができて安心です。安定した光源さえあれば物撮りにも最適。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm (28mm) F2.8
■撮影環境:SS1/13秒 F/4.5 ISO640 WBマルチパターンオート クロップ50mm
■イメージコントロール:スタンダード
クロップはいわゆるデジタルズームですが、50mm時最大7Mb /長辺3360pixelで画質を損なうことなく、A4サイズのプリントでも十分な画質が得られます。
6cmまで寄れるマクロモードで美しいボケの表現
コンパクトカメラでボケの表現はなかなか難しいものですが、マクロモードではGRレンズと2,400万画素の高画質センサーの威力感じます。マクロモードはレンズ先端から6~12cmの範囲でピントが合焦。ただ寄れるだけでなく、クロップ50mmとの相性が抜群で、玉ボケ、前ボケ、背景ボケなど美しくぼかすことができます。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm+マクロモード
■イメージコントロール:ブリーチバイパス
スマートフォンのカメラで背景画像処理が優秀になったとはいえ、このボケ感は得られないもの。傘の縁にピントを合わせたことで画面奥の街中の明かりが彩りのある玉ボケとなりました。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm+マクロモード
■イメージコントロール:スタンダード
コートに着いた雪。東京で降る雪は水分が多すぎてキレイな結晶は見えませんが、ここまで写すことができました。水滴も小さな玉ボケになっています。雨や雪が降っても、傘の下片手でちょっと撮影できるサイズ感がGR IIIの良いところ。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm+マクロモード
■イメージコントロール:ポジフィルム調
ちなみに、マクロモードと通常モードの切り替えは手動のみ。背面のマクロボタンをひと押しして切り替えます。マクロモードのままでは無限遠にはならないので覚えておきましょう。
イメージコントロールをカスタマイズしてこだわりの色づくり
モノクロ4種、カラー7種(+カスタマイズ2種)のイメージコントロールは、被写体によって選ぶ楽しみがあり、さらに、それぞれの色をパラメーターで詳細に調整できます。色を作り込んで自分らしく表現する楽しさも特徴的です。ここでは筆者の設定を少しばかり紹介いたします。
<スタンダード>
鮮やかさもありながら階調を損なわないのがスタンダード。できるだけ忠実かつ、イメージに相応しく仕上げたい時の設定で、抜け感と透明感に重きを置いた設定にしているので私の中で〝さわやか〟と命名しています。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/160秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ35mm
■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
飽和しやすい赤や黄色がメインの場合には彩度は0~+2の間で微調整。明るい被写体の時にはハイライト補正オンにしておくことで効果が発揮されます。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/125秒 F/2.8 ISO200 WBマルチパターンオート
■イメージコントロール:スタンダード(彩度+1/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
<レトロ>
筆者がGR IIIを手にしてまず気に入ったのがレトロ。その名の通り、下町の商店街や町工場、廃墟などの懐かしさを感じる被写体にしっくりとハマります。また、夜の人工光で使用すると柔らかくふんわりとしたムードのある表現が可能なので、ぜひ試して頂きたいイメージコントロールの一つ。ただし、デフォルトの設定のままだと眠たい印象が強いのでコントラストとシャープネスを調整しています。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/25秒 F/5.1 ISO200 WB曇天
■イメージコントロール:レトロ(彩度+3/コントラスト+1/シャープネス+1/調色+3/シェーディング-2)
昭和を醸し出すトタンも、路地裏のネコもどこか寂しげ。こんな時はやはり明るい色よりは雰囲気を優先してレトロを選びます。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/200秒 F/3.5 ISO200 WB曇天
■イメージコントロール:レトロ(彩度+3/コントラスト+1/シャープネス+1/調色+3/シェーディング-2)
<クロスプロセス>
GRならではの色とも言えるクロスプロセス。独特な色転びをするモードですが、原色はより印象的で鮮やかに発色する面白さがあります。夏空や強い日差しの下使うことが多い色です。快活で元気なイメージに仕上げたい時に使っています。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO200 WB太陽光
■イメージコントロール:クロスプロセス(彩度+2/色相+1/シャープネス+1/明瞭度+1)
青空はより青さが強調されます。下の写真は花壇を撮影したものですが、壁の黄色と花の赤が強調されアメリカンテイストのPOPなイメージになりました。色が派手過ぎると感じたら彩度はマイナスに。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/60秒 F/2.8 ISO200 WB太陽光 露出補正+0.3
■イメージコントロール:クロスプロセス(彩度+2/色相+1/シャープネス+1/明瞭度+1)
紹介した3つのイメージコントロール以外にもポジフィルム調、ブリーチバイパス、HDR調などの個性的な色があります。また、PCのRAW現像では得られないGR IIIならではの色を楽しみたい方にはカメラ内RAW現像がおススメです。撮影時には「RAW+」で撮影しておき、後からカメラ内RAW現像でパラメーターを調整しながら作り込んだりすると、いろいろ試せるので自分好みの色を探るのに相応しい機能と言えます。
手持ち撮影で長秒に耐えうる手ぶれ補正
シリーズ初搭載となる手ぶれ補正はセンサーシフトタイプ。磁石の力で撮像素子を動かすことで、3軸方向の補正に対応しています(シャッター速度換算で4段の補正)。一般的に手ぶれの起きるシャッタースピードは、「1/レンズ焦点距離」を超える(それ以上に遅くなる)と言われますが、手持ち撮影でも1秒を超える露光が簡単にできてしまうことに驚きます。
街中なら、ガードレールなどのカメラを固定できる場所を利用すればさらに速度の遅いシャッタースピードで撮影が可能に。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:シャッター優先モード SS2.0”秒 F/11 ISO200 WB太陽光 露出補正-0.5
■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
この時役立つ機能が「ISO感度設定」の中にある「低速限界値」の設定。設定したシャッタースピードを下回ると感度が上がるというもの。ISO感度をオートにし、上下限値の幅を持たせておくことで撮影がしやすくなり、手ぶれも起こりにくくなります。私は低速限界値を1/15に設定。
この設定はスナップ撮影でも活用できるので、モーションブラー(動体をカメラで撮影した時に生じるブレ)の表現も可能です。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:シャッター優先モード SS0.8”秒 F/16 ISO200 WB太陽光
■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
日中屋外でも長秒撮影を活かした撮影が楽しめます。波が寄せ返す様子は幻想的になりました。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:シャッター優先モード SS1.3”秒 F/16 ISO200 WB太陽光
■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
人がカメラを構えて1秒以上震えずに止まることはほとんど無理に近いですが、手ぶれ補正の恩恵を受けることにより撮影シーンが大きく広がります。
多重露光でクリエイティブな表現を楽しむ
筆者が作品づくりに取り入れている多重露出は背面ボタンのドライブモードの中にあります。
多重露出は、1枚目に撮影した画像にさらに画像を重ねて写し込み、1つの画像として記録する撮影方法。筆者の撮影する多重露出は始めに撮影する被写体にピントを合わせ、次に撮影する被写体はマクロモードを使ってぼかす二枚を重ねる方法です。
大輪の紫陽花を引きと寄りで大小重ねて淡く優しい印象にしてみました。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WB昼白色蛍光灯 クロップ50mm
■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
おうちフォトでも多重露出が楽しめます。鈴なりになったトマトをサラダの上に重ねてみました。
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WB太陽光 クロップ50mm
■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
様々なモノを重ね、工夫次第でカメラでしか見えない世界が生まれるのが多重露出の面白さ。あまり使用したことがない方も身の回りの被写体でぜひ一度試してみてほしい機能です。
おわりに
今回は日常の中で撮影できるシーンをメインに紹介しましたが、その他にもまだまだ使い込んでいる機能はたくさんあり、〝本当にコンパクトカメラなのか?〟と思うほど充実した機能満載のGR III。
機動性・携行性がよく、スナップ撮影に最適なカメラですが、街中を歩くのは何かと気が引ける昨今、コンパクトなサイズ感を活かし、身近な場所、身の回りにある被写体でGR IIIの機能を引き出しながら撮影に挑戦し、自由な表現を楽しんでみてください。
@kobayashikaworu_gr では、その他のスナップ写真もご覧いただけます。
VIDEO
■写真家:
こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんによるリコーGRIIIのレビューを紹介しています。発売されてから約2年になるGRⅢ。その間、日常のテーブルの上から海外旅行まで使用してきたこばやしさんのよく使う機能設定やイメージコントロールなどをご紹介いただいています。
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KEYWORDS:
リコー,レビュー,GR III,コンパクトデジタルカメラ
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AUTHOR:
TITLE: F1.0が魅せる新たな表現|富士フイルム XF50mmF1.0 R WR
BASENAME: 479953332.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 浅岡省一
DATE: 02/12/2021 16:00:00
TAGS: XF50mmF1.0 R WR,レビュー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
Xマウントで最強の明るさを誇るレンズXF50mmF1.0 R WR 。重量845g、フィルター径77mm、全長103.5mmという存在感あるこのレンズはどんな描写なのでしょうか。そして、どのような表現ができるのでしょうか。
F1.0の性能で広がる表現の幅
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/80秒 ISO160 露出補正±0 焦点距離50mm
XF50mmF1.0 R WR は35mm判換算で76mm相当の、開放F値1.0というレンズです。いわゆる大口径中望遠レンズという部類に属します。初心者にも分かりやすいよう簡単に解説しておくと、レンズのF値というのは、そのレンズがどれだけ明るさを取り込めるかを示す指標となっており、数字が小さければ小さいほど明るさをたくさん取り込めることを意味しています。一般的に、F値が2.8より小さくなると明るいレンズとみなされ、F1.6やF1.4のレンズになるとみんなの憧れ、F1.0はもはや夢のようなレンズとなります。
では、F値が小さくなるとどんな良いことがあるのでしょう?F値が小さいレンズは、暗いところでも(ISOを上げなくても)明るく撮れるので、画質的に綺麗に撮れるのはもちろんのこと、(シャッター速度を早く設定できるので)手振れや被写体ブレを防ぎやすくなります。また、大きくボカすことができるので、ポートレートで女性を柔らかく美しく撮ったり、幻想的に撮ったりすることが可能になります。つまり、レンズのF値が小さくなることで「表現の幅が大きく広がる」ことになるのがお分かりいただけると思います。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/1800秒 ISO160 露出補正+1.0 焦点距離50mm
さて一方で、F値の小さいレンズは良いこと尽くし…というわけにはいきません。ちょっと大きめで、ちょっと重くて、ちょっとお値段お高めという特徴もあります。これは高性能レンズの宿命みたいなもので、良いレンズほどそのような傾向があります。XF50mmF1.0 R WRは重量845gで、全長103.5mmなので手にするとなかなかの塊感を感じますが、重心バランスが良いのでカメラに装着するとそこまでのアンバランスさは感じません。実際、数週間の間XF50mmF1.0 R WRをX-T4につけっぱなしにしていたのですが、苦になることはありませんでした。
ちなみに、私のX-T4にはSmallRig社のグリップ(富士フイルムX-T4用L字型グリップ 2813)が装着してあるので、気になる方はそういったグリップを少し大きくするオプションを使ってみるのも良いかもしれません。
絞り値により変化する描写
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.3 1/75秒 ISO640 露出補正±0 焦点距離50mm
理論上、明るいレンズを設計することは難しくないのですが、明るくなればなるほど、レンズは(非現実的な)大きさと重さになり、当然お値段も上がっていきます。そこのバランスをどう取るかというのが、大口径レンズの一つのポイントになってきます。
最近では解放からシャープでキレのある描写を見せるレンズが多いのですが、XF50mmF1.0 R WRは解放だと少し柔らかめの描写で、絞り込むほどにシャープになっていく性格です。柔らかいといっても、単にレンズの粗が出て描写が甘くなっているという類の性格のものではなく、表現の一つとして積極的に活用できる品のある柔らかさに仕上げているので、ポートレートはもちろんのこと、スナップやテーブルフォトなど、様々なシーンで積極的に活用できる描写だと感じました。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/75秒 ISO320 露出補正-0.3 焦点距離50mm
同様に、解放値では収差や口径食(フレーム周辺のボケの形が真円にならずレモンの形になる現象)がみられますが、F2.8辺りまで絞り込むとそれらが改善されます。ただ、F2.8まで絞るとボケの大きさが小さくなってしまうので悩みどころ。私はボケの形よりも大きさの方を表現の手段として選択することが多いため、撮影では積極的に解放値を利用しました。
特に、カメラがすべて綺麗に整えて撮ってくれる今の時代では、多少の収差や口径食は、写真全体を目にした際にむしろ写真の味となり、場の雰囲気を伝える要素のような気がします。私の写真はボケを真円に撮ることが目的ではなく、自分が心奪われた現場の雰囲気やモデルさんの表情を伝えることが目的なので、ボケがレモン型だとしても自分の写真が崩れることはありません。イチゴ型でもメロン型でも大丈夫でしょう。流石に、クワガタになったらちょっと目立つので気にしちゃうかもしれませんが…笑。
従来では不可能な撮影も可能に
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/90秒 ISO160 露出補正+1.0 焦点距離50mm
大きくボカせるということは、被写界深度(ピントが合う幅)が浅いということに他なりません。つまり、ピント合わせはシビアになりますし、フォーカスを合わせるための時間も普段より余計にかかることになります。ですが、最近の機種であればオートフォーカス機能や顔認識機能はかなり強化されているので、撮影時に何度も首をかしげることにはならないでしょう。
実際、X-T4との組み合わせで、さすがに100発100中というわけにはいきませんが歩留まりはかなり良く、「フォーカスがあっていないので今のシーンをもう一回」ということは一度もありませんでした。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/75秒 ISO1250 露出補正+1.0 焦点距離50mm
そのため一瞬を切り取るようなスナップ撮影にはあまり向いてはいませんが、だからといって撮れないわけではありません。被写体とある程度の距離をとればF1.0でも被写界深度は深くなり、その分フォーカス速度も速くなります。なにより、F1.0の明るさをいかせば暗くてもシャッター速度を稼げ、被写体ブレを防ぐことができるので、普段では撮影を諦めていたようなシチュエーションでの撮影が可能になってきます。
たとえばこのカットは日没後モデルさんに適当に動き回ってもらい、その瞬間を切り取って撮影したものです。絞りを開放にしてISOを1250まで上げることで、1/75秒のシャッター速度を稼いでいます。通常なら周囲の暗さゆえに止まっているところを撮るしかないシチュエーションなのですが、このレンズなら実際に動いてもらってその瞬間の自然な表情や自然な動きを捉えることが可能になるのです。
新たな表現を求める方へ
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/75秒 ISO320 露出補正±0 焦点距離50mm
このようにF1.0という明るさをいかせば、通常よりも大きなボケを得たり、今までなら撮影を諦めていたようなシチュエーションでも撮影できるようになったりするなど、表現の幅が広がります。日中撮影するのであれば、ND16ぐらいの減光フィルターを利用すれば、絞り解放値でもシャッター速度をそれほど早くすることなく撮ることができるでしょう。電子シャッターを利用可能なカメラであれば、それを利用すればNDフィルターいらずです。
さすがに最初の一本目のレンズとしてXF50mmF1.0 R WRをオススメすることはできませんが(笑)、夕景や夜景の撮影が多い方、自分の写真の表現に行き詰まっていたり、新たな表現を求めていたりする方にはぴったりなレンズでしょう。みなさんならこのレンズでどんな写真を撮りますか…?
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/14 1/90秒 ISO160 露出補正-2.0 焦点距離50mm
■写真家:
浅岡省一
1973年東京都生まれ、中央大学大学院法学研究科修士課程修了。人物や商品等の広告撮影を得意とする傍ら夕景/夜景/雨景とモデルを絡めた作品を撮る。独特の光と空気感を表現する写真は多くのファンを魅了する。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
富士フイルムの標準単焦点レンズ、XF50mmF1.0 R WRを写真家の浅岡省一さんにレビューしていただきました。解放F1.0のボケ味を活かした魅力的なポートレート写真とともにお楽しみください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,XF50mmF1.0 R WR,レビュー,ポートレート,標準単焦点レンズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 村上さんテストページ
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CATEGORY: 村上悠太
DATE: 02/15/2021 15:06:03
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BODY:
テスト
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第1回】スチルだけでなくムービーも簡単!
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 02/15/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,LUMIX S5,パナソニック(Panasonic) ボディー,動画撮影・編集,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
2020年9月に登場したパナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「
LUMIX S5 」。シリーズ中もっとも小さくて軽いサイズながら、上位機種「LUMIX S1H」顔負けのムービー撮影機能を盛り込んで話題になりました。スチル撮影はもちろん、高解像度の4Kムービーから、魅惑的なスローモーションとクイックモーションなど、このカメラがあれば誰でも楽しむことができるようになっています。その素晴らしいムービー機能をビギナー向けに紹介するため、短期連載をスタートします。まず今回は「LUMIX S5」の基本ムービー機能をザッと見ていきましょう。
豊富な動画フォーマット
「LUMIX S5」はフルサイズフォーマットのデジタルカメラです。描写性能の高いその大きなセンサーサイズを有効に使ったフルサイズ画角と、APS-C画角を切り替えて撮影することができます。単焦点レンズを装着していてもモードの切替で2つの焦点距離を使うことが可能なのです。これはとても便利ですね。
このムービーは「LUMIX S5」に「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」を装着してテレ端の60mmで撮影したものです。このようにフルサイズフォーマットでの60mmと、1.5倍の画角となるAPS-Cフォーマットでの90mmという2つの画角を使うことができるのです。フォーマットを切り替えることによって30-90mmのズームとして利用可能となります。
VIDEO
また記録形式も多彩です。とても多くの形式を備えるので、詳細は
パナソニック公式サイト を確認していただくとして、簡単に説明すると「解像度」と「フレームレート」、「ビットレート」などの組み合わせが豊富にあるということです。しかもそのモードによっては記録時間に制限がない、高いフレームレートで撮影できるなど、実に使い勝手のいい仕様になっているところに注目です。
さらにHDMI端子経由で外部機器に向けて5.9Kという高画質の出力を行うことも可能です。これにより編集ソフトを使って色味などの編集を自在にできます。映像制作者にとってうれしい機能ですね。これらについてはあとの回で解説する予定です。
カメラ単体でシネマルックなムービー撮影を
「LUMIX S5」はカメラに搭載されている標準機能を使って、まるで映画のようなムービーを撮影できます。スチル撮影時と同じように「フォトスタイル」をそのまま活用でき、このモードにセットするだけで美しい映像を撮影可能です。
カメラのキタムラ 東京・玉川高島屋店がある二子玉川の街を多摩川越しに撮影してみました。フォトスタイルを変化させ5秒ごとにまとめています。スタンダード、ヴィヴィッド、ナチュラル、L.クラシックネオ、フラット、風景、人物、モノクローム、L.モノクローム、L.モノクロームD、L.モノクロームS、シネライク D2、シネライク V2、709ライク、V-Logと録画ボタンを押すだけで、誰にでもカンタンに印象的なムービーが撮影可能です。
このほかに自分で登録できるMY PHOTOSTYLE や、HLGフォト設定時のみ、スタンダート(HLG)、モノクローム(HLG)を設定することができます。また自分好みに彩度やコントラストなどの調整も可能なので、より深い表現が実現できるのです。
VIDEO
さらに22種類もの「フィルター効果」も搭載しています。こちらも「フォトスタイル」と同じようにメニューから選ぶだけで印象的なムービーの撮影が可能になっています。
VIDEO
古民家の軒先をフィルターの効果を変えて撮影してみました。ポップ、レトロ、オールドデイズ、ハイキー、ローキー、セピア、モノクローム、ダイナミックモノクローム、インプレッシブアート、ハイダイナミック、クロスプロセス、トイフォト、トイポップ、ブリーチバイパス、ジオラマ、ファンタジー、ワンポイントカラーと親しみやすいネーミングなのでわかりやすいですね。このように「LUMIX S5」は搭載されている機能だけで、人目を引くムービークリップを収録可能なのです。
超カンタン!スローモーションとクイックモーション
「LUMIX S5」は印象的なムービー作品に欠かせないスローモーションとクイックモーションもカンタンに撮影できます。ボディ上面のダイヤルにある専用の「S&Q」モードがそれです。これにセットしてスローかクイックかを選ぶだけでOKです。ムービーは一般的に1秒間に30コマなので、設定で180fpsを選べば6倍のスローモーションに、反対に10fpsに設定すると3倍のクイックモーションになるというわけです。2.5倍と3倍スローモーションはマニュアルフォーカスに、3倍の場合はクロップになります。4KかフルHDかで設定できるフレームレートが異なります。
走る電車をスローモーションとクイックモーションの両方で撮影しました。2倍スローと2倍クイックですが、優雅に走るイメージと疾走するイメージの2つの雰囲気を出すことができました。このようにダイヤルと設定をセットするだけで、記憶に残るシーンをパッと撮影できるのが「LUMIX S5」の良さですね。
VIDEO
手持ちでもブレが少ないムービー撮影ができる LUMIX S5
ザッと「LUMIX S5」のムービー基本性能をおさらいしましたが、映画のような色合いのフィルター効果や、夢に出てくるようなスローモーションまで、リッチな描写を手軽に撮影できるフルサイズミラーレス一眼カメラだということがお分かりいただけたでしょう。軽量コンパクトながらフルサイズセンサーを搭載した「LUMIX S5」はスチルだけでなくムービーでも大活躍するカメラなのです。種類豊富なLマウントレンズを使用できたり、強力な手ブレ補正機能「Dual I.S.2」で手持ち撮影ができたりするなど、ビギナーからプロフェッショナルまで幅広いユーザーが楽しめる素晴らしいカメラに仕上がっています。
最後に「LUMIX S5」にキットレンズ「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」を装着して、イージーに手持ち撮影をして収録したムービーをカンタンに繋いだものをご紹介します。モードダイヤルをムービーにして録画ボタンを押しただけですが、買ったその日からこんな美しい4Kムービーがハンドヘルドで撮影できる「LUMIX S5」。本当に楽しいカメラだと思います。次回はビデオ三脚や電動ジンバルと組み合わせた撮影法などをご紹介したいと思います。
VIDEO
~ 「パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう」連載はこちらからご覧頂けます ~
【第2回】ムービー三脚と電動ジンバルを使ってムービー撮影
【第3回】ムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集!
【第4回】シネマティックムービーに挑戦しよう!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材 【パナソニック】LUMIX DC-S5K-K レンズキット
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがパナソニック LUMIX S5のムービー性能をビギナー向けに短期連載で紹介しています。第1回目はクロップ、色味調整、スローモーションなどの基本機能を説明しています。
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KEYWORDS:
レビュー,動画撮影,パナソニック,LUMIX S5
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン EOS R5 × 鉄道写真|村上悠太
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STATUS: Publish
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CATEGORY: 村上悠太
DATE: 02/16/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,EOS R5,鉄道,キヤノン(Canon) ボディー,鉄道/電車,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
2018年に発足した次世代の映像表現を目指すキヤノンEOS Rシステム。新マウント「RFマウント」とともに、革新的な機能と可能性を秘めたEOS R、小型軽量なEOS RPと徐々にラインナップの拡充が行われ、2020年7月に待望の「5シリーズ」を掲げたEOS R5が発売されました。EOS史上、最高解像性能を実現したEOS R5ですが、これまで使用してきたニュアンスとしては、単に高画質なカメラという印象ではなく、それ以上にあらゆる面でEOS Rシリーズが次のステップに移行したカメラだなというのが私の率直な感想です。今回は鉄道 × EOS R5の撮影シーンからこのカメラの魅力をお伝えします!
連写性能
EOS R5が発表された時に私が最も期待した進化が連写性能です。EOS Rでは連続撮影速度約8コマ/秒と、これまでの同クラスフルサイズEOSと比べても、連写速度は決して遅い機種ではなかったのですが、高速走行を行う車両を撮影する鉄道写真のジャンルでは連写速度は可能な限り速いほうが望ましいです。
そんな中、EOS R5ではメカシャッター、電子先幕シャッター使用で最高12コマ/秒の連写速度を達成し、欲しい「一枚」が的確に狙えるようになりました。メカシャッターでこの連写性能を維持してくれているのは、新幹線やアップぎみに列車を撮影する際に特に強い味方になっています。鉄道写真は、周囲にケーブルや電柱など様々な障害物が列車の周囲に存在しています。そこでフレーミングを工夫したり、列車自身で隠したりしながら、可能な限りクリアに車両を描写する工夫を現場で行うのですが、こうしたシーンでも高速連写が大活躍しています。
この作例のように上から5枚目のOKカットの一つ手前では背景に赤と白の鉄塔が写り込むため、その存在がやや気になりますが、OKカットではそれを車体で隠すように撮影できました。
OKカットに近いが、背景の鉄塔を車両で隠したいところ。
OKカット(赤と白の鉄塔を車体で隠している)。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF24-70mm F2.8 L IS USM + C-PL
■撮影環境:f/8 1/4000 ISO1600 焦点距離45mm
この位置の「一枚」が決まるのがまさに12コマ/秒の連写性能です。さらに鉄道敷地外の安全な場所から、流線型のボディの特徴を活かすために標準系のレンズで撮影しているため、列車の見かけ上の移動量も多く、シャッターチャンスは限りなく一瞬です。こうしたシーンではどうしても10コマ/秒以上の連写性能が欲しくなるのですが、EOS R5ではより余裕ある12コマ/秒の連写速度を達成しているため、決定的瞬間を逃さずに撮影できることが多くなりました。
また、電子シャッターによる独特の歪みが目立たない構図や画角であれば、電子シャッターに切り替えることでEOS R5の最速である20コマ/秒での超速連写も可能です。
電子シャッターで撮影
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF70-200mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:f/4 1/4000 ISO800 焦点距離86mm
画質
EOS Rシリーズの最大の魅力に新たにラインナップされたRFレンズの「高画質」があります。ミラーレスになったことによるショートバックフォーカス機構を存分に生かし、従来のEFレンズでは達成できなかった画質の向上やズームのワイドレンジ化、ISなどの付加機能の追加など、レンズ面でも大きな進化を遂げています。
このRFレンズの描写性能を写し止めるのが、EOS R5のために設計された有効画素数約4500万画素の自社生産35mmフルサイズCMOSセンサーです。鉄道写真ではこの写真のように、周囲に存在する四季折々の風景とともに車両を写し込むといったフレーミングをすることも多いのですが、この場合、車両が画面の中でやや小さめになることも少なくありません。そこで重要になってくるのが解像性なのです。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:f/9 1/1250 ISO640 焦点距離50mm
このシーンでは線路の横に立つ、銀杏の木を主題に、横を走る列車は副題として小さく描写しています。このようなシチュエーションでも列車に書かれている行先の文字などもきちんと読めるくらい解像していますし、銀杏の葉の細かなディテールも繊細に描写してくれています。加えてこの時は、銀杏をきらめかせるためにやや逆光の条件で撮影しています。そうするとおのずと空の階調は白く飛びがちになりますが、高画質だけでなく広いダイナミックレンジを確保しているこのセンサーが自然な階調を維持してくれています。さらに「高輝度側階調優先」をONにすることで、よりハイライト域で粘りある階調表現を実現しています。
EVF
一眼レフカメラを長くお使いになってきた方がミラーレス一眼への移行を検討する上で、おそらく最も気になるのが液晶ビューファインダー(EVF)ではないでしょうか。私自身、ミラーレスカメラを初めて触ったときにはこのEVFの見え方が慣れず、やや苦戦していました。ただ、EOS Rが登場して以来、日常スナップ向けに持っているEOS Kiss Mと合わせて、機材構成がほぼEVF機になっていったこともあり、今では完全に違和感なくEVFを使用しています。慣れという時間が解決してくれたところもありますが、それ以上に私は露出設定をほとんどマニュアルモードで行っているため、光学ファインダーでは晴れたり曇ったりを繰り返し露出が大きく変わるシチュエーションや、とっさのシャッターチャンス時の露出決定をこれまでの経験に頼って決定するといったことが少なくありませんでした。これがEVFであれば、現在設定しているシャッター速度と、絞り値、ISO、さらにはWB、ピクチャースタイルなど、最終的な仕上がりを限りなくシミュレートしながら撮影することができるため、EVFの方が私の撮影スタイルには合っているように感じています。
そんなEVFですが、一つだけ私の中でマイナスポイントがありました。正直な話をすると、シャッターを切った際に発生する微妙なタイムラグがカメラをパーンしながら撮影する「流し撮り」の際にやりづらさを感じていました。ここについてもEOS R5では大きな進化が見られます。有効画素数約369万ドットだったEOS RからEOS R5では大幅に高精細化された約576万ドットのEVFを搭載し、リフレッシュレートも119.8fpsまで向上し、EOS Rの59.94fpsに比べて約2倍※と、より滑らかでリアルタイムさを追求したEVFに生まれ変わりました。この進化により、ほぼ光学ファインダーの時の感覚で流し撮りができるようになったと実感しています。また、兄弟機であるEOS R6と比べてもEOS R5のほうが高画素のEVFを搭載しています。
※EOS R5・EOS Rともになめらかさ優先ON
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:f/18 1/50 ISO50 焦点距離176mm
ボディ内手ブレ補正
兼ねてから搭載が期待されていたボディ内手ブレ補正機構も、EOS R5ではついに実装されました。特にEOS R5ではレンズ内の手ブレ補正機構と協調し、RFレンズを使用すると最大で8段分もの手ブレ補正効果を持ちます。レンズ内に手ブレ補正機構を持たないレンズでもボディ側で手ブレ補正をしてくれるのも、このボディ内手ブレ補正の大きな魅力の一つでしょう。
鉄道写真では、夜のホームなど三脚の使用を控えたい箇所が点在しています。そうした際にEOS R5の強力な手ブレ補正機能は撮影チャンスを大幅に広げてくれるだけでなく、微細な手ぶれやカメラぶれなども目立ってしまう高画素機ならではの悩みも効果的に解決してくれ、4500万画素の高解像度センサーの繊細な描写力を最大限に活かした撮影が楽しめます。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF70-200mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:f/13 1/8 ISO1600 焦点距離135mm
私の経験ではぶれに注意しながらそっとシャッターを切るように意識すれば、広角~標準レンズで1/8秒程度のシャッタースピードまで、中望遠レンズであればもう一段程度速いシャッタースピードでかなりの割合で手ぶれを抑制したシャープな画像を得ることができました。
AF
EOS Rを導入して以来、自身の撮影スタイルで大きく変わったのがAFの設定です。これまで一眼レフEOSを使用していた時には、最も精度の高いセンサーである中央一点のAFを多用していたり、画面内で列車が最終的に来る位置のAFフレームを選択してAIサーボAFで撮影していました。しかしEOS R以降、AFのエリアがファインダー内のほぼ全域に拡大したことと、顔+追尾優先AFのトラッキング性能と色認識の高精度化が目まぐるしい進化を遂げ、今ではAF撮影のほとんどが顔+追尾優先AFを使用しています。この追尾性能についてもEOS R5の進化が光るシーンです。
鉄道写真では、顔+追尾優先AFを使用すれば、カメラが車体の色を認識し、画面内でその車両がいる限り、徹底的にピントを追いかけてくれます。作例では、東海道新幹線の最新型車両である、「N700S」のコックピット部分の色情報を認識させたあと、ひたすらピントを追従しつつ、連写して求めていた一枚を残すことができました。
連写中のAF追尾の様子を一部抜粋(コックピット部分に赤色のフォーカスが合い続けています)
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM + EXTENDER RF1.4x
■撮影環境:f/11 1/4000 ISO1600 焦点距離630mm
この時、使用しているレンズはRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMでさらにEXTENDER RF1.4xをつけて630mmで撮影しています。この状態での開放F値はF9.0とやや暗めとなり、高感度性能も高いEOS R5にとっては露出面ではこの暗さはさほど気にならないものの、AFの精度は少し気がかりです。しかし、EOS R5は最高で開放F値F22でもAF撮影が可能な性能を搭載しており、F9程度では全く不安がない精度があると実感しています。
またEOS Rでは動体にピントを合わせ続けてくれる「サーボAF」を使用すると連写速度が最高約5コマ/秒と鉄道撮影には不足気味のスペックでしたが、EOS R5では連写速度の低下はなく、サーボAF時でも最高で約12コマ/秒(メカ・電子先幕シャッター時)を達成し、本格的な連写+AF撮影が可能となりました。
私は元々AFの設定を基本、動体でも静体でも「サーボAF」(一眼レフEOSでの名称はAIサーボAF)としていました。これは動体撮影時にもかかわらず、うっかり「ワンショットAF」に切り替えたまま撮影をしてしまい、ピントを追従できなかったことがあり、このようなケアレスミスを未然に防ぐための対策です。「サーボAF」でもボタンカスタマイズを使用して、シャッターボタンからAFの起動機能を外し、右手の親指部分にある「AF ONボタンのみでAFを起動するようにすることで、「ワンショットAF」のように使用することができるので重宝していたのですが、EOS RではAFの設定によって連写速度が大きく変化してしまうため、この使い方が難しかった問題がありました。しかし、EOS R5ではこの問題もクリアされ、従来のように常に「サーボAF」にしたままでも問題がありませんし、何よりも「サーボAF」と高速連写を両立した撮影が行えるようになりました。
動画
最高で8K30Pという次世代のスペックを持つEOS R5の動画性能。最近では動画の案件も増えてきており、動画のスペックをカメラに求めることも多くなりました。今回、私が最もありがたかったのが4K60Pへの対応でした。最近では4Kでの撮影が徐々に主流になる中、動きの速い鉄道というジャンルの特性上、60Pでの撮影を求められることも少なくありません。さらに4K撮影時にはクロップなしでの撮影が可能となり、RFレンズのボケ味や広角レンズの画角をしっかり活かしたフレーミングが可能になりました。
VIDEO
今回は外部マイクを使用せず、現場にいた他の方のカメラなどの音もそのまま公開しています。キヤノンでは純正アクセサリーとして、「
指向性ステレオマイクロホン DM-E1 」、「
ステレオマイクロホン DM-E100 」の2つがラインナップされているのも嬉しいポイントです。高精細且つなめらかな映像表現を実現しています。
まとめ
EOS Rでスタートしたキヤノンの新時代。EOS R5では画素数や連写速度など目立つスペックだけでなく、細かなブラッシュアップポイントとしてリモートスイッチがEOS 5D系やEOS-1DX系と同じ、リモートスイッチRS-80N3が採用されています。復活を望む声が大きかったEOSのアイデンティティともいえる、背面部のサブダイヤルとマルチコントローラーも復活しました。また、CFexpressカード(Type B)とSDカードのデュアルスロット化もなされ、バックアップ面も拡充されています。
最近ではチルトタイプのモニターを採用する機種も多い中、EOS R5ではバリアングルタイプのモニターを搭載しています。バリアングルモニターはチルトタイプに比べ、縦構図でも自由に使用でき、三脚使用時でも横にモニターが展開するため、雲台等に干渉しづらい特徴があります。こうした細かいポイントの進化も、日頃の撮影シーンの大きな力になってくれるはずです。
■写真家:
村上悠太
1987年東京都生まれ。鉄道発祥の地新橋でJR発足年に生まれた。日本大学芸術学部写真学科卒業。「ひとと鉄道、そして生活」をテーマに制作活動を行う。鉄道旅を通して日台観光促進、相互交流にも携わり、2019年台湾観光貢献賞(台湾政府 観光局)を受賞。高校時代には、毎夏北海道東川町で開催されている「写真甲子園」に出場し、2019年開催大会では出場者で初めて審査委員を務める。主な個展に、鉄道写真+動画展「てつ動展」(EIZOガレリア銀座 2015年)、「つなぐ旅」(キヤノンオープンギャラリー 2016年)、「つなぐ旅-その、日々へ-」(キヤノンギャラリー銀座・大阪 2020年)。
・キヤノン EOS学園東京校 講師
・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師
・日本鉄道写真作家協会 理事
~ 「 EOS R5」はこちらの記事でも紹介されています ~
キヤノン EOS R5 レビュー|スチールも、ムービーも、ポートレートが俄然楽しくなる一台
写真家:大村祐里子
https://shasha.kitamura.jp/article/482368703.html
キヤノン EOS R5 × スポーツ|中西祐介
写真家:中西祐介
https://shasha.kitamura.jp/article/482000501.html
キヤノン EOS R5|航空写真家がスチル&ムービーで徹底レビュー
写真家:A☆50/Akira Igarashi
https://shasha.kitamura.jp/article/478121231.html
この記事に使用した機材
【キヤノン】RF70-200mm F2.8 L IS USM
商品詳細ページ 【キヤノン】RF24-105mm F4 L IS USM
商品詳細ページ
【キヤノン】RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
商品詳細ページ 【キヤノン】エクステンダー RF1.4X
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の村上悠太さんがキヤノン EOS R5をレビューしています。鉄道写真を撮影する際の製品特長を作例と共に紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,EOS R5,キヤノン,鉄道
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AUTHOR:
TITLE: シグマ 65mm F2 DG DN Contemporaryレビュー|モデルとの距離を近付けてくれるレンズ
BASENAME: 480046126.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 02/17/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,65mm F2 DG DN | Contemporary,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
シグマのミラーレス機用フルサイズ対応のレンズ「Iシリーズ」は、現在4本がラインナップされています。2021年1月に発売されたばかりの「
24mm F3.5 DG DN | Contemporary 」、SIGMA fpと相性のいいキットレンズ「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」、筆者が昨年スナップでレビューをした「
35mm F2 DG DN | Contemporary 」、そして今回は「Iシリーズ」で一番望遠画角の「65mm F2 DG DN | Contemporary」のレビューを、スチールとムービーでお送り致します。
小さな背面液晶でも感じられる自然で美しいボケ味
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/125秒 ISO400 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:水穂まき
65mmの画角とF2という明るさを考えると、レンズ自体の大きさが懸念されると思いますが、トップのカットをご覧いただければ分かる通り、撮影にも持ち運びにも便利な手のひらサイズの大きさに収まっています。今回使用したのはLマウントで、最大径72mm、長さは74.7mm、重さは405gと、手持ちでのスチール撮影はもちろん、動画撮影でジンバルにも気軽に乗せられるサイズなのは嬉しい限りです。
作例は絞り開放での撮影です。ピントが合った右目のマツゲのシャープな描写は見事で、さらに感動したのは背景の優しく自然なボケ味です。構図右にある緑色の葉は、優しい輪郭で嫌味なくボケていますし、ともすれば雑味のあるボケになってしまう構図左下のストライプのクッションも、写真に彩りとストーリーを添える小道具として、とても自然なボケ方をしています。
本レンズは、中望遠で目立ちやすくなりがちな軸上色収差はSLDガラスを、球面収差は高精度のグラスモールド非球面レンズを採用することで補正を行っています。これにより、レモン型や渦巻状のボケが抑えられ、美しいボケ味を作り出しています。このボケ味の美しさは、実際に撮影してみるとカメラの背面液晶でも感じられるほどでした。
ポートレート風ショートムービー
VIDEO
筆者は静止画は中望遠、動画は広角での撮影が多いのですが、「Iシリーズ」が発表されたときに、珍しく65mmの画角を動画で使用してみたいと思いました。特に筆者がシリーズ化しているポートレート風のショートムービーでは、どこかから誰かが覗き見しているような、モデルが大きく映し出されているけれど、手が届きそうだけどなんだか遠いような、そんな遠近感を感じられるシーンを描き出したかったので、この「ほんの少し望遠」の画角はベストなのです。
ベストな理由は画角もですが、今まで筆者が使用してきたシグマのレンズは、被写体の周りの空気を優しく描き出してくれていたので、そこへの信頼感もあります。
今回のムービーは、朝から少しの時間経過を描きました。光の回るスタジオで撮影しており、実際に時間の経過で太陽が動いているのでその光をそのまま取り込んで、時系列もほぼそのままで編集しています。
高級感を醸し出す金属素材
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:水穂まき
本レンズは描写性能もですが、デザインと質感を味わって欲しいレンズでもあります。「Iシリーズ」のレンズは金属素材の削り出しで作られており、耐久性を上げる意味も強いと思いますが、一方で所持する側の気持ちとしては、その触り心地の良さにテンションが上がらざるを得ないというメリットがあります。金属のキンと冷えた感触、写真を撮る機材として重みを感じさせてくれる質感は、持つ喜びと、撮る楽しさを増幅させてくれます。
撮影者を自由にしてくれる描写性能
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:水穂まき
最短撮影距離は55cmなので、通常のポートレート撮影であれば不自由は感じません。作例のような寄りと、背景まで写し込んだ引きの両方の画を撮ってみましたが、いずれも気になる収差や口径食は感じられず、自由な撮影が行えました。
不自然なボケ味や気になる収差があると撮影に集中できなくて、ストレスを感じることがあります。特に寄りが多かったり、逆光での撮影が多かったりするポートレートでは、レンズがクリアーできない事項が目につきやすいのも確かです。
スナップではその不自由さが逆に楽しかったりするのですが、ポートレート撮影では無駄な懸念は取り除きたい気持ちが強いので、余計なことを気にしないで撮影に集中できる、自然な描写性能の本レンズは撮影がしやすかったです。
レンズキャップ迷子問題を解決してくれるマグネット式メタルキャップ
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO400 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:水穂まき
本レンズにはプラスチック製のレンズキャップの他に、専用のマグネット式メタルキャップも付属してきます。磁力でレンズの前面にピタッとくっ付くこのキャップは、スムーズな付け外しはもちろん、「撮影中にレンズキャップが迷子になる問題」をスッキリと解決してくれました。
いざ、キャップを付けてカメラをしまおうとすると、よく迷子になるレンズキャップ。コートのポケット、ジーンズのポケット、カメラバッグの中、テーブルの上に置いたまま…などなど、黒いだけに見つかりにくいレンズキャップを何回探したことか。専用のマグネット式メタルキャップホルダーも別売されており、外したキャップを探す手間を減らしてくれます。
落ちる心配のないしっかりとしたレンズフード
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:水穂まき
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:水穂まき
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:水穂まき
レンズ構成は9群12枚(SLD1枚、非球面レンズ2枚)で、絞り羽根枚数は9枚の円形絞りを採用。逆光でのゴースト、フレアもよく抑えられていて、強い逆光状態の撮影でもピント面のシャープさは失われていません。フードは丸形のフードが付属しています。レンズ本体にはカチッとしっかり装着できるので、撮影中に落ちることもありませんでした。
スポーツの撮影などでは、フィールドを走り回っているときに体にフードが当たって、その衝撃で回ってしまい、気がついたらフードが落ちて無くなっていたなんてこともあるのですが、ポートレートでもモデルの上から撮影するときは、万が一でもモデルの顔にフードが落ちないようにとても気を付けています。緩めのフードなどは安全のために逆に外してしまうこともあるのですが、本レンズのフードは装着具合がしっかりとしているので、装着したまま安全に撮影できました。
優しい日常を写し取れるレンズ
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/125秒 ISO400 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:水穂まき
筆者の好きな画角が50~60mmなので、65mmは、いつもよりもほんの少し集中した自分の目線で、ストレートに被写体に向き合える、とても撮影のしやすい画角でした。肉眼よりも美しいボケを作り出しながら、不自然にはならない素直なボケ味を作り出す開放での描写性能は、今回のような作り込みすぎない、モーニング・ルーティーンのような優しい日常を写し取るのにぴったり。自己主張をしすぎない穏やかなレンズは、モデルとの距離を近付けてくれます。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
この記事で紹介した機材 【シグマ】65mm F2 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】65mm F2 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
【シグマ】fp ボディ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
シグマの中望遠単焦点レンズ、65mm F2 DG DN | Contemporaryを写真家の水咲奈々さんがレビュー。このレンズに特徴的な、自然なボケ味を活かしたポートレート写真とともにご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,シグマ,65mm F2 DG DN | Contemporary,ポートレート
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 富士フイルム X-T4|抜群の安定感でどこにでも連れて行きたくなるパワフルなカメラ
BASENAME: 480051808.html
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CATEGORY: 片岡三果
DATE: 02/18/2021 16:00:00
TAGS: X-T4,レビュー,ミラーレスカメラ,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,スナップ,APS-C
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BODY:
はじめに
2020年4月28日に発売されたX-T4。初代X-T1から愛用し始めX-T2→X-T3と使用していました。前モデルは2018年9月20日に発売されましたので、1年半というスピードでパワーアップして登場しました。
今回はX-T4購入から1年近く撮影し続けてきたからこそ分かった、このカメラの良さをレビューさせていただきたいと思います。
X-T4ってどんなカメラ?
X-T4はAPS-CサイズのX-Trans CMOS 4センサー搭載のミラーレスカメラ。有効画素数は2610万画素。登場してから、わたしにとって1番の相棒カメラです。
同じくフラッグシップ機であるX-Proシリーズはレンジファインダー搭載機。今回紹介するTシリーズは中央にファインダーを搭載しており、それぞれユーザーの撮影スタイルに合わせて選べるラインナップとなっています。
今回のX-T4の登場で一番注目されていたのが「ボディ内手ブレ補正」機能搭載ということ。X-H1の登場でとても評価されていた機能がX-T4にも搭載され、さらには防振ユニットの小型化・軽量化の実現にも成功しています。現行レンズ群との組み合わせにより最高で5軸・6.5段という高い補正効果を発揮し、手ブレを抑えられることで写真も動画も以前より撮影がますます楽しくなるでしょう。
また、引き続き防塵防滴なタフなボディですので、対象レンズとの組み合わせであらゆる天候でも安心して撮影に臨めます。新バッテリーNP-W235は、従来品の約1.3倍を誇る大容量の専用バッテリーです。長時間の撮影や寒い環境でも、今まで以上に頼れる存在となりました。 本体充電はUSB Type-Cに対応しており、給電しながら撮影することができます。インターバル撮影などの長い撮影時間の時も、モバイルバッテリーなどを使用することで給電できるので心強いですね。
暗いシーンでもAF迷わない!
暗い場所でのAFの性能も、最大で-7.0EVの環境下でAFがしっかりと起動するため、フォーカスで迷うことがありません。遅めのシャッタースピードでもブレることなく、手持ちで撮影が楽しめます。
※露出補正については-5.0EVから+5.0EVまで対応。(動画の際は- 2.0EVから+2.0EV)
■撮影機材:X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:ISO400 F1.1 SS1/20
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ AF速度は最適化の環境では最速0.02秒という驚きの速さ。霧が立ち込めるような場所でもAF合わせは素早いです。この恩恵で、撮影者側はフレーミングやタイミングに集中することができます。
やっぱり推したい、フジの色。
「色」はフジフィルムを使い続ける理由のひとつ。富士フイルムが長年培ってきた色再現の技術を簡単に作品に取り入れることができます。
それをより実感するひとつは「空の色」。
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO80 F1.4 SS1/15
■フィルムシミュレーション: Velvia 自然が織りなす美しい色が移り変わる時間「マジックアワー」は、薄オレンジの「鴇色」から、紫がかった「紺色の花紺青」へと刻一刻と変化する薄明の時。「何色」とは一言で言い表せないほど壮大に広がる空のパレットを、見たままの色・残したい色で表現できるのが富士フイルムの素晴らしいところのひとつです。
色表現でもうひとつの推しポイントは「肌の色」。ポートレート撮影時に気にしなければならないのは美しい肌色ですよね。
■撮影機材:X-T4 + XF16-55mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:ISO3200 F2.8 SS1/140
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ
■モデル:恋七(lena) 大事なポートレートのお作法
撮影シーンによって、ダークな印象の仕上げや消えてしまいそうな儚い印象の仕上げなど、人肌は世界それぞれ。
わたしが撮影時に意識しているのは「撮られる側が嬉しい肌色」です。 せっかくの撮影なのに肌への色被りが激しく、肌が美しく見えないトーンに仕上がってしまっては、「被写体が喜んでくれる写真」からは遠くなってしまいます。もちろん、難しい光源や環境での撮影ではうまく質感をコントロールできないこともあるでしょう。
でもそんな時にX-T4なら、肌色はAWB(オートホワイトバランス) に頼りっきりでオッケーです。わたし自身モデル経験がある中で様々なカメラで撮っていただきましたが、いつも思っていたのは「フジのカメラで撮ってもらった時の肌色が好きだなぁ」という率直な感想です。
写真家に転身して6年になり、その経験からいろんなカメラでポートレートを撮影してきましたが、やはりこのカメラが一番信頼できる確かな色を実感できるのです。
■撮影機材:X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:ISO800 F1.0 SS1/30
■フィルムシミュレーション: ASTIA
■モデル:矢沢なり AWBが非常に優れているので、日中の自然光下の撮影でも夜の様々な色の街灯が光輝く環境でも、あとから肌色を調整することもなくそのままの色で楽しめます。
顔瞳AFの性能もバッチリです。しっかりとAFポイントが追従しますので、モデルさんに動いてもらいながらでも慌てずにしっかりカメラを構えて撮影に専念しましょう。
ボディ内手ブレ補正が使えてこの軽さ!
カメラの重さはバッテリーとSDカード含めて約607g。わたしが標準装備としているXF35mmF1.4 Rレンズを装着すると約794g。この重さを他のものに例えると、ジーンズ1本分だそうです。この軽さなら、女性のわたしでも毎日持ち歩く相棒として全く苦になりません。
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO320 F1.4 SS1/80
■フィルムシミュレーション: ACROS+Yeフィルター 前機種のX-T3から約68gの重量増となった訳ですが、この差でX-T3には搭載されていないボディ内手ブレ補正の恩恵が受けられるのは、とってもとっても大きなメリットです!通常、ボディ内手ブレ補正を搭載するとシルエットが大きくなるものですが、ボディの厚みもX-T3と比べてほぼ違いを感じない造りになっています。
美しいボディデザインを損なわずに機能は格段に向上。カメラ内はこの1年半で凄まじい進化を遂げたのですね。
毎日持ち歩きたくなる、そんなカメラです。
カメラは持ち歩いてこそ。 現在世界的に大変な世の中になっていますが、自分ができる範囲で日常を写真に残すことはとても大切です。
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO320 F1.4 SS1/80
■フィルムシミュレーション: クラシックネガ 今は決して無理はしないこと。そのなかで見つかる自分の世界を写真に残す。 カメラと一緒に歩いていくと、普段では見過ごしてしまうような存在に気付けたりします。
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO320 F1.4 SS1/240
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ 肉眼で見えている世界とはまた別の世界を表現することができるのも、カメラならではの楽しみです。アングルを変えてみたり、色温度を意図的に変えてみたり、レンズを変えてみたり。
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO80 F8.0 SS1.0
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ シャッターを開ける時間が1秒間でも、三脚なしで通過する車のライトの軌跡を表現できます。ボディ内手ブレ補正のおかげで撮影できる写真表現の幅が広がります。
どんなシーンでもX-T4があれば、自分の想像の中の世界を具現化して写真に描くことができます。
液晶は便利なバリアングル式タッチパネル!
撮りたい被写体が自分の目線の高さと差がある場所にあっても、X-T4の液晶画面はバリアングル式を採用しているのでローアングル、ハイアングルの撮影が簡単です。
また、動画配信の際に自分の顔を確認することや、手持ちでセルフィー撮影など3方向チルト式のX-T3ではできなかった、アングル確認をしながらの撮影ができます。
■撮影機材:X-T4 + XF23mmF2 R WR
■撮影環境:ISO400 F2.0 SS1/35
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ このご時世ですので被写体がわたしの作例が多くて失礼いたします。腕を伸ばした状態、かつ片手でずっとセルフィーの構えは少し重みを感じますが、X-T4のバリアングル液晶のおかげでセルフ撮影が容易になったことは、わたしにとってとても嬉しいことでした。
もちろんX-T3の3方向チルト液晶もスナップ撮影時にとても助かっていました。チルトかバリアングルかについては、撮影者側の好みに左右されます。どちらの液晶も良い点がありますが、X-T4では「できることが広がったな」という印象です。
4K動画やハイスピード動画を気軽に楽しもう
カメラ業界で4Kムービー撮影は標準な世の中になってきました。その中でいかに綺麗に、難しい撮り方をせずに簡単に撮影できるかが、今までの写真撮影ユーザーとこれからはじめようとしているユーザーには肝になってくる部分ですよね。
もちろん動画撮影時にもボディ内手ブレ補正は効果を発揮します。 加えて、動画時に使用できる電子式の手ブレ補正機能(DIS)を搭載しているので、動いている被写体相手でも強力にブレを補正することができます。
VIDEO
ダンサーの恋七(lena)さんに動画を撮らせていただきました。夜の地明かりだけの光源で動いていてもしっかりと顔瞳AFが効いていることがお分かりいただけると思います。
そして、まるで時の流れが止まったかのような、最大10倍のスローモーション効果で撮影ができるハイスピード動画機能も搭載しています。(ハイスピード動画はFull HD 240Pです。) 動画のアクセントに挿入するとより印象的に作品を作れます。
X-S10との差別化は?
X-T4の良さについて作品とともにお話しさせていただきましたが、昨年11月に発売されたX-S10との比較が気になる方も多いのではないかと思います。
まずは前述したバッテリーの容量。X-T4の大容量バッテリーの心強さは他のラインナップに比べてトップクラスです。 写真も、動画もこまめに...と一生懸命撮り続けて、更にもう1撮影もってくれるなぁ、と感じています。今のところ、念のため撮影時に予備電池を持っていきますが、大抵は使わずに済むことが多いです。このバッテリーNP-W235が対応している機種は執筆時現在でX-T4とGFX100Sのみです。
X-S10では背面の物理ボタンである十字ボタンがなくなり、タッチやジョイスティックでの操作です。十字ボタンで慣れている人はX-T4の物理ボタン操作が早いです。タッチパネル操作もユーザーの好みに依存するところがありますね。
SDカードのスロットの数はX-S10は1つ。X-T4は2つですので、2枚のSDカードで同時記録や、容量がいっぱいになった後にもそのまま撮影など、必要に応じて切り変えることができます。 プロユースとして使う現場にもX-T4は活躍してくれることでしょう。
また、防塵防滴かどうかも違いの一つですね。わたしは雨の日の撮影も好きなので、X-T4の防塵防滴の機能は非常にありがたいです。
そしてダイヤルボタン。X-T4はISO感度ダイヤル、シャッタースピードダイヤル、そして露出補正ダイヤルが上面についています。 X-S10は代わりに使いやすいモードダイヤルが搭載されていますが、撮影する前から「現在のカメラの設定」がわかるのはX-T4の各ダイヤルの恩恵です。
いつどんなシャッターチャンスに出会えるのかは誰にも予測ができません。そんな運命的な瞬間に出会い、ファインダーを覗くと 「...あれ、ISO感度とシャッタースピードは昨日の星空撮影のままだった??ということもあるかもしれません。
ファインダーを覗く前から、液晶画面を確認する前から今のISO感度、シャッタースピード、露出補正設定を知ることができると、撮影に取り掛かるまでの時間を短縮することができます。双方の違いの中でこれが一番大きな差かなと感じます。 運命的な瞬間を逃さずに撮影したいものです。
まとめ
どんな天候でも、どんな撮影シーンでも自分のペースに合った撮影を思う存分楽しむことのできる、フラッグシップ機のX-T4。クラシカルなデザインも毎日連れ歩きたくなる存在で、所有欲も撮影欲も満たしてくれます。
こだわり派のカメラユーザーに是非使って実感していただきたいカメラです。
※これらの撮影は、緊急事態宣言期間外に、周りに人がいないことを確認した上でマスクを外して撮影しています。
■ダンサー:恋七(lena)
https://www.instagram.com/lenakatsumata/
https://www.facebook.com/lena.katsumata
■モデル:矢沢なり
https://www.instagram.com/nari_yazawa/
https://twitter.com/nari_yazawa
■写真家:
片岡三果
北海道三笠市出身、絵画を描く気持ちで写真を表現する写真画家。FUJIFILM X photographer。漫画家の両親、大叔父が油絵画家という家庭環境で育ち、幼い頃から美術、デザインを学ぶ。写真を通して一期一会を忘れないよう、自分史を提案し撮った写真をプリントして楽しむことを大切にしている。
「X-T4」はこちらの記事でも紹介されています ~
■FUJIFILM Imaging Plaza東京でのX-S10取材記事
富士フイルム X-T4 レビュー|ボディ内手ブレ補正など新機能満載!
https://shasha.kitamura.jp/article/473764072.html
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EXCERPT:
今回は写真家の片岡三果さんによる富士フイルムX-T4のレビューです。今回はX-T4購入から1年半以上で撮影し続けてきたからこそ分かった、このカメラの良さをレビューしていただきます。
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KEYWORDS:
富士フイルム,X-T4,レビュー,ミラーレスカメラ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第2回】ムービー三脚と電動ジンバルを使ってムービー撮影
BASENAME: 480102716.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 02/22/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,LUMIX S5,三脚,ジンバル,パナソニック(Panasonic) ボディー,動画撮影・編集,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
2020年9月に登場したパナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」。シリーズ中もっとも小さくて軽いサイズながら、上位機種「LUMIX S1H」顔負けのムービー撮影機能を盛り込んで話題になりました。スチル撮影はもちろん、高解像度の4Kムービーから、魅惑的なスローモーションとクイックモーションなど、このカメラがあれば誰にでも楽しむことができるようになっています。今回はその素晴らしいムービー機能に親しむビギナー向け短期連載の第2回目になりますので是非ご覧ください。
ムービー三脚を使った安定感のあるパンとティルト
「LUMIX S5」は優秀なボディ内手ブレ補正機能(B.I.S.)を搭載しています。パナソニック純正レンズのレンズ内手ブレ補正機能(O.I.S.)を搭載したものを装着すると、「Dual I.S.2」として各々が協調してさらに手ブレ補正効果が効きますが、フィックス(固定)しての撮影や長時間撮影時、さらに安定したパンとティルト撮影を行うならムービー用三脚を使うのがオススメです。なぜなら撮影がグンと楽になるからです。以前は重くて無骨な製品が多かったのですが、近年はカーボン素材を積極的に採用した、旅行にも携行できるようなライトウェイトなムービー三脚が増えてきています。もちろんスチル撮影でも活躍するので、これから本格的な三脚を購入するのであれば検討の対象にしてもいいでしょう。
今回はマンフロット社製の軽量でコンパクトなムービー用三脚「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」を「LUMIX S5」に組み合わせて使ってみました。この三脚の特徴は「レベリング機能」を備えているところと、「フルードビデオ雲台」を搭載しているところです。
「レベリング機能」とは三脚のセンターポール部分にボール状の機構が備わっており、それを動かすことによって雲台の水平を出すことができます。これによってパンニングをきちんと水平に行うことが可能になります。
「フルードビデオ雲台」は滑らかでスムーズな動きをしてくれるので、スチルと違ってカメラを動かすムービー撮影には欠かせない機能といえるでしょう。またこの雲台は前後にプレートを動かしてカウンターバランスが取れるので、滑らかなティルトの動きが可能なところがいいところです。重量も1.38kgで最大耐荷重も4kg、最大高150cm、格納高41cmとサイズも必要十分で、軽量コンパクトな「LUMIX S5」と「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」の組み合わせにピッタリだと言えます。
このムービーは「LUMIX S5」を「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」に装着した模様です。雲台の下にあるダイヤルを緩めて、水準器のバブル(泡)を指標に合わせると水平出しが完了します。これを行っておくとパン撮影時にキレイな水平の動きをすることが可能です。設置場所を変えるたびにきちんと水平を出すことが大切です。またカメラを装着したプレートを前後させて、カウンターバランスも取りましょう。前後方向とも戻りのバランスが取れると、動きを止めた際もピタッと静止することができます。軽量コンパクトながら、このカメラとレンズにピッタリのムービー三脚だと言えます。
VIDEO
「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」を使って試し撮り
「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」に「LUMIX S5」を載せて、鉄橋を走ってくる電車を撮影しました。滑らかなフルード雲台とレベリング機構で水平をきちんと取っていたので、スムーズに電車の動きをフォローして撮影できました。手持ちだとこうはなかなかキレイに撮れません。
VIDEO
多摩川の立ち木を根本からてっぺんまでティルト撮影しました。「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」のカウンターバランスをしっかりと取っていたので、この上方への動きも実に滑らかになりきれいなカットとなりました。軽量コンパクトながらツボを押さえたムービー三脚なので、いつでもどこにでも携行できそうですね。
VIDEO
電動ジンバルで楽しむ
電動ジンバルも印象的なムービー作品制作に必須のギアと言えるでしょう。どういうものかというと、電動モーターで装着したカメラのバランスを自動的に保ってくれる手ブレ補正装置と言えばいいでしょうか。この電動ジンバルも小型化と低価格化が進み、以前とは比べものにならない気軽さで入手できるようになりました。
今回使用した「Zhiyun Weebill S」はとてもコンパクトで軽いのに高いパワーのモーターを有し、フルサイズミラーレス一眼カメラでも安定してバランスを取ってくれるので人気が高い製品です。「LUMIX S5」にマッチしたジンバルは他にもあるのでご自身にあった
電動ジンバル をご検討してみてください。
使い方もカンタンです。カメラを装着して、ロックを解除して3つのバランスを取りましょう。ロール、ピッチ、ヨーの3つの軸でカメラが傾かないようにセットしてあとは電源をON。「Zhiyun Weebill S」の自動調整をかければモーターのパワーでカメラのバランスを取ってくれるようになります。事前のバランスをヤジロベエの要領でしっかりとっておくことが重要になります。もちろんレンズを交換したなど重量が変化した場合は再度バランスを取り直す必要があります。
あとは付属のUSBケーブルで「LUMIX S5」と「Zhiyun Weebill S」を接続してカメラコントロールをONにすれば絞り値などを「Zhiyun Weebill S」から変更・設定できるようになります。スマートフォンに「ZY Play」というアプリをインストールすればスマホからも動きのコントロールが可能になりますよ。
VIDEO
「Zhiyun Weebill S」の動きはムービーをご覧頂いた方がわかりやすいでしょう。電動ジンバル機種によって呼び方が変わってきますが、基本的にはPF(パンフォロー)モード、L(ロック)モード、F(フォロー)モードを覚えておけば撮影に困ることはないでしょう。
PFモードは水平方向を維持して動きに追従するモードです。左右に「Zhiyun Weebill S」を振ると上下動を抑えてフォローする動きをしてくれます。風景などを水平方向にじっくりとパンして見せる場合などに使います。
Lモードの場合は常にカメラが一定方向を向くようになります。そのため「ZhiyunWeebill S」を左右に振ってもレンズは前方を向いたままとなります。このモードは自分が横方向に移動しながらもカメラは前方に固定されたままになるので、例えば川に沿って歩きながら向こう岸の景色を見せたい場合に役立ちます。
Fモードは「Zhiyun Weebill S」の動きをカメラがフォローしてくれます。高層ビルを見上げるシーンなどに有効です。動きのスピードや遊びの調整などは「Zhiyun Weebill S」のメニュー内で行えるので、自分のイメージあったスピードでフォローする動きができるようにセッティングしてみましょう。
電動ジンバルを使って試し撮り
河原の不整地を「LUMIX S5」を装着した「Zhiyun Weebill S」を持って歩いてみました。ムービーをご覧頂ければわかるように、なかなかの傾斜と荒れ具合の河川敷です。それなのに「Zhiyun Weebill S」は実に滑らかで安定した手ブレ補正と安定性を発揮してくれました。もちろん「LUMIX S5」の「Dual I.S.2」も機能していますが、見事なスムーズな動きのムービーを撮ることができました。電動ジンバルの威力はスゴいですね。
VIDEO
さいごに
素晴らしいムービー撮影機能を持つ「LUMIX S5」ですが、単体での撮影が楽しいのはもちろん、このようにムービー三脚や電動ジンバルを組み合わせることによって、より安定して美しく印象深いムービーの撮影が可能になります。次回は「LUMIX S5」を使った撮影のコツやスマートデバイスを使ったカンタンな編集方法などをお届けしたいと思います。お楽しみに!
~ 「パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう」の連載はこちらからご覧頂けます ~
【第1回】スチルだけでなくムービーも簡単!
【第3回】ムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集!
【第4回】シネマティックムービーに挑戦しよう!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材 【パナソニック】LUMIX DC-S5K-K レンズキット
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
商品詳細ページ
【マンフロット】MVKBFRTC-LIVE befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがパナソニック LUMIX S5のムービー性能をビギナー向けに短期連載で紹介しています。第2回目はムービー三脚や電動ジンバルを組み合わせた撮影方法を説明しています。
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KEYWORDS:
レビュー,動画撮影,パナソニック,LUMIX S5,三脚,ジンバル
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF24-105mm F4 L IS USMレビュー|コンパクトなサイズに高描写力を備える万能レンズ
BASENAME: 480156863.html
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CATEGORY: A☆50/Akira_Igarashi
DATE: 02/23/2021 16:00:00
TAGS: RF24-105mm F4 L IS USM,レビュー,飛行機,キヤノン(Canon) レンズ,標準ズーム
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BODY:
はじめに
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO160 F8 1/1250秒 焦点距離40mm
2018年秋にキヤノン社がスタートさせたEOS Rシステム。シリーズ初のカメラであるフルサイズミラーレス一眼、EOS Rとともに初めてのRFマウントレンズの1本として発売されたのが、今回レビューをおこなうRF24-105mm F4 L IS USMです。使用頻度の高い画角、焦点距離を網羅した標準ズームレンズであること、発売当初のRFレンズのラインナップの中では最も手頃な価格であったことから、発売から長期に渡りRFレンズとして随一の人気を得ている1本。RFレンズのラインナップが充実してきた現在においても、はじめての1本として選ばれることが多いレンズです。
コンパクト設計
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F8 1/640秒 焦点距離24mm
RF24-105mm F4 L IS USMは全長107.3mm、重さ約700gとこのスペックのレンズとしては小型、軽量にまとめられています。このあたりは、大口径かつショートバックフォーカスであるEOS Rシステムの利点をしっかり活かしてきた印象。EOS Rシステムの広角〜標準域のレンズは、同社一眼レフのEFシステムに比べ設計の自由度が大幅に上がっているため、より高画質かつコンパクトに作れるのが特徴です。EF24-105mm F4 L IS Ⅱ USMは全長118mm、重さ約795gなので、長さにして約10mmの短縮化、重さ約100gの軽量化を達成。航空機撮影では、遠征することや撮影場所まで大きな荷物を持って歩くということがあるため、荷物が少しでもコンパクトにまとまるというのは利点となります。
画質
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO400 F6.3 1/3200秒 焦点距離24mm
レンズ構成は14群18枚。絞り羽根枚数は9枚の円形絞りとなります。非球面レンズとUDレンズが採用されLレンズらしいシャープな描写を実現。機体に描かれた小さな文字や外板の継ぎ目に打ち込まれた鋲など、ディテール部分のシャープな表現が求められることの多い飛行機撮影においても十分な描写性能を有しています。
中央部分の描写力はもちろん、画面周辺部分における描写力の高さも特徴。広角域でありがちな周辺部の嫌な像流れもなく、収差や偽色が最小限に抑えられています。飛行機撮影では機体が横長であることが多いため、コクピットウインドウなどフォーカスを合わせた位置が画面周辺部にくることが多く、周辺部の描写力は最も重要と言っても過言ではありません。その点、このレンズは周辺光量落ちも少なくズーム全域に渡り安心して使えるレンズと言えます。
逆光時、または夜間に機体の着陸灯などを真正面から受けた際などはゴーストが出やすい印象。ASCコーティングがされてはいますが、ゴーストの影響が気になる場合はレンズの角度を変えるなど工夫が必要になります。
■撮影機材:キヤノン EOS RP + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F4 1/1600秒 焦点距離105mm
前述の通り、飛行機撮影ではディテール部分のシャープさやカッチリ感が重視されることが多く、ボケ味についてはレンズ選択時にそこまで重要視されません。望遠レンズを多用するジャンルではありますが、遠くの機体と遠くの背景という組み合わせで撮ることが多い飛行機撮影。なかなか、ボケ味を活かす場面が少ないというのが正直なところとなります。
しかし、写真のように草花の咲く時期にはこれらを前ボケにして飛行機を撮ることも。開放F値がF4のレンズですから、ボケ味をそこまで気にしていないという方も少なくないとは思いますが、テレ端あたりでのボケ味はなかなか。点光源などは円く柔らかい優しいボケとして描き出されます。ワイド端付近では若干、二線ボケが目立つものの、ポートレートやお花の撮影などでボケ味を活かした撮影も十分に堪能できるポテンシャルを持つレンズです。
AF
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO400 F8 1/1250秒 焦点距離30mm
キヤノン社のラグジュアリーレンズであるLレンズとしては、はじめてオートフォーカス(以下AF)の駆動にナノUSMが採用されました。ナノUSMは小型に設計され、リングUSMやSTMの特徴を併せ持ちます。リングUSMは高速性とパワー、STMは静粛性と滑らかさを特徴としますが、ナノUSMは高速性、静粛性、滑らかさを兼備。飛行機写真の撮影においてはAFの高速性が活き、飛行機動画の撮影においてはその静粛性と滑らかさが活きます。
飛行機写真の撮影においては、木々の間から機体が出現しフレームアウトするまでのほんの何秒かの間にフォーカスを合わせシャッターを切る…というタイトな撮り方をすることがあります。合焦速度が少し遅いだけで失敗してしまうため、瞬時に目標をとらえてくれるこのナノUSMにだいぶ助けられています。
手ブレ補正
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO25600 F4 1/160秒 焦点距離60mm
飛行機はもともとカメラやレンズの性能に頼る部分の多い被写体。AFとともに頼ることの多いシステムが手ブレ補正機構になります。RF24-105mm F4 L IS USMは、レンズ単体でも最大5段分の手ブレ補正効果がありますが、これは光学ISの制御の見直しとデュアルセンシングISにより実現されたもの。手持ち撮影の多い飛行機撮影では、とくに助かる効果といえます。
さらに、キヤノン社のカメラでははじめて、EOS R5とR6にボディ内手ブレ補正機構を搭載しましたが、これらのカメラと当レンズの組み合わせでは、なんと8段分の手ブレ補正効果を発揮。夜間など低露出下での撮影においても、手持ち撮影で挑める範囲が広がりました。とくに夜間、駐機している機体を手持ち撮影する際などに絶大な効果を実感。R5やR6との組み合わせでは、ミラーショックレスのアドバンテージと相まって、かなりのスローシャッターで撮影しても歩留まりが良かったりします。
操作性
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO400 F8 4秒 焦点距離24mm
レンズの先端付近に新たに追加されたのがコントロールリング。ここでは絞りやシャッタースピード、ISO感度変更などの機能を割り当てることが可能になりました。ズームリング、ピントリングとほぼ隙間なく設置されているため、咄嗟のシーンでいきなり使用するには慣れも必要ですが、慣れてくると便利。EVFから目を離さずとも、シャッターを押す寸前まで露出の変更が可能です。被写界深度目盛りは省略されていますが、マニュアルフォーカスにしてピントリングを動かすとEVF内に目盛りが表示されます。
防塵防滴
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO2000 F5 1/1000秒 焦点距離50mm
RF24-105mm F4 L IS USMには防塵防滴機構を採用。フッ素コーティングも施されているため、汚れを簡単に落とすことが可能です。ほぼ屋外で行われる上、埃っぽい場所や雨の日の撮影などもある飛行機撮影。レンズの堅牢性、耐久性の高さを求められるジャンルであるがゆえタフな作りが喜ばれます。
まとめ
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO400 F8 1/1000秒 焦点距離28mm
EOS Rシステムの利点としてよく挙げられるのがショートバックフォーカスであるという点。ミラー機構が無いため、EFシステムに比べレンズの後玉からセンサーまでの距離が短いという利点です。この利点を活かしやすいのが広角〜標準あたりのレンズ。設計の自由度が上がるため、コンパクトで高画質なレンズを作りやすくなりました。
EOS Rシステムの発表と同時に紹介されたレンズが、どれも広角〜標準域の短めレンズだったことを思い出します。やはり、まずはこの利点を最大限に活かせるレンズを…ということもあったのでしょう。その中でもこのRF24-105mm F4 L IS USMは、コンパクトかつ高画質というEOS Rシステム最大の利点を大いに活かしたレンズ。広角〜標準だけでなく望遠域までカバーしています。
発売から時を経ても売れ筋の一本として挙げられる名玉。ゆる〜く撮る時に気軽に持ち出すことができるコンパクトさ、ガチで撮る時にしっかり応えてくれる画質の良さ、使いやすい焦点距離を網羅している点といい、万能レンズとして多くの方に自信を持ってオススメできるレンズです。
■写真家:
A☆50/Akira Igarashi
絶景ヒコーキ写真を求め全国を駆け巡る瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、TVなど各種メディアに出演、作品を提供するかたわら大手航空会社やカメラメーカーなどのオフィシャル撮影を担当。キヤノンEOS学園講師。公益社団法人 日本写真家協会会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
航空写真家のA☆50/Akira Igarashiさんに、キヤノンのRF24-105mm F4 L IS USMレンズをレビューしていただきました。飛行機を被写体にこのレンズの特長を解説していきます。
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KEYWORDS:
キヤノン,RF24-105mm F4 L IS USM,レビュー,飛行機
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: RAW現像だけじゃない「SILKYPIX Developer Studio Pro10」で出来る画像合成機能が凄い!
BASENAME: 480190609.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 02/24/2021 16:00:00
TAGS: SILKYPIX,SILKYPIX Developer Studio Pro10,ソフトウェア,合成機能,RAW現像
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BODY:
はじめに
前回、RAW現像ソフトとして「
SILKYPIX Developer Studio Pro10 」の使用方法を紹介しましたが、「SILKYPIX Developer Studio Pro10」はRAW現像だけでなく、多彩な合成モードを搭載しています。RAW現像ソフトと画像加工ソフトがセットになっており、より写真を楽しむことができるソフトになっています。今回は合成機能の特徴や使い方を紹介したいと思います。
SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「多重露光合成」
SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる多重露光合成は、カメラ本体で多重露光をしなくて良いので、いろいろなシチュエーションや素材を元に合成する事が可能です。例えば、まったく違った日に撮影したデータや違う場所で撮影したデータを組み合わせたり、違った種類のカメラで撮影したデータを使用したりして多重露光合成イメージを作成する事ができます。
多重露光合成できるデータは、JPEGでもRAWデータからでも可能になっています。またRAWデータとJPEGデータの混合でも多重露光合成できる柔軟さがあります。ただ画像のピクセルサイズが違ったデータには対応できないので、違ったカメラなどで撮影したデータなどは、画像加工ソフトなどを使って撮影サイズ(タテヨコのピクセル)を事前に揃えておく必要があります。
では実際にやってみましょう!
「SILKYPIX Developer Studio Pro10」の合成機能は、上部メニューのツールバーのアイコンをクリックするか、サムネイル表示上で選択コマを右クリックして表示されるコンテキスト・メニューから「選択コマを合成」を選択すると、ダイアログが表示されます。
この2枚の画像データで選択して多重露光合成をしてみます。
合成した画像は、TIFF形式かDNG形式を選択して出力が可能になっています。
※TIFFやDNG形式は画像データが大きくなるのでご注意ください。
合成した結果の画像データがこんな感じで仕上がります。モニュメントの枠の中に、反対方向で撮影した富士山を合成することができました。この多重露光合成は、合成する画像を等分に扱いカメラで多重露光をおこなった場合と同様な仕上がりになります。
画像合成は2枚以上でも可能で、複数枚を選択して合成することもできます。上で使用した2枚にもう1枚画像を追加して3枚で多重露光合成をしてみました。
あまり画像の枚数を増やして合成すると、なかなか表現が難しくなってくる感じがします。合成する画像の選択をよく考えて実施する必要があると感じます。
多重露光合成には「夜景」の合成モードもあり、夜景向けのノイズ除去や彩度、黒レベルを重視した合成をすることができます。みなとみらいの夜景と、マニュアルフォーカスでピントをずらした大きな光のボケを作って撮った画像データで、多重露光合成(夜景)モード・黒浮き補正: 中(初期値)で合成してみました。
SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「比較明合成」
比較明合成は、複数枚の撮影画像を重ね合わせる際にピクセルごとの明度を比較し、明るい部分を優先して1枚の写真に合成する方式で、夜景や花火、星の軌跡を表現する際によく使用されています。SILKYPIX Developer Studio Pro10では、比較明合成をしたい画像を選択して、「比較明合成」を選択するだけで簡単に比較明合成写真を作ることができます。
花火を撮影した8枚のデータで比較明合成した写真を作成してみました。単発で上がっていた花火で1枚1枚は寂しかった写真でしたが、比較明合成をする事で華やかさがでた写真になりました。
さらに、みなとみらいの夜景(クロスフィルター使用)1枚を追加して比較明合成モードで作成してみました。明るい部分のみ加算して合成するので、夜景と花火などを組み合わせる事も簡単にできます。
SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「被写界深度合成」
被写界深度合成は同じ撮影シーンでピント位置が異なる複数枚の画像から、広い範囲でピントがあった写真に仕上げます。このモードを使うと被写界深度が浅いマクロレンズで撮影した画像なども全面にピントが合った写真に仕上げることができます。
上の写真は90mmマクロレンズで撮影したバーバリウムですが、手前から奥までピントを合わす事は難しいです。そこで撮影の際に、ピントを合わす位置を手前から奥まで少しづつずらして5カット撮影し、SILKYPIX Developer Studio Pro10の被写界深度合成をしました。
そうして出来上がった画像がこちらになります。被写界深度がしっかりととれて、ビンの中に入ったお花全体にピントがあった写真に仕上がりました。
SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「動体除去合成」
同じ撮影シーンの複数枚の画像から、動きのある被写体を除去して合成をおこないます。このモードを使うと、景勝地などで人がいるようなシーンで人を除去したりする事が可能になります。動体除去合成モードでは複数の写真から、静止している被写体のみを像として残して合成します。良好な合成結果を得るには、背景がしっかりと静止していて、動体の動きが顕著である必要があります。今回は世界遺産の白川郷の景色で5枚の撮影データから動体除去合成をしてみました。
※合成前のカットの1枚 道路に自動車のライトの軌跡が写っています。
パッと見た目それほど変わっていないように見えるかも知れませんが、撮影中に道路を走行していた車の軌跡(ライト)などが除去できて、静かな白川郷の姿を演出する事ができました。
SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「ストロボモーション合成」
ストロボモーション合成は、同じ撮影シーンの複数枚の画像から、動きのある被写体を残して合成をおこないます。このモードを使うと、動いている被写体を連続的に捉えた1枚の写真に仕上げることができます。このモードでは複数の写真から、動きのある被写体を像として残して合成します。良好な合成結果を得るには、背景がしっかりと静止していて、動体の動きが顕著である必要があります
今回は、海辺で連続撮影したカモメの写真7枚を使ってストロボモーション合成をしてみました。
※7枚の画像データを「ストロボモーション合成」
まとめ
SILKYPIX Developer Studio Pro10は、国産RAW現像ソフトとしてとても使い勝手の良いRAW現像ソフトですが、RAW現像だけでなく様々な合成もできる優れたソフトです。ここで紹介した合成機能ですが、撮影シーンによってはイメージ通りに合成できない場合もあります。何枚合成したらよいのか、どのモードで合成したら良いイメージになるか、試行錯誤しながら合成結果を楽しむのもいいかもしれません。こういう合成がイメージできていると、撮影の段階で合成にあった撮影方法で撮影しておく事もできます。写真を楽しむ方法の一つとしてチャレンジしてみてはどうでしょうか。
「SILKYPIX Developer Studio Pro10」Windows版・macOS版は、30日間無料体験が可能です。この30日間の無料期間には、機能制限などは無くすべての機能が使える状態で体験する事ができます。市川ソフトラボラトリーのSILKYPIX のページからソフトをダウンロードしてRAW現像と合成機能を試してみてください。
「SILKYPIX Developer Studio Pro10」の
ダウンロードページはこちら
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがRAW現像用ソフトウェアの「SILKYPIX Developer Studio Pro10」を紹介しています。合成機能の特徴や使い方を説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
SILKYPIX,SILKYPIX Developer Studio Pro10,RAW現像,ソフトウェア,合成機能
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FX3|シリーズ最小・最軽量のシネマカメラが登場!
BASENAME: 480269511.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 03/01/2021 16:00:00
TAGS: Cinema Line,FX3,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
ソニーは映像制作用カメラのCinema Line(シネマライン)にフルサイズセンサー搭載の「FX3」を2021年3月12日(金)に発売すると発表しました。Cinema Lineシリーズは同社の映像制作用カメラとして展開され、VENICEを最上位機種としたプロの制作現場で求められる映像表現力や操作性を持ったカメラです。FX3はそのCinema Lineと一眼ミラーレスカメラ「α」で培った先進テクノロジーが融合した、シリーズ史上最も小型・軽量※となるシネマカメラになります。
カメラ性能はα7S IIIと同性能な部分も多く、より動画向きになったカメラがFX3という印象です。同性能な部分で主だった所は、大きな画素ピッチを持つ裏面照射型CMOSセンサーと高速処理を可能とする画像処理エンジンBIONZ XRを搭載し優れたAF性能と高感度性能を持っています。最大4:2:2 10bitの4K 120pでの動画撮影が可能で手振れ補正は5軸で5.5段分の補正効果があります。一方異なる部分としては、ファインダーは無くなり、操作ボタンやレバーが動画撮影に特化した配置になり、冷却ファンが搭載された事で最長13時間の連続撮影が可能になりました。またトップハンドルとなるXLRハンドルユニットが付属され取り回しの自由度が向上し、ボディー本体にネジ穴があけられケージ不要の拡張性能があります。
今回はソニーストア銀座の先行展示機(サンプル機)を触ってきましたのでその時の印象を含めて記事を書かせて頂きました。是非ご覧ください。
※ソニーCinema Lineシリーズ内。2021年2月時点。
外観/操作性
XLRハンドルユニットを装着したFX3
XLRハンドルユニットを外したFX3
向かって左がα7S III、右がFX3
向かって左がα7S III、右がFX3
付属のXLRハンドルユニットを外すと大きさはα7S IIIとほぼ同程度に見えます。電子ビューファインダーが無くなり撮影画像は液晶モニターもしくは、外部モニターで確認するようになっており高さは約2cm低くフラットになっています。また、長時間撮影を可能にする冷却ファンが搭載されたことで奥行きは約4mm増しています。
外寸と質量
FX3 :約129.7×77.8×84.5mm、約640g
α7S III:約128.9×96.9×80.8mm、約614g
※外寸は横×高さ×奥行、質量は本体のみ
グリップを握って持った感触は少し厚みのあるα7S IIIといった感じで、グリップは深く握りやすいものでした。とてもシネマカメラを手持ちしていると思えないくらい小型軽量で取り回しの良さを感じます。
電源ボタンがあったところにはズームレバーが配置されており、対応する電動ズームレンズの「光学ズーム」の操作はもちろん、単焦点レンズ装着時にも画質劣化の少ない画像処理による「超解像ズーム」や「デジタルズーム」も行えます。
上面はフラットですっきりしたデザインになっており、一眼ミラーレスにあるような撮影モードダイヤルや露出補正などのダイヤルは無くなり、動画撮影に適したボタンやレバーが右側にレイアウトされています。右上に(1)IRIS「絞り」、(2)WB「ホワイトバランス」、(3)ISOが初期設定されたカスタムボタンが配置されており、その手前には大きなRECボタンがあります。
上面同様に背面も操作ボタンは右側に集約されていますので右手のみの操作を可能にし、左手はレンズに添えてカメラを安定させることが出来ます。また少し見づらいかもしれませんが、右側の中央より少し下にあるリング状のダイヤル部分(コントロールホイール)には左側に「ZEBRA」、右側に「PEAKING」のカスタム可能な物理ボタンが配置されており、動画撮影に便利な操作性になっています。
液晶モニターは解像度144万ドット、3.0型のバリアングルを採用。これにより自由度の高いアングルでの撮影が出来ます。
VIDEO
録画開始ボタンを押し忘れて凍り付いた経験があるのは私だけではないはずです(笑)。FX3にはタリーランプがカメラの前面、背面、天面の計3箇所にあり、加えて動画記録中はモニター画面も赤枠を表示することで、自撮りしている時や、リグやジンバルを装着して画面が見づらい場合でも、記録中かどうかすぐに見分けることができるので安心です。
デフォルト設定がRECボタンのカスタムボタン(6)が前面向かって右下についており、自撮り撮影中に親指と人差し指でつまむかたちで押せるのでカメラを揺らすことなく録画のON/OFFが可能です。
CFexpress Type AメモリーカードとSDカードの両方を利用する事ができます。ダブルスロットの片方にCFexpress Type Aを入れて、もう片方にSDカードを入れて利用する事も可能です。
拡張性
ボディーには上面3か所、左右それぞれに1か所の計5か所にネジ穴(1/4-20UNC)が開いており、ケージを使うことなくアクセサリーを直接ボディーに装着する事が可能です。ケージが不要となることで機動力は向上し、短時間でのセットアップができるようになります。
同梱のXLRハンドルユニットにはXLR端子を2基備えたデジタルオーディオインターフェース対応XLRアダプターを搭載しています。別売のXLRマイクとの組み合わせでデジタル信号をカメラに伝送できます。本体側の設定により、デジタル4CHや24bitでの音声収録もサポート。またXLRハンドルユニットにもネジ穴が3つ(上面2、後ろ1)ありますので、更なる拡張が可能です。
※写真では上面に1つのネジ穴しか見えませんが、右側のアクセサリーシューがもう1つのネジ穴を利用していて見えなくなっています。
グリップと反対側面の左側にはHDMIの大きいType-A端子が付いており、右側は上から順に3.5mmの音声入力端子、ヘッドホン端子、USB Type-C端子、マイクロ USB端子が装備されています。
連続撮影性能
α7S IIIでも優れた放熱構造により、4K/120Pで60分間の連続撮影を可能にしていましたが、FX3ではその放熱構造に加え、冷却ファンを搭載する事で4K/120Pで最長13時間の連続撮影を可能にしています。冷却ファンの動作モードは撮影条件に合わせて、「オート」、「最小」、「記録時Off」、「常にOff」から選択を行え、音に拘るクリエイターの方でも安心して撮影することが出来ます。ショールームでは実際に「オート」と「最小」で冷却ファンを動作させてみたのですが、周りが騒がしいせいか、まだセンサーに熱を持っていなかったせいか、カメラに耳をあててもファンの音を聞き取る事ができませんでした。ひょっとしたらすごく微細な音なのかもしれない?とも思いましたが、ここは後日レビューでしっかり確認してみたいと思います。
シネマの映像表現力
上位機種であるFX6やFX9でも好評な、肌の色を美しく見せるスキントーンを中心としたルック「S-Cinetone」を搭載しておりシネマのようなルックを手軽に再現することができます。
また階調特性を重視したS-Log3を搭載し、上位モデルとの親和性を高めています。S-Log3設定時は15+ストップという再現域を確保しています。
カメラ内で最高4K/120Pのハイフレームレートの動画記録が可能で、4K解像で最大5倍のなめらかなスローモーションで印象的な映像表現ができます。
αで培ったAF性能と高感度性能
像面位相差とコントラストのハイブリットAFで浅い被写界深度でも、素早く動く被写体にも高精度に追従します。像面位相差AFでは画面のほぼ全域(約9割)の範囲で被写体を捉える事が可能です。またリアルタイム瞳AFを使うことで、被写体へのフォーカス合わせをカメラ任せに出来るので、画面の隅々まで気を配り撮影することが出来ます。
α7S IIIとほぼ同等の有効画素数約1026万画素(静止画時は1210万画素)の裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジンBIONZ XRを搭載する事で高画質はもちろん拡張最高ISO感度409600になり、暗所での撮影性能も非常に優れています。
また5.5段分の補正効果がある5軸のボディー内光学式手振れ補正と手振れ補正効果を更に向上させるアクティブモードにより、シーンによってはジンバルなどを使わずに機動力を持って撮影を行うことができます。
さいごに
Cinema Lineとαが融合する事で、業務用と思っていた映像制作用カメラは益々身近になり、プロだけでなく趣味で映像美を求めるクリエイターにとっても魅力的なカメラになっているのではないでしょうか。今度は実際の撮影現場にもって行ってレビューしてみたいと思いますので、そちらも公開しましたら是非ご覧ください。
特集ページ
FX3特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひ
コチラ の特集ページも合わせてご覧ください。
■更新
・2021年3月2日:予約開始に伴い予約開始時期の文言更新と商品ページへのリンクを追記しました。
・2021年3月15日:製品の発売に伴い予約受付中の内容を差し替えました。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
2021年2月24日にソニーは映像制作用カメラ FX3を発表しました。先行展示機を触った印象を含めてFX3の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Cinema Line,FX3
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 桜の撮り方|北村佑介
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 03/02/2021 16:00:00
TAGS: 花
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BODY:
はじめに
こんにちは!北村です。3月になり暖かい日が徐々に増え、至る所で春を感じられるようになりました。花を撮る方は特に待ち焦がれていた季節だと思います。この時期になるとソメイヨシノの開花まであっという間です。早咲きの桜はもう見頃や満開を迎えたところも多いのではないでしょうか。というわけで、今回は桜の撮り方を記事にさせていただきます。普通にシャッターを切っても絵になる桜ですが、少し工夫するだけで色々な撮り方ができる花です。なるべく色々な桜を色々な撮り方で紹介するので、何か一つでも参考にしてもらえたなら嬉しいです。
河津桜
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/400秒
綺麗に開いた河津桜。春の訪れをいち早く伝えてくれる、代表的な早咲きの桜です。こちらを向いている数輪の花があったので、その数輪が主役になるように撮りました。普段は一本や一輪の花を主役にして撮ることが多いですが、どれか一輪が主役というよりはそのエリア内の花全てが主役と感じた時は、それらが主役と伝わるようにピント位置や構図を調整します。一輪を主役とするのか。エリアを主役とするのか。少し意識するだけで写真の仕上がりがぐっと良くなります。今まで特に意識していなかった方は、是非意識してみてください。
また、この写真の大きなポイントはやはり前ボケです。主役の花たちよりも手前に咲いている花にレンズを可能な限り近づけ、前ボケを作りました。この前ボケが柔らかさを生み出し、枝や主役以外の花を隠してくれる重要な役割を担ってくれます。
安行桜
■撮影機材:ソニー α7II + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 B01E
■撮影環境:絞り優先・180mm・F4.0・ISO100・1/250秒
安行桜という早咲きの桜です。形や色が非常に可愛らしく、お気に入りの桜です。雨が上がった直後、薄らと水たまりが張っていたのでリフレクションさせて撮ってみました。地面はグレーのコンクリートです。地面の色や種類でリフレクション具合が結構違うので、リフレクションさせて撮る時は色々な地面で試してみてください。個人的には、グレーのコンクリートやアスファルトはリフレクションさせやすく、ホワイトバランスの変更でイメージを作りやすいのでおすすめです。
深さがある水たまりでないとリフレクション写真が撮れないと思っている方も結構いますが、わずかな水たまりでも充分これくらいのリフレクション写真が撮れるので、水たまりと落ちている花を見つけた時は是非撮ってみてください。
■撮影機材:ソニー α7II + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 B01E
■撮影環境:絞り優先・180mm・F4.0・ISO100・1/320秒
こちらも安行桜をリフレクションさせて撮った一枚です。先程とほぼ同時刻、同じロケーションで撮りました。ホワイトバランスやレタッチ、そして別のイメージで撮ることにより、全く異なる一枚となりました。グレーのコンクリートはホワイトバランスの変更やレタッチで色を変化させやすいので、比較的簡単に自分の持つイメージを反映できます。
この写真は撮っただけで、鏡で反射させたように綺麗にリフレクションしてくれました。綺麗にリフレクションさせるために大事な要素はいくつかありますが、大切なのはアングルと高さで、特に高さが大事だと考えています。シチュエーションは合っているのに上手くいかない方は、是非高さの変更をメインに色々と試してみてください。
陽光桜
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/750秒
近所の公園に陽光桜という桜が咲いていました。一本しか咲いていなかったのですが、満開のその桜はとても綺麗で印象的だったのをよく覚えています。その中でも特にボリュームがあるエリアを切り取りました。正直なところ、桜自体の色や形が可愛すぎて普通に寄って撮っただけでイメージ通りになったのであまり解説することがありません(笑)。ただ少し無理矢理ポイントを言うとすれば、ボリュームがあるエリアの中でどの花が主役かをわかるようにするには寄る必要があったため、このレンズの撮影最短距離で撮りました。このような時、マクロレンズやもっと寄れるレンズの場合はもう一歩あゆみ寄っても良いかもしれません。写真左側はなるべく遠い背景を選び、後ろボケが綺麗になるようにしました。
ソメイヨシノ
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/500秒
ここからは桜代表のソメイヨシノで解説していきます。やっぱり桜はソメイヨシノですね。満開のソメイヨシノ。ぴょこんとボール状に飛び出しているエリアがあったので、それを主役にして撮りました。ホワイトバランスを少し暖色系に寄せ、温かみのある色合いで仕上げました。桜はピンクのイメージがありますが、ソメイヨシノはかなり白寄りのピンクの時が多いです。なので、ホワイトバランスのちょっとした変更で寒色系のイメージにも暖色系のイメージにもできます。適正なホワイトバランスで撮るのが基本かもしれませんが、イメージをどちらかに寄せて撮るのも良いと思います。ただ、白に近い花なので、ホワイトバランス変更の影響をとても受けやすいので変える時は少しずつ慎重に行いましょう。
■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/1000秒
満開のソメイヨシノの中で、夕陽に照らされた一輪を見つけました。4月上旬、17:30過ぎのとても光が綺麗なゴールデンタイムに逆光で撮った一枚です。開き切っていない花なので、このように後ろから撮っても形の良さが伝わります。花びらが透けている部分や重なっている部分、シベのシルエットの美しさなどが逆光で撮ったことにより際立っています。
ただ、このようなシチュエーションの時は白飛びに注意です。色の薄い花を逆光で撮ると、とても白飛びしやすいので露出にはいつも以上に気を付けましょう。筆者は基本的には、主役の花の最も明るい部分の色や脈が残っているかどうかで露出を決めます。また、この写真も前ボケで主役以外を隠していますが、桜は前ボケを作るのが簡単な花ではありません。主役の花と前ボケのバランスを両立させるのが難しい時は、前ボケを先に作ってみると上手くいくこともあります。是非お試しを!
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM キヤノン用
■撮影環境:絞り優先・50mm・F2.8・ISO400・1/125秒
地元の公園にて。いつもなら桜の時期は賑やかな公園ですが、この時は大雨が降っていたので無人でした。筆者はあまり根性がある方ではないので、雨の日の撮影は好きではありません。ですが、桜を無人で撮りたいときは大雨大歓迎です。桜を広めに、且つ桜だけを撮りたい時は雨の日にチャレンジすることをおすすめします。勿論雨対策はお忘れずに。いつもは白っぽいピンクのソメイヨシノも、雨に濡れるとはっきりとしたピンクで写ることも多いです。それも雨の日がおすすめである大きな理由です。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF35mm F2 IS USM
■撮影環境:絞り優先・35mm・F11・ISO100・4秒
山奥に佇むソメイヨシノ。湖面に映る桜も綺麗に写したかった為、三脚を使いシャッタースピード4秒で撮りました。長めのシャッタースピードで撮ることにより、湖面に反射した桜もしっかりと写ってくれました。露出は少し暗めにし、桜のピンクが際立つよう心がけています。
さいごに
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!また次回を楽しみにしていただけると嬉しいです!
■写真家:
北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんが、桜の撮り方を紹介しています。河津桜、安行桜、陽光桜、ソメイヨシノでの色々な撮り方を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,花,桜,河津桜,安行桜,陽光桜,ソメイヨシノ
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AUTHOR:
TITLE: カスタム自由度が高いオリンパス OM-D|メニュー設定を活用して世界でひとつのMyカメラをつくろう
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CATEGORY: 礒村浩一
DATE: 03/03/2021 16:00:00
TAGS: OM-D,撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー,ミラーレスカメラ,マイクロフォーサーズ
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BODY:
はじめに
いまやデジタルカメラは様々な被写体の撮影に対応できるほどにとても万能なカメラとなった。便利な機能が多数搭載され、強力な手振れ補正機能やカメラ内合成機能などにより、以前には考えられなかった撮影までもが可能となっている。それだけにカメラの設定は以前より複雑になっており、各メーカーによってレイアウトも違うことから初めて手にしたメーカーのカメラだったりすると、何がどうなっているものやら判らずにあたふたしてしまうことも少なくない。
オリンパスのミラーレス一眼カメラOM-Dシリーズも、多機能であるだけにカメラの設定項目はとても細かく設けられている。かくいう私も長年オリンパスのカメラを使っているにも関わらず、変更したい設定がどこのメニュー内に配置されているのか、とっさには答えることが難しいほどだ。ただ、各メニューには役割にあわせて大まかな分類がなされているので、変更したい設定がどの機能に関わるものなのかを理解しておけば、比較的スムーズにメニューの中から設定項目の在りかを見つけることができる。
それぞれのメニューが担う役割を理解しよう
OM-Dのメニューを大まかに分類すると以下の7種類の構成となっている。さらにそれぞれのメニューの中にはより細かい設定項目が用意されており、これらを撮影の状況や被写体に合わせて設定することで、よりユーザー好みのカメラとなるのだ。
セットアップメニュー:撮影前に行う日時や言語などカメラの基本設定
撮影メニュー1:撮影に関する基本的な設定
撮影メニュー2:より高度な撮影の設定
動画メニュー:ムービー撮影設定
再生メニュー:撮影画像の再生設定
カスタムメニュー:カメラを好みに合わせて細かく設定
マイメニュー:任意の設定項目をショートカット登録
2021年2月現在、OM-DにはE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M1 MarkII、E-M5 MarkIII、E-M10 MarkIV、E-M10 MarkIIIの6機種がラインナップされている。このうちE-M1 MarkIIとE-M10 MarkIIIはすでに旧機種扱いとなっているので、ここではE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIII、E-M10 MarkIVの4機種をピックアップして全メニュー項目を一覧表にしてみた(下記リンク参照)。これを読み解くと各メニュー分類の役割はおおむね共通していることが判る。この分類を基本に各機種特有の機能に関する設定項目が設けられている。エントリーモデルのE-M10 MarkIVは上位機種と比べると機能が絞られていることからメニュー数が少なくなっていることもわかるだろう。
OM-Dメニュー機種別一覧表.pdf
こちらは各機種の実際のメニュー画面をすべて並べたもの。E-M1XとE-M1 MarkIIIとでは、E-M1Xに搭載された被写体認識追尾AFやGPS・フィールドセンサーに関するメニューが追加されている以外はほぼ同じものとなっており、またE-M1 MarkIIIとE-M5 MarkIIIではライブND機能の有無やバッテリーグリップ装着可・不可に伴う設定項目の有無が違いとなっている。
E-M1Xメニュー画面
E-M1 MarkIIIメニュー画面
E-M5 MarkIIIメニュー画面
E-M10 MarkIVメニュー画面
これだけ多くのメニューから設定変更したい項目を探すことはなかなか大変だ。そこで活用したいのが「マイメニュー」である。マイメニューには頻繁に変更を行うなどの目的で、希望する設定項目へのショートカットを作成登録できる。メニューに表示された項目を選択した状態で赤丸のムービーボタンを長押しするとマイメニューにショートカットが登録される。ただし登録できる項目は★(星)印が付いているもののみ。また、対応機種はE-M1XとE-M1 MarkIIIである。
ショートカット登録できる「マイメニュー」
OM-Dカスタマイズの肝は機能のボタン割り当てにあり
ご覧のようにOM-Dシリーズのメニューの特徴は、多機能であるが故に細かい設定がとても多いことである。これはユーザーにとっては設定の自由度が高く、上手く使いこなせればより自分好みのカメラとすることができるというメリットに繋がる。
OM-Dシリーズのカメラには各種の機能を割り当てることができるボタンが多く用意されている。初期設定では各ボタンにそれぞれの機能(ISO感度設定など)が割り当てられているが、カスタムメニュー内(B1.ボタン/ダイヤルレバー)にはボタン機能の設定項目があり、その中で提示される候補のなかから任意の機能を割り当てることができる。
OM-Dシリーズのハイエンドモデルでありプロ機とされているE-M1X には17個、E-M1 MarkIIIではボディ10個+バッテリーグリップ5個の合計15個と、機能割り当てが可能なボタンが特に多く用意されている。ミドルクラスのE-M5 MarkIIIであっても10個と十分な数が用意されており、さらにエントリーモデルであるE-M10 MarkIVでさえ3個のボタンが用意されている。つまりOM-Dシリーズを使用するのであればボタンの機能割り当て設定を利用しない手はないのだ。
E-M1X天面ボタン
E-M1X正面ボタン
E-M1X背面ボタン
E-M1X側面ボタン
レンズに搭載されたL-Fnボタン
E-M1Xではボディに用意されたカスタマイズ可能なボタン17個に加え、一部のレンズに搭載されているL-Fnボタンを合わせると最大で18個もの機能を割り振ることができる。
ボタンに割り当てが可能な機能設定はライブND撮影やデジタルシフト撮影、顔認識設定やLVブースト設定など多岐にわたる。また、機能割り当てができるのはボタンだけにはとどまらない。Fnレバーが搭載されているE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIIIでは「レバー位置1」と「レバー位置2」のそれぞれで、フロント/リアダイヤルの機能を変えたり、AF方式/AFターゲットモード/AFターゲットの位置、静止画/動画撮影モードを切り替えたりもできる。さらにはFnレバーを電源スイッチとして使用することも可能だ。
カメラをグリップした際、親指で操作できるようになっているFnレバーには、レバー位置1とレバー位置2それぞれで機能の切り変えができるような仕組みが用意されている。このレバーはファインダーを覗きながらでも操作が可能なので、被写体の動きに合わせて瞬時に切り替える必要があるAF設定などを割り当てると便利だろう。
筆者の設定ボタンカスタマイズ例
このようにOM-Dシリーズでは多くの設定項目と割り当て可能なボタン&レバー類が多く用意されている。ただその一方、あまりに設定できる項目が多くて、理解することが難しいという声があることも確かだ。そこでここでは筆者である私が、OM-Dで実践しているカスタマイズ例をいくつか紹介しよう。
各ボタンに機能を割り振ることができる
E-M1 MarkIIIでのボタン機能割り当て画面。私の場合はOM-Dで動画を撮影する際には、撮影モードを動画撮影モードに切り替えて行うようにしている。その際の動画撮影スタートには「動画メニュー - ボタン/ダイヤルレバー」設定画面でシャッターボタンを使用するように設定してあるため、赤丸表示の「ムービー撮影ボタン」は使用することがない。
そこでこのボタンには画像の一部分を拡大する「拡大枠」機能を割り当てている。これによりAF時およびMF時ともに精密なピント合わせが必要な場合には、まず「拡大枠機能を割り当てたムービー撮影ボタン」を押して枠内を拡大したうえでピント合わせを行うようにしている。
AEL/AFLボタンにも多様な機能を割り振れる
E-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIIIにはオリンパス製の魚眼レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を使用する際に、魚眼レンズ特有の像の歪みをデジタル補正することで、4:3比率ならば焦点距離にして最大約5.5mm(35mm判換算約11mm相当)、画角にして125°の超広角画像を得ることができるフィッシュアイ補正機能が搭載されている。この機能を活かすことでF1.8という明るいレンズでありながら、コンパクトな超広角単焦点レンズとしてM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROを利用することができるのだ。
フィッシュアイ補正機能 OFF
フィッシュアイ補正機能 ON
この約11mm相当という広い画角は、風景撮影や室内撮影においてなかなかに重宝するものであり、特に徒歩での登山撮影などでは、広角ズームレンズと比較するととても軽量なレンズであることから使い勝手が良い。しかしフィッシュアイ補正機能の設定項目はメニュー内の深いところにあるため、毎回メニュー画面を開き探すのはなかなか手間がかかってしまう。そこで私はカメラ背面にある「AEL/AFLボタン」にフィッシュアイ補正機能を割り当てている。これにより、ファインダーを覗いたままでもワンタッチで魚眼撮影/超広角撮影を切り替えることができるわけだ。
ただこの割り当て方法だとひとつ問題が発生する。現時点ではE-M1 MarkIIIにのみ搭載されている「星空AF」の初期設定では「AEL/AFLボタン」を押すことで星空AFがスタートするように設定されているからだ。したがって「AEL/AFLボタン」にフィッシュアイ補正機能を割り当ててしまうと、星空AFが使用できないのだ。そこでこの問題を解決するために、私はカスタムメニューA1.「AEL/AFLモード」内の「星空AF」設定により、「シャッターボタンの半押しにより星空AFが開始」する設定に変更してある。このようにボタンへの機能割り当てを行う際には排他的な設定もあるので注意が必要だ。
AEL/AFLモード - 星空AF設定画面。初期設定では[mode3]になっているので[mode1]に設定を変更することで、シャッターボタン半押しで星空AFがスタートするようになる。
カスタムメニューA4内、星空AF設定画面。E-M1 MarkIIIを三脚等に据え付けるなどして、星に精度高くピントを合わせたいときには「精度優先」に設定すると、AF動作を小刻みに開始して正確にピントを合わせようと動作する。ただしそれ故に少々時間がかかってしまう。逆に「速度優先」を選択するとフォーカスの挙動は若干大まかにはなり精度はわずかに下がるが、ピント合わせのためにカメラを動かさないように保持しなければならない時間も短くなるので、条件さえそろえば三脚を使用しなくとも手持ちでの撮影も可能となる。
星空AFを使えば手持ちで星空撮影もできてしまう
E-M1 MarkIIIを星空AF(速度優先)に設定して、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとの組み合わせで星空を手持ち撮影。ISO6400で絞りF4.0、4秒露光。ボディ内手ぶれ補正機構とレンズ内手ぶれ補正機構との5軸シンクロ手ぶれ補正による、強力な手ぶれ補正機能のサポートで、いまや星空もAF&手持ちでの撮影が可能な時代となった。
E-M1 MarkIIIではファインダー横に配置されているライブビューボタン
E-M1XおよびE-M1 MarkIIIではカメラ左肩の位置に、E-M5 MarkIIIではカメラ上面左端、E-M10 MarkIVはファインダー右側面に配置されている「ライブビュー表示ボタン」を長押しすると「EVF自動表示切り替え」設定が可能となる。これは撮影者がファインダーを覗いた際に、背面モニターからEVFへと自動的に表示を切り替える際の設定を行う為のものだ。初期設定では「On1」の自動切り替えが選択されているが、この設定ではファインダー部に手をかざしただけでもアイセンサーが反応しEVFへ切り替えてしまうので、意図せず背面モニター表示が消えてしまうということがある。しかしだからといって「Off」に設定すると毎回手動で背面モニター表示とEVF表示を切り替える必要が出てきてしまい、これはこれで面倒に感じてしまう。
そのような時は「On2」を選択すれば「モニターを閉じている時のみアイセンサーが有効になる」という条件を付与することができるので、たとえばローアングル撮影時に背面液晶を開いて撮影しているようなシーンならば意図しない自動表示切り替えを避けることができるのだ。ただしE-M10 MarkIVには「On1」「Off」しか選択肢がないのでこの機能は使用できない。
お気に入りの撮影モードはカスタムモードに登録して一発で呼び出し
OM-Dシリーズのカメラには、任意で設定した撮影モードやそれに伴う設定を記憶させておき、必要なときにそのセットで呼び出すことができるカスタムモードも搭載されている。カスタムモードはE-M1XとE-M1 MarkIIIではC1,C2,C3,C4の四つ、E-M5 MarkIIIはC,C2,C3の三つが用意されている。ただしE-M10 MarkIVにはカスタムモードは搭載されていない。
カスタムモードに登録するには、事前に登録したい撮影モードを選択したうえで、ISO感度やAFモード、ホワイトバランス、ドライブモードなどを設定し、撮影メニュー1の中のリセット/カスタム設定からカスタム登録へと進み、E-M1XとE-M1 MarkIIIではカスタムモードC1〜C4に、E-M5 MarkIIIではCに登録する。登録した内容を読み出したい場合は、任意のカスタムモードをモードダイヤルから選択することで、即座に撮影モードと機能設定を呼び出すことができるわけだ。
なお、E-M5 MarkIIIではC2,C3にも登録が可能だが、モードダイヤルにはC2,C3が存在しない。これらの登録情報を読み出すには、撮影メニュー1の中のリセット/カスタム設定からカスタム呼び出しに入りC2およびC3の情報を読み出す必要がある。ただし撮影モードはその時点で選択されているモードのままとなり、各種撮影設定値のみが反映される。同様にE-M1XとE-M1 MarkIIIでもカスタム呼び出しから登録情報を呼び出すことも可能だが、やはり撮影モードはその時点で選択されているモードのままとなるので注意が必要だ。
高解像度な撮影ができるハイレゾショット
カスタムモードにハイレゾショットの設定を記憶させた。ハイレゾショットはE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIIIに搭載された高解像度撮影モードで、一回の撮影で自動的に複数ショットの画像を取り込みカメラ内で合成することによって、搭載しているイメージセンサーの解像度を超えた高解像度の画像を得ることができる機能だ。
このハイレゾショットを有効にするには、通常はドライブ設定の中からハイレゾショットを選んだうえで絞り値やシャッタースピード、ISO感度などを設定する手順となる。ただし、ハイレゾショットでは動きのある被写体は合成時にずれて合成されてしまうという特性があることや、被写体が風景等の比較的深い被写界深度を望むものが多いということから、ある程度は毎回、絞り値やシャッタースピードが近い値となることが想定される。これらの条件から、事前にハイレゾショット撮影セットをカスタムモードの一つに登録しておくことで、モードダイヤルを合わせるだけで基本的な設定を呼び出すことができる。あとは状況に合わせて各設定の微調整を行うだけでよいので、素早く撮影を進めることができる。
星空撮影に最適なライブコンポジット機能
ライブコンポジット撮影もカスタムモードに設定することができる。ライブコンポジットは、比較明合成と呼ばれる合成方法をカメラ内で自動的に行うことで、夜空の星や飛行機などの明かりを輝線として一枚の画像に記録できる機能だ。この機能はE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIII、E-M10 MarkIVに搭載されており、設定するには撮影モードをB(E-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIII)もしくはM(E-M10 MarkIV)を選択したうえでシャッタースピード値をもっとも遅くなるようにするとライブコンポジット機能に切り替えることができる。
この機能で撮影する被写体は夜景や星景が多いことから、絞り値は使用するレンズの開放値、ISO感度は3200前後となることが多いと想定されるため、事前に撮影セットをカスタムモードの一つに登録しておくとよい(ただしE-M10 MarkIVはカスタムモード非対応)。セットを呼び出した後はメニューボタンを押して表示された「コンポジット撮影設定」で1ショットあたりの露光時間を設定すればよい。
カスタム設定した設定値はOLYMPUS Workspaseで保存・読み込みが可能
このようにOM-Dのカメラは、ユーザー好みの撮影モードや設定をセットとして保存・読み出しが可能なカスタムモードが利用できる点からも、とても便利かつ合理的なシステムと言える。更にこれらのカスタマイズ設定はパソコンにインストールしたオリンパス純正の画像管理アプリケーション「OLYMPUS Workspase」との連動で、設定値としてパソコン内に保存・カメラへの書き込みがが可能だ。
OM-Dでは随時リリースされる新バージョンのファームウェアによって、動作の安定および機能の拡充が頻繁に行われるのだが、新バージョンの条件によってはせっかく細かく設定したカスタマイズ設定がすべてリセットされ初期設定に戻ってしまうことがある。その際には保存しておいた設定値を再度カメラに書き込むことで、カスタマイズした状態に戻すことも可能だ。
OLYMPUS Workspaseのメニューからカスタム設定を選択
「セーブ」からカスタム設定をパソコンに保存できる
「ロード」からカスタム設定を読み込む
OM-Dをカメラに同梱されたUSBケーブルを使ってOLYMPUS Workspaseがインストールされたパソコンと接続。アプリケーションを立ち上げて[カメラ- カスタム設定]から[セーブ]を選択してカメラ内の設定値を保存することができる。カメラに設定値を書き込む場合は同じく[カメラ- カスタム設定]から[ロード]を選択して、表示されたファイルの中から対象のカメラ用の設定値ファイルを選択すればよい。(E-M1X、E-M1 Mark III、E-M1 Mark II、E-M5 Mark II、PEN-Fが対応。E-M5 MarkIII、E-M10 MarkIVは未対応)
自分の撮影方法に最適なカスタマイズを行って世界でひとつのMy OM-Dをつくろう
このようにオリンパス OM-Dシリーズには多くの設定値変更の選択肢が用意されており、これらをまとめて管理するために必要なのが複数ページにわたる各メニューである。選択肢が多いだけに慣れないうちは望む設定ページを見つけるのに苦労するかもしれないが、それぞれのメニューに割り振られたことの意図を汲めるようになれば、自ずと戸惑いも解消されていくことだろう。さらにカメラに配置された各ボタンへの機能割り当てや、カスタムメニューをうまく使いこなすことができれば、実際の撮影現場でもスマートに設定変更が可能となるはずだ。
OM-Dの特徴の一つとして、ハイエンドモデルからエントリーモデルまで、搭載機能の差はあれども操作性やメニュー構成は共通する点が多いということが挙げられる。これにより複数の機種を併用する場合や、下位モデルから上位モデルへと機種を変更した際でも、操作に戸惑うことは非常に少ない。これはシステムとしての設計思想が、あらかじめしっかりと定められているからだと思われる。
本年2021年を迎え、オリンパスの映像機器部門は、新会社として発足したOMデジタルソリューションズ株式会社に事業移管され再出発となった。現時点では前社時代に開発・発売されたシステムをそのまま引き継いでいる状態ではあるが、新体制となったこれからもきっとOM-DおよびPENのマイクロフォーサーズシステムを継承すると同時に、新たな発想のカメラ・レンズを発売してくれるはずだ。その期待を込める意味もこめて、読者のみなさんもここまでの完成度を築いたOM-Dシステムを、ぜひ「My OM-D」となるようにカスタマイズしてあらゆる被写体の撮影を楽しんでいただきたいと思う。
■使用機材:E-M1 MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:ISO1600 F1.8 2秒 マニュアルモード WBカスタム4800K ライブコンポジット906コマ
■撮影協力:国立天文台水沢VLBI観測所(http://www.miz.nao.ac.jp/)
■写真家:
礒村浩一
女性ポートレートから風景、建築、舞台、製品広告など幅広く撮影。全国で作品展を開催するとともに撮影に関するセミナーの講師を担当する。デジタルカメラの解説や撮影テクニックに関する執筆も多数。写真編集を快適に行うためのパソコンのプロデュースも担当。
この記事に使用した機材
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の礒村浩一さんにオリンパスのメニュー画面とカスタム設定を解説いただきました。カメラをより便利に使いこなすためのノウハウが詰まったオリンパスユーザー必見の記事です。
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KEYWORDS:
オリンパス,OM-D,撮影テクニック
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第3回】ムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集!
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 03/04/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,LUMIX S5,パナソニック(Panasonic) ボディー,動画撮影・編集,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
昨年登場したパナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」。シリーズ中もっとも小さくて軽いサイズながら、上位機種「LUMIX S1H」顔負けのムービー撮影機能を盛り込んで話題になりました。スチル撮影はもちろん、高解像度の4Kムービーから、魅惑的なスローモーションとクイックモーションなど、このカメラがあれば誰にでも楽しむことができるようになっています。その素晴らしいムービー機能に親しむビギナー向け短期連載の第3回目です。
美しいムービーを LUMIX S5 で撮影するには
フルサイズ機なのに小さくて軽く、豊富なライカLマウントレンズが使える「LUMIX S5」。スチルだけでなくムービーも美しくカンタンに撮影できます。一番ベーシックなのはモードダイヤルを「iA(インテリジェントオートモード)」にセットして「動画記録ボタン」を押して撮影する方法です。一度押すと撮影が始まり、もう一度押すと記録が止まります。このモードではカメラが自動的にシーンを判別して「人物」や「風景」など被写体に合った最適な仕上がりになります。とても楽チンなのですが、だんだんと撮り慣れてくるともっと自分なりに撮影したくなってくるはずです。そうなったらモードダイヤルを「ムービーカメラのアイコンとM」で構成された「クリエイティブ動画モード」にセットしてみましょう。
そしてメニューに入って「動画メニュー」を見てください。その中にある「動画露出設定」内に、写真撮影で慣れ親しんだ「P(プログラム)」「A(絞り優先オート)」「S(シャッター優先オート)」「M(マニュアル)」の文字を発見できるでしょう。例えば「A(絞り優先オート)」を選べば自分なりに絞りを設定して、ボケをコントロールしたムービー撮影が可能になります。
オススメは「M(マニュアル)」です。ムービーは基本的に30コマ/秒なのでシャッタースピードを1/30秒~1/60秒に設定することが一般的。ですのでシャッタースピードを1/60秒、絞りを好きな値にセットし、「露出自動制御」を設定して撮影するのです。いわゆる「ISO感度オート」撮影というイメージですね。こちらはデフォルトで「ON」になっているので、「もう少し明るく」とか「もっと暗く」という場合は「露出補正」を適用して好みの明るさになるようにしましょう。
「LUMIX S5」を使うのなら、やはり高精細でリッチな描写の「4Kムービー」を撮影したいですよね。そこで再びメニューから「動画画質」→「4K/10bit/72Mbps/30P」を選択してみましょう。このモードを選べば「3840 x 2160」ピクセルで10bitというリッチな4Kムービーが撮影できます。メディアカードスロットには高速で大容量なSDカードを挿入しておくといいでしょう。撮影データはかなり大きなものになるからです。また記録ファイルは編集しやすい「MOV」形式推奨です。ホワイトバランスはオートの「AWB」にセットします。数多くの「フォトスタイル」を備えるこのカメラですが、オススメは「シネライク V2」です。シネマチックな色合いが魅力ですよ。
次はオートフォーカスです。「LUMIX S5」は大変優秀なオートフォーカスシステムを備えています。今回撮影したスナップ的なムービーの場合、カメラ任せで問題ないと言えます。設定としては連続的にピントを合わせる「AF連続動作」、オートフォーカスエリアは被写体によって「AFモード」で「自動認識(顔・瞳・人体・動物)」や「225点」、「1点」などをチョイスしましょう。
あとはバッテリーです。ムービー撮影はかなり電力を消費しますので、予備バッテリーを用意したり、モバイルバッテリーで充電できるように準備することが大切です。スマートフォンとも共用できるので、大容量のものを携行したいものですね。
脱着できるストラップが便利
ムービーを撮影する場合、「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」などのビデオ三脚や、「Zhiyun Weebill S」など電動ジンバルに「LUMIX S5」を搭載するケースが増えてきます。撮影にパンやティルトなどの動きをする場合や、ジンバルの動作時にカメラのストラップが障害になるケースがあります。そこでカンタンに脱着できるストラップを「LUMIX S5」に装着することをオススメします。今回のようなブラブラ手持ち撮影時には肩や首から提げることも可能ですし、上記のような撮影ケースの場合にパッと瞬時にストラップを外してスムーズに臨戦態勢に入ることが可能です。代表的な製品は「
ピークデザイン LEASH 」などがあります。とても便利なのでオススメです。
撮影のコツ
今回は「LUMIX S5」に「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」を装着して、神奈川県の横浜港周辺をブラブラと撮影しました。カメラの設定は上記のとおりで、手持ち撮影を敢行。撮影したムービーを編集して使用するので、ひとつひとつのムービーは最低でも10秒間記録するようにしました。また横にカメラを振る「パン」動作などの場合に、動かす前と後に約3秒ほど静止した場面を撮影しました。編集して繋げた場合に画面遷移の効果をかけるのですが「のりしろ」的な部分が必要なためです。
あとはレンズのワイド端とテレ端をまんべんなく使用して、変化のあるムービーを揃えることを心がけました。また交換レンズを共用できるLマウントアライアンスに参加している「シグマ」のレンズも使用して、ムービーにバリエーションがでるように配慮し、楽しんでいろいろなものにレンズを向けるようにしています。いろいろと撮影してみましょう!
iPhone で撮影したムービーを編集してみよう
さてはじめての4Kムービー撮影はいかがでしたでしょうか?ここからはスマートフォンを使っての編集作業になります。使用する端末はアップルの「iPhone 12 Pro Max」です。詳細は
過去記事 をご参照ください。またキタムラのiPhone取扱い店舗では実機を試すことが可能なので、気になることがあったらお店のスタッフに尋ねてみるといいでしょう。
「Panasonic LUMIX Sync」はとっても便利
まずは「LUMIX S5」から撮影したムービーデータを「iPhone 12 Pro Max」にコピーする必要があります。カードリーダーを使うこともできますが、パナソニックが無料で配布しているアプリ「Panasonic LUMIX Sync」を使うと、ワイヤレスで手軽にデータを端末に移すことができます。iPhoneからリモート撮影などもでき、とても便利なアプリなので是非ダウンロードしてみて下さい。
さて指示に従って「Panasonic LUMIX Sync」と「iPhone 12 Pro Max」をワイヤレスで接続したら撮影したムービーデータを選択してコピーしましょう。
「画像取り込み」から使いたいムービーを選択して、画面下部にあるスマホアイコンをタップすれば「iPhone」にコピーが始まります。4Kムービーはとてもデータサイズが大きいので少しの間待つ必要があるかもしれません。
「iMovie」でラクラク編集
無事に撮影したムービーデータをコピーできたら「iMovie」をタップしましょう。これはアップル純正のムービー編集アプリで、パソコンの「Mac」版も存在します。どちらも無料です。もしアプリを削除してしまった場合は「App Store」からダウンロードしましょう。
「iMovie」を立ち上げると「プロジェクト」を作る画面になります。「+」をタップして次に進みましょう。そして「新規プロジェクト」→「ムービー」を選びます。
すると制作に必要なムービーを選択する画面になるので、使用したいものをタップして選びます。
編集画面に切り替わり、選択したムービーが編集画面の「タイムライン」並んでいる状態になります。
VIDEO
この状態でのムービーを確認してみましょう。「LUMIX S5」とiPhoneだけでこんな風にカンタンにムービーが作れてしまうのです。すごいと思いませんか?
さてここからは上で確認したムービーをもっとよくするために手を入れていきます。「iMovie」は横画面でも使うことができるので、もしタイムラインを横長に見たい場合は「画面縦向きのロック」を解除して横位置にしてみましょう。
タイムラインには選んだ順にムービーが並んでいます。その長さを調節するにはムービーを指先でタップして選択し、ムービーの左右端部分をドラッグすることで好きな長さに変えることが可能です。またプレスしたままドラッグすると、ムービーの順序を入れ替えることができます。自分の好きなように構成を変えてみるのがオススメです。始まりから終わりまでチェックして、ムービーの長さと順序を納得いくまで編集します。
ムービーを選択した状態で画面下部にあるスピーカーアイコンをタップすると、音量を調整できるスライダーが現れます。これを左右に動かすことにより、選択したムービーの音量をコントロールできます。
選択したまま一番右側にある円が3つ重なったアイコンをタップするとフィルター効果のメニューが登場します。サムネイルを選ぶことによって好きなフィルターをかけることができるのです。実にカンタンに劇的な変化をムービーにつけられます。これには驚きです。スライダーを動かすことによって効果の強弱をつけられますよ。
先ほど確認したムービーですが少しスローにしたい部分があったので、時計アイコンをクリックして、スライダーを「カメ」方向に動かし、ややゆっくりとした動きに変更しました。もし速度を速めたい場合は「ウサギ」方向に動かすとクイックモーションになります。このように動きのテンポも「iMovie」は瞬時に変更可能です。
ムービーとムービーの間の画面切り替えの効果を「トランジション」と呼びますが、この効果も変更することができます。境界を選択してから下から望みの効果を選ぶだけです。効果の持続する時間も4種類から選べます。雰囲気にあったものを当ててみましょう。
次に文字要素です。文字を入れ込みたい部分で画面下の「T」をクリックしてテキスト入力をします。文字の出現方法もアニメーションで確認できるので、好みのものを選んでタイトルを入力します。フォントやカラーもチョイス可能です。「END」の文字も入れてみましょう。
最後に音楽です。BGMをつける場合はタイムラインで「+」アイコンをタップしましょう。するとメニューが出るので「オーディオ」を選択。「サウンドトラック」と進み、ムービーにあった音楽を選びましょう。BGMが入ればこれで完成です!
全てが終了したら「完了」をクリックします。いよいよ仕上げの書き出しです。下部中央のアイコンをタップして「ビデオを保存」を選ぶと書き出しが始まります。終了すると「カメラロール」内にムービーがあるはずです。タップしてじっくりと鑑賞してみましょう。もしここで気にならない部分があれば「iMovie」に戻って編集しなおせばOKです。満足のいく出来でしたらYouTubeなどにアップして世界中の人に見てもらうことも可能ですよ。
VIDEO
まとめ
このように「LUMIX S5」とiPhoneがあればカンタン且つ楽しく4Kムービーの撮影と編集が可能です。軽量コンパクトな「LUMIX S5」で撮影を楽しみ、帰りの電車内でiPhoneを使ってサクサク編集し、5G回線を使ってすぐさま4Kムービーを世界の人たちに発信することができるのです。パナソニック「LUMIX S5」のことはもちろん、「iPhone」シリーズについてもカメラのキタムラは精通したスタッフが揃っています。どちらも購入することができるので、気になることがあったら問合せることができるのが心強いですね。
さて次回は「LUMIX S5」を使ったシネマチックRAWムービーの撮影と編集方法をお届けしたいと思います。お楽しみに!
~ 「パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう」の連載はこちらからご覧頂けます ~
【第1回】スチルだけでなくムービーも簡単!
【第2回】ムービー三脚と電動ジンバルを使ってムービー撮影
【第4回】シネマティックムービーに挑戦しよう!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用したカメラ 【パナソニック】LUMIX DC-S5K-K レンズキット
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
商品詳細ページ
最新iPhoneシリーズ取扱い中!
カメラのキタムラは全国のスマホ取扱店でソフトバンクのご契約ができます。今回ご紹介したiPhoneをはじめ、豊富なラインナップを取り揃えておりますので、ぜひこの機会に店舗へお立ち寄りください。
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがパナソニック LUMIX S5のムービー性能をビギナー向けに短期連載で紹介しています。第3回目はムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集方法を説明しています。
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KEYWORDS:
レビュー,動画撮影,パナソニック,LUMIX S5
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム GFX100Sレビュー|1億画素でこの一瞬を切り取る唯一無二のカメラ
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CATEGORY: 中西学
DATE: 03/05/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,GFX100S,ミラーレスカメラ,ラージフォーマット
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BODY:
はじめに
富士フイルムのラージフォーマットセンサーカメラ「GFX」シリーズの最新作として、2021年2月25日から発売が開始された「GFX100S」。フルサイズセンサーの1.7倍もの面積を持つラージフォーマットセンサーと、1億2百万画素という圧倒的な画素数がもたらす高画質・高解像度、そして豊かな階調表現と広いダイナミックレンジが特長のミラーレスカメラです。それでいてGFX100Sは、フルサイズミラーレスカメラと遜色ないほどコンパクトなサイズに仕上がっており、GFX100の課題であった機動力にも磨きをかけ、あらゆる撮影シーンに持ち出せる取り回しの良さも獲得しています。今回はシーン別に作例を紹介しつつ、GFX100Sの良さをたっぷりと語っていきたいと思います。
※掲載写真はすべて画像クリックでオリジナルサイズが確認できます。
ポートレート
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF110mmF2 R LM WR
■撮影環境:F2.5 1/800秒 ISO100
今までのGFX100と比べたときに一番の違いとして感じるのが、やはりサイズ感や重量。軽くなったことで手持ちでの撮影も非常に楽になりましたし、マニュアルでの繊細なピント合わせの時もカメラを持つ手が震えず安定してリズムよく撮影できるようになりました。ラージフォーマット用のGFレンズも大きめなサイズですし、GFX100を使っているとモデルさんには「撮られている感がすごい」と言われるのですが、このGFX100Sであれば威圧感を与えずより自然な撮影ができるように思います。
機能面で言えば、ポートレート撮影では瞳AFが非常に役立ちます。実際の撮影現場で瞳AFが使えるレベルなのかは今やカメラ選びで重要なポイントですが、このGFX100Sは十分に信頼して使うことができますね。引きの画でも顔をしっかりと認識してくれましたし、瞳AFの精度が良いとピント合わせに心の余裕ができて、周りの情景もしっかり見ながら被写体を配置することができます。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F4 1/250秒 ISO160
注目点である描写力の良さは言わずもがな。画像クリックで拡大してみれば良く分かると思いますが、肌や髪の毛の質感が手に取るように伝わってきます。拡大して瞳の中をよく見ると、撮影している私の姿がちゃんと確認できるはずです。瞳AFだとまつげ辺りにピントが合うので、そこからマニュアルでフォーカスを追い込んで、しっかり瞳にピントが合うよう撮影しています。ラージフォーマットは被写界深度も浅いですから、絞り解放で撮るときやマクロ的な撮影をするときは特に緻密なピント合わせが必要になりますね。
また、1億画素もあると顔のしわ等映ってほしくないものまで鮮明に撮れてしまいます。そんな時は、肌を滑らかにしてくれる「スムーススキン・エフェクト」の機能を使います。富士フイルムが映し出す肌の色味は定評がありますし、この機能でさらに美しく撮ることができます。仕事でポートレートを撮るときには現場でいかにモデルさんが納得する写真にできるかも重要になりますからね。後からソフトで補正せずともその場でキッチリ仕上げられるのがGFXの良さです。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF50mmF3.5 R LM WR
■撮影環境:F4 1/160秒 ISO160
逆光で撮った写真は特にラージフォーマットの良さが出ている1枚だと思います。普通だったら露出オーバーで肌が白飛びしてしまうような部分も、このGFX100Sだったら踏ん張れるんです。ダイナミックレンジの広さのおかげですね。フラッシュも使わず何の補正もせずともきれいに顔が映し出せている。これだけ逆光なのにゴーストも出ていないのでレンズの性能もいいんでしょうね。色が飛びすぎると顔も認識しづらくなりますが、この撮影では色もしっかりと残り瞳AFがきちんと働いてくれています。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF110mmF2 R LM WR
■撮影環境:F4 1/250秒 ISO160
フルサイズやAPS-C機とは違う写真の縦横比率も特徴的です。やや正方形に近づいたこの比率はラージフォーマットならではですよね。縦構図にしたときに横幅があるので被写体を収めやすいですし、個人的にはすごく好きですね。
物撮り
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F8 1/5秒 ISO100
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F8 0.3秒 ISO100
これこそまさに1億画素が表現できる「質感」ですよね。撮影した野菜や果物は自分で切ったのですが、切り方の上手い下手、使った包丁の切れ味、そして野菜の新鮮さまでもが写真から分かってしまうほど鮮明に映し出せていると思います。そうすると写真を通して味まで想像できてしまうと思いませんか。圧倒的な描写力のおかげで写真なのにライブ感が伝わる、そんな作品をGFX100Sなら撮ることができるんです。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F4.5 1/320秒 ISO4000
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F4.5 1/320秒 ISO3200
色の再現性の高さもGFX100Sは抜群にいいですね。水の入ったグラスに絵の具を垂らしたときに見られる、この美しいグラデーション。ダイナミックレンジの広さと解像度の高さがないと、なかなかここまで表現できません。大抵のカメラだったらブロックノイズが出て色が潰れてしまいますが、色の情報をたくさん持っているラージフォーマットだからこそ、これだけ滑らかなグラデーションと深い階調を再現できるんだと思います。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F7.1 1/320秒 ISO5000
モノクロの花の写真はISO感度を5000まで上げて撮っていますが、ここまで高感度にしてもノイズは全く見られなかったですね。ISO5000でもざらつき感なくきれいに映し出せていると思います。富士フイルムはACROS(アクロス)というモノクロフィルムを作っていますから、やはり色への説得力が違います。フィルムを知らないメーカーが作ったモノクロではない、本当の色味という信頼感がありますね。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF110mmF2 R LM WR
■撮影環境:F7.1 1/80秒 ISO3200
赤いタイプライターの写真は、お店の壁にかかっていたものをガラス越しに撮影したものです。とてもガラス越しには見えないほどキレイに映せていると思います。ISO3200まで上げていますが、灰色っぽくノイズが乗ることもなくズバッと黒の色が出せています。さらに注目すべきはタイプライターの解像感。機械の細かな線も潰れることなく描写できており、撮った時にGFX100Sすごいなと改めて感動しましたね。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F4 1/40秒 ISO800
花びらと水滴を撮った写真はトリミングすることでマクロらしい画に仕上げています。オリジナルの写真はもっと大きいのですが、これだけ小さくトリミングしても全く問題ない画素数が残っています。小さくカットして使えるので、背景などを気にせずお家でも簡単に撮ることができると思います。
動体スナップ
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F4 1/800秒 ISO250
ラージフォーマットのカメラってAF性能はどうなのと思われている方もいるかもしれませんが、GFX100Sは被写体へのAF追従も申し分ない精度に仕上がっています。GFX100からAFのアルゴリズムも改良されたとのことで、使い比べるとその進化具合はしっかりと感じられます。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F4 1/800秒 ISO250
こちらのスケボーのパークは手前にガラスがあって、さらに柵もある場所だったのですが、AF-Cのモードで迷いなく動く被写体をフォーカスし続けてくれました。レスポンス良くピントを合わせ食いついたら離さない、ラージフォーマットでしかも手持ちでここまでいけるなんて普通考えられないですよ。かつ、小型化したボディは取り回しも良いので被写体を追うためにカメラを振ったり、撮影ポイントを変えたりすることも気軽にできます。
ラージフォーマットの証「65:24」
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F5.6 1/160秒 ISO160
現状、GFXシリーズでしか選ぶことができない撮影比率の65:24。まさにラージフォーマットで撮影した証と言える1枚です。上下をトリミングしたようなシネマライクな表現になり、この細長いサイズによってより主役が引き立つ見せ方ができるようになります。この花の写真も普通の3:2で撮っても面白くはないですが、65:24で撮ることで印象的に見せられたかなと思います。
65:24だと広く風景を切り取るパノラマ的な見せ方が思い浮かぶと思いますが、自分はもっと自由に撮れる比率だと考えます。こうやって花や物に寄るのもいいし、ポートレートで使っても面白いと思います。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F11 1/320秒 ISO160
こちらは富士フイルムのコーポレートカラーを意識してグリーンのコンテナを撮ってみました。日陰と日向が入り混じると普通は色が白飛びしたり黒く潰れたりするものですが、GFX100Sならダイナミックレンジが広いためしっかり映し出せています。色が潰れるだろうなと予想して撮っても色が残っているので、逆にイメージ通りいかないこともあるくらいです。そんな時はDR設定を調整して狙った写真になるようにしています。
また、新しく追加されたフィルムシミュレーションの「ノスタルジックネガ」は非常に気に入りました。個人的に70年代80年代のビンテージ物が好きで、そんな自分の思うアメリカっぽさが完全に再現された色味だと感じたんです。今回の撮影もノスタルジックネガで撮ったものが多いですね。撮っていてわくわくするような、もっと撮りたいと思わせるような色味がフィルムシミュレーションの魅力ですよね。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F9 1/640秒 ISO160
ノスタルジックネガは青系の色が弱めなので、自分はカラークロームブルーで色を強めています。フィルムシミュレーションに加えて、こういった色付けの調整がカメラ内で簡単にできるのが本当にいいですよね。富士フイルムのカメラを使うときはRAW現像する必要なんてないと常々思っています。
フィールドへの持ち出しやすさ
写り以外の部分でいうとボディ内手ブレ補正が良く効いてくれる印象です。シャッタースピード1/15くらいのスローシャッターでも手持ちでいけるくらいだと思います。例えば美しい夕景を撮るときにもし三脚がなくても、躊躇うことなく手持ちで撮影できます。三脚が立てられない場所、光量が少ない暗めの場所など、今までは厳しかった条件下でも1億画素で撮れる。これは非常に価値あるメリットだと思います。
さらに富士フイルムのカメラは防塵防滴機能にも優れていますから、メーカーのプロモーション動画にもあった通り雪山や砂浜などにも安心して持ち出せるでしょう。また、ラージフォーマットのカメラはあれだけマウント径が大きいにも関わらずセンサー部にホコリやゴミが全く付かないんですよね。超音波のクリーニングがいい仕事をしているようですが、環境の悪いところでレンズ交換する際も安心できます。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
■撮影環境:F4 1/800秒 ISO250
自転車でふらっと通りがかった時にカメラをサッと構え道端の花を撮る、こんなことはGFX100ではできませんでしたからね。あれだけボディが大きいと気軽に持ち歩けるものではありませんでした。しかしGFX100Sならそれができる。動画を撮るときもちゃんとジンバルに乗るようになりましたし、1億画素で撮れる作品の幅がグッと広がったと思います。
まとめ
今回GFX100Sを使ってみて、GFX100とは全く違う機種なのだと改めて感じました。ただボディが小さくなっただけではなく、撮影スタイルそのものが違うといったらいいでしょうか。その中でもラージフォーマットでかつ1億画素をこれだけ気軽に持ち運んで、身の回りのあらゆる瞬間を切り取れるようになったことの価値は非常に大きいと思います。フルサイズとは明らかに差別化できる写真が撮れるはずです。センサーの大きさしかり、富士フイルムの色味しかり、写りに説得力のあるカメラという点はGFXシリーズの大きな魅力です。
■写真家:
中西学
日本国内から海外まで、その時の時事を撮影することを専門する。その他、風景・ポートレートなど撮影ジャンルは多彩。ドローンやVRなど最新機材を使いこなし動画クリエーターとしても活動。写真家目線での映像技術を得意とする。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の中西学さんに富士フイルムGFX100Sをレビューしていただきました。ラージフォーマットセンサーと1億画素がもたらす圧倒的な描写力を、作例を通してご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,GFX100S,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporaryレビュー|真綿のようなソフトな描写にハマるレンズ
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 03/08/2021 16:00:00
TAGS: 45mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
シグマの「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、フルサイズミラーレスカメラ対応の「
I シリーズ 」に属するレンズで、2019年に発売されました。同シリーズは2021年発売の「
24mm F3.5 DG DN | Contemporary 」と、2020年発売の「
35mm F2 DG DN | Contemporary 」、「
65mm F2 DG DN | Contemporary 」の4本が現在ラインナップされています。今回は、本レンズだからこそ撮れるポートレートを、スチールとムービーの両方でレビューします。
シームレスなボケが絶大な魅力!
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 WB5000K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
本レンズの画角は45mmなので、ポートレート撮影にはちょっと望遠が足りないのでは?と思われる方も多いかも知れません。また、F2.8の開放値は暗いのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。最初に、筆者がこのレンズでポートレートを撮る一番の理由をお教えすると、画角やF値のスペック上の数字ではわかり得ない、逆光時の自然でソフトなボケ味にあります。
絞り込めばシャープで鋭い切れ味の描写を楽しめるレンズですので、スナップ撮影やムービー撮影にも活躍しますが、開放時の描写は同じレンズとは思えないほど、ふんわりと、まるで真綿のような優しいボケを作り出してくれます。
特に、強い逆光時に開放で撮影したときに感じられる、フレアーとボケがシームレスにつながったソフトな描写は、このレンズの絶大な魅力とも言えます。
オールドレンズのような優しい画作りと、色収差がしっかりと抑えられた光学性能のおかげで生まれる高い解像力を味わえる、なんとも贅沢なレンズなのです。
ポートレート風ショートムービー
VIDEO
■カラーモード:ティールアンドオレンジ
■モデル:愛咲しおり
今回のポートレート風のショートムービーは、カラーモードをティールアンドオレンジに設定して撮影しています。日常使いのレンズらしく、日常のちょっとしたシーンをシネマティックに仕上げてみました。
やっぱり小型・軽量なのは嬉しい!
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 WB5000K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
ポートレートの撮影というと、モデルに声を掛けながら、笑い合いながらというような、楽しそうなシーンを思い描かれると思います。確かに私の撮影は楽しくをモットーとしてはいますが、撮影者の体は悲鳴を上げそうな撮影スタイルが多いのも事実です。
この作例も、低い生け垣の向こう側の、ちょうど良い位置にモデルの体と顔が来るように、筆者は中腰よりも低い空気椅子のような状態で撮影しています。(柵の中や、芝生養生中の場所など、一般的に入ってはいけないところには足を踏み入れないで撮影をするので、足の位置が不自然になることも理由のひとつでもあります。)
そんなときに助かるのが、レンズが軽くて小さいことです。性能や価格とのバランスもありますが、求める画質が得られるのなら、レンズは小さいに越したことはありません。
瞬間の表情だけでなくムードも表現してくれるレンズ
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO100 WB:5000K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
本レンズの撮影最短距離は24cmです。ポートレートやスナップはもちろん、テーブルフォトでも座ったままテーブルの上のメニューを撮影できる距離なので、普通に使用していて不便を感じる最短撮影距離ではありません。
シグマのレンズらしいなと感じるのが、瞬間の表情と一緒に周りの空気もパッケージするような写真が撮れたときです。主役の被写体だけではなく、その周辺のムードも一緒に表現しようと、レンズとカメラが頑張っている手応えを感じられるのが好きで、シグマの製品を使い続けているとも言えます。
ボケからピント面への滑らかな繋がりがGOOD
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/320秒 ISO100 WB:5000K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
撮影日はとても天気が良かったので、影を利用したカットも楽しめました。地面に柵の影が写っていますが、ボケている手前のほうから、モデルの足元より少し前のピントが合っている面の辺りまでを拡大して見てみると、本レンズのボケの繋がりの良さ、滑らかさを感じられると思います。
F2.8というボケが小さな開放F値と、レンズ枚数の制限が出るコンパクトさのなかで、球面収差をコントロールして、ソフトな描写のボケと高い解像力を実現したという本レンズ。寄りでも、引きでも、フットワーク軽くポートレートを楽しめました。
逆光のソフトな描写を楽しもう!
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 WB:5000K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
絞り羽根枚数は7枚で、円形絞りを採用しています。作例の遊具にあたった光が丸ボケになりました。その他にも、木漏れ日の逆光などでの撮影もしましたが、本レンズは丸ボケよりも、逆光によって生じるフレアーぎりぎりのソフトさを味わったほうが、より楽しくなるレンズだと思います。
本当のオールドレンズだと滲みすぎてしまう被写体は、自然に立体的に解像され、きっちりくっきり描きすぎて現実に引き戻されすぎない画を作り出してくれるのは、筆者の求めるポートレートレンズの条件としてピッタリでした。
購入当初はスナップ用、風景のムービー用と思っていましたが、これからはポートレート常用レンズとしても活躍しそうです。
ティールアンドオレンジなら何気ないシーンもドラマティックに
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/1000秒 ISO100 WB5000K カラーモード「ティールアンドオレンジ」
■モデル:成沢紫音
45mmの画角ゆえ、狭い都内の道でも全身のポートレートが撮れるメリットもあります。マクロレンズ好きな筆者は、ポートレートでも寄りの撮影が多いのですが、本レンズは、ムービーの中のワンシーンのような、全身ポートレートを撮りたくなるレンズでした。
この作例は、ティールアンドオレンジのカラーモードを使用しています。ティールアンドオレンジは筆者がムービーでよく使用するモードで、ポートレートのスチールではあまり使用しないのですが、ここでは衣装と前ボケの白い手すりの色合いを落ち着けてくれながら、青空をノスタルジックに仕上げてくれました。
スペックだけでは見えないレンズの実力
■撮影機材:SIGMA fpp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 WB:5000K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
今回は本レンズでスチールとムービーを撮影しましたが、開放時の描写性能は筆者好みの優しさ、小型カメラにベストバランスのコンパクトさ、街中でのポートレート撮影でカメラを意識させないシンプルなデザインと、高級感のある金属製の素材などなど、まだこのレンズで撮影をしていない方には「貸してあげるから撮ってみて!」と言いたくなるような、スペックだけではわからないワクワクできるレンズでした。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
この記事に使用した機材
【シグマ】45mm F2.8 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】45mm F2.8 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがシグマ 45mm F2.8 DG DN | Contemporaryをポートレート撮影でレビューしています。逆光時のソフトなボケ味はポートレートに最適です。
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KEYWORDS:
シグマ,45mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,水咲奈々,i シリーズ
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 富士フイルム X-E4 レビュー|写真を撮るためのカメラ X-Eシリーズ待望の新モデル
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 03/09/2021 16:00:00
TAGS: X-E4,レビュー,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
「写真を撮ること」を喜びとする “Xシリーズらしいカメラが帰ってきた”という印象のX-E4が発売となりました。X-H1以降、動体や動画など動く被写体を主目的にしたカメラのラインナップが続き、さらにX-S10ではそれまでのXシリーズ全てをいいとこ取りしたカメラとなりましたが、ようやく「写真を撮るためのカメラ」が登場したと感じます。
レンジファインダー型のミラーレスカメラとしてはX-Proシリーズに並び人気の高いEシリーズ待望の新モデル。そのファーストインプレッションとキットレンズの魅力を併せてお伝えいたします。
X-E4ボディデザインの魅力
筆者も過去にはX-E2を愛用していましたが、1世代越え、見た目の印象や機能操作面からも全く新しいカメラになったと感じます。X-E4のフルフラットなデザインは、ミニマリズムとしての最良の形と言っても良いのではないでしょうか。クラシカルで美しいデザインは、小さくてカワイイではなく、シンプルでスタイリッシュという表現がよく合います。
持ち歩くことを負担としない軽量・コンパクトなデザイン。軍艦部にはマグネシウム合金を採用した質感の良さなど、剛性を確保しつつ364g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)の軽量化を実現し、日常的な持ち歩きにも最適と言えます。普段使いの小さなバッグや、コート、男性用ジャケットならポケットにも入ってしまうサイズ感が何より魅力的です。
プログラムモードをダイヤルに設置
今までXシリーズのカメラ(モードダイヤルのある機種以外)では、プログラムモードはレンズ側の絞りリング位置を「A」に置き、シャッタースピードを「A」にセットして使用するのが通常ですが、今回X-E4で初めてシャッターダイヤルに「P」(プログラムモード)が加わり、咄嗟のシャッターチャンスを逃さない俊敏な撮影を意識していることも感じられます。
シャッターダイヤルの中に「P」モードがある。Qボタンは二つのダイヤルの間に配置されている。
もちろん、絞りリングのあるレンズは、従来通りの使用方法でプログラムモードでの撮影が可能です。
操作ボタン・ダイヤルの変更点と外部入出力端子
シンプルになったボディデザインと相まって、ボタン・ダイヤル操作に変更点があります。Qボタンは背面から天面(上部)に配置され、前面のフォーカスモード切換レバーと背面のリアコマンドダイヤルを無くしたことにより、全体的にフラットな形状へ姿を変えました。フロントコマンドダイヤルではSS.→F.→ISOと切り換えます。絞りリングの無いレンズはこのダイヤルで絞りを変更できます。
ボディ前面の操作はダイヤル1つだけとなった。
ボタン数が減っているので、Fn.機能を最小限に割り当て、タッチFn.と併せて使い、また、カスタム設定と上手く組み合わせながら、自分に合った操作のしやすい設定をしていくことが必要になります。
外部入出力端子は、本体充電にType-CのUSBケーブルが使用可能、 HDMIケーブル、3.5mm径のステレオミニジャック(マイク、リモートレリーズ兼用)などが採用され汎用性があります。
タッチパネル搭載の180°チルト式モニター
X-E3が発売された時点で一番残念に感じていたのが、チルトモニターがなかったことでした。その声に応えるべく、また昨今の撮影環境、動体・動画需要に応じた180°チルト式モニターは、3.0型TFTカラー液晶モニター・約162万ドット。
ウエストレベルでの撮影や、テーブルや台に置いたままの高さでの撮影、もちろん180°回転させれば動画・Vlog、セルフィーなどアングルの自由度を上げてくれるので撮影バリエーションが格段に広がります。
モニターを手前に引き出してから上部へ立ち上げて180°にて使用。この構造により背面もフルフラットにすることができている。
タッチシャッターを切ることができるので、これもプログラムモードと併せてスナップ撮影で咄嗟の撮影に活用したい機能です。その他にもAF、フォーカスエリア選択、ダブルタップ画面拡大、タッチFn.などモニター画面にも機能が詰まっています。もちろんモニター画面で操作しない場合は機能OFFも可能です。
Xシリーズの基準となった「X-Processor 4」と「X-Trans CMOS 4」
ハイエンド機X-T4から引き継がれた高速な情報処理を実現している「X-Processor 4」による描写性能と、イメージセンサーの全面(約100%)に渡り像面位相差画素を216万画素配置しており、「X-Trans CMOS 4」のフォーカス性能、画面端にある被写体も高速且つ高精度で捉えられます。動くものを瞬間的にキャッチするこのスペックも今やXシリーズの基準となっています。
18色のフィルムシミュレーション
富士フイルムの色として定評あるフィルムの色彩や質感をベースした18色のフィルムシミュレーションに加え、カラークロームエフェクト、カラークロームブルー、モノクロームカラーなど、個性的に表現するために調整パラメーターで仕上がりを変更して楽しみたいもの。
RAW+JPEG撮影しておけば、撮影後にカメラ内RAW現像で微調整もできる上、富士フイルムの色から「自分のこだわり色」に変わる楽しさがあります。これらは、画像処理エンジン「X-Processor 4」の処理能力の高さと「X-Trans CMOS 4」だからこそ実現可能なエフェクトです。
赤や黄色といった色飽和しやすい色ではカラークロームエフェクトを加えることで立体感が出せます。カラークロームエフェクトで壁面の赤色の深みと質感を引き立て、シャドー部をマイナスにして引き締めました。
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXF35mmF2
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF5.0 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
快晴の青空を強調するならカラークロームブルー。より印象的で鮮やかな青色に仕上がります。
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離17.5mm)
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF5.0 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
この他にもモノクロームカラーや、ホワイトバランスシフト、ハイライト・シャドーのトーンカーブ補正、質感とエッジの際立つ明瞭度など、カメラの中でできることが多く撮影後も存分に楽しめます。
キットレンズと呼ぶのは勿体ないXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
X-S10の時 にも紹介しましたが、キットレンズと呼ぶには忍びないほど描写力の高いレンズであるXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは、パンフォーカスでの撮影に最適で、周辺減光もほとんど感じられず、画面の四隅までクリアな描写が得られます。
陽に透ける葉脈の一本、一本までしっかりと写し込めており階調も美しく表現できています。
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離21.5mm)
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF4.2 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード
広角端15mmの汎用性は高く、35㎜換算で約23㎜の広角レンズなので、パースを活かした構図で狙いたい建物・空間などでも描写力の高さを感じます。薄暮時間の空をカラークロームブルーで引き立てています。
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離15mm)
■撮影環境:SS 1/125秒 絞りF8.0 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:Velvia/ビビッド
スナップ撮影にもふさわしく、開放的な視野がとても気持ちよい15mm。長く伸びる影も広角によって強調されています。歪曲もほとんど感じさせません。ここでもカラークロームブルーで青空を強調しました。
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離15mm)
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.0 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:Neg.Hi
望遠端45mm(35mm換算で約69mm)は最短撮影距離35cm~となっており、近距離での撮影ではボケの表現ももちろん可能。
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離45mm)
■撮影環境:SS 1/125秒 絞りF5.6 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード
程よい距離感で直線的な建物を切り取るときも、料理や小物などの正対で撮影する被写体にも適した画角です。
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離44.5mm)
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF8.0 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:ETERNA ブリーチバイパス
滑らかな電動ズームは、動画・Vlogで威力を発揮し、様々なシーンにおいて幅広く対応できます。使用頻度の高い焦点距離をカバーしたこのレンズは、日常から旅先での様々なシーンで活躍する1本になっています。
オールドレンズで雰囲気写真も味わう
今回は、オールドレンズも試してみました。筆者の持ち合わせているオールドレンズはロシア製Industar 50-2 50mm/f3.5という小型パンケーキレンズ。Carl ZeissのTessarをモデルにしたレンズです。オールドレンズ使用時は、「マウントアダプター設定」をレンズの焦点距離を合わせ、操作ボタン・ダイヤル設定で「レンズなしレリーズON」にして使用します。
ロシア製Industar 50-2 50mm/f3.5は、コーティングが甘く、逆光源では光が降り注ぐような虹色フレアが出るのが特徴。M42スクリューマウントのためアダプターはK&F concept社製を使用。
夕日を浴びてまどろむネコ。町中でのスナップ撮影には距離感もちょうど良く、クラシックネガを選べばフィルムライクな懐かしい雰囲気と味わいを表現可能。
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ Industar 50-2 50mm/f3.5
■撮影環境:SS 1/80秒 絞りF5.6 ISO320 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
早咲きの河津桜は、逆光によるフレアで優しく光が回り、柔らかく春らしい雰囲気に。クラシッククロームで色を抑えてみました。
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ Industar 50-2 50mm/f3.5
■撮影環境:SS 1/80秒 絞りF3.5 ISO320 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
解像感溢れる写真だけでなく、オールドレンズを使用することによって改めてフィルムカメラのような感覚でじっくりと撮影するのもX-E4らしいですね。
おわりに
あれもできる、これもできる。といった万能なX-S10とは異なり、「一枚の写真を撮る、瞬間を切り取る。」本来の“写真を撮るためのスタンス”を根本に考えられた良さが感じられるX-E4。
見た目のデザインの良さも、携行性の良さも、描写性能の高さも写真を撮る楽しみを存分に味わえる一台。じっくりと写真に向き合いたい人に迎え入れてもらいたい大人の雰囲気を漂わせるカメラに仕上がっています。
■写真家:
こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
~ 「X-E4」はこちらの記事でも紹介されています ~
■FUJIFILM Imaging Plaza東京でのX-E4取材記事
富士フイルム X-E4|携帯性をアップしたXシリーズ最小最軽量カメラ
https://shasha.kitamura.jp/article/479865060.html
特集ページ
X-E4特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひ
コチラの特集ページ も合わせてご覧ください。
この記事に使用した機材
【フジフイルム】XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ ブラック
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんによる富士フイルム「X-E4」のレビューです。レンジファインダー型のミラーレスカメラとしてはX Proシリーズに並び人気の高いEシリーズ待望の新モデル。そのファーストインプレッションとキットレンズの魅力を併せてお伝えいたします。
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KEYWORDS:
富士フイルム,X-E4,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第4回】シネマティックムービーに挑戦しよう!
BASENAME: 480421564.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 03/10/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,LUMIX S5,パナソニック(Panasonic) ボディー,動画撮影・編集,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
昨年登場したパナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」。シリーズ中もっとも小さくて軽いサイズながら、上位機種「LUMIX S1H」顔負けのムービー撮影機能を盛り込んで話題になりました。スチル撮影はもちろん、高解像度の4Kムービーから、魅惑的なスローモーションとクイックモーションなど、このカメラがあれば誰にでも楽しむことができるようになっています。その素晴らしいムービー機能に親しむビギナー向け短期連載の第4回目です。
より本格的なムービーを撮影してみよう
前回の
連載第3回目 で「LUMIX S5」はカンタンに4Kムービーの撮影ができ、iPhoneを使って手軽に編集できることがお分かりいただけたと思います。パナソニックやシグマ、ライカ製の豊富なライカLマウントレンズを使いこなせば、より自分なりの映像表現ができ、スチルとムービーという両方の楽しみを存分に味わえるようになります。
さて近ごろ「YouTube」を見ていると「シネマティックムービー」という言葉を目にすることがあります。これは4Kなど高解像度なだけでなく、色合いや階調などをまるで映画のように仕上げたムービーのことを指します。これらのムービーを見てみると独特のトーンを持った印象的な色彩で、一般的なムービーとは異なる仕上がりになっています。実はパナソニック「LUMIX S5」なら撮影および編集でひと手間かければ、このようなシネマティックなムービーを作ることができるのです!そのためにはどうすればいいのか今回はカンタンに解説していきましょう。
スチルのようにムービーも「RAW」で撮る
カメラのキタムラファンでスチル撮影を楽しんでいらっしゃる皆さんなら「RAW」という言葉を聞いたことがあるでしょう。これはデジタルカメラで撮影したときの「JPEG」など一般的なファイル形式に出力される前の「生(RAW)」データのことを指します。カメラの映像エンジンで処理される前のデータは、メーカー独自の発色傾向などが加味されていないので、RAW現像に対応したアプリケーションで「現像処理」することにより、撮影者が自分好みの個性を持った色合いやコントラスト、シャープネスなどの特徴を引き出すことができます。
「LUMIX S5」はその「RAW」の「ムービー」を撮影できるフルサイズミラーレス一眼カメラなのです。一般的にこのような機能を持ったカメラは少なく、存在していてもメーカーのサービスセンターに持ち込み、有償で機能制限を解除をしないと「RAWムービー」の撮影ができません。「LUMIX S5」はその必要がなく、周辺機器を揃えるだけで「RAWムービー」の撮影が可能になっています。まるで上位機種の「LUMIX S1H」のようですね。
ではその「RAWムービー」を「LUMIX S5」で撮影して編集するには何が必要なのでしょうか。まず「RAWムービー」を収録する機器が必要です。この「RAWムービー」はアップルが提唱している「Apple ProRes RAW」という形式となり、認められた機器でしか収録できないようになっています。そのために必須なのが外部レコーダーです。
ATOMOS NINJA V
この製品は5.2インチ・1920 x 1080 ピクセル 10bit HDR 表示が可能なディスプレイで、SSDドライブを挿入してHDMIケーブル経由で映像の収録ができるモニターレコーダーです。高い性能を誇りながらボディわずか360gと軽く、自由雲台などを用いて「LUMIX S5」のホットシューに搭載できます。対応のバッテリーとSSDドライブを装着して使っているシーンがこんな感じです。使用前にユーザー登録をして、メールで送られてきたコードを入力すると「Apple ProRes RAW」の収録が可能になります。
このように被写体を大きい画面で確認しながら「RAWムービー」を「NINJA V」に収録していくのです。設定が終わると「5.9K RAW」 5888 x 3312 という超高解像度の「RAWムービー」が撮影できるようになります。
※「LUMIX S5」との詳しい設定などは英語のメニュー表記になってしまいますが、ATOMOS社の公式YouTubeチャンネルが詳しいので
こちら を参照してください。
撮影から編集まで
今回の撮影では「LUMIX S5」に自由雲台を介して「NINJA V」を搭載し、「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」に装着して撮影をしました。カメラ一式とのバランスもほどよく安定していましたが、もしこれより長いレンズを使う場合は三脚と雲台をランクアップした方がいいかもしれません。
さて撮影が終わったら編集です。「Apple ProRes RAW」の編集アプリケーションといえばアップルの「Final Cut Pro」でしょう。Mac専用となりますが「Apple ProRes RAW」を策定しているアップル製だけあって動作も軽快で扱いやすいです。その機能や手順を広く紹介するとかなりのボリュームになってしまうので、要点をいくつかピックアップします。
「NINJA V」に収録された撮影したデータは「RAW」なので、これを「Final Cut Pro」に読み込み、
前回の「iMovie」 のようにタイムラインに並べて長さなどを編集し、色補正やトーンを調整していきます。また必要であれば色空間も一般的なものに変更します。
VIDEO
「Apple ProRes RAW」はこのように眠い感じのムービーになっています。なので「Final Cut Pro」で現像処理をする必要があります。
VIDEO
「Final Cut Pro」で処理したムービー。カラーホイールを使って明るさを調整し、LUTを当ててコントラストをハード目にし、メリハリの効いたムービーにしてみました。
「LUMIX S5」で撮影したデータを「Final Cut Pro」で読み込むと自動的に「Panasonic V-log」という「LUT(ルックアップテーブル)」が当てられ、パナソニックらしいLogムービーになっています。「Log」とは乱暴に言ってしまえばフィルター効果を施したような感じの、やや「調理」された「RAWムービー」です。またこの「Final Cut Pro」の表示を見るとわかるように、この画面で「ISO感度」「露出オフセット(露出補正)」「カメラの色温度(ホワイトバランス)」の変更が可能なことが確認できるでしょう。これが「RAWムービー」のいいところなのです。撮影時のカメラ設定そのままでなく、自分が意図した色合いや明るさに撮影後でも自由にコントロールできるのです。
ISO感度も自由にプルダウンメニューから選択して変更できます。明るさが目まぐるしく変わるシーンなどでも、編集作業で対応できるところがうれしいですね。同様にスライダーで露出補正もホワイトバランスも変更可能となっています。
ではシネマティックに仕上げるにはどうすればいいのでしょうか?「Final Cut Pro」の「カラーホイール」などで明るさなどをコントロールするのはもちろんですが、先ほどの「LUT」を当てて独特のトーンを演出することが可能なのです。この「LUT」はパナソニックがウェブサイト上で無料配布しているものがあるので、まずはその「.cube」形式で好みのものを「Final Cut Pro」に読み込んでムービーに適用するといいでしょう。
またインターネット上に「LUT」を販売していたり配布しているところもあるので、検索して好みのものを導入して撮影したムービーに当ててみるのもオススメです。そしてイメージ通りのものができたら書き出して完成です!
VIDEO
古刹(こさつ)の雰囲気を出すようにアンダー目にコッテリとした色合いを出すLUTを当ててみました。適用後に好みに応じて補正をかけることにより、もっとイメージを変えることも可能です。
「LUMIX S5」は音声収録も高性能です。鳥の鳴き声や鐘の音など実にきれいに録ることができます。もしインタビューなど人物の声を録る場合などは外部マイクの導入を検討するといいでしょう。純正アクセサリーでも「
ステレオガンマイクロホン DMW-MS2 」、「
ステレオマイクロホン VW-VMS10 」が用意されています。より高性能なマイクが使用できる「
XLRマイクロホンアダプター DMW-XLR1 」もラインナップされている点が心強いですね。
VIDEO
休日の公園風景を明るくポップに仕上げてみました。インターネット上のさまざまなサイトでは無料でLUTを配布していたり、有料で販売しているところもあるので、ネットサーフィンをして気に入ったものをダウンロードして適用すると面白いと思いますよ。場面転換のトランジションやBGMも同様です。
VIDEO
手持ちでブラブラと散歩しながら撮ったムービーを繋いでみました。「LUMIX S5」は小型軽量なので「NINVA V」を装着してもさほどかさばらないのがいいですね。「Final Cut Pro」でカンタンに速度調整などを行い、フィルムルックなLUTをかけてみました。
まとめ
「LUMIX S5」は素のままで「RAWムービー」が出力できるモンスターカメラなのです。あとは「NINJA V」など外部収録機器を用意すれば、シネマティックなムービーを撮影できてしまいます。軽量コンパクトなフルサイズミラーレス一眼カメラなのにとてつもないパワーを秘めているのです。今回は駆け足でそのシネマティックな基本性能を紹介しました。この世界はとても奥が深いので、もし興味をお持ちになったらインターネット上を検索して最新の情報を得ることをオススメいたします。「LUMIX S5」は多数のライカLマウントレンズを使うことができるので、交換レンズでの素晴らしい描写と、ポテンシャルを秘めた「Apple ProRes RAW」撮影とでフルサイズ一眼ムービーの世界を楽しんでください!
~ 「パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう」の連載はこちらからご覧頂けます ~
【第1回】スチルだけでなくムービーも簡単!
【第2回】ムービー三脚と電動ジンバルを使ってムービー撮影
【第3回】ムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用したカメラ 【パナソニック】LUMIX DC-S5K-K レンズキット
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがパナソニック LUMIX S5のムービー性能をビギナー向けに短期連載で紹介しています。第4回目はシネマティックなムービーの撮影&編集方法を説明しています。
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KEYWORDS:
レビュー,動画撮影,パナソニック,LUMIX S5
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AUTHOR:
TITLE: ソニー Distagon T* FE 35mm F1.4 ZAレビュー|プライスダウンで魅力を増した高性能レンズ
BASENAME: 480402773.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 03/12/2021 16:00:00
TAGS: Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA,レビュー,ソニー(Sony) レンズ,単焦点
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BODY:
はじめに
今回のレンズレビューはSONYの「SEL35F14Z」です。SONY純正ながら正真正銘のZEISS Distagonレンズであり、新製品「SEL35F14GM」の発表後大幅にプライスダウンされました。発売から少し時間が経っているとは言え、現在の価格であればEマウントユーザーには気になるレンズに再浮上間違いなし。という事で実写を交えながら改めてこのレンズの魅力を探ってみたいと思います。
スナップ
■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:F5.6 1/20秒 ISO100 露出補正-1
現場に向かう道中に大阪の淀屋橋界隈をブラリ撮影。趣のある建物の窓を中心に、向かい側のビルの写り込みも考慮してシャッターを切りました。ファインダーを覗いた瞬間に建物の線が歪んだり曲がったりせずに真直ぐシャープに見える事で、このレンズがハイクオリティであることが理解出来ました。
■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO6400 露出補正+1.3
先程の写真を撮影した後スマートフォンの地図アプリを見ると、目的の撮影地が遠のいている事に気付いて駅の方向に戻る事になりました。実は私は生粋の方向音痴なのでこのような事は日常茶飯事なのですが、駅方向に戻って路上地図と地図アプリを合わせ見て方向確認していると、地図の落書きと路駐自転車が気になりパシャリ。田舎者の私には何となくこういうものが都会的に見えてフォトジェニックに思えたりもするのですが、地図の落書きも自転車の路駐も迷惑行為なので止めて下さいね。
そして以前からZEISSのレンズを使うといつも思う事なのですが、このSEL35F14Zも例外では無くて良く黒が締まってくれます。黒が締まるレンズは私が街スナップに持ち出すレンズを選ぶ時の選択基準として外せない要素です。
■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO6400 露出補正+1.3
黒が締まるレンズを使うとB&Wにした時の仕上がりも格段に良い雰囲気になりますので、特に街スナップのレンズ選択ではその点も押さえたいポイントになります。そういった意味でもこのDistagon 35mmはスナップに連れ出したくなるレンズです。
■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:F1.4 1/2000秒 ISO6400 露出補正±0
目的地までの目途がついてホッとした気持ちになると、朝食を未だ食べていないことを思い出しました。通りすがりの喫茶店のモーニングセットにつられて入り口をみると、良い感じの階段が目に入ってきたので4階のお店まで上りながら撮影。おそらく床材を剥がした跡をそのままにされているのだと思うのですが、自然な経年変化も含めてアートな感じになっており、昭和の雰囲気と薄暗い空間のハードボイルドな匂いが私好みで食欲を満たす前に写欲が満たされました。
少し暗い場所での撮影でも、開放値F1.4にダイレクトドライブSSM高速モーター搭載のこのレンズはAFが迷う事も無く素早く合焦するので、ストレスなく撮影を楽しめるのは嬉しいですね。
■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:F5.0 1/30秒 ISO400 露出補正±0
少し遅めの朝ごはんとなったモーニングセットを撮影。窓からの自然光と店内の電球色の光源が合わさったミックス光なので、通常だと狙った色味を出すのが難しい状況なのですが、AWBで撮影したところお店の雰囲気も食材も美味しそうな感じに収まりました。こういう微妙な雰囲気を表現したいときにZEISSのレンズは期待に答えてくれる事が多いので助かります。
珈琲は勿論の事、ちゃんと手の込んだサイドメニューもとても美味しくて大満足な朝食にこの後のお仕事での撮影の鋭気も養われました。隠れ家的な店内は店主のセンスの良さが溢れていて、時間が有れば店内も撮影したかったのですが出来なかった事が少し心残りでした。
ポートレート
■撮影機材:ソニー α7R IV + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:F1.4 1/125秒 ISO100 露出補正±0
次の被写体も35mmF1.4レンズを使用しての定番撮影となるポートレート撮影です。今回のモデルさんは世界最大規模のミスコンテスト、ミス・グランド・インターナショナル2017 日本大会ファイナリストで、鈴鹿サーキットクイーン37期生の森江由衣さんを京都市内で撮影させて戴きました。
一枚目は叡山電鉄の無人駅にて撮影。雨の日の撮影でしたが森江さんの大きな瞳と白い歯が印象的な笑顔で明るい一枚になりました。このレンズは以前より私の中でポートレートを得意とするレンズというイメージが有りました。その理由は女性の肌に透明感が出るといいましょうか、少し透き通るように美しく描写してくれるので柔らかく優しい表現がしやすいと感じていたからです。そして雨の日は防塵防滴に配慮したレンズは心強いですね。
■撮影機材:ソニー α7R IV+ Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:F1.4 1/125秒 ISO100 露出補正±0
アメリカンな壁画の前で撮影。色とりどりの壁をみると、このレンズの発色の良さが解ります。開放F1.4でも原色系から淡い色まで鮮やかに濁らず再現してくれるので、どの様な背景でも安心して撮影することが出来るのは頼もしいですね。特にネオン管の薄いピンクの色が蛍光感も有りつつも、ここまで発色している事に驚きました。
風景
■撮影機材:ソニー α7R IV + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:F13 30秒 ISO100 露出補正±0
最後は私の地元である滋賀県高島市の琵琶湖に浮かぶ竹生島と対岸の伊吹山が直線状に並んで見えるポイントで撮影。雪化粧の伊吹山と流れる雲と晴れ渡る空の青さに惹かれながら寒さを忘れて夢中で撮影しました。それにしても風景撮影にZEISSのレンズを使うと、いつも空や水面のグラデーションの美しさに顔が緩んでしまうのは私だけでは無いと思います。操作面ではレンズ本体に絞り環が付いているので、撮影時に絞り環を廻して絞りのコントロールが出来るのは凄く便利です。
さいごに
今回、改めてじっくりSEL35F14Zを使用しましたが、初期SONYフルサイズEマウントレンズとあって最新の同スペックのレンズには解像感やAF性能で及ばない面も確かに有ると感じます。AF/MF切替スイッチもないため、マニュアルで撮影したい場合はボディ側で設定操作する必要があります(昨今のカメラはAF性能が良く、MFの出番はほとんどなくなっていますが…)。
しかしフィルター径72mm、最大径78.5mm、長さ112mm、重さ630gと決して小さいとは言えないボディに8群12枚のレンズ群を持ち、高度非球面レンズ1枚を含む非球面レンズ3枚を使用した高性能レンズであることは紛れもありません。35mmF1.4のZEISS DistagonをAFで使用する事が出来て、尚且つそれがSONYの純正レンズでも有るなんて、それだけでも充分過ぎるほど魅力的ですよね。それに加え衝撃のプライスダウンがなされた現在の価格で明るい単焦点のZEISSマジックが手に入るとなれば、どう考えても最高のコストパフォーマンスを持った一本であることは間違いないと思います。是非一度お試しされてみては如何でしょうか。
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員
この記事で紹介した機材
【ソニー】α7C
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんに、ソニーのDistagon T* FE 35mm F1.4 ZAレンズをレビューしていただきました。ZEISS製の高性能レンズながらプライスダウンによってさらに魅力を増した一本です。
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KEYWORDS:
ソニー,Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 森の賢者「フクロウ」を撮る|坂井田富三
BASENAME: 480438539.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 03/13/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,フクロウ,野鳥
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BODY:
はじめに
森の賢者、森の番人、森の物知り博士、森の哲学者などと呼ばれるフクロウ。夜行性のため実際にお目にかかることも少ない鳥類です。それだけに自然の中で見つけ撮影できた時の喜びもひとしおです。
実際に撮影したいと思っても、何処にいるのかは分からないし、仮に生息場所が分かっても森の中では簡単に見つける事はできない、撮れないのがフクロウです。日本に生息する野生のフクロウは11種類。日本全土に生息するものや、北海道でしか生息していないものもあります。
アオバズク
オオコノハズク
キンメフクロウ
シロフクロウ
コノハズク
コミミズク
シマフクロウ
トラフズク
フクロウ
リュウキュウコノハズク
ワシミミズク
※50音順
フクロウを撮るための準備
フクロウ撮影をする前に、最初に野鳥撮影のマナーをよく理解する必要があります。「公益社団法人日本野鳥の会」でとても重要な「野鳥撮影のマナー7か条」を紹介しています。
1、野鳥の巣には近づかない
2、野鳥を追い回さない
3、珍鳥や人気の鳥の情報を公開しない
4、周囲の人や撮影場所選びには十分な配慮をする
5、餌付けや、環境改変は行わない
6、自然にやさしいマナーを心がけよう
7、ストロボは使用しない
フクロウ撮影だけに限らず野鳥を撮影する際には、これらの項目をよく理解し行動をする必要があります。この「野鳥撮影のマナー7か条」の「1、野鳥の巣には近づかない」を守るためには、撮影には必然的に望遠レンズが必要になってきます。通常の300mmや400mmのレンズは足りないシーンがほとんどです。人気のシグマ・タムロンの150-600mmのレンズや、各メーカーの400mmや600mmの大型の単焦点レンズとテレコンバーターなどを組み合わせた機材が必要になってきます。
下の写真は、シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sportsを使用して焦点距離600mmで撮影したコミミズクです。コミミズクは草原などでみられる冬鳥で、夜だけでなく日中も活動することがあるため、フクロウ類のなかでも比較的見られやすい種です。一面雪景色の北海道での撮影で真っ白な雪原なので、比較的見つけやすい環境での撮影でした。
■撮影機材:SONY α7RIII + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports + MOUNT CONVERTER MC-11
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF8 ISO800 焦点距離600mm
「野鳥撮影のマナー7か条」の「3、珍鳥や人気の鳥の情報を公開しない」が原則なので、ここでも基本的には野生で撮影した場所は詳細には記載をいたしません。そういった訳でどこにいったら撮影できるのか?という情報をなかなか手に入れる事ができないのが現状です。実際にこのコミミズクの撮影は、北海道でキタキツネを探しながら撮影していた時に偶然に出逢って撮影したものになります。
フクロウ撮影において、一番難しいのがフクロウを見つけることです。自分で情報収集する方法は、最初は各地域にあるネイチャーセンターなどのガイド情報などを参考にすると良いかも知れません。ネイチャーセンターにあるガイド情報には、その地域で見られる野鳥の種類や時期などが記載されているものがあったりします。また最初はガイドツアーなどに参加して情報取集するのも方法の一つです。
フクロウを撮ってみよう
フクロウを見つける事はなかなか難しいのですが、実は比較的撮影のしやすい所もあります。北海道目梨郡羅臼町のある「鷲の宿」が有名な撮影スポットです。撮影のツアーもあったりする有名なポイントなので場所も含めて紹介させて頂きます。
ここでは宿に宿泊して撮影できるほか、観察施設から「シマフクロウ」を撮影する事ができます。「シマフクロウ」は、国の天然記念物に指定されている超大型のフクロウで、北海道東部(知床・根室・日高)に生息しています。必ず「シマフクロウ」が撮影できる保証はありませんが、宿の間にある渓流で「シマフクロウ」の狩りを観察撮影できるよう、撮影環境が整えられているので初めてのフクロウ撮影には向いている場所です。
・「鷲の宿 観察施設 シマフクロウオブザバトリー Fish-Owl Observatory」のHPは
こちら からご覧頂けます。
筆者も北海道の道東方面を撮影に行くときには、この「鷲の宿」を撮影するコースに組み込んでいます。シマフクロウが撮影できる確率は非常に高くおすすめできるスポットです。
■撮影機材:SONY α9 + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary + MOUNT CONVERTER MC-11
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF6.3 ISO12800 焦点距離531mm(撮影時期9月)
この場所ではシマフクロウを1年を通して観察撮影する事ができ、撮影時間は、日没30分後くらいから深夜24時ぐらい迄になります。
■撮影機材:SONY α9 + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary + MOUNT CONVERTER MC-11
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF6.3 ISO25600 焦点距離600mm(撮影時期9月)
■撮影機材:SONY α9 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF5.6 ISO6400 焦点距離400mm(撮影時期2月)
・真冬の撮影でも、観察小屋にはストーブも用意されていて安心して撮影する事ができます。
こちらは渓流の魚を狩るシマフクロウ
■撮影機材:SONY α9 + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary + MOUNT CONVERTER MC-11
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF6.3 ISO16000 焦点距離347mm(撮影時期9月)
基本的には夜間での撮影になる為、ISO感度を上げて撮影する必要がありますが、この場所ではシマフクロウの目に優しい照明装置が設置されているため、シャッター速度1/80秒でも上記の様な写真を撮影する事ができます。
ここからは別のスポットで撮影したフクロウになります。野生のフクロウは大きな樹の洞を巣にします。ですので野生のフクロウを探すポイントとしては日中に巣になりそうな洞を見つける事がポイントです。
■撮影機材:SONY α7RIII + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports + MOUNT CONVERTER MC-11
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF9 ISO400 焦点距離600mm
■撮影機材:SONY α7RIII + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports + MOUNT CONVERTER MC-11
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離600mm
森の中にいるフクロウを見つけるのは容易ではありません。下の写真は焦点距離600mmで撮影したものですが、肉眼では何処にいるのかまったく分かりませんでした。実際の撮影にあたっては、双眼鏡を使って森を観察して見つけてそれから撮影するのがよいでしょう。超望遠レンズをカメラに付けて、ファインダーからこの状況を見つける事はかなり難しいです。
■撮影機材:SONY α7RIII + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary + MOUNT CONVERTER MC-11
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離600mm
下の写真はフクロウの雛ですが、フクロウの雛の撮影するのには特に注意が必要です。「野鳥撮影のマナー7か条」の「1、野鳥の巣には近づかない」にあたります。雛はまだ飛べないので巣の近くいます。そして雛を見守るように親鳥も近くにいて常に警戒しています。その場所に人間が入っていってしまうと、親鳥が巣の異常を感じたりして巣を見捨ててしまう事も考えられます。巣には不用意に近づかないように注意しましょう。また雛がいる場所、時期がインターネットなどに公開されてしまうと雛が危険にさらされてしまいますので、絶対にしないようにしましょう。
まとめ
フクロウを含む野鳥や野生動物を撮影するには、被写体とのある程度の距離が必要になってきます。できれば600mmクラスのレンズが必需品になるでしょう。APS-Cサイズのカメラと組み合わせれば900mm相当にもなります。また、このクラスのレンズになるとそこそこの大きさになるので、それに合ったカメラバッグや三脚、雲台などを検討する必要があります。また少し大きめの双眼鏡も用意しておくと便利です。
フクロウを含む野鳥撮影は簡単ではありませんが、その分撮影出来た時の喜びもとても大きいものになります。しっかりと被写体の生態を理解して、撮影のマナーを守り、撮影できるポイントを見つけ気長に時間をかけてチャレンジしてみてはどうでしょうか。
【参考】
野鳥撮影マナーブック
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ 【シグマ】150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Sports シグマ用
商品詳細ページ 【シグマ】150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary シグマ用
商品詳細ページ 【シグマ】マウントコンバーター MC-11 シグマ用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんが「フクロウ」の撮り方を紹介しています。撮影のマナーやフクロウの生態についても丁寧に説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,鳥,フクロウ
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AUTHOR:
TITLE: ソニー FE 35mm F1.4 GM|シャープな解像感と美しいボケ味を両立する大口径単焦点レンズ
BASENAME: 480408349.html
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 03/15/2021 16:00:00
TAGS: FE 35mm F1.4 GM,レビュー,ソニー(Sony) レンズ,単焦点
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BODY:
はじめに
2021年3月12日にソニーから発売されましたフルサイズEマウント用レンズ「SEL35F14GM」のレビューです。大好評のGMシリーズとして待望の定番焦点距離35mmのレンズが満を持しての発売という事で、期待値も高く実写するのが楽しみなのですが先ずは外観から。
従来のGMシリーズと同様の外観で、最高級ラインナップとして申し分のないしっかりとした造りになっています。絞り環と動画撮影時に便利な絞りクリックのオンオフ切替スイッチ、AF/MF切替スイッチ、他の機能に割付可能なフォーカスホールドボタンと機能的にも充実しています。そしてフルサイズ用35mmF1.4としては凄く小型軽量なことに最も好感を持ちました。それではここからは実写を交えて、お話させて戴きます。
ポートレート
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/125秒 ISO100
まずはポートレートに使用してみました。今回、協力してくれたモデルさんは世界最大規模のミスコンテスト、ミス・グランド・インターナショナル2020 日本大会グランプリ受賞者の佐治瑠璃さんです。開放F1.4で撮影しているのですが、ピント面の透き通る美しい瞳には撮影する私がしっかりと写り込んでおり解像感の高さが分かります。ボケは柔らかくなだらかで、嫌な滲みも無くスッキリとした立体感を出してくれます。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/125秒 ISO100
全身撮影の構図で横顔に近い状態でも瞳AFがきっちり作動しており、フォーカスをカメラとレンズに任せて、階段を下りるモデルさんの左足が階段の地面に付いた瞬間を切り取れるレスポンスの良さに満足しました。このレンズをポートレートに使用して感じた事は、透き通るような透明感の有るレンズという印象です。この透明感というのがポートレート撮影においてレンズ選びの凄く重要な要素だと考えているので、最初の撮影で早くもSEL35F14GMを好きになりました。
撮影日は雨だったのですがこのレンズとモデルさんの透明感に助けられた撮影となりました。加えて、レンズもボディも防塵防滴に配慮した設計になっているので安心して撮影することが出来ました。
風景
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/14 20秒 ISO100
次は風景撮影です。一枚目は滋賀県高島市、琵琶湖岸の私の定番お気に入りスポットでの撮影です。夕暮れ時に優しい紫に包まれた琵琶湖と空に癒されながらシャッターを夢中で切りました。空と湖の淡い紫とコントラストの微妙な雰囲気を再現出来るかは、最終的にレンズに掛かっていると言っても過言では無いのですが、GMシリーズは本当に素晴らしくこのレンズも期待に応えてくれました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/400秒 ISO100
次は同じ滋賀県の守山市での撮影。早咲きの菜の花畑を開放F1.4で撮影。ポートレート撮影で確信した美しいボケを表現に使用して、ピント面の菜の花を浮き立たせてみました。発色に関しては先程の淡い色彩とは逆に今度は原色の被写体ですが、菜の花の黄色と茎や葉の緑、そして空の青、どの色も鮮やかに映し出してくれました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/8000秒 ISO100
もう少しボケを楽しみたくなったので、続けて開放F1.4で被写体に寄りながら構図に前ボケも入れて撮影してみると、想像通り前ボケも柔らかくて優しい雰囲気になりました。風が強かったのでトラッキングAFを使用しての撮影です。勿論ボディ性能も大きな要因なのですが、レンズのAFスピードが速くて正確なので、トラッキングAFを使用する事により風に揺れる花を合掌し続けてくれ、シャッタースピード1/8000で揺れる菜の花も簡単にクッキリと止まってくれました。定番だけど菜の花には青い空が良く似合う。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 2/5秒 ISO400
ここまで撮影してみて、このレンズの開放F1.4でのピント面の解像感と美しいボケを利用した立体感のある描写が凄く気に入ったのでもう一枚。逆光に揺れるススキをシャッタースピード2/5秒で少し揺らして撮影してみたのですが、イメージ通り日没の赤い太陽がススキを赤く色付かせノスタルジックな雰囲気にしてくれました。このカットの撮影中、逆光状態の色々な角度で構図を決めている最中に全くと言って良いくらいフレアもゴーストも発生せず、ナノARコーティングⅡの高い逆光耐性の素晴らしさを改めて感じる事が出来ました。
ZEISS製35mm F1.4レンズとの違い
左:FE 35mm F1.4 GM(SEL35F14GM) 右:Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA(SEL35F14Z)
ここで少し私が気になっている事についてお話させて戴きます。SONYからは実はというか既にフルサイズ用Eマウントの35mmが存在しており、しかもあのZEISSブランドなのです(型名:SEL35F14Z)。正直どっちが良いのって気になりますよね?(以下レンズ表記について、省略してGMとZEISSと書かせて戴きます)
まずは外観の比較ですが、写真の通り明らかにGMの方が小型軽量化されております。サイズとしてはGMがフィルター径67mm、最大径76mm×長さ96mm、重量524gに対して、ZEISSがフィルター径72mm、最大径78.5mm×長さ112.0mm、重量630gと完全にワンサイズ違うレンズという位の差が有ります。
また、ZEISSにはAF/MF切替スイッチとフォーカスホールドボタンがありませんでしたが、今回GMにはそれらが搭載されています。現行の最新機種は十分に優れたAF性能を持っており、個人的にはMFへの切り替えはほとんど必要なくなりましたが、α7 IIなど少し前の機種をお使いであればシビアなピント合わせでAF/MF切替スイッチが活躍することでしょう。フォーカスホールドボタンも主にポートレート撮影での右目左目切替に使用する事が多く重宝しています。フォーカスリングの動きに関してもGMレンズの方が粘りがあり、MF時に合焦させてからズレにくい印象です。
上:FE 35mm F1.4 GM(SEL35F14GM) 下:Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA(SEL35F14Z)
ここからは実際に撮影に使用してみた私の素直な印象の違いをお話させて戴きます。私が感じた違いは大きく4点ありました。まず1点目の違いは、α7シリーズのボディに装着時のバランス差が大きいという印象です。GMはレンズ後方に重心があり撮影時の安定感が有るのに対して、ZEISSは重心が前寄りな事と大きく重い事も含めてかなりバランスが悪く感じました。やはり撮影時の安定感を考えるとバランスは良いに越したことは無いと思います。
2点目は開放時の解像感です。これについてはメーカー公表のMTF曲線を見ても解るのですが、決してZEISSが悪い訳では無くてGMが凄すぎるといった印象が強く、実際にGMで開放F1.4の撮影をしてみると納得してしまいます。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/16 1/2500秒 ISO100
3点目は逆光耐性についてです。これについては今までZEISSを使用してかなり不満を持っていた部分でも有ったのですが、盛大にフレアやゴーストが出るので逆光での撮影時ではフレアとゴースト有りきでの構図を考えて撮影しておりました。対してGMは上記作例の通り逆光の太陽を構図にそのまま配置しても、殆どの場合全くと言って良い程フレアもゴーストも出ませんでしたので本当に驚きました。因みにこの写真ですが、滋賀県大津市の坂本城跡で撮影しており、後ろ姿は明智光秀公です。少々『麒麟が来る』ロス中の私で失礼しました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/80秒 ISO100
■撮影機材:ソニー α7R IV + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:f/1.4 1/100秒 ISO100
そして4点目は最短撮影距離の差です。これが私にとって一番大きな違いとなりました。簡単に言うと被写体にどれだけ寄れるのかという部分ですね。これに関してはZEISSを使用されている方は感じている方が多い点だと思うのですが、特にポートレートやテーブルフォトの撮影時に「何でもう少し寄れ無いの!」と悔しい思いをすることがよく有ります。
それに対してGMは物凄く寄れます。実際にイチゴを盛ったお皿を最短撮影距離で撮り比べて見ましたが1枚目がGM、2枚目がZEISSになります。一目瞭然ですがGMの方が圧倒的に寄れるという事が解ります。この2枚の撮影時の絞りはどちらも開放F1.4なので、解像感も比べて戴くと違いが解ると思います。
結果、比べてみると殆どの面でGMが勝っているという感想なのですが、時の流れというより技術者の方々の努力の結果というべきですね。そもそもの発売時期が全く異なりますし、実際に私はZEISS発売当時はZEISSがAFで使えることに狂喜乱舞しておりました。そしてレンズの良し悪しは数値だけでは無くてそれぞれの好みという部分が大きく関与しますよね。そこの所が一番難しいのですが、レンズ選びの一番楽しいところでも有りますよね。(このSEL35F14GM発表とともにSEL35F14Zが値下げされ、ビックリしたのと同時に更に悩ましい事になりました。)
スナップ
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/400秒 ISO100
最後にスナップ撮影をしてみました。見つめ合うショーウインドウのマネキンの写真ですが、これも開放絞りF1.4で撮影。ピントを合わせた側のマネキンのシャープな解像感がこの写真の雰囲気を支えております。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/9 1/60秒 ISO100
こちらは絞りF9での撮影ですが、やはり絞り環が有るとレスポンス良くリズミカルに撮影出来るので嬉しいですね。開放での解像感も良いのですが、やはり絞った時の解像感は素晴らしくて構図の隅々まで更にシャープな線を描いてくれました。
さいごに
最近、新しいレンズが発売される度に、これ以上良いレンズなんてもう出来ないんじゃないかと思う事が多いのですが、良い意味で裏切られ続けています。その中でも今回のSEL35F14GMは本当に素晴らしくて次の時代を感じるレンズでした。是非お手に取って確かめて欲しいです。
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ソニーから新登場した大口径単焦点レンズ、FE 35mm F1.4 GMを写真家の葛原よしひろさんにレビューしていただきました。最上位モデルであるGMレンズらしいシャープな解像力と高い描写力が特徴的な一本です。
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KEYWORDS:
ソニー,FE 35mm F1.4 GM,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX S5レビュー|コムロミホ
BASENAME: 480520388.html
STATUS: Publish
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: コムロミホ
DATE: 03/16/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,LUMIX S5,セミナー,パナソニック(Panasonic) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
デジタルカメラにはない味わいのある写真が撮れるということもあって、いまだにフィルムカメラの根強い人気があり、手軽なカメラから、こだわりの一台までさまざまな選択肢があるため、最近フィルムを始める方も多い印象を受ける。しかし、フィルムの種類が減り、ランニングコストも上がっているため、デジタルカメラでフィルムのような味わいのある写真が撮りたいと願う方も多いのではないだろうか。
そこで、今回はLUMIX S5でフィルムライクな写真を楽しむ方法をご紹介したい。LUMIX S5のフォトスタイルにL.クラシックネオとL.モノクロームSという効果が追加された※。フォトスタイルは好みに合わせて色味やコントラスト、彩度などを変更できる機能で、鮮やかに表現するヴィヴィットやモノクロ写真を撮る効果などが搭載されている。
※最新のファームウェアへの更新が必要な場合があります。
L.クラシックネオ
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/4000秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離85mm
今回追加されたL.クラシックネオは「カラーフィルム風の、ノスタルジックで優しい色合い」に仕上げてくれる効果だ。一枚撮影してみると、どことなく、懐かしく、やわらかく、独特な空気感で、味わい深い世界観となる。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/4.9 1/1300秒 ISO100 焦点距離44mm
まるでコダックのフィルム『ポートラ』のような発色を彷彿とさせる画づくりになっており、スタンダードと比較してみると、コントラストが低く、低彩度で落ち着きがある。それでいて、青の出方が独特だ。そのため、空や海など青い被写体を無性に撮りたくなる。フィルムカメラにポートラを入れていると、空にカメラを向けたくなる感覚に似ている気がする。
(左)スタンダード、(右)L.クラシックネオ
(左)スタンダード、(右)L.クラシックネオ
左がスタンダード、右がL.クラシックネオで撮影。淡く、やわらかなトーンで落ち着きのある印象に仕上がり、独特な色合いで被写体を表現してくれる。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/6400秒 ISO100 焦点距離85mm
色ノイズと粒状の効果
通常、フォトスタイルはコントラストや彩度などを細かく設定できるが、L.クラシックネオには今回新たに「色ノイズ」という効果が追加された。ノイズの乗り方が一定ではなく、フィルム同様にランダムにのるように工夫されている。よりカラーフィルムで撮影した風合いを楽しめるようにと、粒状の出し方にもこだわって開発されたそうだ。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/4.8 1/60秒 ISO250 焦点距離41mm
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/4.2 1/160秒 ISO100 焦点距離31mm
加えて、「粒状」の強弱は3段階で選ぶことができ、上の写真は「強」で撮影を行った。被写体や撮りたいイメージに合わせて粒状の設定を変更しているが、普段は「中」を使用することが多い。いろんなシーンで試してみたが、ノイズの乗り方、サイズ感のバランスが最も好みだ。上の写真のようにノイズを乗せて、高感度フィルムで撮影したような風合いを出したいときは「強」を選ぶようにしている。被写体やシーンによって粒状の強弱を変えながら、ぜひ自分の好きな設定を見つけてもらいたい。
周辺減光補正OFF
さらにフィルムカメラで撮ったような風合いを楽しむために、周辺減光補正のOFFをおすすめしたい。レンズによる周辺減光(写真の中央に比べて、四隅にいくほど暗くなる現象)を抑えるために、デフォルトの設定はONになっているが、フィルムで撮影したようなビネッティングを作るのであれば、あえて周辺減光補正をOFFにするのも面白い。
(左)周辺減光補正をOFF、(右)周辺減光補正をON
左側が周辺減光補正をOFF、右側がONの状態。露出が変わらないようにシャッター速度1/8000、F値F1.8、ISO100に設定し、撮影を行った。中央の建物の明るさはほぼ変わらないが、周辺の明るさが違うのがわかる。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/5000秒 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離85mm
このままでは全体的に写真が暗く見えるので、バランスをみながら露出をプラスに補正すると、周辺減光とL.クラシックネオの風合いを楽しめる。今回は海と手前の植物を淡く表現したいため、+2/3EV明るくしたが、被写体と周辺減光のバランスを見ながら露出補正を変更していただきたい。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/5000秒 ISO100 焦点距離85mm
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/1300秒 ISO3200 露出補正-0.7 焦点距離85mm
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/2500秒 ISO100 焦点距離85mm
犬の散歩コースとして、よく訪れる場所だが、L.クラシックネオの世界を通すと、見慣れた場所も独特の空気感で写真をまとめることができるため、思わずいろんなものにシャッターを切りたくなる。
L.モノクロームD
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/3.5 1/500秒 ISO100 露出補正-1.3 焦点距離20mm
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO1250 露出補正-1 焦点距離20mm
そして雨の日の新宿、モノクロでスナップをすることにした。今回、フォトスタイルは「L.モノクロームD」という効果を選んだ。今回新たに搭載された「L.モノクロームS」は「ポートレート撮影に適した軟調で柔らかな印象のモノクローム」。これでフォトスタイルには4つのモノクロの効果が追加されたことになる。その4種類の中で一番好きなのが「L.モノクロームD」だ。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO200 露出補正-1 焦点距離20mm
ハイコントラストながらも階調豊かに表現し、ダイナミックなモノクロ表現を楽しめる「L.モノクロームD」。この効果もフィルムの絵作りを研究しながら開発されたという。S5にはフォトスタイルに4種類、クリエイティブコントロールモードに4種類のモノクロの効果が搭載されているため、モノクロ作品をこだわって仕上げたい方にぜひおすすめしたいカメラだ。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/4 1/40秒 ISO6400 露出補正-0.3 焦点距離28mm
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/5.3 1/60秒 ISO1000 露出補正-0.3 焦点距離51mm
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/5.3 1/60秒 ISO800 露出補正-0.3 焦点距離20mm
L.モノクロームDも粒状を追加が可能。こちらも3段階で強弱を変更できるが、私は「強」に設定することが多い。ぐっとノイズを乗せることで、よりフィルムライクな表現を楽しむことができる。ノイズを入れると、すっきりとしたデジタルっぽさがなくなり、ざらざらとした粒状が古い建物のディテールやアスファルトの質感を引き出してくれる。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO1000 露出補正-0.3 焦点距離20mm
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO1250 露出補正-0.3 焦点距離20mm
さいごに
S5は上位機種のS1同様に2420万画素のセンサーを搭載し、高い色再現性と階調表現、そして高感度性能など、小型軽量ながらも、ハイスペックな1台だ。風景やポートレートなど、被写体の魅力を最大限に活かしてくれるS5だが、今回はご紹介したようにフィルムライクな表現を楽しむ1台としてもおすすめしたい。使い方次第ではさまざまな表現を楽しめるカメラなので、試行錯誤しながら自分だけの表現をS5の中に見つけてもらいたい。
■写真家:
コムロミホ
福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。ニコン、パナソニック、オリンパスのカタログ撮影も担当する。ルミックスフォトスクール講師、オリンパスデジタルカレッジ講師、エプソンセミナー講師、ライカやリコーペンタックス、をはじめ多くのメーカーで講師を務める。
[申込終了]【3/27開催】LUMIX S5 店頭&オンライントークイベント
~ 本イベントは申込を終了しました。沢山のご応募誠にありがとうございました ~
2021年3月27日(土)11時より、講師にコムロミホさんをお招きしてLUMIX S5の魅力を紹介するセミナーを開催いたします。初心者の方でも簡単にフィルムライクな写真や動画を撮影するコツを伝授いたします。参加方法は店頭参加とZoomを使用したオンライン参加の2通りをご用意しており、無料になりますのでお気軽にご参加ください。
■日時:2021年3月27日(土)11:00~12:00
■費用:無料
■参加方法:店頭(
新宿 北村写真機店 )& オンライン(ZOOM)※どちらか選択してお申し込み頂けます。
■申込み:こちらからお申込みください。
■締切:定員に達しましたら締め切らせて頂きます。お早目にお申込みください。
■更新
・2021年3月25日:イベント申込みを締め切らせて頂いたことを追記しました。
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-S5K-K レンズキット
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX S 85mm F1.8
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のコムロミホさんがパナソニック LUMIX S5のレビューを行っています。フィルムライクな写真を楽しむ方法を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,パナソニック,LUMIX S5
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 富士フイルム XF27mmF2.8 R WR レビュー|日常使いに最適 クリアで質感際立つ描写力の小型・軽量レンズ
BASENAME: 480441668.html
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 03/17/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,XF27mmF2.8 R WR,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
解像性能とコンパクト設計を両立し、特にスナップシューターの間で人気の高いXF27mmF2.8が発売されたのは2013年。今までXFレンズの中で唯一絞りリングのないレンズでした。「XFレンズなのになぜ絞りリングがないのか」というユーザー、ファンの声がある中、XFレンズの中で初めてリニューアルされ、2代目となる XF27mmF2.8 R WRの登場です。先日発売となったばかりのX-E4にこのレンズを装着し、その魅力を探りながら街中を歩いてみました。製品レビューと合せてご紹介いたします。
XF27mmF2.8 R WR主な仕様
XF27mmF2.8 R WRは、35mm判換算で41mm相当の焦点距離であることから、自然な遠近感で描写できる汎用性の高いレンズとなっています。XFレンズの最新ラインナップのなかで最薄・最軽量となる長さ23mm、質量約84gのコンパクト設計。
●非球面レンズ1枚を含む5群7枚のレンズ構成
● レンズ前群5枚を繰り出すフォーカス方式の採用により撮影距離による収差変動を抑制し、画質面のほかAFでも高速・高精度な動作を実現
● AF駆動はパワフルなDCモーターによる高速・高精度AF
ここまでは前モデルと同様になっており、光学系にも変更はありません。新たに追加されたのは指標付き絞りリングと防塵・防滴・-10℃の耐低温構造となります。
日常的に持ち歩くためのレンズ
XFレンズシリーズの中で最も薄いパンケーキ型レンズであるXF27mmF2.8 R WRは、
X-E4 に取り付けると、まるでコンパクトカメラのような外観です。
このサイズ感は街中でのスナップやポートレート撮影でも威圧感を与えることなく自然な表情を捉えることができます。X-E4となら単焦点レンズで歩くカメラと言い切れるほど、相応しい組み合わせ。
“写真を撮る者、いつもカメラを持っていること” を大切にしている筆者にとって、日常的に持ち歩ける嬉しいサイズ感は、通勤バッグなどにも忍ばせておけます。
A(オート)ポジションロック&指標付き絞りリング
注目すべきは、23mmという薄さを変えずに絞りリングを加えたこと。A(オート)ポジションロックを採用し、撮影時に絞りリングが不用意にAポジションから動かないようロックすることができます。指標付き絞りリングは、絞り値を確認し素早く変更できるため、瞬時に撮影設定を調整することが求められるスナップ撮影などで威力を発揮します。
絞りステップ段数は1/3ステップ。クリック感も程よく軽快。ロック解除ボタンを押しながらAポジションから最少絞りF16方向に回すことでロックが解除されます。逆に絞りリングをF16からAポジションに回すとロックされます。
レンズの大きさとボディバランスの比較
手持ちのXF35mm F2 R WR(左)とXF27mmF2.8 R WR(右)を比較してみました。コンパクトだと思っていたXF35mm F2 R WRが大きく見えてしまうほどXF27mmF2.8 R WRは薄くて小さいことに驚きます。
筆者が所有しているX-T3にXF27mmF2.8 R WRを取り付け、X-E4にXF35mm F2 R WRをつけるとX-T3が想像以上に小さく感じ、X-E4はその逆に。
この写真を見れば、X-E4とXF27mmF2.8 R WRがいかにバランスの良い組み合わせであるか、また、XF27mmF2.8 R WRがいかにコンパクトかがわかるはず。
XF27mmF2.8 R WRであれば、従来機種でも気軽にスナップ撮影ができそうな雰囲気さえ感じます。レンズを装着したままカバンの中にしまえるサイズ感は、レンズ数本の持ち運びを考えたときに重要なポイントになります。前モデルの時からボディキャップ代わりに付けているというユーザーも少なくないとか。
質感の良いレンズフードとレンズフードキャップ
中央:レンズフード「LH-XF27」/右側:レンズフードキャップ「LHCP-27」(付属品)
XF27mmF2.8 R WRの発売に合わせて、39mmのフィルター径に対応したレンズフードLH-XF27とレンズフードキャップLHCP-27も同梱されています。別売も用意されており前モデルのXF27mmF2.8にも取り付けることが可能で、装着すると見た目のカッコよさが格段にアップするので、これはかなりおススメです。
フジツボ型のレンズフードはアルミ製で、塗装も美しく質感の良さが際立ちます。持ち運びにも邪魔にならない厚みと、フードキャップはソフトプラスチック製ながらもフードにしっかりとフィットし、外れにくい設計に。少し昭和っぽいレトロな雰囲気を感じさせるデザインにユニークさも感じます。
様々なシーンで高画質な写真撮影を楽しめる1本
焦点距離27mm(35mm判換算で41mm)という標準とも広角とも言い難い、人の視野に近い画角は、見たままのシーンを素直に捉える事ができます。
真っ直ぐ向き合うのが心地よい風景。枯れすすきの解像感も薄っすらした雲も、しっかりと写し込めました。風が吹いて砂埃が舞うような場所や急に小雨が降っても防塵防滴だから安心です。
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR
■撮影環境:SS1/100秒 絞りF16 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
AFも高速で、高精度な動作を感じます。サクッと切り取っていく感覚が気持ちよく、出会った瞬間を撮り逃したくないスナップ撮影に最適。遠景のビルまでしっかりと写し込めており、シャドー部のつぶれもなく、ボディ側の機能であるトーンカーブ補正の効果もよく効いています。
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR
■撮影環境:SS1/1600秒 絞りF6.4 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
X-E4に手ぶれ補正は装備されていませんが、片手だけで撮影しても問題ないくらい軽快なシャッターと、被写体に素直に向き合える焦点距離。そんな感覚とフットワークの軽さが心地よく、街歩きにはピッタリ。
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR
■撮影環境:SS1/160秒 絞りF4.0 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
画面奥までしっかりと写し込め、このレンズをつけた日はスナップ撮影に集中する。そんな風に決めてもよいのではないでしょうか。クラシックネガの雰囲気との相性の良さはこのレンズならでは。「レンズが変われば撮るモノが変わる。」そんなことを体感できるはずです。
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR
■撮影環境:SS1/125秒 絞りF9.0 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
ここでは、あまり絞り込まず水面にピントを合わせていますが、水面の写り込みと実像両方に解像力の高さを感じられました。
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR
■撮影環境:SS1/100秒 絞りF6.4 ISO200 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
35mmほど遠近感やゆがみがつき過ぎず建物なども撮影しやすい画角。狭い路地では一歩引いて。時には寄って。自分自身が動くことで様々な切り取り方ができる絶妙な焦点距離は、旅先での撮影なら1本のレンズで撮ることで写真に統一感を出すことができます。
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR
■撮影環境:SS1/100秒 絞りF8.0 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
最短撮影距離での撮影
深度が深いため最短撮影距離(撮像素子から34cm)で撮影しても、ボケはほどほどになりますが、その分周囲の雰囲気を取り込んで撮影するのが適切と言えます。ぼかしたいときは背景との距離を取ることが必須。
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR
■撮影環境:SS1/320秒 絞りF2.8 ISO160 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
テーブルフォトも撮影してみました。こんなシーンでは大げさにならないサイズ感のカメラが相応しいもの。お皿の位置は食べる時よりも少し奥へ置いた方が撮りやすい距離となるので、テーブルを囲む楽しい雰囲気を一緒に切り取るのにピッタリ。
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR
■撮影環境:SS1/100秒 絞りF3.2 ISO1000 WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:ASTIA/ソフト
前モデルで高い評価を得ている解像性能をそのまま引継ぎ、被写体の細部までとらえることが可能で、さらには「X-Processor 4」による描写性能と、「X-Trans CMOS 4」のフォーカス性能によって画質が格段に向上していることを実感。クリアで質感も際立つ描写と小型・軽量さを持ち合わせ、様々なシーンに対応し、見たままを素直に捉える事ができます。
おわりに
筆者にとって使用頻度の少ないレンズでしたが、改めてその解像感の良さ、描写性能の高さに魅了されました。寄っても引いてもいろいろな撮り方ができるレンズであり、幅広いシーンに対応し、そして何より「小さくて軽い」は正義。と言えるほどスマートな感覚で気負わず撮影できる楽しさを感じます。また、これぞスナップ撮影のための定番レンズ。気が向いて「少し外を歩きたいな。」なんて思ったら迷わず一緒に連れていく相棒のような一本です。
■写真家:
こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
この記事に使用した機材
【富士フイルム】XF35mm F2 R WR シルバー
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんが富士フイルムXF27mmF2.8 R WRのレビューを行っています。これぞスナップ撮影のための定番レンズと言えるその魅力をご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,富士フイルム,XF27mmF2.8 R WR,レンズ
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRレビュー|広い焦点距離をカバーする望遠ズームレンズ
BASENAME: 480461443.html
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 03/18/2021 16:00:00
TAGS: XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR,レビュー,レンズ,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,高倍率ズーム
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BODY:
はじめに
今回は、2021年3月18日に発売されました富士フイルムの新製品「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」をレビューさせていただきます。富士ユーザー待望の焦点距離70mm-300mm(35mm判換算107mm-457mm相当)という望遠ズームレンズであり、製品名が長いことから分かるように、防塵防滴やレンズ内手ブレ補正など、富士フイルムのレンズ性能を余すことなく注ぎ込んだ1本となっています。実際に触らせて頂いたことで分かった製品の特徴を、外観や作例と共にお伝えしていきます。
基本スペックと外観
まずは、本レンズの基本スペックと外観で気になるポイントを紹介していきます。はじめにスペックのおさらいです。
製品スペックの紹介
■レンズ構成:12群17枚 (非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚)
■焦点距離:f=70-300mm(35mm判換算:107-457mm相当)
■画角:22.9°-5.4°
■最大口径比(開放絞り):F4-F5.6
■最小絞り:F22
■絞り形式:羽根枚数 9枚、ステップ段差:1/3ステップ(全16段)
■最短撮影距離:0.83m
■最大撮影倍率:0.33倍(T端)
■外形寸法:最大径×長さ*1(約)
Ø75mm x 132.5mm(W端)、Ø75mm x 205.5mm(T端)
■質量*2(約):580g
■フィルターサイズ:Ø67mm
*1 先端よりマウント基準面まで
*2 レンズキャップ・フード含まず
*本レンズのズームロックスイッチは携帯時の自重落下を防ぐためのもので、ワイド端でのみロックが可能です。 尚、ロックはズームリングを回すことで解除されます。
■引用:主な仕様 | フジノンレンズ XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR | Lenses | 富士フイルム Xシリーズ(リンク:https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/lenses/xf70-300mmf4-56-r-lm-ois-wr/specifications/)
製品外観の紹介
本製品はなんと言ってもコンパクトなサイズ感が大きな特徴。560gで35mm判換算107mm-457mm相当が叶えられるのはAPS-C機ならではですね。
防塵防滴仕様であることを表す「WEATHER RESISTANT」の文字
本製品は鏡筒の10ヶ所にシーリングを施した防塵・防滴・-10℃の耐低温構造(WR)です。スポーツや野鳥撮影など天候に左右される撮影でも安心ですね。
レンズが不意に伸びてしまうのを防ぐズームロックスイッチ
レンズのズームロックスイッチは携帯時の自重落下を防ぐためのもので、ワイド端でのみロックが可能です。 ロックはズームリングを回すことで解除されます。
専用のレンズフードが付属する
専用レンズフードです。少し凹みがあることで装着がしやすくなった印象です。
レンズ径はØ67、リニアモーター搭載を表すLMの文字
レンズ径はØ67です。レンズ名にあるLMは静かで高速、省電力なオートフォーカスを実現するリニアモーター搭載のレンズのことで、LM非搭載のレンズと比較するとかなりの静音AFを実現しています。
3つの特徴を紹介
小型軽量・テレコンバーターにも対応
テレコンXF2X TC WRを装着しても500mlペットボトルより小さい
本レンズは70-300mmという広い焦点距離をカバーしつつも、製品重量は580g(レンズキャップ含まず)とかなり軽量設計となっております。更に「XF2X TC WR」や「XF1.4X TC WR」のテレコンバーターを組み合わせることが可能です。焦点距離が2倍になる「XF2X TC WR」との組み合わせでは、焦点距離600mm(35mm判換算:914mm相当)までカバーすることができ、重さはわずか750g。35mmフルサイズ機などに使用する同一焦点距離の他社製品と比較すると、相当軽量かつコンパクトな筐体で超望遠の撮影が可能ということが分かります。そのサイズは、なんと500mlペットボトルよりも小さいという驚きのコンパクトさです。
超望遠・マクロ撮影も可能
スマートフォンで撮影(左)、テレコンXF2X TC WR+ワイド端撮影(中央)、テレコンXF2X TC WR+テレ端撮影(右)
上記スマートフォンとの比較写真を見ていただければ一目瞭然ですが、スマホでは広角の風景だった写真が、テレコンをつければ坂の頂上にあるミラーに映る人の姿まで撮影することができます。
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/500 F7.1 焦点距離300mm
ズーム全域で最短撮影距離83cm、最大撮影倍率0.33倍(35mm判換算:約0.5倍相当)を実現し、迫力のあるマクロ撮影が可能です。花や虫など小さな被写体を撮影する方にもおすすめです。前述のテレコン「XF2X TC WR」装着時では、最大撮影倍率0.66倍(35mm判換算:約等倍相当)を実現します。
静音AF・レンズ内手ブレ補正も搭載
本レンズには最大5.5段分のレンズ内手ブレ補正機能があり、LM性能も相まって、驚愕の静音性とブレの少ないAFが実現できます。実は私がレビュー撮影していく中で、マクロや長距離撮影ができることよりも驚かされたのがこのAF性能です。X-T3との組み合わせで驚きを感じたため、X-T4やX-S10などのボディ内手ブレ補正が備わっている機種との掛け合わせはもっと素晴らしいものになると感じました。この安心感あるAFがあれば飛行機や野鳥など、通常のレンズではブレが気になる動く被写体もバッチリ撮影できることと思います。
作例
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5 焦点距離300mm
望遠側を使用すれば、今までは諦めていた遠くの被写体が撮れるようになります。
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR+XF2X TC WR
■撮影環境:ISO160 SS1/160 F11 焦点距離600mm
複数咲いていた菜の花の中で飛び抜けていた一輪を撮影。風に揺られる花を、ブレなく狙い撃ちができるのはこのレンズならでは。
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR+XF2X TC WR
■撮影環境:ISO160 SS1/160 F14 焦点距離462mm
前述しました通り、全ズーム域35mm判換算でハーフマクロに値する撮影倍率での撮影が可能。さらに遠影を背景にすることで一味違ったぼかしを入れることができます。
■使用機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5 焦点距離206mm
圧縮効果は望遠レンズならでは。日常の一場面をドラマチックに仕上げることができます。
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5 焦点距離146mm
■モデル:犬飼紀香
橋の対岸からポートレート撮影をしてみました。人肌やサイド光などはっきりと写し止めてくれることで、新たな画が撮影できます。
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5.6 焦点距離300mm
■モデル:犬飼紀香
レンズ内手ブレ補正の恩恵もあり、スポーツや運動会など遠くの人物を写すのに最高のレンズです。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISとの比較
本レンズの魅力を伝えたところで、同じ富士フイルムのレンズ群のなかにある既存製品との比較をしてみます。今回はかなりスペックの似ているXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISと比べてみました。
左:XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR 右:XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
筐体はほんの数センチXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRの方が長いですが、焦点距離の違いを鑑みるとこれだけコンパクトなサイズに収まっていることに驚かされます。ズームロックスイッチやOISのON/OFFレバーの有無などスイッチ部分にも違いが見られますね。
左:XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR 右:XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
レンズ径はXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRがØ67、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISがØ62と、やや前者のほうが大きい作りになっています
主な仕様 | フジノンレンズ XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR | Lenses | 富士フイルム Xシリーズより引用
主な仕様 | フジノンレンズ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS | Lenses | 富士フイルム Xシリーズより引用
また、ややニッチな話になってきますがレンズ構成が異なります。スーパーEDレンズの採用可否やレンズの枚数など、どちらも発売時点で実現可能なこだわりを詰め込んだレンズ群であると言えます。
加えて性能面での大きな違いは、前述したWRがついているか否かといった部分になるかと思います。砂埃舞う運動会での撮影や、小雨の滴る場所での野鳥撮影などあらゆるシーンで活躍してくれるのはXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR。お手頃・コンパクトで気軽に望遠撮影に挑戦するならXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISといったところでしょうか。
購入を迷われた際は、ぜひお近くのカメラのキタムラで相談してみて下さい。
さいごに
その名の通り、富士フイルムのレンズ性能を余すことなく注ぎ込んだ本レンズは、人物撮影からマクロ撮影まで幅広い撮影シーンで活躍してくれます。
・お子さんの運動会で手ブレしたくない!
・登山を伴う野鳥撮影に軽量機材で挑戦してみたい!
・標準ズームや単焦点だと撮ることのできない新しい画作りをしてみたい!
そんな方がいらっしゃれば、ぜひ一度本レンズを触ってみて下さい。
この記事で紹介した機材
【富士フイルム】テレコンバーター XF2X TC WR
商品詳細ページ 【富士フイルム】テレコンバーター XF1.4X TC WR
商品詳細ページ
【富士フイルム】XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
富士フイルム,XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR,レビュー,レンズ
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AUTHOR:
TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.5|ライカ M10-R+ズミクロン M f2.0/50mm
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 03/19/2021 16:00:00
TAGS: 連載,ライカ(Leica) ボディー,ライカ(Leica) レンズ,M10-R,ライカとカレー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
春。
快晴。
旅日和。
こんな気持ちのいい日は、ライカを持って旅に出よう。
JR二宮駅のホームに降り立つ。いつものんびりとした空気が流れているのどかな駅。駅前に山があるのが好きだ。ホームからも吾妻山(あずまやま)が見える。
東海道線で東京方面へ。
といっても、今日降りるのは大磯駅。
二宮駅の隣の大磯駅。
そう、一駅で降りるのだ。
遠くに行くことが難しいこの時世。近場で楽しいことがあるかしらと探していたら、夫が「湘南平(しょうなんだいら)はどう」と言う。湘南平とは、大磯町と平塚市の境にある標高181mの丘陵のこと。先日夫に連れて行ってもらったときに見た、そこから見渡せる湘南の美しい景色と気持ちの良い風が忘れられない。頂上はびゅうびゅうと風が吹いていてそして湘南のあっちもこっちもが見渡せて、富士山も見えた。東京の島も見えた。春は桜でいっぱいになるんだよと教えてもらって、そんな春にまた行きたいなと思っていた。湘南平には歩いて行けるのかしらとネット検索してみたらなんと、お隣の大磯駅から歩いて行けるハイキングコースが出てきた。さらには、いくつかのルートがあるらしい。大磯駅の北側は、湘南平に通じる丘陵だったなんて知らなかった。駅の北側には緑が多いなあと思っていたけれど、湘南平に続いているなんて。四年も住んでいるのに全く知らなかった。こんなに楽しそうなことがこんなに近くにあるなんて。
今日の相棒は、ライカM10-R。4000万画素を超える高画素の撮像素子、さらに、静音シャッターやタッチパネル式液晶モニターを搭載している。選んだレンズは、ズミクロン M f2.0/50mm。いつか使ってみたいと思っていた憧れのレンズ。ストラップは、春色を選んだ。
この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、写真家山本まりこが異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をし、そしてカレーを食べて帰ってくるという内容の企画。今回は、連載の第五回目。ライカM10-Rに搭載されている4000万画素の撮像素子は、その五回の中でも最高画素数になる。今までもとっても美しい写真だなあと思っていたけれど、それを遥かに超える画素数。どんな写真が撮れるのだろう。楽しみだ。
東海道線に乗って大磯へ
東海道線に乗り込むと、ほとんどの席が埋まっていた。いつも、座席にライカカメラを置いて写真をとるのだけれど、今日は難しいみたい。乗車時間は4分。一駅。
手で持って撮ってみる。
あっと言う間に大磯駅に着いた。
駅の高架を歩いて何気なく外を見ると、窓の外の景色の中に気になるものを見つけた。
宿り木(やどりぎ)。
大きな木にポコンポコンとまあるいものがたくさん付いている。わあ、気になる。見に行こう。早速進路変更。湘南平に行く前に、ちょっと寄り道しちゃおう。だって近くで見てみたい。これだからカメラを持つと楽しいなと思う。大磯駅には何度も来たことがあるけれど、改めてカメラを持って作品を撮ろうという目で歩いてみると見えるものが増える。確実に増える。
大磯駅を出て近くに行くと、駐輪場の隣に聳え立っている木だと分かる。駐輪場の屋上に登ってみると、近くで見ることが出来た。ポコンポコンとなんとまあ可愛らしいこと可愛らしいこと。
宿り木は、他の樹木に寄生して幹や枝に根を食い込ませて成長する寄生植物。自分でも光合成をする半寄生で、ヨーロッパでは神聖な存在として幸運を呼ぶ木と言われている。と言うのを、先日教えてもらったばかり。幼い頃に食べたことがあるという人によれば、ガムみたいにネバネバするそう。えええええ。私は絶対に食べないけれど。
カチッコッ
ライカM10-Rのシャッター音は、やっぱり静かだ。うん。
駅前にある観光協会の前のラックに湘南平のハイキングの地図があった。シンプルな地図に、3つのルートが赤い線で記されていた。行きは「高田公園コース」という南から北に向かうルートで行くことに決めた。理由は、帰りに寄りたいカレー屋さんがあるから、そこに近いルートとは違う道で歩いてみたいと思ったから。帰りは「高来(たかく)神社コース」で高麗山(こまやま)を通るルートで東に向かって平塚のカレー屋さんに寄って帰って来よう。高田公園コースは、大磯駅から湘南平まで約2.3km、高来神社コースは湘南平から大磯駅まで約3.6km。
大磯駅前は毎年3月、華やかに色づく。ミモザの大きな木が満開になる。
昔から政治家や文豪など著名人が多く住む地だけあって、駅前からとても優雅な空気が流れている。
ミモザの花言葉は、優雅・友情。
黄色いミモザの花言葉は、秘密の恋。
高田公園コースをてくてく
線路沿いからガードをくぐって、住宅街を歩く。大磯の住宅街の道はとても細い。車が通るのがやっとというくらい細い道も多い。少しずつ坂が増えてくる。
海が見える素敵なお家がぽつぽつと並ぶ、間の細いくねくねとした道をほんの数分歩いただけで、こんな高台に出た。遠くに真鶴半島が見える。なんて気持ちがいいところなのだろう。ふぅぅ。
春がいっぱい落ちている。
この時期に町や山を歩くと、椿のお花がたくさん落ちているのを見かける。椿の絨毯のようになっている場所がたくさんある。カメラを持っていると、落ちているお花も美しいと思える。
ズミクロン M f2.0/50mmの美しいボケに見惚れながらシャッターを切る。優しくとろけるボケ。このボケを体感してみたくて、今回このレンズを選んだ。タッチパネル式液晶で拡大してボケの先にある椿のピントを確認する。ちなみにライカM10-Rは、レンジファインダーだけれども、LV(ライブビュー)でシャッターを半押しすると、撮れる露出で画像が表示されるのでとても便利。絞りは大体開放f2.0、ISO感度は100にし、シャッタースピードで明るさを決めながら、ファインダーを覗いてピントを合わせ、半押しして露出を見てシャッターを切る。
ホホホーケッキョ
頭の上からうぐいすの鳴き声が聞こえた。今年初めて聞くうぐいすの声。そろそろそんな時期だ。うぐいすは繁殖期になるとホーホケキョと鳴くのは知っていたけれど、鳴き始める春の始まりの頃は鳴き声がたどたどしいことをこっちに住み始めてから知った。泣き始めは、ホホホーケッキョというような可愛らしくたどたどしい鳴き方をする。春が進み4月くらいになると、ホーホケキョと唄い誇るように鳴く。
コンコンコンコン
コゲラが木をつつく音が聞こえる。音のする方に足音をひそめて近づいてみると、大きな木の上の方でコゲラが一生懸命頭を振って木を削っている。こちらも愛の時期。子育てのための巣作りをしているのだろう。春だなあ。
山道を行く
地図によるとこのあたりは羽白山(はじろやま)という山らしい。ぐんぐん進んで行くと、並木が美しい道に出る。後ろからスクーターの音がして、女性が通り越していく。私のちょっと先まで行くと、スクーターは停まった。「お一人で来たの?」と声をかけられる。「はい。」と答えると、その女性はいろいろなお話をして下さった。近くに住んでいる方だそう。
昔はうっそうと木々が茂っていたけれど、たくさんの方が楽しく歩けるように整備したのよと微笑む。湘南平が千畳敷(せんじょうじき)と呼ばれるのは、千枚の畳が引けるくらい平らな土地だからそう呼ばれるという事も教えて下さった。「昔はイノシシもよく出たのよ。でも、最近は出ないわ。」とニコリ。このあたりのいろいろなことを教えて下さり最後に楽しんで下さいねと言って、颯爽とスクーターで去って行った。関東で歩いていて声をかけられることはほとんどない。いい文化があるなあとしみじみしながら先に進む。
途中で思う。トレッキングシューズを履いてくれば良かった、と。スニーカーを履いて来てしまったことを激しく後悔する。想像以上にアップダウンがあり、急勾配な場所もたくさんあった。なかなか激しく楽しい、湘南平へのハイキングコース。
でも、熊の心配をしなくていいのは気持ちがすごく楽だ。熊野古道を歩いている時は、常に、一秒ごとにと言っていいくらい熊の事を考えている。熊に遭ったことを考えながら、いつも歩いている。Youtubeなどを何度も見て、シミュレーションは何度もしている。ああして、こうして、こうすればいい、そんなことを何度もシミュレーションしている。
いやでも本当に気持ちいいなあ。
聞こえるのは、鳥の声とライカM10-Rのシャッター音。
心地いいい音。
このレンズ、好きだな。
今まで撮影したライカレンズの中で、一番好きだな。
そうこうしていると、赤と白の塔が見えてきた。テレビ塔だ。あそこが湘南平のてっぺん。そう、あそこに行きたいの。
てくてく
てくてく
湘南平で
湘南平に到着。
展望台に上ってみよう。
私の住む二宮町が見える。その向こうは真鶴半島。
こっちは平塚の方。
その先は、江ノ島とか、三浦半島。
こっちは、平塚の平野。
富士山も見える。
深呼吸。
すーはー
すーはー
すーはー
終りかけの河津桜が咲いていた。
テレビ塔で
テレビ塔にも上ってみよう。
赤と白の間から空を見る。海を見る。町を見る。湘南を見る。
ここからの景色も、楽しい。
おやつとモノクロと
海を一望できるブランコに乗りながら、太陽を撮った。
ゆらりゆらり、揺れながらシャッターを切った。
両手でブランコの鎖を持って空を見ながらブランコをこいだ。
気持ちが良かった。空が青い。どこまでも青い。
おやつは、三宅島の牛乳煎餅。最近いただいたもの。この海の先の遠くにあるであろう三宅島を想いながら、食べた。いつか行けるかな。三宅島。
ライカM10-Rは、モノクロも撮ることが出来る。
モノクロを撮る時は、カラーを撮る時とは違う思考に切り替わる。頭の中にあるチャンネルが切り替わるようだなあといつも思う。昔、カラーテレビのリモコンで、ボタンをガチャッと押して番組が切り替わったような感じ。ガチャッと。古い例えなので、若い人は分からないかも。兎にも角にも、ライカ一台でカラーもモノクロも撮れるのは、楽しい。
高来神社コースをてくてく
さあ、カレーを食べに行こう。
行きの道「高田公園コース」では、ほとんど人に出会わなかったけれど、帰りの道に選んだ「高来神社コース」ではすれ違う人にたくさん出会った。年配の方が集団でハイキングを楽しんでいるようだった。途中、木々が茂る山の中にテーブルやイスがたくさん置いてあったのだけど、山の真ん中で読書をしている女性がいた。
私が横を通っても、ご夫婦が横を通っても全く気にせず読書を続けていた。その女性の世界が、森の中に輝くようにあった。それは、自然の中で読書をすることをとても楽しんでいて、自然も読書も心から好きだと言うような空気が流れていた。素敵だと思った。空からキラキラと光が降り注いでいるかのようにその女性のその場所が輝いて見えた。
以前、フィンランドの森の中を歩いた時に同じようなことを思った。フィンランドの人々は、自然の中にいることを楽しんでいてそこにいることが幸せだというような空気が森一帯に流れていた。家族とか、友達とか、グループで一緒に歩いているときにものすごくたくさん笑い声が聞こえていた。すごくゆっくり歩きながら、自然を見ながら笑っていた。ああなんかすごく素敵だなとその時に思ったことを強く覚えている。山とかハイキングと言うと、どうしても踏破することを目的とすることが多いけれど、フィンランドの人たちはそういうことではなくて、その場所をその時間を楽しんでいた。その女性の周りには、そんな風な輝く空気が流れていた。
山から下りてきて家が近くなると、空気が変わる。急に人と家の気配が強まる。人の声は聞こえないのだけれど、人の気配がぐっと強くなる。山から下りていくといつもそう思う。高来神社でお参りをする。最近祈ることはいつも一緒だ。世界が平和でありますように。人々が幸せでありますように。十分年を重ねたのかな、なんかもう、最近は自分の事は一番最後に祈る。幸せでありますように。
国道一号線を歩く。
目的のカレー屋さんは、もうすぐ。
花水川(はなみずがわ)を渡って、もう少し。
カレー屋さんで
ピンク色の扉を開けると、明るい光に包まれた店内は笑い声でいっぱいだった。あっちからもこっちからも笑い声が聞こえた。スタッフの方とお客さんがとても楽しそうに話している。なんて楽しい空気に満ち溢れているお店だろう。スタッフの女性にとても丁寧にメニューを説明していただき、気持ち良くなりながらバターチキンカレーと鯛出汁が効いた鶏のカレーのダブルチョイスカレーをオーダー。サラダと冷たいチャイも注文。
しばらくしてサラダが届く。
思わずトキメク。
なんてかわいいサラダなのでしょう。
ズミクロン M f2.0/50mmの最短撮影距離は70cmなので、ちょっと立ち上がりながら撮影する。もちろん、撮影してもいいですかと聞いてOKをいただいてから。
色使いと盛り付けの美しさに感激しながら、そして、美味しくてあっと言う間に完食。
そしてカレーが運ばれてきた。
ああ、なんて可愛いの。美しいの。
カウンターの色も、お皿の形も、スプーンも、もちろん盛り付けも、可愛い。すごく好き。
まずは、バターチキンカレーから。
パクリ。
美味しい。
酸味と旨味がグッとくる。スパイスはまろやか。
鯛出汁が効いた鶏のカレーはどうだろう。
パクリ。
レモンが爽やかに効いていて、優しい。
美味しい。
すごく、美味しい。
あっと言う間に完食。
この二倍くらい食べたいくらいの気持ちで、完食。
いや、絶対、食べられる。
二倍、食べられる。
実は以前、このお店には来たことがある。テイクアウトで持ち帰ったカレーとサブジ(野菜のおかず)がとても美味しかったので、また絶対に来ようと思っていたのだ。このお店に来たいので、今回の湘南平行きを決めた気持ちが半分。
食べている時も、店内にはあっちからこっちから笑い声が溢れていた。
店内には太陽の光がサンサンと降り注いでいる。
お店にいるみんなが何だかとても幸せそうだ。
何て居心地のいいお店なのだろう。。。
若い男性が調理されているので、話を伺う。
この企画の趣旨をお話して掲載のお伺いをすると、もちろんOKですと快諾いただいた。ありがとうございます。この企画では、いつも、カレーを食べてからお店の方に企画の趣旨を説明して掲載のOKをいただいているので、カレーの写真は座った状態で撮影していることが多い。
オーナー小西健司さんは、2年前の2019年にこのお店NEW ROSEをオープン。一軒家というのに憧れがあってここを見つけたときにビビッときたのだとか。カレーの修行は特にされていないけれども、昔務めていたレストランでインドの方が作るカレーをずっと食べていたのでカレーの舌が鍛えられたのかなとニコリ。
柔らか笑顔で優しく話される小西さんのカレーは、繊細で深くて美味しい。他のカレーもぜひ食べてみたくなる。「お店を長く続けていきたいから気持ちの良い場所を選びました」と小橋さん。太陽の光がたっぷりサンサンと入って来て、窓から青い空が見えるお店は、本当に気持ちいい。居心地抜群です。もう、絶対に再訪します。
大磯駅へ、そして二宮駅へ
すっかり長居させていただいたお店を後にし、大磯駅まで歩くことに。さっき降りてきた高麗山が小さく見える。
てくてく
のんびりのどかな空気が流れる大磯駅から東海道線に乗って、一駅、二宮駅で降りる。階段を上ると、向こうから半袖を着ている人が歩いて来る。ご近所さんだ。隣の隣に住んでいるご近所さん。帰りに寄ろうと思っていたパン屋さんに行こうとお誘いして(半ば強引に)、町の人気のパン屋さんBoulangerie Yamashita ブーランジェリーヤマシタさんへ。そんなご近所付き合いがあるのも、小さな町のいいところ。
シナモンロールを二つ購入。そう、カレーのスパイスで使われるシナモンがたっぷり入ったパン。以前デンマークに留学され、デンマークの家具屋さんに勤められていたオーナー山下雄作さんが作り上げた北欧テイストの空間は美しくお洒落。全国からここを目指して訪れるお客さんでパンが早々に売り切れてしまうこともしばしば。雑誌にも引っ張りだこの大人気店だ。お店の食堂の壁には夫の写真を飾って下さっていて、私の写真集を置いてくださっている。本当にありがとうございます。
ライカM10-Rを首から下げ、パンを片手に、ご近所さんと家に帰る。湘南平は気持ち良かったよと報告したり。家の斜面に実っているふきのとうを収穫して、ご近所さんとお別れ。
おわりに
家の掘りごたつで、シナモンロールをかじる。がぶり。そう言えば、フィンランドを旅した時、フィンランドを舞台にした映画「かもめ食堂」が撮影されていた食堂を訪れてシナモンロールを食べたなあと思い出す。お店のお母さんに一生懸命英語で話しかけていたのだけど、しばらくたって饒舌な日本語で答えてくれて、とても恥ずかしかったなあなんて思い出す。ここでもなんだかフィンランドを思い出した。シナモンの思い出。スパイスの中でもシナモンは特別に好き。
ライカ M10-R+ズミクロン M f2.0/50mmとの旅は、とても心地が良かった。すうっと心の中に入り込んでくる、私にとってそんなカメラとレンズだった。新しいカメラやレンズに出会うと、いつも思う。相性があるなと。最初から気が合うカメラもあれば、なかなか気持ちが入り込めないカメラもある。最初から惚れ込むレンズもあれば、ずっと使い続けて好きになるレンズもある。毎回様々だけれども、この組み合わせはとても好きだと思った。もし今、ライカでどのレンズが好きと聞かれたらズミクロン M f2.0/50mmと答える。とても小さなサイズ感が好きだし、やっぱり50mmという画角が好きだし、このトロけるボケはたまらない。1本で、いろいろな幅が楽しめるところが楽しい。
ああ、今日も本当に楽しかった。
こんなに近くにこんなに楽しいことがあるなんて。
カメラと一緒だと本当に楽しいなあ。
今日もライカと旅が出来てハッピーだ。
楽し過ぎてまた今回も撮り過ぎてしまった。
約14km。2万歩以上。良く歩きました。
夏が近づいた頃、また旅に出よう。
ライカと一緒に。
さあ、次はどの駅で降りようか。
■
NEW ROSE ニューローズ
神奈川県平塚市撫子原4-17
0463-79-6247
日曜日及び第1・第3月曜日定休
■
Boulangerie Yamashita ブーランジェリーヤマシタ
神奈川県中郡二宮町二宮1330
0463-71-0720
木曜日・金曜日定休
■参考文献
ライカHP
■写真家:
山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさん連載記事「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」Vol.5となる今回はライカM10-Rを片手に湘南平をハイキング。春らしさを感じるスナップ写真と美味しいカレーにご注目下さい。
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KEYWORDS:
ライカ,M10-R,ズミクロン M f2.0/50mm,カレー
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ
BASENAME: 480563123.html
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 03/22/2021 16:00:00
TAGS: α1,レビュー,ソニー(Sony) ボディー,人物_子供,野鳥,ミラーレスカメラ,フルサイズ,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
今回はSONYより発売されました、フルサイズミラーレス一眼αシリーズのフラッグシップとなりますα1のレビューをさせて頂きます。α1はSONYが満を持して送り出したフラッグシップ機だけの事は有り、あえて一言で言わせて頂くとすれば「高性能機能全部入りと呼べるカメラ」です。
あまりにも、お伝えしたい事が多すぎるので今回は前編と後編に分けた全2回でレビューさせて頂きます。前半は主に滋賀県高島市でのコハクチョウ撮影と、名古屋港でのポートレート撮影の作例を使用してα1の特性についてレビューさせて頂きます。
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor
■撮影環境:ISO100 SS1/2000 F5.6
■使用機材:SONY α1+FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8
α1のブラックアウトフリー超高速シャッターについて
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor
■撮影環境:ISO400 SS1/1600 F5.6
先ずはブラックアウトフリー秒間30コマ超高速シャッターです。α9シリーズの2400万画素で秒間20コマでも凄いと思っていましたが、一挙に秒間30コマ、しかも5000万画素での連写が実現できたのですから凄い進歩ですね。
私は地元の滋賀県高島市に越冬飛来に訪れるコハクチョウを毎年撮影しているのですが、α9で初めて秒間20コマ撮影が可能になった時も、本当に凄いと思いました。しかし、今回のα1の秒間30コマでの撮影もその時と同じ位の衝撃を受けました。
大きく違いを感じた事は、白鳥の羽ばたく間のカット数が明らかに増えた事です。具体的には、飛び立とうとするコハクチョウが一羽ばたきする間にα9だと平均5コマ撮影出来たのですが、α1だと8コマ撮影可能になりましたので、この差は本当に大きく感じました。
しかも、全てジャスピンな点に脱帽しました。1秒間に撮影する枚数が増えたにも関わらず、この正確で素早いAFの合焦ができる理由は、位相差759点コントラスト425点の多大なAF測距ポイント数に加え、一秒間に120回の演算技術によるところが大きく影響しています。
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor
■撮影環境:ISO400 SS1/1600 F5.6
この連写作例は撮って出しの無加工ですが、5000万画素になったことでトリミングがしやすくなっている点も嬉しいですね。これはα1に限った事では無いのですが、現在発売中のミラーレスαシリーズの殆どがサイレントで無音撮影が可能な点も、野鳥撮影には欠かせないポイントになります。レフ機だとミラー作音のせいで野鳥が怖がって逃げることや、飛び立ってしまう事が多いので、撮影以外に野鳥観察される方たちの迷惑にもなりますし、鳥たちへの迷惑という観点からも必要不可欠な機能だと思います。
さらに付け加えると、サイレントと記載されていても動作音の大きなカメラが多く存在しますので、購入の際は要注意で確かめて下さい。勿論現在発売中のαはその様な心配が殆どないので、安心してサイレント設定を使用出来ます。
私自身の体験ですがミラーレスαのサイレント撮影に変更してから野鳥の警戒心が少なくなったので、以前より撮影中に野鳥が離れたり逃げたりしなくなり、近くで撮影することが可能になりました。これは凄く助かりますし、鳥たちが安心している証拠でも有ると思いますので嬉しいですね。
α1の野鳥AFについて解説
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor
■撮影環境:ISO320 SS1/1600 F5.6
次は、せっかくコハクチョウの作例なので新機能の鳥瞳AFのお話です。人物が対象の瞳AFは、現在かなり激しく動き回る人物の瞳に合焦出来るレベルに到達しており、しかも右目と左目を選べるように進化し続け、私も本当に頼りにしている機能となっています。
また、少し前の機種から動物瞳AFが搭載された事により、走り回るワンコの撮影が多い私には凄く有難い機能で嬉しかったのですが、とうとう今回は鳥瞳AFが搭載されました。鳥撮影ファンには待望の機能なのですが、実際撮影に使用してみるとコハクチョウの瞳が見えている状況だと殆ど反応し続けてくれましたので、実用レベルとしては充分だと感じました。今後、色々な鳥で試してみたいです。
VIDEO
こちらはコハクチョウが飛び立とうとする瞬間を8K30fpsにて撮影した動画になります。水面から飛び立とうと浮き上がる瞬間を8K高解像の動画で見ると、羽根の様子や水しぶきが美しいですね。
α1のポートレート撮影について
■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8
(左から、中山知紗、湊谷アドリン、安藤美樹、京谷果林、森江由衣)
次にポートレート撮影についてです。今回のモデルさんには、世界最大規模のミスコンテスト、ミスグランドインターナショナル日本大会歴代のファイナリストの方々に御協力頂きました。
この写真の撮影にはα1の機能の中でも先進的な機能である、超高速1/400シンクロを使用しております。従来の高速シンクロ同調スピードは1/250まででしたが、α1ではフルサイズでメカシャッター使用時同調速度1/400、APS-Cクロップ時は同調速度1/500シンクロを搭載(フルサイズ、電子シャッター使用時は同調速度1/200)しており、今まで以上にフラッシュ撮影の幅が広がりました。この作例は名古屋港でアルファロメオ4Cとダイハツ コペンの前で躍動感を出す為に、モデルさん達に髪を手で掻き揚げて頂いた瞬間を撮影しました。
私自身1/400シンクロでのフラッシュ撮影は初めてなのでどの様に写るのかとても楽しみだったのですが、跳ね上げた髪がある程度静止するところをイメージして狙っていたのですが、それ以上に髪を跳ね上げた手が指先まで五人全員シャープに静止しており、狙った以上の躍動感が出て凄く嬉しくなりました。
■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8
■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8
撮影していて気付いた点なのですが、発色の良さが素晴らしいと感じました。
この2枚を撮影した時には日が傾き始めており、複雑な淡い空の色と真っ赤なアルファロメオ4Cとモデルさん達の肌の色という、超難関な再現性を求められる状況だったのですが、結果として何の心配も必要なかったと言えるほどα1のダイナミックレンジの広さと発色の良さにより、鮮やかな原色から淡いトーンまでを美しく再現してくれました。勿論ボディだけでは無く、信頼の置ける純正FE 85mm F1.4 GMのレンズ性能も一役買っているわけで有ります。
もう一つ感じた部分ですが、ここまで撮影していてα1のファインダーの美しさと滑らかさには驚きました。この944万ドット249fpsのEVFは、私の覗いたことの有るカメラ史上、過去最高にクリアなファインダーでした。そのため、ブラックアウトフリーでの連写時でも、夕暮れ時のモデル撮影においても本当に見易く、白鳥の細かな動きも複数のモデルさんたちの表情も、シャッターチャンスを逃さず撮影することが容易に出来ました。
さいごに
これで前編は終了ですが、後半は主に高画素の5000万画素、高感度撮影、電子シャッター使用時のローリング歪軽減、1/32000秒高速シャッター、4K120fps動画について他、作例を交えながらレビューさせて頂きますので楽しみにお待ちいただければと思います。
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員
「α1」はこちらの記事でも紹介されています
■ソニー α1 レビュー(後編:風景・ステージ撮影)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480649337.html
■ソニー α1 レビュー|スポーツ撮影現場で使ってみました!(坂井田富三)
https://shasha.kitamura.jp/article/480653303.html
■ソニーストア銀座での取材記事
ソニー フルサイズミラーレス α1|新次元フラグシップモデルが登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/479818915.html
特集ページ
α1特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひ
コチラ の特集ページも合わせてご覧ください。
この記事に使用した機材
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんによる、SONYの新製品「α1」の製品レビューです。前編と後編に分けた全2回のレビュー。前半は主に滋賀県高島市でのコハクチョウ撮影と名古屋港でのポートレート撮影の作例を使用してα1の特性についてレビューいただきます。
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KEYWORDS:
ソニー,α1,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: [申込終了]【セミナー】Panasonic LUMIX S5 店頭&オンライントークイベント -コムロミホ- 3月27日(土)開催
BASENAME: 480633739.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 03/23/2021 16:00:00
TAGS: セミナー,LUMIX S5,パナソニック(Panasonic) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
Panasonic LUMIX S5 店頭&オンライントークイベント
~ 本イベントは申込を締め切らせて頂きました。沢山のご応募誠にありがとうございました ~
2021年3月27日(土)11時よりパナソニック"LUMIX S5"の魅力をご紹介するセミナーを開催いたします。講師にはフォトグラファーのコムロミホさんをお招きして、インスタグラムやTwitterなどでも流行している"フィルムライク"な写真が加工せずとも撮れる設定や、ジンバルやガンマイクがなくても高品質な動画が簡単に撮れる秘訣をお教えいただきます。オンラインでの参加が可能で無料となりますので是非お気軽にご参加ください。
また本イベントは「ShaSha」と連動したイベントとなっておりまして、"フィルムライク"な写真の撮り方については一部
こちらの記事「パナソニック LUMIX S5レビュー|コムロミホ」 でも紹介していますので、合わせてご覧ください。
概要とお申込み
■開催日時:2021年3月27日(土)11:00~12:00
■費用:無料
■参加方法:オンライン(ZOOM)※店頭は定員に達しましたので締切らせて頂きました。
■申込み:こちらからお申込みください。
■申込み期限:2021年3月24日(水)23:59まで。オンライン(ZOOM)も定員に達しましたら期限前でも締め切らせて頂きます。
コムロミホさんプロフィール
福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。ニコン、パナソニック、オリンパスのカタログ撮影も担当する。ルミックスフォトスクール講師、オリンパスデジタルカレッジ講師、エプソンセミナー講師、ライカやリコーペンタックス、をはじめ多くのメーカーで講師を務める。
・コムロミホ先生のShaShaでの記事一覧は
コチラ
■更新
・2021年3月25日:申込みを締め切らせて頂いたことを追記しました。
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EXCERPT:
2021年3月27日(土)11時より、講師に写真家のコムロミホさんをお招きしてパナソニック"LUMIX S5"の魅力をご紹介するセミナーを開催いたします。
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|三井公一
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 03/24/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary,シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,単焦点
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はじめに
シグマから28mmスタートでF2.8通しの軽快な標準ズームレンズが登場しました。この「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」は世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」にピッタリとマッチするサイズと重さで、高い光学性能を誇るレンズに仕上がっていました。
軽さとスリムさが魅力
「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」を手にすると「お、こんなに軽いの!」と驚くことでしょう。F2.8通しの明るさなのに、470gという重さなのですから。もちろんサイズもスマートです。フィルター径は67mmで、外観は太さ72.2mm、長さ101.5mmとなっています。
このコンパクトさはなぜ実現できたのでしょうか?それはワイド端を28mmスタートにしたことによるものです。また簡易防塵防滴構造の採用や、鏡筒のスイッチ類を最小限にするなどして、徹底的に小型軽量化を達成しているのです。「SIGMA fp」に装着してもあわせて約890gと、システムで軽々と1kgを切るのがとても魅力的です。これなら一日中ブラブラを写真を撮り歩いても疲れ知らずですね。
Artラインと同等の妥協ない光学設計
ワイド端の28mm化と徹底的な小型軽量化を図った「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」ですが、光学性能はどうなっているのでしょうか。シグマ技術者のお話によると設計は「ほぼ同じ」で描写性能も「同等に良好」とのこと。設計のベースは「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art」なのですから高性能なのは当然と言えましょう。
レンズ構成は12群16枚で、FLD2枚、SLD2枚、非球面レンズ3枚という贅沢な硝材をおごっています。カメラ側で補正の難しい軸上色収差やサジタルコマ収差を徹底的に抑制し、クリアでクリーンな描写を楽しむことができるようになっています。画面中心部から周辺部まで均整のとれたキレのある写りを実現しているとのこと。その実力はMTF曲線を見ても伝わってきますね。レンズコーティングにもぬかりがありません。スーパーマルチレイヤーコートとナノポーラスコーティングを施して逆光にも強くなっています。また最前面のレンズには撥水防汚コートを採用し、水滴やホコリがつきにくく、もし付着してもカンタンに取り除くことができるようになっています。
シグマの「Contemporaryライン」と聞くと「Artライン」の方が高性能なのではないか、と思う方が多いのですがそれは間違いで、描写性能の優劣によってラインを分けているのではないのです。実写してその良さを堪能することができました。このレンズ、かなりスゴいですよ。
オートフォーカスも高速そして寄れる!
実際に「SIGMA fp」や「LUMIX S5」に装着してインプレッションをしました。さまざまなところをブラブラと撮り歩きましたが、カメラとのマッチングがよく、軽さとスリムさとで撮影を快適かつ面白く行うことができました。このレンズは実にシンプルで、鏡筒にはフォーカスリングとズームリング、そしてオートフォーカス / マニュアフォーカスの切替スイッチしかありません。左手でホールドした感触もスリムで手に馴染み、両リングにもしっかりと指がかかります。どちらのリングもほどよい感触で、軽すぎず重すぎずいい印象を受けました。レンズを下に向けても自重で繰り出してしまうこともなく、安心して携行することが可能です。メタル製ではないもののしっかりとした造りで、同社の「I シリーズ」のような凝縮感が伝わってきますね。
「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」はオートフォーカスが気持ちよく決まります。スナップ撮影をしていて感じたのですが、初動が速い印象です。パッ!と瞬時にピントが来ます。動作音も静かで申し分ない性能だと思います。またこのレンズは近接撮影能力も素晴らしいのです。28mmワイド端で19cm、70mmテレ端で38cmと被写体にググッと寄って撮ることができます。小物やフード、ペットなどの撮影に威力を発揮しそうです。軽くてスリムで寄れる三拍子揃った常時携行できる新しい標準ズームレンズに仕上がっていると思います。ライカLマウント版とソニーEマウント版のラインナップで発売中ですが、大変人気で品薄となっています(記事公開日現在)。もし購入を検討されている場合はお早めにカメラのキタムラへご予約することをおススメいたします。お値段もリーズナブルでお財布にも優しいうれしい一本となっています。
実写
「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」をライカLマウント機の「SIGMA fp」と「LUMIX S5」に装着して撮影を行いました。ではさっそく写りを見ていきましょう。
枝の間から太陽光が差し込む大木を撮りました。おかしなゴーストやフレアの発生もなく、木の表面のディテールを良好に写しとっています。葉の精細感もいい感じですね。
撮影機材:シグマ fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
撮影環境:f/8 1/80秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離55mm
お堀と城壁をパシャリと。このカットも組まれた岩のディテールがもの凄いですね!実にシャープな解像をしてくれます。頼もしいレンズですね。
撮影機材:シグマ fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
撮影環境:f/8 1/320秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離70mm
このレンズは軽いのでブラブラ撮影がはかどります。一息ついた古民家カフェで頼んだコーヒーに迫りました。近接撮影能力が高いので被写体にかなり寄ることが可能です。カップのエッジが美しいですね。
撮影機材:シグマ fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
撮影環境:f/2.8 1/30秒 ISO500 露出補正-1 焦点距離28mm
ヌケ感とメリハリ感が良好です。斜光を浴びる銀座和光を撮りましたが、その凛とした佇まいをクリアに写し出してくれました。
撮影機材:シグマ fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
撮影環境:f/8 1/500秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離68mm
こちらのビルを撮ったカットも精細感とヌケ感が良好です。28-70mmというズームレンジは街なかスナップでとても使いやすい画角だと感じます。ほどよいワイド感からヒトの目線に近いテレ感が、自然なフィーリングを演出してくれるのです。
撮影機材:シグマ fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
撮影環境:f/8 1/800秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離52mm
港を散策中、工事の人々が目に留まりパッと撮ったカットです。カメラは「LUMIX S5」を使ったのですが、オートフォーカスも初速がクイックで狙ったとおりのシーンをキャプチャーできました。
撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
撮影環境:f/8 1/800秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離52mm
こちらも横浜港のカットです。佇む男性にフォーカスし、絞りをF2.8の開放にしました。フルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」なので、背景の客船がソフトにボケてくれました。F2.8通しの明るい標準ズームレンズならでは描写と言えるでしょう。
撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO100 焦点距離70mm
もう本格的な春の訪れですね!スナップから人物、そして花のクローズアップ撮影までオールマイティーに撮影できます。明るくて軽量コンパクトなので、いつでも持ち歩いてその画質を楽しめます。桜の花もキリリと写し取れますよ。
撮影機材:シグマ fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
撮影環境:f/2.8 1/1600秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離70mm
まとめ
「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」は誰にでもオススメできる標準ズームレンズになっています。描写は「Artライン」と同等で素晴らしく、その上常時携行しても疲れない軽量コンパクトさ。そしてリーズナブルな価格と人気が沸騰するのも頷けます。このレンズがあれば撮影がより楽しくなること間違いなしです。店頭で手に取ってその素晴らしさを実感していただきたい一本になっています。
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介されています
■シグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary|ポートレート向きのF2.8通しズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/481494774.html
■更新
・2021年5月24日:「シグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary|ポートレート向きのF2.8通しズームレンズ」への記事リンクを追加
この記事に使用した機材
【シグマ】28-70mm F2.8 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【メーカー名】28-70mm F2.8 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによりシグマ「28-70mm F2.8 DG DN|Contemporary」のレビュー記事です。小型・軽量でリーズナブルな価格でありながら、描写性能は「Artライン」と同等という評価をしております。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,シグマ,LUMIX S5,fp,SIGMA,28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM|被写体を引き寄せる守備範囲の広い超望遠ズームレンズ
BASENAME: 480643061.html
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CATEGORY: A☆50/Akira_Igarashi
DATE: 03/25/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,レビュー,RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM,飛行機,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F8 1/1800sec 焦点距離480mm
キヤノン社のEOS Rシステムに待望の超望遠ズームレンズ「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」が加わりました。2020年8月に発売されたこのレンズは、長大な焦点距離を活かし被写体をグッと引き寄せる機会の多い野鳥や飛行機、スポーツ撮影などのファンから大きな注目を浴びています。
2018年にスタートしたEOS Rシステムですが、これまで発売されてきたRFマウント専用のレンズは、短い焦点距離のレンズが中心。これは、ショートバックフォーカスなどEOS Rシステムのアドバンテージをより活かしやすいことや、一眼レフに対するミラーレス一眼の特性が風景などの静物寄りにあるためと考えられます。
航空機…特に旅客機撮影の現場ではまだまだEFシステムの一眼レフカメラが大活躍していますが、キヤノン社の場合その中でも人気のあるレンズがEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM。テレ端の焦点距離や開放F値の違いはあれど、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMはこのレンズを意識して開発、発売されたのは明白です。
どちらのレンズも日中の旅客機撮影においては汎用性が高く、機体真横を撮影するスポッティング撮影を中心に機体の一部を切り取る迫力のある画、美しい風景と機体を一緒に撮る情景的シーンなど、撮影場所によっては様々なシーンをこれ一本で撮影可能。RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMに比べ望遠域が100mm伸びているため、さらに撮影シーンの幅が広がります。
外観と携行性
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO200 F8 1/250sec 焦点距離500mm
このレンズの重さは三脚座抜きで約1370g。EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMは三脚座抜きで約1570gとなるため、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMの方が約200g軽くなっています。比較的、手持ち撮影の多い旅客機撮影。少しでも軽いレンズは歩留まりの良さに寄与します。
キヤノン社の望遠Lレンズらしく、高級感のある白い外観が特徴。EFレンズのそれとは違いマットな仕上がりですが、白い筐体部分は表面がやや滑りやすくなっているので持ち運びの際などには注意が必要です。ズームリングに加え、ズームリングの回転トルクを変えることができるリングを装備。機体の動きや撮り方に合わせてズームリングの軽重を選べるので重宝します。
画質
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F11 6sec 焦点距離500mm
14群20枚構成となる本レンズ。UDレンズとスーパーUDレンズが惜しみなく奢られ、MTF特性も良好です。絞り羽根枚数は9枚の円形絞り。開放時のボケ味も柔らかく、お花やポートレート撮影にも十分にオススメできます。とはいえ、飛行機の撮影で重要視されるのはディテール部分の表現。作品にディテール部分の解像感があるかないかで出来が左右されます。
写真は三脚にガッツリとカメラを固定して長秒時露光撮影をしたものですが、中心部分〜周辺部分に至るまで写りは非常にシャープ。5000万画素近いR5のセンサー性能に依るところもありますが、画像を拡大するとコクピットウインドウのフレームにあるリベット(鋲)のアタマがプラスドライバー規格であることまでハッキリとわかります。
500mmのテレ端、絞り開放ともなりますと周辺部はやや緩く感じることもあるので、周辺部まで解像感を出したい場合は2〜3段ほど絞ることをオススメします。しかしながら、絞り開放でも中心部の解像感は秀逸。ワイド端〜テレ端まで全体的にヌケが良く、機体をカリッカリに描き出すポテンシャルを保持したレンズです。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F16 1/4000sec 焦点距離320mm
ASCコーティングによりフレアやゴーストを低減してくれ、逆光時の撮影でも神経質になりすぎることはありません。空背景で機体を撮影した際、開放付近で周辺光量落ちが気になることもありますが、これらも上手く低減。UDレンズにより色にじみの除去、スーパーUDレンズにより色収差の補正がされています。さらに、周辺部の像流れなど収差全般も最小限に抑制され、偽色も上手に抑え込まれています。
AF
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO25600 F7.1 1/100sec 焦点距離500mm
飛行機撮影など動きモノの撮影で重要視されるのがオートフォーカス(以下AF)の合焦速度ですが、EOS R5やR6とこのレンズの組み合わせではかなり高速でAFが合焦。シャッターボタンを半押しにした瞬間、合焦していると感じるほど瞬時にフォーカスが合います。作例のような夜間での合焦速度も問題ありません。夜間はAF枠のチョイスに若干気を使う部分もありますが、コントラストのある部分などをしっかり狙うことにより日中と変わらぬ素早い合焦を実現してくれます。
素早く静粛性に優れるAF性能には2つのナノUSMが寄与しているわけですが、AF以外にも最短撮影距離の短縮にも貢献。電子フローティングフォーカス制御により近距離撮影の画質も向上しています。100mmのワイド端で最短撮影距離は0.9m、500mmのテレ端は最短撮影距離1.2mで最大撮影倍率が0.33倍。ちょっとしたマクロ撮影にも使用可能となります。
手ブレ補正
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F11 1/5sec 焦点距離500mm
手持ち撮影が多い飛行機撮影では、AFとともに手ブレ補正の性能も重視されます。RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは、レンズ単体でも5.0段分の補正効果を発揮。EOS R5やR6などIBIS(ボディ内手ブレ補正)搭載機との組み合わせでは最大6.0段分の効果を発揮します。
その強力な効果をもっとも享受できるのが、飛行機撮影の場合は駐機している機体の撮影時。夜間など低露出下での手持ち撮影において、かなりのスローシャッターを切っても、歩留まりの良さを実感できます。ミラーレス一眼の一眼レフに対するアドバンテージ、ミラーショックレスの効果もありますが、シャッタースピードを下げられる分、絞りやISOに設定をまわせるのも利点。一眼レフからミラーレス一眼に移行された方は露出設定にかなりの違いを感じるでしょう。
駐機している機体に対して、EOS R5やR6で動いている機体を追いかけながら手持ち撮影する場合。こちらについても強力な手ブレ補正効果を確認できますが、シャッタースピード1/1250程度でシャッターを切っていても、等倍で確認すると何枚かに一枚は微ブレが確認されたりします。このあたりはカメラ側の手ブレ補正とレンズ側の手ブレ補正の協調制御に何かあるのか。ファームアップなどで改善されることが望まれます。
また、こちらは手ブレ補正が強力すぎる所以でしょうか、流し撮りをするため右から左へとレンズを振って連写した際、機体を止めて背景を流したいのに、機体が流れて背景がビタ止まりしていることが稀にあります
※ 。こちらについては緩みが無いよう一定のスピードでレンズを振ることで解決できますが、それでも撮影の際には注意が必要です。
※[2021年4月2日追記]これらの不具合は2021年3月30日と4月2日に公開したファームを更新する事で解消されます。
・EOS R5「ファームウエア Version 1.3.0 」
・EOS R6「ファームウエア Version 1.3.1 」
・RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM「ファームウエア Version 1.0.9 」
レンズに搭載された手ブレ補正にはモードが3つあります。モード1が主に動かない被写体の撮影に対応し、モード2は動く被写体の撮影でいわゆる流し撮りモード、モード3が不規則に動く被写体の撮影でスポーツなどの撮影に対応しています。撮影シーンに合わせて使い分けるといいと思います。
防塵防滴他
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO3200 F8 1/320sec 焦点距離400mm
精密な作りの高性能レンズではありますが、Lレンズらしく防塵防滴仕様な点も特徴の一つ。飛行機撮影はほぼ屋外での使用となるため、水滴や埃の侵入を少しでも防いでくれるのは助かります。また、レンズ面にはフッ素コーティングが施されていますから、汚れを簡単に落とすことが可能。大雨などではさすがにレインカバーを使いますが、少々の雨ならタオルなどで拭きつつ撮影に集中できるのが嬉しいです。
まとめ
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F13 1/60sec 焦点距離220mm
100mm〜500mmと守備範囲が広く汎用性の高いレンズ。EOS R5など5000万画素近い高画素機で使用してもしっかり解像感のある画を描き出してくれる素晴らしいレンズです。高速なAF、強力な手ブレ補正など動きモノを大いに意識したレンズ。EFシステムで人気のEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMから乗り替えられる方も多いのではないかと予想します。
スチル写真だけでなく、ムービー撮影にも使いやすいスペックです。フローティング機構を採用しているため、フォーカスブリージングが大幅に低減されているほか、ナノUSMを採用しているためAFの駆動も静かで滑らかです。望遠〜超望遠系のレンズをお探しの方に自信を持ってオススメできる一本。長く使い勝手の良い相棒になってくれるはずです。
■写真家:
A☆50/Akira Igarashi
絶景ヒコーキ写真を求め全国を駆け巡る瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、TVなど各種メディアに出演、作品を提供するかたわら大手航空会社やカメラメーカーなどのオフィシャル撮影を担当。キヤノンEOS学園講師。公益社団法人 日本写真家協会会員。
■更新
・2021年4月2日:流し撮り時の不具合をファームアップで解消できる内容を追記しました。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
航空写真家のA☆50/Akira Igarashiさんに、キヤノンのRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMをレビューしていただきました。超望遠域をカバーする焦点距離が特徴のズームレンズ。飛行機撮影を通してその性能を解説します。
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KEYWORDS:
キヤノン,RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM,レビュー,レンズ
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ソニー α1 レビュー(後編:風景・ステージ撮影)|葛原よしひろ
BASENAME: 480649337.html
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 03/26/2021 16:00:00
TAGS: α1,レビュー,ソニー(Sony) ボディー,風景,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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はじめに
今回はSONYより発売されましたα1のレビュー後編です。
前編 では秒間30コマ、8K動画、鳥瞳AF、1/400シンクロをメインにお話させて頂きましたが、今回は風景写真やステージ撮影について作例と機能説明を交えてレビューさせて頂きたいと思います。
α1の風景写真について
■使用機材:ソニー α1 + FE 24-70mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO100 SS30秒 F22 先ずは風景撮影から。この写真は私の地元、滋賀県高島市の白髭神社の湖上鳥居ですが、夕暮れ時のびわ湖と空が淡い色に包まれるシャッタータイムに撮影。前編でも触れましたがα1の発色は本当に良くて風景撮影が楽しくなります。
■使用機材:ソニー α1 + FE 24-70mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO100 SS30秒 F11 こちらも高島市での撮影です。この場所は冬になると、びわ湖岸のヨシを刈り取り春先に燃やすのですが、刈り取った後のこの場所が好きでよく撮影する場所です。刈り取られた地面のヨシが一本ずつ解像しているのは流石5000万画素の高画素機ですね。
構図を決めるのもピント合わせも、電子ファインダーが画面の四隅までクリアで視野も広いく、凄く楽でした。この発色と解像感と操作性は風景撮影が楽しくなるカメラですね。
α1のステージ撮影について
■使用機材:ソニー α1 + FE 12-24mm F4 G
■撮影環境:ISO6400 SS1/400 F4 次は舞台撮影に使用してみました。この舞台撮影は通常の公演ではなく私のSONY αアカデミー撮影講座として無観客で開催したときに撮影した写真です(無観客ですが演者さんは本気のステージを演じて頂いております)。α1の暗所性能とダイナミックレンジは、高画素機という事で期待は薄かったのですが、想像を遙かに上回る好印象でした。
■使用機材:ソニー α1 + FE 12-24mm F4 G
■撮影環境:ISO6400 SS1/400 F4
■使用機材:ソニー α1 + FE 12-24mm F4 G
■撮影環境:ISO6400 SS1/400 F4 演奏してくれたのは関西を中心に活動するバンドHEROES GSです。感度ISO6400でも暗部のノイズも少なく、ディティールもハイライトから暗部までしっかり出ており演奏中の仕草までも解像しているので、ライブの雰囲気がしっかり伝わります。
ドラムもギターも、かなり動きながら演奏しているのですが暗い場所でもAFがキッチリ追従してくれるので、フォーカスはカメラ任せで撮影出来ました。そして良く出来ていると感心したのがフリッカーレス機能でした。α1は電子シャッターやLED照明にも対応した設定が出来るので、このようなステージやスポーツの屋内撮影でも安心して使用出来るのは素晴らしい機能です。
因みに電子シャッターでのフリッカーレス機能搭載はレンズ交換式カメラとしては世界初*との事です。勿論メカシャッターでもフリッカーレス機能は搭載されておりますので、メカ/電子どちらのシャッターでも選んで使えるのは対応の幅が増えるので嬉しいですね。
* 2021年1月広報発表時点、ソニー調べ。フルサイズレンズ交換式デジタルスチルカメラにおいて
■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:ISO6400 SS1/1250 F1.6 続いてはMISS GRAND JAPAN2020ファイナリスト安藤美樹さんのステージ。女性なので設定をPTモードに変更して、コントラストとシャープネスを下げた設定で、柔らかい雰囲気に撮影してみました。この設定について以前はクリエイティブスタイルという名称で私は凄く活用していた機能なのですが、α1ではクリエイティブルックという新機能になっており、更に細かく深い設定が可能となりましたので、今後ゆっくり研究したいと思いました。
アンチディストーションシャッターについて
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor
■撮影環境:ISO200 SS1/2000 F5.6 アンチディストーションシャッターについてのレビューです。
電子シャッターを使用すると高速で動く動体は変形して描写されてしまうのですが、α1にはα9 IIより約1.5倍の歪みを抑えたアンチディストーションシャッターが搭載されています。
そもそも電子シャッターにアンチディストーションシャッター機能が搭載されているカメラ自体が少なく、秒間のコマ数がメカシャッターを上回っても実質作品撮りとして使用するのが難しいカメラが多い中、SONYはα9よりアンチディストーションシャッターを搭載しており、その機能が更に進化したという事で、試す他有りません。
私がこの機能に拘る理由として前編でレビューさせて戴いたような野鳥等、サイレント=電子シャッターが必須と思える環境下での撮影において、メインカメラとして選ぶ際に最重要項目でも有るからです。
■使用機材:ソニー α1 + FE 24-70mm F2.8 GM
■撮影環境:ISO6400 SS1/32000 F2.8 この写真は仕事で京都から大阪に移動する際に、阪急電車の特急の車窓から通過駅を通過中にシャッタースピード1/32000で連写した内の一コマです。通常このような撮影で電子シャッターを使用すると駅の看板や柱が傾くのですが、この写真を見る限り殆ど歪みを感じません。
併せてシャッタースピード1/32000での撮影なので停車中の車窓に見えると思いますが、先にも書きましたが特急電車が通過中の駅を走行中に撮影した写真です。駅の看板までクッキリシャープに読めますので解像感も凄くて驚きました。
VIDEO
■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM
そのまま電車を降りた十三駅にて阪急電車の出発を4K120fpsの動画で撮影しました。前編では8K30fpsでのコハクチョウの飛び立つシーンの動画を掲載しておりますので、そちらと見比べて欲しいです。
解像感では当然のことかもしれませんが、8K30fpsが勝っております。しかし動体撮影のスムーズな動きではこちらの4K120fpsが勝っており、撮影者のイメージと被写体に合わせた設定をする必要が有ると思います。この動画では阪急電車が停車状態から出発して徐々にスピードを上げていくところの描写に120fpsの良い部分が出ていると思います。
ピクセルシフトマルチ撮影について
■使用機材:ソニー α1 + FE 24-70mm F2.8 GM こちらはピクセルシフトマルチ撮影機能を使用して撮影した写真(上)と通常撮影(下)の比較です。ピクセルシフトマルチ撮影機能を使用した方の写真は、撮影時に4枚合成と16枚合成が選べるのですが、16枚7億9626万画素の情報から1億9900万画素の画像を生成した写真になります。
パッと見ただけでも色の再現性と質感描写には違いを感じますが、解像感については元々が5000万画素の写真なので下にこの写真を拡大した物を掲載させて頂きます。
■使用機材:ソニー α1 + FE 24-70mm F2.8 GM こうして拡大するとピクセルシフトマルチ撮影を使用した写真の方が、葉の葉脈部分のような細かなところまで解像している事が良く解りますね。
今回、α1のピクセルシフトマルチ撮影はフラッシュ同調速度1/200での使用が可能となりましたので、より環境に左右されずに撮影ができ、かなり身近な機能になってきたと思います。
さいごに
SONYの新しいフルサイズミラーレス一眼のフラッグシップ機α1について前編と後編に分けてレビューさせて頂きましたが、それでもお伝え出来なかった機能が沢山あり本当に凄いカメラが出てきたと思います。
私のように被写体を選ばずノンジャンルに撮影する者にとって、α1はどのような被写体を撮影する時でも高次元で答えてくれる本当の意味で万能機だというのが率直な感想です。今回は短い期間で出来る限り多種のジャンルの撮影をしてみましたが、思い返せばもっと他の機能も使えば良かったかもと思う所が多いので、これからゆっくりと時間を掛けて確かめながら最適な設定を見つけて、更に自分の表現に繋げたいと思います。
最後にもう一点機能のお話。上の写真のようにα1は電源OFFの状態でシャッター幕が閉じる設定に出来るようになりました。レンズ交換時に埃が直接イメージセンサーに付着することを大幅に削減できる事はレンズ交換で気持ちが楽になりましたので大歓迎な機能です。でも閉じている部分はシャッター幕本体なので絶対に触ったりしないように注意して下さいね。
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員
「α1」はこちらの記事でも紹介されています
■前編記事
ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480563123.html
■ソニー α1 レビュー|スポーツ撮影現場で使ってみました!(坂井田富三)
https://shasha.kitamura.jp/article/480653303.html
■ソニーストア銀座での取材記事
ソニー フルサイズミラーレス α1|新次元フラグシップモデルが登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/479818915.html
特集ページ
α1特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひ
コチラ の特集ページも合わせてご覧ください。
この記事に使用した機材
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんによる、SONYの新製品「α1」の製品レビューです。前編と後編に分けた全2回のレビュー。後半は主に風景写真やステージ撮影について作例と機能説明を交えてレビューいただきます。
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KEYWORDS:
ソニー,α1,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ネモフィラ・ポピーの撮り方|北村佑介
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 03/27/2021 16:00:00
TAGS: 花
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はじめに
こんにちは!北村です!この記事が公開される頃は桜に夢中になっている頃でしょうか。暖かい日も多くなり、いよいよ春本番です。最もたくさんの花が咲く季節の中で今回は、ネモフィラとポピーの撮り方を紹介させていただきます。
ネモフィラを撮る
もう少しで見頃になる所も多いのではないでしょうか。ネモフィラは、密集度が高いところが多く、前ボケ・後ろボケが作りやすいです。色と形が比較的はっきりしていて、サイズも可愛らしいのでとても撮りやすい花の一つと言えるでしょう。基本を学ぶのにぴったりな花なので、好きな方には勿論のこと、普段花を撮る機会が少ない方にもとてもおすすめです。
柔らかい夕陽に照らされたネモフィラ畑で
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO200・1/1600秒
柔らかい夕陽に照らされたネモフィラ畑で、光の方へ向かって咲いているように見えた一本を撮りました。とてもとてもお気に入りの一枚なのですが、ミスが一つありました。ミスしたことはあまり言いたくありませんが、皆さんのお役に立つかもしれないので共有させていただきます。ISO200で撮影してしまいました…。シャッタースピードも充分に確保できているため、ISOは100が適したシーンです。普段、ISOはオートで撮影しているのですが、この時は何かのタイミングでISOのダイヤルを触ってしまったのでしょう。幸いにもそこまで大事には至らないミスではありましたが、皆さんも設定には充分にご注意をしてください。良いシーンに出会った時は夢中で撮り続けてしまうこともあるかと思いますが、数十枚に一枚は設定が正しいか確認することをおすすめします。筆者も気を付けます。
主役には、光がより当たっている一本を選びました。そして主役の後ろには、そこまで光が当たっていない部分を選びました。そうすると、主役と後ろボケの色が被ってしまったとしても、このように光の明暗差でメリハリをつけることができ、主役を目立たせることができます。
夕暮れの強い光で照らされた一本
■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO50・1/5000秒
夕暮れの強い光で照らされた一本のネモフィラを逆光で撮りました。強い雨がやんだ直後だったので、ほとんどの花が倒れてしまっていたのですが、この一本は元気に上を向いて咲いていました。逆光で撮る際、特に光が強い朝や夕方は明暗差がとても大きいです。撮影時に、花の色と脈が残っているか、白とびさせてしまってはいないかをしっかりと確認しましょう。
また、明暗差が大きいシーンで撮影した写真は、可能であればハイライト部とシャドウ部だけでもレタッチすることをおすすめします。撮って出しだと、ハイライト部とシャドウ部の階調を両立させることが通常よりも難しいためです。そして、この時の光はオレンジ色を多く含んでいたため、ホワイトバランスをカスタムで4100ケルビンまで下げ、ネモフィラとその周りの色がイメージ通りになるように調整しました。それにしても雨上がりの夕暮れの中で撮る花は、また一段と綺麗ですよね。そう何度もあるシーンではありませんが、タイミングが合えば是非狙ってみてください。
満開のネモフィラ畑での1本
■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO50・1/8000秒
満開のネモフィラ畑で可愛らしい形をした一本を見つけました。前ボケの部分は元は青一色のネモフィラなのですが、主役とのメリハリをつけるために、青と相性の良い黄色をレタッチで足しました。青空の色もネモフィラととても似ていたため、レタッチで少し変えました。青空の中で撮ったネモフィラの写真は青一色となりやすいです。一つの色で統一されて綺麗な反面、単調になってしまいやすいです。撮影時に他の色の花をボケに使ったり、レタッチで他の色を足したりしてみても面白いかもしれません。ちなみに青と黄色は補色に近く、メリハリが付きやすいのでおすすめです。青と黄色でメリハリをつける際は、お互いの色を強くしすぎないことがコツです。
引いて花畑を撮影
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/6400秒
今度は満開のネモフィラ畑を、引いて花畑として撮ってみました。オレンジのカリフォルニアポピーの前ボケがいいアクセントとなってくれました。前ボケと後ろボケが青一色で単調だったため、周辺光量落ちの補正をオフにし、四隅を暗くしてムラを作りました。開放で撮った花の写真はボケの部分が多いため、単調になってしまうことがしばしばあります。そういう時、周辺光量をわざと落としてムラを作るとグラデーションが生まれるので、機会があれば是非やってみてください。撮影後、補正オンへの戻し忘れには注意です。
ポピーを撮る
咲いている場所も多く、種類ごと色ごとにそれぞれ良さがあるポピー。これから見頃のところも増えてくるのではないでしょうか。色々な撮り方ができるポピーですが、今回は少し寄って主役に注目した撮り方と、引いて主役以外も取り入れた撮り方の2パターンをご紹介したいと思います。
アイスランドポピー畑でこちらを向いている一本
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM
アイスランドポピー畑でこちらを向いている一本を見つけました。ポピーは、横向きを撮っても後ろ向きを撮っても花の形の良さが伝わりますが、やはり正面が一番花の良さが伝わります。正面を撮ることができるシーンを見つけたら、積極的にチャレンジしてみてください。花は多くのシーンで太陽の方を向くので、花を撮るのに適している逆光で撮る、となるとなかなか正面を撮ることができません。ただこれだけ咲いていると中には正面を向いている花もあるので、根気よく探してみてください。
沈む前の夕陽を背にした黄色のアイスランドポピー
■撮影機材:ソニー α7III + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:絞り優先・50mm・F1.4・ISO100・1/1600秒
沈む前の夕陽を背にした黄色のアイスランドポピー。50mmの単焦点レンズ、開放のF1.4で撮りました。長い焦点距離のレンズと比べると、50mmや35mmといったレンズはボケが少なめで色々なものが画角に入ってくるため、主役を見つけづらく感じるかもしれません。この写真は地面付近から煽って撮影したのですが、そうすると背景が空となり、主役にしやすい背の高い花が見つけやすくなります。煽ることによって花の高さのバラつきが顕著になり、見つけやすくなるというのもあります。花畑で主役が見つかりづらい時は思いっきり煽って撮影してみましょう。普段と異なるアングルで撮ると、新たな発見があるかもしれません。
毎年訪れるポピー畑で
■撮影機材:ソニー α7III + シグマ 135mm F1.8 DG HSM Art ソニーEマウント用
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/8000秒
毎年訪れるポピー畑ですが、この写真を撮った日は咲き具合も天候もとても良く、未だに思い出深い一日となっています。この写真も、地面付近から煽って主役を見つけて撮りました。夕陽を背に逆光で撮影しましたが、太陽を入れると空に白とびする部分が出てきてしまいます。その撮り方が良くないというわけではありませんが、このように太陽の光の下の部分を、写真の一番上に入るか入らないかくらいの場所に配置して撮ると、強い光が差し込んでいる印象を保ちつつ白とびも最小限に抑えられます。カメラを構えた後にアングルの微調整を行い、お気に入りの光の入れ方を見つけてみてください。
満開のポピー畑の端っこで
■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF200mm F2.8L II USM
■撮影環境:絞り優先・200mm・F2.8・ISO100・1/500秒
満開のポピー畑の端っこで、つぼみと会話しているかのような一本を見つけました。花とつぼみが会話しているイメージを最優先にしたかったため、ベストなアングルやボケを少し犠牲にして、余計なものは入れない構図を選択しました。露出を大きく下げて、光が当たっている部分をわかりやすくし、ストーリー性を強調しました。露出を下げて花を撮る際は、光が当たっている部分以外は見えなくなってしまうくらいに下げるのがおすすめです。
さいごに
いかがでしたでしょうか。ネモフィラとポピーの撮り方としてお伝えしましたが、この記事は足元に咲く色々な花にも応用できる内容がたくさんあります。是非お気に入りの花を撮る際に、この記事の内容を生かしていただけたら嬉しいです!今回もどうもありがとうございました!
■写真家:北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
この記事に使用した機材
【シグマ】135mm F1.8 DG HSM Art ソニーEマウント用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんにネモフィラとポピーの撮り方を紹介頂きました。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ネモフィラ,ポピー,花,撮影テクニック,
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー α1 レビュー|スポーツ撮影現場で使ってみました!(坂井田富三)
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 03/29/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,α1,スポーツ,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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はじめに
ソニーフラッグシップ機「α1」は色々な意味で筆者の予想を超えてきました。それは連写性能だったり、画素数だったり、そして価格だったり(笑)。正直に言うと購入するにあたり、ここまでの機能が本当に筆者に必要なのか凄く悩みました。
現在、筆者はα9・α7RIV・α7RIII・α7C・α6400を所有しており、スポーツや動く被写体を撮影する時はα9をメインに使用し、風景を撮影する時はα7R IVをメインに使用するなど撮影用途によって使い分けています。またα9 IIが発売された時に、α9から移行しなかったのは自分の必要とする要素が無く導入を見送り、将来のα9 II後継機を期待して待つことにしました。
今回発売になったのは新しい型番の「α1」。発表されたスペックをみている段階では、すぐの導入を見送ろうと考えていました。しかし実際に手に取って触ってみると、その思いはすぐに変わりました。α1の高機能に触れると、今使っているカメラに物足りなさを感じるようになりました。今回は筆者が今まで使ってきたα9との比較を交えて、スポーツ撮影などの動体撮影をメインにα1を紹介します。
α1の魅力的なスペックを確認:画素・連写性能など
α9では、カメラ有効画素数約2400万画素で電子シャッターを使ってブラックアウトフリーで最高約20コマ/秒の連続撮影が可能でしたが、α1は、有効画素数約5010万画素で電子シャッターを使ってブラックアウトフリーで最高約30コマ/秒の連続撮影が可能になりました。
α1の画素数
α1の有効画素数約5010万画素は、撮影後のトリミング耐性に余裕を与えてくれる画素数。このスペックにはとても魅力を感じています。というのもα9使用時はAPS-Cモードを使用すると約870万画素(3936x2216ピクセル)となるためAPS-Cモードを使用する事はほぼありませんでしたが、α1はAPS-Cモード(焦点距離1.5倍)で撮影しても約2100万画素(5616x3744ピクセル)で撮影できα9に近い画素数を維持する事が可能で、スポーツ撮影などで望遠側を補足するのに積極的に使用する事ができる画素数となりました。
しかし良い事ばかりではありません。ここまでの大きな画素数になると1コマのファイル容量も大きくなり、使用するメディアの容量も余裕のあるもの、そして書き込み速度の速いもので無いと連写性能に影響が出てきます。カメラボディも高額ですが、使用するメディアのスペックも要求されます。また1コマデータ容量が大きくなる為、画像保管や画像処理をする為のパソコンやハードディスクのスペックアップも要求される事になります。
α1の連写性能
この画像はα1で、RAW(圧縮)+JPEG(エクストラファイン)で連写撮影したRAWデータを一覧表示したものです。赤枠で囲まれたデータが、撮影時間16時5分17秒の1秒間に撮影されたデータでちょうど30コマになります。
電子シャッターによるブラックアウトフリー撮影で、実際にシャッターを押して撮影している段階では、α9の20コマ/秒とα1の30コマ/秒の10コマ/秒の差を体感する事は出来ませんでした。ただ、実際撮影したデータをパソコンに取り込んで見てみると、明らかにα9で撮影したデータよりもα1で撮影したデータの方が、狙い通りの瞬間を撮影できている確率が上がっているのが分かりました。
ボールインパクトの瞬間の前後もしっかりと収める事ができているので、1秒間に撮影できる枚数が1.5倍になっているのはとても凄い事なんだと感じます。1秒間に30コマというのは、ほとんど動画の様なもので、それを約5010万画素で撮れるという事は驚異的だと思います。
■撮影機材:SONY α1 + FE400mm F2.8G
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α1 + FE400mm F2.8G
■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF3.2 ISO800 焦点距離400mm
もちろん30コマ/秒までの連写が必要無い場合は、ドライブモードのHi、Mid、Loそれぞれに20コマ/秒、15コマ/秒、5コマ/秒を割り当てることが可能です。
α1のシャッター速度・感度
この写真は、α1の性能を確認する為にシャッター速度1/32000秒・ISO感度を3200まで上げて撮影した写真です。実際にはシャッター速度1/3200秒も必要とするシーンではありませんでしたが試してみました。ISO感度3200なので少しノイズが発生しているものの問題の無いレベルで、スポーツ撮影する上でシャッター速度を稼ぎたい場合、室内競技などの少し暗い環境などで積極的に使用できる範囲です。
■撮影機材:SONY α1 + FE400mm F2.8G
■撮影環境:シャッター速度1/32000秒 絞りF3.2 ISO3200 焦点距離400mm
今回は屋外でのスポーツ撮影でしか試すことができませんでしたが、室内スポーツで強力な武器になる機能がα1には搭載されています。
α1には、世界で初めて電子シャッターでフリッカーレス撮影が可能になりました。電子シャッターでフリッカーレス撮影が可能になったことで、蛍光灯などの人工光源下においてもブラックアウトフリー撮影、最大120回/秒の演算によるAF/AE追随、最高30コマ/秒連写、サイレント撮影など、照明環境を気にすることなく電子シャッターならではの機能を使用できるようになりました。室内体育館などのスポーツ競技でフリッカーに悩まされてきたカメラマンにとっては、とてつもなく朗報な機能です。また音楽関連や舞台撮影においても、フリッカーレス撮影&サイレント撮影の組み合わせは鬼に金棒といった感じです。
α1の魅力的なスペックを確認:使用メディアによる性能の影響
ここで実際にメディアによってどの程度連写性能に影響がでるか試してみました。α1のメディアスロットは2スロットあり、どちらのスロットもSD(UHS-I/II対応)カード、CFexpress Type Aカード用マルチスロットになっています。
【左】CFexpress Type A:最大書き込み:700MB/s、最大読み出し:800MB/s
【中】ソニー TOUGH SDXC UHS-II:最大書き込み:299MB/s、最大読み出し:300MB/s
【右】サンディスクのエクストリーム プロ SDXC UHS-I:最大書き込み:90MB/s、最大読み出し:170MB/s
α1の連写性能を最大限に活かすためには、CFexpress Type Aカードが必要です。SD(UHS-I/II対応)カードでは、残念ながら連写性能の最大限の能力を引き出すことが出来ません。
VIDEO
RAW+JPEG(エクストラファイン)約66.4MBでメディア「CFexpress Type A」カードに連写した状況です。シャッターを押して5秒弱あたりで本体バッファが一杯になり、メディアに書き込みながら連写していきます。このタイミングで連写の速度が遅くなります。秒30コマが可能な状態は約5秒程度と推測されます。
VIDEO
RAW+JPEG(エクストラファイン)約66.4MBでメディア「SDXCカード TOUGH SF-G」シリーズに連写した状況です。シャッターを押して5秒弱あたりで本体バッファが一杯になり、メディアに書き込みながら連写していきます。ここまでの状態はCFexpress Type Aカードとほぼ同じ状況で秒30コマの撮影ができますが、ここからメディアの書き込み速度が多く影響してきます。メディアに書き込む速度がCFexpress Type Aカードに比べて遅いために、本体バッファがなかなか開放されず連写速度が大きく低下してきます。
VIDEO
RAW+JPEG(エクストラファイン)約66.4MBでサンディスクの「エクストリーム プロ SDXC UHS-I」カードに連写した状況です。シャッターを押して5秒後あたりからメディアに書き込みながら連写していきます。書き込み速度に時間がかかりすぎて、もう連写という感じでは無くなってしまいます。この動画を見て頂ければ分かるように、α1では書き込み速度の遅いメディアで連写をするような撮影では正直おすすめはできません。
ソニーのタフシリーズの高速UHS-II対応のSDメモリーカードで比較しても、CFexpress Type Aカードは2倍以上の書き込み・読み込み速度であり、書き込み速度の速さが連続撮影等のバッファ解放時間の短縮などに貢献してくれます。α1でスポーツや動物・鳥などで連写撮影する際には、CFexpress Type Aカードを使用する事をおすすめします。
α1の魅力的なスペックを確認:AF性能
イメージセンサーの撮像画面の約92%の領域に、759点の位相差測距点が高密度に配置され、高速性と追随性に優れた位相差AFと高精度なコントラストAFを併用するファストハイブリッドAFシステムが、複雑な動きやスピードに緩急のある動体も高速に捕捉し粘り強く追随し続けるα1。
α9/α9IIで最大60回/秒の演算によるAF/AE追随だったものが、2倍多い最大120回/秒に大きく進化し、速度変化に緩急のある被写体や、フレーミングが難しい被写体に対する追随安定性と精度がさらに向上しています。
この動画はα1撮影時のファインダー情報を書き出した動画です。
コンティニュアンスAFの動作(画面上の緑の枠)とシャッターを連写で切っている状態(画面の黒枠と左上のメディア撮影可能枚数)に注意して見て頂くとα1の凄さが分かると思います。
VIDEO
■撮影機材:SONY α1 +FE400mm F2.8G
■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離400mm
VIDEO
筆者の飼っている猫でリアルタイム瞳AF(動物)の動きをチェックしてみました。
α1は、従来の機種の瞳AFよりさらに動物の瞳認識精度が向上していると実感できました。演算処理が2倍になっている事により、精度の向上とAFの追随が確実に進化しています。
VIDEO
■撮影機材:SONY α1 + FE35mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF2 ISO1600 焦点距離35mm
下の写真は、この2021年春で退役する航空自衛隊の戦闘機F4JファントムIIです。あいにくの曇り空でしたが、ホッケーの練習風景の取材場所の近くで飛行していたので撮影をしてみました。
FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSのレンズに2倍のテレコンバーターを装着し焦点距離1000mmでの撮影です。テレコンバーターを使用する事によって絞りF13になってしまいますが、α1ではAF追随の絞り上限がF22(α9はF16)までの対応しているので問題なくAF追随しました。
また、FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS + 2X テレコンバーター(SEL20TC)の組み合わせでも秒30コマの撮影ができており、その凄さを実感することができました。
■撮影機材:SONY α1 + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS + 2X テレコンバーター(SEL20TC)
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF13 ISO800 焦点距離1000mm
まとめ
α1を使用する前にあった懸念点は、まったくの杞憂に終わった。それどころか一度α1を使ってしまうと、今まで使っていたα9が物足りなく感じてしまっている自分がいます。α1はソニーのフラッグシップ機として、圧倒的な性能を持っているのは間違いありません。これからいろいろなシーンでの撮影が楽しみな1台。次回はもう一つの撮影テーマ、風景写真を中心にα1の魅力をレビューしたいと思います。
撮影協力:ソニーHC BRAVIA Ladies(ソニー・ホッケークラブ・ブラビア・レディース)
https://www.sony-global-mo.co.jp/hockey/
■撮影機材:SONY α1 + FE400mm F2.8G
■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF3.5 ISO1600 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α1 + FE400mm F2.8G
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO1600 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α1 + FE400mm F2.8G
■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF4 ISO6400 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α1 + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS + 2X テレコンバーター(SEL20TC)
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF13 ISO800 焦点距離1082mm
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
「α1」はこちらの記事でも紹介されています
■ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480563123.html
■ソニー α1 レビュー(後編:風景・ステージ撮影)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480649337.html
■特集ページ「他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介」
https://shop.kitamura.jp/special/sale-fair/camera/feature/sony/a1/
この記事に使用した機材 【ソニー】 CEA-G160T CFexpress TypeA メモリーカード 160GB
商品詳細ページ 【ソニー】 TOUGH SF-G128T SDXCメモリーカード Class10 (UHS-II) 128GB
商品詳細ページ
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写真家の坂井田富三さんがソニー α1のレビューを行っています。動きの多いスポーツ写真の撮影で検証していますので是非ご覧ください。
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO Art|描写性能も演出力も想像以上
BASENAME: 480733588.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 03/30/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,105mm F2.8 DG DN MACRO | Art,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
「日常さえも想像以上」をキャッチコピーとして昨年発売された「105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」は、シグマのミラーレス専用Artライン初のマクロレンズです。Artラインらしく光学性能最優先で設計された本レンズは、描写性能と表現力を重要視して開発されているので、とにかく作り出される画が綺麗なのが特徴です。今回は、本レンズのレビューを、静止画と動画のポートレートでお送りします。
どこまでも寄れるポートレートレンズ
■撮影機材:SIGMA fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO2000 WB5300K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
マクロレンズというと、接写をしなくてはいけないような気になってしまうかも知れませんが、画面中央から周辺部までしっかりと描き出す高い解像力と、軸上色収差を抑えた雑味のない素直な描写の本レンズは、ポートレート撮影でも十分に活躍してくれるスペックです。寄りたくなったときにどこまでも寄れる中望遠レンズとして使用すると、撮影者の撮りたい気持ちに寄り添ってくれる、頼れるパートナーとなります。
ピントを合わせたところのシャープさはさすがで、シャキッとまつ毛と二重のラインをシャープに描き出してくれています。そこからなだらかに、そして自然にボケていくのが、本レンズがポートレートに最適なレンズだと筆者が感じる由縁でもあります。
ポートレート風ショートムービー
VIDEO
■撮影環境:カラーモード「ポートレート」 三脚使用
■モデル:成沢紫音
マクロレンズの「どこまでも寄れる」が、このムービーの撮影にはさらに便利でした。最短撮影距離が29.5cmなので、手元や目のアップなど、自由度の高い撮影が行えます。今回は大きなボケ味を楽しみたかったので、全編絞り開放で撮影しています。
空気感を自然に描き出す演出力
■撮影機材:SIGMA fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/2.8 1/30秒 ISO200 WB5300K カラーモード「ポートレート」 三脚使用
■モデル:成沢紫音
筆者は本レンズのSample photo galleryの作例を担当したので、本レンズとのお付き合いはかなり長いです。使い始めからシグマらしいなと感じていたのが、空気感まで描き出す演出力でした。
もともとがマクロレンズ好きな筆者は、物でも人でも最短撮影距離の撮影はよく行うのですが、そのときに重要になるのが、背景の描写をいかに丁寧に仕上げてくれるかだったりします。ピントが合っている面がしっかりとシャープに描かれているのは当然として、その背景のボケが不自然だったり雑味があると、全体のムードが台無しになってしまいます。そこを空気感として、構図内に存在させることが自然にできるのが本レンズです。
ピントが合っている面はもちろんですが、合っていない隅々までを、ぜひしっかりご覧になっていただきたいのとともに、本レンズのオーナーになると、何をどのようにボカそうかを今までよりも考えるようになるので、絞り開放の撮影がさらに楽しくなります。
便利なフォーカスリミッタースイッチ
■撮影機材:SIGMA fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/3.2 1/160秒 ISO800 WB5300K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
レンズボディにはフォーカスリミッタースイッチがあり、0.295m-0.5m、0.5m-無限遠、FULLの3つの切り替えができます。被写体との撮影距離によってスイッチを切り替えることによって、思わぬところにピントが合ってしまうことを減らしたり、AFが迷子になる確率を下げることができます。
特に抜けのある構図で、ピントを合わせたい被写体に明暗の差が少ないこの作例のような撮影では、フォーカスリミッタースイッチを使用すると、ストレスなくピント合わせが行えるのでお勧めです。
AFは静かで速さもあるので、通常の撮影では困ることはありませんが、小さな被写体や、強すぎる逆光時には多少迷子になることもあります。三脚が使用できるのでしたら、カメラの背面液晶画面で拡大表示をしながら、MFでピント合わせをするほうが早い場合もありますので、被写体や撮影状況によってAFとMFを使い分けるといいでしょう。
画面の隅々まで綺麗に描き出す描写性能
■撮影機材:SIGMA fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/2.8 1/60秒 ISO400 WB5300K カラーモード「ポートレート」 三脚使用
■モデル:成沢紫音
通常は、フットワークを重視してポートレートの静止画撮影時に三脚は使用しないのですが、今回は同時に動画を撮るために三脚を使用していたので、いつもは撮らないようなカットも多く撮っていたなと、あとになってから気が付きました。
少し下を覗き込むようなこのカットは、背伸びをした猫目線。プロフィール写真的にいうと、もっと顔色を明るく仕上げたいところですが、丸くすぼめた手の向こう側に丸ボケが見えているのが綺麗だったり、右足の膝に当たる光が輪郭を綺麗に縁取っているところを見ると、ムードを重視したくなりました。
アップの構図にすることによって、画面周辺部の髪の毛一本一本も、繊細にしっかりと描かれているのが見て取れると思います。
素直なボケ味は印象的なシーンを作り上げてくれる
■撮影機材:SIGMA fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO2000 WB5300K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
素直なボケ味が活きるのが、ポートレートではモデルの体を使って奥行き感を出したいこんなシーンです。
ピントはモデルの目に、そこから前にある手、さらに前に伸びる足へとボケが大きくなっていく。人間の体なので、ここが雑なボケ方をしていると途端に美しくない画となってしまいます。肌色の微妙な色味のグラデーションと、自然な優しいボケが合わさることで、人物を印象的な立体感で描くことができます。
取り回しのいいコンパクトサイズ
■撮影機材:SIGMA fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO2000 WB5300K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
レンズの外観はスッキリとした筒型で、ピントリングの溝が大きいのが気に入っています。ピント調節のためというよりも、手持ちでの撮影のときにしっかりとホールドしやすいからです。ボディサイズも、これで105mmなら十分でしょうという小ささで、SIGMA fpのコンパクトボディに装着しても、片手で取り回せる軽さです。レンズフードは丸型でしっかりと深みがあります。
また、レンズボディに付いている絞りリングロックスイッチは、A以外の位置でONにするとAの位置に入らなくなるので、手が滑って絞りがオートになってしまうような事故が防げますので、撮影時は使用をお勧めします。
「もっと寄りたい」を叶えてくれるレンズ
■撮影機材:SIGMA fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO2000 WB5300K カラーモード「ポートレート」
■モデル:成沢紫音
主に水族館での撮影に使用していた本レンズですが、中望遠のハイスペックレンズとして、ポートレート撮影に使うと、さらに撮影が楽しくなるレンズだとあらためて実感しました。サイズもコンパクトなので、外での撮影でもモデルと周囲に威圧感を感じさせません。
テーブルフォトや花だけではなく、心惹かれる被写体に「もっと寄りたい」を叶えてくれる描写性能、演出能力の高いレンズとして、これからも出番が増えることでしょう。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
「105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」はこちらの記事でも紹介されています
■シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO Art レビュー | 待望のミラーレス専用Artライン マクロレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/478155335.html
この記事で紹介した機材
【シグマ】105mm F2.8 DG DN MACRO Art ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】105mm F2.8 DG DN MACRO Art ソニーE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがシグマ「105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」のポートレート撮影での実力をレビューしています。本レンズの作例と共に評価を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ(Sigma) レンズ,105mm F2.8 DG DN MACRO | Art,人物_子供
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ペンタックス K-3 Mark IIIレビュー|待望のAPS-C一眼レフ フラッグシップ機が遂に登場!
BASENAME: 480766272.html
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 03/31/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,レビュー,K-3 mark III,水族館,デジタル一眼レフカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
PENTAX(ペンタックス)ブランドのAPS-C一眼レフ フラッグシップ機K-3 Mark IIIがいよいよ登場します。2019年に開催されたPENTAX 100周年記念イベントでの開発発表より早1年半が経ち、今か、今かと待ちわびたファンも少なくないはず。CP+2021もオンライン開催であったため実際に機材に触れることができなかったこともあり、「待ちに待った!」と私も声をあげて喜びたいほど期待度の高いK-3 Mark III。多機能、高性能な本機で撮影した感触をいち早く皆さんにお届けしたいと思います。
外観「操作ボタン・ダイヤルと秀逸なグリップ」
メーカーの開発発表やリリースなどで既にご存じの方も多いと思いますが、実際に手にしてみると、その見た目と佇まいにやる気と男らしさを感じます。サイズ感も程よく、ボディサイズは前代のK-3 IIとほぼ同等のサイズになり、機能を凝縮した上でこの小型サイズは、取り回しの良さと機動力を両立しています。
筆者の使用頻度の高いHD PENTAX-FA35mmF2を装着しています。
レンズ接続部側面にSRボタン、RAWボタン、フォーカス切替レバーに加えAFモードボタンが装備されました。AFモードボタンを押しながら後電子ダイヤルを回すことでAFエリア選択が可能に。また、背面にあるボタンも含めボディ外側にある10個のFxボタンには、29の機能から撮影者の使いやすい仕様に割り当てることもできます。
天面にはサブ液晶パネルを採用。ダイヤルにはユーザーモードを5つ設定可能。静止画/LV/動画切替ダイヤル、露出補正ボタン、ISOボタンも天面に配置されています。
上から見るとアイカップが背面に飛び出していますが、このことによりファインダー内を深くのぞき込む感覚が得られ、まるで部屋の中から外を見ているような明るさです。ファインダー視野率はフルサイズ機に匹敵する約1.05倍。自分だけが見つめる視野を的確に切り取ることを可能にしています。一眼レフのパイオニアとして「ファインダーを覗いて撮る」という当たり前である行為にこだわりを感じます。
本体のみで約735g(バッテリー、SDカードを含むと約820g)の質量となりますが、グリップのホールド感の良さが重量を感じさせません。このグリップの形とホールド感については様々な人の手形をサンプリングし、1/100mmという単位で調整しながら評価を行い、握りやすさを追求しているとのこと。撮影に集中できる握り心地と共に、ボタンやダイヤルの操作感の良さは撮影にストレスを感じさせません。前傾しているシャッターボタン位置も、人差し指が自然にポジショニングされる角度でフィットし、軽く押し込むだけで写せるシャッターフィーリングが心地よく、撮影することの楽しみを感じられます。
SDカードスロットは2つ。バッテリーは、従来機種と互換性のある充電式リチウムイオンバッテリーD-LI90Pを採用。充電式バッテリーへの充電のほか、USB Type-Cケーブルからカメラ本体への電源供給(専用ACアダプター使用)も可能となっています。
大幅に変更されたユーザーインターフェイス
カメラの機能を操作する入口となっているユーザーインターフェイスが大幅に変更されました。
撮影時の液晶画面:撮影者が設定した内容が表示される。
MENU画面:左側上から 静止画設定 /再生 /カスタマイズ /セットアップ。動画撮影時には動画設定となる。
MENUボタンから入るとGRIIIに似たデザインと仕様になっています。設定操作は十字キーあるいはタッチパネルで直感的な操作が可能。“従来通り”ではなく、機能・操作も含め“新しいカメラ”であることをまずは実感するはずです。
スマートファンクションボタン・ダイヤルのカスタマイズ
K-1/KPで搭載しているスマートファンクションが一新され、スマートファンクションボタン(S.Fnボタン)とスマートファンクションダイヤル(S.Fnダイヤル)で構成されています。シャッターボタンと連動するような指の動きで操作できるのが特徴的です。
S.Fnへの機能の割り当ては、MENUのC(カスタマイズ)画面から。撮影者の好みで最大5つの機能を設定できます。選択している機能はファインダー内にも点滅表示されます。
筆者の場合、S.Fnボタンには外部ボタンに設定されていないAF設定を、またKPでの操作の慣れもあり露出補正もS.Fnダイヤルで操作できるように割り当て、測光モードも加えています。こうしてMENUに入り込まなくてもすぐ使いたい機能が操作できるS.FnボタンとS.Fnダイヤルは、撮影スタイルや被写体に合わせカスタマイズし、自分のカメラにしていくプロセスを楽しむところにPENTAXらしさを感じられます。
最高ISO感度1600000とパフォーマンスの高い連写性能
裏面照射型センサーに加え、新たに開発された画像処理エンジンPRIME VとアクセラレーターユニットIIにより実現可能となった最高ISO感度1600000という驚異的な数値。高感度性能が高まったことによりISO3200は常用感度となり、明暗差のあるシーンでもシャドーノイズや潰れはほとんど見られず、しっかりと写し込めます。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III/ smc PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM(焦点距離16mm)
■撮影環境:SS1/80秒 絞りF2.8 ISO3200 WBオート 露出補正-0.7
■カスタムイメージ:人物
連続撮影(H / 最高約12 コマ/秒)では軽快なシャッターに快感を覚えます。高感度ISO25600で連写撮影を行いましたが、被写体の描写は自然でノイズだけが浮き立つようなことはなく、また画面周囲の暗部までしっかりと写し込めています。カラーノイズの発生を抑える優れた画像処理はこうしたコントラストの高いシーンで感じられることでしょう。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III/ smc PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM(焦点距離50mm)
■撮影環境:SS1/500秒 絞りF2.8 ISO25600 WBオート 露出補正-0.7
■カスタムイメージ:ナチュラル
連写撮影重視なら転送速度の早いSDXC・UHS-I規格のSDカードを使用するのがベスト。書き込みするときにもスムーズで、PCへの転送速度も早く快適に作業ができます。
5軸5.5段の手ぶれ補正も抜群
センサーシフト方式ボディ内手ぶれ補正は5軸 5.5段分の補正効果で、撮影シーンに応じて「オート/流し撮り/オフ」と切替えが可能。重量のある本機には必要不可欠であり、普段三脚を持ち歩かない撮影スタイルの筆者にとっても心強い機能です。
柵にカメラを固定し、メリーゴーランドの光跡を捉えてみました。長秒撮影時も手ぶれ補正機能により三脚を使用できない場所での撮影にも効果を発揮します。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III/ smc PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM(焦点距離16mm)
■撮影環境:SS1.6秒 絞りF8.0 ISO200 WB日陰
■カスタムイメージ:リバーサルフィルム
また、街中のスナップ撮影でも手ぶれ補正は優位な機能。一般的に手ぶれ補正は望遠レンズで効果が発揮されるものと思われていますが、実は広角・標準域でもブレと認識が難しい程度の微ブレは起こしやすいもの。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III/ HD PENTAX-FA35mm F2
■撮影環境:SS1/13秒 絞りF4.5 ISO400 WB日陰
■カスタムイメージ:ほのか
ここでは、画面奥にピントを置き、手前を通行する人をブラすように表現しています。こんなシーンにも手ぶれ補正は有効。ナイトスナップや室内撮影などでもしっかりブレを押さえ込んで写すことができる手ぶれ補正と高感度によって、撮影領域とともに表現域がグッと広がります。
階調表現豊かになったカスタムイメージ
色の美しさに定評があり、フィルムを交換する感覚で画づくりを変えられるカスタムイメージは13種。画像処理エンジンPRIME VとアクセラレーターユニットIIは、複雑な画像処理を高速に行うだけでなく、解像性能や画作りに大きく影響しています。
筆者が撮影時、一番に感じ得たことは質感描写へのこだわりと階調表現の良さです。好んで使用しているカスタムイメージ「ポップチューン」は比較的トーンジャンプや色飽和を起こしやすい彩度の高い色ですが、色の繋がりがよく階調が美しく滑らかになっています。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III/ HD PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED WR(焦点距離210mm)
■撮影環境:SS1/250秒 絞りF5.6 ISO250 WB昼白色蛍光灯 露出補正+0.7
■カスタムイメージ:ポップチューン
人工的な色、コントラストの強い光源も合焦点の切れ味のある描写と共に、ボケの馴染み方も滑らか。画質設計で大切にしていることの1つに、ISO感度が変化した時に画作りが大きく変化しないようにしているという開発者の意図を実感。APS-C一眼レフでありながらフルサイズのような描写力を発揮します。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III/ HD PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED WR(焦点距離55mm)
■撮影環境:SS1/500秒 絞りF5.0 ISO3200 WB太陽光
■カスタムイメージ:ポップチューン
その階調表現についてはモノトーンでも明らかで、質感を損なうことのないハイライトの際立ちとシャドーの引き締まり、またグレーの階調の繋がりには深みと奥行き感があります。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III/ HD PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED WR(焦点距離190mm)
■撮影環境:SS1/400秒 絞りF4.8 ISO200 WB昼白色蛍光灯 露出補正+1.0
■カスタムイメージ:モノトーン
さらに、カスタムイメージのパラメーターを調整することで画像処理ソフトに頼ることなく、今までよりも一層イメージに近い仕上がりを創り出すことができます。
カメラ内RAW現像機能がパワーアップし益々充実
既存のPENTAXユーザーはご存知のことと思いますが、カスタムイメージには自分好みの色を創り出せる楽しみがあります。そのために不可欠な機能であるカメラ内RAW現像。今回のカメラ内RAW現像はカスタムイメージのパラメーター調整はもちろんのこと、さらにデジタルフィルターをかけてアーティスティックな表現が可能に。
従来機種では設定で決めておいたデジタルフィルターをかけることができましたが、今回は、デジタルフィルターも同時に選びながら調整し付加することができ、また、その効果をプレビュー表示させながら最終決定することができるのでより一層クリエイティブな表現を楽しむことができます。
上図のようにデジタルフィルターを選びながら変更可能。また、カスタムイメージを変更するとデジタルフィルターの効果も変わります。
上記の方法で水族館をアートな世界にしてみました。ペンギンの泳ぐ水槽は人工的な印象が強く、見たままのイメージだと面白味を感じませんが、カスタムイメージの変更に加え、デジタルフィルターによってイメージの大きく異なる写真となりました。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III/ smc PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM(焦点距離37mm)
■撮影環境:SS1/100秒 絞りF2.8 ISO3200 WBマルチパターンオート
■カスタムイメージ:上)ポップチューン 下)モノトーン(ウォームトーン)+デジタルフィルター:ハイコントラスト
次にカスタムイメージをモノトーンの冷黒調(クールトーン)にし、光源が明るいものに効果的なソフトフィルターを使用してみました。水族館でありながら、プラネタリウムのようなイメージに仕上がっています。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III/ smc PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM(焦点距離16mm)
■撮影環境:SS1/25秒 絞りF8 ISO25600 WBマルチパターンオート
■カスタムイメージ:モノトーン(クールトーン)+デジタルフィルター:ソフト
肌色補正、明瞭度補正、シャドー補正、などの従来通りの調整機能はもちろん、写真にメリハリを付けながらデジタルフィルターも加えることで表現域を広げられ、アーティスティックな写真を創り出せるカメラ内RAW現像は、PEANTAX一眼レフの醍醐味とも言える機能です。
おわりに
機能満載でまだまだ紹介しきれないのですが、PENTAXが掲げる5つのステートメントに相応しいカメラとして登場する本機は、自らの撮影スタイルに合わせカスタマイズ設定を施しながら「自分のカメラ」に仕立て、使い込むほどに自分のモノになっていくプロセスまでも楽しめます。高感度領域とカスタムイメージによる描写力・解像力の高さも存分に味わえるAPS-C一眼レフ最高峰と言えるでしょう。ファインダーを覗きピントを合わせてシャッターを切る。といった当たり前のことですが、原点に立ち返り「撮る快感」を得られるAPS-C一眼レフ K-3 Mark III。まさに“フラッグシップ”に相応しい一台となっています。
参考:PENTAX 5つのステートメント
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/brand/pentax/vision/
■写真家:こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
「K-3 Mark III」はこちらの記事でも紹介されています
■ペンタックス K-3 Mark III レビュー|オールドレンズとカスタムイメージでフィルムライクな写真を味わう
https://shasha.kitamura.jp/article/481113054.html
■ペンタックス K-3 Mark Ⅲ レビュー|スナップ撮影を楽しむ
https://shasha.kitamura.jp/article/481293590.html
この記事に使用した機材
【ペンタックス】K-3 MarkIII
商品詳細ページ 【ペンタックス】DA★16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM
商品詳細ページ
【ペンタックス】HD PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 ED WR
商品詳細ページ 【ペンタックス】HD PENTAX-FA35mmF2
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんがペンタックス K-3 Mark IIIのレビューを行っています。描写力・解像力の高さやAPS-C一眼レフ フラッグシップ機の魅力について作例と共に解説していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,レビュー,K-3 Mark III,水族館
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AUTHOR:
TITLE: ソニー α7C レビュー|一度慣れるとその秀逸さに離れられなくなるカメラ
BASENAME: 480750928.html
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 04/01/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,レビュー,α7C,花,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
春。
空が青い。
近所にも桜が咲いていると聞いた。
今日は、SONY α7Cを持って撮影に行こう。
α7Cは、光学式ボディ内手ブレ補正機構搭載のフルサイズミラーレス一眼カメラでは世界最小・最軽量の約509g。バッテリーとSDカードを除けば424g。例えるならば、500mlのペットボトル飲料より軽い。そして、小さい。外形寸法は約124.0 × 71.1 × 59.7mm。
とろけるような春を撮る
α7Cは、この小ささ軽さにしてフルサイズミラーレス一眼カメラである。デジタルカメラの心臓部であるイメージセンサーは、大きければ大きいほど多くの光と画像情報を取り込むことが出来、より豊かで滑らかな階調表現やとろけるようなボケの表現が可能になる。α7Cは、一般的なスマートフォンで採用されている1/2.3型センサーの約30倍の大きさとなる35mmフルサイズセンサーを搭載している。多彩な機能でキレイな4K動画ももちろん撮影可能だ。
とろけるような春を撮った。
いろいろなレンズで撮った。
■撮影機材:SONY α7C + FE 35mm F1.8
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF1.8 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF5.6 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 90mm F2.8 Macro G OSS
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF4.0 ISO1600
■撮影機材:SONY α7C + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:SS 1/4000秒 絞りF2.8 ISO800
■撮影機材:SONY α7C + FE 90mm F2.8 Macro G OSS
■撮影環境:SS 1/50秒 絞りF4.0 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 90mm F2.8 Macro G OSS
■撮影環境:SS 1/2000秒 絞りF2.8 ISO320
■撮影機材:SONY α7C + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF1.8 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 90mm F2.8 Macro G OSS
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.8 ISO400
jpeg撮って出し。レタッチなし。
この滑らかな表現を、この小さくて軽いカメラが生み出していると思うと、すごい時代になったなあと思わずにいられない。
バリアングル液晶で自由自在に撮る
α7Cは、バリアングル液晶モニターを採用しているため、自由な角度で撮影できる。ちなみに、バリアングルとは「角度が可変な」という意味。液晶モニターの角度を自在に変えることが出来るため、特にチルト式液晶モニターでは撮りづらかった縦構図も簡単に撮ることが出来る。最近流行りの自撮りにも便利だ。
■撮影機材:SONY α7C + FE 35mm F1.8
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF1.8 ISO100
小さな山の中腹に、山吹のお花が咲いていた。
このお花を見ると春が来たなと思う。春は桜ばかりを目で追ってしまいがちだけれど、この鮮やかなイエローは、写真に春色を添える大きなアクセントになる。
液晶画面にタッチして、ピントを後ろの木々に合わせてもう一枚。
■撮影機材:SONY α7C + FE 35mm F1.8
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF1.8 ISO100
フルサイズならではの大きなボケが効いている。
同じカメラ、レンズ、露出で撮っても、ピントを合わせる位置によって全く異なる雰囲気の写真になる。
下を向いて咲くクリスマスローズのお花。カメラを地面すれすれに下ろし、バリアングル液晶をクルリと回転させて上に向ければ、ローアングルでも簡単に撮ることが出来る。
■撮影機材:SONY α7C + FE 90mm F2.8 Macro G OSS
■撮影環境:SS 1/2000秒 絞りF2.8 ISO320
風に揺れる桜。リアルタイムトラッキング機能で簡単に撮る
α7Cは、最先端AF性能を搭載し、AIを活用したリアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキングにも対応している。リアルタイム瞳AFとは、人間や動物の瞳に反応し被写体の瞳をリアルタイムで追い続けるオートフォーカス機能。リアルタイムトラッキングとは、動いている被写体をリアルタイムに追い続ける機能。ちなみに、トラッキングとは“追従”と言う意味。これにより、一度捉えた被写体を追い続け、カメラまかせでピントを合わせ続けることが可能だ。これらの機能は静止画撮影、動画撮影を問わず活用することができる。
リアルタイムトラッキング機能は、この時期、とても便利な機能だ。
と言うのも、リアルタイムトラッキングは、動き回る被写体に利用できるだけではない。風に揺れる被写体にも使える。そう、風に揺れるお花にも、効く。私は、桜を撮る時にリアルタイムトラッキング機能を使う。驚くほどピントが合い続けた桜の写真が撮れる。
この日も風がびゅうびゅうと吹いていたが、リアルタイムトラッキング機能を使い、ピントが合い続けた桜の写真がたくさん生まれた。
■撮影機材:SONY α7C + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF5.6 ISO100
この写真、レンズはFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを使用し、焦点距離は最大望遠側400mmで撮影している。さらには、設定でAPS-Cサイズに切り替えて撮影しているので焦点距離はその1.5倍、35mm換算で600mmで撮影していることになる。さらには、超解像ズーム機能を使えば、さらに2倍で撮影することもできる。
桜を撮り分けてみた。
■撮影機材:SONY α7C + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF4.5 ISO100 焦点距離100mm
■撮影機材:SONY α7C + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF5.6 ISO100 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α7C + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF5.6 ISO100
焦点距離400mm+APS-Cサイズに切り替えて撮影(1.5倍)(35mm換算600mm)
■撮影機材:SONY α7C + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF5.6 ISO100
焦点距離400mm+APS-Cサイズに切り替えて撮影+超解像ズーム2倍(1.5×2=3倍、35mm換算1200mm)
リアルタイムトラッキング機能で撮影した桜。びゅうびゅうと風に揺れる桜のお花のほとんどにしっかりとピントが合って撮れていた。一度捉えた被写体は逃さないわよ、カメラがそんなことを言っているような、カメラから意思を感じてしまうくらいしっかりとピントを追ってくれる。一昔前、全然ピントが合わない桜を長時間撮り続けて腰が痛くなったのが随分懐かしく思える。なんて撮りやすくなったのだろう。
それにしても、カメラボディ内で、APS-Cサイズで1.5倍、超解像ズームで2倍、掛け合わせると3倍の画角で撮ることができるのは本当に便利だ。単焦点レンズを使っている時は、なおさらその便利さにありがたさを感じる。そしてやはり、α7Cはフルサイズミラーレス一眼カメラだから拡大しても美しいという事が言えるだろう。
晴天。明るいレンズでボケを表現したい
晴天の下、ユキヤナギのお花が咲いていたのでレンズを向ける。太陽は私の後ろから照っている。順光。
■撮影機材:SONY α7C + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:SS 1/8000秒 絞りF1.4 ISO100
解放値f1.4の明るいレンズで大きなボケを表現したい時、晴天時だとNDフィルターを使わなければならないことが多い。ISO感度を最低、シャッタースピードを最大に速く設定しても、画面全体が白トビしてしまい明るく写り過ぎてしまうことが多いからだ。白いお花ならなおさら白トビしやすい。その場合、f値を絞るか、もしくはNDフィルターを利用して撮るかになるが、α7Cは、電子シャッターを利用時にシャッタースピードを1/8000まで設定することが出来る。
白いお花を撮影、晴天、f1.4開放でこの明るさと写りなら、ほとんどのレンズでNDフィルターを使わないで撮影出来そうだ。晴天時、大きなボケを表現した柔らかい写真を撮りたい人はぜひ電子シャッターを利用して欲しい。設定は、サイレント撮影をオンにして、シャッタースピードを1/8000などに設定すればOK。
■撮影機材:SONY α7C + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:SS 1/6400秒 絞りF1.4 ISO100
FE 35mm F1.8レンズでフットワーク軽く
「α7Cで撮る時、おススメレンズを教えてください。」
という質問が、とても多い。
ソニーαアカデミーの講師をしている時や、自身で主宰している写真教室Room5656の生徒さんたちに聞かれることが本当に多い。
約60本もあるEマウントレンズ。正直、あれもこれもおススメしたい。
でも、あえて1本選ぶなら、自分だったらどれを選ぶだろう、とじっくり考えて1本を選んだ。
FE 35mm F1.8レンズだ。
このレンズ、長さ73mmと小さく、280gと軽量。
α7Cに装着しても、フットワーク軽く撮れる。
さらにおススメなのは、最短撮影距離が22cmということ。被写体にグッと寄れる。
そして、そのボケは、とても滑らかで美しい。焦点距離35mmという標準レンズより少し広い画角で、ぐっと寄れる。
だから滑らかにボケる背景の割合が大きく撮れる。とても柔らかいテイストの写真になる。
■撮影機材:SONY α7C + FE 35mm F1.8
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF1.8 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 35mm F1.8
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF1.8 ISO100
ひゅうひゅう
風が吹くような写真を撮ることが出来る。
おわりに
筆者は歴代のSONYカメラを今までに10台以上使用してきている。現在は、仕事や作品の撮影ではα7R IVとα7Cを使用している。昨年の秋、α7Cが発売され、初めて使った時には驚いた。だって、あまりにも小さくて軽いから。このカメラで一体どのくらいのことが出来るのだろうと最初は戸惑った。バリアングル液晶も慣れないかも知れないし、妥協することがたくさんあるのかもしれないとも思った。実際、カスタムボタンなどがなく割り当てられる機能が限られることなどもある。
でも、使い始めてみるとすんなり手に馴染んだ。
そして、小さくて軽くて、使いやすい。動画は特に撮りやすい。
そして、撮れる作品たちが驚くほど美しい。ゾクゾクするくらい美しい。
むむむ。こんなに小さくて軽くて使いやすくて、美しいなんて最高じゃないかと日々思っている。
今では、どこかに出かけるときに一番出動率が高いカメラがα7Cだ。
すっかり手に馴染んでしまったα7Cから他のカメラを使うときに、割り当てたカスタム機能などが違ったりするとあれあれっと思ってしまうくらいになってしまった。
改めて、α7C、素晴らしいカメラだと思う。
一度慣れてしまったら、その秀逸さに引き込まれてなんだか離れられない魅力がある。
迷っている人には、ぜひ一度、実際に試してみて欲しいと思う。
■撮影機材:SONY α7C + FE 20mm F1.8 G
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF13 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 90mm F2.8 Macro G OSS
■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF2.8 ISO1250
■撮影機材:SONY α7C + FE 90mm F2.8 Macro G OSS
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.8 ISO400
■撮影機材:SONY α7C + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:SS 1/40秒 絞りF1.8 ISO100
春、真っ盛り。
写真を撮りに行こう。α7Cと一緒に。
■写真家:山本まりこ
理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
この記事で紹介した機材
【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ 【ソニー】FE 90mm F2.8 Macro G OSS
商品詳細ページ
【ソニー】Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
商品詳細ページ 【ソニー】Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんにソニーのフルサイズミラーレスカメラ、α7Cをレビューしていただきました。フルサイズならではの滑らかなボケを活かした、春らしい作例もご堪能下さい。
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KEYWORDS:
α7C,レビュー,ソニー,SONY
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ソニー α1 レビュー|風景撮影で使ってみました!(坂井田富三)
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 04/02/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,α1,風景,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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はじめに
前回のスペック以上の凄さを感じるソニーα1【スポーツ撮影現場で使ってみました】編 では、主にスポーツ撮影・動体撮影のレビューでしたが、今回は風景撮影などに重点をおいたレビュー、α7R IVとの比較や前回書ききれなかったα1の魅力をお伝えします。
特筆ポイントとメニュー構造や変更点
前回のレビューで書ききれなかった、α9系・α7系から大きく変わったポイントを紹介します。
メニューの表示・構造
α1のメニュー表示/構造は、従来のα(α7s III除く)やRXシリーズとは異なっています。このメニュー表示構造は、α7S IIIにも採用されているメニュー表示です。ですので、α7S IIIユーザー以外は、最初は戸惑うかも知れません。従来のメニューが横にページが進んでいく感じから、縦にメニューが進むように変更されています。
■左:α1メニュー表示 右:α7系、RXなどのメニュー表示(※7S III除く)
カテゴリーや表示される言葉も変更されているものが多く、慣れるまでは少し手こずるかも知れませんが、従来のものよりも、変更する目的の設定までたどり着くのは早くできるようになっています。
■α1:マイメニュー・撮影・露出/色・フォーカス・再生・ネットワーク・セットアップ
■α7S III除く従来のα:撮影1・撮影2・ネットワーク・再生・セットアップ・マイメニュー
特にα1は自分なりによく使う項目などをまとめて設定表示できる、マイメニューの項目がメニューの一番初めに変更されているので、このマイメニューを積極的に活用するのが一番効率のいいα1の操作方法になると思います。
さらに、マイメニューからの表示がデフォルトでは「切」になっているので、これを「入」に変更しておけば、メニューボタンを押した際に常にマイメニューが最初に表示され、素早くマイメニューに登録してある設定項目を変更する事が可能になります。
クリエイティブスタイルからクリエイティブルックへ
メニュー項目のなかで、機能の言葉と設定できる項目が変更になっているモノがあります。
色を変更する要素で従来では「クリエイティブスタイル」と呼ばれていたものが、「クリエイティブルック」に変更になり、さらに設定できる項目が増えています。
スタンダードと表示されていたものがSTと表示されるようになり、表示パターンや順序、項目数も変わっています。
特に特筆する部分は、従来のクリエイティブスタイルでは、「コントラスト」・「彩度」・「シャープネス」の項目でプラスマイナス3段階で調整できる項目が、「コントラスト」・「ハイライト」・「シャドウ」・「フェード」・「彩度」・「シャープネス」・「シャープネスレンジ」・「明瞭度」と調整項目が非常に豊かに変更され、調整できるステップも変更されています。
特に「ハイライト」・「シャドウ」などの細かな調整ができる事は、風景撮影などの現場で自分のイメージに合わせて撮影設定を追い込んでいく時に効果を発揮します。
下の写真は菜の花や空を鮮やかにするために、クリエイティブルックをVV(ビビット)にし、全体的に柔らかい表現をする為に、コントラストの設定を-1、シャドウ+4に調整しています。従来の機種でもコントラストの調整は可能でした。
しかし、シャドウ部・ハイライト部までの調整項目がなかった為、RAWデータの現像等で調整していましたが、JPEGの撮って出しでも細かな調整が反映できるのは凄くメリットを感じます。
■使用機材:SONY α1 + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境: シャッター速度1/400秒 絞りF8 ISO400 焦点距離46mm
■クリエイティブルック:VV コントラスト -1 シャドウ+4
オートフォーカスの設定は、フォーカスはトラッキングの拡張スポットを使用し、列車の正面部分をトラッキングしてAF追尾。列車自体は低速走行なので、連写モードはα1にしては控えめのHモード(20コマ/秒)で撮影しています。
電源OFF時にシャッターを閉じる機能を追加
筆者にとって期待していた機能が追加されていました。それは「電源OFF時にシャッターを閉じる機能を追加」です。
ミラーレスカメラは、レンズ交換の際にセンサーがむき出し上になるので、センサーにホコリが付着する事が非常に多くあります。レンズ交換の際にはブロアーを使ってホコリ除去をし、交換後はファインダーを覗いてホコリチェックをするのが習慣にはなっていますが、この機能が搭載されたことにより、レンズ交換によるセンサーへのホコリ付着のリスクが軽減され、撮影現場での撮影の安心感が増しました。
この機能も、デフォルトではONにはなっていないので最初に設定する必要があります。
メニューの階層の深いところにあり、なかなか見つけにくいかもしれません。
「セットアップ」→「セットアップオプション」→「アンチダスト機能」→「電源OFF時のシャッター」
設定を変更する際に、注意事項が表示されます。
シャッターが閉まった状態で、センサーへのホコリの付着を防止する機能なので、レンズ交換の際の作業には、シャッターに触れない、強い光源に向けないなどの注意が必要になります。
またこの設定ONにした状態では、カメラ電源をOFFにする際に下記様な注意事項が表示されます。使用しないときには、シャッター保護の為にもレンズにはレンズキャップを付ける習慣を付ける必要があります。
注意事項はありますが、センサーへのホコリ付着防止対策には絶大な効果を発揮します。今回も屋外の撮影で何回もレンズ交換を実施しましたが、センサーへのホコリ付着の形跡はみられませんでした。とても助かる機能です。
画像フォーマット(JPEGの画像サイズに[ライト]追加とHEIFの追加)
JPEGの設定で、従来からある設定の(エクストラファイン / ファイン / スタンダード に ライトが追加されています。撮影する被写体などの状態より違いはありますが、実際に撮影してJPEGデータをみてみると、圧縮率をあげているのでスタンダードで保存されるJPEGよりも平均35%前後ほどファイル容量が小さくなっていました。業務ですぐに転送するような場合などには重宝するかもしれませんが、一般的には使用頻度は少ないかもしれません。
また、α7S IIIにも搭載されたHEIF(ヒーフ)ファイル形式も搭載されています。聞きなれないHEIF形式ですが、iPhoneなどでも採用されているフォーマットで、複数の静止画像を一つにまとめて保存することができたり、動画、音声などにも対応したフォーマットになります。JPEGと比較して高い画質・高い圧縮率が実現できるフォーマットではありますが、HEIF形式の画像をそのまま表示できるPCや画像編集ソフトがまだ多くないので、まだまだ使いにくいかも知れません。
特にWindowsユーザーでは、パソコン上でJPEGの様にサムネイル表示ができないので、そのままでは画像の内容を確認することができません。
上の写真はWindowsパソコン上での表示になります。サムネイルが表示されているのがJPEGデータ。オレンジ色のサムネイルがRAWデータでソニーの現像ソフト「Imaging Edge」に紐づいています。白いサムネイルがHEIFデータです。現時点では、PHOTOSHOP等の画像加工ソフトもこのファイルには対応していません。
ソニーαの場合は、ソニーからHEIFファイルをJPEG/TIFFファイルに変換するアプリケーションが提供されていますので、このアプリケーションを使って汎用性のあるファイル変換する作業が発生します。
ソニー HEIF Converter のダウンロードはこちらから
https://support.d-imaging.sony.co.jp/app/heif/ja/
高画質を維持したまま、画像ファイル容量を小さくできるメリットがあります。JPEG (エクストラファイン)の容量に比べて、半分以下の容量で保存されていました。しかし現時点では汎用性の画像ファイルに変換する必要があるフォーマットなので少し手間がかかります。
α1の魅力的なスペックを確認・改善ポイントとメニュー表示や変更点
画素数
αシリーズで一番大きな画素数を持つα7R IV(約6000万画素)に対して、α1も約5000万画素と引けを取らない画素数があり、写真展などプリントするようなA1・A2サイズへの引き伸ばしプリントにも耐えることができるスペックです。α9のAF性能・連写性能とα7R IVの高画質を、まとめて一つの小さなボディに詰め込んだα1はどんな撮影シーンでも対応できるカメラと言えるでしょう。
■使用機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境: シャッター速度1/1600秒 絞りF3.5 ISO100 焦点距離130mm
軍艦部のダイヤルとフォーカスモードの切り替え
α7R IVとα1での操作系の大きな違いは、軍艦部左にあるダイヤル操作の部分になります。このダイヤルはAFモード・連写の切り替えなどの操作部分になり、この部分はα9系と同じ操作になります。フォーカスのモードがダイヤルになっている事により、α7系でできていたメニュー項目操作からのフォーカスモードの切り替えはありません。
またドライブモード(連写)もFnメニューにデフォルトで入っていますが、ここでは使用する事ができないので、Fnメニューの入れ替えなどのカスタムをした方が良いでしょう。α9系からα1を使用される方は特に問題ないと思いますが、α7系からα1を使用される方は操作を少し戸惑うかもしれません。
また、α7系ではフォーカスモードAF-S・AF-C・DMF・MFとAF-Aというモードがありますが、α1にはAF-Aモードはありません。このAF-Aというモードは、シャッターボタンを半押しすると、被写体が止まっているか動いているかが自動で判別され、AF-SとAF-Cが自動で切り替わるモードです。α1はダイヤルでのフォーカスモードが切り替えになっている為、AF-Aモードが存在しません。
HDMI端子の変更とタテ位置グリップ
α9 IIやα7R IVに搭載されていたHDMIマイクロ端子(Type-D)から、耐久性や汎用性の高いHDMI Type-A端子に変更されています。一般のユーザーでは使用頻度も少ないかもしれませんが、動画撮影などで外部モニターを接続する際には端子が大型のタイプに変更されたので、接続不良を起こしにくくなるなどの面について信頼感が増しました。
縦位置グリップ「VG-C4EM」に関しては、α7R IVとの共通のものになるので、どちらの機種でも使用可能です。
ボディサイドの端子の仕様が変更になっているほか端子の配置なども変更になっているため、α7R IV仕様のサードパーティー製L型クイックリリースプレートの装着には注意が必要です。
製品によっては、端子部分のカバーが開かなくなったりします。α1対応の製品が出るのを待った方が良いでしょう。
筆者の持っているα7R IV用のプレートをα1に装着してみましたが、やはり端子部分のカバーを開ける事ができませんでしたので、今回の撮影では左サイドのプレートを外し下だけ装着して撮影をしてきました。アルカスイス互換のプレートがあると三脚に装着するのも楽なので、対応製品がでてくるのを期待したいところです。
α1の魅力的なスペックを確認・房総の春を撮る
3月下旬にα1を持って、千葉県の房総半島にある小湊鉄道の養老渓谷駅に行ってきました。養老渓谷駅から徒歩15分ほどの場所にある、石神の菜の花畑は人気の撮影スポットです。この日も多くの写真愛好家の方々が撮影にきていました。トロッコ列車がくる時間帯がピークで、平日にも関わらず100名ほどの方が撮影していました。きっと土日はもっと凄い人になるのでしょうね。ちょっとビックリしました。
キレイな菜の花畑と動く列車の撮影は、α1にピッタリの被写体です。
■使用機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境: シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離103mm ホワイトバランス:オート
■使用機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境: シャッター速度1/1250秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離134mm ホワイトバランス:オート
■使用機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境: シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離200mm ホワイトバランス:オート
■使用機材:SONY α1 + FE 16-35mm F4 ZA OSS
■撮影環境: シャッター速度1/000秒 絞りF8 ISO800 焦点距離22mm ホワイトバランス:オート
■クリエイティブルック:VV(ビビット)
■マルミ M100 ソフトグラデーションNDフィルターSOFT GND4使用
■使用機材:SONY α1 + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境: シャッター速度1/320秒 絞りF8 ISO400 焦点距離63mm ホワイトバランス:オート
■クリエイティブルック:VV(ビビット)
■使用機材:SONY α1 + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境: シャッター速度1/500秒 絞りF10 ISO400 焦点距離18mm ホワイトバランス:オート
■クリエイティブルック:VV(ビビット)
■使用機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境: シャッター速度1/400秒 絞りF8 ISO400 焦点距離82mm ホワイトバランス:オート
■クリエイティブルック:ST(スタンダード)
■使用機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境: シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離200mm ホワイトバランス:オート
■クリエイティブルック:ST(スタンダード)
■使用機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OS
■撮影環境: シャッター速度1/500秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離200mm ホワイトバランス:オート
■クリエイティブルック:ST(スタンダード)
■使用機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境: シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離200mm ホワイトバランス:オート
クリエイティブルック:ST(スタンダード)
■使用機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境: シャッター速度1/1600秒 絞りF3.5 ISO100 焦点距離115mm ホワイトバランス:オート
■クリエイティブルック:ST(スタンダード)
さいごに
今回はα1を持って房総半島の春の風景を撮影してきましたが、今まで各αシリーズを使用してきた筆者には、特に意識することなくα1を使いこなす事ができました。
ただ、メニュー操作には少々の慣れが必要と感じます。使用する前に、よく使う設定項目は事前にマイメニューに登録しておくか、Fnキーによる設定項目の表示を無用なものと必要なものを入れ替えておく事をおすすめします。
α9系のAF性能・連写性能を持ち、α7R IV並の画素数を併せ持つフラッグシップ機α1は、どんな撮影シーンでも、どんな被写体にも対応できる万能性を手に入れた最高スペックのカメラであることは間違いない。これからの撮影がとても楽しみになってきました。
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
「α1」はこちらの記事でも紹介されています
■ソニー α1 レビュー|スポーツ撮影現場で使ってみました!(坂井田富三)
https://shasha.kitamura.jp/article/480653303.html
■ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480563123.html
■ソニー α1 レビュー(後編:風景・ステージ撮影)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480649337.html
■特集ページ「他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介」
https://shop.kitamura.jp/special/sale-fair/camera/feature/sony/a1/
この記事に使用した機材 【ソニー】 FE 24-105mm F4 G OSS
商品詳細ページ 【ソニー】 Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがソニー α1のレビューを行っています。前編のスポーツ撮影に続き今回は、風景写真の撮影で検証していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,α1,風景,ソニー,Sony,ボディー
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ニコン Z 6II レビュー|三井公一
BASENAME: 480805756.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 04/05/2021 16:00:00
TAGS: Z 6II,レビュー,ニコン(Nikon) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
大口径、ショートフランジバックを採用して高画質を誇るニコンZマウント。そのフルサイズミラーレス一眼カメラも第2世代へと進化しています。シリーズの中で、最高解像度を誇る「Z 7II」を以前ご紹介しました が、今回はその兄弟機「Z 6II」をインプレッションします。ルックスは瓜二つながら、高感度と連写性能、そして扱いやすいファイルサイズが魅力のオールマイティーなカメラになっていました。
Z 6IIの基本スペックについて
高画素機「Z 7II」と「Z 7」同様に、併売される「Z 6II」と「Z 6」と外観上は変化がないように見えますが、こちらも同じように細かなところがブラッシュアップされています。
「Z 6II」を手にすると、まず感じるのはグリップ形状が変わっているところでしょう。「Z 6」もホールド感が高かったのですが、より手に馴染みかつファインダーものぞきやすく、ライブビュー時でもしっかりと被写体を捉えられるようになっています。目立たない点ですが重要なアップデートポイントだと思います。
またファインダー周りのシェイプが鋭くなって精悍なルックスになりました。「Z 50」のようなシャープな印象になり、個人的にとてもカッコよくなったと感じます。
一番の変更点は画像処理エンジンとメモリーカードスロットのデュアル化でしょう。FXフォーマットのセンサーは有効画素数2450万画素と変更がありませんが、ニコン独自の画像処理エンジン「EXPEED 6」が2つ搭載されて「デュアルEXPEED 6」に進化しました。約14コマ/秒で最大124コマも連写できるようになり、高速連続撮影と連続撮影コマ数が向上しています。撮影していてもカメラのレスポンスがアップしているのが実感できます。もともとキビキビして気持ちよかったのですが、「Z 6II」はさらに小気味よく動作するようになっています。
また多くの人に熱望されたカードスロットが2つになりました。CFexpress(Type B)/XQDカードと、UHS-II規格のSDカードの合計2つに対応するように変更されたのです。順次記録やバックアップ記録、RAW+JPEGの分割記録ももちろん可能です。「Z 6」より書き込みスピードがアップしたCFexpress(Type B)は高速連写時でも気持ちよくシャッターを切ることができます。
またUHS-II規格のSDカードにも対応したので、いざという時に入手しやすいメディアなので安心感も高いといえるでしょう。
Z 6IIを実際に使ってみた感想
さて実際の撮影での使用感はどうでしょうか。
「Z 6II」はオートフォーカス性能も大幅に機能向上しています。ワイドエリア選択時でも「瞳AF」、「顔検出AF」、「動物AF」が選択可能になりました。これで撮影がグンと楽になりましたね。フレーミングに集中して、ピント合わせは「Z 6II」にお任せ!という感じでシャッターが切れるのですから。モデルに動いてもらうシーンでも瞳に正確かつ高速にピントが来ますし、飛び回るネコや走るイヌなどを撮るシチュエーションでもカメラに頼ることができます。
暗い場所での撮影でも進化したオートフォーカス性能が役に立ちます。なんと-4.5EV(ローライトAFで-6EV対応)までのピント合わせが可能で、暗所性能が高い「Z 6II」は撮影領域を大幅に拡大してくれることでしょう。
「Z」シリーズ全般に言えるのですが、EVF(電子式ビューファインダー)の見えの良さがバツグンです。この「Z 6II」のEVFスペックは、視野率約100%、ファインダー倍率約0.8倍、対角視野角約37.0°、約369万ドットQuad-VGA有機ELパネルとなっています。0.8倍という大きな像を高い性能の光学系を介して、クリアでしっかりと被写体を確認することが可能です。
デュアル化された映像エンジン「EXPEED 6」や高機能化されたオートフォーカスのおかげで、動作速度も連写スピード、AF追従性もあがって、スナップから風景、運動会などのスポーツや薄暗いステージまで幅広いシーンで信頼して使えるフルサイズミラーレス一眼カメラに仕上がっていると感じました。
ほかにもUSB給電に対応した点や、パワーバッテリーパック 「MB-N11」も登場し、縦位置撮影でも撮影が快適になったところもうれしいですね。
さらに有償設定サービス を利用すれば、「RAW動画」の撮影も可能です。Blackmagic RAWやApple ProRes RAWというシネマティック動画に挑戦することもできます。スチルだけでなくムービーも幅広く行えるところがニコン「Z 6II」の魅力と言えるでしょう。
Z 6II作例
今回は「Z 6II」に、定評のある高倍率ズームレンズ「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3VR」を装着してブラブラと撮影を楽しんでみました。このレンズは広角から望遠まで手軽に「Z」の高画質を味わえるので、はじめての1本にも、旅行や登山などのアクティビティにもピッタリなレンズです。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3VR ■撮影環境:f/6 1/160秒 ISO100 焦点距離75mm
浅草寺の提灯を狙いました。鮮やかな発色とリアルなディテールは「Z 6II」ならではの描写でしょう。動作スピードも速く、撮影のリズムもあがります
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3VR ■撮影環境:f/8 1/400秒 ISO100 焦点距離24mm
「Z 6II」の伸びやかな描写は実に美しいですね。春の隅田川の様子を克明に捉えてくれました。カメラ任せでもこんなに鮮やかでヌケ感のある写りを手にすることが可能です。船や川面、建物のディテールも良好です
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3VR ■撮影環境:f/7.1 1/320秒 ISO100 焦点距離200mm
「Z 6II」のFXフォーマットのセンサーは有効画素数2450万画素。必要十分な解像度と扱いやすいファイルサイズが魅力です。よく効くボディ内手ブレ補正機構も安定していて撮影をしっかりとアシストしてくれるのが頼もしいですね
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3VR ■撮影環境:f/7.1 1/200秒 ISO125 焦点距離180mm
高倍率ズームの「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」は「Z 6II」にベストマッチのブラブラレンズと言えるでしょう。これ1本で「Z 6II」の楽しさを実感できます。喫茶店のテントも質感高く写しとってくれました
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3VR ■撮影環境:f/8 1/500秒 ISO100 焦点距離24mm
「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」のワイド端24mmで浅草名所を「Z 6II」のフレーム一杯に捉えました。有名なオブジェの凹凸感や、インテリジェントビルの窓など、美しく描き出してくれました。「デュアルEXPEED 6」の恩恵と言えるでしょう
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3VR ■撮影環境:f/8 1/800秒 ISO100 焦点距離200mm
同じ位置からテレ端の200mmでビルの頂上部分を撮影しました。眼がよくなったかのようなシャープでパッキリとした精細感に驚かされました。「Z 6II」のポテンシャルと、「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」の性能の高さに脱帽です
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3VR ■撮影環境:f/8 1/250秒 ISO100 焦点距離200mm
「Z 6II」のオートフォーカス性能はとても進化しました。翼を休めるユリカモメを狙いましたが、ススッと高速かつ静かにバッチリと合焦してくれました。人間の瞳やネコやイヌにも対応しているので、入手したらその威力を試してみていただきたいと思います。またニコンのファームウェアのアップデートでどんどん機能が向上していくのがうれしいところですね
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3VR ■撮影環境:f/8 1/4000秒 ISO100 焦点距離200mm
さいごに
ニコン「Z 6II」は同社のフルサイズミラーレス一眼カメラの中核を担う製品です。それだけあって使い勝手をはじめ、描写性能や拡張性がしっかりとしていると感じます。「Z」マウントレンズ群もこれから続々と登場してくるので、これから長く楽しめるオールマイティーなカメラだと感じました。何よりも使いやすく、美しい写真が手軽に撮影できるところが魅力です。
もちろんプロフェッショナルフォトグラファーの仕事の道具として使える信頼性の高さもあります。多くの人に手にしてもらいたい1台となっています。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
「Z 6II」はこちらの記事でも紹介されています
■ニコン Z 6II レビュー|AF性能も堅実にレベルアップした進化機種
https://shasha.kitamura.jp/article/478509065.html
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによるニコン Z 6IIのレビュー記事です。作例写真と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
Z 6II,レビュー,ニコン(Nikon) ボディー,スナップ
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AUTHOR:
TITLE: まるで影絵のような写真が撮れる!?印象的なシルエット撮影テクニックをご紹介
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CATEGORY: 虫上智
DATE: 04/06/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,風景,スナップ,オリンパス(Olympus) ボディー,オリンパス(Olympus) レンズ
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はじめに
影絵というと薄い紙をハサミで上手く切り取って、それを太陽や電灯にかざすとシルエットになって遊ぶことを誰もが知っているかと思います。影絵は対象となる被写体の輪郭しか出ないために物語性を強く感じ、とても印象的に見えますよね。
写真撮影でも簡単にその遊びが出来ることをご存知でしょうか?今回はそんな影絵写真の世界を楽しんでもらえたらと思います。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
■撮影環境:F8.0 1/20s ISO640 露出補正+0.3
■撮影場所:広島・国営備北丘陵公園(影絵芝居・鶴の恩返しより)
毎年冬の時期に開催されているこのイベントは、背後の人物やはた織り機などは全て本物となっています。実際に肉眼で見ると、ちゃんと障子の向こう側で人がはたを織っているので非常に面白いですよ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 1/20s ISO640 露出補正-2.3
■撮影場所:倉敷・美観地区春宵灯り2021(影絵芝居・瀬戸の花嫁より)
この作例は今年の倉敷・美観地区でのイベントにて撮影したものです。こちらは障子の奥の人物は作り物ながら奇麗な動くシルエットで表現していました。このあと人力車に乗った花嫁さんが登場しますが、車夫の方がシルエットが美しく思えたので満月の月と白壁を取り入れて撮影しました。
逆光撮影は敵か味方か??
よく、逆光(太陽に向かって撮影)では顔が暗く写り、表情が判らないので順光(太陽を背にして撮影)で写真を撮りましょうと聞いたことがあるかと思いますが、影絵作品を作るには必ず逆光が基本となりますので逆光を味方に付けた撮影となります。
この作例は愛媛・松山城の背後に太陽が沈むシーンを写したものです。適度に雲間から陽ざしが海へ映り込み、このような見事な金波のグラデーションを背景に影絵のような松山城が撮影できました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:F10 1/2000s ISO100 露出補正-1.3
■撮影場所:愛媛・松山城夕景 影絵撮影におすすめのカメラ機材
影絵撮影をするときの機材ですが、松山城の夕景のような撮影対象があらかじめ決まっている撮影でしたら、同じ場所であまり動かないことが多いのでカメラと三脚でじっくりと撮影出来ます。
対して、スナップ撮影でしたら逆光でシルエットになりそうな場面は急に出てくることが多く、カメラは軽くて動きやすいものを推奨します。被写体の輪郭が分かりやすく、かつ強調できるような微妙なアングル調整やフレーミングをとっさの判断でするには、軽くて小さいカメラの方が適していると言えるでしょう。
この被写体の場合、人物のシルエットを小さくして、周りの黒い額縁(トンネルの部分)を影絵にしたものです。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 1/15s ISO200 露出補正-1.7
■撮影場所:岡山県・備前市のとあるトンネル内
ミラーレス一眼カメラはファインダーから目を離さずに撮影画像を確認でき、被写体に集中できるメリットが素晴らしいです。また、カメラ本体に強力な手振れ防止機能があり、暗い場所でも三脚いらずで撮影できます。そして、本体が軽量な点も撮影のしやすさに繋がります。
筆者が撮影に使用したオリンパスのOM-D E-M1 Mark III
今回の撮影レンズは主にM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROです。高倍率ズームでしかも接写も得意とするレンズのため、幅広い撮影で便利に使うことができます。
しかもこのレンズとOM-D E-M1 Mark IIIを組み合わせると、なんと7.5段という手振れ補正効果を発揮します。筆者の場合、手持ちの夜景撮影でシャッタースピード3秒でも手振れしませんでした!
影絵撮影のポイント
対象となる被写体をどのようにしてシルエットにするかですが、まずは逆光の被写体(無ければ背景が明るい被写体)にカメラを向けて電子ダイヤルの露出補正(+-)で光と影を強調してみましょう。
逆光で太陽を入れるような撮影時にはゴーストやフレアが発生する可能性があります。そんな時には太陽を外すなどしてゴースト・フレアが発生しないような画角で撮影しましょう。また、レンズが汚れているとより発生しやすくもなりますのでご注意ください。
この作例は逆光でネコちゃんのシルエットを撮影しましたが、太陽の周りにゴーストが発生してしまいました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F10 1/1250s ISO400 露出補正-0.3
以下の作例のように、同じ被写体でも露出補正によって大きく表現が変わるかと思います。
露出補正マイナスの作例
■撮影場所:鳥取県SANKO夢みなとタワー
露出補正プラスの作例
■撮影場所:鳥取県SANKO夢みなとタワー
次に影絵写真が成功するポイントとして、対象となる被写体を大きく撮影することをお勧めします。望遠で遠くの被写体を大きく逆光で撮影しても良いのですが、望遠レンズで撮影した場合、主役が近い被写体になればなるほどピントが合う範囲が狭くなるため、なかなか切り絵のような写真が撮れないかと思います。
ピントが合う被写界深度が深い、広角~標準レンズで被写体に出来るだけ寄って逆光で大きく撮影すると輪郭がくっきりと撮影できる可能性が高くなり、影絵効果が強く発揮できるので広角~標準レンズを使うのがお勧めです。影絵の場合はハサミで紙を切った輪郭の部分がとても大切なので、ここがポイントとなります。
また、以下の動画は望遠で逆光の海を行く船をシルエットで撮影したものですが、船の速度が速いので影絵になるタイミングがほんのわずかしかないことがわかります。
VIDEO
この被写体は広島県のしまなみ海道にある、因島の白滝山山頂に建てられている鐘撞堂です。夕暮れ時は鐘撞堂がシルエットとなりこれだけでも絵になりますが、動画のように人物を入れるとより影絵効果が高まることが感じられます。
また、動画では三脚を立てて自分を入れたので撮影できませんでしたので、静止画では若干アングルを変え鐘の下に小さな太陽をとり入れてみました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F9.0 1/160s ISO200 露出補正-2.3
■撮影場所:広島県・因島 白滝山山頂
VIDEO
あえての望遠で撮影するときの注意点ですが、この被写体のように平面であまり奥行きが出ないように撮影すると成功しやすいです。左右対称のフェリーなどはとても良い被写体ですね。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F11 1/400s ISO200 露出補正-0.7
■撮影場所:岡山県・牛窓 前島港
こちらはカラフルな影絵写真です。銅像の中には魅力的な形をしているものがあります。もともと影絵には向いている被写体ですので、夕暮れ時はこんな素敵な影絵写真になることもあります。太陽が沈んでからもチャンスを見つけて撮影してみてください。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F9.0 1/40s ISO200 露出補正-0.7
■撮影場所:岡山県・美作町 愛の村
今や日本のウユニ塩湖と呼ばれる、香川県の父母ヶ浜での鏡面写真です。鏡面写真は被写体が水面に反射して、同じ被写体が下部にも写りこんで非常にフォトジェニックな写真が撮影できますが、この作品は同時に影絵の面白さも含まれていることがわかりますね。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F16 1/125s ISO250 露出補正+0.7
■撮影場所:香川県・父母ヶ浜 影絵撮影テクニックあれこれ
影絵+夜景
作例のように夜にも光がある場所ならば、沢山の影絵写真を作ることが楽しめます。こちらは夜のストリートスナップ中に見つけた自転車。背後の街灯の灯りで自転車がシルエットになりました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
■撮影環境:F7.1 1/6s ISO2000 露出補正-1.3
■撮影場所:神奈川県・横浜港
影絵+屋内施設
こちらは四国水族館のコブシメという烏賊(イカ)のアート。ライトアップされているのでその前を通過する人は全て逆光となり、人物が影絵となります。この様に太陽が無くても影絵作品になる被写体が沢山あることがわかります。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 1/50s ISO800 露出補正-1.7
■撮影場所:香川県・四国水族館
影絵+近代美術
近代美術館には撮影可能な屋外展示がある場所も多く、この様に手軽に影絵写真を楽しむことができます。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F9.0 1/400s ISO200 露出補正-1.3
■撮影場所:香川県・猪熊弦一郎現代美術館
この作例は鳴門の渦潮と自分の手を使って渦の中心をつまんで見た写真です。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F13 1/30s ISO200 露出補正-0.7
■撮影場所:徳島県・鳴門公園
影絵+多重露光
また影絵写真とカメラ機能の多重露光機能を使用すると、こんなユニークな作品が作れたりします。
カメラを多重露光モードにセット後、1枚目は自分の手を太陽をかざしながら逆光で影絵にし、2枚目を北広島にある、形が非常に珍しい天狗シデという木を撮影すると・・・
1枚目:広角レンズで自分の手を逆光で撮影
2枚目:同じく広角レンズで天狗シデを撮影
このような写真になりました。まるで自分の手が刺繡のようになりましたね。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F5.0 1/640s ISO500 露出補正+1.7
■撮影場所:広島県・山県郡 まとめ
いかがでしたでしょうか。一言で影絵写真と言ってもなかなか奥が深く、工夫次第で様々な影絵写真が出来る可能性がまだまだあるかと思います。興味が出ましたら是非試してみてくださいね。
■写真家:虫上智
1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。
日本写真家協会(JPS)会員。日本写真講師協会 認定フォトインストラクター。フォトマスターEX(総合)。オリンパスカレッジ講師。
この記事で紹介した機材 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の虫上智さんに影絵写真の撮り方を解説いただきました。逆光を味方につけた印象的な写真をぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス,撮影テクニック,影絵,風景,スナップ
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AUTHOR:
TITLE: ニコン Z 7II レビュー|Zレンズの性能を引き出す高画素機
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CATEGORY: 上田晃司
DATE: 04/07/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,レビュー,Z 7II,セミナー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
筆者はNikon Zシリーズすべてを使用しているヘビーユーザーだ。自宅にはZ 6が2台、Z 7、Z 5、Z50が各1台ある。レンズ群はNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctを除いてすべて使用している。Zシリーズが発売してからずっと愛用する理由は沢山あるが、特にZというカメラのポテンシャルの高さとカメラとしての信頼感、Zレンズを使えるというアドバンテージはZを使う上で是非読者の方に知っていただきたい。
高画素でありながら連写性能も高い
今回ご紹介するカメラはNikon Z 7II(以下Z 7II)。Zシリーズの中では高画素機に位置づけられるカメラだ。初代Z 7の後継機と言って良いだろう。まず、Z 7IIを語る上で本カメラがどのようなカメラか簡単に説明しよう。
まず、有効画素数は4575万画素のローパスフィルターレスモデル。Zシリーズのレンズの良さをしっかりと表現できる性能を持っている。高画素機ではあるが高速連続撮影は約10コマ/秒(12bit RAW時)と、高画素機ながら連写もバリバリこなせるカメラだ。
■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
■撮影環境:F2.8 1/2000s ISO400
さらに、画像処理エンジン「デュアルEXPEED 6」搭載により処理速度がアップし、バッファも増えRAW 12bit時で77コマ、RAW 14bit時で63コマの連続撮影可能を実現している。12bit RAWであれば単純計算で8秒近く連写し続けることができる。ちなみに初代Z 7はRAW 12bit時で23コマ、RAW 14bit時で19コマだったことを考えると飛躍的な進化を遂げている。
Z 7は高画素を活かした風景撮影用と思っている方も、Z 7IIであれば動体など連写を要求されるシーンでも十分使えることを知っていただきたい。実際に航空機など撮影したが全くストレスなく撮影できた。しっかりと被写体を捉えてくれるので8秒間も連写することはなく非常にストレスフリーだ。テストで連写し続けてみたが、書き込み速度の速いCFexpressカードを使うとバッファがいっぱいになっても数秒で撮影可能になる点も大きい。高画素でありながら連写性能も活かせるカメラだ。
■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
■撮影環境:F5.6 1/2000s ISO64 露出補正-0.7 Zレンズの性能の良さをハッキリと実感できる
筆者が安心して仕事から作品撮りまでZシリーズを愛用している理由の1つがZレンズだ。ニコンFマウントでも高性能なレンズが沢山発売されているが、Zレンズはさらに凄い。まず、レンズの性能を見る上で重要なのが収差の少なさだろう。
収差が少なければ画像の周辺までしっかりと結像し画像全体をシャープに見ることができるメリットがある。非常に細かなコトかもしれないが、風景を撮影した時に周辺の像が流れてぼやっとしている画像を見ると少し残念に感じることがある。星空などを撮ると画像中央は星が点に写るのに、周辺は流れてしまい点光源でないこともある。
しかし、Zレンズはほぼすべてのレンズで収差が抑えられ画像周辺まで驚くほどシャープに表現できるのがポイント。高性能なレンズのお陰でシャープに表現でき、そのシャープさのおかげで画像に立体感が感じられる。収差がない画像はとてもリアルに感じられるのだ。特にZ 7IIは4575万画素という高画素機なのでレンズの性能がすぐに分かる。
Zシリーズには最高品質のSシリーズとSシリーズでないレンズが存在するが、Z 7IIではSシリーズのレンズを使うと描写の線の細さ、ディテールの解像感などを感じられるだろう。作例のような自然風景写真も拡大しても、高解像度のモニターで見ても、プリントしても画質の高さを感じることができる。
■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
■撮影環境:F8 1/30s ISO64 露出補正-0.7
筆者がZ 7IIと特に組み合わせているズームレンズは大三元だ。大三元とはNIKKOR Zシリーズの14-24mm f/2.8 S、24-70mm f/2.8 S、70-200mm f/2.8 VR Sのこと。高価なズームレンズではあるが、風景や動き物、ポートレートまでこの3本があればいずれもカバーできるほどとても使い勝手が良い。
特にZマウントの良さが出ている一本が14-24mm f/2.8 Sだ。Zマウントの大きなマウントとショートフランジバックのお陰で広角レンズの性能は飛躍的に良くなっている。その結果、14-24mm f/2.8 Sは質量650gと軽量になり、解像感は絞り開放から周辺まで驚くほどシャープになっている。Z 7IIを手にした方には是非使って欲しい一本だ。
単焦点レンズではNIKKOR Z 50mm f/1.2 S、NIKKOR Z 20mm f/1.8 Sがオススメだ。特に20mmのレンズは星空から広角スナップまで使えるので、使い勝手抜群の一本と言えるだろう。筆者はタイムラプス撮影なども20mmのレンズで行っているのでタイムラプス好きの方にも使って欲しい。
■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
■撮影環境:F2.8 1/500s ISO100 露出補正-0.3 Z 7IIの魅力
Z 7IIには画素数以外にも様々な魅力がある。筆者がよく使う機能として、撮影モードMモード時にシャッタースピードを900秒まで延長できる機能が挙げられる。フィルターワークで長秒露光をすることが多い筆者にはとても使い勝手のよい機能だ。露光中は時間をカウントダウンしてくれるのでとても助かる。
瞳AFや動物AFも使い勝手抜群で、AFエリアモードのワイドLでも使えるので精度高くピント合わせができる。さらに細かな機能だが、インターバルタイマー撮影がより便利になった。筆者の場合、インターバルタイマー撮影はタイムラプス動画撮影に使うが、今までのインターバルタイマー撮影では静止画を撮影して動画編集ソフトで動画を作成していた。しかし、Z 7IIでは最大で4K動画ではあるがボディー内で4Kタイムラプスを自動的に生成する機能を備えているので、インターバルタイマー撮影が終わったと同時にタイムラプス動画が残っているのでとてもありがたい。
ニコンのタイムラプス機能は露出が安定しており、後から補正せずともそのまま使えるレベルなので一手間減って助かる。必要であれば記録された静止画を使って最大で8Kのタイムラプス動画を作ることも可能だ。
動物AFで愛犬を撮影。精度が高く目にバッチリピントが合っている。
■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/640s ISO64 露出補正+1.0
長秒露光でND1000とハーフND0.9を使い撮影。レリーズが無くても簡単に長秒露光撮影ができる。
■撮影機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
■撮影環境:F16 20s ISO64
VIDEO
インターバル撮影機能で撮影したタイムラプス動画。20mm f1.8sの高画質なレンズのお陰で星空も綺麗に撮影できた。 動画機能
動画機能が飛躍的にアップしているのも新Zシリーズの特徴。静止画のイメージが強いニコンではあるが動画機能もとても高性能だ。筆者はニコンで動画を撮り続けているがそのクオリティーには驚かされている。
特にZ 7IIでは4K 60Pを収録できるようになった。フルサイズセンサーの93%を使用して撮影するのでフルサイズのボケ感なども活かした表現ができる。ちなみにZ 6IIも4K 60Pが撮影できるがDX(APS-C)サイズにクロップされた撮影範囲になる。Z 7IIの方が4K 60Pはアドバンテージがある印象だ。
AF時のオートフォーカスの性能もよく、Zレンズはフォーカスブリージングが少なく、動画撮影時にピント位置を大きく動かしても画角変化が少ないため使い易い。その他にも FHD 120pのスローモーションやHDMI出力が充実しており、外部レコーダーに高品質なデータを出力できる。それによりHLG、N-Log、RAW出力ができ、RAWに関してはProRes RAWやBRAW(ブラックマジックRAW)が選択できる非常にハイスペックな動画カメラとしても使えるのがポイントだ。
VIDEO
4K 60Pで焚き火を撮影。炎の揺らぎまでしっかりと滑らかに撮影できた。 まとめ
Zシリーズはスペックだけを見ると少し地味に感じることがあるが、実際にはスペック表から見えないよさが沢山あるカメラだ。Z 7IIはユーザーの声をしっかりと反映して形に落とし込んでいるので言葉に表すと地味に感じるかもしれないが、リアルZユーザーからすると飛躍的な進化を遂げている印象だ。筆者自身もニコンの一眼レフからZシリーズに乗り換える際は勇気がいったがその決断は正しかった。
Zレンズ群も初代発売時3本だけだったが現時点でFX対応が14本、加えてテレコンバーターが2本あり多くの被写体をカバーできるようになった。どのレンズも高性能で期待に応えてくれるレンズが揃っているので、是非Z 7IIと一緒にZが描写する世界を体験していただきたいと思う。
■写真家:上田晃司
米国サンフランシスコに留学し写真と映像を学び、CMやドキュメンタリーを撮影。帰国後、フォトグラファー・映像作家として活動開始。現在は雑誌、広告を中心にライフワークとして世界中の街や風景を撮影。講演や執筆活動も行っている。また、YouTubeチャンネル「写真家夫婦 上田家」で写真、旅、カメラについて情報発信している。
「Z 7II」はこちらの記事でも紹介されています
■ニコン Z 7II レビュー|フォトグラファーの細かな要望に応えた写りと操作感
https://shasha.kitamura.jp/article/478647899.html
[申込終了]【4/18開催】Nikon Z 7II 店頭&オンライントークイベント
~ 本イベントは終了しました。沢山のお申込み誠にありがとうございました ~
2021年4月18日(日)11時より、CP+やYouTubeなどで大活躍の上田晃司さんを講師にお招きしてNikon Z 7IIの魅力を紹介するセミナーを開催いたします。シャープな描写力が魅力のZレンズと、その性能を存分に引き出す高画素機であるZ 7II。Zシリーズのすべてのカメラを使う上田さんにプロ目線の使いこなし術、設定のこだわりなどを語っていただきます。
参加方法は店頭参加とZoomを使用したオンライン参加の2通りをご用意しております。参加費は無料になりますのでお気軽にお申込みください。
■開催日時:2021年4月18日(日)11:00~12:00
■参加費:無料
■参加方法:店頭(新宿 北村写真機店)& オンライン(ZOOM)
※どちらか選択してお申し込み頂けます。
■申込方法:こちらのページ からお申込みください。
■申込期限:2021年4月14日(水)23:59まで
※定員に達しましたら締め切らせて頂きます。お早目にお申込みください。
■更新
・2021年4月19日:イベント終了の旨追記しました。
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EXCERPT:
写真家の上田晃司さんにニコンのフルサイズミラーレスカメラ「Z 7II」をレビューしていただきました。シャープな描写力が魅力のZレンズの性能を余すことなく引き出す高画素機の実力をぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン(Nikon) ボディー,レビュー,Z 7II,セミナー,高画素
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!| 岡本豊
BASENAME: 480882240.html
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CATEGORY: 岡本豊
DATE: 04/08/2021 16:00:00
TAGS: カメラバッグ
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BODY:
はじめに・・・飛行機撮影時の基本スタイル
今回、私が紹介するカメラバッグは、マンフロットから発売されているリュックタイプ「MB PL-BP-R-310 PL Redbee 310」、キャリータイプ「MB PL-RL-A55 PL ローラーバッグAIR55」、ショルダータイプ「MB MN-M-SD-30 Manhattan スピーディー30メッセンジャーバッグ」の3点です。
飛行機撮影は、現場での天候や風向きによってレンズの選択が変わってくるので、多くのレンズを持っていくことになります。また、飛行機撮影の遠征では、山道や舗装されていない道などを移動することがとても多いです。かといって、撮影現場での決定的な瞬間を逃すわけにはいきません。そのため、私は遠征前に、「持ち運びやすさ」「使いやすさ」という2つのポイントでカメラバッグを選びます。ここでは、それぞれの特徴や機能を生かした、私の使い分けと、おすすめのポイントを紹介しますので参考になればと思います。
リュックタイプ「MB PL-BP-R-310 PL Redbee 310」
MB PL-BP-R-310 PL Redbee 310
遠征先の空港周辺では、山道を登ったり、長距離を歩いて撮影することもあるので、リュックタイプのMB PL-BP-R-310は必ず持っていきます。リュックタイプを購入した時には、まず激しい動きの時もしっかりとサポートしてくれるように、強い厚手のクッションの仕切りを自分流にカスタマイズします。最近は、RF100-500を装着したEOS R5と、RF70-200を装着したEOS R6を入れて遠征に行くことが多いのですが、レンズを装着したまま収納しておく事で、咄嗟の撮影に対応でき、とても便利です。
また、リュックの背面が開口部になっている事も利点です。大きく開くため、ズームレンズを装着したままのカメラでも、素早く取り出すことができます。さらに、背面に開口部がある事で背面側を上に向けてリュックを地面に置き、レンズを交換するといった作業をした後に、もう一度背負い直しても背中が汚れることはありません。開口部には、安全ベルトや、落下防止ネットが付いていて、大切な機材を万が一の落下から守ってくれるので安心して移動できます。パソコンも収納できるので、撮影の合間に現像をしたり、原稿を書いたりする事もでき、遠征時には重宝しています。新幹線や飛行機を使った遠征で一番出番が多いバッグです。
新幹線での収納例
座席列の上の荷物棚に収納可能となるため、事前の申請は必要ないので安心です。隣に置いてある三脚は愛用しているLeofoto LS-284CEX。
ボーイング787での収納例
客席上部のオーバーヘッドピンに楽々入れることが可能です。
ボーイング787での収納例
三脚Leofoto LS-284CEX(雲台を外し)をMB PL-BP-R-310 PL Redbee 310に取り付けて、787のオーバーヘッドピンに収納出来るのでとても便利です。
リュックバッグの中身紹介
キヤノン EOS R5とRF100-500mmのセットと、EOS R6とRF70-200mmの組み合わせにレンズ単体でRF15-35mmをセットする。そのほかバッテリー、ノートPCも入れて動くことが多い。
PCはここにスライドさせて入れられるので場所を取らずとても便利です。また、衝撃から守るクッションも気に入っているポイントです。
ローラーバッグ「MB PL-RL-A55 PL AIR55」
MB PL-RL-A55 PL ローラーバッグ AIR55は、機内持ち込み可能で、スタイリッシュなキャリータイプのカメラバッグです。遠征時には、EF500mmの単焦点レンズを入れて、リュックタイプのカメラバッグと併用しています。こちらのバッグに使用されているローラーは、衝撃を吸収してくれるだけでなく、動きもスムーズなため、機材を安心して持ち運ぶことができます。多くの機材を背負ったり、ショルダーで持ち歩くことが辛いと思う方にはお勧めです。
とてもコンパクトに見えますが、奥行きもあり、機材以外のタオルや防寒着を入れる事も可能なので、普段の撮影でも重宝すると思います。ターミナル内での移動によく使用していますが、ローラーを転がしていると撮影目的ではあるものの、旅をしている気持ちになれるのもこのバッグの特徴です。
ローラーバッグの中身紹介
現在の機材ラインナップでは一番重量のあるEF500mmとEOS-1D X Mark IIIの組み合わせ専用としてこのバッグを使います。自動車での遠征時やターミナル内で撮影する時に転がして使えるので身体に負担なく動けて便利です。
メッセンジャーバッグ「MB MN-M-SD-30 Manhattan スピーディー30」
セスナ機で使用したMB MN-M-SD-30 Manhattan スピーディー30
ショルダータイプのスピーディー30メッセンジャーバッグは、使用している生地も薄く、とても軽いのが特徴です。ショルダータイプであるにも関わらず、リュックと同様にレンズを装着したままのカメラが二台すっぽり入るのは驚きです。私は、電車で撮影に行くときや、出先での打ち合わせなど、大きなリュックだと周りの方に迷惑がかかるような場面で使用しています。
セスナ機をチャーターして空撮を行ったときも、制限のある狭い機内にRF100-500を装着したEOS R5と、RF70-200を装着したEOS R6を入れて持ち込みました。もちろん旅客機にも機内持ち込み可能。足元に収納できるほどコンパクトです。最近は、カメラ教室で街角スナップ撮影をすることもあるので、機材と財布等の小物も入れて荷物を一つにまとめて持ち出しています。見た目がカメラバッグに見えないので、仕事帰りに撮影に行かれる方にもお勧めです。
ボーイング787での収納例
事前にカメラを取り出して前席の足元に収納しておけば万が一のレンズ交換やバッテリー交換にも対応できます。
ショルダーバッグの中身紹介
MB MN-M-SD-30 Manhattan スピーディー30
コンパクトなMB MN-M-SD-30 Manhattan スピーディー30ですが、RF100-500を装着したEOS R5と、RF70-200を装着したEOS R6が入ります。重量は増えますが、15インチのノートパソコンも入れて持ち運んでいます。
まとめ
カメラバッグの選択は非常に難しいと思いますが、まずはご自身の使用機材、撮影目的や撮影場所をしっかりと把握してから検討しましょう。全ての機材が入るからと大きめのバッグを購入しても、実際に持ってみたら重くて使えなかったり、移動に便利だからとローラータイプを購入しても、撮影場所が湿地や草むら、砂利道などの場合はむしろ移動しにくかったりします。
じっくり検討して一つに絞るのも良いですが、いくつかのバッグを撮影目的によって使い分ける事をおすすめします。マンフロットバッグのお気に入りのポイントは、それぞれ共通してシンプルな黒基調なデザインに赤のストライプがアクセントになっているところです。機材を収納する為のものですが、デザインもバッグ選びの大切なポイントだと思います。
■写真家:岡本 豊
1972年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学卒業後、企業の広告写真やポートレートを中心に撮影。ボーイング787に魅了され活躍の場を本格的に航空機撮影にスイッチ。現在、月刊エアライン連載「Go! Go! 787」、航空会社の撮影、セミナー等で活動中。年間50回以上787に搭乗。魅力を追う旅へ飛んでいます。Canon EOS学園講師。
航空写真家 岡本豊先生のレオフォト三脚講座
講座の内容はこちら からご覧ください。
この記事に使用した機材
【マンフロット】MB PL-BP-R-310 PL Redbee 310 バックパック
商品詳細ページ 【マンフロット】MB PL-RL-A55 PL ローラーバッグ AIR55
商品詳細ページ
【マンフロット】MB MN-M-SD-30 Manhattan スピーディー30 メッセンジャーバッグ
商品詳細ページ 【レオフォト】LS-284CEX LSレンジャーシリーズ三脚
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の岡本豊さんのバッグの中身を紹介しています。飛行機を撮影する写真家のバックの中身を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
カメラバッグ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Artでのポートレート撮影のススメ
BASENAME: 480883656.html
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CATEGORY: 礒村浩一
DATE: 04/09/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) ボディー,シグマ(Sigma) レンズ,105mm F1.4 DG HSM | Art,レビュー,人物_子供,ミラーレスカメラ,フルサイズ,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
シグマ「fp」は約2,460万画素の35mm判フルサイズセンサーを搭載し、Lマウント規格に準拠したミラーレス一眼カメラである。 外形寸法 112.6×69.9×45.3mm、質量 422g (SDカード, バッテリー込)と非常にコンパクトかつ軽量なボディが特徴で、同じくシグマから発売されている軽量コンパクトなLマウント用交換レンズ「Iシリーズ」と組み合わせれば、まさに掌に収まるサイズ感の良さを実感できる。一方、同社のLマウント対応交換レンズには、高画質を追求したArtシリーズのレンズもラインナップされており、撮影者が求めるクオリティに合わせてシステムを自由に構築できる点がfpの魅力でもある。
Artシリーズのレンズは描写性能の高さを第一の目標としており、各種収差を徹底的に抑え、かつ明るい開放絞りを採用することによって、被写体の前後に発生する「ぼけ」の美しさにもこだわった設計となっている。それだけにレンズの大きさや質量はどうしても大きくなるが、高品位な作品を制作したい方にはぜひおすすめしたいレンズだ。
そのなかでも「105mm F1.4 DG HSM | Art」は開放絞り値F1.4の大口径レンズであることと、徹底的な収差補正が行われた設計により、周辺光量の豊富さと解像力の高さから生み出される画像には定評のあるレンズだ。特に「BOKEH-MASTER」との異名を得る理由となったアウトフォーカス部のぼけ味の美しさは、ポートレート撮影においてその実力を大きく発揮する。そこで今回は、fpと105mm F1.4 DG HSM | Art Lマウント用の組み合わせによる女性ポートレート撮影を通じて、システムとしてのfpの実力に迫ってみたいと思う。
シグマfpの主なスペック
・ライカL規格マウント 有効画素数約2460万画素35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー採用
・常用ISO感度100-25600/ AUTO(静止画ベース感度ISO100および640)
・拡張ISO感度 コンポジット低ISO6-80相当・高ISO拡張32000-102400
・連写 高速 約18コマ/秒・中速 約5コマ/秒・低速 約3コマ/秒
・電子シャッター1/8000〜30秒・バルブ (最長5分)
・49点コントラストAF
・電子式(EIS)手ぶれ補正
・3.15型 約210万ドットTFTカラー背面液晶モニター 静電容量式タッチパネル
・UHS-II/UHS-I対応 SDXC/SDHC/SDメモリーカードスロット・ポータブルSSD,(USB3.0接続, バスパワー対応)
・カメラ内部記録動画フォーマット CinemaDNG(8bit, 10bit, 12bit)/ MOV:H.264 (ALL-I, GOP)
・カメラ内部記録動画解像度/フレームレート 3,840×2,160(UHD 4K) / 23.98p, 24p, 25p, 29.97p
1,920×1,080(FHD)/ 23.98p, 24p, 25p, 29.97p, 48p, 50p, 59.94p, 100p, 119.88p
・HDMI外部出力動画フォーマット 4:2:2 8 bit 出力
RAW 12 bit 出力:※外部レコーダー記録 Atomos Ninja V, Blackmagic Video Assist 12G 対応
・HDMI外部出力動画解像度/フレームレート 4,096×2,160 (DCI 4K)/ 24p ※RAW出力時のみ
3,840×2,160 (UHD 4K)/ 23.98p, 24p, 25p, 29.97p
1,920×1,080 (FHD)/ 23.98p, 24p, 25p, 29.97p, 48p, 50p, 59.94p, 100p, 119.88p
・インターフェース USB3.1 GEN1 Type C(マスストレージ, ビデオクラス, カメラコントロール対応)/ HDMI端子Type D(Ver.1.4)
・大きさ112.6mm(W)×69.9mm(H)×45.3mm(D)
・質量 422g (SDカード, バッテリー込)
シグマ105mm F1.4 DG HSM | Art Lマウント用の主なスペック
■ライカL規格マウント
■焦点距離 105mm
■レンズ構成 12群17枚(FLDレンズ3枚、SLDレンズ 2枚、非球面レンズ 1枚含む)
■最短撮影距離 1m
■最大撮影倍率 1:8.3
■絞り羽枚数 9枚(円形絞り)
■開放絞り F1.4
■最小絞り F16
■大きさ 最大径115.9mm 全長155.5mm
■質量 1625g
■フィルターサイズ 105mm
■防塵防滴仕様
ポートレート撮影に合わせてfpのカスタマイズを行う
fpはそのコンパクトなサイズからスナップ撮影を得意とするカメラというイメージが強いが、実はさまざまな撮影においても活躍できるオールマイティーなカメラを目指して作られている。そこで、ここではポートレート撮影に合わせたカメラのカスタマイズを考えてみよう。
多くのカメラがそうであるように、fpでも初期設定ではシャッターボタン半押しと同時にAFがスタートする設定になっている。通常はこの設定のままでも良いのだが、ポートレート撮影の際には人物の表情や仕草のシャッターチャンスを優先するべく、シャッターボタンとAFスタートを切り分けて行いたい場合もある。その場合はまずメニュー内[SHOOT -半押しAF-ON-切]にしてシャッターボタンからAFスタート機能を省いた後に、同じく[SHOOT -AELボタンの機能-AF-ON]に設定すると、カメラをグリップした際に右手親指の位置となるAFLボタンにAFスタート機能を割り当てることができる。
ここ最近のトレンドともなっている顔認識AF/瞳認識AFはfpにも搭載されている。メニュー内[SHOOT -フォーカス(STILL)-タブ1-顔/瞳優先AF]で[顔のみ]もしくは[顔/瞳オート]を選択すると、画角内で人物の顔が認識されれば優先的にフォーカスを合わせてくれる。ただし顔/瞳機能を使用する場合は、通常のフォーカスポイントを使用してのAFも併用するとよいだろう。
fpではアクセサリーとして用意されているホットシューユニットHU-11(fpに付属)を装着することで、シャッターにシンクロしたフラッシュ撮影が可能だ。ただしTTL調光などの機能はELECTRONIC FLASH EF-630などシグマ純正のフラッシュでのみ使える機能となる。ホットシュー自体は汎用のフラッシュと互換性があるものなので、メーカー保証外とはなるが他社製のフラッシュやコマンダーを使用してマニュアル発光させることができる製品もある。今回は一部の作品でニッシンデジタルのワイヤレスコマンダーAir10sとDi700Aを使用している。ただし全速電子シャッターとなるfpでは、フラッシュ同調速度が12bitRAW記録時で1/30、14bitRAW記録時では1/15秒となる。
記録bit数は記録画質の詳細設定から選択が可能。14bit記録の方が記録される画像の階調が豊かになるが、人物撮影では被写体ブレを避けるためにも12bit記録に設定してフラッシュ同調速度を1/30まで上げて撮影するようにしたい。それでも手ぶれや被写体ブレなどには十分な注意が必要だ。
fpのボディはコンパクトである点が大きな特徴であるが故に、105mm F1.4 DG HSM | Artのように大きなレンズとの組み合わせではアンバランスになってしまう。そこでお勧めしたいアクセサリーが「ハンドグリップ(大) : LARGE HAND GRIP HG-21」と「LCDビューファインダー : LCD VIEWFINDER LVF-11」の組み合わせだ。HG-21をfpと組み合わせると大型のしっかりとしたグリップにより105mm F1.4 DG HSM | Artのような大きなレンズでも安定したホールドが可能だ。またLVF-11をfpに装着すると、背面モニターをLVF-11の内蔵ルーペで拡大したうえで隅々まで確認できる。特に明るい場所で発生しやすいモニター表面への周囲の映り込みを無くすことができるので、画面が非常に見やすくなり常に安定した撮影が行える。同時にファインダーを覗くスタイルでのホールディングは、カメラの安定性の向上にも繋がる。見た目はかなり大げさになってしまうが、一度このスタイルに慣れてしまうと手放せなくなってしまうほどだ。なお先日発表された「電子ビューファインダー:ELECTRONIC VIEWFINDER EVF-11」は将来的なファームアップによりfpにおいても使用が可能になる予定だ。
LARGE HAND GRIP HG-21とLCD VIEWFINDER LVF-11の組み合わせ(左)とホットシューユニットHU-11(右)
HG-21とVF-11は付属のネジで連結して、fp底部の三脚ネジ穴を利用して取り付ける。ホットシューユニットHU-11はfpの左手側面のストラップ用ネジを利用して端子接点に接続することで、ホットシューに取り付けたフラッシュでのシンクロ撮影が可能となる。なおHU-11を装着した状態でもUSB端子、HDMI端子、MIC端子は使用可能。HDMIケーブルが撮影中に抜けることを予防するロック機能も備わっている。
マニュアルモードでのフラッシュ撮影の際に、フラッシュ光の露出設定絞りがその場の明るさより暗い設定値になっていると、モニターに露出反映させる設定のままでは被写体が暗く表示されてしまうことがある。その場合はメニュー内[SHOOT -Mモード時露出反映(STILL)]で[切]を選ぶことで被写体を明るく表示させることができる。これなら構図の確認も容易に行える。
ポートレート撮影に限らず縦位置撮影の画像を再生した場合、初期設定では自動的に縦画像としてモニターに表示される。そこでメニュー内[PLAY -回転表示]で[切]を選ぶことで自動回転されなくなる。カメラを90度回転させる必要はあるが、縦位置画像でもモニター全面に画像が大きく表示されるので確認しやすくなる。
シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art 実写作例
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art ニッシンAir10s + Di700A
■撮影環境:F1.4 1/30秒 ISO200 マニュアルモード DNGファイルをAdobe Photoshop Camera RAW13.2にてJPEG現像
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art ニッシンAir10s + Di700A
■撮影環境:F1.6 1/30秒 ISO125 マニュアルモード DNGファイルをAdobe Photoshop Camera RAW13.2にてJPEG現像
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art ニッシンAir10s + Di700A
■撮影環境:F1.4 1/30秒 ISO100 マニュアルモード DNGファイルをAdobe Photoshop Camera RAW13.2にてJPEG現像
天窓から室内に入った外光の拡散光とワイヤレスストロボのミックス光で撮影。限られた明るさの中で光量を最大限に取り入れるべくレンズの絞りを開放値付近に合わせた。その上でシャッタースピードは被写体ブレを避けるため、フラッシュのシンクロ速度上限となる1/30秒に設定。この条件のもとISO感度で全体の明るさを調整した。加えてシャドウ部の明るさを補うべく出力を調整したワイヤレスストロボを、モデル左側の少し離れた位置から天井に向けて発光し、反射拡散した光を補助光とすることでライトバランスを整えている。開放絞り付近での撮影のため被写界深度が極端に浅くなることを考慮して、モデルの目に確実にピントを合わせるように気をつけながら、前ぼけ後ろぼけを効果的に活かせるカメラ位置とアングルを探っている。
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art
■撮影環境:F1.4 1/30秒 ISO125 マニュアルモード DNGファイルをAdobe Photoshop Camera RAW13.2にてJPEG現像
廊下の壁面の窓から入る外光のみで撮影。光と影の流れ方を見ながらモデルに立つ位置を指示。顔/瞳認識AFを使用して目元にピントを合わせて撮影した。fpが人物の顔/瞳を認識するとAF枠がオレンジ色に変化するので、それを確認したうえでAELボタンを押しAFをスタートさせて、AF枠が緑色に変化した瞬間にシャッターボタンを押す。これを繰り返すことで浅い被写界深度であってもピント位置がずれてしまう頻度を下げることができた。
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art
■撮影環境:F4.0 1/125秒 ISO100 マニュアルモード DNGファイルをAdobe Photoshop Camera RAW13.2にてJPEG現像
春の日差しが差し込むテラスにて撮影。モデルと少し距離を取った位置から構図を決める。カメラとモデル、背景の距離の関係から最適なぼけ具合になると思われる絞り値F4.0を選択。人物全体を均質な描写としながらも、背景となる壁と窓枠のディティールを自然なぼけ具合とすることにより、状況説明を行いつつも遠近感のある画作りとした。明るいレンズだからといって無闇に開放絞りで背景をぼかして撮るだけでは、写真に本質を引き出すことはできない。
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art
■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO100 絞り優先モード カラーモード ティール&オレンジ DNGファイルをSIGMA PHOTO PRO Ver.6.7.5にてJPEG現像
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art
■撮影環境:F1.4 1/320秒 露出補正-0.3EV ISO100 絞り優先モード カラーモード ティール&オレンジ DNGファイルをSIGMA PHOTO PRO Ver.6.7.5にてJPEG現像
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art
■撮影環境:F2.8 1/00秒 ISO100 絞り優先モード カラーモード ティール&オレンジ DNG ファイルをSIGMA PHOTO PRO Ver.6.7.5にてJPEG現像
古い家屋が残る街並みを散策しながらの撮影。105mm F1.4 DG HSM | Artの柔らかなぼけ味にカラーモードのティール&オレンジを重ねることで、木造りの和風家屋を背景に温かみと懐かしさを感じる風情に仕上げた。このティール&オレンジはさまざまなシチュエーションで独特な効果を生み出してくれる面白いカラーモードだ。
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art
■撮影環境:F2.8 1/320秒 露出補正+1EV ISO100 絞り優先モード DNGファイルをAdobe Photoshop Camera RAW13.2にてJPEG現像
ローカル線のホームにて列車の到着を待つ間の一コマ。夕方になり傾いた日差しに輝くレールとホームを歩く女性の後ろ姿にピントを合わせた。インフォーカスの解像感の高さと、手前から奥にいくにつれ遷移するアウトフォーカスのなだらかなグラデーションがとても美しい。
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F1.4 DG HSM | Art
■撮影環境:F2.0 1/100秒 露出補正+1.3EV ISO100 絞り優先モード DNGファイルをAdobe Photoshop Camera RAW13.2にてJPEG現像
夕方の里山を包む柔らかな春の光の下、桜と菜の花を背景にして撮影。人物と桜の枝はクリアに描きだしつつも、背景の桜と菜の花は色とシルエットが溶け込みすぎないようにするため、絞り値をF2.0に設定してぼけ方をコントロールした。高い解像力と柔らかく美しいぼけ味が融合した、fpと105mm F1.4 DG HSM | Artの組み合わせならではの一枚となった。
シグマfpシリーズが核となり拡がるLマウントシステムの未来
シグマfpはそのコンパクトかつ軽量なボディにより、いわば「ちょうどよい」サイズという意味のスケーラブルがコンセプトのミラーレス一眼カメラである。それゆえ本体にはグリップらしいグリップもなく、一眼カメラの特徴といえる内臓ファインダーさえも省かれ、これまでのカメラの通念を投げ捨てた徹底したミニマムデザインがなされている。一方、105mm F1.4 DG HSM | Artは画質の高さを絶対条件とした設計により、105mmフィルター径という巨大な前玉レンズと贅沢なレンズ構成を堅牢な鏡筒でまとめ上げることで中望遠レンズとしては異例の大きさと質量となっている。これは画質絶対主義を掲げてきた現在のシグマの技術力を見せつけるかのごとくの存在といえるだろう。
そのコンセプトの違いから一見相反するようにも見えるfpと105mm F1.4 DG HSM | Artだが、これらの組み合わせから生み出される「画」は紛れもなく「写真」である。フォーカスが合わされた箇所は限りなくクリアに解像され、そこからアウトフォーカスとなっていく前後のぼけは、まさに水滴を落とした水彩画の如く柔らかな滲みとなって広がっていく。これはfpに搭載された、35mm判フルサイズでありながら約2460万画素に抑えられたイメージセンサーの余裕のある階調と、105mm F1.4 DG HSM | Artが持つずば抜けて高い光学性能の融合によって生み出されたものだ。
これらを踏まえた上であらためて見えてくるのが、シグマがfpを核として構築するシステムカメラとしての方向性と、Lマウント規格を共通規格として採用したLマウントアライアンスの目指す未来の形だ。現在、Lマウント規格の提唱企業であるライカカメラと、パナソニック、シグマの三社によって組織されたLマウントアライアンスだが、共通規格を採用しつつも三者それぞれが得意とする方向性の製品を開発販売することでお互いが補完しあう存在ともなっており、その輪の径はこれからもより大きくなることが期待できる。
つい先日、シグマからfpをベースにした拡張モデルともいえる「シグマfp L」の開発発表がなされたことも大変興味深い。搭載するイメージセンサーを約6100万画素の高画素のものへと変更することで、これまでのfpの約2460万画素から一気に高解像度な画像を得ることができるカメラとなる。またコントラストAFに加え像面位相差AFにも対応するとのことで、より動きものに対するフォーカス追尾や顔/瞳認識によるAFの精度向上も期待できる。それでいてカメラとしてのサイズは変えず質量もわずか5gの増加に抑えていることも、静止画/動画の両面においてのシステムカメラとしての核となる位置付けを揺るぎないものとしようとするシグマの思惑が伝わってくる。
このようにfpをシグマの目指すシステムカメラの核として捉えることで、ミニマムなボディサイズの存在意義をより明確にすることができるだろう。メインフレームとなるカメラでさえ望む用途に合わせ自在に換装し、レンズ、アクセサリーとの組み合わせであらゆる被写体を柔軟にかつ最適なカメラとして臨む。まるで子供の頃に夢中になったアニメの合体ロボのようだ。そう考えると、この一見大げさとも思えるfpと105mm F1.4 DG HSM | Artの組み合わせさえも、得られる「写真」の魅力の前では十分に納得できる選択のひとつと思えてくるはずだ。きっと。
■モデル:夏弥 < https://ameblo.jp/beautiful-summer12/ >
■撮影協力:SLOWTIGER<https://slowtiger.base.shop/>
■写真家:礒村浩一
女性ポートレートから風景、建築、舞台、製品広告など幅広く撮影。全国で作品展を開催するとともに撮影に関するセミナーの講師を担当する。デジタルカメラの解説や撮影テクニックに関する執筆も多数。写真編集を快適に行うためのパソコンのプロデュースも担当。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の礒村浩一さんがシグマ fp と 105mm F1.4 DG HSM | Artのレビューを行っています。ポートレート撮影で光を美しく使った写真や、内蔵カラーモードを用いた写真の撮り方を検証していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,レンズ,105mm F1.4 DG HSM | Art,レビュー,ポートレート
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSレビュー|幅広い守備範囲の超望遠レンズ
BASENAME: 480961984.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 04/12/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,レビュー,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
桜が散り、ハナミズキが満開。
ウグイスが軽やかに鳴いている。
春がぐぐぐと深まっている。
カメラを持って深まる春を撮りに行こう。
単焦点レンズ、マクロレンズ、そして、超望遠レンズ。
季節を撮るのにもいろいろなレンズを選ぶ。
今日は、そのレンズの中でも、超望遠レンズFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSについてご紹介したい。
高い設計基準を満たす新規光学設計により生み出されたSONYソニー G MasterレンズFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS。妥協のない光学設計と高速・高精度なAF駆動によりシャープな描写を実現。質量約1,395g(三脚座除く)、外形寸法(最大径x長さ)93.9 x 205mm、防塵・防滴に配慮した設計が施されている。
鳥や蝶を撮る
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSで動く被写体を追う。その中で強く思うのは、AFの爽快さ。リアルタイムトラッキング機能で動く被写体を連写していると、ビュンビュンと被写体を追いかけ、ピントが外れてからもピントが戻って来る速さの気持ち良さは快感。フォーカス駆動のダイレクトドライブSSM(DDSSM)(前側)とダブルリニアモーター(後側)を採用しているため、高精度かつ静粛なフォーカスレンズ駆動、高速性・追随性に優れたAFを実現している。
冬。まゆみの木の実の種を食べにやってくるメジロ。
ぴょんぴょん動きまわる鳥も爽快なAFにより快適に撮影できる。
■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.6 ISO1600
勢いよく飛ぶウミネコ。港にて。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF6.3 ISO1600
港にて。オオバン。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF5.6 ISO800
フジバカマの花の蜜を吸うアサギマダラ。
■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF5.6 ISO800
ヒヨドリ。桜の花の中で。
■撮影機材:SONYα7C / FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/100秒 絞りF5.6 ISO100
ボタンを有効に使って自分らしく撮影
レンズのサイドには、様々なボタンが配置されている。
上から、フォーカスモードスイッチ。オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えができる。二番目は、フォーカスレンジリミッター。あらかじめ合焦する範囲を限定し、迅速なフォーカシングを可能にする。例えば、遠くで飛ぶ鳥などを撮影する場合は∞-3mに設定しておくと、センサーから3mの範囲にはピントが来ないので便利。三番目は、手振れ補正スイッチ。オンにすれば手振れ補正が効く。一番下は、手ブレ補正モードスイッチ。躍動感溢れる流し撮りを撮る時はMODE2が便利。また、ズームリングとフォーカスリングの間にある白くて円形のフォーカスホールドボタンは、コンティニュアスAF時でもボタンを押すことによりピント位置を固定できる。フォーカスホールドボタンはボディでのカスタマイズにより、好みの機能を割り当てることが可能。
反対側には、ズーム操作感調整リングの表示が記載されている。調整リングを回転させることで、ズームリングを動かすときの回転トルクを調整することができる。ズームを素早く移動させたいときはSMOOTH、不意な動作でズーム位置が変わらないようにしたいときはTIGHT側に回転させる。撮影シーンに合わせて、選ぶことが出来るのは便利だ。
お花をトロトロに撮る
超望遠レンズと聞いて真っ先に想像する被写体は、先にお見せしたような動く被写体たちだろう。でも、このレンズFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSを、ぜひお花の撮影に使うカメラとしても選んで欲しい。一般的にお花を撮る時に使うレンズとして思い浮かぶのはマクロレンズや明るい単焦点レンズだろう。でも、この100-400mm F4.5-5.6 GM OS、驚くほど美しいボケを作り出し、とろけるような柔らかいお花の写真を撮ることができる。
まずは、そのとろけるような柔らかい表現を見て欲しい。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF5.6 ISO100
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.6 ISO1600
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF5.6 ISO400
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.6 ISO1600
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.6 ISO1600
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF5.6 ISO1600
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF5.6 ISO800
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2000秒 絞りF5.6 ISO1600
最大望遠400mm側、背景がギュッと圧縮されとろりとぼけているその写真たちは、まるで水彩画で描いたような世界。前ボケの被写体が柔らかいベールのように全体を覆っているような撮影ができる。まるでカラーフィルターをかけたような柔らかい色の重なり。この優しい色の重なり方は超望遠レンズならではだ。被写体のお花は遠いので、人間の目ではもちろんこんな世界で見ることはできない。カメラとレンズが描き出す世界。超望遠Gマスターレンズならではの圧倒的なボケ描写で優しいお花の楽園の世界を描くことが出来る。
最短撮影距離で撮影して大胆に
サラサモクレンが咲いていた。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF4.5 ISO100
レンズ焦点距離100mm
最短撮影距離に寄ってみる。
後ろの白いお花が優しくボケた。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF4.5 ISO100
レンズ焦点距離100mm
最大望遠側焦点距離400mm、最短撮影距離で撮影。
後ろの白いお花が薄い雲のようにボケた。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF5.6 ISO100
レンズ焦点距離400mm
撮影者から1mほどの距離にある被写体の背景をトロリとぼかして撮ることができる。先述した遠くの被写体を撮る時に背景をトロリとぼかして撮影できることを考えると、撮影者から広い範囲で柔らかいボケを生む写真を撮ることが出来るということ。柔らかさを描くことができる守備範囲が広い。
景色の背景を圧縮して撮る
景色を撮影する望遠レンズとして使うのも面白い。
超望遠レンズならでは、遠くの景色をギュッと密度濃く圧縮して撮影できる。
真鶴。遠くに連なる家々を密集しているように撮影。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF5.6 ISO800
遠くの海を、望遠側で撮影。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF5.6 ISO320
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF5.6 ISO100
住宅地で電線がたくさんあったのだけれど、桜から少し離れて遠くの富士山と合わせて撮影。圧縮することにより、電線を入れずに撮影できた。
キリリとした写真の描写の美しさ
柔らかさだけが美しいわけではない。
もちろん、シャープネスやコントラストが強いキリリと引き締まった写真の描写も美しい。
日中、暗がりの中に雪のように咲く梅林を撮影。
■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF5.6 ISO100
曇天の日、波を撮影。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/8000秒 絞りF8.0 ISO3200
晴天。輝くお花たちを撮影。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF5.6 ISO1600
夕暮れ。グラデーションに染まる夕焼けの海を背景に木々を撮影。
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/100秒 絞りF11 ISO320
冬。野花を撮影。
■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF.6 ISO640
おわりに
筆者は、今まで望遠レンズと言えば70-200mmレンズを使うことが多かった。それで十分撮れると思っていたし、楽しいと思っていた。でも、去年このFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSレンズを購入してから、確実に世界が広がった、そう思っている。撮れる被写体の幅が一気に広がった。自然の中で野鳥を撮影していて「撮りたい」が撮れる嬉しさに包まれ、お花を撮っていて今までの中望遠レンズや単焦点レンズとは「一味違うお花の写真が撮れているな」と実感しながらシャッターを切っている。毎年撮影していてちょっとマンネリ化してきたように思うような被写体の撮影も、新鮮な気持ちで被写体に向き合える。だからものすごく楽しい。そして、何よりもこのレンズの描写力の美しさにいつもハッとさせられる。再生ボタンを押して確認していると、ゾクゾクすることが多々ある。被写体とそして、その背景のボケの美しさに見惚れてしまうことも多い。たった今、自分で撮ったというのに。
約60本あるソニーのレンズ群の中からこのレンズにたどり着くまでは、きっと長い時間がかかるだろうし、たくさんのレンズを経験してから購入するレンズなのではないかと思う。でも、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSレンズの魅力を知ってしまうと、もうこのレンズがないカメラライフという選択肢は、私には、ない。考えられない。そのくらい、仕事に作品撮りに、活躍するレンズとして私の中に存在している。
まだ体験したことのない方は、ぜひ一度この魔力のようなレンズ力を試してほしい。
■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF5.6 ISO100
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF8.0 ISO1800
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF5.6 ISO1000
■写真家:山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんがソニー FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSのレビューを行っています。このレンズがないカメラライフは考えられないとまで言わしめる魔力のような本製品の魅力をご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー(Sony) レンズ,レビュー,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 木村さんテスト
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 04/13/2021 09:39:30
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テスト
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AUTHOR:
TITLE: [申込終了]【セミナー】Nikon Z 7II 店頭&オンライントークイベント-上田晃司- 4月18日(日)開催
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 04/13/2021 16:00:00
TAGS: セミナー,ニコン(Nikon) ボディー,Z 7II,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
Nikon Z 7II 店頭&オンラインセミナー
~ 本イベントは終了いたしました。沢山のお申込み誠にありがとうございました ~
2021年4月18日(日)11時より、CP+やYouTubeなどで大活躍の上田晃司さんを講師にお招きしてNikon Z 7IIの魅力を紹介するセミナーを開催いたします。シャープな描写力が魅力のZレンズと、その性能を存分に引き出す高画素機であるZ 7II。Zシリーズのすべてのカメラを使う上田さんにプロ目線の使いこなし術、設定のこだわりなどを語っていただきます。
参加方法は店頭参加とZoomを使用したオンライン参加の2通りをご用意しております。参加費は無料になりますのでお気軽にお申込みください。
また本イベントは「ShaSha」と連動したイベントとなっております。Z 7IIで撮影した写真や動画、そしてこの機種の魅力については、こちらの記事「ニコン Z 7II レビュー|Zレンズの性能を引き出す高画素機 」でも紹介しておりますので、合わせてご覧ください。
概要とお申込み
■開催日時:2021年4月18日(日)11:00~12:00
■参加費:無料
■参加方法:店頭(新宿 北村写真機店 )& オンライン(ZOOM)
※どちらか選択してお申し込み頂けます。
■申込方法:こちらのページ からお申込みください。
■申込期限:2021年4月14日(水)23:59まで
※定員に達しましたら締め切らせて頂きます。お早目にお申込みください。
上田晃司さんプロフィール
米国サンフランシスコに留学し写真と映像を学び、CMやドキュメンタリーを撮影。帰国後、フォトグラファー・映像作家として活動開始。現在は雑誌、広告を中心にライフワークとして世界中の街や風景を撮影。講演や執筆活動も行っている。また、YouTubeチャンネル「写真家夫婦 上田家」で写真、旅、カメラについて情報発信している。
上田晃司先生のShaSha記事一覧はコチラ
■更新
・2021年4月19日:イベント終了の旨追記しました。
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2021年4月18日(日)11時より、上田晃司さんを講師にお招きしてNikon Z 7IIの魅力を紹介するセミナーを開催いたします。
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KEYWORDS:
セミナー,ニコン(Nikon) ボディー,Z 7II,新宿 北村写真機店
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO レビュー|旅に出たくなるレンズ
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 04/14/2021 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) レンズ,レビュー,風景,高倍率ズーム
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BODY:
はじめに
一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ問わずレンズ交換式カメラの魅力は撮影の状況に応じてレンズを交換し自分のイメージを写しとることだ。しかし、天候や撮影環境によってはレンズ交換が困難なこともありレンズ交換をしなくても様々なシーンに対応できる一本があれば・・・と誰もが一度は思うことだろう。そんな願いを叶えてくれるのがオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROだ。今回はこのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとOM-Dを持ち出してみることにした。
スペック上の主な特長
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは製品名からも分かる通り広範囲の焦点距離をカバーしてくれるレンズだ。マイクロフォーサーズ規格のレンズになるため35mm判換算で24mmから200mmをカバーするまさに「便利ズーム」だ。しかも質量は約561gとカバーしている焦点距離を考えると、とても軽いのが魅力だ。
更にレンズにIS(手ぶれ補正)が搭載されておりE-M1XやE-M1MarkIIIと組み合わせることで5軸シンクロ手ぶれ補正7.5段と驚異的な補正効果を得ることができる。オリンパスのレンズにはスタンダード、プレミアム、PROと3つのグレードがあり、このレンズはその中でも最もグレードの高いPROレンズにラインナップされている。PROレンズには防塵・防滴性能が備わっており、その信頼性はメーカートップクラスと言ってもいいだろう。AFも高速・高精度で静物から動体までオールマイティーに活躍してくれる。
便利なだけじゃない!高い「描写力」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 1/4000秒 ISO200 焦点距離12mm(35mm換算24mm)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 1/8000秒 ISO200 焦点距離100mm(35mm換算200mm)
「便利ズーム」と聞くとカバーする焦点距離は凄いけど、F値も暗くて描写も甘いんじゃないの?そう思う人も少なくないはず。しかしこのレンズの凄いところはF値は全域F4通しで明るく、そしてなんと言っても解像度が高いのが特徴だ。広角側12mmから望遠側100mmまで全域で描写性能が高く、まるで短焦点レンズの様なキレ味は撮影のモチベーションが自然と上がってくる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 1/250秒 ISO200 焦点距離24mm(35mm換算48mm)
富士山と茶畑を写したものだが画面の中央から周辺まできっちりと描写されており実に気持ちが良い。上の写真の一部分を拡大したのが下の写真になるがトリミングしても非常に精細な写りで高倍率ズームとは思えない描写だ。
OM-D E-M1Xが約2000万画素だが今後更に高画素化していっても十分に性能を発揮してくれるレンズであることは間違い無い。マイクロフォーサーズのレンズはF値開放から既に解像感がピークのものが多いがこのレンズも例外では無い。F4.0が開放F値となるが、開放から解像感は高い。より均一な描写を求める場合はF5.6がベストだろう。更に被写界深度を稼ぎたい時はF8.0が画質と被写界深度のバランスが最も良い。F11あたりから回折現象が発生し描写が甘くなってくる。ピントの合う幅が広い被写界深度か描写性能のどちらを優先するのかでF値を決めると良いだろう。マイクロフォーサーズはAPS-Cやフルサイズと比べて元々の被写界深度が深いためF8.0より絞るシーンはスローシャッターを狙う時くらいで実際に使用するシーンはほとんどないかもしれない。僕が最もよく使うF値はF5.6で、画質もレンズのピークであり標準域の焦点距離で遠景を撮影するのであれば被写界深度もパンフォーカスを狙える深さになる。私自身、元々絵を描く方面から写真に転身したためボケで表現するよりも画面の隅々まで描写するパンフォーカスでの表現が性に合っているのだ。そのためセンサーサイズが一回り小さいマイクロフォーサーズはパンフォーカスでの撮影が容易であり自分の表現したいモノ・コトと合っているのだ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 10秒 ISO200 焦点距離86mm(35mm換算172mm)
手持ちでスローシャッターを楽しめる「5軸シンクロ手ぶれ補正」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/11 0.5秒 ISO200 焦点距離12mm(35mm換算24mm)
極端な暗所での撮影やスローシャッターを切る時は三脚を使うのが「あたりまえ」だと言われていましたが、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとOM-Dの組み合わせはその「あたりまえ」を見直すきっかけを与えてくれました。M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは対応ボデイと組み合わせることで5軸シンクロ手ぶれ補正が有効となり最大7.5段の補正効果を得ることができます。簡単にいうと秒単位のスローシャッターでも手持ちで撮影できるということです。三脚を使用せずスローシャッターを切ることができるということはアングルの自由度が増すということになります。いいアングルを見つけたけど三脚だとセッティングが難しい、極端なローアングルなど今まで諦めなければいけなかったシーンを手ぶれ補正を使うことで実現することができます。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 2.0秒 ISO200 焦点距離13mm(35mm換算26mm)
スローシャッターが活躍してくれる代表的なフィールドといえば滝や川など水の流れるロケーションだ。流れる水はシャッタースピードにより表情が変化する被写体であるためスローシャッターで撮影することでまるで絹の様な表情に変化する。スローシャッターといえばレリーズケーブルもしくはセルフタイマーと三脚を使って手ぶれしない様に撮影するのが定番だった。しかしM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとOM-Dの組み合わせはそんな「常識」を覆してしまった。
一般的に手持ち撮影で手ぶれしないで撮影できるシャッタースピードの目安は「シャッタースピード=1/焦点距離 秒」が目安となっているが、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとOM-Dの5軸シンクロ手ぶれ補正を使うことで7.5段分の補正が効くためより遅いスローシャッターを手持ちで撮影することができるのだ。例えば35mm換算で50mmのレンズを使用した場合、手ブレしない手持ち撮影の目安のシャッタースピードは「1/50秒」だが、5軸シンクロ手ぶれ補正が効いている状態だと「3秒」でも理論上では手ぶれを抑えてくれることになる。最近は高感度での画質が向上し高感度で手ぶれを防ぐことが増えてきたがその場合シャッタースピードが早くて流れる水を抽象化することはできない。手ぶれする前に露光が終わる補正方法ではなく、長時間シャッターを開けても手ぶれしない補正が重要となるのだ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 6.0秒 ISO200 焦点距離12mm(35mm換算24mm)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 8.0秒 ISO200 焦点距離12mm(35mm換算24mm)
三脚を使って撮影しているのでは?と思うシャッタースピードだが全て手持ちで撮影している。もちろん三脚を使うことで安定した撮影が可能だが、三脚が立てられない足場であったり、川に入って撮影する場合は三脚を立てると川の流れで逆にブレが発生してしまうこともあるのだ。三脚を持ち歩く必要がなくなるということは身軽になること、つまり撮影にも余裕が出てくるためより多くのシャッターチャンスと出会えるようになる。
注意したいのは5軸シンクロ手ぶれ補正を使うことで必ずしも手ぶれを全て抑えてくれるわけではなく、あくまで「補正」であり撮影をサポートしてくれる機能であることを忘れては
いけない。まずは手ぶれを抑えるために自分自身の撮影時の揺れを防ぐ姿勢を保つことが重要だ。手ぶれ補正があるからもう三脚はいらないではなく、状況に応じて三脚を使わない、と言う選択肢が新たに増えたということだ。
すべてのシーンがシャッターチャンスに
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/1250秒 ISO200 焦点距離100mm(35mm換算200mm)
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは遠景も近景も、広角も望遠もカバーしてくれるレンズであるため周りにある全てのものが被写体になる。写真を撮る上で心身ともに「気軽さ」は重要であり、写真を撮りたいときに撮れると言うのもスペックの一つと言ってもいい。個人的にはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを使い始めてから今まで積極的に撮影してこなかった望遠域での撮影も増えた。今まではレンズ交換をしないと撮れなかったシーンがレンズ交換する事なく撮れる様になったことは非常にありがたいこと。高倍率は描写に満足出来ないと思っていたがM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとの出会いはその概念を覆してくれた。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 1/1000秒 ISO200 焦点距離100mm(35mm換算200mm)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 1/1000秒 ISO200 焦点距離100mm(35mm換算200mm)
高倍率ズームを使う上で忘れてはいけないのは、あくまで自分の足で稼ぐこと。ズームができるからその場で望遠までズームして撮影・・・というのはもったいない。あくまで被写体と自分の距離感+焦点距離の組み合わせで一枚の写真は完成するのでそれぞれの焦点距離が持つレンズ効果を知った上で高倍率ズームを使うとより一層写真撮影が楽しくなる。まずはファインダーを覗く前に被写体と向かい合い、距離感を決めてその後にファインダーを覗いて一枚の写真に仕上げて欲しい。一つアドバイスができるとすれば広角で撮影する場合はいつもより一歩寄り、望遠で撮影する場合は一歩引く、それだけでもいつもと違った一枚と出会えるだろう。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 3.2秒 ISO200 焦点距離20mm(35mm換算40mm)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 0.5秒 ISO200 焦点距離29mm(35mm換算58mm)
さいごに
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは発売日に購入し、それ以来マイクロフォーサーズのメインレンズになっています。高倍率だからと避けている人も多いと思いますが、間違いなくその不安は杞憂に終わります。M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROはマイクロフォーサーズの一つの答えと言ってもいいのではないかと使えば使うほど実感します。この一本がマイクロフォーサーズを使う理由になる、まさにTHE・マイクロフォーサーズなレンズなのです。遠出をしなくてもM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとOM-Dを手にした瞬間から旅が始まります。見慣れた景色もきっと新鮮な気持ちで向き合うことができると思います。自分だけの旅の記録を一枚でも多く残してください。
■写真家:木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
この記事に使用した機材
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M1X
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんがオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROのレビューを行っています。軽量なズームレンズでありながら、まるで短焦点レンズの様な描写力と評する本レンズの魅力を作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス(Olympus) レンズ,レビュー,風景
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ fp L レビュー|三井公一
BASENAME: 481012825.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 04/15/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) ボディー,レビュー,fp L,スナップ,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
シグマから6100万画素センサーを搭載した小型軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラが登場しました。その名前は「SIGMA fp L」です。大人気の世界最小最軽量フルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」の兄弟機となるモデルになっています。掌に収まるとても小さなボディから生み出される超高画素の写真は、一体どんなものになるのか興味しんしんですね。また同時に発表された電子式ビューファインダー「EVF-11」も要注目となっています。
SIGMA fp L の主要スペックと新機能
「Pocketable Full-frame(ポケッタブル・フルフレーム)」、「Scalable(変幻自在の拡張性)」、「Seamless(本格的で自在な撮影機能)」を標榜する「SIGMA fp」ですが、今回登場したこの小さなモンスターカメラ「SIGMA fp L」の性能はどのようなものでしょうか。まずは主要スペックを見てみましょう。
大きさは「SIGMA fp」と変わりません。幅112.6mm、高さ69.9mm、厚さ45.3mmとなっています。とても小さいですね。重量は「SIGMA fp L」がわずかに5g重く、本体375g、総重量(SDカード, バッテリー込)427gという感じです。これでもフルサイズフォーマット機として驚きの軽さと言えるでしょう。
センサーは35mmフルサイズ(36.0mm×24.0mm)裏面照射型CMOSセンサーとなっています。SIGMA fpと同じくベイヤー方式です。また光学ローパスフィルターを採用しています。カメラ有効画素数は約6100万画素で、9520 × 6328ピクセルというとんでもない解像度となっています。シグマ史上最高解像度で、ライカLマウント機としてもこれ以上のものは存在しません。ISO感度はベース感度がISO 100と400という仕様です。設定可能感度はISO 100~25600で、拡張すればISO 6~102400まで使うことができます。
大きなトピックとしてはハイブリッドAFの採用でしょう。従来のコントラスト検出方式に加えて像面位相差オートフォーカスを搭載したことです。測距点は49点でより高速で正確なピント合わせが可能になったところでしょう。もちろん顔および瞳優先AFも採用されています。スチルだけでなくシネ撮影時でも安心ですね。
面白いのは高解像度を活かした新機能「クロップズーム」でしょうか。6100万画素というぜいたくなピクセルを、最大5倍まで画面中央部をクロップして撮影できるのです。純粋なデジタルズームなのですが、単焦点レンズ装着時など「もっと大きく被写体を撮りたい!」というケースに大いに役立つ機能となっています。タッチパネル式LCDモニターをピンチイン・ピンチアウトすることによって直感的にクロップすることが可能です。他には「USB給電」に対応したこともニュースでしょう。詳細はシグマの特設サイト をチェックしてみてください。
EVF-11
「SIGMA fp L」と同時に発表された電子式ビューファインダー「EVF-11」はカメラボディサイドに後付けするタイプのファインダーです。「LVF-11」という光学式の外付けファインダーも用意されていますが、それと比較すると大幅にコンパクトなものになっています。0.5型、約368万ドットの有機ELパネルを採用し大変見やすいものに仕上がっています。接眼部が稼働するのでウェストレベルでの撮影も楽に行うことができます。接眼部とカメラとレンズに添える両手との三点支持で手ブレを低減させる効果もあるので、「SIGMA fp L」には必須の撮影アイテムと言えるでしょう。なお将来のファームウェアアップデートによって「SIGMA fp」でも使用できるようになる予定です。
使用感
さて「SIGMA fp L」の撮影フィーリングはどのようなものでしょうか。結論から言うと「SIGMA fp」と大きく変わるところはありません。操作体系が変わったわけではないのでそれは当然ですよね。シンプルでわかりやすいメニュー体系や、使いやすいボタンおよびダイヤル配置などであっという間に手に馴染むのは「SIGMA fp」と同様でした。ただ6100万画素という高解像度センサーを採用したので「手ブレ」に注意が必要です。ボディ内手ブレ補正機能も非搭載ですし、シグマのミラーレス一眼カメラ専用設計の「DG DN」「DC DN」レンズ群も手ブレ補正機能を持ったものは1本しか存在しません。なのでスローシャッター撮影時にやや慎重さを求められるくらいでしょうか。
そこで役立つのが先ほど触れた「EVF-11」です。これを装着することによって、接眼部と左右の手による三点支持が効いてきます。必須のアクセサリーと言えるでしょう。これをつけて撮影すれば、6100万画素の圧倒的高解像度のディテールあふれる写真を楽しめること間違いなしです。
作例
では「SIGMA fp L」の実写作例をご覧に入れましょう。6100万画素のパワーは絶大で、4Kモニターで見ると圧倒されるほどの精細感です。風景や静物、建築やスナップ撮影ではもの凄い威力を発揮できるカメラに仕上がっていますよ。
「SIGMA fp L」に「SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary」を装着して、熱海のハーバーを撮影しました。精細感とヌケ感ある爽やかなカットになりました。ボートのディテールと立体感が高解像度によってよりリアルに感じますね。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影情報:f/11 1/200秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離24mm
斜光を浴びる街角の古びた建物を撮りました。レンズは「I シリーズ」の「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」です。ハイライト部からシャドウ部まで情報量豊かな描写を「SIGMA fp L」は見せてくれました。壁面の表現はさすが6100万画素ですね。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影情報:f/8 1/250秒 ISO100 露出補正-1.3 焦点距離65mm
「SIGMA fp L」の描写力は素晴らしいですね。その威力を発揮するのに電子式ビューファインダー「EVF-11」は必須と言えるでしょう。しっかりと額と両手でホールドできるので微ブレを防げるからです。干されている布団とアパートの壁を緻密にキャプチャーできました。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影情報:f/2 1/2500秒 ISO100 露出補正-1.3 焦点距離65mm
「SIGMA fp L」に超ワイドズームレンズ「SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art」を装着して産業遺構に迫りました。鈍い光りを放つパイプを情感豊かに撮影できました。その表面のザラザラとした感じや、ボルトとナットの経年変化の様子など肉眼以上に克明に記録できたと感じます。「SIGMA fp L」の威力はスゴいですね。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影情報:f/2.8 1/50秒 ISO100 露出補正-2 焦点距離14mm
ハイブリッドオートフォーカスを採用した「SIGMA fp L」はスナップにも好適です。富士山を背景に歩く人物を「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN | Contemporary」を使ってシューティング。ピントも高速かつ正確ですし、レンズ内手ブレ補正機能がよく効き、テレ端の400mmですがシャープにイメージどおりのカットを撮ることができました。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN | Contemporary
■撮影情報:f/8 1/1600秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離400mm
近所に放置されている往年の外国車を「SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art」を「SIGMA fp L」に装着してシャッターを切りました。永年積もったホコリの様子、引かれることがなかったドアノブの素材感まで余すところなく6100万画素の高解像度センサーは捉えてくれました。コントラストや発色もリアルだと感じました。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
■撮影情報:f/1.4 1/3200秒 ISO100 露出補正-1.3 焦点距離85mm
寺社にそびえる石塔。さまざまな文字が刻まれていますが、「SIGMA fp L」は恐ろしいほどにそれらを記録してくれます。レンズは「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art」を使いましたがリアル感タップリです。「SIGMA fp L」で撮ると4Kモニターで撮影結果を確認するのが本当に楽しいひとときとなります。シグマ独自の「Foveon」センサーで撮影したかのような感動ですね。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
■撮影情報:f/8 1/400秒 ISO100 露出補正-1 焦点距離70mm
さいごに
「SIGMA fp L」が搭載する6100万画素高解像度センサーの魅力はその圧倒的な描写力にあります。風景や静物、ポートレートやスナップなど、キッチリと撮影できたカットを大画面モニターで見る時間はまさに至福の時と言えるのではないでしょうか。しかも掌にカンタンに載ってしまう世界最小最軽量のフルサイズボディで撮れるのです。本当にスゴいですよね。魅力的なシグマレンズ群と組み合わせて撮影するのが楽しくなるカメラです。兄弟機「SIGMA fp」との2台持ちで撮影するのもオススメです!
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
「fp L」はこちらの記事でも紹介されています
■シグマ fp L レビュー|映像表現の可能性について
https://shasha.kitamura.jp/article/481458600.html
■シグマ fp Lのパウダーブルーで楽しむポートレート|水咲奈々
https://shasha.kitamura.jp/article/481497085.html
■更新
・2021年5月17日:「シグマ fp L レビュー|映像表現の可能性について」、「シグマ fp Lのパウダーブルーで楽しむポートレート|水咲奈々」への記事リンクを追加
この記事に使用した機材
【シグマ】24mm F3.5 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】65mm F2 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ
【シグマ】85mm F1.4 DG DN Art ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】14-24mm F2.8 DG DN Art ライカL用
商品詳細ページ
【シグマ】24-70mm F2.8 DG DN Art ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】100-400mm F5-6.3 DG DN OS Contemporary Lマウント用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがシグマ fp Lのレビューを行っています。6100万画素高解像度センサーを搭載した本製品の魅力を語っていますので作例と合わせて是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ(Sigma) ボディー,レビュー,fp L,スナップ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 【写真展】葛原よしひろ写真展 『いつでもどこでもなんでもαで撮ってきた』
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 04/16/2021 16:00:00
TAGS: 写真展情報,梅田
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BODY:
葛原よしひろ写真展『いつでもどこでもなんでもαで撮ってきた』
さまざまな被写体に向き合いながら
私の想いを
αに込めて表現する
今までもこれからもずっと
概要
■場所:大阪市北区梅田2-2-22 ハービスエント 4F αプラザ(大阪)※ソニーストア 大阪内(
アクセスMAP )
■期間:2021年4月24日(土)~ 5月7日(金)
■時間:11:00~20:00 ※最終日は17時まで
■費用:無料
■予約:不要
プロフィール
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザーJPS(日本写真家協会)正会員
~葛原よしひろさん執筆のShaShaの記事はこちらからご覧いただけます~
https://shasha.kitamura.jp/category/27335986-1.html
お問い合わせ
ソニーストアへのお問い合わせについては
こちら をご覧ください。
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 魅惑の「リフレクション」写真の撮り方|坂井田富三
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 04/19/2021 16:00:00
TAGS: 風景,リフレクション,撮影テクニック,ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ
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BODY:
はじめに
今回のテーマは、反射(リフレクション)を利用した撮影です。リフレクション撮影は、水面やガラスなどの反射を利用してシンメトリーな世界を演出したりする事ができ、とても魅力的な写真を撮ることができます。主に水面の反射を利用する撮影が多いのですが、暗い時間帯に撮影すると比較的簡単に反射効果を反映させた写真を撮影することができます。もちろん明るい時間帯でも光の角度などによってはとてもキレイなリフレクション写真を撮ることもできます。実際に撮影した写真を使って、どんな設定や機材を使ってより効果的なリフレクションを表現しているか紹介します。
リフレクション撮影に便利なアイテム
■撮影機材:SONY α1 + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF10 ISO200 焦点距離 79mm
※MARUMI EXUS サーキュラーP.L MarkIIフィルター使用
※川を流れる花筏(はないかだ)に、写り込んだ桜の木と青空をPLフィルターを使用(反射を強めて)して撮影
必須アイテムという訳ではありませんが、効果的なリフレクションを得るためにPLフィルターを使用する事をおすすめします。PLフィルターは偏光膜を用いることで光の反射を抑えたり、逆に反射を増やしたりすることが出来るフィルターですが、リフレクション効果を最大限にする為に、一番反射がでるポジションになるようにフィルターを回転させて使用します。もちろんPLフィルターを使用しなくて十分に反射効果を得られる場合もありますが、使用した方がより反射効果を実感できる写真を撮ることができます。
PLフィルター「EXUS サーキュラーP.L MarkII」は
こちら からご覧頂けます。
少し注意が必要な点は、PLフィルターはフィルターを見てもらえば分かるのですが、偏光膜が入っているので少し黒っぽく暗くなっています。PLフィルターを装着する事で、露出が1段~2段落ちてしまうので、シャッター速度の設定には十分気をつけましょう。合わせてPLフィルターは回転させて効果を調整するため、撮影にあたっては三脚を利用した方が調整はしやすいと思います。
PLフィルターは、風景写真を撮る上でとても有効的なフィルターなので、ぜひ持っておきたいアイテムの一つです。下の写真はPLフィルター効果の比較です。
左:フィルター無し、中央:PLフィルター使用(反射を弱める)、右:PLフィルター使用(反射を強める)
シンメトリーな反射風景を撮る場合には、実像と反射部分の濃度の調整をする為にグラデーションNDフィルターを合わせて使用する場合もあります。リフレクション撮影で有名な撮影スポットの千葉県市原市にある小湊鉄道の飯給駅(いたぶえき)で撮影した写真でフィルター効果の違いを紹介します。空を入れたシンメトリーな構図で撮影する場合、どうしても反射部分(水面)の方が暗く写ります。下の写真はフィルターを使用しないで撮影しています。
■撮影機材:SONY α1 + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF8 ISO800 焦点距離 40mm
この露出の差を調整するためソフトグラデーションNDフィルターを使用して、空の露出を落とし、実像部分と反射部分の露出の差を調整します。
■撮影機材:SONY α7R IV + FE16-35mm F4 ZA OSS
■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF8 ISO800 焦点距離 28mm
※マルミM100 100 × 150 Soft GND8 フィルター使用
グラデーションNDフィルター を使うことによって空の露出が適正になり、表情豊かになりました。こういったシーンなどにはとても有効的にフィルターになります。
実像部分と反射部分の露出差を調整できるグラデーションNDフィルターには境界面なだらかなソフトタイプや、くっきりと分かれるハードタイプなどの種類があり、それぞれの濃度の違うタイプがラインナップされています。撮影シーンにあったモノをセレクトし魅力ある作品を作る事が可能です。
下の写真は、上の写真と同じ位置から撮影した夜バージョンです。PLフィルターとソフトグラデーションNDフィルターを合わせて使用し、水面反射を強めつつ実像面と反射面の露出を整えた写真になります。
■撮影機材:SONY α1 + FE24mm F1.4 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/15秒 絞りF1.4 ISO1600 焦点距離 24mm
※マルミM100 100 × 150 Soft GND4 + M100 PLフィルター使用
PLフィルターやグラデーションNDフィルターは必須ではありませんが、使用する事によってよりリフレクションを強調することができたり、実像と反射の濃淡をより合わせる事ができたりと魅力的なアイテムなので、可能であればPLフィルターは準備しておきたいところです。
魅力的なリフレクション撮影事例
水のあるところで、すべて効果的に実像が写り込むリフレクション撮影ができる訳ではありません。きれいなリフレクションを撮るには、水面が穏やかでなければ反射面がぼやけてしまいます。よって流れのある川や海などより、池や水の張った田植え前の田んぼ、人工的な水のあるオブジェ、雨上がりの水たまりなどが有効な撮影ポイントになります。
■撮影機材:SONY α7R IV + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度13秒 絞りF16 ISO400 焦点距離 24mm
■三脚使用:レオフォトLS-324C+ギア雲台G4
この写真は雨上がりの夜に水たまりを使ったリフレクション撮影したものです。 水たまり反射した世界と実像の世界の全域にピントを合わす目的と、街灯の光芒をしっかりと表現するために三脚を使用して絞りをしっかりと絞りスローシャッターで撮影しました。水たまりを使ったリフレクション撮影する際には、水面に近いローアングルで撮影するので、三脚はローアングル撮影ができるものを用意しましょう。
■撮影機材:SONY α1 + FE16-35mm F4 ZA OSS
■撮影環境:シャッター速度1/4秒 絞りF22 ISO100 焦点距離 18mm
※マルミM100 100 × 150 Soft GND8 +ND500 フィルター使用
この写真は棚田100選に選ばれている撮影スポット千葉県鴨川市「大山千枚田」で撮影したものです。水の張られた棚田は、空の色を綺麗に反射してくれます。少しアクセントを加えるために難しい撮影条件にはなりますが、朝の太陽を棚田に反射させて画面内に2つの太陽を写し込みました。直接太陽に向けて撮影するために高濃度NDフィルターを合わせて使用しています。
■撮影機材:SONY α7R IV + FE20mm F1.8G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF10 ISO400 焦点距離 20mm
※MARUMI EXUS サーキュラーP.L MarkIIフィルター使用
高原にある池などは、周りの自然風景を写し込む絶景のリフレクション撮影スポットです。広角レンズを使用し、水面に青空が反射しやすい構図とタイミングで撮影すると鮮やかなリフレクション撮影ができます。上の写真は長野県の志賀高原にある木戸池でのリフレクション写真です。PLフィルターを使用する事によって、水面反射を強め青空を強調させて撮影しています。
■撮影機材:SONY α7R IV + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度13秒 絞りF16 ISO400 焦点距離 24mm
※マルミM100 100 × 150 Soft GND4 + M100 PLフィルター使用
人工的な池での有名な撮影スポットでは、長野県の御射鹿池(みしゃかいけ)がおすすめの撮影スポットです。この御射鹿池は農業用のため池の為、水面が穏やかで風が無ければ奇麗なリフレクションを撮ることができます。上の御射鹿池の写真は10月末に撮影した秋の写真ですが、テレビCMなどにも使用された初夏の緑のリフレクションなどが有名ですね。
人工的な水があるオブジェなども、人気のリフレクション撮影のポイントです。東京都中央区の晴海ふ頭にある風のオブジェは、都内でも屈指の有名撮影スポットです。東京湾に面した水が張られたオブジェがあり、オブジェの水面と東京湾をつなげたような撮影ができるのが特徴の撮影スポットです。日没後の空に青みが残っている時間帯がおすすめの撮影時間帯です。ここでの注意点は、海に面している場所なので比較的風の影響を受けやすく、水面が少し動いている事が多いです。少し長めのシャッター速度で水面をなめらかになるように撮影するのがポイントになります。
■撮影機材:SONY α7R IV + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度30秒 絞りF10 ISO400 焦点距離 24mm
※マルミM100 100 × 150 Soft GND4 + M100 PLフィルター使用
撮影時間帯が異なりますが、上の写真の様に長秒露光をしないで撮影すると下の様な写真みたいに水面が滑らかではなくなり、せっかくの反射したオブジェが奇麗に写らない場合が多くなります。風などで水面が動いている場合は、スローシャッターで撮ることをおすすめします。
■撮影機材:SONY α7R IV + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/25秒 絞りF8 ISO800 焦点距離 24mm
※マルミM100 PLフィルター使用
リフレクションは何も水ばかりではありません。床に映るリフレクションを撮影できる場所もあります。奇麗に磨かれた床に反射する世界は別世界の様子を見せてくれます。下の写真は、群馬県桐生市にある「宝徳寺」の「秋の床もみじ特別公開」で夜のライトアップを撮影した写真になります。お昼も撮影する事もできますが、秋の床もみじのライトアップは異次元の幻想的な様子を撮影する事ができます。
■撮影機材:SONY α7R IV + FE16-35mm F4 ZA OSS
■撮影環境:シャッター速度2.5秒 絞りF5 ISO800 焦点距離 16mm
※マルミM100 100 × 150 Soft GND8 +M100 PLフィルター使用
ライトアップ部がかなり明るく、床部は暗い為グラデーションNDフィルターをPLフィルターと合わせて使用しています。三脚は使用禁止の為、手ブレには細心の注意をはかり撮影をする必要があります。この宝徳寺は、秋の床もみじと春の床もみじの限定公開があります。4月後半から5月にかけて新緑の床もみじも撮影したいスポットです。
リフレクションを活かした撮影方法は、実像を反射して写し込むだけではありません。水面に色を添えるのにとても効果的な撮影方法の一つでもあります。下の写真は公園の池で泳ぐカモを撮影したものですが、池の周りの紅葉が水面に奇麗に反射する場所を探して撮影しています。PLフィルターが無くても水面との角度を調整する事によって反射を最大限に活用することも可能です。
■撮影機材:SONY α7RIII + FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離 400mm
まとめ
リフレクションの撮影は不思議で魅力的な写真を撮影する事ができます。今回はリフレクション撮影の有名スポットを中心に紹介しましたが、雨上がりの街中などには水たまりができ、身近な場所でリフレクション撮影できるところも出現します。雨の日に普段歩いているところに水たまりができている所をピックアップして、どんな感じに撮影できるか想像してみるのもいいかも知れません。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
この記事に使用した機材
【ソニー】FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ 【タムロン】28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ソニーEマウント用
商品詳細ページ
【マルミ】H&Y Kシリーズ ソフトグラデーションNDフィルター SOFT GND4
商品詳細ページ 【マルミ】H&Y Kシリーズ ソフトグラデーションNDフィルター SOFT GND8
商品詳細ページ 【マルミ】マルミ EXUS サーキュラー P.L MarkII 67mm
商品詳細ページ 【マルミ】マルミ サーキュラー PL for M100
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんが「リフレクション(反射)」写真の撮り方を紹介しています。どんな設定や機材を使うと、より効果的なリフレクションを表現出来るか説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
風景,リフレクション,撮影テクニック,ソニー
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XF18mmF1.4 R LM WR|開発担当者インタビューから新レンズを紐解く
BASENAME: 481083487.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 04/20/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF18mmF1.4 R LM WR,広角単焦点レンズ,開発者インタビュー,単焦点
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BODY:
はじめに
富士フイルムから新たな交換レンズ「XF18mmF1.4 R LM WR」が発表されました。Xマウントを採用しているAPS-Cフォーマットのミラーレス一眼カメラ、Xシリーズ向けの大口径広角単焦点レンズであり、徹底的に追求された解像性能が大きな特徴です。2020年10月15日に行われたライブイベント「X Summit OMIYA 2020」で開発がアナウンスされていた製品ですが、そこから約半年の期間を経て早くも製品化。発売日は2021年5月27日の予定です。
今回は先行して製品に触れる機会を特別に設けていただきましたので、開発担当者への取材内容も交えつつ製品をご紹介していきます。
最高クラスの解像力
XF18mmF1.4 R LM WRは製品名の通り、焦点距離18mm(35mm判換算:27mm相当)という広い画角と、開放F値1.4という明るさを持つ大口径単焦点レンズ。非球面レンズ3枚とEDレンズ1枚を含む9群15枚のレンズ構成を採用し、写りに悪影響となる収差を徹底的に除去することで優れた解像性能を実現しています。その解像力は同社「XFレンズ」の中でも最高クラスというほど。被写体の細部まで立体的に映し出すシャープな描写力はもちろん、星景写真などを美しく撮影できる高い点像再現性もこのレンズの特徴です。
優れた解像力に加え、開放F値1.4がもたらす美しいボケ味もXF18mmF1.4 R LM WRの魅力です。最短撮影距離20cm、レンズ先端から最短約11cmという近接撮影が可能であり、広い画角に映り込む背景をぼかして被写体が浮かび上がるようなクローズアップ写真が撮影できることでしょう。実際にカメラを構えてみても、拳一個分よりもさらに寄ることができ、遠近感を活かした印象的な画が撮影できそうです。被写体との距離が近いテーブルフォトでも活躍してくれますね。
X-T4に装着
X-Pro3に装着
開放F値1.4という大口径にこだわりの光学設計を詰め込んだレンズながら、質量370g・長さ75.6mmと携帯しやすいコンパクトなサイズにも注目です。X-T4やX-Pro3に装着してみても大きいとは感じることなく、ボディ重量とのバランスも非常に良い印象でした。フィルターサイズはØ62mm、同じF1.4のレンズである「XF16mmF1.4 R WR」はØ67mmですので、それよりも僅かに細身になっていることが分かります。
モデル名の「R」は絞りリングを表す文字。今回、絞りリングにはGFXシリーズ用のGFレンズで採用されている「Aポジションロック」が搭載されています。クリック感のある絞りリングを回してAポジションに入れるとロックされ、ボタンを押さないとリングが回らないようになります。XFレンズでは現在XF10-24mmF4 R OIS WRとXF27mmF2.8 R WRのみに採用されている機構です。
絞りリングにはAポジションロックを搭載
Aポジションではボタンを押さないとリングは回らない
防塵防滴を表すWeather Resistant(WR)の文字
また、「LM」はリニアモーター搭載を意味します。フォーカス駆動にリニアモーターを使用したインナーフォーカス方式を採用することで、高速で静粛性に優れたAF性能を実現しています。実際にピントを合わせた際の駆動音も耳を澄まさないと聞こえないレベルで、動画撮影時もほぼ気にならないと思います。
そして、「WR」は過酷な環境下でも撮影できる防塵防滴機能を表します。X-T4やX-Pro3など防塵防滴機能を備えたカメラと組み合わせれば雨天でも安心して使用することができ、あらゆるシーンに持ち出せるタフネスさも備えています。
開発担当者インタビュー
今回は富士フイルム(株)イメージングソリューション事業部・商品企画グループ 統括マネージャーの上野氏にXF18mmF1.4 R LM WRについて伺いました。
富士フイルム(株)イメージングソリューション事業部 上野氏
― まずXF18mmF1.4 R LM WRの開発経緯やコンセプトをお聞かせください
もともと同じ焦点距離の「XF18mmF2 R」というレンズがありましたが、それとは全く異なる設計目標でスタートしています。XF18mmF2 Rを発売したのがもう10年近く前になりますから、そこから比べると信号処理やセンサーの性能などは大きく進化しており、現代にマッチしたレンズを作る必要がありました。さらには将来を見据えた時に、カメラが高画素化してもしっかり解像するレンズが求められるということで、解像性能を重視した光学設計にしています。
解像力を高めるに当たっては、色収差やコマ収差などレンズの収差を徹底的に取り除くということが一番の設計目標でした。非球面レンズを3枚使ってよりシャープネスを上げる。加えて、EDレンズによって色収差を取りにいく。徹底した収差除去を目的としてリッチな光学設計によって性能を追求したのです。それに伴うサイズや重量の増加はある程度許容しています。そうは言っても400gを下回っていますから、十分に軽いと言えるでしょう。これこそがAPS-Cフォーマットの特徴ですし、X-T4やX-S10と組み合わせても重量バランス的になんら問題のないサイズに仕上げています。
また、今回特に意識したのが星景写真です。星ってキレイに点で映ってほしいじゃないですか。ですが、一般的にサジタルコマ収差が残っていると、絞り解放の時に画面周辺を中心に光が流れてしまうような、光が尾を引いているような写りになって星景写真を撮る人からは嫌われてしまうんです。ここをしっかり点像で映るように収差補正設計をしています。他にも、被写体の輪郭に偽色が出るパープルフリンジもなるべく除去するようにしています。
左からXF18mmF2 R、XF18mmF1.4 R LM WR、XF16mmF1.4 R WR
― 大口径レンズに期待するボケ味はいかがでしょう
ボケももちろん重視しています。広角レンズだとパンフォーカスすることが多いと思っているかもしれませんが、このレンズは被写体に寄れますから、その分背景との距離が生まれるのでそこを美しくぼかせるよう考えて設計しています。非球面レンズを多く使うと、その弊害として玉ボケの中に年輪のようなラインが入る玉ねぎボケになってしまう。しかし、非球面の磨きをしっかり工夫することで年輪ボケもほぼ目立たないところまで仕上げています。寄れてかつボケ味も美しい、しかも絞り解放からしっかりとシャープというのがこのレンズの醍醐味です。
― 同じ焦点距離のXF18mmF2 Rとはどういった違いがありますか
サイズ自体が大きく違いますから、当然光学性能も変わってきます。F2の場合はやはり小さく作るということを最優先にしているので、例えば絞り解放での周辺の解像度は最初からある程度譲っていいという思想で作っています。その代わりパンケーキスタイルで軽く小さく撮ろうというコンセプトです。それに対して、今回のF1.4は解放から最高のシャープネスを提供するというコンセプト。焦点距離は同じですがハッキリ言って別のレンズと思っていただいた方がいいでしょうね。
XF18mmF1.4 R LM WRはØ62mm、XF16mmF1.4 R WRはØ67mm
XF16mmF1.4 R WRにあったフォーカスクラッチは今回採用されていない
― 購入時の比較対象となるであろうXF16mmF1.4 R WRと比べたときの違いはいかがですか
16mmF1.4ももちろん今でも一級の性能を持っています。ただ、今回は今後の進化を見据えた設計という部分が大きく違いますね。ボディの進化に対応できるよう、18mmF1.4は絞り解放での解像力が16mmF1.4よりも1~2ランク上の性能を実現しています。ただ焦点距離が2mm違えば表現できる画が変わってきますから、その点は好みに合わせて使い分ける感じでいいと思います。18mmで16mmっぽい画が撮れるのかといえばそうではないですからね。
― F1.4採用のXFレンズはいくつかありますが、それらとの違いはどこにありますか
焦点距離が変われば当然求めるものが違ってきますよね。例えば一番人気の「XF35mmF1.4 R」。あれば周辺までビンビンにシャープってわけではないんです。各レンズでMTF曲線を公開しているのでそれを見れば分かるかと思います。数値だけ見れば画質が悪いと思われるかもしれませんが、我々はそれがすべてじゃないと思っています。35mmF1.4独特の空気感やまろやかな写り、柔らかなボケがあるから人気がある。レンズの各キャラクターを分けていくのが大事かなと思っています。
その中で18mmF1.4はとにかく解像力、一番シャープな画をしっかり結ばせるという特長があります。というのも、18mmは実はXシリーズのズームレンズ7本の中に内包されている焦点距離なんですよね。多分フジユーザーならどれかは持っているであろう18-55mm、16-55mm、16-80mm、10-24mmこれ全部に18mmが入っている。なのにあえて単焦点で18mmを提供するからには、ズームの中でセットできるものと同じではダメですよね。F値が2段明るいってだけでも芸がありません。やっぱりボケの美しさや解像力、色収差の少なさがズームとは一味違いますよってところを提供して初めて価値が生まれると思うので、XF18mmF1.4 R LM WRはそこを重視しています。
XF18mmF2 Rは角型フードだったが、XF18mmF1.4 R LM WRには花形フードが付属する
― XFレンズは広角側が14・16・18mmと2mm刻みで用意されていますがどう選べばいいでしょう
実は広角側の2mmの違いは非常に大きく、たった2mmの差で全然違う画になると思います。作り手からしたら、広角レンズを1mm広げるだけでそこに求められる光学性能の難しさが格段に上がるんです。100mmを101mmにするのとはわけが違う。数値的にはたった2mmですが、画角の広がり方や背景のボケ感が大きく変わってきます。
そこに加え最短撮影距離が違ったり、サイズ・重量の違いでフットワークが変わったり、その辺が積み重なって撮れる画が変わってきます。例えば人物撮影でしたら、あまり広角すぎると歪むので使うにしても16mmまでがいいと思います。一方で、「XF14mmF2.8 R」はとにかく歪曲収差を光学補正だけでゼロに持って行ったレンズなので、街のスナップを撮った時に気持ちがいいほどビルがすっと立ってくれるんです。そういった写りを求めるなら14mmを持っていきますよね。
対して「XF16mmF1.4 R WR」はすごく寄れて、18mmF1.4ほどシャープネスを上げてないせいで若干柔らかい印象の画が撮れるんです。被写体に寄った広角マクロのような写真を撮るなら16mmを選ぶでしょう。このように、自身の撮りたいシーンによって使い分けていただければと思います。
まとめ
富士フイルムが次の世代を見据えて開発したという意欲作のXF18mmF1.4 R LM WR。徹底的にこだわったという解像性能によって、今までにはない画作りが期待できるのではないでしょうか。今この時を鮮明に切り取りたいという欲求に応えてくれる高性能レンズに仕上がっています。
特集ページ
カメラのキタムラネットショップの「XF18mmF1.4 R LM WR」特集ページは下記バナーをクリック。レンズと合わせて購入したいアクセサリー類もご紹介しています。詳細は
こちら よりご確認ください。
■更新
・2021年5月27日:製品発売に伴い、予約受付中の内容を差し替えました。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
富士フイルムから発表された広角単焦点レンズ「XF18mmF1.4 R LM WR」を、開発担当者インタビューも交えて紹介します。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,XF18mmF1.4 R LM WR,広角単焦点レンズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 レビュー|最短撮影距離0.11mの軽量コンパクトレンズ
BASENAME: 481113606.html
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 04/21/2021 16:00:00
TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,レビュー,単焦点
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BODY:
はじめに
2020年11月1日に創業70周年を迎えたタムロン。記念すべき70周年イヤーの最初に発売した17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXDをはじめ、素晴らしい性能を持ったズームレンズの販売が直近重なっていたため、ズームレンズに引けを取らない魅力的な単焦点レンズが影を潜めがちです。今回レビューする20mm F/2.8 Di III OSD M1:2は、同時期に発表・発売した24mm F/2.8 Di III OSD M1:2と35mm F/2.8 Di III OSD M1:2の2本と合わせて巷では「タムロン3兄弟」の愛称で多くのカメラマンから愛されている一本です。スナップや風景、はたまたVlogなどを撮影するユーザーが一度は検討するであろうこのレンズをレビューしていきます。
■タムロン70周年記念サイトは
こちら
製品の基本スペックと外観
まずレンズの概要についてです。基本スペックからおさらいしていきます。
基本スペック
■明るさ:F/2.8
■画角(対角画角):94°30'
<35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ使用時>
■レンズ構成:9群10枚
■最短撮影距離:0.11m
■最大撮影倍率:1:2
■フィルター径:Φ67mm
■最大径:Φ73mm
■長さ*:64mm
■質量:220g
■絞り羽根:7枚 (円形絞り)**
■最小絞り:F/22
■標準付属品:花型フード、レンズキャップ
■対応マウント:ソニーEマウント用
* 長さ=レンズ先端からマウント面まで。
** 絞り開放から2段絞り込んだ状態まで、ほぼ円形の絞り形状を保ちます。
■引用:タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) 製品情報 | Eマウント | 単焦点 レンズ - TAMRON
外観
次に製品の外観をチェックしていきます。
本体は、ボタン類の一切ないシームレスなデザインを採用。ピントリングのトルクは重すぎず軽すぎない、なめらかな作りになっています。
後述しますが、本レンズの大きな特徴は驚きの軽さとコンパクトさ。iPhoneと比較すると、その小ささが伺えます。旅行やちょっとしたお出かけに連れて行く際、軽い・小さいは正義だと思います。
フィルター径はΦ67mmを採用。20mmの広角レンズでフィルターを装着できるのは画作りに最適なのではないでしょうか。タムロンはフィルター径を統一しているものが多いメーカー。ほかレンズとの互換性が高いとフィルターの数も減らせます。
標準で付属してくる花形フードのHF050は丈が短く、コンパクトなレンズ本体の外観を損なわないシンプルな作りになっています。
本製品はソニーEマウント専用の商品です。ソニーのミラーレス機は非常にコンパクトですが、これに負けないくらい小型で持ち運びやすいスタイリッシュな組み合わせになっています。
20mm F/2.8 Di III OSD M1:2の特徴4つ!
ここまでお話した基本スペックや外観をもとに、本レンズの特徴を4つ紹介していきます。
軽量コンパクト!共通マウント径
本製品の重量はなんとたったの220g。およそりんご1個分の重さという軽量さは、最大の特徴と言っても過言ではないです。カバンに忍ばせるには十分なコンパクトさと軽さになりますので、旅行や山登りを伴う撮影において重宝できます。
■引用:タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) 製品情報 | Eマウント | 単焦点 レンズ – TAMRON 他レンズとの互換性
また前述したようにタムロンのレンズ群はフィルター径を統一していることが多く、フィルターの使い回しができるのも魅力の一つとなっております。
最短撮影距離0.11mのハーフマクロを実現
基本スペックで記載したとおり、本レンズは最短撮影距離が0.11m。最大撮影倍率が1:2とハーフマクロまで実現しています。引きで風景や大きい被写体を撮る目的だけでなく、寄ってテーブルフォトや花などの被写体までカバーしてくれます。
DCモーターを採用した高いAF性能
■引用:タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) 製品情報 | Eマウント | 単焦点 レンズ – TAMRON OSDの画像
本レンズは静音性に優れたDCモーター「OSD (Optimized Silent Drive)」を採用しています。実際に触ってみて、駆動音の減少・AFの精度とスピードも大きく向上が感じられました。動きの早い被写体にもスムーズなピント合わせが期待できます。また、静寂な環境での動画撮影時は多少の駆動音は拾うものの、外で撮影する場合筆者はそれほど気になりませんでした。
特殊レンズやBBARの採用
本レンズはレンズ群にもこだわりを持っています。特殊硝材であるLDレンズやGMレンズの採用で、色収差をはじめとした諸収差を抑制しています。実際に後ほど出てくる作例を見ていただければと思いますが、一般ユースに使用する分には全く気になりませんし、RAW現像における補正ができる方は活用頂くとなお良いかと思います。
また、タムロン独自のBBAR (Broad-Band Anti-Reflection) コーティングを施し、逆光の撮影時に発生しやすいゴースト・フレアを低減していて、意図的に狙う場合を除き問題ないのかなと感じました。
その他にも各所に防滴用のシーリングを施した簡易防滴構造や、水滴・手の脂などが付いても拭き取りやすくメンテナンスが容易な防汚コートの採用など、機能が盛り沢山なレンズに仕上がっています。
20mm F/2.8 Di III OSD M1:2作例
最後に使用を検討している方が多いであろう、ソニーα7IIIと本レンズの組み合わせで撮影した作例をご覧ください。
■使用機材:SONY α7 III + タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:ISO100 SS1/320 F4
■使用機材:SONY α7 III + タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:ISO3200 SS1/125 F5.6
■使用機材:SONY α7 III + タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:ISO100 SS1/1000 F2.8
■使用機材:SONY α7 III + タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:ISO100 SS1/160 F14
■使用機材:SONY α7 III + タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:ISO100 SS1/320 F2.8
■使用機材:SONY α7 III + タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:ISO125 SS1/320 F8
■使用機材:SONY α7 III + タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:ISO3200 SS1/125 F5.6
最後に
レビュー内の特徴であえて記述しませんでしたが、様々な機能を搭載した本製品を含むタムロンのレンズは、なんといっても価格面でメーカー純正レンズよりもかなり低価格でお買い求めいただけます。
・標準ズームレンズとは別に、もう少し広角で撮影できるレンズが欲しい
・1本で様々な役割を担ってくれるレンズが欲しい
上記のような読者の皆様は、新たな選択肢を作ってくれる1本としてぜひ本製品を検討してみてください!
■ライター:
多賀野友輔
学生時代にサッカーコーチの一環で一眼レフを使用し、スポーツ撮影を開始。写真小売業会勤務での知識習得と接客を通して、各メーカーの機材を使用し、知識を取得。現在、子どもと愛猫のポートレートと風景の撮影をメインに写真活動中。
この記事に使用した機材 【タムロン】20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ソニーEマウント用(Model F050)
商品詳細ページ 【ソニー】 α7III ボディ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
カメラ・ガジェット系ライターの多賀野友輔さんがタムロン20mm F/2.8 Di III OSD M1:2のレビューを行っています。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
タムロン(Tamron) レンズ,レビュー
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: キヤノン RF35mm F1.8 MACRO IS STM レビュー|村上悠太
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CATEGORY: 村上悠太
DATE: 04/22/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF35mm F1.8 MACRO IS STM,標準単焦点レンズ,レビュー,単焦点
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BODY:
はじめに
様々な特徴を持つレンズを、状況によって使い分けることができるのはレンズ交換式カメラの大きな楽しみの一つです。交換レンズには大きく分けて、焦点距離を変えることのできる「ズームレンズ」と焦点距離が固定されている「単焦点レンズ」の2つがあります。
ズームレンズのほうが画角を自由に変えられて便利なのですが、1つの焦点距離しか持たない単焦点レンズにもズームレンズにはない魅力が詰まっています。今回は僕の撮影に欠かせない単焦点レンズ、「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」をご紹介したいと思います。
単焦点レンズの魅力って?
先にも明記した通り、単焦点レンズはズームレンズのように焦点距離を変えることができません。そのため、「もっと寄りたい!」「もっと広く撮りたい!」といった際には自分が動いて立ち位置を変える必要があります。
各メーカーからズームレンズが発売される中、単焦点レンズのラインナップも決して無くなることはありません。ではズームレンズにはない単焦点レンズの魅力とはなんでしょうか??
1:ズームレンズよりコンパクト&高画質
複数の焦点距離をカバーするズームレンズは各焦点距離で高画質を実現するため、一般的に単焦点レンズに比べて、多くのレンズ枚数が必要になります。そのため、F値の明るいズームレンズの場合、どうしても大きく・重くなる傾向があります。
また、同じ焦点距離での画質を比べた場合、単焦点レンズはその焦点距離に特化した設計を追求できるため、ズームレンズとは一味違う描写力を持っています。いわば単焦点レンズはその焦点距離の「プロフェッショナル」なのです!
2:明るい開放F値による大きなボケ
もう一つの特徴として単焦点レンズはズームレンズに比べて明るいレンズが多い点が挙げられます。レンズの明るさは「F値」で表しますが、今回紹介するRF35mm F1.8 MACRO IS STMの開放F値はなんとF1.8!RFレンズの中には開放F値F2.0のズームレンズもラインナップされていますが、RF35mm F1.8 MACRO IS STMと比べると機能面の違いが前提ですが、大きさも重さも価格帯も大幅に異なります。
小型軽量かつ、明るい開放F値が作り出す大きなボケ味と暗い条件でも撮影を身近に可能にしてくれる性能は単焦点レンズならではです。
3:構図力が鍛えられる
ズームレンズは焦点距離を自由に変えられるため、構図を作るときにあまり「焦点距離」を意識しないことが多いと思います。立ち位置が限定される鉄道写真にとってはこの自由度は確かにメリットで、僕もズームレンズを主体にレンズラインナップを揃えています。
もし、撮影に必要な焦点距離を全部単焦点レンズで揃えようとしたら、コストだけでなく撮影地に携行するのも難しくなってしまいます。そのため、自分がよく使う焦点距離だけ、単焦点で揃えています。
レンズの焦点距離は単に「写る範囲」が変わるだけでなく、焦点距離によってそれぞれ遠近感、ボケの出方なども変わっていきます。単純に画角だけを考えてズームで構図を作ると想像とは違った結果になることもしばしば。
一方で、画角を変えるには自分が動くしかない単焦点レンズは、その焦点距離の特徴を自身の感覚に染み込ませることもでき、結果として「構図力」が鍛えられることにつながると感じています。もし、ちょっと普段の撮影に行き詰ってしまっていたらぜひ単焦点レンズでの撮影にチャレンジしてみてください。
35mmが好きな理由
僕が35mmを好きな理由に、なにげなく感じた「あ、いいな」をストレートに写真へ変換してくれるというものがあります。みなさんもカメラを構えるとき、なにかしらの動機があるはずです。その動機を元に構図を作り、シャッターを押すわけですが、その場で感じた感情をストレートに描いてくれるのが僕にとってこの「35mm」という画角なのです。
「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」はEFレンズの同クラスレンズとほぼ同等の大きさにも関わらず、軽量化を果たし、さらにマクロレンズとしてラインナップされました。ただ、通常の単焦点35mmレンズとして使用してもなにも問題なく、個人的には「マクロレンズ」という認識よりむしろ、35mmレンズにマクロ機能がついているという感覚で使用しています。
RF35mm F1.8 MACRO IS STM作例
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:SS 1/30 F11 ISO100 WB太陽光
■ピクチャースタイル:スタンダード 阿蘇を経由して熊本と大分を結んでいるJR九州豊肥本線。2016年に発生した熊本地震では一部区間で甚大な被害が発生し、長く不通となっていた区間がありましたが、2020年に全線での運転が再開されました。
この写真を撮影した豊後竹田〜朝地間には、「若宮井路笹無田石拱橋」というアーチ状の美しい石造りの水路橋があり、豊肥本線はそのすぐ横を走っていきます。撮影地に着いた時、この石橋の造形美と、力強く生い茂る緑の存在感に心惹かれました。
そんな目の前の光景に余分な写真的な演出を加えることなく、なるべく真っ直ぐに自身が惹かれた光景を写真に表現するためにRF35mm F1.8 MACRO IS STMをすぐに選択しました。単焦点レンズだけが持つ緻密な描写力を生かし切るために、カメラはEOS R5を組み合わせます。
列車を写し止めてしまうと、どこか列車の存在感が大きすぎるため、「列車」ということがわかる程度にブラして「走り去る」というニュアンスを表現しています。この日は無風だったため、木々のブレは気にしなくてもよかったのですが、1/30秒というとカメラブレが気になるシャッタースピードです。
しかし、EOS R5とRF35mm F1.8 MACRO IS STMの組み合わせでは、レンズ側とボディ側のそれぞれの手ブレ補正機構が協調する「協調制御IS」が機能するため、約7段分の手ブレ補正性能で強力に手ブレ、カメラブレを防いでくれました。
■使用機材:キヤノン EOS R + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:SS 1/640 F8.0 ISO400 WB太陽光
■ピクチャースタイル:スタンダード(C-PLフィルター使用) 冒頭でも述べた通り、単焦点レンズはその焦点距離の「プロフェッショナル」。RFレンズはズームレンズでも単焦点レンズに匹敵するような性能を持つレンズも多くラインナップされていますが、大きさや価格を考えるとやはり単焦点レンズもまだまだ魅力的。
また、焦点距離が固定されているため、構図を組み立てる上でおのずと要素を整理することができます。この撮影地は「新緑」「岩」「川」そして「列車」と素敵な要素が満載の場所です。もっと広角を使用して要素を入れ込み、ダイナミックな構図にしようかとも考えたのですが、どこか構図に散漫さを感じました。
そこで一度、単焦点の35mmを付けて自分の足で前後しながらアングルを探したところ、結果として要素の整ったアングルを探すことができました。
■使用機材:キヤノン EOS RP + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:SS 1/1000 F11 ISO1000 WB太陽光
■ピクチャースタイル:スタンダード こちらの写真も1つ上の写真と同様に35mmを使うことで構図を整理できたと感じた1枚です。満開の桜に囲まれて走る1両のディーゼルカー。素敵なシチュエーションにどこまで桜を入れ込むか現場で悩みました。
ワイドで撮れば撮るほど、桜の量は増えるものの、電柱や花付きの悪い枝なども入ってくるために思い描いたような写真になりませんでした。こんな時、僕は「なぜここで写真を撮ろうと思ったんだろう」という原点に帰ります。
自分の視界に入った桜とレールのある光景が素敵だったわけですから、一度35mmに戻して、この現場に到着した時の「僕の視界」を改めてカメラを通して再現してみました。よく、「人間の視界は50mm」という風にも言われていますが、僕の感覚では50mmはやや望遠気味で、35mmの方がしっくりくるかなという印象です。
このカットは日中でありながらISO1000で撮影しています。理由はズバリ「絞りたかった」から。F11まで絞ることで、桜の輪郭がある程度しっかりわかる程度まで被写界深度を深くしています。単純に絞るだけならシャッタースピードを下げればよいのですが、そうすると今度は列車がブレてしまいます。列車をブラさず、でも被写界深度を稼ぎたい。この両方を両立するためにISO1000で撮影しています。
■使用機材:キヤノン EOS R6 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:SS 1/6400 F1.8 ISO250 WB太陽光
■ピクチャースタイル:スタンダード JR九州日田彦山線採銅所駅。この駅は毎年、桜の時期になると素敵な春の光景が広がる駅です。この日は他の取材帰りに列車で立ち寄りました。自分が乗る列車がやってくる瞬間、駅舎、改札、そして列車の先で光り輝く「桜」に心惹かれました。
僕がRF35mm F1.8 MACRO IS STMがもつ性能の中で最も気に入っているのが「ボケ」です。35mmは広角域になってくるので、被写界深度は深めのレンズです。それでもこのレンズの開放F値であるF1.8まで開けると「広角」でありながら「ボケ」を活かした画面作りをすることができます。
このカットも改札や時刻表、列車などの要素を入れ込みつつ、あくまでピントは僕が最も心が惹かれた「桜」に合わせています。ある程度絞り込めば画面全域にピントを合わせることもできますが、そうしてしまうと僕の主張が弱まってしまうと感じたので、絞りを開放に設定して桜以外は大きくボカしています。ボケは写真を通して撮り手の視界を見る人に伝えることのできる大切なファクターです。
少し話が逸れますが、花や景色が美しい駅は多くの観光客や写真愛好家の方が集まります。その中で鉄道敷地内に入り込んでしまう方や、踏切を使用せずに線路を横断する方の姿をしばしば見かけます。
うっかり!ということもあるので、お見かけした際にはそっと言葉を選びながらお声がけしています。素敵な場所だからこそ、ルールを守って撮影したいものです。鉄道の世界において安全に関わることは「マナー」ではなく、「ルール」です。よく耳にする「ちょっとくらい」「せっかく咲いているのに」「昔はやってもよかった」「みんなやってる」という言葉はきちんと一度、考え直すべき時代だと僕は思っています。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境: SS 1/6400 F1.8 ISO200 WB太陽光
■ピクチャースタイル:スタンダード みかん山に囲まれて東京を目指す東海道新幹線最新鋭の「N700S」。こちらの1枚もF1.8の絞り開放で撮影しています。絞り込んでピントを深く合わせた方がいいかなと現場で試してみたのですが、桜などの花とは違い、みかんは丸いので大きくボカしても雰囲気が悪くならなかったので、大胆にボカしてみました。
圧縮効果が出る望遠レンズとはちがう、35mmならではのほどよい遠近感と大きなボケが両立できるのもこのレンズの見逃せない長所です。
■使用機材:キヤノン EOS RP + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:SS 1/1000 F3.5 ISO125 WB太陽光
■ピクチャースタイル:スタンダード 大口径でボケ味が楽しめるRF35mm F1.8 MACRO IS STMですが、ミラーレス特有のショートバックフォーカス機構により小型・軽量化を達成したため、EOS RPやEOS R6といった軽めのボディと組み合わせて気軽なスナップも楽しめるレンズです。さらに鉄道撮影ではあまり使用しませんが、最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ撮影できるのも楽しいポイント。
湘南エリアを走っている江ノ電のすぐそばにあるこちらの魚屋さん。一声かけて軒先の干物と一緒に撮影させていただきました。こうした新しいモチーフを探す時には機材の小型軽量というのは大きなメリットです。この魚屋さん、どの魚も鮮度抜群、丸干しなどもおいしいので訪れた際にはぜひたくさんのお土産も買ってみてくださいね。
■使用機材:キヤノン EOS R6 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:SS 1/2500 F2.0 ISO2000 WB太陽光
■ピクチャースタイル:スタンダード RF35mm F1.8 MACRO IS STMの大きなボケは、ふとした目の前の光景も特別な瞬間に描いてくれます。僕の息子ということもあり(?)、順調に鉄道好きに育っていっている我が息子人生初の「ロマンスカー」乗車のひとときを撮影してみました。
初めて乗るロマンスカーに大はしゃぎの息子の表情をEOS R6のサーボAFと顔+追尾優先AFで撮影しています。比較的近接しているだけでなく、F2.0に設定しているため、被写界深度は非常に浅いのですが、興奮して激しく動く息子の瞳にも、きちんとピントを合わせることができました。
この時乗車した白いロマンスカー「VSE」という車両はドーム状の天井が特徴なのですが、その特徴をボケの中に写し込んで、単なる子どもスナップではなく、彼の旅の記録なので「鉄道の車内」で撮影しているということがわかるように心がけました。
■使用機材:キヤノン EOS R6 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:SS 1/250 F1.8 ISO320 WB太陽光
■ピクチャースタイル:スタンダード こちらは先のカットの続きです。車掌さんからもらった「VSE」のカードを胸に、はしゃぎ疲れた息子を撮影しました。シートの上から見下ろすように撮影しているのですが、その時にシートの背面を少しだけ「前ボケ」として入れ込んでいます。
そうすることで、そっと覗き込んでいるといったニュアンスを表現しています。そしてこの「前ボケ」を最大限に生かすために絞り値はF1.8に設定。今はシートにラクラク横になれる彼ですが、きっとすぐに大きくなるんだろうな、と思ってシャッターを押しました。
まとめ
シーンに合わせてシャープな描写力から優しいボケ表現まで、一本で多彩な表現ができるRF35mm F1.8 MACRO IS STM。最近ではEOS R6にこのレンズ一本を付けっぱなしにして、近所の散歩や家族の記録などを撮ることも増えてきました。
単焦点レンズだからこそ楽しめるストレートな撮影も、新しい表現の発見にきっとつながるはずです。日々のなにげない瞬間の記録にも最適な一本です。
■写真家:
村上悠太
1987年東京都生まれ。鉄道発祥の地新橋でJR発足年に生まれた。日本大学芸術学部写真学科卒業。「ひとと鉄道、そして生活」をテーマに制作活動を行う。鉄道旅を通して日台観光促進、相互交流にも携わり、2019年台湾観光貢献賞(台湾政府 観光局)を受賞。高校時代には、毎夏北海道東川町で開催されている「写真甲子園」に出場し、2019年開催大会では出場者で初めて審査委員を務める。主な個展に、鉄道写真+動画展「てつ動展」(EIZOガレリア銀座 2015年)、「つなぐ旅」(キヤノンオープンギャラリー 2016年)、「つなぐ旅-その、日々へ-」(キヤノンギャラリー銀座・大阪 2020年)。
・キヤノン EOS学園東京校 講師
・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師
・日本鉄道写真作家協会 理事
〜「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」はこちらの記事でも紹介されています ~
キヤノンRF35mm F1.8 MACRO IS STM|スナップに最高の一本!常用したい単焦点レンズ
ライター:秋元智貴
https://shasha.kitamura.jp/article/474090284.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の村上悠太さんがキヤノン RF35mm F1.8 MACRO IS STMをレビューしています。鉄道写真を撮影する際の製品特長を作例と共に紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン(Canon) レンズ,RF35mm F1.8 MACRO IS STM,標準単焦点レンズ,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: ペンタックス K-3 Mark III レビュー|オールドレンズとカスタムイメージでフィルムライクな写真を味わう
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 04/23/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,レビュー,スナップ,K-3 mark III,デジタル一眼レフカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
K-3 Mark IIIを手にするとともに、「どんなレンズで撮ろうかな?」という喜ばしい悩みもあるのではないでしょうか。35mmフィルムの頃から続くKマウントレンズはPENTAXユーザーにとって大切な資産になっているはず。高画質な描写性能を突き詰めた高級レンズである★(スター)レンズのような、デジタル環境に適したレンズとは異なる味のある描写が魅力のオールドレンズ。フレアやゴースト、ハイライトのにじみやフリンジ、ボケ方や描写の独特なクセもその味わいが表現の一つとなっています。
そうしたオールドレンズでの撮影も今までとは違う感覚で楽しいものにしてくれるのがK-3 Mark III。その機能とオールドレンズの組み合わせでフィルムライクな撮影を楽しんでみました。
オールドレンズを使用する際のボディ側の設定
まずはオールドレンズを使用するにあたり、K-3 Mark IIIボディ側の設定をいくつか決めておきます。そうすることで、現行レンズとほとんど変わることのない操作感で気軽に撮影できます。
今回はsmc PENTAX-A 50mm F1.2をメインに撮影をしてみました。M42スクリューマウントの場合はマウントアダプターを使用します。
Aポジションのあるオールドレンズは、レンズ側の絞りをAポジションにし、絞り値は背面電子ダイヤルで選ぶことによりAVモード、TAVモード、Mモードでの撮影が可能に。MF以外は現行レンズと同様に使用でき、露出補正機能も有効です。
Aポジションの無い(電子接点のない)レンズでは、今までMモードでしか撮影できなかったのですが、K-3 Mark IIIではレンズ側と同じ絞り値を背面電子ダイヤルで設定しておくことでAVモードでも撮影が可能になります。
絞りリングの使用を「オン」にし、絞り情報記録「オン」に設定します。絞り値を含めたExifデータを残すことが可能になります。
従来機は必ずMモードで絞りとシャッタースピードを合わせながら露出を決めるか、毎回グリーンボタンを押して適切露出の測光を行っていましたが、K-3 Mark IIIではシャッターを切るタイミングで絞り込み測光が行われるのでシャッターボタンを押し込んで撮影するのみ。測光時には絞り値によってファインダー内も連動して暗くなるのでまるでフィルムカメラのようです。
電源を入れると焦点距離を聞かれますが、これはExifデータへの反映と手ぶれ補正の最適化に連動しています。一度焦点距離を決めておけばレンズ交換しない限り同じ値が表示されるのでそのまま撮影すればOKです。
PENTAX Kマウントレンズについて
Kマウントレンズはフルサイズ、APS-Cともにすべてのレンズが装着可能な設計となっています。40年以上前のレンズも取り付ける事が可能ということです。「フィルム時代からのレンズもずっと使い続けられるように。」というユーザーへの気遣いが感じられます。これもPENTAXが長きにわたり愛されている理由の一つでしょう。現行のレンズラインナップではF1.4が最大の解放値ですが、35mmフィルムの頃にはF1.2解放値のレンズが存在し、それを活用できるという点も魅力です。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/1000秒 絞りF1.2 ISO200 WBマルチパターンオート
■カスタムイメージ:ほのか(彩度+3・色調C・キー+2・コントラスト明部-1・ファインS-1)
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/15秒 絞りF7.1 ISO200 WB太陽光 露出補正+1.0
■カスタムイメージ:リバーサルフィルム
こちらはsmc PENTAX 135mm F2.5 。切れのあるシャープなピントに、ボケには透明感があるかと思えばフリンジも出る面白さ。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX 135mm F2.5
■撮影環境:SS1/160秒 絞りF2.5 ISO500 WB太陽光
■カスタムイメージ:リバーサルフィルム
そのレンズでしか味わえない独特なボケ方があるかと思えば、少し絞り込むだけでシャープさもあったりと、個体差があり多様性が面白い。オールドレンズの持ち味を活かして表情豊かに撮影を楽しみます。
カメラ内RAW現像で“自分好み”を作り出す
定評のある美しい描画もさながら、レンズの描写特性を活かしてフィルムライクに仕上げることができるカメラ内RAW現像もPENTAXの特徴的な機能です。普段は仕上がりを整えたり、美しく仕上げたりすることを目的として使われることの多いカスタムイメージのパラメータ調整機能ですが、オールドレンズでの撮影なら普段とは違う色を試してみるのもおススメです。
撮影時の露出によってイメージが大きく変わるのが「ほのか」。彩度、色調、キー、コントラストなどパラメータ調整の振り幅が広く、トーンが柔らかいのでレンズの描写特性を活かした表現を楽しめます。「ほのか」はネガフィルムらしい雰囲気を作りたいときに使用しています。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/250秒 絞りF4.0 ISO200 WB太陽光 露出補正+0.3
■カスタムイメージ:ほのか(彩度+3・色調BL・コントラスト+1・コントラスト明部-1)
カスタムイメージにはフィルム現像のプロセスを取り入れた設定がいくつかあり、その中でも「銀残し」は、昔から映画用フィルムの現像工程であえて銀を残す方法を再現したもの。彩度が低く渋い色で、古い映画のようなハイコントラストで力強い写真なり印象深く仕上げることができます。パラメータ調整で色調やキー補正も可能で、増減感補正と合せることでイメージの違う趣ある絵作りが楽しめます。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/80秒 絞りF8.0 ISO3200 WB曇り 露出補正-1.0
■カスタムイメージ:銀残し(彩度+1・キー-2・コントラスト+4・コントラスト明部-2・ファインS-1)/デジタルフィルター:トイカメラ(R)
「クロスプロセス」は、リバーサルフィルムの現像工程であえてネガフィルム用の現像液で現像すること(あるいはその逆)により 、結果として色再現性のない非現実的な写真が得られる状態を疑似表現しています。わざとくすんだ色褪せた雰囲気にするために私はクロスプロセス「Y」を選ぶことが多いです。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/15秒 絞りF1.4 ISO3200 WB電球色蛍光灯 露出補正-0.3
■カスタムイメージ:クロスプロセス/デジタルフィルター:トイカメラ(R)
逆にオールドレンズの撮影で色が浅い、ねむたいと感じたら「リバーサルフィルム」に。リバーサルフィルムは彩度が高く、黒の引き締まりと共にしっかりとコントラストが付くのでメリハリを利かせたいときに使います。パラメータ調整で色を変更できないので、撮影時の露出はもちろん、WBや増減感で微調整するのがポイント。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/25秒 絞りF2.8 ISO800 WBオート 露出補正-0.3
■カスタムイメージ:リバーサルフィルム
「人の数だけ色がある」と言われる色彩。一つ一つのパラメータ調整で“自分好み”を探りだす楽しさはPENTAXならでは。
オールドレンズを使用する際の注意点として、デジタルカメラ用に最適化して作られたものではないため、撮影した画像にはレンズ情報が付帯せずRAW現像時に周辺光量、色収差、歪曲収差、フリンジ補正などの補正が効かなくなることが挙げられます。そういう点でもオールドレンズらしいクセを活かした撮影を心がけたいものです。
バリエーション豊かなモノクローム表現
フィルムライクという点では、モノクロ写真好きな方も多いのではないでしょうか。K-3 Mark IIIではモノクロで撮りたくなる衝動にかられます。中でも〝これは活用すべき〟と感じているのがデジタルフィルター内のモノクロームです。ハードモノクローム・粒状感モノクローム・モノクロームと3つ存在しますが、従来のデジタルフィルター(エフェクト)というよりも、白黒フィルムにも様々な種類があるのと同様に、フィルムを入れ替えるような感覚で使用することができます。
特に気に入っているのが「ハードモノクローム」。カメラ内RAW現像をする際にデジタルフィルターをハードモノクロームに設定したまま動かさず、カスタムイメージを変更していくとコントラストの付き方や階調が目に見えて変化し、まるで暗室でプリント作業をしているかのように様々な仕上がりを楽しむことができます。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/8000秒 絞りF1.6 ISO200 WB白熱灯 露出補正+0.3
■カスタムイメージ:左からナチュラル・風景・銀残し・リバーサルフィルム/デジタルフィルター:ハードモノクローム
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX SUPER TAKUMER 55mm F1.8
■撮影環境:SS1/30秒 絞りF4.0 ISO1600 WB電球色蛍光灯 露出補正-0.3
■カスタムイメージ:クロスプロセス(Y)/デジタルフィルター:ハードモノクローム
明暗のコントラストが強いシーンでも暗部のつぶれはなく階調が豊か。デジタルフィルター「粒状感モノクローム」を使うときは、光の状況、被写体によって粒状の細かさを設定して表現できます。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/400秒 絞りF5.6 ISO6400 WBオート 露出補正-0.7
■カスタムイメージ:モノクローム(フィルターC・キー+1・コントラスト+1・Fシャープネス+1)/デジタルフィルター:粒状感モノクローム
順光でフラットなシーンではデジタルフィルター「シェーディング」を選びました。明るすぎた画面に周辺減光を加えたことで、奥行きが生まれ雲も引き立ちます。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/2000秒 絞りF5.6 ISO200 WB日陰
■カスタムイメージ:モノクローム(フィルターR・コントラスト+1・コントラスト明部-2・ファインS+1)/デジタルフィルター:シェーディング
これらのモノクロームの階調表現域の広さもまた、新たに開発された画像処理エンジンPRIME VとアクセラレーターユニットIIによる恩恵でしょう。K-3 Mark IIIによってデジタル×アナログの幅広い表現を手に入れることができるのです。
トリミング機能で1:1のスクエア写真に仕上げる
SNS等を通じて馴染み深くなったスクエア写真も、元々はブローニーフィルムの6×6サイズから派生したもの。撮影画像比率1:1というのが存在するのもそのためです。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/500秒 絞りF7.1 ISO200 WB太陽光 露出補正+1.0
■カスタムイメージ:ナチュラル(彩度+2・キー+1・コントラスト+1・コントラスト明部-1・ファインS+1)
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/125秒 絞りF8.0 ISO200 WB白色蛍光灯 露出補正+1.0
■カスタムイメージ:クロスプロセス
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III / smc PENTAX-A 50mm F1.2
■撮影環境:SS1/125秒 絞りF8.0 ISO200 WB曇り 露出補正+0.3
■カスタムイメージ:ポップチューン(キー+2・コントラスト+3・ファインS+1)/デジタルフィルター:トイカメラ(R)
今回メインで使用した50mm(76.5mm)レンズのように中望遠の焦点距離なら、構図のバランスに注視して正対で被写体を捉えスクエア写真を楽しんでみるのもフィルムライクな表現の一つ。撮影後にトリミングをしてみることで撮影時の構図のバランスも確認できるので、時にはスクエア写真も楽しんでみてください。
おわりに
MFでピントを合わせシャッターを切るまでの撮影リズムとプロセスは、フィルムカメラで撮影をしているような感覚が甦りワクワクします。カメラの所作を思い出すその一連の操作から写真好きのためのカメラであることを感じられるはず。利便性を重視し描画性能を高めた高性能化させたレンズとは違い、オールドレンズを使用することによって「一枚一枚を大切に撮る」という感覚とともに、「初心に返ることを忘れてしまわないように。」と言われている気がしました。
普段MFで撮影しない方や、オールドレンズに馴染みのない方にとっても「これが写真を撮るということなのか。」と体感できるはず。K-3 Mark IIIは、写真を撮るスタンスを今一度考える機会を与えてくれます。また、様々なシーンに対応するバリエーション豊かな表現色域を持つ懐の広さも他では味わえない楽しさです。
■写真家:
こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
「K-3 Mark III」はこちらの記事でも紹介されています
■ペンタックス K-3 Mark IIIレビュー|待望のAPS-C一眼レフ フラッグシップ機が遂に登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/480766272.html
■ペンタックス K-3 Mark Ⅲ レビュー|スナップ撮影を楽しむ
https://shasha.kitamura.jp/article/481293590.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんに、ペンタックス K-3 Mark IIIとオールドレンズの組み合わせで撮影を楽しむ方法を紹介していただきました。
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KEYWORDS:
ペンタックス(Ricoh), レビュー,スナップ,K-3 Mark III
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン EOS R3の正式発表が待ち遠しい!|動物写真家の井村淳さんへインタビュー
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 04/26/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) ボディー,EOS R3,ミラーレスカメラ,フルサイズ,野生動物/動物
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BODY:
はじめに
キヤノンは2021年4月14日に高速・高感度・高信頼性の要素を合わせ持つフルサイズミラーレスカメラ「EOS R3」の開発を発表しました。このEOS 3シリーズは一眼レフのフラグシップカメラのEOS 1シリーズとミラーレスカメラでは最上位の位置づけとなっているEOS 5シリーズの間のナンバーとして新たに加わったシリーズとなっていてその全貌が楽しみなカメラです。
今回はEOS学園の講師であり野生動物を撮影されている写真家の井村淳さんにEOS R3についてインタビューしました。普段からEOS-1D X Mark IIIとEOS R5で撮影されて両機種を知る井村さんが、既にキヤノンホームページで公開されている「EOS R3」特長から、本機へ期待する事やそれらが動物撮影においてどのような効果をもたらして欲しいかなど、楽しみながらお話しをお伺いさせて頂きました。
写真家の井村淳さん
2021年6月2日にリリースされたEOS R3続報への井村淳さんインタビュー記事は
こちらから ご覧いただけます。
外観
―外観デザインへの印象はいかがですか
第一印象としては、縦位置グリップ一体型の外観を見て、フラッグシップ機なのかな?と思いましたが、名称が「3」であることから、キヤノンのフラッグシップは歴史的にも「1」であるはずと思うのでやはり、新たなラインナップの機種なのでしょうね。ミラーレスなのでペンタプリズムが無い分より正方形に見えますが、少しでもコンパクト、軽量化に期待です。
CMOSセンサーと映像エンジン、連写性能
―EOS初となるフルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーの採用や高性能映像エンジン DIGIC Xが搭載される事でどのような事を期待されますか
おそらくこの、フルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーがこのカメラの一番の大きな進化した性能だと思います。今、各メーカーが一番力を入れて競っているところではないでしょうか。この機能は高感度の高画質化が期待できるところだと思いますので、日の出前などの薄暗い中で動く野生動物を撮影することが多い動物写真家には大きく期待しているところです。また、 DIGIC X の映像エンジンの高速の書き込みで最高画質のRAW+JPGで電子シャッター撮影の30コマ/秒の高速連写でもR5同様スタックを気にすることなく連写し続けられ、さらにシャッターチャンスを逃すことがなくなるでしょう。
―連写性能の向上に期待することはなんですか(電子シャッター最高30コマ/秒、電子シャッターでの歪みを大幅低減)
電子シャッターの30コマ/秒と連写コマ数が上がれば素早い動きの一瞬も逃さなくなります。30コマ/秒とは動画領域のコマ数ですから、いざという時は数秒間押しっぱなしにして動きの速い動物達のここだ!という美しいフォルムを写し止める事ができます。
また今までは弱点とも言われていた電子シャッター時の歪みが大幅に低減される事で、高速連写において電子シャッターを不安なく使えるようになります。電子シャッターはシャッター音がないので野生動物を狙う上で有効です。鳥の飛び立つ翼の形が良い瞬間や、全速力で獲物を追うチーターの脚の格好良い形などを得られそうです。
AF性能
―飛躍するAFでの補足性能について
動く被写体の目にピントを合わせ続けることは、今ではAF頼みでありますが、AFフレームを顔に重ね合わせ続けるのは大変です。R5ではAF設定で顔・追尾優先にしておくと画面上をAFフレームが動物の顔を自動に追いかけてフォーカスしてくれる機能がとても役に立っているのですが、それがさらなる進化をしているのでしょうから早く試してみたいです。動物が顔を背けても粘り強く追尾していて欲しいです。動体を検出というのが人間ではない動物にも有効なのでしょうか。
―視線入力対応ファインダーを新搭載に
昔フィルム時代にもあった視線入力は懐かしい響きです。迫ってくる動物を撮影していると顔の位置はどんどん変わります。縦位置横位置と構図を切り替えることもあります。AFフレームの位置はダイヤルやマルチコントローラーで操作するには2アクション必要ですし、R5では液晶パネルをスワイプして操作できますがいずれも親指を使います。私はAFをシャッターから離し、親指で操作するので、AFフレームを操作しながらAF操作(ピント合わせの操作)するのは難しいので、ある程度で構図を妥協して撮影しています。しかし、視線入力でAFフレームを操作できたら構図を作りながらAFで顔を追尾しながら狙い続けられるので、とても期待している機能です。
防塵・防滴性能
―防塵・防滴性能について期待することはありますか
野生動物の撮影では、アフリカのサバンナや砂漠など砂埃が多かったり、流氷の上や船上でしぶきなどの水滴が飛んできたりする事もあるので、防滴・防塵性能はとても重要です。乾季のケニアでは自分の乗っているサファリカーが巻き上げた埃が減速するたびに後方からどっさりと降ってきます。サファリカーは窓や屋根が空いているのでそのままカメラに降り注ぎます。シャツなどで覆っていてもカメラは埃まみれになってしまいますので防塵性能がEOS-1系同等ならかなり安心できます。
■キヤノン EOS R3特設サイト
https://cweb.canon.jp/eos/your-eos/product/eosr/r3/
■写真家:
井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。
EOS R3続報へのインタビュー記事はこちらからご覧ください
■キヤノン EOS R3の続報!早く全容が知りたい!!|動物写真家の井村淳さんへインタビュー
■更新
・2021年6月14日:続報記事の情報を追記しました。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
キヤノンから2021年4月14日にEOS R3が開発発表されました。動物写真家の井村淳さんに本機に期待することなどについてインタビューを行いましたので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,EOS R3
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: SUMIZOONさんテスト
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CATEGORY: SUMIZOON
DATE: 04/29/2021 08:48:15
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テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: DaVinci Resolveで始める簡単グレーディング
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: SUMIZOON
DATE: 04/30/2021 16:00:00
TAGS: カラーグレーディング,DaVinci Resolve,動画撮影・編集
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BODY:
カラーグレーディングとは
まず最初にカラーグレーディングとは何かを書くと、簡単に言ってしまえば映像を色で演出するための技法となります。皆さんが普段ご覧になっているCMやMV、そして映画は必ずこのカラーグレーディングを経ています。静止画でもレタッチなどの絵作りを楽しまれていると思いますが、これはその映像版と考えて頂いても良いかと思います。
カラーグレーディングを始めたいけど
周りから、動画編集やカラーグレーディングを始めたいけどどんなソフトをいれて何をしたらいいか分からないという話をよく聞きます。今回は動画の色をいじる導入部分を実例を交えながら私のやり方を紹介したいと思います。
無料で使えるDaVinci Resolve
DaVinci Resolveはカラーグレーディング機能、編集機能、音声編集機能、モーショングラフィック機能も兼ね備えた、これ一本で動画制作を可能にするソフトです。同ソフトは有料版と無償版がありますが、私はかなりの期間、無償版を使って動画制作を行ってきました。
無償版と聞くと低機能なのではないかと思われがちですが、有償版に対して無償版は
・ノイズリダクション機能が無い
・GPUレンダリングが出来ない
・各種収差補正機能が無い
・無償版は4Kまでの解像度に制限される
・10bitファイル(H.264/265)の読み込みが出来ない
といった程度であり、多くの機能は無償版でも十分すぎるほど充実しています。これから動画編集やカラーグレーディングを行ってみたいと言う方は4K未満の解像度で8Bitフォーマットでの撮影が多いと思いますので、無償版DaVinci Resolveで事足りてしまうケースが多いのです。
グレーディング前後の比較動画
実際にグレーディングを行った映像を元素材と共に紹介したいと思います。基本的にはこの後紹介する方法でグレーディングしています。
VIDEO
DaVinci Resolveはプロのためだけのツールではない
DaVinci Resolveの無料という所だけに注目してインストールを行った結果、多くの方が「機能が多すぎて全く分からない」という状況に陥る、というのは良く聞く話です。
お手軽編集ソフトというのは世の中に多くありますが、DaVinciは劇場作品や多くのCM/MV制作でも使われているソフトですので、「ぱっと見」は凄く敷居が高い様に見えます。ですが、初めのうちは簡単な色補正やカラーグレーディングを行って、書き出す事がメインだと思いますので、これらを行う分には操作は決して難しくありません。アマチュアでも慣れてしまえば簡単にグレーディングを楽しむことが出来るソフトです。
他の編集ソフトで動画編集やカラーグレーディングを学ぶのも方法の一つだとは思いますが、初心者の方がスキルアップと共に本格的なグレーディングを行いたいと思った場合、多くのケースでDaVinci Resolveに行きつく事になると思います。ならば、最初からDaVinci Resolveで動画編集、カラーグレーディングを始めるのが良いと思うのです。
DaVinciで色を触る
本記事ではDaVinci Resolveの複雑な機能を全く使わずに、簡単に動画の色を変化させる方法を紹介したいと思います。DaVinciは被写体を追従させる動的なマスク(PowerWindow)やレイヤを使った高度なグレーディングを行う事が可能ですが、ここではそれらを一切使わずに簡単に色を触る事を実例を使って紹介したいと思います。カラーグレーディングのやり方というのは実に様々で、ここではあくまで私がよく行う方法の一例として参考にして頂けたらと思います。
カラーコレクションとカラーグレーディング
色を触る前に素材の色を正しく補正(ニュートラルを出す)する処理の事を一般にカラーコレクションと言われています。簡単に言ってしまえばカラーコレクションではホワイトバランス、ティントをいじることで素材の下処理う事です。ホワイトバランスは色温度、ティントは色相を変更するパラメータなので普段RAW現像に慣れ親しんでいる方にとって馴染みのある作業だと思います。最近のカメラはオートホワイトバランスが優秀なので、オートで撮影した場合には、このカラーコレクションの作業を飛ばしても差し支えないケースも多々あります。また、撮影現場でしっかりとホワイトバランスをカメラの撮影設定に反映できている場合も同様です。
Log素材カラーグレーディング時の7つのノード
以下の説明で使用している素材はLUMIX GH5のLog素材です。Log収録はシャドーからハイライトまでの広いダイナミックレンジを収録できる代わりに、素材をそのまま再生するとコントラストが低く、色も淡い映像となっています。そのため、Logはコントラスト調整や色の調整などのなんらかの処理を行う前提のフォーマットとなっています。多くの情報を残しているフォーマットであることからRAWと思われがちですが、色、輝度情報を効率よく収めるプロファイルがLogでありRAWとは少し異なります。まずは私が簡単にLog素材をカラーコレクションするまでの流れを紹介します。
ノードを一旦7つ用意する
私の場合、とりあえず7つのシリアルノードを発生します。Windowsの場合はAlt+S/ Macの場合Option + Sでシリアルノードを作ることが出来ます。ノードは色やコントラストの処理を行う一つのグループととらえて頂いて良いかと思います。シリアルノードは最も使うノードの形態で、その考え方は左(ノード01)から適用した処理に対して順に処理を付け足す動きになります。ここでは詳細は割愛しますが、基本的にはLUT(ルックアップテーブル)を適用する以前のノードで各種処理を施す方が都合が良いです。また、それぞれのノードには分かりやすい様に名前をつけると各ノードで何をやっているか分かりやすいと思います。ノードを右クリックして「ノードラベル」を選択することで各ノードに名前を付けることができます。それでは以下、順を追って説明していきたいと思います。
純正LUT適用とホワイトバランス調整
5つめのノードにLUTを一時的に適用します。ここでは前述の様にPanasonic GH5のLog(V-Log)で撮影された素材であることからメーカー純正のLUTを適用することで通常のトーン(Rec709)に変換することができます。
LUTを適用する
尚、ここでLUTを適用したのはカラーコレクションを行う上で、絵が淡くて分かりにくいので、一旦色を付けて確認しやすくするという意図があります。
次に、一番左のノード(ノード01)でホワイトバランスを調整します。ここでは適正なホワイトバランスにするためにスポイトツールを使って、演者さんの持っている白いノートの部分を指定しました。厳密にはこの部分は無色ではないので、このやり方でホワイトバランスを完全に撮ることは出来ませんが、概ね正しいホワイトバランスに持っていく事ができます。
スポイトツールを使ってホワイトバランスを調整してもよい
厳密なホワイトバランスを取りたい場合は、グレーカードやカラーチャートを映しておくことでカット毎のホワイトバランスをしっかり調整することができます。また、波形モニターや映像を参照しながら自分で色温度、ティントを指定することで、数値で変更するのも一つの方法です。「色温」は文字通り色温度を示しており「ティント」は色相を回す動きになります。この点に関しては普段静止画のRAW現像をしている方は操作をするとすぐに理解できると思います。
マニュアルでホワイトバランスと色相を調整してもよい
LUTの適用度変更とコントラスト調整
私の場合は、この工程で一旦少し純正LUTの効きを調整します。「ノードキー」の設定でキー出力を50%(0.5)とすることで「純正LUTを薄める」操作を行っています。
場合によってはこの時点でLUTの効きをゼロにしてLUTを全く使わないケースもありますが、今回はLUTの効果を残した状態での説明を行います。
キー出力でノードの影響力を調整
次にコントラスト調整を行います。コントラスト調整はいくつか調整の方法がありますが、カーブを使って編集するのが視覚的に分かりやすい方法です。
トーンカーブによる調整
ここではシャドーと肌にあたる中間調をやや持ち上げてより肌が美しく見える様な明るさにしています。この際にハイライトが飛ばない状態かつシャドーが黒潰れしないように波形モニターを表示して確認をするようにしましょう。(画面の右下)見た目の感覚だけに頼るよりもこの波形モニターになれる方が、グレーディングを正確に行う近道です。
また、コントラストや明るさの調整はなるべくここで仕上げるイメージを持つことがポイントです。この後、更に色調整を行いますが一旦色調整を行った後にコントラストを再度触ると、色が変化してしまうケースが多いです。私は色を触る前に明るさ、コントラストを決定しておくように心がけています。
カラーホイールによる色調整
さてここからが色味を触る作業になります。ノードの3番目でカラーホイールを触ってみます。ただし、試して頂くとお分かりだと思いますが、このホイールを触ると急激に色味が変化しますので、こちらも先ほどの「キー出力」を抑える事によって過剰な色変化がしないようにします。ここでは先ほど説明した「キー出力」を「0.1」として微調整がしやすいように設定しています。逆にカラーホイールによる効果を高めたい場合この数値を少し増やしてみてください。
カラーホイールによる色の調整
カラーホイールを選択すると、ホイールが4つ並んでいますが、左から「リフト」「ガンマ」「ゲイン」「オフセット」と名前が付けられています。これらは簡単に書くと、「リフト」はシャドー領域、「ガンマ」は中間調領域、「ゲイン」はハイライト領域、「オフセット」は全体に効果をもたらします。
つまり、この例ではシャドー側に青みを乗せハイライト側にオレンジを乗せている、いわゆるティールアンドオレンジ調をうっすらと乗せた状態にしています。この手の操作は大きく色をいじりたくなりがちですが、不自然にならない程度に微妙に変化させる事がポイントだと思います。
また、簡単に全体の彩度を調整したい場合はカラーホイールの下の「彩度」で調整できますが、大きく設定を変えるとこちらも色が破綻しますのでいじりすぎに注意してください。
ミッドトーンディテール
ミッドトーンディテールとは静止画の現像ソフトでいう所の「明瞭度」調整にあたります。ローカルなコントラストを調整する機能で映像の印象を大きく変化させる効果があります。
ミッドトーンディテールを少し適用する
女性の肌をより美しく見せたい場合や、映像全体を柔らかく見せると言った効果がありますが、この数値もあまり効果を強めると嘘くさい映像となってしまいます。動画の作例ではうっすらと-5程度にしています。
ミッドトーンディテールの変更による画質の違い
反対に、パキっとした映像や男性の肌を荒々しく見せたい場合はこの数値を上げれば明瞭度を上げることができます。
ビネット追加
ビネットの追加はいわゆる周辺光量落ちをシミュレートするものです。最近のレンズの多くは光学特性が良く周辺光量が極端に落ちるケースは少ないのですが、あえて映像にアクセントをつけるために周辺の光量を少し落とします。
ノードの07でウインドウ設定で円形をセットし円形のマスクを設定します。この場合は周辺だけが選択されている状態となりノード07で設定したパラメータは周辺部でのみ有効となります。
円形マスクを適用し、効果を限定する
この設定をした状態でカラーホイールの各色のダイヤルをつかんで左にドラッグして数をを下げます。
ホイールで露出をさげビネットをシミュレートする
オフセットだけで変更しても構いませんがここではリフト、ガンマ、ゲインをそれぞれ-0.05とすることで周辺光量落ちをシミュレートしています。
仕上げ(微調整)
最後に仕上げです。このシーンは日が高い状態で撮影していましたがすこしだけ夕方の雰囲気でアンバーな夕刻の雰囲気にしたいと思います。既にコントラストやホワイトバランスは整えている状態ですので多少は色温度を変更しても違和感なく色味が変更できます。
他のカットにも同じグレーディングを適用する
これらの作業をワンカットずつ行っても構わないのですが、上記の作業をクリップ毎に都度行うと非常に時間がかかってしまいます。多くの場合はベースとなるグレーディングをした後に、複数のクリップに同じグレーディングを適用する操作を行います。
グレーディング前のクリップを選択した状態で、既にグレーディング済みのクリップをマウスの中ボタンでクリックします。
こうすることで先のクリップのグレーディングの情報が一発でコピーされます。また、複数のクリップを選択して一気に全てのクリップにグレーディングの情報をコピーする事も可能です。多くの場合はルックに統一性を持たせる必要があるので、この操作を行ったうえで必要に応じて微調整を行うというのが時間の短縮のためにも良いかと思います。
グレーディングでこれだけ変わる雰囲気
以上紹介したやりかたでいくつかのパターンを作ってみた結果が下記になります。
紹介した方法以外にも特定の色相の色や輝度、彩度を変更したりする方法がありますが、多くの場合は上記で述べてきた方法だけで雰囲気を大きく変えることが可能です。
現在では静止画に限らず動画のフィルターも多く見受けられます。それらのフィルターを否定するものではありませんが、フィルタを掛けることで「結果的になんとなくそれっぽくする」という方法はではなく、意図をもって絵をコントロールすることが出来ればこれほど楽しい事は無いと思います。動画のグレーディングは面倒だと思われがちですが、これくらいなら多くの初心者の方でも簡単にできるかと思います。
■執筆者:
SUMIZOON
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。現在Youtube「STUDIO SUMIZOON」チャンネル登録者は1万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ビデオグラファーのSUMIZOONさんがDaVici Resolveを使ったカラーグレーディングについて紹介しています。これから動画編集をはじめようと思っている方に向けて分かり易く解説していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
DaVici Resolve,カラーグレーディング,動画編集
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AUTHOR:
TITLE: シグマ 85mm F1.4 DG DN Art|新時代の究極のポートレートレンズ
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 05/03/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,レビュー,人物_子供,85mm F1.4 DG DN | Art,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
究極のポートレート用レンズとして、高い解像力と描写性能を誇るシグマの「85mm F1.4 DG DN | Art」は、Artラインのレンズらしく、作品作りに没頭できる光学性能を有しています。今回は、SIGMA fp Lに本レンズを装着して、ポートレートのスチールとムービーを撮影しましたので、その魅力とともに紹介したいと思います。
非の打ち所のない描写性能
■撮影機材:SIGMA fp L + 85mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/1000秒 ISO100 WB 5800K カラーモード ポートレート
■モデル:大川成美
本レンズを使用したことがある方なら、描写性能に関して否定する要素がないことは、体感されていると思います。ピントの合っている部分はシャープにキレ良く、その前後のボケは美しいグラデーションで描き出す、正統派のポートレートレンズと言えるでしょう。
レンズ構成は11群15枚で、SLDガラス5枚と非球面レンズ1枚を採用しています。軸上色収差もよく抑えられていて、不自然な色にじみもなく、画面周辺部までクリアで美しい描写を実現しています。
中望遠のボケ味が大きいこのようなレンズでは、ピントが合っている部分もそうですが、ボケている部分のグラデーションが非常に重要で、色にじみや不自然なグラデーションが出てしまうと、途端に作品力が下がってしまいます。このように、F1.4の絞り開放から高い解像力を誇るレンズは、ポートレートを撮影するのに最適なレンズです。
ポートレート風ショートムービー
VIDEO
■撮影環境:WB 5000K カラーモード ポートレート 三脚使用
■モデル:大川成美
今回のショートムービーは、カラーモードはポートレートで、ホワイトバランスは5000Kに設定して、三脚を使用して撮影しました。照明は、室内の赤味がかった弱い灯りと、窓から入る自然光が、モデルの体を半分ずつ照らしたイメージが良かったので、LEDライトなどは使用しませんでした。
顔のアップのときのピント面とボケているところとのグラデーションや、背景の家具に光が反射してできた丸ボケなど、本レンズならではの特徴が出たムービーになりました。
奥行き感を生み出す妥協のないボケ味
■撮影機材:SIGMA fp L + 85mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO100 WB 5800K カラーモード ポートレート
■モデル:大川成美
85mmの中望遠域と、F1.4の大口径のスペックは、モデルの両目だけで奥行き感を生み出すことができます。ピントの合っている左目から、ボケている右目へのなだらかなグラデーションはとても美しく、この2つの目を見るだけでも奥行きを感じる画を作り出し、被写界深度的に両目の中間に位置する口の自然な描写は、モデルの表情を柔らかく、より魅力的に仕上げてくれています。
余計な光をカットしてコントラストの高いクリアな画に!
■撮影機材:SIGMA fp L + 85mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/2000秒 ISO100 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:大川成美
ポートレートの性質上、逆光や半逆光の撮影が多くなるので、気になるのがフレアやゴーストですが、本レンズはかなり徹底的に対策が行われていると感じました。また、スーパーマルチレイヤーコートを採用しており、逆光時でも眠い画像にならず、スッキリとコントラストの高い画を描き出してくれます。
筆者は、レンズフードは常に使用して撮影しています。シンプルな丸型のレンズフードは、斜めからのいらない入射光を防いでくれるのと共に、フードを指先で軽く支持するようにレンズを支えると、撮影もしやすい印象です。カメラを肩から下げて歩いているときに、フードが回って落ちてしまうことがないように、ロックスイッチが付いているのもいいですね。
ボケ味をとことん楽しめるレンズ
■撮影機材:SIGMA fp L + 85mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO100 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:大川成美
本レンズを使うと、前ボケで遊びたくなります。後ろのボケが綺麗なグラデーションなのはもちろんですが、ピント面よりも前のボケ味も格別です。そんな綺麗なボケを見てしまうと、被写体の前にボケを入れて、写真のムードを変えて遊びたくなってしまいます。
作例の撮影場所はかなり狭い庭で、あちこちに小さな木があったので、それを避けながら撮影していたのですが、ふと思い立って、木の隙間から覗くように撮影してみると、新緑が美しくボケて、爽やかなイメージの画を作り出すことができました。実際の撮影場所をご覧になると、びっくりすると思います。
85mmにしては超コンパクトなボディ
■撮影機材:SIGMA fp L + 85mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/100秒 ISO100 WB 5000K カラーモード ポートレート 三脚使用
■モデル:大川成美
撮影で使用したSIGMA fp Lは小さなボディのため、レンズがあまりにも大きいとバランスが悪いのですが、本レンズとの組み合わせではそれほどバランスは悪くないように感じました。
まず、長さはかなりの合格点。フィルター径は77mmとF1.4の大口径らしく大きさは感じますが、不格好な訳ではないし、左手でしっかりとホールドするには、これくらい大きいほうがちょうど良かったりもします。なにより、重さが630gとかなり軽いので、長時間の撮影やジンバルに乗せることを考えると、色々盛り沢山なレンズの割に、超コンパクトなボディと言えるでしょう。
光と影を楽しめるレンズ
■撮影機材:SIGMA fp L + 85mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO100 WB 5000K カラーモード ポートレート
■モデル:大川成美
絞り羽根枚数は11枚で、円形絞りを採用しています。絞り開放での撮影時は、丸ボケを楽しむことができます。特にこれからの季節、新緑の爽やかな黄緑からの木漏れ日を丸ボケにすることで、より清涼感のあるポートレートを撮ることもできます。
そんな光の部分もですが、本レンズはボケのグラデーションが自然で美しいので、構図内に明暗差を作って、明るさのグラデーションを楽しむのもお勧めです。モデルの顔にはコントラストを付けたくないので、光と影は作らないようにしますが、髪の毛や衣装、背景に光が当たっているところと影の部分を作り出すと、構図の中に陰影ができて、より立体感のある印象的なカットにすることができます。
そんな風に、色々なシーンやムードを撮ってみたいと思わせてくれる、高い描写性能を誇る、ポートレート撮影がスチール、ムービー共にさらに楽しくなるレンズでした。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
「85mm F1.4 DG DN | Art」はこちらの記事でも紹介されています
■シグマ 85mm F1.4 DG DN Art |サイズダウンしたボディーに卓越した描写性能を実現
https://shasha.kitamura.jp/article/477028619.html
この記事で紹介した機材 【シグマ】85mm F1.4 DG DN | Art ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】85mm F1.4 DG DN | Art ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんにシグマの単焦点レンズ「85mm F1.4 DG DN | Art」をレビューしていただきました。ボケの美しいポートレート作例とともにご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,レンズ,レビュー,85mm F1.4 DG DN | Art,ポートレート
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ペンタックス K-3 Mark III レビュー|スナップ撮影を楽しむ
BASENAME: 481293590.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 05/04/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,レビュー,K-3 mark III,スナップ,デジタル一眼レフカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
ペンタックスファンが待ちに待った「K-3 Mark III」が登場しました。この一眼レフカメラは、新開発の約2573万画素裏面照射型APS-Cセンサーを搭載し、画像処理エンジン PRIME VとアクセラレーターユニットⅡとの働きにより、高い描写力と高感度性能、快適な動作を実現しています。
何よりも一眼レフカメラの命とも言える光学ファインダーの出来映えが秀逸です。フルサイズ機よりも1.05倍と倍率も高く、明るさも前型機より約10パーセントも向上。画面中央部からすみずみまでクリアで気持ちのよい見えを実現していて、被写体をしっかりと見据えてシャッターを切ることが可能になっているのです。使っていて気持ちよく、「写真を撮ろう」という気にさせてくれる本カメラの魅力に触れていきましょう。
自分なりの設定を見つけよう
「K-3 Mark III」は動作のレスポンスが非常に快適で、街を歩いてのスナップショットにとても向いているカメラだと感じています。ペンタックスのカメラは素晴らしい発色を誇る「カスタムイメージ」に定評がありますが、自分好みの設定をしてスナップするのがとても楽しく感じます。今回は全て「オートセレクト」にしてカメラ任せで撮影しました。もちろん「RAW」と「JPEG」の同時記録にしていますので、ペンタックスが配布している「Digital Camera Utility 5」でジックリとあとから調整することが可能です。
また露出モードも「ハイパープログラム」にして、必要に応じて前後の電子ダイヤルを回し、「Av(絞り優先)」や「Tv(シャッター優先)」と瞬時に切り替えて撮影しました。ISO感度はオートに設定しています。見やすい光学ファインダー、気持ちのいいシャッターフィール、そして持ち歩きやすいサイズ感とで、とても快適にスナップ撮影を楽しむことができました。
「K-3 Mark III」によるスナップ撮影作例
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III + smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS
■撮影環境:ISO100 SS1/100 F5.6 焦点距離40mm(35mm換算61mm) 街をブラブラと歩いていると、さまざまなものを見つけることができます。海沿いの街を訪れたときに発見したのがコレ。土管のようなものが一列に並んでいました。このように「同じようなもの」が「並んで」いるようなシーンは絵になるものです。被写体に真っ直ぐと向き合って、その並び方が出るように「K-3 Mark III」のシャッターを切りました。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III + smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS
■撮影環境:ISO100 SS1/80 F8 焦点距離40mm(35mm換算61mm) 「形」や「数」、「並び」などと同様に「色」にも注目したいものです。このカットはトタンの家の前に、同じ色に塗られた荷車が立てかけてあったものを撮りました。ひさしの影もちょうどいい感じに落ちていて、余計なものをフレームから排除して撮影しました。「K-3 Mark III」の見やすく明るい光学ファインダーなら、しっかりと構図を作ることが可能なので安心です。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III + smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS
■撮影環境:ISO200 SS1/400 F5 焦点距離40mm(35mm換算61mm) 川沿いを歩いていると男性が声を上げているシーンに遭遇しました。見事なサイズの鯛を釣り上げたようです。大物ですね。「K-3 Mark III」を向けると、居合わせた3人が思い思いの動きをしているのが面白く、連続でシャッターを切りました。「K-3 Mark III」は起動もオートフォーカスも速く、連写スピードも高速なのでこのようなシチュエーションでも多くのカットを撮ることができます。決定的瞬間を逃したくないのであれば、日頃からスナップ時には連写モードにしておくといいでしょう。1枚で止めたい場合はシャッターボタンから指を離せば済みます。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III + HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
■撮影環境:ISO200 SS1/800 F8 焦点距離70mm(35mm換算107mm)
「光」と「影」には常に注意を払っていたいものです。これは都内の街中をブラブラと歩いていて出会ったシーン。この時「K-3 Mark III」に装着していたのは「HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited」。そのままシャッターを切ると白い壁の影響で露出アンダーになりがちです。「スマートファンクション」で「スマートファンクションダイヤル」に露出補正を割り当てておいたので、素早くプラス1段補正して撮影しました。イメージどおりに光と影が織りなすシーンをキャプチャーできたと思います。とっさのシャッターチャンスにいい光景を撮り逃すことのないように、「スマートファンクション」には自分好みの設定を割り当てておきましょう。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III + smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS
■撮影環境:ISO200 SS1/200 F3.5 焦点距離40mm(35mm換算60mm) 東京・原宿でのワンシーン。フロントフォークを延ばしたチョッパーとカラフルな服の男性が目に留まり、「K-3 Mark III」を向けました。この時、横目で後方からカップルが歩いてくるのを見ていたので、その二人が入るようにフレーミングし、歩調に合わせて数カット撮影しました。小気味よく狙ったとおりにシャッターを切ることができる「K-3 Mark III」は、このようなスナップショットにとても向いていると思います。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III + HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited
■撮影環境:ISO200 SS1/500 F8 焦点距離31mm(35mm換算47.5mm)
多摩川土手をブラブラと歩行中に、小さなクルマの修理工場を見つけました。そこに停まっていたクルマの修理痕と建物の対比に惹かれて「K-3 Mark III」のシャッターを切りました。このようにあてもなく歩いているような場合は、オートフォーカスエリア設定を「オートエリア」にしておけば、散歩中に出会った被写体にもピント合わせしてくれるでしょう。
カメラ任せでなく、じっくりと細かいエリアにピント合わせをするような場合は、「セレクト(S)」や「スポット」にしてしっかりとフォーカスしましょう。「K-3 Mark III」の「測距点レバー」はとても操作しやすいので、狙ったところに確実にフォーカスできるはずです。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III + HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited
■撮影環境:ISO200 SS1/640 F5.6 焦点距離77mm(35mm換算118mm) 下校中でしょうか。ランドセルを背負った児童とすれ違いました。壁を蹴りながら二人で話しながら歩いています。その後ろ姿を狙いましたが、普通に立ったまま撮ると見下ろす感じになってしまうので、パッとしゃがんで子どもの目線で「K-3 Mark III」のシャッターを切りました。
この時、右側にあった壁をフレーム内の大部分を占めるようにフレーミングして、二人に目が行くようにしてみました。「K-3 Mark III」は光学ファインダーが見やすいので、思い通りに撮影できるのがいいですね。オートフォーカスも正確でしっかりとピントが来ています。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III + HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited
■撮影環境:ISO200 SS1/400 F7.1 焦点距離31mm(35mm換算47.5mm) スナップ撮影の基本は「歩く」ことでしょう。現在はコロナ禍で遠出ができませんが、自宅近くの散歩でもカメラを持って行くと面白いシーンを見つけることができると思います。このカットは自宅近くの二子玉川・兵庫島公園で撮影したものです。曇り空でしたが夕暮れ時に川面近くでカップルが熱い抱擁を交わしています。対岸には水辺で遊ぶ3人の姿が見えました。その様子をバランスよく配置して「K-3 Mark III」で撮りました。
小型軽量でちょうどいいサイズ感の「K-3 Mark III」は持ち疲れしませんし、バッテリーもよく保つので長時間のブラブラ撮影でも安心です。いろいろなところを歩いていいシーンを発見できるカメラだと言えるでしょう。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III + HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited
■撮影環境:ISO200 SS1/250 F2 焦点距離77mm(35mm換算118mm) ブラブラと撮影しているとよくネコに出会います。絵になると思ってカメラを向けるとなぜかこちらに近寄ってきてしまうことが多く、思い通りに撮れないこともしばしばです(笑)
そんな時この「K-3 Mark III」は心強いです。歩いてくるネコでもしっかりとフォーカスし続けてピントを外しません。もちろん前に書いたようにオートフォーカスエリアを設定しておく必要がありますが、俊敏なネコでも問題ないでしょう。故に、人物スナップなど朝飯前ですね。
まとめ
ペンタックス「K-3 Mark III」は、ミラーレス全盛時代に登場した一眼レフカメラですが、このカメラを手にして使ってみると、改めて光学ファインダーの素晴らしさを実感できます。明るく大きい素通しのペンタプリズムは見た目そのままの光景を写しだし、EVFのように遅延もなく撮りたい瞬間を確実にキャプチャーできます。本当に撮影していて「楽しい!」と思えるカメラになっています。キビキビとした動作と、ちょうどいいサイズ感がスナップショットに最適だと思います。キタムラ店頭で実際に手に取ってその魅力を感じて下さい!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
「K-3 Mark III」はこちらの記事でも紹介されています
■ペンタックス K-3 Mark IIIレビュー|待望のAPS-C一眼レフ フラッグシップ機が遂に登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/480766272.html
■ペンタックス K-3 Mark III レビュー|オールドレンズとカスタムイメージでフィルムライクな写真を味わう
https://shasha.kitamura.jp/article/481113054.html
この記事に使用した機材
【ペンタックス】K-3 MarkIII ボディキット ブラック
商品詳細ページ 【ペンタックス】HD PENTAX-FA 31mm F1.8 Limited ブラック
商品詳細ページ
【ペンタックス】ペンタックス HD PENTAX-DA 70mm F2.4 Limited ブラック
商品詳細ページ 【ペンタックス】HD PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited ブラック
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによるペンタックス K-3 Mark III のレビュー記事です。スナップ撮影を楽しむために最適な本カメラの魅力を、作例とともにお伝えしています。
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KEYWORDS:
リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,レビュー,K-3 mark III,スナップ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 50mm F1.2 GM レビュー|葛原よしひろ
BASENAME: 481333517.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 05/05/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 50mm F1.2 GM,レビュー,標準単焦点レンズ,単焦点
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BODY:
はじめに
■撮影環境:ソニー α7C + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F値1.2 1/25秒 ISO400
今回レビューさせて戴くレンズはSONY(ソニー)から新しく発売されましたFE 50mm F1.2 GMです。焦点距離50mmの標準レンズなのですが、何と開放絞りF1.2と凄く明るいレンズということでワクワクが止まりません。早く撮影したい気持ちを抑えられないので早速作例を交えながらレビューさせて頂きます。
開放F1.2でのポートレート撮影
■撮影環境:ソニー α7C + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F1.2 1/200秒 ISO100
開放F1.2の実力を確認する為、まずは本レンズをα7Cに装着してポートレート撮影を行いました。今回ご協力戴きましたモデルさんは世界的ミスコンテスト、ミスグランドジャパン2019グランプリの湊谷アドリンさんです。都内の八芳園さんにも御協力戴き、お庭の桜の花をバックにエキゾチックな雰囲気が魅力のアドリンさんを開放F1.2で撮影しました。
明るい春のイメージにしたかったので露出を少しオーバー気味に撮影してみました。ピント面の解像感は、これぞGMシリーズと言わんばかりの描写力で微笑むモデルさんの表情をしっかりと表現してくれます。そしてピント面からのボケが本当に柔らかく、なだらかなので少し強めの光の中でも優しい雰囲気で写し止めることができました。このような絞り開放の撮影で、背景の桜にも強い光があたり、その光に包まれている状況でもディテールが残ってくれるので、安心して開放F1.2で撮影出来るのは心強いですね。
■撮影環境:ソニー α7C + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F1.2 1/160秒 ISO100
こちらは赤い毛氈(もうせん)を構図に入れて、先程よりも落ち着いた雰囲気にしたかったため適正露出にて撮影。適正露出にすると良く分かることの一つがレンズの発色性能です。本レンズはグラデーションも含め豊かに表現され、毛氈の赤、背景の緑、モデルさんの衣装の藤色、原色から淡い色まで美しく再現してくれます。人物を追いかける瞳AFにも高速かつ高精度に対応しており、撮影中は肉眼でのピント合わせが難しいF1.2の薄いピントを合焦し続けてくれました。
40cmの最短撮影距離
■撮影環境:ソニー α7C + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F2.2 1/500秒 ISO125 露出補正-0.7
このレンズの最短撮影距離は40cmと標準レンズとしては被写体に寄れるレンズなので、このように花に寄って撮りたい時にも重宝します。開放F1.2、しかも寄れるという事でとろけるようなボケの表現を堪能出来ます。
浅い被写界深度の世界は、何の変哲もない公園のベンチすら作品にしてくれます。
■撮影環境:ソニー α7C + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F2.2 1/500秒 ISO125 露出補正-0.7
スナップを愉しむ
■撮影環境:ソニー α7C + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F1.2 1/8000秒 ISO400 露出補正-0.7
続いてはα7Cに装着して大阪の淀屋橋界隈でスナップ撮影。この辺りは古く趣のある建物が多く残っているのでスナップ撮影が楽しいエリアです。この建物も歴史を感じるビルなのですが、そこに少し傾き始めた日の光が当たる事でフォトジェニックになります。そしてビル外壁の煉瓦一枚一枚の模様までFE 50mm F1.2 GMが解像してくれることにより歴史の重厚感を演出してくれました。
■撮影環境:ソニー α7C + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F2.5 1/1600秒 ISO400 露出補正-0.7
こちらも同じ場所でのスナップ撮影。格子窓の内側に豪華なシャンデリアの灯が見えたので近づくと、窓に向かい側のビルが写り込んでいて良い雰囲気だったのでシャッターを切りました。ピント面のシャンデリアを、格子窓のなだらかなボケがより美しく引き立ててくれます。絞りF2.5での撮影でしたが開放F1.2と同じ柔らかで自然なボケなので、ニュアンスが変わらずとても使いやすいレンズという印象です。
■撮影環境:ソニー α7C + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F1.2 1/250秒 ISO400 露出補正-0.7
少しのどが渇いたのでカフェに立ち寄ると、店内の装飾に心奪われてしまい喉を潤す前に許可を得て撮影開始。落ち着く店内のセンスの良い間接照明は居心地が良い反面、写真を撮るには暗すぎる事が常。ただそんな薄暗い場所でも流石開放F1.2のレンズは暗さを物ともせずに、素早くAFが合焦してくれるのでストレスなく撮影が出来ました。このAFスピードと暗所性能はスナップ撮影にはかなりのアドバンテージになりますね。
風景での解像力
■撮影環境:ソニー α1 + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F4.5 1/5000秒 ISO640
次はα1に装着して風景撮影に使用してみました。地元の滋賀県高島市でノウルシが満開だったので撮影してみました。本レンズはノウルシの小さな花一輪までもディテールが損なわれる事無く解像してくれますので、このような引きの構図でも成立させることが出来ます。青空と白い雲のグラデーションや後ろの雑木林も発色も含めきちんと描写されているので、ここまで撮影をしてきて分かってはいたのですが風景撮影に使用しても最高の画質を得ることが出来ました。
Planar T* FE 50mm F1.4 ZAとの比較
ここからは皆さんも気になるところだと思いますので、FE 50mm F1.2 GMより以前にSONYより発売されておりますPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAとの比較をしてみたいと思います。
左:Planar T* FE 50mm F1.4 ZA 右:FE 50mm F1.2 GM
レンズ本体の外観の比較写真ですが横向けにした状態では殆ど同じ大きさに見えますね。
■左:Planar T* FE 50mm F1.4 ZA 右:FE 50mm F1.2 GM
こちらはレンズ前玉方向から見た写真です。フィルター径はどちらも72mmなのでレンズ外径は殆ど同じくらいに見えますが、FE 50mm F1.2 GMの方が少しだけ太い印象ですね。
■左:Planar T* FE 50mm F1.4 ZA 右:FE 50mm F1.2 GM
こちらはそれぞれの付属品であるレンズフード装着状態です。レンズフード装着状態ではPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAの方が長くなりました。因みにカタログの表記を比べてみると、
・FE 50mm F1.2 GM:フィルター径72mm、長さ108mm、最大径87mm、重さ778g
・Planar T* FE 50mm F1.4 ZA:フィルター径72mm、長さ108mm、最大径83.5mm、重さ778g
ということで殆ど同じ大きさと言っても良いレベルだと思います。シリーズ名こそZEISSとGMの違いは有りますが、純正メーカーから開放値がF1.2とF1.4のレンズとして発売されていて、殆ど同じ大きさと重さというのはかなりビックリしました。GMには本当に凄いと感心しつつ、Planar T* FE 50mm F1.4 ZAの肩を持つ訳では無いですが、やはり2016年7月発売と5年前のレンズなんですよね。という事で、ここは素直にSONYのレンズ開発陣の5年の成果に感謝です。でも少し考えると今の技術でF1.4を造ったら、どれだけ小さく軽くて良いレンズが出来るのかも興味が湧きます。
もう少し比較を続けますが、今度は外観では無く性能面の比較です。5月という事でモデルさんは五月人形です。
■FE 50mm F1.2 GMで撮影
■ Planar T* FE 50mm F1.4 ZAで撮影
ボディはα1を使用して全く同じ設定で撮影しております。この2枚は上がFE 50mm F1.2 GM、下がPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAで、どちらのレンズとも最短撮影距離にて、それぞれの開放絞りで撮影しました。色々違いは有るのですが、大きな違いとして圧倒的にFE 50mm F1.2 GMの方が寄れるという事が分かりますよね。明るい50mmというレンズの性格上、ポートレートや花の撮影での使用が多いレンズだと思いますが、そういった被写体の場合に寄れるという事が大切な性能になってきますので、最短撮影距離の短いFE 50mm F1.2 GMの方が使いやすいと思います。
少し拡大した方が説明しやすいので、同じ箇所をトリミングした写真を見て下さい。
■ FE 50mm F1.2 GMで撮影した五月人形を拡大した写真
■ Planar T* FE 50mm F1.4 ZAで撮影した五月人形を拡大した写真
上がFE 50mm F1.2 GMで撮影した拡大写真で、下がPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAで撮影した拡大写真です。解像感の差が歴然としていることが分かります。
またAFのスピードについては、静止している被写体でも動体撮影時の被写体を追いかけて合焦する性能でも、FE 50mm F1.2 GMが圧倒的に速くて正確かつ追従してくれました。
ここまで書くとPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAが悪いレンズみたいになってしまいますが、決してそのような事は無くFE 50mm F1.2 GMが良すぎるというのが私の印象です。先程も書きましたがSONYの技術者の5年の努力の結晶ですから。それに、レンズ選びで何より難しいのは自分の好みの写真が撮れるかという点が重要なので、そこは数値だけでは測れないという難しさであり楽しさでも有ります。
夜景撮影とマニュアルフォーカス
■撮影環境:ソニー α7C + FE 50mm F1.2 GM
■撮影機材:F16 1/30秒 ISO100
最後は夜景撮影をしてみました。全て前述しておりますが解像感、発色、暗所性能、夜景撮影に必要な性能が全て備わっておりますので何一つ不自由なくAFで撮影可能です。しかし、今回は操作感の確認も含めあえてMFで撮影してみました。MFも気持ちよく操作可能で、個人的にもピントリングのトルク感も含め非常に使い易かったです。抜けも良いので夜景撮影にもってこいのレンズですね。
さいごに
まとめになりますが最初にFE 50mm F1.2 GMを見た時、フルサイズ用の焦点距離50mm開放F1.2のレンズがこんなに小さく軽い事に本当に驚きました。それでいて、物理的操作系の絞り環や絞りクリックのオンオフ切替スイッチ(これは動画撮影時には必須なので有ると嬉しいスイッチです)。そしてAF/MF切替スイッチと他機能に設定変更可能なフォーカスホールドボタンも2か所に装備されています。
目で見えない部分では、4機の高性能なXDリニアモーターを搭載しており高速かつ追従性に優れたAFを可能にしています。また、今回作例は出せませんでしたが効果は実感することが出来たナノARコーティングIIによる対逆光性能、防塵防滴に配慮した設計等、本当に実用的な機能を満載しており、その点でもこの重量によく抑える事が出来たなと感心させられます。勿論GMシリーズのレンズとしての高級感も保たれており、所有する喜びも満たしてくれます。このレンズで、これから何をどんなふうに撮影しようかと考えるだけで楽しくなるレンズでした。
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。
大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー
JPS(日本写真家協会)正会員
この記事に使用した機材 【ソニー】ソニー FE 50mm F1.2 GM
商品詳細ページ 【ソニー】ソニー Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんがソニー FE 50mm F1.2 GMのレビューを行っています。ポートレート、風景、スナップなど様々な撮影での検証やPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAと比較して説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー(Sony) レンズ,FE 50mm F1.2 GM
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: アジサイ・道端に咲く花の撮り方|北村佑介
BASENAME: 481360649.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 北村佑介
DATE: 05/06/2021 16:00:00
TAGS: 花
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BODY:
はじめに
こんにちは!北村です。今回はアジサイの撮り方と、今時期に咲く道端の花の撮り方を紹介させていただきます。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
アジサイの撮り方
開花にはまだ早いとは思いますが、まずは初夏を代表する花、アジサイの撮り方をご紹介します。様々な品種があり、様々な撮り方ができる花です。なるべく多くの方のお役に立てるよう、品種を変え撮り方を紹介させていただきます。
■使用機材:ソニー α7II + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 B01E
■撮影環境:絞り優先・180mm・F3.5・ISO200・1/200秒
幼い頃からよく行っていた遊園地の中にあるアジサイ園で撮った一枚なのですが、その遊園地は昨年閉園となってしまいました。その為この写真からは遊園地感は一切感じられませんが、とても大切な一枚となっています。こういうことを度々経験してからは、目の前にあるものは永遠でなく今だけのもの、と思うようにしています。
これはアナベルという品種のアジサイの一部分です。一つ一つの花の形がとても可愛らしく、ほのかに染まったピンク色もとても綺麗だったのでマクロレンズでグッと寄って撮りました。それなりの大きさで写しているのでわかりづらいかもしれないですが、この花は1cmにも満たない大きさで、とても小さかったと思います。アジサイのようないくつかの花が集合してできている花は、その中の一つを切り抜くのも面白いと思います。
筆者は普段、中望遠135mmの単焦点レンズを愛用しているのですが、この時はそのレンズの撮影最短距離で撮ってもイメージしていた大きさになりませんでした。とても小さいものをそれなりのサイズで写したい時は、マクロレンズの出番となるでしょう。
■使用機材:ソニー α7II + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO
■撮影環境:絞り優先・180mm・F3.5・ISO100・1/200秒
こちらも一枚目と同じアジサイ園で撮った一枚です。先程と同じく、アジサイの中でも特に見せたい一つの花をマクロレンズで大きく写しました。全体を切り取っても絵になりますが、やはりアジサイは一つ一つの花の形がとても美しいので、このような切り取りを選択しました。
この写真はWB(ホワイトバランス)の色温度を基本よりもそこそこ下げ、色味をマゼンタに寄せることでアジサイの綺麗な色味が出すことができました。アジサイは木々の下に咲いていることが多く、そのようなロケーションでは緑被りをしていることが多いです。他の花よりも撮影時に色味をしっかりと確認し、WBや色味を適切な値に設定することが大切になります。
■使用機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/500秒
おたふく(ポップコーン)という、筆者が一番好きな品種のアジサイです。アジサイは品種が非常に豊富です。お気に入りの品種が咲いているかどうかでロケーションを決めるのもアジサイ撮影の醍醐味
と言えるでしょう。
この写真は、見せたい部分とそれ以外でメリハリが上手く出せたところがお気に入りです。これは1,2枚目と異なり、筆者が普段使用している135mmの単焦点レンズで撮りました。アジサイの写真というとこのような写真をイメージする方も多いのではないでしょうか。一般的なイメージに近い分、普通に撮っただけでは個性が出づらいです。これは、特に色の濃い花を主役に選び、色の薄い部分を背景に選んでメリハリをつけました。メリハリをつけたことによって、普通に撮っただけでは出ない個性が出たと思っています。また、主役に選んだ花の形がとても良く、その形がしっかりとわかるアングルで撮ったので、主役とそれ以外のメリハリもついています。
■使用機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO160・1/160秒
こちらも135mmの単焦点で撮ったものです。ボケと色で柔らかさを演出しました。まずボケですが、アジサイはボケをを作りづらいことが多いです。特に前ボケを作りづらいと感じることが多いと思います。その理由は、葉が大きく色も濃いためです。花の写真の前ボケの多くは葉で作ることも多いのですが、アジサイではそれが難しいです。なので、無理に前ボケを作る必要はありませんが、柔らかさを出したい時はやはり前ボケがあった方が良いです。他の花を撮る時よりも、レンズを主役の手前の葉や花に近づけることを意識すると良いでしょう。
次に色ですが、アジサイは咲いているロケーション的に花の周りが緑ばかりになりがちです。なるべく緑以外の色を取り入れることを意識すると良いでしょう。おすすめは日の当たった緑です。日の当たった緑を撮ると、黄色として写ることが多いです。黄色は、特に青いアジサイとの相性が良いので、ボケの部分に日の当たった緑が取り入れられそうな時は是非狙ってみてください。
■使用機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO160・1/320秒
綺麗なガクアジサイが落ちていたので、水たまりでリフレクションさせて撮ってみました。こうして見ると、アジサイは一つ一つの花の色や形が本当に綺麗で可愛らしいですよね。リフレクションさせた撮り方は今までの記事でも何度か説明させていただいたので割愛しますが、簡単なポイントを言うとしっかりと立つものを選ぶ、形をなるべく正面から捉える、ということになります。
前ボケと後ろボケは地面、アスファルトですが、そのままだとグレーで味気なかったので、レタッチでほんのり色を足しました。
■使用機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO160・1/1000秒
6月上旬、18:30頃の綺麗な夕陽に照らされたアジサイ。前ボケはありませんが、温かな夕陽が柔らかさを演出してくれました。アジサイやラベンダーなどのこの時期の花は、夕陽との相性が特に良いと感じます。前ボケが作りづらくバリエーションが生み出しづらい分、夕陽などの光を使ってバリエーションを生み出すのもいいかもしれません。
この写真は逆光で撮りました。強い夕陽を逆光で撮ると、多くのレンズはコントラストが低下しメリハリがない写真になりやすいです。日陰に入っている花や色の濃い花を撮るなどの工夫をすればある程度のメリハリを維持できるでしょう。勿論レタッチでメリハリを出してあげるのも良いと思います。
道端に咲く花
ここからは道端に咲く花を2パターン紹介させていただきます。
■使用機材:ソニー α7III + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:絞り優先・50mm・F1.4・ISO100・1/8000秒
一つ目は散歩中に見つけた花です。このように花が群生しているシチュエーションの時は、一本の主役だけにピントをあてて浮かび上がらせるのは簡単ではありません。他の花と高さが異なる花や道に飛び出ている花を狙うのが良いでしょう。50mmという標準的な画角ではありますが、開放F値1.4の明るさのおかげで主役の花がよりわかりやすくなりました。また、群生しているシチュエーションでは、主役の花の後ろになるべく同じ色が被らないようにアングルを整えるのもとても重要です。
■使用機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/1600秒
公園の隅の道にシロツメクサが集まっていました。シロツメクサは前ボケが作りやすく、たくさん咲いている中から一本主役を見つけて撮る練習に最適な花ですのでおすすめです。この写真は、一番背の高い花を主役にし、それ以外の花はボケとして使いました。そのまま撮るとありきたりな色味となってしまうので、WBを少し下げイメージしていた色味に寄せました。
最後に
いかがだったでしょうか。記事を読んで、早く撮って試してみたいとかイメージが湧いてきたなどと思っていただけることが何よりも嬉しいです!今回もそんな風に思ってもらえる記事であることを願っています。それではまた次回お会いしましょう。
■写真家:
北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんが、アジサイ・道端に咲く花の撮り方を紹介しています。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,花,アジサイ,シロツメクサ,
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF15-35mm F2.8 L IS USM レビュー|秦達夫
BASENAME: 481374022.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 秦達夫
DATE: 05/07/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF15-35mm F2.8 L IS USM,レビュー,広角ズームレンズ,広角ズーム,風景
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BODY:
プロローグ
僕はRF15-35mm F2.8 L IS USMの登場は少し戸惑った。このレンズの登場を知ったのはキヤノンイメージゲートウェイからのメルマガからだった。このメルマガはキヤノン製品の最新情報がいち早く届けられ、とても役に立つ。興味のある方は登録してみると良いと思う。
そこで目にしたのが「15-35mm」の表記だった。始めは誤植だと思ったのだ。前モデルと言う表現が正しいかどうかはさておき、EF16-35mm F2.8L III USMのイメージがあるのでワイド側は「16」だとばかり思っていたのだ。ところが調べてみると「15-35mm」の表記は間違っておらず正しいことがわかった。
これは事件と言っても良い出来事であり、広角好きの僕にとっては朗報とも言える出来事であった。1mmの差など大したことはないと感じる方もいると思うが、広角側の1mmの差は2°弱の画角の差につながり広角では写る範囲に大きな影響を与える。しかも、ミラーレス化によってフランジバックのショート化からレンズ設計の自由度が増したRFレンズシリーズである。期待が膨らまないわけがない。
キヤノンイメージゲートウェイ登録方法
https://ptl.imagegateway.net/contents/entry/index.html
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F4.0 1/2000秒 ISO320 露出補正+2/3 WB 太陽光 ピクチャースタイル 風景 外見
カメラのミラーレス化が進む中、それ専用のレンズがどんどん開発され今まで以上に小型軽量化が推し進められている。望遠系のレンズはその差が解りやすく、従来型より短いレンズが多く発売されている。しかし、広角ズーム系はその流れと逆行しており、今回紹介するRF15-35mm F2.8 L IS USMは広角ズームレンズとしては大きいレンズとなっている。大きさのイメージはRF24-105mm F4 L IS USMをほんの少し大きくしたくらいだ。
なぜここまで大きくなってしまうのか簡単に説明すると、広角レンズは広い視野から入ってくる光(入射角の急な光)をレンズ内でコントロールし、センサーに垂直に当てなければならないからだ。RF15-35mm F2.8 L IS USMは12群16枚ものレンズ玉を用いる事でこの問題をクリアしているが、その反面サイズはやや大きいものとなっている。それだけ画質に拘りを持った設計になっていることの裏付けとも言え、この大きさは妥協無きレンズの証明と言えるのではないだろうか。
レンズ径はEF16-35mm F2.8L III USMと同じ82mmのため、レンズを買い換えてもフィルター類は使い回しが可能になっていることが嬉しい。RFレンズ特有の「コントロールリング」も装備されており、自分好みのカスタマイズも可能な仕様になっている。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO200 露出補正+2/3 WB 太陽光 ピクチャースタイル 風景 ワイド側が15mmとなった
プロローグでも書き記しているが、ワイド側が15mmになった事は驚きでもあるし朗報でもある。僕は広角レンズ最強説を唱える1人である。それはどういう意味かと言うと、広角レンズは望遠レンズの代わりを担うことが出来るが望遠レンズは広角レンズの代わりを絶対に出来ない事にある。
この話をし始めると本が1冊書けてしまうくらい話が膨らんでしまうので簡単に話をまとめよう。被写体を大きく撮る為に望遠レンズを使うと思うが、被写体に近づけば広角レンズでも被写体を大きく撮ることが出来る。望遠レンズも被写体から離れたら広く撮影出来るがバックスペースがない現場では不可能。広角レンズは被写体に近づけるシチュエーションならば、自由自在に被写体の大きさをコントロール出来るのだ。この考え方は賛否ある事は認めている。だが、ここでは議論をする気はない。
そこで気になるのが歪みの問題である。所謂ディストーションである。焦点距離の相違から来る遠近描写の歪みは僕は大好物で作品創りに積極的に取り入れているので問題とならないのだが、広角レンズにおいては収差から生まれる樽型や糸巻型の歪みがチェックすべきポイントとなるだろう。
今回紹介しているRF15-35mm F2.8 L IS USMはその類の歪みが全く無いとは言わないが、自然であり違和感が無く好印象な描写を作り出すのである。EF16-35mm F2.8L III USMもその意味ではかなり高評価を僕はしている。そして四隅の像が流れる現象が少ない事も評価したい。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F8.0 1/80秒 ISO320 露出補正+2/3 WB 太陽光 ピクチャースタイル 風景 マクロ的な使い方も出来る
花の撮影と言うとマクロレンズを思い浮かべるユーザーも多いと思うが、是非RF15-35mm F2.8 L IS USMを使って表現の幅を広げて欲しいと思う。花撮影に行き詰まりを感じているなら尚更である。今では当たり前になっているが、このレンズも最短撮影距離は28cmと短い。
「蕗の薹(フキノトウ)」を撮影した2枚の写真を見て欲しい。1枚目は花に近づき見下ろすように撮影している。マクロほど大きく撮影することは出来ないが、花の存在感を写し出すには充分な撮影が出来ていると思う。2枚目はややワイド側にズームし背景が写り込むようにローアングルから斜めに撮影している。広角レンズ特有の遠近感が引き出されマクロレンズとは異なる世界観が写し出されている。マクロレンズとは異なる花撮影が可能なレンズである事が窺える。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F5.6 1/400秒 ISO800 露出補正-2/3 WB 太陽光 ピクチャースタイル 風景
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F7.1 1/40秒 ISO400 露出補正+1 WB 太陽光 ピクチャースタイル 風景
そこで気になるボケの問題だが下の写真を見て頂こう。流石に100mmのマクロレンズ絞り開放で撮影したようなボケ描写とはならないが、開放F2.8で撮影すると柔らかな背景ボケを写し出す事に成功している。花撮影で欠かせないテクニックとして玉ボケがあるが、玉の描写も気になるポイントだと思う。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F2.8 1/400秒 ISO1250 露出補正+1 WB オート(ホワイト優先) ピクチャースタイル 風景
次の写真を見て欲しい。撮影距離と角度の関係もあると思うが、広角レンズ特有とも言える四隅にレモン型の玉ボケが現れていない。しかも、F4で撮影してはいるが玉が丸く美しく描写されている。玉ボケを縁取るように色の滲みが現れることがあるが、この作例では確認する事ができない。こう言った意味でも絞り形状、非球面レンズ&UDレンズ、そしてSWC&ASCコーティングが素晴らしい出来になっていることが分かる。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F4.0 1/2500秒 ISO400 露出補正-1/3 WB 太陽光 ピクチャースタイル 風景 ImageStabiliser(手ブレ補正)
ImageStabiliserとは通称「IS」と呼ばれている、キヤノンの手ブレ補正のことである。キヤノンは今までこのクラスのレンズへのIS搭載には消極的だったのだが、今回は満を持しての搭載となった。その影響もあってレンズが太くなっていると言う噂があるが事実だと思う。その実力はカタログ上で最大5段分。EOS R5に装着しテレ側(35mm)だとなんと最大7段分もの手ブレ補正効果を実現していると言う。テレ側で7段分ならワイド側ならもっと効果が期待出来るのでないだろうか?ボディー内手ブレ補正未搭載のEOS Rでも5段分のアドバンテージがあるのは、かなり戦闘能力が高いと言える。
そんな手ブレ補正の話をしているが、僕の風景写真は9割以上三脚を使用して撮影する。例え1/1000秒や1/2000秒のシャッター速度でもだ。この話を始めるとまたまた1冊本が書けてしまうので説明は割愛させて頂く。しかし、三脚を使用すると逆にブレてしまう状況があるので、そんな状況下では心強い味方になってくれるのは間違いない。
「三脚を使うとブレる?」この話に興味が湧くユーザーも多いと思う。それは沢など流れがある場所に脚を入れて撮影しなければならない状況を表す。流水によって脚が揺れることがあるのだ。その時、僕は手持ちで撮影を行うのだ。構図も自由に調整出来るし、バリアングルを駆使することで水面ギリギリの撮影も可能になる。よりフレキシブルな撮影に挑戦出来るから作品の幅が広がる事受け合いである。一般のユーザーなら間違いなく三脚を使わない撮影シーンが増えるはずである。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F11 1/20秒 ISO200 露出補正+2/3 WB 太陽光 周辺光量
レンズ評価で付いて回るのが四隅の減光である。所謂、周辺光量と言うやつだ。もう少し平たく言うと、良くないレンズは写真の中央の露出に比べて四隅がアンダー(暗い)な描写になると言うやつだ。RF15-35mm F2.8 L IS USMでさえ青空などを絞り開放で撮影すると周辺光量の落ちを確認する事が出来るが、絞り込んで撮影することでそれは気にならなくなる。
キヤノンの場合は純正のRAW現像ソフト、DPP(デジタル・フォト・プロフェッショナル)を使う事で周辺光量の減光を緩和させる事が出来るのでさほど問題にはならない。僕の作風から言うと、逆に周辺光量はもっとアンダーになって欲しい位なのである。実を言うと作品展示の場合はわざと周辺光量を落としたプリントを制作するくらいなのである。これは、作風と大きく関わりがあるので一概に僕の考えが正しいとは言い切れないが、風景写真の場合は周辺光量が落ちるレンズのほうが使い勝手が良い事が多い。そう言った意味では出来すぎていると言える。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F2.8 10秒 ISO1600 露出補正-1/3 WB 太陽光 タイムラプス
最近のデジタル一眼カメラはタイムラプス機能が搭載されているものが多く、気軽に撮影を楽しむ事が出来る。タイムラプスとは簡単に言うとパラパラ漫画と同じである。連続撮影したデータを連続再生する動画にまとめたものの事だ。カメラをタイムラプス設定にしておけば自動で動画にまとめてくれる。三脚さえあれば1度セットしておけば後は自動で撮影してくれるので、夕景など1度撮影地を決めたら移動しない撮影の時はセットするようにしている。静止画では絵にならない曇天の時でも変化のある作品を作り出すことができる。
今回はRF15-35mm F2.8 L IS USMのパースの効いた画角を活かし、高速道路の奥行きと空間の広さをフレーミングしてみた。自動車の動き、雲の変化、夕暮れ時の露出の変化など静止画とは違う表現が写っているのではないだろうか。
VIDEO
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F4.0 1/50秒 ISOオート 露出補正+1/3 WB 太陽光 モノローグ
価格帯から見てもRF15-35mm F2.8 L IS USMは高級レンズと言うカテゴリーに位置付けされるレンズだと思う。いざ購入しようと考えると躊躇してしまう価格だと言う事である。その金銭感覚は正しい。
「ワイド側が15mmになった」内で触れているが、広角レンズ最強説の中でもRF15-35mm F2.8 L IS USMは最高ランクに位置付けされるレンズであると僕は言い切ることが出来る。つまり買って損をしたとは思わないレンズに仕上がっていると言う事だ。僕の持論ではあるが、広角レンズを使いこなすようになると望遠レンズの使い方がめっちゃ上手くなる。つまり写真総合力がぐぐっとアップする。是非、その手に持って写真ライフを楽しんで欲しいと思う。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F8.0 1/500秒 ISO320 WB 太陽光 ピクチャースタイル 風景
■写真家:
秦達夫
後に家業を継ぐ為に写真の勉強を始め写真に自分の可能性を感じ写真家を志す。写真家竹内敏信氏の助手を経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。
日本写真家協会会員・日本写真協会会員・Foxfireフィールドスタッフ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の秦達夫さんにキヤノンのRF15-35mm F2.8 L IS USMをレビューしていただきました。広角レンズならではの画作りにも注目です。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,RF15-35mm F2.8 L IS USM,レビュー,広角ズームレンズ
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AUTHOR:
TITLE: FPS24さんテスト
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CATEGORY: FPS24
DATE: 05/10/2021 11:54:13
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BODY:
テスト
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: キヤノン RF50mm F1.8 STM レビュー|鶴巻育子
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CATEGORY: 鶴巻育子
DATE: 05/10/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,スナップ,RF50mm F1.8 STM,レビュー,単焦点
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BODY:
はじめに
50mm F1.8 STMと言えば、一眼レフ時代からのキヤノンのベストセラーレンズ。プロアマ問わず好まれるのは、F1.8の明るさで優れた描写力。そして、なんと言っても、初心者でも手が届きやすい比較的安価な価格帯が人気の理由でしょう。その人気レンズがRFマウントで登場しました。
断然、ズームよりも単焦点派の私。50mmレンズのレビューですが、正直に申し上げますと、35mmが自分の表現にマッチするため、通常ほとんどはRF35mm F1.8 MACRO IS STMで撮り歩いて、ときどき単焦点50mmを使うのが私の撮影スタイルなのです。50mmを装着しファンダーを覗くと、初心に返ると言いますか、気が引き締まり新鮮な気分になります。それが私にとって標準レンズでの撮影の醍醐味になります。
単焦点の魅力
単焦点の魅力や単焦点とズームレンズの違いについては、さまざまな本やサイトに書かれていますので、うんざりする方も多いのは承知しています。しかし、このように記事を書いていますと、どうしても単焦点の魅力を伝えたくなってしまうのが、写真家のサガと言うもの。
明るいF値によるボケ味は、やはり単焦点ならではの魅力です。邪魔にならない美しいボケは、主役を引き立てます。また、夜間や屋内の暗い場所でもISO感度を上げずに手持ちでの撮影が可能ですから、悪条件でも低感度の高画質が得られるのは大きなメリットとなります。
そして、単焦点レンズの最大の魅力は、画角をコントロールできないもどかしさ。装着しているレンズの画角でフレーミングするしかないので、被写体に寄ったり引いたりと自分が動くしかありません。その作業は、自然とフレーミングや被写体との距離感、背景のバランスなどが身に付いていくのです。
かく言う私もズームレンズは持っています。要するに、画角が身体に染み付くことで、ズームレンズを使用していてもそれぞれの焦点距離の特徴を生かしたフレーミングができ、自由度の高いズームレンズをより効果的に扱えるようになるわけです。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F1.8・ISO100・1/500秒・露出補正+0.7
50mmの画角(スナップで好まれる50mmと35mmの違い)
50mmレンズの画角は、人の視野に近いと言われています。感覚では、じっと見つめた感じでしょうか。私が50mmを装着した途端に狭く感じてしまうのは普段35mmを常用しているからで、その画角はぼんやりと眺めているような少し広い視野となります。
どちらの焦点距離もスナップでは好まれますが、広角の35mmはやや情報が多く写り込み、主役となる被写体に加え、その場の雰囲気が感じられ易くなります。一方、肉眼に近い50mmの画角は、より見たままに近い自然な写りで主役である被写体そのものによりフォーカスされ、きっちりと収まり整理された描写が得られます。
要するに「普通に写る」ことが、50mmの特徴であり、興味深さなのです。パースペクティブの強い広角レンズや圧縮効果のある望遠レンズなど、レンズの特性を生かした魅力的な撮影も楽しいものですが、普通に写るのにいい写真が撮れたら、最高です!
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F3.2・ISO100・1/50秒・露出補正+0.7
製品スペックなど
単焦点や標準50mmレンズの魅力を語ったところで、そろそろ製品のお話をしなくては。
キヤノンRFレンズシリーズの50mmにはあの少し大きなRF50mm F1.2L USMがあります。シャープさ、ボケの美しさ、ぬけの良さ、どれを取っても最高なレンズです。しかし、何分お値段が現実的でない。サイズ感をみても気軽に普段使いでとはいきません。特にスナップシューターにとっては、いつでもパシャパシャ撮れるコンパクトな単焦点が最強レンズなのです。
EFマウントでもベストセラーだった50mm F1.8 STMの魅力のひとつは、小型軽量。いつでも持ち歩き、撮りたいと思ったときに撮れる。街スナップや日常の記録には格好の1本。一眼レフからミラーレスに切り替えた方の中には、マウントアダプターを装着しEF50mm F1.8 STMを使う手もありますが、当然その分全長は長くなりコンパクトさに欠けてしまうのは難点ではあります。
PMo非球面レンズ1枚を採用、画面周辺まで高い解像感でRFレンズならではのキレのある写り。EF50mm F1.8 STMと比べるとシャープさの違いを実感しました。
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F8・ISO100・1/2000秒・露出補正-0.7
絞りやシャッタースピード、ISO感度などの設定を割り当てられるコントロールリングはもちろん備わっています。私はそこに露出補正を割り当ていますが、微細なピント調整をしたい場面ではマニュアルフォーカスに設定し撮影することもあります。その場合は、鏡筒部分にある切り替えスイッチでフォーカスリングとして使用します。
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F2.8・ISO1600・1/100秒・露出補正-2
■最短距離
最短撮影距離は30cm、最大倍率0.25倍のクオーターマクロ。EF50mm F1.8 STMでは35cmでしたので、5cmも縮まったことになります。実際に、RF50mm F1.8 STMとマウントアダプターを装着したEF50mm F1.8 STMとで撮り比べてみました。かわいらしいケーキを撮影したいところですが、甘いものは滅多に食さないため、自宅にあるお酒の瓶を被写体に選びました。どちらもラベルに書かれた大きなアルファベットの文字に最短距離まで近づきピントを合わせています。
▼RF50mm F1.8 STMで撮影した小瓶の作例
■使用機材:Canon EOS R6+RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F1.8・ISO400・1/25秒・露出補正-1.7
▼EF50mm F1.8 STMで撮影した小瓶の作例
■使用機材:Canon EOS R6+EF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F1.8・ISO400・1/30秒・露出補正-1.7
ご覧の通り、RF50mm F1.8 STMの方が被写体がより大きく写るのがわかります。普段はマクロ的な撮影を行う機会は然程多くなくても、お料理や小物などをちょっと撮影したいと言うときに、30cmの最短撮影距離が有り難く感じるはずです。標準レンズの肉眼に近い自然な描写は、歪みやパースが出ず商品撮影などでも重宝します。
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F2.8・ISO100・1/80秒・―1
■開放F1.8
開放F値F1.8ならではのボケを生かし被写体が浮かび上がる印象的な写真を撮りたくなりますね。EF50mm F1.8 STMと比較すると、周辺部の画質が改善されているように思います。大口径レンズで撮影する際、大きなボケを出したいがためについ開放にしたくなりますが、被写界深度を考慮して撮影意図に沿ってF値を決定したいものです。
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F2.2・ISO100・1/100秒・露出補正-1
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F1.8・ISO100・1/250秒・露出補正+0.7
今回高感度撮影に強い
EOS R6 を使用して撮影していますが、それでもできれば低感度の画質を維持しながら撮影できたら嬉しいものです。そこで開放絞り値が明るいレンズですと、夜景や暗い部屋の中など暗所でも低ISO感度のまま速いシャッタースピードでブレずに撮影することができます。しかも、カメラ内手ぶれ補正機能を搭載しているEOS R6との組み合わせですと7段の手ぶれ補正効果が得られますから、車のライトの軌跡なんかも手持ちで撮れてしまいます。
私のお気に入りの場所、川崎にある展望台から夜景を撮ってみました。開放F1.8、ISO100に設定し、シャッタースピードは1秒です。高画質な夜景が手持ちで撮れちゃうわけです。高速道路を走る車ライトの軌跡も捉えることができました。
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F1.8・ISO100・0.6秒・露出補正-1
色々撮影してみました
単焦点レンズでのスナップはワクワクします。写真を撮っている喜びが増すんです。「今日は50mm一本」と決めて街を歩くと、目がその焦点距離の画角になります。被写体を見つけ、ファインダーを覗く前から撮影する距離が自然に計算されフレーミングする。いわゆる、足を使って撮ると言うことですが、特に標準レンズでパシャパシャとリズミカルに街スナップするといい訓練になりますよ。
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F3.2・ISO400・1/1000秒・露出補正+0.3
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F1.8・ISO250・1/80秒・露出補正-1.3
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F/2・ISO100・1/100秒・露出補正-0.7
仕事でポートレイトを撮る場合は、一般的にポートレイトレンズと言われる85mm以上の圧縮効果の高い望遠を装着することもありますが、制限があまりない仕事の撮影や作品作りでは、人を撮るときも私は50mmか35mmを使用しています。被写体との距離が近く会話をしながら撮れますし、その場の状況や空気感も一緒に写すことができる自然な画角が私のポートレイト撮影にはぴったりマッチします。
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F1.8・ISO100・1/125秒・露出補正0
最後にまとめ
冒頭にも書きましたが、私の基本焦点距離は35mm、時々50mmというスタイル。現在はRF35mm F1.8 MACRO IS STMとこのRF50mm F1.8 STMの2本が私のメインレンズです。コンパクトなサイズでこれだけの描写力、そして何より価格がお手頃なのが魅力。キヤノンミラーレスユーザーなら、迷わず即買いで後悔しないレンズです。
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F/9・ISO100・1/80秒・露出補正-1
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F/7.1・ISO100・1/200秒・露出補正-1
■使用機材:Canon EOS R6+ RF50mm F1.8 STM
■撮影環境:F/3.2・ISO100・1/125秒・露出補正+0.7
■写真家:
鶴巻育子
1972年、東京生まれ。広告写真、カメラ雑誌の執筆のほか、ワークショップやセミナー開催など幅広く活動。写真家として活動する傍ら、東京・目黒、写真専門ギャラリーJam Photo Gallery 主宰を務める。ライフワークでは、これまでに世界20カ国、40以上の都市を訪れ、街スナップや人物を撮影。主な写真展 Brighton-a little different(2012年、オリンパスギャラリー)、東京・オオカミの山(2013年、エプソンイメージングギャラリーエプサイト)、3[サン] (2015年、表参道スパイラルガーデン)、THE BUS(2018 年、ピクトリコギャラリー・PLACE M)、PERFECT DAY(2020年、キヤノンギャラリー銀座)など。THE BUS(2018年、自費出版)、PERFECT DAY(2020年、冬青社)がある 。
この記事に使用した機材
【キヤノン】 EOS R6 ボディ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の鶴巻育子さんがキヤノン RF50mm F1.8 STMをレビューしています。EF50mm F1.8 STMと比較しつつ分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン(Canon) レンズ,RF50mm F1.8 STM,標準単焦点レンズ,レビュー,スナップ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: カメラメンテナンス Vol.1|カメラが故障した!?故障の原因と自分でできる不具合への対処法
BASENAME: 481377243.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 05/11/2021 16:00:00
TAGS: カメラメンテナンス
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BODY:
はじめに
カメラの不具合は修理に出さなくても自分で対処できる場合があります。今回は、カメラが不具合を起こす原因やその症状、対処法についてご紹介します。精密なパーツによって巧妙に作られているカメラですので、ぜひ大切に扱って長くご使用ください。
カメラが故障する原因は?
カメラは高精密機械のため、ふとした操作ミスや設定によって不具合を起こすことがあります。ただし、以下に心当たりがある場合、故障の可能性も疑ってみなければなりません。カメラに不具合が生じる具体的な要因について分析してみましょう。
衝撃を与える
衝撃によって、レンズやシャッター、カメラ内部のミラーが破損してしまうことがあります。落下、衝突などに注意し丁寧に扱うようにしましょう。落下を防止するために、撮影中はカメラストラップを装着するのもおすすめです。
湿気の多い場所に放置する
湿気の多い場所にカメラを保管しておくと、カメラ内部にカビやサビが発生する危険性があります。生活防水などの機能があるカメラでも、濡れたまま放置するのは厳禁です。また、通気性の悪い場所での保管も避けるようにしましょう。
砂やホコリが入る
カメラのセンサー内に砂・ホコリが入ると、撮影した写真にノイズが写りこむ不具合が生じます。とくに野外でレンズを交換する際は、風を遮る向きを工夫したり、カバンのなかで交換したりするなどして、センサーの露出を抑え、短時間で作業するよう心がけましょう。
高温下で保管する
高熱下での保管は、カメラのコーティングや内部の潤滑油が溶けてしまうほか、センサー不良などの原因になります。防塵や防滴で密封性が高いカメラの内部は、すでに熱がこもりやすい環境なので、より慎重に扱いましょう。とくに、ヒーターの熱が直接あたる場所や、夏場の車内などにカメラを放置するのは避けましょう。
使用過多による各部品の不具合
カメラのシャッター、バッテリー、レンズは、長年の使用に伴う劣化によって、不具合が生じることがあります。シャッターは、メーカーによってはシャッター耐久回数を公表しているので、確認してみるとよいでしょう。バッテリーは、充電頻度や保管環境、取り扱い方法によってその劣化のスピードが変わると考えられています。レンズはホコリと湿気に最も弱いため、劣化を防ぐために適切な取り扱いと保管場所に注意しましょう。
カメラのよくある不具合と対処法
不具合の内容によっては、自力で対処できる場合もあります。ちょっとした操作や設定変更、手入れで直る場合もあるので、修理に出す前に確認してみましょう。以下で不具合の傾向と対処法について解説します。
電源・バッテリーに関する不具合
長時間使用していない場合、自然放電によりバッテリーの残量が減っている可能性があります。電源が付かない場合は、バッテリーをもう一度充電し、取り付け方をよく確認して入れてみましょう。
電源がすぐ切れる場合、バッテリーの劣化により耐久性が失われている可能性があります。バッテリーの交換を検討してみましょう。同時に、充電器側の故障がないかも確認が必要です。他にも、高温・低温下の撮影で動作温度範囲を超えた場合、カメラを保護するために電源が切れることがあります。その場合は時間を置くか、適切な環境で撮影を試みるとよいでしょう。
撮影機能に関する不具合
撮影の際に生じるカメラの不具合は、カメラ本体の問題なのか、該当パーツの問題なのかを見極めることが重要です。まずは、設定と撮影モードが撮影環境に適しているかを確認してみましょう。さらに、レンズやバッテリーを交換してみて、互換性のチェックを試みるのも有効的です。依然として問題が解消されない場合は故障が疑われますので、故意にいじらず、修理を依頼してください。
汚れに関する不具合
レンズ交換の際に、カメラの内部やレンズにほこりが付着していると、写真にホコリが写りこみます。レンズの軽い汚れは自力でもクリーニング可能ですので、指やティッシュではなく専用のクリーニングクロスでふき取りましょう。イメージセンサー部分はカメラのセンサークリーニング機能や市販のブロワーで掃除ができます。ある程度のクリーニングでも改善が見られない場合は、プロの修理業者へ依頼するのがおすすめです。
■キタムラのカメラメンテナンスサービス 詳細はこちら
https://www.kitamura.jp/service/maintenance/?ref=shashaBug
その他の不具合
カメラを手で触れられる程度の熱は基本的に問題ありません。ただし、高温下で長時間の撮影をする場合は、日陰を作ったりタオルでくるんだりして、オーバーヒートを起こさないよう対策をしておきましょう。
カメラの不具合は使い方や保管環境、セッティングなどにより発生の状況もさまざまです。お困りの不具合が上記のケースに当てはまらない場合は、
こちらの記事 をご参照ください。
故障原因によっては対処法も簡単!プロのメンテナンスも活用しよう!
カメラの不具合を感じたら、長く放置せずできるだけ早めに対処しましょう。カメラは精密機械であり、普段のお手入れや適切な保管方法によってその寿命も変わってきます。自力で解決できないトラブルは、カメラのプロに修理・メンテナンスをお願いするのもおすすめです。
カメラのキタムラでは、専門知識を備えたプロによるメンテナンスサービスを提供しています。精密機械に知識がない人にとって、カメラの細部にわたる念入りな掃除は大変です。予約不要で、レンズやカメラを持ち込むだけで、当日最短10分でメンテナンスが完了。カメラの掃除や修理のご用命はぜひカメラのキタムラへ。
■キタムラのカメラメンテナンスサービス 詳細はこちら
https://www.kitamura.jp/service/maintenance/?ref=shashaBug
その他のメンテナンス記事
▼カメラメンテナンス Vol.2|液晶画面が真っ暗…!黒い点など、画面に関する不具合への対処法
https://shasha.kitamura.jp/article/481557991.html
▼カメラメンテナンス Vol.3|シャッターが切れないのは故障?シャッターに関するトラブルを解説
https://shasha.kitamura.jp/article/481562500.html
▼カメラメンテナンス Vol.4|シャッターが故障した?修理に出す前に見て欲しい情報を総まとめ!
https://shasha.kitamura.jp/article/481592857.html
▼カメラメンテナンス Vol.5|簡単!自分でできる!イメージセンサーのクリーニング
https://shasha.kitamura.jp/article/481607516.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ShaSha編集部がカメラのメンテナンス方法について短期連載で紹介してます。Vol.1では故障原因や不具合への対処方法を説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
カメラメンテナンス,カメラ故障,
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 35mm F1.4 DG DN Art|三井公一
BASENAME: 481461688.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 05/12/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,レビュー,スナップ,35mm F1.4 DG DN | Art,単焦点
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BODY:
はじめに
シグマから新しい「35mm」レンズが登場します。「あれ?先日の I シリーズじゃなくて?」と思った方も多いでしょう。そう、新たにリリースされる35mmは「F1.4」という明るさで、シグマ躍進のきっかけとなった銘レンズ「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art」をフルモデルチェンジした「Art」レンズなのです。シグマの記念碑的レンズが刷新されるのは何か深い意味があるはずです。その写りを6100万画素のフルサイズミラーレス機「
SIGMA fp L 」で体感してみました。
「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」のスペック
新しい「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」の性能を見ていきましょう。
・レンズ構成 11群15枚
・画角 63.4°
・絞り羽根枚数 11枚(円形絞り)
・最小絞り F16
・最短撮影距離 30cm
・最大撮影倍率 1:5.4
・フィルターサイズ 67mm
・最大径 75.5mm
・長さ 109.5mm(Lマウント) 111.5mm(ソニーEマウント)
・質量 645g(Lマウント) 640g(ソニーEマウント)
・付属品 ロック付き花形フード(LH728-01)、ケース
※参照:
シグマ製品ページ
レンズ構成は11群15枚となっていますが、最新の光学設計のもと、SLD 2枚、ELD 1枚、FLD 1枚、非球面レンズ2枚とぜいたくに高性能な硝材を採用して、カメラボディの機能で補正が難しい軸上色収差を徹底的に抑制しています。そして特にF1.4という明るさを誇りながら、点光源撮影で気になるサジタルコマフレアを限界まで抑えているので、絞り開放での星景撮影、夜景撮影でも高い描写力を見せてくれます。これは頼もしいですね。基はデジタル一眼レフ用に設計された「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art」。レンズマウント部を変更してミラーレス一眼カメラに対応していましたが、それをミラーレス一眼カメラネイティブ設計として、性能をグンとアップさせたのが今回の新製品「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」と言えるでしょう。
オートフォーカス性能も見逃せません。ステッピングモーターを採用し、さらにフォーカスレンズを1枚と軽量にしたことによって、高速かつ動体追従性に優れたフォーカシング特性を得ています。実際に「SIGMA fp L」で使用してみると、ハイブリッドオートフォーカス(コントラスト検出方式 + 像面位相差オートフォーカス)と相まって、実に高い精度と速度でピント合わせが可能でした。F1.4絞り開放の薄いピントでもバッチリとフォーカスしてくれストレスを感じさせません。
デザインと使い勝手も優秀です。ショートフランジバックのミラーレス専用設計になったことにより、スリムかつ軽量化されたレンズは世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」シリーズにも馴染みます。ソリッドでクールなルックスは「シグマらしさ」を醸しだしていますね。
レンズ鏡筒には「フォーカスモード切換えスイッチ」、カメラボディからの設定によってさまざまな機能を割り当てられる「AFLボタン」、さらに「絞りリングロックスイッチ」「絞りリングクリックスイッチ」を装備。ムービー撮影時などでも快適に絞り操作ができるようになっています。もちろんボタンやスイッチ部はしっかりとシーリングされ防塵防滴機構を有し、最前面のレンズには撥水防汚コートを施して、過酷な環境下でも臆することなく被写体に迫れる仕様なのがシグマクオリティですね。
「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」と「SIGMA fp L」による実写撮影作例
横浜みなとみらい地区をググッと絞って撮影しました。新しく開通したロープウェイもクッキリと写しだしています。ビルのエッジも真っ直ぐと、パースのあまりつかない35mmらしい描写が好ましいですね。立体感や色合いもよく、オールマイティーに使える画角はとても魅力です。
■撮影機材:シグマ fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離35mm
みなとみらいの名所・赤レンガパークでカップルをスナップ。ふたりの服装から、赤レンガ倉庫のディテールまでしっかりと捉えることができました。日陰の微妙な発色も自然にすっきりと写しとめることが出来ました。
■撮影機材:シグマ fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/5.6 1/160秒 ISO100 露出補正-1 焦点距離35mm
「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」は解像感だけでなくボケ感が素晴らしいレンズだと感じました。シルキーでスムーズ、そして上品な連続感のあるボケはとても美しいですね。絞り開放で「SIGMA fp L」のシャッターを切りましたが、ピント面があった部分の描写は実にキリリとしています。
■撮影機材:シグマ fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/1600秒 ISO100 焦点距離35mm
キラリと光る商業施設のプレートをアンダー目に撮りました。ハイライト部のヌケ感とレンガの立体感がいいですね。見た目に近い自然な描写は35mmという画角ならではです。「寄って標準、離れて広角」といろいろと楽しめるレンズになっています。
■撮影機材:シグマ fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/8 1/1000秒 ISO100 露出補正-1.3 焦点距離35mm
シグマには開放F1.2を誇る「SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art」が存在しますが、少し大きくて重たいレンズになっています。それでも開放からシャープな像を楽しめますが、今回の新製品「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」も負けてはいません。夜間でも6100万画素の「SIGMA fp L」でブラブラスナップが楽しめました。F1.4なら感度をあまり上げずに夜のとばりを撮れますね
■撮影機材:シグマ fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/40秒 ISO200 露出補正-1.7 焦点距離35mm
「EVF-11」を装着した「SIGMA fp L」にこの「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」はジャストフィット。しっかりとEVFをのぞき込むことによって手ブレも低減できます。薄暮の街をスナップするのが楽しい季節ですね。絞り開放ですが点光源の再現性もよく、街の情景をうまく捉えてくれました。
■撮影機材:シグマ fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/40秒 ISO400 露出補正-1.7 焦点距離35mm
初夏の空にかなとこ雲。「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」はその存在感をリアルに表現してくれました。手前のタワーマンションのディテールももの凄いですね。発色も見た目に近くとても好ましい写りになっています。
■撮影機材:シグマ fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/8 1/500秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離35mm
公園で展示されている蒸気機関車。そのネームプレートにフォーカスしてシャッターを切りました。F1.4の絞り開放なのですが、ピント面のシャープな像に感心します。オートフォーカスの速度も速く、精度も満足のいくものとなっています。
■撮影機材:シグマ fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO100 露出補正-2.7 焦点距離35mm
同じ公園で象のモニュメントをチョイ絞りで撮りました。グンとコントラストが向上し、アンダー目の露出と相まって濃厚な描写となりました。撮り手の要求をしっかりと像にしてくれる「Art」なレンズが、この「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」だと感じました。
■撮影機材:シグマ fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/5.6 1/200秒 ISO100 露出補正-2 焦点距離35mm
まとめ
この「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」が登場したことにより、シグマのミラーレスネイティブの35mmは3本になりました。シグマで一番の明るさを誇る「
SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art 」、高い質感と所有する悦びを満たしてくれる「
SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary 」、そして「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」です。明るさをとるか、携行しやすさをとるか、ボケ味をとるか、うれしい悩みですね。ボケ描写やバランスを考えるとやはり最新の「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」が最も趣味に仕事にと一番使える1本になっていると感じます。ぜひキタムラ店頭でお試しください!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【シグマ】35mm F1.4 DG DN Art ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】35mm F1.4 DG DN Art ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがシグマ 35mm F1.4 DG DN Artをレビューしています。fp Lのボディーに装着して撮影した作例を使い、本レンズを評価しています。
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KEYWORDS:
シグマ,レンズ,レビュー,スナップ,sigma
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AUTHOR:
TITLE: シグマ fp L レビュー|映像表現の可能性について
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CATEGORY: FPS24
DATE: 05/13/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) ボディー,レビュー,fp L,ミラーレスカメラ,フルサイズ,動画撮影・編集
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BODY:
はじめに
こんにちは、FPS24です。私たちは活動当初から「SIGMA fp」をメイン機として使⽤しており、数々の撮影を同機で⾏ってきました。そんな私たちにとって待望の兄弟機「SIGMA fp L」が2021年4⽉16⽇に発売開始となりました。
現時点でも世界最⼩・最軽量のフルサイズミラーレスカメラであるSIGMA fpとほとんど同様の筐体(きょうたい)デザインに、約6100万画素もの⾼解像度センサーを搭載したSIGMA fp Lは、シグマ史上最⾼解像度のカメラでもあります。
SIGMA fpの⾼画素モデルとして位置付けられるSIGMA fp Lは、写真表現を中⼼としたカメラのイメージが先⾏されがちですが、決してそのような訳ではありません。動画機としてのポテンシャルもしっかりと存在し、SIGMA fp Lならではの映像表現も可能となっています。
今ではすっかり私たちのメイン機の⼀つとなったSIGMA fp Lですが、その理由やSIGMA fp Lがもたらす映像表現の可能性について、じっくりご紹介していこうと思います。
私たちの基本的な撮影スタイル。ジンバルにSIGMA fp Lを乗せて、外部マイクを使⽤しています。ジンバルに乗せず⼿持ちで撮影を行うことも多いです。 動画機として「SIGMA fp L」の魅⼒的なポイント
詳細をご説明する前に、動画機としてSIGMA fp Lの魅⼒的なポイント5つを簡単にご紹介します。もしこの中に少しでも興味の惹かれるポイントがあるとすれば、SIGMA fp Lは大いに活躍してくれる存在となるはずです。詳細は後述の項⽬でしっかりご説明します。SIGMA fpと共通する項⽬もありますので、参考にしてみてください。
まず1つ⽬が、⾼解像度センサーの搭載です。
動画撮影をメインに⾏っていても写真を撮影する機会は⾮常に多く発⽣します。 9520×6328ピクセルにも及ぶ⾼解像度の写真は、細部のディテールを保ったまま繊細に⾵景を記録することができます。後述しますが、撮影時に行う「クロップズーム」は、写真撮影時はもちろんですが動画撮影時にも有効で⾮常に役立ちます。
2つ⽬は、充実の動画機能です。
本体上部のスイッチで、「スチルモード」と「シネモード」を即座に切り替えられるのは⾮常に優れたデザイン設計です。外部SSDを接続して収録が可能な点は、動画撮影者にとっては大変嬉しい機能です。動画の「CinemaDNG」収録はカメラの性能を最⼤限に引き出せる記録⽅式でもあり、外部レコーダーを⽤いての各種RAW収録が可能になるのも特筆すべきポイントです。
3つ⽬は、魅⼒的なカラーモードの数々です。
SIGMA fpに搭載されているカラーモード13種類に加えて、SIGMA fp Lでは新たに「パウダーブルー」と「デュオトーン」(SIGMA fpにもアップデートで後⽇追加予定)が追加されました。複雑なカラーグレーディングの知識が無くても、好みの世界観に合わせた映像作品を仕上げることが可能です。
4つ⽬は、デザインです。
SIGMA fp Lのミニマムに設計されたデザイン、そして所有欲を満たしてくれる質感はSIGMA fpと同様に唯⼀無⼆の存在です。シンプルな使い⽅だけでなく、拡張を可能とした本体設計がされている点も忘れてはなりません。リグを組んだり拡張パーツを使⽤したりすることで、思い通りの撮影スタイルを構築できる設計思想は⾮常によく考えられています。
5つ⽬は、⾼品質かつ豊富なLマウントレンズ群の存在です。
シグマから続々と発売されているLマウント「DG DN」シリーズのレンズは、SIGMA fp Lのようなフルサイズミラーレスカメラ専⽤に光学設計がされており、そのスペックを最⼤限に引き出すことができます。
以上が特に魅⼒的なポイント5つです。それぞれの項⽬の詳細について、順を追ってご紹介していきます。
⾼解像度センサーの搭載
SIGMA fp Lに搭載された約6100万画素の⾼解像度センサーが表現する写真は⾮常に繊細で魅⼒的です。9520×6328ピクセルにも及ぶ記録画素数は、表現の可能性を大きく広げてくれるはずです。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F8.0 SS1/800 焦点距離224mm
■カラーモード:ティールアンドオレンジ
特に⾼解像度センサーを⽣かした「クロップズーム」機能は、任意の倍率(最⼤5倍)で写真をクロップして撮影することができます。動画撮影時にも有効で、HDサイズの収録時であれば最⼤5倍まで拡⼤して動画を撮影することができます。この機能は⾼解像度センサーを搭載したSIGMA fp Lならではの利点です。
▼SIGMA fp L のクロップズームを動画で試す
VIDEO
近年のSNSやインターネットで写真をシェアする⽂化において、この「クロップズーム」機能、または⾼解像度の写真をクロップしてフレーミングするアイデアは、⾮常に合理的と⾔えます。特に動画編集時において写真素材を使⽤する際、素材が⾼解像度であればあるほど編集の⾃由度が利きます。
フルHDサイズで1920×1080ピクセル、4Kサイズでも 3840×2160ピクセルというサイズの中で、写真素材の9520×6328ピクセルという有り余るほどの解像度は驚くほど⾼精細で⾃由にクロップすることができます。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:ISO320 F5.6 SS1/200 焦点距離70mm
■カラーモード:パウダーブルー
上の写真を1920×1080サイズのピクセル等倍でクロップした写真。ここまで拡⼤しても繊細に描写されていて驚きます。
旅⾏や散歩で気軽にカメラを持ち出したい時に、たった⼀本のレンズだけで幅広い表現が可能になるのは⾼解像度センサーだからこそです。望遠レンズが⼿もとにない突発的な状況でも、気軽に拡⼤して撮影できる利便さは他に変えられません。
充実の動画機能
私たちがSIGMA fpとSIGMA fp Lをメイン機として運⽤している決定的なポイントは、充実した動画機能の存在です。本体上部の「スチルモード」と「シネモード」切り替えスイッチの存在が示す通り、動画機能においても妥協のない設計がされており、⼒強く映像表現の⼿助けをしてくれます。⼤型ヒートシンクの搭載により排熱設計もしっかりされており、熱で収録が⽌まるという経験は今まで⼀度もありません。
シンプルなデザインの中で「スチルモード」と「シネモード」を直感的に切り替えられるスイッチの存在は、現在のカメラの状況もひと⽬で把握することができ便利です。
なにより、外部SSD接続による動画記録が可能なことは、撮影後のバックアップや編集作業の効率化にも⼀役買っています。
リグパーツも組み合わせることで、SSDを付けていてもコンパクトに収めることができます。
特に私たちが撮影する際は⼀⽇中収録を続けることがあり、⼀度に撮影時間の合計が24時間を超えることもあります。その際に、⽐較的安価で⼤容量のSSDに動画を記録できるのは⾮常に便利で経済的でもあります。
さらに外部SSD接続による「CinemaDNG」収録や、外部レコーダー接続による各種RAW収録が可能になる点は、⾃由なカラーグレーディングを可能とし映像表現の幅が大きく広がります。
VIDEO
SIGMA fp LとATOMOS NINJA Vを使⽤し、ProRes RAW収録に挑戦。カラーグレーディングを行ったりLUTを活⽤したりすることで、本体収録とはまた違った雰囲気の映像表現が可能になります。
私たちはATOMOS社製のNINJA Vという外部レコーダーでProRes RAW収録を⾏っています。写真のRAW現像を経験されたことがある⽅であればイメージしやすいと思いますが、動画のRAW収録を行うと映像の⾒栄えを繊細に追い込むことが可能になります。映像表現の⾃由度が格段に上がり驚かされます。
Blackmagic Design社製のレコーダーを使⽤すればBlackmagic RAWというフォーマットの収録にも対応しています。様々なフォーマットに対応できるよう柔軟に開発されているSIGMA fp Lは、今後もさらに活躍の幅が広がってくるのは間違いないでしょう。
魅⼒的なカラーモード
シグマのカメラが作り出す画作りは以前より定評があります。SIGMA fpでは 「ティールアンドオレンジ」というシネマベースのカラーを彷彿させるカラーモードが話題となりました。SIGMA fp Lでは従来のカラーモードに加え「パウダーブルー」と「デュオトーン」(SIGMA fpにもアップデートで後⽇追加予定)が新たに追加されました。特に新しく追加された「パウダーブルー」の爽やかで透き通るような表現⼒は素晴らしいの⼀⾔に尽きます。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/2000 焦点距離54mm
■カラーモード:パウダーブルー
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F5.6 SS1/1600 焦点距離70mm
■カラーモード:パウダーブルー
これらのカラーモードは当然ながら、動画撮影時にも適⽤することが可能です。複雑なカラーグレーディングの知識がなくとも、好みのスタイルに合わせてカラーモードを活⽤することで、⾮常に表情豊かな映像表現をすることが可能になります。映像作品とも相性が良く、私たちもよく使⽤します。どのような景⾊でもドラマチックに表現できるカラーモードの数々は、それらを⼀つ⼀つ試すだけでも想像⼒が膨らみ、撮影する楽しさを再発⾒させてくれます。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:ISO100 F5.6 SS1/200 焦点距離14mm
■カラーモード:ティールアンドオレンジ
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/500 焦点距離15mm
■カラーモード:ティールアンドオレンジ デザインとリグ組み
SIGMA fp Lのコンパクトでシンプルなデザインには驚きます。気軽に持ち運べる軽量さに加えて、ずっと触っていたくなる所有欲のくすぐられるデザインは唯⼀無⼆です。肌⾝離さず携帯していると、シャッターチャンスもそれだけ増えるということです。不意に訪れるシャッターチャンスを逃すことが少なくなったと感じるのは、私たちが⻑期間使⽤しているからこそ感じているメリットだと思います。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO400 F5.6 SS1/200 焦点距離70mm
様々なパーツによる拡張性の⾼さも魅⼒的です。動画撮影時においては主にリグ組みを行うことが多く、その場の撮影スタイルに合わせてカスタムを⾏っています。SIGMA fpとSIGMA fp Lはベースの筐体(きょうたい)デザインが同じなため、基本的にはあらゆる拡張パーツを併⽤して使⽤することができるのも忘れてはならないポイントです。
様々なリグパーツ・機材を⼀度に装着してみました。この状態で撮影したことはまだ⼀度もありませんが、コンパクトなカメラがここまで進化する姿は⾮常に夢が広がります。
また、動画撮影を⾏っていると様々な機材が増えてしまい、それに伴い重量も増えてしまいます。ただSIGMA fp Lのように⾼性能かつ⼩型軽量な本体デザインは、⼿持ち撮影の他にジンバルと連携させての収録も⾮常に⾏いやすく、負担も少なく済みます。様々な構成に組み替えられる柔軟さはSIGMA fp Lだからこそです。
⾼品質かつ豊富なLマウントレンズ
SIGMA fp LはライカLマウントを採⽤しています。豊富なLマウントレンズから好みのレンズを選ぶことができます。特にシグマから近年発売されているレンズには「絞りリング」が備わっているものもあり、直感的な操作が可能で動画撮影時においても役立ちます。
絞りリングは⼀度使い始めるとその利便性に気が付きます。クリックOFFスイッチがあるので、動画撮影中でも静かでスムーズに絞り値が調節できるのは安⼼です。
さらに最近では、シグマIシリーズに代表されるようなContemporaryラインの、光学性能と携帯性・デザイン性すべてを兼ね備えたレンズも増えてきています。画質だけを追求するのではなく、場⾯や⽤途に合わせたレンズ選びができるようになってきたと感じています。
SIGMA fp Lの魅⼒を多⽅⾯に引き出させる豊富なレンズ群は、様々な写真・映像表現を⼒強く⽀えて続けてくれるでしょう。
私たちの使⽤しているレンズたち。SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Artから始まり、様々なレンズが増えました。 おわりに
妥協のない映像表現をこの軽量なボディで実現できるSIGMA fp Lには本当に驚かされます。このコンパクトなサイズで約6100万画素もの⾼解像度を実現し、そのセンサーの性能を余すこと無く動画機能へも活⽤することができます。写真表現だけでなく、映像表現の⾃由度を大きく広げてくれるカメラだと感じました。そしてこれからの大きな可能性も秘めています。コンパクトでシンプルであるからこそ、⾃由な使い⽅を楽しみながらこれからを作り上げていくカメラがSIGMA fp Lなのだと私たちは感じています。
今回ご紹介した内容の他に、実際の映像や表現⼒についてまとめたSIGMA fp Lレビュー動画もYouTubeに公開しております。ご興味がございましたらぜひご覧ください。
VIDEO
■執筆者:
FPS24
2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。
「fp L」はこちらの記事でも紹介されています
■シグマ fp L レビュー|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/481012825.html
■シグマ fp Lのパウダーブルーで楽しむポートレート|水咲奈々
https://shasha.kitamura.jp/article/481497085.html
■更新
・2021年5月17日:「シグマ fp L レビュー|三井公一」、「シグマ fp Lのパウダーブルーで楽しむポートレート|水咲奈々」への記事リンクを追加
この記事で紹介した機材
【シグマ】24-70mm F2.8 DG DN Art
商品詳細ページ 【シグマ】28-70mm F2.8 DG DN Contemporary
商品詳細ページ
【シグマ】100-400mm F5-6.3 DG DN OS Contemporary
商品詳細ページ 【シグマ】14-24mm F2.8 DG DN Art
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
映像ユニットとして活動するFPS24さんにシグマ「fp L」をレビューしていただきました。動画撮影機としての魅力を存分に語っていただきました。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,レビュー,fp L,動画
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: キヤノン RF70-200mm F2.8 L IS USM レビュー|村上悠太
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CATEGORY: 村上悠太
DATE: 05/14/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,鉄道,レビュー,RF70-200mm F2.8 L IS USM,望遠ズーム,鉄道/電車
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BODY:
はじめに
キヤノンの新システムEOS Rシリーズが発足した時、最も登場を待ち焦がれたレンズがこの「RF70-200mm F2.8 L IS USM」です。鉄道写真にとっては使用頻度のかなり高いズームレンズだけに、RFレンズになってどのように進化するのか期待して待っていた1本でした。さて、そんな高い期待をして手にした「RF70-200mm F2.8 L IS USM」ですが、実際に使ってみて一体どのようなレンズだったのか、レポートしたいと思います!
大進化!同クラス世界トップクラスのコンパクト&軽量
まずびっくりしたのがその大きさ。ズーム方式をこれまでの繰り出し式でないタイプから繰り出し式に変更することで、収納時の大幅なコンパクト化と軽量化を達成しています。このレンズが登場するまでは、コントロールリングマウントアダプター EF-EOS Rを介してEF70-200mm F2.8L IS III USMを使用していたのですが、この大きさの変化には正直びっくりしました。
繰り出し式のズーム方式は耐久性やレンズ内部へのゴミ侵入が気になるところですが、もう1年以上使用していながら故障はもちろん、鏡筒のガタつき、レンズ内部の汚れなどはありません。カメラバッグではEF70-200mm F2.8L IS III USMを収納していた場所に入れているのですが、かなりの空間が余っています。
本格撮影に応える描写力と各種機能
大幅な小型化がされましたが、描写力は全く不満を感じません。ズーム全域でしっかりとシャープな描写力を持ち、大口径レンズならではの醍醐味であるボケも柔らかくナチュラル。スーパーUDレンズ1枚、UDレンズ3枚、UD非球面レンズ1枚、ガラスモールド非球面レンズ1枚とキヤノンのテクノロジーが詰まったレンズ構成で、特殊コーティングSWCによる対フレア・ゴースト性能もきっちり確保。
さらに最前面と最後部のレンズ表面にはフッ素コーティングが施され、万が一汚れが付着しても容易に拭き取ることができます。EOS R5・R6と組み合わせた際にはボディ内手ブレ補正機構とレンズ内手ブレ補正が協調制御を行い、最高で約7.5段分もの手ブレ補正機能を発揮。あらゆる撮影シーンで心強く撮影をサポートしてくれます。
■使用機材:Canon EOS R+RF70-200mm F2.8 L IS USM+C-PLフィルター
■撮影環境:マニュアル露出・1/640秒・F8.0・ISO500・焦点距離84mm・ホワイトバランス(太陽光)・ピクチャースタイル(スタンダード)
新潟県の名勝「笹川流れ」。美しい日本海の風景の横にJR東日本羽越本線を走る特急「いなほ」がやってきました。冬の日本海は時折、暴風雪に見舞われますが夏の光景は冬のそれとは正反対で穏やかな表情で魅せてくれます。僕はこのほっとするような優しい表情の日本海も大好きです。
さて、この「笹川流れ」ですがその美しさを撮影するためには少し高めのアングルから撮影するのがおすすめです。この写真は20分ほど山の斜面を登って撮影しています。こうした「俯瞰撮影」で注目したいのが機材の重さ。このカットは6月の撮影ですが既に気温は夏そのもの。そんな気候の中、斜面を登るわけですから機材は軽ければ軽いほど助かります。カメラだけでなく三脚なども持って登る必要がありますし、機材の軽量化は大切です。
RF70-200mm F2.8 L IS USMは約1,070gとEF時代のレンズに比べて、なんと約410gもシェイプアップ!携行性が飛躍的に向上しています。あわせて、様々な海の青さを表現するためにC-PLフィルターを使用しました。
■使用機材:Canon EOS R+RF70-200mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:マニュアル露出・1/800秒・F9.0・ISO1250・焦点距離158mm・ホワイトバランス(太陽光)
上越国境をゆくJR東日本上越線は首都圏と新潟、さらには日本海側の都市をつなぐ重要路線です。かつては多くの夜行列車も行き交いましたが、現在ではその使命を新幹線に受け渡し、上越国境付近では普通列車のみが静かに行き交います。一方で、物流面でも上越線は重要な路線で、昼夜問わず電気機関車が長いコンテナを牽引して山道を超えていきます。この区間を走る貨物列車は山の急勾配にも強い「EH 200」という機関車が専門で運用されており、その力強い存在感と山間の風景がよくマッチします。
この日は雨上がりの朝で、周囲の空気が湿気を帯びていました。そこで、やや暗めの露出ワークにすることでおちついた色調を表現してみました。撮影している焦点距離は約158mmで、ほどよい圧縮感が滝と列車の存在感を明確にしてくれています。
使用機材:Canon EOS R5+RF70-200mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:マニュアル露出・1/2000秒・F2.8・ISO400・焦点距離70mm・ホワイトバランス(太陽光)・ピクチャースタイル(ディテール重視)
大都会新宿を目指して快走するJR東日本の特急「あずさ」。最新鋭のE353系はカーブに強い設計が特徴で、山間部を多く経由する中央本線でも快適性を保ったまま高速で走行することができます。撮影地は甲斐駒ヶ岳と八ヶ岳がすぐそばに迫る自然豊かな高地。このニュアンスを写し込みたくて、列車と風景をそのままフレーミングするのではなく、あえて自分の立ち位置の周りの木々を入れ込み、その木々の間から「あずさ」を覗き込むような構成にしてみました。
絞りを開放のF2.8にすることでなるべくピントを合う幅を狭くし(被写界深度を浅くする)、写真を見る人の目線が主役である列車にすぐに行くようにしています。ただ、この絞り値の設定は非常に難しく、木のディテールや周囲の葉っぱの具合、光線によってはむしろ絞り込んでピントを合わせた方が良いケースもあります。
RF70-200mm F2.8 L IS USMであれば、今回のように大きなボケを使えるF2.8から絵作りの選択肢があるので、様々な仕上がりをシミュレートすることが可能です。なお、今回とは逆に絞り込んで撮影する場合には、列車がブレないシャッタースピードを確保するために適度にISO感度を上げて撮影しています。
■使用機材:Canon EOS R5+RF70-200mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:マニュアル露出・1/1250秒・F6.3・ISO1600・焦点距離92mm・ホワイトバランス(太陽光)
川沿いを走る鉄道路線は、早朝と夕方は特にフォトジェニックな時間帯となることが多いです。JR四国予土線は四万十川を縫うように走る路線で撮影スポットも多く、また四万十川で楽しめるアクティビティも多いため、レジャースポットとしても最近注目を集めています。日中と夜間の温度差が開くシーズンには霧が発生しやすく、しっとりと静かな風景を撮影することができます。このコンクリート橋はちょうど左右対称となるシンメトリーのような形状をしているので、これを構図の軸として画面構成をしています。
このようなどこか淡々とした風景を描く場合は過剰な演出をなるべく避けるのがポイントです。ホワイトバランス、ピクチャースタイル、そしてレンズワークも自然な描写ができるモードや機材を選択すると、現場の雰囲気のまま、まとまりが良くなります。ピクチャースタイルには「ニュートラル」というモードがありますが、このモードだとやや落ち着きすぎる傾向があるので、僕は「スタンダード」を基本としています。RF70-200mm F2.8 L IS USMのしっかりとした描写力と、心地よいパース感が目の前の風景を心地よく描いてくれました。
■使用機材:Canon EOS R6+RF70-200mm F2.8 L IS USM+C-PLフィルター
■撮影環境:マニュアル露出・1/2500秒・F8.0・ISO2500・焦点距離92mm・ホワイトバランス(太陽光)
鉄道写真における一つの傾向として、「車両を画面の四隅に配置する」というものがあります。一般的に鉄道写真では列車の進行方向の先に構図の空間を作らないようにフレーミングするほうが画面に余白ができずに落ち着いた構図になることが多いのでこのような傾向があるのですが、実はレンズ的には少し「苦手な」傾向でもあったりします。レンズの描写性能はその構造上、画面中央が最も性能が高く、画面周囲に向かうほど性能が低下します。そのため、鉄道写真で主役とも言える車両を配置する画面四隅は一番レンズとして「弱点」とも言えるのです。さらに現在のEOS Rシリーズのカメラは全て35mmフルサイズセンサーを採用しているため、画面中央部をトリミングするように使用しているAPS-Cセンサーに比べて高いレンズ性能が必要となります。
ですが、RF70-200mm F2.8 L IS USMは画面中央部から周辺部にかけて非常に高い描写力が魅力。さらにEOS R6は高感度性能にも優れているので、車両の動体ブレを防ぎつつ、レンズの描写性能をより引き出す絞り値まで絞り込むという使い方も可能です。さらに、この写真ではC-PLフィルターも使用し、車体の青いラインを綺麗に見せるように配慮しています。露出が下がるC-PLフィルターですが、最近のカメラにおける高感度性能の飛躍的な向上により、高速シャッターが必要な鉄道写真でも積極的な使用が可能になっています。
■使用機材:Canon EOS R5+RF70-200mm F2.8 L IS USM+C-PLフィルター
■撮影環境:マニュアル露出・1/2000秒・F7.1・ISO800・焦点距離79mm・ホワイトバランス(太陽光)
東京を出発した東海道本線はしばし都会の合間を進み、小田原を過ぎると車窓いっぱいに駿河湾の光景が広がります。関東を代表する鉄道風景の1つと言えるでしょう。EOS R5に代表されるように、かつて超高画素と言われていたような画素数も今日ではいよいよ珍しくなくなってきました。EOS R5も有効画素数約4500万画素と非常に繊細な描写力を持つ機種です。しかし、いくら高画素機を使用してもそのセンサーに光を導くレンズの性能が低ければ、その性能を最大限に発揮することはできません。RF70-200mm F2.8 L IS USMは非球面レンズやスーパーUDレンズといった特殊レンズを多く、そして効果的に配置することで高画質化を実現。EOS R5の性能を存分に引き出してくれる頼もしいパートナーです。
■使用機材:Canon EOS R6+RF70-200mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:マニュアル露出・1/125秒・F2.8・ISO8000・焦点距離168mm・ホワイトバランス(太陽光)ピクチャースタイル(スタンダード)
JR九州日田彦山線沿線の小さな秋の町を俯瞰して撮影しました。日没後の光景を撮影したかったため、カメラは高感度性能にも特化したEOS R6をチョイス。一方で、どんなにカメラが良くてもISO感度はなるべく低く設定した方が画質面では有利なので、可能な限り低感度で撮影したいところです。そこでレンズは明るいRF70-200mm F2.8 L IS USMを組み合わせます。シャッタースピードは列車が動体ブレしないギリギリの1/125秒に設定、絞りは開放のF2.8でもISO8000まで上げる必要がありました。以前のデジタルカメラであれば、非常にノイズの気になる仕上がりになったところですが、EOS R6はノイズレスな描写をしてくれます。
こうした刻一刻と露出が下がっていく夕暮れの時間帯や明け方の蒼い時間帯はこの「F2.8」という明るさが大きなマージンとなってきます。ヘッドライトが強めの点光源として画面内に入り込んでいますが、レンズコーティング「SWC」がゴーストやフレアを強力に抑制してくれています。また、三脚を使用しつつも少しカメラブレにも気を配りたいシャッタースピードですが、ボディ内レンズ内双方の手ブレ補正機構を用いた「協調IS」により、限りなくカメラブレのリスクも軽減してくれました。
■使用機材:Canon EOS R+RF70-200mm F2.8 L IS USM
■撮影環境マニュアル露出・1/2500秒・F7.1・ISO640・焦点距離115mm・ホワイトバランス(太陽光)
JR東日本中央本線の春風景は、もしかしたらこの裏高尾の梅から始まるのかもしれません。高尾までは通勤型の電車がひっきりなしに行き交いますが、高尾から西は都市的な路線表情からは代わり、一気に山岳路線の色が濃くなります。こうした急激な環境変化も個人的には旅情をくすぐられるポイントです。
以前、
RF35mm F1.8 MACRO IS STMのレビュー を公開させていただいた際に、「35mmはなにげなく感じた『あ、いいな』をストレートに写真へ変換してくれる」とお話しさせていただきました。実は、RF70-200mm F2.8 L IS USMがカバーしているズームレンジにも僕は似たようなニュアンスを感じています。超望遠のような極端な圧縮感ではなく、それでいて望遠レンズの魅力を感じられる適度な圧縮感と主役を際立てせるボケは、写真の持つ演出性を程よく目の前の光景に与えてくれると感じています。この梅の花と特急「あずさ」は現場で見た目のまま撮影してしまうと少し魅力が伝わりにくいのですが、RF70-200mm F2.8 L IS USMで適度に構図を圧縮し、内容を取捨選択することで1枚の写真としてのまとまりをつけてみました。
まとめ
実は少し前まで僕は「カメラは重くて大きくても性能が良ければいい!」と考えていました。しかし、最近は大きな機材はどうしても取り回しが悪いだけでなく、ふとしたシャッターチャンスを見逃してしまっていた気がしています。また、僕はよく鉄道にまつわる「人」を撮影するのですが、そうした際にも大きな機材は、撮影させていただく方に威圧感を与えてしまっていました。そうした面でもカメラもレンズもコンパクトなRF70-200mm F2.8 L IS USMとEOS Rシリーズの組み合わせは僕にとって心地よい、良いカメラシステムに感じています。
■写真家:
村上悠太
1987年東京都生まれ。鉄道発祥の地新橋でJR発足年に生まれた。日本大学芸術学部写真学科卒業。「ひとと鉄道、そして生活」をテーマに制作活動を行う。鉄道旅を通して日台観光促進、相互交流にも携わり、2019年台湾観光貢献賞(台湾政府 観光局)を受賞。高校時代には、毎夏北海道東川町で開催されている「写真甲子園」に出場し、2019年開催大会では出場者で初めて審査委員を務める。
・キヤノンEOS学園東京校 講師
・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師
・日本鉄道写真作家協会 理事
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の村上悠太さんがキヤノン RF70-200mm F2.8 L IS USMをレビューしています。鉄道写真を撮影する際の製品特長を作例と共に紹介していますので是非ご覧ください
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KEYWORDS:
キヤノン(Canon) レンズ,RF70-200mm F2.8 L IS USM,大口径望遠ズームレンズ,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 40mm F2.5 Gレビュー|山本まりこ
BASENAME: 481492272.html
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 05/15/2021 11:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 40mm F2.5 G,レビュー,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
近所の夏ミカンの花が一斉に咲き出し、辺りいっぱいに爽やかな香りが漂っている。
春が深まってきた。
そんな春の先月、ソニーから3本のレンズが同時発売になった。
FE 24mm F2.8 G
FE 40mm F2.5 G
FE 50mm F2.5 G
の3本だ。
左からFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 G
3本に共通するのは、小さい・軽い・単焦点・Gレンズということ。
外形寸法(最大径×長さ)は、3本共通で68mm×45mm。
重さは左からそれぞれ、162g、173g、174g。
小ぶりなタマネギが一個約200g、500mlのペットボトル飲料水が約540gだから、小さな玉ねぎより軽く、500mlのペットボトルの約1/3の重さという事になる。兎にも角にも、圧倒的な小型・軽量設計が施されているレンズ3本だ。略して、小型軽量レンズトリオ。
この3本は外形寸法が統一されているため、ジンバルに装着した状態でもレンズ交換が容易で動画撮影にととても便利。さらには、フィルター径が49mmで統一されているため、動画撮影で必須のNDフィルターや他フィルターも3本共用出来るのも嬉しい。
ちなみにGレンズとは、非球面レンズ・EDガラス・ナノARコーティング技術・操作性に優れたボディーデザインや形状など、描写性も信頼性もワンランク上の品質基準を目指しソニーの光学技術を結集して設計されたレンズのこと。
フードを着けて3本並べてみる。
それでも小さくて軽い。
左からFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 G
この3本のレンズについてそれぞれレビューを書くことになった。
どのレンズから書こうかなと迷ったけれど、一番気になるレンズから始めることにした。
FE 40mm F2.5 Gだ。
理由は、40mmという画角が気になるから。
カメラを学ぶならまずは標準の50mmと言われるその画角より広く、筆者も良く使っている35mmという画角よりも少し狭い画角。
楽しみだ。
最短距離撮影 / ボケ力を大胆に楽しむ
昨年主宰している写真教室の生徒さんたちにいただいた花束が、美しくドライフラワーになったので小分けにしてアトリエに飾った。
本当に美しいお花。ありがとう。
まずは、最短撮影距離にて撮影。
F2.5と控えめな解放値であるけれども、ドライフラワーが凛としていてトロリとボケた背景が美しい。
▼AFで撮影
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF2.5 ISO400
▼MFで撮影
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF2.5 ISO400
このレンズの最短撮影距離は、AF(オートフォーカス)撮影時は28cm、MF(マニュアルフォーカス)撮影時は25cm。つまり、MF時は3cmより近くに寄って撮影が出来る。だから、MF撮影時により被写体が大きく写るということ。ちなみに、最短撮影距離とは、イメージセンサー面からピントを合わせた被写体までの距離のこと。
見比べてみると、MF時の方が少しだけ被写体が大きく写っている。花束の右奥にトロリとボケて写っている扇風機、MF撮影時の方が3cm寄れている分より柔らかく写っている。
この時、撮影しているカメラは
α7C 。
フルサイズから、APSCサイズにクロップして撮影してみた。
▼AFで撮影(APSCサイズにクロップして撮影)
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF2.5 ISO400
▼MFで撮影(APSCサイズにクロップして撮影)
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF2.5 ISO400
焦点距離40mmの単焦点レンズ、MFで最短撮影距離に寄り、APSCサイズにクロップして撮影すると、ここまで大胆にボケ力を表現して撮影することが出来る。
ちなみに、小型軽量レンズトリオで焦点距離が近いFE 50mm F2.5 Gの最短撮影距離は31cm(MF時)、最大撮影倍率は0.21倍(MF時)。FE 40mm F2.5 Gの最短撮影距離は25cm(MF時)、最大撮影倍率は0.23倍(MF時)なので、FE 40mm F2.5 Gの方が、被写体を大きく撮ることが出来る。簡単に書くと、FE 40mm F2.5 Gの方がFE 50mm F2.5 Gより広い画角のレンズだけれども、より被写体に近くに寄れてより大きく撮れるということ。
これは、楽しい。
スナップ撮影も楽しいことが予想できる。
スナップ撮影が気軽に
多摩川のお気に入りのお散歩スポットへ。
東急東横線多摩川駅の周りには、古墳群含む多摩川台公園が広がっていて、その脇に多摩川が流れている。春には多摩川沿いの桜並木の桜が一斉に咲いてピンク色に包まれる。緑が生い茂り川が悠々と流れていて空が広い。東京であることをふと忘れてしまう、そんな場所。
桜が散り、葉っぱが生い茂った並木を眺めて春が進んでいるなあと思いつつカメラを手にする。軽い。カメラはα7Cなので、カメラもレンズも小さくて軽い。もはや、APS-Cサイズのカメラを思わせるコンパクトさと軽さ。フットワーク軽くスナップ撮影したい人には最適だ。山歩きにも、向いているだろう。
暖かい風がひゅうと吹き、人々の笑う声が聞こえる。
春を撮る。
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF2.5 ISO400
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF2.5 ISO100
柔らかいボケだなあ。
こんなに小さくて軽いレンズがこんなに優しいボケを作るんだとしみじみしながらシャッターを切る。
このレンズなら、カメラを気軽に楽しみたい人にも向いているなと思う。これからカメラを始めたい人にもおススメだ。小さくて軽いから持ち歩きやすいし、柔らかいボケが撮れるから写真表現も楽しいだろう。スナップが、気軽で楽しくなるレンズだ。
「広く」か「寄る」か
次は、焦点距離40mmということを、幅広く表現してみたいと思う。
40mmで広い風景を撮る。
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/4000秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/2000秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF2.5 ISO100
次は、寄ってみる。
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF2.5 ISO400
焦点距離50mmだと表現しづらい「広い」が少しだけ表現しやすく、「寄り」は気持ち良く表現することができる。
1本で、いろいろな角度から被写体を表現することが出来る。
単焦点レンズと言うと、お花を撮るレンズ、お料理を撮るレンズ、人物を撮るレンズなどと決めて撮影することも多いけれど、このレンズは幅広く使用することができそうだ。
「1本だけレンズを持ってスナップ撮影に行こう」
そんな時にこのレンズを選ぶと、フットワーク軽く様々なシーンを撮影できるだろう。
夕刻にて
さっきまで暖かった風がちょっと冷たくなってきた。
太陽が沈み空の色が刻々と変わっていく。
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/80秒 絞りF5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/50秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/50秒 絞りF2.5 ISO100
少し暗くなってきた空の下でも、AFはすこぶる快適。
そして、とにかく小さくて軽いから、たまにカメラを持っていることを忘れそうになるくらい身軽。
おわりに
「小さっ、軽っ。えっ。」
それが、FE 40mm F2.5 Gを最初に手にしたファーストインプレッション。
こんなに小さくて軽いレンズでどこまで撮れるだろう、物足りないのではないだろうか、そう思ったことも確か。でも、さすがのGレンズとあって、その表現力は豊か。フットワーク軽く美しい作品が撮れるのは最大の魅力だ。そして、先述した小型軽量レンズトリオの他の2本のレンズ(FE 24mm F2.8 G・FE 50mm F2.5 G)とフィルターを共用したり、ジンバルに装着したままレンズ交換を容易にしながら動画撮影できるのはかなりのさらなる魅力だ。
ちなみに、動画も撮影してみた。
まず思ったのは、カメラを持つ手が楽だということ。もちろんそれは、小さくて軽いから。だから、手持ちで手ブレせずに撮ることが出来るのも気持ち良かった。しかも、片手で撮影できてしまう。三脚やジンバルを使わなくてもある程度は美しい動画を撮ることができた。もちろん、三脚やジンバルを使った方がなめらかな動画を撮れるだろう。でも、動画をこれから始めてみたい、そんな人にはこのレンズは、何も買わずに動画撮影に挑戦できるとても魅力的なレンズだと思う。
小型軽量レンズトリオの他の2本のレンズ(FE 24mm F2.8 G・FE 50mm F2.5 G)も撮影してみた。その3本で撮影にも出た。驚くほど、カメラリュックが軽かった。三脚もジンバルも持たずに撮影に出た。今まで動画撮影となると、大きな動画用三脚を2本、そして、カメラリュックにぱんぱんとなるくらいのレンズを背負って山を登っていた。帰ってくるころには肩がパンパン、家に帰る頃にはぐったりしてお風呂に直行、口もきけないくらい疲れて寝入る、そんな毎回だった。レンズトリオでの動画撮影は、日常に背負っているリュックの重さと変わらないくらいだったので、山道も軽々、撮影も楽々だった。帰って来てからも元気。これは動画撮影の革命かとも思った。
動画撮影を始めてみたい、そう思っている人には特におススメのレンズだ。
筆者も、このレンズと一緒に、レンズトリオと一緒に、もっと深い山を歩いてみたい、そう思う。
レンズトリオの他の2本のレンズ(FE 24mm F2.8 G・FE 50mm F2.5 G)もこれからレビューを書くので、楽しみにしてくれたら嬉しい。
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/100秒 絞りF2.5 ISO1600
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF2.5 ISO100
■写真家:
山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
小型軽量レンズトリオの24mm、50mmの記事も是非ご覧ください
■
「ソニー FE 24mm F2.8 Gレビュー|山本まりこ」の記事はコチラから
■
「ソニー FE 50mm F2.5 Gレビュー|山本まりこ」の記事はコチラから
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんがソニー FE 40mm F2.5 Gのレビューを行っています。小型軽量レンズトリオの他2本のレンズ(FE 24mm F2.8 G・FE 50mm F2.5 G)についても触れながら本レンズの魅力を紹介してます。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,レンズ,FE 40mm F2.5 G,レビュー,スナップ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ fp Lのパウダーブルーで楽しむポートレート|水咲奈々
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 05/16/2021 11:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) ボディー,レビュー,fp L,人物_子供,ミラーレスカメラ,フルサイズ,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
4月16日に発売されたSIGMA fp Lは、先に発売されていたSIGMA fpと見間違えるほど似たデザイン、形状で、並べて置くとどちらがどちらかわからなくなるほどです。でも中身は密やかながら変わっており、本機を買い増しした筆者が、見える変化と見えにくい変化を、新しく搭載されたカラーモードのパウダーブルーを使用したポートレート作品とともに紹介します。
ポートレートを透明感高く仕上げてくれるパウダーブルー
■撮影機材:SIGMA fp L + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/800秒 ISO100 WB5000K
■カラーモード:パウダーブルー
■モデル:大川成美
本機はSIGMA fpと同じ、裏面照射型ベイヤーセンサーを搭載したフルサイズミラーレスカメラですが、スペック上で大きく違うのは有効画素数です。SIGMA fpは有効約2460万画素でしたが、SIGMA fp Lは有効約6100万画素とかなりの高画素となっています。
有効画素数の比較だと、カタログなどでは風景写真がよく使用されますが、ポートレートでも奥行き感やモデルの肌の質感で、高画素の恩恵を感じることができます。
手ブレ補正機構がついていないので、高画素になることで手ブレには注意したいのですが、晴れている外で撮影する分には必要以上に神経質になることもなく、カメラをしっかり構えるだけでブレのない画を得られます。
そして、ポートレートを撮る方にお勧めなのが、今回新たに搭載されたカラーモードのパウダーブルーです。明るく涼やかな色味に仕上げてくれるカラーモードなので、モデルの顔色を始めとした全体を、透明感高く表現してくれます。
画面内のコントラストが高くないシーンで明るめに撮影すると、全体がクールなイメージになり、これからの暑い季節にぴったりの涼し気な写真にすることができます。また、ホワイトバランスを変えることで、さらに白さを乗せて透明感を上げたり、赤みをプラスして肌の質感や、その場のムードを増したりという遊びもできるのが楽しかったです。
パウダーブルーでポートレート・ムービー
VIDEO
■撮影機材:SIGMA fp L + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■カラーモード:パウダーブルー
■モデル:大川成美
■三脚使用
今回のムービーは、パウダーブルーで全編撮影しました。室内の照明の色味を活かして、パウダーブルーの青白いベールにプラスして、少し黄味がかった薄いベールを被せるような色味にしています。カラーグレーディングして自分好みの色味にするのもいいのですが、メーカーが打ち出す色味を楽しむのも、カメラを所有する醍醐味だと、筆者は常々思っています。
精度と速度が上がったAF
■撮影機材:SIGMA fp L + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/500秒 ISO100 WB5300K
■カラーモード:パウダーブルー(-1)
■モデル:大川成美
ポートレートがテーマということもあり、SIGMA fpと本機の大きな違いのひとつでもある、AFについて言及したいと思います。
本機はコントラストAFと像面位相差AFを採用しており、SIGMA fpよりもAFの精度と速度が上がっています。ポートレート撮影では顔/瞳優先AFモードを使用していますが、SIGMA fpでは迷いがちだった逆光のシーンで、AF精度が上がっているように感じました。
ポートレートでは逆光での撮影が多いので、逆光時にAFが迷い過ぎてしまうのはちょっと困ってしまうのですが、本機ではAFのグレードアップを体感できました。細かいピントはAFで合わせた後にMFで追い込むこともありますが、そのファーストアクションでもあるAFの精度が上がったことは、スムーズな撮影を行えるありがたい点でもあります。
待望の外付け電子ビューファインダー「EVF-11」
本機と同時発売、セット発売もされた外付け電子ビューファインダー「EVF-11」は、0.5型、約368万ドットの有機ELパネルを採用、90度のチルト機能、EVF使用時の外部SSD使用可能、モニタリング用ヘッドフォン端子搭載など、機能も充実の待望のアクセサリーです。
天気のいい日に撮影をしていると背面液晶が反射してしまって、ライブビュー画像も、再生画像も確認しにくいことがあります。そんなときの強い味方になってくれるのが、この電子ビューファインダーです。
見え方も自然でクリアー、この手の製品にありがちな、ガチガチにシャープな像を出していないことに好感が持てました。ちょっとした親切設計なのが、この電子ビューファインダーを装着するときは、カメラボディ側のHDMI端子カバーを取り外すのですが、取り外したカバーを電子ビューファインダー側に取り付けておけるのです。
このHDMI端子カバー、SIGMA fpをWEBカメラとして使用した後にはめるのを忘れて、無くす寸前!ということが、数え切れないくらいありました。SIGMA fp Lは無くさないように、電子ビューファインダーにしっかりと取り付けておきたいと思います。
電子ビューファインダーの取り付けには、慎重さと力が必要です。USB端子カバーをめくった状態で、電子ビューファインダーを垂直にぐっと差し込み、前面のダイヤルを回して締めていきます。USB端子カバーに弾力があるので、差し込みには少々力を要します。ここが緩いと、撮影しているうちに取れて来てしまうこともあるので、しっかりと締めましょう。また、歪んで差し込んでしまうと故障の原因になりますので、差し込みは慎重に行うことをお勧めします。
ただ、何度も付けたり外したりするものではないので、付け外しをしない方は、使用時に緩みだけチェックすれば良いでしょう。
小さいけど大きな変化のあるデザイン
■撮影機材:SIGMA fp L + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/500秒 ISO100 WB5300K
■カラーモード:パウダーブルー(-1)
■モデル:大川成美
今回のポートレートは、スチールもムービーもレンズは「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」を使用しています。Iシリーズの中では珍しいふんわり表現が叶う、筆者お気に入りのレンズです。
ここでは、背景の木の葉の緑色とそれを映した白いワンピースの色反射を、その場にいる気持ちになれるように残した表現をしたかったので、パウダーブルーをマイナス1に調節して、ホワイトバランスを5300Kにして撮影しました。
本機はSIGMA fpと見間違えるほど似たデザインと冒頭でお話しましたが、違う点ももちろんあります。前面のロゴに「L」の文字が入っている点や、マイク端子のラバーが不意に開いてしまわないように変更されている点、誤動作防止のために、背面のMODEボタンの突出が微細ながら少なくなっている点などです。
筆者が気に入ったのは、背面のダイヤルが少し重目になったことで、クリック感が増して操作がしやすくなったことと、回転音が低くなったので、高級感がアップしたことです。小さなことではありますが、このような操作に関わる変更点は、持つ喜びにつながる大事な点とも言えます。
カメラ起動中のUSB給電が可能に!
■撮影機材:SIGMA fp L + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/500秒 ISO1600 WB4300K
■カラーモード:パウダーブルー
■モデル:大川成美
どんなカメラもですが、スチールとムービーの両方を数時間撮影していると、バッテリー残量が不安になってしまいます。これから発売するすべてのカメラに付けて欲しい機能として、筆者が強く推したいのはUSB給電です。
筆者はライブ配信用のカメラとしてもfpシリーズを使用しているので、DCカプラーは所持しているのですが、カメラを据え置かない撮影では、コンセントとの距離を考えなくてはいけないので、実用的ではありません。予備のバッテリーも持ち歩くようにはしていますが、一日中の撮影では保たないことも……。そんなときに、手持ちのモバイルバッテリーで給電できることは、屋外撮影時の心配事をひとつ減らしてくれます。
USB給電が可能な本機はバッテリーの残量を気にせず、気軽に持ち歩けるコンパクトサイズの高画素機として、これからポートレートはもちろん、色々な被写体を撮影したいと思わせてくれるカメラでした。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
「fp L」はこちらの記事でも紹介されています
■シグマ fp L レビュー|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/481012825.html
■シグマ fp L レビュー|映像表現の可能性について
https://shasha.kitamura.jp/article/481458600.html
この記事に使用した機材
【シグマ】45mm F2.8 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがシグマ fp Lのレビューを行っています。普段からfpを使い込んでいる水咲さんのfp Lの評価を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ(Sigma) ボディー,レビュー,fp L,人物_子供
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム X-S10の星空特性を検証!星空撮影に役立つ機能も紹介
BASENAME: 481476057.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 成澤広幸
DATE: 05/17/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,レビュー,X-S10,星景_天体,ミラーレスカメラ,APS-C,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック
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BODY:
はじめに
星空写真家・タイムラプスクリエイターの成澤です。昨年4月に独立し、以前から関心のあった動画スキルを習得するべく、YouTuberとしても活動し始めております。私のチャンネルで開催している毎週木曜のライブ配信では初級者~上級者と幅広く、撮影に関する様々な質問が寄せられます。ぜひ一度ご参加ください。
以前よりも撮影する被写体が増えてしまいましたが、今でも星空は得意な被写体として撮影し続けております。今回もそんな星空撮影を題材にレビュー記事をお届けしたいと思います。
富士フイルムの星空適性
私が愛用しているX-S10とそのレンズたち。レンズに貼っているテープは畜光テープで、暗所での撮影時にカメラを離れても見失わないようにしている。
星空の写真はフルサイズセンサーを搭載した一眼カメラを使用するという見解が一般的だと思います。この記事を読んでいる方々もそのように考えている方が多いのではないでしょうか。
私は星空をメインに撮影しておりますが、富士フイルムXシリーズは今でも写真撮影のメイン機種として愛用しています。そんな私に対して「なぜフルサイズではなくAPS-Cを使用するのか?」といった質問がよく寄せられます。
この記事では、そんな疑問にもお応えしつつ、昨年11月に発売され写真・動画の両立を実現した高コスパ・エントリーモデル「FUJIFILM X-S10」の星空適性についてご紹介したいと思います。
X-S10で撮影した星空
いろいろと説明する前に、まずはX-S10で撮影した星空作例を見ていただきましょう!
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF16-55mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:ISO8000 f2.8 25秒 焦点距離24mm(35mm換算) WBオート
長秒時ノイズリダクションON 画像処理なし
どうですか、いわゆるJPEG撮って出しの画像です。星空の写真って、すごい画像処理をゴリゴリやって表現するものだと思っている方は多いんじゃないでしょうか(そういうのもありますけど)。そんな人はこれが撮って出しと聞いて驚くのではと思います。フルサイズじゃなくてもこんなにきれい撮れるのか・・・と感じていただけたのならとても嬉しいです。
もちろんフルサイズのほうが1画素あたりの受光量が多くより低ノイズになるのは間違いないですが、それは「比べれば」の話。エントリークラスのX-S10でも充分、星空を撮影できる性能を持ち合わせているのです。
VIDEO
こちらのタイムラプスムービーはすべてX-S10で撮影して制作したもの。東京都神津島を訪れた際に撮影した素材で制作しました。
ムービーには星空以外も混ざってますがすべてX-S10で撮影したものです。エントリーモデルと言われているX-S10でも、星空やらタイムラプスやらいろいろな用途で活躍できる性能を持ち合わせているのです。「えっ、私のカメラでもこんなの撮れるんだ!」という希望を持ってもらえたら嬉しいです。
星空撮影で役立つ!X-S10のこんな機能
まずは、X-S10に備わっている機能で星空撮影に役立つものをご紹介します。
①低照度優先
液晶モニター:ノーマルモード
液晶モニター:低照度優先ON
星が写っている数が違うのがおわかりいただけるだろうか。これがものすごく星空撮影にはありがたいのです。
星空撮影はとても暗い場所で行います。構図の確認は一度シャッターを切り、画像を確認して撮りたい構図に微調整していくという方法が一般的です。また、ピント合わせは星や近くの街灯を液晶モニターで拡大し、マニュアルフォーカスで追い込んでいくのが基本ですが、街灯のない暗い場所で星しか見えない場所だとなかなか液晶モニターの中で星を見つけられず、ピント合わせもままならないといった経験をお持ちの方も多いと思います。
そんなときにおすすめなのが「低照度優先」という液晶モニターをブーストする機能。X-T4以降の機種についた機能なんですが、これがとても使いやすくて重宝します。低照度優先をONにすると、それまで写っていなかった星がしっかりと写り、山の稜線がうっすらと見えるようになります。フレームレートも遅くなりすぎないのでとても見やすく、ピント合わせ・構図の調整がしやすくなるので、星空撮影時は必ずONにしている機能です。
設定方法は以下の画像の通り。私が使用した感じだと、シャッタースピード15秒よりも遅いシャッタースピードの設定にならないと低照度優先時に液晶モニターがブーストにならないので、注意をしましょう。
「セットアップ」→「消費電力設定」→「EVF/LCDブースト設定」→「低照度優先」
ファンクションメニューやタッチパネルなどに割り振って、この機能を呼び出せるようにしておくとよいでしょう。
②距離指標
赤く囲っている部分が、距離指標。ピントが合う距離を示しているので、なんとなくこの部分を見ながらでもピント合わせができる、大変ありがたい表示なのです。
いざ星を撮るぞ!となっても、液晶画面に星が映らない・・・という経験はないでしょうか。そのひとつの要因として考えられるのがピント。ある程度ピントがでていないと液晶モニターに星を映し出すことができません。距離指標のついているレンズなら「∞」にすれば星が確認できるようになりますが、最近のレンズは指標がついていないものが多く、フォーカスリングをくるくる回してもどこに星が写ってるのかさっぱりわからない!ということがあります。
そんなときに便利なのが距離指標を液晶モニターに表示する機能。これがついているメーカーはとても少なく、大体の目安でピント合わせができるとても便利な機能なのです。この機能は富士フイルム全機種に搭載されているので、ぜひ活用してみてください。
通常はカメラをMF設定にすると表示されるはずですが、もし表示されてない場合は「セットアップ」→「表示設定」→「画面のカスタマイズ」→「MF時の距離指標」にチェックを入れよう。
③情報表示コントラスト調整「暗所」
暗所モードにしたときの画面表示①
暗所モードにしたときの画面表示②
美しい星空が撮影できる場所は当然のことながら大変暗いです。そうなると、人間の目の感度も上がる(瞳孔が大きくなる)ため、液晶モニターがまぶしく感じます。液晶モニターの明るさを下げてもいいのですが、こんなときに大変便利なのが「暗所モード」です。液晶画面の文字を目にやさしい赤い色で表示してくれます。文字は赤い色になっても表示される画像は通常のカラー画像のままなので撮影に支障はありません。
「セットアップ」→「表示設定」→「情報表示コントラスト調整」→「暗所」に設定する。
暗所の設定のまま昼間に撮影すると全然見えないので注意しよう。
④USB給電
X-S10はUSB TYPE-Cケーブルによる給電が可能
私が富士フイルムを使うことにした理由のひとつがこれ。よく充電と間違えられますが、「充電」はカメラ電源をOFFにした状態で電池に電気をためることを指し、「給電」は電源がONの状態でも常に電気が供給されることを指します。カメラとモバイルバッテリーをUSB TYPE-Cケーブルで接続すれば、常に電気を供給し続けながら撮影をすることができる。すなわち、バッテリー切れの心配がほとんどないのです。
以前は予備バッテリーを大量に持ち歩いていた私ですが、この機能が付いた機種を使い始めてから、予備バッテリーは多くても3個程度になりました。バッテリーの持ちが低下しやすい寒冷地での撮影や、私が得意とするタイムラプス撮影においては必要不可欠の機能で、もうUSB給電なしでは撮影したくないとさえ思っています。富士フイルムはこの機能をかなり早くから実装しており、他社ではいまだに対応していない機種もあります。大変ありがたい機能なのでぜひ活用してください。
「セットアップ」→「接続設定」→「USB給電設定」→「ON」に設定する。
注意点はものすごく安いUSBケーブルを使用すると給電ができないこと。PD(USB Power Delivery)に対応したケーブルを使用しましょう。また、「接続設定」→「接続モード」を「USBカードリーダー」にしないと実際にUSB給電は行われないので注意しましょう。 富士フイルムのHα領域の写りについて
私が富士フイルムを愛用する理由のひとつに「発色」があります。カメラは通常、昼間での撮影を中心に色設計がされていますので、日中にホワイトバランスが崩れる要因となる波長はカットされているのです。
一方で、星空撮影においてカットされると残念なのが、Hα(エイチアルファ)領域という656.28nm(ナノメートル)の波長です。これは星空撮影では赤い色を表現する領域なのですが、ぎりぎり可視光にあたる領域のため、ここを通すと日中のホワイトバランスが崩れる要因になります。そのため、多くのメーカーがカットしているのが実情。しかしながら、富士フイルムはここを多めに通してくれているのです。なんとありがたい。
Hα領域の写りを比較
富士フイルムと他社の写りを比較。これは「干潟星雲」という天体を撮影したものですが、中央の色の濃さが違うのがわかりますでしょうか。最初から写っていない色はあとでどれだけ画像処理をがんばっても色を出すことは難しいのです。この違いは例えば天の川の濃さにも繋がります。
富士フイルムで撮影した星空はとてもカラフルで美しい。天体の色を表現しやすい色設計になっていると思います。富士フイルムは色が良いとよく言われますが、それは星空撮影においても同じことなんですね。
X-S10の高感度性能について
次に、高感度性能を確かめてみましょう。「長秒時ノイズ低減」をOFFにして、その他のパラメーターは初期設定のまま、ISO感度1600~12800までを撮影しました。
APS-Cセンサーなので、さすがにISO12800は厳しいですが、ISO6400なら充分使えるレベルです。私の場合は、ISO8000までは使えるなという印象です。ここまでの高感度性能であれば充分実用的であると言えます。
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF16-55mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:ISO8000 f2.8 25秒 焦点距離27mm(35mm換算) WBオート
Photoshop Lightroomで画像処理
富士フイルムのAWB(オートホワイトバランス)で基本的に撮影をし、画像処理で色を追い込んでいくというのが私のやり方です。そのベースになるのは、いつも富士フイルム独自の色づくりなのです。私は複数のメーカーのカメラを使用していますが、他社のカメラで良い構図で撮影できたら「富士フイルムでも撮っておこう」とわざわざ同じ構図で撮影することがあるくらい、私はこの発色がたまらなく好きです。X-S10でも従来の富士フイルムの良さはしっかりと詰め込まれているようです。
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF16-55mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:ISO400 f4 900秒 焦点距離24mm(35mm換算) WBオート
Photoshop Lightroomで画像処理
上の写真ですが、画像処理で行った作業は色調整のみです。合成ではなく、900秒(15分)の露光で撮影した一枚撮りの写真です。地球が自転した分だけ星が軌跡になっていきます。ブレている天の川もとてもきれいです。長時間露光で撮影すると一般的にホットピクセルと呼ばれるカラフルな輝点ノイズが発生するのですが、X-S10で撮影したこの画像にはそれらしきものは見当たりませんでした。撮影時の気温は7度程度。シャッターを開いていればカメラは少なからず発熱するものなので、ホットピクセルがゼロというのは驚きです。
星空撮影は全部マニュアルで撮る時代は終わった!?
最後にもうひとつ作例をご紹介します。
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:ISO8000 f2.8 30秒 焦点距離12mm(35mm換算) WBオート
Photoshop Lightroom、Photoshop CCで画像処理
この作例、なんと絞り優先モードで撮影しています。これまで、星空撮影はフルマニュアルで行うというのが定説でした。その理由のひとつが「低輝度限界」というもの。カメラ側で感知できる輝度に限界があり、暗所ではオートの機能が一切使えなくなるのです。
そのため、ピント・露出などのすべての設定をマニュアルで行い適正露出を得るというのがこれまでの撮影方法だったのですが、最近のカメラは低輝度性能が上がっているため、この常識が通じなくなっています。さすがにAFはピントが誤動作する危険性があるためMFのほうがよいですが、露出に関しては絞り優先で撮影できるまでに低輝度性能が上がりました。それはこのX-S10でも同様で、エントリーモデルでもここまできたのかと感動してしまいました。
おすすめはf2.8に設定しての絞り優先撮影。星空撮影では適正露出の判断がつかずに露出アンダーになってしまうということが初心者あるあるでしたが、最初は絞り優先で撮影し、それを参考にして詳細な設定を追い込んでいくと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。X-S10をエントリーモデルだからと言って甘く見てはいけません。ちょっと前のフルサイズよりも下手したら良い結果が出るときも多いほどです。日ごろから各カメラメーカーの開発陣が努力してくれているおかげで、こんなに手軽に星空を撮影できる時代になりました。この記事を通じてX-S10の素晴らしさと富士フイルムの魅力が伝わったのならとても嬉しいです。
私のYouTubeチャンネルでは、X-S10のその他の設定について触れている動画があります。こちらもチェックしてみてください。
VIDEO
■写真家:
成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
この記事で紹介した機材
【富士フイルム】XF16-55mmF2.8 R LM WR
商品詳細ページ 【富士フイルム】XF8-16mmF2.8 R LM WR
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
星空写真家の成澤広幸さんに、富士フイルムのX-S10をレビューしていただきました。星空撮影に役立つ機能も解説しています。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,レビュー,X-S10,星景
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO レビュー|木村琢磨
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 05/18/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,オリンパス(Olympus) レンズ,フィッシュアイレンズ,魚眼レンズ,風景
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BODY:
はじめに
フィッシュアイレンズと聞くと「特殊レンズ」というイメージが強いのではないでしょうか?「歪む」というフィッシュアイレンズ特有のレンズ効果が、強烈なインパクトを植え付けているのかもしれません。が、思い切ってフィッシュアイレンズだけ持ち出して世界を覗いてみると、そこには通常のレンズでは味わえない景色や視点を見つけることができるはず。
OMデジタルソリューションズのM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROは、防塵防滴に加えてF1.8という驚異的な明るさを有しています。また、OM-Dシリーズにはフィッシュアイレンズの歪曲を補正して超広角レンズとして使う「Fisheye補正」モードも搭載されており、新時代のフィッシュアイレンズと言っても過言ではありません。
フィッシュアイレンズの魅力
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F5.6 1/100秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
フィッシュアイレンズの魅力といえば全てを包み込むような広い画角と独特な歪み。結果的にこのフィッシュアイのレンズ効果によって苦手意識を持っている人も多いかもしれないが、この独特なレンズ効果が創作意欲を掻き立ててくれる。
まずはその画角。とにかく広いので適当に撮影していると自分自身が写り込んでしまう… なんてこともよくあるので、撮影するときには自分が写り込んでいないかチェックしながらシャッターを切ってみよう。特殊なレンズということは、普通に撮影していてはレンズに負けてしまうのでこちらも特殊な撮り方や視点を持って挑みたい。
意識してほしいことの一つがアングルだ。アイレベルでの撮影でもフィッシュアイレンズの効果は発揮されるが、超ローアングルや超ハイアングルなど極端なアングルで構えてみるとより効果的だ。 ただし、極端なアングルを狙うときは自分が写り込んでしまう可能性も大きくなるため、OM-Dシリーズに搭載されているWi-Fiリモート機能を使って遠隔撮影するといいだろう。
また、小技として「バリアングルモニターを三脚代わりに使う」ことで、超ローアングルからの撮影も容易に行うことができるのでぜひ試してみて欲しい。
バリアングルモニターを三脚代わりに使って超ローアングル撮影をしている様子
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F8.0 1/160秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F5.6 1/80秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
個人的な話になるが、フィッシュアイレンズを使うときは縦位置に構えて撮影することが多い。木を写すことが好きで被写体にすることが多いが、根本から天辺までダイナミックに写し撮りたいと思いカメラを構えるので縦位置構図が多くなるのだが、フィッシュアイレンズの効果もより強調されるため無意識に縦位置で景色を見ている。
そしてフィッシュアイレンズの最大の魅力といえばその「歪み」だろう。 カメラを上に下に向けると大きく景色が歪んで写る、そのレンズ効果を体験するときっとフィッシュアイレンズを好きになるはずだ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F22 1秒 ISO64 焦点距離8mm(35mm換算16mm) ライブND使用
カメラを下に向けて写すと上部がアーチ状に大きく歪む。フィッシュアイレンズのレンズ効果を使って水平線を曲げて写すと丸い地球の感じが表現できる。そしてOM-DシリーズのE-M1XとE-M1 Mark IIIには、ライブNDというデジタル処理でND効果を得る機能が搭載されているので、物理的にフィルターがつけられないフィッシュアイレンズでも日中のスローシャッターを切ることができる。ライブND機能のおかげでフィッシュアイのレンズ効果を生かしつつ波を抽象化した表現が可能となった。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F22 1秒 ISO64 焦点距離8mm(35mm換算16mm) ライブND使用
またマイクロフォーサーズのセンサーと、8mmという焦点距離が生み出す深い被写界深度によるパンフォーカスは、マクロ域~遠景までピントを合わせて写すこともできる。F5.6まで絞ると全域ピントが合うので、ピント固定でシャッターチャンス優先の撮影もいいだろう。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F4.0 0.3秒 ISO400 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F5.6 1/4秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
フィッシュアイレンズでの撮影はいかに面白い視点を見つけられるかがポイントとなる。せっかくなら一枚撮影した後に大胆にアングルを変えて撮影してみて欲しい。そうすることでフィッシュアイの効果が生きてくるシチュエーションに自ずと出会えるはずだ。
F1.8の驚異的な明るさ
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 20秒 ISO400 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 6秒 ISO1600 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROは、フィッシュアイレンズとしては珍しいF1.8という驚異的な明るさを持っている。そのため夜景や星景写真でも活躍してくれる。
F1.8の明るさのおかげでISO400でも天の川を撮影することができた。シャッタースピードを20秒に抑えることで天の川が流れることなく写っている。本来であれば赤道儀を使用して撮影するシーンだが、F1.8の明るさのおかげで星が流れてしまう前に撮影が完了する。画角も広いため天の川を広く捉えることもできる。
また、F1.8の明るさとOM-Dシリーズに搭載された強力な手ぶれ補正、そして手ぶれが起きにくい8mmという焦点距離の組み合わせにより、手持ちでも星景写真を撮影することができる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 10秒 ISO6400 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
もともと焦点距離が小さな広角レンズは手ブレが発生しにくいこともあるが、手持ちで6秒や10秒が実現できているのはOM-Dの強力な手ぶれ補正のおかげで、まさにレンズとボディー相乗効果によるものだ。
手持ちでスローシャッターを撮影している時の姿勢や構え方
手ぶれ補正が効くからといい加減な持ち方では手ぶれを起こしてしまう。特に秒単位のスローシャッターとなるとカメラの持ち方や構え方が大きく影響する。
10秒単位のスローシャッター時の撮影のコツとしては、ネックストラップを使うこととカメラがぶれないように体に密着させること、そして体のブレを抑えるために何かにもたれかかるかしゃがんで重心を低くすることだ。私の場合はネックストラップをテンションがかかるようにピンと張り、カメラを膝に固定してバリアングルを見ながら構図などを調整することが多い。チルトモニターだとモニターが干渉して構えるのが難しいが、外にモニターが開くバリアングルモニター搭載の機種であればこのような構え方ができる。三脚がないけど星を撮りたい時などにぜひ試してみて欲しい。
>■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 1/125秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 1/6400秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
F1.8の明るさは暗所撮影でのメリットだけでなく被写界深度の浅い表現も可能になるということ。前ボケや後ボケを活かした作品撮りも可能となるので、パンフォーカスだけでなくボケを活かした構図やアングルなども模索してみて欲しい。最短撮影距離も短くマクロ撮影的なアプローチも可能で、その場合は開放で撮影すると後ボケが実に綺麗だ。また、遠くにピントを合わせたシーンでは前ボケを狙うことも可能だ。前ボケを作ることで奥行き感も演出できる。大胆なアプローチほどこのレンズは活きてくる。
フィッシュアイレンズを超広角レンズとして使う
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F8.0 1/30秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm) Fisheye補正あり
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROとOM-Dを組み合わせることで「Fisheye補正」を使うことができる。 この機能を使うことでフィッシュアイレンズの歪曲を補正して、歪みのない超広角レンズとして使うことが可能となる。
この補正、驚くほど歪曲が取り除かれるので超広角レンズとしても十分に使えるクオリティだ。デジタル補正なので周辺の画質は多少劣化するが、元の解像度が高いため劣化も最小限だ。PROレンズに7-14mmがラインナップされているが、このFisheye補正を使うと換算11mm、14mm、18mmと切り替えながら使うことができる。
Fisheye補正なし
Olympus Workspaceにて補正 アスペクト比16:9(換算9mm)
そしてカメラ内ではなく純正RAW現像ソフトOlympus WorkspaceでFisheye補正を行うことで、最大換算焦点距離9mm(アスペクト比16:9)まで拡張することができる。さらに、ハイレゾショットで撮影したRAWもFisheye補正が可能なので、ここぞという一枚はハイレゾショットで撮影してOlympus WorkspaceでFisheye補正をするのがベストだ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F4.0 1/320秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm) Fisheye補正あり
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F5.6 1/320秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm) Fisheye補正あり
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F5.6 1/6秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm) Fisheye補正あり
7-14mmを既に所有している人でもう少し広い画角が欲しい…という人にはちょうどいい選択肢になるはずだ。この画角があれば風景だけでなく、屋内での撮影も容易に撮影できるため建築写真などを撮影する人にもオススメしたい。
まとめ
いかがだったでしょうか。フィッシュアイレンズのイメージが少し変わったのではないかなと思います。OM-Dシリーズとの相性が素晴らしく、良いボディを生かすのは良いレンズがあってこそ。逆もまた然りです。他にはないスペックのフィッシュアイレンズなので、マイクロフォーサーズユーザーの方にはぜひ一度使っていただきたい一本です。星を撮る人、風景を撮る人…どんなジャンルを撮影する人にもきっと良い刺激を与えてくれるレンズだと思います。このレンズに限らずですが、なかなか出番がないレンズがきっと手元にあると思います。そんな時はそのレンズだけ持って撮影に出かけてみるのはいかがでしょうか。きっとそのレンズが今までとは違う景色を見せてくれるはずです。
このM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROも同じく、常用レンズとしては扱いが難しいかもしれませんが、この一本だけ持ち出して撮影に出かけることで今までと違った視点を持つようになります。またその経験値が次の撮影に必ず活きてきますので、一度フィッシュアイレンズの世界を覗いてみてはいかがでしょうか。
■写真家:
木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
この記事に使用した機材
【オリンパス】 OM-D E-M5 MarkIII ボディ シルバー
商品詳細ページ
【オリンパス】 M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ブラック
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんがオリンパス,M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO のレビューを行っています。フィッシュアイレンズならではのユニークな作品と共に分かりやすく説明してくださっています。
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KEYWORDS:
オリンパス(OLYMPUS) レンズ,M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ,フィッシュアイレンズ,レビュー
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: パナソニック LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S. レビュー|高性能かつ使い勝手の良い望遠ズームレンズ
BASENAME: 481525948.html
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CATEGORY: A☆50/Akira_Igarashi
DATE: 05/19/2021 16:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) レンズ,レビュー,LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.,飛行機,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
2021年4月、パナソニック社のLUMIX Sシリーズに高性能かつ使い勝手の良い望遠ズームレンズが加わりました。LUMIX Sシリーズは、2019年に同社がスタートさせた35mm判フルサイズセンサー搭載のミラーレス一眼カメラ、レンズシステムの総称。そのシリーズの中で公表されていたレンズロードマップの中で、最後の発売となったのがこの S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.となります。
Sシリーズ専用設計となるレンズ群は非常にクオリティが高く、24-70mmや70-200mmといったオーソドックスな焦点距離をカバーするズームレンズもありますが、20-60mmといった面白いレンズも存在。単焦点レンズも色々な焦点距離を選択可能です。そんなSシリーズのレンズの中で、テレコンバーターを使用することなく最も長い焦点距離を持つのがこのレンズ(2021年現在)。
飛行機の撮影ではもちろん、鉄道やスポーツ撮影などでよく使われる焦点距離を網羅していますが、柔らかなボケ味を活かしたポートレート撮影やお花など、最短撮影距離の短さを活かしたマクロ撮影にもオススメしたいレンズです。
外観と携行性
■使用機材:LUMIX DC-S5 + S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.
■撮影環境:100 F8 1/640sec 焦点距離220mm レンズの外観は直線的なシャープなデザインが特徴。Sシリーズのカメラと共通の高級感溢れる艶のある黒が所有欲を満たしてくれます。手にしっかりと馴染むフォルムや材質が使われていますが、ズームリングなど以外はやや滑りやすいため扱いには注意が必要。
先端にピントリング、その後ろにズームリングがあり、側面には手ブレ補正のON/OFFスイッチ、AF/MFの切り替えスイッチなどがオーソドックスな場所に配置されています。重さは約790g、全長は148mm※と、このクラスの同じようなスペックのレンズと比較しても一般的な重さ、サイズ。LUMIX S5との組み合わせで色々な場所を歩いてみましたが、携行性や取り回しに問題はなくキビキビと快適に撮影をおこなうことができました。
※レンズ先端より、レンズマウント基準面まで
レンズ構成・画質について
■使用機材:LUMIX DC-S5 + S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.
■撮影環境:200 F8 1/1250sec 焦点距離300mm 本レンズは11群17枚のレンズ構成。UHRレンズ、UEDレンズ、EDレンズが惜しみなく使われています。焦点距離が長くなる望遠レンズでは、標準レンズに比べ一般的に色収差が大きくなり、色滲みやコントラストの低下が発生しやすくなりますが、この問題点を克服するために採用されたのがEDレンズに比べて分散性の高いUED(特殊低分散)レンズ。蛍石に近い性能であるため、レンズの色分散作用を抑えて軸上色収差を良好に補正することで、画面の隅々まで解像感に優れる画を得ることが可能です。MTFチャートも優秀。ワイド端、テレ端ともに高画質での撮影が可能であることを示しています。
飛行機の撮影では、小さな文字やリベット(鋲)などがしっかり表現されているか重視されますが、細部のディテール部分までしっかりと表現されていて優秀。LUMIXのレンズは柔らかい表現が得意なので、今回の作例撮影時にも周辺部の解像感に少しゆるさを感じることがありましたが、2〜3絞りすればこの部分は解消されます。
LUMIX Sシリーズのレンズには上位モデルとしてS PROシリーズがラインナップされていますが、正直なところなぜこのレンズがPROシリーズではないのか疑問に思いました。それほど、ヌケが良く描写力に優れるレンズです。
■使用機材:LUMIX DC-S5 + S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.
■撮影環境:3200 F16 4sec 焦点距離300mm 絞り込んだ際の光芒の美しさがS 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.の特筆すべき特徴。鋭く伸びるランウェイライトや機体が放つライトが飛行機夜景写真を彩ってくれます。反面、開放絞りでは口径食が小さく、輪線の無い丸く柔らかなボケ表現が可能。LUMIX Sシリーズのレンズが得意とするポートレート撮影やお花の撮影でも大活躍してくれます。細部のディテールまでしっかり表現する硬さ、ふんわりとした柔らかいボケ表現という柔らかさ、この相反する表現を見事に両立する絞り羽根機構が組み込まれたバランスの良いレンズといえます。
また、もうひとつ特筆したいのがテレ端300mmでの撮影倍率が0.5倍というハーフマクロ性能。ワイド端で0.54m、テレ端で0.74mまで被写体に近づけるので、ことさらお花の撮影をする方にはオススメとなります。
オートフォーカス性能について
■使用機材:LUMIX DC-S5 + S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.
■撮影環境:100 F16 1/4000sec 焦点距離150mm 飛行機を含む動体モノの撮影ではオートフォーカス(以下AF)性能を重視しますが、日中の屋外撮影でピント合わせに苦労することはありませんでした。毎秒480回にも及ぶAF制御にて合焦速度はかなり高速。カメラ本体のAF方式がコントラスト方式であることに加え、レンズ内の超音波アシストが働くため、かなり精度の高いピント合わせができます。
写真のような逆光撮影においても高速、高精度の撮影が可能。カメラ側で被写体の大きさに合わせたAF枠を設定することにより、快適に撮影ができます。スチル撮影だけでなく、動画撮影においてもアドバンテージが豊富。動画撮影におけるフォーカス合わせの際、ピンと位置の移動に伴い画角が変化してしまうブリージングが抑制されている他、ズーム位置検出の精度が高められるとともにズームトラッキング制御周期が最大240Hz(4K30p、4K60p時)まで高速化することにより高精度なズームトラッキングが可能です。
手ブレ補正について
■使用機材:LUMIX DC-S5 + S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.
■撮影環境:1600 F5.5 1/10sec 焦点距離110mm 手ブレ補正機構はレンズ単体でも強力な補正効果を発揮しますが、手ブレ補正機能「Dual I.S.2」に対応したカメラのボディ内手ブレ補正と組み合わせることにより、さらに強力な手ブレ補正効果を発揮。約5.5段分という高い補正効果は、手持ち撮影の多い飛行機撮影において大きな助けとなります。
作例も低露出下での手持ち撮影ですが、ゆっくりとこちらに向かってくる機体を1/10secというスローシャッターで撮影。ミラーショックレスのファインダー撮影ができるというミラーレス一眼の利点もありますが、カメラボディとレンズの高い手ブレ補正効果が活きた結果です。
また、「Dual I.S.2」で補正することにより、広角側よりも難しいとされる望遠域の手ブレ補正も可能に。望遠域をよく使う飛行機撮影ではこちらも一助となります。手ブレ補正ブーストにも対応。手持ちでの動画撮影時、安定した構図を保つことができます。
その他、防塵防滴など
■使用機材:LUMIX DC-S5 + S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.
■撮影環境:400 F16 50sec 焦点距離300mm S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.は防塵防滴仕様。ほこりや水の侵入を完全に防ぐものではないという注意書きはありますが、多少の雨やほこりはしのぐことができます。飛行機撮影は屋外撮影が中心。雨が降ってくることもありますが、意外にほこりっぽい場所での撮影も多いのでこの仕様は助かります。
レンズの耐温度設計は-10℃〜40℃。寒冷地での撮影にも対応しています。この作例の撮影時は雨。防塵防滴機構にも助けられましたが、暗闇の中でカメラやレンズを手探りで操作するのに、カメラやレンズのボタン類の切り欠きなどが役に立ちました。バルブ撮影から動いている機体の撮影への切り替えはISOの設定などカメラの設定、手ブレ補正のON/OFFなどレンズの設定を大きく変更することが少なくありません。これをできるだけ瞬時に…という時にすごく役立ちました。
まとめ
■使用機材:LUMIX DC-S5 + S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.
■撮影環境:100 F10 1/500sec 焦点距離300mm 70〜300mmと旅客機撮影において使いやすい焦点距離を持つこのレンズ。主に機体の真横を撮るスポッティングカットを主体に撮られる方にオススメのスペックです。
色再現性に優れているため、機体のカラーリングを忠実に再現。少し絞ることにより、機体のディテールもキレイに出ます。主に通われる空港が海上空港などで「撮影ポイントがどこも機体まで遠い」という方は、景色主体で機体小さめという撮影にオススメ。望遠レンズならではの圧縮効果を活かした撮影にも適しています。動画撮影にも配慮された設計なので、動画主体の方にもオススメ。最近のスチルカメラは動画性能の向上も著しいため、どちらも撮るという方にもオススメのレンズとなります。
■写真家:
A☆50/Akira Igarashi
絶景ヒコーキ写真を求め全国を駆け巡る瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、TVなど各種メディアに出演、作品を提供するかたわら大手航空会社やカメラメーカーなどのオフィシャル撮影を担当。公益社団法人 日本写真家協会会員。
この記事に使用した機材 【パナソニック】LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.
商品詳細ページ
【パナソニック】LUMIX DC-S5
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
航空写真家のA☆50/Akira Igarashiさんに、パナソニックのLUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.をレビューしていただきました。望遠域をカバーする焦点距離と使い勝手の良さが特徴のズームレンズ。飛行機撮影を通してその性能を解説します。
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KEYWORDS:
パナソニック(Panasonic) レンズ,レビュー,LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.,飛行機
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TITLE: 富士フイルム XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR|旅写真家が選ぶ望遠ズームはどれ?
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CATEGORY: 三田崇博
DATE: 05/20/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,レビュー,XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR,風景,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
こんにちは。旅写真家の三田崇博です。富士フイルムから今年3月にXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRが新たに発売され、Xレンズにおける望遠ズームの選択肢が広がりました。これから望遠レンズを追加しようという方はどのレンズにするか迷うのではないでしょうか?
私は海外での撮影が多く(現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で行けませんが)、公共の交通機関を使っての移動が多いためなるべく荷物を減らすことを考えています。そのため以前は軽くて写りの良いXC50-230mmF4.5-6.7 OIS IIを使っていましたが、さらなる焦点距離とAFスピードを手に入れるため今はXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISをメインで使っています。このレンズの写りは気に入っているのですが何分大きいので海外に持っていくには少し躊躇してしまいます。
そのため今回発売されたXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRにはとても興味がありました。今回はこの新製品を、使い慣れているXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISとの比較を交えながら紹介していきたいと思います。
望遠レンズの特徴
望遠レンズは遠くの被写体を大きく写すために使うというのは当然ですが、それ以外にも望遠レンズを使って撮影することで得られる効果があります。ここでは圧縮効果とボケ方について簡単に説明させていただきます。
1.圧縮効果
望遠側で撮影することにより遠くの被写体が大きく写り、近くの被写体との距離感があまり感じられなくなるのが圧縮効果。遠くの被写体が手前に近づいたかのような写真になり、密集感を生み出すことでより印象的な画作りができるようになります。
下の写真では3種類の色の花が写っていますが、実際にはこれらは離れて咲いています。ですが、望遠で切り取ることにより圧縮効果が働きあたかも同じ場所に3種類の花が咲き乱れている、という状況を作り出すことができるのです。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F8 SS1/125秒 ISO200 焦点距離78mm
2.後ボケ
ボケを作りだすのに重要なのが被写界深度です。被写界深度というのはピントが合っているように見える範囲のことで同じセンサーサイズのカメラで撮影した場合、絞り値(F値)が小さいほどその範囲が浅くなります。それだけでなく、レンズの焦点距離が大きくなるほど被写界深度は浅くなりボケの量も大きくなります。下の写真ではレンズのテレ端、焦点距離300mmで撮影することで背景を大きくぼかし主題を引き立たせています。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F5.6 SS1/240秒 ISO400 焦点距離300mm
3.前ボケ
前述の後ボケの応用となりますが、同じ原理で手前のものをぼかす手法です。手前にボケを入れることによって写真全体を柔らかな印象に仕上げることができます。うまく前ボケを作るためには思い切って手前の被写体に寄ってみましょう。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F5 SS1/500秒 ISO200 焦点距離118mm 富士フイルム望遠レンズ比較
次に、フジフイルムから現在発売されている望遠ズームレンズを、焦点距離の長い順に並べてみました。
1:XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS (35mm換算:152-609mm相当)
2:XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR (35mm換算:107-457mm相当)
3:XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II (35mm換算:76-350mm相当)
4:XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS(35mm換算:84-305mm相当)
5:XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR (35mm換算:76-213mm相当)
新発売のXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRは、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISに次ぐ望遠域を持つことが分かります。似た焦点距離を持つレンズにXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISがありますが、このレンズとの比較記事は以前にありますのでこちらも参考にしていただければと思います。
▼富士フイルム XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRレビュー|広い焦点距離をカバーする望遠ズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/480461443.html
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISとのスペック比較
次にレンズのスペックを比べてみましょう。参考までにXC50-230mmF4.5-6.7 OIS IIのスペックも載せています。
XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II 焦点距離(35mm換算) 107-457mm 152-609mm 76-350mm 重量 580g 1375g 375g 最短撮影距離 83cm 175cm 110cm F値 4-5.6 4.5-5.6 4.5-6.7 手ブレ補正 5.5段 5段 3.5段 フィルターサイズ 67mm 77mm 58mm 絞り羽 9枚 9枚 7枚 防塵防滴 あり あり なし
一番の違いはやはりサイズです。下の写真のように並べてみると一目瞭然です。重さも倍以上の違いがあります。特に公共交通機関で移動する場合やトレッキングなどに持っていく場合には、XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRのコンパクトさは非常に魅力的だと思います。
左:XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS 右:XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
望遠側の焦点距離は100mm違いますが、XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRはテレコンバーター「XF1.4X TC WR」「XF2X TC WR」に対応しているのでその差を容易に埋めることができます。このクラスのレンズでテレコンバーターに対応しているのはありがたいことです。ただ、テレコンバーターをつけるとF値が一段(XF1.4X TC WRの場合)暗くなりますので、常時つけっぱなしにするのではなく必要な時のみつけるようにしてください。
また、これは使ってみて気づいたのですが、XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRの300mmで撮影したときとXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISの300mm付近で撮影したときでは最小F値に違いがありました。XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRではF5.6でしたが、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISはF5~5.2になりました。これはカタログスペックには書かれていないことですが、特に望遠系で動物などの動きものを撮影する際には気になる部分ではないでしょうか。
手ブレ補正の段数もわずかに違いがありますが、ボディ内手ブレ補正対応のカメラを使用する場合はそこまで大きな差ではないかと思います。
近接撮影比較
XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRの特徴である最短撮影距離83cmという点は、個人的にとても便利だと感じます。私はあまりマクロ的な撮影は行いませんが、小さな花を見つけたときなどは近接撮影をしたくなります。マクロレンズを持ち歩くと荷物がひとつ増えてしまうので標準レンズで寄って撮影するのですが、もう一歩近づけたらなと思うシーンがよくあります。そのようなときにはこのレンズは望遠マクロレンズ的にも十分使えると感じました。
四季折々の花が咲く奈良県河合町にある馬見丘陵公園で、チューリップが満開との情報を聞き出かけました。ここでは夏にはバラや花菖蒲、ヒマワリ、秋にはダリアやコスモスなど色とりどりの花が咲き被写体に事欠きません。
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISの400mmで撮影。最短撮影距離が175cmなのでかなり離れた位置から撮影することになります。このようなシーンではもう一歩近づいて撮れればと思ってしまいます。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS
■撮影環境:F6.4 SS1/750秒 ISO200 焦点距離400mm
次にXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRの300mmで撮影。35mm換算457mmの焦点距離と最短撮影距離83cmとが相まって、まるで望遠マクロレンズで撮影したかのような写真を撮ることができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F6.4 SS1/800秒 ISO200 焦点距離300mm
さらに、XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRにテレコンバーター「XF1.4X TC WR」を装着し、35mm換算640mm相当で撮影。同じ位置からの撮影ですが、画角がさらに狭まったことで花びらの模様のひとつひとつまで見えるようになりました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR + XF1.4X TC WR
■撮影環境:F8 SS1/480秒 ISO200 焦点距離420mm
参考までにXC50-230mmF4.5-6.7 OIS IIの230mmで撮影。キットレンズとしてはかなり近接撮影ができますが、焦点距離が230mmと他の2本のレンズと比べると少し見劣りします。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II
■撮影環境:F6.7 SS1/680秒 ISO200 焦点距離230mm 結局どれがいい?
望遠レンズを選ぶ際には、今使っている標準域のレンズとの組み合わせも重要です。また、旅や風景の撮影の場合は極力撮影できない焦点距離がないことが理想です。
標準レンズはすでに持っていて望遠レンズを追加でということであれば、手持ちがXF16-80mmF4 R OIS WRの場合は迷わずXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRがおすすめです。XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRの場合は、標準レンズで比較的望遠域まで撮れてしまうのでXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISを選択するのもいいと思います。
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISもしくはXF16-55mmF2.8 R LM WRの場合は、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS(またはXC50-230mmF4.5-6.7 OIS II)も選択肢に入るでしょう。
ただ、最望遠側を使う頻度が多い方にはXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISをお勧めしたいです。
標準レンズ選びについては以前に記事を書いていますので、そちらも参考にしていただければと思います。
▼富士フイルム レンズ比較|旅写真家が選ぶ標準ズームはどれ?
https://shasha.kitamura.jp/article/473424050.html
XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR作例
今年の春は新型コロナウイルス感染拡大の影響で遠方の撮影には行けませんでしたので、私の住む奈良の春の景色を紹介させていただきます。来年こそは安心して撮影にいけることを願うばかりです。
1.福貴畑(奈良県生駒郡平群町)
あまり知られていない場所ですが3月中旬頃には桃、白や赤のモクレン、レンギョウ、サンシュユ、ボケ、椿、桜などが咲き乱れその光景はまさに桃源郷。家から近いのでよく通っています。日の出の時間帯がお勧めです。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F8 SS1/250秒 ISO200 焦点距離300mm
2.又兵衛桜(奈良県宇陀市大宇陀)
戦国武将後藤又兵衛が当地へ落ち延び、僧侶となって一生を終えたという伝説が残るしだれ桜です。例年なら駐車場に入るのに大渋滞するほどの名所ですが、今年は訪れる人も比較的少なくゆっくりと樹齢300年の巨木と向き合うことができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F8 SS1/85秒 ISO160 焦点距離70mm
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F8 SS1/4秒 ISO160 焦点距離70mm
3.高見の郷(奈良県吉野郡東吉野村)
林業を営む土地の所有者が植え始めたしだれ桜が年々成長して、今ではまるでしだれ桜の海のような光景が広がっています。しだれ桜が1000本咲き誇る光景は全国的にも珍しく、最近話題のスポットになっています。実は今年初めて訪れたのですがその圧倒的なボリュームに感動しました。
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F4.5 SS1/680秒 ISO160 焦点距離78mm
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F5 SS1/1600秒 ISO160 焦点距離178mm
4.吉野山(奈良県吉野郡吉野町)
世界遺産地域でもあり奈良が全国に誇る桜の名所「吉野山」です。吉野の桜は下千本・中千本・上千本・奥千本のエリアに分かれ、下から順に見ごろを迎えます。カメラマンに人気の上千本は例年ですと4月中旬ごろが見ごろなのですが今年はとても早く4月上旬に満開を迎えました。とくに雨上がりの早朝には雲海が発生することが多く毎年狙うのですが、短い満開時期と雲海がうまく重なることは稀です。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F10 SS1.3秒 ISO160 焦点距離73mm
5.くろんど池(奈良県生駒市高山町)
最後は私の住む生駒市にある「くろんど池」で撮影したものです。寒暖差の大きい日の早朝には湖沼霧がよく発生します。日の出の光が湖面に差し込む時間帯、背景が影になり神秘的な光景が現れました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F9 SS1/600秒 ISO160 焦点距離300mm
■写真家:
三田崇博
1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。
日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
この記事で紹介した機材 【富士フイルム】XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
商品詳細ページ 【富士フイルム】XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR
商品詳細ページ
【富士フイルム】XC50-230mm F4.5-6.7 OIS II
商品詳細ページ 【富士フイルム】テレコンバーター XF1.4X TC WR
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三田崇博さんに富士フイルムのXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRをレビューしていただきました。同じく望遠ズームレンズ、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OISとの比較も必見です。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,レンズ,レビュー,XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR,風景
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AUTHOR:
TITLE: カメラメンテナンス Vol.2|液晶画面が真っ暗…!黒い点など、画面に関する不具合への対処法
BASENAME: 481557991.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 05/21/2021 16:00:00
TAGS: カメラメンテナンス
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BODY:
はじめに
カメラの液晶画面が突然真っ暗になってしまった…。黒い点や線が消えない…。目に見えやすい不具合だからこそ焦ってしまう方も多いはず。そこで、修理に出す前に見ていただきたい、自力でできる不具合への対処法をご紹介します。
カメラの液晶画面に関する不具合って?
【液晶画面の不具合例】
・画面が割れてしまった
・画面が真っ暗になってしまった
・撮影写真を確認したら黒い線や点が入っていた
カメラの液晶が不具合を起こす際、上記のような現象が見受けられます。画面が割れてしまうと修理に出すしか方法がないので、とくに注意しておきたいところです。カメラを購入した際には、画面の損傷を防ぐ専用の保護フィルムを装着することもおすすめです。外傷のダメージによる故障でなければ、設定変更などにより解消することもあります。
カメラの液晶画面が真っ暗な時の対処法
カメラの液晶画面が真っ暗になってしまった場合、設定を変更することで対処できる場合があります。以下の理由が原因で画面が真っ暗になっている場合もあるので、慌てず設定を確認してみましょう。
太陽光により見えにくくなっている場合
カメラの角度によって画面が消えたり見えたりする場合、太陽光や周囲の強い光が原因で見えにくくなっている可能性があります。液晶の明るさ設定で明るさを調節し、見えやすい輝度に変更しましょう。カメラによっては「パネルバックライト」の明るさを変更して、液晶を見えやすくすることが可能な機種もあります。
カメラ操作時は映らない設定になっている場合
液晶ファインダーが搭載されているカメラの場合、ファインダーに映像が表示されている時は、液晶画面には何も映らないのが普通です。ファインダーをしまうか、液晶画面に表示をするよう設定を変更すると解消されます。
撮影写真に黒い線や点が入ってしまう時の対処法
液晶で写真を確認した時に黒い線や点が入っている場合、液晶の故障ではなく、カメラの汚れや設定が原因の可能性があります。以下の状態に当てはまらないかチェックしてみましょう。
イメージセンサーにゴミが付着している場合
イメージセンサーとは、レンズを通して入ってきた光の情報を記録するカメラの内部にある部品です。塵やホコリが多い場所、もしくはカメラを上に向けたままレンズ交換をしてしまうと、イメージセンサーにゴミが付着してしまい、ノイズの原因になります。このような症状がでた場合、ブロワー(風を送ってゴミを飛ばすという道具)を使用してゴミを取り除くことで、ノイズが解消される場合があります。
カメラのキタムラでは、店頭でセンサークリーニングを行っています。予約不要で、最短当日仕上げも可能です。センサーに傷が付いたり、清掃が原因で故障したりするのが心配な方はぜひご利用ください。カメラのキタムラでのセンサークリーニングは、以下で詳しい内容をご覧いただけます。
■カメラのキタムラのセンサークリーニングに関する詳細はこちら
https://www.kitamura.jp/service/maintenance/#sensor?ref=shashaLiquidcrystal
ISO感度の設定値が高い場合
ISO感度とは、レンズに入ってきた光源を電子的に増幅させるための機能です。設定値を上げると、暗い場所の撮影でも明るい写真が取れるようになります。ただし、ISO感度を上げすぎるとノイズが強調され、画質が粗くなる側面もあるので注意が必要です。ISO感度が原因でノイズが混じっている場合は、被写体や撮影環境にあわせて、数値を調整してみましょう。
カメラの液晶画面が黒くなる?故障は修理のプロへ依頼しよう!
画面割れ以外の液晶の不具合は、設定を見直したり、清掃したりすることで対処できる場合があります。修理に出す前に、もう一度カメラセッティングのチェックを行ってみましょう。それでも、液晶画面の破損やご自分では対応できない不具合がでてしまったら、プロに任せるのがおすすめです。
カメラのキタムラでは全国の店舗とインターネットで修理を承っています。他の販売店で購入した商品、保証期間の過ぎた商品にも応対しておりますので、お気軽に近隣の店舗あるいはインターネットで修理サービスをご利用ください。
■カメラのキタムラの修理に関する詳細はこちら
https://shop.kitamura.jp/files/syuuri/index.html?ref=shashaLiquidcrystal
その他のメンテナンス記事
▼カメラメンテナンス Vol.1|カメラが故障した!?故障の原因と自分でできる不具合への対処法
https://shasha.kitamura.jp/article/481377243.html
▼カメラメンテナンス Vol.3|シャッターが切れないのは故障?シャッターに関するトラブルを解説
https://shasha.kitamura.jp/article/481562500.html
▼カメラメンテナンス Vol.4|シャッターが故障した?修理に出す前に見て欲しい情報を総まとめ!
https://shasha.kitamura.jp/article/481592857.html
▼カメラメンテナンス Vol.5|簡単!自分でできる!イメージセンサーのクリーニング
https://shasha.kitamura.jp/article/481607516.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ShaSha編集部がお届けするカメラメンテナンス連載記事Vol.2です。今回は液晶モニターに関する不具合への対処法を解説します。
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KEYWORDS:
カメラメンテナンス,カメラ故障,
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 使いやすくなったマルミ光機CREATIONシリーズ「バリアブルNDフィルター」
BASENAME: 481560333.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 05/22/2021 11:00:00
TAGS: マルミ(Marumi) アクセサリー,撮影テクニック,レビュー,風景,レンズフィルター,レンズアクセサリー
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BODY:
はじめに
今回は、マルミ光機から新しく発売になった2種類のバリアブルNDフィルターを早速使用してみました。通常のNDフィルターではND4、ND8、ND16・・・などフィルター1枚で減光量が固定になり、撮影にあった減光量を求めるために複数のNDフィルターを用意したりします。しかし、バリアブルNDフィルターというのは可変型のNDフィルターで、1枚のフィルターで減光量を自由に調整できる便利な製品です。
下の動画はマルミ光機のバリアブルNDフィルター「CREATION Variable ND2.5-ND256/V」を着けた際のファインダーの状態です。被写体の滝の雰囲気は変わりませんが、画面左下に表示されているシャッター速度の変化をみてください。バリアブルNDフィルターの減光量を最小から最大まで調整していくので、シャッター速度がどんどん遅くなるのが分かると思います。
VIDEO
CREATION Variable ND2.5-ND256/V・CREATION Variable ND40-ND4000/Pの特徴
マルミ光機から新発売になったこのバリアブルNDフィルターは、従来から発売されているバリアブルNDフィルターと比較して、さらに使いやすく改良されています。
POINT:Xムラ警告マーク入りで安心
CREATION Variable ND2.5-ND256/V・CREATION Variable ND40-ND4000/Pの2種類のフィルターには、「Xムラ警告マーク」が表示されています。このXムラというのは、偏光膜を使用する可変型NDフィルターにおいて、原理上避けられない高濃度になるに従って画面にX状の色ムラが発生する現象です。下の写真は、Xムラが発生した写真になります。
Xムラの発生例・・・焦点距離24mm MAX値 ND4000相当で撮影
■使用機材:SONY α1 + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度30秒 絞りF18 ISO100 焦点距離24mm
※CREATION Variable ND40-ND4000/Pフィルター使用
「Xムラ警告マーク」は、広角域の焦点距離においてXムラが目立ちやすくなる位置を示しています。目立ちやすくなる焦点距離は、撮影シーンや撮影者の感じ方などによっても異なりますが、焦点距離で概ね24mm(フルサイズ換算)以下になるので焦点距離24mm以上での使用が推奨されます。
ただ、中望遠あたりからXムラが少し目立ちにくくなりますので、実際に使用する時には使うレンズによって多少の違いが生じることもあります。下の写真は、同じ場所で同条件のNDフィルターMAX値ND4000で撮影していますが、焦点距離を105mmで撮影している為、Xムラの影響が感じられない状態で撮影ができています。
■使用機材:SONY α1 + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度30秒 絞りF18 ISO100 焦点距離105mm
※CREATION Variable ND40-ND4000/Pフィルター使用
Xマークを超えて使用する場合は、撮影シーンやレンズの焦点距離によって影響度は異なりますが、念のためファインダーやライブビューモードでムラが発生していないか確認しながら撮影するとよいでしょう。
濃度調整が素早くスムーズにできる長短2本のノブ、稼働範囲ストップ機構搭載
取替が可能な長短2本のノブが付属し、フィルター下部の調整リングを指先で回して微調整が必要だったことがレバーで簡単に調整できるようになり、スムーズに濃度切り替えができるよう改良されています。
もちろん外して使用することも可能ですが、実際に使用してみると圧倒的にノブがあった方がスムーズに濃度調整をすることができました。デフォルトでは短い方のノブが装着されていますが、長い方のノブにも簡単に付け替える事ができます。ただし長いノブを着けたままだと付属のフィルターケースには入らないので注意が必要です。また、取り外しの際にノブを無くさないように注意も必要ですね。
また、濃度調整範囲ストップ機能も新たに加わり、使い勝手が非常に良くなっているのもポイントです。従来のバリアブルNDフィルターは、稼働範囲にストップ機能が無くMAX値以降も回転しそのまま1回転してしまいます。ストップ機能が付いたことにより無駄な操作が無くなり、スムーズな濃度調整ができるようになっています。
■CREATION Variable ND2.5-ND256/V
CREATION Variable ND2.5-ND256/Vフィルターは、ND2.5~ND256まで可変できるNDフィルターです。フィルター無しに対して、最大8段の減光が可能になります。
■CREATION Variable ND40-ND4000/P
CREATION Variable ND40-ND4000/Pフィルターは、ND40~ND4000まで可変できるNDフィルターです。フィルター無しに対して、最大12段の減光が可能になります。
普段からNDフィルターを何枚か持っている人にとっては、通常使用範囲のCREATION Variable ND2.5-ND256/Vであれば、1枚で対応が可能になります。複数枚持ち歩くよりはとても便利になります。また、もう少し高濃度の減光効果を求めるのであれば、CREATION Variable ND40-ND4000/Pを選択する必要がでてきます。普段から使用しているNDフィルターの減光量を考慮し、撮影する焦点距離・被写体・シーンに合わせて選択する必要があります。
マルミ光機のWEBサイトの商品紹介ページでは、このバリアブルNDフィルターを主にムービー向けとして案内していますが、もちろん静止画撮影にとっても便利なアイテムです。
バリアブルNDフィルターで水の表現や日中の人の動きを表現する
今回は、早速この便利なバリアブルNDフィルターを持参して、少し山歩きをして滝と渓流の撮影をしてきました。水の流れを表現するのにはNDフィルターは欠かせないアイテムの一つです。山歩きをする際には、少しでも荷物は減らしたいですし、足場の悪い場所での撮影の際に何回もNDフィルターを調整しながら交換する作業は非常に手間が掛かります。そこでバリアブルNDフィルターであれば、フィルター1枚で光量調整ができ撮影をスムーズに進める事ができます。
下の写真はフィルターを使っていない場合と、CREATION Variable ND2.5-ND256/VをMAXで使用した場合の違いになります。
■使用機材:SONY α1 + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF16 ISO100 焦点距離95mm
※フィルター未使用
■使用機材:SONY α1 + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度 5秒 絞りF16 ISO100 焦点距離95mm
※CREATION Variable ND40-ND4000/Pフィルター使用(ND256相当部分)
滝や渓流などの水の流れを表現するのには、シャッター速度を遅くする事によって、奇麗な白く糸をひいたような表現が可能になります。日中明るいところでスローシャッターを切るためにはNDフィルターは欠かせません。こういった水辺でのスローシャッターを使うシーンでは、少し高濃度のCREATION Variable ND40-ND4000/Pが最適になります。
高濃度のバリアブルNDフィルター、CREATION Variable ND40-ND4000/Pを使ったその他の活用方法を少し紹介したいと思います。通常では止まってしまう日中の風景を、高濃度のNDフィルターを使用して動きのあるものをブラす撮り方です。日中のスローシャッターは、いつもの写真とは少し違った日常を写し込むことができます。
■使用機材:SONY α1 + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度 1.3秒 絞りF22 ISO100 焦点距離24mm
※CREATION Variable ND40-ND4000/Pフィルター使用(ND64相当部分)
■使用機材:SONY α1 + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度 6秒 絞りF22 ISO100 焦点距離24mm
※CREATION Variable ND40-ND4000/Pフィルター使用(ND256相当部分)
■使用機材:SONY α7R Ⅳ + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度 5秒 絞りF22 ISO100 焦点距離24mm
※CREATION Variable ND40-ND4000/Pフィルター使用(ND128相当部分)
■使用機材:SONY α7R Ⅳ + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度 8秒 絞りF22 ISO100 焦点距離40mm
※CREATION Variable ND40-ND4000/Pフィルター使用(ND500相当部分)
バリアブルNDフィルターを使用して流し撮り
NDフィルターは、日中の流し撮りをする場合にもよく使用します。曇りの日などはNDフィルターを使用しなくても、絞りを絞ってある程度流し撮りをするシャッター速度まで落とす事も可能ですが、やはりNDフィルターがあるととても便利です。
特にバリアブルフィルターは減光調整が可能なので、流し撮りをするシャッター速度に合わせて減光調整ができるのが最大のメリットです。自分が流し撮りをする際に使用するシャッター速度は1/10~1/60秒が多く、先に紹介したほどの減光が必要ないので、CREATION Variable ND2.5-ND256/Vを使用しました。
■使用機材:SONY α1 + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度 1/15秒 絞りF9 ISO100 焦点距離101mm
※CREATION Variable ND2.5-ND256/V(ND8相当部分)
■使用機材:SONY α1 + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度 1/13秒 絞りF13 ISO100 焦点距離40mm
※CREATION Variable ND2.5-ND256/V(ND8相当部分)
■使用機材:SONY α1 + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度 1/13秒 絞りF16 ISO100 焦点距離59mm
※CREATION Variable ND2.5-ND256/V(ND16相当部分)
まとめ
マルミ光機から新発売になったバリアブルNDフィルター「CREATION Variable ND2.5-ND256/V」、「CREATION Variable ND40-ND4000/P」は、従来のバリアブルNDフィルターよりも確実に使いやすくなっています。従来のタイプも「Creation Variable ND2.5-ND500/Basic」として販売されていますが、こちらにはXムラ警告マークや濃度調整が素早くスムーズにできる長短2本のノブ、稼働範囲ストップ機構はありません。ですので、新規にバリアブルNDフィルターの購入を検討するのであれば、断然「CREATION Variable ND2.5-ND256/V」、「CREATION Variable ND40-ND4000/P」をお勧めします。
バリアブルNDフィルターは通常のNDフィルターよりも高価になりますが、濃度の違うNDフィルター何枚か購入するとなるとほぼ同等の価格になりますし、1枚のフィルターで濃度調整が対応できスムーズな撮影ができる大きなメリットになります。是非バリアブルNDフィルターを使って、スローシャッターの世界を楽しんでみてください。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
この記事に使用した機材
【マルミ】CREATION VARIABLE ND40-ND4000/P
商品詳細ページ 【マルミ】CREATION Variable ND2.5-ND256/V
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんに、さらに使いやすくなったマルミ光機CREATIONシリーズ「バリアブルNDフィルター」を解説いただいております。様々なスローシャッター作例とともにぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
マルミ(Marumi) アクセサリー,撮影テクニック,レビュー,フィルター,風景
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AUTHOR:
TITLE: 【開催延期】水咲奈々 写真展「みずあかり」
BASENAME: 481579275.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 05/23/2021 11:00:00
TAGS: 写真展情報,新宿
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BODY:
水咲奈々 写真展「みずあかり」
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2021年6月1日(火)~同年6月7日(月)に開催を予定しておりました水咲奈々写真展「みずあかり」は、緊急事態宣言の延長に伴い、延期とさせていただきます。
延期先は2021年9月17日(金)~同年9月23日(木)を予定しております。
楽しみにされていた皆さまへ、ご不便・ご迷惑をおかけしてしまい誠に申し訳ございません。
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デジタルとアナログのMIXをテーマに、Nikon Z 6IIやSIGMA fpなどのミラーレス機に、インダスターやジュピター、ライカ ズマリットなどのオールドレンズを装着して水族館で撮影したクラゲと金魚の作品を展示します。
水族館の水槽は、魚の種類や水槽ごとに趣向を凝らした演出がされています。特にクラゲは、半透明の体の特性を活かしてカラフルな照明で彩られていることが多く、その体すべてを使って鮮やかさを表現してくれます。また、金魚は自身の体が色彩豊かなので、そこにアートな演出が加わることで、驚くほど艶やかな姿を見せてくれます。
メインのプリントは、特殊な両面印刷のピュアWプリントを使用。光にかざすと被写体が立体的に浮かび上がり、その光の色味によってムードが変化するドラマティックなプリントを体感できる、一風変わった展示となっています。
最新のデジタル機種が高い解像力で描き出す、オールドレンズのふんわりとした柔らかい表現をお楽しみください。
また、今回の展示作品をはじめとした水族館写真をまとめた写真集を会場内で販売します。その他、ライブ配信などのイベント情報は、随時
公式サイト と
twitter で詳細発信予定。
【展示協力】
アートディレクション:三村漢
株式会社昇寿堂
株式会社プロ機材ドットコム
写真展概要
■会期:2021年9月17日(金)~2021年9月23日(木) 予定
■時間:10:00~20:00(最終日は16:00まで)
※店舗の営業時間に準じて変更になる可能性があります。北村写真機店公式サイトでご確認の上、ご来場くださいますようお願い申し上げます。
■会場:新宿 北村写真機店 6F Space Lucida
■住所:
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-14
https://www.kitamuracamera.jp
■入場料:無料
イベントページは
こちら
プロフィール
■水咲 奈々(みさき なな)
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するが、モデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので、撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。
公式サイト http://misakinana.com
Twitter
@_NanaMisaki_
Instagram
_nana.misaki_
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCY7Q-7EXP9SDGghmZVx6Xxg
▼水咲奈々先生執筆のShaSha記事一覧はこちら
https://shasha.kitamura.jp/category/27306749-1.html
■更新
・2021年5月28日:写真展延期に伴い、内容を追記・修正しました。
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんが新宿 北村写真機店にて個展「みずあかり」を開催します。期間は2021年6月1日~7日まで。ぜひ足を運んでみてください。
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KEYWORDS:
水咲奈々,写真展,新宿 北村写真機店
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: シグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary|ポートレート向きのF2.8通しズームレンズ
BASENAME: 481494774.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 05/24/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,シグマ(Sigma) レンズ,人物_子供,28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary,標準ズーム,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
シグマの「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、今年の3月に発売された大口径のズームレンズです。F2.8通しという明るさを考えると、信じられないほどコンパクトで、常に持ち歩けるサイズ感、画面の隅々までしっかりと描ききる堅実な描写性能と、どんな被写体でも楽しめるレンズに仕上がっています。今回は、このレンズでストリートポートレート・スナップ&ムービーを撮影しましたので、ポートレートの観点からレビューしたいと思います。
隅々までシャープに表現
■使用機材:SIGMA fp+28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f2.8・1/320秒・ISO400・WB5000K・カラーモード(ポートレート)
■モデル:芹沢あかり
スタジオでなく街中でポートレート撮影をするときは、建物などが背景になることが多く、そんなときに気になるのが画面周辺の収差問題です。歪みなどもそうですが、描写が甘くなって質感が損なわれると、せっかくモデルがいい表情をしていても、背景という、画面の大きな部分を占めるムードに力がなくなってしまって、写真としての魅力は半減してしまいます。
本レンズは非球面レンズ3枚、FLD2枚、SLD2枚の特殊硝材を採用しており、軸上色収差やサジタルコマ収差の補正に力を入れています。その効果は、画面の中心よりも構図の隅々を見ると実感できます。ピントを合わせた中心部がシャープに綺麗に描写されるのは当たり前として、収差の出やすい隅々までもがキレのある描写をしているのは、撮影している段階で、カメラの背面液晶でも実感できました。
背景を大きくボカすだけではなくその空間のムードも写し込みたい、そんなときに頼りになってくれるレンズです。
ストリートポートレート・ショートムービー
VIDEO
■使用機材:SIGMA fp+28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary+ジンバル
■撮影環境:カラーモード(ポートレート)
■モデル:芹沢あかり
今回のショートムービーは、環境音もそのまま使用しています。BGMの奥に聞こえる滝の音や子供たちの遊び声、鳥のさえずりも一緒にお楽しみください。外部マイクは使用せず、SIGMA fpの内蔵マイクのみで録音しています。
また、歩いているムードを出したかったので三脚は使用せず、ジンバルを持って動きながらの撮影を多用しました。土や石の質感を強調するために、地面ギリギリのローアングルでの撮影も多かったので、ジンバルを片手に持って低い位置にしゃがみながら歩くと、機材が重かったり、レンズが長いとちょっと撮影しにくくなるのですが、本レンズはそのようなこともなく、バランス良く撮影できました。
今回のように、三脚に据え置きではなくジンバルに装着して歩き回るような動画撮影では、カメラだけでなく、装着するレンズの軽さ、小ささも、筆者は重要視しています。特に長さのあるレンズだと、パンやチルトのときに気を使うので、できれば短めがありがたいのが本音。結果、本レンズのサイズ感には合格点を出したいと思いました。
逆光撮影時に見えるレンズの底力
■使用機材:SIGMA fp+28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f2.8・1/250秒・ISO400・WB5000K・カラーモード(ポートレート)
■モデル:芹沢あかり
標準画角のズームレンズでポートレートを撮影することはあまりないのですが、画角の変えられるF2.8の明るいレンズだと思うと、望遠側でポートレートの王道的なカットが撮りたくなるものです。強い逆光の状態で、モデルの白い服の袖が大きく広がるデザインだったので、顔の周りに腕を上げてもらって、レフ板効果を狙いました。
撮影している筆者は目が痛いほど強い逆光だったのですが、スーパーマルチレイヤーコートとナノポーラスコーティングのお陰で、どのカットにも不要な光は入り込んでいませんでした。白飛びギリギリの白さが表現するブラウスの柔らかさ、そこから微かに見える腕の質感、ピントの合っているマツゲと前髪のシャープさ、優しいボケとして表現されている背景の木々と木漏れ日など、意図する表現をレンズがすべて描ききってくれたシーンでした。
瞬間を切り取れる機動力
■使用機材:SIGMA fp+28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f2.8・1/320秒・ISO400・WB5000K・カラーモード(ポートレート)
■モデル:芹沢あかり 「今!」と思った瞬間にシャッターが切れないと困るのは、ポートレートも同じです。そこで重要になってくるのがレンズ本体の取り回しの良さ。シンプルなデザインで小型軽量のレンズは、シャッターチャンスを逃さない、頼もしいパートナーになってくれます。
今回筆者が使用したLマウントは最大径72.2mm、長さ101.5mm、重さ470gと、フルサイズミラーレス用の大口径のズームレンズとしては、破格のコンパクトさを誇っています。歩きながらや、狭い場所でさっとカメラが構えられるかは、カメラに装着しているレンズの形状に依るところが大きいのです。
また、無用な凹凸がなく、間違って手が触れて作動するようなスイッチ形状をしていないのと、操作リングのトルクに少し重みがあるのが筆者好みでした。操作リングは金属製のものと比べると高級感は敵いませんが、プラスチック製にしては粘りがあって、安っぽいスカスカ感がないのがいいですね。
外装もこっくりと深い黒に、シルバーに光る「C」の文字がスタイリッシュです。花形のレンズフードは深くかっちりと装着できるので、カメラを肩から下げて移動しているときに、体に当たった衝撃で回ってしまって、気がついたら落ちて無くなっていた……なんて、悲しい出来事は、きっと起こらないでしょう。
被写体と自然な距離感を保てるバランスの良いレンズ
■使用機材:SIGMA fp+28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f2.8・1/320秒・ISO100・WB5000K・カラーモード(ポートレート)
■モデル:芹沢あかり
今回は、あまり場所をかっちりと決めず、歩きながら気になった場所、光の綺麗な場所で撮影をしてみました。大口径の望遠レンズも描写は綺麗ですが、都内の街中のようにモデルとの距離を空けられないような、撮影スペースに限りがある場合は、断然ズームレンズが有利になります。
撮影のスタンスによって、撮影場所によって、レンズを変えるのは当たり前といえば当たり前ですが、この、コンパクトでF2.8の明るさは、そんな撮影のときには絶大に頼れるスペックでした。そして、そのスペックに負けない、撮影するとわかるナチュラルでキレのある描写は、ポートレート向きの太鼓判を押したいと強く感じました。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介されています
■シグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/480573513.html
この記事で紹介した機材
【シグマ】28-70mm F2.8 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ 【シグマ】28-70mm F2.8 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがシグマ「28-70mm F2.8 DG DN」のポートレート撮影での実力をレビューしています。本レンズの作例と共に評価を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ(Sigma) レンズ,ポートレート,28-70mm F2.8 DG DN,レビュー
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD レビュー|望遠に機動力という革新を。
BASENAME: 481573735.html
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CATEGORY: 多賀野友輔
DATE: 05/25/2021 16:00:00
TAGS: レビュー,タムロン(Tamron) レンズ,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
今回はタムロンのズームレンズ「70-180mm F/2.8 Di III VXD」の製品レビューを行っていきます。前回レビューさせていただいた
20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 をはじめとする単焦点レンズのラインナップと同様に、ShaShaのレビュー記事でも掲載している
28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD や
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD といったバリエーション豊富なズームレンズたちと併せて検討したい本レンズ。
なんと言っても70mm~180mmという中望遠から望遠の幅広い焦点距離をカバーしつつ、35mm判フルサイズ対応のF2.8通し大口径望遠ズームレンズにおいて世界最小・最軽量を実現※しており、
望遠に機動力という革新を。
■タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056) 製品情報 | Eマウント | 望遠ズーム レンズ - TAMRON より引用
上記公式サイトのキャッチフレーズ通り、重く・大きく、普段の持ち運びとしては敬遠されがちな望遠レンズに「革新」が起きています。この「機動力」に恩恵を受けながら、スナップやポートレート撮影など様々な場所へ持ち出し撮影してきましたので、ぜひご覧ください。
※2020年3月 タムロン調べ
製品の基本スペックと外観
最初にレンズの概要についてです。基本スペックからおさらいしていきます。
基本スペック
■明るさ:F/2.8
■画角(対角画角):34°21'-13°42'
<35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ使用時>
■レンズ構成:14群19枚
■最短撮影距離:AF時 0.85m (ズーム全域)
(MF時 0.27m (WIDE)/0.85m (TELE))*
■最大撮影倍率:AF時 1:4.6
(MF時 1:2 (WIDE) / 1:4.6 (TELE))*
■フィルター径:Φ67mm
■最大径:Φ81mm
■長さ*:149mm
■質量:810g
■絞り羽根:9枚 (円形絞り)***
■最小絞り:F/22
■標準付属品:花型フード、レンズキャップ
■対応マウント:ソニーEマウント用
*カメラ側でマニュアルフォーカス(MF)に設定した場合のみ70mm側で0.27mの「近接領域」での撮影が可能になります。ただし、周辺部分では画質が低下する為ピントが合いづらくなります。
詳しくは
サポートページ をご覧ください。
** 長さ=レンズ先端からマウント面まで。
*** 絞り開放から2段絞り込んだ状態まで、ほぼ円形の絞り形状を保ちます。
■引用:タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056) 製品情報 | Eマウント | 望遠ズーム レンズ - TAMRON
外観
次に製品の外観をチェックしていきます。
自重での落下を防止するためのズームロックスイッチ以外は、スイッチ類がないデザインを採用。タムロンのレンズはピントリングのトルクが重すぎず軽すぎない、なめらかな作りになっているのが好印象です。
500mlのペットボトルと大きさを比較してみました。フードありの状態で同じくらいのサイズ感。大型カメラバッグでなくても、そっとカバンに忍ばせることも可能です。
フィルター径にはΦ67mmを採用。20mm F/2.8 Di III OSD M1:2のレビュー時にもお伝えしたとおり、タムロンはフィルター径を統一しているレンズが多いメーカー。ほかレンズとの互換性が高いと、被写体それぞれに合わせたフィルターの数も減らせます。
標準で付属してくる花形フードのHA056は丈が短く、軽量・コンパクトなレンズにぴったりのシンプルな作りになっており、レンズ同様触り心地の良い質感に仕上がっています。
本製品はスペックにも記載している通り、ソニーEマウント専用の商品です。使用・検討ユーザーが多いであろうα7IIIとの組み合わせでも、本体のコンパクトさに負けない取り回しのしやすさが印象的です。
70-180mm F/2.8 Di III VXDの特徴4つ!
ここまでお話した基本スペックや外観をもとに、本レンズの特徴を3つ紹介していきます。
なんといっても軽量コンパクト!
冒頭でも申し上げたとおり、「望遠に機動力という革新を。」と名付けられた本レンズの大きな特徴が小型・軽量という点です。長さ149mm、質量810gという数字はあまりピンとこないかもしれませんが、分かりやすいように焦点距離の近い他社一眼レフ用純正レンズの70-200mm F2.8レンズの例を挙げると、メーカーによって多少異なりますが、大体長さは200mm前後あり、重さは約1.5kg付近です。
この焦点距離帯をカバーするF2.8通しのレンズを、小型・軽量で実現しているのは、本製品がパイオニアと言っても過言ではないと私は思います。
リニアモーターフォーカス機構「VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)」
VIDEO
■引用:タムロンYoutubeチャンネル 本レンズにはタムロン初のリニアモーターフォーカス機構「VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)」を搭載。タムロン史上最速と謳われている事にも頷ける、正確で早いピント合わせは、素早い被写体も逃すことが少なくなることはもちろん、スナップやポートレートの撮影でも恩恵を感じることができました。
最短撮影距離0.85mと0.27mのMF近接撮影
本レンズは望遠ズームレンズであるにも関わらず、ズーム全域で最短撮影距離0.85mを実現。リニアフォーカス機構「VXD」を2組搭載したフローティング機構を採用して諸収差を抑制し、近距離撮影時でも高い画質を維持しています。
また、ボディ側の設定でMF選択時の撮影では、広角端70mmで0.27mの近接撮影が可能に。0.27mでの撮影はスペック注釈の通り周辺部の画質低下が発生するものの、レンズ1本で様々な撮影方法が試せることは大きなメリットです。
特殊レンズやBBAR-G2の採用
本レンズはレンズ群にもこだわりを持っています。特殊硝材であるXLD(eXtra Low Dispersion)レンズをはじめ、LD(Low Dispersion:異常低分散)レンズやGM(ガラスモールド非球面)レンズ、複合非球面レンズなどの贅沢な採用で、高い解像度と色収差をはじめとした諸収差を抑制しています。
また、タムロン独自のBBAR-G2 (Broad-Band Anti-Reflection Generation 2)のコーティングを施し、Generation 2ということで、前世代よりも逆光の撮影時に発生しやすいゴースト・フレアを低減する設計になっています。
その他にもタムロンレンズには安心機能が盛り沢山です。各所に防滴用のシーリングを配する簡易防滴構造や、水滴・手の脂などが付いても拭き取りやすく、メンテナンスが容易な防汚コートの採用など、安心して撮影に臨むことができるレンズに仕上がっています。
70-180mm F/2.8 Di III VXD作例
最後に、ソニーα7IIIと本レンズの組み合わせで撮影した作例をご覧ください。
■使用機材:ソニー α7III + タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD
■撮影環境:ISO100 SS1/640 F6.3
■焦点距離:143mm 望遠レンズで遠くの被写体を撮影すると、目では捉えられない細かい描写を感じられて面白いですよね。街灯を下から見上げて撮影しましたが、ライト部分の造りとAFの速さに「へぇ〜!」となりました。
■使用機材:ソニーα7III + タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD
■撮影環境:ISO100 SS1/640 F5.6
■焦点距離:124mm 複数の被写体がいても、狙ったところに素早くピントが合います。看板や建造物のシャープな写りを見ると、今回撮影できなかった電車や飛行機、車やバイクの撮影などの乗り物撮影とも相性が良さそうです。
■使用機材:ソニー α7III + タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD
■撮影環境:ISO1000 SS1/40 F7.1
■焦点距離:180mm 造花の撮影をしてみました。前述した最短撮影距離0.85mの恩恵を感じることができ、近接撮影においてもシャープに写る印象を受けました。ただしスペックの注釈通り、MFでの近接撮影時の周辺部分の画質低下にはご注意ください。
■使用機材:ソニー α7III + タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD
■撮影環境:ISO2500 SS1/640 F2.8
■焦点距離:130mm 愛猫が運動後に休んでいる様子を撮影。疲れた表情へのスポットAFを狙いましたがそれだけでなく、顔周りの毛並みもシャープな写りでモフモフ感もよく伝わるかと思います。
■使用機材:ソニー α7III + タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD
■撮影環境:ISO800 SS1/5000 F2.8
■焦点距離:139mm
■モデル:汐里 ポートレートの望遠撮影です。他作例でもお伝えしている通り、洋服や指先・毛先もシャープに撮影でき、F2.8のぼかしや明るさといった恩恵も受けられるということでポートレートにもおすすめです。
■使用機材:ソニー α7III + タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD
■撮影環境:ISO400 SS1/5000 F2.8
■焦点距離:91mm
■モデル:汐里 広角では中望遠域で被写体全身を入れながら柔軟に周りの風景を入れることも可能です。
最後に
「望遠に機動力という革新を。」という本製品のテーマに沿ってレビューをご覧頂きましたが、この大きなテーマ通り、コンパクト・軽量な筐体にタムロンの技術が集約されている1本でした。
同焦点距離帯の大きさや重さ・価格で敬遠されていた方がもしいらっしゃれば、ぜひ本製品を一度手に取って、触ってみてください。驚きと感動に出会えるはずです!
■ライター:
多賀野友輔
学生時代にサッカーコーチの一環で一眼レフを使用し、スポーツ撮影を開始。写真小売業会勤務での知識習得と接客を通して、各メーカーの機材を使用し、知識を取得。現在、子どもと愛猫のポートレートと風景の撮影をメインに写真活動中。
この記事に使用した機材 【タムロン】70-180mm F/2.8 Di III VXD ソニーEマウント用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
カメラ・ガジェット系ライターの多賀野友輔さんがタムロン 70-180mm F_2.8 Di III VXD のレビューを行っています。作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
タムロン(Tamron) レンズ ,レビュー,20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX GH5IIが登場!|商品企画担当者へのインタビューから魅力を紹介
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 05/26/2021 16:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX GH5II,ミラーレスカメラ,マイクロフォーサーズ
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はじめに
本日、パナソニックからマイクロフォーサーズミラーレス一眼カメラのLUMIX GH5IIを、2021年6月25日(金)に発売するとアナウンスがありました。前機種のLUMIX GH5の登場から約4年の歳月が流れ、本機では基本性能やプロユースに応える性能の向上に加え、5G環境下のスマホと連携して屋内外さまざまなシーンで無線LIVE配信を可能にするカメラになっているようです。今回はそのLUMIX GH5IIの進化や魅力について、パナソニック株式会社 商品企画担当の中西智紀(なかにしともき)氏にインタビューしましたので是非ご覧ください。
パナソニック株式会社 アプライアンス社 コンシューマーマーケティングジャパン本部 商品センター イメージング 商品企画担当 中西智紀(なかにしともき)氏
概要
―どんな方におすすめのカメラですか
写真愛好家の皆様はもちろん、ビデオグラファー、YouTuber、ライバーなど様々な方々におすすめできる製品だと考えています。
―開発発表されたLUMIX GH6とのすみ分けについて教えてください
GH6は性能に妥協しない最上位モデルとして開発を進めております。一方、GH5IIはより多くの方にお楽しみいただけるよう、性能を高めて様々な新機能を搭載しながらも、お手頃な価格帯を実現致しました。
―GH5からの変更点について教えてください
基本性能についてはカメラの心臓部であるエンジンを最新世代のものにアップデートしたことで、リアルタイム認識AF(人体認識・動物認識対応)など、大幅な機能向上を実現しています。エンジン以外にも様々なデバイスを見直しています。高画素と感度を両立できる20.3Mセンサーに新たにARコーティングを追加。また、手ブレ補正は5軸6.5段に進化し、液晶モニターも高輝度広色域化、USB給電・充電にも対応しました。また、オーバーヒートを抑制し動画記録中の撮影時間無制限を実現しています。
プロフェッショナル性能についても従来別売だったV-Log Lをプリインストールし、C4K60p10bitに対応。10bit記録と4:2:2 10bitのHDMI出力を両立することも可能です。撮影アシストメニューもLUMIX S1Hから踏襲し、動画撮影中の赤枠表示、スポット輝度メーター、映像撮影用のコントロールパネルなど表示を大幅に改善しています。
ライブ配信については、今回、LUMIX GH5IIとスマートフォンを組み合わせることで、一切なんのケーブルを使うこともなく、一眼カメラの映像をライブ配信することが可能になります。スマートフォンのテザリング電波を使うことでカメラがネットワークに接続され、カメラの映像が配信プラットフォームに送り込まれます。また、スマートフォンと連携することで、ご自身のアカウントへのログイン、配信の開始、終了など様々な操作がスマートフォンから行えるので、とても簡単にライブ配信を行うことができます。
進化した基本性能
―画づくりでの進化を教えてください
GH5の時にはLUMIXの「生命力・生命美」という絵作りが完成していませんでしたが、今回からは最新の絵作りにアップデートされました。LUMIXとして一貫した絵をお届けできることを重視しています。
また、Log撮影についてはシネマカメラVARICAMとLogガンマを共用することで、VARICAM LUT Libraryなどのシネマカメラ用のLUTをLUMIXで適用することも可能になっています。
―AF、手ブレ補正の進化を教えてください
AFは新たにリアルタイム認識に対応し、人の頭部の検出アルゴリズムにより、マスクを着用していたり、後ろ向きであったりする人へのAF性能が大幅に向上しています。また、人体認識AF・動物認識AFにも対応したことで精度や速度が向上しています。
手ブレ補正については5軸5段から5軸6.5段に強化し、固定された像を止める性能が向上しています。カメラワーク時の補正に関しては、新たに「LUMIX S1H」と同じ動画用の補正アルゴリズムを採用し、パンやチルトなどのカメラ操作を行った時に違和感がなく自然な手ブレ補正を実現しています。
―放熱システムについて教えてください
放熱技術を進化させるにあたり、GH5から何が改善できるのかを0から見直しました。しかし、GH5の放熱構成は完成度が高く(それがユーザーの信頼性評価につながっているわけですが)、大きな改善点をなかなか見出せませんでした。そこで、放熱シミュレーションを繰り返し、部品一点一点に対し放熱性を細かく検証していきました。その結果、カメラ内部の放熱バランスを最適化できることがわかり、内部構成を変更する事で放熱性能を向上しています。GH5以降のSシリーズ等で着々と培ってきた放熱技術をベースに進化しています。
―GH5と比較して、バッテリーの持ちや給電性能について教えてください
バッテリー容量は18%アップしています。またUSB給電・USB充電に対応したことで、より充電が手軽になりました。さらに、USB PD対応のケーブルやアダプタと接続していただくと、GH5IIが消費する電力全てを賄うことが可能なので、内蔵バッテリーを減少させず撮影を続けることが可能です。
プロフェッショナル性能
―多彩な動画記録モードについて従来モデルから進化したところを教えてください
従来、4K60pは4:2:0 8bitで内部記録するか、4:2:2 10bitでHDMI出力するかしか選べなかったものが、4K 60p 10bit記録に対応し、かつ4:2:2 10bitでHDMI同時出力が可能です。より自由に10bit記録をお楽しみいただけるようになります。しかもGH5IIの4K60p撮影はクロップレスですので、広角の撮影でもお使いいただきやすくなっています。
また、C4Kについては60p10bitと30p 4:2:2 10bitに対応しており、フレームレートが高くてもグレーディング耐性が高い10bit記録が可能です。
―スローモーション撮影も出来ますか
VFR(バリアブルフレームレート)をお使いいただければスローモーションやクイックモーションでの撮影が可能です。この機能は記録するフレームレートを基準より高くすることで(オーバークランク撮影)、再生時にはスロー映像になり、被写体の動きをより印象づけることができます。また記録フレームレートを基準より低くすることで(アンダークランク撮影)、再生時にはクイック効果が得られて、メリハリのある映像表現が可能になります。
―カラーグレーディングと10bitのV-Log Lについて、どの様なユーザーにおススメでしょうか
破綻なく美しい映像を記録したい方はもちろん、クライアントの意図に沿った映像を納品したり、ご自身のカラーを作品に反映させたりするようなプロフェッショナルの方におすすめの機能となっています。
無線LIVE配信性能
―これはどのようなユーザーを想定してつくられた機能ですか
YouTuberやライバーなどより多くの方に今までよりも自由でかんたんにライブ配信をお楽しみいただくことを想定して作った機能です。一眼カメラの映像クオリティとスマホのライブ配信の手軽さを両立できることが売りのポイントです。
―ユーザーに手軽に使ってもらう為に工夫した点はありますか
スマートフォンアプリから簡単にライブ配信をできるようにした点です。ストリームキーやURLなどRTMPの仕組みをご存じない方でも、ご自身のアカウントにログインして手軽にライブ配信を行うことが可能です。また、普段パソコンからOBS等のソフトを使ってライブ配信を行っている方にとっても便利なように、パソコンからカメラにストリームキー等の情報を渡すためのパソコン用アプリも公開致します。スマートフォン、パソコン、お好きなデバイスから配信設定を行うことが可能です。
―開発するにあたって難しかった事などがあれば教えてください
ユーザーの使用環境を想定し配信画質等の仕様を決めていくことに苦労しました。SNSサービスによって推奨ビットレートが異なり、かつユーザーの無線環境もその時々で異なる中、どのような画質設計を設ければよいかの検討が難しかったです。高画質過ぎても環境によってはコマ落ち等が発生し、安定性優先であっても画質が落ちてしまう。そのバランスを取りつつ、かつユーザーが迷わない設定項目に絞った仕様を検討することが難しかったです。
一眼カメラでの動画撮影について
―今後のLUMIXの方向性について教えてください
マイクロフォーサーズシステムとフルサイズシステムにはそれぞれ異なる良さがあり、両マウントにおいて多くのクリエイターにお役立ちできる商品群を展開して参ります。
―昨今の活発な動画市場の状況についてメーカーとしてどう捉えていますか
ライブ配信が急速に増加するなど、お客様が動画に対して求めることが多様化してきている印象があります。その分、メーカーとしても頑張り甲斐がありますので、精一杯ご期待にお応えできる製品を開発できるようトライして参ります。
―大人気シリーズGHの後継を企画する上で苦労した(意識した)点を教えてください
GHというブランドが追求していくべき価値と、お客様がGHに対して求めるものをどのように整理していくのか苦労しました。結果として、次世代の技術を搭載して新しい時代を切り開いていく役割を持つGH6と、今の世代におけるベストのパフォーマンスを達成しつつライブ配信という新たな市場に向き合うGH5IIという、異なる2つのトライができたと思います。
LUMIX GH5IIの記事は他にもこちらからご覧頂けます
■パナソニック LUMIX GH5II レビュー | 高性能動画機の代名詞GH5から進化したその実力を探る
https://shasha.kitamura.jp/article/482045857.html
■パナソニック LUMIX GH5II|キットレンズの描写力と、さらに1本追加するならこのレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/483516821.html
■パナソニック LUMIX GH6 開発発表を受けて、期待する進化について語る|Osamu Hasegawa
https://shasha.kitamura.jp/article/482919488.html
特集ページ
カメラのキタムラネットショップの「LUMIX GH5II」特集ページは下記バナーをクリック。ボディーと合わせて購入したいアクセサリー類もご紹介しています。詳細は
こちらより ご確認ください。
■更新
・2021年6月25日:製品発売に伴い、予約受付中の内容を差し替えました。
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パナソニック LUMIX GH5IIの発表に伴い同社 商品企画担当の中西智紀(なかにしともき)氏に従来モデルからの進化点や魅力を語って頂きましたので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX GH5II
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: アップル iPhone 12 Pro Maxで4Kムービーに挑戦!|三井公一
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 05/27/2021 11:00:00
TAGS: iPhone,撮影テクニック,動画撮影・編集
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はじめに
昨年登場した5Gスマートフォン「アップル iPhone 12」シリーズ。3つの特徴的なレンズを搭載し、大画面を誇る「
iPhone 12 Pro Max 」が人気を博しました。先日「iPhone 12」と「iPhone 12 mini」には新色の「パープル」が追加され、iPhone 12シリーズはますます話題を呼びそうです。
そんなiPhoneですがカメラ性能の高さはたびたび話題にあがります。スチルの描写性能は素晴らしいものがありますが、実はムービー撮影の能力もとても高くなっているのです。ちょっとしたコツをつかめば、誰でもカンタンに美しいムービーを撮影可能となっています。そこで今回は「撮影のコツ」を、次回は「iMovieでのムービー編集」として、iPhone 12シリーズのパワーをお伝えしたいと思います。
iPhone 12の基本設定を確認しましょう
スチル同様にiPhoneはシャッターボタンを押すだけで美しいムービーが撮影できます。さっそく撮影!の前に少しだけ設定を確認してみませんか。
「設定」アプリ→「カメラ」とたどっていきましょう。まずはフォーマットの「ビデオ撮影」を開いてください。
そして「4K/60 fps」を選びましょう。こうすると3840 x 2160 ピクセルの、いわゆる「4K」で撮影が可能になります。「60 fps」というのは1秒間に60コマ撮影できるということになります。一般的な30コマ/秒で再生するとキレイなスローにすることができます。
「スローモーション撮影」は「1080P HD/240 fps」を選んでおくといいでしょう。より滑らかなスローモーション撮影が可能になります。
どちらもムービー自体の容量が増えますが、格段に美しいムービーが撮れるようになるので、iPhoneのストレージ空き容量があれば上記の設定をオススメいたします。
また、頻繁にムービー撮影をするのであれば、「設定を保持」にある「カメラモード」をオンにしておくといいでしょう。「カメラ」アプリを立ち上げるたびに「写真」から「ビデオ」に切り替えなくて済むようになります。とてもスムーズにムービー撮影に入ることができますよ。
またスチル撮影時に画面上のシャッターボタンを右にスライドするとムービー撮影に入ることができます。逆に左にスライドするとスチル連写モードになります(縦位置で構える場合。横位置の場合はそれぞれ上と下にスライドになります)。
ムービー撮影のコツ
さてiPhoneの設定が終わったら撮影の練習をしてみましょう。ムービー撮影には「カメラワーク」という撮影の作法がありますが、まずはそれを習得しましょう。難しそうに聞こえますが実際に撮影するととてもカンタンで面白いはずです。近ごろは縦動画も流行っていますが、ここではベーシックな横位置で構えて撮影していきましょう。
iPhone 12 Pro Max を持つ
iPhoneを横位置で構えるには写真のようにホールドします。ボディの四隅を押さえるように水平に構えましょう。注意したいのはレンズ部分に近い左手です。ご存じのようにiPhone 12シリーズには「超広角カメラ」が搭載されています。フルサイズ換算約14mmというスーパーワイドな画角なので、指が写り込まないようにやや引っ込めて構える必要があるのです。もし「ホールドしにくいな」と感じたら、構えやすいケースなどを装着して落下させないようにするのがオススメです。
見やすいムービーを撮るには
「カメラワーク」というと複雑だったり派手なカメラの動きを想像しますが、基本はiPhoneを動かさずに撮る「固定(フィックス)」撮影がセオリーです。iPhoneは手ブレ補正機能が優れているので、手持ちでも三脚に据えたかのような安定感で撮影できるのがいいですね。また動かす場合もしっかりと手ブレを抑えてくれるので、カジュアルな撮影の場合は手持ちでもいいでしょう。もしガッチリと撮る場合は三脚に備え付けられるアダプターをキタムラで購入して使いましょう。
固定(フィックス)
新宿に昨年オープンしたキタムラの旗艦店「北村写真機店」の店頭を手持ちの固定(フィックス)で撮影しました。手ブレもよく低減されており、このまま使用しても問題なさそうですね。固定(フィックス)といっても通行人やクルマが動いていますので、十分に動画として成立します。まずはしっかりとiPhoneを構えて固定(フィックス)撮影を練習しましょう。
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水平方向(パン)
次はiPhoneを水平方向に動かすパン(パンニング)撮影を試しましょう。
再び新宿「北村写真機店」店頭です。ファサードに踊るロゴを左から右へパン撮影しました。この時に使用しているのはiPhone 12 Pro Maxです。レンズを望遠に切り替えて、自分の身体を軸にしてiPhoneをゆっくりとパンしました。気に入るカットが撮れるまで何回か繰り返して撮影するのがオススメです。
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今度は同じような動きで竹林を撮影しました。撮影レンズとカメラワークは先ほどと同様です。自分がゆっくりと頭を回して竹林を眺めているようなムービーになりました。
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さて今度は同じ場所で、竹林と平行して自分が移動して撮影してみました。撮影位置を移動しながら撮影しているので印象がだいぶ違うことがわかるでしょう。このように水平方向の撮り方もちょっと変えるだけでムービーが面白くなります。狙いに応じてバリエーションを撮影することを推奨します。
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垂直方向(ティルト)
またまた新宿「北村写真機店」の店頭です。今度は垂直方向への見上げる(ティルトアップ)カメラワークです。iPhone 12 Pro Maxの超広角カメラを使って下から上へゆっくりと動かしました。フルサイズ換算約14mmのデフォルメ感が出て迫力がありますね。
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この時、上から下への動き(ティルトダウン)も撮影しておくと編集時に使えるかもしれませんよ。
動き(モーション)
いよいよ撮影しながら自分が動く(モーション)撮影です。といっても先ほど書いたようにiPhone 12シリーズは手ブレ補正機能がとても強力なので心配無用です。一番肝心なのは「歩き方」と言ってもいいでしょう。iPhoneをホールドした手が上下動しないように、ニンジャのような「忍び足」で歩くといい結果が得られます。納得のいく動きができるようにトライあるのみです!
公園内に生える立ち木をかすめるようにして撮影しました。最後には空を見上げる動きをいれましたが、やや歩きの上下動が気になりますね。もっとすり足で動く必要がありそうです。
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古民家に入る所から囲炉裏端に行くまでの動きのムービーです。イージーに構えてシューティングしているのですが、iPhone 12 Pro Maxの手ブレ補正機能はスゴいですね。流れるようなスムーズな動きになりました。段差を越える部分など、丁寧なフットワークが必要になってきます。ホールドしにくい場合はグリップ感のいいケースを装着するとイイでしょう。
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レンズ
今回使用したiPhone 12 Pro Maxは3つのカメラを搭載しています。超広角 フルサイズ換算約14mm、広角 フルサイズ換算約26mm、望遠 フルサイズ換算約52mmの3種類となるのですが、同じ場所でiPhoneを構えて、これら3つのレンズを切り替えただけでも画面上の変化をつけることが可能です。一番手軽な効果を得ることができると言ってもいいでしょう。もちろんズームをすることも可能ですが、スムーズにズーミングしにくいので手持ちでは使わない方がいいでしょう。
古民家を超広角フルサイズ換算約14mmの固定で。広々とした感じがしっかりと伝わってきますね。
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次はもっとも使うことになる広角フルサイズ換算約26mmで。ゆとりのある描写がいい感じですね。
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最後は望遠フルサイズ換算約52mmで。全て同じ位置から撮っていますが、このように受ける印象が変わってきます。軒下を飛び回るムシまでしっかりと写っていますね。まずはその場でレンズを切り替えて同じ被写体を撮り較べてみましょう。
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タイムラプス
iPhoneのムービー撮影機能ですが「タイムラプス」もあります。これはメニューから選んでシャッターボタンを押すだけなのですが、フルオートで微速度撮影をしてくれます。楽チンで面白いムービーが撮れますよ。
このカットは走行中の電車から外を撮ったものですが、移動するものからや、定点観測的な撮影など使い出がいろいろありそうです。自分の作品ムービーに効果的に挿入すると面白くなるかもしれませんね。
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さいごに
このようにiPhone 12シリーズは簡単に美しいムービー撮影が可能です。優秀な手ブレ補正機能があるので動いての撮影もバッチリですし、その場で自分が動かずともレンズを切り替えるだけで印象的なものを撮影できます。まずは設定を「4K/60 fps」にして高精細な4Kムービーをいろいろと撮影してみましょう。
最後に湘南・江ノ島で撮影したレンズを3種類切り替えた撮影したものを繋いだムービーをご紹介しておきましょう。こんな映像が誰でもカンタンに撮れてしまうのがiPhone 12シリーズなのです。ムービーのつなぎ方などはまた次回に!
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■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
■新宿 北村写真機店に関する情報は⇒
こちら ⇐から
iPhoneの編集テクニックはこちらの記事で紹介しています
■アップル iPhone 12 Pro Maxで映画の予告編風ムービーを編集!|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/481816697.html
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写真家の三井公一さんがiPhoneで動画撮影を行う際のテクニックを解説しています。画像付きで分かりやすく説明してくださっているので、是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
iPhone,撮影テクニック
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: GoPro撮影テクニック|ロードバイクで走行動画を楽しむ
BASENAME: 481590122.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: WATARU
DATE: 05/27/2021 16:00:00
TAGS: サイクリング,HERO8 Black,アクションカメラ,GoPro(ゴープロ) ボディー,GoPro(ゴープロ) アクセサリー,その他のカメラ
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はじめに
ロードバイクで走行動画を撮りたい!そう思っても何が必要で、どのように撮影すれば爽快感のある綺麗な映像が撮れるのかあまり良くわからないという方もいらっしゃると思います。そんな方へ向けたGoProのマウント方法などの撮影テクニックをご紹介します。ここでは自身のYouTubeチャンネルで実際に使用しているGoPro HERO8 Blackを使ったテクニックを紹介しますが、GoProシリーズに応用のきくものですので是非参考にして頂ければ幸いです。
GoProのマウント方法
GoProのマウント方法は大きく分けて2つあります。ロードバイクに装着する方法と自分の身体に装着する方法です。それぞれにメリットとデメリットがあるので詳しく見て行きましょう。
ロードバイクに装着する
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■トップキャップに装着する
【メリット】ハンドル周りと風景を一緒に映像に収める事が出来る。自分が乗っている様な気分を味わえる臨場感のある映像に仕上がる。
【デメリット】GoProが目立つ箇所に装着されるのでロードバイクのルックスが損なわれる。風の影響を受けやすいハンドル周りへの装着となってしまう。
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■サイコンマウントの下側に装着する
【メリット】GoProが目立たないのでロードバイクのルックスを損なわない。
【デメリット】ハンドル周りが映らない風景だけの映像となるため、グループライドでは前を走るライダーの背中を映せるがソロライドでは単調な映像になりがち。
身体に装着する
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■チェストマウントに装着する
【メリット】ボディマウントの中で一番しっかり固定出来るので安定した映像が撮影可能。バイクから降りて歩きながらの撮影も出来るので、ライドシーンだけでなく様々な映像を撮影出来る。
【デメリット】身体にゴムバンドで縛る形になるので、締め付け感がある。真夏のライドや息が上がるトレーニングライドには不向きだと言えるかもしれません。また、ウェアの上にゴムバンドを装着するのでウェアのデザインを損なう場合があり、いかにも撮影してます感が出てしまう。
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■ネックマウントに装着する
【メリット】チェストマウントと比べ、着けたり外したりが瞬時に出来るので気軽に装着出来る。ロードバイクから降りて歩きながらの撮影も可能。
【デメリット】身体に固定する訳ではなく首から下げているだけなので、前傾姿勢になるロードバイクでは首を支点にブラブラしていまい映像が安定しない事も。
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■アームマウントに装着する
【メリット】身体に装着する煩わしさがあまり無くライドに集中しやすい。
この場所ならではの映像がなかなか面白い。
【デメリット】ど真ん中から左右に外れたポイントからの映像となるので少し不自然な映像になりがち。また、水平を保つのに慣れが必要。
GoProの設定
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■画角
ロードバイクで景色を綺麗に撮りたいなら1番広い画角(SuperView)が1番観ていて爽快感のある映像に仕上がります。
(GoPro HERO8 Blackでは、狭角/歪みのないリニア/広角/SuperView、の4つのレンズから選択出来ます)
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■手ブレ補正
HyperSmooth2.0(ハイパースムーズ2.0)によって追加された手ブレ補正の効果を「オフ」「オン」「高」「ブースト」の4種類から選ぶことが出来ますが、ロードバイクでの撮影なら「ブースト」が断然オススメです。車載マウントでの細かい振動も、ボディマウントでの激しく身体を動かす場面でもブレを綺麗に補正してくれます。
※ SuperView選択時にはHyperSmooth2.0のブーストは使用出来ません。オンかオフのみ選択出来る仕様となっています。(オン選択時には広角レンズの10%をクロップ)
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■タイムラプス撮影
ロードバイクは長距離を走るスポーツなので、タイムラプス撮影を使ってみるのも面白いかもしれません。タイムラプス撮影とは、一定間隔で静止画を撮影し、撮影した画像を組み合わせて再生する動画の高速再生のような撮影機能の事です。真っ直ぐに伸びる河川敷、アップダウンを繰り返す峠道や林道、夜景の美しい街並みなど、長い道のりを走りながら撮影すると通常の撮影方法とは違った面白い映像が撮れるかもしれません。音声は録音されないので、雰囲気を上げるBGMを乗せれば、まるで映画のワンシーンの様にも仕上がります。
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■低光は使える?
暗い場所でも光を多く取り込み撮影する事の出来る「低光」という機能ですが、ロードバイクの夜ライド撮影では使えるのか?検証した結果ブレが大きく出てしまい、明るさは上がるがオススメは出来ないという結論に至りました。編集ソフトを持っている方であれば、低光を使わずに撮影し後から明るさを調整する方が良い結果を得られると思います。夜の観光地などで歩きながらの撮影や固定しての記念撮影などブレが大きく出ない場面には有効な機能だと考えます。
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■風切り音対策
ロードバイクはスピードの出る乗り物です。さらに風の強い日のライドとなると風切り音対策は必須です。動画内の対策前と対策後ではここまでの差が出ています。綺麗な景色と共に楽しいトークを録ったつもりが風切り音でザーザー言ってしまっていたら折角の綺麗な映像が台無しですね。そこでこのスポンジを使用します。たかがスポンジ。されどスポンジ。これ一つで風切り音は綺麗に無くなります。一つデメリットを挙げるとしたら、このルックスですね。GoPro本体を全て覆い尽くしてしまうので、GoProのカッコいいルックスが隠されてボテッとした印象に。そこで僕の場合はマイクの部分だけを覆う様にスポンジを切り両面テープで着けるという方法を思い付きました。検証の結果は動画の通り、風切り音は無くなりトークも綺麗に録音する事に成功しました。この方法、オススメです。
バッテリーの持ち
1080p60fpsでのビデオ撮影で81分の録画が可能ですが、HyperSmooth2.0のブーストを使用するとそれよりバッテリーの減りは早くなってしまいます。なので自身の場合、60kmを超えるライドでは必ず予備のバッテリーを持って行くようにしています。では、長いライドの中ではどの様にして撮影すれば良いのか?大きく分けて2つのタイミングで撮影ボタンを押す事が多いです。
・トークを録りたい時
・綺麗な景色が広がった時
こうして録画ボタンと停止ボタンをその都度押しながら、細かく撮影したクリップを繋ぎ合わせて一本の動画に仕上げます。
トークが長い時は一つのクリップが長くなる時もありますがそれでも長くて5~6分。大体は1クリップ当たり1~2分程度の撮影時間です。
そうする事によって、無駄な映像を残さずバッテリーの消費を抑える事が出来ます。
最後に
GoProとロードバイクはとにかく相性の良いものです。上手い使い方をすれば美しい映像や爽快感や臨場感のある映像を簡単に撮る事が出来ます。今回書かせて頂いたこの記事を参考にして次のライドでの撮影に臨んで頂けたら幸いです。
それでは、最後までご覧頂きありがとうございました。また次の機会にお会いしましょう。
今回のまとめ動画はこちらからご覧頂けます。
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■執筆者:
WATARU
東京を中心にロードバイクでのライド動画をはじめガジェット系・パーツなどのレビュー動画を配信しているYouTuber/動画クリエイター。ロードバイクのある風景をお洒落に映し出す事を得意とし、ミラーレス一眼・Goproを駆使し大自然の絶景や美しい都心の夜ライド動画を季節感のある映像に仕上げる事に定評がある。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
YouTuber/動画クリエイターのWATARUさんが、GoPro HERO8を使ったロードバイクでの走行動画の撮影テクニックを紹介しています。
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KEYWORDS:
サイクリング,GoPro,HERO8 Black,アクションカメラ
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AUTHOR:
TITLE: カメラメンテナンス Vol.3|シャッターが切れないのは故障?シャッターに関するトラブルを解説
BASENAME: 481562500.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 05/28/2021 11:00:00
TAGS: カメラメンテナンス
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BODY:
はじめに
カメラのシャッターが切れない時の原因究明、設定方法、ケースバイケースの対処法について解説します。カメラのシャッターが切れない、シャッタースピードが遅いなどシャッターが思ったように切れない時は、設定方法などが関連している場合があるので、参考にしてください。
シャッターに関するトラブル3つ
カメラのシャッターに関するトラブルは大きく分けて3つあります。シャッタートラブルはその原因や状況によって対処方法も変わるので、お困りのトラブルがどの状況に当てはまるかを分析してみましょう。
・シャッターが切れない
・シャッタースピードが遅い
・シャッターが遅れて切れる
シャッターが切れない原因と対処法
・レンズが正しく装着されていない
・メモリーカードに書き込めない
・ピントがあっていない
・カメラが処理中
・その他の原因
カメラのシャッターが切れない原因として上のような理由が考えられます。シャッタートラブルは精密機械のカメラでは繊細な原因で起こりうる可能性も。カメラの反応や原因にあわせ、それぞれ確認してみましょう。
レンズが正しく装着されていない
レンズがカメラ本体に確実に装着されていないとシャッターが切れないことがあります。その場合、一度レンズを外し「カチッ!」と音がするまで回し入れてみましょう。そのうえで改善が見られない場合は、些細なホコリなどによる不具合というケースもありますので、レンズとカメラの接続部の掃除を行ってみましょう。
メモリーカードに書き込めない
画像がメモリーカードに書き込めないことが原因で、シャッターを切れないことがあります。メモリーカードの容量がいっぱいになっている場合は、既存の画像をパソコンなどに保存してスペースを確保するか、新しいカードを挿入しましょう。同時に、メモリーカード側の「書き込み禁止スイッチ」がロックされていないかも確認してみてください。
ピントがあっていない
AFの設定によっては、ピントが合わないとシャッターが切れないことがあります。この場合、「レリーズ優先」の設定に変更すると、ピントに関係なくシャッターを切ることができます。シャッターチャンスを優先したいシチュエーションに有効な方法です。
また、「レンズの最短撮影距離より被写体との距離が近い場合」や「暗がりで撮影する場合」は、AFのピントが合わずシャッターが切れない場合があります。この場合、AFをMFにすることで、シャッターが切れるようになります。全面に白しか映っておらずピントを合わせる場所がない際もMFモードの使用がおすすめです。
カメラが処理中
カメラがデータ処理をしている最中は、シャッターが切れないことがあります。連写や高画質モードでの書き込み処理で、カメラに負担かかっているときに発生する現象です。また、「長秒時ノイズ低減設定」がオンだと、シャッタースピードと同じ秒数だけ処理にも時間かかり、すぐに次のシャッターを切ることができません。しばらく時間をおいてみましょう。
もしくは、「CLASS10」のようなスピードクラスの高いメモリーカードにすれば、データの書き込み速度が上がり、次のシャッターが早く切れるようになります。
■カメラのキタムラでメモリーカードを見てみる
https://shop.kitamura.jp/%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E8%A8%98%E9%8C%B2%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2/ct/C006/
その他の原因
フラッシュが充電中の場合、シャッターが切れません。連続撮影時は間隔をあけて使用しましょう。また、長時間使用していると内部に熱がこもりカメラが動作不良を起こす場合があります。電源をオフにしてしばらく放熱してから使用しましょう。ほかにも、誤ってシャッターと他のボタンを同時に押すなど、操作不備にも注意してください。
以上のどの要因にも当てはまらない場合、故障の可能性が疑われます。
シャッタースピードが遅い原因と対処法
・ISO感度が低い
・絞りを絞りすぎている
・遅いシャッター速度に設定されている
シャッタースピードが遅くなる場合、上記のような原因が考えられます。以下で詳しく解説していきます。
ISO感度が低い
ISO感度とは、レンズから取り込んだ光をカメラ内で増幅させる度合い表します。ISO感度が低いと、レンズからより多くの光量を取り入れようとするため、シャッタースピードが遅くなることがあります。もともと、光量の少ない暗い場所での撮影時は、ISO感度を高めに設定することで、シャッタートラブルを回避できます。
絞りを絞りすぎている
絞りを絞る(F値が大きい)と、カメラがより多くの光量を集めようとして、シャッタースピードが遅くなります。背景のボケを抑えるために絞りを絞る場合、ISO感度を上げたり、絞りを少しを開いたり(F値を小さく)してシャッタースピードを調整してみましょう。
遅いシャッター速度に設定されている
カメラの設定が、「ISO感度優先」もしくは「絞り優先」になっていると、撮影環境に合わせてシャッタースピードが自動で変化します。撮影環境に左右されずシャッタースピードを統一したい場合、「シャッター速度優先」にするといいでしょう。シャッタースピードを好きな速度に設定でき、絞りとISO感度は自動調整になります。すでに「シャッター速度優先」になっているのにシャッタースピードが遅い場合は、設定を変更してみてください。
シャッターが遅れて切れる原因と対処法
・シャッターボタンを全押ししている
・セルフタイマーが設定されている
・低振動モードが設定されている
カメラのシャッターが遅れて切れる時は、主に上記のような原因が考えられます。以下で詳しく解説していきます。
シャッターボタンを全押ししている
通常カメラは、被写体にピントを合わせる「半押し(軽く押す)」、実際にシャッター切る「全押し(深く押し込む)」の2段階を経て撮影する仕組みになっています。そのため、いきなり全押ししてしまうと、ピントを合わせる時間が必要になり、シャッターが遅れて切れる現象が発生します。正しい手順で撮影するようにしましょう。
セルフタイマーが設定されている
一度セルフタイマーを設定すると、次回以降も同じモードで撮影されます。通常モードに戻しているかどうか確認してみましょう。
低振動モードが設定されている
一眼レフカメラではレフミラーが動く際の振動を低減するための低振動モードが搭載されています。この機能によりブレを軽減できますが、振動が収まってからシャッターが切られる構造のため、シャッターの切れるタイミングが若干遅いと感じることがあります。振動を抑えて撮影するか、その時に不要であれば設定を解除してみましょう。
シャッターが切れない!原因と対処法を知っておくと便利!
カメラのシャッターに関するトラブルとその対処法についてご紹介しました。シャッターが切れなかったり、遅れて切れたりと故障を疑わせる操作不備は心配になりますね。この記事を参考に慌てず原因を分析し、状況に合わせて対処してみましょう。万が一、改善しない場合は故障の可能性もありますので、早めの修理をおすすめします。
カメラのキタムラでは予約なしで、最短10分でのお渡しも可能なメンテナンスサービスを承っています。大切なカメラを長く愛用するために、定期的なメンテナンスやクリーニングは是非カメラのキタムラへ。
■キタムラの「カメラメンテナンスサービス」に関する詳細はこちら
https://www.kitamura.jp/service/maintenance/?ref=shashaShutterfailure
その他のメンテナンス記事
▼カメラメンテナンス Vol.1|カメラが故障した!?故障の原因と自分でできる不具合への対処法
https://shasha.kitamura.jp/article/481377243.html
▼カメラメンテナンス Vol.2|液晶画面が真っ暗…!黒い点など、画面に関する不具合への対処法
https://shasha.kitamura.jp/article/481557991.html
▼カメラメンテナンス Vol.4|シャッターが故障した?修理に出す前に見て欲しい情報を総まとめ!
https://shasha.kitamura.jp/article/481592857.html
▼カメラメンテナンス Vol.5|簡単!自分でできる!イメージセンサーのクリーニング
https://shasha.kitamura.jp/article/481607516.html
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EXCERPT:
ShaSha編集部がお届けするカメラメンテナンス連載記事Vol.3です。今回はシャッターに関する不具合への対処法を解説します。
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KEYWORDS:
カメラメンテナンス,カメラ故障,
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 24mm F2.8 Gレビュー|山本まりこ
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 05/29/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 24mm F2.8 G,スナップ,レビュー,単焦点
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はじめに
5月。お庭の梅の実がぷくぷくと膨らんでいる。
今年は桜も藤も、例年より早く咲いた。梅の実の成長も早い。
そんな急ぎ行く感じの今年の春。
そんな春の先月、ソニーから3本のレンズが同時発売になった。
FE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 Gの小型軽量レンズトリオ3本だ。
この3本は、外形寸法が統一されている。そのため、ジンバルに装着した状態でもレンズ交換が容易で動画撮影にととても便利。
さらに、フィルター径が49mmで統一されている。動画撮影で必須のNDフィルターや他フィルターも3本共用出来るのも嬉しい。
という内容は、先日、FE 40mm F2.5 Gについてレビューしたときに既述した。
今日は、その中の一番広角のレンズFE 24mm F2.8 Gについてご紹介したい。
外形寸法(最大径×長さ)は、68mm×45mm。
重さは、162g。とても小さく、とても軽い。
卵1個Mサイズが約50g、Lサイズが約60gなので、Mサイズの卵3個分よりちょっと重く、Lサイズの卵3個分よりもちょっと軽い。
2021年4月に発売になった小型軽量レンズトリオ3本。(左からFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 G)
3本とも見た目は一緒。フードを装着した時に変わるくらいだ。
今回ご紹介するのは、一番左のFE 24mm F2.8 G。
3本の中では、最も広角なレンズ。
森へ
この新しいレンズとどこに行こう。
今日は一日中小雨の予定。
雨で潤う新緑が撮りたい。
森に行こう。
24mmという広めの画角を生かした写真を撮りたい。広めと言っても、24mmは超広角ではない。一般的な標準ズームレンズの広角側28mmよりもやや広い、適度な広角。16mmなどの広角は極端に空間が広く撮れるけれど、24mmだとパースが強調されずに適度な広さの空間が撮れる。だから、私は24mmで自然を撮るのは好きだ。心にすうっと入り込んでくるような空間が撮れる。
車を走らせ、近くの森へ。
長い階段を下りて緑生い茂る森に入っていく。すると、湖がある。ここは、震生湖と言う関東大震災のときに出来た湖。平日でも釣りをする人でいっぱい。
シャッターを切る。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/20秒 絞りF5.6 ISO125
ファインダーを覗いている時から思う。24mm、やっぱり気持ちがいい。
筆者は、いつも「エアリー」と言う通り抜ける風を意識した写真を撮っている。パースが効きすぎた写真は強い印象の写真になるので、このくらいの優しい風景写真を撮るのが好きだ。再生ボタンを押して写真を確認する。やっぱり心地いい。
今回使用しているカメラはα7C。カメラもレンズも軽くて小さいので、森を歩くのも軽快。フットワーク軽く動ける。片手で持って撮影しても、手ブレなし。
釣りをしている人はたくさんいるけれど、ヘラブナに夢中なので森はとても静か。シーンとしている。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF2.8 ISO125
アスペクト比を16:9にして撮影してみる。たまに、風景写真を16:9で撮影するのが好きだ。縦構図なら掛軸画のように、横構図なら屏風絵のようになる。16mmあたりの広角レンズで撮ると面白いけれど、24mmの適度な広さの画角の16:9の構図も美しいなと思う。
こちらは縦構図で16:9のアスペクト比で撮影。
彩度やコントラストやシャープネスを強めに強調して撮影した一枚。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF2.8 ISO125
湖の周りをぐるりと一周してみる。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.8 ISO125
ああなんて新緑が美しいのだろう。
と、心弾ませて歩いているも、途中ぐうううとお腹の音が森に響く。もしかしたら釣り人に聞こえてしまうかも知れない大きな音だったので、撮影も早々に、リュックに忍ばせてきたキッシュを食べることに。家を出る時にもしかしたらお腹が空くかもしれないと急遽タッパーに入れて持ってきたのが大正解。前日の真夜中に焼いた新玉ねぎのキッシュを森の中で広げる。卵とバターの香ばしい香りがふわり。フルサイズからAPS-Cサイズにクロップして、手前の葉っぱを前ボケにしながら撮影。なかなか柔らかいボケが加わる。F2.8という控えめな開放値ではあるけれど、テクニックを使えばボケも美しく写る。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF2.8 ISO125
撮影を終えて、バクリ。新玉ねぎの甘さとお腹が満たされることに感動していると、ぼとりと何か上から落ちてくる。見ると、毛虫だった。黒に鮮やかな黄色の点々。ひえええと思いながらも、何の毛虫か気になってgoogleで画像検索してみる。すると、「毛虫」と出てきた。結局何の幼虫かは分からなかった。という小さなハプニングはあったが、森は気持ち良く、24mmで自然を撮るのは快適だった。このレンズの小ささ軽さは、フットワーク軽く撮りたい人にはたまらない長所と言えるだろう。この小ささ軽さに、肝心の写りはどうなのだろうと不安に思う人もいるかもしれない。でもさすがのGレンズ、この小ささ軽さにして写りはしっかりと美しい。
AFとMFの最短距離撮影の振り幅の差を楽しむ
ここで、このレンズ24mm F2.8 Gのボケ力を検証してみたい。
最短撮影距離で撮影して、背景がどのくらいボケるのかを試してみようと思う。
アトリエに飾ったドライフラワーを、まずはAF(オートフォーカス)で最短撮影距離にて撮影する。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF2.8 ISO100
24mm F2.8 Gの最短撮影距離は、AF(オートフォーカス)時で0.24m、MF(マニュアルフォーカス)時で0.18m。最大撮影倍率はそれぞれ、0.13倍(AF時)と0.19倍(MF時)。簡単に書くと、MF時の方がAF時よりも被写体に近くに寄れて大きく撮れるということ。
では、MFで最短撮影距離にて撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF2.8 ISO100
被写体の大きさの写り方が全く違う。
AF時に比べてMF時は、かなり大きく写っている。これは大きな差がある。背景の写り方も変わる。MF時の方が背景の写り方が柔らかい。MF時に最短撮影距離にて撮影した方が近くに寄れている分、背景がやわらかくボケて写っている。
次は、カメラの中の機能を使い、フルサイズからAPS-Cサイズにクロップして撮影してみた。
まずは、AFで最短撮影距離で撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/20秒 絞りF2.8 ISO100
次は、MFで最短撮影距離で撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/20秒 絞りF2.8 ISO100
びっくりするくらい被写体を大きく撮ることが出来る。
AF時の最短撮影距離と、MF時にクロップして最短撮影距離で撮影した写真は、もう1本の単焦点レンズで撮っていると思えないくらいの振り幅がある。
ちなみに、前回レビューしたFE 40mm F2.5 Gについても、同じ被写体で撮影している。気になる方は、
こちらの記事 もチェックして欲しい。
お花畑へ
そろそろバラの季節だなあと調べると、近くで咲いていることが分かった。
今日は青空。車を走らせてお花畑へ。
赤、ピンク、オレンジ、黄色とカラフルなバラが満開。
24mmの広めの画角を生かしながら、青空の下のバラをたくさん撮影した。
F値は開放。遠い背景は適度に優しくボケる。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF2.8 ISO100
F値は開放。遠い被写体にピントを合わせると手前のバラが適度に優しい前ボケに。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF2.8 ISO100
APS-Cサイズにクロップして撮影。
青空を大きく入れながら。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF2.8 ISO100
青空に隆々しく立つ木。青空と新緑も滑らかに美しい描写。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF2.8 ISO100
背景も手前も適度に優しくボケる。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF2.8 ISO100
シャッタースピードを1/8にして葉の揺れを描くように撮影。
手持ち撮影でも、α7Cと24mm F2.8 Gの組み合わせはとても軽いので、奥の木は全くブレずに撮ることが出来る。手持ち撮影で、気軽にシャッタースピードを長めに撮影出来るのは嬉しい。夕景や夜景でもそれは活躍するだろう。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/8秒 絞りF14 ISO100
風にスカートがふわり。
24mmという少し広めの画角は、レンズを下に向けてもある程度被写体が映り込む。足元の景色を撮るのも楽しい。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.8 ISO100
F値を開放で撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.8 ISO100
F11で撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/40秒 絞りF11 ISO100
MFでAPS-Cサイズにクロップして撮影。
この撮影が一番ボケを軟らかく写すことが出来る。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF2.8 ISO100
バラが、空が、太陽が美しくて、風が気持ち良くて、撮るのが楽しくてたくさんシャッターを切った。たまにバラにぐぐっと寄ったり、空を見上げたり。トロトロするような背景ボケや前ボケが写るわけではないが、24mmの広さが生きた画角は、余白が生かせて気持ちのいい構図を作ることが出来る。α7Cの液晶パネルをタッチしながらピントを合わせていてAFの速さに惚れ惚れする。
50mmあたりの単焦点レンズと合わせて持っていると、より作品の幅を生かせるなあと思っていると、そうだ、このレンズは小型軽量レンズトリオ3本のうちの1本だったと思い出す。やっぱりそうだ、他の2本、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 Gと併せて使うと、より作品性が高まるのだろう。もしこのレンズの購入を検討する場合はやはり、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 Gと併せて考えるのがいい。
夜を撮る
ふと東京の夜を撮りたくなってカメラを構えた。
日曜日になりたての深夜12時半。オフィスの電気はほぼ消えていて視覚的にはもっとずっと真っ暗だったが、5秒という長めのシャッタースピードで全体の露出を上げて撮影。明るい夜が撮れた。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 5秒 絞りF4 ISO1600
F値開放。MFでピントを合わせずにボカして撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1秒 絞りF2.8 ISO1600
少し絞ってf5.6で、ボカして撮影。
玉ボケは、絞り羽根7枚の7角形。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1秒 絞りF5.6 ISO1600
次はISO感度を8000に上げて手持ちで撮影。手持ちでも撮影できるシャッタースピードにして撮影。レンズが軽いので、夜景の手持ちも手ブレせずに出来る。空が真っ暗になった真夜中、手持ちで夜を撮ることが出来るのは嬉しい。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/6秒 絞りF2.8 ISO8000
ISO感度が高い分粒子が荒いので大きく引き伸ばしてプリントしたい時はやはり三脚などが必用で感度を下げた撮影が必須。だけれども、例えばInstagramなど小さい液晶画面への投稿を目的とした撮影と考えるのならば十分だろう。いろいろな目的に合わせて撮影スタイルを自分流に整えていくのも今の時代の考え方とも言えるだろう。
おわりに
今回は、小型軽量レンズトリオFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 Gのうちの一番広角レンズFE 24mm F2.8 Gについてご紹介した。24mmという適度な広さの画角のレンズ、1本持っているととても便利だなと言う印象を受けた。F2.8という控えめな開放値ではあるけれど、標準ズームよりも広めな景色が撮れ、被写体にもかなり寄って撮影することが出来る。APS-Cサイズにクロップして撮影すれば、柔らかいボケを写すことも出来る。そして何より、小さくて軽い。標準ズームレンズより少し広い画角の写真を撮りたいという人は、このレンズを1本持っていたら確実に作品の幅が増えるだろう。
SONYには、FE 24mm F1.4 GMという圧倒的な開放値を持ったレンズがあるが、そこまでを求めなくても少し広めのレンズを持っていたいという人にはおススメだ。特に、動画を撮りたいと思っている人におススメしたい。筆者は、広角レンズFE 16-35mm F2.8 GMを持っているので、今まではそのレンズで静止画と動画を撮影していた。このレンズを使ってみて、少し広めの画角で動画撮影したいときには圧倒的にこのレンズが便利だと思った。例えば、熊野古道の山の中に行ったときに、このレンズを持っていれば、フットワーク軽く歩きながら静止画も動画も撮れるだろうと想像してみる。石畳が続く山道を土すれすれに撮影しながら登ったり、熊野灘が広がる広い景色を撮影したり、時にはシダ植物などにググっと寄って撮影したり。さらに、小型軽量レンズトリオのFE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 Gを持っていれば、レンズ交換も楽々と撮影がテンポよく進むだろう。そんな映像が実際に思い浮かんでしまう。未来の映像が浮かぶ。それは、何かを買うときに、それは現実になる一番近い衝動だろうなと思う。ううう。筆者、これはもう既に欲しくなっていますね。
ちなみに、動画も撮影した。手持ち、しかも右手で片手持ちしながら動画撮影をすることが出来た。大きな三脚もジンバルも使わなくても、ある程度手ブレせずに広い画角の美しい動画を撮ることができた。これは嬉しい。嬉し過ぎる。このレンズを持っていたら、自分の作品の可能性が広がるなとも思った。
徹底的に動画撮影に特化して作られた小型軽量レンズトリオの一番広角なFE 24mm F2.8 G。
圧倒的に小さくて軽くて、だけれどもさすがGレンズとして描写も美しいというレンズ。
さあ。
小型軽量レンズトリオFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 Gのうちの、24mmと40mmについてレビューした。
残るは、FE 50mm F2.5 G。
次回も楽しみにしていていただけたら嬉しい。
■撮影機材:SONY α7C + FE 24mm F2.8 G
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF2.8 ISO100
■写真家:
山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
小型軽量レンズトリオの40mm、50mmの記事も是非ご覧ください
■
「ソニー FE 40mm F2.5 Gレビュー|山本まりこ」の記事はコチラから
■
「ソニー FE 50mm F2.5 Gレビュー|山本まりこ」の記事はコチラから
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんがソニー FE 24mm F2.8 Gのレビューを行っています。小型軽量レンズトリオの中で一番広角となる本レンズの魅力をエアリーな作例と共に紹介しています。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,レンズ,FE 24mm F2.8 G,レビュー,スナップ
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ソニー FE 14mm F1.8 GM レビュー|坂井田富三
BASENAME: 481651928.html
STATUS: Publish
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 05/30/2021 11:00:00
TAGS: レビュー,FE 14mm F1.8 GM,広角単焦点レンズ,ソニー(Sony) レンズ,単焦点
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はじめに
2021年5月28日に発売されたSONY FE 14mm F1.8 GM。焦点距離14mmの超広角単焦点のソニー Eマウント用レンズであり、その最大の魅力は開放値F1.8の明るさで重量が約460gという小型・軽量設計という点です。
開放絞りF1.8から画面周辺部まで緻密に描写する解像性能と美しいぼけ味、高いAF性能を備え、新たな視点から世界を映し出す大口径超広角単焦点G Masterレンズを早速使ってみました。
ソニー FE 14mm F1.8 GMの魅力
この「FE 14mm F1.8 GM」レンズの購入を検討する場合に真っ先に比較検討になるのは、シグマ「14mm F1.8 DG HSM | Art」となるでしょう。
SONY FE 14mm F1.8 GM
SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art
そこで基本的な要素を比較してみました。
SONY FE 14mm F1.8 GM SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art 焦点距離 14mm 14mm 画角 114° 114° レンズ構成 11群14枚 11群16枚 開放絞り F1.8 F1.8 最小絞り F16 F16 絞り羽根 9枚 9枚 最短撮影距離 25cm 27cm 最大撮影倍率 0.1倍 0.1倍 外形寸法 最大径×長さ 83mm×99.8mm 95.4mm×152mm 最大撮影倍率 0.1倍 0.1倍 重量 460g 1230g
こうやって比較してみると、レンズの枚数、最短撮影距離こそ違いますが基本的な構造の違いはなく、大きな違いは本体サイズと重量です。長さに関しては約2/3の長さ、重量においては半分以下という圧倒的な軽さを実現していることに驚かされるレンズです。
また「FE 14mm F1.8 GM」には、絞りリングがあります。右手でカメラ側の絞りをコントロールしなくても、左手で絞りリングをコントロールしながら絞りを変更することができます。絞りリングクリック切り換えスイッチもレンズ右側にあり、切り替える事で絞りのコントロールのクリック感をON/OFFにすることができます。通常の静止画を撮影する場合は、絞りクリックをONにした方が絞りの変更する感覚がダイレクトにわかるので非常に使いやすいです。動画撮影する際には、このクリック感やクリック音が邪魔になり、スムーズな絞り変更ができないので絞りクリックをOFFすると良いでしょう。
実際に手に取ってみても、14mmの超広角レンズで明るさがF1.8という事が最初はなかなか実感がわきませんでしたが、カメラにレンズを装着してファインダーを除く14mmの世界を見るとそこには超広角の世界が広がり、カメラの大きさとレンズの大きさのバランスも良くてビックリするほど馴染みました。やはり軽いというのはとても重要な要素だと思います。
FE 14mm F1.8 GMで街中を散策スナップ
早速、FE 14mm F1.8 GMをαに付けて街中スナップをしてみました。14mmという画角を最大限に活かせるのは街中での風景撮影スナップが一番合うと感じたからです。
普段、街中スナップには小さくて使いやすい「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」を使用する事が多いのですが、FE 14mm F1.8 GMは、この「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」とほぼ同じようなサイズ(Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSは最大径78mmx長さ98.5mm)なので、ほぼ同じ感覚で持ち運ぶことができます。
画角においては16mmよりも7度広い画角を有しているので、ビル群などの撮影にはとても有利なレンズになります。小ささも相まってカメラをブラさげながら街中を歩き回ってもまったく苦になりません。
まずは街中スナップに持ってこいの六本木、東京タワー、浜松町駅までをFE 14mm F1.8 GMで撮影しながら散策してみました。六本木のビルは超広角レンズにピッタリの被写体です。
■使用機材:SONY α1 + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/320秒 F10 ISO800 焦点距離14mm
■使用機材:SONY α1 + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/320秒 F10 ISO800 焦点距離14mm
FE 14mm F1.8 GMでできる最小絞りのF16まで絞るとハッキリとしたきれいな光芒を撮影する事ができ、四隅もきわめてシャープな解像を得る事ができています。
次にレンズの絞り開放値であるF1.8で、どの程度ボケ具合を出せるのか花壇にあった花を撮影して確認してみました。前ボケはもちろん背景のボケも流石絞り開放F1.8。近影では四隅が少し流れてしまっている感じはしますが、最短撮影距離25cmはこのレンズの魅力を引き上げてくれる大きな武器の一つだと思います。
■使用機材:SONY α1 + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/2500秒 F1.8 ISO800 焦点距離14mm
街中スナップでは引きが撮れない場所も多くありますが、14mmという超広角では場所の制限もなんなくクリアーできる感じです。
■使用機材:SONY α1 + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/60秒 F8 ISO160 焦点距離14mm
下の写真は太陽を直接画面内に入れた写真ですが、絞り羽根の枚数は奇数枚の9枚なので、光芒の線は倍の18本が出ています。
■使用機材:SONY α1 + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/160秒 F16 ISO160 焦点距離14mm
電車を待っている間に、新幹線を流し撮りしてみました。14mmという超広角レンズで流し撮りをしたのは初めてでしたが、電車の様な大きな被写体を比較的近距離から撮影するには、かなり面白い使い方ができるのではないでしょうか。
■使用機材:SONY α1 + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/20秒 F16 ISO200 焦点距離14mm
FE 14mm F1.8 GMで房総を散策スナップ
■使用機材:SONY α7R Ⅳ + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/100秒 F16 ISO100 焦点距離14mm
■撮影地:千葉県鴨川市 大山千枚田
FE 14mm F1.8 GMの最初の撮影は街中撮影でしたが、今度は房総半島で撮影してみました。筆者は、風景写真を撮影する際にはよくPLフィルターを使用するのですが、残念ながらFE 14mm F1.8 GMにはフィルターを装着することはできませんので、今回の撮影はフィルター無しですべて撮影をしています。そもそも14mmという超広角ではPLフィルターを使用すれば偏光ムラが発生するので、超広角レンズでは対応可能なアタッチメントと角型のNDフィルターなどで空の露出調整する対応が必要になってきます。今後、対応フィルターアタッチメントもフィルターメーカーから発売されてくると思われます。
■使用機材:SONY α7R Ⅳ + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/200秒 F16 ISO100 焦点距離14mm
■撮影地:千葉県南房総市 原岡海岸 岡本桟橋
超広角レンズと最短撮影距離25cmというスペックを活かして、旅の思い出も簡単に撮ることができます。
■使用機材:SONY α7R Ⅳ + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/200秒 F1.8 ISO200 焦点距離14mm
■撮影地:千葉県安房郡鋸南町 鋸山
ロープウェイに乗って、そこから鋸山の「地獄のぞき」を経由して1時間ほどアップダウンを繰り返し散策しましたが、こういった時には軽量レンズはとても助かります。
■使用機材:SONY α7R Ⅳ + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/250秒 F16 ISO400 焦点距離14mm
■撮影地:千葉県安房郡鋸南町 鋸山
■使用機材:SONY α7R Ⅳ + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/400秒 F14 ISO400 焦点距離14mm
■撮影地:千葉県安房郡鋸南町 鋸山
房総のぶらり旅の最後は富津岬。富津岬の先端にある展望台はよくロケにも使われている場所です。14mmの超広角は、余裕で展望台の全景を収める事ができます。
■使用機材:SONY α7R Ⅳ + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/100秒 F16 ISO200 焦点距離14mm
■撮影地:千葉県富津市 富津岬
富津岬では、shashaでも執筆している礒村さん と合流、展望台の上で2ショット撮影。狭い場所でも余裕で全身を入れながら撮影ができるのも超広角レンズのメリットです。
■使用機材:SONY α7R Ⅳ + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:1/2000秒 F5.6 ISO400 焦点距離14mm
■撮影地:千葉県富津市 富津岬
まとめ
FE 14mm F1.8 GMはF値1.8の超広角レンズでありながら、重量が約460gで小型というスペックはとても魅力的なレンズです。今回、街中スナップと自然風景を撮影してみて、FE 14mm F1.8 GMは絞った時にとてもシャープな印象を受けるレンズなので、直線基調な人工的被写体などにはとても相性が良いように感じました。
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
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写真家の坂井田富三さんが、ソニー FE 14mm F1.8 GMのレビューをしてくださっています。素敵な作例と共に分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー(SONY)レンズ,超広角単焦点レンズ,レビュー,FE 14mm F1.8 GM
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 【LUMIX BASE TOKYO】それは、多くのクリエイターの活動拠点
BASENAME: 481718273.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 05/31/2021 16:00:00
TAGS: LUMIX BASE TOKYO
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BODY:
はじめに
2021年5月30日。多くのクリエイターにとって待望であった「LUMIX BASE TOKYO」が東京の青山にオープンしました。この施設は写真クリエイターのみならず、動画クリエイターや、配信者など、多くのクリエイターに衝撃を与えていく事でしょう。今回はそんな「LUMIX BASE TOKYO」の魅力を、マネージャーの坂本維賢さんへのインタビューをもとに、ご紹介していきます。
コンセプト「クリエイターの活動拠点」
「LUMIX BASE TOKYO」はコンセプトの一つとして、「未完=可能性」というフレーズを挙げています。このフレーズは未完成の作品には常に可能性が含まれており、だからこそ成長を続ける事が出来るという考えによるものだそうです。
―「LUMIX BASE TOKYO」という名前の由来を教えてください。
「LUMIX BASE TOKYO」という名前は、ここがクリエイターにとっての活動拠点になって欲しいという思いで名付けました。我々とクリエイターのみならず、クリエイターの方々の間でも交流をしていただき、様々なコンテンツの制作や発信を行って欲しいと考えております。
―「LUMIX BASE TOKYO」がクリエイターにとっての活動拠点となるための工夫などはありますか?
設立当初より、あらゆる設備の可変性や自由度の高さは常に意識しています。クリエイターが作品制作や発信を自由に行えるよう、いつでもアップデート可能な万全の体制を整えております。
ショールーム「実体験として製品を知る」
先日、パナソニックからマイクロフォーサーズミラーレス一眼カメラのLUMIX GH5II を2021年6月25日(金)に発売するとアナウンスがありました。「LUMIX BASE TOKYO」には発売前のこの機種が先行展示されており、実際に手にしてこの製品を確かめる事が出来ます。GH5IIが気になっている方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
―ショールームに展示されている商品はどのようなものがあるのでしょうか。
ボディとレンズ含めて60機種ほどあり、現行機種全てを展示しております。もちろん最新機種は毎回展示していきますので、ラインナップもそれに応じて更新されていく予定です。
スタジオ「ワークフローの全てを体験」
LUMIX BASE TOKYOには、様々な機材が多く展示されています。この機材のラインナップは他ではあまり類を見ない程にバラエティ豊かであり、ただ眺めているだけでも貴重な体験を出来るのですが、LUMIX BASE TOKYOではこれに実際に触れることができるのです。
―他メーカーの製品も含めた展示とのことですが、何故そのような形態をとられているのですか?
クリエイターにとって重要なことは何か。それを念頭においた上でどのような形が最適かを考えた結果、このような形をとることにいたしました。このスタジオにお越しいただければ、撮影から編集までの全ての「ワークフロー」を体験出来ると思います。
―クリエイターのそれぞれの用途に合わせた体験が可能とのことですが、具体的にはどのような体験が出来るのでしょうか。
配信や物撮りはもちろん、音響設備の設定や音の聞き比べ、更には編集までも体験することができます。また、クリエイターの要望をとりいれつつ、定期的に設備の入れ替えも行ってまいりますので、お越しくださる度に違った経験や新たな発見を得られることでしょう。
ワークショップ「誰もが学びを得る時間」
「LUMIX BASE TOKYO」では様々なワークショップを開催するそうです。このワークショップはパナソニックによるものだけでなく、様々なメーカーとタイアップしたものも多く実施予定とのことで、今から目が離せません。
―様々なワークショップを開催予定とのことですが、どのような事が学べるのでしょうか。
製品の取り扱いや撮影テクニックなど様々なワークショップを開催予定ですが、初回はDJIさんとのタイアップ企画として、ジンバルに関するワークショップを開催致します。今回は初心者向けのジンバルの組み立て方からお教えするワークショップと、上級者向けのLUMIX S5とDJI RS 2の組み合わせを体験出来るワークショップをご用意しておりますので、幅広い層の方にお楽しみいただける内容になっていると思います。
クリエイター作品展「自由な展示スタイル」
「LUMIX BASE TOKYO」には、多くの展示スペースがあります。これは何も展示のために大きな部屋を用意しているというわけではなく、設備の改変性の高さゆえに、全てのスペースが展示スペースとなってしまうのです。そしてそれは写真作品のためだけでなく、映像作品のためにも多くの工夫が施されています。
―今後様々な作品を展示していくとのことですが、これは写真作品を中心とした展示なのですか?
いいえ。写真のみでなく、映像作品の展示も行っていきます。クリエイターにとって必要不可欠な作品の発信の場として、クリエイターと共に様々な展示スタイルを創り上げてまいります。
―いずれは、講演会なども開催される予定なのですか?
そうですね。そういった試みも実施予定です。
レンタル「ニーズへの適応」
「LUMIX BASE TOKYO」のショーケースには様々なレンズが並んでいます。そしてさらに、このレンズを当⽇及び1泊2⽇〜7泊8⽇でレンタルすることが出来るのです。どのレンズを買おうか迷っているときに、実際に試すことが出来るというのは嬉しいですね!
―様々な製品のレンタルを予定しているそうですが、今後このラインナップは更新されていくのですか?
新製品が出るたびに、このラインナップも更新していきます。使い勝手や描写力を実際に体験していただき、ニーズに合っているのかをぜひ試して欲しいです。
サポート「相談できる頼もしいパートナー」
「LUMIX BASE TOKYO」では修理サービスのみでなく、個別アドバイスサービスも行っています。カメラの購入時のみならず、作品制作時にも様々な悩みは付き物ですから、ありがたいサービスです。
―個別アドバイスサービスでは、どの様なことを教えていただけるのでしょうか。
カメラの使い方や、レンズの選び方はもちろん、具体的な撮影方法などに関してもご相談出来ればと考えております。
まとめ
このように「LUMIX BASE TOKYO」にはクリエイターが作品制作や発信を行うために必要としている全てが詰まっており、この施設が多くのクリエイターにとってのBASE(活動拠点)となることは間違いありません。他では発見出来ない気づきや体験が詰まっていますので、是非一度足を運んでみてください。
―最後に、マネージャーの坂本さんからクリエイターの皆様に一言お願いいたします。
まずはここ、「LUMIX BASE TOKYO」にお越しいただき、雰囲気や空気感を楽しんでいただければ幸いです。
■LUMIX BASE TOKYOに関してもっと詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ。
LUMIX BASE TOKYO公式サイト
https://lumix-base.jpn.panasonic.com/
■LUMIX BASE TOKYOアクセス
東京都港区南青山2丁目11-17第一法規ビル1F
東京メトロ 銀座線・半蔵門線、
都営地下鉄 大江戸線 「青山一丁目」駅より徒歩3分
東京メトロ 銀座線 「外苑前」駅より徒歩3分
営業時間
11:00~19:00
定休日
月曜日・年末年始
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EXCERPT:
2021年5月30日に青山に開店した「LUMIX BASE TOKYO」を紹介しています。多くのクリエイターにとっての理想的な制作拠点が新たに誕生したので、ぜひ一度足を運んでみてください。
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KEYWORDS:
LUMIX BASE TOKYO
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 新型ペンタックス HD FA Limited レンズを試す|三井公一
BASENAME: 481783041.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 06/01/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited,HD PENTAX-FA31mmF1.8,HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited
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BODY:
はじめに
先日発売されたAPS-Cデジタル一眼レフカメラ「K-3 Mark III 」が人気を博しているペンタックスですが、高品位な描写としっかりとしたビルドクオリティを誇る「Limited」シリーズのレンズ3本もリニューアルされました。その味わい深い描写を撮影して確かめてみました。
【左】HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited
【中】HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited
【右】HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited
新しくなった3本の「FA Limited」レンズ
今回リニューアルされた3本はフルサイズフォーマットに対応したレンズです。フィルム時代に設計された息の長いレンズですが、独特の31mm、43mm、77mmという焦点距離と、F1.8、F1.9という絞り開放値となっています。ペンタキシアンにはおなじみでしょう。
特に外装の美しさは素晴らしく、アルミニウム削り出しの鏡筒はまるで工芸品のようです。手触りも独特でいい感じです。特徴の「フィンガーポイント」ですが、ようやく「HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited」にもつけられました。七宝焼のそれはとても品があって「Limitedレンズなんだな」と実感させてくれます。
この3本はもともと画質には定評がありましたが、デジタルカメラの高い画質に呼応するように、最新のレンズコーティングが施されて耐逆光性能がより引き上げられています。また円形絞りを新規に採用し、優しく心地よいボケ味を演出してくれるようになりました。とてもうれしいアップデートですね。
それでは各々3本のスペックを確認してみましょう。
HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited
焦点距離 31mm
35ミリ判換算値 47.5mm相当(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
開放絞り F1.8
最小絞り F22
レンズ構成 7群9枚
画角 (対角) 70°(ペンタックス 35ミリフルサイズ一眼レフカメラ装着時)49°(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
最短撮影距離 0.3m
最大撮影倍率 0.16倍
フィルター径 58mm
光量調節方式 完全自動絞り
絞り羽根枚数 9枚
円形絞り (31mm:F1.8-F3.5)
絞りリング あり
レンズフード 固定
最大径 x 長さ 約65mm x 約69mm
質量(重さ) 約341g
HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited
焦点距離 43mm
35ミリ判換算値 66mm相当(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
開放絞り F1.9
最小絞り F22
レンズ構成 6群7枚
画角 (対角)53°(ペンタックス 35ミリフルサイズ一眼レフカメラ装着時)36.5°(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
最短撮影距離 0.45m
最大撮影倍率 0.12倍
フィルター径 49mm
光量調節方式 完全自動絞り
絞り羽根枚数 8枚
円形絞り (43mm:F1.9-F3.5)
絞りリング あり
レンズフード MH-RG49 (付属)
最大径 x 長さ 約64mm x 約27mm
質量(重さ) 約155g(フード付:約163g)
HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited
焦点距離 77mm
35ミリ判換算値 118mm相当(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
開放絞り F1.8
最小絞り F22
レンズ構成 6群7枚
画角 (対角)31.5°(ペンタックス 35ミリフルサイズ一眼レフカメラ装着時)21°(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
最短撮影距離 0.7m
最大撮影倍率 0.14倍
フィルター径 49mm
光量調節方式 完全自動絞り
絞り羽根枚数 9枚
円形絞り(77mm:F1.8-F4)
絞りリング あり
レンズフード 引き出し式内蔵フード
最大径 x 長さ 約64mm x 約48mm
質量(重さ) 約270g
3本とも佇まいはそのままに、最新のレンズコーティングと円形絞りの採用によって、今まで以上に気持ちがよく、美しい撮影ができるレンズに仕上がっていると言えるでしょう。
今回は3本の中でも人気の高い「HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited」をメインにインプレッションしてみました。カメラはAPS-Cフォーマットとなりますが、最新の「K-3 Mark III」を起用しました。
HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited
シリーズで最も長い歴史の43mm。35mm版フィルムの対角長となるこの焦点距離は「本物の標準レンズ」というべき存在でしょう。「フィンガーポイント」を新たに得て、デジタルとフィルムとで長く楽しめるレンズと言えるでしょう。
初夏の漁港を撮りました。自然で心地よい発色とヌケ感が好ましいですね。「K-3 Mark III」だと66mm相当となりますが、「ちょっと遠い視線」的感覚で撮りやすい長さだと感じました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited
■撮影環境:f/8 1/500 ISO200 焦点距離43mm(35mm判換算66mm)
とある漁港で撮ったカットですが、浮き出してくるような立体感に驚かされました。また鮮やかな色合いとともにディテールの細かさも素晴らしく、レンズの持つポテンシャルの高さを実感しました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited
■撮影環境:f/2.2 1/8000 ISO200 焦点距離43mm(35mm判換算66mm)
潮風で錆びた建物の外壁を捉えました。鉄板の合わせ目、錆のザラザラ感が実にリアルです。「K-3 Mark III」とのマッチングも良好ですね。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited
■撮影環境:f/7.1 1/500 ISO200 露出補正-1.3 焦点距離43mm(35mm判換算66mm)
午後の日射しを浴びる漁村の建物。その反射光が目映いですね。臨場感あふれたこの写りはなかなかなものだと感じます。クリアでヌケ感の高い描写は好印象です。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited
■撮影環境:f/5.6 1/400 ISO200 露出補正-0.7 焦点距離43mm(35mm判換算66mm)
「K-3 Mark III」では66mm相当となりますが、自然で気持ちがいい距離感でスナップ撮影を楽しめました。オートフォーカスも十分に高速で、気になったものを確実かつ正確にキャッチしていけました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited
■撮影環境:f/2.8 1/160 ISO200 露出補正-0.7 焦点距離43mm(35mm判換算66mm)
チョイ絞りで撮影しましたが、スムーズで整ったボケ感がいいですね。ピント面のシャープさから、背景に写る緑の描写が心地いいと思います。最短撮影距離は45cmとなっています。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA43mmF1.9 Limited
■撮影環境:f/4 1/250 ISO200 露出補正-1 焦点距離43mm(35mm判換算66mm)
HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited
独特のルックスを誇る31mm。ガラスモールド非球面レンズや、高屈折低分散ガラスなどを採用し、実に緻密な写りを見せてくれます。APS-Cフォーマットでは標準レンズ的に振る舞い、フルサイズフォーマットでは「優しい広角レンズ」的に使えるのも魅力です。
「K-3 Mark III」に装着すると47.5mm相当になるので、いわゆる標準レンズ的に使えるのが魅力の1本です。開放F値もF1.8と明るいので、ボケを活かしたり、低照度下での撮影で威力を発揮するレンズです。夕陽を浴びるお城を撮りましたが、瓦屋根を力強く写しとれました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited
■撮影環境:f/5 1/320 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離31mm(35mm判換算47.5mm)
静岡おでんの提灯にフォーカスし、F1.8で「K-3 Mark III」のシャッターを切りました。自然で上品なボケ味が好ましいですね。発色も見た目に近く、ピント面のコントラストも良好です。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited
■撮影環境:f/1.8 1/250 ISO200 焦点距離31mm(35mm判換算47.5mm)
花形レンズフード一体式のデザインは独特で格好いいと思います。またかぶせ式レンズキャップも品位があり、脱着時もワクワクしてしまうほどです。市庁舎の塔を狙いましたが、そのテクスチャーをとてもしっかりと解像しています。「K-3 Mark III」の標準レンズとしてオススメできます。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited
■撮影環境:f/5 1/250 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離31mm(35mm判換算47.5mm)
陽の光をあぶる藤の花。このような条件下でもヌケ感が高くイヤなゴースト、フレアの発生がありません。新採用のコーティングの効果を実感できるカットになりました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited
■撮影環境:f/7.1 1/800 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離31mm(35mm判換算47.5mm)
HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited
引き出し式レンズフードを備える77mmは実にコンパクト。中望遠レンズとは思えないサイズ感は、携行時も撮影時にもフォトグラファーをラクにしてくれます。絞り開放付近での柔らかな描写は一度使うと病みつきになりそうです。
海岸に停められた自転車。乗って来た人は浜にいるのでしょうか?そんなストーリーを感じさせるカットをこの「HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited」は撮らせてくれました。空の自然な青さと自転車のメタリック感がいいですね。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited
■撮影環境:f/4 1/6400 ISO200 露出補正-0.7 焦点距離77mm(35mm判換算118mm)
清流をF1.8の絞り開放で狙いました。前ボケの美しさとソフトさが絶品ですね。また色再現も鮮やかで申し分ありません。柔らかで自然な写りはこのレンズの真骨頂と言えるでしょう。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited
■撮影環境:f/1.8 1/1000 ISO200 露出補正-0.7 焦点距離77mm(35mm判換算118mm)
神社をチョイ絞りで撮りました。キリリとシャープさとコントラストが高まり、濃厚な「K-3 Mark III」の発色と相まって、力強い絵になりました。絞りによる表現のコントロールが楽しいレンズですね。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited
■撮影環境:f/7.1 1/800 ISO200 露出補正-1.3 焦点距離77mm(35mm判換算118mm)
街中のせせらぎで遊ぶ家族連れをスナップしました。「K-3 Mark III」に装着すると118mm相当となりますが、このような注視したようなカットを撮るのにちょうどいい画角となります。前ボケが優しくうるさくないので、ポートレート撮影でも大いに役立つレンズでしょう。色再現も夕方の雰囲気をしっかりと伝えてくれました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited
■撮影環境:f/2.8 1/250 ISO200 露出補正-1 焦点距離77mm(35mm判換算118mm)
まとめ
最新のレンズコーティングと円形絞り、そして高品位なレンズ鏡筒を併せ持つ新生「HD Limited」シリーズ。撮って楽しく、カメラに装着して楽しくと、手元にあるだけで写真生活が豊かになるレンズ群になっています。絞りリングも備えているので、デジタルカメラだけでなくフィルムカメラでも楽しめるのも魅力ですね。サイズも軽量コンパクトなので、3本セットでブラブラと撮影散策時に赴くのもオススメです。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【ペンタックス】HD PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited ブラック
商品詳細ページ 【ペンタックス】HD PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited ブラック
商品詳細ページ
【ペンタックス】HD PENTAX-FA 31mm F1.8 Limited ブラック
商品詳細ページ 【ペンタックス】K-3 MarkIII
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんが新型ペンタックス HD FA Limited レンズ3本(31mm、43mm、77mm)を紹介しています。ビルドクオリティを誇る「Limited」シリーズの高品位な描写を作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
リコー,ペンタックス,Ricoh,レンズレビュー,HD PENTAX-FA43mmF1.9Limited,HD PENTAX-FA31mmF1.8,HD PENTAX-FA77mmF1.8 Limited
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト 菅原貴徳さん
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CATEGORY: 菅原貴徳
DATE: 06/01/2021 20:22:57
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BODY:
テスト
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: カメラメンテナンス Vol.4|シャッターが故障した?修理に出す前に見て欲しい情報を総まとめ!
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 06/02/2021 16:00:00
TAGS: カメラメンテナンス
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BODY:
はじめに
「シャッターの故障かな?」と思ったときに確認してほしい、不具合の原因を解説します。自分で対処する方法も紹介しているので、ぜひチェックしてください。また、シャッターが完全に故障しているかどうかの確認方法や、実際に修理に出すときの費用、修理期間に関する情報などもご紹介します。
シャッターの不具合で修理に出す前に確認したいこと
シャッターが切れないといった不具合は、撮影環境やカメラの設定が原因の可能性も考えられます。修理に出す前に、以下でご紹介している自分でできる簡単な確認作業を行ってみましょう。
撮影環境の問題ではないか
シャッターのトラブルは、撮影環境を変えれば問題なく撮影できることもあります。たとえば、AFで暗い場所や被写体との距離が近すぎる撮影をすると、ピントが合わずシャッターを切ることができなくなります。カメラの設定をMFに変更するか、撮影環境を変えてみましょう。
また、長時間の使用や暑い場所での撮影でカメラに熱がこもってしまうと、動作不良を起こしてしまう場合があります。一度電源をオフにし、バッテリーを冷ましてから使用してみましょう。
カメラ設定の問題ではないか
カメラの設定により、意図せずシャッターやシャッター速度が変化している場合があります。「ISO感度」や「絞りの設定」によって自動でシャッター速度が遅くなっていないか確認してみましょう。セルフタイマーや低振動モードでシャッターの切れるタイミングに時差が生じている場合もあります。
パーツは正しく装着されているか
高感度カメラでは、カメラレンズなどのパーツがしっかり装着されていないことも不具合の原因になります。メモリーカードもしっかり差し込まれているか確認してみましょう。
当てはまらなければ故障の可能性が高い
上記に当てはまらない場合、カメラ本体、あるいはシャッターの故障が考えられます。故障かなと感じたら、自分で無理に対処しようとせず専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
シャッターに関するトラブル内容の詳細はこちら の記事でもご紹介しています。
シャッターの不具合時に故障している場所
・レンズの故障
・シャッターボタン、ユニットの故障
シャッターが下がらないイコール、シャッター故障とは限りません。修理前にどこが原因で故障なのかを限定することで、修理費用や期間の目安を把握することができます。以下で詳しく掘り下げてご紹介します。
レンズの故障
お手持ちの他のレンズと付け替えてシャッターが作動するか確認してみます。ほかのレンズに交換して問題がなければ、そのレンズ自体が故障の可能性が高いといえます。レンズの接続部の劣化による変色や摩耗、あるいはごみやホコリの付着でもシャッターが下りなくなる現象が生じるため確認してみましょう。
シャッターボタン、ユニットの故障
シャッターボタンとシャッターユニットは使用頻度が高い部位でもあります。メーカーによってはシャッター耐久回数を開示している場合もあるので、メーカーのWebサイトなどで確認してみましょう。シャッターボタンの代わりに、タッチパネルやリモコンで操作できる機種なら、試してみて故障場所を特定するのも有効です。
シャッターの修理について
シャッターを修理する際に気になる、修理方法や費用、期間について解説していきます。
シャッターの修理内容
シャッターの修理は、基本的にカメラを分解し、シャッターボタンやユニットを交換します。型式が古い製品では部品が入手できず修理できない場合もあります。
シャッターの修理にかかる費用相場
シャッターユニット交換の相場は「2万円~」といわれています。長期間、メンテナンスや修理に出していないカメラは、追加でほかの部品交換や調整料金などがかかる場合があります。修理前に見積もりを取るようにしましょう。
シャッターの修理にかかる期間
シャッターの修理に要する時間は、早くて「2週間」、平均約3週間です。カメラを分解してみて修理箇所が増えるケースなどを想定して、時間には余裕をもって修理依頼することをおすすめします。
カメラのキタムラの修理
カメラのキタムラは、店舗ではもちろん、オンラインでも修理受付が可能です。他店で購入した商品でも修理可能なので、お気軽にご依頼ください。また、修理のご相談や見積もりのみのご利用も承っております。カメラ修理に関する詳細は以下でご覧いただけます。
■カメラのキタムラの修理に関する詳細はこちら
https://shop.kitamura.jp/files/syuuri/index.html?ref=shashaShutterrepair
シャッターには寿命回数あり!事前のチェックで確実な修理を
シャッターの不具合は、自分で直せるものもありますが、故障や部品の寿命の可能性もあります。その場合、専門店での修理が必要なので、お早めにご相談ください。シャッターの修理の際に追加で費用や期間が予想外にかからないよう、定期的なメンテナンスでカメラの状態を把握しておくと安心です。
カメラのキタムラでは、メンテナンスサービスを承っています。予約なしでの持ち込みでも最短10分でのお渡しが可能です。しばらく放置しているカメラ、また使用頻度の高いシャッター部分など気になる箇所のチェックは、カメラのキタムラで定期メンテナンスをご利用ください。
■キタムラの「カメラメンテナンスサービス」に関する詳細はこちら
https://www.kitamura.jp/service/maintenance/?ref=shashaShutterrepair
その他のメンテナンス記事
▼カメラメンテナンス Vol.1|カメラが故障した!?故障の原因と自分でできる不具合への対処法
https://shasha.kitamura.jp/article/481377243.html
▼カメラメンテナンス Vol.2|液晶画面が真っ暗…!黒い点など、画面に関する不具合への対処法
https://shasha.kitamura.jp/article/481557991.html
▼カメラメンテナンス Vol.3|シャッターが切れないのは故障?シャッターに関するトラブルを解説
https://shasha.kitamura.jp/article/481562500.html
▼カメラメンテナンス Vol.5|簡単!自分でできる!イメージセンサーのクリーニング
https://shasha.kitamura.jp/article/481607516.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ShaSha編集部がお届けするカメラメンテナンス連載記事Vol.4です。今回はシャッターが故障したと思われる際に確認してほしいポイントを解説します。
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KEYWORDS:
カメラメンテナンス,カメラ故障,
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 春の花の撮り方(復習編)|北村佑介
BASENAME: 481805226.html
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 06/03/2021 16:00:00
TAGS: 花
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BODY:
はじめに
こんにちは!北村です。今回は、春の花の撮り方、復習編をお届けします!夏本番となる前の丁度良いタイミングだと思い、このテーマにしてみました。花は季節ごとに撮り方がガラッと変わるので、次の季節に進む前の復習に役立ててもらえたら嬉しいです。この記事で紹介する写真は、ほとんどレタッチをしていないものを多く選びました。ですので、普段レタッチをしないという方にも参考になるかと思います。SNSにも載せていないものばかりなので、是非ご覧ください。
スイセン
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/8000秒
桜並木の横に鮮やかな黄色のスイセンが咲いていました。道に沿って植えてありましたが、咲いていたのはこの2本だけでした。日中に順光で撮ったので、強い光が花に当たっています。このような場合は露光量の上げ過ぎに注意しましょう。測光モードにもよりますが、明るくなっているものを露光量を上げて撮ると、色が飛んでしまうことが多いです。この時もハイキーのイメージを持ってはいましたが、花の色を残すことを優先すべきだと考え、露光量は少し上げる程度に留めました。
また、日中に順光で撮った時は全体的にのっぺりしてしまうことも多いです。そんな時も、何かしらで写真にメリハリを持たせることをおすすめします。この写真は、青空の青とスイセンの黄色でメリハリを持たせました。このスイセンは意外と大きい種類です。少し離れたくらいでは可愛らしくポツンとしたイメージにならないので、ぐっと離れて撮ってみましょう。その際、中望遠以上の焦点距離が長いレンズだと離れて撮っても前ボケが生まれ、後ろボケも綺麗になります。
タンポポ
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/500秒
草むらの中、綺麗に開いたタンポポを見つけました。綺麗に開いて真上を向いている花を撮る時は、ほんの少しだけ上から撮ると形の良さが伝わるアングルとなることが多いです。真横から撮ってしまうと、せっかく綺麗に開いている様子が伝わりづらくなってしまいます。ほんの少しとはいえ、上からのアングルとなることによって、抜けの良さや前ボケ後ろボケの綺麗さを少し損なうことになりますが、花の形を捉えることを優先し、ほんの少しだけ上から撮ることをおすすめします。
また、このタンポポの後ろはフェンスでした。何も考えずに撮るとフェンスが目立ってしまうシチュエーションだったので、なるべく葉や草のボケで隠しました。葉や草は、このように写したくないものを隠すボケとして使ったり、色として使ったりできるので邪険にしないようにしましょう(笑)
ムスカリ
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/640秒
まだ咲き始めのムスカリ。朝露がついた草むらの中でひっそりと咲いていました。とても小さい花を小さく撮る時は、主役の花と同じ色をなるべく入れない。主役の花の色よりも薄い色を花の背景にする。等の工夫をすると、主役感がしっかりと出ます。写真上部の暗い緑が花の背景だったら、ここまで主役感は出なかったでしょう。ムスカリは色が濃いものが多いので、花よりも薄い色の背景を見つけやすいです。
この写真は、カメラのコントラストの設定をマイナスにして撮りました。普段マイナスにすることはあまりないのですが、上部の暗い緑と下部の明るい緑の差をなくした方がイメージに近かったためです。
桜
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F8.0・ISO800・1/125秒
大雨が上がった直後の早朝。水たまりの中も桜が満開でした。水たまりに触れてしまうくらいの低い位置でカメラを構え、リフレクションさせて撮りました。焦点距離が長いレンズだと僅かな水たまりでも画面いっぱいのリフレクション写真を撮ることができます。
普段は絞り開放で撮ることが大半ですが、この時は写真全域が主役だったためF8まで絞りました。早朝で薄暗かったのでISOは800まで上がっています。そして早朝や夕方は、通常の時間帯と色合いが大きく異なります。この写真は、カメラの設定で色温度を大きく上げました。花の写真にとって色は非常に大切な項目です。シチュエーションごとに適切な色温度に設定できるようになると、よりイメージに沿った一枚を撮ることができると思います。オートホワイトバランスや太陽光等の既存の設定を使っても問題ないですが、適切なケルビンの値に自分で変えられるようになっておくことを強く強くおすすめします。
藤の花
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/2500秒
綺麗に咲いた藤の花が朝の光を浴びていました。藤の花を望遠で撮ると、似通った切り取り方をしてしまいがちです。ありきたりな写真にならないよう、かなり寄って撮ってみました。一つ一つは小さい藤の花ですが、寄って比較的大きいサイズで撮ったのでどの花が主役かはっきりとわかる写真になりました。
普段、筆者は花を引いて小さく写すことが多いですが、こういうシチュエーションに遭遇すると寄れるレンズであることに越したことはないと感じます。小さい花を撮る時は、寄れるレンズも選択肢に入れてあげるといいかもしれません。主役の花の後ろに色の薄い場所を選び、より主役感が伝わるよう工夫しました。藤の花のように一面同じ色になってしまいがちな花を撮る時は、この点に特に注意しましょう。横から撮ると形の良さが全く伝わらなくなってしまうので、できる限り正面から撮ることもポイントです。
■撮影機材:ライカ Q (Typ116)
■撮影環境:絞り優先・28mm・F11・ISO100・1/250秒
こちらは満開の藤の花。木の下に入ることができるロケーションだったので、真下から撮ってみました。なかなか珍しいロケーションで、一部を切り取るだけでは勿体ないと思い少し広め、28mmのカメラを使用しました。画面内に太陽が入ったので、光芒が綺麗に写るようF11まで絞りました。
アリッサム
■撮影機材:ライカ Q (Typ116)
■撮影環境:絞り優先・28mm F8.0・ISO125・1/125秒
こちらは花壇に咲いていたアリッサム。特に強く光が当たっていたエリアを選び、その中でも少し飛び出て花とその影を主役にしました。丸みを帯びた花なので横から撮っても形の良さが伝わりますが、今回は影も主役の一部というイメージなので上から撮りました。主役の周囲も取り入れて明暗差を強調するために28mmで、影やその周囲もボカさず写したかったのでF8まで絞りました。白い花や色の薄い花は、しっかりと色を残すのが難しくハイキーで撮るのが簡単ではありません。反対にローキーで撮るのは比較的簡単にできるので、是非気軽にチャレンジしてみてください。
ポピー
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/4000秒
麦畑の中でポツンと咲く赤いポピー。ポピーを撮る時にまず気をつけて欲しいのが、シャッタースピードです。数ある花の中でも特に揺れやすい、風の影響を受けやすい花と言えるでしょう。麦畑の中の一本のポピー。そのまま撮るだけでも絵になるようなシチュエーションでしたが、麦畑の中に光と影がより多く入り混じった部分を切り取ったので良いメリハリがついてくれました。
また、このポピーを真ん中や左に配置すると右にある背の高い草が目立ってしまうため、ポピーの位置はこれがベストだったと思います。麦のボケ具合を考えてこのサイズで切り取りましたが、多少ボケを犠牲にしてでももう少し小さく写せば、ポピーがポツンと咲いているイメージが強調されたかなと思います。
さいごに
今回も最後までお付き合いくださりありがとうございました!だいぶ初夏らしくなり、アジサイもかなり見かける季節となりました。前回の記事、アジサイ・道端に咲く花の撮り方 も是非合わせてご覧ください。また次回を楽しみにしていただけると嬉しいです。
■写真家:北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
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EXCERPT:
写真家の北村佑介さんが春の花の撮り方の復習編として、スイセン、タンポポ、ムスカリ、桜、藤、アリッサム、ポピーの撮り方を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
花,撮影テクニック,スイセン,タンポポ,ムスカリ,桜,藤の花,アリッサム,ポピー
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AUTHOR:
TITLE: ニコン Z5 レビュー|タイムラプスをはじめるなら最初の1台はこれでキマリ!
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CATEGORY: 成澤広幸
DATE: 06/04/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z 5,星景_天体,星景/夜空/星空/天体,ミラーレスカメラ
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はじめに
タイムラプス動画の撮影の様子
私はタイムラプス撮影という、ちょっと変わった動画撮影を得意としています。タイムラプスとは、間隔を空けて撮影したものを動画化するパラパラ漫画のようなもの。「写真で表現するハイスピードな動画表現」と言ったところでしょうか。
みなさんが普段テレビで見ているような動画も実は写真で構成されており、ざっくりと説明すると1秒間に30枚連続撮影して再生したものが、皆さんが普段から慣れ親しんでいる動画になります。タイムラプスは、それが連続撮影ではなく、数秒だったり数分だったりと、間隔を空けて撮影したものを動画にしたものです。
通常の動画の早送りでも同じことができますが、それが数時間の撮影だと、データ量がとてつもなく大きくなります。そこで間隔をあけて写真で撮影していけばデータ量を効率的に減らすことができ、しかも動画では表現できない「スローシャッター」による表現が可能となります。私はこの撮影を得意としておりYouTubeチャンネルなどでたびたび作品を発表、撮影方法のHow toを紹介をしています。
今、実はニコンのカメラを使ったタイムラプス撮影が注目されているのをご存じでしょうか。ニコンのタイムラプス機能が他社と比べて段違いに優れているため、初めてのタイムラプス撮影でニコンZを選ぶユーザーが増えています。そこで人気なのがフルサイズのエントリーモデルである「Z5」なのです。
タイムラプスは撮影設定をしたら、基本カメラを放置します。つまり、他にやることがなくなるのです。そのため「メインカメラを別に持っているけど、サブ機(タイムラプス専用機)としてZ5を」という買い物をしている方が多いようです。とても合理的。
ここでは初めてのタイムラプスにZ5がおすすめな理由と、タイムラプス撮影を生かした写真の作品作りへの応用方法についてご紹介したいと思います。
インターバルタイマー撮影機能が実現する「ホーリーグレイルタイムラプス」
ホーリーグレイルのイメージ
「Holy Grail(ホーリーグレイル)」とは、海外で使用されているタイムラプス専用用語です。直訳すると「聖杯」ですが、実は「実現するのが困難なこと」という意味で用いられます。タイムラプスにおけるホーリーグレイルとは、昼間~夕焼け~星空~朝焼け~昼間といった露出変化が激しい時間帯のタイムラプス表現のことを指します。
この時間帯をまたいだ撮影では、一眼カメラだと露出の細かい変化やホワイトバランスの変化にセンシティブに反応してしまうため「フリッカー」という明滅現象が発生しやすく、シームレスかつ滑らかな露出変化をタイムラプスで表現することがとても難しいことでした。タイムラプス専用のソフトウエアと、ソフトの使用を前提とした長時間のマニュアル撮影をすることで実現できるものでしたが、とてもハイレベルな画像処理と撮影技術が伴う作業だったため、誰でも実現できるものではありませんでした。実はそれがニコンのカメラでは完全オートでできちゃうんです。しかも完璧に滑らかなタイムラプスで……。
このあたりをしっかり説明してしまうと、とても長く読みづらい記事になってしまうため、詳細を知りたい方は「ニコン Zcreators」に私が出演している動画をご覧ください。
VIDEO
また、ホーリーグレイルをタイムラプス撮影するときのカメラ設定は、こちらの動画をご覧ください。
VIDEO
「それって露出平滑化(平準化)でしょ?」と感じる方がいらっしゃると思いますので、この点だけ説明させていただきます。
結論を先にお伝えすると、ニコン以外のメーカーでは、露出平滑化が備わっているカメラであれば、露出平滑化をONにして「絞り優先・ISO感度オート・WB固定」の設定で、昼間~夜景のタイムラプスはそこそこ撮れるものが多いですが、時にフリッカーが発生してしまうので、タイムラプス専用のソフトによる平滑化処理が必要です。また、夜景まではOKでも星空までとなると厳しいです。タイムラプス用ソフトウェアを必要とせず、または昼間~星空までのホーリーグレイルを滑らかに撮影できるのは、私が試した限りD850以降に発売されたニコンのカメラのみです。
露出平滑化とはタイムラプスの撮影中に極端に露出が変わること(フリッカー)を防ぐものです。これはホーリーグレイル撮影で重要な「昼間~星空などの大きな明るさの変化がある中で、前後数枚の露出を確認しながら滑らかに露出変化させていくこと」とは根本的に違う機能になります。
実際は、ISO感度やシャッタースピードを精度高く、そして細かく変化させていく露出変化プログラムが必要であり、”露出平滑化と並行して行うこと”で完全オートでのホーリーグレイルが実現するということです。カタログスペックでは表記できない機能なので「露出平滑化や平準化がついていればできる」と勘違いされてしまいがちですが、実際はそれだけでは実現できないということをご理解ください。
Z5で制作したタイムラプス作品
まずはタイムラプス作品から。すべてニコン Z5で撮影しています。まずは「これがオートで撮れるのか!」と感動していただけたらとても嬉しいです。
VIDEO
■動画で使用した機材
Nikon Z5
NIKKOR Z14-24mm f2.8 S
NIKKOR Z20mm f1.8S
NIKKOR Z85mm f1.8S
NIKKOR Z50mm f1.2S
KENKO STARRY NIGHT フィルター
H&Y 100mm K-Series フィルターホルダー
H&Y アダプターリングNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
H&Y ドロップインCPL/ND1000
H&Y バランサーGND
H&Y Reverse GND
ifootage Shark slider mini 600 pro
MIOPS CAPSULE SLIDER 30cm
■使用ソフト
Adobe Premiere Pro
Adobe After Effects
Adobe Photoshop Lightroom
LRTimelapse5
Z6とよく比較されるZ5
ニコン Z5はフルサイズ機ミラーレスカメラのエントリーモデル。上位機種を踏襲しつつも、コストダウンを図って価格を約20万円まで抑えた良心的なカメラです。エントリーモデルと言っても上位機種のパーツを多く流用していたり、防塵防滴機能はそのままだったりと、性能を落としていない部分も多く存在します。
お手頃価格でニコンのフルサイズミラーレスが手に入る!と思いきや、価格を考えたときに上位機種Z 6IIの前モデルとなるZ6は価格もお手頃となってきており、特に中古では比較検討する方もいらっしゃるようです。Z6がよいのでは?と考える理由のうち、最も多いものは「センサー」。Z6は「裏面照射型CMOSセンサー」を搭載していますが、Z5には搭載されていません。要するにZ6のほうが、中古カメラであっても優れたセンサーを採用しているため、より低ノイズで画質が良いだろうという意見なのです。
確かにこの意見は正しいのですが、今回のテーマであるタイムラプスの観点からすると、むしろZ5のほうが適している点が3つあります。ここではニコン Z5がZ6よりもタイムラプス向きである機能を3つご紹介いたします。
Z5には備わっているタイムラプス撮影で必ず欲しい機能
①USB給電ができる
モバイルバッテリーからUSB給電をしながら撮影を行う様子
ニコン Z6はUSB経由の充電はできますが、給電はできません。つまり、撮影しながら電源を供給できないのでいずれはカメラが止まってしまうということになります。ホーリーグレイルタイムラプスは、日の出・日の入をまたぐ3~4時間を10秒~20秒くらいの間隔で平均的に撮影し続けます。けっこうな撮影枚数になりますね。
途中でカメラが止まった時点で、撮影を再開してもそのシーンはジャンプカットしたような感じになってしまい、滑らかな変化を表現することはできません。数時間かけて撮影した苦労が一瞬で水の泡になってしまいます。
ところがZ5の場合ですとUSB給電が可能なため、肝心なところでカメラが止まるという危険が圧倒的に軽減されます。上の画像のように、三脚に固定したモバイルバッテリーからUSB Type-Cケーブルでカメラに接続し、「セットアップメニュー」からUSB給電をONにするだけでOK。タイムラプス撮影をするならこの機能は必須と言えます。
②メモリーカードがダブルスロット
ニコン Z5はSDカード対応のダブルスロット仕様だ
タイムラプスはたくさんの写真を撮ります。より滑らかに表現しようとすると、おのずと短い撮影間隔で細かく撮影することになります。ときには1シーンが1,000枚を越えることもあります。でもせっかくの撮影の機会ですから、タイムラプスだけでなく他にもたくさん撮影したいですよね?
Z6はメモリーカードが1枚しか入らないので、タイムラプスでガンガン使用するにはいささか危険です。タイムラプスを頑張りすぎて写真を撮る容量が残っていない……なんて悲しいことになることがあります。でもZ5はメモリーカードがダブルスロットなので、倍の撮影をこなすことできるんですね。
また、メモリーカードの種類にも大きな差があります。Z6はXQDカード対応(ファームアップによってCFexpressも可)となっていますが、これが非常に高価。予備で何枚も……となるとレンズ1本買えるくらいの金額になっちゃいます。対して、Z5はSDカード対応なので、困ったときにはコンビニでも購入できるし、価格的に予備分も購入しやすい。ここには段違いなやさしさが存在します。
③インターバルタイマー撮影と、タイムラプス動画生成機能が同時に使用できる
Z5ではタイムラプス撮影で静止画と動画の両方を記録できる
Z6には、「インターバルタイマー撮影」と「タイムラプス動画」という項目があります。インターバルタイマー撮影からタイムラプス撮影をすると、静止画のみ記録され動画は生成されません。そして、タイムラプス動画から撮影をすると、静止画は保存されず、動画のみが生成されます。
つまり、Z6の場合は、タイムラプス動画の生成はPCで行うのが基本になります。初級者ですとそれが苦手な人は多いでしょう。かと言ってカメラ内でタイムラプス動画にしてしまうと静止画が残らないので、写真として生かすことができません。
ところがZ5の場合は、「インターバルタイマー撮影」→「オプション」にタイムラプス動画を生成する機能が備わっており、併用が可能です。しかも撮影した直後に待ち時間0秒で動画が生成されます。これが驚き!
つまりはすぐその場でタイムラプス動画が完成してPCでの作業が必要ありませんし、写真も残るのであとで画像処理して写真として活用することも可能なのです。私の仕事でもこの機能は重宝していて、撮影したものをすぐにお客様に見せることができるのでとても助かっています。
唯一、私の撮影でZ5が劣っているなと強く感じるところをご紹介します。それは液晶モニターの見やすさです。Z5の液晶モニターは暗所での撮影時に、画面内にノイズが多く発生します。このノイズがけっこうちらつくので、ピント合わせでマニュアルフォーカスをするときに星や街灯が見えにくくなります。昼間からスタートするホーリーグレイルタイムラプスでは問題ないですが、星空からスタートする星空~朝焼けのホーリーグレイルの場合や、単純に星景写真を撮影する場合はこの部分がデメリットになります。星空撮影の初心者の方には見づらいと感じるところだと思いますので、この点は理解していたほうがよいでしょう。
タイムラプスの各画像から美しい一瞬を切り抜いて作品作りに生かそう
タイムラプスで撮影したそれぞれの画像は、貴重な一瞬を切り取っているものが多く、これを利用して静止画の作品作りに生かさない手はないでしょう。一瞬を待って一枚を逃さないためにじっとその時を待つのももちろん素晴らしいですが、タイムラプスを撮影しながらそのついでに写真も……となれば、非常に効率的に作品作りを行うことができます。
作成したタイムラプス作品と、そこから切り抜いて静止画作品にしたものと、両方をお見せします。まずはタイムラプスから。Z5で完全カメラ任せで撮影したホーリーグレイルタイムラプスです。
VIDEO
■撮影機材:Nikon Z5 + NIKKOR Z20mm f1.8 S + KENKO STARRY NIGHTフィルター
■撮影環境:F2.5(絞り優先オート)、WB 自然光オート
■ISO感度設定:ISO100、制御上限感度ON、低速限界設定10秒
■インターバルタイマー撮影:撮影間隔12秒、露出平滑化ON、サイレント撮影ON、撮影間隔優先ON
■撮影日時:2021/4/20 2:25~5:11
■撮影枚数:853枚
そしてタイムラプス中の一枚より星空の場面を静止画作品に仕上げました。Z5は静止画・動画の両方をデータとして残せるので、動画の1シーンを使ってこうした作品作りができるのもポイント。少し強めの画像処理を加え星空を浮きだたせました。
■撮影機材:Nikon Z5 + NIKKOR Z20mm f1.8 S + KENKO STARRY NIGHTフィルター
■撮影環境:ISO12800、F2.5、SS10秒、WB 自然光オート
Photoshop CCで画像処理
こちらも同じシーケンスのタイムラプス中の1枚より静止画作品に仕上げました。朝焼けが始まる直前、空がブルーモーメントに差し掛かったコマを使ってRAW現像・画像処理を加えました。山の稜線にうっすらと朝焼けの影響と思われる黄色味を帯びたラインが発生していますが、この色は人間の目では確認することができずカメラで写さないと確認できません。
通常だと、このシーンを撮影したくても変化に気づかず撮り逃してしまったりするものですが、ニコンZを使えば瞬間を逃さず、しかも撮影中は車の中で寝て待ってればよいという(笑)なんとも効率的な方法で撮影することができます。しかも同時にタイムラプス動画も生成してくれる。なんと合理的な撮影方法なのでしょう……!
■撮影機材:Nikon Z5 + NIKKOR Z20mm f1.8 S + KENKO STARRY NIGHTフィルター
■撮影環境:ISO12800、F2.5、SS8秒、WB 自然光オート
Photoshop CCで画像処理
この画像はおよそ2時間の時間の経過を1枚の画像に合成して表現したものになります。左から右にいくに従って夜→朝になっていきます。松本市の夜景からブルーモーメント、ビースナスベルトが北アルプスにかかるモルゲンロートまで。ニコンのタイムラプス機能を使えば、こういった時間の経過による色の変化を写真・動画の両方で記録し作品作りをすることができます。
■撮影機材:Nikon Z5 + NIKKOR Z14-24mm f2.8 S
■撮影環境:F2.8(絞り優先オート)、WB 自然光オート
■ISO感度設定:ISO100、制御上限感度ON、低速限界設定6秒
■インターバルタイマー撮影設定:撮影間隔10秒、露出平滑化ON、サイレント撮影ON、撮影間隔優先ON
タイムラプス専用ソフトLRTimelapse5 「Create Composition」機能で、3:50~5:41までに撮影したタイムラプス画像のうちを10枚を合成 Z5の高感度性能を検証
そうは言ってもセンサー裏面照射じゃないんでしょ……という方にはこの画像をどうぞ。
この画像は上に載せた1枚目の作例の画像処理前のものです。言わば撮って出しの画像。上記の撮影データにも書いてありますが、なんとISO12800で撮影しています。中央部分を拡大してみましょう。
ISO12800でも意外にノイズが少ないことがわかります。裏面照射センサーではないのは確かですが、高感度性能としては充分なものが備わっていると思います。ISO6400、ISO3200にすれば、さらに低ノイズということですね。
上記のタイムラプス撮影での優位性を保ちつつ裏面照射センサーを搭載した機種には、上位機種のZ 6II、Z 7IIがあります。どちらもこれまで説明した機能を備えており、さらにセンサー・連写性能などが向上しています。Z5でもいけそうだけどやっぱりこだわりたい!という上級志向の方は、ぜひ上位機種の購入を検討してみてください。
~おまけ~
高感度ノイズが意外に少なかったので、今回の記事の内容は違いますが天体写真も撮影してみました。はくちょう座にある「網状星雲」といいます。高感度性能に優れているとこんな撮影も楽しめますね。
■撮影機材:Nikon Z5、VIXEN SD81S、SDレデューサーHDキット、SXD2赤道儀、KENKO ASTRO LPR Type 2 52mm
■撮影環境:ISO12800、F6.1、SS181秒、WB マニュアル
同一構図で撮影した5枚の画像をStella Imege8で加算平均合成、Photoshop CCで画像処理 まとめ
私はニコンZに惚れこんで3年が経ちます。その中でもZ5はコスパに優れた良心的なモデルです。皆様にこの魅力が伝われば大変うれしいです。
最後に、私のYouTubeチャンネルでもZ5について紹介している動画があります。今回の内容とかぶる部分もありますが、こちらもぜひご覧ください。
VIDEO
■写真家:成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
星空写真家の成澤広幸さんに、ニコンのZ5をレビューしていただきました。タイムラプス撮影の機能を解説いただきましたので、ぜひ参考にしてみてください。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,ボディ,Z 5,星景,天体,レビュー
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TITLE: カメラメンテナンス Vol.5|簡単!自分でできる!イメージセンサーのクリーニング
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 06/05/2021 11:00:00
TAGS: カメラメンテナンス
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はじめに
カメラのイメージセンサーを自分でクリーニングする方法とコツについてご紹介します。イメージセンサーが汚れていると写りが悪くなってしまいますので、できるだけカメラのメンテナンスは小まめにしましょう。「イメージセンサーの取り扱いは難しそう」という方でも簡単にできる方法なので必見です。
イメージセンサーをクリーニングする際の注意点
イメージセンサーの掃除は、ポイントを押さえていれば自分でも行うことが可能です。イメージセンサー部分は非常に繊細に作られているため、専用のクリーニンググッズを使用してください。イメージセンサーの故障は通常保証の対象外となるため、掃除する際は取り扱いに注意しましょう。破損などの不安がある場合は、クリーニングのプロに依頼するのが得策といえます。
イメージセンサーの汚れ具合を確認
イメージセンサーをクリーニングする前に、汚れ具合をチェックしておきましょう。通常ホコリなどの付着によりイメージセンサーが汚れていると、画像に細かい斑点や黒いシミのようなものが見えます。空や白く映る広範囲の被写体を狙って画像で確認してみましょう。また、肉眼で認識できるホコリはごくわずかで、微小な汚れが多く付着してしまっていることもよくあります。以下の手順を参考に、汚れ具合を確認してみてください。
1.カメラの設定を切り替える
2.真っ白な壁や紙を撮影
3.液晶で汚れを確認
1.カメラの設定を切り替える
撮影モード 絞り優先 絞り(F値) 最大値(F16~F22程) ファイル形式 JPEG 画質 最高値 画像サイズ 最大値 ISO感度 最低値(ISO100~400) 露出補正 +1.0~+1.7段 フォーカス MF ピント 無限遠(∞)
先にカメラの設定を変更して、汚れの度合いがわかりやすい画像を撮影します。イメージセンサーに付着した汚れが際立つよう、「ボケ感のない写真を撮る」ことがポイントです。上記の設定は、ピントを特別合わせないことを重視していますが、明るい方が汚れを見分けやすいので、露出補正で調整します。絞り(F値)は最大で、ズームレンズの場合は望遠にあわせて、できるだけノイズを排除する環境を作りましょう。
2.真っ白な壁や紙を撮影
無地の白い壁、もしくは壁に白い紙を貼り付けて、適度な至近距離で撮影を行います。フレームいっぱいに写りこむように狙うのがポイント。手持ちでの撮影で大丈夫です。シャッタースピードは遅めになりますが、手振れなどは気にせずラフに撮ってかまいません。
3.液晶で汚れを確認
撮影の後は、画像をパソコンのディスプレイなどに映し出し、広範囲が鮮明に見える環境で確認します。ホコリ部分は斑点のように映りますが、汚れのひどい部分は上図のように黒いシミや線がいくつも現れるのが特徴です。
イメージセンサーのクリーニングで使用する道具 ブロアー ブロアーとは、風船のような本体に細いノズルが突き出た形をした、風でホコリを吹き飛ばすグッズです。しなやかなシリコンやラテックス製が使いやすく耐久性にも優れているといわれています。風船部分を握り、圧縮すると中から空気が噴き出し、カメラに付着したホコリを吹き飛ばすことができます。 クリーニング棒(スワブ) スワブとは、センサーの四角い形状に沿うようにデザインされたクリーニング用の棒です。ヘラのような形状をしており、先端にはマイクロファイバーの布が巻き付けてあります。洗浄液を付け、センサーをなでるようにして掃除します。 洗浄液(センサーソリューション) センサーの汚れがひどい場合、センサーソリューションと呼ばれる専用の洗浄液を使用します。スワブの先に1~2滴のクリーニング液をたらし、センサー部の端から反対側まで優しくなぞるようにスワブを滑らせます。その後、新しいスワブで、軽くなぞり洗浄液をふき取ります。 ブラシ カメラのクリーニング用ブラシは、キャップ付きのものやペンのようにスライドするタイプがあります。ブラシは主に、カメラのレンズの接続部やグリップの溝、パーツの継ぎ目などホコリがたまりそうな凹みのある場所を掃除するために使用します。 手袋 カメラのような精密機械の扱いには静電気防止用の手袋が便利です。綿100%で静電気の起こりにくい素材がセンサークリーニングにも適しています。手袋を着用してカメラを扱うことで、手に付いた油でホコリやごみの付着を防ぐことができ便利です。
イメージセンサーはカメラの心臓部でとても繊細に作られています。通常のカメラの手入れ道具に加えて、イメージセンサー用の専用道具を用いて適切なクリーニングを施しましょう。
イメージセンサーのクリーニング方法
1.部屋の状態を確認
2.レンズ周辺の清掃
3.クリーニングモードにして、レンズを外す
4.ブロアーでホコリやごみを吹き飛ばす
5.クリーニング棒で汚れを取り除く
6.もう一度ブロアーでホコリやごみを吹き飛ばす
7.イメージセンサーを閉じる
1.部屋の状態を確認
センサークリーニングは、ホコリが少なく外気が入り込まない部屋で行います。掃除機をかけてすぐの部屋や人の往来が多いエリアではホコリが舞っているため、クリーニング作業は避けた方がよいでしょう。
2.レンズ周辺の清掃
ブラシでカメラ本体に付着したホコリを落とします。特にレンズとの継ぎ目のマウントあたりは凹みもあるため、ブロアーを使って入念にホコリを除去しましょう。
3.クリーニングモードにして、レンズを外す
レンズを外してイメージセンサーを露出しますが、一眼レフカメラの場合、ミラーでイメージセンサーが見えないので、クリーニングモードに切り替えてから作業を行います。メーカーによってやり方が異なるため、手動でクリーニングする場合の手順は説明書で確認しましょう。ミラーレスカメラの場合、シャッター幕が下りているものがあるので確認しておきます。どちらも、クリーニングの途中に充電切れになると不具合が生じるため、フル充電の状態にしてから掃除を行いましょう。
4.ブロアーでホコリやごみを吹き飛ばす
ブロアーでイメージセンサーに付いたホコリやごみを吹き飛ばします。付いて間もないホコリはこの作業で取り除くことができます。
5.クリーニング棒で汚れを取り除く
クリーニング棒でイメージセンサーに残ったホコリやごみを取り除きます。この時、スワブは右から左、左から右に一回ずつ軽くなでるように動かします。以前使用したものがあっても、一度使った道具は再利用せず、清潔な未使用のクリーニング棒を使いましょう。初めて使用する道具は、使用方法を説明書で確認してから正しく使うことが大切です。
6.もう一度ブロアーでホコリやごみを吹き飛ばす
クリーニング棒で清掃している間にホコリが入る可能性があるため、最後にもう一度ブロアーで空気を送ります。
7.イメージセンサーを閉じる
キャップを装着し、電源をオフにしてミラーが下がることを確認して作業は終了です。
カメラのキタムラのクリーニング・メンテナンスサービス
センサーの清掃
ボディ外観の清掃
レンズ・フィルター外観の清掃
電気接点清掃
カメラのキタムラでは、カメラのクリーニング・メンテナンスサービスを提供しています。イメージセンサーの汚れだけでなく、ボディやレンズの汚れ、電気接点の清掃などのメンテナンスにも対応。予約不要・最短当日仕上げでご利用いただけますので、すぐにメンテナンスが必要な方はぜひご利用ください。
■カメラのキタムラのセンサークリーニングに関する詳細はこちら
https://www.kitamura.jp/service/maintenance/#sensor?ref=shashaSensor
イメージセンサーをきれいに保つには?
カメラセンサー部分にホコリが付着するのは、ほとんどがレンズを交換するタイミングです。カメラを下に向け、できるだけ閉鎖した環境でレンズ交換ができるよう工夫してみましょう。カメラのグレードによりクリーニング機能が搭載された機種があります。使用後はクリーニング機能を利用して、こまめに掃除するのがおすすめです。
また、この記事で紹介した手順で、イメージセンサーの定期的なお手入れを施すことで、ホコリがたまりにくい環境を保つことができます。長く放置するほど清掃も大変になるため、日ごろのメンテナンスを心がけたいものです。自身での清掃は不安という方はプロにクリーニングを依頼しましょう。
センサークリーニングに挑戦?プロのサービスも活用しよう!
イメージセンサーのクリーニングは自力でも行うことが可能です。ご紹介した手順と専用の道具で小まめにメンテナンスしてください。ただし、破損などのリスクで不安があるという方は、専門知識のあるプロに依頼するのがおすすめです。
カメラのキタムラではセンサークリーニングを承っています。予約不要で、最短当日に掃除が完了します。忙しい日常でメンテナンスに手がまわらないという方は、ぜひカメラのキタムラのメンテナンスサービスをご利用ください。
■カメラのキタムラのセンサークリーニングに関する詳細はこちら
https://www.kitamura.jp/service/maintenance/#sensor?ref=shashaSensor
その他のメンテナンス記事
▼カメラメンテナンス Vol.1|カメラが故障した!?故障の原因と自分でできる不具合への対処法
https://shasha.kitamura.jp/article/481377243.html
▼カメラメンテナンス Vol.2|液晶画面が真っ暗…!黒い点など、画面に関する不具合への対処法
https://shasha.kitamura.jp/article/481557991.html
▼カメラメンテナンス Vol.3|シャッターが切れないのは故障?シャッターに関するトラブルを解説
https://shasha.kitamura.jp/article/481562500.html
▼カメラメンテナンス Vol.4|シャッターが故障した?修理に出す前に見て欲しい情報を総まとめ!
https://shasha.kitamura.jp/article/481592857.html
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ShaSha編集部がお届けするカメラメンテナンス連載記事Vol.5です。今回はカメラのセンサークリーニングについて解説します。
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KEYWORDS:
カメラメンテナンス,カメラ故障,
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 50mm F2.5 G レビュー|山本まりこ
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 06/06/2021 11:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,スナップ,FE 50mm F2.5 G,単焦点
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はじめに
雨がしとしと降っている。
いつの間にかお庭のアジサイとドクダミのお花が咲き出した。
あっと言う間に春が終わり、梅雨が始まる。
今回は、2021年4月に発売になったソニー FE 50mm F2.5 Gについて紹介したい。
外形寸法(最大径×長さ)は、68mm×45mm。
重さは、174g。とても小さく、とても軽い。
卵1個Lサイズが約60gなので、Lサイズの卵3個分よりちょっと軽い。
FE 50mm F2.5 Gは、4月、ソニーから小型軽量のレンズトリオが発売されたうちの一本。FE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、そして、FE 50mm F2.5 G。この3本は、外形寸法が統一されている。そのため、ジンバルに装着した状態でもレンズ交換が容易で動画撮影にととても便利。さらに、フィルター径が49mmで統一されている。動画撮影で必須のNDフィルターや他フィルターも3本共用出来るのも嬉しい。
という内容は、先日、FE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 Gについてレビューしたときに既述した。
左からFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 G
今回は、その中の一番望遠になるレンズFE 50mm F2.5 Gについて紹介したい。
FE 24mm F2.8 G 、FE 40mm F2.5 G について気になる方は、記事を見て欲しい。
海へ
朝起きたら、空が青い。
こんな日は海が見たい。
急いで支度をして電車に飛び乗る。真鶴へ。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/50秒 絞りF16 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF2.5 ISO100
少し霞がかった春の空の下に海が広がっている。
人間の視野角と近いと言われる焦点距離50mm。広い海は広く撮れる。
もちろん広角レンズで撮ればもっと広大に見えるだろう。でも、人間の視野角と似ている分、写る写真も心地いい。広過ぎず、狭過ぎず。
海辺を少し歩いてみる。
ごつごつと岩場が広がっていて、歩みを進める度に虫たちが大移動していくのが見える。
人間の視野角と近いと言われているので、焦点距離50mmが好きだと言う人が多い。筆者もその一人だ。いつも使うレンズとして持ち歩いているものは、50mmレンズの頻度が多い。一般的に、年齢と同じくらいの焦点距離のレンズが好きになるとも言われている。筆者はまだ少しその年齢よりも若いけれど、50mmの画角は一番心地いいと思う。被写体を誇張せず、飾らず、ある意味シンプルに写せる画角のレンズだと思っている。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF3.2 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF3.5 ISO100
それにしてもやはり軽い。小さい。
ごつごつした海辺を動くのも容易だ。
実は、筆者が普段愛用している50mmレンズは、Planar T* FE 50mm F1.4 ZAだ。とろけるボケと美しい描写が好きで使用頻度がものすごく高い。FE 50mm F2.5 Gと比べると、長さは倍以上、そして、重さは4倍以上だ。だから、このレンズの小ささ軽さをしみじみと実感する。
ちなみに今回撮影しているカメラはα7C。ボディの重さは594g、FE 50mm F2.5 Gは174gだから、合計768g。レンズフードなどを含めても、缶ビール2本より少し重いくらいの重量。
小さな花が咲いている。
ふと立ち止まってシャッターを切る。
お花の花びらにピントを合わせると、根元の部分はトロッとボケて写っている。
小さくて軽くてもGレンズ。さすがに美しい描写だ。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 500秒 絞りF3.5 ISO400
海水は透明。中を覗くと、いろいろな貝や虫がコソコソっと移動していった。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF3.5 ISO100
F値開放2.5で枯れた草木を撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF2.5 ISO100
少し絞ってF7.1で撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF7.1 ISO100
海沿いの森を歩く。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF3.5 ISO100
片手で持ち上げてそのまま撮影できる。
スナップ撮影には本当に便利なレンズだ。
海辺には、よく見るといろいろな植物が花や実をつけている。
紫色のお花が見えたので近寄ってみると、ぷくぷくと実をつけたハマエンドウが風に揺れている。
α7Cの液晶に写るハマエンドウの豆の部分をタッチしながら撮影。風で揺れて被写体が動いてピントがずれても、タッチし直すとシュッとピントが合う。AFは小型軽量レンズトリオの他のレンズと同様とても快適。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF3.2 ISO100
白くてかわいらしいお花がひっそりと咲いていた。
Googleで画像検索してみると、オーニソガラムという植物だそう。和名は、オオアマナ。調べてみると、キリスト誕生の夜に光り輝いたといわれているベツレヘムの星に例えられているお花だそう。
オーニソガラムを、APS-Cサイズにクロップして撮影。クロップ機能はカメラボディ内の機能だけれども、カメラボディの機能を利用すれば、単焦点レンズだけれども幅広い撮影ができる。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF2.8 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF2.8 ISO100
APSCにクロップして撮影
可愛らしい小さなお花がたくさん咲いている植物。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.5 ISO100
APSCサイズにクロップして撮影
背景がこれだけトロリとボケてくれたら、気持ちいい。
さらに海辺を歩く。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/4000秒 絞りF7.1 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF2.5 ISO100
森を歩く
海も歩いたし、のんびりもした。写真もたくさん撮れた。
そろそろ真鶴駅に戻って美味しいものでも食べようかなと地図を眺めていると、真鶴の森の中を歩く遊歩道があると描いてある。でも、今日はワンピースで海を歩きたかったからワンピースと革靴というスタイルで来た。遊歩道を歩くのはまた今度にしてバスに乗って駅に行こうと時刻表を見ると、バスが到着するまでにあと30分以上ある。どうしようかなと地図を見ていると、遊歩道を少し歩いた先にもバスは停まるらしい。
うん、やっぱり歩きたい。森の中を歩きたい。
そこまで森を歩いて、バスに乗ろう。
と、ワンピースと革靴で森の中へ。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/125秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF2.5 ISO100
駐車場から少し入っただけで、人気がすっと消えて急に動物の気配がする。鳥の声がどんどん大きくなってくる。両サイドから茂るシダ植物がだんだんと体に迫ってくる。少し歩いてワンピースと革靴で歩くことを後悔しながらも、でも歩きたいという気持ちが大きくてぐんぐんと歩く。
リュックの中にはFE 24mm F2.8 Gも入れていたので、途中、広角に切り替えようかと思ったけれど、でもFE 50mm F2.5 Gを楽しもうとそのままで歩く。焦点距離50mmの画角で森を撮り続けた。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF2.8 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF2.8 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF3.2 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF3.2 ISO100
思った以上に深い森。
一人で歩いているのが楽しくて、すごく興奮した。
でも少し怖かった。
そして、50mmの画角は、やっぱり心地良かった。
真鶴の森。今度、動きやすい服装でしっかり歩いてみたいと思う。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/10秒 絞りF18 ISO100
最短距離撮影でボケ力を確かめる
さてここで、しっかりと、このレンズのボケ力を見てみたいと思う。
AF(オートフォーカス)で最短距離で撮影。
ちなみに、入っているのはお酒ではなく、お水。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/25秒 絞りF2.8 ISO400
AFでAPS-Cサイズにクロップして撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/25秒 絞りF2.8 ISO400
東京のアトリエに戻り、花瓶に活けたドライフラワーを撮影。
まずは、AF(オートフォーカス)で最短撮影距離で撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF2.5 ISO400
AFで撮影
最短撮影距離は、AF時は0.35m、MF時は0.31m。
最大撮影倍率は、AF時は0.18倍、MF時は0.21倍。
簡単に書くと、MF時の方がAF時に比べて近くに寄れて大きく撮れるということ。
MFで撮影。AF時より、少しだけ近くに寄れて撮影出来るので、被写体が少しだけ大きく写っている。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF2.5 ISO400
MFで撮影
AFでAPS-Cサイズにクロップして撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF2.5 ISO400
AFで撮影 APSCサイズにクロップして撮影
MFでAPS-Cサイズにクロップして撮影。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF2.5 ISO400
MFで撮影 APSCサイズにクロップして撮影
ピントを合わせた被写体はすっきりとシャープに、背景ボケは滑らか。
さすがのGレンズの描写。
小型軽量レンズトリオFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 Gについても同じドライフラワーで撮影している。
気になる方は、記事を見て欲しい。
FE 24mm F2.8 Gでのドライフラワーの撮影はコチラからご覧ください
FE 40mm F2.5 Gでのドライフラワーの撮影はコチラからご覧ください
お花畑へ
ある晴れた日、お花畑に向かった。
バラが満開。
小型軽量ながらのとろけるようなボケと描写力を見て欲しい。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/125秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/8000秒 絞りF2.5 ISO800
カメラを始めたばかりの人が標準ズームレンズを購入し、その後に50mmの単焦点レンズを買うことが多い。出来るだけ明るくてボケるレンズが欲しくなるのでf値がf1.4やf1.8など選ぶことが多いと思う。その時に、50mmあたりの焦点距離の単焦点レンズはたくさんあるから何を買ったらいいのか迷うと思う。このレンズFE 50mm F2.5 Gは、徹底的に小型軽量化されたレンズだ。今の時代、とにかくフットワーク軽く、気軽に写真を撮りたい人も多いと思う。この小型軽量なレンズを、作品を撮るという購入の選択肢に入れるのも時代に合っているなと思う。
おわりに
今回、小型軽量のレンズトリオFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、の中の一番望遠レンズFE 50mm F2.5 Gについて紹介した。小型で軽量、Gレンズの美しい描写のレンズだ。
先述したが、標準ズームレンズの次のレンズとして単焦点レンズを考えている場合にこのレンズを選ぶのもいいだろう。
FE 50mm F2.5 G は、一緒に発売された小型軽量レンズトリオのFE 40mm F2.5 Gと焦点距離が近い分、描写もとても似ている。
いろいろ撮る中で、どうしてこんなに近い焦点距離で描写も似ているレンズをトリオのうちの2本として発売するのだろうという疑問を持った。そこで、ソニーの開発の方に質問してみると、40mmはスナップ撮影、50mmはポートレート撮影を中心に活用することを想定しているとの回答をいただいた。焦点距離50mmのポートレート撮影は楽しい。もっと望遠のレンズで撮影する人も多いけれど、筆者は50mmのポートレート撮影が好きだ。50mmで撮る被写体との間合いがちょうどいいのだ。遠すぎず、近すぎず。会話のコンタクトと心のコンタクトをとるのに筆者には丁度良い距離なのだ。動画撮影も視野に考えた場合、ポートレートの動画撮影もこの小型軽量レンズで撮ることが出来たら、それは便利だろう。そう考えると、この3本で小型軽量レンズトリオと言う意味合いが強く感じられる。
小型軽量レンズトリオの3本についてレビューを書いているので、質問を多く受ける。
一番多い質問が「トリオの中で1本買うならばどのレンズがおススメですか」というもの。
いろいろな考えがあると思うけれど、素直な気持ちで書くならば、筆者が1本選ぶとするとFE 40mm F2.5 Gだろう。
何故かと言えば、筆者は焦点距離50mmレンズはお気に入りのプラナーのレンズを持っているし、広角もGMレンズを持っているという理由がある。
だから、自分の守備範囲にないFE 40mm F2.5 Gを選び、引きも寄りも撮って楽しみたい。3本の中で一番寄って撮影できることもあり、動画も静止画も、FE 40mm F2.5の1本でいろいろなシチュエーションを撮影できるだろうと想像できる。
二番目に多い質問が「トリオの中で2本選ぶならどのレンズですか」というもの。
非常に迷うけれど、筆者だったらFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 Gの2本を選ぶ。
広めと寄りを撮影してバリエーションを増やした展開を作りたい。もし動画撮影を視野にいれているとしたらなおさら。
今回紹介したFE 50mm F2.5 Gは最後に選ぶ1本となってしまったが、でもそれは人それぞれ。
例えば、50mmの単焦点レンズを持っていなければ、真っ先に選ぶレンズになるだろう。
動画も静止画もフットワーク軽く撮りたいのであれば、小型軽量レンズトリオを3本揃えるのがベストだろう。
といろいろな想像が膨らむが、兎にも角にも、小型軽量レンズトリオの発売により、動画を含めた撮影が以前に比べてより気軽にできることになったのは確かだろう。
時代が進めば持つ機材も変わる、と筆者は思う。
もちろん変わらないことを楽しむのもいいだろう。
でも、時代が生んでくれた最新の機材を楽しみながら、今の時代を楽しみながら撮影をしていくのは進む未来の中にいるようで楽しい。
変わる時代を否定するのではなく、変化を楽しみ、時には一緒に進み、自分も進化していけたら尚更楽しいだろうと思う。
小型軽量レンズトリオ、気になる方はぜひ試してほしい。
もうすぐ梅雨。
梅雨が明けたら夏が来る。
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF2.5 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF2.8 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF2.8 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF3.2 ISO100
■撮影機材:SONY α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF2.8 ISO100
■写真家:山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
小型軽量レンズトリオの24mm、40mmの記事も是非ご覧ください
■「ソニー FE 24mm F2.8 Gレビュー|山本まりこ」の記事はコチラから
■「ソニー FE 40mm F2.5 Gレビュー|山本まりこ」の記事はコチラから
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写真家の山本まりこさんがソニー FE 50mm F2.5 Gのレビューを行っています。小型軽量レンズトリオの中では最後のレビューとなっており、今まで紹介した2本と合わせて3本のレンズの総評も行っています。
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KEYWORDS:
ソニー(Sony) レンズ,FE 50mm F2.5 G,スナップ,レビュー
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TITLE: 富士フイルム XF18mmF1.4 R LM WR レビュー|テーブルの上から風景までオールマイティーな撮影が楽しめる広角レンズ
BASENAME: 481797123.html
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 06/07/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF18mmF1.4 R LM WR,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
2020年10月に行われたライブイベントで開発アナウンスされていた、富士フイルム「XF18mmF1.4 R LM WR」の登場です。広角18mm(35mm換算/27mm相当)は、筆者にとってフィルムカメラの頃からなじみの深い焦点距離。スナップ撮影に使いやすいと言われています。スマホカメラのレンズと同等の画角でもあり、今や誰もが慣れ親しんでいる標準画角と言えるでしょう。
そんな、XF18mmF1.4 R LM WRを使い早速撮影してみました。撮影日はあいにくの天気が続いたのですが、その分様々な条件下でXF18mmF1.4 R LM WRの魅力を体感することができましたのでレビューをお届けします。
XF18mmF1.4 R LM WRの特徴
XF18mmF1.4 R LM WRはX-T4ボディと組み合わせた時のバランスやホールド感がとても良く、F1.4大口径でありながら質量は370gと軽量で携行性も抜群。リニアモーターによって駆動させるインナーフォーカスを採用しており、ピントの合焦が非常に静かで速く快適です。屋外撮影時に頼れる防塵防滴機能も備わっています。
写真左)XF16mmF1.4 R WR 写真右)XF18mmF1.4 R LM WR
XF16mmF1.4 R WRのようにフォーカスクラッチ機構はないため、どちらかといえばかなりシンプルな見た目です。絞りリングにはA(オート)ポジションロックを搭載。撮影時には絞りリングが不意に動かないようロックすることができる上、Aポジションでの撮影時は、F値コントロールをリアコマンドダイヤルで行うことができます。絞りは1/3ステップ。滑らかで軽妙な操作感で切り替えが可能です。
近似する焦点距離のレンズで比較
左から、XF16mmF1.4 R WR、XF18mmF1.4 R LM WR、XF18mmF2 R
近似する焦点距離の3本のレンズを使用してみました。大口径F1.4の開放値が同じであるXF16mmF1.4 R WRは、サイズ感も重量もかなり近しいものですが画角が大きく異なります。2012年X-Pro1と同時発売された同じ焦点距離のXF18mmF2 Rは、コンパクトさが大いに魅力です。
焦点距離が1mm違うと大きく画が変わると言われる広角レンズは、レンズの特性によって生じる歪曲収差が現れます。わずかに画角が広いXF16mmF1.4 R WRでは、レンズ周辺において広角らしいパースペクティブが見られますね。対して、レンズ収差を徹底的に取り除いた設計のXF18mmF1.4 R LM WRは、自然な遠近感であり、自分自身が被写体と対峙した時に客観視する感覚に近く、「寄るか、引くか。」を必然的に考える素直な写りと画角と言えるでしょう。
写真上)XF18mmF1.4 R LM WR
写真下)XF16mmF1.4 R WR
次に、同じ焦点距離であるパンケーキスタイルのXF18mmF2 Rでは開放値を比較してみました。XF18mmF1.4 R LM WRでは、解放から切れ味の良いシャープネスと美しいボケの両方を表現することができます。
写真上)XF18mmF1.4 R LM WR
写真下)XF18mmF2 R
解像性能を重視した光学設計のXF18mmF1.4 R LM WR
小さく作るということを最優先に作られたXF18mmF2 R
もともと開発コンセプトが異なる光学設計のため、それぞれ別のレンズであると認識しておくのがベター。XF18mmF1.4 R LM WRは一枚一枚の描写を楽しみながら切り取り、XF18mmF2 Rにはパンケーキスタイルで小さく、サクサクと軽快に撮り歩く楽しさがあります。
F1.4の解像感あふれる立体的な描写力
広角レンズにおいて特にスナップ撮影や風景、建築物撮影などで重視されるのがパンフォーカスでの描写力。非球面レンズ3枚とEDレンズ1枚を含む9群15枚でレンズ構成し、色収差やコマ収差などレンズ収差を徹底的に取り除くことで開放F1.4でも画面の隅々まで気持ちよくしっかりと写し込み、精細な画作りで極めて高い描写性能を発揮します。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/2500秒 絞りF1.4 ISO200 WB AUTO雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
金属、ホーロー、木材などそれぞれ異なる材質の質感に加え、窓の外まで精巧に写し込まれており、まるでその場にいるような感覚を覚えるほど被写体に正対した時のリアリティある奥行きが表現できています。こうした臨場感を得られることがXF18mmF1.4 R LM WRの魅力。筆者が広角18mm(35mm換算/27mm相当)を好む無理の一つでもあります。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/25秒 絞りF5.6 ISO800 WB AUTO雰囲気優先 露出補正+0.7
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
■撮影協力:カフェダイニングLAND_A 東京ミズマチ
カメラが高画素化しても使えることを追求した鋭い描写に、「XFレンズの中でも最高クラス」と言われる解像性能の高さを感じられることでしょう。
最短撮影距離20cmによる美しいボケ
「あれ?どこまで寄れるんだろう。」と思うほど近づける最短撮影距離はセンサー面から20cm。レンズ前では11cmで、被写体にかなり近接して撮影が可能。解放F1.4での撮影時は、広角レンズとは思えない柔らかく美しいボケにより、「本当に広角レンズ?」と疑うほどです。
橋梁下からフェンスをのぞき込んで遠方の橋を撮影したところ、レンズ前にあるはずの金網が溶けて見えなくなってしまいました。また、遠方の橋にいたっては雨降りのどんよりとした空にもかかわらず、しっかりと写し込まれているのがわかります。
写真上)XF18mmF1.4 R LM WR(絞りF1.4)
写真下)XF18mmF1.4 R LM WR(絞りF5.6)
広角レンズでは表現が難しいと言われているボケはどうなのだろうと思い、花を撮影してみましたが、優しさの中にニュアンスがあり雰囲気が残せる上、背景を程よく取り込む好ましい写りです。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/180秒 絞りF1.4 ISO320 WB AUTO雰囲気優先 露出補正+1.7
■フィルムシミュレーション:Pro Neg. Hi
■撮影協力:アトリエショップ&ギャラリー tocolier(トコリエ)
ピントがシビアになりやすい水滴。ここではリニアモーターにより駆動させているインナーフォーカスのAFスピードの素早さと正確さを実感。細部における描写は際立っていて背景ボケの階調も広角レンズと思えないほどの滑らかさ。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/800秒 絞りF1.4 ISO320 WB AUTO雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:ASTIA/ソフト
テーブルフォトではシズル感の描写も素晴らしく、素材の美味しさとみずみずしさを引き出し、カップ&ソーサーに反射した小さな光源までキャッチして玉ボケもアクセントになりました。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/200秒 絞りF1.6 ISO320 WB AUTO雰囲気優先 露出補正+0.7
■フィルムシミュレーション:Pro Neg. Hi
■撮影協力:カフェダイニングLAND_A 東京ミズマチ
「ちょっと撮りたいな。」というシーンに応えてくれる距離感が普段の撮影や旅先での思い出を楽しいものにしてくれます。ここまでの撮影でも、広角レンズ1本だけで「寄りと引き」を存分に楽しめることを実感しました。
雨の中でも頼れるタフネス構造
屋外撮影時はあいにくの雨で、傘を差しながら片手での撮影を行っています。どうしても雨の日や光量の少ないシーンでの撮影は躊躇してしまいがちですが、撮影条件が悪いほどこのレンズの威力が発揮されます。
絞り込んでもISO感度が補完してブレなくしっかり撮影できました。どっしりと構えた風貌がこのレンズの解像力によって迫力を増します。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/25秒 絞りF9.0 ISO1250 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:Pro Neg. Hi
どんよりとして暮れ行く雨の日の空は相当に暗いのですが、一本一本の線や雲の表面にもディティールが感じ取れるほどしっかりと写し込んでくれます。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/500秒 絞りF8.0 ISO320 WB晴れ 露出補正+0.3
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg,)
本降りの雨でレンズはかなり濡れましたが、防塵防滴という機能が大いに味方になってくれるので、安心感を得られ、歩きながらの撮影も意欲が湧きます。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/1500秒 絞りF1.4 ISO320 WB晴れ
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
夜間撮影など光量の少ない場合でも高画質
夜間は三脚を用いずに手持ち撮影を行いました。レンズ側に手ブレ補正機能はありませんが、X-T4のボディ内5軸・6.5段の手ブレ補正効果に加え、大口径レンズの明るい開放値によって鮮明に写すことができます。ノイズが抑制された高画質な描写で、画面奥の建造物までしっかりと写し込んでいます。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/6秒 絞りF1.4 ISO200 WB日陰
■フィルムシミュレーション:Velvia/ビビッド
光量の少ない場所でもISO感度を上げる必要がなく、AFの速さと合焦の正確さによって楽々と撮影できてしまいます。夜歩きながら気になった被写体もサッと切り取れる心地よさも格別です。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/10秒 絞りF1.4 ISO500 WB日陰
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
ガード下のような薄暗い場所でも黒つぶれすることなく美しいグラデーションが表現されています。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:SS1/15秒 絞りF1.4 ISO400 WB晴れ
■フィルムシミュレーション:ACROS+Yeフィルター
開放値F1.4単焦点レンズの実力を発揮し、撮りたい気持ちに応えてくれる信頼性ある写りに高い満足感を得ます。
最後に、夜間手持ち撮影にて動画も撮影してみました。玉ボケの美しさも合せてご覧ください。
VIDEO
おわりに
寄っても引いても抜群の解像力のあるXF18mmF1.4 R LM WRは、テーブルの上からスナップ、風景まであらゆるシーンでオールマイティーに活躍します。撮影していて日常のほとんどのものがこれ1本で写せてしまうのではないか?と感じました。
透明感、ボケ、質感描写、天候、時間帯など撮影条件やシーン、環境を問わず使える満足度の高さです。私にとっては馴染み深い焦点距離でもあり、久しぶりに「これ欲しい!」と購買意欲をかき立てられました。XF18mmF1.4 R LM WRはXユーザーなら是非ともそばに置きたい一本になっています。
■写真家:こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんに、富士フイルムの広角単焦点レンズ「XF18mmF1.4 R LM WR」をレビューしていただきました。Xレンズ最高クラスの解像性能に注目です。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,レンズ,XF18mmF1.4 R LM WR,レビュー,スナップ
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: サバンナ撮影記|Vol.01 ~ケニアへの行き方~
BASENAME: 481700291.html
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CATEGORY: 井村淳
DATE: 06/08/2021 16:00:00
TAGS: サバンナ撮影記,野生動物/動物
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はじめに
子供の頃、テレビで観ていた野生動物の番組といえば『野生の王国』。その画面の中でアフリカのサバンナがよく映し出されていた記憶があります。見渡す限りの草原では弱肉強食が日常的に繰り返されているとても危険なところ。子供ながらにそんなイメージを抱いていました。
私が20歳になり写真学生を卒業する頃になると、野生動物を撮る写真家になりたいと思っていました。ただ、野生動物といえばサバンナしか思い浮かびません。どうやって行けばいいのかすら分からず困っていましたが、そんな時、たまたま動物写真家の方たちが行かれるツアーに参加させてもらえるチャンスがありました。初めてのアフリカ。一体どんなところなんだろうと胸を膨らませながら色々と妄想したことを思い出します。
本記事ではサバンナへ撮影旅行する際の行き方をご紹介します。安心して海外へ行けるようになった時に参考にして頂ければ嬉しく思います。
サバンナへ行くための準備
皆さんの中にも「サバンナに動物を撮影しに行きたいけどどうやって行けばいいの?」と思っている方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は、ケニアへの行き方をご紹介いたします。ただ、僕が初めて行ったのは30年も前のことで、今とは少し行き方も違っていると思いますので、最近のルーティンでお話しいたしましょう。
ケニアに行くにはまずは準備が必要です。ケニアに渡航する際に必要な予防接種はありません。ただ、どこの国を経由するかによって、トランジットの時に黄熱病の予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められることがあるようです。しかし、今回ご紹介するルーティンでは2020年末時点で必要ありませんでした。
ケニアへの入国にはビザが必要になります。事前にオンラインで申請し、発給されていなければなりません。少しややこしいですが自分でも申請が可能で、費用はクレジットカード決算でUS$51です。少し前まではケニア大使館に申請に行き、翌日発給されるので2日通わなければならなかったのですが、オンライン申請でかなり楽になりました。
英語表記のページには毎回悪戦苦闘させられますが、一度アカウントを作ってしまえば2回目以降は少し楽に申請できるでしょう。分からない方は旅行会社でプラス手数料で申請をしてくれるところもありますので、そちらを利用されると良いかもしれません。
ケニアへの持ち物で注意することがあります。ケニアに入国する時点でプラスチックバッグ(ビニール袋)を持っていると最大で日本円にして400万円ほどの罰金が科せられます。特にスーパーのレジ袋は絶対にNGですが、着替えなどを入れるためにジッパー付きプラスチックバッグは可否不明(ケニアの人に聞いても)なので安全のため紙袋や、100均で売っている洗濯ネットなどを利用します。途中の空港で土産物を買って、プラスチックバッグをぶらさげながらの入国も気をつけたほうが良いでしょう。近いうちにペットボトルも禁止になるという噂もあります。
そのほかに持参すると良いものは、雨季に行かれる際は特に必須の虫刺され対策用品です。マラリア対策として蚊に刺されないような準備がオススメです。ガスタイプではない虫除けスプレーやお部屋で使う用に渦巻きの蚊取り線香は有効です。1000メートルを超える標高の高いエリアはマラリアの蚊は生息していないと言われていますが、飛行機などで一緒に移動してしまうことがあるようで首都ナイロビでもマラリアにかかることがあるそうです。ちなみにマラリアに有効な予防接種はありません。
他には、日中のケニアの太陽は紫外線が強く、空気はカラカラに乾燥しますので、日焼け止めやお肌のケア用品もお忘れなく。日除けにつばの広い帽子は有効ですがカメラを覗くのに邪魔にならないものがオススメです。
そして、意外に思われることが多いのですが、寒さ対策は必須です。特に乾季は体感的にも寒く、ウインドブレーカーや使い捨てカイロが重宝することがあります。朝と夜はかなり涼しいです。いずれお話ししますが、宿によってはベッドに湯たんぽを入れてくれる程で、寒さが故に風邪を引いてしまう方も多いです。
また、毎回悩むのが機材の量です。飛行機に持ち込める荷物の重量はとても厳しくチェックされるので、厳選しなければなりません。航空会社にもよりますがエミレーツ航空ではエコノミークラスだと7キロまで1つ、ビジネスクラスで7キロを2つまでとなります。貧しい私は、もちろんエコノミークラスなので絶対に必要な機材だけカメラバッグに入れ、あとは厳重に梱包して預けます。預けた荷物がなくなる事や数日遅れて到着なんて事もたまに聞く話ですので特に往きは荷物の選定に吟味が必要です。預け荷物もエコノミークラスは30キロまで、ビジネスクラスは42キロまで(一つの荷物が32キロを超えない)で、超過すると1キロにつき片道7千円〜チャージされますので要注意です。
エミレーツ航空は羽田または成田と関空から出ていて、本拠地のドバイで乗り換えてナイロビに向かいます。エミレーツ航空が取れない時やとても高い席しか残っていない時に、同じUAEの航空会社でエティハド航空やお隣の国のカタール航空も同じような時間帯でナイロビに行ける便があり、そちらを使うこともあります。
乗り換え時間を入れて20時間前後でジョモケニアッタ国際空港に到着します。入国審査を通過してターンテーブルで荷物をピックアップし、出口でランダムで持ち物チェックがあるのですが、なぜかかなりの確率で私は呼び止められます。荷物を開けた時にプラスチックバッグが見えるとやばいので荷造りの時に、これを想定しておくと良いです。
あまりレートが良くないですが必要な方は、空港の両替所で現地のケニアシリングに換金できます。現地コーディネーターがいるならばレートの良いところに案内してもらうか、多額ならば、あらかじめ銀行で両替しておいてもらうと良いです。ただ、今は現金がなくても支払いができることも多いのでチップ用に少し換金するくらいで足りると思います。
いよいよサバンナへ
国際空港からナイロビの街へ行きます。空いていると40分もあれば着くのですが、ちょっと混むと2〜3時間、またはそれ以上かかったこともあります。次に行く場所がどこで何を使うかにもよりますが、私は基本的にナイロビに1泊します。翌日の午前中の小型機でサバンナに行くか、早朝から車で移動することもあります。
小型機ならば40〜50分のフライトでマサイマラ国立保護区という「THE サバンナ」という雰囲気のエリアに行けます。車で行くと7〜8時間かかります。飛行機は早いのですが、荷物がさらに厳しくて機内持ち込みと預け荷物合わせて15キロと、全ての装備をその範囲で持ち込むことは絶対に無理です。そのため、超過料金を払って載せるのですが、混んでいるときはお金を払っても積めないと断られることがあります。特にツアーなどでお客さんをお連れすると、お客さんのほとんどは大きなハードのスーツケースが主流なので、容積的に小型機には入らないと言われます。そのため最近はナイロビでソフトバッグに詰め替えて、スーツケースは帰るまでホテルなどで預かってもらいます。
小さいと14人乗りくらいの小型機ですが、その日のお客さん次第で何回着陸するのかが変わります。サバンナの泊まる宿によって着陸するところがいくつもあって、その時々によって着陸回数が変わるのです。時には、途中で別の飛行機に乗り換えてということも。
着陸する前に窓から見える景色は、雨季ならば真っ青な緑色で、乾季なら一面黄金色。草原に草が生えていない真っ直ぐな砂利道の滑走路(エアストリップという)に降ります。飛行機が降りる直前に滑走路に動物がいないか地上で見張っています。飛行機を降りると宿から車が迎えに来ています。車に乗ればそこはもうサバンナです。宿に移動する時にも野生動物がいます。まだ撮影の準備もしていませんが、時にはこの時点でレアものに出会うこともあります。宿にチェックインしてランチをしたら、午後3時半からサファリがスタートです。
初めてサファリをする時に必ずと言っていいほど言われるのがビッグファイブ!についてで、「今回の滞在中にその5種類コンプリートできたらラッキーです」のようにゲーム感覚に楽しませてくれます。その5種類とは、ライオン、ヒョウ、ゾウ、バッファロー、クロサイです。旅行会社やガイドによって少しずつ説明が変化しているのですが、由来は、昔、人間が動物をライフルなどで狩りする時に、一発で仕留められないと逆に襲われてしまう気性が荒い危険な大物としてビッグファイブと言われていたとのこと。特にサイの中でもシロサイは大人しいですがクロサイはやばいらしいです。「滅多に出会えない珍しい動物5種類です!」と説明しているのを聞いたことがありますが、珍しさで言いうと、サイは滅多に見られないものの、バッファローはどこにでも居ます。
私が初めてケニアに行った時、ライオンはビッグファイブに入っているけどトラは入ってないの?と質問したら、大笑いされました。「サバンナにトラはいないよ。」って小声で教えてくれました。「そーなの!」って顔を赤くしながら叫びました。実は、そのくらい動物について何も知らずにケニアに行ってしまったのです。ライオンが草食獣を捕食する弱肉強食の世界を見たいと言う思いだけを抱いて、オスはたてがみがあって百獣の王と言われている、と言うのが私のサバンナについての全知識でした。
臆病なライオン
■使用機材:Canon EOS 1D MarkⅣ + EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
■撮影環境:ISO400(オート) F11 1/320 焦点距離207mm
ここで、ビッグファイブの一角であるライオンについて少しお話ししておきましょう。ライオンは夜でも行動できる夜行性ですが、私たち旅行者がサファリをできるが日の出直前から日の入りまでです。早朝のサファリに出ると、お腹がポンポコリンのライオンに会うことがよくあります。暗いうちにどこかで狩をしてお腹いっぱいになってねぐらのブッシュに戻る場面です。たまに食べている最中の場面も見かけますが、私が見たいのは狩る瞬間です。しかしながら、そんな場面には滅多に出会いません。日中は暑いので木陰でだらしなく仰向けに寝ているためです。お腹を見せて寝られるのは強さの証だと思いますが、フォトジェニックではありません。それでも何十回とサバンナに通っていると、日中に狩りをするライオンにも出会うことがありますが、ライオンは足があまり早くないので狩りを失敗することも度々です。
■使用機材:Canon EOS 1DX + EF200-400mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO1000(オート) F4 1/1600 焦点距離400mm
あるとき、バッファローに近づくライオン5頭のグループに出会いました。「念願だったバッファローを狩りするところが見られる!」と興奮しながらファインダーを覗きながらその時を待っていました。ライオンがだんだん接近してある程度の距離に近付くと気がついたバッファローが立ち上がりました。その瞬間、先頭のライオンの表情が「あれ!?」みたいに変化しました。立ち上がったバッファローがあまりにデカくてビビったように見えました。その後、まさかと思いながら見守っているとライオンは後ずさりするようにバッファローから離れて行ってしまいました。なんとも情けない若いオスライオンでした。
■使用機材:Canon EOS 1DX + EF500mm F4L IS Ⅱ USM
■撮影環境:ISO6400(オート) F4.5 1/1000
■写真家:井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。
日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。
(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。
この記事に使用した機材
【キヤノン】EF500mm F4L IS II USM
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写真家の井村さんによる連載シリーズ「サバンナ撮影記」第1弾! 今回はサバンナへの実際の行き方や、意外と臆病なライオンについて、素敵な作品と共にご紹介されています。
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KEYWORDS:
ペット/動物,サバンナ撮影記
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROレビュー|圧倒的、快適な超望遠撮影が可能に!
BASENAME: 481899793.html
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CATEGORY: 菅原貴徳
DATE: 06/09/2021 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) レンズ,M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO,昆虫,野鳥,望遠ズーム
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はじめに
2021年1月にM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROが発売になって、約5ヶ月になる。開発発表から長かったこともあり、発売を待ち焦がれたユーザーも多いことだろう。こと、軽くて超望遠が効くことや、「鳥認識AF」のリリースがあったこともあり、野鳥ファンにも関心が高かったように思う。筆者はM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROのプロモーションにも関わった※ので、比較的早い時期から試用の機会があったものの、やはり自分のものとして手に入れて、作品作りに使ってこそわかる部分もあると言うもの。今回は実際に撮影の現場に導入してみて、改めて感じたM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROの優位性をお話ししたい。
※「OLYMPUS 写真家 菅原貴徳 × M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」のプロモーション動画はこちらから ご覧いただけます。
極めて広いカバー域を実現!
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO最大のポイントは、300mm相当から1000mm相当まで、約3.3倍ものズーム域をカバーする点だ。これには、元々のズーム域の広さに加え、1.25倍のテレコンバーターを内蔵したことが寄与している。800mm相当、または1000mm相当という画角は、一般ユーザーからすると異次元の域かもしれないが、野鳥をメインの対象にしていると日常的に使う焦点域。もはやオリンパスの代名詞となった手ぶれ補正も強力で、数値上はOM-D E-M1XやE-M1MarkIIIとの組み合わせで最大8段分(1000mm相当時は6段分)となっている。
実際に使って見ると、1000mm相当で1/40や1/30のようなシャッタースピードで、手ぶれを抑えた撮影ができる。これにより、三脚の携行も必須ではなくなるので、フィールドを歩いて鳥を探し、出会いを楽しむという、野鳥観察本来の楽しみと、高品質の撮影の両立が容易になっている。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 内蔵テレコン使用
■撮影環境:ISO 800 F5.6 1/80 Aモード 焦点距離500mm(35mm判換算:1000mm相当) 手持ち撮影 鳥認識AF
また、フィールドではしばしば三脚が置けない不安定な足場にも遭遇する。例えば、漁船の上からオオミズナギドリを撮影した時には、手ぶれ補正と、軽量なシステムのおかげで、快適に撮影ができた。画角の自由度も高いので、波飛沫を恐れながらテレコンやレンズの付け外しをする必要もなかった。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/3200 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算:1000mm相当) 手持ち撮影 内蔵テレコン使用
漁船でのオオミズナギドリ撮影風景
ズームを引くと300mm相当になる。この焦点域は、運良く野鳥に近づけた時、ズームを引いて背景に生息環境を取り入れるのに使うことが多い。また、ハクチョウ類やガン類のように、大型の鳥や、群れで飛ぶ鳥をバランスよく写すのにも便利だ。作例は、湖から飛び立ったマガンの群れが、旋回してこちらに向かってきた場面。ズームを引くことで、編隊を組んで飛ぶ様子を表現できたのだが、それをファインダーを覗いた姿勢のままに完結できることがありがたかった。
これまでは、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROやM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO、それらにテレコンを着脱するなどしてカバーしていた広い域の大部分を1本でカバーでき、1回のチャンスに撮影できるもののバリエーションが増える。もちろん、それには画質が伴わないといけないが、ズーム全域、画面の隅々まで極めてシャープな描写を見せるので心配不要。随所に、望遠に有利なマイクロフォーサーズの強みを生かした設計が感じられ、さすがM.ZUIKO PROレンズと言ったところだ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F4.5 1/3200 マニュアル 焦点距離150mm(35mm判換算:300mm相当) 手持ち撮影
それだけの広いズーム域、高画質、強力な手ぶれ補正を搭載しながら、2kgを切る軽さを実現し、実に軽くて携行性がいい。確かにM.ZUIKOレンズとしては最大だし、白い鏡体は印象として大きく感じるが、実際に手に持つと拍子抜けするほど軽く感じる。2kgを切る鏡体は、随所に軽量化へのこだわりが感じられる仕様となっている。
各リングとスイッチ類、内蔵テレコンの操作性
外観の細かい部分を見ていこう。
まずはリング類。フォーカスリングとズームリングは、いずれも三脚座を手のひらに乗せた状態で操作しやすい配置になっていて、撮影姿勢を崩すことなく操作できるのは好印象だ。深めの溝が入っているおかげで、素手、グローブ着用時を問わず、引っかかりは良い。頻繁に操作する箇所なので重要な点だ。
フォーカスリングには、いいぬめり感がある。電子式リングに有りがちな微妙な遅延も感じられず、この点はM.ZUIKO ED 300mm F4.0 IS PROより優れていると感じる。筆者は、野鳥が静止している時にはAF後に鳥の顔を拡大してMFでピントの微調整をすることが多いので、重宝している。
ズームリングもよい感触で、スムーズな画角調整が可能。ストラップ使用で肩から下げたまま、鳥を探して歩いていると、気づかぬうちにズームが動いている、というケースも多くて、望遠側で小さなクリックがあると良かったかな、と思ったりもする。野鳥相手では基本的に400mm(500mm)域で撮影を開始することが多いので、注意したい。劇場など、小さなクリック音さえ立てられないシーンでの使用に配慮した設計なのかもしれないが。
次に気になるのは、内蔵テレコンの切り替えだ。マウント付近にあるレバーがそうで、主に右の中指で操作することになる。希望者には、有償で左右を反転させるサービスもあるが、筆者の用途だとデフォルトの右配置が使いやすい。「あと少し大きく撮りたい!」と思った時に、ファインダーから目を離さず、切り替えができる点が重宝する。なお、内蔵テレコンのオン/オフの操作で、ピントの位置が変化しない点は、地味なようでとても大きな利点だ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F4.5 1/400 Aモード 焦点距離400mm(35mm判換算:800mm相当) 手持ち撮影
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/320 Aモード 焦点距離500mm(35mm判換算:1000mm相当) 手持ち撮影 内蔵テレコン使用
鏡体の左側には各スイッチ類があるが、比較的頻繁に切り替えるのはフォーカスリミッターくらいか。とっさに操作するものでもなく、特に可も不可もない。
高速・高精度AFを実現
これまで野鳥撮影のメインであったM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROと比べても、AF速度が向上している。この進化は、野鳥の飛翔撮影に対応する上でとても重要な点だ。
作例のハヤブサは、鳥の中でも飛翔速度が速いもののひとつだ。斜めに向かってくる一連をC-AFで追ってみたが、AF速度の不足は感じなかった。秒10コマのメカシャッターでAF・AE追従連写した中から、羽の下面の模様がよく見える1枚をセレクトした。
なお、日中に撮影すると翼の模様が影になって黒く潰れてしまうため、無理に撮影は行わず、少し離れた位置からの観察に費やした。太陽高度が下がった夕方、日中の観察からわかった飛翔ルートを参考に、高台で待ち伏せて撮影した。撮影に夢中になると、知らず知らずに野鳥への圧力をかけてしまうことがある。撮影時間の短縮は、鳥への圧力の軽減にもつながる。観察を大切にして、鳥への配慮を欠かさないようにしたい。その辺りのことは拙著※でも詳細に解説しているので、参考にしていただけると嬉しい。
※玄光社 菅原貴徳 著「図解でわかる野鳥撮影入門」の詳細はこちらから ご覧ください。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/2500 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算:1000mm相当) 手持ち撮影 内蔵テレコン使用
外付けテレコンでさらに長く!
単体で1000mm相当までの超望遠撮影が可能なM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROだが、外付けのテレコンを装着することで、さらに焦点距離を伸ばすことも可能だ。1.4倍テレコン MC-14なら1400mm F8.0 相当、MC-20なら2000mm F11 相当になる。実際に野鳥を撮影して見るとわかるが、フィールドで出会う鳥たちはとても小さく、そして遠い。そのため、1000mmあっても鳥が大きく写らない場面はとても多い。
MC-20を使用すると、最大で2000mm相当となり、さすがに大きな引き寄せ効果を実感できる。この焦点距離で、手持ち撮影が行えることも驚きだ。マスターレンズ側の性能もあって、ブレと空気の揺らぎにさえ注意すれば綺麗に写る。ただし、やはりF値の低下は気になるので、ISOを上げるなり、三脚の使用や、手すりなどに押し付けるなどしてブレに気をつけて撮影したい。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/400 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算:1000mm相当) 手持ち撮影 内蔵テレコン使用
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO + MC-20
■撮影環境:ISO 500 F11 1/160 マニュアル 焦点距離1000mm(35mm判換算:2000mm相当) 手持ち撮影 内蔵と外付けテレコン使用
一方、1400mm F8 相当となるMC-14との組み合わせでは、明るさの低下を最小限に抑えながら拡大でき、特に小鳥の撮影では日常的に使用している。内蔵テレコンをオフにすれば1120mm F6.3 相当で、環境の明るさによって使い分ける。
作例のオオルリは、初夏に日本にやってくる夏鳥。この時期の森は葉が茂っていて、見えるアングルを探すのが精一杯だ。手持ち撮影のメリットが実感できる場面でもある。オオルリの深い青は構造色と言って、晴れた日より、曇りの光により映える。必然的に光量は減り、シャッターも遅くなるが、手ぶれ補正に助けられブレのない撮影が可能だった。
時期や種類によっては、離れて撮影しないと過度にストレスを与えてしまう可能性すらある。テレコンをうまく使って、適切な距離を保ちながら撮影したい。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO + MC-14
■撮影環境:ISO 320 F8.0 1/125 Aモード 焦点距離700mm(35mm判換算:1400mm相当) 手持ち撮影 内蔵と外付けテレコン使用
最短1.3mの近接性能も!
「超望遠」と言うと「遠くのものを引き寄せる」ことのイメージが先行しがちだが、「近くのものが大きく写る」ことも一つの特性。それには、近距離でもピントが合わねばならないのだが、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROの最短撮影距離は、ズーム全域で1.3mと極めて短く、このとき撮影倍率は0.57倍相当になる。
野鳥を探してフィールドを歩いていると、ふと目に入る草花や昆虫に目を奪われることも少なくない。そんな時、交換レンズを持っていなかったとか、あるいは付け替える手間を惜しんで撮影しなかった、なんて後悔したことがある方もいるかもしれないが、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROを使うと、「超望遠マクロ」の新しい世界を覗くことができる。
作例は、探鳥中にふと見た足元に静止していたニホンカワトンボ。そのまましゃがみこみ、1.3mの最短撮影距離付近で撮影した。解像度も色再現も秀逸で、ニホンカワトンボのディテールが最大限に描写されている。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO + MC-14
■撮影環境:ISO 250 F6.3 1/640 Aモード 焦点距離400mm(35mm判換算:800mm相当) 手持ち撮影
まとめ
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROが持つ、実に幅広いカバー域を実感いただけただろうか。ここでいうカバー域というのは、単に焦点距離の広さだけでなくて、撮れ得る被写体の多様さや、軽量であるが故に可能になるフィールド探索の領域をも含んでいる。余談だが、M.ZUIKO ED 12-100mm F4.0 IS PROが発売された時、ズーム域の広さや描写、手ぶれ補正の精度から、あまりに便利に撮影ができるので「人をダメにするレンズ」と呼ばれていた記憶があるが、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROは「超望遠版・人をダメにするレンズ」と言えると思う。それくらい、簡単になにもかもできてしまう。
今やOM-Dシステムの代名詞となったシャープな描写、強力な手ぶれ補正、防塵防滴性能など、すべてを高いレベルで実現しているのはもちろん、内蔵テレコンのような新しい試みも合わさって、まさにフラッグシップにふさわしい1本。みなさんにも手にとって実感していただきたいのはもちろん、自分自身も、フィールドで使い込んでいくことを楽しみにしている。
■写真家:菅原貴徳
1990年、東京都生まれ。幼い頃から生き物に興味を持ち、海洋学や鳥の生態を学んだ後、写真家に。野鳥への接し方を学ぶ講座を開くほか、鳥が暮らす景色を探して、国内外を旅するのがライフワーク。著書に最新刊『図解でわかる野鳥撮影入門』(玄光社)ほか、『SNAP!BIRDS!』(日本写真企画)などがある。日本自然科学写真協会会員。 オリンパスカレッジ講師。
オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROはこちらの記事でも紹介しています
■オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO|マイクロフォーサーズのメリットを最大限に引き出した次世代の高性能超望遠ズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/481779001.html
この記事に使用した機材
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M1X
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL 2倍 テレコンバーター MC-20
商品詳細ページ
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写真家の菅原貴徳さんがオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROのレビューを行っています。作品を作る中でじっくり使って分かった本製品の魅力についても紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス,Olympus,レンズ,鳥,M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO,昆虫,超望遠,野鳥撮影
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: アップル iPhone 12 Pro Maxで映画の予告編風ムービーを編集!|三井公一
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 06/10/2021 16:00:00
TAGS: iPhone,スマートフォン,iPhone 12 Pro Max
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BODY:
はじめに
5Gスマートフォン「アップル iPhone 12」シリーズは、写真やムービーがカンタンかつキレイに撮影できます。とりわけ、前回の記事 でご紹介したように、高解像度の「4Kムービー」が誰にでも手軽に撮影可能なことが特長です。そして無料のアプリ「iMovie」を使って、映画の予告編のようなカッコいいムービーも編集可能になっています。
そこで、今回はショートトリップ時に撮影した素材を使って「予告編」ムービーを作ります。その制作手順を皆さんにシェアしたいと思います。とても楽しいですよ。
まずはiPhone 12 Pro Maxで撮影した素材を確認!
前回の記事通りに「4K」でショートトリップを撮影しました。3840×2160ピクセルの美しいムービーが、こんなにカンタンに撮影できるiPhoneは本当にスゴいですね!さて、これからアップルの純正アプリ「iMovie」を使って1本の映画予告編風ムービーを制作しますが、その前に撮影したムービー素材をじっくりと確認しましょう。
まずは「写真」アプリをタップします。そして画面下部にある「アルバム」を選びましょう。下にスクロールすると「メディアタイプ」のところに「ビデオ」という項目があるはずです。この中に撮影したムービーが入っています。タップして確認してみましょう。
1本ずつムービーを再生してチェックします。意図通りに被写体を撮れているか、大きな手ブレがないかなど、素材として相応しいかを全画面で再生して見ましょう。編集アプリ上では小さく表示される場合が多いので、ここでよく確認することが大切です。
撮影素材カットをチェック
フェリーの甲板上で撮ったカット。船で揺られていますが臨場感あふれていていいですね。
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前回記事で紹介した固定(フィックス)撮影 ですが、船が移動しているため動きのある映像になっています。両手でiPhoneを落とさないようにホールドしましょう。
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前回記事のようにティルトアップして撮影しました。途中フレアが入っていますが、印象的な効果となりました。フレアを入れたくない場合は手で光を遮る必要があります。
VIDEO
こちらも前回記事のように、忍び足移動しながら標識を撮ってみました。このような動きのカットをおさえておくのが大事です。逆方向の動きも撮影しておくと役立つかもしれません。
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と、このように気に入って使えそうなカットがあったら、画面下部にある「ハート」アイコンをタップして「お気に入り」のマーキングをしておきましょう。あとでムービーをピックアップしやすくなります。
iMovieで編集してみましょう
さあ、いよいよ編集作業です。使用するアプリはアップルの「iMovie」です。もしiPhoneから削除してしまった場合は「App Store」からダウンロードしましょう。もちろん無料です。「iMovie」アイコンをタップしてアプリを立ち上げましょう。「プロジェクト」画面にある「+」をタップすると下の画像のような画面になるはずです。表示のように「ムービー」と「予告編」の2種類を編集可能です。今回は「予告編」を制作します。
「ムービー」は「パナソニック LUMIX S5で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第3回】ムービー撮影設定とiPhoneでのカンタン編集! 」の回で制作方法を取り上げていますので、そちらをご覧ください。
「予告編」を作るのはとてもカンタンです。テンプレートに沿って、ムービーや写真を入れ込んでいけばハリウッドスタイルのトレーラーを仕上げることが可能なのです。もちろんテロップなども本格的なものを挿入できます。
それでは「予告編」をタップしましょう。タップすると予告編のテンプレートがズラリと並んでいるはずです。「アドレナリン」「おとぎ話」「冒険旅行」などステキなタイトルが見えますね。気になったものを選択して三角印の再生アイコンをタップするとそれぞれをプレビューできます。撮影したムービー素材にマッチしたものを選んで、今回の予告編を作っていきましょう。今回は「大人への旅立ち」を元に話を進めます。
テンプレートを使ってカンタン・楽しい編集作業
右上にある「作成」のアイコンをタップすると「アウトライン」と「絵コンテ」と書かれた画面になります。「アウトライン」はタイトルや作者名を入れたりすることができ、「絵コンテ」はテンプレートに沿ってムービーや写真、テロップを入れたりすることができるパートとなります。
「アウトライン」ではムービーのタイトルやスタジオ名(作者名)、ロゴのスタイル(動く様子をプレビューできます)、クレジットなどを入力、指定可能です。ハリウッドの映画監督になったつもりでやってみるのがオススメ。
次は「絵コンテ」です。下の画像はから時系列順に素材をはめ込んだ様子であり、このようにテンプレートに沿って、ムービーや写真、テロップを挿入および入力するイメージで編集を進めていきます。とてもわかりやすいですよね。左の再生アイコンをタップすると大画面での簡易再生を、右にある再生アイコンをタップすると絵コンテ上でテロップなどが入ったムービーを再生可能です。
「アウトライン」でスタジオ名を「ShaSha Films」と入力してみました。「ロゴスタイル」で「カラーバー」を選んでプレビューするとこのように表示されました。
さて次は「絵コンテ」で編集していきましょう。テンプレートのアイコン(これを「クリップ」と呼びます)をタップして素材ムービーを選んで挿入していきます。この場合は「2.7秒」と書かれている部分に撮影したムービーを入れ込みます。秒数はクリップによって決められているので、この長さに合うものを選びましょう。
タップするとビデオ一覧が表示されます。先ほど「ハート」アイコンをタップしてあれば「お気に入り」フォルダに選んだムービーたちが入っているはずです。「お気に入り」フォルダをタップして移動しましょう。選んだムービーはありましたか?
目星をつけたムービーを選んでタップします。すると「+」と「再生」アイコンがポップアップします。「+」アイコンを選ぶとムービーがテンプレートに挿入されます。「再生」アイコンを選ぶと縮小表示されたムービーが再生され、内容を確認することができます。また、この時指先で左右にドラッグして、挿入する位置を指定することもできます。
挿入したムービーをタップすると、挿入範囲の調整、「亀」アイコンでスロー再生、「スピーカー」アイコンで音声の有無を指定できます。
画面が見にくい場合はiPhoneを縦にすると見やすくなる場合があります。
ムービーだけでなく写真を挿入することも可能です。もしムービーが足りなくなったら写真を使うのもいいでしょう。文字の部分はテキストの入力ができます。シーンにあった言葉をiPhoneで入力していきます。なかなか手間のかかる作業ですが、撮影時のことを思い出してやるとうまくいくでしょう。
このように「絵コンテ」の上から全て作業していけば編集完了です!カンタンですよね?再生を繰り返して、おかしなところや気に入らない部分を修正したら完成です!
最終チェックが終わってOKなら完成ムービーを書き出しましょう。編集画面の状態で左上の「完了」アイコンをタップします。次に画面下部の真ん中のアイコンをタップして「ビデオを保存」すると「写真」アプリ内に書き出されます。
完成した予告編風ムービーを見てみましょう
アッという間に編集できましたが、仕上がりはどうでしょうか?静岡・西伊豆でのショートトリップの爽やかさが伝わってくる予告編風ムービーとなりました。
VIDEO
さいごに
iPhone 12シリーズは、ムービー撮影はもちろん、編集作業もとても楽チンです。今回は短い予告編ムービーを制作しましたが、もし長編にチャレンジしたくなったら、「パナソニック LUMIX S5で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第3回】ムービー撮影設定と iPhoneでのカンタン編集! 」でご紹介したように、自分なりの作品を作ることも可能です。撮影から編集、そして5G回線でのシェアまでできてしまうiPhone 12シリーズは本当にスゴいですよね。パープルの新色も登場したので、ぜひカメラのキタムラ店頭で実機を手に取ってお試しください!
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
iPhoneの撮影テクニックはこちらの記事で紹介しています
■アップル iPhone 12 Pro Maxで4Kムービーに挑戦!|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/481607999.html
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写真家の三井公一さんがiphoneで簡単に出来る、動画編集の方法を紹介してくださってます。是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
iPhone,撮影テクニック
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 中西祐介さんテスト
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CATEGORY: 中西祐介
DATE: 06/11/2021 14:44:50
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BODY:
テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: まるで童話のような写真が撮れる!?魅力的な創作写真を作る撮影テクニックをご紹介
BASENAME: 481882874.html
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CATEGORY: 虫上智
DATE: 06/11/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー,オリンパス(Olympus) レンズ,風景,風景の撮影テクニック
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BODY:
はじめに
皆さんこんにちは。今回は夢の中の出来事のような、幻想的な創作写真が撮影できるというテーマで話していこうと思います。
まず、幻想的な写真というとどんなイメージを想像するかですが、一言でいえば私の場合、童話の世界観を表現した写真とでも言いますでしょうか。たとえばこのような感じの写真とか。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F9.0 1/15秒 ISO100 露出補正-0.3
この写真は明治時代に造られた検潮台ですが、今ではまったく使用されていなくてぽつんと瀬戸内海に取り残されています。上部の空間に生い茂る木々を取り入れたことで物語性を出してみました。
そしてこんな感じの写真はいかがでしょうか。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F9.0 1/125秒 ISO200 露出補正-0.7
こちらの写真は室戸岬に撮影に行った時のもので、両端に迫る岩礁の間に一人寂しく佇んでいる女性を撮影しました。海を少し入れ、空の空間を多く取り入れて望郷に馳せる女性の想いという感じを表現すべく、撮影しました。
どちらの写真も何か物語を感じさせてくれませんか?私の普段撮影している写真はこのような視点で撮影していることが多いです。
インスタ映え写真・映える写真の紹介
世間ではその時代に流行があり、写真にもその影響が多々あります。インスタ映え写真というのが最近流行りですが、簡単にいうと目を引く奇麗な写真を指しているように私は思います。
よく目にする光景といえば、壁に絵を描いてそこに立っていただいて写真を撮影すると雰囲気のよい写真になるというもの。例えばこんな感じです。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F6.3 1/20秒 ISO400
この写真はクリスマス頃の岡山市内のライトアップイベントです。アシスタントさんにお願いして翼の真ん中に立ってもらい、多重露光機能を使用してソフトフォーカスにして幻想的にしました。周りの風景を多く取り入れてこれから空に羽ばたく感じを出してみました。
実は私も昔から目を引く写真撮影ばかりを追及していましたので、インスタ映え写真は新しい技術というイメージでは無いのです。結局、映え写真という目を引く写真を撮影することは写真撮影としての大切な要素の一つなのだと私は思っています。
幻想的撮影のポイント
童話のような幻想的な作品を撮影できるのには、まずは以下のような自然現象を利用するのがとてもお勧めです。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F10 1/20秒 ISO200 露出補正+0.7
四国の紫雲出山は瀬戸内海に面しており、春の季節には満開の桜と同時に霧が良く発生します。天候が悪く瀬戸内海が望めないときも、霧と桜を利用してこのように人物を入れることでとても幻想的になりました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F10 1/10秒 ISO200 露出補正+0.7
紫雲出の山頂には弥生時代中期を再現した珍しい高地性遺跡もあり、同じ場所でまるで日本昔話のような写真も撮影できました。色をノスタルジックに変えることでレトロかつ、時間を感じさせる表現にしました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F8.0 1/320秒 ISO640 露出補正-0.7
道路もないのにバス停が出現???
こちらは地元・笠岡の道の駅の前でのショットです。ここは毎年、広大な干拓地内にポピー畑が出現します。また、観光客誘致のためにこの様に洒落たバス停などをおいて来る人を楽しませる工夫がされています。人工的に造られた風景も、夢の中の出来事のような幻想的写真を作ることができます。
※この写真、実は歩行者用の道が横にあるのですが、カメラアングルを工夫することで道を無くすことができます。カメラ位置も非常に大切ですから、一つの被写体をみつけたら色々なカメラアングルを試してみましょう。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO + MC-14(1.4x テレコンバーター)
■撮影環境:F4.0 1/250秒 ISO400 露出補正+0.3
この写真は4月末に北海道で撮影したもの。沢山のカタクリやエゾエンゴサクの花が同時に咲いているこの限られた時期、花畑にエゾリスが入り込むと物語性を強く感じる作品になります。
この場所のエゾリスは朝早くから行動することが多く、周回ルートで遭遇することが多いですが午後からでもたまに姿を見せることがあります。この日は午後から雨が降り出して周りには誰もいなくなり私一人椅子を置いて粘っていたところ、現れてくれました。まさに粘り勝ちですね。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F18 1/40秒 ISO200
次に雪の写真です。雪の中から出るかわいらしいフキノトウ。この写真は春の訪れを感じられる風景ですが、フキノトウをもう少しクローズアップして背後の青い川をもう少し強調すると……
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F18 1/40秒 ISO200 露出補正+0.3
こんな感じに表現出来ました。主役の大きさを変えるだけでフキノトウが家族に見えてきませんか??背景に写る青い川の奇麗さと雪の白さで春を表現できたと思います。
また、皆さんの身近にもあるトンネルも以下の写真のように幻想的に表現できます。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 0.4秒 ISO200
こちらは兵庫県の須磨離宮公園内にある古いトンネルです。皇室の別荘「武庫離宮」時(大正三年)に造られたもので、奇麗に敷き詰められたレンガがいい雰囲気を醸しています。向こうから知り合いが来たので逆光で……
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F18 2.5秒 ISO640 露出補正-1.3
こちらは同じく兵庫県の湊川隧道。武庫離宮よりも古く、明治時代に造られた日本初の河川トンネルだそうです。現在は使用されておらず、産業遺産としてひっそりと時を刻み続けています。今回は水たまりをアクセントにして撮影しましたが、人物を入れなくてもとても幻想的ですね。中に入れる日は決まっていますのでHPで事前確認を。
http://minatogawa-zuido.com/schedule/
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F5.6 1/20秒 ISO400 露出補正-0.3
こちらは鳥取県にある、廃校をリノベーションしたその名も「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」で撮影しました。その名の通り、内部には奇麗な螺旋階段があり、撮影した作品を見るとなんだか童話の中に出てくる怪獣の顔に見えませんか?このような何かの顔のように表現する撮影手法を擬人化法とも呼びます。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F11 1/125秒 ISO100
私の地元・岡山県の渋川海水浴場での一枚。コロナ禍で閑散とした近所の浜辺に鯉のぼりがとても映えました。遠くで一人寂しく遊んでいた子供を入れて撮影、空間に小さく子供を配置することで物語性がより強調できました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F11 1/10秒 ISO200 露出補正+0.3
こちらはアイスランドの氷河の洞窟です。想像を超える氷の壁ですね。氷のトンネルのみでも絵になりますが、ご一緒した方に立ってもらいました。また、いつか外国に行くことがあれば撮影したい場所の一つです。
幻想的撮影テクニックあれこれ
ここではなかなか遠方には撮影に行けない状況でも、時間帯やカメラ機能を駆使して幻想的な写真が撮れるテクニックを紹介します。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F11 1/60秒 ISO200 露出補正-0.7
まずは、比較的簡単な夕暮れの時間帯での撮影です。近所の沙美海水浴場という場所で撮影しました。この作品は夕暮れ時、山に太陽が沈んだ直後に撮影したものです。太陽を入れると鳥の印象が弱くなりますので、太陽が沈んでから撮影するのがポイントです。夕暮れの時間帯での撮影をお勧めします。
次に夜の撮影です。コロナ禍で閑散とした街の中、夜はとても静かで私の住んでいる美観地区なども殆ど人気のない状態が続いています。しかし、街灯などの灯りはありますのでそれを利用すれば背景は暗く自然と幻想的な写真が撮れたりします。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 1/40秒 ISO320 露出補正-1.0
この写真は私の近所の倉敷美観地区内での作品です。美観地区は近年、さまざまな土産物店が進出しており、夜はそのお店の雑貨などを照明している灯りが奇麗で絵になります。この写真は夜、人気のない中、散歩がてら撮影したものです。まるでベトナムのホイアンで撮影したかのような幻想的な写真が撮れました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 1/50秒 ISO200 露出補正-0.7
こちらは植物園での撮影ですが、多重露出機能が付いたカメラならばこのようなファンタジックな作品ができます。天井の窓をアクセントに周りの空間に沢山の花をちりばめました。この際のアドバイスとしては、2枚目の花写真の重ね具合をうまく調整することです。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 1/125秒 ISO1600 露出補正-0.3
こちらは四国の屋島水族館でのショットです。クラゲの水槽は近年、多くの水族館で見受けられます。どの水族館も様々な工夫をして見るものを楽しませてくれますね。この水槽は奇麗なパープルのライトアップがされていました。多重露出機能を利用して縦位置で、1枚目はクラゲのピントを暈した撮影をして、2枚目はピントの合ったクラゲと左上のライトを意識して撮影したものです。この作品は宇宙に飛んでいく様子をイメージして表現してみました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 5秒 5枚コンポジット合成
■撮影場所:岡山県高梁市
最後にこれからの季節にぴったりな里山のホタル写真です。この日本昔話に出てきそうな家屋はもう人は住んでいないのですが、ホタルの乱舞のお陰で人が住んでいるようにも見えてきませんか?ホタル撮影は夜の撮影のために準備と忍耐が必要ですが見ても楽しく、撮影後の出来上がりの期待値も高くて是非挑戦してみることをお勧めします。
撮影方法ですが大きく分けて2種類あります。三脚に取り付けたカメラをバルブ機能にセットしてシャッター速度を遅くして(30秒程度まで)撮影する長時間露光法(ホタルが多い時に有効)と、数秒ずつ連写で撮影して後でPCで合成するコンポジット合成法(ホタルが少ない時に有効)の2種類があり、この画像は後者の方法でシャッター速度5秒の写真7枚をコンポジット合成しました。
※最近は後者の方法がカメラ内でも出来る便利な機種も存在します。ホタル撮影方法ですが詳しく書くと長くなりますので今回は省略しました。
幻想的写真撮影におすすめのカメラ機材
童話のような幻想的な作品を撮影するのにお勧めの機材を紹介します。私がよく使用するのは広角(28mm)くらいから望遠(200mm)程度の高倍率ズームレンズを使用します。なぜならとっさの判断で構図を決めたり空間の配分を決めたりするのにズームレンズがとても役に立つからなのです。
また、カメラ本体は多重露出機能がついたものなら上の水族館・植物園写真のような作品が出来ますので特にお勧めですね。
まとめ
最後まで読んでいただいてありがとうございました。童話のような物語性が高く表現された写真は味わい深く、見る人の足をとめる要素が高いので展示会などでは注目される可能性が高くなります。是非、皆さんも興味が出ましたら挑戦してみてくださいね。
■写真家:虫上智
1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。
日本写真家協会(JPS)会員。日本写真講師協会 認定フォトインストラクター。フォトマスターEX(総合)。オリンパスカレッジ講師。
この記事で紹介した機材 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の虫上智さんに、童話のような幻想的な写真の撮影方法について解説いただきました。風景の切り取り方を工夫して物語性を感じる1枚を撮影してみませんか。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,風景,オリンパス
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO|マイクロフォーサーズのメリットを最大限に引き出した次世代の高性能超望遠ズームレンズ
BASENAME: 481779001.html
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CATEGORY: 礒村浩一
DATE: 06/12/2021 11:00:00
TAGS: M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO,オリンパス(Olympus) レンズ,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
OMデジタルソリューションズから発売されたマイクロフォーサーズ用超望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」は、現時点においてマイクロフォーサーズ用としてはもっとも長い焦点距離を持つレンズだ。このレンズは35mm判に換算すると300〜800mm相当となるズーム機構と、鏡筒に内蔵された1.25倍テレコンバーターの組み合わせにより構成されており、これらを併用することで、35mm判に換算して300〜1000mm相当となる超望遠域を一本でカバーするレンズとなっている。
それでいながら大きさおよび重さは一般的なフルサイズ用超望遠レンズの1/2程度と、非常にコンパクトな造りとなっている点も大きな特徴だ。これらは小型のイメージセンサーを採用しているマイクロフォーサーズ規格ならではの利点を活かした結果得られたものだ。だが、単にコンパクトな望遠レンズであるというだけではなく、高画質を得るためのレンズ設計や最適な素材を使用することで軽量かつ堅牢な鏡筒を実現するなど、現在考えうる最高性能を目指したレンズでもある。
今回はこのM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROをさまざまな撮影シーンにて使用することで、その特徴や最大1000mm相当にもなる超望遠撮影の魅力について検証する。
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROの主なスペックと外観
■マイクロフォーサーズ規格マウント
■広角端150mm〜望遠端400mm (35mm判換算300〜800mm相当)、内蔵テレコンバーター1.25倍使用時187.5-500mm(35mm判換算375〜1000mm相当)
■レンズ構成 18群28枚/内蔵テレコンバーター4群7枚(EDAレンズ1枚、スーパーEDレンズ4枚、EDレンズ2枚、HRレンズ2枚、HDレンズ1枚、含む)
■最短撮影距離 ズーム全域1.3m(内蔵テレコンバーター使用時も1.3m)
■最大撮影倍率 0.12倍(Wide)/ 0.29倍(Tele)(35mm判換算0.25倍相当(Wide)/ 0.57倍相当(Tele))、内蔵テレコンバーター使用時0.15倍(Wide)/ 0.36倍(Tele)(35mm判換算0.31倍相当(Wide)/ 0.71倍相当(Tele))
■フォーカシング方式 ハイスピードイメージャAF(MSC)
■絞り羽枚数 9枚(円形絞り)
■開放絞り値 F4.5 (内蔵テレコンバーター使用時 F5.6)
■最小絞り値 F22 (内蔵テレコンバーター使用時 F29)
■レンズ内手ぶれ補正機構 あり(VCM機構)レンズ手ぶれ補正時最大4.5段分の補正効果(400mm)
■手ぶれ補正性能 5軸シンクロ手ぶれ補正(E-M1Xとの組み合わせの場合) 150mm時最大8段/400mm時最大6段/内蔵テレコンバーター使用500mm時最大6段
■大きさ 最大径115.8mm 全長314.3mm
■質量 1,875g (レンズキャップ、レンズリアキャップ、レンズフードを除く)
■フィルターサイズ 95mm
■防塵防滴仕様 防滴保護等級1級(IPX1)*オリンパス製防滴対応カメラとの組み合わせ時に有効、防塵機構搭載
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROは2019年1月にオリンパス(当時)から開発発表され、その後数度の発売延期やカメラ映像部門の新会社OMデジタルソリューションズへの移管などを乗り越え、2021年1月22日に発売された肝入りの製品である。新会社として再スタート(カメラブランドはオリンパスの名を継承)して初の新製品であることもあり、マイクロフォーサーズカメラのユーザーのみならずカメラ業界全体から注目されたなかでの登場となった。特に話題となったのは、テレコンバーターを内蔵したことにより最大1000mm相当(35mm判換算)にもなる超望遠ズームレンズであることや、強力な手ぶれ補正機構搭載により超望遠でありながら手持ちでの撮影が可能であるなど、これまでの製品とは一線を画した製品であることだ。
そもそもオリンパスが採用しているマイクロフォーサーズ規格では、レンズの実焦点距離の二倍相当の焦点距離と同等の画角が得られるという特性から、フルサイズ規格のカメラシステムと比較すると、同じ画角を得る際にはよりコンパクトなレンズとすることができるという特徴がある。これは望遠レンズではより顕著となる傾向があるため、それを最大の利点として積極的に製品開発を行なったのが、このM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROである。
しかしこのレンズは単にコンパクトであるというだけでなく、鏡筒の素材にはマグネシウム合金や炭素繊維強化プラスチック、カーボンファイバーといった素材を複合的に組み合わせることで、軽さと剛性の高さを両立しているという。実際にこのレンズにオリンパスのプロ向けミラーレスカメラOM-D E-M1Xを組み合わせて(あわせて約2,872g)手で持ち上げたところ、その見た目の大きさから想像される重さとは差がありすぎて一瞬戸惑ってしまったほどだ。個人的な感覚では上位クラスのフルサイズデジタル一眼レフカメラ(+バッテリーグリップ)に70-200mm F2.8クラスのズームレンズを組み合わせた重さと同等といった印象だ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROをOM-D E-M1Xと組み合わせた様子
オリンパスのマイクロフォーサーズ用レンズとしては初の白色塗装を採用したことで、これまでにないほどの「プロ仕様感」が感じられるデザイン。なお白色塗装は太陽光の熱を反射することで、鏡筒内の温度上昇を抑制するためである。さらに最大で400mm(35mm判換算800mm相当・テレコンバーター不使用時)となる望遠ズームレンズであるだけに、マイクロフォーサーズシステムとしては長く大きなレンズ鏡筒であることから、OM-Dシリーズのなかでは一番大柄なE-M1Xが小さく感じるほどだ。
専用レンズフードLH-115(同梱品)を装着した様子
フードは大きく深めで内側には植毛処理がなされているので装着時の効果は大きい。軽量なカーボンファイバー製とすることで装着時にレンズ全体の重心がフロントヘビーとならないように設計されている。
三脚座はリングのロックを緩めることで360°回転が可能。動きもとてもスムーズなので咄嗟の横位置・縦位置の変更でも引っかかることなく即座に行える。回転軸の90°ごとにクリックが設けられており、鏡筒が90°ごとの位置に近づくと強い力で引き寄せられるようにして回転が止まる。
これは横位置・縦位置とカメラの向きを頻繁に変えるような状況下では、勢い余っての回りすぎを抑制してくれるので便利である反面、風景撮影のように水平線にフレームの傾きを正確に合わせようとする微調整には向かない場合もある。希望としてはリングのロックの締め具合などでクリックの強さも調整できるようになってくれると良いと思う。
三脚座はプレート形状がアルカスイス規格互換となっており、対応する三脚雲台であれば直接固定することが可能。またプレートの上面(三脚座内側)には、ここに手をかけて持ち運ぶことを想定してクッションが設けられている。実際、この手の大きなレンズでは三脚座を握って持ち運ぶことが多いので、ユーザーとしてこのような気遣いはとても嬉しい。
三脚座プレートには一般的な1/4インチサイズネジ穴が二つ用意されている。基本的にはどちらのネジ穴を使用して三脚に固定しても問題はない。実はネジ穴が二つ用意されているのは、一部の大型雲台などには固定ネジを二本使用してカメラ・レンズを固定できるタイプがあるので、それに対応することでより確実に固定することができるようになっている訳だ。地味な点ではあるがこのようなところからこのレンズがプロ仕様として作られていることが判る。
鏡筒左手側面にはフォーカスの稼働範囲を設定するフォーカスリミットスイッチ(1.3m-6m/1.3m-無限遠/6m-無限遠の3エリア)、AF/MFフォーカス切り替えスイッチ、手ぶれ補正(IS)機能ON/OFFスイッチ、レンズファンクション(L-FN)/プリセットフォーカス切り替えスイッチ、プリセットフォーカス機能通知音ON/OFFスイッチが設けられている。
鏡筒左手側面にはプリセットフォーカス機能ボタンと、内蔵テレコンバーターのON/OFF切り替えレバーが設けられている。内蔵テレコンバーターはレバーを1.25xの位置に下げるとONになる。切り替えはカメラのファインダーを覗いたままの状態でも、グリップした右手から人さし指一本を伸ばすだけで容易に操作可能。かといって不用意に切り替わってしまう心配のない適度な固さだ。レバーのロック機能も搭載されている。
ズームリングは幅広く、およそ90°の回転角でワイド端からテレ端までの操作が可能。回転トルクは少し重めに設定されており一定で回しやすい。ズームリング部の先端側の一部は鏡筒の太さにあわせるように広がっているので、おおきなラバーパターンと併せて指がかかりやすく回転操作を容易にしてくれる。
また、フォーカスリングはレンズ先端近くに設けられていることから、左掌に三脚座を乗せてレンズを手持ちでホールドするポジションにおいては操作しやすい位置となる。太さのあるラバーのフォーカスリングは回転トルクもほどよく軽快であり、人さし指と親指の二本での操作もしやすい。フォーカス移動量はリング回転角度に対して少なめの設定にされていることから、MF時には精密なピント位置合わせが可能だ。
ズームリングとフォーカスリングの間には、レンズファンクション(L-FN)ボタンが90°の間隔で4つ配置されている。これはOM-Dのカメラ設定で割り当てた機能を有効にすることができるボタンで、AFの一時停止やAF/MF切り替え、デジタルテレコンなど任意の機能を呼び出すことができる。さらに、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROに搭載された機能として、プリセットフォーカス機能をこのボタンに割り当てることもできる。
レンズファンクション(L-FN)/プリセットフォーカス切り替えスイッチをレンズファンクション(L-FN)にセットし、ある距離に位置する被写体にピントを合わせたうえで、鏡筒右手側面に設けられているプリセットフォーカス切り替えスイッチを押すと電子音とともにそのフォーカス位置を記憶する。その後、他の被写体などにピントを合わせて撮影を行なったのちにレンズファンクション(L-FN)ボタンを押すと、瞬時に記憶したフォーカス位置にピントを合わせることができる。一定の距離に位置する被写体と動きのある被写体を交互に撮影するときなどに利用すると効果的だ。
望遠端400mmの画角
望遠端400mm+1,25倍テレコンバーターの画角
内蔵されたx1.25テレコンバーターを使用するとズームで選択した焦点距離の1.25倍の焦点距離とすることができる。望遠端400mmであれば500mmの焦点距離となり、より狭い画角となることで望遠効果を得ることができるのだ。ただし開放絞り値が1.25倍の5.6となるので注意する必要がある。
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROは最短撮影距離がズーム全域で1.3mとても短い。これにより、花などの被写体を大きくクローズアップできるテレマクロとして使用することも可能だ。この写真は最短撮影距離で撮影したポピーの花。フォーカスが合わせられた箇所は解像感が非常に高い。
実写にてレンズの解像力を検証
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROは最大で35mm判換算1000mm相当となる超望遠ズームレンズであるが、単に『すごい望遠レンズ』というだけのものではない。オリンパスにとってはこれまで培ったレンズ設計のノウハウを詰めるだけ詰め込んだ、レンズのフラグシップともいえる製品だということだ。もちろんそれは画質においても高いレベルを誇るということである。
そこでここでは150mmと400mm、内蔵テレコンバータを併用した187.5mmと500mmの、それぞれの焦点距離での描写力を確認するテストを行なった。
広角端150mmの解像力検証
広角端150mmで撮影。開放絞りF4.5から最小絞りF22まで撮影して、画像の中央部の解像状態を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
開放絞りF4.5からとても解像感が高く手すりの金属の質感を十分に描写している。F5.6からF8.0にかけて解像力がピークとなっていることが判る。その後、F11〜16と高い解像力を保持しており、F22となっても十分な描写力といえる。
望遠端400mmの解像力検証
望遠端400mmで撮影。開放絞りF4.5から最小絞りF22まで撮影して、画像の中央部の解像状態を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
開放絞りF4.5からF8.0にかけて極めて解像感が高く腐食した手すりの表皮や金属の質感、白い汚れまでが浮き立つように描写されている。F11になっても文句の無い解像力は保持され、F16以上では手すりやボルトの硬質なエッジがほんの僅かに馴染んだ質感になるものの、一般的な望遠レンズの描写とは一線を画する画質といえる。
広角端+1.25倍内蔵テレコンバーター使用187.5mmの解像力検証
広角端+1.25倍内蔵テレコンバーター使用187.5mmで撮影。開放絞りF5.6から実質的な最小絞りF22まで撮影して、画像の中央部の解像状態を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
内蔵テレコンバーターとの併用ではあるが、それを感じさせるような画質の低下はどの絞り値でも、全くと言って良いほど認めることができない。テレコンバーターを使用していない広角端での撮影と同様、F5.6からF8.0付近がもっとも画質が高く、F11からF16でも上質な画質をキープ。F22ではほんの僅かに描写が柔らかくなるものの、実用十分以上の画質を有する。
望遠端+1.25倍内蔵テレコンバーター使用500mmの解像力検証
望遠端+1.25倍内蔵テレコンバーター使用500mmで撮影。開放絞りF5.6から実質的な最小絞りF22まで撮影して、画像の中央部の解像状態を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
望遠端においても、テレコンバーターを使用していない状態での描写と同様、F5.6からF8.0付近がもっとも画質が高く、F11からF16でも高い画質をキープ。F22でも実用十分以上の画質を有する。ワイド端+内蔵1.25倍テレコンバーターの結果と合わせて、内蔵テレコンバーターの併用ではマスターレンズの画質への影響はまったく見られないと判断できる。
望遠端+1.25倍内蔵テレコンバーター+MC-14使用700mmの解像力検証
望遠端+1.25倍内蔵テレコンバーター+1.4倍テレコンバーターMC-14を使用700mmで撮影。開放絞りF8.0から実質的な最小絞りF22まで撮影して、画像の中央部の解像状態を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROでは内蔵テレコンバーターに加え、OM-Dのアクセサリーとしてラインナップされている単体のテレコンバーターも併用することができる。そこでここでは望遠端+1.25倍内蔵テレコンバーターに加え1.4倍テレコンバーターMC-14も装着して撮影を行なった。合計焦点距離は700mm(35mm判換算1400mm相当)となる。
ここまでの望遠となると三脚に固定していてもわずかな振動でも画像がぶれてしまうので、風が止んだ瞬間を見計らいながらシャッターを切った。描写を確認すると開放絞りとなるF8.0ではまったく遜色のない解像感となっていることがわかる。F11〜F16では若干のコントラスト低下に伴うディテールの緩みが見受けられるが画質としては必要十分だ。F22になると解像感がすこし鈍っていることがわかる。
望遠端+1.25倍内蔵テレコンバーター+MC-20使用1000mmの解像力検証
望遠端+1.25倍内蔵テレコンバーター+2倍テレコンバーターMC-20を使用1000mmで撮影。開放絞りF11から実質的な最小絞りF22まで撮影して、画像の中央部の解像状態を等倍表示して確認する。以下画像は等倍で該当箇所を切り出したものだ。
望遠端+1.25倍内蔵テレコンバーターに加え2倍テレコンバーターMC-20を装着して撮影を行なった。合計焦点距離は1000mm(35mm判換算2000mm相当)となる。これほどの超望遠撮影自体がもはや日常的とは言えない範疇だが、E-M1Xとの組み合わせではAFでのピント合わせも問題なく可能であることに驚く。さすがに画像全体にうすい紗がかかったかのような影響が見られるものの、光が差した箇所のコントラストは高く解像感も保持されている。開放絞りF11とF16では通常使用において十分な画質といえる。F22まで絞るとさすがに解像の緩さが目立つが、2000mm相当という圧倒的な望遠撮影においては納得以上の画質だ。
上記のように各焦点距離と絞り値の組み合わせでの画像検証を行なった結果、おどろくほどの高画質を有したレンズであることがわかる。焦点距離および絞りの違いによる影響はわずかであり、特に内蔵テレコンバーターを併用した際の画質の影響はまったくないといっても差し支えないほどだ。これは設計段階からマスターレンズとテレコンバーターを一体として捉え最適化したことによる結果であろう。想像するに決して簡単なことではないと思うが、これを実現したオリンパス技術陣のレベルの高さがうかがえる。
本レンズでは更にアクセサリーのテレコンバーターである1.4倍のMC-14、2倍のMC-20が使用可能だ。いずれも画質の高さには定評があるが、内蔵テレコンバーターとの併用となると実際に撮影で確かめるまでは不安が拭えなかった。しかし実際に組み合わせて撮影した画像を確認したところ画質に劣化は見られなかった。更に「望遠端+1.25倍内蔵テレコンバーター+MC-20使用」の組み合わせで得られる、35mm換算で2000mm相当となる超弩級の望遠世界となれば、何物にも替えられぬ興奮が待っているはずだ。これらはレンズを構成する18群28枚のレンズに大口径なEDAレンズやスーパーEDレンズ等を惜しみなく配置したことや、レンズに施された、ゴーストやフレアを大幅に低減する効果のある「Z Coating Nano」といった妥協のない設計とした成果といえるだろう。
また、このレンズの前玉には汚れや水滴の付着を防ぐフッ素コーティングがなされている。これによりレンズ本体の防塵防滴構造と伴せ、屋外でも撮影環境を選ぶことなく撮影に集中することができるだろう。これもオリンパスが早い時期から取り組んできた耐環境性能のひとつであり、結果的に画質の低下を防いでくれることに繋がる。
超望遠撮影をサポートする超強力な手ぶれ補正機構を搭載
オリンパスOM-Dシリーズといえば強力な手ぶれ補正機構が搭載されていることが知られている。もちろんこのM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROにも手ぶれ補正機構が搭載されており、超望遠での撮影を強力にサポートしてくれる。レンズ自体にも光学式手ぶれ補正機構が内蔵されており、カメラボディ内のセンサーシフト式手ぶれ補正機構とあわせて補正をおこなう5軸シンクロ補正が可能となっている。
オリンパスのフラグシップカメラであるOM-D E-M1Xとの組み合わせでは、150mm時最大8段/400mm時最大6段/内蔵テレコンバーター使用500mm時最大6段分の手ぶれ補正が行われる。この強力な手ぶれ補正によって、最大1000mm相当/MC-20併用で最大2000mm相当(35mm判換算)の撮影においても、手持ちでの撮影を可能としている。
これは実に驚異的な数値であり、超望遠レンズでの撮影スタイルを大きく変革する可能性をもちえている。実際に今回のレビュー期間にはさまざまな条件で手持ち撮影をおこなったが、そのほとんどのシーンで手ぶれ補正の恩恵を受けることができた。その高い効果を一度でも体感すると、もはやこの機能なしでの望遠撮影は考えられないほどだ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 実写作例
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(367mm)
■撮影環境:F5.6 1/1000秒 ISO200 絞り優先モード +0.7EV WBオート 仕上がりモードNatural シングルAF+MF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(178mm)
■撮影環境:F4.5 1/100秒 ISO200 絞り優先モード +1EV WBオート 仕上がりモードNatural シングルAF+MF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(150mm)
■撮影環境:F8.0 1/800秒 ISO400 絞り優先モード +0.7EV WBオート 仕上がりモードNatural コンティニュアスAF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(150mm)
■撮影環境:F5.6 1/5秒 ISO1600 絞り優先モード -0.3EV WBオート 仕上がりモードNatural シングルAF+MF
■手持ちにて撮影
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(150mm)
■撮影環境:F4.5 6秒 ISO200 マニュアルモード WBオート 仕上がりモードNatural シングルAF+MF
■使用機材:E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(178mm)
■撮影環境:F4.5 1/1000秒 ISO200 絞り優先モード WB5300K 仕上がりモードVivid シングルAF
■使用機材:E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(241mm)
■撮影環境:F4.5 1/1250秒 ISO1600 絞り優先モード +0.3EV WB太陽光 仕上がりモードVivid シングルAF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(207mm)
■撮影環境:F13 1/1250秒 ISO200 絞り優先モード +0.7EV WB太陽光 仕上がりモードNatural シングルAF+MF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(500mm)
■撮影環境:F6.3 1/400秒 ISO800 Psモード +1EV WBオート 仕上がりモードNatural コンティニュアスAF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(445mm)
■撮影環境:F7.1 1/500秒 ISO400 絞り優先モード +0.7EV WBオート 仕上がりモードNatural コンティニュアスAF+MF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(500mm)
■撮影環境:F5.6 1/1000秒 ISO5000 絞り優先モード WB太陽光 仕上がりモードVivid シングルAF+MF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(500mm)
■撮影環境:F6.3 1/400秒 ISO200 マニュアルモード WB太陽光 仕上がりモードVivid シングルAF+MF
■使用機材:E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO(500mm)
■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO200 絞り優先モード +1EV WB太陽光 仕上がりモードVivid シングルAF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO+MC-20(658mm)
■撮影環境:F11 1/1250秒 ISO1000 絞り優先モード +1EV WB太陽光 仕上がりモードNatural シングルAF+MF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO+MC-20(1000mm)
■撮影環境:F11 1/2000秒 ISO2500 絞り優先モード +0.3EV WB太陽光 仕上がりモードVivid シングルAF+MF
■使用機材:E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO+MC-20(658mm)
■撮影環境:F22 1/15秒 ISO200 絞り優先モード +0.3EV WB太陽光 仕上がりモードNatural シングルAF+MF
未知の領域を拓く新世代の超望遠ズームレンズ
今回このM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROをひと月ほどの期間をかけて試用したのだが、このレンズでさまざまな被写体の撮影を繰り返すうちに、気がつけばすっかり手に馴染んでいた。一見すると大きく目立つレンズなのだが、バッテリーグリップ一体型のE-M1Xと組み合わせることで絶妙なバランスとなり、スポーツ撮影やネーチャー撮影、航空機の撮影などさまざまな状況下であっても躊躇なく振り回すことができる。
更にオリンパスが得意とする防塵防滴・耐低音性能の信頼度はとても高い。使えば使うほどこのレンズを選ばない理由が見当たらなくなってしまった。加えて、非常に強力な手ぶれ補正機構のおかげで、これまで考えられなかった手持ちでの超望遠撮影が可能となったことも、撮影領域の拡大に大きく貢献している。超望遠で手持ちスローシャターでの夜景撮影が可能になるなんて、かつては誰も思いつかなかった。きっとこのレンズの登場は、これまでには得られなかった超望遠域の撮影領域を一気に拓いていくに違いない。実に魅力に溢れた(価格的には危険な)レンズだといえる。
すでにこのレンズは発売されて半年近くが経つが、多くのマイクロフォーサーズユーザーからの注目をあびていることから、受注数が世界規模で当初想定していた数を大きく上回ってしまい、現時点でも注文から納品まで相応の待ち時間が必要な状況が発生しているという。実売価格が80万円近くもするレンズでありながら、これほどこのレンズに注目が注がれているということは、カメラの世界でも新しい時代の到来に期待が集まっているということだ。新会社となり再出発したオリンパスブランドが繰り出す、新しい魅力的な製品の登場を期待せずにはいられない、そう思わせてくれる新世代のレンズである。
■写真家:礒村浩一
女性ポートレートから風景、建築、舞台、製品広告など幅広く撮影。全国で作品展を開催するとともに撮影に関するセミナーの講師を担当する。デジタルカメラの解説や撮影テクニックに関する執筆も多数。写真編集を快適に行うためのパソコンのプロデュースも担当。
オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROはこちらでも紹介しています
■オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROレビュー|圧倒的、快適な超望遠撮影が可能に!
https://shasha.kitamura.jp/article/481899793.html
この記事に使用した機材
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
商品詳細ページ
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写真家の磯村浩一さんが分かりやすい解説画像とともに、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROのレビューをしてくださっています。ぜひ、ご覧ください。
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レビュー,オリンパス,Olympus,望遠レンズ
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TITLE: クキモトさんテスト
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CATEGORY: クキモトノリコ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン EOS R3の続報!早く全容が知りたい!!|動物写真家の井村淳さんへインタビュー
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 06/14/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) ボディー,EOS R3,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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はじめに
キヤノンは2021年6月2日に開発発表されていたフルサイズミラーレスカメラ「EOS R3」のスペックについて続報をリリースしました。ベールに包まれていた最新鋭のスペックが徐々にお目見えしてきた事で、ワクワクされている方も多いのではないでしょうか。
2021年4月14日に「EOS R3」がはじめて開発発表された時に続き、今回もEOS学園の講師であり野生動物を撮影されている写真家の井村淳さんにEOS R3の続報についてインタビューしました。普段からEOS-1D X Mark IIIとEOS R5で撮影されて両機種を知る井村さんが、キヤノンホームページで公開された「EOS R3」の続報から、本機へ期待する事やそれらが動物撮影においてどのような効果をもたらして欲しいかなど、楽しみながらお話しをお伺いさせて頂きました。
動物写真家の井村淳さん
前回の記事「キヤノン EOS R3の正式発表が待ち遠しい!|動物写真家の井村淳さんへインタビュー」はこちらから ご覧いただけますので、是非合わせてご覧ください。
外観・操作
― 外観や操作性に関するアップデートがありましたが気になったところはありますか?
今回の発表で新たに見えてきた外観の画像を見て、特に裏面のボタン配置を見た時に一見するとEOS-1D X Mark IIIと同じかな?と思いあまり進化を感じませんでした。ひょっとすると最近このご時世で撮影の機会が減っていてボタン配置を忘れてしまった事が原因かもしれないと思い、私がメインで使っているカメラ2台(EOS-1D X Mark IIIとEOS R5)を持ってきて見比べてみました。そうすると両機のいいところを搭載していることに気がつきました。
マルチコントローラーは両機共に搭載されており、素早く動く被写体に的確にフォーカスを合わせる事が出来るので私にとって無くてはならないコントローラーです。3つ目の電子ダイヤルが増えたことはとてもありがたいです。EOS R5で使い慣れているダイヤルですが、撮影モードをマニュアルにした時に露出補正をするダイヤルとして使えるのは嬉しいですね。そしてEOS-1D X Mark IIIで使い慣れているスマートコントローラーも搭載されています。このボタンの上で指を滑らせフォーカスを移動させながらボタンを押し込む事でAFを合わせ続ける事ができる優れもののコントローラーです。
何より意外に感じて、最も嬉しかったのはバリアングルモニターが搭載されたことでした。一眼レフの時から、上位機種はバリアングルにしないものだと勝手に思い込んでいましたので、驚きでもありました。動物の撮影では低いアングルを使うことも多いので、これは、かなり助かります。
連写・AF
― 前回の発表でも30コマ/秒でAF/AE追従撮影が可能とされていましたが、今回の発表では、RAW撮影でも高速連続撮影を謳っています
RAWで撮影できるということは、設定上では最低限のことをするだけで撮影に集中することができます。安心して撮影に挑めます。
― AF低輝度限界 EV-7.0以上になるようです
暗いところでの撮影は、風景でもよくありますが、野生動物の撮影でも頻繁に行います。その時、なかなかピントが合わないとチャンスを逃します。発表ではワンショットAFに設定する必要があるようですが、AIサーボでの AF性能も向上していることを期待します。
カメラがミラーレス一眼になって暗い場面でもファインダーを覗くと明るく見ることができます。そのおかげでマニュアルフォーカスでの合焦が楽にできますが、そのシチュエーションでのAF性能には少し不満を感じることもありました。今回のEV-7.0の低輝度合焦限界という進歩でさらなる期待が膨らみます。
― 人物の頭部・瞳の検出機能の向上に加えて、今回の続報で人物・動物に加えて、モータースポーツ(車・バイク)でも認識可能というアナウンスがありました
今回のアップデート情報ではまだ分からない事もありますが、画面内で動くものなら概ね追尾してくれるという理解でいいのでしょうか。頭部や瞳という部分が無い、またはわかりにくい被写体でもその動きをフォローしてくれるのであれば、動き回る動物も頭部や瞳を検知しなくてもうしろ姿や飛んでいく鳥、シャチの背ビレなどの追従も期待できます。
手ブレ補正
― レンズ内光学式手ブレ補正機構とボディ内5軸手ブレ補正機構との協調制御により世界最高の約8段の手ブレ補正効果があるようです
この前にも述べましたが、野生動物の撮影では暗い時間帯や、暗い場所での撮影が多く、風景写真のように必ずしも三脚が使えなかったり、人物ポートレートのように照明を使うことがほとんどできない環境です。そのような場面で手持ち撮影の必須条件は手ブレ補正機構となります。良い写真の条件に少しでもシャープであることと常に思っている私にはカメラブレは天敵です。それをサポートしてくれる手ブレ補正機構の進化に感激しています。
動画
― 4K Canon Log 3に対応、4K オーバーサンプリングの実現、RAW動画内部記録も出来るようになるようです
動画はあまり詳しくありませんが、実際に録ってみて、その映像美や機能を確認したいと思います。動画が8Kではない事から画素数は控えめで、EOS R5のような4,500万画素ではないと想像します。EOS-1D X Mark IIIでの2,010万画素でも4K動画可能ですね。願わくば3,000万画素以上を期待しています。
― 動画撮影中に人物・動物・モータースポーツの被写体追尾が可能なようです
動画撮影ではAFが動く被写体をスムーズに追尾してくれることが求められるでしょう。モータースポーツのように障害物が少なく、動きもある程度規則的であればスムーズに追えても、野生動物では、茂みや草などが被写体の前を横切ったりするので、いちいちAFが迷わないようになっているといいと思います。これまではそういう場合はマニュアルフォーカスを使わざるを得なかったので。
その他優れた機能
― CFexpress・SDカード両メディアに対応
この部分はもう少し詳しく知りたいところでした。CFexpressとSDカードの両メディアに対応ということで、CFexpressが使えることは素直に良かったと思います。しかし、SDカードとのデュアルスロットで2枚同時に使えるのか、コンパチのシングルスロットでどちらかを使えるのか、コンパチのダブルスロットでCFexpress2枚またはSDカードを2枚または両種を1枚ずつを選択できるのか。シングルスロットではないことだけは願っています。
― マグネシウム合金採用ボディー
ボディは頑丈なほど信頼性が上がります。頑丈で軽いマグネシウム合金は上位機種ならではの素材で間違いない信頼性を感じます。
― バッテリーパックLP-E19 を採用
EOS-1D X Mark IIIと同型ということでフラッグシップにかなり近づけた設計なのでしょうか。ユーザー的にはバッテーリーが現行のものと同じ型はありがたいです。
― データ通信や電源供給が可能な新アクセサリーシュー搭載(新しいアクセサリーにも対応予定)
今のところ、私の撮影する被写体では、電源供給を受けながらの撮影や、データを飛ばしてといったそこまでの急ぎの撮影は無いですが、撮った画像をすぐにチェックするスタジオ撮影や、スポーツイベントなどの速報性のある撮影をする場合には重宝すると思います。
アクセサリシューで電源供給を受ける機能でカメラ内のバッテリーの充電もできるならチャージャーがいらなくなり嬉しいですね。
更なる要望・現行機との使い分け
― 今回リリースされた部分以外でこんな機能が備わっていて欲しいなどの要望はありますか?
今のところリリースされている以上に期待する機能は思い当たりません。それだけ完成形に近いのかもしれません。あとは今ある機能の精度がどこまで向上するか楽しみにしています。凄く細かいところでは、EOS R3に限らず前々からの願望ですが、撮影したデータをパソコンを使わずに外付けHDDの様な大容量のストレージに高速でコピーできたり、再生画像で撮影時の焦点距離を確認できる様になると嬉しいです。
― EOS R3はEOS-1D X Mark IIIやEOS R5とどのように使分けが出来そうですか?
これは、正直言って不明です。風景を撮るときは画素数や画質を考えておそらく間違いなくEOS R5です。機動力が必要な野生動物撮影では、1年前までは間違いなくEOS-1D X Mark IIIでしたが、 EOS R5の登場で出番が変わってきました。EOS R5も十分な機動力があり連写速度や書き込みに関してもそれを上回るので R5の出番が増えています。EOS R3はさらに電子シャッターでの歪みも少なくなればシャッター音を無くせる電子シャッターが野生動物の撮影には有利になり視線入力などの新機能も加わるとEOS-1D X Mark IIIの優位性が何かすぐには思いつきません。EOS R3はフラッグシップ機EOS-1D X Mark IIIを超えてしまうのでしょうか。早く全容が知りたいです!
■キヤノン EOS R3特設サイト
https://cweb.canon.jp/eos/your-eos/product/eosr/r3/
■写真家:井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。
EOS R3の他の記事はこちらからご覧ください
■キヤノン EOS R3の正式発表が待ち遠しい!|動物写真家の井村淳さんへインタビュー
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キヤノンから2021年6月2日に開発発表されていたEOS R3のスペックについて続報がリリースされました。動物写真家の井村淳さんに本機に期待することなどについてインタビューを行いました。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,EOS R3,開発発表
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD レビュー|葛原よしひろ
BASENAME: 481931353.html
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 06/15/2021 16:00:00
TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
今回はTAMRONから発売されました、SONYフルサイズEマウント用の新しい超望遠ズームレンズ「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」をレビューさせて戴きます。
■使用機材:SONY α9+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/9 1/1600秒 ISO-3200 露出-1 焦点距離 500mm
焦点距離150-500mmということで、田植え直後の滋賀県高島市でサギの撮影をしてみました。まずはα9に装着してみたのですが、超望遠500mmズームとしては比較的に小型軽量化が達成されており、手持ち撮影も可能なのでフットワークが軽く田んぼから飛び立つ瞬間のアオサギを軽快に撮影することが出来ました。
■使用機材:SONY α9+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/9 1/1600秒 ISO-3200 露出-1 焦点距離500mm
AF性能も良く、α9の連写モードで動体撮影用のAF-C設定での撮影では、飛んでいるサギの着陸シーンを捉え続けてくれました。その辺りは搭載されているVXDリニアモーターフォーカス機構の速さと動作制御技術の素晴らしさを感じました。
ズーム性能
せっかくのズームレンズなので広角端150mmから望遠端500mmまでの画角の違いを見比べる為に、びわ湖に浮かぶ竹生島を撮影しました。150mmと500mmの時では構図の中で島の大きさが変わるのは勿論なのですが、島の形そのものは全体を通じて歪むような事はなく、ズーム全域で各収差が良く抑えられているので、動体撮影だけで無く風景撮影にも使いやすいレンズですね。
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO-200 焦点距離150mm
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO-200 焦点距離204mm
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/5.6 1/160秒 ISO-200 焦点距離346mm
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/160秒 ISO-200 焦点距離500mm
動画撮影にも対応
VIDEO
次は収穫前の麦畑を4K動画撮影してみました。まず動作音が静かなのは嬉しいですね。この撮影では焦点距離150mmから始めて途中で望遠端500mmまでズーミングしているのですが、ズームリングの回転角度が75度に抑えられている事と本体の最大径が93mmと超望遠ズームとしてはかなり細いので凄くズーミングしやすい印象です。動画撮影においてはこういった部分の操作性の良さは本当に大切であり、動画撮影での使用をかなり真剣に考えて制作されている事が感じられました。
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/1250秒 ISO-800 焦点距離500mm
最短撮影可能距離が短くて被写体に寄れる所は、このレンズを使用していて凄く気に入った点の一つです。150mmでは0.6m、500mmでは1.8mまで寄れますので表現の幅が広がります。この写真は500mmで撮影しているのですが、出来る限り被写体に寄ることでピントを合わせた麦だけをシャープに描写して浮き立たせることにより、立体感を演出することが可能になります。
VIDEO
動画撮影が気持ち良く撮影出来るレンズなので、今度は手持ちでの動画撮影をしてみました。田んぼでサギが餌を探している様子を撮影したのですが、手持ちの超望遠ズーム4K動画撮影の割にブレも気になり難く、レンズ本体に装備されている手振れ補正機能のVCがかなり強力であることが実感できました。静止画でも感じていたAFの動体追従性も、動画撮影時においても抜群の性能を発揮してくれるので本当に撮影しやすく、このレンズだと気軽に超望遠4K動画撮影を楽しむことが可能です。
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/200秒 ISO-100 焦点距離500mm
圧巻の発色と滑らかなボケ味
ボケ味がとても柔らかく滑らかで発色も美しくコントラストが高いレンズなので、積極的に新緑や木漏れ日を構図に取り入れたくなりメタセコイア並木を撮影してみました。イメージ通りの明るく優しい雰囲気を描いてくれたのでとても嬉しいです。
■使用機材:SONY α9+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/8 1/2000秒 ISO-2500 焦点距離500mm
前ボケも良い雰囲気でとろけるので積極的に使いたくなり、前ボケ構図の撮影ポイントを探してシロサギを撮影。
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/1250秒 ISO-1000 焦点距離500mm
びわ湖に流れ込む河口の湿地帯と、そこに群れるサギを撮影したのだが500mmの圧縮効果で10km以上離れた対岸が近くに見えます。
バランスに優れた操作性
今回、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDを使用してみて強く印象に残った事は、レスポンスの良さと取り回しの良さでした。サイズ(長さ209.6mm、最大径93mm、フィルター径82mm)と重量(1725g)は手持ち撮影において一般的にはギリギリのラインだと思いますが、それを補うAF性能やレスポンスの良さで超望遠手持ち撮影を容易に可能にしており、トータルバランスにおいて完成度の高いレンズに仕上がっていると思いました。上記で触れた以外にも機能的に充実しており、例えばズームリングを前後にスライドさせてロックするフレックスズームロック機構は、任意の焦点距離で容易にロック可能で撮影時に凄く便利な機能でした。
■150mm
■500mm
本体側面の物理スイッチも多数装備しておりフォーカスレンジリミッター、手振れ補正VCのON/OFF、VCモードの設定切替、AF/MF切替がワンタッチで出来るのでとても便利でした。
■ロックON
■ロックOFF
さいごに
16群25枚のレンズ構成の中に複合非球面レンズや特殊硝材XLD及びLDレンズを盛り込むことで、色収差を抑えたクリアな写りを実現しています。さらにその他にも逆光耐性に優れたBBAR-G2コーティング、アルカスイス対応三脚座、簡易防滴構造及びレンズ最前面に防汚コート等最先端の機能を盛り込んでおり、あらゆる撮影シーンに対して安心して使用出来るレンズでした。
■使用機材:SONY α9+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/8 1/2000秒 ISO-4000 露出-1.3 焦点距離500mm
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/1250秒 ISO-500 露出-0.3 焦点距離500mm
■写真家:葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。
大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー
JPS(日本写真家協会)正会員
この記事に使用した機材
【タムロン】150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD ソニーEマウント用
商品詳細ページ
【ソニー】α9 ボディ [ILCE-9]
商品詳細ページ
【ソニー】α7R IV ボディ [ILCE-7RM4]
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんによるタムロン「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」レビュー記事です。望遠でありながら軽量で持ち運びのしやすいこのレンズをぜひご確認ください。
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KEYWORDS:
タムロン(Tamron) レンズ ,レビュー
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: キヤノン EOS R5 × スポーツ|中西祐介
BASENAME: 482000501.html
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CATEGORY: 中西祐介
DATE: 06/16/2021 16:00:00
TAGS: EOS R5,キヤノン(Canon) ボディー,スポーツ,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
初めまして。フォトグラファーの中西祐介と申します。今回はスポーツ撮影においてのキヤノンEOS R5レビューを行います。私は様々なスポーツを撮影する機会が多いため、これまで一眼レフのフラッグシップEOS-1D X Mark IIIをメイン機として撮影してきました。
今回、EOS R5を発売と同時に手に入れ、すぐに現場に投入しこれまで使い込んで見えてきた率直な感想をお伝えします。こちらのレビューでは私がライフワークにしている馬術競技を題材に、様々な角度からEOS R5を見て行きます。スポーツ撮影で一眼レフからミラーレスへの切り替えを悩まれている方のご参考になれば幸いです。
スポーツ撮影においてのAF性能
スポーツ撮影で最も大きな要素を占めるのはAF性能です。これまでEOS-1D X Mark IIIを使用しているためどうしても比較したくなります。AF性能で私が重要視しているのは下記になります。
1. AF開始から被写体を捕捉する初動のスピード
2. 継続した動きを追う場合にフォーカスを外してからのリカバリースピード
3. コントラストが低い被写体においての合焦確率
上記3つの点が揃っていれば撮影現場で戦えると思っています。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + EF400mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:SS 1/2000 F2.8 ISO200 WBオート マウントアダプター EF-EOS R使用
■撮影:2020年10月26日 全日本総合馬術大会
■撮影協力: 日本馬術連盟
スポーツは相手が自分の思い通りに動いてくれませんし、撮り直しがきかないシーンがほとんどです。簡単に言えば一発勝負の世界と言えます。いかにイレギュラーな場面でも信頼が置けるのかを私は見ています。
ではR5はどうでしょうか。結論から言うとEOS-1D X Mark IIIと比較して遜色がありません。もちろん細かい部分ではEOS-1D X Mark IIIに及ばない点もありますが、ほぼストレスなく撮影が出来ています。上記3点は難なくクリアしていると言っていいと思います。EOS-1D X Mark IIIに及ばない点としては至近距離での上下左右の動きを捕捉する際にもう少し正確性、スピードアップが欲しいとところですが、こちらは開発発表がされているEOS R3 に期待しましょう。
EOS R5ではメニュー画面からAF設定をカスタムできます。EOS-1D X Mark IIIと共通部分が多いので2台を同時に使っても違和感がありません。特にサーボAF特性はよく活用するメニューです。簡単に言えば車のギアを切り替えるようなイメージです。私は初動のスピードが速い方が良いのでCase3を基本にしています。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + EF400mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:SS 1/2000 F2.8 ISO200 WBオート マウントアダプター EF-EOS R使用
■撮影:2020年10月25日 全日本総合馬術大会
■撮影協力: 日本馬術連盟
また一眼レフに比べてAFエリアがとても広いのもミラーレスのメリットです。一眼レフではファインダー中央付近に測距離エリアが固まるため、フォーカスエリア優先でその次にフレーミングとなるケースが多くありました。AFエリアの上に被写体が来なければフォーカスできないからです。
さらに瞳AFの使い勝手も私の想像以上でした。スポーツでは瞳AFは使えないだろうと思っていましたが、頭部認識にも対応しているため、ヘルメットや後ろ姿にも反応するようになり、競技によっては80パーセント以上瞳AF機能を使用して撮影しています。顔によれば瞳を検知し、引いていくと顔認識に切り替わりながら追い続けてくれます。瞳の検知する被写体を人物と動物で選択可能です。動物は種類によって眼の形や位置が違うため、得意な動物、苦手な動物がいるようです。今回の馬については横顔が正面かによって合焦確率が違いました。横顔の方が少し苦手かなという印象です。
もちろんEOS-1D X Mark III同様にAFエリアを1点から領域拡大、ゾーンAFと選択が可能です。私は一番よく使うのは1点プラス上下左右をアシストしてくれる領域拡大をデフォルトにしています。
動き続ける被写体を撮る場合、常にピントが合っている状態ではありません。フォーカスを外してしまうこともよくあります。そんな時にいかに素早く被写体にフォーカスを戻せるかのリカバリーする力も重要です。リカバリーする力が強くなければスポーツ撮影では使えません。その点もEOS R5はとても優秀でした。明るさが暗い場面、コントラストが低い雨天や曇天の日でもAFのスピードや正確性は快適な撮影環境をもたらしてくれます。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + EF400mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:SS 1/1000 F2.8 ISO400 WBオート マウントアダプター EF-EOS R使用
■撮影:2020年10月24日 全日本総合馬術大会
■撮影協力: 日本馬術連盟
馬術では様々な被写体の動きをカバーしなくてはなりません。こちらに真っ直ぐに向かってくる直線の動き、障害物を飛越する上下の動き、それに加えて左右への動きもあります。また撮影場所から被写体までの距離も近い場所から遠い場所まで、次々に異なるシーンがやってきます。
同時に私が予測した動きと違うスピード、ルートで向かってくることもあります。そんな時は瞬時に相手の動きを見ながら次の予測をしてカメラを構えフレーミングをしてシャッターを切ります。そんな状況でもしっかりとついてきてくれるのは頼もしいです。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + EF400mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:SS 1/2000 F2.8 ISO200 WBオート マウントアダプター EF-EOS R使用
■撮影:2020年11月15日 全日本障害馬術大会
■撮影協力: 日本馬術連盟
高い解像力、高感度性能
EOS R5を使う理由の一つに高い解像力があります。以前からAFが強くてスポーツに使える高画素、高解像度のカメラが必要と思っていました。主に広告媒体のような大きな印刷物や将来的に写真展などを目指す場合の作品撮影には必要な条件だったのです。
EOS R5を手にいれた数日後に大きな広告撮影プロジェクトがあり、その現場ではEOS R5がとても重要な役割を果たしました。有効画素数約4500万画素フルサイズCMOSセンサー、映像エンジン「DIGIC X」が作り出す映像はパソコンモニターにて等倍で確認する度に細かい質感まで忠実に再現してくれています。本当にすごいの一言です。他のカメラではこの感触は得られません。馬の肌の質感や現場で感じた光の色や匂いまでしっかり写真の中に落とし込んでくれます。もちろんEOS R5の解像度をフルに発揮するためにはRFレンズとの組み合わせが必須です。アダプターを使用してEFレンズを使用することもできますが、私はRFレンズをお勧めします。
また、広角レンズでメインの被写体を小さめに配置して風景の中に人馬がいる写真は、隅から隅までしっかり解像していることを求めるため、他のカメラでは代用がきかないと思っています。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:SS 1/2500 F5.6 ISO200 WBオート
■撮影:2021年4月10日 総合馬術 CCI2*-L Miki
■撮影協力: 日本馬術連盟
高感度性能も魅力です。私は用途によって変えますが、基本はISO8000を上限にしています。場合によっては更なる高感度にすることもあります。特にナイター照明や屋内競技は想像以上に明るくないことが多くあります。被写体の動きを止めるために高速シャッターを切るためにはどうしてもISO感度を上げます。光の回り具合や条件によって変化しますがISO8000は十分実用範囲内と思って使っています。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF24-70mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:SS 1/250 F2.8 ISO1600 WBオート
■撮影協力: 日本大学馬術部
快適な操作性
ここまでAF性能、高解像力、高感度についてお伝えしてきましたが操作性についても触れて行きたいと思います。どんなに高いハード面があっても操作性が悪ければ使い勝手に直結します。操作部分で私が一番大事だと思うのはボタンとダイヤル、マルチコントローラーです。ボタンの配置やダイヤルの使い勝手は快適です。EOS-1D X Mark IIIと併用していても違和感はありません。強いていうなら背面にあるサブ電子ダイヤルがもう少し大きければと思いますが……
スポーツ撮影で特に重要なのは、AFフレームを動かすマルチコントローラーではないでしょうか。メニュー画面のボタンカスタマイズでAFフレームダイレクトを選択すれば、他のボタンに触れることなくAFエリアを動かすことが出来ます。また、フォーカスエリアが素早く動いてくれるので被写体の動きを追いながらでもストレスがありません。
カメラを構えてほとんどのボタンが右側に集中していますので、右手でほとんどの操作が完了できます。撮影に入ったら少しでも余計な操作は省き撮影に集中したいところです。そういった点でもEOS R5はよく出来たカメラだと思います。RFレンズやコントロールリング付きアダプターを使えばコントロールリングに操作の割り当てが可能です。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + EF400mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:SS 1/2000 F2.8 ISO200 WBオート マウントアダプター EF-EOS R使用
■撮影:2020年10月26日 全日本総合馬術大会
■撮影協力: 日本馬術連盟
まとめ(実践で使えるのか)
色々な観点からEOS R5を見てきましたが、正直に言ってスポーツに使えるカメラなのかというご質問をよくお聞きします。
私の率直な感想は「使えるカメラ」です。実際に私はスポーツの現場で使用しています。現在はEOS-1D X Mark IIIと併用しながら競技によってEOS R5をメインにすることが増えました。現時点では70パーセント以上がEOS R5をメイン機にしています。ミラーレスはシャッター音が小さいことも大きなメリット、音を出せないシーンもあるのでそんな時は電子シャッターを使います。
トータルバランスに優れているも大きな特徴です。これからますますEOS R5でシャッターを切ることが増えそうです。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + EF400mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:SS 1/2500 F2.8 ISO200 WBオート マウントアダプター EF-EOS R使用
■撮影:2021年5月29日 ヤング総合馬術大会
■撮影協力: 日本馬術連盟
■写真家:中西祐介
1979年東京生まれ 東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。講談社写真部、フォトエージェンシーであるアフロスポーツを経てフリーランスフォトグラファーに。夏季オリンピック、冬季オリンピック等スポーツ取材経験多数。スポーツ媒体への原稿執筆、写真ワークショップや大学での講師も行う。現在はライフワークとして馬術競技に関わる人馬を中心とした「馬と人」をテーマに作品制作を行う。
・日本スポーツプレス協会会員
・国際スポーツプレス協会会員
~「EOS R5」はこちらの記事でも紹介されています~
キヤノン EOS R5 レビュー|スチールも、ムービーも、ポートレートが俄然楽しくなる一台
写真家:大村祐里子
https://shasha.kitamura.jp/article/482368703.html
キヤノン EOS R5|航空写真家がスチル&ムービーで徹底レビュー
写真家:A☆50/Akira Igarashi
https://shasha.kitamura.jp/article/478121231.html
キヤノン EOS R5 × 鉄道写真|村上悠太
写真家:村上悠太
https://shasha.kitamura.jp/article/480060111.html
■更新
・2021年7月 7日:冒頭にキヤノンプロカメラマンセミナーの告知を追加しました。
・2021年7月19日:セミナー終了に伴い該当の告知を削除しました。
この記事に使用した機材
【キヤノン】RF15-35mm F2.8 L IS USM
商品詳細ページ 【キヤノン】EF400mm F2.8L IS III USM
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の中西祐介さんによるEOS R5のレビュー記事です。馬術の作例を用いて本機材がスポーツ撮影においてどのような性能を発揮するのか細かくレビューしていただいております。
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KEYWORDS:
レビュー,EOS R5,キヤノン(Canon) ボディー,スポーツ
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AUTHOR:
TITLE: ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.8 S × 旅|クキモトノリコ
BASENAME: 482007046.html
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CATEGORY: クキモトノリコ
DATE: 06/17/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z 35mm f/1.8 S,単焦点
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BODY:
はじめに
そもそも写真やカメラに興味を持った理由のひとつが旅先で写真を撮りたい、ということだった私は、コロナ前は少なくとも年に2〜3回は海外へ撮影に出かけていました。旅先に連れていくレンズは、あれもこれも持っていきたいけれども荷物を考えると無理。そんな中でもし1本だけ単焦点レンズを持って行けるとしたら、私は迷わずこのレンズ「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」を選びます。その理由を、2018年〜19年の年末年始のオーストラリア、2019年6月の香港、そして同年11月のフランスでの写真を通してお伝えします。安心して海外へ行けるようになった時に参考にして頂ければ嬉しく思います。
程よい寄り具合と引き加減を味わえる画角
何かしら単焦点レンズを1本だけ持ち出す際に、35mmか50mmのどちらかを選ぶ人は比較的多いのではないでしょうか。どちらを選ぶかは人それぞれだと思いますが、私は断然35mmを選びます。その一番の理由は、なんといっても「広過ぎず、狭過ぎない画角」。標準レンズとも言われる50mmは私には少々窮屈に感じられ、28mmは「それならいっそ24mmくらいほしい!」と中途半端な広さに感じられてしまう。その点、私にとって35mmは感覚的に「ちょうどいい画角」なのです。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO100, F1.8, 1/2500s, -0.7EV, WB 自然光オート, 仕上がり設定 スタンダード
2019年6月、このレンズを存分に味わおうと香港へ向かいました。日頃は自他ともに認める「晴れ女」な私ですが、この時は珍しいことに滞在中のほとんどが雨。朝起きて窓の外を見やると、眼下を走る高速道路と海沿いのスポーツ施設越しに、たくさんの船が忙しなく行き交うビクトリアハーバー、その向こうには香港島の対岸、九龍側の高層ビル群と厚い雲で覆われた山……。これらの情報が過不足なく一枚の写真に収まり「ホテルの部屋からの風景」として成立しています。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO125, F13, 1/15s, -0.7EV, WB オート, 仕上がり設定 オート
街へ出ると、香港島内の移動には2階建ての路面電車、トラムをよく使います。乗り込むと目指すは2階の一番前の席。ここからの眺めはいい歳をした大人といえどもやはりわくわくしてしまいます。停車場で車両のすぐ前を行き交う人々と道の左右に迫るお店の様子は、このトラムが繁華街を縫うようにして走っていることを物語っています。この時も、必要以上に広過ぎず、狭過ぎない画角は目の前に広がる街の喧騒を感覚的に「ちょうどよいボリューム」で表現してくれています。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO320, F2.8, 1/40s, WB オート, 仕上がり設定 オート
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO320, F2.8, 1/40s, WB オート, 仕上がり設定 オート
食事は旅先での楽しみのひとつ。せっかくなら美味しそうに、かつその場の雰囲気も写しておきたい……と思った時に手持ちのレンズが高倍率ズームだと「室内では開放F値が大きくレンズが暗すぎる」「広角側だと余計なものが入り、望遠側だと被写体に近づけない」といったことが起きてしまいがちです。
そんな時に役に立ってくれるのが35mmの単焦点レンズ。最短撮影距離は25cmと高倍率ズームに比べてぐんと近寄ることができ、程よく背景を入れながらぼかすこともできる……。写真家仲間と訪れたパリでランチのこの時も、Z 35mm f/1.8 Sのレンズは、寄って被写体をクローズアップ&引いてテーブル全体の雰囲気を撮る、その両方を1本で賄うことができました。超便利!
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO1600, F4, 1/250s, WB オート, 仕上がり設定 オート
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO3200, F8, 1/60s, +0.7EV, WB オート, 仕上がり設定 オート
シドニーに住む友人一家を訪ねた時の写真です。娘ちゃんはちょうどやんちゃ盛りなお年頃で、置いてあった私の帽子をかぶって「見てみてー!」と無邪気に笑う姿をパチリ。ある程度被写体に寄ることで人物をぐっと大きく捉える撮り方ができる一方で、レンズを交換することなく家族みんなで記念撮影。広すぎず、狭すぎない画角はそのどちらをも1本でカバーすることができる、とても使いやすい画角です。
開放F1.8の大きなボケによる立体感を楽しむ
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO200, F1.8, 1/5000s, -0.3EV, WB 自然光オート, 仕上がり設定 オート
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO200, F2.8, 1/1600s, -0.3EV, WB 自然光オート, 仕上がり設定 オート
香港で南国らしい雨上がりのハイビスカスを、35mmの画角を活かして背景を広く取って玉ボケを入れつつ撮ってみました。開放F値が1.8ゆえに、広めの画角でも大きなボケを作りやすいのが特徴のひとつです。
絞り開放のF1.8と少し絞ったF2.8とで撮り比べてみると、開放F1.8だと画面端の方の玉ボケが少しレモン型になる口径食が出るものの、F2.8だと綺麗なまぁるい玉ボケに。それでも開放時のピントが合った部分の拡大を見ると、しべに付いた水滴までしっかり写しとり、その解像感の高さに感心するとともにボカすことで得られる立体感が際立っています。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO100, F1.8, 1/500s, WB 自然光オート, 仕上がり設定 オート
摩天楼が立ち並ぶイメージの強い香港ですが、街を少し離れると意外に長閑な光景と出会えます。とあるお家の軒先に停められていたレトロな自転車が素敵で、敷地の外から垣根のグリーン越しに撮影。手前のグリーンを前ボケに入れましたが、やわらかい緑が広がり、後ろの自転車の金属感や錆や金色と赤のエンブレムの質感を際立たせてくれました。
まぁるいボケと解像度の高さを堪能する
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO200, F2.8, 1/200s, +0.7EV, WB 自然光オート, 仕上がり設定 オート
香港・九龍半島側の深水埗は、ハンドメイドアクセサリーには欠かせない手芸用品の問屋さんがたくさん集まる街。店先に置かれたパールのようなビーズがとても綺麗だったので、25cmという最短撮影距離まで被写体に寄ってみるとこの通り、表面の虹色の艶をしっかり表現しつつ、手前や奥はやわらかくボケて連なる玉ボケがまるで雪のようで……つい何枚も撮ってしまいました。
やわらかいものも硬いものも、その質感を見る人に伝えてくれる
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO800, F2, 1/500s, WB オート, 仕上がり設定 オート
香港で乾物屋さんの店先にいた人懐っこい猫を、最短撮影距離の短さを活かしてぐっと寄って撮ってみました。ピントの合った手前の目には、写り込んだ景色がはっきり見て取れます。その目のガラスのような艶やかさと毛並みの柔らかさを忠実に描写しつつ、なだらかにやわらかいボケへと繋がっていく様子が見事で、猫の額に触れた時の毛の柔らかさと骨格の硬さといった手触りをリアルにイメージさせてくれる仕上がりに猫好きなら悶絶してしまいそうです。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO400, F5.6, 1/500s, -0.3EV, WB 自然光オート, 仕上がり設定 オート
香港の街角、とあるカフェバーで入店する人を掴まえようとするかのように突き出した手のオブジェ。通りすがりの女性の服の色とも相まって全体としてやわらかいトーンに仕上がりつつも、金属のオブジェの硬さやつめたさといった質感がしっかり伝わってきます。
暗い中での手持ち撮影も安心の1本
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO800, F1.8, 1/320s, -0.3EV, WB 自然光オート, 仕上がり設定 スタンダード
パリに到着後すぐ、日の出前のまだ夜の続きのような暗い中を、パリに来たからにはと焼きたてのクロワッサンを求めてブーランジェリー(パン屋さん)へ。開放F値が1.8と光を取り込む能力が高いレンズゆえ、暗い時間帯のスナップにはピッタリの1本です。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO720(オート), F1.8, 1/40s, -0.3EV, WB オート, 仕上がり設定 オート
日本よりも間接照明が使われることの多い海外。帰国前日、パリで最後のディナーに訪れたこのレストランも同様で、薄暗い店内は手持ち撮影には非常に厳しい環境……。そんな中でも開放F値が1.8と光を取り込む能力が高く、またNikon Z6の強力な手ブレ補正機能のおかげで安心して手持ち撮影ができました。
ちなみにこのお料理はフレンチ版ユッケとも言える「ステーキ・タルタル」。生の牛肉を数種類のスパイスとともにいただきます。日本ではもう食べることの叶わないメニューゆえ、ぜひまたフランスへ食べに行きたいものです。
雨の日の撮影でも安心な防塵防滴設計
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO800, F2.8, 1/80s, -1.3EV, WB 電球, 仕上がり設定 オート
珍しく雨の日が続いた香港旅。旅先では暗くなってからでも、そして雨が降っていようとも、限られた滞在期間内は目いっぱい撮影したいもの。そんなときに、少々の雨に濡れても心配することなく撮影に臨める設計は非常に頼もしいですね。そこに描写力が加わると、もう最強の相棒となります。
撮影後記
旅に連れて行くレンズは、明確な目的やレンズの指定がないのであれば「高倍率ズーム+35mmの単焦点の2本」が、私にとっては一番コンパクトで撮りやすい組み合わせです。そんな中で、特に今回の香港旅は本レンズ1本で撮る、という普段とは違う旅になったのですが、画角はもとよりボケ味や解像度の高さなどからなんら不自由やストレスなく、むしろ気持ちよく撮影を楽しむことができました。
このコロナ禍により再び海外へ出かけられる日はもう少し先になりそうですが、またこのレンズを連れて出かけられる日を楽しみにしています。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO400, F4.5, 1/160s, +1.0EV
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO400, F2.8, 1/50s, -0.7EV
■写真家:クキモトノリコ
学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のクキモトノリコさんに、ニコンの「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」をレビューしていただきました。旅先でのスナップに最適な単焦点レンズです。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,レビュー,NIKKOR Z 35mm f/1.8 S,単焦点レンズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: オリンパス PEN E-P7 レビュー|コムロミホ
BASENAME: 482049434.html
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CATEGORY: コムロミホ
DATE: 06/18/2021 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) ボディー,PEN E-P7,スナップ,マイクロフォーサーズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
OMデジタルソリューションズ株式会社からOLYMPUS PEN E-P7が発売される。新会社になってから初の新機種となる。OM-DとPENの2ラインナップがあるが、OM-D E-M1 Mark III、E-M5 Mark III、E-M10 Mark IVとOM-Dシリーズの新機種が続いており、PENを愛用している私にとっては待ちに待ったPENの新機種となった。
E-P7のポジション
まずは既存のPENと比較しながら、今回のカメラの立ち位置をご紹介したい。E-P7の名前から見ると、2013年に発売されたPENのフラグシップ機E-P5の後継なのかと思われるが、デザインやサイズ感を見るとE-PLシリーズに近い。そして、PEN-Fに搭載されていたモノクロプロファイル、カラープロファイルを搭載している。まさに、E-Pシリーズの高級感と、E-PLシリーズの手軽さと、PEN-Fの表現力を1台に凝縮したようなカメラに仕上がっている。
外観
外観は今までのPEN同様クラシカルなデザインを採用している。アルミ削り出しのダイヤルや上質な革張りのようなボディがソリットで美しい。重厚感のある高級な見た目とは裏腹にボディ単体の質量が337gとかなり軽量。E-PL10よりも軽量化を実現できているという点が驚きだ。ボディカラーはホワイトとシルバーの2色展開となる。
プロファイルコントロール
E-PL10と比べてみると、軍艦部分のダイヤルが二つに増え、操作がしやすくなっている。そして、カメラ前面にはプロファイルコントロールスイッチを配置。こちらを切り替えることで、モノクロプロファイルとカラープロファイルを使用することができる。
PEN-Fはモノクロプロファイルとカラープロファイルのプリセットが3つずつ搭載されていたが、E-P7にはそれぞれ4つのプリセットを搭載している。まずはそれぞれの効果をご紹介したい。
■MONO1 標準のモノクロ
■MONO2 クラシックフィルム モノクロ
粒状感のあるザラザラとした風合いで、コントラストが高く重厚感のあるモノクロ表現
■MONO3 クラシックフィルム IR
赤のカラーフィルター効果を強調し、赤外線フィルムで撮影したような効果を得られる
■MONO4 クラシックフィルム ローコントラスト
コントラストを抑えて、やわらかく優しい印象のモノクロに
■COLOR1 標準(Natural)
■COLOR2 クラシックフィルム リッチカラー
色が少し鮮やかになる渋みのある表現を楽しめる
■COLOR3 クラシックフィルム ビビッド
彩度が高く、より鮮やかに被写体を表現する
■COLOR4 クラシックフィルム ソフトトーン
淡く柔らかな印象に仕上げられる
私が好きなモノクロのプリセットはMONO2。コントラストが高く、暗部が締まり、重厚感のあるかっこいいモノクロの表現を楽しめる。その場の光と影を意識しながら撮影すると、何気ないワンシーンもドラマチックに表現することができる。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/200秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
いつもの道や見慣れた街並みもモノクロで切り取ることで、味わい深い情感のある写真へと仕上げられるので、ぜひ試してもらいたい。カラーだとリアリティが出過ぎてしまうようなシーンもモノクロで表現すると、写真の中の世界に想像を膨らませたくなる。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/2 1/320秒 ISO200 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
そして、カラープロファイルの中で一番好きなプリセットはCOLOR2だ。派手に鮮やかになるのではなく、程よい彩度と深みのあるトーンで被写体の色を美しく表現してくれる。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/3.2 1/800秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
下の写真は露出補正を-1/3EVに設定しながら撮影を行った。少しローキーめの露出に設定すると、より色に深みが出て、独特なトーンで表現することができる。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/200秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/1600秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
新たに追加されたMONO4は全体的に淡く柔らかなトーンで、どことなくノスタルジックな印象のモノクロ写真を撮ることができる。そのため、MONO4に設定しているときは古めかしい被写体ばかり探しながらスナップしていた。女性ポートレートなどにも相性が良さそうだ。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/20秒 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/30秒 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
COLOR4も全体的に柔らかさのある写真を撮ることができるが、ただ柔らかく、ただ淡いだけでなく、被写体の色を損わずに表現してくれる。淡さの中に芯があるというのか、独特な味わいを楽しめる。派手ではないが、素朴さの中に美しさがあるようなそんな絵作りだと感じる。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/125秒 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/1250秒 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
同じ被写体でもプリセットを変更しながら撮影すると、印象の異なる写真を撮ることができる。下の1枚目がMONO2で撮影した写真。黒が締まり、重厚感のあるモノクロ表現で、年代を感じるような味のある写真を撮ることができる。下の2枚目はMONO3で撮影。赤いカラーフィルターを使用したように青い空と白い雲のコントラストを強調することができる。それにより、空に立体感が生まれ、力強い写真に仕上げることができた。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/3.2 1/1000秒 ISO200 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/3.2 1/1000秒 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
プリセットそれぞれの特徴を生かしながら撮影できるだけでなく、そこからさらにカスタマイズして自分好みの表現を追求できる。シェーディング(写真の四隅の明るさの変更)やハイライト&シャドウ(明部、中間部、暗部それぞれの明るさを個別に変更できる)を変更できるだけなく、モノクロプロファイルはカラーフィルター、カラープロファイルは12色の彩度を個別に調整可能。下の写真はCOLOR1に設定し、シェーディングを-1、グリーン系の彩度をプラスに設定。シェーディングをマイナスに設定すると、画像の四隅が暗くなり、雰囲気のある写真に仕上がる。さらに周辺が暗くなるところで、真ん中にある被写体に視線誘導させることもできる。そして、カラープロファイルは12色の鮮やかさを個別に変更できるため、グリーン系の色のみを鮮やかになるように彩度を調整。それにより、葉っぱの緑を際立てられている。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/200秒 ISO200 露出補正-0.7 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
下の写真はMONO2にシェーディングを-1に設定。カメラの中で細かく絵作りを調整できるため、撮って出しで作品レベルの完成度の高い写真を撮れるのがE-P7の魅力だろう。モノクロもカラーも表現の自由度がかなり高いので、ぜひ自分好みの表現を見つけてもらいたい。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/200秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
手ブレ補正
E-P7は5軸のボディ内手ブレ補正を搭載し、最大4.5段分の手ブレ補正効果を得ることができる。同じサイズ感のE-PLシリーズは3軸だったのに対して、5軸に進化している。本来手ブレしてしまいそうな暗いシーンでも安心して撮影できるのが嬉しい。夜でもISOを上げずに撮影できるため、ノイズレスで高精細な写真を手持ちで撮影を楽しめる。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/25秒 ISO200 露出補正-0.7 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
こちらの写真は最低ISO感度のISO200で撮影。本来であれば、三脚が必要になるような低速のシャッター速度だが、暗所でも身軽に撮影できる。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/3秒 ISO200 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
今回はより身軽にスナップするためにレンズはM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8(35mm版換算34mm相当)を選んだ。M.ZUIKO PREMIUMシリーズのレンズはどれも小型軽量で描写力も高いため、E-P7と合わせると、より身軽にカメラを持ち運べる。特に今回セレクトした17mmは金属外装でクラシカルなデザインを採用しているため、デザインの面でも相性がいい。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/800秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
35mm版換算で34mm相当とスナップに使いやすい画角で、被写体だけでなく、背景も生かしながらその場を切り取ることができる。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/1250秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
そして、被写体にぐっと近づけば遠近感を活かして、主題を際立てなら撮影することもできる。また開放F値のF1.8でぐっと近づけば、ボケを活かした写真も楽しめる。大きくボケるというよりは輪郭の残るボケ感で、ピント面だけでなく、背景の雰囲気が伝わりやすい写真に仕上げられる。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/1250秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
さいごに
今回掲載している写真はすべて撮って出しのデータとなる。撮影時にカメラの中でさまざまな表現を追い込めるので、その場の空気感を感じながら絵作りを楽しめる。前述したとおり、E-Pシリーズの高級感、持つ喜びを引き継ぎながらも、E-PLシリーズのように小型軽量でいつでも持ち運べるようなサイズ感。それでいて、PEN-Fの表現力をぎゅっと詰め込んでいる。「こういうカメラがほしかった!」と思わず言いたくなるようなバランスの良いカメラに仕上がっている。ぜひPEN E-P7の表現力を試してもらいたい。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/20秒 ISO200 露出補正-1 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/25秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離17mm(35mm判換算34mm相当)
■写真家:コムロミホ
福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。ニコン、パナソニック、オリンパスのカタログ撮影も担当する。ルミックスフォトスクール講師、オリンパスデジタルカレッジ講師、エプソンセミナー講師、ライカやリコーペンタックス、をはじめ多くのメーカーで講師を務める。
特集ページ
カメラのキタムラネットショップの「PEN E-P7」特集ページは下記バナーをクリック。ボディーと合わせて購入したいアクセサリー類もご紹介しています。詳細はこちらより ご確認ください。
■更新
・2021年6月25日:製品発売に伴い、予約受付中の内容を差し替えました。
この記事で紹介している機材
【オリンパス】PEN E-P7 14-42mm EZレンズキット シルバー
商品詳細ページ 【オリンパス】PEN E-P7 14-42mm EZレンズキット ホワイト
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 ブラック
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 シルバー
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のコムロミホさんがオリンパス PEN E-P7のレビューを行っています。E-Pシリーズの高級感、E-PLシリーズのコンパクト性能、PEN-Fの表現力を持ち合わせたバランスの良い本製品の魅力を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス,Olympus,PEN E-P7,スナップ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX GH5II レビュー | 高性能動画機の代名詞GH5から進化したその実力を探る
BASENAME: 482045857.html
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CATEGORY: SUMIZOON
DATE: 06/19/2021 11:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX GH5II,マイクロフォーサーズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
2021年6月25日発売のGH5II(DC-GH5M2)はPansconic LUMIXシリーズの最新機種です。ハイエンド、ハイブリッド、ハイパフォーマンスの意味を込めた「GH」を冠する同シリーズのカメラは動画撮影に強い「ハイブリット」としての側面が特に注目されているかと思います。
今回のGH5IIでも注目すべきは動画性能かと思いますので、動画機として如何に進化しているかについて紹介してきましょう。
GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7 ASPH.
撮り下ろし動画作例
まずは、GH5IIで撮影した2本の動画をご覧頂きつつ、このカメラのポテンシャルを感じて頂けたらと思います。(尚、本機は発売前のデモ機をお借りして撮影しておりますので、製品版の画質とは異なる可能性があります)
Part Iはネイチャーから構造物まで屋外撮影したものです。また、夜間の撮影も含んでおります。
▼屋外撮影をメインに撮影した動画
VIDEO
Part IIは屋内外での人物撮影をしたものです。
▼人物撮影を行った作例
VIDEO
GH5IIスペック概要
GH5IIのスペック概要をいくつか記載します。
・有効画素数:2033万画素
・センサーサイズ:4/3型
・マウント:マイクロフォーサーズ
・最大シャッター速度:1/8000(メカシャッター)1/16000(電子シャッター)
・連写撮影:高速(H): 約12コマ/秒(AFS/MF時) / 約9コマ/秒(AFC時)
・動画記録:4K60p10bit/4K30p10bit/FHD180fps(VFR)他
・手ブレ補正効果:最大6.5段
・バッテリ:大容量バッテリー+USB給電/充電(USB Power Delivery対応)
・アシスト表示:赤枠REC表示、ベクトルスコープ、波形モニタ、スポット輝度メータ他
まずセンサーに関する部分に関しては、上記の様に画素数はGH5を踏襲しています。
なお、形状はGH5と全く同じ。ボタンの装飾やダイヤル表記はGH5と少し異なるもののボタン類の配置も同じなのでケージなどのGH5用パーツをそのまま使う事が可能となっています。
GH5の発売から既に4年が経っている一方で画素数は据え置きのまま。とは言え、このGH5IIは数多くの機能の追加や変更がなされており、道具としての着実な進化が随所に見てとれます。
そしてその進化はスペックで見える部分と、スペックからは読み解けない部分があり、特に後者に関してはことごとく感心させられる4年の進化を感じ取る事ができます。
個人的な意見を書かせて頂くならば、カメラは写真や映像を撮るための道具ですので、スペック以上に重要なのはその使い勝手だと思います。
今回はスペックで見える進化、スペックからは読み解けない進化についてそれぞれ見ていきたいと思います。
スペックから読み解くGH5との違い
4K60p10bit内部収録
ここに関してはGH5やGH5Sでは撮影できなかったものが可能となりました。従来GH5/GH5Sでは4K60pでの8bit撮影は可能でしたが、4K30p10bit撮影と織り交ぜてカラーグレーディングを行った際にどうしても絵のギャップが生じてしまっていました。4K60p10bit撮影のためには高価な外部レコーダーが必要であり、運用はかなり面倒でした。
GH5IIで4K60p10bitがSDカードに手軽に撮影できるようになった点は、カラーグレーディングを行う人にとって大きなメリットだと思います。
4K60pの10bit撮影が可能となった
Dual I.S.2の効き
GH5ではレンズ協調の手振れ補正が5段までの効きだったの対して、GH5IIでは6.5段まで強化されました。特に「手振れ補正ブースト」の効きは強烈です。同機能は電子手振れ補正とは異なり、画角を狭める事が無く三脚固定したかの様な映像を撮影することができます。尚、作例のPartIIのほとんどは手持ち撮影を行っています。
手持ち撮影でほとんどがカバーできる
USB PD充電、給電が可能
GH5やGH5SではUSBを介しての充電、給電が行う事ができませんでした。GH5IIではこれらが出来る事によりモバイルバッテリーを使った充電、給電ができるようになった点は利便性が非常に向上したと思います。
USBによる給電・充電に対応
バッテリー容量アップ
GH5に搭載されたバッテリーよりも約18%容量の大きなバッテリー(DMW-BLK22)を採用しています。さらに従来のGH5のバッテリー(DMW-BLF19 )もGH5IIでは使う事ができるため、GH5から乗り換えを行うユーザーにとってもメリットが大きいです。
新バッテリー(DMW-BLK22)をGH5で使う事もできますが、GH5の同梱充電器ではBLK22の充電の充電が出来ない点は注意が必要です。
容量がアップしたバッテリー
V-Log Lプリインストール
GH5ではカラーグレーディングを行う際に有効なLogガンマ(V-Log L)での撮影をする場合は、別途アクティベーションキーの購入が必要でした。GH5IIでは最初からこのLogガンマでの撮影が可能です。
V-Log Lによるグレーディング
GH5IIでは4K60pであってもカラーグレーディング時に破綻のしにくい10bit撮影が可能ですので、是非グレーディングに挑戦してみては如何でしょうか。
ライブ配信機能
個人的にはここの進化が非常に面白いと思います。スマートフォンと連携することによってGH5IIの映像をYoutubeなどにリアルタイムに配信を行う事が可能となっています。今回はソフトの関係上、本機能を試す事ができませんでしたが、この機能はスマホがあれば例えば屋外の撮影先であってもGH5IIの映像をYoutubeなどにリアルタイムでライブ配信を行う事が可能になります。昨今の配信需要の高まりに対してタイムリーに投入されたこの機能はこれからのトレンドになる可能性を秘めていると思います。
スペック表だけでは分からないGH5IIの進化
ここからはスペック表だけでは分からない部分について紹介したいと思います。動画撮影を行う上において、一番筆者が重要ととらえている部分が「使い勝手」の部分です。
少し極端な話をしますが、スチル撮影の場合はISO/SS/絞りを変更する事がメインです。もちろんAFのポイントやピクチャプロファイルなどの変更を行う事はあってもスチル撮影において都度変更するパラメータは動画撮影に比べると比較的少ないのです。
一方、動画の場合はここはスローで撮りたい、高解像度で撮りたい、フレームレートを高く撮りたい、ピントを送りたい、手振れ補正の効き調整など、都度変更したいパラメータは多いです。
動画を始めたばかりの方の場合は深く意識する必要はありませんが、動画撮影を長く続けているうちに映像の表現は設定次第で大きく変わるという事に気づきます。
その際に、考え抜かれたユーザーインターフェースや追加機能など「使い勝手」の部分が効いてくるのです。この点においてGHシリーズは他の「動画も撮れるカメラ」とは根本的に違い、動画を撮るために考え抜かれたインターフェースや機能を有します。
そもそも、「使い勝手」の部分が圧倒的によくできている点が私がLUMIXシリーズを使い続ける一番の理由です。後述するカスタムダイヤルを使いこなすと撮影現場で設定変更に時間がかかってしまう様な事が無いのです。少し使い勝手について協調してしまいましたが、画質も含めてGH5からの「スペック表だけではわからないGH5IIの進化」について、いくつか紹介したいと思います。
基本画質
ARコーティングが変更されたもののセンサーの画素数が同じであるため、基本的な画質は同じと思われがちですが、私の使った感覚ではその画質はかなり違いがあります。一つは高感度に設定した際のグリーンに色被りする現象が無くなった事。また、若干ノイズ耐性も上がっていると感じます。
また、従来GH5はGH5Sを併用した時にGH5Sの美しいトーンに比べ結構見劣りしていました。GH5Sの美しさはここでは割愛しますが、低感度撮影であったとしてもGH5SとGH5を同じ映像作品内で併用するにはかなり難しい側面がありました。
GH5IIではISO2500までであればGH5IIとGH5Sを併用しても明確にその差を区別することが出来ない程になったと感じます。この点から考えても、GH5IIの基本画質は上がっていると言えるかと思います。
また、GH5とは異なり、ARコーティングを施しているため作例を撮影していても、ゴーストが気になるという事は少なかったと思います。
モニターの明るさ
すごく地味ですが、GH5から背面液晶の輝度が上がっていることが確認できます。背面液晶を見ながら撮影することが多い動画において日中の屋外撮影ではこの進化は大きいと感じました。まだ本格的な炎天下では撮影を試せていませんが、バックライトを最大輝度に設定すれば真夏でも今までのGH5とは異なる視認性となるはずです。
AF(オートフォーカス)性能の向上
まず、スチルのAFに関してはかなり速く合焦精度も高いと言えます。秒間240fpsでのAFトラッキングを行っているためですが、さらにGH5IIではGH5では搭載されていなかった人体認識、頭部認識が搭載されており人物撮影、動物撮影の精度が高まったと感じます。
動画のAFに関してはSS速度が1/60を境にしてAFの動作速度が異なるGH5からの特有のクセが少しあります。特に東日本のユーザーはフリッカーを避けるために動画撮影時のシャッター速度を1/50にしがちですが、1/100に設定すると満足なAF性能を得られる事が多いです。
GH5を使っている人は動画AFにイライラしていた人も多いかと思いますが、今回作例を撮るにあたり特に人物撮影ではかなりの部分をAFを使って撮影を行いました。ウォブリング(AFトラッキングのためにピント位置を前後に動かす動作)はかなり解消され、スパッとAFが合う様になったのは進化を遂げているポイントです。ただし、F1.2などかなりのF値が極端に明るいレンズで最短撮影距離の構図から遠景にピントを合わせる際などはウォブリングが出る事も多いため、この場合は次に紹介するリニア駆動によるフォーカシングが便利です。
リニア駆動の追加
実はこれだけのために私はGH5IIを導入しようかと考えています。現在のミラーレス一眼の純正レンズのフォーカスリング機構は機械的にレンズを動かす方式ではなく、ほぼ全てレンズ内部のモーターによってレンズを駆動させるバイワイヤ方式が採用されています。
そして、この方式の問題点の一つがフォーカスリングを回す速度に依存してピントの送る速度が変わるというもの。ゆっくり回せば回す角度が同じでもピントの移動距離が少なく、速く回せばピントの移動距離が大きくなります。
この方式はスチルなどで精度よくマニュアルフォーカスを合わせるために各社採用している機構だと推測していますが、ピントをマニュアルで送る場合に少し厄介な方式でもあります。
A点(例えば近景)とB点(例えば遠景)のピント位置をフォーカスリングの位置で一義的に決められないため、動画撮影中にマニュアルでピントを送ろうとしても感覚でピント位置を調整するしか従来はありませんでした。(GH5からはピン送りのためのフォーカストランジションという便利な機能があるものの少し設定が面倒なため、筆者の使用頻度は高くは無い)
リニア駆動はこうした問題点に着目した方式で、フォーカスリングの回す速度に依存せずにフォーカスリングの回転角に応じてピント位置を一致させる動作となります。これは外付けのフォローフォーカスを使用した場合に特にメリットを感じます。
GH5IIとサードパーティ製フォローフォーカスを組み合わせた状態
さらに使い勝手として素晴らしいと感じるのはフォーカスリングの回転角を少なく設定するのか、大きく設定するのかを自由に設定できる点。
本気の映像制作であれば、機械任せのAFに頼るよりもピントを送る速度も含めてマニュアルフォーカスを使った方が制作者の意図通りなるケースの方が多いのです。ぜひこの方式に慣れるとピントを送るのが楽しくなると思います。
なお、このリニア駆動方式が使えるレンズはメーカー純正の12本に限られており、レンズ側のファームウェアアップデートも必要であるためメーカーHPでご確認ください。
カスタムダイヤルC4の追加
GH5ではカスタムダイヤルはC3まででしたが、GH5IIでは新たにC4が追加されています。動画撮影する上で私が一番おすすめしたいのがこのカスタムダイヤルの活用です。ご存知の様にカスタムダイヤルは設定を複数用意して瞬時に切り替えるものです。
C4Cが追加されてより快適な撮影が可能になった
私が行っている設定を紹介すると
・C1:4K30p(V-Log Lプロファイル)
・C2:4K60p(V-Log Lプロファイル)
・C3:FHDバリアブルフレームレート(V-Log Lプロファイル)
・C4:6Kフォト 他
という様に動画のフォーマット設定を複数に分けることで、メニューを潜る事なく、ダイヤルを回すワンアクションで設定変更できる様になります。
カスタムダイヤルは露出やWBを変更した場合、再度登録が必要なので面倒で使わないという考えの方も多いかと思いますが、「登録内容の呼出タイミングを全てOFF」に設定すると、例え途中で露出変更や設定を変更しても各カスタムモードで設定した最後の設定を記憶し続けてくれる動きとなります。
天気が変わったりシチュエーションが変わってもカスタムダイヤルの再登録をする事なくWBバランスやISO感度を各ダイヤル事に記憶し続けてくれるので、撮影モードを頻繁に切り替えて撮れ高を稼ぐ様な撮影では、非常に有効な機能です。
当然ながら、カスタムモード毎にファンクションボタンの割り当て設定をそれぞれ変える事が可能です。
例えばボディ前面のファンクションボタンについての割り当てを考えてみます。C1/C2ダイヤルの場合であればクロップの有無のメニューを呼出し、C3ダイヤルの場合であればバリアブルフレームレートの設定メニューを呼び出す。という様な柔軟な設定が可能です。
それぞれカスタム設定には名前をつけて登録ができる
マイリスト
とにかくGH5IIは撮影できる動画フォーマットは非常に多いです。おそらくスペック表を見ても全てを理解できる人は多くはないと思う程なのです。特にアナモフィックレンズなどの項目は多くの人にとってはなかなか使う機会が無いので例えば自分が普段使う動画フォーマットだけをリスト化して、選択しやすい様に表示させることが可能になっています。
動画フォーマットが多すぎて選びにくい場合はマイリストがおすすめ
赤枠REC表示
これも動画を撮影する人にとってはありがたい機能の一つです。デフォルトでこそONにはなっていませんが、「動画記録中の赤枠表示」を「ON」にする事で録画中は表示の枠が赤く表示されます。動画撮影において録画と停止を逆転させてしまって、撮ったつもりが録画開始できていなかったといういわゆる「逆タリー」による事故は比較的起こりやすいものです。
この表示は記録中であることを視認しやすく、「逆タリー」によるミスを防ぐ効果があると思います。
視認性の高い赤枠REC表示
マニュアルレンズの焦点距離設定
電子接点のないマニュアルレンズやオールドレンズを使う際にもボディ内手ブレ補正は有効ですが、最適な補正効果を得るためにはボディ側に取り付けたレンズの焦点距離を設定する必要があります。
このレンズの焦点距離はGH5では3本まで数値を登録することができましたが、GH5IIでは12本までの焦点距離をレンズの名前付きで登録することが可能となっています。
細かい改良ですが、こうした設定の自由度が上がるのはマニュアルレンズ、オールドレンズを多用する方にはありがたい機能だと思います。
手振れ補正に使用するレンズ情報画面(名前付きで12本まで登録可能)
その他
その他にも狙った場所の露出を確認しやすいスポット輝度メーター、4K60p外部収録時の内部同時記録、タッチパッドAFの領域指定、6KフォトによるLogの10bit撮影など実は数多くの機能アップが図られています。
GH5の機能で十分と思っていた私ですが、細部に渡って使い勝手を磨き抜いたカメラだと思います。
ここまでかなり良い面を書いてきましたが、マイナス面に対しても言及しておきます。GH5IIのダストリダクション方式はGH5のSSWF方式からセンサーシフト方式へと変更になっています。この点だけはGH5からスペックダウンと見る方も多いと思います。SSWF方式は起動時にセンサーに付いたダストを超音波振動で振るい落としますが、センサーシフト方式によるダストリダクション機能の起動は手動で行う必要があります。この点は少し面倒ではありますが、レンズ交換直後の電源起動時はダストリダクションが自動起動するなどの設定ができると良いかなと個人的には感じました。ダストリダクションそのものの効果はSSWF方式に対して大きく劣っているという風には感じませんでした。
そもそもフルサイズに比べてセンサーサイズが小さいためダストが乗るという確率自体が低いというのも、ある意味フォーサーズセンサーのメリットかもしれません。
スチル作例
さてここまで、動画機能を中心にGH5IIの紹介をしてきましたが、スチル撮影についても触れておきたいと思います。
GH5同様にローパスレスのセンサですのでシャキっとした絵の印象です。
下の作例ではNDフィルタを使わずに、かなり絞った状態での撮影をしていますが、回折補正がうまく効いているせいか解像度も十分と感じます。
■使用機材:GH5II + LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.
■撮影環境:F16 0.5秒 ISO200 絞り優先モード 太陽光
とにかくGH5IIはGH5よりも人肌が非常に美しく写る印象を持ちました。GH5Sも非常に美しい描写をしますが、それと同じ発色傾向と感じます。WBを太陽光に設定するとややマゼンタ寄りの傾向となりますがオートホワイトバランスを使った場合の発色は非常に美しい印象です。
■使用機材:GH5II + LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH.
■撮影環境:F1.4 1/160秒 ISO400 絞り優先モード 太陽光
この道端に咲いていた紫陽花を広角で撮影したもの。LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.を使いましたが、レンズ特有のボケも階調豊かに表現してくれる余裕を感じます。
■使用機材:GH5II + LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.
■撮影環境:F4 1/100秒 ISO200 絞り優先モード 太陽光
写真で見るよりもかなり明暗差の激しいシチュエーションですが、木の根元付近のシャドーも美しく表現できる余裕があると感じました。
■使用機材:GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7 ASPH.
■撮影環境:F4 1/60秒 ISO200 絞り優先モード 太陽光
最後に高速道路のジャンクションを真下から狙ってみました。ここではシャッタースピードは1/6ですがGH5IIであればもっともっと低速のシャッターでも綺麗に止めて写す事ができると思います。
■使用機材:GH5II + LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.
■撮影環境:F4.5 1/6秒 ISO200 絞り優先モード 太陽光
最後に
映像を撮ることが多い筆者ですが、マイクロフォーサーズで動画を撮るメリットは「ボケ過ぎない適度な被写界深度」が得やすい点だと思っています。
フルサイズと比べると画質が悪いと思われがちですが、それも使い方によって大きく考えが変わります。
例えば高感度撮影時おいてはフルサイズは確かに有利ですが、同じ被写界深度にするためにフルサイズを2段絞るのであれば、絞らずにISO感度を2段低くできるフォーサーズを使うという考え方もできると思います。結果、得られる映像のノイズ感はフルサイズとマイクロフォーサーズではほぼ変わりません。
また、フルサイズはダイナミックレンジが広く余裕のある画が撮れますが、それでもGH5IIはLog撮影をした場合のハイライトロールオフ(飽和付近の減衰特性)は特有の美しさがあり、フルサイズに比べて大きく劣っている様には見えないのが特徴です。
加えて35mm換算で2倍の画角を持つマイクロフォーサーズは望遠に圧倒的に強いメリットがあります。
LEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8/POWER O.I.S. 35mmとの組み合わせ 35m換算で400mmの画角が得られる
かといって超広角側が弱いかというとそんな事は無く、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.(35mm換算16-36mm)の様な評判の良いレンズがラインナップされています。
とろけるようなボケを必要としないなら、得られる画角の幅はマイクロフォーサーズが広いのです。いろいろな画角を撮りたいなら複数のレンズを持ち歩くことになりますが、フルサイズの場合、欲張って複数のレンズを持って長距離を歩くとかなりの体力を消耗します。一方で、マイクロフォーサーズの場合カメラバックに4本のレンズを持ち歩いてもたいした重量となりません。
普段フルサイズを使って撮影する事も多い筆者ではありますが、今回、多くのレンズを持ち歩いた際にも、「こんなにもいっぱいレンズを持っていても楽なんだ」改めて感じた次第です。
多くの被写体に出会ってこその写真・映像です。機動力や画角に自由度が高いフォーサーズを選ぶというのは、出会いの可能性を引き出してくれるカメラシステムだと思います。そんなカメラシステムの最新機種GH5IIは使い勝手が、あの名機GH5よりもさらに磨かれており、より道具としての価値を高めた機種です。是非一度手に取って体験してみることをお勧めします。
■ビデオグラファー:SUMIZOON
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。現在Youtube「STUDIO SUMIZOON」チャンネル登録者は1万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。
LUMIX GH5IIの記事は他にもこちらからご覧頂けます
■パナソニック LUMIX GH5IIが登場!|商品企画担当者へのインタビューから魅力を紹介
https://shasha.kitamura.jp/article/481686135.html
■パナソニック LUMIX GH5II|キットレンズの描写力と、さらに1本追加するならこのレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/483516821.html
■パナソニック LUMIX GH6 開発発表を受けて、期待する進化について語る|Osamu Hasegawa
https://shasha.kitamura.jp/article/482919488.html
特集ページ
カメラのキタムラネットショップの「LUMIX GH5II」特集ページは下記バナーをクリック。ボディーと合わせて購入したいアクセサリー類もご紹介しています。詳細はこちらより ご確認ください。
■更新
・2021年6月25日:製品発売に伴い、予約受付中の内容を差し替えました。
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX GH5II(DC-GH5M2)
商品詳細ページ 【パナソニック】LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.
商品詳細ページ
【パナソニック】LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7 ASPH.
商品詳細ページ 【パナソニック】LEICA DG ELMARIT 200mm F2.8 POWER O.I.S.
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ビデオグラファーのSUMIZOONさんにがパナソニック LUMIX GH5IIをレビューしています。GH5からの4年の進化をスペックで見える部分と、スペックからは読み解けない部分に分けて丁寧に説明しています。
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KEYWORDS:
パナソニック,Panasonic, ボディー,LUMIX GH5II,動画,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: パナソニック LUMIX S 50mm F1.8 レビュー|初めての単焦点レンズならこれに決まり!
BASENAME: 482024133.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 06/20/2021 11:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) レンズ,LUMIX S 50mm F1.8,人物_子供,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
LUMIXの「F1.8単焦点シリーズ」に、新しいレンズが仲間入りしました。昨年11月に発売された「LUMIX S 85mm F1.8 」に次ぐ2本目のレンズで、同シリーズの特徴でもある小型・軽量でコストパフォーマンス抜群の、大口径標準単焦点レンズ「LUMIX S 50mm F1.8」の魅力を、ポートレートのスチールとムービーでお送りします。
小型・軽量・コストパフォーマンスGOOD!
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO800 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃
F1.8の大口径ながら、最大径73.6mm、長さ約82mm、重さ約300g (レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップを含まず)という小さくて軽い本レンズは、フットワークの軽い撮影を行えます。
ポートレートに限らず、メインの被写体の背景を変えたいときは自分が動いて抜けを考える必要がありますが、長いレンズだと狭い場所の出入りに難があることも。また、重量がある場合、最近の軽いカメラに装着すると前側に重心が傾いてしまい、見た目のバランスが悪くなるとともに、支えている左腕の疲れにつながってしまいます。
いい写真を撮るためには多少の苦労も厭わない!とも思いますが、正直、機材は小さくて軽いに越したことはありません。さらに、コストパフォーマンスがいいのも本レンズの特徴で、6万円以下でこの性能のレンズが手に入るのかと思うと、技術の進化に感謝してしまいます。
ポートレート風ショートムービー
VIDEO
LUMIX S5と本レンズで、ショートムービーを撮影しました。微揺れも無くしたかったので三脚を使用しましたが、手持ちでも揺れの少ないムービーを撮影できるコンビと言えるでしょう。
絞りは開放、フォトスタイルは人物モードで全編撮影しています。室内なのでNDフィルターは使用しませんでしたが、屋外撮影や光が強い場所では必須のNDフィルターも、「F1.8単焦点シリーズ」はレンズのフィルター径が67mmと同じなので、本レンズとS 85mm F1.8の2本を持っている方も1枚のフィルターで済むのは大きなメリットです。
筆者は様々な焦点距離のレンズを使ってムービーを撮影していますが、50mmの画角は見え方が自然で使いやすい焦点距離でした。また、画に過度な味付けが施されないので、その場にいるような自然で好感が持てる映像になりました。
ポートレートに最適の上品な描写
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO800 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃
ピントが合っている面のシャープさはもちろん、そこからボケにつながるグラデーションは滑らかで自然、わざとらしいボケを排除している上品な描写でした。特に柔らかいボケ味が印象的でした。前後に大きなボケになるような被写体を配置して、その場のムードを写し込むような撮影に向いています。
レンズ構成は8群9枚で、非球面レンズを3枚採用して球面収差を抑え、色収差はEDレンズ1枚を効果的な位置に配置することで補正しています。また、高屈折率のUHRレンズを採用しており、画面周辺の描写性能も高い構成となっています。絞り形式は9枚羽根の円形虹彩絞りで、美しい玉ボケを作り出すことが可能です。
また、画面隅々の描写もしっかりしていて、寄りでも引きでも高い解像感を保っていると感じました。
素早く、正確、静かなAF
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO800 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃
カメラボディの性能に依るところも大きいですが、AFは素早く正確。本レンズはフォーカスレンズを保持するフレームがガイド軸に沿ってリニアモーターで駆動する構成となっており、これによって素早く、精度の高い、そして静かなAFを実現しています。
モデルのポーズ替えごとにピントを合わせ替える撮影時に、ピント合わせに時間がかかるのは致命的ですので、素早くて正確なAFは大変ありがたいです。また、動画撮影時にピント合わせの音が収音されないように、合焦音が静かというのも大変助かります。
シンプルでスッキリとしたデザイン
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO800 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃
レンズの外観はシンプルで、艶感のある黒色と縦スリットのローレットが特徴的です。どのカメラボディにも合うゴテゴテしていないデザインは、安っぽさを感じさせません。ひとつ注意点は、S 85mm F1.8もまったく同じサイズ、同じデザインなので、防湿庫から出すときにはしっかりと確認しないと間違えてしまいそうです。
優しい色味とラインを描き出してくれる描写性能
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO640 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃
本レンズは防塵・防滴仕様、マイナス10℃の耐低温設計で雪山などでの撮影も可能です。今回はポートレートでのレビューですが、スナップや旅行などでも使いやすいコンパクトさですので、ちょっとの雨風にも負けない防塵・防滴仕様はありがたいです。
また、今回は描写性能を見るのに、明暗の差を重視して撮影してみました。白とびギリギリの明るいところの描写が破綻していないこと、黒つぶれまでいかないまでも、暗いところの描写が濁っていないこと、その中間の明るいところから暗いところへのグラデーションの描写がナチュラルなこと、それらをテーマとして撮影場所をセレクトしました。
大きなボケを作り出すことだけが大口径レンズのメリットではなく、明るく撮れることだけがF値の小さいレンズを使う意味ではありません。50mmという標準画角の焦点距離は人の目の見え方にも似通っていることから、筆者は上記の描写能力をかならず確認するようにしています。
結果、人物の柔らかい肌色をそのままに、女性の丸いラインを優しく形取ってくれる、この焦点距離で欲しい描写性能を備えたレンズであると感じられました。
初めての単焦点レンズにお勧め!
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/160秒 ISO3200 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃
今回は、描写性能をみるためと題材がポートレートなので絞り開放でのレビューとなりましたが、F5.6からF8くらいに絞って、街中でのスナップ撮影も楽しいレンズでした。Sシリーズレンズの単焦点を初めて買う方には特に、性能とコストパフォーマンスも併せてお勧めできるレンズに仕上がっています。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんによるパナソニック「LUMIX S 50mm F1.8」レビュー記事です。コストパフォーマンスに優れた単焦点レンズの性能をポートレート写真でご覧ください。
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KEYWORDS:
パナソニック,Panasonic,レビュー,LUMIX S 50mm F1.8,ポートレート
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ペンタックス K-3 Mark IIIレビュー|ポートレートスナップで実感する魅力
BASENAME: 482039132.html
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 06/21/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,人物_子供,K-3 mark III,APS-C,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
様々な被写体に対応し、どんなシーンでも撮影が楽しめるAPS-Cフラッグシップ機PENTAX K-3 Mark IIIで、今回はポートレートスナップの撮影を行いました。
画像処理エンジンPRIME VとアクセラレーターユニットIIによる画質の向上、上質な写真の仕上がりはもとより、ポートレート撮影で活用したいカメラ機能と、撮影に相応しい3本のレンズの特徴を活かしてレビューをお届けします。
ポートレート撮影に選びたいレンズ
まずは、ポートレートを撮影するにあたり、どんな焦点距離のレンズを使うかを考え、次の3本を選びました。
左)レンズ自体がとても小ぶりで優しい表現ができるHD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
右前)切れ味の良いシャープさと美しいボケを両立した開放F1.4のsmc PENTAX-DA☆55mmF1.4 SDM
右奥)2倍ズームでどんな場所でも活躍するHD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
この3本のレンズは、小型ボディのK-3 Mark IIIに対して大げさにならないサイズであり、モデルさんと適切な距離でコミュニケーションが取れる上、見た目にも威圧感がないため、ポートレート撮影に適しています。
また、重量は3本合わせても800g以下。一度に持ち歩ける機動性の良さと、撮影頻度の高い画角をカバーできるという点もメリットです。
レンジの広い表現ができるK-3 Mark III
ポートレート撮影においても画像処理エンジンPRIME VとアクセラレーターユニットIIによるダイナミックレンジの広さを実感しながら撮影が楽しめます。
顔に直接光が当たる場所での撮影では、ハイライトの白トビが気になりますが、カメラ側のハイライト補正機能を「オン」にして、カスタムイメージの設定でコントラスト明部(ハイライト)をマイナスにしておくことで白トビを回避。
自然光が降り注ぐ明るい場所での撮影でも、白い服や肌、背景の窓越しの光も白トビすることなく、透明感のある柔らかい印象に仕上げることができます。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+smc PENTAX-DA☆55mmF1.4 SDM
■撮影環境:SS1/250秒 絞りF1.8 ISO100 WB太陽光 露出補正+0.3 肌色補正Type2
■カスタムイメージ:ほのか(彩度+3・調色C・コントラスト+1・コントラスト明部-1・ファインシャープネス+1)
■モデル:CHIHIRO.M.
影を活かしたコントラストの強い撮影も行いました。明暗差のあるシーンでもシャドー部である髪の毛の黒つぶれがなく、肌のハイライトもキリっと写し出しています。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+ HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR(40mm)
■撮影環境:SS1/40秒 絞りF4.0 ISO100 WBマルチパターンオート 露出補正+0.3 肌色補正Type2
■カスタムイメージ:ナチュラル
■モデル:CHIHIRO.M.
使いこなしたい肌色補正機能
ポートレート撮影でぜひ使いたいのが肌色補正機能です。Type1、2と2種類あり、Type2では滑らかな肌の調子やハイライトのツヤ感、ほんのり色づく頬の赤味、柔らかいシャドーなど良質な効果が得られます。モデルさんの肌トラブルも気にならない程度まで調子を整えて補正してくれるので、女性としては嬉しい仕上がりに。カメラマンとしても、ここまでの画がJPEGで仕上がればレタッチもほとんど手間いらずになり、作業軽減できるのでとてもありがたい機能です。
Type1はシャドーに補正が効く程度だが、Type2は肌の滑らかさもツヤも程よく仕上がる。カメラ内でしかできない補正効果なのでぜひ活用したい。
ポートレート撮影がメインであれば、ユーザーモード設定にこの肌色補正機能を含め、AFモード、連写、カスタムイメージ等を設定しておくことで、自分好みの仕上がりですぐに撮影に入ることができます。
カスタムイメージは「人物」に決め込まず好みで調整
筆者は、カスタムイメージ「人物」で撮影するとM(マゼンタ)が強く仕上がると感じており、そこに肌色補正を加えてしまうとさらに赤ら顔になってしまうので、「ほのか」をメインに使用しています。彩度をプラスにして、調色C(シアン)、コントラストとファインシャープネスもプラスに設定。赤味を抑えるだけでなく、ハイライトとシャドーのメリハリを付け、髪の毛やまつ毛などの細部のシャープネスを維持できるので、優しい雰囲気の中に芯のある画作りができます。
また、smc PENTAX-DA☆55mmF1.4 SDMの開放F値による切れの良いピント、肌のツヤも美しく、滑らかなボケによってレンズでも優しい雰囲気で写し出せました。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+smc PENTAX-DA☆55mmF1.4 SDM
■撮影環境:SS1/400秒 絞りF1.4 ISO100 WBマルチパターンオート 露出補正+0.7 肌色補正Type2
■カスタムイメージ:ほのか(彩度+3・調色C・コントラスト+1・コントラスト明部-1・ファインシャープネス+1)
■モデル:CHIHIRO.M.
次のシーンではカスタムイメージ「クロスプロセス」でアンティークレトロなイメージに仕上げました。再現性を求めないカスタムイメージこそ雰囲気ある表現が可能です。
HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limitedを使い、モデルさんとの距離を3m程とって前ボケを活かしました。被写体を引き寄せる圧縮効果も効いて画面全体がスッと整う心地良さと、カリッとしすぎず角の取れたような柔らかい描写がポートレートにピッタリです。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
■撮影環境:SS1/40秒 絞りF2.4 ISO800 WB 5000K 露出補正+0.7 肌色補正Type2
■カスタムイメージ:クロスプロセス
■モデル:CHIHIRO.M.
頼れる動体連写撮影と手ぶれ補正
天候や時間帯が変化し、シャッタースピードが1/60秒を下回る速度になっても5.5段分の手ぶれ補正機構「SRII」の効果が得られ、タイミングを逃さずぶれを抑えた撮影ができるのは心強いです。
微細に動くモデルさんの表情、目線の動きなどのタイミングを狙っていたところに車がすり抜けていきました。流し撮りのような効果です。K-3 Mark IIIでは撮影シーンに応じて「オート/流し撮り/オフ」と切替え可能となっており、初期設定の「オート」のままでも流し撮りに対応してくれます。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
■撮影環境:SS1/20秒 絞りF2.4 ISO800 WB太陽光 露出補正+0.3 肌色補正Type2
■カスタムイメージ:ほのか(彩度+3・調色C・コントラスト+1・コントラスト明部-1・ファインシャープネス+1)
■モデル:CHIHIRO.M.
自然な動作の中でベストショットを狙うなら、やはり連写機能が欠かせません。連続撮影(H/最高約12 コマ/秒)にセットしておき、自由に動いてもらうことで自然な表情を捉えることができる上、躍動感ある表現ができます。ここでは振り向いた瞬間をキャッチしたことでスカートがぶれて画面に動きが出せました。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
■撮影環境:SS1/25秒 絞りF2.4 ISO800 WBマルチパターンオート 露出補正+0.3 肌色補正Type2
■カスタムイメージ:ナチュラル(彩度+1・コントラスト-1・ファインシャープネス+1)
■モデル:CHIHIRO.M.
モデルとの距離が縮まるHD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
他の2本の単焦点レンズと異なり、ズームレンズであるHD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WRは、友だちやパートナーと出かけて「スナップもポートレートも楽しみたい!」という要望に応えてくれるレンズです。広角から中望遠までをカバーできるので、ポートレート撮影を目的に出かけなくても活躍してくれます。背景まで写し込むしっかりとした描写と、どの焦点距離でも肉眼に近い自然な見え方をしてくれるのが特徴です。
K-3 Mark IIIと合せてもコンパクトな組み合わせで、ズームしてもレンズの全長はほとんど変わらないのでモデルさんに威圧感を与えることがないのもこのレンズの魅力となっています。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR(28.5mm)
■撮影環境:SS1/20秒 絞りF4.0 ISO100 WB太陽光 露出補正+0.3
■カスタムイメージ:ナチュラル(彩度+1・コントラスト-1・ファインシャープネス+1)
■モデル:もくれん
レンズの望遠端である40mm(35mm換算61.5mm)はポートレート撮影で使いやすい中望遠となるので、単焦点レンズの感覚で使うのがおすすめ。
程よい距離感をとり、あえてファインダーをのぞかずにライブビューで顔認識機能を使えば会話を楽しみながら撮影することも可能なので、自然な表情を狙うことができます。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR(40mm)
■撮影環境:SS1/320秒 絞りF4.0 ISO100 WB太陽光 露出補正+0.3
■カスタムイメージ:ほのか(彩度+3・調色C・コントラスト+1・コントラスト明部-1・ファインシャープネス+1)
■モデル:もくれん
最短撮影距離28cmであり、寄り引きができるので親しい関係なら思い切って距離をグッと縮めれば繊細なまつ毛先端のリアルな質感まで捉えることができます。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR(40mm)
■撮影環境:SS1/200秒 絞りF4.0 ISO100 WB太陽光 露出補正+0.3
■カスタムイメージ:ほのか(彩度+3・調色C・コントラスト+1・コントラスト明部-1・ファインシャープネス+1)
■モデル:もくれん
高感度ISOでの夜間・室内撮影
夜間・室内でのポートレートでは高感度ISOを避けるためストロボを使うことが多いですが、K-3 Mark IIIならそんなシーンでもストロボなしで難なくクリア。少しでもシャッタースピードを稼ぐために感度を上げても画質への影響がほとんどなく、単焦点レンズとの組み合わせならストロボなしでも十分な画質が得られます。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
■撮影環境:SS1/80秒 絞りF2.4 ISO1600 WBマルチパターンオート 露出補正+0.3 肌色補正Type2
■カスタムイメージ:雅(MIYABI)
■モデル:CHIHIRO.M.
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
■撮影環境:SS1/60秒 絞りF2.4 ISO800 WB 5000K 露出補正-0.3
■カスタムイメージ:モノトーン
■モデル:CHIHIRO.M.
ここでは室内の人工光の中であえて高感度で明るめに撮影をしています。ISO 6400でも人肌の質感が保てるのであれば、手ぶれやノイズを気にせずに迷わず感度を上げて撮影をしたいものです。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR(40mm)
■撮影環境:SS1/30秒 絞りF4.0 ISO6400 WB白熱灯 露出補正+0.3 肌色補正Type2
■カスタムイメージ:ほのか(彩度+2・調色R・コントラスト-1・コントラスト明部-1・ファインシャープネス+1)
■モデル:CHIHIRO.M.
最後にストロボの代わりに小さなビデオライトを取り付けてシンクロ撮影をしてみました。ほんの一瞬ライトを当てるだけで簡単に撮影ができます。HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WRのワイド端20mmを使うことで、薄暮の空と街の雰囲気と共に背景を広く取り入れました。ビデオライトによる効果で肌のツヤっぽさもあり、都会的な印象が強まりました。
■使用機材:ペンタックスK-3 Mark III+HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR(20mm)
■撮影環境:SS1/50秒 絞りF2.8 ISO1600 WBマルチパターンオート 露出補正+0.3 肌色補正Type2
■カスタムイメージ:風景
■モデル:CHIHIRO.M.
おわりに
ロケーションや時間帯・天候など環境変化にも対応できる様々な機能と、暗所での高感度撮影による描写力の高さ、上質な仕上がりはK-3 Mark IIIならでは。ボディ側の機能とレンズの組み合わせによって今まで以上にポートレート撮影がしやすく、表現域が広がると感じました。
K-3 Mark IIIには多様なシーンに応じた撮影しやすい設定を探る楽しさがあるので、自分らしく、また使い勝手の良い設定を見つけて身近な環境でもポートレートスナップをどんどん楽しみたいものです。
■写真家:こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
「K-3 Mark III」はこちらの記事でも紹介されています
■ペンタックス K-3 Mark III レビュー|オールドレンズとカスタムイメージでフィルムライクな写真を味わう
https://shasha.kitamura.jp/article/481113054.html
■ペンタックス K-3 Mark IIIレビュー|待望のAPS-C一眼レフ フラッグシップ機が遂に登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/480766272.html
■ペンタックス K-3 Mark III レビュー|スナップ撮影を楽しむ
https://shasha.kitamura.jp/article/481293590.html
この記事に使用した機材
【ペンタックス】HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited ブラック
商品詳細ページ
【ペンタックス】smc PENTAX-DA☆55mmF1.4 SDM
商品詳細ページ
【ペンタックス】HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR ブラック
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんがペンタックス K-3 Mark IIIのレビューをしています。魅力的なポートレートの作例と共に解説していますので、是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
リコー/ペンタックス(Ricoh) ,レンズ,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: ソニー FE 40mm F2.5 G レビュー|坂井田富三
BASENAME: 482106171.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 06/22/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 40mm F2.5 G,単焦点
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BODY:
はじめに
今回のレビューは、2021年4月23日にソニーから発売された3本のレンズ(FE 50mm F2.5 G、FE 40mm F2.5 G、FE 24mm F2.8 G)の内の1本「FE 40mm F2.5 G」です。どうしてこのFE 40mm F2.5 Gをセレクトしたかと言うと、筆者がよく撮影する室内猫撮影で50mm前後の画角のレンズを愛用している事と、24mm・35mm・50mm・55mmの単焦点レンズをすでに所有している為、必然的に持っていない画角40mmをセレクトして購入しました。
FE 40mm F2.5 Gは圧倒的な小型・軽量設計の鏡筒が魅力で、Gレンズならではの高画質と美しいボケ味を実現しています。そんなFE 40mm F2.5 Gを早速使ってみました。
FE 40mm F2.5 Gの魅力
このFE 40mm F2.5 Gレンズを検討する場合、やはり同時に発売された画角違いのレンズが気になるところです。そこで基本的な要素を比較してみました。
FE 50mm F2.5 G FE 40mm F2.5 G FE 24mm F2.8 G 焦点距離 50mm 40mm 24mm 画角 47° 57° 84° レンズ構成 9群9枚 9群9枚 7群8枚 開放絞り F2.5 F2.5 F2.8 最小絞り F22 F22 F22 絞り羽根 7枚 7枚 7枚 最短撮影距離 31cm(AF時35cm) 25cm(AF時28cm) 18cm(AF時24cm) 最大撮影倍率 0.21倍(AF時0.18倍) 0.23倍(AF時0.2倍) 0.19倍(AF時0.13倍) フィルター径 49mm 49mm 49mm 外形寸法 最大径x長さ 68mm x 45mm 68mm x 45mm 68mm x 45mm 重量 174g 173g 162g
こうやって比較してみると、流石に同時発売された3本が三兄弟と呼ばれるのがよく分かります。レンズの筐体デザイン、外形寸法も同じなので外観から識別できる違いは、レンズ筐体に刻印されているレンズ名だけです。
特に「FE 50mm F2.5 G」と「FE 40mm F2.5 G」は、レンズ構成も同じでかなり性格の似たレンズになるので、購入時には少し悩むかもしれませんね。
実際にカメラ本体にレンズを装着してみると、フルサイズのGレンズという事を感じさせない小さなレンズということを実感する事ができます。単焦点レンズとしては特別F値が明るいレンズという訳ではありませんが、それでもズームレンズよりも明るいF値を確保し、とても小さな筐体である事は大きな魅力です。
α7CにFE 40mm F2.5 Gを装着
α1にFE 40mm F2.5 Gを装着
FE 40mm F2.5 Gとレンズフード
レンズフードの形状は、通常のよくあるフードとは違ってフジツボ形状のレンズフードになります。少し癖のある形のレンズフードなので、好みが分かれるかもしれません。実際に自分もあまりこの形状は好みではないので、保護フィルターを装着してレンズフード無しで使っていることが多いです。
同時に発売された3本のレンズの並んでいる比較画像はよく目にするので、自分が持っている画角の近い単焦点レンズを並べてみました。 こうやって並べてみると、FE 40mm F2.5 Gのサイズの小ささがよく分かります。
左からFE 24mm F1.4 GM、FE 35mm F1.8、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F1.8、Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
FE 40mm F2.5 Gで室内猫撮影
普段からよく50mmや55mmの単焦点レンズを使用している室内猫の撮影をFE 40mm F2.5 Gでしてみました。
実際に撮影してみると50mmよりも当然画角が広いので、室内などの狭い空間では撮影がしやすいと感じます。では35mmの画角だとどうかというと、自分にとっては少し画角が広く感じ、背景に余分なものが入ってしまう場合があるので、40mmの画角は自分の猫撮影のスタイルにマッチしていて非常に魅力的なレンズです。
■撮影機材:SONY α7R III + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/250秒 F2.5 ISO800
■撮影機材:SONY α7R III + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/200秒 F2.5 ISO800
実際に撮影したデータを確認してみると、さすがGレンズと言った描写力が見て取れます。絞り開放でもピントを合わせた部分はしっかりとシャープに映し出され、前後のボケも非常にやさしいボケ具合を醸し出しています。
ピントは動物瞳AFを使用して瞳に合わせているので、50mmのレンズ絞り開放F1.8などで撮影すると、瞳より手前の鼻の頭あたりはかなりボケてしまいます。一方で、40mmで絞り開放F2.5であれば、瞳にピントを合わせても鼻の頭のボケ具合が少し和らぐので、室内猫撮影には非常に相性のいいレンズではないでしょうか。
ボディが小さなα7Cとの組み合わせなら気楽に撮影を楽しむことができ、猫をなでながら片手での撮影も、レンズが軽量のため容易に可能です。
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/160秒 F2.5 ISO800
FE40mmF2.5 Gでお花撮影
今度は小さなフルサイズボディのα7CにFE 40mm F2.5 Gを着けて、バラ園に出かけてみました。FE 40mm F2.5 Gは小さい筐体なので、α7Cにピッタリのサイズ感でバランスよく気軽に持ってスナップ撮影するにはベストな組み合わせです。大きなカメラバッグではなく、普段使いのバッグに気楽に入れて持ち歩くことができます。
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/160秒 F2.5 ISO800
標準の画角40mmですが、最短撮影距離も短く(オートフォーカス使用時で28cm)、被写体に寄って撮影し、絞りを開けて撮ることにより背景は大きくボカすことができます。7枚羽根の円形絞りを採用しており、背景にできたボケの具合も素直で非常に使いやすさを感じます。
下の2枚の写真は同じ被写体を、絞りを変えて撮影した比較になります。絞りを開放から絞っていけば、大きなボケを自分好みにコントロールできるレンズです。レンズの筐体側に絞りリングもあることで、撮影の際に右手はレリーズに集中し左手の操作で絞りを変えながら撮影できます。
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/4000秒 F2.5 ISO800
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/640秒 F8 ISO800
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/60秒 F18 ISO400
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/640秒 F8 ISO800
流石に広い風景を撮影するのは少し苦手なレンズにはなりますが、お散歩しながら気に入ったシーンを切り取りながら撮影するには楽しい画角のレンズです。
■撮影機材:SONY α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/500秒 F8 ISO800
FE40mm F2.5 Gでカフェ撮影
お気に入りの古民家風のジャズカフェで、コーヒーを頂きながら少し撮影をしてみました。少し暗めのカフェではF値の明るい単焦点レンズはとても重宝します。また小さなレンズを付けたカメラは、カフェのテーブルに置いていても邪魔になりません。
■撮影機材:SONY α1 + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/200秒 F2.5 ISO640
■撮影機材:SONY α1 + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/100秒 F2.5 ISO1600
■撮影機材:SONY α1 + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/30秒 F4 ISO640
■撮影機材:SONY α1 + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/50秒 F2.5 ISO1600
■撮影機材:SONY α1 + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:1/1000秒 F2.5 ISO800
まとめ
ズームレンズと違い単焦点レンズならではの、思い切った切り取り方で撮影するのはとても楽しいですね。何よりこのレンズは被写体に寄れる(最短撮影距離25cm ※AF時28cm)メリットがあります。
ズームレンズで調整するのでは無く、軽く小さい単焦点レンズのメリットを活かし自分が動いて構図を決めて撮影する。そんな撮影する楽しみを気楽にもたらしてくれるレンズに感じます。一か月ほど使ってみて、すっかりお気に入りのレンズになってしまいました。今ではα7Cに常に付けている状態です。
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
FE 40mm F2.5 Gはこちらの記事でも紹介されています
ソニー FE 40mm F2.5 Gレビュー|山本まりこ
https://shasha.kitamura.jp/article/481492272.html
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんによる、ソニー「FE 40mm F2.5 G」のレビュー記事です。小さな筐体がα7Cと相性抜群。気軽に持ち出せるスナップ撮影に最適な単焦点レンズです。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,FE 40mm F2.5 G,レビュー,標準単焦点レンズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS Contemporary レビュー|ダイナミックで魅力的な超望遠ズームレンズ
BASENAME: 482108239.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 06/23/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary,スナップ,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
超望遠ズームレンズは実に魅力的です。遠くのものを思い切り近くに引き寄せたり、遠近感を圧縮して迫力を出して撮影できたり、ダイナミックに写真を楽しむことが可能です。しかし「大きい」「重たい」「高価」なことからなかなか手を出せないのも事実です。でも、SIGMA(シグマ)がリリースしているミラーレス一眼カメラ専用設計の「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」なら大丈夫。「ライトバズーカ」のニックネームを持つこの製品は、軽量コンパクトで手軽に持ち運ぶことができます。お財布にも優しいプライスで魅力なレンズに仕上がっています。
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary のスペック
・レンズ構成枚数 16群22枚
・画角 24.4° - 6.2°
・絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
・最小絞り F22 - 29
・最短撮影距離 112(ワイド端) - 160(テレ端)cm
・最大撮影倍率 1:4.1(400mm時)
・フィルターサイズ φ67mm
・最大径 × 長さ φ86.0mm × 197.2mm(Lマウント)φ86.0mm × 199.2mm(ソニーEマウント)
・質量 1,135g (Lマウント PROTECTIVE COVER PT-31を含む) 1,140g (ソニーEマウント PROTECTIVE COVER PT-31を含む)
・付属品 フード(LH770-05)、PROTECTIVE COVER PT-31
■引用:SIGMA HP
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryの対応マウントは、LマウントとソニーEマウントの2種類です。ミラーレス一眼カメラ専用設計とすることで光学性能に磨きをかけています。レンズ構成は16群22枚で、FLD1枚、SLD4枚を採用。クラス最高レベルの光学性能を誇ります。最短撮影距離がワイド端1.12m、テレ端1.6mと遠くの被写体から近くのものまで大きく写せます。うれしいのはそのサイズ感です。最大径86mm x 長さ197.2mmという大きさで、重さは1135gと手軽に持ち歩けるウエイトとなっています。カメラバッグに入れやすいスリムな鏡筒も魅力です。
使い勝手も良好!
「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」はスリムかつ軽量なので取り回しバツグンです。スポーツや航空機撮影などでも即座に対応できます。もちろん手ブレ補正機能の効きも優秀で、テレ端時でも被写体がピタッと静止したかのように捉えることができました。約4段分相当の性能を誇ります。
また、オートフォーカスの精度と速度も申し分ありません。最新アルゴリズムに最適化されたステッピングモーターによる制御は動体でも安心して撮影できます。カメラが持つ瞳AF機能などを活用し素早い動きに合わせて美しく被写体を撮影することが可能です。
鏡筒にはAFLボタン、フォーカスリミッターなどを装備し、レンズを支える左手で撮影を円滑に行える仕様になっています。ズーミングも特徴的で、回転式ズームと直進式ズームの両方が使えるデュアルアクションズームを搭載。こだわりの撮影をサポートしてくれます。オプションで用意されている三脚座TS-111を装着すれば、三脚使用も可能で、付属品にはLマウント専用となりますが、テレコンバーターも用意されています。x1.4 のTC-1411、x2のTC-2011がラインナップされており、装着するだけで焦点距離を一気に延ばすことができます。この拡張性は超望遠レンズファンにはうれしいですね。
作例
(作例撮影に使用したカメラは世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」と「SIGMA fp L」です。)
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryのワイド端100mmで歴史ある建造物を撮影しました。瓦の意匠や木で作られた壁面の様子を克明に写しとれました。ミラーレス一眼カメラ専用設計とすることで描写性能が高まっています。
■撮影機材:SIGMA fp + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/160S ISO100 露出補正-1 焦点距離100mm
次のカットはテレ端の400mmで撮影しました。ピタッとよく効くレンズ内手ブレ補正機能は、画面中心部に被写体を容易に捉えられます。もちろん400mmという超望遠域でも手ブレ知らずです。描写力もバツグンで、立体感とコントラストも高く優秀なレンズだということが伝わってきます。
■撮影機材:SIGMA fp + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/320S ISO250 露出補正-1 焦点距離400mm
100mm〜400mmのズームレンジがあれば、遠くの気になった被写体も手に取るように大きく撮影できます。このレンズはスリムかつ軽量で常時携行できるので、「!」と思った光景を手軽にクローズアップ可能です。
■撮影機材:SIGMA fp + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:f/7.1 1/320S ISO160 露出補正-1 焦点距離400mm
一般的な望遠ズームレンズは70-200mmや70-300mmとなりますが、100-400mmとなると望遠域での表現力は圧倒的で、スポーツや野鳥や野生動物、さらには風景撮影まで今まであと一歩届かなかった被写体を撮影する余裕があります。しかも今まで使っていたカメラバッグにもすんなり入るサイズ感。遠くのビル群を狙い、圧縮効果で迫力のあるカットになりました。
■撮影機材:SIGMA fp + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/400S ISO100 焦点距離400mm
小型軽量かつスリムと言うことは、旅行に連れ出しやすいレンズだということです。このカットは大阪・伊丹空港の展望デッキから撮ったもので、飛行機を待っている間にサッと撮影できました。大きな前玉ではないので、ワイヤーのすき間から牽引される飛行機を写すことができ、地上で働く人々と機体のディテールが良好です。
■撮影機材:SIGMA fp + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:f/6.3 1/400S ISO125 露出補正-0.7 焦点距離400mm
同じく大阪・伊丹空港展望デッキからのカットです。着陸した飛行機から乗客が降りているシーンと、背景の街をうまく切り取ることができました。「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」のズームリングを操作して210mm相当で両者を入れ込めました。このレンズは2種類のズーミング操作が可能です。一般的なズームリングを回してのスタイルと、前玉部分を直進ズームレンズ的に伸長してのズーミングができるようになっています。被写体に応じて操作方法を変えられるところがいいですね。
■撮影機材:SIGMA fp + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/320S ISO100 露出補正-0.7 焦点距離212mm
「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」は軽量コンパクトで解像感も高く、オートフォーカスも高速で使いやすい超望遠ズームレンズと言えます。河川敷にあるグランドのスコアボードを撮りましたが、前ボケも後ボケも自然で美しく整っています。風景撮影でも大いに活躍すると考えます。
■撮影機材:SIGMA fp + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:f/6.3 1/320S ISO160 露出補正+0.3 焦点距離400mm
「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」は、簡易防塵防滴機能があるため、スポーツや野生動物撮影にも向いています。水辺での撮影や小雨の時でも安心のフィールドを選ばない長望遠ズームレンズは、強力な手ブレ補正機能と高速なオートフォーカス機能で、70-200mmクラスでは撮影できない領域を鮮明に写し撮ることが可能です。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/1600S ISO100 露出補正-1 焦点距離235mm
「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」はワイド端の100mm付近も使いやすく、画面中央部から四隅まで安定した画質になっています。ポートレートや静物、風景やスナップショット撮影までオールランドにこなしてくれるレンズです。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/320S ISO100 露出補正-0.3 焦点距離100mm
まとめ
「ライトバズーカ」の愛称で親しまれた一眼レフ用の100-400mmを、ミラーレス一眼カメラ専用設計としてリニューアルした「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」。光学性能を向上させ、使い勝手とサイズ感をキープして、買いやすい価格のままという、フォトグラファーにとって魅力的な仕様となっています。このレンズがあれば、思い立った瞬間にどこにでも持って行けて、今まで手が届かなかった範囲の被写体をとらえることが可能になります。超望遠ズームレンズの世界に飛び込むのに最適なレンズになっていますよ。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【シグマ】100-400mm F5-6.3 DG DN OS Contemporary Lマウント用
商品詳細ページ 【シグマ】100-400mm F5-6.3 DG DN OS Contemporary ソニーFE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがシグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryをレビューしています。軽量コンパクトでお財布にも優しいので超望遠ズームレンズの世界に飛び込むのに最適なレンズです。
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KEYWORDS:
シグマ(Sigma) レンズ,レビュー,100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary,スナップ
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 【写真展】井村淳写真展「小さな国の大自然」
BASENAME: 482120894.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 06/24/2021 11:00:00
TAGS: 写真展情報,新宿
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BODY:
井村淳写真展「小さな国の大自然」
井村淳が15年こっそり撮りためた自然風景の作品展。
夕方から早朝にかけての時間帯に撮影した作品を中心に構成しています。
井村淳史上初の自然風景写真展です。
写真展概要
場所:竹内敏信記念館・TAギャラリー
所在地:東京都新宿区下落合3-20-4-3F
会期:2021年7月2日(金) 〜 7月26日(月)
時間:11:00〜19:00 (最終日14時まで、日曜休館)
電話番号:03-3953-0431
竹内敏信記念館・TAギャラリーhttp://takeuchi-zaidan.moon.bindcloud.jp/contact.html
※感染症対策のため、観覧する際には予約が必要です。上記電話番号へお電話していただくか、リンク先のお問い合わせフォームからご予約をお願い致します。
プロフィール
■井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。
日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。
(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。
公式サイト https://www.jun-imura.com
Facebook https://www.facebook.com/jun.imura.79
▼井村淳先生のShaSha記事一覧はこちら
https://shasha.kitamura.jp/category/27425121-1.html
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EXCERPT:
写真展の井村淳さんが新宿のTAギャラリーにて個展「小さな国の大自然」を開催します。期間は7月2日~7月26日まで。ぜひ、足をお運びください。
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KEYWORDS:
井村淳,写真展情報,新宿
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF24-240mm F4-6.3 IS USM レビュー|秦達夫
BASENAME: 482121742.html
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CATEGORY: 秦達夫
DATE: 06/24/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF24-240mm F4-6.3 IS USM,標準ズーム
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プロローグ
今回紹介するキヤノン「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」は高倍率ズームレンズの歴史を大きく変えるレンズかも知れない。そんな事を感じながら取材先に向かった。そう思わせるのはカメラが一眼レフからミラーレスへとシステム変更をしているからだ。
一眼のミラーレス化がもたらした恩恵を振り返ってみよう。真っ先に思い浮かぶ事は小型軽量化なのだが注目すべきはそこではない。ミラーがなくなりフランジバックの呪縛から解き放たれ、新たなレンズ設計が格段に画質の向上を実現させている。ミラーレス化がもたらした最大のメリットとは高画質化だと僕は認識している。違う言い方をすると今まで妥協点が高かった設計が、ぐっと理想に近い開発にシフトしていると言うことなのだ。
昨今の一眼レフ用の高倍率ズームも通常撮影では充分な画質を生み出す事が出来る時代である。それが先にも述べたように開発の自由度が増し、新しい思想設計の中で生み出される。ワクワクが止まらないレンズの誕生ではないかと、期待が膨らむのは僕だけではないと思う。
24mm~240mmの画角
光学10倍ズームの焦点距離は実際どれくらい画角が違うのであろうか?下の作例2枚を見比べて欲しい。遠くに見えるのは青森県を代表する岩木山である。それを秋田県に位置する藤里駒ヶ岳山頂から撮影している。
1枚目は焦点距離24mm水平画角で74°である。2枚目の焦点距離240mmはおよそ10倍の8°35'である。一本のレンズで撮影した倍率とは思えない画角の変化に撮影している僕も驚いた。これだけの画角の変化をレンズ交換する事無く撮影出来れば、もう他のレンズを持つ必要は無いのではと思える画角の変化である。
■撮影機材:Canon EOS R + RF24-240mm F4-6.3 IS USM
■撮影環境:F11 1/160秒 ISO400 露出補正-0.7 焦点距離24mm
■撮影機材:Canon EOS R + RF24-240mm F4-6.3 IS USM
■撮影環境:F11 1/60秒 ISO400 露出補正-0.7 焦点距離240mm
長焦点になってくると心配になるのがブレの問題である。勿論三脚を使用すれば問題ないのだが、今回のRF24-240mm F4-6.3 IS USMに興味を持つユーザーは少しでも機材を軽くしたい、三脚など持ちたくもないと思う方がほとんどではないだろうか。そこで手ブレ補正機能について少し説明したいと思う。
EFレンズの頃から光学レンズ内手ブレ補正機能に定評のあったキヤノンだが、今回は制御アルゴリズムを見直したデュアルセンシングISと称し、静止画撮影時の手ブレ補正効果は最大5段分を実現している。ブレの量は個人の技量にも大きく左右されるポイントだが、確実にブレ対策が施されたレンズである事は間違いない。
接写性能
レンズ選びのポイントは幾つかあるが、僕は焦点距離の確認をした後に最短撮影距離の確認を行う。一般的には開放F値を気にするユーザーが多いと思うのだが、風景写真のジャンルでは開放F値の優先順位は低いと言える。なぜなら、ポートレートなどで良く使用される中間距離での撮影のボケ描写はほとんど必要ないからだ。シャッター速度の関係はISO感度でカバー出来る時代になっており問題はない。この話をし始めるとレンズインプレッションから話が逸れていくので、他の機会でお話出来たらと思う。
最短撮影距離から見ても、今回のRF24-240mm F4-6.3 IS USMはかなり頑張った設計になっている事がわかる。具体的な数字で見ていくとワイド側で50cm、テレ側で78cmと言う数字なのだ。キヤノンを代表するレンズのRF70-200mm F2.8 L IS USMの最短撮影距離が70cmであることからも、この価格帯でこの焦点距離でこの最短撮影距離ならば申し分ない数字ではないだろうか。マクロレンズとまでは言えないまでも、花作品を撮影していく中で大きな戦闘力を発揮してくれる最短撮影距離だと言える
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24-240mm F4-6.3 IS USM
■撮影環境:F6.3 1/800秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離240mm
ボケ描写
先の項目で最短撮影距離のお話をしているが、ボケと焦点距離と最短撮影距離の関係はとても深い。それから被写体のバックスペースも重要になる。このことを理解せずに開放F値が暗いからボケが……等と言っている人がもしいたら、その話を聞く必要は無い。
下の作例を見て欲しい。季節は6月に入り里では新緑が眩しい季節だが、八幡平の山麓ではまだ山桜が咲いていた。ほぼ森林限界に咲く山桜ゆえに樹は大きくなく、花もソメイヨシノのようにたわわに咲く種類でもない。そんな可憐な山桜を表現するには、ボケを活かしたクローズアップ撮影が効果的だ。
そこでカメラは絞り優先で開放に設定。レンズを一番テレ側の240mmに固定。ピント位置はマニュアルフォーカスに切り替え最短撮影距離に固定。そして、ピント合わせはカメラ(身体)を前後させてピント位置を探る方法で撮影をしている。
勿論、花の背景、所謂バックスペースが遠く離れている場所を選んで撮影をしている。こうすることで、このレンズのボケを最大限に活かし、また花を最大倍率で撮影することが可能になる。240mmと言う長焦点と最短撮影距離70cmが作り出すボケは、他のレンズに引けを取らない出来栄えになっている事がわかっていただけると思う。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24-240mm F4-6.3 IS USM
■撮影環境:F6.3 1/800秒 ISO400 露出補正+0.3 焦点距離240mm
なぜ望遠レンズを使いたくなるのか?
多くのユーザーは遠くの被写体を大きく撮影したい思惑で望遠レンズが欲しくなると思う。それは間違いではないし、実際問題遠くのものを大きく撮影したい。写真教室の添削でも「もっと大きく撮影しよう」と、トリミング的な指導を受けた経験をお持ちの方もいるのではないだろうか。インプレッションの話からズレてしまうが、僕が望遠レンズを使用する一番の目的を少しだけお話したいと思う。
まず被写体との距離感だが、被写体に近づけるシチュエーションならばなるべく近づいて撮影する事が一番望ましいと思っている。勿論近づけないシチュエーションもあるのだが。では、なぜ望遠レンズを使うのか。それはズバリ「パースのコントロール」である。遠近感は焦点距離によって変わる、それを利用しながら撮影したいからだ。
撮影距離だけで被写体の大きさを決めていくと、主役と背景の関係をコントロールする事が疎かになりがちになるのだ。そこで焦点距離をコントロールし、撮影距離を考え、適切なパースペクティブ(遠近感)を写真の中に投影して行く。その為には長焦点のレンズが必要不可欠になのである。ちょっとこの話は難しいので、興味のある方は僕の写真教室に参加して欲しい。
その事を踏まえてお話をしていくが、レンズの圧縮効果は焦点距離70mmくらいから現れ始める。そして、風景写真で良く使う焦点距離は24mmから200mmを少し延長した位の焦点域をよく使う。まさに今回紹介するRF24-240mm F4-6.3 IS USMは、風景写真を撮影するに最適な焦点域をカバーしているのである。
下の作例を見て頂くとわかるが、杉の木々がバランス良く密集しているのがわかる。肉眼ではこのような遠近感では見えない。これはカメラの立ち位置と焦点距離の調整で重なりをコントロールしながら適切なフレーミングを作り出し撮影している。一見普通に見える風景でも配置とパースを計算し撮影しているのだ。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24-240mm F4-6.3 IS USM
■撮影環境:F8 1/250秒 ISO400 露出補正-0.3 焦点距離70mm
レンズに求められること
撮影において1番重要ではないかと考えている点は「気軽に撮影出来ること」。違う言い方をすると「ストレスなく撮影に出かけられること」。撮影は楽しいけれどレンズ交換が面倒くさいとか、出かけることは嬉しいけれど機材が重たいのは嫌だとか。これらが気軽さやストレスと言った問題の原因になっているはず。
それらの問題はRF24-240mm F4-6.3 IS USMは全て解決してくれると考えている。その1つ目の理由は焦点距離とその性能。2つ目はレンズの大きさである。10倍ズームでありながらレンズ本体の大きさは350mlの缶ビールほどの大きさなのだ。
そして、広角側が24mmである事。24mmと言う画角は、風景を広く写していく時に非常に重宝する焦点距離だ。広角系のズームレンズはもっと広い画角のものもあるが、実は24mmよりも広い画角になっていくと構図が難しくなっていく。
その訳は、パースペクティブ(遠近感)とディストーション(歪み)の問題で間延びした写真になってしまうことが多いからだ。そのギリギリの焦点距離が24mmと僕は考えている。下の作例は焦点距離30mmで撮影している。これをもっとワイドで撮影すると散漫な構図になりかねないのである。RF24-240mm F4-6.3 IS USMは実に使い勝手の良い焦点距離を持ったレンズだと言える。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24-240mm F4-6.3 IS USM
■撮影環境:F8 1/400秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離30mm
ちょっと散歩での1枚
気分転換の散歩中に撮影した1枚。この時は撮影を目的としてはおらず、レンズも軽いしちょっと肩に引っかけてと言った感じで出掛けた。夕暮れ時で意図せずに森の中に夕陽が差し込んで来た時の撮影である。RF24-240mm F4-6.3 IS USMが手元になかったらカメラを持たずに出掛けたと思う。やっぱり軽量コンパクトなレンズは撮影のチャンスを広げてくれるのだ。この時カメラを持って出掛けていなければ撮影することはなかったはずである。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24-240mm F4-6.3 IS USM
■撮影環境:F10 1/50秒 ISO400 露出補正-0.3 焦点距離240mm
AFの速さと正確さ
AF性能はカメラ本体の性能に大きく左右されるので一概に判断出来るものではないが、RF24-240mm F4-6.3 IS USMを他のRF-Lレンズと比較したときに、ストレスを感じるか感じないかが判断基準になる。
特に逆光の撮影はAFが動きづらく、ピントの精度が落ちる傾向になるので撮影を試みてみた。そのAFの感度は他のRF-Lレンズに引けを取ることもなく申し分のない動きをしてくれた。撮影をストレスなく楽しむことが出来る仕上りになっていた。風景撮影のジャンルならば自信を持ってお勧め出来るAF性能である。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24-240mm F4-6.3 IS USM
■撮影環境:F22 1/8000秒 ISO200 露出補正±0 焦点距離150mm
夕暮れ時のタイムラプス
紅く染まることもなく、形の良い雲が出る訳でも無い夕暮れ時は撮影するものに困ってしまうときがあると思う。そんな時はタイムラプスがお勧めである。三脚が必要となるが、カメラ内で設定するだけでタイムラプス動画を簡単に生成してくれるのでぜひチャレンジしてみてほしい。雲の流れなど意外と面白いものが撮れる。AFにしておくとピントが右往左往してしまう事があるので、MFで撮影することを忘れないように
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スローシャッターを活かして流れを撮る
動画の場合はシャッター速度をAutoもしくは1/30秒や1/60秒で撮影するのが一般的だ。それをあえて1/8秒とスローシャッター速度に設定にして撮影すると、水の流れを面白く映し出す事が出来る。これはカメラの設定が出来るか出来ないかで撮影の有無が変わってくるが、EOS R5はスロー動画撮影が出来るのでチャレンジして欲しい。
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■写真家:秦達夫
後に家業を継ぐ為に写真の勉強を始め写真に自分の可能性を感じ写真家を志す。写真家竹内敏信氏の助手を経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。
日本写真家協会会員・日本写真協会会員・Foxfireフィールドスタッフ
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EXCERPT:
写真家の秦達夫さんによる、キヤノン「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」のレビュー記事です。これ一本であらゆるシーンに対応できる10倍ズームレンズの性能をぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,RF24-240mm F4-6.3 IS USM,レビュー
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ペンタックス K-3 Mark III レビュー|一眼レフ新時代の幕開け
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 06/25/2021 16:00:00
TAGS: スナップ,K-3 mark III,リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,風景,APS-C,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
今回はペンタックスから発売された最新機種「K-3 Mark III」についてご紹介していきたいと思います。ペンタックスのカメラを使っている人の多くは、それが「ペンタックスのカメラ」だからだろう。そしてペンタックスのカメラが「一眼レフ」である事も大きなポイントだ。
目の前に広がる景色を、レンズと光学ファインダーを通じて肉眼で生の光を感じ取るそれが一眼レフの醍醐味だ。K-3 Mark IIIは一眼レフの新時代の幕開けを感じさせる一台に仕上がっており、実際に撮影をしていて改めて一眼レフの存在意義を痛感した。
なぜ今一眼レフを使うのか?
私の中の答えは「楽しい」からだ。事前に答えが見えない自分の経験値から答えを導き出す露出や、光学ファインダー越しにみるレンズの味が加えられた世界を「生の光」で体験する事ができるのは、ミラーレス世代の方達にこそ体験してもらいたい。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW(焦点距離360mm)
■撮影環境:SS1/6秒 絞りF8.0 ISO100 WBオート 露出補正-0.3
K-3 Mark IIIで日の出の雲海を撮影。光学ファインダーで感じる生の光はイメージを膨らませてくれる。ファインダー越しの景色と撮影結果のギャップも光学ファインダーならではの楽しみだ。
先日発売されたペンタックスの新機種K-3 Mark IIIは、APS-Cセンサーが搭載された一眼レフだ。APS-Cの一眼レフと言えばフルサイズの一眼レフよりもファインダー倍率が小さい。それが当たり前だったのだが、このK-3 Mark IIIはAPS-Cセンサー搭載の一眼レフにもかかわらず、フルサイズの並のファインダー倍率を実現している。
ペンタックスにはK-1というフルサイズの機種があるが、ファインダーを覗き比べてみると倍率は同等、場合によって見え具合はK-3 Mark IIIの方がよりスッキリとクリアに見える。そのため、K-3 Mark IIIで撮影しているとまるで「フルサイズ一眼レフで撮影している」様な錯覚に陥る。
手に取った瞬間に一体感を感じた。自分の手の延長線上にカメラがあるそんな感じだ。
ファインダーだけでなくボディの造りも素晴らしい。手に取った瞬間にカメラとの一体感を感じることができた。その一体感は「いい写真が撮れそうだ」を思わせてくれる。カメラと一体になれるかどうかも作品制作にはとても重要な要素となる。撮影していて楽しいカメラを使う方が作品への思い入れもより強くなる。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW (焦点距離12mm) ハーフND16使用
■撮影環境:SS1/80秒 絞りF8.0 ISO100 WB5200K
ミラーレスだったら背面モニターで撮影していたであろう一枚。光学ファインダーを覗きカメラと一体になって覗き込む様に撮影することで、よりリアリティのある一枚に仕上がった様に思う。
ずっと見つめていたくなる、そんなファインダー
前述した通りK-3 Mark IIIはミラーレスカメラではなく一眼レフカメラだ。光学ファインダーを搭載したカメラという事は、肉眼と同じく「生の光」を見ながらの撮影となる。撮影をしていなくても、光学ファインダーは覗いているだけでも不思議な楽しさ・特別感がある。 当たり前だが電源がOFFでもファインダーを覗ける、その当たり前が少しずつ特別になっているのが今のカメラ市場だ。
初めてK-3 Mark IIIを手にしてファインダーを覗いた時に「ファインダー…デカッ!」と思わずつぶやいた。事前に発表されていた事なのでファインダーがフルサイズ並みなのは知っていたし、K-1を持っているのでイメージは出来ていたが……頭の中で想像するのと実際に体験するのとでは全く違う。APS-Cカメラのサイズ感でフルサイズのファインダーを体験すると、想像以上にファインダー倍率が大きく感じる。何も知らない人がこのファインダーを覗いたらフルサイズカメラと勘違いする人もいるだろう。
K-3 Mark IIIのファインダーは初めて一眼レフのファインダーを覗き込んだ時の感動を思い出させてくれる。APS-Cのカメラでフルサイズクラスの光学ファインダーは覗いているだけでもワクワクする。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR(焦点距離21mm) ハーフND16使用
■撮影環境:SS1/10秒 絞りF8.0 ISO400 WB5400K 露出補正-0.7
砂丘に這いつくばる様にして光学ファインダーを覗いて撮影した。陽が沈んで空が焼けたその光をしっかり目に焼き付けながらシャッターを切った。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW (焦点距離11mm) NDフィルター256使用
■撮影環境:SS20秒 絞りF8.0 ISO100 WB4000K 露出補正-0.3
シャッターを切る時はライブビューを使用しているが構図を決める時は光学ファインダーを使用した。濃度の濃いNDフィルターを組み合わせる時はファインダーもかなり暗くなるため、構図を決めてからフィルターを装着する。
もう一つのファインダーであるライブビューも大幅に進化した。タッチパネルを活かしたタッチAF+シャッターやタッチ操作で設定をダイレクトに調整できる。アウトドアモニター機能を使うことで、日差しの強い屋外でもしっかり確認できる。
ピントの山も掴みやすく、MFでも十分撮影を楽しむ事ができる。MFが楽という事はオールドレンズとの相性も良いという事だ。実際K-3 Mark IIIにはオールドレンズを使うための様々な工夫がされており、ボディ内手振れ補正を使うための焦点距離入力に加え、なんと電子接点を持たないKマウントレンズでも自動絞りの絞り優先が使える様になっているのには驚きだ。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / SMC PENTAX-A 50mm F1.2(焦点距離50mm)
■撮影環境:SS1/50秒 絞りF4.0 ISO400 WB4000K
オールドレンズのSMC PENTAX-A 50mm F1.2をK-3 Mark IIIと組み合わせて撮影。
オールドレンズとのバランスも絶妙だ。積極的にオールドレンズを使いたくなる。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / SMC PENTAX-A 50mm F1.2(焦点距離50mm)
■撮影環境:SS1/200秒 絞りF1.2 ISO100 WB5400K
F1.2の浅い被写界深度とオールドレンズ特有の柔らかい描写と低彩度がクセになる。K-3 Mark IIIはAPS-Cカメラなので焦点距離が1.5倍となる。
撮影プロセスとしてはシャッターを切る前に絞り込んで測光して、シャッタースピードの決定と若干のタイムラグが発生するが、そもそもオールドレンズで動体を撮る人も少ないだろうし、スナップ撮影であれば全然気にならないラグである。それよりもオールドタイプのKマウントレンズで自動絞り優先が使える方が嬉しい人も多いだろう。
ペンタックス史上最高画質?!
カメラの造りに加えて写りに関しても素晴らしい出来栄えだ。デジタルカメラの進化は画質の進化と共にあり、新機種が出るたびに旧機種と比べてどれくらい画質が向上しているのかが注目ポイントとなることも少なくない。
K-3 Mark IIIも例に漏れず素晴らしい画質の進化を体感できる。低感度は勿論、高感度の画質が飛び抜けて良いのだ。APS-Cカメラの高感度と言えばISO3200や6400が限界だと感じている人も多いのではないだろうか?
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR(焦点距離43mm)
■撮影環境:SS1/80秒 絞りF11 ISO100 WB6000K
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR(焦点距離28mm)ハーフND使用
■撮影環境:SS1.6秒 絞りF8.0 ISO400 WB5400K
コンビナートの夕日と夕焼けを撮影。K-3 Mark IIIはレンズの性能をさらに引き出してくれる。低感度撮影時の解像感はついつい等倍で見たくなるほど。高感度の画質も素晴らしいが低感度で撮影した時の画質にも注目して欲しい。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW(焦点距離150mm)
■撮影環境:SS1/125秒 絞りF8.0 ISO400 WB5200K
ハイライトからシャドウまで光学ファインダー越しに見た景色の階調が残っている。特にシャドウ側の階調の残り方が気持ちよく、ついアンダー目に撮影してしまいがちだ。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited (焦点距離43mm)
■撮影環境:SS1/400秒 絞りF1.9 ISO200 WB4900K 露出補正+1.0
浅い被写界深度での撮影だがピントが合っている部分は実にシャープだ。K-3 Mark III の性能はもちろんレンズの性能との相乗効果のおかげだ。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW(焦点距離450mm)
■撮影環境:SS1/8000秒 絞りF5.6 ISO6400 WB5400K
トンボが翅を広げ飛び立つ瞬間を撮影。被写体ブレを徹底的に抑えるためISO6400に設定し高速シャッターで撮影した。ノイズの少なさに驚かされる。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW (焦点距離11mm) ハーフND16使用
■撮影環境:SS60秒 絞りF2.8 ISO6400 WB4000K
光害の多い環境での天の川の撮影。広いダイナミックレンジを生かしてハイキーで撮影し減感処理を施すことでよりノイズを低減させることができた。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW (焦点距離11mm)
■撮影環境:SS60秒 絞りF2.8 ISO6400 WB4000K
ISO6400は常用感度として積極的に使っていきたい画質だ。ノイズが少ないおかげで星空を鮮明に写すことができた。
K-3 Mark IIIの場合、ISO12800は勿論25600や場合によっては51200でも十分に実用的な結果を得られる。高感度が使えるという事は星の撮影や暗所での動体撮影など様々なシーンで恩恵があり、日中の超高速シャッターなども画質を気にすることなく撮影ができる。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW(焦点距離450mm)
■撮影環境:SS1/400秒 絞りF8.0 ISO800 WB5400K
もはやISO800は低感度と呼ばれてもおかしくないクオリティ。焦点距離1.5倍+高感度撮影が可能となると望遠レンズでの撮影がより一層楽しくなる。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR(焦点距離63mm)
■撮影環境:SS1/6400秒 絞りF5.6 ISO640 WB5400K 露出補正-0.7
目の前を走り抜ける新幹線を、高速シャッターを使用してピタッと止めた。
野鳥や鉄道写真などは日中でも高速シャッターを使う事が多く、日中とは言え高速シャッターを切るためにはF値の明るいレンズもしくは高感度での撮影が必須となる。超望遠レンズとなると明るくてもF4.0~5.6などとなるため、高速シャッターを切るためには必然的に高感度を使う必要がある。 シチュエーションによっては日中でもISO3200や6400を使うシーンが出てくるが、K-3 Mark IIIは画質の低下を気にすることなく撮影を続けられる。
動体に食らいつくAFとシャッターチャンスを逃さない高速連写
AFの精度は写真を撮る上で重要なポイントだ。一般的にピントが合っているかどうかが失敗写真か否かを決めるひとつの要素でもある。静物は勿論だが、動体撮影のなるとカメラに求められるAF精度は更に高度なものとなる。
身近な被写体だと野鳥や鉄道、子どもなど常に動いていたり動きが予測できない被写体は、MFだとかなり高度な技術が必要となる。AFが優秀なカメラであればピントはカメラに任せて撮影者はシャッターチャンスに集中する事ができる。
K-3 Mark IIIはAFの精度が飛躍的に向上しているため、被写体に吸い付く様にAFが追従する。これだけAFが優秀だと普段は風景しか撮らない人も野鳥などの撮影に挑戦したくなるはずだ。私自身、普段は風景など静物撮影がメインだが、K-3 Mark IIIのAFを体験して動体も撮りたくなったひとりだ。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW(焦点距離410mm)
■撮影環境:SS1/2500秒 絞りF5.6 ISO6400 WB4900K
木のトンネルを抜けて走る車両をAF.C+秒11コマの連写で撮影。日中とはいえ木に遮光されたシチュエーションであるため想像以上に暗い。そんな状況でも見事にAF追従してくれた。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW (焦点距離18mm)
■撮影環境:SS1/4000秒 絞りF5.6 ISO2000 WB5400K 露出補正+0.7
線路ギリギリまで近づいて撮影できるスポットにて。広角レンズを使って目の前を走り抜ける車両をAF追従秒11コマの高速連写で写しとる。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE(焦点距離300mm)
■撮影環境:SS1/1250秒 絞りF6.3 ISO1600 WB5400K 露出補正+1.0
どれだけ解像度の高いレンズ、カメラでもピントが合っていなくては意味がない。K-3 Mark IIIはこちらの撮りたいものに正確にピントを合わせてくれる。
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE(焦点距離300mm)
■撮影環境:SS1/500秒 絞りF6.3 ISO800 WB5400K 露出補正+1.0
AF.Cでメジロを追いシャッターチャンスを狙った。手前に梅の花があってもメジロにピントをあわせ続けてくれたおかげでちょうどいいタイミングでピントがしっかり合った一枚を撮ることができた。
AF精度だけでなくシャッターチャンスを逃さない高速連写も見逃せないポイントだ。AF固定で秒12コマ、AF追従で秒11コマと目にも止まらぬ速さでシャッターが切られていくのは爽快だ。ミラーレスとは違い一眼レフであるためミラーを稼働させる必要があるのだが、そのミラーの稼働音がまた心地よく「写真を撮っている」と実感させてくれる。この連写音がまた撮り手のモチベーションを上げてくれるのだ。
個性的なKマウントレンズたち
Kマウントには個性的なレンズがたくさんラインナップされている。K-3 Mark IIIはAPS-C カメラであるためフルサイズ用のレンズを装着するとオリジナルの焦点距離より1.5倍にクロップしての撮影となる。ペンタックスにはAPS-C用のレンズが数多く揃っており、そしてフルサイズ・APS-C共に個性的なレンズが多いので(独断と偏見で)ご紹介したい。
HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited(焦点距離31mm)
■撮影環境:SS1/2500秒 絞りF1.8 ISO200 WB5000K 露出補正+1.7
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited(焦点距離31mm)
■撮影環境:SS1/125秒 絞りF1.8 ISO1600 WB5800K 露出補正+3.0
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited(焦点距離31mm)
■撮影環境:SS1/60秒 絞りF8.0 ISO200 WB5800K 露出補正+2.0
これはフルサイズ用のレンズとなるがK-3 Mark IIIとの相性が抜群に良く、標準レンズとして推したい一本だ。K-3 Mark IIIに装着すると1.5倍になるため35mm換算で46.5mmのレンズとなる。元々31mmと特殊な焦点距離であり、フルサイズのK-1と組み合わせても面白くK-3 Mark III と組み合わせると標準の焦点距離に早変わりだ。K-1とK-3 Mark IIIと使い分けると1本のレンズで2つの焦点距離を楽しめるので2度美味しい。
開放がF1.8と明るく、APS-Cでも十分なボケを楽しむ事ができる。絞り開放からピントが合っている部分は柔らかくもシャープで、オールドレンズの味も楽しむ事ができる。
HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR(焦点距離37mm)
■撮影環境:SS1/125秒 絞りF8.0 ISO640 WB5400K
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR(焦点距離105mm)
■撮影環境:SS1/160秒 絞りF8.0 ISO640 WB5400K 露出補正-2.0
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR(焦点距離28mm) ハーフND使用
■撮影環境:SS1/80秒 絞りF8.0 ISO640 WB5800K
元々はK-1の登場に合わせて用意されたフルサイズ用の高倍率ズームだが、このレンズがまたよく写るのだ。APS-C用の1本ズームに16-85mmという人気のレンズがあるのだが、個人的には28-105mmの写りがK-3 Mark IIIとよく合うと思っている。
1.5倍になるので35mm換算で42mm-157.5mmとなり、広角側が標準スタートになるため中望遠ズームとして活用することとなる。普段広角よりも標準以上の焦点距離を使う人には、16-85mmよりも28-105mmをオススメさせていただきたい。
HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW (焦点距離12mm)ハーフND使用
■撮影環境:SS1/30秒 絞りF8.0 ISO200 WB5400
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW (焦点距離18mm)
■撮影環境:SS1/320秒 絞りF8.0 ISO100 WB5400 露出補正-2.7
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW (焦点距離16mm)ハーフND使用
■撮影環境:SS1/20秒 絞りF8.0 ISO100 WB5400
APS-C用の超広角レンズで、35mm換算16.5-27mmの焦点距離となる。APS-C用のレンズということもありK-3 Mark IIIとの相性は完璧だ。F2.8と明るく星景写真を撮るときにもよく使われるレンズである。実際このレンズを使って撮影する主なシーンは星景であり、星がちゃんと点に写るので実に気持ちが良い。
風景でももちろん活躍してくれる1本であり、K-3 Mark IIIを手に入れたら是非このレンズも手元に迎え入れて欲しい。
HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW(焦点距離450mm) 1.3倍クロップモード
■撮影環境:SS1/1000秒 絞りF8.0 ISO1000 WB6000K 露出補正-0.7
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW(焦点距離450mm)
■撮影環境:SS1/8000秒 絞りF8.0 ISO200 WB4900K 露出補正-1.0
■撮影機材:ペンタックスK-3 Mark III / HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW(焦点距離330mm)
■撮影環境:SS1/1250秒 絞りF8.0 ISO800 WB5400K
フルサイズ用の超望遠レンズであり、K-3 Mark IIIと組み合わせることで35mm換算225-675mmの超望遠レンズとなる。また、画素数は減ってしまうがK-3 Mark IIIには1.3倍クロップ機能が搭載されており、トータルでマスターレンズの約2倍の焦点距離で撮影する事ができるのだ。
つまり、この150-450mmをK-3 Mark IIIに装着して1.3倍クロップ機能を使うとテレ端はなんと877.5mmとなる。テレコンを使用していないためF値もそのまま、クロップであるため画質の劣化もほとんどなく(画素数は減ってしまうが)、光学ファインダーにはブライトフレームの様にクロップの枠が出現するため視野率が100%以上になる。
これは動きものを撮る人にとってはかなり便利な仕様で、実際に写る範囲の外が見えている事になるためシャッターチャンスを掴みやすくなる。
まとめ
K-3 Mark IIIの魅力は一言では語り尽くせない。画質の話だけではなく手に取った時のカメラとの一体感や操作性など撮影のモチベーションを上げてくれる要素がたくさん詰まっているのだ。カタログや作例を見ただけではK-3 Mark IIIの魅力を100%理解する事は難しい。
ミラーレスが市場を席巻する今、「最新の一眼レフ」を世に送り出したペンタックスからは圧倒的な自信と覚悟が伝わってくる。そう、「ペンタックス」という名前を冠したからにはこれからも「一眼レフ」を造り続けていくぞという。 その熱意は多くの写真家に伝わっており、私もそのメッセージを受け取ったひとりだ。
ミラーレスから写真を撮り始めた人もかなり多いはずだ。一眼レフにミラーレス、どちらも写真を撮るという行為は一緒だが、撮影のプロセスが違うだけでこんなにも写真は変わるのだと多くの人に知ってもらいたい。写真は撮影結果を楽しむものだけではなく、撮影という行為も楽しむものだ。一眼レフという選択肢を守り続けているペンタックスの次の一手に期待が高まる。きっと次の一手でも「あっ」と驚かされるのだろう……と今から楽しみにしている自分がいる。
■写真家:木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
「K-3 Mark III」はこちらの記事でも紹介されています
■ペンタックス K-3 Mark IIIレビュー|ポートレートスナップで実感する魅力
こばやしかをる
https://shasha.kitamura.jp/article/482039132.html
■ペンタックス K-3 Mark III レビュー|オールドレンズとカスタムイメージでフィルムライクな写真を味わう
こばやしかをる
https://shasha.kitamura.jp/article/481113054.html
■ペンタックス K-3 Mark IIIレビュー|待望のAPS-C一眼レフ フラッグシップ機が遂に登場!
こばやしかをる
https://shasha.kitamura.jp/article/480766272.html
■ペンタックス K-3 Mark III レビュー|スナップ撮影を楽しむ
三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/481293590.html
この記事に使用した機材
【ペンタックス】HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW
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【ペンタックス】HD PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited ブラック
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【ペンタックス】HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんによるペンタックス K-3 Mark IIIのレビュー記事です。風景やスナップを中心に本機の魅力を数多くの作例とともにご紹介しています。
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KEYWORDS:
スナップ,K-3 mark III,リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,風景
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AUTHOR:
TITLE: シグマ 35mm F1.4 DG DN Art レビュー|7:6で表現する映像と写真
BASENAME: 482150097.html
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CATEGORY: FPS24
DATE: 06/26/2021 11:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,35mm F1.4 DG DN | Art,単焦点
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BODY:
はじめに
焦点距離35mm。思い浮かべるだけでも数多くのレンズを想像することができると思います。最も身近な焦点距離でありながら、最も奥が深いとも言われている35mm。みなさんも1本は手にしておきたいとお考えになられたこともあるでしょう。
こんにちは、FPS24です。2021年5月14日、シグマから「35mm F1.4 DG DN | Art」が発売されました。2012年にシグマArtラインとして、記念すべき最初の1本目に発売された「35mm F1.4 DG HSM|Art」は、その優れた描写力に魅了されて今なお愛用されている方が多いとお聞きします。
新発売の「35mm F1.4 DG DN | Art」は先代のものと比べてもかなり軽量化され、光学性能も大幅に進化しました。まさに「原点進化」と呼ぶにふさわしいレンズです。
35mmという焦点距離は、使用すればするほど奥が深い焦点距離です。超広角レンズや望遠レンズで感じる「ダイナミック」な表現とはまた違った、自然体で落ち着いた画が撮影できるのは大きな魅力であり、最大の特徴でもあります。特に今回、SIGMA fp LまたはSIGMA fpで設定ができるアスペクト比「7:6」という比率を縦構図のみで使用して「35mm F1.4 DG DN | Art」の魅力と、焦点距離35mmの楽しみ方をご紹介できればと思います。
レンズのスペックについて
シグマから発売されている焦点距離35mmのミラーレス専用設計レンズは、「35mm F1.2 DG DN | Art」、そして「35mm F2 DG DN | Contemporary」に続き、今回ご紹介する「35mm F1.4 DG DN | Art」で3本目のレンズとなります。シグマの35mmという焦点距離に対する思いの強さを窺い知ることができます。
それぞれ魅力的なポイントがあり比較できるものではありませんが、新発売の「35mm F1.4 DG DN | Art」は非常に高い光学性能と程よい携帯性を備えた、バランスの良いレンズだと感じています。
このレンズにも、Artラインではお馴染みの「絞りリング」が搭載されています。開放F値1.4という大口径レンズには、その幅広い絞り値を活かす際に素早く対応できる「絞りリング」の存在は欠かせません。他にも「絞りリングロックスイッチ」「絞りリングクリックスイッチ」「フォーカスモード切換えスイッチ」「AFLボタン」と、Artラインのレンズに必要不可欠な機能は全て備わっています。
もちろん、野外で使用する際には欠かせない「防塵防滴機構」は、記事執筆時点での季節、梅雨の雨でも安心して使用できるのは非常に心強く感じました。
描写性能については、評判の良い先代のレンズから改良を加えられた上に、ミラーレス専用設計に刷新されたことで、さらなる進化を遂げたことは間違いありません。
映像表現における「35mm F1.4 DG DN | Art」
では早速「35mm F1.4 DG DN | Art」と「SIGMA fp L」を使用して撮影した動画をご紹介します。今回は特殊なアスペクト比で撮影しています。スマートフォンの方は是非お手持ちの縦方向のまま全画面で、PCの方は全画面でその魅力をじっくりご堪能ください。
VIDEO
「35mm F1.4 DG DN | Art」とアスペクト比7:6の世界
インターネットやSNSで写真をシェアする現代において、様々なアスペクト比で自由に撮影できるメリットは存分に活用していきたいと考えています。先程の動画でもご覧いただいたように、今回は特に35mmという自然体の画が撮影できる焦点距離と、アスペクト比7:6の世界観が非常に相性が良いのではないかと提案をしたいのです。
「SIGMA fp L」「SIGMA fp」では様々なアスペクト比を選択可能です。今回は7:6の縦構図のみを使用しました。
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:ISO100 F1.6 SS1/250
特に縦構図で捉える風景は、この焦点距離とこの比率だからこその絶妙なバランスで、意図した構図にピッタリ収まるように感じます。まるで画面をデザインするかのように、程よくそっとフレームに収まる気持ちよさ、そんな快感を覚えました。まるで絵画のような、この安心できる比率は、スマートフォンなど縦型のモニタで見るSNSなどとも非常に相性がよく感じます。
ちなみに動画撮影時はアスペクト比7:6という比率は選択できません。先程の動画撮影時は16:9の比率、縦構図で撮影し、編集時にソフトウェア上でアスペクト比7:6へクロップしています。
ベンチで休憩しているところを一枚。程よいボケ味で立体感が出て非常に綺麗です。この距離で背景にボケ味を活かせられるのは大口径レンズだからこそです。
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:ISO100 F1.4 SS1/1600
両脇に木が並んでいて、木陰でひんやりとした風が入ってきます。シンメトリーの構図が好きで良く撮影してしまいます。葉っぱ一枚一枚まで繊細に表現されていて、このレンズの描写力の高さが実感できます。
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:ISO125 F1.4 SS1/125
ゆらゆらと風で揺れる葉の隙間から差し込む初夏の太陽。日陰はまだ涼しく気持ちが良いです。こういうときはあえて逆光で撮ってみたくなります。涼しい木陰の空気感を捉えられるのはArtラインならでは。自然なフレアもまた、美しい光の繊細さを表現するのにぴったりなほど上品です。
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/250
公園の自然はいつの間にか緑が濃くなっていて、いよいよ夏がやってくると感じた瞬間でした。
蛇口から出る水が冷たくて気持ち良いです。この日は日差しが強くて暑い日だったので、なおさら気持ちよく感じます。F1.4ならではの大きなボケ味で非常に立体感のある画が撮れていました。
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:ISO125 F1.4 SS1/500
小川に沿って何気なく生えている木々ですが、梅雨の季節に見る風景はまた幻想的な雰囲気に感じます。写真に残すとまた、この空間を見事に表現して味わい深く感じます。「35mm F1.4 DG DN | Art」は、柔らかで優しいボケと緻密な描写力によって、空間を切り取るのが本当に上手なレンズだと感じました。
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:ISO320 F1.4 SS1/200
忘れてはならない「クロップズーム」機能
SIGMA fp Lには「クロップズーム」という非常に便利な機能が備わっています。レンズレビューとしては邪道かもしれませんが、この機能を活用しないわけにはいきません。
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:ISO100 F1.4 SS1/1250 クロップズームを使用
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:ISO100 F1.8 SS1/6000 クロップズームを使用
クロップズームの最大倍率5倍で撮影を行うと、単純計算で焦点距離約175mm相当の写真を撮影することができます。離れた被写体でも、この機能を使えば幅広い画角で写真を楽しめます。SNSやインターネットで使用する目的であれば、ここまでクロップしても全く問題はありません。「35mm F1.4 DG DN | Art」の素晴らしい描写力によって、これほどの拡大倍率でもくっきり繊細に捉えられているのには驚きます。
おわりに
35mmという焦点距離のレンズは本当に幅広い選択肢があると思います。その中でも「35mm F1.4 DG DN | Art」は、描写力と携帯性に優れた非常に魅力的なレンズです。私たちが被写体とこれほどしっかり向き合えたのもこの焦点距離だからこそであり、このレンズの描写力に魅了されたからこそでもあります。
特に今回おすすめするアスペクト比7:6という比率は、普段使い慣れている焦点距離のレンズを、より楽しみながら改めて写真と向き合える良いきっかけにもなると思います。35mmだからこそ表現できる写真と、7:6だからこそ表現できる構図。ぜひこの「35mm F1.4 DG DN | Art」をお手に持って、その素敵な描写力と共に体験してみてください。
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:ISO100 F1.4 SS1/250
最後に、私たちのYouTubeチャンネルでも「35mm F1.4 DG DN | Art」のレビュー動画を配信しております。私たちが好きなキャンプをしながら、その様子を「SIGMA fp L」と「35mm F1.4 DG DN | Art」で撮影しました。映像作品における魅力はYouTubeの動画でも存分に語っておりますので、ご興味がある方は是非こちらもご覧頂けると嬉しいです。
VIDEO
■執筆者:FPS24
2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。
「35mm F1.4 DG DN | Art」はこちらの記事でも紹介されています
■シグマ 35mm F1.4 DG DN Art|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/481461688.html
この記事に使用した機材 【シグマ】35mm F1.4 DG DN Art ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】35mm F1.4 DG DN Art ソニーE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
映像ユニットとして活動するFPS24さんによる、シグマ「35mm F1.4 DG DN | Art」のレビュー記事です。35mmの焦点距離と7:6のアスペクト比で切り出す世界観をぜひお楽しみください。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,35mm F1.4 DG DN | Art,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。Vol.6|ライカC-LUX
BASENAME: 482181048.html
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 06/27/2021 11:00:00
TAGS: ライカ(Leica) ボディー,C-LUX,ライカとカレー,その他カメラ
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BODY:
はじめに
今日の空は、ばっきりとした青色。
夏日になりますとラジオから聞こえてくる。相当暑くなるみたい。
今日は、ライカと旅に行こう。
今日目指すのは、秦野(はだの)。
私の住む神奈川県二宮町のちょっと北側にある、丹沢山のお膝元で緑溢れる自然豊かなところ。今回秦野に行きたいと思ったのは、理由がある。ある日、大好きな秦野のコーヒー豆屋さんでふと見つけたパンフレットにトキメいてしまった。タイトルは、「全国名水百選秦野の水めぐり」。ビビビッ。
パンフレットを見ると、秦野駅や渋沢駅から歩くコース、東名秦野中井I.C.から車で巡るコースなどいくつかのコースが載っている。秦野駅から歩いて回ることができる水めぐりなんて最高じゃない、と次のライカの旅を即決したのが先月のこと。秦野の町中には、丹沢の湧水が汲める場所があることは知っていて何度か訪れたことはあるけれど、駅から歩いて水めぐりができるなんて知らなかった。パンフレットをしっかりリュックにいれて、いざ出発。JR二宮駅へ。
ちなみに、この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、毎回山本まりこが異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をする。そしてカレーを食べて帰ってくる、という内容の企画。早いもので、今回は連載の第六回目。
二宮駅へ
今日の相棒は、ライカC-LUX。
2000万画素の高性能センサー、レンズはライカDCバリオ・エルマーf3.3-6.4/8.8-132mm ASPH.を搭載し、24~360mm相当(35mm判換算)の焦点距離をカバーする光学15倍ズーム、4K動画が撮影でき、最大秒間10コマの写真が撮影可能なデジタルコンパクトカメラだ。読み方は、「ライカシールックス」。色は、ホワイトゴールドとミッドナイトブルーの二色がある。今回の旅は、かわいらしいホワイトゴールドを選んだ。
駅までの道の中で、好きな場所がいくつかある。
川沿いにジャングルみたいに緑が生い茂っていて、その緑の中を歩くように歩道橋が渡っている。川を見ながらその中を歩くのが好き。たまに魚が泳いでいたり、鳥がいたり。
ライカC-LUXはコンパクトデジタルカメラ。分かっているけれど、軽い。とにかく軽い。本体のみで約300g、メモリーカードとバッテリーを含むと340g。350mlの缶ジュース1個よりも軽い。液晶画面をタッチしてシャッターを切る。ピピッ。まるでスマホ感覚。
秦野駅へ
JR二宮駅前からバスに乗り秦野駅を目指す。走り出したバスの中から見えるのは、まるで初めて見るような景色。いつも車から見ている景色とは何だか見え方が違う。バスに乗る、という新しい行為を選ぶだけで、いつもの景色も違う景色に見えてくる。人間の心理って面白いなあ。緑が濃くなって夏が近づいてきたなあとか、あ、ここの畑やっぱり見事だなあとか、遠くの山々が今日も美しいなあとか、車窓から見える景色にあれこれ感動しながら眺める。いつもは電車に乗る旅だけれど、今回はバスに乗って秦野駅を目指すことに。
モードダイヤルをぐるぐると回して、どんなモードがあるのか確かめる。
PASMモードはもちろん、A、A+、COL、SCN、パノラマ、ムービーなど、いろいろなモードの選択肢がある。被写体や撮影状況に合わせてカメラが自動的に最適な設定を行うスナップショット「A」、スナップショットに加えて好みの明るさと色合いを設定できるスナップショットプラスモード「A+」、レトロやハイキーなど22種類のフィルターが入っている「COL」、人物をきれいに撮ったり逆光でしっかり撮ったりシーンに分けて美しい写真を撮ることができる「SCN」、絞り優先AEやシャッター優先AEなどを選択できる動画撮影モードなど幅広い撮影が選択できる。
こんなに小さくて軽いカメラで、いろいろなことができるのだなあとしみじみと眺める。
ボケを楽しむ
JR秦野駅に到着。
バスを降りると、夏のように強い太陽の陽射し。ジリジリ。
まずは駅の中を散策してみると、観光案内所があったので情報収集をすることに。
「水めぐりをしたいのですが、パンフレットはありますか」と聞くと、持っているパンフレットとは違う種類のパンフレットがいろいろ出てくる。「秦野は田舎だからねえ。今の季節は家のお庭にいろいろなお花が咲いているからきれいですよ。」と男性のスタッフの方がほほ笑む。私の心がポッと温かくなる。近くの二宮町から来たと伝えようかと思ったけれど、言わずにありがとうございますと外に出る。遠くから来たと思われたのかな。それもまた、旅、ですね。
いろいろなルートがあるけれど、今日は、秦野駅から出発して約8kmを歩いていろいろな湧水を巡って秦野駅に戻って来るルートをセレクト。
少し歩くと、家々の庭先にたくさんのお花が咲いている。
「お花がきれいですよ」というさっきの男性の言葉を思い出しながらシャッターを切る。
スナップショットプラスモードは、オートモードだけれど、自分で明るさと色合いを調節できる。さらに、撮影可能範囲3cmで撮影できる。ぐぐぐっと被写体に寄って撮影。背景がトロリとボケた。コンパクトカメラでも、ここまで背景ボケを表現できるのは嬉しい。
ブルーベリーの実かな。もうすぐ夏だなあ。
PASMモードで撮影時、フォーカスモードをマクロに設定すれば撮影可能範囲3cmで撮影できる。
アジサイを撮る
てくてくと歩いていると、池が見えてきた。
今泉名水桜公園にある湧水池。調べてみると、古来からの水汲みの場であり、1日約2,500トンの水が湧き出る全国名水線「秦野盆地湧水群」の中でも最大級の湧水量を誇る場所なのだとか。
遊歩道沿いに色とりどりのアジサイが咲いている。
A(絞り優先)モードでフォトスタイルをナチュラルに設定し、コントラストとシャープネスをマイナスに、彩度を+にして撮影。コンパクトデジカメで出来ることは多いのだなと実感しながら、遠足に来ている子供たちの笑い声をバックミュージックにシャッターを切った。フォトスタイルモードは、ヴィヴィッド、モノクロームなどいろいろ選ぶことが出来るので、自分の撮りたい風合いに設定して自在に撮ることができる。
光学15倍ズームを試す
レンズは、ライカDCバリオ・エルマーf3.3-6.4/8.8-132mm ASPH.を搭載し24~360mm相当(35mm判換算)の焦点距離をカバーする光学15倍ズームであることは前述した。さらに、デジタルズームは、~1440mm(35mm換算)の60倍ズームを有する。
ちなみに、光学ズームとデジタルズームの違いを説明すると、光学ズームはレンズを動かすことにより焦点距離を変えて被写体を光学的に大きく撮影するズーム方法、デジタルズームは撮像素子に写る画像を拡大することで被写体の大きさを変えるズーム方法。光学ズームは、ズームをしても画像の劣化はほぼないが、デジタルズームはトリミングをするイメージになるので、ズームをする分だけ画像は粗くなる。美しく写したい時は光学ズームの範囲内で撮影し、どうしてもアップで撮っておきたい時はデジタルズームで撮影してみる選択をするのがベストだろう。
光学15倍ズームを撮影してみよう。
まずは、焦点距離24mm(35mm換算)で撮影。
中央右に見えるアジサイを光学ズームしながら撮影していく。
焦点距離約100mm(35mm換算)で撮影。
焦点距離約200mm(35mm換算)で撮影。
焦点距離約360mm(35mm換算)で撮影。光学15倍ズーム。360÷24=15、ということ。
コンパクトデジタルカメラでも、画像の劣化なくここまでズームして撮影することができる。
まいまの泉へ
さあ、水めぐりを続けましょう。
家々が連なっていたり、
畑に野菜が実っていたり、
梅が落ちていたり。
ぽとぽと。
モードダイヤル「COL」にて、フィルターをいろいろ変えて撮影してみる。
フィルターは全22種類。色鮮やかなポップや、明るく爽やかなハイキーなどの中からお気に入りを見つけるのも楽しい。
トイフォトにて撮影
クロスプロセスにて撮影
地図を見ると、このあたり。
きょろきょろとことこ迷いながら、やっとのことで一つ目の泉に到着。
緑溢れる場所を想像していたら、なんと、公民館の入口の前にその泉はあった。
地下20mから地下水を自噴させている泉。かたつむりのような形の湧水場の頂上からちょろちょろと水が湧き出ている。その隣には蛇口がいくつか並んでいて、同じく地下の湧水が出る。写真を撮っていたら、近所の方なのかな、ペットボトルをたくさん担いで水を汲みに来ている年配の女性がいたので「よく汲みに来られるのですか」と聞くと「ええたまに」と。女性はそう言いながら水を汲んでいく。私もそれにならって、持参したマイコップ(インドのチャイグラス)に湧き出る水を入れた。
キラリ。
ごくり。
まずは一杯目。
いつも飲む水道水よりも味がある。
兵庫の泉へ
さあ次の泉へ。
それにしても今日は、暑いなあ。夏みたいだなあ。
帽子を深くかぶりながら、汗をぬぐいながら、たまに日焼け止めスプレーをかけながら進む。すると、何だか見慣れた景色「兵庫の泉」が見えてくる。
ああそうかここだったのかと思ったのはそう、この泉には、よく水を汲みに来ているのだ。車で大きなボトルを持参して5リットル水を汲んで帰る。美味しいお豆腐屋さんの敷地のすみにあるので、お豆腐を買いに来るついでに水を汲んで帰るのだ。家では、そのお水でご飯を炊いたりしている。丹沢の湧水で炊いたごはんはやっぱり美味しいなあと、山々を思い浮かべながらごはんを食べている。
ジャバジャバと勢いよく溢れ出る湧水に手を入れると、ヒヤッと冷たい。ああ美味しそう、思わず手に水を汲んで飲む。冷たくて美味しい。そして、水道水よりやっぱり味がある。マイコップで湧水を汲んでいると、その水がキラキラと美しいなと思いシャッターを切る。
S(シャッタースピード優先モード)で、シャッタースピードを1/1600にして連写で撮影した。秒間10コマ撮れるので、シャッターボタンを押し続けて、たくさん写真を撮った。ちなみに、ライカC-LUXは、メカニカルシャッターで1/2000、電子シャッターで1/16000で撮影することができる。
再生して見返してみて、ドキッとした。コンパクトカメラでここまで撮れるとは。
水が躍っている。予想以上の、躍動感。
そして、水が美味しそうだ。
改めてライカC-LUXすごいなあと、泉の前で一枚記念撮影。
一貫田湧水へ
さあ、次は、白笹稲荷(しらささいなり)神社(じんじゃ)へ。
パンフレットには、神社の境内の中に一貫田湧水があると書かれている。
神社の鳥居が大きくて一度ちゃんと訪れてみたいなあと車で横を通り過ぎる度に思っていた。まさかここに歩いてくるなんて思ってもみなかった。
鳥居をくぐると、すうっと心に風が通ったような気分になる。風に案内されるように奥の拝殿へと歩く。その気持ちのまま、モードダイヤルを「COL」にし、フィルターをサンシャインにて撮影した。
『「お稲荷さん」は、稲作・農業の神様。「稲が成りますように」という「稲成り」から「いなり」となった。お稲荷さんで見るキツネは、神様のお使い。春になると山の神が里に降りて稲の生育を護り、収穫を終えて秋になると山に帰ると言う信仰があり、キツネも山の神と同じ時期に姿を見せることから神様の使いと考えられるようになった。』と、白笹稲荷神社のパンフレットに書かれていた。ふむふむ。そうだったのか。キツネは神様ではなく、神様の使いなのね。
北海道で野生のキツネを何度か撮影したことがある。
とても愛らしい目をしていて、私のすぐ先でくるっと丸まってくうくうと寝だした姿はたまらなく可愛かった。そんなことを思い出した。
白笹稲荷神社のお守り。あまりに可愛いのでお土産に一つ。
また来たい。そう思う気持ちのいい場所だなあ。
そんなことを思いながら、シャッターを切った。
そして、足取り軽く次の場所に向かった。
でも、そう言えば、すっかり忘れていた。湧水池のことを。
神社の澄み渡る空気と、キツネの愛らしさにすっかり頭がいっぱいになってしまった。まさか、湧水池を見ないで、撮らないで去るなんて。今日は水巡りなのに。と、そんな自分にびっくりしたけれど、それはまた来てねということかしらとポジティブに切り替える。また行こう、そしてその時に必ず撮ろう。
最後は、秦野駅に戻りつつ向原湧水へ。
ホタルが生息する湧水池。
ひっそりと静か。きっと夜はさらに美しいのだろうなと思いを巡らせた。
秦野駅から
あまりの暑さに駅まで辿り着けず、駅前のコンビニでマンゴーパフェを食べる。夏が近づいてきたなあ。後ろの席でバイトの面接をしている二人の話を頭半分で聞きつつ、次のライカの旅はあそこにいきたいなと想像すること頭半分。
青い空に、夏みたいな白い大きな雲が浮かんでいた。
秦野駅前からのバスの車窓は、相変わらず美しくて、あちこちきょろきょろしながらシャッターを切った。
それにしても、緑が濃い。
今回の旅も楽しかったなあ、
ライカC-LUXはコンパクトデジカメだけれどいろいろなことが出来るカメラだなあ、
とライカC-LUXを眺める。
としみじみしたいところだけれど、そう、この連載は「ライカとカレー。次はあの駅で降りようか。」という企画。
まだ、カレーを撮っていない。食べていない。
カレーを目指して
実は、別の日に改めて秦野にカレーを食べに行ったのだ。
秦野駅の駅前にあるBio(ビオ)食堂は、「オーガニックをもっと身近に」をテーマに全国の契約農家さんの有機野菜・無農薬野菜・特別栽培野菜を使用するレストラン。お目当ては、「季節野菜の薬膳カレー」。たっぷりの有機栽培野菜と果物で作られ、動物性食材不使用のスパイスカレーだ。以前お店で食べたことがあり、また食べたいと思っていたのだ。水巡りをした後にお店に寄ったら、残念ながら閉店直後。という訳で、後日改めて訪れたのだ。
ランチの時間の開店直後にお店に入ると、すでにお店はお客さんでいっぱい。そしてお客さんのほとんどが女性。最後のテーブル席に案内されて座る。そして、季節野菜の薬膳カレーと、酵素ジュースを注文する。しばらくすると、酵素ジュース、そして、カレーが届いた。
素揚げされた色鮮やかな野菜たちがズラリと並んでいる。なんて美しいのでしょう。席に座ったまま、何枚か写真を撮る。こちらは、「COL」のポップで撮影。
「COL」のレトロで撮影。
たくさんの野菜や果実たちの甘みの中に優しく香るスパイス。カレーが酵素玄米と絡まると、さらに美味。お肉などの動物性食材は不使用、圧倒的な野菜力に包まれてあっと言う間に完食。満足感たっぷり。
帰り際、お店の方にご挨拶をして掲載の許可を伺うと快くOKをいただく。ありがとうございます。今度は他のごはんも食べに来ます。
この連載では、食べてからお店の方に掲載許可をいただいているので、自分の席で撮影していることが大半。雑誌の取材などだったら、予め取材のお伺いをして、時間通りにお伺いして、ライティングをして撮影する。この連載は旅の中。リアルな旅の中の記事にしたいと思っている。だから、席で座って撮ることが多い。
帰りがけに、秦野の駅前を撮影する。
「COL」ハイキーで撮影。
「COL」レトロで撮影。
駅の周りにもいくつか水が湧き出ているところがあるのでいくつか巡ってみた。
秦野の人々は丹沢の山の恵みのその美しく美味しい水を大切に守り続けているのだなあ、そう思いながらシャッターを切った。
おわりに
今回は、缶ジュースよりも軽いコンパクトデジタルカメラ、ライカC-LUXとの旅。たくさんの水を巡った。まるでスマホで撮るかの如く軽快に撮影した。撮れた写真を改めてパソコンで見てみると、美しいボケと風が流れるような柔らかい風合いがしっかり撮れていた。
もちろん、過去に撮影したライカM10やライカQ2などで撮る方が、高階調なめらかで圧倒的なボケを表現出来てよりエアリーな風が吹く写真になるだろう。でも、このライカC-LUXという選択肢を選ぶのも楽しいだろうなと思う。ライカというカメラの中で、抜群に軽快に撮れて、遊びの幅がものすごく広いカメラだなと思う。何より、コンパクトデジタルカメラでここまで撮れることに今回本当に驚いたのは確か。
後日、白笹稲荷神社に改めて訪れた。
もちろん、一貫田湧水を撮影するために。
梅雨入り直後のその日は、しとしとと雨が降っていた。
湧き上がるような水の音がゴボゴボと誰もいない池に響いていて、静かにシャッターを切った。雨の日は、雨の日にしかない美しさがある。
もうすぐ、夏が来る。
たくさん雨を撮ろう。
さあ、次はどの駅で降りようか。
夏の終わり、秋の始まりの頃、またライカと一緒に旅をしたいと思う。
■Bio食堂
住所:神奈川県秦野市尾尻932-3
Tel:0463-79-9801
Bio食堂は有機栽培、無農薬、無添加にこだわるオーガニックレストラン。小田急小田原線の秦野駅から徒歩1分、神奈川県秦野市にあります。 (bioshoku.com )
■白笹稲荷神社
住所:神奈川県秦野市今泉1089番地
Tel:0463-81-0256
白笹稲荷神社 -公式ページ- (shirasasa.or.jp )
■写真家:山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさん連載記事「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」Vol.6となる今回はライカC-LUXを持って秦野(はだの)を目指します。すぐ目の前にせまる夏を感じるスナップ写真と美味しいカレーにご注目下さい。
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KEYWORDS:
ライカ,Leica,C-LUX
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: サバンナ撮影記|Vol.02 ~草食動物は地平線と共に~
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CATEGORY: 井村淳
DATE: 06/28/2021 16:00:00
TAGS: サバンナ撮影記,ペット_動物,野生動物/動物
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BODY:
サファリとは
■使用機材:EOS 6D + EF24-105mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO100(オート) F10 1/1250
今回はサファリで出会う草食動物たちの撮影についてじっくりとご紹介していきます。サバンナをサファリカーと呼ばれる車で回ることをゲームドライブやゲームサファリなどとも言います。元来、サファリとはスワヒリ語で「旅」を意味しますが、現在ではサファリとは単に宿(キャンプ場)から出発し、ゲームドライブをして宿に戻るまでを指すことも多く、早朝出発して朝食や昼食までに戻ってくる早朝サファリや、昼食後から日没までの午後サファリなどがあります。
ケニアのマサイマラ国立保護区ではサバンナと呼ばれる草原が広がっています。保護区といっても動物たちが人間に飼われているわけではなく、地図上に引かれた枠の中では人間による狩猟や現地民の居住などが禁止されており、観光で動物を観察する上でもオフロード走行禁止や、動物までの最短距離、夜間のゲームドライブも厳しく制限されています。
サバンナには無数の動物が生息しています。見渡す限りに動物が一頭もいないことは滅多になく、何かしらの動物が目に入ります。特に体の大きな動物は遠くからも確認できるし、草に埋もれてしまうこともなく初めてのサファリでも誰でも動物を見つけられます。
■使用機材:EOS 5Ds + EF11-24mm F4L USM
■撮影環境:ISO400(オート) F11 1/250
アフリカゾウは朝と夕方が狙い時
特に圧倒的に体が大きい動物がアフリカゾウです。大きいゾウでは体高は3メートルを超え、体重は5トンを超える程の巨体です。そんなゾウでも見渡す限りの草原では、遠くに点のように見えることもあります。草原は真っ平らではなく起伏がありますので、ある程度で視界が区切られ、空と地上の境目、つまりは地平線が視認しやすく、そこに映る動物のシルエットを狙うこともよくあります。特に朝や夕方の空の変化があるときが狙い時です。また、背が高い動物は地平線上でも見つけやすく、作品的にも形が浮かび上がって見えるので体の大きなゾウは狙いやすいです。しかし、なかなかその時間に願う場所に理想のゾウはいないことが多いです。
地平線上に動物を浮かび上がらせるには、動物が地平線上にいる必要がありますが、地平線は見る場所によって変わります。そのため、動物より自分が低い位置にいることが必須です。少し高いところに動物を見つけても、それより低い位置に撮影可能な道がなければダメということです。朝日や夕日と絡めて狙う事がよくありますが、太陽はどんどん移動してしまいます。太陽が来たちょうど良いタイミングまでそこにいてくれるか、顔や頭の向きが良いかは、ファインダーを覗きながらただただ祈る事しかできません。
■使用機材:EOS-1D X Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
■撮影環境:ISO2500(オート) F11 1/1000
アフリカゾウは群れで行動しますが、いくつかの群れが合わさって大きいと300頭以上という事もあります。基本的に優しい性格なので、じっとサファリカーで止まっていると、すれすれを横切っていく事もあります。サファリ中にサファリカーの中にいて一番怖いのは気が立っているゾウです。ゾウなら車をひっくり返すことも考えられますし、牙がある場合、車に突き刺さってくる事も考えられます。ドライバーたちはゾウのご機嫌までをよく読み取っています。
特に生まれて間もない仔ゾウがいるときは大人のゾウはかなり神経質になります。ゾウはグループで仔ゾウを守ろうとサファリカーから見えないように隠しているようにも感じます。群れの中心に仔ゾウを囲うようにする事もあります。そんなときは隙間からメインの仔ゾウにピントを合わせます。
■使用機材:EOS-1D X + EF500mm F4L IS Ⅱ USM
■撮影環境:ISO160(オート) F4 1/1000
■使用機材:EOS-1D X + EF200-400mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO1000(オート) F4 1/1000
キリンは高速シャッターで
ゾウ同様に巨大な動物で、ゾウよりも背が高いのがキリンです。ツノのまでの高さは4〜5メートルになり、より遠くから見つける事ができます。間近に来ると、キリンの頭はかなり見上げる感じです。草原にいるときはもちろん、茂みの中にいても目立ちます。また、足が長いので地平線上に狙うときは、稜線より上に脚を写せるので地平線上に狙うには一番のおあつらえ向きです。また、月や朝焼け夕焼けなど背景の空とも絡めやすく、被写体としてオールマイティな形とサイズと言えます。
■使用機材:EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS Ⅱ USM
■撮影環境:ISO800(オート) F4.5 1/640
■使用機材:EOS-1D X + EF200-400mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO500(オート) F5 1/320
キリンは首が長く進化した動物で、背が高い木の葉を食べられます。しかし、その分、水たまりなどの水を飲むのは大変そうです。野生の動物たちは水を飲むときが一番、他の肉食獣を警戒をしています。キリンは前足を少し広げ、目一杯首を下げてやっと地面の水に届きます。しかし、飲んでも長い首を水が通っていかないのでしょう。首を上げて初めて喉を通るようです。首を上げるときにかなりの水が口から漏れます。なんとも効率が悪いのだろうと思います。そんな瞬間がシャッターチャンスです。水の動きはかなり速いので、しぶきを止めるために高速シャッターに設定します。
■使用機材:EOS-1D X + EF500mm F4L IS Ⅱ USM
■撮影環境:ISO500(オート) F4.5 1/1600
長いキリンの首はネッキングと言って、頭突き合う戦いに使われます。長い首を振り遠心力を使って相手の頭に頭突きする危険な戦いです。人間だったら即死すると言われています。もちろんシャッターチャンスです。体が大きいのでゆっくりに見えますが、これもまたかなりの速さなので高速シャッターになっていることを確認します。角度によって首を振っている雰囲気がよく見える瞬間があります。
■使用機材:EOS-1D X + EF200-400mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO250(オート) F5.6 1/1000
カバの戦闘シーン
サバンナの草食動物で次に思い浮かぶのがカバでしょうか。重さランキングではサイに次いで3位です。実はカバは夜行性であり、昼間のほとんどは川などの水の中か、その水際で昼寝をしています。カバは、皮膚がデリケートで、太陽光を長い時間浴びることが苦手なのです。人間より3〜5倍も乾燥速度が早く、皮膚を保護するために分泌される体液がピンク色な事は有名です。
■使用機材:EOS-1D MarkIV+ EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO640(オート) F11 1/640
私がケニアに通い始めた頃は、マラ川のほとりのロッジを使っていました。夜中や早朝に寝ていると、ものすごい大きな声で目が覚めます。その川にはカバがたくさん生息していて夜な夜な草を食べに上陸しているのです。日中は川を眺めるとカバが水面から頭だけ出していたり背中を出して寝ている姿をよく見ていましたが、カバの全身を見ることはほとんどありませんでした。早朝サファリに出かける時に草を食べ終わったカバが川に戻るところを見かけたことがありますが、まだ薄暗くて撮影には至りませんでした。
■使用機材:EOS-1D X + EF500mm F4L IS Ⅱ USM
■撮影環境:ISO200(オート) F4 1/1000
ある雨の日にサファリに出ると明るくなっても草原で草を食べるカバを見ることができました。念願の丸ごとカバを見ることができました。日差しがなく、雨で乾燥が抑えられるからでしょう。カバのアクションの狙いの一つがあくびの瞬間です。外れるんじゃないかと思うほど大きな口です。あくびは2回繰り返すことが結構ありますので、撮り損なっても同じ個体を狙っていると再びシャッターチャンスが訪れることが多々あります。また、水中では縄張り争いの威嚇として口を開け合うことがあります。稀に殺し合いになってしまう事もあるそうです。兄弟でもその練習なのか口を開け会う場面がたまにあります。水中での口の開け合いは数十秒程度続くことが多いです。
■使用機材:EOS-1D X Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO200(オート) F6.3 1/250
臆病なサイ
サバンナではサイはとても希少です。いつでも見られる訳ではなく、今この近くにサイがきているなどの噂を頼りに探す程度です。サイのツノは漢方薬などで高価で取引され、今でも密猟が絶えないそうです。最近では野生のサイを一度捕獲してツノにGPSを埋め込んでいるものが多く、密猟されると分かるらしいですが、結局は殺されたことが確認できるにとどまるのでしょう。
■使用機材:EOS-1D X + EF200-400mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO4000(オート) F6.3 1/640
常に狙われているからか、サイはとても警戒心が強いです。サファリカーが近づくとかなりの距離があっても離れていきます。そうやって身を守るしかないのだと思います。サイを撮影する時は超望遠レンズで距離を取りながら狙うしかないです。
ご存知の方も多いと思いますがシロサイとクロサイの違いについて触れておきましょう。実は、シロサイとクロサイは見た目の色みでは判断がつきません。色は関係ないからです。大きな違いは口の形です。地面の草を食べるシロサイは口が平らになっていて、木の葉を食べるクロサイは口が尖っています。それぞれの食によって進化の方向が違ったのでしょう。一説によると、それを英語で説明した時に口がワイドなサイをホワイトと聞き間違えて、もう一方をブラックとしたとのことです。こうすると見分け方が覚えやすいですね。
■使用機材:EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS Ⅱ USM
■撮影環境:ISO1600(オート) F9 1/1600
■使用機材:EOS-1D X Mark III+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO200(オート) F5.6 1/160
実は危険なバッファロー
バッファローはアフリカスイギュウという和名です。おそらく水か好きなのかなと思いますが、いつも水辺にいるわけでもなく、草原で群れになっているところをよく見かけます。バッファローはビッグファイブでも紹介しましたが、機嫌が悪いとサファリカーに体当たりしてくることがあるほど気性が荒いです。牧場などでよく見る乳牛よりもふた回りくらいでかく、ムキムキな体つきです。オスとメスはツノの大きさが少し違ってオスのツノは見るからにごっついです。普通の草食獣は警戒心が強くサファリカーで接近しようとすると逃げてしまうことが多く、顔のどアップを撮影するのは難しいです。バッファローはサファリカーが近づいても逃げずに睨みつけてきますが、ドライバーが危ないからと言ってなかなか間近には止めてくれません。
■使用機材:EOS-1D MarkIV + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO800(オート) F5.6 1/400
■使用機材:EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS Ⅱ USM
■撮影環境:ISO200(オート) F5.6 1/1300
シマウマ、ガゼル、インパラ
サバンナのどこを見てもシマウマはいます。探さなくてもその辺を歩いていて、ドライバーと「今日は動物が何にもいないねえ」と話しをすることがありますが、シマウマはそのカウントに入らないのです。それと同じように扱われるのがガゼルです。少し小型のトムソンガゼルや大型のグラントガゼルです。シマウマとガゼルしかいない状況の時に何にもいないと言ってしまいます。
■使用機材:EOS-1D X + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO400(オート) F6.3 1/1000
ただ、シマウマだってよく観察すると縞模様が一頭一頭皆違ったり、寝ころんだり追いかけっこしたり、鳥を載せていたりするので、面白い被写体です。…と、少しだけフォローしておきます(汗)。
■使用機材:EOS 1DX2 + EF200-400mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO250(オート) F6.3 1/1250
■使用機材:EOS 1DX + EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO1600(オート) F9 1/1600
ガゼルに似たレイヨウ類でインパラというのもいます。オス一頭にメスが数十頭とハーレムを作ることで有名です。ガゼルやインパラなど一見、シカのようなツノがある動物がたくさんいますが、サバンナにシカの仲間は一つもいないそうです。皆ウシ科でシカの様にツノは生え替わらないので、一度折れてしまうと一生そのままなのです。インパラは警戒すると皆が同じ方向を向いて緊張感が漂うことがあります。サファリ中ネコ科を探している時に、草食獣が皆同じ方向を向いているとその方向に何かいるかも!と参考にします。
インパラは逃げる時のジャンプは素晴らしいものがあります。ハンティングの時は、カメラでは追いかけているネコ科の方に注目してしまいますが。ジャンプとともに画面から消えていくことがよくあります。
■使用機材:EOS-1D X Mark II + EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×
■撮影環境:ISO1000(オート) F5.6 1/2000
トピは望遠レンズで
いつも稜線にいるのがトピという動物です。朝や夕方でキリンもゾウも見つからない「あそこに何かいる!」と近づくとトピということがよくあります。トピは見晴らしのいいところで周囲を警戒するという習性だからだと思います。「またトピか」と思ってしまうこともありますが、そのトピすらいなかったら何にも撮れないのですから、トピに感謝しなければいけないと毎回反省します。
太陽と絡めるにも、トピがよくアリ塚(正確にはシロアリの巣)に登っていてくれるので全身のシルエットが狙えます。サファリカーが近づきすぎるとアリ塚から降りてしまうので遠くで狙うのが良いです。どのみち太陽と動物を絡めて狙うには超望遠レンズにテレコンを使うので動物からかなり離れなければなりません。
■使用機材:EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO100(オート) F11 1/2700
太陽と動物の写真はいつでも撮影出来るわけではありません。朝と夕方2回チャンスがありますが、雲がなくちょうど良い明るさの太陽が見え、ちょうど良いバランスの位置に動物がいるという条件は1週間に一回あるかないか程度です。
■使用機材:EOS 5D2 +EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO200(オート) F8 1/50
■写真家:井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。
日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。
(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。
連載記事リスト
■サバンナ撮影記|Vol.01 ~ケニアへの行き方~
この記事に使用した機材
【キヤノン】EF500mm F4L IS II USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の井村さんによる連載シリーズ「サバンナ撮影記」第2弾! 今回は草食動物についてです。魅力的な作例と共に、生き生きとした作品の狙い方も解説していますので、是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
サバンナ撮影記,ペット_動物
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 大村祐里子
DATE: 06/29/2021 13:29:47
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BODY:
テスト
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: ニコン NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 レビュー|優しい描写力が魅力の常用できるマイクロレンズ
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 06/30/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z MC 50mm f/2.8,水族館,単焦点
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BODY:
はじめに
ニコンユーザー待望の、Zマウントのマイクロレンズが発売されました。今回レビューする「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」は、気軽に持ち歩ける小型・軽量なボディーと使いやすい50mmの焦点距離、高性能な描写力が魅力の日常使いできるマイクロレンズに仕上がっています。
スナップやポートレート、テーブルフォトなど様々な被写体で楽しめるレンズですが、今回は筆者がこれまで「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」で撮り続けてきた水族館作品を、本レンズに持ち替えて撮影。長年ニコンのマイクロレンズを使用してきた、ユーザーの観点からレビューしたいと思います。
難しい被写体をしっかりと捉える高速AF性能
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:絞り開放(有効F値4.2) 1/1250秒 ISOオート(28800) WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ビビッド
水族館ですのでもちろん館内は暗く、すべての被写体はアクリルの水槽の中で、素早く動いています。撮影レビューするにはなかなか厳し目の条件が揃っていますが、それだけに、描写性能やAF性能をしっかりと体感できる撮影状況とも言えます。
この水槽は中に造花がオブジェとして入っていて、そこをカクレクマノミが泳いでいるシチュエーションでした。水族館写真は、ともすれば魚の標本写真のオンパレードになってしまいがちですが、水槽の中のオブジェやサンゴ、水草などをボケに使用すれば、奥行き感のある写真を撮ることができます。この造花は背景のボケとして役立ってくれました。
AF性能ですが、Nikon Z 6IIに装着して絞り開放で撮影した感触として、今まで使用してきたマイクロレンズと比べても遜色なく、むしろ速さを感じました。AFモードはコンティニュアスAFサーボ(AF-C)で、AFエリアモードはオートエリアAFを使用し、タッチAFを使用して、魚の顔を背面液晶でタッチしてピント合わせを行い、シャッターボタンでシャッターを切る方式で撮影しています。
体長2~4cm程度のカクレクマノミは、かなり素早い泳ぎをする魚なので、AFの性能を試すにはちょっと意地悪な被写体とも言えるのですが、しっかりとピントの合った写真を撮ることができました。
「有効F値」について
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:絞り開放(有効F値4.5) 1/800秒 ISO12800 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:スタンダード
まず筆者の水族館での撮影スタイルを説明しますと、反射を防ぐためと、水槽の枠など余計なものを構図に入れたくないので、水槽のアクリルにくっ付くくらい近付いて撮影しています。また、絞りを開けて主役の魚以外は大きくボカして、ポートレートのように撮ることを主としています。ですので、今回の作例もすべて絞りは開放で撮影しています。
それを踏まえて撮影データをご覧いただくと、絞り数値に「有効F値」という、あまり見慣れない言葉があると思います。本レンズの開放F値はF2.8で、絞り開放で撮影しているはずなのに、なぜ「有効F値4.5」のように表記しているかについて、お話したいと思います。
マイクロレンズは近接撮影時にはレンズが伸びるため、無限遠のときよりも、撮像素子面に写る像に届く光の量が減少します。レンズ面で受ける光の量は同じなのですが、被写体に近付けば近付くほど、レンズは撮像素子面の像から離れるため、受けた光は拡散されて全体の明るさが暗くなってしまうのです。
照明をレンズ、モデルを撮像素子面に写る像に例えてみましょう。ポートレート撮影で照明をモデルに当てるとき、モデルの近くから当てれば、強い光が狭い範囲でモデルの顔を照らしますが、モデルから離して当てると、弱い光がモデルの全身の広い範囲を照らしますね。つまり、光が弱まることで暗くなるのです。この光の減少を真面目に表したのが「有効F値」なのです。
どこのメーカーのマクロレンズも構造は同じなのですが、現在、この「有効F値」を表示している日本のメーカーはニコンだけとなっています。マイクロレンズを使用する上でこの「有効F値」を知っておくと、撮影時に「どんなに操作してもF2.8にならない!」なんてパニックになることがなくなりますので、頭の片隅に知識として置いておいてあげてください。
被写体の質感を丁寧に表現する描写力
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:絞り開放(有効F値3.5) 1/800秒 ISO6400 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ポートレート
お互いの体を枕にするように寝ているコツメカワウソも、水槽のアクリル越しの撮影になります。描写の難しい暗い色の毛の質感と、動物らしい鼻のリアリティーを、高い解像力で表現してくれました。ピント面からボケへのグラデーションも、自然で好感の持てる描写です。マイクロレンズのキモは、被写体の質感をいかに丁寧に表現できるかとも言えます。
小さくて軽いので常用レンズにオススメ
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:絞り開放(有効F値3.3) 1/800秒 ISO12800 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ビビッド
本レンズの長さは約66mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)、重さは約260gで、マウントは違いますが前身のレンズとも言える「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」と比べると、長さは約23mm、重さは約165gもの小型・軽量化に成功しています。特に長さに関しては「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」は、この焦点距離にしてはちょっと長いなと感じることも多かったので、見るからに短くなったのは筆者的にポイントが高いです。
Nikon Z 6IIとのバランスも良く、寄りたいと思ったらどこまででも寄れるお散歩レンズとして、常に持ち歩けるサイズ感なのが、本レンズの大きなメリットだと思います。
鮮やかな被写体を色にじみなく表現
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:絞り開放(有効F値3.8) 1/400秒 ISO6400 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ビビッド
水族館にはカラフルな魚や、彩り鮮やかな水槽が多く、色飽和に気をつけなくてはいけないシチュエーションでもあるのですが、色味が鮮やかで濃いこの魚の体も、色にじみなく、シャープに描き出しています。
本レンズはEDレンズを採用して軸上色収差を抑え、非球面レンズを採用して球面収差と像面湾曲を補正しています。ボケの綺麗さが写真の印象を左右するマイクロレンズなので、余計な色にじみが生じていないことは大切です。
優秀な逆光耐性
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:絞り開放(有効F値3.5) 1/800秒 ISO12800 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:風景
逆光撮影時に起こりやすいフレアとゴーストについて、館内以外でも撮影してみましたが「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」に比べて、格段に抑えられていました。「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」も、フレアやゴーストのような不要な光が写真内に発生することは稀でしたが、本レンズは日中の外での逆光撮影でも、さらに強い耐性を感じられました。
本レンズは、ネジ込み式のレンズフード「HN-41」が付属品として同梱されています。通常のレンズフードのようにレンズボディに付けるのではなく、レンズの先端に、フィルターを付けるようにくるくるとねじ込んで装着する方式のレンズフードです。フードと言うにはかなり短い(薄い)もので、フレアとゴーストの発生を抑える意味で言えば、試用した限りではなくても問題は感じませんでした。
ただ、どんどん被写体に近付きたくなってしまうマイクロレンズの特徴を考えると、被写体とレンズがぶつからないように、このフードを装着しておくことにはメリットを感じました。筆者の好みで言えば、小さくていいので、丸型のレンズボディに付ける通常タイプのフードが欲しかったです。
MF撮影しやすい便利な機能
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:絞り開放(有効F値4) 1/800秒 ISO6400 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:風景
マイクロレンズは狙った箇所にピッタリとピントを合わせたいので、AFだけではなくMFも多用します。本レンズのコントロールリングには機能を割り当てられますが、ここは「M/A」にして、ワンアクションでMF撮影ができるようにするのがお薦めです。また、鏡筒を繰り出すと撮影倍率と撮影距離が表示されており、撮りたい倍率に合わせてMF撮影することも可能です。ただ、かなり大きく印字されているので、わかりやすくはあるのですがデザイン的には……ちょっと目立ち過ぎかな(笑)
日常レンズには必須の防塵・防滴・防汚性能
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:絞り開放(有効F値3.8) 1/2000秒 ISO6400 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:風景
標準画角の明るいレンズとして常用するために、あって欲しい仕様が防塵・防滴性能です。鏡筒の可動部分などに、埃や水滴の侵入を防ぐシーリングが施されています。特にレンズの繰り出し部分は埃や雨などが付着しやすいので、防塵・防滴性能が高いのは助かります。
レンズの前面にはフッ素コートが採用されており、防汚性能も備えています。マイクロレンズは被写体に近付ける分、汚れやすくもあります。花を接写していて花粉がついてしまったり、ステーキを接写していてソースが飛んでしまったり、犬に舐められたり……。そんなアクシデントがあっても、レンズ面を優しく拭くことで汚れを落とすことができますので、より積極的に撮影ができます。
総評
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:絞り開放(有効F値3.8) 1/800秒 ISO12800 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ビビッド
レンズはスペックだけではわからないことが多く、今回も、試用して見えてくること、感じることが沢山ありました。
マイクロレンズ好きを誇る筆者が本レンズを総評すると、かっちりしすぎない優しい描写はかなりの高得点で、今まで使用したレンズの中で1位、2位を誇る地位に輝きます。マイクロレンズを多用する水族館写真では、シャープすぎると作品が幻想的でなくなってしまうし、ボケボケじゃさすがに何だかわからない写真になってしまうしで、ピント面のシャープさとボケの滑らかさ、その2つの繋がりのナチュラルさを大切にしています。マクロ系のレンズだと、かっちり描きすぎてしまうレンズもあるのですが、本レンズはその辺のバランスがとても良かったです。
AF性能も暗い水族館でこれだけ素早く、正確に合わせられるなら問題はありません。音が静かなのも、館内で音が響きやすい水族館撮影にはありがたい性能でした。デザインにはもう少し改善を求めたいところですが、小型・軽量化はこれが本当にマイクロレンズか?と思えるほどの小ささになっているので、両手を上げて喜びたいです。
今回は水族館での撮影でしたが、街なかでも溶け込めるサイズのレンズですので、次は街歩きのスナップで使ってみたいと思いました。常用できるマイクロレンズなんて、素敵じゃないですか。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんによる、ニコン「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」のレビュー記事です。新作のマイクロレンズの性能を水族館撮影で試しました。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,NIKKOR Z MC 50mm f/2.8,水族館,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン RF14-35mm F4 L IS USMが登場!|担当者へのインタビューから魅力を紹介
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 07/01/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF14-35mm F4 L IS USM,広角ズーム
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BODY:
はじめに
キヤノンからフルサイズミラーレスカメラ用交換レンズの「RF14-35mm F4 L IS USM」を2021年9月下旬に発売するとアナウンスがありました。これでRFマウントの小三元が全て揃うことになります。本製品の魅力について、キヤノンマーケティングジャパン カメラ営業二部 営業第一課のご担当の方へインタビューしましたので是非ご覧ください。
概要
― 前モデル「EF16-35mm F4L IS USM」からの主だった進化点を教えてください
画角が2mm広角になり、カメラレンズ協調ISで7段の手振れ補正を実現し、更に寄れるように進化しました。サイズも13mm短く75g軽くなったことで取り回しも従来より向上しています。
左:EF16-35mm F4L IS USM、右:RF14-35mm F4 L IS USM
― どんな方におすすめのレンズですか
EFレンズにおける「F4Lズームレンズシリーズ」は、ズーム全域での開放F値4の高画質と携帯性を両立するシステムとして、プロ・ハイアマチュアを中心に幅広いユーザーに使用されてきました。今回のレンズは広角が2mm広がったこと、小型軽量化したことにより、今まで以上に幅広いユーザー使って頂けるレンズに仕上がっております。
超広角14mm
― EF16-35mm F4L IS USMから比べて広角側を2mm広くした理由を教えてください
RFマウントの大口径・ショートバックフォーカスがもたらす自由度の高いレンズ設計により、カメラ側の撮像面近くに大口径レンズを配置できるため、焦点距離14mmから35mmのズーム全域での高画質の実現が可能となったためです。
― 超広角にも関わらず正面にフィルターが装着可能とお伺いしました
本レンズは14mmという超広角をカバーしながらフィルターを装着することが可能となっています。風景撮影でPLフィルターを使用し、水面や空の光の反射を抑制したり、NDフィルターを使用し水面を長時間露光で流して撮影することが出来ます。また、F4 L IS USMズームレンズシリーズはすべてフィルター径77mmを採用しています。各レンズごとにフィルターを用意しなくてもいいのも、F4 L IS USMの魅力だと考えています。
軽量コンパクト
― 広角端14mmの超広角ズームレンズになったにも関わらず、小型軽量になっていますが、どのようにしてこれを実現されたのでしょうか
RFマウントの大口径・ショートバックフォーカスがもたらす自由度の高いレンズ設計により、高画質化と小型・軽量化を両立しています。本レンズはカメラ側で歪曲収差を電子歪曲収差補正することで優れた携帯性を実現しています。
ボディ側での収差補正
― 「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」と同じく、露光や歪曲収差補正をEOS Rボディ側にまかせているとの事ですが、L(Luxury)レンズへ搭載する事への抵抗はなかったのですか
RF24-240mm F4-6.3 IS USMと違い、仮に社外製RAW現像ソフトを使用して無理やり補正を外したとしても、四隅がけられることは無くL(Luxury)レンズとしての基準をクリアしていると考えます。ただ勿論14mmはかなり広角な画角ですので、ある程度歪みが発生します。16mmまでズームすることで歪みはかなり改善しますので、歪みが気になるシチュエーションでの撮影は16mmまでズームすることをおすすめいたします。
― EOSRボディ側の収差補正はJPEGのみとの事ですが、RAWで撮影する人はどのように収差を補正をすれば良いですか
弊社RAW現像ソフトDigital Photo Professional 4をご使用下さい。
― EOS R5やR6のRAW動画撮影時にはどうなりますか
ある程度歪みは生じますが動画撮影は問題なく行うことが出来ます。
手振れ補正
― レンズ側で5段、EOS R5とR6との協調ISで最大7段の手ブレ補正効果と伺っております
山奥にある滝などで、NDフィルターを用いて長時間露光を手持ちで撮影することが可能です。従来三脚がないと撮影出来ないようなシチュエーションでも積極的に撮影できるのが本レンズの魅力となっています。
最短撮影距離・撮影倍率
― 全域で最短撮影0.2m、倍率0.38で接写できるとの事ですが、どのようなシーンで活用いただきたいですか
静止画での物撮り等はもちろん、室内での動画撮影でも使用頂けると思います。特に最近流行りのVlogなどで近接撮影に強い本レンズは活躍できると思います。
さいごに
RF14-35mm F4 L IS USMは前モデルから様々な進化を遂げている事がわかりました。機動力が増したでけでなく、2mm広角になった事や正面にフィルターを装着できるようになった事で本格的な風景写真までも気軽に楽しめるようになりとても魅力的なレンズであると感じました。次回は写真家の方に写りについてもレビューしてもらいますので、そちらの記事も楽しみにしていてください。
特集ページ
カメラのキタムラネットショップの「RF14-35mm F4 L IS USM」特集ページは下記バナーをクリック。近しい焦点距離を持つレンズとのスペック比較も掲載しています。詳細はこちらから ご確認ください。
■更新
・2021年7月5日:予約開始に伴い、予約受付中の内容へ差し替えました。
・2021年9月30日:製品発売に伴い、内容を差し替えました。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
RF14-35mm F4 L IS USMの魅力についてキヤノンマーケティングジャパン カメラ営業二部 営業第一課のご担当の方へインタビューしましたので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,超広角レンズ,RF14-35mm F4 L IS USM
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム GFX100S レビュー|逆転の発想で高感度性能の限界をブレイクスルーした星空撮影の革命機
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CATEGORY: 成澤広幸
DATE: 07/02/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,GFX100S,レビュー,星景_天体,ラージフォーマット,星景/夜空/星空/天体,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
デジタルカメラの高感度性能が向上したことにより、星空の撮影はとても身近なものになりました。しかしながら、実は近年発売されているカメラの高感度性能は頭打ちで、目立った進化をしていません(むしろちょっと落ちている場合も?)。そんな状況を打破したカメラが、今回私がレビューする富士フイルムの「GFX100S」です。
私はGFX100で星空撮影をしたとき、液晶モニターで再生された驚愕のノイズレス画像を見て、とても打ちのめされました。GFX100は非常に高価なカメラでしたが、同じセンサーを搭載したGFX100Sが発売され、しかも小型化・手ブレ補正の強化も追加されているのに値段が約半額と、一気に購入のハードルが下がりました。
今回はそんなGFX100Sの魅力について、星空撮影を通じて高感度性能の観点からレビューをしていきたいと思います。
富士フイルム GFX100Sとは
GFX100Sは富士フイルムから発売されている、ラージフォーマットセンサー搭載のミラーレス一眼カメラです。ラージフォーマットとは、フイルムカメラで言うところの“中判”に該当するもので、一般的なフルサイズセンサーの1.7倍の大きさになります。そして、焦点距離の35mm判換算倍率は0.79倍になります。
センサーサイズが大きくなると1画素の情報量をより広い面積で受けることが可能になるため、フルサイズセンサー以上の繊細な色表現と、明部から暗部への優れた階調が持ち味となります。GFX100Sの画素数はなんと1億200万画素。1枚のRAWデータは120MB(!)にもなります。2倍にクロップしても5000万画素が残るわけですから、ものすごいデータ量ですよね。
レンズマウントはGマウントと呼ばれる富士フイルム独自のマウントです。センサーサイズが大きいですから、レンズももちろん大きくなります。
左:ラージフォーマットセンサー 右:フルサイズセンサー
フルサイズミラーレスとセンサーサイズを比べてみると、第一印象は「でかいな~笑」です。レンズももちろん大きい。しかしながら、センサーサイズを考えるとGFX100Sのボディはかなり小さく作られているのがわかります。さて、これでどのような写真が撮影できるのか……。
昼間、夜間の作例を紹介
まずはこの写真をご覧ください。GFX100Sで撮影した無加工の写真です。 C-PLフィルターで水たまりの反射をとり、中央にある富士山までの奥行きを出るように構図をとって撮影しています。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF32-64mmF4 R LM WR
H&Y Kseries 角形フィルターホルダー + ND32-CPL + Blancer GND
■撮影環境:ISO400 SS1/2秒 F4 AWB
■フイルムシミュレーション:PROVIA
朝焼けにかかる佐渡島と岩のゴツゴツとした感じを対比させて撮影。海の反射を一部、C-PLフィルターでとることができました。岩にかなり近づいているので、回折現象よりもパンフォーカス感を出すこと優先し、F16まで絞りました。露出時間を60秒にして海の波を平均化しています。
やはりセンサーサイズが大きいだけあって、一目でラージフォーマットで撮影した写真だとわかります。C-PLやNDフィルターで光量を整えているとは言え、うっとりするような描写です。液晶モニターで画像を確認した時、思わずため息がもれました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF32-64mmF4 R LM WR
H&Y Kseries 角形フィルターホルダー + ND64-CPL + Reverse GND
■撮影環境:ISO250 SS60秒 F16 AWB
■フイルムシミュレーション:ASTIA
Photoshop Lightroomで画像処理
そして次にこちらの星景写真をご覧ください。こちらも無加工の写真です。なんとISO12800で撮影してこの写りです。
ISO12800で撮影した無加工写真
これはほんとに驚きました。言葉を選ばずに興奮を伝えると「めちゃめちゃヤバい!何コレ!」です。こんなカメラ見たことありません。そしてこの発色。私の勝手な感想ですが、もともと天の川の写りに定評のあるXシリーズよりも、さらに濃く写る印象があります。
ISO12800、25600、51200それぞれを100%に拡大した比較画像を並べてみました。ISO12800から始まる感度性能比較も珍しいですね(笑)
それぞれの感度で同じ明るさになるように露出を調整しています。赤道儀は使用していないので、露出が長くなると星が線に写ってしまいますがご了承ください。
ISO12800までは星空撮影においても常用感度と言っていいと思います。非常にノイズが少なく、通常の一眼カメラでいうところのISO3200くらいのノイズレベルではないでしょうか。しかも無加工でここまでの写りをするのですから驚きです。PCソフトのノイズ低減機能を使えばISO25600も実用的なレベルです。注目すべきはノイズだけでなく暗部の階調なども滑らかに残っていること。これがラージフォーマットの威力か……と感激してしまいます。
GFX100Sが低ノイズな理由
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:ISO12800 F4 SS15秒
フリーソフトSequatorで7枚を加算平均合成
Photoshop CCで画像処理
これまで高感度撮影時に発生するノイズを軽減するカメラの仕様は、①センサーサイズが大きい、②画素数が少ないことでした。前述の通りセンサーサイズが大きければ1画素の集光力が上がります。そして画素数が低くなれば1画素が大きくなるわけですから、これが高感度ノイズの低減につながるという理屈です。でもGFX100Sは1億画素ありますから、②の理由とは真逆の仕様になっていることがわかります。ではなぜGFX100Sはこんなに低ノイズなのでしょうか。
理由① ノイズが細かくなりすぎて目立ちにくくなる
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF32-64mmF4 R LM WR
VIXEN 星空雲台ポラリエU
■撮影環境:ISO12800 F4 SS30秒
Stella Image 9で11枚を加算平均合成
Photoshop CCで画像処理
これは衝撃の逆転の発想です。人間の目ではもはや判別ができないほどにノイズが細かくなるということらしいです!PCソフトで400%くらいに拡大すると、ノイズがたくさんあるのがわかるのですが、不思議と嫌な感じがしませんね。不思議な話ですが、トリミングをすればするほど、ノイズが目立ってくるということになるそうです。
理由② GFXは純正GFレンズのような超高解像度レンズだけを対象に設計されているので、シャープネスを抑えた処理が可能
GFXの性能を最大限引き出すGFレンズ
シャープネスとは、輪郭をくっきりさせるというような効果があります。ボディ側でシャープネスを強めることにより、解像感の劣るレンズでもくっきりと写せるメリットがありますが、星空撮影ではノイズもシャープになって目立ってしまうというデメリットがあります。
GFX100Sの場合は、レンズのシャープさをストレートに引き出すので、カメラ内で余計なシャープネスをかけない仕様になっているそうで、それが高感度撮影時の低ノイズにつながっているそうです。ということは現状、GFX100Sの高感度性能を100%引き出すのは純正のGFレンズに限るということになります。
マウントアダプターを使用して撮影をしてみた
マウントアダプターを使いキヤノンEFマウント用のレンズを装着
GFX100Sには35mmフォーマットモードが搭載されており、マウントアダプターを介してフルサイズ用のレンズを使用することが可能です。前述で紹介した低ノイズな理由から逸れてしまうことになりますが、実際に撮影してみたところ、それでもやはりカメラ内の処理が優れているのでしょう。低ノイズな仕上がりになるのは間違いないようです。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2
KIPON マウントアダプター EF-GFX AF
■撮影環境:ISO25600 F2.8 SS20秒 35mmフォーマットモード
Photoshop CCで画像処理
こうした窮屈な構図だと、超広角レンズは必要不可欠になってきます。確かに35mmフォーマットモードではノイズの出方が変わっているように見受けられますが、それでも充分ノイズレスな画像であると言えます。
マウントアダプターのMF時の動作に注意
他社製レンズを使用可能にするマウントアダプター
他社製レンズを使うならフランジ径の大きなキヤノンEFマウント用を選び、マウントアダプターでEFマウント→Gマウントに変換し使用するのがいいでしょう。注意点としては電子接点つきのマウントアダプターだと、MF時にレンズが正常に動作しないという事例が発生します。
私が使用しているKIPONのマウントアダプターであれば問題なく使用できますが、シグマ 14mm F1.8 DG HSMなどは問題なくAF/MFが動作するのに対し、例えばTAMRON SP 15-30mm F2.8だとレンズをAF、ボディをMFにしないと正常に動作しないなどの事例が発生しています。不安な方は電子接点のないMF用のマウントアダプターを使用することをおすすめします。
星景写真用の純正レンズに期待
しかしながら、星景写真であれば焦点距離24mm以下でF2.8の明るい超広角レンズが欲しいのが本音。マウントアダプターで代用できるとしても、その性能を星景写真で100%発揮できるレンズがまだ発売されておりません。今後、星景写真で効力を発揮する超広角レンズが発売されることに期待したいですね。
タイムラプス撮影でも1億画素センサーは圧巻の高画質を誇る
VIDEO
実は私がGFX100Sを導入したのはこれが理由。1億画素で撮影したものを8K(3300万画素)、4K(800万画素)で表現すると、ものすごい高画質でタイムラプス動画を表現することができます。より高画質なタイムラプス動画作品を制作するためにこのカメラを導入したのです。代わりにPCスペックも高性能を求められますので、このカメラで作業するためのSSDなどを別途用意して制作しています。
※上の動画はぜひYouTubeの画質設定を8K、もしくは4Kにしてご覧ください。可能であれば大きなディスプレイで再生すると、GFX100Sならではの圧巻の高画質をより体感することができます。
GFX100Sを購入するならGF32-64mmF4 R LM WRはマスト
私がメインで使用しているレンズ「GF32-64mmF4 R LM WR」は非常に万能で、F4と明るさは劣るものの画質としては申し分ありません。新たにGFX100Sの購入を検討されている方は、ぜひこのレンズをセットで購入することをおすすめします。周辺光量・周辺像ともに申し分なく、35mm判換算で25mm-50mmのズーム領域で昼夜を問わずオールマイティに撮影ができる。このレンズを基本にして他を拡充していくのが正解だと思います。
今回は写りの部分にのみ焦点をあてて説明しましたが、GFX100Sにはそのほかにも多機能な部分がたくさんあります。非常に高価なカメラにはなりますが、その価値は十分秘めていると言えるでしょう。
私のYouTubeチャンネルでもGFX100Sの設定や高感度性能について紹介している動画がありますので、こちらもぜひご覧ください。
VIDEO
VIDEO
■写真家:成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
星空写真家の成澤広幸さんによる、富士フイルム「GFX100S」レビュー記事です。ラージフォーマットで切り取る圧巻の星景写真。高感度性能に着目してカメラを解説いただきました。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,GFX100S,レビュー,星景,天体
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO レビュー|シャッターチャンスに強いニュースタンダードレンズ
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 07/03/2021 11:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) レンズ,風景,M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO,広角ズーム
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BODY:
はじめに
標準ズームレンズと聞いて思い浮かべるのは35mm判換算で24〜100mm前後をカバーした便利ズームを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。少し前まではワイド端が28mmや35mmの標準ズームが一般的だったが、年々ワイド端の焦点距離はより広角側にシフトしている。そして、先日OMデジタルソリューションズから発売されたM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROはなんとワイド端が35mm判換算で16mmにもかかわらず、テレ端は35mm判換算で50mmまで一本でカバーしている「新しい標準レンズ」だ。
今回はこれからの「ニュースタンダード」になるであろうM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROについてご紹介したいと思う。
広角レンズか標準レンズか
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは広角レンズか標準レンズか使う人によって捉え方が違う面白いレンズだ。私の場合、このレンズは「標準レンズ」として考えており、あくまで35mm判換算で16mmが使える標準ズームレンズとして捉えている。オリンパスのPROレンズにはすでにM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROという35mm判換算で14-28mmをカバーする超広角ズームレンズがラインナップに入っており、M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROとどちらを購入するかで悩んでいる人も少なくないのではないだろうか。
しかし、焦点距離だけで比べてみると35mm判換算で「14-28mm」「16-50mm」と、実際にはカバーする焦点距離が全くの別物であり、私の場合は広角として使うならM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROを、標準として使うならM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROという考えだ。
(左)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/640秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算 16mm)
(右)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/1000秒 ISO200 焦点距離25mm(35mm判換算 50mm)
ズーム倍率としては3.1倍と標準的なズーム倍率だが、35mm判換算で16mmから50mmまでズームすると見た目の変化もかなり大きい。本来であれば2本のレンズが必要なシーンを1本でカバーできるのは画期的だ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROはカバーする焦点距離だけではなく、軽量コンパクトなサイズにPROレンズならではの描写性能と防塵・防滴性能、そしてテレ端ではハーフマクロ並みの近接撮影が可能であり隙のないスペックに仕上がっている。また、このレンズは沈胴式となっていて、撮影するときにはズームリングを8mmまで回すと撮影可能となる。移動中や使用していない時は、沈胴させておくとコンパクトに収まる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/1000秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
レンズ交換が不要なので旅行などでは重宝する。旅を楽しみつつ写真も撮る、まさにカメラの理想型ではないだろうか。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/250秒 ISO200 焦点距離18mm(35mm判換算36mm)
ズーム全域で安定した描写を楽しむことができる。1本のレンズで広角〜標準まで調整しながら最終的な画角を決められるので、初めての交換レンズとしてもオススメしたい。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/500秒 ISO200 焦点距離25mm(35mm判換算50mm)
広角で撮影していたシーンだが、途中、標準画角で撮影したくなったので25mmまでズームして撮影。
キレの良い描写と階調表現
PROレンズということもあり、使う前から描写が良いのは分かってはいたが、実際にOM-Dと組み合わせて撮影してみるとキレの良さに驚く。開放F4.0ですでに解像感がピークに達しており、あとは狙った被写界深度に合わせてF値を変えるくらいだろう。画質のために絞るというのはこのレンズの場合は必要なく、中央から周辺まで気持ちの良い写りだ。また、超広角が苦手な逆光のシーンでも目立ったフレアやゴーストがほとんど発生しないため、安心して太陽をフレーミングして撮影することもできる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/60秒 ISO200 焦点距離9mm(35mm判換算18mm)
手持ちハイレゾショットで撮影。絞り開放で撮影しても解像感が高くパンフォーカス撮影も得意だ。5000万画素相当の結果を得られる手持ちハイレゾショットにも十分耐えうる描写力。細かいディティールの風景を撮影すると気持ちがいい。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/20秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
解像感だけではなく階調表現も素晴らしい。ハイライトからシャドウまで丁寧に写し撮ってくれる。35mm判換算16mmは超広角を普段使わない人でも使いやすい焦点距離であり、さらに50mmまでカバーしているので超広角デビューにはちょうど良い一本かもしれない。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/1600秒 ISO200 焦点距離25mm(35mm判換算50mm)
日の出をセンターにフレーミングして撮影。今まではフレアやゴーストに悩まされていたシーンだが、非常にクリアな結果を得ることができた。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/6.3 1/8000秒 ISO200 焦点距離25mm(35mm判換算50mm)
富士山と日の出をアンダー露出で撮影。富士山をシルエットで表現した。
OM-Dシリーズの一部の機種では8000万画素相当の画素数で撮影ができるハイレゾショットも搭載されているので、レンズの性能をさらに引き出すことが可能だ。また、OM-D E-M1 Mark IIIやOM-D E-M1Xであれば5000万画素相当の手持ちハイレゾショット撮影も可能なので積極的に使っていきたい。テレ端の焦点距離が足りない時は、ハイレゾショットで撮影してトリミングで焦点距離を稼ぐのも一つの手だ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 6.0秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/2500秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm換算16mm)
超広角が苦手なシチュエーションである逆光撮影だが、フレアやゴーストも最小限に抑えられている。
私は風景写真を撮ることが多く、風景写真は解像感が重要である。そのため、自分の目で見た景色をどれだけ鮮明に写し撮ってくれるのかに注目する。焦点距離が35mm判換算で16mmスタートであるため、ワイド側ではF値開放ですでにパンフォーカス撮影が可能である。そのため、薄暗い山でのパンフォーカス撮影でもシャッタースピードを稼ぎやすいのはマイクロフォーサーズならではの楽しみだ。またOM-Dの強力な手ぶれ補正もサポートしてくれるおかげで、誰でも気軽にブレを抑えたシャープな結果を得ることができる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/640秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
35mm判換算16mmの焦点距離が生み出すパース効果を活かして空の広がりを強調した。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/800秒 ISO400 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
砂丘での撮影は砂埃がボディ内に入る恐れがあるためレンズ交換を避けたいシチュエーションの一つだ。M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの登場により超広角から標準域をカバーできるため、レンズに迷うことがなくなった。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/640秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
見慣れた街の景色も35mm判換算16mmで撮影することでいつもと違った景色に見える。歪曲もかなり抑えられているので街撮りにも良い。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/1000秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
普段はあまりスナップを撮らないが、M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROを使っていると普段とは違う被写体に目が行くことが多い。超広角なら肉眼で見るよりもひと回り広く写せるのでいつもより一歩近づいてシャッターを切れる。
焦点距離だけじゃない、マクロ撮影もカバー
広角から標準域をカバーしつつさらにマクロ撮影までカバーが可能なM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROのおかげで、レンズ交換をすることなく様々なフィールドに対応することができ、シャッターチャンスにも強くなった。特に山や森を散策していると、広い景色から足元の植物など様々な被写体にレンズを向けることが多い。そのため、花を撮影している途中で昆虫を撮りたくなった場合でも、そのまま撮影を続けることが可能となり、撮り手のモチベーションが上がる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/5000秒 ISO400 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
ズーム全域で近接撮影ができるため広角マクロレンズとしても楽しむことができる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/8000秒 ISO800 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
最短距離での撮影はAFではなく、MFでピントを最短に固定してカメラを前後させてピントを合わせる。素早く動く被写体の場合、AFでは間に合わないことが多いのでピント固定でカメラを動かして撮影してみよう。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/640秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
35mm判換算で16mmの焦点距離なら背景を活かしたマクロ撮影が可能だ。超広角のF4.0でも最短撮影距離だと背景はかなりボケる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/400秒 ISO200 焦点距離25mm(35mm判換算50mm)
テレ端25mmでは35mm判換算の撮影倍率0.42倍相当と、ほぼハーフマクロと変わらない撮影が可能だ。背景をボカして被写体を引き立てて撮影したい場合は25mmにズームして撮影しよう。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/640秒 ISO800 焦点距離25mm(35mm判換算50mm)
絞り開放で撮影すると被写体の前後の綺麗な玉ボケを楽しむことができる。
テレ端で35mm判換算最大撮影倍率0.42倍とハーフマクロレベルの倍率を実現しており、花や昆虫のクローズアップにも対応できる。ワイド端でも近接撮影を楽しむことができるため、パース効果を取り入れるなどロケーションを活用したマクロ撮影も可能だ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/40秒 ISO200 焦点距離25mm(35mm判換算50mm)
旅行に出かけたら景色だけでなく、旅先で食べる食事も撮影しておきたいところだ。25mmの焦点距離はテーブルの上の料理や小物を撮影するのにちょうどいい焦点距離だ。レンズ交換不要で景色からテーブルの上まで撮影できるのは実に楽しい。
旅行にもオススメの一本で景色からテーブルの上の料理までレンズ交換なしで対応できる。レンズ交換が減るということは、機材も減らせて旅の邪魔にもならないということだ。また、レンズ交換時にレンズを落としてしまった、センサーにゴミが入ってしまった、というリスク回避にもつながる。特に旅行などではコンパクトなOM-D E-M5 Mark IIIと組み合わせると、より気軽に持ち出すことができるのでオススメの組み合わせだ。
超広角ズーム×フィルターワーク
72mmのフィルターが装着できるおかげで様々なフィルターを装着することが可能だ。風景写真でよく使うハーフNDも一般的なホルダーを使うことができるため、他のレンズとも共用しやすい。
これまでPROレンズにはM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROが超広角ズームレンズとしてラインナップされていたが、前玉が出っ張っているためフィルターを装着するにはそのレンズ専用のフィルターシステムを使う必要性があった。そのため、他のレンズと共用が難しかったり、コスト的にも少し躊躇してしまったりすることもあり、フィルターワークを気軽に楽しむことが難しかった。
今回新たに登場したM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは72mmのフィルターが装着できるため、特殊なアダプターがなくても市販の円形フィルターや角形フィルターを装着できる。72mmのフィルター径は出番の多いM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROと同じ大きさで、フィルターの共用がしやすいのは嬉しいポイントだ。NDフィルターやPLフィルターを装着できるので、超広角の画角で日中のスローシャッターも簡単に行える。風景写真ではフィルターを使う機会が多く、このレンズによって表現の幅がこれまで以上に広がった。
(左)NDフィルターなし
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/400秒 ISO100 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
(右)NDフィルターあり
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 0.5秒 ISO100 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
超広角の焦点距離をカバーしているにもかかわらずNDフィルターを装着できるため、日中でも簡単にスローシャッターを切ることができる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1.0秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
水はシャッタースピードで表情が大きく変化する。NDフィルターが使えることで表現の幅がグンと広がった。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 20秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm)
ハーフNDを使用して砂丘のオアシスがドラマチックな一枚に。輝度差が大きいシーンはRAW現像やレタッチだけでは対応することができないことも多いので、できるだけ現場で完成させておきたい。
まとめ
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは小型ボディのOM-D E-M5 Mark IIIともバランスが良い。小型軽量の機材は撮影が楽になるだけではなく機動力も大きく上がる。マイクロフォーサーズシステムは気軽に本格的な撮影を楽しむにはピッタリなシステムだ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROはこれまでにないスペックのPROレンズだ。間違いなく今後のニュースタンダードレンズになっていくだろう。今まではM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROの2本をメインで使用していた。12mmの焦点距離を境にレンズ交換をする必要があったが、オリンパスのマイクロフォーサーズシステムはM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの登場により、益々シャッターチャンスに強いシステムに進化した。
絞り開放から卓越した描写性能に、超広角から標準域をカバーする焦点距離、防塵・防滴性能、マクロ撮影にフィルターワークも楽しめる全部入りのズームレンズ…。これだけのスペックをレンズ交換なしで楽しめるのはマイクロフォーサーズ規格ならではであろう。OMデジタルソリューションズが作り上げていく今後のニュースタンダードに期待したい。
■写真家:木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
この記事で使用した機材
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M1 Mark III
商品詳細ペー
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんがオリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROのレビューを行っています。風景の作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス,Olympus,レンズ,風景,M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO,レビュー
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: キヤノン RF800mm F11 IS STM × 鉄道|村上悠太
BASENAME: 482243068.html
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CATEGORY: 村上悠太
DATE: 07/04/2021 11:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,鉄道,RF800mm F11 IS STM,単焦点
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BODY:
はじめに
ラインナップがどんどん充実中のキヤノンRFレンズ。その中でもEFレンズにはなかった、ちょっと「特殊」で、かなり「気になる」レンズがラインナップされています。それは、RF800mm F11 IS STMというレンズ。同じようなスペックを持つ、RF600mm F11 IS STMと共に、他のRFレンズに比べて外観も少し異なり、かなり焦点距離が長く、そして開放F値がF11と暗めのレンズとなっています。
今回はそんなRF800mm F11 IS STMを使って撮り下ろしたカットをご覧いただきつつ、このレンズをご紹介していきたいと思います。
どんなところがちょっと「特殊」?
その1:かなりの超望遠 でも軽量、コンパクトでリーズナブル!
まず目を引くのはその焦点距離。600mmまたは800mmと通常の撮影ではなかなか使用しないほどの超望遠レンズです。超望遠レンズというと、「RF400mm F2.8 L IS USM」と「RF600mm F4 L IS USM」が最近リリースされました。
しかし、どちらのレンズも本格的なスポーツ撮影などに使用されるレンズで、かなり高性能なものの、とっても大きくて重く、そしてお値段もなかなかのもの。一方、RF600mm F11 IS STM とRF800mm F11 IS STMはそれぞれ約900g、約1260gと、以前僕がご紹介したRF70-200mm F2.8 L IS USM とほぼ同等の重さ。各部に樹脂部材を使用することで軽量化とコストダウンが図られています。
さらに構造上、全長が長くなる超望遠レンズにおいて、伸縮収納が可能な沈胴設計を採用することで携行性も良好。そして、なにより嬉しいのがその価格!一般的に高額になる超望遠レンズとは、文字通り「桁違い」のリーズナブルさです。
RF800mm F11 IS STMの収納時と使用時の状態
撮影状態でロックをかけないと ちゃんとカメラが教えてくれる
その2:絞りはF11固定
RF600mm F11 IS STM とRF800mm F11 IS STMは開放絞り値がF11のレンズです。しかし、最小絞りもF11です。どういうことかというと実はこのレンズ、絞りがF11固定なのです。これも軽量化とコストダウンへの一工夫。露出調整はシャッター速度とISO感度、もしくはNDフィルターで行います。
その3:コントロールリングとIS搭載、エクステンダーにも対応!
RFレンズの大きな特徴である様々な機能を割り当てられるコントロールリングは、ピントリング併用タイプではなく独立して搭載されています。手ブレ補正機能は約4段分(RF800mm F11 IS STM)と、ブレが気になる超望遠撮影をサポートしてくれます。加えて、焦点距離をより延長できるEXTENDER RF1.4x、EXTENDER RF2xにも対応。最大で1600mmF22という構成にすることも可能です。
エクステンダーをつけて、さらにクロップ撮影すればさらにさらに焦点距離を伸ばすことも!
AFももちろんOK!サーボAFも使える
開放F値が暗いレンズというと気になるのがAF。一眼レフタイプのカメラだと開放F値が暗くなると、AFそのものが使用できない機種もありますが、ミラーレスのEOS Rシリーズでは全機種(2021年6月現在)で開放F値F22までAFが使用可能。サーボAFだって使えます!なお、カメラの測距可能エリアは撮像面の横:約40%×縦:約60%の範囲になります。
RF800mm F11 IS STM×EOS R6実写レポート
このレンズの性格上高感度撮影が多くなることから、今回は特に高感度特性の高いEOS R6を組み合わせて撮影してみました。さて、このレンズの実力はいかに!?
■使用機材:Canon EOS R6 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:マニュアル露出 1/2500秒 F11 ISO3200 WB 太陽光
中央本線を走るE353系「あずさ」の特徴的なフェイスデザインを800mmで強調してみました。超望遠800mmは車両全体を写すのではなく、その車両の見せたい部分をクローズアップして迫力のあるカットを撮影することができます。中央本線は山岳路線ということもあり、列車は右に左にカーブを繰り返しながら山道を駆け抜けていきます。
超望遠レンズの強い圧縮効果を利用して、S字カーブを通過しているシーンをぎゅっと圧縮。車体をくねらせながら走行する躍動感を表現してみました。
こうした車両のアップ写真で難しいのがピントを合わせる位置。そこで今回はサーボAF+ラージゾーンAF(縦)を使用してピントを追従して撮影しています。RF800mm F11 IS STM使用時は測距エリアが撮像面の横:約40%×縦:約60%の範囲に限定されますが、精度の高い追従が可能でした。
先程の写真をロゴ部分で等倍にしてみました。実を言うと、このレンズについては価格帯のこともあり、もう少し「描写的には甘いかな」と思っていました。ところが拡大再生してみたところ、思わず「シャープじゃん!」と言葉がこぼれました。極めてコストパフォーマンスの高い超望遠レンズだと実感しました。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:マニュアル露出 1/2500秒 F11 ISO3200 WB 太陽光
防音壁などがあり、なかなか接近して撮影することができない新幹線は、必然的に望遠レンズでの撮影が多くなります。上の写真のように撮影しようとすると、いよいよ600mm〜クラスのレンズが必要になってきます。このレンズはこうした新幹線撮影を価格面・機動面の双方から一気に身近にしてくれる頼もしい存在です。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF800mm F11 IS STM + EXTENDER RF1.4x
■撮影環境:マニュアル露出 1/3200秒 F16 ISO2000 WB 太陽光
RF800mm F11 IS STMにEXTENDER RF1.4xを装着して1120mmに焦点距離を延長して撮影し、N700Sだということを主張するヘッドライトの存在感に注目してみました。開放F値はF16となり、かなり暗くなる機材構成ですが、高感度ISOでも高画質なEOS R6をはじめEOS Rシリーズのカメラであれば、高感度設定よる画質の低下より、このレンズの持つ魅力の方が勝ると感じています。
このカットもサーボAFで撮影していますが、F16ながらしっかりとピントを合わせてくれています。撮影後、RAW現像ソフト「Digital Photo Professional 4」でコントラストを強め、シャドーのトーンを落としてN700Sのスマートさを強調しました。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:マニュアル露出 1/800秒 F11 ISO3200 WB 太陽光
超望遠レンズによる撮影は通常では撮影できない世界観を表現することが可能で、肉眼での視認を超えた世界観が大きな魅力の一つです。中央本線の特急「あずさ」を、トンネル越しに撮影しています。こうした狙いは、トンネルの出口からトンネルの先を撮影するため、超望遠レンズが必須の撮影条件です。
今回は画面手前にカーブする線路を入れ込んで、「あずさ」の旅路がまだまだ続くようなニュアンスを入れてみました。開放F11は確かに暗めのスペックですが、この撮影では手前の線路がボケすぎると何が写っているのかがわからなくなるので、明るいレンズを使用して撮影していたとしてもF11かそれ以上に絞り込んで被写界深度を稼ぎ、手前に写っているものが「レール」であるということを明確にする必要がありました。そんなことを考えると、このケースではF11というスペックが全く気にならないシチュエーションでした。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:マニュアル露出SS 1/2500 F11 ISO3200 WB くもり
800mmでありながら、約1260gという世界最軽量※のこのレンズ。そこで800mmで街中を走る列車をスナップしてみました。普段なら800mmでスナップ、なんてことはなかなか思いつきませんが、EOS R6+RF800mm F11 IS STMの軽量超望遠コンビではこうした新しい発想が思いつくのも楽しいところ。
琵琶湖畔を走る京阪石山坂本線と街を行き交う自動車や電線、信号機などを入れ込んで撮影してみました。少々雑多な雰囲気ですがこれもまたこの路線の魅力の一つ。こうしたシーンも望遠レンズの圧縮効果が活かせます。
※レンズ交換式カメラ(一眼レフカメラ・ミラーレスカメラ)用の焦点距離800mmを含むオートフォーカス対応の交換レンズとして。2020年7月8日時点。キヤノン調べ。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:マニュアル露出 1/1000秒 F11 ISO2000 WB くもり
この写真は、まさに超望遠レンズだからこそ発見できた光景でした。石山坂本線は急勾配を走る区間も多く、その光景をRF800mm F11 IS STMで圧縮して撮ることで、まるでジェットコースターの下り坂のような光景を撮ることができました。
こうした圧縮効果は焦点距離特有の性質なので、画面の一部をトリミングして焦点距離を擬似的に伸ばすクロップ機能にはない長所の一つです。加えて、巨大な超望遠レンズではとても撮影、発見できなかったシーンかなと感じています。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:マニュアル露出 1/800秒 F11 ISO2000 WB くもり
こちらも超望遠レンズが見せてくれた光景でした。圧縮効果による、線路の勾配の変化や踏切を渡る人、奥には上下の列車がすれ違い、さらには2つ先の駅まで見ることができます。
僕はアングルを探す時、少しでも「撮れそうかな」と感じたらすぐにカメラを構えるようにしています。そうしたことから、機材の携行性にはかなりこだわりがあるのですが、このレンズについては「800mmでスナップ」が無理なく、現実的にできてしまう。そんな新しい可能性を強く感じました。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:マニュアル露出 1/125秒 F11 ISO8000 WB 太陽光
最後の1枚は新御堂筋に囲まれて走る北大阪急行の夜景です。こうしたシーンでは明るいレンズの方が有利なシーンですが、開放F値がF11のこのレンズでも、高感度を駆使することで撮影は十分に可能です。
DOレンズを採用している関係で、強い点光源を入れ込むと若干円形状のフレアが発生することがありますが、従来ではこのような夜景を撮影すると顕著に目立っていたDOレンズ特有のそんな事象も、技術の進化で大幅に改善されました。
使ってみて
様々なシチュエーションで撮影した8枚のカットをご覧いただきました。朝から夜まで使用してみての実感としては、想像以上に「しっかりとした解像力」を持ち、十分に「超望遠ならではの世界を楽しむことができる」一本だと思っています。
特に鉄道写真は望遠レンズを多用するので相性が良い一本です。絞り値が固定ですが、その点については特に意識することはありませんでした。コントロールリングも付いているため、操作性も問題ありません。ただ、超望遠なのでこれからの暑いシーズンなどは陽炎の影響をどうしても強く受けるので、シーンによっては撮影が厳しくなることもあるでしょう。
RFレンズの中でもちょっと特殊なこのレンズ。超望遠ワールドの入口としてはおすすめしたい一本です。
■写真家:村上悠太
1987年東京都生まれ。鉄道発祥の地新橋でJR発足年に生まれた。日本大学芸術学部写真学科卒業。「ひとと鉄道、そして生活」をテーマに制作活動を行う。鉄道旅を通して日台観光促進、相互交流にも携わり、2019年台湾観光貢献賞(台湾政府 観光局)を受賞。高校時代には、毎夏北海道東川町で開催されている「写真甲子園」に出場し、2019年開催大会では出場者で初めて審査委員を務める。
・キヤノンEOS学園東京校 講師
・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師
・日本鉄道写真作家協会 理事
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の村上悠太さんがキヤノン RF800mm F11 IS STMをレビューしています。鉄道写真を撮影する際の製品特長を作例と共に紹介していますので是非ご覧ください
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KEYWORDS:
キヤノン(Canon),レンズ,鉄道,レビュー,RF800mm F11 IS STM
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ニコン Z 6IIと高倍率ズームレンズでムービー撮影を楽しもう!|三井公一
BASENAME: 482278439.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 07/05/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,ニコン(Nikon) レンズ,スナップ,Z 6II,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
ニコンのフルサイズミラーレス一眼カメラ「Z 6II」は、大口径ショートフランジバックの「ニコンZマウント」を採用して極めて高い画質を誇り、ニコンらしい使いやすさと信頼性とで人気を博しています。前モデルの「Z 6」から動画撮影にも定評がありましたが、「Z 6II」はその描写にさらに磨きをかけて、より映像も楽しめるようになっています。また高倍率ズームレンズの「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」も、旅やお出かけにピッタリの高性能ズームレンズで注目されています。今回はそれらを使ってのムービー撮影の魅力について探っていきましょう。
「Z 6II」は静止画も動画も美しく撮影できる!
「Z 6II」は基本性能が高く、操作性もバツグンで、質実剛健で使っていてとても楽しいフルサイズミラーレス一眼カメラです。ふだんはスチル撮影を楽しんでいますが、瞬時にムービーモードに切り替え可能なので、スナップがてら渋谷でこのようなムービーを撮影して、BGMをつけて編集し、ショートムービーに仕上げてみました。
VIDEO
どのように撮影したかというと、「Z 6II」に「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」を装着し、4K/30Pと4K/60Pの両方を切り替えながら、手持ちにて渋谷駅周辺をブラブラしながらシューティングしたのです。高倍率ズーム使用はフットワークが軽く、さまざまなアングルを足で稼いで探すのにもってこいでした。また画角も自在に調整できるので撮影場所に制限がある場合に重宝しました。カラーは重厚感が気に入っている「Creative Picture Control」の「グラファイト」をチョイス。ちょっとダークなイメージにしてみました。「Z 6II」はこのような雰囲気のものが誰でも撮れるのがスゴいですね。
さて「Z 6II」の性能をカンタンに確認してみましょう。「Z 6II」は使いやすい画素数で高感度にも強く、画像処理エンジン「EXPEED 6」を2つ搭載し、処理速度をより高速化しています。またオートフォーカスを「ハイブリッドAF」として精度と速度を高め、「瞳AF/動物AF」に対応してポートレート撮影から、ネコやイヌまでしっかりと捉えることが可能です。もちろんボディー内センサーシフト方式VR(手ブレ補正機能)を備えているので、低照度や望遠レンズ撮影時でも鮮明なイメージを撮影できます。視認性が高いEVF(電子式ビューファインダー)も評価が高いです。
ムービー撮影機能では、
・フルフレーム・全画素読み出しの高画質4K UHD/30p動画
・スローモーションの自由度が高まるフルHD/120pのハイフレームレート撮影
・カメラ内で手軽に楽しめるスローモーション動画
・瞳AF/動物AF
・12bit RAW動画出力
・10bit N-Log
・10bit HDR(HLG)動画出力
と幅広く、外部レコーダーを使用してのプロフェッショナルな運用も可能なところに要注目です。
今回使用するレンズについてもおさらいしましょう。
・「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」のスペック
レンズ構成:15群19枚(EDレンズ2枚、ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ2枚、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
画角:84°-12° 20′(撮像範囲FX)61°-8°(撮像範囲DX)
ズーミング:ズームリングによる回転式
ピント合わせ:IF(インターナルフォーカス)方式
手ブレ補正:ボイスコイルモーター(VCM)によるレンズシフト方式
手ブレ補正効果:5.0段 ※CIPA規格準拠
三脚使用時ブレ補正:有り
最短撮影距離:0.5m(焦点距離24mm)、0.7m(焦点距離200mm)
最大撮影倍率:0.28倍
絞り羽根枚数:7枚(円形絞り)
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ):67mm
寸法:約76.5mm(最大径)×114mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
質量:約570g
と軽量コンパクトで高いズーム比を持ち、オールマイティーに使える高画質な一本となっています。
「Z 6II」と「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」がオススメな理由
さて、「Z 6II」と「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」の組み合わせは、なぜ旅などの動画撮影に向いているのでしょうか。それはこのような4つのポイントがあるからです。
・高いズーム比による被写体カバー範囲
・FX(フルサイズ)DX(APS-C)との撮像範囲変更による表現領域の広さ
・レンズ交換を減らすことによるダスト問題をクリア
・スムーズなズーミングによる画角変更
高いズーム比による被写体カバー範囲
こちらに関しては説明する必要もないでしょう。大口径、ショートフランジバックの「Z」マウントで一番の高倍率を誇るので、ワイド域の広々としたカットからテレ域の望遠効果を活かしたシーンを撮影できるからです。風景からスポーツなど被写体を選びません。フットワークも活かせ、さまざまな撮影場所を探しながら撮影するのにピッタリ。
FX(フルサイズ)DX(APS-C)との撮像範囲(画角)変更による表現領域の広さ
「Z 6II」はフルサイズでの撮像範囲とAPS-Cでの撮像範囲をカンタンに切り替えることが可能です。DX(APS-C)を選択することによっておよそ1.5倍長い画角で撮影ができるので、より遠くの被写体を大きく捉えることができるのです(選択する動画フォーマット、フレームレートによってはDXのみの場合もあります)。
レンズ交換を減らすことによるダスト問題をクリア
「Z」マウントレンズは光学的に優れているので、さまざまな交換レンズを使って撮影をしたいところですが、レンズ交換にはダストの混入というリスクも存在します。センサーにダストが付着すると絵に影響が出てしまいます。編集時の後処理で消すのはなかなかやっかいな作業なんですよね。もちろんダストリダクション機能もありますが、高倍率ズームレンズを使用することで、レンズ交換を減らしてクリーンなムービーを撮影できるのです。旅やお出かけ時には携行機材を減らせるというメリットもありますね。
スムーズなズーミングによる画角変更
「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」はスリムで軽量コンパクトなルックスなのですが、操作性がなかなか良好です。スムーズなズームリングは、ズーミングしながらのムービー撮影が楽チンです。EVFをのぞきながらの撮影が実にしっくりきます。
というわけで「Z 6II」と「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」はとてもいいカップリングだと言えるのです。スチルもムービーも高画質かつ楽々と撮影できるこの組み合わせは、はじめてフルサイズミラーレス一眼カメラをお使いになる方にもオススメですね。
おすすめ機能
個人的に気に入っている機能をピックアップしてみました。
アクティブD-ライティングが肉眼に近い仕上がりでイイ
「アクティブD-ライティング」機能をムービー撮影時にONにすると、仕上がりが肉眼で見た光景に近く仕上げられます。具体的に言うと、ハイライト部の白飛びを抑え、シャドー部の黒つぶれを低減する効果があるのです。
VIDEO
これは「アクティブD-ライティング」をオフにしたもの。シャドウ部が締まっていますが、肉眼ではもっと細部までディテールが見えています
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「アクティブD-ライティング」をオンにして撮影してみると、ハイライト部もクッキリとし、今まで潰れて見えていなかった室内の様子も確認できます。ゴザのディテールもきちんと見えていますね。このように「アクティブD-ライティング」はコントラストが激しいシーンでも自然に捉えることが可能なのです。
高性能なオートフォーカス、動物AFはまったり寝転ぶネコ撮影でもイイ!
「Z 6II」はオートフォーカスも進化しています。ポートレート撮影での「瞳AF」はモデルの眼をしっかりと捉え続けてくれて重宝しますが、ネコ好きの自分としては「動物AF」が頼りになってよく使っています。
VIDEO
リラックスしているクロネコとハチワレネコを撮影したものですが、しっかりとネコの瞳にピントがきています。カメラを動かしてもちゃんとピントが追従して、後ろのネコにもフォーカシングしてくれています。これは便利ですね。手前に生えている草にも惑わされず、確実にネコの瞳を捉えてくれています。フォーカス速度は設定で好みのスピードに調整が可能になっています。
音声付きのスローモーションムービーも撮影できる
「Z 6II」はカメラまかせでカンタンにスローモーション撮影ができますが、音声の記録ができません。そこで「フルHD/120pのハイフレームレート撮影」の出番です。こちらならキチンと音声も収録ができ、素材として活用することができるのです。
VIDEO
水田に稲が植えられ水が引かれていました。その用水を「フルHD/120pのハイフレームレート撮影」してみました。水と泡の様子がはっきりと見えますね。動きの比較ができるように、ムービーの途中からスローになっています。音声も同時にゆっくりとした再生になっていることがお分かりいただけるでしょう。
お手軽に撮影できるタイムラプス
タイムラプス、いわゆる微速度撮影も「Z 6II」ならカンタンです。設定画面で希望の時間設定をするだけで撮影可能です。このムービーは高台から道路上を走行するクルマの様子を撮影しました。コミカルな動きがイイ感じですね。三脚に据えるだけでカンタンに撮影できますよ。
VIDEO
ユニークな表現ができる「Creative Picture Control」
自分なりの色調にムービーを仕上げたい人には「Creative Picture Control」がオススメです。RAWで撮影してグレーディングするのもいいですが、周辺機器等なかなか敷居が高いので、このモードから好みのカラーを探して調整、適用するといいでしょう。このムービーは「グラファイト」をチョイスして、自分が歩いているシーンを三脚に「Z 6II」を取り付けて撮影したものです。硬調で渋い色合いが気に入っています。オートフォーカスは「オートエリアAF」にしましたが、しっかりと追従してフォーカスし続けているのがわかるでしょう。
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こちらは田んぼにいたカモを撮ってみました。「ドリーム」を適用して淡い印象を狙いました。「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」は遠くの被写体でも正確にフォーカスし続けてくれました。頼もしいレンズですね。
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さいごに
このように「Z 6II」と「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」の組み合わせは、ムービー撮影をフットワークよく、手軽に撮影できるのです。「Z 6II」の基本性能の高さと、「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」の高いズーム比と描写力は、スチルだけでなくムービーで大いに威力を発揮するのです。ちょっとした旅行やお出かけ時の撮影がグンと楽しくなること間違いなしです。ぜひキタムラ店頭で実機を手に取って体感してみてください。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがニコン Z 6IIにNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRを装着したムービー撮影の楽しみ方を紹介しています。動画作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,ボディー,ニコン,Nikon,レンズ,レビュー,スナップ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 高桑正義
DATE: 07/06/2021 09:50:03
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BODY:
テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: ニコン NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S レビュー|素早いAFとキレの良い高い解像力に脱帽!
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 07/06/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
ニコンのZマウントユーザーが首を長くして待ち望んでいた、S-Lineのマイクロレンズ「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」が発売されました。S-Lineの冠に相応しい高い解像感と描写性能に加え、STMを採用した素早いAF性能、手ブレ補正効果の高いVR機構を搭載した、開放F値2.8の中望遠マイクロレンズのレビューを、ポートレートのスチールとムービーでお送りします。
隅々までしっかりとした鮮明で美しい描写
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:絞り開放(有効F値3) 1/320秒 ISO1250 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:大川成美
S-Lineらしい解像感、描写性能は、シャッターを切ってすぐに実感できました。画面の隅々までクリアーでしっかりとした美しい描写で、ボケ味は色にじみのないストレートなグラデーションを描いています。特にボケの部分に雑味を感じる描写だと、主役以外の存在を薄くしたいポートレート撮影ではうるさい画になってしまいがちなのですが、本レンズは見て欲しいポイントに、見る人の目をすっと誘導してくれる画に仕上げてくれます。
この高い光学性能を実現できたのは、Zマウントの口径の大きさとフランジバックの短さなのでしょう。後玉に大口径非球面レンズを配置することで、像面湾曲を効果的に補正することができ、前身ともいえるFマウントの「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED」では1枚だったEDレンズは、本レンズでは3枚採用できており、その効果的な配置もあり軸上色収差の補正に成功しています。
ポートレート・ショート・ムービー
VIDEO
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:大川成美
三脚・手持ち両方で撮影
今回のムービーは、三脚と手持ちの両方で撮影しています。しっかりと写し止めたいところは三脚を使用し、手持ちのシーンでは、一緒に踊っているようなイメージでわざと揺らして撮影しています。
残念なレンズですと、このムービーのように大きく揺らすとズレたようなブレが発生して、映像として気持ちの悪いムービーになってしまうことがあるのですが、本レンズは映像のクリアーさを保っているので、すっきりとした映像になってくれました。
また、フォーカスはAFとMFの両方を使用していますが、ムービーの前半、モデルが踊りながらマネキンの周りをまわる上半身のシーンは、AFを使用しています。顔が見えているときは顔に、後ろ姿のときはその頭に、カメラが自動的にピントを合わせ替えていました。
素早く快適なオートフォーカス!
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:絞り開放(有効F値2.8) 1/320秒 ISO1250 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:大川成美
AF性能は、とにかく素早くて快適の一言です!顔のアップ、全身と構図を変えてレンズの移動量が大きくなるようなシーンでも、新開発のSTM(ステッピングモーター)のお陰なのでしょうか、素早く静かに被写体にピントを合わせてくれます。
作例のシーンでは、モデルの右目と左目と交互にピントを合わせてみて、セオリーではカメラに近い方の左目にピントを合わせるべきなのですが、このシーンでは光が当たっていて、マツゲのカールがきれいに見える角度になっている右目にピントを合わせたいと思い、右目ピントで撮影しました。ですので、撮影時は液晶画面をタッチして、右目、左目とピントを合わせ替えていたのですが、まったくストレスを感じることなく、素早いAFに助けられて快適な撮影ができました。
「有効F値」について
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:絞り開放(有効F値3) 1/320秒 ISO1250 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:大川成美
「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」の記事 内でも解説しましたが、ニコンのマイクロレンズは撮影時のカメラの液晶やEXIFデータに有効F値を表示する、日本で唯一のメーカーです。どのメーカーもマクロレンズの構造は同じなのですが、ニコンだけ「マイクロレンズ」と称するのと同じように、F値表示も他メーカーと違います。
この有効F値は、レンズが被写体に近付けば近付くほど、その値は大きく表示されます。つまり、絞り開放で撮影していても、被写体に近付くことによってEXIF上ではF3のように表示されるのです。
これは、マイクロレンズは近接撮影時にはレンズがその鏡筒の中で伸びるため、無限遠のときよりも、撮像素子面に写る像に届く光の量が減少することになります。レンズ面で受ける光の量は同じですが、被写体に近付けば近付くほど、レンズは撮像素子面の像から離れるため、受けた光は拡散されて全体の明るさが暗くなるという現象が起きます。この光の減少を数値として表したのが、「有効F値」という訳です。
今回の撮影もすべて絞り開放で行いましたが、EXIF上には有効F値が表示されるため、撮影データには絞り開放であることと、実際の明るさを表す有効F値の両方を記載しました。
徹底的に排除されたゴーストとフレア
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:絞り開放(有効F値2.8) 1/320秒 ISO2000 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:大川成美
本レンズには「ナノクリスタルコート」と「アルネオコート」の、2種類の反射防止コーティングが採用されています。これにより、斜めからの光にも、垂直に入り込む光にも強いレンズ面となり、ゴーストとフレアを徹底的に抑えてくれます。逆光で撮影することの多いポートレート撮影には必須の最新コーティングです。
補正効果4.5段の高い手ブレ補正機構内蔵
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:絞り開放(有効F値3) 1/320秒 ISO2000 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:大川成美
中望遠の明るい単焦点レンズとしてはもちろん、マイクロレンズなので0.29mまで被写体にぐっと近付くことができます。ポートレートではそこまで極端に被写体に近付くことはありませんが、マツゲや唇、ネイルなどにぐっと寄ったカットを撮影するのも面白いでしょう。
通常、そのような近接撮影時には三脚を試用することが多いのですが、手ブレ補正効果4.5段の光学式VR機構はとても優秀で、薄暗い中でのアップのシーンでも、手持ちで手ブレを気にせず撮影できました。105mmの焦点距離で手持ちで撮影できるのは、なんとも贅沢な気持ちになれますね。
スペック上よりも軽く感じた!
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:絞り開放(有効F値3) 1/320秒 ISO1250 WB:5000K
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:大川成美
本レンズは最大径約85mm、長さは140mmと数字で見るとそこそこの大きさなのですが、重さが約630gとこのサイズにしては軽量なため、撮影時に機動力が落ちることはありませんでした。「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED」は約750gでしたが、当時はD850で使用していたので、Nikon Z 6IIで使用した本レンズが軽く感じるのは、合わせるカメラボディの軽さもあるのでしょうね。
ストレートなデザインはカメラボディに馴染みやすく、鏡筒に施されたシーリングは、撮影時の操作はもちろんグリップの良さにも繋がっています。防塵・防滴性能と、レンズ面に汚れが付着しにくくなるフッ素コートを採用した防汚性能は、ポートレート以外でも被写体にぐっと近付けるマイクロレンズには、とてもありがたい性能です。
今回は主にポートレート使用の中望遠レンズという観点からレビューしましたが、実は水族館での撮影もしていて、その性能をじっくりと堪能できました。すっきりとキレのあるクリアーな画は、さすがのS-Lineレンズの描写です。同時発売の「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」と本レンズ、どちらも欲しくなってしまうのは困ったものです。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんによる、ニコン「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」レビュー記事です。解像感に優れた中望遠マイクロレンズの性能を、ポートレート撮影で試しています。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S,レビュー,ポートレート
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AUTHOR:
TITLE: ケンコー ZXII プロテクター|超高解像を実現したレンズ保護フィルター
BASENAME: 482281345.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 07/07/2021 16:00:00
TAGS: ZXII プロテクター,ケンコー・トキナー(KenkoTokina) アクセサリー,レンズフィルター
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BODY:
進化し続けるデジタルカメラと交換レンズ
新モデルが登場するたびに進化するデジタルカメラ。高画素・高画質化が図られ、撮影体験もグンと向上し続けています。それに呼応するように交換レンズも劇的に進化してきました。大口径化と特殊硝材の採用など、フォトグラファーが求める画質を、よりシャープに、よりクリアに実現してくれる、精密で高度な光学技術と設計が採用されています。
そんな交換レンズですが、高性能化すると同時に高価格化しているのも事実です。ようやく手に入れた憧れの一本は大切に使っていきたいものでしょう。撮影や携行時に一番気をつけたいのが「前玉」と呼ばれるレンズ最前面の部分です。なぜならこの前玉は一般的に一番大きなレンズが使われ、もし傷などがつくと画質に大きな影響を与えると同時に、修理するのにも高いコストが必要となるからです。高額な超望遠レンズなどはなおさらです(保護ガラスが前玉に採用されている場合もあります)。
つい「うっかり触ってしまった」「尖ったものに前玉をぶつけてしまった」などは絶対に避けたいものです。そこで登場するのが前玉を保護する「プロテクトフィルター」です。
交換レンズにプロテクトフィルターは必須
前玉にねじこんで装着するプロテクトフィルターは、交換レンズの性能に見合った高品質なものを使用するのがオススメです。それはなぜでしょうか。ちょっと考えてみてください。前玉にフィルターを装着する、ということは言わば室内からガラス越しに外の景色を撮影するようなものだからです。
室内から外を眺めると、ガラスの内側に自分が反射して写り込んでしまうことは皆さんも経験があると思います。また、降雨時に窓の外側に雨粒が水滴として付着することもあるでしょう。プロテクトフィルターはこれらの「害」に強く、なおかつ丈夫なものでなくてはなりません。
進化したケンコー ZXII プロテクター
今回試したケンコー・トキナー社の「ZXII プロテクター」は、上記の現象に対して高い効果を示す製品です。このZX(ゼクロス)シリーズの誕生は2016年にさかのぼり、「フローティングフレームシステム」というガラスに負荷を与えない画期的な技術を採用して多くの支持を得ました。そして、それを改良した「進化版フローティングフレームシステム」を取り入れたのがZXII プロテクターなのです。
左:ZXII プロテクター 右:PRO1D plus プロテクター
さてこのシステムはどのようなものなのでしょうか。一般的なフィルターは金属製の円形リングでガラス面を押さえて保持するため、圧力が加わってガラスがごくわずかに歪んでたわんでしまいます。ZXII プロテクターの「進化版フローティングフレームシステム」は特殊弾性緩衝剤を用いることでガラス面に非接触としているため、歪まずに平面性が保たれるのです。文字どおり「フローティング」なワケですね。
また面精度も高くなっています。ニュートンリングの発生を1本以下に抑え(ZXではガラス単体で4本程度)、フィルター枠に入った状態でも高い平面性を維持しています。
フローティングフレームシステムの解説
メンテナンスが楽な撥水・撥油コート
ZXII プロテクターは水や油分を強力に弾く「撥水・撥油コート」が施されています。これによって雨粒や汚れがつきにくく、もし付着してもカンタンに吹き飛ばしたり拭き取ることが可能です。これは撮影の現場でとても心強い性能ですね。
フィルターに霧吹きで水を吹きかけてみました。左が「ZXII プロテクター」、右は「PRO1D plus プロテクター」です。ZXII プロテクターの方は撥水・撥油コートに弾かれて水滴状になっていますが、PRO1D plus プロテクターでは水が滲んでフィルターの面に広がってしまっています。
左:ZXII プロテクター 右:PRO1D plus プロテクター
少し上方から見たカットです。「撥水・撥油コート」の効果がよく分かりますね。このあとブロワーで両方のフィルターを吹いたところ、PRO1D plus プロテクターは水分が広がったまま残ってしまい、クロスで拭き取ってもなかなか乾きませんでした。しかし、ZXII プロテクターの方はブロワーでほとんどの水分が吹き飛び、クロスで軽く拭くだけでフィルター面が乾いた状態となりました。雨天時の撮影でこれは頼りになるな、と感じました。
左:ZXII プロテクター 右:PRO1D plus プロテクター
クリアな描写を実現、新開発ZR01コート
写真の出来映えに影響を与える、フレアやゴーストもZXII プロテクターは抑えてくれます。新開発「ZR01コート」は面反射0.1%という超低反射を実現しており、フィルター装着時のクリアな描写を達成しています。画質的にはフィルターを装着しないのが一番ですが、このような低反射ならレンズの前玉保護のため、過酷な条件での撮影時には積極的にプロテクトフィルターを装着したくなりますね。
逆光シーン
建物の向こうから昇ってくる朝日を、ニコン Z 6IIにNIKKOR Z 50mm f/1.8 Sを装着して撮影しました。レンズが優秀なため、目立ったフレアやゴーストは出ていません。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
上記のセットにZXII プロテクターを装着しました。やや光条がふくらみましたが、オリジナルレンズの描写をキープしていますね。画面中央部そして周辺部の歪みもないようです。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S + ZXII プロテクター
フィルターをZXII プロテクターからPRO1D plus プロテクターにチェンジしてみました。さらに光条が太くはっきりとしてしまいました。また建物のコントラストがやや低下しているように見えます。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S + PRO1D plus プロテクター
夜景シーン
夜の街をニコン Z 6IIにNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRを装着して捉えました。フードを外して撮影したので、画面右側の光を拾って、左側隅にゴーストが出現しています。強力な光源がある場合、本来はフードを装着して撮影することをオススメします。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
ZXII プロテクターをNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRにつけて撮影してみました。画面左に現れたゴーストがやや増えていますが、その他の描写は問題ないように感じられます。歪みも認められません。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR + ZXII プロテクター
今度はNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRにPRO1D plus プロテクターを装着して撮影しました。画面左のゴーストがさらに強く出現しました。また画面上部にまで反射が現れてしまいました。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR + PRO1D plus プロテクター
このようにフィルター装着の有無、そして使用フィルターによってかなり描写が変わってくることがわかりました。もちろん光源や状況によって差が出るものですが、高い品質のフィルターを交換レンズに装着することは、描写をある程度キープしながらレンズ前玉を保護するうえで大切なことになるでしょう。
ZXII プロテクターの豊富なラインナップ
高品質を誇る「ZXII プロテクター」ですが、さまざまな交換レンズに対応するように豊富なラインナップを取りそろえています。37mm径から95mm径までと、実に多くの種類が用意されています。詳しくは公式サイト を参照してください。
メイドインジャパンの高品質フィルター
このように愛着のある交換レンズ保護のために、プロテクトフィルターは必須と言えるでしょう。雨天時、砂浜やホコリが舞う過酷な環境での撮影時などには特に必要だと感じます。このZXII プロテクターを装着すれば安心感が高まるに違いありません。
撮影でフィルターの脱着を何回も繰り返したのですが、ZXII プロテクターはその動作が実にスムーズでした。交換レンズのねじ山にスッと入り、わずかな力でキュッと固定でき、こういうところにも製品の精度が現れていると感じました。さすがメイドインジャパンと思わせる品質です。あなたの愛用レンズにもぜひ装着してみてはいかがでしょうか。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【ニコン】NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによる、ケンコー「ZXII プロテクター」のレビュー記事です。フローティングフレームシステムによって、高解像な写りを実現したレンズ保護フィルターです。
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KEYWORDS:
ケンコー,ZXII プロテクター,フィルター,レビュー
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 【写真展】坂井田富三写真展「Venus dancing in the field」
BASENAME: 482227373.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 07/08/2021 11:00:00
TAGS: 写真展情報,新宿,名古屋
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BODY:
坂井田富三写真展「Venus dancing in the field」
愛知県を本拠地とする女子フィールドホッケーチーム
ソニーHC BRAVIA Ladies(ソニー・ホッケークラブ・ブラビア・レディース)。
フィールドを駆け抜け、激しく戦うアスリートの姿を躍動感豊かにα・FEレンズで切り取り、フィールドホッケーの魅力・迫力を作品に表現しました。
写真展概要
写真展の概要は下記のとおりです。
ソニーストア 名古屋
■期間:2021年7月17日(土)~ 2021年7月30日(金)
11:00~19:00 ※最終日は17時まで
■場所:ソニーストア 名古屋 αプラザ
■住所:〒460-0003 名古屋市中区錦3-24-17 BINO栄3F
新宿 北村写真機店
■期間:2021年8月3日(火)~ 2021年8月9日(月祝)
10:00~20:00
■場所:新宿 北村写真機店 6F Space Lucida
■住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-14
プロフィール
■坂井田富三(さかいだ とみぞう)
1967年 愛知県生まれ 千葉県船橋市在住
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。
撮影ジャンルは、スポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影しながら、カメラ・レンズ、アクセサリーなどの製品レビューなどを執筆。
公益社団法人日本写真家協会会員
日本風景家写真協会会員
一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
一般社団法人 日本写真講師協会 理事
ソニーαアカデミー講師
▼坂井田富三先生のShaSha記事一覧はこちら
https://shasha.kitamura.jp/category/27306748-1.html
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがソニーストア 名古屋および新宿 北村写真機店にて「Venus dancing in the field」を開催します。ぜひ、足をお運びください。
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KEYWORDS:
坂井田富三,写真展情報,新宿,名古屋
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR|旅写真家が選ぶ望遠ズームはどれ?
BASENAME: 482337968.html
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CATEGORY: 三田崇博
DATE: 07/08/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
こんにちは。旅写真家の三田崇博です。今回は富士フイルムの望遠ズームレンズ「XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」をレビューします。前回の記事で「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」との比較を行いましたが、超望遠域が必要な方には必修のレンズです。今回は特に最望遠側の400mm側の使い勝手を中心に、テレコンバーターを使ったさらなる望遠撮影にもチャレンジしてみました。
「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」との比較はこちら
富士フイルム XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR|旅写真家が選ぶ望遠ズームはどれ?
https://shasha.kitamura.jp/article/481546377.html
レンズの特徴
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRは富士フイルムのラインナップの中で最望遠のレンズ。フルサイズ換算で152mm~609mmをカバーしています。1375gと決して軽量とはいえないレンズですが、約5段の手振れ補正や防塵・防滴・-10℃の耐低温構造、フッ素コーティングによる撥水・防汚性能を備えています。100mm-400mmの焦点距離を持つレンズは各社から発売されていますが、実はAPS-C専用に特化したものはこのレンズだけです。
テレコンバーターについて
テレコンバーターとはレンズの焦点距離を更に伸ばすアダプターで、レンズとボディの間に挟むように装着します。現状400mm以上の焦点域を持つレンズは富士フイルムにはありませんので、それを補うためにテレコンバーターが用意されています。現在、富士フイルムのXレンズに装着可能なテレコンバーターは2種類発売されています。
(右)フジノン テレコンバーター XF1.4X TC WR(1.4倍テレコンバーター)
(左)フジノン テレコンバーター XF2X TC WR(2倍テレコンバーター)
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRに「XF1.4X TC WR」を装着したときの焦点距離は1.4倍の140mm-560mm(フルサイズ換算:213mm-853mm相当)、「XF2X TC WR」を装着すると2倍の200mm-800mm(フルサイズ換算:305mm-1,219mm相当)になります。
テレコンバーターは手軽に焦点距離が伸ばせる反面、どうしても若干の画質劣化があるので使用には注意が必要です。また、開放F値が「XF1.4X TC WR」 だと1段(望遠端で開放F8)、「XF2X TC WR」 だと2段(望遠端で開放F11)暗くなります。AFの速度も遅くなるので動体撮影には不向きです。特に「XF2X TC WR」装着時には、X-T4等でも高速な位相差AFが使えずコントラストAFのみとなります。
テレコンバーターの使い勝手
私の住む奈良県生駒市の生駒山の上から大阪城を狙ってみました。直線距離で約13kmです。まずはテレコンバーターなしの400mmで撮影。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F8 SS5秒 ISO160 焦点距離400mm
背後の梅田のビル群の中に堂々と佇む大阪城ですがさすがにここまで離れると400mmでも小さくしか写りません。次に「XF1.4X TC WR」を使って撮影してみました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + XF1.4X TC WR
■撮影環境:F11 SS9秒 ISO160 焦点距離560mm
ビル群の背後と手前の光の少ない部分がカットされ、画面の隅々までビル群が配置され、より都会の中に建っている雰囲気になりました。個人的には一番バランスが良い構図だと思います。今度は「XF2X TC WR」を使って撮影してみました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + XF2X TC WR
■撮影環境:F13 SS12秒 ISO160 焦点距離400mm
こうなると大阪城が主題になり背後のビル群が脇役に変わりました。望遠の圧縮効果がとても生かされた作品になりました。
次にテレコンバーター使用による画質の劣化を見ていきたいと思います。以下の画像は、上の3枚の写真から大阪城の天守付近をそれぞれ300ピクセルで切り出したものです。左からテレコン未使用、「XF1.4X TC WR」使用、「XF2X TC WR」使用の順に並べています。
左からテレコン未使用、「XF1.4X TC WR」使用、「XF2X TC WR」使用
やはり、テレコンバーターを使用することで解像度とコントラストが低下していることが分かります。特に2倍を使用した際はその影響が大きくなるので、個人的には本レンズ使用時は1.4倍を使用することをおすすめします。しかし、手軽にフルサイズ換算で1000mm以上の焦点距離を得られるのはXF2X TC WRの強みです。超望遠の撮影をするならぜひ持っておきたいアイテムですね。
ちなみに富士フイルムXシリーズのレンズでテレコンバーターが使えるレンズは他に「XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro」、「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」、「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」があります。
超望遠で撮るべき被写体
① 動物
私のライフワークとしている世界遺産の撮影では超望遠域を使うことは少ないのですが、自然遺産の中で動物や鳥を撮るときには望遠レンズが活躍します。動物園でもない限りなかなか野生動物に近づいて撮影できることが少なく、警戒心の強い動物や鳥は遠くから撮影せざるを得ません。以前タンザニアや南アフリカの国立公園を旅していたときは200mmまでのレンズしか所有しておらず、もう少し望遠があればと何度も悔しい思いをしました。
今は新型コロナの影響で海外に行けないので、国内で撮影できる野鳥やサルを撮影してみました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F5.6 SS1/500秒 ISO1600 焦点距離400mm
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F5.6 SS1/250秒 ISO800 焦点距離400mm
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F5.6 SS1/300秒 ISO160 焦点距離400mm
② 飛行機
また、海外に行くときに必ず利用する飛行機も超望遠撮影の定番です。コロナ禍になってから一度も乗っていませんが、旅の気分だけでも味わいたいと思い伊丹空港に行ってきました。帰りに千里川土手の有名な撮影スポットに寄ってみると、大砲レンズを構えた方が大勢撮影していました。もちろん、単焦点の超望遠レンズは写りはピカイチですが、価格やサイズも重量級のため飛行機などを専門で撮る人でなければなかなか所有できないと思います。
夜の撮影では感度を上げる必要はありますが、滑走路を移動する飛行機をかなりの迫力で画角に収めることができました。作例は「XF1.4X TC WR」を併用しています。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + XF1.4X TC WR
■撮影環境:F8 SS1/210秒 ISO8000 焦点距離560mm
③ 月
家からでも手軽に撮影できる被写体として「月」があります。満月のときもいいのですが、月の立体感が出るので私は少し欠けた状態のほうが好きです。月を画角全体に入れるのはこのレンズでも焦点距離が足りず難しいのですが、PCでの鑑賞や小さなプリント用途であればトリミングすることにより画面いっぱいに映し出すことも可能です。欠けた部分との境界付近ではクレーターもはっきりと確認することができます。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F8 SS1/250秒 ISO400 焦点距離400mm(1500ピクセルにトリミング)
また、三日月のときに家から見える山に建つ電波塔と一緒に撮ってみました。これも超望遠ならではの作品だと思います。肉眼ではほぼ見えませんが、三日月の暗い部分には地球照という太陽の光が地球に反射して月を照らす現象も写し出されています。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F5.6 SS1/2秒 ISO3200 焦点距離400mm
④ 夕日
太陽も写真ではほぼ月と同じ大きさに写ります。下の写真は、太陽が沈む直前に水平線に歪んで見える「だるま夕日」です。秋から冬にかけておこる現象で、日本のウユニ塩湖と呼ばれている香川県三豊市にある父母ヶ浜で偶然撮影できました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F8 SS1/640秒 ISO160 焦点距離400mm
⑤ ビル群
圧縮効果を強く出したい時にも超望遠撮影は有効です。テレコンバーターの作例と同じ生駒山から大阪のビル群を撮影しました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F8 SS7秒 ISO160 焦点距離400mm
⑥ 動画撮影
超望遠レンズで動画というとあまりピンとこないかも知れませんが、動きのある鳥や動物を大きく撮るのはもちろんですが、雲や水の流れなども画角が狭いほうが見た目の動きが早くなるため望遠レンズで切り取ると迫力が出ます。
自宅から生駒山に流れる霧を撮影してみました。鳥のさえずりも映像にアクセントを加えてくれました。
VIDEO
日本三大名瀑でもある和歌山県の那智の滝。133mの高さから流れ落ちる様子を400mmで切り取るとものすごい迫力でした。
VIDEO
400mmで撮る世界遺産
最後にこのレンズの400mm側で撮影した世界遺産の写真を紹介いたします。
「古都奈良の文化財」は、奈良市内にある東大寺や平城京など8件の構成遺産からなる世界遺産です。そのうちの薬師寺を望む大池から薬師寺の西塔を撮影しました。塔の上の相輪(そうりん)の模様まで確認することができます。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F10 SS1/480秒 ISO200 焦点距離400mm
「紀伊山地の霊場と参詣道」は、3つの霊場と参詣道を登録対象とする世界遺産で、登録範囲は和歌山県・奈良県・三重県にまたがっています。積雪のあったこの日、奈良県吉野の桜景色で有名な展望台から霧でかすむ金峯山寺蔵王堂を狙いました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F8 SS1/640秒 ISO160 焦点距離400mm
富士山も「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されています。富士山から100km以上離れている長野県塩尻市の高ボッチ高原から、朝焼けの富士山を狙いました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F9 SS1/20秒 ISO200 焦点距離400mm
「明治日本の産業革命遺産」は山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・岩手・静岡の8県に点在している世界文化遺産です。明治から昭和にかけて海底炭鉱によって栄え、その形から軍艦島として知られている長崎の端島を野母崎より狙いました。4km以上離れていますが、まるで船上から撮影したかのような作品に仕上がりました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F5.6 SS1/140秒 ISO1250 焦点距離400mm
まとめ
旅写真という視点で考えるともっと軽量のレンズの方がいい場合もありますが、目的が動物や鳥などの撮影であればその重さを許容してでも持っていきたいレンズです。「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」とどちらを選ぶか迷うかもしれませんが、望遠側を重視するのであれば「XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」をおすすめします。
特に今現在200mm前後の望遠レンズを使われている方にとっては、新しい表現のできるレンズになることでしょう。テレコンバーターについては「XF1.4X TC WR」がおすすめですが、まずはレンズ単体で撮影してどうしても必要だと感じたときに導入するのがいいと思います。
■写真家:三田崇博
1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。
日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
この記事に使用した機材 【富士フイルム】XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR
商品詳細ページ 【富士フイルム】X-T4 ボディ
商品詳細ページ
【富士フイルム】テレコンバーター XF1.4X TC WR
商品詳細ページ 【富士フイルム】テレコンバーター XF2X TC WR
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三田崇博による富士フイルム「XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」レビュー記事です。テレコンバーターを活用した超望遠撮影の解説も必見です。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン EOS R5 レビュー|スチールも、ムービーも、ポートレートが俄然楽しくなる一台
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CATEGORY: 大村祐里子
DATE: 07/09/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) ボディー,EOS R5,人物_子供,ポートレート(人物),フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
2020年7月30日に発売となったキヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」。今回は、EOS R5を使ったポートレート撮影で、本機の魅力をご紹介します。撮影日は、天気が良い日ではありませんでしたが、湿度ある空気感もまたいいなと思いながら撮影しました。
EFマウントのレンズを活かせる
撮影機材:Canon EOS R5+TAMRON SP 85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)
撮影環境:F1.8 1/125秒 ISO640 焦点距離85mm
モデル:若原未優 ヘアメイク:齊藤沙織
筆者は、ずっとEOS 5Dシリーズを仕事用のカメラとして使い続けてきました。EOS R5に替えて良かったと思うことのひとつに、「マウントアダプター EF-EOS R」をつければ、EFマウントのレンズをEOS R5に装着できる点があります。
写真家にとって、何よりも大切な「作風」。それは、機材がもたらしてくれる場合も多くあります。筆者にも「自分らしい」と思う写真を撮るために欠かせないレンズが何本かありますが、それらはいずれもEFマウントのレンズです。写真家は、自分らしい表現ができるレンズに合わせて他の環境を整えていくのが通常なので、急に新しいカメラやレンズを導入すると、戸惑ってしまうことがあります。筆者は、最新のボディーであるEOS R5に、自分らしい表現のできるEFマウントのレンズを装着できるところが大変ありがたいと思っています。
そこで今回は、大好きなEFマウントのレンズと、RFマウントのレンズを混ぜて使ってみました。
EOS R5×シグマ 50mm F1.4 DG HSM|Art
撮影機材:Canon EOS R5+Sigma 50mm F1.4 DG HSM | Art
撮影環境:F1.8 1/80秒 ISO640 焦点距離50mm
モデル:若原未優 ヘアメイク:齊藤沙織
ポートレート撮影で頻繁に使うレンズは2本あります。そのうちの1本が、シグマ 50mm F1.4 DG HSM|Artです。画角的に大変使いやすく、寄ってよし、引いてよしの万能レンズです。スチールも動画も、この1本で撮影を完結することがあるくらいです。ピントが合っている面はかなりシャープに写っていますが、光の選び方によってはフワっと柔らかい描写にもなるので気に入っています。
EOS R5×タムロン SP 85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)
撮影機材:Canon EOS R5+TAMRON SP 85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)
撮影環境:F1.8 1/80秒 ISO100 焦点距離85mm
モデル:若原未優 ヘアメイク:齊藤沙織
よく使うレンズのうちもう1本は、タムロン SP 85mm F/1.8 Di VC USD(Model F016)です。「自分らしい」描写という意味では、ナンバーワンのレンズです。歪みが少なく、背景も大きくボケるので、ポートレートでモデルさんをしっかり捉えたいときに使っています。
ボケは甘さを感じさせない程度にやわらかく、いつも写真に優しさを添えてくれているような気がします。筆者が撮影したポートレートはどこかソフトな感じがしますが、それはこのレンズの個性から来ているように思います。いずれのレンズも、EOS R5に装着して使うようになってから、高精度なAFのおかげできっちりとピントを合わせられるようになったので、EOS 5Dに装着していた頃よりも重宝しています。レンズ資産を活かせるEOS R5、本当にありがたいです。
EOS R5×キヤノン RF15-35mm F2.8 L IS USM
撮影機材:Canon EOS R5+RF 15-35mm F2.8L IS USM
撮影環境:F2.8 1/250秒 ISO100 焦点距離22mm
モデル:若原未優 ヘアメイク:齊藤沙織
ポートレート撮影で最近よく使うのは、キヤノン RF15-35mm F2.8 L IS USMです。35mm判換算で焦点距離50mmや85mmの写真だけだと、ちょっと画角が狭いような気がしてしまいます。そんなときにRF15-35mm F2.8 L IS USMを使うと、パースの効いた一枚が撮れるので、組写真にしたときに緩急をつけられます。
また、このレンズはRFマウントゆえEOS R5との相性がとても良く、AFは精度も速度も優れています。フレーム内で人物の顔が非常に小さく写っていたとしても、しっかりと顔にピントが合います。カメラ内レンズ光学補正によって歪曲収差はかなり抑えられるので、広角レンズだとあまり意識せずに使えます。ただ、広角側でぐっと寄りすぎるとさすがに歪みが目立ってしまうので、特にポートレートでは注意が必要です。
シャッタースピードが遅くても安心な手ブレ補正効果
撮影機材:Canon EOS R5+Sigma 50mm F1.4 DG HSM | Art
撮影環境:F1.4 1/60秒 ISO160 焦点距離50mm
モデル:若原未優 ヘアメイク:齊藤沙織
EOS R5にはEOS初の、ボディー内5軸手ブレ補正機構が搭載されています。IS非搭載のレンズと組み合せた場合でも広角側から望遠側まで最適な5軸手ブレ補正が効くので、EFマウントのレンズを使ったときでも手ブレ補正の恩恵を受けることができます。EOS 5DシリーズやEOS Rのときよりも、撮影していて「ピタッ」と止まる感触があるので、シャッタースピードが遅くても安心して撮影できるようになりました。
上の写真のように、暗いトンネルの中でシャッタースピードが低速になっても、安心して撮れます。手ブレ補正機構によって、納得できる写真が撮れる割合も過去と比べて、びっくりするぐらい上がりました。
ポートレートに心強い高速・高精度なAF
撮影機材:Canon EOS R5+RF 15-35mm F2.8L IS USM
撮影環境:F2.8 1/100秒 ISO250 焦点距離35mm
モデル:若原未優 ヘアメイク:齊藤沙織
EOS R5のAF精度は、EOS Rよりも格段に速く、そして高精度になったように思います。特に人物検出の精度は信頼に値するレベルで、フレーム内で人物の顔が小さくなってしまった場合でも、しっかりと検出してくれます。そのため、EOS R5を使うようになってから、ピント合わせはカメラにほぼおまかせ状態です。結果として、より良い画作りに集中できるようになりました。
上の写真のようにレンズと被写体の間に傘があるような場合でも、液晶モニター上で人物をタッチすれば、すぐにピントを合わせられます。ピント合わせに関しては相当ストレスフリーなカメラだと言えます。
また、EVFもかなり見やすく、雨の日の繊細な光もEVF越しにきちんと捉えることができました。
EOS 5Dシリーズの操作系を継承
撮影機材:Canon EOS R5+TAMRON SP 85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)
撮影環境:F1.8 1/100秒 ISO100 焦点距離85mm
モデル:若原未優 ヘアメイク:齊藤沙織
EOS R5は、EOSの上位機種の操作系を継承しているところがありがたいです。筆者は仕事柄、EOS R5とEOS 5D Mark IVを併用して撮影することがあります。そんなときに、どちらの機種でも慣れ親しんだ操作ができるので、カメラが変わっても手間取ることなく、画作りに集中できます。
雨の日もへっちゃらな防塵・防滴構造
撮影機材:Canon EOS R5+RF 15-35mm F2.8L IS USM
撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO640 焦点距離35mm
モデル:若原未優 ヘアメイク:齊藤沙織
EOS R5のボディーには防塵・防滴構造が施されています。動きが制限されてしまうので、筆者は雨の日でも撮影時にあまり傘を差しません。しかし、今回のような雨の日でも、防塵・防滴構造のおかげでカメラが濡れることを気にせずに撮れてありがたいです。ちなみに、過去にEOS R5で何度も豪雨の中撮影をしましたが、不具合を起こしたことは一度もありません。
ロー・ハイアングルが楽になるバリアングルモニター
撮影機材:Canon EOS R5+Sigma 50mm F1.4 DG HSM | Art
撮影環境:F1.8 1/500秒 ISO100 焦点距離50mm
モデル:若原未優 ヘアメイク:齊藤沙織
バリアングルモニターにもよく助けられています。上の写真のようなローアングルでも、バリアングルモニターで画角を確認しながら撮影できます。また、筆者はあまり身長が高くありませんが、そんな筆者でもバリアングルモニターを下に向けて腕を上げれば、楽にハイアングルで撮影することができます。
スチールのように撮れるムービー
VIDEO
上の動画は、4K DCI(4096×2160)/29.97fps/IPB/Canon Logに設定して撮影しました。個人的にはこの設定をよく使います。カメラも熱くなりすぎず、ある程度長時間撮れるからです。この設定だと、自身のスチールの雰囲気のまま映像が撮れるので、EOS R5に変えてから俄然動画撮影の意欲が湧くようになりました。
また、この日は雨だったのでジンバルを使わず手持ちで撮影しました。動画撮影でも強力な手ブレ補正が効いている印象です。雨の日の雰囲気と女性のしっとりした感じが伝わったら嬉しいです。
まとめ
EOS R5はポートレートのスチール・動画撮影ともに向いているカメラだと思います。最新のレンズを使用しても良いですし、EFマウントのレンズをお持ちの方はその資産を活かせばより良い作品をつくれます。
カメラをEOS R5に替えてから、撮影が楽しくて仕方がありません。正直、もう1台欲しいと思える、そんなカメラです。
■写真家:大村祐里子
1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、人物撮影をメインとし、雑誌・書籍・Webでの撮影・執筆など、さまざまなジャンルで活動中。
趣味はフィルムカメラを集めて、使うこと。 2020年3月に『フィルムカメラ・スタートブック』(玄光社)を出版。
「EOS R5」はこちらの記事でも紹介されています
キヤノン EOS R5 × スポーツ|中西祐介
写真家:中西祐介
https://shasha.kitamura.jp/article/482000501.html
キヤノン EOS R5|航空写真家がスチル&ムービーで徹底レビュー
写真家:A☆50/Akira Igarashi
https://shasha.kitamura.jp/article/478121231.html
キヤノン EOS R5 × 鉄道写真|村上悠太
写真家:村上悠太
https://shasha.kitamura.jp/article/480060111.html
この記事で使用した機材
【シグマ】50mm F1.4 DG HSM Art キヤノン用
商品詳細ページ 【タムロン】SP 85mm F/1.8 Di VC USD キヤノン用 (Model F016)
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の大村祐里子さんがポートレートでのキヤノン EOS R5をレビューしています。RFレンズに加え、シグマ、タムロンのお気に入りレンズと組み合わせたり、動画撮影での魅力も紹介してます。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,レビュー,EOS R5,ポートレート,シグマ50mm F1.4,DG HSM|Art,タムロンSP 85mm F/1.8 Di VC USD,RF15-35mm F2.8 L IS USM, 大村祐里子,ミラーレスカメラ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: [申込終了]【セミナー】キヤノンプロカメラマンセミナー 中西祐介 氏×GOTO AKI 氏- 7月18日(日)開催
BASENAME: 482356482.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 07/10/2021 16:00:00
TAGS: セミナー,キヤノン(Canon) ボディー,EOS R5,EOS R6
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BODY:
プロカメラマン中西祐介 氏とGOTO AKI 氏が"R"を語り合います
~ 本イベントは終了いたしました。沢山のお申込み誠にありがとうございました ~
2021年7月18日(日)にCanon(キヤノン)のフルサイズミラーレスカメラEOS R5、EOS R6の魅力を伝えるセミナーを新宿 北村写真機店で開催いたします。店頭参加+オンライン参加どちらも先着順で無料でご参加いただけます。
スポーツカメラマンとして、日本国内だけでなく国際的なスポーツの舞台の瞬間を切り取り、スポーツの感動を伝える中西祐介氏。世界一周の旅を経て56カ国を巡り、地球の絶景・神秘的なスポットなどあらゆる光景を切り取り、生命力や地球の偉大さを伝える風景写真家のGOTO AKI氏。撮影するジャンルの異なるお二人が、なぜEOS R5・R6、RFレンズを選び使用しているのか?。EFマウントからRFシステムに移行した理由を実際に撮られた作例と合わせて語っていただきます。一眼レフカメラからのステップアップ、ミラーレスカメラへの移行を考えている方はもちろん、Rボディは持っているもののRFレンズをまだお持ちでない方も楽しめる内容です。
(左)中西祐介 氏、(右)GOTO AKI 氏
中西祐介 氏のEOS R5紹介記事はこちらから ご覧頂けます。
概要とお申込み
■開催日時:2021年7月18日(日)【第一部】11:00~12:00、【第二部】14:00~15:30
■費用:無料
■場所:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン
■住所:東京都新宿区新宿3丁目26-14(地図 )
■参加方法:店頭参加(各部10名)オンライン参加(各部90名)
■申込み:こちらから お申込みください。
■申込み期限:2021年7月16日(金)20:00まで。定員に達しましたら期限前でも締め切らせて頂きます。
※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。
講師紹介
中西祐介(Yusuke Nakanishi)
1979年東京生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。出版社写真部、アフロスポーツを経てフリーランスフォトグラファー。夏季及び冬季オリンピック、パラリンピックなどのスポーツシーン、アスリートをモデルにした撮影多数。ライフワークは馬術競技を題材にした馬と人のポートレート撮影。
GOTO AKI
1972年生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。2015年「キヤノンカレンダー」にて第66回全国カレンダー展日本商工会議所会頭賞受賞。2020年「terra」(写真集 赤々舎・写真展 キヤノンギャラリーS 2019)にて日本写真協会賞新人賞受賞。キヤノンEOS学園東京校講師。
■更新
・2021年7月19日:イベント終了の旨追記しました。
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EXCERPT:
本キヤノンプロカメラマンセミナーは、店頭参加+オンライン参加どちらも先着順で無料でご参加いただけます。
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KEYWORDS:
セミナー,キヤノン,Canon,EOS R5,EOS R6,中西祐介,GOTO AKI,新宿 北村写真機店
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 富士フイルム GFX100Sレビュー|ポートレートで見せるラージフォーマットの世界
BASENAME: 482383261.html
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CATEGORY: 高桑正義
DATE: 07/11/2021 11:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,人物_子供,GFX100S,ラージフォーマット,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
現在、私は富士フイルムのGFX100をメイン機として愛用している。それまでの10数年はスタジオでのビューティー系の撮影業務や作品撮影で中判デジタルバック(leaf aptusやphase one、ハッセルブラッド)を使用し、カメラボディはMamiya RZ67 pro2、Contax645、ハッセルブラッド503CWなど様々なカメラを使い、ロケでのファッションや商業撮影は、キヤノンなどのフルサイズ機を使ってきた。この2セットはマウントが異なるため、サブ機も含めると機材を持ち歩く際はかなりの重量になっていたので、どうにか一つのマウントにまとめられないかと常々思っていた。
富士フイルムとの出会い
私と富士フイルムとの出会いは、GF250mmのレビューの仕事でGFX 50Sとの組み合わせで使わせてもらった時で、その時の驚きは忘れることはできない。富士フイルムのラージフォーマット機のGFXシリーズは、それまでの古い中判フィルムカメラとデジタルバックという組み合わせの撮影で得られる"質感・立体感”と35mmフルサイズでの撮影で得られる”機動力”を持ち合わせていると感じた。現在、GFXシステムを採用し、ビューティー、ポートレートジャンルの広告や雑誌の撮影、取材やパーティー、商品撮影、美術品のカタログなど、幅広い状況下でシステムを変えることなく撮影ができるようになった。これだけでも富士フイルムに切り替えてよかったと感じている。愛機GFX100で最高最良のシステムが構築できたと思っていた。
驚愕のGFX100Sの爆誕
2021年2月、GFX100Sという一億画素をさらに気軽に持ち歩ける軽量コンパクトなラージフォーマットカメラが爆誕した。
・既存のラージフォーマット(デジタルバックなどを含め)ではありえない衝撃の低価格
・画質、AF性能は、GFX100と同等以上の性能(AF性能は、2021年7月1日の最新ファームVer.4.00により同等になった)
・既存のラージフォーマットセンサーの中でも小さいと思っているGFX100から、さらにコンパクトかつ軽量になり、ハンドリングしやすいカメラになった。そして、手振れ補正機構が小さなボディに入った上に、GFX100の5.5段分から6段分へ向上
・グリップが深めで、大口径の大きなレンズをつけた際にもバランス良く持つことが可能
・GFX100からバッテリーが変更になり、撮影時間が短くなるのではと心配したが、ポートレート撮影においては充分な容量と感じる
GFX100Sでポートレート撮影をした感想
今回のワンオペ撮影は、GFX100SとGF30mm、GF110mm、GF100-200mm(35mm換算で24mm、87mm、79-158mm相当)、Profoto A1X、バッテリー数個をショルダータイプのカメラバックに収納し、色々なところを歩きながら撮影してきた。標準域のない特殊なレンズ構成で江ノ島の夏を感じるポートレートを撮影している。前述したが、筆者はGFX100を愛機として仕事をしているので、それを踏まえた上で作例と共に使用感を述べていく。
木漏れ日が綺麗な芝生の上に寝転んでもらい撮影をしている。モデルと二人でのワンオペ撮影の場合、機材重量はすごく重要で、重いというだけで億劫になるのが正直なところだ。この作品のように寝そべっている姿を手持ちで真俯瞰から写したい場合は、手を伸ばし無理な体制で撮影することになるため、大きなカメラでは厳しい条件だったが、GFX100Sのサイズであればティルトモニターを起こし、無理なく様々な角度から撮影ができた。レンズはGF30mmを使用している。広角レンズにありがちな歪みはなく、レンズ重量も軽く、ディティールの描写がすごく綺麗だ。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF30mmF3.5 R WR
■撮影環境:ISO100 / F3.5 / 1/500s /マニュアル/ノスタルジックネガ
■モデル:川辺優紀子
天候が最高。海と雲がすごく素敵だったので、その様子とモデルの両方をイメージ通りに切りとる為に、日中シンクロで撮影している。ラージフォーマットの良さの一つだが、ボケに頼らず、被写界深度が深めでもモデルは惹き立ち、雲のディティール、立体感を感じさせることができる。他メーカーのカメラであれば、CPLフィルターを使い空の青を引き出すところだが、GFX100Sのカラークロームブルーで、深い青と自然な鮮やかさを簡単に加えることができる(三段階で調整が可能)。この澄み渡る青が写真全体を引き締め、夏らしい作品に仕上がった。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF30mmF3.5 R WR
■撮影環境:ISO100 / F8 / 1/50s / マニュアル/プロビア/カラークロームブルー
■モデル:川辺優紀子
木漏れ日が入るベンチで撮影。晴天の中での撮影では、たまに日陰に入り休憩がてら、ゆったりとしたシーンを撮るといい。軽量で携帯性の高いGF100-200mmはズームレンズでありながら、単焦点レンズを彷彿とさせるナチュラルなボケと忠実な色再現やリアルな質感がいい。そよ風に揺れる髪の毛の一本一本を感じることができる。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO500/F5.6/ 1/60s /マニュアル/アスティア
■モデル:川辺優紀子
木漏れ日がとても美しかったので、その光が寝そべったモデルに当たるように撮影。ラージフォーマット特有の立体感と開放F2という大口径のGF110mm(35mm換算87mm相当)はナチュラルにモデルが浮き立ち、透明感のある描写を得ることができた。フィルムシミュレーションはアスティアを選択。色合いがよく、柔らかな肌色の表現・階調表現がとても良い。撮影では顔検出、瞳AFを使用して撮影をしているが、しっかりと手前の瞳にピントが合う。また、一億画素という超高画素機はブレに相当シビアだが、ボディ内手ブレ補正がしっかり効いているので、手持ちで俯瞰撮影を行った時もブレのない美しい描写を得ることができた。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF110mmF2 R LM WR
■撮影環境:ISO200 / F2/ 1/125s /マニュアル/アスティア
■モデル:川辺優紀子
この写真は日差しが良いタイミングで橋を歩きながら撮影をしている。モデルの顔に麦わら帽子から漏れる光がさしており夏を感じる1枚になった。この場合、センター構図にするより三分割構図にすることで見せたいモデルの顔に視線誘導することができ、更に奥行きを感じる写真にすることが出来る。撮影で使用したGF100-200mmはOISが搭載してあり、望遠ズームの中では軽量コンパクトでありながら高速オートフォーカス、超高解像度を併せ持っている。軽量コンパクトでグリップの深いGFX100Sとの相性はすごく良く、ハンドリングもしやすい。こういう撮影では動きながら、構図を決めていくのですごく重宝した。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:126mm/ISO320/F5.6/ 1/320s /マニュアル/ノスタルジックネガ
■モデル:川辺優紀子
一点透視図法の消失点の方向にモデルの顔を置くことで、モデルの涼やかな表情に視線を誘導している。ラージフォーマット機では広角でも開放で撮影することで背景がナチュラルにボケて被写体が立体的に浮き立った描写になる。日差しがあたった肌、イヤリング、帽子の質感描写もとても良く、深みのある空のコントラストにより、奥行きのある写真に仕上がっている。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF30mmF3.5 R WR
■撮影環境:ISO100/F3.5/ 1/1600s /マニュアル/ACROS R
■モデル:川辺優紀子
ロケーション撮影では天気によって光が左右され、曇天のまったりとした光の中で、ポートレートの王道レンズであるGF110mmの開放F2で撮影をしている。なにげなく座り、風を感じながらこっちを向いてもらうだけでも、奥行きのある写真になる。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF110mmF2 R LM WR
■撮影環境:ISO160/ F2 / 1/1600s /マニュアル/ ACROS Ye
■モデル:川辺優紀子
アトリエに帰り、ふと窓の外を眺めている姿が素敵だったので撮影した。GFX100Sをさっとカメラバックから取り出して、ナチュラルで雰囲気のよい写真が撮れた。ラージフォーマット機で一億画素オーバーの超高画素カメラでありがなら、ハンドリングも良く、手ブレ補正がしっかり効いて、最高画質を得られるGFX100Sは唯一無二の存在だ。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF110mmF2 R LM WR
■撮影環境:ISO250 / F2 / 1/60s /マニュアル/ アスティア
■モデル:川辺優紀子
まとめ
GFX100Sはポートレートにおいて、大切なものを網羅しているカメラだ。軽量かつコンパクトなボディによる携帯性、操作性の良さ、ハンドリングのしやすさと質感をしっかり写し出す解像力、視線誘導を容易にするナチュラルなボケ、16bitの色再現、描写、スローシャッターにも耐えるボディ内手ぶれ補正機構、最新プロセッサーによる顔検出、瞳AFと正確で速いオートフォーカスを持ち合わせている。GFレンズはどのレンズでも1億画素センサーに対応し、前ボケ後ボケ共にナチュラルで美しいボケを愉しむことが出来る。そして、すべてのレンズが防塵・防滴・-10℃という過酷な環境でも使える仕様になっている。GFX100SとGFレンズはどんな環境でも最高のパフォーマンスを見せてくれるだろう。
また私の愛機であるGFX100も大型のファームウェアが公開された。大きなところだとフィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」が搭載されたことだろう。今までも撮って出しJPEGがすごくよかったが、さらにトーンカーブのハイライト・シャドウがそれぞれ0.5段刻みで調整ができるようになり、更に撮って出しのJPEGを追い込めるようになったのはすごく嬉しいところだ。その他にも機能追加や操作性が改善され、今まで気になっていた部分が改善されたことでGFX100が今まで以上に使いやすくなっている。
■写真家:高桑正義
大学卒業後、印刷会社入社。アシスタントを経て、フリーフォトグラファーとして独立。現在はBeauty Fashion 広告、雑誌、カタログなどを中心に活動している。撮影からレタッチまでの全てを自身が手掛ける。クオリティには定評があり、特にBeautyの分野ではその才能が如実に表れている。
NY世界最高峰の国際コンペ international Photography Awards
・2012 International Photography awards 広告:Beauty Pro 部門 受賞
・2013 International Photography awards 広告:Beauty Pro 部門 受賞
・2015 BEAUTY INNOVATOR AWARD グランプリ受賞
・2017 International Photography awards 広告:Fashion Pro 部門 受賞
「GFX100S」はこちらの記事でも紹介されています
富士フイルム GFX100S レビュー|逆転の発想で高感度性能の限界をブレイクスルーした星空撮影の革命機
成澤広幸
https://shasha.kitamura.jp/article/482213936.html
富士フイルム GFX100Sレビュー|1億画素でこの一瞬を切り取る唯一無二のカメラ
写真家:中西学
https://shasha.kitamura.jp/article/480319995.html
富士フイルム GFX100S|1億画素を小型ボディに詰め込んだ夢のラージフォーマットセンサーカメラ
ライター:ShaSha編集部
https://shasha.kitamura.jp/article/479848507.html
この記事に使用した機材
【フジフイルム】GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
商品詳細ページ 【フジフイルム】
GF110mmF2 R LM WR
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の高桑正義さんが富士フイルム GFX100Sのレビューを行っています。GFX100をメイン機として使われる高桑さんが富士フイルムとの出会いから本機をオススメする理由をポートレート写真と共に紹介してます。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,人物撮影,レビュー,GFX100S,高桑正義,ポートレート
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AUTHOR:
TITLE: ニコン NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S レビュー|クキモトノリコ
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CATEGORY: クキモトノリコ
DATE: 07/12/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S,花,単焦点
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はじめに
これまでニコンのFX(フルサイズ)用マイクロレンズは60mm f/2.8と105mm f/2.8の2本がありましたが、私自身は105mm f/2.8を一眼レフを使っていた頃から愛用しており、カメラがミラーレスのZ 6、そしてZ 6IIになってもマウントアダプター(FTZ)とともに使用していました。マウントアダプターを介しても画質の低下やAFでのピント合わせが遅くなるといったことはないため、その点においては難なく使えていたのですが……何しろ、重い!手に取った瞬間ずっしりとした重量感を感じるほどでした。
以前、私が使っていたD750と現行のZ 6IIで比較をしてみると、
D750(約840g)+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED(約750g)=約1,590g
Z 6II(約705g)+FTZ(約135g)+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED(約750g)=約1,590g
なんとびっくり!重さは変わらないという事実。ミラーレス機といえば「小型・軽量」が大きなメリットのはずがちっともその恩恵にあずかれておらず、「今日はどうしてもマイクロレンズが要る」という日でないと持ち出すことを躊躇うものでした。
そんな中で登場した今回のNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S。レンズ単体でも約630gと約120g軽くなり、Z 6IIとの組み合わせでは合計約1,335g。たったの255g軽くなっただけ、と思うかもしれませんが、手に取った時の軽量感は非常に大きく、実際にニコンプラザ大阪でも多くのユーザーが開口一番「軽い!」という声を上げるのを耳にしました。
そんな待望のZ用マイクロレンズの使用感などをお伝えいたします。
近接撮影時に絞りが開放にならない?!− 実効F値について
まずはじめに、ニコンのマイクロレンズを初めて手に入れた方の多くが、最初に「おや?」と不思議に思うのが開放F値。開放となるF2.8に設定して、いざ被写体にぐんと近づいて撮影しようとすると…あれ?F2.8じゃなくなっている!そしてF2.8にならない!なぜ?という戸惑いはかつて私自身も経験しました。
これはマイクロレンズ(や、マクロレンズ)での近接撮影時にはレンズが被写体側に繰り出される(レンズが撮像素子面から遠くなる)ため、通常の撮影時よりも撮像素子面に届く光が弱まります。例えるなら、壁にライトを向けたとき、同じ光量でもライトが壁に近いと狭い範囲に強い光が当たり、壁から離れると照らされる範囲は広くなるものの光は弱まりますが、これと同じことが起こるのです。
光が弱まる、つまり露出が下がって暗くなるため露出量を増やさなければならないわけですが、どのくらい暗くなっているのかを示しているのがこの実効F値なのです。つまり、F2.8に設定しても実効F値が4.0となった場合、F4.0に設定した時と同じ量の光が撮像素子面に届いているので、それに合わせてシャッター速度や感度で露出を整える必要がある、というわけです。
尚、ニコンのカメラでは光量の低下を踏まえてF値を表示してくれる一方で、多くのカメラメーカーでは設定時のF値が表示されたままになります。他社のマクロレンズでも、近接撮影をする際に絞り優先モードで絞りを開放に設定しISO感度を固定にして被写体に寄ったり引いたりすると、F値は変わりませんがシャッター速度が変化することから露出調整が行われている、つまり撮像素子面に届く光に増減があることがわかります。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, 絞り開放(実効F値4.5), 1/640秒, -0.7EV, WB 自然光オート
近接撮影でのボケと解像感を味わう
マイクロレンズの醍醐味は、やはりなんといっても被写体にうんと寄って大きく撮れること。肉眼で見ているのとは違った世界が撮れるのが魅力ではないでしょうか。ちなみに本レンズの最短撮影距離は撮像面から0.29m、最大撮影倍率は1倍です。
実際に手で触れてもさほど痛いわけではないものの、写真を見る限り触れるとめちゃくちゃ痛そう……なんだかそんな気がするほどの尖った先端、そしてその周りを覆う綿菓子のようなふわふわの質感。絞りは開放ですが、画像周辺部でも鮮明な描写が得られており、ピントの山からなだらかに、最後はふんわりとやわらかく、見事なボケのグラデーションが描かれています。ニコンのホームページに記載されている「美しいボケと高い解像性能のコントラスト」を実感する一枚となりました。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, 絞り開放(実効F値4.5), 1/640秒, -0.3EV, WB 自然光オート
こちらのサボテンでは、ピントの合った棘の鋭さとは対照的に、アウトフォーカス部分の棘は見事なまぁるいボケとなり、その対比が面白い写真となりました。尚、ピントの合った棘の先端では乳白色の半透明感もしっかり表現され、その解像力の高さが窺えます。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, 絞り開放(実効F値4.5), 1/640s, -0.7EV, WB 自然光オート
マクロ撮影で撮りたくなるもののひとつが水滴。今回はその中に猫ちゃんを閉じ込めてみました。といっても本物の猫ではなく……(それはさすがに無理でしょう!)猫の写真を天地逆に貼ります。こういった撮影では絞り開放だと被写界深度が浅すぎるため、しっかり絞ることによって雫の中の主役、そして雫の輪郭までをしっかり描写することができました。ただし、絞り過ぎると今度は背景がはっきりしすぎてネタバレ感が出てきてしまいます。今回はF16がギリギリいい塩梅でした。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO500, 絞り開放(実効F値4.5), 1/60秒, +1.0EV, WB 自然光オート
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO1600, F16, 1/20秒, +1.0EV, WB 自然光オート
水滴の撮影の様子。猫の写真を用いて水滴内に映り込ませました
中望遠の単焦点レンズとして使用する
カメラを始めて間もない頃は、マイクロレンズは「接写専用」と思ってしまうかもしれませんがそうではありません。105mmの焦点距離を持つ中望遠レンズとして、遠くにピントを合わせた写真も撮ることができます。つまり、うんと遠くにピントを合わせた写真、そして撮像素子面から29cm(ちょうどレンズフードのすぐ鼻の先、くらいの距離感です)という近さにある被写体にピントを合わせた写真、そのどちらも撮影することのできる、いわば「遠近両用」なレンズなのです。
105mmの単焦点レンズと考えると、自分が立ち位置を変えることで被写体の大きさ・背景の写る範囲を変えることができます。少し引いて周りの情景まで入れて撮ったら、次は被写体に寄って大きく……すると、ハンモックのやわらかな素材の質感までもがしっかり伝わってきました。手前のボケと相まって「ここでのんびりチルできたら気持ちよさそうだなぁ」という想像力が膨らみます。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, 絞り開放(実効F値3.2), 1/1000秒, -0.7EV, WB 自然光オート
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, F2.8, 1/1000秒, -0.7EV, WB 自然光オート
ロープウェイのゴンドラ越しに見える神戸の街を撮影するにあたり、どうしても画角に入る手前の木々を少しでもボカすために絞りを開放のF2.8にしています。ピントはロープウェイのゴンドラに合わせることで、絞り開放ながらも背景の街並みはボケることなくしっかりと解像感のある写真となりました。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, F2.8, 1/1250秒, +1.0EV, WB 自然光オート
また、ワーキングディスタンスの長さを活かして少し離れた被写体を撮影していると蜂がやってきたのですが、本レンズのオートフォーカス機構に採用されているステッピングモーターが正確、迅速、かつ静かゆえに蜂の行動を邪魔することなく、また安全な距離を保ちながら撮影を続けることができました。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO640, F3.5, 1/500秒, +1.3EV, WB 白色蛍光灯
遠景での解像度の高さに驚く
大阪湾を背景に、山の中腹に立つグラスハウスを撮影。家に帰ってパソコンの大きな画面で確認すると、大阪湾の対岸まで何やら写っていそうな気配が。そこで画像処理でかすみの除去などを行ってみると……直線距離で約20kmの対岸に位置する関西国際空港の連絡橋や空港ターミナルビルがしっかり見て取れます。この日は晴れてはいたものの視界は非常にクリアとは言えず、これはもうレンズの抜けの良さ、解像力の高さに他ならないと実感したのでした。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, F8, 1/400秒, -0.3EV, WB 自然光オート
上の写真をトリミング&画像処理したもの。対岸の建物までしっかり解像できていることが分かります
ふたつのコーティング技術による、逆光にも強いレンズ性能
個人的には逆光撮影時のフレアはふんわりした雰囲気が出るので決してキライではないのですが、レンズの性能としてはゴーストとともにできる限り抑えられた方がよいとされています。本レンズでは、ニコン独自の「ナノクリスタルコート」と「アルネオコート」のふたつの反射防止コーティングが施されていることでクリアな画質が保たれています。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO200, 絞り開放(実効F値3.2), 1/1600秒, +0.3EV, WB 自然光オート
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, 絞り開放(実効F値3.0), 1/800秒, -0.3EV, WB 自然光オート
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, 絞り開放(実効F値4.0), 1/1000秒, +0.3EV, WB 自然光オート
手ブレ補正とレンズファンクション、コントロールリングをフル活用する
今回、屋外での撮影はすべて三脚を使わない手持ち撮影をしていますが、マクロ撮影ではほんの僅かな動きが致命的となる手ブレは大きな心配事です。そんな中で本レンズには4.5段の手ブレ補正機構が搭載されており、またZ 6IIの本体に搭載されたボディー内手ブレ補正との組み合わせで5軸の手ブレ補正も活用することができ、ピントの合った写真を撮れる「打率」が格段に上がりました。
また、レンズ横についているボタンのうち、L-fn(レンズファンクション)ボタンに拡大機能を割り当てておくこと、そしてコントロールリングには絞りや露出補正といった機能を割り当てておくことで操作性が向上するとともに、カメラ本体のフォーカスピーキング機能の併用でピントの視認性も抜群に向上します。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, 絞り開放(実効F値3.2), 1/640秒, +1.7EV, WB 温白色蛍光灯
安心の防塵・防滴・防汚性能
雨の日の撮影ではやはり機材の水濡れに気を使います。そんな中で本レンズは防塵・防滴、さらに防汚性能を兼ね備えているので、カメラ本体の防塵・防滴性能と合わせて少々の雨降りの日でも安心して撮影に出掛けられます。もちろん雨の日でなくても、お花に近付き過ぎて花粉が付いてしまった!などということは十分に想定されますが、レンズに施されたフッ素コートのお陰で拭き取りも簡単、且つ安心です。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO640, 絞り開放(実効F値3.5), 1/125秒, -0.3EV, WB 自然光オート
まとめ
実を言うと、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR SはFマウント用と比較すると軽くなったとはいえそれなりに嵩張ることから、個人的には同時に発売されたNIKKOR Z MC 50mm f/2.8 の方にまず心惹かれていました。ところが実際に持ち出してみるとやはりその軽さとボケや解像度といった画質面、そしてその良さを活かしつつ等倍撮影と中望遠の両方が楽しめる利便性から、こちらのレンズもぜひ手に入れたい!と思わせてくれるものでした。
機材が軽いとそれだけフットワークが良くなり、また手持ち撮影だとより一層の集中力が必要となるマクロ撮影において非常に有利であることは間違いありません。このレンズもまた、既に定評のあるZシリーズのレンズとしてその素晴らしさを実感するものであり、撮影がどんどん楽しくなるレンズであること請け合いです。
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, 絞り開放(実効F値4.0), 1/125秒, +0.3EV, WB 自然光オート
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:ISO100, F9, 1/125秒, +1.0EV, WB 自然光オート
■写真家:クキモトノリコ
学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のクキモトノリコさんによる、ニコン「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」レビュー記事です。マクロ撮影はもちろん、中望遠単焦点レンズとしての使い勝手も解説しています。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S,レビュー,花
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: キヤノン RF600mm F11 IS STM レビュー|鶴巻育子
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CATEGORY: 鶴巻育子
DATE: 07/13/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,レビュー,RF600mm F11 IS STM,鳥,単焦点
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はじめに
先に価格のお話をするのは品がありませんが、このRF600mm F11 IS STMは10万円を切る信じられない価格で手に入ります。ちょうど2021年7月15日に発売予定のRF600mm F4 L IS USMの価格を見ればお分かりの通り、通常、超望遠レンズは100万、200万は当たり前の世界です。プロのスポーツカメラマン、動物や飛行機を専門とする写真家、あるいは、余裕のある人など、限られた人のための特別なレンズだったはずです。
超望遠レンズをなぜ私がレビューするかと言いますと、現在鳥の撮影に夢中になっているからです。もともと鳥好きだった私は、都内ですが緑が多い場所に引っ越したことを機に、双眼鏡を購入しバードウォッチングを始めました。写真家なら気になったモチーフがあればすぐに撮影しそうなものですが、鳥の撮影には、超望遠レンズが必須。大きくて重いレンズが得意でない私は、気が進みませんでした。そもそも、高くて簡単に買えない。
RF600mm F11 IS STMは超望遠レンズにしてこの価格。普通じゃないレンズの魅力と実力を紹介したいと思います。
普通じゃない超望遠レンズ
その1 軽量コンパクト
価格もビックリですが、サイズにも注目したいと思います。質量はたったの約930g、長さが269.5mm。なぜ、こんなにコンパクトなサイズが実現できたのでしょうか。
RF600mm F11 IS STMでは、DO(Diffractive Optics)レンズと沈胴機構を採用しています。DOレンズは、1枚で通常のレンズ複数枚の色収差を補正できる効果があり、非球面レンズの性質を併せ持っているため採用するレンズの枚数を軽減でき、その結果小型軽量化が実現しています。さらに、絞り調整機構を非搭載とし、外装やパーツに強化プラスチックを採用することで軽量化を図りました。
600mmレンズとは思えないコンパクトさ。一日中持ち歩いても全く苦になりません。今までにない、デイリーユースな超望遠レンズです!
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/1000秒 F11 ISO2000
野鳥を撮影するきっかけとなったツミ。今年も近所に巣を作りました。ツミが枝から枝へ移動するのを追いながら、手持ちでフットワークよく撮影できます。
その2 F11固定
このレンズ、絞りがF11固定です。なぜF11なのか? EOS R5・R6に搭載されているセンサー、デュアルピクセルCMOS AF IIが可能なAFは開放F22まで。エクステンダー装着を考慮し、開放F11がベストと言う結果になったそうです。
絞りの調整ができないレンズに、私もはじめは物足りなさと些かの不安を感じていたのは事実です。しかし、600mmの超望遠なら、被写体と背景の距離の距離関係はありますが背景はボケやすいと思えば、絵作りに支障はないと考えました。また、ミラーレスはEVFファインダーですので、一眼レフと違い絞り値が大きいとファインダーが見えづらくなる心配もありません。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/800秒 F11 ISO3200
オナガだと思いますが、雛にご飯を与えている瞬間です。背景が美しくボケていて、オナガの親子の可愛らしい姿が際立ちます。
高感度
素早い動きをする鳥を写し止めるには、早いシャッタースピードを確保しなければなりません。枝に止まっている鳥でも翼の動きを止めたければ、1/500は欲しい。絞りF11固定ですので、高速シャッタースピードを確保したい場合、晴れていてもISO感度を上げる必要があります。そこで懸念されるのが画質ですが、高感度に強いEOS R6との組み合わせで、低ノイズの綺麗な画像が得られます。とは言え、なるべく低感度で撮りたいのは正直なところです。
そこで、コントロールリングが活躍します。私のオススメはISO感度の割り当てです。シャッタースピードを確認ながらISO感度を調整し、極度に高いISO感度での撮影をできるだけ避けています。シャッタースピードを割り当てる手もありですが、常にISO感度を意識するのは忘れないように。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/1600秒 F11 ISO1600
毛がモコモコしていて、あどけない仕草をみるとカラスの子どもでしょうか。晴天でも高速シャッタースピードを確保するためにISO感度1600。ノイズは全く発生せず、お腹や頭の毛の柔らかさや光によって黒光りしている翼の質感が潰れることなく美しく再現されています。なぜか、口を開けたまま上を向いている姿勢を数分間続けていました。かわいいです。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/640秒 F11 ISO12800
元はカラスの巣だったみたいですが、空き家になったためツミが使っています。真上に向けてカメラを構えると不安定になりブレやすくなるので、敢えてISO感度を12800に設定して撮影してみました。さすがにノイズが出てきました。とはいえ、絵柄のせいか、あまり気にならないです。
外装、デザイン
「はじめに」でも述べたように、超望遠レンズは高い!と言うイメージを覆す驚きの低価格。低価格実現の理由は、上で記したDOレンズ採用やF11固定の割り切った構造にありますが、もう一つは外装の素材。金属を使用せず、強化プラスチックを採用したことが、低価格&軽量化に繋がっています。プラスチックの外装はチープなイメージになりやすいですが、何故か高級感を感じるのはレンズ先端に革シボ加工を施しているからでしょう。これ、見た目が良いだけでなく、ホールド感もかなり良い。手持ち撮影が基本であることを意識したデザインです。
褒めまくっていますが、見た目で気になることがひとつあります。沈胴式の構造は、撮影する時はロックを外し、レンズをびよんと伸ばします。その状態の見た目がちょっぴり不恰好。また、ロックを外し、レンズを伸ばし、ロックする、その3段階の操作をしないと撮影できないので、咄嗟に撮影したい場面で焦ることも。
また、防塵防滴ではないため、雨の日やホコリの多い場所などでは注意が必要となります。特にレンズを伸ばしているときは気をつけましょう。
手持ちで鳥の撮影が楽しい
その1 AFエリア
私は通常の撮影では、1点AFが基本の設定です。しかし、鳥の撮影となるとゾーンAFやサーボAF、顔認識などに頼ってしまいます。AF測距エリアは、画面中央・横約40%×縦約60%と範囲が狭いことや、サーボAF時の連写のコマ速が低下するのですが、私の場合、ほとんど画面中央に被写体を配置する構図を好むことと、連写を多用しないので、普段そこにストレスは感じていません。ただ、暗い場所などの低コントラストな場面では、時々ピントが合いづらいと感じることがあります。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/100秒 F11 ISO3200
元気よく鳴いていた雛たち。実はこの後カラスとツミに狙われてしまいました。AF方式を顔認識+追尾優先に設定すると、鳥の目にピタッとピントが合います。便利な機能を使うのは個人的に避けていましたが、鳥の撮影ではかなり重宝する機能。使わない手はないです。ちなみに、手持ちでシャッタースピード1/100ですが、ブレてません。
その2 手ブレ補正
カメラ内に内蔵されている5段分の手ブレ補正。サクサク手持ちで撮れるのは嬉しい。気をつけたいのは、手ブレが防げるからといってシャッタースピードを1/125、1/60に設定しても、動物やスポーツ撮影では、被写体ブレに注意しなければなりません。無理せず、高ISO感度に設定するのがベターだと思います。EOS R5・R6カメラ内手ブレ補正とは調和制御は対応していませんが、5段の手ブレ補正は十分と言えます。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/25秒 F11 ISO400
なんと、シャッタースピード1/25で撮影しています。息止めてしっかり構えたらブレずに撮れました。ちなみに知り合いの家のネコちゃんです。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/320秒 F11 ISO1600
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/3200秒 F11 ISO1600
上は野生化したインコが仲良く電線に止まっている風景です。下はカラスの横を通り過ぎていくたくさんのインコたちを捉えました。超望遠レンズの圧縮効果によって建物が密集した東京らしい風景を写すことができ、被写体と被写体の重なりを狙った描写を楽しむことができます。
鳥の撮影では、できるだけ主役を画面に大きく捉えがちですが、周りの状況を入れることでスナップ的な面白さが加わります。何が被写体でも自由に撮るのが一番です。ジャンルに縛られない、時にはルールを無視することで、自分らしい写真が撮ることができると思います。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/160秒 F11 ISO1600
最近めっきり数が少なくなったスズメ。姿をみるとホッとします。背景の綺麗なボケで、スズメが止まっている場所が浮き上がっています。ピント部分も解像感もあり嫌味のない気持ち良い仕上がりです。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/125秒 F11 ISO3200
多摩川で撮影していると、向こう岸に学生たちが土手の階段を上っている姿を発見しました。こんなときに、超望遠レンズがあるとスナップができちゃう。鳥の撮影の合間に、歩きながらスナップもしています。
■使用機材:Canon EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:1/4000秒 F11 ISO6400
超望遠レンズは動物園でも大活躍です。檻の向こうにいる動物を大きく写せます。これはフラミンゴの羽の部分だけを切り取りました。ここまで寄れると、今まで見えてなかったものが見えてきてワクワクします。
まとめ
プロの道具だった超望遠レンズが、手の届く価格と持ち運び簡単な小型軽量の実現によって、誰でも気軽に楽しめるようになりました。私も写真家とは言え、このレンズがなければ鳥の撮影を初めていなかったと思います。
RF600mm F11 IS STMとRF800mm F11 IS STMの2本のレンズは、開発者の工夫と割り切りによって誕生しました。このレンズを使いこなすコツは、使う側も工夫と割り切りを持って楽しむことです。
■写真家:鶴巻育子
1972年、東京生まれ。広告写真、カメラ雑誌の執筆のほか、ワークショップやセミナー開催など幅広く活動。写真家として活動する傍ら、東京・目黒、写真専門ギャラリーJam Photo Gallery 主宰を務める。ライフワークでは、これまでに世界20カ国、40以上の都市を訪れ、街スナップや人物を撮影。主な写真展 Brighton-a little different(2012年、オリンパスギャラリー)、東京・オオカミの山(2013年、エプソンイメージングギャラリーエプサイト)、3[サン] (2015年、表参道スパイラルガーデン)、THE BUS(2018 年、ピクトリコギャラリー・PLACE M)、PERFECT DAY(2020年、キヤノンギャラリー銀座)など。THE BUS(2018年、自費出版)、PERFECT DAY(2020年、冬青社)がある 。
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EXCERPT:
写真家の鶴巻育子さんがキヤノン RF600mm F11 IS STMをレビューしています。野鳥撮影での実写レビューです。ぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,レンズ,レビュー,RF600mm F11 IS STM,鳥
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト
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CATEGORY: 小川晃代・湯沢祐介
DATE: 07/14/2021 17:14:13
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テスト
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 夏を楽しむ愛犬写真の撮り方|人気ペトグラファー夫婦がご紹介!
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CATEGORY: 小川晃代・湯沢祐介
DATE: 07/19/2021 16:00:00
TAGS: ペット_動物,犬/猫/ペット
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はじめに
夏はわんこにとってとても厳しい季節。日中のアスファルトは焼けるように暑く、肉球をやけどしてしまう恐れも。毎日のお散歩も日中の暑い時間を避けて早朝や夕方以降にする必要があります。でもそんな暑い夏だからこそ楽しめる遊びもあります。それは海や川での水遊び。人間同様わんこも水遊びが大好きです。水を見るとウズウズしたり、大喜びで水に入ったり、優雅に砂浜を走ったりと夏ならではの遊びのなかで様々な姿を見せくれる愛犬を写真に収めてみましょう!そこで今回は夏ならではの楽しみである「水遊び」と夏の花「ひまわり畑」での撮影のコツのお話をします。
川遊びを撮る
川遊びの準備
真夏でもキンキンに冷えている川は人間でも入るのをためらう程の冷たさ。夏の暑い時期だけ楽しめるスポットですね。水遊びはわんこにもカメラにも危険がいっぱいなので注意しながら撮影しましょう。私達が川で撮影する場合、まずは濡れても良い服装&マリンシューズ等なるべくしっかりした履物を履き、首にはタオルを巻いて撮影します。タオルは手が濡れた時にすぐに拭けるように用意しています。川は石がゴロゴロしているので履物がしっかりしていないとふらついてカメラを水没させてしまう危険があるので注意しましょう。流れが急な場所では無理に川に入らずに二人一組で一人はわんこのアテンド、もう一人は200mm前後の望遠レンズを使って岸から撮るのをおすすめします。
川の規模によっては犬用のライフジャケットがあるといいでしょう。また川遊びをしていると体が冷えてくるので温かい飲み物を用意しておくと心も体も温まります。
川遊びでのカメラの設定
まずはカメラの設定です。川遊の撮影で大事なのはシャッター速度です。泳いだり走っている瞬間を撮るのでブレないように速いシャッター速度に設定する必要があります。シャッター優先モード又はマニュアルモードでシャッター速度は1/2000秒以上に設定しましょう。また渓谷で撮る場合は日光があまり届かず意外と暗い場合があります。明るさに注意しながら必要であればIOS感度を上げて撮影しましょう。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/2000秒 ISO1000 露出補正-1 焦点距離200mm
こちらの写真はISO感度を1000まで上げて撮影しています。渓谷では充分に光が届かない事もありますが、木々に遮られまばらに差し込む光がいい雰囲気を演出してくれますよ。
ピントは追従モード(AF-C・C-AF・AIサーボ)に設定しAFエリアはワイドではなく少し狭いエリアで設定し、しっかりと被写体にピントを合わせるようにしましょう。川遊びでは飛び散った水しぶきがピント合わせの邪魔をするのでAFエリアが広いとピントが合いにくいのです。そのため私達はスポットAFや1点AFやゾーンで撮っています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/800秒 ISO250 露出補正-0.3 焦点距離200mm
またホワイトバランスの設定も重要です。この設定次第で写真の雰囲気がぐんと変わりますので、余裕があればオートではなく色温度を微調整してみましょう。水シーンを撮る時には少し青味が強くなるように調整するとより爽やかな作品になります。
実際に撮ってみる
スイスイとこちらに向かって泳いで来る所を撮る時のカメラのアングルは犬の目線くらいがおすすめです。こうする事で表情が良く写ります。ただこの時の犬の目線の高さはほぼ水面です。あまり水面ギリギリのところで構えるとちょっとバランスを崩しただけでカメラが水没してしまうので、慣れるまでは少し高めに構えてみましょう。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/4 1/2000秒 ISO400 焦点距離132mm
また川から出た後のブルブルシーンもシャッターチャンスなので、ブルブルしそうになったら顔が見える位置に回り込んで撮りましょう。この時、犬との距離が近いとカメラが濡れてしまうので中望遠レンズか望遠レンズで撮るのがベスト。シャッター速度が遅いと、このブルブルシーンが流れて写ってしまうため、この時のシャッター速度は最低1/2000秒、出来たら1/4000秒くらい出せると、飛び散った水しぶきの一つ一つが鮮明にキレイに写ります。
海での撮影
撮影をはじめる前の注意点
夏のイメージと言えばやっぱり海です。暖かくなってくると海に遊びに行く愛犬家の方達も多いですよね。せっかく海に行くならその姿を写真に収めましょう。でも海は川よりもカメラの扱いに注意が必要です。まず海撮影での敵は潮風です。みなさんもご存知の通り海は風がとても強いです。その強い風に吹かれ、大量の砂が舞い上がります。海撮影では水はもちろん、この潮風と砂に十分注意しなければなりません。裸のままカメラを持っていくと一瞬でカメラが砂まみれになってしまいます。カメラの隙間から砂が侵入する事もあるので撮影前にバッテリー収納部の蓋やカードスロットカバーの隙間をマスキングテープ等でとめて砂の侵入を防ぐとよいです。またローアングル気味で砂浜近くで撮影する場合は少し動くだけでも砂が舞いますので、カメラをレインカバーやカメララップ、無い場合はタオルで包む等、砂からガードするようにして撮りましょう。この時ボディだけでなくレンズにも気を配りましょう。ズームリングやフォーカスリングを回した時にザラザラした感触がある場合は砂が入り込んでいる証拠です。使用後はブロアーやブラシなどで砂を吹き飛ばしましょう。当然砂浜でのレンズ交換は絶対にNG。レンズ交換をしたい時には必ず車内やどこか室内等の砂が入らない場所で行いましょう。また潮風に含まれる塩分でカメラがベタついたりサビの原因にもなるので、たとえ砂が舞っていないと感じたり短時間の撮影であったとしてもメンテナンスをするといいでしょう。
設定は川遊びの時と基本同じで大丈夫。海好きの子はテンションが上がって走りたくなるのでシャッタースピードを速めに設定するのが鉄則です。
■撮影機材:富士フイルム X-H1 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
■撮影環境:f/2.8 1/2000秒 ISO200 焦点距離91mm
こちらの写真は砂浜にあるヤシの木をバックに撮影したもの。何もない砂浜もいいですが、ヤシの木を入れる事で異国感が出ます。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/4 1/1000秒 ISO400 露出補正+1.3 焦点距離179mm
貝殻を拾ってこちらに向かってくる瞬間を撮影。砂浜と海と青空に貝のアクセントで夏らしさを表現。犬の目線までカメラを下げて撮ると表情をしっかりと捉えることができます。ちなみに砂浜で遊ぶシーンだけを撮る場合は真夏の前後の少し涼しい時期の方が犬の負担が減るので撮影に適しています。それでもちゃんと「夏」を表現できるのでご安心を。
■撮影機材:富士フイルム X-H1 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
■撮影環境:f/4.5 1/2000秒 ISO400 焦点距離66mm
海の中を泳がなくても波打ち際を走るだけで絵になります。バシャバシャと水しぶきをあげながら走る姿を速いシャッタースピードで捉えましょう。
海撮影のおすすめシーン
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 24-70mm F2.8 GM
■撮影環境:f/5.6 1/1600秒 ISO800 焦点距離70mm
海は青空も良いですが、夕暮れもキレイです。夕日が差し込む時間に撮影すれば、ドラマチックに写せます。この時のポイントは光の向き。逆光や半逆光気味で撮ると毛の輪郭もキラキラと輝いて写ります。夕暮れの赤味をより強く表現したい時にはホワイトバランスを曇りマークに設定したり、色温度を変えられるカメラであれば7000k以上に設定したりすると見た目よりも赤味を強く表現する事が出来ます。
ひまわり畑で撮る
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/1600秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離170mm
夏の花と言えばひまわり!でもひまわりが咲く時期は一年で一番暑い時期、、、、。そのため夏のひまわり撮影はためらいます。私の場合、ひまわりの満開時期が分かったら、あとは天気予報とにらめっこしながらなるべく涼しい日を設定し早朝に超短時間撮影をしています。
準備するものは、高さ合わせ用の台と暑さ対策グッズ(保冷剤やミニ扇風機)、そして虫よけです。早朝のひまわり畑では蚊も多いので蚊よけをしていきましょう。そして早朝とはいえ真夏は暑いので短時間勝負。ひまわりが密集していてキレイなポイントを見つけたら、花の高さにわんこが来るように台やカートで高さを合わせ、時間をかけずにサクッと撮影します。高さ合わせをするとは言えあまり高い台を使用すると、万が一落ちてしまった時にわんこが怪我をする危険があります。なるべく背丈の低いひまわり畑を選んで撮影に行くと良いでしょう。また撮影に集中しすぎてわんこに負担をかけるのはNG。とにかくさっと撮影するのがひまわりと愛犬撮影の何よりのポイントです。普段からどこをどのように撮ったら良いかというフレーミング力をつけておくのが良いです。
ひまわりと言えば「夏」ですが、今は早咲きひまわりや遅咲きひまわりも各地で楽しめるようになってきました。早咲きひまわりや遅咲きひまわりスポットを探して暑い時期を避けてひまわり撮影に行くのも良いですね。
まとめ
水遊びは愛犬の動きも速く、飛び散った水しぶきもピント合わせの邪魔をするので難易度の高い撮影になります。さらに暑さという天敵がいますので人も犬も熱中症に注意しながら素早く撮影するように心がけましょう。また撮影をする事を目的にわんこを海などに連れていく場合は暑い夏は避けて涼しい季節に行くようにしましょう。
川や海ではペットOKの場所かどうかも確認し、ルールを守って周りの迷惑にならないように意識してください。くれぐれも撮影のために無理をさせず、楽しく遊んでいる姿を撮ってあげてくださいね。
■写真家:小川晃代・湯沢祐介
ペットやキッズの撮影を得意とする夫婦の「ペトグラファー」。トリマー、ドッグトレーナーの資格を持つ小川と、猫じゃらしを持たせたらピカ一!「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ湯沢の最強コンビで、これまでに撮影した頭数は7万頭以上。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。東京都世田谷区でペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーンSTUDIO」を運営。
関連記事はこちら
■屋外撮影で重要な光と構図を考えよう|人気ペトグラファー夫婦が解説!
https://shasha.kitamura.jp/article/483726417.html
■ナイトズー&夜の水族館写真の楽しみ方|人気ペトグラファー夫婦がご紹介!
https://shasha.kitamura.jp/article/482776839.html
この記事に使用した機材
【フジフイルム】XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR
商品詳細ページ
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KEYWORDS:
犬,ペット,撮影テクニック,夏,川,海,ペトグラファー,小川晃代,湯沢祐介
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門
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CATEGORY: 齋藤朱門
DATE: 07/20/2021 16:00:00
TAGS: 風景,風景の撮影テクニック
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はじめに
今回は滝・渓流での撮影方法と必要な機材について紹介したいと思います。滝や渓流は新緑の春から夏にかけて清々しい水の流れを見せてくれます。秋の紅葉や落ち葉と絡めて写すのも醍醐味の一つですね。また、冬は雪景色とともに氷瀑(ひょうばく)が撮影できる場所もあるので、比較的一年中楽しめる撮影スポットだと思います。
滝を撮る
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・25mm・F11・ISO100・0.6秒
秋田の元滝伏流水で撮影した作品。有名な場所ではありますが、自分なりの構図を探し、上流の滝と支流とのバランスを考えて構図を決めて撮影しました。詳しくは後述しますが、イメージしたとおりの水の流れ・ダイナミックさを表現するためにはシャッタースピードがとても重要になります。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:マニュアル露出・38mm・F16・ISO50・1/5秒
■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 14-24mm F2.8 DG HSM | Art, NDフィルター使用
■撮影環境:マニュアル露出・16mm・F16・ISO100・3.2秒
栃木県のスッカン沢で撮影。スッカンブルーと呼ばれる青い水と紅葉のコントラストを意識して撮った一枚。
構図
滝や渓流の場合、水の流れをどう表現するかが最も重要なポイントになるので、あらかじめ画になる構図・流れのパターンをイメージしておくと、撮影ポイントを見つけやすいと思います。例えば、S字や黄金螺旋(おうごんらせん)や三角構図のような配置が当てはまるようなポイントを見つけると構図バランスが良くなります。
■撮影機材:シグマ sd Quattro H + シグマ 24-105mm F4 DG OS HSM | Art
■撮影環境:マニュアル露出・24mm・F11・ISO100・2秒
有名な青森の渡良瀬渓流で撮影した一枚。紅葉が美しい時期だったこともあり、カラーバランスにも気を配りながら撮影してました。こちらも後述しますが、シャッタースピードだけでなく構図としても工夫しているポイントがあります。
また、この作例では左右の木をわざと入れ込むことで構図の中にフレームを作っています。有名な場所の有名な写真は誰かがバランスの美しい構図を見つけたポイントの一つです。同じような構図で撮ることはとても学びが多いですが、せっかくですので、是非自分なりの美しい構図ポイントも見つけて撮ってみることをオススメします。
シャッタースピード
水流を表現する際に、とても重要になるのがシャッタースピードです。
シャッタースピードを1/13秒、1/3秒、1.3秒と変えて撮った写真を見てみます。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・25mm・F11・ISO100・1/13秒
■撮影機材:ソニー α7RIII + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・25mm・F11・ISO100・1/3秒
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・25mm・F11・ISO100・1.3秒
水量・水流の速さによっても表現が変わってくるので、一概に何秒が良いということは言えないのですが、筆者の場合は、1/3秒~0.6秒くらいのシャッタースピードでの表現が水の生き生きとした動きが表現できるので好みです。
NDフィルターをつけて超長秒露光で撮影することで、シルキーな幻想的な雰囲気を表現することもできます。
■撮影機材:ソニー α7R II + FE 24-70mm F2.8 GM, NDフィルター使用
■撮影環境:マニュアル露出・29mm・F9・ISO100・8秒
シャッタースピードを長くする場合、周りの木々などが微風でも動いてしまうので、注意が必要です。シャッタースピードに決まったルールは無いので、好みや表現したいイメージに合わせて調整すると良いですが、シャッタースピードを何秒にするか迷った時は露出ブラケット機能を使って、複数のシャッタースピードが異なるショットを撮っておくと良いです。こうしておくと、後でセレクト時やRAW現像時にそれぞれを比較して一番好みのものを選ぶことができます。
天候と光
筆者の場合、あまり天気が良くない曇りか弱雨の日に滝や渓流へ撮影することが多いです。というのも、天気が良すぎると時間帯によっては水面がギラついてしまったり、苔や木々が乾いてしまうためです。あまりに光がないどんよりとした日も面白くないので、時折雲の隙間から太陽の光が差し込むくらいの日が個人的にはベストです。
場所にもよりますが、よく晴れた日は木漏れ日からの光芒を撮ることもできるので、撮影場所と撮りたいイメージに合った天候の日に撮影するのが良いでしょう。
光と滝の作例
■撮影機材:シグマ sd dp0 Quattro
■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F11・ISO100・1/5秒
晴れた日でしたが、鬱蒼と木々に囲まれた滝で夕方の時間帯に撮影。ちょうど滝や滝壺周辺の苔に柔らかい光が差し込んでいました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F16・ISO100・1/8秒
もともとは曇りの日でしたが、撮影中に雲の合間から日の光が差し込み、苔むす岩をスポット的に照らしてくれた瞬間を捉えた一枚です。
必要な機材
基本的には通常の撮影と同様にカメラ・レンズ・三脚があれば撮影できますが、三脚を水に入れて撮ることが多いので、撮影後はしっかり水を拭き取り乾かすと良いでしょう。
撮影時の光の角度にもよりますが、水面の反射を抑えるためのCPLフィルターは必携です。各社の様々なCPLフィルターがありますが、NDフィルターと同時に使うことができるタイプのものが便利です。
また、シャッタースピードを調整するためにNDフィルターがあると良いでしょう。特に数秒間の超長秒でシルキーに取る場合は必須アイテムです。丸形や角型など様々なタイプがありますが、使用するレンズに合わせて色かぶりやムラの少ないものを選択すると良いでしょう。
最近はバリアブルNDフィルターの性能も良くなってきているようです。バリアブルNDフィルターは減光率を変えたい場合にフィルターの付け直しが不要な可変式になっているので便利です。
ただし、天気や場所にもよりますが、1/3秒~0.6秒くらいのシャッタースピードの場合は、CPLをつけて絞るだけで十分な場合も多いです。
撮影機材ではないですが、滝・渓流撮影の時にあると便利なのが長靴です。場合によっては渓流釣りの方が使っているようなウェーダー(足から太もも、胸、首まで伸びる防水ブーツまたはオーバーオール)があるとさらに安心ですが、撮影ポイントまで距離があるなどで履き続けての移動が難しい場合や、機材を減らしたい時は折りたたみができるコンパクトな長靴があると便利です。
ただし、長靴やウェーダーあると思って油断していると、思わぬ急流や水深が深い場所、滑りやすい場所等もありますので、撮影時は十分に注意してください。カメラ・レンズの水没も注意です。
さいごに
滝・渓流の撮影方法をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。春夏の緑や花々が美しい季節、秋の紅葉、冬の雪景色と一年中楽しむことができる撮影スポットだと思います。滝・渓流を撮影する機会があれば、是非この記事の内容を参考にしていただけると嬉しいです。
■写真家:齋藤朱門
宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。
齋藤朱門さんの撮影テクニックの連載記事はこちら
・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html
・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html
・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html
・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html
・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
この記事に使用した機材
【シグマ】dp0 Quattro
商品詳細ページ 【シグマ】sd Quattro H 24-105mm F4 DG OS HSM Art レンズキット
商品詳細ペー
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写真家の齋藤朱門さんが滝・渓流での撮影方法と必要な機材について紹介しています。滝・渓流は春夏の緑や花々が美しい季節、秋の紅葉、冬の雪景色と一年中楽しむことができる撮影スポットです。
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KEYWORDS:
風景,撮影テクニック,秋田の元滝伏流水,栃木県のスッカン沢,青森の渡良瀬渓流,α7R IV,α7R III,α7R II,ソニー,シグマ,sd Quattro H,dp0 Quattro
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 【写真展】大川成美×水咲奈々写真展『Canelé -カヌレ- 』
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 07/21/2021 16:00:00
TAGS: 写真展情報
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大川成美×水咲奈々写真展『Canelé -カヌレ- 』
写真家・水咲奈々が、タレント・大川成美を、SIGMA fp LとSummarit 50mm F1.5で撮り下ろしたモノクロ・ポートレートの写真展『Canelé -カヌレ- 』が「NIGHT GALLERY 高円寺」のこけら落とし企画展として開催されます。
今回の作品は、ヨーロッパの女性が撮るセルフポートレートの湿度と質感をテーマに、撮影者と被写体の女性二人の目線でランジェリー・フォトを表現しています。
写真展概要
■会期:2021年7月26日(月)〜29日(木) 15:00-21:00
※緊急事態宣言の状況により会期、時間の変更の可能性があります。ご来廊前にこちら( https://lit.link/misaki7info )のサイトでご確認をお願いします。
■会場:NIGHT GALLERY 高円寺
■住所:東京都杉並区高円寺北2-1-24
■入場料:無料
開催予定イベント
・会期全日、展示作品販売(両者サイン付きオリジナルプリント)
・7月26日(月)・27日(水) 18:00-19:00 撮影イベント(有料)。お申し込み、詳細はこちら(https://canele-event.peatix.com )。~満員御礼/キャンセル待ち受付中~
・その他イベント詳細・在廊情報はこちら(https://lit.link/misaki7info )のリンク先をご覧ください。
プロフィール
■水咲 奈々(みさき なな)
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するが、モデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので、撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。
~ShaShaでの水咲奈々さん記事一覧はこちらからご覧頂けます~
■大川 成美(おおかわ なるみ)
千葉県出身。2014年にスカウトされグラビアデビュー。女優、タレントとマルチに活動している。2019年に「週刊実話」の第1回ミス週刊実話WJガールオーディションでグランプリを獲得。高校時代ソフトボールで国体に出場経験もあり、さらに元銀行員。と異色の経歴。現在はフリーになり、グラビア活動をしながら、YouTubeでサウナやゲーム配信など、色々な活動をしている。
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写真家・水咲奈々さんが、タレント・大川成美さんを、SIGMA fp LとSummarit 50mm F1.5で撮り下ろしたモノクロ・ポートレートの写真展『Canelé -カヌレ- 』が「NIGHT GALLERY 高円寺」のこけら落とし企画展として開催されます。
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写真展情報,水咲 奈々,大川成美,Canelé,カヌレ,
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO × 木村琢磨|日常使いの超望遠レンズ
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 07/23/2021 16:00:00
TAGS: M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO,オリンパス(Olympus) レンズ,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは換算焦点距離600mmの超望遠レンズだ。換算600mmは通常であればあまり使う機会がない焦点距離かもしれないが、マイクロフォーサーズは焦点距離が2倍になるため超望遠もコンパクトに設計でき、片手でも持ち歩けるサイズと重量に仕上がっている。望遠といえば遠くのものをアップで撮る、そのイメージがかなり強いのではないだろうか。今回M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROを標準レンズの感覚で持ち歩いて撮影した作品を例に、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROの使用感について紹介する。
今回はM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROと最もバランスの良いボディであるE-M1Xをメインに使用。
片手で持てる超高画質な超望遠レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは“超”ずくめなレンズである。まずこのレンズを使う主な理由としては「超高画質」と「超望遠」であることだ。オリンパスのPROレンズはどれも写りが素晴らしいのだが、このM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROに関してはPROレンズの中でもトップクラスの描写性能を誇っている。初めて使用したときにその写りの良さに感動してしまったほど。焦点距離が特殊なこともあり、いつでもどこでもというのは難しいかもしれないが、その写りを堪能するためにあえて日常使いするのも大アリだ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 1/160秒 ISO200 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■中央から周辺まで丁寧な描写だ。ビルの細かなディティールまで再現されている。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 1/320秒 ISO200 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■解像度の高いレンズは細かいディティールの被写体を積極的に撮りたくなる。
多くの人が超望遠レンズを気軽に使えない要因は、焦点距離に加えてそのサイズ感だろう。タイトルの通りM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは片手で持ち歩ける超望遠レンズだ。600mmのレンズといえばバズーカの様な大きなレンズを想像する人が多いだろうが、このM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは全長227mm(フード収納時)と500mlペットボトルとほぼ同サイズ。
サイズがコンパクトということはカメラバッグにも収納しやすいので持ち出す機会も多くなる。重量は1,475g(三脚座含む)と望遠レンズなのでそれなりにあるが、600mmのレンズとして考えるとかなり軽い。適度な重さがあるおかげで手振れ抑制にも繋がっている。三脚座を使用しない人は取り外しも可能なのでさらに200g軽量化できる。三脚座はアルカスイス規格となっており、アルカスイスで統一している人には嬉しいポイントだ。
500mlのペットボトルとほとんど変わらないサイズ感。気になる人は実際にペットボトルを手にとってそのサイズ感を確かめて欲しい。
三脚座の底部がアルカスイス規格のプレートになっている。もちろんネジ穴も付いているので通常の三脚にもそのまま取り付けが可能だ。
鏡筒部には操作スイッチが配置されているのでファインダーを覗きながらでもワンアクションで設定が変更可能だ。
マイクロフォーサーズシステムの良いところは機材を持ち出しやすいこと。カメラがなければ写真は撮れないので、写真を撮る上で本レンズも重要なポイントを押さえたシステムであると言える。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 1/500秒 ISO200 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■散歩中に出会った木漏れ日を撮影。スナップ感覚で撮影できるのも魅力の一つ。
一般的には普段使いではない600mmだが、600mmにしか撮れない写真も多く存在する。標準ズームでカバーしている焦点域が一般的な人気のある焦点距離ではあるが、この特殊な焦点距離は間違い無く自分の写真を変えてくれるきっかけになるだろう。M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは焦点距離に対してコンパクトなレンズであるため、私の場合は一般的な超望遠レンズとしての使い方よりも見慣れた景色、近所の散歩のお供として持ち出して使用する機会も多いのだ。
私自身M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROを手にして超望遠の概念が大きく変わった。超望遠だから遠くの被写体を狙おう、最初はそう思っていた。しかし、使えば使うほど普段撮影している被写体に目を向けてみるとどうだろう?そう思う様になり、最近では散歩に持ち出して新しい視点探しの相棒になってくれている。
日常に超望遠を取り入れる
そもそも超望遠の使い道とはなにか?遠くの被写体をアップで写したい、それが本来の超望遠の役割と考え方で間違い無い。M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは「寄れるレンズ」でもあるのでマクロ的な使い方も得意だ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/2500秒 ISO200 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■撮影倍率が高いので望遠レンズでよくある「寄れない」ということがない。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/2500秒 ISO400 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■蜂の体毛一本一本まで鮮明に写し撮っている。遠景から近景まで隙のないレンズだ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/2500秒 ISO400 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■超望遠で蜂の世界を覗き見る。600mmの焦点距離による強制的な引き算で主題がよりはっきりする。
寄れるだけで撮影範囲が一気に広がるため、散歩の途中で出会った花や虫などもサッと撮れる。寄れるというだけで日常使いへのハードルが下がる。また、極端な焦点距離である事とズームができない単焦点であるため、自ずと「いつもと違う視点で被写体と向き合う」ことになる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/2500秒 ISO200 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■景色を撮る、というよりも目についたものを撮ると考えると撮影がより楽しくなる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/11 1/160秒 ISO200 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■絞り込んでトンボ全体にピントが来る様に。F11まで絞っても解像度をキープしたままだ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/3200秒 ISO800 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■シャッターチャンスを遡れるプロキャプチャーモードを使って撮影。電子シャッターによる効果で翅(はね)の躍動感が出た。
いつもなら広角で撮影しているけど……今日は600mmしかない、そんな状況でどこに注目するのかが使っていて楽しい。ズームができない事で「割り切り」が必要となり、結果的にズームよりも単焦点の方がシャッターチャンスに強かったりもするのだ。焦点距離が長くなるほど写せる画角が狭まることになり、より被写体をシンプルに写し出すことが可能となる。写真は引き算とよく言われるが、画角の狭さと被写界深度が浅くなる望遠レンズは引き算がしやすくなる。
また、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROはテレコンバーターにも対応しており、オリンパスには焦点距離が1.4倍になるMC-14と、焦点距離が2倍になるMC-20がラインナップされている。MC-14と組み合わせると840mmに、そしてMC-20と組み合わせるとなんと1200mmの焦点距離に早変わりだ。注意したいのはテレコンバーターを装着するとF値が暗くなるため、それぞれ840mm/F5.6、1200mm/F8.0のレンズと考えておくと良いだろう。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(MC-20使用)
■撮影環境:f/16 1/80秒 ISO400 焦点距離600mm(35mm判換算 1200mm)
■換算焦点距離1200mmが生み出す超圧縮効果で街並みを凝縮。一枚の中に約1000mの距離が圧縮され
ている。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(MC-20使用)
■撮影環境:f/8.0 1.0秒 ISO200 焦点距離600mm(35mm判換算 1200mm)
■超望遠の眼になっていたからこそ出会えた景色。肉眼でなんとなく確認できる距離感だったが換算1200mmの焦点距離のおかげで画面一杯に収めることができた。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(MC-20使用)
■撮影環境:f/11 1/3200秒 ISO200 焦点距離600mm(35mm判換算 1200mm)
■逆光で輝く海を背景に人物がシルエットになる様にローキーで撮影。超望遠のおかげで輝く海を背景に
することができた。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(MC-20使用)
■撮影環境:f/11 1/2000秒 ISO200 焦点距離600mm(35mm判換算 1200mm)
■1200mmの圧縮効果により背景の灯台を大きく写すことができた。超望遠で撮るときはいつもより一歩引いて標準レンズで収める様なフレーミングで撮影すると効果が出やすい。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(MC-20使用)
■撮影環境:f/8.0 1/40秒 ISO200 焦点距離600mm(35mm判換算 1200mm)
■満月が綺麗だったので1200mmで撮影。手持ちハイレゾショットで撮影して画素数を増やし、撮影後にトリミングをすることで画質の劣化を抑えつつ焦点距離を2400mm相当に。
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROにプラスでテレコンバーターを2つ揃えておくことで600mm、840mm、1200mmのレンズが手元に揃うことになる。また、テレコンバーターはM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROにも組み合わせて使用することができるため、持っていても損はないアクセサリーだ。
驚異の補正効果!5軸シンクロ手ぶれ補正
換算600mmにもなると流石に一脚か三脚がないと難しい。という悩みや不安をM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは払拭してくれる。M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROにはIS(レンズ内手振れ補正)が搭載されており、対応機種と組み合わせることで5軸シンクロ手ぶれ補正が有効となり6段分の補正効果を得ることができる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 1/50秒 ISO200 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■OM-Dで撮影していると手ぶれ補正が効きすぎて焦点距離問わず手持ち撮影が当たり前になってしまう。600mmでも余裕で手持ち撮影できるのは「機動力」に繋がる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(MC-20使用)
■撮影環境:f/16 1/10秒 ISO1600 焦点距離600mm(35mm判換算 1200mm)
■日陰で翅(はね)を休めていたハグロトンボをMC-20と組み合わせてマクロ撮影。シャッタースピード1/10秒と焦点距離からすると三脚必須のシャッタースピードだが5軸シンクロ手ぶれ補正の効果もあってピタリと止まっている。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/1250秒 ISO200 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■手ぶれ補正の恩恵は撮影後だけではなく撮影時から受けている。超望遠になるほど、ほんのちょっとしたレンズの動きで構図が大きく変わってしまう。手ぶれ補正はフレーミング時から補正が効いている為まるで三脚に固定している様な安定感で構図をキープすることができる。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/8000秒 ISO3200 焦点距離300mm(35mm判換算 600mm)
■強力な手ぶれ補正のおかげで手持ちで構図をキープしたままトンボが止まる瞬間を狙うことができた。
手振れ補正に関しては「シャッタースピード=1/換算焦点距離 秒」に対しての補正効果となるため、6段となると1/640を起点に考えた場合「シャッタースピード1/10秒」でも600mmの手持ち撮影が可能ということだ。あくまで理論値では?と思う人も多いかもしれないが、実際にはさらに遅いシャッタースピードでも手持ちでの撮影ができたので、控えめに言って6段なのでは…と思っている。OM-Dの手振れ補正に関しては毎回驚かされる。
実際テレコンバーターと組み合わせて1200mmでマクロ撮影を行なっているが、この時のシャッタースピードは1/10秒での撮影だ。換算600mmではなく換算1200mmでの撮影にもかかわらず、シャッタースピード1/10秒でも手持ちで撮影できるほど補正が効いているということだ。自分の体感としては6段どころか8段くらい効いてるのではないか?と思わせてくれる。超ずくめなM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROであるが3つ目の超は「超手ぶれ補正が効く」だ。
まとめ
600mmまでは必要ないな、そう思っている人こそこのM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROを使って撮影してみて欲しい。間違いなく超望遠のイメージが大きく変わるはずだ。また、マイクロフォーサーズならではのコンパクトな超望遠+近接撮影能力の高さも相まって、マクロ撮影が好きな人にも是非検討していただきたい一本だ。カタログやネットの情報だけでは伝わりにくいのが実際のサイズ感や取り回しの良さなどの使用感であり、可能であれば一度店頭で実際に手に取ってファインダーを覗いて体感してもらいたいというのが本音だ。M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROはよりシンプルに被写体と向き合うことができる超望遠レンズとして、私の作品作りの良き相棒としてこれからも活躍してもらいたいと思う。
■写真家:木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
この記事に使用した機材
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M1X
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんがオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROのレビューを行っています。35mm判換算600mm相当の超望遠では難しいと思われてきた日常の手持ち撮影の中で本レンズを紹介しています。マイクロフォーサーズならではの超望遠レンズの魅力を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO,レビュー,オリンパス,Olympus,レンズ,スナップ,日常使い,木村琢磨,写真家
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 小川晃代さんテスト
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CATEGORY: 小川晃代
DATE: 07/27/2021 10:19:46
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BODY:
テスト
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EXTENDED BODY:
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: GoPro HERO9 Black レビュー|バイクツーリングが2倍楽しくなるアイテム
BASENAME: 482636572.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 07/27/2021 16:00:00
TAGS: GoPro(ゴープロ) ボディー,HERO9 Black,アクションカメラ,その他カメラ
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BODY:
はじめに
「GoPro HERO9 Black」はGoProシリーズの最新バージョンで、皆さんもいろいろなシーンで目にすることも多いカメラではないでしょうか?最近ではテレビのロケなどでも使用されているのをよく見かけます。小さくて防水、そして優れたブレ補正が魅力のアクションカメラです。
今回は、どんどん進化を続けるGoPro最新バージョンのHERO9 Blackでバイクツーリングを楽しみながら撮影をしてみました。
GoPro HERO9 Blackのスペック確認
GoProは最新のHERO9 Blackのほか、前機種も併売されています。HERO9 Blackが前のタイプのHERO8 Blackと比較して何が変わったのか確認してみたいと思います。
HERO9 Black HERO8 Black 写真 20MP 12MP ビデオ 5K30 + 4K60 4K60 防水性能 10m 10m 前面スクリーン 〇 - ブレ補正 HyperSmooth3.0 HyperSmooth2.0 タイムラプス ビデオ 〇 〇 スローモーション 〇 〇 ライブ ストリーミング 〇 〇 サイズ(mm) 71 x 55 x 33.6 66.3 x 48.6 x 28.4 重量 158g 126g
筆者が注目したポイントは5つ。
①静止画の撮影できる画素数が1200万画素から2000万画素にアップ
動画撮影を中心に使うカメラではありますが、やはり静止画の画素数アップは素直に嬉しい性能進化です。そもそもアクションカメラは、広角レンズを使用しているので望遠での撮影はできません。しかし、画素数が2000万画素になったことによりトリミング耐性が強くなり、余白をカットすることで画像の一部を拡大するような使い方も可能になりました。
②前面にもついた液晶画面のおかげで自撮りでフレームアウトの心配なし
液晶画面がボディの前面にも搭載された為、自撮り撮影でも安心して使えるようになりました。アクションカメラ的な使い方以外にも、V-LOGカメラとしても使えるアイテムになったと思います。前面の液晶画面はスクエアサイズの小さい画面ではありますが、自撮りをしている時に確認しながら撮影できるのはとても心強いですね。もちろん、前面液晶を使用しない際にはオフにすることもできます。使用用途に合わせて選択できるのはありがたい機能です。
③4K60Pに加え、5K30Pでも動画撮影が可能になった
5Kサイズ(5120 × 2880ドット)という高解像度の動画撮影が可能になったのは、魅力の一つです。しかしアクションカメラとして使用する場合、5Kサイズではフレームレートが30Pなので動きの多いシーンの撮影には少し厳しいと思います。あまり動きの多くないV-LOG撮影で使うような場合はトリミングなどにも余裕で対応できるメリットがあります。バイクや自転車など走って撮影するような場合は、より滑らかに記録できる4K60Pで撮影する方がおすすめです。
④ブレ補正のHyperSmoothがバージョンアップし、より強力になった
HyperSmooth (ハイパースムーズ) とは、HERO7 Blackで初めて導入された強力な電子式画像安定化機能 (EIS - Electornic Image Stabilization) です。ジンバルのような安定化機能でよりスムーズなビデオ撮影が可能になります。HERO8 Blackでバージョン2.0になり、HERO9 Blackではさらにバージョン3.0へと進化。より強力なブレ補正が可能になるとともに、新たにカメラ内ホライゾンレベリング(水平維持)が可能になりました。
⑤移動しながら安定したタイムラプスビデオが撮影できる「TimeWarp」機能
通常タイムラプス動画を撮影する場合は、三脚などにカメラを固定して撮影する事がほとんどですが、HERO9 BlackではHyperSmooth3.0機能と合わせて動いている状態でも安定したタイムラプス動画が撮影可能になりました。例えば旅行の移動途中などを「TimeWarp」で撮影すると、早送りの様な動画を簡単に撮影することができます。
カメラ本体は従来の機種より若干サイズアップし重量も増加していますが、もともと小型のアクションカメラなのでそれほど気にならないレベルの違いだと感じます。サイズが変わった事によって、従来使用できた一部のアクセサリーが使えなくなっているので、その点は注意が必要です。それでも、各メーカーから発売されている様々なGoProアクセサリーが使用できるメリットは大いにあり、撮影の方法やアングルに変化を与えてくれ、今まで撮れなかった映像を撮影することができます。
GoPro HERO9 Blackをバイクに装着する
今回のGoPro HERO9 Blackの活用方法は、バイクツーリズムでの撮影です。バイクにGoProを装着することで走行シーンを簡単に撮影することができ、旅の思い出もより楽しむことができます。GoProでバイク走行動画を撮影するためには、まず本体をバイクに装着するマウントアダプターを用意します。各メーカーからいろいろな形状、価格で発売されています。
撮影するときは、バイクに装着する方法とヘルメットに装着する方法の2パターンが考えられます。GoProを装着する場所はバイクによりますが、クランプで固定するタイプのアダプターであればいろいろな場所に装着する事が可能で、工夫次第で面白い映像や迫力ある映像を撮ることが可能です。
ヘルメットに装着する場合とバイクに直接装着する場合で、それぞれのメリットデメリットがあります。ヘルメットに装着すれば、顔を動かした方向にカメラを動かすことになり、自分の思った場所をすぐに撮影することが可能です。たとえば、停車時などに左側に向けば、すぐに走行しているヨコ側を撮影することができます。
バイクのハンドル等にGoProを直接装着した場合は、基本的には一定方向のみの撮影になってしまいますが、ハンドルなどに装着した場合は安定した撮影をすることができます。もちろん、停車しているタイミングでカメラを違う方向に変更するのもネジ一つで簡単にできます。自分の撮影したいスタイル、イメージに合わせて装着するのがよいと思います。
バイクガードフレームなど下の方に装着した場合は、ローアングルで撮影が可能になり普段とはまったく違った視点での迫力ある映像を撮ることができます。
GoPro HERO9でバイクツーリングを楽しむために、ハンドルマウントアダプター以外に下記のアイテムも用意しておく事をお勧めします。
・三脚兼自撮り棒・・・バイクを降りた後の観光などの撮影に便利
・予備バッテリー(必須)
・予備記録メディア
本体の他にぜひ持っておきたいアクセサリー類
三脚を使えば自身のライディングシーンも撮影できる
GoPro HERO9 Blackでバイク動画撮影
シーンに合わせて最適なプリセットを簡単に選ぶことができる
GoPro HERO9 Blackは、買ってすぐに使えるように各撮影モードにはプリセットが用意されています。写真またはビデオの撮影に最適なモードと設定を簡単に切り替えることができ、撮りたいショットを可能な限りシンプルに撮影できます。
ビデオ撮影では4種のプリセットがあり、撮影用途に合わせてセレクトするだけで簡単に撮影することができます。もちろん、自分で細かな設定をして撮影する事もできるので、ビギナーからプロまで幅広いユーザーの使用に対応しています。
プリセット 解像度
フレーム レンズ 用途 標準
1080P
1920 x 1080
60P 広角
(16~34mm)
スマートフォンやテレビでのフルスクリーン再生に適した1080pビデオを撮影します アクティビティ 2.7K
2704 x 1520
60P SuperView
(16mm)
最高に臨場感あふれるアクティビティの映像を撮影できます シネマティック 4K
3840 x 2160
60P 狭角
(27mm)
魚眼効果なしの高解像度、映画仕様の映像を撮影します スローモーション 1080P
1920 x 1080
240P 広角
(16~34mm)
再生中に映像を標準速度の8倍まで減速できるビデオを録画します
今回のバイクに装着して撮影する動画は、このプリセットから一番ピッタリな「アクティビティ」を使って撮影してみました。
実際に動画撮影するにあたって、一番気になるポイントは“ブレ”ではないかと思います。筆者も当初バイクに装着して、まともな動画が録れるのか半信半疑でしたが、実際に撮影してみるとその不安は見事に裏切られました。ビックリするほどブレのない動画が録れて、思わず「おー!」と声が出てしまいました。とにかく「HyperSmooth3.0」機能は優れものです。
実際にバイクのハンドルバーにGoPro HERO9 Blackを装着して舗装路、石畳の道路、未舗装路で撮影してみました。
【舗装路】
路面のギャップで跳ねることはあれど非常にスムーズな映像が録れていると思います。カーブでバイクを傾けてもブレることは一切ありません。
VIDEO
【石畳】
小刻みにバイクが揺れる石畳の上を走っても、GoProで録った映像は全くブレていませんね。
VIDEO
【未舗装路】
ガタガタとバイクが揺れる未舗装路でも、大きな段差がなければ安定した映像が録れています。GoPro HERO9 Blackのブレ補正がいかに強力かが分かりますね。
VIDEO
次にGoPro HERO9 Blackをバイクのサイドガード部分に装着して、ローアングルで撮影をしてみました。視点が地面に近くなり、かなり迫力ある映像を撮ることができます。今回使用したマウントはアダプターで挟める所があればいろいろな位置で撮影ができ、2個所のボールマウントで様々な角度や方向への調整ができる優れものです。ネットショップで2000円~5000円程度で購入できるのも魅力的です。
VIDEO
ローアングルで撮影する場合は、飛び石などで破損しないか心配でしたが、今回は特に問題なく撮影する事ができました。未舗装路などでローアングル撮影する場合は、特にカメラの保護を考えないといけないかもしれません。
カメラの方向を変えれば、走行中の自撮り撮影も可能。前面にも液晶画面があるので、撮影位置を固定するときも画角を確認しながら楽にセッティングができます。
カメラを自分の方に向ければ走行中の自撮りも可能
次の動画はタイムラプスメニューにある、「TimeWarp 3.0」で撮影したものになります。タイムラプスにも、ビデオメニューと同じ様にプリセットがあります。
プリセット 解像度 撮影間隔 レンズ 用途 TimeWarp 3.0 1080P
1920 x 1080
自動 広角 カメラを動かしながら撮影するタイムラプスビデオ タイムラプス 1080P
1920 x 1080
0.5秒 広角 カメラを静止させて撮影するタイムラプスビデオ ナイトラプス 1080P
1920 x 1080
自動 広角 薄暗いまたは暗い環境での撮影
「TimeWarp 3.0」は、カメラを動かしながら撮影するタイムラプスビデオなので、バイクの走行動画にピッタリの機能です。早送り動画のような感じになり、ツーリング行程を圧縮して演出できますね。
VIDEO
夜の高速道路をTimeWarp 3.0で設定を4Kにして撮影してみました。とても面白い感じの動画が撮ることができました。
VIDEO
アプリで簡単編集
GoProからは「Quik」というアプリが用意されています。このアプリを使って、GoPro HERO9 BlackとスマートフォンをWi-Fiで接続すれば、動画を取り込んだり編集加工をしたりすることができます。
動画の長さを調整するトリミング、色の変化を付けるフィルター、速度を変化させる機能などがあります。アプリ上で使用したい動画や静止画を選択すれば、自動的にアプリがかっこいい動画を作成してくれます。できあがったデータをさらに編集することができるので、BGMを変えたり、アクションを変えたりしてスマホだけで素敵な動画を作ることができます。
「Quik」アプリを使用して作成した動画がこちらです。
VIDEO
まとめ
実際にGoPro HERO9 Blackをバイクに装着して感じたことは、思っている以上にブレない走行動画を撮れること。とにかく最初はビックリしました。しかし、今回はいろいろな設定を変えながら撮影していたので、今まではあまり気付かなかった点も多く分かりました。今までは気にする事もなくデフォルト設定のフレームレート60Pを使用していましたが、これを30Pで撮影してしまうと、60Pでは滑らかに録れてた動画が、ブレブレの動画を量産することになってしまいます。デフォルトの60P設定はバイク走行撮影では必須です。2.7Kか4Kに関しては、ご自身の活用方法によって切り替えれば問題ないでしょう。実際に2.7K動画を4Kのテレビで見てみましたが、実用的には問題ありませんでした。
今ではバイクを走らせるときには、必ずと言っていいほどGoPro HERO9 Blackを持ち出します。ぜひライダーには使って欲しいアイテムです。
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
この記事で紹介した機材
【GoPro】デュアルバッテリーチャージャー + バッテリー(HERO9 Black)
商品詳細ページ 【GoPro】MAX グリップ+トライポッド
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんが、GoProでのバイク車載動画の撮影方法を解説!マウント箇所を工夫したり、タイムラプス機能を活用したりして印象的な映像を撮影してみましょう。
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KEYWORDS:
GoPro,ゴープロ,HERO9 Black,レビュー
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ソニー α7C × ペット撮影|小川晃代
BASENAME: 482651184.html
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CATEGORY: 小川晃代
DATE: 07/28/2021 16:00:00
TAGS: ペット_動物,ソニー(Sony) ボディー,α7C,犬/猫/ペット,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
ペット撮影において身軽さはとても重要です。愛犬とのおでかけではただでさえ愛犬用品で荷物がいっぱいになるので、カメラはコンパクトであれば良いに越した事はありません。仰々しいカメラバッグを持つこともなく、いつものバッグにポンっと入るくらいのコンパクトなカメラであれば撮りたい時にさっと取り出しパッと撮れるので便利です。α7Cはそんな使い方にピッタリのサイズ感。フルサイズミラーレスでありながら世界最小・最軽量の約509g。
とにかくコンパクトに持ち運びたいけど、画質やボケ味もしっかりこだわりたい方には特にお勧めのカメラです。今回はα7Cを持っていろいろと撮影してきました。実際の犬猫撮影でどれだけ活躍するのか見ていただきたいと思います。
撮影前にカスタマイズ
撮影をする前にまずはペット撮影で使いやすいように少しだけカスタマイズをします。私がよく使う「フォーカスエリア」や「フォーカスモード」、「APS-C/フルサイズの切り替え」、「ホワイトバランス」はボタン操作ですぐに設定出来るようにカスタムキーに設定をします。頻繁ではないけれど、たまに使いそうな項目はファンクションメニューに入れておきます。私の場合、「サイレント撮影」、「フリッカーレス撮影」、「検出対象」をファンクションメニューに追加しました。
35mmレンズで撮る
身軽にレンズを1本だけつけて撮影に行くなら35mmの単焦点レンズ。α7Cと35mmレンズとの組み合わせはコンパクトだからどこに持ち歩いても苦になりません。普段のお散歩撮影から家の中での撮影まで幅広く使え、何よりもこのボケ感がたまりませんね。
写真は私がよく行く猫カフェMONTAさんでの1枚。くつろいでいるにゃんこにぐっとよって撮影しました。α7C+35mmレンズはコンパクトなので、にゃんこに威圧感を与える事なく自然な姿を写し取る事が出来ます。
■撮影機材:SONY α7C+Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:f1.4 焦点距離35mm 1/250秒 ISO-800
フルサイズならではの解像感
こちらの写真は片手持ち撮影で撮った写真。右手にカメラ、左手に猫じゃらしを持ってあやしながら撮影しました。子猫の澄んだ瞳を強調したかったのでカメラ目線になるように猫じゃらしで誘導して撮っています。光量が不足しがちな室内撮影でも35mmレンズとの組み合わせでこんなにキレイ!
室内で速いシャッター速度を出そうと思うとISO感度を上げる事になりますが、α7Cはフルサイズなので躊躇せずに高感度で撮れるのがうれしいです。ISO4000まであげて撮っても瞳の輝きは見たままの美しさ。吸い込まれてしまいそうな猫の瞳がリアルな色で再現できています。
■撮影機材:SONY α7C+Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:f1.6 焦点距離35mm 1/1600秒 ISO-4000
α7Cと70-200mmの組み合わせ
屋外では主に85mmと70-200mmレンズを使用しています。お花畑でのペット撮影ではペットの表情だけでなく花の美しさや背景のボケ味が相まって被写体を引き立たせてくれます。なるべく花がキレイに咲いている場所を選んだ後は望遠レンズの圧縮効果で花の密集感を表現します。
屋外の撮影では太陽が出たり雲に隠れたりと明るさがころころと変わる時があります。そんな時はMモードでISOはオートに設定して撮ると、明るさの心配をせずに撮影に集中出来るのでおすすめです。その時々で斜光で撮ったり逆光で撮ったりするので露出補正も重要。α7Cは独立した露出補正ダイヤルがついているのですばやく露出補正が出来るもうれしいです。
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f3.2 焦点距離174mm 1/2000秒 ISO-500
下記は85mmで撮影した1枚。70-200mmの背景をぐっと引き寄せた絵とはまた違って広い景色を入れ込みながら且つこのボケ感。
■撮影機材:SONY α7C+FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:f1.4 焦点距離85mm 1/3200秒 ISO-200
動きシーンで使えるトラッキングAF
動いたり遊んだりするシーンを撮るなら迷わず70-200mmレンズ。ペットから少し離れた所からカメラを構え、ペットの動きに合わせてレンズを振って撮影します。動き回るペットを撮る時のシャッター速度は1/1000秒以上に設定し、AFエリアはトラッキングAFを使うと撮りやすいです。
トラッキングは被写体を追尾してフォーカスを合わせ続けてくれる機能です。画面タッチかフォーカスエリアで指定した位置からトラッキングがスタートします。トラッキングを開始すると被写体が横や後ろを向いてもトラッキングし続けてくれるので不規則な動きシーンを撮る時にとても便利です。
もう一つ嬉しいのが「押す間トラッキング+AFオン」機能です。普段AF-SでフォーカスエリアをスポットAFで撮っていたとしても、「押す間トラッキング+AFオン」ボタンを押せば、スポットAFで選んでいた位置からトラッキングがスタートします。さっきまで大人しかったわんこが急に元気に走り出した!なんて時にもこれを使えば撮り逃しがなくなります。「押す間トラッキング+AFオン」は初期設定ではAF-ONボタンに割り当てられているので是非使ってみてください。
写真は海に投げた木の棒を撮りに行くわんこ。こんな激しい動きもトラッキングAFを使えばわんこをずっと追い続けてくれるのでいつでもシャッターチャンスがあります。あとは連写で沢山撮ってお気に入りの1枚を選ぶだけ。連写速度も10コマ/秒だから沢山撮って後から良いフォームの写真を選べます。
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f3.2 焦点距離83mm 1/4000秒 ISO-640
水から上がった後はお決まりのブルブル。こんなシーンも水滴の一つ一つまで繊細に写ります。
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f3.2 焦点距離142mm 1/3200秒 ISO-640
便利なバリアングル液晶
野良猫撮影でも便利だったのはバリアングル液晶。犬猫撮影ではほとんどの場合、犬や猫の目の位置と同じ高さあたりにカメラを構え撮影をします。そうすると地面ギリギリの位置でカメラを構える事が多くなります。バリアングル液晶があれば無理な体勢をせずに縦位置、横位置写真が撮れるんです。どんな場所でも寝そべって撮影していた昔がとても懐かしく感じますが、このバリアングル液晶の便利さを一度知ってしまうとやめられません。
地面を少し前ボケにして入れ込みたかったのでカメラは地面に置くような状態にしてバリアングルで撮影しました。
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f2.8 焦点距離200mm 1/800秒 ISO-250
野良猫の場合、人に慣れている子と臆病な子と様々な子がいるので、まず猫に出会ったら猫の様子を伺い遠目から撮影をします。野良猫撮影では70-200mmレンズを使いますが、臆病な猫だとあまり近寄れないため200mmでは足りない事が多く、そんなときはAPS-C機能を「入」にし焦点距離を1.5倍にして撮影しています。これが本当に便利!!昔は野良猫撮影時には70-200mmと100-400mmレンズを持っていって途中でレンズ交換していました。これが面倒で手間でしたが、今は70-200mmレンズ1本でフットワーク軽く撮影出来ています。煩わしいレンズ交換をする事もなく、猫を驚かせる事のない距離感で撮影が出来るので嬉しいです。
街角で出会ったにゃんこ。朝方と夕方は猫たちがよく動いています。見つけたらビックリさせないように遠くからレンズを構えていれば、自然な表情を見せてくれます。
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f2.8 焦点距離100mm 1/320秒 ISO-640
まとめ
今回主に犬猫を撮影してみて思ったのは、α7Cは普段の何気ないシーンから動きシーンまで幅広く使えるカメラだという事。ペット撮影で私がカメラに求める物はAF精度と連写速度です。α7Cは高いフォーカス精度と一度捉えた被写体を見失うことなくカメラまかせでピントを合わせ続けてくれるトラッキング機能、さらには連写速度も10コマ/秒と申し分ないカメラです。コンパクトで手軽にフルサイズの描写力を持ち運ぶ事が出来るカメラでありながらこの性能。ペット撮影でこれからも役に立ってくれるカメラになるでしょう。
■写真家:小川晃代
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。
ソニー α7Cはこちらの記事でも紹介しています
■ソニー α7C レビュー|一度慣れるとその秀逸さに離れられなくなるカメラ
https://shasha.kitamura.jp/article/480750928.html
■ソニー α7C レビュー|持ち歩きに最適なフルサイズミラーレスを持って小旅行!
https://shasha.kitamura.jp/article/478296359.html
■ソニー α7C|世界最小・最軽量 フルサイズのミラーレスカメラが登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/477459830.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ペトグラファーの小川晃代さんが可愛いにゃんこやわんこの作例と共にソニーα7cのレビューをしています。α7cに興味がある方も、犬や猫が好きな方も必見です!
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KEYWORDS:
犬,ペット,撮影テクニック,α7C,SONY,単焦点レンズ,ペトグラファー,小川晃代,
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム「XF18mmF1.4 R LM WR」って星空撮影で使えるレンズなの?星空写真家がその性能をレビュー
BASENAME: 482650275.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 成澤広幸
DATE: 07/29/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF18mmF1.4 R LM WR,星景_天体,単焦点,星景写真の撮影テクニック,星景/夜空/星空/天体
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BODY:
XF18mmF1.4 R LM WRについて
XF18mmF1.4 R LM WRは「高画素化にも対応したレンズ」として、富士フイルムから2021年5月に発売された広角単焦点レンズ。f1.4の開放から驚くべきシャープネスを誇り、最短20cmまでの近接撮影も可能、富士フイルムが威信をかけた高性能レンズと言ってもいいと思います。2020年10月に行われたライブイベントで開発が告知され、発売後のレビューも軒並み高評価ばかりでとにかく素晴らしいレンズのようです。そんな中、開発者の方がこう言っていました。
「星空を撮影する人にも使って欲しい」
星空の撮影と言っても、風景と星空を同一構図で撮影する「星景写真」と、星空だけを撮影する「天体写真」とがあります。実際にこれらの撮影している人ならこの発言を聞いて「んんん?」と思うでしょう。なぜならば35mm換算27mmは、星景写真にも天体写真にも中途半端な焦点距離だからです。
そんな印象のレンズでしたが、さてその実力はいかなるものか。実際に星空をメインで撮影している私が検証してみました。
XF18mmF1.4 R LM WRをX-S10に装着するとこんなサイズ感
XF18mmF1.4 R LM WRは小型軽量な点も特徴。他のレンズと比べるとサイズ感が伝わると思います
星空適性を検証
まずは開放f値1.4での星空と、f2.8での星空を比べてみましょう。どちらも画像処理なしです。
【f1.4で撮影】
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:ISO8000 f1.4 SS5.6秒 AWB
【f2.8で撮影】
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:ISO8000 f2.8 SS13秒 AWB
違いが分かりやすいよう、f1.4とf2.8が交互に現れるアニメーションgifにしてみました。
f1.4だと若干周辺減光が見られますが、それでもf1.4にしては相当少ない方です。画像処理ができる方なら簡単に直せます。そして、f2.8になるとほぼ周辺減光がなくなることがわかります。f4でも一応試しましたが、f2.8時とほとんど変わりませんでした。また、ホワイトバランスをAWBに設定してみましたが、f1.4時は少しマゼンタっぽく、f2.8時はそれがなくなるのもわかります。この辺りはf1.4時のピントの精度にもよるかもしれませんが、f2.8まで絞ると周辺減光と一緒に背景の色ムラも改善するようです。
次にこれらの画像の中心部分を拡大して、解像感を比較してみましょう。
画像中央部を拡大して比較
さらに、周辺像(右上の隅)も同様に比較してみます。
画像周辺部を拡大して比較
通常、開放f1.4のレンズというのは、ここまで周辺が点で収まることはありません。これは驚愕の性能だと感じました。f2.8まで絞れば中心から周辺まで、限りなくフラットな星像を維持できることがわかります。しかしながら、画像処理前提にはなりますが、f1.4での星像も十分に実用範囲であると言えます。私はこのレンズを星景写真で使用するなら、迷わずf1.4で使用するでしょう。
35mm換算27mmってどうなの?
さて、評判通り驚愕のレンズ性能であることがわかりましたが、これは広角レンズとしては狭い35mm換算27mmという、設計的にあまり無理をしていないからこそ実現したという意見もあると思います。何より、星空と風景を広く撮影するためには24mmよりもワイドな超広角レンズが適していると考えられており、XF18mmF1.4 R LM WRは星景写真で使用するには少々物足りない焦点距離です。星空の描写が素晴らしいものであったとしても、それが焦点距離を考えると実用的かというと、う~ん……というのが正直な感想です。
いくつか撮ってみた作例を見ていきましょう。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
■撮影環境:ISO8000 f1.4 SS5秒 AWB
「Sequator」で12枚を加算平均合成処理
Photoshop CCで画像処理
「Sequator」は星空と風景を別々に加算平均合成(コンポジット)して、ノイズを平均化して目立たなくさせるフリーソフトです。このソフトを使用する場合、周辺像が点で写っていなければ同心円状に星像が乱れるため、普段は絶対f1.4では使用しません。でも、このレンズであれば全く問題ありませんでした。それだけ突出した画質を誇っているということがわかります。何よりこの撮影データ見てください。シャッタースピード5秒ですよ……5秒で適正露出が出るって……なんともスゴイことです。露出が短い分、地球の自転の影響で星が流れにくいため、赤道儀がなくてもしっかりと点で写せるわけです。
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF18mmF1.4 R LM WR + KENKO STARRY NIGHT フィルター
■撮影環境:ISO8000 f2.8 SS20秒 AWB
Photoshop CCで画像処理
こちらは合成なしの一枚撮りで、f2.8で撮影しました。ピントは星空に合わせています。f1.4だと完全にオブジェがボケるのでf2.8で撮影しました。f2.8に絞ると隅々までしっかりと写る点像がものすごく心地よい。光害カットフィルターとの相性も良く背景ムラも少なくなるため画像処理も楽です。
狭いと言っていた画角ですが、なんとか地上風景と星空が収まりました。しかしながらこれは今の時期だからできることで、星空と風景が離れてしまう冬の天の川などでは同じ構図では撮れません。あくまで、低い位置に背景となる天の川や星座がある時期・方角でないと、こういった星景写真らしい構図では撮れないだろうと感じました。
ところが使い慣れてくると「こういうのもいいかもしれない」と感じ始めました。普段、超広角レンズでばかり撮影しているので、少し狭めのこの画角がとても新鮮に感じたのです。たまにはこういったアプローチもするべきだなと、レンズから学ばせてもらったような気持ちになりました。
背景ボケの美しさは星景写真でも生きる
こちらの写真はさらにオブジェに近づいて、背景の星をぼかしてみました。
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF18mmF1.4 R LM WR + KENKO STARRY NIGHT フィルター
■撮影環境:ISO8000 f1.4 SS8秒 AWB
Photoshop CCで画像処理
驚くべき口径食の少なさです。隅々までボケた点が丸いままです。下の写真は別のレンズでの作例ですが、通常は開放f1.4で撮影するとこうなります。
別のレンズを使い開放f1.4で撮影。ボケの形がレモン型になっているのが分かります
背景の星がレモンのような歪な形になっているのがわかりますでしょうか。これが口径食です。XF18mmF1.4 R LM WRは背景ボケにも拘ったとありましたが、まさかここまでとは思いませんでした。昼夜を問わずに活躍するレンズであることは間違いありません。
XF18mmF1.4 R LM WRで撮る星空タイムラプスのメリット
星空タイムラプスで、背景の星空が動くスピードを決めるのはインターバルタイムとシャッタースピードです。通常は極端に短くすることができないため、背景の星がどのシーンでも同じスピードで動いてしまい、視聴者が飽きてしまうというパターンがありますが、XF18mmF1.4 R LM WRを使用すれば開放f1.4での撮影で十分な解像力が得られるため、星空タイムラプスでは稀な非常にゆったりとした動画を撮影することができます。
これにより、緩急をつけた動画制作が可能になります、思わぬところで自分の作品に広がりを持たせることができました。
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ここが気になる!今後に期待したいこと
さて、ここまでXF18mmF1.4 R LM WRを撮影して大変満足できる撮影体験ができたのですが、一点だけ気になることがあります。それは、開放f1.4でのピント合わせの難しさです。f1.4でこれだけの解像力を出せるレンズなので、性能が良すぎるがゆえにピント位置が非常にシビア。マニュアルフォーカスが難しいのです。
富士フイルムXシリーズのカメラは他社と違い、液晶モニターの拡大率が10倍までです。さらに拡大することができれば、ピント合わせの難易度も下がるのですが、人間の目はその日の体調によって変わるもの。暗所でのピント合わせならば尚更です。残念ながら常にジャストピントにすることはプロの私でさえも難しいと感じました。
また、上記の比較画像ではそのような結果は出ませんでしたが、メーカー見解によると絞り羽根が完全に円形ではないため、f2.8にすると若干回折現象が出るそうです。そのため、開放f1.4のほうが中心像が鋭いのだとか。
GFXシリーズになると、液晶モニターの拡大率をさらに上げることができるため、もしかしたら画素数の問題で液晶モニターの拡大率が上がらない……ということなのかもしれません。今回の作例のように、多少ピントが甘くても作品の品質が大きく落ちるほどではありませんが、気になる人はf2.8からの運用をお勧めしたいと思います。
しかしながら、「高画素化」を見据えて開発したというこのレンズ。今後のXシリーズに期待してしまいますね。
動画性能もすごい
今回は星空適性に絞ってレビューをしましたが、動画性能も素晴らしいです。私は写真家でありYouTuberでもあるので動画撮影もしますが、XF18mmF1.4 R LM WRはXシリーズで動画を楽しむならマストなレンズかもしれません。
動画性能に関しては私のチャンネルでレビューをしています。作例も載せていますのでぜひチェックしてみてください。
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また、少し内容が被るところもありますが、星空適性に関しても動画でレビューをしています。こちらも合わせてご覧ください。
VIDEO
■写真家:成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
星空写真家の成澤広幸さんが富士フイルムの「XF18mmF1.4 R LM WR」をレビュー。星景撮影でも抜群の解像感を発揮する広角単焦点レンズを解説していきます。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,XF18mmF1.4 R LM WR,レビュー,星景_天体,広角単焦点レンズ
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: サバンナ撮影記|Vol.03 ~動物園でも野生さながらに撮影する秘訣~
BASENAME: 482668094.html
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CATEGORY: 井村淳
DATE: 07/30/2021 16:00:00
TAGS: サバンナ撮影記,野生動物/動物
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動物園で野生さながらの動物を
今回は私がアフリカの大草原に憧れを抱いた頃に、野生動物を撮影する練習として動物園に通っていた頃のお話と動物園撮影テクニックをご紹介いたします。
私が野生動物の撮影を夢見始めたのは、高校生の頃です。小さい頃テレビで観たサバンナに生きる野生動物の弱肉強食の世界を自分の目で見てみたい。そして、小学生の頃から趣味で始めた写真でジャンルを決めるなら「動物写真」をやってみたいと考え始めたのが高校1年生の頃でした。
しかし、アフリカってどうやって行くのだろう、いくらかかるのだろうなど、そんな具体的なことは何にも知らないし、大人になれば行けるんじゃないかとぼやっとしたイメージだけを浮かべていました。現代文の授業の「10年後の自分」という作文で、アフリカの草原で野生動物を撮影していると書いた記憶があります。
そして、いつか行けるようになった時のために動物を撮る練習をしておこうと思った時に、動物園が頭に浮かびました。そこから、自宅からバイクで20分くらいのところにあった入園無料の横浜市営の動物園に行くようになりました。高校卒業後に写真の専門学校に通っている時に、動物園の動物をテーマにして、その時のタイトルが「肌」でした。
檻を消すテクニック
動物園では野生的に動物を撮ることを考えて撮影していました。しかし、動物園は檻やコンクリートなど人工物に囲まれた空間です。最近では、見た目にも野生環境に近い展示の仕方をするところが増えてきましたが、その頃は、比較的小さな檻の中で展示されていました。檻のない堀になっているところなら撮影できるかなとか、背景が草や木のところに来るのを待って撮影しようなど試行錯誤の毎日でした。そんなある時、駄目元で檻越しの動物を望遠レンズで狙ったら、思ったより檻が目立たないことに気がつきました。
「檻が消えた!」
檻はボケると見えなくなるんだということに気がつき、檻をボカすにはどうしたらいいのか、そのためにはなるべく焦点距離は長い方が良い。檻から離れている動物が良い。カメラは檻に近づけるとよりボケる。などがわかってきました。さらに、檻に日差しが当っていたり、色が白っぽいとボケても檻の存在が目立ってしまうことや、ボケた檻の格子でも動物の目にはかからないようにするとシャープになるなどが解ってきました。すると、それまでは撮れないと諦めていた動物も狙えるようになっていきました。
■使用機材:EOS 7D Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO640(オート) F5.6 1/640
■使用機材:EOS 7D Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO4000(オート) F5 1/1000
切り取り方と明暗差で工夫する
それでも、周囲の人工的なものは消せないので野生的な写真はあまり撮れません。そこで、人工的な背景はあまり見せなければいいと思い、画面いっぱいに動物を切り取ればいいのではと、使用するレンズの焦点距離を長く、足りなければテレコンバーターを使って画面いっぱいに切り取ることを始めました。すると、動物の顔だけではなくて、模様や個性的な形が見えてきて、動物のパーツを大きく切り取るようになり、そこから学生時代のタイトルにした「肌」へと繋がっていったのです。
■使用機材:EOS 6D + EF70-200mm F2.8L IS 2 USM + EXTENDER EF2×III
■撮影環境:ISO100(オート) F6.3 1/500
■使用機材:EOS 7D Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO160(オート) F5.6 1/1000
背景の隠し方は画面いっぱいに動物を切り取り、背景を見せないという方法の他に、明暗差を使って黒バックにすることも有効です。動物に陽が当たっていて、背景が日陰のところになるポジションから狙うと、背景は真っ黒に潰れて人工物があっても隠すことができます。この方法は季節や時間帯による光の変化を読むとより狙いやすくなります。
■使用機材:EOS 1DX + EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM + EXTENDER EF1.4×III
■撮影環境:ISO640(オート) F8 1/80
■使用機材:EOS 7D Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO500(オート) F5.6 1/1250
前ボケでよりリアルな動物の姿に
動物園で撮影していて思いついた戦法が前ボケ効果を使うことです。展示されている檻の中だけではなく、檻の外にある生け垣なども活用できます。野生動物を茂みの隙間から垣間見ているような雰囲気で野生風を演出したり、鳥の脚環も人工的かなと気になる場合は、手前の草などを厚めの前ボケにして脚を隠してしまうのも有効です。
前ボケも檻をぼかすのと同じ狙い方です。草などは明るい色なので消えてしまわず、ボケとして残ります。ボカすものがカメラに近いほどフンワリと薄めのボケになり透けてきます。被写体に近いほどくっきりしたボケになり透けず厚めの前ボケとなります。
■使用機材:EOS 7D Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO800(オート) F5.6 1/1000
■使用機材:EOS-1D X Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO500(オート) F5.6 1/640
使えると表現の幅が広がるスローシャッター
野生に比べて狭い空間で飼育されている動物でも、動きを表現することはできます。ウロウロと歩き回ってくれれば、流し撮りのチャンスです。ゆっくり歩いていても、スローシャッターで動きを追いながらシャッターを切ると、背景が流れて動物は止まって写るという動感を表現することができます。動物も動いているので全身が止まるということはないのですが、基本的には顔がブレていなければOKとなります。適切なシャッター速度はその動物の動く速さにもよります。
遅くするほど動感は大きくなりますが、その分失敗も多く、百発百中とはいきませんが百枚に一枚成功すれば良いくらいの気持ちでチャレンジすると良いです。歩くトラはシャッター速度1/60秒くらいから始めてみて、流し撮りに慣れてきたら1/15秒くらいに遅くしていくと良いでしょう。
■使用機材:EOS-1D X Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO100(オート) F9 1/15
また、別の動感表現でホッキョクグマなどが水に潜り顔を上げた時にブルブルをする瞬間も良いチャンスです。その飛沫が狙いどころですが、完全に飛沫を止めるには1/1600秒より速いシャッター速度が良いです。また、しぶきをブラす動感もあり1/60秒~1/30秒あたりが面白いと思います。
■使用機材:EOS 7D Mark II+ EF70-300mm F4-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO1250(オート) F7.1 1/1600
動物園だからこそ撮れる作品
動物園によっては、夏の夜に「ナイトズー」などという、普段は閉園してしまって見られない夕方以降の動物たちの生態を見られることもあります。実は動物たちの多くが一番活発に行動する時間帯です。動物園によってはキリンと夕日を絡めて撮影でき、まるでアフリカの草原の世界そのままを狙えることもあります。
太陽をある程度大きく写すには超望遠レンズが必要になります。そのために、動物との撮影距離も遠くから狙わなければなりません。動物が近いと画面いっぱいになってしまいます。夕日のタイミングになってから撮影場所を探しても、夕日はどんどん沈んでいってしまいます。その様な場所を日中に探しておくと良いでしょう。
■使用機材:EOS-1D X Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM + EXTENDER EF2×III
■撮影環境:ISO3200(オート) F11 1/1000
逆に野生では撮影することが難しいという場面が狙えることもあります。動物園ならではの狙い方として、ガラス越しのホッキョクグマが目の前で水面から顔を上げるところを超広角レンズで狙うインパクトです。大型の肉食動物は野生下ではここまでの接近戦は不可能と言えるでしょう。
広角レンズを使うので檻越しでは檻がくっきり写ってしまうのでガラス(アクリル)越しの動物を狙うのに有効です。広角レンズなので少し絞っておくと深い被写界深度で狙えます。ただ、接近している分動きも速いので、シャッター速度は1/1000秒など速めに設定しておくと良いです。
■使用機材:EOS-1D X Mark II+ EF16-35mm F2.8L IS 3 USM
■撮影環境:ISO100(オート) F10 1/3200
動物園でも動物の赤ちゃんは生まれます。動物園では大抵赤ちゃんが生まれるとホームページなどで情報を発信してくれます。動物園では生まれても、すぐに展示してくれるとは限らないので、展示を開始するタイミングをチェックしましょう。また、展示する時間も午前中だけとか午後何時からなどのチェックもしておくと良いです。動物の赤ちゃんの成長は早いので、なるべく早めに会いにいきたいものです。
■使用機材:EOS-1D X Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO4000(オート) F6.3 1/1000
デジカメを持って動物園へ行こう
35年ほど前の撮影ではフィルムを使っていました。感度がISO100や400という限られたもので少しでも暗いところは写せませんでした。デジタル化された今では、感度がIS06400や25600などでも使える画質に進化しています。それだけ撮影できる範囲が大幅に増え、動物を撮影する人にはとてもありがたいことです。野生動物の撮影の練習として始めた動物園撮影ですが、今ではこれはこれで十分魅力的な被写体となると思います。
自分の好きな推しの動物に時間の許す限り張り付いてシャッターチャンスを待つの良いですし、園内をぐるっと回って撮りやすいものを見つけて撮るのも良い体験となるでしょう。
■使用機材:EOS 7D Mark II+ EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO1600(オート) F5 1/1600
■写真家:井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。
(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。
連載記事リスト
■サバンナ撮影記|Vol.01 ~ケニアへの行き方~
■サバンナ撮影記|Vol.02 ~草食動物は地平線と共に~
この記事に使用した機材
【キヤノン】RF70-200mm F2.8 L IS USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF100-400mm F4.5-5.6 L IS II USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF200-400mm F4 L IS USM エクステンダー 1.4×
商品詳細ページ
【キヤノン】EF70-300mm F4-5.6L IS USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF16-35mm F2.8L III USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF24-105mm F4L IS II USM
商品詳細ページ
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写真家の井村さんによる連載シリーズ「サバンナ撮影記」第3弾! 今回は動物園で動物の自然な姿を撮影するテクニックに関してです! 動物園でも野生さながらに撮影できるテクニックは必見です!
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KEYWORDS:
サバンナ撮影記,ペット_動物,撮影テクニック,動物園
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ペンタックス HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WRレビュー|三井公一
BASENAME: 482703189.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 08/01/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR,スナップ,広角ズーム,標準ズーム
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PENTAX Limited シリーズ初のズームレンズ
ペンタックスの「Limited」シリーズは個性的なレンズが揃っています。どれも格調高い外装仕上げで、写りも味わいの深い独特の製品ばかりです。
以前の記事 では「HD」化された「FA Limited」レンズ3本をご紹介しました。フルサイズ用、APS-C用と明るい単焦点レンズがラインナップされている本シリーズですが、今回は唯一のズームレンズ「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」を、大人気のデジタル一眼レフカメラ「K-3 Mark III」に装着して試してみました。
「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」のスペック
まずはこのレンズのスペックを確認してみましょう。
■焦点距離(35ミリ判換算) 20-40mm(30.5-61.5mm)
■開放絞り値 F2.8-4
■最小絞り F22-32
■画角 70°-39°
■レンズ構成 8群9枚
■絞り羽根枚数 9枚
■最短撮影距離 0.28m
■最大撮影倍率 0.20倍
■フィルター径 55mm
■最大径 x 長さ 71 x 68.5 mm
■質量(重さ) 283g
「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」は「DA」レンズですのでAPS-C用となります。ですので「K-3 Mark Ⅲ」などに装着すると約30-60mm相当の画角になります。
また、ズーミングによってF値がワイド端でF2.8、テレ端でF4と変化します。ズーム比は2倍となりますが、高倍率でない分、画質が全域に渡って素晴らしい描写になるように設計されているのです。特殊低分散(ED)ガラスと異常低分散ガラスを採用して、画面中央部はもちろん周辺部においても色のにじみが抑えられ、ヌケ感の高い写りを達成しています。
レンズコーティングは従来製品50%以下の低反射を実現した「HD コーティング」です。これにより点光源の逆光がフレーム内に入ってしまうシチュエーションでもフレアやゴーストを抑え、コントラストの高い写真を撮ることが可能になっています。
また絞り羽根は9枚の円形絞りとなっていて、自然で美しい玉ボケを味わうことができます。
オートフォーカスも静かで高速です。「Limited」レンズシリーズで初となる、鏡筒内のDCモーターによるフォーカシング機構を採用。スムーズかつクイックなピント合わせが実現しました。さらに防滴構造なので、荒天などの過酷な環境下でも被写体に迫ることが可能です。これは作品作りにこだわりたいフォトグラファーにとってうれしい性能ですね。安心してフィールドに持ち出すことができるのですから。
美しい外装仕上げ
「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」はそのルックスも美しくなっています。往年のレンズ「タクマー」を彷彿とさせるローレット部分や、アルミニウム削り出しのレンズフードとレンズフロントキャップは何とも言えない質感を誇っています。
その手触りも金属ながらどこか柔らかくて手に馴染み、使えば使うほど愛着が湧いてくるのです。撮影に使うだけでなく、カメラに装着して眺めているだけでも楽しくなるレンズだと言えます。まるで工芸品のような佇まいなのです。
スナップ撮影にピッタリ!
2倍というズーム比の「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」ですが、実際に撮影してみて、常用レンズとしてまたスナップショット用として最適だと感じました。
特にキビキビとレスポンスよく撮れる「K-3 Mark III」とのマッチングは良好で、狙った瞬間を撮り逃さずキャプチャーできる感じがしました。美しいローレットも指がかりがよく、デザインだけでなく実用性も備えていました。
なおかつサイレントなオートフォーカスは、一瞬で被写体をファインダースクリーンにピントの合った像を浮かび上がらせてくれました。35mm版換算約30mm〜60mm相当という画角も街中のスナップショットにマッチしており、レンズを扱う悦びとシャッターを切る醍醐味を体感することができました。本当に楽しいレンズに仕上がっています。
実写
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/9 1/800 ISO200 「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」ワイド端でのカットです。20mmですので35mm版換算で30.5mmとなります。28mmよりちょっと長め、という感じですね。実にシャープで目の覚めるような描写ですね。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/9 1/640 ISO200 こちらは同じ場所からのテレ端でのカットです。40mmですので35mm版換算61.5mmとなります。こちらも実に精細感あふれる描写です。ガラスとメタルのフレームがまるで肉眼で見ているかのように捉えられました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/5 1/400 ISO200 首都高速をモノクロームで撮影しました。ハイライト部からシャドウ部までの連続感や、路面と壁面の微妙なディテールをこの「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」はしっかりと拾って記録してくれました。メリハリと調和を高い次元で達成しているレンズですね。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/5.6 1/400 ISO200 このレンズのチョイ絞りでの解像感の高さは素晴らしいですね。高層ビルとその写り込みを狙いましたが、実にシャープでカリッとしています。「Limited」レンズシリーズはどちらかというと柔らかい印象が強いのですが、「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」は現代的な味付けになっています。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/2.8 1/40 ISO800 「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」はレンズ内に手ブレ補正機能を備えません。しかし「K-3 Mark III」の5軸5.5段ボディ内手ぶれ補正機構「SR II」があれば鬼に金棒です。低照度下の撮影でもシャープな写真を撮ることができます。東京駅のドーム内を撮りましたが、精細感がある描写のカットを得られました。鳥よけのネットさえも克明に写しだしました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/10 1/1600 ISO200 20mmから40mmという2倍のズーム比は、文字にしてみるとやや物足りない印象を持つかもしれません。ただ実際に撮影をしてみるとそんなことは感じなくなり、実に使いやすい画角だと思うほどになりました。画角の両端が自然でクセのないものですし、ヒトの日常的な目線に近いからかもしれません。目の前で起こっている事象をすっとカメラを構えて取り込んでいく、という感じなのです。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/7.1 1/500 ISO200 「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」は絞り開放域だと柔らかく、絞り込んでいくと現代的なシャープさを増していくレンズです。ペンタックスの「Limited」レンズは味わい深い描写を持つものが多いですが、このレンズは柔らかさと硬さの両方を、より楽しめるものだと感じます。このカットは横浜でのワンシーンですが、シャープなタイル張りの建物に落ちる、観覧車の柔らかい影がとても雰囲気よく捉えられています。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/4 1/80 ISO5000 高い色再現性も「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」の魅力のひとつです。カメラの持つ豊富なカラーモード「カスタムイメージ」との相乗効果で、フォトグラファーの考えているシーンを実現してくれます。このカットは「鮮やか」でのものですが、文字どおりの写りとなりました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/4 1/160 ISO200 カスタムイメージの「ポップチューン」で夕暮れを撮りました。ヌケ感のあるスカッとした空と、ポップな色合いが目に留まるカットになりました。「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」はこんなシーンでもシャドウ部のディテールを確実に残してくれるので心強いですね。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
■撮影環境:f/11 1/250 ISO200 「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」はレトロチックな外観ですが動作は俊敏です。ビルのガラスに写った東京スカイツリーを撮影中、フレーム内に現れたパトロール中の警察官にススッと合焦しました。スナップから風景、人物やペットなどあらゆる被写体を確実に写し止めることができるレンズだと思います。
「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」
このレンズは常用できる「Limited」レンズです。2倍のズーム比ながら日常的な画角をカバーし、自然なパースペクティブで目の前のシーンをキャプチャーできる製品だといえるでしょう。上質な写りと高級な佇まいはペンタックスファンなら手元に置いておきたい一本なのではないでしょうか。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【ペンタックス】HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR シルバー
商品詳細ページ
【ペンタックス】HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR ブラック
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによるペンタックス HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WRのレビュー記事です。スナップに最適な本レンズを作例とともにご紹介しています。
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KEYWORDS:
リコーペンタックス,Ricoh,レンズ,レビュー,HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR,スナップ,三井公一
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ハクバ GW-PRO RED リアゲートバックパック 02 M カメラバッグ レビュー|坂井田富三
BASENAME: 482696145.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 08/02/2021 16:00:00
TAGS: ハクバ(Hakuba),GW-PRO RED リアゲートバックパック 02 Mカメラバッグ,カメラバッグ類
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BODY:
はじめに
ハクバのハイエンドカメラバッグシリーズ「GW-PRO RED」のMサイズを今回使ってみました。このカメラバッグは、大きさで言えば中型のリュックタイプです。普段からリュックタイプをよく使用していますが、カメラバッグはなかなか買い替えたりしないので、久しぶりの新しいカメラバッグで気分はウキウキです。
通常カメラバッグを買い替えるきっかけは、カメラボディの買い替えやレンズの買い増しなどによって、今までのカメラバッグにうまく収納出来なくなってしまって、新しいカメラバッグを購入する人が多いのではないでしょうか。レンズが一本増えるだけで、今まで上手く収納できていたカメラバッグが途端に使いづらくなってしまう事はよくあります。
一つのカメラバッグで万能にこなせるものは滅多に出会えませんが、それでも効率よく収納でき自分の撮影スタイルや機材にあったカメラバッグを使うことができれば、撮影もスムーズにいくこと間違いなしです。今回は撮影スタイルによって、どんな機材が収納できるのか参考になればと思い、いろいろなパターンでパッキングしてみました。
GW-PRO RED リアゲートバックパック 02 Mの特徴
「GW-PRO RED リアゲートバックパック 02 M」を身長167cmの男子が背負った状態
GW-PRO RED リアゲートバックパック 02 Mの仕様
カメラ収納部内寸法 約W270×H390×D140mm PC収納部参考収容寸法 約W220×H330×D15mm 外寸法 約W295×H430×D240mm 重量 約1650g 材質 ポリエステル、PVC 付属品 レインカバー
エルゴノミクスカーブ形状のショルダーハーネス
流石国内メーカーといったところでしょうか、日本人にあった肩掛けストラップ形状になっており、安定して背負うことできます。海外製リュックタイプバッグには、よくズレ防止のロックがついていたりしますが、このGW-PRO RED リアゲートバックパックはそんな心配がありません。重い機材を入れたバッグでも安定して背負うことができ、肩への負担も少なく感じます。
※エルゴノミクスカーブ形状のショルダーハーネス。実際にバッグを背負ってみてわかる抜群の安定感。
オプションの「首の負担がZEROフック」が使用可能
※首の負担がZEROフックは別売りのオプションとなります
ハクバ写真産業オリジナルの「首の負担がZEROフック」をご存じでしょうか?ストラップを首にかけてカメラを持ち運ぶ場合はよくありますが、レンズを装着したカメラは結構な重量になります。長時間首からぶら下げていると首から肩にかけて負担がかかります。
このオプションのフックをバッグに装着し、首にかけるストラップを背負ったバッグのフックに引っ掛けることによって、首には負担が一切かからなくなり、持ち運びが非常に楽になる優れものです。
※カメラのストラップを、リュックに付けたフックにひっかけて使用すれば、首への負担がありません。
背中部分の通気性を確保!
空気の流れをつくり背中の蒸れを抑えるエアベンチレーションシステム
暑い季節、リュックを背負っていると背中部分に汗をかいて蒸れてしまう事もしばしば。リュックタイプのカメラバッグの欠点でもありますが、この「GW-PRO RED リアゲートバックパック 02」は、背中に当たる部分の構造に工夫がされています。特殊な凹凸が施されており、空気が流れる空間が確保されることで、背中での蒸れを軽減されるようになっています。
※背中とバッグの間に隙間ができ、蒸れが軽減されます。
突然の雨や汚れから機材を守る専用レインカバーを背面レインカバーポケットに装備
カメラバッグのポケットから、すぐに取り出せるレインカバーはとても便利です。バッグにフックが付いているので、さっと引っ張り出しバッグを包むようにレインカバーを装着することが可能です。
実際に背負っていたカメラバッグを前に移動させて作業してみましたが、バッグを持ったまま10秒程度でレインカバーを装着することができました。急な天候の変化にもすぐに対応できるのはとても嬉しい装備です。
VIDEO
自由度の高いレイアウトが可能
「GW-PRO RED リアゲートバックパック 02」は、自由度の高いレイアウト変更が可能になっています。撮影機材・スタイルに合わせて、バッグ内の仕切りを容易に変更することが可能になっています。同じ機材をショルダータイプのバッグに装着しようとすると、超望遠レンズではショルダータイプのバッグでは高さが足りない為、残念ながら上手く収納する事ができません。しかし、「GW-PRO RED リアゲートバックパック 02」はMサイズでも、超望遠レンズ+ボディ装着した状態でピッタリ収納する事が可能です。
実際に同程度の容量のショルダータイプのカメラバッグと比較してみました。
超望遠レンズの全長では、ショルダーバッグに立てて収納する事が不可能で、横置きをすればカメラバッグ全体を占有してしまうことになります。そういった意味では、600mmクラスの超望遠ズームレンズを使用するユーザーにとって、リュックタイプのカメラバッグは必須アイテムという事になりますね。
どんな機材が入る?風景・スナップ機材編
■使用機材:α7RⅣ + FE16-35mm F4 ZA OSS
■撮影環境:1/80秒 F4 ISO100 焦点距離16mm
風景・スナップを中心とした撮影機材で、「GW-PRO RED リアゲートバックパック 02」にパッキングをしてみました。ボディ1台+レンズ5本+フィルター、アクセサリーなどを目いっぱい詰め込んだ状態です。
・SONYα1
・FE 12-24mm F2.8 GM
・Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
・FE 24-105mm F4 G OSS
・FE 70-200mm F2.8 GM OSS
・TC-20(2X テレコンバーター)
・マルミフィルターーマグネットスリム
・アドバンスキット(PL・ND16・ND64)
・予備メディア・バッテリー
・ワイヤレスコマンダーFA-WRC1M
・ブロアー
上記は目いっぱい詰め込んだ状態ですが、通常であればレンズは1本少なくても十分に撮影できるので、その場合にはスペース的には余裕が生れます。たとえばレンズの代わりにフラッシュを入れておくことも可能ですね。フラッシュもGNによって大きさも変わるので、仕切りを変更して対応すればGN60クラスのフラッシュも収納可能です。街角スナップやポートレート撮影などにも、大きな仕切り変更なしで対応できます。
■使用機材:SONY α7RⅣ + FE16-35mm F4 ZA OSS
■撮影環境;1/60秒 F16 ISO200 焦点距離16mm
■使用機材:SONY α1 + TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
■撮影環境:1/1250秒 F5.6 ISO800 焦点距離 200mm
広い公園や街中スナップなど、徒歩での移動距離が多い撮影では、リュックタイプのカメラバッグはとても使い勝手が良いと思います。
どんな機材が入る?野鳥・飛行機・スポーツ機材編
■使用機材:SONY α7RⅢ + FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:1/2000秒 F5.6 ISO800 焦点距離 450mm (APS-Cクロップ撮影)
野鳥・飛行機・スポーツを中心とした撮影機材で、パッキングです。ボディ2台+レンズ3本にアクセサリーなどをパッキングした状態になります。
・SONYα1+タテ位置グリップ
・SONYα7RⅢ
・FE 24-105mm F4 G OSS
・FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
・FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
・予備メディア,予備バッテリー
・ブロアーなどのアクセサリー
当然ですが望遠レンズがバッグ内を大きく占有します。特にFE200-600mmクラスのレンズは筐体が長いため、ショルダータイプのバッグには収納することができません。こういったレンズをうまく収納できるのは、やはりリュックタイプのカメラバッグになります。今回のパッキングでは200-600mmのレンズにボディ+縦位置グリップを装着した状態で収納できるのが最大のメリットだと思います。上記の収納ではカメラボディが2台になっていますが、ボディが1台の場合であれば、フィルターなどのアクセサリーも十分にパッキングできるスペースが発生します。
参考
レンズ 最大径×長さ (mm) ソニー FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 111.5mm × 318mm タムロン SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2 108mm × 259.7mm シグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary 105mm × 260.1mm シグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary 121mm × 290.2mm シグマ 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 120.4mm × 268.9mm
■使用機材:SONY α1 + FE200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:1/2500秒 F9 ISO400 焦点距離 362mm
■使用機材:SONY α7RⅢ + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports
■撮影環境:1/800秒 F7.1 ISO400 焦点距離 360mm
■使用機材:SONY α9 + FE200-600mm F5.6-6.3 G OSS +2Xテレコンバーター
■撮影環境:1/500秒 F13 ISO800 焦点距離 1200mm
まとめ
自分にあったカメラバッグを選ぶのは、悩み多く難しいものです。使うレンズやボディ、アクセサリーの有無によってうまく入ったり、入らなかったりして……
カメラバッグを選ぶ際に注意すべき点は、あれもこれも機材を持って行きたいが為に大き目のバッグを選んでしまうことです。確かに大きなバッグは収納力もあって便利なのですが、たくさん機材を詰めていくと、どんどん重くなってしまいます。重くなりすぎたことによって行動範囲が狭くなったり、疲れて撮影に集中できないとなってしまっては問題です。大きくなればバッグ自体の重さもそれなりに重くなってしまうので注意が必要です。
リュックスタイルのカメラバッグは、両手が自由になり歩きやすく動きやすくなります。そういった点を踏まえて、大きさ・重量もちょうど良い感じのHAKUBA「GW-PRO RED リアゲートバックパック 02」は、山でも街中でも使えるおすすめのカメラバッグです。
この記事で紹介した機材 【ハクバ】 SGWPR-RGBP2M GW-PRO RED リアゲートバックパック02 M
商品詳細ページ 【ハクバ】KH-STHGY くびの負担がZEROフック グレー
商品詳細ページ
【タムロン】28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ソニーEマウント用
商品詳細ページ 【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ
【シグマ】150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Sports
商品詳細ページ 【ソニー】 Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんが実際のパッキング例と共にハクバのGW-PRO RED リアゲートバックパック 02 M カメラバッグをレビューしています。機能性に優れたカメラバッグに興味のある方は必見です。
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KEYWORDS:
ハクバ(Hakuba),カメラバッグ,GW-PRO RED リアゲートバックパック 02 Mカメラバッグ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー ミラーレスカメラ VLOGCAM ZV-E10が登場!|APS-Cセンサーサイズのレンズ交換式VLOGCAM
BASENAME: 482739772.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 08/03/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,VLOGCAM ZV-E10,APS-C,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
ソニーからAPS-Cセンサーを搭載したレンズ交換式カメラ「VLOGCAM ZV-E10」を2021年9月17日に発売するとアナウンスがありました。Vlog人気の火付け役となった同シリーズの1型センサー搭載のコンパクトデジタルカメラ「VLOGCAM ZV-1」の登場から1年が経ち、本機ではαのロゴを冠したミラーレス一眼カメラにアップグレードしています。Vlog撮影の便利機能はそのままに、大きなセンサーと交換レンズにより高画質な映像表現を楽しめるカメラに仕上がっています。
また、それだけのアップグレードがあったにも関わらず、ボディーは約343g(バッテリー、SDカード含む)と軽くて小さいので取り回しに優れ、ボディー単体は税込70,290円、レンズキットが税込80,190円※とお買い求め易い価格になっているのは驚きです。これからSNSでの動画投稿を始めたいと考えている方や、家族の思い出をキレイな動画と静止画で残したいと考えている方など、はじめてのミラーレスカメラを検討されている方にぴったりの1台になっているのではないでしょうか。
今回はソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたのでその時の印象を含めて記事を書かせて頂きました。是非ご覧ください。
※2021年8月3日時点でのキタムラネットショップの販売価格。現在の価格はこちらから ご覧ください。
外観から見える特長
VLOGCAM ZV-E10に別売りのシューティンググリップ(GP-VPT2BT)装着画像
カラバリはブラックとホワイトの2色展開で、ファインダーは無く、液晶モニターはAPS-Cセンサー搭載のαシリーズでははじめてバリアングル(タッチパネル式)を採用しています。これにより自撮りはもちろん、ハイアングルやローアングルでも無理な姿勢をする事なく撮影することができます。
左はブラック、右はホワイト
一般的なスマートフォン用センサーの約10倍の大きさのAPS-Cサイズのセンサーを搭載し、沢山のソニーのEマウントレンズを選択することができるので高画質で思い通りの映像表現を楽しむことが出来ます。
左はVLOGCAM ZV-E10、右はVLOGCAM ZV-1
ZV-E10と同シリーズのZV-1を比較すると、若干大きくなっていることが分かります。ただZV-1の1型センサーとZV-E10のAPS-Cセンサーではセンサーサイズが約3.2倍大きくなっていますし、バッテリーの大型化や握り易いグリップが出来た事を考えると、ボディーサイズや質量がこれしか変わらないのは驚きです。同じAPS-Cセンサーを搭載するα6400と比較するとファインダーが無くなった事もありますが、外寸は小さくなり質量は約60g軽くなっていますから、同じセンサーサイズの中では非常に小型軽量で取り回し易いカメラになっている事が分かります。
・VLOGCAM ZV-E10:約115.2(幅)x 64.2(高さ)x 44.8 mm(奥行き)、約343g
・VLOGCAM ZV-1 :約105.5(幅)x 60.0(高さ)x 43.5 mm(奥行き)、約294g
・α6400 :約120.0(幅)x 66.9(高さ)x 49.9 mm(奥行き)、約403g
※質量はバッテリーとメモリカードを含む
パワーズームレンズキットのレンズ「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」
パワーズームレンズキット(VLOGCAM ZV-E10L)には「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」が付属されており、35mm判換算で24-70mm相当の画角での撮影をパワーズームで楽しめます。レンズ単体の質量は116gと非常に軽く、ボディーと合わせても僅か約459gとなっていますので常に鞄に入れて持ち歩くことができます。
グリップ側の天面中央の押し易い位置には、赤いラインが入ったRECボタンが大きく配置されています。そのRECボタンの左下には「静止画/動画/S&Q(スローモーションとクイックモーション)」の切り替えボタンがついています。またRECボタンの右側のC1と記載されたところのボタンを押すと、ワンボタンで背景をぼかしたり、ピントを合わせたりする事ができますので、これからカメラをはじめる方でもボケを活かした撮影を直ぐに楽しむことができるようになっています。グリップ側の人差し指で操作する部分にはズームレバーがあり、パワーズームの操作や単焦点レンズでもズームを可能にする、全画素超解像ズームが出来るようになっています。
ワンボタンで背景をぼかす事ができます
録画開始で液晶画面に赤枠が表示される
前面の録画ランプが点灯し、液晶画面に赤枠が表示される
録画開始すると前面の録画ランプが点灯し、液晶モニターには赤枠が表示されますので録画のし忘れを防止してくれます。
背面の右下には商品レビューボタンが配置されていて、この機能をONにする事で商品の説明中に、カメラの目の前に商品を出した時でも、商品に素早くピントを合わせてくれます。
高画質な映像表現
有効画素数約2420万画素のAPS-Cサイズ Exmor CMOSセンサーが搭載されています。APS-Cサイズの画素ピッチの大きさを活かし集光率を高める事で動画撮影時:常用ISO100-32000相当、静止画撮影時:常用ISO感度100-32000、拡張ISO感度最高51200まで対応していますので、薄暗い環境でもノイズを抑えたクリアーな映像を残すことができます。
またセンサーが大きくなる事で被写界深度は浅くなりボケ易くなりますので1型のZV-1に比べると、より大きなボケを使った映像表現を楽しむ事ができます。
肌の色をキレイにする、美肌効果を搭載してますので、逆光や暗いシーンでも肌の色を自然な明るさで美しく撮影する事を可能にしてます。
ソニーのEマウントレンズ群64本(※2021年7月27日時点)からレンズを選択することができるので高画質で思い通りの映像表現を可能にしています。
■E 35mm F1.8 OSS
35mm判換算で52.5mm相当の撮影画角でF1.8の明るい単焦点レンズを楽しめます。レンズの質量は154gでZV-E10と合わせても約497gです。
■E 10-18mm F4 OSS
35mm判換算で15-27mm相当の撮影画角で広角端では超広角の撮影を楽しめます。レンズの質量は225gでZV-E10と合わせても約568gです。
■E 16mm F2.8
35mm判換算で24mm相当の撮影画角でF2.8の明るいレンズでボケ表現を楽しめます。レンズの質量は67gでZV-E10と合わせても約410gです。※像面位相差AFには対応していません
AF
動画撮影時も瞳を捉え続ける「リアルタイム瞳AF(人物)」を搭載してます。フォーカスを合わせたい目はオートの設定や、右目、左目をカスタムボタンを押す度に切り替える事も可能です。また動画撮影中に液晶画面でのタッチ操作でリアルタイムトラッキングが作動し被写体を自動追尾しピントを合わせ続けてくれますので、精度の高いオートフォーカスを手軽に直観的に操る事ができます。
像面位相差AFセンサーを搭載していますので、高精度に素早くフォーカスを合わせてくれます。「AFトランジション速度」で調整を行えばフォーカスの移動速度を「7段階」で調整できたり、被写体切り換えの感度を調整する「AF乗り移り感度」「5段階」で設定できたりしますので、思い通りの映像表現を楽しむ事ができます。
手振れ補正
動画撮影のように歩きながら撮影する場合は、光学式手振れ補正では思い通りにブレを抑える事が難しいと感じる事があると思います。本機の手振れ補正のアクティブモードは電子式となる為撮影画角は少し狭くなりますが、歩きながら自撮りする時など強力にブレを低減する事ができます。
ソニーが開発した手振れ補正を行うソフトウェアのCatalyst Browse/Prepare※では、光学式手振れ補正をOFFにして撮影しないとその効果は得られませんので、このソフトウェアの使用を前提に撮影される方にとっては、ZV-E10に光学式手振れ補正がボディー側にない事はボディーが軽くなり、安く購入できる等良い事ばかりではないでしょうか。
※Catalyst V2020.1以降のバージョンで対応
動画
4K30Pに対応。画素加算のない全画素読み出しにより6K相当の豊富な情報量を凝縮して4K映像を出力する事で解像力に優れた映像を記録する事が可能です。印象に残る表現が可能なスローモーションの撮影も手軽で「スロー&クイックモーション」の設定では1fpsから120fpsまでの8段階から選択し、最大60倍までのクイックモーションと最大5倍までのスローモーションを最大50MbpsのフルHDで記録できます。クイックモーションは、人や自動車の流れなどの変化を短時間に圧縮し、時間の流れを強調して表現できます。また幅広い階調表現が可能なHLG(Hybrid Log-Gamma)やS-Log3、S-Log2にも対応しています。
オーディオ
ZV-1と同様にカメラの天面には可愛らしいモフモフが装着され、指向性3カプセルマイクを搭載していますので風切り音や環境音を抑えて話し手の声をはっきりと拾う事ができます。
また撮影中、バリアングル液晶が干渉しづらい位置(指でカバーを開いている位置)にマイクロホン端子が装備されており、より指向性の高いガンマイクや、離れた演者の音声を記録できるワイヤレスマイクを装着できるようになっています。
記録映像と共に屋外の騒音の中でも音声確認が可能なようにヘッドホン端子も装備されています(写真一番下の丸型の端子)。
優れた基本性能
バッテリーはα6400同様のNP-FW50を使用しており、最大80分の動画撮影、もしくは440枚の静止画撮影が可能です。USB端子はUSB Type-Cを使用していますので、モバイルバッテリーからの給電も可能です。またSDカードはバッテリーの横に1枚入るようになっています。
静止画撮影では11コマ/秒の連続撮影が可能ですので、お子様の運動会や、ドッグランで走り回る愛犬の一瞬の表情を高画質に映しとめる事もできます。カメラのベースにはα6000シリーズが使われていますので静止画撮影性能もとても優れています。
オンライン会議やLIVE配信でZV-E10をパソコン・スマートフォン※に接続してWEBカメラとして使用する事もできます。
※Android(TM) 11に対応した Xperia 1 II、 Xperia 5 II が対象(2021年7月時点)
ZV-E10の魅力はキタムラYouTubeチャンネルの動画でもご覧頂けます
VIDEO
【先行体験】ソニー VLOGCAM ZV-E10をタッチ&トライ!Vlog撮影に特化した機能も紹介(カメラのキタムラ動画_SONY)
特集ページ
カメラのキタムラネットショップの「ZV-E10」特集ページではボディーと合わせて購入したいアクセサリー類もご紹介しています。詳細はこちらより ご確認ください。
■更新
・2021年8月6日:ZV-E10の魅力を紹介するキタムラYouTubeチャンネルの動画リンクを追記。
・2021年9月21日:特集ページのリンクを追加。
・2021年9月25日:キャンペーン紹介を追加。
・2021年10月4日:キャンペーン終了に伴い、内容を修正しました。
この記事に使用した機材
【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 パワーズームレンズキット ブラック
商品詳細ページ 【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 パワーズームレンズキット ホワイト
商品詳細ページ 【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 ボディ ブラック
商品詳細ページ 【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 ボディ ホワイト
商品詳細ページ 【ソニー】GP-VPT2BT ワイヤレスリモートコマンダー機能付シューティンググリップ
商品詳細ページ 【ソニー】E 35mm F1.8 OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ソニーからAPS-Cセンサーを搭載したレンズ交換式カメラ「VLOGCAM ZV-E10」を2021年9月17日に発売になります。ソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたのでその時のレポート記事を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,ボディー,VLOGCAM ZV-E10,vlog,動画撮影,ミラーレスカメラ
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AUTHOR:
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO × 旅|クキモトノリコ
BASENAME: 482742959.html
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CATEGORY: クキモトノリコ
DATE: 08/04/2021 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) レンズ,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO,単焦点
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BODY:
はじめに
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO400, F5.6, 1/1250秒, -0.3EV, WB オート, 仕上がり設定 Natural
以前の記事 でも書かせていただきましたが、コロナ以前は1年に2〜3回は海外へ撮影に出かけていました。中でもここ数年最もよく訪れていたのが香港。その街の持つ独特、かつエネルギーに満ち溢れた雰囲気に魅せられ、またLCCを利用することで非常に手頃な旅費で行けることもあって足繁く通っていました。
多くの場合はズームレンズを数本(オリンパス機は小型軽量のため、超広角〜望遠まで、その時々でレンズは様々)と、17mmの単焦点を持っていきます。そんな中である時M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROをメインに、比較用としてM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO、この2本のみを持って渡港したことがありました。その中から今回は「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」をご紹介します。
換算約35mmの、感覚的に使いやすい画角
もともとフルサイズ換算で35mmの画角が非常に撮りやすいと感じている私は、マイクロフォーサーズ規格のオリンパス機では17mm(フルサイズ換算するには焦点距離を2倍にするので34mm)のレンズを常用しています。一般的にはフルサイズでの50mm(マイクロフォーサーズでは25mm)が標準の画角と言われることが多いですが、個人的にはちょっと狭い……と感じてしまいます。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO400, F8, 1/50秒, +1.3EV, WB 晴天, 仕上がり設定 Natural
空港から市街地までの移動は各都市様々ありますが、もう何度も訪れてある程度勝手知ったる街となった香港では、空港リムジンバスをよく利用します。電車よりも時間はかかるものの、お昼過ぎに空港に着陸するとホテルのチェックインの時間との兼ね合いでちょうどいいのも理由のひとつ。
ダブルデッカーのバスに乗り込むと、目指すは2階席の最前列。人気が高くて塞がっていることも多いのですが、この時は運よく座ることができました。この席からの眺めは言わずもがな抜群に良いのですが、ここで撮りたかったのがこちら。
VIDEO
尚、大きく揺れる2階席での撮影は、バスの揺れに合わせて画面の揺れも激しくなってしまっている点についてはご容赦を!
ご覧の通り、香港国際空港から街の中心部である九龍や香港島まではいくつかの島を繋ぐ高速道路を走り、その眺めはなかなかに絶景ともいうべきものなのですが、ズームレンズのワイド端(マイクロフォーサーズ規格であれば12mmや14mm)ほどの画角でなくとも、17mmであれば十分にその雄大な光景を収めることができます。尚、オリンパスのカメラでは仕上がり設定をアートフィルターの「ジオラマ」に設定したまま動画撮影をすると、このようにパラパラ漫画のようなタイムラプス動画を簡単に撮ることができます。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO800, F6.3, 1/100秒, WB オート, 仕上がり設定 Natural
VIDEO
逆に高層ビルの林立する街中でも、トラムの2階席からだと焦点距離が広すぎて必要以上に間延びしてしまったり、狭すぎて極端に圧縮されたりすることなく、伝えたい雰囲気をそのまま切り撮ることができます。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO LOW(64相当), F8, 1/30秒, +0.3EV, WB 晴天, 仕上がり設定 Natural
一方で市場の雑踏に身を置いて水平方向に撮影すると、狭い路地にずらりと並んだ露天の奥行きは表現しつつ、人いきれの感じられる雑踏の様子もしっかり伝わってきます。こんな「密」な光景でも安心して撮影できたことが今となっては懐かしいものです。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200, F8, 1/320秒, WB 晴天, 仕上がり設定 Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200, F2.8, 1/100秒, +0.3EV, WB オート, 仕上がり設定 Natural
横位置だけでなく縦位置として使うことでビルの高さを伝える(空が狭い!)一方で、食事などテーブルフォトを撮る際にも「広すぎず、狭すぎない」画角が非常に扱いやすいと感じられます。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO640, F2.8, 1/400秒, -0.3EV, WB 曇天, 仕上がり設定 Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO640, F1.2, 1/1600秒, -0.3EV, WB 曇天, 仕上がり設定 Natural
花屋さんばかりが集まった花墟道(フラワーマーケット)で、店先の女性に声を掛けて撮らせてもらいました(でも彼女自身はあまり写りたくないらしく、そっぽを向いてしまった……!)。少し引いて店先全体を入れつつ、日本のものとは少し見せ方の違う造りの花束をクローズアップ。街中でのスナップでも、このように寄りと引きの両方を1本のレンズで手軽に楽しむことのできるレンズです。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200, F8, 1/500秒, WB 晴天, 仕上がり設定 Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO 200, F11, 1/320秒, +0.7EV, WB 晴天, 仕上がり設定 Natural
香港というと摩天楼が立ち並ぶ大都会のイメージが強いのではないかと思いますが、実は街を少し離れると自然豊かな光景が広がっているのもまた魅力のひとつ。香港島の南側にある、日本人や欧米の観光客にはまず会うことのないローカルビーチへ、路線バスに乗って出かけました。
山を越えるようにして走るバスに揺られること約30分。突然視界の開けた車窓から目的地の石澳が見えた瞬間反射的にシャッターを切った一枚は、眼下に広がるビーチに続く急な山肌、その向こうに広がる海と島々まで、十分にこの景色を伝えてくれる写真となりました。その後ビーチに到着したらその光景も一枚。このように風景を収めておくことにも十分使える画角のレンズと言えます。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200, F2.8, 1/250秒, WB 晴天, 仕上がり設定 Natural
この石澳のビーチの周りには民家や別荘と思しき瀟洒な家が立ち並んでいるのですが、そんな家々の中に素敵な郵便受けを発見。その奥には一般的な香港の郵便受けが無造作に吊るされている様子も見て取れます。17mmの画角だと、このように主役に寄って大きく写す一方で、背景もそこそこ広く入れることができるのもまたポイントで、使いやすいと感じている点です。
ブリキのような金属でできた四角くて薄い、でもさまざまな色のバリエーションのある香港の郵便受けは、他ではまず見ることのない、一目で香港らしさの伝わるアイテムのひとつであり、お土産などの雑貨のモチーフとしても人気があります。
精緻な質感を描くレンズ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO LOW(64相当), F8, 1/250秒, +0.7EV, WB オート, 仕上がり設定 Natural
この時は九龍側にホテルを取り、到着後に荷物を置いて一段落したら海を渡るスターフェリーを使って香港島へ。桟橋から長い渡り廊下を歩いていて、ふと振り返ると夏らしい雲が遠くに立ち上がっているのが印象的で、こう言っては何ですがあまり深く考えずに撮った一枚がこちら。
というのも、早朝のフライトで到着した7月末の香港は、日本と同じように暑い……だけでなく、日本とは比べ物にならないほど湿度が高く、到着早々にしてすぐバテ気味に。ところが、撮ってすぐに背面液晶モニターに映し出されたこの写真を見てびっくり。雲の立体感があまりにもリアルで一気にテンションがアップ、二度見どころかその場で何度も見入ってしまいました。この時、このレンズに惚れた、と言っても過言ではないほどです。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO LOW(64相当), F1.2, 1/3200秒, -1.0EV, WB 晴天, 仕上がり設定 Natural
上の写真をトリミングしてクローズアップ。クロスの質感がしっかり描写されていることが分かります
香港島の南側にある石澳のビーチへ出かけた際に、日陰に置いてあったデッキチェアを絞り開放のF1.2で撮影。ピントを合わせた座面を拡大してみると、クロスの質感、細かな繊維の織りの様子までしっかり描写されており、これまたまじまじと見入ってしまうものでした。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO400, F8, 1/160秒, WB 晴天, 仕上がり設定 Natural
一方で街中のビルとその写り込みを、絞りをF8に絞って撮影するとパキッとした直線とガラス面のゆらぎがしっかりと写し出され、絞りを開いて良し、絞っても良しであることを実感したものです。
開放F1.2の大きなボケを楽しむ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO400, F1.2, 1/1250秒, WB オート, 仕上がり設定 Natural
本レンズは開放F値が1.2と大口径であることが何よりも大きな特徴です。開放F値が小さいとそれだけ被写界深度が浅くなる、ピントの前後のボケが大きくなります。この被写界深度は、カメラの持つセンサーの大きさとも関係があり、センサーサイズが大きいほど被写界深度は浅くなる、つまり大きなボケを得られやすくなります。
一方で、OM-DやPENシリーズなどマイクロフォーサーズ規格のカメラはセンサーサイズが小さいため被写界深度が深くなり、レンズによっては開放F値で撮影しても思ったほどのボケを得ることができないケースも見受けられます。そんな中で開放F値が1.2の本レンズは、マイクロフォーサーズ規格のカメラでもこの通りのやわらかくて大きなボケを得ることを実感できるものです。ピントの合った目の周辺の毛はシャープに、そこからなだらかにとろんとしたボケへ繋がっていることが見て取れます。
尚、カメラに搭載されている静音シャッターを使用することで、乾物屋さんの軒先で商品の上に陣取って気持ちよさそうにお昼寝をする猫の邪魔をすることなく撮影させてもらうことができました。
夜の手持ち撮影で威力を発揮する開放F1.2
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO640, F1.2, 1/40秒, -2.0EV, WB オート, 仕上がり設定 Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO400, F1.2, 1/80秒, -0.7EV, WB 3400K, 仕上がり設定 Vivid
開放F値が小さいということは、それだけ絞りを大きく開くことができ、光を取り込む能力が高くなります。そうすると、光の少ない暗所や夜の撮影に有利であり、暗い場所でもブレにくい、低感度でも撮影がしやすいといったメリットが挙げられます。カメラの手ブレ補正機能が非常に優れている恩恵もありますが、作例のように夜の街中スナップや、三脚を使わずとも夜景が撮れるなどそのメリットは非常に大きいと感じられます。
しっかり絞って綺麗な光条を活かす
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200, F16, 1/125秒, WB 晴天, 仕上がり設定 Natural
真昼間の逆光など、画面の中に強い光がしっかり入ってしまうような場合、絞りをしっかり絞ってカッコイイ光条を出したくなってしまいます。今回は街の中心部にある「Above the clouds」というタイトルの、雲の上でふたりが闘っている姿の彫刻の背後、ビルのガラスに強い太陽光が当たっていたため、この光を片方の人物に持たせて、まるで光の球を投げようとしているかのように見立ててみました。しっかりとした光条を出すことで、何だかより強そうに感じられませんか。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO1000, F8, 1/4秒, -2.0EV, WB オート, 仕上がり設定 Natural
また夜の街角で、スローシャッターで車や歩行者をブラして撮影したのですが、この時もF8まで絞ると街灯や車のヘッドライトにこのような綺麗な光条ができました。光の筋を数えてみると、その数は18本。このことから、このレンズの絞り羽根が9枚であることがわかります。尚、絞り羽根の枚数が偶数の場合は羽根の枚数と同じ数、奇数の場合はその倍の数の光条ができます。
最短撮影距離の近さ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO400, F2.8, 1/40秒, +0.3EV, WB マニュアル, 仕上がり設定 Natural
マイクロフォーサーズ規格のレンズは総じて最短撮影距離が短く、被写体にぐっと寄れるのが大きな特徴でありメリットです。本レンズも最短撮影距離は20cmと「非常に寄れるレンズ」。美味しいと評判の雲呑麺屋さんにて、大きな雲呑がゴロゴロ入った菜肉雲呑麺にぐっと迫ってみました。レンズの描写力もあってプリプリした食感がイメージできる、そんな一枚になりました。
急な雨にも安心な防塵防滴設計
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO640, F1.2, 1/2500秒, -0.7EV, WB 曇天, 仕上がり設定 Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO640, F2.8, 1/500秒, -0.3EV, WB 曇天, 仕上がり設定 Natural
雨季となる夏の香港において、この時は概ね晴れる日が多かったものの、ある日街を歩いていると、突然空が暗くなって雷まで鳴り出し……文字通りスコールがやってきました。ちょうどフラワーマーケットの近くだったので、雨に濡れたお花をパチリ。さらに雨が上がってすぐのタイミングで、大きな蓮の花を抱えた女性とすれ違い、咄嗟にパチリ。
本レンズはしっかりした防塵防滴仕様となっており、防塵防滴の性能においては定評のあるカメラ本体(この時はOM-D E-M1 Mark II)との組み合わせで、急な雨でも機材の心配をせずに撮影できるのは大きなメリットです。とはいえもちろん、撮影終了後はしっかり乾かしてメンテナンスも怠らないようにしたいものです。
撮影後記
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200, F5.6, 1/25秒, -2.0EV, WB オート, 仕上がり設定 ドラマチックトーン(アートフィルター)
カメラ内多重露出にて4枚合成
「とにかく撮っていて気持ちのいいレンズ」それがこのレンズを実際に使ってみての感想でした。もともと好きな画角な上に明るくてヌケの良さを兼ね備えたレンズは、旅のお供にはやや大きめながらも、カメラ本体の小ささもあるので十分に連れて行きたいアイテムとして手元に置いておきたい一本です。
まだ当面、香港はおろか海外への旅がなかなか叶わない状況ですが、いずれまた活気と混沌としたエネルギーに満ち溢れた、一方で豊かな自然をあわせ持つ香港へ自由に撮影に出かけられるようになる日を心から願っています。
■写真家:クキモトノリコ
学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
この記事に使用した機材 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のクキモトノリコさんによる、オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」レビュー記事をお届け。換算焦点距離35mmというスナップに最適なこのレンズの写りを、香港旅行記とともにご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス,Olympus,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO,レビュー,単焦点レンズ
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AUTHOR:
TITLE: ニコン NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S & NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 開発者インタビュー|Zシリーズ初のマイクロレンズを徹底解説
BASENAME: 482490175.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 08/05/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S,NIKKOR Z MC 50mm f/2.8,開発者インタビュー,単焦点
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BODY:
はじめに
2021年6月25日に発売されたニコンの交換レンズ「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」と「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」。Zシリーズ初のマイクロレンズとして大きな注目を集めました。今回はこれら2本のレンズについて、開発に携わった3名の方々へインタビューしていきます。
登場していただくのは株式会社ニコン 光学本部より、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sの機構設計を担当した萩原康介氏、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sの光学設計を担当した栗林知憲氏、NIKKOR Z MC 50mm f/2.8の光学設計を担当した小野拓郎氏です。
レンズ概要の解説
(左から)株式会社ニコン 光学本部 萩原康介氏、栗林知憲氏、小野拓郎氏
― まずレンズの開発コンセプトをお聞かせください
萩原: NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sはミラーレスカメラ用の交換レンズとして高画質を達成する最高峰の中望遠・マイクロレンズというコンセプトで開発しました。具体的に言うと無限から等倍まで高いMTF、色収差の徹底抑制、色付きのない美しいボケを実現すること、VRや高い精度のAFを搭載することです。
栗林: またNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは、Zマウントシステムを最大限に活かした大口径の非球面レンズやEDガラス3枚を使用することで、軸上色収差などの収差を徹底的に補正しています。色収差の補正によって、まるで空気をも切り取ったような描写ができるようになりました。
小野: 対して、NIKKOR Z MC 50mm f/2.8は、幅広いシーンから最適な被写体を探して映像表現を楽しむことができる、高性能かつ小型軽量の万能なマイクロレンズがコンセプトです。
― Zマウントになって実現できたことはありますか
栗林: フランジバックが短くなったことで、画面周辺部の解像度を向上させるレンズ構成を実現できました。マイクロレンズは一般レンズより撮影範囲がかなり広いので、無限遠から等倍まで満遍なく性能を上げることが必要になります。特に、周辺部でピントが抜けるような現象、「像面湾曲」をフォーカス全域で補正することが求められます。補正が不十分だと、どこかの倍率での周辺部のピント抜けが起こり、中心部が解像していても画像周辺の解像が悪いといったことが発生します。フランジバックが短くなったおかげで、周辺部のケアを手厚くできるようになりました。
特にマウント径が大きいほど、大きい径のガラスが使用できるため、周辺部のケアが行いやすくなります。ただ、径が大きい分、当然1枚1枚のガラスの質量が大きくなってしまい、全体的に質量がアップしてしまう。そこで、非球面レンズを採用することで、複数のガラスで補正するところを1枚で行うことで、軽量化しています。大口径マウントと非球面レンズの効果は非常にマッチしていますね。
小野: NIKKOR Z MC 50mm f/2.8は今回、前群繰り出し方式を採用しています。一般的に前群繰り出しの部分で収差を取って、後群の方はテレコンバーター的な役割になります。Zマウントシステムのショートフランジバックによって、後群の方に多くの大口径のレンズを入れることが可能となり、センサーに光線を緩やかに届けます。その結果、無限遠から等倍まで高い光学性能を維持したまま小型化を実現しています。
― 「マイクロニッコール」から「MC」へ名称を変更した経緯などがあれば教えてください
萩原: 名称が長くなってしまう事と複雑化を避ける為、レンズの種類は短縮して表記することとしました。レンズの種類の呼称は「マイクロレンズ」でFレンズの時と変わりません。
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sについて
― FマウントのAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDと比較した際、レンズ構成が大きく変わっていますね。どのような効果があるのでしょうか
左:NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S 右:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
栗林: まず3枚のEDガラスで無限遠から等倍まで軸上色収差を徹底的に補正しており、従来製品と比較したときに色にじみが全くありません。その差は一目瞭然です。ピント前後で紫や緑色の色付きが非常に目立つ金属や白い花、太陽に照り返される水面で光っているところなどのハイライト部分の色付きが解消されています。更に、ボケのふちの色付きも減らしているので、パープルフリンジの軽減はもちろん、ボケのエッジが変に目立たないような収差バランスになっています。
後玉の非球面レンズの効果は、像面湾曲の補正と軽量化の両立に貢献しています。非球面レンズは画面の周辺までの光線を独立に補正することができるので、通常の球面レンズだと複数枚必要なところを1枚で補正することができます。また、センサーに近づけば近づくほどレンズが大きくなるため、その独立補正の効果は更に上がります。よって、大口径のZマウントとショートフランジバックの恩恵を十分に活用した、Zマウントでしかできないレンズ構成になっています。
色収差の徹底的な補正と周辺部の解像感の向上によって、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sはフォーカス全域で高解像を実現しています。ピント面はシャープでもボケのエッジは固くない収差バランスにしているため、遠景や複写といった平面の描写では、圧倒的な高解像感が生まれます。また、ポートレートや花のような立体物の撮影では、ピント面の忠実に再現された質感と奥行きの自然で美しいボケというコントラストを楽しめます。
「色収差の徹底的に補正した」と栗林氏
― 例えばポートレート撮影において、明るい単焦点レンズと比べた時の違いはありますか
栗林: マイクロレンズは撮影範囲が広く万能レンズと言えます。ポートレート撮影にも適しており、例えば、引きでバストアップ撮影、次に少し寄って顔のアップ、さらに寄ってイヤリングのアップの撮影などを組み合わせて一つの作品を作ることができます。また、寄れば寄るほど被写界深度が浅くなるので、ボケを活かして、あるパーツを引き立てるような撮影もできます。そう言った面で、マイクロレンズでポートレートを撮影するのは他の大口径単焦点レンズと違った表現が可能になると考えています。
― フリンジやゴーストフレアに対しての性能も向上していますか
栗林: ピント面で出てくるような色付いたフリンジは色収差によるものですので、今回EDガラスの使用でそれは解消されています。光源が強いところで目立つフレア・ゴーストについては、「アルネオコート」と「ナノクリスタルコート」の両方でケアすることで、従来製品より耐ゴースト性能もさらに上がっています。また、逆光シーンだけでなく、物撮り時に多灯のライティングをする場面でもゴーストが出ないようにケアしています。これら2つの高性能反射防止コーティングにより、レンズ面で反射する光の絶対量が従来より圧倒的に軽減されており、より一層クリアな画質が得られます。
― 中望遠のマイクロレンズというと近接撮影でAFに時間がかかるイメージがありますが、その点は改善されているのでしょうか
「新規のAFアルゴリズムによって性能を向上させている」と萩原氏
萩原: AFアルゴリズムを新規に開発しております。撮影距離により実効F値が変わってしまっても、新規のアルゴリズムにより高いAF精度を実現しています。従来製品では超音波モーターでしたが、本レンズではステッピングモーターを採用した点もAF性能の向上に寄与しています。
栗林: AFに関しては本レンズに限らず、ZマウントシステムはFマウントのNIKKORレンズよりもAF精度・速度ともに格段に向上しています。ただ、マイクロレンズは無限遠から等倍まで撮影距離が非常に長いので、一般のレンズと比べればピント合わせに時間がかかってしまいます。そこで、従来製品ではFULLと∞~0.5mだったレンジリミッターを今回FULLと0.5~0.29mにし、近距離側を制限するようにしました。近距離側のレンジリミッターを搭載することで、マクロ撮影時にピント抜けしたときの復帰速度が速くなっています。
もちろんMFでマクロ撮影を楽しむこともできます。フォーカスリングはメカ連動式ではなく、回した速度に応じてピント合わせをすることが可能です。ですので、例えば、レンズのFnボタンに拡大機能を割り当て、マニュアルフォーカスリングを使ってピント合わせをすることでシビアな撮影も簡単に行うことができます。
レンジリミッターが近距離側を制限するよう変更されている
MFの距離指標も電子表示となった
― 高い性能と軽量化の両立はどうやって達成されたのでしょう
萩原: フォーカス高速・高精度化と小型化を両立するため、小口径・高トルクのステッピングモーターを新規開発しました。また、モーターに連動する駆動機構も新規開発しており、細かく動くレンズに追従し、かつ衝撃などにも耐える信頼性も確保しています。さらに、レンズボディを構造する素材の変更やアルミニウム合金製マウントの採用により、高い強度・耐久性、および光学性能を確保しながら従来製品より軽量化を達成することができました。
― NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは動画撮影でも活用できますか
萩原: ステッピングモーターを採用したことによるAF駆動音の静音化、クリックレスのコントロールリングを採用したことによる操作音の静音化、電磁絞りによるなめらかな制御で、F値変更による露出のちらつきも低減しているので動画用途にもお使い頂けます。
― 「S-Line」のデザインやコントロールリングの配置が変更されていますね
萩原: デザイン変更については、お客様のご意見を反映したマイナーチェンジになります。NIKKOR Zを発売してから、お客様から外観デザインについてご指摘、ご要望を頂き、新しいデザイン案を検討してきました。そして、今回このレンズの発売を機に新デザインを投入しました。
新デザインには、S-Lineを象徴するため、刷新した金属製のS-Lineのエンブレムと、ダイヤカットおよびダブルアルマイト処理を施したダークシルバーラインと呼んでいるリング状の加飾を施したコントロールリングの2点を採用しています。
コントロールリングの位置やサイズについては、レンズによって大きさや重さのバランスが異なるためある程度の統一は図りながらも、操作性を重視した配置にしています。またローレットについては、他の操作リングとの識別性を確保しつつ精密感のあるローレットを採用し、高品位なデザインに仕上げています。
S-Lineのエンブレムデザインがマイナーチェンジされた
NIKKOR Z MC 50mm f/2.8について
― 本レンズの開発で苦労した点はなんですか
前群繰り出し式を採用したNIKKOR Z MC 50mm f/2.8
小野: 最も苦労したところは、ステッピングモーターを使って本レンズにカスタマイズした前群繰り出しのフォーカス方式を採用した点です。その中でZマウントシステムにおけるAF精度と速度を担保し、さらには従来製品よりもの性能を上げることが課題でした。目標とするAF精度と速度を達成するために、光学設計としては前群繰り出し量を短くする必要がありました。
しかし、前群繰り出し量を短くすると光線を曲げる力が強くなり、後群の方で大きく収差が発生してしまいます。今回、Zマウントシステムのショートフランジバックによってセンサーに近い後群に大きなレンズを配置することが可能になり、緩やかに光線を届かせるように設計してできております。一般的には、前群繰り出しの場合、動く前群で収差を取って、後群はテレコンバーターということで無収差にする必要がありますが、FマウントのNIKKORレンズではできなかったショートフランジバックのところに大口径レンズを配置することでこれを解消しています。
さらに、無限遠から等倍までの光学性能を向上させるために、最も効率の良いところにEDレンズと非球面レンズを使用しております。その結果、従来製品よりも光学性能を向上させることができ、さらに繰り出し量を短くすることができました。
「小型軽量化と高い光学性能を両立できた」と小野氏
― 光学性能と描写力の特徴を教えてください
小野: NIKKOR Z MC 50mm f/2.8のコンセプトは気軽に持ち運べる小型軽量レンズということで、スナップ撮影、近接撮影において光学性能が最も発揮されるバランスになっております。もちろん、無限遠の撮影でも十分お使いできる性能を持っています。さらに、色収差を徹底して抑えた設計とすることで、金属のアクセサリーなど近接撮影で色収差が目立ちやすいものに対しても、実際に目の前で見ているかのように描写した画像が得られます。また、ボケのエッジ部分への色付きも少なくしており、解像感に優れたピント面に加え、色付きの少ないボケで被写体の立体感を一層高めることができる一本になっています。
― 初期のロードマップでは60mmを想定していたようですが、今回50mmになった理由はなんでしょう
左:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 右:AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
小野: 今作のコンセプトとして小型軽量が最大優先事項でしたので、そこを焦点として開発を進めました。最適な焦点距離とフォーカス駆動がどういうものか様々なタイプ検討をし、50mmが一番小型軽量かつ色収差抑制等の高い光学性能を実現することができました。また、マクロ撮影だけでなく、より幅広いシーンで本レンズを楽しんでいただきたいと考え、標準単焦点としても使いやすい焦点距離50mmに変更いたしました。
― NIKKOR Z 50mmf/1.8 Sとはどういった使い分けが考えられますか
左:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 右:NIKKOR Z 50mmf/1.8 S
小野: NIKKOR Z MC 50mm f/2.8は最短撮影距離が短いので、NIKKOR Z 50mmf/1.8 Sよりも寄って、被写体を大きく撮影することができるのが大きな違いです。小型軽量のため1日撮影していても全く疲れない、撮影に没頭できる製品となっています。テーブルフォト、料理、花など近くで撮影する必要があるシーンで最大限の機動力を発揮することができます。今は外出しづらい状況ですので、室内で身近なものを撮影して楽しんでいただけたらと思います。
― Zレンズで初めてフィルムデジタイズアダプターに対応しましたね
小野: 本レンズは豊富なアクセサリーがつけられるようになっており、その一つがフィルムデジタイズアダプター ES-2です。お客様からの要望もあり、等倍でも良好な性能を出すよう設計しているので、フィルムのデジタル化においても納得のできる画像が得られます。
― その他に使い方の提案はありますか
小野: NIKKOR Z MC 50mm f/2.8をDXフォーマットのZ 50に装着することで、焦点距離75mm相当の中望遠マイクロレンズとして楽しむこともできます。NIKKOR Z MC 50mm f/2.8にもZ 50にもVR(手ブレ補正機構)は搭載されていませんが、Zボディは高感度性能が非常に高いため、暗い環境でもISO感度を上げれば手持ちで問題なく撮影することが可能です。ぜひこの小型軽量のレンズを持ち歩いて、屋内屋外でマイクロレンズ特有のボケと等倍撮影を楽しんでほしいと思います。
Z 50に装着すれば75mmの中望遠単焦点レンズとして使うことができる
今後の製品開発について
― レンズのロードマップも更新されましたが、今後どのような製品が登場しそうでしょうか
萩原: 詳細内容はお答えできませんが、Zマウントシステムならではの高い光学性能を備えた超望遠レンズを開発したいと思います。
栗林: ミラーレスになってからボディが小さくなったこともあり、レンズの小型化も求められています。Zマウントシステムのボディの電子補正は非常に強力で、光学補正で言うと非球面レンズが入っているようなイメージを想像してもらえればと思います。そういった要因もあり、かつてない小型軽量性を実現した、今までにないようなレンズスペックも実現できるポテンシャルを持っています。ぜひ、今後のNIKKOR Zにもご期待ください。
ニコン マイクロレンズレビュー記事はこちら
ニコン NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S レビュー|クキモトノリコ
https://shasha.kitamura.jp/article/482368252.html
ニコン NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S レビュー|素早いAFとキレの良い高い解像力に脱帽!
https://shasha.kitamura.jp/article/482305457.html
ニコン NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 レビュー|優しい描写力が魅力の常用できるマイクロレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/482196557.html
この記事に使用した機材 【ニコン】NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ニコンのマイクロレンズ、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR SとNIKKOR Z MC 50mm f/2.8は一体どんなレンズなのか。注目の新レンズについて、開発者インタビューをお届けします。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,レンズ,NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S,NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
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AUTHOR:
TITLE: ニコン Z fc レビュー|上田晃司
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CATEGORY: 上田晃司
DATE: 08/06/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,APS-C,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
ニコンからクラッシックタイプのミラーレスカメラ「Nikon Z fc」が発売された。筆者の中ではここ最近発売されたカメラの中で最も欲しいと思ったカメラだ。まず、簡単にニコンのミラーレスカメラについて紹介しよう。
ニコンのミラーレスカメラは2018年以降、基本的に使いやすさや速写性能、グリップ感など使いやすさを重視したカメラを世に送り出してきた。FXフォーマットを中心に高画素モデルのZ 7シリーズ、オールマイティに動画も静止画もこなせるZ 6シリーズ、エントリーFX機のZ 5、軽量コンパクトなDXフォーマットモデル Z 50が用意されている。筆者もすべてのZシリーズを使い、その使いやすさや写りはカメラとして非常に優秀だと感じている。
そのニコンのミラーレスカメラにクラッシックな外観のZ fcが追加された。Z fcの発表された日のSNSの反応は今まで類を見ないほど盛り上がっていた記憶があり、SNSのトレンドにZ fcが上がるほど注目された。レトロな外観のデジタルカメラはNikon Dfという一眼レフがあったが、Z fcは遙かに注目度が高い印象だ。今回は人気のZ fcを外観や写りなど細かくご紹介しようと思う。
Z fcというカメラ
オールドニッコール(右)のデザインを再現したNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
Nikon Z fcはAPS-Cサイズセンサーを搭載するDX機。Z fcの「f」は「fusion」精密機器としての感触とZマウントの高画質の融合を指し、「c」は「casual(カジュアル)」に撮影を楽しむ意味が込められているという。ニコンにはZ 50というDXのミラーレスカメラがあるため、DXのミラーレスカメラとしては2台目になる。多くのスペックはZ 50から継承しているが、Z fcはよりブラッシュアップされ上位機種のFXミラーレスカメラZ 6IIに近いメニュー構成や性能を誇る出来の良いカメラだ。
まず簡単にスペックを見てみよう。センサーは有効2088万画素のバランスのよいCMOSセンサーを採用。センサーサイズはDX(APS-C)サイズになる。ISO感度は常用で最高ISO51200まで設定でき、連写は最大で11コマ/秒に対応。Nikon D500並の連写性能も魅力だ。動画性能も高く、クロップなしの4K UHD/30Pの収録にも対応している静止画も動画もこなせる優秀なカメラだ。
外観
本カメラの特徴はやはり外観だ。今までのZシリーズにはないクラシックなデザインが多くのカメラファンを喜ばせている印象。まず、Z fcは名機Nikon FM2に近いデザインで品のあるシルバーの外観が非常に美しい。ロゴも1970年〜1980年台のカメラに採用されている字体が採用されている。Nikonの文字が斜めではなく真っ直ぐなのが特徴だ。
Nikon FM2(左)に似たデザインに仕上げられたNikon Z fc(右)
上:Nikon FM2 下:Nikon Z fc
軍艦部のダイヤルなどもフィルムカメラ時代を踏襲している
1970-80年代のカメラに使用されていたNikonの刻印文字を再現
実際にFM2と並べてみても、サイズ感などもかなりの影響を受けている印象だ。軍艦部の形状や人工皮革とボディーとの境界線の黒いライン、EVFの接眼目当ての形状など共通ポイントも多い。人工皮革は液晶の裏側にまで施してあり拘りが感じられる。EVFは236万ドットのOLEDを採用で視認性もバッチリだ。もちろん、デジタルカメラになり機能も増えたことでダイヤルやボタンの数はZ fcの方が多いが、それでもよくまとまっている。ちなみにボディーはマグネシウム合金で出来ており、ダイヤル一つ一つはアルミの削り出しと拘りが感じられる。操作する楽しみを大事にしているカメラと言えるだろう。
また、本カメラはプレミアムエクステリアを用意している。プレミアムエクステリアとは人工皮革の色を変更できるサービス。有償(発売キャンペーン期間中は無料)での対応だが、サンドベージュ、ミントグリーン、ナチュラルグレー、コーラルピンク、ホワイト、アンバーブラウンの6色を用意。通常のブラックを入れれば7色から選択できる。ライフスタイルやファッションなどに合わせて選択してみるのも良いだろう。余談にはなるが筆者はミントグリーンにする予定だ。
好みのカラーカスタムができるプレミアムエクステリア
ではもう少し操作系など細かく見てみよう。Nikon Z fcでは操作する楽しみを感じてもらうためにISO感度、シャッター速度、露出補正はダイヤルになっている。F値はメインコマンドダイヤルで調整する。F値も表示パネルに表示され、カメラの上面を見るだけでどのような設定になっているのか一目瞭然だ。
背面のボタンもまとまりがよく、Z 50では液晶モニター内にあったDISPボタンや拡大/縮小表示ボタンも物理的なボタンになっている。頻繁に使用する機能は基本的に物理ダイヤルやボタンになっているのでとても操作しやすい。モードダイヤルは無いが、モード切替レバーがありP、A、S、M、AUTOの切換ができる。細かいことだが、ニコンの全自動オートは撮影者に何もさせないのがコンセプトだったが、今回は全自動オートでも露出補正ができるようになったため、よりイメージ通り撮影できるようになった。
液晶モニターはバリアングル式を採用
液晶モニターの裏側まで人工皮革が配されている
液晶モニターはバリアングル式になり縦位置でのハイポジションやローポジション撮影、動画の自撮り撮影もしやすくなっている。バリアングル式のため裏返してEVFの撮影に集中することも可能だ。ちなみに液晶モニターは104万ドット、3.0型のTFT液晶モニターを採用している。
別売のマウントアダプターFTZを使用すればオールドニッコールやFマウントレンズも使える。筆者は愛用しているAF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VRを装着して撮影している。サイズ感もよく夏空や風景を撮るには最高だ。このレンズはVRも搭載しており、安心して使用できるのでぜひZ fcと組み合わせてみてほしい。
マウントアダプターFTZを使用すればFマウントレンズも使える
■撮影機材:Nikon Z fc + AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR
■撮影環境:F8 1/400秒 ISO100 露出補正+0.7
夏空と地元の小道を撮影。10mmならではの広角をダイナミックに楽しむことができる。
細かなスペック
多くのスペックはNikon Z 50に近いが、Z 50自体優秀なカメラなので全く不満はない。細かなメニューや機能はより改善されている印象だ。まず、フォーカスポイントは209点から選択可能。ローライトAFを使用することで-4.5EV(f1.8時)に対応。AFエリアモードは人物と動物AFの精度や操作がアップしている。特にワイドエリアAF(S)、ワイドエリアAF(L)、ワイドエリアAF(L-人物)、ワイドエリアAF(L-動物)を新たに搭載することで、被写体を逃さなくなり精度の高いピント合わせが可能になった。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO400 露出補正+0.3
メニュー構成を見ていくと、Z 50はややエントリー向けの構成になっていたが、Z fcはZ 6IIやZ 7IIと同等のメニュー構成になりサブカメラとしても使いやすい印象だ。ただ、FnボタンはZ 50の2つから1つになっているので登録する機能は厳選したいところだ。
細かい所だが、インターバル撮影時にオプションでタイムラプス動画が作成できるのもZ 5以降に登場したFX機と同等で非常に嬉しい。さらに、Z 50ではできなかったUSB給電にも対応しており旅先での動画撮影、タイムラプス動画撮影などでも力を発揮しそうだ。また、Z fcはZ 50同様にボディー内蔵の手ブレ補正は搭載していないのでレンズ側の手ブレ補正「VR」を活用する必要がある。写真がブレる場合などはISO感度を上げることで問題なく対応できるだろう。
画質
画質は今までのニコンZシリーズのコンセプトをそのまま受け継ぎ、抜かりない高画質を実現。画像処理エンジンはEXPEED 6を採用。Zレンズの性能をしっかりと引き出すセンサーのお陰でディテールまでしっかりと表現できている。作例を見ていただいても分かる通り、キットレンズのNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRとの組み合わせでも驚くほど被写体のディテールを表現することができる。歪みや収差なども気にならずしっかりと被写体を忠実に表現してくれている。望遠端では開放F6.3ではあるが適度なぼけ感も堪能できる。
また、注目のNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)も開放F2.8と明るいので、広角ではあるもののボケも堪能でき驚くほどよく写る印象だ。近接撮影時などは特にボケが大きくなるので柔らかく感じられる。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO100 露出補正+1.0
最短撮影距離でアマガエルを撮影。近接、絞り開放では柔らかいイメージになる。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO100 露出補正+0.7
あじさいを撮影。背景が丸ボケになるように撮影してみた。丸ボケのとろける感じや輪線もキレイにボケている。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:F2.8 1/1000秒 ISO100 露出補正+0.7
適度な距離感のあるシーンでも適度なぼけ感を堪能できる。
定評のあるクリエイティブピクチャーコントロールは20種類搭載されており、クリエイティブな静止画撮影が可能で、フィルムライクな表現も楽しめる。個人的はフィルムライクなピュアやデニム、トイがオススメだ。適用度も調整できるので、ほのかにクリエイティブピクチャーコントロールを適用することも可能だ。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:F2.8 1/3200秒 ISO100 露出補正+0.3
■クリエイティブピクチャーコントロール:ピュア
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F7.1 1/640秒 ISO100 露出補正+0.7
■クリエイティブピクチャーコントロール:デニム
高感度性能は常用最高ISO51200となっている。実際テストした所、驚くほど高感度性能が高い。ISO6400までは高周波な細かなパターンから低周波 空などノッペリとした被写体までバランスよく撮れる。ISO12800でも十分撮影できるが高周波な部分は少しノッペリとしてしまう印象だ。筆者の基準ではISO6400までがバランス良いと感じた。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F5.6 1/8秒 ISO6400 露出補正±0
まとめ
今回Z fcを長期間使用して感じたことは、写真を心から撮りたくなる優秀なカメラだということ。Z fcは「写真機」だと感じた。操作する感覚やシャッター音、触った感触などとても好印象だ。Z fcはNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)とNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRのレンズキットが用意されているので、ご自身のスタイルに合わせて選んでみよう。クラシカルなデザインに最新の機能、Z レンズの驚くほど表現力の高いレンズを使えるので、是非日常から旅まで楽しみながら撮影してほしい。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F8 1/320秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離16mm
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離50mm
キットレンズNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの広角端(上写真)と望遠端(下写真)で撮影。
一本で広角から中望遠までしっかり撮影できるので旅や日常撮影に便利だ。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3 1/80秒 ISO100 露出補正+0.7
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの望遠端で撮影。絞り開放はF6.3だが十分な前ボケを得られる。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3 1/1250秒 ISO400 露出補正+0.3
■クリエイティブピクチャーコントロール:トイ
ローカル線を連写撮影した内の1枚。連写することで良いタイミングで撮影できた。
■写真家:上田晃司
米国サンフランシスコに留学し写真と映像を学び、CMやドキュメンタリーを撮影。帰国後、フォトグラファー・映像作家として活動開始。現在は雑誌、広告を中心にライフワークとして世界中の街や風景を撮影。講演や執筆活動も行っている。また、YouTubeチャンネル「写真家夫婦 上田家」で写真、旅、カメラについて情報発信している。
この記事で紹介した機材
【ニコン】Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット
商品詳細ページ 【ニコン】AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の上田晃司さんによる、ニコン「Z fc」レビュー記事をお届け。クラシカルな外観に最新のスペックを詰め込んだ話題のミラーレスカメラを解説いただきました。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,Z fc,レビュー
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ソニー FE 50mm F1.2 GMレビュー|山本まりこ
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 08/07/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 50mm F1.2 GM,単焦点
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BODY:
はじめに
今年の春、ソニーG Master初となる開放F値1.2の大口径標準単焦点レンズFE 50mm F1.2 GMが発売になった。
焦点距離50mm、開放F値1.2のレンズ。
そしてGMレンズ。
聞いただけでもゾクゾクする。
11枚羽根円形絞りや超高度非球面XAレンズ、球面収差コントロールで、G Masterならではのとろけるようなぼけ味を実現している。そして、ナノARコーティングIIによる高い逆光耐性とヌケの良いクリアな画質、静止画・動画を問わず、高レベルな描写をサポートするAF性能を誇る。さらには、最短撮影距離0.4m、最大撮影倍率0.17倍の高い近接撮影能力を持つ、などなど心躍る高性能な言葉が並ぶレンズ。
お花に、ポートレート、旅に、使ってみたいと想像が膨らんでしまう。
初対面
そんなある日、我が家にFE 50mm F1.2 GMがやってきた。
箱から取り出してみる。
しっかりとした大口径のレンズ。
主な仕様は、
・外形寸法(最大径×長さ):φ87×108mm
・質量:778g
・フィルタ―径:72mm
・最短撮影距離:0.4m
・絞り羽:11枚
である。
特に筆者が注目したいのは、最短撮影距離が0.4mであること。
SONYの約60本のレンズ群の中で、焦点距離50mmのレンズは4本ある。
FE 50mm F1.2 GMの他の3本は、
・FE 50mm F2.5 G
・Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
・FE 50mm F1.8
である。
この中で、
開放F値が近いレンズは、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA。
Planar T* FE 50mm F1.4 ZAの最短撮影距離は、0.45m、すなわち45cmだ。
FE 50mm F1.2 GM は、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA よりも5cm近くに寄れて撮ることができる開放F値1.2のレンズという事になる。Planar T* FE 50mm F1.4 Zの圧倒的な美しいボケは、筆者も愛してやまないところ。それを超えるF値と5cm近くに寄れるGMレンズ。
これは楽しみだ。
とろけるボケ力と俊敏なAF
台風がそれて、外ではミンミンゼミとヒグラシが大合唱をしている。
とても涼しい一日。
そう、台風が来ると言うので、昨日、作品撮りに向かった。
向かった先は、今住んでいる小さな海まちに小さな山、吾妻山(あずまやま)。136.2m。
もちろんレンズは、FE 50mm F1.2 GM。
山に向かうまでに、通りの庭先に咲くお花を撮影してみる。
F値を開放f1.2に設定して撮影。
■撮影機材:SONYα7RⅣ+FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF1.2 ISO100
こちらは、少し絞って撮影した写真。
■撮影機材:SONYα7RⅣ/ FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/125秒 絞りF5.6 ISO100
2枚目の写真で分かるように、一般的な家屋の塀の柵のあたりで撮影している。開放f1.2に撮影すると、すぐ後ろの柵もトロリとボケる。まるで最初から背景として描かれている絵のように柔らかく滑らかにボケて写っている。
こ、これは…
FE 50mm F1.2 GMボケ表現力を目の当たりにし、このレンズはもしや被写体が何であれ物語のようなボケを描き出してしまう魔法のようなレンズなのではと期待が心に過ぎる。
ボケだけではない、AFもすこぶる爽快。
ピント面にスーッとピントが合う。いや今はほとんどのレンズがそうであると思うけれど、このスムーズさは爽快。新しくなればなるほど、レンズの性能が上がるのは分かっている。筆者が愛用しているPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAよりも、断然俊敏なAF力を感じてしまうのだ。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF1.2 ISO100
焦点距離50mmで遊ぶ
焦点距離50mmと言えば、標準レンズと言われ、撮影をする中でど真ん中に位置するレンズだ。写真を楽しむ大多数の人が1本は持っていると言っても過言ではない焦点距離のレンズだ。例に漏れず、筆者も焦点距離50mmの単焦点レンズは大好きだ。
山に登り始める前に、焦点距離50mmの画角を楽しんでみようといろいろな被写体を撮影した。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/6400秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/6400秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/6400秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/5000秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF1.2 ISO100
心地のいい画角。
広いも、寄りも、どちらも美しい。
これを読んで下さっている方は、もしかしたら初心者の方かも知れないし、熟練者の方かも知れない。もし初心者の方がいたら、焦点距離50mmの単焦点レンズは1本持つことをお勧めする。被写体の間合い(被写体との距離感)を勉強するのには最適な焦点距離のレンズだと思う。そしてさらに、開放F値は、このレンズFE 50mm F1.2 GMのように絞り値(F値)が小さい数字の明るいレンズを持っていると楽しい。今回のこのレンズの開放F値は1.2。F値の数字が小さければ小さいほど、何かにピントを合わせたときの背景がトロリとボケる。
グッと寄ってみる
あ、ヒマワリだ。
吸い寄せられるように畑に咲いていたヒマワリに近寄る。
夏なんだなあ。そんなことを思いながら、シャッターを切る。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/2000秒 絞りF1.2 ISO100
最短撮影距離0.4mに寄って撮影してみる。グッと寄る。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/2000秒 絞りF1.2 ISO100
さらに、フルサイズからAPSCサイズに切り替えて(クロップして)撮影してみる。(APSCサイズにクロップ(1.5倍))
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF1.2 ISO100
しべが、∞とか、数字の8に見えて可愛い。
さらに、超解像ズームで2倍に拡大して撮影してみる。(APSCサイズにクロップ(1.5倍)×超解像ズーム(2倍)で撮影)
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF1.2 ISO100
少し絞って、絞りをF5.6にして撮影。(APSCサイズにクロップ(1.5倍)×超解像ズーム(2倍)で撮影)
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF5.6 ISO100
50mmの単焦点レンズでも、フルサイズからAPSCサイズに切り替えて1.5倍で撮影したり、さらに超解像ズームで2倍にして計3倍ズームで撮影すると、こんなにも幅広い撮影ができる。最短撮影距離0.4mによって撮影し、さらには3倍ズームで撮影した写真は、マクロレンズで撮影したような迫力もある。1本でここまで幅広い撮影ができたら、それは楽しい。
山を撮る
さあ、山を歩いていこう。
夏でも、山を歩くのが好きだ。山に入った瞬間に、温度が変わる。体感で言ったら、5℃くらい下がるように感じる。小さな山でも、山の入口に入ると、すうっと気温が下がって気持ちがいい。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/100秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/3200秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/125秒 絞りF1.2 ISO100
ボケ力を生かした柔らかい表現はもちろん美しい。
でも、クールな表現ももちろん美しい。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF1.2 ISO100
圧倒的なボケ力を楽しむ
それではここで、このレンズの圧倒的なボケ表現力を見て欲しい。
背景の映り込みの滑らかさ、優しさを体感して欲しい。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF1.2 ISO400
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF1.2 ISO400
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF1.4 ISO400
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/125秒 絞りF1.2 ISO100
と、この写真を夢中になって撮っていたら、頭上でコンコンコンと音がする。ずっと止まないので見ると、コゲラが木をコンコンコンと突いている。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/80秒 絞りF3.2 ISO800
さすがに遠くの木にいるコゲラを焦点距離50mmのレンズでは取り切れない。そうだ、こんなときのために100-400mmレンズを持って来ていた!と思い出して、そおっとレンズ交換をして撮影する。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF5.6 ISO3200
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF5.6 ISO3200(APSCサイズにクロップ(1.5倍))
夢中になってコゲラを撮る。やっぱり、100-400mm、大好きなレンズだ。
そんな100-400mm について知りたい方は、こちらの記事を読んで欲しい。
話を戻しましょう。
やっぱり、FE 50mm F1.2 GMのボケ力は、たまらない。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/20秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/5000秒 絞りF1.2 ISO100
FE 50mm F1.2 GMとPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAの描写を比較する
先述したが、私は既にソニーのレンズ群の中に愛する50mmレンズがある。Planar T* FE 50mm F1.4 ZAだ。圧倒的なボケ力を表現できながら、ピント面はスッキリシャープに描くことが出来る、エアリーを表現するのに欠かせないレンズだ。愛するあまりに、雑誌やネットなどで、その素晴らしさをいろいろと語ってきた。「どのレンズが好きですか。」と聞かれたら、迷わずそう答えてきた。だから、FE 50mm F1.2 GMが発売になったと聞いたとき、実は、試したいようで試したくなかった。愛するレンズのそれを超えるスペックのレンズが登場してしまったからだ。
さあ、でも、今回はレンズを試す機会をいただいたので、挑戦してみたいと思う。
FE 50mm F1.2 GMとPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAの描写を比較してみたいと思う。
怖いような、嬉しいような、でもやっぱり怖いような。
山の中にヤマユリが咲いていた。
まずは、FE 50mm F1.2 GMで撮影。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF1.2 ISO400
次は、最短撮影距離に近づいて撮影。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF1.2 ISO400
思わず息を飲む。
美しいボケ表現力。
玉ボケの上に重なる被写体の影も美しい。
さあ、それではAPSCサイズにクロップして1.5倍で撮影してみる。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF1.2 ISO400
撮影しながら、美しさにため息が出る。
さあ次は、筆者の愛するPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAで撮影。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF1.4 ISO400
さらに、APSCにクロップして撮影。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF1.4 ISO400
こちらも美しくて、ため息が漏れる。
いやでも、果たして、どっちがどうなのだろう。
撮っている時には、どちらも美しい。
では、並べてみたいと思う。
どちらがどちらかお分かりだろうか。
左が、FE 50mm F1.2 GMで、右がPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAで撮影した写真だ。
なるほど。
比べてみるとよく分かる。
FE 50mm F1.2 GMは、開放F値が1.2とPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAよりも明るい分、開放+最短撮影距離で撮影した場合、背景の玉ボケが大きく、ボケも少し強く表現できている。
さらに、FE 50mm F1.2 GMの最短撮影距離は0.4m、Planar T* FE 50mm F1.4 ZAは0.45mの分5cm近くに寄れて撮影できるので、被写体が少し大きく撮影できる。
まとめると、僅かだけFE 50mm F1.2 GMの方がボケが強く、被写体を大きく撮影できるということだ。
でも、ボケ表現はとても似ている。
どうだろう。
こんな風にまとめてみたいと思う。
Planar T* FE 50mm F1.4 ZAは、ソニーのレンズ群の中でもとにかく圧倒的なボケがありつつシャープさを共存させて表現したい方に、FE 50mm F1.2 GMは、それ以上のとろけるボケを表現したい方におススメのレンズと言えると思う。
比べて見てホッとする。
やはり私の愛するPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAの描写力は素晴らしく美しい、そして、FE 50mm F1.2 GMはこれから作品撮りに加えたい1本に浮上したレンズである、ということと私の頭の中でまとまった。
ホッと一息を撮る
山を下りると、行ってみたかったレストランがあったので寄ることに。
「のうてんき」さんという、オーガニックな野菜を中心に優しい味付けのお料理のレストラン。ラタトゥイユプレートと、発酵和定食、ハーブティーを注文。無農薬のトゥルーシーを自分で摘んで、アイスティーにするという何とも素敵なアクションあり。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF1.6 ISO500
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF1.6 ISO500
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF1.6 ISO500
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/80秒 絞りF1.6 IS5100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/15秒 絞りF3.2 ISO500
店主のまいこさんは優しい口調でお話され、たまたま居合わせた町の知り合いの方と話が弾み、さらには以前お話したと言う方ともお話でき、自分で摘んだトゥルーシーのアイスティーは聞いていたようにスパイシーで香り高く、ごはんは優しい味付けと可愛らしい盛り付けで気分が高揚し、なんとも素敵なお昼タイムになりました。ごちそうさまでした。
FE 50mm F1.2 GMで撮ると、日々がドラマティックになる、そう思いながらシャッターを切った時間。
おわりに
今回、ソニーG Master初となる開放F値1.2の大口径標準単焦点レンズFE 50mm F1.2 GMについていろいろ撮影した。さすが、開放f1.2のGMレンズ。開放で撮影すると、ドラマティックなボケでまるで物語が始まるような感覚さえも覚える表現力を持つレンズだ。
まだ試していない方、圧倒的なボケを撮りたい方は、ぜひ試して見て欲しい。
今これを書いている外ではミンミンゼミの大合唱が聞こえる。
夏のど真ん中。
先述したが、このレンズは、日常をドラマティックに描く力があると思う。
あなたの生活がドラマティックに。
今しか撮れないドラマティックな夏を、そんな写真を、ぜひ撮って欲しい。
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/400秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/5000秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影機材:SONYα7RⅣ + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF1.2 ISO100
■撮影協力:のうてんき
〒259-0124 神奈川県中郡二宮町山西885-5
090-5568-9615
のうてんき – オーガニック農業の情報発信基地
■写真家:山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんがソニーFE 50mm F1.2 GMのレビューを行っています。生活をドラマティックに映すのにピッタリな本製品の魅力をご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー(Sony) レンズ,レビュー,FE 50mm F1.2 GM
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports レビュー|三井公一
BASENAME: 482815439.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 08/08/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports,望遠ズーム
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BODY:
ミラーレス一眼カメラ専用設計の「DG DN」シリーズ初の「Sports」レンズ
優れた交換レンズを多数リリースしている「シグマ」。その製品群は3つのプロダクト・ラインにカテゴライズされているのをご存じでしょうか。「Art」、「Contemporary」、「Sports」の三種類に分けられ、それぞれ特徴が与えられています。
たとえば「Art」の場合は「あらゆる設計要素を、最高の光学性能と豊かな表現力に集中して開発。高水準の芸術的表現を叶えるアーティスティック・ライン」になります。次に「Contemporary」の場合は「最新のテクノロジーを投入、高い光学性能とコンパクトネスの両立で、幅広い撮影シーンに対応するハイパフォーマンス・ライン」です。最後に「Sports」の場合は「高度な光学性能と表現力はそのままに、撮影者の意図にダイレクトに応え、高い運動性能を発揮するスポーティ・ライン」となっています。
とは言えどのプロダクト・ラインも素晴らしい画質と操作性、そしてビルドクオリティを誇っていることに変わりはありません。今回は「Sports」ラインにようやくミラーレス一眼カメラ専用設計の「DG DN」レンズが登場しました。超望遠ズームレンズ「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」です。焦点距離は150-600mmと、望遠域から超望遠域までカバーするとても使い勝手のいいものになっています。その名の通り、スポーツはもちろん、風景撮影などにも活躍するレンズだと言えるでしょう。
「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」のスペック
それでは「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」のスペックを確認してみましょう。
・焦点距離 150-600 mm
・開放絞り値 F5-6.3
・最小絞り F22-29
・レンズ構成 15群25枚
・最短撮影距離 0.58-2.8 m
・最大撮影倍率 1:2.9(180mm時)
・フィルター径 95 mm
・最大径 x 長さ 109.4 x 263.6 mm
・質量(重さ) 2100 g
・防塵防滴 あり
※(Lマウント版のスペックとなります)
・付属品 ケース、かぶせ式フード(LH1034-01)、かぶせ式キャップ(LC-747E)、ショルダーストラップ・三脚座(TS-121)組込み
2キロを少し越える程度の軽さで、楽々と振り回せる高性能超望遠ズームレンズに仕上がっています。これなら持ち歩き時やフィールドでも快適に撮影に臨めそうですね。
最新のミラーレス一眼カメラ専用設計
「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」はシグマ最新の光学設計がなされています。FLD4枚、SLD2枚と特殊な硝材を採用した15群25枚のレンズは、各収差を徹底的に抑えて、画面中央部から周辺部まで高い画質を実現。ズーム全域において安定した描写を堪能できるようになっています。テレ端の600mm域は当然のこと、ワイド端の150mm域でも優れた写りを実感できることでしょう。
驚きなのはワイド端150mmでは最短撮影距離がなんと58cmということ。テレマクロ的に使える便利な超望遠ズームレンズになっています。またLマウント版は1.4倍、2倍のテレコンバーター2種類「TC-1411」、「TC-2011」に対応。最大1200mmでの圧倒的な焦点距離でのオートフォーカス撮影が可能です。
充実と納得の操作性
「Sports」ラインのレンズということで運動性能とタフネス性能も特徴です。オートフォーカスは「高精度磁気センサー」を搭載。鏡筒内を移動するフォーカスレンズの位置決めを正確かつ高速に行っています。望遠レンズはそれの移動量が大きいので、これはとても重要なポイントでしょう。また超望遠ズームレンズということで「OS」手ブレ補正機能も素晴らしいものになっています。手持ちでの撮影を可能にするため、約4段分※もの効果を達成。シャープな像を得られるとともに、被写体を追いかけるときにも有効ですね。
鏡筒の3箇所に設けられた「AFLボタン」はどんなポジションでもフォーカスロックが可能。対応したカメラではボディから各種機能の割当もできるようになっています。また新設の「ズームトルクスイッチ」は、ズーミングの重さをT(タイト)とS(スムーズ)、そしてL(ロック)に設定ができます。Tにすれば粘りのあるズーミングができ、レンズの自重による動きを防ぐことが可能になっています。もちろん「フォーカスリミッタースイッチ」や「カスタムモードスイッチ」も備えています。回転式三脚座がアルカスイス対応というもの見逃せません。
スポーツや報道などのシーンで使われることが多い超望遠ズームレンズなので、防塵防滴のタフネスさもしっかりと備えています。過酷な環境下での撮影も安心して行える仕様なので安心ですね。さらに前面のレンズには撥水防汚コートを採用し、メンテナンスもクイックに行えるところも魅力です。そのレンズ鏡筒はアルミニウムやアルミニウムに近い熱収縮率を持つポリカーボネート TSC(Thermally Stable Composite)を使用し、小型軽量化と堅牢性を高い次元で達成しています。シグマSportsラインの一眼レフ用モデル「150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports」からは重さ760g、長さ26.6mmのサイズダウンという驚きのスペックは、シグマが誇る会津工場の「匠」が結実したものと言えるでしょう。
※約4段分の手振れ補正はCIPA準拠によります(35mmフルサイズカメラを使用し、焦点距離600mmにて測定)。
実写
「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」のテレ端 600mm は素晴らしい写りを見せてくれます。気温が上がり空気が揺らぐ時間帯でしたが、遠くに停泊する巡視船の雄姿をシャープに捉えてくれました。世界最小最軽量のミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」シリーズに装着してもなかなかのバランス感でしたよ。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:f/8 1/500秒 ISO100 露出補正-1.3 焦点距離600mm
Lマウント用の2倍テレコンバーター「TC-2011」を使用して1200mmで撮影しました。夕陽を浴びてレインボーブリッジを渡る車両をドラマチックにキャプチャーできました。最大1200mmという「眼」は撮影領域を格段に広げてくれますね。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports + 2倍テレコンバーター「TC-2011」
■撮影環境:f/18 1/320秒 ISO160 露出補正-1.7 焦点距離1200mm
600mmテレ端も素晴らしいですが、ワイド端150mmもヌケ感と発色がよく、実にシャープに解像してくれます。目が覚めるようなワイド端の描写は、超望遠ズームレンズとしての資質の高さを物語っています。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:f/8 1/320秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離150mm
こちらがテレ端600mmでのカットです。観覧車の質感が何とも言えませんね。金属の質感、立体感、色彩感が本当に見事です。超望遠域でも手持ちでラクラク撮れるのが何よりもうれしいですね。
■撮影機材:SIGMA fp L + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:f/8 1/320秒 ISO125 露出補正-0.3 焦点距離600mm
こちらのカットはパナソニック「LUMIX S5」に装着して撮影したカットです。生憎の猛暑で地表付近は揺らぎが出るコンディションでしたが、ヌケ感の高いスッキリとしたイメージを撮影できました。こちらはワイド端150mmとなります。
■撮影機材:LUMIX S5 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:f/7.1 1/400秒 ISO150 焦点距離150mm
同じくパナソニック「LUMIX S5」でのカット。今度はテレ端600mmです。旅客機のボディがクリアに写しとられています。「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」はLマウントアライアンスのカメラを使うフォトグラファーにとって、超望遠ズームレンズという世界の扉を開いてくれました。これはうれしいですね。
■撮影機材:LUMIX S5 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:f/8 1/400秒 ISO100 焦点距離600mm
離陸した飛行機をコンティニュアスオートフォーカスでシャッターを切り続けました。パナソニック「LUMIX S5」は正確かつスピーディーにそれが雲間に消えるまで追従して捉え続けました。軽く振り回しやすい「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」は、長時間空港のデッキで撮影しても疲労を最低限にしてくれます。
■撮影機材:LUMIX S5 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:f/8 1/500秒 ISO100 焦点距離600mm
暑さが一段落した河川敷のグラウンドで、黙々とリフティングの練習をする少年。その様子をテレ端600mmで撮り続けましたが、よく効く手ブレ補正機能のおかげでしっかりとファインダーの中に捉えられました。気軽に持ち歩ける超望遠ズームレンズは、撮影フィールドを広げてくれるのでとても面白いですね。
■撮影機材:SIGMA fp + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:f/8 1/320秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離600mm
同じ河川敷でイヌの散歩をする人々を撮りました。夕陽を浴びた感じが実にいい雰囲気ですね。超望遠ズームレンズというとスポーツや野鳥撮影というイメージがありますが、「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」は軽量コンパクトなので、気軽に持ち出してスナップや風景撮影にも活用できそうです。もちろん運動会やイベントの撮影にも活躍することでしょう。
■撮影機材:SIGMA fp + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:f/7.1 1/320秒 ISO160 露出補正-0.7 焦点距離600mm
まとめ
「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」はまずその軽さと小ささが素晴らしいです。それでいて写りもズーム全域で良好なので、気軽に持ち出して撮影をしたくなるレンズに仕上がっています。造りも堅牢で防塵防滴のタフネスさがありますし、オールマイティーに活躍する超望遠ズームレンズになっていると言えます。スポーツや野生動物の撮影にはもちろん、風景やスーパーテレフォトスナップ撮影にも有効です。テレ端600mmの世界は、今までの望遠レンズ撮影とは違う世界を見せてくれるに違いありません。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports レビュー記事はこちらでもご覧頂けます
シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports レビュー|葛原よしひろ
~ ソニー Eマウント用にスポットを当てたレビューになっています ~
https://shasha.kitamura.jp/article/484002727.html
この記事に使用した機材
【シグマ】150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports Lマウント用
商品詳細ページ 【シグマ】150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports ソニーFE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがシグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sportsのレビューを行っています。「Sports」ライン初のミラーレス一眼カメラ専用設計となる本レンズの魅力をスナップ作例と合わせて紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,レンズ,スナップ,レビュー
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ナイトズー&夜の水族館写真の楽しみ方|人気ペトグラファー夫婦がご紹介!
BASENAME: 482776839.html
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CATEGORY: 小川晃代・湯沢祐介
DATE: 08/09/2021 16:00:00
TAGS: 水族館,野生動物/動物
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BODY:
はじめに
外に出るのも嫌になるほどに暑い日本の夏。暑さに参っているのは人間だけではありません。動物園の動物たちも昼間はぐったりとバテ気味です。そんな暑い夏は夜の動物園を楽しみましょう。夜になれば暑さも落ち着き、動物たちも昼間とは違った姿を見せてくれますよ。
今回は夏ならではのイベント:ナイトズー写真の撮り方をお話ししたいと思います。
ナイトズーとは
ナイトズーとは夏の期間だけに開催される夜の動物園。普段は17時など夕方に閉園する動物園も、ナイトズーの期間だけは20時頃まで開園しています。昼間に比べ涼しくなった夜は動物たちも生き生きしています。また、夜行性の動物たちは夕方以降に行動が活発になるので、動物たちのいつもと違う一面が見られるでしょう。何よりも普段は入る事のできない夜の動物園っていうのがワクワクしますよね。
そんなワクワクする夜の動物園ですが、昼間のように簡単に撮影することはできません。当たり前ですが夜の動物園はとにかく暗いんです。夜の雰囲気を楽しむために照明も多くはなく、ライトアップされていない場所は本当に真っ暗です。そんな中で撮影するのは至難の業。(というよりほぼ不可能です。)そのため、ナイトズーで展示されている動物はほとんどの場合ライトアップされています。
と言っても全体的に照らされているのではなく、展示エリアの一部が照らされています。その照らされた場所に動物が来るのを待ってシャッターを切らなければなりません。なので、良い場所に動物が来るのを待つ忍耐力と運が必要なのです。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark IV + EF70-200mm f/2.8L IS II USM
■撮影環境:F2.8 1/250 ISO32000 焦点距離115mm このサイがいる展示スペースではライトが当たっている場所は一部でそれ以外は真っ暗でした。展示スペース内をぐるぐると歩くサイはゆっくり暗闇へと消えていきます。しばらくすると暗闇の中から再び姿を現しました。どうやらこのサイは展示スペース内の同じコースを歩いているようです。この写真はライトアップされた場所を通過するのを待って撮影した一枚です。じっくり観察し、動きのパターンを読むことで成功率がアップします。
ナイトズーで必要な機材
ナイトズーの撮影は、設置されたライトの明るさにもよりますが、ISO6400~ISO25600前後の高感度で撮影します。ナイトズー撮影では、1枚の写真の中に暗い部分=黒い部分が多くなるので超高感度で撮影するとノイズがかなり目立ちます。出来るだけノイズの少ない写真にするにはカメラはフルサイズの方がより良いでしょう。
主に使用するレンズの焦点距離は100~300mm前後。私たちの場合70-200mmと100-400mmレンズの2本を持ち歩く事もありますが、フルサイズのミラーレスを使うようになってからは70-200mmのレンズ1本で撮影に行く事も多くなりました。展示状況によっては200mmでは足りない事もあるので、そんな時はAPS-C機能をONにして焦点距離を約1.5倍望遠にして撮ります。
■使用機材:キヤノンEOS-1D X ボディ + EF70-200mm f/2.8L IS USM
■撮影環境:F2.8 1/500 ISO25600 焦点距離125mm
■使用機材:ソニー α9 Ⅱ + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F2.8 1/320 ISO25600 焦点距離82mm こちらも部分的にライトアップされていたので、被写体がそこに来るのを待って撮った作品。ライトアップされた所以外は真っ暗なので主役が引き立ちます。大自然の夜を想像してもらうように縦位置にして真っ暗な部分を多く入れこんだフレーミングにしました。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X ボディ + EF70-200mm f/2.8L IS USM
■撮影環境:F2.8 1/100 ISO10000 焦点距離200mm 暗闇の中ではフラミンゴの赤い羽根が引き立ちます。程よく照らされて輪郭が浮かび上がっていて綺麗ですよね。ナイトズーでは自然な暗闇と人工的に作られた程よい照明をうまく取り入れることを意識すると幻想的で美しい作品に仕上がります。
ガラス越しの展示スペースで、動物たちが比較的ガラス面近くにいる場合には、広角~標準レンズが必要になります。またレンズは開放値が小さい明るいレンズが良いです。私たちの場合は三脚と一脚は使わず全て手持ちで撮影、もちろんストロボも使用しません。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X ボディ + EF24-70mm f/2.8L II USM
■撮影環境:F2.8 1/500 ISO16000 焦点距離70mm こちらのチーターはガラス越しと柵越しの2箇所の観察ポイントがありました。照明やチーターの動きから、ガラス越しで撮る事に。
さらにガラス面からかなり近い場所がベストだったので24-70mmのレンズで撮影。このチーターも常に歩き回っていたのでガラス面に近づく瞬間を、焦点距離を変えながら狙い続けました。ガラス越しの撮影ではガラスの反射に気を付けなければいけません。この時はガラス面にレンズを近づけて反射を防いでいます。
ナイトズーのカメラの設定
夏は明るい時間帯が長いため真っ暗になるのは19時前後です。真っ暗な中でライトに照らされた動物が組み合わさると、アートな写真作品になりますのでまずはこれを狙ってみましょう。
ナイトズー撮影の天敵は何よりも時間です。真っ暗になってから閉園までは1時間くらいしかありません。そのため撮影する動物は欲張らずに2~3種類に絞りましょう。選ぶポイントは、いい感じでライトが照らされている事。動物がライトの当たる場所にいるかどうか、ライトの当たる場所を頻繁に通過するかどうかを見て選ぶと良いです。
とにかく暗いためピント合わせはオートでは合わない場合もあります。その時はMFに切り替えて、フォーカスリングを細かく回してピントを合わせましょう。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X ボディ + EF70-200mm f/2.8L IS USM
■撮影環境:F3.5 1/160 ISO12800 焦点距離115mm 象の顔を印象的に撮った1枚。肖像画のようにかっこよく撮りたかったので全身ではなく顔メインでフレーミングしました。暗闇に浮かぶ横顔がかっこいいですよね。カメラの設定は、マニュアルモードを使い、絞りは開放値、シャッター速度は被写体の動きに合わせて適宜設定しましょう。
ナイトズー撮影では昼間のようにシャッター速度を上げることができません。動きのあまりない被写体の場合は1/30〜1/100秒ほどでご自身が手ブレを起こさないシャッター速度に設定。動きのある被写体の場合はその動きに合わせて1/100〜1/500秒ぐらいの間で被写体ブレが起きないギリギリの設定をしましょう。
私たちの場合、少しでもISO感度を下げてノイズの少ない作品にしたいので、出来るだけシャッター速度を遅く設定するようにしています。ただ、設定をミスしてしまうとブレた写真になってしまうので、最初のうちは少し余裕を持った設定にするといいですよ。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X ボディ + EF70-200mm f/2.8L IS USM
■撮影環境:F2.8 1/30 ISO2500 焦点距離200mm 動きが少なかったので1/30秒で撮影。そのおかげでISOは2500まで下げられました。
ナイトズーは短い時間との勝負にもなりますので、撮れそうだなと思ったらその生体に絞ってじっくり撮りましょう。とはいえ撮影当日は動物園には遅くても15時半くらいには到着し、どの動物を撮ろうかと見定めながら見て回ると良いでしょう。
暗くなる前も狙い目
ナイトズーは暗闇に浮かび上がる動物写真がかっこ良くておすすめではありますが、実は暗くなる前の時間も狙い目です。群青色に染まった空を背景に動物たちを撮ってみると良いでしょう。
この時間、明るさが刻々と変わっていきますので特にISO感度の設定に注意しましょう。また、ホワイトバランスも自分好みに変えるとより印象的な作品に仕上がります。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X ボディ + EF85mm f/1.2L II USM
■撮影環境:F1.2 1/160 ISO2000 焦点距離85mm 真っ暗になる一歩手前の群青色の空とチーター。昼間に比べ少し風が涼しく感じられる時間帯。真っ暗もかっこいいけどこの時間帯の雰囲気も美しい。
夏の夜の水族館
夏は動物園だけではなく、水族館も夏ならではのイベントを開催している所が多いです。夜のアクアリウムと題して、水槽のライトアップを夜バージョンにしたり、夏をイメージしたプロジェクションマッピングを組み合わせたりと、夏しか見られない演出もあるので是非足を運んでみましょう。
■使用機材:ソニー α7C + FE35mm F1.4GM
■撮影環境:F1.4 1/500 ISO16000 焦点距離52mm こちらは「すみだ水族館」のペンギンプールでの1枚。プールの底面に花火の映像をプロジェクションマッピングで写し出すショープログラムがありました。
花火が開くとペンギンたちがそこに泳いでやってきます。この瞬間を収めた1枚です。とても暗くペンギンの動きも速いので撮影の難易度は高いですが、花火が打ちあがる場所がどこかをしっかり見て、明るくなった場所に来たペンギンに瞬時にピントを合わせて撮ります。
ポイントは全体をよく見る事。カメラをのぞいたままでは周りの状況が見えませんので常に全体を見るようにしてどこを撮ったら良いかを判断して撮ると良いでしょう。
まとめ
夜の動物園と水族館は、暑い夏にはぴったりの涼みポイントでもあります。そして夜というだけで大人になった今でも何だかワクワクします。撮影のポイントは2つ。「欲張らずにじっくり撮る」、「人工光と動物を上手く組み合わせる」に限ります。夏の夜の楽しい思い出にいかがですか。
■写真家:小川晃代・湯沢祐介
ペットやキッズの撮影を得意とする夫婦の「ペトグラファー」。トリマー、ドッグトレーナーの資格を持つ小川と、猫じゃらしを持たせたらピカ一!「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ湯沢の最強コンビで、これまでに撮影した頭数は7万頭以上。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。東京都世田谷区でペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーンSTUDIO」を運営。
関連記事はこちら
■夏を楽しむ愛犬写真の撮り方|人気ペトグラファー夫婦がご紹介!
https://shasha.kitamura.jp/article/482492525.html
■屋外撮影で重要な光と構図を考えよう|人気ペトグラファー夫婦が解説!
https://shasha.kitamura.jp/article/483726417.html
この記事に使用した機材 【キヤノン】EF70-200mm F2.8L IS II USM
商品詳細ページ 【キヤノン】EF85mm F1.2L II USM
商品詳細ページ 【ソニー】FE 70-200mm F2.8 GM OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の小川晃代さんと湯沢祐介さんによるナイトズー&夜の水族館写真の楽しみ方の記事です。
夏に夜間開放される動物園や水族館の撮影テクニックを作例とともにご紹介しています。
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KEYWORDS:
動物,ナイトズー,撮影テクニック
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AUTHOR:
TITLE: まるで水に潜ったかのような写真が撮れる!?水族館撮影テクニックをご紹介~レアな魚が盛りだくさん!北の水族館編~
BASENAME: 482802871.html
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CATEGORY: 虫上智
DATE: 08/10/2021 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) ボディー,オリンパス(Olympus) レンズ,水族館
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BODY:
はじめに
皆さんこんにちは。今年も暑い夏がやってきましたね。こんな時は冷房の効いた、水族館での撮影が心身ともにリラックスできてお勧めです。
日本には様々な水族館があり、皆さんの近くにも大なり小なり魚を展示している施設はありますので是非、Googleマップなどを活用して探してみてください。最近のGoogleマップは口コミや館内の写真なども見られますので、どのような雰囲気でどのような魚がいて、どんな撮影が可能なのか行く前から事前に予想が立てられますので、行かれる前には是非チェックされることをお勧めします。
筆者は今回、北海道に行く機会があり、北の水族館を巡ってきましたので涼し気な作品を見ながらモチベーションを高めてもらえると幸いです。
北海道には沢山の水族館があります!
今回旅した北海道には実に沢山の水族館があり、伺った水族館は付近で採れる魚の展示や土地の利を活用した展示など、それぞれにこだわりを感じられました。また、施設は古くてもスタッフのアイデアが光るとても興味深い展示方法で実に楽しく拝見出来ました。北海道という土地柄か、淡水魚が中心で特に鮭の展示は必ずと言っていいほどありましたね。北海道の水族館、お勧めです!
水族館撮影のポイント
まるで潜って撮影したかのような写真を撮影するには背景がとても重要です。水槽の水を変えたばかりの水族館は魚もクリヤーに表現できて良いのですが、水槽が汚れていたり背景が汚かったりする場合は、魚と背景の距離を離したり魚を大きく撮影したりすると効果的です。下の作例は前ボケと後ろボケを上手く活用しています。群れの中心にいる魚にピントを合わせると背景もボケていい感じになりました。
基本的に水族館内で撮影する際の設定は、明るいF値のレンズならISO感度は手動で400~800程度、暗い高倍率ズームならISO800~6400くらいが目安です。筆者の場合、WBは太陽光、記録画質はRAWで通常は撮影しています。RAW撮影でのメリットはあとで微妙にホワイトバランスを変更できる点と、PCでのレタッチがJPGに比べてやりやすい点です。
また、ISOオートやWBオートなどでも楽に撮影ができますが、あまりにISOが上がりすぎたり色がおかしい表現になったりする可能性がありますので、撮影したら都度写りを確認しましょう。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.4 1/100秒 ISO200
■撮影場所:標津サーモン科学館
この水族館は北海道ならではの淡水魚、特に鮭の展示にこだわった博物館です。特に稚魚を年齢順に展示しているのは初めて見ました。この作例はアマゴの水槽にアマゴの稚魚が沢山泳いでいました。
標津サーモン科学館ではシロザケの稚魚の放流を体験できます
標津サーモン科学館では毎年GWの期間、シロザケの稚魚の放流を体験できるイベントもあります。写真のように好みのグラスに稚魚を入れて放流を体験させてくれました。筆者は迷わず、絵になる?大き目のワイングラスをチョイスしました。そして魚の姿がよくわかるように高さを微妙に変えてグラスの中の魚と背景の北の大地を取り入れて撮影しました。
様々な水族館撮影テクニックあれこれ
ここでは水族館での撮影に便利なテクニックをご紹介します。こちらもシロザケの稚魚ですが、ガラスが痛んでいると背景に丸ボケを入れて奇麗に表現しようとしても、このような結果につながりますので注意が必要です。
水槽の傷ついたガラスが写り込んでしまった例
また、ガラスが痛んでいるときなどはこの写真のように左右対称構図でアート的に表現しました。人工物をわざと取り入れて撮影すると良い結果になり易いこともあります。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO400
こちらは水族館ではなく、有名な旭山動物園での作例です。アシカのプールはどの水族館でもそうですが、背景が青く海で泳いでいるような雰囲気です。水面のフェンスの揺らぎ模様が面白くアート的に表現出来ました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4 1/800秒 ISO200
■撮影場所:旭山動物園
最近の動物園も展示方法がとてもユニークで、まるでトンネルの中から覗き込んでいるような感じに撮影できました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.5 1/500秒 ISO640
■撮影場所:旭山動物園
カバの展示もとてもユニークで楽しめます。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4 1/50秒 ISO1600
■撮影場所:旭山動物園
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F14 1/125秒 ISO800
■撮影場所:北の大地の水族館
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F6.3 1/125秒 ISO800
■撮影場所:北の大地の水族館
この水族館は滝つぼの下から魚を見られるというコンセプトで造られた水槽です。魚や水流の動きがとても激しいので出来るだけ速いシャッタースピードで撮影しました。飼育されている環境もとてもよく、魚も元気なので撮影中に……
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F13 1/320秒 ISO800
■撮影場所:北の大地の水族館
魚の交尾活動かと思われますが、このような場面は実際にダイビング機材を背負って潜っていても出会えることはほとんど無いので驚きでした。
また、この水族館では驚愕の展示が!それは筆者が夢にまで見た幻の魚・イトウの婚姻色の展示でした。動画でも撮影しましたのでご覧ください。まるで川の中で潜って撮影したような表現が撮影できました。とても美しい婚姻色です。
VIDEO
この写真のように、背景に埋没林などを入れてみるとより印象的な作品につながります。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/50秒 ISO200
■撮影場所:北の大地の水族館
こちらは静止画でも撮影しました。この水族館は自然の川の水を利用しているので水も奇麗でなおかつ、ガラスも奇麗なのでとてもクリヤーで鱗の一枚一枚も奇麗に表現出来ました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F3.2 1/60秒 ISO400
■撮影場所:北の大地の水族館
次に、北の大地ならではの氷の天使・クリオネ(ハダカカメガイ)の作品をご紹介します。カメガイの仲間は近所の海にも居るのですが、天使のような形のクリオネは寒い地域限定で実際にクリオネに出会うことは厳冬期の北海道で且つ、流氷の海に凍結防止用のレギュレターとドライスーツでダイビングをしなければならないので非常にリスクが高いです。
もちろんリアルで見ることも大切ですがそのような事が出来る人は限られますよね。しかし、水族館ならばどんな季節でも楽にクリオネに出会えますのでお勧めです。実は筆者の近所の水族館にも居ることを最近知りました!!
まずは北海道立オホーツク流氷科学センター内にクリオネの水槽があるという情報がありましたので行ってみると……
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/800秒 ISO200
■撮影場所:北海道立オホーツク流氷科学センター
こんなに沢山のクリオネに出会いました!流石、紋別ですね^^このような撮影では連写することが多いのですがあとから撮影カットを確認してみると……
捕食中のクリオネの姿も捉えました(画像中央下)
下の部分に捕食中のクリオネがいることを確認しました。可愛い姿とは言えず、まるでエイリアンのようですね。
また、沢山のクリオネの作品も良いのですが、下の作例のように1匹だけに狙いを絞った作品が筆者は一番気に入りました。この2枚の作品は水槽に結露でついた水滴が良い味を出していたのでそれをうまく取り入れて作画しました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/125秒 ISO200
■撮影場所:標津サーモン科学館
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.4 1/40秒 ISO200
■撮影場所:標津サーモン科学館
おまけで筆者の地元の水族館でもクリオネを撮影してみました。皆さんの近所の水族館でも出会うことが出来るかもしれませんよ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/3200秒 ISO400
■撮影場所:岡山県・渋川水族館
水族館撮影にお勧めのカメラ機材
水族館撮影には最近のカメラならばどんなものでも撮影しやすいと思います。特にミラーレスカメラはピントも合いやすく撮影画像も確認しやすいので重宝します。レンズに関してはなるべく明るいレンズで撮影出来れば良いのですが、F値が暗いレンズでもISO感度を上げることで問題なく撮影できます。
また、被写体の近くまで寄れるレンズがあれば小さな魚でもピントが合いやすく、撮影しやすくなります。所有レンズの最短距離がどれくらいか事前に確認しておくことをお勧めします。この写真の様に3センチ程度の小さな魚を撮影するには、水槽にそれなりに寄れなければなかなか成功しません。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/250秒 ISO400
■撮影場所:北の大地の水族館
カメラ設定はISOオートやWBオートなどでも楽に撮影ができますが、使用するカメラによってはあまりにISOが上がりすぎたり色がおかしい表現になったりする可能性があるため、筆者はISOは手動、WBは太陽光、記録形式はRAWで通常は撮影しています。
また、水槽に写る反射を取り除きたい場合には、以下のような忍者レフやラバーフードなどがとても重宝します。館内撮影は水槽での撮影が主ですのでガラス越しでの撮影となります。レンズをガラスにぴったりと付けると反射なく撮影できますが、レンズを動かすことが出来なくなりますから画角が制限されます。その際、ゴム素材で出来たラバーレンズフード や忍者レフ などを使用すると良いでしょう。
フードにはそれぞれに特徴がありますが、現在の筆者のお気に入りはユニバーサルレンズフード(SMALLサイズ)です。このフードは長さが多少調節可能なので色々なレンズに装着することが可能です。
また、ガラスの反射をとるPLフィルターも効果的ですが、撮影角度に制限があり暗い屋内だとシャッタースピードがより遅くなるので不向きです。PLフィルターを使用するなら明るい場所での使用を推奨します。
混雑時など、水槽から離れて撮影する場合、じっくりとファインダーで水槽のガラス面の映り込みを確認して、自分や周りの建造物等ができるだけ目立たない角度で撮影します。場合によっては映り込みや水槽のフレームなどを逆に取り入れた場合も良い作品になることがありますので、映り込み・人工物等=悪いというイメージを捨てることも考えてみるといいでしょう。
VIDEO
さいごに
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.4 1/40秒 ISO200
今回オリンパスのミラーレスカメラで撮影したものをご紹介しましたが、最新型のスマホでもびっくりするくらい奇麗に撮影できますので、水族館に遊びに行った際はぜひ気軽に撮影も楽しんでみてください。また、撮影の際は周囲の方々に迷惑をかける事がないようにご注意ください。少しでも邪魔になっているようでしたら一言挨拶や、場所を譲るように心がけていただけるとトラブル回避にもつながりますし、気分良く撮影できるかと思います。
■写真家:虫上智
1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。
日本写真家協会(JPS)会員。日本写真講師協会 認定フォトインストラクター。フォトマスターEX(総合)。オリンパスカレッジ講師。
この記事で紹介した機材 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の虫上智さんに水族館での撮影テクニックを解説いただきました。まるで水に潜って撮影したかのような美しい作例とともにご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,水族館,オリンパス,OM-D E-M1 Mark III
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー α7C × 夏らしい景色|大村祐里子
BASENAME: 482845570.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 大村祐里子
DATE: 08/11/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ,スナップ,α7C,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
2020年10月23日に発売となったソニー α7C。コンパクトなボディと高性能を両立させた素晴らしい一台です。私も発売当初から気に入っていて、ずっと使い続けています。今回は、α7Cで夏らしい景色を撮ってまいりましたので、それをご紹介しながら、α7Cの良さについて語らせて頂きたいと思います。
超小型ボディがもたらす撮れ高
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
■撮影環境:f/4 1/1250秒 ISO100 焦点距離35mm
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO100 焦点距離35mm
α7Cの「C」は「Compact」の略です。その名の通り、α7Cの最大の特徴はそのコンパクトさと言っても過言ではありません。カメラのサイズ感は、ユーザーにとって大変重要なものです。特にスナップを撮り歩くような人にとっては、大きくて重たいカメラだとどうしても疲れてしまい、最終的に撮影意欲を削がれてしまうことが多々あります。
APS-C機と同じくらいのサイズ感であるα7Cは、ボディだけで約509g (バッテリーとメモリカードを含む)と非常に軽量です。他のフルサイズのαシリーズもそこまで重いわけではありませんが、その中でもα7Cは特にコンパクトで、持ってみると想像以上の軽さに驚きます。
そのため、鞄に入れても、肩にかけても、手に持っても、撮影者を疲れさせません。私は今回、α7Cを持って海に行ってみたり、船に乗ってみたり……と、一日中動き回りましたが、カメラの重さのせいで疲れることはまったくありませんでした。そのため、暑い日でしたが元気を保ったまま、いろいろなところでスチールと動画、両方の撮影ができました。
スナップの撮れ高は、自分の足でどれだけの場所へ行けたかに大きく左右されます。撮影者の足取りを軽くしてくれるα7Cは、スナップ撮影の最高の相棒です。アクティブに動き回りたい方や、重たいカメラは絶対に嫌だ!という方には、α7Cを特におすすめいたします。
フルサイズの画質を十分に楽しめる
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:f/1.8 1/4000秒 ISO100 焦点距離55mm
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:f/11 1/125秒 ISO100 焦点距離55mm
α7Cの良いところを挙げるとしたら、外せないのはその描写性能です。コンパクトなボディですが、センサーはフルサイズ。サイズ感から「お散歩用」のカメラと思われてしまいそうですが、とんでもない。仕事でも十分使えると感じられる描写性能を備えています。暗所でも使えますし、階調は豊かで、色の再現性もとても良いです。大口径レンズを装着すれば、フルサイズならではの大きなボケ感も楽しめます。写真を生業にしている方にα7Cを見せると「いいな……」という反応をいただくことが多いです。
正直、どのくらいの絵であれば綺麗なのか、というのは、その人の感覚によるところが大きいと思うのですが、仕事でたくさんのカメラを使ってきた自分からすると、α7Cの絵は「十分に綺麗」と思えるレベルです。
高いAF性能
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO100 焦点距離55mm
α7Cを使いたいと思える理由のひとつに「高いAF性能」があります。α9をはじめとしたプロフェッショナル機にも搭載されている“4Dフォーカス”に対応しているため、実際にα9を使用している私からしてみても「α7CのAFすごい!」と感じます。
正直、AFに関してはほぼノーストレスの域に達しているのではないかと思います。風になびいて激しく動く風鈴も、ピンポイントですぐにピントを合わせられます。今回は人物撮影をしておりませんが、人物の瞳AFも相当な精度です。
AFの合焦方法が豊富なのも魅力的です。自動で合わせることもできますし、細かくスポットで合わせることもできますし、直感的に液晶をタッチで合わせることもできます。初心者の方でも、ベテランの方でも、自分の使いやすい方法を選べるところが良いなと思います。
AFの精度は動画の仕上がりにも大きく関わってきます。動画の場合は、フォーカスの動き方まで含めてひとつの作品です。α7Cは動画撮影時「いまここで、こういう風にピントが合ってほしい」という願望をしっかり叶えてくれます。α7Cの高いAF性能は、スチールも動画も、両方撮りたいと思わせてくれます。
連写
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
■撮影環境:f/7.1 1/640秒 ISO100 焦点距離35mm
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
■撮影環境:f/5 1/400秒 ISO100 焦点距離35mm
個人的に好きなポイントとして「連写」があります。小さいカメラなのでそんなに連写できないだろう……と思いきや、Hi+時だと、最高約10コマ/秒撮れちゃうのです。……十分では?
船の上から、高速で飛び回るカモメを連写しましたが、最高約10コマ/秒のおかげで、カモメがちょうどいいところにきたタイミングで切り取れました。連写時の「カシャカシャ」という手ごたえのあるシャッター音も気に入っています。いま私、連写してる~!という高揚感を感じられます。
Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
■撮影環境:f/2.8 1/500秒 ISO100 焦点距離35mm
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
■撮影環境:f/2.8 1/800秒 ISO100 焦点距離35mm
α7Cはレンズを交換できるので、豊富なEマウントレンズの様々な描写を楽しめます。私がα7Cとの組み合わせで最もよく使うのは「Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA」です。
35mmという汎用性の高い焦点距離でありながら、とにかくサイズがコンパクト!レンズフードも小型の鏡筒にマッチするよう設計されていて、α7Cに装着すると、とってもバランスが良いです。動画撮影時ジンバルに乗せても、フロントヘビーになることがありません。スチール、動画両方で重宝するレンズです。
コントラストがやや高めで、色がしっかりと出るところが気に入っています。広角ゆえに引き絵も撮れますし、最短撮影距離は0.35mなので、何かに寄りたいなと思ったときにも活躍します。α7Cに合うレンズを教えてほしいと言われたら、迷うことなくこのレンズをおすすめします。
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:f/1.8 1/3200秒 ISO100 焦点距離55mm
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:f/1.8 1/500秒 ISO100 焦点距離55mm
次に気に入っているのは、Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAです。さきほどの35mmと比べてやや鏡筒が長めにはなりますが、とても軽いので、α7Cとの相性は良いです。
このレンズの良いところは、描写です。高いコントラストと解像感が特徴です。そしてF1.8という大口径ゆえに、大きなボケを楽しみたいときにも大活躍します。55mmという焦点距離はスナップでも、人物撮影でも使いやすいです。
ショートムービー
VIDEO
今回は、スチールと同じ感覚で動画を撮りたいと思いました。4K30p、S-Log3(PP8)で撮影をし、編集ソフトで色調整をしています。すべて手持ちで撮影をしました。動画撮影時も、α7Cの光学式5軸ボディ内手ブレ補正が効くので、船の上など足元が不安定な場所からの撮影でも、激しく手ぶれすることはありませんでした。
α7CはS-Log3での撮影ができるのでありがたいです。αシリーズは、すべての機種でS-Log撮影ができるわけではありません。S-Log3で撮影をすると、あとで自分の好きな色味に調整できるので楽しいです。ハイライト・シャドウも、ある程度は調整できます。ただ、極端な調整をすると、バンディング(滑らかなはずのグラデーション部分が縞模様になってしまう現象)が出やすいので、撮影時に露出をしっかりと合わせましょう。
まとめ
■撮影機材:ソニー α7C + Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO100 焦点距離35mm
コンパクトながらも高性能なα7C。スチールも動画もしっかり撮れてしまう、申し分のないカメラです。こんなにもバランスが良いカメラは、今までになかったのではないかな?と思います。
最近、写真を生業としていないお友達に「ちょっといいカメラが欲しいのだけど」と相談されたときには、必ずα7Cを紹介することにしています。そのくらい、どんな人にもおすすめしたい、素敵なカメラです。
■写真家:大村祐里子
写真家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、人物撮影をメインとし、雑誌・書籍・Webでの撮影・執筆など、さまざまなジャンルで活動中。
趣味はフィルムカメラを集めて、使うこと。 2020年3月に『フィルムカメラ・スタートブック』(玄光社)を出版。
ソニー α7Cはこちらの記事でも紹介しています
■ソニー α7C × ペット撮影|小川晃代
https://shasha.kitamura.jp/article/482651184.html
■ソニー α7C レビュー|一度慣れるとその秀逸さに離れられなくなるカメラ
https://shasha.kitamura.jp/article/480750928.html
■ソニー α7C レビュー|持ち歩きに最適なフルサイズミラーレスを持って小旅行!
https://shasha.kitamura.jp/article/478296359.html
■ソニー α7C|世界最小・最軽量 フルサイズのミラーレスカメラが登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/477459830.html
この記事に使用した機材 【ソニー】Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
商品詳細ページ 【ソニー】Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の大村祐里子さんがソニーα7Cをレビューしています。夏らしい景色の静止画&動画作品と共に製品の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,スナップ,α7C,レビュー,大村祐里子,夏の思い出,Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA,Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: オリンパスのミラーレスカメラでシネマティックなロードバイクムービーを撮る
BASENAME: 482770701.html
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CATEGORY: WATARU
DATE: 08/12/2021 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus)ボディー,OM-D E-M10 Mark III,サイクリング/自転車,マイクロフォーサーズ
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BODY:
はじめに
ロードバイクとミラーレス一眼カメラは最高の組み合わせです。ミラーレス一眼カメラには軽量なモデルが多く、軽さが正義のロードバイク乗りに取ってそれはメリットでしかありません。
持ち運びはストラップで肩に回しても良いし、パンケーキレンズを装着すればそのままサイクルジャージのポケットにも入ってしまいます。例えばライド中、景色の良いポイントに来たらカメラを前に回して撮影。そしてまたすぐに走り出せるなど、撮影しながらのライドもフットワークがかなり軽いので、ロングライドでも持って出るサイクリストは多いと思います。
そんなカメラ好きサイクリストの強い相棒、ミラーレス一眼カメラに関して、今回は動画にフォーカスし映像を撮る際のコツやテクニックをご紹介します。
なぜミラーレス一眼カメラを使う様になったのか
VIDEO
ロードバイクが主役のシネマティックな映像を作りたいと思ったのがスタート。それまでもGoProを使用した走行動画の配信はしていて、一人称視点による走行中の映像には満足していたのですが、もっとロードバイク自体を美しく映し出した映像が欲しいと思う様になりました。
広大な自然やキラキラと輝く都心の夜景をバックに、ロードバイクの美しいフレームのラインやドロップハンドルの曲線美、コンポーネントのメカメカしたカッコ良さを映した映像が欲しい。GoProでそうした表現を取り入れた動画も何本か出しているが、頭で思い描く映像にはほど遠かった。そこでヒントを得たのが海外のVloggerたちの映像。背景ボケの美しさ、そしてフレームの中で主役となるものがクッキリと浮き出て来る様な映像。自分もこんな映像を撮りたい。
そう思ってすぐ、ミラーレス一眼カメラの導入を決めたのです。
オリンパスOM-D E-M10 Mark IIIを使う理由
VIDEO
安定した映像を撮る為に手振れ補正機能の高い機種が必要であった為、トップクラスの性能を持つ5軸手ぶれ補正をボディー内に搭載したOM-D E-M10 Mark IIIを導入する事にしました。
都心の夜景や暗い屋内での撮影など手ブレが発生しやすいシーンでも手ブレを強力に抑えられるので、ストレスの無い映像を撮影する事が出来ています。ボディー内手ぶれ補正の大きな特長は、すべてのレンズで5軸手ブレ補正が働くこと。レンズ内手ぶれ補正では補正出来ない回転ブレも綺麗に補正してくれます。
使用するカメラによる違い
百聞は一見にしかず。という事で3種類のカメラを使って同じシチュエーションで撮影した映像を見比べてみましょう。
VIDEO
GoProとOM-D E-M10 Mark IIIの比較では、GoProの設定はライド中と同じくあえてGoProらしい画角のSuperViewにて撮影しています。GoProの映像は全体にピントが合っていてGoProらしい奥行き感の無い映像ですが、OM-D E-M10 Mark IIIでは背景ボケも綺麗に出ており被写体がクッキリと浮き出る様な印象になっているのがわかります。また、明るい単焦点レンズの効果もあって夜の撮影でもここまで明るく映す事が出来ています。
■使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8/90mm相当(35mm判換算)
VIDEO
iPhone 12 miniも非常に優秀なカメラを搭載しているのがわかります。手ブレ補正もかなり優秀で、且つ広角撮影も可能なので自身の動画でもスパイスとして度々使用しています。ただ、OM-D E-M10 Mark IIIと比較するとやはり奥行き感にかなりの差が出ているのがわかります。センサーサイズに大きな差があるので当然ではありますが、扱いやすさという点ではiPhone 12 miniに軍配が上がるかもしれません。何より常に携帯しているデバイス。そのカメラがここまでの進化を遂げているという事が素晴らしいですね。
三脚の必需性
VIDEO
実際の撮影の様子を観て頂きながらご説明しましょう。
ロードバイクを柵や段差に立て掛けての手持ちでの撮影がメインですが、第三者目線での映像が重要な役割を占める自身のYouTubeチャンネルではライドの際、常に三脚を携帯しています。
いつも使用しているのが、ManfrottoのPIXIミニ三脚。カメラを搭載する為のしっかりとしたベースがあり、プッシュボタンで簡単なセットアップが可能で角度調整がしやすい事から、通常のミニ三脚と比べ構図を決めるスピードがとにかく早い。時間の限られているライド中の撮影ではスピード感は非常に重要なポイント。そしてブレることなくクリアで滑らかな撮影結果を得る事が出来ます。サイズも小さいので、サイクルジャージのポケットにも入るし、カメラ本体の下に付けっぱなしにしておく事も出来ます。
水平を保つ
VIDEO
例外を除き、とにかく水平を保つ事。モニターに水平表示を出せるので常に確認しながら撮影しています。
三脚で撮影する際も、ManfrottoのPIXIは角度の調整がしやすいので石畳や土など水平を決めるのが難しそうな場面でも簡単に水平を決める事が出来ます。水平を保ち撮影された映像は安定感が違います。是非、意識して撮影に臨んでみて下さい。
一番のポイントを探す
VIDEO
欲しい構図が見つかるまで、ロードバイクに近づいたり遠ざかったり、周りをぐるぐる回ったり、カメラのモニターを確認しながら探ってみましょう。記念撮影ではないので、一つのポイントだけで完結させない様にする事がポイントです。足を使いましょう。歩き回って一番のポイントを見つけるのです。
そしてポイントが見つかったら、しゃがんで地面ギリギリまでカメラを下げ、下から煽ったり、撮影しながら立ち上がったりしてみましょう。普段の目線とは違う視点になり、ロードバイクが映像の中で格段にカッコ良く映える様になります。ここは非常に重要なポイントで、普段の目線の位置からの撮影だとそれこそ"記念撮影"になる事が多いです。普段から様々な視点で見るようにして、自分のバイクがカッコ良く見える角度を知っておくと良いでしょう。
より美しい映像を撮る為に
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何を一番映したいのかハッキリさせてから撮る。ここが一番大事なポイントかもしれません。ロードバイクは引きの絵もカッコ良いですが、背景やその周りに多くの物が映りすぎると情報量が多すぎて何を映したい映像なのかよく分からなってしまう事も。
また注意すべきは、近づいて車体全体を撮影した際にホイールが見切れてしまわない様にする事。せっかく良い角度で撮れているのにホイールが切れていたら勿体ないです。見切れてしまった部分は取り戻せませんが、余分に撮ってしまったならアップにすれば良いのです。ここも足を使って少しだけ引くなどしてフレームの中に確実に収まる様に撮影してみましょう。また、映像編集においてレターボックスを使う事を想定するのであれば、その余白分を考えて撮影する事が重要です。後からレターボックスを入れてみたら余白が足りず車体がレターボックスで隠れてしまうという事がない様に、上下どこまで映っていれば大丈夫なのか研究しておく事が必要です。
シネマティックなVLOG映像を撮るポイント
VIDEO
1シーンで2~3カット撮るのがポイント。通称アクションつなぎと呼ばれる手法です。
例えばハリウッド映画のワンシーンを想像して下さい。時限爆弾を解除するシーンでは、解除ナンバーを押す手やワイヤーをニッパーで切る手元のアップがあって、真剣な目元のアップ、冷や汗が滴り落ちる横顔、などなど一つのシーンで何カットもの素材を撮ります。それと同じ様に、例えばロードバイクにまたがり、ペダルにクリートをはめる、後方を確認、走り出す、この一連の流れを一箇所だけのカメラで撮るのではなく、引きの絵と各パーツのアップの絵を撮影し一連の動作として繋ぎ合わせる事でよりシネマティックな雰囲気の映像を撮る事が可能になります。参考映像を観て頂ければ分かる通り、全く同じ様に走り出すシーンを3回撮影するわけです。
カメラの設定
YouTubeでの配信がメインの為、基本的にフルHD(1080p 30fps)で撮影しています。以前はシネマティックを狙ってフレームレートを24fpsにして撮影していましたが、YouTube上で映像を観る際、30fpsの方が滑らかで見やすい印象であった為、今年の動画から30fps固定で撮影しています。
VIDEO
おわりに
ロードバイクでせっかく景色の良い所に走りに行くなら、スマホでは撮れない様な美しい映像や写真を撮りたいですよね。そんな時にミラーレス一眼カメラという存在は強い相棒となってくれる事でしょう。荷物が増えてしまうかもしれません。でも、それでしか撮れない絵があるので映像や写真にこだわる方は是非ライドに持って出てみて下さい。そうすれば、これまでとは違ったライドの楽しみ方というものを発見出来るかもしれません。
今回の記事で紹介した内容は総編集した動画からもご覧頂けます。是非こちらもご覧ください。
VIDEO
■執筆者:WATARU
東京を中心にロードバイクでのライド動画をはじめガジェット系・パーツなどのレビュー動画を配信しているYouTuber/動画クリエイター。ロードバイクのある風景をお洒落に映し出す事を得意とし、ミラーレス一眼・GoProを駆使し大自然の絶景や美しい都心の夜ライド動画を季節感のある映像に仕上げる事に定評がある。
この記事で紹介した機材 【オリンパス】OM-D E-M10 MarkIII ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
商品詳細ページ 【GoPro】HERO8 Black CHDHX-801-FW
商品詳細ページ 【マンフロット 】PIXI ミニ三脚 MTPIXI-WH
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
YouTuber/動画クリエイターのWATARUさんが、ミラーレスカメラを使ったロードバイクでの走行動画の撮影テクニックを紹介しています。
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KEYWORDS:
オリンパス,Olympus,サイクリング,ロードバイク,vlog
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: Osamu Hasegawaさん テスト
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CATEGORY: Osamu Hasegawa
DATE: 08/12/2021 17:42:34
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テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: シグマ 35mm F1.4 DG DN Art レビュー|圧倒的な描写性能でムービー撮影も楽しい!
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 08/13/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,35mm F1.4 DG DN | Art,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
シグマのArtラインに新しく加わった「35mm F1.4 DG DN | Art」。2012年に登場して、圧倒的に高レベルな描写性能を讃えられてArtラインの価値基準を築いた「35mm F1.4 DG HSM | Art」を、新たにミラーレス専用設計として再構築した、新生Art 35mm F1.4レンズです。今回は、本レンズをポートレートのスチールとムービーでレビューいたします。
小さな背面液晶でも感じられる高性能設計
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/320秒 ISO400 WB:5000K
■カラーモード:ポートレート
■モデル:深澤胡桃
シグマのArtラインと言えば、高度な光学性能を駆使して設計し、豊かな表現力で被写体をさらに魅力的に描き出すことに注力して開発された、アーティスティック・ラインのレンズです。噛み砕いて言ってしまうと、収差や色にじみ、フレアやゴーストのない、ボケ味の綺麗な画を作り出してくれるということです。そのようなレンズはシャッターを押した後、カメラの小さな液晶画面を見ただけでも、ハッと息を呑まされることが多いです。
本レンズも、スタジオのデザイン照明を入れたカットを撮影した後に、その光の表現の美しさに息を呑まされました。変わったデザインのガラスの器の中で乱反射するオレンジ色の光と、それを映して細かく光るモデルのラメ入りの衣装、背景のボトルや蛇口などは丸ボケとして写り込んで、奥行き感を演出してくれます。
「光学性能最優先」というArtラインのコンセプトで設計された本レンズは、SLD2枚、ELD1枚、FLD1枚、非球面レンズ2枚の11群15枚のレンズが採用されています。最新のレンズと硝材を採用しているので、カメラ側で補正できない軸上色収差を中心に補正し、F1.4の大口径レンズながらサジタルコマフレアを抑制してくれます。点光源の描写性能を問われる星景・夜景撮影でも、絞り開放での撮影に耐えられる高性能な設計なのが特徴です。
ポートレート・ショート・ムービー
VIDEO
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■カラーモード:ポートレート
■モデル:深澤胡桃
三脚使用
今回は、日常のひとコマのようなムービーを作成しました。35mmの標準画角を活かして、どのようなシチュエーションで何をしているかが見える、Vlog的な仕上がりになっています。編集中に特に気に入ったのが、ロングのカットで左手前にある茶色いボトルの丸ボケと、湾曲デザインが美しい蛇口の丸ボケでした。この光のお陰で、リアルがほんの少しだけアンリアルに感じられて、日常的でありながら「少し素敵な日常のワンシーン」に、ムービーのイメージをランクアップすることができました。
自然で馴染みの良いボケ
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/320秒 ISO400 WB:5000K
■カラーモード:ポートレート
■モデル:深澤胡桃
35mmという画角は背景を広く写し込んでくれるので、ボケていてもどのようなシーンかがうっすらとわかる、ドラマ的なポートレートを撮ることができます。
このように背景に縦横のラインが多いシーンでは、ボケ味が雑だと全体にうるさいイメージになってしまうことがあるのですが、F1.4の自然で馴染みの良いボケは、抑えた良いムードの背景を作り出してくれています。左手前の前ボケは、椅子の背を使っています。
ピントの合っているところの切れ味はもちろん、画面隅々まで綺麗に描き切ってくれているので、見ている人が他の情報に惑わされることなく、主役のモデルに目が行くポートレートを撮ることができます。
構図の中央でも周囲でも収差や色にじみがあると、見ている人の目がそちらにズレてしまって、モデルの主役力が低い画になってしまうことがあります。ポートレートを撮るレンズとしては致命的です。その点、本レンズはファーストカットから安心して撮影できました。
難しい体勢でも撮影しやすいコンパクトボディ
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/250秒 ISO2000 WB:5000K
■カラーモード:ポートレート
■モデル:深澤胡桃
撮影場所がキッチンスペースのあるスタジオだったので、昼ドラ風カットも撮ってみました。何気ないカットに見えるかもしれませんが、ほふく前進に近い、かなり低くて維持が難しい体勢で撮影しています。
背景に棚があって横にも壁があるシーンなので、なるべく水平垂直を保って見た目に自然な画にしたくて、モデルのおへそくらいの位置にカメラを構えています。真っ直ぐにしゃがむと背中が痛くなる姿勢なので、足を横に流して肘をついて上半身を支える、下手したらモデルさんが吹き出してしまうような格好になっていました。
このとき、レンズが大きすぎると、長時間支えるのはかなり困難になります。本レンズの最大径は75.5mm、長さは109.5mm、重さは645g(Lマウント)で、ちょうど手のひらで包めるくらいのサイズになります。「SIGMA fp L」のボディが小さいのもあって、難しい姿勢での撮影も無理なく行えました。また、デコボコのないストレートなデザインなので、どこを持っても持ちやすいのも、難しい体勢での撮影のしやすさに繋がりました。
薄暗いシーンでも素早いAF
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/250秒 ISO2000 WB:5000K
■カラーモード:ポートレート
■モデル:深澤胡桃
通常、薄暗い、コントラストの低い場所ではAFの効きは悪くなるのですが、ステッピングモーターを採用したAFは、ストレスなくピント合わせを行えました。最短撮影距離は30cmなので、モデルにぐっと寄って、背景との奥行き感をさらに演出した撮影も可能です。
それと、筆者個人的にフードの花形のラインが気に入っています。これくらいの長さのレンズだとちょうど手の長さと同じくらいなので、レンズを下から支えて、ほんの少しだけフード先端の波のへこみの部分に指先を掛けて撮影することで、グリップが安定するんです。あまり多く掛けてしまうと写り込んでしまいますが、指先を引っ掛けるだけなら意外と大丈夫です。たとえば、寝ているモデルを上から撮影するときなど、下を向いているレンズを指先で支えるのは、フードの落下防止にもなる、二重の安全策としてお薦めです。
ぜひムービー撮影も堪能していただきたいレンズ
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG DN | Art
■撮影環境:f/1.4 1/250秒 ISO4000 WB:5000K
■カラーモード:ポートレート
■モデル:深澤胡桃
今回、ポートレートのスチールとムービーを両方撮影しましたが、ムービーの撮影がいつもより楽しかったことが印象に残りました。自分の肉眼に見えている画と同じような画角なのですが、この目では見えない丸ボケや、ピント面からボケの綺麗なグラデーションが映像となって仕上がるのは、スチールでは慣れていることでしたが、動きのあるムービーだとまた一味違った感動になりました。本レンズを手に入れたら、ぜひスチールとムービーの両方で堪能していただきたいです!
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
「35mm F1.4 DG DN | Art」はこちらの記事でも紹介しています
■シグマ 35mm F1.4 DG DN Art レビュー|7:6で表現する映像と写真
https://shasha.kitamura.jp/article/482150097.html
■シグマ 35mm F1.4 DG DN Art|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/481461688.html
この記事に使用した機材 【シグマ】35mm F1.4 DG DN Art ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】35mm F1.4 DG DN Art ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんによる、シグマ「35mm F1.4 DG DN | Art」のレビュー記事をお届け。Artラインらしいピントの切れ味とボケの美しさをポートレート写真とムービーでご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,35mm F1.4 DG DN | Art,レビュー,ポートレート
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: RICOH THETA Z1&SC2 × 木村琢磨|全てを写し撮る全天球写真の世界
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 08/14/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,THETA SC2,THETA Z1,その他カメラ
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BODY:
はじめに
全天球。もしかしたら聞き馴染みのない言葉かもしれません。一言で言えば全方位の360度パノラマのことです。写真といえばカメラを向けた方向にある景色や被写体を写すものですが、この全天球はカメラを中心に360度写る写真のことです。つまり「球体」の写真のことです。
なんだか難しそう…そう思った人も多いかもしれませんが、今回は誰でも簡単に全天球を楽しめるRICOH THETAを使っての全天球写真の世界をご紹介します。
全てを写し撮る「カメラ」
まずRICOH THETAというカメラについてご紹介します。通常カメラといえばボディ1台につきレンズが1つですが、RICOH THETAはボディの前後にレンズが一つずつの計2つ搭載されています。魚眼レンズが前後についていると思ってください。
通常パノラマ撮影といえば何枚も撮影してつなぎ合わせて一枚の写真に仕上げるわけですが、RICOH THETAの場合レンズを前後に搭載することで、ワンショットで上下前後左右を一度で撮影することができます。まさに空間を丸ごと写し撮るわけです。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
実際にRICOH THATA Z1で撮影した全天球写真。通常のパノラマと違い左右だけでなく上下まで記録されているためその場にいる様な没入感のある一枚を撮影することができる。
通常のカメラと違いスティックの様な形状になっている。本体中央の丸いボタンでシャッターを切る。ボディ側面に電源、Wi-Fi、モード切り替えボタンなどが搭載されている。記録メディアは内蔵メモリーのみでZ1の最新モデルが51GB、SC2が14GBとなっている。全天球入門としてはSC2が画質やサイズ感、コストパフォーマンスに優れている。Z1はより写真としてこだわりたい人向けでRICOH THETAシリーズのフラグシップモデルとなる。
私がRICOH THETAと出会ったのは2013年、初代RICOH THETAである。発売当初はカメラというよりもガジェットとしての紹介が多く、写真撮影というよりは記録を目的とした使い方が多く紹介されていた。私自身RICOH THETAを初めて見た時に、ロケハンの記録用にピッタリだなと思い購入した経緯がある。撮影後に360度空間を見渡すことができるのはまさに革新的だった。
それからより高画質化されたRICOH THETA Sや、より本格的な動画機能やストリーミングなどに対応したRICOH THETA Vが発売され、少しずつ進化を遂げていった。しかし、写真家としてRICOH THETAの画質には100%の満足感は得られていなかったというのが正直なところだった。
2019年、まるで突然変異的なRICOH THETAであるRICOH THETA Z1が発売された。何が突然変異的なのかと言うとセンサーが1インチとなり、それまでのRICOH THETAのセンサーサイズからは考えられないほど大型化されたのだ。しかもRICOH THETAは前後にレンズが搭載されているので、1インチセンサーと大型センサーに耐えうる高性能レンズを2つ搭載した超贅沢仕様というわけである。画素数としては2000万画素×2となるため解像感も十分だ。
RICOH THETA Z1に搭載された1インチセンサーと専用の高性能レンズのおかげで「写真」として作品撮りが可能となった。シャープな写りと広いダイナミックレンジのおかげでより自由度の高い一枚を狙える様に。記録用だけではもったいないカメラだ。
RICOH THETAの全天球写真の面白いところは、撮影後に画角や構図を自由に調整できることだ。360度写し撮っているので撮影後に自分の好きな部分を好きな比率で切り取ることができる。特に全天球写真でも人気が高いのがリトルプラネットという仕上げ方で、まるで小さな惑星のような形状に仕上げることができる。
ハワイのダイヤモンド・ヘッドに登頂した際に撮影した一枚。360度のパノラマビューの景色で全てを写しとる全天球写真を撮影しリトルプラネットに仕上げた。まるで小さな惑星にいるような写真に仕上がった。手持ち撮影だと100%自分が写り込むので注意が必要だ。
先ほどのリトルプラネットと同じ写真を展開して横パノラマに仕上げ直した一枚。
全天球カメラという響きから使い道を選ぶカメラと思われがちだが、ポケットにも入るコンパクトな左右360度写る超広角レンズカメラとしても使える。
撮影も簡単なら編集も簡単なのがRICOH THETAの特徴だ。RICOH THETAは単体のスタンドアロン撮影もできるが、スマートフォンとWi-Fiで接続して使うことでリアルタイムにプレビューを見ながらの撮影も可能となる。厳密な位置調整が必要なシーンや、自分が写り込むのが嫌な場合はスマートフォンを使った撮影がいいだろう。
撮影後の編集もスマートフォンのアプリ「RICOH THETA+」を使って編集が可能だ。Wi-Fi接続をしていれば撮影後にすぐに全天球写真のデータがスマートフォンに送られてくるので撮影後すぐに編集作業に取り掛かれる。
RICOH THETA Z1はRAW撮影も可能で、汎用性の高いDNGファイルとして記録することもできる。より高画質に細かい部分までこだわりたい人は、Adobe Lightroomを使ってRAW現像することでRICOH THETA Z1の性能を最大限に引き出すことができる。
ただし、DNGファイルの場合前後の写真データが繋がっていない状態での記録となるため、書き出し時にステッチング(写真データを繋ぐ)必要がある。写真データをステッチングするRICOH THETA StitcherというアプリがRICOHより公開されているため、RAW現像を考えている場合はあらかじめダウンロードしておこう。
VIDEO
RICOH THETA+を使った編集画面。直感的に操作ができるため初めての人でも簡単に編集可能だ。自分の思い通りの仕上げに加えて予想外の仕上がりも楽しんでみて欲しい。まさに自由を楽しむ写真体験だ。
RAWで撮影しておくことでLightroomでのRAW現像が可能となりより細かな設定が適用できる。
ハイライト補正とシャドウ補正を適用することでZ1が持つ輝度情報を引き出すことが可能だ。
Lightroomで読み込んだ場合前後2つのレンズデータが1つの画像として読み込まれるためこのままの状態だとRICOH THETA+では編集できない。
Lightroomでの補正が完了したら書き出し時にRICOH THETA Stitcherを使ってステッチングする必要がある。RICOH THETA Stitcherを使うことでRICOH THETA+で編集可能な形状に変換される。
写真表現としての「全天球写真」
見ていただいた様にRICOH THETAはちょっと特殊なカメラだ。特殊なカメラということは、こちらも普通の撮り方ではRICOH THETAの面白さを引き出せないのではないか?使えば使うほどそう思う様になってくる。
手持ちで自分を写し込む撮り方やWi-Fi接続をして姿を隠して撮影したり、通常のカメラではパノラマが撮影できない狭い空間や動き物のパノラマ撮影、長い一脚にRICOH THETAを取り付けて空撮の様な撮影をしたり…など、色々な可能性を秘めたカメラである。
私がRICOH THETAを使う際に特によく使うテクニックとして
・地上にベタ置き
・ロング一脚との組み合わせ
・クリップ雲台と組み合わせてフェンスなどに固定
・プラグイン機能を使った特殊撮影
と基本的にはWi-Fi接続を前提とした撮影方法が多い。
特にどこからどうやって撮ったのか?ちょっと不思議な仕上がりの撮影が好きなので、RICOH THETAを仕掛ける場所にはこだわって撮影している。
ここでは写真表現としての「全天球写真」を紹介したいと思う。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:1/500秒 F5.6 ISO80+Bi Rod 10C-11500
■夏の富士山と茶畑を、ロング一脚を使ってハイアングルから撮影。すべてが写る全天球写真とはいえ通常の写真撮影同様にアングルは重要となる。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:1/1250秒 F5.6 ISO160
■飛行機を間近で撮影できることで有名な伊丹空港で撮影。Wi-Fi接続での撮影はレリーズタイムラグが変則的なので動体撮影では何度かチャレンジする必要がある。
■撮影機材:RICOH THETA SC2
■撮影環境:1/800秒 F2.0 ISO64+Bi Rod 10C-11500
■リトルプラネット効果を生かして新幹線が走るミニチュアの様な世界観を再現。夕焼けのタイミングで撮影を行なったため青空と夕焼けをぐるっと巻き込む様な演出ができた。
■撮影機材:RICOH THETA SC2
■撮影環境:1/1000秒 F2.0 ISO64+Bi Rod 10C-11500
■一脚の先端にRICOH THETA SC2を取り付けてひまわり畑の足元から撮影。普通のカメラでは撮影が不可能なシーンも全天球カメラのRICOH THETAなら簡単に撮影できる。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:0.8秒 F5.6 ISO80
■東京駅丸の内北口ドーム天井を撮影。一枚の全天球写真からそれぞれ見せ方を変えた4種類を生成し一枚に組み合わせた。「一枚の写真」で作った「組写真」となる。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:1/1000秒 F5.6 ISO80
■灯台をシンメトリー構図で超ワイドパノラマに変換して撮影。真っ青な景色の中に真っ赤な灯台が印象的な一枚に。
ガジェットからカメラへと進化したRICOH THETA Z1
前述した通り、RICOH THETA Z1はこれまでのRICOH THETAシリーズとは少し毛色の違うモデルで、より「写真としての全天球」が必要なユーザーへ向けたフラグシップモデルとなっている。1インチセンサーによる高解像度と広いダイナミックレンジ、そしてセンサーサイズを生かした高感度撮影など写真撮影の表現の幅を広げるという意味でも重要な一台であり、写真家のイマジネーションを刺激してくれる。
全天球写真は風景写真でも効果的で、RICOH THETA Z1を導入してからは積極的に風景写真やディティールを生かした撮影にも全天球を活用している。
私の中ではRICOH THETAはアートとして写真を表現する機材だと思っていて、目の前の景色を自分の想像力で変換できるツールとして活躍してくれている。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:1/800秒 F5.6 ISO80+Bi Rod 10C-11500
■河津桜の中にRICOH THETA Z1を仕込んで撮影。2000万画素1インチセンサーと専用設計の高性能レンズの相乗効果による素晴らしい解像感で細かい桜のディティールを写し撮ってくれた。全てを写す全天球とはいえレンズ中央と周辺では解像感に差は出てしまうので特にメインになる部分はレンズ中央に配置するのかベストだ。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:1/400秒 F5.6 ISO80+Bi Rod 10C-11500
■梅の花で花札をイメージして撮影。全天球カメラの撮影は試行錯誤の連続だ。ここから撮影するとどう写るのだろう…?初代から使っていて思ったことは人間目線を捨てることでより面白い表現が可能となること。虫の目線や鳥の目線、距離感や形がデフォルメされる全天球写真は写真に大切な要素である「偶然性」を楽しむにも丁度いい。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:10秒 F 2.1 ISO200
■ヒメボタルをインターバル撮影。センサーサイズが1インチになったおかげで長秒露光時のノイズも減りノイズリダクションをかけてもディティールの消失が目立たなくなったのは嬉しい。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:60秒 F 2.1 ISO1600
■センサーの大型化によりISO1600まで感度を上げてもしっかり解像するおかげで天の川も簡単に撮影できる様に。超広角なので赤道儀なしの長秒露光でもほとんど星はブレない。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:1/25秒 F 3.5 ISO80+Bi Rod 10C-11500
■一脚を使ってハイアングルで滝を撮影した。撮影後に形状を変化させ滝を真俯瞰から撮影した様に見せている。木々や葉の解像感も素晴らしく積極的に風景を撮りたくなる。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:1/25秒 F 3.5 ISO80+Bi Rod 10C-11500
■先ほどの滝の写真をリトルプラネット化したもの。曇り空の日に撮影したことで白バックに浮かぶハート型の星の様に仕上がった。滝を境に赤と緑の色が配色されているのもポイント。
■撮影機材:RICOH THETA Z1
■撮影環境:1/125秒 F 5.6 ISO80
■神戸ポートタワーを撮影。手すりにRICOH THETA Z1を固定してWi-Fiでリモート撮影した。アングル的にもポジション的にも通常のカメラでは絶対に撮影不可能な一枚に。サルバドール・ダリのシュルレアリスムな世界観を目指した。
さいごに
RICOH THETAが写し出す全天球写真は間違いなく新しい写真表現を体験させてくれる。今までの写真撮影とは概念が全く違うため最初は戸惑うかもしれないが、使えば使うほど全天球写真の奥深い表現の世界にハマっていくはずだ。
個人的には最初は記録としての全天球写真からスタートするのが気軽でいいと思う。写真撮影のお供にRICOH THETAを連れて、撮影した空間を丸ごと持って帰って後で見返す。そんな楽しみを新たに加えてみるのはどうだろう?
私も旅行に行く際はRICOH THETA Z1もしくはSC2をカメラバッグに忍ばせていて、この景色丸ごと持って帰りたいと思ったシーンはRICOH THETAで空間丸ごと持って帰っては後で見返して楽しんでいる。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
私のお気に入りの撮影スポットである岡山県北部にある布滝。滝だけではなく周りの景色を丸ごと写し撮って手元のスマホでいつでも見られる様に。THETA360に投稿することで全天球写真を気軽に共有できる。
誰でも気軽に高画質な全天球を楽しめるRICOH THETAは、私の最高のパートナーとして今後も私の体験を丸ごと写し撮ってくれるだろう。全天球カメラも日々進化を遂げていて、RICOH THETAシリーズも今後ますますパワーUPすることは間違いなく、私自身RICOH THETAファンの一人として「次の進化」を楽しみにしている。
■写真家:木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
この記事に使用した機材
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんによるリコー THETA SC2とTHETA Z1のレビュー記事です。独特の世界を表現できる本製品の魅力を作例や動画でご紹介していきます。
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KEYWORDS:
リコー,ペンタックス,Ricoh, ボディー,レビュー,THETA SC2,THETA Z1
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 八島和浩さんテスト
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CATEGORY: 八島和浩
DATE: 08/16/2021 09:32:56
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テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 使いこなせれば貴方もプロ!? 12のカメラ基本構図|コムロミホ
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CATEGORY: コムロミホ
DATE: 08/16/2021 16:00:00
TAGS: 構図,撮影テクニック
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はじめに
印象的な写真を撮るためには、カメラの設定だけでなく、被写体をどのように配置するのかも大切なポイントです。被写体をどう際立てたいのかを考えながら、構図を意識してみると、写真の印象ががらりと変わります。
ここでは12種類の構図をご紹介しながら、どんな効果が得られるのか、どんな被写体にマッチしやすいのかなどをご覧いただけます。被写体やシーンに合わせて、いろんな構図を試してみましょう。
二分割構図:二つの被写体を均等に引き立てる
二分割構図は上下または左右を均等に二分割した構図のことです。
水平線や地平線を分割した線上に配置することで、空と水面、もしくは空と陸といったように、一枚の写真で二つの被写体を均等に際立てることができます。そのときに水平線や地平線が傾かないように水準器を使用して、線が水平になるように意識してみましょう。そうすることで、安定感が出やすくなります。
また、光と影、壁と道のように二つの違った被写体を配置するのも面白いと思います。シンプルな構図なので、いろんな被写体にマッチしやすいのが特徴です。一枚の写真で二つの被写体を均等に際立てたいときは二分割構図を意識してみましょう。
三分割構図:被写体だけでなく雰囲気も引き立てる
三分割構図は縦と横を三分割した構図のことです。縦と横の線が交わった部分を交点といいます。
三分割構図は二つの使い方があります。まずは分割した線上に被写体を配置する方法です。一枚目の写真は空と柵を2:1の比率で配置しています。そうすることで、柵よりも空や雲のダイナミックさを際立てることができます。三分割構図は2:1で二つ被写体をフレーミングするため、どちらか一方が際立ちやすくなります。
そして、もう一つの写真は照明を三分割構図の線上に配置しています。真ん中ではなく、どちらかに寄せて配置することで、左側に余白が生まれます。それにより背景の空間を広く切り取ることができるため、雰囲気のある写真を撮ることができます。
そして、もう一つの方法は交点に被写体を配置する方法です。下の写真のように犬の顔を交点に配置することで、犬の表情だけでなく、その街の雰囲気が伝わりやすくなります。撮りたい被写体を交点に配置することで、背景とのバランスが安定し、ストーリー性のある写真を撮ることができます。被写体だけでなく、その場の雰囲気も一緒に際立てたいときは三分割構図を意識してみましょう。
日の丸構図:とにかく被写体を目立たせる
日の丸構図は被写体を真ん中に配置した構図のことになります。
とてもシンプルな構図ですが、真ん中に配置した被写体を目立たせて際立てることができます。面白味のない構図として、紹介されることもありますが、一つの被写体をどーんと真ん中に配置するため、インパクトがあり、ストレートにその被写体の美しさや力強さが伝わりやすくなります。
日の丸構図はただ被写体を真ん中に配置するだけでなく、被写体の大きさも意識してみましょう。被写体が小さくてもしっかりと目立たせることができるので、背景のバランスを見ながら、どのサイズ感で被写体を配置するのかを考えるのも大切です。それによって撮影する距離や使用するレンズを変えてみましょう。
三角構図:安定感や重厚感が欲しいときに
被写体を三角形になるように配置した構図になります。
建物などを下から撮影すると、上がすぼまり、三角形のような形になります。それが三角構図です。建物の高さや、道の奥行きを表現したいときに活用してみましょう。また安定感や重厚感なども表現しやすいのが三角構図の特徴です。
三角構図はレンズの選び方もポイントです。広角になればなるほど、遠近が強調されるので、三角構図が作りやすくなります。撮影する場所やアングルを考慮しながら、広角レンズを使用し、迫力のある三角構図を作ってみましょう。
対角線構図(斜線構図):写真に動きを
対角に線を引き、その線上に被写体を配置した構図を対角線構図といいます。また、被写体が斜めになるように配置した構図を斜線構図といいます。
カメラを斜めに傾けて撮影したり、被写体を斜めになるように配置したりすることで、対角線構図や斜線構図を作ることができます。斜めに被写体を配置することによって、写真に動きが出て、お洒落に表現することができます。ただし、中途半端に傾けると、水平が取れていないような不安定な写真になってしまうため、思い切って斜めに傾けるのがポイントです。まずは被写体が対角になるように意識してみましょう。
そして、正面ではなく被写体を斜めから撮影することで、手前から奥に向かってフレーミングすることができるため、奥行きを感じる写真を撮ることができます。写真に動きが出て、躍動感の生まれやすくなるのも特徴です。
放射線構図:奥行きといえばコレ
複数の線が一点(収束点)から放射状に伸びた構図のことをいいます。
写真に奥行きを表現したいときは放射線構図がおすすめです。手前から奥までずっと続いていくような臨場感と奥行きを表現することができます。放射線構図を作るコツは二つあります。まずは収束点を必ず配置すること。収束点が写っていないと放射線構図を活かした奥行きの表現ができないため、収束点は必ず配置しましょう。そして、二つ目は収束点の位置です。図のように収束点を真ん中に配置する必要はありません。その場の奥行き感をどう表現したいのかによって、収束点を配置する場所を決定してみましょう。
C字構図:美しさを引き立てる
円形の被写体を撮影する際に、被写体の左右どちらかを意図的に写さないようにして、Cの字のように被写体を配置する構図のことになります。
料理やお花を撮影するときに使いやすい構図になります。お皿全体を撮影すると、料理自体が小さく写り、美味しさが伝わりにくくなってしまうため、お皿の一部分を切るようにしてフレーミングすると料理が大きく写り、美味しさが伝わりやすい写真になります。そのときにアルファベットのCの文字を意識して、お皿の一部分をカットすると構図が安定しやすくなります。お花をC字構図で撮影すると、お花の一部分をクローズアップして撮影できるため、花びらのグラデーションの美しさや自然の神秘さを感じる一枚に仕上がります。
パターン構図:リズムを作る
模様のように同じような形を写真いっぱいに配置した構図のことになります。
同じような形や物が規則的に並ぶことによって、写真にリズムが生まれ、造形のおもしろさや被写体の色の美しさを引き出すことができます。街や自然風景など、いろんなところに目を向けながら撮影していると、パターン構図として表現できる被写体が溢れています。パターンの構図を生かすためには大胆にその部分だけを切り取ること。それによって、その被写体の形に目のいく面白みのある写真を撮ることができます。
額縁構図:被写体を引き締める
窓や建物などを利用しながら、写真の中に四角を作り、額の写真をいれたような構図のことをいいます。
奥の風景だけでなく、手前にある枠を生かしながら撮影すると、額縁構図を作ることができます。額縁の中に写真を入れ込んだような構図のため、自然と奥の風景に目線が誘導されます。また黒の枠により、見せたい被写体が引き締まり、重厚感が出ます。額縁構図を作るコツは奥の風景に露出を合わせること。枠の比率が多くなると、手前に露出を合わせる場合があるため(カメラ側が露出を決定している場合)、奥の風景が明るくなりすぎてしまいます。そういう場合は露出補正をマイナスに設定し、枠をシルエットにして、奥の景色に露出を合わせるようにしましょう。
トンネル構図:被写体へ視線誘導
トンネルから奥の景色を望むような構図のことになります。
明暗差や障害物を生かして、メインの被写体のまわりを囲うような構図になります。一枚目の写真は手前が日陰で、奥にだけ光が当たっていたため、露出をマイナスに補正にして、奥の被写体に露出を合わせました。明暗差を生かして、メインの被写体に視線誘導されています。もう一枚の写真はメインの被写体を囲うように手前の被写体をフレーミングし、トンネル構図を生かしました。メインの被写体にはピントを合わせて、手前の被写体を前ボケにしているため、ピントが合っている被写体に視線誘導されます。
サンドイッチ構図:被写体をドラマチック
上下、もしくは左右、被写体を挟むように何かを配置した構図のことになります。
壁や建物の隙間から奥の被写体へと視線誘導させる構図になります。額縁構図、トンネル構図同様に手前にある被写体や明暗差を生かして、奥の被写体を際立てることができます。写真に奥行きを表現したり、ドラマチックに表現できる構図になるので、ぜひ活用してみてください。撮りたいメインの被写体だけでなく、手前にあるものなども意識してみると、奥行きのある写真を撮ることができます。
シンメトリー構図:ユニークな写真表現
左右対称、上下対称になるように被写体を配置した構図のことになります。
シンメトリーで被写体を切り取ると、ユニークな写真表現を楽しむことができます。建物や壁などでシンメトリー構図を活かしたい場合は水平垂直になるように撮影してみましょう。線をまっすぐに表現することで安定感が出やすくなります。スナップでシンメトリー構図を活用する場合は被写体を対比しながら、撮影してみるのもおもしろいと思います。背景をシンメトリーになるように構図を決めて、人物と猫を左右対称になるように配置してみました。
また、水たまりや建物の写り込みを利用して、シンメトリー構図を活用してみるのもおもしろいです。もう一つの世界が映り込み、幻想的でドラマチックな写真を撮影することができます。
おわりに
12種類の構図をご紹介しましたが、構図を意識しながら撮影すると、被写体だけでなく、背景も考えながらフレーミングするようになるので、その場の雰囲気が伝わるような素敵な写真を撮影することができます。目の前の情景をどう表現したいのかに合わせて、フレーミングの仕方を変えれば、より見る人に伝わりやすい写真になります。
今回のこの内容は私のYouTubeチャンネル「カメラのコムロ」でもご紹介しています。ぜひ合わせてご覧いただけますと幸いです。
VIDEO
■写真家:
コムロミホ
福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。ニコン、パナソニック、オリンパスのカタログ撮影も担当する。ルミックスフォトスクール講師、オリンパスデジタルカレッジ講師、エプソンセミナー講師、ライカやリコーペンタックス、をはじめ多くのメーカーで講師を務める。
■YouTubeチャンネル「
カメラのコムロ 」
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EXCERPT:
写真家のコムロミホさんが今日からでも使える12の構図を分かりやすい図説と共に説明しています。初級者から上級者まで為になること間違いなしです。
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KEYWORDS:
構図,撮影テクニック
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AUTHOR:
TITLE: GOTOさんテスト
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CATEGORY: GOTO_AKI
DATE: 08/17/2021 13:26:41
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BODY:
テスト
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ヒコーキ撮影テクニック|Vol.1 ~王道のスポッティングカット~
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CATEGORY: A☆50/Akira_Igarashi
DATE: 08/17/2021 16:00:00
TAGS: 飛行機,撮影テクニック,ヒコーキ撮影テクニック
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BODY:
はじめに
今回より全3回に渡り旅客機専門のヒコーキ撮影テクニックを皆さまにお伝えします。ヒコーキ写真を便宜上ジャンル分けしますと、大きく「スポッティングカット」「迫力系カット」「情景カット」の3つに分けることができます。ただし、これらはあくまでもヒコーキ写真を説明するための便宜上の区分けであり、このように撮らなければならないということは一切ありませんし、四角いキャンパス上に無限の自由があるのが撮影の楽しみですから、これらを基本としつつ自分らしさを追い求めていただければと思います。
■使用機材:EOS 5D Mark IV + EF24-70mm F2.8L II USM
■撮影環境:ISO100 F8 1/640秒 焦点距離70mm
■スポッティング撮影では横位置の写真がマスト。機体後方にあるJA743Aという機体番号がハッキリ写っているかが重要です。また、こういったスペシャルマーキング機を狙うのも醍醐味となります。
スポッティングカットとは
まず今回は、ヒコーキ撮影における「スポッティングカット」について。和名では「型式(かたしき)写真」と呼ばれるこの撮影方法ですが、最も歴史が長く最も撮影人口の多い撮影ジャンルです。一般の人がヒコーキ写真というと、この機体真横の写真を思い浮かべる人が多いと思います。また、撮影ファンの間では「スペマ(スペシャルマーキング)」と呼ばれる希少なカラーリングの機体や珍機などを「撮った」と言うと、このような写真を指すことが多くなっています。
■使用機材:EOS-1D X MarkII +EF24-70mm F2.8L II USM
■撮影環境:ISO100 F8 1/640秒 焦点距離70mm
■止まっている機体とゆっくり走行している機体は容易に撮ることが可能。エンジンやメインギアに目をつけ、手前と奥が揃ったタイミングを狙えば機体真横あたりを撮影できます。
その発祥はイギリスで、もともとは単眼鏡や双眼鏡で機体番号を確認し、それを書き留める行為をスポッティングと呼びました。それが時代の流れとともにカメラを用い記録するようになり、現在に至っています。ポジ時代には「日中晴天」「機体に対して順光」「機体真横」「機体番号がしっかり確認できる」「グランドショット」「標準レンズ(35mm判換算で焦点距離50mmのレンズ)使用」「リバーサルフィルムのコダクローム64プロで撮られたもの」など、厳しい条件をポジ交換の際には課されることもあったとか。グランドショットを50mmでという時点でハードルが高すぎますね。
しかし、現在はデジタルデータでOKですし、「機体真横か真横あたり」ということくらいが条件で、できれば「晴天」「機体に対して順光」「機体番号がしっかり確認できる」と、だいぶ基準を緩くしてスポッティングを楽しまれる方も少なくありません。
■使用機材:EOS 5D Mark IV +EF70-200mm F2.8L IS III USM
■撮影環境:ISO200 F6.3 1/1000秒 焦点距離145mm
■着陸機とものなると機体のスピードも出ているため難易度が上がります。最初のうちは画角に機体をしっかりおさめるのも難しいと思いますが、慣れてくるとキレイに撮影することができます。
初心者向けの撮影方法
スポッティング撮影の基本ですが、まずは晴天の日は機体に対して順光になるよう立ち位置をとります。撮影場所ですが、まずは空港の展望デッキをオススメします。日本の空港はユーザーフレンドリーな空港が多く、展望デッキのある空港が少なくありません。展望デッキのある空港ターミナルなどは滑走路や誘導路に対して並行して設置されていることが多いため、機体の真横が撮りやすい場所です。基本的に売店やお手洗いが近くにあるなど撮影環境に優れるため、初心者の方にもオススメです。その他の撮影場所については、撮影ガイドなど本やWebを参照しましょう。撮影ガイドなどで紹介されている撮影場所は、機体真横が撮影可能なスポッティング撮影に適した場所であることが多く参考になります。
撮影の難易度は駐機している機体〜ゆっくり地上走行している機体〜着陸する機体〜離陸する機体など、動きの速さに応じます。離陸する機体は上がる位置がまちまちのため、真横を撮るのが最も難しくなります。風向きや風の強さ、当日のその日の機体の重さなどが関わってくるため、相当な慣れが必要です。滑走路を離れるのが予想より少し早いだけで、いわゆる「腹撃ち」と呼ばれるあおり気味のカットになってしまいます。
■使用機材:EOS 5D Mark IV + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
■撮影環境:ISO400 F8 1/800秒 焦点距離300mm
■離陸機のスポッティングカットは上がる位置が予測しづらいため難易度が高くなります。手持ち撮影で追いかけながらだと水平が乱れやすいので注意が必要です。
日中のカメラの露出設定ですが、初心者の方はまずシャッタースピード優先モード、ISOオートで撮ることをオススメします。そして、機体の動きの緩急に応じてシャッタースピードを上げ下げしましょう。離陸シーンは最も機体の動きが速いので、機体の近さにもよりますがまずは1/1000を基準にシャッタースピードを設定。逆に止まっている機体であればシャッタースピードを下げて1/500程度(曇りの日は1/250程度)に下げてもOKです。ここでは、機体の動きに合わせてシャッタースピードを適切に設定。手ブレや被写体ブレが起きないよう機体をしっかりと止めることを念頭に置きましょう。
続いてAFの設定ですが、止まっている機体を撮影する場合はワンショットAFでも構いませんが、動いている機体を撮影する際はAIサーボなど追従AFが便利です。AF枠は機体の動きが遅い時は1点AF枠の小さいものでも良いですが、離陸シーンなど機体の動きが速い場合は拡大AFなどを設定します。AF枠の位置はど真ん中の胴体の位置で構いませんが、主翼の先端にフォーカスが合ってしまうこともあるので、気になる方は機首寄りの胴体に枠を設定するのも手となります。ここでは、フォーカスを外さず機体がシャープに写ることに集中しましょう。
構図ですが、作例にあるように機体真横を画角の真ん中に置くだけ。機体を画角にいっぱいいっぱい入れるのではなく、機体8割、アキが左右1割くらいずつあると良いでしょう。動いている機体の真横になる瞬間の見定めですが、エンジンやメインギア(車輪)が手前と奥で揃う瞬間を狙います。真横になりそうな瞬間に連写して、真横になっている一枚を採用するのも手となります。
■使用機材:EOS R5 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:ISO400 F11 1/1250秒 焦点距離600mm
■さらにこだわるならギアを格納したクリーンな状態の離陸機でスポッティングカットを形成します。離陸直後、撮影者側に旋回している状態を撮影しているので腹うちを回避しています。
コツは被写体を知ること
スポッティング撮影も極めようとすると撮影条件を選んだりとなかなか奥が深いのですが、初心者の方でも慣れてくると撮影が容易であり、撮影技術よりもむしろ飛来機の情報やどれだけアクティブに動けるかが重要になります。また、雲ひとつ無い空などを背景とした場合は画角の上下にアキが目立つため、写真的な面白みの欠如した写真とみなされ「図鑑写真」「説明写真」などと揶揄されることも少なくありません。しかし、当方がヒコーキ撮影をはじめる方にまずスポッティング撮影をオススメするのには理由があり、ヒコーキの動きについて理解が深まるからなのです。
機体の真横を撮るために色々な撮影場所を考えるようになりますが「この機体は◯◯番のスポットに駐機していて、ここからこのタキシーウェイを通ってこちら側の滑走路から離陸する」ということがお目当ての機体を追いかけているうちに分かってくるため、ヒコーキの迫力ある姿を撮る時にも、美しい風景と撮る時にも、これが活きてきます。ステキな写真を撮るにはまず被写体のことを知る。写真撮影の基本でもあります。もちろん、当方も未だにスポッティング撮影を楽しんでいます。コレクション的な楽しさがありますし、航空会社の塗装が変更されたり機種が新しくなったりと代謝もありますから。
■使用機材:EOS-1D X MarkIII +EF70-200mm F2.8L IS III USM
■撮影環境:ISO100 F6.3 25秒 焦点距離160mm
■スポッティングカットは日中が基本ですが、やむを得ず夜に撮る場合は長秒時露光撮影を駆使し、機体が止まる瞬間を狙いましょう。ISOをできるだけ低く高画質で撮る目的です。
オススメの機材
最後にヒコーキ撮影におけるスポッティング撮影にオススメのカメラとレンズですが、スポッティング撮影のみをするのであればそこまでカメラやレンズの性能を必要としません。駐機シーンやゆっくりと地上走行しているシーンをWeb上で発表するだけなら、それこそ今どきのスマホでも無理なく撮影できます。
ただ、離陸シーンなど動きの速いシーンを上手に撮影するなら、やはりAF性能に秀で、望遠レンズのラインナップが多い一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラがオススメです。その中でも、現在は新技術がいの一番に投入されることの多いミラーレス一眼タイプがオススメでしょうか。レンズの焦点距離に関しては、ご自身がよく行く空港を基準とすると良いでしょう。例えば羽田空港などは騒音に配慮した事実上の海上空港のため、便数は多いのですが外周の撮影場所は大抵どこも機体まで距離があります。そのため、100-400mmや150-600mmなどのレンズがオススメです。逆に伊丹空港や福岡空港など地上空港は、機体の近くで撮れる場所も少なくないため、70-200mmや70-300mmなどがオススメとなります。
スポッティング撮影ではズームレンズが便利です。ヒコーキ撮影は様々な要因から撮影場所が限られるため、自分で立ち位置を動かすより、ズームレンズで機体を引き寄せたり遠ざけたりするのが基本となるからです。
オススメのカメラ
オススメのレンズ
【パナソニック】LUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S.
商品詳細ページ
【キヤノン】EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
商品詳細ページ
■写真家:
A☆50/Akira Igarashi
絶景ヒコーキ写真を求め全国を駆け巡る瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、TVなど各種メディアに出演、作品を提供するかたわら大手航空会社やカメラメーカーなどのオフィシャル撮影を担当。公益社団法人 日本写真家協会会員。
A☆50/Akira Igarashiさんのヒコーキ撮影テクニック記事はこちらから
・ヒコーキ撮影テクニック|Vol.2 ~迫力のあるカット~
https://shasha.kitamura.jp/article/485546033.html
【キヤノン】EF70-200mm F2.8L IS III USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
航空写真家A☆50/Akira Igarashiさんによるヒコーキ撮影テクニック第一弾! 今回はヒコーキ撮影の王道であるスポッティングカットの撮影テクニックを素敵な作品と共に解説しています。
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KEYWORDS:
飛行機,ヒコーキ,撮影テクニック,スポッティングカット
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: MOZA MOIN Cameraレビュー|超広角2.45インチタッチスクリーン搭載ジンバルカメラ
BASENAME: 482245953.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 08/18/2021 16:00:00
TAGS: (MOZA)小型カメラ,その他カメラ
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BODY:
はじめに
今回はケンコー・トキナーで取り扱いを始めたポケットサイズのジンバルカメラ、MOZAの「MOIN Camera」をお借りすることができたので早速使ってみました。筆者はこのタイプのポケットサイズのジンバルカメラは、DJIの「Osmo Pocket」を使用しているのですが、このMOIN Cameraは2.45インチ大型モニターを搭載しており、とても気になっていたカメラです。
実際にMOIN Cameraを使ってみて、Osmo Pocketとの違いなども含めてMOIN Cameraのレビューをしたいと思います。
MOIN Cameraのスペック確認
MOIN Cameraのパッケージと専用ケース
MOIN Cameraは、買ったその日からすぐに使える操作の簡単なポケットサイズのジンバルカメラです。パッケージ内には、カメラ本体と専用ケース、ケーブルが入っており、microSDカードさえ用意すればすぐに撮影ができます。専用ケースはしっかりとしたつくりで、カメラ本体を安全に持ち運ぶことが可能なケースです。眼鏡をかけている人なら分かると思いますが、若干分厚めの眼鏡ケースといった感じの大きさになります。ケース内には本体の他、ケーブルや予備のメディアなどが入れられるスペースも確保されており、このケース一つで機材関連のすべての保管ができたり持ち運びできたりするので便利になっています。記録に必要なmicroSDは、最大容量256GBまで対応です。ビデオクラスV30以上が推奨されていますので、使用する際はV30の記載のあるメディアを用意しましょう。
ポケットサイズのジンバルカメラMOIN Cameraの基本的なスペックを確認するために、コンセプトの近いポケットジンバルカメラOsmo Pocketと比較してみました。
※左:MOZA MOIN Camera 右:DJI Osmo Pocket
MOZA MOIN Camera DJI Osmo Pocket サイズ 129×37.8×32mm 121.9×36.9×28.6mm 重量 175g 116g ディスプレイ 480×272 2.45インチタッチスクリーン (90°チルト機構付き) 小型タッチパネル バッテリー容量 930mAh(リチウムイオン) 875mAh 動作可能時間 145分(1080p/30fpsでの動画撮影時) 140分(1080p/30fpsでの動画撮影時) 充電時間 90分(5V/2Aで充電時) 73分(10W充電器使用時) 入出力ポート microSDカードスロット
USB Type-Cポート
microSDカードスロット
USB Type-Cポート
操作可能範囲 パン:-230°~+50°
チルト:-95°~+50°
ロール:±45°
パン:-230°~+50°
チルト:-95°~+50°
ロール:± 45°
センサー 1/2.3インチ 有効画素数1200万画素 CMOSセンサー 1/2.3インチ CMOS
有効画素数:12M
レンズ 焦点距離14mm(35mm判換算) 焦点距離26mm(35mm判換算) F値 F2.2 1F2.0 画角 120° 80° ISO感度 静止画:100~3200
動画:100~3200
静止画:100~3200
動画:100~3200
電子シャッター速度 4000×3000pixel 4000×3000pixel
静止画撮影モード 写真
パノラマ
タイムラプス
露出ブラケット
フォトバースト(連写)
シングルショット
パノラマ
タイムラプス
モーションラプス
ハイパーラプス
動画撮影解像度 4K(3840×2160):60/50/48/30/25/24fps
4K(3840×2880):30/25/24fps
3.2K(3200×2400):30/25/24fps
2.7K(2704×1520):60/50/48/30/25/24fps
2.7K(2704×2016):
60/50/48/30/25/24fps
1080p(1920×1080):200/120/100/60/50/48/30/24fps
720p(1280×720):240/200/120/100fps
4K Ultra HD:3840×2160 24/25/30/48/50/60p
FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/120p
動画撮影モード 通常撮影
スローモーション
タイムラプス
オート
スローモーション
最大ビデオビットレート 100Mbps
100Mbps
写真フォーマット JPG/JPG+DNG
JPG/JPG+DNG
対応SDカード microSD(最大256GB/ビデオクラスV30以上推奨)
microSD(最大256GB)
音声フォーマット 48kHz、AACステレオ
48kHz、AAC
非常によく似たカメラですが、スペックから見てもMOIN CameraがOsmo Pocketをターゲットとして作られているのがよく分かります。
※なお、Osmo Pocketは現在、「DJI Pocket 2」という名前の後継機に変わっており、センサーサイズの変更や静止画の画素数アップなどの機能が強化されています。
実際にMOIN Cameraを使ってみると、今まで使用していたOsmo Pocketで少し使いにくかった部分が、MOIN Cameraでは改善できていると感じました。違いを感じる大きなポイントは2つ!
一つ目のポイントは、大きな液晶タッチスクリーンの搭載。このポケットサイズの本体にもかかわらず、2.45インチタッチスクリーン(90°チルト機構付き)が付いたことは、操作性のアップだけにとどまらず撮影範囲の確認においても非常に見やすく、実際に使ってみて凄く魅力的な機能ということを実感しました。Osmo Pocketでは、スマホをつなげて撮影する場合には問題ありませんが、本体だけでの撮影の場合、本体の小さな液晶モニターではメニュー操作の切り替えや画像の確認などの際、少々辛いものがありました。一方でMOIN Cameraはモニターが大きいため、スマホやパソコンがなくても画像確認をしっかりできるようになり、さらに小さなサイズに収まっているのでとても便利です。
2.45インチタッチスクリーン
二つ目のポイントは、レンズの画角。MOIN Cameraのレンズは、焦点距離14mm(35mm判換算)という超広角です。この超広角レンズにより、自撮りの際も画角に余裕を持って撮影することができます。実際自撮りで使ってみて、Osmo Pocketではかなりアップ目になっていたものが、MOIN Cameraでは余裕のある画角で撮れていてビックリしました。Osmo Pocketで自撮りする際には、よくワイドコンバージョンレンズを着けて撮影していたので、MOIN Cameraの焦点距離14mmの超広角レンズはすぐに撮影できるというメリットを凄く感じました。
MOIN Cameraでの動画撮影
動画撮影が気楽に、そして簡単に撮れるのがこのMOIN Cameraの最大の特徴です。本体にあるのは電源ボタンと録画ボタンの2つのボタンのみ。この2つだけですぐに撮影を開始できます。
細かな設定はタッチスクリーンをスライドさせて設定メニューを表示し、タッチで変更等をおこないます。事前に撮影したい解像度やフレームレートだけ設定しておけば難しいことはありません。
メニューからタッチで設定を変更できます
MOIN Cameraを右手で持ちながら、1080p(1920×1080):60fpsで歩きながら撮影してみました。若干上下のブレが感じられますが、小型ジンバルカメラとしては問題ないレベルかと思います。
VIDEO
次は同じ設定(1080p(1920×1080):60fps)のまま、カメラを自分の方に向け自撮りモードにして右手で持ちながら歩いてみました。超広角で画角に余裕があるため、こういった背景を大きく取り込みながらの自撮り撮影にはとても有効的なカメラと言えるでしょう。
VIDEO
次は4Kで撮影してみました。当たり前ですが、フルHD(1920×1080pixel)で撮影したものよりも高画質です。解像度はご自身の用途や編集環境によって、設定画面で切り替えが簡単にできるので、撮影する前に解像度をよく確認して撮影しましょう。
内蔵マイクに関しては通常であれば問題ありませんが、コロナ禍のご時世でマスクをした状態では、音声は少し録りづらい状態なります。また、風の音も多く拾うので風の強い場所での撮影の際には少し工夫が必要になるかもしれません。
VIDEO
4K(3840×2160):30fpsで撮影
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4K(3840×2160):30fpsで撮影
VIDEO
4K(3840×2160):30fpsで撮影
最後にタイムラプス動画も撮影してみました。タイムラプス動画を撮影するにあたって困ったことは、本体に三脚穴等が無いこと。長時間撮影をするタイムラプス動画撮影には機材を固定するものが必須です。そこで、今回は手すりにマジックベルトを使用して本体を固定しながら撮影をしました。三脚などに固定できるアクセサリーなどはまだ未発売ですが、発売したらそちらを活用するのも良いでしょう。
VIDEO
設定はインターバル3秒撮影にし、約2時間10分撮影をしたものになります。なぜ約2時間10分かと言うと、このあたりでちょうどバッテリ―切れになったためです。目安としてタイムラプス動画撮影はフル充電で、おおよそ2時間ほど可能という印象です。
※撮影間隔や気温などの環境で変わりますので、おおよその目安としてください。
MOIN Cameraでの静止画撮影
本来は動画撮影をメインに扱うカメラだと思いますが、静止画撮影がどの程度なのか非常に興味があるので撮影してみました。下の写真はオートでカメラ任せにしてJPGで撮影したものです。
■撮影機材:MOIN Camera
■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/3846秒 ISO感度131 焦点距離15mm ピクセル数4000×3000(4:3)
■撮影機材:MOIN Camera
■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/3846秒 ISO感度103 焦点距離15mm ピクセル数4000×3000(4:3)
■撮影機材:MOIN Camera
■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/3846秒 ISO感度139 焦点距離15mm ピクセル数4096×2304(16:9)
■撮影機材:MOIN Camera
■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/4115秒 ISO感度100 焦点距離15mm ピクセル数4096×2304(16:9)
■撮影機材:MOIN Camera
■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/1923秒 ISO感度191 焦点距離15mm ピクセル数4096×2304(16:9)
16:9と4:3のパターンで撮影してみましたが、16:9で撮影した場合、センサーの上下の画素を使用していないため、トータル画素数は4:3で撮影したものよりも落ちてしまっています。しかし、2枚目の画像を見ても分かるように、自撮りするにはとても便利な超広角なので、余裕をもって自撮り撮影ができ、背景もしっかりと写し込むことができていてとても有効的な画角になっています。
まとめ
MOIN Cameraを2週間ほど使用してみて、ジンバル付き小型カメラとして気軽に使える便利なツールと感じました。特に小さなボディにしっかりとしたタッチスクリーンが付いていて、撮影をするにあたり撮影範囲を確実に見ることができるということは、後での動画編集作業の軽減にも繋がるので、とても重要なポイントだと思います。
レンズにはズーム機能こそありませんが、昔流行った縦型タイプの8mmビデオカメラの様な感じで撮影することができ、かつジンバル機能によってブレの少ない映像を撮影でき、日常や旅行などを簡単に記録できるカメラです。日頃からカバンやポケットに入れて持ち運びたいアイテムの一つですね。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがMOZA MOIN Cameraをレビューしてくださっています。小型でありながら、しっかりとした描写力を持つカメラをお探しの方はぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
(MOZA)小型カメラ,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テラウチマサトさんテスト
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CATEGORY: テラウチマサト
DATE: 08/19/2021 09:18:49
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テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX GH6 開発発表を受けて、期待する進化について語る|Osamu Hasegawa
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CATEGORY: Osamu Hasegawa
DATE: 08/19/2021 16:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX GH6,LUMIX GH5II,マイクロフォーサーズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
パナソニックは去る5月、LUMIX GH5IIの発売発表と同時にGH6の開発発表を行いました。GH5IIは、S1H等の先行製品の技術を反映させたアップデートがなされているほか、無線ライブ配信に対応し、昨今高まるオンライン・ライブ配信のニーズに対して次なる一手をいち早く打ったという印象を持ちました。一方で私のように、プリプロダクション・撮影(プロダクション)・ポストプロダクションといったプロセスを含む一連の「映像制作」を主たる業務とするクリエイターにとっては、GH5/5Sの真のフルモデルチェンジとしてのGH6への期待は、GH5IIとはまた別の次元にあるのも事実です。現在明らかにされているGH6の情報はかなり限られていますが、今回はGH5IIのインプレッションとGH6の発表情報を元に、GH6への期待についてお話しさせて頂きたいと思います。
現時点のGHシリーズ最新版、GH5IIを使ってみて
手持ちで撮影した映像作品
■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH. + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. + LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH.
■モデル:林愛実、中嶌由梨
はじめの砂浜から海を臨む風景は、すべて手持ちショットです。ボディ内手ブレ補正自体が、従来機の5段からS1系譲りの6.5段へと向上していますが、特筆すべき点は、手ブレ補正が強力に効きつつもカメラワークが可能なことです。一般的に、ボディ内手ブレ補正のあるカメラにおいては、補正ONの状態でパンやティルトなどカメラをゆっくりと上下左右に振る動きを行った場合、その動きにセンサーシフトのブレ補正が滑らかに追従できず、カクついた挙動を示すことはしばしばあり得るのですが、このカメラではそうしたことはほとんどありません。したがってこの手ブレ補正の有効性というのは、FIXショットのためだけでなく、雲台を使ったカメラワークについても手持ちで行うことが可能になると言えます。これは、結果的に撮影時の機動力が格段に上がります。中盤のカヤックとSUPの海上シーンでは、ジェットスキーの後部シートに後ろ向きに座り、DJI RS2とGH5IIのセットでシーカヤックやSUPを撮影しました。終盤では、GH5用の水中ハウジングにGH5IIを入れて、海の中で撮影をしたショットを少し入れています。このようなアウトドアなロケにおいては特に、マイクロフォーサーズはレンズを含めた小型軽量性という点でフルサイズに対して大きなアドバンテージを持っていると感じています。
LEICA 10-25mm F1.7での映像作品
VIDEO
■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH.
■モデル:林愛実
前半は、雨の合間を縫って観光地で撮影しました。レンズはすべてLEICA 10-25mm F1.7の1本のみで撮影しました。街中や観光地では大掛かりな機材での撮影はハードルが上がってしまいますが、コンパクトな機材で撮影できるのがGHの良さでもあります。またこのレンズは人物を移動撮影する際には特に重宝し、このレンズが使えるからGHが使いたいと思わせるくらいの価値があると感じています。これ1本あればワイド側を使えば迫力のある構図や勢いのある移動ショットも撮れますし、換算50mm側を使えばバストアップの背景ボケショットで人物を浮き立たせることも出来ます。さらに、8月26日発売のLEICA 25-50mm F1.7と合わせれば最強の2本になるでしょう。質量はどちらも600グラム台後半で多少の誤差はあるものの、最新機種のジンバルと併用すれば、バランス調整無しでレンズ交換が可能となるでしょう。この2本のレンズがあることによって、GHの価値がより一層高まります。特に少人数でRun&Gunで撮影していくプロジェクトには大変重宝する組み合わせだと思います。GH6のボディサイズがどれほどになるかは分かりませんが、スペックアップのためにボディサイズが大型化したとして、レンズを含めたシステムとしてのコンパクトさという点はいずれにしてもGHシリーズの長所として継承されることに変わりはないでしょう。
また今回は悪天候にもかかわらず防塵防滴のボディとレンズのおかげで積極的に撮影が出来ました。場所や天候を限定せずに持ち出せ、傘をさしての固定ショットではなく、移動撮影も積極的にこなせてしまうオールラウンドなカメラであることを再認識しました。
円偏向フィルターを使った映像作品
VIDEO
■モデル:林愛実
夏らしい雲と空を活かした風景と人物の組み合わせで短い動画を繋いでみました。NiSi Ti Enhanced CPLというパンチの効いた円偏向フィルターを使用して、ポスプロに頼らず撮影時点で無駄な拡散光を抑制し、空の青をより深く、雲は白トビを抑えつつ輪郭をくっきりと出す描写を狙いました。ここではLEICA 12-60mm F2.8-4.0をメインに、一部で8-18mm F2.8-4.0の超広角ズームと単焦点ノクチクロンを使いました。上述のLEICA F1.7シリーズは人物撮影においては最高な1本ですが、ズーム幅を利かせたい場合には、LEICA 12-60mm F2.8-4.0を使用。逆光時にもコントラストの低下やゴーストはあまり見られず素晴らしい描写性能ながら換算24-120mmまで対応可能で、320gと驚くほど軽量です。同8-18mm F2.8-4.0も315gとほぼ同じ質量で、両レンズとジンバルを使っての撮影効率も非常に良い組み合わせとなります。このあたりの焦点距離のカバレッジとジンバルとの相性による効率性は、GH6になっても変わらず引き継がれることになるマイクロフォーサーズの大きな魅力のひとつと言えるでしょう。
NiSi Ti Enhanced CPLをLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.に装着
ダイナミックレンジの拡張:静止画とLog動画
マイクロフォーサーズ・マウントのカメラは、フルサイズ機に比べてどうしてもダイナミックレンジ(以下、略してDR)において劣る点が懸念される傾向にありますが、今回のGH5IIはLog撮影以外の時にハイライト側のDRがGH5から25%も拡大したとのことで、実際写真を撮ってみて従来のマイクロフォーサーズ機に比べて安心感がありました。一方で、GH6においては、V-Logプロファイルでの動画記録時のダイナミックレンジにおいても、より一層ワイドなDRを期待したいです。DRは、露出コントロールにおける失敗を防ぎたいという守りの視点からワイドであってほしいというだけでなく、カラーグレーディングのスタート地点の素材としてハイライトとシャドーに色がしっかり残っているかどうかがイメージクオリティに大きく影響を与えるので、その観点からも動画記録時のDRのさらなる拡張を期待しています。
もちろんノイズが増加することを前提にすればDRの拡張はより実現しやすいと思いますが、それを良しとするかどうかはユーザーによって評価が分かれるかもしれません。私個人としてはどちらかと言うと、多少ノイズに目をつぶってもV-LogでのDR拡張を望みます。なぜなら、ノイズは後から(シャープネスを犠牲にすれば)リダクションすることが出来ますが、色が飛んでいるハイライトや潰れているシャドーは後からどうにもならないということと(RAWであればある程度回復も可能ですが)、同じひとつのフレーム内においてハイライトからシャドーまで明確に色表現できるということは本当にリッチな印象をもたらすからです。でも理想としては、従来のノイズレベルに抑えたV-Log Lに加えて、DR重視(ノイズは少々増加)の「V-Log L 2」ないしは「V-Log L DR」といった設定があれば、ダイナミックレンジとS/Nのトレード・オフにおいて、どちらを重視するかユーザー側が選ぶことが出来るのでとても嬉しいです。例えば、日差しの強い屋外での撮影ではDRの広いほうのV-Log L2/DR、夕方でシャドーが多く含まれそうなシーンでは低ノイズのほうの従来のV-Log L、といった具合です。
■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH.
■撮影環境:ISO 200 F2.8 SS 1/200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm相当)
現時点で明らかにされているスペックについて
(1) Cinema 4K 60p 10bitの時間無制限記録(推奨動作温度内において)
(2) 10 bit 4K/120p
(3) 10 bit 5.7K/60p
(1) Cinema 4K 60p 10bitの時間無制限記録(推奨動作温度内において)
まず、現状フルサイズのLUMIX S1(別売ファームSFU2適用機)およびS1Hの場合ではCinema 4K60pで10bit色深度は実現できていますが(S5の場合はUHD 4Kまでが10bitで Cinema 4Kは8bit)、クロマ・サブ・サンプリングについては4:2:0でした。視覚上の影響は 4:2:0と4:2:2の違いよりも8bitと10bitの違いのほうが圧倒的に大きいので、10bitになっているだけでもLog素材のカラーグレーディングにおいては格段の違いになりますが、できればクロマ・サブ・サンプリングの4:2:2と色深度の10bitがセットであるのが望ましいと感じていました。そういった意味でGH6の進化としてはとても歓迎すべきアナウンスで、期待しています
コーデックについては未発表ですが、そこにも注目しています。GH5 mark2までの4K60p 10bit 4:2:0の記録時は、HEVC(H.265)というコーデックが採用されていました。これは従来のH.264コーデックに比べて、同じ情報量(情報再現性)を半分のデータ容量で確保することが出来るという面で優れていますが、編集ソフトでの操作上はデコードの負荷が高くて動作が重くなってしまうデメリットがありました。つまり、「データは軽くて動作は重い」という一長一短があります。GH6の「Cinema4K60p 4:2:2 10bit」がどのようなコーデックで実現されるのかはわかりませんが、尺やカット数の多いプロジェクトでも後処理においてストレスにならない快適なコーデックやファイル形式で実現されるといいなと思っています。
「時間内無制限記録」という点において、GHシリーズはこれまで舞台撮影などの記録系映像にもこれまで重宝されてきたカメラでもあるので、動画記録時間無制限というのは舞台撮影やイベント撮影などの長回しの記録系やインタビュー撮影においても重宝されることでしょう。それがCinema 4K 60p 10bitで実現可能ということになれば、例えば太陽がフレームインするような屋外スポーツイベントなどでもバンディングが起きにくい10bitで長回しをしつつ、後からスローモーションの編集にも対応可能な60pでも記録することが出来、記録映像としてのクオリティや表現力が高まるでしょう。
(2) 10bit 4K/120p
これは素晴らしいと思います。60pを越えるハイスピード撮影の領域が、解像度と色深度を犠牲にせず、すなわち4Kかつ10bitで実現できることのメリットは大きいです。一眼動画の世界でGH4がはじめて60pを越えるバリアブルフレームレートでの96fpsを実現した際に、筆者自身の個人体験としても表現の可能性が広がったように思いました。しかし当時の96fpsは、フルHDの8bitでした。それが4K 10bitで120pまで進化すると考えると感慨深いものがあります。東京オリンピックでは、スケートボードで日本からメダリストが男女合計3名も生まれました。今後ますます注目度が上がるアクション系スポーツにおいても、4K120pという高解像ハイスピード撮影は大活躍の機能だと思います。
(3) 10 bit 5.7K/60p
フォーサーズセンサーは、フルサイズセンサーに比べて「解像感」が低いというイメージを持たれる傾向にあると思います。動画においては、実際の「解像度」として5.7Kが記録できるなら、解像感の懸念は過去のものとなるかもしれません。しかも10bitで記録できるということが素晴らしいと思います。ですが、4:2:2と記載がないことを考えると、クロマ・サブ・サンプリングは4:2:0で、解像度とビットレートのバランスからしても、従来の延長上の考えではコーデックはHEVC(H.265)となるのではないかと思います。もしそうだとすると、長い尺や多くのカット数を使ってこの5.7K60pという高画素60pのHEVC素材をサクサク運用できるマシンスペックのPCを使える人は限られてきてしまうでしょう。その懸念を払しょくしてくれる何らかのソリューションがあったらとても嬉しいと思っています。
■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
■撮影環境:ISO 200 F1.7 SS 1/200 焦点距離25mm(35mm判換算50mm相当)
予想される追加スペックについて
まだ発表されていないスペックの中で、おそらく高い確度で実現されると予想されるのが、HDMI外部出力による動画のRAW記録対応です。AtomosやBlackmagicのモニター一体型SSDレコーダーで4K(4.1K)60pや、5.7K 30pのProRes RAWおよびBlackmagic RAWに対応することでしょう。その後、予想されるのが Atomos NINJA V+への 4K 120p ProRes RAW出力です。4K 120pの高解像ハイスピード撮影素材が12bit RAWで出力可能になればシネマカメラに一気に近づきます。それがGHのボディ・レンズのサイズで実現出来ることの機動力は、アウトドアでのスポーツ撮影や複数台のカメラを導入・配置したいレース撮影など、実用的な価値はとても大きいと感じます。
■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 50-200mm F2.8-4.0 ASPH.
■撮影環境:ISO 200 F1.7 SS 1/400 焦点距離50mm(35mm判換算100mm相当)
映像クリエイターはこの機能が欲しい!
未発表スペックの予測ではなく、単に映像系の撮影者としての切なる希望と期待というものをひとつ挙げさせて頂くとすると、「内蔵NDフィルター(ボディ内NDフィルター)」の実装です。ハイエンド・ミラーレスカメラの動画性能が向上すれば、コンパクトシネマカメラとスペック的にもターゲット的にも重なり得る部分が出てくるかと思いますが、動画に強いミラーレス一眼に対する小型シネマカメラの大きなアドバンテージのひとつとして、ボディ内NDフィルターの存在があります。一方で現在市場に出ている小型シネマカメラは、ワンプッシュしかオートフォーカスが効かなかったり、内蔵バッテリー持続時間の問題から結局Vマウントバッテリーを外付けしてゴツいリグを組んでたりと、結果的に柔軟なカメラワークが出来ないセットアップになってしまっている例が散見されます。カメラワークの自由度や移動の容易さを期待して導入した小型シネマカメラが運用上実際は大型になってしまっていては、本末転倒な現象と言わざるを得ません。このように小型シネマカメラが事実上解消できていない問題に不満を抱える小型シネマカメラ不満層や小型シネマカメラ購入予備軍(躊躇層)および一眼動画上級層をターゲットとして、動画マーケットに振り切っていってもらいたいというのが映像系ユーザーの私の期待するところです。もしボディ内NDフィルターが実装されたら、史上初のボディ内ND搭載ミラーレス一眼の登場として大いに話題になるになるでしょう。
内蔵NDフィルターが求められる理由は、単にNDフィルターの脱着をせずに済むからということではありません。例えばは、フィルターの付けられないレンズや、付けられるけれどケラレが発生する場合への解決策としても重要です。焦点距離が35mmフルサイズ換算で15mmを下回るレンズ、たとえば14mmの超広角レンズ(マイクロフォーサーズでは焦点距離7mmのレンズ)などではレンズ前玉側にNDフィルターを装着出来ませんが、ボディ内NDフィルターはそれを一気に解決します。
もうひとつは、C-PLフィルターや昨今流行りのミスト系フィルターなど、色や光の演出のために使用するフィルターがありますが、ボディ内NDフィルターがあればレンズに装着するフィルターはこれらの演出系のみに専念できるということです。NDフィルターを個別にレンズ前面につけなければならない場合は、NDフィルターと演出系のフィルターと2枚、都度脱着して交換することの手間はかなり大きく、またケラレのリスクも高まります。動画でニーズの高い可変NDフィルターやC-PLフィルターは径そのものが回転するため重ね付けした際に外すのが大変だったり、両者を同時につけると回転させたいフィルターでないほうのフィルターが回転してしまって事実上併用が不可能だったり・・・、現場のユーザーとして悩みは膨大です。内蔵NDフィルターはそれを一気に解決できるのです。
一方でNDフィルターの内蔵化はメカニカルシャッターとスペース的に競合してしまい、どちらか一方しか入れられないという問題があるかもしれません。その場合、電子シャッターの技術が向上し(かつ、センサーの読み出し速度の向上もあれば)、電子シャッターでの動体撮影時の被写体形状の歪みやスローシャッター時の被写体形状の歪み問題が解決され、なおかつ外部メーカーも含めたストロボの発光がメカニカルシャッター同様に行えるようになれば、メカニカルシャッターレス化が受け入れられる準備が整ってくる気がします。
スローシャッターやストロボの問題が解消された状態でボディ内NDフィルターが搭載されていれば、写真ユーザーにとってもハイスピードシンクロを必要とせずに日中に弱めの光量のストロボで人物撮影できるメリットもあるのではないでしょうか。例えば内蔵NDでシャッター速度を1/250秒以下に落とせるようになることでポートレート写真撮影、シャッター速度1秒以上で露光出来れば滝の流れや水面を滑らかに描写したい風景写真撮影にもメリットが大きいと考えます。写真ユーザーにおけるNDフィルター使用へのハードルが下がれば、滝の流れを絹の糸のように滑らかに表現することが出来るだけでなく、大きくて高価なストロボを買わなくても、小型で手頃な価格のストロボを使って日中の強い逆光下でも自由なアングルでモデルや家族を撮影する楽しみが増えるかもしれません。つまり、風景撮影においても人物撮影においても、より多彩で上質な写真表現へのハードルが下がります。
このように、NDフィルターが外付けから内蔵へと変わることで可能になることは実は沢山あると思っています。それは、ユーザーがこれまで苦労してきた多くの無駄なプロセスをスマートに解決してくれるという表現も出来るかもしれません。フルフレーム・センサーのサイズでミラーレスカメラのボディにNDフィルターを搭載するのはサイズ的なハードルがかなり高いと思いますが、フォーサーズ・センサーならもしかして・・・と心のどこかで期待してしまいます。
■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH.
■撮影環境:ISO 200 F1.7 SS 1/100 焦点距離22mm(35mm判換算44mm相当) 定常光 + アンビエントライト
■モデル:林愛実
■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH.
■撮影環境:ISO 200 F1.7 SS 1/160 焦点距離25mm(35mm判換算50mm相当) 定常光 + アンビエントライト
■モデル:林愛実
おわりに
私自身が映像クリエイターとして過去からわずかでも成長できている部分があるとすれば、それはGHシリーズの進化と共に過ごしてきた中で可能になったものだったと思っています。クリエイターは、カメラのスペックに一辺倒に頼っては自分のオリジナルな表現に行き着くことは出来ません。しかし、カメラのスペックがクリエイターに新たな表現の扉を開いてくれることがあるのも事実で、たとえばLogプロファイルの実装とダイナミックレンジの拡張と10bit色深度/12bit RAW動画の組み合わせは、従来においては躊躇してしまっていたような環境、例えば屋外でのワンマンでの移動撮影のようなライティングの難しい状況においても、人物を逆光の下に配置する構図での撮影を積極的に取り入れることが出来るようになり、自然光の活かし方の可能性が広がりました。このようにカメラがクリエイターに与える影響はとても大きく、それをどう活用するかというところで創り手のユニークさが問われると考えています。これまでのGHシリーズが私に新しい表現の可能性を感じさせてくれ、時に背中を押してくれたように、GH6という機材がまた自分の表現の可能性の扉を開いてくれることに何よりも期待しています。
■映像クリエイター:
Osamu Hasegawa
企画・演出・撮影・編集までを一貫して行い、少人数でコンパクトな機材のポテンシャルを最大限に生かした作品づくりを得意とする映像クリエイター。
LUMIX GH6 GH5IIの関連記事はこちら
■パナソニック LUMIX GH6が登場!|商品企画担当者へのインタビューから魅力を紹介
https://shasha.kitamura.jp/article/485695885.html
■パナソニック LUMIX GH5II|キットレンズの描写力と、さらに1本追加するならこのレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/483516821.html
■パナソニック LUMIX GH5II レビュー | 高性能動画機の代名詞GH5から進化したその実力を探る
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この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-GH5M2
商品詳細ページ 【パナソニック】
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH.
商品詳細ページ 【パナソニック】LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH.
商品詳細ページ 【パナソニック】LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
商品詳細ページ 【パナソニック】LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
映像クリエイターのOsamu Hasegawaさんが開発発表されたパナソニックGH6について語っています。GH5IIのインプレッションとGH6の発表情報を元に、GH6への期待について説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
パナソニック,Panasonic,LUMIX GH6,LUMIX GH5II,Osamu Hasegawa,映像クリエイター
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF28-70mm F2 L USM レビュー|圧倒される繊細な描写力
BASENAME: 482967842.html
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CATEGORY: GOTO_AKI
DATE: 08/20/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF28-70mm F2 L USM,風景,標準ズーム
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BODY:
はじめに
2018年、ミラーレスカメラ「EOS R」の誕生とともに生まれたキヤノンのRFレンズは、2021年8月時点で広角から望遠、マクロレンズまでほぼ出揃い、個人的にもEFレンズからRFレンズへの買い替え移行が完了したところ。中でも使用頻度が高いレンズが、今回ご紹介する「RF28-70mm F2 L USM」です。
正直に言うと、このレンズの第一印象は「重い!大きい!お値段も立派!」といった皆さんと同じような感想でした。でも「ズーム全域で開放F2だし…」と気になって使いはじめてみると、ミラーレスカメラとの相性も抜群。写真好きには堪らない繊細な描写力に圧倒され、いつの間にかこのレンズの虜になっていました。今も作品を撮影する時の標準ズームレンズとしては一番使用頻度の高いレンズです。
今回のレビューはこのレンズで撮影した日本各地の風景の作例をご覧いただきながら、お届けしたいと思います。
デザイン・外観
重量1430gのどっしりとした存在感、AF/MF切り替えスイッチのみの質実剛健な佇まい。ショートバックフォーカス設計のミラーレスカメラのシステムだからこそ、28mm~70mmのズーム全域でF2の明るさを確保した高画質かつ小型のレンズが実現しました。小型?と驚く人もいるかもしれませんが、EFレンズで同じスペックで設計すると、より重く大きくなってしまうため製品化が難しかった、夢のようなスペックのレンズなのです。
開放から使える描写力
まず驚いたのが、開放F2から風景の線が細かく描写される点です。EFレンズの描写も綺麗でしたが、綺麗の質がちょっとその上をいく繊細さ。
下の写真は那須岳の峠の茶屋駐車場から、登山前に「これから登るぞ~!」と、朝日岳方面を手持ちで気楽に撮影した一枚ですが、ご覧いただきたいのは山の稜線です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F2 1/15秒 ISO800
登山口などで撮影の出発時にひとまずご挨拶のシャッターを切ります。準備運動のような感じです。
山の稜線がとてもシャープに描写されています。F2でこのレベル!
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F2 1/5000秒 ISO400
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F2 1/8000秒 ISO50
登山の途中で気になった岩の表情をF2で撮影。ピントが合っている箇所がシャープだからこそボケが活きてきますね。
今まで風景の質感や造形を撮りたい時に、開放値から2〜3段絞ったF8~F11前後を使うのが当たり前だと思い込み、いつの間にか「常識」として染み付いていましたが、このレンズを使い始めてから開放値を積極的に使って、ざらざらした岩や山肌などを撮影するようになりました。お花などの被写体も花びらの細かな線が今までのレンズ以上に繊細に浮かび上がります。
一本で4本分!?お得なレンズ
冒頭に第一印象として「重い!大きい!お値段も立派!」と書きましたが、使用してみると開放値F2の単焦点レンズ、「28mm・35mm・50mm・70mm」の4本が一本にまとまったレンズとして考えるようになりました。単体での1430gは確かに重いですが、単焦点レンズ4本分と考えるとコストパフォーマンス的にもかなりお得なレンズではないでしょうか。
海や山の自然環境では風が強いことも多いため、ホコリが入りやすいレンズ交換はなるべく避けたいところですが、RF28-70mm F2 L USMを装着していれば、レンズ交換をせずに単焦点4本分かそれ以上の描写が楽しめるのも魅力です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F16 1/3秒 ISO50
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F2 2秒 ISO50
上の写真はいずれも焦点距離70mmで撮影。ズーム域の数値だけでは測れないのが写真の面白さ。被写体との距離感で写真が変わります。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F4 1/3200秒 ISO400
こちらも焦点距離70mmで撮影。最短撮影距離39cmで被写体にぐっと寄って撮影した一枚。体感としては思っていた以上に寄れる印象です。
近年の標準ズームレンズは、ワイド側で24mm、望遠側で70mmや105mmのレンズが主流。RF28-70mm F2 L USMはそれよりも少し控えめなズームレンジですが、私はその狭さを個性として捉えています。少し足りないなと感じる場合は体を動かして被写体に近づいたり離れたりして、単焦点レンズで撮影するような楽しみ方でカバーしています。
このレンズは決して撮影者を楽にしてくれるレンズではありませんが、写真を単焦点で撮り始めた時に当たり前にやっていた「体を動かして、被写体を発見する喜び」を思い出させてくれたレンズなのです。体を使って手に入れた高画質の写真をみて、思わずニヤッとしたことが何度あったことでしょう。このレンズ、超個性的ですが作品を撮りたい方にはデフォルトの標準レンズとしてオススメです。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F11 1/2000秒 ISO200
焦点距離28mmで撮影した阿蘇中岳の噴煙。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F5.6 1/1250秒 ISO800
焦点距離50mmで撮影した杵島岳。肉眼で見る感覚と近い自然な画角です。
逆光に強い
単焦点に匹敵する画質のRF28-70mm F2 L USMは、「SWC」と「ASC」の反射防止効果をもつコーティングの採用で、フレアとゴーストを大幅に低減しています。風景の撮影では太陽光が有害光となりうるのですが、実際の撮影現場では「逆光だから撮れないな。」とか、「フレアやゴーストが気になるな。」ということはほとんどありません。撮影者が意識しない状態で、高画質をサポートしてくれているコーティングはとてもありがたく、頼れる裏方さん的な性能です。逆光に強いことが体感できたら、あとは気にせず積極的に逆光で撮影を楽しみ、表現の幅を広げていきましょう。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F16 1/8000秒 ISO100
太陽光が正面から入る逆光のシーンでもこの写り。
相性の良いおすすめカメラ
RF28-70mm F2 L USMはイメージスタビライザー(IS)機能がないレンズのため、EOS Rで使用していた時は手持ち撮影の場合、手ブレしないように慎重に撮影するか三脚を使用して対応していました。しかし、5軸ボディ内手ブレ補正機構が搭載されたEOS R5やEOS R6とセットで使えば、IS機能のついたレンズと同じように、暗い夕暮れ時や屋内での撮影でも気楽に手持ち撮影が楽しめるようになりました。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F2 1/160秒 ISO400
夜明けの頃、月にAFでピントを合わせて手持ち撮影。EOS R5のAF領域はスペック上は縦100%、横90%(一点AF等、任意選択時)ですが、体感としてはほぼ100%AFが合う感覚です。開放F2+広いAF領域で、今までのセオリーから外れた、新しい構図にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
被写体は光学ファインダーのような自然な見え方をするEVF(EOS R5・R6)での確認と撮影がおすすめです。暗い場所でも被写体が明るく見え、画面に不要なものが入っていないか確認できます。EVFでは撮影の設定やヒストグラムでの白飛びチェックなども一目瞭然のため、撮影のコックピットとして使っています。
また、明るい時間に屋外で撮影する場合、カメラ背面の液晶モニターでは外の光が明るく、反射で見えにくいことも多いため、私はEVFを覗くことで外光の影響を受けずに確認しています。それは映画館で映画をみるような感覚です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM
■撮影環境:F10 1/500秒 ISO125
日の出の撮影。広いAF領域を利用して、手持ちで手軽に撮影。AFの合焦も素早いです。
上の写真を編集ソフトで確認。ピントを合わせているのは太陽のすぐ下の山の稜線あたりです。
フィルター・三脚のおすすめ
RF28-70mm F2 L USMのフィルター径は95mmで、よく使われている77mmや82mmの径よりも一回り大きいサイズです。95mmのフィルターなんてあるのか?と思われる方のために、私自身が使用している円形タイプのPLフィルターとNDフィルターをご紹介します。円形を使用している理由は、角形よりも面積が小さくて持ち運びに便利であることと、山などで風の影響も受けにくいためです。複数の異なる径のフィルターを持ち歩きたくない方はステップダウンリングを使うといいでしょう。
カニフィルターのCPLフィルター「HT PRO + MC CPL(95mm)」とNDフィルター 「HT PRO + MC ND 64-1000・ND 2-400」
三脚を選ぶポイントの一つに「耐荷重」のチェックが挙げられます。RF28-70mm F2 L USMが1430g、EOS R5が738gですので合わせると2168gになります。このレンズよりもさらに重い望遠ズームなどを使うこともあると思いますので、雲台と三脚の耐荷重5~6㎏以上の製品を選んで使いましょう。私が使用しているのはGITZOの三脚、GITZOの雲台、マーキンスの雲台です。雲台はそれぞれピタッと止まって使いやすいというシンプルな理由で使用しています。
三脚はGITZOのGT3542(左)とGT3543LS(右)。雲台はGH3382QD。
マーキンスの雲台 Q10i-BK
まとめ
標準ズームレンズは群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)、どの一本にするかお悩みの方も多いと思います。RF28-70mm F2 L USMはズバリ、暗いところでも撮りやすいズーム全域F2という明るさに魅力を感じる方、単焦点レンズと同等の高画質、描写力で作品力をアップさせたい方にオススメのレンズです。大きさと重さは、日々使っていると当たり前になり慣れてきますのでどうぞご安心を。
■写真家:
GOTO AKI
1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のGOTO AKIさんが愛用する、キヤノンの標準ズームレンズ「RF28-70mm F2 L USM」のレビュー記事をお届け。このレンズの特徴である繊細な描写力を、風景作例とともにご確認ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,標準ズームレンズ,RF28-70mm F2 L USM,レビュー,風景
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 レビュー|葛原よしひろ
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 08/21/2021 16:00:00
TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,単焦点
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BODY:
はじめに
今回はタムロンのSONYフルサイズEマウント用人気シリーズ、トリプルタムロンから20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F050)についてレビューさせて戴きます。
まずレンズを箱から出して手に取った瞬間に本体のあまりの軽さに、このレンズは本当にフルサイズ用のレンズなの?と疑問に思った位でした。この220gの軽くて小さなレンズにはSONYのα7Cが合うと考え、装着してみると見事にフィットしていて写欲に駆られます。
ポートレート撮影に迫力を
最初の撮影は大阪国際空港の近くで飛行機撮影と飛行機を絡めたポートレート撮影に使用してみました。この場所は飛行機撮影をする方には有名な場所で、着陸寸前の旅客機を広角レンズで大きく撮影することが可能なので頭上を通過する飛行機の裏側をパシャリ。最近のタムロンレンズに搭載されているOSDモーターのお陰で、猛スピードで通り過ぎる機体もバッチリAFが追い続けてくれるので簡単に撮影することが可能でした。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:1/1250秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-100
次はモデルのPOSOさんに協力戴いて背景に飛行機を入れた広角ポートレート撮影。スタイルの良いPOSOさんの赤い衣装と青空と飛行機を絡めて映える撮影をすることが出来たのは、このレンズの発色の良さも一因です。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:1/1250秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-320
飛行機が見えたと同時にPOSOさんに衣装を靡かせながら歩いて戴いて超広角を活かしたローアングル撮影。20mm超広角ローアングル撮影は狙い通りの躍動感が出てくれました。24mmだと、こうは行きませんので20mmは1本持っておきたい焦点距離ですね。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:1/1250秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-250
スナップ撮影にも適したレンズ
ここからは京都市内でのスナップ撮影。風情のある石畳の道で夕暮れ時の太陽を構図に取り入れて絞りを絞り光芒を出して撮影してみました。光芒の線が凄くシャープに出てくれるところが凄く気に入りました。更に気に入った点は逆光耐性です。御覧の通り、完全逆光で太陽を構図に取り入れてもゴーストやフレアの発生は極めて少なく、タムロン独自のBBARコーティング技術が良い仕事をしております。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:1/15秒 f22 焦点距離20mm ISO-100
解像感にも優れており、竹垣や石畳の質感もキッチリ表現出来ていて風景撮影にも使いやすいですね。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:1/50秒 f7.1 焦点距離20mm ISO-1000
こちらの写真は先程と同じ京都ですが嵐山の渡月橋での撮影になります。この数日間凄く長い時間持ち歩いているのですが、軽くて小さなレンズなので特に小型なフルサイズミラーレス一眼のα7Cとの組み合わせは想像以上に軽快です。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:1/20秒 f10 焦点距離20mm ISO-400
嵐電嵐山駅にあるモニュメントと青紅葉です。このレンズの最大の特徴は寄れるという点なのですが、軽く寄れるといレベルでは無く1:2のハーフマクロなので草花に凄く寄って撮影することが出来ます。超広角20mmでの接写では、このように背景を残した構図で青紅葉の葉脈が写るところまで寄ることが可能となり、普通のマクロ撮影とは全く違う表現の写真撮影が出来ます。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:1/125秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-320
お腹が減ったので嵐山で御飯を戴きました。その時に出てきた刺身の小皿を撮影。構図的に直径10cm位の皿のフチを切る所まで寄れるので、超広角お料理撮影が出来てしまうのはとても便利でした。因みにマクロ域でもAFで問題なく撮影することが出来ました。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:1/100秒 f5.6 焦点距離20mm ISO-10000
20mmというレンズは星を撮りたくなりますよね。ということで滋賀県高島市で開放F2.8での星景撮影。この写真は1枚撮りで合成無しなのですが充分な数の星を写すことが出来ました。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:15秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-3200
このレンズの注意点
このレンズを使用する時に必ず覚えておいて欲しい事が有ります。それは湾曲収差についてです。今回のタムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F050)は、SONYフルサイズミラーレスαシリーズ用として湾曲収差のデジタル補正有りきで開発されており、デジタル補正がオフの設定ではかなりの収差が出ます。デジタル補正がオンになっていれば、下記の写真を観て戴いた通り収差は改善された状態になります。
湾曲収差デジタル補正:オフ
湾曲収差デジタル補正:オン
何故このお話をさせて戴いたかというと、現在発売中のSONY αシリーズは購入して箱から出した状態のときはレンズ補正項目の湾曲収差が切(オフ)に設定されているので、使用される場合は基本的に設定を切り替えて戴く必要が有るからです。
この写真は名古屋で撮影しましたが、敢えて先程説明させて戴いた湾曲収差をオフの設定で撮影しました。レンズの歪みを利用して少しフィッシュアイ的な撮影が出来るのも面白いと思います。
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
■撮影環境:1/160秒 f6.3 焦点距離20mm ISO-100
まとめ
このレンズについての感想ですが、一言で言うと『めちゃくちゃ面白い!!』です。機動性とユーザーのお財布への考慮からだと思いますが、シンプルな造りになっておりコンセプトも伝わりやすく好感が持てます。難しい事は考えず気軽なボディに気軽に装着して気軽に持ち出して、好きなものを手あたり次第パシャリする。本当に撮影することが楽しくなるレンズなので、難しく考えずに是非お試し戴きたいレンズでした。
スペック等はライターの
多賀野さんのレビュー で解説されていますので、是非そちらも観て戴いてより深くこのレンズについて知って戴けましたら幸いです。
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。
大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー
JPS(日本写真家協会)正会員
タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2の関連記事
■タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 レビュー|最短撮影距離0.11mの軽量コンパクトレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/481113606.html
この記事に使用した機材
【タムロン】 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ソニーEマウント用(Model F050)
商品詳細ページ
【ソニー】α7C ボディ ブラック [ILCE-7C B] (Model F050)
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんがタムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2のレビューを行っています。作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
タムロン(Tamron) レンズ ,レビュー,20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
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AUTHOR:
TITLE: 【写真展】三田崇博 写真展「Pray for Myanmar」
BASENAME: 483011455.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 08/22/2021 09:00:00
TAGS: 写真展情報,新宿
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BODY:
三田崇博 写真展「Pray for Myanmar」
現在クーデターにより混乱のさなかにあるミャンマー。私はスー・チー氏が国家顧問に就任する前年の2015年から毎年この国を訪れています。この5年ほどの間に著しく経済発展し町の様子はどんどん変わっていきましたがこの国にはまだまだ古き良き文化がたくさん残っています。
本展示では主にミャンマーで行われている伝統行事を中心にスー・チー氏が国家顧問に就任した2016年から2017年に撮影した写真で構成しています。私の第二の母国であるミャンマーに一日でも早く平穏な日々が訪れるよう願いを込めて。
写真展概要
■会期 2021年8月26日(木)~9月1日(水)
■時間 平日 10:00~18:00
土日祝 11:00~18:00(最終日は15:00まで)
■会場 ポートレートギャラリー(入場無料)
東京都新宿区四谷1丁目7番地12 日本写真会館5階
プロフィール
■三田崇博
1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。
日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
公式サイト http://photosanda.com/
ツイッター https://twitter.com/takahirosanda
▼三田崇博先生のShaSha記事一覧はこちら
https://shasha.kitamura.jp/category/27314494-1.html
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EXCERPT:
三田崇博写真展「Pray for Myanmar」が2021年8月26日(木)~9月1日(水)の期間で開催されます。場所は東京都新宿区にある日本写真会館のポートレートギャラリー。
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KEYWORDS:
三田崇博,写真展
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: パナソニック LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. レビュー|1本で様々なムードを生み出してくれる優秀レンズ
BASENAME: 483005736.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 08/22/2021 11:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) レンズ,人物_子供,LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.,標準ズーム,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
最初に結論からお話しますと、ズーム全域でF1.7の開放値を実現した本レンズは、「LEICA」の冠に相応しい美しい描写性能と、高い解像性能を有していました。その詳細を、ポートレートのスチールとムービーでレビューしたいと思います。
ズミルックスが生み出すなめらかで繊細なボケ味
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
■撮影環境:F1.7 1/400秒 ISO200 WB:5000K フォトスタイル 人物
■モデル:水野はる 本レンズは、望遠ズームレンズとして世界で初めて(執筆時現在、レンズ交換式デジタルカメラ用望遠ズームレンズとして)、ズーム全域で開放F1.7での撮影が可能です。レンズ構成は11群16枚で、非球面レンズ1枚、EDレンズ3枚、UHRレンズ1枚が採用されています。
大口径F1.7の「SUMMILUX(ズミルックス)」の生み出す、なめらかで繊細な美しさのボケ味は、被写体をより立体的に、魅力的に描き出してくれます。雑味のないボケは、見る人の目を自然にピントの合った主役の被写体に誘導してくれます。
作例の撮影日はかなり天気が良く、日差しの強い日でした。コンクリートの地面が眩しい状況でしたが、ハイキー部分も派手になりすぎず、なんとも爽やかな作品に仕上がってくれました。
ポートレート・ショート・ムービー
VIDEO
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
■撮影環境:フォトスタイル 人物
■モデル:水野はる 筆者は、ムービー撮影時はシーンによってAFとMFを使い分けることが多いのですが、本レンズはフォーカスリングをスライドさせるだけでAFとMFを切り替えられる「フォーカスクラッチ」が搭載されており、これがとても使いやすくて便利でした。硬すぎず緩すぎないリングは、操作性も高かったです。
また、「LUMIX GH5II」の手ブレ補正効果のお陰もあり、全編手持ちで、カメラを固定せずに動かしながら撮影を楽しめました。編集時にソフトで動きを加えることもできるのですが、レンズがコンパクトなこともあり、今回はカメラをどんどん動かして自由に撮影してみました。
スチールもですがムービーでは特に、ガラス越しの車の光や反射した丸ボケなど、レンズが作り出す水のようななめらかなボケが美しかったです。
標準から望遠まで、単焦点レンズ4本分の焦点距離がこのレンズに!
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
■撮影環境:F1.7 1/400秒 ISO200 WB:5000K フォトスタイル 人物
■モデル:水野はる 通常、ポートレートは単焦点レンズで撮影することが多い筆者ですが、本レンズはズームレンズでのポートレート撮影の良さを、あらためて教えてくれました。
本レンズの焦点距離は、35mm判換算で50mm〜100mmになります。筆者がポートレートでも、それ以外の撮影でも一番良く使う焦点距離は50~60mmなので、どんな画になるかが瞬時に想定できる一番使いやすい画角といえます。次に75mm、85mmは筆者もポートレートで多用する画角で、バストアップ以上の寄りのシーンで背景を活かした撮影をするときの定番画角でもあります。100mmは、個人的に以前はそれほど使用していなかった画角なのですが、ここ1~2年はレンズの軽量化に伴って使用頻度がぐっと増えた画角です。
それらの多用する画角がこの一本のレンズに収められているのは、やっぱりとても便利ですし、ズームレンズながらF1.7通しの開放F値は、妥協することなく選べるレンズだといえます。
単焦点レンズ4本持ち歩くよりもコンパクト!
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
■撮影環境:F1.7 1/200秒 ISO1000 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:大川成美 最近のレンズの小型、軽量化には目を見張るものがあります。本レンズの最大径は87.6mm、全長は約127.6mm、重さは約654gです。これで単焦点レンズ4本分の画角が入っているのですから、単焦点レンズを4本持ち歩くよりも断然軽くて小さいです。
スタジオで三脚に据えてじっくりと撮影するときには、レンズのコンパクトさはそれほどこだわらなくてもいいのですが、ロケで身軽に動きながら撮影したいときや、街中であまり存在感のある撮影をしたくないときなどは、サイズ的にも主張の激しくないレンズがありがたいものです。
最初に持ったときに「小さい!」と感じましたが、昼から夜まで一日撮影していても、その感想は変わりませんでした。重さでお困りの方に、手と肩の負担軽減のためにもお勧めしたいレンズです。
静かで素早いAFはさすがのLUMIX
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
■撮影環境:F1.7 1/400秒 ISO200 WB:5000K フォトスタイル 人物
■モデル:水野はる AFの性能は言うまでもなく、アップのシーンでは瞳をすぐにキャッチし、引きのシーンでも顔と瞳をすばやく捉えるのはさすがのLUMIXです。
本レンズのフォーカスは、フレームがリニアモーターで駆動する構成になっており、素早くて精度の高いAF性能とともに、静かなピント合わせが可能となっています。これはスチール撮影時にストレスになる不穏な音がないことはもちろん、動画撮影時に自分のフォーカス音を収録してしまうなんて悲しいことがおきないために、とても大切な性能でもあります。
大口径レンズならではの点光源のボケの美しさ
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
■撮影環境:F1.7 1/100秒 ISO1000 WB:5000K フォトスタイル 人物
■モデル:大川成美 せっかくの大口径レンズなので、点光源の丸ボケを味わえるカットも撮影。背景にはワイングラスやフィルムカメラなどが並んでおり、室内の照明を反射してムードのあるボケになってくれています。
室内は赤みのある照明で彩られているので、背景とモデルの髪は赤味がかった色に、まだ日が落ちていない夕方で、モデルの顔は自然光でうっすらと照らされている為、5000Kのホワイトバランスにすることで、ムードを残しながらも自然な色味になりました。
乱反射する撮影シーンでもフレアやゴーストをカット
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
■撮影環境:F1.7 1/100秒 ISO1000 WB:3700K フォトスタイル 人物
■モデル:大川成美 室内は照明をすべてつけると、あらゆる角度から照らすセッティングになっているので、吊り下げられているワイングラスなどの乱反射は美しいのですが、レンズにもあらゆる角度から照明が差し込む状況でもありました。そのような状況でも、不要なフレアやゴーストは見受けられず、描写性能の高さを感じました。
また、かなり暗いなかでの撮影でしたが、ブレや解像感の低さも感じず、ピントが合っている面からボケている面までしっかりと描かれていました。
反射の丸ボケも自然に美しく描写
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
■撮影環境:F1.7 1/400秒 ISO200 WB:5000K フォトスタイル 人物
■モデル:水野はる 店内のモデルをガラス越しに外から撮影。窓ガラスに写り込んでいるのは筆者の後ろにある木の木漏れ日と、その後ろにある道路を走る車の反射です。今回の撮影場所は反射や点光源が沢山あったので、ボケを存分に楽しむことができました。
これ1本で様々ムードの作品を仕上げられる!
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
■撮影環境:F1.7 1/80秒 ISO1000 WB:3700K フォトスタイル 人物
■モデル:大川成美 先ほどと同じ場所で、日が沈んでから撮影しました。木漏れ日の反射がなくなり、店内の光が強くなったので、1枚フィルターを通したようなふんわりとしたカットに仕上がりました。
単焦点派の筆者ですが、様々なムードを1本のレンズで仕上げられるのは、やっぱり便利なことだと実感したレビューでした。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
キャッシュバックのご案内!
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.(H-X2550)の発売を記念して、期間中に対象商品をご購入いただいた方にもれなくキャッシュバックを行っています!詳しくはパナソニックHPの
キャッシュバックキャンペーンページ をご覧ください。
■更新
・2021年8月23日:キャッシュバックキャンペーンの情報を追記しました。
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-GH5M2
商品詳細ページ 【パナソニック】LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm/F1.7 ASPH.
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんによるパナソニック LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.のレビュー記事です。単焦点派の水咲さんが納得した最高の写りを作例とともにご紹介しています。
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KEYWORDS:
パナソニック(Panasonic) レンズ,レビュー,人物_子供,LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: カールツァイス ZEISS Batis 2/25レビュー|撮影者の想像力を掻き立てるレンズ
BASENAME: 483017008.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 08/23/2021 16:00:00
TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,ZEISS Batis 2/25,単焦点
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BODY:
はじめに
カールツァイスの広角AFレンズ「Batis」の25mmF2レンズ。ZEISS Batisレンズはソニー製フルサイズミラーレスシステムのために開発され、高画素のカメラの性能を余すことなく発揮できる魅力あるレンズです。特に25mmという焦点距離は自然風景、都市風景、街角スナップなど、幅広く対応できる画角で常用レンズとして、とても使い勝手良いレンズです。発売されたのは2015年8月で少々年数は経っていますが、そんなことを感じさせないBatis 2/25を、街角スナップ撮影に持ち出してみました。
ツァイス ZEISS Batis 2/25の魅力
Batis 2/25の光学系は、ディスタゴンタイプの25mmレンズ。レンズ構成は8群10枚で絞り羽根は9枚。両面非球面レンズ4枚と特殊低分散レンズ5枚を使い各収差を抑えて画面の周辺まで素晴らし描写を実現しています。レンズ設計はデジタル用に設計され、光学収差を最小限に抑えるフローティング機構も採用されており、デジタル時代のディスタゴンタイプのレンズです。
αユーザーで気になるのは、Batis 2/25とFE24mmF1.4GMの差ではないでしょうか。画角も近く、どちらもとても優秀なレンズです。
(左)ソニー FE24mmF1.4GM、(右)ZEISS Batis 2/25
FE24mmF1.4GM Batis 2/25 焦点距離 24mm 25mm 画角(35mm判) 84° 82° 開放絞り(F値) F1.4 F2 最小絞り(F値) F16 F22 絞り羽根 11枚 9枚 最短撮影距離 0.24m 0.2m フィルター径 67mm 67mm 外形寸法 最大径x長さ 75.4 x 92.4mm 81 x 78mm 質量 約445g 約335g
こうやって仕様を並べてみると違いはあるのですが、実際に使ってみると外見の違いほどは撮影した写真の違いを感じるとる事ができませんでした。但しもちろん撮影している段階では、ツァイスレンズで撮影しているという意識が大きく働くので、その辺は全然違うと言えます(笑)。
Batis 2/25は、レンズの外観も専用フードもシンプルなのでカメラに装着したシルエットも非常に洗練されたシンプルなイメージになります。街角スナップ撮影においては、気軽に持ち運びができ仰々しさも無くスマートな撮影が出来るのではないでしょうか。特に最短撮影距離は短く寄れるレンズなので、広角レンズでも大きく背景をボカした撮影ができます。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF20 ISO100 焦点距離25mm
筐体はちょっと太目な感じのレンズですが、重量自体はそれほど重くない為、αの装着時も非常にバランスの良いレンズです。カフェで休憩している時に、テーブルの上に置いておいても何となく様になっているような気がします。
SONY FE24mmF1.4GMに比べると、絞りリングやAF/MF切替スイッチなどがレンズに無いため、それらの操作をするには、カメラ側でのコントロールになりますが、純正レンズでも絞りリングやAF/MF切替スイッチが無いレンズもあるので、それほど気にならない人も多いのでは無いでしょか。
Batis 2/25は絞り羽が9枚なので、光芒の線は下の作例の様に18本になります。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF20 ISO100 焦点距離25mm
ツァイス ZEISS Batis 2/25で街中散策スナップ
Batis 2/25を持って、東京駅から有楽町まで撮影しながら散策してみました。スタートは東京駅の丸の内北口。ここには、開業当時の姿に復元された駅舎の美しいドーム状の天井があります。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/15秒 絞りF8 ISO800 焦点距離25mm
少し歩いて皇居方面から東京駅の駅舎や丸の内のビルを撮影。25mmの広角レンズですが歪曲は極めて少なく、画面の中心から隅々まで乱れることなくシャープな描写をしています。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF14 ISO400 焦点距離25mm
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF13 ISO400 焦点距離25mm
絞りを開けて撮影すると、広角レンズでもしっかりとしたボケを活かす事ができます。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF2 ISO200 焦点距離25mm
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境: シャッター速度1/1600秒 絞りF2 ISO100 焦点距離25mm
Batis 2/25の25mmの画角は非常に使いやすく、街角スナップで気になったモノを切りとって撮影するのがとても楽しいレンズです。気になった被写体に寄ることもでき、絞れば画面全域でシャープに解像させて意図したイメージを創り上げる事ができます。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF9 ISO200 焦点距離25mm
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF8 ISO800 焦点距離25mm
カラフルに施されたストリートピアノがあったので撮影してみましたが、発色やコントラストはやはりツァイスといった発色が感じられます。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF9 ISO800 焦点距離25mm
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF5 ISO800 焦点距離25mm
街角を散策しながら気になった被写体を撮影しましたが、ズームレンズでは味わえない単焦点レンズでの切とり、自らが動いて構図を決めていく楽しさを感じ、想像力を高めてくれる魅力あるレンズです。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF16 ISO800 焦点距離25mm
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF4.5 ISO800 焦点距離25mm
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF8 ISO800 焦点距離25mm(B/Wモードで撮影)
ツァイス ZEISS Batis 2/25で夜のスナップ
夜景の撮影でも、単焦点の明るいレンズなので三脚なしの気楽な夜景撮影も可能です。レンズ自体には手ブレ補正の機能はありませんが、カメラボディ側の補正機能を使って撮影しています。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/40秒 絞りF2.5 ISO800 焦点距離25mm
絞り開放で被写体に寄った時の背景のボケは、広角レンズでも大きな玉ボケを表現してくれます。
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF2 ISO800 焦点距離25mm
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25
■撮影環境:シャッター速度1/25秒 絞りF2 ISO200 焦点距離25mm
まとめ
25mmの画角は常用レンズとしてとても使いやすく、ツァイスレンズの発色やコントラスト、シャープ感はどれも満足がいくレベル。フルサイズのαの性能を余すことなく表現できるレンズの一本です。F2開放からしっかりとした解像をしますが、2段分ほど絞ると解像感は文句なしのレベルで解像します。ツァイスレンズの所有感が撮影の際にもワクワクさせてくれ、Batis 2/25 は撮る者の想像力を掻き立てる魅力が秘めているそんなレンズではないでしょうか。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがカールツァイス ZEISS Batis 2/25のレビューを行っています。αユーザーが気になるFE24mmF1.4GMとの比較も行って製品の魅力を紹介してますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
カールツァイス(zeiss) レンズ,レビュー,ZEISS Batis 2/25
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ×テスト【セミナー】ソニープロカメラマンセミナー -山田 芳文 氏-|全国のキタムラ19店舗で参加可能!
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 08/23/2021 21:25:55
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BODY:
SONY(ソニー)フルサイズミラーレスカメラ”α7R IV"やFEレンズの魅力を伝えます
2021年9月18日(土)にSONY(ソニー)のフルサイズミラーレスカメラ"α"の魅力を伝えるセミナーを開催いたします。新宿 北村写真機店で開催しているセミナーの様子を、一部のカメラのキタムラ店舗にライブ中継で放送いたします。新宿 北村写真機店へお越しいただくことが難しい方でもセミナーをお楽しみ頂けます。
講師にはCP+でのご登壇や、SONYの公式webサイト「αUniverse」にて野鳥カメラマンでご紹介されている写真家の山田芳文 氏をお招きし、野鳥撮影の際に高画素モデルα7R IVやフラッグシップモデルのα1、G Masterレンズを「なぜ選び、なぜ使用しているのか」という理由を実際に撮影された作例と合わせてご紹介。
イベント終了後には機種の機能などで知りたいことや、ご購入に際してのお悩みなどのご相談もお答えいたします。参加費は無料となっており、既にα9やα7シリーズなどのフルサイズカメラを使用している方、α6600・α6400などのAPS-Cモデルを使用中の方はもちろん、これからソニーのカメラを買おうか検討されている方もぜひお気軽にご参加ください。
概要とお申込み
■開催日時:2021年9月18日(土)【第一部】11:00~12:00【第二部】14:30~15:30
■費用:無料
■場所:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン、ライブ中継先店舗
■定員
□新宿 北村写真機店:各部15名
□ライブ中継先店舗:
下記リンク より希望店舗へお問い合わせください。
■お申し込み方法
□新宿 北村写真機店:
こちら よりお申込み
□ライブ中継先店舗:
下記リンク より希望店舗へお問い合わせください。
■申込み期限:2021年9月15日(木)20:00
ライブ中継先店舗一覧
募集状況やお申込み、ご質問などはお申込み希望店舗へお電話ください。
中継予定店舗
■北海道:
帯広/白樺通り店
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■愛知県:
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※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。
※ ご予約後、情勢によってセミナー講師の変更やセミナーが中止となる場合もございます。予めご了承ください
講師紹介:山田 芳文 氏 -Yoshifumi Yamada-
写真家。「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。撮った写真はカメラ雑誌やバードウォッチングの専門誌、自然保護団体の会報誌などで発表。ライフワークは鳥がいる風景写真。著書は、『写真は「構図」でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)『野鳥撮影術』(日本カメラ社)、『やまがらちょこちょこ』(文一総合出版)など。最新刊は、『SONY α6600基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)。専門分野 野鳥。
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 可愛くて仕方がない⁉ 愛しのベビー|サバンナ撮影記 Vol.04
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CATEGORY: 井村淳
DATE: 08/24/2021 11:00:00
TAGS: 撮影テクニック,サバンナ撮影記,野生動物/動物
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BODY:
はじめに
ケニアに通うようになってしばらく経つと、自分の好みの被写体がわかってきます。もともと私は、肉食動物が草食動物を捕食する弱肉強食の世界を見たいと思っていたのでそれは今でもメインテーマです。しかし、そのテーマを追いながら途中で出会う被写体にもとても心を惹かれるものがあります。それは、動物の赤ちゃんです。中でも肉食動物の赤ちゃんは可愛すぎます。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV + EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO1000(オート) F5.6 1/250秒
赤ちゃんはいつでもいるわけでもありません。そして、肉食動物の赤ちゃんは1年を通して出産する決まったシーズンはなく、その時にたまたまいるかどうかという運次第です。動物の赤ちゃんは成長が早いので、1ヶ月ごとに姿が変わってしまいます。なるべく赤ちゃんのうちに出会いたいのですが、小さい時は、見つけ辛いところで育てているため滅多に見つけることはできません。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO320 F5.6 1/100秒 焦点距離400mm
百獣の王も赤ちゃんは可愛い
例えばドライバーから、よく見かけていたライオンの妊娠していたお腹が小さくなっていたと知らされることで、どこかで赤ちゃんが産まれていることを知ることができます。ただ、そのタイミングで私がサファリに出かけたとしても、それがどこなのかまではわかりません。「おそらくこの辺だと思う」というドライバーを信じて連日探すこともあります。生まれてから数週間経つと、赤ちゃんが自由に歩くようになり、茂みからチラッと見えたりして、発見することがあります。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV + EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO2000(オート) F4 1/500秒
生まれて間もなくは、親ライオンはとても警戒していて、他の肉食動物に見つからないようにねぐらを何度も引越しをします。一箇所に長くいると匂いで見つかってしまうと言われています。その時、まだ歩けなかったり、歩くのが遅い子ライオンを口にくわえて引越しをします。この場面は当初からぜひ撮りたい場面でしたが、私が初めて見られたのはケニアに通いだして17回目の時でした。
その時は3頭の子供がいて、ちょこちょこ歩けるくらいに成長をしていたのですが、1頭だけ少し遅れてしまうのをお母さんライオンが見かねてくわえたのです。感激の瞬間でした。移動するライオンの先で望遠レンズで狙います。子ライオンの顔がどっちに向いているかは運です。どうせなら他の子供たちも一つの画面に入れたいなどとファインダーを覗きながらイメージをします。ピントはくわえているお母さんの顔に合わせ、画面の周囲に他の子供を確認しながらシャッターを切ります。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark III + EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO400 F5.6 1/500秒
ライオンはプライドという家族的なグループで行動をします。そのプライドでは、同じ時期に複数のメスライオンから子ライオンが生まれることがよくあり、1頭のお母さんからは多いと4〜5頭生まれるようです。同じタイミングで2頭のお母さんから計9頭の赤ちゃんがいる場面に出合ったことがります。生後2ヶ月くらいでしたがまだミルクを飲みます。2頭のお母さんが同時に赤ちゃんたちにミルクをあげていました。そのうち1頭の赤ちゃんがとなりのお母さんのところに行きそちらでもミルクを飲み始めました。ライオンはプライド内では共同で子育てをする事がよく分かる瞬間でした。
子ライオンが遊ぶシーンは、思っているより動きが速く、ブレてしまうことがよくあります。感度が決まっていたフィルム時代には、その場面で撮影したフィルム3〜4本分全て被写体ブレで失敗だったことがあります。その経験から、ある程度画質が落ちてしまう高感度になってもブレないシャッター速度に設定することを優先するようになりました。カメラのデジタル化の最大の有利なところは高感度の高画質化で、それまで撮れなかった場面を捉えられるようになったと思います。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV + EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO800(オート) F4.5 1/800秒
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO2500(オート) F6.3 1/1250秒
ライオンはサバンナに暮らす大型ネコ科3種類の中でも体が大きい分、走るのが遅いです。通常プライドでは狩をするときも共同で獲物を囲い込んだりして捕獲します。獲物の大きさが小さいとオスが独り占めしてしまうこともありますが、総合的には分け合ってプライドの皆が食べることができます。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
■撮影環境:ISO2500(オート) F6.3 1/1250秒 焦点距離400mm
似ているようで全然違う!? チーターとヒョウ
ではその他の大型ネコ科の2種類はどうでしょう。チーターとヒョウですが、皆さんは見分けることはできますか。たまにテレビ番組などでも、チーターなのにヒョウとテロップが出ていたりします。私も初めは違いが全くわかりませんでした。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF400mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF1.4×III
■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/1250秒 焦点距離560mm
チーターとヒョウの違いを説明します。一番簡単に見分けられるのが顔です。チーターは目元から口にかけて黒い涙線とも言われる模様があります。これは、生まれた時から付いているので赤ちゃんチーターでも見られます。チーターは比較的クルマを怖がりません。かなり近くまで来てくれることもあります。たまに、クルマの日陰に入ってくることもあります。超望遠レンズでは、最短撮影距離内でピントが合わないこともあります。あるとき、チーターが車の脇でじっとしていたのでエクステンションチューブ(中間リング)を使って顔の接写なんてことも経験があります。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF400mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:ISO200(オート) F3.5 1/800秒 焦点距離400mm
次に大きな違いは模様です。チーターの斑点も一般的にはヒョウ柄と言われてしまうこともありますが、よく見ていただくとチーターは黒い点々なのに対してヒョウはいくつかの黒い点が集まって一つの花柄のような模様になっています。前回ご紹介しました動物園でもチーターとヒョウの模様の確認はできます。細かな模様の違いまで観察してみてください。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO3200(オート) F4.5 1/1250秒 焦点距離500mm
さらに見慣れてくると違いがわかるのがシルエットです。つまり体型ですが、チーターは陸上最速で走る哺乳類と言われているほど走るために進化した動物です。空気抵抗を少なくするために顔は小さく体はスリムに、足は細くて長いです。それに比べてヒョウは獲物を仕留めるのに有効な噛む力が強くなるように顔が大きく、木の上での生活で有利になるように足は短く太いです。どちらも尻尾は長く、チーターは高速で走っている時の舵取りのためで、ヒョウは樹上でのバランスを取るためのようです。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF200-400mm F4L IS USM EXT
■撮影環境:ISO250(オート) F5.6 1/1600秒 焦点距離383mm
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF100-300mm F4-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO640(オート) F5 1/1250秒 焦点距離170mm
チーターとヒョウはライオンのグループでの子育てとは違ってお母さんが1頭で子供を育てます。オスは子育てには参加しません。交尾をして去っていきます。また、チーターは夜はあまり目が効かないので基本的には夜は草原で寝ます。決まった寝床はなく毎日変わります。ヒョウやライオンは夜目が効き夜にも得物を狩る夜行性とされています。大型のネコ科3種類はそれぞれの生活スタイルに合わせた進化や、生活の行動形態を構築しています。ある程度の生態を知ると撮影でも予想をしながら狙うこともできます。定説とは違う行動なども見えてくると観察することが楽しくなります。
■使用機材:キヤノン EOS-1D + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO200(オート) F9 1/500秒 焦点距離250mm
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO2500(オート) F4.5 1/1250秒
チーターの赤ちゃんは生まれて間もない頃は背中にたてがみのような白っぽい産毛が生えています。草原でカムフラージュになるようです。成長するとともに産毛はなくなっていきます。チーターは多いと8頭の赤ちゃんが生まれます。乳首の数が8つあります。私が見た中で最大なのは7頭の赤ちゃん連れでした。それが全て成長することはほとんどないでしょう。他の肉食動物に狙われた時に全員を守れないからです。
私が過去に見た生まれたての6頭のチーターの赤ちゃんは、私が帰国し1週間後にライオンに見つかり赤ちゃんは全滅させられたとドライバーから聞かされとても残念に思いました。チーターは狩りに行くときは赤ちゃんを茂みに置いていきます。お母さんがその場にいたとしても助けられるのはくわえて逃げる1頭だけです。野生の掟と言ってしまえばそれまでですが、日々、生と死が目の前にあるのです。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS 2 USM
■撮影環境:ISO2000(オート) F8 1/1000秒
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF200-400mm F4L IS USM EXT
■撮影環境:ISO640(オート) F5.6 1/1250秒 焦点距離560mm
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II + EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO400(オート) F5.6 1/1600秒 焦点距離500mm
ヒョウは木登りの名人です。大型ネコ科3種類の中で木登りを得意とするのはヒョウだけです。狩をした得物を口にくわえて木に登ります。大きすぎる得物を狩ってしまったときは地上で半部くらい食べてから、残りを樹上にあげます。樹上は他の肉食動物が来られないので、横取りされることはないヒョウにとっての安全地帯なのです。子育ても木の上でします。小さい時から木登りをしているので得意なわけです。また、お母さんが狩に行くときも赤ちゃんは樹上で待つので他の肉食動物に襲われる心配が少ないです。ただ、大型の猛禽類やどう猛なサルの仲間のバブーンなどは要注意です。バブーンは大人のヒョウでもよく追いかけ回しています。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO12800(オート) F5.6 1/160秒 焦点距離170mm
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO1600(オート) F5.6 1/320秒 焦点距離400mm
ヒョウは一度に1〜3頭の赤ちゃんが生まれます。私は野生下で3頭連れはまだ見たことはないですが資料にはそう書かれていました。ヒョウは茂みや岩場で赤ちゃんを育てていることが多く、サファリカーではなかなか入っていけないような場所が多いです。それでも、茂みの葉と葉の隙間から見える位置を探し、超望遠レンズにエクステンダー(テレコン)をつけて撮影したりします。じっと構えてたまに姿が見え、たまに顔が見えた瞬間を撮影します。ヒョウの子はチーターの子に比べて黒っぽく見えます。背中の産毛がないのと模様の関係でそう見えるのだと思います。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS 2 USM
■撮影環境:ISO3200(オート) F4.5 1/640秒
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS 2 USM
■撮影環境:ISO6400(オート) F4 1/1000秒 焦点距離500mm
ヒョウは日中は木の上で昼寝をしているところをよく見かけます。昼寝をしているヒョウを見つけて、そのヒョウが動き出すのを待つか、他を探しに行くかという葛藤になります。ヒョウがすぐ動き出すかもしれないし、何時間も動かないかもしれない。他に行けば何か見つかるかもしれないし、そのヒョウを撮り逃すかもしれない。そこにヒョウがいるときはまだ良いのですが、フレッシュな獲物が木の上にさがっているところを見つけた場合、きっとその獲物を食べに戻ってくるという判断をする場面です。
夕方に戻ってくるだろうけど、日没までに戻ってくるだろうか。日没までに終了し、宿に帰るのが国立公園のルールです。本当に今日戻ってくるのか、などドライバーともディスカッションします。相手が動物ですから絶対はないので、当たっても外れても、それがサファリ!と楽しめれば良いのです。そして、狙い通りにヒョウが戻ってきたら、夢中でシャッターを切りながら知らずのうちに顔がにんまりしてしまうのでした。ヒョウが木に登る時間は数秒です。被写体ブレしないように1/1000秒以上に設定して2時間弱待っていました。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM
■撮影環境:ISO1000(オート) F5.6 1/1250秒 焦点距離200mm
ネコ科だけが主役じゃない!! その他の肉食獣
サバンナの代表的な大型ネコ科3種類の他にも肉食動物がいます。ここでクイズです。次の写真は肉食動物の赤ちゃんです。それぞれ、なんの動物の赤ちゃんでしょう。
大型のネコ科以外の肉食動物は小型のネコ科やイヌ科、ハイエナ科などがいます。ネコ科はサーバルやカラカル、イヌ科はセグロジャッカルやリカオン、オオミミギツネ、ハイエナ科はブチハイエナなどに実際に出会っています。他にもマングースや猛禽類、ワニなどという肉食動物がいますが、それはまた機会がありましたらお話しいたします。
大型ネコ科以外の6種類をサバンナでよく見かける順に紹介します。まずはブチハイエナです。他の肉食動物が狩りをした残りを横取りするイメージが強いかもしれませんが、狩りの名手と言われています。逆にライオンがそれを横取りすることも珍しくないとか。ハイエナは走るスピードこそあまり速くないですが持久力が強く、何キロでも追いかけて相手がへばったところを狩ると言われています。クイズの左の写真の答えです。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM
■撮影環境:ISO640(オート) F4 1/1000秒
次によく登場するのがセグロジャッカルです。こちらも、他の肉食動物の食べ残しを頂戴しにやってきます。小型で身軽な分すばしっこくて、目を盗んで一口くわえて逃げてを繰り返しています。見かけるジャッカルの多くはセグロジャッカルですが、他にヨコスジジャッカルやキンイロジャッカルなどがいます。滅多に会うことはありません。クイズの真ん中の写真の答えです。
■使用機材:キヤノン EOS -1D Mark II + EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO200(オート) F5.6 1/500秒 焦点距離500mm
オオミミギツネは草原を素速く走って逃げていく姿をよく見かけます。そんなに逃げなくてもいいのにと思うほど逃げます。そして遠くで振り返ります。しかし、たまに逃げずに車の近くで遊んでくれることもあります。気分屋なのでしょうか。赤ちゃんがいる巣では近づくことができませんので遠くから超望遠レンズで狙います。警戒している限り親は帰ってこないし、赤ちゃんも巣から出てきません。じっと待ちます。クイズの右の写真の答えです。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM
■撮影環境:ISO2500(オート) F4 1/400秒 焦点距離500mm
サーバルは小さいチーターのようにも見えます。模様はキングチーターにも似ています。草原でじっとしているところを見かけます。地中のネズミが動く音を聞き分け、一気に飛びかかります。その瞬間を撮影しようと構えたまま何十分もじっとしていることもあります。鼻が痒くなって一瞬目を離した瞬間にジャンプして撮り逃がしたこともあります。また、アップで狙おうと画面いっぱいにフレーミングしていたら、高くジャンプすることを想定していなくてジャンプとともに画面から消えてしまったこともあります。とにかくサーバルの動きは速く、1/1000秒でも被写体ブレをします。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM
■撮影環境:ISO160(オート) F4.5 1/1600秒
リカオンは超がつくほど希少です。過去2回しか見た事がありません。ぱっと見、汚い犬などと言われてしまうこともありますが、白黒茶と三色で耳は丸くて大きい可愛い顔をしています。集団で狩りをすることが知られています。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM
■撮影環境:ISO160(オート) F4.5 1/1250秒 焦点距離500mm
リカオン並みに希少なのがカラカルです。日中滅多に出てこないのでこちらも過去に2回だけしか合っていません。2回目に会ったときは、ドライバーが友人から情報をもらい、1時間以上離れた場所に移動して会えたものでした。その間にいなくなってしまうかもしれませんがそれでもいく価値があると判断しました。カラカルは耳の先に長い毛がありオオヤマネコのような顔立ちです。鳥などを捕食する際に3メートルの高さまでジャンプすることで有名です。
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM
■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/1000秒
■写真家:井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。
(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。
連載記事リスト
■サバンナ撮影記|Vol.01 ~ケニアへの行き方~
■サバンナ撮影記|Vol.02 ~草食動物は地平線と共に~
■サバンナ撮影記|Vol.03 ~動物園でも野生さながらに撮影する秘訣~
この記事に使用した機材
【キヤノン】EOS-1D X Mark II(中古)
商品詳細ページ
【キヤノン】EF100-400mm F4.5-5.6 L IS II USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF200-400mm F4 L IS USM エクステンダー 1.4×
商品詳細ページ
【キヤノン】EF70-300mm F4-5.6L IS USM(中古)
商品詳細ページ
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写真家の井村淳さんによる連載記事サバンナ撮影記の第4回! 今回は可愛らしい赤ちゃん特集です! 井村淳さんの過酷な環境で生きる動物の愛らしい姿を写した作品は必見です。
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KEYWORDS:
ペット_動物,撮影テクニック,サバンナ撮影記
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 富士フイルム GF32-64mmF4 R LM WR ~超解像度GFレンズの凄み~|八島和浩
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CATEGORY: 八島和浩
DATE: 08/24/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,風景,標準ズーム
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はじめに
私は、フジノンレンズの光学技術を駆使した大型センサーのポテンシャルを最大限生かす、高精度・高解像度のGFレンズに魅了された一人です。今回、GF32-64mmF4 R LM WRをレビューさせて頂きます。このレンズは、フルサイズ換算で約25mm相当の広角域から約51mm相当の標準域の画角までをカバーできる便利な一本で、ズーム倍率約2倍のレンズとなります。
特に私のように風景写真を撮影する方におすすめです。このズームレンズがあるだけで広角域~標準域の焦点距離をカバーしている為、目まぐるしく変化する風景を直感的に撮影することに集中させてくれます。また、私は青森での撮影がメインとなるため、厳しい自然環境下でこのズームレンズはマストアイテムになります。では、作例を中心にレビューしていきます。はじめに、主な仕様をご覧ください。
主な仕様
型番 フジノンレンズ GF32-64mmF4 R LM WR レンズ構成 11群14枚
(非球面レンズ3枚、スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ1枚) 焦点距離 f=32-64mm (35mm判換算:25-51mm相当) 画角 81°-46.3° 最大口径比(開放絞り) F4 最小絞り F32 絞り形式 羽根枚数:9枚(円形絞り)
ステップ段差:1/3ステップ(全19段) 撮影距離範囲 50cm - ∞(W端)
60cm - ∞(T端) 最大撮影倍率 0.12倍 外形寸法:最大径×長さ(約)
ø92.6mm × 116mm(W端)
ø92.6mm x 145.5mm(T端) 質量(約) 875g フィルターサイズ ø77mm
外形寸法:先端よりマウント基準面まで
質量:レンズキャップ・フード含まず
全域で単焦点並みの解像力を持つズームレンズ
GF32-64mmF4 R LM WRの最大の特長と言っても良いのが「単焦点並みの解像力を持つ」ということです。当初、取り回しが便利でズームレンズである以上、画質は単焦点レンズと比較して妥協せざるを得ないと考えていました。しかし、良い意味で裏切ってくれる素晴らしい結果を得ることができました。
下の作例をご覧下さい。ワイド端32mm、絞り開放F4で撮影しています。雨上がりの八甲田の森の静けさの中、手前の水たまりの柔らかいボケ、そしてブナの木々にピントがしっかりと合い幻想的な雰囲気を表現することができました。
■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:焦点距離32mm F4 1/60秒 ISO800
また、階調が豊かなことも相まってヌケの良い空気感のある仕上がりとなっています。冒頭に述べたようにズームレンズとは思えぬ解像力です。この他に最も注目すべきは、「収差」がほとんど感じられないという点です。収差にも「色収差」「歪曲収差」「球面収差」などあります。この様な状況下では、周辺部分に各収差が出ますがほとんど感じることができません。まさに、単焦点レンズに匹敵するズームレンズと言っても過言ではありません。
耐逆光性能
私のように風景撮影がメインになる方は、耐逆光性能も気になるところではないでしょうか?逆光で撮影をする上で気を付けることとして、「フリンジ」「フレア」「ゴースト」が挙げられます。作例をご覧ください。狙いとしては、冬期で凍りつく湖に立つ1本木の枝の影を雪面に写し込むことです。この狙い通りに撮影するためには、太陽に向かって真正面に撮影しなければなりません。この場合、木々の枝部分と空の白い部分の境目に「フリンジ」、そして「フレア」「ゴースト」のオンパレードになることが想定されます。これらが出ないように気を付けて撮影していることを前提としていますが、作例を見る限り皆無です。
■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:焦点距離32mm F22 1/125秒 ISO320
信頼できる防塵防滴構造
この話をする前に私の撮影フィールドである青森県について紹介したいと思います。私は、2016年に仕事で訪れるようになった青森の風景に魅了され写真を撮るようになりました。今もそうですが、埼玉県在住なのに青森県以外の撮影地では全然スイッチが入らず、青森県でしか風景を撮影していません。「奥入瀬渓流」「十和田湖」など美しい景勝地がありますが、なぜ青森県かと問われれば「自然環境の厳しさ」と答えると思います。太平洋と日本海に囲まれ強風の日が多く、一年の半分を雪で覆われます。特に冬期の八甲田山での撮影においては、-10~15℃で且つ暴風雪という天候続きで快晴と言う日が殆どありません。このような青森が持つ風土、自然環境を象徴とした厳しい環境の中に微かに存在する美しい情景に魅了されています。
前置きが長くなりました。私は、この様な自然環境の厳しい土地だからこそ風景写真家にとってチャンスと捉えています。チャンスを活かしきるためには「信頼できる防塵防滴構造」を備えているカメラとレンズを持つことが必然となった訳です。その様な状況下で撮影した作例を2枚ご紹介します。
■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:焦点距離43mm F22 0.6秒 ISO100
強風の吹く荒波が立つ日の夕暮れです。青森を象徴とするような風景です。狙いとしては、巨岩を背にして手前にある岩礁に打ち砕かれた波しぶきを写し込み躍動感のある動的写真を撮ることです。夕暮れ時の短時間でこの狙いを表現するには「シャッタースピード」と「タイミング」が重要です。シャッタースピードに関しては、今までの経験から予測はつきました。ただし、タイミングに関しては待つしかありません。案の定、そう簡単には絶好のタイミングはやってきてはくれません。カメラもレンズも海水をかぶってしまいましたが、何も無かったかのように快適に作動し続けてくれました。
■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:焦点距離45mm F8 1/680秒 ISO100
続いて八甲田山の樹氷です。こちらも青森を象徴とする風景です。狙いとしては、曇天の中に時に恐怖感を感じるくらいの巨大なモンスターを撮ることです。撮影当日は、気温-13℃・暴風雪という荒れた天候でした。一瞬だけ風と雪が止まり狙っていた光景が目の前に飛び込んできました。前述した通りですが、この様なタイミングにすぐに出会うことはありません。どれほど待ったか記憶が定かではありませんが、一瞬のタイミングを逃すことなく普段通りに作動してくれました。GF32-64mmF4 R LM WRは、防塵・防滴に加えてメーカー公表値である-10℃の耐低温性能もしっかりと発揮してくれる信頼できる一本であることは間違いありません。
暗所もしっかりと解像するGFレンズ
私は、しばしば主役となる被写体を暗闇から浮かび上がるような風景を撮影します。この場合は、測光モードを「スポット」にします。このスポットとは、画面中央部約2%部分の露出が最適になるように測光するものです。この特性を利用して、輝度の最も高いところに測光ポイントを合わせて適正露出として撮影しています。これに伴い、もともと暗部だった部分が自ずと暗くなっていきます。注目すべきは暗部が黒つぶれしていないことです。理由は2つあると思います。
①私が使用しているGFX 50SとGFX100Sのラージフォーマットの恩恵であるダイナミックレンジが広いことで明暗差に強い。
②フジノンレンズの光学技術を駆使した大型センサーのポテンシャルを最大限生かす高精度・高解像度GFレンズの性能。
以上の特性を生かして撮影した作例を2枚ご紹介していきます。
■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:焦点距離35mm F13 1/13秒 ISO100
先ほどご紹介した撮影方法で水辺に佇む枯木と若木を撮影しました。暗部がより黒く引き締まったことで、朽ち果てた枯木と若葉を身にまとった若木が印象的になりました。撮影している時にヒストグラムを見ながら黒つぶれをしていないことを確認できていますので安心してシャッターを切っています。
■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:焦点距離47mm F16 1/4秒 ISO100
次に同じ撮影方法で撮影した青森県十和田市「蔦沼」の新緑リフレクションをご紹介します。蔦沼と言えば紅葉の時期に朝焼け時に現れる真っ赤なリフレクションを想像することと思います。紅葉の時期に訪れることも良いのですが、新緑の時期にこそ訪れてほしい場所です。なぜなら、新緑の時期は人影も少なく時間帯によって一人でこの贅沢なひと時を楽しめるからなんです。この作例を撮影した日も私一人でじっくりと水鏡が現れるのを待ち、先ほどと同じ方法で撮影しています。こちらも暗部がより黒く引き締まり幻想的な蔦沼を表現することができました。
いかがですか?ご紹介した2枚の作例も全撮影領域で単焦点並みの解像力を維持して、収差を抑え込むことで、1億画素のポテンシャルをフルに発揮する前提で設計されているGF32-64mmF4 R LM WRなくして語ることはできません。
まとめ
GF32-64mmF4 R LM WRは、私がGFX 50Sを使い始めた時にはGFレンズで唯一のズームレンズでした。風景写真をメインに撮影している私にとって、天候によってはレンズの交換もままならない時もあります。そんな時に広角域から標準域まで使いやすい画角を網羅している標準ズームレンズである本レンズは頼もしい存在です。そして、私が今まで使用してきたズームレンズの中で最もシャープな描写力があると実感しています。これに加えてリニアモーターの駆動で速いAFも魅力的です。
本レンズが登場した時に1億画素のポテンシャルをフルに発揮する前提で設計されているとメーカー発表がありました。現在、GFX100Sを使用していますが、まさにその通りだと実感しています。GFXシリーズの購入を検討されている方の最初の1本にGF32-64mmF4 R LM WRは最適です。
■写真家:八島和浩
1979年福島県生まれ、埼玉県在住。2016年より仕事で訪れるようになった青森県の情景に魅了され独学で写真を始める。主に青森の風景を撮影している。
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EXCERPT:
写真家の八島和浩さんがGF32-64mmF4 R LM WRのレビューをしています。雄大な青森の自然を写した作品と共にぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム(Fujifilm) レンズ,レビュー,風景,ズームレンズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: カメラと歩んだ30年。新作写真展に寄せて|テラウチマサト
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CATEGORY: テラウチマサト
DATE: 08/25/2021 16:00:00
TAGS: 写真展情報,京橋
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独立30周年の記念写真展を開催
1991年、私は写真家として独立し、会社を立ち上げ、写真雑誌「PHaT PHOTO」の創刊、雑誌と並走した「PHaT PHOTO写真教室」や参加型写真展「御苗場」の主宰、写真を軸にした地域創生事業など、写真家にとどまらない様々な活動をしてきました。
今年、独立30周年を迎えます。そこで2021年9月に30周年記念の写真展を開催することになり、ここ最近に撮った新作『LETTERS 一緒に見た富士山』を発表します。
私のアトリエは河口湖にあるのですが、コロナ禍になるまでは東京、そして国内外を行き来して、仕事や作品撮影に出かける毎日を過ごしていました。ところが2020年からは新型コロナの影響で河口湖で過ごす時間が増え、以前から取り組んでいた富士山の作品を撮る時間が増えました。今回の写真展は、この1年半で撮った作品がほとんどになります。
TPOに合わせて選ぶ、カメラ
写真展などで在廊していると、「カメラは何を使っていますか?」と聞かれることが多いのですが、いつも答えに困ります。なぜなら、私が使用しているカメラはすべてのカメラメーカーのカメラですから(笑)。
写真家を始めた当初のフィルム時代は、キヤノンのカメラで撮影することが多かったのですが、それはフィルムを入れ替えて、その時々に色合いが変えられていたからです。富士フイルムのベルビアやプロビア、コダックのコダクロームなど、撮る被写体によってフィルムを目的ごとに変えて使っていました。デジタルになってからは、フィルムではなくカメラのメーカーごとに、それぞれの特徴的な色合いが出るようになり、カメラ自体も目的に応じて変えるようになりました。
この被写体を撮るときはこのカメラ、このシーンではこのカメラというように、カメラを変えています。もちろん、ひとつのカメラで撮影して、後でイメージに近い色合いに変えるというやり方もありますが、私はできる限りその場で感じた色を、その場で再現したいと思っています。
ふだんTPOによって洋服を変えたりするでしょう。八百屋にわざわざスポーツカーで行く人も少ないと思います。カメラも場所や被写体に合うもので撮影したい。だから私は、コンパクトカメラから一眼レフまで、様々なメーカーの様々なカメラを使うようにしています。
見ているけど、良さに気付かないでいる富士山に光をあてて輝かせる!
ここからは、9月の展覧会で発表する新作の一部をご紹介したいと思います。
私は普段アトリエがある山梨県側から富士山を撮影しているのですが、この写真は静岡県側から撮影した富士山の写真です。山宮浅間神社と言って、石と木だけがある、社殿がないことで知られる神社。富士山そのものを神として拝む神社です。日本武尊が東国遠征に出る途中で攻撃に遭い、この地で富士の神を祈念して無事に全うしたといういわれもある場所。古来の富士信仰を表現しようと、三が日、神域に入らせていただき写した1枚です。
■撮影機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:F11 1/4000秒 ISO800 露出補正-2.3
今回の写真展タイトルには、『一緒に見た富士山』というサブタイトルを入れました。その言葉に込めた意味は、いつも私や地元の人が見ている〝普段着の富士山〟を写した作品だから。パーティ衣装を着た富士山ではなく、江戸時代から庶民が見ていた普段着の富士山。家族や友人と何気ない日常で一緒に見たい富士山の姿を知ってもらいたかったのです。それは化粧っけなしの素の美しい富士山です。
■撮影機材:SONY α1(ILCE-1)+ FE 24-70mm F2.8 GM
■撮影環境:F8 1/200秒 ISO100
■撮影機材:SONY α1(ILCE-1)+ FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F16 1/80秒 ISO100
■撮影機材:NIKON D5 + AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
■撮影環境:F5.6 1/8000秒 ISO3200 露出補正-0.3
河口湖に来る人は、富士山が見えないと残念がりますが、本当は残念がる必要はありません。河口湖だけでも美しいので、そこも見てほしい。風景を見つけ出すとき、定番の富士山を撮って喜んでいては物足りない。みんなが見つけ出せないものを見つけ出すのが写真家の仕事だと思うから。次の写真は、本当は左のほうに富士山が見えているのですが、河口湖がとても美しかったので、富士山はすそ野だけ少し入れて、メインで入れるのをやめました。
■撮影機材:Canon EOS 60D + TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3
■撮影環境:F11 1/250秒 ISO640
富士山は雲と一緒に撮影されることも多いのですが、この写真は少し変わっていて、羊毛みたいにくるくるしているでしょう。もしかしたらよく見られる雲なのかもしれないけれど、雲のかかり方が珍しくて、羊になった富士山と思って撮影しました。
■撮影機材:Canon EOS 60D + TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3
■撮影環境:F8 1/5000秒 ISO800
初夢で見ると縁起の良いものとして「一富士二鷹三茄子」ということわざがありますが、これは富士山と鳥が写っている写真です。鷹だといいのですが、大鷲の可能性もありますね(笑)。縁起がいいなと思って写した2020年のお正月の写真です。
■撮影機材:Canon EOS 60D + TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3
■撮影環境:F5 1/8000秒 ISO1600 露出補正+0.7
次の写真は、「富士山と花」を撮るときに、ありきたりにならないためにどう撮るかと試行錯誤した中の1枚。「イルミネーション富士」というシリーズです。クリップオンストロボでわざと花に強い光を当てて飛ばし、イルミネーションに囲まれているような富士山を撮影しました。現代風な富士山を狙っています。
■撮影機材:Canon EOS 60D + TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3
■撮影環境:F5.6 1/80秒 ISO2000
誰も考えていなかった視点でものを見る
私が著名人の撮影や風景写真など、どんな写真を撮るときにも心掛けているのは、「これはテラウチさんの撮った写真だね」とわかるような、私なりの写真を撮影するということ。美しい富士山って、季節や天候の条件のいいときにその場にいたら、案外誰でも撮れるものなんです。でも、それだと個性ある作品とはいいがたいですよね。
今はカメラの性能がすごく良くなってきているから、単純にきれいな富士山、誰もが撮りたくなる“見つけやすい富士山”だけ撮っていては作品にはならない。そういう写真は「すごい、きれい」と言われるけど、同時に「私も撮ったことがある」と言われてしまう。五重塔に富士山と満開の桜、それは撮影場所の珍しさや、「絶景写真」という印象だけで終わってしまう、賞味期限の短い写真で終わってしまう、それを避けたいのです。それが富士山など、被写体自体が美しく、誰もが知っているものを撮影するときの難しさだと思います。
私が、「PHaT PHOTO写真教室」のオンライン授業で教える中でよく伝えているのは、「アートの楽しさは、今まで誰もが考えていなかった視点でものを見て、それを提示できる」ということ。言わば「影の部分に光をあてて輝かせる」ということ。今回、そういう思いで見つめた〝普段着の富士山〟の写真作品にチャレンジしてみました。
来場いただき楽しんでもらえたら嬉しいです。
テラウチマサト写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』
2021年9月15日(水)~9月26日(日)
72Gallery(東京都中央区京橋3-6-6エクスアートビル1階)
TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY - We hope this place to be the information podium for all who loves photography. (tip.or.jp)
詳しくはこちらを ご覧ください。
人の心つかむ写真表現 ~ PHaT PHOTOオンライン写真教室 ~
https://www.ppschool.jp/about_phatphotoschool?utm_source=ktmweb&utm_medium=shasha&utm_campaign=ktm2108&utm_id=phatphoto1
■写真家:テラウチマサト
1954年、富山市生まれ。ポートレイト、風景、プロダクトから空間まで、独自の表現手法で常に注目を集める写真家。中でも、ポートレイト作品においてはこれまで6,000人以上の俳優、モデル、タレント、経営者などの著名人を撮影。テラウチにしか撮らせないという声も多い。2012年パリのユネスコ内にあるイルドアクトギャラリーにて、葛飾北斎の浮世絵と共に富士山写真展開催。写真家としてのクリエイティビティを活かした幅広い創作活動を得意とし、2014年10月より富山市政策参与に就任。河口湖 音楽と森の美術館の特別国際学芸員も務める。日本写真家協会会員。
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 70-200mm F2.8 GM OSS
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家のテラウチマサトさんが30周年を記念して行う写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』の紹介と、そこで展示する作品の狙いや視点を紹介しています。
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KEYWORDS:
写真展情報,テラウチマサト,富士山,京橋
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: [申込終了]【セミナー】ソニープロカメラマンセミナー -山田 芳文 氏-|カメラのキタムラ18店舗でライブ中継予定!
BASENAME: 483057022.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 08/26/2021 11:00:00
TAGS: セミナー,ソニー(SONY)ボディー,α7R IV
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BODY:
SONY(ソニー)フルサイズミラーレスカメラ”α7R IV"やFEレンズの魅力を伝えます
~ 本イベントは終了いたしました。沢山のお申込み誠にありがとうございました ~
2021年9月18日(土)にSONY(ソニー)のフルサイズミラーレスカメラ"α"の魅力を伝えるセミナーを開催いたします。新宿 北村写真機店で開催しているセミナーの様子を、一部のカメラのキタムラ店舗にライブ中継で放送いたします。新宿 北村写真機店へお越しいただくことが難しい方でもセミナーをお楽しみ頂けます。
講師にはCP+でのご登壇や、SONYの公式webサイト「α Universe」にて野鳥カメラマンでご紹介されている写真家の山田芳文氏をお招きし、野鳥撮影の際に高画素モデルα7R IVやフラッグシップモデルのα1、G Masterレンズを「なぜ選び、なぜ使用しているのか」という理由を実際に撮影された作例と合わせてご紹介。
イベント終了後には機種の機能などで知りたいことや、ご購入に際してのお悩みなどのご相談もお答えいたします。参加費は無料となっており、既にα9やα7シリーズなどのフルサイズカメラを使用している方、α6600・α6400などのAPS-Cモデルを使用中の方はもちろん、これからソニーのカメラを買おうか検討されている方もぜひお気軽にご参加ください。
概要とお申込み
■開催日時:2021年9月18日(土)【第一部】11:00~12:00【第二部】14:30~15:30
■費用:無料
■場所:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン、ライブ中継先店舗
■定員
□新宿 北村写真機店:各部15名
□ライブ中継先店舗:下記リンク より希望店舗へお問い合わせください。
■お申し込み方法
□新宿 北村写真機店:こちら よりお申込み
□ライブ中継先店舗:下記リンク より希望店舗へお問い合わせください。
■申込み期限:2021年9月15日(木)20:00
ライブ中継先店舗一覧
募集状況やお申込み、ご質問などはお申込み希望店舗へお電話ください。
中継予定店舗
■北海道:札幌/羊ケ丘通り店
■岩手県:盛岡/南店
■山形県:馬見ヶ崎店
■茨城県:神栖店
■埼玉県:幸手/東店
■神奈川県:厚木/林店
■長野県:松本/並柳店
■愛知県:豊川/諏訪店
■愛知県:西尾/シャオ店
■石川県:金沢/浅野本町店
■京都府:四条西院店
■大阪府:豊中店
■岡山県:下中野店
■広島県:尾道店
■山口県:周南店
■香川県:高松南店
■宮崎県:宮崎/中央店
■熊本県:東バイパス中央店
※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。
※ ご予約後、情勢によってセミナー講師の変更やセミナーが中止となる場合もございます。予めご了承ください
講師紹介:山田 芳文 氏 -Yoshifumi Yamada-
写真家。「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。撮った写真はカメラ雑誌やバードウォッチングの専門誌、自然保護団体の会報誌などで発表。ライフワークは鳥がいる風景写真。著書は、『写真は「構図」でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)『野鳥撮影術』(日本カメラ社)、『やまがらちょこちょこ』(文一総合出版)など。最新刊は、『SONY α6600基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)。専門分野 野鳥。
■更新
・2021年9月22日:イベント終了の旨追記しました。
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EXCERPT:
本ソニープロカメラマンセミナーは、北村写真機店及び、各店舗にて無料でご参加いただけます。
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KEYWORDS:
セミナー,ソニー,SONY,α7R IV,山田 芳文,新宿 北村写真機店
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AUTHOR:
TITLE: ペンタックス HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW レビュー|解像力抜群の大口径標準ズームレンズ
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 08/26/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW,スナップ,標準ズーム
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BODY:
はじめに
前モデルsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDMが2007年に発売されてから14年の時が経ち、リニューアルされた大口径標準ズームレンズ「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」がいよいよラインナップに加わります。光学系を刷新した新モデルを手にすると前モデルのどこか一部を改良したという程度ではなく、全く新しいレンズを手にしたことを実感。
筆者が好んで使用する焦点距離が大いに含まれているこのズームレンズで、その魅力と実力をレビューでお届けします。
前モデルとの比較 機能と外観
まず、レンズの名称から新機構を把握することができます。HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW は……
HD=高解像度、高精細度コーティング(HD Coating)
ED=特殊低分散ガラス(Extra-Low Dispersion)
PLM=フォーカス機構を駆動するパルスモーター(Pulse Motor)
AW=防塵・防滴構造(All Weather)
これらが"新世代★(スター)レンズ"に相応しい機構として搭載され、前モデルとは設計もフォーカス駆動も全く異なることがわかります。ちなみに、前モデルはsmc=スーパーマルチコーティング、AL=非球面レンズ、IF=インナーフォーカスシステム、SDM=超音波モーターです。
新モデルの光学設計には、フォーカスレンズ群を小型軽量化し、高い色収差低減効果が得られるEDガラスを1枚、EDガラス非球面レンズを2枚、異常低分散ガラス1枚が採用されています。
レンズ鏡筒は口径に合わせたストレートなデザインになり、重量は約712g。前モデルより147g重く一回り大きくなった印象ですが、ボディ接合部のくびれによってしっかりとホールドでき、Kシリーズのフラッグシップ機であればボディグリップにより撮影時の荷重負担は感じられません。K-3 Mark IIIとのバランスが良くスマートな印象です。
左:新モデル 右:前モデル
前モデルと比較すると全長が1cmほど高い。フィルター径は77mmと変更はない。
新モデルには、AFモードのままでもマニュアルでのピント合わせが可能になるクイックシフト・フォーカス・システム (Quick-Shift Focus System)を採用。それ以外のボタンなどの装備はなくシンプルにとりまわすことができる。
圧倒される解像力の高さ “質”を写す標準ズームレンズ
使ってみて初めに驚いたのが「ここまで写し込むのか」と思うほどの解像力の高さでした。前モデルを使用していたこともあり、その写りから率直に全く新しいレンズを手にしたことを感じられます。
まずは、茂みの葉を平面的に捉えてみましたが一枚一枚が重なる奥行きや葉の葉脈もハッキリとしていて、触れた時の感触までも伝わるようでした。同色系の色味は微細な色の違いにレンズの表現力が出るのですが、一つ一つが異なる絶妙な緑色の再現も”流石PENTAX”と言える写りです。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/200秒 絞りF5.6 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離29mm
■カスタムイメージ:ナチュラル
熱を帯びたペットボトルの汗。水滴には立体感があり、肉眼で見ているような細やかな再現性を得られました。ハイライトの色収差も感じません。日頃目にするものも「ここまで写せる」という革新的な写りです。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/4000秒 絞りF2.8 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm
■カスタムイメージ:ポップチューン
反射する西陽を受けて走る車体の金属質や、建物が密集する中にも建造の一つ一つのテクスチャーには立体感があり、画面右奥の建物までキッチリと描き出され空間にある全てのものが臨場感に溢れています。大口径レンズで初めてPLMが搭載され、AFコンティニュアンスでの撮影時フォーカシングは気づかないくらい静かで滑らか。的確に被写体を捉えストレスのない撮影が楽しめます。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/100秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 焦点距離50mm
■カスタムイメージ:人物
ここまで数枚写しただけでも★(スター)レンズの名に相応しく、自信を持って“質”を写す標準ズームレンズであることが実感できます。
気持ちの良い開放的な広角端16mm
APS-C機の場合、焦点距離18mm(35mm換算28mm)ではパースや奥行きなどダイナミックさに欠けてしまうシーンや、自分が引けない撮影場所は結構あるものです。また、スマホカメラの超広角では広すぎて余分な物が入り込みやすいということもありますが、HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの広角端16mmは35mm換算24.5mmで、肉眼で見るよりも目の前がパッと開けるような開放的な視界に爽快さを感じます。
ガード下からタイミングよく通過する列車をとっさに構えて撮影しました。ここでは、見上げたことによって16mm(24.5mm)によるダイナミックな構図で捉えることができています。ハイライトからシャドーまで明暗のコントラストもバランスの取れた写りです。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/200秒 絞りF8 ISO200 WB白色蛍光灯 露出補正+0.3 焦点距離16mm
■カスタムイメージ:ナチュラル
窓越しに見える夏空の青さを強調するためスポット測光で撮影。空の青さが卓上にも写り込み、静かな雰囲気が出ています。広角で撮ると窓枠などに歪みが生じることが多いですが、レンズによる歪曲収差補正の制度の高さを感じられます。窓越しにも関わらず、駅舎やビル群まで抜群の解像力。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/500秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 露出補正-2.3 焦点距離16mm
■カスタムイメージ:風景
街中での一枚は、パースペクティブを活かした構図でダイナミックに。歩道や狭い路地などでも広さと奥行きの両立を味わえる広角端16mm(24.5mm)の良さがあります。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/13秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離16mm
■カスタムイメージ:人物
庭園の小さな池は18mm(28mm)だと部分的に切られてしまい、スマホカメラだと広さが誇張されすぎてしまいますが、このレンズの広角端16mm(24.5mm)なら自然な画角が活かされるので風景写真でも使いやすい焦点距離です。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/500秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 露出補正-2.3 焦点距離16mm
■カスタムイメージ:風景
1mm違うと画が大きく変わると言われる広角域においては、歪みに対する意識が一段と求められますが、歪曲収差を抑え込みつつ広角レンズらしい特徴が活かされた満足度の高い描写が得られます。16mm(24.5mm)という画角にパンフォーカスの写り。筆者がこのレンズで一番気に入った点です。
最大撮影倍率アップによりボケが美しい
ズーム全域F2.8の開放絞り値に加え、最大撮影倍率が0.21倍から0.24倍にアップしたことでボケ量が大きくなり、小さな被写体もクローズアップすることができます。「マクロレンズを持ち出すほどでもないけど、ちょっと花も小物も撮りたいな。」という欲張りな願望にも応えてくれるのも嬉しいところ。
地面から顔を出す小さい花は背景が近接していることが多いですが、雑草さえも美しいグラデーションとなり主役を引き立ててくれました。草に反射した柔らかい光が玉ボケとなってアクセントに。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/1250秒 絞りF2.8 ISO200 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm
■カスタムイメージ:ポップチューン
ソフトフォーカスを効かせたようにボケ足は柔らかく、花びらがふわっとなびくよう。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/1600秒 絞りF2.8 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm
■カスタムイメージ:ナチュラル
望遠端50mm(35mm換算70.5mm)の最短撮影距離は30cmとなり、テーブルフォトでも活躍します。人工的な光は硬く強く写りがちですが、ボケ量は大きく柔らかく表現できる上、ピント合焦面は質感が際立ちます。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/125秒 絞りF2.8 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm
■カスタムイメージ:人物
また、絞り羽根の形状が多角形のレンズで絞った場合、点光源を撮影すると鋭い光条が発生しますが、本レンズは絞り羽根9枚によって円形絞りを実現。F8.0の撮影でも点光源は多角形にならず円形ボケとなります。
逆光耐性の高さ
HDコーティングにより、従来のマルチコーティングと比較して50%以下まで反射率を低減させたことで、強い逆光下でも大きなゴーストやフレアの発生はありません。その描写からみれば理想的なカラーバランスが得られるという特長も感じられるはず。
西陽に向かって真正面から狙いましたが美しい光条が表現できています。画面をすり抜けていく自転車をピントの迷いもなく的確に捉えてくれました。コントラストの高さも見事です。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/2000秒 絞りF8 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離36mm
■カスタムイメージ:リバーサルフィルム
花びらだけでなく、茎や葉も光を浴びて美しい輪郭を描いています。金属に反射した玉ボケも演出に加わり柔らかい表現に。強い逆光の中に優しさも引き出せる表現力があります。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:SS1/2000秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm
■カスタムイメージ:人物
おわりに
撮影する中で、「建物も撮りたい、夜も撮りたい、逆光でも狙いたい、マクロは持っていないけどここまで寄れるなら一本で済むかも。」と、 “あれもこれも撮りたい”という贅沢な欲求を抱きました。撮影シーンや被写体を選ばす使える頼りがいのあるレンズです。極端に言えばオールマイティーすぎるのですが、これこそが汎用性の高い標準ズームレンズであり、皆さんが求めていた写りなのではないでしょうか。
標準ズームレンズという言葉から想像し得ない表現力はさすがの★(スター)レンズ。写りだけではなく操作がスムーズでストレスを感じないという点でもパフォーマンスの高さに大満足です。今回街中でのスナップ撮影でしたが、風景写真やポートレートでも写りの結果に納得の一本だと言えるでしょう。
■写真家:こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
この記事で紹介した機材 【ペンタックス】HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
商品詳細ページ 【ペンタックス】K-3 Mark III ボディ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんによる、ペンタックス「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」のレビュー記事をお届け。旧モデルとの違いも解説いただきました。
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KEYWORDS:
ペンタックス,標準ズームレンズ,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW,レビュー,スナップ
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XF10-24mmF4 R OIS WR レビュー|旅写真家が選ぶ広角ズームはどれ?
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 三田崇博
DATE: 08/27/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF10-24mmF4 R OIS WR,風景,広角ズーム
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BODY:
はじめに
こんにちは。旅写真家の三田崇博です。今回は2020年11月に発売された富士フイルムの広角ズームレンズ「XF10-24mmF4 R OIS WR」をレビューします。私は長らく前モデルの「XF10-24mmF4 R OIS」を愛用してきました。超広角の10mm(フルサイズ換算15mm)から標準画角の24mm(フルサイズ換算35mm)までをカバーしているので、広角好きの私にとって実は標準レンズ以上に使用頻度の高いレンズになっています。発売されて6年が経過してのリニューアルなので、前モデルとの比較を交えながら進めていきたいと思います。
広角レンズの特徴
広角レンズは単に広い範囲を写すものだと考えている方もおられるかと思いますが、レンズの特性を生かすことによって広角ならではの表現をすることが可能です。広角レンズには近くのものは大きく、遠くのものは小さく写るという特徴があります。当たり前のように思いますがそれが見た目以上に強調され、これを「パース効果」といいます。
まずは見上げるような構図で撮影してみましょう。パース効果によって画面の端に行くほど直線が画面中央部に向けて歪むという特性があります。建築物や人物などを見た目通り写すのには向いていないのですが、逆にその特性を生かして迫力のある作品に仕上げることが可能です。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS
■撮影環境:F4 SS20秒 ISO5000 焦点距離10mm
■撮影地:大台ケ原(奈良県吉野郡)
■撮影機材:FUJIFILM X-T3 + XF10-24mmF4 R OIS
■撮影環境:F9 SS1/7秒 ISO160 焦点距離10mm
■撮影地:伏見稲荷大社(京都府京都市)
またローアングルで撮影をするとよりその効果が強く感じられます。この写真は蓮畑で撮影したものですが、一輪だけ水面に咲く蓮を見つけ水面ギリギリで撮影しています。この位置でカメラを構えるとファインダーを覗くことは困難なので、バリアングルモニターのついているX-T4やX-S10などが便利です。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F22 SS1/38秒 ISO160 焦点距離10mm
■撮影地:藤原京跡(奈良県橿原市)
逆に対象物を画面中央にもっていくようにすると、ほとんど歪みなく撮影することができます。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F10 SS13秒 ISO800 焦点距離12mm
■撮影地:第一突堤(兵庫県神戸市)
また、同じ絞り値の場合、広角になればなるほど被写界深度が深くなり、画面全体にピントが合う(ように見える)という特徴があります。風景などの撮影ではある程度絞り込んで撮影することが多いですが、シャッター速度の稼ぎにくい夜間の手持ち撮影などでは思い切って開放絞り付近で撮影しても、全体にピントの合った写真を撮ることができます。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS
■撮影環境:F4.5 SS1/8秒 ISO2000 焦点距離10mm
■撮影地:長谷寺(奈良県桜井市)
スペック比較
左:XF10-24mmF4 R OIS WR 右:XF10-24mmF4 R OIS
左が新モデル、右が旧モデルです。大きさはほとんど変わらないので、見た目では違いがほとんどわからないほどです。各レンズのスペックは以下のようになります。参考までに、もうひとつの広角ズームレンズであるXF8-16mmF2.8 R LM WRのスペックも載せています。
XF10-24mmF4 R OIS WR(新型) XF10-24mmF4 R OIS(旧型) XF8-16mmF2.8 R LM WR 焦点距離(フルサイズ換算) 15-36mm 15-36mm 12-24mm 重量 385g 410g 805g 最短撮影距離 24cm 24cm 25cm 開放F値 F4 F4 F2.8 手ブレ補正 3.5段 2.5段 非搭載 フィルターサイズ 72mm 72mm 装着不可 絞り羽 7枚 7枚 9枚 防塵防滴 あり なし あり 発売時期 2020.11 2014.3 2018.11
そして、リニューアルされたXF10-24mmF4 R OIS WRは以下のように進化しています。
①軽量化
重量が410gから385gに軽量化。微々たるものと思われるかもしれませんが、光学系をそのままに軽量化できたのはすごいことだと思います。旅先での荷物は1gでも軽いに越したことはありません。
②防塵防滴耐低温化
私にとっては一番歓迎するべき進化点です。ボディは防塵防滴構造なのにレンズがそうでなければ雨の日の撮影を安心して行うことはできません。
③手ブレ補正の進化
レンズ単体での手ブレ補正は2.5段から3.5段に進化しています。ボディ内手ブレ補正を搭載している機種では進化の恩恵は少ないですが、X-T4との組み合わせでは6.5段もの補正効果となります。
④絞りリング付近の変更
進化というより変更といったほうがいいかもしれませんが、絞りオートの切り替えスイッチがなくなりリングを回すことで「A(オート)」ポジションに変わる機構になりました。私はあまり絞りオートは使わないのですが、前モデルで時々絞りリングを回しているときに、指が触れて勝手にオートになっていることがあったので使い勝手は良くなったと思います。また、目盛りがついてファインダーを見なくても目視で絞り値が確認できるのも地味に便利です。
光学系の変更はないので写りに関しては同じと考えていいと思います。私がこのレンズを使い始めて特に気に入ったのは光条(太陽など強い光源を撮ったときに現れる光の筋)が綺麗なところです。このレンズは7枚絞りを採用しているので、絞り込んで撮影したときには光源から14本の光の筋が出ます。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F22 SS1/38秒 ISO160 焦点距離10mm
■撮影地:林崎ひまわり畑(兵庫県佐用郡)
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F16 SS3.1秒 ISO1000 焦点距離10mm
■撮影地:第一突堤(兵庫県神戸市)
フィルターを使って表現の幅を広げよう
XF10-24mmF4 R OIS WRはワイド側が超広角の10mm始まりながら、特殊な器具を使うことなくフィルターを装着することが可能です。72mm径のフィルターに対応(角型フィルターの場合は100mm幅に対応)しているので、比較的安価にフィルターワークを楽しむことができます。
私が普段よく使うフィルターです。上段は角型のハーフNDフィルターで半分だけに減光効果があります。左からソフト(グラデーションがゆるやか)、ハード(グラデーションがはっきりしている)、リバース(上部にいくほどND効果が薄くなる)などのタイプをシーンにより使い分けしています。また、水面の反射や空の青みを増すためのPLフィルター(左下)、滝などの撮影に重宝する可変式のNDフィルター(右下)をよく使います。
本レンズはダイナミックに空を入れて撮影することが多いため、特にハーフNDフィルターの使用頻度がとても高いです。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F11 SS1.5秒 ISO160 焦点距離11mm
■新海浜水泳場付近(滋賀県彦根市)
※ハーフNDフィルター(ハード)使用
XF10-24mmF4 R OIS WRの作例
ではこのレンズで撮影した作例を紹介いたします。地元奈良を中心に撮影しています。
①平城京(奈良県奈良市)
まずは地元奈良の世界遺産である平城京の大極殿です。家から車で30分程度なのでよく行く場所なのですが、梅雨時期の天気の安定しない時期には夕暮れに空が大焼けすることがあります。そんなときは超広角で空を思いっきり入れて撮りたいものです。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F10 SS1/7秒 ISO160 焦点距離10mm
建物を主役にしたいときには、24mmにするとパース効果もほとんどなくなり標準レンズ同様の使い方ができます。(写真は朱雀門)
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F11 SS3.7秒 ISO160 焦点距離24mm
②藤原京跡(奈良県橿原市)
四季折々の花が咲くことで知られている藤原京跡。もともとは日本で初めての本格的な都が造成された地です。夏には蓮が咲き誇ります。太陽の光条を出すためにF20に絞って撮影していると、偶然飛んできた蜂がワンポイントのアクセントになりました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F20 SS1/280秒 ISO200 焦点距離10mm
ちょうど同じ時期にキバナコスモスも咲いていたので日没直後の夕焼け空と一緒に撮影しました。ハーフNDフィルターを使用したので花も黒つぶれすることなく撮影することができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F8 SS2秒 ISO160 焦点距離13mm
※ハーフNDフィルター使用
③佐用町のひまわり畑(兵庫県佐用町)
兵庫県西部にある関西を代表するひまわり畑です。午後に嵐のような雨が降り夕方は撮影できないと諦めかけていたのですが、最後に太陽が顔を出してくれました。おかげで誰もいないひまわり畑を独占して撮影することができました。空の白とびを抑えるためにハーフNDフィルターを使用しました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F8 SS1/6秒 ISO160 焦点距離11mm
※ハーフNDフィルター使用
思いっきり寄っての撮影もしました。太陽の光の一部を遮ることで光条を綺麗に出すことができます。手持ちで微妙に位置を変えながら何枚も撮影しました。このような場面では強力な手ブレ補正がついているのはありがたいです。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F18 SS1/25秒 ISO160 焦点距離15mm
④飛龍の滝(兵庫県佐用町)
ひまわり畑から近いところにある高さ20mの滝です。滝はなるべく近くでダイナミックに撮りたいものです。広角レンズは横位置で使いがちですが縦位置にすることでイメージががらりと変わることがあります。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F13 SS2秒 ISO160 焦点距離14mm
※NDフィルター使用
⑤世界遺産白川郷合掌造り(岐阜県白川村)
合掌造りで有名な白川郷ですが四季折々の風景が楽しめる場所でもあります。花が咲き青空とのコントラスがきれいな8月に訪れました。暑さのためか、ひまわりも元気なさげでしたが一本綺麗に咲いていたのでぐっと近づいて撮影しました。かなり近づいても背景を広く入れることができるのもこのレンズの特徴です。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F9 SS1/160秒 ISO160 焦点距離10mm
※PLフィルター使用
ため池があったので映り込みを狙いました。このようなシーンでは超広角レンズの威力が発揮されますね。このような構図の写真は隅々まで目がいってしまいますが、周辺部の画質劣化も少なく気にならないレベルです。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F9 SS1/125秒 ISO200 焦点距離10mm
※PLフィルター+ハーフNDフィルター使用
⑥名もなき池(岐阜県関市)
ここ数年で有名になった通称「モネの池」です。普段は観光客も多く、人が写り込まないカットはなかなか撮れないのですがこの日は雨模様で人も少なかったのがラッキーでした。雨に濡れながらの撮影でしたがボディ・レンズ共に防塵防滴対応だったので安心して撮影することができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F8 SS1/40秒 ISO640 焦点距離14mm
※PLフィルター使用
⑦円原川(岐阜県山県市)
川霧と光芒で有名な場所です。あいにく、昨年の大雨により治山工事が行われていたため途中までしか行くことができませんでした。川に入っての撮影でしたが夏にもかかわらず水はとても冷たかったです。水面ギリギリに置いて動画も撮影してみました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F11 SS1秒 ISO80 焦点距離10mm
※NDフィルター使用
VIDEO
まとめ
富士フイルムにはもうひとつの広角ズームレンズであるXF8-16mmF2.8 R LM WRがあります。Xシリーズの広角ズームレンズを選ぶ場合は現在この2択になります。XF8-16mmF2.8 R LM WRの広角側2mmの画角の違いは思った以上に広く感じます。また、F2.8の明るさは星空を撮る場合には魅力的です。
ただ重量、価格を考えると最初に買う広角レンズとしてはXF10-24mmF4 R OIS WRがおすすめです。特に、標準レンズにXF16-80mmF4 R OIS WRを使っている人はフィルター径が同じなのでフィルターを共用できるというメリットもあります。前モデルから光学性能は変わらないものの使い勝手は大きく向上しており、広角好きなら持っていて損はないレンズです。さらに予算が許せば、表現の幅が広がるXF8-16mmF2.8 R LM WRもチェックしてみてください。
■写真家:三田崇博
1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。
日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
旅写真家の三田崇博さんによる、富士フイルム「XF10-24mmF4 R OIS WR」のレビュー記事をお届け。前モデルから使い勝手を進化させた広角ズームレンズの写りをご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,広角ズームレンズ,XF10-24mmF4 R OIS WR,レビュー,風景
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AUTHOR:
TITLE: ペンタックス HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW レビュー|三井公一
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 08/28/2021 11:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW,スナップ,標準ズーム
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BODY:
理想の画質を追求した待望の★(スター)レンズがついに登場
優れた画質と操作性で大人気のAPS-C一眼レフ、ペンタックス「K-3 Mark III」。それに相応しい標準ズームレンズがいよいよ登場です。この「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」は★(スター)レンズの名に相応しいスペックと描写性能を備えた、高級感あふれる明るく素晴らしいレンズに仕上がっていました。
このレンズをK-3 Mark IIIに装着すれば、約24mm〜約75mm相当の標準ズームレンズとなり、風景やスナップ、ポートレートなど幅広い被写体を高画質で撮影できるようになります。最新ボディにオススメのレンズと言えるでしょう。
スペックと特徴
さっそくですが「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」のスペックと特徴を見てみましょう。
・焦点距離 16-50mm 35ミリ判換算値 24.5-76.5mm相当(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
・開放絞り値 F2.8
・最小絞り F22
・レンズ構成 10群16枚
・画角(対角) 83-31.5°(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
・最短撮影距離 0.3m
・最大撮影倍率 0.24倍
・絞り羽根枚数 9枚 円形絞り (16mm:F2.8-5.6, 50mm:F2.8-8)
・フィルター径 77mm
・最大径 x 長さ 約84mm x 約117 mm
・質量(重さ) 約712g(フード付:約750g)
・防塵防滴 あり
・付属品 レンズフード PH-RBN77、レンズキャップ O-LC77 、レンズケース S120-150
このレンズの特徴は、画質を追求した「★(スター)レンズ」であるということです。将来的な画質向上も見越した設計を施されており、最上級の写りを長く楽しめるようになっています。最新の光学設計を採用することで、コントラストと解像力の劇的な進化を実現。あらゆる収差を極限まで抑制して、画面の中心部はもちろん、周辺部においてもクリアかつシャープな写りを堪能できるようになっています。
レンズ構成はEDガラスを1枚、EDガラス非球面レンズを2枚、異常低分散ガラスを1枚採用。ズーム全域での色収差を効果的に抑えているとのことです。
光学系は駆動させるフォーカスレンズ群を小型軽量化し、最新のPLM(Pulse Motor)を搭載することによって、フォーカシングの高速化と静粛性を達成しています。実際にK-3 Mark IIIに装着してシャッターを切れば、その実力をワンショット目に体感できるはずでしょう。
また、従来のマルチコーティングと比較して50%以下まで反射率を低減した「HDコーティング」を採用し、ヌケ感の高い画質を実現しています。さらに最前面のレンズには「SPコーティング」を施して、高い撥水性と撥油性を持たせています。これによって水滴やダストが付着しにくいだけでなく、万が一の場合でも簡単に除去できるようになっているのがうれしいところです。
そして撮影フィールドをグンと広げてくれる、防塵防滴構造の「AW(All Weather)」仕様が安心感を高めてくれます。K-3 Mark IIIとの組み合わせなら過酷な環境下でも撮影を遂行できることでしょう。
充実と納得の操作性
HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWは操作感も素晴らしくなっています。まずは「クイックシフト・フォーカス・システム」でしょう。オートフォーカスからマニュアルフォーカスへと瞬時に移行できるので、微妙なピント調整がしやすくなっています。絞り開放域やクローズアップ撮影にごくわずかにピント位置を変えたい場合に重宝するに違いありません。スイッチの切り替えがいらないので実に使いやすいと思います。
また最短撮影距離が0.3mなので、被写体に肉薄して撮影することが可能です。F2.8という開放絞りでシャッターを切ると極上なボケを堪能できます。このレンズを装着しておけば、いざという時にググッとマクロ的なカットを撮ることができるので便利ですね。
レンズフード「PH-RBN77」はPLフィルターを回しやすくする操作窓が設けられているので、風景撮影での操作性が高くなっています。このような細かい配所が実にペンタックスらしいところだと感じます。またレンズのバランスもよく、K-3 Mark IIIとのマッチングが良好です。どんな被写体でも確実に狙うことが可能でしょう。
K-3 Mark IIIで実写!
HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの絞り開放でのボケ感は極上です。公園に設置された「じてんしゃはおりてください」という標識を撮りましたが、背景のスムーズなボケ味は実にいい感じです。自然で優しくとろけていく描写はポートレート撮影でも活躍することでしょう。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/100秒 F2.8 ISO400 露出補正-1.0 焦点距離50mm
HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWをK-3 Mark IIIに装着してブラブラと歩きながら興味あるシーンをキャプチャーしましたが、合焦スピードが高速なので、感じた瞬間にシャッターを切るかのような撮影が可能でした。また、このレンズのヌケ感はさすが★(スター)レンズという印象で、実にクリアな印象を受けました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/320秒 F6.3 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離24mm
最短撮影距離0.3mというのはHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの大きな武器でしょう。雨上がりの公園で葉の先端についた水滴を発見。ピントリングを最短撮影距離にして、K-3 Mark IIIを手に接近して撮影したカットです。大きく豊かなボケを得ることができましたが、イヤな収差もありません。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/125秒 F2.8 ISO200 露出補正+1.0 焦点距離50mm
今度は「北村写真機店」のペットボトル入りの水をベンチに置いて撮ってみました。絞りF2.8開放ですが、ピント面は実に解像感が高くシャープな描写です。それでいて背景の美しいボケ感が堪らないですね!木漏れ日の印象を昇華してくれました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/200秒 F2.8 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離50mm
成長を続ける稲穂をF2.8テレ端で撮りました。後ボケはもちろん前ボケも美しいですね。グリーンの発色も素晴らしく、コントラストも良好です。風景撮影からスナップ、ポートレートまで大いに活躍するレンズなのではないでしょうか。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/1000秒 F2.8 ISO200 露出補正±0 焦点距離50mm
木々から差す太陽をフレームに入れてみましたが、その光芒が実にいい感じです。フレアやゴーストの発生も見られず、大変優秀なレンズであることがわかります。コントラストもしっかりとしており、ディテールもバツグンですね。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/250秒 F7.1 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離16mm
この日は天気雨でした。青空にもかかわらず雨粒がどこからともなくポツポツと降り続いていました。それでもHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWなら安心です。防塵防滴のタフネスさとSPコーティングなので鬼に金棒ですね。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/100秒 F2.8 ISO1600 露出補正-0.3 焦点距離50mm
HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWはK-3 Mark IIIに装着すると35ミリ判換算値 24.5-76.5mm相当となります。広角域から中望遠域をF2.8という明るさでカバーできるので、日常的に使いやすいズームレンズだと言えるでしょう。写りもご覧のとおり深い色合いとゴージャスなボケ感を味わえます。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/8000秒 F2.8 ISO1000 露出補正-0.3 焦点距離50mm
ズームリングも扱いやすく、ピントも「クイックシフト・フォーカス・システム」対応で実に合わせやすくなっています。オートフォーカスも高速で正確、かつとても静かです。メタリックなバルーンを撮りましたがその質感をしっかりと描写してくれました。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/320秒 F4 ISO200 露出補正±0 焦点距離50mm
F8まで絞れば解像力も高く、近景から遠景までメリハリがあり、印象深い写真を手にすることが可能です。日常に、旅に、これ1本で幅広く被写体を鮮明に残せることでしょう。
■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:1/500秒 F8 ISO200 露出補正+0.7 焦点距離16mm
まとめ
HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWは★(スター)レンズの名に相応しい高次元な描写力を持つレンズだという印象を受けました。操作性も高く、撮影者の意図通りに被写体を捉えてくれました。さらに、防塵防滴性能などタフネスさも備え、全方位的に隙のない高級な標準ズームレンズだと言えるでしょう。ペンタックスユーザーなら一度は試さずにいられないレンズに仕上がっていますね。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
こちらの記事でも紹介中
■ペンタックス HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW レビュー|解像力抜群の大口径標準ズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/483062236.html
この記事で紹介した機材 【ペンタックス】HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
商品詳細ページ 【ペンタックス】K-3 Mark III ボディ
商品詳細ページ
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写真家の三井公一さんによる、ペンタックス「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」のレビュー記事をお届け。スターレンズに相応しい抜群の解像力をご覧ください。
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ペンタックス,標準ズームレンズ,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW,レビュー,スナップ
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ペンタックス HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW レビュー|コムロミホ
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CATEGORY: コムロミホ
DATE: 08/29/2021 10:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW,標準ズーム,スナップ
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はじめに
ペンタックスからついにAPS-C用大口径ズームレンズ、HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWが発売となった。2007年に登場したsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDMから14年ぶりのリニューアルということもあり、待ちに待ったという方も多いのではないだろうか。今回はK-3 Mark IIIと共に、本レンズの魅力や使いこなしをご紹介していきたい。
★(スター)レンズは、ズーム全域において、諸収差を抑え、画像中央から周辺部分まで安定した画質を得ることができる。また、絞り開放から抜けの良いシャープな描写を楽しめるのも特徴だ。旧レンズであるsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDMも★レンズということもあり、その当時の技術を集結し開発されたレンズになる。2007年の登場から、長く愛用しているという方も多いだろう。14年の歳月を経て、どのように進化したのか楽しみだ。
今回、新たに登場したHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWがこれからの世代のAPS-C用大口径ズームレンズになる。K-3 Mark IIIだけでなく、今後登場するAPS-C一眼レフでも十分な画質を得られるようにと、未来を見据えたレンズ設計になっている。
旧レンズとの比較
まず、旧型と新型で外観を比較していきたい。旧型が長さ98.5mm、重さ565gに対して、新型が長さ117mm、712gになる。新型の方が大きく、重くずっしりとした印象だ。フィルター径は両方とも77mmと共通で、旧型に使用していたフィルターをそのまま使用できるのは嬉しい。そして、フードを付けたままでもC-PLフィルターが使用しやすいように、フードの一部分が取り外せるようになっている。
また、レンズ名の最後にあるAWはAll Weatherの略になる。9つのシーリングを施し、防塵・防滴構造を採用。-10℃から40℃の撮影環境に対応し、どんな天気でも、どんな状況下でもフィールド撮影を楽しめるようになっている。
次に旧型と新型で画質の比較を行いたい。絞り開放がレンズの個性が出やすいので、開放F値のF2.8で広角端と望遠端で撮影を行い、画像の中央部分と周辺部分をそれぞれ比較していく。下記のように建物などディデールが細かい高周波な被写体が解像感を比較するのに適している。
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
まずは広角側の周辺部分からだ。下の写真は上の写真の右上の部分を拡大したものだ。旧レンズと比べてみると、新レンズの方が明らかにクリアでコントラストが高い。絞り開放で撮影しているため、まったく収差がないというわけではないが、比較してみると、圧倒的に収差が抑えられているのがわかる。旧レンズは中央部分から周辺部分にかけて、コントラストが徐々に下がり、解像感も低くなっている。
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
次に中央部分だが、赤い枠の中で比較をしていきたいと思う。比較してみると、大きな差がないが、新レンズの方がクリアでコントラストが高く、細かな線まで描写している。
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
そして、望遠側も同じように周辺と中央の画質を確認していきたい。同じようにF2.8で撮影した写真で比較していく。
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
望遠側は圧倒的な違いを確認することができた。旧レンズの周辺は収差により、ぼやけたように写り、中央部分においても、やや解像感がない印象だ。それに対して、新レンズは中央部分から周辺部分まで安定した画質を得ることができ、全体的にクリアな印象を受ける。今回比較してわかったのは、新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの抜けの良さだ。被写体をディテールを細かく描写してくれるだけでなく、クリアで抜けのよい描写を楽しめる。F2.8通しのズームレンズということもあり、絞って使用するというよりは開放F2.8から撮影をしたいという方の方が多いだろう。F2.8ならではのボケと、絞り開放から、広角端から望遠端まで安定した画質を得られるため、撮影の幅が広がりそうだ。
こうして比較してみたが、旧レンズのsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDMが悪いレンズというわけではない。撮影者の意図や撮影する被写体によって、いいレンズの定義が変わると考えている。旧レンズは癖はあるが、F2.8ではシャープさやコントラストがない分、やわらかな印象になり、F5.6くらいまで絞ると周辺までシャープに表現できる。その癖をデメリットと感じるのか、作品の味付けとして楽しむのかは撮影者次第だ。
ただ、新レンズと旧レンズのF5.6に絞った画像で比較してみると、やはり新レンズの方が線を細く描写し、クリアで抜けのよい印象を受ける。その描写力の違いに14年間の技術の進化が現れている。風景やスナップなど、被写体の質感をより豊かに表現するなら、新レンズの方が相性が良さそうだ。私のYouTubeチャンネルでは新レンズの使いこなしとして、広角端、望遠端の美味しいF値をご紹介しているので、ぜひチェックしてもらいたい。どのくらい絞れば、よりシャープな描写を楽しめるのかをご紹介している。
VIDEO
新旧で比較すると、最大撮影倍率にも違いがある。旧レンズは0.21倍に対して、新レンズは0.24倍となる。下の写真は両方とも最短撮影距離で撮影しているが、被写体が写る大きさに違いがある。
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
最大撮影倍率を比較するために撮影した上の写真だが、細部まで見てみると意外な違い出た。ライオンの髭の黒と口の白の境目のあたりに、旧レンズは紫色の線が確認できる。これは軸上色収差で、明るい部分と暗い部分の境目に現れやすい。被写体にはないマゼンタや紫色のようなものが写ってしまう。
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
下の写真は撮影した一部分を拡大したものになるが、逆光のシーンに現れやすい。パープルフリンジが出ると、被写体の色も違って見えてしまうので、要注意だ。新レンズは色収差もなく、被写体本来の色を生かしながら撮影できている。諸収差を抑えるために10群16枚の中に4枚の非球面レンズを採用している。EDガラスレンズを1枚、EDガラス非球面レンズを2枚、異常低分散ガラスを1枚を使用することで、ズーム全域で色収差を抑えている。また、高性能マルチコーティング、HDコーティングを採用することで、逆光撮影時に発生するゴーストやフレアーを最小限に抑えている。
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
そして、撮影していて驚いたのはAF速度だ。旧レンズに比べて、広角側で約2.2倍、望遠側で約1.5倍高速になっている。旧レンズではセットになっていたフォーカシングとズーミングを分けることで、1/3に軽量化。さらにPLM(パルスモーター)で駆動させることで、高速化と静音化を実現している。また、フォーカシングとズーミングを分けることでレンズ設計に自由度が生まれ、より描写力の高いレンズを目指すことができている。
作品と共にレンズの魅力に迫る
ここからは作品と共に、このレンズの魅力をご紹介していきたい。HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWは35mm判換算約24.5mmから76.5mm相当の画角を得ることができる。広角から中望遠までカバーしてくれるため、一本あると便利なズームレンズだ。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/4 1/1600秒 ISO-100 焦点距離16mm
広角側の面白さはその場の広さや広がりを表現するだけでなく、遠近感を生かした写真を楽しめるところだ。手前にある被写体を大きく、遠くにある被写体を小さく写し、遠近を強調することができる。被写体にどのくらい近づくのか、どこに近づくのかで写真の印象が大きく変わるので、いろいろと試してもらいたい。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/4 1/2000秒 ISO-100 焦点距離16mm
下の写真は広角端の16mmで撮影。自分の目の高さ、アイポジションで撮影を行っている。風景の広がりは感じるが、遠近感が活かせていないように感じる。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/7.1 1/800秒 ISO-100 焦点距離16mm
地面すれすれのローポジションで撮影を行った。同じ場所から撮影しているが、低い位置でカメラを構えているため、桟橋だけでなく、手前の砂も一緒にフレーミングできている。手前にあるものに近づけば近づくほど遠近感が強調されるため、上の写真よりも広がりと奥行きを感じる写真に仕上がった。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/2.8 1/5000秒 ISO-100 焦点距離16mm
F2.8と開放F値が明るいため、手前にピントを合わせれば、下の写真のような表現も楽しめる。被写体に近づきながらどこにピントを合わせるのかによって、写真が大きく変わるので、ピントの位置も意識してもらいたい。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/2.8 1/5000秒 ISO-100 焦点距離16mm
近づき方一つで写真が大きく変わるのが広角レンズの面白さだ。一つの被写体に対して、撮影する方向や高さ、距離を変えながらアプローチしてみると、写し方が大きく変わるため、いろんな視点で被写体を見ることが大切だ。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/2.8 1/4000秒 ISO-100 焦点距離16mm
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/2.8 1/4000秒 ISO-100 焦点距離18mm
広角側の16mmでも被写体にぐっと近づいてF2.8で撮影すると、ボケを生かして撮影することができる。背景が近くて、ボケがうるさくなりそうなシーンもとろけるように美しくボケてくれるため、ピントを合わせた草が浮き立って見える。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/2.8 1/3200秒 ISO-100 焦点距離16mm
望遠側でスナップするときに心がけているのは、広角側に比べて写る範囲が狭くなるため、目の前の情景の中で、何を切り取ったらいいのか明確にすること。広い風景の中から一部分だけを切り取ることができるため、見せたい被写体を明確に伝えやすくなる。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/2.8 1/4000秒 ISO-100 焦点距離39mm
ボケを最大限に生かして撮影したい場合は望遠側で撮影するのがおすすめだ。一輪の花にぐっと近づきながら撮影しているが、開放F2.8から高い描写力を得ることができるため、背景のボケの美しさと、ピント面のシャープさを両立することができている。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/4 1/800秒 ISO-100 焦点距離50mm
望遠側で撮影すると、広角側のような遠近感は出なくなるが、圧縮効果により、望遠側ならではの奥行き表現を楽しむことができる。奥にある被写体を引き寄せて撮影できるため、手前の被写体だけでなく、奥の被写体も強調しながら撮影することができる。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/2.8 1/3200秒 ISO-100 焦点距離50mm
縦位置にカメラを構え、手間のパラソルの一部分もフレーミングすることで、ビーチにパラソルがたくさん並んでいるような印象で写真をまとめることができた。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/2.8 1/5000秒 ISO-100 焦点距離50mm
広角側、望遠側だけでなく、35mm判換算35mm相当や50mm相当の撮影も楽しめるのが標準ズームレンズのメリットだ。被写体やシーンに合わせて、ズームしながら撮影してもらいたい。
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/7.1 1/500秒 ISO-100 焦点距離26mm
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-100 焦点距離36mm
さいごに
今回はHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの魅力や使いこなしを中心にご紹介したが、14年の歳月を経て、これからの世代の大口径ズームレンズへと生まれ変わっている。大口径標準ズームレンズは、さまざまな表現を楽しめるため、一本あると便利なレンズだ。ぜひ本レンズの魅力を実写しながら味わっていただきたい。
今回の内容はYouTubeチャンネル「カメラのコムロ 」でもご覧いただけます。さらに詳しく使いこなしを紹介しているので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
関連動画
VIDEO
VIDEO
■写真家:コムロミホ
福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。ニコン、パナソニック、オリンパスのカタログ撮影も担当する。ルミックスフォトスクール講師、オリンパスデジタルカレッジ講師、エプソンセミナー講師、ライカやリコーペンタックス、をはじめ多くのメーカーで講師を務める。
■YouTubeチャンネル「カメラのコムロ 」
この記事で紹介した機材 【ペンタックス】HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
商品詳細ページ 【ペンタックス】K-3 Mark III ボディ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のコムロミホさんにペンタックスの「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」をレビューしていただきました。旧レンズとの解像感比較にも注目です。
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KEYWORDS:
リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,レビュー,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 北山輝泰さんテスト
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CATEGORY: 北山輝泰
DATE: 08/30/2021 12:05:55
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テスト
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ソニー α1×木村琢磨|次世代のフラグシップ「THE ONE」
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 08/30/2021 16:00:00
TAGS: α1,ソニー(Sony) ボディー,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
2021年1月27日、ソニーからとんでもないカメラが発表された。
その名は「α1」。
「THE ONE」という称号を与えられたα1はαシリーズの特徴でもある「高解像度のR」「動画・高感度のS」「高速性の9」を一つにまとめたフラグシップモデルだ。ソニーはこのα1で今まで用途に合わせて使い分けていた3機種を一台にまとめてしまったのである。つまり、α1は「高解像度」「高感度」「動画」「高速性」の全てを兼ね備えた次世代フラグシップということだ。
ボディ
実はαシリーズのボディを使うのはα7R II以来で、それ以降はしばらくαシリーズから離れてしまっていた。しかし、α1の発表を見た時に「これは買わなくてはならない」という衝動に駆られた。スチルだけでなくムービーの仕事も同じ割合で増えているため1台で全てが完結するα1は魅力的だった。特に私の場合は高画素、高感度と動画性能が必要となるため仕事カメラとしてはこれ以上無いスペックだ。
他社のフラグシップと比較するとかなりコンパクトに収まっている。私の場合はそのままだと少し指が余るのと、縦位置での撮影も多いためバッテリーグリップVG-C4EMを装着することでちょうどいいバランスになる。VG-C4EMを組み合わせることでバッテリーが2つ搭載できる様になるため長時間の撮影では重宝する。
撮影を楽しむ上で画質以外に重要なのがボディの造りだ。質感は非常に良く、機能盛り沢山なカメラにしては非常にコンパクトに纏まっている。またミラーレスの弱点でもあるセンサーダスト問題も電源OFF時にシャッター幕を降ろすことで軽減している。センサーが剥き出しにならないおかげで日中屋外でのレンズ交換も安心してできる。
電源OFF後しばらくするとシャッター幕が降りてセンサーを保護してくれる。レンズ交換時にセンサーにダストが付着するリスクの軽減と太陽光がダイレクトにセンサーに当たらないので安心感がある。
α1では操作系も細かな改善が施されており上面左手側のドライブモードダイヤルとAFモードダイヤルにロック機構が搭載され撮影中の不用意なモード変更を防止してくれる。どのカメラにも言えることだが、モードダイヤルはカメラバッグから出し入れしているときにモードが知らないうちに変わっていたということもよくあるので嬉しいポイントだ。
軍艦部にモードダイヤルやAFモード、ドライブモードダイヤルなど集約されている。カスタム設定も自由度が高いが、私の場合は初期設定のままでも十分使いやすいので特に変更はしていない。
背面モニターはチルト可動式でありα7S IIIの様なバリアングル方式ではないので好みが分かれるところかもしれない。光軸がズレないためカメラセンターを重要とする建築の撮影などでは、チルト式は重宝するが私の様に縦位置撮影が多かったりローアングル、ハイアングルで撮影することが多いタイプにはバリアングル方式も捨てがたい。チルト可動式の場合、ボディ左側のコネクタ部分と干渉することがないため動画撮影時には重宝する。
チルト可動式なので光軸がズレない。動画撮影時にはボディ左側のコネクタを多用するため干渉しないのは嬉しいポイント。可動式であるためモニターを開いておくことでセンサーの熱を逃すこともできる。
α1はマルチスロットとなっておりSD(UHS-I/II対応)カードとCFexpress Type Aカードと対応している。スチル撮影であればSDカードでも十分足りるが、連写を多用したり4K120pやハイスピード撮影をするのであればCFexpress Type Aカードを使いたい。カードの速度によっては使用できないモードもあるので(その場合は警告が表示される)あらかじめ自分がα1でどの様な撮影をしたいのか明確にしておく必要がある。
CFexpress Type AカードはSDカードと比較するとコストもかかるため、ボディやレンズだけでなく使用するカードの金額も考えて購入計画を立てておく必要がある。私の場合はUHS-IIのSDカードで足りないということはほどんどなく、バックアップを兼ねて128GBのUHS-IIを2枚同時記録設定(2枚のカードに同じ画像を記録するモード)で運用している。画素数が多いのでカードの書き込み速度が早い方が撮影のテンポも良くなるが、風景撮影であればUHS-Iでも使えないことはない。
マルチスロットになっているためSDカードとCFexpress Type Aカードと両方使うことができる。2枚カードが挿せるためRAWとJPEGを分けて記録したりバックアップとして同時記録も可能。
画質・撮影性能
α1のスペックで多くの人が気になっているのは画素数だろう。α1の画素数は5010万画素(8640×5760px) とトップクラスの画素数だ。5010万画素がどれくらいの情報量かというと解像度350dpiでA2サイズ(420×594mm)のプリントが補完なしで可能であり大判プリントをしても解像感が損なわれない程情報量を持っている。これだけ高画素であれば大胆にトリミングをしても画素数に余裕があるため、わざと広めに撮影して後からトリミングで画角や構図を調整するということも簡単にできる。今回の記事では特に画質面について紹介していきたいと思う。
「高画素=高感度に弱い」というイメージを持っている人も多いかもしれないが、実際に使ってみるとそんなことはない。もちろん低感度で撮影するほど画質は良いわけなので、α1は丁寧に撮影するほど期待に応えてくれるカメラだと思っている。高画素になるほどブレにはシビアになるがそれだけ解像しているということだ。高解像性能を引き出すためα1には光学式5軸ボディ内手ブレ補正が搭載されており、どのレンズとの組み合わせでも補正が効くのはありがたい。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/4.0 1/320秒 ISO400 焦点距離105mm
■上の写真は実は下の写真をトリミングしてアップにしたもの。これだけ大胆にトリミングをしてもA4サイズのプリントでも画素数不足にはならない。5010万画素もあれば撮影後に焦点距離やマクロ撮影の倍率をトリミングで稼ぐことも簡単だ。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/16 1/15秒 ISO400 焦点距離46mm
■高画素化の恩恵は解像感だけでなく立体感なども向上している様に感じる。以前は高画素はそこまで重要視していなかったがα1を使ったことで考え方が変わった。
高画素の恩恵は解像感、トリミング耐性の向上、豊かな階調表現、と写真を撮るモチベーションにも繋がるためメリットが非常に大きい。フルサイズセンサーということもありダイナミックレンジも広く絵作りの自由度も高い。高画素モデルのα7R IV(6100万画素)の解像感に匹敵する解像感をキープしたままボディのレスポンスを向上させているのは凄いの一言。軽快な動作なおかげで撮影のテンポも良い。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/11 1/2500秒 ISO100 焦点距離78mm
■逆光のハイコントラストなシーンでの撮影。5010万画素の高画素が飛沫や水面のディティールまで写しとった。シャドウからハイライトの階調も残っている。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/11 1/125秒 ISO200 焦点距離76mm
■FE 24-105mm F4 G OSSを標準レンズとして組み合わせることが多いが、α1の5010万画素にも十分耐えうる性能だ。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/4.0 1/125秒 ISO100 焦点距離105mm
■F4.0とは言えフルサイズだとかなり被写界深度が浅い。デジタルカメラのフルサイズは銀塩135フィルムよりもピントが浅い様に思う。α1のAF精度には毎回助けられている。
■撮影機材:SONY α1+FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:f/4.0 1/640秒 ISO200 焦点距離16mm
■屋内と屋外と輝度差があるシーン。上の写真が元の明るさ。ハイライトよりもシャドウに情報が残るためハイライトに露出を合わせた。撮影後に暗部を持ち上げて肉眼で見た時の明るさに調整。シャドウを持ち上げてもディティールが十分に残っている。
大前提として、いくら高画質と言っても、ピントが合っていなければ意味がない。高画質とAF精度はイコールでなければならないのだが、α1はAFの性能もさらにブラッシュアップされており、ピントを合わせる精度と追従性能がとにかく素晴らしい。フルサイズの浅い被写界深度を生かした撮影や動体撮影で撮影者をサポートしてくれる。絞り込んでパンフォーカス撮影をする場合でもピントは重要な要素であるため正確なピント合わせは大切だ。AF追従に関してはこちらが一度ピントを合わせたい被写体を選択すればあとはα1が勝手に合わせ続けてくれるので、こちらは構図やシャッターチャンスに集中して撮影ができるのだ。
■撮影機材:SONY α1+SIGMA 105mm F1.4 DG HSM Art
■撮影環境:f/1.4 1/125秒 ISO400 焦点距離105mm
■瞳AFを使って撮影。α1のAFを使えば動きが予想しづらい子どもでも正確なピントを狙える。AF追従が始まれば後はこちらがフレームに収める様に追い続けるだけだ。105mmのF1.4とかなり浅い被写界深度でも正確に瞳にピントを合わせてくれる。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/13 1/100秒 ISO400 焦点距離56mm
■葉の隙間から射す太陽の光条を狙った。ちょっとしたカメラ位置の違いで光条がでなくなるため、桃にピントを追従させた状態で光条がベストな状態になる位置を探りながら撮影した。
α1を使っているとフルサイズというよりもまるで中判カメラで撮影しているような気持ちになる。高速連写と高感度に注目されることが多いため手持ちでとなりがちなのだが、5010万画素の高画素ということもあり一枚一枚丁寧に撮影するスタイルも楽しい。ボディは小さいがレンズはフルサイズ設計のサイズと重量なので、三脚はなるべくしっかりとしたものを使いたい。電子シャッターも搭載されているので、セルフタイマーと三脚と組み合わせて撮影することでより良い結果を得られる。
また、電子シャッターの性能も向上しており、ローリングシャッターの歪みもほとんど感じない。さらに電子シャッターでもフラッシュ同調速度が1/200というのだから驚きだ。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/8.0 1/160秒 ISO800 焦点距離43mm
■高解像度が気持ちがいい。植物や柱状節理の質感がしっかりと再現されている。ISO800程度では画質の変化がないためF値とシャッタースピードの自由度が高い。暗所でも絞り込んでシャッタースピードを犠牲にすることはなくなった。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/11 5秒 ISO100 焦点距離70mm
■α1は三脚と組み合わせて撮影することも多い。高画素ということもあり中判カメラで撮影している様な気持ちでの撮影を心がける。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/16 10秒 ISO100 焦点距離24mm
■NDフィルターを使用してスローシャッターで撮影。α1は動画撮影や長時間露光時に熱を持つことがあるが、背面モニターを開いて撮影することで放熱することができる。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/8.0 30秒 ISO160 焦点距離24mm
■滝に近づいてスローシャッターで撮影し迫力のある一枚を狙った。滝の近くは飛沫が多く長時間撮影しているとシャワーを浴びた様にびしょ濡れになることもある。
α1は防塵・防滴にも配慮された設計がなされており、雨の日の撮影や滝の近くでの撮影でも安心して撮影を続けられる。防滴性能が優れているとは言え、あくまで防滴なので常識の範囲内での撮影を心がけよう。
写真と動画の境界線
α1はスチルだけでなく動画性能も優れている。ここでは動画の性能というよりはα1に搭載された8Kについて少し紹介したい。テレビで主に使われている解像度はフルハイビジョンという規格であり、ピクセル数で言うと1920×1080pxの解像度(約200万画素)を持つ。そして、最近のスマホやカメラには標準で搭載されるようになった4Kは3840×2160pxの解像度(約800万画素)を持つ。
4Kが搭載された頃は写真が動いているとも言われていたが、α1にはさらに4倍の解像度を持つ8Kが搭載されている。8Kの解像度は7680×4320pxと実に3300万画素の写真データが動いていると考えても良い。3300万画素となればスチルでも高画素の部類に入るわけだが、α1ではその3300万画素のデータを秒30コマで記録しているのだ。
8K収録した動画から切り出したワンシーン。もはや画質だけで考えるとスチルとムービーの境界線はどこにあるのか?と思ってしまう。
8K30pで収録した映像からスチルを生成して2秒分のコマをコンポジット。シャッタースピード1/60秒で撮影しているが60コマをコンポジットすることで2秒分の川の軌跡を描いた。
動画といえば横向きのイメージがあるが、スマホなどの普及に伴って縦位置の動画も増えてきた。16:9のアスペクト比で縦構図の撮影はまるで掛け軸の様だ。
動画撮影と写真撮影が一度に行える、まさに8Kの解像度がなせる技だ。今後30pから60pや120pも実装されていくのは時間の問題で、8Kよりもさらに高解像度な12Kなども一般的になってくるだろう。今後、写真と動画はどう住み分けるのか…どう使い分けていくのかが課題になっていくだろう。新しい写真表現や動画表現が誕生することにも期待したい。
動画の撮影はスチルと違って難しそう…と思うかもしれないがまずはスチルを撮った後に同じシーンを動画で撮影するところから始めればいいだろう。今回動画用にではなく単純にスチルと同じシーンを動画収録したものを用意しているのでまずはスチル撮影後にRECボタンを押すところから始めてみよう。
VIDEO
スチルで撮影したシーンを単純に8Kで収録したもの。動く写真だと思ってまずは難しいことは考えずに撮影してみよう。手持ちではなく三脚に乗せてFIX撮影(カメラと画像を固定したままで撮影すること)から始めると簡単だ。
まとめ
α1のスペックを見て欲しいと思った人はかなり多いのではないだろうか。フルサイズミラーレスフラグシップの決定打と言っても過言ではないスペックだが、やはり価格もそれなりに高額にはなってしまう。しかしR、S、9シリーズが1台になったと考えればコストパフォーマンスは最高で、1台で全てカバーできるのは非常に楽だ。とにかく撮影時の負担がほとんどなく、「THE ONE」の称号に相応しいカメラであり、このα1の登場により特別な数字である「1」シリーズがいよいよ始動したということだ。
α7R IIで一度αから離れて今回α1でまたαに戻ってきたわけだが、その選択は間違っていなかったと自信を持って言える。今回は使用感や画質についての自分が感じたファーストインプレッションとして書かせていただいたが、このα1に関しては一度に全てを語り尽くせないほどに高密度なカメラに仕上がっているし、自分自身まだまだ使いこなせていないのでこれからさらに使い込んでいくことが楽しみなカメラだ。楽しみな反面、思ったものが撮れなくても言い訳ができないカメラである。
■写真家:木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
α1はこちらの記事でも紹介しています
■ソニー α1 レビュー|風景撮影で使ってみました!(坂井田富三)
https://shasha.kitamura.jp/article/480756709.html
■ソニー α1 レビュー|スポーツ撮影現場で使ってみました!(坂井田富三)
https://shasha.kitamura.jp/article/480653303.html
■ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480563123.html
■ソニー α1 レビュー(後編:風景・ステージ撮影)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480649337.html
■ソニー フルサイズミラーレス α1|新次元フラグシップモデルが登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/479818915.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 16-35mm F2.8 GM
商品詳細ページ
【シグマ】105mm F1.4 DG HSM Art ソニーEマウント用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんがソニー α1のレビューをしています。素晴らしい作品も複数掲載されておりますので、ぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー(SONY)ボディ,レビュー,α1
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 齋藤朱門
DATE: 08/31/2021 16:00:00
TAGS: 星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック
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BODY:
はじめに
今回は星景写真撮影の撮影方法と必要な機材について紹介したいと思います。星景撮影は、3月から9月頃までは美しい天の川と風景を絡めて撮るのが醍醐味の一つです。また、冬の時期は空気が澄みますので、満天の星空と雪景色を撮るのも楽しいと思います。
星景写真を撮る
■撮影機材:ソニー α7R II + キヤノン EF16-35mm F2.8L II USM(変換用マウントアダプター着用)
■撮影環境:マニュアル露出・16mm・F2.8・ISO3200・30秒 沖縄・宮古島の海岸で撮影した天の川です。国内での星の撮影で一番気にすべきことは光害の影響です。特に天の川のような銀河を撮影するためには、光の弱い星も多く撮影する必要があるため、光害の少ない宮古島のような離島や南端の海岸、山中のような街の光害の影響を受けにくい場所が適しています。新月期で光害の少ない場所であれば肉眼でも天の川を見て楽しむことができます。
設定のポイント
天の川を撮影する場合は、まずF2.8以下の明るいレンズを使うことをお薦めします。絞り設定は可能であればF2~F2.8程度にします。ISO感度は光害の状況によっても変える必要がありますが、高感度ノイズを考えるとISO1600-6400程度、シャッタースピードは20秒~30秒です。
気をつけるポイントとしては、焦点距離が長いレンズで長秒撮影を行うと、星の日周運動により、星が動くために、星が流れて線のように写ってしまう点があります。
実は、なるべく星を点として写すためのルールがあります。
「焦点距離 (mm) x シャッター時間(秒) < 500 」
これは通称 “500ルール”と呼ばれています。例えば、焦点距離が16mmの場合は 500/16 = 31.25なので、シャッター時間は約31秒以内とすれば良いことになります。
もし、50mmくらいの焦点距離で撮影する場合は、シャッター時間を10秒以内にしないと星が流れて線のように見えるので注意が必要です。(この場合明るいレンズ&ISO感度をあげることで10秒でも撮影可能です。)
■撮影機材:ソニー α7R III + トキナー FíRIN 20mm F2 FE AF
■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2・ISO3200・15秒
■撮影機材:ソニー α7R III + トキナー FíRIN 20mm F2 FE AF
■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2・ISO12800・3.2秒 灯台と天の川をした一枚。灯台の光が一定周期で回転するため、かなりシャッター時間を短くする必要がありました。そのため、ISO感度を12800まで上げています。
構図
星景撮影の場合、星と周りの風景をどう配置するかの構図が重要になります。天の川の場合はスマホアプリなどで天の川が見える方角を調べておくと良いでしょう。季節や時間によっても天の川の中心の出現位置や角度、方角が大きく異なるので注意が必要です。
特に8月くらいになると、早い時間に既に天の川が垂直に立ってきてしまうので、縦構図で撮る場合が多くなります。縦構図でも違和感のない構図、前景の場所で撮ると良いでしょう。
■撮影機材:ソニー α7R + カールツァイス Distagon T*2.8/15ZM(変換用マウントアダプター着用)
■撮影環境:マニュアル露出・15mm・F2.8・ISO6400・25秒
■撮影機材:ソニー α7S + キヤノン EF16-35mm F2.8L II USM(変換用マウントアダプター着用)
■撮影環境:マニュアル露出・24mm・F2.8・ISO6400・10秒
■撮影機材:ソニー α7R IV + トキナー FíRIN 20mm F2 FE AF
■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.8・ISO3200・20秒
■撮影機材:ソニー α7R IV + トキナー FíRIN 20mm F2 FE AF
■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.5・ISO5000・20秒
いろいろな撮り方
星景写真は季節や月齢によってさまざまな撮り方で楽しむことができます。
日周運動
北極星を中心に星の日周運動を撮るのも面白いと思います。日周運動を撮る場合は、バルブ撮影で数時間の長いシャッター時間にする方法と、連続撮影で数百枚の写真を撮り、それを後処理でスタックする方法の2つがあります。前者は一発撮りになるので失敗するリスクも高いため、筆者の場合は通常は後者の方法である連続撮影で撮影することが多いです。
連続撮影の場合は、カメラを連続撮影モードにした状態のままレリーズでシャッターボタンを押し続ける状態にすると比較的簡単に撮影することが可能です。
下の写真は八ヶ岳の北横岳で撮影。冬季だったため、雪に覆われた木々とともに星の日周運動を撮影。
■撮影機材:ソニー α7R III + サムヤン XP14mm F2.4(変換用マウントアダプター着用)
■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F2.4・ISO2500・25秒 x 76枚をスタック こちらは富士山近郊での撮影。街が近く光害が強いため、ISO感度は低めに抑えています。
■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 20mm F1.4 DG HSM Art
■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.2・ISO800・30秒 x 120枚をスタック
月と絡める
星を撮影する場合、通常は月入り後から月の出までの月が出てない時間帯が適しています。満月期は明るい星以外は見えなくなりますが、新月期前後など、月齢によっては完全に星が見えなくなる前に月と星空を絡めて撮ることもできます。
宮古島の海岸で撮影。月の出とともに、空が明るく青くなってゆき、徐々に天の川も薄れていきました。
■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 20mm F1.4 DG HSM Art
■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.2・ISO800・30秒 x 120枚をスタック 燕岳で撮影。尾根の反対側から月が出始めており、雲を明るく照らしていました。
■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 20mm F1.4 DG HSM Art
■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.2・ISO800・30秒 x 120枚をスタック
パノラマ撮影
天の川は南から北に伸びているので、パノラマ撮影をすることも可能です。下の写真は上高地で撮影。縦構図で十数枚に分けて撮影したものをパノラマ合成しています。
■撮影機材:ソニー α7R + サムヤン XP14mm F2.4(変換用マウントアダプター着用)
■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F2.8・ISO6400・20秒 x 12枚
必要な機材
星景撮影に必須もしくはあると便利な機材をいくつか紹介します。
三脚
長秒撮影になるため、三脚はほぼ必須です。お使いのカメラ・レンズの重量をしっかり支えられる、なるべくしっかりとブレない三脚を使うことをおすすめします。
タイマーレリーズ
カメラにタイマー機能が備わっている場合はなくても問題ないですが、備わってない場合はタイマーレリーズが必須となります。また、バルブ撮影時にも必要です。
レンズヒーター
冬に星撮影する場合は結露防止のために、レンズヒーターがあると便利です。USB給電のタイプが便利。
USBバッテリー
日周運動の撮影時など、長時間カメラの電源を入れた状態にすることがありますので、USBバッテリーがあると便利です。
赤道儀
筆者はあまり使いませんが、赤道儀があるとよりくっきりと鮮明に天の川等の銀河を撮影することができます。
ブライトモニタリング機能
機材ではないですが、ソニーのα7シリーズにある星景撮影に便利な機能を紹介しておきます。最近のα7シリーズには「ブライトモニタリング」という機能が備わっており、暗い中での構図決めに有効です。
周囲が暗い状況下での撮影で、構図合わせができるようにします。夜空などの暗い場所でも、露光時間を延ばすことにより、ビューファインダー/モニターで構図の確認ができます。
(α7IIIのヘルプガイドより抜粋)
さいごに
作例を交えながら星景写真の撮影方法やポイントをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。星景撮影は天の川が醍醐味と思われる方も多いと思いますが、一年中さまざまな撮影方法で楽しめると思います。この記事が星景写真を撮影する際の参考になれば幸いです。
■写真家:齋藤朱門
宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。
齋藤朱門さんの撮影テクニックの連載記事はこちら
・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html
・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html
・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html
・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html
・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
この記事に使用した機材
【キヤノン】EF16-35mm F2.8L III USM
商品詳細ページ
【トキナー】FiRIN 20mm F2 FE AF
商品詳細ページ
【コシナ】カールツァイス Distagon T*2.8/15ZM
商品詳細ページ
【サムヤン】XP14mm F2.4 キヤノンEF
商品詳細ページ
【シグマ】20mm F1.4 DG HSM Art ソニーEマウント用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の齋藤朱門さんによる星景写真の撮影手法とそれに伴う必要機材の解説記事です。様々さな作例とともにご覧ください。
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KEYWORDS:
星景_天体,撮影テクニック
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AUTHOR:
TITLE: シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|私たちの最初のレンズ
BASENAME: 483180936.html
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CATEGORY: FPS24
DATE: 09/01/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,45mm F2.8 DG DN | Contemporary,i シリーズ,単焦点
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BODY:
はじめに
こんにちは、FPS24です。みなさんは、45mmという焦点距離のレンズはお使いになられたことはあるでしょうか? 実は45mmはSIGMA fpのキットレンズの焦点距離でもあり、SIGMA fpをお使いの方であれば馴染みのあるレンズだと思います 。
このレンズの正式名称は「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」です。SIGMA fpと同時に発表され、2019年7月26日に発売となりました。持ち運びしやすいサイズと光学性能との両立はもちろんのこと、外観デザインには並々ならぬこだわりを感じられるシグマらしいレンズです。
まさに、このようなデザインのレンズを待ち望んでいた、と言ってしまえば大袈裟に聞こえるかもしれませんが、所有する喜びと使用する楽しみを兼ね備えた素晴らしいレンズの一つです。小さいけれど高品質なレンズという意味で、「交換レンズ界のバンデンプラ・プリンセス」という愛称も発表会の中で紹介されました。このレンズに相応しい愛称だと感じていて、私達も積極的に推し進めていきたいと考えています。
今回は、軽量コンパクトで普段使いにもピッタリなレンズ「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の魅力を、じっくりご紹介していきたいと思います。
レンズの質感と焦点距離について
先ほどお伝えしたように、「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」はSIGMA fpのキットレンズとして、最初に触れる方も多いのではないでしょうか。
私もそのうちの一人でした。そして触って一番に感じるのが、レンズの完成度と質感の高さです。このレンズは後に、シグマが近年打ち出した「Iシリーズ」と呼ばれるシリーズに分類されることになりました。SIGMA fpのような洗練されたデザインのカメラや、小型のミラーレスカメラと非常に相性が良く、カメラと組み合わせただけで心が満たされるような感覚に陥ります。
外観を見てみると、フォーカスリングと絞りリング、AF/MF切り替えスイッチがあり、丁寧な塗装が施されています。リングはそれぞれ気持ちよく滑らかに回ります。
筐体とレンズフードには金属が使用されており、少しひんやりとした感触がします。この質感の高さは、手にして初めて感じられたポイントでした。この触り心地が、より所有欲を満たしてくれる決め手となっています。マウント部のゴムのシーリングによって、簡易防塵防滴構造も採用されています。
Iシリーズには2021年8月現在、他に「35mm F2 DG DN | Contemporary」、「65mm F2 DG DN | Contemporary」、「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」の3本がありますが、どれもコンセプトが同じくデザインが統一されており、非常に質感が高い為にシリーズで揃えたくなってしまいます。
45mmという焦点距離とコンパクトさの利点
このレンズ一番のメリットは、なによりこのコンパクトさだと思います。フードを外すと手のひらに収まってしまうのではないかと感じられるほど、非常にコンパクトです。それだけで撮影の幅や使える場面が多くなるのは間違いありません。
また45mmという焦点距離は、私達にとってはこれまであまり馴染みのない焦点距離でもありました。しかし実際に使ってみると、ふとした日常を気軽に切り取るのに絶妙的なバランスであり、さらに小型軽量であるという点からも、普段使いに欠かせないレンズの一つになっています。
45mm F2.8 DG DN | Contemporaryで写す世界
レンズキットとして発売中のSIGMA fpと「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の組み合わせで、ふらっと街中を撮影してみました。コンパクトなカメラボディとレンズなので、撮影時にはとても軽快に動くことができます。この身軽さは一度味わうと癖になります。
撮り歩いているシーンの裏側を動画で撮影してみました。動画でももちろん使いやすく、他のレンズに引けを取らない美しい映像を撮ることができます。軽量さを生かした機動力、カバンからさっと出してすぐ撮影できる気軽さはとにかく素晴らしいです。
VIDEO
とある日に大雨が降って、近所の公園が水浸しになりました。すぐに止んだものの、道に大きな水たまりがいくつも出来ていて、いつもと違う公園を楽しめました。思い立った時に迷うことなくカメラを持って出かけられるのは「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の気に入っているポイントの一つです。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/200
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/200
温室の中で美しく咲いていた植物を撮影しました。赤い葉脈が光に照らされて、蛍光色のように鮮やかな赤色になっています。空間における光の当たり方を確実に捉えて、見事に表現してくれています。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO125 F2.8 SS1/200
フルサイズセンサーならではの背景ボケが、被写体である植物をより際立たせていて、鮮やかな色に引き込まれます。「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は特にボケの表現を重視して設計されたそうです。上品かつ柔らかな印象のボケからは、シグマがこれまで培ってきた技術力の高さが伺えます。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO200 F2.8 SS1/200
最近は、SIGMA fpに追加されたカラーモード「パウダーブルー」で撮影することが多いです。特に夏の晴れた日との相性は抜群です。照りつける太陽の光と合わさって、ますます夏を感じさせる写真になる気がしています。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/1600
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/640
浅草で撮影した一枚です。妙に下町っぽさを感じるのは私だけでしょうか。生まれも育ちも東京ではないですが、この辺りの街並みや自転車に乗るお巡りさん、行き交う人々を見ていると、ほっこりします。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/200
だんだんと街中は暑くなる季節でしたが、隅田川のほとりに降りてみると風が吹いてとても気持ちよかったのを覚えています。隅田川と、橋と、ボートと、佇む男性と。見ている風景を気持ちよくフレームに収めてくれます。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO500 F8 SS1/200
ビル群を背景に、神田川を挟んで電車が行き交います。地下鉄丸ノ内線の赤色がとても映えていました。電車が来るまで待とうとしたのですが、矢継ぎ早に電車が来ていて、東京の規模の大きさを感じました。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/1600
近くにあったカフェで食事をしました。色とりどりの野菜が乗ったサラダが食欲をそそります。こじんまりとしたカフェでもカメラを取り出しやすく、「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」を使っていると食事の撮影機会が増えたような気がします。机の上に置いていてもコンパクトなので、料理の邪魔にはなりません。レンズのコンパクトさは、こういった日常の細かなところでも活きてくるのだと思います。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO12800 F2.8 SS1/200
さらに「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は最短撮影距離が24cmです。寄って撮影したいことが少なくない日常使いでも、安心してこのレンズを使うことができます。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO5000 F2.8 SS1/125
夏空と海に黄色いバスが映えていました。運転手の方たちは潮風に吹かれながら休憩しています。この日のような暑い日は荷物を減らして身軽に歩きたいので、身軽さという意味では、今のシーズンにはもってこいのレンズなのかもしれません。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F6.3 SS1/400
おわりに
「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、日常を自然体で切り取るのにとても扱いやすいレンズだと思います。45mmという焦点距離と、ボケの表現が自慢の光学性能、小型軽量なコンパクトさが合わさって、それを実現しているのだと感じました。
加えて、レンズの小ささからは想像できないような質感の高さがとても気に入っています。日常生活の中で普段から使うことを前提としているからこそ、質感の高さが重要になってきますよね。
最後に、私たちのYouTubeチャンネル でも「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」を使った映像を公開しております。映像にも興味をお持ちの方は、ぜひこちらもご覧いただけると嬉しいです。
VIDEO
■執筆者:FPS24
2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。
「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介中
■シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporaryレビュー|真綿のようなソフトな描写にハマるレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/480386399.html
この記事に使用した機材 【シグマ】45mm F2.8 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】45mm F2.8 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
映像ユニットのFPS24さんによる、シグマ「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」のレビュー記事です。SIGMA fpのキットレンズとしても馴染みのあるこのレンズで、日常を美しく切り取っていただきました。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,単焦点レンズ,45mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,Iシリーズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: Vlog(ブイログ)とは何か? ~楽しみ方含めてソニーのマーケティング担当者へインタビューしてきました~
BASENAME: 483108202.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 09/02/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,Vlog,インタビュー
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BODY:
はじめに
ここ最近Vlogへの注目度は高まっていますので、“Vlog“と聞いたり、視聴する事が増えてきたりしているのではないでしょうか。またご自身でVlogを始める為の準備をされている方もいらっしゃると思います。今回はそんなVlogについて、そもそも“Vlog“って何?だったり、どんな魅力があるの?について、Vlog向け製品の開発を行っているソニーマーケティング株式会社デジタルイメージングマーケティング部MK1課今井様へインタビューしてきました。“Vlog“についてもう少し詳しく知りたい方も、これから“Vlog“を始めようと考えている方も参考になるかと思いますので是非ご覧ください。
Vlogって何?
- Vlogを一言で説明してください
Vlogとは基本的には“video blog“の略称ですが、当社では、“自分が伝えたいことや残したいことを動画に残すこと”をVlogと言っています。
- Vlogはいつ頃から注目されるようになりましたか
国内では2019年の春頃から徐々に注目を集めています。Googleトレンドを見てみるとVlogというキーワードは、2019年あたりから右肩上がりにアクセスが増加しています。そして2020年6月にVLOGCAM ZV-1という商品を発売すると更にアクセスは急上昇しました。当社では2019年以降現在に至るまで一貫して「Vlog」というキーワードを使い製品プロモーションを行って来ていますので、Vlogというワードの認知が加速することは嬉しく思っています。
Googleトレンドでの「Vlog」の人気度動向
- 動画の視聴環境や編集環境の変化もVlogが注目を集めることに影響していますか
もちろん影響しています。視聴環境ではSNSなどのプラットフォームの進化や、2020年春頃からコロナの影響により、お家時間が増えた事でYouTubeの視聴時間は大きく増加していますので、それに伴い動画コンテンツを提供する側も増えていると考えられます。更に芸能人の方でYouTubeを始める方が増える事で、その循環の環は益々大きくなり、Vlogへの注目度も同様に増加傾向にあると考えられます。
そして編集環境では2019年5月にAdobeからVlog向けにAdobe Premiere Rushがリリースされて、スマホでもPCでもシームレスに編集できるようになり、場所を選ばず、よりカジュアルに編集できるようになった事なども影響を与えているのではないでしょうか。
Vlogの種類と魅力
- Vlogにはどのような種類がありますか
自分が伝えたいことや残したいことを動画に残すことをVlogと定義しているので、ジャンルは非常に多岐にわたりますが、整理する上で下のようなジャンルに区切っています。
デイリー
行った場所、その時にしか経験できないことなど、日々の出来事を思いのままに残す。
VIDEO
旅
旅の行程や、その土地の情景など、その瞬間にしか出あえない旅の思い出を残す。
VIDEO
ライフスタイル(ルーティング動画など)
料理や家事、食事をしている様子など、穏やかで幸せなひとときを残す。
VIDEO
レビュー
自分の視点と自分の声で、製品やサービスの使い心地や魅力を残す。
VIDEO
子育て
子供やペットの成長を記録して、大事な思い出として残す。
作品風に仕上げる
デイリーからレビューまで、ボケ表現を活かし被写体を引き立たせ、自分好みのルックやライティングでより印象的に表現する。
VIDEO
- Vlogの魅力を教えてください
日常の出来事や思い出、経験をたくさんの情報量で記録できますので、単純に記録するのでも良いですし、ダイジェスト動画のように、ストーリーをつけて残すこともできます。そういった変化をつけながら日常をカジュアルに記録として残していける事がVlogの魅力であると考えています。
またVlogは凄く凝った作りのものから、非常にシンプルな構成になっているものがあり、クオリティーには大きな差はありますが、どちらもVlogだと考えております。この幅の広さを許容する懐の深さみたいな所もVlogが支持されている理由になるのではないでしょうか。
Vlogの始め方
- Vlogを始めるのは大変だったりしますか
あまり肩ひじ張らずに在りのままの日常を動画に収めていって、それを繋いでみて記録として残して行こうというところが原点としての考えにあります。ですので、もの凄い映像に拘りたいという方はそれで良いでしょうし、思い出を残していって日記的につづるなどは誰にでも簡単にできますのでVlogを始めるのは難しくないと思います。
- かっこいい映像をつくるコツはありますか
撮り方のコツはあります。大きくはカメラ機材と、撮影の仕方、編集の話しがあって、これらが動画制作のワークフローと呼ばれたりしますが、それぞれに適切な判断やコツがあります。例えばカメラの撮影の仕方であれば、静止画のようにずっと止まっているのではなくて、撮影中カメラを動かしておくとか、動かしながら被写体に近づいたり、その周りをぐるっと回ったりと変化をつけて撮影するヒントが沢山あります。また編集でも音楽のリズムに合わせて映像を切り変える事でテンポの良い映像になったりと同じくヒントは沢山あります。そういったヒントを沢山蓄えて行くとコツを掴んでかっこいい映像をつくる事が出来るようになったりします。
- Vlogに適した機材を教えてください
撮りたい映像に応じて機材が異なってきますが、大別すると表現を求めるのか?、コンパクト性能を求めるのか?によって分かれると思います。Vlogerの方とお話しをしていると、ここぞという時は一眼ミラーレスのような大きいセンサーを積んだカメラで撮影する一方、友人との旅行では、大きいカメラとレンズを構えてしまうと自然な表情が得られなかったりするので、そういった時はコンパクトカメラで撮影するなど機材の使い分けをしていると聞きます。
またVlogの種類に合わせて細かく製品を紹介すると下の図のようになります。色々な製品がありますが、これからVlogを始められる方はZV-1やZV-E10をおすすめします。冒頭にも話しましたが、今のような注目度をVlogが集めているのも、ZV-1のヒットが要因としてありますし、多くのVlogerの方にご愛用頂いている実績があります。また2021年9月17日に発売予定のZV-E10はAPSCサイズのセンサーを搭載したレンズ交換式のミラーレスカメラになりますので、作品風に仕上げるのにオススメです。
ZV-E10は発売前となる為まだこちらの表には入っていませんが、「作品風に仕上げる」α6400、α7Cと並ぶ位置にポジショニングされる製品となります。
参照元:https://www.sony.jp/camera/special_vlog/
Vlogのこれから
- Vlogはこれからどのように発展して行くと考えられますか
撮影機材や、撮影方法、編集環境、SNSなどのプラットフォーム環境などが進化をして行く中で、今では難しいとされる事が可能になると同時に、より簡単に誰でもそれらを出来るようになっているような気がします。ですので、動画がより身近になり残したい映像や思い出を、届けたい人に直ぐに見せれる環境が整ってくるのだと思います。一人の個人がYouTubeで思いや考えを世界に発信して行く事はもちろん、今日の嬉しかったちょっとした出来事を身近な家族や友人に伝える事もどんどんやりやすくなるのではないでしょうか。
ソニー製のVlogに適した機材のレビューはこちらからご覧頂けます
■ソニー VLOGCAM ZV-E10 レビュー|山本まりこ
https://shasha.kitamura.jp/article/482887882.html
■ソニー α7C × 夏らしい景色|大村祐里子
https://shasha.kitamura.jp/article/482845570.html
■ソニー ミラーレスカメラ VLOGCAM ZV-E10が登場!|APS-Cセンサーサイズのレンズ交換式VLOGCAM
https://shasha.kitamura.jp/article/482739772.html
■ソニー ZV-1レビュー 動画も静止画もこれ1台で大満足!|WEBカメラにも対応!
https://shasha.kitamura.jp/article/476958678.html
■【レビュー】ソニー Cyber-Shot DSC-RX100M7はB.LEAGUEも撮影できる!|坂井田富三
https://shasha.kitamura.jp/article/470579453.html
■更新
・2021年10月4日:キャンペーン終了に伴い、内容を修正しました。
この記事で紹介した機材
【ソニー】VLOGCAM ZV-1G B シューティンググリップキット ブラック
商品詳細ページ 【ソニー】VLOGCAM ZV-1G W シューティンググリップキット ホワイト
商品詳細ページ 【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 パワーズームレンズキット ブラック
商品詳細ページ 【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 パワーズームレンズキット ホワイト
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
そもそも“Vlog“って何?、どんな魅力があるの?について、ソニーマーケティング株式会社の担当者にインタビューしました。“Vlog“についてもう少し詳しく知りたい方も、これから始めようと考えている方も参考になるかと思いますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,Vlog,インタビュー,ZV-1,ZV-E10,α7c,動画
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AUTHOR:
TITLE: マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?
BASENAME: 483200571.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 09/03/2021 16:00:00
TAGS: オールドレンズ,撮影テクニック,マウントアダプター
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BODY:
はじめに
昔使っていたレンズをまた楽しみたいと思った事ありませんか?オートフォーカスでなくても、ちょっと古くて味わいのあるレンズを使ってのんびりと撮影を楽しみたい。でも、どうやって今あるカメラに装着して使えるのか分からない人も多いのではないでしょうか。
今回はマウントアダプターを使用し、オールドレンズをミラーレスカメラに装着して撮影できるようになるまでの準備編を紹介します。
オールドレンズを使い始める前の準備
■撮影機材:ソニー α7R III + コンタックス プラナー T* G 45/2 クローム
※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
最初に準備するものは、お気に入りのオールドレンズとミラーレスカメラのボディ。そして重要なのは、マウントが異なるオールドレンズを装着する為のマウントアダプターです。今回は1994年~2005年までに販売されていたコンタックスGシリーズの交換レンズ、
・コンタックス ビオゴン T* G 28/2.8 クローム
・コンタックス プラナー T* G 45/2 クローム
の2本を例にご紹介します。
ビオゴンT*28mmF2.8 プラナーT*45mmF2 レンズ構成 5群7枚 4群6枚 焦点距離 28mm 45mm 画角 75度 50度 絞り F2.8/F22 F2/F16 最短撮影距離 0.5m 0.5m フィルター径 46mm 46mm 重量 150g 190g
コンタックスGマウントはもともとフランジバックが短く、レンズ側もボディ内にミラーなどの障害物が無い前提に設計されているため、一眼レフボディで使用することが難しかったのですが、フランジバックの短いフルサイズのミラーレスカメラが発売になると再び脚光を浴びたレンズなのです。中古でも在庫を見かける事は多く、値段的にも購入しやすい範囲のレンズです。
このGマウントのレンズをソニーEマウントに装着するには、マウントアダプターを用意しなければなりません。「K&F Concept」や「SHOTEN」、「Fotodiox」、「Fringer」など様々なメーカーからマウントアダプターが発売されています。今回は「ボディ側Eマウント・レンズ側Gマウント」のK&F Concept製マウントアダプターをチョイスしました。
このマウントアダプターを介する事で、フォーカスはマニュアル、絞り調整も手動にはなりますが、GマウントのレンズをソニーのEマウントボディに装着する事が可能になります。実際にソニー α7Cに装着したものが下の写真になります。絞りはレンズの絞りリングを使用して調整、ピント合わせはマウントアダプターのシルバー部分を回転させてピント合わせをします。
オートフォーカスに慣れている人にとっては、最初はピント合わせに少々手こずる事もあると思いますが、ミラーレスカメラ側の機能をしっかりと使いこなせば、オールドレンズも快適に撮影することが可能になります。
マウントアダプターを介してオールドレンズを装着
マウントアダプターを介しての撮影には幾つかの問題点も発生します。この「K&F Concept」マウントアダプターには電子接点は無いので、例えばExif情報の一部が記録されないことです。具体的には、撮影時の絞り値やレンズ情報、レンズの焦点距離情報などが記録されません。レンズ情報などは、撮影中に頻繁に交換しなければ後で情報を付加する事も簡単ですが、絞り値になるとなかなかそうはいきません。きちんと絞り値も残したい方は、撮影時にメモ(ファイル番号と絞り値)を取る事をお勧めします。撮影後にパソコンに画像を取り込んだ後に、メモを参考に情報を追記しましょう。
Exif情報を見ると絞り値や焦点距離などが記録されていないことが分かる
オールドレンズ使用時のカメラの設定
オールドレンズを使いこなすには、カメラ側の準備がとても重要です。先にもお話ししましたが、電子接点が無いためレンズ側の情報がボディに伝わりません。ですから、あらかじめボディ側にオールドレンズ+マウントアダプターを使うための設定をしておきます。今回はソニー α7R IIIのメニューで紹介します。
■「レンズなしレリーズ」の設定を「許可」にする
カメラのデフォルト設定では、もともと「許可」にはなっていますが、設定を変更している人は確認が必要です。この項目が「禁止」になっていると、オールドレンズ+マウントアダプターを装着した状態でシャッターを切ることができませんのでご注意を。
■ピーキング表示の設定を「入」にする
オールドレンズの使用に限らず、ピントをマニュアルで撮影する際には便利な機能なので積極的に使いましょう。ピーキング表示を「入」にすればピントを手動で合わせる際に、ピントがあっている部分を色で表示してくれます。下の写真はピーキング表示「入」でピーキングレベルは「中」、そしてピーキング色を「レッド」で表示した場合の見え方になります。ピントがあっている部分が赤くなり、手動でのピント合わせを楽にしてくれます。
「ピーキングレベル」は、ピーキングによる輪郭強調の程度を変えることが出来る設定です。最初は「中」で良いと思いますが、よりシビアなピント調整をして行きたい場合は「低」を選択するとピーキング表示の輪郭強調が弱くなるので、ピーキングで色が表示される範囲が少なくなります。
ピーキング表示をすればマニュアルフォーカスでもピントが合わせやすくなる
■撮影モードは絞り優先で、ISO感度はオートに設定するのが便利
レンズ側で絞り値を設定して撮影するため、絞り優先モードで撮影した方が楽に撮影する事ができます。また、ISO感度も上限値と下限値を設定した上でオート設定にした方が撮影が楽になります。
■手ブレ補正は「入」に
ミラーレスカメラでオールドレンズを使用する際にとても助かる手ブレ補正。ボディ側に手ブレ補正機能があるカメラであれば、オールドレンズでもその恩恵を受ける事ができます。
ここで少し気を付けなければいけない点は、手ブレ補正「入」に設定をした後に、「手ブレ補正設定」で「手ブレ補正焦点距離」の設定をして、使用するレンズの画角に設定を合わせる事が必要になります。
普段の電子接点のあるレンズでは、自動でレンズの焦点距離などの情報がボディに伝わって最適に対応してくれるのですが、流石にオールドレンズ+マウントアダプターではここまで対応ができません。ですので、使用するレンズにその都度焦点距離を合わせる事を忘れない様にしましょう。
■DRO(Dレンジオプティマイザー)は、「切」がおすすめ
ソニーαのDRO機能は、デフォルトではオートになっています。Dレンジオプティマイザーの機能は、明暗差が大きい撮影で暗部がつぶれず、そして明るいところも白飛びしないようにコントロールしてくれる機能です。これがONのなっていると、せっかくのオールドレンズの味わいをスポイルしてしまいます。
これでカメラ側の事前準備はほぼ完了です。
■レンズの装着手順を確認する
オールドレンズをカメラに装着する際には、あらかじめオールドレンズにマウントアダプターを装着しておきます。オールドレンズの指標とマウントアダプターにある指標を合わせて装着し、マウントアダプターの指標とカメラボディ側の指標を合わせて装着します。最初は少し戸惑う事もありますが、オールドレンズにマウントアダプターを装着した状態であれば、レンズ交換は通常と同じ方法で簡単に交換ができます。
オールドレンズ撮影のコツ
カメラ側の設定が終わり、マウントアダプターを装着したオールドレンズをカメラボディに装着できたら、いよいよワクワクする撮影です。オールドレンズでの撮影の際には、少しコツがあります。
1. オールドレンズの絞りリングを操作し、絞りを開放に設定します。どうして最初に絞りを開放にするのかと言うと、ピントを合わせたい被写体への精度を高く合わせるための手段になります。
2. 絞りを開放にセットしたら、次にピント合わせです。先に紹介したピーキング機能を使いピントを合わせたい位置にレンズ(レンズにピントリングがない場合はマウントアダプター)のピントリングを調整してピントを合わせていきます。この時、さらにカメラ側にある「ピント拡大機能」を使えば、ピントを合わせたい位置をファインダー上で拡大する事ができる為、より正確なピント合わせをする事できます。
3. ピント合わせができたら、レンズの絞りリングを調整して撮影する絞り値を決めて、シャッターを押して撮影します。絞り値の決め方が慣れないうちは、「絞りを開放、少し絞る、大きく絞る」の3パターンぐらいを同じ被写体で撮影しておくと、使用するオールドレンズの特徴をつかみやすくなり、以後の撮影がスムーズになります。
4. 撮影後は撮影したデータを再生し、拡大表示をしてピントが合っているかを確認します。デジタルで撮影できる最大のメリットは、その場で撮影したデータが見れること。積極的にデジタルの恩恵を使いながらオールドレンズを楽しみましょう。
現在発売されているレンズはどの絞り値でも非常にシャープに写りますが、オールドレンズはレンズにもよって異なりますが、開放値では周辺部で滲むものが多いです。この滲みを楽しむのがオールドレンズで表現する大きなポイントになります。オールドレンズの味わいを楽しむ方法として、積極的に絞り開放で撮影するのがおすすめの撮り方の一つとなります。
今回撮影に使用したコンタックスのGマウントレンズは、絞り羽根が6枚と現在のレンズに対して少ないので光芒の出方も特徴的になります。羽根枚数が偶数枚の6枚なので、光芒の線の数も6本になります。
■撮影機材:ソニー α7R III + コンタックス ビオゴン T* G 28/2.8 クローム
※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF22 ISO100 焦点距離28mm
まとめ
オールドレンズを持って撮影に出かけると、普段とは違った感覚で撮影ができます。そのオールドレンズでどういう撮影をしたら、一番そのオールドレンズの味わいを表現できるのか、そしてその味わいを活かすための被写体はなんなのかを凄く考えながら撮影することができます。もちろんそんなに難しく考えなくても、普段と違う撮影の仕方がとても新鮮で撮影自体を楽しめるはずです。
最近ではフイルムカメラを使ってフイルムでオールドレンズを楽しむ方が増えていますが、もう少し気楽に楽しめるのが、ミラーレスカメラとマウントアダプターを使って、オールドレンズを活用する方法です。撮影の失敗のリスクも少ないので、フイルムカメラを楽しみたいと思っている人も、まずはマウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しむのが良いのではないでしょうか。
■撮影機材:ソニー α7R III + コンタックス プラナー T* G 45/2 クローム
※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
オールドレンズ関連記事はこちら
■初めてのオールドレンズにおすすめ!
ツアイスレンズ コンタックス「プラナー T* G 45/2」「ビオゴン T* G 28/2.8」
https://shasha.kitamura.jp/article/483729656.html
この記事で紹介した機材
【コンタックス】ビオゴン T* G 28/2.8 クローム(中古)
商品詳細ページ 【コンタックス】プラナー T* G 45/2 クローム(中古)
商品詳細ページ
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写真家の坂井田富三さんに、マウントアダプターを活用してオールドレンズを楽しむ方法を解説いただきました。ミラーレスカメラでもオールドレンズならではの風合いを楽しんでみてはいかがでしょう。
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KEYWORDS:
オールドレンズ,撮影テクニック,マウントアダプター
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ニコン「Z fc」はブラブラスナップが面白い!|三井公一
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 09/04/2021 11:00:00
TAGS: Z fc,スナップ,ニコン(Nikon) ボディー,APS-C,ミラーレスカメラ
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大人気のニコン「Z fc」は街の遊撃手
ニコンの「Z fc」が話題になっています。その美しいデザインは発表と同時に予約が殺到しました。発売後ひと月ほど経ちますがバックオーダーがいまだに解消しないほど人気です。
それもそのはず。このカメラは見た目もバツグンですが、本当に写真を撮るのが楽しく、撮り手をワクワクさせてくれるからです。画質に定評がある「Z 50」と同等の写り、アナログ機のようなわかりやすい操作感、どこまでも持って行ける軽さと小ささなど、魅力がたくさん詰まっているのです。なので必然的に街へと連れ出すことが増え結果的にいい写真が撮れる、というわけなのです。これで人気が出ない理由がありませんね。
「Z fc」のスペックをおさらい
そんな人気者の「Z fc」のスペックを確認してみましょう。
・レンズマウント:ニコン Z マウント
・総画素数:2151万画素
・有効画素数:2088万画素
・撮像素子:23.5×15.7mmサイズCMOSセンサー ニコンDXフォーマット(APS-C)
・手ブレ補正:レンズ手ブレ補正 レンズシフト方式(VRレンズ使用時)
・低速連続撮影:約1~4コマ/秒
・高速連続撮影:約5コマ/秒
・高速連続撮影(拡張):約11コマ/秒 ※ ニコン試験条件での最大撮影速度
・記録媒体:SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード(SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカードはUHS-I規格に対応)
・ファインダー:電子ビューファインダー、0.39型XGA OLED、約236万ドット、明るさ調整可能(オート、マニュアル7段階)、カラーカスタマイズ可能
・視野率:上下左右とも約100%(対実画面)
・倍率:約1.02倍(50mmレンズ使用時、∞、-1.0m-1のとき)
・モニター:バリアングル式3.0型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約104万ドット、視野角170°、視野率約100%
・ISO感度:ISO 100~51200(ステップ幅:1/3ステップ)、ISO 51200に対し約1段(ISO 102400相当)、約2段(ISO 204800相当)の増感、感度自動制御が可能
・寸法(幅×高さ×奥行き):約134.5×93.5×43.5mm
・質量:約445g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)、約390g(本体のみ)
・付属品:Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL25、バッテリーチャージャー MH-32、ストラップ AN-DC23、ボディーキャップ BF-N1、接眼目当て DK-32
スペックから読み取れるように、Z fcはデザイン性に優れているだけでなく、APS-Cフォーマットで高性能かつ軽量コンパクトなミラーレス一眼カメラだということがわかりますね。写りは評価の高いZ 50と同等なので問題ないでしょう。2088万画素のセンサーは画像処理エンジン EXPEED 6とともに、精細感あふれ豊かな写真をキャプチャー可能です。何よりも採用する大口径、ショートフランジバックのニコン Z マウントは、優れた光学性能のNIKKOR Zレンズがラインアップされており、明るさ、解像度、ピント精度、ボケの美しさをZ fcで堪能できます。
オートフォーカス性能も魅力です。人物だけでなくペットのネコやイヌにも対応した「瞳AF/動物AF」は、動き回る被写体でも高速かつ正確にフォーカスしてくれます。これにAF/AE追従で最大約11コマ/秒の高速連続撮影(拡張時)と、シャッターチャンスを逃さない仕様がうれしいですね。高感度もISO 100~51200と強いです。さらに拡張することもできますよ。
中身は最新のミラーレス一眼カメラですが、Z fcのルックスは往年のフィルム一眼レフ・ニコンFMシリーズのようです。手に取ってみるとわかりますが、大きさや重量感、とくに薄さがそれを彷彿とさせます。軽快感がありいつでもどこにでも持ち出せるコンパクトさが魅力になっています。軍艦部に目を移すとアナログなダイヤルが並んでいます。各々のシャッタースピードダイヤルやISO感度ダイヤルは、節度感高くなっており使いやすくなっています。カチカチとセッティングするのが楽しくなってきますね。
初心者は「カッコいいけどダイヤルがわからない!」と思ってしまうかもしれませんが、撮影もカメラに全てお任せの「AUTO」モードがあるので安心です。これにセットしておけばあとはシャッターを切るだけ!Z fcを被写体に向けてドンドンと写真を撮影しましょう。上級者は「P」「S」「A」「M」とおなじみのモードがあるので、表現手法に応じて切り替えて撮影すればいいでしょう。露出補正ダイヤルもあるのでカンタンに明るさも調節可能です。
また、ニコン「Z」として初採用となるバリアングル式の液晶モニターも特徴です。クルリと回してセッティングをして、ローアングルやハイアングル時だけでなく、セルフィー(自撮り)も可能になっています。これなら4KムービーモードでYouTube用のクリップもラクに撮影することもできますね。スゴいのはインスパイアしているニコン「FM」シリーズの雰囲気を損なわず、薄いボディのままバリアングル液晶モニターを実装したところでしょう。ニコンの技術力がキラリと垣間見えました。Z fcはデザインと技術が融合したミラーレス一眼カメラなのです。
「Z fc」でブラブラ実写!描写バツグン!
肩から提げて歩くだけでフォトウォークが楽しくなるZ fc。同時に発表された「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」と「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」をつけてブラブラとスナップ撮影してみました。
Z fcは本当に小さくて軽いので、ちょっとしたお出かけや散歩にも気軽に連れ出せます。特にNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)とのマッチングは最高です。「Creative Picture Control」のセピアで小旅行を演出してみました。いい雰囲気です。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:f/5.6 1/50秒 ISO-360 焦点距離28mm
クラシカルなルックスのZ fcですが、中身は最新のミラーレス一眼カメラです。速く正確なオートフォーカスと的確なホワイトバランスと露出は、旅のワンシーンをしっかりと捉えてくれました。シャープかつリアリティのある描写は記憶より鮮明です。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:f/2.8 1/50秒 ISO-280 焦点距離28mm
Z fcにテイストを合わせたNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)は写りも極上です。瓦にググッと寄って、F2.8の絞り開放でシャッターを切りましたがご覧のようなリッチなボケ感となりました。ピンポイントのフォーカス位置とシルキーな”Bokeh(ボケ)”が魅力的ですね。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:f/2.8 1/400秒 ISO-125 焦点距離28mm
ニコン「Z」シリーズ初となるバリアングル式液晶モニターはなかなか使いやすいです。このようにノラネコをローアングルで撮るときに威力を発揮しました。もちろん「動物AF」も効果バツグン!しっかりとその瞳を捉えてくれました。素晴らしい。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-125 焦点距離28mm
Z fcの描写がとても気に入りました。Z 50と同等の質感表現は実に豊かで精細感あふれています。小旅行でのワンカットですが、錆びた郵便受けと朽ちた壁、そしてシダの様子を克明に捉えてくれました。ルックスが注目されますが、その実力も申し分ありません。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO-125 焦点距離28mm
とても軽く小さいZ fcは、旅はもちろん散歩にも気軽に持ち出せるカメラになっています。動作のレスポンスもよく、「あ!」と心が動いたシーンを直ぐさま撮影可能です。こちらも小旅行でのカットですが、オートホワイトバランスが的確で見た目同様に撮影できました。初心者でも安心して使えるカメラになっています。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:f/2.8 1/80秒 ISO-3200 焦点距離28mm
有効2088万画素のセンサーは実にシャープに思い出を記録してくれます。湖上をいくボート、対岸の木々、青い空など、フォトグラファーが受けた印象そのままにキャプチャーしてくれます。発色も素晴らしく、オールマイティーに使える1台でしょう。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:f/8 1/400秒 ISO-100 焦点距離28mm
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの写りも秀逸です。16mmワイド端でのカットですが、湖面の波の様子、手前の緑の解像感、遠景の対岸まで申し分ない描写ですね。これで重量約135gというのですから驚きです。沈胴機構なので携行時にコンパクトになるのもいいですね。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:f/7.1 1/400秒 ISO-100 焦点距離16mm
同じくNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRでのカットです。苔むした岩の上にトカゲを発見してシャッターを切りました。一瞬の出来事でしたが。Z fcとこのレンズはその瞬間を鮮明に捉えてくれました。実に機動性の高い組み合わせと言えるでしょう。トカゲの身体と苔の描写が見事です。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:f/10 1/320秒 ISO-100 焦点距離50mm
Z fcとNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは日常的なシーンを余すところなく撮影可能でしょう。フルサイズ換算24mm〜75mm相当なので、スナップやポートレート、風景までカバーできます。このカットは箱根・芦ノ湖でのものですが、遊覧船と湖上の鳥居までシャープかつ色鮮やかに撮影できました。富士山が雲に隠れていたのが残念でしたね。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:f/9 1/320秒 ISO-100 焦点距離50mm
まとめ
ニコン「Z fc」はその美しいデザインがとても魅力です。眺めているだけでも楽しいですし、手に取ってもニヤニヤが止まらないですし、シャッターを切っても楽しいカメラに仕上がっています。見た目、使い勝手、撮り心地、そして描写が高次元にまとまったスタイリッシュなミラーレス一眼カメラだと言えるでしょう。広い世代に受け入れられて大人気になるのも納得できます。
このカメラがあれば、撮影するという行為が今以上に深く豊かになるのは間違いありません。ぜひキタムラの店頭で実機を手に取って、そのオーラを体感してみてください。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
ニコン Z fcはこちらの記事でも紹介中
■ニコン Z fc レビュー|上田晃司
https://shasha.kitamura.jp/article/482757772.html
この記事に使用した機材
【ニコン】Z fc ボディ
商品詳細ページ
【ニコン】Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット
商品詳細ページ
【ニコン】Z fc 16-50 VR SLレンズキット
商品詳細ページ
【ニコン】NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Edition
商品詳細ページ
【ニコン】NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
商品詳細ページ
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写真家の三井公一さんがニコン Z fcのレビューをしています。素敵なスナップ写真とともにご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン(Nikon)ボディー,Z fc,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト コハラタケル
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CATEGORY: コハラタケル
DATE: 09/04/2021 17:31:19
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テスト
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSSで撮る動物写真|小川晃代
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CATEGORY: 小川晃代
DATE: 09/05/2021 10:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,犬/猫/ペット,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
普段様々な焦点距離のレンズを使用している私ですが、中でも一番使用頻度の高いレンズは70-200mmF2.8の望遠ズームレンズです。写真を始めて約20年、使用するメーカーこそ変われど常に愛用し続けている、私にとってなくてはならないレンズです。何故ならペット・動物撮影においてこの1本があればどんなシーンでも素敵な写真が撮れるから。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが本当に様々なシーンで活躍する魔法のようなレンズなんです。今回は私がソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSSで撮影した作品をご覧いただきながらその魅力をお伝えします。
FE 70-200mm F2.8 GM OSSの活用法
FE 70-200mm F2.8 GM OSSは見た目も大きく長いレンズです。その見た目から「重そう」と敬遠している方もいるのでは無いでしょうか?確かに広角系のレンズやキットズームレンズに比べると重く感じると思います。ペット撮影をする方だと出来るだけ軽量コンパクトに済ませたい気持ちもわかります。でもその重さというデメリットを補って余りあるメリットがあるレンズなのです。まず重さですが超望遠のように持っているのがつらい重さではなく、女性の私でも手持ちで普通に撮影できるほど。もともと三脚や一脚を使わないスタイルの私にとって手持ちで撮影できるFE 70-200mm F2.8 GM OSSは最高の1本です。はじめは重いと感じるかもしれませんがすぐになれてしまう程度の重さなのです。また200mmという焦点距離はちょっと遠くにいる被写体撮影に便利です。ペットはもちろん身近な野生動物や野良猫、最近は動物園撮影もコレ1本を使っています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO125 露出補正+0.3 焦点距離184mm
こちらは奈良の鹿。比較的人慣れしていて近づく事も出来るため、どんなレンズでも対応できますが、70-200mmだと近すぎず遠すぎずのベストの距離感で鹿の自然な様子を狙えられます。
2匹がとても仲が良くてほほえましかったので邪魔をしないように200mmで切り取ってみました。背景は梅の花でピンクのボケを入れ込みました。寒空の中、春の訪れを感じる作品になったかなと思います。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/400秒 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離200mm
野良猫撮影や動物園撮影をする時、昔は70-200mmレンズと100-400mmレンズの2本を持って撮影に行っていました。ですがこの2本のレンズの付け替えや嵩張る荷物のわずらわしさから、最近は70-200mmレンズ1本で出かける事が多いです。動物園ではいかに人工物を入れずにフレーミングして野生のように見せるかが需要となります。こんな時このレンズが本領を発揮します。望遠レンズは広角レンズに比べ、画角が狭いです。つまり狭い範囲を大きく写すことが出来るレンズです。広角では写り込んでしまう余計な要素を望遠端の200mmで上手くフレーミングすれば余計な物を排除した野生感漂う写真に仕上がります。
また檻の中にいる動物を撮影する時は、手前の檻をぼかす事で檻を消してしまいます。開放値が大きいレンズだと手前の檻がボケきれずに残ってしまう事があるのですが、私が使っているレンズは開放値がF2.8。F2.8であれば檻がしっかりとボケて消えてくれるので、檻の有無を気にする事なく動物園撮影が楽しめるのも嬉しいです。(檻の太さや檻と被写体の距離の関係によって消えない事もあります)望遠レンズでありながらこのF2.8という開放値は本当に便利。同じ焦点距離でF4のレンズもありますが、上記の理由も含め動物園の動物~ペット撮影で使用するのであればこちらのF2.8を購入した方が良いと思います。
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離151mm
こちらは野良猫写真。野良猫は半野生動物なので近づき方にもコツがあります。最初からぐっと近寄るとビックリして逃げてしまうので、まずは200mmでこっそり狙って徐々に距離を詰めていきます。というように遠くにいる被写体を撮るために望遠レンズを使うというのは誰でもわかる事ですが、他にも愛犬撮影でもとっても役に立つこのレンズの特徴があるのです。
愛犬撮影でFE 70-200mm F2.8 GM OSSを使う
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO125 露出補正+0.3 焦点距離184mm
季節の花々とわんこを一緒に撮りたい。そんな時に欠かせないのが美しいぼけ味のこのレンズ。わんこやわんこの近くに配置した花はシャープにくっきり写り、背後に広がる花々はやわらかく優しいボケ味で包んでくれます。ぼけ味の他にさらに役立つ特徴は「圧縮効果」です。圧縮効果とは遠くにあるものが手前にギュッと引き寄せた(圧縮された)ように見える事。遠くの物が大きく引き寄せられるので遠近感が少なくなり密集したイメージの写真に仕上がります。わんこやにゃんこ撮影の場合、あえて被写体から離れて望遠レンズを使うのはこの圧縮効果を生かしたいからです。
この圧縮効果をお花畑で使うと、花と花の隙間が埋まって密集感が出ます。せっかく行ったお花畑がスカスカで淋しかった。という時でも望遠レンズの圧縮効果を使えば花と花の隙間を埋めて密集したお花畑のように写すことが出来るのです。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/3.2 1/2000秒 ISO500 露出補正+1 焦点距離128mm
ラベンダーの並木道で撮影した1枚。奥行きを出したかったので写真の中でラベンダーを対角線上に配置して撮っています。標準レンズではスカスカ感が目立ってしまいますが望遠レンズの圧縮効果で密集感が出ました。またF3.2で撮影しているので手前と奥のラベンダーがふんわりとボケて被写体を引き立てています。この美しいボケ味もこのレンズの魅力です。
例えばお花畑で観光客が多くても望遠レンズで上手くフレーミングし画面の中を被写体のわんこと密集したお花や青空で埋め尽くせます。そうすると実際には狭い範囲しか切りとっていないのにまるで広大なお花畑を独り占めしたかのような写真に仕上がります。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/3.5 1/400秒 ISO800 露出補正+0.3 焦点距離126mm
こちらの写真も圧縮効果が良くわかる作品。奥へと続く木々がぐっと手前に引き寄せられて存在感が出ています。縦位置にフレーミングする事で木の大きさやたくましさを表現してみました。そして紅葉が始まった木々の階調豊かな色の表現がしっかりでています。
このレンズの魅力とは
私はこのレンズはどんな場所でもキレイに美しく写してくれるレンズだと感じています。このレンズの持つ美しいボケ味が被写体を目立たせ、特に何にもない場所でもキレイな作品へと仕上げてくれるのです。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 露出補正+1 焦点距離187mm
公園の一角で撮影。足元にはたんぽぽが咲いていたので、なるべく沢山のたんぽぽが入るようにフレーミング。カメラを低く構え、被写体より手前のタンポポを前ぼけにする事でより柔らかな印象に仕上げています。
動きシーンでも大活躍
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/2000秒 ISO500 露出補正+1.3 焦点距離174mm
そして極めつけは動いているシーンの撮影。上の写真は河津桜の並木道を走るわんこ。動きシーンの撮影は美しい描写力だけではなくAF精度が必要不可欠。不規則に走り回る被写体に瞬時にピントを合わせてくれる高度なAF精度が求められるのです。
走る姿を綺麗に撮るためにはワンコの目線よりも低く構えるのが良いので私の場合は寝そべって撮ることが多いです。カメラから遠ざかったり急に近づいてきたりするわんこをちょうど良いサイズにフレーミングするのにズームレンズは最適なのです。
わんこの動きに合わせてカメラを振り画面内にわんこを入れ続け良きタイミングで連写。高度なAF制度を持つFE 70-200mm F2.8 GM OSSだからこそ、決定的シーンを逃さずに瞬間の撮影が出来るのです。よく「わんこの動きシーンの撮影って難しくて撮れない」というお声を聞きます。ある程度撮る側の反射神経が求められますが、このレンズを使って練習をすれば誰でも撮れると私は確信しています。そして何よりもこのレンズで動きシーンを撮るのが本当に楽しいのです。
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/4000秒 ISO1600 焦点距離159mm
カメラやレンズが苦手とする黒い被写体もこの通り。激しい動きに加え、水しぶきがピント合わせの邪魔をしますが、そんな事もお構い無しでちゃんとピントが合います。そして細かい水しぶきの一つ一つもしっかりと綺麗に描写されていますね。
まとめ
身近な野生動物~ペット撮影まで幅広く活用出来るレンズ。私は個人的にもFE 70-200mm F2.8 GM OSSが大好きでこのレンズに絶対的な信頼を持っているのでひいき目な所があるのかもしれませんが、美しいボケ味と豊かな階調、そして高度なAF精度を持ちながらこれだけ幅広く活用できるレンズは他に無いのではと思います。普段の風景をもっとお洒落に美しく見せたい時や、生き生きと走り回る愛犬の一瞬を撮ってみたくなったら是非このレンズを使ってみてください。
■写真家:小川晃代
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の小川晃代さんがソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSSのレビューを行っています。可愛い動物作例と合わせて製品の魅力をご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー(Sony) レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,ペット_動物
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト 熊切大輔さん
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CATEGORY: 熊切大輔
DATE: 09/06/2021 14:45:55
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テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ビクセン 星空雲台ポラリエU レビュー|北山輝泰
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CATEGORY: 北山輝泰
DATE: 09/06/2021 16:00:00
TAGS: ポラリエU,赤道儀,PR,ビクセン,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック
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BODY:
【PR記事】
はじめに
星景写真家・写真講師の北山輝泰です。ShaShaでは初めて記事を執筆させていただきます。今回は、天体望遠鏡メーカー「株式会社ビクセン」より発売されております、大人気のポータブル赤道儀「星空雲台ポラリエU」についてご紹介させていただきます。
星景写真撮影は何度か経験はあるけれど、赤道儀を使って撮影したことはないという方もまだまだ多いのではないでしょうか。そんな皆さんに、赤道儀の特徴や、追尾撮影のメリットをお伝えした上で、ポラリエUの魅力をご紹介できればと思います。
赤道儀とは
赤道儀とは、星空の動き(日周運動)と同じ速度で回転することで、長時間の追尾撮影を可能にした星空撮影に適した機材のことを言います。昔は手動で操作するものなどありましたが、今は電動のものが一般的です。また、赤道儀のラインナップも、星景・星野写真の撮影を目的とした小型のものが多く発売されるようになるなど、ニーズに合わせて変わってきています。
追尾撮影のメリット
ポラリエUの魅力をお伝えしていく前に、まずは赤道儀を使用した撮影についてお話ししていきます。赤道儀を使用して撮影することを「追尾撮影」と言いますが、星空を追尾しながら撮影することのメリットとしては、主に下記の2点があります。
1. 長時間シャッターを開けて撮影しても星を点像で撮れること
2. 流星群のシーズンなどに、流星が流れる起点(放射点)方向を常に画角の中に収めながら撮影できること
1つ目の「長時間シャッターを開ける」というシチュエーションですが、主に以下のような時です。
・空が暗いところに遠征をして撮影する時
・ISO感度を低くして撮影する時
・F値が暗いレンズ(F2.8以上)を使って撮影する時
空が暗いところとは、天の川が肉眼で分かるような環境です。そういった場所で撮影を行う際のカメラの設定は、F2.8程度の明るいレンズでも、シャッタースピードが30秒、ISO感度が3200程度になります。30秒もシャッターを開けると、どんなに広角レンズで撮影をしても、星の流れが見て分かる写真になります。
さらに、F値が2.8以上の暗いレンズは、明るく撮るためには光をたくさん受け取らなければいけないため、さらにシャッタースピードが遅くなります。それらを補うために、ISO感度を高くして撮影するという考え方もありますが、ISO感度を高くすると、どんなカメラであれノイズが出てきますので、極力上げたくないというのが正直なところです。以上のことから、空が暗いところで、ISO感度をそこまで上げずに星空を点像で撮影するためには、赤道儀が必要ということになります。
■使用機材:Canon EOS 5DS + EF16-35mm f/4L IS USM
■撮影環境:シャッター速度:90.0秒 絞り値:F4.0 ISO感度:6400 ホワイトバランス:蛍光灯 星空雲台ポラリエ 恒星追尾モード
2つ目の流星の放射点方向を常に画角の中に収めるというものは、流星が降り注ぐような比較明合成写真を作りたい時のことを指します。流星群は、放射点と呼ばれる起点から四方八方に流れる特徴があり、ある一方向を撮り続けると、そこに写る流星はほぼ同じ方向から流れてきます。
■使用機材:α7Ⅲ + FE 20mm F1.8 G 焦点距離 (35mm換算):20.0mm
■撮影環境:シャッター速度:10.0秒 絞り値:F1.8 ISO感度:6400 ホワイトバランス:蛍光灯 11枚を比較明合成
上の写真は、8月のペルセウス座流星群の際に撮影した写真のうち、流星のみを比較明合成した作品になりますが、赤道儀を使わないで撮影した場合は、時間の経過と共に放射点の位置が変わってくるため、写り込んでくる流星の方向が最初と最後では異なってしまいます。一方、放射点方向を追尾して撮影することで、合成した時に「一点から放出される」様子を残すことができます。
もちろん、最初に映り込んでいた地上景色は時間の経過とともにずれてきますので、地上景色の写真は別に撮影して合成する必要があります。
星を点像でとること
ここまでは追尾撮影のメリットについてご紹介しましたが、ここで一度話を戻し「星を点像で撮ること」について考えたいと思います。逆説的なことを言いますが、星は必ずしも点像で撮る必要はありません。
長時間露光や比較明合成をして星の動きを線で表現する作品があるように、「点」と「線」という2つの表現方法があるのが星空写真です。では、星を点像で撮る必要があるのはどういったシーンなのかについて考えたいと思います。それは大きく分けて3つあります。
・写真を大きなサイズに印刷して発表したい時
・天の川銀河の中心方向を撮影する時
・星座や天体がテーマの作品を撮る時
一つ目の写真を大きく印刷する時ですが、A4サイズ以上の大きさに写真を印刷した時、それまで気にならなかった星のわずかな流れが目立ってきます。特に焦点距離で24mm以上になると顕著に現れます。わずかな流れというのは、言わば手ブレした作品を見ているような印象で、どんなに魅力的な構図で撮られていても残念な印象になってしまいます。撮った作品はSNSで共有するだけということであれば、気にする必要はありません。
次に天の川銀河の中心方向を撮影する時ですが、これは星景写真の被写体でもおなじみの
「夏の天の川」の一部分を指します。無数の星が集まり、まるで夜空を流れる川のように写る天の川は、誰しも一度は撮ってみたいと思う被写体ですが、その中でも、色彩豊かな星雲があり、暗黒星雲とバルジの対比が美しい銀河の中心部分は、赤道儀で撮影すべき領域です。
上の写真はシャッタースピードを360秒にして撮影した写真で、上が赤道儀を使わない撮影、下が赤道儀を使った撮影になります。追尾撮影をした写真の方が美しいのは一目瞭然です。赤道儀を使う目安としては、30秒以上の露出をかけて撮影したい時と覚えておきましょう。
最後に星座や天体がテーマの作品を撮る時ですが、具体的には「冬の大三角形を撮りたい」「北斗七星を撮りたい」「彗星を撮りたい」など、主に標準~中望遠レンズを使って撮影するようなシチュエーションの時には、星を点像で撮影する必要があります。
■使用機材:α7Ⅲ + TAMRON 35mm F/2.8 Di III OSD 焦点距離 (35mm換算):35.0mm
■撮影環境:シャッター速度:20.0秒 絞り値:F2.8 ISO感度:800 ホワイトバランス:蛍光灯 ポラリエU 恒星追尾モード
■使用機材:Canon EOS R + TAMRON SP 35mm F/1.4 Di USD
■撮影環境:シャッター速度:15.0秒 絞り値:F2.0 ISO感度:1600 ホワイトバランス:蛍光灯 ポラリエU 恒星追尾モード
その際、赤道儀で追尾撮影するのに加え、ソフトフィルターなども併用すると、より星を強調して撮影することができますのでおすすめです。
ポラリエUとは
2020年1月31日に発売されたポラリエUは、以前より発売されていたポータブル赤道儀「星空雲台ポラリエ」のイズムを受け継ぎながらも、様々な点でブラッシュアップされています。
主な点としては、
・よりコンパクトになり、カメラバッグへの収納がしやすくなったこと
・約150g軽量化され、持ち運びしやすくなったこと
・タイムラプス撮影を意識したカスタム速度が搭載されたこと
・スマートフォンまたはタブレットの専用アプリでコントロールできること
・アルカスイス式の雲台に直接取り付けができるようになったこと
などが挙げられます。
これらの変更は、ポラリエを愛用していた天文ユーザーの声を少しずつ拾い上げて改良されているということで、同社の物づくりに対する姿勢が表れています。
ポラリエUのモーター速度
ポラリエUには5つのモーター速度があります。
・恒星時に対して0.5倍速追尾
・恒星時追尾
・太陽追尾
・月追尾
・カスタム
0.5倍速は、主に星景写真撮影で使用する速度です。恒星時追尾で地上風景の流れが目立ってしまうようなシチュエーションの時に使用します。恒星時追尾は、星空をメインに撮影する時に使用します。
太陽追尾は、皆既日食や部分日食の際、太陽が欠けていく過程を一定間隔で撮影する時や、太陽の前をISS(国際宇宙ステーション)が通過する時に、その瞬間まで太陽を画角にいれておくなどの用途で使用します。
月追尾は、皆既月食や部分月食の撮影、ISSの月面通過や、惑星食(月が惑星を隠す)の撮影などで使用します。カスタム速度は、0.0倍~10倍までの間で、0.1刻みで任意の速度を設定することができ、主にタイムラプス撮影で使用します。カスタム速度の設定は、ポラリエU専用のアプリ上で行います。
ポラリエUのセッティング
赤道儀を使って正確に星空を追尾するためには「極軸合わせ」というセッティングが必要なります。極軸合わせとは、赤道儀の赤経軸を天の北極方向に向ける作業のことです。北半球の場合は、北極星のある位置がおおよそ天の北極方向になりますので「北極星の方向に赤道儀を向けること」と言い換えることもできます。
ポラリエUの極軸合わせには、三通りの方法があります。
・付属のポーラファインダーを使用する方法
・別売のポーラメーターを使用する方法
・別売の極軸望遠鏡を使用する方法
最も基本的な方法は、ポーラファインダーを使用する方法です。ポーラファインダーには直径約9mmの素通しの穴が空いており、ここから北極星を探すことで、おおよそ極軸を合わせることができます。最初は慣れないかもしれませんが、おおよそ向いているだけでもいいのであまり難しく考える必要はありません。
次に別売のポーラメーターを使用する方法ですが、これは北極星が山などに遮られて視認できない時や、雲に隠れて見えない時に極軸を合わせることができる便利なツールです。ポーラファインダーでの極軸合わせに難しさを感じた方にもおすすめです。
ポーラメーターには、方位磁石、角度計、水準器がついており、方位磁石を北に、角度計を北極星がある高さに、水準器の気泡が円の中心にあるようにすれば、おおよそ極軸合わせは終了となります。北極星の高さは撮影する地域によって異なりますので、使用する前に調べるようにしましょう。また、方位磁石の北は、真北とはちょっとだけずれており、厳密なセッティングをするのであれば「偏角」を調べ修正してあげる必要があります。
最後に、極軸望遠鏡を使用する方法ですが、これは主に100mm以上の望遠レンズを使用する際に、より正確な極軸合わせが必要な時に行います。望遠鏡という言葉通り、拡大した視野の中で北極星を導入する必要が出てきますので、極軸微動雲台などを併用することが前提となります。
このように、ポラリエUはユーザーのレベルや使用目的によって、極軸合わせの方法を変えることができるのが魅力です。特に、別売のポーラメーターは、極軸合わせが難しいとされる南半球での撮影でも大変役に立ちますので、いずれ海外遠征を考えている方は購入を検討してみてください。
ポラリエからの改良点
ポラリエUは、ポラリエと比べると形状がよりスクエア型になっているのが分かりますが、この形は撮影において理想的な形をしています。それは「南方向の縦構図での撮影がしやすくなった」ことです。
従来のポラリエは、横長の長方形の形をしていたため、カメラを縦構図にして南に向けると、レンズとポラリエが干渉してしまうことがありました。そのため、L 字ブラケットなどを併用して、ポラリエとカメラの距離を離して撮影する必要がありましたが、それに対してポラリエUは、縦構図にして南に向けても機材が干渉することがないため、ストレスなく撮影することができます。
夏から秋にかけては、南の空に天の川が聳え立つような形になり、冬は明るい星座たちが南の空に集まります。縦構図で南の空を撮影したいというシチュエーションは年間を通して何度もありますので、この形は理にかなっています。
■使用機材:α7Ⅲ + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD 焦点距離 (35mm換算):44.0mm
■撮影環境:シャッター速度:20.0秒 絞り値:F2.8 ISO感度:4000 ホワイトバランス:蛍光灯 ポラリエU 恒星追尾モード
また、ポラリエUはタイムラプス撮影にも使用することができます。タイムラプスとは、星空の日周運動などの長時間かけて変化する動きを一定間隔で撮影し、短時間に圧縮して動画として見せる技法のことです。
ポラリエUは、このタイムラプスの素材撮影の際に、構図に動きを加えることができます。ポラリエUで付与できる動きとしては、横の回転運動であるパニングと、縦の回転運動であるチルトの2つです。
VIDEO
こういった動きはモーションタイムラプスと呼ばれ、タイムラプスを作る上では必須のテクニックです。
ポラリエUとカメラを別売のシャッターケーブルで繋ぐことで、専用アプリからシャッター制御をすることができます。露光中、露光停止中の回転速度や、回転方向、さらには撮影間隔、露光時間など、細かく設定することができるため、自分が理想とする動きのタイムラプスを撮影することができます。
それらを設定すると、アプリ画面に回転角度が表示されますので、ポラリエU本体に刻まれた目盛り(一目盛りは5度)と照らし合わせることで、どの程度回転するのかをシミュレーションできるのも良い点です。
まとめ
ポラリエUは、その小さく可愛らしいボディながら、発想次第ではクリエイティブな作品作りにも挑戦することができる魅力的な機材です。極軸合わせの様々なバリエーション、豊富なモーター速度やアプリを利用した制御など、これから追尾撮影やタイムラプスに挑戦したいと思っている方からすでに撮影されているベテランの方まで、幅広いニーズに答えてくれる機材です。
ビクセンの公式YouTubeチャンネル では、ポラリエUを使用して撮影した星景タイムラプスムービーをアップしておりますので、ぜひそちらもご覧いただければと思います。
■写真家:北山輝泰
東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。天文台インストラクター、天体望遠鏡メーカー勤務を経て、2017年に写真家として独立。世界各地で月食や日食、オーロラなど様々な天文現象を撮影しながら、天文雑誌「星ナビ」ライターとしても活動。また、タイムラプスを中心として動画製作にも力を入れており、観光プロモーションビデオなどの制作も行っている。星空の魅力を多くの人に伝えたいという思いから、全国各地で星空写真の撮り方セミナーを主催している。セミナーでは、ただ星空の撮り方を教えるのではなく、星空そのものの楽しさを知ってもらうために、星座やギリシャ神話についての解説も積極的に行なっている。
第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ
ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。宙(そら)は、もっとも身近にある、スケールの大きな被写体です。満天に星の広がる高原や海辺から、歴史的な建造物とともに、都会の景色の中で、あるいはご自宅からも、星空を撮影することができます。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。お一人何点でもご応募可能です。
・募集締め切り:11月30日(火)
・募集テーマ:星にまつわる8つのテーマ(国内・海外問わず)
(1)自然風景
(2)山
(3)海
(4)建造物
(5)水鏡
(6)天体写真(星雲星団、惑星など)
(7)月
(8)自由
・応募方法:プリントまたはWeb
・各賞:グランプリ(1作品)ビクセンオンライン商品券5万円分 + 「星空雲台 ポラリエU」 ほか
詳細はビクセンホームページ をご覧ください。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
星景写真家・写真講師の北山輝泰さんによるビクセンの星空雲台「ポラリエU」レビュー記事です。
製品の特徴や使い方を作例と併せてご紹介しています。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,赤道儀,ポラリエU,星景_天体
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック|菅原貴徳
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 菅原貴徳
DATE: 09/07/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,野鳥
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BODY:
はじめに
このところ、野鳥撮影が人気のようです。確かに公園や森を散策すると、超望遠レンズを持った方によく出会います。私は小学生の頃に野鳥の魅力に出会い、以来、観察や撮影を楽しんでいますが、高価で重量級の、いわゆる“大砲レンズ”以外の選択肢がなかった当時を思うと、このところの各社のレンズ(特に超望遠ズーム)、カメラの充実したラインナップには隔世の感があります。
野鳥たちが魅力的であり、多くの人の関心を誘うことは必然的なこと。そして、機材も充実した今、撮ってみたいと思うのも自然なことでしょう。同時に、野鳥たちには野鳥たちの暮らしがあって、撮影や観察する際には「お邪魔している」という謙虚な気持ちを常に忘れないようにしたいものです。
今回の記事では、最初に知るべき基礎的な心構えにも触れつつ、最も初歩的なところ、どのように野鳥撮影をはじめるとよいかをご紹介したいと思います。
野鳥撮影の醍醐味とは
野鳥撮影の醍醐味とは、写真を撮るという目的・行為を通して、野鳥たちのことを知っていくことにあると考えています。例えば、図鑑を1冊めくることや、関心を持って歩くようになると、身近なところにも色々な鳥が暮らしていることに気がつきます。
フィールドではいきなりカメラを据えるのではなく、一歩引いた距離から観察するようなアプローチをすることで、いざ撮影となった時にいい成果を生むことができます。
例えば、魅力的な飛翔写真を撮影したいと思った時、飛翔ルートがわかれば、背景や光線も考えて位置取りをし、カメラの設定も整えて待つことができます。遠回りのようで、実はその過程で得る経験や知識は興味深いものばかりですし、そうして得た1枚には思い入れも宿るでしょう。
下の写真は、秋の水辺に浮かぶオシドリ。日本にも魅力的な鳥がたくさんいます。
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/80
■絞り優先モード 35mm判換算1000mm相当
野鳥撮影の機材 カメラとレンズ
飛翔撮影、特にカワセミやツバメのような小鳥を対象にするのであれば、AFのポイント数や速度がより優れているハイエンドの一眼レフやミラーレスが有利です。一方、サギ類やハクチョウ類のような大型の鳥であれば、高倍率ズーム機能付きデジカメのような機種でも十分撮影可能です。
システムを組む上で大切な指標のひとつは、「〇〇mm相当」と表記される、俗に言う35mm判換算と呼ばれる焦点距離です。人の生活圏に住み、ある程度に人に慣れた大型の鳥であれば、300mmや500mm相当の焦点距離の範囲でも撮影できますが、日本の野鳥は警戒心が強いものが多く、800mmや1000mm相当の焦点距離をもってしても、なかなか思う大きさに撮影できないことが少なくありません。また、地形的にそもそも近付けない状況も多々あります。
そのため、基本的に長ければ長いほど撮影チャンスは多くなると言えます。35mm判換算の焦点距離をそれぞれ1.5倍、2倍に伸ばしてくれる、APS-Cやマイクロフォーサーズといったセンサーサイズが、望遠系の撮影では有利になるのはこのためです。超望遠の狭い画角になれるのは、最初は大変かもしれませんが、野鳥に近づく労力に比べれば微々たるものです。
超望遠レンズを使うことで、野鳥と離れたところから撮影できるということでもあります。つまり、無理に接近して飛ばせてしまう、というような、野鳥へのプレッシャーも軽減できます。鳥の方が安心していれば、結果的にゆっくり、じっくりと撮影できることにもなります。近年は、高性能で比較的手ごろな価格帯の超望遠レンズも増えてきました。野鳥への配慮、という観点からも、ぜひ超望遠レンズの導入を検討して欲しいと思います。
下の写真は街中の川に暮らすコサギを、散歩の途中で撮影したものです。比較的大型の鳥なので、鞄に入る小型のシステムでも充分でした。
■使用機材:フジフイルム X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR + XF1.4X TC WR
■撮影環境:ISO 400 F8.0 1/1900
■絞り優先オート 35mm判換算630mm相当
下の写真は、都内の緑地でも普通に見られるキツツキの仲間、コゲラです。大きさはスズメほど。鳥が小さい上、木の上にいて近づけないので、35mm判換算1000mm相当のシステムでもこの大きさに写すのには苦労します。
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/125
■絞り優先モード 35mm判換算1000mm相当
野鳥撮影の機材 三脚と雲台
カメラやレンズに搭載の手ぶれ補正や、カメラの高感度耐性の向上によって、手ブレ防止という観点で見れば、その心配はある程度解決されているように思います。最初の鳥の見つけ方をよく知るべき段階では、機動性を重視して手持ち撮影専門や、軽めの三脚にとどめるのが良いと思います。
三脚が重宝するのは、野鳥を待ち伏せる時。野鳥は追いかけると逃げますが、静かに待ち伏せていれば近づいてきてくれることがあります。三脚にカメラが据わっていれば、野鳥の出現時にカメラを構える動作を小さくすることができ、野鳥を驚かせにくくすることができます。
雲台は、野鳥撮影で使うレンズには三脚座がついていることが多いので、ビデオ雲台や2WAY雲台が使いやすいでしょう。“大砲レンズ”とジンバル雲台の組み合わせは野鳥の素早い動きに対応するのに人気がありますが、大きく、そして重いので、どうしても機動性が落ちます。観察を通して、待つべきポイントが明確であれば重宝しそうです。
下の写真は、ジッツオGT2532三脚に、レオフォトのビデオ雲台 BV-10の組み合わせ。間には、スリック レベリングユニット2を挟んでいます。動きを連続的に追うためには、雲台自体が水平であると快適になります。
野鳥撮影の機材 双眼鏡
上述のように、機材の軽量化が進み、身軽に散策することができるようになったからこそ、ぜひ充実させて欲しいと思うのが観察機材。その代表格が双眼鏡です。カメラのファインダーと比べると、両眼視できることで目も疲れにくく、視野が広いため鳥も見つけやすいといったメリットがあります。
いい写真を撮るという観点から言えば、そもそも写真とは、他人に伝えたいなにかを見つけた時に、伝えるための手段です。よく鳥を見て、魅力的な仕草や角度を見つけることが、いい写真の第一歩。ぜひ、その時間を楽しんで欲しいと思います。
カメラレンズと同様、対物レンズ径が大きくなるほど明るいのですが、当然重くなります。視野が広い8から10倍、口径25から32mmくらいが使いやすいでしょう。防水機能も野外では重宝します。
カメラ設定のポイント
まずAF設定は、C-AF(コンテニュアスAF)を基本にし、うまくピントが合わずAFが迷ってしまう場合はS-AF(シングルAF)への切り替えを考えると良いかと思います。AFターゲット(AFエリア)は、小さすぎると野鳥の動きに対応しづらく、大きすぎると障害物に合焦します。概ね、画面の面積の20~50%程度をカバーする範囲で調整すると良いでしょう。
画面内の鳥が小さい時はより小さく、逆に大きい時は拡げるといいと思います。機種によっては、鳥認識AFや動物の瞳認識AFといった機能がサポートしてくれる場合もあります。機種ごとの差が大きい部分でもありますので、お手持ちのカメラで試してみましょう。
私は、新しいカメラを手に入れた際は、身近なカラスやハトを対象にして、特性が理解できるまで練習してから実際の撮影に導入するようにしています。
連写はなるべく速い方が有利です。ミラーレスカメラでは、連写速度を最大にすると、AFやAEが追従しなくなる場合があるので注意しましょう。
露出制御は、最もよく使うのは「絞り優先オート」です。絞りを開放にしておくことで、レンズの明るさを担保しながら、適切なシャッタースピードをカメラが決めてくれます。「ISOオート」と組み合わせることで、任意のシャッタースピードを下回った時に、自動的にISO感度を上げてくれるように設定できます。自身のシステムで、手振れが起きやすいシャッタースピードを事前に知っておき、設定時の参考にしましょう。
「シャッタースピード優先オート」や「マニュアル露出」は、鳥の羽ばたきを確実に止めたい、あるいは流し撮りをしたいなど「シャッター速度を使った表現」を目指す時に使います。ちなみに、小鳥が飛び立つ瞬間を止めるには、最低でも1/2500、できれば1/4000程度の高速シャッターを切りたいところです。
下の写真のアオサギのように、大型の鳥は飛翔速度が比較的遅いので、練習に良いでしょう。より小型の鳥でも、動きに合わせてカメラを振ることができれば1/500や1/1000程度のシャッター速度でも飛翔を写すことができます。
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/800
■絞り優先オート 35mm判換算600mm相当
まずは水辺からはじめよう
さて、野鳥撮影を始めたいと思った時、最初にいく場所としては、山野よりも水辺がおすすめです。その理由を挙げると、
1.開けているので、野鳥の姿を見つけやすいこと
2.カモ類やサギ類、ハクチョウ類など、大型で見つけやすく、かつ動きが比較的ゆっくりしているものが多いこと
3.光が潤沢なので、ブレを抑えやすいこと
などがあります。
ベストなのは、市民の憩いの場になっている、池の周りが遊歩道になっているような場所。人の姿を見慣れている鳥たちも多いので、比較的近くで撮影できるチャンスが期待できます。特に秋から春にかけては、多種のカモ類がやってきて賑やかです。撮影の際には、一般の方の邪魔にならないよう、カメラを構える前に周囲を見回す配慮をしましょう。
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:ISO 320 F4.5 1/640
■絞り優先オート 35mm判換算40mm相当
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1 mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/2500
■マニュアル露出 35mm判換算800mm相当
下の写真のように、小鳥が羽ばたく瞬間も、光が潤沢な水辺なら撮影チャンスが多くあります。虫を追い、石を転々と飛び回るハクセキレイを、プリ連写機能と高速シャッターの組み合わせで写し止めました。
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 800 F5.6 1/4000
■マニュアル露出35mm判換算1000mm相当
■プロキャプチャーモード(プリ連写機能)
水辺では、人気のあるカワセミの発見も期待できます。小さい鳥なので、慣れないうちは見つけるのが難しく感じるかもしれませんが、コツを掴めば案外身近なところにも多く生息している鳥だとわかります。
カワセミを発見するには、まずは双眼鏡で、杭の上や、水面に張り出た枝をみる癖をつけること。カワセミは、概ね水面から1~10m程度の高さから水に飛び込んで魚を捕らえます。次に、声を覚えること。カワセミの声は特徴的で、自転車のブレーキのような、金属的な声です。
カワセミに限らず、生態を知ることや声を気にすることで、発見できる鳥の数は飛躍的に増えていくはずです。開けた水辺と違い、森の中ではより声が重要です。まずは水辺でトレーニングをして、徐々にいろんな環境に出かけるようにすると良いでしょう。
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 250 F4.5 1/320
■絞り優先オート 35mm判換算800mm相当
野鳥について、知ってほしいこと
野鳥と接する上で、鉄則と言えることをいくつか紹介します。冒頭に示したように、「お邪魔している」という謙虚な気持ちを持つことはもちろんですが、以下のようなことを心がけると、鳥との距離が縮まる可能性があります。
1.すべての動作を、ゆっくり、ちいさく、静かに!
急に立ち上がる行為、三脚を振り上げるのはNG。カメラを構える動作もゆっくり行いましょう。
2.情報発信は慎重に!
人気のある鳥の居場所をSNSに晒してしまうと、人が集まってしまいます。特に子育ての時期は、カメラマンが集まることで天敵を呼び寄せることにつながるため、怯えて子育てを放棄する事件が毎年起こっています。すぐにSNSに公開せず、子育てが終わってからにするなどの配慮が必要です。
3.自分のシルエットを小さく見せる
立つよりしゃがむ、半身を植え込みや木の幹の影に隠す、大勢で群れないなどを心がけると、鳥も安心します。
下の写真は、地上で食べ物を探すツグミです。立って近づくと飛び去ってしまいますが、低い姿勢で待つようにすると、近くに来てくれることもあります。背景も綺麗にボケやすいので、写真的にもメリットがあります。
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
■撮影環境:ISO 500 F6.3 1/250
■絞り優先オート 35mm判換算800mm相当
最後に
いかがだったでしょうか。野鳥撮影は、相手が思う通りに動いてくれないことも多く、難しく感じるかもしれません。しかし、大事なことは、野鳥のことを知り、思いやる気持ちを持つことです。
一見、テクニックとは関係のないように思われてしまいそうですが、鳥が飛び立たない距離で立ち止まることができれば、鳥の生活の邪魔をせずにすみますし、結果的に撮影チャンスも広がります。そして、じっくり撮影できれば愛着も湧くことでしょう。
いつまでも野鳥撮影を楽しめるように、鳥や周りの環境にも敬意を払いながら、奥深い野鳥の世界を楽しんでいきましょう。
■写真家:菅原貴徳
1990年、東京都生まれ。幼い頃から生き物に興味を持ち、海洋学や鳥の生態を学んだ後、写真家に。野鳥への接し方を学ぶ講座を開くほか、鳥が暮らす景色を探して、国内外を旅するのがライフワーク。著書に最新刊『図解でわかる野鳥撮影入門』(玄光社) ほか、『SNAP!BIRDS!』(日本写真企画)などがある。日本自然科学写真協会会員。 オリンパスカレッジ講師。
この記事に使用した機材
【オリンパス】OM-D E-M1X ボディ
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
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【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
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【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
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【フジフイルム】X-T4 ボディ ブラック
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【フジフイルム】XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
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【フジフイルム】テレコンバーター XF1.4X TC WR
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【ジッツオ】GT2532 マウンテニア三脚2型3段
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【レオフォト】BV-10 VTR用雲台60mm VTRシリーズ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の菅原貴徳によるはじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック記事です。作例と併せて野鳥撮影の始め方をマスターしましょう。
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KEYWORDS:
ペット_動物,撮影テクニック,鳥,菅原貴徳
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト高橋伸哉さん
BASENAME: 483297390.html
STATUS: Draft
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 高橋伸哉
DATE: 09/07/2021 19:12:14
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BODY:
テスト
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USM×ポートレート|大村祐里子
BASENAME: 483293604.html
STATUS: Publish
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 大村祐里子
DATE: 09/08/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF100mm F2.8 L MACRO IS USM,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
2021年7月15日に発売となった、キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USM。名前の通り、マクロレンズです。今回は、EOS R5にこちらのレンズを装着してポートレートを撮影してみました。当記事では、マクロレンズの機能を一つずつご紹介するのではなく、マクロレンズである当レンズをポートレート撮影に使ったらどういったところが面白かったか、という視点でお話させていただきます。
▼大村祐里子さん執筆のEOS R5レビュー記事はこちらから ご覧頂けます。
SAコントロールリングでボケ描写を変える
F2.8の100mmマクロ、という観点でみると、かなりスリムな印象である当レンズ。手が相当小さい私でもしっかりとホールドできます。現場に手伝いに来てくれた人も「これで100mmなのですか!小さいですね!」と驚いていました。
このレンズの特筆すべきポイントは「SAコントロールリング」です。公式HPを見てみると、SAコントロールリングとは、リングを回すことで、SA(Spherical Aberration:球面収差)を変化させ、ボケの輪郭をやわらかくしたり硬くしたり自在なボケの描写を可能にするもの、とのこと。
実際に、同一シチュエーションでSAリングの回転方向を変えてみて、その描写を比較してみました。まずはSAコントロールリングを動かさず、ノーマルな状態で撮影したものをご覧ください。
■SAリングはノーマル
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO100
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
次に、リングを「-」方向いっぱいに回転させてみました。背景がグルグルと柔らかくボケて、全体的にソフトフォーカスがかかったような雰囲気になりました。
■SAリングは-方向に回転
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO100
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
今度は、リングを「+」方向いっぱいに回転させてみました。背景の玉ボケの輪郭がクッキリとして、ボケの主張が強めな印象になりました。全体的にソフトフォーカスがかかったような雰囲気なのは、さきほどと似ています。
■SAリングは+方向に回転
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO100
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
このように、当レンズはSAコントロールリングを回転させることで、本当に同じレンズなの?と驚いてしまうほど、異なるボケの描写・ソフトフォーカス効果が楽しめます。その点が非常に個性的で面白いなと感じたので、この日は当レンズのボケの描写やソフトフォーカス効果を存分に取り入れた作品づくりをしたいなと思いました。
ノーマルな状態で撮ってももちろん良い!
と、ここまでSAコントロールリングを回転させる話ばかりしてしまいましたが、もちろんノーマルな状態で撮っても、とても良いです。線がスッキリとしていて、キヤノンらしい描写だなと思いました。個人的には自分の作風に合っていて好みです。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/100 ISO400
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/4 1/100 ISO400
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
100mmという焦点距離ゆえに歪みもほとんどないので、マクロレンズという名称ではありますが、ポートレート撮影でも大変使いやすいレンズだなと思いました。
ソフトフォーカスを生かした優しい絵作り
この日のモデルさんは女性らしい雰囲気で、お花を持っていただいたらさらに柔らかい空気をまとわれるようになりました。その空気感が伝わるような作品にしたいなと思い、SAコントロールリングを「+」に回転させて、背景とモデルさんのお顔はちょっと硬めに描写してしっかりと見えるようにし、逆に手前のお花は大きくぼかして、柔らかさが出るようにしました。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/100 ISO400
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
今度は、先ほどと反対に、お花を主題にして、モデルさんが背景に佇んでいるような構図にしました。SAコントロールリングを「-」に回転させて、背景は大きくぼかしながら、手前のお花はある程度見えるようにしました。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/100 ISO400
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
キラキラとした木漏れ日をバックに微笑むモデルさんが眩しかったので、SAコントロールリングを「+」に回転させて、背景の玉ボケをあえて強調してキラキラ感を高めてみました。ソフトフォーカス効果ゆえのハイライトのにじみが、私の感じた眩しさをうまく表現してくれたように思います。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/125 ISO125
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
太陽を背に、お花を覗き込むモデルさんが輝いて見えました。お花や表情感はしっかりと描写しつつ、背景はなだらかにぼかして、私がこの場所で感じた空気をそのまま写し取りたいと思いました。SAコントロールリングを少しだけ「-」の方向に回して、過剰にボケないようにし、適度なソフトフォーカス効果が残るくらいの絵にしています。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/3.2 1/60 ISO400
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
リングの回転加減で、ボケやソフトフォーカスの量を調節できるのはとても良いなと思います。
パーツのアップもおまかせあれ
当レンズは撮影倍率1.4倍、最短撮影距離:0.26mのマクロレンズです。ゆえに、マクロ撮影はお手の物。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/80 ISO400
■モデル:川口紗弥加
ポートレートにおいてマクロ撮影はしょっちゅう行うものではないですが、写真を組んだときに、ときどきパーツのアップが入っていたりすると、作品全体にリズムが生まれます。
今回も、パーツに寄った撮影をしてみました。瞳にだって、こんなに寄れてしまいます。このくらいのアップの絵があると、組写真を作りやすくなるのでありがたいです。
モデルさんが見つめているものまでハッキリとわかります。レンズフードがお顔にぶつかりそうになるくらいまで寄れるので、緊張しました。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/60 ISO640
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
モデルさんがしていたイヤリングがかわいかったので撮影しました。「あ、いいな」と思ったパーツに躊躇なく寄れるレンズは、ポートレート撮影においてとってもありがたい存在だなと思いました。
ノスタルジックな表現にも
このレンズは、優しくて柔らかい表現だけではなく、ノスタルジックな表現も得意です。トンネルを通りがかったとき、そこを歩くモデルさんを「柔らかくて優しい」というよりは、どこかノスタルジックに感じました。その感じをこのレンズで表現できないかな?と思い撮ってみたところ、まさに私が思い描いていたような絵になりました。
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/80 ISO100
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/320 ISO100
■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
ソフトフォーカス効果と大きなボケは、どこか昔懐かしい雰囲気の写真に仕上げてくれます。モノクロにしてみると、よりそれが誇張されるように思います。
ショートムービー
4K・DCI(4096×2160)、通常画質、29.97fps、Canon Logで撮影しています。全編、手持ちです。レンズの描写を生かして、ふんわりと優しい雰囲気に仕上げてみました。
VIDEO
おわりに
一本で、様々な描写が楽しめるRF100mm F2.8 L MACRO IS USM。マクロレンズとしてはもちろんですが、ポートレートを撮影するためのレンズとしても、非常に優秀だと思いました。ノーマルな状態でも良いですし、SAコントロールリングを活用して、大きなボケやソフトフォーカス効果を楽しまれてみてはいかがでしょうか。
■モデル:川口紗弥加
■ヘアメイク:齊藤沙織
■写真家:大村祐里子
写真家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、人物撮影をメインとし、雑誌・書籍・Webでの撮影・執筆など、さまざまなジャンルで活動中。趣味はフィルムカメラを集めて、使うこと。 2020年3月に『フィルムカメラ・スタートブック』(玄光社)を出版。
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EXCERPT:
写真家の大村祐里子さんがポートレートでキヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMをレビューしています。ボケの輪郭を調整するSAコントロールリングを使った作例を中心に製品の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,レンズ,レビュー,人物,ポートレート,RF100mm F2.8 L MACRO IS USM,SAコントロールリング,大村祐里子
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AUTHOR:
TITLE: タムロン 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD レビュー|お手軽価格だけど超広角&鋭い高画質!
BASENAME: 483292333.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 成澤広幸
DATE: 09/09/2021 16:00:00
TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,11-20mm F/2.8 Di III-A RXD,広角ズーム,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック
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BODY:
基本情報【外観・スペック】
TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD(MODEL B060)は、2021年6月24日に発売された小型・軽量な超広角ズームレンズ。価格は希望小売価格で102,300円 (税込)。対応マウントはソニーAPS-CサイズのEマウントで、焦点距離は35mm判換算16.5~30mm相当をカバーします。ズーム全域でf2.8を実現しており、ミラーレス一眼カメラ専用設計となっています。
近年タムロンのレンズは小型軽量化に力を注いでいるように感じますが、このレンズも同じで他社から発売されている超広角ズームレンズと比較すると圧倒的に小さく軽い。その重さはなんと335g。α6600に装着した感じはとても使い勝手のよさそうな印象を受けます。
α6600に装着するとこんな感じのサイズ感
フィルター径は67mm。同社で発売されているレンズには67mm径が多いので、フィルターやレンズキャップの使い回しができるのは地味に嬉しいポイントだったりします。ズームリング・フォーカスリングの動きは適度に滑らかです。これだけ小型軽量だと写真だけでなく、動画撮影時はジンバルでの運用もしやすそうです。
そしてこのレンズ、最短撮影距離は広角端11mmで0.15m、望遠端20mmで0.24mを実現したということで、超広角レンズにも関わらずかなりの近接撮影ができる仕様のようです。
私ならこう撮る~作例の紹介~
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD + H&Y Soft GND 0.9
■撮影環境:ISO100 f22 SS1.3秒 焦点距離26mm(35mm換算)
三脚使用、Photoshop CCで画像処理
あじさいの咲く雲海スポットで撮影。広角レンズの近接撮影は通常のマクロと違い、構図内にいろいろなものを入れることができます。この構図はかなり花に近寄って撮影していますので、背景がボケすぎてしまわないようf22まで絞り込みました。回折現象よりもパンフォーカス感を求めた上での設定です。
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD + H&Y Soft GND 0.9
■撮影環境:ISO100 f22 SS2秒 焦点距離24mm(35mm換算)
三脚使用、Photoshop CCで画像処理
奥行きの表現がとても楽しいレンズだと思いました。また、この撮影では絞り込みすぎていますが、f8程度で撮影するとバッキバキにシャープに撮れます。f22まで絞り込んだときの回折現象が気にならないのは、もともとレンズのポテンシャルが良いからかもしれません。
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD + H&Y Revaerse GND 1.2
■撮影環境:ISO100 f6.3 SS4秒 焦点距離16.5mm(35mm換算)
三脚使用、Photoshop CCで画像処理
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD + H&Y ND32-CPL + Balancer GND 1.2
■撮影環境:ISO200 f8 SS30秒 焦点距離16.5mm(35mm換算)
三脚使用、Photoshop CCで画像処理
これだけの超広角レンズなら、とにかく風景写真が楽しい。広い範囲を切り取ることで自然の雄大さというのを表現できる気がします。そしてこれだけの超広角レンズなら星空も撮ってみたいと思いますよね。星空適正を調べてみました。
左上を拡大
中央を拡大
右上を拡大
中央と端の星を200%で拡大してみました。中央はびっくりするくらい鋭い星像です。端の星も極端に肥大することなく、平坦性を保っているように見えます。若干の周辺減光が見られますが画像処理で簡単に補正できる程度で軽微なものです。これは驚きました!価格を考えると性能よすぎませんか?(笑)画像処理して仕上げてみました。
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD
■撮影環境:ISO12800 f2.8 SS10秒 焦点距離16.5mm(35mm換算)
三脚使用、フリーソフトSequatorで13枚を加算平均合成、Photoshop CCで画像処理
月明かりの下で撮影したので空が少し青みがかっています。手前の風景が明るいのは街灯があった影響です。画像処理時に彩度を下げています。この加算平均合成という手法は同じ構図で撮影した画像を合成してランダムノイズを軽減するというもので、周辺が肥大しているレンズで行うとさらに星が肥大してしまうため、周辺までしっかりと点で撮影できるレンズでなくては効果を発揮できません。「TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」は、こういった表現方法にも適応できる素晴らしい描写性能を備えていることがわかります。
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD
■撮影環境:ISO12800 f2.8 SS10秒 焦点距離16.5mm(35mm換算)
三脚使用、フリーソフトSequatorで14枚を加算平均合成、Photoshop CCで画像処理
この構図ではわかりにくいですが、かなり上にカメラを向けています。それだけ天の川の位置が高い時間帯に撮影していたということになります。通常のレンズではこういう構図を撮ると風景部分がカットされます。星空も風景も、めいっぱい写せるのは超広角レンズならでは。星景写真の場合は超広角レンズを使用することで構図の自由度が上がります。これほどの広い画角を持ったレンズは高価なものばかりですが、対してこのレンズは10万円前後。より幅広いユーザーに星空を楽しんでもらえるレンズだと感じました。
APS-C業界からみた本レンズの立ち位置
実はAPS-Cサイズのカメラでは星空撮影向きのレンズが少ないのをご存知でしょうか。ソニー、富士フイルム、ペンタックス、キヤノンでAPS-C用レンズ、しかもf2.8で焦点距離20mm以下の超広角レンズで絞ると、実は数本しかないんです。「星空撮影はフルサイズ」というイメージがあるせいか、各社フルサイズ用のレンズで星空向きのものを開発しているんですよね。
そのため、純正で該当商品があるのは富士フイルム「XF8-16mmF2.8 R LM WR」(でもとても高価)と、ペンタックス「HD PENTAX DA★11-18mm F2.8ED DC AW」くらいではないでしょうか……。APS-Cユーザーが星空撮影を楽しむには、レンズ選びというハードルがあると認識しています。
そこで登場した「TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」。うーん、ソニーユーザーは本気で羨ましいぜ。ぜひとも他のマウントでも発売して欲しいと願うばかりです。
まとめ
今夏は晴天が少なく、充分な撮影ができませんでしたが、それでもこのレンズの素晴らしさ、コスパの良さを身を持って体感することができました。ソニーAPS-Cユーザーなら1本持っていて間違いのないレンズと言えるでしょう!
私のYouTubeチャンネル でも、このレンズを紹介している動画があります。こちらもぜひご覧ください。
VIDEO
■写真家:成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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EXCERPT:
星系写真家の成澤広幸さんによる、「TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」レビュー記事をお届け。超コンパクトで手ごろな価格、星空撮影にぴったりのレンズを紹介します。
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KEYWORDS:
タムロン,Tamron,広角ズームレンズ,11-20mm F/2.8 Di III-A RXD,レビュー,星景_天体
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。Vol.7|ライカQ2モノクローム
BASENAME: 483324999.html
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 09/10/2021 11:00:00
TAGS: Q2モノクローム,ライカ(Leica) ボディー,ライカとカレー,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
サルスベリの鮮やかなピンク色が青空に揺れている。
もうすぐ夏の終わり。
先日我が家に届いたライカQ2モノクローム。
デジタルカメラとしては世界で初めてモノクローム撮影専用の撮像素子を搭載している。さらには有効4730万画素の撮像素子、シャープな描写を可能にする大口径レンズ「ライカ ズミルックスf1.7/28mm ASPH.」を搭載しているフルサイズのコンパクトカメラ。簡単に言い変えると、ライカのモノクローム撮影専用のフルサイズコンパクトカメラだ。本体はマットなブラック。さらに、本体正面にはライカ伝統の「Leica」の赤いロゴを配さずに、モノクロームというコンセプトを強調している。
ライカ、モノクローム撮影専用、レンズが一体になっているカメラ。それを聞くだけで何だか心がうずうずする。早く撮りに行きたい。
この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、毎回山本まりこが異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をする。そしてカレーを食べて帰ってくる、という内容の企画。早いもので、今回は連載の第7回目。
以前、ライカQ2で撮影し、高い機動力とその描写に感激した私は、ライカQ2モノクロームが発売されたと聞きぜひ撮影したいと思い続けてきた。さらに、ライカM10モノクロームで体感したライカのモノクロームの描写の美しさに惹かれていたので、ライカQ2の高い機動力と描写性能、そしてライカのモノクロームの描写の美しさ、そのどちらも共有したカメラであるライカQ2モノクロームで撮影できる日を待ち望んでいた。以前の記事はこちら。気になる方はぜひ読んで欲しい。
ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.3|ライカM10モノクローム+ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.
ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.4|LEICA Q2
AREA8.5
私の住む神奈川県の小さな海まち二宮町(にのみやまち)は、東海道五十三次の宿場町の大磯と小田原の真ん中にある。
東海道五十三次とは、江戸時代に整備された五街道の一つで東海道にある53の宿場を指し、または、日本橋から京都までの53の宿場町を繋げたものを言う。歌川広重の浮世絵木版画の連作はきっと見たことがあるだろう。ちなみに日本橋から京都までは492kmあるのだそう。品川が第1番目の宿場町で、大磯は8番目、小田原は9番目。その真ん中にある二宮町周辺をAREA8.5(エリアはってんご)とし、町の中にAREA8.5の壁画が描かれていたり、イベントなどが開催されたり、と盛り上がっている。
先日、二宮町の老舗の印刷会社フルサワ印刷さんと知り合ったとき、東海道五十三次が描かれた歌川広重の絵が表紙のノートをいただいた。1枚に印刷してあるプリントもいただいた。そのプリントは今の印刷機ではもう印刷できないのだそうだ。その中に、なんと、二宮の海岸あたりを描いたものがあった。
「これは二宮なのよ。」
と見せていただいた絵を見て、ゾクゾクと体と心が動いた。
そこには、鶴が舞い、大きな富士山が描かれていた。
江戸時代、今から200年前は、二宮町にこんな景色が広がっていたのだろうか。
今回は、ライカQ2モノクロームとこの景色の中を歩いてみたいと思った。
旅の始まり
自宅を出ると、サルスベリの花の奥に月がうっすらと見えた。
昼間の月の儚げさはいつ見ても美しいなと思う。
さあ、二宮駅に行こう。
二宮駅へ
本日は真夏、気温33℃。
二宮駅から、歩けるところまで歩いてみよう。
そして、帰りに電車に乗って帰って来よう。
二宮駅に着くまでに思ったのは、カメラが変わると、撮りたいと思う被写体が変わってくるということ。特にライカQ2モノクロームは、モノクローム撮影専用カメラということもあって、視界と脳内で注目する被写体が確実に変わることを実感した。いつもは、お花や植物や空などを見ていることが多いけれど、このカメラで撮影していてふと気づくと、コンクリートや、鉄や、建造物を撮っている時間も多い。もう一人の自分の脳内を覗いているようだ。そして、いつも歩いている町の別の顔が見えてくるようだ。
ああ、なんて楽しいのだろう。
海へ
ライカQ2モノクロームは、フルサイズセンサー搭載のレンズ付きコンパクトカメラ。その身軽さは魅力だ。そして、やはりモノクロームの黒の引き締まり具合にグッとくる。JPEG設定で、コントラストやシャープネスの強弱は自由自在に設定できる。キリっとも、ふんわりも、自在だ。
そして、カメラ内のクロップ機能を利用すれば、ズームが可能。搭載されているのは、28mmのズミルックスレンズ。デジタルズームで、35mm、50mm、75mmのズームが可能。単焦点レンズではあるけれど、ズームレンズのように利用できるのはとても便利だ。
よく行く袖ヶ浦(そでがうら)海岸(かいがん)に向かう海が見える坂の景色を撮影した。
■28mm
■35mm
■50mm
■75mm
28mmの広角側から、75mmに切り替えれば、背景をギュッと圧縮して撮ることが出来る。クロッピング撮影時の画像は、35mm、50mm、75mmの各レンズ相当の画角の設定でそれぞれの記録画素数は、4730万画素、3000万画素、1470万画素、660万画素。
撮影していて、ライカQ2モノクロームはとても軽快に撮影できるカメラだなと思った。例えば、MENUボタンを押す場合、1回押せばMENU1、2回押せばMENU2に画面が切り替わる。また、画面がタッチで操作できるのも便利だ。タッチでシャッターを切ることができ、タッチでMENU画面も操作でき、再生した写真は液晶画面上で指を使って拡大できる。スマホ感覚でスムーズに設定できて撮影できるのは爽快。それが、ライカのカメラで出来るところが嬉しい。
東海道五十三次の香り
袖が浦海岸に降りると、見えてきた。
そう、東海道五十三次AREA8.5の壁画。
漁師が地引網をしている壁画。モノクロなので補足すると、鮮やかなブルーがとても美しい絵だ。この袖が浦海岸では毎朝、漁師船市五郎(いちごろう)丸(まる)が出航する。日の出の頃、たくさんの漁師さんが集まり賑やかになる。観光地引網も行うことができる。私も以前一度地引網を体験したことがある。透明でぷりぷりのシラスや金色のアジやボラなどが獲れた。自宅に持ち帰り、みんなで捌いていただいたご飯は本当に美味しかった。
東海道五十三次は昔の事だと思っていたけれど、でも、こうやって壁画を見ると、今もその香りを引き継いで意識を残していくことはとても素敵なことだと思った。
始めに書いたけれどこの日は真夏、気温33℃。
少し歩くだけで汗が流れる。日陰に入ってすうっと風が吹いたときの気持ち良さは格別。しばらく高架の下で風に吹かれながら海を眺めた。
モノクロは涼やかに見える効果もあるのだと思う。
モノクロの色
ライカQ2モノクロームは、モノクロ専用カメラ。モノクロとは、モノクローム(monochrome)の略で「一つの色」という意味。モノクロと言うと白黒を思い描いてしまいがちだけれど、一つの色という意味。このカメラには、ブルーやセピアやセレンの色がある。ブルーは少しブルーに、セピアは茶色に、セレンは少し紫がかった色になる。そして、色調は、強・弱と強さを選ぶことができる。というのは、ライカM10モノクロームで撮影したときに知った。そう、モノクロームは単色という意味。
ブルーを選んで、たくさん撮影した。
小路を見つけて入ってみると、大きな木が聳え立っていた。タブの木。推定樹齢300年だそうだ。その下には、お稲荷さんも祀られていた。よく通る道だけれど、初めて気づいた。カメラを持つと、新しい出会いが本当に多い。新しいものに出会う度にカメラに出会って良かったと思う。
私はライカのこのブルーの色調が好きだ。薄っすら青い、決して青過ぎない、この色。特に好きなのは、青空を少しアンダーで写したとき。再生ボタンを押して写真を確認する時、モノクロだけれど、真っ青な青が撮れた、いつもそう思う。
広重が描いた景色
歌川広重が描いた二宮の海岸あたりを訪れる。
絵には、相州梅澤左と書かれていて、現在の梅沢海岸辺りと考えられている。
絵が描かれたのはこの辺りだろうか。
富士山があるのは、このもう少し右側。
この辺りに、江戸時代は鶴が舞っていたのだろうか。
富士山までびっしり緑に覆われた景色の空に鶴が舞っているのを想像してみる。
昔の人々は、そんなのどかな景色を見ながら京都を目指したのだろうか。
歌川広重も、そんな景色を眺めて歩いたのだろうか。
何だかとても不思議な感じもする。そして、想像しているだけで楽しい。
200年という時間は短いようでとても長いのだなあと思う。
そんなことを考えながら、トーニングを変えて、撮影した。
■トーニング「セピア」
■トーニング「ブルー」
■トーニング「セレン」
無農薬野菜のスパイスカレーを作る
歩数計を見ると、4.3kmと表示される。真夏の炎天下の中の4kmは予想以上にキツイ。なんだかちょっと頭がぼおっとしてくる。JRで一つ静岡側の国府津駅まで歩けたらいいなと思っていたけれど、半分くらいで危険を感じてその先を断念。ひとまず帰ることに。
でも、この連載、電車に乗って旅をして、カレーを食べて帰ってくると言う企画。
そのどちらもクリアしていない。
ぼおっとする頭をこらし、うーんと考えて思いついたのは、帰りがけに地元の野菜をたっぷり買い、二宮駅に寄り、自宅でスパイスカレーを作るという事。ちなみに私、数年前からスパイスカレーを本気で習い、今は自身が主宰するRoom5656という写真教室で自作レシピのスパイスカレーを作る料理教室のレッスンも開催している。いつか、この連載の中でも自分でスパイスカレーを作る回もあるだろうなと思っていたけれど、今回になることに。うん、そうしよう。
嬉しいことに、帰り道には無農薬野菜を販売しているカフェ「のうてんき」さんがある。のうてんきさんで、いきのいいぷりぷりの無農薬野菜をたんまり購入。二宮駅に寄り、半分フラフラになりながら帰宅。
シャワーを浴びて少し生き返り、野菜を撮影。
ライカQ2モノクロームには、マクロ撮影機能がある。レンズの一番ボディ寄りのマクロリングをMACRO側に回せば、マクロ撮影が可能になる。通常最短撮影距離は30cmだが、マクロモードに切り替えれば17cmまで寄ることが出来る。さらに、クロップ機能を併用して75mmで撮影すれば、かなりクローズアップして撮影することが出来る。
野菜は近隣で採れたぷりぷりで見事なものばかり。野菜たちが主役になるカレーを作ることに。ゴーヤ、黒ピーマン、赤オクラ、ナス、トマト、ニンニク、ショウガをたっぷりと、スパイスは、マスタードオイル、マスタードシード、ターメリック、レッドペッパー、ブラックペッパー、コリアンダー、ヒーング、お庭で育てているグリーンチリを入れた。ココナッツミルクと、ナンプラーとレモン汁で熱帯アジアのカレーに。家に帰ってから玉ねぎがないことに気づき呆然としたけれど、そうだナスをベースにしたカレーを作ろうと思いついた。ナスを皮ごと焼いてトロトロにし、ナスベースの夏のスパイスカレーが出来た。お庭で採れた梅のスパイスシロップソーダを添えて。空心菜もスパイスと一緒にさっと炒めた。
さあ、夏を食べよう。
野菜は炒めすぎずに食感がシャキシャキ残る程度にした。
軽快に響く音と一緒に、夏が、口に体に広がった。
このカレー、とても美味しかったので料理教室のいつかのレシピにしたいと思う。そのくらい美味しくできました。うふふふふ。
お腹がいっぱいになり、体力消耗が激しかったこともあり、その後数時間動けなかった。
歩数計を見ると、8.5kmと表示されている。
真夏の炎天下、よく歩きました。
電車で
次の次の日、気温がぐっと下がり、まるで秋のような日になった。
あんなに暑かった日がまるで幻だと思うような涼しい風が吹いている。
朝、カメラを持ってJR二宮駅へ向かう。一駅静岡側の国府津駅で降り、二宮駅まで歩いてみることに。
電車はガラガラ。ボックス席でライカQ2モノクロームを撮ったり、流れる景色を撮ったり。
気温は、28℃を示している。
5℃違うだけで、こんなにも体感が違うのかと思うくらい快適。海を見ながらずんずん歩いて、あっと言う間に二宮駅に着いた。8.1km。
道には、イチジクが大きな実を付けていたり、椿の実が大きく膨らんでいたりするのをみかけた。
秋が確実にすぐそこに来ている。
おわりに
この連載「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」も今回で7回目。たくさんのライカカメラと旅をしてきた。連載を読んで下さっている方に「正直なところ、どのライカのカメラが一番好きですか。」と聞かれることも多い。思い返してみれば、どのカメラも特徴があって好きだけれど、今回のライカQ2モノクロームは特に好きだと思った。あくまで個人的見解でしかないけれど、私には合う。
何が好きかと言えば、モノクローム撮影だけに特化していることの潔さ、そして、トーニングのブルーの色調の美しさ。そして、クロップ機能でいろいろな画角を気軽に撮ることが出来るのも嬉しい。モノクロームで撮ることだけを考えるという自分の心が一つ整理されることも心地いいし、写真の作品の幅が広がるように思えたことも大きな理由の一つ。
という訳で今のところ、私は、ライカQ2モノクロームが特に好きだ。
お庭では、サルスベリの鮮やかなピンク色の花が青空にゆらゆらと揺れている。
最近、ミンミンゼミの声が少し少なくなったように思う。
もうすぐ夏が終わる。
そして、秋が来る。
過ぎゆく夏と、やってくる秋を撮ろう。
■撮影協力
観光地引網 市五郎丸
神奈川県中郡二宮町 袖が浦海岸
(事務所)二宮町二宮92-2-102
0463-68-2522
観光地引網 市五郎丸 (amebaownd.com)
のうてんき
〒259-0124 神奈川県中郡二宮町山西885-5
090-5568-9615
のうてんき ー オーガニック農業の情報発信基地
フルサワ印 刷(株)
神奈川県中郡 二宮町二 宮 904 番地 1
0463-71-0114
フルサワ印刷 (株) (f-print.co.jp)
■写真家:山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」の連載記事はこちらからご覧いただけます
"ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。"の連載記事
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさん連載記事「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」Vol.7となる今回はライカQ2モノクロームを持って二宮駅から歩けるだけ歩いてみました。気温33℃の中、モノクロームの魅力を感じるスナップ写真と美味しいカレーにご注目下さい。
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KEYWORDS:
ライカ,Q2モノクローム,山本まりこ,二宮,カレー
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 富士フイルム X-S10|肌をキレイに描写できてモデルにも喜ばれる! 小さくてもスゴイやつ!
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CATEGORY: 高橋伸哉
DATE: 09/11/2021 11:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,X-S10,APS-C,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
筆者はフィルムの時代から富士フイルムのカメラを愛用していますが、ここ数年の同社のデジタルカメラを見ているとそのスペックが年々高まっていることに驚きを隠せません。中でもポートレートのジャンルにおいては富士フイルムのデジタルカメラは非常に優秀と言えるでしょう。
2020年11月に発売されたFUJIFILM X-S10は、コンパクトでありながらポートレート撮影に向いているカメラです。一昔前までは、モデルさんの撮影というとフルサイズの大きなカメラ、いわゆるプロ機で撮影するようなイメージがありましたが、X-S10はボディ単体で約465gと小さく、そしてAPS-Cにもかかわらず描写力に優れています。カメラ側で細かい設定をしなくても発色のよい写真になり、なにより肌がきれいに写るのが本機の最大の特長であると言えます。
イメージセンサーの「X-Trans CMOS」はフルサイズ機に匹敵する性能があると言っても過言ではなく、ハイライトからシャドウ部までダイナミックレンジが広く、階調豊かに表現できるのも、ポートレート撮影において高いパフォーマンスを発揮してくれます。他機種でJPEG撮って出しだと、色被りをしてしまい肌に余計な色が乗ってしまうことが割とありますが、X-S10ではそのような心配がなくJPEG撮って出しで十分に美しい一枚になります。そして、裏を返せばRAWデータを編集すればより美しく表現することも可能ということでもあります。
今回は、そんなX-S10を用いて、ポートレート撮影におけるちょっとしたティップスをご紹介したいと思います。
小型ボディで自然な表情を引き出す
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R
■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm)
■モデル:溝畑 幸希
前述の通り、X-S10は約465gと非常に軽いカメラです。軽いということはロケーション撮影の際に、持っていく機材の種類を増やせるということでもあります。レンズはもちろん、ストロボやライトスタンド、ソフトボックスなど重い機材が多々ありますが、カメラが小さい分移動にかかる負担は軽減できるでしょう。
また、コンパクトなボディのメリットはそれだけではなく、「圧迫感がない」ということも大きなメリットでもあります。特に撮られ慣れていないモデルさんの場合、大きなカメラや大きなレンズを向けられると萎縮してしまうものです。しかし、X-S10のように小さなカメラであれば緊張感も抑えられ、より自然な表情を引き出すことも可能となります。
ハイ・ローアングルに対応できるバリアングル式モニター
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R
■撮影環境:F7.1 1/100秒 ISO2000 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm)
■モデル:黒木 百花
筆者は基本的にファインダーを通して撮影することが多いのですが、もし読者の方が初心者であれば「バリアングル式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター」を活用してみるのもよいでしょう。特にバリアングル式のモニターは高いところから撮るハイアングル撮影、低いところから撮るローアングル撮影に向いています。脚立がある環境ならファインダーでハイアングル撮影できますが、脚立がない環境のほうがほとんどでしょう。そういうときは積極的にバリアングル式モニターを使ってみるのもいいですね。
また、その際におすすめの機能が「タッチショット」です。スマートフォンのカメラと似たような感覚で、モニターにタッチしてピントを合わせ、シャッターを切ってくれる機能です。もちろん、ハイ・ローアングル撮影時にシャッターボタンを使ってシャッターを切っても問題ありませんが、撮影者の目とモニターの距離が離れている以上、より正確にピントを合わせるならモニター上の被写体をタッチするほうが確実でしょう。
ポートレートには心強い瞳AF
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R
■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm)
■モデル:黒木 百花
ポートレート撮影において瞳にピントを合わせることは重要です。さらに言えば、ピントを合わせる瞳は手前側が原則です。なぜなら、日常生活の中で横向きの人の目を見るとき、最初に見る部分は自然と手前側になるからです。奥側の目を見る人は少数、またはほぼいないでしょう。よって、奥側の瞳にピントが合っていると違和感が生まれるので、必ず手前側の瞳にピントを合わせます。
瞳にピントを合わせる際は「顔瞳AF」を活用するとよいでしょう。X-S10は前述の「X-Trans CMOS 4」と優れた画像処理エンジン「X-Processor 4」によって最速0.02秒の高速AFが可能です。構図を決めるだけで、カメラ側で素早く瞳にピントを合わせてくれるので、撮影者のシャッターを切るテンポが上がっていくメリットがあります。また、仮にモデルさんに動いてもらっていても追従して瞳にピントを合わせてくれるので、撮影者側の機動力も大幅に上がるでしょう。
暗くてもピントを外さない優れたAF性能
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R
■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm)
■モデル:あずりな
肉眼で見ると一見明るそうに見える場所でも、カメラを通すと思った以上に暗く写ります。特に室内での撮影では露出の設定次第では真っ暗に見えることもあるでしょう。もちろんAFも思ったように動いてくれないことも多々あります。その場合、露出を上げれば解決しますが、たとえば上の写真のようにしっとりとしたイメージで撮ろうと思うと、露出を上げることは本末転倒です。
X-S10は低輝度環境の撮影に向いたカメラです。つまり、暗い環境下でも瞳にピントを合わせることができ、アンダー気味で撮影しても問題なくAFを使うことができるのです。また、暗い環境下での撮影はシャッター速度が遅くなりがちですが、しっかりとカメラをホールドして撮れば問題ないでしょう。なぜなら、X-S10には最高5軸6段の防振ユニットが搭載されており、手ブレを最大限に抑えてくれるからです。
輝度差があるシーンではヒストグラムで露出を確認
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R
■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm)
■モデル:あずりな
上の写真は室内で、カーテンの隙間から漏れる光を活かした一枚です。光の当たる肌の部分と黒い服、そして背景に、輝度差、つまり明るさの違いが発生しています。しかし、X-S10はダイナミックレンジに優れたカメラであるため、白トビ黒つぶれのない写真に仕上がっています。ただ、ダイナミックレンジが広いとは言え、撮影した段階で白トビ黒つぶれがあるとRAW現像でも修復できなくなるので、撮影時にはヒストグラムをファインダー内または液晶モニター上に表示して、ハイライトとシャドウ部に気をつけるように心がけましょう。ヒストグラムは右側がハイライト、左側がシャドウで、山となる部分が右端にピタリとくっついていると白トビ、左端にくっついていると黒つぶれを起こしていることを示しています。このヒストグラムの山の位置をよく確認しながら撮影しましょう。
室内でノンストロボなら高感度撮影で
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R
■撮影環境:F1.4 1/180秒 ISO2000 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm)
■モデル:柊 里杏
暗い室内での撮影でまず思いつくのは、ストロボを使った撮影でしょう。しかし、ストロボを使うとたとえば窓から注がれるナチュラルな光を活かすことができなくなる上、ストロボの光の当て方が悪ければ硬く不自然な印象になりがちです。特に初心者であるほど、ストロボにハードルを感じる方もいるかもしれません。その場合は、思い切ってISO感度を上げて撮影してみましょう。「ISO感度を上げるとノイズが乗るんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、X-S10はAPS-Cセンサーにもかかわらず高感度ISO性能を発揮します。人それぞれの印象があるのは否めませんが、ISO3200程度までであれば多少ノイズが乗ってもディテールはしっかりと維持しており、肌の写りにも支障をきたしません。
キツいコントラストはトーンカーブで対応
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R
■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm)
■モデル:あずりな
コントラストが強くなってしまうシーンでは、あとからRAW現像でコントラストの値を弱めたりする方も多いのではないでしょうか? 撮影時にある程度コントラストを調整しておけば、JPEG撮って出しでも十分ですし、RAW現像をするにしても編集の負担が減るのでおすすめです。コントラストの調整に使う機能が「トーンカーブ」です。X-S10はハイライトとシャドウのトーンを13段階で調整することができます。
ではなぜトーンカーブを使うのか。多くのカメラの設定にはコントラストを調整する機能がありますが、これをただマイナスにするだけだと、一律的にハイライトが下がりシャドウが上がることとなり、その結果、のっぺりとしたいわゆるネムイ写真となってしまうのです。一方トーンカーブでハイライト、シャドウをそれぞれをコントロールすることでイメージ通りのコントラストにすることが可能となります。もちろんコントラストを強める際もトーンカーブは有効です。
トーンカーブはX-S10の静止画撮影画面で「MENU/OKボタン」を押して、「画質設定」のタブから選択することができます。撮影環境と自分のイメージに合わせてハイライトとシャドウをコントロールしてみるとよいでしょう。
ポートレート撮影に最適なフジノンレンズ XF23mmF1.4 R
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R
■撮影環境:F2.2 1/500秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm)
■モデル:ひかり
ポートレート撮影におけるレンズワークは多種多様です。その中でも、35mm判換算で35mmのレンズはスナップ的に撮れる画角なのでおすすめのレンズです。ポートレートというとどうしても人物がメインになりがちですが、その場の状況も同時に写すことでより雰囲気を出すことができ、ドラマチックな印象になるものです。
とはいえ、35mmの画角はやや広角であり、広角レンズの特性上ボケにくくなります。そこで、フジノンレンズ XF23mmF1.4 Rのような明るいレンズ、つまり最小絞り値が小さいレンズを使うとよいでしょう。上の写真はF2.2で撮影したものです。標準〜望遠域のレンズでF2.2にして撮ると、背景は相当ボケますが、23mm(35mm判換算で35mm)ならほどよくボケてその場の雰囲気を残しつつ、モデルさんの存在感も際立たせることができます。
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R
■撮影環境:F2.0 1/180秒 ISO2000 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm)
■モデル:柊 里杏
一般的に絞りは開放で撮るよりもやや絞って撮るほうが、解像感が増すと言われています。明るいレンズを買って嬉しくなって絞り開放で撮るのももちろんよいですが、ときにはやや絞って撮ると解像感の違いに気づくはずです。上の写真もフジノンレンズ XF23mmF1.4 Rで、絞りをやや絞ったF2.0で撮影した一枚です。瞳やまつ毛はもちろんですが、髪の毛一本一本まで解像感高く描写しています。「せっかく明るいレンズなのに絞って撮るとボケなくなっちゃうなぁ」と思われる方もいるかもしれませんが、背景をしっかりボカしたいなら思い切ってモデルさんに寄って撮影してみましょう。ボケは被写体との距離が近くなる程大きくなります。ただ、あまり近すぎるとモデルさんがびっくりするので、ほどほどに。
まとめ
ポートレート撮影で重要なことは多々ありますし、なにを重視するかは人それぞれでしょう。しかし、「モデルさんの肌をきれいに写す」「光と影を意識する」ということは普遍的なもの。ご紹介した写真をご覧いただければわかる通り、X-S10は肌の描写とダイナミックレンジの広さ、そして色の再現性に優れているだけでなく、高いAF性能や高感度性能などの撮影者にとって助かる機能が数多く含まれた、ポートレート撮影に優れた機種と言えるでしょう。すでにポートレートを撮影されている方も、そしてこれから始めようと思っている方も富士フイルムのカメラをご一考してみてはいかがでしょうか。
■写真家:高橋伸哉
写真家 単書「写真からドラマを生み出すにはどう撮るのか?」などを出版。雑誌などにも幅広く写真を提供。オンラインサロン「写真喫茶エス」を立ち上げて現在400名近い人が参加。全国でオフライン、オンラインにて学びの場を提供している。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の高橋伸哉さんが富士フイルム X-S10のレビューをしています。美しいポートレート撮影もございますので、ぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,ボディー,X-S10,レビュー,高橋伸哉,ポートレート
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: #01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
BASENAME: 483346238.html
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CATEGORY: コハラタケル
DATE: 09/12/2021 10:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,ポートレート(人物),なんでもないただの道が好き
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BODY:
はじめに
こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。今回は苦手な人が多いと思われる、夏のロケ撮影時におけるポートレートのポイントについて話していきます。
2~3歩、前に進むだけで景色は変わる
まず初めに当日の空の写真をご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F7.1 1/500秒 ISO160
撮影時期は8月中旬、13:30頃。ほぼ太陽が真上にあるような状態です。光も硬く、夏場のこの時間帯は撮影を避ける人も多いのではないでしょうか。
この状況下でいかに光を読んで撮影するか。また、そもそも撮影場所としてどういうところを選べば良いのか。最初に情報整理と視線誘導について解説します。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO160
■モデル:五味未知子
ポートレートでは基本的に人物を主題とします。
では、主題にするとはどういうことでしょうか? 僕のなかでは"視線誘導すること" だと考えています。
視線誘導とは写真を見た瞬間、写真を見る人の視線が撮影者が見て欲しい部分に誘導できているかどうかです。
改めて、先ほどの写真をご覧ください。
僕がもっとも見て欲しい部分はモデルの女の子ですが、右側の非常ボタンが目立っています。おそらくこの写真を初めて見た人は「モデルの女の子」と「非常ボタン」の2カ所に視線誘導されるはずです。
そこでもっと前に進み、この非常ボタンが入らない位置まで移動してから撮影をしました。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO160
■モデル:五味未知子
余計なモノが写っておらず、放射構図も相まって、中央にいる人物に視線誘導することに成功しました。
左上の住居を見てわかる通り、先ほどの失敗写真から2~3歩前に進んだだけでこれだけ見える世界が変わります。
このような判断に至ったのは何を見せたいのかが決まっていたからです。ポートレートに限らず、撮影においては主題を決めることが重要であり、主題が決まっていないと現場で判断することができません。
闇雲に撮影するのではなく、「自分は何を一番に見せたいのだろうか?」 という部分を考えてください。
太陽が真上にいるときは被写体を影に入れてしまう
早朝や夕方のように太陽が傾き、光がやわらかい時間帯の方がポートレートは撮りやすいです。
真夏、とくに太陽が真上にあるときは目の下に影が落ちやすく、撮りづらいと感じる人が多いのではないでしょうか。
太陽が真上にある状態で撮影すると目の下に影が落ちてしまいます。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F4 1/2000秒 ISO160
■モデル:五味未知子
太陽が真上にある時間帯を避けるという方法もいいのですが、仕事に限らず趣味の撮影においても、どうしても12:00前後の撮影しかできないという場合もあるでしょう。
また、苦手なシチュエーションでも上手に撮影できる練習はしておいたほうが良いです。得意なシチュエーションばかりで撮影していても成長しません。
次にこちらの写真をご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F4 1/125秒 ISO160
■モデル:五味未知子
先ほどの写真と比べ、目の下に影が落ちておらず、肌もやわらかく見えています。現場の状況はこのようになっています。
最初に見せた失敗写真は(1)で撮影しています。影がまったくない場所です。
対して、成功写真の(2)はモデルさんの全身を影に入れています。
撮影のポイントは"自分が写したい範囲をすべて影にする" ことです。
夏場の12:00前後の撮影では光と影の両方が入っている場所で撮影すると輝度差が激しくなることがあります。
モデルの上半身の明るさを意識して現像したものがこちら。
ハイライトの質感がわかるように現像したものがこちら。
上記の2パターンの写真はどちらも個人的に微妙です。
もちろん最近のデジタルカメラであればダイナミックレンジが広く、ハイライトとシャドウのバランスを現像でうまく調整することも可能ですが、撮影に慣れないうちは撮影時に露出を合わせるポイントを絞るようにします。
例えば、先ほどの写真の場合。もっとモデルさんに寄って、光が当たっている部分を少なくしましょう。こうすることでハイライトとシャドウの輝度差を意識することなく、撮影時の露出調整がしやすくなります。
実際に撮影した写真がこちらになります。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F4 1/500秒 ISO160
■モデル:五味未知子
光が強く当たっている場所と影になっている場所の両方を広く入れた状態だと、どちらに露出を合わせればいいのか迷ってしまいます。光が当たっている部分を減らすことで、露出を合わせるポイントをモデルさんの顔に絞りました。
逆光時、太陽光を直接レンズに入れないで撮影
次は逆光時に意識していることです。
まず、僕は基本的にコントラストがある写真のほうが好きです。なぜ、自分の好きをここで発表するのか。実はそこが決まっていないと、そもそも撮影するときの判断が鈍ります。
逆光での撮影というのはコントラストが低く、淡い雰囲気に仕上げる人もいるでしょう。もちろんその撮り方でも良いです。実際、僕も撮るときがあります。
しかし、重要なのは完成形をコントロールできるかどうかであり、何もわかっていない状態でなんとなく撮影していても上達しません。ここでは逆光でもコントラストがある写真の撮り方について解説します。
先に成功写真をご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F1.4 1/4000秒 ISO200
■モデル:五味未知子
逆光で撮影していますが、コントラストが維持されています。ちなみにレンズフードは付けていません。
僕はポートレートのときは少しでもカメラの見た目を大人しくしたいと考えています。レンズフードの種類にもよりますが、付けるか付けないか両者を比べた場合、付けたほうが威圧感が増すと考えているため、基本的にロケ撮の場合は付けません。
次の写真をご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F1.4 1/4000秒 ISO200
■モデル:五味未知子
同じロケーションで撮影していますが、こちらの写真のほうがコントラストが弱くなっています。少しだけカメラの角度を下から上へ煽るような角度にしているのですが、それだけで光の入り方が異なります。
現場の状況を俯瞰した写真をご覧ください。
実は逆光にすればどこでも良いかというと、そんなことはありません。
僕は逆光で撮影する場合はレンズに直接、太陽の光が入らないようにすることも意識しますが、もうひとつ意識するポイントとしては"背景が暗いところを選ぶ" ようにしています。そのほうが写真に明暗差を付けやすく、モデルに光が当たっているハイライト部分の輪郭も見やすくなります。
ちなみに現場を俯瞰している写真のときも少しカメラの角度を持ち上げるだけでこのようになります。
太陽光を入れるか否かでこれだけ変わります。
もう一度、言いますが、もしもあなたが淡い雰囲気の写真を望んでいるのであれば、太陽の光を入れても良いです。
最初にも言いましたが、自分がどういう写真にしたいのかが決まっていないと、そもそも撮影できないので、まずは完成形がどこにあるのかを決め、完成形に合わせた撮影方法にしましょう。
人がいなくても目立つ存在の近くにモデルを配置する
街撮りで質問されることのひとつが「どこでモデルさんを撮ればいいのかわかりません」というものです。
僕がやる方法としては、人物がいなくても目立つ被写体を探すという方法があります。例えば、こちらの写真をご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F4 1/250秒 ISO160
「ただのカーブミラーでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、僕にとっては違和感と新鮮味があるカーブミラーです。
僕の経験上、カーブミラーは頭上にある場合が多く、低い位置に設置されていることのほうが珍しいです。このカーブミラーを見た瞬間「使えるな」と僕は思いました。実際に撮影した写真がこちらになります。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F4 1/250秒 ISO160
■モデル:五味未知子
何気なく撮影していますが、実はポイントがあります。
これは花や飲み物が入ったコップなどと一緒に撮るときも同じことが言えるのですが、モデルさんに顔をくっつけるようにして撮影したほうが良いです。今回のカーブミラーでいうと、カーブミラーに顔の側面が当たるようにしてもらっています。
絶対に離してはダメということはありませんが、くっつけることによってふたつの被写体ではなく、ひとつの被写体としてまとまりを持たせることができます。
僕は仕事で家族写真も撮影しているのですが、集合写真を撮るときは「肩と肩がぶつかるまで寄ってくださーい!」と声をかけることが多いです。
これも離すよりもくっついているほうが構図としてもバランスが取りやすく、収まりが良い写真にすることができるからです。
街撮りのコツは自分のなかの違和感を探すこと
先ほどのカーブミラーのように街撮りに関しては自分のなかにある違和感を常日頃から知っておくことが重要です。
街撮りをしているときに自分のなかの違和感を探してください。見つけたら、そこで撮影をします。違和感を写すことで自分らしい写真・自分にしかない視点の写真に仕上げることが可能です。
もう使われてなさそうな古い看板を入れたものがこちら。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO200
■モデル:五味未知子
傾いている木を発見! モデルさんにも同じように傾いてもらいました。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO200
■モデル:五味未知子
コンクリートブロックの間に木!?
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO200
■モデル:五味未知子
落ちているゴミを活用することもあります。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO200
■モデル:五味未知子
まとめ
違和感というのは人それぞれ異なります。例えば、海外の方だと日本の自動販売機の多さに驚き、そこで写真を撮るかもしれません。
写真というのは技術的な部分と感覚的な部分の両方が大切だと考えています。「あ、なんかアレ気になるな……」と感じたモノがあったとき、いかにすぐシャッターを切ることができるかどうか。それが自分の視点であり、撮影において大切なポイントになります。
■モデル:五味未知子
■写真家:コハラタケル
1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のコハラタケルさんが夏場日差しが強い中でのポートレートの撮影テクニックを紹介しています。成功例、失敗例を交えて分かり易く説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,ポートレート,撮影テクニック,コハラタケル,X-Pro3,XF 23mm f/1.4 R
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AUTHOR:
TITLE: より一層深く使いこなしたいRICOH GR III
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 09/13/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,GR III,APS-C,コンパクトデジタルカメラ
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BODY:
はじめに
つい先日GR IIIx がリリースされたばかりで期待が高まる中、GR IIIもまだまだ使いこなしたい!という方も少なくないはず。以前のGR III記事 でご紹介した内容に加え、今回は一歩掘り下げて、今までの設定でも問題ないけど、知っておくとさらに表現が広がる。プラスαの使い方で様々な楽しみ方ができる!そんなGR III活用法をお届けします。
測光モードを使い分ける
普段はマルチパターン測光でバランスの取れた露出で撮影をしている筆者ですが、時折ハイライト重点測光を活用しています。ハイライト重点測光は、画面内の明るい部分を重視した露出です。つまりスポットライトが当たっているような状況下でちょうどいい明るさになるように調整してくれる測光モード。被写体の一部分に光が当たる場合、明暗差が激しく、露出が取りづらいことがありますが、そうしたシーンでもハイライト部分の階調がなくなってしまうことがないような露出になる測光方式です。
全体的にアンダーな写真になりますが、白トビさせたくないハイライト部分のディテールが損なわれることがないため、晴天時の空もくっきりと描写されます。
光量が少ない路地裏での夜のスナップ撮影でもムードのある雰囲気が出せます。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/20秒 F/2.8 ISO800 WB曇天 -1.3EV
■イメージコントロール:ポジフィルム調
クロップモードで焦点距離を変える
GR IIIは広角28mmの単焦点レンズですが、デジタルズームして(イメージをトリミング)、「35mm」「50mm」として撮影できるクロップ機能があります。近づきたいのに近づけない、ズームしたいのにできないと嘆かずぜひ活用したいもの。
クロップされる際の画像サイズはL/28mm:6000×4000px(24MP)、M/35mm:4800×3200px(15MP)、S/50mm:3360×2240px(7.5MP)で、どのサイズにクロップしてもモニター表示で使うのであれば十分すぎる画質です。アプローチするには遠すぎる、あるいは近づくことのできない場所でのクロップモードはやはり頼れる存在です。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/1600秒 F/5.6 ISO800 WB太陽光 -0.7EV クロップ50mm
■イメージコントロール:スタンダード
50mmはマクロモードとの組み合わせが相性抜群。ピントの合う距離が6cmから12cmの範囲で小さな被写体にクローズアップでき、コンパクトカメラとは思えない美しいボケ表現が可能に。こういう描写はスマホカメラではまだまだ難しい領域です。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/80秒 F/3.5 ISO800 WB昼白色蛍光灯 +0.3EV クロップ50mm マクロモード
■イメージコントロール:スタンダード
50mmクロップでもA4サイズのプリントまで問題なく使用できます。以前、写真展でA2サイズに伸ばしましたが、解像を損なわず描写力は見事で、プリントの仕上がりには高評価をいただいたほどです。
多彩なモノクロ表現を使い分ける
GR III発売当初、いままでになかった4つのモノクロ設定(モノトーン、ソフトモノトーン、ハードモノトーン、ハイコントラスト白黒)が搭載されたことに白黒撮影への本気度を感じました。長年「GR×ハイコントラスト白黒」はスナップシューターの間で定番になっていますが、モノクロはそれだけでなく陰影と階調の美しさや柔らかさを表現することもできます。
ここで理解しておきたいのがモノトーンと白黒の違い。モノトーンは「グレーの濃淡グラデーション(階調表現)」、白黒は言葉が示す通り「白」と「黒」の2階調表現と捉えておくとその違いが明確になります。
筆者はハイライトからシャドウにかけてモノトーンの滑らかな階調の美しさに魅かれるため、基本のモノトーンをローキーに調整してコントラストを加えています。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/250秒 F/3.5 ISO160 WB太陽光 -1.3EV クロップ35mm
■イメージコントロール:モノトーン
硬い光を和らげることができるソフトモノトーンでは、全体的に柔らかすぎると感じたらシャドウにコントラストを利かせています。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO125 WB昼白色蛍光灯 +0.7EV クロップ35mm
■イメージコントロール:ソフトモノトーン
晴天時のハードモノトーンは青空が暗く落ち込み、コントラストも高くどっしりとした表現に。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/200秒 F/7.1 ISO800 WB太陽光 -0.3EV クロップ50mm
■イメージコントロール:ハードモノトーン
ハイコントラスト白黒を選ぶときは、黒でグッと引き締めつつ、粒状のざらつき感を目立たせるよりも全体的のコントラストを抑えて使っています。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/40秒 F/2.8 ISO160 WBマルチパターンオート -1.0EV クロップ50mm
■イメージコントロール:ハイコントラスト白黒
こうして、雰囲気に合わせた4つのモノクロ設定で被写体の持ち味を引き出しながら、自分好みを探るのがGR IIIらしい楽しみ方でしょう。
モノクロフィルターを使いこなす
イメージコントロールにプリセットされた設定をそのまま使っている方も多いと思いますが、モノクロ設定で一歩踏み込んで使っていただきたいのが、詳細項目「フィルター効果」です。かつて白黒フィルムで撮影する際に、レンズ先端に装着していた白黒用フィルターと同様の効果が得られ、コントラストを付けてくっきりさせる、人物の肌の調子を整えるなどのために使われていたフィルターと同様の効果をカメラ内で代替しています。
【フィルター効果1~4の違い】光源や被写体の色に対して効果がそれぞれ変化する
ハードモノトーン以外の3種のモノクロで設定が可能になっています。
このフィルター効果を加えることで、被写体の持つ色、光源の波長などにより、コントラストが強まりグッと引き締まったり、トーンがきれいに整ったりするので試してみてほしい機能です。その効果を確かめながらカメラ内RAW現像してみるのがおすすめ。
微調整可能な詳細項目はこの他にもあり、一層深い白黒写真表現に踏み込むことができるので、自分なりのチューニングで好みを探ればまるでフィルム時代にプリント暗室に入っているかのような楽しさが味わえます。
日中でも流れる表現が可能になるNDフィルター
ボディ内には約2段分の減光効果のあるNDフィルターも内蔵されています。日中屋外、明るい時間帯でも長秒撮影を楽しむためにはTvモードで、ISO感度を100に固定し、F値を絞り込みシャッタースピードを1秒程にする必要があります。その際に欠かせない設定がNDフィルターです。NDフィルター設定を「ON」にしておくことで、光量を減少させ、スローシャッターを切ることができます。
目の前を行き交う人がぶれて流れるような表現が日中でも可能に。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS1/2秒 F/16 ISO160 WB太陽光 NDフィルターON クロップ50mm
■イメージコントロール:スタンダード
三脚が必要なシーンでも手ぶれ補正機能と合わせれば水の流れも撮影できてしまうので、風景写真を撮られる方にも嬉しい機能です。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8
■撮影環境:SS 0.8秒 F/8.0 ISO800 WB太陽光 NDフィルターON -0.7EV
■イメージコントロール:スタンダード
広々とした視界を堪能する ワイドコンバージョンレンズGW-4
別売されているGR III専用のアクセサリーには、広角28mmをさらに超広角化できる大口径ワイドコンバージョンレンズ GW-4があります。すでに28mmが広いと感じている人には広すぎるかもしれませんが、超広角レンズらしい迫力ある描写が好みのならぜひ使ってもらいたいレンズです。フィルム時代のGR21を彷彿させる焦点距離21mm。撮影倍率0.75倍、口径72mmです。本体とGW-4レンズの間に挟み込むレンズアダプター GA-1を用いて装着します。
周辺の歪みも感じられず広々として開放的。28mmは見た目に50mm標準域のように感じてしまうほど。
28mmとの画角差は明解で、21mmはやはりダイナミックで迫力があります。大胆にパースの効いた奥行きが気持ちよく、GRらしいシャープな描写が魅力。スケール感を引き立てるのに相応しいレンズと言えます。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8+ワイドコンバージョンGW-4 21mm
■撮影環境:SS1/30秒 F/2.8 ISO640 WB白色蛍光灯
■イメージコントロール:ポジフィルム調
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8+ワイドコンバージョンGW-4 21mm
■撮影環境:SS1/20秒 F/2.8 ISO160 WB太陽光 +0.3EV
■イメージコントロール:スタンダード
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8+ワイドコンバージョンGW-4 21mm
■撮影環境:SS1/250秒 F/4.0 ISO160 WB太陽光 +0.7EV
■イメージコントロール:HDR調・モノクロ
また、ワイドコンバージョンレンズを使用しない状態ではレンズフードとして機能します。さらに、レンズアダプターは単体でも活用でき、アダプター径49mmに合わせてレンズフィルターを装着することが可能。一手間加えて撮影表現を楽しむことができるのも嬉しいです。
Kenko ブラックミストNo.05(49mm)を使用してみました。
ブラックミストフィルターを付けて撮影をしてみました。ブラックミストはソフトフィルターの一つで、強い光源に柔らかさを加えた雰囲気が楽しめます。逆光での撮影時は、シャドウ部のコントラストを抑えた柔らかい表現が可能に。ポートレートなどにも使われることが多いフィルターです。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 レンズフィルター:ブラックミストNo.05
■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO160 WB太陽光 -0.3EV
■イメージコントロール:スタンダード
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 レンズフィルター:ブラックミストNo.05
■撮影環境:SS1/200秒 F/3.5 ISO160 WB太陽光 +1.3EV
■イメージコントロール:ブリーチバイパス
こちらはクロスフィルターを使用して撮影しています。玉ボケだけでも美しいですが、印象的な輝きを加えることができます。
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 レンズフィルター:Rクロススクリーン
■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO160 WB太陽光 多重撮影
■イメージコントロール:スタンダード
GR IIIはカメラ内にデジタルフィルターのような機能を装備していないので、スナップ以外の被写体ではレンズアダプターGA-1+レンズフィルターを活用して表現方法を広げるのも一つの手段と言えるでしょう。
おわりに
私の相棒となりいつもカバンの中にいるGR III。様々な機能やプラスαのアイテムを加えてみることで活用範囲と表現が広がり、一眼レフに匹敵する撮影ができてしまう素晴らしいカメラです。自分らしい設定や使い方を探る楽しみもまたGR IIIらしさだと思います。
ポケットやバッグに忍ばせておけば撮影シーンの広がりは間違いなく、スマホカメラでは納得のいく写真が撮れない、物足りないと感じていたらぜひとも手元に置きたい一台です。
Instagram(@kobayashikaworu_gr )でもRICOH GRで撮影したその他の写真がご覧いただけます。
■写真家:こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんに、リコー「GR III」の使いこなしテクニックを解説いただきました。コンパクトなボディに備わった多数の機能を使いこなして自分好みの表現を楽しんでみては。
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KEYWORDS:
リコー,Ricoh,レビュー,GR III,撮影テクニック
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 【写真展】テラウチマサト写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 09/14/2021 11:00:00
TAGS: 写真展情報,京橋
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BODY:
テラウチマサト写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』
株式会社シー・エム・エスは2021年12月で30周年を迎えることを記念し、代表取締役社長テラウチマサト様による写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』を 9月15日(水)~ 26日(日)まで開催します。本展覧会では2020年より撮影した新作の富士山作品を中心に、額装作品18点を展示されます。
発表する新作の一部はこちらから ご覧いただけます。
作品の狙いや視点についてもご紹介していますので是非ご覧ください。
開催概要
■会期:2021年 9月15日(水)~26日(日) 12:00~19:00
(会期中9月21日(火)のみ休廊、最終日17:00まで)
■作家在廊日:9月19日(日)12:00~16:00・9月20日(月)12:00~19:00
混雑を避けるために、こちらより ご予約の上お越しくださいませ。
※ご予約いただかない場合は、お待たせしてしまう可能性がございますのでご了承ください。
■会場:72Gallery
■住所:東京都中央区京橋3-6-6 エクスアートビル 1 階
JR東京駅八重洲南口より徒歩 7分
都営浅草線宝町駅A4番出口より徒歩 1 分
東京メトロ銀座線京橋駅 1 番出口より徒歩 1 分
東京メトロ有楽町線銀座 1丁目駅 7番出口より徒歩 3分
■ホームページ
https://www.terauchi.com/?p=1032
プロフィール
■テラウチマサト
1954年、富山市生まれ。ポートレイト、風景、プロダクトから空間まで、独自の表現手法で常に注目を集める写真家。中でも、ポートレイト作品においてはこれまで6,000人以上の俳優、モデル、タレント、経営者などの著名人を撮影。テラウチにしか撮らせないという声も多い。2012年パリのユネスコ内にあるイルドアクトギャラリーにて、葛飾北斎の浮世絵と共に富士山写真展開催。写真家としてのクリエイティビティを活かした幅広い創作活動を得意とし、2014年10月より富山市政策参与に就任。河口湖 音楽と森の美術館の特別国際学芸員も務める。日本写真家協会会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
株式会社シー・エム・エスは2021年12月で30周年を迎えることを記念し、代表取締役社長テラウチマサト様による写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』を 9月15日(水)~ 26日(日)まで開催します。
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KEYWORDS:
写真展情報,京橋,テラウチマサト
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.8 S レビュー|熊切大輔
BASENAME: 483376947.html
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CATEGORY: 熊切大輔
DATE: 09/14/2021 16:00:00
TAGS: NIKKOR Z 35mm f/1.8 S,ニコン(Nikon) レンズ,スナップ,単焦点
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BODY:
35mmレンズの魅力
皆さんの得意とするレンズはなんでしょうか?撮る被写体によってその選択肢は大きく変わると思います。鳥や野生動物、乗り物系は超望遠を。ポートレートなら中望遠。風景ならワイドとジャンルに沿ったレンズ選択をされていると思います。
街をスナップで切り撮る私は昔から35mmをメインに使っています。そんな35mmが生み出す画とはどんな特徴があるのでしょうか?標準レンズは50mmというのが一般的です。人間の視野に近く、見た目の感覚に近い画角で写し撮る事ができます。それより少し広く写るのが35mmレンズなのです。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO200, F16, SS1/30 35mmの焦点距離は、フットワークを上手く使えば寄り引きが幅広くバランス良く表現できる画角だと感じています。私自身の画作りの特徴の一つとして「情報量の多い画作り」というのがあります。
構図の中に様々な要素を詰め込むことで時代や流行が写り、ストーリーも生まれて来ると考えています。ポートレートなどでも寄った時に、被写体の背景に多くの空間を取り入れる事ができます。それによって背景を活かした、その場所で撮る意味を構図の中に忍ばせることが出来るのです。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO100, F5.6, SS1/800 引きの画作りの場合、28mm以下の広角レンズでは写る要素が構図の中で散漫になりすぎて間の抜けた画作りになりがちです。画角の中に程よく要素を詰め込む、そんなまとまりの良い画作りがしやすいのが35mmという画角なのです。
ワイド感が足りなければ、構図の中に上手くラインを配置すれば、画角以上の広がりを感じさせることが出来ます。放射状のラインは特に実際の見た目よりも広く写し出しているように見えます。そんな凝縮と広がりのある表現を使い分けられるのが35mmレンズの魅力なのです。
NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sで撮る
最近スナップ撮影によく持ち歩いているのは、ニコンZシリーズのミラーレスカメラです。今更説明するまでもないですが、フルサイズミラーレスの特徴でもあるコンパクトなボディでありながら妥協のない高画質な画作りを実現しています。二駅三駅とブラブラ街歩きをしながらの撮影にもストレスにならない、スナップにぴったりなカメラシステムがこのニコンZシリーズなのです。
そんなZシリーズ本体と同時にリリースされたZマウントレンズ群。フランジバックの短いボディ構造に最適化され、自由度の高いレンズ設計により切れのある高解像な画を写し出すことが出来るようになりました。
ボディとともに登場した標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」、広角単焦点レンズ「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」、標準単焦点レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」、そんなラインアップの中で使用頻度が最も高いのがこのNIKKOR Z 35mm f/1.8 Sなのです。
NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sの「S」はS-Lineレンズと呼ばれ高品質なレンズに与えられる称号です。そのSが物語るようにナノクリスタルコートも施された35mmf1.8は高い解像感と切れのある描写力、そして美しいボケ味が魅力のレンズです。
そのコンパクトなサイズもカメラ本体とバランスが良く、スナップ撮影に適したレンズと言えるでしょう。今回組み合わせるボディはZ6です。Z7は高解像、Z6は高感度に強いカメラ、ざっくりいうとそんな棲み分けになっています。スナップでは解像感より高感度の表現の強さが活かされるケース多いので、今回は35mmf1.8とZ6の組み合わせで様々な街の情景を切り撮ってみました。
高い解像力
なんといってもその高い解像力は被写体の幅を広げてくれます。EDレンズ2枚加えた9群11枚のレンズ構成、マルチフォーカス方式の採用により色収差を抑えてシャープで切れのある描写を実現しています。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO400, F2.2, SS1/800 無骨な東京駅の高架下の鉄骨。その線が生み出すデザイン的な面白さを活かした画作りが楽しい表現です。水平垂直をしっかり出すのがポイントなので、中途半端に斜めから撮らないようにしたいところです。歪みの少ないレンズ描写が正確な幾何学模様を生み出してくれます。あとはデザイン的に効いた構図に人をうまく絡ませると良いアクセントになって効いてきます。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO400, F1.8, SS1/5000 川越など古い宿場町を旅することも多いと思います。その歴史を感じる建物や看板の質感をしっかり写し撮ることで時の流れ、蓄積を表現することができます。細かいディテールを写し出すレンズの解像力が活かせる被写体と言えるでしょう。
この場合被写体の色味が渋く暗い色が多いので露出オーバーになりがちです。風合いが飛んでしまいますので気持ちアンダー目に写すくらいがちょうどよい気がします。
美しいボケ味
大口径単焦点レンズの表現の最大の魅力は美しいボケ味にあります。ワイドレンズはパンフォーカスで引いた画を想像するケースが多いと思います。ボケをだしにくい、そんなイメージがある方もおられると思いますが、使い方次第で様々な柔らかいボケを楽しむことが出来ます。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO100, F1.8, SS1/31250 街スナップと言うとビルや行き交う人々しか撮らないように思う方もいると思いますが、そこに気になる被写体がいれば何でも撮ります(笑)。ミツバチが一匹花の蜜を吸いにきました。
たっぷりとした緑のボケ味で周りを囲む画作りにするため、後ボケはもちろん前ボケも多めに入れて柔らかい表現で切り撮りました。チルト式液晶を活用して、ローアングルで狙うことで前の草をレンズ前に配置し強い前ボケを演出しています。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO200, F1.8, SS1/8000 雨の日は雨の日の魅力があります。街歩きにでて雨でテンションが下がることもありますが、しっとりと濡れた神社などは非常にフォトジェニック撮影スポットです。絵馬やおみくじ、灯籠など神社にはずらっと並ぶ、連続性のある画になる被写体が多く存在します。
ボケ味を活かした奥行き感のある演出で空間を切り撮りました。ボケの中に雨粒も上手く写り込みました。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO6400, F1.8, SS1/1000 テーブルフォトも楽しいものです。料理写真はSNSに最も上がっている被写体と言っても良いでしょう。スマートフォンで撮る方も多いですが、やはりカメラで撮ったボケ味を活かした作品のほうが「いいね」は多いようです。
最短撮影距離が撮像面から25cmと、料理だったら一皿がちょうど収まるくらいまで寄れます。マクロレンズに交換しなくてもボケ味の効いた美しいテーブルフォトが十分楽しめるのです。友人のイタリアンにて桃の冷製パスタを頂きました。つややかなシズル感がたまりません。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO400, F3.5, SS1/1000 AFの性能はジャンルを問わず高性能に越したことはありません。マルチフォーカス方式はスムーズかつ高速で高精度なAF性能を実現しました。出会い頭のシャッターチャンスにどれだけ反応できるか、スナップ写真の生命線です。
街を歩いていたらミニオントラックと三輪車のドラッグレースが突然始まりました。瞬間的にカメラを向けてもスムーズかつスピーディに合焦してくれます。
■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影環境:ISO800, F1.8, SS1/2000 f1.8の大口径レンズは夜の撮影にも強い武器となります。あわせて像面位相差AFとコントラストAFのコンビネーションのハイブリッドAF、-6EVの低輝度までAF可能なローライトAFを擁したZ 6のAF性能が夜間撮影の可能性を広げてくれています。
ショーウインドウが生み出す都会的な瞬間を切り撮ってみました。わずかな光もクリアに表現してくれています。
まとめ
様々なレンズを使い分けるのも面白いものです。しかし自分が得意とする画角、レンズを一本決めておくのもまた撮影を楽しむ一つになります。得意な画角が決まってくると被写体への距離感が事前につかめてきます。そうすれば自ずとシャッターチャンスへの反応が早くなります。
もし今レンズ交換せず一本で乗り切るならどのレンズを使いますか?と問われればNIKKOR Z 35mm f/1.8 Sと答えるでしょう。高性能でフットワークの良いレンズはきっと皆さんの作品作りを一歩上のランクに押し上げてくれるでしょう。
■写真家:熊切大輔
東京生まれ。東京工芸大を卒業後、日刊ゲンダイ写真部を経てフリーランスの写真家として独立。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。
スナップで街と人を切り撮った写真集「刹那 東京で」を2018年に発売と共に写真展を開催。2021年には写真集&写真展「東京美人景」そして「東京動物園」の三部作で東京の今を撮り続けている。
公益社団法人日本写真家協会理事
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EXCERPT:
写真家の熊切大輔さんによるニコン NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sのレビュー記事です。スナップの作例を存分に盛り込んで本製品の魅力を語っていただいています。
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KEYWORDS:
レビュー,NIKKOR Z 35mm f/1.8 S,ニコン(Nikon) レンズ,標準単焦点レンズ
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TITLE: ニコン Z 6IIとオールドレンズで楽しむ水族館写真
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 09/15/2021 11:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,水族館,Z 6II,オールドレンズ,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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はじめに
ニコンのZ 6IIはミラーレス機の中でも特にフランジバックが短いので、マウントアダプターを使用すれば、様々なオールドレンズを装着して撮影を楽しめます。今回は、最新のフルサイズミラーレス機と、半世紀前に作られたオールドレンズの組み合わせで撮影した水族館写真とともに、マウントアダプター遊びについてレビューしたいと思います。
オールドレンズ撮影で手ブレ補正が使える!
マウントアダプターを使いオールドレンズを装着したニコン Z 6II
筆者が使用しているマウントアダプターは、焦点工房の「Megadap(メガダプ)」です。このマウントアダプターは、ライカMマウントレンズをニコンZマウントに変換する製品ですが、特筆すべきはAF駆動用モーターを搭載している電子マウントアダプターな点です。オールドレンズなのに、AFを使って撮影ができるのです。もちろん、瞳AF、顔検出も使用できます。
今回のような魚の撮影では瞳AF、顔検出機能は使用しませんが、ポートレート撮影もされる方は、なかなかおもしろい体験ができます。AFの音は少々派手ですが、今までMFでしか使用していなかったオールドレンズでAF、しかも瞳AFが働くのは、新鮮な驚きとともに便利でした。
さらに、このマウントアダプターはカメラボディ内の手ブレ補正機構「VR」に対応しており、事前にレンズの焦点距離を設定するだけで、手ブレ補正の恩恵を受けることができます。これは、暗い水族館の撮影ではとても重宝しました。
最短撮影距離を短くしてくれる自動ヘリコイド機構付き
ヘリコイド機構付きのマウントアダプターを使えばさらなる接写が可能
筆者がマウントアダプターを購入するときに重視するのが、ヘリコイド機構が付いているかです。ライカMマウントレンズの最短撮影距離は0.7~1.0mほどと、あまり被写体に近付けないのですが、マウントアダプターにこのヘリコイド機構を組み込むことで、さらなる接写が可能になるのです。
このヘリコイドを繰り出せば接写が、繰り出さなければ無限遠の撮影ができるので、さらに幅広い被写体の撮影を楽しむことができます。本製品は、フォーカスリングの距離目盛を最短撮影距離に合わせて、被写体に向けてシャッターを半押しすることで、このヘリコイドが自動で繰り出して、本来のレンズの撮影最短距離よりも近寄った接写ができます。
水族館撮影では、なるべく水槽のアクリル面に近付かないと、撮影している自分や、後ろを通るお客様、点灯している非常口の照明などが、反射して写り込んでしまいます。また、小さな魚を大きく写すために、被写体に近付きたいということもあります。
そんな訳で、通常のレンズでもマクロレンズを愛用していますが、オールドレンズでもできるだけ魚に近付きたいという気持ちから、ヘリコイド機構付きのマウントアダプターを好んで使用しています。
高感度でもクリアーに描いてくれるニコン Z 6II
ニコン Z 6IIであれば暗い水族館でもキレイに撮ることができる
水族館は暗い水槽が多く、撮影ISO感度は高くなります。その点、常用感度が高いニコン Z 6IIは、ISO1600からISO12500の間で撮影することが多い水族館で、とても活躍してくれます。
今回はF1.5からF2のロシアレンズ数本を使用して、すべて絞り開放で撮影しているので、シャッタースピードは稼げているのですが、それでも低感度では暗いかブレブレの写真になってしまいます。
最新のデジタルミラーレス機だからこその技術の恩恵を、オールドレンズの撮影で受けられるのは、マウントアダプターレンズ遊びの醍醐味と言えるでしょう。
水族館撮影でのピントの合わせ方
動き回る魚に対してはMFでシャッターチャンスを狙う
今回使用しているレンズは、金魚は「ジュピター8」と「インダスター」、クラゲは「ライカズマリット」になります。いずれもライカLマウントのレンズなので、「Megadap(メガダプ)」に装着できるように、「K&F Concept KF-LM-5075 マウントアダプター」を使用しています。
金魚を撮影している「ジュピター8」は1962年製、「インダスター」は1961年製で、ロシア製のレンズになります。いずれも、柔らかくてとろみのある滲んだようなボケ味と、ムードのある立体感を生み出してくれるレンズです。外観がクラシカルなのも筆者的にはかなり好みです。
AFが使えるマウントアダプターを使用していますが、水族館撮影では明るいところで最短撮影距離にピントを合わせてからMFにして、自分が前後に動くことでピント合わせを行いました。
明るいところではいいのですが、水族館のような暗いところで、動き回る小さな魚にAFを合わせるのはなかなか難解で、ヘリコイドが繰り出した接写の状態でピントを固定してしまったほうが、シャッターチャンスに強いレンズになります。
この作品は、デコボコした水槽の中にいる金魚の正面の顔を捉えました。色味は特に変えておらず、全体に緑がかった水槽でした。つまり、コントラストが低い、カメラが被写体を認識しにくい、かなりAFに意地悪な撮影状況となっています。
こんなときは、思い切ってMFで撮影してしまったほうが、自分の意図する箇所にピントを置けるのでお勧めです。
色味は変えすぎないようにピクチャーコントロール:風景を使用
水族館の演出をそのまま活かす色味調整で撮影
筆者が水族館で写真を撮り始めたのは、水中をただようクラゲがドレスをひるがえしながらステージで踊るダンサーのように見えて、その一瞬の表情をポートレートのように表現したいと思ったからでした。
最近の水族館では魚の種類や季節によって、照明や音楽で様々な演出がなされています。特に半透明の体を持つクラゲは、カラフルな照明に彩られていることが多く、とても幻想的です。そのカラフルさをそのまま出すために、色味の過度な調整はせず、見た目よりもほんの少しだけ鮮やかな表現になる、ピクチャーコントロールの風景を主に使って撮影しています。
ミストなふんわり描写が楽しいオールドレンズ
独特な味が出る柔らかな表現はオールドレンズならでは
なぜ、オールドレンズで魚たちを撮影しようと思ったかと言うと、はっきりくっきりのシャープな作風よりも、ゆらゆらと捉えどころのない、水というよりも霧のような作品を撮りたかったからと言えます。
半世紀前のロシアンレンズは、ピントが合ったところは切れ味よく、でもその周辺部は、足元の床がストーンと無くなったかのように、急に滲んだようなボケが広がる。古いレンズ特有の、個体差のあるクモリは周辺部にあればそれもまた味となります。
最新のデジタルミラーレス機で高い解像力を得て、独特の味を出せるオールドレンズで柔らかい表現を得る。マウントアダプターを使ったオールドレンズ遊びは、この時代だからこそできる贅沢な遊びです。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
水咲奈々 写真展「みずあかり」
■会期:2021年9月17日(金)~23日(木)
■時間:10:00~20:00 ※最終日は16:00まで
※店舗の営業時間に準じて変更になる可能性があります。
■会場:新宿 北村写真機店 6F Space Lucida
■住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-14
■入場料:無料
写真展「みずあかり」情報サイト https://lit.link/misaki7info
この記事に使用した機材
【K&F Concept】KF-LM-5075 マウントアダプター
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんにニコン Z 6IIとオールドレンズで水族館撮影をしていただきました。マウントアダプターを使った写真撮影の楽しみ方を解説します。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,レビュー,水族館,Z 6II
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM レビュー|様々な風景撮影をこれ1本でカバー
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CATEGORY: GOTO_AKI
DATE: 09/16/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM,風景,望遠ズーム,風景の撮影テクニック
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BODY:
はじめに
自然風景の撮影に適したレンズはなんでしょう?
風景といえば広角レンズをイメージする方が多いようですが、私自身の風景撮影で使用頻度が一番高いのが、超望遠ズームレンズです。今回は、鉄道や飛行機、鳥やスポーツだけでなく、風景の撮影シーンでも幅広く撮影を楽しめるキヤノンの「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」をご紹介していきたいと思います。
デザイン・外観
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは、「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」と比較されることが多いレンズです。テレ端の焦点距離が100mm伸びたにもかかわらず、約200gも軽量化。レンズ駆動はナノUSMでAF性能の向上や近接撮影の画質アップに貢献しています。ボタンは、上から距離距離範囲切り替えスイッチ、フォーカスモードスイッチ、手ブレ補正スイッチ、手ブレ補正モード選択スイッチの配置で、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMから買い換えてもすぐに手に馴染むデザインです。
近年の夏場の撮影では、レンズを触ると熱くて大丈夫かな!?と心配になる時もありますが、赤外線の反射率を高めた遮熱塗装で温度上昇を抑制、猛暑下でも動作良好です。
プラス100mmで広がる表現
以前は、EOS 5D Mark IVもしくはEOS Rにマウントアダプターを取り付けて、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMを愛用し画質も満足していました。ところが、美しい風景が広がる景勝地、国立公園などの観光地では、自然保護のために遊歩道や展望台を設置している場所も多く、被写体へ寄り切れない場合は撮影を諦めていました。
また、絶景が広がる山々では、崖の上などでそれ以上は前に進めないシーンもあり、焦点距離がもう少し長ければいいのになぁと感じたことも一度や二度ではありません。作画的に多少の不足を感じていたところに、テレ端が100mm伸びたRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMが登場し、届く!寄れる!と、スペックの数値以上に撮影の幅がぐっと広がりました。
下の2枚は長野県の北八ヶ岳の景勝地「白駒の池」の遊歩道からのカットです。2点とも手持ち撮影です。焦点距離100mmで撮影。中望遠領域の100mmでは状況がわかる写真が撮りやすい。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F11 1/1250秒 ISO400
こちらは焦点距離500mm。EOS R5との組み合わせでは電子ファインダーを覗きながら自分が反応する風景の表情を探します。周囲の余計な被写体を写さず、気に入った箇所だけ切り取れるのがポイントです。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F11 1/320秒 ISO400
次は和歌山県の「那智の滝」で撮影した2枚です。三脚とNDフィルターを使っています。展望台から焦点距離100mmで撮影。山と木々の表情もわかる画角です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F16 1秒 ISO50
岩の造形と滝の流れを中心としたカット。気になった美しさを500mmで切り取っています。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F16 1秒 ISO50
最短撮影距離
写真歴の長い方は、望遠レンズは被写界深度が浅くて近接撮影に向かないという意識があるかもしれません。もしこのレンズを使う時は、一度騙されたと思って足元の植物などを撮ってみてください。100mmから500mmまで、解像力の高さに驚くと思います。私が使用しているEOS R5との組み合わせでは、望遠マクロでもAFが無音でピタッと合うことが多く、マクロ撮影にありがちなピント合わせのストレスがほぼありません。最短撮影距離を頭に入れておくことで撮影できる被写体の幅が広がります。
こちらはワイド端100mm、最短撮影距離0.9mで撮影した一枚。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F8 1/3200秒 ISO800
こちらはテレ端500mmで撮影した一枚。擬似マクロとして撮影する時は、焦点距離500mm&最短撮影距離1.2mでの撮影がおすすめです。撮影倍率は0.33倍で被写体にグッと寄った撮影が楽しめます。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F8 1/2500秒 ISO800
安定の操作性
さて突然ですが皆さんの撮影スタイルは手持ち派でしょうか、それとも三脚派?
私の場合70%手持ち撮影、30%三脚撮影です。レンズの手ブレ補正スイッチはスローシャッター撮影以外では常時オンにしています。風景やポートレートを撮る時は「ISモード1」がデフォルトの設定です。鉄道などの流し撮りでは「ISモード2」、スポーツなど、被写体が不規則な動きをする場合は「ISモード3」を使い分けましょう。
手ブレ補正の効果は、EOS R5などのボディ内手ブレ補正機構があるカメラに装着した時は協調ISで約6段分、EOS Rや一眼レフでは約5段分の効果を発揮します。機材が進化して手ブレを抑制できても、被写体ブレは防げませんので両脇を締めてカメラをしっかりとホールドして、基本に忠実に撮影することが大事です。
私のデフォルト設定。風景の撮影ではISモードは「1」に設定しています。
ズームトルクの強弱は写真のトルク調整リングで好みの感触に簡単に調整可能です。レンズを下に向けたときに鏡筒が伸びてしまわないかチェックするといいでしょう。SMOOTHでやわらかめ、TIGHTでかための操作感です。
ズーム全域で高画質
私が自然風景の撮影で大事にしていることの一つが、質感です。RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは全焦点域で高解像度の繊細な描写が楽しめます。
阿蘇中岳の火口周辺とその造形を捉えた一枚。RFレンズの繊細な描写力で被写体の息吹を感じることができます。撮影している時は「UDレンズ、スーパーUDレンズの効果で収差が抑制されているな。」とは考えませんが、仕上がりを見るとなるほど!と思うのです。焦点距離は500mm、手持ち撮影です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F11 1/125秒 ISO400
水面の表情も解像感が高く、水の冷たさが伝わってくるようです。焦点距離100mm、手持ち撮影。このような流体にもAFは素早く反応します。下の写真の中央がピント位置です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F6.3 1/500秒 ISO400
ピント位置は写真の中央、赤枠の部分です
フレア、ゴーストを低減するASCの効果で、逆光でもストレスなく普通に撮影が可能です。こちらは焦点距離300mm、手持ち撮影です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F11 1/80秒 ISO400
下の写真は五島列島へ取材へ行った時に撮影した夕景。波頭の細部まで捉えた一枚です。反射による逆光での撮影でしたが、撮影時は逆光すら意識しないで撮っています。ピクチャースタイルはスタンダード、ホワイトバランスは太陽光の撮って出しです。焦点距離451mm、手持ち撮影。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F11 1/1250秒 ISO400
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは開放F値がF4.5で、F6.3で撮ったこの写真でも背景ボケが十分綺麗です。多少の暗いシーンでも、周辺解像やコントラストが向上しているため、ISO感度をあげて撮影しても高画質はそのままです。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:F6.3 1/1000秒 ISO400
便利なフィルター径77mm
77mm径のフィルターが使用可能
付属のフードにはフィルターの調整がしやすいよう、スライド式の窓も備わっている
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMのフィルター径は77mmで、標準ズームレンズ「RF24-105mm F4L IS USM」やF2.8の明るい望遠ズームレンズ「RF70-200mm F2.8 L IS USM」と同じです。自然風景の撮影ではPLフィルターやNDフィルターを使用することも多いため、ステップアップリングやステップダウンリングを使うことなく、フィルターワークができるのも魅力です。C-PLフィルターや可変NDフィルターを使う時は、レンズフードにフィルターの調整がしやすいスライド式の窓がついているので、ここを開けて簡単に調整できます。
スローシャッター
付属の三脚座のほか、写真のような2点でレンズを安定させるVRホルダーなどがおすすめです。風でレンズが揺れそうな時やNDフィルターで長秒撮影するときに振動が抑制されて作画が安定します。
まとめ
今回は「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」のお気に入りポイントを順にご紹介させていただきました。中望遠から超望遠までの焦点距離から近接撮影まで、自然風景の撮影でカバーできる範囲が広いことが伝わりましたか?アクセサリーなどの周辺機材も活用して、みなさん自身の色で撮影をお楽しみください。
■写真家:GOTO AKI
1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のGOTO AKIさんによる、キヤノン「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」レビュー記事です。幅広い望遠域をカバーする、風景撮影におすすめのレンズの写りをご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,望遠ズームレンズ,RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM,レビュー,風景
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ZEISS Loxia 2/50 レビュー|立体感のあるボケとムードを楽しめるMFレンズ
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 09/17/2021 16:00:00
TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,ZEISS Loxia 2/50,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
「ZEISS Loxia 2/50」は、ソニーのフルサイズミラーレスカメラシリーズのために開発された、マニュアルフォーカスのレンズです。4群6枚のプラナーのレンズ設計は高い画像品質を生み出し、金属が詰まっている感のある鏡筒は持つ喜びを感じさせてくれます。今回は、本レンズとソニーα7Cの組み合わせで、ポートレートのスチールとムービーでレビューしたいと思います。
諸収差を抑えたクリアな画
■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50
■撮影環境:F2 1/200秒 ISO1000 WB:5000K クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:小栗絵里加
本レンズの設計は、高性能レンズの代名詞とも言える、ツァイスの伝統的な「Planar(プラナー)」を採用しています。4群6枚のレンズは、ダブルガウス型の前後対称の構成になっており、球面収差、色収差、倍率色収差、歪曲収差を抑えて、被写体をクリアに描き出してくれます。
今回はポートレートですので、絞り開放での描写がメインのレビューとなりますが、明るい系のポートレートが好みの筆者が、めずらしく露出アンダー目の描写のカットが多い結果となりました。
なぜかというと、諸収差が抑えられているお陰で、露出を下げたシックな画にしても濁りが出ずに、ヌケのいい画が得られたからです。さらに階調の豊かさのお陰で、明るいところも暗いところもグラデーションとして階調が残り、べったりとした平面的な画にならずに意図したムードを表現してくれました。
絞り開放、最短撮影距離の0.45mに近い近距離で、わずかな光で撮影していますが、コントラストの高い、それでいてバキバキに無駄なシャープさを入れてこない、心地良い描写に惚れました。
ポートレート・ショート・ムービー
VIDEO
■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:小栗絵里加
手持ち、ジンバル、三脚併用
今回、何よりも楽しみだったのはこのムービー撮影でした。ツァイスのプラナーレンズでのムービー撮影は初めてで、どのような描写をしてくれるか、撮影前からわくわく感が溢れてしまうほどでした。
結果、思い描いていたムードをそのまま、ムービーに落とし込むことができました。かなり光量の少ないところでの撮影でしたが、逆にそれが功を奏して地面に反射する硬い光、ブーツの柔らかさを表現する丸みのある光、ブレスレットの一瞬の輝きや逆光が形作るあごの輪郭など、被写体とシーンを繊細に彩ってくれました。
撮影は手持ちと三脚少々、大部分をジンバルを使用して行いました。α7Cはフルサイズながら小型のカメラなので、小型・軽量の本レンズとの相性も良く、ジンバルでの片手の撮影も軽々行えました。
カメラボディとレンズの重さ、大きさは、スチールではそれほど苦にならないのですが、ムービーの場合はスチールよりも低い位置での撮影が多く(これは筆者個人の好みでもありますが)、ジンバルを地面すれすれの低さで歩きながら撮影するときなどは、どうしても片手での撮影となり、その重量によって苦しさを感じてしまいます。
本レンズは重量320g、最大径62mm、全長66mとその小ささは手のひらで包めるほど。重量はこのサイズにしては重みを感じますが、金属の塊のようなずっしり感はむしろ好みです。ジンバル装着時は、レンズの重量を見た目よりも重めに計算すると、バランスが取りやすいでしょう。
また、動画撮影時に便利な機能として、絞りのクリック感をなくせる「デクリック」を搭載しています。同梱の専用ツールを使ってバヨネット面にある調整ネジをまわすことで、絞りリングのクリック感を消すことができるので、撮影中に絞りを変化させたいときに、絞りを動かす音を拾ってしまったり、露出がカチカチと不自然に変動することなどがなくなります。
今回のムービーでは絞りの変化で印象が変わるようなシーンがなかったので、ピントをインフォーカスからアウトフォーカスにする、MFらしいフェードアウトを試してみましたが、いずれ屋外のシーンで、絞りの変化を見せるようなムービーを試してみたいと思いました。
ピントの合わせやすさは最上位!
■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50
■撮影環境:F2 1/250秒 ISO400 WB:5000K クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:小栗絵里加
マニュアルフォーカスのレンズですので、ピント合わせは手動で行うことになります。そういうと、オートフォーカスに慣れている方は、ピント合わせに苦労するんじゃないかと思われるかもしれませんが、本レンズのピント合わせは、筆者が今まで使ってきたマニュアルフォーカスのレンズの中でも最上位に来るほど、とても見やすく合わせやすかったです。
50mmの画角が扱いやすいということもありますが、余計なディストーションのない光学設計のお陰で構図がスムーズに行えるのも、本レンズがマニュアルフォーカスでもピントが合わせやすいことの一旦を担っていると思いました。
ピントリングのトルクは筆者好みの重すぎず、軽すぎない、スタートダッシュがかかり過ぎない粘りのある感触で、モデルの瞳へのピント合わせという繊細な作業も、ストレスなく行えました。
マウントは電子接点搭載でEXIF情報の記録可能
■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50
■撮影環境:F2 1/250秒 ISO400 WB:5000K クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:小栗絵里加
本レンズはマウントに電子接点を搭載しているので、絞り値などの撮影情報が記録できるのと、α7シリーズのMFアシスト機能が利用できます。
筆者はポートレート撮影のときは、自動的にフォーカスエリアを拡大表示する機能はオフにすることが多いのですが、テーブルフォトや風景撮影などではオンにすることもあるので、撮影状況や好みによって選択できるのはありがたいと思いました。
信頼のおける「T*」レンズ
■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50
■撮影環境:F2 1/200秒 ISO400 WB:6200K クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:小栗絵里加
レンズ前面に「T*」の赤い印字があり、このレンズが「T*(ティースター)コーティング」であるという証になります。
レンズの表面に幾層も薄い膜を均一に重ねて、レンズ表面の反射と共に内面の反射をも抑え、フレアーを抑制することで、よりコントラストの高いヌケの良いレンズに仕上げるコーティング技術で、一定の性能基準を満たしている場合にのみ、「T*」の印字を施して信頼の証としています。
逆光で撮影することの多いポートレート撮影では、このコーティング技術の恩恵に預かることがとても多いです。各メーカーによって、名称は違えどレンズ内外の反射を抑えるコーティング技術があり、画のクリアさを上げる手助けをしてくれています。
本レンズも、このコーティング技術の恩恵は深く、屋内、屋外共に撮影を行いましたが、不要な反射が見当たらないだけではなく、その画のヌケの良さを感じることができました。
雰囲気を楽しめる立体感のあるボケ
■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50
■撮影環境:F2 1/250秒 ISO400 WB:4800K クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:小栗絵里加
絞り羽根枚数は10枚、開放時には丸ボケの出やすい仕様です。木漏れ日のようなわかりやすいところ以外でも、ブレスレットの光や、背景の光源など、様々な写り込みが優しい形にボケるのは、ポートレートに向いているとともに、単純に写真を撮るのが楽しくなります。
前ボケ、後ろボケについては、前ボケのほうが柔らかい傾向にあり、後ろのボケは物体の輪郭を保持しながら、柔らかくにじませるようなボケ方をします。背景をスッキリさせたいときは色数の少ない場所を選んだほうがいいですが、ボカしながらもその場の雰囲気を残したいときは、効果的に立体感を持ったままボケてくれるので、新しい演出を楽しめるレンズだと感じました。
ツァイスのLoxiaシリーズの最初の一本として、本レンズはスチールを撮る方にも、ムービーを撮る方にもお勧めしたいレンズでした。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがカールツァイスのZEISS Loxia 2/50をレビューしています。ムービーでも大活躍のこのレンズに興味がある方はぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
カールツァイス,zeiss,レンズ,レビュー,ZEISS Loxia 2/50,人物,ポートレート
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: #02 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
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CATEGORY: コハラタケル
DATE: 09/18/2021 11:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,撮影テクニック,ポートレート(人物),なんでもないただの道が好き
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BODY:
はじめに
こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。今回も前回に引き続き、僕が大好きな街撮りについて解説していきます。みなさん、隙間と枠は好きですか?
モデルさんに"隙間"と"枠"の中に入ってもらう
僕はモデルさんに"隙間"と"枠"の中に入ってもらうのが大好きです。写真表現のなかでも定番ではあるのですが、意外と奥が深い撮り方だと考えています。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO160
■モデル:五味未知子
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO160
■モデル:五味未知子
「#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座」 でも話したのですが、ポートレートでは視線誘導が重要だと考えています。隙間や枠に何かが収まっていると、意識がそこに集中しないでしょうか。
隙間や枠のなかに人物を配置することで、自然と視線誘導しやすい写真にすることができます。先に見せた2枚の写真は、手すりの隙間からと支線カバーの隙間からということでわかりやすい例だったと思うのですが、ほかにも影と影の隙間や枠に入ってもらうという方法もあります。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO160
■モデル:五味未知子
わかりやすいように影の部分を線でなぞってみました。
隙間や枠というのは探せば意外と多く、影に関しても僕は隙間や枠として捉えて写真を撮ることがあります。
次はクイズ形式でいきましょう。まずは人物がいない状態で写真をお見せします。みなさん、僕が人物をどこに入れるか、わかるでしょうか。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/60秒 ISO160
正解はココです。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/60秒 ISO160
■モデル:五味未知子
さすがに簡単すぎたかもしれません。ただ、今回は写真(結果)で見せているのでわかりやすいですが、実際、現地を歩くと通り過ぎてしまう人もいるのではないかと思います。
次の写真はどうでしょうか。わかりますかね。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F2.8 1/250秒 ISO200
答えはココです。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F2.8 1/250秒 ISO200
■モデル:五味未知子
「???」という人もいると思うので、こちらも写真に線を入れて解説します。
というわけでは答えは怪物の口の隙間でした。見る人によっては「そこは隙間じゃないでしょう」という人もいると思いますが、そこが写真のおもしろいところです。
今回の写真でいうと、撮る人によっては右下の方に人物を配置したかもしれないですし、奥に進んでもらって怪物の瞳のところから顔を出してもらっていたかもしれません。
絶景ロケーションでは「この構図じゃないとダメかな」という場合もあるのですが、今回のような街撮りの場合は撮る人の感覚によって構図も切り取り方も変わるのが、僕が街撮りの好きな理由でもあります。
モデル側の行動に余白を残しておく
隙間や枠に収まってもらうというのは視線誘導の役割もあるのですが、モデル側の気持ちを考えても効果的な方法だと考えています。例えばですが、「ここに立って欲しい」と指示を出して立たせると、本当に立っているだけになってしまう場合が多いです。
使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO160
■モデル:五味未知子
撮られ慣れている人であれば「ここに立って欲しい」という指示出しだけでも、いろんなポージングをしてくれることもありますが、撮られ慣れていない人を撮るときもあるでしょう。
語弊があるといけないので先に補足しておくのですが、僕は立っているだけというのは好きで、よく撮ります。決して失敗写真ではないということをここではお伝えしておきたいです。
ただ、1度の撮影のすべてでモデルさんが立っているだけというのも、それはそれで味気ないのも事実で、やはり変化が欲しいです。そういうときにも隙間や枠は役に立ちます。
もう一度、最初の写真をご覧ください。
このときの僕の指示は「この隙間から顔を出して欲しい」というものでした。実際に僕も写真のようにポージングした僕の姿をモデルの子に見せているのですが、手の位置や握り方などの細かい指示は出していません。あくまでここから顔を出して欲しいという簡単な指示出しで済ませます。
「立って欲しい」という指示出しだと、ただ立ってしまうだけになってしまいことが多いのですが、今回のように隙間や枠に人物を配置すると、その人、独自の行動をしてくれる場合があります。ここが重要です。
今回の写真でいうと表情や握る位置はモデルの子が勝手にやってくれました。右手はしっかり握っているのに対して、左手はなぜか人差し指だけ伸びているのも個人的には好きなポイントです。このように指示を出しすぎないことで"モデル側の行動に余白を残しておくことが大切"です。
支線カバーの写真も、もう一度、見てください。
「中途半端に上がった左足」
「身体の傾き方も絶妙」
「右手は支線カバーに触っているけど、左手は微妙に触れていない」
このような細かい動作も僕は何も指示を出していません。支線カバーの隙間に入って欲しいという指示出しだけで済ませることにより、行動に余白を作ったからこそのポージングだと考えています。
モデル側の気持ちを考えて、なるべく自然に。
最後にこちらの写真をご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F4 1/500秒 ISO160
■モデル:五味未知子
写真の余白や構図のバランス、収まり方を考えると「もうちょっと顔の近くで握ってもらったほうがよかったかな」とか「頭の上側の余白がもうちょっと欲しかったな」とも思うのですが、このなんとも言えない表情や手の位置というのは、ここにしかないものという感じがして、すごく好きな一枚です。
モデル側の気持ちを考えても、手を添える場所や枠に収まるという行動が入ることで、より自然な雰囲気を出しやすいのかなと思います。実際、僕も仮にモデル側になったとして「ここに立って欲しい」という指示出しよりは「この枠から顔を出して欲しい」という指示出しのほうが自然にできると思います。
隙間と枠の中に入ってもらうというのは視線誘導の役割もあるのですが、モデル側の気持ちを考えて、なるべく自然に行動できるようにしてもらうというのが本来の目的なのです。
まとめ
僕は隙間や枠に入ってもらうのが好きという話をしましたが、あなたの好きを探してください。そこに写真のヒントが隠されています。
そういうものは無意識のうちにやっている場合が多く、今回の僕の記事のようにできれば一度、文章に書いたほうが良いです。そうすることで別のロケーション、別日での撮影でも同じテクニックを使うことができます。
写真はその日にしかない現象を写すことも大切ですが、自分が持っているテクニックを別現場でも同じようにすることができる"再現する力"も重要です。
■モデル:五味未知子
■写真家:コハラタケル
1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。
コハラタケルさんの連載記事はこちら
#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/483346238.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のコハラタケルさんが隙間と枠を活用したポートレートの撮影テクニックを紹介しています。作例と解説コメントを分かり易く説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,ポートレート,撮影テクニック,コハラタケル,X-Pro3,XF 23mm f/1.4 R
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ソニー VLOGCAM ZV-E10 レビュー|山本まりこ
BASENAME: 482887882.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 09/19/2021 10:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,VLOGCAM ZV-E10,APS-C,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
台風一過。
真っ青な空に、サルスベリのビビッドなピンク色の花がゆらゆらと揺れている。
夏を撮りに行こう。
9月17日発売、SONY VLOGCAM ZV-E10。
αユーザーが待ち望んだ待望のレンズ交換式、APS-Cセンサーを搭載した、Vlog撮影を主軸に置いたミラーレス一眼カメラだ。
今日はこの、小さく軽く薄いカメラが相棒。
動画「UMIMACHI ARASHI NO ATO」
仕様や機能などいろいろと紹介したいのだけれど、とりあえず、まずはこのカメラで撮影した動画を編集して1つの動画を作ったので見て欲しい。
撮影地は、私の住む海まちの駅前にある吾妻山(あづまやま)という132mほどの小さな山。
台風が去った翌日、ジリジリと照り付けるような太陽、その下で勢いよくうねる海、色濃く葉を茂らす木々、夏を待ち望んでいた花たち。30度をゆうに超える灼熱の太陽の下、弾けそうな夏を撮った。
レンズは、ZV-E10L(パワーズームレンズキット)のキットレンズE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSを使用している。
タイトルは、「UMIMACHI ARASHI NO ATO」。
VIDEO
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:XAVC S 4K
全て撮り終えて、動画を家で視聴。
正直、この小さなカメラでこの映像が撮れることに驚いた。唸りながら、二度見、三度見、五度見をしてしまった。編集で大音量のセミの声を聞きつつ灼熱の中でフラフラになりながら撮影した記憶が蘇ってくる中、何度も何度も動画を見返した。
仕様と機能
VLOGCAM ZV-E10の主な仕様は下記。
□レンズ交換式ミラーレス一眼
□総画素数:約2500万画素、カメラ有効画素数約2420万画素
□撮像素子:APS-Cサイズ (23.5 x 15.6 mm)Exmor CMOSセンサー
□本体のみ質量:299g、質量:343g(バッテリーとメモリーカード含む)
□外形寸法:115.2 x 64.2 x 44.8 mm(グリップからモニターまで)
□連続撮影速度:Hi+時: 最高約11コマ/秒、Hi時: 最高約8コマ/秒、Mid時: 最高約6コマ/秒 、Lo時: 最高約3コマ/秒
□実動画撮影時:液晶モニター使用時: 約80 分 (CIPA規格準拠)、連続動画撮影時:液晶モニター使用時: 約125 分 (CIPA規格準拠)
□カメラまかせで被写体を自動で追い続ける「リアルタイムトラッキング」機能搭載、リアルタイム瞳AFにも対応
ここで、撮像素子APS-Cサイズのα6600と比べてみる。α6600は、外形寸法が約120.0(幅) x 66.9(高さ) x 69.3 (奥行き)mm、120.0x 66.9x 59.0mm(グリップからモニターまで)、質量が503g(バッテリーとメモリーカード含む)、本体のみ質量は418gである。比べると、VLOGCAM ZV-E10は、さらに小さくて軽くて薄いという事が分かるだろう。
スイッチは、スライド式。これならカバンに入れていていつの間にかスイッチが押されていた、なんてこともなくなるだろう。
Vlog撮影を主軸に置いたミラーレス一眼ということだけあって、Vlog撮影に便利ないろいろなボタンが配置されている。
撮影モードは、「静止画 / 動画 / S&Q切換ボタン」ボタンを押すことで、切り替えることが出来る。特に、ボタン一つの切り替えで、スローモーション動画を撮影出来るのはとても便利だ。
人物の後ろに山がシマシマに描かれているマークは、ワンタッチで瞬時に表現の切り換えができる「背景ぼけ切換機能」。撮影時、このボタンを押せば、背景がボケたり、くっきりしたり、瞬時に切り替えることができる。あまり写真や動画撮影に詳しくなくても、背景がトロリとボケた動画が撮影できてしまうという、初心者さんに優しい機能。
筆者的にとても良かったと思う点は、動画ボタンが大きいという事。静止画のシャッターボタンの近くに配置された動画ボタンは、今までのαに搭載されていた動画ボタンより大きく、押しやすい。
ゴミ箱マークの右上、人物の前に箱のような立方体が描かれているマークは、素早くピントの移動ができる「商品レビュー用設定」。このボタンを押すと、動画撮影時に人物の顔の前に商品を出すと商品にピントが合う。Vlogger向けの機能だ。ちなみに、今更かも知れないが「Vlog」とはVideo blog(ビデオブログ)の略で、文章で表現する一般的なブログの動画版のことを言う。
カメラボディの上の可愛らしいモフモフしたものは、ウインドスクリーンという風よけ。これを装着し「風音低減」を入にして撮影すると、かなりの割合で風音を入れず撮影することができる。装脱着できるので、風音を気にしない撮影の場合は着けなくてもOK。
強い手ブレ補正機能、そして、風の音が防げる
動画を見返してみよう。
ここで、注目して欲しいのは、山の上でコスモスを撮影したシーン。
山の上なので風が吹いているけれども、風の音は見事にカットされてセミや鳥の鳴き声や、山の下の道に車が走る音が聞こえる。装着したウインドスクリーンが効いている。ちなみに、これはカメラ内のマイクで撮影したもの。山は132mなので、道とそれだけ離れていても車が走る音を拾っている。カメラ内のマイクとしてはかなり秀逸だ。
そして、この動画は三脚は使わずに手持ちで撮影している。手ブレ補正は、「アクティブ」「スタンダード」「切」の3種で設定できる。この時は「アクティブ」に設定。手持ちでこれだけゆっくり移動させて撮影してもこの滑らかさ。
VIDEO
録画をストップするときにカメラが動いたのは、停止させるためにボタンを押したから。それまではかなり滑らか。
こちらは、歩きながら足元の木漏れ日を撮影した動画。
手持ちで歩きながら撮影しているのに、この滑らかさ。
手ブレ補正「アクティブ」がかなり効いている。
VIDEO
静止画を楽しむ
もちろん、静止画も美しく撮ることが出来る。
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF5.6 ISO100
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF29 ISO100
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF5.6 ISO100
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF10 ISO100
液晶画面の右側に配置されたFn(ファンクション)ボタンを押せば、ISO感度、ホワイトバランス、クリエイティブスタイル、フォーカスモード、フォーカスエリア、美肌効果などを切り変えることが出来る。既存のαと変わらず便利なFnボタンは、引き続き利用できるのは嬉しい。
筆者としては、正直、VLOGCAM ZV-E10では動画ばかりを撮影していて、静止画はほとんど撮影しなかった。半日撮影して、動画は203シーン、静止画は58枚撮影していた。動画撮影が便利な分動画撮影がやはり楽しく、動画ばかり撮影していた。いつもなら、同じ時間だけ撮影しているとしたら、1000を超える静止画を撮っていると思う。VLOGCAM ZV-E10は、動画メインの撮影機として保有するのもいいだろう。
おわりに
今回、VLOGCAM ZV-E10と付属のキットレンズE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSのみで撮影した。弾けそうな強い夏が撮れた。そして、すごく簡単に撮れた。機材を背負ったリュックも軽かった。レンズ交換式カメラなので、実は、撮影には他のレンズも持って行ったけれど今回は使わなかった。キットレンズでどこまで撮れるか、それを試したかったのもある。持って行った機材は、VLOGCAM ZV-E10、E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS、そして、三脚、単焦点レンズレンズとマクロレンズの2本。三脚を使ったのは、山の上から海を定点で撮影するときのみ。後は全て手持ちで撮影した。カメラが軽いので、軽い三脚を持って行った。撮れた動画を見て、正直びっくりした。この小さなカメラとレンズでここまでの動画を撮影できる時代になったのかと。
でも、いろいろ考える点もあった。
まずは、ファインダーがないこと。カメラを小さく軽くするためなのか時代なのかファインダーがないので、最後までピントが合っているか不安を持ったままの撮影。でもこれは、撮影した動画をパソコンでチェックして気持ちがスッキリと晴れた。目を見張ってしまうほどの美しい映像が撮れていた。カメラまかせで被写体を自動で追い続けるリアルタイムトラッキング機能が効いていて、激しく動く植物にも俊敏にピントが追いついていた。そして次に、バッテリーが小さい分、消耗も早いという事。今回半日の撮影で、1個と少し使った。筆者は今、α7R IVやα7Cをメイン機として撮影しているので、バッテリー交換はほぼしないで撮影出来ている。なので、消耗は早いなという印象。1日たっぷり動画を撮影したい人は、予備バッテリーを数個所持しての撮影をおススメする。
その点を踏まえたとしても、このVLOGCAM ZV-E10というカメラはとても魅力的に私に写った。小さくて軽くて写りが素晴らしく美しく、何よりフットワーク軽く撮影出来るところがかなりの魅力。すぐに欲しいと思った。動画初心者さんには、かなりのおススメカメラだと思う。
それにしても、熱い夏の日だった。帰宅後、すぐにシャワーを浴びて、しばらく動けなかった。家族からは、よくこんな日に撮影に行くものだと心配されたけれど、そんな真夏を撮影したいと思わせてくれたカメラには感謝。おかげで思い描いていた夏を撮ることが出来た。カメラというのは、時に人を奮起させてくれたり、大きな喜びを持たせてくれる。とてもありがたい存在だなあといつも思う。今度は、このカメラで、レンズをいろいろ変えた撮影にも挑戦してみたいと思う。
VLOGCAM ZV-E10は、9月17日発売。
夏から秋に変わってゆく頃。
ぜひ、あなたの目の前の季節を撮ってみて欲しい。
■写真家:山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
「VLOG」や「ZV-E10」についてはこちらの記事でも紹介しています
■Vlog(ブイログ)とは何か? ~楽しみ方含めてソニーのマーケティング担当者へインタビューしてきました~
https://shasha.kitamura.jp/article/483108202.html
■ソニー ミラーレスカメラ VLOGCAM ZV-E10が登場!|APS-Cセンサーサイズのレンズ交換式VLOGCAM
https://shasha.kitamura.jp/article/482739772.html
■更新
・2021年10月4日:キャンペーン終了に伴い、内容を修正しました。
この記事に使用した機材
【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 パワーズームレンズキット ブラック
商品詳細ページ
【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 ボディ ブラック
商品詳細ページ
【ソニー】E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさんがソニーVLOGCAM ZV-E10のレビューをしています。Vlogにも写真にも使えるこのカメラに興味がある方は必見です。
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KEYWORDS:
ソニー(Sony) ボディー,レビュー,VLOGCAM ZV-E10
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AUTHOR:
TITLE: シグマ fpシリーズとオールドレンズで楽しむ水族館写真とポートレート
BASENAME: 483403884.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 09/20/2021 11:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) ボディー,水族館,オールドレンズ,フルサイズ,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
シグマのfpシリーズは、小さいながらもフルサイズセンサーを備えたミラーレス機で、その個性的な外観から、装着するレンズによってガラリとイメージが変わる、撮る楽しさだけではなく、持つ楽しさも味わえるカメラです。
今回は、そのfpシリーズとオールドレンズを使って撮影した、水族館写真とポートレートをご覧いただきながら、マウントアダプターとオールドレンズでの撮影の楽しみ方を、お話したいと思います。
撮影できる範囲が広がるヘリコイド付きがお勧め
■撮影機材:SIGMA fp
筆者がfpシリーズのカメラに使用しているマウントアダプターは、焦点工房オリジナルブランドSHOTEN(ショウテン)の、「LM-LSL M (ライカMマウントレンズ→ライカSL.Lマウント変換) ヘリコイド付きマウントアダプター」です。
これは、ライカ、パナソニック、シグマなどのLマウントのカメラに対応したマウントアダプターで、ヘリコイドが付いているので接写が可能です。マウント部にある5mmのヘリコイドを繰り出すことで、最短撮影距離を短縮できるので、被写体にぐっと近付いて撮影できます。
この作品も、金魚が画面いっぱいに大きく写し出されていますが、水槽から離れて撮影していては、このように被写体を大きく捉えることはできません。また、水族館では水槽から離れれば離れるほど、館内の常設灯や非常口のマーク、後ろを通る他のお客様などが水槽のアクリルに映り込んでしまうので、幻想的とは程遠い写真になってしまいます。
これからマウントアダプターを使ってオールドレンズ遊びをしたい方は、ぜひ、接写も可能なヘリコイド付きのマウントアダプターをお勧めします。
9月17日~23日に新宿 北村写真機店で開催する写真展「みずあかり」では、この作品を大きな銀塩プリントでご覧いただけます。人でも動物でも、ピントを目に合わせるのはセオリーですが、筆者は水族館撮影、特に金魚の写真では、ひらひらと軽やかになびくレースやオーロラのようなヒレに、ピントを合わせて構図することが多いです。
普段ははっきり見ることのできない、泳いでいる金魚のヒレの繊細な美しさを、写真という形にすることができるのも、作品作りの楽しさでもあります。
ピント合わせは自分の体で!
■撮影機材:SIGMA fp
今回使用しているオールドレンズは、1962年製の「ジュピター8」、1961年製の「インダスター61」と、「ズマリット50mm F1.5」です。いずれもライカLマウントのレンズで、くるくると回して装着するスクリュータイプなので、このままではマウントアダプターに装着できません。そのため、ライカMマウントに変換する「K&F Concept KF-LM-5075 マウントアダプター」を使用しています。
オートフォーカスが使えないマニュアルフォーカスのレンズですので、ピント合わせはすべて手動で行うことになります。そう聞くだけで、難しそうだなぁと感じる方も多いかと思いますが、実は水族館撮影でのマニュアルフォーカスの撮影方法はとても簡単なのです。
順番としては、ヘリコイドを繰り出して一番接写ができる状態にして、絞りを開放にして、ピントを近いものがはっきり写る最短距離に合わせます。そして、その状態で固定したまま、カメラを前後させてピントを合わせましょう。
被写体が大きく写りすぎる場合は、ピントは最短距離のまま、少し後ろに下がるなりして構図を整えてから、じっくりとピントリングを動かすようにしましょう。カメラと被写体との距離を変える場合は、カメラを動かすこととピントリングを動かすことを同時にしないで、場所が決まってからピント合わせをするというように順番に行うことで、マニュアルフォーカスでのピント合わせの難易度はぐっと下がります。
カメラ側の設定
■撮影機材:SIGMA fp
カメラ側の設定ですが、絞りはレンズ側の絞りリングを使用して設定します。幻想的な水族館写真を撮りたい場合は絞り開放に、動き物にあまり慣れていない方や、魚の体をはっきり表現したい方は、F5.6くらいまで絞ってもいいでしょう。
ただ、あまり絞りすぎると、ISO感度の設定によってはシャッタースピードが遅くなって、ブレブレの写真になってしまう危険があるのと、水槽の壁や配管などがボケずにはっきり写ることで、生活感のある写真になってしまうので気をつけましょう。
シャッタースピードは1/1000秒前後でしたら、大体のシチュエーションで被写体ブレも抑えて撮れます。逆に少し遅くして、わざとブラしてみても面白いでしょう。
ISO感度は明るい水槽ならISO400くらいで撮れることもありますが、暗い水槽だとISO6400くらいがお薦めです。ホワイトバランスはオートでもいいですし、色味を統一したい方は色温度設定で5000K前後に設定しておくと、照明の変化が大きい水槽でも、色味の変化なく撮影できます。
露出は、上記を踏まえて自分で調整することになります。通常の撮影だと明るめが好みの筆者ですが、水族館撮影では明るくしすぎず、むしろ少し暗めに、暗いところがしっかり暗くなるように撮ることが多いです。
なぜかというと、鮮やかな光の演出がされている水槽を明るめに撮ってしまうと、色鮮やかさが減少して全体のコントラストが低くなり、爽やかにはなるのですが、ドラマティックさが少なくなってしまうからです。
オールドレンズで撮影する場合は、F値の小さな明るいレンズを使うことが多いでしょうから、絞りを開ければ暗くなりすぎることはないと思います。主役の魚は水槽内の明るいところにいるときに、照明の届かない暗い部分との明暗の差が大きくなるような構図にすると、コントラストの高い、ドラマティックな写真に仕上がります。
オールドレンズは高コントラストの描写が美しいレンズが多いので、コントラストを高く仕上げたいときは、カメラ側の明暗の差をなくす設定をオフにして撮影しましょう。
オールドレンズはポートレート撮影も楽しい
■撮影機材:SIGMA fp L
■モデル:大川成美
こちらは、7月の個展で展示した作品になります。カメラは「SIGMA fp L」、レンズは「ズマリット50mm F1.5」を使用しました。B2サイズと大きく印刷しましたが、「SIGMA fp L」は有効画素数約6,100万画素ですので、もちろん問題なく綺麗に仕上がりました。
前ボケになっているのは木のトルソーです。オートフォーカスですと、逆に手前の被写体にピントを合わせたがって、奥の被写体にピントが合いにくいことがあります。動物園で、檻の中にいる動物にピントを合わせたいのに、手前の柵に合ってしまうのも、その例ですね。
顔/瞳優先AFも効きにくいようなこんなシーンでは、マニュアルフォーカスでピントを合わせてしまったほうが、素早く正確に合わせられることも多いです。
高コントラストが活きるモノクロ写真
■撮影機材:SIGMA fp L
■モデル:大川成美
こちらも、7月の個展で展示した作品です。このときは、すべての作品をモノクロで撮影しました。写真から色の情報を無くすことで、見る人の想像力を掻き立てる効果が倍増します。
被写体を優しくまろやかに表現してくれるオールドレンズと、人の肌質やコンクリートの質感などをしっかり表現してくれる、高い解像力の最新デジタル機との組み合わせは、ポートレート撮影でも堪能することができます。
モノクロ撮影は、カラーで撮影したものをモノクロに変換するよりも、最初からモノクロで撮影することをお勧めします。そのほうが、露出や細かい色味のグラデーションをその場で確認することができるので、より、自分の完成形のイメージに近い作品が撮れます。
また、モノクロ写真は通常よりも明暗の差があったほうが格好良くなりますので、特別な意図がないようでしたら、高コントラストで撮影しましょう。
自分だけの一本を見つけよう!
■撮影機材:SIGMA fp L
■モデル:大川成美
オールドレンズで撮影するなら、ぜひ撮って欲しいのが逆光でのふんわりポートレートです。最近の高性能のデジタルレンズでは出ないようなフレアーやゴーストは、オールドレンズ・ポートレートならではの味になります。
この撮影時も、強い光に向かって撮影する逆光の状態でしたので、画面全体に薄い霧のような紗がかかりました。それがソフトフィルターのような効果になり、ドリーミーに仕上がりました。さらに、カラーモードをパウダーブルーにしているので、より透明感のあるムードになりました。
ドラマティックにも、ドリーミーにも仕上げてくれる半世紀前のレンズは、中古カメラ店やオンラインなどで気軽に購入できます。同じ名称のレンズでも個体差があって、写りも違うのは、オールドレンズ遊びのさらに楽しいポイントでもあります。ぜひ、みなさんの一本を見つけてください!
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
水咲奈々 写真展「みずあかり」
■会期:2021年9月17日(金)~23日(木)
■時間:10:00~20:00 ※最終日は16:00まで
※店舗の営業時間に準じて変更になる可能性があります。
■会場:新宿 北村写真機店 6F Space Lucida
■住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-14
■入場料:無料
写真展「みずあかり」情報サイト https://lit.link/misaki7info
この記事に使用した機材
【K&F Concept】KF-LM-5075 マウントアダプター
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんに、SIGMA fpでのオールドレンズ撮影の楽しみ方を解説いただきました。マウントアダプターを活用すれば、最新カメラでもオールドレンズを使うことができます。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,水族館,人物,オールドレンズ
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: シグマ 24mm F2 DG DN Contemporary レビュー|Iシリーズ2本目の明るい24mm登場!
BASENAME: 483454979.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 09/20/2021 16:00:00
TAGS: 24mm F2 DG DN | Contemporary,スナップ,シグマ(Sigma) レンズ,単焦点
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BODY:
はじめに
シグマから新しい単焦点レンズが登場しました。シグマの創立60周年記念日に発表された、この「24mm F2 DG DN | Contemporary」は、高いビルドクオリティと描写が人気の「Iシリーズ」に加わります。すでにこのシリーズには開放F値が異なる「24mm F3.5 DG DN | Contemporary 」が存在しますが、同時に発表された「90mm F2.8 DG DN | Contemporary 」と合わせて6本のラインナップに拡充されました。
24mm(2タイプ)、35mm、45mm、65mm、90mmと、広角から望遠まで「Iシリーズ」だけでも十分に撮影が楽しめるような陣容になってきましたね。軽量コンパクトながら高品位なプライムレンズは撮影気分を高めてくれます。
24mm F2 DG DN | Contemporaryの特徴
このレンズはIシリーズに属するので、とても素晴らしいレンズに仕上がっています。フルメタルの外装をまとい、カチカチと節度感の高い絞りリングを備え、高品位なメタル製花形フードが付属します。実際にこのレンズを手にすると、ヒンヤリとした素材感とともに適度な重量を感じられ、「モノ」としての存在感を確実に味わうことができるでしょう。所有する悦びを感じられますね。また、ユニークなプロモーションビデオ で話題を呼んだマグネット式レンズキャップも同梱されます。
見た目だけではなく、光学性能ももちろん高められています。11群13枚のレンズ構成で、SLDガラス2枚、FLDガラス1枚、ガラスモールド非球面レンズ2枚を使用して各種収差を良好に補正し、画面中心部から周辺部まで解像感高い写りを実現しています。また、絞り羽根は9枚の円形絞りです。最短撮影距離は24.5cm、フィルター径は62mmという仕様です。フレアやゴーストの発生を低減するシグマ独自のスーパーマルチレイヤーコートも施されています。このレンズはミラーレス一眼カメラ専用設計となっており、小型軽量化に配慮しつつ画質を最大限に高めています。
レンズ鏡筒のサイド部には、円弧方向に動かすフォーカスモード切替えスイッチを備えています。これはとても操作しやすいので気に入った部分です。オートフォーカスはステッピングモーターを採用して、動画撮影時でも静かかつ高速に合焦するようになっています。また、簡易防塵防滴構造になっているので、悪天候時でも安心して撮影ができるのがうれしいところです。
「SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary」はより明るく、さまざまなシチュエーションでボケ味を活かした描写を楽しめる24mmレンズになっています。
高品位なプライムレンズ「24mm F2 DG DN | Contemporary」
鬱蒼とした草が生い茂る日陰の斜面をチョイ絞りで撮影しました。明るい部分から暗い部分にかけての写りが何とも言えません。このレンズはちょっとした森のディテールを豊かにキャプチャーしてくれました。
■使用機材:SIGMA fp+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/80秒 ISO-100 露出補正-2.7
24mm F2 DG DN | Contemporaryは開放F2と明るく、最短撮影距離24.5cmと寄れるレンズです。これに世界最小最軽量のミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」を組み合わせれば、大きなボケを楽しむことができるのです。このカットは塀の住所表示に迫ったものですが、24mmのワイド感とボケ味を表現することができました。
■使用機材:SIGMA fp+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/1250秒 ISO-100 露出補正-1.7
24mm F2 DG DN | Contemporaryは光学的に収差を封じ込め、カメラボディでのデジタル補正と相まって、被写体を正確に表現します。建造物の直線もスッキリときれいに写し撮ってくれます。
■使用機材:SIGMA fp+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/22 1/25秒 ISO-125 露出補正-0.3
24mmという画角はスナップ撮影から風景撮影まで活躍します。誇張されすぎない広がり感は、自然な雰囲気を壊しません。24mm F2 DG DN | Contemporaryは6100万画素の「SIGMA fp L」の解像力にも余裕を持って応えてくれました。歴史ある建物のカッチリとした描写が頼もしいですね。
■使用機材:SIGMA fp L+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/160秒 ISO-100 露出補正-2.0
24mm F2 DG DN | Contemporaryの開放F2という明るさは、情感あふれるシーンを見た目そのままに捉えます。古いお屋敷の土間を撮りましたが、レンズの明るさと、F2での解像力とで狙ったとおりの仕上がりとなりました。
■使用機材:SIGMA fp L+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/30秒 ISO-100 露出補正-2.7
F2と明るく寄れる24mm F2 DG DN | Contemporaryはシーンを印象的に撮影可能です。「パナソニック LUMIX S5」で、竹の節目にフォーカスしてシャッターを切りましたが、芯のあるピント面と背景のガウス感、そして玉ボケが素晴らしいカットになりました。このレンズだから撮れるカットと言えるでしょう。
■使用機材:LUMIX S5+SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/60秒 ISO-800 露出補正0
開放での描写が魅力ですが、チョイ絞りで撮るとよりシャープネスと解像感が増してキリリとしたカットになります。土蔵の立体感がまるで肉眼で見ているようではありませんか。
■使用機材:LUMIX S5+SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/6.3 1/60秒 ISO-320 露出補正-0.7
24mm F2 DG DN | Contemporaryは明るいワイドレンズを求めているフォトグラファーにオススメの1本です。何よりも美しくカッコよいルックス、そして操作感、文句のつけようのない描写は、長期間に渡って撮影のパートナーになってくれることでしょう。このような暗い室内でも精細感ある写真を手にすることが可能です。
■使用機材:LUMIX S5+SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/60秒 ISO-250 露出補正-1.3
24mm F2 DG DN | Contemporaryのスペックを確認
レンズ構成枚数:11群13枚
画角:84.1°
絞り羽根枚数:9枚 (円形絞り)
最小絞り:F22
最短撮影距離:24.5cm
最大撮影倍率:1:6.7
フィルターサイズ:φ62mm
最大径 × 長さ:L マウント φ70mm × 72mm
ソニー E マウント φ70mm × 74mm
※ 長さはレンズ先端からマウント面までの距離です。
質量:L マウント 365g
ソニー E マウント:360g
エディションナンバー:C021
付属品:マグネット式メタルキャップ(LCF62-01M)、花形フード(LH656-02)
まとめ
「SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary」は、「モノ」としての仕上がりと存在感、そしてそれにマッチした上質な写りを約束してくれるプレミアムな24mmレンズです。これを使えるLマウントとEマウントユーザーは幸せなのではないでしょうか。それでいてお値打ち価格なのですから驚きです。実際にカメラに装着して試されることをオススメいたします。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材
【シグマ】24mm F2 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
【シグマ】24mm F2 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ
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写真家の三井公一さんがSIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporaryのレビューをしています。高いビルドクオリティと描写に興味がある方におすすめのレンズです。
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KEYWORDS:
SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary,シグマ(SIGMA)レンズ,レビュー
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 森脇章彦さんテスト
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CATEGORY: 森脇章彦
DATE: 09/21/2021 09:57:06
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BODY:
テスト
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ミラーレスカメラでロードバイクムービーを撮る|お洒落に仕上げる為の構図とTips
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CATEGORY: WATARU
DATE: 09/21/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,サイクリング/自転車
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BODY:
はじめに
VIDEO
今回は、ミラーレス一眼カメラを使ったお洒落なロードバイクやサイクリング動画を撮る際のテクニックに関して、前回の記事 から一歩踏み込んだ部分に関してご紹介して行きます。僕自身、動画クリエイターとして活動しているのもあり動画にフォーカスしてお伝えしますが、全て写真にも応用がききますので、YouTubeをやられている方以外にも普段InstagramやTwitterなどにロードバイクの写真をUPしている方の参考になれば幸いです。普段、僕が普段どんな風に撮影を行っているのか、実際の撮影現場を観て頂きながらご紹介して行きます。是非、最後までご覧下さい。
撮影する前のポイント
VIDEO
簡単な下準備をしておくだけでよりこだわりのある映像や写真を撮る事が出来ます。撮影するのであれば、自身のロードバイクを一番カッコ良い状態で撮影したいですよね。メーカー各社のカタログ写真を見て頂ければ分かりやすいですが、それが良いお手本です。
方法としては、まず初めにチェーンの位置をアウタートップにします。こうする事でチェーンの上側のラインが水平になりスッキリ綺麗に纏まります。クランクアームはチェーンステーと平行に合わせます。ラインを合わせる事でより美しく。そして、ホイールの位置(向き)を合わせ、ハンドルが左右どちらかに切れてしまわない様にフレームに対して真っ直ぐの状態でキープさせます。僕自身、必ずしもこれを徹底している訳ではないですが、スピードが重要な撮影ライドの中で時間に余裕のある時に実践すると、これだけで安定感があってビシッとキマった映像(写真)になると実感しています。今まであまり意識していなかったという方は是非試してみて下さい。準備が整ったら、次は構図に関して具体的に映像を撮りながらご説明していきましょう。
二分割構図/三分割構図
VIDEO
例えば風景だけを撮る場合に、空と海を半分ずつにして撮影すればシンプルな二分割構図になります。空を大きく見せたいなら横に三分割した内の2/3を空に、1/3を海にします。これが三分割構図です。
では、そうした風景をバックにバイクを撮影する際、どの様な構図が美しいでしょうか。作例を観て頂きましょう。こちらの映像ではどこに目が行くでしょうか。恐らく手前のロードバイクと背景にある東京タワーかと思います。右下にバイク、左上に東京タワーを持って来る事でバランスを取った二分割構図にて撮影しています。
続いての映像でも、二分割構図にて撮影していますが、こちらでは縦に分割し左側にバイク、右側にはヘッドライトが照らす灯りのみを映し、広がりや奥行き感、そして夜間撮影の光と影を表現しています。
バイクをより小さく1/3の大きさで左端に寄せれば三分割構図になります。綺麗に分割させる事が出来れば構図の凝った映像や写真を撮る事が出来ますが、慣れないうちはiPhoneなどのカメラで三点分割のラインが見える機能を使って、それを見ながら意識して撮る様にしていくと、次第に慣れて来てラインがなくても勝手に見えて来る様になります。
額縁構図
VIDEO
門や建物や木々などをフレームの縁に入る様に撮影します。綺麗にフレームに収める事が出来れば狙いがわかりやすいカッチリした映像や写真を撮る事が出来ます。門の作りや素材や柄などによって雰囲気が変わって面白い絵を撮る事が出来ます。普段、街中を走っていてこの構図で撮れそうな場所があったら是非撮影して見て下さい。面白い絵が撮れると思います。
放射構図
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長い一本道などで消失点が生まれる構図。奥行き感が出るので被写体がより引き立つ映像を撮れる構図です。僕自身もこの構図が好きで度々映像の中で使用しています。作例を見て頂くと分かりやすいと思いますが、消失点が映っていない映像よりも消失点のある放射構図を意識した映像の方が奥行き感や映像の広がりを感じて頂けると思います。
また、一つの消失点へ向かって全てのものが収束する透視図法を一点透視図法といいます。 最もシンプルな透視図法で深い奥行きを表したい時によく使われます。
アルファベット構図
VIDEO
読んで字のごとく、アルファベットの文字に沿った構図です。今回は、荒川左岸下流の高速下にてC字構図(この時の映像では逆C字の構図です)をバックに撮影してみました。背景が真っ直ぐに伸びる道では無くC字に伸びて行くので、そのラインに沿って視線誘導によって目線が動く、動タイプと言われる構図となります。C字の他にも定番なのがS字構図。九十九折の峠道を上から映した映像などがそれです。
日の丸構図
VIDEO
主役を真ん中に置くだけのシンプルな構図です。バイクを映像や写真のど真ん中に来る様に撮影すれば日の丸構図となります。これはバイクだけを目立たせたい時に使いますが、バイクと背景との距離が離れているなら背景ボケも相まって効果的な構図となるでしょう。逆にバイクと背景との距離が近いと急激に素人っぽい雰囲気になってしまうので注意が必要です。
水平を保つ
VIDEO
前回の記事でもお伝えしましたが、例外を除いてとにかく水平を保つ事が重要です。わざと水平にせず撮影したものと見比べてみて頂ければ一目瞭然だと思いますが、安定感が全然違います。基本を抑えた上で敢えて斜めに撮影する事で効果を狙うのであれば良いと思いますが、そうでなければ意識して水平を保つ様にして撮影してみて下さい。
記念撮影ではなく、魅せる写真にする為に
VIDEO
バイクを停めていざ撮影しようとした場面での行動範囲を意識してみましょう。カメラ初心者の頃によくありがちなことですが、行動範囲の狭さ故に撮影しようとしたその場所から動かず記念撮影で終わってしまうパターンが見受けられます。前回の記事でもお伝えしましたが、重要なポイントは"一つの場所だけで完結させない様にする事"です。足を使いましょう。歩き回って一番のポイントを見つけるのです。僕自身、撮影の際には欲しい構図が見つかるまでロードバイクに近づいたり遠ざかったり、周りをぐるぐる回ったり、背景とのバランスを取りながら時間をかけて撮影しています。大事なのは行動範囲の広さなのです。
そして、車体全体を撮影する際にホイールが見切れてしまわない様にする事。せっかく良い角度で撮れているのにホイールが切れていたら勿体ないです。見切れてしまった部分は取り戻せないけど、余分に撮ってしまったならアップにすれば良いです。ここも足を使って少しだけ引くなどしてフレームの中に確実に収まる様に撮影してみましょう。
見せたい部分だけをアップで撮る
VIDEO
美しい塗装やカーボンフレームの曲線美、アルミやクロモリの綺麗な繋ぎ目、コンポーネントの造形美などなど、ロードバイクなどの自転車が好きな方はより細かい部分を見たがっています。引きの絵だけではなく、ロードバイクを構成するパーツやフレームの一部分だけを切り取って映像(写真)にするだけでより興味深い映像(写真)を撮影出来ると思います。これも、どこをどの角度からどの様な構図で撮るのか、ここが重要になって来ます。まずは、ご自身のロードバイクの一番好きな部分を一番カッコ良い角度から撮ってみて下さい。何度も撮影を重ねる度に良い”切り取り方”というものが出来る様になっていくと思います。大事なのは、"何となく撮る"のではなく、"意識して撮る"という事。是非、意識しながら撮影に臨んでみて下さい。
映像や写真に正解はない
VIDEO
映像や写真に正解はない。その通りですが、ただ闇雲に撮影しまくる事を続けるのではなく、方法を知り、基本を押さえる事で、自分自身の感性やセンスを引き出し、より良いものを撮影出来るのではないかなと思います。「いつも何となく撮ってた」という方には是非今回の記事の内容を活用していただければと思いますし、「自分のロードバイクをもっとカッコ良く撮りたい」という方には映像や写真のクオリティを上げる為に是非次回のライドから取り入れてみて頂ければと思います。SNSやYouTubeなどを通して、この記事を読んで頂いている皆さんのロードバイクをよりカッコ良く撮影されたものが世界中に届けられる事を願っています。
▼今回の記事で紹介した内容は総編集した動画からもご覧頂けます。是非こちらもご覧ください。
VIDEO
■執筆者:WATARU
東京を中心にロードバイクでのライド動画をはじめガジェット系・パーツなどのレビュー動画を配信しているYouTuber/動画クリエイター。ロードバイクのある風景をお洒落に映し出す事を得意とし、ミラーレス一眼・GoProを駆使し大自然の絶景や美しい都心の夜ライド動画を季節感のある映像に仕上げる事に定評がある。
この記事で紹介した機材 【オリンパス】OM-D E-M10 MarkIII ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
商品詳細ページ 【GoPro】HERO8 Black CHDHX-801-FW
商品詳細ページ 【マンフロット 】PIXI ミニ三脚 MTPIXI-WH
商品詳細ページ
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動画クリエイターのWATARUさんがミラーレスカメラでロードバイクムービーを撮る際にお洒落に仕上げる為の構図とTipsを紹介しています。YouTubeをやられている方以外にも普段InstagramやTwitterなどにロードバイクの写真をUPしている方の参考にもなりますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ロードバイク,サイクリング,vlog,シネマティック,構図,WATARU CH
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AUTHOR:
TITLE: ニコン Z fc 開発者インタビュー|話題のミラーレスカメラを徹底解説
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 09/22/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,開発者インタビュー,APS-C,ミラーレスカメラ
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はじめに
往年のフィルムカメラにインスピレーションを受けたデザインが話題を呼んでいるニコンの新作ミラーレスカメラ「Z fc」。今までのZシリーズとは一線を画す存在であることはその見た目から明白ですが、ではなぜこのZ fcは誕生したのか。Z fcとはどんなカメラなのか。開発者へのインタビューを通して注目のカメラを深掘りしていきたいと思います。
今回お話を伺ったのは、商品企画全般を担当した株式会社ニコン 映像事業部のハウ・ネルソン氏、プロダクトデザインを担当した株式会社ニコン デザインセンターの鈴木舟氏です。
Z fcの開発経緯
株式会社ニコン デザインセンター 鈴木舟氏(左)、映像事業部 ハウ・ネルソン氏(右)
― まずZ fcですが多くの反響を呼んでいます
ネルソン: ありがとうございます。ここまで反響があるとは予想していなかったので未だに半信半疑ではありますが、非常にありがたいと思っています。
鈴木: ニコンのカメラでここまで話題になる、お客様からこんなにも反応があることが、(私自身)初めての経験でしたので非常に嬉しく思います。
― Z 7・Z 6シリーズ、Z 5、Z 50などミラーレスカメラのラインナップが揃ってきた中でZ fcが開発された経緯を教えて下さい
ネルソン: ラインナップを拡充させてきた中で、他のZシリーズとは一味違うコンパクトで高機能なモデルを出したいと考えました。ユーザー層の裾野を広げることを一番の目的に、何をどうしたらいいか考え、一味違う、ニコンのヘリテージ(伝統)を活かしたデザインの発想が生まれました。プライマリーターゲットは20~30代の若年層を意識しており、特に持ち物にこだわっている女性にもアピールしたいと考えました。そういった方にはニコンのいままでの製品とは違うものを出さないと響かないと思い、こういったカメラを企画しました。
鈴木: 従来のニコンのカメラは使い勝手を重視し、機材として本格的に使えるという部分にフォーカスしてきました。それに対して今回のZ fcは、よりユーザーの生活やライフスタイルに馴染む、より身近に使ってもらえる、そういったコンセプトがありました。また、ニコンのヘリテージデザインをベースにしようと、企画が進んでいきました。
Z fc(中央)と歴代のFMシリーズ
― Z fcという名前に込められた意味を教えて下さい
ネルソン: Z fcの「f」はfusion(フュージョン)を表します。以前発売されていたデジタル一眼レフカメラ「Df」のfと同じで、ヘリテージなフォルムに最新の技術が融合されていることを意味します。
また、「c」はcasual(カジュアル)です。とにかく気軽に写真を撮っていただきたい。アウトプットも大事ですが、そこまでのプロセスを楽しんでほしいと思います。カジュアルにコンパクトに、どこに持っていっても自分のライフスタイルに融合するように開発しています。
こだわりのデザインや機能について
― FM2にインスパイアされたデザインとのことですが、外観のポイントは何でしょうか
Z fc(左)とFM2(右)。Z fcはFM2をインスパイアして作られたモデルだ
鈴木: Z fcは、FM2という明確なインスピレーションの元があり、これまでニコンの機材を使ってこられた方は、ご存じの方も多くいらっしゃいます。そういうお客様が手に取った時に違和感がないように、FM2が持っている存在感を大事にしました。
FM2はフィルムカメラ、今回のZ fcはミラーレスカメラなので、そもそもの骨格が違いますよね。なので、同じようなデザインを着せても全く違うものになってしまいます。同じ佇まいを感じさせつつも、デザイン自体はそれぞれの骨格に合わせてチューニングしていくことで、新しいデザインでありながらFM2が持っている雰囲気が表現されるように工夫しました。
細かいディテールで言えば、丸型のファインダーや革の意匠などはフィルムライクなカメラのデザインにおいて喜ばれるポイントと考え、そういう部分まで一つ一つ丁寧に作り込んでいます。手に取ったとき、「本物のデザインなんだな」と感じてもらえたら嬉しいです。
「FM2のデザインのみならず、その存在感も落とし込むよう工夫した」と鈴木氏
また、Z fcではFM2の完全再現を目指したわけではなく、新しいミラーレスカメラにFM2にインスパイアされたデザインを入れ込んだモデルになります。例えば、ダイヤル類に関していうと、FM2ではプラスチックでしたが、Z fcではより「持つ喜び」や「操作する喜び」を高めるため、金属削り出しのダイヤルを使っています。さらに、文字の一つ一つをとっても、FM2発売当時の刻印文字を採用し、文字自体も彫り込んで色を入れるという手間とコストがかかるようなことをしています。手に取って近くで見た時も「ああ、ここまで作り込んでいるんだな」と感じられるデザインとなるよう、努力しました。
ネルソン: FMシリーズは、見た目でいうと実はどれも大きく変わりません。しかし、FMからFM2になって、シャッタースピード1/4000秒やシンクロ速度1/250秒など画期的な機能が加わり、コンパクトで高機能、かつ手に入りやすい価格だったことも極まり、プロだけではなく一般の人にも広く使ってもらえるカメラとなりました。結果、大ヒットモデルとなりました。Z fcでは、FM2をオマージュするという想いがありました。
― 完成形のデザインに辿り着くまでの過程を教えていただけますか
いくつもの試作モックを作りデザインを決めていったと言う
鈴木: ここに並んでいるような検討用のモックをいくつも作って、デザインをブラッシュアップしました。Z fcではデザインのバランスやプロポーションがとても大事だったので、簡単にできる石膏モックや樹脂モックをどんどん作りながら細かいディテールを詰めていきました。最初に作ったモックはペンタプリズムが小さく、全体的なバランスが悪い結果になりました。EVF搭載のミラーレスカメラでは「頭」が小さくなりがちですが、やっぱり違和感がありますよね。
ペンタプリズムとボディのバランスだけでなく、シルバーとブラックの色のバランスなども慎重に検証しています。サイズが同じでも、白黒の比率が違うだけでプロポーションが変わって見えるんです。そういった部分も立体で確認しながら、実際の製品となったときにどういうバランスに見えるのか、検証しながら作っています。
開発の過程では、実際のマテリアルに近い素材を使用したモック、ダイヤルやレバーが動かせるモックも作って操作性などを検証しました。操作したいときにすぐに操作できるけど、誤作動などで簡単に動かない、そんな力量と形状のパラメータのバランスがとれた快適なデザインとなるよう、試作機で感触をみながら仕上げています。Z fcでも、従来のZシリーズと同じ開発プロセスを踏んでおり、社内で操作性のレビューなども経ているので、その辺りの性能もしっかり担保されています。
ネルソン: 外観から入ったデザイン、見た目のためだけのデザインではなく、使いやすさも考慮されたデザインというわけです。ボタン一個一個のクリック感なども何回も微調整して完成にこぎつけています。
― フラットなボディデザインもZ fcの特徴ですよね
Z 50(左)とZ fc(右)。グリップの有無は大きな違いだ
ネルソン: Z fcとZ 50を比べると明らかに違うのがグリップ部分です。フラットボディーを実現するためバッテリーを縦から横向きに変更し、シャッターユニットもZ 50からは180度ひっくり返した向きに配置しています。FM2にインスピレーションを受けていることももちろん影響していますが、Z fcでは女性や若年層を意識しているので、スムーズにカバンに出し入れできることが重要と考えたこともあり、グリップをなくしています。コンパクトさを優先した美しいフォルムを実現した一方で、ホールド感は多少犠牲になっています。そのため、オプション品として「Z fc用エクステンショングリップ Z fc-GR1」も別で企画することになりました。
鈴木: Z fcはレンズ交換式ですし、装着するのはコンパクトなレンズだけではないだろうということで「Z fc用エクステンショングリップ Z fc-GR1」を用意しました。Z fcは軽量で撮り回しが良いことが売りなので、エクステンショングリップを装着してもゴツくなってはいけない。カメラに装着した際、より一体感があるよう設計しています。ホールド性は高まるけどコンパクト性は損なわれないことを考慮した結果、底面などは最低の高さで抑えつつ、従来前側にしかなかったグリップをリア(親指部分)にも設け、両方でケアすることで小さくてもしっかり握れるよう工夫しています。
Z fcではバッテリーを横向きに配置してフラットボディを実現した
エクステンショングリップもボディと一体感あるデザインに仕上がる
― 機能面での特徴は何が挙げられますか
ネルソン: 基本的な性能はZ 50と同じです。違いはモニターがバリアングルであること、USB Type-Cの給電・充電ができること、内蔵フラッシュです。ただ、形が違うと使い方も違ってきますし、Z fcでは特に上面に並んだダイヤルを活用していただきたいと思っています。Z 50ではいかに速く、正確に、キレイな写真や動画が撮れるかを重視し開発しましたが、Z fcでは撮るときの喜びを大事にしました。一個一個ダイヤルをいじって、自分が何をしたらどういう写真が撮れるのか、写真の基本が上から見てすぐわかるようにレイアウトしてあります。
こういったマニュアル操作は初心者には難しいと思われがちですが、実はメニューに入らず全てダイヤルで操作できることは逆にシンプルな一面があります。一つのダイヤルに一つに機能しかついてないのがポイントですね。
「ぜひダイヤルを操作して撮る喜びを感じてほしい」とネルソン氏
鈴木: 一方で、正しく設定をして撮らなければいけないこともないと思っていて、Z fcでは自由に自分が表現したいように撮ってほしいと思っています。設定してみて「なんか光飛んじゃったけどキレイに撮れたな」とか、「ピント合ってないけどなんかおしゃれに撮れたな」とか、そういうのがあってもいいと思います。
写真が上手くなりたい人はそこから、「このダイヤルはもっとこうすればこうなるんだ」と学んでいけばいいし、もしくはこれも表現だと、そのまま使ってもいいでしょう。とにかく、パラメータをいじるカメラの楽しみは最近のカメラではなかなか感じられないと思うので、難しいか簡単かというより、撮影の楽しさを再発見してもらういいキッカケになるんじゃないかなと思います。
ネルソン: バリアングルモニターも撮影の自由度を高めてくれますが、裏返しにしておけば昔のフィルムカメラみたいに何がどう撮れたのか分からないため、ドキドキ感が味わえます。Z fcのEVFはZ 50同様に見やすさを重視しているので、背面モニターを使わずとも快適に撮影できると思います。EVFは他社と比べても輝度を高くしており、明るく見えることで“見やすさ”に繋がっています。
シャッタースピード、ISO感度、露出を調整できるダイヤルが備わった軍艦部
モニター裏にも革のようなシボ加工が施されている
― Z fcではAUTOモードでも露出補正ができるようになりましたね
ネルソン: 露出はシャッタースピードと絞りをいじると大きく変わってしまうので、簡単に調整できるよう露出ダイヤルを設けました。どんなモードでもすぐに微調整できた方が便利ですからね。自分の思った通りの露出で撮影できるよう、ぜひプラス/マイナスに回してみてください。
― 動画撮影については意識された部分はありますか
ネルソン: Vlog撮影においても、バリアングルモニターが役立つと考えています。自分撮りモードも搭載しており、モニターを反転させるとタッチ操作しやすい位置にセルフタイマーが表示される点もZ 50と比べて進化したところですね。Zシリーズの若年層ユーザーは、旅行はもちろん自宅でもいろんなシーンを撮ってSNSにアップしているので、その点については意識して使いやすいように開発しました。
Z fcをどう使ってほしい?
― 往年のカメラファンからこれからカメラを始める若年層など、幅広いユーザーに受け入れられる機種になりそうですね
FM2と同じく幅広いユーザーに手に取ってほしいとの想いが込められたZ fc
鈴木: Z fcのインスピレーション元にFM2を選んだのは、ニコンのカメラをこれまでなかなか使ってこられなかった若年層や女性の方々、そしてもちろんこれまでのニコンファン、どちらのお客さまにも届けたい想いが込められています。FM2は壊れにくいこともあって、プロもサブ機として使うほどでしたが、一方で、写真学校などの教育場面で初心者にも使われるカメラだったため、Z fcを届けたいユーザーとすごく重なる部分がありました。表層的にFM2をイメージしたのではなく、これまでFM2が築いてきた価値や存在感みたいなところをこのカメラで体現したい想いがありました。この想いも、ユーザーの皆さんに届けられたらいいなと思っています。
こういうクラシカルな外観にした場合、カメラが好きな方が見ると「これはこうあるべき」「なんでこうじゃないんだ」と色々な思いを抱くことがあると思います。私たちが作ってきたカメラを大事に想ってくださるのは非常にありがたことですが、一方でもっと自由にいろんな解釈でどんどん変えながら使っていっていいと思うんです。だからこそ、若年層の方やこれまでニコンを知らなかった方がZ fcを手にした時に、新しい使い方が生まれるんじゃないかと思います。
人工皮革の張替でカラーを変えられるプレミアムエクステリアは6色展開
その一例ではないですけど、今回プレミアムエクステリアも用意しています。見る方によっては邪道と思われるかもしれませんが、でも、こういう色があってもいいじゃん、こういう楽しみ方があっていいじゃん、と提案したい想いがあり、思い切ってカラフルなカラー展開にしています。
加えて、今回化粧箱なども大きく刷新しました。既存のZシリーズではニコンの従来の化粧箱の高級感を意識したデザインを採用し、Z fcはそこから切り離し、化粧箱自体も飾っておきたくなるようなスタイリッシュなデザインに仕上げています。同梱されているリーフレットも、ただの説明書ではなく、持っておきたい、飾っておきたいと思えるようにデザイン面で工夫しました。こういったディテールからも、Z fcの世界観が伝わると思います。また、このカメラを愛せるひとつのキッカケにもなると思いますので、ユーザーの方には自分のグッとくるポイントをそれぞれの視点で見つけ、楽しんでいただきたいですね。「ニコンだからこうでなきゃ」「FMだからこうでなきゃ」といったことはありませんので、自由な見方でいいかなと思います。
他のZシリーズとは異なるスタイリッシュなデザインの化粧箱
リーフレットも飾っておきたくなるようなデザインに仕上がる
ネルソン: 箱を開ける前から喜びを感じてもらいたくて、通常のZシリーズとは一味違うデザインにしました。箱を開ければプレミアムエクステリアのリーフレットもあり、Z fcの世界観をトータルコーディネートしています。
ボディーもデザインが格好いいとか、可愛いとか、評価していただけて非常にありがたいのですが、FM2を真似たわけではない、表面的なデザインだけがポイントではないことを強調したいですね。ダイヤル一個一個とっても、そこに配置する理由があり、理にかなった機能美を感じ取ってもらえたら嬉しいです。
― プレミアムエクステリアへの反響はいかがですか
ペンタプリズム部分にもカラーが入ることでガラッと印象が変わる
鈴木: 正直、発売するまでは、受け入れてもらえるか、何これって思われるか、心配しました。プレミアムエクステリアのサービスも張り替えにしており、本当に利用してもらえるのか不安なところもありましたし、ニコンとしてもこういうサービスを展開するのは初めてでしたので、少しチャレンジングな企画でしたね。ですが、予想以上に良い反応で、「この色が好き」「自分だったらこの色を選ぶ」など話題にもなり非常にありがたいです。ペンタプリズム部分の革の色が変えられるのも大きな特徴ですし、カメラの印象もガラッと変わるのでぜひ活用してほしいですね。
― SNSなどデジタルでの写真の楽しみ方が主流となる中、Z fcが果たす役割をどうお考えですか
鈴木: 私としては、これまでの写真の楽しみ方を見直すきっかけとなるような役割を、このZ fcが果たしてくれたら嬉しいですね。デジタルカメラが主流の昨今では、写真はデジタルで楽しむことが主流となり、逆にプリントされたものが新鮮になりました。スマートフォンで手軽に撮影し、情報のようにどんどん流れていき、見ないかもしれないけどストックしておく。そういう中で、簡単にキレイに撮れることも重要ですが、長い間カメラを作り続けてきた私たちのブランドが伝えたいことはそれだけではありません。
ダイヤルをいじる、ファインダーを覗くなど、一枚の写真に対して向き合って撮影したことがない方も多いですが、じっくり撮影してみると、「写真を撮るってこういうことなんだ」と感じることでしょう。もしかしたら、Z fcに興味をもっていただくきっかけは「なんか可愛い」「なんかオシャレ」というところからかもしれませんが、このZ fcを手に取って撮影する時に、そういうことを感じていただけたら嬉しいですね。
現状、カメラ市場はスマートフォンに押されていますが、Z fcを通してカメラならではの強みや価値を再発見していただきたいと思っています。
「Z fcを通して写真と向き合う時間を作り、写真の価値を再発見してほしい」と想いを語ってくれた 今後の展望について
― Z fcのような機種は今後も開発されるのでしょうか
ネルソン: 個人的にはぜひやりたいと思っていますが、目先はZ fcをどうやって手に取っていただくかに集中したいと思います。
鈴木: どこまで企画できるか分からないですが、次のカメラを出すだけではなくて、例えばプレミアムエクステリアのようにカラー追加してみるとか、色々な展開のし方があると思うので、そういうことも考えながら、カメラ市場を盛り上げていけたらと思います。
「Z fc」レビュー記事はこちら
■ニコン Z fc レビュー|上田晃司
https://shasha.kitamura.jp/article/482757772.html
■ニコン「Z fc」はブラブラスナップが面白い!|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/483182915.html
この記事に使用した機材
【ニコン】Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR シルバー
商品詳細ページ
【ニコン】NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Edition
商品詳細ページ 【ニコン】Z fc用エクステンショングリップ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ニコンの新作ミラーレスカメラ「Z fc」について、開発者の方にインタビュー取材をしてきました。Z fcに込める想いを熱く語っていただきました。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,Z fc,開発者インタビュー
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AUTHOR:
TITLE: シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 09/23/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,90mm F2.8 DG DN | Contemporary,スナップ,単焦点
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BODY:
掌にスッポリ収まる!小さい中望遠レンズ降臨
驚きの小ささと軽さの「90mm」がシグマから誕生しました。シグマの創立60周年記念日に「24mm F2 DG DN | Contemporary 」とともに発表された、この「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、300gを切るライトウェイトで、世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」にピッタリ!
この90mm F2.8 DG DN | Contemporaryはシグマ・グローバル・ビジョン(SGV)の「Contemporary」ラインに属します。その中で最近ひときわ注目されている「プレミアムコンパクトプライム」として名高い「Iシリーズ」の1本になります。このIシリーズは同時発表の24mm F2 DG DN | Contemporaryと合わせて計6本のラインナップになり、広角から望遠までIシリーズだけでも撮影が楽しめるような構成に成長してきました。今後もレンズを拡充するようなので期待したいですね!
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの特徴
掌に収まる可愛らしいサイズ感ながら、90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの写りはなかなかのもの。そのスペックを見てきましょう。レンズ構成枚数は10群11枚で、シグマ最新の光学技術をふんだんに盛り込み、SLDガラス5枚を含むレンズ群で、カメラ側で補正できない軸上色収差を抑制しています。加えて、カメラ側の光学補正機能を利用することによって、レンズ単体を小さく軽くすることに成功しているのです。
さらに、高精度グラスモールド非球面レンズによって高い解像感とボケ味の美しさを両立しています。その高精度グラスモールド非球面レンズは、金型の表面を±5ナノメートル(0.000005ミリメートル)以下の精度で管理した高精度金型を採用。シグマ会津工場の技術力が光っていますね。絞り開放からガンガンと使っていけるレンズになっています。
90mm F2.8 DG DN | ContemporaryはIシリーズのレンズ。ということは「フルメタルジャケット」ということです。金属製の外装は高いビルドクオリティで精緻に組み上げられ、操作する楽しみを演出する絞りリングを装備。高品位なローレット加工を施したメタル製フードを標準装備と「SIGMA CINE LENS」のDNAを感じられる工芸品とも言える仕上がりになっているのです。撮るだけでなく、使い心地も絶品で、装着するだけで撮影気分を高めてくれる中望遠レンズだと言えます。
ブラブラスナップ実写!
90mmという画角は新鮮です。ポートレートで使う85mmよりやや長く、105mmよりわずかに短いからです。ブラブラと街中を撮り歩きましたが、片側1車線道路の反対側をやや斜め方向から撮るとシックリきました。オートフォーカスもキビキビとしていて、散策がてらの撮影で活躍してくれました。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO100 露出補正-1.0
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryは中望遠レンズに属する焦点距離ですが、このように遠近感を圧縮した効果を演出することが可能です。街並みや木々など、印象深い絵作りを楽しむことができますね。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/2500秒 ISO100 露出補正-0.7
90mmという画角をうまく使いこなすには、視線をレンズに合わせてやや遠くに持つことです。そしてちょっと先を予測して歩きましょう。するとなぜかちょうどいい光景が目の前に展開されるはずです。90mm F2.8 DG DN | Contemporaryは機敏に撮影者の動きに反応してくれます。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/1600秒 ISO100 露出補正-2.0
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryは被写体に寄れて、ボケが非常に美しいのが特徴です。前後とも豊かで整ったボケ感が何とも言えませんね。「ラジオ」の文字にフォーカスしましたが、自転車のライトとハンドル、そして後輪あたりのシルキーなボケがとてもキレイではないですか!
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO100 露出補正-2.0
とあるお店のフラッグと影がキレイだったので、90mm F2.8 DG DN | Contemporaryをチョイ絞りで。キリリとしたコントラストと、鮮やかな発色、そして壁面のディテール描写が見た目以上にキャプチャーできました。このレンズ、なかなかやりますね。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F8 1/250秒 ISO100 露出補正+0.7
90mm F2.8 DG DN | ContemporaryのF2.8という開放F値は薄暗いシーンでもイケます。古民家のかまどを狙いましたが、わずかに絞ってシャープさを出してみました。すり減った木製のふたが実に鮮明に写しとれました。ポートレート撮影でも活躍するに違いありません。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/160秒 ISO3200 露出補正-3.3
夏の名残がキツい日のとある県の駅前です。木に設けられた噴射機からミストが放出されていました。90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの解像力は素晴らしく、その水粒を克明に描き出しました。フレームに入った太陽の、イヤなフレアやゴーストの発生もありません。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F5.6 1/640秒 ISO100 露出補正-1.3
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの最短撮影距離は50cm。テレマクロ的な使い方ができるので多くのシーンで活躍できそうです。このカットは山梨の渓谷で撮ったものですが、道標の風雨にさらされたテクスチャーをリアルに撮ることができました。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO100 露出補正-1.0
小さく軽く寄れる90mm F2.8 DG DN | Contemporary。カメラバッグにスルリと忍ばせておくと、ちょっとしたシャッターチャンスに大いに役立つことでしょう。このシーンでは十五夜のお供え物をクローズアップで撮影できました。プライスもお手頃なので、愛機の新レンズとして迎えるのもオススメです。
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/100秒 ISO500 露出補正±0
90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの主要諸元
レンズ構成枚数:10群11枚
画角:27.0°
絞り羽根枚数:9枚 (円形絞り)
最小絞り:F22
最短撮影距離:50cm
最大撮影倍率:1:5
フィルターサイズ:φ55mm
最大径 × 長さ:L マウント φ64mm × 59.7mm
ソニー E マウント φ64mm × 61.7mm
※ 長さはレンズ先端からマウント面までの距離です。
質量:L マウント 295g
ソニー E マウント 295g
エディションナンバー:C021
付属品:マグネット式メタルキャップ(LCF55-01M)、フード(LH576-02)
まとめ
お手頃価格かつとても小さくて軽く、しかも近接撮影もできる中望遠「SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary」。これはスナップから風景、ポートレートや静物撮影までオールラウンドに役立つレンズになっています。F2.8という手頃な明るさも魅力で、美しいボケ味を堪能できるレンズです。小さなボディのSIGMA fpやα7Cにピッタリのサイズ感がうれしいですね。装着したルックスもさすがは”Iシリーズ”なのでとても決まります。キタムラの店頭で要チェックな1本となっています。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材 【シグマ】90mm F2.8 DG DN | Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】90mm F2.8 DG DN | Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによる、シグマ「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」レビュー記事です。Iシリーズに加わった中望遠単焦点レンズをスナップ撮影で試しました。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,単焦点レンズ,90mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,スナップ
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 軽快なLマウント広角レンズ「LUMIX S 24mm F1.8」現る!|三井公一
BASENAME: 483563931.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 09/24/2021 16:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) レンズ,LUMIX S 24mm F1.8,単焦点
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BODY:
LUMIX S F1.8シリーズに新たな広角レンズ登場
パナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S シリーズ」。スチルからムービーまでこなす質実剛健なカメラですが、それらに対応するLマウント交換レンズも着々とラインナップを拡充してきました。ライカのお墨付き「S PRO」シリーズとパナソニック「S」シリーズの2本立てとなっていますが、今回紹介するのは「S」シリーズの大口径広角単焦点レンズ「LUMIX S 24mm F1.8」となります。ルックスはソリッドでとてもシンプルな外観のレンズになっています。
「LUMIX S 24mm F1.8」の特徴
「S」シリーズレンズにはさまざまな画角や明るさの製品がありますが、この「LUMIX S 24mm F1.8」は「F1.8」というF値からわかるように軽量コンパクトな製品となります。同じような製品には現在「LUMIX S 50mm F1.8 」、「LUMIX S 85mm F1.8 」が用意されており、将来的には「LUMIX S 35mm F1.8」も加わる予定です。これは楽しみですね。
レンズ構成は11群12枚構成。非球面レンズを3枚採用して球面収差を抑制しつつ、EDレンズ3枚を最適に配置。それによって色収差を補正しています。また、UED(Ultra Extra-Low Dispersion/特殊低分散)レンズを採用し軸上色収差を良好に補正。卓越した光学設計とマテリアルによって、さまざまな収差などを封じ込めたレンズと言っていいでしょう。オートフォーカスも速くて正確です。しかもとても静か。これはムービー撮影で培ったパナソニックならではの配慮と言えそうです。「LUMIX S5」に装着してさまざまな被写体を撮影しましたが、納得の速度と精度だと感じました。
「LUMIX S 24mm F1.8」のニクい仕様
さて、この「LUMIX S 24mm F1.8」含む「LUMIX S 50mm F1.8」、「LUMIX S 85mm F1.8」の「F1.8 単焦点シリーズ」ですが、操作性や仕様を統一することによって、フォトグラファーやビデオグラファーが撮影に集中できるようになっています。まずは描写です。この「F1.8 単焦点シリーズ」の一貫した描写性能は、どのレンズを使用してもカット毎の描写に違いが少なく、作品の質が一定に保たれるような性能になっています。これはスゴいですね!
さらにサイズなども下記のように共通化されているのです。
・サイズ(最大径Φ73.6mm、全長約82.0mm)
・フィルター径(Φ67mm)
・フォーカスリングの位置
・AF/MF切替スイッチの位置
これによってレンズ交換による使用感の差違をなくし、ムービー撮影におけるリグやジンバル搭載時のセッティングなどの簡略化が図れるというわけです。もちろん、フィルター径も同じなので特殊で高価なフィルターも使い回すことが可能になっています。これは心憎いですね。もちろん防塵防滴で、マイナス10℃の耐低温設計となっています。過酷な環境下でも安心して撮影ができる仕様です。
「LUMIX S 24mm F1.8」であちこちを実写スナップ!
24mmという画角は「広角レンズ」らしさを味わえる使いやすい焦点距離です。狭い場所を広く、広い場所をより広大に写しとれます。このような街中で見つけた古民家も極端なデフォルメなくフレームに飲み込んで撮影可能です。ベーシックなワイドレンズと言っていいでしょう。
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/6.3 1/250秒 ISO-100 露出補正-0.7
F1.8という開放F値は魔力です。広角レンズでも被写体に迫って絞りを開けることによって、フォーカス面前後を大きくぼかすことが可能です。特徴的な塀を撮ったカットですが、豊かで整ったボケ感が魅力ですね。
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/640秒 ISO-100 露出補正-0.3
竹を伝う蔦を絞り開放で。「LUMIX S5」の豊富なオートフォーカスメニューの1点AFで狙いました。「LUMIX S 24mm F1.8」の解像感が開放からとてもシャープなのがわかりました。また、背景のボケ方も実にいいですね!
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/200秒 ISO-100 露出補正-0.3
チョイと絞ればキリリと締まった描写を見せてくれるのが「LUMIX S 24mm F1.8」です。手前の芝から中央の木々、そして遠景の海まで鮮やかに写し撮ることができました。
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/5 1/640秒 ISO-100 露出補正0
古民家にお邪魔してその魅力を撮影しました。こういうシチュエーションではやはり24mmが有効です。広すぎず歪まずいい雰囲気に撮影できるからです。奥のガラス戸にフォーカスしましたが、手前のボケ感が実に美しいではありませんか!
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO-100 露出補正0
これも古民家でのカットです。ランプシェードをF1.8で撮りましたが、優しいボケの上に美しくシェードが浮かび上がってくれました。「LUMIX S 24mm F1.8」、いいレンズですね!
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/1.8 1/60秒 ISO-1250 露出補正-1
「LUMIX S 24mm F1.8」で大木を見上げて撮りました。その幹の力強さ、枝振りの安定感、葉の精細感がしっかりとキャプチャーできたと感じます。色再現も自然でとてもいいと思います。
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/5.6 1/60秒 ISO-200 露出補正-0.3
手前の壁をぼかして奥の城を引き立てて撮ってみました。「LUMIX S5」のフルサイズならではのボケ感とリッチな描写がいいですね。「LUMIX S 24mm F1.8」は写りもサイズ的にもベストマッチだと思いました。
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/2 1/4000秒 ISO-100 露出補正-0.3
「LUMIX S 24mm F1.8」の24mmというワイド感は、屋外のみならず室内でも大活躍します。ポートレートや催し物などの撮影に、F1.8という明るさとともにフォトグラファーのイメージを確実なものにしてくれるに違いありません。強力なボディ内手ブレ補正機能をもつ「LLUMIX S」シリーズとの相性は抜群でしょう。
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/2.8 1/60秒 ISO-1600 露出補正-0.3
相模湾でのワンシーン。「LUMIX S 24mm F1.8」で釣り人が防波堤で次々とメジナを釣り上げている様子をうしろから撮影しました。自然な発色、近景から遠景までシャープな写りで納得の写りです。小型軽量で携行がラクなのでアウトドアでも活躍するレンズになっていますよ。
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8
■撮影環境:f/5 1/640秒 ISO-100 露出補正0
パナソニック「LUMIX S 24mm F1.8」の主要諸元
レンズ構成:11群12枚(非球面レンズ3枚、UEDレンズ1枚、EDレンズ3枚)
マウント:ライカカメラ社L-Mount規格準拠
画角:f=24mm:84°
焦点距離:f=24mm
開放絞り:F1.8
最小絞り:F16
絞り形式:9枚羽根 円形虹彩絞り
撮影可能範囲:0.24m~∞(撮像面から)
最大撮影倍率:0.15倍
フィルター径:Φ67mm
最大径×長さ:Φ73.6mm×約82.0mm
質量:約310g (レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップを含まず)
付属品:レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップ
まとめ
「LUMIX S 24mm F1.8」はクルマに例えるとライトウェイトスポーツカーでしょうか。取り回しが軽快でオートフォーカスも速く、ソリッドかつシンプルでかっこいいデザインはまさにそれです。描写もそつなく誰にでもオススメできるLマウント用広角レンズだと言えます。スナップや風景、ポートレートなど広く使い倒せる製品に仕上がっていました。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがLUMIX S 24mm F1.8のレビューをしています。「S」シリーズの大口径広角単焦点レンズに興味がある方は必見です。
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KEYWORDS:
パナソニック,Panasonic,単焦点レンズ,LUMIX S 24mm F1.8,レビュー,三井公一
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト 湯沢さん
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 湯沢祐介
DATE: 09/24/2021 19:33:45
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BODY:
テスト
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 【写真展】ソニーイメージングギャラリー 企画写真展 わたしのともだち ~ 写真家と愛しい存在の物語 ~
BASENAME: 483567186.html
STATUS: Publish
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 09/25/2021 10:00:00
TAGS: 写真展情報,銀座
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BODY:
わたしのともだち ~ 写真家と愛しい存在の物語 ~
お互いに支えあい癒してくれるペットにありがとうの気持ちを伝える、25名の写真家による写真展です。
私たちは皆コロナ禍で生活が一変し、人と気軽に会うことができなくなったり、うちに閉じこもって自粛をしなければならなかったり、そんな日々を長く過ごしてきました。そのような中で、お互いに支えあい癒しとなるのは家族や同居人だけではなく、ペットなどの生きものもまた大切な存在だったのではないでしょうか。そこで、そのような大切な存在を慈しみ、ありがとうの気持ちを伝えられるような写真展を開催したいと考えました。ご賛同いただいた写真家の“愛しい存在”は、犬・猫・鳥・魚など多岐にわたりました。写真家の皆さん方の想いやメッセージと共に一堂に展示します。
企画写真展主催者
出展作家(あいうえお順)
阿部秀之、伊藤智通、大和田良、奥山淳志、尾崎たまき、金森玲奈、河田一規、KYON.J、坂井田富三 、鹿野宏、清水朝子、杉本奈々重、曽根原昇、高村達、鶴巻育子 、中藤毅彦、中村征夫、西垣仁美、原田佳実、山口規子、吉野英理香、吉村永、若子jet、渡辺達生、山下恒夫
※予告なく出展作家が変更となる可能性もあります。ご了承ください。
概要
■期間:2021年9月24日(金)〜10月7日(木)
■時間:11:00~18:00
■場所:ソニーイメージングギャラリー 銀座
■住所:〒104-0061 東京都中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6階
■電話:03-3571-7606
■費用:入場料無料
■HP:https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/210924/
※新型コロナウイルス感染症への対策はこちら をご覧ください。
(C)伊藤智通
(C)山下恒夫
(C)中村征夫
(C)坂井田富三
(C)清水朝子
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
お互いに支えあい癒してくれるペットにありがとうの気持ちを伝える、25名の写真家による写真展です。2021年9月24日(金)〜10月7日(木)にソニーイメージングギャラリー 銀座で開催。
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KEYWORDS:
写真展,阿部秀之,伊藤智通,大和田良,奥山淳志,尾崎たまき,金森玲奈,河田一規,KYON.J,坂井田富三,鹿野宏,清水朝子,杉本奈々重,曽根原昇,高村達,鶴巻育子,中藤毅彦,中村征夫,西垣仁美,原田佳実,山口規子,吉野英理香,吉村永,若子jet,渡辺達生,山下恒夫
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18 レビュー|オールマイティーに使える超広角レンズ
BASENAME: 483501133.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 09/25/2021 16:00:00
TAGS: Zeiss Batis 2.8/18,カールツァイス(zeiss) レンズ,単焦点
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BODY:
はじめに
前回はBatis 2/25のレビュー を書きましたが、今回はそれよりもワイドなツァイスの超広角AFレンズ「Batis」の18mm F2.8レンズです。高画素のカメラの性能を余すことなく発揮できる魅力あるツァイスレンズをご紹介します。
今回の18mmという焦点距離のレンズの画角は99°。普段使いしている標準のレンズよりもかなりワイドな画角になります。超広角レンズのジャンルに入りますが、12mmや16mmほどワイドではないので、使い勝手はそれほど難しいものではありません。
「Batis 2.8/18」が発売されたのは2016年5月で発売開始後5年ほど経過していますが、今回あらためて「Batis 2.8/18」の魅力を探ってみました。
ツァイス Zeiss Batis 2.8/18の魅力
Batis 2.8/18の光学系は、ディスタゴンタイプの18mmレンズ。このディスタゴンは歪曲(直線が歪む)が非常によく補正されているのが大きな特徴です。ZEISS Batisレンズシリーズの中では一番ワイドなレンズ。レンズ構成は10群11枚で絞り羽根は9枚です。
Batisシリーズは防塵防滴シーリングになっており、埃や水しぶきからレンズを守る特別設計のおかげで、厳しい野外の撮影でも安心して使用することができます。
現状で「Batis 2.8/18」と競合しそうなFEマウントのレンズ(結構性格が違うレンズですが……)になると、ソニーの「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」や「FE 20mm F1.8 G」になるでしょうか。すこし比較してみました。
(左)ソニー Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS (中)ZEISS Batis 2.8/18 (右)ソニー FE 20mm F1.8 G
Vario-Tessar T*
FE 16-35mm F4 ZA OSS
Batis 2.8/18 FE 20mm F1.8 G 焦点距離 16-35mm
18mm
20mm
画角(35mm判) 107-63°
99°
94°
開放絞り(F値) F4
F2.8
F1.8
最小絞り(F値) F22
F22
F22
絞り羽根 7枚
9枚
9枚
最短撮影距離 0.28m 0.25m 0.19m フィルター径 72mm
77mm
67mm
外形寸法
最大径x長さ 78 x 98.5mm
100 x 80mm
73.5 x 84.7mm
質量 約518g 約330g 約373g
こうやって並べてみると「Batis 2.8/18」の独特な筐体デザインでシンプルかつ美しく印象的です。このレンズを単体で見た時は、随分と大柄な太目のレンズだなと思いましたが、使ってみると長さは短く重量も軽いので意外に扱いやすいものでした。
「Batis 2.8/18」と他の2本のスペックを比較してみたのは、普段から愛用しているレンズとどんな違いがあるのか気になったからです。「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」は、風景撮影の際によく使用しているレンズ。ツァイスレンズらしく発色も良く、レンズ自体もそれほど大きくなく非常に扱いやすく使用頻度も高いレンズです。もう一つの「FE 20mm F1.8 G」は、街中スナップする時によく持ち出すレンズ。ツァイスレンズに匹敵するGレンズですが、重量も軽く最短撮影距離も短く万能的な使いやすさと表現力を兼ね備えているレンズです。
「Batis 2.8/18」で撮影していて感じたのは、「FE 20mm F1.8 G」の使いやすさと「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」のツァイスレンズの魅力を合わせ持ったレンズということ。実際に使い始めてすぐに馴染めたのも、筆者が気に入っている要素がしっかりとこのレンズに詰まっているからだと思います。
■使用機材:SONY α7R Ⅳ+ Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離18mm
実際に撮影しても発色、解像度、ボケのどれをとってもレベルは高く、歪みの不満も感じませんでした。欲を言えば、もう少し寄れるレンズ(最短撮影距離が0.2cmぐらい)であると良いと感じたぐらいです。
ツァイス Zeiss Batis 2.8/18で街中散策スナップ
「Batis 2.8/18」を持って街中スナップをしてきました。18mmという画角は都会風景の高層ビルを撮影するには、とても重宝するワイドな画角です。また、歪みが少なく非常にシャープな描写をするレンズなので、直線的な都会のビル群などを撮影するのにとてもマッチしたレンズです。
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF20 ISO800 焦点距離18mm
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF16 ISO800 焦点距離18mm
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF11 ISO800 焦点距離18mm
ビル群などを撮影していたのですが、あまりの天気が良く暑かったので、少し涼みがてら品川駅近くのアクアパーク品川水族館に移動して撮影をしてみました。
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度2秒 絞りF9 ISO100 焦点距離18mm
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離18mm
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離18mm
水槽内のクラゲや魚をガラス越しで撮影してみましたが、かなり暗い場所とガラス越しという悪条件でも、オートフォーカスはしっかりと仕事をしてくれる優れものです。
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF5 ISO3200 焦点距離18mm
人気のドルフィンパフォーマンスを水がかからない程度の前の席で撮影してみました。「Batis 2.8/18」は防塵防滴のレンズですが、ドルフィンパフォーマンスのプールの水は海水なので、一応水のかからない位置で撮影しましたが、防塵防滴仕様のレンズはいざという時の安心感があります。
「Batis 2.8/18」は18mmのワイドなレンズなので、イルカのパフォーマンスをアップで撮影する事はできませんが、パフォーマンス全体の雰囲気を撮影するのには丁度良い画角です。
ドルフィンパフォーマンスの後は、JRガード下(新橋~有楽町)を散策しながら撮影してみました。昭和レトロ感が漂う場所やオシャレなお店もあり、スナップ撮影には面白いスポットです。雰囲気を表現する為に、少し彩度を落としてレトロ感を表現する撮影と白黒モードで撮影をしてみました。
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF13 ISO800 焦点距離18mm
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離18mm
※白黒モードで撮影
ツァイス Zeiss Batis 2.8/18で風景撮影
次に「Batis 2.8/18」を持って自然風景を撮影してみました。単焦点レンズですのでズームレンズのような便利さはありません。自分の脚で動いて構図を考える調整する必要があります。普段ズームレンズを使用していると忘れがちな部分をあらためて思い出させてくれます。
もちろん、どうしても動けない場所もありますが、「Batis 2.8/18」の画角をどう活かし、ツァイスレンズの魅力を最大限に引き出すことができ、イメージ通りの撮影ができるか、試行錯誤しながらいろいろと考えて撮影するのは、自分にとって凄く有意義な撮影時間でした。
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF14 ISO400 焦点距離18mm
稲刈りが始まった棚田ですが、18mmという超広角レンズのおかげでしっかりと棚田全体を押さえる事ができ、奥行き感も写し込む事ができています。薄曇りの空でしたので空の表情が乏しいですが、緑のグラデーションの表現力は流石がツァイスレンズだと感じます。
棚田を後にして房総半島の最南端に向かい、海辺で少し撮影をしてみました。砂浜に寝転がって「Batis 2.8/18」の最短撮影距離まで寄って、絞り開放で撮影。18mmという超広角レンズと思えない様な、前後の大きなボケを表現することができます。
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離18mm
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離18mm
先の街角スナップ撮影でも実証されていますが、風景撮影においても直線的な被写体を入れて撮影すると、シャープで歪みの少ないレンズだと実感させられます。
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF14 ISO100 焦点距離18mm
■使用機材:SONY α1 + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF16 ISO100 焦点距離18mm
■使用機材:SONY α1 + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF9 ISO100 焦点距離18mm
超広角レンズの使用趣旨から少し外れますが、下の写真は「Batis 2.8/18」でフルサイズではなくAPS-Cモードで27mm相当(35mm換算)で撮影したコスモスの写真です。高画素機のフルサイズカメラを使えば、APS-Cモードで撮影しても十分な画素数も残り、場合によっては標準レンズの様な画角でも撮影できます。
■使用機材:SONY α1 + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離27mm(35mm換算)
※APS-Cモードで撮影
まとめ
「Zeiss Batis 2.8/18 」を自然風景と街角スナップに持ち出していろいろと撮影してみましたが、風景撮影にも不満はまったく無くオールマイティーに使えるレンズです。
ですが個人的にはこのレンズの一番得意とするのは街角スナップ撮影だと感じます。超広角を感じさせない使いやすさと歪みの少ないシャープな解像感は、建築物や人工的な構造物などを含んだ被写体撮影にベストなレンズではないでしょうか。
■使用機材:SONY α1 + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF5 ISO800 焦点距離18mm
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF13 ISO400 焦点距離18mm
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがカールツァイス ZEISS Batis 2.8/18のレビューを行っています。αユーザーが気になるFE 20mm F1.8 Gなどの類似製品との比較も行って製品の魅力を紹介してますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
カールツァイス,zeiss,レンズ,レビュー,Zeiss Batis 2.8/18,坂井田富三
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: パナソニック LUMIX GH5II|キットレンズの描写力と、さらに1本追加するならこのレンズ
BASENAME: 483516821.html
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CATEGORY: 森脇章彦
DATE: 09/26/2021 10:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX GH5II,LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.,LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.,マイクロフォーサーズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
プロ仕様の静止画&動画ハイブリットミラーレス一眼として2017年に登場したLUMIX GH5から4年を経て、2021年6月にGH5IIとしてリニューアルされた。今回はこのDC-GH5M2M 標準ズームキットの写りと、もう1本レンズをプラスするならこのレンズといった内容でお届けしたいと思う。
標準ズームレンズの特徴
GH5IIとセットになっている「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」は、35mm換算で24-120mmまでの5倍の画角をカバーする標準ズームレンズだ。この12mmからの5倍ズームは日常を幅広く撮影できるオールマイティなレンズで、ワイド側で20cm、テレ側で25cmまでの近接撮影が可能とあって、ほとんどハーフマクロレンズとしても使用可能だ。
スナップ撮影に重宝する5倍ズーム
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.
■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/160秒 F4.5 W/B AWBc ISO200 フォトスタイル:スタンダード 約23mm(35mm換算47mm相当)で手持ち撮影
この12-60mmズームレンズは広角側が35mm換算24mmスタートなので、街をブラブラしながら撮影するスナップ撮影に適した画角といえる。特に新しくなったGH5IIの絵作りと上手くマッチして、暗い部分から明るいハイライトまでのグラデーション表現が素晴らしく、ただの写真でも作品のような仕上がりを見せる。
逆光時でもフレアやゴーストもなくシャープな画質
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.
■撮影環境:絞り優先オート F8.0 1/320秒 -2/3露出補正 W/B 4300ケルビン ISO200 フォトスタイル:スタンダード 約12mm(35mm換算24mm相当)で手持ち撮影
広角側12mm画角でいつもテスト撮影を行う、JR大阪駅の待ち合わせ場所「時空の広場」にて。太陽を画面内に入れて撮影しているが、フレアやゴーストによる画質低下も見られず良好な画質だ。レンズのコーティングとGH5IIのセンサーに施されたARコーティングの効果が現れた1枚だ。
とっさの時に助かる近接撮影能力の高さが◎
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.
■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/250秒 F5.6 +2/3補正 W/B AWBc ISO400 フォトスタイル:スタンダード 約60mm(35mm換算120mm相当)で手持ち撮影
自由が丘近辺をブラブラとスナップ撮影していたところ、道ばたから強い視線を感じて足下をじっくり見渡したら、ハナスベリヒユ(ポーチュラカ)の花が一輪咲いていた。通常群生して咲く花なので一輪だけは珍しく「私を撮って!」と自己主張されたのでパチリと撮影した。このレンズの近接撮影能力は高く、ハーフマクロレンズ的に使用できるのが大変助かる。
小旅行や風景撮影でも扱いやすい標準ズームレンズ
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.
■撮影環境:絞り優先オート F8.0 1/2秒 -1補正 W/B 4400ケルビン ISO200 フォトスタイル:風景 約23mm(35mm換算46mm相当)で三脚使用撮影
GH5IIと12-60mmズームレンズの組み合わせは、三脚を使用しての本格的な風景撮影でも素晴らしい写真が撮影できる組み合わせだ。毎月定点撮影をしている東京ゲートブリッジ近辺での撮影だが、晴れた日の日没後マジックアワーと呼ばれる時間帯には富士山のシルエットが美しい写真が撮影できる。これからの寒い季節は特に空気が澄んでいるので美しく撮影できる。キットレンズとして非常に優秀な写りといえる。
先ずは望遠ズームレンズを1本増やし撮影範囲を広げるのが良い
標準ズームキットに1本買い足すなら、先ずは望遠ズームレンズであろう。LUMIXには小型・軽量で超強力な手ブレ補正機能Dual I.S.2に対応し防塵防滴にも対応した「LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.」がある。35mm換算200-600mm相当の画角を持つ優れたズームレンズなのでぜひお勧めしたい。GH5IIと組み合わせでスポーツ競技や野鳥撮影などに威力を発揮してくれる。
小型・軽量ズームレンズは女性でも扱いやすい
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.
■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/2500秒 F4.2 -2/3補正 W/B 5200ケルビン ISO400 フォトスタイル:スタンダード 約120mm(35mm換算240mm相当)で手持ち撮影
最近多くなった飛行機撮影を得意とする女性達にもお勧めしたいのがこの100-300mmズームレンズ。35mm換算で200~600mmまでをカバーするズームレンズでありながらとにかく軽い、軽い、軽い。広角側で撮影したのがこの写真で、手ブレ補正も良く利くので女性や高齢者の方でも振り回しやすい。こんなに小型な超望遠ズームは見たことがない。画質も優秀なのでオールマイティに使用できる。
望遠300mm側での撮影でも優秀な画質だ
■使用機材:パナソニック GH5II+LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.
■撮影環境:絞り優先オート F8.0 1/2500秒 -2/3補正 W/B AWBc ISO200 フォトスタイル:スタンダード 約246mm(35mm換算492mm相当)で手持ち撮影
雨上がりの一瞬に顔を出した太陽と着陸態勢に入った飛行機をシルエットに入れて撮影した。GH5IIに採用されたARコートを施したセンサーは、PL・NDフィルターを使用せずとも輪郭のハッキリした夕日が撮影できるのでありがたい。
野鳥撮影でも威力を発揮する超望遠ズーム
■使用機材:パナソニックLUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.
■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/400秒 F5.0 -1補正 W/B 5100ケルビン ISO500 フォトスタイル:風景 約200mm(35mm換算400mm相当)で手持ち撮影
雨交じりの曇り空で野鳥撮影には少し厳しいお天気であった。しかし、GH5IIと100-300mm超望遠ズームの組み合わせなら手ブレ補正が優秀なので手持ち撮影でも狙った通りの撮影ができた。背景の緑を鮮やかに写したかったのでフォトスタイルを風景に設定して撮影した。
写真好きなら単焦点レンズ1本は持っておきたい
LUMIXといえば「LEICA」レンズであろう。中でもこの「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II ASPH.」は、35mm換算50mm相当かつF1.4の明るい単焦点レンズなので、カメラバッグに1本入れて持っておくと本当に重宝するレンズなのだ。超お勧めレンズである。
絞りF1.4解放から使える最高のレンズだ
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.
■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/400秒 F1.4 -1/3補正 W/B 2800ケルビン ISO10000 約25mm(35mm換算50mm相当)で手持ち撮影
僕の周りに飛行機好きが多く、よく一緒に撮影に行くことがある。この写真も伊丹空港に離着陸する飛行機の撮影ポイントとして有名な、通称「千里川の土手」で撮影した1枚だ。飛んでいる飛行機なので出来るだけ速いシャッターを切りたい。だから絞りが開放になってしまう。つまりレンズの素性がバレバレになる夜間動き物撮影である。どうだろうか?素晴らしい1枚が撮れたと思うのだが。
GH5IIの強力な手ブレ補正機能で動画撮影も楽だ
VIDEO
■撮影機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.
■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/400秒 F5.0 W/B AWBc ISO500 FHD ハイスピード動画 バリアブルフレームレート180fps 電子補正(動画)ON 手ブレ補正ブースト(動画)ONにて手持ち撮影
GH5 IIの動画撮影時には電子手ブレ補正と手ブレ補正ブーストを上手く使いこなすことが重要だ。カメラを動かしながら撮影する場合は電子手ブレ補正機能ONで、カメラが動かない場合は手ブレ補正ブーストもONにすれば、専用の三脚がない場合でも撮影できる凄さがありがたい。100-300mm超望遠ズームでハイスピード動画を手持ち撮影してみた。
明るい単焦点レンズがあれば夜の動画撮影もOKだ
VIDEO
■撮影機材:パナソニック LUMIX GH5II+LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.
■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/30秒 F1.4 -1/3補正 W/B 2800ケルビン ISO6400 MP4 FHD 60P 三脚使用で撮影
夜間の空港での撮影は、通常のズームレンズではF値が暗すぎて超高感度撮影になってしまい、大きなテレビなどで鑑賞するには少し無理がある。タイトルで使用した写真とは別の日の動画撮影となったが、解放F値がF1.4のLEICA DG SUMMILUX 25mmなら撮影も楽にこなせた。
まとめ
4年の歳月を経て進化したGH5IIを使って思ったことは、静止画の魅力的な写真表現力を身につけた画質と、さらに磨きがかかった動画撮影能力。高級なLEICAレンズでなくとも、手持ちのLUMIX Gレンズ達だけでもその素晴らしさは十分伝わってくる仕上がりで、お世辞抜きに良いカメラになってるぞGH5 II。座布団3枚差し上げよう!!
■執筆者:森脇章彦
1956年岡山県生まれ。コマーシャルフォトを中心に男性誌・女性誌などで高価な宝飾品からポートレートまでこなし幅広く活躍。またカメラ専門誌などでの執筆活動精力的にこなし独特の辛口批評が読者から好評を得ている。特にデジタルカメラは創世記から積極的に活用し。カメラ画質やレンズの良し悪しについて「影のご意見番」と呼ばれている。
LUMIX GH5IIの関連記事はこちら
■パナソニック LUMIX GH6 開発発表を受けて、期待する進化について語る|Osamu Hasegawa
https://shasha.kitamura.jp/article/482919488.html
■パナソニック LUMIX GH5II レビュー | 高性能動画機の代名詞GH5から進化したその実力を探る
https://shasha.kitamura.jp/article/482045857.html
■パナソニック LUMIX GH5IIが登場!|商品企画担当者へのインタビューから魅力を紹介
https://shasha.kitamura.jp/article/481686135.html
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-GH5M2M レンズキット ブラック
商品詳細ページ
【パナソニック】 LUMIX DC-GH5M2 ボディ ブラック
商品詳細ページ
【パナソニック】 LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.
商品詳細ページ
【パナソニック】LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.
商品詳細ページ
【パナソニック】 LUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S.
商品詳細ページ
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写真家の森脇章彦さんがLUMIX GH5IIのレビューをしています。3本のおススメレンズと共に撮影シーンごとの分かりやすい説明をしていますので、興味のある方は必見です。
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KEYWORDS:
LUMIX GH5II,レビュー,LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.,LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.,パナソニック,Panasonic,森脇章彦
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門
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CATEGORY: 齋藤朱門
DATE: 09/27/2021 16:00:00
TAGS: 風景,風景の撮影テクニック
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はじめに
今回は丘や山の風景の撮影方法と必要な機材について紹介したいと思います。丘や山は季節ごとに違った表情を見せてくれるので年中撮影が楽しめます。春から初夏の丘は新緑が美しく、秋の紅葉の季節は色とりどりの山肌や森を撮るのも楽しいです。冬は白い雪に覆われた険しい山々の景色も風景写真の醍醐味の一つだと思います。
丘・山を撮る
九州の阿蘇で撮影した一枚。夕日の柔らかく温かい光が遠くの丘を照らしている光景が目に飛び込んできたので、望遠レンズを使って撮影しています。
■撮影機材:ソニー α7R II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:マニュアル露出・140mm・F8・ISO125・1/100秒
別の年の初夏に再び阿蘇に訪れた際、さきほどと同じ場所から撮影しています。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:マニュアル露出・321mm・F11・ISO100・1/60秒
冬に訪れた霧ヶ峰にて。朝日に照らさられたススキと遠くに見える富士山が印象的でした。
■撮影機材:ソニー α7R III + キヤノン EF16-35mm F2.8L III USM
■撮影環境:マニュアル露出・33mm・F16・ISO100・1/160秒
構図
■撮影機材:シグマ sd Quattro H + 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary
■撮影環境:マニュアル露出・202mm・F11・ISO100・1/100秒
前者の場合は、ポイントとなる部分を中心にしつつ、丘や山脈が作り出すレイヤーの配置・バランスを意識すると良いでしょう。
■撮影機材:ソニー α7S + FE 70-200mm F2.8 GM OSS + 2Xテレコンバーター
■撮影環境:マニュアル露出・310mm・F8・ISO125・1/400秒
また、丘の中腹になにかパターンのようなものを見つけたら、それを望遠レンズで切り取ってみるのも面白いと思います。
2つ目の前景を入れて広角で撮る場合の作例です。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:マニュアル露出・27mm・F16・ISO100・1/500秒
唐松岳からの日の出と雲海を撮影した一枚。朝日が昇り始めるとそれまで濃い雲海で覆われていた山肌が徐々に現れてきました。オレンジ色の光に照らされた岩や山肌を前景とし、遠くの山に見える山々と朝日の構図バランスを意識しています。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:マニュアル露出・24mm・F16・ISO100・1/60秒
筆者は山を主要な被写体ではなく、全体の構成要素の一つとして撮ることが多いのですが、それは、その場の奥行き感・臨場感を意識しつつ各構成要素のバランスを考えて構図を決めると自然とそうなることが多いためと考えています。
天候と光
個人的には雲ひとつなく晴れた天気よりは、ある程度の雲がある天候の方が空にも表情が生まれるので好みなのですが、なかなか狙った天気になることも少ないですよね。そのときの天気や場面に応じて空を入れるバランスや切り取るポイントを変えたりするなど、臨機応変に撮影していくとさまざまな風景が撮影できると考えています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・19mm・F16・ISO100・0.6秒
雨の日は撮るのが難しいですが、雨上がりに発生する霧や靄も美しい光景を生み出してくれる場合があります。
■撮影機材:ソニー α7R II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:マニュアル露出・89mm・F8・ISO100・1/1000秒
早朝の撮影、現地についたときは少し雨が降っている状況で、もともと撮りたいと考えていたイメージの写真は撮れず少し諦めていましたが、しばらく待っていると時折雲の隙間から差し込む光が予想外の光景を作り出していました。レンズを望遠レンズに変えて撮影した一枚です。
■撮影機材:ソニー α7R II + キヤノン EF16mm-35mm f2.8L II USM
■撮影環境:マニュアル露出・33mm・F16・ISO100・1/13秒
どんよりと曇っている日でしたが、夕日が沈む瞬間に厚い雲の隙間から光が差し込み、あたりをオレンジ色に照らしていました。
絞りとピント位置
絞りやピント位置も構図によって変える必要があります。望遠で切り取る場合はそれほど被写界深度を深くする必要はないので、F8前後のF値で十分な場合が多いでしょう。ピント位置も中心にするのが良いと思います。広角で手前の前景から奥の山々まで、奥行き感があるような感じで撮影する場合は被写界深度をかなり深くする必要が出てきます。パンフォーカスで撮影するために、かなり絞って(F11~F16)、被写界深度が最大になるフォーカス位置にピントを合わせます。パンフォーカスのピント位置を正確に求めるアプリなどもありますが、撮影現場でアプリを使うのが難しい場合、筆者はだいたい画面上の手前1/3くらいの位置を目安にピントを合わせています。
■撮影機材:ソニー α7R III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 ZOOM
■撮影環境:マニュアル露出・33mm・F16・ISO100・1/2000秒
また、レンズにもよりますが、絞ることで太陽の光条(光房)もきれいに出せますので、筆者の場合はかなり絞る(F16くらい)ことが多いです。カメラのフォーカスブラケット機能などを使って複数のピント位置が異なるショットを撮影しておき、後処理で被写界深度合成を行う方法もあります。この場合は、F8くらいの絞り値で、手前、真ん中付近、奥と3~5箇所程度でピント位置を変えたショットを撮っておくと良いと思います。
必要な機材
基本的には通常の撮影と同様にカメラ・レンズ・三脚があれば撮影できますが、特に望遠レンズを使う場合はしっかりとした三脚とレンズサポートを使用し、レンズの微小なブレを軽減すると良いでしょう。シャッターを押す際のブレを軽減するためにレリーズを使用するのも有用です。レンズですが、望遠で切り取る場合は100~400mm、広角で奥行きがあるような写真を撮りたい場合は16~35mmくらいの焦点距離のレンズがおすすめです。
さいごに
今回は筆者なりの丘と山の撮影方法をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。山や丘の風景は季節を問わずいつでも撮ることができる風景写真の王道ですが、構図や切り取り方を工夫するだけで、さまざまなオリジナルの作品が撮影できると思います。丘や山を撮影する機会があれば、是非この記事の内容を参考にしていただけると嬉しいです。
■写真家:齋藤朱門
宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。
齋藤朱門さんの撮影テクニックの連載記事はこちら
・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html
・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html
・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html
・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html
・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 70-200mm F2.8 GM OSS
商品詳細ページ 【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ 【キヤノン】EF16-35mm F2.8L III USM
商品詳細ページ 【シグマ】100-400mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary
商品詳細ページ
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写真家の齋藤朱門さんが年中楽しめる被写体の丘や山での撮影テクニックを紹介しています。季節ごとに違った表情を楽しめるのも風景写真の醍醐味の一つです。
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KEYWORDS:
丘,山,風景写真,撮影テクニック,齋藤朱門
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト 坂口正臣さん
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CATEGORY: 坂口正臣
DATE: 09/28/2021 11:04:39
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坂口正臣さんテスト
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AUTHOR:
TITLE: 表現の可能性は無限大!OLYMPUS アートフィルター徹底解説 Part.1
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CATEGORY: クキモトノリコ
DATE: 09/28/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー
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はじめに
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
■撮影環境:F5.6, 1/320秒, +1.3EV, ISO 400, WB 蛍光灯
■仕上がり設定:クロスプロセスⅠ
撮影した写真を見栄えよくドレスアップさせるツールは、スマートフォンが普及した今となってはさまざまなアプリが開発され、広く一般的に認知されて使う人も多いものとなっています。そしてこのツールの先駆けとなったのが、2008年12月にオリンパスから発売されたデジタル一眼レフ「E-30」に搭載された「アートフィルター」ではないでしょうか。
ミラーレス一眼カメラであるPENシリーズ向けに開発が進められていたものが一足先に一眼レフのE-30、その後のE-620を経て、2009年7月に発売されたミラーレス一眼(当時はマイクロ一眼)カメラであるPENシリーズの第一弾「E-P1」に搭載され、以来今日までPENシリーズとOM-Dシリーズ(2012年3月に初号機「E-M5」が発売)に引き継がれています。
アートフィルターが世に出た当初は「こんな機能を誰が使うんだ?」と言われることもあり、かなり風当たりが強かったと開発に携わった方からも伺ったことがあります。しかしその後、スマートフォンユーザーが増えてアプリによる画像処理やレタッチ、またSNS投稿の際にエフェクト機能を利用することが特異なことではなくなった今では、もはやこういったフィルター機能を使うことに対してナンセンスだ、などいう意見はほぼ聞かなくなったように思います。
そんなフィルター効果で写真をドレスアップするツールのパイオニアともいえる、アートフィルターも登場からはや10年以上が経つのですが、今でもまだ意外と知られていない面や、オリンパスユーザーであってもいつの間にか増えてあまり知られていない機能もあると思われるので、今回改めてご紹介したいと思います。
アートフィルターの種類と特徴
アートフィルターは当初全6種類(ポップアート、ファンタジックフォーカス、デイドリーム、ライトトーン、ラフモノクローム、トイフォト)からスタートしましたが、その後PEN/OM-Dシリーズの新機種発売とともに徐々に増えてゆき、またベースとなるアートフィルターのバリエーションタイプやエフェクト(効果)の追加などが加わり、今では16種類をベースに31タイプにまで増えました。
そこにエフェクト(効果)を足していくと194通り、さらにモノトーン系のバリエーションとして加わったフィルター効果と調色、パートカラーの色の選択も入れて数えるとなんと962通り(!)もの写真を撮ることができます。これがすべてパソコンのソフトを使わず、カメラ上でできてしまうということには驚くばかりです。さらに、ここに最近の機種に追加された「ファインチューン」機能、またのちに紹介する様々な設定と組み合わせることで、もはや表現の可能性は無限大といっても過言ではないでしょう。
まず今回は最初にベースとなるアートフィルター(と効果の追加の一部)を簡単にご紹介します。尚、これだけでも相当なボリュームであることを先にお伝えしておきます。
1. ポップアート
ピクチャーモードのVividよりもさらに彩度を上げて色の美しさを際立たせ、文字通りポップな印象にしてくれます。色鮮やかに表現したいときに仕上がり設定(オリンパス機ではピクチャーモード)をVividにしても期待したほどの効果が得られない、そんなときに非常に活躍してくれます。明るめかつ彩度が高くてビビッドな仕上がりのタイプ1と、彩度は高いものの全体的な明るさを抑えて落ち着いた印象となるタイプ2があります。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:F6.3, 1/25秒, +1.7EV, ISO 1600, WB 蛍光灯
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
■撮影環境:F5.6, 1/800秒, +0.3EV, ISO 400, WB オート
2. ファンタジックフォーカス
ソフトフォーカスをかけたような幻想的な雰囲気となるファンタジックフォーカスは、ふんわりやわらかい印象ながらもピントの芯はしっかり残した仕上がりが特徴です。
Natural ファンタジックフォーカス+スターライト効果
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 EZ
■撮影環境:F5.3, 1/60秒, -0.3EV, ISO 200, WB オート
3. デイドリーム
白昼夢の中にいるかのような、明るめでコントラストが低くやわらかい印象でありつつ、全体的にブルーがかったタイプ1と、アンバー系の仕上がりとなるタイプ2があります。
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/640秒, +1.0EV, ISO 320, WB 晴天
4. ライトトーン
コントラストが低くゆるくてやわらかい、またかわいらしい印象の写真に適したアートフィルターです。一方で、白飛びや黒潰れをしにくい、暗い部分を起こしてくれるという特徴から、輝度差がある場面にも適しています。
尚、コントラストが低めになるライトトーンは、被写体の「角が取れてやわらかい印象になる」という特徴もあるため、毎年桜のシーズンに活躍してくれます。
Natural ライトトーン
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P5 + M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
■撮影環境:F1.8, 1/320秒, +1.0EV, ISO 200, WB 晴天+5STEP(G)
Natural ライトトーン+フレーム効果
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR
■撮影環境:F11, 1/2000秒, ISO 1600, WB オート
Natural ライトトーン
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
■撮影環境:F4.0, 1/640秒, +0.7EV, ISO 200, WB 曇天-2STEP(G)
5. ラフモノクローム
ピクチャーモードにある通常の白黒モード「モノトーン」よりも、白と黒のコントラストがはっきりしていて、かつ高感度のモノクロフィルムで撮影し、増感現像を行ったときのようなざらっとした粒状感が楽しめます。その粒状感とコントラスト具合の違いでタイプ1と2があります。さらにはモノクロ撮影時に使用するカラーフィルター効果で、例えば空の色を濃くすることなどや、調色でセピアや青などのバリエーションも楽しめるようになっています。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
■撮影環境:F2.8, 1/2500秒, -0.7EV, ISO 400
モノトーン ラフモノクロームⅠ ラフモノクロームⅠ+フィルター効果(Yellow) ラフモノクロームⅠ+フィルター効果(Orange) ラフモノクロームⅠ+フィルター効果(Red) ラフモノクロームⅠ+フィルター効果(Green)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/4000秒, +0.7EV, ISO 200
モノトーン ラフモノクロームⅠ ラフモノクロームⅠ+調色(セピア) ラフモノクロームⅠ+調色(青) ラフモノクロームⅠ+調色(紫) ラフモノクロームⅠ+調色(緑)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F11, 1/100秒, -0.7EV, ISO 500
6. トイフォト
プラスチックレンズでできたトイカメラやオールドレンズを使う古いカメラで撮影したような、画面の四隅が暗く落ちる周辺減光を大きな特徴として、全体的に少し緑がかったような色になるタイプ1、青みが強くなるタイプ2、赤みがかぶるタイプ3があります。
Natural トイフォトⅠ+フレーム効果 トイフォトⅡ+フレーム効果 トイフォトⅢ+フレーム効果
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/20秒, ISO 200, WB オート
7. ジオラマ
本物の風景をまるでミニチュアの世界のように見せるには、本来ティルトレンズという特殊なレンズが必要ですが、デジタル処理によってピントを合わせた位置から周辺にかけてを急激にぼかすこと、また彩度を高くすることで簡単に実現してくれます。またこのモードで動画を撮影すると、以前の記事 でお伝えした通りパラパラ漫画のようなタイムラプス動画となります。
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/200秒, +0.3EV, ISO 400, WB オート
8. クロスプロセス
ネガフィルムをポジ現像、またはポジフィルムをネガ現像することをクロスプロセスと言いますが、その際に得られる「不思議な色に転ぶ」現象をデジタルで意図的に再現したもの。タイプ1はグリーン系、タイプ2はマゼンタ(赤)系の仕上がりとなります。
緑が強く出るタイプ1は、茶系にくすんだ葉や冴えないグレーの背景が鮮やかな緑となる一方で、紅葉の赤や黄色を鮮やかに表現してくれるため、紅葉シーズンによく活躍してくれます。
Flat クロスプロセスⅠ+フレーム効果 クロスプロセスⅡ+フレーム効果
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P5 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR
■撮影環境:F5.6, 1/4000秒, -0.3EV, ISO 200, WB 晴天
Natural クロスプロセスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
■撮影環境:4.0, 1/1000秒, ISO 200, WB オート
Natural クロスプロセスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:2.8, 1/60秒, ISO 640, WB オート
9. ジェントルセピア
セピアは他にモノトーンのバリエーションとしての「セピア」がありますが、「ジェントルセピア」は全体的に赤みが足され、また暗い部分が引き締まったセピアとなっています。
Natural セピア ジェントルセピア+ピンホール効果+フレーム効果
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR
■撮影環境:F9.0, 1/125秒, +1.0EV, ISO 200, WB 晴天
10. ドラマチックトーン
急激なコントラストの差によって立体感を強調し、彩度は高めで高コントラストなまま、暗部の暗さは残しつつ黒く潰れてしまいがちな部分を持ち上げることでディテールを表現し、肉眼で見ている世界とは違った表現ができます。タイプ1はカラー、タイプ2がモノクロームになっていて、タイプ2はさらにラフモノクローム同様のフィルター効果の追加や調色の選択が可能です。
Natural ドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR
■撮影環境:10.0, 20秒, ISO 200, WB オート
Natural ドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:4.0, 1/320秒, ISO 1600, WB 晴天-3STEP(G)
Natural ドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/200秒, ISO 200, WB オート
モノトーン ドラマチックトーンⅡ ドラマチックトーンⅡ+調色(青) +フィルター効果(Red)
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F5.6, 1/100秒, -0.3EV, ISO 400
11. リーニュクレール
難しい発音のネーミングですが、フランス語である”Ligne claire”は訳すとクリアライン。つまり「明確な線」という意味になる言葉の通り、色の縁にラインが引かれ、また階調を飛ばしてしまうことでペタッとした絵画調になる、ポスタリゼーション効果を楽しむアートフィルターです。タイプ1と2があり、タイプ2の方が引かれるラインがしっかりしたものとなります。
Natural リーニュクレールⅠ リーニュクレールⅡ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR
■撮影環境:F8.0, 1/400秒, +0.3EV, ISO 200, WB 晴天
12. ウォーターカラー
名前の通り、写真のはずがまるで水彩画のような仕上がりとなります。水や空の青や、お花の色など、はっきりした色やカラフルな被写体と相性がいい一方で、黒い部分が白く抜けてしまう特徴があります。被写体の輪郭を強調するタイプ1と、色のみで表現するタイプ2があります。
Natural ウォーターカラーⅠ ウォーターカラーⅡ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR
■撮影環境:F7.1, 1/250秒, ISO 200, WB 晴天
Natural ウォーターカラーⅠ ウォーターカラーⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F4.0, 1/800秒, ISO 200, WB 晴天
13. ヴィンテージ
フィルムプリントが経年劣化したことによる写真の変色や退色を再現する、そんなコンセプトで開発されたヴィンテージは、レトロな雰囲気や懐かしさを表現するのにぴったりです。雰囲気の異なる3タイプがありますが、どんな被写体を選んでもいずれかのタイプがフィットしやすい、万能フィルターとも言えます。
Natural ヴィンテージⅠ ヴィンテージⅡ ヴィンテージⅢ
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
■撮影環境:F1.8, 1/8000秒, +0.3EV, ISO 200, WB オート-2STEP(R)
14. パートカラー
特定の色だけを残してあとはモノクロームで表現する、というパートカラーは他社のカメラでも見かけますが、オリンパス機の特徴は「赤」「緑」のようにシンプルな色を選択するだけではないこと。色相環になった6色18パターンから強調したい色を選択し、さらにタイプ1から3により残す色の幅(色相環で選択した色だけでなく近い色までを残す)を選ぶことができるのが大きな特徴です。効果の追加と組み合わせることで、このパートカラーだけでなんと432通りものパターンから選ぶことができるのはなんとも驚きです。
Natural パートカラーⅢ+COLOR(4) 色選択画面(6色18パターン)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
■撮影環境:F8.0, 1/320秒, ISO 400, WB 晴天
Vivid パートカラーⅠ+COLOR(5) パートカラーⅡ+COLOR(5) パートカラーⅢ+COLOR(5)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:F16, 1/8秒, +1.7EV, ISO 2000, WB 蛍光灯
15. ブリーチバイパス
フィルムや印画紙での「銀残し」という手法の再現を楽しむアートフィルターで、タイプ1と2があります。金属のメタリックな質感を印象的に伝えたり、街並みに古い映画のような味わいを持たせたり。一方で、タイプ1が意外とお花の撮影に活躍してくれます。
Natural ブリーチバイパスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL9 + フィッシュアイボディーキャップレンズBCL-0980
■撮影環境:F8.0, 1/640秒, -0.3EV, ISO 200, WB 晴天
Natural ブリーチバイパスⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/400秒, -0.3EV, ISO 800, WB 晴天
Natural ブリーチバイパスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/1000秒, -0.7EV, ISO 200, WB 蛍光灯
Natural ブリーチバイパスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-20mm F3.5-6.3
■撮影環境:F6.3, 1/1600秒, -1.7EV, ISO 400, WB 曇天
16. ネオノスタルジー
公式WEBサイトによると「ノスタルジックな雰囲気を残しつつ現代風に仕上げる」ということですが、インスタントフィルムカメラで撮影した写真のイメージというコンセプトのアートフィルターです。
Natural ネオノスタルジー
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL9 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F18.0, 1/60秒, +0.7EV, ISO 200, WB 晴天
Natural ネオノスタルジー
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/6400秒, -1.0EV, ISO 250, WB 5000K
効果の追加とファインチューン
それぞれベースとなるアートフィルターに「効果の追加」(エフェクト)を足すことができるのですが、効果の数は下記の通り最大で9種類、「効果なし」を入れると最大10パターンとなります。
「ソフトフォーカス」「ピンホール(周辺減光)」「ホワイトエッジ」「フレーム」「スターライト」「上下/左右ぼかし」「上下/左右シェード」 (上下/左右で2種類をここではまとめて表記)
ただし、ベースとなるアートフィルターによって選べる効果の数が異なり、例えばヴィンテージ、ブリーチバイパス、ネオノスタルジーは効果なしを入れると最大の10パターン、逆にトイフォトとジオラマはフレーム効果か効果なしの2パターンのみとなっています。
Natural ヴィンテージ ヴィンテージ+ソフトフォーカス効果 ヴィンテージ+ピンホール効果 ヴィンテージ+ホワイトエッジ効果 ヴィンテージ+フレーム効果 ヴィンテージ+スターライト効果 ヴィンテージ+上下ぼかし効果 ヴィンテージ+左右ぼかし効果 ヴィンテージ+上下シェード効果 ヴィンテージ+左右シェード効果
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/100秒, -0.7EV, ISO 2000, WB オート
また、一部のアートフィルター(ポップアート、ファンタジックフォーカス、トイフォト、クロスプロセス、ネオノスタルジー)に対して、基本となるアートフィルターの効果を調整できる「ファインチューン」という新たな機能が2019年11月に発売されたE-PL10より搭載され、アートフィルターのさらなる可能性を広げてくれています。
Vivid ポップアートⅠ-5 ポップアートⅠ ポップアートⅠ+5 ポップアートⅡ-5 ポップアートⅡ ポップアートⅡ+5
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/60秒, +0.7EV, ISO 1600, WB 3000K
以上、ここまでは基本となるアートフィルターの種類やバリエーションについてご紹介してきました。「基本」だけでもこれほどバリエーション豊かなことから、アートフィルターがどれほど様々な表現の可能性を秘めているかについて理解いただけたでしょうか。
後編は「ただアートフィルターを使っただけ」で終わらせず、自分の作品に取り入れるために素材としてのアートフィルターのポテンシャルを最大限に活かし、いかにオリジナリティを持たせるかについてをお伝えします。
→続編のアートフィルター解説記事 Part.2はこちら
■写真家:クキモトノリコ
学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
この記事に使用した機材 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M5 MarkIII ボディ
商品詳細ページ
【オリンパス】PEN E-PL10 ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のクキモトノリコさんがオリンパスの「アートフィルター」を徹底解説。PEN/OM-Dシリーズに搭載された全てのアートフィルターを作例とともに紹介していきます。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,オリンパス,Olympus,アートフィルター,クキモトノリコ
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AUTHOR:
TITLE: RICOH GR IIIx ~40mm単焦点レンズを搭載した新星GR~|こばやしかをる
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 09/29/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,GR IIIx,スナップ,コンパクトデジタルカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
発売目前。「GRは単焦点28mm」という概念を超えた、新たな焦点距離40mmレンズを搭載した新星GR IIIxがいよいよ登場します。フィルムカメラの頃から28mmの焦点距離と画角に慣れ親しんできた方も多い中、どのような感覚で自分に寄り添ってくれるのか?と筆者自身も期待と不安を胸に手にしました。ドキドキしながらいち早く使わせていただいた感触と、新機能の一部をピックアップしてお伝えいたします。
GR IIIxの「x」とは
「高画質・携帯性・速写性・深化」という一貫した基本コンセプトの下、新たにラインアップされるGR IIIx。GR25年の歴史における新境地とも言える標準域40mm相当(実焦点距離26.1mm・画角約57度)のレンズには、スナップ撮影の表現を広げるという意義が込められており、「x」にはextended=拡張させるという意味があります。撮影領域と機能の両方を拡張させることによって、コンパクトカメラでありながら様々な被写体と撮影シーンに対応できる1台に仕上がっています。
焦点距離40mm 撮影時の距離感をつかむ
広角好きで28mmの画角が身についている筆者。スマホカメラも28mmが一般的であり、〝広角は寄って撮る〟が染み付いていて、いつも通りに被写体に近づくと戸惑い隠せず少々動揺。「おっと、これは踏み込みすぎなのか。」と思い三歩下がる。それこそが初めて使った時の感覚です。
スナップ撮影では「まずはこの距離感をつかむことから」と言われているかのよう。しかし、一眼レフであれば標準レンズ50mmでも撮影をしており、レンズ交換をしたと思えば問題なく、手持ちのフィルムコンパクトカメラを見れば35mm、38mmといった近しい焦点距離のものもあります。「そういえばアイツいたな。」と思い出し、「3日付き合えば慣れる。」そんな感じですんなりと受け入れることができました。
実際の撮影では、住宅地で一般的な幅員4m道路で思い切り反対側まで下がるようなイメージです。全体的に捉えるというよりも具体的に、より明確に被写体をクローズアップできます。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO200 WB曇天 -0.3EV
■イメージコントロール:ポジフィルム調
フレームインしてくる人物を待ちながら撮影できる余裕さえ感じられ、スナップ撮影距離設定を存分に活かしてタイミングを狙った撮影が可能。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/1000秒 F/5.6 ISO200 WB太陽 -0.3EV
■イメージコントロール:ポジフィルム調
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/100秒 F/16 ISO200 WB曇天 -4.0EV
■イメージコントロール:スタンダード
撮影をする中、GR IIIxの40mmこそ撮影しやすい被写体も増えていくのだろうと感じました。建造物など28mmだと歪曲を感じられてしまう被写体も、歪むことなく見たままの素直な写りになります。また、焦点距離が長くなったことでボケもより柔らかくなります。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/50秒 F/2.8 ISO200 WB昼白色蛍光灯 -1.0EV
■イメージコントロール:スタンダード
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/160秒 F/3.2 ISO800 WB曇天 ±0EV
■イメージコントロール:レトロ
テーブルフォトでも大活躍
今までのGRでも、スマホカメラでも、広角レンズで撮ると漠然とした写真になり苦手意識の高い人が多いのがテーブルフォト。これまでGR IIIではクロップ機能50mmを使うのが適切でしたが、GR IIIxの40mmであればカメラを構えてアレコレ設定せず、カメラを取り出してサッと撮影できるので、食事をいただくマナーの上でもメリットです。
タテに構えて撮影すればテーブルの上がすんなりと収まります。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO800 WBマルチパターンオート +1.0EV
■イメージコントロール:スタンダード
高さのある被写体を撮影してもパースがつかないので、40mmという焦点距離の使いやすさに気が付くはず。なだらかにボケる背景によってより被写体が浮き立ちます。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/40秒 F/2.8 ISO800 WBマルチパターンオート -1.0EV
■イメージコントロール:スタンダード
40mmは28mmよりもグッと被写体に視線を注ぐようなアングルや切り取りの工夫も自然と身につきます。
クロップモードで中望遠を楽しむ
GR IIIのクロップ機能(デジタルズーム)では「35mm」「50mm」の撮影が可能でしたが、GR IIIxでは「50mm」「71mm」となり、中望遠域までをカバー。GRで中望遠が撮影できるとは思いもよりませんが、遠方の被写体や近づくことのできない場所でのクロップモードはやはり頼れる存在で、大胆なフレーミングを可能にしてくれます。
ここでは空に向かって撮影。オブジェから雲が吐き出されるように切り取ることができました。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/800秒 F/11 ISO200 WB曇天 -1.3EV クロップ71mm
■イメージコントロール:ポジフィルム調
1.5mほどの距離にいたカラスは、カメラがコンパクトであることで威圧感を与えることなく至近距離で捉えることができました。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/400秒 F/5.0 ISO200 WBマルチパターンオート -0.7EV クロップ71mm
■イメージコントロール:モノトーン
ガラス越し、柵越しといった手の届かない場所や距離での撮影も実現してくれる嬉しさも感じられます。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/40秒 F/9.0 ISO400 WB日陰 -1.3EV クロップ71mm
■イメージコントロール:レトロ
美しいボケを表現できるマクロモード
マクロモードは最短撮影距離12cm。画像処理に頼ることのないその描写は、特にマクロ領域においてレンズの力が発揮されます。標準~中望遠らしい柔らかく美しいボケによって、雨の日の情景もしっとりとした雰囲気に。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/20秒 F/2.8 ISO800 WB太陽 -1.3EV マクロモード
■イメージコントロール:スタンダード
クロップ71mmとマクロモードの組合せでは望遠マクロ的撮影が可能になります。手すりに巻きつくツタにクローズアップして撮影したところ、背景の木漏れ日が玉ボケになって美しく、コンパクトカメラとは信じがたい写りに。合焦面の細部にわたる描写も見事です。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/125秒 F/2.8 ISO200 WB太陽 +0.3EV クロップ71mm マクロモード
■イメージコントロール:スタンダード
小さな被写体もよりフォーカスした撮影が可能になる上、撮影していてモニター画面を通して見えるボケの美しさに感動するはずです。
トリミング機能が充実
今までになかった機能として、画像再生時メニューの「トリミング」項目ではアスペクト比を変えられる他、水平垂直補正が可能になりました。慌てて撮影した際に不用意に斜めになってしまった画像を、0.1度ずつ回転させながら微調整し真っ直ぐにすることができます。JPG画像を調整するので、RAWデータは撮影時のままに、PCに画像を取り込む必要がなくその場で調整できるのはありがたい機能です。
【左】撮影時データ 【右】トリミングで傾き調整後
0.1度ずつ回転させることが可能。傾きの角度調整と同時にトリミングされます。
また、アスペクト比は1:1の他、GR IIまで馴染み深かった4:3も加わり、さらに16:9にもトリミングが可能になるなど、被写体に合わせた見せ方の工夫ができるのも嬉しい点です。
【左】3:2で撮影 【右】4:3にトリミング
従来機で馴染み深い4:3はスマホ撮影に慣れている人も使いやすいはず。
ボクシングリングのロープに合わせて横に流れる視線を利用して16:9にトリミングしたところ、TV画面を見ているような面白さが出せました。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/125秒 F/2.8 ISO200 WBマルチパターンオート -0.7EV クロップ50mm
■イメージコントロール:ブリーチバイパス
プログラムラインに深度優先(深い)が追加
あまり気にかけたことがないかもしれませんが、撮影時の露出設定には「プログラムライン」という項目があり、ピント合焦面より背後をどのように表現するかという設定を行うことができます。GR IIIxではプログラムラインに「深度優先(深い)」が追加され、優先的に絞り込んだF値(F11基準)が選択されるようになっています。
【上】「開放優先」:被写体が浮き立つように合焦点から背面がボケる
【下】「深度優先(深い)」:画面全体にピントが合うようになる
被写体との距離に対して深度が決まる。深度合成ではなくカメラの絞りを変えることによる表現。深度優先(深い)ではほとんどの場合、自動的に絞りF11となる。
ピントが浅くなってしまう、ピントの甘さが気になる、パンフォーカス的に描写したいなどの時に「深度優先(深い)」を機能させることで、今までのGRらしく画面全体にパンフォーカスして被写体を狙うことができます。記念撮影などでも役立つ機能です。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/500秒 F/11 ISO800 WB太陽 +0.3EV
■イメージコントロール:ハードモノトーン
開放優先で撮影すれば、合焦面は物凄くシャープで精細な描写でありながら、ボケのニュアンスが効いて優しい雰囲気に。どちらも撮影シーンと被写体により使い分けることで表現の幅が広がります。
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8
■撮影環境:SS1/60秒 F/2.8 ISO200 WB太陽 +1.7EV
■イメージコントロール:スタンダード
プログラムラインの「深度優先(深い)」は、ファームウェアのアップデートによりGR IIIの広角28mmでも使える機能となるので、より深度の深い撮影が可能になります。
※トリミング機能もファームウェアでアップデートされます。
おわりに
【中央】RICOH GR IIIx 【右】RICOH GR III
まだまだ機能を紹介しきれていませんが、GR IIIxは私の相棒GR IIIによき友だちが増えたようで頼もしく感じました。二つを比べるのではなく被写体とシーンによってそれぞれに使い分けるのが良い使い方と言えます。今までに「GR使いたいけど28mmは広すぎて難しい。」という声もありましたが、これで解消するのではないでしょうか。
また、スマホカメラ+GR IIIxという組み合わせもあり。スマホカメラだけでは叶わなかった一眼レフに匹敵する機能とレンズの力による美しい表現を取り入れることは、これからのスタイルとして定着しそうな予感さえします。気軽に出かけるという点でも、写真の質という点でもとてもベストチョイス。初めてのデジタルカメラとしてもGR IIIxをおすすめします。
GR IIIxの写真はInstagram(@kobayashikaworu_gr )でも随時アップする予定です。ぜひご覧ください。
■写真家:こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
GR IIIxの関連記事はこちら
■RICOH GR IIIx ~日常を切り取るもう一つの眼~|木村琢磨
https://shasha.kitamura.jp/article/483628267.html
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんに、リコーの新作「GR IIIx」をレビューしていただきました。新たな焦点距離40mmはスナップでどんな写真を写し取ってくれるのか。多数の作例とともに解説していきます。
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KEYWORDS:
リコー,Ricoh,ボディー,GR IIIx,レビュー,スナップ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト 山口規子さん
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CATEGORY: 山口規子
DATE: 09/30/2021 13:28:23
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山口規子さんテスト
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: RICOH GR IIIx ~日常を切り取るもう一つの眼~|木村琢磨
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 09/30/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,GR IIIx,コンパクトデジタルカメラ,スナップ,APS-C
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BODY:
はじめに(GRとの出会い)
GR IIIが発売されたのが2019年3月。GR IIIのカタログを手にして「これだ!」と思った。私のシステムはミラーレスがメインとなり全体的に小型・軽量化されていたが、それでもレンズ交換式はそれなりのスペースを取る。慣れとは怖いもので、小型ミラーレスカメラがあればコンパクトカメラの出番はもうほとんどないかもしれない…そう思っていたにもかかわらず「やはりコンパクトカメラも欲しいな」と思い始めていた。気がつけばGR IIIの発売日にはGRistになっていたのだ…。
写真家にとってカメラはもう一つの眼であり自己表現をするためのツールであり、写真は言葉の垣根を超えたコミニュケーションができるグローバルな表現技法だ。写真は記録する道具でもあり表現をするツールでもある。そして、どちらの場合でも言えることはそこにカメラがないと写真は撮れないということ。個人的にカメラに求めるものは「気軽さ」と「楽しさ」だ。そして「画質」が良ければ尚良い。そんな条件を満たしているカメラが私の中ではGR IIIだった。そして今回、突如としてGR IIIから派生した標準レンズを搭載したGR IIIxが登場し、発売前にお借りすることができたので使用感などをまとめていこうと思う。今回はRAW現像は一切なしの全て撮って出しの作品で構成しているので、一人でも多くの方にGRシリーズの雰囲気が伝わってくれると嬉しい。
似て非なるもの、2つのGR
■発売日に手にしたGR IIIとワイドコンバーションレンズGW-4。一台で28mmと21mmを楽しめる。
今回発売されたGR IIIxは2019年に発売されたGR IIIの派生版であり、何が違うかというとレンズの焦点距離だ。GR IIIは換算28mmの広角レンズであるのに対し、GR IIIxは換算で40mmの標準レンズが搭載されている。焦点距離が伸びたにもかかわらずボディサイズはそのままに、若干レンズ部分が伸びた程度(約2mm増)に収まっている。
■GR IIIのコンパクトさはそのままにレンズの換算焦点距離が28mmから40mmに伸びた。開放F値もF2.8のままなのも嬉しいポイント。
■大型センサー搭載のコンパクトカメラはレンズキャップ式でレンズ剥き出しの物も多いが、GRシリーズはレンズバリアがあるのでポケットに入れても安心だ。
GR IIIでも評判の高かった「切れ味の鋭いレンズ」はGR IIIxにも継承されている。GR III、GR IIIxともにAPS-Cサイズの有効画素数2424万画素のセンサーが搭載されているが、レンズの性能が突出しすぎていてセンサーの性能が追いついていない印象だ。今後GR IIIの後継機種に3000万画素オーバーのセンサーが搭載されても余裕で対応できる性能だ。フルサイズのGRを望む声もあるが、GR IIIの様にスナップ的に撮影したいカメラの場合、被写界深度が浅すぎても使いにくいのでAPS-Cセンサーはちょうどいい落とし所なのではと思う。
■GR IIIxに搭載された換算40mm(実焦点距離26.1mm)のレンズ。解像度は文句なし。まさに「切れ味」という言葉がふさわしいシャープさ。解像度の高さだけでなく、マクロ撮影時のボケも美しい。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F2.8 1/2500秒 ISO200
■開放から驚くほどシャープな写りで、積極的に開放を使いたくなるレンズだ。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F5.6 1/1500秒 ISO200
■個人的にはF5.6〜F8.0に絞り込んでパンフォーカス撮影することが多い。絞り込むとさらに切れ味が増す。
GR IIIの操作系は片手で完結する様に設計されているためシャッターチャンスにも強い。背面液晶モニターも3.0型と、構図を確認するには十分なサイズでタッチパネルが採用されている。個人的にはタッチパネルで撮影することも多いので嬉しいポイントだ。
GR IIIxのボディサイズは非常にコンパクトなので各ボタン、ダイヤルに指が届かないということはないだろう。逆に手が大きい人には小さすぎるかもしれないが、このコンパクトなボディにAPS-Cサイズのセンサーが搭載されていて且つ換算40mmの標準レンズが内蔵されていると考えるととてもワクワクする。50mmではなく40mmなのがまた絶妙だ。GR IIIに魅力を感じていたが28mmは自分には広角すぎる…と悩んでいた人も多いかもしれない。GR IIIxは間違いなく近年の40mmブームを助長させる一台になるだろう。
■GR IIIとGR IIIxは3.0型背面液晶モニターを搭載しておりタッチパネルが採用されている。タッチシャッターにも対応しており、更にボディの右側にボタンやダイヤルが集約されているため片手で操作できる。「シャッターチャンスに強いボディデザイン」だ。
■GR IIIの基本的な持ち方としては親指以外の指でグリップを握り、親指で各ボタンやダイヤルを操作するのが一般的かもしれない。手に持つとGR IIIxの小ささがさらに引き立つ。厳密な構図を作るときやじっくり撮影するときの持ち方。
■個人的なGR IIIxの持ち方はこんな感じだ。タッチパネルでもシャッターボタンでもシャッターが切れる様にグリップではなく上下を鷲掴みする様な持ち方で撮影する。シャッターボタンを使うときは小指で、タッチパネルでシャッターを切るときは人差し指を使う。
GR IIIとGR IIIxとふたつのGR IIIがラインナップされたことで、GRだけで撮影が完結することも増えるだろう。さらに11月にはGR IIIx用のテレコンバーションレンズGT-2が発売され焦点距離が75mmまで伸びる。GR IIIとGR IIIxに加えてワイドコンバーションレンズとテレコンバーションレンズを揃えると、換算21mm〜75mmをGRでカバーできる様になる。GRのデザインで100mm以上の焦点距離はあまり実用的ではないしGRでなくてもというところだ。どうしてもという場合はクロップ機能で107mm相当までカバーできるので必要十分だろう。
眼前の景色を切り取る
GR IIIxの魅力はなんといっても軽快さだ。とにかく気になったものを切り取る、一眼よりもより能動的にシャッターを切ることができるのがGR IIIxの魅力だ。40mmのレンズは標準よりも少し広く、自分が見た構図が綺麗に収まる焦点距離だ。GR IIIの28mmはスマートフォンのカメラに近い画角でスマホで撮影している様な感覚で気軽にシャッターを切ることができたが、GR IIIxはさらに「自分の視点」をより明確に写すのに向いている。50mmは自分が見ている景色よりも若干狭いので写したい被写体などをより明確にするのに向いているが、スナップ的に撮影する場合は自分の視野によりイコールに近い40mmの方が軽快に撮影を行える。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F5.6 1/1000秒 ISO200
■片手にGR IIIxを持ち港町を散策。気になった景色にGR IIIxを向けてシャッターを切る。GR IIIxは自分の視野そのままの景色を切り取ってくれる。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO400
■小さなカメラはアングルの自由度が高い。好きな位置にカメラを持っていき気軽にシャッターが切れる。GR IIIxは軽いが手ぶれ補正のおかげで安定した撮影を楽しめる。(撮影協力:みなと珈琲焙煎所)
GR IIIxには自分好みの画作りを楽しめる「イメージコントロール」という仕上がり調整機能が搭載されている。自然な写りを楽しめるスタンダードや彩度とコントラストが強めなビビッド、銀塩経験ユーザーには嬉しいポジフィルム調にモノトーンなど基本的な設定はもちろん、クロスプロセスやHDR、ブリーチバイパスなども搭載されている。プリセットのイメージコントロールをベースにさらに自分好みのカスタムイメージコントロールも登録できる。個人的にGR IIIはちょっと荒っぽい写りが好きで設定をかなり調整している。カスタム設定は最大2つまで登録することができるが既存プリセットのイメージコントロールも調整ができる。私の場合はポジフィルム調とブリーチバイパスをベースにしたカスタムイメージコントロールを2つ登録している。既存プリセットはなるべくオリジナルのまま残しておきたいのでカスタム設定を活用している。
写真を撮るなら「絶景」を撮りに行かなければ!とまるで強迫観念にかられたように思ってしまう人もいるが、写真とは純粋に自分の撮りたいもの、残したいものを撮ることが大切だと思う。何より、自分が撮っていて楽しいことが最重要で、私の場合は何気ない日常や散歩で出会う綺麗な光や植物のディティールが大好きだ。GR IIIxの気軽さは私の様な撮影スタイルにぴったりで「日常を切り取るのにちょうど良いカメラ」なのだ。撮るものに合わせてカメラを使い分けることでより写真の幅が広がると私は思う。
■私好みのカスタムイメージコントロールを2つ。ポジフィルム調とブリーチバイパスはGR IIIxの中でも特に好きなイメージコントロールだ。基本的にはコントラスト強め、彩度強めなハードな画作りを楽しんでいる。カスタムイメージコントロールが強すぎるシーンの場合はプリセットのイメージコントロールと使い分けている。GR IIIも同じ設定にして使っている。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F5.6 1/800秒 ISO200
■カスタム1の設定で撮影。原色をメリハリのある色味で写したいのとGRレンズの切れ味を強調させる様な設定に。GR IIIxは暗部の表現が気持ち良いので黒が引き立つ様に心がけている。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F4.0 1/50秒 ISO200
■カスタム2の設定で撮影。色の再現性は無視して仕上がりの面白さを重視した設定。私がブルートーンを好きなこともあり(無意識のうちに青っぽい写真を撮っている)青が似合うブリーチバイパスをベースに調整している。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F2.8 1/40秒 ISO100
■家に飾ってあるドライフラワーを生けた花瓶を撮影。まるで静物画の様なしっとりとした一枚に仕上がった。GR IIIxの独特の仕上がりに自分の好みをプラスすることで自分とGRの両方の世界観がより広がる。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F8.0 1/100秒 ISO200
■気になったものを撮る。それが自分流のGR IIIxの楽しみ方だ。コンパクトなボディからは考えられないほどよく写る。目で見ていた以上に細部まで写し撮ってくれるので後で写真を見返すのが楽しくなる。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F8.0 1/120秒 ISO100
■GRレンズが写しとる砂粒のディティールが気持ち良い。GR IIIxで撮影していると画素数以上の写りを実感することが多い。GR IIIと写りの傾向がほとんど変わらないので28mmと40mmと焦点距離で使い分けがしやすい。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO200
■GRはついつい暗部を意識して撮影してしまう。シャドウからミッドにかけてのトーンの繋がりが美しい。思い返してみても、GRでハイキーの写真は撮ったことがほとんどないかもしれない…。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F11 1/60秒 ISO100
■家に帰ってGR IIIxで撮影した写真を見返すといつもと違う写真を撮っていることに気付く。カメラが変わると視点も変わる。カメラから教わることも多い。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F8.0 1/1000秒 ISO100
■ファインダーと背面液晶モニターとではカメラとの距離感もポジションも変化する。そのちょっとしたズレが写真には大きな変化をもたらす。GRの撮影スタイルは「カメラを構える」よりも「カメラを向ける」という方がしっくりくる。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F4.0 1/60秒 ISO400
■換算焦点距離40mmは広角としても使える汎用性の高い焦点距離だ。田んぼの畔の奥行きを生かすことで広角っぽさを演出。畔に咲いた彼岸花がいいアクセントになってくれた。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F2.8 1/80秒 ISO200
■GR IIIxは寄れるカメラなのでテーブルフォトも得意分野だ。28mmのGR IIIの場合テーブルフォトには画角が広過ぎたのと広角故にパースがつき過ぎていたが、40mmのGR IIIxはテーブルフォトにも丁度良い。程よくパースも付き、周りの環境も少し入れることでシチュエーションも含めて撮影できる。
まとめ
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F16 1/15秒 ISO800
■岡山県の吉備路に広がる赤米の景色。毎年撮影に来ているが、GR IIIxで撮影するとまたいつもと違った雰囲気に仕上がった。まるで「こういう写真好きでしょう?」とGR IIIxに見透かされている様だ。
■撮影機材:RICOH GR IIIx
■撮影環境:F2.8 1/250秒 ISO200
■我が家の愛猫「はち」が日向ぼっこしているところを撮影。コンパクトカメラは威圧感がないので自然な瞬間を撮影しやすい。GR IIIxはまさに手のひらに収まるもう一つの眼である。
家の中、近所の散歩、田んぼ、海…遠出はあえてせずにちょっと出かける範囲にGR IIIxを持ち出してみた。私の目の前に広がっている景色が気持ち良いくらいちょうどのサイズ感で切り取られて行く心地よさがGR IIIxにはある。GRといえば21mm、28mmでなければ…その思い込みを払拭してくれる一台に仕上がっている。とにかく撮影が楽しいというのが素直な感想で、GR IIIユーザーとしてはGR IIIxは互いに良い相棒になってくれると確信した。
今後テレコンバーションレンズも発売され、さらに対応できるシチュエーションも増えるわけで、GRの進化はまだまだ止まらないようだ。
■写真家:木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
GR IIIxの関連記事はこちら
■RICOH GR IIIx ~40mm単焦点レンズを搭載した新星GR~|こばやしかをる
https://shasha.kitamura.jp/article/483618178.html
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EXCERPT:
フォト&ビデオグラファーの木村琢磨さんがRICOH GR IIIxのレビューをしています。小型でも描写力のあるこのカメラに興味がある方は必見です。
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KEYWORDS:
リコー,Ricoh,ボディー,レビュー,GR IIIx,木村琢磨
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 【募集終了】カメラのキタムラ フォトコンテスト2021〈秋冬〉のお知らせ
BASENAME: 483643789.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 10/01/2021 11:00:00
TAGS: フォトコンテスト
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BODY:
※カメラのキタムラ フォトコンテスト 2021 秋冬の募集は終了しました
カメラのキタムラ フォトコンテストを開催します
こころ動かされた風景、日常のふとした瞬間。かけがえのない思い出や感動を写真にしませんか。お気に入りの写真をたくさんご応募ください。スマホ、フィルムカメラ、ミラーレス一眼、一眼レフなにで撮ってもOK。こどもから大人までどなたでもご応募できます。カメラのキタムラ店頭でも簡単にご応募いただけますので、ぜひご参加ください。
募集期間・テーマ
■募集期間:2021年10月1日(金)~2022年2月15日(火)
■テーマ:秋・冬に撮った写真
過去に撮影した写真もご応募ください。お一人様何回でも、何枚でもご応募いただけます。
詳しい応募方法などはこちらのページ からご確認ください。
1:秋の風景
紅葉、もみじの絨毯、秋の花、ころ柿 など
2:冬の風景
雪、氷、イルミネーション、雪の富士山 など
3:ナイトフォト
夕景、夜景、星空、星景 など
4:動物
野鳥、昆虫、水中の生物、動物園 など
5:家族・ペット
こどもの成長、赤ちゃん、ペット など
6:ポートレート
友人、季節の行事、モデルスナップ など
7:祭り・イベント
踊り、火祭り、祭りの準備、冬の花火 など
8:乗り物
鉄道、飛行機、路面電車、船 など
9:自由
審査員:清水哲郎 先生
1975年、横浜市生まれ。独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。撮影執筆の他、多くのフォトコンテストで審査員を務めている。個展開催多数。第1回名取洋之助写真賞、2014 日本写真協会賞新人賞、2016 さがみはら写真新人奨励賞。公益社団法人 日本写真家協会会員。
主催:カメラのキタムラ
協賛:OMデジタルソリューションズ、キヤノンマーケティングジャパン、ソニーマーケティング、ニコンイメージングジャパン、パナソニックコンシューマーマーケティング、富士フイルムイメージングシステムズ、リコーイメージング
後援:一般社団法人 日本フォトコンテスト協会(JPO)
各賞
グランプリ(1名)・・・・・・・30万円
特選(3名)・・・・・・・・・・10万円
準特選(7名) ・・・・メーカー協賛賞品
入選(20名)・・・・・1万円分の商品券
佳作(50名)・・・・・3千円分の商品券
詳しい応募方法はこちら
■カメラのキタムラ フォトコンテスト2021秋冬WEBサイト
過去の上位入賞作品は、カメラのキタムラホームページ上でもご覧いただけます。
→フォトコンテストトップページはこちら
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EXCERPT:
カメラのキタムラ フォトコンテスト2021〈秋冬〉を開催いたします。スマホ、フィルムカメラ、ミラーレス一眼、一眼レフなにで撮ってもOK。ぜひご応募ください。
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KEYWORDS:
カメラのキタムラ,フォトコンテスト
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム GFX50S II|ラージフォーマットセンサーの新型カメラを深掘りレビュー
BASENAME: 483616250.html
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CATEGORY: 成澤広幸
DATE: 10/01/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,GFX50S II,ラージフォーマット,ミラーレスカメラ
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富士フイルム「GFX50S II」とは
富士フイルムから2021年9月29日に発売された新型のミラーレス一眼カメラ「GFX50S II」。富士フイルムの強みである、35mmフルサイズセンサーの1.7倍もの大きさを誇る「ラージフォーマット」センサーを搭載した新機種です。前機種であるGFX50Sが2017年に発売されてから、4年が経過してのリニューアルとなります。
富士フイルムのラージフォーマットセンサー搭載モデルでは、「GFX100S」が今年3月に発売されたのが記憶に新しいですが、GFX100Sが1億200万画素なのに対して、GFX50S IIは5140万画素。GFX100Sよりも25万円ほど抑えられ、50万円を切る価格設定となっています。ボディの筐体をGFX100Sと同じものを使用するなどパーツの共通化を図ることでコストを下げた結果、実現した価格ということです。
さて、その実力はいかほどのものか。発売前に短い期間ですが使用することができました。天候が悪く、撮影機会がわずかしかない状況でしたが、なんとかこのカメラの魅力を伝えられる材料を得ることができました。GFX50S IIの実力を徹底検証してみようと思います。
GFX100SとGFX50S IIを並べてみましたが、ほんとに外観は同じ。唯一違うのは本体側面のGFXロゴ。GFX100Sは「GFX」だが、GFX50S IIはGFXの下に「50S II」と表記されています。
GFX50S IIの特徴 ~「センサーは前機種と同じ」ことは実はメリットだった
GFX50Sとの違いは、カメラ内画像処理エンジンであるプロセッサーにX-T4と同じ「X-Processor 4」が搭載されたこと。これにより前機種よりもさらに処理が高速化し、画質の向上にも成功したということです。しかしながら、このカメラのリリースを見た時に一般ユーザーはこう思ったはずです。
「あれ、センサーは前機種と同じなんだ……」
古いモデルと同じということは、あまりプラスのイメージにはなりませんね。しかし皆さんご存知でしょうか。GFX100Sが発売されたとき「GFX50S/50Rのほうがキレがいいね」という評価があったことを。その理由はまさにセンサーにありました。
特殊なマイクロレンズ形状によって「画質のキレ」を実現
メーカーHPより抜粋。GFX50S IIの「画質のキレ」を実現しているのはマイクロレンズによるものだそうです。
私もこのあたりは詳しくないので簡潔に述べようと思いますが、マイクロレンズとはセンサーの1画素に光を集める役割を果たすレンズのこと。マイクロレンズの働きにより効率的にセンサーへ光を届けることができるのですが、画素と画素のつなぎ目の部分が原因で画質に影響を及ぼすことがあるそうです。GFX50S IIに搭載されたセンサーはマイクロレンズの形状がGFX100Sとは異なっているため、こうした悪影響が少ないということでした。これがGFX50S IIの「画質のキレ」につながっているそうです。
このためか、GFX50S IIに搭載されたセンサーは高感度撮影時のダイナミックレンジ(露光可能な光の範囲。ダイナミックレンジが広い=黒潰れ・白飛びに強い)の低下が極端に少ないものとなっています。とあるサイトで各社カメラのダイナミックレンジを測定する記事を見たのですが、通常は感度が上がっていくに従いどんどんダイナミックレンジが低下するのに対し、GFX50S IIはISO1600~ISO12800までの間はダイナミックレンジがほぼ一定であると評価されています。
加えて「X-Processor 4」の搭載。実は私が前機種を使用したとき、ダイナミックレンジの広さは認めつつも、シャドー部の色ムラやノイズ耐性について不満がありました。今回GFX50S IIを使用してみたところ、その不満が「X-Processor 4」の搭載によって全て解決したという印象を持ちました。
富士フイルムからの提案内容を検証
さて、理屈っぽい話が続いてしまいましたが、ここからは実写画像を用いながら解説をしていきます。富士フイルム公式チャンネルでGFX50S II発表時の内容は「フルサイズで高画素のタイプを使うなら、センサーサイズがより大きくてピクセルサイズの大きなGFX50S IIを」というものでした。
フルサイズセンサーで高画素化すると、画素ピッチ(1画素の大きさ)が小さくなってしまうため、1画素に対しての情報量が少なくなってしまう。すなわち高感度撮影時のノイズやダイナミックレンジが低下してしまうということです。GFXのようなラージフォーマットのカメラであれば、高画素化してもセンサーサイズが大きい分画素ピッチも大きくなり、悪影響が少なくなるというわけです。
この点について他社高画素フルサイズ機とどう違うのか、実際に検証をするべく同一条件で撮影をしてきました。次の画像を見てください。
【GFX50S II】検証画像①
【他社高画素フルサイズ機】検証画像①
月没間近の時間帯に撮影しました。どちらもISO12800、f4、SS10秒、ホワイトバランスはAWBで撮影した「JPEG撮って出し」の画像です。もしここまでで説明した通りの性能であれば、高感度撮影時のダイナミックレンジ幅に大きな差がでるはずと考えました。中央の建屋の部分を拡大してみます。
明らかな差がでました。他社高画素フルサイズ機は建屋や下の草の部分などの描写が曖昧な感じになっていますが、GFX50S IIは比較的ディテールを残しつつシャープに撮影できていることがわかります。
同じ環境で別の構図で撮影したものを見てみましょう。以下の2枚も同じ設定で撮影した画像です。
【GFX50S II】検証画像②
【他社高画素フルサイズ機】検証画像②
空と木の境界線部分を拡大してみましょう。
これも明らかな差が出ました。GFX50S IIで撮影した画像はひとつひとつの木の枝がくっきりとしていますね。画像処理が得意なユーザーはここからさらにノイズ低減やコントラストの強調などを行います。元データにこれだけ差があると、後の画像処理にも大きな影響がでると考えられます。画像処理をしないユーザーにとってはさらに恩恵があるでしょう。
ダイナミックレンジを生かすには
ここまでの検証で、富士フイルムが提案する内容が実証されたと思います。GFX50S IIが素晴らしい画質を誇ることはわかりました。次に私が考えたことは「このカメラでどんな被写体を撮影したいか」です。広大なダイナミックレンジを生かしてどんな表現をしたらよいのか。私が得意とする星空の撮影は、この性能を生かせる被写体のひとつだと思いますが、カメラをお貸し出しいただいている間は悪天候が続き、月齢も満月近辺にさしかかったため、満足のいく星空撮影をすることができませんでした。
そこで、より明暗差のある被写体を求めて、私は池袋にあるサンシャイン水族館へ行ってきました。
※サンシャイン水族館から許可をいただいて撮影しております。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF80mmF1.7 R WR
■撮影環境:ISO6400, f2.8, SS1/640, AWB
パーフェクトブラックの中を浮遊するクラゲ。これならGFX50S IIのダイナミックレンジを活かせるだろうと考えましたが、間違いのない選択だったようです。画像を開いた瞬間にラージフォーマットで撮影したことがわかる圧倒的なディテール。暗いところから明るいところまでの、なだらかな変化と締まった背景の黒がとてもうっとりしませんか。
画像処理で明るさのみを持ち上げた画像がこちら。
もう一枚別角度から。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF80mmF1.7 R WR
■撮影環境:ISO6400, f2.8, SS1/640, AWB
画像処理後のものがこちら。
画像処理をしていて、とてもいじりがいのあるデータだと思いました。ちょっとした操作で一気にいろいろなものが溢れ出てきます。画像の中に含まれる情報量がいかに豊富であるかの証です。とても楽しく画像処理をすることができました。私のYouTubeチャンネルのライブ配信で、GFX50S II撮影画像を画像処理する場面をお見せしました。興味のある方はご覧ください。1:01:35~です。
VIDEO
その他の作例
■朝焼けに包まれる伊豆大島
こちらも画像処理なしの作例です。朝焼けを狙って展望台で待ち構えていたところ、急激に焼けました。とっさの撮影でしたが、白飛びも黒潰れもなく非常に粘りのある描写です。これぞまさにラージフォーマットの力!
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:ISO100, f8, SS1/2秒, 焦点距離64mm, AWB
■池袋サンシャイン展望台から
こちらも画像処理なしです。レンズの性能も相成って、絞ると隅々までバッキバキですね!レタッチの必要性を感じない画像です。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:ISO125, f10, SS30秒, 焦点距離35.6mm, AWB
ここは惜しかった!3つの気になる点
画質について素晴らしい性能があることはよくわかりました。が、気になった部分ももちろんありますのでここで述べておきます。
①大きい・重い
センサーサイズが大きい分、一般的なフルサイズ機に比べてボディもレンズも大きくなります。持ち運びがしやすいとは言えません。
②AFが安定しない
GFX100Sには備わっている位相差AFがGFX50S IIにはありません。コントラストAFのみです。それでも前機種よりはAF性能が上がっているとも感じましたが、水族館での撮影ではピントが迷うことが多く、時折マニュアルフォーカスを使う場面もありました。
③「低照度優先」機能がない
X-T4やGFX100Sには「低照度優先」という液晶ブースト機能がありますが、GFX50S IIには搭載されていません。この機能があると星空撮影時の構図確認が格段にしやすくなるのですが、センサーの問題か、残念ながら非搭載。
GFX100Sユーザーは買い換えるべきか?どんな人におすすめ?
実はここで迷っている人が多いのではないかと思いますので、私の意見を述べさせていただきます。GFX100SとGFX50S IIを迷っている方には、個人的にはGFX100Sをおすすめします。GFX50S IIを実際に使ってみるとその高画質ぶりには驚きましたが、高感度時のノイズ耐性や画像処理時の元データの素直さはGFX100Sの方が処理がしやすいという印象を持ちました。GFX100Sを検討されている方は画像処理などの技術をすでにお持ちの方が多いかと思いますので、そのあたりについては私のGFX100Sレビュー記事 をご覧ください。
GFX50S IIは、他社フルサイズ機を使用していて風景写真の分野でさらなる画質を追求したい方や、前機種をお持ちの方におすすめです。特に前機種GFX50Sからの買い替えは強くお勧めしたいと思います。
いかがでしたでしょうか。少々理屈っぽいレビューになってしまいましたが、GFX50S IIに大きく踏み込んだレビューになったのではないかと思います。今後も富士フイルムの動向から目が離せませんね!
■写真家:成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の成澤広幸さんによる、富士フイルム「GFX50S II」レビュー記事です。他社の高画素フルサイズ機とも写りを比較し、ラージフォーマットならではの性能を解説していきます。
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KEYWORDS:
ミラーレス,富士フイルム,Fujifilm,GFX50S II,レビュー,ラージフォーマット
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 富士フイルム X-S10はペット撮影に適しているのか?|湯沢祐介
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CATEGORY: 湯沢祐介
DATE: 10/02/2021 11:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,X-S10,APS-C,犬/猫/ペット,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
私が本格的にペット写真を初めて約15年。当時に比べ、ペット写真を撮る人の数はかなり増えました。カメラの普及はもちろんSNSの普及がペット写真人気に拍車をかけたように感じます。かつてペット写真はプロに撮ってもらうものだったのが、自分で撮るものに変わりました。
たくさんのペット写真で溢れているSNS上にはプロと見紛うほどの腕前の方もたくさんいます。そしてそんな素敵な写真を見て「私もこんな風に撮りたい!」とカメラを始める人も多くいます。実際に私が受けるカメラ選びの相談で多いのが重さです。出来るだけ小型で軽いカメラがいいけどちゃんと撮れるカメラがいい。そんな相談を実によく受けるのです。
そこで今回は2020年11月に発売されたFUJIFILMのX-S10でペット撮影に挑戦。コンパクトでありながらX-T4と同等なスペックを持った優秀なカメラと言われているのは本当なのか。実際に撮ってみてX-S10はペット撮影に適しているのかを検証していきます。
ペット連れに嬉しい小型軽量
冒頭でお話しした通り、ペット撮影を楽しむ一般の方は非常に多く、そのレベルはとても高いです。みなさん季節に合わせて様々な場所で撮影をするのですが、ペット撮影でネックになるのは荷物の多さでしょう。ペット撮影を楽しむ方たちはカメラ以外にたくさんのペット用品や撮影に使う小道具を持って出かけています。そんな中でよく聞くのは小さくて軽いカメラを求める声です。犬を連れて犬用品と小道具を持ってとなると、やはり重たいよりは軽いカメラにしたいですよね。
その点X-S10の重量はわずか465グラム(SDカード、バッテリー含む)と軽いので、肩や首からかけて歩いても重たくありません。またカバンに忍ばせて必要な時にさっと取り出せるので、遠方への撮影はもちろん、普段のお散歩のお供にも最適です。
ちなみに私が普段使用しているX-T4と比べると142グラム軽くなっています。操作性もより一般的な使いやすさになっていて、どなたでも抵抗なく使用できます。
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF16-55mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:ISO640 SS1/1600 F5 多頭飼育している方はさらに荷物が増えます。2匹、3匹と連れて歩く方には特にオススメです。
しっかり握れる深いグリップと安心の手ぶれ補正
小さいカメラを使う上で私がネックに思っているのはグリップの小ささです。片手で撮影する事も多々ある私にとってグリップはとても重要な要素なのです。今まではカメラが小さくグリップも浅いのでしっかりと掴む事が出来ず、無駄に握力を使わなければならないなんて事もありました。しかしこのX-S10は小型にも関わらずグリップがとても深いのでグッとしっかり握る事ができるのです。
まるで大型のカメラのような安定感のあるグリップ。それでいて軽いんですから言うことなしです。このグリップの深さは片手撮影が多い私にとってとても大きなメリットです。
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO1250 SS1/500 F1.4 こちらの写真のように目線をコントロールして撮りたい時には左手に猫じゃらし、右手にカメラを持って猫をあやしながら撮影します。もしもグリップが浅いとカメラが安定せず手が必要以上に疲れてとても撮影しづらいのですが、グリップの深いX-S10ならしっかりと握る事が出来、片手でもカメラを安定させて撮る事が出来ました。
深いグリップでしっかり持てたとしてもやはり片手撮影で気になるのは手ぶれです。その点X-S10には5軸6段のボディ内手ぶれ補正が付いています。これのおかげで片手持ちでも手ぶれのない写真に仕上がります。屋内撮影がメインとなる猫撮影において深いグリップとボディ内手ぶれ補正はとても心強いです。
野良猫撮影との相性は?
さて家猫もさることながら野良猫も私の好きな被写体の筆頭です。果たして野良猫撮影とX-S10の相性はどんなものでしょう。
野良猫撮影は最初に被写体である野良猫を探すところから始まります。普通の街中、観光地、公園などなど、野良猫がいそうな場所をただひたすら探し回ります。今回もちょっと大きめな公園をあっちこっちと歩き回りながら野良猫を撮影してきました。
このようにたくさん歩きながらの撮影の時、小型軽量はやはり嬉しいです。大きなカメラを持って歩くとじわじわとストラップをかけた肩が痛くなるのですが、X-S10では全く疲労を感じませんでした。長時間且つ移動も多い野良猫撮影との相性は抜群です。
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF16-55mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:ISO250 SS1/320 F3.2 公園内をふらふら歩いていると園内でくつろぐ野良猫を発見。警戒されないように遠くからちょっとずつ近づきます。人に慣れているのか、単に私に興味がないのかはわかりませんが、逃げる様子がなかったのでグッと近づいて撮影。カメラがコンパクトだと被写体に圧迫感を与えないので近づきやすく、自然な表情を捉える事ができます。
バリアングルでもう服は汚さない
人間に比べかなり背の低い犬や猫。そんな彼らの表情をしっかりと撮りたいのならば被写体の目線の高さで撮る必要があります。出来るだけ低く、地面すれすれで構える場合、かつての私は地面に寝そべってファインダーを覗いて撮影していたものです。
室内ならまだしも屋外でしかも雨上がりや朝方の公園などでは水や泥で、一瞬で服が汚れてしまうんです。でもバリアングル方式のX-S10なら寝そべらずとも被写体目線(ローアングル)で無理なく撮る事が可能です。
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF16-55mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:ISO250 SS1/320 F2.8 こちらの写真は液晶を上に向け、しゃがみながら撮った一枚。ペットや野良猫撮影ではローアングルで撮る事が多いのでバリアングル液晶の恩恵をモロに受けます。私はファインダーを覗いて撮る派ですが最近は液晶を使って撮る機会もかなり増えました。おかげで服をドロドロにしながら撮るなんて事もなくなりました。
ペット撮影の命、ボケ味はどうなの?
ペット撮影で重要なのは何と言ってもふんわりとしたぼけ感。X-S10とレンズの組み合わせでどんなぼけ味の写真が撮れるのでしょう?
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO320 SS1/1000 F1.4 まずはこちらの写真。使用したのはXF35mmF1.4 R。開放値1.4の明るくて軽量なレンズです。柴犬を廊下であやしながら撮影しているとペタッと座って一瞬口を開きました。その一瞬を逃さず撮るとこのように笑ったような写真に仕上がります。
さて肝心のボケ味ですが、さすが単焦点レンズと言える柔らかなボケ味です。背景はもちろん、目よりも手前に伸びている鼻もぼけています。ふんわりとした優しいボケ味が被写体のかわいらしさを引き立ててくれていますね。
続いてはこちら。私がペット撮影でよく使うXF50-140mmF2.8 R LM OIS WR。ペット撮影の定番レンズで、特に屋外での撮影で重宝します。
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO640 SS1/800 F2.8 お花畑で撮った一枚。望遠端の140mmで撮影しています。狭い範囲を切り取る望遠レンズはお花畑で大活躍。綺麗なボケ味はもちろん、圧縮効果で手前から奥までお花で埋め尽くされた写真に仕上がります。
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO500 SS1/320 F2.8 そして再び野良猫です。こちらも綺麗なボケ味ですね。遠くから被写体を狙い、前ボケを入れる事で野生感を出しています。ネコ科の鋭さを強調するために少し暗めに設定。フィルムシミュレーションはVelvia。緑が鮮やかになりました。よく見ると猫の瞳も緑なのがポイント。
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO500 SS1/320 F2.8 同じ被写体を別角度から撮影。背景の見え方が変わるだけで印象も変わります。後ろにいるもう1匹の睨みが最高です。
私が普段から愛用しているレンズをX-S10につけて撮影してみましたが、そのぼけ味はご覧の通りとても美しいという事がわかりました。
走り回る犬を激写する!
ペット撮影で絶対撮りたいのが元気に走っている愛犬の姿。成功すれば躍動感のあるかっこいい写真になりますが、じっとしている写真よりも難易度グッと上がります。ペット写真を撮り慣れている方でも「走っている写真を撮るのは苦手」という方も多いです。
さて、この写真を撮る時にカメラに求められるのがAF精度です。コンパクトなX-S10は走っている犬の写真をしっかりと捉えるAF性能があるのでしょうか?
AFモードをAF-Cに設定し走ってくる犬を正面から撮影。AFフレームが出来るだけ被写体の目に合うようにフレーミングしてシャッター半押しでフォーカスを合わせ続けます。被写体がちょうど良い大きさになるぐらいまで近づいたらシャッターを押し込み連続撮影。そうして撮った写真がこちら。
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO320 SS1/2500 F4.5 勢いよく走ってきた所を連写し空中を飛んでいるような写真になりました。かなり速い動きでしたが、しっかりとピントを合わせてくれました。
今度はもっと難易度を上げて川遊びをしているシーンに挑戦です。
■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO2000 SS1/2500 F2.8 まっすぐこちらに向かってくる先ほどとは違い、どこをどう動くかわからない状態での撮影です。さらに水しぶきも上がるので余計にピントが合い辛い非常に難しい条件ですが、見事にピントを合わせてくれています。
出来るだけ水面に近い方が犬の表情がわかるので私も川に入り胸のあたりまで水に浸かりながら撮影しました。流れに負けないように踏ん張りながら(大事なカメラを水没させないように慎重に)撮った1枚です。なかなか大変な撮影でしたが難しい条件でもピントを合わせ、動きのあるシーンもしっかり撮れるカメラだということがわかりました。
まとめ
様々なシーンを撮ってわかったのは小型な見た目とは裏腹に、十分な性能を持った心強いカメラだと言うこと。かわいくもかっこよくも撮れるX-S10はペット撮影に適していると言えます。
これからペット写真を始めたいと言う方もサブ機として使ってみたいと言う方、そして何より小さくてもしっかり撮れるカメラが欲しいと思っている多くの方々にオススメな一台です。
■写真家:湯沢祐介
1980年東京都生まれ。
七色の声を使い分けてわんちゃんの気を引き、猫じゃらしで猫を操りながら撮影するペトグラファー。
その巧みな猫じゃらしさばきから「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。
写真教室講師、原稿執筆、テレビ出演、レンタルフォト撮影など多岐にわたる活動をしている。著書には「ペトグラファーが教える ペットの可愛い撮り方」(日本カメラ社)「こねこ」「こいぬ」(ポプラ社)、「ねこもふ。ごーじゃす」(宝島社)他がある。
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EXTENDED BODY:
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ペトグラファーの湯沢祐介さんによる富士フイルムX-S10のレビュー記事です。ペットや動物を撮影するにあたって、様々な被写体・シーンを用いた作例と一緒にレビューしています。
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KEYWORDS:
富士フイルム(Fujifilm) ボディー,X-S10,レビュー ,ペット_動物
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム GFX50S II 開発者インタビュー|ラージフォーマットを身近にする5000万画素機
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 10/03/2021 11:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,GFX50S II,開発者インタビュー,ラージフォーマット
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BODY:
はじめに
富士フイルムからラージフォーマットセンサー搭載のミラーレスカメラ、GFXシリーズの最新作「GFX50S II」が2021年9月29日に発売されました。2017年に登場した「GFX 50S」の後継機種で、2021年2月に登場した「GFX100S」を踏襲することで性能向上を果たすとともに、より多くの人にGFXシリーズを使ってもらいたいとの想いから前モデルから大幅なプライスダウンも実現しています。
今回はいち早く実機に触れる機会をいただきましたので、開発担当者へのインタビューも交えてGFX50S IIを解説していきたいと思います。GFX50S IIはボディ単体と、新作レンズ「GF35-70mmF4.5-5.6 WR」をセットしたレンズキットで販売されます。
5000万画素×ラージフォーマット
フルサイズセンサーの1.7倍もの面積を持つラージフォーマットセンサー
対角55mm(43.8×32.9mm)という、フルサイズセンサー比で約1.7倍もの面積を持つ富士フイルムのラージフォーマットセンサー。そのセンサーを搭載したミラーレスカメラが「GFX」であり、シリーズ初のモデルとして登場したのがGFX 50Sでした。5140万画素という高画素とラージフォーマットセンサーとの組み合わせにより、世界最高レベルの写真画質を実現。富士フイルムの新たな歴史を刻むモデルとなりました。
2018年にはレンジファインダータイプの「GFX 50R」もリリースされ、2ラインアップで販売を続けてきたGFX50シリーズでしたが、GFX 50S登場から4年が経過し、遂に初のモデルチェンジを果たし第二世代機へと進化しました。
カメラの左サイドにモデル名が刻まれる
引き続き5140万画素は継承されており、受光面積の大きいラージフォーマットセンサーによって圧倒的な解像力や階調性能、色再現や広いダイナミックレンジを実現した超高画質な撮影を楽しめるのがGFX50S IIの特徴。メリハリのあるシャープさ、ノイズの少ないクリアな画像、被写界深度の浅い豊かなボケなど写真に求められる性能を高次元で達成しています。
その上で、画像処理エンジンは富士フイルム最新のプロセッサーである「X-Processor 4」を搭載。処理能力の高速化により今まで以上のリズムで撮影が可能になったほか、最新アルゴリズムによる高速・高精度なオートフォーカスも実現しています。顔検出/瞳AFに関しても認識の精度や追従性が向上しており、ポートレート撮影もさらに快適性を増しています。
さらに、富士フイルムならではの機能であるフィルムシミュレーションは、最新の「ノスタルジックネガ」を含む全19種類を搭載。ビビッドな色味の「ベルビア」、雰囲気のある画が撮れると人気の「クラシックネガ」や「クラシッククローム」、シネマ風の色合いで動画撮影にもぴったりの「エテルナ」など、様々な色表現を簡単に楽しむことができます。
より多くの人にラージフォーマットを
サブ液晶モニターは前モデルよりも画面が大きくなった
GFX100Sと同じくモードダイヤルを採用したシンプルな操作系統
GFX50S IIはGFX100Sと共通のボディを採用することで操作性の統一とともにプライスダウンを実現。そこには、より多くの人にGFXを楽しんでもらいたいという想いが込められています。もはやフルサイズ機と遜色ない価格とサイズ感に仕上がっており、重量も約900g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)と十分に機動性の高い撮影が可能になっています。サイズは幅約150mm、高さ約104mm、奥行約87mmです。
前モデルであるGFX 50Sと比較すると、まずボディ内手ブレ補正機構の搭載が大きな改良点になります。しかも、GFX50S IIは手ブレ補正効果が5軸・6.5段。ベースとなったGFX100Sよりも0.5段分性能がアップしており、三脚を使用できない場所や光量が少ない場所での手持ち撮影をより強力にサポートしてくれます。
背面液晶モニターは3方向チルト式で様々なアングルに対応できる
軍艦部に目を移すと、GFX 50SではシャッタースピードダイヤルとISO感度ダイヤルが個別に配置されていましたが、今回はモードダイヤルのみとなり、よりシンプルな操作系統へと変更されています。モードダイヤルには好みの設定を保存しておけるカスタムポジションもC1~C6まで備わっているほか、その前側にはスチール/ムービーの切り替えスイッチも配されています。
天面に配置されるサブ液晶モニターもGFX 50Sより画面が大きくなり、情報を確認しやすくなりました。このモニターは電源オフにしていても常時表示されるほか、ダイヤル風の表示やヒストグラム表示に切り替えることも可能です。また、背面液晶モニターは3.2インチで視野率100%。 上90°下45°右60°に可動する3方向チルト式のためハイアングル/ローアングル撮影も容易に行えます。
GFX 50Sで着脱可能だったEVF(電子ビューファインダー)は、GFX50S IIではボディ一体型に。記録メディアはUHS-I/UHS-II対応のSDカードで、ハイアマチュアからプロユースには欠かせないダブルスロット仕様となります。筐体には高強度なマグネシウム合金が使用されており、加えて防塵・防滴・-10℃までの耐低温構造によって過酷な撮影環境でも安心して使うことができます。
手のひらサイズの新レンズ「GF35-70mmF4.5-5.6 WR」
GFX50S IIでキットレンズとしても用意されるGFレンズの新作「GF35-70mmF4.5-5.6 WR」。焦点距離35~70mm(35mm判換算28~55mm相当)をカバーする標準ズームレンズであり、GFレンズのズームタイプで最小・最軽量となる質量約390g、長さ約96.4mm(広角端)を実現しています。GFX50S IIと組み合わせても1,300gを切る質量で、軽快な撮影を楽しむことが可能です。
レンズ鏡筒を収納できる沈胴構造を採用することで抜群の携帯性を実現。沈胴時の長さは約73.9mmと、非常にコンパクトなサイズながら非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚を含む9群11枚のレンズ構成が採用されており、十分に優れた描写性能を備えています。最短撮影距離は35cm。レンズ先端からは最短約25cmまで被写体に寄った撮影が可能です。レンズ単体では2021年11月発売予定。
開発担当者インタビュー
今回は富士フイルム(株)イメージングソリューション事業部 統括マネージャーの上野氏にGFX50S IIとGF35-70mmF4.5-5.6 WRについて伺いました。
― まずはGFX50S IIの開発コンセプト教えてください
初代機GFX 50Sが出たのが2017年なので今年で4年経つのですが、モデルチェンジのタイミングとしてもちょうどいい頃なのかなと。ご存知の通りGFXは2019年のGFX100、そして2021年2月に出したGFX100Sと、ここのところ1億画素モデルを出してきました。しかし、お客様からは5000万画素のラージフォーマットが非常にバランスが良い、という声も引き続き多くいただいており、1億画素だけでなく5000万画素のGFXもちゃんとモデルチェンジしてしっかり作らなきゃな、と思っていたんです。
では5000万画素モデルをやるとなった時に、最大のポイントは「GFXをより多くの人に使っていただけるカメラにしたい」ということでした。なおかつ、最新の機能や性能・画質を持った状態でより5000万画素を進化させたいと思ったんです。そうなったときに、やっぱりお値段というものが重要になってきます。機能や使い勝手はGFX100Sの時にかなり考えて作りましたから、それを活かしてさらにリーズナブルな価格帯でご提供する。そのためにはボディを共通化して操作性も一切同じにして、違いはセンサーだけという兄弟機の形で作っていこうと決めました。
― フルサイズでも高画素機はありますが、ラージフォーマットならではの良さは何ですか
まず同じ5000万画素でもセンサー面積がフルサイズに比べて1.7倍大きいですから、1ピクセル当たりの面積も大きくなり、それだけ光を豊富に受けることができます。光の情報量が増えることで、同じ画素数でもフルサイズを凌駕する画質を実現できるわけです。色再現、階調再現、ダイナミックレンジ、高感度ノイズなど全ての面を合わせて画質と言えますが、やはりセンサーが大きい方がこれらの性能は良くなります。フルサイズで同じクラスの画素数を持ったカメラよりも、さらに高画質を実現できるという設計のもと開発されているのがGFXなのです。
― 画像処理エンジンがX-Processor 4になって何が進化しましたか
プロセッサーの能力が高くなったことであらゆる演算能力が上がっています。例えば、GFX 50SやGFX 50Rの時の第3世代プロセッサーですと、カラークロームエフェクトをかけて撮影すると、その処理に時間がかかってしまい撮影間隔が長くなっていました。今回X-Processor 4になってカラークロームエフェクトをオンにしてもリズムよく撮影できますし、顔/瞳検出能力も向上するなど、ハードウェアやソフトウェアの動き方って言うんですかね、それらが全て速くなっています。確かにセンサーだけは基本的にGFX 50S/GFX 50Rと同じものを使っていますが、それを動かすための頭脳が格段に速くなってますので、あらゆる面でレスポンスが上がっていると言えます。
― ボディはGFX100Sと同じですが、デバイスとしてはどう進化しましたか
まずはなんといっても手ブレ補正が入ったという部分ですよね。しかも、GFX100Sの6.0段という補正効果よりも0.5段多い6.5段という、ある意味GFX100Sを凌駕している性能の手ブレ補正を積んでいる訳ですね。ここが圧倒的に目玉になっていると思います。
また、GFX 50SまではシャッタースピードダイヤルやISO感度ダイヤルなど、Xシリーズの操作性を踏襲した形にしたのですが、今回GFX50S IIは見て分かる通りシンプルな操作性となっています。実はGFX100Sは他社カメラからの切替えや追加の1台として使うユーザーが非常に多いので、そういった方でも慣れ親しんだ操作性で使えるのは重要だと考えています。シンプルなコマンドダイヤルを使って構えながら覗きながらでも右手2本の指で、もしくはボタンでいろんな設定を変えられる即時性の方が合っているのかなと思っています。そういった操作系統の変化も大きいですね。
― GFX50S IIはどんな撮影にマッチしますか
どういう撮影にベストかと言えば、まずはやっぱり風景ですね。みなさんご存知だと思いますが、この5000万画素センサーには位相差画素がないんです。ですので、オートフォーカスは基本コントラストAFのみになり、AF速度で比べると少し遅くなります。そうなったときに風景写真でいわゆる爆速オートフォーカスってそんなに必要ないですよね。なんならマニュアルでじっくりと一点に合わせにいく方も多いと思いますので、そういったリズムで撮る分には十分速くて正確なAFが効きます。
また、1億画素と5000万画素の差で顕著なのが画素ピッチからくるモアレや偽色の発生ですね。1億画素の方が解像力が高く、模様や色の判別力が上がるのでモアレや偽色は少なくなります。ただ、モアレが発生しやすい一定パターンを持った被写体などは風景撮影ではあまりないですよね。ですので、GFX100Sよりもモアレや偽色が発生しやすいデメリットも風景ならほぼ無視できると思います。
続いてはポートレートにおすすめです。解像力やトリミング耐性、ファイルサイズなどを考慮しても人物撮影をするには5000万画素くらいが丁度いいと思います。一方的に高速動体を撮るわけではなく、ポートレートは基本的には1対1でしっかり構えて、意思疎通しながらリズムよく撮っていきますよね。そういったリズムでも十分使えるオートフォーカスになっています。
― また、GFX50S IIキットレンズでもあるGF35-70mmF4.5-5.6 WRはどんなレンズでしょうか
先ほどGFXをより多くの方に使っていただくにはお値段が重要だと言いました。これはボディだけではなくてレンズにも言えることです。ただ、GFXは富士フイルムのシステムの中ではいわゆるトップオブトップになるので、世の中でいうところのキットズームレンズがいるのかという議論はありました。それでも、GFX50S IIを広めるためには必要でしょうということで誕生したのがこのレンズです。
お得な価格と性能を両立するために開発のグループが大変頑張ってくれました。F値を可変にするなど今までのGFレンズからいくつか譲っていいポイントは上げましたが、それでも開発のハードルは十分に高かったと思います。私もXシリーズを始めてからXレンズ・GFレンズで計40本くらいの企画に関わりましたが、このレンズほど狐につままれた感のあるレンズってないんですよね。結構な無理難題を言ったので、これはできませんとか重量が100g増えちゃいますとか色々開発側から言われると思っていましたが、ほぼ満点の形で返ってきたんです。
絞り開放での周辺画質などはある程度妥協せざるを得ないと思っていましたが、もはや妥協とは言えないレベルにまで仕上がっており、本当にどなたにもファーストレンズとしておすすめできる製品が出来上がっていると思います。
― これだけ小型軽量化できた理由は何でしょう
鏡筒が収納できる沈胴式を採用し携帯性を向上させた
まず、耐久性や精度は犠牲にすることなく可能な限り軽い材質を選んでいます。さらに、沈胴式なので鏡筒が伸びた時に生まれるスペースを有効活用しています。F値に関しても無理のない設計なので、フォーカスレンズも小さくでき、GFレンズとしては初のステッピングモーターでフォーカス玉を動かすことができています。そうなるとリニアモーターのような重量物がなくなり軽量化に繋がります。
そして最後にマウント部分。元々GFレンズは堅牢性を重視してマウント部に真鍮を採用していますが、これだけ軽く作れると真鍮だと過剰になってくるんです。ですのでGFレンズで初のアルミマウントにすることで、さらに重量を下げることができました。これら設計の工夫が重なって効果を生み、最終的に400gを下回る驚愕の軽さを達成したわけです。
かといって全く安っぽくないのもポイントです。価格で言えば安いレンズと言えるかもしれませんが、決して安っぽくはありません。ですのでGFX100Sに装着しても、質感でも外観でも操作感でも見劣りしない良いレンズができたなと思っていますね。
また、GF35-70mmF4.5-5.6 WRはGFレンズで14本目のレンズであり、これまでの開発経験が活きたレンズと言えます。お客様的には始めから出してほしかったと思うかもしれませんが、今までのGFXを通じて培われた経験値があるからこそできた部分は少なからずあると思います。加えて、絞りリングの採用を見送ったり開放F値の可変を許したり、コストダウンと軽量化のために思い切って決断した部分は多々あります。それでも実用上何も問題ない、画質や質感にも影響を与えない、そういった箇所を的確に探すこと。さらに経験値と設計能力が上がっていることの相乗効果でこのレンズが完成したと思っています。
マウント部分に真鍮ではなくアルミを採用
― 著しい軽量化を果たしていますが、GFXシリーズの重量についてはどうお考えですか
ミラーレス同士で比較してしまうとラージフォーマットはまだ少し重いですね。センサーが大きい分、どうしてもレンズも大きくなります。ただ、デジタル一眼レフの時代と比べたら逆にGFXの方が軽い部分もあり、なにより大きさは遜色ないですよね。カメラが大きいからGFXはちょっと……とはならないレベルにまできていると思います。それプラス写りの違いは明らかですので、十分にフルサイズにも対抗できるカメラになっていると思います。
― 最後にGFX50S IIのアピールを一言お願いします
冒頭でも言いましたが、GFX50S IIはより多くの人にこのラージフォーマットを体感していただくために企画した製品になります。我々としても頑張ってレンズもボディも低価格に抑えました。価格的にもほぼフルサイズ同等、5000万画素クラスで考えれば同等になってきます。そこで注目していただきたいのがラージフォーマットならではの写りの雰囲気です。なかなかロジカルには説明しづらいですので、とにかくこれは撮っていただくしかない。確実に違いを体感いただけると思いますので、手の届きやすくなったこのGFX50S IIをぜひお試しいただいて、皆さんにとっての新しい表現にしていただけると富士フイルムとしては嬉しいですね。
さいごに
4年越しのモデルチェンジによって性能を進化させた「GFX50S II」。価格、性能、機動性あらゆる面でバランスに優れたカメラに仕上がっていると感じます。ぜひこのGFX50S IIから富士フイルムのラージフォーマットセンサーカメラを試してみてはいかがでしょうか。ラージフォーマットがもたらす高画質を体感いただければと思います。
特集ページ
GFX50S IIは好評発売中。GFX50S II特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページ も合わせてご覧ください。
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富士フイルムからラージフォーマットの新作ミラーレスカメラ「GFX50S II」が発表されました。開発者インタビューも交え製品の概要を解説していきます。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,ボディー,GFX50S II,開発者インタビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ビクセン 第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 10/04/2021 11:00:00
TAGS: ビクセン,フォトコンテスト
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BODY:
第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ
ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。宙(そら)は、もっとも身近にある、スケールの大きな被写体です。満天に星の広がる高原や海辺から、歴史的な建造物とともに、都会の景色の中で、あるいはご自宅からも、星空を撮影することができます。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。お一人何点でもご応募可能です。
応募期間、テーマ
・2021年8月1日(日)-11月30日(火)
・募集テーマ:星にまつわる8つのテーマ(国内・海外問わず)
(1)自然風景、(2)山、(3)海、(4)建造物、(5)水鏡、(6)天体写真(星雲星団、惑星など)、(7)月、(8)自由
各賞
■グランプリ(1作品)
ビクセンオンライン商品券5万円分 + 「星空雲台 ポラリエU」
■特選(2作品)
ビクセンオンライン商品券3万円分 + スタイリッシュな星空雲台。星景写真撮影のお伴に「星空雲台 ポラリエ」
■準特選(4作品)
ビクセンオンライン商品券1万円分 + 星空観察におすすめの大口径42mmモデル「双眼鏡 アスコット ZR8×42WP(W)」
■入選(10作品)
ビクセンオンライン商品券5千円分 + こだわりのコーティングでクリアで高コントラストな視界「双眼鏡 アリーナM6×21」
▼星空撮影に役立つ「星空雲台 ポラリエU」についてはこちらの記事 でご紹介しています。
審査員
大西 浩次氏
博士(理学)。日本星景写真協会理事、国際天文学連合(IAU)会員、日本天文学会、日本天文教育普及研究会ほか。第4回淵行男賞入賞。研究分野は重力レンズと系外惑星探査。地球と宇宙と人のつながりをテーマに星景写真を撮影。毎日小学生新聞「ガリレオ博士の天体観測図鑑」隔週土曜連載中。
北山 輝泰氏
プロカメラマン。日本大学芸術学部写真学科卒業。天体望遠鏡メーカーで営業として勤務後、星景写真家として独立。天文雑誌のライターをしながら、全国で写真講師の仕事を行う。星景写真を始めとした夜の被写体の撮影について、座学・実習を通し学べる「ナイトフォトツアーズ」を運営中。
応募方法
・お一人様何点でも何回でもご応募いただけます
・応募後の辞退はできません
■プリント
・応募サイズは、2Lサイズ・6切・ワイド6切・A4・4切・ワイド4切
・応募用紙に必要事項を記入してお送りください
・応募用紙はコピーでも構いません
■Web
・ウェブページの応募フォームに必要事項をご入力の上お送りください
・応募作品画像の容量は1枚10MB未満に調整の上、JPEG形式でお送りください
・何回でもご応募いただけます
フォトコンテスト及びご応募の詳細についてはビクセン星空フォトコンテスト2021のページ をご確認ください。
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EXCERPT:
ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。応募受付は2021年11月30日(火)まで。
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KEYWORDS:
ビクセン,フォトコンテスト,2021,ポラリエU
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 富士フイルム XF33mmF1.4 R LM WR & XF23mmF1.4 R LM WR|開発担当者インタビューから新レンズの魅力に迫る
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 10/04/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF33mmF1.4 R LM WR,XF23mmF1.4 R LM WR,開発者インタビュー,単焦点
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はじめに
富士フイルムからXシリーズ用交換レンズとして、新たに「XF33mmF1.4 R LM WR」と「XF23mmF1.4 R LM WR」の2本が発表されました。ともに”MORE SHARPNESS(モア シャープネス)”をコンセプトに掲げたレンズであり、リッチな光学設計によって収差を徹底的に取り除き、圧倒的な解像力を実現しています。2021年5月に発売されたXF18mmF1.4 R LM WRと合わせて、新世代の「大口径プライム」シリーズとしてラインナップされる製品です。そんなXF33mmF1.4 R LM WRは2021年9月29日発売、XF23mmF1.4 R LM WRは2022年2月発売予定となっています。
今回は先行して製品に触れる機会を設けていただきましたので、開発担当者へのインタビューも交えつつ2本の新作レンズを紹介していきます。
XF33mmF1.4 R LM WR
XF33mmF1.4 R LM WRは圧倒的な解像性能と開放F値1.4の明るさを実現した大口径単焦点レンズ。焦点距離33mm(35mm判換算50mm相当)という人間の視野に近い標準画角によって、自然な遠近感を表現することが可能です。第1群6枚、第2群にも6枚、第3群には3枚の計15枚(うち非球面2枚、EDレンズ3枚)という贅沢なレンズ構成によってコマ収差を抑制し、軸上色収差を低減することで非常にシャープな描写性能を実現しています。
開放F1.4の大口径かつ優れた解像性能が与えられつつも、重さは400gを下回る約360gに仕上がっており、持つことが負担にならない高い機動力も魅力の一つ。実際にX-T4に装着した際もレンズが大きいとは一切感じず、パッと被写体にカメラを向けられる取り回しの良さを感じました。最大径はØ67mm、長さは73.5mm、最短撮影距離は30cmです。
絞りリングにはA(オート)のポジションで固定できるAポジションロックも搭載。撮影時に絞りリングが不用意に動かないようロックすることができ、快適に撮影を楽しむことが可能です。絞りリングは回したときに明確なクリック感が指先に伝わるため、操作感は非常に良いと感じました。
絞りリングの動きを固定するAポジションロックを搭載
また、フォーカス駆動にリニアモーターを使用したインナーフォーカス方式を採用。静粛性に優れているほか、フォーカス群の移動する範囲を短く設計したことで、最短約0.04秒の高速・高精度AFを実現しています。実際にピントを合わせた際の駆動音も耳を澄まさないと聞こえないほどです。
さらには、過酷な環境下でも撮影できる防塵・防滴・-10℃の耐低温構造を採用。X-T4やX-Pro3など防塵防滴機能を備えたカメラと組み合わせれば雨天でも安心して使用することができ、埃が舞う環境や冬の天体撮影などあらゆるシーンに持ち出せるタフネスさも備えています。
XF23mmF1.4 R LM WR
XF23mmF1.4 R LM WRは目で見た光景に限りなく近い画角を切り取ることの出来る、焦点距離23mm(35mm判換算35mm相当)の大口径単焦点レンズ。こちらも10群15枚のリッチなレンズ構成によって収差を徹底的に除去し、圧倒的な解像性能を実現しています。最短撮影距離は19cmと従来モデルのXF23mmF1.4 Rよりもさらに寄れるスペックを獲得し、被写体をクローズアップしながら背景を大きく取り入れたダイナミックな撮影を楽しむことが可能です。
サイズはXF33mmF1.4 R LM WRとほぼ同じで、最大径はØ67mm、長さは77.8mm、質量は約375gと大口径レンズながら持ち運びやすいコンパクトな設計となっています。絞りリングへのAポジションロック搭載、リニアモーターによる高速・高精度なAF、防塵・防滴・-10℃の耐低温構造なども共通で、最新のスペックを備えた高性能レンズに仕上がっています。
開発担当者インタビュー
今回は富士フイルム(株)イメージングソリューション事業部 統括マネージャーの上野氏にXF33mmF1.4 R LM WRとXF23mmF1.4 R LM WRについて伺いました。
― まずはこの2本のレンズのコンセプトを教えてください
富士フイルムがミラーレスカメラをやり始めて10年。その間にデバイスがどんどん進化し、APS-Cとはいえ高解像化の波は今後確実にやって来るだろうと思っています。そこで高解像化に対応できる第二世代レンズに着手し、まずXF18mmF1.4 R LM WRを開発しました。そして、それと全く同じ設計思想で開発したのが今回のXF33mmF1.4 R LM WRとXF23mmF1.4 R LM WRです。よって、この2本は収差を徹底的に除去して高解像度対応したレンズとなっています。
― 実に多くのレンズが使われていますがどんな効果があるのでしょう
解像度を上げることは、イコール収差を取り除くことである、ということはXF18mmF1.4 R LM WRの時にもお話しました。そのために非球面レンズを2枚、EDレンズを3枚を含む10群15枚ものレンズを採用しています。この贅沢なレンズ構成が球面収差の除去や色収差の低減に貢献しているのです。
同時にリニアモーターも搭載しています。リニアモーターはピント位置での停止精度が非常に高く、AFスピードも断然速いです。どんなにレンズの設計が良くても、ピント位置が1、2パルスずれているだけでそれが発揮できないわけですから、やっぱり精度の高い高速オートフォーカスシステムは必要です。光学設計とメカ設計が合わさって高画質化が実現されており、レンズの組み方や防塵防滴なども含めトータルで性能向上を果たしています。
左:XF33mmF1.4 R LM WR 中央:XF23mmF1.4 R LM WR 右:XF18mmF1.4 R LM WR
― 解像力の向上は写りにどのような影響を与えていますか
人の目はやはり優れていて、収差が発生して画面全体の印象やスッキリ感に悪影響があると、それを敏感に感じ取ってしまいます。例えばX-T4で言えばどのレンズをつけても2600万画素は一緒で、センサー側での解像力は変わりません。ただ、センサーは同じでも高解像レンズを付けた時は、一個一個の画素への焦点の合い方が違うとでも言いましょうか、撮影して画面に表示された瞬間に「すごくスッキリしてない?」「クリアじゃない?」という印象を受けることでしょう。目に飛び込んでくる情報量の豊富さ、という部分で大きな違いを感じていただけると思います。
― 従来のXF23mmF1.4 RやXF35mmF1.4 Rと比べたときに解像力の違いは感じられますか
仮にピクセル等倍のようにPC上で見え方の違いを確認せずとも、ぱっと見でクリアさの違いを感じられると思います。ただ、このクリアさが写真の価値を上げるかと問われれば、それはちょっと別の話でしょう。例えばベールが一枚かかったような写真でも、それがすごく魅力的で味があれば、それはその人にとって良いレンズということになりますよね。どっちが良いということはありませんが、今回の2本はよりクリアな解像感が発揮されてきますので、別の魅力が生まれたと捉えていただきたいですね。
2本ともフィルター径は58mm
― 今回のレンズは解像性能が注目箇所ではありますが、一方でボケ感の進化はいかがですか
XF23mmF1.4 R LM WRは最短撮影距離が19cmと従来モデル以上に寄れるようになりましたので、当然被写体に寄ることで背景はグッとボケてきますよね。そして、XF23mmF1.4 R LM WRはそのボケがなんとも滑らかなのが特徴です。
XF33mmF1.4 R LM WRは併売モデルであり人気のXF35mmF1.4 Rと比べてみると、個人的に使ってみた感じでは、かなり負けず劣らずの滑らかなボケになっていると思います。画面端の方にいっても口径食が強烈に出てくることはありません。ただ、XF35mmF1.4 Rに比べて焦点距離が2mm短くなっているので、その差によるボケ感の違いはあると思います。1mmでも焦点距離が長い方がボケの量は大きくなるでしょうからね。ただ、解像度が上がればボケが固くなるような先入観がありましたが、そんなことは全くありません。撮ってみてかなりクリーミーなボケの表現に驚きました。なので、そこは期待していただければと思います。
開放F1.4の大口径がもらたす滑らかなボケも魅力
― 33mmと35mmの画角の違いで撮れる画は変わってきますか
焦点距離の差はたった2mmですので、意識をすれば画角の違いも感じていただけるとは思いますが、画に対する影響はそこまで大きくはないと思います。もちろん先ほど言ったようにボケに違いがあったりはしますが、そこはそれほど大きなことではなく、XF33mmF1.4 R LM WRのクリアな表現が良いのか、XF35mmF1.4 Rのまろやかな表現が良いのか。この2つの表現の差の方が、2mmの差よりも大きいと思いますね。
なので、XF35mmF1.4 Rをお持ちの方がXF33mmF1.4 R LM WRに買い替える必要があるかと問われれば、それは別の話ではないかと思います。ただ、XF33mmF1.4 R LM WRは独自の表現力を持っていると思いますし、もっと言うとDCコアレスモーターで重たい100g以上のフォーカスユニットを全群繰り出しでごそっと動かしているXF35mmF1.4 Rと、一方でリニアモーターを搭載したXF33mmF1.4 R LM WRでは撮影のリズムや向いている被写体も変わってきます。そのため、性格の全く違うこの2つのレンズを好みによって使い分けていただきたいですね。
― 既存のXF23mmF1.4 RやXF35mmF1.4 Rよりもサイズや重量はアップしていますね
XF33mmF1.4 R LM WRはXF35mmF1.4 Rにくらべて重量は倍近くなっていますが、レンズ構成が片や6群8枚、片や10群15枚ともなれば重さも当然変わってきます。ただ、そうは言っても収納した状態でのXF18-55mmF2.8-4 R LM OISと同じかそれよりも少し小さいぐらいですよね。逆にフルサイズで50mmのF1.4のレンズとなればさらに大きい訳ですから、そういった意味では高解像力を求めた中でも400g以下に抑えて、機動力を失わないように工夫したのがこのレンズだと思っていただけるとありがたいですね。
― 外装へのこだわりポイントも教えてください
XF18mmF1.4 R LM WRと共通の装いを採用しており、ローレットの間隔が広くなってゴミの目詰まりも減りましたし、絞りリングを回した時のしっかり感にもこだわっています。XF35mmF1.4 RもXF23mmF1.4 Rも登場からかなり経っているので、そこから見た目の質感だけでなく操作した時の質感も向上させました。そのため、撮影する際今まで以上に快適な操作が出来ると思います。
操作リングのローレット加工など使い勝手と質感を両立する仕上げとなっている
― どういったシーンで使いやすいレンズとなっているのでしょうか
まずXF23mmF1.4 R LM WRは35mm判換算で35mm相当。キング・オブ・スナップレンズと呼べるのがこのレンズだと思います。人間が何気なく自然に見ている画角が換算35mmだと言われているように、非常に自然な表現が可能です。逆に言うと誇張があまりなく、大きなボケやワイド感、圧縮感があるわけではありません。そのため難しいレンズとも言えると思います。ただ、35mmのレンズを使いこなす人って「写真が上手いな、魅力的だな」って個人的には感じるんですよね。人間の自然な視覚で撮ったようなスナップや風景、人物など、何気ないけど魅力的な写真を撮っていただきたいですね。
一方のXF33mmF1.4 R LM WRは35mm判換算50mm相当の画角で、感覚的に若干狭いように感じるんですよね。標準レンズの焦点距離は、フォーマットの対角線と同じという話もあり、フルサイズで言えば24mm×36mmですから対角線だと43mm。そうしてみると50mmはそれより長く狭いわけです。この感覚は個人的にはかなりしっくりきていて、人間の視覚で言うならギュッと見つめた時の視界に近いと思っています。とはいえ、望遠レンズのように圧縮感のある視覚効果が現れるわけではありませんので、若干の視覚効果と注目ポイントを切り抜く様な撮り方が換算50mmの魅力だと思います。そのため、XF33mmF1.4 R LM WRは「そこに着目したんだ」という人間の視点のおもしろさを、高速AFとクリアな画質で切り取っていただけると嬉しいです。
さいごに
最も汎用性の高い換算50mmと35mmのレンズだけに、最新作を待ちわびていたXシリーズユーザーも少なくないはず。さらなる解像性能を獲得し、加えてAF性能の向上、防塵防滴構造の採用など全方位に性能を進化させています。今まで以上のシャープさとクリアさを求めるなら、是非とも手に入れてほしいレンズとなっています。次世代を見据え開発を続ける富士フイルムから目が離せません。
■更新
・2021年10月14日:XF23mmF1.4 R LM WRの発売延期を受け、内容を修正しました。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
富士フイルムから発表された広角単焦点レンズ「XXF33mmF1.4 R LM WR」と「XF23mmF1.4 R LM WR」を、担当者インタビューも交えて紹介します。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,XF33mmF1.4 R LM WR,XF23mmF1.4 R LM WR,広角単焦点レンズ
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AUTHOR:
TITLE: 表現の可能性は無限大!OLYMPUS アートフィルター徹底解説 Part.2
BASENAME: 483612998.html
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CATEGORY: クキモトノリコ
DATE: 10/05/2021 11:00:00
TAGS: 撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー
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BODY:
はじめに
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/100秒, +0.7EV, ISO 200, WB 3200K
■仕上がり設定:デイドリームⅡ(Vivid), 周辺光量調整+20
前回の記事では、基本となるアートフィルターの種類や効果についてお伝えしました。今回は応用編として、このアートフィルターをどのように自分の作品に取り入れてゆくとよいかについて解説いたします。
→前編のアートフィルター解説記事 Part.1はこちら
カメラ任せにせず、アートフィルターでオリジナリティを追求する
カメラのモードダイヤルで「ARTモード」を選択すると簡単にアートフィルターでの撮影ができますが、一方で絞りとシャッター速度はカメラ任せのプログラムモード同様となり、どのアートフィルターを選んでもホワイトバランス(WB)はAUTOからスタートすることになってしまいます。このモードでもWBやその他の細かな設定の変更は可能ながらも手間がかかることから、結果的に「仕上がりはアートフィルターを使いつつもカメラ任せで撮った」ということになりやすくなります。
一方で、意外とご存知ない方も多いのですがP/A/S/Mのモードでも色の仕上がり設定である「ピクチャーモード」の選択肢の中にアートフィルターが入っています。これらのモードで撮影しつつアートフィルターを選択すると、例えばAモードで絞りを開放に設定してボケを表現しながら、アートフィルターのポップアートで色鮮やかに、かつホワイトバランスは「電球」にする、といった自由な撮り方が実現します。もちろん露出補正も併用できます。
アートフィルターの種類や効果は、写真の明るさ(露出)や色合い(WB)によって様々な表情を見せてくれます。これらの機能や設定をフルに活用することで「自分の求めるオリジナルな表現を追求する」という撮り方は十分にできると考えます。
様々な調整が可能なスーパーコントロールパネルの画面
尚、ピクチャーモードやWBの他にも、アスペクト比やハイライト&シャドウコントロール(カメラ上でトーンカーブを調整する機能)など複数の設定を、スーパーコントロールパネルやライブコントロールを使用することで直感的に組み合わせて変更することができます。
明るさによって効果の差が出る例
スターライト効果は露出によってそのエフェクト具合が変化します。
Natural ポップアートⅠ+スターライト効果 -0.7EV ポップアートⅠ+スターライト効果 -0.3EV ポップアートⅠ+スターライト効果 ±0EV
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/40秒, -0.7EV, ISO 3200, WB 3200K
ドラマチックトーンは露出によってその効果のかかり具合が変化します。
Natural ドラマチックトーンⅠ-0.5EV ドラマチックトーンⅠ±0EV ドラマチックトーンⅠ+0.5EV
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P5 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR
■撮影環境:F10.0, 1/640秒, +0.3EV, ISO 200, WB 晴天
明るさの調整を利用した例
ざらっとした粒状感の他、白と黒のコントラストがかなり強くなるラフモノクローム。オリンパスのカメラには、カメラ上でトーンカーブを調整できる「ハイライト&シャドウコントロール」という機能があるのですが、この機能(または後述のOlympus Workspace)でハイライトを目一杯明るく、シャドウを目一杯暗くすることで切り絵のような写真に。もちろんシチュエーションにもよりますが、白っぽい曇り空を背景にわかりやすい特徴のシルエットを持つ被写体を選ぶことがポイントです。
モノトーン ラフモノクロームⅠ+フレーム効果 ハイライト+14 シャドウ -14
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
■撮影環境:F8.0, 1/3200秒, +1.3EV, ISO 500
モノトーン ラフモノクロームⅠ+フレーム効果 ハイライト+14 シャドウ -14
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F4.0, 1/6400秒, +1.0EV, ISO 200
ホワイトバランスによって印象がガラリと変わる例
その1−デイドリームⅡ
当初はどう使ってよいやら戸惑うことの多かったデイドリームですが、ある夕暮れ時にアンバー系の色になる「タイプⅡ」とホワイトバランス「蛍光灯」の組み合わせでなんとも幻想的な光景となることを発見。以来、お気に入りの設定となりました。
WBオート, Natural WBオート, デイドリームⅡ WB蛍光灯, デイドリームⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/125秒, +0.3EV, ISO 200
他にも同じくデイドリームⅡでWBの蛍光灯や電球など、色温度を低くする設定にすることで、光の状況にもよりますが、透明感を持たせたり幻想的なイメージにすることができる場合も多く、紅葉シーズンに活躍してくれています。
WBオート, Natural WBオート, デイドリームⅡ WB 電球, デイドリームⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/320秒, +1.0EV, ISO 200
その2−クロスプロセス
前回も少しご紹介しましたが、クロスプロセスⅠは毎年紅葉シーズンに活躍してくれるアートフィルターのひとつ。背景や葉の緑と赤や黄色の紅葉のコントラストを非常に綺麗に表現してくれます。この時に、ホワイトバランスの色温度設定で4000〜5000Kあたりにすることで緑や紅葉の色の微調整ができます。
WBオート, Natural WBオート, クロスプロセスⅠ WB 4000K, クロスプロセスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/60秒, -0.7EV, ISO 640
画面全体が真っ赤になるクロスプロセスⅡは、そのままだとどんな場面で使ってよいのやらイメージしにくいという方も多いのではないでしょうか(私自身がそうでした)。このクロスプロセスⅡでホワイトバランスを3000〜4000Kの色温度に下げると、思いもよらない色合いを生み出してくれることがあります。これもその時のお天気など光の状況に左右されますが、晴れた日のコスモスとは非常に相性が良く、ぜひ試していただきたい設定です。
WBオート, 仕上がり設定 Natural WBオート, 仕上がり設定 クロスプロセスⅡ WB 3500K, 仕上がり設定 クロスプロセスⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/1600秒, +0.7EV, ISO 200
パソコンソフト「Olympus Workspace」を活用する
画像処理ソフト「Olympus Workspace」を使用することで、それぞれのアートフィルターにおいてカメラ上の設定にはない「カラーフィルター効果」や「周辺光量の調整」といった機能を取り入れることができます。そしてピクチャーモードとアートフィルターの設定が別項目となっているため「モノトーンのリーニュクレール」や「セピアのウォーターカラー」といった、カメラ上の設定では不可能(カメラでは「モノトーン」「リーニュクレール」が同列にあり、どちらか一方しか選べないため)なことも可能となります。
Natural リーニュクレールⅡ(Natural) リーニュクレールⅡ(モノトーン)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F5.6, 1/640秒, +0.3EV, ISO 200, WB 晴天
さらに、やはりカメラ上の設定では不可能な「効果の追加の重ね掛け」も可能です。作例ではヴィンテージをベースに、可能な限りの効果の全部盛りをしてみました……この写真がいいかどうかは別ですが。笑
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/100秒, -0.7EV, ISO 2000, WB オート
■仕上がり設定:ヴィンテージ+ソフトフォーカス効果+ホワイトエッジ効果+フレーム効果+スターライト効果+上下ぼかし効果+上下シェード効果
Olympus Workspaceからは効果の重ね掛けが可能
またウォーターカラーで仕上げたものをプリントすると、モニターで見ていたよりはるかに淡い色となることが多く、モニターで見ている通りの仕上がりにするには明るさやホワイトバランス、仕上がり設定での調整が必要となることが多いことも覚えておきたいポイントです。
下の作例では、ウォーターカラーでWBをオートから晴天にしただけでガラリと色の鮮やかさが変わり、さらに仕上がり設定をVividにすることでより鮮やかになったことがわかります。
WBオート, Natural WBオート, ウォーターカラーⅡ(Natural) WB 晴天, ウォーターカラーⅡ(Natural) WB 晴天, ウォーターカラーⅡ(Vivid)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
■撮影環境:F1.8, 1/1600秒, +0.3EV, ISO 200, WB
そのほかにも、ヒストグラムを見ながらトーンカーブの調整をするといったことももちろん可能です。尚、以前はあとからアートフィルターをかけるにはRAWデータで撮影しておくことが必要でしたが、現在ではJPEGで撮った画像でもOlympus Workspace上やスマートフォンのアプリ「OI.Share (OLYMPUS Image Share)」であとからアートフィルターへの変換が可能です。とはいえ、RAWデータの方がより細かく自由に様々な画像処理や調整をすることができます。
映り込みや多重露出とアートフィルターの相性
ガラスや水面への映り込みはガラスや水を通すことや反射によりコントラストが低くなり、インパクトに欠けてしまいがちです。また複数の写真を重ねる多重露出も主題の存在感が薄れてしまうことがあります。そんなときにもアートフィルターの効力によりイメージした作品に近付けることが多々あります。個人的には色のインパクトが足りない時にはポップアートⅡをよく使いますし、コントラストの強弱でそこに写っているものの存在感を際立たせたい時にはドラマチックトーンをよく使用します。
ピクチャーモードがVividだと、水中の金魚の赤色が強調されはするものの、全体としてインパクトに欠けます。そこでポップアートⅡにすることで、全体的に暗めになることで緑色も深みが出てより一層赤が際立つと同時に、水面の波紋とそこに映るフラミンゴ(このフラミンゴは実は造りものですが)の存在感も強調されました。
Vivid ポップアートⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/60秒, -0.7EV, ISO 400, WB 4800K
営業時間外のレストランの外から、カメラの正面の壁に描かれた虎とレンズの前にあるガラスの映り込みを撮影しています。ドラマチックトーンにすることで虎のインパクトと虎に食べられそうになっている通行人の存在感が強調されました。
Natural ドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/40秒, -0.7EV, ISO 400, WB 4700K
こちらもガラス越しの店内と映り込みですが、ドラマチックトーンの暗い部分を起こしてくれる効果によりディテールが浮き上がってきました。
Natural ドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F11, 1/125秒, -2.3EV, ISO 200, WB オート
多重露出で全体的に白っぽくなってしまいましたが、ポップアートⅡにすることで暗い中に浮かび上がる金魚や照明の鮮やかさがしっかり伝わるようになりました(カメラ内多重露出にて3枚合成)。
Vivid ポップアートⅡ(Vivid)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/100秒, -1.3EV, ISO 1600, WB 5300K -3STEP(G)
Vividの仕上げでも良さそうではありますが、香港の街のギラギラとしたエネルギーや混沌とした様子を伝えるには、OLYMPUS Workspaceでドラマチックトーンを選びつつ、仕上がり設定をVividにしました(カメラ内多重露出にて4枚合成)。
Natural ドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F5.6, 1/25秒, -2.3EV, ISO 200, WB オート
まとめ
私自身は以前から作品づくりにも必要な際にはアートフィルターを躊躇なく取り入れてきたのですが、今から数年前まではアートフィルターに対して否定的な意見も割と多かった印象です。その理由のひとつに、例えば「たいしたことのない写真でも、アートフィルターの力を借りることでカッコよく見えたりする」ということが挙げられ、その点に関してはそういった側面があることは否めないと思います。
一方で「カメラの設定に頼るものであり、誰が撮っても同じような仕上がりになる」という意見もあるようですが、この点については異論を唱えたいと思うのです。アートフィルターは、ほぼカメラ任せで撮影することもできますが、実はかなり細かな設定が可能なので自分のイメージを表現するためのツールとして十分に使えるものです。カメラで設定できるパターンだけでも962通りもあり、そこにさらに露出の調整やホワイトバランスの変更など細かな調整を加えて造り込んでゆくことで、オリジナリティ溢れる作品になるはずです。
これからもこの表現力を助けてくれるツールを使って様々な写真撮影を楽しんでゆきたいとともに、たくさんの方にもアートフィルターの楽しさや表現の可能性を知っていただけたらと思います。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL9 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:F8.0, 1/50秒, -0.3EV, ISO 400
■仕上がり設定:ブリーチバイパスⅠ(モノトーン+緑フィルター)+ソフトフォーカス効果
■写真家:クキモトノリコ
学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
この記事に使用した機材 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M5 MarkIII ボディ
商品詳細ページ
【オリンパス】PEN E-PL10 ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家クキモトノリコさんによる、オリンパス「アートフィルター」解説記事の第2弾。アートフィルターを活用しつつ自分らしい作例に仕上げるテクニックを解説いただきました。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,オリンパス,Olympus,アートフィルター,クキモトノリコ
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 初めてのオールドレンズにおすすめ!ツアイスレンズ コンタックス「プラナー T* G 45/2」・「ビオゴン T* G 28/2.8」
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 10/05/2021 16:00:00
TAGS: プラナー T* G 45/2,ビオゴン T* G 28/2.8,オールドレンズ
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BODY:
はじめに
前回の「マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?」 で紹介した、コンタックスGマウントの「プラナー T* G 45/2」と「ビオゴン T* G 28/2.8」の2本で撮影を楽しんできました。
このGマウントのレンズは、オールドレンズと言っても製造後20年程度の比較的新しいレンズで、中古のお値段もカール・ツァイスのレンズの中では比較的お手頃の値段で購入ができる、はじめてオールドレンズを使う方にもおすすめできるレンズです。ちなみに「 T*」の読み方は「 ティースター」で、特殊なコーティングがされていることを表します。
そんな、ちょっとだけレトロ気分を味わえるコンタックスのGマウントレンズの魅力をお伝えしたいと思います。
コンタックス「プラナー T* G 45/2」と「ビオゴン T* G 28/2.8」の魅力
コンタックス「プラナー T* G 45/2」と「ビオゴン T* G 28/2.8」は、1994年~2005年までに販売されたコンタックスブランドのレンズ交換ができるフイルムカメラ用に発売されていたレンズです。当時筆者もコンタックスのG1を所有していた、愛着のあるカメラとレンズです。
この発売されていた期間で、Gマウントのレンズは全部で7本発売されており、全てカール・ツァイスブランド・T*コーティング仕様になっています。
Gマウントレンズ一覧
レンズ名
焦点距離
構成
画角
最大絞り
最短距離
ホロゴンT*16mmF8
16mm
3群5 枚
106°
F8固定
0.3m
ビオゴンT*21mmF2.8
21mm
7群9 枚
90°
F22
0.5m
ビオゴンT*28mmF2.8
28mm
5群7 枚
75°
F22
0.5m
プラナーT*35mmF2
35mm
5群7 枚
63°
F16
0.5m
プラナーT*45mmF2
45mm
4群6 枚
50°
F16
0.5m
ゾナーT*90mmF2.8
90mm
4群5 枚
27°
F22
1.0m
バリオゾナーT*35-70mmF3.5-5.6
35-70mm
8群13 枚
62°-35°
F22
1.0m
ホロゴン T*16mmF8以外は、日本製のレンズになります。今回はこの中から「ビオゴン T* G 28/2.8」と「プラナー T* G 45/2」をピックアップし紹介します。
今回なぜこの2本をピックアップしたかというと、昔筆者が使っていた愛着あるレンズというのもありますが、使いやすい画角と魅力ある性格のレンズ、そしてなによりもツアイスレンズなのに比較的購入しやすい価格帯で入手が可能なレンズなので、初めてオールドレンズを使って撮影したいというユーザーにもおすすめしやすいレンズだからです。
「ビオゴン T* G 28/2.8」は、ちょっとした風景も含めて撮れる万能なスナップレンズとして使え、単焦点レンズならではの絞り開放で大きなボケも表現できます。ただし、絞らないと中心部以外の周辺がかなり甘い感じになるので、シャープな画像を撮りたい時はしっかりと絞って撮った方がよくなります。
しかし、現在のレンズではなかなか表現できない、オールドレンズ感を出した画像を撮影するのは、こういったところを強調して撮影すると、雰囲気が出てとても面白いので、できればあまり絞りを絞らずに撮った方が、「ビオゴン T* G 28/2.8」の魅力を楽しめるのではないでしょうか。
■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF2.8 ISO500 焦点距離28mm
「プラナー T* G 45/2」はシャープな画像を映し出し、周辺部までしっかりと解像するので「ビオゴン T* G 28/2.8」よりも扱いやすいレンズです。45mmの画角は街角スナップで気になったものを切り取って撮影するのにもってこいの画角のレンズです。絞りを開放で背景を大きくぼかして撮影するのもよし、絞ってシャープな画像を撮影するのもよしのレンズです。
■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
コンタックス「ビオゴン T* G 28/2.8」で小江戸佐原を散策スナップ
コンタックス「ビオゴン T* G 28/2.8」を使って撮影するのに、より雰囲気を出すために小江戸と呼ばれる千葉県の佐原市の重要伝統的建造物群保存地区を散策しながら撮影をしてみました。
この佐原は「あやめ」でも有名な撮影スポットで、5月~6月にはハナショウブを撮影に、また夏と秋におこなわれる「佐原の大祭」(※令和3年は中止)では多くの方が訪れる魅力ある撮影スポットです。
オールドレンズを使って撮影する場合のカメラの設定やピント合わせなどのコツは、前回の記事をご参照下さい。
【参照】
「マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?」
■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離28mm
奥の建物の中心部にピントを合わせて、絞りを開けて撮影した場合、前景はもちろんピントを合わせた建物の四隅もかなり描写が甘くなります。オールドレンズの特徴に慣れるまでは、同じシチュエーションでも絞りをいろいろと変えて撮影するのがおすすめです。
■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF16 ISO160 焦点距離28mm
■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF22 ISO100 焦点距離28mm
■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF22 ISO100 焦点距離28mm
撮影してみるとコントラストも高く、絞れば周辺の滲みも少なくなりシャープな印象を受けるレンズです。このレンズの特徴を出して撮影するのであれば、思い切って絞りを開ける、思い切って絞るの両方パターンで撮影するとより楽しめます。
■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離28mm
散策しながら気になった丸い郵便ポスト。よく見てみるとこんなところにアマガエルがかくれんぼしていました。このレンズで一番寄れる最短撮影距離で撮影してみました。郵便ポストの赤、アマガエルの緑が鮮やかに発色をして、さすがツアイスレンズといったところ。
次にオールドレンズならではの、あえてフレアとゴーストを出すように撮影もしてみました。普段の撮影ではフレアやゴーストの発生は嫌うことがほとんどですが、オールドレンズで楽しんで撮影するのであれば、積極的にこういったシーンを撮影するのもありです。
■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離28mm
コンタックス「プラナー T* G 45/2」で浅草を散策スナップ
「プラナー T* G 45/2」は別日に、浅草散策撮影に持って出かけました。ミラーレス機に小さなレンズの組み合わせは、気軽なお散歩撮影には最適な組み合わせといえます。
■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF16 ISO125 焦点距離45mm
コンタックス「プラナー T* G 45/2」は、「ビオゴン T* G 28/2.8」よりも癖は少なく、テイストはより現代のレンズに近いものを感じます。周辺までの解像感も高く、シャープさ解像感を含めて非常に高く、オールドレンズといえどもプラナーT* レンズの高スペックさを実感させられました。
それゆえ、使いやすさ・品質・価格を考慮しても初めてのオールドレンズを買う人にはおススメの1本だと思います。
■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF16 ISO100 焦点距離45mm
■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF16 ISO100 焦点距離45mm ※白黒モードで撮影
45mm標準レンズの画角なので、絞った時は周辺部まで非常にシャープ。コントラストのメリハリもありシャドー部の諧調も申し分なく、安心して撮影できるオールドレンズです。
絞りを開放にして撮った場合、周辺部に関しては徐々に甘くなっていくものの、ピントの合った中心部は非常に切れのあるシャープな像を表現してくれます。そして、背景で現れるボケは非常にやさしく味わいのあるボケを演出してくれます。
■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用
■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
まとめ
今回ピックアップした、コンタックスGマウントの「プラナー T* G 45/2」と「ビオゴン T* G 28/2.8」の2本のレンズは、オールドレンズと言っても比較的新しい分類のレンズなので、中古での程度の良いものも多く入手しやすいツアイスレンズなので、これから始めるオールドレンズ初級者でも安心して扱える魅力あるレンズです。
レンズ本体も小さく軽量な為、ミラーレス機のボディには非常にマッチし、街角スナップに持ち出すには最適の組み合わせです。オールドレンズを持ってのんびりと被写体を探しながら街並みを散策しながら、写真ライフを過ごすのは楽しいですよ。
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
オールドレンズ関連記事はこちら
■マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?
https://shasha.kitamura.jp/article/483200571.html
この記事で紹介した機材 【コンタックス】ビオゴン T* G 28/2.8 クローム(中古)
商品詳細ページ 【コンタックス】プラナー T* G 45/2 クローム(中古)
商品詳細ページ
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EXCERPT:
今回は写真家の坂井田富三さんによるツアイスレンズ コンタックス「プラナー T* G 45/2」・「ビオゴン T* G 28/2.8」のレビュー記事です。ちょっとだけレトロ気分を味わえるコンタックスのGマウントレンズの魅力をお伝えしたいともいます。
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KEYWORDS:
プラナー T* G 45/2,ビオゴン T* G 28/2.8,レビュー,オールドレンズ,坂井田富三
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: iPhone 13 Pro シリーズのカメラ性能をプロフォトグラファーがレビュー|三井公一
BASENAME: 483680683.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 10/06/2021 16:00:00
TAGS: iPhone,スマートフォン,iPhone 13 Pro
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BODY:
「iPhone 13 Pro」シリーズがカメラユニットを大型化して登場!
今年も注目のスマートフォン、アップルの「iPhone」シリーズが登場しました。この「iPhone 13」シリーズは全部で4種類。「iPhone 13」、「iPhone 13 mini」、「iPhone 13 Pro」、「iPhone 13 Pro Max」となります。この中でもカメラユニットを大きくして性能をアップした、要注目の「iPhone 13 Pro」シリーズを試してみました。
「iPhone 13」シリーズの特徴
「iPhone 13」シリーズは画面の大きさとカメラ機能の性能によって分けられます。ベーシックな「iPhone 13」は画面サイズ6.1インチの超広角+広角のデュアルカメラ仕様。小さくてかわいい「iPhone 13 mini」は画面サイズ5.4インチの超広角+広角のデュアルカメラ仕様。超広角+広角+望遠のトリプルカメラ搭載「iPhone 13 Pro」は画面サイズ6.1インチ。そして、最も大きい画面の「iPhone 13 Pro Max」は6.7インチとなっています。この「Pro」の名を冠したモデルは最先端のカメラ性能を誇っており、ShaSha読者も気になる存在でしょう。
前のモデル「iPhone 12 Pro」シリーズでは「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max 」とでカメラ性能に差がつけられていましたが、今回のモデルからはそれが同スペックとなりました。なので自分なりの撮影スタイルに合ったものをチョイス可能です。これはうれしいですね。
・「iPhone 13 mini」:5.4インチ 超広角+広角
・「iPhone 13」:6.1インチ 超広角+広角
・「iPhone 13 Pro」:6.1インチ 超広角+広角+望遠
・「iPhone 13 Pro Max」:6.7インチ 超広角+広角+望遠
iPhone 13 Proシリーズの3つのカメラ
「iPhone 13 Pro」シリーズのカメラスペックと実写
トリプルカメラ搭載の「iPhone 13 Pro」シリーズですが、3つのカメラは全て1200万画素。4032 x 3024ピクセルの写真が撮影可能です。焦点距離とF値は下のとおりになっています。
・超広角カメラ:35mm版換算 約13mm F1.8
・広角カメラ:35mm版換算 約26mm F1.5
・望遠カメラ:35mm版換算 約77mm F2.8
35mm版換算 約13mm相当の広大な画角は風景撮影にピッタリ。川面から対岸の屋敷までフレームに収めることができました。
「カメラ」起動するとこの画角になります。35mm版換算 約26mm F1.5の広角カメラは、シャープかつオートフォーカスも正確で、瓦屋根から護岸までキッチリと描写してくれました。
望遠カメラは35mm版換算 約77mm F2.8。デジカメの中望遠レンズと張り合える長さと画角ですね。黒塗りの板塀のリアル感がスマートフォンで撮ったとは思えないほどの描写ですね。
前のモデルより超広角カメラのF値が明るくなり、望遠カメラの焦点距離が長くなりました。これにより写真表現の幅が広がることになります。
さらに、超広角カメラにはマクロ機能が搭載されました。レンズ前面から何と2cmまで被写体に寄れるようになったのです。これはユニークですね。超広角なのでパースペクティブを強調したマクロ写真が楽しめますね。
望遠カメラは被写体を引き寄せ圧縮効果を演出した写真が撮影できます。都市風景の撮影などでもダイナミックな視点を得られるでしょう。もちろんポートレートモードで背景をぼかしたカットも撮影可能で、焦点距離が伸びたことによってより立体感のある表現ができそうです。
小田急ロマンスカー「GSE」を停車中に撮影しました。今まで使っていた「iPhone 12 Pro Max」では望遠カメラが短く、ここまで大きく先頭車両を撮ることができませんでした。ここまでグッと引き寄せて撮れる新型は魅力的ですね。
蔵の街で発見した商店の軒先です。どうやらお休みのようでしたが、「iPhone 13 Pro」の77mm相当の望遠カメラは、その閉まった引き戸を克明に写し撮りました。のれんとカーテンの煤けた感じ、ガラスの写り込み、戸のディテールが実に見事ですね。
超広角カメラは被写体にググッと肉薄できます。コーヒーカップに思い切り近づきましたが、金属の素材感までバッチリわかりますね。超広角なのでカップが面白くグニャリと写りました。
家の玄関前で寝ていたイヌもこのとおり。一時期流行ったペットのデフォルメ写真も撮影できますね。それにしても毛並みがキレイなこと!解像感もなかなかです。
広角カメラの描写も向上しています。まずはゴーストやフレアの発生が低減したことです。竹林から差す光を撮りましたが、光芒を美しく撮ることができました。「スマートHDR4」によってヒトの見た目に近い描写を実現しています。
室内でのホワイトバランス調整も進化しています。色かぶりが少なくなっており、自然でクリアな色再現をしているように感じました。
一番使用する広角カメラですが、センサーのピクセルサイズが1.9μmと大型化されているので、よりリッチで高品位な写りを楽しめます。もちろん、これにより低照度下の撮影も有利になりますね。小屋のディテールと発色、そしてホワイトバランスも秀逸です。
ポートレートモードも望遠カメラが77mmになったことにより、背景を美しくぼかすことができるようになりました。また「A15 Bionic」と「Neural Engine」の力によるコンピュテーショナルフォトグラフィー効果で、境界の判定が以前のモデルより向上しています。背景と被写体をしっかりと認識、分離して光学的なボケに近づいてきた印象を受けました。
ナイトモードも面白い機能です。このモードにセットして「iPhone」の指示通りキープすれば、明るく鮮やかな写真を低照度下でも撮影できます。三脚も照明もなしで驚くような写真を手にできるでしょう。
「フォトグラフスタイル」で自分のプリセットを適用
新しい「フォトグラフスタイル」にも注目です。これは撮影前に自分好みの撮影パラメーター「トーン」と「暖かみ」を設定できるものです。一度設定してセットすればずっと自分のスタイルで撮影できる優れもの。iPhoneにはあらかじめ「標準」、「リッチなコントラスト」、「鮮やか」、「暖かい」、「冷たい」の5つが用意されています。ここからゲージを動かして設定を追い込んでいきましょう。アプリを使って撮影後に編集するのも楽しいですが、この機能を使えばシャッターを切るだけでオリジナルテイストの仕上がりが簡単に得られますよ。
「標準」
「リッチなコントラスト」
「鮮やか」
「暖かい」
「冷たい」
画期的な「シネマティックモード」が面白い!
「ポートレートモード」ではスチル撮影で背景をぼかすことができますが、今回から搭載される「シネマティックモード」では何とムービー撮影でもそれが実現されたのです。しかも撮影後にフォーカス位置を指定することも、F値を変更することができるのです。これはスゴい!
VIDEO
小雨降る巴波川を背景に画面左からフレームインしました。フォーカスが人物に当たり、背景がごくわずかにボケるのがわかるでしょう。そしてフレームアウトすると背景にフォーカスが移動します。これは「iPhone 13 Pro」を三脚につけてフルオートで撮ったものです。
VIDEO
さて、上で撮影したムービーを「カメラロール」の編集で調整しました。F値を「F16」から「F2」と大きく絞りを開けた効果を出してみました。背景がグンとボケて雰囲気が出たことがわかります。このように、撮影後にボケ効果を出すことができるのが「シネマティックモード」なのです。フォーカス位置も同じ編集画面で指定可能となっています。今後のアップデートにより、プロ用のフォーマット「ProRes」での撮影と編集ができるとのことなので、「iPhone 13 Pro」シリーズでのムービー撮影がより楽しめそうですね。
まとめ
このようにカメラ機能を強化した「iPhone 13 Pro」シリーズは撮影を存分に楽しめる5Gスマートフォンになっています。超広角から望遠まで、ポケットの中に入ってしまう驚くべきデジタルカメラと言える端末です。キタムラの店頭で実際に手に取って、その先進的なカメラ機能をぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
カメラのキタムラよりご案内!最新iPhoneシリーズ取扱い中!
カメラのキタムラは全国のスマホ取扱店でソフトバンクのご契約ができます。今回ご紹介したiPhoneをはじめ、豊富なラインナップを取り揃えておりますので、ぜひこの機会に店舗へお立ち寄りください。
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんがiPhone 13 Pro シリーズのカメラ性能をレビューしています。大幅に強化されたカメラ性能を作例と合わせて是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
iPhone,レビュー,スマートフォン,アップル,iPhone 13 Pro,三井公一,カメラ性能,トリプルレンズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: これから始める星景写真 Vol.1|自宅周辺で夜の撮影に慣れよう
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CATEGORY: 北山輝泰
DATE: 10/07/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ,これから始める星景写真,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック
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BODY:
はじめに
星景写真家の北山輝泰です。今回は、これから星景写真を始めたいと思っているビギナーの方向けに、撮影に必要な道具から撮り方までをご紹介します。普段見慣れている自宅周辺も、見上げてみるとそこには必ず星があります。まずは身の回りの環境で夜の撮影に慣れることから始めましょう。
星景写真とは
星景写真とは「星空」と「風景」を一緒に撮影する写真のことです。「せいけい」写真と読みます。星空には、星座や惑星、月などがありますが、それらを夜ならではの風景と共に撮影していくのが星景写真の醍醐味です。撮影には特殊な機材は必要なく、すでに持っている機材で始めることができますが、暗い中での機材の操作や構図決めなど、昼間の撮影にはない難しさがあります。
星景写真撮影を始める上で大事なことは
1. 身近な環境で夜の撮影に慣れること
2. 暗い中での機材の扱いになれること
3. 月明かりがある日から始めること
の3つです。いきなり自宅から離れた真っ暗な環境に行くのではなく、まずは月明かりがある明るい日を選んで機材の扱いに慣れるなど、コツコツ経験を積み上げていくのが星景写真を始める上で重要です。
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO250 F1.8 8秒 WB蛍光灯 焦点距離18mm(35mm判換算27mm相当)
星景写真撮影に必要な機材
撮影に必要な機材は主に下記の4つです。
・カメラ
・レンズ
・三脚
・ヘッドライト
まずカメラは、マニュアルモードが搭載されている機種であれば、一眼レフ、ミラーレスのどちらでも構いません。高級なコンパクトデジタルカメラにはマニュアルモードが使えるカメラもありますので、そのような機種であればコンデジでも大丈夫です。また、カメラはセンサーの大きさによって「フルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」と種類が分かれていますが、どのサイズのカメラでも問題ありません。もちろん、最新の機材であればあるほどノイズが少ない綺麗な写真が撮れますが、まずはお持ちの機材でどのような写真が撮れるのか試してみましょう。
ソニー α6400に高倍率ズームレンズキット同梱レンズのE 18-135mm F3.5-5.6 OSSを装着。レンズ単体はFE 20mm F1.8 G。
カメラで重要なことは、ライブビュー機能が使えるかどうかです。星空のピント合わせや構図合わせは、ライブビューを見て行う方が遥かに簡単ですので、お持ちのカメラにこの機能があるかは必ず確認しましょう。
2つ目にレンズですが、カメラを買った時についてきたキットレンズでも十分ですが、星景写真は夜空に加え風景も撮影しますので、広い範囲を撮影できる広角をよく使います。レンズに刻印されている焦点距離の値を見て広角で撮影できるかを確認しましょう。目安は35mm判換算でおおよそ24mm以下です。また、暗い星空を明るく撮影するためには絞り値(F値)も明るい方がいいでしょう。理想的なのはF2.8以下のレンズですが、キットレンズでそのような明るいレンズはなかなかありませんので、そこはシャッタースピードやISO感度で補いながら撮影しましょう。F値が明るいレンズは、空が暗い場所での撮影には欠かせませんので、星景撮影に面白さを感じていただけたらぜひ購入も検討してみてください。
左はE 18-135mm F3.5-5.6 OSS。右はFE 20mm F1.8 G。
3つ目に三脚ですが、調べてみるとたくさん種類があり、どれを買ったらいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。星景写真用の三脚で一番重要なことは、安定性です。空の暗さによっては、30秒程度シャッターを開ける必要もあり、この間に風が吹いてブレてしまっては意味がありません。安定性は、三脚のパイプの太さと材質が関係していますが、おすすめは、パイプが太く、材質がアルミやカーボン製のものです。
また、三脚を伸ばした時の高さも気にする必要があります。ピント合わせや構図合わせ、撮影した写真の明るさの確認など、カメラのモニターを確認する頻度は非常に多いです。そのため、自分が無理な姿勢にならずにモニターを確認できる高さにカメラがあることが重要です。三脚の仕様欄には「全高」という項目がありますので、自分の胸から顔の高さになる三脚を購入されるのがおすすめです。最後にカメラを載せる雲台の部分ですが、主に2WAY、3WAY、自由雲台式がありますが、水平が取りやすい3WAY式、もしくは自由雲台式がおすすめです。
4つ目にヘッドライトですが、これは暗い中で両手を自由に使うためには必ず必要になります。防災のためにヘッドライトをお持ちの方も多いかと思いますが、星景写真では主に手元を照らすために使いますので、あまり明かりが強いものは使いません。私の場合は、駐車場から撮影場所まで徒歩移動する時に使う登山用ライト(右側)と、撮影用に使う天体観測用ライト(左側)の2つを使い分けています。
右は登山用ライト。左は天体観測用ライト。
星景写真撮影の流れ
星景写真撮影の難しいところは、カメラが自動で明るさや色を決めてくれるオート撮影ができないことです。日中の撮影では、ある程度のことはカメラが自動で調整してくれるため、構図決めに集中することができますが、星景写真撮影では、自分で一つ一つ丁寧にセッティングをしていく必要があります。以下が基本的な星景写真撮影の流れになります。
1. 撮りたい方向を決める
2. カメラと三脚をセットする
3. ピント合わせをする
4. 構図を決める
5. 試し撮りの値を入力しシャッターを切る
6. ISO感度、シャッタースピードを変えて試し撮りをする
※5~6を繰り返しながら明るさや色味を確認する
7. 本番撮影をする
はじめに撮りたい方向ですが、最初は明るい星がある方向がおすすめです。季節によって変わりますが、肉眼でもはっきりと分かる星を探しましょう。次にカメラを三脚にセットしたら、見つけた明るい星の方向にカメラを向けます。レンズキャップを外してライブビューを起動したら、目の前の風景がぼんやり映る程度まで、シャッタースピードを遅くします。そうすると、明るい星が背面液晶に写りますので、その星でピント合わせを行います。もし星が写らない場合は、以下の原因が考えられますので、一度カメラの設定を見直しましょう。
・ピント位置が近くのものにピントが合う状態になっている
・ISO感度が低すぎる
※露出設定がライブビューに反映される場合
・絞りが閉じている
※露出設定がライブビューに反映される場合。または、絞り機構がレンズ側についている場合。
星のピントはオートフォーカスでは合わせられませんので、マニュアルフォーカスに切り替えて、自分でピントリングを回し、ピント合わせを行います。手順については解説動画を作成しましたので、こちらの動画をご覧ください
VIDEO
おおよその手順としては
1. モニターに写った明るい星のところにピント拡大枠を動かす
2. モニターを拡大する
3. ピントリングを回して、星の点像が一番小さくなるところを探す
4. 最初の画面に戻す
となります。
次に構図合わせですが、はじめのうちは無理に風景を上手に撮ろうと考えるより、星空が綺麗に撮れているかを優先的に考えるようにしましょう。何回かシャッターを切り、明るい星の撮影に慣れてきたあとは、撮影したい星座を決めてその方向を撮る練習を何度も繰り返します。星座を探すときには、星座早見盤やスマートフォンのアプリを使います。
次はいよいよ試し撮りです。そのときの目安となる露出設定はISO感度800 / F値 開放(一番小さい値) / シャッタースピード 10秒になります。この値は、郊外の住宅地で撮影した時の目安の設定ですので、撮影場所によっては明るすぎたり暗すぎたりするでしょう。そのため、一枚撮影したら写真を再生して明るさを確認します。もし、明るいと感じたらISO感度を400にしてみてもう一度撮影してみましょう。逆に暗いと感じたら、シャッタースピードを10秒ずつ長くしてみましょう。
この「明るい」もしくは「暗い」という感覚ですが、ここに落とし穴があります。人間の目のメカニズムですが、暗い環境では、安全を確保するために目の瞳孔が拡大し、たくさん明かりを吸収しようとします。一方、室内など明るい環境では、瞳孔が縮小します。写真を見る環境は主に室内ですので、夜、瞳孔が拡大している状態で撮影し、丁度良いと思った明るさの写真も、明るいところで見ると暗いということになります。そのため、夜の撮影では多少明るめに撮っておくほうが良いでしょう。写真の明るさは「ヒストグラム 」を使って確認することもできます。
明るさの確認の時に、合わせて色味も確認しましょう。ホワイトバランスを曇天や太陽光にすると写真は赤みが強くなり、逆に蛍光灯や電球にすると青みが強くなります。この辺りは好みもありますので一概には言えませんが、私は蛍光灯で撮影することが多いです。
ここまでくれば、あとは本番の撮影を残すのみです。カメラのシャッターボタンを押す際のブレをなくすため、セルフタイマーで撮影するのが良いでしょう。撮影が終わったら撮った写真を再生し、ピントがずれていないかなど再度チェックします。
自宅周辺が明るくて、どうしても星空の印象が弱くなってしまう時は、ソフトフィルターを併用するのも良いでしょう。ソフトフィルターは、被写体を滲ませて柔らかい印象にしてくれるフィルターのことですが、星景写真では、星の存在感を際立たせるのに使います。ソフトフィルターは効果の強弱によって種類が分かれていますので、どれくらい滲ませたいかで選ぶようにしましょう。下記の写真はケンコー・トキナーさんから販売されているソフトフィルターで、効果の弱いものから強いものを順に並べたものです。
■プロソフトンクリアを装着
■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G
■撮影環境:ISO400 F1.8 2.5秒 WB蛍光灯 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
■プロソフトン(A)を装着
■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G
■撮影環境:ISO400 F1.8 2.5秒 WB蛍光灯 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
■プロソフトン(B)を装着
■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G
■撮影環境:ISO400 F1.8 2.5秒 WB蛍光灯 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
自宅の周りで撮影できるもの
ご自宅にベランダやバルコニーがある方は、ぜひそこから星空の撮影に挑戦してみましょう。その時、三脚を置くスペースがない場合は、ゴリラポッドなど、フェンスに巻きつけることができる三脚もあります。
JOBYのゴリラポッド 3K PRO キットを使用
■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G
■撮影環境:ISO250 F1.8 8秒 WB蛍光灯 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
星景写真の面白いところは、地上の風景が変わらなくても、季節や時間が変わることで写る星空がガラッと変わり、また違った印象の写真になることです。撮影した写真をもとに星空のアプリで写っている星を確認したら、アプリ上の日にちや時間を変えることで、その場所からどんな星が撮れるのかをシミュレーションするのもおすすめです。
お庭がある方はそこに咲いているお花と撮るのも面白いでしょうし、車をお持ちの方は愛車と星空を撮影するのもいいでしょう。星空と風景の組み合わせは発想次第で無数にありますので、もう一度身の回りの風景を見直してみてくださいね。近くに街灯など強い光源がある場合、一緒に写してしまうとゴーストという光の反射が写ってしまうことがあります。カメラの向きを変えるか、焦点距離を変えるなどして、なるべく構図の中に写り込まないように撮影される方がいいでしょう
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO400 F4.0 5秒 WB蛍光灯 焦点距離22mm(35mm判換算33mm相当)
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO400 F4.0 5秒 WB蛍光灯 焦点距離22mm(35mm判換算33mm相当)
肉眼ではわずかにしか見えなくても、カメラで撮影すると意外とたくさんの星があることが分かります。ぜひ一度お持ちの機材で身の回りでの星空撮影に挑戦してみてくださいね。次回の「これから始める星景写真 Vol.2」では、星景写真の景色にテーマを置いて、自宅からちょっと離れて風景を探して撮る方法についてご紹介したいと思いますので、どうぞご期待ください
■写真家:北山輝泰
東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。天文台インストラクター、天体望遠鏡メーカー勤務を経て、2017年に写真家として独立。世界各地で月食や日食、オーロラなど様々な天文現象を撮影しながら、天文雑誌「星ナビ」ライターとしても活動。また、タイムラプスを中心として動画製作にも力を入れており、観光プロモーションビデオなどの制作も行っている。星空の魅力を多くの人に伝えたいという思いから、全国各地で星空写真の撮り方セミナーを主催している。セミナーでは、ただ星空の撮り方を教えるのではなく、星空そのものの楽しさを知ってもらうために、星座やギリシャ神話についての解説も積極的に行なっている。
第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ
ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。宙(そら)は、もっとも身近にある、スケールの大きな被写体です。満天に星の広がる高原や海辺から、歴史的な建造物とともに、都会の景色の中で、あるいはご自宅からも、星空を撮影することができます。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。お一人何点でもご応募可能です。
・募集締め切り:11月30日(火)
・募集テーマ:星にまつわる8つのテーマ(国内・海外問わず)
(1)自然風景
(2)山
(3)海
(4)建造物
(5)水鏡
(6)天体写真(星雲星団、惑星など)
(7)月
(8)自由
・応募方法:プリントまたはWeb
・各賞:グランプリ(1作品)ビクセンオンライン商品券5万円分 + 「星空雲台 ポラリエU」 ほか
詳細はビクセンホームページ をご覧ください。
この記事に使用した機材
【JOBY】JB01566-BWW ゴリラポッド 3K PRO キット
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の北山輝泰さんが、これから星景写真を始めたいと思っているビギナーの方向けに撮影に必要な道具から撮り方までを紹介しています。まずは自宅周辺で夜の撮影に慣れるところから説明を行っています。
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KEYWORDS:
星景,天体,撮影テクニック,ソニー,Sony,ゴリラポッド,JOBY,ゴリラポッド 3K PRO キット,初心者,北山輝泰
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 暮らしに溶け込むレンズ SIGMA Iシリーズ
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CATEGORY: 坂口正臣
DATE: 10/08/2021 16:00:00
TAGS: iシリーズ,シグマ(Sigma) レンズ
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BODY:
はじめに
シグマから2019年7月に発売されたフルサイズミラーレスカメラ「SIGMA fp」。そのキットレンズに採用されて登場したのが45mm F2.8 DG DN | Contemporaryで、デザインの良さとコンパクトさが記憶に残っている。このレンズは、その後3本のレンズと2021年9月に発売された24mm F2 DG DN | Contemporaryと90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを加えてIシリーズとして統合され、6本のレンズラインナップとなる。Iシリーズは24mmの広角から90mmの中望遠域までと、非常に早いスピードでシステムとして充実してきている。今回はそのIシリーズの中で、既に使い込んでいる方も多い24mm・35mm・45mm・65mmの4本を使用してレビューをしたいと思う。
Iシリーズとの出会い
実はfpをレンズキットで購入しなかった私、初めて手にしたIシリーズレンズは24mm F3.5 DG DN | Contemporaryで、レンズのレビュー動画を制作するためにシグマさんからお借りしたものである。
▼その際の動画はこちらからご覧頂けます
VIDEO
ファーストインプレッション
このレンズを手にして最初に感じたのは、ひんやりとしたメタルの質感だった。そこからじっくりと観察すると筐体からフードの先端まで続く美しいローレットがあり、フォーカスリングや絞りリングを回してみると非常に滑らかに動き、とても精巧な作りで質感が高いことが分かる。手の中に収まる大きさと軽さにも驚いた。そしてfpにセットした姿は「本当にこれがフルサイズのカメラとレンズなの?」と疑うほどのコンパクトさと凝縮感、機能美を追求しミニマライズされた佇まいで、しばし見惚れてしまうほどだった。
手にすると分かる質感の良さ
常に触り続ける筐体の質感は、ブラスト処理でマットに仕上げられ、タフでエレガントなアルマイト処理が施されている。とても上品な艶がありプレミアム感が伝わってくる。昨今の洗練されたモダンなイタリア家具のような仕上げをしたレンズは数少ない。これほどまでに私の所有欲をくすぐるカメラとレンズがあっただろうか、これまで写真は大柄な中判デジタルカメラをメインで使用してきた私が、この小さなカメラとレンズに完全に魅了された。
それからというもの、ダイニングテーブルの隅や車のダッシュボード、庭の外テーブルなど、お気に入りの場所で過ごす時間にいつも傍に置いている。日々の記録や作品を見事な描写力で写してくれる頼もしい相棒のような存在であり、いつの間にか暮らしに欠かせない大切な『道具』になった。
スペックだけではないモノとしての価値と機能美を熟考して形になったであろうこのレンズ達は、大切に防湿庫に入れるのも良いが、カメラにセットしてリビングのキャビネットなどに無造作に置くのもしっくりくる、いつでも気軽に写真を撮れるように。
田舎暮らしでの作例
今回は私の暮らしに溶け込んでいるIシリーズレンズで撮った、田舎暮らしの平凡な日常の一コマを作例として見ていただければと思う。
『お隣さんの夏野菜』雨が降る前に急いで家に帰ると、お裾分けの野菜が置いてあった。何気ないシーンが画になる。開放f2の浅い被写界深度と滑らかなボケ味、曇り空の柔らかい光と繊細に描写された野菜のディティールからも空気感を感じる。
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/320 f2 ISO200 焦点距離65mm
『いつ植えたのかすら忘れてしまったタイム』ローズマリーの隣に植えた2株ほどのタイムが、今では一番広いスペースを占有している。ピントがあった部分は非常にシャープ、対照的にボケ感はとても滑らかでソフトな印象。
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/2000 f2 ISO200 焦点距離65mm
『食事の前に』夕食の準備をする頃、音楽と早めの晩酌を楽しみながらレンズを眺める時間。レンズの筐体とグラスのディティールを写したかったので少し絞る、絞りリングの操作感がとても心地よい。
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/5 f3.5 ISO400 焦点距離65mm
『庭のテーブルでツユクサと』天気の良い日は庭でゆっくりと過ごす。その際のお供には65mm F2 DG DN |Contemporaryとfpの組み合わせが楽しい。いつも手帳の上が特等席になる。革の手帳の上に何気なく置くときの「トンッ」という小気味よい音と、塊感のある適度な重みを感じるが、実際はとても軽いシステム。
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/4000 f2 ISO100 焦点距離35mm
空き時間ができるとコーヒーとレジャーシートを持って、リラックスをするためにお気に入りの所へ移動。Iシリーズ4本とfpを持ち出してゆっくりと過ごす。スマホの電波も繋がらない湖畔の森で、自分もオフラインになって自然豊かな景色と風の音や小川のせせらぎを動画や写真に残して楽しむ。沢を渡ったり草をかき分けたりしながら、少し険しいルートを通らないと行けない場所なので、軽量でコンパクトなIシリーズのレンズとfpにはとても助けられた。持てる荷物が限られることが多いアウトドアにも最適だと思う。軽量コンパクトで機能的なキャンプギアとも相性がよく、「ここのポケットにカメラが入るかも?」とあれこれ考えながらパッキングするのも楽しい。それでいて、いざ撮影となるとfpのフルサイズセンサーに余すところなく妥協のない画質で描写してくれる。実に頼もしい。
『氷のような水』小川のせせらぎを高速シャッターで時を止めて撮ると、愛用のロックグラス iittala ウルティマ ツーレのように美しい。水面の繊細な表現が素晴らしく、開放絞りでも周辺までとてもシャープに描写している。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/640 f2.8 ISO400 焦点距離45mm
抜けの良い描写で、透明感を見たままに表現してくれる。
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/640 f2.8 ISO400 焦点距離45mm
『猫バスのドア』木の幹の隙間から差し込む光がバスの扉のような形に見える。こちらの写真も開放絞りのf2だが、周辺までとても繊細な表現をしてくれる。
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/640 f2 ISO400 焦点距離35mm
『トンネルの先は』木の枝の重なりで偶然にできた穴、その先には池がかすかに見える。その奥に鳥がいればもっと良かったが、この日は留守だった。このカットは少し絞り込んでf4に設定した、画全体から伝わる緻密な描写、解像感がさらに増して素晴らしい。35mmレンズの画角で構図を考えるのはとても楽しかった。
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/400 f4 ISO400 焦点距離35mm
『月面着陸』苔むした木の幹を細い足の蜘蛛が、まるで無重力かのようにゆっくりと移動する。私も重力を無視して斜めにカメラを構えてみた。苔の質感や蜘蛛の細い足を繊細に描写している、絞りは開放f2だ。
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/320 f2 ISO400 焦点距離35mm
24mm F3.5 DG DN | Contemporaryは個人的に接写がとても楽しいレンズだと感じる。最短撮影距離約10cm、最大撮影倍率1:2と被写体にかなり近づいて撮影することができる。手前にもボケを入れた画が欲しい時は、レンズフードを外して撮影するほど接近できる。これまで24mmレンズでは広い画ばかり撮ってきたが、このレンズで広角の接写を楽しむことが多くなった。数歩下がって構えれば広角レンズならではのダイナミックな撮影ができて、逆にグッと被写体に近づくと細かなディティールも表現できる。この両極端さが撮影する写真に広がりやリズム感を与えてくれる。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/80 f3.5 ISO400 焦点距離24mm
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/320 f5.6 ISO400 焦点距離24mm
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/2500 f3.5 ISO400 焦点距離24mm
65mm F2 DG DN | Contemporaryは頻繁に使うレンズだ。私は中望遠が好きなのだが、このレンズの少しだけ広い画角がとても使いやすく感じる。主役を引き立てつつも適度に周りの状況を映し出す。50と85の間の65mmというのが絶妙だと使っていて感じる。
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/640 f3.5 ISO400 焦点距離65mm
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/200 f2 ISO400 焦点距離65mm
Iシリーズでの撮り比べ
同じアングルでレンズを交換して、Iシリーズレンズそれぞれの画角の違いと描写を撮り比べてみた。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/5 F3.5 ISO200 焦点距離24mm
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary 1/20 F4 ISO200
■撮影環境:1/20 F4 ISO200 焦点距離35mm
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/15 F5.6 ISO200 焦点距離45mm
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/13 F4 ISO200 焦点距離65mm
統一感のある写り、うまく言い得ないがSIGMA Iシリーズの方向性を感じる。同じIシリーズのレンズなので共通した写りは当然と思うかもしれないが、同じメーカーのレンズシリーズでも印象の違う写りをする事もあるので、カット毎に微調整をする事は珍しくない。しかし、今回のテストでは調整作業を行う必要がなかった。Iシリーズをコレクションして正解だったと感じる。特にシーンの繋がりが重要視されるムービー撮影でも積極的に使いたい。カラーグレーディング前のカラーコレクション(映像の色を修正しフッテージを整える作業)の手間が少し減るかもしれない。
シネマレンズの様なスタイルからも分かる様に、コンパクトではあるが映像でもとても使いやすい。ジンバルを使っての撮影が多くなった昨今では、カメラとレンズの軽量化は複数の恩恵がある。フロントヘビーになりがちなミラーレスカメラにおいてコンパクトで軽量なレンズは重量バランスが取りやすい、結果的にジンバルへの負荷が少ないのでペイロードが低めのコンパクトなジンバルも選択肢に入ってくる。
写真を撮る合間に気軽にムービーも撮影する、写真とはまた違った楽しみがある。見苦しいが自分の姿も思い出の一つとして残す。シネマプライムレンズではよく使う、65mmという焦点距離もラインナップされるのがIシリーズの特徴でもある、シネマモードではこの65mm F2 DG DN | Contemporaryを使うことがとても多い。
VIDEO
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/2000 f2.8 ISO400 焦点距離45mm
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/1600 f3.5 ISO400 焦点距離24mm
レンズラインナップ 左から65mm F2.8 DG DN | Contemporary / 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
/ 右下 35mm F2 DG DN | Contemporary / 右上 24mm F3.5 DG DN | Contemporary / カメラボディー SIGMA fp
モノとしての価値を再定義する稀有な存在
撮影をするための機材であるレンズなのでスペックはもちろん大切なのだが、このレンズはそれを使うユーザーの体験までも素敵にデザインされているように感じる。シグマは数多くのユーザー達が夢中で撮影する姿やライフスタイルにまで思いを馳せ、それはそれは丹精込めて仕上げたのではないだろうか。日本の会津で大切に作られて私達の手元へ届くこのレンズ達。リアキャップのローレットからも見て取れるように、撮影をする時以外の些細なことまでも気にかけているのが分かる。だからこそ素直に愛着が湧く。ここまで思いを込めて、徹底的にユーザーに喜んでもらえるよう考えられたプロダクツは数少ないと思う。私の相棒であり大切な道具であるこのレンズで、これからも特別な瞬間を楽しんで撮影しようと思う。
■フォトグラファー/ ビデオグラファー:
坂口正臣
雑誌の撮影を経て広告写真・建築写真・映像撮影など福岡を拠点に幅広く活動中。坂口写真事務所(SPO)を運営。
Iシリーズ各写真家のレビュー記事はコチラ
■シグマ 24mm F2 DG DN Contemporary レビュー|Iシリーズ2本目の明るい24mm登場!
三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/483454979.html
■シグマ 24mm F3.5 DG DN Contemporaryレビュー|質感高く所有欲まで満たされる小型軽量の広角レンズ
葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/479600569.html
■シグマ 35mm F2 DG DN Contemporary レビュー|街なかに溶け込めるスナップレンズ
水咲奈々
https://shasha.kitamura.jp/article/479188303.html
■シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|私たちの最初のレンズ
FPS24
https://shasha.kitamura.jp/article/483180936.html
■シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporaryレビュー|真綿のようなソフトな描写にハマるレンズ
水咲奈々
https://shasha.kitamura.jp/article/480386399.html
■シグマ 65mm F2 DG DN Contemporary レビュー | 「Art」「Cine」レンズで磨かれた描写を独特の距離感で楽しめる
三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/479239309.html
■シグマ 65mm F2 DG DN Contemporaryレビュー|モデルとの距離を近付けてくれるレンズ
水咲奈々
https://shasha.kitamura.jp/article/480046126.html
■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生
三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/483500379.html
この記事に使用した機材
【シグマ】24mm F3.5 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】35mm F2 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】45mm F2.8 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】65mm F2 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
フォトグラファー/ビデオグラファーの坂口正臣さんが、シグマIシリーズの魅力を紹介しています。普段使用されてきた24mm・35mm・45mm・65mm の4本のレビューをスチールと動画の作例と合わせてご覧ください。
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KEYWORDS:
iシリーズ,シグマ,24mm F3.5 DG DN Contemporary,35mm F2 DG DN Contemporary,45mm F2.8 DG DN Contemporary,65mm F2 DG DN Contemporary
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ソニー FE 35mm F1.4 GM レビュー|ペトグラファー小川晃代
BASENAME: 483646345.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 小川晃代
DATE: 10/09/2021 11:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 35mm F1.4 GM,単焦点,犬/猫/ペット
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BODY:
はじめに
外でも室内でも暗い場所でも使いやすいソニーのFE 35mm F1.4 GMレンズ。今回はこのレンズの魅力をお伝えする為、ペット写真家である私の作例作品をお見せしながらご紹介します。
ペット撮影で35mmレンズが必要なわけ
ペット撮影をする上で1本は持っておきたい単焦点レンズ。様々な焦点距離の単焦点レンズがありますが、私が気に入っているのは35mmです。その理由は2つあります。
1つは画角です。35mmとよく比較される50mmよりもちょっと広い画角で撮れるので、被写体と一緒に美しい背景を多めに入れたいという時に役立ちます。また、撮る角度によって標準っぽくも広角っぽくもなるので様々なバリエーションで撮ることもできるのです。
ハウススタジオなどで撮る時も、おしゃれな室内をより多く入れ込むことが出来るので重宝します。ご自宅での愛犬や愛猫を撮る時にもオススメですが、中には「生活感が写りこんでしまうからちょっと……」と敬遠される方もいますよね。でもこのレンズは広い画だけが撮れるわけではありません。被写体にグッと近づいて撮れば、画面いっぱいに被写体を配置した構図でも撮れるのです。
その上、このレンズの開放F値はF1.4。ピントを合わせた所以外がものすごくボケます。下の写真でも分かるように片目にはしっかりピントが合ってシャープに写っていますが、もう片方の目や鼻はボケていますよね。こんな感じで画面に大きく被写体を配置して背景をキレイにぼかしてしまえば、お部屋の粗は見えなくなってしまうんです。これでお家での撮影が楽しくなる事間違いなし。
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO-500 露出補正+2.3
そして、2つ目の理由がこのレンズの最短撮影距離の短さ。最短撮影距離とは被写体までの最短で撮影出来る距離の事。上で書いた通りグッと近づいて撮る時にとても重要な要素です。最短撮影距離はレンズごとに異なっていて、最短撮影距離よりも被写体に近づきすぎてしまうとピントが合いません。そしてこのレンズの短撮影距離は27cm。つまり被写体に27cmまで近づいてもしっかりピントが合うんです。
最短撮影距離は、待てが出来ないペットを一人で撮影する場合には必ずチェックしたい項目の一つです。私はまだしつけの入っていないわんこを撮影する時、右手にカメラを持って構え、左手であやしながら撮影をしています。最短撮影距離が27cmであれば、わんこにかなり近寄って撮影出来るのであやしながらの撮影が可能です。この最短撮影距離が50cm以上のレンズになると、わんこに手が届かなくなるのでカメラを構えながらあやす事が出来ません。このようにあやしながら撮影する場合や、飼い主さんから離れるのが怖い等の臆病な子を撮影する場合、最短撮影距離は出来るだけ短いレンズがおすすめなのです。
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/2 1/80秒 ISO-1000 露出補正+2
子犬を片手でなでなでしながら撮影していたら寝てしまいました。でも寝初めはちょっとした物音ですぐに起きてしまうので、なでなでしながらその手を一瞬離して撮影。またなでなでをしてと繰り返します。優しい光が差し込む部屋で撮影したので、ポカポカあたたかくて気持ちがよかったのですね。
美しいボケ味が魅力
このレンズの良さは何よりもやわらかく自然で美しいボケ味。ペット撮影でより良い作品作りにかかせないのがこのボケ味です。美しいボケは可愛いペットをより一層引き立てて可愛く印象的に見せてくれます。そのためペット撮影は、多頭撮影でない限りは絞り開放で撮る事が多いです。35mmを使ってF1.4の美しいボケ味を楽しんでいます。
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO-250 露出補正+2
広いバスルームで撮影。バスタブの白が反射して顔を明るく照らしてくれました。広めの背景を写しこんでもこのボケ感。とろけるようなボケ味がたまりません。
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/400秒 ISO-100 露出補正+1.3
こちらはお庭の一角で撮影。後ろにはブリキポットに入ったラベンダーを配置し、手前にもラベンダーとグリーンを前ボケ用に配置、これらの間にわんこを配置して撮影しました。とても狭いスペースの中で撮影したため、ほとんどの物が主役のわんこのすぐ近くにある状態でしたが、これだけボケてくれるので絵にメリハリが出ました。
高い逆光耐性もこのレンズの魅力です。下の写真のように背景から光が沢山差し込む中での撮影であっても、主役のわんこはとても鮮明に、毛の質感もしっかり写っています。ペット撮影では特に瞳をキレイに写したいので、このように瞳のうるおいもしっかりと写してくれる描写力はとても心強いのです。
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.8 1/1000秒 ISO-320 露出補正±0
瞳が美しく表現でき、玉ボケもキレイに入りました。この高い描写力が撮影を楽しくしてくれます。
小型軽量で野良猫やお散歩撮影にも便利
私は野良猫の撮影にもよく行くのですが、ここでもFE 35mm F1.4 GMをよく使います。野良猫撮影では野良猫の表情やしぐさを切り撮るのも楽しいですが、この子達がどのような環境で生きているかを写真で残したいと思うので、広い背景を入れ込んで撮る事があります。野良猫は半野生動物なので近づくと逃げてしまう子もいますが、逃げてしまうかどうかは近づき方とその時に使っているレンズの大きさにも関係します。
あまり大きなレンズを持って近づくと怖がって逃げてしまうのですが、威圧感の無い小型のレンズであれば相手をビックリさせません。FE 35mm F1.4 GMは重さも約524gと軽量設計。もう一つの35mmレンズ「Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA」と比べても100gちょっと軽いんです。このちょっとした軽さが地味に嬉しいです。
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/320秒 ISO-100 露出補正+0.3
カメラを地面ギリギリの低い位置で構え、ぐっと近寄って撮影。広い景色を入れ込む事で、のどかな景気の中でくつろぐ様子を表現出来ました。田舎な感じの風景が野良猫らしさを演出しています。
小型なので普段のお散歩でもこのレンズ1本つけて持ち歩く分には苦になりません。この苦にならないっていうのは結構重要です。愛犬のふとした可愛い瞬間って普段の何気ないお散歩時に見れたりしますが、重たいからとカメラを持ち歩いていなかったら撮り逃してしまいますよね。でも、いつでも持ち歩けるサイズ感のレンズだったら、いつでもかばんにポンと入れておけるので撮り逃しもなくなります。
水族館撮影にはかかせない
屋外でも室内でも幅広く使えるレンズのFE 35mm F1.4 GMですが、さらに暗い場所での撮影にもピッタリなレンズなんです。特に水族館で撮影する時におすすめ。水槽の中の魚を撮るにはこのレンズ1本で私的には十分。暗くて撮影が難しいとされる水族館でもFE 35mm F1.4 GMがあれば、撮影が難しいなんて事を忘れるくらい、簡単にしかも美しく撮れるので夢中になって時間も忘れてしまうほど。暗い中ではどうしてもピントが合わせづらくなりがちですが、すいすい泳ぐ魚たちにも瞬時にピントを合わせてくれるので決定的瞬間を逃しません。この高いAF精度もペットをはじめ生き物撮影にはかかせないポイントです。
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/200秒 ISO-400 露出補正±0
ガラス面近くに来た魚を撮った1枚。魚の質感や色味を忠実に再現。水の中&ガラス越しとは思えないほどの美しい描写力。
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:f/1.4 1/250秒 ISO-640 露出補正-1
かなり暗い水槽の中で様々な色でライトアップされていました。背景の光源が美しい玉ボケとなって写っていますね。ふんわりとぼかす事で幻想的な雰囲気に仕上がります。
水族館撮影では反射を無くすために水槽にレンズをくっ付けて撮ることがほとんど。そこに向かって近づいてきた魚にも、最短撮影距離の短いFE 35mm F1.4 GMはしっかりとピントを合わせてくれるので単純に撮影のチャンスが増えます。しかも、F1.4の明るさがあるので最近の水族館撮影ではこのレンズ1本だけ持ってでかける程のお気に入りのレンズになっています。
まとめ
小型軽量でこれだけの美しいボケ描写と圧倒的な解像感。様々な場面で活躍するレンズなので一度使うと手放せないレンズです。普段のお家でのシーンやお散歩シーン、おでかけ先の美しい景色と一緒の愛犬愛猫写真をこのレンズで撮ってみてはいかがですか。
■写真家:
小川晃代
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。
「ソニー FE 35mm F1.4 GM」の関連記事はこちら
■ソニー FE 35mm F1.4 GM|シャープな解像感と美しいボケ味を両立する大口径単焦点レンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/480408349.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ペトグラファーの小川晃代さんがFE 35mm F1.4 GMのレビューをしています。可愛いペットの作例と共にぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー(Sony) レンズ,FE 35mm F1.4 GM,単焦点レンズ,レビュー,
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ニコン Z fc レビュー|持って、撮って、見せて楽しめるミラーレスカメラ
BASENAME: 483661088.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 10/10/2021 10:00:00
TAGS: Z fc,ニコン(Nikon) ボディー,APS-C,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
「ニコン FM2」にインスパイアされたクラシカルなデザインで、発表と同時に話題となった「Nikon Z fc」。「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」のズームレンズがセットになった「Z fc 16-50 VR SL レンズキット」は7月23日に発売され、「NIKKOR Z 28mm f/2.8」の単焦点レンズがセットになった「Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット」は、ようやく10月1日より発売となりました。
筆者が予約したセットはこの単焦点レンズキットでしたので、記事執筆時はまだ自分の機材は手元にないのですが、広報機をお借りできましたので、ポートレートのスチールとムービーでレビューをお送りいたします。
ファッションの一部になるクラシカルデザイン
■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8
■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO125 WB:5000K ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:辻美咲
本機を語るのでしたら、まずそのデザインについて言及したくなります。一見すると銀塩カメラのようなフラットな形状のボディ、黒とシルバーの色味も安っぽくないのが好印象。ペンタプリズム部のデザインとNikonの刻印文字は、ノスタルジックな気分を盛り上げてくれますし、アルミ削り出しのダイヤルは操作する楽しみを増してくれます。個人的には、円形の接眼目当ての採用がかなり嬉しいです。
また、「NIKKOR Z 28mm f/2.8」との組み合わせで約605gと、気軽に持ち歩ける重さなのもポイントが高いです。軽くて嬉しいのは、首から下げて歩くことが多くなりそうだから、という理由もあります。この可愛らしい外観でしたら、バッグにしまわずにファッションの一部として使いたくなります。
ポートレート・ショート・ムービー
VIDEO
■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8
■モデル:辻美咲
動画は、4K UHD/30pをクロップ無しで撮影できますし、ジンバルを使った低い位置での撮影に便利なバリアングル式画像モニターや、瞳AF/動物AFの搭載、フルHDであれば120pのハイフレームレートの撮影が可能なことや、ソフトがなくてもカメラ内でスローモーション動画を撮影できたりと、動画撮影に必要なひと通りの機能が搭載されています。
そのなかでも、本機で動画を楽しむのでしたらぜひ使っていただきたいのが「アクティブD-ライティング」と、「クリエイティブピクチャーコントロール(Creative Picture Control)」です。
「クリエイティブピクチャーコントロール」は、静止画と動画の色味や鮮やかさなどの雰囲気を、ワンタッチで変えられる画作り設定機能です。撮影後にカラーグレーディングを行って、イメージに合うように色味を編集するのもいいのですが、カメラが生み出す色味をそのまま動画にするのは、そのカメラを使う楽しさのひとつだと思います。
また、「アクティブD-ライティング」は白とび、黒つぶれを軽減してくれる機能で、静止画撮影では多用しています。動画撮影時も、天気のいい日にポートレートムービーを撮るときは、明暗の差が出すぎないように「標準」か「強め」に、街中の光と影を強調したいときは「弱め」か「なし」に設定して、輝度差をコントロールすると、より自分のイメージに近い動画を簡単に撮ることができます。
今回は、「クリエイティブピクチャーコントロール」を多用して、ノスタルジックながらも、ちょっとコミカルなイメージに仕上げてみました。足のカットだけ、ソフトを使用してハイスピードにしています。
シャッターチャンスを逃さない瞳AF機能
■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8
■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO100 WB:5000K ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:辻美咲
ポートレート撮影でやっぱり便利だなと思えるのは、瞳AF機能です。正面はもちろん横顔も、後ろを向くと頭を人体として認識するので、振り向いた顔にすぐピントが合い、シャッターチャンスを逃しません。
また、街中でのポートレート撮影はカメラボディやレンズによって注目を浴びることもあるのですが、「Nikon Z fc」と「NIKKOR Z 28mm f/2.8」のセットで撮影をしていると、商業的ではなくライトな撮影に見えるので、道行く人の足を止めることもなく、自然な街の情景の撮影が行えました。
安心の高画質性能
■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8
■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO200 WB:5000K ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:辻美咲
画質の綺麗さは言うに及ばず。可愛らしい外観には似つかわしくないほど、しっかりとした性能がボディに詰まっています。画像処理エンジンはEXPEED 6を採用。常用最高ISO感度は51200で、薄暗いシーンでもノイズを抑制したクリアーな描写を得られます。Z 6II、Z 50を所持している筆者が安心して使用できる高画質性能でした。
遊び心のある「クリエイティブピクチャーコントロール」
■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8
■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO200 WB:5000K クリエイティブピクチャーコントロール:レッド
■モデル:辻美咲
こちらは「クリエイティブピクチャーコントロール」のレッドを使用しました。この「クリエイティブピクチャーコントロール」は動画でも使用しましたが、ワンタッチで写真のムードを変えられる便利な機能で、ニコンが開発した様々な色味を体験できます。
このレッドは、単に赤色が乗るだけではなく、退色したフィルムのようなノスタルジックな画にしてくれるので、スナップで多用しているモードです。写真は、そこにあるものを正確に写し取ることも大切ですが、遊び心のあるカメラなら、撮影も遊び心満載で行いたいなと思いました。
モードの切替などの設定は、背面液晶のiメニューからタッチ操作で変えられるので、液晶や電子ビューファインダーで確認しながら、簡単、気軽に行えます。
やっぱりピカイチ!ニコンの電子ビューファインダー
■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8
■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO200 WB:5000K クリエイティブピクチャーコントロール:ピュア
■モデル:辻美咲
今回、Zシリーズ初のバリアングル式液晶モニターを搭載しています。Z 50のような下方向のチルト式ですと、三脚に干渉してしまって自撮りのときに不便を感じていたのですが、本機でそれが解消されました。バリアングル式液晶モニターは自撮りだけなく、静止画、動画共にローアングル撮影時にも使用するので、今ではなくてはならない機能となりました。
また、ニコンの特徴として、電子ビューファインダーの見え方が素晴らしく綺麗だということがあります。これは本当に、カタログスペックを見るよりも、とにかく実機を覗いて見ていただきたい綺麗さなんです。普段液晶モニターを見ながら撮影している方も、ニコンのカメラなら、電子ビューファインダーを覗いて撮影したくなること間違いなしです!
デザイン性だけではなく操作性も向上させたダイヤル類
■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8
■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO125 WB:5000K ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:辻美咲
デザイン性だけでなく、操作性の向上にも一役買っているのが、カメラ上部の3つのダイヤルです。ISO感度、シャッタースピード、露出補正を天面のダイヤルで変更できるので、基本的な操作系統がまとまって使いやすくなっています。
特に、カメラを初めて持って、これから写真を始めようという方には、この3つが目に見える位置に物理ダイヤルとして存在しているのは、わかりやすくて便利だろうなと思いました。筆者はポートレート撮影はマニュアル露出で行うことが多いので、ISO感度とシャッタースピードをダイレクトに変更できるこのデザインはとても便利でした。
Z fcにぴったりなクラシカルデザインの単焦点レンズ
■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8
■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO400 WB:自然光オート ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:辻美咲
今回使用した「NIKKOR Z 28mm f/2.8」も、「Nikon Z fc」が「ニコン FM2」にインスパイアされたデザインなのと同様に、「ニコン FM2」発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたヘリテージデザインとなっています。特徴的なローレットや、存在感の大きなコントロールリングなど、「Nikon Z fc」と併せて持ちたいレンズ外観に仕上がっています。
28mmという画角なので、使用するボディによって見え方がガラリと変わるのが、このレンズの特徴です。FXフォーマット機で使用すれば、空間の広がりを表現できる広角画角のレンズとなり、DXフォーマット機で使用すれば焦点距離42mm相当(35mm判換算)なので、今回のようなボケを活かしたいポートレートでの使用が楽しい、標準画角のレンズとなります。
ステッピングモーターを使用しているので、駆動音や操作音を気にしないで動画撮影時ができるのも、大きなメリット。個人的には、非沈胴式なのも好みです。
「Nikon Z fc」は「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」のズームレンズがセットになった「Z fc 16-50 VR SL レンズキット」も試用しましたが、単焦点好きな筆者としては、クラシカルなデザインも手伝って、本レンズとのセット「Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット」のほうが、やっぱり好みだなと感じました。
このデザインでしたら、きっとオールドレンズも似合うんでしょうね。まだ手元には届いていませんが、試用してさらに夢が広がりました。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
「Z fc」の関連記事はこちら
■ニコン Z fc 開発者インタビュー|話題のミラーレスカメラを徹底解説
https://shasha.kitamura.jp/article/482954090.html?1632970969
■ニコン Z fc レビュー|上田晃司
https://shasha.kitamura.jp/article/482757772.html
■ニコン「Z fc」はブラブラスナップが面白い!|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/483182915.html
この記事に使用した機材
【ニコン】Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR シルバー
商品詳細ページ
【ニコン】NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Edition
商品詳細ページ 【ニコン】Z fc用エクステンショングリップ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがニコン Z fcのレビューをしています。ファッショナブルなデザインとしてついつい持ち歩きなってしまうカメラに興味がある方は必見です。
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KEYWORDS:
Z fc,ニコン(Nikon) ボディー,レビュー,水咲奈々
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AUTHOR:
TITLE: まるでSFの世界!?光を利用した劇的な撮影テクニックをご紹介
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CATEGORY: 虫上智
DATE: 10/11/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー,オリンパス(Olympus) レンズ
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BODY:
はじめに
皆さんこんにちは。今回はSFのような世界観の写真が撮れる?というテーマでお話ししたいと思います。SFというと科学が進んだ未来の社会とか宇宙とかを舞台とする、映画のような空想的な世界を指しますね。私たちのリアルな日常の世界にも沢山の不思議な人工物や珍しい自然現象がありますので、それらを上手く作画するとSFの一場面のような作品が撮れることがあります。
また、ご存知の通り、写真は光で描く表現方法です。その光を思い描いたように自在に操る手法を使えばよりインパクトのある、印象的な作品が撮れる可能性が大きくなります。今回はそんな非現実的な写真を撮るには、どのようにアプローチすればよいかを考えてみました。
空想=非現実な世界観
SFというと筆者は最近のSFX映画を想像するのですが、現実の世界でもそのような場面に遭遇することがあります。下の写真のように塀にユニークな壁画があり、夕方の強い黄色い光で非現実的な表現を試みました。強い赤色の壁画に負けないくらいの強い赤い色の車が脇役に合うと思い、車が来るまで待機していました。シャッタースピードを遅くして少し車をブラすことで、よりSFの世界観を表現出来ました。
タイトル:「夕暮れのいざない」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F22 1/25秒 ISO64
この写真は倉庫の中の窓を撮影したものですが、倉庫内に車用のミラーがあり、その部分を上手く利用してコマ送りのような雰囲気にフレーミングしました。
タイトル:「セルフポートレート」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F5.6 1/125秒 ISO200
空想撮影のポイント
SFのような世界観を表現するのには、想像とは違う大きさのモノを入れて撮影することも一つの手段です。作例のように現実離れした大きさの物体(サイコロトイレなんですよ!)を配置することで、不思議な空間を表現できることもあります。木の部分は影になっており、影=黒の背景になりますので丁度いいタイミングで地元の方が通ったときにシャッターを切りました。また、水たまりの映り込みを利用してシンメトリーにしてより不思議感を強調しました。
タイトル:「ある光景」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F8 1/200秒 ISO400
こちらは以前、瀬戸内国際芸術祭で展示されていた作品で、そのままの形で現在も使用されているトイレです。巨大なシャボン玉のようなものを表現している現代アートとバイクの対比がとても新鮮に感じシャッターを切りました。奇麗な雲と青空の空気感も出したかったのでこのような表現としました。
タイトル:「青空トイレ」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F8 1/250秒 ISO200
空想撮影テクニックあれこれ
テクニック1:夜に撮影
SF写真を表現するのに簡単な方法があります。それは夜に撮影することです(笑)。夜に撮影すると背景が暗くなることが多く、昼間は見慣れた被写体でも怪しく、幻想的に表現できます。
この作例のように、昼間は見慣れた田舎の消防車ですが夜になるとこんな感じに表現できます。また、昼間でもライトを使用したり暗い背景を使用したりすると同じような効果を得られます。
タイトル:「不安な夜」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/30秒 ISO800
こちらは金魚ねぶたのライトアップを撮影した1枚。今年もコロナ渦で縮小して開催していたイベントですが、逆に人も少なくじっくりと撮影できました。アクセントが欲しかったので傘を差したシルエットの人物を入れて幻想的に表現してみました。
タイトル:「ねぶた壁画」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F5 1/10秒 ISO400
こちらは工業地帯と車の光跡を三脚を立てて長時間露光で表現したものです。肉眼ではこの様には見えませんが、車のライトの光をスローシャッターで取り入れることでこのような表現になりました。
タイトル:「夜へ」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F5.6 2秒 ISO200
こちらの作例は神戸のルミナリエです。美しいライトアップに魅了されました。このような大きなライトアップはフレーミングが非常に大切になります。
タイトル:「未来への希望」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F11 1/15秒 ISO200
そこにしかない珍しい被写体は時間をかけてじっくり撮影することもお勧めします。この被写体は昔使用されていた太陽望遠鏡で今はモニュメントとして存在しており、昼間はあまり感動しませんでしたので夜にもう一度訪れて星を入れて撮影しました。
タイトル:「悠久の刻」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 20秒 ISO800
テクニック2:夕暮れ時に撮影する
この作品は日が沈むタイミングに逆光で撮影したものです。日が沈む頃には影が長く伸び、影の部分を狙うことで非日常的な作品が撮れたりします。
タイトル:「宇宙人」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
■撮影環境:F6.3 1/200秒 ISO200
テクニック3:光と影を強調する
この作例は近所の川ですが、水の流れの波紋がいい感じでしたのでシャッターを切りました。露出補正をマイナスにして、全体的に暗く表現をして波紋の面白さを表現しました。
タイトル:「ゆらぎ」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
■撮影環境:F2.8 1/640秒 ISO400
肉眼ではどこにでもありそうな空間に見える古民家の部屋も、光を影を利用してフレーミングするとこのようなSFチックな新しい発見があります。
タイトル:「とある空間」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F3.5 1/320秒 ISO320
車で走っていて偶然見つけた古いガレージです。もともとはこの色ではないのですが、レタッチで全体的に青くすると私のイメージ通りになりました。
タイトル:「格納庫」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F10 1/40秒 ISO200
テクニック4:多重露出機能を使う
最近のカメラにデフォルトで搭載されている機能の一つに、「多重露出」というものがあります。その機能を使うと、簡単にSF的な撮影が出来ますので是非使用してみてください。
今はコスモスが沢山咲いている時期でもありますが、見慣れた風景を撮影することに飽きたら、多重露出機能を使用してみることをお勧めします。この作例では1枚目に花畑を撮影後、2枚目に自分の左手を空にあげて右手でシャッターを切りました。その際、指と指の隙間に太陽を入れることで光条を出してみました。
タイトル:「マイハンド」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F14 1/100秒 ISO200
テクニック5:魚眼レンズを使う
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F10 17秒 ISO400
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + LUMIX G FISHEYE 8mm / F3.5
■撮影環境:F7.1 0.8秒 ISO800
上の作例2点のように、普段の視線より極端にデフォルメされた表現が出来るのが魚眼レンズです。広い空間を1枚に写し入れた印象的な表現ができますので是非使ってみてください。注意することは、魚眼レンズを使用したらこんな風に撮れるかな?という実験的な視点が必要となります。
作品にタイトルを付けてみよう
SFチックな表現の作品には幻想的なタイトルが似合いますので、作品タイトルも重要となります。また、写真コンテストなどにも応募するのには絶対に欠かせない要素です。
こちらは吉野川のシラス漁を撮影した1枚です。よく見受けられるのが、あるがままをタイトルとしている方がおられます。この作品はタイトルを「シラス漁」よりも自分がどう見えたのかどう感じたのかが重要となり、タイトルのヒントにもなります。私には宇宙船のように見えましたので、タイトルは「宇宙船」としたほうが良いと思いました。
タイトル:「宇宙船」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4 1/100秒 ISO6400
この作品は「沈む太陽」を撮影したものですが、人物をわざとシルエットにして太陽を二人の隙間に入れこんだ作品です。二人の距離感というものを感じましたので、タイトルは「二人」ということにしました。タイトルを出来るだけシンプルにすることで、自分の作品を見る人それぞれに考えてもらえる余地を残すことも大切です。
タイトル:「二人」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F9 1/800秒 ISO100
この作品は最近撮影した彼岸花ですがこの日は気温が高く、昆虫も沢山居ました。そのなかでじっと動かず獲物を待っている蜘蛛を見つけました。蜘蛛の糸の張り方が標識のように見えたので、均等に花の茎を配置して作画しました。主役は「彼岸花」ではないので、タイトルは「獲物待ち」としました。
タイトル:「獲物待ち」
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
■撮影環境:F2.8 1/125秒 ISO200
空想撮影におすすめのカメラ機材
SFのような写真を撮影するのには特別な機材は必要ありません。あくまで自分の所有している機材で十分だと思います。最近ではスマホカメラでも十分奇麗な写真が撮影できますが、望遠でより大きく撮影したり被写体に近寄ってクローズアップしたりするような撮影は、まだまだ専用カメラに分がありますね。
筆者が使用しているミラーレス一眼カメラは、文字通りミラーが無いためファインダーから目を離さずに撮影画像を確認でき、被写体に集中できるメリットが素晴らしいです。また、カメラ本体に強力な手ぶれ防止機能がある機種が多く、暗い場所でも三脚いらずで撮影できます。そしてミラーが無い分、本体は小さく軽量で撮影がしやすいです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO(画像はオリンパスHPより)
使用したレンズは、主に高倍率ズームのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROです。このレンズは接写も得意とするレンズで、様々な撮影に使える便利さがあります。しかも、OM-D E-M1 Mark IIIに装着するとなんと7.5段という手ぶれ補正効果を発揮します。筆者は夜景撮影で手持ちでのシャッタースピード2秒でも手ぶれしませんでした!
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO(画像はオリンパスHPより)
もう1本、よく使用している魚眼レンズを紹介します。M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROです。上記の作例のようにデフォルメされた仮想現実のような世界観を表現するのにも最適ですし、広角レンズの代わりにもなる、一石二鳥のレンズなのです。
まとめ
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4 1/80秒 ISO200
いかがでしたでしょうか、被写体を求めてわざわざ遠くへ行くことも大切ですが、逆に遠くへ行かずとも身近な場所でもリアルSF(空想)的な写真を撮影できることが理解いただけたと思います。皆さんの新たな表現手段として参考になれば幸いです。
■写真家:
虫上智
1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。
日本写真家協会(JPS)会員。日本写真講師協会 認定フォトインストラクター。フォトマスターEX(総合)。オリンパスカレッジ講師。
この記事に使用した機材 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M5 MarkIII ボディ
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の虫上智さんに、SFの世界を表現するような写真撮影テクニックを解説いただきました。光を利用して幻想的な表現を楽しんでみませんか。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,オリンパス,OLYMPUS,OM-D
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ニコン Z fc レビュー|熊切大輔
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CATEGORY: 熊切大輔
DATE: 10/12/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,スナップ,APS-C,ミラーレスカメラ
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BODY:
シャッターチャンスとカメラの関係
シャッターチャンスに強くなる方法。それはカメラがすぐにシャッターを押せる状態にあることです。当たり前ですが、ここが一番重要なのはおわかり頂けると思います。首からいつもカメラが下がっている状態が理想的です。
ではいつも首から下げたくなるカメラ、とはどんなものでしょう。当然サイズは小さく軽く、そして何よりデザインの良いカメラでファッションの一部にもなるような格好の良さが重要です。撮る楽しみと同等に持ち歩く楽しみがある。そんなカメラがZ fcなのです。
ニコン Z fcについて
フィルムカメラの名機FM2を彷彿とさせるボディデザインは往年のファンはもとより、若い世代にもかっこよく新鮮に感じられるのではないでしょうか。
ダイヤル類もアナログ式になっていますが、これは単にデザイン的に昔風になっているだけではありません。スイッチOFFの状態でも首から下げた時に上から見て、設定がひと目で分かる利便性も兼ね備えているのです。もしかすると、液晶画面で設定を確認するよりも直感的に設定を理解できるかもしれません。ちなみにダイヤル類は回した時の感触、トルクをそれぞれ微妙に変えるなど、細部に渡ってアナログ的なこだわりのある作りとなっています。
そんな撮ること・持ち歩くことが楽しくなるカメラ、Z fc。7月23日のZ fc 16-50 VR SLレンズキットとボディの販売から予想以上の反響があったようで、NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Editionレンズキットの登場が少し遅れていましたが、いよいよ2021年10月1日に待望の発売となりました。
そこで私のオススメのZ fcの使い方を一つお話します。それはZ fc-GR1 (エクステンショングリップ)を装着することです。
本体は445gと小型軽量が特徴となっていますが、かなり個人的な感覚かもしれませんがボディの持つ雰囲気、イメージよりも軽く思えるほど軽量なのです。そこに約84gのエクステンショングリップを装着することで、イメージ通りのしっくり来る重量感になります。
加えてやや上重心なボディバランスも下にさがって、安定感がぐっと増してきます。当然小さなグリップですが指掛かりも断然良くなり使い勝手がよくなります。普段小型カメラにあえてグリップを付けない派の私ですが、サイズ感に大きく影響しないモノとしての質感と、利便性を強く感じられるエクステンショングリップはオススメのアイテムです。
今回ボディと共に大きな注目を集めているのが、もう一つのキットレンズとなったNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)です。ボディ同様FM2と同時期のマニュアルレンズにインスピレーションを受けた鏡胴デザインは、当然の様にZ fcにピッタリマッチしています。
今までリリースされたZシリーズの単焦点レンズは比較的に長めのサイズとなっていましたが、この28mmは小型軽量になりZ fcの小型ボディとのサイズバランスが絶妙にとれている印象となっています。
開放F値は2.8ですがそのレンズ表現は優秀で、タップリとしたボケ味も十分楽しむことができます。0.19mまで寄れる近接撮影能力を活かして遠近のギャップをつけて、よりボケ味を楽しむ構図で撮影してみました。
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/100 合焦面の高精細な画から柔らかくボケていく表現はメリハリの効いた美しい描写能力を持っていることがわかります。ちなみに、画角を合わせてもう一つのキットレンズNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRでも撮影してみました。
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:ISO400 F4.8 SS1/125 当然開放値が違いますのでボケ味に関しては比較的弱めです。しかし、コンパクトなDXキットレンズですがこちらもキレとボケのバランスが想像以上に良く優秀なレンズであることがわかりました。NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRには4.5段効く手ブレ補正効果を発揮する光学式VR機構も内蔵しており、こちらも手に入れたいレンズに仕上がっています。そんな2本のレンズとZ fcを持って街を切り撮ってみました。
ニコン Z fc 作例
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:ISO400 F5.6 SS1/125 DX(APS-C)フォーマットのセンサーに対して画質的にネガティブなイメージを持っている方も中にはいらっしゃると思いますが、心配は無用です。切れのある高精細な画を切り撮ることが出来ます。都電に乗って王子の飛鳥山公園に行きました。SLが展示しておりそのメカメカしい機関部分に心惹かれシャッターを押しました。真正面から平面的に撮ることによってデザインが効いた構図になります。
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:ISO400 F5 SS1/1000 Z fcはZシリーズ初のバリアングル液晶モニターを採用しました。動画で画像確認しながらの収録用はもちろん、スチールでは縦位置でのアングル変化も出来るようになるなど撮影フィールド、表現が更に広がりました。日本橋の福徳神社は車止めも鳥居の形をしています。地面スレスレのローアングルで捉えると本物の鳥居とダブルでくぐるお子さんが楽しそうに写りました。
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:ISO400 F5.6 SS1/200 水面反射もローアングルが効くシーンです。よりクリアに多くの情報を写し込むには水面ギリギリを狙いたいところです。クリアな二重世界が不思議な一瞬を生みだしました。
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:ISO200 F2.8 SS1/200 当然ハイアングルの表現も広がります。チルトではカバーできなかった真下に液晶を向けたアングルなど、高所のフォトジェニックな被写体も捉えることが出来ました。
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:ISO400 F5.6 SS1/200 悟ったようにこちら見ているような猫に出会いました。Z fcは動物AFもしっかりと対応。機能的にZシリーズの上位機種から見劣りすることはありません。28mmはS-Lineレンズ以外で初のマルチフォーカス方式を採用。動き物もスムーズでスピーディかつ高精度にピントを捕まえてくれます。
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:ISO1600 F2.8 SS1/4000 高感度は常用ISO51200と余裕のある高感度描写を実現しています。ISO1600、3200あたりの「使える高感度」の画質は全く問題なく暗所での撮影も躊躇なく挑めます。夕暮れの巣鴨地蔵通りの大きなこけしの柔らかい明かりが灯りました。
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:ISO400 F2.8 SS1/800 像面位相差AFとコントラストAFを自動的に切り換え、素早く高精度にピント合わせを行うハイブリッドAFは瞬間的に現れる被写体に的確に対応してくれます。提灯と風車の間の一瞬を捉えました。スナップの瞬間性を活かした画作りを後押ししてくれます。
■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
■撮影環境:ISO1600 F2.8 SS1/1000 カメラがノスタルジックだとそれに合わせた画作りをしたくなります。フィルムの頃を思い出し、モノクローム専用機にするのも楽しいかもしれません。Zシリーズ全般でおなじみのクリエイティブピクチャーコントロールもすべて楽しむことが出来ます。カーボンモードにして飲み屋街をハードボイルドに写してみました。
まとめ
シンプルにカメラが持ち歩きたくなるような物であれば、シャッターを押す回数は自ずと増えていきます。カメラが違うだけでこんなにもシャッターチャンスに巡り会えるのか、モチベーションを上げてくれるカメラを持った人は必ず実感できるはずです。
技術も大事ですがまずは身近に写真のある生活を楽しんでいただきたい。そうすれば自ずと素敵な作品をご自身が撮ることが出来る、そう思います。初心者もベテランも同じ様に撮影を楽しめる、そんな写真ライフのパートナーにピッタリのカメラがこのZ fcだと思います。
■写真家:
熊切大輔
東京生まれ。東京工芸大を卒業後、日刊ゲンダイ写真部を経てフリーランスの写真家として独立。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。
スナップで街と人を切り撮った写真集「刹那 東京で」を2018年に発売と共に写真展を開催。2021年には写真集&写真展「東京美人景」そして「東京動物園」の三部作で東京の今を撮り続けている。
公益社団法人日本写真家協会理事
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■ニコン Z fc 開発者インタビュー|話題のミラーレスカメラを徹底解説
https://shasha.kitamura.jp/article/482954090.html
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https://shasha.kitamura.jp/article/482757772.html
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■ニコン Z fc レビュー|持って、撮って、見せて楽しめるミラーレスカメラ
https://shasha.kitamura.jp/article/483661088.html
この記事に使用した機材
【ニコン】Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR シルバー
商品詳細ページ
【ニコン】NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Edition
商品詳細ページ 【ニコン】Z fc用エクステンショングリップ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の熊切大輔さんによるニコン Z fcのレビュー記事です。NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Editionと一緒に撮影されたスナップ作例と一緒にご連絡ください。
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KEYWORDS:
ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,レビュー,スナップ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 50mm F1.2 GM×動画クリエイター DAIGEN|異次元の映りでポートレートムービーに最適!
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STATUS: Publish
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CATEGORY: だいげん
DATE: 10/13/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 50mm F1.2 GM,動画クリエイター,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
~2021年11月20日にだいげん氏によるセミナーが開催されますのでご参加希望の方は
文末の案内 を是非ご覧ください。~
本日はソニー FE 50mm F1.2 GMの動画撮影での描写や基本性能についてご紹介いたします。本レンズを今回はじめて使用してみて、今まで使ってきたレンズとは少し毛色が違う、とても素晴らしいレンズという印象を受けました。まずは作例がありますのでご覧ください!
VIDEO
作例はいいかがでしたでしょうか?今まで色々なGMレンズを使ってきましたが、ソニー FE 50mm F1.2 Gは、今まで使ってきたGMレンズのどれにもない感じの映りをしてくれるレンズだと感じました。
※今まで使った事のあるGMレンズ:FE 24mm F1.4 GM、FE 16-35mm F2.8 GM、FE 35mm F1.4 GM(借りて利用)、FE 85mm F1.4 GM(借りて利用)。
GMレンズとは?
ソニーのレンズは3つのブランドに分かれています。
・ZEISSレンズ ・・・ カールツァイスとソニーが共同開発しているレンズ
・Gレンズ ・・・ 解像度とボケ味にこだわった優れた表現力が特徴
・GMレンズ ・・・ 高い解像力となめらかなボケ味を高次元で両立させた最高峰のレンズ
今回紹介したGMレンズはソニーが持つ技術力を全て集結させたレンズで、フォーカスの精度はもちろん、解像感を保ちながら綺麗なボケを出せるといった両立が難しいと言われている表現を、とことん突き詰めてつくられたレンズとなっています。
今回使ってみて、最もこだわって作られたGMレンズの中でもさらにひとつ抜けた存在であるという印象を受けました。
ボケ感
特に良いなと感じた部分はボケ感です。今まで使ってきたレンズの中で最も明るいF1.2というレンズなのですが、ここのF値が小さいと背景もトロトロにボケていて背景に何があるか分からないぐらいの表現になります。
大きなボケが出来るのも良いのですが、フォーカスが合っているところとそれ以外がナチュラルにボケていってるのもキレイなボケを作る要素のひとつなんだな、というのをこのレンズを使って再確認しました。
玉ボケに関しては、丸くてナチュラルで没入感が高いボケ、凄く気持ちの良いボケ感を出してくれています。
映像を作る時にボケ感が全てというわけではないと思いますが、表現の幅が広がる事は間違いありません。ボケの量をコントロールすることで、画面内の情報量をコントロールすることもできたりするんですよね。背景が大きくボケているカットと、そうでないカットを並べてみましたのでご覧ください。
左側の背景がそこまでボケていないカットでは、今どういう場所で撮影しているのかがしっかり伝わります。一方で、右側の背景が大きくボケているカットでは場所の情報量は少なく被写体へ意識がフォーカスされます。伝えたい事、フォーカスしたいことをしっかりと表現できるというのもF値が小さくて大きなボケ感を出せるレンズの魅力ではないでしょうか。
玉ボケも丸くてキレイに出ていますね!
AF性能
カメラ本体の性能も影響していると思いますが、今回の作例のような暗い場所での撮影、そして動きの速い被写体の撮影であってもフォーカスを外すシーンは殆どありませんでした。瞳オートフォーカスの精度もバッチリです!顔を振っても激しく動かしてみても前後に動いてみてもフォーカスを外すことなく撮影できますので、これからカメラを始めようと思っているビギナーの方にも安心して使えるレンズだと思います。
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フォーカスブリージング
フォーカスブリージングとは、ピントの合う場所が変わると画角が若干変わってしまうことです。レンズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。FE 50mm F1.2 GMレンズのブリージングを見てみましょう。フォーカスの合う位置を手前・奥と変えてみても、そこまで大きなブリージングは出ていないように感じます。
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ブリージングは写真を撮る方に関してはそこまで気になるところではない思いますが、動画を撮る方にとっては被写体が動く度、フォーカス送りをする度に画角が動いてしまうと映像への没入感が損なわれ易くなってしまいますので、とても気になるところだと思います。
レンズスペック
FE 50mm F1.2 GMのスペックはこちらをご覧ください。
・レンズ構成:10群14枚
・開放絞り:F1.2
・最小絞り:F16
・絞り羽根枚数:11枚
・最短撮影距離:0.4m
・フィルター径:72mm
・質量:約778g
最短撮影距離は短く、結構寄って撮る事ができます。ここも撮影表現を拡げる嬉しいポイントですね。質量は結構ずっしりしていますが、今回FX3に装着して撮影したところバランス感は非常に良かったです。α7Cなどコンパクトサイズのカメラと組み合わせると、カメラ本体自体が軽いのでフロントヘビーになって少し使いにくい(バランスが取りにくい)かなっていう感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、重さの割にレンズの長さがそこまで長くないので、例えばジンバルでのバランス調整はそこまで難しくないように感じます。レンズの長さがあるものに比べると重心が中心にき易くなってますので、比較的重さは感じにくいデザインになっているのかなと思いました。
まとめ
今回はソニー FE 50mm F1.2 GMレンズを紹介しました。このレンズは今年使ったレンズの中で1番感動したレンズです。購入しようか迷っている方は1度カメラのキタムラの店舗に行って試してみると、心がだいぶ購入の方に傾いてしまうんじゃないかと思います(笑)
この内容は私のYouTubeチャンネル「DAIGEN TV」でもご紹介しています。ぜひ合わせてご覧いただけますと幸いです。
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ソニー FE 50mm F1.2 GMのレビュー記事はこちらでもご覧頂けます。
■ソニー FE 50mm F1.2 GMレビュー|山本まりこ
https://shasha.kitamura.jp/article/482798999.html
■ソニー FE 50mm F1.2 GM レビュー|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/481333517.html
11/20開催だいげん氏のソニープロカメラマンセミナー申込受付中!
2021年11月20日(土)に講師に、だいげん氏をお招きしてSONYのフルサイズミラーレスカメラα7C、手軽に動画が撮れるVLOGCAMを中心に製品の魅力を伝える無料セミナーを開催いたします。新宿 北村写真機店で開催しているセミナーの様子を、一部のカメラのキタムラ店舗(17店舗)にライブ中継で放送いたします。新宿 北村写真機店へお越しいただくことが難しい方でもセミナーをお楽しみ頂けます。応募締め切りは11月17日21:00となりますのでお早目にご応募ください。
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この記事に使用した機材
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ソニー FE 50mm F1.2 GMを動画クリエイターのだいげんさんがレビューしています。ポートレートを撮影した動画作品と合わせてご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,レンズ,FE 50mm F1.2 GM,人物,ポートレート,動画クリエイター,vlog,動画作品,だいげん,DAIGEN TV
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 料理写真をうまく撮るコツとは?サルデーニャ料理でトライ!|山口規子
BASENAME: 483836904.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 山口規子
DATE: 10/14/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,ニコン(Nikon) レンズ,撮影テクニック,静物/物撮り/料理
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BODY:
はじめに
旅先や自宅で、料理写真を撮った時、「あれ?なんか、美味しそうじゃないなあ」と思った経験はありませんか?今日は料理写真をうまく撮るコツをいくつかお教えします。今回はイタリアのサルデーニャ料理を、料理研究家の山内千夏さんに作っていただきました。
まずは、サルデーニャ島のことをちょこっとだけ。「サルデーニャ島ってどこ?」サルデーニャ島は地中海に浮かぶイタリア領土の島。面積は四国の1.3倍、地中海で2番目に大きな島です。昔から異国の船が立ち寄り、様々な文化を吸収しながら独自の文化を作り上げ、人々は自分たちのことをサルデーニャ人と言い、料理はサルデーニャ料理と呼びます。またパスタの種類は村の数ほどあると言われており、今回作っていただいたパスタは「マロレドゥス」といい、島でよく食べられている伝統的なパスタ。平かごの網目に生地を押しつけて、コロンと転がし、筋の模様をつけます。この筋にソースがからんでパスタ全体が美味しくなります。
今日のメニューは「マロレドゥスのサルシッチャソース」「ムール貝のパン粉焼き」、銅鍋で作る「蒸しナス」、祝日のドルチェ「パバッシーニ」。作っている様子も楽しかったので、撮ってみましたよ。
レンズ選びとレフ板
まずはレンズ選び。近づけるレンズ、マイクロレンズがお勧めです。マイクロレンズを持っていない方は、被写体に寄れる撮影最短距離が短いレンズで、焦点距離は50~100mmぐらいのレンズを使いましょう。また影を薄くするために反射板、リフレクションボード、通称「レフ板」があると便利です。レフ板は手作りでも簡単にできます。A4サイズの厚紙、もしくはA4サイズぐらいの段ボールを2枚用意し、そこにコピー用紙などの白い紙を全面に貼ります。その2枚の1辺をセロテープやガムテープで貼り、本を開くように垂直に立てば出来上がり。被写体側に白い部分を当てます。作るのが面倒な人は、ぜひカメラのキタムラへGO!
今回はNikon Z 6IIにマイクロレンズ「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」と、「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」を使用しました。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/8 1/25秒 ISO1000
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/4 1/50秒 ISO400
絞りを大きく開いてふんわり系に撮影
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/16 1/2秒 ISO400
絞りを小さく閉じてカッチリ系に撮影
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/6.3 1/40秒 ISO800
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/6.3 1/40秒 ISO800
光の選び方
自然光が入る窓際がお勧めです。ご自宅の場合は窓際にテーブルを寄せて、窓が自分の右側か左側に来るように立ちます。いわゆる横からの光で撮ります。すると窓がない側に影が落ちるので、そこで先程のレフ板を立てて活用します。窓がない方に置くときに白い紙を貼った部分をお料理にあててください。またレストランなどでは、必ず窓際のテーブル席を希望しましょう。
窓のないレストランでは、天井を見上げて照明の光源の種類を確認します。電球なのか?蛍光灯なのか?それによってカメラのホワイトバランス(以下WB)の設定を変えてくだい。よくある失敗パターンは、WBが太陽光に設定されたままで、電球の下で撮ると、オレンジっぽく赤くなってしまうパターンです。最近の照明は光源がわからない場合があります。そんな時はWBをいろいろ変えて撮ってみましょう。
窓の位置とレフ板の位置
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/4.5 1/80秒 ISO800
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:f/5.6 1/60秒 ISO400
構図の作り方
構図は一番センスが問われる部分です。お皿など全て入れて写そうとせず、ポイントを自分で決めて、余分な部分は画面から排除します。いわゆる切り取り構図。ポイントはケーキの上にちょこんと乗ったハーブだったり、ラーメンの上の煮卵だったり、自分でポイントを決めることが大事です。そして構図は潔く切り取る、削除法を心がけます。
また、カメラアングルも構図に大きな影響を与えます。分厚いステーキなどはアングル低めの方が迫力あり、ピザのような平らなものはアングル高めにするなど、料理の高さによって、アングルを変えます。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/5.6 1/50秒 ISO100
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:f/4 1/100秒 ISO5000
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:f/4 1/800秒 ISO5000
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/3.2 1/320秒 ISO800
最後のアドバイス
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:f/16 1/4秒 ISO800
私たちプロ写真家の間では「料理は1分で死ぬ」と言われています。それは簡単にいうと「料理は出来立てが命」、だから「素早く撮る」ことです。時間が経つにつれ、刻々と料理も変化します。アイスクリームが解けてきたり、カレーのルーが固まってきたり、味噌汁の具が沈んできたり、ラーメンの上に乗っている海苔がふにゃふにゃになったりします。コツは、
(1)すぐ取れるようにカメラ機能の設定はしておく
(2)F値を決めておく(被写界深度浅めでふんわりと、または被写界深度深めで全カッチリ系など)
(3)お皿の置く場所も決めておく
(4)背景の要らないものは排除しておく
(5)頭の中でその料理をイメージしてカメラアングルもほぼ決めておく
(6)おいたら素早く撮りたいポイントにピントを合わせ、すぐ撮る
(7)余裕があるときは、アングルを高くしたり低くしたり、縦位置横位置も撮って、いろんなバリエーションを撮る。
そして、一番大事なのは撮るときの気持ちです。「美味しそう!」と思わないとやっぱり「美味しそう!」には撮れないものです。気持ちを大切に~。
しかしながら、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは、ボケが綺麗だし、ピントはシャープだし、手ブレ補正機能も付いているし、めちゃくちゃいいレンズ!これは、買いですね!
■料理協力:
山内千夏(やまのうちちなつ)
料理家。イタリアへ料理留学後、神奈川県にてイタリア家庭料理教室を主宰。イタリアのマンマが愛情たっぷりに作る滋味あふれる料理を探求している。
■写真家:
山口規子(やまぐちのりこ)
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会理事。
この記事に使用した機材
【ニコン】NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山口規子さんが料理写真をうまく撮るコツを紹介しています。色味の綺麗なサルデーニャ料理の作例と合わせてご覧ください。
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KEYWORDS:
料理,ニコン,Nikon,撮影テクニック,サルデーニャ,山口規子
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 屋外撮影で重要な光と構図を考えよう|人気ペトグラファー夫婦が解説!
BASENAME: 483726417.html
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CATEGORY: 小川晃代・湯沢祐介
DATE: 10/15/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,犬/猫/ペット
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BODY:
はじめに
暑い夏が終わり気候も良くなってくるこの季節。暑くも寒くも無いこの時期は、屋外での愛犬の撮影を楽しめる時期でもあります。そこで今回はお外で撮影するためのポイント「写真の印象を左右する光と構図」についてお話します。
光の向きを意識しよう
一つ目のポイントは、写真を撮る上でとても重要な要素である「光」です。光が少ない事が原因で、ぶれてしまったり画質が悪くなったりするので、出来るだけ光の当たる明るい場所で撮る事が重要なのですが、ただ単に光が当たっていればいいというわけでもありません。重要なのは被写体に光がどのように当たっているかです。
光の当たり方によって写真の印象は大きく変わります。天気の良い日はまず太陽がどの位置にあるかをチェックし、被写体と太陽との位置関係を考えてみましょう。この位置関係によって光の当たり方が変わり、影の出方が変わってくるのです。光の方向は大きく分けると、順光、逆光、サイド光、斜光とあります。光の向きによって見た目にどんな違いがあるのか、ペット撮影ではどの光が向いているのか見ていきましょう。
ペット撮影ではどの光を使う?
まずは順光。順光とは被写体が真正面から受ける光です。顔や体全体にまんべんなく光が当たりますが、これによってストロボの光を直接当てたかのような、影のないペタッとした平面的な写真になってしまいます。また何よりも、正面から光が当たる事でわんこがまぶしい顔をしてしまい良い表情が撮れないので、ペット撮影において順光はなるべく避けた方が良いでしょう。
例外として走っているシーンを撮るときは順光がおすすめです。走りシーンの撮影ではピント合わせの精度が最も重要となります。せっかく撮ってもピンボケでは意味がないですからね。被写体に影の部分が多いとピント合わせが難しくなってしまいますが、順光で被写体にしっかりと光が当たっていればピントが合いやすくなります。ただでさえ難しい走るワンコの撮影では、順光でピントを合わせやすい状態を作ってあげましょう。
■使用機材:ソニー α7R III+FE 24-70mm F2.8 GM
■撮影環境:f/6.3 1/1000秒 ISO-160 焦点距離70mm
■カメラに向かって来るシーンを順光で撮影。光がまんべんなく被写体に当たっているのでピントが合わせやすい。
実は優秀な逆光
ペット写真ではふんわり優しい写真が好まれます。やわらかい写真を撮りたい場合は、被写体の後ろ側から光があたる逆光で撮ってみましょう。逆光と聞くと「被写体が暗くなって良くない」と思う方もいると思いますが、実はペット撮影においてもよく使う優秀な光なのです。
下の写真のように後ろからの光を受けて毛の輪郭がキラキラと輝き、とても美しく、神々しく仕上がります。ただそのまま撮ってしまうと被写体が暗くなってしまうので、プラス補正をして撮ると良いでしょう。露出補正は写真全体を明るくするので、元々明るい背景部分まで明るく補正してしまいます。その結果背景が白トビしてしまう事が多いです。
そんな時はレフ板やストロボを使って被写体だけを明るくして撮影しましょう。ストロボはハードルが高い、という方はレフ板がおすすめ。しかもプロ用のしっかりしたレフ板を使わなくても、白い厚紙で代用できます。小型犬であればA3サイズくらいの白い厚紙を用意しましょう。この厚紙に太陽光が当たるように構え、紙で反射した光がわんこの顔にあたるように紙の角度を調整します。こうする事でわんこの顔も明るく照らされ、目の中に白い光:キャッチライトも入るので一石二鳥です。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark IV+EF70-200mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:f/5.6 1/320秒 ISO-320 焦点距離168mm
■半逆光+白い厚紙を使って撮影。白い厚紙効果で背景の色もしっかりと出しつつわんこの顔を明るく写せています。さらにキャッチライトも入るから一石二鳥。
わんこの場合は特にこのキャッチライトの有無で表情が全く違って写ります。より可愛く生き生きとした表情に見せるために、キャッチライトは入っていた方が良いです。最初のうちは反射光をわんこの顔に当てるのが少し難しいと感じるかもしれませんが、厚紙を細かく動かしてわんこの顔が明るくなる角度を見つけましょう。1人で撮影する場合など、厚紙を持ちながらの撮影が難しいという方は、白い洋服を着てわんこの近くで撮影してみてください。白い服がレフ版代わりになってくれますよ。
次にかっこよく撮りたい時の光についてお話します。被写体の横から当たるサイド光は陰影がはっきりと出るので、ちょっとカッコよく撮りたい時におすすめです。コントラスト高めの印象的な作品を撮りたい時はサイド光に挑戦してみましょう。
■使用機材:ソニー α7R III+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/2.8 1/2500秒 ISO-250 焦点距離200mm
■サイド光でカッコよく凛々しく撮った例。
オーソドックスで撮りやすい光は斜光です。順光とサイド光の間の位置の斜光はほどよい影が出来るので、写真に立体感が生まれます。また順光とは違い真正面より少しずれた位置から光があたるため、順光ほどまぶしそうな顔をせずに撮る事が可能です。
■使用機材:フジフイルム X-T4+XF35mm F1.4 R
■撮影環境:f/1.6 1/8000秒 ISO-160 焦点距離35mm
■斜光は程よい影が出る事で写真に立体感が生まれ、色も鮮やかに写してくれます。
フレーミングのコツ
同じ景色でもどこをどう切り取るかによって写真の印象は大きく変わります。これをフレーミングと言いますが、慣れないとなかなか難しいものです。愛犬を美しい景色の中で撮影する時、主役の愛犬が引き立つように、そして背景がキレイに入るようにと考える事がいっぱいなので、いざ愛犬を素敵なフレーミングで撮影しようと思っても慌ててしまって上手く撮れなかった……なんて事も多いと思います。
上手なフレーミングのポイントは余計な物を入れない事。あれもこれもと欲張っていろいろ入れ込んでしまうと、写真を見る人があれこれと目を奪われてしまうので、主役のわんこがかすんでしまいます。なるべく余計な物は入れないように背景に目を配りながら、且つわんこが小さすぎにならないように意識してフレーミングしてみましょう。
またカメラを構える位置も重要です。下から見上げるように撮るのか、上から見下ろすように撮るのか等、写したい背景とのバランスでカメラアングルを調整します。ですがペット撮影では愛犬の表情をしっかりと写すためにペットの目の高さで撮るのが基本です。まずペットの目の高さに構え、背景とのバランスを見ながらカメラの向きを調整して撮影しています。
おすすめの構図
構図はその場の状況に合わせた選択が必要になりますが、構図を全部覚えようとする必要はありません。私たちがペット撮影でよく使うのは「日の丸構図」「二分割構図」「三分割構図」、たまに「S字構図」「放射線構図」と「シンメトリー構図」です。
日の丸構図は主役を真ん中にどんと配置する構図です。なんとなく単調に見えるこの構図は嫌われることもありますが、主役の表情を目立たせたい時には一番ベストな構図です。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark IV+EF70-200mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:f/4 1/640秒 ISO-1000 焦点距離170mm
■この子の可愛さを強調するために日の丸構図で撮影。
美しい背景をできるだけ多く入れ込みたい場合は、二分割構図や三分割構図を使ってみましょう。画面を二分割してその1/2に主役を配置する二分割構図はとても簡単で、主役を右寄せか左寄せ、または上半分か下半分に配置して撮るだけです。こうする事で写真の中に余白が生まれるのでまとまりのよい写真になります。主役を配置するポイントは写真に入れ込みたい背景と、ペットの顔の向きで判断すると良いでしょう。ペットが左右どちらかを向いていたら、ペットの向いている先に空間があるようにして撮ります。これだけで写真の印象はぐっと良くなりますので実践してみてください。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark IV+EF70-200mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:f/3.5 1/1250秒 ISO-250 焦点距離200mm
■二分割構図。被写体が少し右向きだったので右に空間を。また背景のグリーンを多く入れこんだ方がキレイという理由から、わんこを左寄せにして撮影しています。
また、三分割構図は縦と横がそれぞれ三分割になるように線を入れ、線と線が交わった4つの点(交点)のどこかに主役を配置する構図。二分割構図よりも大きな空間が撮れるので、景色を多めに入れたい時におすすめの構図です。実はこの三分割構図、スマホでも構図のアシスト線を普段から出しておけます。スマホの機種によって設定方法は多少異なりますが、設定→カメラ→グリッド線→9分割→ONのように設定すると、カメラを立ちあげた時に画面に線が表示されるようになります。普段からスマホでこの構図を意識して撮っていれば、カメラで撮影する時にも自然と三分割構図で撮れるようになるのでおすすめです。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark IV+EF70-200mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:f/2.8 1/1000秒 ISO-400 焦点距離200mm
■三分割構図。右下の交点に主役を配置して撮影。
■使用機材:ソニー α7R III+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f/4 1/500秒 ISO-400 焦点距離200mm
■橋等の奥行きを生かした放射線構図
まとめ
今回は屋外で撮影するためのポイントについてまとめてみました。これからのおでかけシーズン、光と構図を意識してワンランク上の写真撮影を楽しんでみてくださいね。
■写真家:
小川晃代・湯沢祐介
ペットやキッズの撮影を得意とする夫婦の「ペトグラファー」。トリマー、ドッグトレーナーの資格を持つ小川と、猫じゃらしを持たせたらピカ一!「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ湯沢の最強コンビで、これまでに撮影した頭数は7万頭以上。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。東京都世田谷区でペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーンSTUDIO」を運営。
関連記事はこちら
■夏を楽しむ愛犬写真の撮り方|人気ペトグラファー夫婦がご紹介!
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■ナイトズー&夜の水族館写真の楽しみ方|人気ペトグラファー夫婦がご紹介!
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この記事に使用した機材
【キヤノン】EOS 5D Mark IV
商品詳細ページ
【キヤノン】 EF70-200mm F2.8L IS II USM
商品詳細ページ
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EXCERPT:
人気ペトグラファー夫婦の小川晃代さんと湯沢祐介さんがペットを撮影する時の構図やライティングのテクニックを解説しています。是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ペット_動物,犬,撮影テクニック,小川晃代,湯沢祐介
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 険しき野生の試練 『ヌーの大移動』|サバンナ撮影記 Vol.5
BASENAME: 483754544.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 井村淳
DATE: 10/16/2021 11:00:00
TAGS: サバンナ撮影記,野生動物/動物
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BODY:
ヌーの生態
ケニアのマサイマラ動物保護区では、毎年7月になるとヌーという名のウシ科の動物がタンザニアから移動してきます。徐々に数を増やし、8月〜9月が最多になります。その数は、総べ100万頭を超えると言われており、ヌーはタンザニアのセレンゲティ大平原などで1年の多くの時期を過ごし2月頃に出産のピークを迎え、間も無くすると移動を始めます。ヌーが移動をするのは、好物の芽吹いたばかりのやわらかい草を食べるためと言われています。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF500mm F4L IS USM+×2
■撮影環境:ISO400(オート) F9 1/500秒
アフリカの草原では、茶色く乾いた地に雨が降ると早ければ数日で芽が出て、さらに数日後には一面緑色の地面へと変貌します。ヌーは遠く50キロ先の雨の匂いを嗅ぎつけるそうで、その匂いを追ってたどり着く頃にはちょうど好みの草に育った草にありつけるのでしょう。そして、またタンザニアへと戻っていきます。その総距離は3,000キロもあり、命がけで毎年移動を繰り返しています。その一番の難関は、マサイマラを流れるマラ川を渡ることです。「ヌーの川渡り」と言われ、そのシーンを見るために世界中から観光客も集まってきます。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO400(オート) F4 1/1300秒
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO400(オート) F4 1/1300秒
マラ川はその年や、直前の雨量によって水位が大きく変動します。水量が少ない時は、ヌーの膝くらいまでの流れの中を簡単に渡っていくのですが、通常や水量が多い時は、水面から顔だけ出して泳がなければなりません。川幅はそれほど広くはなく50メートル〜100メートルくらいです。しかし、長い時間をかけて流れで削られ、水面は周囲より低いところを流れ、川岸は崖の様になっています。深いところでは10メートルくらいの急な崖で、そこを落ちる様に下っていくこともあります。その時に足を怪我してしまい、泳げず溺れてしまったり、川の中で待ち構えているワニに捕まってしまうこともあります。
■使用機材:キヤノン EOS 1DX+EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO100(オート) F5 1/1300秒
ワニの攻撃をかわしても、渡った先ではライオンが待ち構えていることもあり、怪我してしまうと速く走れないので狙われてしまいます。まさに命がけの一大イベントなのです。マラ川以外にも中クラスの川はいくつもあり、その川を超えるたびに死と背中合わせです。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV+EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO400(オート) F4 1/1300秒
川渡りは、肉食獣にとってはご馳走が群れでやってくる幸せな時期と言えるかもしれません。それはサバンナの掃除屋と呼ばれる、ハゲワシにも同様で、1万頭を超える様な大きな群れの川渡りの後には、残念ながら溺れてしまって流されていくヌーを何頭も見かけることがあります。ワニやライオンなどの食べ残しだけでなく、川岸に流れ着いたヌーが食べ放題状態になります。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO100(オート) F8 1/1000秒
ヌーの敵は、肉食獣だけではありません。昼間の川にはカバがいます。カバは夜行性で夜になると草原に上がり草を食べる草食動物です。しかし、気性が荒く、昼寝を邪魔されると機嫌が悪くなりヌーを攻撃することがあります。ある時、マラ川を渡り終わった一頭のヌーが、濡れた脚が滑ってなかなか岸に上がれずバシャバシャと水音を上げていると、近くにいた大きなカバがヌーに近づいていき、大きな口を開きヌーの胴体に噛みつきました。何度か噛みつくと、ヌーは次第に力を無くし、やがて川の流れの中に沈んでいきました。カバは動物を食べることはないですが、長い牙を持ち、大きな口で攻撃する怖い動物です。人間が動物に殺されてしまう事故で一番多いのがカバだそうです。それは生活のための水を汲みに行った時に出くわしてしまうことが多いからだそうです。
■使用機材:キヤノン EOS-1D MarkIII+EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO320(オート) F4 1/500秒
ヌーの撮影は我慢
さて、ヌーの川渡りを撮影するには、心構えが必要です。それは、「ひたすらじっと待つ!」ことです。ヌーが川を渡るポイントはいくつもあります。そのポイントをチェックして、たくさん集まっているところを見つけ、そのヌーがどういう状態かを観察します。多くが座っていたり、リラックスしているとしばらく渡らないかなと予想がつきます。何頭も河岸に並んで水面を見つめていると、すぐにでも渡りたいのだなと判断します。
しかし、それも勝手に人間がそう思っているだけで、思う様に事が進むわけでもありません。今にも渡ると思い待っていても、なかなか動きがないこともしょっちゅうです。水際ギリギリまで進み、飛び込むかとカメラを構えていても。水を飲んでまた戻っていくことや、誰か一頭でもビクッとすると、一斉に群れが引き返してしまうこともあります。ヌーはリーダーがいないとも言われていて、誰かが行ったらついて行く的な雰囲気があります。群れの反対側で誰かが歩き始めるとそれについて行き、向こうのほうで渡るのかと思って移動すると、やはりこっちに戻って行ったりを何度も繰り返し翻弄されます。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV+EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO250(オート) F4 1/1300秒
ヌーは臆病でとても警戒心が強い動物です。見えるところにワニがいれば渡るのをやめてしまいます。かと思っていると、一頭のシマウマが水際までやって来て川を渡り始めると、それについてヌーの群れが一斉に動き出し大規模な川渡りが始まることもあります。しかし、待つときは朝から夕方まで待って結局目の前では渡らなかったということも珍しくはありません。
川渡り狙いの基本的なサファリのスケジュールは、通常のサファリと同じ様に、宿で作ってもらった朝ご飯を持参して早朝に出ます。ヌーが川を渡るのを待ちながら車内で朝食をとり、ランチのために宿に帰ります。3時半頃再びサファリに出ます。しかし、ヌーがいつ渡るかは決まっていません。早朝すぐに渡ることもありますし、昼間の気温が高い時間によく渡るという人もいます。夕方渡ることもあるのでこればかりはヌー次第です。となると、12時を過ぎた頃、決断をしなければなりません。
宿のランチタイムは大概12時半〜14時なので、一度宿に戻るかランチを抜いてチャンスを待つか。ドライバーに相談すると、どちらでもいいよと言ってくれます。ランチが惜しいわけではありません。ドライバーの食事と休憩時間を取らせなければと思うから悩みます。往々にしてランチに戻るとその間に渡ってしまい、待ち続けると夕方まで渡らないなどという結果になるものです。ちなみに、朝ご飯と昼ご飯の両方を持って朝日から夕日までフルデイサファリということもたまにします。
■使用機材:キヤノン EOS 70D+EF70-200mm F2.8L IS II USM
■撮影環境:ISO100(オート) F9 1/1000秒
また、ヌーの川渡りを待っていると、他の動物を見に行けなくなります。川渡りを待っている間に、チーターの狩がどこかで行われているんだろうな、ライオンの赤ちゃんがいるかもしれない、などと隣の芝生が気になってしまいます。最近のサファリカーは他の車の無線が聞こえてきたりすると、ヒョウがいたらしいとか、ライオンが何か食べているなど誘惑もあります。「今日はヌー一途に行くぞ!」と決めてひたすら待つという決心が必要になります。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO160(オート) F5 1/1000秒
私はヌーの川渡り狙いでこの時期に10年くらい通っていましたが、その時期はカメラの進化でフィルムカメラからデジタルカメラに切り替わって行く頃でした。フィルムでは感度がISO100でしたから、ヌーが川に飛び込むところなどはよほどの日向でなければ、1/250秒程度で流し撮りにしないとブレてしまったのですが、デジタル化で高感度が使える様になり1/1000秒以上の高速も使え、今まで撮れなかった場面も撮れるという実感を持ちました。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV+EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/1000秒
川岸はどこからでも川面が見えるわけではありません。川の周辺には木が茂っていることも多く、隙間を見つけて狙うようになります。車1台がかろうじて見える隙間や、1台の車でも一番後ろの人しか見えないようなところもあります。良いポジションを取りたいのですが、どこから渡るか分からないのでポジションを決められません。また、最近は観光客も激増し、エリアによってサファリカーは川岸から少し離れたところで待たなければならいようになりました。ヌーが警戒して渡れなくなるという考えのようです。先頭のヌーが渡り終えたら近づいて良いという感じでレンジャーが見張っています。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF16-35mm F2.8L II USM
■撮影環境:ISO250(オート) F3.5 1/1000秒
川渡りの撮影は、ポジションにもよりますが、ある程度のアップで狙うには500ミリ以上の超望遠が必要になります。1.4倍や2倍のエクステンダーを使うこともあります。大きな渡りの時は、全体切り取ることもありますので、16-35ミリのような超広角から100−400のような望遠ズームもよく使います。前にも少し述べましたが、超望遠レンズでヌーがジャンプをする場面では、1/1600秒以上でないとブレてしまうのである程度は動きに合わせてレンズを振りながら撮ります。光線は時間帯や川の流れの角度によって、変わりますが、逆光のところでは水しぶきを狙うと迫力が出ます。順光では、より高速シャッターで動きを止めやすくなります。対岸から手前の方まで見渡せるポジションであれば、短いレンズで、川の流れとそれに逆らいながら泳ぐようなヌーの列がラインに見えるように狙います。その時に対岸に車が映ったりしなように画面の四隅も確認しながら切り取ります。
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF70-300mm F4-5.6L IS USM
■撮影環境:ISO125(オート) F4.5 1/1300秒
ヌーの群れは、数十頭の時もありますが写真的にはそれでは寂しく、また一瞬で終わってしまいます。数千頭クラスのグループだとそこそこの迫力があり1万頭越えでは1時間ほども渡り続けることもあります。対岸にいたヌーが皆こちら側に移動して来ると、周りはヌーだらけとなります。あちこちで「ヌー、ヌー」という鳴き声が聞こえます。
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV+EF500mm F4L IS USM
■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/1300秒
マサイの村
ケニアの草原にはマサイ族も暮らしています。国立公園や国立保護区の中に住むことはできないのですが、エリアの周辺に住宅を見かけます。マサイ族は昔ながらの生活をしている人も多く、ドロとウシのフンで壁を作る小さな家が10〜20戸程度が一つの村となり、ぐるっと円を描く用に建てられていて、その周辺は枯れ枝などで囲いを作ります。夜になると放牧していた家畜のウシやヤギ、ヒツジを円の中心にしまいます。
普段はサファリ中にマサイ族を見かけても勝手に撮影することは控えています。彼らは、写真を撮られると魂が抜かれるという様な事を信じている人もいます。たまにことわって撮らせてもらうこともあるのですが、大概はお金を要求されるので諦めることもあります。写真を撮らせるとお金をもらえるという風習になってしまうからです。
サファリの途中にマサイ村にお邪魔するということがあります。一人10ドル〜20ドルお金を払って見学させてくれます。また、その時は撮影は自由になります。到着すると、マサイの女性たちが並んで歌を歌ってくれたり、マサイの男性がマサイジャンプを披露して歓迎してくれることもあります。訪れるマサイの村によっては、女性の結婚するときの衣装で迎えてくれれることもありました。また、少し大きな村では学校(こじんまりとした教室が一つだけの建物)があるところもありました。
観光客を受け入れることで、その村人の薬を買ったり、子供達の教材費などに使われると言います。また、若い村人が、英語を勉強し、街で働いたり、サファリロッジのスタッフをして出稼ぎをする人もいます。僕らがお願いしているドライバーの多くはマサイ族の出身で、実家に帰るとウシを世話しているそうです。
マサイの市場
村で暮らすマサイ族の人たちも週に一度の青空市場(スワヒリ語でソコ)に買い物に出かけます。近くの町(といっても数キロなら近い方で)へ何時間もかけて買い物に行きます。その市場は私も大好きで曜日が合えばたまに寄ってもらいます。市場では、果物や紅茶葉などや、日用雑貨、衣類など生活に必要なものが並んでいます。
マサイ族の女性が手作りする装飾品に使うカラフルなビーズや、生きた食用のニワトリもいます。私が市場で買うのはマサイクロスやブランケットと言われるチェック柄の布です。赤色系が多いのですが最近では青や黄色のものもあります。寒い時はこれを巻くとかなり暖かく、日本でも自宅のソファーや車にも数枚積んであります。
そのマサイクロス以外にもついついビーズの装飾品を買ってくるのですが、日本では使い道がなく、買ってきた袋のまましまってあるものがたくさんあります。少し冷静に考えてから購入するべきだと、毎回、日本に帰ってくると反省しています。
■写真家:井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。
(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。
連載記事リスト
■サバンナ撮影記|Vol.01 ~ケニアへの行き方~
■サバンナ撮影記|Vol.02 ~草食動物は地平線と共に~
■サバンナ撮影記|Vol.03 ~動物園でも野生さながらに撮影する秘訣~
■可愛くて仕方がない⁉ 愛しのベビー|サバンナ撮影記 Vol.04
この記事に使用した機材
【キヤノン】 EOS-1D MarkIV
商品詳細ページ
【キヤノン】EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
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【キヤノン】EF70-200mm F2.8L IS II USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF16-35mm F2.8L II USM
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の井村淳さんによる連載記事第5弾。今回は過酷な野生の中で生きるヌーのお話です。
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KEYWORDS:
サバンナ撮影記,ペット_動物,ヌーの川渡,井村淳
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary × 旅|山口規子
BASENAME: 483892659.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 山口規子
DATE: 10/17/2021 10:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,90mm F2.8 DG DN Contemporary,単焦点
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BODY:
はじめに
このシグマ 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを初めて見た時、とても小さくてびっくり!そしてこの小ささなら旅のお供にいいかもしれないと思い、早速、SIGMA fp Lのカメラにつけて旅に出てみました。90mmという焦点距離のレンズは、風景や人物ポートレート、町歩きスナップにも最適。そして、このレンズの特徴は最短撮影距離が50cmという点です。そう、マクロレンズとしても使えたのです。
シャープな切れ味
シグマのレンズは、どのレンズもシャープで、きれっきれな画像を作り出すことで有名ですが、今回は、シャープな中にも、しっとり感があるバランスのいいレンズ。この写真は長崎県上五島の頭が島教会の写真ですが、この十字架の部分の金属の質感が手に取るように表現されています。
またこの長崎県小値賀島の猫の写真は、ピントを合わせた猫の瞳はシャープなのに、周辺部の柔らかい光の空気感はそのまま活かさされています。
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary
■撮影環境:F4 1/400 ISO400
長野県の南木曽で囲炉裏の炎を撮ってみると、炎の柔らかな曲線はシャープですが、炎の中がきれいなグラデーションでびっくりしました。基本的に私は水滴や炎を撮ると、そのレンズの善し悪しがわかると思っていますが、この炎は合格ですね。(笑)
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F4.5 1/200 ISO800
90mmって難しい?と感じるか、楽しい?と感じるか、それはあなた次第。
90mmという焦点距離は、風景のように広くは撮れないし、かといって、望遠レンズのようでもなく、難しいと感じる人も多いと思いますが、実は、スナップの切り撮り撮影に最適なのです。この写真のように、路地裏の一部を切り取り、赤の自転車にピントを置き、画面の中に他の赤色のもの(赤い壁、赤いビール箱、赤いほうき)などを入れ込み、画面のバランスを整えます。
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/200 ISO100
また、この朝顔の写真のように、朝顔だけをアップで撮るのではなく、朝顔の花弁の柔らかさと対照的に、錆びたトタンの壁を入れ込み、手で感じるような硬さと柔らかさの触感を表現するのも楽しいです。
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F4 1/60 ISO100
最短撮影距離50cmを活かして、テーブルフォト
最短撮影距離が50cmというので、自分が食べたかき氷を撮ってみました。氷の上にかけられたいちごミルクの質感がリアルに表現されています。
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/320 ISO200
もちろん!風景も人物ポートレートも。
また、人物ポートレートにもちょうどいい距離感でした。そして風景も中望遠として活躍してくれます。開放値でのポートレートのボケも綺麗です。風景では雲のグラデーションもきちんとでています。
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/400 ISO100
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:F11 1/60 ISO400
まとめとおまけ情報
このレンズは オール金属でできており、ある暑い日、うちの愛猫ナミイちゃんは、金属の冷たさが気持ちよかったのか、ちょっと目を離したすきに、冷え冷え枕として使っていました!(シグマさん、ごめんなさい。汗)
そして、マグネット式メタルレンズキャップと、プラスチック製レンズキャップの2つが梱包されているので、別売のレンズキャップホルダーCH-11を買うと、キャップがマグネットにくっつき、撮影中に失くすことがありません。これは便利ですね。
最後に、描写力はもちろんこと、機動性もいいので、この1本があれば何でも楽しめちゃうということです。295gという軽さも魅力ですが、オール金属のため、安っぽさがないから見た目もかっこいい!ぜひお勧めしたい1本ですね。
■写真家:山口規子
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして♫~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会理事。
シグマ 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryのレビューはこちらの記事でもご覧頂けます。
■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生
三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/483500379.html
この記事に使用した機材 【シグマ】90mm F2.8 DG DN | Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】90mm F2.8 DG DN | Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の山口規子さんによるSIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary レビュー記事です。作例ともにスナップにも使用できる手軽さをご紹介しています。
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KEYWORDS:
シグマ(Sigma) ボディー,レビュー,fp L
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: キヤノン EOS R3|「1」と「5」を繋ぐ「3」の秘密をメーカーインタビュー
BASENAME: 483676578.html
STATUS: Publish
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 10/18/2021 16:00:00
TAGS: EOS R3,キヤノン(Canon) ボディー,インタビュー,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
キヤノンから35mmフルサイズ裏面照射積層型CMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」を搭載した、フルサイズミラーレスカメラ“EOS R3”が2021年11月に発売されるとアナウンスがありました。このカメラはデジタル一眼レフカメラのフラッグシップ機「EOS-1D X Mark III」に代表される「EOS-1」シリーズと、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」に代表される「EOS 5」シリーズに並ぶ、新しいラインのカメラとして登場します。
これまでShaShaでは何度か動物写真家さんの井村淳さんに「EOS R3」の性能予測をしてもらってきましたが、正式に発表され性能の詳細が判明した現在、本製品の魅力について、キヤノンマーケティングジャパンの担当者へ直接インタビューしましたので是非ご覧ください。
概要
■デジタル一眼レフでは発売されなかった、「3」の名称を持つカメラが今回初めてデジタルのEOSシリーズとして登場ということになりますが、この名称に決まった経緯を教えてください。
ープロ向けフラッグシップである「1」系と、ハイアマチュア向けである「5」系の間に位置する新しい製品ラインナップです。市場に必要なカメラの方向性として、高速・高感度・高信頼性をコンセプトとするカメラが必要だと考えました。その製品性能を含めたキャラクターから、「1」系と「5」系の間のライン「3」としました。
ーハイアマチュア向けだけでなく、プロユーザーも十分に満足できる性能を目指しています。
■左:EOS R5 右:EOS R3
■デジタル一眼レフでは「1」の名前が付いたEOS-1D X Mark IIIが発売されていますが、ミラーレスカメラでもフラグシップである「1」の名を冠するカメラがこの後に控えているのでしょうか。
ー現時点では、絶対的な信頼感と安心感を持って多くのプロの方々に使われているEOS-1D X Mark IIIがプロ用「フラッグシップ」カメラと位置付けております。ただ、EOS R3はスペック上はEOS-1D X Mark IIIを上回っている部分もあり、「フラッグシップ」といえるレベルになっています。
ー将来製品についてはお答えできませんが、RFシステムはEFシステムよりも進化したシステムであり、その「1」を冠するフラッグシップモデルは、更に高い次元の性能を狙わなければならないと考えており、その高いハードルを越えるために我々は挑戦を続けています。
描写性能
■多くの要望があった積層型CMOSセンサーがEOS史上はじめて搭載されましたが、このセンサーによる処理の高速化によってEOS R3が得る最も大きい恩恵はなんですか?
ー積層型センサーは画素部と回路部を独立した基板上に搭載するため、画素部は高画質化に特化し、回路部は高速化・高機能化に特化することができます。そのため、高速連続撮影や6K動画、高感度撮影時の高S/N、ローリングシャッター歪みの低減などの実現に貢献しています。電子シャッター時のローリングシャッター歪みが、EOS-1D X Mark IIIに対して約1/4に低減しています。
■EOS R3で積層型CMOSセンサーがEOS史上はじめて搭載された。
■今回搭載されているセンサーにはローパスフィルターは搭載されているのでしょうか
ーEOS R3にチューニングされた従来タイプのLPF(ローパスフィルター)を搭載しています。
■有効画素数2410万画素でありながら、EOS 5D Mark IVを凌ぐ解像性能を実現しているとのことですが、これは画像処理エンジンの進化に起因するところなのでしょうか。
ーRFレンズとの組み合わせで、高速通信が可能になっているため、絶対に避けられないレンズ収差、センサー構造の影響(ローパス)などを高度に解析・補正することが可能になっています。そのためCMOSセンサー、RFレンズ、DIGIC Xとの組み合わせにより、ピクチャースタイル初期条件、かつISO12233準拠のCIPA解像度チャートでの評価において、EOS 5D Mark Ⅳと同等以上の解像感を実現しています。
■オートホワイトバランスがより高精度になったと伺いましたが、主にどういったシーンで性能を発揮できますか?
ーディープラーニング技術を取り入れた新しいオートホワイトバランスアルゴリズムにより、自然の緑を多く含むシーンのオートホワイトバランス性能が向上しています。風景撮影などで、より正確なホワイトバランスで撮影することが可能です。
電子シャッター
■今回、カタログやWEBサイトにて「電子シャッター」という言葉を多く目にしました。これは今まではデメリットが不安視されていた「電子シャッター」が歪みや画質において「メカシャッター」と同じレベルまで到達したのでしょうか。
ーEOS R3ではメカシャッターと比較した際でもブラックアウトフリーの連写や、最速1/64000秒のシャッタースピードなど電子シャッターでないと実現できなかった機能が搭載されています。また電子シャッター時はレリーズタイムラグもEOS-1D X Mark IIIよりも高速化されますのでほとんどの場合、電子シャッターのデメリットは感じないでしょう。そのため、電子シャッターがデフォルトで設定されています。
■EOS R5やR6ではポートレートを撮影されている方から、シャッター音のボリュームを調整したいというお声を伺うことがありました。EOS R3は電子シャッター時にシャッター音のボリュームを調整できる機能が搭載されたとのことですが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
ーEOS R3では様々なシチュエーションに対応するために、電子シャッターの音量を5段階で調整する機能を有しております。ポートレート撮影では撮影のリズムやモデルのテンションが重要な要素だと思っています。そのリズムやテンションを生み出すためにシャッター音が必要であるという事で、今回は5段階で音量調整可能な仕様にしております。進化した人物へのAFと合わせてお使いいただきたいと思っています。
AF性能
■「視線入力AF」がフィルム一眼レフ「EOS7、EOS7S」以来の搭載となりますが、今回実装した意図を教えて下さい。
ー高速性を持つカメラという点で、複数被写体の切り替えやAFフレーム・AFエリアの移動などをさらに早く行わせるために搭載しております。被写体にAFフレームを合わせるために行っていたフレーミングの煩わしさから解放され、より快適で集中できる撮影環境を提供できると考えております。
ー以前は測距点が少ないため搭載可能でした。そこから一眼レフタイプは測距点やエリアを広くする方向に開発を進めていました。もちろん視線入力のご要望も多くいただいていましたが、実用的かどうかというと使いにくい点も多いと思っておりました。今回、進化したセンサーとデュアルピクセルCMOSAFIIの組み合わせで視線入力を使っていただくことで、よりよい使い勝手を実現できたと思っております。
■「視線入力」AFはどういったシーンで活躍しますか?
ーファインダーを使用した静止画撮影で使用可能です。視線の位置にAF フレーム/AF エリアを素早く移動することができるため、複数の被写体へのAFを素早く切り換える際に有効です。例えば従来のシステムで陸上撮影を行う場合は、複数の選手が画角に収まっていた場合瞳AFを使用しながら撮影したい選手の選択を素早く行うことは難しかったですが、視線入力を行う事で簡単に選択することが可能です。
■新たに実装した「乗り物優先AF」で車やバイクなどの検出が可能とのことですが、検出した際にどの部分に優先してピントが合うのでしょうか。
ーディープラーニングにより、クルマ(フォーミュラカー、ラリーカーなど)、バイク(モーターバイク、オフロードバイク)を検出することが可能になりました。被写体が高速で移動するモータースポーツにおいても、車体とヘルメットという2つの手がかりを補完し合うことで、粘り強くトラッキングすることが可能です。また、ドライバーやライダーのヘルメットなど、重要部位を検出する[スポット検出]も設定できます。
ファインダー
■設定に追加されたOVFビューアシストや表示Simulationという新たな機能について教えてください。
ー「OVFビューアシストモード:入」設定時は、ピクチャースタイル/ホワイトバランス/オートライティングオプティマイザ/露出設定に応じた明るさ(表示 Simulation)/高感度撮影時のノイズ低減/高輝度・階調優先/HDR撮影(HDR PQ)がライブビュー映像に反映されなくなります。その代わりに、次のようなOVFビューアシスト専用の画作りの実現により光学ファインダーのような自然な「見え」に近付けています。
● より広い出⼒ダイナミックレンジでの表⽰を⾏い、ハイライトや暗部の階調をより⾃然に⾒えやすく表⽰
● ピクチャースタイルの反映をしないため、彩度の⾼いピクチャースタイル設定でも、⾒たままに近い⾊味で表⽰
● コントラストの⾼い設定や、屋外等のコントラストが⾼いシーンでも、⽩とびや⿊つぶれを低減し被写体を⾒やすく表⽰
ー表示Simulation設定時は従来の露出Simulationに加え、リアルタイムで被写界深度を確認できる設定が追加されました。
■OVFビューアシストは一眼レフの光学ファインダーのような見え方が出来るということですが、実際に写る映像と色合いや露出などに差が出るということでしょうか。
ー従来の光学ファインダー撮影時と同じように差が出ます。撮影後のイメージを常に確認したい場合はOVFビューアシストを切ることをおすすめいたします。
その他
■今回動画性能の向上も大きな話題を呼んでいますが、静止画同様のAF性能や、手ブレ補正はそのまま使用できるのでしょうか。
ーAF性能は低輝度限界こそ静止画が上回っていますが、それ以外は同様に使えます。手ブレ補正ではもちろん協調補正も可能です。そのためジンバル等も使用しなくてもブレを抑えた映像を撮影可能です。また、ジンバル等に載せて撮影する際も従来機種より調整しやすい仕様になっております。
■今回アクセサリーシューが新しくマルチアクセサリーシューに変更になり、ストロボだけでなく、スマートフォンアダプターやマイクなどが発売されていますが、今後どういった拡張がされていくのでしょうか。
ー今回のシューはPD対応、高速通信が可能な次世代インターフェースです。それによって、トランスミッターやスマホホルダーなどの純正ACCだけでなく、XLRアダプターなども対応予定です。今後、映像表現や通信の進化などに合わせて、純正ACCも拡大していきたいと思っております。
■電子シャッターの撮影時のデメリットが改善されたことにより、スポーツシーンだけでなく多くの場面で使用できるようになりました。メカシャッターの限界を超えるような性能、機能が搭載される中、メカシャッターとの使い分けはどうなっていくと考えられますか。
ー今後ますます電子シャッターの技術は進歩していくと考えております。一方でメカシャッターはシャッターを切る気持ちよさや安心感につながります。両者の特性をうまく使い分ける事で、撮影領域を拡大していければと考えております。
ご予約受付中!(高価買取20%UP/キャッシュバック実施中)
只今ご予約を受け付け中です。ご購入時の特典として当社指定機種を買取査定額より20%UPして下取りしていますので詳しくはこちら からご覧ください。また、カメラのキタムラネットショップの「EOS R3」特集ページは下記バナーをクリック。ボディーと合わせて購入したいアクセサリー類もご紹介しています。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
キヤノン EOS R3発表に伴い、メーカーへインタビューに伺いました。EOS R3の開発エピソードなど、ここでしか見られない話が満載です。
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KEYWORDS:
EOS R3,キヤノン(Canon)ボディー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.1|新宿
BASENAME: 483884728.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 富久浩二
DATE: 10/19/2021 16:00:00
TAGS: スナップ,撮影テクニック
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BODY:
はじめに
新宿でスナップを撮影するとしたら皆さんはどのような写真を撮るだろうか。高層ビルやガード、大きな交差点、その交差点を行き交う沢山の人々など、この街らしさはそこかしこにある。今回はそんな新宿の街中で新たな視点を探してスナップを撮ったので、構図の作り方や工夫したところと合わせて紹介したい。
京王デパート前の横断歩道
■撮影機材:Nikon 1 J3 + 1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6
■撮影環境:f/6.3 1/15秒 ISO800 露出補正-0.3 焦点距離16mm(35mm判換算で42mm)
雨の夜、信号が変わるまでの数十秒、真ん中で傘を差しながら信号を待つ女性をどう撮るかでこの写真が決まる。まずはKeioの明かりがついているひさしを真っすぐ綺麗に3つ入れたいと思い全体的な構図作りを行った。次に構図の中で傘を持つ女性のシルエットがしっかりと見えるようにカメラの高さを微調整し、通りの向こう側の人影との間に隙間が出来るようにする。この隙間が非常に大事でとにかくメインの被写体と被らないことを意識した。ここでシャッターを切りたくなるところだが、左右に少し流れた車を入れたいので、シャッタースピードを調整してじっと我慢。そして全てがそろったところでシャッターを切る。予想外の事が起きるのが一番面白い写真になるのだが、この様にすべて考えが纏まって、その通りになるのもまたスナップの面白いところだと思う。
新宿大ガードの赤い交差点
■撮影機材:ソニー α77 + シグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
■撮影環境:f/8 1/800秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離8mm(35mm判換算で12mm)
赤い道路に無数のタイヤ痕があったので、それを撮りたいと思った。アクセントをさりげなく入れる事を考え、車だと大きすぎるので自転車がいいかなと思い待つことにした。そこに信号待ちの自転車が現れたので構図づくりをはじめる。交差点の向こう側にはごちゃごちゃした景色があり、そこは入れたくなかったのでカメラを持つ手を上にあげて高い位置からレンズを下向きにして遠くが入らないようにしてから構図を確認。奥行感やバランスを考えると左上の道路の模様は欲しかったのでギリギリ入るようにカメラの向きを微調整する。超広角レンズの端に人や車などを入れると歪んでしまい不自然な形となり、なかなか綺麗な写真にするのは難しいので、腰を境に切り取ることで不自然差を和らげる。上半身の切れてしまったところは影として入れ込んだ。この道路の赤は実際はもう少し柔らかい赤なのだが、ドキッとなるような赤色に編集してインパクトある写真に仕上げた。
新宿大ガードの横断歩道
■撮影機材:ソニー α77 + シグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
■撮影環境:f/6.3 1/1000秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離8mm(35mm判換算で12mm)
都内でも1番大きな幅と長さのある交差点を超広角レンズの広角端12mmで撮影。カメラは頭より上に持ち上げてレンズを下に向けると横断歩道の射状態が引き立つ。また人がこの位置にいると影が伸びてかっこよくなる。ちょうど信号の変わり際で横断歩道には一人しかいなく、少し駆け足になったところでカメラの性能にまかせて4~5枚を連写、その中から形のいいものを選んだ。人間の反射神経を超えるタイミングが必要な時はカメラ性能に任せるのもありだと思う。
都庁展望台からの運動場
■撮影機材:ソニー α57 + ミノルタ AF200/2.8G
展望台は遠くの山や景色を見るところというイメージがあると思うが、都心では特に下を見て回ると面白い瞬間がたくさん見つかる。バスケットをしている二人、ボールが浮くとその影が目立つ。なるべくボールと影がわかりやすい位置に来たところでシャッターを切った。また如何にもバスケットしていますといった体勢や動きが出てしまうと狙っている感が出すぎる為、あえて二人が直立している時に撮影。一生懸命さがでない緩い感じに仕上げてみた。
コクーンタワー地下
■撮影機材:ソニー α7R III + LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D
■撮影環境:f/4 1/80秒 ISO100 露出補正-1.7 焦点距離 9mm
APC-S用の9mmのレンズをフルサイズのカメラに装着してクロップさせずに使用することで、画角はなんとフルサイズで9mm。周辺は真っ黒になるが、元々周辺が暗い場所ではこの様な使い方が可能になる。出来るだけ下がって、余計なものが入りだしたら少し前に出て構図を固定する。その後に人の位置と形を見て撮影した。カラーで撮っているものの、色は少ない方が好きなので彩度を少し下げて仕上げた。
新宿サブナードの通路(地下街)
■撮影機材:ソニー α700 + ミノルタ AF 35mm F1.4 G
■撮影環境:f/3.2 1/60秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離35mm(35mm判換算で52mm)
娘のバレーシューズを買いに出かけた時のこと。四つ並んだバレエの衣装がかわいくディスプレイされているのを見た下の子がお姉ちゃんのバレエの真似をしたところ、お姉ちゃんの怒りを買って、もみ合いになっている場面(笑)。この様な決定的な場面を見てしまうとどうしてもレンズをメインの被写体(子供)に向けてしまいがちだが、そこを我慢して2番目に見てほしい衣装の並びを正面に撮影した。 被写体を追いかけないことによって全体として理想的な構図を守りつつ、瞬間をとらえる写真になったと思う。
新宿のホテルとカラス
■撮影機材:ソニー α57 + ミノルタ AF ZOOM 100-200mm F4.5
■撮影環境:f/10 1/250秒 ISO125 焦点距離140mm(35mm判換算で210mm)
ビルを撮るときは広角系のレンズを使うことが多いと思うが、望遠ズームでの切り取りも面白い。今回の場合はカラスになるがワンポイントとなるものは遠くの窓となるべく被らないようにする。そして背景ボケを少なくして沢山の窓をくっきり写したいので絞り気味に撮影した。
階段の踊り場
ガラスの反射の中に見つけた蝶々の形。ただカメラをガラスに近づけるだけではなく、そこから回転させたり、ちょっと離したりと調整している。そのままでは手前のガラスに自分の足が映り込んでしまうのでなるべく暗いズボンだったり、カメラバックの裏でガラスの反射をくっきりさせている。また下向きの反射を狙うときは、画角が狭いと窮屈な画になってしまうので、超広角で撮影してみて、余計なものが写る時はトリミングする事をオススメする。
さいごに
■撮影機材:ソニー α77 + ミノルタ AF200/2.8G
■撮影環境:f/13 1/1000秒 ISO640 焦点距離200mm(35mm判換算で300mm)
新宿で撮影したスナップ写真はいかがでしたか。瞬間的な出来事をキレイな構図におさめる為に工夫しながら撮影しているので、それらをお伝え出来れば嬉しく思う。普段、生徒さんとの新宿の撮影では、三角ビル、都庁、NSビル(上る)、コクーンタワーの下、大ガードなどを撮影しているので、撮影場所に迷われている方は参考にして欲しい。
■写真家:富久浩二
日々の通勤風景を主に、いつも見ている変わりばえのない、しかし二度とやって来ない一瞬の情景を大切にし、ちょこっと人が入った物語りのある写真をテーマのもとに、人びとの優しく楽しい感情が伝わる事を目標に日々撮影している。子供の頃の目線、何と無く懐かしさを感じて貰える様に、ライブビューを使った低い目線、思い切って背伸びをした様な高さからの撮影が特徴的。
「スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。」の連載記事はこちら
■スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.2|渋谷
https://shasha.kitamura.jp/article/485268415.html
この記事に使用した機材
【LAOWA】9mm F2.8 Zero-D ソニーEマウント
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の富久浩二が都内近郊で撮影したスナップ写真を紹介しています。第1回目は新宿で撮影したスナップ作品と合わせて撮影方法を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
スナップ,撮影テクニック,富久浩二,新宿,ミラーレスカメラ,カメラ
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: キヤノン RF100-400mm F5.6-8 IS USM|メーカーインタビューから魅力に迫る
BASENAME: 483837771.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 10/20/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF100-400mm F5.6-8 IS USM,インタビュー,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
キヤノンから望遠レンズであるRF100-400mm F5.6-8 IS USMが2021年10月下旬に発売されるとアナウンスがありました。このレンズは優れた描写性能と機動性を両立しています。また、別売りのエクステンダーを装着することで、焦点距離800mmまで望遠域を拡大し、被写体を大きく引き寄せた迫力ある撮影をすることができます。
今回はキヤノンマーケティングジャパン担当者の方へのインタビューを交えつつ、この製品をご紹介していきます。
基本仕様と特徴
画角(水平・垂直・対角線) 20°00′~5°10′・14°00′~3°30′・24°00′~6°10′ レンズ構成 9群12枚 絞り羽根枚数 9枚 最小絞り 32(100mm時)、45(400mm時) 最短撮影距離 0.88m(200mm時) 最大撮影倍率 0.41倍(400mm時) フィルター径 67mm 最大径×長さ 約φ79.5mm×164.7mm 重量 約635g
・焦点距離100mmから400mmのズーム全域で高画質と小型・軽量を両立
・超音波モーター「ナノUSM」による高速かつ滑らかなAF
・本体との協調ISで最大6段分の効果を発揮する手ブレ補正
メーカーインタビュー
■重量635gという値は、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMから半分以下、EF70-300mm F4-5.6 IS II USM(約710g)よりも軽いレンズです。軽量化を可能とする要因や、開発に際し苦労された点はどのようなところでしょうか。
ーターゲットユーザー層における携帯性と実用性のバランスを取り、それを実現するため光学系を最適化し、さらに鏡筒や外装の構成部品に適材適所の材質を使用することで、堅牢性を確保しながらも軽量化を実現しました。
■コンパクトながら「UDレンズ」と「非球面レンズ」を含む9群12枚のレンズ構成で画質も妥協をしていないイメージです。
ー画質面で多くの方から好評を頂いていたEF70-300mm F4-5.6 IS II USMより75g軽量に、かつ望遠域を100mm拡張したうえで、同等の画質を有しておりますので、今回のRF100-400mm F5.6-8 IS USMも満足して頂ける仕様となっております。
■協調補正最大6段、レンズ単体でも5.5段分の手ブレ補正はEOS R5やEOS R6だけでなく、EOS RやEOS RPをお使いの方にも喜ばれると思います。
ー本商品は400mmという超望遠域を小型軽量かつ手に取っていただきやすい価格帯で手軽に楽しんで頂けるレンズに仕上がっております。ボディ内手ブレ補正を持たないEOS R、EOS RPでもレンズ内手ブレ補正により安心して撮影に集中できます。これから初めて望遠レンズを手にする方はもちろん、気軽に撮影するためのサブの望遠レンズとしてもお使い頂けるなど様々なユーザーに使って頂けるレンズだと思います。
■RF600mm F11 IS STMやRF800mm F11 IS STMを含め、RFレンズには一眼レフ用交換レンズとしては望遠で暗めのF値を設定しているレンズの開発にチャレンジされています。さらにエクステンダーも使用可能です。装着することでさらに暗くなるわけですが、結果的に多くのユーザーに受け入れられているイメージです。こういったある意味「暗いレンズ」の開発背景にはどのような理由がありますか。
ーミラーレスは一眼レフと異なりEVFを使用することによってレンズの明るさに左右されることなく見やすいファインダー像で撮影することができます。またRシステムのボディはデュアルピクセルCMOS AFによりF22の状態でもAFを使用することが可能ですし、最新のセンサーと映像エンジンの組み合わせで高感度性能も向上しております。
ーそのようなRシステムだからこそ実現できるスペックをもつレンズで、新しいユーザー体験による楽しみをご提供したいという想いがあります。
■お求めやすい価格に、軽量コンパクト、収差を抑えた描写力に手ブレ補正。多くの方にオススメしやすい望遠レンズだと感じました本レンズの発売で、RF用のエクステンダーも同様にお求めやすいモデルを期待される方が増えてくるのではないでしょうか
ー将来の具体的計画についてはお答えできませんが、従来のEFレンズ同様、幅広い撮影シーンをカバーする充実したラインナップを完成させることを目指しています。
さいごに
RFマウントの望遠ズームレンズはRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMがすでに発売されていますが、1,500gを超える重量(三脚座含む)のため、軽量で取り回しの効く望遠ズームの登場は多くのユーザーから望まれていました。短いインタビューでしたが、満を持して登場する本レンズは、キヤノンの自信が伺えるものでした。
軽量コンパクトで画質、AF性能ともに妥協がなく強力な手ブレ補正の搭載。これまでこのラインではなかなか実現できなかったエクステンダー対応と、初代EOSRからEOSR5、R6。発売予定のR3まで多くのRSYSTEMユーザーにとって満足の行くレンズとなりそうです。
キタムラネットショップ特集ページ
カメラのキタムラネットショップの「RFレンズ」特集ページは下記バナーをクリック。2つの新たな「RFレンズ」を紹介中です。詳細はこちら よりご確認ください。
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EXCERPT:
2021年10月下旬に発売となるRF100-400mm F5.6-8 IS USMをメーカーへのインタビューと共に紹介しています。新たな望遠レンズに興味のある方はご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,レンズ,開発者インタビュー,RF100-400mm F5.6-8 IS USM
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: カールツァイス Zeiss Batis 2/40 レビュー|シャープさと柔らかさが両立した標準レンズ
BASENAME: 483904908.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 10/21/2021 16:00:00
TAGS: Zeiss Batis 2/40,カールツァイス(zeiss) レンズ,単焦点
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BODY:
はじめに
今回はバティスシリーズ5本の中で標準領域の画角、40mmをセレクトしてご紹介します。バティスシリーズでは、5番目に発売(2018年11月)された末っ子のレンズになります。普段室内で猫を撮るときに50mm前後の画角の単焦点レンズをよく使用するので、このレンズもお気に入りの1本です。
ツァイスレンズならではの色の鮮やかさや自然なボケの表現、豊かな描写力の高さをもっとオールマイティーに使える「Batis 2/40」の魅力をお伝えしたいと思います。
ツァイス Zeiss Batis 2/40の魅力
Batis 2/40の光学系は、バティスシリーズの特徴であるディスタゴンタイプ。このディスタゴンは歪曲(直線が歪む)が非常によく補正されているのが大きな特徴です。
Batis 2/40は焦点距離40mmの優れた軽量標準レンズです。クローズアップ撮影にも理想的な、画質の優れた万能レンズです。また他のBatisシリーズ同様に防塵防滴シーリングになっており、埃や水しぶきからレンズを守る特別設計のおかげで、厳しい野外の撮影でも安心して使用することができます。現状で「ZEISS Batis 2/40 CF E-mount」と競合するのは、2021年4月に発売されたソニーGレンズ「FE 40mm F2.5 G SEL40F25G」になります。
FE 40mm F2.5 G Batis 2/40 焦点距離(mm) 40mm 40mm 画角(35mm判) 57° 56 開放絞り(F値) F2.5 F2 最小絞り(F値) F22 F22 レンズ構成 9群9枚 8群9枚 絞り羽根 7枚 9枚 最短撮影距離 (m) 0.28m 0.24m フィルター径 49mm 67mm 外形寸法 最大径x長さ 68 x 45mm 91 x 93mm 質量 約(g) 約173g 約361g
レンズの筐体が大きく異なるこの40mmのレンズ、どちらもとても魅力的なレンズです。こうやって並べてみると筐体の大きさの違いがよく分かりますね。「Batis 2/40」はバティスシリーズの独特な筐体デザインでシンプルかつ美しく印象的です。
SONY「FE 40mm F2.5 G」は高性能をコンパクトに凝縮したレンズで、機動力を合わせ持ったレンズですね。
■ZEISS Batis 2/40 CF E-mountで撮影
■使用機材:SONY α7III+ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
■SONY FE 40mm F2.5 Gで撮影
■使用機材:SONY α7III+ FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.5 ISO800 焦点距離40mm
我が家の猫を2つのレンズで撮影(どちらも絞り開放)してみましたが、どちらのレベルも高く解像感に関しては同等のレベルだと感じます。発色に関して比べてみると、少しそれぞれの特徴が現れたようです。「Batis 2/40」はとてもニュートラルな自然の色合いを表現するのに対して、「FE 40mm F2.5 G」は若干イエローが乗った暖色系の色合いを表現しています。被写体にもよりますが、この辺りで好みが分かれるかもしれません。
筐体の大きさ・重量を除けば、レンズの明るさ最短撮影距離の短さなど「Batis 2/40」が勝るところは多いと思います。
ツァイス Zeiss Batis 2/40で街中散策切取りスナップ
「Batis 2/40」を持って定番の街中スナップをしてきました。今回は40mmの画角なので、街中で気になった被写体を切り取って撮影するスタイルです。ゆっくりと歩きながら目に留まったものを切り取りながら撮影していくのは、とても楽しい瞬間です。
観光地や繁華街でよく見られる看板などにたくさん貼られたステッカーは困ったものですが、そんな街中にあるイタズラされた標識を少し撮ってみました。絞りは浅くして背景をぼかし被写体である看板部分を強調する感じで撮影しています。
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF3.2 ISO100 焦点距離40mm
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF2 ISO100 焦点距離40mm
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF4 ISO100 焦点距離40mm
「Batis 2/40」で撮影して感じたことは、青空を入れた構図で撮影した時に青空のクリアーな再現がとても気に入りました。ツァイスレンズならではの魅力の部分でもあると感じます。
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF16 ISO100 焦点距離40mm
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF14 ISO200 焦点距離40mm
絞り込むと隅々までとてもシャープな描写をします。
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF18 ISO100 焦点距離40mm
街中で見かけたバイクを撮影。浅い絞りでもピントの合ったところのシャープさとその前後の柔らかいボケを両立。そしてシャドー部の諧調も良好なので、明暗差、輝度差の激しい被写体の撮影においても安心して使えるレンズです。
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF2 ISO100 焦点距離40mm
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF4 ISO100 焦点距離40mm ※白黒モードで撮影
「Batis 2/40」は最短撮影距離が24cmと短く、ぐっと寄って撮影することが可能なレンズです。お花やお料理、小物撮影などの撮影にも最適なレンズです。絞りを開ければ柔らかいボケを表現することができ、被写体をより引き立てることができます。
■使用機材:SONY α7R III A+ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/40秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
明るい単焦点レンズなので、絞りを開放で被写体にしっかり寄って撮影する事で背景の玉ボケも演出する事も簡単にできます。
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2 ISO200 焦点距離40mm
■使用機材:SONY α7R III A+ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
最短撮影距離が短い事で、被写体の真上から撮影も非常にしやすいレンズです。
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2 ISO200 焦点距離40mm
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF10 ISO100 焦点距離40mm
ツァイス Zeiss Batis 2/40で室内猫撮影
筆者が猫撮影によく40mm前後のレンズを使用するので、「Batis 2/40」で撮影してみました。室内猫を撮影するのには、やはり明るい単焦点レンズが必須です。多少自然光が入ってくる部屋で撮影をしていますが、やはり全体的には暗いので絞りを開けて撮影しないと速いシャッタースピードで撮影することができません。ですから「Batis 2/40」の絞り開放F2というのは室内撮影においては、非常に助かります。
絞り開放で撮影しても、ピントのあったところは非常にシャープなのはもちろん、そこから外れたところが非常に柔らかいボケを表現し、猫などの動物撮影において毛並みの柔らかさを表現するのに非常にマッチしたレンズだと感じます。
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
■使用機材:SONY α7R III A+ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
まとめ
「Zeiss Batis 2/40 」は、高性能な標準単焦点レンズです。よくある35mmや50mmの単焦点レンズの中間にあたり、中途半端な焦点距離とも揶揄されることもありますが、実際に使ってみると絶妙な画角で、ペットなどの室内撮影や外でのスナップ撮影においても非常に使い勝手の良い焦点距離です。どちらかと言えば焦点距離35mmよりは焦点距離50mmのレンズを購入検討している人におすすめです。ズームレンズでは味わえない、カールツァイス単焦点レンズのキレのあるシャープさと両立する柔らかなボケが魅力的なレンズです。
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
この記事に使用した機材
【カールツァイス】ZEISS Batis 2/40 CF E-mount
商品詳細ページ
【ソニー】FE 40mm F2.5 G
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがカールツァイス Zeiss Batis 2/40のレビューをしています。SNSで映える表現に興味のある方におススメのレンズです。
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KEYWORDS:
Zeiss,Batis 2/40,カールツァイス,レンズ,レビュー,ミラーレスカメラ用交換レンズ,坂井田富三,単焦点,標準レンズ
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AUTHOR:
TITLE: シグマ 24mm F2 DG DN Contemporary レビュー|旅の記録に欠かせない一本
BASENAME: 483951814.html
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CATEGORY: FPS24
DATE: 10/22/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,24mm F2 DG DN | Contemporary,単焦点
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BODY:
はじめに
こんにちは、FPS24です。2021年9月24日、シグマのIシリーズに新たな2本のレンズが追加されました。「24mm F2 DG DN | Contemporary」と「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」です。
24mmのレンズは、既に発売中の「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」と合わせて、Iシリーズとしては2本目のラインナップとなります。開放絞り値がF2となったことで暗い環境でも明るく撮影できるようになり、映像においても写真においても、作品の可能性を大きく広げてくれます。
特にVlogや旅行の動画を撮っている私たちにとって、被写体と周りの風景を広く映すことができる焦点距離24mmと、夜間の光が少ない時にも美しく映像に残すことができる開放絞り値F2の組み合わせは、非常に魅力的です。今回は、そんな「24mm F2 DG DN | Contemporary」の魅力をご紹介します。
焦点距離24mm
24mmという焦点距離は、皆さんも馴染みの深い焦点距離なのではないでしょうか。私たちも旅行やお出かけの際は「14-24mm F2.8 DG DN | Art」という広角ズームレンズを常用していたこともあり、瞬時にイメージしやすい画角でもあります。さらに「24-70mm F2.8 DG DN | Art」でも、広角端の24mmはよく使う焦点距離でありました。
そしてIシリーズの単焦点レンズ「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」は、コンパクトなサイズ感が非常に人気のレンズです。様々なコンセプトで同じ24mmという焦点距離で撮影できるレンズがあるからこそ、その人気と馴染みやすさが伺えます。
質感にこだわった外観
「24mm F2 DG DN | Contemporary」はシグマIシリーズのレンズの一つです。“プレミアムコンパクトプライム” というコンセプトでお馴染みのIシリーズとして、光学性能はもちろん外観にもこだわって作られた仕上がりは、Iシリーズならではです。
Iシリーズのレンズでは定番となった、縦型のフォーカスモード切換えスイッチや絞りリングがあります。レンズ側で絞りを操作できるのはとにかく便利で重宝します。
Iシリーズとして欠かせないものの一つとなった、マグネット式メタルキャップも付属しています。装着することでレンズの存在感が一段と増します。個人的に、金属削り出しのレンズボディが纏う重厚感がとても気に入っています。並べて見るからこそ感じる統一感は、コレクション欲がより一層と高まります。
光学性能についても申し分ありません。広角レンズならではの広々とした画角を活かしつつ、細部まで繊細に映しだすことができます。特に今回の「24mm F2 DG DN | Contemporary」では、開放F2での撮影が可能となりました。明かりが少ない暗がりの中でも安心して撮影に臨んでいけます。
映像を撮る際にもF2という開放絞り値を使って感度を上げすぎずに撮影することができるので、非常に役立っています。また、24mmという広角域でもボケを活かした写真や映像を撮ることができます。
「24mm F2 DG DN | Contemporary」と歩いた風景
まずはSIGMA fpと「24mm F2 DG DN | Contemporary」で撮影した動画です。夕暮れ時の多摩川周辺を中心に、これまでこのレンズで撮影してきた印象的なシーンをまとめてみました。
コンパクトなレンズなので、「良い夕焼けになりそうだ」と思えばすぐに持って行けますし、カバンに忍ばせておいても負担にはなりません。もちろんジンバルにも載せやすく、取り回しにも余裕があるので安心感があります。
VIDEO
続いてSIGMA fpに「24mm F2 DG DN | Contemporary」を組み合わせて撮影した写真です。24mmの焦点距離で切り取られる景色は実際に目で見るよりもダイナミックで、広々としています。一瞬を切り取る写真だからこそ、映像では味わえない、空間の奥ゆかしさを感じました。
こちらはSIGMA fpに搭載されているアスペクト比7:6で撮影しました。木々に囲まれながらひっそりと佇む建築物。周りに高く生えた木と、根っこや石階段に張り付く苔を見ると、時間の流れを感じます。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO125 F2 SS1/100
■NDフィルター装着
手水舎にあった龍です。塗装の剥がれた部分や鱗模様、角の質感を精細に描写しています。お社と生い茂る森も背景にあるので、神社全体の厳かな雰囲気も同時に撮影することができました。
24mmの焦点距離では、背景も含めることで広がりのある写真を残しておけます。知らない場所に行ったときに感じる高揚感を、改めて写真を見ることで思い出します。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO250 F2 SS1/100
■NDフィルター装着
朝の陽の光がそっと下駄を照らしていました。暗い屋内でしたが、見事に光と影の濃淡を描写しています。特に地面の冷たいザラザラとした質感がよく伝わってきて、下駄で歩いたときの音が聞こえてくるようです。明かりが少なくてもノイズを抑えて撮影できるのは、このレンズの強みです。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO500 F2 SS1/100
早朝でまだ暗い道すがらでも、細部までくっきりと写し出してくれます。箒の毛を一本一本見ていて驚かされました。ブラシの取っ手のサビや木の板の質感も美しいです。
散歩をしながらスナップのように撮り歩いていたのですが、被写体との距離が近くても広く撮影できるのは広角レンズならではのメリットだと思いました。
レンズの外観も見ていて気持ちよく、質感が非常に高いので、お散歩など日常で使う際にもファッションアイテムのように気兼ねなく持ち歩けます。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO640 F2.8 SS1/100
こちらもお散歩中の一枚。夏も後半に差し掛かっていましたが、アサガオが美しく咲いていました。開放F2のボケを活かしたクローズアップ撮影が楽しいです。絞り開放での撮影ですが、よく見ると草や茎の小さな産毛まで見て取ることができます。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO250 F2 SS1/100
こちらはSIGMA fpに搭載されているアスペクト比7:6で撮影しました。「24mm F2 DG DN | Contemporary」の最短撮影距離は24.5cmです。焦点距離24mmと相まって、テーブルフォトもそつなくこなします。開放F2での滑らかなボケが被写体をより際立たせています。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO125 F2 SS1/100
こちらはSIGMA fpに搭載されているアスペクト比21:9で撮影しました。映画のような横長の比率と「24mm F2 DG DN | Contemporary」との組み合わせで、ますます広がりのある写真になったのではないでしょうか。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F3.5 SS1/160
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F2 SS1/2500
■NDフィルター装着
広角レンズならではのダイナミックな空模様と風景を撮ることが出来ました。旅先で出会った風景を印象的に残すことができるのが、使っていて何よりも素晴らしいポイントだと実感しました。
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO125 F2 SS1/100
■NDフィルター装着
おわりに
「24mm F2 DG DN | Contemporary」のビルドクオリティ、解像力やボケ味は非常に高いレベルでまとまっています。そしてそれらの性能が、僅か365gのコンパクトなレンズボディに詰まっています。
「作品の質を今より一歩進めたい」「小さいけれども品位あるレンズが欲しい」といった方には、広角単焦点レンズとして間違いない選択肢だと思います。
2021年9月24日に同時発売された「24mm F2 DG DN | Contemporary」と「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、FPS24のYouTubeチャンネル でも先行でレビューさせていただいております。映像に焦点をあててご紹介しておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひこちらもご覧ください!
VIDEO
■執筆者:FPS24
2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。
「24mm F2 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介中
■シグマ 24mm F2 DG DN Contemporary レビュー|Iシリーズ2本目の明るい24mm登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/483454979.html
この記事に使用した機材 【シグマ】24mm F2 DG DN | Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】24mm F2 DG DN | Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
映像ユニットのFPS24さんによる、シグマ「24mm F2 DG DN | Contemporary」レビュー記事です。動画とも静止画とも相性の良い焦点距離24mmで映し出す、旅の1コマをご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,24mm F2 DG DN | Contemporary,レビュー,広角単焦点レンズ,FPS24
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XF8-16mmF2.8 R LM WR|旅写真家が選ぶ広角ズームはどれ?
BASENAME: 483979052.html
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CATEGORY: 三田崇博
DATE: 10/23/2021 11:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF8-16mmF2.8 R LM WR,広角ズーム
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はじめに
こんにちは。旅写真家の三田崇博です。今回は富士フイルムの超広角ズームレンズ「XF8-16mmF2.8 R LM WR」をレビューします。前回レビューした「XF10-24mmF4 R OIS WR」との違いを交えながらお話しできればと思います。
旅写真では様々な被写体に対応できるように超広角から超望遠まで揃えるのが理想ですが、特に公共の交通機関で移動したり歩いたりすることが多い場合は、機材の重量も重要な要素になってきます。私は旅に行くときには、軽量のXF10-24mmF4 R OISをメインに使用してきましたが、本レンズでしか撮れないものもあり海外まで持っていったこともあります。
■XF10-24mmF4 R OIS WRの記事はこちら
8mmという画角について
このレンズは広角側が35mm換算で12mmという超広角ズームレンズです。それでいてズーム全域でF2.8という、富士フイルム最広角が撮影できるレンズになります。他メーカーでも同様の焦点距離と明るさを持つズームレンズは、ソニーのFE 12-24mm F2.8 GMくらいかと思います。
画角がXF10-24mmF4 R OIS WRと比べて2mmしか違わないと思う方もおられるかと思いますが、広角側にいけばいくほどこの2mmの差は大きく感じられます。数字を使って説明すると8mmは10mmに比べて約35%広い面積を撮影することができます。これは望遠レンズで比べると400mmと500mmの違いと同じになります。
XF8-16mmF2.8 R LM WRのワイド端8mmにて撮影
XF10-24mmF4 R OISのワイド端10mmにて撮影
XF10-24mmF4 R OISとの比較
左:XF8-16mmF2.8 R LM WR 右:XF10-24mmF4 R OIS
XF8-16mmF2.8 R LM WR XF10-24mmF4 R OIS WR 焦点距離(フルサイズ換算) 12-24mm 15-36mm 質量 805g 385g 最短撮影距離 25cm 24cm 開放F値 F2.8 F4 手ブレ補正 非搭載 3.5段 フィルターサイズ -(前面装着不可) 72mm 絞り羽枚数 9枚 7枚 防塵防滴 〇 〇 発売時期 2018.11 2020.11
XF10-24mmF4 R OIS WRと比べ2倍以上の重量を持つ本レンズは、カメラに付けて軽快に持ち運ぶというよりも、バッグにしまっておいて「ここぞ!」というときにじっくり撮影するタイプのレンズだと思います。手ブレ補正という点はXF10-24mmF4 R OIS WRのほうが勝るポイントですがX-T4、X-S10、X-H1などのボディ内手ブレ補正が搭載されている機種でしたら全く問題ありません。
このレンズは9枚羽絞りを採用しているので、絞り込んで撮影したときには光源から18本の光の筋(光条)が出ます。XF10-24mmF4 R OIS WRは7枚羽(光条は14本)なので、強い光源や太陽を撮ったときの印象が変わります。ただ、光条の本数に関しては多いほうがいいというわけではなく、そこは好みによります。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F22 SS1/240秒 ISO200 焦点距離8mm
■撮影地:天空の鳥居(山梨県富士河口湖町)
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F16 SS1/340秒 ISO160 焦点距離10mm
■撮影地:美人林(新潟県十日町)
XF8-16mmF2.8 R LM WRが必要な被写体
①星空
このレンズで一番撮りたいものといえば星空ではないでしょうか?星だけを撮るならここまでの広角は必要ないかも知れませんが、旅先ではなるべくその土地が分かる対象物と一緒に撮影したいものです。また、星は1時間に15度のスピードで動いています。よってあまり長いシャッター速度だと星が線状になり、ブレたような写真になってしまいます。
よく言われるのが「500ルール」というもので、500をレンズの(フルサイズ換算した)焦点距離で割った値が星が止まって写るギリギリのシャッター速度だというものです。このレンズの最広角側の8mm(フルサイズ換算12mm)の場合は約40秒まで星が止まったように見えることになります。XF10-24mmF4 R OIS WRの場合は10mm(フルサイズ換算15mm)なので約30秒となります。解放F値の違いを考えるとこのレンズのほうが圧倒的に星を撮る場合には有効なことが分かります。
奈良県の星空撮影で有名な大台ケ原に行ってきました。ここは容易にアクセスができて駐車場からでも満天の星空を撮影することができます。下の地図は全国各地の光害分布の分かる「light pollution map」というものですが、大台ケ原の位置(赤の星印)は光害がとても少ないことが分かります(赤色になるほど光害が多いことを示す)。この地図はインターネットで簡単にアクセスできますので、ぜひご自宅の近くの光害の状況をチェックしてみてください。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F2.8 SS15秒 ISO6400 焦点距離10mm
■撮影地:大台ケ原(奈良県吉野郡)
星空を撮影しようと紅葉の立山室堂のキャンプ場で一夜を過ごしました。晴れの予報でしたが思った以上に雲が多く、一晩インターバル撮影をした中で一番雲が少なかったカットです。この日は月明かりがあり雲がなかったとしても星空撮影には不向きな条件でした。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F2.8 SS10秒 ISO1000 焦点距離8mm
■撮影地:室堂(富山県立山市)
以前に撮影した北海道屈斜路湖の星空です。水面に映る星まで捉えています。山の向こうが明るく見えるのは北見などの町の明かりです。このように、星空の撮影は月や町の明かりが少しあるだけでも写真に影響がでてしまいます。
■撮影機材:FUJIFILM X-T3 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F2.8 SS30秒 ISO3200 焦点距離8mm
■撮影地:屈斜路湖(北海道川上郡弟子屈町)
立山と大台ケ原ではタイムラプスムービーも撮影してきたのでぜひご覧ください。
VIDEO
②建築物
世界遺産の撮影をライフワークとする私は、建物内部の撮影のときには1mmでも広いレンズで撮りたいと思うことがよくあります。野外だと対象物との距離を変えることで解決できますが、屋内の場合はそうもいきません。ただ、このレンズには手ブレ補正が搭載されていないので、三脚が使えない場所ではボディ内手ブレ補正のついたカメラに装着することをお勧めします。
少しでも海外気分を味わおうと向かった先は、日本に二か所しかないイスラム教モスクの一つ「東京ジャーミイ」。天井ドームの装飾全体を美しいステンドグラスとともに写し込むことができました。ちなみにもう一か所のモスクは神戸にあるのですが規模は東京に比べてとても小さいです。
※礼拝中の撮影は禁止されていますのでご注意ください。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F11 SS1/6秒 ISO400 焦点距離8mm
■撮影地:東京ジャーミイ(東京都渋谷区)
次に螺旋階段で有名な白丸ダムです。ここには魚の往来のための「魚道」が造られていて、4月から11月の土日祝には見学することが可能です。超広角レンズは中心に向かって遠近感が強調されるので、吸い込まれていくような印象の写真に仕上がりました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F7.1 SS1/5秒 ISO1600 焦点距離8mm
■撮影地:白丸ダム(東京都西多摩郡)
③風景
単に広く写るだけでなく、独特の遠近感を使った表現をすることができます。カメラを水平よりも少し上に向けたり下に向けたりしてファインダーで効果を確認しながら撮影することにより、このレンズの特徴を出すことができます。そのためになるべく被写体に近づき撮影してみました。
まずは超広角を生かす場所として選んだのが鍾乳洞。奈良県の特別天然記念物の指定を受けた面不動鍾乳洞に行きました。全長280mに及ぶ洞窟内部は天然のクーラーになっていて夏場でも快適に撮影ができます。また、最近はカラフルにライトアップされていて自分の好きな色を見つけて撮影するのも楽しいです。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F8 SS2.6秒 ISO1000 焦点距離8mm
■撮影地:面不動鍾乳洞(奈良県吉野郡天川村)
ライトアップの色の変化を動画でも撮影したのでご覧ください。
VIDEO
次に東海地方の彼岸花の名所です。有名な童話「ごんぎつね」の舞台となった矢勝川周辺には全長約1.5kmにわたって、300万本以上の彼岸花が咲き誇ります。到着が夕方だったので日没後の撮影になってしまいましたが、フラットな光で撮影することができました。手前の花にかなり近づいて撮影しました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F16 SS4.5秒 ISO160 焦点距離8mm
■撮影地:矢勝川(愛知県半田市)
富士の樹海と呼ばれる富士山の北西に広がる原始林で雨上がりを狙って撮影しました。遠近法で手前に伸びた樹木の根に張った苔がとても強調されています。まるで今すぐに動きそうなほどの存在感を出すことができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F8 SS1/6秒 ISO500 焦点距離8mm
■撮影地:青木ヶ原樹海(山梨県富士河口湖町)
少し前の撮影になりますが、冬の北海道をこのレンズと共に旅したときのものです。流氷観測船の船上からの撮影ですが、近くの氷の大きさと遥か遠くまで延々と続く流氷を同時に画角に入れることができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T3 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F16 SS1/480秒 ISO200 焦点距離8mm
■撮影地:網走沖(北海道網走市)
④海外撮影
最後に、コロナ禍以前の2019年にこのレンズを使ってタイとミャンマーで撮影した作例をいくつか紹介したいと思います。
世界遺産のアユタヤ遺跡にある巨大涅槃(ねはん)仏です。そこで祈る家族の姿が印象的だったため夕日で伸びる影を入れて撮影しました。逆光での撮影でしたがゴーストやフレアの発生もなくクリアな写真を撮ることができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T30 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F22 SS1/75秒 ISO160 焦点距離11mm
■撮影地:ワット・ロカヤスタ(アユタヤ/タイ)
バンコクのインスタ映えで有名になったワット・パークナムという寺院です。アユタヤ王朝時代に建てられた王室寺院で、印象的なドームの天井画全体とさらに床への映り込みまでも画角に収めることができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T30 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F11 SS0.62秒 ISO160 焦点距離8mm
■撮影地:ワット・パークナム(バンコク/タイ)
ミャンマー最南端にあるタイとの国境の町コータウンです。約200の島々が点在しそこへのクルーズやダイビングの拠点となっています。タイからの船がひっきりなしに発着する港の桟橋で早朝に撮影しました。この時間帯の空の色合いがなんとも言えません。
■撮影機材:FUJIFILM X-T30 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F2.8 SS1/15秒 ISO320 焦点距離8mm
■撮影地:コータウン(ミャンマー)
あまり日本人には馴染みの少ないミャンマー東部のパアン周辺には、巨大な洞窟がたくさん存在しその一部が洞窟寺院となっています。洞窟の壁一面に刻まれた仏様はこのレンズを使ってもすべてを収めることができないほどでした。
■撮影機材:FUJIFILM X-T30 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F11 SS1.8秒 ISO160 焦点距離8mm
■撮影地:コーゴン洞窟寺院(パアン/ミャンマー)
まとめ
大きさもお値段も重量級のレンズですが星の撮影をする方には必修のレンズだと思います。オールマイティーに使うならXF10-24mmF4 R OIS WRのほうがおすすめですが、超広角8mmの遠近感は使っていると結構クセになります。個人的には海外に行けるようになった時には防塵・防滴・-10度の耐低温構造にもなっている本レンズをオーロラの撮影でぜひ使ってみたいです。
■写真家:三田崇博
1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。
日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
旅写真家の三田崇博さんによる、富士フイルム「XF8-16mmF2.8 R LM WR」のレビュー記事をお届け。超広角がもたらすダイナミックな構図と大口径レンズらしい優れた描写力をぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,広角ズームレンズ,XF8-16mmF2.8 R LM WR,レビュー,三田崇博
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AUTHOR:
TITLE: ニコン Z fc|小型でクラシカルな外観×最新技術=旅にぴったりなミラーレス一眼
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CATEGORY: クキモトノリコ
DATE: 10/24/2021 11:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,APS-C,ミラーレスカメラ
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はじめに
Z fcは、ニコンZ 50に続いて発売されたDXフォーマット(APS-C)のミラーレス一眼カメラですが、何よりもまずそのクラシカルな外観に魅了された方は多いのではないでしょうか。筆者もそのうちのひとりです。今回は「連れて歩くだけで写欲の上がる」そんな本機とともに長崎を訪れる機会を得たので、実際の使用感を旅先での写真とともにお伝えします。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F6, 1/320秒, ISO100, WB:自然光オート, クリエイティブピクチャーコントロール:ソンバー(70%)
小型軽量と独立ダイヤルによる使いやすさ
今回は本機(質量:約445g ※)とともに標準ズームレンズであるNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR(約135g)と、望遠ズームレンズNIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR(約405g)の2本を持参したのですが、トータルで約985g、なんと驚異の1kg以下。メイン機として使っているZ 6IIがカメラ本体だけで約705g(※)あることを考えると、この軽量さはなるべく荷物を軽くしたい旅にはピッタリの装備と言えます。
※バッテリー及びメモリーカードを含む
個人的にはZ 50と比較してカメラ本体が少し大きい印象でしたが、実はZ fcの方が5g軽いという点は驚きでした。グリップはありませんが、フラットな本体は機内持ち込み用のバッグでの収まりも良く、またすんなりと取り出すことができて、空港で搭乗を待つひとときや機窓からの景色も気軽に撮ることができました。
窓の外にブロッケン現象が!慌ててカメラを取り出してパチリ。機内でも手元に置いておけるサイズというのは非常に重要です。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3, 1/1250秒, +1.3EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
搭乗までの待ち時間に、飛行機を真横から撮影できるスポット(待合スペース)へ。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F3.5, 1/500秒, +2.0EV, ISO1600, WB:オート, ピクチャーコントロール: オート
本機に標準ズームレンズの組み合わせだと見た目がかなりコンパクトなので、レストランやカフェでの食事の撮影も仰々しくなくスマートに行える点がメリットと言えます。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F5.6, 1/80秒, +0.7EV, ISO400, WB:オート, ピクチャーコントロール: オート
本機はNikon FM2の外観を踏襲したデザインにより、露出補正とシャッター速度、そしてISO感度の設定は、それぞれカメラ上部に独立したダイヤルが設けられています。これにより変更したい設定にダイレクトにアクセスできるので、ダイヤルの位置さえ感覚で覚えてしまえばファインダーを覗きながらの設定変更が容易に行えます。私は日頃から動きのある被写体もAモードのままで撮影してしまうことが多いのですが、希望のシャッター速度になるようにISO感度で微調整……そんな撮り方もとても操作がしやすく感じられました。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F3.5, 1/1250秒, +0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3, 1/2000秒, -0.3EV, ISO500, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
ローアングルでのタテ位置撮影がしやすいバリアングルモニター
Z fcはZシリーズ初のバリアングルモニターが搭載されたことで、ローアングルでの撮影でヨコ位置のみならず、なんといってもタテ位置が非常に撮りやすくなったことも特筆すべき点のひとつ。今回はたくさんの猫たちと出会ったのですが、このバリアングルモニターが大活躍してくれました。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F3.5, 1/250秒, +0.7EV, ISO100, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3, 1/200秒, +0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
使いやすくなった瞳AFと動物AF
現在はZシリーズのどの機種でも(一部機種はファームアップにより)瞳AFと動物AFを使用することが可能です。しかし、機種によってはAFエリアモードでオートエリアAFを選んでおきつつ、カスタムメニュー内の「オートエリアAF時の顔と瞳認識」の項目で「顔認識と瞳認識する」や「動物認識する」といった項目を選択しておく必要があります。
一方、本機ではZ 6IIなどと同様にデフォルトでAFエリアモードの選択肢として「ワイドエリアAF(L-人物)」「ワイドエリアAF(L-動物)」「オートエリアAF(人物)」「オートエリアAF(動物)」という項目があります。iボタンでよく使うショートカット的なメニューを呼び出し、AFエリアモードからすぐに設定を変更することができて非常に便利となりました。
AFエリアモードはiボタンから素早く変更できる
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
■撮影環境:F8, 1/60秒, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
路地に佇む黒猫を発見。カメラはまず猫の体全体を捉えてピントを合わせていましたが……
猫の顔が見えないと動物AFは効かない
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3, 1/80秒, -0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
こちらに気づいて振り向くと動物AFの本領発揮。猫の目をキャッチしたあとは猫の動きに合わせてフォーカスポイントも移動してくれました。
猫や犬の瞳を検出してピントを合わせる動物AF
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3, 1/80秒, -0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
とあるおうちの前の路地で寛ぐ猫ちゃんを発見。ちょうど飼い主さんがおられたので一緒に撮らせていただきました。この時は動物よりも人物優先、iボタンから設定をオートエリアAF(人物)にパパッと変更して撮影。操作性の良さは重要です。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F9, 1/20秒, +0.3EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
尚、この動物AFは「犬と猫にのみ対応」であり、後日動物園を訪れた際に試してみましたが「ネコ科の大型動物」はダメでした、残念!(笑)
高ISO感度とローライトAFの実力
本機の最高常用ISO感度は51200であり、ローライトAFと組み合わせることで、かつてなら撮影が不可能であったような暗闇でも動物撮影が可能に。肉眼では気付かなかった暗闇にいる猫までカメラは捉えてくれました。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3, 1/4秒, -1.0EV, ISO10000, WB:オート, ピクチャーコントロール: オート
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3, 1/8秒, -1.0EV, ISO25600, WB:オート, ピクチャーコントロール: オート
夜も更けた時間に駐輪場全体を照らす街灯はなく、とにかく暗い場所でしたが翌朝同じ場所を通りかかると印象は一変。実はこんな場所でした。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F8, 1/640秒, +0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
やわらかい仕上がりと解像感の良さ
今回持参した2本のレンズは、以前Z 50を初めて手にしたときにキットレンズとは思えない描写力を体感して手に入れましたが、Z fcでも変わらずそのパフォーマンスの良さを実感。個人的にニコン機らしいと感じる、しっかり芯がありながらもやわらかい絵作りの他、ピクチャーコントロールの詳細設定で簡単に変更ができる「クイックシャープ」を使用することで、数キロ以上先の海上にあってモヤっとしてしまうような被写体もシャキッと描写することができ、レンズのヌケの良さをしっかり体現してくれています。外観のレトロさに今の新しい技術を組み合わせたハイブリッドなカメラの楽しさ・素晴らしさを実感するものでした。
稲佐山へ上がるロープウェイより。夕刻のやわらかな陽射しに包まれる街の空気感をうまく捉えてくれました。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F5, 1/100秒, +1.0EV, ISO640, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
午後の出島ワーフ付近を散策中の一枚。こちらもよく晴れた日の午後の逆光をうまく捉えてくれています。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F8, 1/60秒, +1.3EV, ISO100, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
黒島へ向かうフェリーより九十九島を望む。クイックシャープを+2.0に上げることで、遠くの山上にある風力発電機もよりはっきりと捉えることができました。
クイックシャープ0 クイックシャープ +2.0 クイックシャープ0 クイックシャープ +2.0
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F9, 1/200秒, +1.0EV, ISO100, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
稲佐山山頂展望台より撮影。望遠レンズを通して初めて目にする端島(通称 軍艦島)の、確かに軍艦のような姿をした島影にひとりテンションアップ。次回は実際に訪れてみたいものです。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
■撮影環境:F8, 1/80秒, -0.3EV, ISO200, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート(クイックシャープ +2.0)
佐世保に向かって航行中の自衛隊の護衛艦を海上で発見、目一杯望遠の250mm(35mm判換算375mm)でクイックシャープを+2に設定。拡大して見ると甲板にはマスクをした自衛官の姿や「こんごう」という護衛艦の船名、またその奥に位置する島の造船所名と会社の標語までもがしっかり見て取れます。のちに地図上で確認すると、護衛艦までの距離はおそらく約10km程のようでした。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
■撮影環境:F8, 1/500秒, +0.7EV, ISO200, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート(クイックシャープ +2.0)
まとめ
サイズ感と性能の両面から、本機が手軽な旅カメラとして非常に使いやすいカメラであることを実感する良い機会となりました。今回は上記の2本のレンズを連れて行きましたが、個人的には旅の装備としてここに35mm判換算で35〜50mmの明るい単焦点レンズを1本足したいところ。10月1日にZ fc本体とのSpecial Editionキットとして発売となったNIKKOR Z 28mm f/2.8 (Special Edition) (DXフォーマット機では35mm判換算で42mm相当−レンズ単体は11月19日発売予定)がまさにピッタリの画角。次の機会にはぜひこのレンズも一緒に連れて旅に出たいものです。
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F11, 1/400秒, +0.7EV, ISO200, WB:自然光オート, クリエイティブピクチャーコントロール:ソンバー(80%)
■写真家:クキモトノリコ
学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
「Z fc」の関連記事はこちら
■ニコン Z fc 開発者インタビュー|話題のミラーレスカメラを徹底解説
https://shasha.kitamura.jp/article/482954090.html
■ニコン Z fc レビュー|上田晃司
https://shasha.kitamura.jp/article/482757772.html
■ニコン「Z fc」はブラブラスナップが面白い!|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/483182915.html
■ニコン Z fc レビュー|持って、撮って、見せて楽しめるミラーレスカメラ
https://shasha.kitamura.jp/article/483661088.html
■ニコン Z fc レビュー|熊切大輔
https://shasha.kitamura.jp/article/483769602.html
この記事で紹介した機材
【ニコン】Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家のクキモトノリコさんによる、ニコンZ fcレビュー記事です。旅のお供にぴったりなこのカメラを、今回は長崎旅行に連れ出してみました。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,Z fc,レビュー,クキモトノリコ,ミラーレス
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 山田芳文さんテスト
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CATEGORY: 山田芳文
DATE: 10/25/2021 13:18:23
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USM レビュー|驚きの最大撮影倍率1.4倍
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CATEGORY: GOTO_AKI
DATE: 10/25/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF100mm F2.8 L MACRO IS USM,単焦点
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はじめに
マクロレンズといえば「等倍撮影」という常識を打ち破り、最大撮影倍率1.4倍が特徴のRF100mm F2.8 L MACRO IS USMが登場しました。マクロ撮影から中望遠まで、RFレンズらしい高い描写性能とSAコントロールによる新たなボケの描写が魅力のハイスペックな一本です。
今回のレビューは、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMの性能を活かした作例をご覧いただきながら、お届けしたいと思います。
デザイン・外観
長さ148mm、重量約730gとマクロレンズとしては標準かやや大きいかなというサイズですが、SAコントロールリングなど新しい機能の実装を考えると十分コンパクト。細かな操作をすることも多いマクロレンズとしては、手に馴染むちょうどよいサイズ感です。レンズ側面には、フォーカスリミット、AF/MF切り替えスイッチ、イメージスタビライザースイッチの三つが配置されています。SAコントロールリングは視認性が高く見やすい配置です。
最大撮影倍率1.4倍
長年のマクロユーザーであるほど、「マクロ=等倍」のイメージが強いのではないかと思います。このRF100mm F2.8 L MACRO IS USMはその常識を破り、最大撮影倍率が1.4倍に大変身。スペック上の1.4倍という数字も凄いのですが、写真を見て比べるとその違いがわかりやすいので倍率の違う作例を早速見てみましょう。
等倍と1.4倍の比較
等倍:写真に写っている被写体の横幅実寸は約36mm
撮影倍率1.4倍
ファインダーを覗いて撮っていると、「え?ここまで寄れるの?」というぐらい近くまで寄れます。RF100mm F2.8 L MACRO IS USMのセンサーから被写体までの最短撮影距離は26cmですが、実用上はフードを外した状態でのレンズ面から被写体までの距離が9cm弱ぐらいと覚えておくと便利です。また、近接撮影ではレンズ側部のフォーカスリミットを0.26m-0.5mに設定するとピント合わせが速いです。
撮影倍率1.4倍で撮影した作例
長年、等倍で撮影してきたので、撮影倍率1.4倍は体感的には驚くほど近寄れる印象です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/1000秒 ISO400
マクロ撮影を超えて、顕微鏡の世界に入り込んだかのよう。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/200秒 ISO800
倍率1.4倍は葉脈などの質感や造形を切り取る時にも有効ですね。個性的な写真を撮りたい方に是非体感して欲しい世界です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/1000秒 ISO400
等倍撮影でも小さな被写体を十分大きく描写可能ですが、撮影倍率が1.4倍となると、まるで顕微鏡で覗いた時のような、肉眼で見えているようで見えていない被写体の表情を捉えることができます。近所の公園などでも見たことがないような写真を簡単に楽しめるので、散歩のお供としてもおすすめです。ご覧いただいた近接写真は、実は家から5分以内の公園や路地で撮影した作例です。身近な世界の驚きの表情が撮れるのが嬉しいですね。
SAコントロールリング
さて、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMのスペックで、皆さんが気になるのは「SAコントロールリング」ではないでしょうか?SAとは球面収差のことですが、この言葉は覚えなくても大丈夫!皆さんに知っていただきたいのはボケ味をコントロールできるリングであるという点です。早速、写真を見て比べてみましょう。
■SAコントロールリングをセンターで撮影
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/3200秒 ISO400
SAコントロールリングを回すと、センターでカチッとなります。センターの状態にある時のみ、レンズ横にあるロックボタンが効きますので、普段はセンターでロックしておくとリングが回らずに撮りやすいです。
今までのマクロレンズと同じ感覚で、ピントを合わせた箇所をシャープに描写したい時は、SAコントロールリングはセンターと覚えておくと便利。開放F2.8の撮影でも、ピントを合わせた被写体はシャープで繊細な線を描きます。それでいながら、被写体前後のボケ味はやわらかくて美しい描写です。シャープさとボケのメリハリが心地よいレンズです。
■SAコントロールリングを「+」で撮影
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/2500秒 ISO400
■SAコントロールリングを「ー」で撮影
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/3200秒 ISO400
まず最初にSAコントロールリングを「+」でも「ー」でもピントを合わせた被写体はソフトフォーカスフィルターを使ったかのようにやわらかい描写されることを覚えておきましょう。ピントが合っていないわけではないので心配しないでOKです。違うのはピントを合わせた被写体の前後のボケ具合です。
■ボケの特徴
ピントを合わせた被写体を基準にすると、
「+」は背景のボケが硬く、前景のボケはやわらかい。
「ー」は背景のボケがやわらかく、前景のボケは硬い。
下の作例は、SAコントロールリングを「+」で撮影した一枚です。ボケの硬さを強調するためにメモリーの端までリングを回しています。リングの位置によって、ボケの強度は変わりますので、被写体をモニターかファインダーで確認しながら効果を調整して使うのがいいでしょう。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/2000秒 ISO800
下の作例はSAコントロールリングを「ー」で撮影した作例です。全体がやわらかい印象の写真になります。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/1600秒 ISO400
高画質の中望遠レンズ
自然風景の撮影で、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMはマクロ撮影だけでなく中望遠の単焦点レンズとしても高い描写力を発揮するレンズです。マクロ撮影ではF2.8などの開放寄りの絞り数値をよく使いますが、中望遠では私自身はF8~F11前後に絞り、被写体である自然風景の細部を豊かに写し出して、今までにない解像感とシャープネスを楽しんでいます。
マクロと中望遠という2本の役割が1本に収まり、実は汎用性が高いのもこのレンズの嬉しいポイントです。中望遠として使う時は、フォーカスリミットは、0.5m-∞で撮影しています。ナノUSMモーターで駆動するAFは超高速でストレスがありません。
中望遠レンズの圧縮効果を使いながら、手持ちで神奈川県の城ヶ島の岩肌から海、空の表情までを微細に捉えた一枚。このレンズを手にしたら、是非プリントをしてその繊細な描写力を味わってみてください。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F11 1/1000秒 ISO400
上の写真と同じく、城ヶ島から眺めた相模湾のゆらめき。絞りF11で撮影することで、波頭を繊細に描くことができました。海を撮る時は明暗に注目すると質感のある波の表情を撮りやすいですね。RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは中望遠レンズとしても超優秀なレンズです。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F11 1/4000秒 ISO100
こちらは和歌山県の那智の滝です。カメラはEOS R5で、EVF(電子ビューファインダー)を覗きながら、手持ち撮影しました。岩肌の造形と木々の細かな質感だけでなく、高速シャッターで水の一瞬の表情も捉えています。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F11 1/2000秒 ISO400
手ブレ補正
RF100mm F2.8 L MACRO IS USMはEOS R5のようなボディー内手ブレ補正機構のあるカメラとの協調制御で、8.0段分の手ブレ補正効果を発揮します。よく、マクロレンズはブレやすい、AFが合わなくて撮影が難しいという話を伺いますが、8.0段分の手ブレ補正効果があれば、絶対とは言えませんが、ほぼ大丈夫。
小さなキノコの撮影などは足場が悪くて三脚が立てられない場面も多く、手持ちで撮影する機会が多いマクロですが、強力な協調手ブレ補正で撮影がかなり楽になりました。暗いシーンでもとても撮りやすいです。
夕方の日が沈んだ後の時間帯。カメラとの協調制御のおかげで手ブレもなくピントがシャープ。シャッター速度は1/10秒というスローシャッター。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/10秒 ISO1600
ISをわざとオフにして撮影してみました。シャッター速度は同じ1/10秒です。上の写真と比べると、いかに手ブレ補正が効果を発揮しているかが分かると思います。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:F2.8 1/10秒 ISO1600
まとめ
今回は、超近接撮影から中望遠までの幅広い撮影が楽しめるRF100mm F2.8 L MACRO IS USMをご紹介させていただきました。RFシリーズの新世代マクロレンズは描写がシャープなだけでなく、強力な手ブレ補正や個性的なSAコントロールリングによるボケの表現で、新たな写真の世界へ皆さんを連れて行ってくれるでしょう。
■写真家:GOTO AKI
1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。
「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」関連記事はこちら
■キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USM×ポートレート|大村祐里子
https://shasha.kitamura.jp/article/483293604.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のGOTO AKIさんによる、キヤノン「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」レビュー記事です。撮影倍率1.4倍まで寄れるマクロレンズの性能をぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,マクロレンズ,RF100mm F2.8 L MACRO IS USM,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIが登場|大幅な軽量化と最大4倍のAFスピードを実現!
BASENAME: 484056077.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 10/26/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
ソニーからEマウントのフルサイズ ミラーレスカメラ用交換レンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」を2021年11月26日(金)に発売するとアナウンスがありました。 本レンズはボディー性能の進化と動画撮影ニーズの高まりに合わせて進化した大三元レンズで、EマウントのG Masterレンズとしては、初めてのII型となります。光学系の見直しとAFを動かすアクチュエーターの刷新等により、描写性能を進化させつつ大幅な軽量化とAF速度を最大で4倍向上させ、動画撮影時でも使い勝手の良いモデルになっています。今回はソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたので、そのレポートを是非ご覧ください。
大幅な軽量化と描写性能の向上
従来モデルと外寸は全く一緒にも関わらず、質量は約29%(1,480g→1,045g)の軽量化を実現しており、従来モデルと持ち比べてみるとその軽さに驚かされます。これは光学系の見直しにより、超高度非球面XAレンズやスーパーEDガラスをはじめとするエレメントを効果的に配置する事でレンズ枚数を6枚減らし、アクチュエーターや鏡筒部分の材質をより軽量にする事で実現しているとのこと。インナーフォーカスの70-200mm F2.8 大三元と言えば、描写力は高いけど少し重くても当然だと思っていましたが、これだけ軽くなった事に驚きでした。
一見するとどちらも同じレンズに見えます。
左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
並べてみるとII型の方がフォーカスリングの幅が短くなり、絞りリングがついた事が分かります。
左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
同じ大きさに見えても重量はこれだけ違います。
左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
※写真はセキュリティーコード類が付いた重さになります
従来モデルはフロントヘビーになっていましたが、本機は三脚座の真上あたりに重心がくるようになっており、カメラに装着した際のバランスがとても良いのを感じます。
また、光学系の見直しは高解像を実現する為にも行われており、解像度をグラフで確認できるMTF曲線で従来モデルと比較してみると、広角、望遠側共に開放からF8まで解像力が向上しているのが見てとれます。従来モデルも描写力という点では高評価を得ていましたので、それを上回る解像力を持つ本レンズと最新のαシリーズとを組み合わせて撮影するのはとても楽しみですね。
▼FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIのMTF曲線はこちら
https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL70200GM2/feature_1.html#L1_340
▼FE 70-200mm F2.8 GM OSSのMTF曲線はこちら
https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL70200GM/feature_1.html#L1_140
高解像と共にG Masterならではの美しいボケも健在です。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/320 ISO1000 露出補正+1 焦点距離200mm
AF速度と追従性能
AFを駆動させるアクチュエーターは、従来モデルではリングドライブSSMと2つのリニアモーターを採用していましたが、今回のモデルでは刷新されXDリニアモーターを4基搭載し、これにより最大で4倍のAF速度を実現しています。手前と奥にAFを移動させて撮影したサンプル映像がありますのでご覧ください。
VIDEO
AFはスピードだけでなく追従性能も向上しており、絞った時やズーミング時の追従性能も大きく向上しています。ズーミング時の追従性能は従来モデルと比べて30%向上しているとの事でしたのでサンプル映像を撮影してみました。人物が奥から手前に走ってくるのに合わせて、望遠側から広角側にズーム操作を行いながら瞳AFで追従させています。
VIDEO
また、AFは静粛性にも優れており、音作りに拘る動画撮影ユーザーにも配慮したつくりにもなっています。
操作性能
インナーフォーカスは前玉が繰出すタイプと比べて重心の移動が少ないのでバランスが良く操作しやすい事や、PLフィルターが回転しないので使い勝手が良いなどの特長があります。今回は更にAFスピードの向上や最短撮影距離を短くするなど、インナーフォーカスのメリットを最大限に活かしたつくりになっています。
レンズフードは丸型のバヨネット式が採用されており、先端にはゴム素材が巻いてありますので、フードを下にしてカメラを置くことが出来るのは嬉しいですね。また、円偏光フィルターや可変NDフィルターの操作を可能にするフィルター操作窓があります。
フィルターの操作窓を開いた状態
フルタイムDMFスイッチが新たに搭載され、AF-Cで撮影している途中で、フォーカスリングを回せばマニュアルフォーカスにする事ができます。AF-Cで撮影中に意図しない被写体にフォーカスが移動してしまった時でも、マニュアルフォーカスで瞬時に狙った被写体にピントを戻す事が出来ます。
他にも、手ブレ補正では動体撮影に最適化されたMODE3が追加になっていたり、絞りリングが搭載されクリックのON/OFFが可能になっていたりしますので、動画撮影中にも音を立てずスムーズに絞りの開閉が可能になります。
絞りリングを回して絞りを開閉させている
絞りリングのクリック音をON/OFFできるスイッチ
フォーカスブリージング
動画撮影する際にピント位置が移動すると、フォーカスブリージングといって画角が少し変わってしまう事があります。従来のG Masterレンズでもこのフォーカスブリージングを抑制していましたが、本レンズでは最新の設計技術により、更に抑制できるようになっているようです。サンプル映像を撮影してきましたのでご覧ください。
VIDEO
0.3倍の撮影倍率
最大撮影倍率は0.3倍で、ワイド端70mmの最短撮影距離は40cmです。従来モデルは96cmでしたので、比較すると56cmも近くに寄って撮影する事ができます。風景撮影に出かけた時には、花やそこに止まった蝶々を大きく映すことができます。
70mm側の最短撮影距離で撮影
最短撮影距離で撮影した写真
テレコン
1.4倍、2倍のテレコンバーターを使用できるため、レンズの焦点距離を変えて撮影の幅を広げることも可能です。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIに2xテレコンを装着
200mm~400mmの超望遠を頻繁に撮影される方は、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSの購入を検討されている方もいらっしゃると思います。写真家の坂井田富三さんが従来モデルのFE 70-200mm F2.8 GM OSS + 2xテレコンとFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを使った場合の比較作例を用いてレビューしていますので、こちらの記事 も是非ご覧ください。
■ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS レビュー|αユーザーなら是非持っておきたいレンズ(坂井田富三)
さいごに
これまで大三元レンズの描写力やAF速度、撮影倍率がこれだけ向上すれば、希少なレンズ素材を使用することで価格がぐんと上がるか、価格が同じでも重量が増えるものだと思っていました。「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」には良い意味で期待を大きく裏切られ、インナーフォーカスはそのままに、これだけの描写力や撮影倍率の向上がなされる中で価格は殆ど変わらず、質量も約29%軽量化され、動画撮影性能が向上するなど驚くべき進化を遂げたレンズになっていると感じました。今までI型を使っていた方は勿論、大三元の描写力に魅力を感じつつも重くて諦めていた方、動画撮影を楽しまれる方、素早く動く被写体を確実にものにしたい方などは是非本レンズを触って使用感や性能を確認してみて欲しいと思います。次回は写真家によるFE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビューを公開したいと思いますので、そちらも楽しみにしていてください。
その他のソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II の記事はこちら
・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|この軽さは異次元!飛躍的に進化した望遠ズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/484841184.html
・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|人物、航空機、紅葉、風景、スナップ撮影で本レンズの魅力を探る!
https://shasha.kitamura.jp/article/484608135.html
・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|小川晃代
https://shasha.kitamura.jp/article/485832622.html
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EXCERPT:
ソニーからEマウントのフルサイズ ミラーレスカメラ用交換レンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」が登場。ソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたので、その時のレポートを是非ご覧ください。2021年11月26日発売。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,交換レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,ミラーレスカメラ,大三元,望遠ズーム
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ソニー α7R IV レビュー|野鳥撮影における高解像度モデルの優位性
BASENAME: 484055118.html
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CATEGORY: 山田芳文
DATE: 10/27/2021 16:00:00
TAGS: α7R IV,ソニー(Sony) ボディー,野鳥,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
今現在、私は2種類のカメラをメイン機として使って野鳥を撮影しています。ひとつはソニーのα1で、もうひとつはα7R IVです。今回は後者のα7R IVでの野鳥撮影の優位性についてご紹介させていただきます。
撮る道具として使いやすい
写真を撮る道具としての使いやすさは、数値化されたスペックとして表に出てくることがないため、あまり知られていないかもしれませんが、第4世代になったα7R IVは非常に使いやすいカメラです。第3世代と比べて使いやすくなったところはたくさんありますが、特筆すべきところは、
①グリップが深くなった
②ボタン類が押しやすくなった
③ファインダーが見やすくなった
④露出補正ダイヤルにロックがついた
の4点です。
深くなったグリップは握りやすく、長時間手持ちで撮影する時に疲労の低減にもつながります。
そして、背面のボタン類は少し大きくなり、中のパッキンも一新されたそうです。これによって、非常に押しやすくなりました。
EVFはα7R IIIのファインダーから約1.6倍の576万ドットに高解像化されました。ファインダーをのぞいた瞬間にキレイになったことが実感できますので、ぜひ1度体感してみてください。
最後は露出補正ダイヤルです。露出補正ダイヤルにロックがついていないカメラだと、撮影に行く移動中にカメラバッグの中でダイヤルが勝手に動いて、撮影現場に着いたら+2になっていてビックリ、というような経験がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。α7R IVは露出補正ダイヤルにロックがついたことで、このような事態になることはありません。こういう気の効いた改良点は個人的にも非常に有り難く思っています。
AFの精度と追従性能
AFの精度と追従性能については、第3世代のα7R IIIでも十分に良好でしたが、さらに進化しました。いわゆる空抜けのようなシンプルな背景の時に、問題なくピントを鳥の目に合わせてくれるのはもちろんのこと、かつてAFが外しやすかった複雑な背景の時でも、ピントがバックに引っ張られてしまうということはありません。
その昔、背景が複雑なシーンで飛んでいる鳥を撮る時は、AFが後ろに外すことが当たり前だったので、仕方なくマニュアルフォーカスに切り替えて撮影していましたが、2021年の今、α7R IVをもってすれば、このようなシーンでもAFで撮影することができるようになりました。背景が複雑なシーンでα7R IVを使って飛んでいる野鳥を撮る時、私は、フォーカスモードはAF-C(コンティニュアスAF)にして、フォーカスエリアはトラッキング:ゾーンに設定することが多いです。そして、AF被写体追従感度ですが、ハクチョウのように直線的に飛ぶ鳥の場合は、4もしくは3に、コミミズクのようにひらひらと飛ぶ鳥の場合は2もしくは3にすることが多いです。
撮影前に野鳥の観察を丁寧に繰り返すと、行動パターンが読めるようになります。それができれば、もう撮れたも同然で、あとは最適な設定にしたα7R IVに委ねるだけ、そんな時代になりました。
■使用機材:ソニー α7R IV+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:焦点距離400mm F5.6 1/2500秒 ISO1250
■使用機材:ソニー α7R IV+FE 600mm F4 GM OSS
■撮影環境:焦点距離600mm F4 1/1600秒 ISO400
α史上最高の解像性能で撮る野鳥風景
近年のカメラは、どのようなものを使っても、それなりによく写るので、鳥を大きく写す場合に画質的に残念な結果になることはあまりありません。しかし、鳥を小さく写す場合はちょっと話が変わってきます。鳥がいる風景写真をライフワークにしている私は、鳥の周囲に大きく風景を取り入れて主役の鳥を小さく写すことが多々あるのですが、このような条件で撮ると、カメラの本当のポテンシャルがよくわかります。
α7R IVは鳥を小さく写す場合でも、約6100万画素の高解像なフルサイズのセンサーとローパスフィルターレス仕様によるクリアな解像感、G Masterレンズの解像力が互いにリンクして、考えられないような高画質で鳥がいる風景写真を撮影することができます。野鳥は600mmクラスの超望遠レンズがなければ撮影できないと思っている人はぜひ、このカメラに焦点距離が短めのレンズをつけて鳥を風景的に小さく写してみてください。本当によく写ることが実感でき、もう元には戻れなくなることでしょう。
■使用機材:ソニー α7R IV+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:焦点距離400mm F8 1/800秒 ISO160
■使用機材:ソニー α7R IV+FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:焦点距離135mm F2.8 1/3200秒 ISO160
■使用機材:ソニー α7R IV+FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:焦点距離85mm F2.8 1/250秒 ISO400
ダイナミックレンジが広い
かつての高画素機はダイナミックレンジ的にちょっと問題がありましたが、前モデルのα7R IIIがそれを克服し、ダイナミックレンジが広い高画素機として登場しました。α7R IVは6100万画素とα7R IIIの4240万画素から1.5倍近く高画素になったので、使う前はダイナミックレンジが狭くなっているのではないかとちょっと心配しましたが、全く問題はなく、広いダイナミックレンジをキープしてくれています。なので、明暗差が激しい条件でも躊躇なく撮影することができます。
シジュウカラのような白黒模様の鳥を晴天の硬い光で撮影する時、ダイナミックレンジが狭いカメラだと、ハイライトかシャドウのどちらか一方を犠牲にしなければなりませんが、α7R IVで撮影すれば、暗いところから明るいところまで全ての階調を再現することができます。
■使用機材:ソニー α7R IV+FE 600mm F4 GM OSS
■撮影環境:焦点距離600mm F4 1/250秒 ISO160
ローパスフィルターレス仕様でもモアレが出ない
デジタルカメラが普及し始めた頃、カメラには通常、モアレが出にくくなるようにローパスフィルターがついていましたが、普通にモアレが出ました。α7R IVは高画素化することで、ローパスフィルターレスにしてもモアレがほとんど出ないと聞いたので、テストするためにマガンを撮影しました。モアレが出やすい条件(羽根が規則正しく並ぶところに対して、センサー面ができるだけ垂直水平になるようにカメラ位置を決め、シャープに像を結びやすい絞り値でクローズアップ)で撮影しましたが、ご覧の通り、モアレは出ていません。
■使用機材:ソニー α7R IV+FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:焦点距離135mm F5.6 1/250秒 ISO500
まとめ
撮る道具として使いやすいα7R IVは、確かなAFと広いダイナミックレンジが特徴です。そして、考えられないような高画質で野鳥を撮影することができるので、寄りで切りとる時はもちろんのこと、引きで風景的に野鳥をとらえる場合にもおすすめです。鳥がいる風景写真を撮っている人や撮ってみたい人は、ぜひこのカメラを使ってみてください。
■写真家:山田芳文
「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。ライフワークは鳥がいる風景写真。主な著書は『写真は「構図」でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)、『やまがら ちょこちょこ』(文一総合出版)など。最新刊は『SONY α6600 基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)。
[終了しました] 山田 芳文 写真展 『ともに生きる〜野鳥と人〜』
■会期:2021年10月23日(土)~2021年11月5日(金)
■時間:11:00~20:00 ※最終日は17:00まで
※営業時間に準じて変更になる可能性があります。
■会場:αプラザ(大阪)※ ソニーストア 大阪内
■住所:〒530-0001 大阪市北区梅田2-2-22 ハービスエント 4F
■入場料:無料
■写真展『ともに生きる〜野鳥と人〜』のイベントページ
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山田芳文さんがソニー α7R IVのレビューをしています。野鳥撮影でのα7R IVのメリットも解説していますので、野鳥に興味がある方も必見です。
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KEYWORDS:
α7R IV,レビュー,ILCE-7RM4A,ソニー,Sony,ボディー,鳥
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports レビュー|葛原よしひろ
BASENAME: 484002727.html
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 10/28/2021 16:00:00
TAGS: 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports,シグマ(Sigma) レンズ,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
SIGMAから先日発売された超望遠ズームレンズ「150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」は、SONY Eマウント用とLEICA Lマウント用の2種類のマウント用レンズが販売されていますが、今回は装着ボディにSONY α1を使用してEマウント用にスポットを当ててレビューをさせていただきます。
150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports スペックについて
このレンズはDG DNシリーズという事で、ミラーレス一眼用レンズとして完全な新設計となっており、従来のSIGMA 150-600mm DG OS HSM | Sportsとは全く別のレンズとして製造された製品になります。
ミラーレス用という事もあり手に持った瞬間、明らかに軽量化されている事を感じました。実際カタログを見比べてみると150-600mm DG OS HSM | Sportsは重量2860g、フィルター径105mm、長さ290.2mmx直径121mmに対して、150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sportsでは重量2100g、フィルター径95mm、長さ265.6mmx直径109.4mmと大幅に小型軽量化されている事が分かります。
150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports 作例
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:ISO250 SS1/1600 F8 超望遠ズームレンズなので、先ずは大阪国際空港(伊丹空港)近辺で飛行機の撮影に使用してみました。
実際に使用してみて、解像感の良さは超望遠ズームレンズでは無く、単焦点レンズかと勘違いしそうなほど素晴らしいものでした。作例の写真を拡大して観ていただくと、これから着陸するパイロットの真剣な眼差しや、飛行機の機体に写り込むエンジン・飛行場近辺の町が細やかに描写されており、圧倒的な解像感について納得いただけると思います。
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:ISO500 SS1/1600 F8 私が動体撮影時に設定しているAF設定の殆どは、最近のSONY αシリーズに搭載されているトラッキングAF機能(選んだ被写体が移動してもAFが追い続けてくれる機能)を使用しています。
動体撮影を前提としたレンズ選びの場合に、このAF機能がどのくらい力を発揮出来るレンズなのかが私の購入時に最重要ポイントの一つになっています。この点に関して、結果から言うと満足する性能を発揮してくれました。
先ず被写体に合焦するスピードは素早く正確に合焦してくれるので合格です。ただし最近のAFレンズの場合、ここで不合格になるレンズは少ないです。問題は一度AFが合焦してから動体にどのくらい喰い付き続けてくれるかなのですが、このレンズはこの点で素晴らしく良い印象でした。追い続けている最中にAFを外す事は少なかったのですが、逆光でコントラストがかなり低くなったりするとどうしても外れてしまう事は有ります。その場合、大抵のレンズは復旧出来ずに外れたままになるのですが、このレンズはかなりの確率でAFが戻って合焦してくれました。
これからAF性能の競争は多分この部分がポイントになってくると思うのですが、勿論ボディ側の性能はベースとして必要な上で、ボディの性能を100%活かせるレンズ性能は同じくらい重要な要素です。今回は超望遠ズームレンズとしてはかなりの完成度だと感じました。
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:ISO100 SS1/125 F13 AFの捉え続けてくれる性能が良いレンズだと、流し撮り撮影もとても楽に撮影しやすくなります。この写真では機体側面にある飛行機会社のロゴマークにトラッキングAFを設定してSS1/125で振っています。結果、機体側面の窓の中が見えるくらい合焦したまま流せているのが解ります。
そしてAF機能の良さ以外にもう一点、このレンズの機能に助けられている事が有ります。それはレンズ側に搭載されている手ブレ補正機能なのですが、この手のレンズでは最近当たり前になりつつあります。
その中で本レンズには、横方向の手ブレ補正だけをオフにする手ブレ補正OSスイッチが搭載されているのですが、それとは別に斜め方向の重力を感知するセンサーが内蔵されています。実際この写真のように真横移動(電車や自動車撮影に多い)では無く、飛行機の飛び立つ瞬間のような横移動プラス浮き上がるような複雑な斜め移動を感知・制御してくれるので、このようなシーンの撮影が今までよりも簡単に撮影しやすくなっていることも好印象でした。
VIDEO
飛行機が滑走路に入ってきて飛び立つまでの動画です。まず滑走路へ横向きに入ってくるときのパイロットの動き、旋回してから浮き上がるまで機体に写り込む滑走路のホワイトラインや路面、そして何より、この日は気温が高く気圧の関係で風が強かったので機体を真っ直ぐにする為に尾翼が細かく動きながら調整している様子を、4K60Pできっちり映してくれました。
気温の高さで陽炎が強い場合や浮き始めのコントラスト低下で一瞬フォーカスがズレますが、直ぐに合焦し直す点も素晴らしく、動画にも使いやすいレンズです。
(*途中音声に話し声等入っております)
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:ISO6400 SS1/400 F6.3 ここまで昼の明るい時間から暗くなるまで撮影しましたが、どちらも発色も良い印象です。かなり暗い状況での速い被写体もAF追尾してくれましたので、使用出来る範囲や時間も想像より広いと思いました。
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■左上より150mm 200mm 300mm
左下より400mm 500mm 600mm 150mm~600mmまでの画角の違いを、東京駅を背景に2020 Miss Grand Japanファイナリストの安藤美樹さんに御協力いただいて撮影。改めて画角の違いを比べてみると、飛行機や野鳥だけでなく風景等いろいろなシーンでも活躍出来そうな感じがします。
150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports 本体・性能をチェック
レンズ本体のスイッチ類ですが、一言で言うと「痒い所にも手が届く」といった感じで、各種設定をすればスムーズな撮影ができる便利な機能が多いです。先ずは写真に向かって右側の並んでいるスイッチを上から説明させていただきます。
■フォーカスモード切換えスイッチ:AF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)の切替スイッチ。
■フォーカスリミッタースイッチ:AFのフォーカス稼働距離を設定するスイッチ。
■手ブレ補正OSスイッチ:手振れ補正をオフ・縦横方向や縦方向だけ有効に切り替えるスイッチ。
■カスタムモードスイッチ:OS(手ブレ補正)発動時のファインダーの見え方を変更出来るスイッチ。
■ズームトルクスイッチ(写真に向かって左側のスイッチ):繰り出し式レンズの先端の伸をL=ロック、T=タイト、S=スムースと調整できるスイッチ。
■AFLボタン(3か所):フォーカスロック以外の機能に変更割付可能なボタン。
レンズ先端のレンズフード付け根辺りに付いている溝ですが、直進ズームとして使用する際に便利な指を掛ける為の溝になります。
私自身は使用していてあまり気にならないのですが、ズームリングの回転方向がSONY純正レンズと逆回転なので、使いづらいと感じる方もいらっしゃるみたいです。溝に指をかけて直進ズームしてしまえば回転方向は関係なくなりますので、気にならない使い方が出来ます。
三脚座についてですが従来のネジ穴方式に加え、購入時からアルカスイス規格対応の溝が切ってあり、私もそうですがアルカスイス規格の雲台を導入している人にはかなり嬉しい部分です。
しかし、購入時付属パーツの三脚座では私の使用方法だと少し短いので、SIGMAから純正パーツとして販売されているTRIPOD SOCKET TS-101に変更して使用しています。
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
■撮影環境:ISO400 SS1/200 F8 最短撮影可能距離はワイド端150mmの時に58cmまで寄ることが可能で、最大撮影倍率も1:2.9(180mm)と、このレンズの寄れる所は凄く気に入りました。写真は180mm付近で最短撮影可能距離まで寄って百合の花の雌しべと雄しべを撮影したのですが、こうなってくるともう殆どマクロですね。
さいごに
今回のSIGMA150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sportsは飛行機撮影がメインでしたが、何一つ不満が無いと言って良い程の仕上がりでした。
外観も含めSIGMAらしく造りもしっかりしており、解像感は特に600mmでは単焦点レンズに引けを取らない程素晴らしく、逆光耐性もしっかりしており、AF性能も申し分なく、レンズ側での設定も豊富で何より軽くて小さい。その上、防塵防滴に配慮した設計までされていて至れり尽くせり。本当に凄いレンズが出てきたと思いますので是非お試しください。
■写真家:葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。
大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー
JPS(日本写真家協会)正会員
シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports レビュー記事はこちらでもご覧頂けます
シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports レビュー|三井公一
~ Lマウント用にスポットを当てたレビューになっています ~
https://shasha.kitamura.jp/article/482815439.html
この記事に使用した機材 【シグマ】150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports ソニーFE用
商品詳細ページ 【シグマ】150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports ソニーFE用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんがシグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS|Sportsのレビューを行っています。ソニー α1を使用してEマウント用にスポットを当ててた内容になっていますので、ソニーユーザーの方は是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports,シグマ,sigma,レビュー,葛原よしひろ
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AUTHOR:
TITLE: ソニー VLOGCAM ZV-E10×ペット撮影|小川晃代
BASENAME: 484056526.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 小川晃代
DATE: 10/29/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,VLOGCAM ZV-E10,犬/猫/ペット,APS-C,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
動画も写真もこだわって他人と差をつけたい!という方におすすめのレンズ交換式Vlogカメラ「VLOGCAM ZV-E10」。αユーザーの私にとっても楽しみにしていたカメラです。
わんこにゃんこを撮影をしていると、あっ!このシーンは動画でも撮っておきたい!と思う事も多いもの。もちろんスマホでも手軽に動画撮影は出来るけど、より美しい映像を残したいと思うと物足りなさを感じますよね。
テレビや映画などで背景が大きくボケた美しい映像を目にしますが、やっぱりボケ味がキレイだとすごくお洒落に見えますし映像に引き込まれます。そんなボケ味を生かしたお洒落な動画も撮りたい!と思い今回は動画も撮ってみました。
VIDEO
簡単お洒落に動画が撮れる
今回少し暗めの室内で撮影しましたが、そんな事を感じさせないほどディテールまでしっかりとキレイに撮影出来ました。撮影していると、このシーンはこのレンズで撮ってみたい、あのシーンはこのレンズで撮りたい!とレンズを使い分けたくなるのですが、それを可能にしたのがこのZV-E10。普段のαシリーズで使っているレンズを、アダプター無しでそのまま取り付けられるのが嬉しいポイントです。
さて、今回は全て手持ちで撮影しました。もともと写真撮影も手持ち派の私は、動画撮影においても手持ちでどこまで手ブレが軽減できるかが重要な要素でもあります。なんといってもペットの動画撮影をする時に一番苦労するのが、手ブレとピント合わせなのです。
今まではこの2点が解消できず、撮影を断念することも多々ありました。しかし、ZV-E10搭載の手ブレ補正「アクティブモード」は手持ち動画撮影時にとても心強い味方になってくれました。さらに、別売のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」を使えば、手元で録画のオン/オフが出来るので録画ボタンを押すときのブレを起こさず、初めから終わりまでブレの少ない動画を撮影できます。また、置いたままで撮影出来る三脚機能もあるので、愛犬のしつけトレーニングをしている様子の記録動画を撮ったり、カメラから離れて愛犬との記念撮影をしたりする時にも使えますね。
ZV-E10は「リアルタイムトラッキングAF」にも対応しているため、液晶モニターの画面をタッチしてピント合わせ、被写体を追尾させることができます。だからペットが動いてしまってピントが外れてしまった!なんて事もなく快適に撮影が出来るんです。
また、このカメラはボタンを押すと「静止画、動画、S&Q」の順に切り替えられるのですが、このS&Qモードが結構使えます。S&Qモードにするとスローモーション撮影やクイックモーション撮影が出来るようになります。ペット撮影で特にオススメなのはスローモーション撮影。高いフレームレートを選んで撮影すれば、なめらかでしっとりとしたイメージのスロー動画に仕上がります。
商品レビュー機能の使い方
ペットの動画撮影では出番が少ないかもしれませんが、便利だなと感じた機能の一つが「商品レビュー機能」です。YouTube等で良く見る商品紹介動画の映像、紹介する商品をカメラの前に近づけるシーンがありますよね。この時通常であれば人の顔の方にピントが合い続けてしまう(=商品にはピントが合わない)のですが、商品レビュー機能をONにしておけば、カメラの前に来た商品にピントが合い、商品を手元に戻すと今度はしっかりと人の方に合うという便利な機能なんです。これはわんこの手作りグッズを作られている飼い主さんにオススメな機能です。
一つだけ注意しなくてはならない点は、この商品レビュー機能がONになっている時は、リアルタイム瞳AFが作動しない事。私も、商品レビュー機能をONにしたままでなんか瞳に合わないなあ?と感じながらペット撮影をしてしまった苦い経験があるので、ペット単体を撮る時にはこの商品レビュー機能は必ずOFFにして使いましょう。
αレンズがそのまま使える!
ZV-E10はとにかく小型です。質量は約343gと持っているのを忘れてしまうくらいの小型軽量カメラなのに、センサーサイズはAPS-C。暗い場所にも強く美しいボケ味が楽しめるカメラです。先ほども言いましたが、ZV-E10はEマウントを搭載しているのでαレンズをそのまま使用出来ます。サブ機として迎え入れてあげるというのもおすすめですね。
私が愛用している70-200mmF2.8GMレンズをつけて撮影。主役のわんこはシャープに、手前と奥のコスモスはふんわりとボケています。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:F2.8 1/400秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離167mm
光量が少ない環境でも瞳のうるおいや毛の質感をしっかりと再現してくれています。わんこと背景との距離は比較的近いのですが、しっかりと背景がボケていて被写体を引き立たせていますね。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO320 露出補正+1.0 焦点距離35mm
背景のボケ味の調整はF値を設定しますが、初めてカメラを使う初心者さんにはこの作業がちょっと難しいですよね。ですがこのカメラを使えば安心!F値の事が何も分からなくても簡単に背景のボケを楽しめちゃうんです。ZV-E10はシャッターボタンの後ろに背景ボケ切り替えボタンがついています。
ボタンを押すと自動的に絞りが開放になって背景が大きくぼけて、もう一度押すと絞りが絞りこまれてピントの合う奥行が広がりわんこから背景までピントが合った写真が撮れます。ペット撮影では背景を大きくぼかした写真を撮る事が多いですが、例えばお友達わんことの集合シーンを撮ろう!なんて時でも、ボタンを一つ押して背景くっきりモードにするだけ。集合した全わんこにピントが簡単に合ってくれるので楽ちんです。
また、ちょっとおもしろレンズで撮ってみるのも良いですよ。今回はE 16mm F2.8にフィッシュアイコンバーターを使って撮ってみました。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 16mm F2.8 + フィッシュアイコンバーター
■撮影環境:F2.8 1/2500秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離16mm
今回はわんこの顔を強調したかったので少し上からのカメラアングルで撮ってみました!わんこにぐっと近寄って撮ればこんなにおもしろい写真が撮れます。
わんことレンズの距離は25cmほど。カメラもレンズも小型なので近づきすぎてもわんこに威圧感を与えません。また、広角レンズを使用しているので地平線が半円を描くように写り普段とは違った雰囲気で撮影できました。
便利なバリアングル液晶
小型ですがバリアングル液晶モニターはしっかり搭載しています!これ、ペット撮影では頻繁に使うのでありがたいです。下の写真は猫がこちらに向かってくるシーンを、猫の目線よりもカメラを下げて地面ギリギリの位置から撮影しています。このような時もバリアングル液晶モニターがあるので撮影がものすごく楽でした。
また、最高約11コマ/秒の連写で動きの一瞬の良いポーズも逃さず捉える事ができます。これだけ高速連写であれば走りシーンの撮影でも十分です。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:F2.5 1/500秒 ISO500 露出補正+0.7 焦点距離50mm
ローアングルから撮る事で迫力が増します。今回は目力の強い猫がこちらに向かってくる様子を狙ってみました。
ペット撮影で必須のリアルタイム瞳AF
静止画撮影では動物の瞳を自動的にとらえて追従するリアルタイム瞳AFにももちろん対応しています。今やこの画期的なAF性能が、私の中でもなくてはならない程の存在になっています。画面の中であちこち動きまわるペットは、AFエリアをワイドにしてリアルタイム瞳AFに頼るのがとても撮りやすく今回もその方法で撮っています。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 14mm F1.8 GM
■撮影環境:F1.8 1/2000秒 ISO100 露出補正+1.0 焦点距離14mm
元気な秋田犬子犬。目の周りが黒毛&あちこち動くのでピントが瞬時に合うかと心配でしたが、リアルタイム瞳AFでしっかりと瞳を捉え続けてくれました。広角レンズで下からあおって撮ったので、ヤシの木が内側に入り込み写真の良いアクセントになったと思います。
まとめ
動画を手軽にかっこよく、写真も高画質で美しく残せるZV-E10。レンズ交換式のAPS-Cサイズのカメラがこんなに小型軽量でこれだけの機能がぎゅっと詰まっているだけでも魅力的ですが、何よりも値段が本当に安くてびっくり!はじめてのカメラにorサブカメラにおすすめの1台です。
■写真家:小川晃代
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持し、ペットや野良猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。
VLOGCAM ZV-E10の関連記事はこちら
■ソニー VLOGCAM ZV-E10 レビュー|山本まりこ
https://shasha.kitamura.jp/article/482887882.html
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EXCERPT:
ペトグラファーの小川晃代さんに、ソニーの「VLOGCAM ZV-E10」をレビューしていただきました。コンパクトなボディ&バリアングルモニター搭載で、ペットの動画/静止画を撮影するのにもぴったりです。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,ミラーレス,VLOGCAM ZV-E10,レビュー,ペット,動物
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: キヤノン RF800mm・RF600mm比較レビュー|A☆50/Akira Igarashi
BASENAME: 484072502.html
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CATEGORY: A☆50/Akira_Igarashi
DATE: 10/30/2021 11:00:00
TAGS: RF800mm F11 IS STM,RF600mm F11 IS STM,キヤノン(Canon) レンズ,単焦点,飛行機
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BODY:
はじめに
2020年7月にキヤノン社より発売されたRF800mm F11 IS STMとRF600mm F11 IS STM。このレンズのお話を聞いた時、正直なところ発売せず賑やかしで終わるのではないかと考えていました。何しろ、長大な焦点距離があれど、絞り機構レスの開放F11というスペック。RFシステム誕生の際にキヤノン社の開発の方から「これからRFシステムの利点を活かした面白いレンズをどんどん作っていきたいと思います」とは聞いていましたが、まさかこんな面白すぎるスペックのレンズが本当に発売されたことにまず驚きました。
そして、使ってみてさらに驚き。ヒコーキ撮影など長大な焦点距離を必要とする撮影においては、意外にもといっては失礼ですが、非常に使い勝手の良いレンズだということが理解できました。ここでは、RF800mm F11 IS STMとRF600mm F11 IS STMの2本を一緒にレビュー。ヒコーキ撮影における様々なシーンの撮影をおこないました。
外観と優れた携行性
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:ISO200 F11 1/640sec 焦点距離800mm
キヤノン社の超望遠単焦点レンズというと、白いバズーカ砲のようなレンズを思い浮かべる方も多いと思いますが、RF800mm F11 IS STMとRF600mm F11 IS STMはシンプルなブラックボディ。本当に800mmや600mmのレンズなの?というくらいコンパクトで軽いのが特徴です。コンパクトさの最大に秘密が沈胴式構造。撮影時にレンズを引き出すこの構造により、持ち運び時はコンパクトに収納することを可能としています。
同じく単焦点600mmの焦点距離を持つRF600mm F4 IS L USM…いわゆる「ロクヨン」と呼ばれる白いバズーカレンズが同社にはありますが、カメラバッグにこちらを1本入れるスペースに、RF800mm F11 IS STMとRF600mm F11 IS STMの2本縦に並べて収納することも可能。それくらい、コンパクトに設計されたレンズなのです。
また、RF600mm F4 IS L USMは重さが約3090g。それに対しRF800mm F11 IS STMは約1260g、RF600mm F11 IS STMは約930gですから、開放F値の違いはあれど、長大な焦点距離を持つ同じ単焦点レンズでもこれだけ重さに違いがあります。手持ち撮影の多いヒコーキ撮影においては、軽さこそ正義という場面も少なくありません。こうした翼上から雲が発生する、いわゆるベイパーシーンの撮影においては手持ちかつファインダーを覗きながら機体をずっと追いかけることも少なくないため、本体重量の軽さが大いに役立ちます。
信頼感のある画質
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:ISO200 F11 1/640sec 焦点距離600mm
RF800mm F11 IS STMは8群11枚、RF600mm F11 IS STMは7群10枚で構成されるこれらのレンズ。DOレンズにより各収差を補正し小型、軽量化にも寄与しています。単焦点レンズらしくヌケの良い描写。ディテールが重視されるヒコーキ撮影においても満足のいく解像感で、細かいパーツひとつひとつまで細かく描写してくれます。ただ、絞り開放固定となりますゆえ、中心部のシャープさに比べると周辺部はやや柔らかい感じに。条件によっては周辺光量落ちが目立つこともあるので、カメラ本体のレンズ補正にある「周辺光量補正」をONにするか、現像処理の際に補正しましょう。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF800mm F11 IS STM + EXTENDER RF1.4x
■撮影環境:ISO100 F16 1/30sec 焦点距離1120mm
レンズそのものの焦点距離でも長大な焦点距離となりますが、エクステンダーを装着しさらに焦点距離を伸ばすことも可能。1200mmや1600mmなど、超々望遠撮影もできますが、EXTENDER RF1.4xで開放F値がF16、EXTENDER RF2xで開放F値がF22と、なかなかお目にかかることの無い開放F値になります。画質落ちも1.4xの方ではそこまで感じることはありません。視程の良い日を選ぶなど条件の考慮が必要となりますが、2xの方も思ったより使えるなという印象を持ちました。
動画撮影にも嬉しい滑らかなAF
■使用機材:キヤノン EOS R6 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:ISO100 F11 1/160sec 焦点距離800mm
このレンズを使用する際、AF測距可能エリアは撮像面の横約40%と縦約60%の範囲になります。撮像面の端にAF測距可能エリアを置き、追従AFで…という撮影もあるにはありますが、工夫をすればこのAF測距可能エリアであっても不自由は少なく感じました。AFの合焦速度、精密さともに問題はなく快適。リードスクリュータイプのステッピングモーター搭載のSTM方式なので、動画撮影時には嬉しい滑らかなAFも実現しています。
流し撮りでも活躍するIS
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:ISO100 F11 1/50sec 焦点距離600mm
手持ち撮影が多く、超望遠撮影を多用するヒコーキ撮影においては手ブレ補正機構のスペックも気になりますが、RF800mm F11 IS STMは4段、RF600mm F11 IS STMは5段と十分なスペックを保持。EOS R5/R6に装備されたボディ内手ブレ補正(IBIS)との協調補正には対応していませんが、それでも普通に撮る分には不足を感じませんでした。むしろ、こうした流し撮りをする際は適度な補正効果の方が撮りやすい場合もあります。IBISとの協調補正は、組み合わせによってはかなり強力に補正効果を発揮するため、一眼レフから移行してきたユーザーは流し撮りの際に慣れが必要になるかもしれません。
それぞれのコスパ
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:ISO200 F11 1/2000sec 焦点距離600mm
このレンズの最大の魅力はコスパの良さに尽きます。同じくキヤノン社の超望遠単焦点レンズには、前述した通りRF600mm F4 IS L USMがありますが、こちらは2021年10月時点でのキタムラ価格が160万円前後。それに対し、RF800mm F11 IS STMは11万円前後、RF600mm F11 IS STMは9万円前後と、およそ15〜16倍程度の価格差があります。
印刷して大きく引き伸ばすことが多い方、露出が厳しい中でも失敗できない撮影の続く方…つまり業務用途の撮影が多い方などは通称ロクヨンがオススメですが、SNSなどWEB上での作品発表が主流の方や日中の露出が稼げる時間のヒコーキ撮影が中心という方は、RF800mm F11 IS STMやRF600mm F11 IS STMもオススメです。開放F値3段分ということや絞り機構レス、AF測距可能エリアが狭いことなどは、この価格差を考えれば十分に相殺できるものだと考えます。
もちろん、描写力など画質の差もありますが、正直なところこちらも15〜16倍の価格差から考えると素晴らしい性能のレンズだと感じます。10万円前後でこの焦点距離の画角、単焦点ならではの画質が手に入るのは素晴らしいこと。ロクヨンに比べて軽量、コンパクトなので、携行性や手持ちでブンブン振り回せるという点では、こちらが圧倒的に有利ですから。
まとめ
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF800mm F11 IS STM
■撮影環境:ISO100 F11 1/1000sec 焦点距離800mm
RF800mm F11 IS STMやRF600mm F11 IS STMをオススメしたいのは、100-500mmや100-400mmといったレンズに続く超望遠レンズをお探しの方。ヒコーキ撮影においては機体をさらにググっと引き寄せることができるので、新しい画角の新しい作品が生まれます。切り取り系…いわゆる迫力のあるヒコーキ写真や旋回シーン、月に機影が刺さるシーンなどの撮影にも、この焦点距離が威力を発揮。今まで焦点距離の短いレンズで撮影し、クロップやトリミングで対応していたという方も光学的な寄りで対応することができます。「F11という開放F値が…」「絞りが無いのが…」と心配される方もいらっしゃると思いますが、RFシステムのカメラはだいたい高感度性能も秀逸なので安心。ヒコーキ撮影においてこのような長大な焦点距離を用いた撮影をおこなう際はガッツリと絞り込むことが少ないので、この点についてもそこまで気にする必要は無いかと思います。
そもそも、一眼レフのOVFではこの開放F値を持つレンズの開発は難しかったのではと推察します。ミラーレス一眼のRFシステムならではのコンパクトかつ軽量、魅力的な価格のレンズです。視程など撮影条件をしっかり選び、現像処理で光量落ちなど気になる部分を改善できるなら、コスパの良さをしっかりと体感できるレンズです。
■写真家:A☆50/Akira Igarashi
絶景ヒコーキ写真を求め全国を駆け巡る瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、TVなど各種メディアに出演、作品を提供するかたわら大手航空会社やカメラメーカーなどのオフィシャル撮影を担当。公益社団法人 日本写真家協会会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
航空写真家のA☆50/Akira IgarashiさんにRF800mm F11 IS STMとRF600mm F11 IS STMのレビューをしていただきました。描写性能やコスパ、取り回しまで多角的なレビューをぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
RF800mm F11 IS STM,RF600mm F11 IS STM,キヤノン(Canon) レンズ,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XF33mmF1.4 R LM WR レビュー|大口径プライムシリーズの新標準レンズ
BASENAME: 484069793.html
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 10/31/2021 10:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF33mmF1.4 R LM WR,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
XFレンズの「第二章」と言われ、将来的なイメージセンサーの高画素化を見据えた高解像性能を有する新世代「大口径プライムシリーズ」。先に発売されたフジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WRに加え、XF33mmF1.4 R LM WR(35mm換算:50mm相当)がラインナップに加わりました。
街を歩いてスナップしながら感じた〝新たな標準レンズ〟となるその描写と特徴、解像性能のインプレッションをお届けします。
デザイン&ボディバランス
ストレートでシンプルなレンズデザインは、このプライムシリーズの特徴となっています。質量約360gのコンパクト設計はX-T4とのバランスが最適です。その質量だけを比較してしまうとXF35mmF1.4 RやXF35mmF2 R WRの約2倍と感じますが、非球面レンズ2枚とEDレンズ3枚を含む10群15枚のレンズ構成に加え、リニアモーターを採用していることから見ても決して重たいわけではなく、むしろ小ささと軽さを感じます。
後に発売となるXF23mmF1.4 R LM WRと同時発売の角型レンズフード「LH-XF23 II」をXF33mmF1.4 R LM WRにも装着できます。
小さなボディのX-E4に装着すると、フード装着時には見た目の大きさを感じてしまいますが、鏡筒がしっかりと握れるサイズなのでホールド感が増し、安定した撮影が可能に。手の大きな男性でも扱いやすいと感じました。
プライムシリーズには絞りリングにAポジションロック機構が装備されており、リング動作時のクリックする感触と操作感が心地よく、取り回しの良さも魅力です。
50mm相当の標準レンズで感じる遠近感、立体感
筆者がこのレンズで一番嬉しいと感じたのは、35mm換算で50mm相当であること。いままでのXF35mmF1.4 RやXF35mmF2 R WRは35mm換算53mm相当であり、少々狭さを感じるようなこともありましたが、この「2mmの差」はAPS-Cサイズのセンサーでありながらきっちりと標準レンズ50mmで35mmフィルムの隅々まで写し込んでいるようで、とっさに構えた時のフレーミングの決まり方に納得感があり、フィルムで撮影していた時の感覚が自然と蘇り撮りやすさを感じました。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/100秒 F/1.4 ISO200 AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
特に開放F1.4では、被写体との距離の取り方によってリアルな視野と立体感を得られる標準レンズらしい写りです。自然な遠近感のあるポートレート撮影やスナップ撮影にピッタリと言えます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/100秒 F/1.4 ISO200 AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
開放F値1.4のボケ
開放値F 1.4のボケにはこのレンズの特徴が凝縮されており、ボケの種類の豊富さに魅了されるのがこのXF33mmF1.4 R LM WR。ここで、比較されやすいのはXF35mmF1.4 Rですが、そのボケの質は異なり、XF35mmF1.4 Rのように輪郭が滲みながら溶けていくようなボケではなく、輪郭を残しながらも滑らかに優しくボケるのがXF33mmF1.4 R LM WRです。
常緑樹の葉は色も強く透け感が出にくいですものが、優しく前ボケとなり、葉に反射した光は柔らかな玉ボケとなりました。最短撮影距離30cmで捉えるとその特徴が掴めます。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/640秒 F/1.4 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:ASTIA(アスティア/ソフト)
こちらのシーンでは、網目の小さな金網越しにピントを合わせて撮影しています。レンズ前で網目の形状がうっすらと見える程にボケたことで、グルグルとしたオールドレンズのような効果が生まれました。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/3000秒 F/1.4 ISO200 AUTO WB雰囲気優先 +1.0EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
高精細なピント面の描写はキリっとシャープ。浅い被写界深度の柔らかいボケは日陰で捉えたことで情緒的でしっとりとした雰囲気に。深度の浅い撮影ではリニアモーターによる正確なピントの合焦を実感します。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/800秒 F/1.4 ISO160 AUTO WB雰囲気優先 -0.3EV
■フィルムシミュレーション:ETERNA
玉ボケは美しい輪郭を見せてくれます。チェーンに反射した小さな光が画面奥に行くほどボケながら背景に馴染んでいき、車のヘッドライト、ショーウィンドウも優しいニュアンスになりました。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/100秒 F/1.4 ISO640 AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
バリエーション豊かで奥深い表現が可能なボケを味わえるのがXF33mmF1.4 R LM WR。フィルムシミュレーションとの組み合わせ次第でより印象的な仕上がりを楽しめます。
圧倒的な解像性能
どんな被写体でも使いやすい35mm換算で標準画角の50mm。レンズ自体は33mmと広角レンズであるため、深度も深く、特にスナップ撮影において嬉しいパンフォーカスのキレの良さが際立ち、絞り込まずとも驚くべきシャープネスを発揮します。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/3200秒 F/2.8 ISO160 WB曇天 +0.7EV
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
画面全体の奥行きを感じられる立体感や、コントラストが高い中に陰影を感じる解像力の高さは、ふと立ち止まりシャッターを切るスナップにおいて肝というべきところをしっかりと担ってくれます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/1250秒 F/4.5 ISO320 WBマニュアル -0.3EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
肉眼で見ると平面的に見えてしまう日本建造物ですが、その微細な材質までも精細に写し出します。職人が手作業で仕上げたことがわかる表面のザラっとした質感と、陰影の美しさを見事に引き出す非常にリアルな描写です。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/350秒 F/1.4 ISO160 AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
夜間薄暗い軒下を撮影してみましたが、シャドウ部の奥まで緻密に写し出しています。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/80秒 F/5.6 ISO200 WBマニュアル -1.3EV
■フィルムシミュレーション:ACROS+Rフィルター
解像ピークはF5.6前後。浅すぎるのではないかと思われるかもしれませんが、これも次世代の高画素センサーを見据えてのことを察すると納得のいく数値と言えます。
リニア駆動のインナーフォーカスAFと防塵・防滴機構
フォーカス群の駆動にはインナーフォーカス方式を採用。リニアモーターによる正確なピントは、浅い被写界深度ではピント精度を高め、光量の少ないシーンでも手ブレやノイズを抑制した高画質な撮影が可能に。音を全く感じないほど静かで、高速・高精度なAFは被写体を素早く正確に捉えます。
また、X-T4のボディ内手ブレ補正を効かせ、気軽に長秒撮影も撮影ができてしまうほど。暗所でも明るくとらえることができる大口径レンズの醍醐味を感じます。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS 2秒 F/10 ISO250 AUTO WB雰囲気優先 -0.3EV
■フィルムシミュレーション:Velvia (ベルビア/ビビッド)
XFレンズに標準装備となりつつある防塵・防滴・-10℃の耐低温構造は、鏡筒の11ケ所にシーリングが施されています。傘を差しながら小雨の中撮影していて、気が付けば濡れていたということも少なくありません。防塵・防滴機構は風景写真だけでなく、街中の撮影や海辺などでも安心です。
おわりに
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm)
■撮影環境:SS1/1000秒 F/7.1 ISO200 AUTO WB雰囲気優先 -0.3EV
■フィルムシミュレーション:Velvia (ベルビア)
直感的に、Xマウント単焦点レンズの中でもストロングと言えるほど力強さを感じました。開放F値の明るさと似た焦点距離からも、神レンズ言われるXF35mmF1.4 Rと比較してしまいがちですが、約10年前のXシリーズ発売当初とはデザインもセンサーも、プロセッサーも世代と設計が異なり、これはやはり次世代のために新設計された“新たな標準レンズ”と認識するのが相応しいでしょう。
この先どんなカメラが登場し、このレンズの写りがどう変わるのか?活かされていくのか?という期待値も高く、これからのために使いこなしておきたい標準レンズです。
■写真家:こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんによる、富士フイルム「XF33mmF1.4 R LM WR」のレビュー記事です。圧倒的な解像性能を獲得し生まれ変わった、新世代レンズの描写をぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,単焦点レンズ,XF33mmF1.4 R LM WR,レビュー,スナップ,こばやしかをる
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: ニコン NIKKOR Z 40mm f/2 レビュー|クリアーな描写でリズミカルにシャッターを押せる単焦点レンズ
BASENAME: 484012315.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 11/01/2021 16:00:00
TAGS: NIKKOR Z 40mm f/2,ニコン(Nikon) レンズ,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
10月1日に発売された「NIKKOR Z 40mm f/2」は、焦点距離40mmの使いやすい標準画角で小型・軽量な、フルサイズ対応の単焦点レンズです。今回は、本レンズとNikon Z 6IIの組み合わせで、街中のスナップとともにレビューをお送りします。
四隅まで歪みのない美しい描写
■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2
■撮影環境:f/2 1/5000秒 ISO100 AWB
■ピクチャーコントロール:ビビッド
まず気になるその描写性能ですが、価格からは信じられないほどクリアーで美しい画を生み出してくれました。特に、明暗の差が大きなシーンでも色のにごりなどを作らずに、ヌケの良い描き方をしているのが好印象。絞り開放でも四隅まで手を抜かずに描ききっているので、構図内に何をどのように配置するかを考えるのが楽しいスナップ撮影では、構図の自由度がさらに上がります。
レンズ構成は4群6枚で、非球面レンズを2枚採用しています。本レンズは、この非球面レンズのおかげで歪曲収差と球面収差が抑えられて、自然かつ見やすい画像を楽しむことができます。街中のスナップでは構図内に縦横のラインが入ることが多く、また、それを楽しみたい気持ちも強いので、余計な歪みが少ないことは嬉しいです。
絞り開放での撮影が楽しい自然なボケ味
■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2
■撮影環境:f/2 1/2500秒 ISO100 AWB
■クリエイティブピクチャーコントロール:トイ
開放絞り値はF2、絞り羽根枚数は9枚のレンズ構成によって、自然で柔らかいボケを味わうことができます。スナップ撮影時はF5.6前後の絞り値を使うことが多いのですが、本レンズは絞り開放値のF2のボケ具合が心地よく、ボケのグラデーションもとても自然だったので、絞り開放での撮影を堪能しました。
わざとらしく見えないボケ味は焦点距離も手伝っていると思いますが、レンズの性能の良さを感じさせてくれます。ピントが合っているところのシャープさと、その周辺部のすっきりとした描き方は筆者の好みでした。このような建造物の写真は、レンズの解像性能が低いと眠い写真になってしまうのですが、そんな心配はいらないほど、アンダー部も綺麗に描き出してくれています。
この写真では、クリエイティブピクチャーコントロールの「トイ」を使用しています。彩度を高めることで床の木目の色味を強調して、周りの金属的な縦横のラインも温かみのある色味にしてくれるので、全体にこってり感のある深みのある写真に仕上げてくれるモードです。暗部をぐっと引き締めたいこのような写真で使用すると重厚感が出るので、スナップでは時折使用するクリエイティブピクチャーコントロールです。
取り回しのいいコンパクトサイズ
■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2
■撮影環境:f/5.6 1/125秒 ISO100 AWB
■クリエイティブピクチャーコントロール:ソンバー
本レンズの全長は約45.5mm、重さは約170gとかなりコンパクトなのも特徴のひとつです。今までのZマウントの単焦点レンズは長いものが多かったのですが、この薄さならカメラに装着した状態でも、バッグからの出し入れが容易に行なえます。
また、ホコリや雨、飛沫などの侵入を防ぐ防塵・防滴設計ですので、天候や撮影状況に左右されずに撮影が可能。繰り出しの動作がいらない非沈胴式なのも、シャッターチャンスを逃さないためには嬉しい点です。
ここでは、クリエイティブピクチャーコントロールの「ソンバー」を使用しました。ポートレートではふんわりした写真が好きな筆者ですが、本レンズで撮影するとコントラストの高い、くっきりとした画を描き出したくなり、彩度を高めて暗部を引き締めてくれる「ソンバー」がぴったりハマりました。
STM採用の素早く静かなAF性能
■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2
■撮影環境:f/2 1/125秒 ISO100 AWB
■ピクチャーコントロール:ビビッド
本レンズはSTM(ステッピングモーター)を採用しており、ピント合わせはより静かに素早くなっています。その素早さのおかげもありますが、筆者は最近マニュアルフォーカスのレンズを使うことが多かったので、オートフォーカスでの撮影はよりリズミカルに行えて楽しかったです。
今回のNikon Z 6IIでの撮影は、ファインダーと液晶画面の両方を使用してピント合わせを行っています。ファインダーを覗くのが難しいローアングル撮影時や、街中でカメラの存在感を誇張したくないときなどは、液晶画面をタッチしてピントの箇所を指定して、シャッターボタンでシャッターを切る方式で撮影しています。
また、STM採用の効能として、動画撮影時に気になるピント合わせの駆動音の低減があります。カメラを回しながら、液晶画面をタッチしてAF箇所を指定し、ピント変えを行うときなどは駆動音が気になってしまうのですが、本レンズはかなり静かでした。さらに、コントロールリングをクリックレスにすることができるので、絞りの操作音やリング操作の駆動音などを入り込ませない動画撮影が可能です。
最近開発されるレンズは動画撮影についても考慮されているものが多く、ミラーレス機で動画撮影を行うことが日常化してきたことを強く感じます。
コンパクトなサイズ感、絞りとレンズの駆動音が軽減されていること、フォーカスを前後に動かすときに発生する画角変動(フォーカスブリージング)を抑制して、不自然な画角変化が起きないようにしていることの3点について対応されているレンズは、動画撮影に出動する機会が多いレンズになりますね。
奇をてらわないシンプルデザイン
■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2
■撮影環境:f/5.6 1/200秒 ISO100 AWB
■ピクチャーコントロール:ビビッド
本レンズの好感が持てる点のひとつに、奇をてらわないシンプルなデザインということがあります。色や形で主張しないレンズは、街中でのスナップにぴったりです。
また、コントロールリングには、カメラ側からAF時にコントロールリングを操作することでMFに切り替えられる「M/A」機能の他、「絞り値」、「露出補正」、「ISO感度」の4つの項目のいずれかを割り当てて使用できます。素早く操作したい機能を割り当てておけば、シャッターチャンスに強くなるのと同時に、動画撮影時の操作音対策にもなります。
初めての単焦点レンズに一番お勧めできるレンズ
■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2
■撮影環境:f/2 1/2500秒 ISO100 AWB
■クリエイティブピクチャーコントロール:デニム
描写の美しさ、デザインのシンプルさ、動画撮影にも考慮した設計など、撮影するには十分魅力的な性能を有しているのですが、一点だけ、小型のレンズフードを付属させて欲しかったなと思いました。フレアー、ゴースト軽減にプラスして、スナップシューターとして多用する場合、レンズフードを装着していれば、レンズキャップを付けずにさっとバッグに出し入れできるので、シャッターを切るまでのタイムを最速にできます。レンズ先端からレンズ面の距離が短いので、レンズ保護の意味合いももちろんあります。
52mmのレンズフードを探して別途購入すればいいのですが、レンズのデザインにマッチしたフードを探すのって結構難しいので、筆者は同梱を望みますが、カスタムを楽しむという意味では、丸型か、角型か、自分好みのレンズフードをセレクトして装着すると楽しいかも知れませんね。
今回はスナップでのレビューでしたが、DXフォーマットのカメラでポートレートや、最短撮影距離が0.29mを活かしたテーブルフォトなど、活躍の場が広そうなレンズです。キットレンズを卒業して2本目のレンズとして単焦点レンズを検討されている方に、一番お勧めできるレンズと言えるでしょう。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがNIKKOR Z 40mm f/2のレビューをしています。スナップの作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
NIKKOR Z 40mm f/2,ニコン(Nikon) レンズ,単焦点レンズ,水咲奈々,スナップ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: GoPro HERO10 Blackはどう進化した?|サイクリスト目線で徹底解説!
BASENAME: 484103945.html
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CATEGORY: WATARU
DATE: 11/02/2021 16:00:00
TAGS: GoPro(ゴープロ) ボディー,HERO10 Black,サイクリング/自転車,HERO 9 Black,アクションカメラ
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BODY:
はじめに
VIDEO
様々なアクションカムがメーカー各社から発売されていますが、その代名詞とも言えるGoProから最新作HERO 10が発売されました。毎年進化を続けている中、今回の登場により撮影性能が大幅に向上。その大きな進化としては、HERO6 BLACKから採用されていたGP1プロセッサーがGoPro HERO 10では"GP2"へと刷新された事によりフレームレートが5.3Kでは60fpsまで、4Kでは120fpsまで、2.7Kでは240fpsまで対応可能になったのです。綺麗な画質でより滑らかな映像を撮りたいという方には嬉しいポイントですね。
また、僕自身一番の注目ポイントが高感度性能の向上。これにより暗所撮影でのノイズ軽減も実現したという事です。僕自身のYouTubeチャンネルでは都心の夜景を映し込みながらライドシーンを撮影する事が多いので、実際のライドでどう影響して来るのか、ここもしっかり注目してみたいと思います。
さて、今回の記事ではロードバイクなどでサイクリング動画を撮っている、もしくはこれから撮ってみたいと思っている方へ向けて、HERO 9とHERO 10を比較しながら、どの様に進化しそれがサイクリング動画を撮る際どんなメリットがあるのか、徹底検証します。すでにHERO 9を愛用している方にはHERO 10に買い換えるべきか?参考になれば幸いです。
外観とフロントディスプレイ
VIDEO
GoProロゴと側面の10 BLACKのロゴがブルーになった以外に見た目の変化はほぼありません。 HERO 9で大好評だったフロントディスプレイもそのまま引き継がれています。フロントディスプレイは、自撮り撮影の多いYouTuberに特に好評な様ですが、サイクリング動画を撮影する際にもメリットがたくさんあります。例えば絶景ポイントで自分と景色を一緒に撮りたい場合、構図を確認しながら簡単に撮影出来てしまいます。そしてライドシーンの撮影では、HERO 8まではチェストマウントを装着した場面で構図を確認しようとすると、GoProアプリを開いてスマホで確認するしかありませんでしたが、フロントにディズプレイがある事で構図を確認出来るので瞬時に角度を決められる様になりました。
完成されたGoProらしいルックスはあえて変える事なく、中身の進化が物凄い事になっている様ですので撮影しながらのライドでどれだけの効果を発揮するのかしっかり検証して行きましょう。
電源の立ち上がりの早さ
同時に電源ボタンを押した場合の立ち上がりの早さを観て行きましょう。
VIDEO
一秒ほどHERO 10の方が早く録画待機状態になっているのがわかります。ライド中に突然目の前に絶景が広がって、すぐにでも撮影したい場合一秒でも早く録画を開始したいので、立ち上がりが早くなったのは嬉しいポイントです。例えばロードバイクで36km/hで走行する場合、一秒間で進む距離は10mにもなります。立ち上がりが数秒早くなるだけで絶景ポイントの一番撮りたいシーンを撮り損ねるという事が少なくなるのでは、と思います。映像を撮り続けている身として、"撮りたい"と思った時にすぐ撮影を開始出来るというのは大事なポイント。立ち上がりの早さは、後にご紹介する暗所撮影時の進化と同じレベルで評価出来るポイントです。
手ブレ補正機能がHyperSmooth 4.0に
ロードバイクなどでのライド動画撮影では、車載マウントでの細かい振動やボディマウントでの激しく身体を動かす場面など、どうしてもブレが発生しやすいもの。そんな時手ブレ補正機能が優秀なGoProは最高の相棒ですが、今回の進化により手ブレ補正機能のHyperSmoothが「HyperSmooth 4.0」へとバージョンアップし、従来より手ブレ補正がさらに強化されました。
まずはGoProの手ブレ補正機能"HyperSmooth"というものがどの様なものなのか理解して頂ける様に、HERO 9の手ブレ補正をoffに、HERO 10のHyperSmooth 4.0を標準に設定し比較動画を撮影しましたので観て頂きましょう。
VIDEO
やはり手振れ補正をoffにした映像ではロードバイクで起こる振動やブレがありのままに撮影されており、映像酔いしてしまいそうですね。比べてHyperSmooth 4.0で撮影した映像では驚くほどにスムーズで観やすい映像になっています。
では次にHyperSmooth 3.0から4.0になりどの様に進化しているのか比較しながら観て頂きましょう。
VIDEO
HERO 9のHyperSmooth 3.0も十分過ぎるほどに安定した映像を撮影出来ていますが、HERO 10のHyperSmooth 4.0では、そこからさらにもう一段階手ブレ補正機能の効きが強くなりました。
ロードバイクのハンドル周りは細かい振動が付き物ですが、車載マウントの振動もより綺麗に消し去ってくれていて、ボディマウント時に下ハンダンシングで激しく身体を動かす場面でもより安定した映像を撮影出来ています。
特にチェストマウントでの比較動画を見て頂くと、画面左上に映る土手下の部分の揺れがかなり抑えられているのをご確認いただけると思います。
HyperSmooth 3.0の完成度が高過ぎた故に劇的な進化とまでは行っていない印象ですが、確かな進化を確認する事が出来ました。
SuperViewにて4K/60fpsでの撮影が可能に
VIDEO
4K/60fpsで撮影する際、HERO 9の画角は一番広くて"広角"になる仕様でした(4K/60fpsにした状態でSuperViewを選択すると自動的に4K/30fpsに設定が変わります)が、HERO 10の場合は4K/60fpsでSuperViewでの撮影が可能になりました。より広い画角で、しかも高画質で撮影したいという方には非常に嬉しいポイントですね。参考動画ではどちらも、4K/60fpsにて撮影していますが、HERO 10ではより画角の広い映像を撮影出来ています。高画質で、しかも一番広い画角で景色を撮影しながらライド動画の撮影を出来るというのは、映像にこだわる方にはとても嬉しいポイントですね。
また、HERO 9は4Kで撮影する際のフレームレートは60fpsまででしたが、HERO 10になり4K/120fpsにて撮影可能になりました。解像度とフレームレートだけで言えばSONY α7 SIIIと同等というスペックです。高画質のままフレームレートを上げて撮影出来るので、より滑らかな映像を撮影出来るようになりました。
色味が3パターンから選択可能に
VIDEO
色味に関してですが、HERO 9は"GoProカラー"と"フラット"の2択でしたが、HERO 10ではデフォルトが"ナチュラル"に。そして"フラット"と"鮮明"の3択から選べる様になりました。"鮮明"というのはHERO 9でいう所の"GoProカラー"と同じ設定です。使い分けについては好きな色味を選択すれば良いと思いますが、例えば色鮮やかな映像にしたい時は"鮮明"を選択すれば、所謂"映える"映像を撮りやすいのではないでしょうか。僕自身のYouTubeチャンネルでは、ライド中のシーンで青空をより鮮やかに撮影したいという場面が多いので、HERO 10を使う際には"鮮明"を多用するかと思います。彩度やコントラストが出すぎて不自然だなと思う方は"ナチュラル"や"フラット"を使って撮影すると良いと思います。ここは実際に撮影しながら確認してみて、ご自身の感性に合った設定を選ぶのが良いのではないでしょうか。
水平維持機能を使って撮影
レンズをリニア+水平維持に、手ブレ補正をHyperSmoothブーストに設定し、水平を維持しながら撮影してみました。
VIDEO
ロードバイクなどの二輪車は車体を傾けてコーナーを曲がるので、映像もそのまま傾いた方が臨場感が得られると僕は考えますが、どうしても水平を維持したいという方は使ってみても面白いかもしれません。コーナーで車体を傾けても、ロードバイクと景色を撮影する際にも、水平を維持してくれるので安定感のある映像を撮影可能になります。
TimeWarp 3.0で撮影
VIDEO
GoPro HERO 9で機能が追加になったTimeWarp 3.0はHERO 10でもそのまま引き継がれています。2.0から追加となったポイントとしては、撮影中リアルスピードに戻したときに音声を録音出来るようになった事。これによって緩急を付けた映像の撮影が可能になりました。ただ、それはあくまで手動による操作が必要なためロードバイクでの走行中には使えませんが、ライド先の観光地などでバイクを降りて歩きながら散策する場面などでは大いに使える追加機能だと言えます。ロードバイクは長距離を走るスポーツなので、ライドの記録をサクッと観られる面白い映像をTimeWarp 3.0を使って撮ってみるのも面白いかもしれません。
暗所撮影で検証
高感度性能の向上により、暗所撮影でのノイズ軽減も実現したという事で僕自身一番注目していましたので、夜ライドにて夜間撮影してみました。GoProは夜間の撮影や暗い室内での撮影にはめっぽう弱く、暗い映像しか撮れなかったので、HERO 10になりどこまで明るく且つノイズも少なく撮影出来る様になったのか検証してみました。
VIDEO
見比べて頂ければお分かり頂けると思いますが、同じカラー設定(HERO 9をGoProカラー、HERO 10を鮮明)の場合、残念ながら実感できるほどの違いを確認する事が出来ませんでした。ですが、HERO 10のカラー設定を”フラット”にする事でノイズを目立たせる事なく格段に明るい映像の撮影が可能になりました。HERO 9以前のGoProでは夜ライドの映像は編集段階にて明るさと色味を編集する事で見やすく仕上げていましたが、明るさを上げる事でノイズも目立ってしまうのでノイズが目立たないギリギリのラインで編集する事が必要でした。ですがHERO 10ではカラー設定により撮影段階にてここまで明るく撮影出来ている事もあり、今までよりノイズを気にする事なく明るさの調整が可能になったと言えます。記録映像として残すだけで特に編集はしないという方に取っても、これは嬉しいポイントではないでしょうか。
操作がサクサクに
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ライド先で設定変更などをする際、操作がモッサリしているとそっちに気を取られてしまいがちですが、HERO 10にて刷新されたGP2プロセッサーによりタッチ操作の反応が格段にUPしています。例えばHERO 9では設定画面でスクロールする際、画面の動きがカクカクしていて所謂これがモッサリ感に繋がっていましたが、HERO 10では非常に滑らかにスクロール出来る様になりました。フロントディスプレイでのモニター時も、HERO 10では映像の滑らかさが格段に向上しています。こうした細かい部分が使い込んで行く毎に気になって来る要素のひとつだと思いますので、何もストレスが無いというのは小さいながら大きな進化と言えるでしょう。
最後に
VIDEO
今回、検証動画を撮りながら感じたのはHERO 10はHERO 9の正当進化版だという事。ロードバイクなどでの走行動画を撮影する際、映像にこだわりたいという方に取ってHERO 9では物足りない部分もしっかりアップデートされました。HERO 9でも安定した美しい映像を撮影出来ますが、より映像にこだわりたいという方はHERO 10を導入する事で、より高い満足度を得られるのではないかと思います。今回の記事が走行動画撮影に興味のある全てのサイクリストの方の参考になれば幸いです。
▼今回の記事で紹介した内容は総編集した動画からもご覧頂けます。是非こちらもご覧ください。
VIDEO
■執筆者:WATARU
東京を中心にロードバイクでのライド動画をはじめガジェット系・パーツなどのレビュー動画を配信しているYouTuber/動画クリエイター。ロードバイクのある風景をお洒落に映し出す事を得意とし、ミラーレス一眼・GoProを駆使し大自然の絶景や美しい都心の夜ライド動画を季節感のある映像に仕上げる事に定評がある。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
サイクリストの動画クリエイターWATARUさんがGoPro HERO10 Blackをレビューしています。HERO09 Blackからどのくらい進化したか比較テストを行っていますので分かり易く本機の性能を知る事ができます。
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KEYWORDS:
サイクリング,GoPro,ゴープロ,HERO10 Black,HERO09 Black,wataru,ロードバイク
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 レビュー|クラシカルな描写が美しいMFレンズ
BASENAME: 484104310.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 11/03/2021 16:00:00
TAGS: ZEISS Loxia 2/35,カールツァイス(zeiss) レンズ,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
ソニーのフルサイズミラーレスカメラ用に設計されたZEISS Loxiaレンズのラインナップから、今回は「ZEISS Loxia 2/35」のレビューをお送りします。焦点距離35mm、開放F値はF2、レンズ構成はBiogon6群9枚のマニュアルフォーカスレンズのクラシカルな描写は、身近な日常をシネマティックに表現するのにぴったりでした。
ディストーションの少ない素直で自然な写り
■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35
■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO125 WB:5000K
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:山上ひかり
まず撮影して驚いたのが、35mmの画角にしてはディストーションが少ないことです。レンズ構成はほぼ対称型のBiogon。そのお陰で歪曲収差が軽減されているのでしょうが、それでもこの四隅が誇張されない、素直で自然な写り方は感動でした。間違えて50mmのレンズを持って来てしまったかと思ったほどです。
この写真はかなり日差しの強いなかで、モデルに太陽を背負ってもらい、思いっきり逆光で撮影しました。太陽が雲に隠れないタイミングを狙い、モデルの頭で太陽を少しだけ欠けさせるように構図を作っています。フレアーやゴーストが出やすい構図ですが、ゴーストは見当たらず、フレアーも軽減されています。オールドレンズのようなクラシカルな描写ではありますが、設計はデジタル用の最新型であることを強く感じました。
ポートレート・ショートムービー
VIDEO
■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:山上ひかり
■ジンバル使用
本レンズの仕様は、焦点距離35mmのマニュアルフォーカスレンズ、絞り範囲はF2-F22、レンズ構成はBiogon6群9枚で特殊低分散ガラスレンズを1枚使用しています。最短撮影距離は0.3m、絞り羽根枚数は10枚、最大径62mm、全長66mm、重量340gです。
フィルター径は52mmで、以前レビューした「ZEISS Loxia 2/50」 を始めとするZEISS Loxiaシリーズのフィルター径は、現在ラインナップされているものは52mmで統一されています。これはフィルターワークを考えると、とても便利でした。特に動画撮影ではNDフィルターを日常的に使用しますので、ステップアップリングなどを付けずに、さっとフィルターを付け替えられる同径レンズは大変ありがたいです。
今回はハイキーな映像を撮りたかったのもあって、NDフィルターは使用していませんが、コンパクトなボディは、ジンバルに載せながらローポジションで歩きながら撮影するシーンなどで重宝しました。
クラシカルな描写と色乗り
■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO160 WB:5000K
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:山上ひかり
前述の通り、マニュアルフォーカスのレンズですのでピントは手動で合わせます。粘りのあるピントリングのトルクは筆者好みの感触で、α7Cの見やすい液晶画面も手伝って、引きの画でもピントは合わせやすかったです。
ピント面はしっかりとした、切れ味のいいシャープな描写です。その上、ピントが合っているところからボケているところへのグラデーションはなめらかで癖がないので、ポートレートにピッタリでした。
ディストーションが少ないので、モデルを構図の端に置いた撮影もでき、撮影の自由度が上がって楽しかったです。そして、色乗りと描写から感じるクラシカルさがとにかく筆者好み。広角レンズと望遠レンズのどちらが好みかといえば、実は望遠レンズ……の筆者なのですが、本レンズは画角の好みを感じさせないほど、その描写で魅了してくれました。
美しい丸ボケと癖のない素直なボケ味
■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100 WB:5000K
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:山上ひかり
全体の描写は、雑味がなくストレート。オールドレンズっぽいクラシカルな描写でもあるのですが、最新型のレンズらしい癖のないボケ方をします。「ZEISS Loxia 2/50」の後ろボケは少し形を残すような立体感があったのですが、本レンズはそれよりも柔らかく、砂を濡らしてギュッと凝縮させたような、素直ながら湿度を感じるボケ味でした。
画面全体の点光源の丸ボケは、すべてが丸く表現されており、雑味となってしまう模様も入っていません。モデルを主役として際立たせたいポートレートで、純粋な丸ボケは強力な脇役として活躍してくれます。驚いたのが、画面の隅の丸ボケまで綺麗な丸い形をしていること。贅沢な絞り羽根枚数10枚の恩恵ですね。
ここで見て取れるのが、周辺部の像の流れがないことです。絞り開放で撮影していますので、ピントを合わせたモデルの瞳以外はアウトフォーカスとなってボケているので、像が流れているように見えるかも知れませんが、丸ボケを維持していることから上記のことが読み取れます。
嬉しい小型・軽量サイズ
■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35
■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO125 WB:5200K
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:山上ひかり
四隅に直線やモデルの頭を配置するような構図は、ディストーションが強いと不自然な写真になってしまいますが、本レンズのようにディストーションが少ないと構図の自由度が上がります。
また、ローアングルはもちろん、ハイアングルの撮影も容易に行えるのが、レンズが小さいことのメリットです。モデルの頭上にカメラを掲げるような撮影には、細心の注意が必要です。どんな万が一の事故も起こってはいけません。カメラボディをしっかりとグリップすることや、ストラップを手に巻きつけることなど、何重もの危険回避の手段を講じますが、軽くて小さいカメラとレンズの組み合わせは、事故回避の手助けにもなりますね。
細い線まで丁寧に描写!
■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100 WB:5000K
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:山上ひかり
本レンズの特徴として、細い線の描写が丁寧だと感じました。石の柱やタイル状の石畳の模様、葉っぱの輪郭、スカートのドレープなど、グラデーションに埋もれてしまいそうなギリギリの色味も、綺麗に描いています。
撮影時にはそんなに気にならないかも知れませんが、撮影後に写真を見返したりセレクトするときに、あって欲しいのがEXIF情報です。本レンズは電子接点を搭載していますので、自動的に記録されるのがとても便利です。また、このカメラとレンズの信号接点は特殊シーリングで保護されているのも、手厚い構造です。
創造力を盛り上げてくれる高品質レンズ
■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35
■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO125 WB:5200K
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:山上ひかり
クラシカルな描写、素直で癖のないボケ味、丸くて美しい点光源ボケなど、本レンズでお勧めしたいポイントは沢山あるのですが、そのひとつに「操作するときにうっとりできる金属感」をプラスしたいです。
金属の塊のような重量感と、キンと冷たい触り心地は、撮影するときにレンズに触る喜びを感じさせてくれます。撮るためだけの道具ではなく、気持ちと創造する力をも盛り上げてくれそうなこの金属感は、ぜひ一度手に取ってみていただきたいです。
また、丁寧に施されたトルクの細かい溝、青地に白文字の誇らしげな「ZEISS」が彫り込まれたレンズフード、丸く盛り上がった前玉の美しさも、スペック上ではなく実物をご覧になれば、筆者がお勧めしている意味をおわかりいただけると思います。
自分が頭の中に思い描くイメージをじっくりと表現するレンズとして、本レンズは活躍してくれることでしょう。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんが ZEISS Loxia 2/35のレビューをしています。写真だけでなく動画の作例もございませんので、是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ZEISS Loxia 2/35,カールツァイス(zeiss) レンズ,レビュー,人物_子供
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 【お得な情報】αフルサイズ ウィンタープレミアムキャンペーン 2022.1.11迄開催中!
BASENAME: 484133288.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 11/04/2021 11:00:00
TAGS: キャッシュバックキャンペーン,ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ
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BODY:
※こちらのキャンペーンは終了いたしました。
キャンペーン内容
概要
ソニーが開催するαフルサイズ ウインタープレミアムキャンペーンでは、キャンペーン期間内に対象商品を購入し、応募期間内に不備なくご応募されたお客様に、対象商品毎に定めた金額をもれなくキャッシュバックしています。
期間
2021年10月22日(金)~2022年1月11日(火)
※この期間内にご購入された商品が対象です。
対象商品(単品購入)
■50,000円キャッシュバック:対象カメラ本体の購入
α7R IV
α7R III
■20,000円キャッシュバック:対象レンズ購入
FE 16-35mm F2.8 GM
FE 24-70mm F2.8 GM
FE 70-200mm F2.8 GM OSS
FE 24mm F1.4 GM
FE 85mm F1.4 GM
■10,000円キャッシュバック:対象レンズ購入
FE 24-105mm F4 G OSS
FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS
FE 90mm F2.8 Macro G OSS
Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
対象商品(同時購入)
同時購入キャンペーンは、対象のフルサイズ対応Eマウントボディαと対象レンズ同時購入なら追加で10,000円のキャッシュバックとなります。
■同時購入キャンペーン対象ボディ
α1
α9 II
α7R IV
α7R III
α7 III
α7C
FX3
■同時購入キャンペーン対象レンズ
FE 24-70mm F2.8 GM
FE 70-200mm F2.8 GM OSS
FE 24-105mm F4 G OSS
Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
詳しいキャンペーン内容や応募方法についてはソニーHPの「 αフルサイズ ウインタープレミアムキャンペーン」ページ をご覧ください。
■更新
・2022年1月12日:キャンペーン終了の旨追記しました
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EXCERPT:
ソニーが開催する『αフルサイズ ウインタープレミアムキャンペーン』では期間内に対象商品を購入し応募されたお客様に定めた金額をもれなくキャッシュバックしています。期間は2021年10月22日(金)~2022年1月11日(火)です。
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KEYWORDS:
ソニー,キャッシュバックキャンペーン
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
BASENAME: 484139215.html
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CATEGORY: コハラタケル
DATE: 11/04/2021 17:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,ポートレート(人物),なんでもないただの道が好き
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BODY:
はじめに
みなさん、こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。「なんでもないただの道が好き 街撮り講座」ですが、今回でいよいよ3回目です! 引き続き僕が大好きな街撮りについて解説していきますので、過去記事 と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
「垂直水平」と「アイレベル」を中心に考えない
例えばですが、ここで撮りたいと思ったとします。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F7.1 1/1000秒 ISO160 次に人物をどこに配置して撮ろうかと考えたとき、よくやってしまいがちなのが……
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO160
■モデル:五味未知子
※2枚とも同じ設定 このような感じではないでしょうか?こういう写真の撮り方になってしまう人は写真を撮るときに「垂直水平を取ること」や「アイレベル」を中心で考えている人に多い気がしています。
もちろん、この撮り方が悪いというわけではなく、僕もよく撮りますしこういう写真も残しておきます。ただ、写真は写真集のように組んで考えるのが大切だと考えているため、バリエーションが欲しいです。
そこで垂直水平を取ることやアイレベルで考えるのではなく、余計なものを排除してみようという考え方で画角を決めてみます。
今回は上部に情報が密集していると感じたため、大胆に上半分を削ってみました。完成した写真がこちらです。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO160
■モデル:五味未知子 垂直水平を取ることとアイレベルを無視したことで、先ほどまでの写真とは違う雰囲気の写真になりました。
「垂直水平ってそんなにずらしてるんですか?」と思う人もいるかもしれないので最初の写真で解説すると……
これだけ傾いています。ちなみに完成写真のモデルさんがしゃがんでいる写真は現像で垂直水平を整えているのではなく、撮るときにカメラを傾けて撮影しています。
最近は高画素のカメラが増え、トリミングの自由度も高くなりましたが、"撮ったときに完成していること"を意識できているかどうかはとても大切です。「あとからトリミングすればいいや」という考えは、僕は捨てたほうが良いと思っています。
ちなみにですが、僕はEVF(電子ビューファインダー)や液晶モニターに電子水準器を表示させていません。電子水準器が表示されていると、無意識のうちに水平を取ろうとしてしまうことがあります。
基本はOFFにしておき、「ここはしっかり水平を合わせたい」というシーンでは電子水準器を表示させるというやり方のほうがおすすめです。
目立たせたい色だけを写真に入れる
最初に失敗写真をご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F3.2 1/125秒 ISO160
■モデル:五味未知子 このときの僕の気持ちは「赤い実とモデルさんを一緒に撮ろう」です。この二つを中心に画面を構成していくことになります。赤色は危険を察知させる色のため目立ちます。失敗写真では赤い実のほかにも赤色が入っていますよね。
赤い実とモデルさんを目立たせるためには右側の車や左の赤色の塗装の壁面を画角に入れないようにしなければいけません。まずは右側の車が入らないよう縦にして撮影してみました。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F3.2 1/125秒 ISO160
■モデル:五味未知子 うん。悪くはないのですが、やはり左の赤色の塗装に目移りしてしまいます。あとは右上の離れている赤い実も気になるところです。一ヶ所に赤色がまとまっているほうがその周囲に視線誘導しやすいので、もう少し寄ってみましょう。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F3.2 1/125秒 ISO160
■モデル:五味未知子 ここまで情報を整理すると「赤い実とモデルさん」を主題にしたいというのが伝わるのではないかと思います。
隙間を無くしてみる
先ほどの写真なのですが、もうひとつ覚えておいて欲しいことがあります。それは"隙間を無くす"です。
このような隙間を無くすだけでも写真の見え方が変わるので実践してみてください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F3.2 1/125秒 ISO160
■モデル:五味未知子 この隙間を無くすという撮り方はいろんなシーンで役に立ちます。「撮り方どうしよう……」と迷ってしまったときに一度は実践して欲しい撮り方です。
反射光を発見したら積極的に使っていこう
次は反射光を使った撮影です。みなさん、反射光ってご存知ですか?
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/1000秒 ISO160 中央の四角い光に注目してください。これは反射光で太陽の光がガラス面や金属面などに当たって反射して起きる光です。
狙って撮りに行けば出会える確率も高いのかもしれませんが、僕のようにあくまで街撮りがメインで撮りにいく場合、何回も出会えるような光ではありません。だからこそ発見したときは積極的に写真を残しておきます。実際に撮影した写真がこちらです。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO160
■モデル:五味未知子
※2枚とも同じ設定 反射光の位置がちょうどモデルさんの顔の位置に近かったため、今回は顔に光が当たるようにしました。さらにこのロケーションでは右側半分の影が濃かったので、明暗差が出てよかったですね。
反射光で撮影するときは、モデルさんを反射光が当たる位置に立たせると太陽の光そのものは逆光になる可能性が高いため、面白い写真を撮ることができます。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO160
■モデル:五味未知子 逆光にも関わらず、まるでレフ板を当てたかのように顔に綺麗な光が当たっています。今回は街撮りということもあり、寄りではなくちょっと引いた写真を掲載していますが、最初に話した通り反射光に出会える確率が低いので、発見したら寄り引き両方の写真を残しておきます。
偶然をいかに発見できるか
最後に掲載した反射光を使った逆光写真ですが、僕も前回、いつ撮れたのか覚えていないぐらい久しぶりに撮影することができました。街撮りではこのような偶然の光を探す力が大切で、僕も撮影時はモデルさんと会話をしつつも良いロケーション・良い光を見逃していないかどうか常にチェックしています。「あ、なんかあそこの光、良いかも」と少しでも思ったら、必ず一度は写真を撮ってみましょう。
■モデル:五味未知子
■写真家:コハラタケル
1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。
コハラタケルさんの連載記事はこちら
#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/483346238.html
#02 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/483447191.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のコハラタケルさんによる連載第三弾記事です。街撮りポートレートの撮影テクニックを紹介しています。作例と解説コメントを分かり易く説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,人物_子供,撮影テクニック
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AUTHOR:
TITLE: 【オールドレンズレビュー】ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2|憧れのF1.2大口径レンズ
BASENAME: 484178734.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 11/05/2021 16:00:00
TAGS: オールドレンズ,ニコン(Nikon) レンズ,単焦点
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BODY:
はじめに
今回のオールドレンズは魅惑の大口径レンズ、開放F値1.2の「ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」をピックアップしてみました。この「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」は、1965年発売されたFマウントニッコール初のf1.2という開放F値を持つ、当時最も明るいレンズです。自分の生まれた時代のレンズがどんな描写をするのか興味を持ち、発売から50年以上経過した大口径レンズ開放F値1.2のレンズをマウントアダプターを使ってデジタルで撮影をしてみました。
ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2の魅力
「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」の魅力はなんといっても、大口径レンズでレンズの明るさがF1.2というところにつきます。
基本的なスペックは、
・焦点距離:55mm
・最短撮影距離:0.5m
・絞り開放:F1.2
・レンズ構成:5群7枚
・絞り羽根枚数:7枚
さすがに50年程経過したレンズなので、中古市場で程度の良いものを見つけるのは難しくなってきています。状態のランクがB~Cランクのものが多く、外観のスレやキズ、レンズ内の小さなゴミ、ホコリの混入が見受けられるものが多くなっています。そのせいもあって中古価格相場は、30,000~40,000円程度になっているような感じです。憧れていた大口径F1.2のレンズが、お手頃の価格で入手できるのは魅力を感じます。
実際の写りはどうなのかと言うと、レンズの程度によるところも大きくなりますが、最新のレンズでは表現できない、オールドレンズならでは味わいのある写りを醸し出してくれます。
今回「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」を使用して撮影するにあたっては、カメラはソニーα7R IIIに、焦点工房のマウントアダプター「SHOTEN NF-SE」(ニコンFマウントレンズ → ソニーEマウント変換)を使っています。このマウントアダプターは実売価格で5,000円を切るお手頃な価格で入手できるマウントアダプターです。
実際に「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」を持ち出して撮影してみると、これがなかなか苦戦しました。絞りを絞れば、しっかりと解像したシャープな絵を表現してくれるのですが、絞りを開放F1.2にして撮影してみるとピント合わせが難しく、カメラの設定でピント合わせ時の拡大モードを最大値にしながらの撮影していたのですが、もう何処にピントが合っているのか分からないような画像を沢山撮っていました。このあたりはレンズ個体の程度によるところもあると思いますが、手持ち撮影でピントマニュアル、絞りF1.2の難しさを痛感しました。
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
絞りは少し絞れば、解像感も増し撮影も凄く楽になりましたが、ここはやっぱり大口径F1.2の味わいを楽しみたいので、何度もチャレンジしながら撮影を繰り返しました。オールドレンズの難しい設定での撮影でも、デジタルカメラを使えば確認と撮影を繰り返すことで、失敗のリスクを軽減できるメリットは非常に大きいですね。これがフイルムでの撮影となると急にハードルが上がってしまいます。
あえての不便さと昔の味わいを醸し出すオールドレンズを気楽に楽しめるのは、フルサイズミラーレスカメラとマウントアダプターのおかげです。
※オールドレンズを使って撮影する場合のカメラの設定やピント合わせなどのコツは、こちらの記事をご参照下さい。
■「マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?」
https://shasha.kitamura.jp/article/483200571.html
レトロな空間「西武園ゆうえんち」をスナップ
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
以前からオールドレンズを使ってどうしても撮りたいところがあったので、今回「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」を持って行ってきました。場所は埼玉県所沢市にある「西武園ゆうえんち」の、1960年代の昭和レトロな「夕陽の丘の商店街」。
正に「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」が発売されていた時代にピッタリのシチュエーションです。そんな1960年代の昭和の街並みをこのレンズで撮影したら、とても面白いのではと思い撮影を楽しんできました。
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」の絞り開放時では、オールドレンズの特有の滲みとボケが盛大に発生します。この滲みこそ現代のレンズには無い、オールドレンズを楽しむ大きな要素で、滲みが撮影した写真にノスタルジーを加えてくれます。
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
色の発色はとてもニュートラルな発色、しかしノスタルジーを感じる様な抜けてしまった感じでもなく、絶妙な味わいのある色調を感じます。赤色系の派手さが無く好感のもてる発色です。
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF4 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
少し絞ることによって滲みが無くなり、ピントのあった部分のシャープさとその前後のきれいなボケを演出してくれるレンズに変わります。さらにしっかり絞れば、四隅までシャープに解像し50年も前のレンズと思えないほどしっかりとした表現をするようになります。
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF16 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
都内を散策スナップ
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF8 ISO100 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
遊園地での撮影でだいぶ「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」に慣れてコツをつかんできたので、いつのも街中スナップに持ち出してみました。
オールドレンズをカメラに付けていると、どうしても下町を歩いてみたくなってしまいます。街中の風景を切り取って撮影する時には、絞りを絞って撮影することでピント合わせのストレスが少し減って気持ち的にも楽に撮影ができます。ここぞいう被写体を見つけた時には、思い切って絞り開放で撮影するメリハリを効かした撮影がおすすめです。
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF1.2 ISO100 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
絞りを大きく変えて撮影する時に少し気にしておく点は、玉ボケの形に注意が必要かもしれません。絞りを開けて撮った時と、絞った時の形がはっきりと変わります。
■F1.2で撮影:きれいな丸ボケ
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
■F8で撮影:玉ボケの形が七角形
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF8 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」は開放付近で撮影すれば奇麗な丸ボケを表現しますが、絞って撮影すると絞り羽根7枚の影響が出て、玉ボケの形がはっきりとした七角形の形になります。こういった違いをしっかりと認知したうえでボケの演出を楽しむのもいいかもしれません。
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF5.6 ISO100 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
カラーでの撮影も非常にニュートラルな描写をしていたので、少し気になっていた白黒モードでの撮影に切替えてみました。ちなみに筆者の生まれたころの写真をアルバムで振り返ってみると、ちょうど白黒写真とカラー写真が半分半分くらいでありました。この「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」もちょうどそんな時代を過ごしてきたレンズとあって、白黒モードで撮影した写真も非常にニュートラルな味わいのある描写をします。
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF1.2 ISO100 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF1.2 ISO100 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
まとめ
今回ピックアップした、「ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」は大口径F1.2のレンズでありながら中古市場ではお手頃な価格で入手できるアイテムです。F1.2のボケとオールドレンズの滲みを楽しむことができると同時に、絞ればしっかりとシャープに解像する両方の描写を楽しむことができるレンズです。試行錯誤をしながら撮影を楽しむことができるオールドレンズの候補の一つにいかがでしょうか。きっと写真ライフが楽しくなりますよ。
最後に我が家の猫を撮影してみしたが、絞り開放F1.2で動く被写体は至難の技でした。ほとんどピントが合わず大苦戦です。しかし、ピントが合った写真のボケと滲みが猫の毛並みを柔らかく表現してくれるので、お気に入りの写真になりました。
■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF1.2 ISO800 焦点距離55mm
※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
オールドレンズ関連記事はこちら
■マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?
https://shasha.kitamura.jp/article/483200571.html
■初めてのオールドレンズにおすすめ!
ツアイスレンズ コンタックス「プラナー T* G 45/2」「ビオゴン T* G 28/2.8」
https://shasha.kitamura.jp/article/483729656.html
この記事で紹介した機材 【ニコン】NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2(中古)
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR-S Auto 55mm F1.2(中古)
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんに、ニコンのオールドレンズ「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」をレビューしていただきました。開放F1.2が見せる魅力的なボケ味をぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
レビュー,オールドレンズ,ニコン,Nikon,NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2
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AUTHOR:
TITLE: ソニー VLOGCAM ZV-E10 レビュー|旅で、日常で、ワクワクする。写真撮影も楽しいカメラ
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 11/06/2021 11:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,VLOGCAM ZV-E10,スナップ,APS-C,ミラーレスカメラ
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はじめに
VLOGCAMとして発売され、動画性能の高さで評価を得ているソニーZV-E10。有効画素数約2420万画素のAPS-Cセンサー、レンズ交換式カメラでありながらレンズ装着の状態でポケットに入るという極めて小さなカメラです。動画撮影用カメラとして注目を集めていますが、写真の写りってどうなの?撮影シーンはどこまで対応できる?と、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はVLOGCAM ZV-E10の機能と、レンズの組み合わせで撮る旅と日常写真の魅力をお伝えいたします。
携行性抜群 Vlogだけでなく写真も楽しめるカメラ
初めて手にしたとき、まずはコンパクトカメラのようなサイズに驚きました。〝どこに行くにも気軽に連れて行ける〟そんな佇まいで、バッテリーとメモリーカード含めても約343gの質量。重さを感じないことがこのカメラの最大の魅力。
女性が持っても大きさを感じないサイズ、普段持ち歩くカバンにも入る嬉しさ。携行性抜群で荷物の負担は少ない。
VLOGCAMとして発売された本機ですが、α6400とほぼ同等の機能を持ち、当然ながらセンサーサイズも画素数も変わらないため写真の写りも良質です。
大きく異なるのはファインダーがないこととボタン類の操作面で、ボディ外装に撮影モード切替ダイヤルがないため、撮影モードの切り替えやホワイトバランス、ドライブモード、AFモード、測光モード、露出補正などよく使う機能は、背面のFn.ボタン(ファンクションメニュー設定)に割当てて使います。
ボタン類は右手側に集約されています。赤丸は動画撮影、グリップ部のボタンが静止画撮影。Ⅽ1右側は背景ぼけ切換ボタン。ソニーのAPS-Cミラーレスでは初搭載のバリアングルモニターはタッチパネル式で操作も簡単。
αシリーズで馴染み深いFn.ボタン。撮影時親指のかかる位置にボタンがあるので、利用頻度の高い項目を割り当てておくと使い勝手がよい。
手ブレ補正、リアルタイムトラッキング+顔/瞳認識などはメニューで設定。動画撮影で使える機能は静止画撮影でも大いに効果を発揮してくれます。静止画撮影ではシンプルな操作感で撮影を楽しむことを優先し、思い切ってP(プログラムオート)モードで気負わずにサクサクと撮り歩く感覚が一番似合うカメラだと感じました。
旅で味わうキットレンズE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSの魅力
荷物を持ち歩く旅先では、持ち運びに負担がないことは必須条件。キットレンズである「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」はZV-E10での撮影を存分に楽しめる組合せです。ボディとのバランスが考慮された小型軽量のレンズは35mm換算で24~75mmをカバーし、ダイナミックなアングルの広角の良さと具体的に切り取る中望遠の良さがあり、旅先でなら「絶対撮りたい!」を叶えてくれる万能選手です。
この日は久しぶりに足を延ばして伊豆大島へ。最近ドラマの舞台にもなった小さな港町波浮(はぶ)を訪れ、同行していた友人たちと散策スナップ撮影を楽しみました。ほどよく背景を取り込める距離で静かな港を背景に横顔で一枚。風になびく髪を繊細に写し出しています。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離29mm)
■撮影環境:SS1/125秒 F/8.0 ISO100 オートWB
電話ボックスでガラス越しに撮影したポートレートはヌケ感のある写りに。スナップやポートレート撮影で欠かせない「美肌効果」は低(Lo)、中(Mid)、高(Hi)と3段階で調整可能。低(Lo)設定でも肌の描写が自然に美しく仕上がります。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離26mm)
■撮影環境:SS1/40秒 F/4.5 ISO100 オートWB
木造家屋が並ぶ路地では、奥行きを強調できる広角端16mmでパースを活かした迫力ある一枚に。すっきりとした印象の描写です。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離16mm)
■撮影環境:SS1/100秒 F/36.3 ISO100 オートWB -0.3EV
ひなたぼっこ中の猫に出会いました。警戒心が強いので望遠端50mmで距離感を保ちながらタイミングを狙います。ここでは被写体の瞳や顔にピントを合わせ続け自動で追従する「リアルタイムトラッキング」「リアルタイム瞳AF」がキャッチしてくれるので、ファインダーがなくても安心です。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離50mm)
■撮影環境:SS1/200秒 F/8.0 ISO200 オートWB
ZV-E10はバリアングルモニターなのでしゃがみ込んでの撮影も楽々。地面から生える花にピントを置き、背景を取り込んだローアングルでの一枚。このアングルではタッチフォーカスも活躍します。こうした角度で撮影が楽しめるのは小型軽量だからこそ。そして、背景がボケ過ぎないのでその場の雰囲気を感じられるこのレンズの良さが引き立ちます。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離16mm)
■撮影環境:SS1/320秒 F/8.0 ISO100 オートWB -0.7EV
画面全体にパンフォーカスしやすく、きりっとシャープな描写はダイナミックな風景写真にも適しています。素直に感じたまま記録しておきたい旅写真では、キットレンズE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSの写りに納得感が得られるはずです。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離16mm)
■撮影環境:SS1/500秒 F/8.0 ISO200 オートWB -0.3EV
便利な「背景のぼけ切換」ボタンとズーム範囲
ボディ天面にある「背景ぼけ切換ボタン」はぜひ使いたい機能。被写界深度の「浅い・深い」が一瞬で切り替わるので、ボディ外装に撮影モード切替ダイヤルがない本機で、手元の撮影からいきなり遠景の風景写真への撮影も可能になります。絞りを都度変更する必要がなくとても便利。
左:背景ぼけ切り換え「オフ」パンフォーカスするF11
右:背景ぼけ切り換え「オン」開放F1.8 と切り替わりました。
ボケの効果を大きく発揮させるためには、被写体との距離の置き方にも注意。被写体までの距離が近く、ピント面から背景が離れているほどその効果が高くなります。また、開放F値の明るいレンズを使うことにより、一層優しい雰囲気のボケ表現を楽しめるので単焦点レンズでの撮影がおすすめです。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:SS1/860秒 F/1.8 ISO200 オートWB +0.3EV
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:SS1/60秒 F/1.8 ISO400 オートWB +0.3EV
本機は、持ち合わせたレンズが単焦点レンズしかない場合や、遠景で届かない、これ以上近づくことができない場所などで高倍率なズームが可能になる「全画素超解像ズーム」も使えるので、撮影倍率を高め、さらに大きなボケを作ることができます。
上:「ズーム範囲」設定では、光学ズームのみ/全画素超解像ズーム/デジタルズームが選択可能。このほか、[JPEG画像サイズ]がM、Sのときに使えるスマートズームがある。
下:撮影時画面には撮影有効範囲(点線枠)とズーム倍率の表示がされる。ズーム操作はシャッターボタンにあるレバーで行う。
左:単焦点レンズE 35mm F1.8 OSS 通常の画角(ズームしないで撮影)
右:「全画素超解像ズーム範囲」1.6倍での撮影
手ブレ補正機能で夜間撮影も軽々と
夜景やナイトスナップなど日常生活の中でも撮りたいと思うシーンに出会うことがありますが、いつも三脚を持ち歩いている人は多くないはず。筆者もどちらかと言えば三脚を使用せず撮影することが多いのですが、ZV-E10は小さなボディでありながら片手で撮影することを考慮したグリップの握りやすさに加え、手ブレ補正による効果が抜群です。レンズ側のOSS(光学式手ブレ補正)機能を使うことでブレを抑えた撮影が可能です。(レンズ名称に「OSS」表記のないレンズでは設定できないので注意。)
長秒撮影で路面電車が目の前をすり抜けていく瞬間をキャッチ。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離16mm)
■撮影環境:シャッタースピード優先 SS2秒 F/5.6 ISO100 オートWB -0.3EV
揺れ動く川面の鮮やかな光も美しく捉えます。夜間撮影時の黒の引き締まりもグッと深く、解像感も損ないません。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:シャッタースピード優先 SS2秒 F/7.1 ISO100 オートWB -1.7EV
わずかな光の暗い場所でもスナップを楽しむことができました。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:SS1/60秒 F/1.8 ISO800 WBオート -1.7EV
三脚を使用すればインターバル撮影による星景撮影も可能。スマートフォンからのリモート操作もできるので、より撮影範囲が広がります。
おわりに
「動画も静止画も両方楽しみたい!」というわがままを叶えてくれるVLOGCAM ZV-E10。レンズ交換式カメラでありながら「カメラを持って出かけよう。」と思わせてくれる小さなボディ、そして撮影のしやすさを考慮した動画撮影のための機能は、静止画でも大いに活躍します。そのハイブリッドな良さを旅でも、日常でも存分に感じられました。
ファーストカメラがZV-E10の方は、ぜひ撮りたい被写体に合わせてEマウントレンズを揃えながら撮影表現の楽しさを感じてもらいたいと思いますし、すでにαユーザーなら頼れるサブカメラになってくれること間違いなしです。
■写真家:こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
VLOGCAM ZV-E10の関連記事はこちら
■ソニー VLOGCAM ZV-E10 レビュー|山本まりこ
https://shasha.kitamura.jp/article/482887882.html
■ソニー VLOGCAM ZV-E10×ペット撮影|小川晃代
https://shasha.kitamura.jp/article/484056526.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんによる、ソニー「VLOGCAM ZV-E10」レビュー記事です。今回は静止画撮影にフォーカスしてその性能を解説いただきました。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,レビュー,VLOGCAM ZV-E10,スナップ,ミラーレスカメラ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 40mm F2.5 G×動画クリエイター DAIGEN|コンパクトで写りが最高すぎる!
BASENAME: 484210239.html
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CATEGORY: だいげん
DATE: 11/07/2021 10:00:00
TAGS: FE 40mm F2.5 G,ソニー(Sony) レンズ,動画クリエイター,ポートレート(人物),単焦点
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BODY:
はじめに
~2021年11月20日にだいげん氏によるセミナーが開催されますのでご参加希望の方は文末の案内 を是非ご覧ください。~
こんにちは!動画クリエイターのだいげんです。
本日はフルサイズ ミラーレスカメラ用交換レンズのソニー FE 40mm F2.5 Gを紹介します。まずは動画のこのレンズを使って撮影した作例をご覧ください。
VIDEO
作例はいかがでしたでしょうか?
カメラはα7C、PPはS-log2を使って撮影しました。
こんなにコンパクトなカメラとレンズセットでこんなに綺麗に撮れるのはちょっと驚きですよね。撮影した場所やモデルさんも良かったのもあって雰囲気も抜群に良く撮れたんじゃないかなと思います。
今回のロケ地は関西国際空港の近くのマーブルビーチっていうところで撮影しました。白い大理石で埋め尽くされた人工のビーチで撮影するにはとても良い場所です!
今回使った40mmという焦点距離は個人的に1番好きな焦点距離でして撮影してる時にストレスや違和感なく撮影できるところが気に入っています。
ビルドクオリティー
Gレンズですので撮影に必要な機能はしっかりと揃っています。
フォーカスリング、絞りリングはもちろんフォーカスホールドボタンやオートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えスイッチもついています。
上側のリングは「フォーカスリング」
下側のリングは「絞りリング」
左は「フォーカスホールドボタン」
右は「フォーカスモードスイッチ」
フォーカスリングと絞りリングの位置が近いのでお互いが干渉してしまう時もありますがボディがコンパクトなのでしようがないところかなと思います。
レンズ径は49mmです。
最近のEマウントのレンズは67mmのレンズ径のものが多いので2回りぐらい小さくなっております。
レンズフードが今までのものと大きく変わってまして、最初見たときにこれがレンズフードだと気づきませんでした(笑)。
レンズフード
この形状のレンズフードはかなり便利だと感じました。
特にNDフィルターなどのフィルターの付け外しはレンズフードを外すだけで簡単にできますので忙しい撮影の際には使いやすいのではないかなと思います。
VIDEO
スペック
スペックを見ていきましょう。
・焦点距離 40mm
・レンズ構成 9群9枚
・開放絞り F2.5
・最小絞り F22
・絞り羽根枚数 7枚
・最短撮影距離 AF時 0.28m / MF時が0.25m
・フィルター径 49mm
・フードタイプ キャップタイプ
・重量 約173g
α7Cと組み合わせてもフルサイズのカメラを持っているという感じが全くしないぐらいの重量感です。軽くてサイズもコンパクトなのでミラーレスカメラビギナーの方にも扱いやすいレンズではないかなと思います。
AF時とMF時の最短撮影距離は下の写真くらいの差があります。
左はAF時、右はMF時の最短撮影距離で撮影
価格はカメラのキタムラでは71,280円(税込)※となっており、僕はこれだけのクオリティーのレンズであれば結構安めのレンズなんじゃないかなと思います。
※2021年11月3日時点
写真の作例
写真の作例をご覧ください。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/3.2 1/320秒 ISO80
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/3.2 1/320秒 ISO80
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/3.2 1/100秒 ISO200
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/4000秒 ISO80
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/1250秒 ISO64
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/640秒 ISO64
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/5 1/125秒 ISO64
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/5 1/400秒 ISO64
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/1000秒 ISO64
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/3.2 1/400秒 ISO80
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/4.5 1/320秒 ISO80
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/3.5 1/320秒 ISO80
動画だけでなく写真の撮影にも向いているレンズだなと感じました。
40mmという焦点距離は普段目で見ている画角に近いので違和感なくシャッターを切れるところが気に入っています。
大きなボケを出して撮影するレンズというよりは気軽に思ったままに日常を切り取るような使い方が向いているなと思います。
AF性能
オートフォーカスはソニーのカメラと純正レンズの組み合わせなのでトラッキングの精度も合うスピードも全く問題ありませんでした。
フォーカスの合う速度をご覧ください。
VIDEO
さすが純正レンズとの組み合わせですね。
全く迷いもなくスムーズにナチュラルにフォーカスを合わせることができていました。
作例ではα7Cとの組み合わせで使用していましたがフォーカスが遅いなと感じることや合わないなと感じることはほとんどありませんでしたのでストレスなく動画を撮影することができました!
瞳AF
瞳AFに関しても全く問題なくトラッキングしてくれています。
こちらの動画をご覧ください。
VIDEO
フォーカスブリージング
フォーカスブリージングとはピントの会う場所が変わると画角が若干変わってしまうことです。レン ズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。40mm F2.5 Gのフォーカスブリージングを見てみましょう。フォーカスが合う位置を手前、奥と変えてもそこまで大きなブリージングは出ていないように感じます。
VIDEO
VIDEO
被写体が後から入ってくるのでフォーカスが合うところが海から被写体に変わりますがフォーカスが合うところ大きく変わってもブリージングはあんまり気にならなかったと思います。
動画を撮る時はこういった映像表現することもあったりするのでブリージングが大きいレンズだと画角が変わってしまって違和感があったり没入感が損なわれたりする原因になってしまうかと思います。
逆光耐性
撮影中に太陽の日差しなどでフレアやゴーストが出てしまうケースもあります。人工的に光を当ててゴーストやフレアがどれぐらい出るか見てみましょう。
VIDEO
逆光耐性はかなり強いレンズなんじゃないかなと思います。
NDフィルターやミストフィルターをつけたりして撮影するとフィルターの影響でゴーストやフレアが出たりすると思いますのでその辺は注意しながら撮影していく必要があるかなと思います。
赤丸のところがゴースト
まとめ
本日は40 mm F2.5 Gレンズを紹介しました。
F2.5ということでボケ感もそんなに出ないんじゃないかなと思われる人もいらっしゃるかもしれませんが全然そんなことありません。
被写体と背景の綺麗なボケのコントラストもあったりしますし、もちろん前ボケも綺麗に出てくれるレンズなんじゃないかなと思います。
VIDEO
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/640秒 ISO64
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G
■撮影環境:f/3.2 1/000秒 ISO80
周辺減光が少し気になりますが、LightroomやPremiere Proで簡単に補正できるレベルです。
今回の動画の作例ではこの減光を逆手にとって逆に四隅を暗くするようなカラーグレーディングを行いました。
工夫次第で様々な使い方ができる40mmの単焦点レンズ。
小さくてコンパクトでα7Cとの組み合わせにも最適です!
ぜひ一度試してみてください!
今回の記事の内容は僕のYouTubeチャンネル「DAIGEN TV」でもご紹介しています。ぜひ合わせてご覧いただけますと幸いです。
VIDEO
■動画クリエイター:だいげん
日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像製作。北海道出身、大阪在住。
FE 40mm F2.5 Gはこちらの記事でも紹介されています
ソニー FE 40mm F2.5 Gレビュー|山本まりこ
https://shasha.kitamura.jp/article/481492272.html
ソニー FE 40mm F2.5 G レビュー|坂井田富三
https://shasha.kitamura.jp/article/482106171.html
11/20開催だいげん氏のソニープロカメラマンセミナー申込受付中!
2021年11月20日(土)に講師に、だいげん氏をお招きしてSONYのフルサイズミラーレスカメラα7C、手軽に動画が撮れるVLOGCAMを中心に製品の魅力を伝える無料セミナーを開催いたします。新宿 北村写真機店で開催しているセミナーの様子を、一部のカメラのキタムラ店舗(17店舗)にライブ中継で放送いたします。新宿 北村写真機店へお越しいただくことが難しい方でもセミナーをお楽しみ頂けます。応募締め切りは11月17日21:00となりますのでお早目にご応募ください。
セミナーの詳細及びご応募はコチラ から!
この記事に使用した機材
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ソニー FE 40mm F2.5 Gを動画クリエイターのだいげんさんがレビューしています。ポートレートの映像作品と合わせて、動画撮影時のレンズ性能をご覧ください。
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KEYWORDS:
FE 40mm F2.5 G,ソニー,Sony,レンズ,人物_子供,動画クリエイター
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AUTHOR: 伊藤拓真
TITLE: 物撮りのコツ|自然光とレフだけでカメラをブツ撮りする
BASENAME: 484161896.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 11/08/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,静物/物撮り/料理
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BODY:
物撮りのコツ解説
以前の記事「物撮りのやり方|写真家が教える物撮り初心者のカメラテク3つ! 」で、ニコンのフルサイズミラーレス一眼カメラ「Z 6」とスピードライトを使った、カンタンなブツ撮りの方法をお伝えしましたが、今回はより手軽な「自然光」を使った撮影方法についてお伝えしたいと思います。
スマホでも出来る物撮りの撮影方法はこちらの記事から
■物撮りのやり方|スマホで出来る物撮りのコツ!
■写真家に教わるスマートフォン撮影のコツ!|食べ物を撮る編
自然光の「太陽」で撮る
一番身近な「光源」、それは太陽です。いわゆる「自然光」ですが、とても明るくて力強く、しかも「無料」で使えます。さらに電球やライトとは違って地球上のどこでも利用可能であるため、非常に頼もしい「光源」と言えるでしょう。今回はこの「自然光」を利用したカンタンなブツ撮りを紹介していきます。被写体は一番身近なカメラとレンズにしましょう。
ひとつ気をつけなければいけない点があります。それは「太陽」は動くもので、ホワイトバランス(色合い)が常に変化し続けている、ということです。季節によって日が昇るのも沈むのも時間が違いますし、朝方や夕方は大きく色味が変化していきます。多くのカットを撮影する場合、手際よくシャッターを切っていかないと太陽が動いてしまって、カットによって影の出方や色合いが変化してしまうと言うことになりかねません。また、日なたで撮影していたのに日影になってしまったりと言うこともありえます。
その一方で、例えばその夕方の淡い色合いを活かしたり、あえて真夏のギラギラ感を利用した演出をすることも可能なのです。撮影する季節と時間帯、そして撮影場所は熟考する必要があります。基本的には撮影時間はお昼前後の時間帯に撮影するのがオススメです。
ホワイトバランスはどうする?
太陽光で撮影するので、カメラのホワイトバランス設定は「デイライト(もしくは「太陽」などメーカーによって呼称が異なります)」が基本です。ホワイトバランスをセットすることによって、色合いを固定しての撮影が可能です。
室内で撮影する場合、部屋の壁の色や天井の色が影響して「色かぶり」してしまうことがあります。そのような場合はホワイトバランスを「オート」に設定するか、マニュアルでホワイトバランスを取って設定しましょう。
おすすめのカメラはフルサイズミラーレス「LUMIX S5」
今回の使用カメラは、パナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」。バリアングル液晶を搭載しているので、三脚にカメラを据え付けた場合でもフレーミングをラクに行うことができます。また、フルサイズセンサーの伸びやかでディテール豊かな写りと、ノイズが少なく高感度にも強いのでさまざまな環境光下で一定の仕上がりが期待できます。
レンズはシグマの「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」をチョイスしました。このレンズは切れ味が鋭く、絞り開放からとてもシャープな像を結んでくれます。105mmというワーキングディスタンスもカメラ撮影にピッタリで、フォルムを崩さずにストレートに被写体を捉えることが可能な素晴らしいレンズです。最短撮影距離は29.5cmとなっています。
実際に窓辺で撮影
というわけで一番手軽な自然光、太陽を利用してカメラを撮影してみましょう。窓辺に台を設置して白いバック紙を敷きます。これは台に合わせるのがセオリーですが、できればA3サイズより大きなものを推奨します。なぜなら被写体が大きくなってくると写り込む背景もある程度スペースが必要になってくるので、小さいものより大きなものがいいからです。
バック紙の中央に被写体となるカメラを置きます。今回は「SIGMA fp」と「SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary」のセットを起用しました。
するとどうでしょう。カメラ部分にサッシの影がドーンと落ちてしまっています。これではダメですね。と言っても台を他に設置するスペースはありません。さてどうしましょうか。
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/22 1/160秒 ISO-2000
そこでレースのカーテンを閉めてみました。光が弱まってコントラストも和らぎましたね。やや影が気になりますが、「室内でのカメラカット」という感じで悪くありません。しかしオークションやフリマサイトに出す写真の場合は、これでは商品がよく分かりません。
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/22 1/160秒 ISO-5000
そこで「ディフューザー」の出番です。ディフューザーとは光をやわらげる道具で、簡単に言ってしまえばトレーシングペーパーのように光をソフトに透過するものとなります。これで太陽光を拡散してフラットな光を作ってあげるのです。マンフロット社の「ラストライト ハロコンパクト ディフューザー 82cm」を使用して仕上がりは柔らかなイメージとなりました。
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/22 1/160秒 ISO-4000
カメラの持つ金属の質感をもうちょっと出したい場合は「レフ」でそれを演出してみましょう。表がホワイト、裏がシルバーのマンフロット社「ラストライト ハロコンパクト リフレクター82cm シルバー/ ホワイト」を使ってみます。シルバーの面で太陽光をキラリと被写体に向けて反射してみます。
するとどうでしょう、レンズ鏡筒にキリリとしたハイライトが入り、カメラの上面もクッキリと見違えるようになりました。このように「ディフューザー」と「レフ」とで「光を和らげる」ことと「光を導く」ことによって、家の窓辺でも手数をかけることなくカメラの撮影ができました。
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/22 1/160秒 ISO-3200
上記と同じように、往年の名機「ニコン F3P」に迫ってみました。これはボクが報道機関にいた時代に愛用していたカメラです。このカットは窓辺からの太陽光のみの撮影なので、やや逆光気味になっています。
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISOI-160
画面左サイドから先ほどのレフを入れてみました。ホワイト面を使ってみましたが、チタン製のペンタプリズム部、シャッターダイヤル部、モータードライブ「MD-4」のシャッターボタン周りの輪郭がピシッとしましたね。
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO-160
今度は背面のファインダー接眼部周辺を撮ってみましょう。このカットは窓辺に置いただけのカットです。今見てもこのニコン「F3」シリーズはカッコいいですね。新宿にある「北村写真機店」ではコンディションのいい個体が入荷している場合があります。興味がある方はぜひお店までどうぞ!
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/8 1/125秒 ISO-1000
ここではレフのシルバー面を使って、強めに光を当ててみました。ちょっとずつ「F3P」を移動させて、光とフォルムが一番マッチするところを探して撮ってみました。ネーミングのテープが30年の時を超えてクッキリと浮かび上がりました。
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/8 1/125秒 ISO-2500
撮影時には絞りも変えてみましょう。写真の印象が大きく変わってきます。これは「F3P」の銘板部にフォーカスして、「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」の絞り開放「F2.8」で撮ったカットです。なかなか雰囲気のあるものになりましたが、もうちょっと「MD-4」をクッキリと出したくなりました。
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO-125
今度は「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」の絞りを「F8」に設定。3段分絞り込んだので「MD-4」のグリップはもちろん、銘板部全体にピントが来たので「F3P」の雰囲気もグンと伝わってくるカットになりました。
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:f/8 1/125秒 ISO-1000
今回使ったディフューザーとレフです。マンフロット社の「ラストライト ハロコンパクト」シリーズです。今後ブランドがマンフロットに統合されていくようですが、世界中のフォトグラファーに愛用されている照明関係の人気あるブランドの製品となります。写真左が「ディフューザー」、右が「レフ」となります。
■左:ラストライト LL LR3301 ハロコンパクト ディフューザー
■右:ラストライト LL LR3300 ハロコンパクト リフレクター
この製品は折り畳み式で、キャンプで使うテントのように折り畳まれたポールを円形に展開し、そのポールにディフューザーやレフの生地をフックで引っかけて張るスタイルです。ポール結合部には三脚穴もあるので、雲台やライトスタンドに設置可能です。一人での撮影でも光をコントロールすることができます。
折り畳むとペットボトル代のコンパクトさ。小さめの折りたたみ傘くらいでしょうか。カラビナも付属しているので、カメラバッグにひっかけることもできます。軽くかさばらないので気軽に持ち歩くことも可能ですし、家での収納場所にも困りません。ディフューザーとレフの両方を携行するのも楽チンです。
このように日中の窓辺でも、自然光とディフューザーとレフを使ってブツ撮りを楽しむことが可能です。「光を和らげる」ことと「光を導く」ことによって、カンタンにブツ撮りを楽しんでみてください。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
物撮りの関連記事一覧
■物撮りのやり方|写真家が教える物撮り初心者のカメラテク3つ!
■物撮りのやり方|スマホで出来る物撮りのコツ!
■写真家に教わるスマートフォン撮影のコツ!|食べ物を撮る編
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-S5 ボディ ブラック
商品詳細ページ
【シグマ】105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
商品詳細ページ
【ラストライト】LL LR3301 ハロコンパクト ディフューザー 82cm -2f
商品詳細ページ
【ラストライト】LL LR3300 ハロコンパクト リフレクター
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんが初心者でも出来る本格的な『物撮り』の方法を解説しています。自然光とディフューザー・レフを活用して、格好いい物撮りに挑戦してみてください。
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KEYWORDS:
物撮り,撮影テクニック
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 家族みんなの笑顔の写真を撮って、写真入り年賀状を送ろう!
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 11/09/2021 16:00:00
TAGS: 年賀状用写真,家族写真,ポートレート(人物),子供
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はじめに
一年が過ぎるのは早いもので、気が付けば今年も後半に差し掛かり、あっという間に年末が近づいてきました。そんなタイミングで友人ファミリーと横浜にお出かけをしたので、年賀状に使える写真を撮ってみました。今回は写真入り年賀状に使える写真の撮り方やコツなどを紹介したいと思います。
家族写真を上手に撮るコツ
■撮影機材:ソニー α7R IV + タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF9 ISO800 焦点距離78mm
家族全員の写真は、自分たちだけで撮るのは難しいですよね。通常家族全員で撮ろうと思うと、三脚を立ててカメラをセットしてセルフタイマーで撮る事になりますが、小さなお子様や家族の人数が多くなると、全員の笑顔やカメラ目線を撮るのは少し難しかったり、時間がかかったりもします。
そこで今回は、自然な家族の写真を上手に撮るコツとして、お友達家族と一緒にお出かけをして、お互いの家族を撮り合う方法をご紹介します。気心知れた家族どうしであれば笑顔の写真も撮りやすくなりますし、お父さんお母さん、お子様の緊張感もほぐれ自然な笑顔を引き出す事もできます。また、お子様どうし遊びながら撮ることもできるので、お父さんお母さんもカメラマンとして撮影に集中できます。
撮影する場所も、普段からよくお散歩や遊びに行くポイントなどが良いですが、年賀状に使う家族写真であれば、住んでいる土地柄が分かるような場所で撮影するのも良いと思います。
撮影するカメラは、望遠レンズや標準ズームレンズの望遠側を使って、少し離れて撮影するのがおすすめです。背景のボケも出やすくなりますし、少し離れて撮影することで撮られる側の緊張感を少し和らげることができます。また、カメラの機能で顔認識AFや瞳AF機能があるものであれば、積極的に利用しましょう。
家族全員の写真を撮るときには、撮る側はできるだけ声をかけ、会話をしながら全員の視線をカメラ方向に向いてもらうように注意を惹きシャッターを切ります。家族の人数が増えれば増えるほど、全員の視線をカメラに向けてもらうのはかなり大変です。1回、2回シャッターを切っただけで上手くいかない事も多いので、できるだけ沢山シャッターを切って良い笑顔を撮りましょう。お子様の集中力は長く続かない場合が多いので、短期集中でできるだけ沢山シャッターを切ることが成功の近道です。
■撮影機材:ソニー α7R IV + タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離181mm
お子様の集中力が切れてきたら家族撮影は一旦終了して休憩することをオススメします。うまく撮れないと言って無理に頑張って撮影しても笑顔を引き出す事は難しくなります。
写真年賀状に使える構図
年賀状に写真を使う場合は、先に年賀状をどのようなデザインで作りたいかを決めておくと撮影ではイメージを掴み易く、効率よく進行することができます。できれば、1~3種類くらいの年賀状デザインのテンプレートを候補にあげておくと、必要な写真の枚数やタテ・ヨコの写真の方向なども分かって、後で写真選びに苦労するという事がなくなります。ですから写真を撮る前に、WEBサイトやお店で配られている年賀状のカタログでデザインをチェックしておくのが良いでしょう。
■カメラのキタムラ年賀状特設サイトはこちら
https://nenga.kitamura.jp/
写真の年賀状には、全面に大きな写真を使って作る年賀状や、沢山のカットを散りばめた年賀状など色々なデザインがあります。沢山のカットを散りばめた多画面のタイプであれば、家族をまとめて撮らなくても、それぞれで撮影して家族全員の写真を入れる事ができます。例えば、お子さんにカメラを持たせてお父さん、お母さんを撮ってもらうのも面白いですよ。お子様には、大きいカメラは少し大変かもしれないので、お子様でも扱いやすいコンパクトカメラがおすすめです。
お子さんが撮る写真であれば、きっとお父さんお母さんも笑顔一杯になるのではないでしょうか。
※LETTERS・シンプルの写真入り年賀状デザイン・テンプレート LN-114
お子様が撮った写真とお父さんお母さんが撮った写真を2枚使えば、家族全員の笑顔を1枚の年賀状で作ることができます。年賀状に使う写真を撮るときに、あまりアップで撮らない方が年賀状のテンプレートに写真をはめ込む際にレイアウトし易くなります。アップで撮ってしまうと、調整できる範囲が制限されて、思った位置にレイアウトすることができない場合も発生します。また、人物を中央に配置する構図では無く、左右どちらかに寄せた構図で撮影しておくと、年賀状作成の際にレイアウトが楽にできます。
枠線で足が切れてしまった例
年賀状のテンプレートの種類によっては、重要な部分が見切れてしまう事も発生します。少しひいた状態で撮影しておけば、切れる心配もなく、レイアウト上で拡大も出来るのでデザイン調整がし易くなります。
下のように少しひいた写真を撮っておけば、足元が切れない程度に拡大しながら位置を調整できます。
こちらは成功例
シンプルな写真入り年賀状デザイン・テンプレート KLN-140NY
「アップで撮りすぎない=余白部分」を設ける事によって、年賀状の大きな要素である文字入れ(賀詞や住所・名前)などのレイアウトし易くなります。上下左右に少しゆとりをもった構図で撮影しておくと、年賀状デザイン編集が凄く楽になります。
家族写真で2022年の年賀状デザインを注文してみました
撮影した家族写真で、実際に年賀状注文サイトを使って注文してみました。ここからは写真入り年賀状の作り方をご紹介します。
https://nenga.kitamura.jp/
年賀状特別サイトから、「年賀状デザインをチェック」→「クラフト年賀状」を選んでデザイン選択。目的のデザインを選ぶと年賀状の編集画面が表示されます。この編集画面で画像を拡大したり、傾きを調整したり、スタンプを入れたり、コメント入力や差出人の住所氏名などを入力する事ができます。
今回は家族全員で撮れたお気に入りの1枚の写真をピックアップしてみました。写真の良さを活かすために、デザインはできるだけシンプルなものをセレクトしてみたいと思います。
■撮影機材:ソニー α7R IV + タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF8 ISO800 焦点距離82mm
年賀状を注文する際にワンポイントアドバイス!
年賀状の注文時に、画像補正(自動)で画像の明るさなどを注文画面でしてくれますが、あらかじめパソコンやスマホのアプリなどで、自分のイメージに合うように画像の調整(明るさなど)をしておくことをおすすめします。
年賀状のデザインをセレクトしたら、年賀状に使う写真データをアップロードしてテンプレートに合成します。テンプレートに合わせて、写真データの拡大や位置調整が可能になっています。イラストの追加や住所、家族の名前も入れる事ができます。テンプレートの種類やテンプレートに合成する写真のセレクト、位置調整に悩んだら、途中までに作成したデータを「一時保存」しておくと便利です。
LETTERS・シンプルの写真入り年賀状デザイン・テンプレート LN-100
最後に「仕上がり確認」に進んで、レイアウトの確認と入力した文字の間違いがないかしっかりと確認しましょう。仕上がり確認が終わったら年賀状のハガキの種類や枚数を選択して注文完了です。
注文方法は非常にシンプルで簡単です。お店で注文・自宅からパソコンで注文・スマホで注文といろいろな方法があるので、ご自身のスタイルやご都合に合わせて注文する事ができます。スマホアプリから簡単に注文できるのはとても魅力的ですね。
年賀状の宛名の印刷
キタムラの年賀状注文サービスでは、とても便利なオプションサービスの宛名面の印刷サービスも実施しています。宛名用のデータを用意すれば、同時に宛名も印刷されて写真年賀状を仕上げる事ができます。忙しい人にはピッタリのサービスですね。
「写真キレイ仕上げ」タイプの年賀状は、お年玉付き年賀状と写真用紙を貼り合わせて作られているため、仕上がった年賀状は少し厚みのある仕上がりになります。そのためご家庭のインクジェットプリンターでは、用紙が厚いためプリントが上手くできない場合があります。そんな不安を取り除いてくれのが、この便利な宛名同時印刷サービスです。宛名の印刷を自分でやって印刷を失敗するリスクも無くなります。
宛名用印刷データは事前に用意して、年賀状注文時に同時に利用します。詳しくはカメラのキタムラ「年賀状特設サイトの宛名同時印刷」のページをご参照ください
https://nenga.kitamura.jp/atena/print/
まとめ
写真の年賀状はいろいろなテンプレートデザインから注文出来ます。多すぎて迷ってしまう事もあると思いますが、家族写真を撮る前に、ある程度デザインを決めておくのがポイントです。そうする事で、よりデザインにマッチした構図で撮影することができます。
年賀状用の写真撮影のポイント!
・事前にWEBやカタログで年賀状デザインの候補を1~3種類選んでおく。
・望遠レンズや標準ズームレンズの望遠側を使って、少し離れて撮影する。
・短期集中でできるだけ沢山シャッターを切る。
・もし可能であればお友達家族と一緒にお出かけして、お互いの家族を撮り合う。
・小さな多画面タイプのテンプレートを使う場合は、人物をアップで撮りすぎない。
・全画面などの写真を大きく入れる年賀状は、文字スペースの空間を加味して撮影する。
・同じ撮影シーンでタテ位置・ヨコ位置の両方の構図を撮影する。
・一つのポーズだけでなく、立ち位置を入れ替えたりして同じ場所でも何回も撮影する。
お子様が大きくなっていくにつれて、家族全員の写真を撮るのが難しくなってきます。ですが、毎年年末に年賀状用に家族写真を撮るという習慣にしてはどうでしょうか。年賀状を通じて、親しい人に家族全員の成長をお知らせするのは、年賀状をもらった人もとてもハッピーな気持ちになりますよ。
■撮影機材:ソニー α7R IV + タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF7.1 ISO800 焦点距離103mm
この記事に使用した機材
【ソニー】α7R IV(中古)
商品詳細ページ 【タムロン】28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ソニーEマウント用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真年賀状の家族写真の撮り方をフォトグラファー 坂井田富三が紹介しています。2022年写真年賀状のテンプレートを使ってどのように年賀状用に撮った家族写真を入れるかについても説明しおり、家族写真で写真年賀状をつくろうと考えている方は是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
年賀状用写真,家族写真,人物_子供
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: これから始める星景写真 Vol.2|被写体を意識して撮影しよう!
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CATEGORY: 北山輝泰
DATE: 11/10/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ,これから始める星景写真,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック
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はじめに
星景写真家・写真講師の北山輝泰です。「これから始める星景写真 Vol.1」はご覧いただけましたでしょうか? Vol.1では夜の撮影に慣れることをテーマに、自宅周辺での撮影についてご紹介しましたが、Vol.2では自宅を少し離れて被写体を探しながら撮影する際のポイントやテクニックについてご紹介したいと思います。
■「これから始める星景写真 Vol.1」はこちらから ご覧頂けます。
星景写真で大事なこと
星景写真の面白さは、星空だけでなく風景を一緒に撮影することにあります。風景が変われば、たとえ同じ星空を撮影したとしてもまた違った印象の写真を残すことができます。目の前の風景にどのような星空をマッチングさせるかを考えるのが醍醐味であり、難しいところでもあります。
風景の候補としては、自然の景観は元より、都市風景など様々なものがあります。雑食的に色々な風景と星空を撮影していくのも良いですが、まずは自分が一番得意なフィールドを作るのが良いでしょう。勝手が分かった場所であれば、落ち着いて被写体と向き合うことができるため、星景写真撮影で最も重要な「取捨選択をする力」を養うことができます。さらに、季節が変われば星空も風景もガラッと変わりますし、月明かりの有無でも撮影できる写真は変わってきます。同じフィールドで撮り続けることでしか発見できないこともありますので、通い続けることはとても大事です。
近くの公園や展望台に出かけよう
星景写真の練習場所として理想的なのは、自由に歩ける広さがあり、色々な方角が撮影できる場所です。モチベーションを維持するためには、ある程度暗く星空がよく見える場所が良いでしょう。郊外にお住まいの方は、近場でもそういった場所を見つけやすいかもしれませんが、市街地にお住まいの方はそれなりに移動しないといけないかもしれません。電車移動の場合は、星空を撮影したあと終電で帰ってこられるような距離感の場所を探してみましょう。
民間施設の場合は、出入りできる時間が決まっており、夜の撮影ができないことがほとんどですので、公共施設で24時間出入り可能な場所を探しましょう。おすすめは芝生広場があるような広い公園や展望台です。そこにある木立や木、遊具は、星景写真の立派な題材になります。展望台は、夜景と星空の撮影を練習する場所としては最適です。一部の方角しか開けていない展望台でも、時間帯を変えることで、マッチさせる星空を変えることができます。公共施設での撮影の際は、不特定多数の人がいる場合がありますので、周辺状況に配慮しながらマナーを守って撮影を行うようにしましょう。
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO800 F3.5 4秒 WB蛍光灯 焦点距離18mm(35mm判換算27mm相当)
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO800 F4.5 10秒 WB蛍光灯 焦点距離30mm(35mm判換算45mm相当)
撮影を始める前に
星景写真を上手に撮るためには、一度昼間に行ってロケハンをするのがよいでしょう。ロケハンでは、風景の題材探しはもちろん、撮りたいと思った方向を定めたら、コンパスを使って方角を確認していきます。その後、星空アプリなどを使ってどのような星空と一緒に撮影するかを考えます。私が使用しているのは、天体望遠鏡メーカーのビクセンからリリースされている「Interval Book」です。このアプリは、月や太陽の連続写真を撮影する時の画角シミュレーション用のアプリになりますが、星景写真撮影でも大いに役立ちます。
■App Storeのビクセン「Interval Book」アプリはこちら
■Google Playのビクセン「Interval Book」アプリはこちら
緑色で表示されている枠が、設定画面で入力した焦点距離で撮影できる星空の範囲を示しています。方角の表記の上に敷かれている線は地平線です。あとは撮りたい方角に画面をスワイプした後、画面下部のスライドバーを操作し時間を変えながら、自分が撮ってみたいという星空が枠の中に来る時間を探します。撮りたい星空が分からない場合は、季節ごとの代表的な星座から撮影してみるのがいいでしょう。それ以外には、ご自身の誕生星座を探して撮影してみるのも面白いかもしれません。ちなみに、例えば11月15日生まれの方の星座は「さそり座」になりますが、さそり座は夏の星座なので11月に見ることができません。これは、誕生星座の考え方が「生まれた日の太陽の方向にある星座=誕生星座」だからです。そのため、自分の誕生星座を撮影したいと思った場合は、およそ半年後の夜の空を時間帯を変えながら探してみるといいでしょう。
もし昼間にロケハンができない場合は、月明かりがある日に撮影に行くのも手です。そうすることで、夜でもおおよそどんな風景が目の前にあるか分かり、ライブビューを使った構図決めもしやすくなります。
撮影現場に着き準備が整ったら、まずはピント合わせを行いましょう。ズームレンズの場合は一番広角側にします。次にVol.1でご紹介した目安となる露出設定(ISO感度、絞り、シャッタースピード)をカメラに入力し、ホワイトバランスも決めたら準備は完了です。ここで入力する露出設定はあくまで試し撮りの値になりますので、あとは実際に撮影した写真を見ながら「明るすぎるかな?」と思うくらいで撮影をするとちょうど良い明るさになるでしょう。
ちなみに、今回私が撮影した場所は、山梨県大月市にある富士山を遠くに望める公園です。昼間は多くの親子連れで賑わう公園ですが、夜は私以外は誰もいませんでした。この日使用した機材は、前回と同じくソニーのα6400とE 18-135mm F3.5-5.6です。星景写真ではF値の明るいレンズが有利とVol.1でご紹介しましたが、今回のように月明かりがある日や、空が明るい場所で撮影をする場合には、F値が多少暗いレンズでも十分綺麗に撮影することができます。
焦点距離を変えながら撮影をする
自宅周辺の撮影では夜の撮影に慣れることをテーマに「ピント合わせ」や「明るさの確認」について紹介しましたが、それらが問題なくできるようになったら焦点距離を変えながら構図を意識して撮影する練習をしましょう。焦点距離が変わるとピント位置も変わるため、その都度やり直す必要が生じますが、とにかく練習と思って頑張りましょう。今回使用したレンズのように、焦点距離によって開放F値が変わるレンズの場合、選択した焦点距離によって写真の明るさも変わってくるため注意が必要です。
広角で撮影すると風景を広く切り取りつつ、星空もたくさん写すことができますので、使用頻度は一番多いです。広角では、実際の印象に比べると地上の被写体一つ一つの存在感は小さくなってしまうため、被写体との距離感が重要になってきます。大きさを強調したい被写体に近づき、遠近感を生かした撮影ができると印象的に仕上げることができるでしょう。
右側の写真は大きさを強調したい被写体に近づき、遠近感を生かした構図づくりを心掛けています。
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO800 F3.5 8秒 WB蛍光灯 焦点距離18mm(35mm判換算27mm相当)
広角では余計なものが多く写ってしまう時には、焦点距離を標準にします。写る範囲は狭くなりますが、それだけ被写体をクローズアップして撮れますので、迫力のある画を見せたい時には有効的です。ある一つの星や天体をテーマに星景を撮る時には、35mm判換算で150mm以上の焦点距離にすることもありますが、短時間のシャッタースピードでも星の流れが目立ってしまうため、星の動きを追尾できる赤道儀を使って星を止めて撮影することになります。赤道儀を使った撮影についてはこちらの「ビクセン 星空雲台ポラリエUレビュー」 にまとめておりますのでご参照ください。
▼18mm(35mm判換算27mm相当)で撮影
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO800 F3.5 8秒 WB蛍光灯 焦点距離18mm(35mm判換算27mm相当)
▼24mm(35mm判換算36mm相当)で撮影
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO800 F4.0 8秒 WB蛍光灯 焦点距離24mm(35mm判換算36mm相当)
▼32mm(35mm判換算48mm相当)で撮影
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO800 F4.5 8秒 WB蛍光灯 焦点距離32mm(35mm判換算48mm相当)
縦構図で撮影をする
基本的な撮影に慣れてきたら、構図を縦にして撮影する練習も行いましょう。星景写真では、南中する(ちょうど真南にくる)天の川と風景を撮影する時など、縦構図の方が収まりが良いシーンも多いため、暗い中でもその切り替えができるようになっておくことが重要です。横の構図で撮影に慣れていると、縦にした時にボタンの配置なども変わるため、撮影のやりにくさを感じると思いますが、これも経験を積んで慣れるほかありません。三脚の雲台の種類によって縦構図の切り替えの仕方はバラバラですが、私の場合は、L字ブラケットとアルカスイス式の雲台を併用することでスムーズに切り替えができるようにしています。
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
■撮影環境:ISO800 F4.5 13秒 WB蛍光灯 焦点距離28mm(35mm判換算42mm相当)
まとめ
Vol.1とVol.2を通してご紹介してきたことをまとめると以下の項目になります。
・ピントの合わせ方
・試し撮りからの明るさの確認
・焦点距離を変えながら撮る
・横や縦など構図を変えながら撮る
これらのことが場所や空の明るさが変わっても問題なくできるようになるまで、繰り返し練習をしましょう。ちなみに、今回使用したα6400をはじめ、ソニーのミラーレスカメラの一部には、ライブビューを明るくして暗い中での構図確認をしやすくする「ブライトモニタリング」機能が搭載されています。使用するためには、メニューの中にあるカスタムキーに登録をする必要があります。詳しくは下の動画で解説していますのでよろしければご覧ください。
VIDEO
次回のVol.3では、いよいよ空が暗い本格的な撮影地に行った時の撮影ポイントや注意点についてご紹介したいと思います。お楽しみに!
■写真家:北山輝泰
東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。天文台インストラクター、天体望遠鏡メーカー勤務を経て、2017年に写真家として独立。世界各地で月食や日食、オーロラなど様々な天文現象を撮影しながら、天文雑誌「星ナビ」ライターとしても活動。また、タイムラプスを中心として動画製作にも力を入れており、観光プロモーションビデオなどの制作も行っている。星空の魅力を多くの人に伝えたいという思いから、全国各地で星空写真の撮り方セミナーを主催している。セミナーでは、ただ星空の撮り方を教えるのではなく、星空そのものの楽しさを知ってもらうために、星座やギリシャ神話についての解説も積極的に行なっている。
北山輝泰さん星景写真撮り方講座の連載記事はこちらからご覧頂けます
■これから始める星景写真 Vol.1|自宅周辺で夜の撮影に慣れよう
https://shasha.kitamura.jp/article/483663405.html
第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ
ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。宙(そら)は、もっとも身近にある、スケールの大きな被写体です。満天に星の広がる高原や海辺から、歴史的な建造物とともに、都会の景色の中で、あるいはご自宅からも、星空を撮影することができます。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。お一人何点でもご応募可能です。
・募集締め切り:11月30日(火)
・募集テーマ:星にまつわる8つのテーマ(国内・海外問わず)
(1)自然風景
(2)山
(3)海
(4)建造物
(5)水鏡
(6)天体写真(星雲星団、惑星など)
(7)月
(8)自由
・応募方法:プリントまたはWeb
・各賞:グランプリ(1作品)ビクセンオンライン商品券5万円分 + 「星空雲台 ポラリエU」 ほか
詳細はビクセンホームページ をご覧ください。
この記事に使用した機材
【ソニー】E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
商品詳細ページ 【JOBY】JB01566-BWW ゴリラポッド 3K PRO キット
商品詳細ページ
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写真家の北山輝泰さんが、これから星景写真を始めたいと思っているビギナーの方向けに撮影に必要な道具から撮り方までを紹介しています。Vol.2の今回は自宅を少し離れて被写体を探しながら撮影する方法について説明しています。
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KEYWORDS:
星景,天体,撮影テクニック,ソニー,Sony,ゴリラポッド,JOBY,ゴリラポッド 3K PRO キット,初心者,北山輝泰
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TITLE: ニコン Z fc活用術|旅の記録やVlogにタイムラプスを取り入れてみよう!
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CATEGORY: 成澤広幸
DATE: 11/11/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,フルサイズ,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック,ミラーレスカメラ
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Nikon Z fcはこんなユーザーが多いのでは?
2021年7月に「16-50 VR SL レンズキット」が、10月に「28mm f/2.8 Special Edition キット」が発売されたNikon Z fc。フィルムカメラライクなクラシカルなデザインがユーザーの心を鷲掴み!しかも外観の変更が可能(プレミアムエクステリア張り替えサービス。納期は2週間程度)ということもあり、キュートなカラバリで男性・女性の双方に受け入れられたヒット商品となりました。
6色から選べるプレミアムエクステリアも用意(画像はニコンHPより)
外観だけでなく、中身も秀逸。もともとフランジ径の大きなZマウントは周辺にいたるまで光量が豊富。それをAPS-Cサイズのセンサーで使用するのだから、ある意味贅沢な仕様の機種であると言えます。もちろん画質も申し分なし。実際の操作もフィルムカメラのような操作感。こういったテイストはこれまで富士フイルムのカメラで多く見られるものでしたが、ニコンでも採用したことが話題になりました。
実際に撮影してみると、初めての人にはどのダイヤルが何をするのかわからない部分もあると思いますが、私のようなフィルムカメラの頃からカメラの操作をしている者にとっては非常に直感性に優れたものになるため、撮影していてとても心地が良いです。特に、昼間の撮影で一つの構図に対してさまざまな設定を駆使して追い込んでいくような撮影では、非常に”ハマる”カメラなのは間違いないです。
キュートな外観と画質、そして趣味性の高い操作系統。「こんなカメラ、普段使い用に1台は持っていたいよね」。これがZ fcが幅広いユーザーに受け入れることになった理由なのではないでしょうか。
Z fcにも備わってる!?ガチなタイムラプス撮影機能
Z fcは”カジュアルな印象・機能”だけではなく、実はタイムラプス撮影においては”ガチな機能”を備えているカメラなのをご存知でしょうか。その機能とはタイムラプス撮影における強烈な露出平滑化と低輝度性能。実はニコンのカメラはタイムラプス撮影において、他社と比べて圧倒的とも言える差を誇っています。
特にその強さが発揮されるのが夕焼け→星空→朝焼けといった、露出変化が激しい時間帯のタイムラプス。この時間帯のタイムラプス撮影は”ホーリーグレイル(Holy Grail)”と呼ばれ、長時間のマニュアル制御による撮影と撮影後の高度な画像処理を必要とする、とても難しい撮影として知られています。しかし、近年のニコンはこれをPCを必要としないフルオート、完全カメラ任せで撮影できるということで注目されているのです。
■ホーリーグレイルについてはこちらの動画をご覧ください
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Z 7IIやZ 5など、中上級者向けの機種でできるならまだしも、Z fcにも同じ機能が備わっているんですか!?こんな可愛いカメラなのに……。実はZ fcが発売されたとき、私のところへ「Z fcでもホーリーグレイルは撮影できますか?」という質問は数多く寄せられていました。
そうなんです、Z fcでもホーリーグレイルが撮影できちゃうんです!
で、実際にやってみました。こちらの動画は、私がZ fcで撮影したホーリーグレイルタイムラプス動画集です。すべて、カメラ内で動画生成した、言わば「撮って出し」の画像処理を施していない素材で動画化されています。動画をつなぐ編集作業はPCソフトで行っていますが、動画自体はなにも画像処理していないものになります。こんな可愛いカメラなのにすごい……。
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新しい旅の記録にタイムラプスを
Z fcは旅先の思い出を記録するにはもってこいの機種でしょう。小型・軽量ゆえに持ち運びが楽で、カメラを持つ姿がファッション性に優れていることもあります。いろいろな場所で、気軽なスナップ・ポートレート・風景を残す。昼間のうちに旅先での思い出を残したら、夜はゆっくりと体を休めるために心地よい眠りにつく。でも、その就寝時間を利用することで新しい旅先の思い出が追加できます。
就寝前に、Z fcをベランダもしくは窓際に設置して朝までタイムラプス撮影をしてみましょう。すると起きた時には、旅先の宿泊施設から見える夜~朝焼けの美しいタイムラプスが記録されているはずです。寝ている間にこんな美しい変化が起こっていたのかと衝撃を受けるでしょう。もし、Vlogなどの動画を作っている人であれば、タイムラプスを1シーン追加するだけで作品のクオリティがアップすること間違いなし。目が覚めれば美しいホーリーグレイルタイムラプスが完成している……これがZ fcに限らずニコンでタイムラプス表現をすることの大きなメリットだと思います。
窓越しの撮影は後ろからの光の反射を防止するため、「忍者レフ」などを使用すると効果的。その上からカーテンをすれば光が映り込むことはなくなります。就寝時間中の撮影で気をつけることは、忍者レフと窓にちょっと隙間をつくること。反射を恐れるがあまり、テープで固定して隙間をなくしたことがあるのですが、朝起きると忍者レフの内側のガラスだけが見事に曇ってました。がびーん。
ガラスの反射を抑える忍者レフ
画像は横浜にあるホテルニューグランドの「ガンダムコンセプトルーム」に宿泊した際の撮影風景。このときに撮影したタイムラプスは以下から見ることができます。こんな風に旅の記録のひとつにタイムラプスを追加できると素敵ですよね!
旅の記録にタイムラプス動画を撮影してみよう
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Z fcでホーリーグレイルを撮影するときの設定方法
それではZ fcでホーリーグレイルタイムラプスを撮影するときのおすすめ設定を紹介します。ちょっと項目が多いですが、この通りに設定すれば完璧に撮影することができます!
①絞り優先「A」、ISO感度「100」、シャッタースピード「T」にする
撮影モード切り換えレバーを「A」の位置にする
ISO感度ダイヤルを回して「100」の位置にする
シャッタースピードダイヤルを回して「T」の位置にする
ここからメニュー画面での設定になります。
②静止画撮影メニュー→フォーカスモードを「MF」にして、外の景色(夜は街灯など)にピントを合わせておく
③静止画撮影メニュー→測光モードを「中央部重点測光」に
④セットアップメニュー→USB給電を「ON」に
⑤静止画撮影メニュー→ISO感度設定
感度自動制御をON、制御上限感度を6400、低速限界設定を15
⑥静止画撮影メニュー→インターバルタイマー撮影設定
撮影間隔を17、露出平滑化をON、サイレント撮影をON、撮影間隔優先ON
撮影枚数については、下に表示されている「終了日時」を確認し、何時まで撮影したいのか?で決めましょう。メモリーカードの空き容量(撮影可能枚数)にも注意。
このとき、「オプション」からカメラ内で動画を作ることができます。PCで動画化するのが苦手なひとには大変おすすめ。画像サイズは「1920x1080 30p」で撮影しておけば十分でしょう。
ここまで設定したら「撮影開始」を選択すれば撮影スタート。あとは朝までカメラを放置して、ゆっくりと眠りにつきましょう。
この設定ですと、動画と一緒に撮影した静止画も残ります。それが必要ない場合は、静止画撮影メニュー→タイムラプス動画に進んで設定すると、静止画を残さずにタイムラプス動画のみを記録することができます。
撮影時の注意点
何かしらカメラを固定するための三脚などは必須です。窓越しに撮影する場合は、窓に固定する吸盤雲台なども効果的です。撮影時は十分な容量のメモリーカードを準備しましょう。空き容量がないとその後の旅で撮影ができない!なんてことに……。バッテリーは予備を持っていきましょう。Z fcはUSB給電ができますので、モバイルバッテリーを接続してタイムラプス撮影をすれば、電池が切れる心配はありません。
まとめ
いかがでしょうか?ニコンのガチなタイムラプス撮影機能がそのままZ fcにも搭載されたことによって、キュートさとゴリゴリな感じが共存する不思議なカメラになったのではないかと思います。「私のかわいいZ fcちゃんにこんな機能があるの!?」と思ったら、ぜひお試しを。まずはご自宅の窓際・ベランダから撮影をしてみましょう。
Z fcを使ったタイムラプス撮影方法について、より詳細な話を私のチャンネルで説明しています。内容がかぶる部分もありますが、興味のある方はぜひ見てみてください。
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■写真家:
成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
「Z fc」の関連記事はこちら
■ニコン Z fc 開発者インタビュー|話題のミラーレスカメラを徹底解説
https://shasha.kitamura.jp/article/482954090.html
■ニコン Z fc レビュー|上田晃司
https://shasha.kitamura.jp/article/482757772.html
■ニコン「Z fc」はブラブラスナップが面白い!|三井公一
https://shasha.kitamura.jp/article/483182915.html
■ニコン Z fc レビュー|持って、撮って、見せて楽しめるミラーレスカメラ
https://shasha.kitamura.jp/article/483661088.html
■ニコン Z fc レビュー|熊切大輔
https://shasha.kitamura.jp/article/483769602.html
■ニコン Z fc|小型でクラシカルな外観×最新技術=旅にぴったりなミラーレス一眼
https://shasha.kitamura.jp/article/483985980.html
この記事に使用した機材
【ニコン】Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット
商品詳細ページ 【ニコン】Z fc用エクステンショングリップ
商品詳細ページ
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星空写真家の成澤広幸さんが教えるニコン「Z fc」活用術。本格的なタイムラプス動画撮影のやり方を教えていただきます。カメラの設定など、必要な操作はこの記事を読めばすべて解決です!
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,Z fc,レビュー,星景,星空,タイムラプス,ミラーレスカメラ,成澤広幸
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: LAOWA 9mm F5.6 W Dreamer レビュー |個性派の超・超広角レンズでスナップ撮影に繰り出そう
BASENAME: 484291543.html
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 11/12/2021 16:00:00
TAGS: LAOWA(ラオワ) レンズ,LAOWA 9mm F5.6 W Dreamer,スナップ,風景,単焦点
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はじめに
レンズ式カメラを使っていると必ず一度は憧れる特殊レンズ。超望遠レンズや超広角レンズはだれもが一度はカタログを眺めながら『これを使ったらどんな景色が見えるんだろう』と妄想するはず。超広角レンズはアクションカムやスマートフォンにも搭載され始めたこともあり身近に感じることも多くなったのではないだろうか。
今回紹介する超広角レンズは、フルサイズに対応しつつ非魚眼レンズの超広角レンズである。その焦点距離はなんと9mm。マイクロフォーサーズやAPS-C用ではなくフルサイズ用で9mmなのだから驚きだ。この「LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer」をソニー α1と組み合わせて地元をスナップ撮影してみたので作例と合わせて紹介する。
外観や質感
超広角レンズなので前玉が大きくて重たいのでは?と思うかもしれないが、LAOWA9mmは手のひらにすっぽりと収まるサイズだ。外装の質感も金属で高級感があり所有感を満たしてくれる。AF非搭載ということもありこのサイズの収める事ができたのだろう。電子接点も非搭載であるため絞りは実絞りでの撮影となる。ボディ側の手ぶれ補正を使う時も焦点距離を手動で入力する必要があるので注意が必要だ。
触った時にひんやりとした感触の金属外装は高級感がある。
フォーカスはMFとなり、絞りは絞りリングを回して設定する。
前玉が出っ張ったレンズは通称『出目金』と呼ばれる。
LAOWA9mmも出目金なので前玉に触れてしまわない様に注意が必要。
LAOWA9mmは通称出目金と呼ばれるレンズの前玉がドーム状に手前に膨らんだ形状をしており、レンズ交換時などに前玉に触れてしまうこともある。かぶせ式のフードが同梱されているため、撮影していない時はなるべくフードを装着しておく方が良いだろう。
絞りは開放F5.6で最小絞りはF22となっている。焦点距離9mmともなれば開放F5.6でも既にパンフォーカス状態だが、私がよく使う撮影時の設定はF8.0〜11が多い。シャープさは開放よりも少し絞った方が高く、周辺の画質も若干上がる。画質云々書いてはいるが、兎にも角にもこのレンズは『焦点距離9mm』に価値があると思っているため、まずは別次元の超広角の世界を楽しむのが一番だ。
超広角を活用する
このレンズを装着してまず撮影して欲しいのは『家の中』だ。自分の家ってこんなに広かったっけ?とちょっと勘違いしてしまうほどに広く写る。強烈なパース(奥行き)が空間を広く見せてくれるため、特に屋内での撮影は効果が大きく感じられる。実際、私も広告の写真撮影でこのレンズを使ってお店の内観写真を撮影した時にまるで『ワンショットパノラマ』だなと思った。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/25秒 ISO200 焦点距離9mm
レンズ効果のおかげで自分の家がいつもより大きく感じられる。
9mm〜24mmまでの画角の比較。超広角の16mmや12mmよりも遥かに広い画角を得られる。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/250秒 ISO200 焦点距離9mm
水平垂直をキープして撮影することで歪みを抑えて撮影する事ができる。
水平垂直をしっかりと出して撮影しておきトリミングすることでシフトレンズと同じ効果を得る事ができる。
高画素機で撮影することでトリミング後の画素数もキープできる。
上記シチュエーションの場合、5000万画素で撮影するとトリミング後でも約2200万画素(5760×3840px)残っているため印刷物でも十分なデータ量だ。
普段の自分が見ている以上の視野を操るとになると構図の整理が非常に大変だ。ただ漠然とカメラを構えてもただ広いだけの一枚になってしまうので今まで以上に被写体に近づいての撮影や、周辺まで意識しての構図作りが必要となってくる。
もちろん難しいことを考えずただ超広角を楽しむのも全然OKだ。テキトーに撮影した一枚から意外性やヒントを得られることも多いので、まずは超広角でいろいろなシチュエーションを楽しみたい。
超広角でスナップ その1
9mmの超広角は魅力だが、9mmで何を撮れば良いのだろうかと悩んでしまうかもしれない。撮影ジャンルに応じて得意・定番なレンズというのは必ずあるが、9mmを日常使いするとなるとやはりスナップが一番しっくりくるかもしれない。必ずこれを撮らなければいけないというルールはないので、いろいろな被写体を9mmで撮影すると自分のイメージとしっくりくる瞬間が来るだろう。
今回は街中で撮影してみたが、いつもは画角に入りきらないビルも楽々入る楽しさや、強烈な遠近感が生み出す奥行き感は街中スナップとの相性の良さを感じた。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/100秒 ISO200 焦点距離9mm
足元に広がる影を意識して真正面から整体に撮影。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/100秒 ISO200 焦点距離9mm
超広角のパース効果でただのエスカレーターもどことなくSFチックに見える。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/1600秒 ISO200 焦点距離9mm
絞ると綺麗な光条が出現する。9mmにもなると通常より太陽が入りやすいので作品のアクセントとして使いたい。
パンフォーカス撮影がメインとなるため、今回の撮影ではほとんどピントは合わせていない。開放でも問題ないが解像感を得るために絞りはF8.0〜11まで絞り、ピント位置は無限マーク少し手前に合わせておくと基本的に画面全体にピントが合う。9mmの超広角な画角も相まってレンズを向けると必ず目の前の景色は写っているので、気になったものをドンドン写しとるのが凄く楽しいレンズだ。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/40秒 ISO200 焦点距離9mm
天窓から差し込む光が綺麗だったのでパチリと。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/80秒 ISO200 焦点距離9mm
近くのものは大きく、遠くのものは小さく、遠近感を生かして天井のオブジェクトと人のシルエットを対比する構図に。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離9mm
真上にレンズを向けて撮影。魚眼レンズ顔負けの画角に驚く。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/80秒 ISO200 焦点距離9mm
街路樹と街並みを一枚で。超広角の歪みを生かして画面に動きを出すことも。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/2000秒 ISO200 焦点距離9mm
個人的には水平垂直をしっかり出した一枚が好きだ。
超広角レンズなので通常のレンズよりも歪曲は多い。が、9mmという特殊な焦点距離から考えると想像以上に歪曲は少ない。手にする前はもっと盛大に歪むものだと思っていたが実際に使用してみるとそこまで気にすることなく使えることに驚いた。
歪曲よりも周辺減光の方が気になる人が多いかもしれないが、RAW現像ソフトを使うことで歪曲も周辺減光も軽減する事ができる。周辺減光に関しては、中央と周辺とでは1EV以上あるので補正をする場合は多少画質が落ちると考えておこう。
超広角でスナップ その2
せっかくなので街中以外でも撮影をしてみることに。普段は24mm〜50mmで撮影する港町にLAOWA9mmを持ち出してみた。よく撮影する場所でもレンズが変われば新しいフィールドに早変わりだ。見慣れた景色がいつも以上に新鮮に感じる。
正直、「広すぎる」と感じる事が多い9mmだが慣れてくるとどういう被写体やシーンが自分にしっくり来るのかがわかってくる。歪みを活かすのか抑えるのかでも好き嫌いがかなり分かれるだろう。私の場合、歪みはなるべく抑えた一枚が好みということもあり水準器を使ってなるべく水平垂直をしっかり出す様にして撮影している。
特に街中での撮影は直線の物が多いので垂直がしっかり出ると気持ちがいい。ネイチャー写真ではそこまで目立たないため、多少ラフに撮影してもレンズ効果がしっかりと出るので動きのある一枚を撮りやすい。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/40秒 ISO200 焦点距離9mm
牡蠣の加工施設を撮影。天井のブルーシートが印象的。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/1250秒 ISO200 焦点距離9mm
周辺減光を活かして日の丸構図で撮影。中央の被写体に視線誘導しやすい。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/400秒 ISO200 焦点距離9mm
渓流している漁船を手前のロープを強調して撮影。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/40秒 ISO200 焦点距離9mm
9mmを使っていてモノクロで撮りたいと思ったシーンが多くあった。
9mmの画角を活かして上下をカットしてワンショットパノラマも楽しめる。展望台などから撮影した一枚を16:9や16:8のアスペクト比にトリミングすることでパノラマ撮影した様な一枚に。通常の広角レンズで複数枚撮影してパノラマ写真を生成すると、繋がりが甘くなったり歪みが目立ったりすることがあるが、ワンショットで写すことで繋がりも歪みもどちらも気にすることなく撮影できるは嬉しい。このレンズのために高画素機が欲しくなる人も出てくるのではないだろうか。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離9mm
展望台から撮影。今までは複数枚の写真を合成していたシチュエーション。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離9mm
上下をトリミングするとパノラマ写真の完成。上下をカットすることで画面が整理される。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離9mm
周辺光量のおかげでドラマチックな一枚に。特殊レンズだが写りもしっかりとしているので高画素機で撮影するとディティールが気持ちがいい。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO800 焦点距離9mm
最短撮影距離は12cm(最大撮影倍率0.21倍)なので強烈なパースを生かしたマクロ撮影もできる。
広い画角には広い景色、ということで海岸に。日が暮れてきて空のグラデーションが美しい時間帯の撮影となった。コンパクトなレンズであるため一日撮影しても疲労感は少ない。気軽に撮影できるレンズは撮影が楽しくなる。広角ズームも便利だが、手のひらサイズのLAOWA9mmを割り切って使うのも面白い。コンパクトであるため持っていくか悩んだらとりあえずカメラバッグに入れておいても邪魔にならない。それも含めてのレンズスペックであるため手頃な超広角が欲しいという人にはぴったりな一本だろう。
高画素機ユーザーであれば撮影後にトリミングをして構図を詰めていくのもいいだろう。広く撮影しておいて後でいろいろなトリミングを試してみることで次の撮影の予習・復習にもつながる。超広角であるため手ぶれも目立たないので、ボディ内手ぶれ補正が搭載されたカメラと組み合わせればスローシャッターも楽々手持ちでいける。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/160秒 ISO200 焦点距離9mm
画面右端にフレアが出現している。フレアをあえて活かして日差しの感じを演出した。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/250秒 ISO400 焦点距離9mm
近景、遠景どちらでも素晴らしいパフォーマンスだ。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/1250秒 ISO200 焦点距離9mm
夕焼けのグラデーションを松林のシルエット越しに撮影。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/30秒 ISO400 焦点距離9mm
今までは魚眼レンズでしか入らなかったアングル。歪みなく写せるのは嬉しい。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/11 1/15秒 ISO200 焦点距離9mm
瀬戸大橋のある夕景。画角が広すぎて非現実的な一枚に感じる。
■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
■撮影環境:f/5.6 1/6秒 ISO800 焦点距離9mm
夕焼けを背景に瀬戸大橋をシルエットにして撮影。
まとめ
LAOWAにはメーカー純正にはない個性的なレンズが数多くラインナップされている。特に広角系はバリエーションも多く、この9mmも発表された時からずっと気になっていた一本だ。過去にLAOWAのレンズを何本か使用していたこともあり写りに関しては何の心配もしていなかったが、今回9mmを使ってみてLAOWAレンズへの信頼性が更に高まった。
超広角レンズが欲しいけど純正は手が届かない…他にはない個性的な特殊な焦点距離のレンズが欲しいという人にはぴったりのブランドだ。レンズ接点が搭載されていないレンズが多いためMFオンリー、実絞り撮影、手ぶれ補正の焦点距離の入力の手間などもあるが、それ以上に撮影が楽しくなるレンズが多いため気になることはないだろう。レンズの造りの良さも撮影のモチベーションが上がるので大切なポイントだ。
今回紹介した9mmはこれぞ特殊レンズといえる個性を持っているし、使いこなすのも難しい。しかし、このレンズでドンピシャの一枚が撮れた時の喜びは一入だ。
定番レンズの隙間を埋めてくれるバイプレーヤーポジションのレンズだが、こういうレンズがあるおかげで表現の幅も広がっていく。LAOWAが今後どの様な「個性」を見せつけてくれるのか楽しみだ。LAOWAの個性に負けない様に今まで以上に自分の個性も磨いておくことにしよう。
■写真家:
木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんによるLAOWA 9mm F5.6 W Dreamer レビュー記事です。超広角レンズの様々な活用方法として風景だけでなくスナップの作例も含めて解説しております。
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KEYWORDS:
LAOWA(ラオワ) レンズ,レビュー,LAOWA 9mm F5.6 W Dreamer,スナップ,風景
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: [申込終了]【セミナー】ソニープロカメラマンセミナー -だいげん 氏-|カメラのキタムラ17店舗でライブ中継予定!11月20日開催
BASENAME: 484314362.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 11/13/2021 11:00:00
TAGS: セミナー,ソニー(Sony) ボディー
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BODY:
SONY フルサイズミラーレスカメラα7C、手軽に動画が撮れるVLOGCAMを中心に魅力を伝えます
2021年11月20日(土)にSONY(ソニー)のフルサイズミラーレスカメラα7C、手軽に動画が撮れるVLOGCAMを中心に製品の魅力を伝えるセミナーを開催いたします。新宿 北村写真機店で開催しているセミナーの様子を、一部のカメラのキタムラ店舗にライブ中継で放送いたします。新宿 北村写真機店へお越しいただくことが難しい方でもセミナーをお楽しみ頂けます。
講師には、YouTubeクリエイター・ビデオグラファーとして第一線で活躍されている、だいげん氏をお招きいたします。動画に適したカメラの選び方や講師が撮影した美しい作例をもとに大人気のVLOGや、シネマチック風動画の撮り方を教えて頂きます。だいげん氏へ直接質問できるコーナーもございますので是非ご参加ください。
※当日の進行状況により質問を打ち切らせて頂く場合がございます。
VIDEO
講師作例の一例
イベント終了後には機種の機能などで知りたいことや、ご購入に際してのお悩みなどのご相談もお答えいたします。
概要とお申込み
■開催日時:2021年11月20日(土)【第一部】11:00~12:00【第二部】14:30~15:30
※第一部は北村写真機店でのお申込みは終了、ライブ中継店舗ではお申込み受付中。
■費用:無料
■場所:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン、ライブ中継先店舗
■定員
□新宿 北村写真機店:各部12名
□ライブ中継先店舗:
下記リンク より希望店舗へお問い合わせください。
■お申し込み方法
□新宿 北村写真機店(第二部):
こちら よりお申込み
□ライブ中継先店舗:
下記リンク より希望店舗へお問い合わせください。
■申込み期限:2021年11月17日(水)21:00
ライブ中継先店舗一覧
募集状況やお申込み、ご質問などはお申込み希望店舗へお電話ください。
中継予定店舗
■北海道:
札幌/羊ケ丘通り店
■岩手県:
弘前/高田店
■山形県:
山形/馬見ヶ崎店
■茨城県:
神栖店
■埼玉県:
春日部/ユリノキ通り店
■神奈川県:
厚木/林店
■長野県:
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■静岡県:
浜松/柳通り店
■三重県:
四日市/西浦店
■福井県:
福井/バイパス南店
■京都府:
京都/桂店
■大阪府:
豊中店
■岡山県:
岡山/下中野店
■山口県:
山口/バイパス吉敷店
■香川県:
高松南店
■福岡県:
久留米/上津店
■福岡県:
小倉/湯川店
※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。
※ ご予約後、情勢によってセミナー講師の変更やセミナーが中止となる場合もございます。予めご了承ください
講師紹介
だいげん(DAIGEN)
日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間勤めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!
1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像制作。北海道出身、大阪在住。
■Youtube:
https://www.youtube.com/c/TVDAIGEN
■ShaSha:
https://shasha.kitamura.jp/category/27677279-1.html
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EXCERPT:
2021年11月20日(土)にSONY(ソニー)のフルサイズミラーレスカメラα7C、手軽に動画が撮れるVLOGCAMを中心に製品の魅力を伝えるセミナーを無料開催いたします。応募締め切りは11/17(水)21:00。
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KEYWORDS:
ソニー,セミナー,vlog
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 料理の動画はライブ感が命!パスタ作りを撮る|山口規子
BASENAME: 484332681.html
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CATEGORY: 山口規子
DATE: 11/14/2021 10:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,ニコン(Nikon) レンズ,撮影テクニック,静物/物撮り/料理
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BODY:
はじめに
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/4 1/100 ISO400
スマートフォンやカメラの動画機能も向上し、気軽に動画撮影を楽しむ人が増えてきました。撮る人も「これは、動画で撮る方が面白いね」「これは、写真で撮る方がいいね」など被写体によって使い分ける方も多いと思います。そこで、今回は料理の動画撮影。一瞬の瞬間を狙う写真も素敵ですが、次々と手から生まれる料理を見ていると、魔法のようでワクワクします。
そう、料理動画は楽しい。では料理の動画はどう撮ればよいのか、ポイントをお教えします。料理の手順などの作業をカメラで追う説明動画もいいけれど、ちょっとイメージ寄りの楽しい動画にチャレンジ!まずはこちらの動画をご覧ください。
VIDEO
まずはイメージトレーニング
まずは自分のイメージを考えておくことが大事です。世界の巨匠、映画監督の黒澤明氏も映画撮影の前に絵コンテを描いて、スタッフに説明していたといいます。自分が撮りたいイメージを料理する人に説明し、流れを共有。まずは撮らずに自分の動く動線を確保し、シミュレーションで動いてみます。
そして、音も録音されるのが、写真と違うところ。被写体に対して言葉じゃなくて、スタートやストップを知らせるサインも考えておくといいですね。私の場合は左手でスタートは3、2、1と指をカウントし、ストップはぐっとと手を握るゲンコツを合図にしています。今回使用した機材は、カメラはNikon Z 6II、レンズはNIKKOR Z 24-70mm f/4 S。カメラ設定は動画モード、1920×1080 60P、ISO感度AUTO、オートエリアAF。では撮影スタート!
(※スチール写真は、カメラNikon Z 6II、レンズNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sを使用)
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/4 1/100 ISO400
寄りと引きをバランスよく
なぜズームレンズを使うかというと、寄りも引きも撮りたからです。もちろん、単焦点レンズで、自分が前後に動けばよいかもしれませんが、料理の場合は、コンロなど火を扱うスペースなど近づけない場所もあるからです。動画の中に寄りの絵と引きの絵を入れ込むことによって、動画全体の中でリズム感がでてきます。ピントは液晶画面を見ながら、合わせたいところを指でタッチします。同じ画面でも奥の粉に合わせたり、手前の手に合わせたりできます。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/3 1/100 ISO400
ライブ感が大事
何といっても一番大事なのはライブ感です。料理動画はその場の空気、つまり匂い、音、ツヤ、シズル感など「今、作っているよ!」的なライブ感が写せるといい感じになります。ライブ感を出すには、「長回し」。短く撮ってあとの編集で繋ぐより、とにかく長く撮ること。少々の手ブレなら気にせず、長く撮ることによって、その場の空気をまるごと写せるのです。
映画「カメラを止めるな!」で、カメラが地面に落ちて横になったまま撮影し続けているシーンがありましたが、首を曲げて見たくなるほど画面は見づらいけど、なぜかその場の空気が伝わってきます。そして料理の場合は、味覚、嗅覚、視覚、触覚、聴覚の5感を考えながら、このシーンはアップで撮るべきか、引きで撮るべきかを判断すると、より充実した動画になります。
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/3.2 1/80 ISO800
まとめ
写真も同じですが、瞬時に判断して画角やピントを決めないと被写体の動きはどんどん先に進んでしまいます。だから撮る前のイメージトレーニングを必ずやってください。シミュレーションして動線と画角をチェック、本番に入ったら、とにかく長回し。そして、自分の気持ちを大切にしてください。動画は撮影者の気持ちが色濃く反映されてしまいますので、気を付けてくださいね。まずは自分の食べたい料理からチャレンジ!
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/3 1/40 ISO400
おまけ情報 サルデーニャ島のパスタの話
イタリアのサルデーニャ島は地中海に浮かぶ2番目に大きな島です。シチリア島の上に位置し、イタリアなのに、イタリア本島とは全く違う文化があり、パスタも独特な形のものが多いです。「サルデーニャでは村ごとにパスタの形が違って、村の数だけ種類があるのよ」と人々は言います。ほとんどがショートパスタで、代表的なのは「フレーゴラ」というつぶつぶのパスタです。魚の卵という意味のフレーゴラは、たらいのような底が平らなボウルに、セモリナ粉を入れ、塩とサフランを入れた卵水(全卵を水でといたもの)を、少しずつ垂らし入れ、シャカシャカと手の平を素早く動かしながら粒状にしていきます。
そのほかにも復活祭前に子どものために作られていた鳩のような形の「カオンパザ」、モルゴンジョーリ村でお祭りのときに食べるリングの形の「ロレギッタス」、今では作れる人が少なくなってしまった神の糸という意味の「フィリンデゥ」、生地にマッシュポテトを包み込んだ餃子のような「クルルジョネス」など、話を聞いているだけでパスタ博物館にいるようです。今回のパスタは「マロレドゥス」というフレーゴラの次に伝統的なパスタです。かごや専用の器具を使って、筋の模様をつけるのでパスタソースがよく絡み、美味しくなるパスタです。
■料理協力:山内千夏(やまのうちちなつ)
料理家。イタリアへ料理留学後、神奈川県にてイタリア家庭料理教室を主宰。
イタリアのマンマが愛情たっぷりに作る滋味あふれる料理を探求している。
■写真家:
山口規子(やまぐちのりこ)
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会理事
料理写真の撮り方についてはこちらの記事で紹介しています。
料理写真をうまく撮るコツとは?サルデーニャ料理でトライ!|山口規子
https://shasha.kitamura.jp/article/483836904.html
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EXCERPT:
写真家の山口規子さんが料理動画の撮り方を紹介しています。料理の手順を追う動画もありますが、今回はイメージ寄りの楽しい動画づくりを説明しています。
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KEYWORDS:
料理,ニコン,Nikon,レンズ,撮影テクニック
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AUTHOR:
TITLE: タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 × 動画クリエイター DAIGEN|標準ズームレンズはこれで決まり!
BASENAME: 484396363.html
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CATEGORY: だいげん
DATE: 11/17/2021 16:00:00
TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,28-75mm F/2.8 Di III VXD G2,動画クリエイター,標準ズーム
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BODY:
はじめに
軽量・コンパクトで写りも良くリーズナブル。3年前、タムロンから発売された28-75mm F/2.8 Di III RXDは標準ズームレンズの常識を覆しました。そして2021年。進化を遂げた28-75mm F/2.8 Di III VXD G2が発売されました。まずは作例をご覧ください。
VIDEO
■スケートボーダー:大野 薫
(https://www.instagram.com/kaoru.0411/)
作例はいかがでしたでしょうか。スケボーの撮影は初めてで戸惑ったのですが、このG2は3年前に発売された初代の28-75mmよりも性能がアップしていて、レンズ性能に助けらた撮影になりました。フォーカスの精度やブリージングの少なさ、28-75mmという焦点距離の使いやすさなど、このレンズだったからこそスムーズに撮影ができたと思います。
左:28-75mm F/2.8 Di III RXD 右:28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
AF性能
スケボーの撮影をする時に大事なポイントがひとつあります。それはフォーカスの速度・精度です。このレンズにはVXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)というリニアモーターフォーカス機構が搭載されています。このVXDにより、前モデルよりも高速で高精度のAFが実現しました。
確かに今回の作例撮影の際もフォーカスは外さないし、トリックをしてもらってる時もすぐにフォーカスが合ってくれて、かなり快適に撮影することができました。
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広角側も望遠側もフォーカスの合う速度は同様に早く、トラッキングもしっかりとされていました。これだけフォーカスの精度が良いと全くストレスなく撮影ができるので、ビギナーの方にも使いやすいんじゃないかと思います。
フォーカスブリージング
フォーカスブリージングが少ないかどうかも動きのある撮影をする際には重要です。ちなみにフォーカスブリージングというのは、フォーカスが合う位置が前後で変わると、それに合わせて画角も動いてしまう現象のことです。レンズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。
広角側も望遠側も全くブリージングがないわけではありませんが、ほとんど気にならないぐらいでした。動いているものを撮影していても、没入感を損なうことなく表現できるのは良いところだなと思います。
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ボケ感
F2.8通しと比較的明るめのレンズですので綺麗なボケ感を出してくれます。ナチュラルなボケ感がすごく気に入っており、本当に撮っていて気持ちの良いレンズだなと思います。玉ボケも綺麗に出ますし、ボケ感を重視した表現をする場合にはうってつけのレンズかと思います。
■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO1250
■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:F4 1/1600秒 ISO64
■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:F5.6 1/80秒 ISO1600
解像度
本レンズのMTF曲線を旧型の28-75mmと比較してみると、全然違っていることが分かります。グラフ上の実線が解像度を表しており、これが上にくっついているほど解像感が高いということになります。グラフの横軸が画面中心からの距離です。初代28-75mmは画面の中心から10mmあたりから解像度が落ちているのに対し、G2は画面の端でも解像度が保たれています。
28-75mm F2.8の初代とG2とのMTF曲線比較(画像はタムロンHPより)
■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:F6.3 1/100秒 ISO200
上の画像を拡大。解像度の高さがよく分かる
デザイン
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2は、今までのタムロンレンズとはひと味違ったデザインになっています。さらに、フォーカスセットボタンというボタンが追加されており、これに下記のような様々な機能を割り当てることができます。
様々な機能を割り当てられるフォーカスセットボタン
■ABフォーカス
任意で記録した「2つ」のピント位置でフォーカスを行き来させることができます。
■フォーカス/絞り リング機能切り替え
フォーカスリングの機能を「フォーカス操作」もしくは「絞り操作」に切り替えることができます。
■AF/MF 切り替え
フォーカスセットボタンの操作で、「AF」もしくは「MF」の切り替えができます。
など、他にもいろいろな機能を割り当てることができます(詳しくは
こちら のタムロンページをご確認ください)。
パソコンと直接接続できるUSBポートを備えている
USBポートを使ってパソコンと接続することで、TAMRON Lens Utilityというタムロン独自のソフトウェアを使ってカスタマイズすることができます。ファームウェアアップデートもカメラと接続することなく、レンズとパソコンのみで行うことも可能です。
スペック
・モデル名 A063
・焦点距離 28-75mm
・明るさ F2.8
・レンズ構成 15群17枚
・最短撮影距離 0.18m (WIDE) / 0.38m (TELE)
・最大撮影倍率 1:2.7 (WIDE) / 1:4.1 (TELE)
・フィルター径 φ67mm
・質量 540g
・絞り羽根 9枚(円形絞り)
・最小絞り F22
最短撮影距離が広角端で0.18m、望遠端で0.38mなので被写体に寄った撮影も可能です。寄れるとそれだけで表現方法が一つ増えるのも良いですよね!
今回の作例はα7S IIIに装着して撮影したのですが、540gという重さはボディとのバランス感も良く使いやすかったです。α7S IIIよりも少しコンパクトなα7Cとの組み合わせもバッチリです!
まとめ
フォーカスの精度も良くてブリージングも少ないレンズですので、動いている被写体の撮影に最適なレンズでした。28-75mmという標準ズームの焦点距離に加え、最短撮影距離も短いのでテーブルフォトやポートレート撮影、スナップなんかにも向いていると思います。僕は標準ズームレンズはこのTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2を今後使っていこうと思います。
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■動画クリエイター:
だいげん
日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像製作。北海道出身、大阪在住。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
動画クリエイターのだいげんさんによる、タムロン「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」レビュー記事です。軽くて写りも良くリーズナブル。動画撮影でも抜群の使い勝手を発揮してくれるレンズです。
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KEYWORDS:
タムロン,Tamron,標準ズームレンズ,28-75mm F/2.8 Di III VXD G2,レビュー,動画クリエイター,だいげん
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 レビュー|小型軽量な大口径標準ズームレンズの第二世代
BASENAME: 484398478.html
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CATEGORY: 高橋良典
DATE: 11/18/2021 16:00:00
TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,28-75mm F/2.8 Di III VXD G2,風景,標準ズーム
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BODY:
はじめに
タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(ModelA063)は、同社初のソニーEマウントフルサイズ対応レンズとしてリリースされた28-75mm F/2.8 Di III RXD(ModelA036)の後継モデル。2018年5月の発売からわずか3年半という短い期間でのリニューアルに複雑な気持ちの先代モデルユーザーもいると思いますが、その進化の程をレポートしていきたいと思います。
Eマウント用レンズはサードパーティー製であっても、公開されているEマウント仕様書に則って開発されているため、周辺光量や各種収差のカメラ内レンズ補正にも対応。また、カメラ側のAF性能をスポイルしないので安心して購入できます。今回の撮影でも純正レンズと変わらず快適に使用することが出来ました。
外観と操作性
先代のストレートな外観と比べると、やや凹凸が付き、ホールディングが良くなりました。そしてツヤ感のあるデザインに一新され高級感がアップ!より所有欲を満たしてくれる仕上がりとなっています。サイズと重量は最大径75.8mm×長さ117.6mm、540gで先代とほぼ同じ。大口径F2.8の標準ズームレンズとしての小型軽量さはしっかりと継承されています。花型のレンズフードが付属します。
フィルター径はタムロン同シリーズ共通の67mm(35-150mm F/2-2.8 Di III VXDと150-500mmF/5.6-6.7 Di III VC VXDを除く)。ほかの焦点距離のレンズも含め、同社のレンズで揃えている方はフィルターが共用できるのがありがたいですね。とは言え、CPLフィルターの使用頻度が高い風景撮影などの場合は、レンズ本数分のフィルターを購入、全てのレンズにつけておくと速写性が上がるのでおすすめです。そんな場合でも径が大きすぎず、フィルターの金額を抑える事が出来ます。ソニー純正のズームレンズと比較すると、ピントリングとズームリングの前後が入れ替わっており(ソニー製はズームリングがカメラ側、ピントリングが前玉側)、混在して使う場合はやや慣れが必要だと感じました。
左:広角側(28mm) 右:望遠側(75mm)
レンズにAF/MFの切り替えスイッチは装備されていないので、素早く変更出来るようカスタムキーやファンクションメニューに割り当てておきましょう。この点は正直に言うと、ファインダーから目を離さず直感的操作が可能なスイッチの装備をしてほしかったところ。ズームのロックスイッチは装備されていませんが、望遠側にした時でも繰り出し量が少ないので問題ありません。
フォーカスセットボタンとUSB-Cポートが先代より追加装備されています。簡易防滴構造が採用されており、USB Type-C端子にも防水タイプが採用されているので雨や霧の中での撮影も安心です。手ブレ補正機構VCは内蔵されていませんが、現行のソニーフルサイズカメラにはボディ内手ブレ補正が内蔵されているので心配ないでしょう。手持ち撮影に加えて三脚使用が多い風景撮影においては、手ブレ補正のONとOFFを頻繁に切り替えることになりますので、こちらも使いやすいようにカスタム設定をしておくのがベターです。私の場合、手ブレ補正の切り替えはソニー製レンズを使用する際、フォーカスホールドボタンに割り当てていましたので、それと同様に扱えるフォーカスセットボタンのタムロンレンズへの採用はとてもありがたく感じました。
フォーカスセットボタンと防水タイプのUSB Type-C端子
描写性能
小型軽量にこだわり続けるタムロン。本レンズに限らず、従来からの「大口径、高画質レンズは大きくて重い」イメージを覆してきました。最初はその見た目の小ささに不安になったものですが、今となっては全くその心配はありません。細かな絵柄が多い風景撮影において実写でもリアリティある描写性能を発揮してくれます。
実は少しの期間、先代モデルも試用したことがあるのですが、比較すると明らかに周辺部の解像感が増した印象で6100万画素のα7R IVでも躊躇なく開放から使えると感じました。競合ひしめく標準ズームレンズ群の中、この小さく軽い筐体ながら一歩も引けを取らない性能には驚くばかりです。ここは光学系をゼロから見直し、刷新したこと。そして広角端を28mmとしてズーム倍率を抑えたことで実現できたと想像できます。
雲間からの光を捉える。絞り開放でも周辺まで解像力が保たれているのがわかります。
■撮影機材:ソニーα7R IV + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離75mm 絞り優先AE(F2.8、1/750、-2EV補正) ISO200 太陽光 CPLフィルター
強風の中目まぐるしく動く雲と紅葉。少し絞るとさらに解像力が高まります。
■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離31mm 絞り優先AE(F6.7、1/500、-0.5EV補正) ISO800 太陽光 CPLフィルター
被写界深度の浅い望遠レンズと比べて、標準ズームでは背景をぼかしにくいものですが、ここで大口径F2.8と近接性能が生きてきます。円形絞りによるボケ具合は柔らかく満足のいくもので、非球面レンズ採用にも関わらずボケが玉ねぎ状にならない点が気に入りました。開放時、周辺部では口径食が見受けられますが、そもそも無しにすること自体が難しいことです。どうしても気になる場合は1段階程絞ることで改善されますが、せっかくの大口径レンズ。そこは割り切って積極的に開放を使いたいところ。
最短撮影距離と最大撮影倍率は望遠端で0.38m、1:4.1、そして特筆すべきは広角端。0.18m、1:2.7まで寄ることが出来るので、広角マクロとして背景の雰囲気を取り入れ、遠近を生かしたボケ描写が楽しめます。最も近づくとレンズフードが被写体に当たってしまうほどです。
広角側(28mm)最短撮影距離で撮影
望遠側(75mm)最短撮影距離で撮影
キノコの大きさは1cm程ですがここまで近接出来ます。広角で撮影することで森の中の雰囲気を伝えています。
■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離28mm 絞り優先AE(F4、1/45、補正なし) ISO800 太陽光 CPLフィルター
紅葉をバックにススキの透明感を望遠側で狙いました。美しいボケ味が主役を引き立ててくれます。
■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離75mm 絞り優先AE(F2.8、1/350、+1EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
今回の使用で最も驚かされたのが耐逆光性能です。先代より進化したBBAR-G2コーティングによる効果は絶大で、カメラと太陽の角度、また焦点距離によって多少の違いはあるもののゴーストやフレアの発生が相当に抑えられています。直接太陽を画面に取り入れる強い逆光時においてもコントラストの低下は感じられず、ゴーストに関してもシーンによっては全くと言ってよいほど気にならない、もしくは入る場所によっては後処理で対応できる程度です。
朝日に輝くコスモス畑。直接太陽に向けてもゴーストやフレアの発生は極めて少なく抑えられています。
■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離28mm 絞り優先AE(F16、1/200、-0.5EV補正) ISO400 太陽光 ハーフNDフィルター
朝霧に光芒が入りました。画面中央下部に若干のゴーストが見受けられますが、この程度なら許容範囲と言えます。強い逆光状態にも関わらずコントラストは低下していません。
■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離33mm 絞り優先AE(F11、1/200、+1EV補正) ISO200 太陽光
光条は絞り羽根の枚数によって出方が変わり、奇数の羽根枚数の場合はその倍数が出ます。本レンズの絞り羽根は9枚、つまり18本で派手めの光条が楽しめます。光条の一本一本の線は細めでシャープなので扱いやすいと感じました。ちなみに偶数の羽根枚数のレンズの場合、それと同数が出ますので覚えておきましょう。(例えば絞り羽根が8枚なら8本)
美しい光条が楽しめる本レンズ。耐逆光性能が高いので積極的に太陽にカメラを向けられます。
■撮影機材 ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境 焦点距離29mm 絞り優先AE(F16、1/750、+0.5EV補正) ISO400 太陽光
AF性能
描写性能だけではなくAFも大きく進化。先代のステッピングモーターRXDからリニアモーターのVXDにアップデートされました。もちろんファストハイブリッドAFやリアルタイムトラッキング、リアルタイム瞳AFなど、ボディ側の各種AF機能にも対応。特に望遠側でのピント移動が大きなケースでは明らかに体感速度が上がり快適になりました。風景撮影というと止まっているものを撮影するイメージで、高速なAFは必要ないという考えもあるかもしれませんが、やはり合焦までの速さと精度は、撮影時の集中力や作品の仕上がりに影響してくるものです。
草を食んで(はんで)いた鹿が顔をあげた瞬間をややハイキー気味に撮影しました。先代からのAF性能の大幅アップは
動体撮影時には頼もしい限りです。
■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離73mm 絞り優先AE(F2.8、1/30、+2EV補正) ISO800 太陽光 CPLフィルター
TAMRON Lens Utility
新たに装備されたUSB-CポートにTAMRONコネクションケーブルを介してPCを接続することで、フォーカスリングやフォーカスセットボタンへ各種機能の設定が出来るようになりました。設定は多岐にわたりますが、動画撮影を意識した設定も出来るようになっています。また、ファームウェアのアップデートが簡単に出来るようになり利便性が高まりました。
まとめ
大幅な性能アップで第二世代として進化を遂げた本レンズ。弱点の見当たらない描写力に加えて、小型軽量とくればおすすめしない理由がありません。それを前提に敢えて言うならですが……やはり広角側がもう少し欲しいと感じるシーンがあったことは事実なので、できれば広角ズームと組み合わせて使用するのがおすすめです。例えば、同社17-28mm F/2.8 Di III RXDであれば重量は420g。本レンズと組み合わせても1kgに満たない重量で、超広角域から中望遠域までカバーできるとなれば撮影のバリエーションが広がる事間違いなしです。
雨に濡れた苔の森。その空気感が伝わるような描写でイメージ通りの表現が出来ました。
■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離58mm 絞り優先AE(F2.8、1/15、-1EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
■写真家:
高橋良典
(公社)日本写真家協会会員・日本風景写真家協会会員・奈良県美術人協会会員・ソニーイメージングプロサポート会員・αアカデミー講師
この記事に使用した機材
【タムロン】28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ソニーEマウント用
商品詳細ページ 【ソニー】α7R IV
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の高橋良典さんがタムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2のレビューをしています。純正レンズと変わらず快適に使用できたという事ですが、その詳細を風景作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
タムロン,Tamron,28-75mm F/2.8 Di III VXD G2,風景,高橋良典
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO×木村琢磨|「OM SYSTEM」を冠した最初のレンズで風景スナップを撮る!
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 11/19/2021 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) レンズ,M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO,OM SYSTEM,風景,単焦点
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BODY:
はじめに
先日、OMデジタルソリューションズ(オリンパス)より新ブランド「OM SYSTEM」が発表された。M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは新ブランドを冠した最初の製品となる。レンズにはOM SYSTEMと書かれており、いよいよOMデジタルソリューションズとしての本格的な新章が始まるのだと思うとワクワクする。このM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは、換算焦点距離が40mmと人気が高い焦点距離であり日常使いにぴったりな一本だ。OM SYSTEMのブランドステートメントにもあるように「どこにでも持ち歩ける」「感じたものが思ったままに撮れる」を体現した様なレンズだ。
ファーストインプレッション
まず、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROを手にして思ったことは「小さい・軽い」と言うこと。この「小さい・軽い」は私がマイクロフォーサーズを使う理由のひとつであり、それだけでなく写りもいいのだから満足度は高い。F1.4の大口径でこのサイズ感は気軽に持ち歩くにはちょうどいい。
そして、このサイズ感を最大限に活かすのであればOM-D E-M5 Mark IIIとの組み合わせがベストだろう。かつてのOMシリーズを思わせるサイズ感とフォルムは写欲を掻き立ててくれる。PROレンズということで性能に関してはお墨付きだ。OMデジタルソリューションズユーザーにとってPROレンズは安心材料となる。
OM-D E-M5 Mark IIIとのマッチングは完璧だ。マイクロフォーサーズならではの組み合わせではないだろうか。
手のひらに収まるサイズ感はより気軽に撮影ができる。写真を撮る上で気軽さもスペックの一つと考えている。
PROレンズにはF1.2の大口径単焦点シリーズがラインナップされており、広角側から17mm(換算34mm)、25mm(換算50mm)、45mm(換算90mm)と定番の焦点距離をカバーしている。F1.2ではないが、今回ここに20mm(換算40mm)がラインナップされたことでより表現の自由度が高まった。特に今回ラインナップに加わったM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROはF1.2シリーズよりもはるかにコンパクトであり、いままでOM-D E-M1XやOM-D E-M1 Makr IIIにはぴったりだったがOM-D E-M5 Mark IIIにはちょっと大きすぎてバランスが悪い……と思っていた不満を解消してくれる一本だ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROを手にして、もう一つ「おっ?」と思ったことがある。それはレンズキャップだ。「OLYMPUS」から「OM SYSTEM」になっているのだ。ボディには「OLYMPUS」と「OM-D」、レンズには「OM SYSTEM」が。もしかしたら今しか見れない組み合わせになるのかもしれない。
レンズキャップには新ブランドの「OM SYSTEM」のロゴが。 思っていた以上に違和感がない(OLYMPUSと使っているアルファベットが似ているから?)。
換算焦点距離40mmの丁度感とPROレンズの安心感
私が主に撮影にしている被写体は風景であり、普段であればズームレンズを使っての撮影がメインとなる。今回はM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROとOM-D E-M5 Mark IIIを組み合わせて、風景写真を撮影しに出かけてみることにした。換算40mmといえばスナップを撮るのにちょうどいいと感じる焦点距離だが、風景写真でもそのちょうど良さを実感した。
35mmと50mmの間の焦点距離は人によっては中途半端に感じるかもしれないが、個人的にはどちらの焦点距離も兼ね備えた撮りやすい焦点距離だと思う。35mmよりも主題を明確にしやすく、50mmよりも広く写せるので、慣れると40mmこそ真の標準なのではないか?と思うほどだ。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F5.6 1/100秒 ISO200
ファインダーを覗いた時に自分の視野とイコールのフレーミングに。40mmの焦点距離は自分の目線の延長線上の様だ。日没後も雲は抜けなかったが全景が見えないことで大山の雄大さが表現できた。
撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F5.6 1/100秒 ISO200
ズームレンズだともっとアップに写していたであろう一枚。焦点距離が固定されることでいつもと違う景色に出会える。
M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは「小型・軽量」だけでなく、描写も信頼のPROレンズクオリティなのでそれだけで撮影が楽しくなる。開放F1.4はボケ味だけでなく解像感も両立されているので主題を明確できる。
私がマイクロフォーサーズの気に入っている点は、そのセンサーサイズが生み出すちょうどいいバランスだ。システム全体のサイズ感だけでなく、被写界深度のバランスもちょうど良く、あまり絞らなくてもパンフォーカスを狙うことができるので風景写真との相性も良い。浅い被写界深度が必要であれば、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROやF1.2シリーズのPROレンズもラインナップされているので自由度も高い。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO200
F1.4開放での撮影。雑多なシーンでもぼかすことで主役を引き立てることができる。マイクロフォーサーズは最短撮影距離も短いのでほとんどのレンズでマクロ的な撮影が可能なのでより浅い被写界深度で撮影も可能だ。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/1250秒 ISO200
開放で撮影するといつもとちょっと雰囲気の違う写真が撮影できる。風景を撮影する時もF1.4で撮影すると立体感がより強調される。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/400秒 ISO200
明るくて寄れるレンズは足元の落ち葉もドラマチックにしてくれる。OM-D E-M5 Mark IIIはバリアングルモニター搭載なのでローポジションの撮影も楽チンだ。
マイクロフォーサーズレンズ全般に言えることだが最短撮影距離が短く、最大撮影倍率が大きいレンズが多いため、ほとんどのレンズでマクロ撮影が可能だ。M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROも例外ではなく最短撮影距離が短い(撮影倍率0.22倍)。近接撮影になるほど被写界深度がより浅くなるため、F1.4のF値と組み合わせるとそれだけで雰囲気のある写真が撮れてしまう。ピントが浅いということは自分が何を見せたいのか、どこにピントを合わせたいのかを明確にしていないと、ただボケただけの写真になってしまうので注意が必要だ。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO200
F1.4のおかげで足元の草を前ボケにしつつ、薄暗いシーンでも滝を高速シャッターで撮影することができた。滝と言えばスローシャッターと思いがちだが高速シャッターで滝の勢いを写しとるのも全然OKだ。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/1600秒 ISO400
迫力を出すためにしぶきを浴びながら撮影した。F1.4が生み出す高速シャッターはまさに一瞬を切り取る。
OMデジタルソリューションズの防塵・防滴性能はどのメーカーよりも信頼性がある。防滴ではなく防水では…?と思うほどの超高性能なのでついつい滝に接近しての撮影や雨天でもレインカバーなしで軽快に撮影できる。
フッ素コーティングによる撥水効果は抜群だ。ブロアーで簡単に水滴を除去できるので撮影も楽になる。
M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROはPROレンズであるため、防塵・防滴性能もバッチリで滝のしぶきを浴びながらの撮影も全然余裕だ。最前面のレンズにはフッ素コーティングが施されており、水滴が流れ落ちやすいのでメンテナンスも簡単だ。レンズが濡れそうなシーンを撮影する場合は、ブロアーを用意しておくと簡単に水滴を取り除くことができる。是非ブロアーを一つカメラバッグに忍ばせておこう。
自分のフィールドに持ち出してみる
風景を撮影する上で解像感も重要なポイントとなる。OMデジタルソリューションズには画素数を向上させるマルチショット機能のハイレゾショットを搭載している機種があり、今回組み合わせているOM-D E-M5 Mark IIIにも搭載されている。OM-D E-M5 Mark IIIのハイレゾショットは三脚が必須となるため、小さな三脚でもいいので一つ用意しておくと便利だ。
シングルショットで2000万画素あり、ハイレゾショットを使用することで最大8000万画素(RAW記録時)での撮影も可能なので、ここぞというときはハイレゾショットで撮影している。高画素撮影ということはレンズに求められる性能も必然的に高くなるが、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROはハイレゾショットでも余裕を感じさせる写りだ。私の場合、レンズは資産だと考えているので今後ボディが高画素化しても対応できるレンズはお得感がある。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F4.0 1/250秒 ISO200
ハイレゾショットで撮影。木々のディティールがシングルショットよりもさらに向上する。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F4.0 1/100秒 ISO200
絞り開放のボケも美しいが、円形絞りのおかげで絞っても綺麗な玉ボケを楽しめる。F値を使い分けることで玉ボケのサイズ調整が簡単にできる。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F4.0 1/100秒 ISO200
レンズの解像感を楽しみたい人はF4.0あたりを使うとシャキッとした写りを楽しむことができる。F1.4まで開けられると撮影時の気持ちの余裕が違ってくる。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/250秒 ISO200
前ボケを生かして撮影。F1.4で前ボケを作るとディティールが消失しカラーフィルターの様な効果を得ることができる。
ピントが合わないくらいに近づいて撮影することで大きな前ボケに変化する。F1.4の開放で前ボケを作ると幻想的な演出に。
M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO+OM-D E-M5 Mark IIIの小型軽量コンビはものすごく楽だ。機材が小さい、軽いだけで撮影するときの気持ちの余裕も全然違ってくる。とくに山や森など足場が悪いところを歩くときや長距離移動する時にその恩恵を実感する。小さいカメラはアングルの自由度も高く、片手で撮影できるので、ファインダーを覗きながらだと大変なシーンでもバリアングルモニターを見ながらフレーミングも可能だ。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/320秒 ISO200
開放で撮影することで主題の木が浮き上がった。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO200
換算40mmは自分が注目した被写体にスポットを当てやすい。
ズームレンズの魅力は焦点距離の自由度の高さだ。一方で、考え方によっては選べる焦点距離が多い分だけ迷うこともあるということだ。カバーしている焦点距離が広いほど悩みも増える。しかし、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROの様な単焦点レンズだと焦点距離で迷うことはない。ズームできないことをメリットに変えてしまうと軽快な撮影が可能となる。換算40mmは使いやすい焦点距離なのでズームしか持っていない、使ったことがないという人にとって単焦点デビューにもってこいの一本だ。
森の中や木々に囲まれたロケーションは日中でも意外と暗い。OM-D E-M5 Mark IIIには強力な手ぶれ補正が搭載されているが、被写体ブレを抑えるとなればシャッタースピードを確保する必要がある。F1.4の明るさがあれば、森の中などのロケーションでも十分なシャッタースピードを得られる。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO200
風で揺れる紅葉をシャッタースピードを早めることでブレることなく写しとった。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO200
さらに紅葉に近づいて大きな前ボケに変化させた。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F5.6 1/40秒 ISO200
パンフォーカスを狙うときはF5.6あたりが良い。絞ることでより一層中央から周辺まで均一な写りになる。解像感の高さはさすがPROレンズと言ったところだ。
■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境(左):F5.6 1/80秒 ISO200
■撮影環境(右):F1.4 1/1250秒 ISO200
大口径レンズの楽しさは絞りの調整幅の広さだ。同じシーンでも絞りによって立体感に差が出てくる。
まとめ
OM SYSTEMブランド第一弾として登場したM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは、想像以上に撮影していて楽しいレンズだ。小型・軽量に防塵・防滴、F値の自由度の高さにPROレンズクオリティの描写性能と、マイクロフォーサーズの魅力がギュッと詰まった一本に仕上がっている。そして、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROの小型・軽量を生かせるOM-D E-M5 Mark IIIがラインナップされていることは、OMデジタルソリューションズのマイクロフォーサーズシステムの強みだ。
OM-D E-M5 Mark IIIとの相性は抜群だ。小型軽量の全天候型システムとしてこれからも使い続けたい組み合わせだ。
撮影に持ち出す際についつい便利なズームレンズに手を伸ばしがちだが、単焦点レンズだけ持って撮影に出かけてみるのもいいだろう。M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは単焦点レンズの気軽さと描写を十分に楽しむことができ、画角が制限されることで新しい一枚に出会うことができるだろう。自分の好みに焦点距離を合わせるのではなく、レンズの焦点距離に自分を合わせてみるのもいいかもしれない。風景から日常スナップまで幅広く使えるレンズなので、是非いろいろなシチュエーションに持ち出してみて欲しい。
■写真家:
木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
この記事に使用した機材
【OM SYSTEM】M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M5 MarkIII シルバー
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんがオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROのレビューを行っています。OM-D E-M5 Mark IIIに装着して撮影した風景作例と共に本レンズの魅力を語っていますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス,Olympus,単焦点レンズ,M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO,OM SYSTEM,レビュー,風景
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: カールツァイス Zeiss Batis 1.8/85 レビュー|被写体を引き立てる柔らかなボケが魅力
BASENAME: 484483846.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 11/22/2021 16:00:00
TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,Zeiss Batis 1.8/85,単焦点
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BODY:
はじめに
前回までは、広角・標準領域のバティスシリーズをレビューしてきましたが、今回はバティスシリーズ5本の中では、中望遠の画角になる85mmの「Zeiss Batis 1.8/85」の紹介になります。「Zeiss Batis 1.8/85」は、2015年8月に発売されたバティスシリーズの最初の2本のうちの1本です。中望遠の85mm単焦点レンズは人気のジャンルのレンズ。この「Zeiss Batis 1.8/85」もオートフォーカスで使え、手ブレ補正搭載のツアイス単焦点レンズとして魅力あるレンズの1本です。今回も様々なシーンを撮影してみました。
Zeiss Batis 1.8/85の魅力
「Zeiss Batis 1.8/85」の光学系はゾナータイプ。ソニーEマウント純正レンズの85mmとはスペック的には近いレンズですが、「Zeiss Batis 1.8/85」はツアイスレンズらしいナチュラルなボケの美しさと柔らかさを表現できるレンズです。焦点距離55mmにはなりますが、ソニーブランドのゾナータイプのツアイスレンズ「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」も魅力あるレンズですので、少し一覧で比較してみました。ソニー純正のプレミアムレンズ”GMタイプ”では、中望遠の単焦点レンズは100mm、135mmしかありませんので、85mmの焦点距離では「Zeiss Batis 1.8/85」はその点を補完できる魅力あるレンズと言えます。
Batis 1.8/85 FE 85mm F1.8 Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA 焦点距離(mm) 85mm 85mm 55mm 画角(35mm判) 29° 29° 43° 開放絞り(F値) F1.8 F1.8 F1.8 最小絞り(F値) F22 F22 F22 レンズ構成 8群11枚 8群9枚 5群7枚 絞り羽根 (枚) 9枚 9枚 9枚 最短撮影距離 (m) 0.80m 0.80m 0.50m フィルター径(mm) 67mm 67mm 49mm 外形寸法 最大径x長さ(mm) 92 x 92mm 78 x 82mm 64.4x 70.5mm 質量 約 (g) 452g 371g 281g
焦点距離85mmの中望遠の効果と、絞り開放F1.8の効果が合わさってピントが合った後の自然なボケの表現が魅力的。絞り開放では全体的に柔らかな描写をするレンズですが、中心部はしっかりとした芯がありシャープ感があって柔らかなボケとシャープ差が両立しています。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF1.8 ISO800
F2.8など少し絞れば周辺部の光量落ちもほぼ解消され、このレンズの魅力がさらにアップします。もちろん大きく絞っても、被写体との距離にもよりますが自然なボケを演出できるレンズです。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF2.8 ISO1600
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/4秒 絞りF10 ISO1600
「Zeiss Batis 1.8/85」は色味、ボケの表現などは申し分ないレンズなのですが、一つ気になる点があります。それは「糸巻き型収差」が大きくでることです。RAWで撮影していればRAW現像の際に、レンズのプロファイル補正を使用すれば「糸巻き型収差」も修正することができますが、JPEG撮って出しをする場合は「糸巻き型収差」が気になるところです。
■使用機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF1.8 ISO800
直線基調の被写体をメインに撮影した時には、この歪みはかなり気になるレベルです。被写体にもよりますが、デジタルでの補正を使う前提で撮影をしないといけないかもしれません。
■使用機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF9 ISO800
ツァイス Zeiss Zeiss Batis 1.8/85でお子様スナップ撮影
85mm単焦点レンズと言えば、やはりポートレート撮影用途をイメージする人が多いと思います。今回はお子様モデルさんで撮影をさせて頂きました。ピントが合った面のシャープさと、そこからの続く柔らかいボケは人物撮影にピッタリ。かわいいお子様の撮影にピッタリのレンズですね。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
日中に絞り開放で撮影する場合は、カメラ側でシャッター速度の上限までいってしまうのは、さすが明るい単焦点レンズというところでしょうか。場合によってはNDフィルターなどを用意することも必要になってきます。ですが、絞り開放では周辺光量がやや落ちるので、空などの単調な背景の場合などは少し絞って撮影する方が良いでしょう。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF1.8 ISO100
ツァイス Zeiss Zeiss Batis 1.8/85で猫のいるイングリッシュガーデンでスナップ
「Zeiss Batis 1.8/85」を持って、猫がいるイングリッシュガーデンに撮影に行ってみました。撮影当日はあいにくの大雨でしたので、室内撮影がメインになってしまいましたが、開放F値1.8の単焦点レンズなので、少し暗めの室内撮影でも威力を発揮してくれました。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF1.8 ISO800
被写体にもよるかもしれませんが、後方の柔らかい自然なボケに対して、絞り開放では前ボケは少しだけうるさい感じを受けます。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF1.8 ISO1600
狭い室内ですと、85mmの焦点距離は少し長すぎる感じもしますが、少し広い空間での撮影では、被写体とある程度距離を取ることで構えた写真になりにくく、猫の自然の表情が撮れるメリットがあります。
全体的に柔らかい表現ができるレンズなので、毛並みの柔らかさなどを表現できるペット撮影にもマッチするレンズではないでしょうか。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF1.8 ISO800
雨の野外撮影においても、「Zeiss Batis 1.8/85」は防塵防滴効果があるレンズなので撮影の際に安心感があり、撮影に集中することができます。色ノリの派手さは無く雨の日の撮影によく合った、しっかりと雨降りの空気感を表現してくれるレンズと感じました。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF1.8 ISO800
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF1.8 ISO800
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.2 ISO800
ツァイス Zeiss Zeiss Batis 1.8/85で街中スナップ撮影
85mmのレンズで街中スナップするのは少々焦点距離が長いのですが、気になったものを思い切って切り取る撮影ができます。下の写真は手前にあるチェーンの柵の前ボケ反射を狙って撮影し、写真にアクセント加えました。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF1.8 ISO100
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
遠景の描写も中心部から四隅までしっかりとキレのあるシャープさがあり、絞ることによって周辺光量不足も解消されます。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF16 ISO800
夜のスナップも開放F1.8の明るさがあるので、ISO感度を無理に上げなくても気軽にスナップ撮影ができるのもメリットです。
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/20秒 絞りF1.8 ISO800
■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85
■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF1.8 ISO800
まとめ
「Zeiss Batis 1.8/85」は、とても魅力的な中望遠の単焦点レンズです。85mmという焦点距離は汎用性も高く、日常のシーンを少しアップで撮影するのに使いやすいレンズだと思います。今回「Zeiss Batis 1.8/85」で撮影して特に感じた事は、猫の毛並みの柔らかさ、子どもの肌の質感などの表現力が素晴らしく、ペットや人物を撮るのにとてもマッチしているレンズだと感じました。「Zeiss Batis 1.8/85」は、ズームレンズでは味わえないカールツァイス単焦点レンズならではの、ピント合焦部でキレのあるシャープさとその前後で柔らかなボケが両立するレンズです。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
その他坂井田さんによるBatisシリーズ記事はこちら
・カールツァイス Zeiss Batis 2/40 レビュー|シャープさと柔らかさが両立した標準レンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/483904908.html
・カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18 レビュー|オールマイティーに使える超広角レンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/483501133.html
・カールツァイス ZEISS Batis 2/25レビュー|撮影者の想像力を掻き立てるレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/483017008.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんによるツァイス Zeiss Batis 1.8/85のレビュー記事です。ポートレートから一味変わったスナップ写真まで、被写体を引き立てる柔らかなボケが魅力な作例とともにご紹介しています。
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」が登場!|100種類の撮影エフェクトが楽しめるシリーズ最上位モデル
BASENAME: 484483866.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 11/23/2021 10:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,instax mini Evo,チェキ,インスタントカメラ
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BODY:
はじめに
富士フイルムからハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”「instax mini Evo(インスタックス ミニ エヴォ)」を、2021年12月3日に発売するとアナウンスがありました。本モデルはインスタントカメラ instaxシリーズの最上位モデルとなり、クラシックデザインとアナログ操作が楽しめ、レンズとフィルムエフェクトの切替えをデジタル上で行い合計100種類の組み合わせで撮影出来ます。また、高画質なチェキプリントを実現しており、お店プリントに近い色合いでプリントが可能になりました。今回はinstax mini Evoの発表会で、開発担当者にお話しを伺いながら実機を触ってきましたので、その時感じた製品の魅力をご紹介させて頂きます。
今回発表になったinstax mini Evo(インスタックス ミニ エヴォ)
今まで発売されたインスタントカメラ instax シリーズ。今回はこの中の最上位機種として「instax mini Evo」が登場
デザインと操作性
ボディーはシリーズ最上位機種に相応しく高品位なクラシックなデザインになり、シルバーの操作レバーやダイヤルが採用されており遊び心をくすぐる仕上がりになっています。
革絞り風に加工された生地がシルバーのカメラの表と裏、そして左右に貼られていて、見た目はもちろんカメラを持った時にも質感の良さを感じます。
フィルムカメラにはフィルムを装填してそれを巻くレバーがありますが、instax mini Evoにも同じようなレバーがついていて、レバーを引くとフィルムを巻く代わりに撮った写真をプリントアウトできるようになっています。レバーを引いた時には、じーこ、じーこという音がして、フィルムを巻くかのような感触が楽しくて、ついつい沢山プリントしてしまいそうです(笑)
レンズの回りがダイヤルになっていて、これをくるくる回すとレンズエフェクトを変更できるのですが、レンズ交換のような動作をしてこのエフェクトを変更するのが面白いのと、レンズに付いたリングを回す感じが本格的な一眼カメラを操作しているようでもあり、癖になりそうな操作リングでした(笑)
上の写真の向かって左側にあるダイヤルは、使いたいフィルムエフェクトを選択するダイヤルです。
従来モデルのinstax mini LiPlayに比べると操作レバーやリングが盛り込まれたことにより、触って楽しむアナログ要素を強く感じるハイブリットカメラになっています。
instax miniシリーズでは人物を撮る事が多いことを想定して縦に構えて撮影を基本としていますが、横に構えても撮り易いデザイン設計になっています。見た目も元々横位置を基本としたつくりになっているかのようにも見えます。
赤枠で囲まれたところはミラーになっている
自撮りを行う際はここのミラーを使って構図を確認する事ができます。広角28mmの画角に対応しており広い範囲を確認できます。
赤枠で囲まれたところは電気接点のないアクセサリーシュー
電気接点はありませんがアクセサリーシューも備わっており、外付けのLEDライトなどをここにつけて撮影する事ができます。
100通りの撮影エフェクト
従来モデルの
instax mini LiPlay では音までもプリントに閉じ込めて写真と一緒にメッセージを伝えることが出来るなど遊び心に富んだ楽しいカメラでしたが、instax mini Evoの「100通りの撮影エフェクト」も凄く遊び心があり、カメラ好きの心をくすぐるものになっていました。
10種類のレンズエフェクト(ノーマル/ビネット/ソフトフォーカス/ぼかし/魚眼/色ずれ/光漏れ/ミラー/二重露光/ハーフフレーム)と10種類のフィルムエフェクト(ノーマル/ビビッド/淡い/キャンバス/モノクロ/セピア/イエロー/レッド/ブルー/レトロ)
横軸がレンズエフェクト、縦軸がフィルムエフェクト
100通りの撮影エフェクトは、10種類のレンズエフェクトと10種類のフィルムエフェクトの掛け合わせで表現できるようになっています。アナログっぽい楽しみを追求する中で、レンズやフィルム交換をして楽しむ世界観をデジタル技術を用いて表現する事が出来ないかというアイディアから実現した機能のようです。開発の際は沢山の数のレンズとフィルムの掛け合わせをつくり、試行錯誤の上新しいチェキで使ってもらいたいオススメのレンズ10種類、フィルム10種類をセレクトしたと開発担当の方に伺いしました。上の写真を是非拡大してみてもらいたいのですが、本当に沢山の魅力的なエフェクトを使った撮影が出来るようになっていることが分かります。
レンズ交換する際にレンズ周辺にあるダイヤルをくるくる回す作りも拘りを感じて、心にぐっと響きました。デジタルではありますがレンズとフィルム交換を直感的に行い沢山の表現が出来ますので、被写体と向き合った写真撮影が楽しめそうです。
様々なエフェクトで撮影した作例サンプル
ギャラリースペースには今回instax mini Evoの発表会で登壇された女優の広瀬すずさんの作例も展示されていました
WONKボーカリストの長塚健斗さんの作例です。エフェクトが上手に活かされていて、どれもお洒落で魅力的な作例でした
高画質と撮影性能
プリントでの風合いは従来のチェキっぽい柔らかい風合いの“instax-Natural モード”に加え、今回新たにお店プリントやスマホ画面の色彩豊かな風合いの“instax-Rich モード”での色再現が可能になっています。
左は従来モデル同様のinstax-Natural モード、右は今回新たに追加されたinstax-Rich モード
プリントの解像度は、従来モデルの約600×800ドットから約600×1600ドットの2倍の露光密度で滑らかにプリントできるようになっています。
ホワイトバランスもinstax mini LiPlayでは「オート」だけでしたが、本モデルでは「オート」「晴れ」「日陰」「蛍光灯1」「蛍光灯2」「蛍光灯3」「電球」から選択可能になっているので、イメージ通りの色味に調整して撮影する事ができます。
プロセッサをチューニングする事で従来モデルよりもオートフォーカスの速度も速くなっているという事でしたので、急に訪れたシャッターチャンスをものに出来そうですね。
進化したスマホとの連携機能
従来モデル同様にスマホをリモコンがわりに、少し離れた場所からチェキを操作して撮影する事が出来たり、スマホの中の写真データをチェキを使ってプリントする事ができたりします。ここで従来モデルと違うところは、スマホからのプリントも“instax-Rich モード”を選択する事ができますので、スマホの液晶モニターと近い色彩豊かな色味の再現が可能になっています。
スマホを使ってinstax mini Evoをリモート撮影
スマホの画像をinstax mini Evoでプリント
スマホからのプリントも“instax-Rich モード”を選択可能
また、今回新たにチェキで撮影した画像をスマホに送りSNSなどにアップロードして友人や知人と共有することが出来るようになりました。スマホに転送した画像をスマホ側で簡単に編集する事ができます。また、転送した画像はinstaxのフレーム付きになっていますのでチェキで撮影した事が分かるようになっています。
instax mini Evoでの撮影画像をスマホへ転送
スマホへ転送した画像を簡単に編集できる
転送した画像はスマホのライブラリで閲覧が可能
このフレームをよくご覧いただくと、非常にアナログ的なフレームになっていて単に白い枠が付いているのではなく、影などにフイルムのざらつき感などが表現されています。全てデジタルでつくっていますが、スマホの中に手仕事でつくったかのような画像を保存して楽しめるようにしたいという想いから、このような工夫をしたとお伺いしました。この辺の作り込みを見ると、instax mini Evoが大事に大事につくられ、世に送り出されたのが分かります。こんな細部にまでしっかりと製品コンセプトが宿っています!
さいごに
シリーズ最上位モデルのinstax mini Evoの魅力をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。今までのチェキ同様に若い方が友人との撮影の際にお使い頂くのも良いと思いますし、一眼カメラで趣味の撮影をされている方が、少し肩の力を抜いてスナップや風景などを撮影されても魅力的に感じるカメラに仕上がっていると思います。次回はフォトグラファーの方にinstax mini Evoを使ってレビューを公開させて頂きますので、そちらの記事も楽しみにしていてください。
左は充電専用のマイクロUSB Micro-B端子、右はMicroSDカードの挿入口
instax mini Evo専用のカメラケース
instax mini Evo発表会での開発担当者へのインタビューはこちらの動画でご覧頂けます
VIDEO
■2021年11月26日:開発担当者へのインタビュー動画を追記しました。
この記事に使用した機材
【フジフイルム】インスタントカメラ instax mini Evo 「チェキ」
商品詳細ページ 【フジフイルム】チェキ instax mini Evo用カメラケース
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
富士フイルムから新しいチェキ「instax mini Evo」が登場しましたので、その発表会で実機を触り開発担当者に魅力を伺ってきました。凄く遊び心があり、カメラ好きの心をくすぐる製品に仕上がっていましたのでその時のレポートを是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,instax mini Evo,チェキ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: [申込終了]【セミナー】Leicaプロカメラマンセミナー Vo.3 -斎藤巧一郎 氏-|新宿 北村写真機店&YouTubeライブ!12月11日開催
BASENAME: 484507024.html
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 11/24/2021 11:00:00
TAGS: セミナー,ライカ(Leica) ボディー
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BODY:
Leica(ライカ)の魅力をお伝えするセミナーの第3弾
Leica(ライカ)プロカメラマンセミナーは、写真家の斎藤巧一郎 氏を講師としてお招きし、全4回にわたり新宿 北村写真機店6Fライカヴィンテージサロンのコンシェルジュとライカの魅力をお伝えするセミナーです。3回目となる今回は「ライカレンズの魅力に取り憑かれた新宿 北村写真機店スタッフが実際に使ってみた」と題して、当店スタッフ25名の作例を交えながら、ライカレンズの魅力を講師と当店のコンシェルジュが解説いたします。当日、新宿 北村写真機店にお越し頂けない方はオンライン(YouTubeライブ)でのご視聴も出来ます。
イベント内容
11:00~12:00に開催する第1部と、14:00~15:00に開催する第2部の2部制となっています。1部と2部で紹介する内容は異なりますので片方の部だけでなく、両方の部にご参加することでより一層お楽しみ頂けるセミナーとなっています。
第1部「初めて使ってみたライカレンズ」
11:00より開催する第1部では「初めて使ってみたライカレンズ」と題して、当店スタッフでまだライカを持っていないスタッフが実際に撮影した作例を解説いたします。
第2部「ライカレンズ描写の徹底追及」
第2部では「ライカレンズ描写の徹底追及」と題して、先生をはじめ当店のベテランスタッフによる作例をもとに、ライカレンズの描写力がどれだけ高いのかを、解説いたします。
【店舗参加者限定】魅力的な2つの特典もご用意しております
1.斎藤巧一郎 氏に購入前の悩みを相談できる「販売相談会」
15時からお時間が許すまでの間、講師の斎藤巧一郎 氏が当店のスタッフとして、お客さまがご購入前に感じているお悩みをお聞きする販売相談会を開催いたします。第一線で活躍されている斎藤氏へ、ご購入前に感じている悩みを聞けるチャンスです。ぜひご来店下さい。
2.参加者限定の特別プレゼント
当日店頭に参加の上、新品のライカ製ボディ・またはレンズをご購入頂いたお客さまへプレゼントもご用意しております。
※オンライン参加の方へは通常価格での販売となります。
概要とお申込み
■開催日時:2021年12月11日(土)【第一部】11:00~12:00【第二部】14:00~15:00
※ 15:00~斎藤巧一郎先生によるご購入相談会を開催いたします。
■費用:無料
■場所:店頭参加:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン
オンライン参加:
新宿 北村写真機店 公式YouTubeチャンネル
■新宿 北村写真機店の住所:東京都新宿区新宿3丁目26-14(
地図 )
■定員:店頭参加は各部15名
■申込方法:
・店舗参加の
第一部はこちら から申込ください。
・店舗参加の
第二部はこちら から申込ください。
・オンライン参加の方は事前申し込みはありませんので時間になりましたら、
こちらの新宿 北村写真機店 公式YouTubeチャンネル よりご覧ください。
■申込み期限:2021年12月8日(水)21:00
※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。37.5度以上の発熱、咳など風邪の症状があるお客様はご来店をお控え頂くようお願いいたします。その他、新型コロナウイルス感染症対策の詳細につきましては
こちら をご覧ください。
講師紹介
斎藤巧一郎(Koichiro Saito)
広告写真を中心に撮影業に務める写真家。カメラメーカーの写真教室や専門学校講師など、写真教育にもたずさわる。ファーストライカは、21歳で購入したライカR5。以来ライカを愛用している。ドイツライカ本社へも3度赴き、ライカの一端に触れ、片思いは増すばかり。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
今回は「ライカレンズの魅力に取り憑かれた新宿 北村写真機店スタッフが実際に使ってみた」と題して、当店スタッフ25名の作例を交えながら、ライカレンズの魅力を斎藤巧一郎 氏と当店のコンシェルジュが解説いたします。
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KEYWORDS:
セミナー,ライカ,Leica,北村写真機店
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AUTHOR:
TITLE: タムロン 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD|旅に最適な高倍率ズームレンズ
BASENAME: 484447485.html
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CATEGORY: 三田崇博
DATE: 11/24/2021 16:00:00
TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD,風景,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
こんにちは。旅写真家の三田崇博です。今回は2021年10月に発売になった、タムロン初の富士フイルムXシリーズ向けレンズ「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」をレビューします(本レンズはソニーEマウント用もラインナップ)。富士フイルムの高倍率ズームレンズはこれまでXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRのみでしたが、望遠側が300mmまで対応する本レンズは、富士フイルムXシリーズユーザーは待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。
高倍率レンズのメリットとデメリット
レンズ1本で広角から望遠まで撮影できてしまう高倍率ズームレンズは、レンズ交換をすることなくほとんどの被写体を撮影することが可能です。風景を撮影していて急に動物が現れた、鳥が飛んできたというようなシーンでも素早く対応することができます。また、レンズ2本分が1本で収まるため荷物も少なくて済みます。個人的には特にミラーレスカメラになってから、レンズ交換時に埃が付着するリスクを減らすことができることも大きなメリットだと思います。
良い面ばかりが目立つ高倍率ズームレンズですが、もちろんデメリットもあります。高倍率を実現するためにどうしてもレンズ構成が多くなり、ゴーストやフレアが発生しやすく、特に望遠側の画質面が不利だと言われてきました。その点も今回検証していけたらと思います。
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDの特徴
・APS-Cサイズミラーレス対応レンズとして世界初となる16.6倍のズーム比
・AF駆動にはタムロン独自のリニアモーターフォーカス機構VXDを採用
・高倍率ズームレンズの常識を覆すほど優れた近接撮影能力
・4枚のLD(Low Dispersion:異常低分散)レンズや3枚の複合非球面レンズといった特殊硝材を贅沢に使用することで、画面中心から周辺に至るまで美しい描写を実現
・タムロン独自の手ブレ補正機構VCを搭載
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRとの比較
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR 焦点距離(フルサイズ換算) 27-450mm 27-206mm 質量 620g 490g 最短撮影距離 15cm 45cm 開放F値 F3.5 F3.5 手ブレ補正 〇 5段 フィルターサイズ 67mm 67mm 絞り羽枚数 7枚 7枚 防塵防滴 〇 〇 発売時期 2021.10 2014.7
富士フイルム純正のXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRはすでに発売から6年が経過していますが、今なお高い描写性能を誇るレンズです。焦点距離が違うので重さや大きさの違いは仕方ありませんが、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDは300mmまで撮影できるレンズとしては小型軽量に仕上がっています。
気になる画質の違いを、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS Wの望遠端である135mm付近で比べてみたいと思います。
■18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F5.6 SS1/680秒 ISO160 焦点距離137mm
■撮影地:あべのハルカス(大阪府天王寺区)
■XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F5.6 SS1/680秒 ISO160 焦点距離135mm
■撮影地:あべのハルカス(大阪府天王寺区)
上の写真を切り出して、解像性能を比べてみましょう。
■F5.6で比較
左:18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影
右:XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
■F8で比較
左:18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影
右:XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
■F11で比較
左:18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影
右:XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
解放F5.6の切り出し画像の比較では、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRのほうが解像感の高い結果となりました。しかし、F8付近まで絞り込んでいくとその差は縮まっていき、F11では18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDのほうが良好な結果となりました。このレンズは少し絞って使うことでその性能を発揮するように感じました。
最望遠側での画質比較
望遠端300mmでの解像力も検証するため、富士フイルム純正の望遠ズームレンズ、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRと比較してみたいと思います。望遠に特化したズームレンズとの比較になるので当然画質は劣りますが、十分に実用の範囲内だと思います。
■18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F7.1 SS1/300秒 ISO160 焦点距離300mm
■撮影地:立石寺(山形県山形市)
■XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F7.1 SS1/300秒 ISO160 焦点距離291mm
■撮影地:立石寺(山形県山形市)
画面右のお堂の部分を切り出したものが以下となります。作例はF7.1で撮影したものですが、もう少し絞るとさらに良好な結果になるのではないでしょうか。どちらにせよこれだけの高倍率ズームレンズということを考えると、望遠側の画質はかなり良好だと言えます。
左:18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影
右:XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
驚異的な近接撮影能力
個人的にこのレンズで特に気に入ったところは近接撮影の強さです。最短撮影距離が15cmなので、レンズの長さを考えるとほぼレンズ先端に被写体が当たりそうになるまで近寄って撮影することができます。撮影倍率も1:2(0.5倍)とハーフマクロレンズとしても使えます。先ほど高倍率ズームレンズはレンズ2本分が1本にと言いましたが、このレンズはマクロレンズの代わりにもなり、レンズ3本分を1本でカバーすることができますね。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F6.3 SS1/50秒 ISO6400 焦点距離18mm
最短撮影距離は15cm。レンズ先端ギリギリまで寄って撮影することができる
このレンズを持って東北まで紅葉撮影に
実際の使い勝手や携行性を検証するにはテスト撮影だけでは難しいと思い、実際に1週間ほど東北に撮影に出てみました。私の住む奈良県から青森までは約1000kmの道のりですが、今回は行き帰りの途中の撮影も楽しみました。
行く途中に富士山に立ち寄りました。河口湖より積雪のあった富士山頂を撮影。300mmの超望遠で一部分を切り取って撮影すると、見慣れた富士山がまるでヒマラヤの山々のような荒々しい姿に写りました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F11 SS1/85秒 ISO160 焦点距離300mm
■撮影地:川口湖畔(山梨県富士河口湖町)
日本三大瀑布でもある華厳の滝です。滝に虹がかかったので急遽望遠側にズームして撮影しました。水の流れが七色になり不思議な光景でした。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F6.3 SS1/480秒 ISO160 焦点距離300mm
■撮影地:華厳の滝(栃木県日光市)
岩手県八幡平国立公園の南東に位置する松川渓谷。初めて行きましたが、橋の上から見下ろす紅葉と渓谷のコントラストは「美しい」の一言でした。橋の上に三脚を立てての撮影だったのでこの軽量なレンズで助かりました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F16 SS1/5秒 ISO80 焦点距離56mm
■撮影地:松川渓谷(岩手県八幡平市)
八幡平は霧で覆われていました。その隙間から紅葉が見え隠れし始めた一瞬、風がやみ湖面に赤や黄色が写り込みました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F11 SS1.6秒 ISO160 焦点距離101mm
■撮影地:八幡平(岩手県八幡平市)
今回の旅の一番の目的地でもある奥入瀬渓流では、例年より遅めの紅葉に出会うことができました。レンズが軽量なので三脚を使った縦位置の撮影時でもブレなく安定しています。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F16 SS0.83秒 ISO80 焦点距離56mm
■撮影地:奥入瀬渓流(青森県十和田市)
動画でも撮影しましたので美しい紅葉の奥入瀬渓流をぜひご覧ください。
VIDEO
十和田湖畔の紅葉もほぼピークで、湖の周辺は黄色を中心とした紅葉でカラフルに彩られていました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F8 SS1/60秒 ISO160 焦点距離34mm
■撮影地:十和田湖畔(青森県十和田市)
世界自然遺産に登録されている白神山地のブナ林です。トレッキングコースになっているので歩きながら撮影しましたが、広角レンズと本レンズのみの軽装で長時間歩いても疲れがなく快適に撮影することができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F11 SS1/6秒 ISO80 焦点距離30mm
■撮影地:白神山地(青森県西目屋村)
白神山地で撮影中に突然現れた野生のサル。急な時にもレンズ交換することなく被写体に寄れるのは、高倍率レンズの一番のメリットだと思います。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F6.3 SS1/350秒 ISO1600 焦点距離300mm
■撮影地:白神山地(青森県西目屋村)
日本一の木造三連太鼓橋である鶴の舞橋です。日の出の時間に太陽を直接逆光で撮影してみましたが、ゴーストやフレアの発生はなくコーティング技術の進化に驚きました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F8 SS1/1800秒 ISO160 焦点距離69mm
■撮影地:鶴の舞橋(青森県北津軽郡鶴田町)
動く被写体には弱いと言われている高倍率ズームレンズですが、広角側から望遠側に切り替えたときに少しAFの動作のもたつきが見られるものの、一度被写体を捉えると追尾能力は高いです。(もちろんカメラの性能による部分も大きいですが)
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F8 SS1/1500秒 ISO160 焦点距離300mm
■撮影地:鶴の舞橋(青森県北津軽郡鶴田町)
鶴を望遠で撮影していると突然虹が出現しました。レンズを交換していると消えてしまうと思い、そのまま広角側で撮影することができました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F8 SS1/320秒 ISO320 焦点距離18mm
■撮影地:鶴の舞橋(青森県北津軽郡鶴田町)
帰りに立ち寄った戸隠の鏡池。晴れの予報でしたが日の出前に到着したときには雲りでした。日の出時間後にしばらく待っていると霧が晴れて山々が姿を現しました。広角18mmから望遠300mmまでの様々な画角での撮影を堪能できました。
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F11 SS1/5秒 ISO160 焦点距離18mm
■撮影地:鏡池(長野県長野市戸隠)
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F11 SS1/3秒 ISO160 焦点距離60mm
■撮影地:鏡池(長野県長野市戸隠)
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD
■撮影環境:F11 SS1/6秒 ISO160 焦点距離300mm
■撮影地:鏡池(長野県長野市戸隠)
まとめ
これまでの高倍率ズームレンズの常識を覆す描写性能を誇る18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDは、旅に持っていくのに最適な一本となりそうです。これに加えXF10-24mmF4 R OIS WRなどの広角ズームレンズが一本あれば、旅写真で撮影する被写体はほぼすべてカバーできるのではないでしょうか。すでに標準レンズと望遠レンズをお持ちの方も、このレンズがあればレンズ交換をする余裕のない動物や祭りの撮影などで活躍することと思います。
■写真家:
三田崇博
1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。
日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
この記事に使用した機材 【タムロン】18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD 富士フイルムXマウント用
商品詳細ページ 【富士フイルム】X-T4 ボディ
商品詳細ページ
【富士フイルム】XF18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR
商品詳細ページ 【富士フイルム】XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三田崇博さんによる、タムロン「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」レビュー記事です。タムロン初のXマウント用レンズ、かつ16倍もの高倍率を実現した万能ズームレンズの写りを解説します。
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KEYWORDS:
タムロン,Tamron,高倍率ズームレンズ,18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD,レビュー,風景,三田崇博
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 富士フイルム GF23mmF4 R LM WR レビュー|もう後戻りできない「More than Full Frame」の威力
BASENAME: 484505403.html
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CATEGORY: 八島和浩
DATE: 11/25/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,GF23mmF4 R LM WR,単焦点
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BODY:
はじめに
私は、GFX100に続いてGFX100Sの登場に心躍ったのを今でも鮮明に覚えています。なぜならば、1億画素の性能を最大限生かすことを前提に設計された高精度・高解像度GFレンズとの組み合わせで、私の追い求める写真が撮れると思ったからです。今回、GF23mmF4 R LM WRをGFX100Sに装着した写真と共にレビューさせて頂きます。
GFX100Sの登場が2021年2月25日(木)になりますので、この組み合わせで私の撮影フィールド青森県の紅葉作例は珍しいのではないでしょうか?それでは、GF23mmF4 R LM WRの主な仕様をご覧ください。
主な仕様
型番 フジノンレンズ GF23mmF4 R LM WR レンズ構成 12群15枚
(非球面レンズ:2枚、スーパーEDレンズ:1枚、EDレンズ:3枚) 焦点距離 f=23mm (35mm判換算:18mm相当) 画角 99.9° 最大口径比(開放絞り) F4 最小絞り F32 絞り形式 羽根枚数:9枚(円形絞り)
ステップ段差:1/3ステップ(全19段) 撮影距離範囲 38cm - ∞ 最大撮影倍率 0.09倍 外形寸法:最大径×長さ(約)
ø89.8mm x 103.0mm 質量(約) 845g フィルターサイズ ø82mm
外形寸法:先端よりマウント基準面まで
質量:レンズキャップ・フード含まず
特性を理解して超広角レンズを使いこなす
超広角レンズは扱い方が非常に難しいレンズです。ただし、うまく使いこなし理想の写真が撮影できた時は、その体験をした者にしか分からない万感の思いが到来します。具体的には、超広角レンズは人間の視野角以上の写真が撮影できますので、「異次元の視点で捉えた写真」が撮れます。その反面、撮影する被写体をどう表現するかイメージをして撮影しなければ満足な結果は得られません。私は超広角レンズを使いこなすポイントとして、以下2点を心がけて撮影しています。
1.引きで撮影の場合:「主役のスケール感が分かるように比較対象物を入れる」
2.寄りで撮影の場合:「主役を大胆に入れ込み異次元の視点で構図を考える」
冒頭1枚目の作例をご覧ください。紅葉のピークを迎えた十和田湖に夜明け前からカナディアンカヌーに乗り込み、普段徒歩では踏み入れることが出来ない湖上から手持ちで撮影しています。GF23mmF4 R LM WRは、フルサイズ換算で18mm相当の画角で手ブレ補正機能がない単焦点レンズになりますが、GFX100Sにボディ内手ブレ補正機能が搭載されたことでこのような条件でも安心して撮影できるようになりました。
湖面に向かって真っ赤に染まった紅葉が突出している光景を、画角99.9°のGF23mmF4 R LM WRの特徴を最大限に引き出すために1の考え方で撮影をしています。1の考え方でカナディアンカヌーを構図の中に入れ込むことで、この光景のスケール感が伝わってくると思います。階調が豊かでヌケの良い空気感のある仕上がりとなっています。ズームレンズとは異なり単焦点ならではの解像力です。画角99.9度ながら歪曲を極限まで抑制したという通り、倍率色収差がしっかり抑制され画面全域での高解像を実現しています。
撮影最短距離38cm、異次元の視点を手に入れる!
次に先に述べた2の撮影方法で撮影した作例をご紹介します。GF23mmF4 R LMWRは、最短撮影距離38cmと被写体に寄れるレンズです。主役を大胆に構図の中に入れ込むことができます。作例をご覧下さい。青森八甲田のブナ林に幹の形状が1回転して空に向かって伸びているブナがあります。この形状を最大限表現するために、主役である樹が1回転している部分を大胆に入れ込み異次元の視点で構図を考えて撮影しました。この時の私は、人間の視点ではなく自分が小動物になった視点でこのブナを見上げているイメージで撮影しました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR
■撮影環境:23mm | F22 | 1/6 sec. | ISO100
いかがでしょうか?主役を大胆に構図に入れ込むことで、ブナの生命力が伝わってくると思います。GF23mmF4 R LM WRは最短撮影距離38cmと被写体に寄れるだけではなく、GFX100Sとの組合わせによって得られるこの解像力が最大の魅力です。ブナの葉が雨を集めて漏斗のように枝から幹へ筋状に雨水が垂れて来ます。これを樹幹流(じゅかんりゅう)と呼びます。作例は、その樹幹流をしっかりと捉えて実物を目の前で見ているかのように解像しています。まさに空気感が伝わってきます。後述しますが、ナノGIコーティングによる万全の対策の恩恵があるからだと実感できます。
レンズの逆光耐性とラージフォーマットの恩恵
私のように風景撮影がメインになる方は、超広角レンズで撮影を行う場合に逆光のシチュエーションが多くなると思います。逆光撮影時には、「ゴースト」「フリンジ」「フレア」に気を付けなければいけません。作例をご覧ください。作例を見る限りこれらの現象は皆無です。これはナノGIコーティングによる万全な対策を施しているからこその納得の結果です。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR
■撮影環境:23mm | F13 | 1/240 sec. | ISO100
これだけではありません。作例中央下部の人物2名に注目です。拡大したものがこちらです。撮影時は、「白つぶれ」「黒つぶれ」にならないようにヒストグラムを確認しながら撮影をします。
太陽をまともに入れての逆光撮影ですので、暗部は真っ黒に潰れているようになります。暗部を持ち上げてPCで拡大した時に思わず笑ってしまうくらい驚きました。カラーノイズが殆ど感じられず、人物2名の服装まで分かるくらい情報がしっかりと残っています。ナノGIコーティングによる万全な逆光耐性をはじめとした光学技術を駆使した高精度・高解像度GFレンズの性能。そして、GFX100Sのラージフォーマットの恩恵であるダイナミックレンジが広いことで明暗差に強いことがこれらの恩恵を生み出していると実感できます。まさに「More than FullFrame」たる所以ここにありです。
実際に体験して分かる防塵防滴性能
前回のレビュー記事 でも同じことを書きましたが、この話をする前に私の撮影フィールドである青森県について紹介したいと思います。私は、2016年に仕事で訪れるようになった青森の風景に魅了され写真を撮るようになりました。今もそうですが埼玉県在住なのに青森県以外の撮影地では、全然スイッチが入らず青森県でしか風景を撮影していません。青森県には「奥入瀬渓流」「十和田湖」など美しい景勝地がありますが、なぜかと問われれば「自然環境の厳しさ」と答えると思います。
太平洋と日本海に囲まれ強風の日が多く、一年の半分を雪で覆われます。特に冬期の八甲田山での撮影においては、-10~15°Cで且つ暴風雪という天候続きで快晴と言う日が殆どありません。今回の撮影期間中にも悪天候の日が続きました。雨・風が強くしっかりとした防塵防滴性能がなければ撮影を断念しなければならない状況でした。この様な状況下でも普段通りに問題なく撮影することができました。防塵防滴性能に助けられるシチュエーションは、必ずしも悪天候の時だけではありません。私は、よく水面ギリギリの際どいところで撮影します。そのようなシチュエーションで撮影した作例を2枚ご紹介します。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR
■撮影環境:23mm | F6.4 | 1/6 sec. | ISO800
初秋の奥入瀬渓流になりますが、水面ギリギリのところで撮影する場合は視点が低くなりますので、渓流と森をバランス良く構図に入れるために超広角レンズGF23mmF4 R LM WRが必須アイテムになります。渓流の流れは一定のリズムで流れてはくれませんので、水しぶきや水がレンズに丸かぶりしてしまうこともあります。そのような状況でもしっかりとした防塵防滴性能を備えているので、安心して撮影に集中することができます。
次にさらに防塵防滴性能が必要とされる滝を撮影した作例になります。滝の迫力を切り撮るために滝壺の近くで且つ、ローアングルでの撮影になります。水の流れがさらに激しく不規則になるため、この作例撮影した後にレンズに水が丸かぶりしてしまいました。しかし、防塵防滴性能がしっかりとしているので全く問題なく撮影を続けることができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR
■撮影環境:23mm | F4 | 1/6 sec. | ISO200
GFX100Sとの相性の良さでさらなる高みへ
ここまでGF23mmF4 R LM WRのレンズ特性に焦点を当ててレビューしてきましたが、カメラとの相性の良さにも触れてレビューしていきたいと思います。富士フイルムのカメラは、長年フィルムメーカーとして培ってきた色の再現性に定評があります。私もこの色の再現性に魅力を感じています。
この色の美しさを表現するために様々な機能があります。富士フイルムと言えば、表現の意図に合わせた色調表現や階調表現を、フィルムを選ぶ感覚で設定することができる「フィルムシミュレーション」が有名だと思います。この他の機能として「カラークロームエフェクト」を活用した作例をご紹介していきます。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR
■撮影環境:23mm | F8 | 1/250 sec. | ISO100
「カラークロームエフェクト」は、GFX50Sで初めて搭載された機能になります。高彩度な被写体を撮影する時に効果が絶大で、陰影がつきにくくベタッと塗りつぶしたような色飽和状態で描写される現象を軽減してくれます。赤・黄色系統に作用して色飽和を防ぐことでより立体的に表現することができます。効果は「弱(WEAK)」「強(STRONG)」の2段階で設定ができ、私は、「弱(WEAK)」に設定して撮影をすることが多いです。
今回、GF23mmF4 R LM WRのレビューで「カラークロームエフェクト」機能を紹介する明確な理由があります。作例のように超広角レンズを用いて引きの構図、そして朝焼けの陽光を浴びた紅葉を撮影する場合に色飽和を起こしやすくなります。そこで、前述した「カラークロームエフェクト」機能を使うことでより自然に立体的な紅葉の森を表現することとしました。いかがでしょうか?1億画素を超えるGFX100S 、高い解像力を誇るGF23mmF4 R LM WR、そして「カラークロームエフェクト」の掛け合わせによって、赤・黄色に染まった木々がより自然に階調豊かに水面に映り込む紅葉までも立体的に表現することができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100s + GF23mmF4 R LM WR
■撮影環境:23mm | F8 | 1/250 sec. | ISO100
次に「カラークロームエフェクト」の青色版である「カラークロームブルー」機能を用いた作例をご紹介します。「X-Pro3」の登場の際に発表された機能で、青空を撮影する際に非常に効果的です。こちらもGF23mmF4 R LM WRのレビューでこの機能を紹介する明確な理由があります。
普段であればPLフィルターを用いるところですが、今までの経験から超広角レンズでは偏光にムラが生じることがありました。そこで、この機能を利用して撮影することとしました。私は、GF23mmF4 R LM WRのような超広角レンズを用いて広大な風景をする場合に「奥行き」の表現を意識しながら撮影します。青に特化した「カラークロームブルー」は、空の青い色部分に作用して意識している「深み」と「奥行き」、自然な鮮やかさを加えることができました。ただし、この機能の効果はとても強力な印象があり、「強(STRONG)」で撮影する場合はシチュエーションを選ぶ必要があると思います。
まとめ
GF23mmF4 R LM WRは、画角99.9°と人間の視覚を超越したダイナミックな写真を私にもたらしてくれました。GFX100Sの1億画素のポテンシャルをフルに発揮するためには、レンズ性能も同様に優れていなければ自分が思い描いた理想の1枚は撮れないと改めて実感することができました。GF23mmF4 R LM WRは、現在のところ最も広角なGFレンズとなります。先日の「X Summit PRIME 2021」にて2022年に最広角ズーム20-35mmの製品開発発表があり、その登場が待ち遠しいですが、単焦点ならではの空気感を写し込む高い解像力を有しているGF23mmF4 R LM WRは今後もGFレンズ群の中で唯一無二の存在として君臨し続けることと思います。
今回の撮影に際して、リニアモーターの駆動で高速・高精度・静音のAFも魅力的で、目まぐるしく変わる自然環境の中で撮影する私にとって強い味方となってくれました。また、撮影しながら実感したことがですが四隅までしっかりと解像し且つ、しっかりと抑制されたディストーションも自然風景以外に建築物などを撮影される方々にも強い味方となってくれるはずです。GF23mmF4 R LM WRは、あなたにとって異次元の視点をもたらす最高の相棒になってくれるはずです!
※最後に自然風景を撮影する上で撮影ルールを守り、安全に撮影することを第一に考えて撮影されて下さい。今回の作例は、青森県八甲田・十和田湖周辺域を中心にご紹介させて頂きました。どの作例も無理をせずに安全に撮影できる場所を選んで撮影しています。カナディアンカヌーでの十和田湖の撮影に関しても「十和田湖ガイドハウス櫂(かい)」の早朝・十和田湖カヌーツアーに参加し、ガイドの安全なサポートのもと撮影をしています。
■写真家:
八島和浩
1979年福島県生まれ、埼玉県在住。2016年より仕事で訪れるようになった青森県の情景に魅了され独学で写真を始める。主に青森の風景を撮影している。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の八島和浩さんが富士フイルム GF23mm F4 R LM WRをレビューしています。1億画素のセンサーを持つGFX100Sに装着して風景撮影で本レンズの性能を確認していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,レンズ,GF23mm F4 R LM WR,レビュー,八島和浩
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AUTHOR:
TITLE: ソニー FE 16-35mm F2.8 GM × 動画クリエイター DAIGEN|Vlogにも最適な万能レンズ
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CATEGORY: だいげん
DATE: 11/26/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 16-35mm F2.8 GM,動画クリエイター,広角ズーム
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BODY:
はじめに
こんにちは、だいげんです。本日はソニーのFE 16-35mm F2.8 GMレンズをレビューします。このレンズは普段自身の
YouTubeチャンネル にアップするVlogや、お仕事の映像制作を撮影する際に大変使いやすい焦点距離のズームレンズです。
まずは作例をご覧ください
VIDEO
■フリースタイルバスケットボーラー:Yuji
(https://www.instagram.com/yuji_fsb/)
■撮影機材:SONY FX3 + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:F2.8 1/160秒 ISO3200
■撮影機材:SONY α7S III + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:F3.2 1/80秒 ISO2000
■撮影機材:SONY α7S III + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:F2.8 1/100秒 ISO400
16-35mmという焦点距離
16mmという焦点距離はワイドでダイナミックに撮れる画角です。35mmは普段見ている視野に近い画角です。
16-20mmぐらいは自撮りをするのにも適している焦点距離ですので、例えばVlogを撮影する際にも活用しやすいのではないかと思います。35mmにするとボケ感も出やすくなってきますので、おしゃれに見せたいMVや企業のPRムービーにも使いやすいのではないかと思います。
VIDEO
16mmと35mmの画角の違い
F2.8と比較的明るいレンズでもありますので、夜間の撮影でもノイズを載せることなく綺麗な表現ができるのも特徴の1つだと思います。
AF性能
AFはものすごく速いです。今回の作例は動きの速い被写体を撮影していましたが、フォーカスを外すことなくどのカットもスムーズに撮影することができました。
VIDEO
今回の作例で使用したボディはα7S IIIということもあり、ボディの性能に助けられている面はあると思いますが、純正レンズとの組み合わせでのフォーカス性能は安定していて安心して撮影できました。
私は二児の父でもありますので、動きの予測のつかない子供の撮影もしっかりとフォーカスが食いついてくれるのは嬉しいところだなと思います。
手ブレ補正
α7S IIIとの組み合わせで手ブレ補正もかなり効くなと感じました。
作例では普通に歩きながら撮影しますが、ガクガクした手ブレはあまり感じられません。何も気にせず歩きながら撮影して、これぐらい手ブレが抑えられるのであれば十分だなと感じました。
VIDEO
重量とブリージングが弱点
弱点としてはレンズの重さで、このFE 16-35mm F2.8 GMは約680gあります。今回の作例はFX3にこのレンズをつけて撮影したのですが、やっぱりちょっとずしっとした感じはありました。ジンバルとマンフロットの一脚を使ってのハイアングル撮影では、ある程度の腕力が必要だなと感じました。
ソニー FX3に装着した際のサイズ感
フォーカスブリージングも結構あります。フォーカスブリージングというのはフォーカスが合う位置が前後で変わると、それに合わせて画角が少し動いてしまう現象です。レンズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。
このレンズを使う際には、ブリージングが起きやすいレンズであると頭に入れながら撮影しておくといいんじゃないかなと思います。
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NDフィルター問題
動画を撮影する時に必須アイテムのひとつとしてNDフィルターがあります。NDフィルターはレンズにつけるサングラスみたいなもので、これで光量を調節します。
光量を調節できるNDフィルター
16mmの広角側で使うとどうしても四隅が暗くなっちゃいます。特にNDフィルターの暗さを濃くした場合に顕著になりますが、どうしても四隅の暗さが気になる場合にはシャッタースピードでもある程度明るさを調整してあげると良いかもしれません。
もしくは可変式のNDフィルターではなく、固定式のNDフィルターを使うという手段もあります。いずれにせよ広角というレンズの特性ゆえの工夫が必要かなと思います。
広角側で撮影すると四隅の減光が見られる
まとめ
本日はソニー FE 16-35mm F2.8 GMレンズを紹介しました。僕はこのVlogやクライアントワークにもこのレンズを使っていきたいと思います。
もう少し大きなボケが欲しい、人物を中心に撮影したいという時は前にご紹介した
FE 50mm F1.2 GMレンズ がおすすめです。この2本の組み合わせであれば大体どのようなシーンでも撮影できるのではないでしょうか。ぜひ一度カメラのキタムラ店頭などで試してみてください!
VIDEO
■動画クリエイター:
だいげん
日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像製作。北海道出身、大阪在住。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
動画クリエイターのだいげんさんによる、ソニー「FE 16-35mm F2.8 GM」レビュー記事です。Vlogにも最適な広い画角と高画質な映りを、動画作例とともにご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,広角ズームレンズ,FE 16-35mm F2.8 GM,レビュー,動画クリエイター,だいげん
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ライカ × ポートレート × 水咲奈々 Vol.1|ライカM10-R
BASENAME: 484508235.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 11/27/2021 11:00:00
TAGS: ライカ(Leica) ボディー,M10-R,ライカ × ポートレート連載,ポートレート(人物),フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
ライカの波に乗ってみよう
写真家になり色々なカメラを使ったが、実はまだライカのカメラを使ったことはなかった。しかし今年、ライカのオールドレンズの描写力に圧倒され、急激にライカブランドに興味が湧いてきた。
新宿 北村写真機店で9月に開催した写真展では、隣のフロアーがライカサロンだった。ふと周りを見回すと、デジタル・フィルム共にライカのカメラを所持している写真愛好家も多い。興味がないことには盲目になる私の目に、今ライカという文字が飛び込んできたのなら、その波に乗ってみよう。
ライカで日本人女性を撮影したポートレート作品が見たい!ので自分で撮ってみた
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO100
■モデル:大川成美
ライカが気になりだしてから、WEBでレビュー記事を検索して色々と見てみたが、モノクロのナイスミドルなおじさまのポートレートは沢山見つかるのだけど、女性のポートレートが少ない!これではポートレートを撮りたいユーザーの購入の参考にならないじゃないか!という、もっともらしい理由を掲げて、ライカM10-Rで自由にポートレート撮影をする機会をいただいたので、ご覧いただきたい。
■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100
■モデル:大川成美
モデル・大川成美という女性
■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.
■撮影環境:f/1.5 1/250秒 ISO100
■モデル:大川成美
ライカM10-Rでポートレートを撮ろうと思ったときに、モデルとして真っ先に浮かんだのが大川成美さんだった。彼女を初めて撮ったのは2018年。カメラ雑誌のレビュー記事のモデルとして、編集者に呼ばれていた。成美さんを初めて撮影したレンズも、マニュアルフォーカスのレンズだった。
ピント合わせを手動で行うマニュアルフォーカスのレンズでポートレートを撮るときは、オートフォーカスの撮影よりも、モデルと息を合わせることが重要になってくる。
ピントをシビアに追い込みたいときに動かれてしまうと撮影が進まないが、あまりにも微動だにされなくても作品のバリエーションがなくなってしまう。細かい指示をあれこれしたいような複雑なポーズのときも、自分の口を沢山動かすと当然手元も動き、ピントのズレが気になってくる。
そんなときはモデルの勘の良さが、作品の出来を左右することがある。成美さんの撮り手の意図を読む勘の良さと、それを全身で表現するセンスは、これぞ一流の表現者と感動できるレベルである。もちろん、彼女だって天才のように最初から何もかもができた訳ではなく、ガッツのある彼女がこれまで積み上げてきた成果だろう。
今回は、彼女の身体に一本通った「芯の強さ」をテーマに撮影を行った。撮影前にはここまで具体的にテーマは決まっておらず、何となくこんな感じで……くらいの、ふわっとしたイメージしかなかった。このテーマに定まったのは、ライカM10-Rで最初の1枚を撮影してからだ。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO100
■モデル:大川成美
黒に惚れる
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO100
■モデル:大川成美
ファーストカットを見た瞬間、私もこれで撮ってもらいたいと思った。肌の透明感は高く、質感は陶器のように滑らかに再現されている。そして特筆すべきは、黒色の締まりの良さ。不自然ではない、でもぐっと強く引き締められた黒色は、びっくりするほど私の好みだ。
今回の掲載作品はすべてJPEG撮って出しで、露出も、色味も、トリミングも何もしていない、現場で撮ったそのままの状態でご覧いただいている。もちろんRAWでも撮影しているのだが、できることならそのままの色味を楽しみたくて、JPEGでも撮影していたのが大当たりした。
ライカM10-RのJPEG設定の「コントラスト」、「シャープネス」、「彩度」はすべて標準のまま。ストロボやLEDライトなどは使用せず、自然光のみで撮影している。
■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100
■モデル:大川成美
■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO200
■モデル:大川成美
街中ポートレートのカメラ設定
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO200
■モデル:大川成美
街中のポートレート撮影だったため、今回はライブビューを多用して撮影を行った。レンジファンダーを覗いて小さな四角を合わせる作業は大変好物なのだが、そこに集中し過ぎてしまうと、街ゆく方々の通行の妨げになってしまうこともあるので、周囲にも意識を向けたいときは、ライブビューで撮影を行うようにしている。
フォーカスピーキングの色は、青、緑、ホワイト、offから選択できるが、デフォルトが赤だったのでそのまま使用してみた。撮影時に被写体を自動的に拡大表示する「MFアシスト」は、オートではなくマニュアルにして、必要なときだけフォーカスボタンを押すか、モニター画面をダブルタップして呼び出して使うほうが私は撮影しやすい。シャッターボタンを半押しすると拡大表示が解除されて、構図全体が確認できるのは大変ありがたかった。
撮影中にモニター画像で露出の確認ができるように、露出シミュレーションはホールドに設定。ホワイトバランスはオート、測光モードは中央重点測光を使用した。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO800
■モデル:大川成美
ある機能を見直すきっかけをくれたライカM10-R
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO800
■モデル:大川成美
今年はマニュアルレンズの年なのかというほど、今までで一番マニュアルフォーカスで撮影した年だった。この1年で様々な撮影方法を体験したが、ライカM10-Rのフォーカスピーキングの精度の高さと、液晶画面での確認のしやすさは、ピント合わせの時間が半分になるほど快適だったので、私的2021年度フォーカスピーキング王の名称をお贈りしたい。
ここだけの話、私はマニュアルフォーカスの撮影でも、フォーカスピーキング機能をオフにしてしまうことが多い。撮影している画像に、実際の像以外のモノが表示されるのが嫌いなのだ。
だがしかし、自分が今まで撮影したことのないカメラの波に乗ってみようとしているのだ、ここは今まで敬遠していた機能も使ってみるべきではないか。結果、液晶に直射日光が当たるような見にくいシーンでも、ピント合わせが容易に行えて便利だった。以降、ライカM10-Rではこの機能を使用していこうと深く思った。
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100
■モデル:大川成美
今回出会ったレンズたち
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO200
■モデル:大川成美
今回、ライカM10-Rには「アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.」と「ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.」の2本のレンズを組み合わせて撮影した。
ライカM10-Rと「アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.」のコンビネーションは鉄板で、実際に所持したらこのセットでしか撮らないのではないかと思うくらいだった。シャープで鋭い切れ味のピントとボケの滑らかな美しさはもちろん、ボディとバランスの良いサイズとデザインに惚れ惚れした。
「ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.」は重量があるので、ライカM10-Rのストレートなボディと組み合わせると長時間の撮影は少々手に疲れを感じるが、撮影後に大きなモニター画面で写真を確認すると「ああ、もっと撮ればよかった」と思ってしまうほど、私好みの湿度の高い空気感を写し込んでくれていた。
絞り開放での描写はもちろん美しいのだが、少し絞って丸ボケに表情をつけると、今回のテーマに合った強いムードが出せて面白かった。
■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO200
■モデル:大川成美
ライカM10-Rと私
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2.4 1/90秒 ISO100
■モデル:大川成美
撮影の最後に、シャッタースピードを遅くして、わざとブラした写真が撮りたくなった。優等生じゃない写真が撮りたくなった。ふと、カメラに撮らされているんじゃないかと感じた。だとしても、新しい何かに出会えるなら、それもいいかも知れない。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
ライカM10-Rはこちらの記事でもご紹介しています
■ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.5|ライカ M10-R+ズミクロン M f2.0/50mm(山本まりこさん執筆)
https://shasha.kitamura.jp/article/480546122.html
■ライカ M10-Rレビュー|コムロミホ
https://shasha.kitamura.jp/article/478831121.html
この記事に使用した機材
【ライカ】ズミルックス M f1.5/90mm ASPH.
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがライカを使ってポートレート撮影を行い、その魅力を紹介する連載企画です。Vol.1ではM10-Rを使って撮影を行いました。
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KEYWORDS:
ライカ,Leica,M10-R,ポートレート
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AUTHOR:
TITLE: 冬の星景写真には必須!!ソフトフィルター活用術
BASENAME: 484502398.html
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CATEGORY: 成澤広幸
DATE: 11/28/2021 11:00:00
TAGS: ケンコー・トキナー(KenkoTokina) アクセサリー,ソフトフィルター,レンズフィルター,星景/夜空/星空/天体
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BODY:
冬だ!星空が美しいシーズンのスタートだ!
「冬は星空がきれい」と言われるのはなぜでしょう?星空の撮影に大きく影響を及ぼすのは、空気中の水分・水蒸気です。これが空を霞ませ、星空の写真写りを悪くしてしまいます。冬は乾燥し空気中の水蒸気が少なくなるため、空が霞まずに透明度があがります。冬は星空がきれいということの理由がこれです。地球と星の間にある空気のカーテンがクリアになって、写真写りが良くなるんですね。
今回はそんな冬の星空という被写体について、そして特に冬の星景写真の撮影において効果を発揮するソフトフィルターの活用術についてご紹介します。
冬の星景写真の悩み
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:ISO3200 f2.2 SS15秒 WB:蛍光灯
画像処理なし
さて、空気が美しい冬の期間ですが、冬の天の川は夏とは違い濃淡が少なく、少々ダイナミックさに欠けることが悩みです。冬の天の川は光の弱い星(微光星)の集まり。知識を持たずに夏の天の川のイメージを持ったまま冬の星空を撮影にいくと……あれ?なんかイメージと違う?となります。
天の川は常に同じではなく、春夏秋冬で撮影できる領域が変わってくるんですね。また、近年発売されているレンズはとても高性能・高画素のため、星が小さく写りちょっとシャープすぎる感があって星座の形がわかりづらい。そんな冬の星空撮影で活用できるのが、実は「ソフトフィルター」なんです。
星景写真でソフトフィルターを使うメリット・デメリット
冬の星空の特徴は、1等星と呼ばれる明るい星が多いということ。そして、青や黄色など星の色が複数存在することです。また、すばるやオリオン大星雲など、大きな星雲・星団があるのも特徴です。下の画像を見てみましょう。Kenkoのソフトフィルター「PRO1D プロソフトンA(W)」の使用あり・なしの作例です。星が大きく滲んでいるのがわかります。それによって「星座感」が出て、オリオン座などの形がわかりやすくなっていますね。これがソフトフィルターの効果です。
■撮影機材:FUJIFILM X-T2 + XF16mmF1.4 R WR
■フィルター:Kenko PRO1D プロソフトンA
■撮影環境:ISO8000,f2.2,SS20秒
Adobe Photoshop CCで画像処理
明るい星ほど、レンズの焦点距離が長いほど、星が大きく滲みます。そしてソフトフィルターを使うと星の色も強調されています。色は、光があって初めて感じることができます。ただでさえ自然光の少ない星景写真の撮影では、写真をカラフルに見せるのがとても難しいのです。星の色が出ているかどうかは、色の演出においてとても重要な要素であると言えるでしょう。夏と比べると天の川が地味な冬ですが、その代わりに明るい1等星が多いため、冬の星空はソフトフィルターとの相性が抜群なのです。
反面、ソフトフィルター使用時のデメリットもあります。下の画像を見てみましょう。Kenko PRO1D プロソフトンA(W)を使用しています。星は大きく滲んだものの、明るい夜景の光も大きく滲んでちょっとうるさい感じになってしまいました。また、富士山の稜線もソフトがかってぼやけてしまっています。星にはソフトフィルターが効果的ですが、こうした明るい夜景や街灯には不向きであり、風景部分のシャープさを保てなくなってしまうことがわかります。
■撮影機材:FUJIFILM X-T2 + XF16mmF1.4 R WR
■撮影環境:ISO3200 f2.5 SS20秒
Adobe Photoshop Lightroom Classicで画像処理
富士山部分を拡大。稜線のシャープさに違いが出ている
夜景部分を拡大。光が大きく滲んでいることが分かる
そして、周辺の星が四隅に引っ張られるように描写されてしまいますね。これはレンズの収差性能をもろに受けてしまうためです。傾向として広角になればなるほど、レンズの前玉が小さく湾曲した設計のものほどこのような写りになります(このようなレンズは建物などをまっすぐ撮るような、昼間の風景写真向けの設計です。星空撮影には向かないというだけで、レンズの良し悪しではないことに注意)。
そのため、このような歪みが気になる場合は、広角すぎない焦点距離24mm前後で前玉の大きなレンズを選ぶと良いでしょう。このあたりは個人差ですが、私の場合は多少周辺が歪むのは気にしていません(もちろん程度によります)。それよりも星空をきらびやかに描写することの方にメリットを感じており、超広角レンズ使用時には周辺に明るい星を入れないように配慮する、などの対処をしております。
■撮影機材:SONY α7S II + TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD
■フィルター:Kenko プロソフトンクリア
■撮影環境:ISO8000 f2.8 SS20秒
Adobe Photoshop CCで画像処理
上の画像は超広角レンズを使用したソフトフィルター作例です。左上の明るい星「アルクトゥルス」の形が歪んでいますが、ソフトフィルターなしでは右上の「北斗七星」の星座感が出せません。なるべく構図の最周辺からアルクトゥルスが離れるようにして、歪みを最小限に抑えました。それでも左上に向かって楕円になっていますが、この構図では他の描写を優先した妥協点と言えるでしょう。
星景向けソフトフィルターに求めること、Kenkoソフトフィルターが定番の理由
星景写真にソフトフィルターを使用した表現が効果的であることはご理解いただけましたでしょうか。しかしながら、ソフトフィルターならなんでもよいかというそうではありません。ソフトフィルターのぼかし効果にも様々なものがあります。
星の周りに不思議なゴーストが発生したり、星がおにぎりの形になったり、星が不鮮明にぼけたりといった現象が発生するものもあります。星をきれいな円で表現できる、という描写で人気があったのがKenkoのソフトフィルターなのです。Kenko製ソフトフィルターは星景写真の写真表現を広げる最も優れたものとして、長らくユーザーから愛されてきたのでした。
「浅間山に沈むオリオン座」
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + Tokina atx-m 33mm F1.4
■フィルター:Kenko ハーフプロソフトンA 100x125mm
■撮影環境:ISO8000 f2 SS5.6秒
Adobe Photoshop CCで画像処理
私がソフトフィルター使用時に好きな構図が、標準レンズ程度の画角で低い位置の星座と風景を収めること。焦点距離が長くなると速いシャッタースピードで撮影することができ、周辺部の星の形が歪むことも少ないです。圧縮効果で星座を大きく見せることができるのも撮影していて楽しいポイント。個人的にはハーフプロソフトンAはこんな撮影のときに最も効力を発揮する気がしています。この作例のように浅間山はシャープに、でも星しっかりとにじんで、きらびやかな星座感を演出することができています。
Kenkoから発売されているソフトフィルターいろいろ
さて、Kenko製ソフトフィルターが星景写真の撮影においてベストチョイスであることは前述の通りですが、実はKenkoからはいくつかソフトフィルターが発売されています。
①PRO1D プロソフトンA(W)
薄枠タイプの丸型ソフトフィルターで広角レンズ使用時のケラレが少ない。元々はポートレート用のフィルターでしたが、たまたま星景写真で使用すると星の形がきれいな円になり、にじみが美しいことが注目され、星景写真のスタンダードとして使用されてきました。ポートレート用だけあってにじみはやや強め。星空の演出を大きく見せたい時におすすめ。風景部分がシルエットに近い状態などが特に適している構図になると思います。
②PRO1D プロソフトンクリア(W)
ポートレート用で開発されたものを星景写真に流用するというのが定番だったのに対し、星景写真専用に開発されたのがこの丸型フィルター。従来のプロソフトンAではにじみが強く、風景部分の描写への影響が大きいというユーザーの意見を反映し、星もほどよくにじませつつ、風景部分に影響が少ないちょうどよいソフト効果(プロソフトンAの約半分)を実現しました。星景写真の新しいスタンダードソフトとして定着しつつあります。
③ブラックミストNo.1/No.05
こちらは映画のようなミスト感を出すことを目的として開発されたフィルター。私も動画撮影時には愛用しています。逆光撮影時に効果が出やすいという特徴があり、独特のフレア感を求めて使用することが多いです。他のフィルターとは違って、No.1がもっとも効果が強く、No.05が効果が弱い。私は動画撮影時にはNo.05を使用しています。
④ハーフプロソフトン(A) 100x125mm、130x170mm
こちらは他の3種とは違い、丸型フィルターではなく角型フィルターです。使用には専用のホルダー+アダプターリングが必要となります。角型フィルターは構図内の特定の部分に効果が得られるように角度を変えたり、上下に動かすことができるようになっています。これを使用することにより、星空の部分だけにソフト効果をかけ、風景部分はシャープなまま撮影をすることができます。
角型フィルターの装着方法について
今回、専用ホルダーはCokin製のものを使用しました。角型フィルターの装着方法は以下の動画のようになります。
VIDEO
Cokin製の専用ホルダーはサイズごとに3種類発売されていますが、星景写真で使用するなら100mm幅角型タイプ・130mm幅角型タイプがおすすめ。通常のレンズであれば100mm幅、大口径・超広角レンズなら130mm幅がおすすめです。大口径・超広角レンズになるとホルダーが映り込んでケラレが発生しやすくなるため、角型フィルターも幅の広いものを使用することが必要になります。また、ホルダーにも2種類あります。
①Cokin フィルターホルダー
樹脂製で軽量。角型フィルターのみを使用する設計になっています。100mm幅角型フィルターにはZ-PROフィルターホルダー [BZ100]、130mm幅角型フィルターにはX-PRO フィルターホルダー [B100A]が適合します。
②Cokin EVO フィルターホルダー
高強度のアルミ製フィルターホルダー。付属の丸形フィルタープレートを装着することで、丸型フィルターも使用できるようになります。角型フィルターとC-PLフィルターなどを使用したい場合に効果的。100mm幅角型フィルターにはEVOフィルターホルダーL[BZE01]、130mm幅角型フィルターにはEVOフィルターホルダーXL[BXE01]が適合します。
また、フィルターネジのない出目金レンズのタイプには、ユニバーサルリング[X499N]を使用することで角型フィルターを装着することができます。
ソフトフィルター別に撮り比べてみました!
まずは円形フィルター3種を試してみます。それぞれ星がにじんでいますが、この時点でブラックミストは星景写真には不向きと言えそうです。輪郭を残しつつふわっとさせるというか、同じソフトフィルターでもだいぶ効果が違うものですね。ブラックミストは動画撮影などで人気のある素晴らしいフィルターで(実は私も愛用しています)、ユーザーから星で使えますか?という質問が多かったのですが、今回の結果を見ると星景写真ならプロソフトンAやプロソフトンクリアを選んだ方が良さそうです。
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF32-64mmF4 R LM WR
■撮影環境:ISO12800 f4 SS15秒 AWB
星空の写りを拡大比較
今度は風景部分のソフト感も検証したいと思います。富士山とオリオン座の構図を狙ってみました。フィルターなしだとやはり星座感がなく主題が曖昧な感じになりますね。それではソフトフィルター使用時の比較をしてみましょう。今回はハーフプロソフトンも使用してみました。
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + Tokina atx-m 33mm F1.4
■撮影環境:ISO6400 f1.4 SS4秒
画像処理なし
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + Tokina atx-m 33mm F1.4
■撮影環境:ISO6400 f1.4 SS4秒
画像処理なし
上の4枚を拡大比較
このような構図だと、星のにじみ加減よりも風景部分(富士山)の描写が気になりますね。プロソフトンAは風景部分の描写がかなり甘くなります。プロソフトンクリアだとそれが弱まります。ハーフプロソフトンはさすが風景部分はきっちりとシャープに撮影できていますね。プロソフトンAだと富士山がにじみすぎ、プロソフトンクリアだとまだ妥協できる、という感じでしょうか。
星座写真でもソフトフィルターは使える
星空のみを写す、星座を写すという場合にもソフトフィルターは有効です。このような場合は「プロソフトンクリア」がおすすめ。プロソフトンAだと、明るい星よりも細かい星・微光星の描写にもにじみが及ぶのが気になってしまいます。星座を演出する明るい星だけをにじませ、背景の天の川などの微光星はそのままにしておきたい、というのが理想です。
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + Tokina atx-m 56mm F1.4
■撮影環境:ISO3200 f4 SS30秒 AWB
Kenko スカイメモSで追尾撮影
画像処理なし
光害カットフィルターとの併用もOK
PRO1Dタイプのフィルターは薄枠タイプのため、フィルターの重ねがけにも対応しています。星景写真では人気のある光害カットフィルター「スターリーナイト」などとソフトフィルターを併用することも可能です。
■撮影機材:SONY α7S II + TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD
■フィルター:Kenko プロソフトンクリア+スターリーナイトなし/あり
■撮影環境:ISO6400 f2.8 SS20秒 AWB
まとめ
いかがでしたでしょうか。フィルターワークは星景写真の世界でも欠かせないものになっています。こうした機材を活用し、常に写真表現に幅を持たせるようにしましょう。いざというときに何をどう表現したいのか、その選択肢を広げる機材のひとつが、フィルターだと思っています。
プロソフトンクリアについては、私のYouTubeチャンネルでも紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
VIDEO
■写真家:
成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
星空写真家の成澤広幸さんに、星景撮影時のソフトフィルター活用術を解説していただきました。各種フィルターの写りの違いも検証、ソフトフィルター選びの参考にしてみてください。
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KEYWORDS:
ケンコー・トキナー,ソフトフィルター,撮影テクニック,星景,星空撮影,成澤広幸
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AUTHOR:
TITLE: オリンパス PEN E-P7|プロファイルコントロールで描く旅と日々
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CATEGORY: クキモトノリコ
DATE: 11/29/2021 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) ボディー,PEN E-P7,マイクロフォーサーズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
2021年6月に発売されたOLYMPUS PEN E-P7は、これまでのOLYMPUS PENシリーズのデザインを踏襲しつつ、操作性の良さを極力損なわず、機能面は充実していて、それでいて小型軽量と、”いいとこ取り”のようなカメラではないでしょうか。中でも以前のPEN-Fに搭載された「プロファイルコントロール」機能が、PEN-Fよりもさらに充実して搭載されたことが大きな特徴のひとつだと感じます。
今回、このE-P7を連れて訪れた金沢、そして地元・神戸での写真を交えてこのプロファイルコントロールがどのようなもので、どんな写真が撮れるのかをご紹介します。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/200秒, +1.7EV, ISO 200, モノクロプロファイル3(粒状フィルム効果 中)
たまたま同じ日程で金沢を訪れていた知人と合流、娘さんの洋服の黒と白、そして頭上の空の黒さと壁の白さが印象的な一枚になりました
プロファイルコントロールについて
そもそも、プロファイルコントロールって何?そう思われる方も多いのではないでしょうか。カメラがフィルムからデジタルになり、さらにデジタルカメラもどんどん進化して、今や誰でも簡単に高画質でいわゆる「きれいな写真」を撮ることができる時代になりました。
一方で、昔も今も「表現」として1枚の写真の細部にこだわり、作り込んで「自分の作品」として仕上げる方も多くいます。そのためにはまず撮影時に、必要であれば特殊なフィルターを使って撮影し、フィルム写真であれば暗室での現像・印画紙への焼き付けで様々な技術を駆使したり、プリントを請け負うお店に指示を出して思い描く1枚に仕上げます。一方でデジタルカメラになっても、カメラ上でできることには限りがありPCソフトなどでやはりさまざまな機能や技術を駆使して仕上げることが必要でした。それが、あとで暗室やPC上で行う作業を撮影時に直感的にカメラ上でできてしまう……!そんな画期的な機能がこのプロファイルコントロールなのです。
モノトーン撮影とカラー撮影のそれぞれにプロファイルコントロールが用意されているのですが、まずはそのどちらにも共通する機能からご紹介します。
設定について
まず、この機能は色の仕上がり設定部分に当たるため、撮影モードはP/A/S/Mのいずれのモードでも使用が可能です。通常の仕上がり設定(ピクチャーモード)と違う点は、カメラ本体のフロント側、右手のグリップとレンズの間にある「プロファイルコントロールスイッチ」で切り替えること。PEN-Fではカラープロファイルとモノクロプロファイルでスイッチを切り替える仕様になっていましたが、E-P7はカラーとモノクロをまとめて「プロファイルコントロールを使うか否か」の二択になり、操作がシンプルになりました。
プロファイルコントロール画面の中にモノクロプロファイルから始まり、同列でカラープロファイルの選択肢が並んでいます。尚、撮影中の設定変更はカメラ上部にある「ショートカットボタン」でいつでも設定画面を呼び出すことができるとともに、OKボタンで呼び出すスーパーコントロールパネルからの設定変更も可能です。
最初に、モノクロプロファイルとカラープロファイルのどちらにも共通の設定からご紹介します。(メニュー画面の表記が見やすいよう黒背景でキャプチャしております)
右手で簡単に切り替えできるプロファイルコントロールスイッチ
カメラ上部にあるショートカットボタン
モノクロプロファイルコントロール カラープロファイルコントロール
シェーディング効果
写真の四隅を暗く落としたり、反対に白くぼかしたりするシェーディング効果。写真を見る人の視線を真ん中に誘導し、被写体を強調する効果があります。もともとはアートフィルターの効果の追加で登場したものの特定のアートフィルターでしか使えませんでしたが、PEN-Fのプロファイルコントロールでこの機能が搭載され、E-P7にも引き継がれています。アートフィルターを使わない写真でもこの効果を足せるようになったこと、そして効果の強弱を黒白それぞれ5段階で調整できる点がとても使いやすいですね。尚、あれこれ変更した設定は、OKボタンの長押しであっという間に規定値に戻してくれます。(後述の設定もすべて同様です)
金沢の「にし茶屋街」で、マトリョーシカに似たお人形さんが外の通りに向かって手を振っていました。いつもは周辺減光に使うことの多いシェーディング効果ですが、ここでは白くぼかしてこのお人形さんをまあるく囲むことでなんだか額縁に入っているようにも見えます。
■モノクロ:モノクロプロファイル4
左からシェーディング効果 -5 / -2 / 0 / +2 / +5
■カラー:カラープロファイル4
左からシェーディング効果 -5 / -2 / 0 / +2 / +5 ■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F9.0, 1/13秒, +0.3EV, ISO LOW(100), WB 晴天
ハイライト&シャドウコントロール
今やPEN / OM-Dのいずれの機種にも搭載されているハイライト&シャドウコントロール。一般的には撮影後に画像処理ソフトを使って行うことが多いと思われるトーンカーブの調整が、カメラ上で、しかも撮影時にできてしまうというこの機能。全機種共通の「スーパーコントロールパネル」からの設定が可能な他、このプロファイルコントロール機能からも簡単にアクセスできます。
ハイライト部分を明るく、シャドウ部分は暗くするS字カーブに整えてコントラストを強くしたり、その逆でコントラストを低くしたりできる他、中間調を整えるミッドトーンの調整も行うことができ、さらにハイライトやシャドウにミッドトーンの調整を組み合わせることも可能です。
下記作例のハイライト&シャドウコントロールの設定
金沢の「ひがし茶屋街」で見つけたレトロな看板。コントラストを変えることで、看板や建物の存在感や印象が変わることがわかります。
■モノクロ:モノクロプロファイル1
ハイライト0 シャドウ0 ミッドトーン0 ハイライト+7 シャドウ-7 ハイライト-7 シャドウ+7 ミッドトーン+7 ミッドトーン-7 ハイライト+7 シャドウ-7 ミッドトーン+7
■カラー:カラープロファイル1
ハイライト0 シャドウ0 ミッドトーン0 ハイライト+7 シャドウ-7 ハイライト-7 シャドウ+7 ミッドトーン+7 ミッドトーン-7 ハイライト+7 シャドウ-7 ミッドトーン
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/100秒, -0.7EV, ISO 800, WB 晴天日陰
モノクロプロファイルコントロール
カラーフィルター効果
フロントダイヤルでフィルターの色を選択することでそれぞれのフィルター効果を得ることができ、さらにリアダイヤルでフィルター効果の強弱を3段階から選択することができます。これにより、選択したフィルターと同系色の被写体は明るく、補色にあたる被写体は暗く写り、特定の色の明暗を強調することができます。
モノクロ撮影時にレンズの先端に装着するカラーフィルターが内蔵されたイメージで、フィルターを何枚も持ち歩かなくて済むのは非常に有難いですね。尚、フィルター効果は通常のモノクロ設定であるピクチャーモードの「モノトーン」でも、OKボタンを押して呼び出す「スーパーコントロール」で「なし / 黄色 / オレンジ / 赤 / 緑」を選択することが可能です。(ただし効果の調整はできません)
カラーフィルターなし カラーフィルター赤 Level+2
神戸の「南京町」で見つけた看板の一部。中華街なだけあって赤が印象的ですが、赤のフィルターを選ぶことで赤が白っぽくなり、反対色にあたる青やシアンのフィルターでは黒くなることがよくわかります。
ナチュラル カラーフィルターなし 黄色+3 オレンジ+3 赤+3 マゼンタ+3 青+3 シアン+3 緑+3 黄緑+3
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F4.0, 1/100秒, -0.7EV, ISO 400, WB 曇天, モノクロプロファイル1
金沢の冬の風物詩ともいえる兼六園の「雪吊り」が設置されていました。この日はちょっと不安定なお天気で、通り雨のあとすぐに晴れ間が戻ったところで撮影。赤のフィルターを濃くしていくことで、青空がどんどん暗くなる一方で、画面左端で紅葉した木が白っぽくなっていくのがわかります。
ナチュラル フィルター赤Off 赤 Level+1 赤 Level+2 赤 Level+3
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/200秒, +0.7EV, ISO 400, WB 晴天, モノクロプロファイル1
粒状フィルム効果
モノクロの銀塩フィルムのようにザラッとした粒状感を加えるこの機能。OKボタンを押して呼び出す「スーパーコントロール」で「OFF」「LOW(低)」「MED(中)」「HIGH(強)」から簡単に設定できます。ただし撮影後に画像処理で足されるため、設定時(撮影時)にライブビューモニターには反映されないのでご注意を。再生画面で仕上がりをチェックしましょう。
床の素材の組み合わせと影によるラインの入り方が面白いと思って撮影した1枚ですが、滑らかな仕上がりだと無機質に感じられる一方で、粒状感によりどこかあたたかみが感じられる気がします。
ナチュラル モノクロプロファイル1(粒状フィルム効果なし)
粒状フィルム効果 弱 粒状フィルム効果 中 粒状フィルム効果 強
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/800秒, -0.3EV, ISO 200, WB オート
調色
ピクチャーモードから選ぶシンプルなモノクロ「モノトーン」でも設定できる「調色」。多くの方がイメージしやすいと思われる「セピア」を筆頭に「青」「紫」「緑」を加えた4つのバリエーションがありますが、モノクロプロファイルコントロールでも同様に設定することが可能です。
金沢散策中に見つけた古いおうちは既に空き家になっているようで、その佇まいと時の経過を伝えるにはセピアや紫を選ぶのも良さそうです。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F5.6, 1/320秒, -0.3EV, ISO 500, WB 晴天, モノクロプロファイル2
3つのプリセット
と、ここまで細かな設定の説明をしましたが、「そうは言っても、こんな細かな設定を使いこなす自信はないよ……」と思われる方も多いのではないでしょうか (笑) 。でも大丈夫です。個性的なモノクロフィルムになぞらえたプリセットが用意されているので、まずはイメージに一番近いものを選ぶことからスタートできます。その上でそこからさらにそれぞれの設定値を変えてイメージに合わせて作り込んでいくことができ、さらにしばらく同じ設定で撮影したい場合にはその設定を保存しておくことも可能です。尚、今回のE-P7ではPEN-Fのときの2つのプリセットに加えて3つ目のプリセットが追加され、自分の表現により素早く近付けるようになったと感じられます。
・モノクロプロファイル1:標準(モノトーン)
それぞれの設定値が0で、彩度を落として色を抜いたシンプルなモノトーン。
・モノクロプロファイル2:クラシックフィルム モノクロ
コントラストが高めで粒状感の強い、コダックのトライXといったトラディショナルなフィルムのイメージに近い。
・モノクロプロファイル3:クラシックフィルム IR
赤のカラーフィルター効果が強く設定されており、赤外線フィルムのような効果を得られる。フィルターと同じ赤色は白く抜け、また青空が黒く落ちるといった独特な表現を楽しむことができる。
・モノクロプロファイル4:クラシックフィルム ローコントラスト
コントラストが低めでやわらかい印象の仕上がり。
見事な青空が広がる日に、街中、赤が印象的な神戸・南京町で撮影。プリセット内容によってかなり印象が変わることがわかります。赤外フィルムのような効果が得られるプリセット3がやはり印象的ながら、真ん中の看板や左の人形「財財」の顔が白くなりすぎてしまうことから、最終的にハイライト&シャドウコントロールでハイライトをできるだけ下げてシャドウは少し持ち上げてみました。
ちなみに、広場で昼間だけ出迎えてくれる小財神人形は、触れるとご利益があるとも言われるお金の神様だそう……。神戸を訪れたらぜひ触れてみてください。
ナチュラル モノクロプロファイル1 モノクロプロファイル2 モノクロプロファイル3 モノクロプロファイル4 モノクロプロファイル3(ハイライト-7 シャドウ+1)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/250秒, -0.7EV, ISO 400, WB オート
旅と日々のここで使ってみました!
ここまでの内容を踏まえて、実際にE-P7を連れて出かけた先での写真をご紹介します。
瀬戸内海の小さな島の海辺でくつろぐ猫たちの中に、とても凛々しい一匹がいました。ふさふさで首まわりだけ白い毛並みはまるで襟巻きを巻いているかのよう。その毛並みと対照的な鋭い眼差しでこちらを見据える圧倒的な存在感を伝えるため、モノクロプロファイル2をベースに、シェーディング効果を使ってみました。
ナチュラル モノトーン モノクロプロファイル2(シェーディング効果-5)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:F6.1, 1/125秒, +0.3EV, ISO 800, WB 晴天
金沢城のお堀端を歩いていると、青い空にぷかぷか浮かぶ白い雲。モノクロプロファイル3の赤いフィルター効果により、空の青さと雲の白さのコントラストが際立ちます。この時ふと、写真家 奈良原一高の、ふたつのごみ罐が宙に浮かんだ作品を思い起こしました。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
■撮影環境:F8.0, 1/500秒, +0.3EV, ISO 200, WB 晴天
兼六園で突然の通り雨。傘など持っていない晴れ女の私(笑)は、軒下で雨宿りをしつつスナップ。「晴れているのに雨!」を伝えるのにこのモノクロプロファイル3はうってつけです。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
■撮影環境:F8.0, 1/200秒, +1.0EV, ISO 400, WB 晴天
カラープロファイルコントロール
色相と彩度の調整
カラープロファイルコントロールでは12色の色相環からフロントダイヤルで調整したい色を選び、リアダイヤルで彩度を調整します。また、すべての色の彩度を上げたり下げたりしたい、そんなときはinfoボタンを押すことで全色を一括して調整することができます。また、ここでもやはりOKボタンの長押しで、すべての項目をまとめて瞬時に規定値へ戻すことができます。便利!
前出の神戸・南京町での1枚ですが、カラー写真では色の彩度を上げたり下げたりすることで特定の色を強調したりあまり目立たないようにすることができます。尚、このカラープロファイルコントロールでは選択した色の彩度を一番低く設定しても完全に色がなくなることはありません。つまり全ての色の彩度を下げてもモノクロになるわけではなく、ゆえに一色だけ彩度を高く、残りを低くしてもアートフィルターのパートカラーと同じようにはならないところがまた不思議で面白い点です。
すべての設定が0 すべての色が+5 すべての色が-5 赤のみ+5で他-5 パートカラーⅢ(アートフィルター)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F4.0, 1/100秒, -0.7EV, ISO 400, WB 曇天, カラープロファイル1
3つのプリセット
カラープロファイルコントロールもモノクロ同様3つのプリセットが用意されており、一から自分で作り込んでいくことができる一方で、まずはイメージに近い設定を選んでから微調整を加えていくことも可能です。これらのプリセットの設定値も自由に変更し、そのまま保存が可能です。
・カラープロファイル1:標準(ナチュラル)
それぞれの設定値が0のシンプルなカラー。
・カラープロファイル2:クラシックフィルム リッチカラー
渋みと濃厚感が感じられる「ややこってり」な印象の仕上がり。
・カラープロファイル3:クラシックフィルム ビビッド
彩度が高く濃厚な発色が特徴の「こってり」な印象の仕上がり。
・カラープロファイル4:クラシックフィルム ソフトトーン
コントラストが低めで淡くやわらかい色調の「あっさり」な印象の仕上がり。
金沢の玄関口、金沢駅にそびえる「鼓門」は夜はライトアップされてなんとも艶やかです。その鼓門も、カラープロファイルの設定によって朱色の鮮やかさと手前の松のディテールが変化することがわかります。カラープロファイル3だと朱色は鮮やかですが、松が黒くなりすぎる。そこでミッドトーンを少し持ち上げてみました。これがカメラ上でできてしまうということがなんとも便利です。ちなみにシャッター速度1/6秒で撮影していますが、この時はあいにくと三脚を持っておらず手持ち撮影ながらも5軸のボディー内手ぶれ補正がしっかり効いてくれています。
カラープロファイル1 カラープロファイル2 カラープロファイル3 カラープロファイル4 カラープロファイル3(ミッドトーン+3)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F4.0, 1/6秒, -0.7EV, ISO 800, WB オート
旅と日々のここで使ってみました!
暖かな秋の一日、夏を取り戻しに瀬戸内海に浮かぶ小さな島へ出かけた帰り。もう秋の始まりの海は少しこっくりと深みのある色にしたくてカラープロファイル2を選びつつ、楽しかった一日ももう過ぎた時間……ということで、画面の周囲をシェーディング効果で白くぼかしてみました。
ナチュラル カラープロファイル2(シェーディング効果+1)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:F8.0, 1/400秒, ISO 400, WB 晴天
寄り添って緑に潜むような紅葉がかわいらしく、カラープロファイル2で秋の深みのある色に近付けつつさらにミッドトーンを少し下げてみました。
ナチュラル カラープロファイル2(ミッドトーン-2)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
■撮影環境:F5.6, 1/1000秒, -1.7EV, ISO 400, WB 晴天
金沢21世紀美術館を訪れた際にふと外に目をやると、ちょうど映り込みを利用することで通り過ぎる人がまるで異世界に吸い込まれるようになることを発見。カラープロファイル3で彩度を上げてハイライト&シャドウコントロールでコントラストを高くしつつ、周囲は暗く落として視線を中央に誘導するように調整しました。
ナチュラル カラープロファイル3(シェーディング効果-4, ハイライト+6 シャドウ-6)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F8.0, 1/250秒, -0.3EV, ISO 400, WB 晴天
まとめ
今回、カメラ上であれこれ設定を変えて撮影を楽しんだのですが、このE-P7は小型軽量化のためかファインダーが搭載されておらず、天気の良い屋外で液晶モニターを見ながらの撮影には正直苦労した部分もありました。ゆえにあとから、ここはこういう設定にしたらよかったな、と思うこともあったのですが、そんな時はカメラ内でのRAW現像機能を利用しました。(当然、RAWデータを記録しておく必要があります)
カメラ内現像でも撮影時同様、プロファイルコントロールなども細かく設定ができるので、帰りの電車に揺られながらカメラの液晶モニターで見返しつつ、気になったらその場で現像する。こんなスタイルの撮影旅行も良いものですね。とにかくこのカメラがあれば、いつでもどこでも暗室やPCで行っていたような作業ができてしまう。それでいて小型軽量ゆえに旅に連れて行くカメラとしても最高の一台ではないでしょうか。
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
■撮影環境:F5.6, 1/160秒, -1.0EV, ISO 640,
モノクロプロファイル2(カラーフィルター(緑) Level3 ミッドトーン-2 粒状フィルム効果 強)
■写真家:
クキモトノリコ
学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
この記事に使用した機材 【オリンパス】PEN E-P7 ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のクキモトノリコさんに、オリンパス PEN E-P7のプロファイルコントロール機能を解説していただきました。自分好みの表現を、ぜひPEN E-P7で追求してみませんか。
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KEYWORDS:
オリンパス,Olympus,撮影テクニック,PEN E-P7,クキモトノリコ,ミラーレス
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 海での風景撮影テクニック|齋藤朱門
BASENAME: 484586478.html
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CATEGORY: 齋藤朱門
DATE: 11/30/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,風景,風景撮影テクニック
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BODY:
はじめに
今回は海での風景の撮影方法と必要な機材について紹介したいと思います。
海と一言で言っても、国内にはさまざまな地形の海岸や気候がありますので、撮り方は千差万別だと思います。また、広く撮影地として知られてないような海岸を発見し、個性ある海景写真を撮ることも楽しみの一つですね。
海での風景撮影
沖縄県・宮古島の海岸で撮影した1枚。朝日のオレンジ色の光に染まる砂浜と雲が印象的でした。広角レンズで撮影することで空と海のダイナミックさを強調しています。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F16・ISO100・1/100秒
こちらも宮古島の海岸で撮影。波が岩にぶつかり砕ける様子が特徴的だったので、シャッタースピードを変えながら、砕ける波の動きを捉えられる瞬間を狙って撮りました。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 16-35mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・19mm・F16・ISO100・1/6秒
特徴的な奇岩がある海岸での撮影も絵になるので、海撮影の醍醐味の一つだと思います。
■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 14-24mm F2.8 DG HSM
■撮影環境:マニュアル露出・17mm・F16・ISO100・1/40秒
夕日が沈んだ後、暗くなった空に浮かぶ三日月が印象的でした。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・15mm・F4.5・ISO400・4秒
光害の影響を受けにくい南の空で天の川を撮るのも面白いと思います。これは宮古島の海で天の川撮影中に月が昇り始めて来た瞬間を撮った1枚です。月の光によって星は徐々に消えていきました。
■撮影機材:ソニー α7R II + ツァイス Batis 25mm/F2
■撮影環境:マニュアル露出・25mm・F2.5・ISO3200・13秒
岸壁に囲まれた入江からのぞく天の川を撮影。入り江のような海岸では地形を生かした撮影を楽しむことができます。
■撮影機材:ソニー α7R III + トキナー FíRIN 20mm F2 FE
■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2・ISO3200・15秒
九十九里海岸にて、早朝に撮影。穏やかな海岸では、ビーチに空の色が映り込み美しい情景を作り出してくれます。
■撮影機材:ソニー α7R II + カールツァイス Distagon T*2.8/15ZM(変換用マウントアダプター着用)
■撮影環境:マニュアル露出・15mm・F5.6・ISO400・1.3秒
夕日で黄金色に輝く海面が綺麗だったので、望遠レンズで切り取ってみた1枚。望遠レンズを使うことで、普段とは少し違った海の写真も撮ることが出来ます。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:マニュアル露出・400mm・F6.3・ISO100・1/160秒
撮影テクニック
海での撮影時に一番ポイントとなるのが、構図とシャッタースピードです。海岸には美しい砂浜、岩礁、奇岩などと特徴的な被写体があるので、これらをどう配置した構図とするかは重要なポイントであり、かなり難しい部分だと思います。
また、波の動きをイメージ通りに表現するためにはシャッタースピードが重要となってきます。
構図
構図はオーソドックスなパターンを基本としつつ、撮りたいイメージに合わせて工夫を凝らすことでオリジナルの個性ある写真にすることが出来ます。
海面に映り込んだ空が印象的なシーンだったため、空の反射を強調するために上下のシンメトリーの構図で撮っています。
■撮影機材:ソニー α7R II + EF 16-35mm F2.8L USM II(変換用マウントアダプター着用)
■撮影環境:マニュアル露出・16mm・F16・ISO100・1/400秒
面白い地形の海岸での撮影だったため、地形の作り出すラインと波が引く様を手前の低い位置から広角レンズで縦構図撮影しています。自然が作り出すラインを意識し、視線を手前から奥に惹きつけるようなイメージで撮影するとこのような写真になります。
■撮影機材:ソニー α7R II + サムヤン XP14mm F2.4 (変換用マウントアダプター着用)
■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F16・ISO320・2.5秒
シャッタースピードとタイミング
激しい波が特徴的なシーンでは、ダイナミックな波の動きを捉えるためにシャッタータイミングとともに、シャッタースピードも大事な要素となります。また、NDフィルターを使って長秒撮影を行うことで、肉眼では見られない写真ならではの表現を行うことも可能です。
■撮影機材:ソニー α7R II + ライカ Summicron-M 28mm F/2 ASPH.(変換用マウントアダプター着用)
■撮影環境:マニュアル露出・28mm・F11・ISO100・1/5秒 手前の岩に当たり、弾ける水しぶきが朝日に照らされて輝く瞬間が美しいと感じ、その瞬間を狙ってシャッターを切っています。シャッタースピードは短すぎると、ややつまらなくなりがちなので、少しだけ長い1/5秒としています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・21mm・F16・ISO640・0.8秒
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:マニュアル露出・21mm・F16・ISO50・74秒 この2枚は全く同じ場所でシャッタースピードを変えて撮っています。上は0.8秒とすることで波のうねりを意識して撮影。下はNDフィルターも併用することで柔らかくシルキーなイメージとなるようにしています。
必要な機材
海での風景写真撮影で必要な機材としては、基本的に他のシーンと同様にカメラ・レンズ・三脚があれば撮影できますが、各種フィルターを活用すると更に作品の幅が広がります。特に、輝度差を抑えるためのGNDフィルターや長秒撮影のためのNDフィルター、濡れた岩の反射を抑え、海面の反射を調整するためのCPLフィルター等があると良いでしょう。
また、シャッターレリーズを使うと、シャッタータイミングを合わせる場合や、バルブ撮影を行う際に便利です。
波・海水に注意
海で撮影する時は潮の満ち引きに注意が必要です。安全な場所で撮影しているつもりでも、撮影に夢中になっている間にいつの間にかどんどん満ちてきてしまうことや、突然予期しない大きな波が来る場合もあります。常に安全に注意して撮影するようにしましょう。また、予期せぬ波によって、カメラやレンズに海水がかかってしまうと故障の原因になりますのでご注意を。
三脚はどうしても海水に入れることになると思いますが、その場合はなるべく一番下の足を伸ばし、三脚内に海水が侵入しないようにすると良いです。また、海での撮影後には海水を洗い流すなどのメンテナンスを行うと良いでしょう。
さいごに
今回は筆者なりの海での風景撮影方法をお伝えしました。海もあまり季節と関係なくいつでも撮影することができますし、まだ誰にも知られていないスポットも沢山あるので、自分で絶景スポットを探す楽しみもあると思います。
海で撮影する機会があれば、是非この記事の内容を参考にしていただけると嬉しいです。
■写真家:
齋藤朱門
宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。
齋藤朱門さんの撮影テクニックの連載記事はこちら
・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html
・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html
・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html
・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html
・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ
【ソニー】FE 12-24mm F2.8 GM
商品詳細ページ
【カールツァイス】ZEISS Batis 2/25 E-mount
商品詳細ページ
【トキナー】FiRIN 20mm F2 FE AF
商品詳細ページ
【コシナ】カールツァイス Distagon T*2.8/15ZM
商品詳細ページ
【サムヤン】XP14mm F2.4 キヤノンEF
商品詳細ページ
【キヤノン】EF 16-35mm F2.8L III USM
商品詳細ページ
【シグマ】14-24mm F2.8 DG HSM キヤノン EF マウント
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の齋藤朱門さんが海における風景撮影の方法と必要な機材について紹介しています。国内にはさまざまな地形の海岸や気候があるため、数多くの作例を元に解説しています。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,風景
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD|高画素機にも耐えうる高解像度・高性能レンズで野鳥を撮る
BASENAME: 484555653.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 山田芳文
DATE: 12/01/2021 16:00:00
TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD,野鳥,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
今回はタムロンから発売されている「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」を使った、野鳥撮影についてレビューさせていただきます。
操作性に優れ、使いやすい
150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、使い勝手がいいたくさんの機能が搭載されていますが、実際に撮影現場で使ってみて、私が特に気に入った機能を3つに絞ってご紹介します。
ひとつめは、個人的に最も気に入っている「フレックスズームロック機構」です。これは、ズームリングをカメラ側とレンズの先端側の前後にスライドさせることで、どのズーム位置でもロックと解除が瞬時にできる機能です。ロックされた状態の時は焦点距離の目盛りとTAMRONの文字の間が白くなり、見た瞬間にロック状態かどうかわかるように配慮されています。全長が変わるズームレンズの場合、カメラを上にレンズを下にして一定時間保持すると、レンズの自重で鏡筒が動いてしまうことがありますが、このレンズはフレックスズームロック機構によって、そうなることはありません。こういうのが欲しかったと実感できる機能ですので、是非一度、店頭で手にとってお試しください。
ズームリングをロックできるフレックスズームロック機構
ふたつめは、スライドスイッチです。撮影距離の切り替えやAFとMFの切り替えなど、4つあるスライドスイッチはすぐに手に馴染み、自然に切り替えることができます。聞くところによると、スイッチの縁をスロープ状にすることで、ノブに触りやすくなるように設計されているんだそうです。こればっかりは理屈よりも体感だと思いますので、実際に触ってみていただくことをお勧めします。
最後は、レンズフードです。レンズフードには保護用のラバーが先端についています。500mm側にして撮ることが多い野鳥撮影では、レンズの全長が長くなるので、フードの先端に傷がつかないか不安になる人もいらっしゃるのではないでしょうか。保護用ラバーはそんな不安を解消してくれるので、安心して撮影に集中することができます。
操作性に優れたスライドスイッチ
フード先端の保護用ラバー
コンパクトで取り回しやすく、手持ちで快適に撮影できる
長さ209.6mm、最大径93mmと、フルサイズセンサー対応レンズで500mmまでをカバーする超望遠ズームとしては、考えられないほどコンパクトなレンズです。500mm側に伸ばした場合でも長さは約283mmに抑えられているので、取り回しやすく、手持ちで快適に撮影することができます。
今回、オナガガモの飛翔を手持ちで撮影しましたが、レンズがコンパクトなおかげで、狙い通りのフレーミングで容易に撮影することができました。また、1,725g(三脚座除く)と500mmまでをカバーするレンズとしては軽いので、それなりの時間撮影を続けていても、身体的な負担を体感することはありませんでした。
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:395mm F6.3 1/2000秒 ISO1250
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:403mm F6.3 1/2000秒 ISO640
細部まで描写する解像力と柔らかなボケ
次はトモエガモを被写体にして、このレンズの解像力をテストしました。使用したカメラは、5010万画素のソニーフラッグシップ機「α1」です。まずは、500mm域にしてバストアップで切り取った写真をご覧ください。フォーカスを合わせた目は凄まじく解像していて、カメラ位置から目までと同じ距離にある目の周りの羽も細部まで精密に描写されています。オーバー5000万画素のカメラにもセンサー負けせずに、余裕をもって解像していることがおわかりいただけると思います。
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:500mm F8 1/500秒 ISO200
次に150mm域にしてトモエガモの周囲も含めて引きで撮影したカットをご覧ください。このように引きで鳥を小さく写すと、レンズの本当のポテンシャルがよくわかるのですが、十分に良好な結果となっています。私は鳥がいる風景写真をライフワークにしているので、鳥を小さく写してもしっかり写ってくれるレンズは本当に有り難いのです。B0サイズに出力したいなと思えるほどですので、可能であれば、面倒ですがスマホの小さな画面ではなく、PCの大きな画面で見ていただきたいと思います。それほど細部まで写っているのです。
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:150mm F8 1/500秒 ISO200
最後はボケについてですが、ボケの柔らかさ、なめらかさをテストしたシジュウカラが2羽写っている写真をご覧ください。ピントを合わせた手前のシジュウカラから奥のシジュウカラ、さらに遠くの岩へと、ピント位置から離れていくにつれてなめらかにボケていっています。そして、手前のシジュウカラよりカメラに近い画面下の岩の前ボケも非常にナチュラルです。このことから150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、近年ありがちな解像力が高いだけのレンズではなく、解像力と柔らかなボケを両立したレンズと言えるのではないでしょうか。
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:425mm F8 1/60秒 ISO500
α1との親和性を動画でチェック
今回の写真は全てソニーフラッグシップ機のα1と組み合わせて撮影しました。上述のように5010万画素にもセンサー負けしない解像力と柔らかなボケ、コンパクトで取り回しやすいレンズなので、ボディとのバランスもよく、α1とのマッチングも良好だと思いました。
動画での親和性についても気になったので、今回、シジュウカラが水浴びしているシーンを動画で記録しました。導入部でカメラを振っているところ以外は全て、私はカメラから離れて遠隔操作で撮影しました(シジュウカラへのストレスを低減させるためです)。フォーカスはAFで撮りましたが、何の問題もなく、画質的にも満足できる結果となりました。α1との親和性は動画でも良好なので、是非こちらの動画でご確認ください。
VIDEO
野鳥撮影でも十分に使用できる強力なAF性能
AFについては、ハードルを上げて、ちょっと意地悪ともいえるようなテストをふたつしました。ひとつめは、カメラ位置をうんと低くして水面の手前にある草地と被るところを泳ぐオナガガモを撮影しました。設定はAFモードがAF-Cで、瞳AFの瞳検出対象は鳥です。フォーカスが手前の草に引っ張られてしまうのではないかと予想していましたが、結果はご覧の通り。草地にフォーカスがもっていかれることはなく、オナガガモの瞳を検出して、しっかりと目にピントを合わせてくれました。
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:500mm F8 1/1000秒 ISO640
ふたつめのテストは、シジュウカラが水浴びをしているところです。シジュウカラが2羽とも枠内に入るようにフォーカスエリアを大きめのゾーンに設定、AFモードはAF-Cにして、手前のシジュウカラが水浴びをせず、奥にいるシジュウカラが水浴びをしている時にシャッターをきりました。フォーカスが奥の水しぶきに引っ張られるかどうかのテストをしたのですが、ピントはご覧の通り、手前のシジュウカラの目に合わせてくれました。
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:432mm F8 1/100秒 ISO800
まとめ
150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、高画素機にも十分についていける確かな解像力と柔らかなボケを両立している超高性能レンズです。そして、コンパクトで取り回しやすいので、150-500mmという焦点距離を手軽に手持ち撮影することができます。野鳥を撮影してみたいけれど、大砲のようなレンズにビデオ用の雲台をつけた大型の三脚はちょっと重いよなぁ、と思われている人は是非、一度このレンズで野鳥撮影を始めてみてください。
■写真家:
山田芳文
「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。ライフワークは鳥がいる風景写真。主な著書は『写真は「構図」でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)、『やまがら ちょこちょこ』(文一総合出版)など。 最新刊は『SONY α6600 基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)。
「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」の関連記事はこちら
タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD レビュー|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/481931353.html
この記事に使用した機材
【タムロン】150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD ソニーEマウント用
商品詳細ページ 【ソニー】α1
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の山田芳文さんが野鳥撮影を通してタムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDをレビューしています。本レンズをソニーα1に装着して撮影した作例と合わせて是非ご覧ください
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KEYWORDS:
タムロン,Tamron,望遠ズームレンズ,鳥,150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
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AUTHOR:
TITLE: ニコン Z9の実力を探る|アフロスポーツ 松尾憲二郎さんにインタビュー
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 12/02/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z 9,インタビュー,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
ニコンから10月28日に発表されたミラーレスカメラのフラッグシップモデル「Z 9」。事前に公開されていた性能と、当日の公式オンラインライブ配信で発表された新たな機能や作例、11月予約開始時に案内された価格から大きな反響を呼んでいます。
この度、株式会社アフロの協力で、1万人以上の視聴者を集めた公式オンラインライブ配信や、後日のスペシャルライブで多くの作例と説得力のあるレビューで話題を呼んだアフロスポーツ所属のスポーツフォトグラファー、松尾憲二郎さんにインタビューを行うことができました。スポーツ撮影の第一線で活躍するフォトグラファーはZ 9についてどのように感じたのか。生の声を包み隠さず聞かせて頂きました。
アフロスポーツ所属 松尾憲二郎さん
D5・D6から違和感なく移行でき、撮影の自由度が格段に上がった
― Z 9を使うまでにどんなカメラを使われていたのですか
ずっとニコンのD5を使っていました。今回Z 9発売イベントへの出演が決まった段階でD6を使っていないと語りきれない部分がある、ということになり2ヶ月ほど集中して毎日のようにD6使っていましたので、D5同様に違いを語れると思います。
― すでにZ 9をかなり使用されていると思いますが、第一印象やこれまでのカメラと比べ何か違和感はありましたか
使う前に説明を受けた時は「すごいカメラが出てきたな」と。それが第一印象でしょうか。とはいえ実際に使ってみないとわからない。特にミラーレスのフラッグシップはニコンとして初めてじゃないですか。正直なところ、半信半疑な部分は大きかったですね。今使用しているD5やD6で十分すぎるほど僕の仕事はこなせていたから、ということもあります。
― 発表会でも仰ってましたが、そのような中ぶっつけ本番でモトクロスの撮影を試された。そういった半信半疑的な部分はどう変わっていったのでしょう
これまで使っていたカメラとの違和感がほとんどなかったことに驚きました。一眼レフがミラーレスに変わり、どこか自分なりに変化に対応する必要があるだろうと思っていましたが、本当になかった。撮影に対する不安が一瞬でなくなりましたね。
■撮影機材:ニコン Z 9
■撮影環境:非公開
松尾さんがZ 9を使って最初に撮影したモトクロスのシーン。D5やD6と同じ感覚で使えたという。
― 逆に便利に感じた機能はありますか
ファインダーがEVFになったことです。今回の作例撮影のような「撮って出し」「ノートリミング」が求められるシビアな現場で、ファインダー内に水準器やヒストグラムなど欲しい情報が写っている。思った以上に便利でした。一発で撮影を終わることができる。テスト撮影のフローを省けます。
― D5・D6と比べて、同じフルサイズセンサーでも測距点の数やエリアが広くなっています。その点についてはいかがですか
この写真は一眼レフだとこの画角では撮れないと思います。おそらく測距エリアにギリギリバイクが入っていない。測距点の数やエリアが広くなったことで撮影の自由度が格段に上がりました。実際このような写真はこれまでもあったんです。でもそれは、トリミングしたものを提出することが多かった。置きピンでの撮影でこの画角を狙うことはありましたが、自分が熟知している現場でかつ、「ここに来る」と読めていないといけないですよね。今回の作例はそこを気にせず狙って撮れた。Z 9を使った最初の現場ですよ。元々一眼レフの測距点は狭いと感じていたので、ミラーレスである良さを痛感しました。
■撮影機材:ニコンZ 9 + AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR + マウントアダプター FTZII
■撮影環境:400mm F2.8 1/2000秒 ISO200 AFエリアモード ワイドエリアAF(L)
一眼レフでは困難な画角の撮影もミラーレスであるZ 9ならスムーズに対応できる
電子シャッターはスポーツ撮影にとって「革命」
― Z 9ではメカシャッターを廃し、電子シャッターのみ搭載となりました。ローリングシャッター歪みなどデメリットの印象もある電子シャッターですが、シビアな撮影シーンで使われてどう感じましたか
一言で回答できますね。デメリットは一切感じないです。むしろ(メカシャッターが)なくなったことはすごくポジティブに捉えていて。現場で一番困るのはカメラが壊れること、特に後戻りが出来ない報道の現場ではあってはならない。シャッターユニットは現場では一番酷使され、いつかは限界が来るわけです。一番壊れる可能性が高い。僕はそれを経験したことはありませんが、物理的に存在しないのは安心感に繋がります。
よく言われる「歪み」についても、どこまで言っていいかわかりませんが「出ない」とは言えない、完全にゼロになっているわけじゃないと思います。ただ、それは自分がしたい表現を阻害するものではないレベルまで下がっている。僕にとっては問題なく仕事で使えます。
― 電子シャッターによる恩恵は他にも色々ありますね。Z 9は1/32000秒で切れるシャッターやサイレント撮影、ブラックアウトフリー撮影など電子シャッターを活用した機能が搭載されています
スポーツ撮影にとって「革命」ですよ。まずサイレント撮影。すでに他社はフラッグシップ級のミラーレスを発売していたのでその恩恵を受けていた人はいるのですが、ニコンもようやく「スポーツで無音」が出来るようになった。スポーツの現場では本当に「緊張の一瞬」という場面があります。撮りたいんだけど状況を考えると音を出せない、アスリートファーストというところがある。今後は思うがままに写真を撮ることが出来ます。スポーツの現場では大会運営側もどのメーカーのどのカメラにサイレント撮影が搭載されているか把握している。今後はサイレント撮影が搭載されているカメラでしか撮れない場所が増えてくる可能性もあります。
― よりアスリートに近い場所で撮れるようになるわけですね。1/8000秒より早い速度でシャッターが切れる点についてはいかがですか
パッと思いつくのは、水を扱うスポーツで表現の幅が広がりますね。後は雨が降っている時。雨の状況にもよりますが、1/8000秒は雨粒が微妙に動いていたんですよ。これを1/10000秒にしたら止まって写った。これまでは雨の「線」だけの表現が「点」も選べるようになる。表現の幅が広がることで、今まで妥協しないといけなかった点をどんどんなくしていける。発想のままに絵が撮れる。これも新しい革命だと思います。
「3Dートラッキング」はD6と同等かそれ以上
― 進化したAFについてもお伺いします。今回ミラーレスでは初めて「3Dートラッキング」が搭載されました。レスポンスやAF精度についてはいかがでしょうか
D6と同等かそれ以上に感じました。僕はD5からメインのAFエリアモードは「3Dートラッキング」で、9割以上このモードで撮っています。その特性を掴んでいる僕から見ても何ら違和感はない。これまで以上に敵なしの機能だと思います。
※3D-トラッキングとは
選んだフォーカスポイントで被写体にピントを合わせると、シャッターボタンを半押ししている間は被写体の動きに合わせて、フォーカスポイントを自動的に切り換えて被写体にピントを合わせ続けるAFエリアモード。左右に動く被写体を自由な構図で撮影するのに適している。
― ユーザーの皆さんが一番聞きたかった言葉だと思います。私が面白いと思ったのが、そんな松尾さんがZ 9発表後のスペシャルライブで「3Dートラッキングだけでなく被写体によって他のAFモードを切り替えることが重要」と話されていました
切り換えないと撮れないシーンはあります。そこは僕の経験や自分ならこう撮れる。という技術もあるので、「こういう時はこの設定、このモード」とお伝えしにくい部分ではあるのですが、「3Dートラッキング」とそれ以外のモードを切り替える基準は、「被写体を補足してからシャッターチャンスまでの時間」が目安になると考えています。
この時間がそれなりにあれば「3Dートラッキング」が使えます。補足してから即シャッターを切るようなシーンは別のモードを使ったほうが良い。そのようなシーンで一番使えるのは「ワイドエリアAF(L)」もしくは「オートエリアAF」。例えば前段にお見せしたモトクロスで急にバイクが出てきているシーン。これは「3Dートラッキング」よりも「オートエリアAF」のほうが強いシーンです。逆に「3Dートラッキング」を使用した作例は、被写体が出てきてから追い掛ける時間が十分にあるシーンです。この時間の長さが一つの目安になると思います。
■撮影機材:ニコンZ 9 + AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR + マウントアダプター FTZII
■撮影環境:400mm F2.8 1/3200秒 ISO500 AFエリアモード 3Dートラッキング
3Dートラッキングを使用して撮影した写真。松尾氏は「被写体を追いかける時間」を目安にAFエリアモードを選択するという
― 被写体検出機能についても聞かせてください
スポーツ撮影では十分に使えますし、使わないといけない場面が増えています。ただ、これについては一言お伝えしたいことがあって。ニコンのレフ機は昔から検出精度は高かったんです。確かD5からAFエリアモードを「3Dートラッキング」を選択した時に顔認識をするかしないか選べるんです。この時点ですでに他社と比べてもかなり高い精度で人物の顔を検出して瞳にピントが来ていたんですね。なので僕は昔からこの機能はずっと使っていたのでZ 9でも全く違和感はなかったですね。
― その話はご購入されたお客さまからも伺ったことがあります。非常に精度が良いと
元々ベースにあった機能がZ 9でさらに磨きがかかって、精度も検出する種類も増えています。被写体認識があることによって多少AFポイントがズレてもカメラがわかってくれているので、撮影の補助をしてくれるんですね。狙いを助けてくれるイメージです。
― 120コマ/秒をはじめ、進化した連写性能も話題です
追い込まれているシーンであれば、1秒間に切れる数が多ければ多いほど心強いです。鬼に金棒の金棒が来た!というイメージです。ですが毎回金棒を使うかというとそうではなくて。
― 発表会でもお話されていました。MAX値で使うことはあまりないと
僕のフィールドでは秒間10コマか15コマで十分な場面が多いです。Z 9はD5やD6同様、連写モードのコマ数を選べるので自分に合った連写コマ数に設定して使っていますね。Z 9に搭載されている「クイック設定ポジション」は撮影中にコマ数を設定できるので使いやすいです。連写モードLもHも使わなくなりました。
ボディの左肩に配置されているレリーズモードダイヤル
「クイック設定ポジション」を使えば撮影中でもコマ数を細かく設定できる
これはスポーツを撮影される方には共感頂けると思うのですが、連写速度に頼ってしまうと本当に良い瞬間を狙うことや被写体を追うことを怠ってしまい、アスリートの動きを観察しなくなるんですね。全てをカメラ任せにすると本当に狙った瞬間を撮る力は段々失われていってしまう。
Z 9の話でこういったことを伝えてしまって良いのか悩んでしまいますが、スポーツ撮影の理想は「ワンショットで狙った構図を撮ること」だと考えています。ただ競技によってはアスリート側も予測にない動きをします。そこには連写機能やシャッターのレスポンス、レリーズタイムラグを考慮し、対応幅が広いZ 9やD5・D6といったフラッグシップを選ぶ理由が出来る。とはいえ、追い詰められる現場では秒間120コマを始めとした高い連写性能が備わっていることは非常に心強いです。
一番の魅力はEVFの見やすさ
― 光学ファインダーと比べZ 9のEVFは見やすさ、またスポーツ撮影でのレスポンスなどはいかがでしょうか。特に表示遅延について気になる方も多いと思います
僕がZ 9で一番良い部分は、このEVFの見えが良いところだと思っています。Z 9の魅力を語るのにむしろAF性能部分がいらないくらい、このEVFはすごく良いです。EVFになり構造上遅延が出ている可能性はありますが、これまでと違和感なく撮れています。
むしろ遅延よりもEVFになって使えるようになった機能、先にお伝えした撮影をサポートする情報が画面に出るという部分ですね。これが非常に便利なのでEVFの恩恵は大きいです。Z 9を検討されている方でこの部分が気になるという方には、自信を持って「気にしないでください」とお伝えできます。
ノイズに臆せず高感度領域を使ってほしい
― スポーツ撮影の分野では撮って出しのJPEGで納品するシーンが多いと伺います。RAWで編集できない現場での人肌の再現性や高感度時のノイズはD6等と比べていかがでしょうか
僕が撮影するスポーツの現場ではJPEGでしか撮らないのですが、これまで撮った中で肌色など画質面で気になったことはないです。高感度ノイズについてもD5やD6の時から(設定で)使える高感度領域はどんどん使っていて。この点については人がどう感じるか次第だと思っているのですが、その時からノイズが気にならなかった僕からするとZ 9も同様に悪くないですね。EVFの遅延のように気になっている人ほど僕は「臆せず高感度を使ってくれ」と伝えたいですね。
■撮影機材:ニコンZ 9 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S + Z TELECONVERTER TC-1.4x
■撮影環境:165mm F4 1/1600秒 ISO6400 AFエリアモード 3Dートラッキング
ISO6400で撮影された撮って出しの写真。水面や選手のキャップなどノイズが目立ちやすい場面だが、A4サイズにプリントしてもノイズはほとんど見られなかった
画質や高感度ノイズを気にする人は一度「ピクチャーコントロール」の設定を色々試してほしいです。僕は新しいカメラを使う時はここの設定をかなり詰めます。「JPEG撮って出し」用の機能ですがRAWで詰めるよりも好みの画質になったり、高感度ノイズが目立たなくなりますよ。作品づくりでRAW編集を楽しまれている方も、ぜひ一度「RAW+JPEG」同時記録を使って「ピクチャーコントロール」の絵とぜひ見比べてみてほしいです。Z 9はモニターのカラーカスタマイズも出来るので僕は普段使っているPCとモニターの色を合わせています。
縦横4軸チルトでアスリートとのコミュニケーションが取りやすくなった
― 発表会でお話されていた縦横4軸チルト液晶の使い勝手についても聞かせてください
最高ですね。発表会でもお見せした写真ですが、こういったシーンでも地面スレスレにカメラを置きながら楽な姿勢で撮影できるようになりました。しかも液晶画面を見れば水準器などの情報も確認できる。この作例は動画チームと一緒に撮影していましたので、周りを気にしながらアスリートともコミュニケーションを取って撮影しました。
今まではファインダーを見ながら寝そべって構えて、その状態でアスリートとコミュニケーションを取らなければいけなかった。そんな姿勢だとアスリート側も動きにくくなったり、コミュニケーションが取りづらいですよね。正直(コミュニケーションが)出来ない場面の方が多かった。勘に頼って何も見ずに撮ることも出来ますが、報道の現場ではそれはできるだけ避けたい。これも1つの革命だと思います。Z 9の縦横4軸チルトでアスリートとのコミュニケーションが格段に取りやすくなった。
■撮影機材:ニコンZ 9 + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:18mm F2.8 1/2000秒 ISO100 AFエリアモード オートエリアAF
縦横4軸チルトを活用して撮影した写真。姿勢だけでなくアスリートとコミュニケーションをとりながら撮れるようになった
― フラッグシップモデルに搭載されたことも大きいですね
便利さ以上に、頑丈さ、壊れないというのは僕がカメラに求める条件です。フラッグシップを使う理由として、堅牢性に対する信頼感があり、これまでのD5でも応えてくれた。ですからZ 9の縦横4軸チルトを過酷な状況でも使っていきます。また、購入される方はぜひ試してもらいたいのですが、モニターを上に向けて確認するとき、そのまま上に向けるより、モニターを引き出して上に向けたほうがファインダーの突起に干渉しないので圧倒的に見やすいです。ぜひ試してみてください。
ボタンのカスタマイズは「AFエリアモード」を中心に設定
― D6やZ 7II・Z 6IIと比べ、カスタマイズできるボタンが増えています
カスタマイズできるボタンは全て使っています。Z 9はファンクションボタンに直接AFエリアモードをそれぞれ割当することが出来ます。Z 6やZ 7はAFエリアモード選択をファンクションボタンに設定することが出来ますが、実際のモード選択にはさらにダイヤル操作が必要で、ダイレクトにAFモードを設定できない。
先程「3Dートラッキング」について話をした通り、現場では瞬時の判断で適切なAFエリアモードに選択することを求められます。ボタンに直接AFエリアモードを割り当てできる機能は、仕事で使う判断基準になるくらい重要な機能です。ボタンをカスタマイズできる部分はこの機能を中心に設定しています。
Z 9はAFエリアモードをダイレクトにボタン割当可能。松尾さんは横位置、縦位置同じ撮影フローにするためFn1とFn3ボタンに同じ「ダイナミックAF(S)」を割り当てている
「撮影機能の呼び出し」を登録して、「日射と日陰」、「会場と表彰式」のように現場で露出が変わる場面に対応するため、露出が違う撮影機能を呼び出しています。また、スペシャルライブでコムロミホ先生が設定されていた「ライブビュー情報表示の消灯」も現場で使えるすごく良い機能だったので早速、動画撮影ボタンに割り当てて使おうと思っています。
このようにカスタマイズできるボタンの量が増えたことで、今後使っていく中でまた新たな撮影フローが出来るかもしれない。新しい考え方が出来る楽しさ、嬉しさがありますね。
話題の作例はZ 9を使って緻密な計算の元撮影
― 最後の個人的な質問です。発表会で松尾さんが紹介された、ハンドボール選手がシュートする瞬間をとらえた写真。発表会当日も作例が出た際、視聴者から驚きの声がチャット欄に続々と投稿されていました。この作例はZ 9とレンズ性能に加え、松尾さんの技術が凝縮された写真だと感じました。この写真はZ 9をどのように使って撮られたものかお聞かせ頂けますでしょうか
■撮影機材:ニコンZ 9 + NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
■撮影環境:24mm F2.8 1/2500秒 ISO2500 AFエリアモード 3Dートラッキング
頭に描いたシーンを再現するため、Z 9のAF、連写、操作性全てを活用して撮影された作例
この作例は、ハンドボールの撮影で必要なカットは全て撮り終わった後に撮ったテスト写真なんですね。他で紹介されている作例など必要なものがスムーズに撮り終わって、僕が撮りたいイメージの写真を撮れる時間的な余裕ができた。元々このシーンはイメージがあったので、120コマ連写を使用し複数の選手に全力で動いてもらいテストしました。実際の競技での撮影ではありませんが、アスリートを追い詰めて、本番と同様に動いてもらわないと本当のパフォーマンスは出ない。選手によってはフェイントなども混ぜて動いてもらいました。
そうして撮影した画像をコマ送りして確認し、撮影する瞬間のイメージが出来たので、今度は縦横4軸チルトでモニターを引き出してアングルやAFエリアモードを変えてテストしました。次に、選手との距離感や安全面を考慮しながら使うべきレンズを選定。最初頭の中では「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」を想定していたんですが間合いが近すぎたため、最終的に3Dートラッキングモードで「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」を使用して撮影しました。
なお、モデルになる選手をテスト撮影して選ぶ段階で、ピントの精度を確認していました。何人も撮る中でずっとピントが来てるんですよ。すごいなと。そうやってようやく準備万端で撮影に望んで撮った写真がこちらです。Z 9の機能面で信頼がおけたので、難しい撮影ですが構図と選手の動きだけに集中できました。
― 相当なテストと計算の元撮影された作例だったのですね。話題になるのも納得です。本日は長時間、色々とお聞かせ頂きありがとうございました。
インタビューは実際に撮影した写真をA4サイズにプリントし、それを見ながら実施した
さいごに
今回、松尾さんにはZ 9を使用して感じたポイントを自身の撮り方を交えながら詳細に語って頂きました。インタビューを通じて感じたのは、第一線で活躍するスポーツフォトグラファーがカメラに求める水準の高さと、その水準を超えた上で、これまで以上に撮影をサポートすることができるZ 9の性能でした。本文には掲載していませんが、インタビューの途中途中で松尾さんは「Z 9は使っていて楽しい」と言っていたのが印象的でした。
「どうせ撮るなら楽しく使えるほうが良い。Z 9はこれから使いこなしていく楽しみを持ちながら現場の撮影がこなせるんです」
この言葉にZ 9への愛着と新しく生まれる写真への期待が感じられました。ニコン初のフラッグシップミラーレスカメラ「Z 9」は、プロフォトグラファーも大きく満足できるカメラであることは間違いありません。
※本記事は(株)ニコンイメージングジャパン協力の元、松尾さん撮影の公式データを提供頂いております。
※本記事に登場するニコンZ 9は試作機をお借りして撮影しています。
■松尾憲二郎さんプロフィール
1985年東京生まれ。都立工芸高校デザイン科卒業。バックカントリースキーの撮影にあけくれ雪山を登ってきた。2014年より「アフロスポーツ」に所属。現在は様々なスポーツを報道・広告撮影している。
・国際スポーツプレス協会 (AIPS) 会員
・日本スポーツプレス協会 (AJPS) 会員
■アフロスポーツ
Twitter https://twitter.com/aflosport
Instagram https://www.instagram.com/aflosport/
取材場所:
新宿 北村写真機店
特集ページ
キタムラネットショップ特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品と合わせて購入したい人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひ
コチラの特集ページ も合わせてご覧ください。
この記事に使用した機材
【ニコン】NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
商品詳細ページ 【ニコン】NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ニコンのフラッグシップ機「Z 9」の使用感を、スポーツフォトグラファーの松尾憲二郎さんにインタビューしました。プロが実際に現場で使用して感じた生の声をお届けします。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,ミラーレス,Z 9,インタビュー,Zシリーズ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|人物、航空機、紅葉、風景、スナップ撮影で本レンズの魅力を探る!
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 12/03/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
今回はソニー(SONY)から2021年11月26日に発売されたフルサイズEマウント用レンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」のレビューをさせていただきます。まず思う所としましては、ソニーフルサイズミラーレス用交換レンズのGMシリーズも遂に2型が出始めた事への感慨深い気持ちです。この話をしだすと、おそらくこのレンズの話になる前に今回のレビューが終わってしまいそうなのでレンズレビューを始めさせて頂きます。写真を見て頂きたいのでスペック的な話は後回しにして、作例からはじめさせて頂きます。
ポートレート
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/100 ISO-125 +0.7ステップ 焦点距離170mm
■モデル:りなぽそ
まずはα1に装着してポートレート撮影に使用したのですが、このレンズ無茶苦茶軽いんです。持ち上げた瞬間にこれまでの、いわゆるナナニッパのレンズ(70-200mm F2.8)にしては軽すぎて戸惑ってしまいました。こんなに軽くて大丈夫なの?という懸念を抱きましたが、その疑念はファインダーを覗いたら一瞬で吹き飛び素晴らしい描写が目に飛び込んできました。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/800 ISO-1000 +0.7ステップ 焦点距離180mm
■モデル:りなぽそ
開放F2.8での撮影でもピント面の解像感はとても素晴らしかったです。そして何よりポートレート撮影で重要なボケ感は、前ボケ後ボケ共に素晴らしくズームレンズとは思えない程、なだらかに淡く溶けてくれます。撮影していて非常に嬉しくなりました(笑)
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-200 +1ステップ 焦点距離110mm
■モデル:りなぽそ
少し大人な雰囲気の難しい構図でも、レンズの表現力が高いのでイメージ通りの撮影がしやすくスムーズに撮影が進みます。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-125 +1ステップ 焦点距離90mm
■モデル:りなぽそ
正面だけでなく寝転んだり少し引いたりして画面内における顔の面積が小さくなった時でも、瞳AFは常にモデルの瞳を捉え続けてくれました。この辺りの性能はカメラのボディ側の絶対的な性能が必要なのですが、その機能を最大限に活かす為にはレンズ側の性能が高い必要があります。本レンズのAF性能は素晴らしく、微妙で難しいモデルさんの動きに常に合わせて続けてくれました。このような前後左右微妙な動きに素早く対応する為にリニアモーターが4基搭載されているのだと感じ納得しました。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-250 +0.7ステップ 焦点距離165mm
■モデル:りなぽそ
上述したのですが重要な事なので、もう一回言わせて頂きます。ボケ感がたまらなく良いです。そして撮影時の空気感までも伝えることが出来る表現力のあるレンズになりますので、本レンズはポートレート撮影の時に絶対に忘れず持って行きたいレンズになりました。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/320 ISO-800 +0.7ステップ 焦点距離115mm
■モデル:りなぽそ
それにしてもこのレンズ本当に軽くて使いやすいです。この日は朝から夕方まで撮影しましたが全く疲れる事はありませんでした。1型と比較すると435gの減量に成功しており、重量は1045gとナナニッパとしては世界最軽量になります(オートフォーカス対応のフルサイズ70-200mm F2.8 望遠ズームにおいて)。
航空機
■撮影機材:ソニー α7C + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/3.5 1/4000 ISO-125 +0.3ステップ 焦点距離200mm
次は超小型軽量フルサイズのミラーレスカメラ α7Cに装着して、千里川土手で飛行機撮影をしてみました。猛スピードで迫りくる着陸機を捉えて放さないAFは本当に頼りになります。そして小型軽量なレンズと超軽量カメラの組み合わせは航空機撮影を手持ちで行う際に強い味方になってくれます。
■撮影機材:ソニー α7C + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/4 1/1600 ISO-640 +0.3ステップ 焦点距離70mm
ポートレート撮影時にも感じていたのですが、このレンズを通した色味は表現豊かで階調にも優れており原色から淡い色まで美しく表現することが可能です。夕暮れのなかで実際の空の色と機体に写り込む空の色の違いをしっかりと描写してくれるので、よりドラマチックな表現に仕上がります。
紅葉
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/5.6 1/100 ISO-100 焦点距離200mm
再びα1に装着して紅葉も撮影しました。余談ではありますが今年の京都の紅葉は例年と比べて美しかったように思います。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/5.6 1/100 ISO-100 焦点距離195mm
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/250 ISO-100 焦点距離195mm
発色の話で飛行機の作例では淡い色を見て頂きましたので今度は原色系の作例をご紹介します。赤、黄、緑のコントラストを捉えて鮮やかに表現してくれます。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/250 ISO-100 焦点距離195mm
前ボケを使った表現をしたい場合はピント位置をトラッキングAFで奥の紅葉に合わせてあげるとスムーズに撮影出来ます。本レンズは狙った被写体にピントを合わせる能力が高いのでとても撮影しやすかったです。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/500 ISO-800 焦点距離200mm
開放F2.8から素晴らしい解像感でした。ボケ感を活かしつつも、ピント面のモミジの葉脈がクッキリと写ります。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/9 1/80 ISO-800 焦点距離200mm
F9まで絞ると更に解像感と深みが増します。
▼焦点距離70mmで撮影
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-400 焦点距離70mm
▼焦点距離100mmで撮影
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-400 焦点距離100mm
▼焦点距離135mmで撮影
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-400 焦点距離135mm
▼焦点距離200mmで撮影
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-400 焦点距離200mm
ズーム域の各焦点距離と描写の違いです。どの焦点距離でも解像感が有り描写力も高く、ズーム全域で素晴らしい性能だと思います。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/500 ISO-1000 +3ステップ 焦点距離200mm
逆光下でもコントラストが失われず発色も良いです。
風景
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/5.6 1/250 ISO-125 焦点距離200mm
次は霧ケ峰高原で風景撮影です。風景なのでカメラは高解像度のセンサーを持つα7R IVを使いました。この日は透き通るように晴れた日だったので、冠雪(かんせつ)した富士山までしっかりと望むことが出来ました。撮影時には雲の位置が良くなるまで少し待って、ベストと思う位置まで雲が来てからシャッターを切りました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/5.6 1/250 ISO-125 焦点距離200mm
秋を写すにはやはり発色の良いレンズが必須です。本レンズは冠雪した雪の白から色とりどりの紅葉、そして抜けるような青空まで一枚の中で全ての色を美しく表現してくれます。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/5.6 1/250 ISO-125 焦点距離200mm
今まで風景撮影にナナニッパを使いたいけど重たいから開放F4レンズで我慢されていた方も多いと思いますが、この新しいGMレンズの軽さは、その問題を解決してくれます。
スナップ
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/6.3 1/250 ISO-100 焦点距離200mm
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/2500 ISO-250 -1ステップ 焦点距離200mm
最後は倉敷の美観地区で撮影したスナップです。倉敷の繊細な情景とスナップでのレスポンスを考えてボディはα1にしました。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/4 1/250 ISO-100 焦点距離200mm
ここまで全面に前ボケを持ってくる構図の場合では、本レンズのDMF機能が役立ちます。AF稼働中でもMFリングを廻すと瞬時にMFとして使用する事が出来る便利な機能です。AFからMFへの切り替わりが遅いと使いにくいのですが、このレンズのDMFは瞬時に切り替わりますので凄く使いやすくて気に入りました。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/4.5 1/80 ISO-100 焦点距離180mm
この写真もDMF機能を使用しての撮影です。緑の葉が写り込む窓を覗くと、向こう側にクラシカルな扉と装飾が優しい光の中にセンス良く配置されていました。こういうシチュエーションではピントの置き場所が難しいのですが、DMFでMFリングを廻しながら自分のイメージに近い所でシャッターを切る。こういった使い方がAFからボタン操作せずにそのまま使えるのは、スナップ撮影には必須な機能だと思います。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/2.8 1/250 ISO-100 焦点距離200mm
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/4.5 1/2000 ISO-100 焦点距離100mm
倉敷と言えば建築物も写欲をそそられるのですが、このレンズは持ち前の解像力で木造でも煉瓦でも質感をしっかり伝えてくれます。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/4.5 1/320 ISO-100 焦点距離170mm
スナップ撮影をしていて、こういった瞬間に出会った時にレスポンスが悪くて悔しい思いをすることが多くあります。しかし本レンズとカメラの組み合わせであれば狙った瞬間を素早く捉える事が出来ます。私がスナップ撮影を行う時の機材の組み合わせでは、これがベストに近いと感じました。
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:f/6.3 1/250 ISO-100 焦点距離200mm
望遠スナップは切り取り構図が楽しいのですが、70-200mmというのはある意味スナップ向きの焦点距離なんですよね。美観地区の川面に映るリフレクションの揺らぎを気持ちよく撮影出来ました。
スイッチでの切替機能
スイッチパネル上部から一番上がAF/MF切替スイッチ、その下が上述させて頂き私が凄く気に入っている機能でもある、AF中にMFに瞬時に切り替える事が可能になるDMF機能のON/OFF切替スイッチがあります。また、その下にはフォーカスレンジの切替スイッチ、手ブレ補正(OSS)のON/OFF切替スイッチ、手ブレ補正の流し撮り対応等の手ブレ動作方向切替スイッチ(MODE)、絞り環のAモードとMモードをロック出来るIRIS LOCKスイッチがあります。写真には写っておりませんが絞り環のクリックON/OFF切替スイッチや、他機能に割付可能なフォーカスホールドスイッチが3か所もついており、あらゆるジャンルの撮影に最適な設定が可能となっていて便利です。
さいごに
今回も色々なジャンルの撮影をさせて頂きました。このレンズの印象ですが今後これより良いナナニッパが開発できるのか?と思う程、殆ど全てにおいて素晴らしかったというのが私の印象です。AFスピードと正確さに加え動体を捉え続ける能力、質感と空気感を伝える事の出来る解像感と描写力。原色から淡い色まで鮮やかで豊かな表現力、どれをとっても素晴らしくそれでいてとても軽いので一日中撮影していても疲れません。この総合力はソニー Eマウントユーザーの方には是非体験して頂きたいと思います。
最後にポートレート撮影時に御協力いただいたモデルさんの写真が有りますので是非ご覧ください。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■モデル:ルル
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■モデル:イブ
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■モデル:しぃ
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■モデル:りなぽそ
その他のソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II の記事はこちら
・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|この軽さは異次元!飛躍的に進化した望遠ズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/484841184.html
・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIが登場|大幅な軽量化と最大4倍のAFスピードを実現!
https://shasha.kitamura.jp/article/484056077.html
・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|小川晃代
https://shasha.kitamura.jp/article/485832622.html
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。
大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー
JPS(日本写真家協会)正会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんがソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIをレビューしています。5つのジャンルで撮影を行い製品の魅力を紹介していますので作例と共に是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: シグマ fp Lの写真と動画をアウトドアで堪能する
BASENAME: 484602449.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 坂口正臣
DATE: 12/04/2021 11:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) ボディー,fp L,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
私の住む九州地方も11月になってグッと気温が下がり肌寒くなった、山の木々も鮮やかに色付き冬支度をはじめている。今回は、発売から変わらず魅力を放ち続けるSIGMA fp Lを一泊二日のソロキャンプで使用した。
fp Lとは
fp Lと言えば先に発売されているfpと同じく、非常にコンパクトなボディーの中に高解像度フルフレームセンサーを搭載したカメラだ。バランスが良くオールマイティーなfpと、写真の性能にシフトしたfp Lという位置づけとなる。写真の画質にシフトしたとは言え、動画撮影の性能がスポイルされたか言えば決してそうではなく、ムービー撮影でも充分な性能を発揮する。
fp発売から約1年半を経て登場したfp Lだが、ユーザビリティが向上し、操作系などが少し仕様変更された。いずれもボタンや一部端子カバーの形状の見直し、ダイヤルのクリック感の変更などユーザーのフィードバックを得て細やかな配慮がなされている。そしてなんと、それらの改良は購入済みのfpにも希望があれば提供してくれるという(有償サービス)。こういったところが、私がSIGMAというブランドを好きな理由のひとつでもある。
今回はキャンプの様子を動画に残してきた。日中の動画の性能はもちろん素晴らしいが、夜の撮影で少し心配していた高感度ノイズに関してもfp Lの性能は必要十分で心配することはない印象だ。夜の調理シーンでも問題なく使用できた。
VIDEO
今回の旅で使用したレンズ
私は景色を撮影するとなれば、まず広角レンズを手にする。SIGMAの広角レンズには、既にIシリーズの24mm F3.5 DG DN | Contemporaryという非常にコンパクトなレンズがあるのだが、今回は敢えてIシリーズの中望遠レンズ90mm F2.8 DG DN | Contemporaryをセレクトした。
このレンズとfp Lのセットは、とても90mmのレンズとフルサイズのカメラとは思えないほどコンパクトで軽い。できるだけ荷物を少なくしたいソロキャンプの相棒としてもマッチしていると感じる。そして、強靭なマグネシウム合金のボディーと防塵防滴性能が、激しい温度や湿度の変化があるアウトドアではとても心強い。
コンパクトで上質なデザインでありながら非常に高性能なこのカメラとレンズは、効率を突き詰めたキャンプギアと相性がよい。愛用しているギアのひとつ、SIGMAと同じMADE in JAPANのIWATANI FORE WINDS マイクロキャンプランタンとバーナーと一緒に。
fp Lと90mmで写す秋の景色
中望遠は個人的に程よい画角の狭さがなんとも楽しい。限られたフレームの中で「こっちが主役か?いや、それともこっちか?」と写真の主役を取り合い、フレームを調整するのがこのレンズの醍醐味だと思う。動画は初日の夕方から夜をメインに撮影したが、写真は翌朝から散歩や沢登りをしながら紅葉する秋の景色を記録した。早起きして朝日が昇る前の冷たい空気感を撮影、冷たさの中に湿度を感じさせる描写。気温は4℃、数日降り続いた雨の影響で湿度は夜通し80%を超えていた。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/160 f4 ISO400
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/250 f2.8 ISO400
暗部に隠れた鮮やかな色は、濃厚で深い色合いに写し出される。暗部の階調が豊かなSIGMAの味付けは、アンダーな写真を撮りたくなる。山間部の谷にあるこのキャンプ場は、朝日が直接届くまでにまだ少し時間がかかる。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/640 f2.8 ISO200
朝の霧が残る広場を情報豊かに描く。この画が開放絞りである事、レンズの高いクオリティーにも驚かされた。普段はあまり好まないイエローとブルーの組み合わせが心地よいのは、この日に使用しているテントとハリケーンランタンの組み合わせと同じだからか。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/250 f2.8 ISO400
空だけが明るくなり始める時間にふと見上げると、やわらかな光がイチョウの葉を透過していた。これぐらいの控えめな黄色は好みだ。ひと歩きしてコーヒーを淹れるためにテントに戻る頃、ようやく朝日が射し込む。明るさと暖かさを感じる。テントの中にやわらかく映し出される木の葉のシルエットが美しい。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/200 f2.8 ISO200
ポリコットンの素材感を繊細でシャープに描写しながらも、グラデーションは滑らかに表現する。テントの表面には霜がおりて雨でも降ったかのように濡れている。早く乾くように裏側から幕を弾いて水滴を飛ばすのがなぜか少し楽しい。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/1000 f2.8 ISO200
テントの表面についた霜をとても繊細に描写している。あとで拡大して見ると水滴をしっかり捕らえていた。朝のコーヒーを淹れて一息ついたら、カメラを手に撮影にでかける。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/250 f3.5 ISO200
朝日が射し込んで、あちらこちらに木漏れ日のスポットライトが当たりはじめる。秋の訪れを実感する。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/1600 f2.8 ISO200
衣装を借りるかのように後ろにある木の葉を羽織って着飾る大樹。コントラストが輝く葉を際立たせる。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/1000 f2.8 ISO200
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/1000 f2.8 ISO200
虫たちは時折ユニークなものを見せてくれる。まるでミニチュアのクレーンの様だ。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/250 f2.8 ISO200
細い枝の先から伸びる蜘蛛の糸を繊細に描写する。シャープネスが強いという訳ではなく、超高解像度がもたらす豊富な情報量が緻密さを表現するのだろう。パッキングされたかのように種を包んでいる、来年またここに生えますように。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/200 f2.8 ISO200
キャンプ道具は無造作に置いてもなぜか画になる。知人から頂いたランタン、フュアーハンド276。煤汚れとタンクの艶、相対する質感をありのままに表現する。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/200 f2.8 ISO200
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/2500 f2.8 ISO200
バックパックのナイロン生地とハチェットのヒッコリーの木目もリアルに写し出している。このアングルの主役は迷うことはない。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/3200 f2.8 ISO200
この写真も開放絞りで撮影している。驚くような解像感。白い岩肌が紅葉した葉の色鮮やかさを引き立てる。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/1250 f3.5 ISO200
手前のボケ感と合焦した部分のシャープさからもこのレンズのキレの良さが分かる。柔らかなラインが多くのレイヤーとなって表面に現れている。特に珍しいことではないが、実際何年かけてこうなったのだろう。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/2500 f2.8 ISO200
複雑な形状の岩肌の描写が美しい。水はスローシャッターで流すよりハイスピードで止めた方が冷たく感じる。写真の雰囲気と実際の温度は近い。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/2000 f2.8 ISO200
この高さまでは水位が上がってくるという印。よく観察すればこの様な自然のインフォメーションがたくさんある。
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境 : 1/200 f2.8 ISO200
さいごに
今回一泊のキャンプで早朝から夜までfp Lを使用した。何よりもコンパクトで軽くデザインが美しいこのカメラは、アウトドアシーンにもマッチしている。使い込んで味がでるほどに愛着が湧く道具と言った感じだ。アクセサリーをあえて使用せず素のままで使用したが、とても楽しかった。面倒なことを敢えて楽しむキャンプと似て、背面モニターの反射を手で覆いながら覗いたり絞りリングを使ったりと、敢えて手間のかかる使い方をする事が何とも楽しい。
ひと手間かけて撮影した写真や映像は、有効画素数6100万画素の超高解像度で自分なりの特別な瞬間を最高の画質で記録してくれる。この頼もしい相棒とこれからも多くの撮影をしていこうと思う。
■フォトグラファー/ ビデオグラファー:
坂口正臣
雑誌の撮影を経て広告写真・建築写真・映像撮影など福岡を拠点に幅広く活動中。坂口写真事務所(SPO)を運営。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
フォト/ビデオグラファーの坂口正臣さんによる、シグマfp Lレビュー記事。今回は秋も深まるキャンプでの一コマを、高解像な動画と静止画で収めていただきました。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,ボディー,fp L,レビュー,アウトドア
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AUTHOR:
TITLE: ソニー FE 85mm F1.4 GM×ペット撮影|小川晃代
BASENAME: 484643748.html
STATUS: Publish
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 小川晃代
DATE: 12/05/2021 11:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 85mm F1.4 GM,単焦点,犬/猫/ペット
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BODY:
はじめに
ソニーの「FE 85mm F1.4 GM」は人物のポートレート撮影で王道の中望遠レンズです。重さは約820g。私が使っているα7R IVやα9 IIのボディとの組み合わせも良くしっくりきます。決して軽いレンズではありませんが、普段70-200mmレンズを使用してペット撮影をしている私にとっては、軽いと感じてしまいました。
高い解像力と美しいボケ味なので、一度使うとやみつきになるレンズ。今回はこのレンズでペットのポートレート撮影をしてみました。
ペットのポートレート撮影
まずはバッチリカメラ目線のわんこを撮影。パグは顔周りに黒い部分が多いので、暗い場所だと特にピント合わせが難しい被写体なのですが、しっかりとシャープにピントが合ってくれました。解像感が高く、黒い部分も階調豊かに表現されています。また、毛の質感やパグの特徴であるしわの感じもしっかり再現されています。
奇声を出して一瞬こっちを見た瞬間に連写で撮影。いろいろな事に興味がある子がカメラを見てくれるのは一瞬なので、ペット撮影ではこの一瞬を撮り逃さずに撮れるかどうかが一番のポイントです。
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.4 1/250秒 ISO100
普段は元気なイメージのパグ。ついさっきまでは元気に遊びまわっていましたが十分に探検もしたので、ちょっと疲れたのかな?ウトウトと眠りそうな雰囲気。せっかくなので少しイメージを変えてシックで落ち着いた感じで撮ってみました。どんなイメージにしたいかは色味がすごく重要になってきますが、重厚感がありながらも全体的には重たすぎず、ゆったりとした時間の流れを感じるような空気感を表現出来たと思います。斜め背後から固い光が当たっていて少しコントラストの強い場所ではありましたが、せっかくくつろいでくれたのでわんこに場所を移動してもらうわけにもいきません。逆光により暗くなってしまった顔周りは下からレフ板を当てる事で解消しました。
結果、目にキャッチライトも入り大きな目がより強調されたと思います。また、この子はまだ生後10ヶ月という事もあったので、いろいろな事に興味津々。その好奇心旺盛でキラキラとした輝く瞳もしっかり表現出来ました。ペットのポートレート撮影は、人間のモデルさんのようにポーズをつけたり場所を決めて撮影する事もありますが、基本はわんこの性格に合わせてこちらが動いて撮影をする事が多いです。わんこ次第で、遊びながら撮影をしたり、又は一通り遊んだ後に撮影をしたりとその子に合わせて撮影をしていきます。今回のようにわんこが落ちつく場所が出来たのであればその場で瞬時にフレーミングをして撮影するのが大事です。こんな時に一瞬の表情を逃さないようしっかりとピントが合ってくれたのは心強かったです。
大きくてキラキラした瞳。この子の可愛さを表現出来た1枚。
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.6 1/1000秒 ISO320
こちらも同じ場所で撮影した写真。木の枝のオブジェを手前に入れ込んだ所、良い感じの前ボケになってくれました。こっそりと覗き見している感じが表現出来たかなと思います。窓ガラスの模様がキレイだったので、窓を入れ込んだ縦位置で撮影した1枚。
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO400 露出補正+1.0
魅力は大きなボケ味と圧縮効果
このレンズの魅力は何よりも大きなボケ味。美しいボケを持つ作品はパッと見ただけで見るものをぐっと引き込んでくれます。こちらはカヤックの先端にいるわんこ。わんこの瞳はキレイに写り、カヤックは大きくぼけています。大きくぼけた赤と背景の青や緑が写真を華やかにし、その中でわんこがシャープに浮かび上がっていますね。水遊び後の写真ですが、太陽で半分乾いた毛の感じもしっかりと写せています。
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.4 1/3200秒 ISO100 露出補正+0.7
水遊び中のわんこをあえて広くフレーミングして撮った写真がこちら。中望遠の圧縮効果が効いていて遠くにある山々がぐっと手前にあるかのように写せています。また、実際には他にも湖にカヌーが浮いていたのですが、入らないよう撮ればまるでこの湖と山を独り占めしているかのような気分に浸れます。この写真を見てわかるようにピントが合っている範囲はとても狭いです。その分手前と奥がキレイにぼけているので立体感のある美しい仕上がりになっています。手前にも大きなボケを入れたかったのでカメラは水面近くまで下げて撮影しました。
この日はおひさまが顔を出したり雲に隠れたりと明るさがころころと変わる日でしたが、ちょうどわんこの泳ぐあたりにうっすらと光が差し込んだ良い状況でした。
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.4 1/6400秒 ISO100 露出補正+0.7
この圧縮効果が好きで私は望遠寄りのレンズを使う事が多いのですが、例えばこんなシーンでも落ち葉と猫の関係が良く撮れていると思います。公園内で下がコンクリートのため、シチュエーションとしては良くある平凡な状況です。しかし、FE 85mm F1.4 GMの圧縮効果で奥まで続く並木がぐっと引き寄せられ、木々の隙間がなくなり密集感が出ました。また、全体的にグリーンで埋め尽くされた事で人工的なコンクリート部分が目立たなくなって、自然と調和しているナチュラルなテイストで仕上がっています。
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.6 1/1000秒 ISO400 露出補正+0.3
この公園に行く度にこの道で出会うにゃんこ。時々散歩で人間やわんこが目の前を通りすぎていきますが気にしない様子。ここがお気に入りのくつろぎスポットのようです。
ボケの利用方法
公園の野良猫をワイルド感たっぷりに撮りたいなら多めの前ボケが効果的です。写真はこちらが見ている事にも気づかずくつろぐ猫たち。大あくびの瞬間を捉えました。場所的には猫がバッチリ見える所でしたが、手前にある低めの木の葉を探し、その葉でレンズ前を覆うような形で撮影しています。大きな前ボケと背景のボケ味に囲まれ、顔部分だけが鮮明に写っているのでより立体感が出て猫を浮き上がらせて写せました。顔部分だけはシャープに写したかったので、顔が葉で隠れないようしながら、前ボケ多めで撮影。
ボケ味が大きいと美しいだけでなく、背景の粗も隠せるので便利です。特に室内での撮影では生活感が出てしまい、写真を見た人も主役の方ではなくその背景の方に気をとられてしまいがちです。ですが、背景が大きくボケてくれれば、主役のみに集中してもらえます。
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.4 1/320秒 ISO125 露出補正+0.3
こちらは和室での1枚。ちょうどくつろいでくれた場所がふすまのすぐ前。標準ズームレンズで撮ってみると、ふすまと子犬の距離が近すぎて、ふすまの柄が強調しすぎるしボケないしでこの子犬の可愛さが全く伝わりません。ですがFE 85mm F1.4 GMで撮れば、ふすまの柄が何だかお洒落なランダム模様の背景紙の前で撮ったかのように写り、全体的に優しい雰囲気になりました。
少しレトロでそれでいてさわやかな空気感もあります。ちらりと見えた子犬の白目が無邪気だけどあざと可愛さを兼ね備えていて、この子の良さを引き出してくれました。特に演出した訳ではなかったのですが、毬で遊び疲れた1シーンを狙ったかのように写っていますね。
ペットを撮る時は基本、ペットの目と同じくらいの位置にカメラを構えて撮影します。この子は畳に顎をつけてかなり低い位置だったのでカメラも畳においた状態で撮影をしています。
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.4 1/800秒 ISO3200 露出補正+1.7
こちらも室内での1シーン。興味津々で近づいてきたにゃんこを撮った1枚。シャープに合った瞳や顔部分から体にかけてのボケ味が滑らかで自然ですね。全体的にナチュラルなペット写真が好きな私にとってこのボケ感はたまりません。光が少しだけ差し込む窓際で撮影。こちらを見る美しい瞳に吸い込まれそう。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:F1.8 1/400秒 ISO500 露出補正+0.3
まとめ
FE 85mm F1.4 GMはきりっとシャープなピント面とそこからつながる柔らかいボケ味、主役を引き立たせるのに欠かせないレンズです。やわらかいボケ味が好きな私にとって、このボケ感はたまりません。85mmという焦点距離と中望遠レンズの圧縮効果は特に屋外のペット撮影で重宝します。開放値がF1.4なので暗い場所も安心。これからの時期、イルミネーションポートレート撮影でも頼りになるレンズです。
■写真家:
小川晃代
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持し、ペットや野良猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ペトグラファーの小川晃代さんによる、ソニー「FE 85mm F1.4 GM」レビュー記事です。ボケの美しい中望遠単焦点レンズで撮る、ペット写真の写りをぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,単焦点レンズ,FE 85mm F1.4 GM,レビュー,ペット,動物
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: #04 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
BASENAME: 484640119.html
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CATEGORY: コハラタケル
DATE: 12/06/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,ポートレート(人物),なんでもないただの道が好き
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BODY:
はじめに
みなさん、こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。「なんでもないただの道が好き 街撮り講座」4回目の記事です! 今回は光条を利用したポートレートや街の背景色について解説しています。背景色に関しては僕が街撮りにおいて、もっとも気をつけているポイントですので参考にしていただけると嬉しいです。
フロントガラス×光条×ポートレート
みなさん、光条をご存知でしょうか?
主に風景写真やスナップの写真で太陽から放射状の光の線が伸びているのを見たことがあると思います。
光条の有無で写真の印象は異なります。またレンズによって光条の出方が変わりますので、是非一度、自分が使っているレンズがどのような光条が出るのか調べてみてください。
光条はポートレートにおいても利用することがあります。太陽を使うこともあるのですが、街中で撮影する場合はビルの窓ガラスや車のフロントガラスを利用することもあります。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F8.0 1/320秒 ISO160
太陽は位置が高く、光条+人物で撮影しようと思うと人物よりも高い位置にあるため、ローアングルで撮らない限り光条を人物の近くに配置するのが難しいです。
また、ローアングルでの撮影はフェイスラインやモデルさんの顔の角度などに気をつけないと顎のラインが消えてしまうことで顔が大きく見えることもあります。
ポートレート、とくに女性を撮影する場合は小顔に見せるためにも少し見下ろすような角度で撮影することが多いのですが、そうなると太陽の光を使った光条を見せるのは難しくなります。
しかし、ビルの窓ガラスの光やとくに車のフロントガラスは人物の顔の高さとほぼ同じ位置にあるため、光条+人物で撮影しやすいです。実際に撮影した写真がこちらです。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F8.0 1/320秒 ISO160
■モデル:五味未知子
アイレベルで撮影していますが、光条を顔の近くに配置することができました。
レンズの絞りを開放だけで撮影しているとこのような写真は撮れません。「
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座 」でも話しましたが、写真は写真集のように組んで考えるのが大切だと考えているため、一度の撮影でなるべくバリエーション豊富に撮ることを心がけています。
強い光源を発見したら開放だけでなく、絞って撮ることもチャレンジしてみてください。
背景に入る色をなるべく淡色にする
まずはこちらの3枚の写真をご覧ください。
<1枚目>
<2枚目>
<3枚目>
どれも何気ないただの道の写真に見えるかもしれませんが、実は僕のなかで順位があります。
結果は2枚目に見せた写真がもっとも好きな背景です。ちなみにそれ以外の写真に関しては失敗写真です。
「えっ? 何が違うんですか?」と思う人も多いかもしれません。
僕は街で写真を撮るとき"背景に入る色がなるべく淡色で構成されるようにしています。別の言い方をするならば、原色や二次色のなかでも色が強い(濃い)ものが入らないようにしています。
改めてそれぞれの写真をご覧ください。
1枚目に見せたこの写真はわかりやすいですね。右手前にオレンジ・赤・青の3色が大きい範囲で写っています。ほかにもいろんな場所に原色・二次色が入っており、ここに記していない箇所もあります。
僕は原色・二次色は淡色よりも目立つ色だと考えています。人物はどのロケーションにおいても目立つ存在ではありますが、原色・二次色が強すぎるとそちらに視線が奪われることも少なくありません。より主題である人物を目立たせるためにも、僕は背景色はなるべく淡色になるようにしているのです。
次の写真も見ていきましょう。
さきほどの写真に比べると小さい範囲ではありますが、この写真にも多くの原色・二次色が含まれています。
気にならない人もいるかもしれませんが、このような細かいこだわりが自分以外の人との写真に差を生むと考えています。
もちろん妥協することもあります。例えば、この写真を背景にしてモデルさんがすごく良い表情をしている場合、そちらを優先して写真を残すこともあります。しかし、欲を言えば背景も整理されていてモデルさんの表情も良いというのがベストだというのは間違いありません。
次に成功写真を見ていきましょう。
こちらも原色・二次色が含まれていますが、全体的に背景が淡い色で構成されているのがわかると思います。
背景に関しては歩いている人や走っている車、洗濯物も重要です。
右側に布団が干されていますが、もしもこの布団が原色や二次色だったら、おそらく僕はこの場所で写真を撮っていません。
建物の色や看板はそう簡単に短い期間で変わることはありませんが、歩いている人や走っている車、洗濯物などはその日・時間帯によって異なります。右手前に白い車、そして、道路をシルバーの車が走っていますが、もしもこの車がもっと派手な色だったら、僕はここで写真を撮りません。奥にいるサラリーマンの方達ですかね。この方達の服の色も重要です。
もちろん妥協点を見つけるのも重要で、様々な色が混在する街撮りにおいてはあまりにもこだわりすぎると、全然シャッターを切れない状態になってしまうこともあります。
また、写真に絶対はないと僕は考えています。僕とは逆に原色を入れた撮影をしている人もいますし、それ以外の色の組み合わせで背景を選んでいる人もいます。
さらに原色が目を引くということは、逆にそれを利用して写真を撮ることもあります。こちらに関してはまた別の機会にお話しできれば良いなと思っています。
シャッターはたくさん切るが、1ヶ所で粘らない
最終的に選んだのがこちらの写真となります。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F9.0 1/1000秒 ISO160
■モデル:五味未知子
残念ながら道路を赤いバイクと奥からこちらに向かって走ってきているトラックの前面が赤色なので、これらが写真に入っていなければと思うところなのですが、これが僕の妥協点ですね。モデルさんの立ち位置・動き・ほかの車の色などを優先しました。
このように車の通りや人通りが多い道では何度もシャッターを切ることが多いです。実際このときは……
これだけシャッターを切っています。
途中では大胆に空を入れない構図も考えたのですが、「これじゃないな……」と思い、最終的に空を入れた構図へ変更しています。
僕は街撮りにおいてシャッターを切る回数は多いものの、2回・3回と同じ場所で何度もチャレンジすることは少ないです。このときもこの場所では1度しか撮影していません。
絶景と違い、街撮りでは数十メートル歩けば景色が変わっていきます。1ヶ所で粘って撮影するよりはどんどん歩いて次の場所で撮影するほうが僕は好きです。さらにモデルさんのテンションを考えると、何度も何度も同じ場所で撮影するよりは、いろんな場所で撮影したほうが飽きもこないし、楽しいのではないかと僕は考えています。
もちろん人によってこだわりたいポイントは違うと思いますので、1ヶ所で何度も撮影にチャレンジすることも素晴らしいと思います。
まとめ
写真を撮っている人は皆、こだわりのポイントがあると思います。しかし、そのポイントを自身が把握しているかというと把握できていない人もいます。今回の記事を通して、自分が写真において何にこだわって撮影しているのか振り返るきっかけになれば幸いです。
■モデル:
五味未知子
■写真家:
コハラタケル
1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。
コハラタケルさんの連載記事はこちら
#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/483346238.html
#02 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/483447191.html
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/484139215.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のコハラタケルさんによる連載第四弾記事です。街撮りポートレートの撮影テクニックを紹介しています。作例と解説コメントを分かり易く説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,レンズ,人物_子供,撮影テクニック
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AUTHOR:
TITLE: 今コストパフォーマンスが高いカメラ|ソニー α7R IIIとα7 III
BASENAME: 484604017.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 12/07/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,α7 III,α7R III,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
仕事柄よくカメラやレンズの購入に関して相談されることが多くあります。これからカメラを趣味に始めたい方からベテランの方まで様々。最近写真撮影が楽しくなってきて、本格的にカメラを購入したい友人から相談があったので、改めていろいろな観点で何がおすすめできるかを考えてみました。
予算が無尽蔵にある人であれば、何も考えずフラッグシップのカメラを購入すれば満足すると思いますが、そんな人はほとんどいないでしょう。欲しいカメラが決まっていれば、購入金額を貯めて欲しいカメラを購入すればよいですが、意外にも購入したいカメラを決めきれない人も多いと思います。
何を撮りたいのか?
どんなレンズが必要なのか?
予算はいくらなのか?
どんなアクセサリーが必要なのか?
相談を受けると必ずこのあたりの質問を返してアドバイスをします。撮影したい内容によってカメラ本体に予算をかけるのか、レンズに予算をかけるのか変わってきます。今回はソニーのフルサイズαで、今どの機種がコストパフォーマンスが高いのか、実際に撮影した作例も合わせて紹介します。
コストパフォーマンスの高いソニーフルサイズαはどれだ
■撮影機材:SONY α7R III + FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離83mm
現在(2021年11月現在)ソニーから発売されているフルサイズのαは、α1、α9 II、α7R IV、α7S III、α7R III、α7 III、α7C、α7 IIの8機種。ソニーは新型が出た後も旧機種になったα7R III、α7 IIなどを現行の機種よりもお得な価格にして継続的に販売しています。この8機種を個人的主観で、コストパフォーマンスの高い機種を絞り込んでみました。
α7 IIは供給不足により現在注文ができない状況にありますが、値段的にも一番安価。しかし、発売(2014年)からかなり年数経過をしており、価格面では魅力はあるものの全体的な魅力は劣るので現時点では購入をおすすめしにくい。その理由の一つにバッテリーの問題があります。というのも、現状販売されているフルサイズαの中で、唯一バッテリーが「NP-FW50」の仕様。その他のフルサイズαはすべて「NP-FZ100」の仕様で、「NP-FW50」に比べて約2倍の高容量バッテリーになっています。バッテリーの余裕は撮影の余裕に直結する問題ゆえ、この点においてα7 IIは今回のピックアップから除外となります。
α1やα9 IIはとても素晴らしいカメラである事は間違いありません。筆者もスポーツ撮影には欠かせないカメラとなっています。しかし、値段という点ではなかなかハードルが高い機種です。ボディだけで50万円を超える価格は簡単に出せるものではないですよね。業務で使うとかプロスポーツを撮るとかで、高速な連写性能やAF性能を必要とする被写体を撮影するのが必須の人は選択するべき機種ですが、それ以外ではよほど懐に余裕がないと厳しいのが現状だと思います。
動画撮影寄りのα7S IIIは少し特殊性があるので、静止画がメイン撮影の人にはおすすめする機種から外れます。こうやって絞り込んでくると残りはα7R IV、α7R III、α7 III、α7Cの4機種。
高画素機の新旧(α7R IV、α7R III)で比較してみると、当然のごとく画素数もα7R IV(約5100万画素)の方が多く、α7R III(約4240万画素)よりも魅力的なスペックです。価格面を見てみるとα7R IVボディが約38万円弱、α7R IIIボディが約32万円弱とその差は6万円ほど。この価格差であれば、新しいα7 IVを選択する方が良いと思われますが、現在「
αフルサイズウィンタープレミアムキャンペーン 」(2021年10月22日~2022年1月11日)が実施されており、この2機種は5万円のキャッシュバック対象になります。そうなると実質α7R IVボディが約34万円弱、α7R IIIボディが約27万円弱となり、α7R IIIが30万円を切って魅力的に見えてきます。
※こちらのキャンペーンは終了しております。
キャッシュバックセールを加味した価格で4機種を検討してみると、
α7R IV(2019年発売)…約34万円 ※αフルサイズウィンタープレミアムキャンペーン対応
α7R III(2017年発売)…約27万円 ※αフルサイズウィンタープレミアムキャンペーン対応
α7 III(2018年発売)…約24万円 ※レンズキットFE28-70mm F3.5-5.6 OSS付き
α7 III(2018年発売)…約22万円
α7C(2020年発売)…約20万円
α7Cが価格も安く新しい機種として魅力もありますが、α7 IIIレンズキットのコストパフォーマンスの高さは目を引くものがあります。α7 IIIは新たに発表されたα7 IVの事もあり、今後の価格を注目したいところです。
※売価は(記事掲載)2021年12月7日時点の
キタムラネットショップ 価格(税込)を参考にしています
実際に各機種を使用した感覚と市場の価格面からコストパフォーマンスの高い機種を個人的に選んでみると、風景写真などをメインに趣味の写真を満喫する人にはα7R IIIをおすすめし、家族写真やスナップ写真、ペットなど少し動く被写体を含めたものを撮りたい方にはα7 IIIがおすすめになります。
α7 IVが発表されたことで共に一世代前の機種になりますが、その性能は問題なく一級品の実力とスペックを持っています。特にα7R IIIに関しては、このキャンペーンが魅力的な機種です。また、キャンペーン対象にはなっていませんが、α7 IIIもキットレンズ付きの価格がとても魅力的になっています。
α7 IIIとα7R IIIのどちらを選ぶ?
α7 IIIはとても優秀なオールラウンダーのスタンダード機、α7R IIIは高画素機といった性格の違いがあります。スペック的に違う部分をピックアップして比較してみました。
α7R III(ILCE-7RM3A) α7 III(ILCE-7M3) カメラ有効画素数 約4240万画素 約2420万画素 フォーカスエリア ワイド
399点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
ワイド
693点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
ISO感度 静止画撮影時:ISO100-32000
(拡張:下限ISO50、上限ISO102400)
静止画撮影時:ISO100-51200
(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)
ファインダー総ドット数 3,686,400 ドット
2,359,296 ドット 液晶モニタードット数 2,359,296 ドット 921,600 ドット 手ブレ補正機能 5.5段 5.0段 連続撮影可能枚数 JPEG Lサイズ エクストラファイン:約76枚
JPEG Lサイズ ファイン:約76枚
JPEG Lサイズ スタンダード:約76枚
RAW:約76枚
RAW+JPEG:約76枚
RAW(非圧縮):約28枚
RAW(非圧縮)+JPEG:約28枚
JPEG Lサイズ エクストラファイン:約163枚
JPEG Lサイズ ファイン:約172枚
JPEG Lサイズ スタンダード:約177枚
RAW:約89枚
RAW+JPEG:約79枚
RAW(非圧縮):約40枚
RAW(非圧縮)+JPEG:約36枚
静止画撮影可能枚数 ファインダー使用時:約530枚
液晶モニター使用時:約640枚
ファインダー使用時:約610枚
液晶モニター使用時:約710枚
質量(本体のみ) 約572g 約565g
連写の最高速度はどちらも同じの10コマ/秒ですが、有効画素数の違いにより約4240万画素のα7R IIIの方がファイル1枚あたりの容量も増える為、連続撮影枚数はα7 IIIよりも落ちます。通常の撮影や風景撮影などにおいては、画素数の多いα7R IIIの方に分がありますが、連写をする撮影においては(連写する枚数にもよりますが)α7 IIIが有利になります。
ISO感度は設定できる上限値がα7 IIIの方が1段階高く設定できますが、実際にはそれほどの高感度設定を使用するシーンはほとんど無いので、大きな問題にならないでしょう。
フォーカスエリアにおいて、コントラスト検出方式では測距点の差はありませんが、位相差検出方式ではワイドで693点の測距点を持つα7 IIIの方が優秀で、オートフォーカスのピント合わせの精度がより高いと言えます。
ファインダー内の見やすさ、背面液晶の見やすさという点においてはドット数が多いα7R IIIが有利です。
※2021年6月にILCE-7RM3からILCE-7RM3Aにマイナーチェンジされており、液晶パネルの仕様が変更(約144万ドット→約236万ドット)になっています。
■撮影機材:SONY α7R III + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF11 ISO200 焦点距離105mm
■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF8 ISO800 焦点距離105mm
画素数が多ければ、撮影した後の画像調整においてトリミングができる範囲も広く余裕がありますが、α7 IIIの2400万画素が足らないという訳ではありません。実際に2400万画素あればA3サイズプリントの必要画素数(理論値)をカバーできますし、A1サイズのプリントでも問題なく対応可能です。
どちらか一つを選ぶとなると難しい選択にはなりますが、風景などの被写体をメインに撮影するならα7R III、オールマイティーにいろいろ撮影をしたい人にはα7 IIIがおすすめになると思います。
α7R IIIの高画素機の魅力
■撮影機材:SONY α7R III + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離77mm
α7R IIIの最大の魅力は、やはり約4200万画素という大きな画素数に尽きます。後継のα7R IVは約5100万画素に画素数をアップしていますが、今なお約4200万画素は高画素であり必要にして十分な画素を持っています。写真展で使用するような大きなプリントでも安心してイメージ通りのプリントをする事ができます。
筆者がこのα7R IIIでよく使用する方法があるのですが、それは高画素機ならではの使い方だと思っています。具体的には望遠側で撮影していて距離感が足りない場合に、積極的にクロップ撮影をします。
ボディのカスタムボタンに、フルサイズとAPS-Cの切替を登録し積極的に使用しています。α7R IIIであれば、フルサイズ撮影なら約4200万画素(7952x5304ピクセル)になりますが、APS-Cモードで撮影しても約1780万画素(5168x3448ピクセル)残ります。APS-Cモードであれば焦点距離を1.5倍で撮影する事ができるので、望遠でのクロップ撮影をしても画素数が十分に残っているのは非常にありがたいと感じています。
【α7R IIIカスタムキー設定画面】筆者はカスタムボタン1かレンズのフォーカスホールドボタンに「APS-C S35/フルサイズ切換」を割り当てている
実際にα7R IIIでクロップ撮影をしたものが下の写真になります。
■撮影機材:SONY α7R III + FE 400mm F2.8 GM OSS (x2倍テレコンバーター使用)
■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離1200mm(APS-Cモード撮影)
■撮影機材:SONY α7R III + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF8 ISO800 焦点距離600mm(APS-Cモード撮影)
■撮影機材:SONY α7R III + FE 70-200mm F2.8GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF16 ISO200 焦点距離300mm(APS-Cモード撮影)
高画素機ならではAPS-Cクロップ撮影は、レンズ交換の手間を省き瞬時に1.5倍相当の望遠に切換えできるメリットは大きいです。
■撮影機材:SONY α7R III + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度20秒 絞りF8 ISO100 焦点距離400mm
■撮影機材:SONY α7R III + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF10 ISO800 焦点距離158mm
もちろん通常のフルサイズモードで撮っておけば、約4200万画素のピクセル数があるので、後でトリミングなどの調整でも余裕をもって対応する事ができます。
■撮影機材:SONY α7R III + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF6.3 ISO400 焦点距離600mm
リアルタイム瞳AF(動物・人物)にも対応しているので、ペットの撮影はとても快適にピント合わせをしてくれます。
■撮影機材:SONY α7R III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
■撮影機材:SONY α7R III + FE 70-200mm F2.8GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離200mm
α7R IIIは風景からネイチャー、ペットまでそつなくこなせる高画素機。十分な画素数と瞳AF、そして秒間10コマの連写性能があり、一世代前の機種である事を感じさせないカメラです。
α7 IIIは高性能なオートフォーカスが魅力
■撮影機材:SONY α7 III + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離535mm
撮影協力:ソニーHC BRAVIA Ladies
α7 IIIは、α9に搭載された撮像エリア全体の約93%をカバーする693点像面位相差AFセンサーを搭載しており、この点においてはα7R IIIよりも高性能です。
オートフォーカス性能が高いと言うのはかなりの重要なポイントです。リアルタイム瞳AFと合わせて、人物/ペットや野生動物の瞳を高速・高精度に検出してオートフォーカス追随を可能にしていますし、スポーツ撮影にも十分に対応できるオートフォーカス性能を有しています。
下の写真は、FE 50mm F1.2 GM OSSで撮影した猫の写真ですが、絞りをF1.2の開放で撮影しています。F1.2という非常に浅い被写界深度で撮影しているのですが、さすが動物瞳AFといったところでしょうか、動く猫の目にピントばっちりです。
■撮影機材:SONY α7 III + FE 50mm F1.2 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF1.2 ISO400 焦点距離50mm
モルモットの目でも瞳AFは有効でした。
■撮影機材:SONY α7 III + ZEISS Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離135mm
10コマ/秒の連写撮影も、最新のスペックには劣るものの必要にして十分の能力と言えます。下の様なシーンでは連写機能はとても重宝します。
■撮影機材:SONY α7 III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF3.2 ISO6400 焦点距離55mm
α7 III、α7R IIIでスポーツ撮影や動く被写体を撮るときに注意点があります。シャッターの設定をサイレントモード(電子シャッター)で撮影すると、ローリングシャッター現象が発生する頻度が高くなることです。
ローリングシャッター現象は、下の様な写真で高速で動く部分に影響が出てくる場合が多く、被写体に大きな歪みが生じます(※ボールの歪みに注目)。こうなってしまうとせっかくの写真も台無しになってしまうので、α7 IIIやα7R IIIで動く被写体を撮影する際には、メカニカルシャッターで撮影するのがベストです。
■撮影機材:SONY α7 III + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF8 ISO400 焦点距離315mm
※サイレントモード(電子シャッター撮影)
高感度ノイズ関して、α7 IIIは無理のない画素数なのでα7R IIIよりも良好です。常用でISO6400までは許容範囲で使用できます。下の写真はISO12800で撮影してみたものになりますが、ISO12800でも思っていたよりノイズが少なくビックリしました。
■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF4 ISO12800 焦点距離24mm
α7 IIIで今回の「αフルサイズウィンタープレミアムキャンペーン」(2021年10月22日~2022年1月11日)の対象になっているレンズ「SEL24105G」と「SEL55F18Z」を使って撮り歩きをしてきました。
このFE 24-105mm F4 G OSS「SEL24105G」レンズは、広角24mmから中望遠105mmまでをカバーするGレンズ。α7R IIIと同時に発売されたレンズで、非常に使い勝手もよく万能なレンズであらゆるシーンで活躍してくれるレンズです。また、Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA「SEL55F18Z」はZEISSブランドのレンズで、ハイライトからシャドウまで優れた階調再現性と高解像を実現できると人気のレンズです。
■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離24mm
■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF20 ISO800 焦点距離24mm
■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/40秒 絞りF5 ISO6400 焦点距離65mm
■撮影機材:SONY α7 III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
■撮影機材:SONY α7 III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
■撮影機材:SONY α7 III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
まとめ
今回、新機種ではなくあえてコストパフォーマンスという面からピックアップしてみたα7R IIIとα7 III。実際に撮影してどちらもスペック的に大きな不満は感じない良くできたカメラだと改めて感じました。
個人的にさらに絞り込んで1機種を選ぶとなると、キャンペーンによるキャッシュバックをしているα7R IIIを選択することになります。理由としては、高画素によるクロップ撮影にも耐えられる点が挙げられます。筆者はよく望遠側の領域を使って撮影する事が多く、クロップ撮影に頼ることも多いのがα7R IIIを選ぶ理由です。
最終的には撮影する被写体や頻度、目的によってカメラ本体を選ぶことになりますが、使わないであろう機能にお金を投資するよりも、その差額の金額をレンズ購入に充てたほうが良い写真を撮れます。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
■更新
・2022年1月12日:キャンペーン終了につき内容を修正しました
この記事で紹介した機材
【ソニー】Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
商品詳細ページ 【ソニー】FE 70-200mm F2.8 GM OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんに、ソニーのα7 IIIとα7R IIIを比較レビューしていただきました。コストパフォーマンスに優れるこの2機種で違いは一体何なのか。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,ボディー,α7 III,α7R III,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XFレンズコンパクトプライムシリーズ|XF35mmF2 R WR レビュー
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 12/08/2021 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF35mmF2 R WR,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
富士フイルムXマウントレンズの大口径プライムシリーズに
XF33mmF1.4 R LM WR が加わり、標準単焦点レンズのラインナップはXF35mmF1.4 R、XF35mmF2 R WRと合わせて計3本になりました。
その中でも使い勝手のよいコンパクトプライムシリーズであるXF35mmF2 R WRは、筆者にとって発売当初より使ってきた使用頻度の高い愛着あるレンズです。都度XF35mmF1.4 Rと比較されることの多いXF35mmF2 R WRですが、その魅力は小さいだけでなく、確かな写り。今回はミニマルボディのX-E4と一緒にXF35mmF2 R WRを連れて街をスナップしながら歩いてみました。
■第二弾のXF23mmF2 R WR編は
こちら
■第三弾のXF16mmF2.8 R WR編は
こちら
取り回しやすいコンパクトサイズXF35mmF2 R WRの魅力
質量わずか170gの軽量コンパクトなXF35mmF2 R WRは、35mm判換算で53mmの画角に相当します。F1.4よりも絞り一段分暗いと言われますが、購入しやすい価格帯やサイズは大いに魅力的。開放F値2.0という明るさは大口径ではない分、性能面にも余裕があり光学設計を無理せず小型軽量化されています。6群9枚のレンズ構成を採用しており、そのうち非球面レンズは2枚で構成されています。
レンズ最大径60mm、全長45.9mmというコンパクトスリムなデザインは、撮影される被写体にとってもレンズの存在を意識させることがないという点で大きなメリットです。
鏡筒全面に金属を使用した上質な造りで、マニュアル操作を意識したピントリングと絞りリングのしっとりと重さを感じるトルクはマニュアルレンズのような上質で心地良い手応えと、操作感も抜群。
また、レンズの色が選べるという点もコンパクトプライムシリーズの良さで、筆者はシルバーレンズ×ブラックボディの組み合わせが好きなので迷わずシルバーを購入しました。今はX-E4との組合せでベストなサイズ感にも大満足しています。さらに、防塵・防滴・-10℃の耐低温構造というXF35mmF1.4 Rにはなかった機能も盛り込まれおり、雨や埃、外気温を気にせず歩けるのでアクティブなシーン、スナップ撮影には最適です。
キビキビとしたストレスのないAF
AFスピードはインナーフォーカス採用により最速0.08秒という超高速を実現。何よりもステッピングモーターで駆動させるAFの速度が素晴らしく速いのが特長。私自身、スナップ撮影においてはタイミングを逃さずテンポよく撮影していきたいので、オートフォーカスの速さは重要視しています。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/850秒 F/3.6 ISO160 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
室内や光量が少なくなる夕刻、強い光を浴びたコントラストの高い被写体などでも、インナーフォーカスによってストレスのない合焦をしてくれるので、軽快に撮影ができる心地良さを感じています。撮影が捗るフォーカスの速さだけを見てもかなり優秀なレンズです。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/1500秒 F/2 ISO320 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション: ETERNA/シネマ
しっかりと写し込む力強い描写
絞り開放から解像力があり、少し絞り込むだけで輪郭線が力強く描写されます。コントラストが高い描写で、明瞭感のある被写体をよりくっきりと見せる事が得意なレンズで、全体的に深みを感じられる発色は、レンズの発売当初ボディに搭載されていなかった有効画素数2,610万画素APS-Cサイズのセンサー「X-Trans CMOS 4」や画像処理エンジン「X-Processor 4」、新たなフィルムシミュレーション「クラシックネガ」「ETERNAブリーチバイパス」などが加わってより印象深い画作りとなり、レンズの解像力が益々引き出されたように感じます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/100秒 F/3.6 ISO1000 AUTO WB雰囲気優先 +1.3EV
■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
散歩をしながら撮影していると、日々の中でも突然思いがけないシーンに出会いシャッターを切ることも多いのですが、明暗のコントラストがあっても細部までしっかりと描写してくれる安心感があります。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/170秒 F/11 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 -1.0EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
夕陽が差し込むマンションはアドバンストフィルター「Pop」で陽射しの鮮やかさを引き出してみました。画面奥に行くほど細くなる電線もしっかり映し込んでいます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/750秒 F/3.6 ISO320 AUTO WB
■フィルムシミュレーション:Adv.フィルター Pop
開放F2のボケと最短撮影距離35cm
輪郭が溶けていくようにボケるXF35mmF1.4 Rに対し、XF35mmF2 R WRは輪郭を残しながらその場の雰囲気を感じさせてくれるボケです。もちろん、被写体との距離や、合焦面と背景の距離の関係によってボケ方も異なりますが、筆者はこのXF35mmF2 R WRの臨場感ある雰囲気が好み。X-E4でフィルムシミュレーション「クラシックネガ」を使うようになり、ピント合焦面のキレの良さとボケのバランスによって一層ネガフィルムらしい深みのある優しさが感じられるようになりました。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/2900秒 F/2.6 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/80秒 F/2 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 +1.0EV
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
最短撮影距離は35cm。主にテーブルフォトで活躍しますが、近寄って撮影する被写体の大きさを考えれば十分すぎるほど。立体感を感じる質感描写には高い満足度が得られます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/105秒 F/2 ISO500 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
雑草の中に咲く野花は背景から分離して浮き上がるように。小さなつぼみはかわいいボケとなってアクセントになりました。こうして画面全体にニュアンスが感じられるところも気に入っている理由の一つです。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/85秒 F/2 ISO160 WB太陽光
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
散歩しながらご近所フォトでウォーミングアップ
在宅時間も増え、なかなか思い切って撮影に出かけられない時は日々の中で撮影を楽しんでいます。小さなバッグにも入り、持ち運びの負担にならないX-E4とXF35mmF2 R WRのサイズ・重量はベストバランス。
また、被写体の魅力を引き出す「寄り・引き・アングル・距離」の変化といった標準レンズの画角で身に付けたい基本的なレンズワークや、レンズの特長・風合いを感じるには〝ご近所フォト〟が最適です。動物たちとの出会いを楽しみながらお互いの距離感をつかんだり、アングルを変えてみたり、目に留まったものを切り取ってみるなど、旅写真と同じ感覚が養えるのでフラッと散歩に出掛けてウォーミングアップ。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/480秒 F/2 ISO320 WB曇天 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/38秒 F/2 ISO160 WB曇天 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/100秒 F/2 ISO160 WB曇天 +0.7EV
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
素敵な店先に出会ったら、迷わずお店の方に声を掛けて撮影させていただくなど、コミュニケーションが必要なシーンでも威圧感のないコンパクトプライムシリーズならではの良さを感じられます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/340秒 F/2 ISO320 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm)
■撮影環境:SS1/105秒 F/2 ISO400 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
カメラやレンズの操作慣れはもちろんですが、小さな発見も、出会ったときの会話も、日頃から心掛けておかないと忘れがちです。気持ちの良い撮影を行うためにも今から少しずつ積み重ねておきたいですね。
おわりに
私にとっては理屈抜きで純粋に撮影が楽しいレンズがXF35mmF2 R WRです。このレンズを購入してからというもの、代々所有してきたXシリーズのボディにはほぼXF35mmF2 R WRを付けて歩いています。
標準レンズの王道ともいえる仕様とクイックレスポンスのAFに加えて、サイズのコンパクトさは旅行時にも心強い味方。描写力の高さから見ても決して普及型レンズと言われるものではなく、むしろ優れているといえるでしょう。フィルムシミュレーションとの組み合わせによって益々魅力的な画作りが可能になったXF35mmF2 R WRは、被写体を限定せずどんなシーンでも活躍してくれるので、Xユーザーならぜひ手元に置いてもらいたい一本です。
■写真家:
こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんによる、富士フイルム「XF35mmF2 R WR」のレビュー記事です。軽量コンパクトながら開放F2の明るさと優れた描写力を持った、スナップに最適な単焦点レンズです。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,単焦点レンズ,XF35mmF2 R WR,レビュー,スナップ,こばやしかをる
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD レビュー|葛原よしひろ
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 12/09/2021 16:00:00
TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,35-150mm F/2-2.8 Di III VXD,ポートレート,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
今回はタムロンより新しく発売されましたソニーフルサイズEマウント用レンズ、35-150mm F2-2.8 Di III VXDのレビューをさせて頂きます。おもしろい焦点距離の明るいズームレンズですが、F値の低さから見て、主な使用用途はポートレートかと思いますのでポートレート中心でお話させて頂きます。
35-150mm F2-2.8 Di III VXDポートレート作例
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2.8 1/30秒 ISO-1600 焦点距離 100mm
■モデル:安藤美樹
Miss Grand Japan 2020ファイナリスト安藤美樹さんと撮影。撮影時に雨が振っており、雨宿りに立ち寄った神社が少し薄暗かったのですが、雰囲気が良くて撮影することにしました。開放F値が2-2.8と明るいズームレンズですので少々暗くても平気なのは嬉しいですね。また簡易防塵防滴構造な事も、雨の日の撮影では嬉しい機能です。
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2 1/160秒 ISO-1600 焦点距離 35mm
■モデル:安藤美樹
最近のタムロン製レンズの特徴と言っても良い程、近接撮影能力が高くて被写体に寄れるので本当に使いやすいです。この写真は焦点距離35mmの時は開放F2での撮影が可能ですが、ピント面から背景まで柔らかく優しいボケ味が心地良い印象でした。
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-1600 焦点距離 150mm
■モデル:安藤美樹
次は望遠端150mmでの撮影です。35mm側では柔らかい印象でしたが、それと比べると150mm側は、かなり解像感が高くシャープな印象を受けました。150mmも絞り開放撮影なのですが、開放値が変動するレンズなので35mmの開放がF2なのに対して150mm側ではF2.8になります。その辺りも解像感の差と関係しているのかもしれませんね。
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2 1/100秒 ISO-1600 焦点距離 35mm
■モデル:ゆりな
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2.2 1/160秒 ISO-1600 焦点距離 50mm
■モデル:安藤美樹
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2.5 1/1600秒 ISO-1600 焦点距離 70mm
■モデル:安藤美樹
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2.8 1/100秒 ISO-100 焦点距離 100mm
■モデル:りのん
■使用機材:SONY α7 R IV+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-100 焦点距離 135mm
■モデル:ゆりな
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2.8 1/100秒 ISO-100 焦点距離 150mm
■モデル:りのん
焦点距離を変えた作例を並べてみましたので、各焦点距離での描写を参考にしてください。どの焦点距離でも被写体との距離も関係なくAFの動作は速くて正確だったので、ズーム全域でストレスなく軽快に撮影することが出来るのは、かなり良かったです。
■使用機材:SONY α7 R IV+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2 1/2000秒 ISO-100 焦点距離 35mm
■モデル:ゆりな
■使用機材:SONY α7 R IV+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-100 焦点距離 100mm
■モデル:ゆりな
■使用機材:SONY α7 R IV+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/2.8 1/1250秒 ISO-100 焦点距離 150mm
■モデル:ゆりな
撮影をしていて気付いたのですが、このレンズの前ボケが凄く好みです。後ろのボケも良いのですが、前ボケからゆっくり優しく後ろまで均一にトロけるようなボケが、本当に心地よくて凄く気に入りました。作例は35mm広角端の時と中望遠100mmと、望遠端の150mmですが、ズーム全域で統一感の有るボケ方なので使いやすいです。
35-150mm F2-2.8 Di III VXDスペックについて
スペックのお話もさせて頂きます。届いて箱から出した時の印象は正直デカい!でした。実際、長さ158mm、幅89.2mm、フィルター径82mm、重量1,165gの本体は持ってみるとズッシリと重量感が有り、最近のタムロンのレンズは小さくて軽いイメージの物が多かったので少々驚きました。よく考えれば35mm-150mmのズームでF2-F2.8という凄く明るくて高倍率のズームレンズなので、大きくなるのは当たり前なのです。
大きさはともかく重さに関しては少し印象が違います。正直、今回のレンズは今までのタムロンレンズとは一線を画すほどに造りが良いです。外観の高級感も含めズームリングやフォーカスリング、その他スイッチ類まで耐久性の有る印象でしっかりとしています。勿論今までの物がしっかりしていなかった訳では無いのですが、更にしっかりとした印象で、この造りであればこの重量も頷けると思いました。
使ってみた印象は作例の項にも書きましたが、VXDリニアモーターの制御が素晴らしくAFのスピードも精度も文句なしの性能でした。他機能に割付可能なフォーカスホールドボタンも3か所に装着されており、縦位置横位置に限らず、あらゆる角度で押せるのは操作しやすくて嬉しかったです。
その他にも別売のケーブルを購入すると、TAMRON Lens Utilityで色々なカスタマイズ可能な事も、被写体や撮影条件に対してシビアに調整出来てとても良いです。焦点距離や開放F値が2.8通しでは無く35mm広角側でF2始まりという事から、このレンズは基本的にポートレート向きなレンズだと判断して今回はポートレートを沢山撮らせて頂きました。
このレンズ1本有れば、ポートレート撮影会のような撮影は殆ど行けてしまうので、最初の印象で大きく重いと思いましたが、1本だけでレンズ交換無しに満足のいく撮影が出来ると考えると手軽な印象に変わりました。
35-150mm F2-2.8 Di III VXD風景作例
マルチスタイルフォトグラファーの私としてはポートレートばかりというのも寂しいので、最後に風景写真も観て下さい。
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/7.1 1/50秒 ISO-200 焦点距離 150mm
秋晴れの霧ケ峰高原は撮影スポット満載でした。紅葉が始まった丘の上から富士山がクッキリ見えて、雲も私を歓迎してくれたみたいに絶好の位置に来てくれました。階調豊かな発色性能なので風景撮影にも向いています。
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:f/7.1 1/125秒 ISO-200 焦点距離 150mm
こちらも霧ケ峰高原ですが、遠方の冠雪し始めた山の解像感も良く、被写体までの距離を選ばず性能を発揮してくれました。ポートレートだけでなく準広角から望遠まで1本で補える明るいズームレンズは、旅の1本としても良い選択だと思います。
■写真家:
葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザーJPS(日本写真家協会)正会員
この記事に使用した機材 【タムロン】35-150mm F/2-2.8 Di III VXD ソニーEマウント用
商品詳細ページ
【ソニー】α1 ボディ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんによるタムロンの高倍率ズームレンズ35-150mm F2-2.8 Di III VXDのレビュー記事です。ポートレートと風景の作例を織り交ぜて使用感をお伝えいただいています。
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KEYWORDS:
タムロン,Tamron,レンズ,レビュー,35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー α7 IVが登場!|上位モデル撮影性能を継承した新時代Basicモデル
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 12/10/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,α7 IV,フルサイズ
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BODY:
はじめに
ソニーからEマウントのフルサイズ ミラーレスカメラ「α7 IV」を2021年12月17日(金)に発売するとアナウンスがありました。 従来モデルのα7 IIIは発売されてから4年近い歳月が経過している中、今だに人気が衰えないBasicモデルとなりますので、その後継モデルとなるα7 IVに多くの方が注目され、仕上がりに期待されているのではないでしょうか。今回ベールを脱いだα7 IVはBasicモデルの系譜にありながら上位モデルにあたるα1、α7S III、α7R IVの性能が継承されており、もはやBasicモデルではないのでは?と思ってしまうくらい撮影性能が各段と底上げされていました。今回もソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたので、その時のレポートをご覧ください。
外観から見られる特長
左はα7 III、右はα7 IV
左はα7 III、右はα7 IV
大きさはα7 IIIよりやや横幅が広くなり少し厚みが増した印象ですが、質量は見た目の印象とは異なりたったの8g増ですので今まで通りの取り回しが可能になっています。この厚みのあるボディーはα7R IV、α7S III、α1と似たデザインになっています。ボディ内に新開発の放熱構造が採用されたことで厚みを増した分、長時間の連続録画を可能にしています。
・α7 IV:約131.3x96.4x79.8mm、約573g
・α1:約128.9x96.9x80.8mm、約652g
・α7S III:約128.9×96.9×80.8mm、約614g
・α7R IV:約128.9×96.4×77.5mm、約580g
・α7 III:約126.9×95.6×73.7mm、約565g
※外寸は横×高さ×奥行、質量(本体のみ)
液晶モニターはα7 IIIのチルト式からバリアングル式に変更されています。3型約103万ドットとなっておりα7 III(約92万ドット)よりドット数は増えています。このクラスのミラーレスカメラの中では決してドット数は多い方ではありませんが、とても良い映りの液晶モニターになっていることに驚かされます。α7 IIIでは確認が難しかった色味や階調も、この液晶モニターではしっかりと確認する事ができます。もし液晶モニターの映りが気になりα7 IIIの購入を躊躇された経験がある方がいましたら、是非お近くのカメラのキタムラでα7 IV実機を触って確かめて頂ければ嬉しいです。
ファインダーのドット数も約368万ドットと増えています(α7 IIIは約236万ドット)。こちらも同クラスのモデルと比べると多くはありませんが、覗いてみると非常にクリアに見えるので驚きです。個人差はあると思いますが一眼レフを使っているような見え方に近いと感じました。またカメラを横にブンブン振ってみましたが、像がしっかりとついてくる印象です。
左はα7 III、右はα7 IV
天面向かって左側にあるモードダイヤルは2層構造になりました。上には従来通り撮影モードが選択できるようになっており、その下には静止画、動画、スロー&クイックを選択できるダイヤルがついています。動画撮影の場合は今まで撮影モードダイヤルを動画にして、その後A,S,Mなどをカメラ内のメニュー画面で切替える必要がありましたが、この切替スイッチにより動画撮影時でもモードダイヤルでA,S,Mなどの撮影モードを選択する事ができるようになっています。
また、天面向かって右手前にあるダイヤルはα7 IIIでは露出補正を変更するものでしたが、今回は他の機能も割り当てが出来るようになっており、マニュアルで撮影される方はここのダイヤルを有効活用できるようになっています。ダイヤルの中央にはボタンがついていて、これを押し込むとダイヤルはロックされるので誤動作を防いでくれます。
左はα7 III、右はα7 IV
従来モデルに比べるとグリップは深くなっていてしっかりと握ることが出来ます。この辺もボディーサイズと同じく、α7R IV、α7S III、α1のグリップのホールド感と似た印象があります。小指が余ることなくしっかり握り込むことができるので、重たいレンズを装着した際の安定感もα7 IIIより上がっていると感じました。
記録メディアはSDメモリーカード(UHS-I /II対応)とCFexpressカード(Type A)に対応したデュアルスロットで、CFexpressカードは上側のSLOT 1のみで使えるようになっています。
■両方のスロットにカードを入れる場合はこちのパターンで使えます。
パターン(1)
・SLOT 1:SDメモリーカード
・SLOT 2:SDメモリーカード
パターン(2)
・SLOT 1:CFexpressカード
・SLOT 2:SDメモリーカード
向かって左側にはHDMI端子があり、大きいサイズのタイプAが使えるようになっています 。右側には上からマイクジャック、イヤホンジャック、USB Type-C、マイクロUSBの端子があります。一番上にある赤い丸穴のマイクジャックは、この画では少しわかりづらいのですがバリアングルの液晶モニターを開いた時でも干渉しづらい位置にあります。
また、端子を覆うふたは扉のように開いて、手を放しても開いた状態を維持できますので、ふたが端子の邪魔をする事がないようになっています。
α7 IIIで背面にあった録画開始ボタンが天面に移動し、その位置にC1のカスタムボタンがあります。また、親指あたりにあるAF-ONボタンが少し大きくなり押し易くなるなど、背面はα7S IIIと同様のデザインになっています。
電源OFFの時はセンサーの前にあるシャッターを閉めておく事ができます。センサーを傷つけたりゴミが入りづらくなるので嬉しいですね。
AFと連続撮影性能
位相差測距点はセンサーのほぼ全域に配置されたα1と同等となる759点で、コントラストAFは425点になります。リアルタイムトラッキングはより粘り強く被写体を追尾してくれ、マスク装着などの顔の一部のみの被写体に対しても、瞳を捉える性能はα7 IIIより約30%向上しています。リアルタイム瞳AFは人物以外にも動物、鳥にも対応し動画撮影時も同様になります。動画撮影時に鳥瞳AFに対応するのはαシリーズ初となり、フラグシップのα1よりも対応範囲が広くなっています。
■瞳AF 人物(静止画)
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■瞳AF 鳥(静止画)
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■瞳AF 人物(動画)
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AF追従での連写速度はメカ、電子シャッター共に最高約10コマ/秒となっています。処理能力の向上とともにバッファメモリーが大容量になっていますので、圧縮RAW+JPEG撮影時は1000枚以上の連続撮影が可能です。
■シャッター音はこちら(α7 IIIとα7 IVとの比較)
VIDEO
高画質
有効約3300万画素の新開発フルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを搭載していますので、従来モデルよりも高解像度の撮影が可能になっていて、4K動画撮影時も7Kからのオーバーサンプリングを可能にしています。
画像処理エンジンは上位モデルのα1やα7S IIIで採用された最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載することにより、高画素化に伴うノイズを高次元で低減させ、ダイナミックレンジのグラデーションは滑らかで15ストップを実現しています。また、処理速度ではα7 III比最大8倍の高速処理が可能になっています。
静止画、動画共通して常用ISO感度100-51200となり静止画拡張時50-204800、動画拡張時100-102400の広い感度領域を実現しています。
手ブレ補正
スタンダードは光学式の5軸手ブレ補正、アクティブモードは動画専用の手ブレ補正
光学式のボディ内5軸手ブレ補正はα7 IIIの5段から5.5段に向上し、本モデルではα7S IIIに搭載されて注目を集めた動画専用の手ブレ補正アクティブモードも搭載しています。
■手ブレ補正(アクティブとスタンダードの比較)
VIDEO
また、ソニーが開発するソフトウェアの
Catalyst Browse を使用すればクロップ範囲を任意で選択して大幅に手ブレを抑えた映像をつくることが可能です。
動画性能
Super 35mm(APS-C)では4K/60P、フルサイズとSuper 35mmでは4K/30Pでの撮影を可能にしています。4K60Pでは10bitの4:2:2の設定を可能とし、色情報が豊富になって滑らかな階調で表現できるようになっています。
写真も動画も、カメラ単体で思い通りの表現が可能なクリエイティブルックを搭載し、FX3などのCinema Lineで好評なシネマティックな表現を実現するルック「S-Cinetone」にも対応しています。もちろん、S-Log2およびS-Log3にも対応しています。
ブリージング補正/注目の基本性能
動画撮影中にピント位置を前後に動かした時に画角が少し変わる事をフォーカスブリージングと言いますが、本機では全画素超解像技術を活用し、フォーカスを動かした時も画角が変わらないよう補正することが可能になっています。
■ブリージング補正
VIDEO
α7 IVで新たに搭載された「フォーカスマップ」は、動画撮影時にピントの合う範囲(被写界深度)をライブビュー画面に映し出してくれます。従来はビデオグラファーの感覚で行っていましたが、これによりピント位置を可視化された状態で確認できるようになっています。
■フォーカスマップ
VIDEO
バッテリーはα7 IIIなどと共通の「NP-FZ100」を使用しており、静止画はファインダー使用時に約520枚、液晶モニター使用時に約580枚撮影ができます。動画撮影時は実動でファインダー使用時に約100分、液晶モニター使用時に約110分撮影出来ます。同クラスのミラーレスカメラと比較すると非常に省電力設計に優れ、1本のバッテリーで長く撮影する事ができます。
さいごに
α7 IVは高画素モデルになる中、最上位モデルのα1と同じ画像処理エンジンを搭載することで大幅なノイズ低減を行い高画質な映像表現を可能にしています。またAF性能含む撮影性能が大幅に向上され静止画、動画共にオールジャンルでクリエイティブな撮影を楽しめるカメラになっていると言えます。最近では動画撮影される方が増え、α7S IIIやFX3が人気を博していますが、動画も楽しみたいけど、スチールも高画素に楽しみたいと思っていた方にとって非常にバランスがとれてた仕上がりになっているのではないしょうか。またスチール写真の趣味を深めたいと考えるフォトグラファーにとっても魅力的なカメラになっていると感じました。
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詳しくはこちらから ご覧ください。
α7 IV レビューはこちらの記事でもご覧頂けます
■ソニー α7 IV レビュー|風景写真家 高橋良典
https://shasha.kitamura.jp/article/485344549.html
■ソニー α7 IV レビュー|静止画も動画も撮りたい人に!これからのスタンダードミラーレスカメラ!
https://shasha.kitamura.jp/article/484908191.html
■ソニー α7 IV レビュー|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/485650113.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ソニーからEマウントのフルサイズ ミラーレスカメラ「α7 IV」が2021年12月17日(金)に発売されるとアナウンスがありました。早速ソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたのでレポートを是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,α7 IV
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 富士フイルム XF50mmF1.0 R WR レビュー|湯沢祐介
BASENAME: 484691069.html
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CATEGORY: 湯沢祐介
DATE: 12/11/2021 11:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF50mmF1.0 R WR,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
2020年9月に発売された富士フイルムの「XF50mmF1.0 R WR」。35mm換算で76mmの中望遠レンズです。
ポートレート撮影に向いているこの中望遠レンズをペット撮影に使用するとどうなるのか?重さやボケ味やAF速度といったペット撮影に重要な要素を、作例を見ながら一つずつ確認していきましょう。
気になる重量は?
XF50mmF1.0 R WRの重量は845g。見た目にも手に持ってみてもズッシリ感があります。私は普段からもう少し重いレンズを使っているのであまり気になりませんが、普段コンパクトなレンズを使っている方には重たく感じてしまうかもしれませんね。ただ、大口径中望遠レンズなので個人的にはこの重さも問題ないかなという感じです。
まずは愛用しているX-T4に装着して野良猫撮影へ。とある島の海岸沿いの岩場を歩いていると野良猫を発見。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.1 1/8000秒 ISO160
いい構図で撮るために岩を登りローアングルで撮影。
バリアングル液晶のおかげで地面すれすれのローアングルも楽な体勢で撮影できます。
岩を登り降りしたりしゃがんで地面すれすれで撮ったりと、この時は2時間ほど歩き回りながらの撮影でしたが、思ったほど手の疲れはありませんでした。ただ、ずっと撮影しっぱなしだと流石に疲れるので、ゆったりと撮影するのがおすすめ。
また、X-S10やX-H1のようなグリップの深い機種だとより手の負担が軽くなると思います。
圧倒的なボケ味はペット撮影に最適
XF50mmF1.0 R WRを使用する上で一番気になるのはやはりボケ味です。なにせペット撮影ではこのボケ味がとても重要な要素になってきますからね。大口径の中望遠レンズというだけで美しいボケ味だとは想像できますが、開放値F1.0のボケ味とはどのようなものなのでしょうか。
こちらは先ほどとは違う場所で撮った野良猫さん。石の上でくつろいでいるところを開放値で撮影。ピントを合わせた顔のすぐ近くの石もぼけるほど被写界深度が浅く、少し距離のある背景はとろけるようなボケ味です。そのおかげで被写体の背後にある看板も目立たなくなりました。
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/1600秒 ISO80
寝ているところにそっと近づくと私に気づいて鋭い視線を向けてきました。
その後もまたすぐ寝ちゃう図太さがたまらなく可愛かったです。
続いてはイチョウの木を背景に撮った柴犬です。この時は黄色くなって葉が落ちている木もあれば、まだ緑のままの木もあったりとイチョウの色づきにばらつきがあり、残念ながら綺麗な背景になる場所がありませんでした。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.3 1/5400秒 ISO160
そこでXF50mmF1.0 R WRの圧倒的なボケ味の出番です。開放値で撮ると背景が先ほど同様にとろけるようにぼけてくれます(ちなみに開放値でなくてもとろけてくれます)。こうする事であまり綺麗ではなかった背景も気にならずに、やさしくかわいらしいイメージの写真に仕上がります。
このようにペットや野良猫撮影においてぼかしというのはふんわりとかわいい印象を出す為だけではなく、止むを得ず写ってしまう余計なものやあまり綺麗とはいえない背景をごまかす為にもとても重要なのです。
また、背景多めの引きの画もF1.0のぼけ味で被写体を引き立たせ、ふんわりと美しい世界を作り出してくれます。
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/1600秒 ISO250
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/340秒 ISO160
私が普段使っているXF16-55mmF2.8 R LM WRやXF50-140mmF2.8 R LM OIS WRでは表現できないXF50mmF1.0 R WRならではの美しさ。撮っていて本当に楽しくなります。
何気ない風景をやさしく、美しく表現してくれる圧倒的なぼけ味はペット撮影に最適といっていいでしょう。
AF精度は?一瞬を切り取ってみる。
さて、ぼけ味と同様にペット撮影で重要なのがAF精度です。どれだけ速く、確実にピントを合わせられるかで成功率も変わってきます。
実際に使ってみた感想としてXF50mmF1.0 R WRのAF速度はものすごく速くはないが、思っていたよりは素早く、しっかりと合わせてくれるなといった感じです。なので撮る時もしっかりと確実に目にピントを合わせる事を意識しましょう。何と言ってもF1.0ですから、ちょっとのズレも許されませんからね。まずはあまり動かない被写体を狙ってじっくり撮影する方が良いでしょう。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.4 1/3000秒 ISO160
向こうを向いていた猫が振り向くのを待って撮影。AFフレームを顔付近に移動してひたすら待ちました。こちらを向いたらAFフレームを目に合うように微調整ししっかりとピント合わせ。振り向いた姿勢と表情がたまらなくかわいいですね。きれいなぼけ味のおかげで手前のホースですら美しく見えます。
とは言え動いている被写体も撮りたいですよね。今度はカメラに向かって歩いてくるシーンに挑戦。AFモードをAF-Cに変え、AFフレームを少し大きくして撮影したのがこちら。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/500秒 ISO250
トコトコと歩いてくる子猫を連続撮影したうちの一枚。あまり速くない動きであればしっかりとピントを合わせてくれました。F1.0の浅い被写界深度で動いているペットを撮るのはなかなかシビアですが、ある程度の動きであれば撮れる事がわかります。
もともとスポーツなどの動きのあるシーンを撮るようなレンズではありませんが、ちょっとした動きだったら撮れるので挑戦してみましょう。
暗い場所でも美しく。
F1.0の明るいレンズとなれば挑戦したくなるのが暗い場所での撮影です。普段は出来るだけ明るい場所で撮るように教えているのですが、これだけ明るいレンズであれば逆に暗い場所での撮影も楽しみたくなりますよね。
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/400秒 ISO1000
こちらは古民家スタジオで柴犬を撮影したノスタルジックなイメージの一枚。昼間でも暗い古民家の廊下のコントラストがきれいで、とてもいい雰囲気なので私のお気に入りの場所です。
普段使っているレンズだったら暗いからちょっとやめておこうかなと思うところですが、XF50mmF1.0 R WRの開放値で撮ればノイズの少ないきれいな作品に仕上がります。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/2200秒 ISO160
こちらは夕暮れ時の野良猫さん。日が落ちる時間が早い今の季節も明るいレンズを使えば焦らずに撮影を続ける事ができます。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:f/1.0 1/1000秒 ISO800
小さな橋の下に移動して水を飲んでいた野良猫がこちらに気づいて見つめてきた瞬間。リフレクションもあっていい雰囲気になりました。先ほどよりも暗い場所に移動したのでISO感度を上げて撮影。それでもまだISO800です。レンズが明るい事で撮れるものが増えるのは単純に嬉しいですね。
暗い場所での撮影はペットを可愛いだけじゃなく格好良く撮るのにも有効です。XF50mmF1.0 R WRはこのような写真を撮るのにも適しています。また、昼間でも室内だとぶれた写真になってしまうというペット写真の悩みもXF50mmF1.0 R WRを使えば解決するでしょう。
まとめ
圧倒的なボケ味でどんな場所でもふんわりとした優しい写真が撮れるXF50mmF1.0 R WRは、ペット撮影との相性抜群です。加えて、暗い場所での撮影も可能なので、撮れる写真の幅が広がります。
かわいいも格好いいも見た目に美しい写真に仕上がるので、撮っていてとても楽しいレンズ。思わず見とれてしまうようなペット写真を撮りたい方にオススメの1本です。
■写真家:
湯沢祐介
1980年東京都生まれ。 七色の声を使い分けてわんちゃんの気を引き、猫じゃらしで猫を操りながら撮影するペトグラファー。 その巧みな猫じゃらしさばきから「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。 写真教室講師、原稿執筆、テレビ出演、レンタルフォト撮影など多岐にわたる活動をしている。著書には「ペトグラファーが教える ペットの可愛い撮り方」(日本カメラ社)「こねこ」「こいぬ」(ポプラ社)、「ねこもふ。ごーじゃす」(宝島社)他がある。
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EXCERPT:
ペトグラファーの湯沢祐介さんによる富士フイルム XF50mmF1.0 R WRのレビュー記事です。今回はペットや動物の撮影における本レンズの使用感を詳細にお伝えいただいています。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,レンズ,XF50mmF1.0 R WR,レビュー,ペット,動物
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF15-35mm F2.8 L IS USM レビュー|想像以上の高い汎用性が魅力
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CATEGORY: GOTO_AKI
DATE: 12/12/2021 10:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF15-35mm F2.8 L IS USM,風景,広角ズーム
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BODY:
はじめに
2019年9月に発売された「RF15-35mm F2.8 L IS USM」を使いはじめてから約2年。EF16-35mm F2.8L III USM、EF16-35mm F4L IS USMからの買い換えで使い始めた当初は、ちょっと重いなぁと思いながらも、広角側が1mmワイドに広がった喜びと画質の良さで納得したことを思い出します。
この期間にメインカメラはEOS R からEOS R5へと変わり、協調手ブレ補正でさらに撮りやすくなりました。今日のレビューではこの2年間に撮影してきた写真や動画をご覧いただきながら、レンズの魅力をお伝えしていきたいと思います。
デザイン・外観
長さ126.8mm 、重量約840g、EF16-35mm F2.8L III USMよりも50g重いのですが、撮影が始まると重量の違いはすぐに忘れるぐらいのもの。RFレンズシリーズ共通のコントロールリングやスイッチ類もおなじみの外観です。フィルター径はEF16-35mmF2.8L III USMと同じ82mmですので、フィルター資産をそのまま活かせるのもメリットです。
広角域だけでない幅広い表現
広角ズームレンズというと、どうしても広角域に注目してしまいがちですが、私の場合は、15mmから標準域近くの35mmまで満遍なく使っています。ボディ内手ブレ補正機構があるミラーレスカメラとレンズのイメージスタビライザーを活用して、手持ちで撮れる範囲がぐっと広がっているのもお気に入りのポイントです。
北海道のオンネトー湖から撮影した阿寒富士と雌阿寒岳の一部。焦点距離15mmで撮影。広角レンズで広い風景を撮ると、ただ広いだけの写真になりがちですので、シャドウ部を活かして、メリハリが生まれるように心がけて撮影しています。
■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F22 10秒 ISO50
上の写真と同じ場所から焦点距離を35mmで足元の湖の一部を切り取った作品。焦点距離35mmの場合は、情報が入りすぎないように四隅を確認して、切り取る意識で撮影します。
■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F22 10秒 ISO50
細かな枝の表情が繊細に描写された一枚です。焦点距離15mmですと広角レンズによる歪みを気にする方も多いと思いますが、RF15-35mm F2.8 L IS USMは四隅のピントは流れず、自然な描写力が魅力です。色収差や回折収差などを補正して、描写を最適化してくれるデジタルレンズオプティマイザがデフォルトで有効になっているので、キヤノンの純正現像ソフトDPPでの現像がおすすめです。
■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F13 1/320秒 ISO400
こちらは焦点距離35mmで撮影した早朝の森のシルエットです。シャッター速度は1/20秒、手持ち撮影しています。EOS Rとの組み合わせでは約5段、EOS R5の場合は約7段分の手ブレ補正効果があり、スローシャッターでも気楽に撮影できるようになって、ブレているかも?という不安が激減しました。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F2.8 1/20秒 ISO3200
最短撮影距離
次に最短撮影距離を知って、さらに表現の幅を広げましょう。RF15-35mm F2.8 L IS USMの最短撮影距離は28cmです。レンズ面からですとおおよそ15cmぐらいまで被写体に近づけます。実用上、広角ズームレンズでここまで寄れたら十分という距離感です。
岩場の氷柱を手持ち&AFで撮影。焦点距離は33mm。
■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F2.8 1/6400秒 ISO400
これは筑波山の登山道で撮影した巨木です。RFレンズらしく質感描写も繊細に。焦点距離27mmで撮影。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F8 1/60秒 ISO1600
広角域は狭い場所、小さな場所で威力を発揮
広角域のメリットは何でしょう?
広い空間を広々と捉えるのはもちろんですが、狭い空間を広く見せるというのが、広角域の最大のメリットです。不動産屋さんのサイトを見ると、狭い部屋でも広く見える写真を見たことがある人は多いハズ。風景においても、狭い場所や森の中などで広角域は有効です。
洞窟のトンネルの外側の景色が白飛びしないように、露出はマイナス2.33で撮影。DPPの現像でシャドウ部を明るく調整しています。焦点距離15mmで、手持ち撮影です。絞りはF4.5ですが、RFレンズがすごいなぁと思うのは、岩肌の質感描写。開放に近い絞り値でもここまでシャープな表情を捉えてくれます。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F4.5 1/25秒 ISO1600
海岸の岩場で撮影した直径50cmくらいの小さな水たまりです。カメラ位置をギリギリまで下に置いて、前ボケを作り、遠近感を強調することで実際よりも広くみえるような効果を狙っています。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F5.6 1/125秒 ISO400
F2.8で星空を捉える
EOS R5などのミラーレスカメラでは、高感度の撮影でもノイズが目立たなくなったこともあり、星景撮影ではISO1600~3200をよく使っています。私自身はF2.8であれば星空はOK、開放F4だとちょっと暗いなという認識があります。今後さらに高感度が強いカメラの登場で変わってくるかもしれません。下の作例はそれぞれ焦点距離15mmと35mmで撮影した星空の写真です。
風の強い草原にて、流れる雲と共に。焦点距離15mmで撮影。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F2.8 15秒 ISO3200
こちらは朝の5時過ぎ、空が明るくなり始めた頃の早朝の星空です。F2.8で肉眼で見えている以上に星が写ります。焦点距離35mmで撮影。ちなみに星空の撮影では、星を点で止めて撮影する基本知識「500ルール」(計算方法は500÷撮影焦点距離=露光秒数)で撮影しています。
■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F2.8 15秒 ISO3200
ND2000・ND32000との組み合わせ
レンズの解像感の高い描写力は上に書いた通りですが、撮影の現場ではフィルターワークも重要です。ダイナミックな雲の動きと空の表情を捉えたい時には、RF15-35mm F2.8 L IS USMにNDフィルターを組み合わせて撮影します。
最近のお気に入りは、昼間でも11段分の光量が落ちるND2000と15段分の光量が落ちるND32000を愛用しています。フィルターそのものも濃いサングラスのようで反対側が見えないぐらいです。これほどまでに濃いNDフィルターは、データの色としてはややマゼンタ被りの傾向がありますが、DPPなどの現像ソフトでグリーンへ寄せて、ものの数秒で簡単に調整できるのが嬉しい点です。
ND2000を使用し、焦点距離17mmで撮影しました。撮影時間は夕方の16時過ぎの夕暮れの頃。ISO400のままで90秒の露光時間です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F11 90秒 ISO400
ND32000で午後13時頃に撮影した一枚です。広角ズームレンズとNDフィルターの組み合わせで、明るい日中でも超スローシャッターが楽しめます。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F16 131秒 ISO100
使用した道具のご紹介です。NDフィルターとホルダーはNiSiフィルターの100mm角形フィルターホルダー「V7」、フィルターはケースにそれぞれND2000とND32000が入っています。
タイムラプス
VIDEO
カメラ(EOS R5など)のタイムラプス機能で、夕方や早朝の露出の変化が激しい時間帯でも簡単にタイムラプス動画が撮影できます。タイムラプスは連続する静止画を自動的に繋いで動画を生成してくれる便利な機能です。目で見ていると動きが遅いような雲の動きも、ダイナミックに移動していることがわかります。広い範囲を捉えるRF15-35mm F2.8 L IS USMは、タイムラプスの撮影で大活躍するレンズです。定点で撮影するため、三脚を必ずご用意ください。
水中でも活躍
RF15-35mm F2.8 L IS USMは、陸上だけでなく、私の水中風景撮影でもメインのレンズとして活躍しています。
EOS R5とRFレンズで水中風景の質感を描写しました。ダイビングライセンスを取ったのは30年ほど前ですが、今は主に素潜り中心です。RF15-35mm F2.8 L IS USMの高い描写性能を陸上だけで使うのはもったいなく、水中にも連れ出しています。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F5.6 1/5000秒 ISO1600
EOS R5のAF性能は水中でも陸上と同じように鋭く反応してくれます。浮遊する葉を捉えた一枚。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:F5.6 1/5000秒 ISO1600
水中ハウジングはSEA AND SEAを長年愛用しています。ハウジングはレンズ部分の中間リングを変えれば他のレンズでも使用可能です。
EOS-R5用水中ハウジング MDX-R5
まとめ
今回は、撮影焦点距離に応じて幅広い撮影が楽しめるRF15-35mm F2.8 L IS USMをご紹介させていただきました。焦点距離の変化や撮影距離に応じて、「広角ズーム」という言葉以上に幅広い写真が楽しめるのが特徴です。皆さんの表現したいフィールドに合わせて、広角ズームの世界をお楽しみください。
■写真家:
GOTO AKI
1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。
「RF15-35mm F2.8 L IS USM」関連記事はこちら
■キヤノン RF15-35mm F2.8 L IS USM レビュー|秦達夫
https://shasha.kitamura.jp/article/481374022.html
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EXCERPT:
写真家のGOTO AKIさんによる、キヤノン「RF15-35mm F2.8 L IS USM」のレビュー記事です。広い画角で切り取るダイナミックな風景や星景にぴったりの広角ズームレンズです。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,広角ズームレンズ,RF15-35mm F2.8 L IS USM,レビュー,風景
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 最新スマートフォンで気軽に撮影を楽しもう!|三井公一
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 12/13/2021 16:00:00
TAGS: スマートフォン,iPhone,pixel,レビュー
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BODY:
はじめに
この秋もたくさんのスマートフォンが登場しました。どの端末もカメラの性能に磨きをかけて、美しく素晴らしい写真が誰でも撮影できるようになっています。
今回はその中でも注目の、アップル「iPhone 13 Pro」とグーグル「Pixel 6 Pro」を使った写真撮影のコツをお伝えいたします。特にカメラ性能に優れたこの2機種を使用することで、デジタルカメラと同様にスナップ撮影が楽しくなりますよ。
スマートフォンのカメラは「感じて」シャッターを切ろう
ShaSha読者の皆さんなら、毎週末のようにデジタルカメラと交換レンズを持って、さまざまな場所へ撮影に行っていることでしょう。中には平日の通勤、通学時にもカメラを携行して、素晴らしい光景との出会いに胸を躍らしている強者もいるはずです。
しかし、プロフェッショナル・フォトグラファーならともかく、常時デジタルカメラと交換レンズを持ち歩ける人は多くありません。やはり普段はスマートフォンのみ、という人がほとんどなのではないでしょうか。
いつでもどこにでも持って行けるデジタルカメラがスマートフォンでしょう。機内から美しい日本をiPhone 13 Proで撮りました。気軽に携行できるのでいいシーンを撮る機会が増えるのがいいですね。
幸いなことにこの数年スマートフォンのカメラ性能が格段に向上しています。画素数はもとより、「AI(機械学習)」を活用しての「コンピュテーショナルフォトグラフィー」が進化して、端末についている小さなレンズとセンサーでも目を見張るほどの写真を撮れるようになりました。「HDR」による白飛びと黒つぶれを抑えたショットや、数秒にわたるスローシャッターの夜間撮影でも手ブレしなかったり、計算によって美しく背景ボケを作り出せたりと機能の充実度が止まりません。
コンパクトデジタルカメラを市場から駆逐してしまうのを納得できるほどです。誰でもスマートフォンを構えてシャッターを押すだけでキレイな写真がカンタンに撮れてしまうのですから。
「いいな!」と思ったら感覚的に撮影できるのがスマートフォンのカメラですね。湘南の夕景をPixel 6 Proで撮ったカットですが、デジタルカメラだと露出補正などを考えてしまい、パッと撮影できなかったかもしれません。
デジタルカメラで撮影する場合、多く人はシャッターを切る瞬間にこんなことを考えるはずです。「この露出モードでいいのだろうか?」「このレンズで画角はあっているだろうか?」「露出補正はどれくらいにしようか?」などと。乱暴に言ってしまうとスマートフォンの場合はあまり考えなくて済みます。「構図」にさえ集中すれば「AI」が何とかしてくれるのです。スマートフォンで撮影する時は難しいことを考えずに、楽しんで気軽にたくさんのシャッターを切ることが大切です。
「考えて撮る」デジタルカメラ、「感じて撮る」スマートフォン、と心に刻み込んで撮影するといいでしょう。デジタルカメラを持ち歩いていないときでも、素晴らしいシーンやシャッターチャンスはあるものです。そんな時「!」と感じた瞬間にスマートフォンのカメラで撮影してみましょう。
建物のプレートが反射する光に「!」と思い、iPhone 13 Proのシャッターを切りました。スマホは常時携行できる手軽なデジタルカメラと言えます。
とっさのシャッターチャンスに備えよう
冬であればジャケットのポケット、夏であればパンツのポケットなどにスマートフォンをしまっているはずです。ある日の午後に散歩中、いいシーンが目の前に現れたとします。「撮りたい!」と思った時、スマートフォンのカメラをどうやって起動していますか?毎回、顔認証もしくは指紋認証をしてロック解除してカメラを立ち上げていないでしょうか?それではとっさのシャッターチャンスを逃してしまうかもしれません。
ポケットに手を入れて、スマホを握って外に出すタイミングでカメラを立ち上げられるようにしておけばその心配も無用でしょう。そのためには、
・iPhone 13 Proの場合:待ち受け画面右下にあるカメラアイコンを横にスワイプする
・グーグル Pixel 6 Pro:電源ボタンをダブルクリック
と憶えておきましょう。これでとっさのシーンでも、スマートフォンを見ずにカメラを起動できるはずです。あとは望むように構図を決めてシャッターを切るだけです。練習しておくといざという時に役立つでしょう。
iPhone 13 Proは「A15 Bionic」、Pixel 6 Proは「Tensor」と独自のチップを採用しているので、起動も撮影もスピーディーに行えますよ。
土手の上をランナーが走ってくるのを歩行中に発見。ポケットから取り出すと同時にカメラを起動してPixel 6 Proのシャッターを切りました。電源スイッチのダブルクリックで手探りでもカメラ起動できるPixel 6 Proはシャッターチャンスに強いスマホですね。
グリッドを表示して構図の参考にしよう
「感じた」ままに撮ろうと前述しましたが、こだわりたいのは構図です。撮りたい被写体をど真ん中に捉える「日の丸構図」もストレートでいいですが、「グリッド」を表示してその線上や線の交点に被写体を置くと安定感がある写真になります。ですので常にグリッドを表示しておくといいでしょう。
・iPhone 13 Proの場合:「設定」→「カメラ」→構図の「グリッド」をオンにする
・グーグル Pixel 6 Pro:「カメラ」の左上の歯車アイコンをタップ→「その他の設定」→構成の「グリッドの種類」→「3 x 3」を選ぶ
ふと立ち寄ったスタンディングのワインバーで。グリッドを常に表示しておけばガイドとして利用できるので、水平が傾かない写真撮影が行えます。
カメラを効果的に切り替えて撮影しよう
iPhone 13 Proもグーグル Pixel 6 Proもカメラを3つ搭載しています。広い範囲を写し撮る「ウルトラワイドカメラ」と、一般的な撮影をこなす「広角カメラ」、そして遠くのものを大きく写しだす「望遠カメラ」です。
この3つの眼を、見つけた被写体に合わせてうまく選択すると写真がグンと見違えてきます。カメラ機能をとっさに起動した時に、すかさず使いたいカメラに切り替える練習もしておくことをオススメします。
また、iPhone 13 Proはウルトラワイドカメラでマクロ撮影が可能ですし、Pixel 6 Proは4倍の光学ズームに加えて20倍ものデジタルズームで鮮明な望遠写真を撮影できますよ。
iPhone 13 Proの望遠カメラは3倍になりました。前モデルより長めになったので、人によっては使いにくく感じるかもしれません。室内よりもこのような屋外ではその威力を発揮する可能性大です。
iPhone 13 Proはマクロ機能が搭載された。ググッと被写体に迫ってのクローズアップ写真も手軽に撮れますね。
コンピュテーショナルフォトグラフィーを楽しもう!
「AI」を活用した撮影機能もスマートフォンカメラの特徴です。計算によってボケ効果を作り出す「ポートレートモード」が代表的なものですね。これは人物ポートレートだけでなく、静物などでも有効なので積極的に使って印象深い写真を撮ってみましょう。
「ポートレートモード」はボケ量を撮影時またはあとから変更できるのが便利ですね。Pixel 6 Proの場合はピント位置も自在に変えられるのがいいですね。
紅葉を「ポートレートモード」で。まるで大口径単焦点レンズをデジタルカメラに装着して撮影したかのようなカットが撮れました。Pixel 6 Proはあとからピント位置の調整も可能です。
また「夜間モード」も面白い機能の一つです。スマートフォンのカメラは1回のシャッターを切ったときに、実は複数枚の画像を取得しています。露出の明暗差、ボケとブレの量、トーンやノイズなどをその何枚かの画像を解析して、最適と思われる画像を写真としてアウトプットしてくれているのです。「夜間モード」は光源を飛ばさずに暗部を持ち上げ、ノイズを抑制して手ブレを低減した画像を写しだしてくれます。
iPhone 13 Proは「ナイトモード」を自動的に、Pixel 6 Proは「夜景モード」を選択して撮影できます。長秒露光時でも「AI」のおかげで三脚いらずの手ブレのない写真撮影を楽しむことが可能です。
Pixel 6 Proの「夜景モード」で郊外ニュータウンのイルミネーションを撮りました。手持ちで気軽に美しい夜景を撮影できるスマートフォンの「AI」は本当にスゴいですね。
逆光でも明暗差をうまくコントロールしてくれるので、ヒトの見た目に近い仕上がりをしてくれます。独自のチップを採用したPixel 6 Proは落ち葉の精細感も高く、光芒も美しく捉えてくれました。
まとめ
スマートフォンは常に携帯する「デジタルカメラ」です。情報端末でもありますが「カメラ」だと思って持ち歩いていると、自然とさまざまな被写体に出会い、いいシーンが見えてくるようになるものです。
デジタルカメラの相棒として、新しいスマートフォンで写真生活をエンジョイするのもオススメです。お近くのカメラのキタムラでは最新のカメラ機能を搭載したスマートフォンを取りそろえています。ぜひチェックしに訪れてみてください!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
カメラのキタムラよりご案内!最新iPhoneシリーズ/Pixelシリーズ取扱い中!
カメラのキタムラは全国のスマホ取扱店でソフトバンクのご契約ができます。今回ご紹介したiPhone・Pixelをはじめ、豊富なラインナップを取り揃えておりますので、ぜひこの機会に店舗へお立ち寄りください。
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによる最新スマートフォンを使用した撮影方法をレビューしていただいています。
iPhoneとPixelの違いも含めて、ぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
スマートフォン,iPhone,Pixel,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: 全国絵になる水族館めぐり撮影旅~沖縄編~
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CATEGORY: 虫上智
DATE: 12/14/2021 16:00:00
TAGS: 撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー,オリンパス(Olympus) レンズ,水族館
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BODY:
はじめに
皆さんこんにちは。写真家の虫上です。今回から新企画として、南は沖縄から北は北海道まで全国の水族館を巡ってその土地ならではの水族館を紹介していきます(過去の連載記事「まるで○○撮影」シリーズは
こちら )。
最近、日本には3Dマッピングを利用したり、アート表現のためにハイテクを駆使した展示や変わったアングルで見学できたりする水族館が次々とできています。なんと実は現在、全国に水族館は約150か所もあるんです。驚きですよね。その中で絵になる水族館や撮影することが楽しくなる水族館をピックアップして、南から順番に紹介していきたいと思っています。皆さんのお近くの水族館やいつか行ってみたい水族館が出てきましたら、撮影旅行のバイブルとして参考になれば幸いです。さて、記念すべき最初の水族館は沖縄編です!
超ハイテク水族館「DMMかりゆし水族館」とは!?
2021年7月にリニューアルオープンした出来立てホヤホヤの水族館、その名もDMMかりゆし水族館にまずは行って来ました。なんでも、映像コンテンツと空間演出が凄いとのこと。
白を基調とした入口に奇麗な演出が期待できます。入館してまず最初に通された部屋では、この水族館のコンセプトムービーが流れつつ、ダイナミックなサラウンド音響も相まってまるでUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に来たような錯覚を起こします。この演出でこれから先の展示にかなりの期待感が出ますね。ただ、ここだけは撮影禁止ですから皆さんは実際に行ってみてください(笑)。
まず、入館すると奇麗な大型ハイビジョン水槽がお出迎えしてくれました。床面への映り込みまで計算された美しい展示に思わず息をのみます。そして次に右のスマホの案内板(アクセスポイント)に目がいきます。
なんと、この水族館は展示している魚の説明はスマホで見られるとのこと。掲示板のスマホの部分に自分のスマホを当てると、その場所付近での展示説明が出るんです。これは試してみるととても素晴らしいサービスでした!館内はWi-Fi完備なのでダウンロードやアクセスも大丈夫でした。展示説明が表示されるのに少しタイムラグもありましたが、慣れてしまえば気にならなくなりました。是非皆さんも試していただきたいですね。逆にスマホがないとちょっと物足りないかも……
こちらは金魚のような魚。実は金魚では無くてコスタリカに住む淡水魚なんだとか。このように、周りの方に迷惑をかけずに目の前の魚の説明を詳しく見られるのはとても素晴らしい試みだと感じました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/200秒 ISO200
さて、はやる気持ちを抑えながら淡水魚のコーナーではシルバーアロワナのみの展示に目がいきました。背景も暗く落とすことができ、同じ種類のアロワナが泳いでいますので前ボケにもう一匹のアロワナを取り入れてみました。このような写真は水族館でしかなかなか撮影できないので素晴らしい展示ですね。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/40秒 ISO200
お次は案外全国の水族館でもたまに見かけることがある、ブラジルカイマン。半水面写真はいつ見ても不思議に見えますよね。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F2.0 1/40秒 ISO400
淡水から海水の水槽に向かう区切りとして「うみかじドーム」があります。ここで撮影できた作品、誰が見ても驚愕の写真ですがこれは実際の背景は映像なんです。いつか本当にこのような場面で撮影出来たらな……と考えてしまいますね。それだけ最新の水族館のアイデアは凄いということですが。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/160秒 ISO400
かわいらしいハコフグの幼魚の展示もゆっくりと撮影できました。実際の海でもこの幼魚はたまに見かけるのですが、サンゴの隙間に入り込んで撮影がしにくい被写体の一つ。しかし水族館ならこんなカットも簡単に。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/1250秒 ISO400
人気者のゼブラオレンジのチンアナゴ。餌やりタイムの時は全てのチンアナゴが砂からにょきにょき出てくるのでねらい目ですよ。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 1/60秒 ISO400
近未来的な形の水槽に魚たちが泳いでいました。絵になるサメが来るのを待ちました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 1/100秒 ISO400
ここの水族館の目玉でもある、クラゲの水槽。凄く幻想的で何時間も居たくなります。この写真は魚眼レンズで撮影しました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.8 1/640秒 ISO400
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.8 1/80秒 ISO400
このように水槽の映り込みもわざと取り入れると透明感や立体感が表現できます。
さらに、クラゲ水槽を動画でも撮影してみました。どんな雰囲気なのか、また、どんなアングルが作品になるのかが伝われば幸いです。
VIDEO
DMMかりゆし水族館
入館料金は大人(18歳以上)2400円、中人(13~17歳)2000円、小人(4~12歳)1500円で、スマホをかざして入場できるWebチケットも販売している。営業時間は10時~22時(入場は閉館の90分前まで)。無料駐車場あり(イーアス沖縄豊崎の敷地内)。開館日、営業時間はWebサイトやアプリで確認してくださいね。
HP:https://kariyushi-aquarium.com/
展示規模 ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
撮影向き ★★★★★
お勧め度 ★★★★☆
老舗の「沖縄美ら海水族館」
次に向かったのは沖縄を代表する、誰もが知っているジンベイザメで有名な美ら海水族館に行きました。
まずは入り口から巨大なジンベイザメのモニュメントがお出迎え。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F2.2 1/80秒 ISO400
やはりそのインパクトからか巨大水槽に釘付けになりますね。この写真は魚眼レンズで巨大水槽の近くまで寄って撮影しました。大きさや面白さを対比させる人物のシルエットがポイントですね。現在、ジンベイザメとマンタが同時に見られるという贅沢な展示になっていました!
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.4 1/60秒 ISO200
しかも、そのうち1匹はなんとダイバー憧れの全身が黒いブラックマンタです!(右上の黒いマンタ)
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.6 1/50秒 ISO200
VIDEO
人物の大きさとジンベイザメの対比が本当に素晴らしい展示ですね。絵になりますね。動画も撮影したのでご参考に。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/60秒 ISO1600
光と影を意識して作画しました。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/320秒 ISO200
はく製の展示も多々あります。はく製の場合はモノクロにすると印象的な作品になりやすいです。
ここはとても大きい水族館なので、巨大水槽以外に様々な魚の水槽があります。しかも、展示スペースに余裕があるのでじっくり観察&撮影できます。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/60秒 ISO3200
からだ全体が光る魚や……
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/125秒 ISO200
眼だけが光る魚の展示も……
流行りの暗闇で光る魚シリーズの展示もあり、涙が出るほど感動しました。ブラックライトで照らされた魚もシャッターチャンスを逃しにくいミラーレスカメラと明るいレンズ、そして超高感度(ISO)撮影が出来る機種があれば、写真の成功率は非常に高くなります。撮影するときは被写体ブレが生じやすいのでシャッター速度に注意しながら撮影しましょう。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/640秒 ISO200
ダイバーとエイ。エイが手前に来るのを待って撮影。こちらも大きさの対比で表現しています。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/100秒 ISO1250
イソギンチャクを背負ったヤドカリ。これ、見たかったんですよね~。まさか水族館で見られるとは嬉しかったです。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 1/800秒 ISO200
自然の光が差し込んでいる水槽。ウミガメを幻想的に。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4.0 1/1000秒 ISO200
ウミガメはシルエットがとても奇麗なので、水槽に差し込む光などをうまく利用して撮影すると絵になります。動画を見るとどのタイミングがシャッターチャンスなのかが判ると思いますので参考にしてください。
VIDEO
沖縄美ら海水族館
入館料金は大人(18歳以上)1880円、中人1250円、小人620円でした(2021.11時点)。営業時間は8時30分~18時30分(入場は閉館の1時間前まで)。大型無料駐車場あり。開館日、営業時間はWebサイトやアプリで確認してくださいね。
HP:https://churaumi.okinawa/
展示規模 ★★★★★
コストパフォーマンス ★★★★★
撮影向き ★★★★☆
お勧め度 ★★★★★
今回の水族館撮影テクニック
今回訪れた2つの水族館ですが、DMMかりゆし水族館はアート志向、美ら海水族館はダイナミック志向と対照的でとても良かったです。共通点としては展示の照明等が凝っていて写真の色がなかなか出にくいため、カメラのホワイトバランスを頻繁に替えて撮影しました。また、スポットライトも多いので露出補正も常に変更して撮影しています。
このような撮影状態の中、常にファインダーから目を離さずに作画状態が確認できるミラーレスカメラがとても撮影しやすいのでお勧めです。どちらの水族館も午前中は人が多く、午後から人が少なくなるので再入館できる水族館は2回周ると良いかと思います。
【番外編】ダイビングでリアルを体験してみよう
私はスキューバダイビングでの撮影もしていますが、沖縄に来たら是非とも大自然の中でリアルを体験してほしいですね。ライセンスが無くても体験ダイビングもできますし。もちろん見られる魚の豊富さや手軽さを考えると水族館に分があるのですが、船で大海原に出るととても感動的ですよ。
沖縄でも慶良間諸島まで来ると、このようなバスクリンのような青々とした海を見ながらランチしたりダイビングしたりできます。この開放感がとても素晴らしいので是非!!
今回1日だけ那覇のショップで予約して慶良間(けらま)諸島に船で行って来ました。丸1日ケラマクルーズしてダイビングすると、1万5千円くらいから楽しめます。最近は水中カメラも機材も無料でレンタルしてくれるショップもあり、とてもサービスが良いですよ!
■撮影機材:オリンパス STYLUS TG-4 Tough
■撮影環境:F2.8 1/640秒 ISO100
コンパクト水中カメラでもここまで撮影できます!
■撮影機材:オリンパス STYLUS TG-4 Tough
■撮影環境:F2.8 1/800秒 ISO100
この水中の広々感は水族館では表現できませんね。
■撮影機材:オリンパス STYLUS TG-4 Tough
■撮影環境:F3.2 1/320秒 ISO100
超マクロモードで小さなアカテンイロウミウシを撮影しました。
■撮影機材:オリンパス STYLUS TG-4 Tough
■撮影環境:F8.0 1/800秒 ISO100
太陽とウミガメのショット。こちらもオリンパスのコンパクトカメラ「TG-4」での撮影。美しいブルーが撮影できました。水族館で撮影した作例と比べると水の色が違うことが判るかと思います。
今回、ダイビングで使用したコンパクトカメラ、オリンパス TG-4と専用ハウジングです。カメラ本体も水深15mまでの防水仕様になっており、シュノーケリングでは専用ハウジングなしでも使用できます。専用ハウジングに入れても大変コンパクトになりますので、気軽に旅行に持って行けるメリットがあります。
このカメラの基本性能は広角から望遠、超マクロ撮影まで全てを一台でこなしてしまうというとても優れたコンパクトカメラなんです。ダイバー仲間の間ではコンパクトカメラはTGシリーズ一択というのも頷けます。最新のTG-6では、これに加えてレンズの結露防止性能が強化されているそうなのでおすすめです。
結局この日は3回もダイビングをしたのですが、大物はこのカメさんとロウニンアジだけでした。水族館に居たマンタやジンベイザメ等はダイビングで水中では滅多に出会うこと無いですね。
■今回お世話になったダイビングサービス
マリンプロダクト:https://www.marine-p.com/
写真家・清水淳さんが運営しているダイビングショップです。スタッフ皆さんとても親切で一人でも安心してダイビングできます。
【番外編】沖縄での移動手段や閉館後のアフタータイムの過ごし方について
今回、本土からの移動は関西空港からLCCのジェットスターを利用しました。なんと現在、関西空港から沖縄まで片道数千円で行けるということに驚きました!!また、沖縄に着いてからは水族館を巡るという事でレンタカーを手配しました。沖縄は道が狭いところや渋滞が多いので軽四のレンタカーがとても良かったですね。道中、奇麗な道の駅もあり、仮眠もとりやすくいい旅となりました。
今回、レンタカーで借りた軽四は新車だったため、中も凄く広くて快適でした(もちろん、ETCやナビは標準装備でした)。アフターファイブのグルメはソーキそばや紅イモアイス、ステーキなど価格もリーズナブルで沖縄らしいグルメを堪能できました。
まとめ
いかがでしたでしょうか、今回は真新しい最新の水族館と老舗の水族館を2つ紹介しました。どちらの水族館も魅せる工夫が随所に施されており、自然な演出を常に模索しているかのような展示方法にとても感心しました。いつか本当にリアルな海で見ているかのような展示が見られることが出来るのでしょうね。是非、皆さんも沖縄に行かれることがありましたらこの2つの水族館、お勧めします。
■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 1/160秒 ISO400
■写真家:
虫上智
1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。
日本写真家協会(JPS)会員。日本写真講師協会 認定フォトインストラクター。フォトマスターEX(総合)。オリンパスカレッジ講師。
この記事に使用した機材 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の虫上智さんによる新連載「全国水族館めぐり撮影」記事の第一弾。今回は沖縄のDMMかりゆし水族館と美ら海水族館で撮影した美しい写真をご覧ください。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,オリンパス,Olympus,水族館,虫上智
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン EOS R3 レビュー|中西祐介
BASENAME: 484753879.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 中西祐介
DATE: 12/15/2021 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) ボディー,EOS R3,フルサイズ,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
2021年11月27日にキヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R3」が発売になりました。EOS R3は視線入力の搭載やトラッキングAF、広いAFエリア、視認性のよいEVFファインダー、EOS-1D X Mark IIIを継承した操作性など多くの機能を盛り込んだカメラとなりました。私はこれまでEOS-1D X Mark III、EOS R5、EOS R6を使用していますが、この度スポーツ取材におけるメインカメラとしてEOS R3を導入しました。
スポーツ取材の現場ではまだまだEOS-1D X Mark IIIを使用しているフォトグラファーが多くいますが、EOS R3は注目の的です。今回は私のライフワークである馬術競技の写真をご覧いただきながら、上記の機能を実際の現場で使用した時の感想をお届けしたいと思います。
■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:1/2500sec F2.8 ISO200 WBオート
強化されたAF性能(トラッキングAFと視線入力)
EOS R3を使用して一番使える!と思ったのは強化されたAF性能です。一眼レフのEOS-1D X Mark IIIのAF性能も大変優秀でしたが、EOS R3は更にAFの自由度が広がった印象です。トラッキングAFや視線入力がとても注目されていますが、この機能を支える土台となっているのは広いAFエリアです。一眼レフではどうしても画面の中心に集まりがちだったAFエリアが画面全体に拡大し、ファインダーの中で被写体がどの場所にいてもストレスなくAFエリアを選択、追従してくれます。特に一眼レフから移行してきた方は、改めてミラーレスの利便性の良さを感じられると思います。
そして、トラッキングAFは様々な被写体でとても有効です。次の動きを予測しながら被写体の動きを追っていくスポーツ撮影において、狙った被写体を追い続けてくれるので、AFエリアを気にすることなくフレーミングに集中できます。また、瞳や顔検知に加えて頭部検知が可能なため、ヘルメットを被っている被写体や後ろ姿でも問題なく追従してくれます。このあたりはEOS R5、EOS R6から正確性や追従スピードがブラッシュアップされています。
EOS 7s以来となる視線入力も注目の機能です。一眼レフ時代に搭載されていた視線入力は実践での使用は厳しいという印象でしたが、EOS R3は全く別物になっていました。事前に個人の視線の動きを登録するキャリブレーションをしっかり行えば、撮影者の視線の動きに合わせて素早くAFポイントが移動してくれます。加えて、私のように眼鏡をかけていても問題なくスムーズに使用できますし、キャリブレーションもとても簡単に行ことができます。
視線入力がどのようなシーンで使いやすいのかを今後検証していく予定ですが、私の場合はAFエリアを素早く動かす一つの選択肢として使っていこうと思っています。AFエリアは領域拡大をデフォルトとしていますが、フレキシブルゾーンや全域AFでも信頼を置けることがわかり、これらを活用する機会も増えそうです。
■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:1/2500sec F3.2 ISO400 WBオート
ローリング歪みを抑制した電子シャッターとフリッカーレス機能
スポーツの現場では、これからサイレントシャッターを求められる場面が増えてくると予想しています。ゴルフやテニス、私が撮影している馬術など、少なからずシャッター音が競技に影響を及ぼす可能性があるからです。これまではスチール撮影(静止画)でシャッター音がするのは仕方がないことと認識されていましたが、ミラーレスカメラの急速な普及によりサイレントシャッターの存在が大会主催者の間で広まっています。
馬術の場合は馬の近くでシャッター音がすることで、馬の集中力を阻害してしまうこともあります。実際の大会でもシャッター音を指摘され、サイレントシャッターが望ましいと言われるケースも体験しました。このような理由から電子シャッターでの撮影機会が増えています。そこで一番気になるのはローリングシャッター歪みですが、EOS R3ではEOS R5と比較してもローリングシャッター歪みが大きく抑制されています。球技を含め様々なシーンで使用してみましたが実用上問題なく、安心して電子シャッターを使用できるようになりました。
また、ブラックアウトフリーで撮影できるのも大きなメリットです。特にバスケットボールのように攻守が一瞬で切り替わり、選手同士が速いスピードで交錯する競技の場合、選手の動きを見ながら撮影が出来るためこれまで以上に次の展開を読みやすくなりますし、チャンスを逃さず撮影ができます。これもローリングシャッター歪みを抑えているからこそ実現できる機能です。
スポーツ以外でも舞台撮影、動画と並行してスチール撮影を行うなどシャッター音を出せないシーンは多くあると思います。それらの制限を気にすることなく撮影が出来るのは大きなメリットです。また、EOS R3では電子シャッター時もフリッカーレス機能が使用できると同時に高周波フリッカーレスも追加されました。屋内競技場ではたくさんの種類の人工灯があり、フリッカーが気になる場面が多くありますが、これによって室内での撮影でも電子シャッターを安心して使用できます。
■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:1/2500sec F3.2 ISO200 WBオート
快適な操作性と軽量なボディ
EOS R3を最初に手に取った時の感想は「軽い!」の一言でした。特にEOS-1D X Mark IIIと比較するとグリップの握りやすさも相まって軽量になったと感じられると思います。グリップの表面素材も滑りにくく指が引っかかりやすいので、長時間の撮影でも疲れを感じにくくなりました。また、RFレンズもEFレンズと比較すると小型・軽量化されていますので、移動時のカメラバックの重量を減らすことが出来ています。
ボディ背面のボタンやダイヤルを見ると、EOS-1D X Mark IIIとEOS R5を合わせたようなボタン配置となっています。その中でも「スマートコントローラー」が搭載されたのは嬉しい機能です。AF-ONと測距エリアの変更を兼ねたスマートコントローラーは、全てのボディに付いて欲しいと願うとても便利なものです。マルチコントローラーよりもAFエリアを移動する際の反応がよく、瞬時にAF-ONを使えるためより直感的に操作ができます。
さらにボタン・ダイヤルカスタマイズを行えば、自分が一番使う機能をワンボタンの操作で呼び出すことが可能になります。少ないボタン操作で機能の切り替えをすることで、撮影時の操作ストレスを大幅に軽減できるはずです。また、スイッチを入れた時の起動時間がより短くなり、ボタン操作時の反応の良さもEOS R3のお気に入りポイントになっています。
■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:1/2000sec F3.2 ISO400 WBオート
心地よい解像感
EOS R3の正式発表前は、3000万画素以上の高速連写対応機になるのではないかという予想をしていましたが、有効画素数は2410万画素でした。これを見てもう少し画素数があってもいいのではないかと思っていました。しかし、実際に使用してみるとRFレンズの効果もあると思いますが高い解像力があり、想像以上に被写体の質感やその場の空気感、奥行きなどをしっかりと描写してくれていました。もちろん4500万画素のEOS R5には及びませんが、心地よい解像感がとても気にいっています。
高感度特性もよく、私はISO8000からISO12800までを許容範囲にして使用しています。2410万画素としたのは高感度とのバランスだったのかもしれません。ボディが持つ能力をフルスペックで発揮するためにはRFレンズの使用をお勧めします。
■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:1/2000sec F4 ISO400 WBオート
まとめ(現場で使った感想)
現在スポーツ取材の現場では、EOS R3をメイン機としてEOS R5、EOS R6を使用用途によって使い分けています。特に激しい動きを追いたい場合は迷わずEOS R3を選択。以前はスポーツ撮影のメイン機はEOS-1D X Mark IIIでしたが広いAFエリア、トラッキングAF、サイレントシャッターなど高いポテンシャルと撮影の新しい可能性を感じてメイン機を切り替えました。EVFファインダーも実用上問題なく、とても満足しています。
特にAFエリアが広くなったことで、ファインダーの中で動き回る被写体をどこに置いてもAFが追従してくれるおかげで、これまでのAFエリア優先からフレーミング優先になり、撮影時のストレスを大きく減らすことが可能になりました。これからも様々なシーンでポテンシャルを発揮してくれるものと確信しています。
■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM
■撮影環境:1/2500sec F3.2 ISO200 WBオート
■撮影協力:
日本大学馬術部
■写真家:
中西祐介
1979年東京生まれ 東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。講談社写真部、フォトエージェンシーであるアフロスポーツを経てフリーランスフォトグラファーに。夏季オリンピック、冬季オリンピック等スポーツ取材経験多数。スポーツ媒体への原稿執筆、写真ワークショップや大学での講師も行う。現在はライフワークとして馬術競技に関わる人馬を中心とした「馬と人」をテーマに作品制作を行う。
・日本スポーツプレス協会会員
・国際スポーツプレス協会会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の中西祐介さんによる、キヤノン「EOS R3」レビュー記事です。スポーツ撮影の現場で感じた高い性能や使い勝手を馬術写真とともに解説いただきました。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,ボディー,EOS R3,レビュー,ミラーレス
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AUTHOR:
TITLE: シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|より印象的に切り取る一本
BASENAME: 484725419.html
STATUS: Publish
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: FPS24
DATE: 12/16/2021 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,90mm F2.8 DG DN | Contemporary,単焦点
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BODY:
はじめに
こんにちは、FPS24です。2021年9月24日にシグマから発売された「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、Iシリーズの中望遠レンズとして、焦点距離65mmに続きラインナップに加わりました。
実際に使用して感じる90mmの魅力は、画面を大きく整理して、より被写体を強調させた撮影が行いやすくなるという点でした。日常では見過ごしてしまうような被写体や風景でも90mmのレンズを使用することで、その存在をしっかり際立たせることができると思っています。
私たちが愛用している「SIGMA fp」にもバランスよくマッチします。Iシリーズ全般に言えることですが、日常でも非常に持ち歩きやすいコンパクトなサイズ感が魅力的です。そしてサイズだけでなく、高い光学性能も魅力的です。実際に自分で使ってみて、写真と動画の両方で表現の力強さを感じました。
今回は、私たちが引き込まれた「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」の魅力をご紹介します。
レンズのスペック
Iシリーズにラインナップされた「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は今までと同様に、繊細なこだわりが垣間見える外観が特徴的です。金属製のボディ、リングのローレット加工、操作の感触など、レンズ自体の質感を高めるために施された加工は細部にまで至ります。
レンズフードは大きく、しっかりとした印象です。外してみるとレンズのコンパクトなサイズが分かりやすいです。
最短撮影距離は50cm、最大撮影倍率が1:5となっています。近くのものを撮影するときにも、構図を絞ってしっかりと撮影ができます。
フィルターサイズはφ55mmで、Iシリーズの「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」「
45mm F2.8 DG DN | Contemporary 」と同じフィルターサイズになっています。この3本のレンズで広角、標準、中望遠と使い分けができて、一緒に持ち運ぶ際にもフィルターなどが共通で使えて非常に便利です。
「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」で写す風景
SIGMA fpと90mm F2.8 DG DN | Contemporaryで撮影した動画をまとめてみました。中望遠だけで綴る動画もなかなか悪くありません。
VIDEO
私たちはこれまで広角レンズを使う機会が多く、中望遠から望遠までのレンズはなかなか馴染みがありませんでした。そんな私たちにとって90mmという焦点距離は新鮮で、いつもとは異なる感覚で被写体を探しながら散策できる面白さがありました。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO1000 F2.8 SS1/200
早朝、森の中を歩きました。ひんやりとした空気の森の中を歩くと、とても気持ち良くリフレッシュできます。そして少し険しいトレッキングコースでも、レンズのコンパクトなサイズのおかげで気兼ねなく持ち歩くことができます。両手を空けておきたい時にはバックパックの隙間に入れておけるので、このサイズには重宝しました。
道から少し離れた距離感の景色でも、焦点距離90mmを活かして撮影を楽しむ事ができます。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO125 F2.8 SS1/200
木に生えた苔が木漏れ日で優しく照らされていました。朝露で濡れたしっとりとした雰囲気も写真に収めることができました。地面ではなく木の根からも新たな葉っぱが次々と生えているのは、自然の力強さを感じます。
普段の歩き方だと見過ごしてしまうような景色も、「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」を持っているとついシャッターを切ってしまいます。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO250 F8 SS1/400
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO125 F8 SS1/200
このレンズを持ってからは、遠くのものを撮ることも楽しくなりました。90mmで撮ると、街並みの背後にある山々や雲はより一層力強さが増します。
山の描写はもちろん立体感があり、遠くからでも稜線や形が綺麗に分かります。さらに、電線や鉄塔のディティールもかなり緻密に描写されています。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F4 SS1/3200
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F4 SS1/2500
飛行機の窓から撮るのも面白い使い方だと思いました。コンパクトなレンズボディは機内でも邪魔にならず、90mmの焦点距離を活かして街並みをアップで撮ることができます。
普段何気なく使っている道路や建物でも、上から見ると思わぬ発見があるかもしれません。撮った写真を後で拡大して見てみるのも楽しみの一つです。日常では見ることのない角度から街を切り取って楽しめるのは、このレンズで味わえる面白さだと感じました。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/8000
被写体を引き立たせてくれるのは中望遠レンズならではの魅力です。背景のボケも美しく、より立体感が出ています。上の写真の場面では被写体との距離が少しありましたが、離れていても服の生地の肌触りが分かるほどの描写力も強みですね。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO4000 F4 SS1/400
軒下に吊るされていた沢山の玉ねぎ。大きくて美味しそうです。こういった光景は都心ではあまり見かけないので、不思議な感覚で眺めてしまいます。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO4000 F4 SS1/400
建物と建物の間の道を行く人。先に見える明るい空間に歩く姿に惹かれました。この辺は細い道が多く入り組んでいたので、スマホで道を確認しつつ歩かないと迷子になってしまうほどでした。
暗がりが多いような場面でも光を捉えてしっかり安定した写りになっています。実は屋根と屋根の間に蜘蛛の巣があり、それも描写されていたのには改めて驚かされます。
■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:ISO2000 F4 SS1/200
この季節にはありがたい囲炉裏です。炭火で体が温まるのはもちろん、お湯を沸かしたり、鍋で料理を作ったりすることが出来ます。炭火のじんわりとした暖かさが写真からも伝わってくる気がします。
「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、ピンポイントに意図した構図で、伝えたいものをしっかりと撮るような撮影に向いていると感じました。
まとめ
「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」はそのコンパクトなサイズとビルドクオリティが印象的なレンズです。しかし他のレンズと同様に光学性能も決して妥協しておらず、細部に至るまで緻密に描写できる性能を持っています。さらに同時発売された「
24mm F2 DG DN | Contemporary 」や、コンパクトな他のIシリーズのレンズと一緒に持ち歩くと、メリハリのある写真や映像を残すことができます。特に動画を撮影する場合には、画角の変化がより楽しめるのではないでしょうか。
取り回しの良いコンパクトな中望遠レンズなので、日々持ち歩いているレンズに「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」をプラスして出かけるという選択も気軽にできます。写真や映像を撮る上での選択肢を広げてくれるのが、このレンズの魅力だと思います。
最後に、今回ご紹介した「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」と同時発売の「24mm F2 DG DN | Contemporary」は
FPS24のYouTubeチャンネル でもご紹介させていただいております。映像に焦点をあててご紹介しておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひこちらもご覧ください!
VIDEO
■執筆者:
FPS24
2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。
「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介中
■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生
https://shasha.kitamura.jp/article/483500379.html
■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary × 旅|山口規子
https://shasha.kitamura.jp/article/483892659.html
この記事に使用した機材 【シグマ】90mm F2.8 DG DN | Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】90mm F2.8 DG DN | Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
映像ユニット「FPS24」さんによる、シグマの90mm F2.8 DG DN | Contemporaryレビュー記事です。被写体を強調して写し取る中望遠レンズの魅力を、動画と静止画の両方で解説いただきました。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,単焦点レンズ,90mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,FPS24
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AUTHOR:
TITLE: カールツァイス ZEISS Batis 2.8/135 レビュー|撮影者のイメージを引き出す魅惑のレンズ
BASENAME: 484752576.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 12/17/2021 16:00:00
TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,ZEISS Batis 2.8/135,単焦点
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BODY:
はじめに
バティスシリーズのレビューも広角~標準、そして望遠と今回で5本目の最後となりました。「ZEISS Batis 2.8/135」は2017年5月に発売され、カールツァイスではシリーズ4本目になるバティスです。135mmの焦点距離はポートレート撮影などに多く使われるレンズですが、ポートレート以外にも中望遠でのボケを活かした撮影にも幅広く使えるレンズです。
今回は、人物・動物・スナップの3つのシーンを撮影し、「Batis 2.8/135」の魅力をお伝えしたいと思います。
Zeiss Batis 2.8/135の魅力
Batis 2.8/135 FE 135mm F1.8 GM 焦点距離 135mm 135mm 画角(35mm判) 18° 18° 開放絞り(F値) F2.8 F1.8 最小絞り(F値) F22 F22 レンズ構成 11群14枚 10群13枚 絞り羽根枚数 9枚 11枚 最短撮影距離 0.87m 0.7m フィルター径 67mm 82mm 外形寸法(最大径x長さ) 98 x 120mm 89.5 x 127mm 質量 約614g 約950g
「Batis 2.8/135」の光学系はアポゾナー設計。高次元の色収差補正により、非常に高性能な中望遠レンズに仕上がっています。また、撮影時のブレを防ぐための光学式手ブレ補正機構も搭載しており、様々なシーンの撮影に安心感をもたらします。
F値こそ変わってきますが、ソニーEマウント純正G Masterレンズ「E 135mm F1.8 GM」とは価格ラインも近く、135mmの単焦点を購入する際には悩むところです。
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
バティスシリーズの中では一番長い135mmの焦点距離。開放F値はF2.8と若干平凡な値ではありますが、レンズ自体の重量も614gと抑えられており、非常に扱いやすい筐体になっています。
望遠効果と絞り開放F2.8の効果が合わさって、ピントが合った後の自然なボケの表現がとても魅力的。「Batis 1.8/85」と同様に、絞り開放では全体的に柔らかな描写をするレンズですが、中心部にはシャープ感があり柔らかなボケとシャープ差が両立しています。
「Batis 2.8/135」も「Batis 1.8/85」と同様に「糸巻き型収差」が出ます。RAWで撮影していればRAW現像の際に、レンズのプロファイル補正を使用すれば糸巻き型収差も修正することができますが、JPEG撮って出しをする場合は糸巻き型収差が気になるところです。
上の様な写真をあえて撮ることは無いと思いますが、構図の隅に直線的なものが入るような撮影する際に、こういう傾向があると認識しておいて損はないと思います。
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
直線基調の被写体も、少し内側寄りに配置する構図にすると糸巻き型収差は目立ちにくくなります。
焦点距離こそ違いますが、写りの質は「Batis 1.8/85」と非常に似通っており、派手さが抑えられた鮮やかな発色と柔らかさを写す事ができ、カールツァイスらしさが非常によく現れているレンズです。
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF3.2 ISO800 焦点距離135mm
Zeiss Batis 2.8/135でポートレート撮影
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
「Batis 2.8/135」が魅力を一番発揮するのが人物撮影です。「Batis 2.8/135」は、カメラにレンズを装着しファインダーを覗いたときから、何か素敵な写真が撮れる事を感じさせてくれます。撮影していてワクワク感が止まらず、とにかくシャッターを切りまくる感じになっていました。ファインダー越しからでも分かる、ピントを合わせたところのシャープ感とそれ以外の和らかなボケ感が両立し、被写体を一層引き立ててくれます。
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離202mm ※APS-Cクロップ撮影
フルサイズ135mmという焦点距離は、APS-Cで使用すれば焦点距離約200mm相当の画角になり、フルサイズの高画素機で使用すれば、135mmと200mmの焦点距離を楽しむことができます。今回は撮影できませんでしたが、室内スポーツなどにも「Batis 2.8/135」をAPS-Cモード焦点距離200mmで使用する事もできるのではないかと思います。
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離202mm ※APS-Cクロップ撮影
Zeiss Batis 2.8/135でお子様スナップ撮影
■撮影機材:SONY α1+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
大人の被写体を撮るのより難しいのが小さいお子さん。動き回る元気なお子さんを撮影するには、やっぱりカメラの性能が左右する部分も出てきます。「Batis 2.8/135」は瞳オートフォーカスにもしっかりと対応し、AF精度も高いので、カメラの性能を存分に活用できる力強いレンズです。
背景にあるイチョウの木からの木漏れ日の柔らかいボケが、被写体であるお子さんを柔らかく包み込むような表現をしてくれました。この一枚が撮れるだけでも所有したくなるレンズです。
■撮影機材:SONY α1+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
■撮影機材:SONY α1+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
焦点距離135mmで屋外にてお子様を撮る場合、丁度いい感じの距離感がありお子様もカメラを向けられた時の緊張感も和らぎ撮影もしやすくなります。
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF2.8 ISO125 焦点距離135mm
「Batis 2.8/135」の最短撮影距離は0.87mと決して短くはありませんが、十分にアップで撮影する事もできます。
Zeiss Batis 2.8/135で動物園撮影
■撮影機材:SONY α7 III+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離135mm
■撮影機材:SONY α7 III+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO6400 焦点距離135mm
■撮影機材:SONY α7 III+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離135mm
動物園でのフェンスやガラス越しの撮影において、135mmの望遠効果+絞り開放F2.8効果で、フェンスやガラスの存在を薄くすることができます。上の写真の鳥の写真はガラス越し、ワオキツネザルの写真はフェンス越しに撮影したものになります。
■撮影機材:SONY α7 III+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離135mm
カワウソなどの動物の速い動きにも、AF-C(コンティニュアンスAF)でしっかりとオートフォーカスが追随し、カールツァイスのレンズでありながらオートフォーカスが使える魅力を大きく感じます。
Zeiss Batis 2.8/135でスナップ撮影
さすがに中望遠「Batis 2.8/135」だけ一本持って街角スナップ撮影は難易度が高いですが、思い切って被写体を大胆にキリトルのは、撮影者の腕を試されるような感じです。たまにはそんな撮影も面白く、試行錯誤しながら撮影を楽しむことができました。
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF4.5 ISO800 焦点距離135mm
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135
■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF2.8 ISO1600 焦点距離135mm
まとめ
「Zeiss Batis 2.8/135」は、バティスシリーズの中でも魅力的なレンズです。135mmという焦点距離は、日常的に使うには少し焦点距離が長く難しいかもしれませんが、人物撮影においては距離感、描写性、柔らかさ、味わいのどれにおいても撮影者のイメージを写真に表現してくれるレンズではないでしょうか。
今回のレビューでバティスシリーズも最後ですが、5本のバティスレンズを使って日常的な使いやすさは「Batis 2/25」がナンバー1でした。しかし、一番使いたい魅力的なレンズはと問われると、この「Batis 2.8/135」がナンバー1です。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんによる、カールツァイス 「ZEISS Batis 2.8/135」レビュー記事です。中望遠の美しいボケを活かしたポートレートに最適なレンズです。
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KEYWORDS:
カールツァイス,zeiss,単焦点レンズ,ZEISS Batis 2.8/135,レビュー,ポートレート,坂井田富三
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: これから始める星景写真 Vol.3|星空と風景のマッチングを意識して撮影しよう!
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CATEGORY: 北山輝泰
DATE: 12/18/2021 11:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ,これから始める星景写真,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック
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BODY:
はじめに
星景写真家・写真講師の北山輝泰です。「これから始める星景写真」の連載もVol.3を迎えました。前回は身近な場所で、構図を意識しながら撮影する際のポイントについてご紹介をしましたが、今回はいよいよ星景写真で最も重要な「星空と風景のマッチング」について、私の遠征記録を振り返りながら深掘りしていきたいと思います。本格的な星景写真の撮影に挑戦したいと思われている方、必見です!
星景写真の考え方
Vol.2 でもご紹介しましたが、星景写真の面白さは星空と風景のマッチングを考えることにあります。マッチングは大きく二通りの考え方があります。
(1) どのような星空を撮りたいかを考えてから、撮りたい風景を探す(星空が優先)
(2) 撮りたい風景を探してから、どのような星空を撮りたいかを考える(風景が優先)
考え方に優劣はなく、作品の狙いによって変えることが重要です。心に留めておくことは、星空と風景のどちらも疎かにしない、ということです。とはいえ、星景写真をこれから始められる方の多くは、星はあまり詳しくないという方がほとんどかと思います。そのため、まずは(2)の考え方の「撮りたい風景を探す」ことから始めるのがおすすめです。星景写真で必要な星の知識などは、また別の機会にご紹介できればと思います。
星景撮影に適している場所
人を魅了する星景写真を撮影する場合は、やはりある程度空が暗く、たくさんの星空が見える場所で撮影することが重要です。そのため、車を使い自由に撮影場所まで行ける方が、作品のバリエーションを増やすことができるのは間違いありません。ですが、公共交通機関を使って行ける宿泊施設などを探し、そこをベースに星空撮影をするスタイルもありますので、車移動ができない方はそのような場所を探してみるのも良いでしょう。
星景写真撮影でおすすめの撮影地の条件は以下の通りです。
(1) 視界がある程度開けている場所
(2) 構図のアクセントになる自然風景、人工物などがある場所
(3) 撮影したい方向に撮影の邪魔になる明るい街灯や建物の灯りなどがない場所
これらの要素を全て満たしながら、かつ夜間に自由に撮影ができる場所となると、日本全国たくさんあるように思えて意外とありません。特に(2)の「構図のアクセントになる自然風景、人工物」を夜に見つけるのは至難の業です。そのため、日中の空き時間を使ってロケーションハンティング(以下、ロケハン)をするのがおすすめです。
しかしながら、お仕事の都合などでロケハンをすることが厳しい方もたくさんいらっしゃると思います。そのような方は、まず各都道府県の有名な観光地・景勝地の中から、夜間に出入りができる場所を探して撮影していくのが良いでしょう。インターネット上で「○○県 観光名所」などと調べると、観光地の情報が手に入りますし、旅行雑誌やツーリング雑誌などを購入してみるのもいいでしょう。今回は、福島の遠征の途中で見つけた鳥居のある海岸風景を前に撮影を行いましたので、その様子をご紹介します。
日中のロケハンで撮影した写真
撮影候補地を探したらまず行うこと
こちらもVol.2で簡単に触れましたが、撮りたいと思った風景が見つかったら、まずはじめにコンパスを使って方角を確認します。この時、同時に方位角もおおよそ分かるとシミュレーションをする時に役に立ちます。インターネット上で撮影地を探す場合は、GoogleMapの航空写真表示機能を利用して、撮影場所と被写体とのおおよその距離や方角を調べるのが良いでしょう。過去にそこを訪れたことのある方の写真投稿なども、貴重な参考資料になりますので、一つずつチェックするのもいいでしょう。
今回撮影をした福島県いわき市の勿来海岸は、東の方向に鳥居がありますので、東の地平線から昇る星空と一緒に撮影できることになります。
ちなみに、もし山や人工物など高さがある被写体を撮影する場合は、その被写体が邪魔になり星空が隠されてしまう可能性がありますので、被写体の高さをおおよそ測っておくことも重要です。測り方ですが、はじめに握り拳を作り、つぎに目の高さでまっすぐ腕を伸ばしたらその拳の厚みが10度となります。仮に目の前の被写体が10度の高さがあるものであれば、10度以上の高さの星空を見ることができることになります。私の場合は、スマホのカメラ機能と連動しながら、目の前の方角と方位角、そして高さを同時に調べることができる「SpyGlass」というアプリを導入してロケハンを行なっています。
SpyGlass操作画面
・App Storeでの「Spyglass」アプリページは
こちら
・Google Playでの「Spyglass」アプリページは
こちら
撮りたい風景が決まったら、次にどのような星空を撮影するかを考えます。星空というのは、星座や惑星などの星々や、天の川のことを指します。撮影するタイミングによって撮れる星空は変わってきますので、同じ場所に撮影に行くとしてもその都度調べ直す必要があります。
今回は11月10日に遠征に行くことが事前に決まっていましたので、その日の20時~24時ごろに撮影できる星空を調べます。調べる方法は、Vol.2でもご紹介した、ビクセンから配信されている「Interval Book」というアプリを使います。
Interval Book操作画面
・App Storeでの「Interval Book」アプリページは
こちら
・Google Playでの「Interval Book」アプリページは
こちら
Interval Bookは、撮影日時と撮影場所、撮影地の標高の入力の他に、使用するレンズの焦点距離も入力することができます。自分が使用するレンズの焦点距離が決まっている場合は、その値を入力してください。私の場合は、シミュレーション結果を元に使用するレンズの焦点距離を決めますので、ここではひとまず24mmと入力しています。
一通り入力が終わったら星図の画面を表示し、撮影する方角が表示されるようスワイプした後、左上の方位角と高度の値を見ながら表示位置を微調整します。最後に画面下部の時間のバーを左右にスワイプしながら、撮影する星空を決めます。今回は、地平線から昇るオリオン座と鳥居を絡めて撮るのが面白そうですので、オリオン座が地平線から昇る20時30分からを撮影時間とします。オリオン座は郊外・市街地問わず、どこでも見つけることができる明るい星座ですので、星景写真の入門ではおすすめの被写体です。オリオン座だけを撮影する場合は、35mm判換算で50mmのレンズがあればちょうど良いですが、今回は鳥居と一緒に撮影する狙いがありますので、余裕を持って30mmで撮影を行うことにします。
今回ご紹介をしたIntervalBookの使い方については、動画でも解説しておりますので、こちらもぜひご参照ください。
VIDEO
ここまでシミュレーションができれば、あとは実際に現地を訪れて撮影になります。撮影場所には、撮影予定時刻の1時間前に着けるよう行動するのが良いでしょう。
撮影現場に着いたら
撮影現場に到着をしたら、機材を展開する前に一度撮影場所の確認をしましょう。人気の撮影地の場合は、先に撮影されている方がいらっしゃる場合もありますので、その際は邪魔にならないような位置を探すようにしましょう。もしコミュケーションを取れる状況であれば、声がけも大事です。何を撮りにきているのか狙いが分かれば、どのようなことに注意をすればいいかも分かりますし、情報交換の中で新しい発見があることもあります。
本格的な星景写真の撮影手順
問題がなければいよいよ撮影開始です。まずは、事前のシミュレーションで求めた焦点距離にセットをしたら、明るい星を探してピント合わせを行います。撮りたい方向とは違う方向でピントを合わせても問題はありません。ピント合わせをした後は、ピント位置がずれるのを防ぐため、なるべくレンズに触らない方がいいですが、不用意に触ってしまう恐れがある場合は、ピントリングをテープで仮止めしてしまってもいいでしょう。
ピント合わせが完了したら、構図を決めます。この時、しっかり水平が取れているかを水準器などで確認するようにしましょう。
構図もおおよそ決まったら、試し撮りを行います。試し撮りの値は、場所や月齢によっていくつかパターンがあります。今回は郊外の星がよく見えるところでの撮影でしたが、撮影方向とは反対方向に明るい電灯があるという状況でしたので、ISO1600 / F値開放(F1.8)/ シャッタースピード5秒と設定しました。ホワイトバランスは個人的に好きな色の蛍光灯の温白色を選択しています。
■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G
■撮影環境:ISO1600 F1.8 5秒 WB蛍光灯の温白色 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
試し撮りをした後は、明るさの確認をするためにヒストグラムを表示します。
Vol.1 でも紹介した通り、星景写真の撮影では多少明るめに撮影しておくことが重要になりますが、暗いところでの撮影は、ヒストグラムを見てしっかり確認をする方が良いでしょう。今回の試し撮りの結果は以下の通りです。
ヒストグラムを確認しながら試し撮り
見るべき箇所は、白い色のヒストグラムです。このグラフのようなデータは、輝度を表しています。枠の横軸は写真の諧調(=明暗の差)を表しており、左側が写真の暗い部分のデータ。右側が明るい部分のデータになります。縦軸はその明るさのデータがどれくらいあるかを示しており、山が高くなればなるほど、その部分の明るさが最も多いことを示しています。仮に、枠の真ん中付近にデータが集まっている場合は、中間の明るさのデータが最も多いことを示しており、おおよそ日中の適正露出になります。星景写真は夜の撮影ですので、真ん中にデータが集まってしまっては明るすぎるということになります。そのため、真ん中から少し左側の位置にデータが集まっているように明るさを調整する必要があります。
試し撮り結果を見てみると、シャッタースピード5秒の写真はちょうど良い位置にデータが集まっており、露出設定は問題ないことが分かりました。仮にもし写真が暗い場合は、シャッタースピードを少しずつ長くするか、ISO感度を上げながら、写真を少しずつ明るくしていきます。逆に明るい場合は、その逆を行えば写真は少しずつ暗くなっていきます。
シャッタースピード3.2秒では少し暗くなりました
シャッタースピード10秒では少し明るくなりました
明るさの確認はヒストグラム以外にカメラ内の露出計を見る方法もあります。露出計は満月近くの明るい月が照らす状況や、今回のように街灯の明かりで風景が明るく照らされている状況では参考にできますが、あまりに暗すぎる環境では露出計自体が参考にならないため注意が必要です。露出計を使う場合は、カメラの測光モードの選択が重要になります。α6400では「マルチ測光」を選択して、露出計が+-0になるところを探してシャッターを切ると、夜の雰囲気が出ているちょうど良い明るさの写真を撮ることができます。
最後に、シャッターボタンを押す際に力が入ると写真がブレる原因になるため、セルフタイマー機能や、有線or無線レリーズなどを使用する方が良いでしょう。
露出計が+-0になっている
撮影中に確認すること
撮影した写真を再生して満足いく写真が撮影できたと思っても油断してはいけません。特にピントずれはレタッチでもどうすることもできないため、撮影現場で頻繁に確認する癖をつけましょう。
また、写真の構図に関しても注意が必要です。よくやりがちなミスとしては「星座が見切れてしまっている」ということがあります。事前のシミュレーションでどの星座を撮るかを決めても、実際に見える星空と照らし合わせるのは簡単ではありません。シミュレーション通り撮れたと思っていた写真が、実際には撮れていなかったということもありますので、やはり撮影中に隈なく確認することが大事ですし、不安な場合は少し広めの画角で撮影しておくのも良いでしょう。
地上風景に関しても、自分がカメラを構えている位置、アングルが正解なのかを気にしながら撮影するようにしましょう。少しカメラのポジションを変えるだけで写真の印象は大きく変わりますので、少しずつ角度を変えながら様々なバリエーションの写真を撮っておくようにしましょう。また、ソフトフィルターも併用すると写る星の印象も変わりますので、お持ちの場合は、ソフトフィルターあり/なしの作品も撮っておくと良いでしょう。
■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G
■撮影環境:ISO1600 F1.8 5秒 WB蛍光灯の温白色 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G
■撮影環境:ISO1600 F1.8 5秒 WB蛍光灯の温白色 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G
■撮影環境:ISO1600 F1.8 6秒 WB蛍光灯の温白色 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
まとめ
今回はいわき市で撮影した星景写真を元に、本格的な撮影場所での撮影手順についてご紹介しました。自宅周辺での撮影とは違い、暗い中での撮影では、カメラの操作がスムーズにできなかったり、露出の感覚が大きく違ったりと、難しさを感じる場面が多いかと思います。最初のうちは上手くいかなくても、撮影経験を積み夜の撮影に慣れていくことで、スムーズに撮影できるようになりますのでご安心ください。
■写真家:
北山輝泰
東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。天文台インストラクター、天体望遠鏡メーカー勤務を経て、2017年に写真家として独立。世界各地で月食や日食、オーロラなど様々な天文現象を撮影しながら、天文雑誌「星ナビ」ライターとしても活動。また、タイムラプスを中心として動画製作にも力を入れており、観光プロモーションビデオなどの制作も行っている。星空の魅力を多くの人に伝えたいという思いから、全国各地で星空写真の撮り方セミナーを主催している。セミナーでは、ただ星空の撮り方を教えるのではなく、星空そのものの楽しさを知ってもらうために、星座やギリシャ神話についての解説も積極的に行なっている。
北山輝泰さん星景写真撮り方講座の連載記事はこちらからご覧頂けます
■これから始める星景写真 Vol.1|自宅周辺で夜の撮影に慣れよう
https://shasha.kitamura.jp/article/483663405.html
■これから始める星景写真 Vol.2|被写体を意識して撮影しよう!
https://shasha.kitamura.jp/article/484194195.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 20mm F1.8 G
商品詳細ページ 【JOBY】JB01566-BWW ゴリラポッド 3K PRO キット
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の北山輝泰さんが、これから星景写真を始めたいと思っているビギナーの方向けに撮影に必要な道具から撮り方までを紹介しています。Vol.3の今回は星空と風景のマッチングについて説明しています。
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KEYWORDS:
星景,天体,撮影テクニック,ソニー,Sony
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」レビュー|片岡三果
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CATEGORY: 片岡三果
DATE: 12/19/2021 10:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,instax mini Evo,インスタントカメラ,その他カメラ
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はじめに
2021年12月3日に富士フイルムから発売されたハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”「instax mini Evo」をご紹介させて頂きます。このカメラは撮ったその場でプリントが楽しめるインスタントカメラでありながらデジカメの機能を併せ持つ事で、撮った写真をデータとして保存したり、スマホに送ってSNSにアップする事が出来るようになっています。また特長的な機能としては、合計100種類もの撮影エフェクトが使えるようになっていますので、個性豊かで遊び心のある撮影を楽しめるようになっています。今回は「instax mini Evo」の特長的な機能を使って撮影してきましたので、作例を交えて本製品の魅力を紹介させて頂きます。
ハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”の魅力
instax mini Evoの魅力を紹介する前に少しだけハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”の魅力をお話しさせてください。
私は今ではミラーレスカメラをメイン機に使っていますが、幼少の頃から今日に至るまでフィルムカメラでの撮影も楽しんできました。ミラーレスカメラを使いはじめた理由はフィルターエフェクト在りきで撮影をしたいと思ったのがきっかけで、フィルムカメラを使い続けるのは撮影後のプリントまでを一連の流れとして楽しみたいと考えているからです。ハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”はこのフィルター在りきの撮影とプリントまでを楽しめるといった良いところが融合されていて、しかもそれらを気軽に扱えるところが凄く魅力的だと感じています。また背面の液晶モニターで撮影した写真を確認できますので失敗を恐れず撮影を楽しみつつ、お気に入りの写真だけをプリントしたり、同じ写真を何枚もプリントしたりする事も出来ますので、とても便利に使うことが出来ます。
ということで私は、この“チェキ”が大好きで今まで数台を所有して、旅行にも、友人知人との集まりにも、日常のお出かけにも鞄に入れて持ち出し、撮影→プリント→共有(プリントをあげる)を沢山楽しんできました。それでは次はinstax mini Evoの魅力をご紹介させてください。
100種類もの撮影エフェクトを楽しめるinstax mini Evo!
instax mini Evoはクラシカルなデザインになっていて操作ダイヤルやレバーはフィルムカメラを彷彿させるつくりになっています。見た目がとてもお洒落な上このアナログの操作系は直感的な操作を可能にしながらも遊び心が詰まっていて、持ち歩いて撮影するのがとても楽しくなります。操作レバーはプリントする時に使うものなのですが、このレバーを引くとフィルムカメラでフィルムを巻き上げるような、じ~、じ~という音がします。
またinstax mini Evoはレンズエフェクトとフィルムエフェクトをそれぞれ10種類ずつ選択できるようになっていて、それらを掛け合わせる事で合計100種類の撮影エフェクトが楽しめるようになっています。
■10種類の「レンズエフェクト」
※フィルムエフェクトは全てノーマルに設定しています。
■10種類の「フィルムエフェクト」
※レンズエフェクトは全てノーマルに設定しています。
■レンズエフェクト『光漏れ』×フィルムエフェクト『レトロ』
正面からの太陽の光を強く感じ、その眩しさや木漏れ日の様子を表現したかったのでレンズエフェクトは「光漏れ」を使っています。「光漏れ」は毎回同じではなくランダムに数種類のかたちが現れるようになっていて、今回は左側に弓のようなかたちで現れています。このあたりも実際のフィルムカメラで光漏れが起きた時にどのように写り込むかが分からないのと同じように、運任せの要素を再現してくれています。秋と冬が入り混じった時期でしたのでフィルムエフェクトは「レトロ」にして肌で感じた温度感を少しでも表現出来ればと思いました。
■レンズエフェクト『ミラー』×フィルムエフェクト『セピア』
エスカレーターに乗った時にレンズエフェクトの「ミラー」を使いエッシャーのような不思議な世界観を幾何学的に表現してみました。より不思議な雰囲気にする為色味が無くなるようにフィルムエフェクトは「セピア」をチョイスしています。
■レンズエフェクト『色ずれ』×フィルムエフェクト『ビビッド』
鏡に映る自分をレンズエフェクト「色ずれ」を使い、良い意味で背景のバランスを崩して撮影しました。フィルムエフェクトは「ビビット」を使う事で色ずれを強調しています。衣服の模様の色ずれも強調され全体的にサイケデリックな電子工学のようなデザインで写しとめる事が出来ました。
【左】レンズエフェクト『色ずれ』×フィルムエフェクト『ビビッド』
【右】レンズエフェクト『色ずれ』×フィルムエフェクト『ブルー』
こちらのツリーのオブジェもレンズエフェクトに「色ずれ」を使って撮影していますが、フィルムエフェクトの選択でこれだけ画が変わります。フィルムエフェクトは「ビビット」と「ブルー」の2つを使って撮影。どちらも気に入った画になりましたが、「ブル―」の方は竹の緑色に反応して、とてもキレイなエメラルドグリーンになりました。
■レンズエフェクト『魚眼』×フィルムエフェクト『キャンパス』
魚眼のレンズエフェクトは丸い被写体をよりまるく、印象的に撮影することができます。キャンバスフィルターは布地感を演出して他のフィルターと比べて全体的にあえて荒削りのザラッと感で、絵画のキャンバスプリントのように表現できます。
■レンズエフェクト『ソフトフォーカス』×フィルムエフェクト『レトロ』
クリスマスツリーに飾り付けられた小さなサンタさんにフォーカスをあてて撮りました。ソフトフォーカスを使い全体を柔らかい雰囲気にしてクリスマスっぽい演出を行いました。これからの時期にぴったりのエフェクトですね。
■レンズエフェクト『二重露光』×フィルムエフェクト『イエロー』
お洒落なネオンサインがありましたので二重露光のレンズエフェクトで撮影して、それを引き立てるものを探していたら丁度良く鹿の壁画を見つけて、それらを組み合わせる事でクリスマスにあった写真がつくれました。
■レンズエフェクト『ハーフフレーム』×フィルムエフェクト『レトロ』
神社の前にかまえる狛犬さんをハーフフレームを使って1枚で表現してみました。同じレトロのフィルムエフェクトで仕上げていますが、上の狛犬の周辺にある葉には光があたっていて生き生きした様子に写り、下は全体的に色素が少なく記憶の中の狛犬に見えて面白い画がとれました。
instax mini Evoでは従来モデルよりも撮影性能が向上し、露出補正、マクロモード、フラッシュ、ホワイトバランス(オート / 晴れ / 日陰 / 蛍光灯1 / 蛍光灯2 / 蛍光灯3 / 電球)の調整が出来るようになっていますので、イメージ通りの撮影を楽しむことが出来ますので、これらの機能も積極的に使って行きたいですね。
色彩豊かなプリント“instax-Rich モード”
従来モデルのチェキの画質(instax-Natural モード)に加えて、今回はお店プリントに近い色彩豊かな風合いの“instax-Rich モード”での撮影ができるようになっています。
■左がinstax-Rich モード、右がinstax-Natural モード
■プリントする前の画像データ
■レンズエフェクト『ノーマル』×フィルムエフェクト『ブルー』
プリントの解像度は、従来モデルの約600×800ドットから約600×1600ドットの2倍の露光密度でプリントできますので、見比べてみると解像度が上がった事が見てとれます。
スマホ連携でSNSへのアップが可能に!
スマホをリモコンがわりに使うことが出来るので、自分も含めた集合写真もバッチリ撮る事ができます。撮影する時はスマホに撮影画面を映し出して構図を確認してシャッターを切ることができます。またこの写真を見てお気づきかもしれませんが、一番左にいる私がスマホでシャッターを切っているのですが手にスマホはありません。これはスマホをリモコンとして使う時でも2秒もしくは10秒のタイマーをかける事が出来るので、タイマーをかけたらスマホを机に置いて両手でピースをつくり撮影しています。
■友人との集合写真をスマホのリモコン機能を使って撮影
今回のinstax mini Evoでは撮った写真は“チェキ”のプリントデザインのままスマホに送る事が出来ますのでSNSでの共有も簡単にできます。まわりに縁が付いたチェキらしい写真のままの表示となりますので、SNSへアップした時でも“チェキ”らしさを残せます。
スマホ側でチェキの画像を簡単に編集が出来ます。
背景の選択画面。色の選択や他の写真を背景に入れることが出来ます。
スマホ画面のキャプチャー画像。チェキで撮った写真の背景を白地にしたものです。
スマホ画面のキャプチャー画像。チェキで撮った写真の背景に別の写真を入れたものです。
また従来モデル同様にスマホで撮影した写真や保存されているイラストをinstax mini Evoをプリンターとして活用してフィルムにプリントすることがで来ます。
スマホの中のイラスト画像もこのようなデザインにしてプリントが出来ます。
まとめ
友人との集まりでinstax mini Evoを使い思い出を共有しました。新色の「ストーングレー」のフィルムを使ってプリントしています。
今回のinstax mini Evoはチェキの中で最上級モデルとなっていますので、デジタルカメラとしての性能も高く、100種類の撮影エフェクトを使えるなど思い通りの撮影を楽しむ事ができます。外観はいつも持ち歩きたくなるクラシカルなデザインになっていて、操作ダイヤルやプリントレバーは遊び心があります。またプリントして人に渡す時は色味に深みのある少し“Rich”になった写真をプレゼントする事ができますし、遠く離れた友人にもSNSを使って思い出をシェアする事が出来るのも嬉しいですね。instax mini Evoは実際に手に取って触ってもらうと更に魅力が伝わると思いますので、是非お近くのカメラのキタムラで試してみてください。プリントした写真を使ってコミュニケーションをとられる方が増えていったらいいなと思います。
■写真家:
片岡三果
北海道三笠市出身、絵画を描く気持ちで写真を表現する写真画家。FUJIFILM X photographer。漫画家の両親、大叔父が油絵画家という家庭環境で育ち、幼い頃から美術、デザインを学ぶ。写真を通して一期一会を忘れないよう、自分史を提案し撮った写真をプリントして楽しむことを大切にしている。
「instax mini Evo」はこちらの記事でも紹介されています。
富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」が登場!|100種類の撮影エフェクトが楽しめるシリーズ最上位モデル
https://shasha.kitamura.jp/article/484483866.html
この記事に使用した機材
【フジフイルム】インスタントカメラ instax mini Evo 「チェキ」
商品詳細ページ 【フジフイルム】インスタントカラーフイルム instax mini ストーングレー
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の片岡三果さんが富士フイルム instax mini Evoのレビューを行っています。遊び心ある100種類の撮影エフェクトを使った作例と共に本製品の魅力をご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,instax mini Evo,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|この軽さは異次元!飛躍的に進化した望遠ズームレンズ
BASENAME: 484841184.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 12/20/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
今回は、新しくなったソニーの望遠ズームレンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」を早速いろいろなシーンで使ってみました。筆者にとってFEレンズの中でもお気に入りで非常に使用頻度の高かった「FE 70-200mm F2.8 GM OSS(I型)」の後継は待ちに待った、発売が待ち遠しかったレンズです。予約開始後、予想を大幅に上回る注文のため出荷までに時間がかかる可能性がある、と発表されるぐらいの人気ぶりです。どんな点がI型から進化し、どんな写真を映し出すのか、撮影した写真と合わせてご紹介します。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIの魅力と進化
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを手にして最初に思うことは本当に軽いと感じる事です。レンズ自体はそれなりの重量がありますが、I型のレンズと見た目はそれほど変わらないのにII型は本当に軽く感じます。FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIのレンズを最初に手にした時、「これモック?ガラス入ってる?」って聞いたくらいの衝撃でした(笑)。
左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS(I型)
右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(II型)
FE 70-200mm F2.8 GM OSS FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 焦点距離 70-200mm 70-200mm 画角(35mm判) 34゚-12゚30' 34゚-12゚30' 開放絞り(F値) F2.8 F2.8 最小絞り(F値) F22 F22 レンズ構成 18群23枚 14群17枚 絞り羽根枚数 11枚 11枚 最短撮影距離 0.96m 0.4-0.82m 最大撮影倍率 0.25倍 0.3倍 フィルター径 77mm 77mm 外形寸法(最大径x長さ) 88 x 200mm 88 x 200mm 質量(三脚座別) 約1480g 約1045g フード(型名) ALC-SH145 ALC-SH167
仕様を比較して分かるように外寸の大きさは同じなので、I型を持ってからII型を持つと重量の違いに驚いてしまいます。三脚座別の重量で約30%も軽量化されているのはレンズ構成の変更によるもので、18群23枚から14群17枚の構成になって5枚もレンズが減っています。
左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS(I型)
右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(II型)
実際にレンズキャップ(フロント・リア)、レンズフード、三脚座を付けた状態で重量を計ってみました。I型は約1682g、II型は約1269gで約25%の軽量化になっています。付属品を付けない状態よりも軽量化率が減っているのは、レンズフードの形状変更によるものです。
I型とII型を比べた時に外観の部分で大きく違うのがレンズフードの形状になります。I型の花形フードからII型では筒形フードに変更されました。レンズフード形状の好みは分かれると思いますが、個人的には花形フードの形状は大好きです。しかし、筒形フードに変更になったのは実用的なメリットを多く感じます。
左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS(I型)
右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(II型)
写真のようにレンズをタテて置いた場合(レンズ交換をするようなシーン)で、レンズの安定性が増しました。また、II型のレンズフード(ALC-SH167)は、フード先端部にラバーが付いている為、置いた時に滑りにくくより安定性が増すようになっています。
II型のレンズフードを装着した状態は、「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」と非常によく似たデザインになりました。ちなみにFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSのレンズフードの型番は「ALC-SH151」。形状は似ていますが仕様は違っています。お互いのフードを入れ替えて装着を試みましたができませんでした。
I型からII型への進化は、軽量化やレンズフード形状の変更だけではありません。
II型で進化したポイントは、レンズ筐体のヨコにある様々なスイッチ類。
一つ目はポイントは「クリック切り換えもできる絞りリングの追加」。I型にはなかった絞りリングが追加になった事によって、即時性の高い操作を実現できるようになりました。クリックのON/OFFはスイッチで切り換え可能で、ON時はどのくらい絞りを動かしたかを体感できるので静止画撮影に便利。OFF時は絞りのクリック音を抑制するとともに、絞り値をシームレスに変化させることができるので動画撮影に最適です。
二つ目のポイントは「アイリスロックスイッチの追加」。ロックを有効にすると、撮影中不用意に絞り値が変わってしまわないよう「A」ポジションに固定、もしくはF2.8からF22の間で動かすことできます。ロックを無効にすると、「A」からF2.8の間で絞りリングをシームレスに動かすことが可能になります。
三つ目のポイントは「フルタイムDMFスイッチの追加」。AF-Cモード時でもフォーカスリングを回転させるだけで、瞬時にマニュアルフォーカスが可能なフルタイムDMFスイッチが搭載されました。AF撮影時に狙ったところからピントがはずれても、フォーカスリングを回転させれば狙った被写体にピント位置をすばやく戻すことが可能になりました。
四つ目のポイントは、動体撮影時の手ブレ補正アルゴリズムを最適化した光学式手ブレ補正機構「MODE3」が搭載されたこと。通常の光学式手ブレ補正がMODE1、流し撮りに対応したのがMODE2、動体撮影時のフレーミングの安定を重視し手ブレ補正のアルゴリズムを最適化したのがMODE3になります。スポーツなど動きが不規則で激しい被写体撮影時も、従来の手ブレ補正モードよりも被写体を追いやすくなります。
いろいろな機能が追加されて進化したのは大きなポイントですが、実際に撮影してみて感じた魅力の一つが、今まで以上に寄って撮影できるようになったことです。最短撮影距離が飛躍的に改良されており、今までのI型では撮れなかったシーンにも対応できるようになりました。
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離70mm
上の写真は、左手で紅葉を持ちながら右手でα1とII型のレンズを持って撮影しています。I型であれば最短撮影距離の問題でそもそもピントを合わせる事ができませんし、片手でカメラボディとレンズを持って撮影するのも重くて大変でした。その点、II型ではワイド端では最短撮影距離が0.4mとなり、ぐっと寄って撮影することが可能になっています。最短撮影距離が短くなったのはとても魅力的なポイントです。
I型からII型への進化はすさまじく、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを一度手に取って使ってしまうとI型にはもう戻れません。それほど魅力的なレンズに仕上がっています。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでポートレート撮影
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離273mm ※APS-Cクロップ撮影
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでポートレート撮影をしてみました。フローティングフォーカス機構や高度なレンズ制御に加え、ソニー独自の4基の高推力なXDリニアモーターを搭載したことで、I型のレンズよりもAF速度が最大約4倍も高速化。また、AF精度や動体への追随性能も向上しています。瞳オートフォーカスの食いつきも良く、モデルさんに動いてもらってもピントを追い続けて合わせてくれる安心感が増しました。
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離286mm ※APS-Cクロップ撮影
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離286mm ※APS-Cクロップ撮影
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離123mm
たまには自分の写真も欲しいのでモデルになってみました。逆光での撮影ですが、I型よりもレンズ枚数が減っているので逆光耐性に効果があると思われます。単焦点レンズと違い、ズームレンズならでは機動性と全域でのしっかりとした解像感が両立されているところは流石GMレンズ。どの焦点距離でも安心して使えるレンズです。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでぶらりスナップ撮影
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO125 焦点距離70mm
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを持って、倉敷の美観地区と吉備路をスナップ撮影してみました。ぶらり散策しながらの撮影では、軽くなったレンズが身体への負担を減らしてくれました。最近特に、重いレンズを長時間持ち運びながら撮影するのはちょっと疲れるので、この軽量化されたレンズの有難みを凄く感じました。
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF2.8 ISO125 焦点距離147mm
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF5.6 ISO125 焦点距離200mm
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/25600秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離200mm
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離300mm ※APS-Cクロップ撮影
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離160mm
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離142mm
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでスポーツ撮影
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC(2倍テレコンバーター)
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離600mm ※APS-Cクロップ撮影
左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
中:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC
左:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIに「SEL20TC」(2倍テレコンバーター)を装着した重量は1478g。「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」の重量は1622gなので、ここでもレンズの軽さが際立ってきます。
ただ、テレコンバーターを使用すれば、当然レンズの枚数が多くなり多少の解像度の劣化、オートフォーカス性能の劣化は避けられないところです。しかし、実際に使ってみるとソニー独自の4基の高推力なXDリニアモーターの恩恵もあり、オートフォーカス性能に関してはスポーツ撮影でも問題は感じられませんでした。
今回ちょうど撮影のタイミングが合ったので、ホッケーの試合撮影でFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを使ってみました。普段であれば「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」か「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」を使うところなので、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでは、さすがに焦点距離が足りません。SEL20TC(2倍テレコンバーター)を使って焦点距離140-400mmにし、さらにAPS-Cクロップ切替などもして撮影をしています。
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC(2倍テレコンバーター)
■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離525mm ※APS-Cクロップ撮影
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC(2倍テレコンバーター)
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離376mm
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC(2倍テレコンバーター)
■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF5.6 ISO1600 焦点距離376mm
スポーツ撮影においては、カメラボディ側のスペックによって撮れる・撮れないが出てきますが、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIはボディのスピード性能を引き出すAF性能を持っています。実際に2倍のテレコンバーターを装着しても、狙ったシーンを撮影する事が出来ました。
まとめ
自分にとって、もともと使用頻度の高かったFE 70-200mm F2.8 GM OSSが別レンズと言えるぐらい進化しているという事を、撮影をしてみて改めて実感しました。FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは、今まで重くて手が出しづらかった方にもきっと満足できるレベルの軽さです。とにかく手で持ってみれば分かります。I型で不満であった最短撮影距離の問題とAFスピードの問題が改善されて、II型は今まで以上に使用頻度が上がるのは間違い無なしです。
「軽い・AF速い・寄れる!」という3つの要素が進化したFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは満足度No.1のレンズです。
■撮影協力:ソニーHC BRAVIA Ladies(ソニー・ホッケークラブ・ブラビア・レディース)
https://www.sony-global-mo.co.jp/hockey/
その他のソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II の記事はこちら
・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|小川晃代
https://shasha.kitamura.jp/article/485832622.html
・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|人物、航空機、紅葉、風景、スナップ撮影で本レンズの魅力を探る!
https://shasha.kitamura.jp/article/484608135.html
・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIが登場|大幅な軽量化と最大4倍のAFスピードを実現!
https://shasha.kitamura.jp/article/484056077.html
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんによる、ソニー「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」レビュー記事です。大幅な軽量化とAF性能の改善など、使い勝手を進化させた望遠ズームレンズの写りをご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,望遠レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ニコン NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR モノクロ都市景観でのレビュー|アキラ・タカウエ
BASENAME: 484848381.html
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CATEGORY: アキラ・タカウエ
DATE: 12/21/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR,望遠ズーム
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はじめに
本格的なミラーレスカメラ時代に突入して久しいですが、ニコンではZシリーズおよびNIKKOR Zレンズのラインナップ拡充が進み、NIKKOR Z14-24mm f/2.8 S(以下Z14-24mm)のような、いわゆる「大三元・神レンズ」のような製品も生まれてきているところです。(Z14-24mm Zスペシャルコンテンツ:アキラ・タカウエによるレビュー記事は
こちら )
大三元レンズの描写性能の秀逸性は感嘆の域を感じ得るところですが、それらを補完する意味合いもあろうかと考えられるズームレンズ、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(以下Z24-200mm)が2020年7月に発売されています。このレンズのF値はf/4から6.3と少々暗いとはいえ、24mmの広角から200mmの望遠まで広範にわたる画角であり、様々なシーンで非常に重宝するレンズだと思われます。一方で、いわゆる「便利ズーム」と呼ばれてしまい、その描写性能について心配されておられる方々も多いかもしれません。
そこで、本記事では、このZ24-200mmについて焦点を当て、本当に便利ズームとしての役割で終わってしまうのか、描写性能はどれほどのものなのか、について高い描写性能、直進性、解像力が要求される建築および都市景観写真をベースとしてレビューしてみたいと思います。
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRの仕様、魅力と留意点
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度8秒 絞りF8 ISO100 焦点距離24mm
※NDフィルター:Kani Filter/ホルダー ND64使用
Z24-200mmの仕様ですが、ニコン社は機動力を確保しながら様々なシーンを撮影したい旅行などに最適なトラベルレンズのスタンダード、と謳っており、小型軽量(約570g)で24mmから200mmまでと幅広い画角をカバーでき、とても嬉しいことに強力な手ブレ補正効果を発揮するレンズシフト方式VR機構を搭載しています。また、描写性能も追求されており、ED非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚、非球面レンズ2枚が採用され、周辺領域における画像劣化の低減に努力されているところです。どうしても屋外における都市景観撮影ではシビアとなってくるゴーストやフレアですが、反射防止効果の高いアルネオコートの採用によりこれらを低減してくれるようです。
では実際に、本レンズのMTF(Modulation Transfer Function)を見てみましょう(Fig.1広角端およびFig.2望遠端)。ちなみにこの、MTF曲線はレンズ性能を評価する指標のひとつで、レンズの結像性能を知るために、被写体の持つコントラストをどの程度忠実に再現できるかを空間周波数特性として表現したものであり、レンズ性能におけるコントラストと解像性能を評価する一つの尺度となります。
赤線で示す空間周波数10本/mm曲線は縦軸1に近いほどコントラストがよくヌケの良いレンズであると評価でき、青線で示す空間周波数30本/mm曲線はこれも縦軸1に近いほど高解像性能を発揮していると評価できます。ここで、横軸は像高、いわゆる画面中心からの距離mmを示します。
■MTF曲線
左:広角端のMTF曲線、右:望遠端のMTF曲線
参照元:
ニコンイメージングジャパンHP NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR製品ページ
先ずは赤で示すコントラストに関する評価ですが、広角端および望遠端の双方において、放射方向の空間周波数の漸減がほとんど見受けられず、同心円方向においても30%程度の低減にとどめられている優位点が挙げられます。更に、青で示す解像性能に関する評価ですが、こちらはどんな神レンズでも周辺領域において30~50%の低減が見られるわけですが、本レンズはよく粘っており、広角端放射方向でZ24-70mmを上回る20%の低減、望遠端で40%の低減にとどまっており、ニコン社のステートメントの如く、非常に高い描写性能が維持されていることがデータとして裏付けられています。
一方で、同心円方向においては、横軸で示す像高15mmまでは粘っているものの、それを過ぎれば極端に曲線の低減が確認でき、結果的には70%前後の低減となっています。ここで、当該MTF曲線は、絞り開放の場合に対応しているものであり、増高の状況を鑑みた場合、高解像度の描写性能が要求される、純建築・橋梁写真等の場合は、1~2段絞ったうえでの撮影で対応したいところです。
いずれにせよ、非常に軽い当該レンズは機動性は勿論のこと、このMTF曲線のデーターからも十分な解像およびコントラスト性能を保有していることが確認でき、日常使いのスナップそしてトラベルレンズのみならず、都市景観撮影におけるコマーシャル撮影や展示作品レベルの描写性能も期待できるところです。
都市景観を撮影することの魅力とNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRの適用性
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離54mm
私たちが普段目の当たりにしている都市景観は、その地域における長年の人間生活の間、人工構造物や用途地域の特性に応じた利便性、構造性、商業性、景観性等の様々な「要素」に基づき、進化・退化そして最適化が繰り返された結果収束し、今日そこに紛れもなく存在している「人間社会上の結論」であるといえるかもしれません。
従って、この都市景観を着目対象に応じた「要素」あるいは「コンセプト」に基づいて的確に切り取ることは、人間生活の歴史や都市の変化変遷の最中にある文化までをもメッセージとして切り取ることに繋がり、写真撮影においても極めて有意義な被写体であると考えています。勿論それは旅行先での街並みをスナップすることも同様です。
一方で、上記において少し述べましたが、この都市景観・建築・土木構造物の撮影を行った場合、その撮影結果はレンズ性能に強い影響を受けます。折角素晴らしい建築・橋梁そして都市景観に出会えて、凄い構図で撮れたのに、なんか眠たい写真だな、なんか眠たいコントラストだな、となってしまっては少し残念ですよね。そこで、このZ24-200mmの描写性能がどこまでこの都市景観撮影に追随できるのか、その適用性は合格点なのか、レンズの描写性能がより顕著に表れるモノクロによるアウトプットを主体として横浜の街並みをモチーフに確認してみたいと思います。
広角域でのパースペクティブを活かした近景撮影
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度1/45秒 絞りF16 ISO200 焦点距離24mm
旅先などのでは高層ビル群や変わった構造物を見上げてみることもよくあるのではないでしょうか。その時、24mmなどの広角域での近景撮影は、垂直方向のパースペクティブ(遠近感)がうまれ構造物のスケールを表現できる迫力ある都市景観を撮影でき、まさに広角レンズならではの醍醐味です。ここで、近景撮影における都市景観上の定義としては、対象とする構造物の意匠や仕様材料そして反射率などを視点においても把握することができる、という範囲を指します。従って、その定義を写真撮影においても満足させる必要があります。
ここは、横浜みなとみらいの早朝の市街。手前に位置する歩道橋と高層建築との対比を構図内に収めていまして、画角内の全て被写体が重要な要素なのですが、全ての被写体において高い解像と直進性を保ちながら、強烈なパースに的確に追随しています。ここで、上記のレンズ仕様の際に、少々心配していた写真周辺部や隅角領域で解像性、コントラストそして豊かな階調が大きな崩れもなく維持されており、朝日を浴びる高層ビル群の一角をシャープな解像性にとソフトな階調を同時に表現することができています。
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度8秒 絞りF16 ISO140 焦点距離24mm
※NDフィルター:Kani Filter/ホルダー ND64使用
次は、NDフィルターを用いて8秒ほどの昼間長時間露光を行い、風の強い日に或る街角にたたずみ、ダイナミックに流れる雲と微動だにしない構造物に直面している、という場面をかなりチャレンジングな構図設定で表現してみました。この写真においても、このレンズの解像性と近景の電灯から近・中景に位置する高層ビル群にいたるまでの解像力と構造物の直進性はまさに合格点。
そして、右上に位置する電灯や左に位置する高層建築の下部などにおいてもその性能は維持されており、このような少々チャレンジングな要求においても果敢に追随してくれる性能を保持していることが明らかになりました。更に付け加えれば、NDフィルターを使用することによるレンズ性能の顕著な劣化は確認できていません。
構造物単体の中景撮影
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度8秒 絞りF16 ISO200 焦点距離102mm
※NDフィルター:Kani Filter/ホルダー ND8使用
それではもう少し離れた視対象に言及してみましょう。先ほどのような近景撮影を行い、引き続き街中を散策している際、突如としてなかなか面白い形をした構造物にであうこともあるでしょう。このような高層建築の全容を立面図のように撮影することが可能となる範囲は、大抵の場合その距離は中景(概ね400m程度)に位置することになります。こんな時でもこのレンズ交換は勿論必要ありません。近接撮影に引き続き、そのままこのような中景撮影に集中することができます。これがいわゆるトラベルレンズの最も有意な点です。いわゆる被写体の散策と構図設定に集中できるわけです。
被写体は横浜インターコンチネンタルホテルの北側正面。柔らかい光があたる優雅な曲線を有する構造物のテクスチャーと反射光のグラデーションを中景でありながら美しく表現できています。ここで少し意地悪をして、左下にパシフィコ横浜の屋根を入れてみたのですが、私の懸念は徒労に終わりました。独特の意匠性をもつシェイプの解像性とコントラストの階調性能はしっかりと維持されています。
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度1/1500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離53mm
折角ですのでこの北側も廻ってみましょう。視対象を縦構図で撮影。豊かな階調とともに頂部の女神像までしっかりと解像されています。
複合的な視対象
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離100mm
次に、もう少しチャレンジングな構図に挑戦してみましょう。複合視点です。近くに或る視対象と中景に位置する視対象を複合的に画角の中にパッキングした構図になります。ここで景観写真上、重要となるのは先ほど申し上げた、近景撮影における都市景観上の定義を満足させることのみならず、中景も同時に満足させる必要があります。ここで、中景は被写体自体にコントラストの違いを理解することができて、その形態や意匠、そして構成要素を理解できる程度、と定義できます。
近景に赤レンガ倉庫の壁面、中景に赤レンガと朝日を浴びて美しく輝くランドマークタワー、少々難しい条件ですが、近景の赤レンガ壁面の詳細なテクスチャーと材質感のみならず、中景における複合視対象の構成要素がしっかりと、明確に表現することができています。
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度1/1500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離170mm
それではこの複合視点をもう少し発展させて望遠域ではどうなるのかを見てみましょう。ランドマークタワーを含む高層ビル群を遠景に捉え、中景に高層ビル群の中景として画角に挿入したコンセプトです。このレンズの望遠域での性能も特筆すべきものがあることがわかりました。近景での要求事項である「構造物の意匠や使用材料そして反射率などを視点においても把握することができる」ですらこの望遠域においてもしっかりと満足されています。加えて、同時に背景としている雲や空の大気の変化もマッシブな構造物と同時にその対比として表現されています。
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度213秒 絞りF8 ISO200 焦点距離24mm
※NDフィルター:NiSi Filter V7ホルダー & ND32000使用
最後に、みなとみらいの全景をとらえることができる万国橋からのスカイライン撮影です。ここで、人・雲・大気そして水等の全ての動体物を全て消去・平坦化し、構造物自体を先鋭化するため、15 stopの効果があるNDフィルターを用いて、213秒もの超長時間露光を行いました。中央に視認できる、タワークレーンのみならず付属するジブやワイヤまでもしっかりと解像しているとともに、周辺に至るまで歪のない正確な描写を表現することができています。
まとめ
今回は、トラベルレンズといわれているこのZ24-200mmを使用し、はたして描写性能はどこまで街並みの撮影に追随できるのかをテーマとし、様々な距離に位置する視対象について都市景観の基本に準拠した画角設定で撮影に臨んでみました。その結果、解像度、直進性、そして階調性などの描写性能は、いわゆる便利ズームの域を超越した性能を保持していることが明らかとなりました。
勿論、等倍プリントを行う際の画像劣化を極限まで低減したより高い描写性能を有する高性能レンズと使い分けることも適宜必要になることあるかもしれません。しかしながら、やはり便利・軽量は正義なのかもしれません。兎角荷物も多くなる旅行先や仕事での業務撮影等、利便性と描写性能とバランスが要求されるようなケース、こんなケースは多々ありますよね。そんな時、軽量で広域にわたる画角をレンズ交換を行うことなく撮影できる高い機動性という最大の利点と、この描写性能とのバランスは、そのようなケースにおいても撮影に集中でき、そしてシャッターチャンスを逃さない、更に描写性能においても大きな問題は発生しない、という利点を鑑みれば、このレンズの適用性と汎用性は極めて高いものと考えられます。
■写真家:
アキラ・タカウエ
写真撮影での主たるカテゴリーは、構造工学や景観理論に基づく論理的で精密な構図に芸術的要素を加えた「アーキテクチュラル・ファインアートフォトグラフィー」。構造物の専門家の視点から世界の都市景観・土木建築構造物を撮影。世界規模の国際写真コンテストでは、インターナショナルフォトグラフィーアワード(米国:ニューヨーク・カーネギーホール)での建築写真総合部門・最優秀賞受賞をはじめ、海外で数多く受賞。 建築・橋梁のエディトリアル撮影の他、国際写真コンテストの審査員も務める。また写真作家としてアートギャラリーでの個展および定期展示開催。博士(工学), 一級建築士, 技術士(建設部門)
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のアキラ・タカウエさんがニコン NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRのレビューを行っています。建築士、構造物の専門家の視点から横浜の街並みを撮影して本製品の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,レンズ,NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー α7 IV レビュー|静止画も動画も撮りたい人に!これからのスタンダードミラーレスカメラ!
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 12/22/2021 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,α7 IV,スポーツ,フルサイズ,犬/猫/ペット,野鳥,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
コストパフォーマンスが高く、今なお人気の高い「α7 III」が発売されてから約3年9か月。多くのユーザーが待っていたα7 IVが2021年12月17日に日本国内でも発売になりました。筆者は現在ソニーのフルサイズミラーレス機では、α1、α9、α7R IV、α7R III、α7Cを所有していますが、今後静止画撮影だけでなく動画撮影を増やしていこうと思っていたので、今回のα7 IVは予約開始日に予約して発売日に購入しました。それでは早速α7 IVを使って機能の進化と魅力を皆さんにお伝えしたいと思います。
進化したα7Ⅳの性能と魅力
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離 200mm
最初にα7 IVを持った時に感じたのは、正直に言えばいつものαと変わらないというのが第一印象でした。色々変わっている部分もあるものの、全体的にボディーを持った感じはさほど変わりません。α7 IIIやα7R III、α9に比べればグリップ部分が大きくはなっていますが、α1やα7S III、α7R IVとほぼ同じ大きさなので、これらの機種を持っているユーザーにはボディーを持った時の変化は感じられないでしょう。それ故、フルサイズのαを使ってこられた方がこのα7 IVを初めて手にしても、すぐに手に馴染み撮影を楽しむ事ができると思います。
では、性能面でα7 IIIからどのように進化したのか、少し比較して確認してみたいと思います。
α7 IV(ILCE-7M4) α7 III(ILCE-7M3) カメラ有効画素数 約3300万画素
7008 x 4672 (33M)
約2420万画素
6000 x 4000 (24M)
フォーカスエリア ワイド
759点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
ワイド
693点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
ISO感度 静止画撮影時:ISO100-51200
(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)
静止画撮影時:ISO100-51200
(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)
ファインダー総ドット数 3,686,400 ドット 2,359,296 ドット 液晶モニタードット数 1,036,800ドット 921,600 ドット 手ブレ補正機能 5.5段 5.0段 クリエイティブルック ST, PT, NT, VV, VV2, FL, IN, SH, BW, SE, カスタムルック1-6 ×
クリエイティブスタイル ×
スタンダード、ビビッド、ニュートラル、クリア、ディープ、ライト、ポートレート、風景、夕景、夜景、紅葉、白黒、セピア、スタイルボックス1-6(コントラスト<±3段階>、彩度<±3段階>、シャープネス<±3段階>) 瞳AF [静止画]
人物 (左右瞳選択可)
動物 (左右瞳選択可)
鳥
[動画]
人物 (左右瞳選択可)
動物 (左右瞳選択可)
鳥
[静止画]
人物 (左右瞳選択可)
動物 (左右瞳選択可)
動画記録フォーマット XAVC HS: MPEG-H HEVC/H.265
XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264
XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264
AVCHD: MPEG-4 AVC/H.264
主な動画撮影モード (XAVC HS 4K) 3840 x 2160 (4:2:0, 10bit)
(XAVC HS 4K) 3840 x 2160 (4:2:2, 10bit)
(XAVC S 4K) 3840 x 2160 (4:2:0, 8bit)
(XAVC S 4K) 3840 x 2160 (4:2:2, 10bit)
(XAVC S-I 4K)3840 x 2160 (4:2:2, 10bit)
(XAVC S HD)1920 x 1080 (4:2:2, 10bit)
(XAVC S HD)1920 x 1080 (4:2:0, 8bit)
(XAVC S-I HD)1920 x 1080 (4:2:2, 10bit)(XAVC S 4K) 3840 x 2160 (4:2:0, 8bit)
(XAVC S HD) 1920 x 1080
(AVCHD) 1920 x 1080
スロット SLOT1:SD (UHS-I/II対応)カード or CFexpress Type Aカード
SLOT2:SD (UHS-I/II対応)カード
SLOT1:SD (UHS-I/II対応)カード
SLOT2:SD (UHS-II対応)カード
連続撮影速度 Hi+:最高約10コマ/秒
Hi:最高約8コマ/秒
Mid:最高約6コマ/秒
Lo:最高約3コマ/秒
Hi+:最高約10コマ/秒
Hi:最高約8コマ/秒
Mid:最高約6コマ/秒
Lo:最高約3コマ/秒
連続撮影可能枚数 JPEG Lサイズ エクストラファイン:1000枚以上
JPEG Lサイズ ファイン:1000枚以上
JPEG Lサイズ スタンダード:1000枚以上
RAW:1000枚以上
RAW+JPEG:1000枚以上
RAW(非圧縮):1000枚以上
RAW(非圧縮)+JPEG:828枚
JPEG Lサイズ エクストラファイン:約163枚
JPEG Lサイズ ファイン:約172枚
JPEG Lサイズ スタンダード:約177枚
RAW:約89枚
RAW+JPEG:約79枚
RAW(非圧縮):約40枚
RAW(非圧縮)+JPEG:約36枚
静止画撮影可能枚数 ファインダー使用時:約520枚
液晶モニター使用時:約580枚
ファインダー使用時:約610枚
液晶モニター使用時:約710枚
質量(本体のみ) 約573g 約565g
α7 IVは画素数のアップ、高精度な像面位相差AF対応センサーの採用により位相差測距点が759点と高密度に配置されたことでAF精度が向上し、フラッグシップモデルのα1やα7S IIIで採用された最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載した効果がとてもよくあらわれています。「BIONZ XR」の搭載により、システムへの負荷が高い状況でも、様々な処理を同時にスムーズに実行し、AFおよび顔/瞳検出の速度・精度向上を実現できています。4K 60pの動画記録などの膨大な映像データ処理、EVF表示やメニュー操作におけるレスポンス向上、「CFexpress Type A」メモリーカードへの高速書き出し性能など、α1やα7S IIIで実現した多くの機能や性能をスタンダード機であるα7 IVでも可能になっている事は、一番大きな進化であり魅力であると感じます。
ただ、α7 IVの魅力を最大限に引き出すには「CFexpress Type A」メモリーカードを使用する前提があります。通常のスナップや風景撮影などは必要ありませんが、動画撮影やスポーツ、動物、鳥などの撮影などで連写する場合は、より高速でメディアに書き込みできる「CFexpress Type A」メモリーカードがあると「鬼に金棒」って感じになります。実際に連写を続けてみると、メディアの容量が一杯になるまで最高速度で連写が可能です。書き込み速度の遅いSDカードを使用して連写すると、書き込み速度が追い付かなくなり、すぐに連写速度が落ちてしまいます。撮影するシーン、使用用途によっては使用するメディアに注意が必要です。
α7 IVのメディアスロットは2スロット仕様。スロット1(上)は、SDXC/SDHCメモリーカード UHS-II/UHS-Iに加え、CFexpress Type Aメモリーカードに対応しています。スロット2(下)はSDXC/SDHCメモリーカード UHS-II/UHS-Iに対応しています。動画撮影や静止画連写する時はCFexpress Type Aメモリーカードを使用するなど、記録メディアの選択や細かな振り分け設定などが可能になっていますので、上手く撮影する内容で使い分けをしたいところです。
■CFexpress Type Aカードで連写
VIDEO
「CFexpress Type A」メモリーカード(最大書込速度700MB/s)使用時の連写。左上部のメディア撮影可能枚数のカウントダウンに注目。ボディキャップを装着した状態でJPEG+RAW(ファイル容量約42MB)で撮影。
【結果】 314枚連写で平均連写枚数は8枚/秒。 ※ライブビュー方式では最高約8コマ/秒。
■SDカードで連写
VIDEO
サンディスクSDメモリーカード(最大書込速度90MB/s)使用時の連写。左上部のメディア撮影可能枚数のカウントダウンに注目。ボディキャップを装着した状態でJPEG+RAW(ファイル容量約42MB)で撮影。
【結果】 最初は秒8コマの撮影が可能であったが、3秒経過ほどで書き込み速度が追い付かず急速に連写速度が低下し2コマ/秒程度に。90枚連写で平均連写枚数は2.5枚/秒という結果になった。
オートフォーカスでは従来の瞳AF(人物)と(動物)にプラスして(鳥)の瞳AFが追加され、鳥を撮影するユーザーにとって嬉しい機能アップになっています。動物園ではありますが、実際にどの様に瞳AF(鳥)が作動するか確認してみました。
VIDEO
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + 2倍テレコンバーター使用(焦点距離400mm相当)
途中、瞳AF(動物)に切り替えてみましたが、(動物)ではAFは外れ(鳥)に戻すとすぐにしっかり目にピントが合う事が確認できました。鳥の大きさやレンズの焦点距離、撮影環境によって動作が変動すると思いますが、鳥を撮影するユーザーにとって非常に便利な機能であることは間違いないと思います。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF7.1 ISO800 焦点距離 600mm
従来からある機能の瞳AF(動物)も瞳認識精度が向上したという事で、我が家の猫で試してみました。
VIDEO
従来のものと同条件での比較ができないので精度の向上という点での評価は難しいのですが、撮影していて瞳AF(動物)の効果に改めて感心させられました。ペットを飼っているユーザーには欠かせないオートフォーカスの機能ですね。
α7 IIIからメニュー表示が大きく変わった部分もポイントです。α1、α7S IIIと同じメニュー表示に変わっています。筆者は既にα1を使用しているので、α7 IVを初めて使っても難なく使いこなす事が可能でしたが、α7 IIIなどを使っているユーザーが初めてα7 IVを使うとメニュー設定で戸惑うことが多いのではないでしょうか。
最初は、設定したい項目を探すのに苦労するかもしれません。コツとしては、「☆」マイメニューがメニューの一番最初に出てくるので、よく変更に使う項目をマイメニューに登録しておく事で、素早く変更したい項目を探す事が可能になります。また「Fn」キーに表示される項目を一番よく使う項目に入れ替えてカスタマイズするのがベストでしょう。
今回のα7 IVでは、新しく搭載された[静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル]によって、「Fn」キーに登録されている表示を「静止画」と「動画」で分けて使うことが可能になっています。
この[静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル]によって、静止画/動画/S&Qごとの露出モード選択も、モードダイヤルを回すだけで簡単に設定できるようになりました。また、従来の機種にあった露出補正ダイヤルの代わりに、自由に機能を割り当てられる後ダイヤルRを搭載。後ダイヤルL同様にカスタマイズが可能で、静止画撮影時と動画撮影時のそれぞれに、別々の機能をアサインできるようになり、より自由度の高いカスタマイズが可能になりました。
メニュー以外にも大きく変わった点があります。従来のクリエイティブスタイルに替わりα1、α7S IIIと同じクリエイティブルックが導入されています。撮影する静止画・動画を思い通りの雰囲気に仕上げることができるクリエイティブルックは、全10種類のモードがカメラ内にプリセットされています。
クリエイティブルック
効果
ST 被写体・シーンに幅広く対応する標準の仕上がり。 PT 肌をより柔らかに再現する。人物の撮影に適している。 NT 彩度・シャープネスが低くなり、落ち着いた雰囲気に表現する。パソコンでの画像加工を目的とした撮影にも適している。 VV 彩度とコントラストが高めになり、花、新緑、青空、海など色彩豊かなシーンをより印象的に表現する。 VV2 明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に仕上がる。 FL 落ち着いた発色と印象的な空や緑の色味に、メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気のある画像に仕上がる。 IN コントラストと彩度を抑えたマットな質感に仕上がる。 SH 透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気に仕上がる。 BW 白黒のモノトーンで表現する。 SE セピア色のモノトーンで表現する。
従来のクリエイティブスタイルよりも、数は減り日本語表示も無くなっているので少し分かりにくくなっているかもしれませんが、色味の変化は設定項目を変えることで見た目が変化するので直感的に分かります。これは使っているうちにすぐ慣れると思います。
筆者もまだα7 IVを使いこなせていない部分もありますが、撮影するのに関して十分に満足できるカメラだと思います。完全に使いこなすには、メニュー項目の把握とよく使う項目のカスタマイズがどれだけできるかが鍵になると思います。
実際にデフォルト状態で使っていてよく失敗したのが、カメラ上部にある録画ボタンでした。従来の機種であれば、「C1」ボタンがある場所です。α7 IVでは従来機種と違って「C1」ボタンと録画ボタンの場所が入れ替わっています。筆者は「C1」ボタンにクロップ切替を入れているのですが、静止画撮影の時にクロップするつもりが何回も動画録画を開始させていました(笑)。従来機と並行してα7 IVを使用する場合は、ボタンの割り当てメニューを変更した方がミスが減ると思います。
背面液晶はバリアングル液晶モニターが採用されており、α7 IVは動画撮影ユーザーもターゲットにした機種という事が分かります。タッチパネルによる操作性は良く、静止画・動画撮影においてタッチ操作によるトラッキングが非常に楽になっています。
液晶画面でトラッキングしたい対象部分をタッチするだけで、トラッキングしてピントを合わせ続けてくれます。
α7 IVには電源OFF時にシャッターを閉じる機能も追加されています。これによってレンズ交換時に起きやすいセンサーへのゴミやホコリの付着が軽減されます。従来のα7 IIIはこの機能がなかった為、レンズ交換の際にかなり気を使っているユーザーも多いと思います。電源OFF時にシャッターが閉じてセンサーを保護してくれるので、ホコリやゴミ付着に悩まされていたユーザーにとって非常にありがたい機能追加です。
静止画の画素数アップ、動画撮影機能アップ、瞳オートフォーカスの性能アップととても魅力的な進化を遂げたα7 IVは、スタンダード機の枠を超えたカメラであることは間違いないと思います。
業務機に迫る動画撮影機能
α7 IVはスタンダード機でありながら動画撮影がかなり強化されたモデルです。動画でも瞳AF(人物)はもちろん、(動物)と(鳥)にも対応し、ミラーレスカメラでの動画撮影の敷居をぐっと下げてくれます。
早速、筆者が飼っている猫で動画を撮影して、その性能を確認してみました。実際にリアルタイム瞳AF(動物)で動画撮影時の挙動を、α7 IVのHDMI出力したものをキャプチャーしてみました。
VIDEO
VIDEO
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 20mm F1.8(クロップにより焦点距離35mm)
■動画設定:XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) 60p
的確に猫の瞳を捉え続けているのがよく分かると思います。α7 IIIでは静止画は瞳AF(動物)に対応していたものの、動画には対応していませんでした。α7 IVは動画でも瞳AF(動物)に対応し、ペットを飼っているユーザーにとって魅力的な機能アップになっています。筆者にとってもα7 IVを購入するポイント一つになりました。ただ、4K30pで撮影する場合は問題ありませんが、4K60pで撮影する場合は1.5倍にクロップされるので、60pをメインで撮影する人は広角側が厳しくなるので、レンズのセレクトに注意が必要です。
α7 IVではよくある30分の録画時間制限は無く、長時間の動画撮影が可能です。しかし、デフォルトの状態では温度制限がかかっているので、撮影環境によっては設定を変更しておかないと温度警告マークが表示され、強制的に使用できなくなる場合があります。長時間撮影が予測される場合などは、あらかじめメニューから設定を変更しておく必要があります。
画面上部にオレンジ色の温度警告マークが表示される場合があります。
α7 IVでは動画撮影できるフォーマットも拡充され、色情報の豊富な4:2:2 10bitでも撮影できます。しかし、編集できるソフトの制限もあるので、動画撮影の際のフォーマットや撮影モードは使用している編集ソフトに対応しているか、事前によく確認した方がよいでしょう。今回の作例に関しては、XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) モードをメインで撮影しています。いくら高画質で撮影しても、編集ソフトが対応していないと撮りっぱなしになってしまいます。α7 IVを購入したユーザーは一度パソコンを含めた編集環境を見直した方が良い場合もあるかも知れません。筆者も4K動画を編集するのにパソコンのスペックに不満がでてきているので、この後にパソコン・ソフトを含めて環境の見直しを実施する計画です。
α7 IVの動画性能を確認にするために、愛知県稲沢市を本拠地に活動している女子ホッケーチーム「ソニーHC BRAVIA Ladies」の練習にお邪魔していろいろなシーンを撮影させて頂きました。
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瞳AF(人物)をオンの状態で、レンズは「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」を使用しました。60pモードで撮影しているので、1.5倍にクロップされ焦点距離は105m-300mm相当の画角になります。ファインダー上では、左下「人物マークAF ON」が瞳AF、右下の四角い点線と実線枠がクロップを意味しています。下の動画でもドリブルでカメラに向かってくる選手にしっかりとピントを合わせ続けているのが分かると思います。
VIDEO
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■動画設定:XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) 60p
FE 20mm F1.8を付けたα7 IVをハンドヘルドジンバル「MOZA AirCross 2」に装着して、選手のドリブルに並走してみたり、カメラに向かってドリブルをしてもらい背走したりしながら撮影。迫力ある映像を撮影する為に、ジンバルに装着したα7 IVをローアングルポジションで撮影しています。
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■撮影機材:SONY α7 IV + FE 20mm F1.8 ※ ハンドヘルドジンバル「MOZA AirCross 2」使用
■動画設定:XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) 60p
VIDEO
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 20mm F1.8 ※ ハンドヘルドジンバル「MOZA AirCross 2」使用
■動画設定:XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) 60p
α7 IVには高性能手ブレ補正「アクティブモード」も搭載されていて、手持ちでの撮影でもかなり手ブレを抑えた動画撮影が可能になっています。しかし、本格的に動画撮影をするのであれば、三脚+ビデオ雲台やハンドヘルドジンバルなどを使用する事をおすすめします。特にハンドヘルドジンバルは、圧倒的にブレを抑えてくれスムーズな滑らかな映像制作の手助けをしてくれます。
新しく搭載された[静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル]によって、個別の設定とスムーズな変更がしやすくなった為、スロー&クイックの撮影が非常にしやすくなり、印象的な映像表現がしやすくなりました。4K解像度で最大2.5倍のなめらかなスローモーション(音声記録不可)ができるようなっています。スローやクイック動画撮影するには、【記録設定】と【フレームレート】の組み合わせで設定します。
この場合、フレームレート120fps・30pの設定なので、4倍スローの動画が撮影されます。ファインダー左上部に「4倍スロー」の表示が出ています。実際のデータが下の動画になります。
VIDEO
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■動画設定:XAVC S HD 4倍スロー
VIDEO
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■動画設定:XAVC S HD 4倍スロー
VIDEO
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 20mm F1.8 ※ ハンドヘルドジンバル「MOZA AirCross 2」使用
■動画設定:XAVC S HD 4倍スロー
スポーツや動きのある被写体を動画撮影する際には、スロー撮影はとても印象的な映像になるので積極的に使ってみたい機能です。
さらにα7 IVには、新しい「フォーカスマップ」という機能が追加されています。「フォーカスマップ」は動画撮影時の被写界深度を可視化する機能で、フォーカス情報(深度マップ)を、ライブビューの実映像にリアルタイムに重ね合わせることで、ピントの合っている範囲と合っていない範囲を視覚的かつ直感的に画面上で表示してくれます。
他にもα7 IVにはスタンダード機でありながら、FX9、FX6、FX3などのCinema Lineで好評な、肌色を美しく見せるスキントーンを中心としたルック「S-Cinetone」を搭載。S-Log2およびシャドウからミッドトーン(18%グレー)にかけての階調特性を重視したS-Log3も搭載されており、業務用カメラと合わせた撮影、編集がさらに容易になっています。
また魅力的な機能の一つとして、動画撮影中のフォーカス時に起こるフォーカスブリージング(フォーカスレンズ位置の変化に伴う画角変動)現象を最小化するブリージング補正機能をαシリーズで初めて搭載しています。
とてもスタンダード機とは思えないハイスペックな機能が搭載されていて、撮影が今まで以上に簡単できる面もありつつ、α7 IVの機能を引き出して使いこなす為にはユーザー側もいろいろと勉強をしなければならないカメラだと感じます。私もまだまだα7 IVのすべてを使いこなせていません…。
正常進化したα7 IVの静止画撮影機能
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF4.5 ISO100 焦点距離 300mm(APS-Cクロップ撮影)
α7 IVの静止画のおいては、α7 IIIから画素数アップしたことによりトリミング耐性が強くなりました。クロップ撮影した場合でも、4608x3072ピクセル(約1400万画素程度)残る為、従来のα7 IIIのクロップ撮影よりも使いやすくなったと思います。
画素数アップによる高感度のノイズの問題をよく聞きますが、個人的にはISO6400ぐらいまでは実用的に問題なく使用できるレベルです。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 12-24mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/13秒 絞りF11 ISO6400 焦点距離 12mm
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF4 ISO12800 焦点距離 200mm
連写性能に関してはα7 IIIと同等。メカ・電子シャッターともに最大約10コマ/秒の連写性能。電子シャッターにおいてはローリング現象が発生することもありますので、私は動きの多い被写体では基本はメカシャッターで撮影していました。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離 200mm
実際のオートフォーカスの挙動及び連写の動きは、こちらのファインダー情報動画を参考にしてみてください。
VIDEO
瞳AF(鳥)は細かい枝が多いシーンなどでは、とても有効なオートフォーカスです。通常のオートフォーカスであれば、手前の枝にピントが合うようなシーンですが、α7 IVの瞳AF(鳥)は的確に鳥の瞳にピントを合わせてくれました。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離 900mm(APS-Cクロップ撮影)
様々な静止画・動画のプロからのフィードバックを反映し、従来機α7 IIIよりもさらに防塵・防滴に配慮されているα7 IVは、雨の日でも積極的に撮影できる安心感が増しています。防塵防滴のレンズとの組み合わせで、雨の日のスナップも安心して撮影できますね。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF4 ISO800 焦点距離 105mm
まとめ
今回は動画をメインにレビューをしましたが、静止画も動画もどちらも満足できるハイブリッドなスタンダード機という事が実感できました。静止画撮影だけでなく、これから動画撮影もチャレンジしていきたいユーザーにピッタリのカメラではないでしょうか。ただ、このα7 IVはそのまま使うのではなく、カスタマイズしてこそ本当の性能を発揮できるカメラです。短期間ではなかなかカスタマイズも上手くいかないかも知れませんが、使い込んでいく程ユーザーにマッチした仕上がりになる楽しいカメラではないでしょうか。
ソニーHC BRAVIA Ladies
■撮影協力:ソニーHC BRAVIA Ladies(ソニー・ホッケークラブ・ブラビア・レディース)
https://www.sony-global-mo.co.jp/hockey/
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
α7 IV レビューはこちらの記事でもご覧頂けます
■ソニー α7 IV レビュー|風景写真家 高橋良典
https://shasha.kitamura.jp/article/485344549.html
■ソニー α7 IV レビュー|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/485650113.html
■ソニー α7 IVが登場!|上位モデル撮影性能を継承した新時代Basicモデル
https://shasha.kitamura.jp/article/484754618.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 24-105mm F4 G OSS
商品詳細ページ 【ソニー】FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
商品詳細ページ 【ソニー】FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがソニーα7 IVのレビューを行っています。ペット、スポーツ、鳥を被写体に本モデルの
動画、静止画性能をサンプル映像と共に紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,ボディー,α7 IV,レビュー,ペット,動物,鳥,スポーツ
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AUTHOR:
TITLE: おすすめ撮影スポット Vol.1『京都・嵐山』|カメキタ店舗スタッフに聞いてみた!
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 12/23/2021 15:46:21
TAGS: おすすめ撮影スポット
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BODY:
はじめに
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.1。今回紹介する撮影スポットは京都で定番の観光地「嵐山」。夜の厳かな雰囲気にも注目です。この撮影スポットの魅力やお勧めの撮影方法を、カメラのキタムラ京都・桂店の西山道也さんに聞いてみましたのでご紹介します。
撮影スポット情報
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-55mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F11 1/35秒 ISO12800
■京都・嵐山
住所:京都市右京区嵐山
アクセス方法:JR京都駅からJR嵯峨野線に乗り換え(約20分)嵐山駅下車
おすすめの被写体:有名な渡月橋、嵐山竹林、嵐山電鉄のライトアップ(年中)、天竜寺などのお寺
「嵐山」の魅力と撮り方
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-55mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F5 1/850秒 ISO12800
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-80mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F11 1/30秒 ISO3200
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR
■撮影環境:F9 1/15秒 ISO640
― 「京都・嵐山」の魅力、好きな理由
春夏秋冬オールシーズンで魅力的な撮影スポットがあり、撮影だけで無く、散歩や食べ歩きも出来ます!
― おすすめの撮影時間
夕方から夜にかけてライトアップされていたり、川辺も夕日がピンクに染まったりお勧めです。
― おすすめの構図
景色写真が中心になるので、左右に広く撮影する構図と被写体を思い切り切り取る構図もお勧めです。
― 作例を撮った時に考えたこと・思い
普段から散歩で歩いたり商店街の方とも仲が良いので嵐山の魅力を伝えたいな、という思いでした。
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-80mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F4 1/3200秒 ISO160
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-80mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F4 1/60秒 ISO640
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-80mmF4 R OIS WR
■撮影環境:F4.5 1/100秒 ISO160
今回のスタッフ
■西山道也さん(カメラのキタムラ京都・桂店)
【お店の紹介】
小さいお店でカメラも沢山の品揃えではございませんが、お客様に合ったカメラをご提案させて頂きます。
店舗住所:京都府京都市西京区下津林東芝ノ宮町20番地
営業時間:10:00-19:00
TEL:075-381-1690
URL:https://blog.kitamura.jp/26/4144/
以上、カメラのキタムラスタッフが紹介するおすすめの撮影スポット紹介でした。今後も定期的に全国の撮影スポットを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
■おすすめ撮影スポット
記事一覧はコチラ からご覧ください。
この記事に使用した機材
【富士フイルム】XF16-80mm F4 R OIS WR
商品詳細ページ 【富士フイルム】XF8-16mm F2.8 R LM WR
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.○。今回は全国でも有数の観光地、京都・嵐山を紹介します。夜の嵐山が見せる厳かな雰囲気に注目です。
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KEYWORDS:
おすすめ撮影スポット,カメラのキタムラ,嵐山
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: マイクロレンズを楽しむ!ニコン NIKKOR Z MC 50mm f/2.8を最大限に活かせるボディとの組み合わせは?
BASENAME: 484860321.html
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CATEGORY: 熊切大輔
DATE: 12/23/2021 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z MC 50mm f/2.8,スナップ,マクロレンズ,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
ニコンから2021年6月に2本のレンズが同時に登場しました。NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR SとNIKKOR Z MC 50mm f/2.8です。ニコンZシリーズ初のマイクロレンズとなります。ちなみにその呼び名ですが、一般的にはマクロレンズと聞くことが多い中でなぜニコンはマイクロレンズと呼んでいるのでしょうか。
ニコンのHPを見ると「マクロレンズは本来、原寸大以上の倍率が得られる顕微鏡のような拡大光学系のレンズを指します。このためニコンは定義の厳密性をより重要視し、各社が「マクロレンズ」と呼ぶ縮小光学系で等倍撮影ができるレンズを「マイクロレンズ」と呼んでいます。」と書かれています。顕微鏡を作ってきたニコンならではのこだわりが詰まっているのがマイクロレンズなのです。
マイクロレンズのすすめ
マクロ撮影は昆虫や花など被写体が限られていて私には無縁、と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、意外に日常を何気なく切り撮っていても、ここ一番で寄って撮影したいシーンが訪れる事が多くあるものです。いざという時に撮れると便利なマクロ撮影、それを気軽に楽しめるのがNIKKOR Z MC 50mm f/2.8なのです。
同時発売のNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは非常に高性能なマイクロレンズです。信頼のS-Lineレンズの描写は高い解像性能と色にじみを抑えた描写力を誇っています。強力な手ブレ補正搭載など、高性能ながら値段を抑えたバランスの良いレンズはプロの中でも大いに好評を得ています。
一方で、105mmという焦点距離を使いこなすには被写体との撮影距離も確保せねばなりません。加えて、50mmと比較して大きめなサイズ感もあり、日常的に気軽に使うというよりはプロや専門的なマクロ撮影に特化した撮影に適していると言っても過言ではありません。日常のテーブルフォトなど取り回しよく気軽にマクロ撮影も楽しみたければ、このNIKKOR Z MC 50mm f/2.8を選択することをオススメします。
NIKKOR Z MC 50mm f/2.8スナップ作例
マクロマクロと言っていますが当然、普通の50mmレンズとして日常の様々なシーンで幅広く撮影を楽しむことが出来ます。圧縮の程よく効いた表現は情報量の多い構図を生み出します。車の向こうの面白い表情。窓越しに撮ることでストーリーを演出しました。
■使用機材:ニコン Z 6+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO200 F4 SS1/250
日常使いならサイズ感が重要になります。なにより、大幅に小型軽量化されたレンズサイズはミラーレスシステムとのバランスがよく相性抜群です。
静音かつスムーズなSTM(ステッピングモーター)と「前群繰り出し方式」のフォーカシングシステム採用で、ボディの小型化(全長約66mm、重さ約260g)が実現できています。電車の中から見えた気になる景色を追って気ままに下車。二駅三駅分の距離を撮り歩くのも全く苦になりません。
■使用機材:ニコン Z 6+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/1600
もちろん近接撮影が最大の醍醐味です。最短撮影距離が0.16m、レンズの先端から被写体に約5cmまで近づいて、等倍のマクロ撮影ができます。小さなクローバーに乗る小さな水の宝石。日常では見過ごしてしまうようなミクロの世界をしっかりと写し出すことができるのです。
■使用機材:ニコン Z 6+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO800 F5.3 SS1/800
採用されているEDレンズは色収差(色にじみ)を抑え、非球面レンズの効果と合わせて周辺部まで高い解像力を得ることが出来ていて、小型でも表現力に妥協がないことがよく分かると思います。奥行きのあるたっぷりとしたボケ味も十分楽しむことが出来ます。加えて、暗所での光の表現も嫌なにじみもなく切れが感じられます。暗闇に続く提灯がこの場所の空気感をあらわしています。
■使用機材:ニコン Z 6+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO800 F3 SS1/1250
そんな優秀なレンズの画角、サイズ感を更に上手く、楽しく活かすボディとの組み合わせとして、私はZ fcにNIKKOR Z MC 50mm f/2.8をつけることをオススメします。
Z fcはDXフォーマット採用によりZシリーズの中でも更にコンパクトになり、持ち歩きカメラとしてクラシカルなデザインも相まって人気を博しています。そんなフットワークの良いサイズ感が小型軽量のNIKKOR Z MC 50mm f/2.8とぴったりなのは言うまでもありません。
仮にNIKKOR Z 28mm f/2.8をお持ちの場合、その焦点距離の差は(APS-Cの為35mm換算)28mmは約42mm、50mmは約75mmとちょうど良いバランスになります。キットレンズの次のレンズとしてベストチョイスなのではないでしょうか。
実質75mmという焦点距離はスナップでも効果を発揮します。程よい引き寄せ効果は手の届かなかった遠景を画角いっぱいに描いてくれます。交差点での俯瞰の表現。図形的な切り撮りをしつつ、印象的な登場人物が現れるのを待ちました。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO320 F6.3 SS1/1000
NIKKOR Z MC 50mm f/2.8ポートレート作例
そんな中望遠レンズはポートレートで非常に相性がよく、ボケ味の効いた美しい人物撮影が可能となります。そこで仮にデートに一本レンズを持っていくなら、というシーンを想定してZ fcにNIKKOR Z MC 50mm f/2.8をつけてモデルの雨宮ひろさんと東京の街にでかけてみました。
紅葉の美しい街並みの背景を活かしながらブラブラと撮り歩きました。適度な前ボケを活かして奥行き感のある表現で切り撮ってみました。ちなみに、中望遠のボケ味ばかり意識すると単調な画ばかりになりがちです。ロケーションが良ければ意識して少し引き気味の画作りも挟むことによってメリハリをつけるのもポイントです。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO100 F3.2 SS1/250
■モデル:雨宮ひろ
もちろんポートレートならではの背景のボケ味を活かした撮影も十分楽しむことが出来ます。程よい緩やかなボケは適度に撮影環境を写し込み、街の個性を描きつつ、奥行きを演出してくれます。一方、シャープな表現は髪の毛一本一本を精細に写し出しています。
瞳の中の横断歩道の写りこみもしっかりと写し切る描写は、スペック以上の表現力を実感させてくれます。ボケとシャープさのバランスが非常に良いレンズといえます。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/160
■モデル:雨宮ひろ
雰囲気の良いレストランでランチタイム。電話をしに表に出ると、店の看板やガラスに反射する街の景色が重なったフォトジェニックな構図の中にいる彼女を見つけました。シャッターチャンスはいつ訪れるかわかりません。肌身離さず持ち歩けるサイズ感はそんな瞬間を逃しません。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO800 F2.8 SS1/160
■モデル:雨宮ひろ
出てきたパスタは見た目からシズル感たっぷりで食欲をそそります。いくらマクロだからといって寄りすぎると素材写真になってしまいます。適度に皿を写し込んで構図のバランスを取りたいところです。
少し引いた画角を意識した場合、105mmでは引ききれない場合があります。座ったままで撮影できる距離感。50mmという気軽に撮影できるディスタンスが大きなポイントになります。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO800 F3.3 SS1/200
短いデートの終わり。少し寂しげに見える彼女の瞳の表情にぐっと寄ってみたくなりました。マクロならではの距離感。そしてシャープな合焦面とそこからなめらかにボケいく立体感はその瞳を強調し表情をドラマチックに演出してくれます。
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
■撮影環境:ISO100 F3.3 SS1/160
■モデル:雨宮ひろ
まとめ
優秀で評判の良いNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sの影に隠れている印象のあるNIKKOR Z MC 50mm f/2.8。しかし、その使い勝手の良さは多くの人の撮影環境にマッチするのではないでしょうか。
加えてFX機とDX機の組み合わせを使い分ける事によって、それぞれ違った楽しみ方ができるのです。ジャンルを選ばず出会った被写体は何でも撮りたい、そんな欲張りな望みを叶えてくれるレンズと言っても言い過ぎではないかもしれません。
■写真家:
熊切大輔
東京生まれ。東京工芸大を卒業後、日刊ゲンダイ写真部を経てフリーランスの写真家として独立。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。
スナップで街と人を切り撮った写真集「刹那 東京で」を2018年に発売と共に写真展を開催。2021年には写真集&写真展「東京美人景」そして「東京動物園」の三部作で東京の今を撮り続けている。
公益社団法人日本写真家協会理事
この記事に使用した機材
【ニコン】NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
【ニコン】Z 6 ボディ
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の熊切大輔さんによるニコンのマイクロレンズNIKKOR Z MC 50mm f/2.8のレビュー記事です。NIKKOR Z MC 50mm f/2.8を最大限に活かせるボディとの組み合わせは?をテーマに、スナップとポートレートの作例とともにレビューしています。
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KEYWORDS:
ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z MC 50mm f/2.8,レビュー,スナップ,人物,ポートレート
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AUTHOR:
TITLE: RICOH GR IIIx レビュー|テレコンバージョンレンズGT-2でポートレートスナップを楽しむ
BASENAME: 484917191.html
STATUS: Publish
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 12/24/2021 16:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,GR IIIx,APS-C,ポートレート(人物),コンパクトデジタルカメラ
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BODY:
はじめに
焦点距離40mmレンズのGR IIIx登場に驚いた方も少なくないと思いますが、2021年11月26日にはテレコンバージョンレンズGT-2も発売され、さらに中望遠域の撮影が可能になりました。
〝GRで望遠!?〟そんな未知の領域を広角好きな筆者が実際にGT-2を装着し、ポートレートスナップを中心に撮影してきました。モデルさんとの距離感、レンズによる描写、中望遠レンズならではの表現など、実際に撮影した感触をお伝えします。
テレコンバージョンレンズGT-2について
GR IIIx専用のテレコンバージョンレンズGT-2は、ボディ(マスターレンズ)の先端部に装着する形のフロントコンバージョンレンズ(フロントコンバーター)です。レンズアダプターGA-2を使用することによりボディに装着可能になります。
【テレコンバージョンレンズGT-2の仕様】
・GR IIIx専用の1.5倍テレコンバージョンレンズ
・3群5枚のレンズ構成
・最大径:約65mm / 長さ:約45.1mm / 質量:209g
・GT-2使用の際、26.1mmの焦点距離は39.15mm相当の実焦点距離になります。
【レンズアダプターGA-2の仕様】
・最大径:約59.0mm / 長さ:約25.8mm(部分的突起含まず)/ 質量:12.5g
・テレコンバージョンレンズGT-2を自動検知。クロップや手ぶれ補正の最適化を図ります。
GR IIIx用テレコンバージョンレンズGT-2は専用アダプターGA-2を使用して機能する。
GR III用のワイドコンバージョンレンズGW-4はGR IIIxには装着できないので覚えておこう。
ボディと接続するレンズアダプターGA-2には電子接点があり、GT-2を装着すると50mmクロップの状態で自動的に認識され75mm相当の焦点距離に。ボディ側で71mmクロップすれば107mm相当の焦点距離を実現し、いわゆる中望遠レンズとなり、これらの撮影時にはEXIF情報もデータに反映されます。
GA-2は単体で使用することもでき、レンズフードの役割や、市販品の49mm径のレンズフィルターを装着可能で撮影表現の幅を広げられます。ちなみ、テレコンレンズの外側のフィルター径は62mmです。
GR IIIxボディ約262g(バッテリー、SDメモリーカード含む)にアダプターGA-2、そしてGT-2を合わせると約484g。多少重量感があり、バランスが前傾になりやすいことと、接点部に重量がかかるので撮影時にはしっかりとホールディングが必要など、取扱いには少々注意をしたいところです。
同じ撮影位置からの画角の違い
モデルさんと一緒に街中を歩く前に、同じ位置から画角の違いを撮影してみました。モデルさんまでの距離は約1.5m。75mmの焦点距離は、どちらかと言えば中望遠よりも標準レンズ感覚の使いやすさを感じ、人物を対象とすると真っ直ぐに見つめるような画角で撮影ができます。107mmを使うことではじめて中望遠らしい画角とボケを具体的に感じられるようになります。
中望遠レンズでポートレート撮影の場合は、特に周辺の情報量と人物が引き立つ背景・ボケが肝心です。背景の路面に注目してみると、よりボケ方が大きくなり人物がより引き立っていきます。
左上:クロップなし焦点距離40mm/右上:クロップ50mm
左下:GT-2装着・クロップ50mm(75mm)/右下:GT-2装着・クロップ71mm(107mm)
人物の大きさが変わるのはもちろんですが、背景のボケ方が重要。107mmではコンパクトカメラとは思えない描写が可能になります。
ポートレート撮影時の距離感
最短撮影距離は焦点距離75mmでセンサー面から約60cm。人物を目の前に顔全体を入れる位の距離で撮影が可能です。焦点距離107mmで全身を入れるとなると4~5mの距離が必要になります。
街中でポートレート撮影をする際4~5mの距離となると、気になるのがカメラの存在です。カメラと被写体の間をすり抜ける人や自転車・バイクなどの往来にも迷惑行為にならないよう細心の注意が必要です。
撮影中は、速やかに場所を移動したり、撮影を止めたり、こちらから挨拶したりといった周囲への配慮、気配りもスムーズにできる余裕さえ感じられました。大きなレンズを付けてカメラを構え、ファインダーの中に集中していると気が付かないことも、GR IIIxというコンパクトなサイズによって撮影者として守るべきマナーにもしっかりと配慮できる良さを実感しました。
車の通りすぎるタイミングを待ちながら、自然な表情をキャッチ。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ 39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm)
■撮影環境:SS1/60秒 F/2.8 ISO200 WB曇天 -0.3EV
■イメージコントロール:ポジフィルム調
移動中、壁に写った影をアクセントにしてニーアングルで。撮影距離は1.5mほど。ちょっと立ち止まってサッと撮る。というテンポのいい撮影がGRならではの心地よさです。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm)
■撮影環境:SS 1/200秒 F/3.5 ISO200 WBマルチパターンオート +0.3EV
■イメージコントロール:ポジフィルム調
75mmでの最短撮影距離60cmでの撮影。威圧感がないので親しい仲なら近づいて1m以内の距離での撮影も。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm)
■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO640 WB太陽光 -0.3EV
■イメージコントロール:モノトーン
街に溶け込み、人にも安心感を与える見た目とサイズ感はスナップにもポートレートにもジャストフィットして、撮影のしやすさを感じるはずです。
光をキャッチする大口径レンズならではの表現
大口径のテレコンバージョンレンズGT-2によって焦点距離が伸び、光を取り込む量も増えるため、いわゆる“GRぽくない”大きな柔らかいボケとソフトな描写が可能になります。このレンズは光を捉えるのが得意で、特に逆光時の描写はベールをかけたようなソフトでハイキーな表現ができます。まさにポートレート向きです。
逆光を浴びた柔らかい描写の中にも、髪の毛一本一本をしっかりと写し出してくれました。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm)
■撮影環境:SS1/30秒 F/2.8 ISO200 WB曇天 +1.0EV
■イメージコントロール:ポジフィルム調
深度の浅さを利用してモデルさんに視線を集中するように奥行きを表現。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm)
■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO250 WBマルチパターンオート +0.3EV
■イメージコントロール:ビビッド
植栽をレンズ前に位置させて前ボケに。日陰で撮影したことによって、より一層柔らかく優しい雰囲気が出ています。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm)
■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO640 WB太陽光 +0.3EV
■イメージコントロール:スタンダード
夜の人工光も硬くならずにふんわりと光がよく回ります。レンズフィルターは装着していないのですが、まるでソフト系フィルターをかけたような雰囲気さえ感じます。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm)
■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO6400 WB昼白色蛍光灯
■イメージコントロール:レトロ
マクロモードに切り替えてあえてピントを外して玉ボケを捉えれば、これまで以上に大きく柔らかいボケ表現が可能です。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm)
■撮影環境:SS1/60秒 F/2.8 ISO200 WBマルチパターンオート -2.3EV
■イメージコントロール:スタンダード
ここまで撮影していて、「これはコンパクトカメラ?」と一瞬信じられなくなることも。それだけ懐が広い表現がGR IIIx1台だけでできてしまうのは革新的ではないでしょうか。
遠景を引き寄せる圧縮効果を発揮
もちろんポートレート撮影以外でも大いに役立ちます。風景撮影をはじめとする遠景、高所などの撮影も軽々とできるのが望遠レンズの魅力です。公園の柵越しに遊具を撮影してみました。背景が大きく迫ってくるように引き寄せる圧縮効果も発揮されます。
左:GT-2装着・クロップ50mm(75mm)
右:GT-2装着・クロップ71mm(107mm)
高枝の紅葉の撮影でも背景のイチョウが引き寄せられ、密集した感じが出せました。紅葉一枚、一枚しっかりと細部まで描写してくれます。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm)
■撮影環境:SS1/40秒 F/2.8 ISO200 WB曇天 +1.0EV
■イメージコントロール:スタンダード
自分自身がアプローチできない場所からの遠景撮影はスナップや風景などでも役立ちます。
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm)
■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO1250 WB昼白色蛍光灯 -0.7EV
■イメージコントロール:クロスプロセス
望遠レンズがないと撮影ができない状況もテレコンバージョンレンズによって撮影可能になり、撮影シーンや被写体が広がることは間違いありません。
おわりに
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ26.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm)
■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO320 WB昼光色蛍光灯 +0.3EV
■イメージコントロール:ハードモノトーン
コンパクトなボディが一段とパワーアップするテレコンバージョンレンズGT-2。
以前紹介した GRらしいシャープな描写のワイドコンバージョンレンズGW-4(GR III専用)による超広角21mmから、GRとは思えないほど柔らかい描写の中望遠107mmまで格段に表現領域が広がりました。
GR IIIxとテレコンバージョンレンズの組み合わせは、広角レンズが苦手という人にも、ポートレートを気軽に撮りたい人にも、風景写真が撮りたい人にも寄り添ってくれるはずです。見た目に威圧感の無いサイズ、気負わず撮影できる距離、優しく包んでくれる光。それだけでも撮りたいものがより具体的になるように思いますし、日常的に撮影する機会が増える気がしました。テレコンバージョンレンズGT-2という新たな表現を手に入れることで、今までとは違う被写体を求めて撮影に出かけるのも楽しみの一つになりそうです。
■モデル:ひらまつ まな
■写真家:
こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんに、リコーGR IIIxにテレコンバージョンレンズGT-2を装着してレビューしていただきました。中望遠の画角を手に入れたGR IIIxの写りをご覧ください。
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KEYWORDS:
リコー,Ricoh,GR IIIx,レビュー,ポートレート,テレコンバージョンレンズ
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AUTHOR:
TITLE: カールツァイス ZEISS Loxia 2.4/25 レビュー|透明感を演出してくれる広角レンズ
BASENAME: 484916827.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 12/25/2021 11:00:00
TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,ZEISS Loxia 2.4/25,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
今回レビューをお送りする「ZEISS Loxia2.4/25」は、ソニーのフルサイズミラーレスカメラ用に設計された、マニュアルフォーカスのレンズです。25mmという広角の画角を、ポートレートのスチールとムービーでどのように使用するかも併せてご覧ください。
色収差を抑えた高い描写能力
■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO125 AWB
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
本レンズは25mmの広角画角の単焦点レンズです。絞りはF2.4からF22まで使用可能、レンズ設計はDistagon8群10枚で、特殊低分散ガラスレンズ2枚と、非球面レンズ1枚が使われています。特殊低分散ガラスレンズは、光の波長の違いによって起こる結像位置のズレが生み出す色収差という現象を抑えて、描写性能を高めてくれる働きをします。
ポートレートで多用する逆光耐性も素晴らしく、にじんだような優しい描写はお手の物です。絞り羽根枚数は10枚。背景の木漏れ日のボケの丸さと柔らかさは、撮影しながらもわかるほど美しくて筆者好みでした。
ポートレート・ショートムービー
VIDEO
■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
撮影日はかなり日差しが強く、前日に降った雨の名残で、場所によって地面は少し濡れている状況でした。水分を含んだ地面の照り返しは、通常よりも構図内のコントラストを高めてくれる役割をしてくれます。
この後のスチールでも思ったのですが、コントラストの強いシーンでの描写性能が飛び抜けて素晴らしく、特に白飛びギリギリの箇所の、白飛びしそうでしないグラデーションが美しく、背景に明るいボケを作るのが楽しかったです。
ムービーはスチールよりも、全体的に明るすぎたり白すぎると見ている方が疲れてしまうので、全体的にコントラストを抑えたり、アンダー目に撮影すると安定しやすいのですが、今回は明るいシーンを多用する珍しいムービーとなりました。
また、スチールでもムービーでも、人物が被写体だと寄りたくなってしまうことが多い筆者ですが、今回は引きの画も意識して撮影しました。寄りだと、ともすればわざとらしく見えてしまうことがある、手動でピントを変動させて徐々にボカしていく手法ですが、ちょっと引き目の構図だと自然におさまってくれました。
ラストのボケていくシーンは、上記の手法でジャストピントからアウトフォーカスに、ピントリングを動かして撮影しました。リングのトルクは操作しやすい適度な重みがあるので、構図と動作を見ながらじっくりとピントを変えていくのは、撮影していても楽しかったです。
スペックの数字だけではわからない美しさ
■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO200 AWB
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
広角画角ながら、ディストーションはないと言ってもいいほど見当たらず、画面の隅々まで歪みなく正確に描ききっています。絞り開放時、周辺減光はほんの少し見られますが、ポートレートではドラマティックな表現と感じる程度でそれほど気になりません。
絞り値は開放がF2.4と、ポートレート撮影で使用するには控えめな数字ですが、手前から奥に抜ける、自然ながらコックリとした深みのあるボケのグラデーションは、レンズはスペック上の数字だけではその描写力は計りきれないのだと、再認識できる美しさでした。
広角レンズならではの可愛らしい撮り方
■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO200 AWB
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
広角レンズを使用したポートレートの表現方法として、背景を写し込む手法がポピュラーですが、上から見下ろすようなカットは、可愛らしいイメージを高めてくれます。この場合ですと、カメラに近い顔が大きく、顔よりもカメラから遠くなる手が小さく表現されるため、表情の存在感がぐっと増します。また、小さな手は小動物を連想させて、愛らしいイメージに仕上げてくれます。
モデルが下を向いていると目と口の距離が開いてしまい、広角レンズの特徴でもある四隅を伸ばしたようなパースに引っ張られて、大きく間延びしたような顔に写ってしまいます。モデルには、レンズの方を向いてもらうように顔を上げてもらうと、パースのつきすぎない、可愛らしいカットを撮ることができます。
高い透明感、清涼感を生み出すレンズ
■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO320 WB:5200K
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
ハイライト部の表現が美しかったので、背景はボケを求めながらも、明るい場所を選んで撮影しました。シャドウ部の粘りが強いレンズやカメラには、幸運なことに複数出会っていますが、ハイライト部の粘りが強いレンズで、これほど清涼感のある画を生み出せるレンズには、なかなか出会えないと言っていいでしょう。
その清涼感をさらにあげるために、ここではホワイトバランスを5200Kにしています。人肌の自然な色味を出すのであれば、AWBでも綺麗に描かれていたのですが、冬のつんと冷たい風の表現を重視した色味にすると、全体に透明度の高い画にすることができました。
強い逆光シーンでもクリアーな描写
■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO320 AWB
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
強い太陽を背にして、その光が漏れ出るようなシーンは、筆者が好んで撮影するシーンのひとつですが、レンズによっては全体に霞がかかってしまったり、フレアー・ゴーストが出やすいシーンでもあります。本レンズではそんな心配は杞憂と言わんばかりに、印象的なカットに仕上げてくれました。
Loxiaシリーズはどのレンズも小型、軽量なのが本当に素晴らしい!本レンズの最大径は62mm、長さは88mmと、焦点距離25mmの広角画角なのに、手のひらサイズのコンパクトさ。重さも393gと軽量で、シンプルなストレートデザインは、街中での撮影にも溶け込みやすいです。
コンパクトなボディは撮影の自由度を上げる
■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO640 WB:5700K
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
コンパクトなボディだからこそできるのが、このような下からの撮影。レンズが長いと、モデルとの距離を取るために段差があるところを探さないと、下から煽るような撮影方法は使えないのですが、短いレンズで広角画角の本レンズなら気軽に撮れるカットです。
最短撮影距離は0.25mですので、ポートレートとしては十分寄れるレンズと言えます。モデルに寄ることで背景の印象を弱め、「主役はこちらです!」という、人物の印象の強いカットに仕上げられます。背景まで写し込みたいときは絞ったり、日中シンクロを使用しますが、街中のポートレートはナチュラルなほうが筆者は好みです。
期待に大きく応えてくれるレンズ
■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25
■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO500 WB:5700K
■クリエイティブスタイル:ポートレート
■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
普段なら、ポートレートを撮るには広角過ぎる画角で、撮影前にどうやって撮ろうかひと悩みする画角なのですが、Loxiaシリーズを使ってきて、各種収差がほとんどないことを体感していたので、「広く写る、寄れるレンズ」くらいの感覚で撮影に臨めました。
広角ならではのパースもそれほどきつくないので、構図の四隅まで人物を配置できるし、逆光でも、背景を思いっきりハイキーにしても、余計な光や色収差が出ないだろうと安心感を持ってシャッターを押せましたし、その期待に応えてくれる仕上がりでした。
風景やスナップを撮る方にもお勧めしたい本レンズは、マニュアルフォーカスということで二の足を踏んでいる方にこそ、ぜひ一度使ってみていただきたいと思います。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんによる「ZEISS Loxia 2.4/25」レビュー記事です。焦点距離25mmの広角単焦点レンズをポートレート撮影で使っていただきました。
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KEYWORDS:
カールツァイス,zeiss,単焦点レンズ,ZEISS Loxia 2.4/25,レビュー,ポートレート,水咲奈々
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。Vol.8|ライカCL+エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.
BASENAME: 484924124.html
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CATEGORY: 山本まりこ
DATE: 12/26/2021 10:00:00
TAGS: ライカ(Leica) ボディー,CL,エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.,ライカとカレー,APS-C
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BODY:
はじめに
キリッとした青空の東京は、ピリッとする寒さ。先週までコートを着ないでも暖かいくらいの秋だったのに。そろそろ冬が始まりそうだ。昨日、大きな写真展が終了した。もう一つの大きな仕事も、もうそろそろ終盤に差し掛かっている。ここ半年はバタバタの渦中にいたので、久しぶりに思いっきり写真が撮りたい。
ライカと一緒に旅に出よう。
でも、今日はまだどこに行くかも決めていない。
どこに行こう。
そう思いながら寝ぼけ眼でInstagramのストーリーを眺める。クロワッサンの横のあつあつのコーヒーを飲みながら、ふと目に留まったお蕎麦屋さんの写真。素敵な外観。投稿しているのは、埼玉県戸田市のマクロビのお弁当屋さん「ゴハン屋フタバ」。一歳年下の私の妹と友人が運営しているお店だ。妹よ、美味しそうなお蕎麦屋さんに行っているなと、気になるのでそのお蕎麦屋さんのInstagramを見てみる。最近の投稿を見てみると、何やら気になる写真、と文章。
『来ちゃいましたね、この季節が。
このカレー南蛮を食べるために
冬はやってきてくれるんじゃないでしょうか。
うちのカレー南蛮は優しいんです。
美味しさの決め手は豆乳と胡麻。
とってもクリーミーなカレースープに
しっかり効いた鰹出汁と白菜の旨味。ええ本気です。』
ズキュン。
これは決まりです。
今日はここにお伺いいたします。
このカレー南蛮をいただきにまいります。
即決。
いつも思う。
どこに行こうと決まらない時は、決まるその時が絶対に来ると。直前まで決まっていなくても、いつもこんな風に何かが降ってくる。そして、ズバッと決まる。
さあ、ライカと一緒に旅に出よう。
ライカCLとエルマリート TL f2.8/18mm ASPH.
今日、旅を一緒にする相棒は、ライカCL。
レンズは、エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.。
ライカCLは、トラディショナルなボディに最新のデジタルテクノロジーが搭載された、記録画素数2400万画素、レンズ交換式、Wi-Fi経由でライカ専用のモバイルアプリLeica FOTOSに接続可能、4K動画撮影が出来る、APS-Cサイズセンサーを搭載したデジタルカメラ。質量は、403g(バッテリー含む)。ライカM10の660g(バッテリー含む)と比べてもとても軽い。
エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.は、全長は21mm、重さは約80g。同クラスのレンズでは最小レベルのコンパクトなボディが最大の魅力。さらに、同クラスのレンズの中で群を抜く優れた描写力を発揮、高速オートフォーカスにも対応。
ボディは、トラディショナルで軽量、レンズは、超コンパクトで超軽量。
ライカのカメラの重厚感を味わいながら、フットワーク軽く撮影出来るという、二重にも三重にも嬉しい二つの組み合わせ。手に持ったファーストインプレッションは、やっぱり、軽い。この軽さにして、ライカを持っているという満足感が味わえるのは、かなり嬉しい。
調布取水堰(ちょうふしゅすいせき)へ
目指すお蕎麦屋さんは、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線の戸塚(とつか)安行(あんぎょう)という駅の近くにある。どんな場所なのだろう。せっかく行くのならば、近くの撮影スポットも楽しみたい。Googleマップで拡大縮小しながら見ていると、ほど近くに気になる場所を発見。旧岩淵(きゅういわぶち)水門(すいもん)。タップすると写真まで見ることが出来る便利な世の中、早速写真を見ると、赤い色が美しい大きな水門がどんと写っている。なんて素敵な水門なのでしょう。これは見てみたい。撮りたい。私は建築物が好きだ。建築学科出身で前職は設計。だから、旅先を建築物や建造物を見たくて決めることが多い。トルコのブルーモスクもカッパドキアも、スペインのサグラダファミリアも、シンガポールのスーパーツリー・グローブも建物が見たくて旅に出た。体感したいし、写真を撮りたい。でも、あと、食べ物で決めることも多い。今回みたいにカレーが食べたくて旅先を決めることも。ふふふ。
水門を見るのならばと、いつも行くお散歩コースの中にも似たようなところがあるので、まずはそちらを訪れることに。調べると、調布取水堰(せき)と言う工業用水を取水するための建造物なのだそう。東急東横線の多摩川駅からすぐ、東横線に乗っていると見える取水堰(せき)。
取水堰(せき)と川。
遠くに武蔵小杉のビル群。
なんといってもすぐ横を通ることが出来るのが嬉しい。
川の水と取水堰(せき)の迫力を間近で体感出来る。
楽しい。
ライカCLのメニューボタンを押し、フィルムモードはNAT(ナチュラル)、コントラストとシャープネスを低くし、彩度を高く設定。ライカでエアリーな写真を撮る準備も大分手際が良くなってきた。この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、毎回山本まりこが異なるライカのカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をする。そしてカレーを食べて帰ってくる、という内容の企画。この連載も今回で8回目。たくさんのライカのカメラと一緒に旅をしてきたなあ。
今回は、焦点距離18mmのレンズ。APS-Cサイズセンサーなので、35mmサイズ換算で27mmの画角。近くの建築が適度に入る大きさ。広すぎず、狭すぎず。街スナップにはちょうどいい。さらに、ライカCLはデジタルズームで1.3倍、1.7倍で撮ることが出来る。35mm単焦点換算すると、1.3倍で約35mm、1.7倍で約46mm、で撮れるということ。27mm、35mm、46mm、この3つの画角で撮ることができるのはかなり嬉しい。そのあたりの焦点距離のレンズは、誰もが1本ずつは欲しいところでもある王道画角のレンズ。単焦点レンズを着けていても、3つの画角で撮れるのは嬉しい。
さあ、カレー南蛮を食べに行こう。
埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線の戸塚(とつか)安行(あんぎょう)までは、多摩川駅から直通もあるので、乗り換えなし。カレー南蛮を思いながら電車に揺れること1時間とちょっと。満席になった車両からどんどんと人が少なくなっていく。シートにライカCLを置いてパチリ。
戸塚安行(とつかあんぎょう)駅で
戸塚(とつか)安行(あんぎょう)駅で地上に出ると、すうっと広い道路と青くて広い空。東京から埼玉県に来るだけで、少し開けた空気感が漂っている。住みやすそうな場所だなあと家々やスーパーを眺めながら数分歩くと、Instagramで見た通りのお店の外観が見える。「蕎麦と酒 ととの」。お店の料理の美味しさは、外観の佇まいや空気感でほぼ分かると思っている。外観の素材の洗練さや植栽の手入れの美しさ、入口周りの掃除が行き届いているとか、そういった全てが美味しいと伝えてくれると思っている。すっきりとしたファサードの中、木の温もりがある外観のお店。素敵。これは美味しいに間違いない。勇んで来たので、開店時間まであと数分ある。近所をお散歩して待っていよう。
空が青いなあ。
開店時間ぴったりに行くと、看板を出している男性が。もう入れますかと聞くと、ハイと案内して下さる。とびきりの笑顔で。店内は、木の温もりがあり、まるでカフェのような可愛らしさもありながらすっきりとしている。オーダーメニューは、カレー南蛮に決まっている。「忘れちゃいけないのは〆のリゾットセット」とInstagramの投稿に書いてあったので、追加で注文。のんびりとInstagramを眺めながら待っていると、お待ちかねのカレー南蛮が到着。
湯気と鰹節が、ゆらりゆらり。
胡麻たっぷり。
なんて美味しそうなのでしょう。
写真を撮っていいですかと聞くと、どうぞどうぞと、これまた満面の笑顔の男性スタッフさん。エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.の最短撮影距離は、30cm。適度に寄れる。座りながら撮影。食べ物の撮影はいつも心が大変。撮りたいし、食べたい。でも今回は、カレー南蛮。お蕎麦が伸びないうちに食べましょう。撮影も早々にいただきます。
まずはスープをいただく。とっても優しい中に、奥深いコクがある。次にお蕎麦ごといただく。柔らかいお蕎麦にスープがドロリと絡まる。お蕎麦は細かったり太かったり、とても柔らかい。胡麻や炒めた豚肉や白菜の旨味が、スープやお蕎麦に絡まっていて、すごく柔らかい全体感の中にコクのパンチがくる。カレーは、全体のまろやかさの中にふわりと香る。これは、美味しい。すごく、美味しい。そして、これは何かに似ている、と考えながら食べる。そうだ、お鍋をしていて最後の方で煮詰まって、最後に柔らかい麺を投入した時のようなこってり感とお楽しみ感だ、と気づく。たまに黒七味をかけて少し引き締めて食べるのも楽しい。新食感のカレー南蛮。
あっという間にお蕎麦を食べ、スープだけになる。ここで、リゾットセット登場。粉チーズがかかっているごはんを、スープの中にイン。今まで吹いていた和の風が、ここで急にイタリアの風に変わる。日本から、世界へ。こ、これは、楽しい。そして、美味しい。
とっても美味しかったです。
店主の渡辺健一さんにそうお伝えすると、「出汁は、関東出汁と関西出汁の両方を使っていて、カツオとサバをがっつり効かせている中に、たっぷりの豆乳と胡麻が入っているから優しいんです。」とおっしゃる。優しい中にパンチが効いていましたと伝えると、ここの味にするのが大変でしたとニッコリ。全体感はとっても柔らかくまとまっているのに、まるでお肉の出汁で食べているようなパンチ力があるカレー南蛮。本当に美味しかった。
またお伺いします。
旧岩淵水門(きゅういわぶちすいもん)へ
電車で赤羽(あかばね)岩淵(いわぶち)駅を目指し、旧岩淵(きゅういわぶち)水門(すいもん)がある荒川まで歩く。
まだ紅葉した葉が輝く木々を撮りながら、旧岩淵(きゅういわぶち)水門(すいもん)を目指す。
相変わらずキリッとした青空にピリッと冷たい空気。
時折強い風がびゅうと吹くと、12月の寒さだなあと思う。
なにこれすごい。
そんな言葉が思わず口から出てしまう。海のように雄大な荒川にどんと鎮座する赤い水門。水門の奥には、紅葉した葉を茂らせた大きな銀杏の木が立つ中之島(水門公園)がある。ぷかぷかと浮かんでいるカモがびっくりしないように、そろりそろりと水門の近くまで歩く。
びゅう
シャラシャラシャラ
風が強く吹いて、銀杏の葉が舞い上がる。
ごろん
シャラシャラシャラ
黄色の絨毯が広がっているところに寝転がって空を眺める。
黄色い銀杏の葉が勢いよく舞って秋が降ってくる。
まるで、真冬の雪のように。
なんて気持ちいいんだろう。
ライカCLのファインダーを覗きながら、私はシャッターを切る。たくさん、切る。
久しぶりだ、この感じ。
青空と、カメラと、ドキドキと。
時間を忘れるくらい、しばらく夢中で撮影した。
ライカCLは、ライカだけれど、気負わず気楽に撮れるところがいい。いつも、ライカを持っていると、ついつい大切に握りしめながら歩いてしまうけれど、なんだか今日はとっても気楽な気分だ。
ずいぶん長いこと、ごろんとしながら空に舞う銀杏の葉を撮っていた。気付いたらだいぶ体が冷えている。ぶるぶるぶる。風邪をひく前に、そろそろ帰ろう。ぶるぶるぶる。
帰り道で
帰り道は、何も考えずに、目に留まる面白いと思うものを撮った。空間をザクザクッと切るように撮った。
途中、自由が丘駅で乗り換えると、駅に差し込んだ夕日が大きくて強い光を放っていた。まるで大きな花火のように、駅と行き交う人々を照らしていた。
おわりに
久しぶりのライカとの旅。ライカCLとエルマリート TL f2.8/18mm ASPH.との旅は、とても楽しかった。何がそんなに楽しかったのだろうと思うと、やっぱりそれは、コンパクトで扱いやすく、気楽に撮ることが出来るからだと思う。ライカの高級感を味わいながら、でも、フットワーク軽く撮りたい人には、おススメのカメラとレンズだ。猛烈におススメしたい。この組み合わせなら、広い景色から、寄りのごはんまで、楽しむことが出来る。
そうそう。妹のInstagram投稿だと思っていたお蕎麦屋さんの記事は、共同で営んでいる妹の友人が投稿したものだったそう。素敵な情報ありがとうと伝えると、お仕事のアシストができて嬉しいと喜んでくれた。忘れられぬカレー南蛮。出会えて嬉しい。また食べに行こう。
電車を降りると、外は、キリッとした澄んだ夜空が藍色に色づいてきている。ううう、寒い。でも、美しい。そろそろ、本格的に冬が来る。旧岩淵水門で見たあの銀杏の木も、今週には葉が落ちるだろう。そして、秋から冬の景色に変わるのだろう。
■撮影協力
蕎麦と酒 ととの
埼玉県川口市長蔵1-23-12
048-242-5595
https://soba-sake-totono.com/
■写真家:
山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」の連載記事はこちらからご覧いただけます
"ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。"の連載記事
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の山本まりこさん連載記事「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」Vol.8となる今回はライカCL+エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.を持って戸塚(とつか)安行(あんぎょう)駅の近くにあるお蕎麦屋さんを目指します。魅力的なスナップ写真とカレー南蛮にご注目下さい。
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KEYWORDS:
ライカ(Leica) ボディー,連載,CL,エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト尾鷲陽介さん
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CATEGORY: 尾鷲陽介
DATE: 12/27/2021 10:32:57
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BODY:
テスト尾鷲陽介さん
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AUTHOR:
TITLE: 自然な描写とボケ味が魅力!パナソニックの「LUMIX S 35mm F1.8」を試す|三井公一
BASENAME: 484939828.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 12/27/2021 16:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) レンズ,LUMIX S 35mm F1.8,スナップ,単焦点
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BODY:
ますます拡充!パナソニック LUMIX S F1.8シリーズ
開放F値が「1.8」と明るく、小型軽量で大人気のパナソニック LUMIX S F1.8シリーズ。そのレンズラインナップにようやく「35mm」が加わりました。これで以前ご紹介した「
LUMIX S 24mm F1.8 」と「LUMIX S 50mm F1.8」、「LUMIX S 85mm F1.8」の合計4本になりました。これによって広角から中望遠まで、画質に定評ある「LUMIX S5」などでフットワーク軽く撮影を楽しむことが可能になりました。
LUMIX S 35mm F1.8の特徴
「35mm」という画角は広角レンズながら、ヒトの見た目に近い自然なパースペクティブが魅力の描写となります。「50mm」の標準レンズより広い範囲を撮影可能ですが、被写体を大きくゆがめることなく写しとれるのが魅力です。ですのでスナップ撮影から風景、そしてポートレートまで存分に楽しめるとても使い勝手のいい焦点距離と言えるでしょう。
「LUMIX S 35mm F1.8」はその使いやすい画角に「F1.8」という絶妙な明るさを採用したことがキモです。明るすぎず暗すぎない「F1.8」にしたことにより、レンズの大きさと重さを適度なものにすることができたのです。ボケ味も美しく品があり、作画の楽しさを十二分に堪能できるものになっています。ズームレンズ主体の構成に「はじめての単焦点レンズ」として加えるのにふさわしい1本です。
LUMIX S 35mm F1.8の仕様
レンズ構成は9群11枚構成。撮影領域全域において優れた画質を実現するために非球面レンズを3枚採用して球面収差を抑制。さらにEDレンズ3枚を最適に配置することによって色収差を良好に補正しています。絞り開放から安定した描写を得られることでしょう。さらに、オートフォーカスも静かなのでムービー撮影の現場でも安心です。また、合焦速度と精度も両立しているので撮影時にストレスを感じることも少ないでしょう。
LUMIX「F1.8」シリーズの魅力
「LUMIX S 35mm F1.8」が属する「F1.8」単焦点シリーズですが、操作性や仕様が統一されており、フォトグラファーやビデオグラファーが、「LUMIX S 35mm F1.8」から「LUMIX S 24mm F1.8」、「LUMIX S 50mm F1.8」、「LUMIX S 85mm F1.8」にレンズ交換した場合でもオペレーションに差違がなく撮影に集中できるようになっています。
■LUMIX「F1.8」シリーズの共通点
・サイズ(最大径Φ73.6mm、全長 約82.0mm)
・フィルター径(Φ67mm)
・フォーカスリングの位置
・AF/MF切替スイッチの位置
さらに、一貫した描写性能が得られることによって画質が一定に保たれるようになっています。スチルだけでなく長尺のムービー作品ではうれしい仕様ですね。編集時のカラーマッチング作業が軽減されそうです。まさにクリエイター向けのシリーズと言えますね。広角から中望遠までのこのシリーズを揃えて、作品作りをしてみるのもオススメです。
ブラブラと実写スナップ!
快晴の日。「LUMIX S5」に「LUMIX S 35mm F1.8」を装着してとある街をブラブラと撮影しました。商店街のファサードが気になって見上げて撮ったカットですが、そのパリッとした写りと、深い空の色に感銘を受けました。精細感と立体感の同居がいい感じですね。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO100
同じ商店街のアーケード内を歩きます。角に昔懐かしいスタイルの玩具店がありました。お店をのぞき込むお客さんをパシャリ。外光が差す部分と日陰の部分がフレーム内にありますが、ハイライト部の粘る描写によって肉眼で見た感じに近い写りに仕上がりました。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F3.5 1/320秒 ISO100
「LUMIX S 35mm F1.8」の35mmという画角は広角ながらクセのない描写が可能です。建物の中を撮ったこのカットでわかるように、自然なワイド感の写真を撮影できるのです。直線は真っ直ぐに写り、実にシャープで芯のある描写が魅力です。太陽も写り込んでいますが、イヤなフレアやゴーストの発生もなく頼りになるレンズだと感じました。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F5.6 1/1000秒 ISO100
「LUMIX S 35mm F1.8」は優しいボケ味が魅力のレンズです。絞り開放で船具を狙いましたが、船体が美しくボケました。フルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」の上品な描写にマッチしている印象です。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/8000秒 ISO100
港に入っていた豪華な船を連続撮影しました。オートフォーカスも正確かつ高速で、しかも静粛性に優れているので申し分ありません。ムービー撮影時でも安心です。それにしても船の姿から、遠景の港の様子まで克明に捉えることができました。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F5 1/640秒 ISO100
港にあったオイルタンクを撮りました。その金属でできた表面の質感描写が実に見事です。リアル感溢れ、かつ非常にシャープな像を「LUMIX S 35mm F1.8」は見せてくれます。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F7.1 1/1300秒 ISO100
「LUMIX S 35mm F1.8」は近接撮影時の写りも素晴らしいですね。割れたガラスのドアをクローズアップで撮りましたが、F1.8絞り開放のピント面がキリリとキャプチャーできました。周辺のボケ具合もスムーズに感じます。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/3200秒 ISO100
「LUMIX S 35mm F1.8」は球面収差を抑制する非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚で構成されています。色収差も良好に補正されており、絞り開放から安定した画質を誇ります。発色も鮮やかでダルマが美しく浮かび上がりました。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F5.6 1/800秒 ISO100
「F1.8」という開放値は十分に背景をぼかすことが可能です。これは紅葉に接近して絞りを開けて撮ったカットですが、背景にある電柱と電線もキレイにぼけて、狙ったとおりの効果が得られました。人物撮影でも有効なF値だと言えるでしょう。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/5000秒 ISO100
軽くて小さい「LUMIX S 35mm F1.8」は携行が楽チンです。旅行やちょっとしたブラブラ散策にも気軽に持ち出せます。「F1.8シリーズ」でレンズを揃えて旅に出るのもいいでしょう。瓦屋根に積もった落ち葉にフォーカスして、背景をぼかして撮ってみました。
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/60秒 ISO125
「LUMIX S 35mm F1.8」は被写体で迫っての撮影が可能なので、「F1.8」という絞り値とで面白い効果の撮影ができます。サボテンに肉薄して「LUMIX S5」のシャッターを切りましたが、周囲がキレイにボケてくれて、立体感のあるカットになりました。このレンズ、自然な描写がいい感じですね!
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/100秒 ISO100
LUMIX S 35mm F1.8の主要諸元
レンズ構成:9群11枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚)
マウント:ライカカメラ社L-Mount規格準拠
画角:f=35mm:63°
焦点距離:f=35mm
開放絞り:F1.8
最小絞り:F22
絞り形式:9枚羽根 円形虹彩絞り
撮影可能範囲:0.24m~∞(撮像面から)
最大撮影倍率:0.22倍
フィルター径:Φ67mm
最大径×長さ:Φ73.6mm×約82.0mm
質量:約295g (レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップを含まず)
動作環境(使用可能温度 / 湿度):-10~40 ℃ / 10~80 %
防塵防滴:あり
付属品:レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップ
まとめ
「LUMIX S 35mm F1.8」はクセのないとても自然な描写が楽しめる、軽くて明るいプライムレンズです。「F1.8」シリーズの「LUMIX S 24mm F1.8」、「LUMIX S 50mm F1.8」、「LUMIX S 85mm F1.8」と組み合わせて画質の平準化と、ムービー撮影のジンバル使用時オペレーションの簡略化など得られるメリットはさまざまです。フットワークを活かしたスナップ、風景、ポートレートモード撮影などオールジャンルで役に立つ高性能レンズに仕上がっています。
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
キャッシュバックキャンペーン実施中
現在、パナソニックでは「F1.8単焦点レンズシリーズ キャッシュバックキャンペーン」を実施中。2022年3月13日(日)までにLUMIX Sシリーズレンズ F1.8単焦点シリーズを購入して専用台紙より応募すると、もれなく5,000~8,000円のキャッシュバックが受けられます。キャンペーンの詳細は
こちらのページ をチェック。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによる、パナソニック「LUMIX S 35mm F1.8」レビュー記事です。4本目となったF1.8シリーズの中でも、万能に使える35mmの写りをぜひご確認ください。
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KEYWORDS:
パナソニック,Panasonic,単焦点レンズ,LUMIX S 35mm F1.8,レビュー,三井公一
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: オリンパス OM-D E-M1 Mark III レビュー|野鳥撮影に最適な機能が満載!
BASENAME: 484965914.html
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CATEGORY: 菅原貴徳
DATE: 12/28/2021 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus)ボディー,OM-D E-M1 Mark III,マイクロフォーサーズ,野鳥,ミラーレスカメラ
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BODY:
はじめに
2020年の発売以来、その小型軽量性や機能性で人気のOMデジタルソリューションズ(オリンパス)のOM-D E-M1 Mark III。野鳥撮影においても、高速なAFや連写、そしてプロキャプチャーモードのような便利機能が搭載されたこともあって、フィールドで見かける機会が増えてきているように感じる。M.ZUIKOシリーズに、超望遠レンズが増えてきたことも一因だろう。もちろん、発売当初からのユーザーである筆者のもとでも活躍してくれている。
今回は、実際に撮影してきた作例を見ていただきつつ、使いこなしがわかってきた今だからこそわかる魅力もご紹介しようと思う。機材選びに悩んでいる方はもちろん、すでにユーザーの方にも最後までお読みいただければ嬉しい。
野鳥撮影に適するM.ZUIKOレンズ選び
野鳥撮影では、対象となる鳥との間に距離が開いていることも多いため、機材を使ってその距離を埋める必要がある。一般的には超望遠のイメージがある600mmや1000mm相当(35mm判換算)も、日常的に必要となってくる。それを踏まえてシステムを組むと良いと思うが、マイクロフォーサーズ規格のOM-D E-M1 Mark IIIなら、レンズ表記の2倍相当の望遠効果が得られるため、鳥を大きく写したい!と思った時に有利なシステムだ。結果的に、システムを軽量に組むことができる。
以前の記事 で詳しく書いたように、超望遠レンズを使うことは、野鳥へ与えるストレスを軽減することにも繋がるし、結果的に撮影チャンスも増える。野鳥撮影を始めたい!と思われた方には鳥望遠レンズの導入をおすすめしたい。
現在のM.ZUIKOのうち、筆者が野鳥撮影に向くと考えるレンズを並べてみた。左からおすすめ順に、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS。これに、1.4倍または2倍のテレコンバーターを加えれば、かなりの広い幅をカバー可能。あとはご自身の体力やスタイル(そして予算)を基に選んでいただきたい。
最大8段分の手ぶれ補正
さて、システムを組んだら早速フィールドへ出よう。OM-D E-M1 Mark IIIで最大の特徴の一つが、強力な手ぶれ補正。一部のPROレンズとの組み合わせでは、その補正幅は最大8段分になる。合わせて、小型軽量なシステムであることも重要なポイント。おかげで、三脚によるブレ防止は必須ではなくなり、身軽な探索を可能としてくれる。生まれた余裕で双眼鏡などの観察器具を充実させてもいいし、バードウォッチング特有の「探す楽しみ」を損なわないまま、クオリティのある撮影を楽しめる、というわけだ。
ノビタキ
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/320 絞り優先 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
上の写真は、秋の渡り時期に見つけたノビタキ。草の合間からそっと覗き込むように撮影したことで、鳥を驚かせずに撮影できた。手持ちだと、限られたアングルからしか対象を視認できない時も撮影が容易だ。
シメ
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 640 F5.6 1/1000 絞り優先 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
こちらは関東の平野部で冬鳥のシメ。この冬最初の出会いだった。季節ごとの出会いを期待して歩くことも野鳥観察の楽しみの一つだが、軽量な撮影システムであれば観察と撮影を両立しやすい。
AF性能を引き出す設定
OM-D E-M1 Mark IIIには、OM-D E-M1Xのような鳥認識AFは搭載されていないものの、高速・高精度なAF機能が備わっているので、野鳥撮影でも十分に活躍してくれる。
原則として、開けた場所で動く鳥を追う際はC-AFと広めのAFターゲット設定にし、不規則な動きにも対応できるようにする。逆に、林内で枝などに止まっている鳥を撮影する際は、周囲の障害物に合焦しないようにスモールターゲットというように、環境や鳥の行動によって使い分ける。OM-D E-M1 Mark IIIでは、カスタム設定ダイヤルや、ファンクションレバーから登録したAF設定を素早く呼び出すことが可能なので活用したい。
タゲリ
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/3200 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
上のタゲリは、田んぼの上を飛ぶ様子を、展望台から見下ろして撮影した。鳥が画面内で小さめなので、AFターゲットは気持ち小さめの3×3を使用した。
コサギ
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 800 F4.5 1/2000 マニュアル 焦点距離280mm(35mm判換算560mm相当) 連写L
こちらのコサギは、近かったのでズームを引きながら撮影している。鳥が画面内で大きく、カメラが迷う心配がないと判断し、AFターゲットは広めの5×5を使用した。
カワセミ
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/250 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
このカワセミのように、鳥が静止していて、周囲にカメラが迷いそうな小枝がある時は、スモールターゲットを使用すると良い。
カイツブリ
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/250 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
さらに、デフォルトのターゲット設定だけでなく、「カスタムターゲットモード」を使用することで、任意の縦横比でAFターゲットを設定することもできる。例えば上のカイツブリは、縦1×横3にカスタマイズしたAF設定で撮影しており、水面に合焦するリスクを排除しつつ、鳥の泳ぐ動作にも対応できるようにした。大きさ、動き、環境など、毎度大きく状況が変化する野鳥だけに、自身で自由に設定できるメリットは大きく、とても重宝している。
もうひとつ、「C-AFの追従感度」の設定も可能だが、筆者は常時+2とし、俊敏な鳥の動きにも対応できるようにしている。安定的にフレーミングできない場合には、設定したAFターゲットから外れた瞬間にピントが外れてしまうが、そこは練習と経験でクリアしたいところ。AFターゲットと同様、色々と試して自身に合う設定を見つけて欲しい。
アングルの自由度
筆者はよく、野鳥の視点と、カメラの高さを合わせて撮影する。その際は、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISといった軽量なレンズが扱いやすい。
水面を泳ぐカモ類を撮影する時、カメラ位置をギリギリまで下げると、背景に奥行き感と大きなボケを生むことができ、画面を整理しやすくなる。その際、多少無理な姿勢になっても、OM-D E-M1 Mark IIIの手ぶれ補正を使えば、安定した画面で鳥を追うことが可能だ。
オナガガモ
■撮影機材:OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F4.0 1/3200 マニュアル 焦点距離300mm(35mm判換算600mm相当) 連写L
上の写真は、羽繕い中のオナガガモ。バリアングル液晶を上から覗くようにして撮影した。連写を活用して、思った表情の1枚を撮影できた。使用したM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは軽量なので、微妙な高さ調整も容易。
カルガモ
■撮影機材:OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
■撮影環境:ISO 400 F6.3 1/1000 マニュアル 焦点距離328mm(35mm判換算656mm相当) 連写L
水浴びの後に羽ばたくカルガモ。M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISも軽量なのは300mm F4.0と同様だが、ズームなので細かい画角調整も可能。野鳥撮影では、ズームは「引くもの」と考えるのがよく、例えばこのシーンであれば、水浴び中は400mm(800mm相当:35mm判換算)で撮影し、羽ばたく直前に、羽が切れないところまでズームを引いて対応した。
高速連写性能
OM-D E-M1 Mark IIIの連写は、連写H、静音連写H、連写L、静音連写Lから選択可能。露出・ピントが1コマ目で固定となる「連写H、静音連写H」では、それぞれ最大15コマ/秒、60コマ/秒の高速撮影が可能だ。連写中もAE・AF追従するのは「連写L、静音連写L」の2モードで、それぞれ最大10コマ/秒、18コマ/秒の高速撮影が可能だ。
野鳥撮影では、AFが追従する「連写L、静音連写L」のいずれかが使い易い。静音連写は、電子シャッターのことで、文字どおり音を立てずに撮影可能。また、シャッターブレも生じないので、基本的には「静音連写L」を使い、ローリングシャッター現象による歪みが気になるようなシーンでは、通常の「連写L」を選ぶ、という風に使い分けると良いだろう。
実際の作品作りにおいては、連写した中から翼の開き具合、背景の良い1コマを選ぶことになるが、その際には高速連写が役に立つ。例えば、比較的羽ばたくのが遅い、ナベヅルのような大型の鳥の飛翔を撮影した時でも、18コマ/秒で撮影すると、わずか0.5秒(9コマ分)の間に、これほど大きく翼の形が変化することがわかる。
ナベヅル
■撮影機材:OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F4.5 1/4000 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L
プロキャプチャーモード
プロキャプチャーモードとは、OM-Dに特有の「時間を遡る」機能のことだ。使い方は、シャッターを半押しした時点から仮撮影が始まり、全押しすると、直前の最大35コマ分、遡ってSDカードに記録されるといった具合だ。
連写速度は10~18コマ/秒のプロキャプチャーLモード(AE・AF追従)、または15~60コマ/秒のプロキャプチャーHモード(AE・AF固定)から選ぶことができる。例えば、18コマ/秒に設定した場合には、約2秒遡れる計算。60コマ/秒の場合は、約0.58秒遡れる計算だ。連写速度が多いほど、鳥の動きをより細かく記録できるのは通常の連写モードと同じだが、遡れる時間は短くなる。初めは慣れが必要だが、特に鳥の飛び出す場面を記録するのに有効なモードなので、ぜひ使えるようになっておきたい。
25コマ前
16コマ前
11コマ前
0コマ前(シャッター全押し時)
カワセミ
■撮影機材:OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 800 F5.6 1/4000 マニュアル 焦点距離280mm(35mm判換算560mm相当) プロキャプチャーHモード(30コマ/秒)
(4コマ共通)
上の例では、カワセミの飛び出すシーンを撮影するため、30コマ/秒に連写速度を設定し、約1秒遡れるようにした。シャッタースピードは1/4000となるよう、ISO感度と絞りを設定してシャッター半押しで待ち、飛び去ったと認識してから全押しした。SDカードには、全押し前の35コマが記録されている。プロキャプチャーモードを使うことで、旧来難しかったこの瞬間を「狙って」撮影できるようになる。
野鳥撮影×ライブND機能
OM-D E-M1Xではじめて実装され、OM-D E-M1 Mark IIIにも引き継がれた機能の一つに「ライブND」機能がある。コンピューテショナルな処理によって、物理的なNDフィルターを使わずとも、スローシャッターを使ったような作品を撮影できる画期的な機能だ。風景写真で活躍しそうな機能だが、シーンによっては野鳥撮影にも応用できる。例えば、水際に佇むサギ類を、川面の流れを滑らかに写したい場面で使用してみた。
ダイサギ
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:ISO 100 F4.5 1/1.3 シャッター優先 焦点距離100mm(35mm判換算200mm相当) 静音単写 ライブND(ND16)
この時は、M.ZUIKOレンズ群の中でも最も強力な手ぶれ補正効果を持つ、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを組み合わせることで、1.3秒での手持ち撮影を試みた。通常このような撮影を行うためには、風に負けないがっしりした三脚と、NDフィルターが必要になるところだが、OM SYSTEMなら撮りたいと思った時に、機能を呼び出すだけでそれが実現するのだ。
終わりに
いかがだっただろうか。ご覧いただいた作品に写る鳥たちのバリエーションから、OM-D E-M1 Mark IIIのカバーする範囲の広さを感じていただければと思う。
機能が多岐に渡るOM-D E-M1 Mark IIIだが、せっかくのチャンスを生かすためにも、機材の特性をよく知ることが重要。既存のユーザーにとってもなにかヒントがあれば嬉しく思う。
■写真家:
菅原貴徳
1990年、東京都生まれ。幼い頃から生き物に興味を持ち、海洋学や鳥の生態を学んだ後、写真家に。野鳥への接し方を学ぶ講座を開くほか、鳥が暮らす景色を探して、国内外を旅するのがライフワーク。著書に最新刊
『図解でわかる野鳥撮影入門』(玄光社) ほか、『SNAP!BIRDS!』(日本写真企画)などがある。日本自然科学写真協会会員。 オリンパスカレッジ講師。
この記事に使用した機材
【オリンパス】OM-D E-M1 Mark III
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS ブラック
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の菅原貴徳さんによるOM-D E-M1 Mark IIIレビュー記事です。様々な野鳥を被写体に魅力の詰まったOM-D E-M1 Mark IIIを細かくレビューいただいています。
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KEYWORDS:
オリンパス(Olympus)ボディー,レビュー,鳥,OM-D E-M1 Mark III
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AUTHOR:
TITLE: おすすめ撮影スポット Vol.1『瀬長島で楽しむ飛行機撮影』|カメキタ店舗スタッフに聞いてみた!
BASENAME: 484922752.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 12/29/2021 10:00:00
TAGS: おすすめ撮影スポット
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BODY:
はじめに
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.1。今回紹介する撮影スポットは、沖縄県豊見城市にある「瀬長島」。そこを飛ぶ航空機を魅力的に撮影できるエリアになります。この撮影スポットの魅力やおすすめの撮影方法を、カメラのキタムラ イオン那覇店の矢嶌亮一さんに聞いてみましたのでご紹介します。
撮影スポット情報
■瀬長島(せながじま)
住所:〒901-0233 沖縄県豊見城市瀬長
アクセス:那覇空港から車で約15分。路線バス『ウミカジライナー』の運行もあります。
おすすめの被写体:飛行機、海を絡めた風景等
「瀬長島」の魅力と撮り方
― 「瀬長島」の魅力、好きな理由
「飛行機写真とは何ぞや」が一から学べ、沖縄で飛行機撮影といえばここ!という聖地です。
JALトリプルセブンと瀬長島
■撮影機材:Canon EOS 5D Mark III + EF24-105mm F4L IS USM
■撮影環境:焦点距離 99mm|F8 1/800秒|ISO640
― おすすめの撮影時間
朝から日没、夜間までずっと撮影できる場所です。
― おすすめ構図
広角から望遠レンズまで様々なレンズを使用することができ、飛行機だけを撮ることもできますが、海やシーサーなどを飛行機と絡めて撮るといかにも沖縄でしか撮れない作品に仕上がります。
ANA787とシーサー
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:焦点距離200mm|F20 1/800秒|ISO1250
― 撮影時におすすめのアクセサリー
草や金網などが邪魔で、目線を上げたい時の脚立があると良いです。三脚や一脚を使用することもできますが、フットワークを軽くするため手持ち撮影が多いです。
― 作例を撮った時に考えたこと・思い
飛行機だけを考えればどの空港に行っても撮ることはできますが、せっかく旅行でも人気のある沖縄に住んでいるので、飛行機を被写体にして、写真を見てくれた方がまた沖縄に行きたい!と思ってくれるような写真をいつも目指しています。
ANAウミガメジェット
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:焦点距離428mm|F11 1/1000秒|ISO400
― 撮影スポット周辺のおすすめ情報
瀬長島にはウミカジテラスという商業施設があります。海や飛行機を眺めながら食事などができるのでおすすめです。
― おすすめのカメラ設定
飛行機の撮影時、カメラはマニュアルモード、シャッタースピードは1/1000秒を基本に、絞りとISOを調整。ミラーレスならファインダーを覗きながらイメージがすぐにわかるのでオススメです。私はRAWで撮影し、現像作業も楽しんでいます。
ジンベイジェットと夕日と女の子
■撮影機材:Canon EOS R5 + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM + エクステンダーEF1.4xIII
■撮影環境:焦点距離573mm|F16 1/500秒|ISO800
今回のスタッフ
■矢嶌亮一さん(カメラのキタムラ 那覇・イオン那覇店)
― お使いの機材を教えて下さい
昔から使っているレンズもあるのですが、今は主にキヤノンEOS R5、RF24-105mm F4 L IS USM、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMに、エクステンダーRF2xを使用しています。これで飛行機撮影は風景を絡めたものから月を入れる構図まで幅広く対応できます。
JTA737と月
■撮影機材:Canon EOS 7D Mark II + EF500mm F4L IS II USM+ エクステンダーEF1.4xIII
■撮影環境:焦点距離 700mm|F5.6 1/1000秒|ISO500
― 普段、写真はどうやって勉強していますか
私は、今まで見たことがないような写真や「これ、どこから撮ったんだろう」と想像させてくれる写真が良い写真だと考えていて、そういった写真を撮るために、プロカメラマンの写真を飛行機を問わず色々見て勉強したり、移動中にいつも空を見て、ここからだとどんな風に撮れるかな、と考えています。とにかく実践、検討して経験を積んで自分の好きな構図を探しています。
【お店の紹介】
カメラのキタムラ イオン那覇店は、イオン那覇の3階にあり、お買い物をしながら気軽にお立ち寄り頂けます。プリントはもちろん、カメラの買取やスマホ・カメラのメンテナンスやクリーニングもお任せください。お越しの際はぜひ私と飛行機写真について話しましょう!
店舗住所:沖縄県那覇市金城5-10-2 イオン那覇SC3F
営業時間:10:00-22:00
TEL:098-852-1117
URL:https://blog.kitamura.jp/47/7544/
以上、カメラのキタムラスタッフが紹介するおすすめの撮影スポット紹介でした。今後も定期的に全国の撮影スポットを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
■おすすめ撮影スポット
記事一覧はコチラ からご覧ください。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.1。今回は沖縄県豊見城市にある「瀬長島」を紹介します。飛行機撮影にピッタリのスポットです。
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KEYWORDS:
おすすめ撮影スポット,カメラのキタムラ,飛行機撮影
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF35mm F1.8 MACRO IS STM レビュー|マクロから風景まで守備範囲の広い一本
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CATEGORY: GOTO_AKI
DATE: 12/30/2021 10:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF35mm F1.8 MACRO IS STM,単焦点
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BODY:
はじめに
ズームレンズは持っているけど、単焦点は使える範囲が狭いかな?と思っている皆さんへ、最初の単焦点レンズとしてオススメしたいのがキヤノンの「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」です。
風景のみならず、お散歩写真、家族旅行など、単焦点レンズながら守備範囲が広く使い勝手の良いこちらの一本をご紹介していきたいと思います。
デザイン・外観
「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」は軽くて小さい、かわいいレンズです。RFマウントのショートバックフォーカスと大口径、開放F1.8の明るさを実現しながら、全長80.5mmは指一本分ぐらいの長さで片手にすっぽり入るサイズに収まっています。普段ズームレンズを常用している方でしたら、約305gの軽さとスモールサイズに驚くでしょう。
実用上はカメラバッグなどのわずかなスペースにスポッと入るため、持ち運びが楽なレンズです。登山をしながらの撮影ではパーカーのポケットに入れたりもしています。このコンパクトボディに手ブレ補正機能とマクロ撮影機能を搭載。イメージスタビライザーやAF/MFの切り替えスイッチは他のRFレンズ同様、手に馴染みのある使いやすい配置です。
風景を切り取る
35mmは広角と標準の中間的な画角のレンズです。撮影者が被写体に近寄ったり離れたりすることで、広角的な写真から身近な光景を切り取った作品まで表現の幅が広いのが特徴です。特にこのレンズはマクロ機能もあるため、焦点距離が限定されている単焦点レンズの印象よりもバリエーション豊かな撮影が楽しめます。
千円札の裏側に描かれている山梨県本栖湖側から眺めた早朝の富士山。RFレンズは開放F1.8でも描写がシャープで稜線も綺麗です。この写真はF1.8の明るさを活かして手持ち撮影、シャッター速度は1/200秒(ISO800)です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO800
群馬県浅間山への登山道からの光景。レンズが軽いため、カメラを片手に登りながらも気楽に手持ちで撮影。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F2.8 1/5000秒 ISO100
同じく浅間山への登山道で撮影。足元の植物を身長170cmの筆者が少し屈んで撮影した一枚。スナップのように、見つけた瞬間に素早く撮影。スタンダードレンズとはいえ、さすがのRFレンズ。解像感が気持ちいい。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F5.6 1/400秒 ISO200
上の写真の撮影後、最短撮影距離17cmまで被写体に近づいて撮影。ハイブリッド手ブレ補正でピントもバッチリ。被写体とカメラの距離感を意識するだけで写真が変わるので、単焦点レンズでは体を動かすことが大事ですね。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F5.6 1/400秒 ISO200
F1.8のボケ味 × 5段分のハイブリッド手ブレ補正 × マクロ撮影
レンズのレビューではボケ、手ブレ補正などを個別にご紹介することが多いのですが、「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」では、F1.8のボケ味 × 5段分のハイブリッド手ブレ補正 × マクロ撮影を同時に使うことが多いため、まとめてお伝えしたいと思います。
「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」はLレンズではないものの、RFレンズらしく開放F1.8から写りがシャープ。開放値では優しいふわっとしたボケ味も楽しめるのが魅力です。約5段分の手ブレ補正機能と、撮影倍率0.5倍のマクロ撮影機能を同時に活かした作例を見ていきましょう。
こちらは自宅で撮影したバラの花です。室内でやや暗めの自然光の環境下、手持ち&一点AF、開放F1.8で撮影しました。イメージスタビライザーは基本的に常時オンで撮影しています。最短撮影距離は17cmですが、レンズ前からですと約8cmの近さに被写体がある距離感です。近接撮影でも角度ブレとシフトブレを同時に補正するハイブリッドISで、手ブレを気にせず手持ち撮影が楽しめます。近接撮影で手ブレ補正が効くのは、撮影者としてはかなり安心です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F1.8 1/80秒 ISO400
浅間山の登山道にあるベンチにて撮影。ピントが合っている箇所はシャープに、ボケは柔らかな描写です。このカットもイメージスタビライザーをオンで撮影しています。実際に撮っている時は「お~、ハイブリッドすごいなぁ。」などとは考えず、ブレのことを忘れて被写体に集中しています。良い機能ほど、でしゃばらない。そっと支えてくれている感じがとても心地よいです。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F3.2 1/2000秒 ISO400
こちらはコロナ禍の中、家の前で撮影したプランター。こちらの写真は現像でグリーンを少し強調しています。前ボケを大きく描写して空間を活かした一枚です。都市部にお住いの方で自然写真を身近な公園などで撮りたい場合、マクロ機能のある「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」はとても便利です。ぐっと被写体に近寄って、人工物を写さないフレーミングが簡単にできますね。
■撮影機材:Canon EOS R + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F1.8 1/4000秒 ISO800
絞り数値のバリエーション
開放F1.8での撮影は存分にボケを楽しめますが、実際の撮影現場では状況に応じてさまざまなF値で撮影しています。F2.8~F4などの開放側の数値の選択は、「ちょっと被写界深度を深くしようかな」ぐらいの、感覚的な調整がほとんどです。逆にF5.6より深い被写界深度は、「被写体の質感を描写したい」などの意図をもって数値を決定。EOS R5でEVFを覗きながら撮影しています。
登山道で気になった樹木の表層。ボケと同時に被写体の表情も少し残したいと思いF4で撮影した一枚。ピンの合っているところはカリッと、ボケているところは、樹木の質感を残しながらもやわらかく捉えました。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F4 1/160秒 ISO400
足元のスナゴケを絞り数値F8、最短撮影距離17cmまで近づいて撮影。一点AF、ほぼ中央にピントを合わせて、手ブレ補正機能もオン、手持ち撮影です。コケの一部がボケているのは、これはカメラ側に伸びている背の高いスナゴケのボケです。描写性能が高く、被写体の質感が捉えられています。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F8 1/200秒 ISO400
シラゲムカデゴケをF5.6で撮影。開放の描写も線が美しいですが、3段絞ったF5.6ではさらにコケの線が繊細に描写されました。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F5.6 1/320秒 ISO400
気になるカットは、ピントやボケ感などを撮影後にEVF内で拡大して確認しています。背面の液晶モニターだと、反射などで見にくいこともありますが、EVF内では有害光がほぼシャットアウトされるのでチェックしやすいです。
明るいレンズで星景撮影
星景撮影では、星を流さずに撮ることがポイントになってきます。星を点として写す「500ルール」に従えば、500÷焦点距離(35mm)=14.2秒より短い露光時間であれば、星が点として描写される計算になります。絞り数値F1.8で、MFでピントを星に合わせて撮影。この写真は明るいレンズを利用して露光時間は10秒です。都市部に近い空でも、肉眼で見るよりも多くの星を捉えることができます。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F1.8 10秒 ISO1600
※三脚使用
タイムラプス
EOS R5を三脚に設置して「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」を装着すれば簡単にタイムラプス撮影ができますが、この作例ではさらにカメラの下にモーションコントロールのアイテム、SyrpのGENIE MINI IIを使ってタイムラプスに回転を加えています。「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」は軽量なため、回転への重量的な負荷も少なめです。カメラを固定するタイムラプスに回転を加えることで映像の動きがワンランクアップします。
カメラを自動で回転させるSyrpのGENIE MINI II
専用アプリからインターバル時間などを設定できる
GENIE MINI IIとEOS R5を接続し、スマートフォンにSyrpのアプリをダウンロードすると、撮影時間やインターバルの設定がスマホの画面上で簡単にできます。明るいレンズは露光時間が短く済むため、インターバルの短い撮影が可能です。
EOS R5に「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」とGENIE MINI IIを装着。この日は遠雷で不規則に空が明るく照らされた夜でした。
VIDEO
まとめ
オールマイティなスタンダードレンズ「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」のインプレッションはいかがでしたでしょうか。一本のレンズでマクロと明るい単焦点、意外と幅広い撮影が楽しめるなと思っていただけたら幸いです。何よりRFレンズシリーズの中ではお財布に優しいリーズナブルな1本、ポケットやバッグに気軽に入れて撮影へお出かけください。
■写真家:
GOTO AKI
1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。
「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」関連記事はこちら
■キヤノン RF35mm F1.8 MACRO IS STM レビュー|村上悠太
https://shasha.kitamura.jp/article/481121962.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のGOTO AKIさんによる、キヤノン「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」レビュー記事です。F1.8の大口径ながら持ち運びやすいサイズで、風景からマクロ撮影まで活躍するレンズです。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,単焦点レンズ,RF35mm F1.8 MACRO IS STM,レビュー,マクロ撮影
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AUTHOR:
TITLE: ペンタックス HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR|ついに登場!Limitedシリーズ初のD FAレンズ
BASENAME: 484973239.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 01/02/2022 10:00:00
TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR,スナップ,単焦点
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BODY:
「Limited」シリーズの魅力高まるHD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
高品位なラインナップでマニア羨望の眼差しを集める、ペンタックスの「Limited」レンズシリーズ。測定機器による数値評価だけでなく、実写による官能性能試験を繰り返し、さらに工芸品に近い外観デザインと操作フィールを実現しています。そのラインナップに初の「D FA」レンズが加わりました。それが「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」です。
HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WRの特徴
EDガラスを4枚、スーパーEDガラスを1枚採用し、近景から遠景までクリアかつシャープな像を約束してくれます。「F2.4」という明るさと、ボケ味と解像感、そして滲みや流れがない収差特性は、風景やスナップなど被写体を問わず、21mmというパースペクティブを存分に味わえることでしょう。また、ゴーストやフレアを抑制する「HDコーティング」や、光芒が見事な「8枚円形絞り」、過酷な環境での撮影が可能な高い防滴構造など信頼性も抜群です。
そして、趣のある佇まいと美しいレンズ鏡筒は、手にした瞬間に「Limited」レンズにしてよかったな、と思わせてくれる品位あるレンズだと言えます。「写欲」を高めてくれる1本となってくれることでしょう。
HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WRで実写スナップ!
光がやさしく差し込むレトロな建物。その様子を「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」で写し撮りました。ハイライト部からシャドウ部まで明るさのグラデーションが何とも言えないですね。タイル部も克明にメリハリ高く写し撮れました。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO200
こちらは冬の太陽がダイレクトに当たっている建物です。コントラスト豊かに、そして建築物の直線が真っ直ぐに表現できました。壁面と窓周りの描写も繊細でレンズの性能を物語っていますね。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F8 1/250秒 ISO200
大きく見事な銀杏を撮影する女性の姿をスナップしました。フレームに太陽光が入っていますが、「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」はしっかりと主要被写体を描ききりました。イヤなゴーストやフレアも認められません。銀杏の葉を1枚1枚解像しているのも分かります。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO200
城門横に置かれたかがり火の台を絞り開放で。背景には門を通ろうとする観光客を配置しました。「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」のF2.4という開放F値なら、21mmという超広角レンズでもこのようにぼかした表現が可能です。工夫次第でさまざまな演出ができることでしょう。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F2.4 1/3200秒 ISO200
熱海駅の夕景です。「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」の明るさと「K-1 Mark II」のボディ内手ブレ補正があれば、薄暮のシーンも気軽に撮影できますね。空のグラデーションが美しく撮れました。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO200
「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」の最短撮影距離は18cm。まだ目が入っていないダルマがやさしくフレームに浮かび上がりました。2つ目を書けるのはいつの日でしょうか。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F2.4 1/100秒 ISO200
21mmという画角は狭い場所を広々と写したり、広大さをより出すのに有効です。このカットは人通りが多く、後にひきがないシーンでしたが、狙ったとおりに立て看板とテーブルをフレーミングできました。オートフォーカスも素早いのでスナップ撮影でも活躍するレンズだと言えます。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F2.4 1/800秒 ISO200
お寺の裏門を手前に入れて、道路を歩く人を配置して「K-1 Mark II」のシャッターを切りました。21mmというワイドさがこのような構図を可能にしてくれます。素直な描写がとても気に入りました。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F8 1/40秒 ISO400
もう真冬なのですがこちらは紅葉の写真です。季節感がなくなってしまいますね。「K-1 Mark II」と「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」は絞り開放ながらその葉を克明にキャプチャーしてくれました。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F2.4 1/800秒 ISO200
「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」をF6.3まで絞り、木立をあおって撮りました。幹を真っ直ぐに、枝を繊細に、そして葉を克明に撮影できました。絞り開放の柔らかさと絞ってのシャープ感を楽しめるレンズだと感じました。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F6.3 1/160秒 ISO200
このカットは斜光を浴びる橋です。上に積もった細かい葉を実に鮮明に「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」は捉えました。色再現も的確で、あらゆるシチュエーションで頼りになる1本になるでしょう。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F6.3 1/160秒 ISO200
絞り開放でのピント面のシャープさと、アウトオブフォーカス部分の描写が素晴らしいですね!「K-1 Mark II」の光学ファインダーをのぞきながらため息が出てしまうほどです。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F2.4 1/160秒 ISO200
明るく広い範囲を写し込める「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」は、このような屋内スナップからイベント、建築写真までこなしてくれます。ペンタックスファンなら一度使っておきたいレンズなのではないでしょうか。ルックスの流麗さと高い画質の両立は実に魅力的ですよ。
■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR
■撮影環境:F3.5 1/80秒 ISO200
HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WRの主要諸元
レンズ構成:8群11枚(EDレンズ4枚)
マウント:KAF4
焦点距離:21mm
35ミリ判換算値 32mm相当(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
画角:92°(ペンタックス 35ミリフルサイズ一眼レフカメラ装着時)
68°(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時)
開放絞り:F2.4
最小絞り:F22
絞り形式:8枚羽根 円形絞り
最短撮影距離:0.18m
最大撮影倍率:0.26倍
フィルター径:Φ67mm
最大径×長さ:Φ74mm × 約89mm
質量:約416g
使用温度:-10~40 ℃
使用湿度:85%以下(結露しないこと)
防滴構造:あり
付属品:レンズキャップ O-LW74A 、レンズマウントキャップK、レンズケース P80-150
まとめ
「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」は「Limited」シリーズの名の通り、美しいルックスと仕上がりで、手にしただけで感動するほどの造りです。それをカメラに装着してシャッターを切れば、極上の絵を堪能できるのです。使ってよし、眺めてよし、手にしてよしと、三拍子揃った新世代の長く使える「Limited」レンズとなっています。ブラックもシルバーもフィニッシュが美しく、どちらのカラーにするか迷ってしまいそうです。ぜひ店頭で現物をチェックしてみてください!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
この記事に使用した機材 【ペンタックス】HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ブラック
商品詳細ページ 【ペンタックス】HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR シルバー
商品詳細ページ
【ペンタックス】K-1 Mark II ボディ
商品詳細ページ 【ペンタックス】K-1 Mark II 28-105WR レンズキット
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによる、ペンタックス「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」レビュー記事です。Limitedシリーズ初の「D FA」レンズの写りをぜひご確認ください。
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KEYWORDS:
ペンタックス,レンズ,HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR,レビュー,スナップ,三井公一
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|自分の視点を知るための基準になるレンズ
BASENAME: 484972449.html
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CATEGORY: 尾鷲陽介
DATE: 01/03/2022 10:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary,標準ズーム,スナップ
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BODY:
はじめに
はじめまして。カメラマンの尾鷲陽介と申します。フリーランスで活動して16年目になります。普段の仕事では著名人のポートレートや家具などのプロダクト、住宅・店舗のインテリアなど様々なジャンルの撮影をしています。仕事以外では、散歩をしたり車や電車で移動したりしながらスナップ的に「日常のちょっと気になる良い風景」を作品として撮り続けています。いつどこで撮りたい風景に出会うかわかりません。なのでいつもカメラを身近に置いて生活しています。
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離57mm|F2.8 1/25秒|ISO800
4年ほど前に一眼レフからミラーレスへの移行を決心し、カメラをSONYのαに、レンズのほとんどをシグマに換えました。それ以前は重たい一眼レフを仕事以外であまり持ち歩く気にはなれず、主にRICOHのGRなどコンパクトカメラで日常やスナップ的な風景を撮っていたのですが、ミラーレスにしたことで以前にも増して写真を撮るようになりました。
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離57mm|F2.8 1/400秒|ISO1250|露出補正-0.5EV
シグマレンズを選ぶ理由
当時はフルサイズセンサーのミラーレス機に選択肢があまりなかったので、カメラはさほど悩むことなくSONYを選びましたが、レンズは思うところあってシグマにしました。
シグマ製レンズの写りの良さは以前から耳にしていたのですが、なんと言っても導入の決め手はそのデザインでした。デザインと言ってもプロダクトの外観だけの話ではありません。シグマ製品はカメラやレンズは元より、レンズキャップなどの細かなアクセサリーも含め、外箱、カタログ、WEBサイトなどありとあらゆるところが丁寧にデザインされていて、それが独自の世界観を作っています。シグマ製品には強く美意識を感じていました。
SONY α1に24mm F2.0 DG DN | Contemporaryと90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを装着
写真を撮る上で美意識を持つことが必要だと思っています。何を撮るかよりも何を撮らないかを決めることで作風に個性が生まれてくるだろうと感じていて、その判断には自分の美意識を頼りにすることにしています。
また、写真を撮ることで仕事をもらっている立場としては、撮影の現場での周囲の目も気にしています。撮影に立ち会うアートディレクターやデザイナー、編集者はカメラマンの美意識を見ているはずです。モニターに映し出される写真からわかる構図や色彩のセンスはもちろん、どんな機材を選んでいるかにもその人の美意識は滲み出るでしょう。美意識のある機材を選べば、自分は美意識を持っていますよと周囲へ静かに表明することができます。何より機材の選択は今後一緒に仕事をしていく相棒を選ぶということです。ならば当然美しい機材を選びたいですよね。それがシグマを選んだ理由になります。
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離40mm|F2.8 1/1000秒|ISO250|露出補正+0.7EV
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離29mm|F2.8 1/6400秒|ISO400|露出補正+0.3EV
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離50mm|F4.5 1/1000秒|ISO320|露出補正+0.5EV
軽量コンパクト、すぐ取り出せる
さて、前置きが長くなりましたが、今回僕がレビューするのはシグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryです。2021年の3月に発売されたミラーレスカメラ用の標準ズームレンズです。
シグマの標準ズームレンズといえば、元々ミラーレス用に24-70mm F2.8 DG DN | Artがあり、僕はこちらを日頃から仕事用のメインのレンズとして愛用しています。28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryは24-70mm F2.8 DG DN | Artをベースに、広角側のズーム域を28mmに狭めることにより軽量でコンパクトなサイズを実現したとのことです。
WEBサイト を見れば様々な技術と工夫が盛り込まれていることがわかります。28-70mmを今回の作例だけでなく仕事でも何度か使用しましたが、写りに関しては何も心配することはありません。
大きさの比較。左から28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary、24-70mm F2.8 DG DN | Art
とにかく、このレンズを箱から出して持った瞬間、小ささと軽さにとても驚きました。SONY αシリーズの筐体に対して実にちょうどよい大きさだと思いました。こういうレンズをずっと待っていました。
2つのレンズの重さを比べると約380gも違いました。およそ350mlの缶ビール1本分ということですね。以前から仕事用の24-70mm F2.8 DG DN | Artを付けたカメラを首からぶらさげて散歩することがありましたが少し首が痛くなることもありました。28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryでは首への負担が少なくなり、長い距離を持ち歩くのがすごく楽になりました。
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離28mm|F2.8 1/250秒|ISO640
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離59mm|F2.8 1/1000秒|ISO320|露出補正-1.2EV
仕事で使うレンズは重く大きくても僕はあまり気にしません。むしろ機材が大きい方がプロっぽく見えますし現場のクライアントにはハッタリが効くかもな。と思っているくらいです。でも日常使いのレンズは軽く小さく持ち歩くのが苦にならないことが一番重要です。
近所のスーパーや郵便局に行くときでさえ、何か面白いものを見つけてもいいように念のためカメラとレンズを何本か小さいカバンに入れて出掛けることがあります。撮りたいときにすぐカメラを取り出せないと意味がありません。いつもPeakdesignのエブリデイスリング10Lにカメラとレンズ一式を入れていますが、レンズがコンパクトな分、パッと取り出しパッと撮れます。
普段持ち歩くPeakdesign エブリデイスリング10Lとカメラとレンズ一式
40mm位置を基準に画角を考える
人ぞれぞれ好きな焦点距離、自分に合った焦点距離があると思います。僕は普段35mm~45mmくらいで撮ることが多いです。それが自分の視点であり、見ているものとの程よい距離感だと思っています。なのでカメラを首から下げているときは基本的に焦点距離を40mmくらいのところに合わせておきます。何か撮りたいものを見つけたとき、40mmよりちょっと広角側に回すか、ちょっと望遠側に回すかを瞬時に判断し撮影できるようにしています。
40mm付近にズームリングを合わせているところ
画角を決めるとき常に構図を意識します。構図を意識することは画面内を整理整頓することだと思っています。それは必要なものを入れ、余計なものを入れないということです。単焦点レンズであれば撮影者が寄ったり引いたりしてそれを行いますが、状況によってはそれができないこともあるでしょう。広めに撮っておいて後でトリミングするのも手ですが、ズームで構図を整えるのも一つの考え方だと思います。
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離32mm|F2.8 1/8000秒|ISO320|露出補正-0.3EV
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離63mm|F5 1/1000秒|ISO320|露出補正-0.5EV
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離47mm|F3.2 1/640秒|ISO100|露出補正+1.7EV
写真の初心者がズームレンズを使っていると画角の感覚を掴むのが難しいと、よく写真の本に書いてあったりします。確かにただ何となくズームを使って撮っていればそうかもしれません。しかし単焦点レンズを何本も同時に付けていると考えればこんなに便利なものはありません。僕は自分が今何ミリで撮っているかを常に意識し、その上でもう少し対象に寄るべきか離れるべきかを考えるようにしています。
僕自身、写真の学校に行ってきちんと理論を学んだわけではないので、自分なりに感覚としての話なのですが、何を撮るにしても適切な画角があると思います。そしてそれを判断するにはたくさん撮って体で覚える必要があると思います。
どの焦点距離にすると自分にとって気持ちがよい写真になるかというのは量を撮ることによって感覚を掴んできました。いい写真を撮れるようになるには質よりも量が重要で、その量が質に転化していくということを実感として持っています。いちいちレンズを換えていたら撮る機会を逃してしまいます。いい写真かどうかはあとで決めてまずたくさん撮ることが大事だと思っています。
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離70mm|F2.8 1/320秒|ISO200|露出補正+0.5EV
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離28mm|F8 1/250秒|ISO100|露出補正-1.2EV
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離43mm|F9 1/200秒|ISO250|露出補正-0.5EV
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離41mm|F2.8 1/50秒|ISO5000|露出補正+0.5EV
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離41mm|F2.8 1/60秒|ISO4000|露出補正+0.5EV
最後に
ズームレンズに慣れてくれば他の焦点距離のレンズが欲しくなることもあるでしょう。シグマからは単焦点からズームまでありとあらゆるレンズのラインナップが揃っています。そして年々拡充されています。
28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryは自分の視点を知るための基準になるレンズです。より広角側にも、より望遠側にも、よりボケを活かした表現にも、自分に合ったレンズを探す第一歩として相応しいレンズです。少しずつ自分にあったレンズを探していきましょう。そしてシグマの美意識を多くの方に実感してもらえると嬉しいです。
■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:焦点距離59mm|F2.8 1/1600秒|ISO250|露出補正-0.5EV
■写真家:
尾鷲陽介
1977年北海道生まれ。金沢美術工芸大学でプロダクトデザインを学ぶもデザインより写真の方が人に褒められるという理由でカメラマンになることを決意。2001年にスタジオエビスへ入社しスタジオマンとして実践の場で撮影の基礎を学ぶ。2006年よりフリーランス。
この記事に使用した機材 【シグマ】28-70mm F2.8 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ 【シグマ】28-70mm F2.8 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の尾鷲陽介さんがシグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporaryをレビューしています。シグマの美意識が感じられ、レンズを探す第一歩として最適な本レンズの魅力を是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,レンズ, 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 風景写真でのISO感度設定のポイント|高橋良典
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CATEGORY: 高橋良典
DATE: 01/04/2022 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,風景,α7R IV,ミラーレスカメラ,フルサイズ,風景の撮影テクニック
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BODY:
はじめに
デジタルカメラではISO感度を自由に変更することができ大変便利です。フィルムが主流の時代、ISOはフィルムによって決まっていたので、1本撮り切ってしまうか途中で交換しない限りISOの変更はできませんでした。しかも、最近のデジタルカメラの高感度画質は驚くほどの進化を遂げています。昔は難しかった極めて暗い場所での撮影や高速シャッターでの撮影ができるようになった事で、表現の幅が広がり自由度が高まったと言えます。そこで今回は、なんとなくわかっていても、どう設定すれば良いのかが難しいISO感度について解説と使いこなしをお送りいたします。
ISO感度の基本
ISO感度変更の恩恵は、主にシャッタースピードをコントロールできることだと考えて良いでしょう。下記はISO感度の系列を表したものです。
数字が倍になれば「1段階ISO感度が上がる」、 数字が半分になれば「1段階ISO感度が下がる」といいます。数字が4倍になれば倍の倍で「2段階」です。1段階は1EVと表記することもあり、同じ意味です。それではISO感度を変更するとシャッタースピードはどう変化するのでしょうか?
いかがでしょうか?三脚を使わなければカメラブレを起こしてしまうような暗いシーンでも、ISO感度を高くすることでシャッタースピードを速くできるのがわかります。具体的にはISO感度の数字を「1段階(つまり倍)」大きくするとシャッタースピードが「半分の時間」となります。同様に「2段階(つまり4倍)」大きくするとシャッタースピードが「4分の1の時間」となります。「3段階(つまり8倍)」にすればシャッタースピードは「8分の1の時間」です。ISO感度が上がれば露光時間が短くなっても写真の明るさは同じに写ります。ISOが上がるに従ってセンサーが光に対して敏感になっていくと考えればわかりやすいでしょう。
ISO感度による画質の差
ISO感度をコントロールすることでシャッタースピード設定の幅が広がるので私もその恩恵を最大限に生かして撮影をしています。また高い数値に設定すれば暗い場所においても三脚なしでの撮影が可能。と聞けば良いことずくめに感じられるかもしれませんが、注意点もあります。もっとも気を配ってほしいのは「画質の低下」についてです。以下は同じ時間帯にISO感度を変えて撮影した写真となります。
■ISO感度を変えてソニーα7R IVで撮影
ISO400以下の低感度ではほぼ画質に差がないように見えますが、ISO800や1600からノイズが増え始めます。6400までISO感度が上がるとさらに、ざらつきが増してきますが、十分実用的なレベルです。さらにISO12800や25600では一目見ただけでノイズを感じるようになりますが、それでも被写体によっては実用に耐えられるでしょう。さすがに拡張感度のISO51200となるとカラーバランスも崩れ、相当な画質の荒れを感じます。下の写真は更に拡大したものになりますのでこちらも合わせてご覧ください。
■上記写真の一部を拡大した画像
ISO感度が低い方がノイズ成分が少なく、諧調表現性能にも優れます(小さな写真でわかりにくいかもしれませんが……)。逆にISO感度が高くなるにしたがってノイズ成分が増え、ざらついた印象となります。確かに暗い場所で手持ち撮影しても速いシャッタースピードが切れ、カメラブレを防げることには間違いありませんが、あまりに高感度を使うと画質が低下してしまいます。そこは感度の高低と画質のトレードオフであると覚えておきましょう。
同時期に発売されたカメラで比較すると、一般的にはセンサーサイズが大きく、画素数が少ないカメラほど高感度に強く「暗い場所での手持ち撮影が多い」「高速シャッターを多用する」など、高感度性能を優先させたいならフルサイズ以上のセンサーを搭載したカメラの中から、さらに常用ISO感度の上限が高いものを選ぶと良いでしょう。
以下は現在発売されている代表的なフルサイズセンサー搭載のカメラです。同じメーカーでも画素数が少ない程、常用ISO感度が高くなり、画素数が多いほど常用ISO感度が抑えられていることがわかりますね。なお、拡張ISO感度領域ではさらに高い数値も設定可能ですが画質が相当落ちてしまいますので、あくまでも非常用だと割り切って考えるのが良いでしょう。
風景撮影におけるISO感度設定の考え方
さて、ここまでは一般的な知識として説明してきましたが、ここからは風景撮影において私がどのようにISO感度を使い分けているかをお伝えしていきましょう。結論から申し上げると「ISO感度は低めが基本」しかし「高感度を使わなければ撮れない写真」においてはその限りではありません。
まず前者「ISO感度は低めが基本」についてですが、風景作品の場合、全紙や全倍など大きなサイズに引き伸ばす事も多く、撮影時から「画質の良い」写真を意識しています。ベースの画像が高画質であるほど撮影後のレタッチ耐性も高く、画質を保てますので無駄にISO感度を高くすることは避け、状況によりISO100~400を常用しています。暗い状況での撮影時、シャッタースピードが遅くなってしまう場合でも、ISOを上げることに頼らず、三脚を使用することが第一選択です。近年のデジタルカメラの高感度性能は素晴らしく、高感度を使ったからと言ってすぐに画質が破綻することはありませんが、リアリティのある風景を大伸ばしで見せたいと考える以上、写真の内容はもちろん画質にもこだわりを持っています。逆にSNS等で小さな画像を見せるのならISO6400以上の高感度でも問題はないでしょう。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-70mm F2.8 GM
■撮影環境:焦点距離26mm 絞り優先AE(F16、3秒、-0.5EV補正) ISO400 曇天 CPLフィルター
雨上がりの朝、落葉が乾かないよう薄暗いうちに撮影。パンフォーカスのため絞り込んでいるのでシャッタースピードが相当遅くなるが三脚を使えばISO感度を上げずに撮影できる。後に述べるが、ISOがオートになっていると三脚を使用しているにも関わらず無駄にISO感度が上がってしまうので注意。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE70-200mm F4 G OSS
■撮影環境:焦点距離72mm 絞り優先AE(F16、1/6、-0.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
小雨の降る、やや暗めの状況。こちらも三脚を使用している。もし手持ち撮影なら少なくともISOは1600~3200まで高める必要があっただろう。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-70mm F2.8 GM
■撮影環境:焦点距離59mm 絞り優先AE(F13、1/6、-1EV補正) ISO100 太陽光 ハーフNDフィルター
雲海たなびく里山風景を狙う。輝度差のあるシーンにおいて高感度で撮影、後からシャドウ部を明るく持ち上げるとノイズが出やすくなることがある。レタッチを想定する場合も無駄に感度を上げる事は避け、基本的には三脚を使う。
続いて後者「高感度を使わなければ撮れない写真」と言えば、まず星景が思い浮かびますね。それから動きのある被写体。風景ジャンルで代表的なものと言えば、滝や渓流などが挙げられます。スローシャッターで水流を表現するときには低感度側を使うことが多いので画質上、心配ないのですが、滝のしぶきを写し止めるには最低でもシャッタースピードは1/1000秒より高速を切りたいところ。その場が明るければ比較的、高速シャッターを切りやすいと言えますが、暗めの状況下での1/1000秒。また水量が多く1/2000秒や1/4000秒を切るには高感度に頼らざるをえません。その他、三脚使用禁止場所などで暗くてもカメラを固定出来ない場合、動物を狙う時も被写体が動くことや機動性重視で手持ち撮影をするなら速めのシャッターが求められます。それらが「高感度を使わなければ撮れない写真」にあてはまります。
いくら画質が良くても描写が中途半端になってしまうと作品としての完成度が低くなってしまうので、このようなシーンにおいては、躊躇なく常用感度の範囲内で高感度を使います。とは言え、その中でもなるべく無駄に高感度に振る事はせず、被写体や撮影状況を見極めてシャッタースピードを決定、最低限必要な感度設定に留めることを心掛けています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24mm F1.4 GM
■撮影環境:焦点距離24mm マニュアル露出(F1.4、10秒) ISO6400 太陽光 光害カットフィルター
星の点像表現は、フィルムが主流の時代には撮ることが極めて難しかったが、デジタルカメラの高感度性能が飛躍的に良くなり、今ではコツさえつかめば容易に撮影できるようになった。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:焦点距離48mm 絞り優先AE(F16、0.7秒、-0.5EV補正) ISO100 太陽光 CPLフィルター
スローシャッターでの撮影では低感度側を使うことが多く、ほとんどの場合、意識せずとも良好な画質が得られる。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:焦点距離200mm 絞り優先AE(F2.8、1/200、-0.5EV補正) ISO800 太陽光 CPLフィルター
やや風がある状況で、椿の花が被写体ブレをおこす可能性があったためISOをやや高めの800に設定した。雨の線の長さもシャッタースピードによって変化する。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-70mm F2.8 GM
■撮影環境:焦点距離58mm 絞り優先AE(F9.5、1/2000) ISO500 太陽光 CPLフィルター
荒々しく押し寄せる波しぶきを高速シャッターで写し止めた。このような明るい状況であれば少々絞ってもISO感度を上げずに速いシャッターが切れる。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:焦点距離400mm シャッター優先AE(1/1000、F5.6) ISO4000 太陽光
踊る様に飛び跳ねる小鹿。既に日没を迎えている暗い状況だが、ISO感度を4000にして高速シャッターを切る事でしっかりと写し止めることができる。拡大すると高感度ノイズの発生が見られるが、躊躇なく感度を上げた。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:焦点距離600mm 絞り優先AE(F16、1/3000、-3EV補正) ISO3200 太陽光
滝の水しぶきを銀河に見立てて撮影。600mmという超望遠域での撮影では被写界深度確保のため、絞り込む必要がある。ISOを高くして高速シャッターと両立。しぶきを写し止めた。高感度を使わないと撮れない写真だと判断した場合はノイズ感が出ても気にせずにシャッターを切る。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:焦点距離198mm 絞り優先AE(F11、1/750、-1EV補正) ISO6400 太陽光
上流より流れ込んでくる落葉に素早くピントを合わせて撮影。超望遠域400mmでの撮影のため被写界深度確保のため絞っているが、1枚前の写真よりさらに暗い状況。水の流れは案外早いのでさらに感度を上げてしっかりと落葉を写し止めた。ISO6400に設定しているので高感度ノイズの発生が見られる。とは言え近年のカメラの高感度性能は素晴らしく実用に耐えうる画質だ。
ISOオートについて
多くのカメラではISO感度の初期設定が「オート」になっています。「ISOオート」とは明るいシーンではカメラが自動的に低感度側に調整、高画質を保ちます。また、暗いシーンではシャッタースピードが遅くなりすぎないようカメラが自動的に高感度側に調整、カメラブレを防いでくれる大変便利な機能です。但し、注意点もあります。
こちらも結論から申し上げると風景撮影の多くのケースにおいて「手持ち撮影時のISOオートはOK」だが「三脚使用時のISOオートはNG」だと考えています。繰り返しになりますが暗いシーンで「ISOオート」設定だとカメラが自動的にISO感度を高くしてシャッタースピードが遅くなりすぎないよう調整、カメラブレを防いでくれます。これは手持ち撮影では大変有効です。なぜならどれだけ高画質でもブレてしまっていては意味がありません。しかしそのようなシーンでも三脚をカメラに固定、かつ被写体に動きがない場合はシャッタースピードが低速になっても何ら問題はありませんよね?その際、設定が「ISOオート」になっていると意識しないうちに高感度側に振られて画質の低下を招いてしまう場合があります。それだとせっかく三脚を使っている意味がなくなってしまいます。
それから別の話ですが「ISOオート」にはISO感度と画質のバランスをとって、上限と下限の感度を決めて範囲設定することができるようになっています。(例えばISO100~上限はISO6400までにしか上がらないようにするなど)風景撮影の場合は三脚を使用できることが多いので私自身は「ISOオート」は使わずに被写体の性質によってその都度ISO感度の数値を設定しています。また、手持ちの場合は、自分自身がどれくらいまでのシャッタースピードまでブラさずに撮れるかを把握できているとベターです。
さいごに
ここまでISO感度について説明してきましたがいかがでしたでしょうか?今回は風景撮影に特化した内容でお送りしましたが、ISO感度設定は撮影ジャンルによっても随分と変わってきます。例えば激しく動くスポーツを室内で撮影する場合。また、スナップ撮影では機動性を重視して手持ちでの撮影が基本になります。そのようなケースにおいてはより高感度を使うことや、ISOオートも効果的です。撮影を通して、適切にISO感度が設定できるよう、理解を深めましょう。
■写真家:
高橋良典
(公社)日本写真家協会会員・日本風景写真家協会会員・奈良県美術人協会会員・ソニーイメージングプロサポート会員・αアカデミー講師
その他の風景写真ハウツー記事はこちら
レンズワークを極めて風景写真をグレードアップ!|高橋良典
https://shasha.kitamura.jp/article/485348702.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 70-200mm F4 G OSS
商品詳細ページ 【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ 【ソニー】FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の高橋良典さんが風景撮影をする際のISO感度設定のポイントを説明しています。なんとなくわかっていても、どう設定すれば良いのかが難しいISO感度について解説と使いこなしを紹介しています。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,レンズ,風景
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ソニー FE 12-24mm F2.8 GM レビュー|究極の超広角ズームレンズ
BASENAME: 485004753.html
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 01/05/2022 16:00:00
TAGS: FE 12-24mm F2.8 GM,風景,ソニー(Sony) レンズ,広角ズーム
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BODY:
はじめに
広角レンズといえば21mm辺りから「超」がつき始める広角の焦点距離だが、気がつけば16mmや14mmの超広角レンズも当たり前になってきた。超広角レンズといえば、焦点距離はカバーできているが周辺の描写低下や極端な周辺光量落ちなどは「あって当たり前」に感じているのではないだろうか?
ソニーがラインナップしているFE 12-24mm F2.8 GMは、超広角ズームレンズとしてはまさにパーフェクトに近い一本に仕上がっているので作例と共に紹介していく。
大きく重たい、という安心感
決して手のひらには収まりきらない(収める気がない)このサイズ感は、いい写りをするだろうという期待と安心感を与えてくれる。ズッシリと感じる重みもサイズ感と相まって中身が詰まっている安心感がある。この重さが手ブレを防ぐ効果にも寄与していたりするので、重いことがメリットになることもある。
基本的に大きくて重たくて高いものは「ハズレが少ない」というのを身をもって実感しているので、FE 12-24mm F2.8 GMもまさに当たりのレンズだろうと使う前から思っていた。
拳サイズの大きさのレンズは描写にも貢献している。超広角レンズでよくある周辺光量落ちや周辺の流れなどもかなり抑えられていて、直線が直線に写る気持ちよさを体験できる。直線が多い人工物などを撮影すると特に気持ちがいいだろう。
超広角ズームの楽しさと難しさを味わう
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO400 焦点距離12mm 超広角レンズは特殊レンズの類になるため、見慣れた景色やいつも撮影している場所に持ち出してみると特に効果が分かりやすい。
僕がよく訪れる橋の足元から広角側の12mmで撮影。12mmの超広角レンズということもあって極端なパース効果が発生する。初めて12mmを体験する人は思っていたよりもメインの被写体が遠くに見えるように感じるだろう。手前は極端に大きく、奥は極端に小さく、このレンズ効果を理解して使うことでFE 12-24mm F2.8 GMでの撮影が一気に楽しくなる。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/16 1/400秒 ISO100 焦点距離12mm 橋の下から側面に回り込んで逆光で撮影。絞り込んで撮影することで光条撮影が可能だ。光条は絞り込むほど伸びるため自分のイメージに合わせてF値を決めればOKだ。
私の場合はF11〜16あたりが画質と光条のバランスがいいので多用している。絞り込み過ぎると小絞りボケが発生し解像感が少し落ちてしまうため、気になる人は解像感を優先してF8.0くらいで撮影するのもいいだろう。私の場合は解像感よりも全体の仕上がりを優先して撮影するため、表現優先でさらに絞り込むことも多い。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/1000秒 ISO200 焦点距離24mm
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/160秒 ISO200 焦点距離24mm 私の地元は黄ニラの栽培で有名であちこちに黄ニラ畑がある。12mmだと広すぎたため24mmまでズームして、程よい遠近感を生かして黄ニラ畑を逆光と順光の2パターンで撮影した。
FE 12-24mm F2.8 GMのいいところは何と言ってもズームができること。12mmだと流石に広過ぎる…なんてときは標準ズームの広角側として定着した24mmが使えるのはありがたい。高画素機を使っている人は、APS-Cクロップ機能を使うことで36mmとしても使うことができるのでより使い勝手が良くなる。ちなみにα7R IVの場合、APS-Cクロップ機能を使っても約2620万画素を保ったまま撮影ができるので、FE 12-24mm F2.8 GMとの組み合わせとしてはオススメの一台だ。
FE 12-24mm F2.8 GMはただ画角が広いだけではなく逆光に強い。さらに、光条の変化を楽しめるレンズでもあるので逆光での撮影が非常に楽しい。逆光撮影は立体感も出やすいので光で迷ったら逆光を狙ってみて欲しい。慣れるまでは露出に悩むかもしれないが最近のカメラはダイナミックレンジが広く、機種によってはHDRと呼ばれるハイライトからアンダーまで適正露出にして撮影してくれる機能が付いているものも多いので活用してみよう。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離24mm 焦点距離24mm。本来はかなり広角の部類に入るのだが、慣れとは怖いもので24mmの画角は標準ズームでカバーする画角になってしまったこともあり標準の画角として考えることが増えてしまった。12mmとなると一体どれだけ広いのだろうか…超広角を体験していない人にとってはなかなか想像できない焦点距離だ。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離12mm 同じ場所で12mmを採用し撮影するとこんな感じで、水平垂直をキープしたまま12mmと24mmを撮り比べたものだ。24mmで同じように撮影しようとするとかなり後ろに下がらなくてはならない。単焦点レンズで自分の足で稼いで撮影しなさい、と何度も言われた人もいるのではないだろうか?ズームレンズのいいところは単焦点ではできないその場で焦点距離を変化させることなので使い分けが重要ということ。
楽をするためにズームを…というのももちろんアリだが、焦点距離が持つレンズの効果を理解して撮影すると撮影はもっと楽しくなるし表現の幅が増えるのは間違いない。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/400秒 ISO200 焦点距離12mm
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/400秒 ISO200 焦点距離24mm これは橋の上から撮影したもので物理的に後ろに下がれない状況で撮影したもの。こういう場合はズームレンズの方が便利だ。
橋の作例のように被写体との距離感が近いものはレンズ効果が大きく反映されるが、このように遠景のみを撮影する場合はレンズのパース効果も目立たない。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/15秒 ISO200 焦点距離12mm
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/50秒 ISO400 焦点距離12mm 超広角レンズはレンズ効果が大きいため立ち位置で写り方が大きく変化する。同じ12mmで撮影位置を少し変えるだけで結果が大きく違う。
奥の橋のアーチは変化がほとんどないが手前側のアーチは極単位変化する。このレンズ効果を生かして動画撮影にチャレンジするのも良いかもしれない。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/11 1/125秒 ISO00 焦点距離12mm 肉眼では決してこのようには見えないが、12mmの焦点距離のフィルターを通して見るとまるで別世界に入り込んでしまったような景色を体験できる。
超広角ズームのいろいろ
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/2.8 1/13秒 ISO1600 焦点距離12mm 超広角のメリットは広く写るだけではなく手ブレをしにくい(目立ちにくい)のもポイントだ。本来であれば三脚を使用して撮影するようなシーンでも、超広角であれば少し練習すれば簡単に撮影することができるようになる。私の感覚では12mmの場合はシャッタースピード1秒を境に手持ちか三脚か切り替えることが多い。
αシリーズはコンパクトなボディであるため、FE 12-24mm F2.8 GMを組み合わせるとフロントヘビーになるため三脚もしっかりとしたものを使うようにしたい。そうなると三脚が荷物に感じてしまうことも多いので手持ちでの撮影をメインに考えている。
αシリーズにはボディ内手ブレ補正も搭載されているため、しっかりと構えて撮影すればほとんどブレることはないので、実際に自分の手持ち撮影の限界値を事前に計測しておくと現場で判断しやすくなる。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/2.8 1/40秒 ISO1600 焦点距離12mm
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/2.8 1/40秒 ISO1600 焦点距離12mm 12mmは縦と横の構図でかなり表現が変わってくるので、同じシーンで縦横2パターン撮影しておくのがオススメだ。
12mmとなると少しでもカメラが傾くと大きく歪みが発生するので、奥行き感を出したり大きさを誇張したりすることができる。建物などをまっすぐ撮影したい場合は水平垂直を意識して撮影しよう。12mmの焦点距離であれば大体の建物が画角内に収まるので建築撮影などでも重宝する。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/2.8 1/5秒 ISO1600 焦点距離12mm
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/2.8 1/5秒 ISO1600 焦点距離12mm
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/2.8 1/5秒 ISO1600 焦点距離24mm 超広角の特性上、画面の端にいくほど像が歪み、中心に近づくほど歪みは減少する。超広角レンズで日の丸構図の撮影も被写体が引き立って面白いのでオススメだ。超広角レンズに限らず、構図で迷った場合はシンプルに日の丸構図を狙うのもいいだろう。
12mmから24mmにズームすると「24mmってこんなに狭かった…?」と思ってしまうほど12mmは広い。標準ズームではワイド端の24mmもFE 12-24mm F2.8 GMではテレ端になるので、同じ24mmでも目線が変わって面白い。
標準ズームの次に何を買うか悩んでいる人は、まずは超広角の世界を体験して欲しい。ソニーのαシステムは最高峰のGM(G MASTER)シリーズで超広角〜超望遠まで揃えることができ、レンズは資産になるので長く使うのであればGMシリーズを検討してみて欲しい。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/5.6 1/30秒 ISO400 焦点距離24mm FE 12-24mm F2.8 GMは単焦点レンズも顔負けの描写なのでディティールの細かい被写体の撮影も楽しい。風景写真との相性はもちろんバッチリで、いざという時に12mmが使える安心感はすごい(12mmで入りきらなかったら諦めよう)。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/5.6 1/10秒 ISO400 焦点距離12mm 高所から見下ろす体勢で撮影。超広角は奥行き(距離感)を誇張してくれるので、ハイアングルやローアンングルとの相性が良い。目で見た以上に高さが誇張されて迫力のある一枚に仕上がった。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/5.6 1/10秒 ISO400 焦点距離12mm 同じポジションから縦構図で撮影。横構図とはまた違った奥行き感が演出され空をより広く写し込むことができるので、朝焼けや夕焼けなど空のグラデーションをより多く取り込みたい時には縦構図がオススメだ。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/8.0 1/10秒 ISO400 焦点距離12mm 展望台併設のカフェから撮影。水平垂直を意識して撮影することで柱の歪みを抑えることができた。輝度差のあるシーンだがα7R IVの広いダイナミックレンジのおかげで、暗部が黒潰れすることなく写しとることができた。
■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM
■撮影環境:f/2.8 15秒 ISO400 焦点距離12mm 12mmの焦点距離のメリットは星景写真でも発揮される。星を点状に写すのであれば本来は赤道儀を使用して撮影するが、12mmの超広角であれば十数秒のシャッタースピードであればほとんど星の流れが気にならない写りだ。FE 12-24mm F2.8 GMは周辺まで描写が安定しているため画面端に写った星もちゃんと点に写るので、夏の天の川など写すと楽しそうだと思った。
まとめ
これまでに超広角レンズは何種類か使用してきたが、FE 12-24mm F2.8 GMを使ってみてその安定感に驚かされた。これまで使用してきた超広角レンズは「超広角だから」と正直どこか諦めていたところもあったが、FE 12-24mm F2.8 GMに関してはほとんど不満に感じるポイントがないのだ。人によっては大きくて重たいのはちょっと…という人もいると思うが、その大きさと重さがこの写りを実現しているのだと考えると納得しかない。
αシリーズは小型軽量ボディなのでFE 12-24mm F2.8 GMと組み合わせるとフロントヘビーになってしまうが、それが返って手ブレの抑制につながっていたりもするので、特に気になることもなく楽しく撮影ができた。
FE 12-24mm F2.8 GMは、α7R IVやα1など上位モデルを使用している人にこそ使ってもらいたいレンズだ。特にα7Rシリーズは高画素モデルであり、今後出てくる後継機がさらに高画素化したとしてもFE 12-24mm F2.8 GMは十分対応できる描写だと実感した。
■写真家:
木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
「FE 12-24mm F2.8 GM」関連記事はこちら
■SONY FE 12-24mm F2.8 GMレビュー|最強の大三元超広角ズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/476678224.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のさんによるソニーの超広角ズームレンズ FE 12-24mm F2.8 GMのレビュー記事です。今回は風景をテーマに様々なシチュエーションで作例を交えた解説を頂いています。
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KEYWORDS:
FE 12-24mm F2.8 GM,レビュー,風景,ソニー(Sony) レンズ
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門
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CATEGORY: 齋藤朱門
DATE: 01/06/2022 16:00:00
TAGS: 風景,風景の撮影テクニック
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はじめに
今回は冬の時期の風景撮影と必要な機材について紹介したいと思います。冬の時期は雪や氷、霧氷や樹氷とそれまでとは全く異なる表情の風景に出会えますので、個人的には一年の中で一番面白いと感じる季節です。気温が低いので、外での撮影は過酷ではありますが、そんな寒さも忘れるほどに撮影に夢中になることがありますね。
冬の風景
■撮影機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM
■撮影環境:マニュアル露出・28mm・F8・ISO100・1/50秒 青森の八甲田周辺で撮影した1枚。突然の大雪に見舞われ、吹雪で荒れた天候でしたが、通りかかった森の中で印象的なシーンに出会えました。
■撮影機材:ソニー α7R III + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:マニュアル露出・81mm・F14・ISO100・1/800秒 裏磐梯の凍結した湖面に、降り積もった雪によって広大な雪原ができていました。冬の裏磐梯は雪が多いことでも有名です。天候も変わりやすく、この時は一瞬だけ雲の隙間から差し込んだ太陽の光に照らされる雪原を撮ることができました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:マニュアル露出・49mm・F4・ISO100・1/40秒 降りしきる雪によって霧に包れたような雰囲気の森を撮ってみました。雪によって森の表情も普段とは全然異なるのが面白いですね。
■撮影機材:ソニー α7R IV + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:マニュアル露出・35mm・F13・ISO100・1/50秒
■撮影機材:ソニー α7R IV + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:マニュアル露出・28mm・F13・ISO100・1/30秒 この2枚は北アルプスの西穂山荘の近くで撮影しました。冬山登山はしっかりとした装備が必要で、撮影機材を持っていくのも一苦労ですが、その苦労に十分見合う風景に出会うことができると思います。
■撮影機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM | Art
■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F6.3・ISO100・1/1250秒 凍結した湖面の上で散策しながら撮った1枚。普段は見ることが出来ない氷などを切り取って撮影するのも面白いですね。
■撮影機材:ソニー α7R III + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:マニュアル露出・68mm・F8・ISO100・1/250秒 同じように、こちらは凍った川の近くで見つけた氷の結晶を撮ってみました。このように風景写真とは異なりますが、足元にある様々な氷の結晶をクローズアップ撮影してみると撮影の幅が更に広がり、より冬の撮影を楽しめると思います。
アイスバブル
ある特別な条件が必要ですが、冬の凍った湖面ではこのようなアイスバブルと呼ばれる現象を撮影することができます。
■撮影機材:ソニー α7R III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6
■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F11・ISO100・1/125秒
■撮影機材:ソニー α7R III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6
■撮影環境:マニュアル露出・13mm・F13・ISO100・1/500秒 アイスバブルはカナダにあるアブラハム湖が有名なので、ご存じの方もいるかもしれませんね。
実はこの2枚のアイスバブルの写真は、2019年に北海道の糠平湖で撮影したものです。 アイスバブルは湖の中で発生したガスが凍った湖の中に閉じ込められたものですが、通常は湖面が雪に覆われてしまっていることや、綺麗な透明な氷にならないと見ることができないので貴重な瞬間だったと思います。 以前、アブラハム湖でもアイスバブルを撮影したことがありましたが、北海道の糠平湖のアイスバブルはその時よりも広範囲にアイスバブルが広がっていました。
北海道では雪が少ない年に稀にアイスバブルが大量に見ることができるようですので、機会があれば是非、北海道を訪れてみてください。
撮影テクニック
冬でも基本的に風景撮影の方法自体は普段と大きく変わりませんが、いくつか冬ならではのシチュエーションに使える簡単なテクニックがあるので、ご紹介します。
■撮影機材:ソニー α7R III + ソニー FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:マニュアル露出・100mm・F6.3・ISO100・1/20秒(ストロボ使用) 降りしきる雪を幻想的に撮影する場合は、なるべく絞りを開放に近い状態にし、クリップオンストロボなどで手前の雪を照らしてあげると、前ボケでこのように手前に降る雪を大きく撮ることができます。
■撮影機材:ソニー α7R IV + ソニー FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:マニュアル露出・400mm・F13・ISO100・1/40秒 遠くの霧氷や樹氷の木々を望遠レンズで切り取る場合のテクニック、というよりは注意点ですが、超望遠レンズの場合、三脚を使っていても微風でのレンズ振動の影響が大きいため、なかなかシャープな写真を撮ることが難しい場合があります。 そのような時は望遠レンズ用のレンズサポートを使って、レンズとカメラ全体を支え、なるべく振動を抑えると良いでしょう。また、レリーズシャッターを使用することで、カメラに触れずにシャッターを切ることも忘れずに。
必要な機材
マイナス10°C以下の寒冷地での動作が保証されてないカメラの場合は、カメラジャケットでカメラの冷えを抑えることも重要です。ただ、最近のカメラではカメラジャケットなしでも平気な場合が多いように思います。 また、カメラによっては寒いところでのバッテリーの保ちが悪い場合もあるので、そのような場合は予備バッテリーも多めに持っておくと良いでしょう。USB接続のモバイルバッテリーに対応している場合は大容量のUSBモバイルバッテリーを持っておくと安心です。
また、湿度が高い等で、結露してしまうようなシチュエーションの場合はレンズヒーターをレンズに巻きつけておくと、結露防止に役立ちます。 万が一、うっかりすぐに温かい車内や室内に冷えたレンズを持ち込んでしまう等で、レンズの内部が結露した場合は、ジップロックに防湿剤を入れて物にレンズを入れておくと比較的早く結露を取ることができます。
マイナス10°C以下の環境での撮影は防寒着も重要になってきます。特に明け方や夜中などに長時間撮影を行う場合は、冷え込みますのでご注意を。 最近はUSB電源のヒーター内蔵のジャケット等も増えてきているので、ヒーター内蔵の防寒着を活用するのも良いと思います。
さいごに
今回は筆者なりの冬の時期の風景撮影方法をお伝えしました。 冬は寒いので、つい撮影が億劫になりがちですが、雪景色や霧氷・樹氷等、冬にしか見れない風景もあり、撮影のチャンスが多い時期だと思います。 撮影に出かける際には、しっかりと防寒装備と撮影機材を準備して行きましょう。また、この記事の内容を参考にしていただけると嬉しいです。
■写真家:
齋藤朱門
宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。
齋藤朱門さんの撮影テクニック連載記事はこちら
・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html
・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html
・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html
・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html
・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ
【ソニー】FE 24-105mm F4 G OSS
商品詳細ページ
【シグマ】24-105mm F4 DG OS HSM
商品詳細ページ
【LAOWA】10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の齋藤朱門さんが冬の風景撮影方法と必要な機材について紹介しています。撮影に行きづらくなる時期だからこそ撮れる数多くの作例を元に解説しています。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,風景
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: #05 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
BASENAME: 485002016.html
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CATEGORY: コハラタケル
DATE: 01/07/2022 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,ポートレート(人物),X-Pro3,XF23mmF1.4 R,単焦点,ミラーレスカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
みなさん、こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。「なんでもないただの道が好き 街撮り講座」5回目の記事です! 今回も背景の色を意識した撮影方法の話で前回の記事と繋がるような記事となっております。合わせて読むとわかりやすいと思いますので、前回の記事がまだの方はそちらの記事を読んでから今回の記事を読んでいただると嬉しいです。
人がいない段階で目立つ色を把握しておく
前回の
「#04 なんでもないただの道が好き 街撮り講座」 では背景色を淡色にすることでモデル(主題)を目立たせるという方法を取りましたが、今回は逆の方法です。
背景色のなかにひとつだけ違う色、もしくは目立つ色を入れることで視線を誘導させる方法です。
例えば、こちらの写真。全体的に緑・白・グレーで構成されている色合いのなかに1箇所だけ赤色が入っています。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F10 1/250秒 ISO160
この背景だと人がいない状態でも中央部分に視線を誘導させることが可能です。とくに赤色は街撮りにおいて重要な色だと僕は考えています。というのも皆さんご存知の通り赤色は危険色のため、自然と視線が向かう場所です。
自分が撮影しようと思っている場所で赤色がどの位置、どれぐらいの面積で入っているのかは常に確認する必要があります。そうしないと本当はモデルを見て欲しいのに別の赤色部分に視線が引っ張られてしまい、自分が意図していない写真に仕上がる可能性があります。
人は存在感が強く、適当に撮っても目立つ存在である
そして、もうひとつ覚えておいて欲しいことがあります。それは、そもそも人は存在感が強いということです。
人は背景色や危険色を意識しなくとも視線を誘導させることが可能なのですが、できれば僕は人物がいない背景だけの状態でも、どこに視線が集まるのか確認しておくべきだと考えています。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F6.4 1/320秒 ISO160
■モデル:五味未知子
例えば、こちらの写真なのですが、モデルの周辺にはたくさんの通行人がいます。背景の色の整理もされておらず、モデルの顔まわりにはのぼり旗や歩道橋の手すり部分が被っていたりなどごちゃごちゃしていますよね。それでもほとんどの人が一番最初に視線を向かわせるのは中央にいるモデルだと思います。
街撮り写真では「モデルさんの表情は良いのだけれど、背景は考えて撮っていないんだな」というものを見ることがあります。
これらの写真がダメというわけではなく、重要なのはコントロールできているかどうかです。日本の街撮りでは電線・看板・自動販売機など、背景の情報量が多くなる場合が多く、何も考えずに撮ると、先ほど見せたようなまとまりがない写真になってしまいます。
この写真においても通行人の流れを見て、せめてモデルさんの顔まわりに通行人がいないタイミングで撮る、もしくは歩道橋の手すりが被らない位置、そうですね……今、見返すとカメラマン側から向かって左側の壁を背景にしていればよかったですね。そうすればモデルの顔まわりの情報も少なく、整理された写真に見えていたと思います。
背景を整理 → 人物を配置
最初の写真に話を戻します。
何度も言いますが、日本の街撮りでは背景の情報が多くなりがちです。そういう写真も良いのですが、整理された写真も撮れるようになっておくと写真にバリエーションをつけることができます。
なんとなくではなく、理解した上で人物を配置させる背景(場所)を考える。そうすることで明確に撮影者の意図を伝えることができる写真になります。最終的に撮影した写真がこちらです。あなたの視線はどこに集まっているでしょうか?
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F10 1/250秒 ISO160
■モデル:五味未知子
別のロケーションでも見てみましょう。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F6.4 1/250秒 ISO160
こちらも同じパターンですね。緑・白・グレーで構成されているなかに赤色が入っています。人物がいなくとも中央上部に視線が向かいますね。モデルを配置する場合も背景の段階で視線が向かいやすい場所の近くに立ってもらいます。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F6.4 1/250秒 ISO160
■モデル:五味未知子
1枚の写真に複数の要素を入れる
僕は大前提として写真は記録だと思っているため、世にある写真に良いも悪いもないと思っているのですが、技術的な部分での良し悪しはあります。
最初に見せたこちらの写真ですが、
「#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座」 で紹介した反射光も使っています。影に注目してください。
太陽からの光に関しては建物側から道路側に向かっているのに、モデルの顔にも光が当たっています。普通に撮ればモデルの顔には光が当たらない状況なのですが、反射光を使ってモデルにも光を当てています。さらに四隅に隙間を作らないことも意識して撮影しました。
実は最初のモデルがいない背景写真のときは左上に隙間ができています。
「え、たったこれだけで?」と思う方もいるかもしれませんが、このようなちょっとした隙間、とくに四隅をどのように仕上げるのかというのは重要です。写真に限らず、隙間や四隅って視線が向かったり気になったりしませんか?
・色の構成を考える
・隙間を作らない
・反射光を使う
このようにひとつの写真のなかにポイントとなる要素を複数入れると写真の力強さが増すと僕は考えています。力強さが増すというのは初心者の方とはちょっと違うなと思わせる部分です。それは言葉にしても明白で、例えば……
「三分割構図を意識して撮りました!」
「三分割構図と色の配色、四隅を埋めることで写真の中央部分にいる被写体へ視線が向かいやすいように調整しました」
後者の写真のほうが「おっ」と思わせてくれるような写真なのではないかと想像できませんか。もちろん実際に写真を見ないとわからないこともありますし、前者の写真が素晴らしい場合もありますが、僕の経験上、複数の要素を入れて撮れる場所というのは限られていて、1度の撮影で何度も出会えるようなものではありません。
まとめ
写真教室やフォトウォークでモデルを立たせてから背景を考えている人を見かけます。慣れてくればそれでも良いのですが「まずは背景を考える、次に人物の配置を考える」というように慣れていないうちはひとつひとつをクリアしていくことがオススメです。たまには街にひとりで出かけ、「ここにモデルさんが立ってくれたら絵になるかも!」と想像しながらシャッターを切ってみてください。
■モデル:
五味未知子
■写真家:
コハラタケル
1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。
コハラタケルさんの連載記事はこちら
#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/483346238.html
#02 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/483447191.html
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/484139215.html
#04 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/484640119.html
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EXCERPT:
写真家のコハラタケルさんによる連載第五弾記事です。街撮りポートレートの撮影テクニックを紹介しています。作例と解説コメントを分かり易く説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,レンズ,人物_子供,撮影テクニック
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: オールドレンズを手軽にはじめる最初の一本におすすめ!|ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 01/08/2022 11:00:00
TAGS: オールドレンズ,レビュー
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BODY:
はじめに
今回のオールドレンズは「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」をピックアップしてみました。この「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」は初期型が1962年発売、前期型が1963年、後期型が1965年に発売になったレンズです。当時1964年に旭光学(ペンタックス)が発売した35mm一眼レフカメラ「ASAHI PENTAX SP」は全世界で400万台以上を売り上げており、そんなベストセラー機との組み合わせもあって、「Super Takumar 55mm F1.8」は中古市場の在庫も多く、非常にリーズナブルな価格で購入できるオールドレンズ代表格のようなレンズです。今回は、初期型・前期型・後期型から特徴のある後期型の「Super Takumar 55mm F1.8」を紹介いたします。
ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 の魅力
「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」の魅力はなんといっても、市場価格がとてもお手頃な価格。初めてのオールドレンズにピッタリなのでないでしょうか。ちなみに筆者が持っている後期型は6,000円弱で購入したものになります。
「Super Takumar 55mm F1.8」後期型の基本的なスペックは、
・焦点距離:55mm
・最短撮影距離:0.45m
・絞り開放:F1.8
・レンズ構成:5郡6枚
・絞り羽根枚数:6枚
・フィルター径:49mm
・マウント:M42マウント
初期型と前期型、後期型の見分け方は、レンズ銘の中の製造番号の位置から判断する事ができます。Super-Takumar文字の前に製造番号があるのが初期型と前期型になり、後期型はAsahiの前に製造番号があります。
製造番号がAsahiの前にあるので、このレンズは後期型というのが分かります。
この「Super Takumar 55mm F1.8」後期型は、ちょっと特徴があるレンズで別名「アトムレンズ」と呼ばれています。このアトムレンズというのは放射性物質を含んだレンズの総称です。アトムレンズと呼ばれるものは「Super Takumar 55mm F1.8」後期型以外にも同時期にいろいろなメーカーから発売されていたレンズも存在します。
使用されていた「酸化トリウム」は、レンズの屈折率の精度をあげる効果があるので描写力を向上させ、色収差を低減させた画像を得る事ができました。しかしアトムレンズにも欠点もあり、経年劣化によりレンズが黄ばんでしまうのです。レンズが黄色く変色してしまえば、撮る写真も黄色っぽい仕上がりになってしまいます。デジタルカメラで使用する分には、色温度設定で対応できますが、フィルムカメラで使用する場合は、撮る写真が黄色っぽいものになってしまいます。
この「トリウム」は放射性物質なので、被ばくの恐れもあり使用されなくなった経緯があります。製造から50年以上経過しているレンズですが、身体には影響をおよばさない程度の微量な放射線を発していることは確かな事実のようです。気になる方は後期型の購入はさけて、前期型をチョイスする方がよいでしょう。
今回「Super Takumar 55mm F1.8」を使用して撮影するにあたっては、カメラはソニーα7R IIIに、焦点工房のマウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」(M42マウントレンズ → ソニーEマウント変換)マウントアダプターを使っています。このマウントアダプターは実売価格で4,000円を切るお手頃な価格で入手できるマウントアダプターです。
「Super Takumar 55mm F1.8」自体が小さなレンズなので、マウントアダプターを装着してそれほど大げさな感じにはなりません。ソニー純正のFE50mmF1.8と同じ程度の大きさです。
現在のレンズに比べると小さくて重量感はしっかりとあります。アトムレンズなどと呼ばれてはいますが、とてもスタンダードなレンズなので写りに大きな個性を持っているレンズではありません。また、価格面では非常にリーズナブルに購入できるので、初めてのオールドレンズとして使いやすいレンズと言われ人気を得ています。
ただ、発売から年数が経過しているので程度の良い中古も少なくなっているようです。程度の良いものが適正価格で見つける事ができたらゲットしておきたいですね。できれば、当時のかぶせ型のレンズキャップの付いたものを入手するとベストです。
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
「Super Takumar 55mm F1.8」は絞りを開放で撮れば、少しノスタルジーを感じるボケを表現でき、絞れば芯のあるシャープな画像を映し出すレンズです。
オールドレンズを使って撮影する場合のカメラの設定やピント合わせなどのコツは、こちらの記事
「マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?」 をご参照下さい。
横浜・都内をスナップ
■撮影機材:SONY α7RⅣ + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF1.8 ISO125 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
お天気のいい日に、「Super Takumar 55mm F1.8」を持って横浜と都内を散策しながら撮影をしてみました。
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF16 ISO125 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
お天気の良い横浜山下公園からの大さん橋。絞りを絞って撮影しているのでオールドレンズといえども非常にシャープな画像になります。ホワイトバランスはAUTOで撮影しているので、レンズの状況(アトムレンズ特徴の黄ばみ)の影響が少しでている感じです。絞りを浅くして撮影すると、シーンによっては色収差が大きく発生する場合があります。画像を拡大すれば分かりますが、ベンチの白い部分や白い鉄柵の部分などで発生しているのが分かると思います。
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/6400 絞りF1.8 ISO125 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
順光で絞りを絞って撮影すると面白みは無くなりますが、オールドレンズの雰囲気は一切なくなりシャープな写りになります。
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF16 ISO125 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
逆に逆光で絞りを開けて撮影すると、オールドレンズらしく盛大にフレアーやゴーストが発生します。
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/5000 絞りF1.8 ISO125 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/8000 絞りF1.8 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
フレアーやゴーストの出やすいレンズでは、意図的にこういった楽しみ方をするのも面白いですね。
「Super Takumar 55mm F1.8」は、55mmの焦点距離で最短撮影距離も45cm程度と寄れるレンズなので、気になった被写体にぐっと寄って撮影できる魅力があります。
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF1.8 ISO125 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF1.8 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
白黒撮影
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF4 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
今回は少し趣を替えて、カメラの設定を白黒モードにして撮影をしてみました。というのも、「Super Takumar 55mm F1.8」が発売になった頃は、カラーフィルムが少し一般的に普及し始めた頃で、まだまだ白黒フィルムがメインで使われていた頃です。その頃の白黒写真の仕上がりをイメージしてスナップ撮影をしてみました。絞りを開けて撮ると全体的にニュートラルな柔らかい印象の仕上がりになるので、カメラ側のコントラストを上げた設定で撮影をしています。
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/3 絞りF16 ISO200 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
オールドレンズでもカメラボディの手ブレ補正が使用できるので、スナップ撮影での手持ちスローシャッター撮影でも心強い。
実際に白黒モードで撮影して、撮ったデータを見直して思ったことは、少し奇麗に写りすぎるのかな?と感じました。ISO感度をあげて粒状感を出した方が、より古い時代に近い雰囲気を醸し出せると思います。
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF16 ISO800 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/80 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
窓越しの逆光でも、絞りや露出補正で、味付けも大きく変わります。オールドレンズらしさを演出するには、絞りを開けて逆光のフレアーを活かすと白黒写真でも雰囲気を出すことができます。
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/40 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
※マウントアダプター焦点工房使用
まとめ
「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」はマウントアダプターも合わせて購入しても約1万円程度ですので、オールドレンズに興味を持った方、これからはじめてみたい方にはお手頃価格な魅力的な一本だと思います。大きな癖のあるレンズではないので、50年ほど経過したオールドレンズを使ってみたい方にも安心して使うことができると思います。購入する際にも、比較的中古在庫を多いレンズなので、品質を比較して予算に合わせて選ぶことも可能です。
■写真家:
坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
オールドレンズ関連記事はこちら
■マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?
https://shasha.kitamura.jp/article/483200571.html
■初めてのオールドレンズにおすすめ!
ツアイスレンズ コンタックス「プラナー T* G 45/2」「ビオゴン T* G 28/2.8」
https://shasha.kitamura.jp/article/483729656.html
■【オールドレンズレビュー】ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2|憧れのF1.2大口径レンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/484178734.html
この記事に使用した機材 【K&F Concept】KF-42E.P マウントアダプター
商品詳細ページ 【ペンタックス】SUPER-TAKUMAR 55mm F1.8
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんに、オールドレンズ「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 」をレビューしています。絞り開放が見せる魅力的なボケ味と絞った時の解像感をぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
オールドレンズ,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XFレンズコンパクトプライムシリーズ|XF23mmF2 R WR レビュー
BASENAME: 484987481.html
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 01/09/2022 10:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF23mmF2 R WR,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
富士フイルムのミニマムボディX-E4とXマウントコンパクトプライムシリーズ単焦点レンズと歩く第二弾。今回はXF23mmF2 R WRを連れて冬の街角を歩いてみました。シャッターチャンスを逃さず軽快に撮影が捗るスナップシューター必携のXF23mmF2 R WR。記憶に残したい日常を忠実に再現してくれる信頼度の高さ、その魅力をお伝えします。
■第一弾のXF35mmF2 R WR編は
こちら
■第三弾のXF16mmF2.8 R WR編は
こちら
小型軽量のXF23mmF2 R WRについて
XF23mmF2 R WR(35mm判換算:35mm相当)は2016年10月に発売されたレンズ。非球面レンズ2枚を含む6群10枚の光学設計を採用し、ステッピングモーター駆動による最速0.05秒の高速AFを実現しており、進化したXシリーズボディに相応しく作られ、単に小型軽量なだけではなく、機能も充実した高画質な単焦点レンズに仕上がっています。
インナーフォーカスによる静音かつ高速なAFに加えて、XF23mmF1.4 R LM WR同様に防塵・防滴・-10℃の耐低温構造を採用していることもあり、雨や埃、外気温を気にせず歩けるのでアクティブなシーン、スナップ撮影時に安心して活用できるのも嬉しい点です。
XF23mmF1.4 R LM WRと比較されることが多いと思いますが、AFの静粛さと俊敏さを最優先に考える撮影ならXF23mmF2 R WRが優れています。
X-E4との組み合わせはスッキリとしたシャープな印象
左からXF23mmF1.4 R LM WR/XF23mmF2 R WR/XF35mmF2 R WR
数本のレンズ携行に相応しいF2コンパクトプライムシリーズのサイズ
XF23mmF1.4 R LM WRは開放絞りが1段分明るい大口径レンズですが、質量300gとなり、X-E4とのボディバランスは前傾になり少々不安定。バランスを考えてレンズ選択することも大切なので、スナップ撮影の場合は単焦点レンズを数本持ち歩くことも考慮したい点です。見た目の小ささは撮影のしやすさにも繋がります。
標準レンズとなる35mmの画角
「標準レンズが1本欲しい。」と思う時に悩むのが、35mm換算で50mmか35mmだと思います。肉眼の視野に近いと言われ、議論されることの多い「標準レンズ」ですが、画角差はもちろん、被写体との距離の取り方によって大きく異なるのが標準レンズです。被写体に近寄って撮ることの多い筆者は32mm~35mm位を標準レンズとしています。
いずれも同位置からの撮影
上段:XF23mmF2 R WR=35mmの画角63.4° 客観的な視野
下段:XF35mmF2 R WR=53mmの画角44.2° 主観的な視野
広がりか、奥行きか。引けるのか、寄れるのか。このあたりを基準にして「標準レンズ」を持つのが良いでしょう。個人差があるので一概に言えませんが、画面の隅々まで状況を把握する点から見てもXF23mmF2 R WRはスナップシューターの標準レンズと言えそうです。
今までズームレンズしか使ってこなかったという方は、EXIF情報で一番撮影していることの多い焦点距離を探ってみると自分自身の「標準レンズ」が分かるはずです。
パースを活かした力強い描写を楽しむ
客観的な視野を持つ広角レンズらしく、パースペクティブを活かした撮影を楽しみたい。そんな時こそXF23mmF2 R WRの持ち味が活かされます。
広すぎず、狭すぎない広角レンズは、被写体との立ち位置やカメラを構えた時のちょっとした手首のスナップによるアングルや角度でパースの付き方を変化させながら楽しむことができ、さらにその迫力をX-E4ボディの有効画素数2,610万画素APS-Cサイズのセンサー「X-Trans CMOS 4」と画像処理エンジン「X-Processor 4」によって、しっかりと余すところなく写し込む解像感あふれる描写を堪能することができます。
階段を上りながらふと見上げた視線の先に消火栓の赤が目に留まってサッと撮った一枚。手すりへ写り込んだ青色のグラデーションもキレ良く冴えています。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/480秒 F/4.5 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 -0.3EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
旅先を想像しながら建造物を見上げて写した一枚は、陰影の深さと建材の細やかなディテールまで細部にわたり描写されていて見事です。カラークロームブルーによる濃い青空の色も美しい。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/1100秒 F/6.4 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 -1.3EV
■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
周囲が高層ビルに変わりゆく中で残された建物を照らす光と影が印象的でした。誇張されすぎないパースは視野に近い臨場感があります。道路を挟んで対角から全景を捉えることができました。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/340秒 F/4.5 ISO320 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
このレンズは細く狭い場所でも威力を発揮してくれます。旅先でもこうした場所に出会いそうだなと思い撮影した一枚。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/100 F/2.5 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV
■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
角度を付けて奥行きを活かした撮影では、東京の狭い路地を強調してくれました。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/85秒 F/2.5 ISO320 WB日陰 -0.3EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
駐車場ではフロントガラスに写り込んだ小さな空によってこの場所の狭さが伝わります。車一台がすっぽりと収まるように近づいて切り取ってみました。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/240秒 F/3.6 ISO160 WB太陽光 -0.3EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
窮屈になりそうな路地でも、パースの活かし方によってこのレンズ持ち味を楽しむことができ、足取りも軽やかにテンポよく撮影が捗る、そんな撮影スタイルまで考えられたレンズであることを感じます。
最短撮影距離とボケによる表現
最短撮影距離は22cm。パンフォーカスだけではなく、開放F値でボケの表現も楽しみたいならグッと被写体に迫ってみるのが条件。深度の深い広角レンズでは、むしろ近づかないとボケの効果や魅力が半減してしまいます。
その反面、ボケを積極的に取り入れる柔らかい描写の甘い表現よりも、画面の中にアクセントとして取り入れることで柔らかい雰囲気が活きてきます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/105秒 F/2 ISO160 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:スタンダード(PROVIA)
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/30秒 F/2 ISO160 WB AUTO +0.7EV
■フィルムシミュレーション:スタンダード(PROVIA)
■撮影協力:Taste of Tunisia
X-E4のチルトモニターを活用すれば座ったままでも気軽なテーブルフォトが撮影でき、カメラを構えて大袈裟にならないのでマナーとして気配りができるのも魅力のひとつ。会食や旅先で頂く料理などの撮影時も役立ちます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/210秒 F/2 ISO320 WB AUTO +0.7EV
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
ボケがキレイというだけではなく、近寄ることで活かされる奥行きによって周囲の雰囲気や背景・画面奥までを取り込むことができるので、余韻が伝わる表現ができるのもこのレンズの良さです。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/30秒 F/2 ISO160 WB AUTO +1.0EV
■フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
■撮影協力:Taste of Tunisia
日常を切り取る心地よさCandid Photoを味わう
周囲との関係性や人との距離感をリアルに感じられ、ストレートに切り取ることができるまさにCandid Photo(キャンディッド・フォト)のためのレンズ、XF23mmF2 R WR。何か特別なことがなくてもふらりと散歩に出かけて〝いつも〟を切り取る・記録するのに相応しく、「力を抜いた素直な気持ちで撮ろう。」と言われているよう。記憶に残したい日常を忠実に再現してくれる信頼感を抱きます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/340秒 F/5.0 ISO320 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/350秒 F/5.0 ISO320 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/125秒 F/3.2 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 +0.7EV
■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/240秒 F/4.0 ISO160 AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV
■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/600秒 F/5.6 ISO320 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
懐かしい、面白い、楽しい、美味しい。そんなそんな日常を純粋な気持ちでそっと写真に収める。まさにそんなレンズです。
おわりに
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm)
■撮影環境:SS1/480秒 F/4.5 ISO320 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
客観的視点に立ち、気負わず被写体との距離を保ちながら自分自身の視界を伝えることのできるXF23mmF2 R WRは、心が動いた瞬間にテンポよくシャッターを押していることが快感であり、「考えるより先にシャッターを切りたい」そんな気持ちに寄り添います。また、俊敏なAFによって同行者のいる旅先でもペースを乱さずに撮影が楽しめると感じました。
一瞬にして撮影した一枚、素直な気持ちで切り取った写真には、後に心に響くものが写し出されている気がします。XF23mmF2 R WRは、旅に、日常に必携の一本であることは間違いありません。
■写真家:
こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんによる、富士フイルム「XF23mmF2 R WR」のレビュー記事です。換算35mmの自然な画角でスナップを楽しめる、小型軽量な単焦点レンズです。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,単焦点レンズ,XF23mmF2 R WR,レビュー,スナップ,こばやしかをる
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー E 35mm F1.8 OSS × ペット|小川晃代
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 小川晃代
DATE: 01/10/2022 10:00:00
TAGS: E 35mm F1.8 OSS,ソニー(Sony) レンズ,犬/猫/ペット,単焦点
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BODY:
はじめに
ソニー E 35mm F1.8 OSS の魅力は何といってもコンパクトで軽量なレンズである事。今回は話題のZV-E10と組み合わせて撮影しましたが、私が今まで経験した中でも間違いなく最軽量。この組み合わせだと超コンパクトなのでカメラバッグは不要なほど。普段のお洒落バッグにポンと入れて持ち歩いても重さやボリュームは気になりません。これであればいつでも気軽に持ち歩けるので出かける時の良き相棒になります。また、高価である事が多い単焦点レンズですが、E 35mm F1.8 OSS レンズはお値段がお手頃なのにもびっくりしました!
ペットとの距離感がちょうど良いレンズ
本レンズはAPS-Cフォーマット専用となっていて撮影すると35mm換算で52.5mm相当の撮影画角となります。風景込みのスナップ撮影やボケを生かしたポートレート撮影まで幅広く使えるレンズです。このあたりの標準前後の焦点距離のレンズを使用する時に私が一番に確認するのはレンズの最短撮影距離です。ペット撮影では最短撮影距離は短い方が何かと使いやすいので、まずはじめにここをチェック。このレンズの最短撮影距離は30cmと短いので一人でペット撮影するのにもバッチリです。ペットの生き生きした様子を撮りたい場合には、一緒に遊ぶのが一番です。そのため右手にカメラ、左手におもちゃを持ってペットと遊びながら撮影をします。この時、ペットとカメラの距離はとても近くなるため、レンズの最短撮影距離は短い必要があるのです。
猫じゃらしを使って撮影した写真はコチラ。にゃんことの距離はちょうど30cmくらい、猫じゃらしをレンズ前にひらひらとさせたのでバッチリカメラ目線になりました。
■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:f/1.8 1/500秒 ISO1000 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当)
このような片手での手持ち撮影ではレンズの質量も重要です。E 35mm F1.8 OSS の重さはたったの154gですので片手でも楽々撮影できます。
自由きままな外猫の撮影では、猫たちに気づかれないように遠くからこっそり撮影する事が多いのですが、猫たちの息づかいを感じながら近くで撮影するのも良いもの。人慣れしている猫の場合は猫の方から人間に寄って来ます。このレンズであれば最短撮影距離が短いので、例え猫がカメラに向かって来ても大丈夫。カメラ前を通りすぎる所だってそのままパシャパシャと撮影出来ちゃいます。このような時に最短撮影距離の長い望遠レンズで撮っていると後ずさりしながらの撮影になってしまうのですが、E 35mm F1.8 OSS では後ずさりすることもなくこの近い距離感で撮れるのでむしろ猫に寄って来てほしいとさえ思ってしまいました。
■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO125 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当)
カメラを低い位置に構えて撮影。猫の目線で世界を見ているかのようです。人慣れしている猫はこのように近い距離でカメラを構えていてもへっちゃら。何事もなかったかのようにカメラの前を通りすぎていきました。
高速AFでストレスフリー
屋外で過ごすにゃんこ達は性格も様々で自由きままです。カメラを向けると怖がって逃げてしまう子もいれば、近づいてくる子もいたりといろいろですが、半野生の彼らはペットと違い「待って」は通用しません。普段から猫たちをよく観察して、次の動きを予測しながら撮影をしていますが、写真映えしそうな良いシチュエーションで、かつ良いポーズで居てくれるのはほんの一瞬です。カメラを向けて瞬時に構図を決めてシャッターを押しますが、ピント合わせの遅いレンズを使うと一瞬を逃してしまいますしストレスも溜まります。その点E 35mm F1.8 OSS は素早くピントが合ってくれるのでストレスフリーでした。
■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO1250 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当)
木々と岩に囲まれた空間で毛づくろいをしていた猫。カメラに気づき一瞬カメラを見た所を撮影。暗い&一瞬のシャッターチャンスという状況下でもしっかりとピントを合わせてくれました。
美しいボケ感
そして肝心なのは何といってもボケ味。小型で軽量なのでボケ味もそこまでなのでは?と疑ってしまいがちですが、この通り。ナチュラルでキレイなボケ味です。ボケ味が良いので主役のわんこがくっきりと引き立ち、立体感のある仕上がりに。そして色味も良いのでこの場の空気感をしっかりと伝えてくれます。
■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:f/1.8 1/4000秒 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当)
ボケ味の良さも去る事ながら青空とグリーンも実に美しいです。日差しの強い日の白い毛の被写体も綺麗に写し出してくれました。
こちらは子猫写真。ふわふわした柔らかい毛の様子がしっかりと伝わる写真に仕上がっています。このしっとりと落ち着いた空気感をしっかり描写してくれるのもうれしいです。開放で撮るとピントの合った部分がきりっとシャープでそれ以外はふんわりと優しいボケ味が得られます。
■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:f/1.8 1/800秒 ISO100 露出補正+1.3 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当)
ブルーの美しい瞳の輝きを鮮明に写してくれた1枚。さわりたくなるほど柔らかな毛の様子が繊細に描写されています。
■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:f/1.8 1/500秒 ISO1000 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当)
形が印象的な窓を背景にして撮影。窓の全体が写真に入るくらいに窓とにゃんこの距離を離して撮影しました。窓からの光がにゃんこを優しく照らし毛の輪郭がキラキラと輝いています。
何でもない場所でも素敵に描写してくれるので、片付いていないお部屋の中でも安心して撮影出来ちゃいます。ペットの何気ないシーンや撮りたい瞬間って急に来ますが、背景がいまいちだと撮ろうかどうしようかと迷ってしまいがちです。でもキレイにぼかしてくれるなら背景とか場所とか気にする事なく撮影出来るので嬉しいですよね。
お部屋撮影だけでなくお外でもそうです。例えばスカスカのお花畑や、特段絵にはならなそうな空間であっても、柔らかいボケ味が写真に加わるだけで一気に作品度がアップします。
こちらは夏の終わりに撮った写真です。暑さもやわらぎ秋になりかけの頃、遅咲きのひまわりがほんの少しだけ咲いていました。見る限りスカスカだったので最初は撮るのをためらいましたが、ひまわりを背景に開放値で撮影。すると小さいひまわり達の黄色いボケ感が良い感じに写り華やかな作品になりました。
■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:f/1.8 1/800秒 ISO100 露出補正+2 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当)
ひまわりの下の茎部分や土を写真に入れ込むと全体的に重くなってしまうため、それらが入らないようにバスケットを使いました。空が青空でなかったのは残念ではありましたが、全体的にさわやかな1枚になったと思います。
開放値F1.8の実力
最後に暗い場所で撮影した1枚を見ていただこうと思います。こちらは光がほとんど差し込まない木々の空間で撮影した1枚です。光が無い場所ではただでさえ撮りにくいのに、さらにそこに動きのある動物が入り込むと難易度がぐんとアップします。光が無い場所ではピント合わせが難しくなかなか被写体にピントが合ってくれません。使用するレンズによってはピントが合わず結局撮れなかったという事もあるほどです。しかし開放値1.8であるE 35mm F1.8 OSS は暗い場所にも強く、猫がカメラ目線を見せた瞬間を逃さずにピントを合わせてくれました。F値は開放のF1.8、ISO640で1/250秒で撮影。そういえばこのレンズ、光学式手ブレ補正が内蔵されているのでもう少しシャッター速度を落としても大丈夫だったなと後から気づきました。これよりもさらに暗い場所でも撮れると思うととても心強いレンズです。
■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS
■撮影環境:f/1.8 1/250秒 ISO640 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当)
カメラ目線で止まってくれた瞬間を撮影。かっこいい1枚になりました。
まとめ
軽量コンパクトで常に持ち歩きたくなるE 35mm F1.8 OSSは嬉しことにお値段もお手頃です。APS-Cセンサーサイズのボディとキットレンズを買われた方の次のステップアップレンズとしてもおすすめの1本です。普段使いから美しい風景の中でのペットのポートレート撮影まで幅広く使えるので是非使ってみてくださいね。
■写真家:
小川晃代
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持し、ペットや野良猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。
この記事に使用した機材
【ソニー】E 35mm F1.8 OSS
商品詳細ページ 【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 パワーズームレンズキット ブラック
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の小川晃代さんがソニー E 35mm F1.8 OSSのレビューをしています。可愛らしいにゃんことわんちゃんの作例を共に本レンズの魅力をご覧ください。
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KEYWORDS:
E 35mm F1.8 OSS ペット,動物,ZV-E10,ソニー,Sony,猫、犬
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AUTHOR:
TITLE: パナソニック LUMIX S5の星空適性を検証|写真・動画の両立を実現した良質な一眼!
BASENAME: 485107825.html
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CATEGORY: 成澤広幸
DATE: 01/11/2022 16:00:00
TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX S5,ミラーレスカメラ,星景/夜空/星空/天体,フルサイズ
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BODY:
はじめに
Panasonic「LUMIX DC-S5」(以下、LUMIX S5)は、2020年9月に発売されたフルサイズミラーレス一眼カメラです。同社のフルサイズ一眼で先行機であるDC-S1、S1R、S1Hと比べて非常に小型・軽量化されたモデルで、価格も20万円前後とフルサイズ一眼にしては比較的手に入れやすい価格が話題となりました。
LUMIXと言えば、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。初めてミラーレス一眼を作ったメーカー、動画に強いメーカーなど……正直に申し上げると、星空撮影に向いているという印象を持っている方はいないんじゃないかと思います。
実は私、以前から同社のカメラに関心が高く「そのうち使ってみたい」と思っておりました。そして発売から一年が経った2021年9月にLUMIX S5購入しました。私はほぼ全てのメーカーで星空を撮影した経験があるのですが、LUMIX S5はその中でも星空撮影への適性が高いカメラだと感じています。今回はLUMIX S5の魅力について星空撮影の観点からレビューしたいと思います。
高感度特性を星空撮影の面から検証
星空はゆっくりと動いており(地球が自転しているので実際は地面が動いている)、ずっと止まっている被写体ではありません。そのため、可能な限り速いシャッタースピードでの撮影が必要となります(と言っても10秒~20秒くらいはかかります)。その上で、適正露出を得なければなりませんので、星空撮影ではISO6400前後の高感度撮影が必要となります。でもそんなに感度を上げるとノイズがたくさん出るじゃん!と思いますよね?そうなんです。だから高感度撮影時の描写性能が気になるわけです。まずはLUMIX S5の高感度性能について見てみましょう。
以下の画像は、それぞれISO3200、ISO6400、ISO12800、ISO25600で撮影した画像です。同じ露出になるように、感度に合わせてシャッタースピードを変化させています。
次に、この画像のオリオン座の部分を拡大して比較してみます。
ちょっとびっくりしませんか。いや、私はびっくりしたんですけども。ISO12800のノイズの少なさ!なんじゃこりゃ!LUMIX S5にはGH5SやS1Hに搭載されている「デュアルネイティブISO」が採用されています。以下、メーカーHPより抜粋。
LUMIX S1から受け継いだ高感度性能に加え、当社製シネマカメラ VARICAMに搭載している独⾃技術「デュアルネイティブISOテクノロジー」を搭載。例えばV-Log撮影時にISO4000以上を必要とする低照度環境下では、ベース感度がISO4000に自動的に切り替わり、低ノイズ・高ISO回路を使用した撮影になります。これにより、通常の低ISO回路(V-Log時ベース感度640)で撮影した場合と比べてノイズを抑制した映像クオリティを実現します。作品の品質を大きく落とさず、照明機材のコンパクト化や定常光を活かした撮影が可能となります。
⼀般的なイメージセンサーは、単⼀の感度・ゲイン回路構成を有していることから、⾼感度になるほどノイズも同時に増幅されてしまうという課題がありました。1画素ごとに専⽤回路を2系統備えたデュアルネイティブISOテクノロジーは、「低ISO感度回路」と「低ノイズ・⾼ISO感度回路」の2系統を自動的に切り換えることで、⾼感度時もノイズを抑えた、より⾃然で美しい絵作りを可能にします。
前半は動画性能についての記述、後半は静止画についての記述です。つまり、ISO3200よりもISO4000以上の方が低ノイズということになってしまうと!この傾向を理解していないとLUMIX S5の性能を引き出せないことになってしまいますので注意しましょう。
上の画像でISO3200とISO6400を拡大して比較して見ていただきたいのですが、確かにISO3200と6400ではあまり差を感じないんですよね。そしてISO12800が一般的なISO6400くらいのノイズレベルに感じます。これが「デュアルネイティブISO」の力なのか……!!
星空撮影では高感度撮影時のノイズの少なさも重要ですが、同時に「画像処理がしやすいか」も重要だと考えます。高感度撮影時はダイナミックレンジが狭くなるため、もやっとした描写になりやすく、低ノイズであっても画像処理がしやすいかどうかは、実は別問題だったりします。
星空の写真はただでさえ高感度撮影でノイズが多い上に、光害などの余計な光を軽減したい場合があるので、画像処理をすることは前提と言っても良いでしょう。LUMIX S5はこの点においても合格で、高感度特性に優れていると同時に、撮影されたデータは非常に画像処理のしやすいものであると感じました。
■撮影機材:Panasonic LUMIX DC-S5 + SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art + Lee ソフトフィルターNo.1
■撮影環境:ISO12800,f2.8,SS10秒,WB:オート
Adobe Photoshop Lightroom Classicで画像処理
(シャドウ+30,明瞭度+20,シャープ0,ノイズ低減+20,カラーノイズ低減+30)
左が元データで、右が画像処理を加えたものです。ご覧の通り、元データが非常に優れていることがわかりますね。これなら左の元データからの撮って出しでもそこそこ使えそうな感じがします。画像処理があまり得意でない初心者の方にも良いカメラであると感じます。
シャドウ部の豊かな階調が魅力的
LUMIX S5を使用していて感じたことは、シャドウ部の画像処理がしやすいという点です。シャドウ側に余裕を持たせているのか、画像処理時にシャドウを明るく補正したときの諧調が非常によいのです。これは完全な私の感覚で根拠がない話ですが、反面、白飛びしやすいような印象もあり、画像処理での白飛び復元がしにくいようにも感じます。
通常は露出アンダーなシャドウ部にノイズが発生しやすいため、画像処理時にシャドウ部が復元しやすいよう”多少白飛びしても少し露出オーバーめに撮影”することが多いのですが、LUMIX S5を使用するときは白飛びに注意しながらカメラの設定をします。多少黒つぶれしていても、画像処理時にきれいに明るさを補正できる感じが、他社カメラよりも優れていると感じました。もちろん限界はありますが、露出アンダーと、露出アンダーによる暗部ノイズの発生を恐れずに撮影することができます。
■画像処理前の元データ
■上の写真のシャドウを大きく補正
顕著な例をお見せします。上の画像は画像処理をしていない状態の元データです。完全に同じ撮影データではないのですが、どちらも露出アンダーで黒つぶれ気味の画像です。もうひとつの画像は、景色が確認できるくらいにシャドウを明るく補正したデータです。このように、露出アンダーのシャドウ部分を明るく補正すると、ざらつきや赤いアンプノイズなどが発生しやすいのですが、LUMIX S5の場合はこのようなノイズが発生しにくい印象です。
もうひとつ作例をお見せします。これは完全に露出アンダーで撮影したものを、大幅にシャドウ部を明るく補正しました。素直な感じで明るく補正できていることがわかります。ただ、さすがにここまでやると、拡大して見れば白い輝点ノイズもありますし、ダイナミックレンジが低下して不明瞭な感じになっています。露出アンダーすぎるとこのようになってしまいますので、失敗作品をカメラの力でなんとかできるわけではないことに注意しましょう。
また、星空を撮影するユーザーは「赤」の写りを気にします。HⅡ領域という、近赤外(656nm)あたりの波長のことを指しますが、大手メーカーではホワイトバランスに影響があるということで、ここを大幅にカットしており、星空の空間に存在する赤い色が写りにくくなっているのです。LUMIX GH5Sを使用したときは、HⅡ領域があまり映らないイメージでしたが、LUMIX S5はこの領域をそこそこ通してくれており、星のみを撮影する天体写真の分野でも活用できると感じました。
■撮影機材:Panasonic LUMIX DC-S5 + LUMIX S50mm f1.8
VIXEN 星空雲台ポラリエUで追尾撮影
■撮影環境:ISO12800,f4,SS60秒x10枚(総露出時間600秒),WB:太陽光
Astroarts ステライメージ9で10枚を加算平均合成
Photoshop CCで画像処理
ゴリゴリに画像処理した天体写真を見せても意味がないと思いますので、加算平均合成後に彩度を+50した画像をご紹介します。オリオン座付近を撮影したものですが、左上にあるバラ星雲やオリオン座付近のバーナードループなどが写っていることが確認できます。一般的なカメラとしては、まずまずHⅡ領域が写る機種だと感じました。
豊富なLマウントレンズ:星空撮影時のベストレンズは?
Lマウントアライアンスはパナソニック、シグマ、ライカが提携したレンズマウントの規格。この3社が発売しているレンズをLUMIXでは使用することができます。シグマから発売されているMC-21を使用すれば、キヤノンEOSマウントからの変換も可能ということで、非常に豊富な選択肢が生まれることになります。
私は現在、SIGMA 14mm F1.8 DG HSMにMC-21を介してLUMIX S5で使用しています。ここまでご紹介した星景写真はすべてこの組み合わせで撮影しています。LUMIX S5ユーザーとしてはぜひ持っておきたいアダプターです。
マウントコンバーター MC-21を使用してレンズを装着
ですが、所詮は一眼レフ用のレンズなので、ミラーレス専用設計のレンズ精度には及びません。おそらくLUMIX S5と最も相性の良いレンズはSIGMA 14-24mm F2.8 DG DNでしょう。星景写真のために設計されたレンズとSIGMAがうたっている通り、もともと素晴らしいレンズですし、やはりミラーレスならではの短いフランジバックを生かした専用設計となると、非常に高画質で周辺までピシッとシャープな写真が撮れます。今回は残念ながら時間がなく、この組み合わせでの十分な作例を撮ることができませんでしたが、最もおすすめできる組み合わせなのは間違いないでしょう。
LUMIX S5にSIGMA 14-24mm F2.8 DG DNを装着
使ってみて良かったところ
①液晶モニター拡大時の詳細な設定
VIDEO
星を撮影するときはピント合わせをマニュアルで行います。液晶モニターに写っている点光源を拡大し、ピントリングを回す。点光源が大きくなったり小さくなったりしますが、もっとも小さくなったときがピントが合っているときということになります。
液晶モニターの拡大率が20倍まで上がるので、非常に精度の高いピント合わせが可能です。また、拡大ポイントを非常に細かく選べるのもポイントが高いです。他社のカメラでは拡大ポイントが細かく設定できず、点を真ん中に配置したいのにできず、カメラの構図ごと変えなければならないときがありますが、LUMIX S5は非常に細かく拡大ポイントを選択することができ、それをタッチパネル方式で選べるのも便利な点です。液晶をピンチアウトしても拡大することができます。
②液晶ブーストモード:ライブビューブースト(MODE1,2)
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星空撮影地は真っ暗なので構図の確認がしにくいのですが、LUMIX S5に搭載されている「ライブビューブーストモード」がとても心強いです。
■ライブビューブースト
MODE1:明るさ弱め、液晶表示のなめらかさを優先。
MODE2:明るさ強めの設定で、星空撮影時には天の川の位置も確認できる。星景写真の構図決めで頻繁に使用する設定。
カスタム設定に割り振っておくと、一発で呼び出せるのでとても便利です。注意点としてはライブビューブーストをONにすると、液晶画面のフレームレートが遅くなるため、カクカクした動きになります。構図を決めるときや、ピント合わせに明るい星を探すときなどはONにし、実際にピント合わせ(フォーカスリングを動かす)をするときはOFFにすることをおすすめします。
③ライブビューコンポジット
■撮影機材:Panasonic LUMIX DC-S5 + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:ISO1600,24mm,f2.8,SS10秒
ライブビューコンポジットモードで撮影、撮影時間約20分。
カメラ内比較明合成で、星を軌跡にして表現することができます。どこまで軌跡になっているのかが常時表示されているので、撮影終了のタイミングがつかみやすいです。合成途中の画像は残らず、最終画像のみが保存されますのでタイムラプスへの応用などはできませんが、初心者にはとてもありがたい機能です。電子シャッターでは使用できない(メカニカルシャッターのみ)ので撮影時の設定に注意!
ライブビューコンポジット撮影開始直後の液晶画面
ライブビューコンポジット16分経過時の液晶画面。
時間が経つほど軌跡が長くなっていきます。このように軌跡がどこまで伸びているのかをリアルタイムで確認できます。
良いところばかり言いましたが、もちろん気になる点もあります。今後の改善に期待したいですね。
①カメラボディはPD非対応だが、バッテリーチャージャーはPD対応
電気を供給し続けながら撮影できるUSB給電に対応していますが、バッテリー切れの心配がなくなる便利なUSB給電方式・PD(Power Delivery)は非搭載。そのため、長時間の動画・タイムラプス撮影でUSB給電をすると、いずれは電池が切れるというリスクがあります。でも充電器はPDに対応しています。
②レリーズ端子
レリーズやマイクの端子には3極と4極があります。プラグに黒い線2本が3極、3本が4極です。カメラのメーカーの多くは3極を採用していますが、LUMIXは4極のレリーズ端子が採用されているんです。LUMIXだけ使用している方は問題ないですが、私のように他社カメラと併用している人は要注意!
③ナイトモード(赤色表示)
液晶画面を赤色表示することができる「ナイトモード」は、暗所での撮影で目に刺激を与えたくない場合にはとても有効的です。ただ、ナイトモードにすると撮影した写真を確認する際も赤色に表示されてしまうため注意してください。
④常時プレビュー
露出やホワイトバランス、絞りなどの効果を液晶モニターに反映する「常時プレビュー」。他社にも搭載されている機能なので特に変わった部分はないように感じると思いますが、LUMIX S5では昼間に撮影するときはON、星空を撮影する場合はOFFにすることを推奨します。
星空撮影で「常時プレビュー」をONにしたままにしておくと、露出効果がそのまま反映されてしまうため、例えばシャッタースピードを5秒に設定すると5秒おきに画像がモニターに表示されるようになり、構図などの確認がしづらくなります(液晶のフレームレートよりも露出効果が優先されてしまう)。しかしながら昼間の撮影では常時プレビューをONにしておかないと、シャッターを切った瞬間に全く違う露出の画像が表示されることになります。最初は戸惑いましたが、昼間はON、夜はOFFに切り替えしやすいよう、Fn設定などに振り分けておくことをおすすめします。
作例
■撮影機材:Panasonic LUMIX DC-S5 + Vixen SD103S + SDフラットナーHDキット
■撮影環境:ISO25600,SS0.5秒,811mm,f7.9,WB:太陽光
DxO Pure Rawでノイズ低減後、Photoshop Lightroomで画像処理、トリミングなし
富士山測候所の後ろから昇ってきた細い月。光が当たっている部分が測候所の両脇から顔を出した瞬間を撮影する、通称「イヤリング富士」。遠方にある地上風景を撮影するにはレンズ枚数の多いカメラ用レンズだと描写が甘くなってしまいます。しかしながら、遅いシャッタースピードだと月がブレてしまうため、可能な限り速いシャッタースピードで適正露出を得たい。速いシャッタースピードで撮影するには明るいf値と、月の面積比を増やすための望遠効果も必要です。
いろいろと考えることが多い奥深い撮影ですが、ややf値の暗い望遠鏡でもLUMIX S5の高感度特性の良さでなんとか撮影することができました。左上にちょっと彩雲がでていて、それが構図内にもっと入っていればパーフェクトでした……。
まとめ
いろいろと独特の操作感があるため良いこと悪いこと書きましたが、総じて私はこのカメラを気に入ってます!高感度性能は素晴らしく今回触れませんでしたが動画性能も素晴らしいです。特に絵作りに影響を及ぼす「フォトスタイル」はスタンダード、L.クラシックネオ、シネライクD2あたりはカラーグレーディングも必要としないくらいで非常に重宝しています。
星空撮影者の中ではマイナーなLUMIXですが、今回使用してみて過小評価されているというか、こんなにもトータルバランスに優れた魅力的なカメラなのかと驚愕しました。現在すでにLUMIX S5を使用している人にも、今回の記事が参考になれば嬉しいです。
私の過去のライブ配信では、LUMIX S5で撮影した星空画像を画像処理する過程をお見せしています。今後もLUMIX S5関連の動画をアップ予定ですので、ぜひチャンネル登録してみてくださいね!
VIDEO
■写真家:
成澤広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」
・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
星空写真家の成澤広幸さんによる、パナソニック「LUMIX S5」レビュー記事です。星空撮影における高感度性能や描写性能、使い勝手などを細かく解説していきます。
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KEYWORDS:
パナソニック,Panasonic,LUMIX S5,レビュー,星景,星空撮影,成澤広幸
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AUTHOR:
TITLE: おすすめ撮影スポット Vol.2『宍道湖の夕陽』|カメキタ店舗スタッフに聞いてみた!
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 01/12/2022 16:00:00
TAGS: おすすめ撮影スポット
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はじめに
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.2。今回紹介する撮影スポットは、島根県松江市にある「宍道湖」。日本の夕陽百選に選ばれるほどの絶景スポットです。この撮影スポットの魅力やおすすめの撮影方法を、カメラのキタムラ 松江店の田北淳二さんに聞いてみましたのでご紹介します。
撮影スポット情報
■宍道湖(しんじこ)
住所:〒690-0049 島根県松江市・出雲市
アクセス:松江駅から徒歩約25分
または、駅からバス南循環線内回りに乗車「県立美術館前」下車徒歩7分
おすすめの被写体:夕陽の撮影
「瀬長島」の魅力と撮り方
― 「宍道湖」の魅力、好きな理由
宍道湖の夕陽は「日本の夕陽百選」に選ばれるほど美しく、湖に浮かぶ嫁ヶ島が見えるこのスポットは駐車場やテラスやベンチ、歩道なども整備されており地域に愛されています。また、観光客も沢山訪れることから日没前にはたくさんの人が集まり夕陽に照らされます。その情景に心を打たれました。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD
■撮影環境:焦点距離 24mm|F8 1/250秒|ISO100|露出補正+0.33EV
― おすすめの撮影時間
日没前からの撮影準備がおすすめです「夕陽指数」はこちらでご確認ください
https://www.kankou-matsue.jp/omoshiro/sunset/sunset_information
― おすすめ構図
嫁ヶ島や袖師地蔵を入れた構図が人気です、天気の良い日は観覧遊覧船が嫁ヶ島に近づきますので夕陽と一緒の構図もおすすめです
■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD
■撮影環境:焦点距離 60mm|F7.1 1/180秒|ISO400
― 好きな画角
撮影スポットであり観光スポットでもあるので、広い画角を使い夕陽に染まる人々をシルエットで捉えるのが好きです
― 撮影時におすすめのアクセサリー
ハーフフィルターを使えば撮影の幅が広がります。撮影中、効果が画面上で実感できるのでハーフフィルターの使い方がわからない方はぜひここで試してみてください!また、当店で夕陽の撮影をされているお客さまは、スリックの4段三脚「VS-543AS」をよく購入されます。構図の自由度を高めることが出来る三脚なのでオススメさせて頂きます。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD
■撮影環境:焦点距離 70mm|F2.8 6秒|ISO1600|露出補正-0.33EV
― 作例を撮った時に考えたこと・思い
数えきれないほど訪れている場所ですが、同じ夕陽は一度もなく、また撮影した時に考えることも同じ数だけありました。「今日はいい夕陽が撮れないかな」と毎回考えますが、撮っているうちに撮影とは関係のないことなどを思い浮かべ、「今日も夕陽を見て心が洗われた」と感じます。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD
■撮影環境:焦点距離 176mm|F5 1/1250秒|ISO100|露出補正-0.33EV
― 撮影スポット周辺のおすすめ情報
周辺には岸公園や白潟公園、県立美術館などがあり市民の憩いの場となっています。宍道湖は人気の観光地でもあり、夕陽以外の撮影も楽しめます
― おすすめのカメラ設定
夕陽の撮影時には強い光源が入るため、表現に適した露出に調整することをオススメします。
■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD
■撮影環境:焦点距離 35mm|F3.5 1/3200秒|ISO100
今回のスタッフ
■田北淳二さん(カメラのキタムラ 松江店)
― 普段、写真はどうやって勉強していますか
撮影、確認、プリントを繰り返しました。また店頭のお客様やSNSで見てもらい、頂いた意見も勉強になりました。撮影していく中で「物語を感じる写真」が好きで、見て頂く方にそれを感じてもらえるよう日々撮影しています。
■撮影機材:キヤノン EOS6DMarkII + タムロン SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD
■撮影環境:焦点距離 135mm|F5 1/125秒|ISO100
【お店の紹介】
カメラ・レンズは新品、中古、それに伴うカメラ用品のご相談などお任せください!今回ご紹介した撮影スポットの行き方や撮り方などお気軽にご質問ください。また、証明写真や通常のプリントサービスも実施しておりますので、お写真のお困りごとはぜひカメラのキタムラ松江店へ!
店舗住所:島根県松江市本郷町1-22
営業時間:10:00-19:00
TEL:0852-26-9151
URL:https://blog.kitamura.jp/32/4500/
以上、カメラのキタムラスタッフが紹介するおすすめの撮影スポット紹介でした。今後も定期的に全国の撮影スポットを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
■おすすめ撮影スポット
記事一覧はコチラ からご覧ください。
この記事に使用した機材 【キヤノン】EOS 6D MarkII ボディ
商品詳細ページ 【タムロン】SP 24-70mm F/2.8Di VC USD G2
商品詳細ページ
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EXCERPT:
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.2。今回は島根県松江市にある「宍道湖」を紹介します。日本の夕陽百選に選ばれる絶景スポットです。
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KEYWORDS:
おすすめ撮影スポット,カメラのキタムラ,宍道湖
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.1 撮影フォーマットの基礎知識
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CATEGORY: SUMIZOON
DATE: 01/13/2022 16:00:00
TAGS: 動画撮影・編集
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はじめに
ここをご覧の方の中には動画撮影・編集を始めて見たいけど、動画は良く分からない用語が多くてどの設定で撮ったらいいのか分からない、編集もどうやって始めたらいいのか分からないという方も多いかと思います。
今回はこれから映像制作をはじめたい方向けに撮影フォーマットの説明、撮影~編集、書き出しまでをなるべく分かりやすい様に説明したいと思います。
第一回は撮影フォーマットの基礎知識。映像制作をする上で、知っておいたほうが良い内容をまとめました。
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ちょっとした日常も編集して形に残すことは楽しい
LUMIX S5のLogプロファイルにて撮影(スチルカットはG100を使用)
撮影フォーマットの基礎知識
まず撮影する際に分かりにくいとされる撮影フォーマットの用語について記載しておきたいと思います。初めて動画を撮影される方が頭を悩ませるものにフレームレート、解像度、ビット深度、カラーサンプリング形式、圧縮方式、ガンマ設定というものがあります。
LUMIX S1Hの画質選択メニューの例
動画画質を選択すると機種にもよりますが、これらの情報が表示され、この情報を見ながら撮影フォーマットを選ぶことになります。それぞれ何を示しているか、映りにどう影響があるかについて紹介します。
解像度(4K/FHD)とは?
撮影フォーマットの選択画面には必ず4K/FHDなどの解像度を選択するメニューがありますが、これは記録画素数と考えてください。
最近のカメラでは多くが4K(3840x2160)の撮影が可能となりましたので、4Kで編集したいという方は多いかと思います。4Kで撮影した映像は解像感が高く、SNSなどにアップする上においては写真と見まがうほどの解像感得られますが、再生・編集時のPCへの負担が大きくなります。後述する様にご自身のPCのスペックに見合う解像度(編集でストレスを感じない解像度)で撮影するのが良いかと思います。また、カメラによってはフレームレートによっては画角が変わる事があります。
フレームレートとは?
フレームレートは1秒間に記録するフレーム数と考えてください。24p(24fps)であれば1秒間に記録されるフレームの数は24枚、60p(60fps)であれば1秒間に記録されるフレーム数は60枚という事になります。このフレームレート数値は大きい程より滑らかな動きの表現が可能となるのですが、いつでも滑らかな映像が良いかというと、そういう言うわけでもありません。
例えば映画はそのほとんどが(スロー撮影を除いて)24pで撮影されています。動きが滑らか過ぎるというのは、リアルな動きを再現できる一方で現実的すぎる傾向にあります。映画の様なコマ落ち感のある如何にも映画的な動きを表現したいのであれば、24pを選ぶとよいかと思います。尚、私は汎用性の高い30pを使用する事が多いです。
また、60pで撮影して30pの動画編集を行えば、コマ落ちなく半分の速度(50%)のスロー動画を作ること可能となります。同様に120pで撮影すれば速度を1/4のスロー動画を作ることが出来ます。
※尚、ここでは24pは23.97p、30pは29.97p、60pは59.94pと同義語として扱っています。
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60p撮影で50%スローを適用した例(LUMIX GH5Sにて撮影)
4:2:2/4:2:0とは?
カメラのスペック表を見ていると動画記録時の設定に「4:2:2」や「4:2:0」などの表示がされていることがあると思います。これはカラーサンプリング(クロマサブサンプリング)形式と呼ばれるものです。
詳細は割愛しますが、カメラは動画記録する際には輝度と色差という情報に分けて記録します。色情報である色差を間引いて記録する方式がクロマサブサンプリングと呼ばれるものです。人間の目は輝度情報よりも色情報に鈍感であることから、データを間引く際には色情報を間引くことで少ないデータ量で記録を行う処理をします。
4:2:2は水平方向に半分に色解像度を間引きます。更に4:2:0は水平及び垂直方向に半分に間引く処理をして記録する方式です。4:2:0に比べて4:2:2は間引き量が少なく高品質な記録ができる方式です。
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4:2:2 10bit撮影(LUMIX S1撮影)
10bit/8bitとは?
10bit/8bitもスペック表や動画の記録設定で見かける表記です。これはビット深度と呼ばれるもので記録時の映像の階調性をあらわすものです。10bitは8bitに比べて圧倒的に綺麗なグラデーション表示が可能です。
ほとんどのカメラが動画では8bitフォーマットで記録されますが、LUMIX GH5/SシリーズやSONY α7S IIIなどでは10bitの記録フォーマットで撮影することが可能です。これは後述のLog撮影におけるカラーグレーディングを行った際に、映像が破綻しにくい特徴があります。特に動画編集時に色味を変更するような事を行わない場合は8bitフォーマットで十分です。
また、10bitデータはPCに大きく負担がかかりますので、10bitデータを扱うには高いパフォーマンスのPCが必要です。
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8bitと10bit素材を同じ環境でグレーディングした場合の映像の見え方を説明したもの。10bit素材の有効性がわかるかと思います。
コーデック H.264/H.265(HEVC)とは?
上のメニューの写真には示されていませんが、動画の記録は一般的なミラーレスではH.264もしくはH.265にて記録することになります。この2つについても少し解説しておきます。
H.264もH.265(High Efficiency Video Coding -HEVC-)も動画圧縮規格の事です。ほとんどのミラーレスカメラで撮影したFHDの解像度の動画はH.264記録となります。最近は4K10bitが記録できるカメラでは少ないデータ量で高画質を実現できるH.265を採用しているカメラが増えてきています(H.264で記録できるカメラもあります)。
また、4K60pの10bit記録できるカメラのほとんどはH.265形式となります。(一部業務用カメラでは例外があります)一般にH.265はH.264に比べて半分のデータ量で同じ画質を実現すると言われていますので、良い事ばかりのH.265の様に聞こえますが、H.265はH.264に比べてPC側の負担が大きく、編集する際には比較的ハイスペックなPCが必要になるケースが多いです。
H.265を常用される場合は、ご自身のPCがH.265の再生、編集に耐えられるかを確認頂くのが良いかと思います。
LongGOP(IPB)/ALL-Iとは?
これも動画撮影を行った事のない方にはあまりなじみがないと思いますが、例えば先に述べたH.264の中でもLongGOPとALL-Iなど動画の圧縮方式に分けられます。LongGOPは時間方向に圧縮がある方式で、ほとんどのカメラに搭載されている圧縮方式です。
ALL-Iは時間方向の圧縮の無い方式でPCでの再生時に負担が少なく、画質も有利なのですが、記録容量が大きくなるためミラーレスカメラの動画機能では限られた機種にのみ搭載されています。LongGOP/ALL-Iを選択できないミラーレスカメラは基本的にLongGOP方式だと思って頂いて良いかと思います。
ビットレートとは?
たとえば、上の写真の例ですと、100Mbpsと表示されています。これは1秒間に記録するデータの大きさを示しています。つまり10秒撮影すると1000Mbit≒1Gbitとなります。8bitは1Byteになりますので100Mbpsの設定で10秒撮影するとそのデータ量は約120MByteのデータを記録する事になります。
このビットレートは大きければ大きいほど高品質に撮影することができます。通常の4K撮影であれば100Mbps、FHDであれば25Mbps程度で十分な品質を得ることが出来ます。ご自身の撮影するカメラのビットレートを確認してみると良いかと思います。
Log撮影とは?
動画撮影においてカメラのダイナミックレンジを最大限に活かす記録方法(プロファイル)です。通常のプロファイルでの撮影が「完成された料理」に例えると、Log撮影によって得られた動画は「下味をつけた料理素材」に近いと言えます。
Logは撮って出しに使用する撮影方法ではなく、トーンの調整をする、LUT(ルックアップテーブル)を適用するなどの処理を経て動画を仕上げる作業が必要です。つまりある程度自分なりの味付けが可能な素材という事になります。
LUMIX S5のフォトスタイル選択画面 Log撮影(V-Log)を選択したところ
広く使われている8bit撮影でもそれなりの調整幅がありますが、10bit撮影であれば余裕のある調整幅が得られます。なお、ホワイトバランスなどは焼き付けれられているため、色相、ホワイトバランス、トーンなどを大きく変更するような調整を行うと画が破綻しますので注意が必要です。あくまで記録フォーマットはH.264やH.265の一般的なコーデックで記録される形式であり、あくまでトーンが特殊なものだと考えてください。
また、このLogプロファイルで撮影された素材に関しては、通常のガンマ(トーン)に変換するLUTが各メーカーからリリースされています。
RAWとは?
センサーからのデータをほぼそのまま記録する方法です。RAWは料理に例えると、全く味付けされていない料理素材そのものです。その為、Logよりも自由度の高い画作りができます。スチルのRAWは当サイトをご覧の皆さんの多くがその恩恵を感じていると思います。そのRAWがこの数年、動画撮影において一般のユーザーが使えるレベルになってきました。
ただし、動画RAW撮影の多くは外部レコーダーによる収録が前提であり、撮影したRAWデータが編集ソフト(NLE)の読込み/編集に対応していないケースがあります。気軽に撮影できるものでは無いにせよ、色味/露出を後処理で変更する場合はベストな記録方法であり、画作りを追い込みたいのであれば是非使って頂きたい記録方式です。
LUMIX S5の例
Blackmagic Video Assist 12G HDRを接続した場合RAW動画収録ができる
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BlackmagicRAWフォーマットの撮影例(LUMIX S1H撮影)
まとめ 結局動画を撮る時にどんな設定を選べばいいのか?
以前、私の個人SNSと主宰するフォーラムで、趣味の撮影で使うフレームレートについてアンケートを取ったところ、汎用性の高さから30pの使用率が一番高い結果となりました。私自身も特別理由が無い限りは30pで撮影、編集を行う事にしています。
動画をこれから始めたいという方に対しての意見ですが、PCのスペックに余裕があるのであれば、まずは4K 8bit 30p 、PCのスペックが不安な方はFHD 8bit 30pあたりから動画編集を初めてみるのが良いかと思います。PCの環境に合わせてより解像度の高い4Kや10bitを使っていく事をお勧めします。
■ビデオグラファー:
SUMIZOON
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。現在Youtube「STUDIO SUMIZOON」チャンネル登録者は1万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。
『映像制作入門』連載記事はこちらからご覧頂けます
■動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.2 DaVinci Resolveを使用した動画編集のワークフロー
https://shasha.kitamura.jp/article/485127256.html
■動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.3 素人丸出しの動画にならないために撮影時にできること
https://shasha.kitamura.jp/article/485131546.html
この記事に使用した機材
【パナソニック】LUMIX DC-GH5S-K ボディ
商品詳細ページ 【パナソニック】LUMIX DC-S1H-K ボディ(中古)
商品詳細ページ
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EXCERPT:
ビデオグラファーのSUMIZOONさんによる映像制作入門連載記事のvol.1「撮影フォーマットの基礎知識」です。動画撮影における基礎知識を実際の動画例を用いて解説しています。
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KEYWORDS:
動画編集,SUMIZOON
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム GFX50S II|旅に持っていける中判ミラーレスカメラ
BASENAME: 485164644.html
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CATEGORY: 三田崇博
DATE: 01/14/2022 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,GFX50S II,レビュー,ミラーレスカメラ,ラージフォーマット
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はじめに
こんにちは。旅写真家の三田崇博です。今回は富士フイルムから2021年9月に発売された「GFX50S II」をレビューします。このカメラは名前の通り、2017年に富士フイルムが初めて発売したラージフォーマットセンサー搭載の「GFX50S」の後継機種という位置付けです。GFX50シリーズで見れば、2018年に登場したレンジファインダータイプの「GFX50R」に続く3機種目ということになります。また、先に発売された1億画素(正確には1億200万画素)を誇る「GFX100S」の5000万画素版(正確には5140万画素)とも言えます。
ラージフォーマットについて
まずはGFXシリーズに搭載されているセンサーについて少し触れておきたいと思います。搭載されるセンサーは「ラージフォーマット」と呼ばれ、フルサイズセンサーの約1.7倍、APS-Cセンサーの約4倍の面積があります。それにより同じ画素数のカメラであれば1画素あたりの受光面が大きくなり、より受け取る光の量が増えるのです。
具体的にはダイナミックレンジがより広く、高感度でのノイズが少なくできるというメリットがあります。ただ、センサーが大きな分ボディやレンズが大きく重く、価格も高くなるということもあり、これまで旅に持っていくには少しハードルが高い印象でした。参考までにフィルムカメラの中判645はフィルムサイズが60mm×45mmのため(ラージフォーマットセンサーは43.8×32.9mm)、それに比べると一回り小さなサイズとなります。
センサーサイズの比較(画像は富士フイルムHPより)
GFX50S IIとGFX50Rの比較
本来ならGFX50Sと比較するべきなのかもしれませんが、ここではGFX50シリーズで一つ前の機種に当たる、GFX50Rからの主な進化点や違いを見ていきたいと思います。ちなみにGFX50Rが発売されたのは2018年11月でしたので、約3年前ということになりますね。
左:GFX50S II 右:GFX50R
1. ボディ内手ブレ補正の搭載
これがGFX50Rからの最大の進化ではないでしょうか?これまで三脚での撮影が必須だと言われてきた中判デジタルですが、ボディ内手ブレ補正があることで手持ち撮影での自由度が格段にアップしました。特に旅先でのスナップ撮影などの時にはとても役立ってくれると思います。6.5段(CIPA規格準拠、ピッチ/ヨー方向、GF63mmF2.8 R WR装着時)の補正効果は、実は上位モデルのGFX100Sの6.0段を上回っています。
2. 画像処理エンジンの違い
センサーは同じですが画像処理エンジンは異なっています。GFX50Rでは「X-Processor Pro」でしたが、GFX50S IIではX-T4などと同じ最新の「X-Processor 4」になっています。これによりAF速度の向上や、顔・瞳認識の精度がアップしています。
3. 可動式の背面モニター
これはGFX50Sには搭載されていたのですが、GFX50Rでは小型化のためになくなってしまいました。GFX50S IIではこれが復活し、3方向のチルト式液晶モニターが採用されています。縦位置撮影のときにも使いやすくなったと感じます。
4. 撮影枚数
GFX50Rの400枚からGFX50S IIでは455枚に増えています。また、バッテリーがX-T4やGFX100Sと共通の「NP-W235」となったことで、他機種とのバッテリーの使い回しもできるようになりました。私はX-T4と併用しているので非常に助かっています。
5. 大きさ
GFX50R(160.7x96.5x66.4mm)と比べると、GFX50S IIは150x104.2x87.2mmと横幅は短く、高さと奥行きは長くなっています。実際に比べてみると、GFX50Rが箱型なのに対してGFX50S IIはスリムな印象です。重量も819g(バッテリー・メモリーカード含まず)とGFX50Rの690gよりも増えていますが、実際に持ってみるとグリップ部分が深いので手にフィットしてその重さを感じることはほとんどありませんでした。手ブレ補正まで搭載されてこの重量にできたのはむしろ革新的だと思います。
6. 価格
画質がいいのは分かっていても、レンズを合わせると100万円は下らないカメラとなるとそう簡単には手が出ません。ですが、GFX50S IIはレンズキットで50万円を切る価格(2022年1月現在)で購入することができます。この価格でしたらフルサイズミラーレスカメラを買おうと思われている方にも選択肢のひとつになるのではないでしょうか。
作例
GFX50S IIを購入してからこの3か月で地元の奈良をはじめ、北は青森から東は東京、南は和歌山まで仕事や撮影旅で訪れました。使用感を交えながら作例を紹介していきたいと思います。
まずは自宅から近い薬師寺を望む撮影ポイントで初撮影を行いました。レンズのF値は5.6ですが、ラージフォーマットのおかげで手前が大きくボケて、まるで単焦点レンズで撮影したかのような効果を得ることができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F5.6 SS1/160秒 ISO100 焦点距離70mm
■撮影地:大池(奈良県奈良市)
ここも奈良県で有名なコスモス畑ですが、快晴の逆光という条件で普通なら白とびしてしまうようなシーンでも諧調がきれいに残りました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F13 SS1/13秒 ISO160 焦点距離70mm
■撮影地:藤原京跡(奈良県橿原市)
冷え込んだ早朝には蒸気霧が発生し幻想的な光景が広がります。有名な場所なので夜明け前からたくさんの人が撮影に訪れており、私が着いた時には三脚を立てる場所は残っていませんでした。しかし、手ブレ補正が搭載されたことで手持ちでもブレなく撮影することができました。寺社仏閣では三脚使用が禁止されているところも多くとても助かります。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F14 SS1/25秒 ISO100 焦点距離70mm
■撮影地:浮御堂(奈良県奈良市)
世界遺産の高野山で雨の中での撮影でした。このような状況下でも防塵・防滴・-10℃の耐低温性能のおかげで、安心して撮影に集中することができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F14 SS13秒 ISO100 焦点距離59mm
■撮影地:金剛峯寺(和歌山県高野町)
日光から福島方面に向かう途中に小さな滝を発見したので立ち寄りました。水面ギリギリのローアングル撮影でしたが、チルト式モニターのおかげでダイナミックな構図で撮影することができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F16 SS2秒 ISO100 焦点距離35mm
■撮影地:鬼怒川周辺(栃木県日光市)
霧が立ち込めるシーンではオートフォーカスが迷うこともありましたが、GFX50Rに比べオートフォーカスのスピードは向上していると感じました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F13 SS1.2秒 ISO100 焦点距離69mm
■撮影地:八幡平大沼(秋田県鹿角市)
世界自然遺産の白神山地では機材を背負って歩くことが多かったのですが、同時発売の軽量レンズ(GF35-70mmF4.5-5.6 WR)との組み合わせのおかげで数時間歩いても苦にならず撮影が出来ました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F18 SS0.77秒 ISO100 焦点距離35mm
■撮影地:白神山地(青森県中津軽郡西目屋村)
富士山の朝焼けです。小さな画では分かりにくいですが、拡大すると山頂の観測所まではっきりと確認することができました。これまでと同じセンサーですがさすがの解像力です。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F16 SS1/3秒 ISO100 焦点距離200mm
■撮影地:本栖湖(山梨県南巨摩郡身延町)
人物の動きを止めるためにISO感度を4000まで上げて撮影しましたが、ノイズやざらつきも見当たらず低感度で撮ったかのような仕上がりになりました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F9 SS1/150秒 ISO4000 焦点距離190mm
■撮影地:油山寺(静岡県袋井市)
太陽の位置が刻一刻と変化する中で、さらに人が多く手持ちで撮らざるを得ない厳しい条件でしたが、6.5段の手ブレ補正は予想以上の効き具合でした。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F11 SS1/85秒 ISO100 焦点距離200mm
■撮影地:弁天島海水浴場(静岡県浜松市)
イチョウ並木と東京駅を撮影していると突然鳩が飛び立ちました。すぐにISO感度を上げて鳩がブレないシャッター速度で撮影することができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:F13 SS1/350秒 ISO1000 焦点距離200mm
■撮影地:東京駅(東京都千代田区)
東京タワーを望むけやき坂のクリスマスライトアップです。かなり高い位置からの撮影だったのでここでもチルト式モニターが役に立ちました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F18 SS10秒 ISO100 焦点距離35mm
■撮影地:六本木ヒルズけやき坂(東京都港区)
こちらは横浜にてクリスマス時期限定で行われる光のショーです。光の筋がどんどん移動するので長いシャッター速度だとほとんど写りません。高感度に強いGFX50S IIであれば躊躇なくISO感度を上げて撮影ができます。どのような状況かわかるように動画も撮影してみました。動画撮影の際にも高感度が使えるのは有利ですね。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF23mmF4 R LM WR
■撮影環境:F4 SS1/6秒 ISO3200 焦点距離23mm
■撮影地:大さん橋国際客船ターミナル(神奈川県横浜市)
VIDEO
クリスマス前でしたが、浅草寺では羽子板市が行われていてこちらはすっかり正月の装いでした。拡大すると手作りの羽子板の人形一人一人の表情まで見ることができます。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF23mmF4 R LM WR
■撮影環境:F14 SS0.77秒 ISO200 焦点距離23mm
■撮影地:浅草寺(東京都台東区)
大阪でも東京に負けず劣らずのイルミネーションが行われています。レンズの焦点距離は23mmですが、フルサイズ換算では18mm相当になるのでかなりの広角で撮影することができます。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF23mmF4 R LM WR
■撮影環境:F13 SS1.6秒 ISO100 焦点距離23mm
■撮影地:なんばパークス(大阪府大阪市浪速区)
タイムラプスも撮影してみました。インターバルタイマー撮影をした静止画を繋ぎ合わせて動画にしています。話題の8Kタイムラプス動画(約3300万画素)もこのカメラなら楽しむことができます。
※掲載動画は8K画質ではありません。
VIDEO
まとめ
GFX50S IIを使い始めて約3か月。海外にはまだ行けていませんでしたが、国内の世界遺産や紅葉の撮影旅に持っていきました。X-T4との併用でしたがカメラバッグへの収まりも良く、大きさは個人的にはフルサイズデジタル一眼レフカメラを持ち歩いている感覚でした。ただ、コントラストAFのみのためオートフォーカスについては速いとはいえず、暗いシーンではマニュアルフォーカスを使う場面もありました。イベントや動物などを撮影するには厳しい部分もありますが、その分画質面は申し分ありません。価格的にも非常に魅力的になったGFX50S IIは、フルサイズ以上の画質にこだわりたい方にぜひおすすめのカメラです。
■写真家:三田崇博
1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。
日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
この記事に使用した機材
【富士フイルム】GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
商品詳細ページ 【富士フイルム】GF23mmF4 R LM WR
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三田崇博さんによる、富士フイルム「GFX50S II」レビュー記事です。ラージフォーマットと5000万画素がもたらす高い解像性能と豊かな階調表現をぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,GFX50S II,レビュー,三田崇博,ミラーレス,ラージフォーマット
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン EOS R3 × 野生動物|井村淳
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STATUS: Publish
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CATEGORY: 井村淳
DATE: 01/15/2022 11:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) ボディー,EOS R3,野生動物/動物,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
待ちに待った キヤノンEOS R3が手元に届きました。開発発表の時から本当に首を長くして待っていましたので、手元に届いた化粧箱を見ただけで大きな喜びを感じました(笑)。そして化粧箱を開けてボディを手に取った瞬間、「軽い!中身入っているの?」と思ってしまいました。バッテリーを入れない本体のみの重量は822gと、縦位置グリップ一体型のボディとしてはかなり軽量となっています。今までメインで使っていたEOS-1D X Mark IIIは、本体のみの重量が1,250gだったのでその2/3以下しかないのです。ちなみにEOS R5の縦位置グリップにバッテリーを2個装填すると1,161g、EOS R3はバッテリー込みで1,015gと146gも軽いことになります。
▼EOS R3開発発表の際に井村淳さんへインタビューした記事はコチラ
・キヤノン EOS R3の正式発表が待ち遠しい!|動物写真家の井村淳さんへインタビュー
・キヤノン EOS R3の続報!早く全容が知りたい!!|動物写真家の井村淳さんへインタビュー
視線入力とAF性能
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO1250(オート) F7.1 1/1000 焦点距離500mm
動物園で撮影
いきなり野生動物の撮影に持っていくには、新機能が多いので、近くの動物園で試し撮りをしておくことにしました。一番試したかったのが視線入力です。昔のフィルムカメラ時代に搭載されていた機能で、当時は測距点が5つしかなく、そのいずれか見たところでAFが作動する画期的なものでしたが、私の中ではどうにも馴染めず試した後は視線入力をOFFのまま使用していました(汗)。EOS R3の視線入力は画面のほぼ全域に約4,700の選択可能なAFポジションがあり次元が違います。
EOS R3を抱えて、野生動物撮影を試すのに、通い慣れた北海道に出かけることにしました。実践でどんな感触なのか楽しみで前のめり気味に到着しました。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO12800(オート) F10 1/1000 焦点距離343mm
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO4000(オート) F7.1 1/400 焦点距離254mm
見たところにピントが合う!これが実現すれば撮影がとても楽になります。合わせたいところにピントを確実に合わせるには、フォーカスフレームを一点にして、被写体に確実に重ね合わせなければなりません。EOS R5やEOS-1D X Mark IIIなどで、タッチ&ドラッグAFやスマートコントローラーでフォーカスフレームの移動はかなり素早く移動できる様に進化していますが、見たところに合うならば、さらに素早く合焦にたどり着けるはずです。小動物のリスなどは動きが素早く、一瞬止まるところを狙うのですが、それも一瞬すぎて、レンズを向けて、ピントを合わせているうちにいなくなることが多いので、0.1秒でも早く合焦させる必要があります。EOS R3ならばレンズを向けながらファインダーを覗くと同時に視線入力によるAFがスタートするので、素早くリスの瞳を捉えてくれます。連写を切りながら構図の調整ができるのでかなり成功率が高くなりました。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO1250(オート) F5.6 1/640 焦点距離324mm
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO2500(オート) F7.1 1/2500 焦点距離500mm
視線入力を実際に体験してみて感じたことは、使いこなすには少し慣れが必要だということです。キャリブレーションを繰り返し行い、自分の瞳の動きをカメラに覚えさせることが必要です。見たところとポインターが少しずれているだけで、意図しない場所にフォーカスフレームが重なり意味がなくなってしまいます。
いくつかの場面で使っていると、キャリブレーションは実際に撮影する体勢でカメラを構えた状態で行うと良いことに気がつきました。三脚にカメラを設定して、いつも同じ姿勢でファインダーを覗くなら問題ないのですが、そうでない場合はファインダーを覗く角度が微妙にズレていたようです。ですので、はじめのうちは手持ち撮影の場合その都度キャリブレーションをすると精度が上がります。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO160(オート) F7.1 1/500 焦点距離500mm
キャリブレーションが整ってくると、見たところに視線入力のポインターが思う様に動きます。その状態で「視線でAFフレームを移動・AF開始」のボタンを押すと(デフォルトではシャッターボタン半押しですが私はAEロックボタンに変更)、視線入力のポインターのところにAFフレームが現れAF作動開始します。この時に「瞳検出する」に設定している場合、そちらが優先されて視線入力のポインターが被写体の瞳からずれていても瞳にフォーカスフレームが移動します。8種類のAFエリアのいずれを選択していても、そのフレームが視線入力で移動できます。
また、視線入力は連写中も常にポインターが出ていて、見ているところで追従するのかと思っていましたが、「視線でAFフレームを移動・AF開始」ボタンを押し続けている間(デフォルトでは連射撮影している間)は、視線入力が切断されてポインターも消えています。ボタンを押し直すと視線入力をやり直すことができます。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO1250(オート) F7.1 1/1300 焦点距離500mm
たまに視線入力を合わせたいところに誘導できなくて(うまく使いこなせてない為)ピントを合わせづらい状態になる事もあります。その場合はファインダーを覗いたまま「OK」ボタン(ボタンカスタマイズで変更も可)で視線入力をオフに出来ますので、そのままAFボタンを押せばカメラ任せにフォーカスを合わせることが出来ます。いずれの場合でも、一度フォーカスが食いつけばAFフレームがトラッキングして合わせ続けてくれます。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100(オート) F16 1/2000 焦点距離472mm
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO800(オート) F16 1/2000 焦点距離451mm
瞳AFの動物優先は犬、猫、鳥以外でも動物の瞳をトラッキングしてくれることが多いので、どんな動物でもまずは試してみると良いです。リスやシカでも結構しっかりと反応してくれます。もし、カメラが瞳を認識しなくても視線入力でAFフレームがおおよそ重なってくれフォーカシングしてくれます。そして、ピントが食いついたらサーボで追いかけてくれ、ピントをとらえた部分のシャープネスはレンズの描写力を100%引き出し、息を呑むほどのクオリティです。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO8000(オート) F7.1 1/1000 焦点距離363mm
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO4000(オート) F9 1/1000 焦点距離500mm
動物園で撮影
■上の写真の拡大画像
バリアングル液晶モニター
EOS史上、縦位置グリップ一体型で初のバリアングルモニター搭載ですが、これも動物撮影にはありがたい設計です。動物撮影は目線を合わせたり、地面レベルに構えたりすることがよくあります。地面に寝そべってもファインダーを覗きながら撮影するのが厳しいことが多々あります。
バリアングルがあれば寝そべらなくても、しゃがんだりお尻をつけて座った状態で、左手でズームリング辺りを持ち、右手でカメラを握りながら、バリアングルの液晶画面を見て撮影できます。瞳AFで被写体を追いかけられることも、タッチフォーカスでフレームを誘導してからAFをトラッキングすることもできます。リス目線や湖の辺りで水面に浮かぶハクチョウを下から煽り気味で狙うなどのアングルが楽に行えます。超ローアングルでの合焦成功率が上がりました。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO200(オート) F7.1 1/1000 焦点距離176mm
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO200(オート) F7.1 1/1000 焦点距離151mm
暗所での撮影
高感度が良くなったことは、動物を撮影する者にとってはとても魅力的です。朝夕など暗いところでの撮影が多いので、1段分でも高く高感度が使えると助かります。驚くのは肉眼ではほとんど見えない暗いところでも、暗視スコープ的に被写体が液晶画面上に見えます。しかし、AFで全て追えるかというとそこまでではありません。暗い場面は、暗く写したいのですが、暗めの露出設定ではAFは迷ってしまいます。その為シャッター速度を遅くするなどで少し露出を上げてAFを有効にする必要があります。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO12800(オート) F6.3 1/85 焦点距離451mm
羅臼の宿の前の川にやってくるシマフクロウの撮影では、通常魚のいるところでは照明が当てられているので、指定された設定でちょうど良い明るさに写せるのですが、そこから少しでもズレた場所は暗くなっていて10mも離れたところでは、目を凝らしてじっくり見ないと被写体が確認できないくらい暗いところに留まることもよくあります。
ピントを合わせ、感度をグッと上げて撮影してみると今までは諦めていたISO51200でも使えそうですし、ISO102400も記録的には使えそうなレベルです。超高感度の描写は、予想通り良くなっていてEOS R5と比べても確実に進化しているようです。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO51200(オート) F4 1/20 焦点距離500mm
■使用機材:キヤノン EOS R3 + EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO102400(オート) F4 1/20 焦点距離500mm
頭の赤いツルの代表、タンチョウは北海道に生息しています。秋から越冬地となる場所に集まり始めます。世界的にも有名な雪裡川の音羽橋はコロナ禍前までは世界中の人たちが三脚を並べ、早朝の撮影時には100名以上は当たり前という光景でした。今回の12月中頃でも十数名が日の出前から撮影で集まっていました。
日の出前の気温はマイナス8度くらい。肉眼ではなかなか確認できない薄暗いところもEF500mm F4L IS II USMにマウント変換アダプターを使いEOS R3を装着し、静止画測距輝度範囲EV-7.5とは言え、暗すぎてAFでは合わせられない状況でも撮影は始まります。ピントさえ合わせられれば長時間露光で撮影ができます。感度を高くしてファインダーで被写体が薄らでも見えれば、拡大表示してマニュアルフォーカスで合焦後、30秒以内で撮影できる範囲まで感度を下げて撮影します。徐々に明るくなってくるので、露出を調整し、タンチョウが動き出したら、タンチョウがブレないように高感度になってもシャッター速度を速くします。最低でも1/125秒できれば1/250秒、飛翔の場面ではできれば1/1000秒以上が理想です。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO100(オート) F5.6 2秒 焦点距離500mm
■使用機材:キヤノン EOS R3 + EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO640(オート) F5 1/1000 焦点距離500mm
タンチョウがこちらに向かって飛んでくる場面は、翼や脚を追従してしまうなどAFが苦手とする状況ですが、EOS R3ではかなりの確率でタンチョウの頭をトラッキングしてくれます。今までは任意のAFフレーム1点でタンチョウの頭に重ね合わせながらフレーミングするのは難しかったのですが、視線入力と瞳AFの設定でタンチョウの頭をトラッキングさせられるので、タンチョウの頭にフレームを誘導できれば後は構図に集中できます。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO1250(オート) F8 1/1000 焦点距離500mm
電子シャッターでのスロー撮影
私は野生動物をテーマに撮影をしていますが、自然風景も被写体として追い求めています。どちらも野生という大きなテーマの中にあります。今回取材で訪れた知床半島に行くと必ず寄るところにオシンコシンの滝というところがあります。水量が豊富な渓流瀑(滑滝)でNDフィルターを使ってスローシャッターでよく狙います。
EOS R5では電子シャッターに設定していると0.5秒までのスローシャッターしか設定できませんが、EOS R3では30秒まで設定が出来ます。長秒撮影時にシャッター方式をメカシャッターに切り替えなくてもよくなりました。細かな部分の進化ですが、私には嬉しい進化です。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100(オート) F20 2秒 焦点距離100mm
さいごに
総合的にEOS R3は、とても進化した最新カメラと断言します。使えば使うほど自分の体の一部のように扱える感覚がありますので、今後さらなる好感触を得られると期待しています。動物などの動く被写体には間違いなく効果が得られます。しかし、一つだけ気がかりなのが価格です。いずれ出るだろう”1”の称号のフラッグシップ機の時はどうなってしまうのだろうかと(笑)。
■使用機材:キヤノン EOS R3 + EF500mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO160(オート) F5 1/1000 焦点距離500mm
■使用機材:キヤノン EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM + 2×
■撮影環境:ISO5000(オート) F14 1/400 焦点距離1000mm
■写真家:井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。
(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。
この記事に使用した機材
【キヤノン】EF500mm F4L IS II USM(中古)
商品詳細ページ
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写真家の井村淳さんがキヤノン EOS R3のレビューを行っています。視線入力など本製品の魅力を紹介していますので生命力溢れる動物の写真と合わせてご覧ください。
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: シグマ 18-50mm F2.8 DC DN Contemporary × 動画クリエイター DAIGEN|初心者にも使いやすい万能レンズ!
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CATEGORY: だいげん
DATE: 01/17/2022 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary,レビュー,標準ズーム
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BODY:
はじめに
今回はシグマ 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporaryをご紹介します。このレンズはSIGMA初となるAPS-Cサイズ ミラーレス専用ズームレンズです。35mm判換算で27mm-75mmという焦点距離で広くも撮れるし、F2.8通しと明るくボケ表現も楽しめる万能レンズです。サイズも小さく軽いので、ボディの小さいソニーのカメラにつけて使うのにはピッタリなのではないでしょうか。今回はZV-E10やα6400を購入したものの、ズームレンズを何にしようかなと思っている方に向けて本レンズの魅力をお話ししていこうと思います。
スペック
それではスペックを見て行きましょう。
・名称:18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
・レンズ構成:10群13枚
・絞り羽根枚数:7枚
・最短撮影距離:広角端 12.1cm - 望遠端 30cm
・最大撮影倍率:広角端 1:2.8 - 望遠端 1:5
・フィルターサイズ:φ55mm
・重量:290g
最大撮影倍率が広角端で1:2.8と言うことでかなり寄れます。コーヒーショップのカップを撮影したのですが、カップの毛羽立ちまでしっかりと写っています。横から見るとほぼレンズにくっついているぐらいまで寄れています。寄れると言うことは表現の幅が1つ増えると言うことなので、個人的には寄れるレンズは結構好きなんですよね。
広角端18mmで寄れるだけ寄って撮影したコーヒーカップ
上記の広角端18mmでの撮影の様子
望遠端50mmで寄れるだけ寄って撮影したコーヒーカップ
重量は290gとかなり軽くてコンパクトです。望遠側では鏡筒が少し伸びますが、レンズ自体が軽いのでそこまでバランスが悪くなるような感じはしません。これぐらいの軽さであれば女性やカメラビギナーの方でも持ち出しやすいのではないでしょうか。
オートフォーカス
AFにはステッピングモーターというものを採用しています。速くて静かな挙動が特徴です。実際に駆動音を聞いてみてもほとんど音は聞こえません。
VIDEO
フォーカスの精度を見てみてもしっかりと被写体をトラッキングしています。すぐにフォーカスが合って、全く外さないなと実際に使ってみて感じました。フォーカスの精度が高いということはビギナーの方でも安心して使えるレンズと言うことだと思います。
VIDEO
フォーカスブリージング
フォーカスブリージングというのはフォーカスが合う位置が前後で変わると、それに合わせて画角が少し動いてしまう現象です。レンズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。
広角側と望遠側のブリージングをチェックしてみます。
■広角側18mmでのブリージングチェック
VIDEO
■望遠側50mmでのブリージングチェック
VIDEO
広角側も望遠側もブリージングはほとんど感じられませんでした。
写真作例
■撮影機材:SONY ZV-E10 + Sigma 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/100秒 ISO80
■撮影機材:SONY ZV-E10 + Sigma 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F5 1/100秒 ISO64
■撮影機材:SONY ZV-E10 + Sigma 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/50秒 ISO1250
■撮影機材:SONY ZV-E10 + Sigma 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F2.8 1/80秒 ISO160
■撮影機材:SONY ZV-E10 + Sigma 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F5 1/100秒 ISO64
■撮影機材:SONY ZV-E10 + Sigma 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F4.5 1/160秒 ISO125
■撮影機材:SONY ZV-E10 + Sigma 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F4.5 1/500秒 ISO125
■撮影機材:SONY ZV-E10 + Sigma 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F4 1/60秒 ISO400
■撮影機材:SONY ZV-E10 + Sigma 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
■撮影環境:F4 1/60秒 ISO400
今回の作例の写真は全てZV-E10を使って撮影しました。ZV-E10はVlogカムですので写真はあまり……と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、全く問題なく写真も撮影することができるカメラです。この18-50mm F2.8 DC DN | Contemporaryとの組み合わせであれば、広くも狭くも撮影できますので本当本当に万能なレンズだなと感じています。
ボケ表現
ボケも綺麗です。広角側で撮影しても寄って撮影すれば結構ボケますし、50mm側で撮影すれば F2.8と明るいレンズですので背景も綺麗で気持ち良いボケを出してくれます。
VIDEO
玉ボケも丸くて綺麗に出すことができます。
広角側と望遠側の玉ボケです。
VIDEO
まとめ
本日はシグマ 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryをご紹介しました。こんなに不満点のないレンズでこの価格は本当にコストパフォーマンスに優れているなと思います。ZV-E10との組み合わせであれば、小さく軽く持ち運びできますのでビギナーの方にもおすすめできる組み合わせなんじゃないかなと思います。是非ズームレンズの最初の1本として試してみてもらえればと思います。
■動画クリエイター:だいげん
日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像製作。北海道出身、大阪在住。
この記事に使用した機材
【シグマ】18-50mm F2.8 DC DN Contemporary ソニーEマウント用
商品詳細ページ 【ソニー】VLOGCAM ZV-E10 ホワイト
商品詳細ページ
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EXCERPT:
動画クリエイターのだいげんさんがシグマ 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryのレビューを行っています。サンプル映像を使って本レンズの魅力を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,レンズ ソニー,Sony,ボディー 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
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AUTHOR:
TITLE: 板見さんテスト
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CATEGORY: 板見浩史
DATE: 01/18/2022 09:56:12
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テストテストテスト
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 【オールドレンズ】鷹の目と呼ばれる「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 01/18/2022 16:00:00
TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,オールドレンズ,Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8,単焦点
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BODY:
はじめに
今回のオールドレンズは、ヤシカコンタックス時代の「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」をピックアップしてみました。この 「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」は、初期のAEJ型(1982年発売)が早い時期に生産終了になり、一時市場価格が上がった事がありました。空白期間を経て後期のMMJ型が再販され、2005年に京セラがコンタックス事業を終了するまで発売されたレンズです。後期MMJ型ではCarl Zeiss社のTessar(テッサー)レンズ誕生100周年を記念して作られた限定生産モデル「100 Jahre」のMMJ(2002年発売)というのもありました。今回は筆者の持っている、比較的新しい後期のMMJ型で作例も含めて紹介します。
Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8 の魅力
テッサー(Tessar)は、カール・ツァイスが設計した3群4枚のレンズです。レンズの枚数が4枚とシンプルなためレンズ自体を小さく作ることができます。また、非常にシャープな写りをするレンズで、ついた愛称が「鷹の目」。シャープな写りのため「鷹の目」のような写りと言われています。
筆者は高校生の時に、「コンタックスRTS」に「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」AEJ型使っていました。初めて自分で買ったツアイスレンズで思い出に残っているレンズの1本です。当時プラナーの50mmが欲しかったのですが、高くて買うことができなくて「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」を買いました。当時ツアイスレンズで一番安く購入することができたレンズだったと記憶しています。
■「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」の基本的なスペック
・焦点距離:45mm
・最短撮影距離:0.60m
・絞り開放:F2.8
・レンズ構成:3群4枚
・絞り羽根枚数:6枚
・フィルター径:49mm ※100周年記念モデルは46mm
・マウント:Y/C(ヤシカコンタックス)マウント
レンズ本体の大きさは、高さが18mmと非常に小さくパンケーキレンズと言われるタイプです。当時はコンタックスのボディにボディキャップの替わりにこのレンズを着けておきなさいと言われたぐらいの小さなレンズです。今回はソニーのα7R IIIに「K&F Concept KF-CYE.P」(ヤシカ・コンタックスマウントレンズ → ソニーEマウント変換)マウントアダプターを介して装着し撮影に臨みました。アダプターの大きさがあるのでパンケーキの感じでは無くなってしまいましたが、それでも大きさのバランスは非常に良い感じです。
オールドレンズを使って撮影する場合のカメラの設定やピント合わせなどのコツは、基本的にはこちらの記事「マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?」 を参照して欲しいのですが、このレンズに関しては、少し癖があるので以前に紹介した操作方法と違う部分が発生します。
通常オールドレンズで撮影する場合、絞りを開放にセットしてピント合わせを行った後に目的の絞り値に合わせてシャッターを切るという手順で撮影をします。しかしこの「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」は、絞りの変更によって「焦点移動」が発生しますので、いつものような手順でピントを合わせて絞りを変更してシャッターを切るとピントがずれてピンぼけ写真になります。「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」を使用する時は、あらかじめ目的の絞り値にセットしてからピント合わせを行い、そのままシャッターを切るという手順で撮影をします。ちょっと注意が必要です。
「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」は絞りを絞って撮影すれば、パンフォーカス的な撮影が可能です。初期型のAEJ型には、絞りF8の部分がグリーンで表示され、距離の表示部分でグリーンのパンフォーカス指標が3mの表示の少し右側についていて、このマークを合わせる事によってパンフォーカス撮影ができるようになっていました。しかしその表示は、MMJ型では省略されています。気楽にスナップでパンフォーカスを楽しむ場合は、絞りをF8にしピントの距離を3mより少し右の4mぐらいに合わせておくと、被写界深度表示(赤い→)の部分をみると分かりますが、その範囲でピントが合った画像を撮影する事ができます。とっさの場合の撮影でもパンフォーカス的な撮影を楽しめます。
「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」はオールドレンズといえども、まだ比較的新しい部類なので、非常に現代的な写りをするレンズです。「鷹の目」と呼ばれるだけあって非常にシャープでコントラストの高いキレのある描写を得ることができます。発色に関しては、非常に落ち着いたニュートラルで、スナップ撮影においてはその場の飾らない自然な空気感を表現できる落ち着いた味わいを醸し出すレンズです。
都内をスナップ撮影
2022年の初詣をしながら、「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」で都内をスナップ撮影してきました。オールドレンズにありがちな絞り開放での滲みも無く、絞り開放での描写もピントの合った部分はシャープに描写し、背景のボケも非常に好感がもてる描写になっています。
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF2.8 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/1000 絞りF2.8 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/1250 絞りF4 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/1000 絞りF2.8 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
絞り開放では中心部はそれなりの丸ボケを描写しますが、あまりこの効果を期待するレンズでは無さそうです。絞りを絞ってしまうと絞り羽根6枚の影響が出て、丸ボケが六角径の形になるので、撮影するシーンにもよりますが少し絞り値に気を使った方が良いと思います。
絞りを絞って撮影すると使い勝手は大きく変わってきます。パンフォーカス撮影で煩わしい操作を省いて、気楽に気になったものを「写ルンです」感覚でパシャパシャ撮ることができます。
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF11 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
画面全域でのシャープさは、さすが「鷹の目」の愛称をもっているだけあります。シンプルなレンズ構成のおかげもあって、20年ほど経過しても「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」の映し出す画像の切れ味は、現在のレンズにも負けていません。
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF11 ISO800 焦点距離45m
※マウントアダプター焦点工房使用
絞りを絞ってパンフォーカス撮影であれば、MFのレンズでもファインダーを見ないで頭上より高く上げたカメラでの撮影も気楽にできるのが魅力の一つです。
白黒スナップ撮影
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF22 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
筆者が最初に「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」を使ったのは、高校生の頃で38年程前になるのですが、白黒フイルム「FUJIFILM NEOPAN SS」や「Kodak TRI-X 400」を使い撮影し、高校の写真部の部室で現像していました。そんな事を思い出しながら、カメラの設定を白黒モードにして当時を思い出しながら撮影してみました。とはいってもフイルムとデジタルでは、かなり感覚が違うのですが、デジタルで気楽に撮影できるのは非常にありがたく楽しいですね。
「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」はもともとシャープな描写をしますが、フイルムで撮影するよりも、デジタルの方がより硬い描写です。ですから雰囲気的には「FUJIFILM NEOPAN SS」よりは、「Kodak TRI-X 400」で撮影した感じに近い気がします。少し柔らかい感じで撮影したい場合は、カメラ側でコントラストやシャープネスの設定を下げても良いかもしれません。
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF8 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」は、絞れば絞るほど画面全域でシャープな描写をします。
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/15 絞りF16 ISO800 焦点距離45m
※マウントアダプター焦点工房使用
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/8000 絞りF2.8 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
絞りを開放で撮影すればピントを合わせた面はシャープな描写をし、その前後のボケは段階的な柔らかな描写をするので、街中スナップでも少し柔らかな表現をしたい場合には有効です。
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF2.8 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
パンフォーカス撮影でシャッターを切りながらスナップするのは、街の一瞬の表情を切り取るのに有効な撮影方法です。45mmという焦点距離もあって、肉眼でみている風景に近いイメージを切り取って撮影する事ができるのはとても魅力的です。
■撮影機材:SONY α7R III + Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF8 ISO800 焦点距離45mm
※マウントアダプター焦点工房使用
まとめ
コンタックス・ヤシカマウントの「Carl Zeiss」のオールドレンズと言えば、空気までも写すと言われている「Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4」が有名で圧倒的な人気ですが、小さくて気軽に使える「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」も隠れた一品のレンズです。個人的な思い入れもありますが(笑)。何よりも、元々の価格もそれほど高いレンズでは無かったので、中古でも比較的購入しやすい価格の「Carl Zeiss」レンズです。気になった方は是非、中古で探してみてくださいね。
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
オールドレンズ関連記事はこちら
■マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?
https://shasha.kitamura.jp/article/483200571.html
■初めてのオールドレンズにおすすめ!
ツアイスレンズ コンタックス「プラナー T* G 45/2」「ビオゴン T* G 28/2.8」
https://shasha.kitamura.jp/article/483729656.html
■【オールドレンズレビュー】ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2|憧れのF1.2大口径レンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/484178734.html
■オールドレンズを手軽にはじめる最初の一本におすすめ!|ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8
https://shasha.kitamura.jp/article/484936130.html
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんがオールドレンズの魅力を紹介する連載記事です。今回は「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」の中でも比較的新しいMMJ型の特長を作例を使って説明しています。
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KEYWORDS:
カールツァイス,zeiss,オールドレンズ,Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト 佐藤俊斗さん
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CATEGORY: 佐藤俊斗
DATE: 01/19/2022 09:27:31
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テスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: おすすめ撮影スポット Vol.3『清津峡渓谷トンネル』|カメキタ店舗スタッフに聞いてみた!
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 01/19/2022 16:00:00
TAGS: おすすめ撮影スポット
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はじめに
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.3。今回紹介する撮影スポットは、新潟県十日町市にある「清津峡(きよつきょう)渓谷トンネル」。フォトジェニックなスポットとしても人気の観光地です。この撮影スポットの魅力やおすすめの撮影方法を、カメラのキタムラ 須坂店の谷脇健一さんに聞いてみましたのでご紹介します。
撮影スポット情報
■清津峡渓谷トンネル
住所:〒949-8433 新潟県十日町市小出癸2119-2
アクセス:関越自動車道「塩沢・石打IC」より国道353号線より車で約30分
JR東日本「越後湯沢駅」より森宮野原行き急行バスで約25分、「清津峡入口バス停」下車
JR飯山線「越後田沢駅」よりバスで約20分、「清津峡入口バス停」下車
おすすめの被写体:北信地方の四季彩
「清津峡渓谷トンネル」の魅力と撮り方
― 「清津峡渓谷トンネル」の魅力、好きな理由
トンネルのアートな魅力と美しさ、そこに入り込む自然の背景とのコラボレーションが美しいスポットです。
■撮影機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離 35mm|F8 1/40秒|ISO900
― おすすめの撮影時間
午前8時半から入場できますが、込み合いますのでなるべく早い時間がいいと思います。シーズン中には前売り券が必要です。ホームページ をご確認の上、行かれることをおすすめします。
― おすすめ構図
最終のトンネル出口の水面反射と背景です。引きでトンネルの丸っぽさを出すか、アップでモデルを引き立たせるか悩みます。人気のスポットのため、引きで写すと他の方が映り込みます。アップにするとトンネルらしさは出ませんが、水面反射と背景が楽しめます。
現地に行く前にどう写すか決めていくことをオススメします。他の方も大勢いらっしゃるので、ゆっくり撮影すると周りの方へ迷惑をかけてしまう場合があります。
■撮影機材:ニコン D780 + AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
■撮影環境:焦点距離 70mm|F2.8 1/640秒|ISO100
― 撮影時におすすめのアクセサリー
一脚が使用できるのでオススメです。一本持っていくとカメラが安定して撮影しやすくなります。
― 作例を撮った時に考えたこと・思い
当初カメラを向けていて、偶然ファインダーに女性が映り込んだのですが、お声がけしたところ共通の趣味の話題で盛り上がり、良いポーズを取ってくれたので楽しく撮影できました。この写真の利用も快諾頂けました。
■撮影機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離 40mm|F11 1/80秒|ISO100
― 撮影で使った機材
カメラはニコンのZ 6とD780、レンズはNIKKOR Z 24-70mm f/4 S、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIを使用しました。まだ慣れていないスポットでしたので、カメラ・レンズ共に2台持ちで標準と望遠どちらでもすぐに切り換えれるように使い分けました。
― おすすめのカメラ設定
絞り優先オートで絞り気味で撮影することをオススメします。最後のトンネルで人物をシルエットにして撮影する場合、コントラストの調整が難しいのでブラケット撮影を使用し何枚か同時に撮影したほうが良いです。露出を変えて何度も撮り直し……は周りの方に迷惑となる場合があります。
■撮影機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離 24mm|F8 1/25秒|ISO1000
今回のスタッフ
■谷脇健一さん(カメラのキタムラ 須坂店)
【お店の紹介】
カメラのキタムラ須坂店は、長野県の北部、須坂市にあるカメラのキタムラです。長野県北信地方の撮影スポットが近くにたくさんあります!お越しの際はぜひ当店にもお立ち寄りください。
店舗住所:長野県須坂市大字須坂1548-1
営業時間:10:00-19:00
TEL:026-246-6616
URL:https://blog.kitamura.jp/20/4699/
※谷脇さんは現在、カメラのキタムラ池袋中古買取センター勤務となっています
以上、カメラのキタムラスタッフが紹介するおすすめの撮影スポット紹介でした。今後も定期的に全国の撮影スポットを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
■おすすめ撮影スポット記事一覧はコチラ からご覧ください。
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EXCERPT:
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.3。今回は新潟県十日町市にある「清津峡渓谷トンネル」を紹介します。フォトジェニックなトンネルアートが魅力のスポットです。
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KEYWORDS:
おすすめ撮影スポット,カメラのキタムラ,清津峡渓谷トンネル
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AUTHOR:
TITLE: フォトコンテストのすゝめ Vol.1|フォトコンの歴史を学ぶ
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CATEGORY: 板見浩史
DATE: 01/20/2022 16:00:00
TAGS: フォトコンテスト,フォトコンテストのすゝめ
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はじめに:日本のフォトコンテスト概論
今ではフツーに行われている〝フォトコンテスト〟も、その源流をたどれば遥か明治~大正時代にまでさかのぼります。写真撮影の技術が日本に伝わり、長崎・横浜を皮切りに各地で花開いたのは幕末から明治とされています。当初は外国商社を経由していた貴重な写真機材と感光材料も、明治中期になると小西本社(コニカの前身)や浅沼商会など、国内の材料商が欧米メーカーと直接取引を開始することで次第に写真が普及していきます。
その後、写真愛好家による研鑽のための研究会や団体がいくつも発足したり、大正10年にアルス出版社から『カメラ』という雑誌が創刊されたりすると、写真レベルの向上と写真材料や雑誌の販売促進を兼ねて撮影会や写真コンテストも行われるようになりました。
林立したカメラメーカーが写真雑誌を支える
そうした日本の写真の黎明期を経て、第二次世界大戦後、経済が復興を始めると国産カメラメーカーが雨後のタケノコのように設立されるようになります。戦艦大和の測距儀など優秀な軍用光学機器を製造していたニコンをはじめ、顕微鏡などの医療光学機器をおもに手掛けていた高千穂光学工業(のちのオリンパス)、国産初の35mmフォーカルプレーンシャッターカメラ「KWANON」(観音菩薩に由来)をいち早く試作した精機光学研究所(のちのキヤノン)等々を先駆けとする光学・カメラメーカーが、後年の日本をカメラ大国に育て上げていくのです。
戦後の雑誌ブームに乗って写真・カメラ雑誌も活況を呈してきます。戦前からあったアルス「カメラ」や「アサヒカメラ」が1949年に復刊すると「フォトアート」「日本カメラ」「カメラ毎日」「サンケイカメラ」等々の雑誌が相次いで創刊され、写真愛好家も増えていきます。それら多くの雑誌の成長の背景には、カメラメーカーとの広告出稿を通した共存共栄という相互利益の関係が大きく影響していたと思います。
50年代はフォトコンテストの成長期
フォトコンテストの隆盛は、この光学・カメラメーカーとカメラ雑誌の二つの大きな波によってもたらされたと言えるでしょう。1950年には富士フォトコンテストが、1953年にはニッコールフォトコンテスト、二科会写真部公募展がはじまり、最長のものは来年70回目を迎えるなど、ますますの盛況ぶりを維持しているのは驚くべきことです。ちなみに応募数は昨年のニッコールが26,603点、二科会が11,204点、富士コンが29,554点となっています。この時代ほかにもキヤノン、ペンタックス、ミノルタなどほとんどのメーカーも何らかの形でフォトコンテストを開始し、1950年代はまさにその成長期と言える時代を迎えます。
もちろん先に述べたカメラ雑誌もそれぞれに〝月例コンテスト〟をそれぞれ何部門か持っていて、増え続ける読者の作品発表の受け皿を作り出します。これはメーカーの年一回のコンテストと違って毎号の月刊誌の誌上で競い合うため、最後は年間の総得点数で順位が決まるというなかなか刺激的なシステムです。全国の写真愛好家が所属クラブや県や地域を代表するような意識で表現と技を競い合うのですから、読者も熱狂します。自分たちは応募しなくても〝ギャラリー〟となって応援しベテランたちの作品を楽しむのですね。
雑誌にとっては読者を増やす機会にもなるので、12月号での最終集計を基に決定する〝年度賞〟には各メーカーの賛助を頂いて、トップの受賞者には最高級一眼レフなどの豪華な賞品が用意されたものです。また、審査員にはアマチュア写真愛好家に人気の第一線の写真家たちが選ばれたのは言うまでもありません。
プロと地方の作家を結んだフォトコンテスト
いま世界中を見渡してみても、日本ほどフォトコンテストの盛んな国、言い方を変えればアマチュア作家による写真の水準の高い国はないと思っています。よく言われることですが、欧米はプロとアマの差は歴然としています。たとえばカメラにしても高機能な一眼レフを持っているのは欧米ではプロだけでした。日本では昔からプロに引けを取らない高級機を持っているアマチュアの方はゴマンといますね。その理由については、この国の写真関連製品が世界一のシェアを持っていて機材そのものが手に入りやすく、それらの情報を得やすいということともちろん無関係ではないでしょうが、写真の撮影技術や表現技術の水準が高いということについては、もうひとつ別の理由があるのではないかと考えています。
そこにはいま述べたように、写真の大衆化の過程でカメラ雑誌の月例やメーカー、美術団体のコンテストを通じて醸成された、プロとアマチュア作家との交流(情報交換)と指導が大きな役割を果たしているのではないかと思うのです。
戦前には特殊な例を除いては写真館ぐらいしかなかったプロ写真家の仕事を戦後大きく広げたのが、雑誌ブームと広告写真だと言われています。そこで活躍した代表的な写真家が「秋山庄太郎」と「林忠彦」の二人の写真家でしょう。ふたりはともに二科会写真部の公募展をはじめとするコンテストの審査等を通じて、全国アマチュア作家の指導に心血を注ぎました。
また、アルス「カメラ」の月例で「土門拳」と「木村伊兵衛」がリアリズム写真を提唱し、彼らに影響を受けた応募作家たちが全国各地でオピニオンリーダーとして指導的な役割を果たしたことはよく知られています。そうした多くのプロ写真家たちが先駆者となり、その後の雑誌やメーカーのフォトコンテストを通じてアマチュアリズムに与えた影響力は、大げさに言えば日本の写真文化の向上において実に大きなものがあったと思っています。
フォトコンテスト入選作品から学んでみよう
前置きがたいへん長くなりましたが、まず初めに写真好きな僕たち日本人の環境は一朝一夕に出来上がったのではなく、産業や経済や出版や文化などとも深く関わり合ってきたことを知ってほしかったからです。これからはフォトコンテストの優れた入選作品を通して写真の楽しさや素晴らしさ、そしてこんな写真を撮るにはどんなところに着目し工夫すればよいのか、などということを写真愛好家の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
まず、カメラのキタムラが毎年2回、春夏と秋冬に開催しているフォトコンテストの過去の上位入賞作品からその一部をご紹介しましょう。カメラのキタムラフォトコンテストは、他のコンテストと違って全国各地の最寄りのキタムラ店頭で応募できるのが大きな特長(梱包も不要)ですが、もちろん郵送もOK。テーマもあらゆるカテゴリーが用意されていることもあり、初心者からベテランまで自由に応募できます。
現在募集中のカメラのキタムラ フォトコンテスト2021〈秋冬〉の審査員は清水哲朗さん。数々の写真賞受賞経験を持ち、いまバリバリ活躍中の中堅写真家です。自然風景の巨匠・竹内敏信事務所の出身で自然写真はもちろんのこと、モンゴルをテーマにしたドキュメントフォトでも有名です。こんな現役のプロ写真家から写真の評価をもらえるのも(入選したらの話だけど…)フォトコン応募のメリットですね。
■カメラのキタムラ フォトコンテスト2021〈秋冬〉WEBサイト
①グランプリ「ひだまり」横山晃二さん(ネイチャー・生き物部門)
実に優雅な印象のネコのポートレート作品です。さぞかし格式の高い写真館での撮影?と思いきや、ご自宅の縁側での撮影のようです。ポイントは前景の網戸。コントラストをやわらげ、ソフトフォーカスのような効果を上げてくれました。輝度差の少ない撮影場所を選んで網戸の存在を目立たなくしたことも成功の要因です。
②準特選「秋を駆ける」望月あゆみさん(ネイチャー・生き物部門)
飼い主のもとへ〝戦利品〟の枯れ枝を運んでくるワンちゃんの得意げな表情が、ローアングルだからこそうまく捉えられました。前足が上がったシャッターチャンスも見事。望遠レンズによる背景と前景のボケ効果を活用したことで、主役が美しく浮き上がりました。
③グランプリ「お食い初め」増田俊次さん(日常・自由部門)
構図と色彩効果と赤ん坊の表情の勝利です。窓際からのサイド光をうまく活かして、お目出たい二つの主役を立体的に描写しました。まるでタイを見て喜んでいるような赤ん坊の楽しそうな表情は、画面の外の大勢の家族親戚の方々の努力によるものでしょうね。
④準特選「流れ作業」伊藤久幸さん(日常・自由部門)
マンションの足場工事作業を巧みに画面構成した洒落た作品です。垂直線と水平線を基調に、作業員の動きや服の色の点在もバランス良くまとまっています。まるでシフトレンズでも使ったように垂直がきちんと出ていることで、さらにその効果を上げました。
⑤グランプリ「Snow_on_stage」久野穣さん(日常・自由部門)
恐ろしいほどに美しく幻想的な雪の光景です。画面の上部に配置されている照明塔の光軸に向けて吹いてくる雪の動きが圧巻ですね。スローシャッターの効果が抜群。唯一この部分が動きを感じさせ、ほかの静かな部分と対比することで良いポイントになりました。赤いカラマツの点在も奥行きを感じさせ効いています。
⑥準特選「神の目覚め」岡島和生さん(風景・絶景部門)
近景はより大きく、遠景はより遠くに…という超広角レンズの特性を余すところなく発揮した素晴らしい山岳写真です。手前の樹氷の存在感と細部の美しさは、遠近のスケール感をより強調していて、石鎚山の作品でも特筆に値すると思います。タイトル通り、まさに神々しさに満ちた作品と言えるでしょう。
スペースの関係もあって今回はここまでしかご紹介できませんが、今後も引き続き素晴らしい入賞作品を鑑賞しながら、応募する場合の作品づくりのコツとポイント、自分に向いた応募の続け方、フォトコンを通して写真を上達させる楽しみ方などを一緒に学んでいきたいと思います。
■ナビゲーター:板見浩史(いたみ・こうじ)
1952年、福岡県生まれ。月刊日本フォトコンテスト(現フォトコン)誌の編集長を長年経て、現在はフォトエディター。写真賞や多くのフォトコンテスト審査にも関わる。公益社団法人日本写真協会(PSJ)顧問。カメラのキタムラ フォトカルチャー倶楽部(PCC)理事、一般社団法人日本写真講師協会、日本フォトコンテスト協会代表理事。著書に「カシャッと一句!フォト五七五」(NHK出版)、「世界一受けたい写真のアドバイス」(玄光社)など。
カメラのキタムラ フォトコンテスト2021〈秋冬〉
募集期間は2022年2月15日(火)まで。こころ動かされた風景、日常のふとした瞬間。かけがえのない思い出や感動を写真にしませんか。お気に入りの写真をたくさんご応募ください。スマホ、フィルムカメラ、ミラーレス一眼、一眼レフなにで撮ってもOK。こどもから大人までどなたでもご応募できます。カメラのキタムラ店頭でも簡単にご応募いただけますので、ぜひご参加ください。
詳しい応募方法などはこちらのページ からご確認ください。
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EXCERPT:
カメラ愛好家の皆さん、フォトコンテストには応募していますか?この記事を読めばフォトコンテストのイロハがまるわかり。Vol.1ではフォトコンの歴史を学んでいきます。
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KEYWORDS:
フォトコンテスト,カメラのキタムラ
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.2|渋谷
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CATEGORY: 富久浩二
DATE: 01/21/2022 16:00:00
TAGS: スナップ,スナップで街めぐり
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はじめに
渋谷と言えば途切れることなく人が往来し終始にぎわっているイメージがあるが、他の街と同様に朝だけは静かに撮る事ができる。今回紹介する半分位の場所は既にかたちを変えてしまい同じ様に撮影する事は出来ないが、その時に何を感じて、どのような工夫をして撮影しているか紹介するのでスナップを撮る際の参考にして欲しい。また、今を撮り続ける大切さをお伝え出来れば嬉しく思う。
朝日差し込む丸井前の交差点
■撮影機材:ソニー α7 II + コシナ フォクトレンダー ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III E-mount
交差点のビルの隙間から朝日が細く真っすぐに伸びていて、自転車でも通り過ぎればいいなと思って待っていたところ、丁度そこにスケボー青年がやってきた。こんな場面をカッコよく撮るコツは、まず明るい部分に極力露出を合わせて全体を暗くする。人の位置はもちろん大事だが、この写真は太陽の光が入り込んでいるので、人影はそれ以上に大事にしたい。速く動く人をこの位置で写し止めるのは難しい様に思えるが、人が歩いていたり走っていたりする時は、数秒前からその人とリズムを合わせてシャッターを切ることで丁度良いところで撮ることが出来る。もしリズムが取りづらい時は、数枚連写してその中から影のかたちが良いものを選ぶことも出来る。全体的な構図で見ると、空の明るい部分はあえて切っていて画面下側に集中できる様にしている。
スクランブル交差点
■撮影機材:ソニー α7 II + コシナ フォクトレンダー ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III E-mount
スクランブル交差点と言えば有名な撮影ポイントだが、これが意外と難しく私もこれだと言った写真が少なかったりするが、唯一これかなって思う1枚を紹介したい。この赤いフードの人は最初からこの場所に居たわけではなく、後ろからやってきて私を追い越し前で止まった。すれ違った瞬間赤いフードに縦の白いラインが目に入り、交差点と組み合わせるこの構図が思い浮かんだ。建物だけの時は基本真っすぐな構図で撮ることが多いのだが、この写真では人を入れている事と交差点の広がりを引き立たせる為少し斜めにしている。あと、広角の時は左右もだが、特に下が暗くなるような構図にして主題が引き立つようにしている。
人が行き交う丸井前の交差点
■撮影機材:ソニー α7 II + コシナ フォクトレンダー ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III E-mount
太陽の位置が低い時間帯は逆光で撮れる場所を選ぶと良い。スクランブル交差点周辺は高い建物に囲まれ、太陽が入った構図で撮影するのは難しいので、少し離れた太陽の光が差し込む交差点へ移動。この場面では駆けて行く人を主役にして撮影した。主役と言っても真ん中で撮らず、躍動感を出す為にあえて右端でジャンプしている瞬間を狙った。交差点の線を右側に広めに撮る事で全体的なバランスをとっている。また、超広角レンズを使って写真を撮るときは、レンズ毎に光芒の癖があるのでどの絞り値で光芒が綺麗になるのか知っておくことも大切だ。
ハチ公後ろ
■撮影機材:ソニー α7R III + Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
この日はハチ公前に昔からあった緑の車両が秋田県の大館へ引っ越しする当日で、警備員さん二人が車両端でジェスチャーでやり取りをしていた。銅像などを撮るときは、その街の景色と一緒に正面から撮るのが普通だと思うが、私は良く銅像の背中から撮る事が多い。何年もハチ公が見ていた風景と一緒に撮ると、その中に物語のある情景がでてくれる。カメラもハチ公の目線の近くを意識し高めにして、警備員さんのしぐさがかわいい瞬間を狙った。緑の電車の最終日にふさわしい写真になったと思う。何かがなくなる日や記念の日、こういった視点の写真があると普通の記念ではない大切な写真になってくれる。
JR南口近くの青い壁
■撮影機材:ソニー α7 II + コシナ フォクトレンダー ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III E-mount
渋谷の長くなかなか終わらない再開発だが、少しでも和んでもらおうと工事現場の壁も工夫を凝らしアートな壁があったりする。真正面から撮っても面白い場所だったが、ここはひと工夫して隣のビルのステンレス看板の反射を利用してみる事にした。普通の綺麗な写り込みだとここまで面白くならないが、ステンレスにヘアライン処理がされているとこんな模様になって特別な写真になってくれる。人が現れてからシャッターを切っても間に合わなかったので、左側を覗き込み人が出てくるのを見計らって撮影を行った。また、おまじないのようでもあるが、人が入り込むスナップを撮影する時、“この瞬間!”って思いながらシャッター押すとそれだけで一日何度もイメージ通りの写真が撮れた事がある。万人に合った方法ではないかもしれないが、面白がって頂ける方は是非試して欲しい。
東急東横線の高架横
■撮影機材:ソニー α7 + Minolta MC TELE ROKKOR-PF 58mm f1.4
これは8年前、場所は埼京線のホームから山手線への連絡通路の小さな窓から線路横の人通りの少ない小道を撮影。普段だったら殺風景な見向きもしない場所だが、雪となるとこんなシンプルで色の少ない世界となり被写体を引き立ててくれる。この写真の構図で考えていたことは、まず画面全体を見渡した時に足跡の黒い部分が多くあるところを起点にして人を待つことにした。何人かが通る中で運よく赤い傘の人が現れたので、位置と足の開きのタイミングをみてシャッターを切った。雪の粒は小さくなってしまうが、絞って傘と、沢山の足跡の両方にピントが合うようにしていたと思う。
実はこの写真は、最初からここで撮影する予定だったわけではなくスクランブル交差点の雪を撮りに行く途中で撮影したものである。こういった道中も気に掛け、カメラを出したまま目的地に向かうことで撮れる写真がある。スナップは駅に着いたらそこから始まると思うようにしてみよう。
※8年前なのでソールライターを知らない時でした(笑)
雪の日のハチ公前
■撮影機材:ソニー α7 + Minolta MC TELE ROKKOR-PF 58mm f1.4
これは朝7時頃、大粒の雪を曇ったガラス越しに撮影した写真。この時、目の前は汚れて曇ったガラスがあり、絞ると写り込んでしまうので、明るいレンズを取り出し絞りを開けて大粒の雪にピントを合わせることにした。通りがかる人も距離があるので、ボケ過ぎず傘をさした人のシルエットをはっきり写せそうと判断。右に濃い緑の電車、そして左に桜の木の影があり、その真ん中の明るい部分に傘をさして歩く人を待ち、日の丸構図で写しとった。雪は弱くなっていたが、まだ路面は濡れていて、女性の影が手前側に全身入り込んでくれたのはラッキーだった。スナップを撮っていると画面の中に予想以上の出来事が入り込むことがあり、それが面白いところである。私のお気に入りの写真の半分位はそんな要素がある。
渋谷のどこか
■撮影機材:ソニー NEX-5R + LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D
ミニチュアモード
こういった面白い上下左右の映り込みは、普通に車道や通路を見ていては、なかなか見つけることが出来ない。私の場合は気に入った場所を一通り撮り終わった後に、どこか反射するものはないのか探す癖をつけているので、こんな場所を見つけられる事もある。一見すると写り込みが期待出来ないような曇ったステンレスも、近づいてみるとヘアライン処理がされていることがあり、普通ではない面白い絵になるので、レンズを近づけて反射するか試してみよう。鏡やガラスでもそうだが、反射がL型になっていてそのL型の角にレンズをつけると左側と下側の反射が得られるような所は特に面白い写真が撮れるので意識して探してみよう。
渋谷のどこかの交差点
■撮影機材:ソニー α7 II + コシナ フォクトレンダー ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III E-mount
12mmでシンプルかつインパクトのある写真を撮影。超広角レンズは普通のレンズと比べてインパクトのある写真を撮りやすいが、なにもかも映り込んでしまうので、シンプルにしようと思うと一気に難しくなる。この場面では道路のタイヤ痕と自転車の車輪を主な被写体に選んでみた。その被写体を引き立てる為、ごちゃごちゃしている道路の奥の景色が入り込まないようにカメラを高い位置に構え、見下ろすように撮影している。自転車に乗っている人は画角の端の方に入ってしまうと一気に上半身だけ伸びてしまうので、それを嫌って腰から下だけを捉えた。人の足と影は伸びても気にならないのでそこは気にせず構図に取り込める。赤い部分の実際の色は淡いオレンジだが、コントラストを上げ赤く激しい感じに仕上げている。
雨の日のハチ公前
■撮影機材:ソニー RX100IV
雨の日の暗い渋谷では大型ビジョンがまぶしい光を放ち、濡れた地面の反射も格別だった。この場面では1インチセンサーのコンパクトデジタルカメラを使っていて、人にピントを持っていくとボケ、立体感が少なくなるので、あえて電車の壁の雨粒にピントを合わせてみた。傘の女性は人を待っていて、やっと来た人に顔を向け、顎が上がって傘の縁にある模様と被らなくなったので、その瞬間を狙った。ボケていて表情が見えるわけではないが、気持ちまで見えるような温かい写真になった気がする。
あとがき
渋谷のスナップはどうだっただろうか。ここ数年大きなビルも沢山建ち始めたが、スクランブル交差点側はまだ昔の雰囲気が残っているので、新旧どちらの街並みも撮る事ができる。渋谷の交差点は大きく広いところが多く、広角レンズで構図を調整し、意図する位置にさりげなく人を入れる事が出来れば魅力的な写真になると思う。また、人気の少ない早朝や雨の夜、雪の降る日は印象的な写真がどこよりも沢山撮れる場所だと感じる。これからもどんどん変わっていく渋谷で自分なりの特別な場所を見つけに出かけてみよう。
■写真家:富久浩二
日々の通勤風景を主に、いつも見ている変わりばえのない、しかし二度とやって来ない一瞬の情景を大切にし、ちょこっと人が入った物語りのある写真をテーマのもとに、人びとの優しく楽しい感情が伝わる事を目標に日々撮影している。子供の頃の目線、何と無く懐かしさを感じて貰える様に、ライブビューを使った低い目線、思い切って背伸びをした様な高さからの撮影が特徴的。
「スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。」の連載記事はこちら
■スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.1|新宿
https://shasha.kitamura.jp/article/483884728.html
この記事に使用した機材 【コシナ】フォクトレンダー ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III E-mount(中古)
商品詳細ページ 【LAOWA】9mm F2.8 Zero-D ソニーEマウン
商品詳細ページ 【ソニー】Cyber-shot DSC-RX100M4(中古)
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の富久浩二が都内近郊で撮影したスナップ写真を紹介しています。第2回目は渋谷で撮影したスナップ作品と合わせて撮影方法を紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
スナップ,撮影テクニック,富久浩二,渋谷,スクランブル交差点,ミラーレスカメラ,カメラ,富久浩二
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XF50mmF1.0 R WR|圧倒的なボケと立体感、主役が引き立つ魅惑のレンズ
BASENAME: 485270283.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 高橋伸哉
DATE: 01/22/2022 11:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF50mmF1.0 R WR,単焦点,ポートレート(人物)
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BODY:
はじめに
2020年9月に発売された富士フイルムの単焦点レンズ「XF50mmF1.0 R WR」。焦点距離50mm(35mm判換算76mm相当)の中望遠レンズであり、なんと言っても富士フイルムのXFレンズで最も明るいF1.0という、圧倒的な開放F値の小ささが最大の特徴だ。今回はそんなXF50mmF1.0 R WRをポートレート撮影を通してレビューしていきたいと思う。
ボケとシャープさが織り成す立体感
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F1.0 1/4000秒 ISO160
■モデル:じきまる。
このレンズで真っ先に語るべきが「ボケ」になるだろう。一般的な大口径レンズが見せるなだらかなボケとは一線を画すもので、ピント面だけを周りから切り取ったかのような、被写体が浮かび上がるボケ表現を作例からも感じていただけるはずだ。被写体の背景となる後ろボケだけではなく大きな前ボケも重要となるが、どちらもこの上ない描写である。
そして、そのボケと相対するピント面のシャープさが、このレンズ特有の立体感ある写りを生み出している。主役となる被写体をキリっと写し出すことでボケとのギャップが強まり、より視線誘導される印象的な画を撮影することができた。肉眼で見るのとはひと味違う、「写真」ならではの醍醐味みたいなものを感じていただけるだろう。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F1.1 1/8000秒 ISO160
■モデル:りな
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F1.4 1/8000秒 ISO160
■モデル:りな
また、被写体に寄ってボケさせるだけではなく、程よく距離を取って背景を写し込みつつもボケさせる、という部分においてこのレンズは非常に魅力的だ。どんなレンズでも寄ればそれなりのボケ感を出すことはできるが、被写体から離れてここまで気持ちよくボケを楽しめるレンズはそう多くない。
背景を入れるとストーリー性を感じられる作品になる一方で、モデルさんを引き立てるにはある程度背景がボケてほしい。そのバランスが非常に気持ちよく、周りの空気感を閉じ込める描写は群を抜いて優れていると感じた。中望遠らしいクローズアップで前後のボケを活かす王道の撮り方はもちろん良いのだが、あえて距離を取って全体の空間を入れ込んで、その上で主役にピントを合わせた時に物凄く良い写真が撮れる、というのがXF50mmF1.0 R WRの真の魅力ではないだろうか。
極薄の被写界深度
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F1.6 1/8000秒 ISO160
■モデル:じきまる。
前述したこのレンズ特有の大きなボケを楽しむ際に気を付けないといけないのが被写界深度だ。被写体と背景が分離したかのようなボケ量に、XF50mmF1.0 R WRを使った人は誰もが感動を覚えることだろう。一方で、それだけのボケを生み出せる絞り開放付近では被写界深度が極めて浅く、ピント合わせがシビアになる点は覚えておいてほしい。
私は基本マニュアルフォーカスで撮影するスタイルのため、このレンズではいつも以上にピント合わせに慎重になった。普段通りのリズムで撮影していると、後々確認した時にピントを外していることも多々あったくらいだ。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F1.0 1/8000秒 ISO160
■モデル:りな
それでも、しっかり落ち着いてフォーカスしてバチっとピントが合った時の何とも言えない魅惑的な写りは本当に引き込まれるものがある。レンズ任せにせず1枚1枚と向き合う撮り手の意識が重要で、このレンズの魅力を最大限引き出すのは撮影者の意識も変えていかないといけない、そんなような印象も抱かせてくれるレンズであった。
もちろんF1.0でオートフォーカスが使えるというのがXF50mmF1.0 R WRの特徴でもある。実際にAFでも撮影してみたが、実用上問題はないと感じるレベルの精度であった。ただ、AFであってもピントが思ったところに来ているか撮影後にしっかり確認した方がいいだろう。それほど被写界深度が浅いと思ってくれた方がよさそうだ。
F1.0で夜撮りも楽しく
開放F1.0のこのレンズが真価を発揮するのが夕暮れから夜の撮影だ。XFレンズで最も明るいXF50mmF1.0 R WRなら、日が落ちてきてもISO感度を極端に上げることなくシャッタースピードを確保できるため、ほぼ日中と変わらない感覚で撮影を進めることができた。
この写真も日が傾いたマジックアワーの時間帯に撮影しているが、これがF2くらいのレンズだともう暗く感じてしまう。対してXF50mmF1.0 R WRなら十分な明るさが確保できるため夕暮れでも撮影はスムーズだし、編集の際にもあまり調整することはなかった。わずかな光が当たった顔のディテールもしっかりと捉えられているし、意外と空が白飛びしやすいこの時間帯でもきちんと色味が出ており、レンズの光学特性の優秀さがはっきりと表現された1枚になったのではないだろうか。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F1.0 1/1000秒 ISO160
■モデル:じきまる。
逆に天気の良い日中に絞り開放で撮影しようとすると、シャッタースピードが1/8000秒など振り切れてしまう点には注意してほしい。高速シャッターが切れないと露出オーバーになってしまうこともあるため、日中もF1.0で撮影したい場合はNDフィルターを持っておくと安心だろう(フィルター径は77mm)。
夜の撮影でも手持ちでかつフラッシュ不要で、ここまでハッキリくっきりと撮れてしまうのがこのレンズの魅力だ。ISO感度もそこまで上げていないためノイズ感も一切なく、美しく背景がボケて被写体が驚くほど浮かび上がった1枚を撮影することができた。普通のレンズではなかなかこんな表現はできないはずだ。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F1.0 1/500秒 ISO400
■モデル:溝畑 幸希
個人的に必須な防塵防滴
XF50mmF1.0 R WRは防塵・防滴・-10℃の耐低温構造を採用。個人的にポートレートで使うレンズにはこれらが必須だと考えている。雨が降っていようが雪が降り積もろうが砂浜だろうが、お構いなしに撮影を行うポートレート撮影は機材に対してかなり過酷な環境になる。ましてやモデルさんと意思疎通しながら複数のカメラをリズム良く使い分けていると、どうしても機材の扱いが雑になる瞬間もあるし、良い写真を撮るために迷わず砂浜に寝転がることだってあるのだ。
今回の撮影でもレンズに砂が被ってしまうシーンはあったが、特に不具合なく使い続けることができた。下の写真もこのレンズの良さが良く出ているが、顔にピントを合わせた時に背景の砂浜がこの近距離でここまでボケているのは開放F1.0だからこそなせる業だと感じる。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F1.0 1/2000秒 ISO160
■モデル:じきまる。
F1.0でオートフォーカスが使えて防塵防滴で、となるとさすがにレンズのサイズは大きく(最大径87mm×長さ103.5mm)、普段メインで使っているXF23mmF1.4 R(約300g)と比べるとズシっとした重さはある(約845g)。ただ、日頃から様々な大口径レンズを使っている身からすると特別重さやサイズが気になることはなく、ましてやこのレンズでしか撮れない画があると思えば容易に許容できる範囲だと感じた。
さいごに
被写界深度の浅さ、ひいてはピント合わせのシビアさから正直癖のあるレンズであることは間違いないが、それでもポートレートを撮影する人には非常に魅力的なレンズに仕上がっていると感じた。開放F1.0のこのレンズにしか出せない写りが確かにそこにはあった。特に夜撮りで雰囲気良くポートレート撮影をしたいと思っている人にはぜひ試してもらいたい。他のXFレンズにはない、今まで見たことのない印象をきっと感じてもらえるはずだ。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F2.2 1/8000秒 ISO160
■モデル:じきまる。
■撮影機材:富士フイルム X-Pro3 + XF50mmF1.0 R WR
■撮影環境:F1.6 1/4000秒 ISO160
■モデル:じきまる。
■撮影協力
じきまる。:@jikimaru_
りな:@gyoza_love3
溝畑 幸希:@batako_yuki
■写真家:高橋伸哉
スナップからポートレートまで幅広く撮影。単著「写真からドラマを生み出すにはどう撮るのか?」などを出版。オンラインサロン「写真喫茶エス」などを運営。写真教室も定期的に開催しており常に満員となる人気。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の高橋伸哉さんによる、富士フイルム「XF50mmF1.0 R WR」レビュー記事です。XFレンズで最も明るい、F1.0で写し出す圧倒的な立体感をポートレート写真でお楽しみください。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,単焦点レンズ,XF50mmF1.0 R WR,レビュー,ポートレート,高橋伸哉
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 佐藤俊斗 × ポートレート vol.1|光の捉え方
BASENAME: 485296339.html
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CATEGORY: 佐藤俊斗
DATE: 01/23/2022 12:00:00
TAGS: 人物_子供,ソニー(Sony) ボディー,α7R IV,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
こんにちは。写真家の佐藤俊斗です。
まずは私が考える「写真の完成度」についてお話しをさせていただきます。
上手く撮れた!と思った写真でも背景に何かが映り込んでいたり、あと1秒早くシャッターを切れば良かったと思うような1枚だったり。がむしゃらにシャッターを切り続けて紡ぎだした1枚の写真であっても、その写真を構成する全ての要素を、良い条件で捉え納得の行く状態に仕上げることはとても難しいものです。
しかし、私が撮る写真において常に考えていることは、全ての条件を揃えて完璧な写真にする事で、それはつまり『被写体となる人物や物、光や背景など構図のバランスが全てにおいて完璧で、1枚にその全ての条件が100%揃っている事』となります。写真において正解はないからこそ、その瞬間を切り取る1枚1枚への微細なこだわりを強く持っています。
今回は、写真の完成度を上げるためのテクニックとして、私が最も大事にしている要素の一つである、『光』に焦点を当ててお話ししていきます。今まであまり話してこなかった撮影時のこだわりや、注意点についても深掘りして解説して行きたいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
光の重要性について
写真において「光」は必要不可欠なものであり、同じ時間でも季節によって太陽の向きや光の強さが大きく異なります。暑い夏の強い光では必然的に影の色は濃くなり、冬では柔らかい光の中でふんわりとした雰囲気の写真を作り易いですよね。この撮影する季節に加え、どの時間帯の光をどのように扱うかを何となく考えて撮影されている方も多いのではないでしょうか。
今回は冬の14:30~16:30の光の変化が大きく現れる時間帯で撮影しました。冬のこの時間帯に撮影していると、気が付いたら10分も経たないうちに光の位置が変わっていて、もう同じ写真が撮れない、なんてこともしばしばあります。いい光を捉えて撮影するには、タイミングと時間との勝負だとも言えます。この冬の時期は特に、素早い判断でシャッターを切って行くことが大事になってくるでしょう。
逆光撮影
まずは、ポートレートにおいて定番といえる逆光撮影での光の取り込み方について2つのポイントを解説していきます。
下の2枚の写真をご覧ください。
(1)モデルと背景の間に余白、空間を作り、そこから取り込んだ光で全体をふんわりと優しく包み込むように撮影。
■撮影機材:SONY α7R IV + SIGMA 24-70mm F2.8 DGDN Art
■撮影環境:f/2.8 1/400秒 ISO250 焦点距離70mm
■モデル:山崎江莉
(2)寄りで撮影し光をモデルの真後ろで捉え、コントラストを付けて撮影。
■撮影機材:SONY α7R IV + SIGMA 24-70mm F2.8 DGDN Art
■撮影環境:f/2.8 1/400秒 ISO250 焦点距離68mm
■モデル:山崎江莉
いかがでしょうか?
どちらの写真も14:30頃。同じ場所で撮った写真ですが、光の取り込み方や角度でこのように写真に変化をつけることが出来ます。
同じシチュエーションでの逆光撮影においても、このような知識を身に付けることにより状況に応じた撮影や、作品のバリエーションを増やすのに役立てることが出来るので覚えておくと大変便利です。
光と被写体とのバランス、光の読み方
このタイトルを聞いて、みなさんは何を思い浮かべましたか?頭にハテナが浮かぶ人も多いかもしれません。記事の冒頭でもお話しした通り、私が考える写真の完成度とは 『被写体となる人物や物、光や背景など構図のバランスが全てにおいて完璧で、1枚にその全ての条件が100%揃っている事』になりますが、ここでは下の写真を使ってもう少し詳しく説明させてください。
次の写真2枚を比較してみてください。
(1)
■撮影機材:SONY α7R IV + SIGMA 24-70mm F2.8 DGDN Art
■撮影環境:f/2.8 1/320秒 ISO250 焦点距離42mm
■モデル:山崎江莉
(2)
■撮影機材:SONY α7R IV + SIGMA 24-70mm F2.8 DGDN Art
■撮影環境:f/2.8 1/500秒 ISO250 焦点距離31mm
■モデル:山崎江莉
みなさんはどちらの写真がお好みでしょうか?
私は2枚目の写真が好きです。
理由として、被写体に対する観点では表情、動き、スタイリング、写真的な観点からすると、光と影のバランス、立体感などの写真全体の完成度を踏まえ、2枚目の写真を選びました。
2枚目は光の向きに合わせて、少し光の当たる位置に移動して動きをつけることによって影が体に出ます。クールな写真を作りたかったので、動きをつけてコントラストをつけた写真に仕上げています。
このように、同じ場所で撮影した場合であっても少し位置や動きが変わるだけでこんなに見え方が変わります。
カメラマンが特に陥りやすい「光」の読み間違い
木漏れ日、窓から差し込む光、逆光、、、撮影の1つのアレンジとして、またメインのテーマにもなるほど重要な「光」は、先程述べた通り、季節や時間によって様々な顔を見せてくれます。
この流れるように変化していく「光」の捉え方を少しでも間違うと、被写体の魅力が半減してしまうといえるでしょう。少し遠回しの表現をしてしまいましたが、人物撮影において被写体となる人物をより綺麗に、より美しく撮影することはとても重要であり、それを確実なものとする為にはその時々の状況や状態を見極めるセンスが必要になります。
ここで、例として
私がNGにした写真をお見せします。
■撮影機材:SONY α7R IV + SIGMA 24-70mm F2.8 DGDN Art
■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO250 焦点距離24mm
顔に綺麗な光が入った1枚ですが、口元に模様のような1本の影が入ってしまっていますね。これがNGにした理由であり、被写体を美しく撮影する為には不要な要素です。
単純に光を捉えるのは簡単ですが、写真の完成度を高めるためには影の形も読みながら撮影する必要があります。
写真選定の際に背景や構図、光だけが綺麗な写真を選んでいませんか?
私は完成度85%の写真は絶対に選びません。写真は人それぞれの好みがあり、正解はないとも言えますが、私はどの角度から見ても妥協のないものを選ぶことを第1に心がけています。
主役を引き立てる光
■撮影機材:SONY α7R IV + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:f/1.8 1/3200秒 ISO500 焦点距離55mm
■モデル:山崎江莉
では、以上の内容を元に光を活用した撮影テクニックをご紹介します。
私の写真において最も定評があり、本記事のメインテーマです。
撮影条件
・時間は16:00~16:30頃
・光は順光
・撮影場所はカフェの窓際
冬のこの時間帯は、光が濃いオレンジ色に変化し夕日ならではの暖かい光になるのが特徴的ですね。
夕日での撮影といえば逆光で撮影することが多いと思いますが、今回は室内に差し込む夕日の光を上手く利用して撮影したいと考え、カフェの窓際を選びました。
本題の「主役を引き立てる光」と聞いて、皆さんは一体どのようなものを想像するでしょうか。
下の写真をご覧ください。
■撮影機材:SONY α7R IV + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
■撮影環境:f/1.8 1/2000秒 ISO500 焦点距離55mm
■モデル:山崎江莉
はじめにも述べたとおり、光は写真のイメージを左右する大事な要素の1つ。主役でもあり脇役でもある大切な役割を果たしてくれます。
今回の窓際での撮影シーンの場合、被写体をより一層綺麗に引き立てる方法として、室内に差し込む夕日の光に対し、顔の向きを左に流してあえてバランスの良い陰影を作り、加えて瞳に光を入れる、いわゆる自然光によるキャッチライトという手法を使っています。これにより目の色が夕日色に染まり、ビー玉のような輝きを作り出し、さらに陰影とのバランスを考えながら立体感のある写真を撮影しました。
トリミングで表現する光の魅力
撮影環境や状況によってはどうしても不要な影が入ってしまう事もあります。
確実に綺麗な光を捉え、トリミングによる完成イメージを描くこともテクニックの1つと言えるでしょう。
光の強弱は、その時のシチュエーションや季節毎によって異なるため、常に変化する新しい光と向き合う事が大切です。つまり、シーン毎に応じて一瞬の光を読み、上手く捉えることが出来ればより完成度の高い1枚を撮影することができます。瞬間的な判断能力が求められる上、光をどのように取り込むか、どのように表現するかがとても重要です。
まとめ
今回は「光」についてお話をさせていただきましたがいかがでしたでしょうか。
写真を撮る上でシーンや状況に応じた光の捉え方、つまり ″光を選ぶ″ という事はとても大切な事になります。またその選んだ光を「どのように自分の写真に活かしていくか」で写真は大きく変わっていきます。今回お話しした内容が、今後のみなさんの写真活動において少しでもお力になる事が出来たらとても嬉しいです。
■モデル:山崎江莉
■写真家:佐藤俊斗
1991年生まれ、東京都出身。幼少期から20年間打ち込んできた剣道を辞めてフリーランスとして写真の世界へ。透明感のある人物撮影を得意とし、唯一無二の質感と優れた色彩感覚が評価され、日本国内に留まらず国内外の写真ファンからも支持されている。アパレル、web広告、インタビュー企画、カレンダー、フォトグラファーを対象としたフォトセミナーや地域広告撮影など幅広く活動。2021年、写真家が目標とする年間延べ11億人超の評価データから選ばれる『東京カメラ部10選2021』へ選出。
この記事に使用した機材
【シグマ】24-70mm F2.8 DG DN Art ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の佐藤俊斗さんがポートレート撮影の撮り方を紹介する連載記事です。初回となる今回は光の捉え方を作例と共に紹介していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
ポートレート,Sony,シグマ,Sigma,レンズ,佐藤俊斗
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.2 DaVinci Resolveを使用した動画編集のワークフロー
BASENAME: 485127256.html
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CATEGORY: SUMIZOON
DATE: 01/24/2022 16:00:00
TAGS: DaVinci Resolve,動画撮影・編集
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BODY:
【この記事の目次】
はじめに DaVinci Resolveを使用した動画編集のワークフロー プロジェクトの作成 エディットページの説明 プロジェクトの設定 素材の読み込み タイムラインとは動画の流れ 二重クリップ配置を避けるために 各素材毎のリサイズ、角度調整、手振れ補正、オーディオなどの設定 カラーコレクション、カラーグレーディング BGMについて 書き出し アップロード まとめ
はじめに
ここをご覧の方の中には動画撮影・編集を始めて見たいけど、動画は良く分からない用語が多くてどの設定で撮ったらいいのか分からない、編集もどうやって始めたらいいのか分からないという方も多いかと思います。
今回はこれから映像制作をはじめたい方向けに撮影フォーマットの説明、撮影~編集、書き出しまでをなるべく分かりやすい様に説明したいと思います。第二回は動画の編集に使用するソフト、「DaVinci Resolve」を使用した動画編集のワークフローです。
VIDEO
ちょっとした日常も編集して形に残すことは楽しい
LUMIX S5のLogプロファイルにて撮影(スチルカットはG100を使用)
DaVinci Resolveを使用した動画編集のワークフロー
以前はソフトによってカラーグレーディングが得意なソフト、編集に長けたソフトをワークフローの中で使わける必要がありましたが、今現在はFCPX、Premiere Pro、DaVinci Resolveそれぞれ単体でカラーグレーディングから編集、書き出しまで完結できるようになりました。
筆者は最近ではDaVinci Resolve STUDIOだけで完結しています。DaVinci Resolveは無償版のDaVinci Resolveと有償版のDaVinci Resolve STUDIOが用意されています。いずれもWindows/Mac/Linuxに対応しており、カラーグレーディングにおいて多くの劇場作品で使用されているプロユースな製品です。
ここからは私が普段使っているDaVinci Resolveの簡単な編集方法について説明したいと思います。
DaVinci Resolveは多機能過ぎて初めての方にはとっつきにくい印象があるソフトですが、編集程度であればさほど覚える事は多くないです。尚、一般的な4Kまでの8bit素材であれば無料のDaVinci Resolveでも十分なので是非トライしてみてください。(10bit素材の編集はDaVinci Resolve STUDIOが必要になります。)
プロジェクトの作成
DaVinci Resolveを立ち上げるとプロジェクトマネージャが立ち上がります。
まずは「新規プロジェクト」を押して適当な名前を付けてプロジェクトを作ります。プロジェクトとは動画編集一つの単位となります。難しい事は考えずにこれが一本の動画を作るための管理単位という風に考えればよいかと思います。
エディットページの説明
プロジェクトを作った後はDaVinci Resolveの操作になります。ウインドウの下辺には「メディア」、「カット」、「エディット」、「Fusion」、「カラー」、「Fairlight」、「デリバー」のページを選択するためのアイコン(ページナビゲーション)が並んでいます。それぞれ行う作業によってページが分かれているのがDaVinci Resolveの一つの特徴です。
DaVinci Resolveは非常に高機能なソフトであり、モーショングラフィックスの作成ができるFusionや音声編集の為のFairlightなどが統合されていますが、ここでは「エディットページ」と「デリバーページ」をメインに説明します。この二つを使えるようになれば、とりあえず編集と書き出しを行う事ができるからです。
エディットページを選択すると下記の様なウインドウに切り替わります。エディットページの左側はメディア(映像、画像、音声素材)を選択するためのウインドウになります。
中央下はタイムライン、中央上部はプレビューウインドウ、右がメディアの設定を行うためのウインドウとなります。
素材の映像を確認するためのビューアがソースビューア、編集しているタイムラインの映像を表示するものがタイムラインビューアとなります。この二つを同時に表示する/しないを切り替える方法は画面右上のデュアルビューアモードボタンをクリックします。
尚このボタンは映像の情報表示である「インスペクタ」が無効になっている時にのみ表示されます。
ビューアをシングルにするかデュアルにするかを選択するボタン
私の場合は、基本的には下記の様にインスペクタを有効にしてビューアは1画面で編集することが多いです。(この場合メディアプールにある素材をダブルクリックすればビューアはソースビューアとして機能し、タイムラインを選択している時はタイムラインビューアとして機能します。)
インスペクタはクリップの情報を詳細表示するためのもので、使用頻度は高い
つまり下記の様な画面構成で編集を行います。
プロジェクトの設定
ここでは作成したい動画のフレームレートと解像度を設定します。
最初にプロジェクト設定を確認する
解像度は編集を始めた後でも変更は可能ですが、フレームレートは基本的に後から変更はできません。そのため最初に決めたフレームレートで最後まで編集をする必要があります。
尚、例えば30pで撮影した映像を60pで編集してもフレームレートが上がることは(ソフト的にフレーム補完をする方法はありますが)基本的にありません。つまり、撮影段階でどのフレームレートの動画を撮りたいのかを意識する事が重要です。
タイムラインフレームレートをしっかり確認しましょう
一般的にはスポーツ映像やバラエティ番組の様な滑らかな映像であれば60p(59.94p)、映画の様な雰囲気を出したいのであれば24p(23.97p)、汎用性の高いフレームレートであれば30p(29.97p)を使うのが良いかと思います。私の場合は30pで撮影することが多いです。
まずは何を使ったらいいか分からないという方は、30pの設定から始めるのが良いかと思います。
素材の読み込み
メディアプールにフォルダごとドラッグアンドドロップして読み込む方法
これに関しては慣れないうちは素材をタイムラインに直接ドラックアンドドロップで配置しても構いません。
素材を直接タイムラインにドラッグアンドドロップする方法
また、素材が少ない場合なら、フォルダにあるファイルを全て選択してドラックアンドドロップした後にタイムライン上で直接編集を始めるやり方でも良いかと思います。
タイムラインとは動画の流れ
タイムラインとは文字通り時間軸に沿って動画素材を並べるパネルの事です。左から動画の最初、一番右が動画の最後となります。撮影の時間軸通りに並べる必要はありません。
自分の好きな様に動画素材を並べていけば良いだけです。ストーリー性を重視するのであればストーリーに沿った配置を心がけます。このページの最後の方で違和感のない並べ方のセオリーについて別途説明したいと思います。
タイムラインの配置
まず、メディアプールに読み込んだ素材を配置してみましょう。素材を選択してダブルクリックすると、ビューアには素材の映像が表示されます。編集する映像の中に使いたい映像があればこれをタイムラインにドラッグアンドドロップします。
そのドラックアンドドロップの前に、その素材のイン点、アウト点を指定すると必要な箇所のみをタイムラインに配置することが出来ます。イン点とはその素材の中で使用する最初のポイント、アウト点は終了ポイントとなります。キーボードのショートカットは、イン点は「i」、アウト点は「o」なので是非覚えておいた方が良いと思います。
慣れないうちはこの「イン点」と「アウト点」を指定してから素材を配置するといった方法に違和感があると思いますが、この方法が一般的な方法だと思います。
一方で、タイムラインに素材をOS上から直接ドラッグアンドドロップした場合について説明します。この場合は無駄な部分も含めて素材の全てがタイムラインに配置されてしまいますので、タイムライン上で無駄な部分をカットする作業が必要です。これにはいくつか方法がありますが、不要な部分の切れ目を分割し削除する方法を紹介します。
この方法は、カーソル(下図の縦に伸びる赤いライン)を、素材を分割した位置に持っていき「Ctrl +B(メニューのタイムライン→レイザーに相当)」を押すだけです。
ショートカットを使い不要部分を分割していく
次に不要な部分を選択してDeleteを押します。
Deleteを押し不要部分の削除
DeleteボタンとBackSpaceでは動きが異なり、不要な部分を含めてタイムラインの左に移動しますが、BackSpaceの場合はその位置を保持します。
上:Deleteキーを押した場合、下:BackSpaceを押した場合
慣れないうちはラフに動画の構成を考えつつタイムラインに素材を並べ、これらの分割操作を使って編集をするのが良いかと思います。
タイムラインに一旦素材を並べてからこれを行っても良いですし、ひとつひとつこの作業を行っても構いません。これの繰り返しで素材を並べていきます。
タイムライン素材の並べ替え
素材を並べていると、タイムライン上での素材の順番を入れ替えたいという事が多々発生します。素材の順序入れ替えに関してはいくつか方法がありますが、手っ取り早く素材の順序を入れ替える方法を紹介します。
かならずスナップを有効にする。ショートカット「N」でも設定可
上図の様にスナップを有効にした上で移動させたい素材を「Ctrl + Shift」を押しながらドラックアンドドロップするだけです。
簡単に素材の順序が入れ替わる
また、タイムラインの配置をしていると意図せずタイムラインの間にギャップが発生してしまう事があります。この場合はギャップ部分を選択してDeleteすることでギャップを詰める事が出来ます。
素材の間に出来たギャップ
また、編集メニューの「ギャップを削除」でタイムラインに存在するギャップを一気に削除して前詰めすることができます。ただし複雑なタイムラインを組んだ場合には、配置が壊れる可能性があるのでこの機能を使う場合は注意をしてください。
私の場合ラフにタイムラインを作る場合には良く使う機能です。
「ギャップを削除」でもギャップを埋めることができる
この他にも編集で便利な機能は多くありますが、これだけで素材を必要な分だけ並べていく事が可能になります。
二重クリップ配置を避けるために
素材数が莫大になってくると、タイムライン上に謝って複数の同一素材を配置してしまう事があります。これが意図したものであれば問題ないのですが、単純な作業ミスでこれが発生する事がありますし、見返してみてもなかなか気づかないケースがありますので、これを対策する表示方法を紹介します。
「複製フレームを表示」をONにした場合
「表示メニュー」の「複製フレームを表示」をONにすることで、重複しているフレームは素材の上部に色が表示されます。これによって単純な作業ミスを避ける事が可能となります。
各素材毎のリサイズ、角度調整、手ブレ補正、オーディオなどの設定
リサイズ、角度調整
素材を並べていくと、構図の調整やサイズの調整、角度の調整をしたいケースがあります。この場合はインスペクタ上でズーム、回転の角度の調整を行います。
ただし、ズームを使わずに角度の調整やX/Y位置の調整を行うと、画面の外側に黒い枠が見えてしまいますので、角度、位置の調整をする場合はズーム倍率を調整する必要があります。
配置した素材の詳細設定は右のインスペクタから行う
また、極端にズームの値を大きくしてしまうと、解像感が下がってしまいますので注意が必要です。筆者は4K素材で4K書き出しの場合は概ね1.3倍までの使用に留めています。
スタビライゼーション
また、DaVinci Resolveではソフト処理による強力なスタビライゼーションを使用することが出来ます。撮影時に発生した手ブレを自動認識して補正してくれる便利な機能です。こちらもインスペクタの方から設定が出来ます。
強力なスタビライゼーション機能(インスペクタ上から設定できる)
手ブレ補正の補正モードは遠近方向を含めて縦/横/回転軸を含めた「遠近」と縦/横/回転軸補正の「遠近なし」、縦/横のみの補正を行う「縦横のみ」の3つのアルゴリズムから選択することができます。
例えば遠景撮影であれば遠近の補正が必要になるケースはありませんので「遠近なし」もしくは「縦横のみ」を使用します。この部分については効果を確認しつつ自分の気に入ったアルゴリズムを選択すると良いでしょう。
尚「カメラロック」に関しては三脚による固定撮影の様なビタっと止まったスタビライズを行う事が可能ですが、撮影時に極力カメラを動かしていない素材に対して有効なものです。うまく使いこなすと手持ち撮影なのに三脚固定の様な効果が得られますので非常に有効な機能です。
オーディオ調整
DaVinci Resolveには強力なオーディオ編集機能が備わっていますが、ここでは簡単に音量の調整についてのみ記載します。
インスペクタ上でボリューム調整を行う
こちらも先ほどのインスペクタからオーディオタブを選択してボリュームを選択するだけです。他にもステレオ音声のバランスであるパンや音程を変更するピッチ変更、簡単なイコライズ設定を行う事が出来ます。
ダイナミックズーム
これは例えば三脚による固定撮影をした際に、動画にパンやチルトの効果を後処理で付け加えるためのものです。
これは例えば写真などのスライドショー素材を動画中に挿入する場合にも有効です。
ただし、この機能の性格上どうしても解像度の劣化は避けられませんので、領域を大きく拡大するようなダイナミックズームの使用は注意した方が良いです。
カラーコレクション、カラーグレーディング
動画編集時においては色味を変更したケースが多々ありますが、これに関しては以前に本サイトでカラーグレーディングに特化した執筆させて頂きましたのでそちらをご覧いただければと思います。
■DaVinci Resolveで始める簡単グレーディング
https://shasha.kitamura.jp/article/481248824.html
カラーグレーディングは編集をする中で非常に楽しい行程ではありますが、LogやRAWで撮影した映像では無い限り必ずしも必要な行程ではありません。まずは編集を一通り行ってからカラーコレクション、カラーグレーディングをするのも良いかと思います。
強力なカラーグレーディングツールと編集機能が統合されているのがDaVinci Resolveの強みですので、このソフトを使われる方は挑戦してみてください。
BGMについて
個人で楽しむ分には差し支えないですが、CDの音源などはごく一部の場合を除いて不特定多数の人が鑑賞するネット(YouTube)に公開する事は著作権の侵害にあたります。YouTubeへのアップロードが前提であれば、無償で使用できるYouTubeのオーディオライブラリを使うのが初めは良いかと思います。
一方で、ネット検索頂くと無償有償共に著作権フリーで使えるBGM配布サイトは多いです。YouTubeのオーディオライブラリで満足できない方は検索してみるとよいかと思います。尚、各配布サイトの利用規約をよく確認してから使用する様にしましょう。
書き出し
動画編集が終わったら通常の(OS標準の)動画ビューアで見れるように.mp4や.movのファイルに書き出しを行います。DaVinci Resolveでは「デリバー」と呼ばれるページから動画書き出しを行います。
まず、適当なファイル名をつけて保存先を指定します。ファイルフォーマットは一般的にはMP4もしくはQuickTimeが良いでしょう。コーデックは特別な理由が無い限りは汎用性の高いH.264を選択するのが良いと思います。
書き出しの解像度に関してですが、タイムラインと同じ解像度を選ぶのが一般的です。なお、高解像度のアップロードに対応していないSNSなどにアップするための動画を書き出す場合、ここで解像度を下げるもの一つの方法です。
これらの設定が終わればレンダーキューの追加のボタンを押します。すると右側のレンダーキューにジョブが追加されますのでレンダーボタンを押します。
アップロード
多くの人に動画をシェアする場合、YouTubeが広く使われています。YouTubeでは誰でも閲覧できる設定や、リンクを知っている人のみが閲覧できる設定、制作者のみが閲覧できる設定(非公開)という様に3つの中から公開範囲を選ぶ事が可能です。
家族親戚の間や友人間での共有であれば、限定公開でアップロードした後、URLを共有したい相手にシェアすればそのリンクを知っている人のみがアクセスできます。
YouTubeの公開設定
まとめ
冒頭に書かせて頂いた通り、DaVinciはぱっと見は非常にとっつきにくい印象のあるソフトです。ですが、最低限の編集に必要な部分は非常にわずかですし、非常に直感的に使用する事ができるソフトです。
導入コストのかからない無償版DaVinci Resolveだけでほとんどの編集はできてしまう優れモノです。これを使わない手はないと思うのです。是非動画編集に挑戦して頂ければと思います。
■ビデオグラファー:
SUMIZOON
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。現在Youtube「STUDIO SUMIZOON」チャンネル登録者は1万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。
『映像制作入門』連載記事はこちらからご覧頂けます
■動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.1 撮影フォーマットの基礎知識
https://shasha.kitamura.jp/article/485127121.html
■動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.3 素人丸出しの動画にならないために撮影時にできること
https://shasha.kitamura.jp/article/485131546.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ビデオグラファーのSUMIZOONさんによる映像制作入門連載記事のvol.2 「DaVinci Resolveを使用した動画編集のワークフロー」です。DaVinci Resolveの動画編集画面を用いて細かくフローを解説しています。
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KEYWORDS:
動画編集,DaVinci Resolve,SUMIZOON
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AUTHOR:
TITLE: 真のプロフェッショナル・ミラーレス機|ニコン「Z 9」見参!
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 01/25/2022 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z 9,スナップ,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
ついに登場したニコン「Z」のフラッグシップ
待ちに待ったニコンのミラーレス一眼カメラ「Z」の最高峰機が登場しました。その名は「Z 9」です。デジタル一眼レフのフラッグシップ機「D6」同様に、バッテリーグリップ一体型のボディはとても精悍なデザインになっています。「Z 6」、「Z 7」シリーズの特徴的なフォルムは、この「Z 9」のための流れだったのか!と納得のシルエットに仕上がっています。
手にするとズッシリ、カッチリとした印象でとても頼りがいがある造りを感じます。電源スイッチ同軸のシャッターボタン、節度感の高いダイヤルやボタン類、新採用の縦横4軸可動式の液晶モニターの動き、横位置でも縦位置でも深く握りやすいグリップ、防塵防滴、5軸ボディ内手ブレ補正機能など、フォトグラファーが最高の瞬間を捉えるために考え抜かれたカメラボディになっていると言えるでしょう。
Z 9のスペックは桁外れ!まさにプロ仕様
スペックも驚異的です。有効画素数は4571万画素。もちろんフルサイズのニコンFXフォーマットとなります。ニコン独自の積層型CMOSセンサーで、「Z 7II」の約12倍もの高速読み出しを誇り、ローリングシャッターの歪みを極限まで低減。これによってメカシャッターを過去のものにしています。
さらに、新画像処理エンジン「EXPEED 7」は「Z 7II」比で約10倍の高速処理を達成。センサーからのデータを個別処理し、メモリーカードに記録するための静止画データと、電子ビューファインダー、画像モニターに表示するライブビューデータを同時に演算処理して、ブラックアウトフリーの「Real-Live Viewfinder」を実現しました。このファインダーは本当に見やすくて快適です。
また、「EXPEED 7」の高速処理性能によって、正確かつ高速なAF性能、約120コマ/秒のハイスピードフレームキャプチャ+、驚きの8K UHD / 30P 内部収録、4K UHD / 120P などさまざまな高次元な撮影を可能にしているのです。
世界最多9種類の被写体を検出する高速オートフォーカス
「Z 9」はオートフォーカス性能もピカイチです。ディープラーニング技術を活用して、世界最多9種類もの被写体を検出してカメラ任せでフォーカシングし続けることができるのです。その被写体とは「人物、犬、猫、鳥、車、バイク、自転車、列車、飛行機」となります。ファインダーでのぞき、フレーミングをしっかりとしながら、シャッターチャンスに専念することが可能なのです。うれしいことにニコン一眼レフで評価の高かった「3D-トラッキング」もついに復活。動く被写体を確実に追尾してピント合わせができるようになりました。これは大歓迎ですね!
動体撮影に強い!高速連続撮影機能
「Z 9」は高速連続の書き込み可能な記録メディア「CFexpress Type B」カードをデュアルで採用しています。これと「EXPEED 7」の高速処理性能とで、約20コマ/秒の高速連続撮影を実現。しかも1000コマ以上の連続撮影も可能です(JPEG FINE(L)または高効率RAW)。
さらに「ハイスピードフレームキャプチャ+」は、約120コマ/秒で約11メガピクセルの静止画を撮影可能になりました(AF/AE追従。JPEG NORMAL)。これによってゴルフスイングのインパクトや、カワセミのダイブなど決定的瞬間を捉えることができるのです。
スポーツシーンはもちろん、あらゆるシチュエーションで高速AFと高速連続撮影は活躍します。
動画撮影機能もスゴい!
「Z 9」は動画撮影性能も素晴らしいものになっています。なんと8K UHD 30pの動画を最長125分も「CFexpress Type B」カードに記録可能となっています。ProRes 422 HQ 10ビット、 H.265(HEVC)10ビットおよび8ビットでの内部記録、さらにSDR、N-Log、HLGでの収録もできるのでプロの現場で活躍することでしょう。また、4K UHD / 120pのハイフレームレート撮影も内部収録できるのでスロー表現も楽しめますね。
手持ちでも高精細な4K、8K 動画が撮影できます。音声もとてもクリアですね。
VIDEO
Z 9でブラブラ実写スナップ!
「Z 9」はプロ仕様機ですが、さまざまなシチュエーションで快適な撮影が楽しめます。見やすくブラックアウトのないファインダー、高速で正確なオートフォーカス、途切れることがない高速連写、高画素で豊かな表現力、使いやすいカメラデザインなど、ニコンの撮影に対する哲学を存分に堪能できます。写真が好きなフォトグラファーなら手にしてシャッターを切ればお分かりいただけることでしょう。
「Z 9」を持って年末の多摩川河川敷を撮り歩きました。グラウンドでは少年ラグビーの試合が行われていました。父母が見守るその光景を撮影しましたが、メリハリのある情感豊かなカットになりました。解像感、色合いがいい感じですね。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:F8 1/250秒 ISO100
土手でランニングをしている二人とすれ違いました。振り向きざまに「Z 9」を向けてシャッターを切り続けましたが、正確かつ高速にフォーカシングしながら撮影ができました。ブラックアウトしないファインダーは動体が撮りやすいですね。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:F6.3 1/1600秒 ISO1100
「Z 9」のファインダーはとても見やすいです。逆光時でも白飛びや黒つぶれがなく、正確に被写体を確認できるのがうれしいですね。横位置と縦位置で情報表示が切り替わるところも気に入りました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:F8 1/320秒 ISO100
強い寒風の中、2匹のシロネコが身体を寄せ合ってうずくまっていました。そんなシーンも「Z 9」はしっかりとキャプチャーしてくれました。毛の質感と、寒々しい空気感が思った通りに撮影できましたよ。メカシャッターレスで静かなのでネコを驚かせることがありませんでした。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:F6.3 1/200秒 ISO2800
「Z 9」は高性能でユニークな数々のニコン「Z」マウントレンズを使えるのがメリットです。開放値「1.2」を誇る「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」の薄いピントと立体感は、「Z 9」の解像力とボディ内手ブレ補正機能とでより表現力を発揮してくれます。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■撮影環境:F1.2 1/1600秒 ISO100
「Z 9」と「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」のカップリングは実に見事。笹の印象的な前ボケとピント面の祭壇のコントラストがいい感じですね。「Z 9」のホールドしやすいグリップは重量級のレンズでも安心してフレーミングに集中できていい感じです。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■撮影環境:F1.2 1/500秒 ISO100
ブラックアウトフリーの「Real-Live Viewfinder」は画面が消失しないだけでなく、長時間撮影していても眼が疲れません。とても見やすいと感じました。きっとマニュアルフォーカスの「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」でもピント合わせしやすいでしょう。「Z」マウントでのオールドレンズ遊びも楽しめることと思います。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■撮影環境:F1.2 1/640秒 ISO100
「Z 9」は縦横にチルトする4軸可動式の液晶モニターを採用しています。これにより思い通りのアングルで撮影を楽しめます。手を伸ばしての撮影や、縦位置のローアングルなど自在です。このカットでは広がりのあるポイントで撮影ができました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
■撮影環境:F8 1/80秒 ISO100
「Z 9」のオートフォーカス性能は本当にスゴいです。飛んでくるユリカモメにレンズを向けて、オートエリアAFでシャッターを20コマ/秒で切りましたが、どのカットもユリカモメの目にピッタリとフォーカスしたカットを得られました。高倍率ズームレンズでもこの威力なのですから驚きました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:F6.3 1/2500秒 ISO320
走り回るタイワンリスを撮りました。とてもすばしこいのでフレーム内に捉えるのが難しいのですが(笑)、フレーム内に収められれば「Z 9」は正確にピント合わせしてくれました。リス認識はないのですがその精度にビックリです。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:F6.3 1/2500秒 ISO1100
「Z 9」はそのスゴいスペックのせいで、主にスポーツや報道シーンで活躍するカメラという認識ですが、その俊敏性と堅牢性、確実性はすべてのプロフェッショナル・フォトグラファーと写真を愛する人に向けられていると感じます。確実かつ正確に、思った通りに思った瞬間を記録できる、そんな「写真機」に仕上がっています。あらゆる被写体を静止画、動画で捉える人々に手に取って欲しいですね。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:F14 1/800秒 ISO100
ニコン「Z 9」の主要諸元
レンズマウント:ニコン Z マウント
総画素数:5237万画素
有効画素数:4571万画素
撮像素子:35.9×23.9mmサイズCMOSセンサー、ニコンFXフォーマット
ボディ手ブレ補正:イメージセンサーシフト方式5軸補正
記録媒体:CFexpress カード(Type B)、XQDカード
ファインダー:電子ビューファインダー、1.27cm/0.5型 Quad-VGA OLED、約369万ドット
視野率:上下左右とも約100%(対実画面)
シャッター:電子シャッター、電子シャッター音あり、センサーシールドあり
シャッタースピード:1/32000~30秒
フラッシュ同調シャッタースピード:1/250秒または1/200秒以下の低速シャッタースピードで同調
連続撮影速度:・低速連続撮影:約1~10コマ/秒
・高速連続撮影:約10~20コマ/秒
・ハイスピードフレームキャプチャ+(C30):約30コマ/秒
・ハイスピードフレームキャプチャ+(C120):約120コマ/秒
ISO感度:ISO 64~25600(増減感可能)
フォーカスポイント:493点
モニター:チルト式8cm/3.2型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約210万ドット
寸法(幅×高さ×奥行き):約149×149.5×90.5mm
質量:約1340g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディーキャップ、アクセサリーシューカバーを除く)
まとめ
日本のカメラ業界を一眼レフカメラ「F」シリーズで牽引したニコン(昔は日本光学)が、真っ先にプロフェッショナル向けフラッグシップ機でメカシャッターレス機を出すとは思いませんでした。まさにこれは新しいカメラの世界を切り拓く大事件だと言えるでしょう。
「Z 9」のスペックは静止画、動画ともにスキはなし。カメラの造りもニコンらしく質実剛健で、まさにプロが使うカメラに仕上がっています。写りも極上で、撮影体験も同様です。まさに新世代のミラーレス一眼カメラの誕生です。
その証拠に「Z 9」は世界中で人気を博し、入手難が続いています。早くこの「Z 9」で撮影を楽しみたい人は、いますぐカメラのキタムラで予約を入れることを強力にオススメいたします。いやぁ、本当に「Z 9」は素晴らしいカメラですよ。ニコン、スゴい!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによるニコンZ9のレビュー記事です。フラッグシップ機の性能を様々な被写体で試していただきました。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,ボディ,Z 9,スナップ,フルサイズミラーレス
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー α7 IV レビュー|風景写真家 高橋良典
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CATEGORY: 高橋良典
DATE: 01/26/2022 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,風景,α7 IV,レビュー,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
2018年3月発表のベーシック機α7 IIIから4年弱が経過、いつ登場するかと待ちわびていたα7 IVが2021年12月にとうとう発表、発売されました。キャッチコピーは「Beyond Basic」。さて、どれほどの進化を遂げたのか?α7 IIIやその他上位機種との比較を交えて風景写真家目線・静止画目線でのレビューをお届けいたします。
サイズと重量
サイズ感や重量感はほぼ据え置き。αシリーズの特徴でもある軽量・コンパクトさは全く損なわれていません。しいて言えば7mm程、厚みが増していますが、そのおかげでα7 IIIよりホールディングが良くなったと感じました。筆者の手はごく普通の成人男性くらいの大きさですので、多くの方にとっては手にした感触が良いと感じていただけるのではないでしょうか。
外観・操作系
大きな変更点として液晶モニターがチルト式からバリアングル方式になりました。この点については撮影者の好みもあるので一概には言えませんが、私個人としては大歓迎。チルト式モニターでは難しかった縦位置でのローアングル&ハイアングル撮影が容易に出来るようになりました。
【下2枚】バリアングル方式になったことで縦構図時の自由度が増しました。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境 焦点距離133mm 絞り優先AE(F5.6、1/2000秒、-0.5EV補正) ISO200 太陽光
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境 焦点距離145mm 絞り優先AE(F2.8、1/3000秒、+0.5EV補正) ISO200 太陽光
液晶モニターの画素数はα7 IIIが93万ドット→α7 IVが103万ドットと微増ですが、ファインダーの解像度は236万ドット→368万ドットと大幅アップ。α7 IIIでやや物足りないと感じていた視認性が高まりました。特にMF時、画面の一部を拡大してのピント合わせや撮影後の再生画像チェックが格段に行いやすくなりました。
カメラ右肩部分、露出補正ダイヤルの刻印がなくなり、露出補正以外の機能が割り当て可能になりました。これは歴代αを通して初めてのこと。筆者は露出補正の単位を0.5EVに設定しているため従来の0.3EV刻みのみで機能する露出補正ダイヤルは全く出番がなく使っていませんでした。それだけにこの変更は嬉しいもので早速ISO感度を割り当てたところ、従来、ボタン+ダイヤル操作で行なっていたISOの変更がダイヤル単独で出来るようになり、操作性の大幅アップにつながりました。ダイヤルロック機構が備わっているため勝手に設定が変わってしまう事もありません。ちなみに露出補正はその左隣の後ろダイヤルに割り当てて使っています。
露出補正ダイヤルが無地になっていることがわかる
そして2段式のモードダイヤルもαシリーズ初搭載です。上段は従来通り露出モードと撮影設定登録(1)(2)(3)の切り替えが出来ます。(α7 IIIでは(1)(2)の2つでしたがα7 IVは上位機種と同じく3つ登録可能になりました。この点も◎)そして下段に静止画⇔動画モードの切り替えがついたことで動画撮影時も、よりスピーディーな設定が可能になりました。
2段式のモードダイヤル
そしてC1ボタンと録画ボタンの位置が入れ替わり、α7S IIIと同じになりました。私の場合は静止画メインでα7R IVとの併用となるので録画ボタンにWB変更を割り当てて使っています。αシリーズはカスタマイズの自由度が高いので、まず購入したら自分が使いやすいように設定してしまうのがおすすめです。
画質・撮影機能
有効画素数が約2400万画素から900万画素増え3300万画素となりました。引き画の風景写真では細かな絵柄が被写体となるので高画素化は嬉しく感じました。より高画素が欲しい場合はα7R IVを選ぶ手もありますが、通常の使用であれば3300万画素あれば十分に対応できます。また、トリミングやAPS-Cモード使用の場合にも元の画素数が大きくなったことで心強くなりました。
画素数アップにも関わらずダイナミックレンジの広さや高感度性能は、全く損なわれておらず、撮影後のレタッチで少々無理をしても高画質が保たれており安心しました。連写速度も秒間10コマが維持されています。ただし「非圧縮RAW/ロスレス圧縮RAW」に設定した場合のみ連写スピードが遅くなってしまうのは、唯一残念な点だと感じました。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境 焦点距離104mm 絞り優先AE(F11、15秒、+0.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
画素数がアップした新開発のセンサーは全倍以上に大伸ばししても安心感があります。
【下2枚】冷え込んだ早朝に霜を撮影。しっかりとした解像性能で冷たさが伝わってくるようです。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE70-200mm F2.8 GM OSS II + 1.4×テレコンバーター
■撮影環境 焦点距離280mm 絞り優先AE(F8、1/125秒、-1EV補正) ISO800 太陽光
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE24-105mm F4 G OSS
■撮影環境 焦点距離83mm 絞り優先AE(F4、1/350秒、+0.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
【下2枚】輝度差の大きなシーンでもハイライトからシャドウまで諧調描写に優れています。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE16-35mm F2.8 GM
■撮影環境 焦点距離16mm マニュアル露出(F13、0”5秒) ISO160 太陽光 CPLフィルター
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE24-105mm F4 G OSS
■撮影環境 焦点距離56mm 絞り優先AE(F8、0”7秒) ISO200 太陽光 ハーフNDフィルター
画像処理エンジンがBIONS X→BIONS XRに進化。それに伴いメニュー画面も大きく変更され上位機種のα1やα7S IIIと同じになりました。正直、α7 IVを使い始めるまでは慣れるのに時間がかかりそうだと思っていたのですが、新メニューはきちんと階層ごとに項目がまとまっているので機能を呼び出しやすく非常に使いやすいものでした。こうなると併用している高画素機α7R IVは旧メニューなので、早くα7RⅤが発売にならないかと期待してしまいます。
また、クリエイティブスタイル→クリエイティブルックと名称が変わりました。こちらもα1やα7S IIIと同様になり、彩度やコントラスト、シャープネス、明瞭度など、より細かな設定が出来るようになっています。
【下2枚】従来機のクリエイティブスタイル「スタンダード」に相当するクリエイティブルック「ST」で撮影。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE24-70mm F2.8 GM
■撮影環境 焦点距離24mm 絞り優先AE(F11、8秒) ISO400 太陽光 CPLフィルター
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE24-105mm F4 G OSS
■撮影環境 焦点距離29mm 絞り優先AE(F16、1/6秒、-0.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
サザンカの赤色、そして凍てついた水面への映り込みが鮮やかです。
メモリーカードスロットは2スロット。スロット1のみSDカードに比べて書き込み速度が2倍以上のCFexpress Type Aに対応。連写時、非圧縮RAW+JPEG撮影でも828枚の連続記録が可能です。しかし、風景写真家目線でいうなら最も嬉しいポイントはSDカードUHS-Ⅱタイプも使えるということ。確かにCFexpress Type Aを使えば高速書き込みが可能です。ただ、被写体が激しく動くことのない風景撮影においてそこまでの高速連写は不要と考えればSDカードでも十分に対応できます。CFexpress Type Aはまだまだ金額も高いため、今までのSDカードをそのまま使いたい方にもありがたいですね。
それから、レンズ交換時にセンサーがむき出しにならないようシャッターを閉じる機能が追加され、風や雨の中でのレンズ交換に安心感が増しました。ただし、電源オフの状態でレンズキャップをしないまま太陽にレンズを向けるとシャッター破損の恐れがあるのでその点は注意が必要です。バッテリー満充電時の撮影可能枚数はα7 III比で若干少なくなっていますが、特に実写で気になることはありませんでした。充電器は付属しないのでカメラのUSBポート経由での充電となりますが、別売りの充電器を購入した方が便利だと感じました。
電源オフ時のシャッターの開閉はメニューから変更することが出来ます。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE24-105mm F4 G OSS
■撮影環境 焦点距離105mm 絞り優先AE(F5.6、1/90秒、+1.5EV補正) ISO800 太陽光 CPLフィルター
悪天候時のレンズ交換でも安心感が増しました。
AFの進化と手ブレ補正
最も進化を感じられるのがAF性能と言っても過言ではないでしょう。風景撮影時のフォーカスモードはAF-Sやダイレクトマニュアルフォーカスモードを使うことが多く、その点ではα7 IIIと大差はないのですが、特筆すべきはAF-Cで被写体を追従する場合です。α7 IIIのロックオンAFはα7 IVではリアルタイムトラッキングに進化。追従精度が大幅アップ。しかも、瞳AF(動物)とリアルタイムトラッキングが併用できるようになりました。
さらに人や動物の瞳AFに加えて、α7 IVでは新たに鳥にも対応。これは今まで最上位機のα1のみに搭載されていた機能です。α7 IIIは今でもなおベーシック機として素晴らしいカメラですが、少しでも動くものを撮る方にはやはりα7 IVをおすすめします。5軸ボディ内手振れ補正は5段の補正効果から5.5段の補正効果にアップグレードされています。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE70-200mm F2.8 GM OSS Ⅱ
■撮影環境 焦点距離200mm 絞り優先AE(F2.8、1/350秒、-0.5EV補正) ISO6400 太陽光 CPLフィルター
AF-Cで撮影。ソニー公式には鹿はリアルタイム瞳AF(動物)対応外ですが鹿の目を捉え続けてくれました。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE70-200mm F2.8 GM OSS Ⅱ
■撮影環境 焦点距離200mm 絞り優先AE(F2.8、1/250秒) ISO6400 太陽光 CPLフィルター
鹿が身震いした瞬間にシャッターを切ると鹿の胴体がよじれるような面白い写真となりました。瞳を認識しない状況になってもリアルタイムトラッキングが、そのまま鹿の顔を追従してくれます。高感度にも関わらず十分に実用的な画質が保たれています。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE70-200mm F2.8 GM OSS II + 1.4×テレコンバーター
■撮影環境 焦点距離280mm 絞り優先AE(F4、1/500秒、+2EV補正) ISO400 太陽光
リアルタイム瞳AF(鳥)も試してみましたが、これくらいの大きさでもしっかりと働いてくれました。
まとめ
2021年12月17日の発売日にα7 IVが手元に来てから約1か月が経過。その間、しっかりと使い込みましたが、最上位機種α1譲りの一部機能の搭載など全方位にスキの無いまさに「Beyond Basic」としての本カメラの完成度の高さを感じました。
ここまでのレビューの他にも実際使ってみるとわかるのですが、カメラ全体のレスポンスが相当良くなっています。
・フォーマットのスピードが早くなった
・再生時、拡大したままでもコマ送りが早くなった
・メモリーカードへの書き込みに待たされなくなった
などは使ってすぐに体感することが出来ました。
一度、触れてしまうときっと欲しくなってしまうと思いますので、出費を控えたい方はむしろ手に取らない方が幸せかも(笑)。α7 IVはそれくらい魅力的に仕上がっているカメラだと感じました。
■撮影機材 ソニーα7 IV + ソニー FE24-105mm F4 G OSS
■撮影環境 焦点距離27mm 絞り優先AE(F4、1/200秒、+0.5EV補正) ISO2500 太陽光
フラッシュを使用して雪を玉ボケで表現しました。同調シャッタースピードは1/250(フルサイズ時、APS-Cモード時は1/320)。最上位機α1のような電子シャッター時のフラッシュには対応していません。
■写真家:
高橋良典
(公社)日本写真家協会会員・日本風景写真家協会会員・奈良県美術人協会会員・ソニーイメージングプロサポート会員・αアカデミー講師
α7 IV レビューはこちらの記事でもご覧頂けます。
■ソニー α7 IV レビュー|静止画も動画も撮りたい人に!これからのスタンダードミラーレスカメラ!
https://shasha.kitamura.jp/article/484908191.html
■ソニー α7 IVが登場!|上位モデル撮影性能を継承した新時代Basicモデル
https://shasha.kitamura.jp/article/484754618.html
■ソニー α7 IV レビュー|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/485650113.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の高橋良典さんが風景写真を撮る観点からソニーα7 IVをレビューしています。美し作例と共に本カメラの魅力をご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,風景,高橋良典,α7 IV
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AUTHOR:
TITLE: シグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary|小さな標準ズームと旅の記録
BASENAME: 485301136.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 坂口正臣
DATE: 01/27/2022 16:00:00
TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,標準ズーム,動画撮影・編集
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BODY:
はじめに
SIGMAのフルサイズミラーレス専用設計「DG DN」の標準ズームレンズは現在2種類ラインナップされている。1本目はSIGMAの持つ高い光学性能を象徴するような高画質標準ズームレンズ「24-70mm F2.8 DG DN | Art」だ。
そしてこのレンズとほぼ同じ基本構成でありながら、広角側を4mm狭め、厳しい自社基準の防塵防滴性能を少し下げることで、大幅な小型軽量化を果たしたレンズが、今回使用した「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」である。
開発者の方が自ら、「24-70mm Artの精巧なコピー」と語るほどに、妥協のない光学性能をこの小さな筐体に詰め込んだと言うのだから、その性能に期待せざるを得ない。今回の旅は冬風が厳しい玄界灘の岬、そこでカーキャンピングをしながら丸一日使用した。
旅の記録を動画で
アウトドアに持っていく撮影機材を選択する際、重要視するのがコンパクトさと軽さなのだが、SIGMA fpと28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryの組み合わせはとても理想的であり、広角から中望遠までをその小さな筐体でカバーしていることも、このレンズを手に取らせる大きな魅力となっている。
今回の旅の映像をご紹介しようと思う。製品カット以外の全てのシーンをこのレンズで撮影したが、小型軽量で28mmから70mmと言う焦点距離が大いに役立った。今回フォーカス送りをする撮影技法は使用してないが、写真用レンズで映像撮影をする際に気になるフォーカスブリージング(焦点の移動で画角が変わる現象)も極めて少ない事をお伝えしておきたい。
VIDEO
コンパクトさと対照的な描写性能の高さ
朝、すっかり日が昇った10時過ぎ、車を降りた瞬間すっきり晴れ渡った青空と身が締まるような冷たい海風で上着を慌てて着込む。この時の気温は3℃だったが、陽射しの温かさが心地良くもあった。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/1000 f2.8 ISO100
木漏れ日を感じながら、森の中の歩道を歩く、常緑樹が多いこの場所は真冬でも緑を感じることができる。自然のパーゴラのように木々が眩しい陽射しを遮る先に、あまり使われていないであろう東屋が見えた。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/1250 f2.8 ISO500
開放絞りのF2.8で撮影した写真をみて、このレンズがContemporaryラインであることを疑ってしまった。この緻密で繊細な描写は、もはや隠れArtラインと呼ぶ方が相応しいのではないかと思う。
足元を染める赤紫色の実を見つけたので見上げると、そこには閉店した野鳥のレストランがあった。自然のつくり出す色の組み合わせはとても優しい。私の使い古したPENDELTONの毛布に似た、飽きのこない青と赤が心地よい。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/1250 f2.8 ISO100
力強い木の幹に細い蔦が垂れ下がる、木の表皮に絵の具で葉を描いたかのように楽しげな苔のアート。葉脈まで繊細に描写する合焦部分と対象的に柔らかいボケ味、このレンズの表現力の高さを感じる。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/1000 f2.8 ISO320
まるで箱庭のように整った半島が斜光に照らされる様子にしばし見惚れる。玄界灘の激しい波が作り上げた洞窟は美しく荘厳な佇まい、あらためて自然は厳しくも尊いものだと感じる。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/800 f2.8 ISO100
柱状に連なる玄武岩を、崖の松の枝の隙間からのぞくと、六角形の断面が見えた。70mmで引き寄せて撮る、不安定な体勢の撮影もズームレンズだからこそ状況に応じて素早く対応できた。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/800 f2.8 ISO100
火山から流れ出たマグマが、急激に冷やされることで出来た玄武岩をより近くで撮影する。荒波が作り上げたアートの迫力を前に、夢中でシャッターを切った。このレンズの逆光耐性はとても優れている、それは、フレアやゴーストを避けるために気に入ったアングルや構図を諦める事なく、クリアな写真が撮影できることを意味する。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/2500 f5.6 ISO400
夕方になり気温が一気に下がりはじめた。早足で車にもどる途中、かつてこの場所が多くの観光客で賑わっていたと感じ取れる、趣のあるお店を見つけた。夕日が建物を照らす、経年変化したカーテンの色味が夜の寒気を連れてきた雲とマッチしている。
28mm広角で撮影したが、歪曲収差は極めて少ない。屋根の傾きは建物の撓みであることを、正確に描写されたアルミサッシの格子が教えてくれた。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/1000 f2.8 ISO100
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/1000 f2.8 ISO100
日が暮れはじめた駐車場に戻ると、昼食をとっていないことを思い出し、急にお腹が空いた。車のラゲッジスペースに布をしいて間に合わせの食卓を作り、紅茶を淹れて夕日を見ながら食事をした。冬の美しい夕日と温かい紅茶はとても相性が良い。
開放F2.8の絞りのおかげで、ISO感度を上げずに見た目の印象より明るく撮ることができる。濃く淹れすぎた紅茶の深い赤もしっかりと写してくれた。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/160 f2.8 ISO100
1日の終わり。対岸に控えめに光る夜景を待つ事にする。リアゲートを開けランタンを灯した。膝に掛けた毛布で暖まりながら、手に持ったカメラで気負わずに見たままを撮影する。次は何処へ行こうかと考えながら。
■撮影機材:SIGMA fp + 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
■撮影環境:1/250 f2.8 ISO100
おわりに
この日、午前中から夜まで、写真に動画に存分に使用して改めて気付いた。ひと昔前に比べてサイズ・デザイン・画質・操作感など全ての要素が格段に進化している。この性能で購入しやすい価格なのも嬉しい。正に新しい現代の基準を作り出していると感じる。だからこそ、このレンズはコンテンポラリーの証「C」のエンブレムを冠しているのだと深く納得した。
■フォトグラファー/ ビデオグラファー:
坂口正臣
雑誌の撮影を経て広告写真・建築写真・映像撮影など福岡を拠点に幅広く活動中。坂口写真事務所(SPO)を運営。
「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介中
【尾鷲陽介】自分の視点を知るための基準になるレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/484972449.html
【水咲奈々】ポートレート向きのF2.8通しズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/481494774.html
【三井公一】スナップにも最適、軽快な標準ズームレンズ
https://shasha.kitamura.jp/article/480573513.html
この記事に使用した機材 【シグマ】28-70mm F2.8 DG DN Contemporary ライカL用
商品詳細ページ 【シグマ】28-70mm F2.8 DG DN Contemporary ソニーE用
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
ビデオグラファーの坂口正臣さんによる、シグマ「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」レビュー記事です。持ち運びも楽な小型標準ズームで撮影した旅の記録を、動画と静止画でお楽しみください。
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KEYWORDS:
シグマ,Sigma,標準ズームレンズ,28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ライカ × ポートレート 水咲奈々 Vol.2|ライカQ2
BASENAME: 485346408.html
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 01/28/2022 16:00:00
TAGS: ライカ(Leica) ボディー,Q2,人物_子供,ポートレート(人物),コンパクトデジタルカメラ,フルサイズ
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BODY:
ライカQ2とポートレート
初めてライカQ2に触れたとき、コンパクトデジタルカメラに見えないデザインと、試写の1枚目から、驚くほど繊細な写りにびっくりした。あのときは、接写好きな私としてはマクロモードが搭載されていることばかりに目が行っていたが、今回は、「ライカ × ポートレート」シリーズの第2弾として、ポートレートを撮りながらライカQ2と向き合ってみたいと思う。
気軽にコンデジと呼べない
■撮影機材:ライカQ2
■撮影環境:f/1.7 1/1000秒 ISO100
■モデル:大城優紀
ライカQ2は、有効画素数4730万画素の35mmフルサイズセンサー搭載、開放F値F1.7の明るいレンズ「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」が付いた、レンズ一体型のカメラだ。素早く切り替えられるマクロモードを搭載しており、最短撮影距離17cmの接写撮影も可能。
光学式の手ブレ補正機能、4K動画撮影、スマホアプリとの連携など、最近のデジカメに搭載されている機能は一通り網羅されている。ライカQ2を手に取る人間は私も含めて、それらの機能にこだわりは持たないと思われるが、あるとない、どちらかを選べと言われたら、やっぱり入っている方が便利だろう。特にアプリの「ライカFOTOS」は、カメラ内のスチールやムービーをスマホに転送したり、スマホからカメラの撮影設定をしてリモート撮影も可能なので、セルフポートレート撮影も手軽に行える。
一般的にはコンパクトデジタルカメラと呼ばれる部類に入るが、そのデザインは高品位で洗練されている。ライカQ2を目の前にすると、気軽に「コンデジ」と呼んではいけない気持ちになる。
モデル・大城優紀という女性
■撮影機材:ライカQ2
■撮影環境:f/1.7 1/125秒 ISO1600
■モデル:大城優紀
今回はライカQ2を手に、沖縄へ飛んだ。海とか観光地を撮るためではない。大城優紀さんを撮るためだ。初めて彼女を撮影したのは2019年9月。沖縄の強い太陽の下、街中と海の両方で撮影を行った。沖縄を拠点にタレントとして多彩な活動をしている優紀さんは、知り合いの写真家を通して紹介してもらった。
実際に会う前の写真の中の彼女は、ふんわりと柔らかい女性というイメージだった。では会ってみてイメージが違ったかというと、そういう訳ではない。細やかな気遣いのできる優しいムードはそのとおりだった。思っていたのと違ったのは、カメラの向こう側の彼女の醸し出す空気だった。
彼女がポーズや表情を変えるごとに、まとっている空気が色やムードを変えていくのだ。ふんわりと微笑めば、余白の空気は甘くて柔らかくなる。物憂げなポーズを取れば、全体の湿度がしっとりと上がる。こちらをじーっと見つめる力強い目線のときは、周りの空気まで揃ってこちらを見つめているような。
その空気まるごとを、ライカQ2で撮影したかった。もう、海とか写っていなくていいから。
デジタルズーム搭載機
■撮影機材:ライカQ2
■撮影環境:50mmデジタルズーム使用 f/1.7 1/1600秒 ISO100
■モデル:大城優紀
■撮影機材:ライカQ2
■撮影環境:75mmデジタルズーム使用 f/1.7 1/1000秒 ISO100
■モデル:モデル:大城優紀
■撮影機材:ライカQ2
■撮影環境:75mmデジタルズーム使用 f/1.7 1/1000秒 ISO100
■モデル:大城優紀
レンズ一体型のライカQ2だが、デジタルズームが使用できる。最大記録画素数の焦点距離は28mmだが、操作ボタンを押すごとに35mm、50mm、75mmのクロップの切り替えができ、その撮影範囲は液晶モニター上に表示できる。単焦点レンズながら、ズームレンズにように使用できるのは、素早く被写体に近付きたいときに役に立つ。
「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」は9群11枚のレンズ構成で、非球面レンズを3枚使用している。28mmの焦点距離でも、歪みなく隅々まで綺麗に描ききっており、このレンズだからこそ、75mmまでクロップしても遜色のない、美しい描写が保たれているのだろう。
また、368万ドットの有機EL電子ビューファインダーを搭載しており、視認性はとても高い。液晶モニターとビューファインダーは、アイセンサーのお陰で目を近付ける、離すの動作だけで、素早く切り替わってくれる。
撮影場所の光の状況によって、両方を使用して撮影したいことは多々あるので、この切り替わりに難があるとストレスレベルがぐーっと上がってしまうのだが、ライカQ2は文句なしの切り替え速度だった。
風は味方
■撮影機材:ライカQ2
■撮影環境:f/1.7 1/1250秒 ISO100
■モデル:大城優紀
沖縄は風が強い。特に海沿いでは、帽子が飛ばされるのなんて日常レベルに風が強い。沖縄撮影のアシスタントの一番大変な仕事は、レフ板持ちだと思う。自分ごと飛ばされそうになるから。そして、当たり前ながらモデルの髪の毛も、風に吹かれてあっちにいったり、こっちにいったりする。
だが、日常の自然な動作が大好きな私としては、風に吹かれた髪や服などを直している姿は、フレームに収めたいシーンのトップクラスでもある。ポートレートでは滅多に連写を使用しないので、このようなシーンでは、AFのピントを合わせる速さが重要となってくる。
ピントを合わせて、シャッターを切る…ピントを合わせて、シャッターを切る…この操作を手動で複数回繰り返すことで、イメージに会う一瞬を捉えるのだ。
また、風の強いときに気になるのがカメラへの負担だが、ライカQ2は保護シーリングが施されていて、ほこりや水滴の侵入を防いでくれる。海辺でも気負わずに撮影できるのは頼もしい限り。
強さと立体感のある描写
■撮影機材:ライカQ2
■撮影環境:35mmデジタルズーム使用 f/1.7 1/800秒 ISO100
■モデル:大城優紀
言うまでもないだろうが描写性能は素晴らしい。肌の質感は素直でストレートな描写、柔らかい髪の毛も一本一本丁寧に描き、ボケは滲みなく柔らかい。モデルを主役として、強く立体的に浮かび上がらせてくれる写り方は、連載1回目の
「ライカ × ポートレート × 水咲奈々 Vol.1|ライカM10-R」 でも感じた。
控えめというよりも、ぐっと強く、主役を全面に押し出してくれるイメージだ。そんなカメラだと、普段は撮らないような表情やムードを撮りたくなるから、また楽しい。
ライカQ2と私
■撮影機材:ライカQ2
■撮影環境:35mmデジタルズーム使用 f/1.7 1/500秒 ISO160
■モデル:大城優紀
ポートレート撮影では三脚や一脚などを使わずに、フットワーク軽く動き回りたい私を、ライカQ2はフルサポートしてくれた。機能面は何より、構えたときのカメラの質感と重量は、シャッターを切るその瞬間までも楽しませてくれる。写真は楽しい。そこに立ち帰れるカメラだ。
撮影日:2021年12月
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。(社)日本写真家協会(JPS)会員。
■「ライカ × ポートレート × 水咲奈々」の連載記事は
こちらから ご覧頂けます。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんがライカを使ってポートレート撮影を行い、その魅力を紹介する連載企画です。Vol.2ではライカQ2を使って撮影を行いました。
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: 「Z」標準ズームレンズの新基軸|ニコン NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sで撮る
BASENAME: 485391707.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 01/29/2022 11:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z 24-120mm f/4 S,スナップ,標準ズーム
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BODY:
超高性能な標準5倍ズームレンズ
プロフェッショナル向けフルサイズミラーレス一眼カメラ「Z 9」が絶好調のニコンから、その「Z 9」に最適な標準ズームレンズが登場しました。5倍のズーム比を誇るこの「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」は、描写もよく、寄れて軽く、過酷なシチュエーションでも安心して使えるレンズに仕上がっていました。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは使い勝手がいい
プロフェッショナル・フォトグラファーの機材は、通常「大三元」と呼ばれる3本のズームレンズを基本に構成されます。ニコンの「Z」シリーズですと、広角ズームレンズの「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」、標準ズームレンズの「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」、望遠ズームレンズの「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」となります。どれも「F2.8」通しの明るくて高性能な「S-Line」レンズです。さらに、これにプラスして被写体に合った単焦点レンズを加えて現場に持参します。
撮影対象にもよりますが、ほとんどの現場では標準ズームの「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」がメインになることが多いでしょう。例えばインタビューやドキュメンタリー撮影の場合、単焦点ではなく焦点距離を変えられるズームレンズがやはり活躍します。現場では撮影ポジションを変えられない、逆に移動を繰り返したり撮影時間に制約がある、などシチュエーションはさまざまです。そんな時に「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」では「ちょっと望遠側が足りないな」と感じるシーンも多いものです。「もう少しアップで撮りたい」、「ちょっと望遠でシェイプをきれいに見せたい」と思って、単焦点望遠レンズにレンズ交換をするか、サブボディに付けた「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」にスイッチするか悩むシーンがあります。
そんな時にこの「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」ならスッとズーミングするだけで悩み解消です。「F4」と1段暗くはなりますが、シームレスに撮影できるというのは時間の制約が厳しい現場ではとても重宝するはずです。バリバリと仕事をするフォトグラファーや、高性能なズームレンズ1本で機材を済ませたいというフォトグラファーには大いに役立つレンズと言えるでしょう。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの高スペックさ
5倍のズーム比となる「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」ですが、実写してみてその写りに驚きました。とんでもなく素晴らしいからです。絞り開放からとてもシャープですし、被写体にグッと寄れて使い勝手も抜群でした。
そのスペックは、ED非球面レンズ1枚とEDレンズ3枚というレンズ構成で、マルチフォーカス方式を採用し正確で高速なオートフォーカス性能も有しています。ニコンのお家芸、斜めからの光に有効なナノクリスタルコートと、垂直に入射する光に有効なアルネオコートも採用されており、ゴーストやフレアを効果的に防いでいます。また、さまざま収差も抑えられていて、あらゆるシーンで頼りになる1本だと感じました。
ブラブラ実写スナップ!
ワイド端24mmでのカットです。ヌケ感のあるクリアなブルーが心地よいですね。波の描写も繊細でしっかりとしている印象です。遠くに富士山が見えるのにお気づきでしょうか?
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F9 1/320秒 ISO100
先ほどのカットと同じ場所からテレ端120mmまでズーミングしてみましたが、これだけ富士山を大きく捉えることができました。24-70mmの標準ズームレンズだとこうはいきません。「もうちょっと!」に手が届くのがこの「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」なのです。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F7.1 1/800秒 ISO100
停まっていた外国車のヘッドライト周りを撮りました。豊かなコントラストと塗装の微妙なグラデーションが実に見事ですね。目を引く写りだと言えます。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F5.6 1/200秒 ISO100
「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」は約630gと携行しやすい軽さとサイズ感になっています。お使いのニコン「Z」のファーストレンズとしてチョイスするのもいいでしょう。24mm〜120mmというズームレンジがあれば日常的な撮影はほぼこなせるからです。何気ないカットも情感豊かに捉えることができました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F6.3 1/1000秒 ISO100
川崎港にやってきました。ニコン独自のナノクリスタルコートとアルネオコートはこのような逆光時撮影にとても有効です。強烈な海の反射をフレーム内に入れてもクリアな絵を約束してくれるからです。コントラストの低下もなく、海の向こうに見える房総半島までクッキリと判別できますね。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F11 1/500秒 ISO100
マルチフォーカス方式採用のこのレンズですが、頭上を旋回するトビを正確にフォーカスして捉えてくれました。瞳が実に鋭いですね!このように「Z 9」との相性は抜群と言えるでしょう。このカットも24-70mm標準ズームレンズだと寄れずに、やや迫力が少ない絵になったに違いありません。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F4 1/3200秒 ISO280
「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」は防塵防滴構造で、最前面のレンズにはニコン独自のフッ素コートが施されています。前玉が汚れても軽く拭くだけでOKです。海辺や砂浜での撮影でも安心です。ガラス越しにボートのコックピットを撮りましたが、ステアリングのキリッとした感じがたまりませんね。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO100
走行中の江ノ電を「Z 9」で連続撮影しました。高速走行する電車ではないので当然ですが、「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」は全フレームにおいてパーフェクトに合焦しました。ボディの質感と写り込みの様子が気に入りました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F5 1/400秒 ISO100
ズーム全域で最大撮影倍率0.39倍、最短撮影距離0.35mまで被写体に寄れる性能は実に重宝します。しかも、その写りは精細感と立体感富んでいるからです。ボケ感もスムーズでいい雰囲気だと思いませんか?
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F8 1/250秒 ISO100
やはりテレ端が120mmというのは大きなアドバンテージと言えるでしょう。自然な望遠感の描写をちょっとズーミングするだけで手にできるのはうれしいですね。レンズ交換の手間もなく、思った瞬間に「Z 9」のシャッターを切れました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO100
「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」は5倍の使いやすいズーム比と、立体感と精細感のある描写、そしてこの山門のカットのように深い色再現性を高次元で達成した新世代のミラーレス用標準ズームレンズだという印象を受けました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
■撮影環境:F5.6 1/200秒 ISO100
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの主要諸元
レンズマウント:ニコン Z マウント
焦点距離:24mm-120mm
レンズ構成:13群16枚
(EDレンズ3枚、ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
画角:84° - 20°20′(撮像範囲FX)
61° - 13°20′(撮像範囲DX)
焦点距離目盛:24、28、35、50、70、85、120mm
ズーミング:ズームリングによる回転式
ピント合わせ:マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式
最短撮影距離:撮像面から0.35m(ズーム全域)
最大撮影倍率:0.39倍
絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
絞り方式:電磁絞りによる自動絞り
最大絞り:f/4
最小絞り:f/22
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ):77mm
寸法:約84mm(最大径)×118mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
質量:約630g
付属品:
・レンズキャップ77mm LC-77B(スプリング式)
・裏ぶた LF-N1
・バヨネットフード HB-102
・レンズケース CL-C2
まとめ
このレンズは「Z 9」にピッタリで機動性を活かした撮影で生きるレンズだと感じました。F4通しなのでマニュアルでのフラッシュ撮影時でも撮影がラクですし、レンズの重量バランス、開放絞りからの高い描写力、リッチな色再現性と、ポートレート、スナップ、風景、報道、スポーツ撮影までオールラウンドにこなす高性能標準ズームレンズになっています。ニコン「Z」シリーズをお使いのフォトグラファーは愛用の1本に加えることをオススメします。
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによる、ニコン「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」のレビュー記事です。F4通しの5倍ズームと、使い勝手抜群の新作レンズをスナップ撮影で試していただきました。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,標準ズームレンズ,NIKKOR Z 24-120mm f/4 S,レビュー,スナップ,三井公一
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: レンズワークを極めて風景写真をグレードアップ!|高橋良典
BASENAME: 485348702.html
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CATEGORY: 高橋良典
DATE: 01/30/2022 10:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ,風景,広角ズーム,単焦点,標準ズーム,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
一言で交換レンズといってもたくさんの種類がありますよね。皆さんがすでにお持ちのレンズや、購入を検討しているレンズには必ず焦点距離が書かれています。基本的すぎてご存知の方が多いと思いますが焦点距離の数字が小さいほど(16mmや24mmなど)広い範囲が写り、数字が大きい程(300mmや400mmなど)望遠になり遠くの被写体を引き寄せることができます。
また、レンズには焦点距離ごとに写り方の特性があり、それを作画に取り入れることでさらに一歩進んだ作品が撮影できるようになりますし、次に購入したいレンズも見えてきます。そこで今回は焦点距離やレンズごとの特徴を解説してまいります。
※本記事はフルサイズカメラを基準とした焦点距離で作成しております。
標準レンズ
焦点距離50mm前後のレンズを標準レンズといい、ズームレンズの場合は50mm付近を含むものを標準ズームレンズと呼びます。なぜ50mmが標準なのかは諸説あるのですが「肉眼で注視せず普通に景色を眺めた時の視野角に近い」や「遠近感描写が肉眼に近い」からとされています。そういう意味では、実際に現場で目にした印象との差異が少なく最もナチュラルに見える焦点距離だと言えます。
【下2枚】標準域で撮影すると肉眼で景色を眺めた時に近い印象に写ります。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-70mm F2.8GM
■撮影環境:焦点距離 45mm 絞り優先AE(F13、1/60秒、+0.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 44mm 絞り優先AE(F13、1/10秒) ISO400 太陽光 CPLフィルター
広角レンズ
焦点距離が概ね35mm以下のレンズを広角レンズといいます。前述の標準ズームレンズには24mmや28mm等、35mm以下の焦点距離を含むので標準ズームがあれば広角レンズ域も使えるということになります。
また、24mm未満のレンズの事を超広角レンズといい、12-24mmや16-35mm等、広角域だけをカバーするズームレンズの事を広角ズームレンズ(超広角ズーム)と呼びます。描写の特徴として標準レンズを基準に焦点距離が短く(小さく)なるほど「遠近感描写が強くなり、被写界深度が深くなる」のが特徴です。
広角レンズは肉眼よりも遠近感が強調され、広さが表現できます。被写界深度が深いのでパンフォーカス表現にも向いています。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 26mm 絞り優先AE(F16、1/45秒、+0.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
落差80mほどの大きな滝。これ以上、後ろに下がれない場所ですが、画角の広い超広角レンズを使えば全体を写すことができます。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE16-35mm F2.8GM
■撮影環境:焦点距離 18mm マニュアル露出(F16、1秒) ISO250 日陰 CPLフィルター
望遠レンズ
焦点距離が85mmを超えるレンズの事を望遠レンズといい、70-200mmや70-300mm、100-400mm等、望遠域のみで構成されたズームレンズの事を望遠ズームレンズと呼びます。
さらに300mmを超える400mmや500mmは超望遠レンズといいます。描写の特徴として標準レンズを基準にした際に焦点距離が長く(大きく)なるほど「圧縮効果が強くなり、そして被写界深度が浅くなる」のが特徴です。「圧縮効果」の詳細については後述いたします。
望遠レンズと言えば、やはり引き寄せ効果。遠くの被写体を大きく写すことが出来ます。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE100-400mm F4.5-5.6GM OSS
■撮影環境:焦点距離 279mm 絞り優先AE(F5.6、1/750秒、+0.5EV補正) ISO1600 太陽光 CPLフィルター
風景全体から一部分を切り取るときにも望遠レンズが活躍します。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE70-200mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 178mm 絞り優先AE(F4、1/500秒、-1.5EV補正) ISO200 太陽光 CPLフィルター
高倍率ズームレンズ
28-200mmや24-240mm等、一本のレンズで広角域~標準域~望遠域までをカバーするレンズの事を高倍率ズームレンズと呼びます。レンズ交換をせずに幅広い焦点距離が使える非常に便利なズームレンズです。私が初めてカメラを手にした35年程前には(歳がバレますね・・・)そのようなレンズは存在しませんでした。
また、高倍率ズームの黎明期では特定の焦点距離での描写が極端に落ちる等、倍率を高くすることの弊害が出たものです。しかし、技術の進歩によって近年発売されている高倍率ズームは、利便性に加えて小型軽量化を実現するとともに、実用上十分な画質も保っています。
しかし、画質を突き詰めるならズームレンズの倍率を抑えたものの方がより高画質であることには今も変わりなく、画質面を考えると以下の図式は昔から変わらずに成り立つと言えるでしょう。
単焦点レンズ ≧ 倍率を抑えたズームレンズ > 高倍率ズームレンズ
技術の進歩によって、単焦点レンズとズーム倍率を抑えたハイグレードズームレンズの画質差は僅かなものになりつつあります。
マクロレンズ
マクロレンズとは最短撮影距離が短く、より被写体に近づいて写すことのできるレンズです。普通のレンズでは近寄れないような、水滴や花のしべなど小さな被写体を撮影するときに使うと別世界が楽しめますよ。
【下2枚】普通のレンズではここまで被写体に迫ることは難しくマクロレンズでしか表現できない世界があります。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE90mm F2.8 Macro G OSS
■撮影環境:焦点距離 90mm 絞り優先AE(F2.8、1/750秒、-1EV補正) ISO400 太陽光
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE90mm F2.8 Macro G OSS
■撮影環境:焦点距離 90mm 絞り優先AE(F2.8、1/500秒、+1.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
焦点距離による描写の違いを生かす
焦点距離が変わると、写る範囲(画角)や望遠度合いが変わるだけではなく遠近感や圧縮効果等、描写も変わる訳ですが、それらを理解しないまま撮影を続けていると、焦点距離の変更はただ単に写る範囲を決めているだけにすぎないということになります。
普段の撮影で焦点距離を意識せず何気なくズームリングを回し、写る範囲だけで構図を決めている方も少なくないと思いますが、レンズごとの描写の特徴を頭に入れ、深めることが出来ればよりステップアップした写真が撮れるようになります。
そこで、ここからは焦点距離によるレンズ効果を意識して撮影した写真を例に解説してまいります。ここまで説明してきたレンズの特徴を考えながらご覧くださいね。
~焦点距離を特に意識しなくても良い場合~
以下4枚は写したい範囲に合わせてズームレンズで画角調整して撮影しました。これ以上前に行けない、後ろに下がれない場所等、立ち位置を変えられない場合、また焦点距離を変えることによって描写の変化が感じられないケースにおいては、特に焦点距離の意識を持たず、画角だけで構図を決めてしまって構いません。
棚田の曲線を損なわないよう全体が入るような画角で撮影。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24mm F1.4GM
■撮影環境:焦点距離 24mm マニュアル露出(F13、0“5秒) ISO400 太陽光 ハーフNDフィルター
木立と光芒のバランスを考えて画角を調整。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE24-70mm F2.8GM
■撮影環境:焦点距離 70mm 絞り優先AE(F13、1/125秒、-1EV補正) ISO200 太陽光 CPLフィルター
川面の美しい所をクローズアップしました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE70-200mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 146mm 絞り優先AE(F16、20秒、-0.5EV補正) ISO100 太陽光 CPLフィルター、ND1000
晩秋の斜面。デザイン的に美しい箇所を望遠レンズで切り取りました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE100-400mm F4.5-5.6GM OSS
■撮影環境:焦点距離 169mm 絞り優先AE(F5.6、1/125秒、-0.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
~広角レンズを意識した撮影~
以下7枚は遠近感が出るよう、積極的に広角側の焦点距離を使って撮影しています。カメラ位置を変えられる場所では前に出て焦点距離の短いレンズを使うことで、より風景の広がりを描くことができます。
群生するあじさいになるべく近づいて広角域で撮影。広がり感のある描写となりました。ただし、花畑等の撮影で手前に柵などがある場合は、それを超えて近づかない事。また、柵などが無くても花畑に踏み込む事がないようにしましょう。たとえ三脚の脚1本でもマナー違反です。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 26mm 絞り優先AE(F16、1/8秒、-1EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
超広角域で高山植物チングルマの群落を撮影。手前の花は大きく写り、奥にいくにしたがって花が小さく写ることで遠近感がより強調されます。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE16-35mm F2.8GM
■撮影環境:焦点距離 16mm 絞り優先AE(F16、1/60秒) ISO400 太陽光 CPLフィルター
超広角域を使えば、小さな水たまりでも広く見せることができます。水面すれすれのローアングルで撮影しています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE16-35mm F2.8GM
■撮影環境:焦点距離 17mm 絞り優先AE(F11、1/250秒) ISO800 太陽光 CPLフィルター
こちらも超広角域を使い、しだれ桜が覆いかぶさってくるように表現しました。桜の幹になるべく近づいて上を見上げています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE20mm F1.8G
■撮影環境:焦点距離 20mm 絞り優先AE(F16、1/60秒、+1.5EV) ISO400 太陽光
キノコのアップを狙いました。広角域を使えば、背景が広く写るのでその場の情景を伝えることができます。後述しますが、逆に望遠レンズでは大きくぼかして背景を省略することが出来ます。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE16-35mm F2.8GM
■撮影環境:焦点距離 23mm 絞り優先AE(F2.8、1/30秒、-1EV) ISO400 太陽光 CPLフィルター
見上げた際、上すぼまり感が強く出るのも広角域の特徴です。それによって木々の高さが表現できます。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE24-70mm F2.8GM
■撮影環境:焦点距離 25mm 絞り優先AE(F16、0“7秒、-0.5EV) ISO400 太陽光 CPLフィルター
逆にカメラを下に向けると下すぼまり感が強調され、高い所から見下ろしているような描写となります。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 26mm 絞り優先AE(F16、4秒、-0.5EV) ISO400 太陽光 CPLフィルター
~望遠レンズを意識した撮影~
望遠レンズの特徴として「圧縮効果」が挙げられます。「圧縮効果」とは遠近感が弱まり遠くのものが迫ってくるような描写を指すのですが、マラソンや駅伝のテレビ中継でランナー正面から望遠レンズで映された映像を思い浮かべると理解しやすいでしょう。
先頭から2番手のランナーまでの距離が結構離れているにも関わらず、まるで2番手が迫ってくるように映っているのを見たことがあれば、それがまさに「圧縮効果」だと言えます。
以下6枚の写真は望遠レンズの圧縮効果を生かすため、積極的に望遠側の焦点距離を使って撮影しています。カメラ位置を変えられる場所では後に下がって焦点距離の長いレンズを使うことで、密度感のある表現ができます。
圧縮効果により鹿が密集しているように写っていますね。
■撮影機材:ソニー α7R III + FE70-200mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 200mm 絞り優先AE(F4、1/350秒、-2EV補正) ISO800 太陽光
木々が密集しているような描写とするため、あえて後ろに下がり望遠レンズを使いました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE70-200mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 178mm 絞り優先AE(F16、0”7秒、-1.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
焦点距離が長くなるほどに圧縮効果が強く出ます。手前の葦から後の木までは相当離れているのですが、近くに迫ってくるように写っていますね。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE100-400mm F4.5-5.6GM OSS + 1.4×テレコンバーター
■撮影環境:焦点距離 433mm 絞り優先AE(F11、1/60秒、+1.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
こちらも超望遠域。奥行きのある桜の木々を圧縮効果で平面的に描きました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE100-400mm F4.5-5.6GM OSS
■撮影環境:焦点距離 330mm 絞り優先AE(F16、1/15秒、-1EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
被写界深度が浅く、美しいボケ表現が得られるのも望遠レンズの特徴。背景をシンプルにまとめることができます。立ち位置を変えずにズームで調整するのでなく、自分が後ろに下がってなるべく望遠側を使うことを意識することがポイントです。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE70-200mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 200mm 絞り優先AE(F4、1/500秒、+1EV補正) ISO800 太陽光 CPLフィルター
ふんわりとした前ボケ表現にも望遠レンズの使用が有効です。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE70-200mm F4G OSS
■撮影環境:焦点距離 200mm 絞り優先AE(F4、1/750秒、+1EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
まとめ
ここまで「レンズワークを極めて風景写真をグレードアップ!」のテーマでお送りしてきましたがいかがでしたか?焦点域で異なる描写の特徴を作画に生かすことの重要さが、お分かりいただけたと思います。
ポイントはズームレンズの利便性にのみ頼らず、積極的に自分が動いて焦点距離を選ぶことです。特に高倍率ズームを使っている程、移動することなく画角が変えられてしまうので、その描写の特徴を理解しないまま撮影してしまいがちです。
これからは画角(写る範囲)だけでなく、意識的に標準域、広角域、望遠域を意識することで思い通りの作品が撮れるようになっていただけると嬉しく思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
■写真家:
高橋良典
(公社)日本写真家協会会員・日本風景写真家協会会員・奈良県美術人協会会員・ソニーイメージングプロサポート会員・αアカデミー講師
その他の風景写真ハウツー記事はこちら
風景写真でのISO感度設定のポイント|高橋良典
https://shasha.kitamura.jp/article/485000306.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 90mm F2.8 Macro G OSS
商品詳細ページ
【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ
【ソニー】FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の高橋良典さんによる焦点距離別風景撮影のグレードアップ術記事です。様々な作例を用いて焦点距離やレンズごとの特徴を解説していただいています。
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KEYWORDS:
ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony),レンズ 風景
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム XFレンズコンパクトプライムシリーズ|XF16mmF2.8 R WR レビュー
BASENAME: 485380056.html
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CATEGORY: こばやしかをる
DATE: 01/31/2022 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF16mmF2.8 R WR,スナップ,単焦点
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BODY:
はじめに
富士フイルムのXマウントコンパクトプライムシリーズ単焦点レンズと歩く第三弾は、広角らしいパースが効いてダイナミックな広がりを感じながら撮影が楽しめる、XF16mmF2.8 R WR(35mm判換算:24mm相当)。今回もミニマルボディのX-E4と共に街中をスナップして歩いてみました。〝広角レンズの標準レンズ〟として位置付けられる焦点距離24mm。その使いこなしと合わせてレビューいたします。
■第一弾のXF35mmF2 R WR編は
こちら
■第二弾のXF23mmF2 R WR編は
こちら
描写力に優れた軽量・小型の広角レンズ
XF16mmF2.8 R WRは、2019年3月に発売されたレンズです。これまでご紹介した「F2シリーズ」と言われるXF23mmF2 R WR、XF35mmF2 R WRと同様の高級感と堅牢性を兼ね備えたスタイリッシュなデザインで、その操作感も変わることなく慣れ親しんだスムーズな撮影が楽しめます。
静粛性に優れているステッピングモーターで駆動させるインナーフォーカス方式AFや、防塵・防滴・-10℃の耐低温構造のタフネス性能も同様の仕様であり、悪天候時に心強く幅広い撮影シーンに対応してくれます。
非球面レンズ2枚を含む8群10枚のレンズ構成により、広角レンズで起こりやすい像面湾曲や球面収差を効果的に抑制し、画像中心部から周辺部まで高い解像性能を発揮するため、その小ささから想像し難い描写力に優れたレンズです。
わずか155gの質量&全長45.4mmのサイズは、X-E4とのコンビネーションでとても実用的。
非常にコンパクトで携帯性が最良と言ってよい。右のXF35mmF2 R WRとも統一感のあるデザイン。
レンズデザインも「F2シリーズ」と合わせて統一感があり、愛用しているX-E4とコンパクトプライムシリーズとの組み合わせは、かなりスタイリッシュ。広角レンズのラインナップに富んでいるXFレンズの中でも最小の広角レンズであり、その求めやすい価格も大きな魅力と言えるでしょう。
広角レンズの中の標準レンズとなる24mmの画角
ミラーレスカメラでの動画撮影も一般的となり、広角ズームレンズが35mm判換算で16mm前後から始まるレンズが増えた昨今、24mmは超広角ではありませんが、この焦点距離は〝広角レンズの標準レンズ〟といった意味合いを担っているように感じます。広角レンズに慣れていない人にはかなり広く感じるかもしれませんが、21mmほどパースペクティブの誇張される感じを受けず、動画、セルフィーがメインという方にも使いやすい画角です。さらに、28mmだと「ちょっと狭い」「画面に迫力が足りない」と感じていた人にはちょうど良い画角と言えます。
被写体と背景の遠近感が強調されるため、風景、スナップなどに使用されることの多い広角レンズですが、最近では狭い室内や背景を取り入れたポートレート撮影でも活用されることも多くなりました。
高さ・広がり・奥行きの強調でダイナミックに写し込む
撮影時の姿勢を大きく変えることなく立ったまま見上げる、手首のスナップでアングルや角度を変える、ピントを置く距離によるパースペクティブを活かした撮影が可能なXF16mmF2.8 R WRは、足元から頭上まであらゆるアングルでダイナミックな画作りが楽しめます。
近くのものが大きく、遠くのものが小さく見えるパースペクティブ効果を活かした撮影は、焦点距離28mmでは画面に収まりきらない被写体、無理な体勢で撮影しなければならない狭く限られた状況下でも余裕のある撮影が可能。広がる風景や大きく高さのある建造物、狭い室内などでもダイナミックなアングルで狙うことができるなど撮影シーンの幅広さも特徴です。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS1/8秒 F/9 ISO6400 AUTO WB雰囲気優先 +0.7EV
■フィルムシミュレーション:VELVIA(ビビッド)
高架下の自転車置き場の様子。ここでは金網柵を利用して長秒撮影をしてみました。広角レンズで気になるのは歪曲収差(ディストーション)ですが、高速道路の支柱や街灯を見ると歪曲収差は非常に少なく、画面の周囲が多少流れていく程度です。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS2秒 F/14 ISO640 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:VELVIA(ビビッド)
床屋さんのサインポールにピントを置き、手前から奥へ視線誘導を促すような撮影をしてみました。平面的にならないよう、画面に入り込む直線を活かして奥行きを作ることができます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS1/80秒 F/6.4 ISO320 WB太陽光
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
ビルからの反射光と二人の影がシンクロして印象的だったので、瞬時に手首をスナップさせて足元に広がりのある一枚に。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS1/750秒 F5.6 ISO320 WB電球 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:モノクロ(WT+4 WG+1)
様々なアングル、角度によってダイナミックに変化する「面」の動きを感じながら撮影していることが体感できるレンズです。
開放値F2.8と最短撮影距離
最短撮影距離は17cm。広角レンズは漠然とした撮影になりがちで苦手という声も少なくありませんが、まずは「寄る」を重視して撮影してみることからはじめるのが良いと思います。私自身もそのことから広角レンズの良さ、楽しさを知りました。メインとなる被写体を大きめに撮影する、一歩前へ出ることでテーマが明確になります。
深度の深い広角レンズの開放F値では、ボケを重視した表現よりも周囲の雰囲気を活かした撮影がポイントです。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS1/150秒 F/4 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:Astia(ソフト)
最短撮影距離では開放F値の魅力が発揮されます。じんわりと余韻のあるボケによって場所の雰囲気が生かされてきます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS1/30秒 F/2.8 ISO400 WB太陽光
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
テーブルフォトでは、メインの丼物だけでなくテーブルの上も程よく取り入れることができました。どんなお店で食べたのか後で見返したときにも思い出せます。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS1/30秒 F/2.8 ISO400 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV
■フィルムシミュレーション:ETERNA
ADV.フィルターを活用してインパクトのある画作りを
Xシリーズにもデジタルフィルターである「ADV.(アドバンスト)フィルター」が搭載されているのをご存知でしょうか。普段使われている方はほとんどいないようですが、この機能を合わせて使うことにより、広角の迫力+インパクトのある画作りができます。ADV.フィルターはRAWファイル記録撮影に対応しているので、後からフィルムシミュレーションへ置き換えて現像することもできます。
(X-T2、T3、T4、T30、T30Ⅱ、Pro2、Pro3、E3、E4、H1、S10、100vに対応)
ポップカラーを使用して、支柱の黄色、電車の高架下に並ぶバスのインパクトを強めてみました。フロントガラスに写り込んだ空や、画面奥の郵便ポストにも目が留まるようになり、手前から奥へテンポのある視線の動きが生まれました。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS1/200秒 F/5 ISO320 AUTO WB +0.3EV
■ADV.フィルター:ポップカラー
実物大に再現された土俵に窓から差す光が印象的で、ダイナミックトーンを使って荘厳なイメージに仕上げてみました。V字のように鋭く切れ込む直線が広角レンズらしい写りです。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS1/160秒 F/5 ISO160 AUTO WB -1.3EV
■ADV.フィルター:ダイナミックトーン
隅田川にかかる蔵前橋。24mmという画角によってその大きさを強調することができている上、写り込む光の色を印象的に仕上げるためにここでもポップカラーを使用しました。
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS2秒 F/14 ISO640 AUTO WB -1.0EV
■ADV.フィルター:ポップカラー
被写体のダイナミックさに加え、色や画作りのインパクトを与えることができるADV.フィルターは、撮影する中で「ピンと来ないな。」と感じるようなシーンで活用することで思いがけず力強い印象を与えてくれます。
おわりに
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF16mmF2.8 R WR (24mm)
■撮影環境:SS1/15秒 F/2.8 ISO640 AUTO WB雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
APS-Cサイズのセンサー「X-Trans CMOS 4」と画像処理エンジン「X-Processor 4」によって解像力を発揮し、広角レンズらしいヌケのよい鮮明な印象を与えることができるXF16mmF2.8 R WRは、パンフォーカスの効いた写真らしい表現のできるレンズ。使いやすい画角でシーンを選ばないところが大きな魅力です。
1mm変わると画が大きく変わるといわれる広角レンズは、自分自身の立ち位置と被写体の大きさ、距離、そしてアングルを大きく変化させながらスナップや日常的に写真を楽しみたい人にピッタリ。XF16mmF2.8 R WRはそんな広角レンズが初めての方にもお勧めしたい1本です。
■写真家:
こばやしかをる
デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
この記事で紹介した機材 【富士フイルム】XF16mmF2.8 R WR ブラック
商品詳細ページ 【富士フイルム】XF16mmF2.8 R WR シルバー
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のこばやしかをるさんによる、富士フイルム「XF16mmF2.8 R WR」のレビュー記事です。小型軽量でX-E4との相性も抜群。手軽に広角スナップを楽しめる単焦点レンズです。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,単焦点レンズ,XF16mmF2.8 R WR,レビュー,スナップ,こばやしかをる
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: テスト 国分真央さん
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 国分真央
DATE: 02/01/2022 11:01:21
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テスト
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF100-400mm F5.6-8 IS USM レビュー|携帯性抜群の大注目望遠ズーム
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CATEGORY: GOTO_AKI
DATE: 02/01/2022 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF100-400mm F5.6-8 IS USM,風景,望遠ズーム
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BODY:
はじめに
望遠ズームレンズといえば「重い・大きい・お値段も立派!」というイメージをお持ちの方も多いと思います。今回レビューさせていただく「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」は、今までの常識を覆すような「軽く・小さく・リーズナブル」と三拍子揃った大注目の人気レンズです。もちろん、RFレンズならではのシャープな高画質もウリの一つです。早速、写真をご覧いただきながら、レンズの特徴をお伝えしていきたいと思います。
デザイン・外観
望遠ズームは大きくて重いという先入観も手伝い、初めて手にした時のスッと持ち上がる感触に「軽い!」と驚いたのが第一印象。約635gの重量は、標準ズームレンズ「RF24-105mm F4L IS USM」の約700gよりも軽量で、RFマウントのショートバックフォーカスによる自由度の高いレンズ設計の恩恵を感じます。
グリップのゴム部分は幅が広く、握りやすいデザイン。私の手の大きさは平均的なサイズですが、手が小さい方も大きい方にも馴染みそうなグリップです。回転のストロークも滑らかで、ファインダーを覗きながらの操作も硬すぎずストレスがありません。さらに、このレンズはLレンズではありませんが、コントロールリングが独立していて、左手でレンズを支えながら、ISO感度や絞りなど割り当てた機能を簡単に操作できるのも評価したいポイントです。
今回のレビューでは富士山方面へ足を運びましたが、レンズの全長は約16.5cmで、カメラバッグへの収まりも良く、現場での携帯性と機動性にも優れたレンズであることを実感しながらの撮影旅行でした。
鏡筒が伸びてしまうのを防ぐロックレバーも搭載
レンズの解像力:F8~F11がおすすめ
小さい、軽いといったモノとしての良さはすぐにわかりますが、レンズで大事なのはもちろん描写力です。
「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」の解像力は中央部分では開放からF16ぐらいまで良好で、線の描写が最もシャープなのは絞り数値のF8~F11と感じました。風景を撮影している方はよく使う絞り値ですね。F22以上は回折現象でわずかな線の滲みがみられます。データ現像をCANON純正の無料現像ソフトDPP(DIGITAL PHOTO PROFESSIONAL)で行い、デジタルレンズオプティマイザ(DLO)をオンにしすれば、回折現象で低下した解像感がある程度復活しますので、深い絞り数値で撮影した場合はDLOを活用することを強くおすすめします。
皆さんがお使いのカメラにデジタルレンズオプティマイザのメニューがありましたら、ONにして撮影すると撮影時に収差を自動的に調整して、解像度の高い描写のままにデータを現像できるので便利です。私が使っているEOS R5は、デフォルトでONになっています。ご自身のカメラをチェックしてDLOを確認してみてください。
紅色に染まる夕景の富士山をF8で撮影。焦点距離は270mm。色補正やシャープネス補正なしの撮ったままの写真です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F8 1/160秒 ISO500 焦点距離270mm
上の写真の翌日、12月半ばの14:30頃の撮影です。大沢崩れ周辺の山肌がカリッとシャープに描写されています。こちらは絞りはF11、焦点距離400mmで撮影した一枚。色再現やコントラストは、Lレンズである「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」に軍配があがりますが、その差にどれだけの人が気づくかはわからないレベルです。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F11 1/2500秒 ISO400 焦点距離400mm
枯れ枝の細かな表情をどれぐらい再現できるか試した作例です。微細な描写力は非Lレンズとしてはかなり詳細な描写力だと感じます。RFレンズおそるべし、ですね。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F8 1/250秒 ISO400 焦点距離400mm
こちらは小さな滝の流れですが、フィルターなどは使用せずISO感度を100に落とし、絞り数値をF16で撮影しています。流れを強調するには、静止している部分の細部がシャープであることが大事です。岩肌の描写は、日陰の低照度環境での撮影としては、かなりの質感表現ができていると感じます。線の細かさが、繊細な風景の息吹を伝えてくれます。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F16 0.8秒 ISO100 焦点距離214mm
焦点距離400mmの実力
「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」が発売後、「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」との比較を聞かれるかなと思っていたのですが、意外と多かったのが「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」ユーザーの方からの乗り換え相談でした。風景を撮る方にはこの焦点距離100mmの差はとても大きく、山や川や湖などで「これ以上被写体に近づけない!」という場面でも、100mmプラスされることで切り取りの強度が違います。400mmで撮り慣れてしまうと、焦点距離100mmでも広角に感じるくらい画角差は大きいです。
同じ場所で撮影した2枚の写真をご覧ください。まず、焦点距離100mmで撮影した雲に覆われた富士山。絞りはF8、手持ち撮影。400mmの写真と比べるとずいぶん広く感じます。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO400 焦点距離100mm
こちらは焦点距離400mmで撮影した作例です。山が迫ってくるような引き寄せ効果が特徴です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F8 1/800秒 ISO400 焦点距離400mm
超速AF
「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」のAFはとても優秀。超音波モーターのナノUSMで、静止画撮影では高速AFが静かに、そして正確にぴたっと合います。Lレンズと比べると低コントラスト、暗い場所では反応が少し鈍いかなという程度の差です。作例ではAFが合いにくそうなシーンでわざと撮っていますが、低照度、低輝度のシーンでも食いつきの良いAF性能です。フォーカスリミッターがあれば尚いいなぁと思いますが、非Lレンズですからその辺は不要という判断でしょう。動画のAFも滑らかです。
雲がかかり、陰でコントラストが低下した山の風景。赤い四角の部分がピントを合わせた箇所になります。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F8 1/800秒 ISO400 焦点距離300mm
赤枠部分がフォーカス位置。コントラストが低い箇所でもしっかりピントが食いつく
風で揺れる湖面と反射する光を描写した動画。複雑な動きのある被写体をAFで記録しています。
VIDEO
手ブレ補正で手持ち撮影も楽々
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F7.1 1/25秒 ISO800 焦点距離214mm
こちらは早朝の時間帯に手持ちで撮影した作例です。焦点距離は214mmで、シャッター速度は1/25秒。息をゆっくり吐きながらの丁寧なシャッターですが、1/25秒はぶれてもおかしくない低速シャッター。この作例では湖と山の境目にピントを合わせて、動いていない山の部分は静止して描写。動いている水面は、被写体ブレとして動きのある表情で捉えています。
カメラがEOS R5の場合、カメラ側の手ブレ補正機構との協調制御で約6段分の補正効果が、カメラボディ内の補正がないEOS Rでも約5.5段分の補正効果があり、手持ちでの撮影シーンが広がっています。
最短撮影距離 0.88m
「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」の最短撮影距離は88cm(焦点距離200mm時)、最大撮影倍率は0.41倍(400mm時)です。レンズの前玉からですと72cmぐらいの距離にある被写体まで近寄って、疑似マクロのように大きく描写することが可能です。軽くて携帯性がいいだけでなく、近接撮影までできるという撮影範囲の広さも魅力のレンズです。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO400 焦点距離214mm
ボケの描写も気持ちいい
望遠ズームの面白さの一つがボケの表現です。よくF値が明るくないとボケが綺麗ではないという方もいらっしゃいますが、このレンズでは頭を柔らかくして、焦点距離の違いでボケの大きさを変えてみましょう。下の2枚は両方とも絞り数値をF8で撮影していますが前ボケの描写が異なります。この違いはなんでしょうか?
焦点距離200mmで撮影し、前ボケは小さめに描写した作例。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F8 1/320秒 ISO400 焦点距離200mm
こちらは焦点距離300mmで撮影し、前ボケを大きく描写した作例。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO400 焦点距離300mm
この2枚のようにレンズの焦点距離を変えたり、物理的に被写体との距離を近づけたり離れたりすることでボケの描写が簡単に変えることができます。
こちらは同じく焦点距離300mmで後ろボケを意識して撮影した一枚です。「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」のF値が暗くても、これだけの焦点距離があれば背景はふわっとボケて柔らかな描写が可能です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
■撮影環境:F8 1/1000秒 ISO400 焦点距離300mm
まとめ
小さくて軽くていいことばかりのような「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」ですが、Lレンズとの差としては防塵防滴でないこと、レンズフードが別売りということで、プロが撮影するシビアな撮影環境では足りないなという部分も正直あります。しかし、写真愛好家の皆さんが休日や家族旅行などで撮りに行く分には十分な性能と描写力。軽さと小ささのメリットの方が防塵防滴がないデメリットよりも遥かに素晴らしく、取り回しの良さから風景を愛するアマチュア写真家さんに大推薦したいレンズです。
今回、作例にはありませんがエクステンダーを装着すれば、最大で焦点距離800mm、開放F16の超望遠ズームレンズとしても使用可能ですので、気になった方は是非検討してみてください。
■写真家:
GOTO AKI
1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のGOTO AKIさんによる、キヤノン「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」レビュー記事です。望遠ズームらしからぬ軽さと手の届きやすい価格を実現した、本レンズの写りをご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,望遠ズームレンズ,RF100-400mm F5.6-8 IS USM,レビュー,風景
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USM レビュー|鶴巻育子
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CATEGORY: 鶴巻育子
DATE: 02/02/2022 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,スナップ,RF100mm F2.8 L MACRO IS USM,単焦点
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BODY:
はじめに
2021年7月に発売されて以来、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMを使って毎日撮影しています。きっかけは、小鳥を飼い始めたこと。かわいい小鳥ちゃんを画面いっぱいに大きく写すことができる100mmマクロで、毎朝撮影するのが日課となっています。しかも最大撮影倍率は1.4倍!肉眼では確認しづらい鳥の不思議を発見することに今ハマっているところです。写真だからこそ楽しめる新鮮な世界に引き入れてくれる魅力的なマクロレンズをご紹介します。
最大撮影倍率1.4倍!
写真は、現実を写す役割もありますが、写真だからこそ見える世界があります。特に、マクロレンズでの写真表現は、肉眼では味わうことの出来ない不思議で美しい表現を楽しめるのが魅力です。キヤノンのマクロレンズと言えば、EF100mm F2.8Lマクロ IS USM。その高画質な描写は変わらず、最大撮影倍率は1倍から本レンズでは1.4倍、最短撮影距離は0.26mを実現し、より被写体を大きく捉えることが可能になりました。寄れることで、インパクトのある描写が楽しめます。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/5.6 1/60秒 ISO800 露出補正+0.7
最大撮影倍率で、小鳥の瞳にピントを合わせました。真っ黒でまん丸な瞳は遠目で見るとかわいらしいですが、これだけ寄って確認してみると、目の周りが小さな丸で縁取られているのに気づきます。ちょっとグロテスク。こんな発見があるのも、マクロレンズの魅力のひとつです。
撮影距離を短くすると被写界深度が浅くなります。ボケを生かしたいからと言って、むやみに絞り開放にすると、見せたい部分までボケてしまうので要注意です。合わせたい被写体にピントの範囲が収まる絞りに設定することを意識したいですね。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/400秒 ISO6400 露出補正-1.7
鳥は恐竜が進化したものと言われていますが、脚を観察すると納得できます。逆光で狙いボコボコした特徴的な形状を際立たせました。シンプルな描写だからこそ、ピント部分のシャープさが際立ち、ボケの美しさが実感できました。
SAコントロールリングで、多彩なボケを楽しむ
キヤノンでは初めて採用されたSAコントロールリング。球面収差を変化させることで、ボケをコントロールできます。+方向へ回すと、フォーカス部分より後方のボケの輪郭が硬くなり、手前のボケの輪郭が柔らかくなります。逆に-方向へ回すと、フォーカス部分より後方のボケの輪郭が柔らかくなり、手前のボケの輪郭が硬くなります。玉ボケのある状況で撮影すると、効果がわかりやすいでしょう。実際に同じシチュエーションでSAコントロールリングを回転させて描写の比較を試してみました。
朝日を浴びたたくさんのお狐さま。そのうちの1体にピントを合わせ、絞り開放F2.8に設定し撮影しています。まずは、プラマイゼロの状態です。このままでも綺麗な玉ボケが現れています。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/800秒 ISO200 露出補正-0.3
SAコントロールリングをプラス方向全開に設定しました。玉ボケの輪郭はくっきり強く出ているのがわかります。まるでシャボン玉のよう。ピント部分や前ボケも少し柔らかく表現されていてます。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO200 露出補正-0.3
次にSAコントロールリングをマイナス方向へ。背景の玉ボケがより柔らかくなり、全体に強いソフトフォーカスがかかっているようなファンタジーな描写になりました。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/1000秒 ISO200 露出補正-0.3
正直、購入当初はSAコントロールリングの必要性を感じず、全く使っていませんでしたが、使ってみるとオールドレンズで撮影しているような雰囲気が出ておもしろい!注意したいのは、意図せずにSAコントロールリングが回ってしまっていることがあります。通常のシャープな描写で撮影したい場合は、レンズ右横にあるLOCKボタンをセットしておきましょう。
驚異的な手ブレ補正と高精度なピント合わせ!
レンズ単体で5.0段分の手ブレ補正効果を実現。さらに、ボディー内手ブレ補正が搭載されたEOS R5又はEOS R6の組み合わせでは、協調制御によって最大8.0段分の手ブレ補正効果を発揮します。そして、ナノUSM採用によって、高速かつ滑らかなAFは快適なピント合わせでストレスなし。マクロレンズ撮影は、被写界深度が浅くなるためシビアなピント合わせが必要です。しかも、手ブレが目立つため、三脚必須と言われていますが、手ブレ補正機能搭載によって手持ちで撮影できる気軽さが撮影意欲を掻き立てます。フレーミングも自由度が高くなり、スナップ感覚でマクロ撮影を楽しめます。
水たまりに映った葉っぱにピントを合わせました。絞り開放で手前の石畳がボケて不思議な描写になりました。いいシーンを直感的に素早く写し止めることができます。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/40秒 ISO200 露出補正-0.3
シャッタースピード1/6秒、手持ちで撮影。夕焼けの空に富士山のシルエットがきれいに浮かんでいました。電線が被ってしまっていますが、これも美しい東京の風景のひとつです。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/5.6 1/6秒 ISO100 露出補正-0.3
シャープでクリアな描写
美しい描写は、言うまでもありません。至近撮影での球面収差を抑制する凸面レンズを最前面に採用。13群17枚のレンズ構成で諸収差を低減し、画面全体で高画質が実現しています。シャープでクリアな絵は、見ているものを再現すると言うよりは、肉眼で見ている以上に美しく感じてしまうほどです。
細かい葉脈の一本いっぽんが繊細に描写されています。レビューでは、高解像度や高精細の話ばかりするのは避けたいと思いつつ、この描写力を見るとつい語りたくなってしまいます。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/6.3 1/250秒 ISO400 露出補正-1.7
ピント部分はシャープに浮かび上がります。背景には美しいボケが現れ、抜けの良さを感じる一枚です。鮮やかな色彩も再現され、お狐さまのキリッとした顔立ちが際立ちます。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO200 露出補正-1.7
一粒で2度おいしいレンズ
寄れるレンズが魅力のRF100mm F2.8 L MACRO IS USMですが、もちろん、中望遠レンズとしても大活躍します。圧縮効果を狙ったフレーミングで風景写真もおすすめです。その場合、絞りは開放にせずF11前後まで絞ってみると高精細、高解像度な描写をより実感することができると思います。また、焦点距離100mmはポートレイト撮影にもおすすめです。圧縮感とボケの効果により背景をすっきり整理できるのはもちろんですが、モデルさんとのコミュニケーションが取れる距離感で撮影できることもポイントです。
冬の朝陽を浴びる神社の鳥居。中望遠レンズのほどよい圧縮感によって、緑豊かな神社の風景を自然に捉えることができました。強い光と影が際立つように、露出補正をマイナス方向に設定しました。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/11 1/40秒 ISO200 露出補正-1.7
スカイツリーが望める荒川沿いの建物から撮影しています。下町の密集した住宅街の風景を表現することができました。F11まで絞ることで解像感、シャープさが際立ちます。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/11 1/640秒 ISO100 露出補正-2.3
ポートレイト撮影にも重宝します。中望遠の圧縮感と美しいボケによって、背景が整理されて人物が引き立ちます。明るい逆光を選ぶと、顔に影ができず、光の輪郭ができるので、特に女性のポートレイトにはおすすめの光です。葉っぱに反射した光で玉ボケができています。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/320秒 ISO100 露出補正+0.3
葉の落ちた木々を撮影しました。絞り開放F2.8、SAコントロールリングはマイナス方向へ設定しています。ふんわり柔らかい描写で、冬のイメージが一層際立ちました。コットン系の用紙にプリントしてみるたくなる一枚です。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/5000秒 ISO400 露出補正-1
東京で大雪が降った次の日は快晴でした。朝の散歩中、樹木に積もった雪が風で舞い散る美しい光景に出会いました。このような場面では、SAコントロールリングが大活躍します。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/2.8 1/3200秒 ISO400 露出補正-2.3
普段は35mmの広角レンズでスナップを撮影していますが、望遠を持つことで街の違った光景が見えたり、近くに寄らなくても被写体を大きく捉えたりすることができるので、いつもと違う撮影ができて新鮮です。
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
■撮影環境:f/4 1/100秒 ISO400
おわりに
マクロ撮影から中望遠の圧縮感、そして、SAコントロールリングによる多彩なボケ味と、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは、想像以上に幅広い表現が得られるレンズです。そして、手ブレ補正機能によって気軽に撮影ができる点が魅力です。みなさんにも、美しい描写力と新しい表現をぜひ味わっていただきたいと思います。
■写真家:
鶴巻育子
1972年、東京生まれ。広告写真、カメラ雑誌の執筆のほか、ワークショップやセミナー開催など幅広く活動。写真家として活動する傍ら、東京・目黒、写真専門ギャラリーJam Photo Gallery 主宰を務める。ライフワークでは、これまでに世界20カ国、40以上の都市を訪れ、街スナップや人物を撮影。主な写真展 Brighton-a little different(2012年、オリンパスギャラリー)、東京・オオカミの山(2013年、エプソンイメージングギャラリーエプサイト)、3[サン] (2015年、表参道スパイラルガーデン)、THE BUS(2018 年、ピクトリコギャラリー・PLACE M)、PERFECT DAY(2020年、キヤノンギャラリー銀座)など。THE BUS(2018年、自費出版)、PERFECT DAY(2020年、冬青社)がある 。
RF100mm F2.8 L MACRO IS USM レビューはこちらの記事でもご覧頂けます。
■キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USM レビュー|驚きの最大撮影倍率1.4倍
https://shasha.kitamura.jp/article/483995014.html
■キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USM×ポートレート|大村祐里子
https://shasha.kitamura.jp/article/483293604.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の鶴巻育子さんがキヤノンRF100mm F2.8 L MACRO IS USMのレビューを行っています。作例と共に本レンズの魅力をご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,レンズ,スナップ,RF100mm F2.8 L MACRO IS USM,鶴巻育子
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: おすすめ撮影スポット Vol.4『山形市野草園のアサギマダラ』|カメキタ店舗スタッフに聞いてみた!
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 02/03/2022 16:00:00
TAGS: おすすめ撮影スポット
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BODY:
はじめに
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.4。今回紹介する撮影スポットは、山形県山形市にある自然豊かな「山形市野草園」。ここでは毎年9月にフジバカマの群生に集まる渡り蝶「アサギマダラ」を撮影することが出来ます。この撮影スポットの魅力やおすすめの撮影方法を、カメラのキタムラ 山形・馬見ヶ崎店の橋本大岳さんに聞いてみましたのでご紹介します。
撮影スポット情報
■撮影機材:富士フイルム X-T3 + CONTAX S-Planar 60mm F2.8
■撮影環境:1/250秒 ISO320
■山形市野草園
住所:〒990-2406 山形市大字神尾832-3
アクセス:山形駅からバスで30分。山形自動車道蔵王ICから車で15分(西蔵王高原ライン経由)
おすすめの被写体:9月上旬から下旬にかけて飛来する「アサギマダラ」。季節ごとの山野草・花など
「山形市野草園」の魅力と撮り方
■撮影機材:ソニー α7C + FE 50mm F2.5 G
■撮影情報:F2.5 1/1000秒 ISO125
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
■撮影情報:F5 1/1250秒 ISO1000
― 「山形市野草園」の魅力、好きな理由
山形市野草園は季節ごとに様々な山野草が見られます。エリアも広く、大きな池や山、湿地などで、一般には見られない珍しい植物が植えられています。特に9月には、フジバカマの群生に集まる渡り蝶「アサギマダラ」が見られ、多くのカメラマンが撮影にやってきます。アサギマダラのふわりと漂うような飛び方は魅力的ですね。
― おすすめの撮影時間
朝9時オープンなので、朝早くだと木漏れ日の陽光が優しく、やわらかい光が表現できます。夕方には西日のオレンジ色の斜光が美しく、透過光をうまく利用して撮影できます。
― おすすめ構図
フジバカマ自体はそれほど美しい花ではありません(笑)。なので花と蝶のみピントを合わせ、前ボケ後ろボケをうまく使います。オミナエシのはっきりした黄色と組み合わせると蝶が浮き立ちます。
■撮影機材:富士フイルム X-T3 + XF200mmF2 R LM OIS WR
■撮影情報:F2 1/950秒 ISO160
― 好きな画角
標準・望遠など使ってみましたが、アサギマダラは人が近寄っても逃げないので、50mmや60mmの単焦点で大きく蝶を写してもいいですね。200mmの望遠でアサギマダラが飛んでいるところを狙ったら、圧縮効果と大きなボケで美しく切り取ることができました。
― 撮影時におすすめのアクセサリー
花を撮るなら、やはり霧吹きでしょうか。それと近接で撮影する際、どうしてもブレやすくなるので小型の一脚が1本あるとよいと思います。
― 撮影スポット周辺のおすすめ情報
山形市野草園は蔵王の山麓にありますが、もう少し上っていくと蔵王温泉やロープウェイなどもあり、見所たくさんです!
今回のスタッフ
■橋本大岳さん(カメラのキタムラ 山形・馬見ヶ崎店)
高校時代に写真部でした。現在も様々なカメラやレンズで撮り方や設定の勉強を続けております。見る人に感動が伝わる写真を撮りたいと考えています。
【お店の紹介】
山形市のイオン山形北店やスターバックスコーヒーのすぐ近くです。道路沿いに大きなサインポールが出ています。カメラ以外にも証明写真やスマートフォンのご相談でもお気軽にお越しください。
店舗住所:山形県山形市馬見ケ崎2-6-21
営業時間:10:00-19:00
TEL:023-681-3133
URL:https://blog.kitamura.jp/06/4964/
以上、カメラのキタムラスタッフが紹介するおすすめの撮影スポット紹介でした。今後も定期的に全国の撮影スポットを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
■おすすめ撮影スポット
記事一覧はコチラ からご覧ください。
この記事に使用した機材 【富士フイルム】X-T3 ボディ(中古)
商品詳細ページ 【富士フイルム】XF200mmF2 R LM OIS WR XF1.4X TC F2 WR
商品詳細ページ
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EXCERPT:
全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.4。今回は山形県にある「山形市野草園」を紹介します。毎年9月に撮影できる渡り蝶「アサギマダラ」に注目です。
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KEYWORDS:
おすすめ撮影スポット,カメラのキタムラ,山形市野草園
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 24-105mm F4 G OSS×木村琢磨|画質とサイズのバランスの取れた万能標準ズーム!
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 02/04/2022 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 24-105mm F4 G OSS,風景,標準ズーム
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BODY:
はじめに
レンズ交換式カメラを手にしたら色々なレンズを装着して画角や写り、ボケの表現の違いを楽しみたくなる。被写体に合わせて、撮りたいシーンに合わせてその都度レンズを交換してベストな一枚を撮影することができれば最高だが、毎回そういう余裕があるとは限らないし、なによりシャッターチャンスは待ってくれない。そんな時にとりあえず一本持っておくと安心な「標準ズーム」はメーカー問わず人気のレンズだ。今回はソニーのフルサイズ用標準ズーム「FE 24-105mm F4 G OSS」を使用して色々なシーンを撮影してみた。
標準ズームは写り以外にも注目
標準ズームと呼ばれるには色々な理由があるが、一番はカバーする焦点距離である。各メーカー様々な標準ズームがラインナップされているが、平均的なスペックとしてはワイド端「24mm」からテレ端「105mm」をカバーしていることが多い。
このソニーFE 24-105mm F4 G OSSも24-105mmをカバーしており、開放F値も4.0と使いやすい。よくあるカメラを買うとついてくるキットレンズもカバーしている焦点距離は同じ様なスペックのものが多いが、キットレンズの大半は開放F値が変化することが多い。FE 24-105mm F4 G OSSはズームしても開放F値が4.0と変わらないため、F値を気にしてズームを躊躇することもない。
左)ワイド端 右)テレ端
ズームをするとそれなりにレンズは伸びるがバランスが悪くなるほどではない。
左)ワイド端 右)テレ端
ワイド端とテレ端にズームしたものを横から見るとこんな感じだ。ズームしても開放F値は4.0のままなのでテレ端では綺麗なボケを味わえる。
手のひらには収まらないがカバーする焦点距離を考えると十分なサイズ感だ。重量は663gと他メーカーの標準ズームと比べても軽め。
よく持ち出すレンズだからこそ小さく軽い方が嬉しい。レンズを購入するときは画質や焦点距離だけでなくサイズや重量もスペックとして考えておくと良いだろう。重たくて大きいから結局使う頻度が少ない…というのが一番残念な結果なので購入前にその辺りも注目しておこう。
便利なだけじゃない、写りも良い標準ズーム
カバーしている焦点距離は確かに便利だが肝心の写りはどうなんだろう?そんな不安を綺麗さっぱり吹き飛ばしてくれるのがこのFE 24-105mm F4 G OSSだ。私自身最初にボディと一緒に買ったレンズがFE 24-105mm F4 G OSSであり、その写りの良さに驚かされた。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/11 1/125秒 ISO100 焦点距離31mm
福島県の三春滝桜を撮影。F11まで絞ってパンフォーカスで撮影した。FE 24-105mm F4 G OSSの写りはα1の5000万画素でもまだまだ余裕の写りを見せてくれる。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/11 1/80秒 ISO200 焦点距離69mm
レンズ交換することなく撮りたいものが撮れる、撮影はテンポが重要なので焦点距離を自由に操れる楽しさは標準ズームの特権だ。
レンズに搭載された手ブレ補正(OSS)とα1に内蔵された手ブレ補正を組み合わせた、5軸手ブレ補正のおかげで手ブレの心配はほとんどなかった。高画素になる程ブレにシビアになるため手ブレ補正はありがたい。日中でも日陰での撮影や屋内に入ると目で見る以上に暗い露出になるので、なるべく低感度で撮影したいときは手ブレ補正に頼ってスローシャッターで撮影し、被写体ブレを抑えたいときはα1の高感度を生かしてシャッタースピードを稼いで撮影すると良い。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/8.0 1/30秒 ISO400 焦点距離55mm
森の中などは思っている以上に暗い。私の場合は被写体が静物である場合は手ブレ補正を生かした低感度撮影が多い。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/4.0 1/640秒 ISO100 焦点距離105mm
テレ端で足元の植物を撮影。α1のチルトモニターのおかげで楽に撮影できた。F4.0でもフルサイズと105mmの焦点距離もあってかなりボケる。綺麗な玉ボケも楽しめる。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/5.6 1/125秒 ISO400 焦点距離105mm
テレ端の最短距離で撮影。マクロ域まで寄って撮影するとさらにボケは大きくなる。F4.0もあれば背景を選んで撮影することでボケを自由に操れる。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/5.6 1/80秒 ISO200 焦点距離79mm
FE 24-105mm F4 G OSSは開放からしっかりと解像するレンズだ。カバーしている焦点距離に加え遠景から近景までオールマイティに使える、これぞ万能標準ズーム!
旅行に持ち出したくなる一本
旅行に持って行きたくなる一本。その便利さだけでなく持ち出して後悔しない画質であることも背中を押してくれる。特に風景がメインである人はFE 24-105mm F4 G OSSはぴったりな一本で、もう一本広角か望遠のズームがあれば荷物も最小限に抑えることができるだろう。荷物が少ない方が無駄な体力も消費せずに済むし、気軽さはシャッターチャンスとの出会いも増やしてくれる。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/11 1/250秒 ISO200 焦点距離24mm
北海道美瑛町にある四季彩の丘にて撮影。超広角があるとつい超広角を使いたくなるが、24mmもあれば意外と困ることもない。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/11 1/80秒 ISO400 焦点距離105mm
同じく北海道美瑛町にある青い池にて撮影。ここは撮影できる距離感が決まっているためズームレンズが活躍してくれるシチュエーションだ。
24mmから105mmまでカバーしているということは焦点距離に注目して単焦点で考えると24mm、28mm、35mm、40mm、50mm、85mm、100mmを持ち歩いている感じだ。特にフルサイズのカメラだと被写界深度も浅いため、F4.0でもかなりボケ味も楽しめる。旅行の写真であまりボケすぎているとせっかくのロケーションがもったいないので、私の場合はなるべくパンフォーカスでの撮影を心がけている。パンフォーカスには画面全体を見渡して構図を決める楽しさもある。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/4.0 1/320秒 ISO400 焦点距離105mm
葡萄園にて撮影。撮影用にカバーを外してくれたので理想の一枚が撮れた。葉っぱを前ボケにして雰囲気を演出した。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/8.0 1/640秒 ISO400 焦点距離105mm
浜辺を歩く女性二人。モノクロにしてシルエットを強調した。あっ!と思った時にすぐにズームして望遠で撮影することができたのでシャッターチャンスを逃すことなく収めることができた
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/8.0 1/1000秒 ISO400 焦点距離24mm
夕焼けが水面に反射して輝いていた。テレ端24mmで撮影。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離36mm
福岡県の平尾台にて撮影。石灰岩のゴツゴツとした質感を見事に再現してくれた。これだけ標準ズームで写ってしまうと他のレンズの出番が減ってしまう。
■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:f/11 1/2000秒 ISO400 焦点距離34mm
クリスマスツリーの木に太陽が重なった瞬間に撮影。木の影が手前にぐっと伸びて印象的な一枚に仕上がった。
旅の邪魔をしない、けれどしっかりと役割を果たしてくれる。FE 24-105mm F4 G OSSにはそんなスマートさを感じる。もちろん本格的な撮影でも使うことが多いが、旅行にどのレンズ持って行こうかな?と悩んだ場合は間違いなくFE 24-105mm F4 G OSSは選択肢に入るだろう。α1やα7R IVとの組み合わせであればクロップで焦点距離を稼ぐこともできるし(焦点距離×1.5倍でも約2000万画素で撮影できる)高感度も強いので、よりFE 24-105mm F4 G OSSが生きてくる。
まとめ
FE 24-105mm F4 G OSSは間違いなくαの性能を引き出してくれる一本だ。そしてより多くのシャッターチャンスとの出会いも与えてくれる。ズームはちょっと…という人にも是非一度使っていただきたい一本に仕上がっているし、私自身単焦点を何本か使用しているがFE 24-105mm F4 G OSSの出番も多い。 画質、サイズ、焦点距離と全体的なバランスが良いので、これからαシリーズを買ってみようと思っている人には是非選択肢に入れて欲しい。
私の場合は標準ズームが一本あることで安心して単焦点レンズを買うこともできるので、まずは色々な焦点距離を体験するのも重要だ。ファインダーを覗きながらズームではなく、撮影前にズームして焦点距離を決めてファインダーを覗く、そうすることで自分に合った焦点距離も分かってくる。標準ズームが最初の一本にオススメなのはそういう理由もあるのだ。心配なのはFE 24-105mm F4 G OSSの出来が良いので他のレンズが売れなくなってしまうのではないか…ということだ。
■写真家:
木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんがソニー FE 24-105mm F4 G OSSのレビューを行っています。本レンズの性能を風景作例と共にご覧ください。
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KEYWORDS:
ソニー,Sony,レンズ,FE 24-105mm F4 G OSS,風景
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: #『コンパクトフィルムカメラの世界』|フィルムカメラの魅力 国分真央
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CATEGORY: 国分真央
DATE: 02/05/2022 11:00:00
TAGS: フィルムカメラ,フィルムカメラの魅力
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BODY:
はじめに
初めまして!フォトグラファーの国分真央と申します。
今後フィルムカメラについて連載をしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回はフィルムカメラの中でもチャレンジしやすい、コンパクトフィルムカメラについて話していきます。
フィルムカメラは思うより難しくない
■機材:Canon Autoboy 2 Quartz Date
■フィルム:Lomography Color Negative 400 35mm film
フィルムカメラというと、デジタルより難しいんじゃないか、失敗したらどうしようと思われる方も多いと思います。今回はそんな方が1歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
まず写ルンですを始め、コンパクトフィルムカメラは意外と身近にあるものです。中古を扱うカメラ屋にも売っていますし、フィルム装填が簡単なのも魅力的です。
フィルムの入れ方が分からない場合は、買ったお店の店員さんも教えてくれますし、YouTubeでも見る事ができます。おすすめはオートフォーカスかつ自動巻き上げのタイプです。
カメラを手に入れたら早速、街取りのスナップから撮っていきましょう!
カメラと仲良くなること
■機材:Konica BiG mini Rhodium
■フィルム:Kodak Gold 200
■遠くの光がとても印象的だった瞬間。
まず、カメラを手にいれたら思い切って、心のままに好きなものを沢山撮ってみましょう。ポケットに入る様な手軽さと、好きな瞬間をすぐ撮れるところが魅力的です。
『なんかいいな』と思った光や、街の風景を撮る事が、後から見た時に特別な瞬間に繋がるのだと思っています。
そうして、何枚も撮るうちにカメラの機能や使い勝手が自分の手に馴染んでいきます。私はまず手にいれたらカメラと仲良くなる様な、そんな感覚でシャッターを切ります。
自由に撮ることで見える「何か」
■機材:Konica BiG mini Rhodium
■フィルム:Kodak ULTRAMAX 400
■整列された椅子に赤いベルトパーテーションが印象的だった。社会の縮図の様な。
私はよく、コンパクトフィルムカメラを持って散歩をする事があります。ポケットにカメラを入れて、好きな音楽を聴きながら心のままに撮ります。
何気ない風景もフィルムカメラで撮る事によって味が出て、スマートフォンで撮る写真とはまた違う雰囲気になります。心のままに、何の制約も無く、自由に撮れるところがコンパクトフィルムカメラの楽しいところであり、またそれが、このカメラの醍醐味でもあると言えるのかなと思います。
慣れてきたら身近な人を撮ってみよう
■機材:Canon Autoboy 2 Quartz Date
■フィルム:Lomography Color Negative 400 35mm film
■水たまりに映る友人の影を撮影してみた。
ある程度慣れてきたら、今度はポートレートも撮ってみたくなるものです。私の場合、スナップで街の人を撮るよりも友人を誘って出かけた時に撮ります。
コンパクトフィルムカメラはオートフォーカスのものが多いので、距離だけ気をつけて撮影します。今までのように風景ならある程度、俯瞰的で距離もあるのでピントが合っている事が多いですが距離感が近すぎると被写体がボケてしまうので、近いものを撮る時だけ距離感に気をつけます。
■機材:Canon autoboy mini T
■フィルム:Kodak ULTRAMAX 400
■公園で一休み中に芝生で撮った1枚。友人のスカートの色と靴が似ていて双子みたいだなと。
花は買っておいたもので、より双子感を出す為に靴下にはさんでみました。
時間は関係ない
■機材:Canon Autoboy 2 Quartz Date
■フィルム:Lomography Color Negative 400 35mm film
■内蔵フラッシュを使用して夜の公園で撮影。ちょっとしたメタファーを意識。
持っているカメラがフラッシュ付きなら、夜の撮影にも使えます。
先述した通り、人や近いものを撮る時は距離感だけに気をつけて、あとはボタンを押すだけ。自分の表現を止めないというのも、すぐ撮れるコンパクトフィルムカメラの良さです。フラッシュ機能を使う事で、よりストリート性のある写真に仕上がると思います。
■機材:Canon Autoboy 2 Quartz Date
■フィルム:Kodak ULTRAMAX 400
■暗くなってきた河川敷で咲いていた菜の花と友人を撮影。
フラッシュONにし、自分が少ししゃがみ人と花を撮る事で、流れる様な目線で撮れた。
更に慣れてきたら、小道具を使って撮るのも良いですが、現地のものと組み合わせて撮るのもアリです。春になったら川沿いに咲いている花や石や漂流物でも、何でも私は使います。
まとめ
コンパクトフィルムカメラの可能性は無限大です。
夕焼けが綺麗な町並みや日常を撮るのもよし、そこからポートレートやクリエイティブな撮影で使うのも良しです。撮るまでの動作が少ないので、より感覚的に楽しめるものですし、他のフィルムカメラを始める上でもステップアップの一つと成り得ます。
まだ持っていない方は、1台持っていても良いのでは?
勿論、フィルムカメラで撮影した写真は、カメラのキタムラで現像できます。
思うままに写真を楽しみましょう!
■写真家:
国分真央
東京都出身/写真家。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に山梨県に移住し関東を中心に活動。美しい色合いと自然が溶け込む様な写真が特徴的であり、独特な色合いが特徴的な世界観を確立させている。書籍や広告写真、CDジャケット等活動は多岐に渡り、近年はフィルム写真での活動も幅広く活動中。
この記事に使用した機材
【ロモグラフィー】Lomography Color Negative ISO400 35mm 3 Pack
商品詳細ページ 【コダック】UltraMAX400 36EX
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の国分真央さんがフィルムカメラの魅力を紹介する連載記事です。Vol.1の今回はフィルムカメラの中でもチャレンジしやすい、コンパクトフィルムカメラについて話していきます。
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KEYWORDS:
フィルムカメラ,フィルムカメラの魅力,国分真央
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AUTHOR:
TITLE: ニコン NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S|描写も使い勝手も高次元
BASENAME: 485441805.html
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CATEGORY: 三井公一
DATE: 02/06/2022 10:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S,スナップ,望遠ズーム
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BODY:
ニコン Z 9にベストマッチ!
ニコン「Z」マウントに待望の超望遠ズームレンズが登場しました。この「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」は、使いやすい100mmから400mmまでの焦点距離をカバーし、高い光学性能と快適な機動性を備えた使い勝手のいいレンズになっています。
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sの特徴
新登場の「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」は、ニコン「Z」マウント初となる超望遠ズームレンズです。日常的な望遠域100mmから超望遠域の400mmまでカバーするズームレンジは、野鳥など野生動物の撮影はもちろん、風景からポートレート、そして運動会から本格的なスポーツ撮影までこなすことでしょう。別売りのテレコンバーター「Z TELECONVERTER TC-1.4x」、「Z TELECONVERTER TC-2.0x」にも対応しているので、使用すればさらに望遠域の撮影を楽しむことも可能です。
このレンズは大口径でショートフランジバックのミラーレス一眼カメラ専用設計なので、画面全体でクリアでシャープ、かつ色にじみのないクリアな像を得ることができます。優れた光学設計とEDレンズ、スーパーEDレンズの採用で無限遠から至近距離まで軸上色収差を良好に補正し、ニコン独自の反射防止コーティング技術、「ナノクリスタルコート」と「アルネオコート」を施して、あらゆる角度の入射光からのゴーストやフレアを低減するなど、高い画質を実現しています。
オートフォーカスもマルチフォーカス方式を採用し、正確かつ高速なピント合わせが可能で、スポーツなど動体撮影で頼りになる存在です。もちろん、よく効く手ブレ補正機能も搭載しています。手ブレ補正効果5.5段のレンズシフト方式VR機構を採用し、「Z 9」ではボディー内の5軸手ブレ補正と、レンズ内の2軸手ブレ補正を連動させるシンクロVR機能が使えるので、テレ端域や低照度時の手持ち撮影でも安心です。また、クラス最短の最短撮影距離0.75m(広角端。望遠端は0.98m)を実現。テレマクロ的な使い方もできる優れたレンズになっています。
使い勝手も抜群です。このレンズはズーミングしてもレンズの重心をほぼ一定に保つニコン初の「重心移動レス機構」を採用。どのズーム位置でも重心とホールド感が一定で、撮影を快適なものにしています。実際に試すとこの良さを体感できることでしょう。もちろん防塵・防滴・防汚性能も施されているので、過酷なシチュエーションの撮影でも心配はいりません。このように描写性能と使い勝手を高次元で両立させた、ニコン「Z」マウント初の超望遠ズームレンズなのです。
ブラブラ実写スナップ!
ワイド端100mmでマンションを撮りました。しっかりくっきりと建物の直線とタイルを描き、解像しています。コントラストも豊かでメリハリのある絵になっています。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F11 1/500秒 ISO100
同じ場所からテレ端400mmにズームしてみました。描写の良さはそのままにググッと被写体に寄れましたが、この時に実感するのは「重心移動レス機構」です。構えていても姿勢変化による対応が不要なのでフレーミングに集中することができました。これはいい新機能ですね。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F10 1/500秒 ISO100
わずか1355g(三脚座をのぞく)という軽い超望遠ズームレンズなので、ブラブラと河川敷の散歩にも気軽に連れ出せます。被写体はなにもスポーツや野生動物だけではありません。気になった光景を非日常的な画角でキャプチャーするのも楽しいものです。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/800秒 ISO100
超望遠域では圧縮効果を活かしたり、ボケ感を堪能した撮影が可能です。堰堤のブロックを撮影しましたが、ボケ感がとてもいい雰囲気です。ハイライト部のヌケ感がさすがニコンの「S-Line」レンズだな、という印象ですね。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/1600秒 ISO110
枝に止まって木の実を食べるスズメを撮りました。ちょこまかと枝から枝に飛び回りますが、「Z 9」の優れたオートフォーカス性能とこのレンズのマッチングによって、正確にスズメの瞳にフォーカスしてくれました。楽チンです。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO400
超望遠ズームレンズは楽しいです。カメラに装着してブラブラと歩き、日ごろ気になっていた光景をテレ端で撮ってみると意外な発見があるものです。このカットは堰からほとばしる水を撮ったものですが、肉眼では確認できない遠くの様子を、1/32000秒というシャッタースピードで封じ込めました。何気ないシーンですが美しい1枚となりました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/32000秒 ISO2000
河川敷を撮影中プロペラ音がしたので見上げてみると、頭上を伊豆七島に向かう飛行機が通過するところでした。すかさず「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」を向けてシャッターを切りましたが、スッと合焦してその機体を捉えました。どのズーム域でも重量バランスがほぼ一定なのが撮りやすいですね。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO250
広場でアクションを決めるスケートボーダーを狙いました。そのカッコいい雄姿をこの「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」は確実に捉えました。高速なオートフォーカスは動体撮影で頼りになりますね。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/4000秒 ISO900
飛翔するオオバンの群れを連写しました。「Z 9」の豊富なオートフォーカスと連写モードは「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」での撮影にマッチします。狙ったとおりのシーンを撮ることができました。レンズを振っての撮影も軽量コンパクトなので軽快に行えます。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/1600秒 ISO110
日没のビル群を手持ち撮影で。ファインダー内で像がビシッと止まる強力な手ブレ補正機能は確実にフレーミングができて重宝します。夕日に染まる微妙な色合いも、見た目通りにこのレンズは表現してくれました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/640秒 ISO280
とある池で撮影中、カルガモ同士が盛大にケンカを始めました。その迫力あるシーンもこの超望遠ズームレンズがあればカンタンに捉えることが可能です。手前にいるカルガモの目にしっかりと合焦し、飛沫のキラキラ感とともに臨場感高いカットとなりました。
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/1250秒 ISO280
同じ池で泳ぐカイツブリを狙いました。ダイブするな、と思った瞬間に「Z 9」のシャッターを切りましたが、「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」は確実にその頭部に合焦して、波紋とともに印象的なカットをキャプチャーしてくれました。羽毛のディテールも驚くほどシャープに解像しています。スゴいですね!
■撮影機材:ニコン Z 9 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
■撮影環境:F5.6 1/1600秒 ISO800
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sの主要諸元
レンズマウント:ニコン Z マウント
焦点距離:100mm-400mm
レンズ構成:20群25枚
(EDレンズ6枚、スーパーEDレンズ2枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
画角:24°20′–6°10′(撮像範囲 FX)
16°–4°(撮像範囲 DX)
焦点距離目盛:100、135、200、300、400mm
ズーミング:ズームリングによる回転式
ピント合わせ:マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式
最短撮影距離:0.75m(焦点距離100mm)、0.78m(焦点距離135mm)、0.8m(焦点距離200mm)、0.87m(焦点距離300mm)、0.98m(焦点距離400mm)
最大撮影倍率:0.38倍
絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
絞り方式:電磁絞りによる自動絞り
最大絞り:f/4.5(焦点距離100mm)、f/5.6(焦点距400mm)
最小絞り:f/32(焦点距離100mm)、f/40(焦点距離400mm)
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ):77mm
寸法:約98mm(最大径)×222mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
質量:約1435g(三脚座を含む)、約1355g(三脚座なし)
付属品:
・レンズキャップ LC-77B(フロントキャップ)
・裏ぶた LF-N1
・レンズフード HB-103
・レンズケース CL-C3
まとめ
このレンズがあればニコン「Z」シリーズでの撮影領域をグーンと拡大できること間違いなしです。軽量コンパクトで画質も良好、変化しない重心バランス、高速なオートフォーカスなど求められる性能を見事に結集させた珠玉の1本と言えるでしょう。
その撮影シーンもスポーツや野生動物などの動体から、風景や望遠スナップ、ポートレートまでフォトグラファー次第で楽しめます。こちらも大人気のレンズですので、今すぐキタムラで予約することをオススメします!
■写真家:
三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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EXCERPT:
写真家の三井公一さんによる、ニコン「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」のレビュー記事です。Zマウント初の超望遠ズームレンズをZ9とともにスナップ撮影で試してみました。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,望遠ズームレンズ,NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S,レビュー,スナップ,三井公一
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AUTHOR:
TITLE: 相沢さんテスト
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 相沢亮
DATE: 02/07/2022 12:27:16
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BODY:
テストテストテストテスト
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EXCERPT:
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: OM システム M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROで描く旅と日々
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CATEGORY: クキモトノリコ
DATE: 02/07/2022 16:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) レンズ,M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO,単焦点
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BODY:
はじめに
2021年12月にOM SYSTEMから発売された「M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO」は、開放の絞り値がF1.4と大口径のレンズでありながらその重さが僅か250g弱、全長も6.2cm弱と非常に小型軽量です。そして、マイクロフォーサーズで20mmという焦点距離はフルサイズ換算で40mmに相当しますが、これまで25mm(換算で50mm)よりも17mm(換算で34.5mm≒35mm)の画角の方が撮りやすいと感じていた筆者が実際に使ってみてどうだったのか。今回は年末年始を通して撮影した、日常と冬の但馬地方(兵庫県北部)ロケでの写真と感想をご紹介します。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/320秒, -0.7EV, ISO 200, WB 晴天, Natural
ボケの大きさと滑らかさ
このレンズの大きな特徴のひとつが、なんといっても開放F値が1.4という明るさ。絞りをこれだけ大きく開くことができるということは、非常に大きなボケを得られるということ。さらにこのボケ味がやわらかくてなめらかに滲み、非常に美しいボケなのです。
同じ条件下(F値やレンズの焦点距離)において、ボケの大きさはセンサーサイズと比例するため、センサーサイズの小さなマイクロフォーサーズ規格のカメラはどうしてもボケが小さくなりがちですが、「センサーが小さいとボケない」とは言わせないパフォーマンスを持つレンズだと感じます。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/100秒, -1.3EV, ISO 800, WB 3200K-2STEP(G), Natural
また、20mmという焦点距離だと小さくなりがちな背景の玉ボケも、F1.4という大口径の絞り値により存在感のある玉ボケになりました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/1600秒, -0.7EV, ISO 200, WB 曇天, Natural
窓際の席から軒先の看板を見上げると、店内側は輝度差により暗くなりますが、そこに吊るされた灯りがとろりとやわらかくボケながら加わりました。このボケ味をおつまみにビールが飲めてしまいそうなのは私だけでしょうか。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/1600秒, -0.7EV, ISO 200, WB 曇天, Natural
暗所での撮影に有利な開放F値1.4
開放F値が1.4と絞りを大きく開くことができるということは、集光能力の高いレンズであるということ。つまり光の少ない暗い場所での撮影時に、ISO感度を低く抑えてもブレの心配が少なく高画質の写真を撮影できるというメリットがあります。
外湯めぐりが有名な城崎(きのさき)温泉に夜の帷が下りた頃。歩くには不自由ない明るさですが、一般的な一眼カメラ用のレンズでは手ブレや被写体ブレが心配です。そこでISO感度をかなり上げることになるのですが、このレンズは絞りをF1.4まで開くことができるので、ISO800でもシャッター速度は1/100秒で撮影することができました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/100秒, -0.3EV, ISO 800, WB 晴天, Natural
レトロ建築をリノベーションしたホテルには宿泊客用にクラシカルな雰囲気が漂う素敵なラウンジがありました。ただ、写真を撮影するには非常に暗い……。そんな場面でも絞りを開放のF1.4、ISO感度は800に設定、カメラの5軸手ブレ補正のおかげで1/30秒でも安心して撮影することができました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/30秒, -0.7EV, ISO 1600, AWB +1STEP(R) -1STEP(G), Natural
夜の市場内でいい雰囲気の居酒屋を発見。ほとんどのお店はとっくに閉じられ、外は雪が積もる寒い夜はこんなあたたかな灯りに吸い寄せられてしまいます。屋根のある屋内市場は肉眼でもほぼ真っ暗で、軒先の明かりが頼り。このような環境でもISO800、1/160秒でシャッターを切ることができました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/160秒, -1.3EV, ISO 800, AWB, Natural
換算40mmの、程よく使いやすい画角
20mm(フルサイズ換算40mm)という焦点距離を持つレンズの画角は、一般的に標準の画角と言われることの多い50mm(マイクロフォーサーズでは25mm)と、それより少し広角寄りの35mm(同17mmや17.5mm)の中間に位置します。先述の通り、個人的には50mmの画角は狭く感じられることが多く、35mmの画角を持つレンズを使用することが多いので、OMデジタルソリューションズのレンズでは25mmよりも17mmを愛用しているのですが、一方で時々少し広く感じられることも。
今回、20mm(換算40mm)という画角のレンズを使用してみて、テーブル上に並べられたお料理を撮るには、座ったままだとファインダーを覗くのは難しいながらも、カメラを自分の目線よりも少し高いくらいに持ち上げつつ、バリアングルやチルト機能を活かしてモニターを見ながら撮影することで、わざわざ席を立つこともなく撮影できることを確認しました。
次から次へと運ばれてくるお料理を、みんなでいただいている最中の1コマ。テーブル端には空いたお皿もある中、運ばれてきてすぐのお料理が並んだところを捉えつつ、円卓の賑やかな雰囲気が伝わる1枚に。また、被写体に寄ってのカットも押さえておきたい場面ですが、カメラもレンズも小型ゆえに場の雰囲気を壊すことなく撮影しやすいのが有難いです。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/250秒, +1.0EV, ISO 800, AWB, Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/500秒, ISO 800, AWB, Natural
宿泊したホテルのキーがなんともレトロ!前方後円墳のような鍵穴に金属製の鍵を差し込むのですが、鍵と一緒にずっしりとした重みのある部屋番号のチャームがついていました。せっかくなので、手のひらにのせて鍵穴と一緒に撮ってみましたが、主題も背景も程よい大きさに収まりました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.8, 1/40秒, -0.3EV, ISO 1250, WB 3000K-3STEP(G), Natural
旅のスナップあれこれ
年明け早々にこのレンズ一本をつけて、年末に降った大雪が残る兵庫県北部、但馬地方の豊岡、温泉で有名な城崎(きのさき)、そして出石へ出かけました。実際にどんな場面でどのように撮ったのかをご紹介します。
スケール感やディテールの伝わる車窓と駅スナップ
今回、特急「こうのとり」で福知山線から山陰本線を北上したのですが、途中、篠山付近で朝靄の立ち込める風景が広がりました。このあたりは霧の発生しやすい地形なのですが、うまい具合に陽が差してとても幻想的な光景となりました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/3200秒, ISO 200, AWB, Natural
山陰本線と合流する京都府の福知山を越えると一気に雪景色に。電車の窓ガラスは緑が被りやすく色が合いにくいためあとで調整をしてはいますが、ガラス越しでもしっかりクリアな画像を得ることができました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F5.6, 1/1600秒, ISO 500, WB 5800K-4STEP(G), Natural
ICカードの普及により乗車券もどんどん姿を消している昨今ですが、旅の記録として味わいを深めてくれる切符。ほぼ最短撮影距離まで寄って撮影。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/2000秒, +1.7EV, ISO 200, AWB, Natural
城崎温泉から宿を取った豊岡まで、レトロな車両の普通列車で移動。ちょうど夕陽が差し込む時間だったので、敢えて向かい側の座席と窓越しに撮影。絞りはF8で、少しゴーストは出たもののやわらかい光条が出ました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F8, 1/500秒, +0.3EV, ISO 800, WB 曇天, Natural
跨線橋になった駅の通路から撮影。しっかりと奥行きも表現できています。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/200秒, +1.0EV, ISO 400, AWB, Natural
風景と町並み、出合ったものたち
城崎での定番の光景も、やっぱり押さえておきたい一枚。とりあえずつけっぱなしにしておくと何かと便利、そんな画角だと認識した場面でもありました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F9, 1/200秒, +0.7EV, ISO 400, WB 曇天, Natural
ロープウェイで見晴らしの良い山の上へ。中間駅での撮影ですが、手前のゴンドラから山上駅までの奥行き感も十分に伝わる1枚になりました。そして山上からは眼下の温泉街と円山川、その向こうに連なる山越しに日本海までが見渡せるのですが、奥行きのある光景ゆえに縦で撮影。風景にも十分使える画角です。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F8, 1/1000秒, +0.3EV, ISO 640, WB 曇天, Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F8, 1/500秒, +1.0EV, ISO 400, WB 曇天, Natural
誰かが作った雪だるまにぐぐっと接近。石でできた鼻周りの雪の粒までしっかり解像してくれています。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/800秒, +1.0EV, ISO 200, WB 曇天, Natural
城崎温泉は外湯めぐりが大きな特徴のひとつ。旅館の浴衣を着て歩くカップルの足元を咄嗟に撮影、道の端に避けられた雪がいい塩梅に画角に収まりました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F4.5, 1/160秒, +0.3EV, ISO 640, WB 7200K, Natural
おいしい時間
皿そばで有名な出石へ。先輩写真家に教えて頂いたお店へ出向くと、雪の積もった中庭側の席に案内されました。目の前にどん!と置かれたお盆に広がるお皿を撮るのに、25mm(換算50mm)のレンズだと確実に狭すぎたところでした。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F2.0, 1/100秒, +0.3EV, ISO 800, AWB -2STEP(G), Natural
地ビールの飲み比べをしてみました。ちょっと泡が消えてしまいましたが、小ぶりなグラスが並んだ様はやはり押さえておきたいところ。座ったままで撮影しましたが、目の前に並んだグラスがちょうどピッタリ画角に収まりました。その後角度を変えて寄ってみることで、小さな泡をきれいに捉えることができました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F2.0, 1/500秒, +0.3EV, ISO 400, AWB, Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F2.8, 1/250秒, +0.3EV, ISO 400, AWB, Natural
冬の日本海側に来たからにはカニ……ですが、実は姿カタチからしてあまり得意ではなく。ほぐされた身を使ったカニのペペロンチーノが精いっぱいでしたが、とっても美味しくいただきました。出来立てすぐの湯気が、とろりとボケながらもふわりと立ちのぼる様子が外の寒さを忘れさせてくれます。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/400秒, +0.7EV, ISO 400, AWB, Natural
日々のスナップあれこれ
今回の年末年始は1年前とは違い、友人や遠くに住む家族と会うことができた方も多いのではないでしょうか。私も久しぶりにそんな時間を、感染対策には気を配りつつ楽しみました。
友人宅にお呼ばれ。丁寧に切れ目が入れられた牛タンや、ご時世柄ひとりずつお皿に用意された数々のお肉を堪能。友人の丁寧な仕事ぶりを伝えてくれるレンズの描写に、この写真を見返すだけでもごはんが進みそうです。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/125秒, -0.3EV, ISO 800, WB 3000K-2STEP(G), Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/80秒, -0.3EV, ISO 800, WB 3100K, Natural
大阪・新世界にて、久しぶりに通天閣に上りました。名物だった大きなフグがいなくなり、ぽっかり空いた空間越しに見える通天閣を、程よい遠近感で捉えてくれています。大きなフグを吊るしていた竿だけが残る光景がちょっぴり淋しいものです。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F8, 1/1250秒, +0.3EV, ISO 640, WB 晴天, Natural
通天閣の展望デッキからの光景をアートフィルターのジオラマモードで撮影。眼下に広がる天王寺動物園からあべのハルカス、遠くに見える生駒山脈までをしっかり画角に収めつつ、ジオラマモードゆえの箱庭のような雰囲気はちょうど良いスケール感で写すことができています。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F8, 1/160秒, +0.3EV, ISO 200, WB 曇天, アートフィルター ジオラマ
テレビゲームの許可を得るために宿題をがんばる小学2年生を隣で撮影。周囲の余計なものを写し込まない画角と、ピントの前後をきれいにボカしてくれるこのレンズはおうち撮影にもピッタリです。カメラ側で静音シャッターの設定にすることで、勉強の邪魔をすることなく撮影ができました。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.8, 1/250秒, +0.7EV, ISO 800, AWB, Natural
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F1.4, 1/250秒, +0.3EV, ISO 640, AWB, Natural
まとめ
これまで、手持ちの17mm(換算で約35mm)のレンズが画角的に撮りやすく、また不自由も感じていなかった私は、20mm F1.4のレンズが発売になると聞いた当初はあまり食指が動きませんでした。ところが実物を手にしてまずその小ささと軽さに驚き、実際に撮影してみてPROレンズとしてのその画質は言わずもがな、非常に使いやすい画角に一気に引き込まれました。
小型軽量で画質が良くて明るいレンズ。この3拍子が揃ったところで自分にとって画角がピッタリはまるのであれば、これはもう買わない理由が見つからないほどです。屋内外のスナップ、暗い場所、テーブルフォトと、日常生活ではとりあえずつけっぱなしにしておくレンズとして活躍してくれること請け合い。そして今回はこのレンズ1本での旅でしたが、高倍率ズームレンズと合わせて旅の装備としても非常におすすめなレンズです。
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:F5.6, 1/160秒, ISO 640, WB 曇天, Natural
■写真家:
クキモトノリコ
学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
この記事に使用した機材 【OM SYSTEM】M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M5 Mark III シルバー
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のクキモトノリコさんによる、OMシステム「M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO」レビュー記事です。換算40mmの画角は日常を切り取る気軽なスナップに最適。旅気分を味わえる写真とともにご覧ください。
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KEYWORDS:
オリンパス,Olympus,単焦点レンズ,M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO,レビュー,OMシステム,クキモトノリコ
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門
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CATEGORY: 齋藤朱門
DATE: 02/08/2022 16:00:00
TAGS: 風景,風景の撮影テクニック
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BODY:
はじめに
今回は望遠ズームレンズを使った風景撮影の楽しみ方について紹介したいと思います。
風景写真撮影と言うと、広角レンズで広大な景色をダイナミックに切り取るような写真をイメージされる方も多いのかもしれませんが、シーンによっては望遠ズームレンズを使うことで魅力ある風景写真を撮ることもできます。
望遠ズームレンズの使いどころ
風景撮影における望遠ズームレンズの使いどころは様々ですが、筆者の場合は次のようなシーン・撮り方のケースで使っています。
遠くの風景を切り取る
遠くにある風景の一部分を切り取る撮り方になります。筆者が望遠ズームレンズを使う場合ではこのケースが多いように思います。
撮影地で周りをよく見渡し、遠くになにか気になるようなポイントがあれば、その部分を超望遠ズームレンズでクローズアップして切り取ってみます。
■撮影機材:ソニー α7S + ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS + 2Xテレコン
■撮影環境:マニュアル露出・310mm・F8・ISO100・1/400秒
表現したい被写体を大きく見せる
普段は広角レンズで撮るようなシーンでも、望遠ズームレンズを使うことで見せたいポイント・被写体をより迫力ある構図で撮ることができます。
イタリアのドロミテで撮影した写真ですが、別の撮影地に向かう途中に遠くに見えた山脈と雲と光の作り出す雰囲気が気になり、登山道の途中から望遠ズームレンズで狙って撮っています。
■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM
■撮影環境:マニュアル露出・100mm・F6.3・ISO100・1/320秒
圧縮効果を活用する
望遠ズームレンズを使うと圧縮効果があるため、都市風景でぎゅっと凝縮感を増すことができたり、遠くから山や建物と太陽(月など)を一緒に撮ることで、太陽を大きく見せたりすることができます。
■撮影機材:ソニー α7R II + ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS + 2Xテレコン
■撮影環境:マニュアル露出・368mm・F16・ISO100・1/320秒 雲海と夕日。広大な雲海を広角レンズでも撮影していましたが、日が落ちる直前に雲の隙間から綺麗な夕日が出てきたので、慌てて望遠ズームレンズを装着して撮影した一枚。
このシーンでは200mmだと不足していたため、2倍テレコンも併用しています。テレコンを持っていると、手軽に焦点距離を2倍まで延長することができるため、望遠ズームレンズと一緒に持っていくことが多いです。
抽象的な表現
夕日で黄金に輝く海面や、湖面などを望遠ズームレンズでクローズアップして撮ることで、抽象的な表現も可能になります。揺れる水面の場合、シャッタースピードを少し変えただけでも大きく表情が変化するので、いろいろなシャッタースピード設定で撮影してみると面白いと思います。
■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM
■撮影環境:マニュアル露出・400mm・F7.1・ISO100・1/320秒
望遠ズームレンズ作例
熊本・阿蘇にて。広大な阿蘇の景色の中、ふと遠くを見渡した時に、森の中から見えた風景が気になり切り撮った一枚です。
■撮影機材:シグマ sd Quattro H + シグマ 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM
■撮影環境:マニュアル露出・269mm・F11・ISO100・1/320秒
早朝の撮影の後、まだ遠くに薄っすらと霧が広がる牧草地帯の中、遠くの霧の中に見えた景色が印象的だったので、それまで使っていた広角レンズを望遠ズームレンズに持ち替えて撮影しました。
同じシーンでも、望遠ズームレンズを使えば別の切り取り方ができ、大きく印象を変えることもできます。
■撮影機材:シグマ sd Quattro H + シグマ 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM
■撮影環境:マニュアル露出・190mm・F8・ISO100・1.0秒
熊本・阿蘇にて。360度見渡せる場所から望遠ズームレンズで光があたっているポイントを中心に、バランスの良い構図を決めて撮影しました。
■撮影機材:ソニー α7R III + ソニー FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:マニュアル露出・321mm・F11・ISO100・1/60秒
夜明けから徐々に濃い霧に包まれる盆地を、山頂付近から望遠ズームレンズで撮影。霧の幻想的な雰囲気が、望遠ズームレンズによってより繊細に捉えることができました。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + ペンタックス smc FA645 80-160mmF4.5
■撮影環境:マニュアル露出・160mm・F11・ISO100・1.0秒
秋のカラマツ林。高解像度カメラとの組み合わせで繊細な木々の様子を描写できるのも、望遠ズームレンズの醍醐味です。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + ペンタックス smc FA645 150-300mmF5.6ED
■撮影環境:マニュアル露出・300mm・F11・ISO100・1/15秒
こちらは冬のカラマツ林。遠くにカラマツ林が雪と霧氷に覆われた様子が見えたので、車を止めて望遠ズームレンズで撮影しました。
■撮影機材:富士フイルム GFX100S + タムロン SP150-600mm F/5.6-6.3 Di VC USD
■撮影環境:マニュアル露出・356mm・F16・ISO100・1/35秒
撮り方・テクニック
ブレを抑える
望遠ズームレンズの場合、広角レンズに比べて焦点距離が長いため、ブレが目立ちやすくなりがちです。また、レンズ自体も大きく重いものが多く、三脚を使っていたとしても、屋外では微小なブレが生じやすいので、注意が必要です。
ブレを抑えるために、撮影時のシャッタースピードをなるべく短くすることも有用ですが、レンズの重量をしっかりと支えることができる雲台・三脚を使うと良いでしょう。また、レンズフット付きの望遠ズームレンズの場合、レンズフットを使うことで全体の重心バランスが良くなります。特に鏡筒が長いため、レンズサポートも併用すると尚良いです。
切り取りポイントの見つけ方
上にも書きましたが、撮影地では遠くの方にも意識を持って観察することで、時折、普段は気づかないような遠くの美しい風景を見つけることがあります。
肉眼では小さくてはっきり見えないものも、なんだろう?と思ったら望遠ズームレンズで覗いてみると意外と印象的なシーンが見えることもあるので、ぜひ望遠ズームレンズで周りを探してみることをオススメします。
超高画素カメラを使用している場合は、広めに撮っておいて、後でクロップすることでも望遠ズームレンズと同じ効果を得られますが、どうしても画質が下がりますし、プリントで引き伸ばしたい時に不利になるので、なるべく撮影時に構図を決めたほうが良いでしょう。
さいごに
望遠ズームレンズは大きく重いものが多く、撮影場所に持っていくのがつい億劫になりがちですが、広角レンズとはまた違った風景撮影の楽しみ方ができますので、無理のない範囲でカメラバッグには入れておくと、思わぬところで普段とは違った撮影ができることがあります。
ぜひ、望遠ズームレンズでも色々な風景を切り取ってみてください。また、この記事の内容が風景撮影の参考になると嬉しいです。
齋藤朱門さんの撮影テクニック連載記事はこちら
・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html
・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html
・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html
・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html
・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門
https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
商品詳細ページ
【ソニー】FE 70-200mm F2.8 GM OSS
商品詳細ページ
【ソニー】2X Teleconvertor
商品詳細ページ
【シグマ】100-400mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary シグマ用
商品詳細ページ
【ペンタックス】smc PENTAX-FA645 80-160mmF4.5
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の齋藤朱門さんが望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方について紹介しています。望遠レンズだからこそ撮れる数多くの作例を元に解説しています。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,風景
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ニコン NIKKOR Z 28-75mm f/2.8 レビュー|コンパクトながらボケ味の美しい標準ズームレンズ
BASENAME: 485472846.html
STATUS: Publish
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CATEGORY: 水咲奈々
DATE: 02/09/2022 16:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z 28-75mm f/2.8,人物_子供,ポートレート(人物),標準ズーム
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BODY:
はじめに
ズーム全域で開放F値2.8の、大きなボケと柔らかい描写を楽しめる「NIKKOR Z 28-75mm f/2.8」が、2022年1月に発売されました。今回は、小型・軽量で使い勝手のいい本レンズの魅力を、ポートレートを通してお伝えします。
ふんわりと自然なボケ味
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
■撮影環境:焦点距離:28mm F2.8 1/125秒 ISO200 WB:自然光オート
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:上村実嶺(株式会社オフィスパレット)
本レンズは焦点距離28mmから75mmの、標準画角のズームレンズです。レンズ構成は12群15枚で、スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ1枚、非球面レンズ3枚を搭載しています。絞り羽根枚数は9枚の円形絞り採用、最大絞りはF2.8、最小絞りはF22。サイズは約75mm×120.5mmとコンパクトで、重さも約565gと軽量です。
使いやすい画角とサイズ感は、スナップや旅行にもピッタリですが、広角端から望遠端までF2.8の開放F値が使用できるので、ポートレートにもお勧めのレンズです。
F2.8の描写は、ピントを合わせた片方の目の輪郭をしっかりと描き出し、もう片方の目がカメラとの距離がある場合は、ふんわりと自然なボケ方をする見やすい描写になります。F1.8のふわふわ、ぽやぽやの描写も素敵ですが、モデルの背景や周りの風景・家具などのムードを、はっきりくっきりではなく優しく描きたいときに丁度いい絞り数値です。
今回使用したスタジオはアンティークなテイストで、室内も庭も筆者好みの家具や小物が配置してあるので、どの場所でどんなムードで演じてもらうかを考えるのは、とても楽しかったです。
この写真は、広角端の28mmで撮影しています。通常、ズームレンズ使用時は望遠側を多用する筆者ですが、今回の撮影は、広角側で色々なムードを写し込むことを堪能しました。背景の枝のオブジェに太陽光が斜めに当たっていますが、同じようにモデルの髪に天使の輪ができた瞬間が美しくて、シャッターを切りました。
モデルの肌の色味、質感を柔らかく表現しながら、背景の木やレンガの堅いイメージをしっかりと描いてくれたからこその、硬軟を感じられる一枚に仕上げられました。
最短撮影距離が短いのも魅力のひとつ!
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
■撮影環境:焦点距離:75mm F2.8 1/125秒 ISO400 AWB
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:上村実嶺(株式会社オフィスパレット)
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
■撮影環境:焦点距離:75mm F2.8 1/125秒 ISO400 AWB
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:上村実嶺(株式会社オフィスパレット)
本レンズは、広角端の28mm使用時の最短撮影距離が0.19mと短いのも特徴のひとつです。被写体に魅力を感じて近付きたいと思ったとき、物理的に被写体との距離が取れないときなど、撮影の自由度が上がります。各焦点距離の最短撮影距離は、35mmでは0.22m、50mmでは0.3m、75mmでは0.39mとなっています。
また、STM(ステッピングモーター)のお陰でレンズの駆動音、動作音が静かなので、近距離撮影時にモデルへの圧迫感が少なくなるのは、ポートレート撮影では嬉しい点でもあります。顔に近い位置にあるレンズが、大きな音を立ててピント合わせを行うのは、撮られている側としてはちょっと気になるし、圧を感じることもありますので、静かならそれに越したことはありません。
素早く静かなAF
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
■撮影環境:焦点距離:28mm F2.8 1/125秒 ISO500 AWB
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:上村実嶺(株式会社オフィスパレット)
AFの性能は言うまでもなく高性能。Nikon Z 6IIとのマッチングも良く、モデルの前に被写体があり、モデルの顔が構図内で占める割合が少ないシチュエーションでも、瞳AFがしっかりと働いてストレスのないピント合わせが行なえます。
撮影しながら思ったことのひとつに、好感度の高いボケ味だということがあります。物体の輪郭を残しながら、その線は柔らかく表現し、光のあたっているところは自然に丸くボケる。このボケ味のお陰で、主役であるモデルの立体感と存在感がぐっと上がってくれました。
軽くて小さいレンズだからこそ、できる撮影もある
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
■撮影環境:焦点距離:37mm F2.8 1/125秒 ISO500 AWB
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:上村実嶺(株式会社オフィスパレット)
軽量・コンパクトなのも、このレンズの大きなメリットです。ポートレートに限らず、どんな撮影でも同じですが、ただ立ったままシャッターを押すことは少なく、しゃがんだり、這いつくばったり、台に乗ったり、段差に足を掛けながらなど、不安定な姿勢で撮影することは多々あります。
そんなとき、レンズの長さは短いほうが自身の体のバランスは取りやすくなり、重さは軽いほうが、少々不安定な姿勢でも長時間の撮影が可能になります。不安定で危険な姿勢での撮影はお勧めしませんが、安全を確保できるのであればアイレベル以外の撮影は、作品のボキャブラリーを増やしてくれるのでお勧めしたいです。本レンズは、そんな撮影のパートナーとして最適でした。
隅々までしっかりと描き出す堅実な描写性能
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
■撮影環境:焦点距離:75mm F2.8 1/125秒 ISO500 AWB
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:上村実嶺(株式会社オフィスパレット)
とにかく隅々までの描写がしっかりとしているので、構図全部を使って見せたいものを魅力的に見せることができます。広角端から望遠端まで、妙な歪みや光量落ちは見られず、余計なことを考えずに撮影に集中できるのが、何よりも嬉しい点。
前ボケ、後ろボケ共に自然な柔らかさで描いてくれるので、立体感を出したいこともあり、今回の撮影では特に前ボケを多用して楽しみました。
活躍の場が広い、一本持っておきたい明るい標準ズームレンズ
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
■撮影環境:焦点距離:28mm F2.8 1/160秒 ISO1250 AWB
■ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:上村実嶺(株式会社オフィスパレット)
28mmから75mmという標準画角のレンズのスペック上、キットレンズをお持ちの方は食指が動かないかも知れませんが、そのような方にも、F2.8通しのメリットはかなり大きいと感じました。また、Z fcなどキットレンズが単焦点レンズだった方は、一本持っていると便利な標準画角のズームレンズとして、買い足しを強くお勧めできるレンズです。
■写真家:
水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
この記事に使用した機材
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の水咲奈々さんによるニコンの標準ズームレンズNIKKOR Z 28-75mm f/2.8のレビュー記事です。
標準ズームでもF値が2.8と明るい本レンズを用いて、ポートレートの作例でレビューいただいています。
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KEYWORDS:
ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z 28-75mm f/2.8,レビュー,人物_子供
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 【オールドレンズ】和製ズミクロンと呼ばれるレンズ「RICOH XR RIKENON 50mm F2」
BASENAME: 485506511.html
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PRIMARY CATEGORY:
CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 02/10/2022 16:00:00
TAGS: オールドレンズ,RICOH XR RIKENON 50mm F2
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BODY:
はじめに
今回のオールドレンズは、和製ズミクロンとも呼ばれている 「RICOH XR RIKENON 50mm F2」をピックアップしてみました。この「RICOH XR RIKENON 50mm F2」は、製造年の違いによって
・XR RIKENON 50mm F2(初期型)
・XR RIKENON 50mm F2 L
・RIKENON 50mm F2
・XR RIKENON 50mm F2 P
これら4種類のレンズが存在します。今回は2代目の「XR RIKENON 50mm F2 L」を使用し特徴とその実際の写りを紹介したいと思います。
■左:XR RIKENON 50mm F2(初期型)
■右:XR RIKENON 50mm F2 L
RICOH XR RIKENON 50mm F2の魅力
「XR RIKENON 50mm F2」は、一眼レフのフイルムカメラ「RICOH XR500」の発売(1978年)と共に発売されたレンズです。カメラ本体「RICOH XR500」と「XR RIKENON 50mm F2」のセットで定価39,800円という驚きの低価格で販売されていました。なので、当時の「XR RIKENON 50mm F2」の評価は安かろう・悪かろうといった感じのものでした。
筆者がちょうどカメラに興味を持ち始めた頃のカメラで「RICOH XR500」はしっかりと記憶に残っているカメラですが、レンズの「XR RIKENON 50mm F2」は当時まったく印象にないレンズで、安い標準レンズという印象しかありませんでした。しかし40年ほど時を経てオールドレンズのブームもあって、「和製ズミクロン」などど呼ばれるようになり注目を浴びたレンズです。
「ズミクロン」とは開放値F2.0のライカのレンズの名称で、ライカの「ズミクロン 50mm F2」の写りに匹敵するとするのではと言われたのが人気になったきっかけのようです。中古相場でも10倍以上の価格差が付くようなレンズですので、正直「ズミクロン 50mm F2」を超えるような光学性能は持っているとは個人的には思っていません。どちらのレンズもそれ相応の年月を経ているレンズなので、レンズ個体状態によってその写りにはいろいろな差が出るので比較するのも少し難しいからです。
しかし「XR RIKENON 50mm F2」は中古相場も状態にもよりますが、10,000円以内で購入できるものも多く、「和製ズミクロン」と呼ばれるレンズに興味が湧くのは必然だと思います。
「XR RIKENON 50mm F2」が和製ズミクロンと呼ばれる事で人気があるのですが、すべてのタイプで呼ばれているわけではありません。特に人気があるのが、「XR RIKENON 50mm F2(初期型)」と「XR RIKENON 50mm F2 L」になります。
その理由は、このレンズの製造元が大きな要因になります。「XR RIKENON 50mm F2(初期型)」と「XR RIKENON 50mm F2 L」は製造元が「富岡光学」製です。この富岡光学製のレンズはオールドレンズマニアの中では非常に評価の高いレンズになっており、人気のあるレンズになっています。
富岡光学製造のレンズで有名なものは、リコーのレンズ以外にも「CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4」(ヤシカ/コンタックスマウント)などのレンズがあります。「XR RIKENON 50mm F2(初期型)」と「XR RIKENON 50mm F2 L」以外の「RIKENON 50mm F2」と「XR RIKENON 50mm F2 P」の製造元は富岡光学ではない為、残念ながら和製ズミクロンとは呼ばれる事はないと思います。
■左:XR RIKENON 50mm F2(初期型)最短撮影距離0.45m
■右:XR RIKENON 50mm F2 L 最短撮影距離0.60m
富岡光学製・和製ズミクロンと呼ばれる「XR RIKENON 50mm F2(初期型)」と「XR RIKENON 50mm F2 L」でも、レンズの仕様は異なっています。「XR RIKENON 50mm F2(初期型)」は筐体が金属製、最短撮影距離も0.45m。「XR RIKENON 50mm F2 L」は筐体にプラスティックパーツを使用し、最短撮影距離が0.60mとなっています。
この2本で比べると、最短撮影距離も短く金属製筐体の「XR RIKENON 50mm F2(初期型)」の方は人気が高く、中古価格相場の値段も高くなります。どのタイプをセレクトするか購入する際には、タイプを良く確認する必要があるレンズです。
また、もともとが廉価でカメラとセット販売されていたレンズなので、程度のいいものを見つけるのもなかなか難しいかもしれません。曇りやカビなどの有無をしっかりと確認して購入したいですね。
※内部にカビが発生してしまったレンズ
カビや曇りがあるレンズは写りに大きく影響がでます。もちろん、カビや曇りがないレンズがベストですが、オールドレンズでは経年劣化も含め多かれ少なかれカビや曇りが発生している個体が多いです。価格とレンズの程度をよく吟味して購入する事が重要です。
今回使用したマウントアダプターは、「TECHART LM-EA7」と「K&F Concept KF-PKM2」を合わせて使用して撮影をしてみました。この「TECHART LM-EA7」マウントアダプターはマニュアルのオールドレンズをオートフォーカスとして使用できる面白いマウントアダプターです。このマウントアダプターのレビューに関しては、また機会があれば詳しくご紹介したいと思います。
※「RICOH XR RIKENON 50mm F2 L」レンズは、Kマウントです。
RICOH XR RIKENON 50mm F2 L で街中スナップ撮影
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞り11 ISO800 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
「RICOH XR RIKENON 50mm F2 L」レンズは5群6枚の構成で、印象は標準の50mmレンズとしては少し大人しめの発色とニュートラルなボケで癖のない絵が撮れるレンズといった感じです。
当たり前ですが絞れば全体的にシャープさは増しますし、開放で撮ればオールドレンズらしい周辺の甘さが発生します。レンズの状態(くもりなどがある場合)によっては、もっと柔らかい感じになる事もありますが、当時の販売価格も考慮しても十分に高いスペックを有している感じです。
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/125 絞り2 ISO800 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
絞り開放で撮影すれば前後に癖の少ないボケを演出し、ピントのあった面を上手く引き立ててくれます。
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/1250 絞りF2 ISO800 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/1250 絞りF2 ISO800 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF2 ISO400 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
夜のスナップ撮影でオールドレンズをミラーレス機で撮影すれば、フィルムカメラと違ってISO感度を随時変更でき、ブレの防止に対応できるメリットを大きく感じます。また、カメラボディの手ブレ補正効果を使うことができるので、スローシャッターで手持ち撮影する場合も心強いですね。
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/25 絞りF8 ISO1600 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/25 絞りF8 ISO1600 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
上の写真のイルミネーションの光源部分を拡大して見てもらうとわかりますが、「RICOH XR RIKENON 50mm F2 L」の絞り羽根の枚数の特徴がみてとれます。「RICOH XR RIKENON 50mm F2 L」の絞り羽根枚数は6枚。絞って撮影した場合には、点光源部分に6本の光芒が表現されます。ちょうどクロスフィルター(6本線)を使ったような感じに撮影することができます。
最近のレンズは絞り羽根枚数はもう少し多いものがほとんどです。また、絞り羽根が奇数の場合の光芒は倍数(9枚であれば18本)になってしまって、少しうるさくなってします、絞り羽根6枚のレンズはイルミネーション撮影などにもおすすめです。
ただ良い事だけではありません。絞り羽根の枚数が少ないと丸ボケの演出が難しくなります。絞り開放で撮影すれば丸ボケを出す事ができますが、絞って撮影すると6角形のボケが発生します。6角形のボケを分かりやすくする為に、ピントを最短撮影距離にしてボカして撮影をしてみました。
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/80 絞りF8 ISO1600 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
RICOH XR RIKENON 50mm F2 L で世界遺産の富岡製糸場を撮影
所用で群馬県に行くことがあったので、世界遺産・国宝の「富岡製糸場」に寄って撮影をしてみました。2014年に世界遺産に登録された際はかなりの観光客で溢れかえっていたのですが、筆者が今回立ち寄った日はお天気も悪い平日で閑散としていました。
どんよりとした冬の曇り空の下、薄暗い室内の「RICOH XR RIKENON 50mm F2 L」での撮影は、よりニュートラル感が増し歴史あるものの重みを写し込んでくれる感じを受けました。この様な被写体を撮影する機会があれば、ぜひオールドレンズを使って撮影してみて欲しい。最新のレンズとは違った雰囲気ある写真を撮ることが可能です。
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF2 ISO1600 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF2 ISO800 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/40 絞りF8 ISO800 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF2 ISO1600 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF2 ISO1600 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
■使用機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF16 ISO1600 焦点距離50mm
※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
しっかりと絞って撮影した時の解像力は周辺部でも落ちることなく描写し、スペックの高さをうかがわせますね。
まとめ
「和製ズミクロン」とも呼ばれるレンズ「RICOH XR RIKENON 50mm F2 L」、写りをみて皆さんはどう感じられたでしょうか?オールドレンズらしさをしっかりと感じながらも、どこか現代的なレンズのような写りを感じ取ることができるレンズの様な感じがしました。
夜の都会風景を絞って撮れば、しっかりとしたシャープな直線を描きつつも6本線の控えめな光芒を演出する事ができ、いろいろなシーン・スナップで使いやすいレンズです。状態の良い「RICOH XR RIKENON 50mm F2 L」を見つけたら、是非オールドレンズのコレクションに加えてみてはどうでしょうか。
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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この記事に使用した機材
【K&F Concept】KF-PKM2 マウントアダプター
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の坂井田富三さんによるオールドレンズRICOH XR RIKENON 50mm F2のレビュー記事です。
4種類あるRICOH XR RIKENON 50mm F2の中でも、「和製ズミクロン」と称される2代目のレンズを用いて、スナップ撮影のレビューをしていただいています。
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KEYWORDS:
オールドレンズ,RICOH XR RIKENON 50mm F2,レビュー
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AUTHOR:
TITLE: ニコン NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR|旅に持ち歩きたくなるレンズで撮るマジックアワー
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CATEGORY: 相沢亮
DATE: 02/11/2022 11:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR,高倍率ズーム
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BODY:
はじめに
はじめまして、東京で写真家をしております相沢亮と申します。旅が好きでカメラを携えて1ヶ月の半分以上家を空けることもあります(昨年1番旅に出ていたときは、18日間も旅に出ていました)。そんな僕が今回初めてShaShaにて記事を担当させて頂きます。どうぞ、よろしくお願いします。
早速ですが今回は、ニコン Z 50とNIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRの組み合わせで、東京のマジックアワーを中心に撮影してきました。Z 50といえばAPS-Cセンサーを搭載しており、他のフルサイズのNIKON Zシリーズに比して小型、軽量で携帯性に優れたボディです。そんなボディに幅広い焦点距離をカバーできるNIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRを合わせ、どんな作例を撮ることができるのか試してきました。
下の作例は、幅広い焦点距離を活かし、夕日を切り取ってみました。
■使用機材:ニコン Z 50 + NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F8 1/500秒 ISO100 焦点距離18mm(フルサイズ換算27mm)
■使用機材:ニコン Z 50 + NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F9 1/500秒 ISO100 焦点距離120mm(フルサイズ換算180mm)
重さを感じさせず、旅に持ち歩きたくなる組み合わせ
まず、持った感想がとにかく軽い。今回のレンズの重さが約315gでボディの重さが約450g。合わせて約765gと、普段2kgを超える機材を持ち歩くこともある自分にとって、1つの組み合わせで幅広い焦点距離をカバーできるのはありがたかったです。正直カメラを持っているという感覚ではないです。(なんだろう、500mlのペットボトルと半分飲みかけのペットボトルですかね笑)
カメラって持ち歩くとじわじわと機材の重さが体に染みてくることがあるのですよね。昨年の7月に登山をしたのですが、レンズを複数持って行って、その重さに後悔した経験があります。極論かもしれませんが、旅をするならレンズの本数をできる限り少なく、軽ければ軽いほど良いです。
ニコン Z 50にNIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRを装着した状態
Z fcと比較しても見た目、重さともに大きく変わることなく、幅広い焦点距離をカバーできます
荷物を常に携行する公共交通機関で移動する旅もたびたびあるのですが、地元の方々と交流したり、お店に入ったりする場合に機材のことを気にしなくて大丈夫な点もありがたいです。大きい機材特有の威圧感というものを感じさせません。首にぶら下げながら、ふらっとお土産屋さんに入っても大丈夫でバッグなどの身近なものと同じ扱いに近いイメージですかね。
気になる画質は!?マジックアワーの薄暗い時間に撮影
■使用機材:ニコン Z 50 + NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3 0.6秒 ISO160 焦点距離53mm(フルサイズ換算79mm)
Z 50がAPS-C機の軽いボディということで、どうしても気になるのが画質だと思います。冒頭でも触れたのですが、今回マジックアワーというあえて薄暗い環境での撮影を中心に行いました。旅の終わりは夕焼け、マジックアワーを見て、撮るところまでという方が少なくないと思いましたので挑戦してみました。「この機材の組み合わせでマジックアワーの良い作品が撮れるのであれば、旅の終わりまでこの組み合わせで撮影できる」それが達成できたら良いなという感じです。
まず前提として、画像処理エンジンについて、フルサイズであるZ 7と変わらないEXPEED 6が採用されています。これを簡単にいうと、画像データの処理スピード、色彩情報の再現性、ノイズ低減処理などが上位機種と変わらず、高精細な画像を生み出してくれるということです。
作例に注目して欲しいのですが、今回、月とマジックアワーを撮影しました。陽が沈んだ後の西の空の色のグラデーションが美しい時間帯です。そんな状況下で目の前に広がる景色をそのまま切り取ったように諧調が崩壊することなく、青のグラデーションの色合いを綺麗に写し出してくれました。月の輪郭も綺麗に写してくれています。
次に暗部となっている街のディテールにも注目してほしいのですが、黒潰れせずに建物ひとつひとつのディテールを損なうことなく写してくれています。結構明暗差の激しいシチュエーションだったのですが、色彩の豊かさとともに明暗部をそれぞれ綺麗に描写してくれたので、その写りに満足です。
■使用機材:ニコン Z 50 + NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3 1/2秒 ISO160 焦点距離103mm(フルサイズ換算154mm)
日没後のビーナスベルトを撮ってみる
■使用機材:ニコン Z 50 + NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F5 1/160秒 ISO800 焦点距離29.5mm(フルサイズ換算44mm)
重さ約315g、全長90mmという小型サイズで幅広い焦点距離をカバーできるNIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR(フルサイズ換算27mm-210mm)。この軽さでVRが搭載されているので、ボディ内手ブレ補正機能を持たないZ 50との組み合わせでも、安心してマジックアワーの撮影に臨めました。
ボディとレンズの重さを合わせて約765gと軽い上に、ブレへの安心もあることから、三脚を持ち歩かなくてもマジックアワーの撮影は可能です。旅先でマジックアワーを撮りたいなと急に思いついても安心です。
■使用機材:ニコン Z 50 + NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F6.3 1/50秒 ISO200 焦点距離60mm(フルサイズ換算90mm)
スカイツリーの作例に注目してほしいのですが、西の空の反対側のビーナスベルトを撮った写真です。同じ時間帯でも太陽の沈む方向とは違い、こちらの空は暗くなるのも早いです。そんな中、手持ちでシャッタースピードを調整して撮影に臨みました。手ブレが発生しやすい状況下だったのですが、ブレることなく撮影に成功しました。ボディの軽さのおかげもあったと思います。
焦点距離を変えても維持される高い解像力
■使用機材:ニコン Z 50 + NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F4.8 1/320秒 ISO250 焦点距離47mm(フルサイズ換算70mm)
■使用機材:ニコン Z 50 + NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO250 焦点距離89mm(フルサイズ換算133mm)
上の作例は、焦点距離それぞれ47mm(フルサイズ換算70mm)と89mm(フルサイズ換算133mm)で撮影したものですが、どちらのズーム域でも高い解像感を維持し、建物の立体感を損なわず描写してくれました。89mmの方の作例で周辺の光量が落ちているのが若干気になりますが、もう少し絞ることで改善されますしLightroomなどの編集ソフトによる後処理で十分対応可能な範囲かと思います。
正確で素早いAF性能
■使用機材:ニコン Z 50 + NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
■撮影環境:F4.5 1/200秒 ISO200 焦点距離42mm(フルサイズ換算63mm)
画角内の小さな飛行機をどこまで正確に素早く捉えることができるか確かめたのですが、素早く横切る飛行機にピントを合わせることに成功しました。動く被写体の場合、瞬時に構図を決めて撮影することも少なくないですが、素早くピントが合ってくれることから即座に対応できそうです。
また、ピントを合わせるときに気付いたのですが、フォーカス時の動作音が小さく、外での撮影だと気にならないですね。嬉しい機能の一つです。静かなカフェや美術館などでAFの音が小さいと周囲に気を使わずに撮影できます。(意外と撮影時周囲のことが僕は気になるので、周りが静かな中、音を立てるのが苦手です)
今回静止画で試しましたが、被写体にピントを合わせ続ける優秀なAF性能の追従性も確かめられたので動画などでも活躍が見込めそうです。
旅のお供に最適な一本
今回、撮影をしてみて、想像を超える写りをしてくれたおかげで撮影がどんどん楽しくなっていきました。軽さと手に馴染むサイズ感故に自然と外に持ち歩くことができるカメラそんな印象です。携帯電話でなく、カメラを持って本格的に写真を始めたい、という旅好きな方の最初の一歩に間違いなくおすすめできる組み合わせですね。旅が好きな人に意外と多いのですが、できるかぎり物を持って行きたくないという要望にも応えてくれる、コンパクトな組み合わせだと思います。
また、優秀な手ブレ補正や防塵・防滴というアシストもあり、初心者の方でもこの組み合わせで安心して、砂浜や雪の日など多くの場面に対応できると思います。レンズ交換をしなくても幅広い焦点距離をカバーできるのもその魅力です。
日常の中で自然と持ち歩きたくなるカメラが手元にあれば、写真を撮る機会が増え、どんどん上手くなっていくと思います。「まずは、コンパクトなものから始め、持ち歩いてみる」そんな一歩目を支えてくれるカメラとレンズの組み合わせです。
■写真家:相沢亮
2020年より東京を拠点にフォトグラファー、ライターとして活動中。メーカーとのタイアップ記事、企業案件や広告撮影、雑誌への寄稿・執筆等、活動の幅を広げ、近年、地方創生や観光PRに力を入れる。2021年2月に写真家としてのインタビュー記事が朝日新聞WEBメディア「withnews」およびYahoo! JAPANで公開される。2022年、春に単著出版予定。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の相沢亮さんによる、ニコン「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」レビュー記事です。Z50との組み合わせで美しいマジックアワー写真を撮影いただきました。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,レンズ,NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR,レビュー,相沢亮
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: ソニー FE 50mm F2.5 G × ネコちゃんワンちゃん|お家とお散歩撮影で試してみました!
BASENAME: 485553490.html
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CATEGORY: 小川晃代
DATE: 02/13/2022 10:00:00
TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 50mm F2.5 G,ペット_動物,単焦点,犬/猫/ペット
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BODY:
はじめに
小型軽量のFE 50mm F2.5 G。Gレンズならではの高画質で美しいボケ味を実現している上に持ち運びにも嬉しいコンパクトさ。レンズ単体ならジャケットのポケットにポンといれておける程のサイズ感です。24mm、40mm、50mmの3本が同時発売されましたが、ペット撮影で使いやすいのは50mmレンズ。今回はこのレンズでお家撮影とお散歩撮影をしてみました。
お散歩撮影でちょうど良いレンズ
お散歩撮影に選んだ先は城ヶ島。のんびりとした雰囲気がある城ヶ島は私のお気に入りで、猫もたくさんいるのでお散歩撮影にはぴったりです。この日は気候も良く少し歩くとあちこちでくつろぐ猫を見かけました。今回使用した50mmレンズはスナップやお散歩撮影でちょうど良いレンズです。軽量コンパクトと来れば、長時間持ち歩いていても苦になりません。
お土産街や灯台の近くを歩いていると猫たちによく会います。猫は人の事は気にせずマイペースに生活しているので、私も猫の邪魔をせず、じっくりと観察しながら撮影しています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.8 1/2500秒 ISO100
溜まった水を飲みに来た猫
「港に猫」という最高のシチュエーションで撮った1枚。情景が伝わるように空間多めの猫小さめに撮影していますが、背後に広がる町や空がちょうど良い感じでボケてくれて私好みの仕上がり。このボケ感のちょうどよさが心地良いんです。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/4000秒 ISO100
舟と猫
ここの猫たちはあまり人を怖がらないので中には近くによってくる子もいます。結構近くで撮影した1枚ですが自然なボケ味。私が単焦点レンズに求めるものは何よりもボケ味です。でもお散歩撮影ではボケすぎてもつまらないもの。適度なボケ味が必要でその適度なボケ味をかなえてくれるのもこのレンズの魅了です。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/2500秒 ISO100
カメラの前を通りすぎる猫
猫たちは自由気まま。猫の動きに合わせて私も動きながら撮影していますが、猫の目線に合わせてカメラをかなり低い位置で構えているのでじっくりとピントを合わせる事は出来ません。ですが、高速AFで動いている猫の瞳を瞬時にキャッチしピントを合わせ続けてくれたので構図だけに集中して撮る事が出来ました。
こちらに向かってくるシーンもこの通りしっかりと構図を決めて前脚が出る瞬間をとらえています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/2000秒 ISO100
何かを期待しているのかこちらに向かってくる猫
半日歩き回りましたが軽量なので楽しく爽快なお散歩撮影でした。
空気感を写し取るレンズ
次はお家での写真。ふとした瞬間を撮った1枚。このレンズの最短撮影距離は35cmなので近距離での撮影が可能です。顔にぐっと寄って撮ってみましたがボケ味がナチュラルで美しい眼が際立っています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.8 1/500秒 ISO2500 露出補正+1.7
こちらをチラッと見た時のこの感じがお気に入り
肖像画風にもう1枚。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.8 1/500秒 ISO1000 露出補正+0.3
暗い中でも目の中にはキャッチライトが入るようにして撮った1枚
窓が無い暗い空間でISO感度を上げて撮影していますが私好みの質感で表現出来ました。この日はまだ紅葉がキレイだったので外でも撮ってみましたが、その場の空気感をしっかり伝えてくれるレンズで撮っていて楽しかったです。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/640秒 ISO100 露出補正+0.3
落ち葉の前ボケを入れて撮影。イチョウの黄色の発色が美しいです
次は室内の猫写真。二匹が猫じゃらしを目で追っている所です。室内のように光が少ない環境で動きの激しい子を撮るのは通常であれば大変なのですが、高追従なAF精度のおかげでしっかりと二匹の自然な様子を捉える事が出来ました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.8 1/500秒 ISO800 露出補正+0.7
猫じゃらし目線の二匹
真っ黒な子も黒つぶれする事なく毛の質感を表現出来ています。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/500秒 ISO800
ぐっと近づいて撮った1枚
扉からちょこんと出てきた猫。色の再現力も美しくシックで落ち着いた雰囲気がしっかりと表現できました。
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/3.5 1/320秒 ISO3200 露出補正+0.7
まとめ
このレンズの魅力は何といっても軽量コンパクトでボケ味が美しいという事。持ち運びが大変だと撮影に行くのがおっくうになりがちですが、FE 50mm F2.5 Gは毎日のちょっとしたお散歩にも持ち歩きたくほどコンパクト。さらに単焦点レンズならではのボケ味や描写力はさすがの一言です。きれいに撮れて撮影が楽しくなるFE 50mm F2.5 G。単焦点レンズデビューの方にもオススメの一本です。
■写真家:小川晃代
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。
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EXCERPT:
写真家の小川晃代さんがソニー FE 50mm F2.5 Gのレビューを行っています。可愛らしネコちゃんワンちゃんをお家の中とお散歩で撮影を行い本製品の魅力を紹介しています。
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ヒコーキ撮影テクニック|Vol.2 ~迫力のあるカット~
BASENAME: 485546033.html
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CATEGORY: A☆50/Akira_Igarashi
DATE: 02/14/2022 16:00:00
TAGS: 飛行機,ヒコーキ撮影テクニック
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BODY:
はじめに
2回目の旅客機専門のヒコーキ撮影テクニックは「迫力系カット」について。1回目の「スポッティングカット」編はこちら です。
ヒコーキ写真を便宜上ジャンル分けしますと、大きく「スポッティングカット」「迫力系カット」「情景カット」の3つに分けることができます。ただし、これらはあくまでもヒコーキ写真を説明するための便宜上の区分け。このように撮らなければならないということは一切ありませんし、四角いキャンパス上に無限の自由があるのが撮影の楽しみですから、これらを基本としつつ自分らしさを追い求めていただければと思います。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF600mm F4L USM X EXTENDER RF2×III
■撮影環境:ISO100 F11 1/250 焦点距離1200mm
機体の動きがはやくなればなるほど難易度が上がるのはスポッティングカットと同様。まずは駐機している機体でじっくりと切り取ってみるのがコツとなります。
迫力のある撮影のコツとやり方
ヒコーキ写真において迫力のあるカットとする場合、やはりまず被写体である機体に「寄る」ということを考えます。自分の足で機体に近づくのも良いですし、望遠レンズを使って遠くから機体を手繰り寄せても構いません。
しかし、警備上の問題などから機体に近づくのは難しい場合が多いので、ヒコーキ撮影においてはおおよそ後者になるでしょう。寄りのカットを撮りたい場合は望遠…できれば超望遠域のレンズがマストになってきます。
難易度はスポッティングカットと同様、駐機している機体〜ゆっくり地上走行している機体〜着陸する機体〜離陸する機体の順。やはり、動きが速くなればなるほど難易度があがりますので、まずは駐機している機体やゆっくり動いている機体から試してみましょう。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF600mm F4L USM
■撮影環境:ISO100 F9 1/640 焦点距離600mm
対角線構図を意識して胴体を画角の斜めに配置。こうすることにより背景の無機質な空の面積を減らすようにしています。
スポッティングカットでは機体全体を入れ機体真横で撮ることを意識しましたが、迫力系カットを撮る場合は逆に機体のいち部分を切り取ることを意識します。
まずは自分の思うヒコーキのカッコいい部分に寄って切り取ってみましょう。切り取る場所は様々ですが、ノーズの先端やエンジンの端などキリの良い場所で切るのがオススメ。雲の無い青空や立体感の無い雲など情報量の少ない部分は画角からどんどん除き、できるだけ機体だけでビッチリと画角を埋めるのがポイントです。
オススメの構図は日の丸構図と対角線構図。日の丸構図というと機体を真ん中に入れるだけなので素人の構図というイメージをお持ちの方もいると思いますが、ドッシリとした印象を観た人に与えるため、迫力系カットでは欠かせない構図となります。
対角線構図は、機体の胴体などを線としてとらえ画角の斜めに配置する構図。浮いている機体の真正面や真横を横位置でとらえると上下にアキができがちなので、その部分を機体で埋めるために使うことが多い構図です。
■使用機材:キヤノン EOS R + EF100-400mm F4.5-5.6L Ⅱ USM
■撮影環境:ISO200 F8 1/640 焦点距離400mm
日の出直後の太陽に正対し回頭中の機体を撮影。順光で切り取るのに慣れたらこうして特徴的な光線状態で切り取り撮影をするのもオススメです。
はじめのうちは太陽を自分の背にする晴天順光撮影がオススメとなりますが、慣れてきたら逆光や側光での撮影もオススメ。印象的な光のラインを加えることにより迫力系作品の質が一段と上がります。撮影場所はより機体に近づける場所を考えるのがコツ。
動かない機体やゆっくり動く機体は展望デッキ、着陸機は空港外周の滑走路端のアプローチコース直下、離陸機は滑走路に沿った場所で撮ることが多くなります。
■使用機材:キヤノン EOS R6 + RF800mm F11 STM
■撮影環境:ISO200 F11 1/125 焦点距離800mm
機体だけでなくパーツ類にまでグッと寄ってしまうのもアリ。寄ることにより着陸の瞬間の緊張感を表現することができます。
迫力のある撮影を引き出すカメラの設定
カメラの露出設定ですが、はじめのうちはシャッタースピード優先の自動AE(キヤノン社のRF/EFマウントのカメラの場合は「Tv」)。慣れてきたらマニュアルで設定しましょう。
機体の遠近や焦点距離にもよりますが、日中の晴天時であれば、動かない機体は1/250〜、ゆっくり動いている機体なら1/500〜、はやく動いている機体なら1/1000〜程度のシャッタースピードを目安として「このシャッタースピードなら機体をブラさずしっかり止められる」という、自分なりに止められるシャッタースピードを認識しておくのが近道。
絞りは機体の遠近がある場合は2〜3絞り、シャッタースピードに余裕が無い場合は開放とすることも少なくありません。慣れないうちはISOオートでも構いませんが、過度に高感度となってしまうこともあるため、慣れてきたら自分で数値を設定してみましょう。
まずはしっかりと機体を止めることが目的となりますので、シャッタースピードを最優先に考えるのがコツ。機体までの距離や動きに合わせて色々なシャッタースピードの数値を試してみましょう。
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF800mm F11 STM
■撮影環境:ISO100 F11 1/60 焦点距離800mm
離陸の瞬間を流し撮り。フォーカスは機首部分に合わせ、この部分がしっかりと止まっている一枚をOKカットとしてチョイスしています。
フォーカスの設定ですが、動かない機体の場合はワンショットAF、動く機体の場合は追従式のサーボAFを使用。AFエリアは動かない機体の場合は小さなピンポイントエリアでもOKですが、動いている機体の場合は少し大きめのAFエリアがオススメです。
手持ち撮影の場合、動かない機体はカメラをしっかり腕で固定して撮影。動く機体の場合は、機体の動きに合わせてカメラを動かしつつ、シャッターボタンを半押しし機体にAFを合わせ続けながら任意の位置でシャッターボタンを押し込みましょう。
フォーカスを合わせる位置ですが、慣れないうちは胴体の真ん中など、画角の真ん中にフォーカスエリアを設定し撮影しても構いません。しかし、絞りが開放などでは前後がややボヤけてしまうこともありますので、機体が真後ろを向いていたりしない限り、慣れてきたらコクピットウインドウなど機首寄りにフォーカスを合わせるのがオススメとなります。
■使用機材:キヤノン EOS R6 + RF70-200mm F2.8L USM
■撮影環境:ISO8000 F3.2 1/50 焦点距離200mm
迫力のある切り取りにヴェイパーを加えてみました。衝突防止灯の赤い光が点灯した瞬間を狙うことによりヴェイパーを際立たせています。
迫力系カットの醍醐味は動きモノの被写体ならではのダイナミックな表現が可能なところ。ヒコーキならではの「力強さ」や「スピード」を表現するのに適した撮り方です。
晴天順光で撮るのも正攻法で面白いですが、流し撮りと複合して色々とアレンジすることも可能。機体のパーツだけに寄ってみる、ヴェイパーやタッチダウンスモーク、水しぶきなどと複合するのも作品のクオリティを一段と昇華させます。
おすすめの機材
このヒコーキ(旅客機)の迫力系カットにオススメのカメラやレンズですが、スポッティングカットを中心に撮るのと比べますと、性能に優れるカメラやレンズを必要とします。カメラ側の性能で重視したいのが、まずAF性能。こちらに向かってくる機体の撮影も多いため、サーボAFなど追従AFの性能が良好であれば歩留まりも良くなります。
また、連写性能もコマ数が多ければ多いほど有利。時速約300kmで飛ぶ機体をギリギリまで引きつけて撮影…ということが頻繁にあるため、ドンピシャのタイミングとなる一枚の前後のカットも撮影できているにこしたことはありません。手持ち撮影が多く、超望遠域の焦点距離を多く使うため手ブレ補正の性能も問われます。レンズ側の手ブレ補正の段数に加え、ボディ内手ブレ補正などもカメラに装備されていると良いでしょう。
レンズはズームレンズ、単焦点レンズと共に使用されます。前述の通り超望遠域の焦点距離が多用されるため、単焦点レンズの使用も多くなります。ヒコーキ写真においては、ボケ味よりも機体のディテール部分が詳細に解像されているかが重要。そのため、単焦点レンズのヌケの良さや、描写力の高さが威力を発揮します。
レンズ本体が持つ焦点距離を延ばす、エクステンションレンズアダプター(キヤノン社ではエクステンダー)を持っておくと便利。迫力系カットを撮影する際には使用頻度の高いアクセサリーとなります。
おすすめの機材
●オススメカメラはキヤノンのEOS R6とEOS R3
●オススメレンズはキヤノンのRF100-500mmとRF800mm F11
【キヤノン】RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
商品詳細ページ 【キヤノン】RF800mm F11 IS STM
商品詳細ページ
■写真家:A☆50/Akira Igarashi
絶景ヒコーキ写真を求め全国を駆け巡る瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、TVなど各種メディアに出演、作品を提供するかたわら大手航空会社やカメラメーカーなどのオフィシャル撮影を担当。公益社団法人 日本写真家協会会員。
A☆50/Akira Igarashiさんのヒコーキ撮影テクニック記事はこちらから
・ヒコーキ撮影テクニック|Vol.1 ~王道のスポッティングカット~
https://shasha.kitamura.jp/article/482855716.html
この記事に使用した機材
【キヤノン】RF600mm F11 IS STM
商品詳細ページ 【キヤノン】RF70-200mm F2.8 L IS USM
商品詳細ページ
【キヤノン】EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
商品詳細ページ
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EXCERPT:
航空写真家A☆50/Akira Igarashiさんによるヒコーキ撮影テクニック第二弾!今回はヒコーキ撮影の次ステップ「迫力のあるカット」の撮影テクニックを素敵な作品と共に解説しています。
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KEYWORDS:
飛行機,撮影テクニック,ヒコーキ撮影テクニック
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AUTHOR:
TITLE: 富士フイルム GF35-70mmF4.5-5.6 WR|GFX用の新作小型標準ズームレンズ
BASENAME: 485555003.html
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CATEGORY: 三田崇博
DATE: 02/15/2022 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,GF35-70mmF4.5-5.6 WR,標準ズーム
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BODY:
はじめに
こんにちは。旅写真家の三田崇博です。前回、富士フイルムのラージフォーマットミラーレスカメラ「GFX50S II」についてのレビューを行いましたが、今回は同時発売となった標準ズームレンズ「GF35-70mmF4.5-5.6 WR」のレビューです。沈胴式を採用し、とてもコンパクトになった本レンズは初めてのGFレンズに最適。画質面などをGF32-64mmF4 R LM WRとの比較も交えながら紹介していきたいと思います。
■GFX50S IIのレビューはこちら
https://shasha.kitamura.jp/article/485164644.html
このレンズの特徴
フルサイズ換算で28mmから55mmをカバーする標準レンズで、GFX用ズームレンズの中で最小・最軽量となります。小型化するために沈胴式となっています。沈胴式とは撮影しないときにはレンズの鏡筒が縮まり、よりコンパクトになる機構です。その代わりに撮影するときには鏡筒を繰り出してあげる必要があるので、カメラの電源を入れてからレンズを回す操作が必要になります。
GF32-64mmF4 R LM WRとの比較
GF32-64mmF4 R LM WRは2017年に発売された標準ズームレンズで、GFXシリーズの発売と同時にリリースされた3本のレンズのひとつです。2019年にGF100-200mmF5.6 R LM OIS WRが発売されるまでは唯一のズームレンズでもありました。もうひとつの標準ズームレンズとして、2020年発売のGF45-100mmF4 R LM OIS WRもありますが、今回はより焦点距離の近いGF32-64mmF4 R LM WRと比べてみたいと思います。
GF35-70mmF4.5-5.6 WR GF32-64mmF4 R LM WR 35mm判 換算焦点距離 28-55mm相当 25-51mm相当 レンズ構成 9群11枚 11群14枚 絞り羽枚数 9枚(円形絞り) 9枚(円形絞り) 最短撮影距離 35cm 50cm フィルター径 62mm 77mm 質量 約390g 約875g メーカー希望小売価格 146,300円(税込) 329,450円(税込)
①大きさ
GF32-64mmF4 R LM WRが全長116mmに対し、GF35-70mmF4.5-5.6 WRは73.9mm(鏡筒収納時)と小型で、沈胴式の大きなメリットがここに現れています。重さに関しては実に2倍以上の差があり、GF35-70mmの軽量性がよく分かります。
②画角
両レンズは似たような焦点距離をカバーしているのですが、GF35-70mmF4.5-5.6 WRが望遠側に6mm長く、GF32-64mmF4 R LM WRが広角側に3mm広くなっています。使ってみた印象としては望遠側よりも広角側の違いのほうが大きく感じました。より広い画角で撮影したい場合は当然GF32-64mmが有利です。
③レンズ構成
レンズが多いほうがいいというわけでもないのですが、やはり価格の高いGF32-64mmF4 R LM WRのほうが非球面レンズ3枚、スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ1枚と贅沢なレンズ構成になっています。ただ、レンズ枚数が少ないことが軽量性に繋がっているので、ここはトレードオフの部分です。
④最短撮影距離
GF32-64mmF4 R LM WRの50cmに対し、GF35-70mmF4.5-5.6 WRは35cmとかなり寄れることが分かります。マクロ撮影までは無理でも、旅先での料理や花などの近接撮影はGF35-70mmF4.5-5.6 WRに軍配が上がります。
GF35-70mmF4.5-5.6 WRの最短撮影距離で撮影(焦点距離70mm)
GF32-64mmF4 R LM WRの最短撮影距離で撮影(焦点距離64mm)
⑤AF方式
GF32-64mmF4 R LM WRはフォーカスの駆動にリニアモーターが使われていますが、GF35-70mmF4.5-5.6 WRにはステッピングモーターが採用されています。そのため、AF速度はGF32-64mmF4 R LM WRのほうが若干速い仕様になっていますが、使ってみた感じではそれほど差があるようには感じませんでした。
解像度テスト
レンズ構成やフィルター径が違うとやはり気になるのが画質(解像度)の違いですね。スペック上の比較では当然GF32-64mmF4 R LM WRのほうが画質がいいと想像できますが、実際に撮り比べてみた写真で確認していきたいと思います。価格も倍以上差があるレンズ同士ですので、その点も加味してご確認ください。
地元の神社で行われた節分祭での一コマです。両レンズとも64mm付近での撮影となります。この大きさで見てもわからないので、中央の灯火を拡大して比較してみましょう。
■GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■GF32-64mmF4 R LM WR
解放からF8付近まではGF32-64mmF4 R LM WRのほうが良く解像していますが、F11くらいに絞ると同程度の解像感になりました。おおよそF11~16あたりが一番解像しているように思います。さらに絞り込むと、F22あたりからまたGF32-64mmF4 R LM WRのほうが解像する結果となりました。GF35-70mmF4.5-5.6 WRは絞り込んで使うことで、GF32-64mmF4 R LM WRに負けず劣らずの描写をするという結果になりました。
ひとつ気になったのが、点光源を撮影したときにGF35-70mmF4.5-5.6 WRはGF32-64mmF4 R LM WRに比べ光条に少しにじみが見られました。このあたりの描写はGF32-64mmのほうが綺麗なようです。
■GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■GF32-64mmF4 R LM WR
作例
このレンズとGFX50S IIを持って、自身の写真展もあり九州まで撮影に行ってきました。長崎県佐世保市では毎年写真展を開催していて、その度に九十九島を望む展望所を訪れます。この日は雲のグラデーションがとてもきれいでした。逆光での撮影でしたがゴーストやフレアの発生もなく高精細な撮影ができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F16 SS1/90秒 ISO100 焦点距離58mm
■撮影地: 船越展望所(長崎県佐世保市)
VIDEO
港町でもある佐世保では造船所も日常の光景です。ちょうど豪華客船がドック入りしていました。三脚が使えない柵越しでの撮影でしたが、軽量なGF35-70mmレンズとGFX50S IIの手ブレ補正との組み合わせでブレのない写真を撮ることができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F7.1 SS1/8秒 ISO4000 焦点距離35mm
■撮影地: 佐世保重工業造船所(長崎県佐世保市)
新世界三大夜景にも認定された長崎の夜景。絞り込んで撮影すると遠くの看板に書かれた文字まで読み取ることができます。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F16 SS30秒 ISO400 焦点距離70mm
■撮影地: 稲佐山(長崎県長崎市)
世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産でもある外海にある教会です。これは月ではなく太陽を撮影しています。白つぶれすることもなくはっきりと太陽の形を確認することができます。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F14 SS1/1300秒 ISO200 焦点距離36mm
■撮影地:出津教会堂(長崎県長崎市)
世界遺産の炭鉱のある島に渡る船を待っているときに撮影しました。動く被写体にはあまり強くないAFですが、ピントが合ったときの解像感は素晴らしいものがあります。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F5.6 SS1/1100秒 ISO640 焦点距離70mm
■撮影地: 高島(長崎県長崎市)
こちらも「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録されている天草にある崎津集落です。この日の朝は冷え込み気嵐が発生し、朝4時に起きてきた甲斐がありました。夜明け前の空のグラデーションをとても諧調豊かに表現することができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F14 SS2.7秒 ISO100 焦点距離70mm
■撮影地: 崎津集落(熊本県天草市)
鹿児島の桜島の日の出です。かなり明暗差の激しい場面ですが諧調がつぶれることなく綺麗に残っています。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F29 SS1/10秒 ISO100 焦点距離35mm
■撮影地: 桜島(鹿児島県鹿児島市)
VIDEO
世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産でもある鹿児島紡績所技師館を見学中に、電車の音がしたので慌てて撮影した一枚です。ボディとレンズを合わせても約1.3kgなので、肩にかけて持っていても苦になりません。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F8 SS1/400秒 ISO200 焦点距離52mm
■撮影地:鹿児島紡績所技師館(鹿児島県鹿児島市)
宮崎滞在中は雨でしたが、このレンズは防塵・防滴・-10℃の耐低温構造のため問題なく撮影に集中できました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F16 SS5.3秒 ISO100 焦点距離61mm
■撮影地: 高千穂峡(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
別府の駅前に面白いモニュメントを見つけました。大きなレンズだとわざわざ取り出して撮影していなかったかも知れません。(別府市の観光開発に尽力された油屋熊八という方の像だそうです)
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F10 SS1/550秒 ISO400 焦点距離35mm
■撮影地: 別府駅(大分県別府市)
大分県の国東半島には摩崖仏が点在しています。雨上がりで濡れていたので石の表面の質感までをも捉えることができました。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F16 SS4.3秒 ISO100 焦点距離35mm
■撮影地: 熊野磨崖仏(大分県豊後高田市)
九州からの帰路は日本海側を通りました。京都の有名な場所と間違えそうですが山口県にも似たようなところがありました。手持ち撮影をどんどんしたくなるレンズですね。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F13 SS1/27秒 ISO400 焦点距離61mm
■撮影地: 福徳稲荷神社(山口県下関市)
車のCMで有名になった角島大橋にも立ち寄りました。ここにいると外国に来たような気分になります。早く海外にも行けるようになるといいですね。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F14 SS1/30秒 ISO200 焦点距離70mm
■撮影地: 角島大橋(山口県下関市)
夕方に空がダイナミックに色づきました。絞って光条を狙いましたが、このレンズの少し苦手とするところのようですね。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F29 SS1/3秒 ISO100 焦点距離35mm
■撮影地: 元乃隅神社(山口県長門市)
世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産でもある萩城下町。昔にタイムスリップしたようで歩きながらのスナップ撮影が楽しい町です。このレンズとGFX50S IIとの組み合わせはスナップ撮影に最適だと思います。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F10 SS1/26秒 ISO100 焦点距離46mm
■撮影地: 菊屋横町(山口県萩市)
最後に世界遺産の石見銀山にも立ち寄りました。やはり三脚を使ってしっかり絞ってあげるとこのレンズの本領が発揮されるようです。
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF35-70mmF4.5-5.6 WR
■撮影環境:F16 SS20秒 ISO400 焦点距離52mm
■撮影地: 石見銀山(島根県太田市)
まとめ
GF32-64mmF4 R LM WRは良い写りをする分、標準ズームとして常用するには重さや大きさが気になっていた人もいたことと思います。それに対して、GF35-70mmF4.5-5.6 WRの軽さ・小ささはラージフォーマット用レンズとしては革新的です。GFX50S IIやGFX100Sとの組み合わせではとても軽快に撮影ができます。これからラージフォーマットに移行しようという方は、まずはこのレンズを手に入れるのがいいのではないでしょうか。GFX50S IIとのセット販売なら5万円程度の上乗せで購入可能ですし、単品購入の場合でもGF32-64mmF4 R LM WRの半額程度で買えるのは大きな魅力だと思います。
■写真家:三田崇博
1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。
日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の三田崇博さんによる、富士フイルム「GF35-70mmF4.5-5.6 WR」レビュー記事です。GFXシリーズのズームレンズで最小最軽量。それでいて妥協のない写りを実現した高性能レンズです。
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KEYWORDS:
富士フイルム,Fujifilm,標準レンズ,GF35-70mmF4.5-5.6 WR,レビュー,三田崇博
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AUTHOR:
TITLE: 林さんテスト
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CATEGORY: 林
DATE: 02/16/2022 14:33:21
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テストテストテストテスト
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: 動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.3 素人丸出しの動画にならないために撮影時にできること
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CATEGORY: SUMIZOON
DATE: 02/16/2022 16:00:00
TAGS: 動画撮影・編集
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はじめに
ここをご覧の方の中には動画撮影・編集を始めて見たいけど、動画は良く分からない用語が多くてどの設定で撮ったらいいのか分からない、編集もどうやって始めたらいいのか分からないという方も多いかと思います。
今回はこれから映像制作をはじめたい方向けに撮影フォーマットの説明、撮影~編集、書き出しまでをなるべく分かりやすい様に説明したいと思います。第三回は素人丸出しの動画にならないために撮影時にできることをお伝えしていきます。
VIDEO
ちょっとした日常も編集して形に残すことは楽しい
LUMIX S5のLogプロファイルにて撮影(スチルカットはG100を使用)
素人丸出しの動画にならないために撮影時にできること
過去2回にわたり動画撮影時のフォーマットと簡単な編集から書き出し方法までを紹介しましたが、撮影時や動画編集も含めて私が意識している事について述べたいと思います。私が述べるまでもなく動画撮影、編集において一般的なセオリーとして語られるものです。
パン・チルト動作は等速に
パンとチルトはごく一般的に使われるカメラワークですが、パン/チルト中はその速度を一定に保つ様に意識します。できればビデオ雲台の様にパン、チルト動作がスムーズにできる様な雲台を用意すると良いかと思います。
また、パンニングは止めた後に逆転方向にパンさせるような繰り返しのモーションを動画内で使用するのは違和感が発生するため避けた方が良いでしょう。
ビデオ雲台は簡単に動画のクオリティを上げる道具
ブレを排除する
特殊な演出の場合を除いては大きくブレ(過ぎ)ない様にすることが必要です。ブレブレのカットの連続は見ていて酔ってしまいますので、撮影時にブレを極力少ない様にすることが必要です。
また、最近ではカメラ、レンズの進化により手持ち撮影でもブレが少ない映像を撮れるようになりましたが、歩き撮りのスムーズな映像を撮りたい場合は、状況によってはスタビライザーなどの機材を使うのもよいかと思います。
最近はスタビライザーも安くなり、誰もが使える機材となった
シャッタースピード
動画のシャッタースピードは基本的にフレームレートの半分〜フレームレート同等までがセオリーです。つまり30pで撮影する場合は、シャッタースピードは1/60〜1/30の間で設定するのが違和感の無い映像が撮れます。
もちろんこのセオリーを破ってたとえば1/8000のシャッターで撮影することも可能ですし、違和感の有無は被写体の動きに依存することがありますが、このシャッタースピードを意識する必要があります。
シャッタースピードが速い場合はパラパラとした止まった画の連続となり、動画を見ている側としては非常に違和感を覚えます。動画の場合、フレーム一枚一枚毎に適度なブレが映っている方がより自然に見えると言うのは、初めは理解しにくいことだと思いますが、ぜひ一度高速シャッターを切った動画と適度なシャッター設定をした場合の違いを体感してみることをお勧めします。
特に30pや24pで撮影/動画編集をされる方はシャッタースピードのセオリーを破った場合の違和感が強く出ますので注意しましょう。日中撮影では明るいレンズを使い、絞りを開けて撮る場合はどうしても最低ISO感度に設定したとしても上記シャッタースピードで撮ると露出がオーバーしてしまいます。この際に必須なアイテムがNDフィルターです。可変NDフィルターは減光量を連続的に変化させる事ができるため、露出の決定がしやすく扱い易いと思います。
左:固定NDフィルター 右:可変NDフィルター
画質は固定NDフィルターの方が良いケースが多い。使い勝手は可変NDフィルターに軍配が上がる
尚、室内撮影でシャッタースピードを決める時は、東日本では商用電源の周波数の関係から1/50の倍数でシャッター速度を決めることがフリッカーを避けるポイントとなります。つまり30pでは1/50もしくは1/100、60pでは1/100に設定することが簡単にフリッカーを避ける方法です。
西日本では30pの場合1/30もしくは1/60、60pの場合は1/60もしくは1/120で撮るとフリッカーが避けられます。(高速点滅で輝度を調整するようなLED光はフリッカーが避けられないケースがあります。)
ワンカットは少し長めに撮る
あちこち撮り歩く場合でもワンカットは最低でも10秒程度の撮影時間を確保しましょう。というのもREC開始、停止時にはカメラのボタンに触れた振動が記録されるなどするため編集で捨てる部分が含まれるためです。
初めて動画を編集される方へのアドバイス
ここからは初めて動画を編集される方へのアドバイスです。手軽な被写体でまずは撮影、編集に慣れてみましょう。普段スチルで撮っている風景を撮るのも良いですし、身近な人物を撮るのもいいでしょう。
ちょっとした日常の些細な食事シーンでもとにかくカメラのRECボタンを押してみましょう。その上で私が昔から心がけている点を何点かご紹介しますので参考にしてみてください。
ワンカットの長さを長くしすぎない
「ワンカットは長めに撮る」と先ほど述べた通りですが、こちらは編集時にどうやってその素材を使うかの話です。特殊なケースを除いては編集時におけるワンカットを長くしすぎないことが重要です。
目安としては10秒以上同じカットが続くと見る方は飽きてしまいます。CMやドラマのカットを見ていると、思いのほかワンカットが短い事に気づくと思います。もちろん、映像の種類にもよりますが、絵で見せる作品的な映像の場合はこれを心がけるとよいと思います。
VIDEO
撮った全てを詰め込まない
撮影した多くの映像は捨てるつもりで編集したほうが良いです。総撮影時間が60分あったとして、それを60分まるまる使った映像は見るに堪えがたいものです。ライブ映像などの場合はこの限りではありませんが、撮った映像を欲張って全部使わないという意識を持つことが大切です。
実質ほとんどの撮影素材は編集時には使用していない
(オレンジの部分が実際に使った箇所)
エフェクトを多用しすぎない
比較的最近はプラグインや動画チュートリアルの充実によりド派手なエフェクトやトランジションを多用する映像が増えてきました。もちろんそれらを否定するつもりはありませんが、気になるのは全てのカットや繋ぎにおいてエフェクトとトランジションが使われている場合があるケースです。結果として映像を見せたいのかエフェクトを見せたいのかが良く分からないケースが散見されます。
使いどころとしては、オープニングは派手に演出する。効果的な場面切り替えで使う程度にとどめるのが個人的にはバランスが良いかな思います。初めのうちはエフェクトやトランジションは特殊効果として面白いのでついつい使ってしまうものですが、使い過ぎないように注意しましょう。
私の場合は、画を純粋に見て頂きたいという思いが強いため、エフェクトは極力使わないというポリシーで映像を作っています。
いきなり4Kを使わない
カメラを購入して撮影すると最高画質で撮影し、最高画質で編集してみたいと言う方が多いと思います。ですが、まずはPCのスペックを確かめつつ、自分の行いたい編集がどれくらいの解像度の素材に耐えられるかを知る上で、はじめはFHDから始められる事をおすすめします。
PCが4K編集に耐えられないスペックの場合は編集がままならず、ワークフローを学習する弊害となります。プロキシ編集など低スペックマシンでも高画質データを編集する機能は各種編集ソフトには備わっていますが、それらを使うのは一旦動画編集ソフトの使い方に慣れてからでも遅くはありません。
まずは自分のお手元のPCが、自分のカメラのどの撮影モードで快適に編集できるのかを把握しておきましょう。
いきなりLogやRAW撮影をしない
10bit Log撮影やRAW撮影は高品質なグレーディング素材をもたらしますが、編集時のPCの負荷が大きく、初めて動画編集をする方にとっては敷居が高いです。
まずは通常のプロファイルで撮影し、必要に応じて少しだけ色味やコントラストを変更する程度にしましょう。
いきなり長尺ものに挑戦しない
映像は撮影〜カット編集、タイムラインの並び、トリミング、各種補正処理(手ブレ補正)、テロップの挿入など複数の行程を経て成り立つものです。
やることが多いと初めからお腹いっぱいになりがちです。まずは短時間で完成するように長くても2分程度の動画を作ってみましょう。下記は花火を固定撮影しただけですので編集も短時間で行いました。
VIDEO
メインの被写体以外にも目を向けて撮る
例えば、下記は友人のライブ収録を映像化したものです。ライブ映像の様にインサートとしてシチュエーションを想像させる複数の素材を差し込んでいます。
VIDEO
撮影を終えて編集段階になって「素材が足りない」というケースは多々あります。それはメインの被写体はしっかり撮っているのに、周辺状況を匂わすイメージカットが撮れていないというケースが多いです。
せっかく動画を撮るので、メインの被写体から少し離れて周辺を見回し、多くの映像を撮影する様にすると編集時に「撮れ高がなくて困った」という事がなくなるはずです。
素材の並び
同じ被写体や同じ構図のものが並ぶと違和感があるので、なるべく同一被写体同士でカットが切り替わる場合は被写体の大きさが違う、角度が違うなどの違いを付けて並べるのが良いです。テレビのCMやドラマのカット割りを見て参考にするのも良いと思いますが、必ずカットが切り替わる時には同じ大きさの被写体が同じような画角で連続しない様に注意しましょう。
また、冒頭には比較的インパクトのある映像をもってくる、もしくはダイジェスト的な短いオープニングを挟むなどして視聴者の興味を引くように動画をスタートさせるのも効果的な方法です。
VIDEO
まとめ
ストーリー性を持たせるのが一番ですが、まずはテーマを決めて一本作ることが大事です。これは風景的な動画を撮る時に私がいつも悩むものです。風景だけの映像でストーリーを感じさせる構成というのはかなり難しいからです。この場合は敢えてストーリーを考えずに自分なりにテーマだけを持って撮影に臨み編集をします。
例えば下記は「秋の訪れに差し込む光」
VIDEO
下記は「航空機の優雅さとダイナミズム」
VIDEO
とにかく、これらはテーマに沿う映像が違和感のないように並べただけの動画になりますが、これはこれで一貫性を持たせることが出来ていると思います。
この記事では一部難しい事も書いてしまったかもしれませんが、大事なのはあまり難しく考えずに、まず自分なりの動画を一本作ってみる事。その一本が動画撮影と編集の楽しさを理解できる一歩となれば嬉しい限りです。
■ビデオグラファー:SUMIZOON
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。現在Youtube「STUDIO SUMIZOON」チャンネル登録者は1万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。
『映像制作入門』連載記事はこちらからご覧頂けます
■動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.1 撮影フォーマットの基礎知識
https://shasha.kitamura.jp/article/485127121.html
■動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.2 DaVinci Resolveを使用した動画編集のワークフロー
https://shasha.kitamura.jp/article/485127256.html
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EXCERPT:
ビデオグラファーのSUMIZOONさんによる映像制作入門連載記事のvol.3「素人丸出しの動画にならないために撮影時にできること」です。初心者の方が陥りがちなポイントを解説しています。
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KEYWORDS:
動画編集,SUMIZOON
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: #06 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
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CATEGORY: コハラタケル
DATE: 02/17/2022 16:00:00
TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,人物_子供 ポートレート(人物),X-Pro3 XF23mmF1.4 R,単焦点,ミラーレスカメラ,APS-C
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BODY:
はじめに
みなさん、こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。
これまでは街撮り講座ということもあり、ある程度、引いた距離での写真を中心に解説してきました。ただ、人によっては寄りの写真も撮ると思います。そこで今回は街での寄りの写真について解説していきます。
とは言っても、例えば顔の角度をこうすると美しく見えるとか、そういうのは解説しません。今回の「#なんでもないただの道が好き 街撮り講座」の記事たちは、あくまで街撮りにフォーカスを当てたものなので、ここでは街の壁を生かした撮影方法や逆光撮影時のおすすめのロケーションを解説します。
太陽の光 × 白い壁 でモデルさんの顔に光を
おそらくこの記事を読んでいただいてるほとんどの方がアシスタントを付けずに撮影をしていると思います。
実際、僕もこれまでの記事はモデルさんと1対1、使っているのはカメラとレンズのみです。今のところフィルターも使用していません。
例えば、逆光での撮影のとき顔に当たる光を起こすために「レフ板を持ってくれる人がいればなぁ」と思う方もいるでしょう。
そんなに大きくないレフ板であれば片手に持ちながら撮影することも可能なのですが、街撮りでレフ板を持つのは目立ちますし、アシスタントさんがいない場合は歩行者の邪魔になる可能性もあります。
自分ひとりしかいない。だけど、顔に当たる光を起こしたい。そんなときは白い壁を使ってみてください。
まずは現場の写真をご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO160
このような白い壁は太陽の光を反射し、やわらかい光をモデルさんへ当ててくれます。実際に撮影すると……
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F4.0 1/500秒 ISO160
■モデル:五味未知子
このような感じです。
カメラマンとモデルさん、それぞれの立ち位置はこのようになっています。
今回はモデルさんを壁から1~2メートルの位置に立ってもらい、撮影しました。
「白い壁を利用するのとしないの、そんなに違うんでしょうか?」
と思う人もいるでしょう。次の写真は白い壁の反射の光を使わなかった場合です。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F4.0 1/500秒 ISO160
■モデル:五味未知子
Lightroom CC の現像画面もご覧ください。
今回、プロファイルは「Adobe カラー」で露光量だけを調整しました。また、色温度と色かぶり補正に関しては1枚目の設定に合わせています。
露光量に関しては顔の明るさを中心に考えたのですが、1枚目が +0.70 に対し、2枚目は +2.70 まで上げないと顔を明るくできませんでした。
顔の肌色も違いが出ています。撮影時が1月後半の14:00~15:00 頃ということもあり、夕陽に近い光が壁からモデルさんへ当たっていたため、1枚目は顔に暖色系の光が当たっています。
瞳のなかを見ると、壁の光が当たっているかいないか見極めやすいです。
1枚目は瞳のなかに白い壁が広く映っているのに対し
2枚目はほとんど映っていません。
今回の写真の右奥の電柱の位置を見てもらうとわかるのですが、ほぼ同じ場所で撮影しています。にも関わらず、太陽の光の反射を顔に当てるか否かでこれだけ写り方が変わります。
また、1枚目は顔の明るさが保たれていることで、全体の露光量をそこまで上げなくても写真を完成させることができます。そのため +2.70 まで上げた2枚目の写真に比べ、背景の光と影の演出がわかりやすいです。
以前の講座でも視線誘導が重要という話をしましたが、2枚目は全体的に明るくなっているため1枚目に比べると顔部分への視線誘導が弱いです。
今回はわかりやすく対比させるためにもカメラは同じ設定にしましたが、2枚目の白い壁の光を使っていないほうでも撮影時のカメラの設定や現像時のトーンカーブの調整などを行えば、そんなに悪い写真にはなりません。
どちらが良いか悪いかではなく、自分の撮影の完成イメージに合わせてコントロールできるようにすることが大切です。
「逆光+屋根がある場所」で2パターンの寄り写真
次は逆光の写真についてです。まずは写真を2パターンご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F1.4 1/250秒 ISO160
■モデル:五味未知子
実は第一回目の記事(#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座) でも太陽の光を入れるか否かでコントラストの出方が変わるという話をしています。今回はモデルさんの顔に寄った写真の場合ですね。レンズに太陽の光を入れないと、このようになります。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F1.4 1/250秒 ISO160
■モデル:五味未知子
モデルさんの上部の緑のラインと玉ボケに注目してください。この2枚の写真がほぼ同じ場所で撮影されたことがわかると思います。ちなみにですが、レンズフードは付けていません。
1枚目は太陽の光をレンズに入れるために少し煽って撮影しているのに対し、2枚目はモデルさんの真正面に構えて撮影しています。
次に現場を俯瞰した写真をご覧ください。
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R
■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO160
モデルさんと僕の立ち位置はこのようになっています。
なぜ、この場所を選んだのか。それは屋根があるので、レンズに太陽の光を入れるパターンと入れないパターン、そして、モデルさんにだけ逆光を当てたパターンを撮れるからです。
ひとつずつ説明していきます。1枚目の逆光写真はモデルさんに立ってもらい、僕が少し屈んで、モデルさんを見上げるようにして撮影しています。実際に僕が見ている景色はこのような感じです。
現場では立ち位置や角度などを調整しているので、完全再現はできないのですが、1枚目はこのようにレンズに太陽の光が入っている状態でモデルさんと一緒に撮っているとイメージしてもらえるとわかりやすいのではないかと思います。
逆に2枚目の写真のときは、このような見え方をしています。
レンズから見える景色はこの状態にして、モデルさんにだけ逆光を当てています。さきほどの写真とは違い、カメラの角度や構える高さや位置を変えることで太陽の光がレンズに直接、入らないようにしています。それぞれの写真を並べて見てみましょう。
(1)モデルさんにもレンズにも逆光が当たっている
(2)モデルさんにだけ逆光。レンズには光を入れない
このようにロケでも屋根がある場所だと、撮影者がモデルさんを撮る角度を少し変えるだけで2パターンの撮影を行うことが可能です。
以前も話したように僕は短い時間でいろんなバリエーションの写真を撮れるかどうかが重要だと考えているため、今回のように同じ場所で違う雰囲気の写真を撮れる場所は積極的に撮影するようにしています。
まとめ
ロケで寄りの写真を撮ろうと思ったとき、モデルさんの顔に綺麗な光が当たっている瞬間を狙うと思うのですが、「綺麗な光ってなんだろう?」と一度、考えてみてください。人によって完成形は異なります。今回、話したように白い壁の反射の光を利用したものが綺麗と思うかもしれないですし、逆光のパターンが良いと思う人もいるでしょう。この講座で何度も言っている通り、良いか悪いかではなく、コントロールできているかどうか。そこが重要です。
■モデル:五味未知子
■写真家:コハラタケル
1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。
コハラタケルさんの連載記事はこちら
#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/483346238.html
#02 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/483447191.html
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/484139215.html
#04 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/484640119.html
#05 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル
https://shasha.kitamura.jp/article/485002016.html
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のコハラタケルさんによる連載第六弾です。街撮りポートレートの撮影テクニックを紹介しています。作例と解説コメントを分かり易く説明していますので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 【オールドレンズ】シャボン玉ボケを楽しむことができるお手軽レンズ「FUJINON 55mm F2.2」
BASENAME: 485644345.html
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CATEGORY: 坂井田富三
DATE: 02/18/2022 16:00:00
TAGS: オールドレンズ,FUJINON 55mm F2.2,レビュー
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BODY:
はじめに
今回のオールドレンズは、お手軽価格で特徴ある「シャボン玉ボケ」が楽しめる 「FUJINON 55mm F2.2」をピックアップしてみました。この「FUJINON 55mm F2.2」は、1970年代に発売された富士フイルムの単焦点レンズです。「FUJINON 55mm F2.2」には、マウントが違う2種類があります。一つは「M42マウント」、もう一つは「フジカAXマウント」になっています。今回はM42マウントの「FUJINON 55mm F2.2」の特徴と気になる写りをご紹介します。
FUJINON 55mm F2.2の魅力
「FUJINON 55mm F2.2」の魅力は、お手頃な価格(中古相場5000円ぐらい※程度により変動します)で購入できるレンズです。もともとそれほどメジャーなレンズでもなく、1970年代の当時のカメラの標準セットレンズとして発売されていたもので、レンズの筐体も一部プラスティックでできており見た目はチープな感じのレンズです。そんなレンズですが、近年の玉ボケブームもあったりして特徴的なボケがでるレンズとして注目されたレンズになります。
「FUJINON 55mm F2.2」の基本スペック
・焦点距離:55mm
・最短撮影距離:0.60m
・絞り開放:F2.2
・レンズ構成:4群4枚
・絞り羽根枚数:5枚
・フィルター径:49mm
・マウント:M42マウント
「FUJINON 55mm F2.2」の玉ボケは、「シャボン玉ボケ」や「バブルボケ」と言われるボケかたをするのが大きな特徴です。「シャボン玉ボケ」や「バブルボケ」というのは、通常の玉ボケよりも「玉ボケの輪郭に縁取りがあるもの」の事を意味しています。
「シャボン玉ボケ」を分かりやすく表現するために、「FUJINON 55mm F2.2」でピントを最短撮影距離にして絞り開放にし電飾を撮影してみました。電飾部分のそれぞれに輪郭の縁取りができているのがよく分かると思います。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF2.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
下の写真は、以前に紹介したオールドレンズ「RICOH XR RIKENON 50mm F2 L」 で撮影した玉ボケ写真。通常はこんな感じに写るのが普通ですし、玉ボケに口径食も出ています。口径食とはレンズの鏡筒が写り込み、画角内周辺部分の玉ボケがレモン型になる現象で、「RICOH XR RIKENON 50mm F2 L」で撮影したデータは、その現象がハッキリと分かります。対して「FUJINON 55mm F2.2」は周辺部においても口径食の出も少なく、比較的奇麗な「シャボン玉ボケ」を表現してくれています。
■撮影機材:SONY α7R III + RICOH XR RIKENON 50mm F2 L
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF2 ISO800 焦点距離50mm ※マウントアダプターTECHART LM-EA7 + K&F Concept KF-PKM2
「シャボン玉ボケ」、「バブルボケ」が出るレンズで有名なレンズといえば、3枚レンズ構成のトリプレットレンズで有名な「Meyer optik Gorlitz Trioplan 100mm F2.8」が挙げられます。このレンズは「バブルボケ」が非常にキレイに出るレンズですが、その人気の為オールドレンズ市場でも高いお値段になっていて、「FUJINON 55mm F2.2」レンズが10個以上は買えるようなお値段です(笑)
特徴的な「Meyer optik Gorlitz」のレンズはオールドレンズ以外でも、現在復刻版として株式会社ケンコープロフェッショナルイメージング(KPI)で取扱い(受注生産)をしているので、興味のある方は調べてみてはどうでしょうか。
少々話がそれてしまいましたが、「FUJINON 55mm F2.2」は購入できるお値段も非常にお手頃でマウントもM42なので、オールドレンズとしては非常にオーソドックスで使いやすいレンズです。
しかし良い事ばかりではなく、もともと廉価版のレンズなので筐体のプラスティック部分の劣化によるひび割れ個体も多く、程度のよいレンズを探すのがだんだん難しくなってきています。良い状態のレンズを見つける事ができたら、是非ゲットしたいレンズの一つです。
※筆者の所有しているレンズも「指標値環」部分の締め付け固定しているイモネジ箇所でヒビ割れが発生しています。
今回は、ソニーα7R IIIにマウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」を使用して撮影をしてみました。
FUJINON 55mm F2.2で「シャボン玉ボケ」を楽しむ
FUJINON 55mm F2.2で「シャボン玉ボケ」を楽しむ目的で、イルミネーションのある東京の丸ノ内を撮り歩きしてきました。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF2.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF2.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/60 絞りF2.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/60 絞りF2.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
イルミネーションがあるシーンではシャボン玉ボケの表現が簡単にでき、とても特徴的な写真を撮ることができます。
次に海岸を散歩しながら少し撮影をしてみました。シャボン玉ボケを分かりやすく撮影するのであればイルミネーションを撮影するのが一番分かりやすかったのですが、通常の撮影シーンでどんな感じが映えるのか確認してみました。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/2500 絞りF2.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
逆光で撮影すると、オールドレンズでは出やすいフレアーの効果も相まって、シャボン玉ボケが全体的に柔らかく温かい感じの印象を演出してくれます。
下の写真は少し分かりにくいですが、海のキラキラした反射した部分でシャボン玉ボケを見る事ができます。水面の反射を利用した写真が、日中でのシャボン玉ボケ効果を発揮できるシーンの一つでもあります。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/6400 絞りF2.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
「FUJINON 55mm F2.2」はマルチコートがされていないオールドレンズなので正直逆光には弱く、フレアーやゴーストは出やすいレンズです。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF16 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
FUJINON 55mm F2.2 で「谷中ぎんざ」をスナップ撮影
「FUJINON 55mm F2.2」をつけたカメラを持って、山手線の日暮里駅から歩いて「谷中ぎんざ」を散策してみました。「谷中ぎんざ」は古き良き下町の商店街です。歩いていると懐かしさがこみあげてくる感じを受け、オールドレンズで切り撮る街の風景にぴったりのシチュエーションです。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/8000 絞りF2.2 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF2.2 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
絞りを開けた時のボケは柔らかくオールドレンズらしい表現をしますが、撮影シーンによっては「シャボン玉ボケ」のボケの輪郭がうるさく感じる場合時があります。点光源が入ってくる被写体を撮影する場合は、背景の兼ね合いをよく考えて絞りをコントロールする必要があります。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF2.2 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
絞りを絞れば、廉価版のレンズといえどもそれなりに解像するので、常用レンズとして使用しても問題ないレベルを持っています。もちろんレンズの程度(カビやくもり)によって解像レベルは異なってきますが、少しくらいなら実用の範囲内ですね。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/80 絞りF16 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF11 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
FUJINON 55mm F2.2で「国立競技場」とその周辺をスナップ撮影
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/1250 絞りF2.2 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
夏のスポーツイベントが終わった国立競技場は、現在回復工事をおこなっていて、工事の休日に『フィールド展望』という競技場内の見学会が開催されているので行ってみました。4階の観客席から見る国立競技場の一望は圧巻でした。さすがに全体を撮るのには別のレンズを使って撮影していましたが、せっかくなので「FUJINON 55mm F2.2」でも撮影してみました。
国立競技場の特徴のある客席を撮影してみたのですが、絞って撮影したとは言え、撮れた画像が驚くほどシャープに解像してるので少しビックリしてしまいました。正直ここまで写るとは思っていませんでした。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF16 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/40 絞りF11 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
国立競技場の見学を終え、その足で明治神宮を通り原宿の竹下通りまで散策。ここからはカメラの設定を白黒モードにして、気になったものを撮ってみました。少し曇っていたので、街のスナップはやや軟調な感じの写りです。
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF11 ISO800 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/80 絞りF8 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
■撮影機材:SONY α7R III + FUJINON 55mm F2.2
■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF2.2 ISO400 焦点距離55mm ※マウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」使用
まとめ
「FUJINON 55mm F2.2」はシャボン玉ボケ効果目的で所有しているレンズですが、こうやって改めて撮影をしてみると、ボケを利用する撮り方だけでなく、しっかり絞って撮影するのもありなレンズだと認識しました。レンズの特性を出す撮り方、自分の個性を出す撮り方の両方ができるレンズです。プラスティック筐体のレンズで重量も軽いので、常時持ち歩いてもいいレンズではないでしょうか。イルミネーションがあるシーンでは、もはや必須アイテムです。
「FUJINON 55mm F2.2」はもともと廉価版のレンズですが、時を経て価値観が変わり人気が出たレンズです。お手頃価格で購入できる個性豊かなレンズはまだまだありそうで、オールドレンズの沼は深そうです。
■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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【TECHART】LM-EA7 電子マウントアダプター
商品詳細ページ 【K&F Concept】KF-PKM2 マウントアダプター
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写真家の坂井田富三さんによるオールドレンズFUJINON 55mm F2.2のレビュー記事です。本レンズにはマウントが違う2種類がありますが今回はM42マウントの方で特徴と気になる写りをご紹介しています。
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KEYWORDS:
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AUTHOR:
TITLE: 幻想的な絵作りが楽しめる!!全国絵になる水族館めぐり撮影旅~九州編~
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CATEGORY: 虫上智
DATE: 02/18/2022 19:05:08
TAGS: 水族館
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BODY:
はじめに
皆さんこんにちは。写真家の虫上です。今回は前回の沖縄編 に続いて水族館撮影旅の九州編です!九州には沢山の水族館があり、その中でも絵になりそうな水族館を巡ってきました。前回の移動手段は飛行機とレンタカーでしたが、今回はマイカーで車中泊をしながらゆっくり周ってきました。
水族館内は人工のLEDライトを使用している場所も多いのですが、撮影の際は自然光を使用したり、わざと赤色などの照明を活用したりと様々です。なので、水族館撮影でのカメラのWB(ホワイトバランス)はオートや太陽光、蛍光灯など、その都度変更して被写体に合った撮影をすることをお勧めします。
また、RAWデータで撮影すればWBは後で変更可能ですので、できればRAWでの撮影をお勧めします。私の場合、撮影モードはいつも使っている「絞り優先(A)」モードで撮影しています。これは慣れたモードだとどんな感じに撮影できるかが容易に予想できるからです。例えば水槽が暗ければF値を小さくしたりISO感度を上げたりすれば良いですし、シャッタースピードが遅くなれば被写体ブレも出ますがそれを利用して絵作りを予想することもできます。
ISO感度に関してはオートで撮影すると楽なのですが、出来ればこちらもその都度変更して撮影しています。ISOオートだと意図せず高感度になりノイズが出たり、ざらついた作品になりやすいのが嫌なためです。
【鹿児島】ジンベエザメの撮影が狙い目!
いおワールドかごしま水族館
いおワールドかごしま水族館は背景に桜島が見える、とても素晴らしいロケーションの中にある巨大な水族館です。ここから沖縄などに向かうフェリーが出ていますので旅の拠点にも良いところでした。
幻想的なトンネルエスカレーターを上がっていくと見えてくるものは……
ジンベエザメの巨大水槽でした。水槽上部からの光とジンベエザメの映り込みを意識して撮影すると美しく表現できます。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/30秒 ISO320
また、人物のシルエットを入れることで魚の大きさを表現できます。この水族館はそこまで混雑していないことが多かったのでゆっくり撮影できました。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F2 1/30秒 ISO250
ヘコアユという縦に泳ぐ魚が目に入りました。下部にアクセントとなるクロホシイシモチを入れることで絵にしたかったのですが、その後タツノオトシゴが登場したのでじっくり粘って撮影したのがこちら。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/640秒 ISO200
背景と魚の向きなどが奇麗に揃う瞬間を撮影するには、まずはじっくりと魚の動きを観察して、その後背景と魚のチャームポイントなどを確認することがポイントです。この時はタツノオトシゴが黒い個体でしたので、体のラインが奇麗に表現できる真横になる瞬間を待ち撮影しました。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/500秒 ISO200
さて、かごしま水族館でとても興味深い展示だったのがこちら。その名も「ウミウシ研究所」。スキューバダイビングではその形や色などからウミウシがとても人気が高い被写体です。しかしながら、とても小さい個体も多いので撮影には苦労します。
水槽を入れないで自然な感じで撮影したのですが、このように擬態している小さなウミウシなどは、一瞬主役が何なのか判らない表現になりやすいので注意が必要です。大型モニターなどで大きく表現するには向いているのですが…。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.8 1/40秒 ISO200
水槽への映り込みの部分を強調してシンメトリーになるように表現しました。ですが、ウミウシの背後のぽつぽつが気になるところ。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/50秒 ISO200
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.8 1/20秒 ISO200
黒バックでウミウシをシンメトリーな表現にして主役を引き立てましたが、やはりどうしてもぽつぽつや水槽の循環パイプが写りこんできました。結果、違う水槽に移動して、出来る限り人工物が写らない構図を探して写したのが下の写真となります。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.8 1/50秒 ISO200
なんとか水槽が写らない角度で撮影できました。ウミウシがまるで宝石のように表現できて、今回のウミウシコーナーでは一番のお気に入りです。お陰でウミウシ研究所でかなりの時間を費やしました(笑)。
次にどこの水族館でもかなりの人気者、クラゲのコーナーに来ました。動画を見てもらうとわかりますが、背景がうるさく感じたので手前に来るキャノンボールジェリーフィッシュにピントを合わせることで背景をぼかして、可愛らしく奇麗に表現しました。レンズの種類にもよりますが、このように手前の被写体にピントをあわせると背景がボケて主役が引き立ちます。スマホのカメラだと動画のように背景をぼかすことが難しいです。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F2 1/60秒 ISO400
VIDEO
こちらはカメラの多重露光機能を使用して撮影しました。この写真の撮影方法ですが、まずはピントを合わせた可愛らしいキャノンボールジェリーフィッシュを1枚撮影して、2枚目はピントをぼかして丸い大きなボケを中央に配置して、幻想的になるようなイメージで撮影しています。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/250秒 ISO400
こちらは大型のクラゲの展示でしたので、動画を見ると判りやすいですが全体的に撮影すると少しうるさく感じました。じっくり観察していると、クラゲの触手のラインがレースのカーテンのようにとても魅力的に感じたのでそれを主役として撮影しました。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.6 1/125秒 ISO400
撮影後、黒い背景で奇麗でしたが浮遊物の映り込みが気になったので、下のようにレタッチソフトのAdobe Lightroomでゴミ取りをしました。
ただ、全ての浮遊物を除去すればいいというものでなく、浮遊物も位置や大きさによって距離感やリアル感などを表現するのに大切な添景となることが多いので注意が必要です。
この被写体は触手のカタチのみに魅力を感じましたので多くの浮遊物を消去した次第です。また、主役の決め方などの撮影のポイントとしては、動画を見ていただけるとより判りやすく感じられると思います。
Adobe Lightroomのゴミ取り機能は優秀で、凄く簡単に浮遊物を除去できますので重宝します。ゴミ取りした後の作品がこちら。
いおワールドかごしま水族館
入館料金は大人(高校生以上)1500円、小人(小・中学生)750円、幼児(4歳以上)350円。営業時間は9時30分~18時(入館は17時まで)。有料駐車場あり。
HP:https://ioworld.jp/
展示規模 ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★★☆☆
撮影向き ★★★☆☆
お勧め度 ★★★★☆
【大分】色と光の演出がフォトジェニック!
マリーンパレス水族館うみたまご
次に向かったのは大分県。奇麗な海沿いにある大規模な水族館です。その名もマリーンパレス水族館「うみたまご」。入口手前には大きな青い卵が印象的ですね。
今年は寅年ということでこのような特別な水槽の展示が!福が来るということでフグと七福神のコラボレーション。一瞬、なんのことか判らない展示でしたが…笑
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.4 1/320秒 ISO800
小さな魚や目のクローズアップには、背景も簡素化できるマクロレンズが非常に有効です。しかし、水槽に対して斜めからの撮影だと殆どピントが合わないので、必ずガラス面に対してカメラ位置が平行になるよう、被写体が来るのを待って撮影した結果がこちら。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO800
この水槽ではマクロレンズでは共生ハゼとテッポウエビの両方にピントを来させるのがとても難しかったので、レンズを17mmの広角に替えて水槽の縁をわざと取り入れて共生している瞬間を撮影しました。広角レンズでは被写界深度(ピントの合う範囲)が深くなるので、このような被写体は撮りやすくなります。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/125秒 ISO400
案外多くの水族館で見られる、アイドル的な存在のチンアナゴ。特にゼブライエローの個体は絵になります。じっくり粘って背景が3色になるようにカメラ位置を調節し、被写体が来るのを待って撮影した作品がこちら。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.6 1/60秒 ISO400
次に向かったのは暗くライトアップした水槽……何かが集団で泳いでいます。近くでみるとアオリイカの水槽でした!このようなライトアップした水槽は、背景も暗く表現できてとても幻想的な作品ができやすいので狙い目です。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/40秒 ISO400
水槽に寄って、アップめで撮影してみます。背景に数匹入れていい感じになりました。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/160秒 ISO400
次に多重露光撮影にも挑戦しました。1枚目はAFでピントが合った撮影、2枚目は瞬時にMFにしてピントをぼかして撮影してみました。この手法ならソフトフォーカスフィルターを使用せずに簡単にソフト効果が得られますので、多重露光機能が付いたカメラをお使いなら是非試してみてください。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/80秒 ISO400
太刀魚の水槽は初めて見ました!とても幻想的です。水槽がとても暗いのですが、魚に光があたる瞬間はシャッタースピードを速くすることができるのでその時に撮影するのがポイントです。背景の案内板の映り込みは奇麗に思えたのであえて入れてみました。動画も撮影したので幻想的な世界をご覧ください。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.6 1/20秒 ISO400
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.4 1/30秒 ISO400
VIDEO
他にも幻想的な水槽コーナーが目白押しでした。時間がいくらあっても足りないくらいに珍しい演出や魚が多いです。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.4 1/20秒 ISO400
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.8 1/80秒 ISO400
アートな水槽は人物のシルエットなどを入れることで絵になります。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 1/6秒 ISO400
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
■撮影環境:F1.8 1/40秒 ISO400
アシカのプールもありました。背景にプールを取り入れることで奇麗な表現に。アシカがのけぞるように左上を向いていたので、作品にすると分かりにくい感じがしました。あとで上下左右を反転すると顔が判りやすく表現出来ました。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4 1/40秒 ISO200
上の写真を上下反転したもの。アシカの顔が判りやすくなりました
外での展示にはイルカのプールが定番なのですが、その端で面白い光景が目に留まりました。来館者の皆さんがイルカのイベントに気を取られているスキに、カモメが魚を横取りしようかと待ち構えているようです。動画ではその状況がかなり判りやすいので是非ご覧ください。
VIDEO
マリーンパレス水族館うみたまご
入館料金は大人(高校生以上)2300円、小人(小・中学生)1150円、幼児(4歳以上)750円でした。営業時間は9時~17時。大型有料駐車場あり。
HP:https://www.umitamago.jp/
展示規模 ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★★☆☆
撮影向き ★★★★★
お勧め度 ★★★★☆
【熊本】海のど真ん中に水族館が!
わくわく海中水族館シードーナツ
さて、熊本県の水族館はちょっと変わっていて、海のど真ん中にあるということで早速向かいました。熊本では超有名なピンクのくまもんバスが駐車場から送迎しています。入り口を入るとかわいらしいウミガメがお出迎えしてくれました。
周りの空間を多く取り入れてアート的に切り取るにはとてもお洒落な水槽でした!
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F10 1/25秒 ISO200
海中に展示がある水族館は初めてでした。
数十分粘ってこの水族館で一番興味を引いたテングカワハギの幼魚を撮影しましたのがこちら。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/320秒 ISO200
バンガイカーディナルフィッシュ。背景のライトを丸ボケにしてファンタジックに。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/100秒 ISO400
ここの水族館は天草という場所柄、イルカと触れ合える施設で有名です。目の前まで寄れる、イルカのドアップ写真が簡単に撮れます。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:F4 1/250秒 ISO400
わくわく海中水族館シードーナツ
入館料金は大人1300円、小中学生800円、幼児(4歳以上)400円でした。冬季の営業時間は9時~17時、夏季は9時~18時。大型無料駐車場あり。
HP:https://amakusapearl.com/sea/
展示規模 ★★☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★☆☆
撮影向き ★★☆☆☆
お勧め度 ★★☆☆☆
【福岡】有明海にしかいないレアな魚が見れる!
やながわ有明海水族館
最後にお伺いしたのは福岡県柳川にある、やながわ有明海水族館です。柳川というと川下りやうな重を連想するかと思いますが、なんとその観光地の中心部に水族館があるということで行ってみました。ここの水族館は有明海の生き物のみを展示していて、とても珍しいヤマノカミという魚がいるそうです。
こちらがヤマノカミ。例のごとく、通常の水槽展示なのでじっくり背景を考えての撮影。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F1.2 1/160秒 ISO400
こちらは有明海のエイリアンこと、ワラスボです。生きたワラスボの展示を見られるのはここだけかと。しかしながら個人で運営なさっているようで管理がなかなか大変そうなのと、水槽のガラスがやや汚れており撮影よりも有明海の魚を研究・観察するのには良いかと思いました。
■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:F3.5 1/25秒 ISO400
やながわ有明海水族館
入館料金は大人 300円、小~高校生 100円、幼児 無料でした。営業時間は平日12時~16時30分、土日祝11時~17時、火曜休館(祝日の場合水曜)。駐車場なし。
公式Twitter:https://twitter.com/ariake_aquarium
展示規模 ★☆☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
撮影向き ★☆☆☆☆
お勧め度 ★★☆☆☆
まとめ
いかがでしたでしょうか、今回は九州の中でも鹿児島や大分、熊本方面の水族館を巡ってきました。感想としてはどの水族館もウリがあり、大規模な水族館になるほど魅せる展示方法に凝っているな、と感じました。しかしながら小さな水族館だからこそ、やながわ水族館のワラスボのようなユニークな魚種展示で度肝を抜かれる水族館もあり、実際に行ってみないと写真だけではその水族館の良さが伝えられない部分も多々あります。コロナが落ち着いてきましたら是非行ってみてくださいね。
合わせて読みたい単行本「水族館めぐり」をご紹介します。この本は全国40施設の水族館を対象に沢山の素晴らしい写真と詳しい解説で構成されていて、絵になりそうな魚や各水族館のアイドル的な魚の紹介など、これからどの水族館に行ってみようかな?と思う方にとても参考になる本です。因みに私も作品を提供しておりますのでよろしければ探してみてください。
書籍詳細:https://www.gbnet.co.jp/
■写真家:虫上智
1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。
日本写真家協会(JPS)会員。日本写真講師協会 認定フォトインストラクター。フォトマスターEX(総合)。オリンパスカレッジ講師。
この記事に使用した機材 【オリンパス】OM-D E-M1 MarkIII ボディ
商品詳細ページ 【オリンパス】OM-D E-M5 MarkIII ボディ
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
商品詳細ページ
【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
商品詳細ページ 【オリンパス】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の虫上智さんによる「全国水族館めぐり撮影」の連載記事第二弾。今回は九州編ということで、鹿児島・大分・熊本でフォトジェニックな水族館を巡ってきました。
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KEYWORDS:
撮影テクニック,水族館,オリンパス,Olympus,虫上智
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AUTHOR:
TITLE: OM SYSTEM OM-1×木村琢磨|正統進化を遂げた新ブランド初のフラグシップ機
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CATEGORY: 木村琢磨
DATE: 02/19/2022 11:00:00
TAGS: オリンパス(Olympus) ボディー,OM SYSTEM,OM-1,風景,ミラーレスカメラ,マイクロフォーサーズ
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BODY:
はじめに
OMデジタルソリューションズが発表した新たなブランド、「OM SYSTEM」初のフラグシップ機である「OM-1」がついにその全貌を見せた。OM SYSTEM初のフラグシップ機にOM-1という名称が付けられたことからも、OM SYSTEMの本気度がひしひしと伝わってくる。
OM-1といえば1972年にオリンパスから発表された、世界最小最軽量の35mm一眼レフ(1972年当時)が真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないだろうか。新ブランド初のフラグシップ機にOM-1を命名したことは、まさに「挑戦と継承」だ。今回は発売に先駆けOM-1をお借りすることができたので使用感をレビューしていく。
正統進化したボディ
OM-1を初めて手に取った時、何の違和感も感じなかった。愛用しているOM-D E-M1シリーズのボディを彷彿とさせる、手に馴染む形状やバランスがそのままOM-1に引き継がれている。このボディバランスはフラグシップでは特に重要で、買い換えてもそのまま違和感なく使えることはカメラに慣れる時間を省略することができるため即戦力となる。
E-M1シリーズのユーザーであれば違和感なく使いこなせるボディ形状。PROレンズの中でも人気の高いM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROやM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとのバランスもちょうどいい。
OM-1背面
ボタン配置はE-M1 Mark IIIを踏襲。OM-1では新たにAF-ONボタンが搭載されたので親指AF派の人には嬉しいポイント。
E-M1シリーズではお馴染みのバリアングルモニターが引き続き採用されている。チルト式と意見が分かれるが、私としてはには縦構図、横構図どちらでもモニターが見えるバリアングル方式の方が恩恵があるのでバリアングル派。裏返すことでモニターを保護できるのも良い。
OM-1軍艦部
フロントダイヤルはレリーズボタン一体型ではなくグリップ先端に搭載。E-M1XとE-M1 Mark IIIを足したようなデザイン。OM-1からRECボタンにハイレゾショットの切り替えが割り当てられている。
ボタン配置は今までE-M1シリーズを使ってきた人ならすんなり使い始められるはずだ。ISOボタンが独立しているので、ISO感度を頻繁に変更する人には嬉しい配慮だ。個人的に重宝しているE-M1Xから搭載されたマルチセレクターも引き続き搭載されており、ピント合わせがAFメインの人にとってはかなり快適だ。背面液晶はE-M1シリーズと同じくバリアングルモニターで、縦横問わず自由なアングルで撮影可能だ。タッチパネルも感度が良く快適だ。
そして、今回特に気に入っているのがファインダーだ。覗いた瞬間そのリアルさに驚かされた。ライトボックスに載せられたポジフィルムをルーペで覗いたときのようなリアルさがそこにあった。ファインダーのスペックとしては、解像度が236万ドットから576万ドットへと大幅に向上した。フレームレートは120fps、表示タイムラグは0.005秒とどのジャンルを撮影する場合でも恩恵があるスペックに仕上がっている。
とにかく発色がいいので、撮影していてモチベーションが上がるので撮影そのものが楽しい。ファインダーの形状も大きく変化しているので、是非実機でそのファインダーの美しさを体験して欲しい。
バッテリーは新型になりバッテリーライフも大幅に向上した。約520枚撮影可能だが実際に使用してみて600枚以上撮影してもバッテリー切れになることはなかった。PD対応なので移動中にモバイルバッテリーで充電も可能なのでバッテリー切れの心配はほとんどない。
UHS-II対応ダブルSDカードスロットなのでバックアップも完璧だ。OM-1の性能をフルで引き出すにはUHS-IIのSDカードを使用すること。
OM-1ではバッテリーも新型になっている。バッテリーライフが大幅に向上しており、撮影に夢中になっていていつの間にかバッテリー残量がゼロ…なんてことがほとんどない。実際に使用してみてバッテリーが完全に空になったことは一度もなかった。移動中や撮影をしていない時にモバイルバッテリーで充電もできるので、旅行に持ち出す時でも予備バッテリーはなくても問題ないくらいだ。
SDカードスロットは引き続きダブルスロットが搭載されている。E-M1Xと同じく両スロットともUHS-II対応だ。OM-1の性能をフルに引き出すのであれば、両スロットにUHS-IIのSDカードを使いたい。OM-1を使うときはボディに64GB×2枚、予備に64GB×2枚の計4枚あるとちょうど良い。
水浴びくらいでは撮影中断不要な防滴性能。もはや防水と言っても良いくらいだが…。
そしてOM-Dユーザーであれば説明しなくても良いくらいだが、OM SYSTEMのカメラといえば防塵・防滴の性能が尋常ではない。防塵・防滴等級IP53、耐低温 -10℃ととにかくフィールドを選ばないスペックなので、まずは撮る側がその環境に耐えられるように鍛えておかなければいけない…。カメラがあっても撮れなければ意味がないので、どんな条件でも撮影ができる安心感がOM-1にはある。
大幅に向上したスペック
OM-1はボディだけではなく中身も大きく進化。センサーは新型になりエンジンも新エンジンTruePic Xへと進化している。特に新エンジンの恩恵はカメラ全体の処理速度向上にも寄与しており、一度OM-1を使うと旧機種にはもう戻れないくらいの差を感じる。
特に注目のスペックを書き出してみると…
新センサー :画素数約2000万画素
ハイレゾショット :手持ちハイレゾ約5000万画素・三脚ハイレゾ約8000万画素
ライブND :ND2~64
演算処理速度 :約300%向上
手ぶれ補正 :最大8段
新AF :クアッドピクセルAF・オールクロスセンサー・AF低輝度限界-8EV
AFエリア :1053点 100%カバー・カスタムAFエリア
連写 :AF/AE追従 50コマ/秒・AF/AE固定 120コマ/秒・ブラックアウトフリー
顔・瞳認識AF :TruePic Xによる高速演算
AI被写体認識AF :8種(フォーミュラーカー、バイク、飛行機、ヘリコプター、鉄道、鳥、犬、猫)
プロキャプチャー :最高120コマ/秒 (AF/AE固定) 、50コマ/秒(AF/AE追従)
動画 :4K60p 10bit/FHD240p/H.265対応/OM-Log/HLG動画/Apple ProRes RAW外部記録 12bit
…etc
と、ざっと書き出しただけでもかなりの量となる。
画質など実写のインプレッションについては後述させていただくが、センサーとエンジンが新型になったことで基本画質も大きく向上している。画素数は引き続き2000万画素だが、過度なトリミングなどしない限り大判プリントでも十分対応できる。過去に個展でB0サイズ(1030 × 1456mm)にプリントして展示をしたこともあるが、特別画素数が足りないということはなかった。風景写真であればハイレゾショットも使えるので、画素数を求める場合はハイレゾショットを積極的に活用しよう。ハイレゾショットといえば撮影後に処理時間が発生していたが、OM-1ではその処理時間も大幅に短縮されている。
■ハイレゾショット処理時間の比較
VIDEO
OM-1の処理速度は圧倒的だ。E-M1Xを使っているときは処理時間はそんなに気にしていなかったが、OM-1の速さを体感するとE-M1Xの処理速度に耐えられないほど…。OM-1では手持ちハイレゾがデフォルトでいいくらいだ。
AFエリアは1053点あり、画面内を100%カバーしているので被写体がどこにいても対応できる。AFの速度、正確性、追従性能も大幅に向上し、よりシャッターチャンスに強いカメラに仕上がっている。C-AF追従性能も強力で、激しい動きをする被写体でも一度捕らえるとしっかりと追従してくれる。風景やスナップでもC-AFでピントを合わせてAF半押ししたまま構図を決めるという使い方も可能だ。
AFエリアは既存の6種類に加えて使い方に合わせてカスタムも可能。個人的によく使うのはSingleとCrossの2種類。
VIDEO
C-AF追従性能も大きく進化している。意地悪なカメラの動きにもしっかりと追従している。
この強力なAF性能に加えて、AF/AE追従 50コマ/秒+ブラックアウトフリーと連写性能も向上しているので動体をメインに撮影している人には恩恵が大きいだろう。AF/AE固定であれば120コマ/秒と超高速連写も可能なので、まさに一瞬を写し止めることができる。
さらに、OM-1は動画性能も大きく進化しムービーカメラとしても活躍してくれる。スチルとムービー両方撮影する私としては動画の性能も大きく向上したのは嬉しい。4K60p10bitでの収録やH.265への対応は、スチルはもちろん動画にもしっかりと力を入れていきますというメッセージとして受け取れる。
OM-1には超強力な手ぶれ補正が搭載されているので動画撮影でもその効果は絶大。簡易的なジンバルがボディ内に入っていると言ってもいいだろう。ボディ内補正なので全てのレンズで手ぶれ補正が効くので撮影の自由度はかなり高い。ラン&ガンの様なカメラを持って走り回るような撮影ではOM-1は最高のパフォーマンスを発揮してくれる。
私のOM-1での動画撮影スタイル。簡易的なリグを組んで三脚は使用せず手持ちでの撮影が多い。機動力の高いコンパクトな機材は現場で思い浮かんだアイデアをすぐに実現できる。
どこにでも持ち歩ける高画質・高性能
OM-1は処理速度の向上に加えて画質も大きく進化している。最初に思ったのは色のノリが今までと違う点、そして高感度耐性が飛躍的に向上したこと。E-M1XやE-M1 Mark IIIと比較すると2段分くらい向上している。ディティールはもちろん、高感度での撮影でも色が安定しているので高感度ぽさがかなり減った。今回はOM-1のオールマイティーさを見ていただくために、本来であれば条件があまり良くないシーンも高感度を使用して撮影している。
さらに、ハイレゾショットで撮影するとより高感度ぽさがなくなるので、日が暮れての風景写真や暗所での撮影は無理に低感度でスローシャッターで撮影するよりも、被写体が静物の場合は高感度+手持ちハイレゾでの撮影をオススメする。
今回紹介する作例は全てカメラ内で生成されたJPEGとなっているので、OM-1の絵作りや特性を見ていただけたらと思う。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/8.0 1/40秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算 16mm) 三脚ハイレゾショットにて撮影
OM-1で撮影する風景は色鮮やかだ。彩度を強めても色の破堤が少なくより作風の自由度が増している。私の使い方は基本はカラークリエーターかポップアートIIを使うことが多く、特にカラークリエーターは色を楽しみたい人にはぴったりだ。アートフィルターではハイレゾショットが使えないが(PCでのRAW現像では可能)カラークリエーターとハイレゾショットは併用可能だ。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 1/10秒 ISO200 焦点距離12mm(35mm判換算 24mm) 三脚ハイレゾショットにて撮影
三脚ハイレゾショットで撮影することで約8000万画素の超高解像度撮影が行える。複数枚の画像を撮影するマルチショットであるため動体では難しいが、風景であればほとんどのシーンで使用可能だ。葉の揺れや川の流れくらいであれば動体補正をしてくれるため、スローシャッターの様な表現になる。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/200秒 ISO200 焦点距離34mm(35mm判換算 68mm) 手持ちハイレゾショットにて撮影
OM-1で撮影した写真はずっと見ていたくなるような気持ち良さがある。OM-1は私が愛用しているM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROの性能を引き出してくれる。ズームレンズとは思えない写り。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/3200秒 ISO3200 焦点距離100mm(35mm判換算 200mm) SH1連写 AF/AE固定 120コマ/秒
ISO感度を3200まで上げて撮影。今までであれば使うのを躊躇していた感度だが、OM-1では安心して高感度も使用できる。おかげで開放F4.0でも暗いと感じることがほとんどない。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 1/320秒 ISO200 焦点距離31mm(35mm判換算 62mm) 手持ちハイレゾショットにて撮影
ハイレゾショットがRECボタンに割り振られているので、瞬時に通常モードとハイレゾショットを切り替えることができる。ハイレゾショットの処理時間が短縮されたこともあり、より気軽にハイレゾショットを使って撮影して欲しいというメッセージなのかもしれない。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/4000秒 ISO800 焦点距離12mm(35mm判換算 24mm) SH1連写 AF/AE固定 120コマ/秒
120コマ/秒の高速連写で撮影して後からベストな一枚をチョイスした。雨雲の下での撮影、雨に打たれながら低照度下での撮影だったが、波のブレを防ぐためISO感度を800まで上げてシャッタースピードを稼いだ。ISO800程度では画質の変化はほとんど見られない。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 1/50秒 ISO250 焦点距離12mm(35mm判換算 24mm) 手持ちハイレゾショットにて撮影
体が飛ばされそうなほどの砂嵐が吹き荒れるコンディションの中でも安心して撮影ができた。OM-1の防塵性能があってこその一枚となった。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/500秒 ISO200 焦点距離12mm(35mm判換算 24mm)
OM-1はとにかく色が美しい。私の場合は色を強めに表現することが多いので発色の良さはありがたい。色の階調・繋がりが見ていて気持ちがいい。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 1/200秒 ISO200 焦点距離12mm(35mm判換算 24mm) 手持ちハイレゾ使用
解像感、ダイナミックレンジ、色ノリの良さが向上している。ファインダーの良さも相まって撮影しながらその違いを体感した。手持ちハイレゾショットの処理時間が大幅に短縮されたことで積極的にハイレゾ撮影を使いたくなる。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 1/500秒 ISO200 焦点距離34mm(35mm判換算 68mm)
雪の鳥取砂丘。階調表現が向上したことでフラットなシーンで立体感を感じる写りに。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/8.0 1/3200秒 ISO200 焦点距離25mm(35mm判換算 50mm) 手持ちハイレゾショットにて撮影
氷点下の撮影環境でも安定した動作は言うまでもなく。ただ高画質だけではなく、その高画質を生かすためのボディ性能も大切なスペックだ。カメラに負けない様に体力づくりをしておきたいところ。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/5.6 1/125秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算 16mm) 手持ちハイレゾショットにて撮影
風景がメインであれば手持ちハイレゾショットをデフォルトの設定にしておくのも良い。約5000万画素の解像感とダイナミックレンジの広さはセンサーサイズの壁を越える表現力だ。
OM-1は高感度だけでなく常用する低感度の画質も良くなっている。E-M1XやE-M1 Mark IIIと比較しても、抜けの良さやより繊細な表現力を有している様に思う。単純に画質=画素数と捉えられがちだが、ただ画素数が多いだけではなくその画素数を最大限に生かした絵づくりであることが重要だ。同じ2000万画素でもOM-1は更なる高画質化をしたことでハイレゾショットの画質も向上し、高感度撮影でのディティールや色の再現性も相乗的に改善されている。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.0 1/50秒 ISO6400 焦点距離12mm(35mm判換算 24mm) 手持ちハイレゾショットにて撮影
マイクロフォーサーズユーザーであればISO6400は避けて通る感度かもしれない。私もISO6400は余程のことがない限りは使うことがない感度だが、OM-1の高感度画質を見て考えが変わった。高感度画質が良くなったことでF4.0通しのレンズの出番がさらに増えることになった。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/1000秒 ISO6400 焦点距離25mm(35mm判換算 50mm)
雨が降る森の中での撮影。かなり暗い環境下だが、F4.0のレンズでもISO6400まで上げることでシャッタースピードを1/1000秒を稼ぐことができる。高感度ぽさがかなり軽減されているのでパッと見ただけではISO800程度にも見える。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/1000秒 ISO3200 焦点距離8mm(35mm判換算 16mm)
新センサーと新エンジンの効果は絶大で、OM-1を使っていると何世代か飛び越してしまった様な感覚だ。特に最新のレンズで撮影するとより画質が際立つ。M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROはOM-1と組み合わせると最高のパフォーマンスを発揮してくれる。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/4.0 1/1000秒 ISO6400 焦点距離25mm(35mm判換算 50mm)
高速シャッタースピードで水面の波紋を表現するためにISO6400まで感度を上げた。よりベストな瞬間を確実に抑えるために時間を巻き戻せるプロキャプチャーSH1(120コマ/秒モード)で撮影した。
OM-1にはE-M1シリーズでも人気の高いライブNDや深度合成機能も引き続き搭載されている。ライブNDに至ってはE-M1XやE-M1 Mark IIIではND32が上限だったが、OM-1ではND64まで拡張されている。ライブNDとはカメラ内での処理でNDフィルターを使用した様なスローシャッターの効果を得る機能で、NDフィルターを使用することなく日中でもスローシャッターを切ることが可能だ。
NDフィルターは経年劣化による変色、レンズのフィルター径ごとに買い揃えなければいけない、装着の手間などがあるがライブNDを使うことで経年劣化の心配もなく、メニューからライブNDを選ぶだけですぐにモードが切り替わる。頻繁に使う人であればボタンをカスタムすることでワンアクションでライブNDを呼び出せる。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5.6 60秒 ISO200 焦点距離17mm(35mm判換算 34mm)ライブND64使用
夕暮れ時の海岸で波を抽象化するためにライブNDを使用した。通常であればシャッタースピード1秒のところ、ライブND64を使うことで60秒のスローシャッターを切ることができた。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 4秒 ISO200 焦点距離12mm(35mm判換算 24mm)ライブND64使用
まだ陽がある状況だったので通常であれば1/15秒のシャッタースピードとなるところ、ライブND64を使うことでシャッタースピードを4秒にまで落とすことができた。4秒のスローシャッターのおかげで波の軌跡を表現することができた。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/8.0 20秒 ISO200 焦点距離70mm(35mm判換算 140mm)ライブND64使用
スローシャッターで背景の植物をブレさせることで主役の木を引き立てた。NDフィルターとライブNDの合わせ技で、日中でも20秒のスローシャッターを切ることができる。ライブNDはNDフィルターの拡張機能としても有効的で、手持ちのNDフィルターに+ND2~64の効果を付加させる感覚だ。
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/8.0 5秒 ISO200 焦点距離9mm(35mm判換算 18mm)ライブND64使用
スローシャッターといえばやはり川や滝などの水の流れを抽象化するのが定番だ。OM-1は高速シャッターからスローシャッターまで、多彩な機能で表現することができるオールマイティーなカメラだ。
深度合成はE-M1ユーザーにはおなじみの機能の一つだ。ピント位置をずらした複数枚の画像を合成することで、物理的には不可能な強烈なパンフォーカスを作り出すことが可能となる。OM SYSTEMにはティルト・シフトレンズがラインナップされていないため、深度合成機能はありがたい。しっかりホールドして撮影することで手持ちでも効果を発揮してくれる。
深度合成は画像合成時若干トリミングされてしまうため、広い景色で深度合成をしたい場合は気持ち広めのレンズを使用すると良い。自動でトリミングされるが、深度合成時には記録される範囲が画面内にガイドで表示されるので厳密なフレーミングも可能だ。広角をメインに考えている人であれば、M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROがマクロにも強く広角~標準までカバーしているのでかなり使い勝手が良い。
OM-1では画像処理で再現する機能のことをコンピュテーショナルフォトグラフィと呼んでおり、聴き馴染みがない人もいるかもしれないが、実はみなさんが使用しているスマホの写真などはほとんどコンピュテーショナルフォトグラフィと呼んで良い。私はE-300(2005年発売)からオリンパスカメラの愛用者だが、オリンパスは昔からアートフィルターであったりライブビューであったり今となっては当たり前になっている機能を真っ先に取り入れたメーカーでもある。
上:深度合成なし 下:深度合成あり
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/5.6 1/10秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算 16mm)深度合成機能使用
マイクロフォーサーズは被写界深度が深いためパンフォーカスを得やすいが、マクロ域~遠景までピントを合わせるとなると流石に難しい。深度合成機能を使うことで物理的には不可能な強烈なパンフォーカスを生み出すことができるため、まるで絵画を見ているような不思議な感覚になる。
左:深度合成なし 右:深度合成あり
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
■撮影環境:f/5.6 0.4秒 ISO200 焦点距離8mm(35mm判換算 16mm)深度合成機能使用
8mmの超広角でもマクロ域になると被写界深度は浅くなる。被写界深度の選択肢が増えることで風景の見方が変わってくるだろう。
より本格仕様にパワーアップした動画機能
ミラーレスカメラが主流になり、スチルとムービーの境界はどんどんなくなりつつある。「写真機で動画も撮れる」ではなく「写真機で動画を撮る」カメラも多く、実際に使われている人も多いのではないだろうか。私もムービー専用のシネマカメラも所有しているが、必ずしも動画専用のカメラがベストな選択というわけではなく、作風であったり動画のコンセプト、スチルの延長線上の動画を撮影する場合にはスチルカメラで撮影するムービーが最適解であったりもするのだ。
今までのE-M1シリーズでは4K30pが上限であったが、OM-1では4K60pが搭載され10bitでの収録も対応している。また、コーデックがH.265に対応したことでより高画質な映像を撮影することが可能となった。
映像を撮らない人には動画の仕様はよくわからないという人もいるかもしれないので簡単に解説すると、映像の規格は「解像度、秒間コマ数、情報量」と大きく3つの要素で成り立っており、今回のOM-1のスペックに当てはめると「4K(解像度)、60p(秒間コマ数)、10bit(情報量)」となる。
つまり、高画質で秒間コマ数が増えて情報量も増えたと言うことだ。コーデックH.265というのは、画質はそのままにデータ量をさらに小さくすることができるという認識で大丈夫だ。
OM-1には強力な手ぶれ補正も搭載されているので動画を撮影する場合も恩恵がある。OM-1はスチルとムービーを両方撮りたいという人にはちょうど良い選択肢でもあり、今までスチルしか撮っていないという人にこそ、このOM-1でムービーデビューしてもらいたいと思う。写真を撮った後についでにRECボタンを押す、まずはそこからスタートすれば良いのと、スチルの撮影スタイルでそのまま動画が撮れるので違和感もないはずだ。カメラの動きが~などは後から付いてくる技術なので、まずは手ぶれ補正を活用して「動く写真」からスタートすればいいだろう。
VIDEO
OM-1で撮影した4K映像。
使用したレンズは後述の3本のPROレンズ。手振れ補正が強力なので全編手持ちのラン&ガンスタイルで撮影した。4K60p 10bit H.265 OM-Logで収録しAdobe Premiere Proでカラーグレーディングしている。スチルだけでなくムービーの画質も今までの機種と比較すると格段に良くなっているので、ムービーカメラとしても選択肢に入ってくる。
OM-1におすすめのレンズ
OM-1でOM SYSTEMデビューをする人も多いだろう。OM SYSTEMには豊富なレンズがラインナップされているが中でも私がこのレンズは使ってみて欲しいと言うレンズを3本紹介する。
■M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
このレンズに関しては、マイクロフォーサーズユーザーにとってマストな一本と言っても良いだろう。カバーする焦点距離は換算24mmから200mmと広く、これ一本あれば完結してしまう人も少なくない。さらにこのレンズの特筆すべき点はその画質の良さである。便利ズームでしょ?と思っていたらズーム全域で開放からキレッキレな写りに驚かされるはず。さらにレンズに手振れ補正が搭載されており、OM-1と組み合わせると最大7.5段の補正効果が得られる。
■M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
まさに「こんなレンズを待っていた!」風景写真を撮るのにぴったりな一本だ。カバーする焦点距離は換算16mmから50mmと、超広角から標準域までこれ一本でOK。さらにほぼハーフマクロまでカバーしているので引いてよし、寄ってよしの万能レンズだ。
通常であれば超広角と標準域はレンズ交換必須の関係性だが、このレンズはその壁を壊してくれた。レンズ交換をしないことで機材落下やセンサーやレンズの後玉にダストが付着することを未然に防げるのと、防塵・防滴が優れているとはいえレンズ交換時は無防備になってしまうため、レンズ交換をしなくて良いのはメリットが大きい。さらに、超広角をカバーしているにもかかわらずフィルターが装着できるため、PLやNDを使用しての表現も可能だ。NDが使えることで動画撮影用のレンズとしても活躍してくれる。
■M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
小型軽量なカメラにはコンパクトなレンズが似合う。換算40mmでF1.4の明るさを持つこのレンズはOM-1とのボディバランスも良く、スナップ撮影や日常使いに持ってこいな一本。開放では柔らかいボケ味が特徴で、絞り込むと画面全体の切れ味が素晴らしい。風景でもポートレートでもどちらでも活躍してくれるレンズだ。M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの2本をメインに、被写界深度の浅い一枚を撮りたい時や気軽にスナップ撮影したいときには重宝する。なによりサイズがコンパクトとあってカメラバッグに入れても嵩張らないので、予備のレンズとしても入れておいて損はない。
レンズ名称の最後に「PRO」とついているのはOM SYSTEMのレンズの中でも最上位クラスのレンズで、高い光学性能と防塵防滴、堅牢性を有し、どんな状況下でも常に高画質を提供するプロフェッショナルレンズシリーズとなっている。
OM-1の性能をフルに引き出してくれるのはこのPROレンズシリーズだろう。マイクロフォーサーズならではの個性的なスペックのレンズも多く、一度全てのレンズラインナップを見ていただきたい。私の場合は気がつくとPROレンズがほとんど手元にある状況で…それほど魅力的なレンズがラインナップされているということだ。
マイクロフォーサーズという規格がまさに絶妙で、画質とサイズ感のバランスが他のセンサーサイズのシステムと比較しても最も良いと思っている。ボディはコンパクトになってもレンズはセンサーサイズに依存するためアンバランスな組み合わせも多く、その点マイクロフォーサーズのシステムは両立できているので非常に扱いやすい。
まとめ
2021年10月に新ブランド「OM SYSTEM」が発表され、そして2022年OMデジタルソリューションズ渾身の一台であるOM-1がお披露目された。ネット上ではいろいろな情報や憶測が飛び交い、期待値が爆上がりしている人も多かったはずだ。私自身どんな凄いカメラが出てくるのだろうか?とワクワクして待っていた一人だ。完全にファンなのである。
OM-1を初めて手に取ったときに「良い写真が撮れそうだ」と感じさせてくれた。私が大切にしているのはカメラを手に取ったときに「楽しそう」を思わせてくるかどうかで、OM-1はまさに手に取った時に気持ちをワクワクさせてくれた。カメラは自分のイメージを具現化する道具であり、自然に使いこなせるカメラであること、モチベーションを上げてくれるカメラであることはとても大切なポイントだ。そして、その次にスペックが重要となる。
歴史的一台のモデル名を冠した「OM-1」。2022年、いよいよ「OM」の新たな歴史が動き始める。
E-M1XやE-M1 Mark IIIが元々完成度の高いカメラだったこともあり、後継機種はどの様なアプローチをしてくるのか楽しみだったが、OM-1はまさに正統進化であり期待値通りのスペックを搭載している。連写速度やハイレゾショットの処理速度が速くなるだけでも全く別物のカメラに感じ、色や解像感をさらに追求することで写真表現の幅をさらに広げてくれる。個人的に気になっていた動画のスペックも向上されたこともありスチルとムービーのハイブリッドカメラ感がさらに増した。
新ブランドの初号機かつフラグシップであるOM-1。まさに「挑戦と継承」を体現したOMの新たな歴史を切り拓く一台だ。
■写真家:木村琢磨
1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
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この記事に使用した機材 【OM SYSTEM】OM-1 ボディ
商品詳細ページ 【OM SYSTEM】M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ
【OM SYSTEM】M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
商品詳細ページ 【OM SYSTEM】M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家の木村琢磨さんによる、OM SYSTEM「OM-1」レビュー記事です。全方位に性能を進化させたOM SYSTEM初のフラッグシップ機の性能を、作例とともに解説していきます。
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KEYWORDS:
オリンパス,Olympus,ボディ,OM SYSTEM,OM-1,レビュー,風景,木村琢磨
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: OM SYSTEM OM-1×菅原貴徳|野鳥撮影における実力を徹底レビュー!
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CATEGORY: 菅原貴徳
DATE: 02/20/2022 10:00:00
TAGS: OM-1,オリンパス(Olympus) ボディー,OM SYSTEM,ミラーレスカメラ,野鳥,マイクロフォーサーズ
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はじめに
「お!これはとてもいいかも…」。はじめてOM-1で撮影したときに、真っ先に浮かんだ感想だ。これまでのOM-Dは、携行性と、雨風粉塵への耐性、手振れ補正など、野鳥撮影に欠かせない「機動力」が一番の特徴だった。新たに「OM SYSTEM」となり、AFや連写、ファインダー、動画…と、挙げきれないほど多方向にわたり性能が進化したOM-1。ここでは実際に撮影した写真を元に、その実力をご覧いただきたい。
バランスの良い外観
昨年の今頃、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROという野鳥撮影に適したレンズが手に入って、主にOM-D E-M1Xとの組み合わせで愛用してきた。グリップ感がよく、とてもバランスが良かったからだ。一方で、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS やM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROのような軽量レンズには、OM-D E-M1 Mark IIIの小型ボディを組み合わせることが多かった。
OM-1に縦位置グリップ(HLD-10)を装着した製品画像。OM-1(商品)に同梱されているボディキャップとは違います
OM-1は、縦位置グリップ非一体型の、OM-D E-M1 Mark IIIによく似たサイズ感となっている。しかし、グリップの形状や深さ、シャッター周りの配置はOM-D E-M1Xのそれに近い。別売の縦位置グリップ(HLD-10)も同様の形状で、重量級のレンズと組み合わせても、とても良好なホールド感。縦位置グリップの脱着で、一台で二役、レンズによる使い分けができる。
難しい条件でも鳥をキャッチする、進化したAI被写体認識AF
筆者にとって、もっとも大きな恩恵を感じているのはAFの進化だ。OM-D E-M1Xでも搭載されていた「鳥認識AF」とはもはや別物と言っていいほどで、ちょっといじわるな状況を試しても、ちゃんと撮れている。いつしかそんな邪念はなくなり、もっと挑戦的な姿勢で、これまで難しかったシーンへもレンズを向け、撮影を試みるようになっていった。
なにが変わり、そして優れているのか整理しておこう。まず、検出能力がとても良い。順光はもちろんとして、逆光や、背景がギラギラした状況でも鳥のサイズや形、そして瞳の位置をよく捉えてくれる。そして、検出された枠がAFに反映されるまでが格段に速い。故に飛翔にも十分対応できる。また、C-AF時も使えるようになったことも、使い勝手の向上に一役買っている。
検出力が向上したことと、AFターゲット枠一つ一つの面積が小さくなったことで、AFターゲットを広くしたままでも、障害物を自動で避けられるようになった。そのため、多くの場合でオールターゲットないし広めの枠を選択したまま、鳥を画面にさえおさめればよい、ということになる。
従来であれば、筆者は止まっている鳥の撮影ではシングルAF(S-AF)と小さなターゲット、動いている鳥に対してはコンテニュアスAF(C-AF)と広めのグループターゲットを使い、都度切り替えていたのだが、上記のような使い勝手の向上で、AF設定を変える頻度が格段に減った。
ツグミ
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14
■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/250 絞り優先 焦点距離420mm(35mm判換算:840mm相当) 静音連写L C-AF / AI被写体認識AF(鳥) 手持ち撮影
上は、夕方に太陽が入る画角で撮影したツグミ。足元が枯れ葉だったので、撮影位置を変えるために動くと、音で驚いてしまう恐れがあった。そのままの位置から、手持ち撮影で太陽の入り方を微調整して撮影した。
そして、こちらが撮影中のファインダーのキャプチャ映像から切り抜いた一コマ。注目して欲しいのは、
・オールターゲット・C-AFでフォーカスしている点
・背景に太陽が入るいじわるな条件でも、フォーカスが背景に抜けていない点
・鳥の体と瞳のサイズ・位置を検出しており、枝葉にフォーカスが迷わない点
そして、このキャプチャからはわからないが、上記の一連が非常に素早く、一瞬のうちに完結している点だ。
なお、初期設定では鳥の体と、瞳の2つの枠が表示されるが、瞳の方は非表示にすることも可能。使ううちに、カメラに任せて良いことに気がつくので、いずれ非表示にして問題ないだろう。
カシラダカ
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/400 絞り優先 焦点距離500mm(35mm判換算:1000mm相当) 静音連写L C-AF / AI被写体認識AF(鳥) 手持ち撮影
また、このように鳥の全身が見えていない場合や、背景に紛れそうな色調でも、「瞳」を見つけてフォーカスしてくれるので安心だ。その際、特段AFターゲットのエリアを狭める必要もないので、ちょこまかと動き回る小鳥にも容易に対応できる。
ファインダーのキャプチャ。藪から顔を出したアオジをファインダーで捉えると、周りの草木と鳥をしっかりと見分けて合焦した。これくらいの距離だと、「瞳」ではなく「頭」を検出しフォーカスする。
OM-1×飛翔撮影
AI被写体認識AFは、飛翔撮影でも有効だ。
こちらは、チョウゲンボウの飛翔を撮影中のファインダーの一コマ。瞳(頭)の検出枠以外、全ての表示をONにしているので、たくさんのパラメータ・アイコンが表示されている。鳥の羽ばたきに合わせて、絶えず白枠の大きさが変わるのだが、シーンによってはやや目障りに感じるかもしれない。その分、しっかりと鳥の動きを捉えているということではあるのだが。
オナガガモ
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F4.5 1/2000 絞り優先 焦点距離400mm(35mm判換算:800mm相当) SH2連写 C-AF / AI被写体認識AF(鳥) 手持ち撮影
目の前を飛ぶオナガガモを追い写した。一瞬だが、翼でも体でもなく、ばっちりと眼に合焦していることに注目して欲しい。上のツグミやカシラダカの作例と同じAF設定のまま撮影した。これだけ異なるシーンを、AF設定の切り替えなく撮影できるのは本当に便利だ。
ハマシギ
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 400 F4.5 1/3200 マニュアル 焦点距離400mm(35mm判換算:800mm相当) SH2連写 C-AF / AI被写体認識AF(鳥) 手持ち撮影
こちらは白昼のギラギラした光線の中、波打ち際に降り立つハマシギ。従来であれば背景に合焦しそうな状況だが、問題なく鳥にフォーカスしてくれた。
飛翔撮影時の利便性においては、ファインダーや連写機能の進化も無縁ではない。ファインダー解像度は新たに576万ドットへと増強され、これはOM-D E-M1Xの2.4倍の画素数にあたる。フレームレート向上、表示遅延の改善も相まって、素早い鳥の動きも鮮やか、滑らかな像で追えるようになった。
そして、連写機能の新たなトピックとしては、「SH連写」の搭載がある。いわゆるブラックアウトフリー連写だ。連写中もファインダー像が途切れないので、急な旋回も見逃さなくなる。このとき、AF/AE追従で50コマ/秒または25コマ/秒の超高速連写(SH2連写)が可能だ。なお、AF/AE固定時には連写速度は最大120コマ/秒まで選択可能になる(SH1連写)。プロキャプチャーモードも同様で、AF/AE追従時は最大50コマ/秒、固定時は120コマ/秒まで選択可能。上記はいずれも電子シャッターを使用する連写機能だが、OM-1は従来見られたような、ローリングシャッター現象に由来する被写体の歪みが最小限に抑えられている。
実際、これまで背景や鳥の動きの速さによって電子・メカシャッターを頻繁に切り替えていた筆者も、OM-1を使い始めてからは全ての撮影を電子シャッターでこなすようになった。電子シャッターはカメラの耐久性にも貢献するし、鳥が嫌う破裂音も出ない。安心して使えるようになったことを歓迎している。
画質の進化を実感
結論から言えば、OM-1の画質は素晴らしいと思う。従来機よりさらに高い次元で、M.ZUIKOレンズの解像力を、OM-1の優れたAFと画質が引き出してくれている。高感度域については後述するとして、実はOM-1の画質の進化をもっとも実感しているのは、ISO200から2000あたりの、日常的に使う域。解像度、諧調の再現、きめ細やかさなど大きく変わっていて、つい、細部を拡大してみたくなる。従来機と画素数が変わらないことを忘れてしまうほどだ。作例については、他の項目で紹介したものを参照されたい。
オオハクチョウ
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:ISO 6400 F2.8 1/640 マニュアル 焦点距離125mm(35mm判換算:250mm相当) SH2連写 C-AF / AI被写体認識AF(鳥) 手持ち撮影
高感度については、従来のE-M1 MarkIIIから2段ほどの画質向上を感じる。野鳥撮影においては、高感度が使えるということは、撮影可能時間帯を広げることとイコール。上のオオハクチョウは、日没後にねぐらに戻るシーン。空が美しいながらも暗い条件だが、思い切って高感度に振って撮影してみた。美しいグラデーションが表現できていると感じるが、いかがだろうか。
アオジ
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
■撮影環境:ISO 5000 F6.3 1/1250 絞り優先 焦点距離400mm(35mm判換算:800mm相当) 静音連写 C-AF / AI被写体認識AF(鳥) 手持ち撮影
また、PROレンズ群との相性がいいのはもちろんなのだが、ISO感度にして1から2段分、画質が良くなったことや、ディティールが立つ絵作りになったこともあり、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISとの組み合わせで撮れる絵もよくなっている。上のアオジは、暗い雨の日に撮影したもの。地面に落ちた種子を探し、絶えず動いている鳥なので、思い切ってISO感度を上げ、被写体ブレを抑えた。軽快な撮影を楽しみたいユーザーにとって朗報だ。
なお、執筆時点ではまだ試せていないのだが、純正現像ソフト OLYMPUS Workspaceのアップデートにより、AIを使用した高感度画像データのノイズ軽減処理が可能になるとのこと。こちらも楽しみだ。
コンピューテーショナルフォトが広げる表現
コンピューテーショナルフォトとは、デジタルな処理によって写真表現を広げる機能のことで、深度合成、ハイレゾショット、そしてライブNDがそれに当たる。いずれも、OM-Dの頃からあった機能ではあるのだが、OM-1では新エンジンが搭載されたことで、処理速度が上がるなど機能が拡張されている。
ここでは、早速使う機会のあったライブNDを紹介したい。早春の川沿いを散策していると、岩の上で休むカワガラスの姿があった。カワガラスは茶色い鳥で、水の流れも全体に暗い状況。そのままシャッターを切ったのでは、カワガラスが映えない。そこで、水面をスローシャッターで流し、背景に白味を足すことを思いついた。そこで使用したのがライブND。従来はND32相当、すなわち5段分の効果までが使用可能だったが、OM-1ではND64相当、6段分もの効果が使えるようになった。
カワガラス
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 100 F11 1/30 シャッター優先 焦点距離400mm(35mm判換算:800mm相当) 静音連写L ライブND64 C-AF / AI被写体認識AF(鳥) 手持ち撮影
撮影できたのがこちら。晴天の日中だが、NDフィルターの効果を得たことで、川面を流して表現することに成功した。
そして、1/30というスローシャッターでも、カメラ単体で最大7段の5軸手ぶれ補正により手持ち撮影ができることも忘れてはいけない。ライブNDと手ぶれ補正の両輪があってこそ、思いついたときにこのような撮影を実行でき、これも機動力のひとつの形と言えよう。
そのほか
カワアイサ
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
■撮影環境:ISO 800 F5.6 1/800 絞り優先 焦点距離500mm(35mm判換算:1000mm相当) 静音連写L C-AF / AI被写体認識AF(鳥) 手持ち撮影
OM-Dの代名詞であった防塵防滴性能は、もちろんOM SYSTEMになっても引き継がれている。いきなり雨が降ってきても、機材の心配なくそのまま撮影を続けることができる。雨具などギアを充実させて、様々な環境下での撮影を楽しんでもらいたい。
ツグミ
■撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + パナソニック LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.
■撮影環境:ISO 1000 F6.3 1/800 絞り優先 焦点距離400mm(35mm判換算:800mm相当) 静音連写L C-AF / AI被写体認識AF(鳥)
もちろん、マイクロフォーサーズ規格のレンズであれば、他社製レンズも装着可能。上の写真はOM-1にパナソニック LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.を装着して撮影したもの。OM-1のAI被写体認識AFは有効だった。連写周りを中心に一部機能が制限される点は注意が必要だが、同規格の望遠レンズをすでに持っているユーザーにとっても、OM-1は魅力的な選択肢となるだろう。
おわりに
いかがだっただろうか。正直なところ、OM-1は進化項目が多すぎて、ここでは示し切れないほど。使い込んでいくうちに、さらに気づくポイントもあるはず。筆者の立場としては、せっかく出会えた鳥たちだから、綺麗に、そして思い通りに写せたら嬉しい。そんな喜びを、快適に実現してくれるOM-1。あらゆる層のニーズに応えること間違いなしだ。
■写真家:菅原貴徳
1990年、東京都生まれ。幼い頃から生き物に興味を持ち、海洋学や鳥の生態を学んだ後、写真家に。野鳥への接し方を学ぶ講座を開くほか、鳥が暮らす景色を探して、国内外を旅するのがライフワーク。著書に最新刊『図解でわかる野鳥撮影入門』 (玄光社)ほか、『SNAP!BIRDS!』(日本写真企画)などがある。日本自然科学写真協会会員。
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この記事に使用した機材
【OM SYSTEM】OM-1
商品詳細ページ 【OM SYSTEM】M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
商品詳細ページ 【OM SYSTEM】M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
商品詳細ページ 【パナソニック】LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.
商品詳細ページ 【OM SYSTEM】M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
商品詳細ページ 【OM SYSTEM】M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
商品詳細ページ 【OM SYSTEM】1.4倍テレコンバーター MC-14
商品詳細ページ
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写真家の菅原貴徳さんが野鳥撮影においてのOM SYSTEM OM-1の製品レビューを行っています。多岐にわたる本製品の魅力を作例と共にご覧ください。
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 春の花の撮り方 × 北村佑介
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CATEGORY: 北村佑介
DATE: 02/21/2022 18:00:00
TAGS: 花
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BODY:
はじめに
こんにちは!北村です。
お久し振りとなりましたが、春の花の撮り方を紹介させていただきます!
今回は春の始まりから終わりまで、ぎゅっと一つの記事にまとめました。ボリューミーな内容となっておりますが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。
スノードロップ
■撮影機材:ソニー α7 III + キヤノン EF135mm f/2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/2000秒
花壇に咲くスノードロップ。
咲き始めなので形がとても可愛らしいです!スノードロップのように、閉じている時と開いている時で印象が全く異なる花は、どの開花具合の時に撮りたいかをしっかりとイメージしておくことが大切です。これは開き始めて少し経過した時期を狙いました。これよりも閉じていると自分がイメージしているものよりもボリューム不足。これよりも開いていると丸みがなくなり、可愛らしさが少し損なわれてしまうので、丁度良いイメージ通りの花が咲いていてくれて良かったです。咲いているかどうかだけでなく、開き具合のことまで考えて撮影するのは少し大変ですが、そこまでこだわるとよりイメージしている一枚に近付けることでしょう。また、春の花は夕暮れが近付くと閉じてしまうものもあるので、開いている花を撮る際は時間帯にも注意しましょう。
気を付けることばかりで大変ですよね…。
フォルムのクロッカス
■撮影機材:ソニー α7 III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/3200秒
美しい色とフォルムのクロッカス。
昼過ぎのまだ陽が高い時間帯に逆光で撮ったので、花にはっきりとした明暗差が付いています。このような場合は、あまりハイキーにしない方が綺麗な仕上がりとなることが多いです。花の中に明るい部分と暗い部分が混在している時、暗い部分の色がはっきりと見えるまで明るくすると、明るい部分は色がほとんどなくなってしまいます。花の写真=ハイキーのイメージをお持ちの方も多いと思いますが、「ハイキーにできるシチュエーションかどうか」をよく考えることが大切です。実はハイキーにできるシチュエーションというのは、そう多くはありません。
また、花に明暗差が付くことを嫌う方がいるかもしれませんが、立体感が増す、光がどの方角から射しているか等のシチュエーションをも映し出せる、といった効果も生み出せます。そのようなイメージで撮影したい時は、明暗差が付いた花を撮ると良いかもしれません。
安行桜
■撮影機材:ソニー α7 III + キヤノン EF135mm f/2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/3200秒
安行桜という種類の桜です。
昼間は花を眺める人々で賑わっていますが、日の出直前の早朝は静寂に包まれていました。日の出前なので暗い中の撮影でしたが、どこにも光が当たっておらず、明暗差がない状態なのでとても花の色を出しやすいです。露光量を上げるだけで綺麗に花の色が浮かんできました。暗かったのでISOは少し上げ、シャッタースピードは基準としている値より下げて撮影しました。ホワイトバランスは手動でケルビンの値を上げました。この写真の大きなポイントは前ボケです。手前に咲いていた桜を前ボケに用い、空や枝をなるべく隠すようにしました。そのおかげで桜のピンクの面積が増え、満開の様子をうまく伝えることができました。
ソメイヨシノ
■撮影機材:ソニー α7 III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/3200秒
近所の公園でソメイヨシノが満開でした。
まだ少し陽が高い時間帯だったので色の薄い花を逆光で撮るのは簡単ではありませんでしたが、イメージ通りに撮ることができました。一番のメインとなる右の花びらは日陰の中に位置する瞬間に撮りました。そのため、日中に逆光で撮り、ハイキーにしても色がしっかりと残っています。
先程の写真と同じく、この写真も前ボケが大きなポイントとなっています。主役の上下左右を前ボケでできるだけ覆いました。この前ボケがないと、枝や主役以外の花が目立ってしまったことでしょう。桜をはじめとした木の花は高い位置に咲いていることも多く、前ボケを作るのが簡単ではありません。ただ、満開時に撮影すればその分前ボケに使える花も増えます。桜の満開時期は短いですが、その時期をしっかりと見極めることが何よりも大切かもしれません。
チューリップ
■撮影機材:ソニー α7 III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/3200秒
一際目立っていたチューリップ。
花壇の中で色々な花が咲いていたのですが、他の花よりも高さで目立っていただけでなく、色でも目立っていたので主役感が抜群でした。手前は黄色の花が咲き乱れていましたが、レンズをしっかりと近付け、前ボケとして使いました。このようなシチュエーションでは、ある程度の焦点距離があるレンズであれば前ボケが作れますが、ここまでの柔らかい前ボケは中望遠の単焦点レンズのおかげです。この前ボケのおかげで柔らかさやチューリップの主役感が増しています。
ネモフィラ
■撮影機材:ソニー α7 III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/1250秒
青一色に染まったネモフィラ畑。
その中でイメージ通りの花があったので撮影しました。空に向かって真っ直ぐ咲く凛とした姿がとても気に入っています。背景となるエリアも同じ花なので、何も考えずに撮ると主役の花が背景の青に埋もれてしまいます。花と背景で、少しでも色の濃淡差があるエリアや光の明暗差があるエリアを選ぶと良いでしょう。よく見ると、同じ花でも色の濃さというのは結構異なりますし、時間帯によっては比較的簡単に明暗差があるエリアを見つけられます。また、高さがある花を選ぶとその分後ろの花との距離も取ることができます。距離を取ることができると、後ろの花が綺麗にぼけ、主役の花がより一層際立ちます。
ポピー
■撮影機材:ソニー α7 III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/1250秒
早朝、朝露を纏ったポピーがぽつんと咲いていました。
少し先も見えないくらいのとても濃い霧が発生したのでそれを生かし、背景を白としました。そのおかげでポピーの綺麗な色が一層目立つようになりました。背景にはこれといって見せたいものや色はなかったので、霧がなかったらこの写真は撮っていなかったかもしれません。前ボケや後ろボケは、主役よりも色が薄いエリアを選ぶと主役の花の色が際立つことが多いです。なので霧というのは花の写真を撮るには好条件だと思います。霧が出るタイミングに花を撮るというのはそうあることではないと思いますが、白の背景で撮影できるシチュエーションというのは限られているので、タイミングが合った際は是非撮影してみてください。
わたげ
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1(キヤノン用)
■撮影環境:絞り優先・90mm・F2.8・ISO500・1/125秒
綺麗なまんまるのわたげ。その中の一本をクローズアップして撮りました。いつも撮る花と比べて非常に小さな被写体なのでマクロレンズを使用しました。マクロレンズを用いて外で花を撮る際、勿論ご自身が使い易い画角のもので問題ありませんが、やはり個人的には焦点距離が長めのものをおすすめします。焦点距離が長いと背景の整理が楽になります。マクロレンズで撮影する際は、背景が地面となったり後ろにある葉や茎が写ったり、ごちゃごちゃとすることが多いです。焦点距離の長さが助けとなってくれる場面も多いでしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
皆さんが待ちに待った花の季節がいよいよ訪れます。筆者も勿論楽しみです!
最後までご覧いただきましてありがとうございました!
また次回の記事を楽しみにしていただけると幸いです
■写真家:北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
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EXCERPT:
写真家の北村祐介さんが春の花の撮り方を紹介しています。春の始まりから終わりまでに咲く花の撮り方をまとめた記事になります。
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: パナソニック LUMIX GH6が登場!|商品企画担当者へのインタビューから魅力を紹介
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 02/22/2022 14:01:59
TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX GH6,インタビュー,ミラーレスカメラ,マイクロフォーサーズ
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はじめに
本日、パナソニックからマイクロフォーサーズミラーレス一眼カメラのLUMIX GH6を、2022年3月25日(金)に発売するとアナウンスがありました。開発発表されてから9か月が経過し、本製品の正式発表を待ち遠しく過ごされた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそのLUMIX GH6の魅力や進化について、パナソニック株式会社 商品企画担当の中西智紀(なかにしともき)氏にインタビューしましたので是非ご覧ください。
概要
―どんな方におすすめのカメラですか
独自の表現を追究したいクリエイターにおすすめのカメラです。特にマイクロフォーサーズシステムの個性豊かなレンズ群を活かしつつ、従来とは異なる新たな表現にチャレンジしたいGHユーザーの方におすすめします。
―GH5S、GH5IIからの進化・変更点、基本的な動画性能について教えてください
エンジンとイメージセンサーが一新されており、基本的な描写性能が大きく向上しています。S1H比では2倍の演算性能を誇りS/Nに優れたエンジンと、GHシリーズで最高解像度となる25.2Mのセンサーを組み合わさることで、従来得られなかった解像感を実現しています。動画記録モードはフルサイズフラッグシップモデルのS1Hよりも大幅に拡張され、5.7K60pやC4K120pなどの高解像高速撮影や、最大1.9Gbpsの動画記録が可能になっています。
―フルサイズのDC-S5やS1Hとの住み分けポイントを教えてください
フルサイズセンサーの豊かな描写を得たい方や高感度性能を得たい方にはS1HやS5がおススメだと思います。特にS1Hはシネマカメラなどに慣れた業務用途のシーンにおいても使いやすいよう様々な設計上の配慮が施されています。S5はフルサイズならではの描写を得られる機種としては比較的小型軽量の機種となりますが、小型化にあたって犠牲としているプロフェッショナル性能も一部ありますので、結果として多くの性能においてフラッグシップモデルであるGH6が上回ります。
圧倒的に多彩な動画記録モードはもちろんのこと、AF性能、手ブレ補正、ファインダー、モニター機構、端子など、様々な側面でGH6の性能が上回りますので、プロで映像制作に携わる方や、仮に趣味でも少し踏み込んだ先進的な表現に興味がある方にはGH6がおすすめできます。
―今まで静止画メインでマイクロフォーサーズを使用されてきたユーザーに対するおススメポイントはありますか
何よりも、“描写”については、静止画/動画問わず今回お勧めです。今までにない解像感やS/Nの良さをご体感いただけると思います。通常の約2520万画素の描写はもちろん、1億画素のハイレゾは今回から新たに手持ち撮影に対応しており、より手軽にハイレゾ表現をお楽しみいただくことも可能です。また、全体的にエンジン性能向上によるサクサク感をご体感いただけると思います。
―液晶モニターまわりの撮影性能について教えてください
チルトフリーアングルモニターはチルト派にもフリーアングル派にもおすすめです。高輝度液晶を採用しているので屋外での視認性も高いです。
―凄くお求めやすい価格になっていると思うのですが、価格付けに関する狙いはありますか
手の届かないフラッグシップでは無く、手の届きやすいフラッグシップを提供し、もう一度マイクロフォーサーズファンを盛り上げたい狙いがあります。ボディ性能の進化により、お持ちのレンズの描写ももう一度楽しみなおすことができると思います。今回は特に、“予約購入”キャンペーンを実施しており、ボディで2万円、キットで3万円のキャッシュバック、それに加えて、128GBのCFexpressカードプレゼントも実施します。長らくお待ちいただいたGHファン、マイクロフォーサーズファンの方に喜んでいただければと思い、かなり踏み込んだキャンペーンとさせていただきました。
新開発のセンサーと画像処理エンジンについて
―画づくりでの拘ったポイントと進化ポイントがあれば教えてください
1画素あたりの受光面積が小さくなる高解像機でありながら、従来よりもS/Nを良化させ、ダイナミックレンジを向上させている点がこだわりのポイントです。マイクロフォーサーズ機として従来の常識を覆す方向性の進化だと思っています。画づくりについては、特にG9の登場以降、一貫した思想の元に作ってきていますが、素性の描写性能が大幅に向上したことで、また新たな雰囲気をお楽しみいただけると思います。
―処理速度はどのくらい高速化され、どのような機能に影響を与えていますか
フルサイズフラッグシップ機であるS1Hと比較して2倍の高速処理が可能です。そのエンジンをそれよりも低単価のマイクロフォーサーズ機に載せることはある意味では価格破壊的な行為だと思っています。画質の向上はもちろん、AFの被写体検出速度も前機種比で3倍ほどに向上しております。
―ダイナミックレンジブーストの優位ポイントはどんなポイントでしょうか
マイクロフォーサーズの高解像度機でありながら、V-Log撮影時に13+ストップのダイナミックレンジを得ることが可能なところです。これは、GH5IIやGH5SよりもむしろS1HやS5に近いレベルのダイナミックレンジとなります。
プロフェッショナル動画性能
―今回一新された動画記録モードについて従来モデルとの進化ポイントを教えてください
まず、高速性能が大きく向上しています。Over4Kで当社初の60fps撮影を実現(5.7K60p)しました。また、C4Kでは120fps撮影、FHDでは最大300fpsからのスロー生成(VFR)が可能です。従来のVFRと異なり、今回スローモーション撮影も10bit対応しているため、グレーディング耐性も大きく向上しています。ALL-Intra撮影のビットレートは従来の上限値だった400Mbpsから800Mbpsに向上。Apple ProRes時には最大1.9Gbpsでの撮影も可能となっています。
―LUMIXシリーズで定評のある放熱性能ですがGH6はいかがでしょうか
C4K60p422 10bit以下の撮影においては40℃以下の温度環境において、バッテリー・メディアの続く限り無制限記録が可能です。Over4Kやハイスピード撮影時には若干熱の発生が増えますが、それでも短時間で記録停止することはありませんので、同温度条件で長時間撮影が可能です。
―Apple ProRes導入の狙いはどんなポイントですか
広告撮影でポスプロにデータを渡す際に、ProRes納品を求められる場合、従来は外部レコーダーでProRes記録するか、MOV記録後に一度フォーマット変換することが必要でした。まずはその手間を簡略化することで、ProResベースのポスプロへの対応を容易にできます。
また、必ずしもProResでの納品を必要とせず、撮影者自らが編集を行う際にも、ProResのように低圧縮の記録モードの場合、PC上でのデコード負荷が軽いこともあり、出先でノートPC等で編集する際も比較的軽快な動作が期待できると考えました。
―特に動画撮影時に気になるウォブリングについてのメーカーとしての対策はされていますか
今回、新たにウォブリングを重点的に抑制するアルゴリズムを導入したAF方式を採用しています。それ以外にも、被写体への追従性や、背景抜け、光源など、コントラストAFにおいて従来弱点とされてきたような領域を重点的に対策していますので、有意に性能向上を認識いただけると思います。
―動画に強いフルサイズモデルが増える中、マイクロフォーサーズでのハイエンド動画モデルを出し続ける理由はありますか
レンズ資産が安価に形成できるため、通り一遍のレンズ以外に個性的なレンズも思い切って購入しやすいことがクリエイターにとってのマイクロフォーサーズの存在意義だと思います。また、同じ予算で機材をそろえる時に、カメラ本体やレンズ本体への投資が抑制できるということは、音声、照明、三脚、フィルターなど、その他の周辺機材に積極的に投資しやすくなるとも言い換えられます。ここ数年間、マイクロフォーサーズ機のボディ性能の向上に不満を持たれていた方にとっても、今回のGH6は自信をもってお届けできる、まさにフラッグシップ性能のモデルです。
―高画質な動画の内部記録と外部出力が同時に出来るメリットを教えてください
用途によって使い分けていただけることがメリットです。もちろん、外部レコーダーで収録する場合もあると思いますが、足場の悪い環境や移動が多い撮影の際など、より機動力が必要な撮影の際に、一眼カメラの機動性が低下してしまうのは事実です。内部収録の性能向上は、カメラ単体で持ち運んで撮れる映像のクオリティが上がることを意味します。もちろん、同時に内部と外部で記録することで、プロキシ的にデータを取り扱うこともできますし、バックアップ的に取り扱うことも可能だと思います。
―内蔵マイク・外部マイクでの24bit記録に対応した事での4ch音声収録で得られるメリットを教えてください
4ch撮れれば、純粋に4人までの出演者のピンマイクを、オンカメラで収録可能です。それ以外にも、2chのピンマイク+アンビエントなどの使い分けや、2ch+2chでバックアップデータを作っておくなど、様々なシーンで活躍すると思います。それらが全て24bitで撮れることにより、品位の差が少ない記録が可能ですし、何らかのノイズが入り込んだ際にも編集が容易です。
AF・連続撮影・手振れ補正について
―コントラストAF方式を引き続き採用されていますが、メーカーとして考える課題やGH6での進化ポイントはありますか
上記にもある通り、コントラストAFの弱点については今回重点的なアルゴリズム対策を施しています。エンジンの演算速度の向上と合わせて、是非性能向上を御確認いただけると嬉しいです。また、今回から測距点数は315点に増え、認識AFもその他のAFモードと掛け合わせて使えるようになっています。例えば、ダイナミックに動きながらジンバルなどで人物を撮影する際には、フルエリア×人物認識AF(顔・瞳+人体)が便利だと思いますし、メイン被写体以外に多くの人物が画面内に収まる場合は、ゾーン×顔・瞳認識(人体OFF)などが便利です。
それ以外に、“フォーカスリミッター”と言って、AFの効く距離に制約を付けてから撮影することも可能です。手前の範囲に限定することで、被写体を追っかけて撮影する際などに背景抜けを抑制したり、奥の範囲に限定することで動物園で檻にピンがいってしまうことを抑制することも可能です。
―手ブレ補正は強化されていますか
新開発のジャイロセンサーを採用し、5軸7.5段のボディ内手ブレ補正を実現しました。これにより、電子接点のないレンズなどを使う際にもボディ内で強力な補正を使うことが可能です。また、Dual.I.S.2では、換算280mmまでの撮影で7.5段分の補正効果が得られますので、中望遠領域でも強力に補正されます。もちろん、強力に高周波の揺れを抑制するだけでなく、低周波の動きをなめらかに補正する動画用アルゴリズムもS1H以降踏襲されており、当社の強みになっています。また、手ブレ補正機構を活かし、ハイレゾ撮影において当社として初めて手持ちモードを採用。手持ちで1億画素のハイレゾ写真が撮影可能です。
その他の特長
―従来のモデルのバッテリーが使用出来ると聞きました
はい、BLF19というGH5やGH4の同梱バッテリーもお使いいただけます。ただし、4Kを超える解像度やハイスピード撮影時など、一部の電力負荷の大きいモードではご使用いただけないので、その際にはアラート表示が出るようになっています。そのため、100%互換というわけではありませんが、同梱バッテリー同様、USB充電していただくこともできますので、もしもの時のために忍ばせておいていただくと心強いかもしれません。
―外部接続でのカメラ操作は対応されていますか
はい、LUMIX Tetherのアプリに対応致します。
―メモリーカードに新たにCFexpressを採用した理由を教えてください
SDカードとして最も高速なV90の保証上限値(720Mbps)を超える記録モードを実装し、物理的にSDカードで記録ができなくなったためです。ただし、600Mbps以下のモードにおいてはCFexpressとSDでのDual RECを可能としています。
今後のファームアップについて
時期は未定ですが、C4K120pの動画RAWデータ出力や、4K120pHDMI出力、ProResの対応モード拡充、USB SSDへのダイレクト記録など、様々な機能強化ファームアップを実施予定です。
LUMIX GH6の記事はこちらでもご覧いただけます
■パナソニック LUMIX GH6 開発発表を受けて、期待する進化について語る|Osamu Hasegawa
https://shasha.kitamura.jp/article/482919488.html
ご予約受付中!(キャッシュバック実施中)
只今ご予約を受け付け中です。メーカー予約購入特典として、ボディ2万円、レンズキット3万円のキャッシュバックとCFexpressカード128GBプレゼントのキャンペーンを実施しています。詳しくはこちら からご覧ください。
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EXCERPT:
パナソニック LUMIX GH6の性能や特長について、同社 商品企画の中西智紀氏にインタビューを行い説明頂きましたので是非ご覧ください。
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KEYWORDS:
パナソニック,LUMIX GH6,インタビュー,マイクロフォーサーズ
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AUTHOR:
TITLE: 究極のマルチロールカメラ?|Nikon Z 9 レビュー
BASENAME: 485631534.html
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CATEGORY: 林
DATE: 02/23/2022 11:00:00
TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z 9,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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はじめに
皆様こんにちは。bird and insectの林です。以前からWeb記事やSNS等で何度か使用感などをお伝えしているNikon Z 9ですが、再びお借りしてじっくり使用させていただける機会に恵まれました。足掛け1ヶ月程度使用して手に馴染んできた感のあるZ 9、改めてレビューしていきます!
■今回お借りしたセット
・Nikon Z 9
・NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
・NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
・Z TELECONVERTER TC-2.0x
極端な広角と望遠が使いたい!と無理を言ってリクエストさせて頂きました。結果的には望遠が楽しくてほぼ望遠で撮るという…
Nikon Z 9という機種
Nikon Z 9はニコンの最新鋭フラッグシップミラーレスカメラで、言うなれば「全部入り」の機種になります。昨年末に非常に話題になったカメラで、基本性能などは調査済の方が多いかと思います。初めてニコンと打合せをさせていただいたとき、あまりにも多くの機能が進化していて「これはニコンさん本気だな…」と思った記憶があります。
D6やZ 7IIと比較してたくさんのブラッシュアップされた機能があるのですが、集約すると「最高のAFと連射性能、手ブレ補正に裏打ちされたどんな場面でも撮れるスチールと、8K 30pまたは4K 120pで非常に高画質な内部収録が可能なムービーのマルチロールカメラ」といったところでしょうか。
マルチロールカメラとは、スチールとムービー両方が「実用できる」カメラを指します。スチール中心でムービーも撮れますではなく、逆にムービー中心でスチールも撮れますでもない、両方が同等に扱えるカメラのことです。本機Z 9、まさにマルチロールカメラ。スチール機として、またはムービー機として、どちらか一方の目的のために買うのは非常に勿体ない機種です。
実売で約63万円(税込)。このスペックであれば、この価格だけ聞いてもバーゲンプライスですが、マルチロールと思うとスチール30万円/ムービー30万円。30万円ずつでハイエンドなスチールとムービーの撮影性能が手に入ると思うと、さらに安く感じるのではないでしょうか。と思いましたが、これはなんとか買う理由を探すときに自分が使う言い訳のひとつです。
ムービー性能について
今回はまだまだ世の中に情報があまりないムービーの作例を中心に、より詳細な使用感を見ていきます。作例はNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR SにZ TELECONVERTER TC-2.0xを付け、さらにクロップモードを使用。最大望遠約920mmで撮影しています。さらに全編手持ち、4K120p N-Log 10bit H.265にて収録しています。
従来機であればこれほどの望遠を手持ちで振り回すのは大変骨の折れる撮影ですが、Z 9は超望遠の世界をどう切り取ってくれるでしょうか。
VIDEO
今回は車と鳥という二大動体撮影に挑戦してみました。撮影した車種「スカイライン 370GT」に因んで、大空を飛ぶ鳥が一本の線を描くようなイメージで撮影・編集しております。実は筆者、普段基本的に50mmのレンズしか使用しないため望遠領域での撮影は不慣れです。加えて、鳥の撮影は今回が人生初…果たして映像に使用できるレベルの素材が撮れるのか?と不安いっぱいでしたが、撮影を始めてすぐにその不安は払拭されました。
全ミラーレスカメラ中トップクラスの見やすいファインダーと圧倒的な手ブレ補正性能で、920mm端でも200mmくらいのイメージで構えることが出来ました。加えてAFの信頼感が非常に高く、一発目のピントを外すことがほぼありません。
AF-Cは「非常に高いレベルだが癖はある」という印象。最初から「全部カメラ任せで上手くいくでしょ」と思っていると痛い目を見るかもしれません。被写体によって追従感度や速さを微細にチューニングしてあげれば、バチッとはまるところが見つかる筈です。
以前、「Z 9は使いやすすぎて使いこなす楽しみは皆無」という感想を書いたことがあるのですが、訂正いたします。AFに関してはチューニングすることでより最強のものになります。使いこなす楽しみもあるとは…とZ 9のことがさらに好きになりました。
また、N-Logは多少色が黄色めですが、グレーディングによってかなり深みを出せるLogだと感じています。参考までにグレーディングのbefore/afterです。
VIDEO
何度やってもLogの薄い画が色づいていく様は楽しいですね!いくつかムービーのキャプチャも貼っておきます。
かわいい鳥ついに見つけたー!!とテンション上がったカット。理想的な方向に飛んでくれました。
実は夕方でISO3200で撮影していますが、羽のディテールまで写っていて驚きました。
車の反射が綺麗に出る場所を探して撮影。ギリギリ良い時間に撮れてうれしい。
Logは機種よって「良いLog」と「悪いLog」があり、後者は色が出づらいのですが、N-LogはRAWに近い重みが出せるLogだと感じます。
どうしても飛行機と鳥の同居が撮りたくてひたすら待ちました笑。
空の青も綺麗な出方です。
車に乗りながら発車するときに咄嗟に撮影。動画はこういうインサートカットが役立ちます。
コンテナの無機質さと、意にも介さず飛ぶ鳥。対比が面白いと感じて撮影。
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sのすっきりとした描写が見て取れます。
全体を暗いトーンにしたく、反射でバランスを撮る狙いのカット。思い通りの色が出てくれてN-Logに感謝。
※ボツカット 富士山はとってもいい感じでしたが動画に入れると「いかにも」で垢抜けないのでボツ。
青の出方と雲の雰囲気の再現性はとても良好です。
※ボツカット 当初メインにしたいと思って狙っていたカットですが、道の形状がダイナミックさに欠けボツに。
このようなシチュエーションはLogが苦手とするところ。RAWであればもっと良い色が出るはずです。
ムービーからの切り出しですが、スチールだと言われても遜色ない美しさですね!4K120pのスーパースローでこの画質は素晴らしいと思います。8K30pになるとさらに凄みを増しますし、今後アップデートで8K UHD/60p(12bit)のRAW動画の内部収録が解禁となれば、さらに深みのある色が作れる筈です。どこまで進化していくのか、本当に楽しみです。
スチール性能について
スチールについては素晴らしいレビューがたくさんありますので、今回は軽く触れる程度にしておこうと思います。
言わずもがな、スチールも非常に高い性能を持っています。ニコン特有の素直なRAW(ほぼ全メーカーのカメラを触っていますが、ニコンが一番素直な気がします)で、ハイライトからシャドウまで階調を使い切っても破綻しない粘りのあるRAWです。
左の木々と右の空には思った以上の明るさの差があり緊張するところですが、余裕で階調が保持されていました。ダイナミックレンジは15ストップ近くあるように思います。特にハイライトが強いのはニコンの良いところですね!
■使用機材:Nikon Z 9 + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:F6.3 1/30秒 ISO280 焦点距離24mm
こちらも階調を使い切って思いっきりHDRっぽい仕上げに。車のフロントグリルの奥と上部に少し見えている空、とんでもない光量の差ですがどちらも救えています。恐ろしいまでのダイナミックレンジです。色乗りもとっても良く、パンチのある現像にできるのがとても良い感じです。彩度は下げることは出来ますが上げる方向は破綻するので、元のRAWにどれだけ色が乗っているかはとっても重要です。
■使用機材:Nikon Z 9 + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:F5.6 1/30秒 ISO220 焦点距離24mm
こちらは逆に、ハイライトを残しシャドウは現像で捨ててみました。HDR感は減ってより湿度のある写真になっています。この雲の表現、フルサイズでも安っぽくなりがちなカメラが多い中素晴らしいですね…!
■使用機材:Nikon Z 9 + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:F6.3 1/250秒 ISO72 焦点距離24mm
一転、テレコン+200mmの最望遠まで寄ってみました。Zシリーズのレンズは本当に癖がなく、テレコンがついても全く描写に陰りを見せません。画面全域までクリアで気持ちのよい写りなので、望遠で空気のかすみを越した先の被写体でも山肌の質感が現れています。色味が全く飛ぶ気配を見せない空の描写にも注目です。
■使用機材:Nikon Z 9 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S + Z TC-2.0x
■撮影環境:F6.3 1/250秒 ISO64 焦点距離400mm
最後に最も思い切って階調を捨てたものも。階調が豊富だからこそ、それを捨てる選択肢が面白くなると感じました。富士山の3枚はどれも同じ場所からほぼ同時刻に撮影。構図と階調で色んな表現が出来るのが、写真って面白いなと毎日思います。
■使用機材:Nikon Z 9 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S + Z TC-2.0x
■撮影環境:F6.3 1/250秒 ISO72 焦点距離140mm
今回のスチール作例ですがごめんなさい…全然AF性能を活かしていない…。動画でたくさん使ったので大目に見ていただけると嬉しいです…。
さいごに
スペックは良い作品を生む手助けをしてくれますが、良い作品が必ずしもスペックの高いカメラで撮られているわけではありません。撮影意図・被写体の力・どの時を切り取るか・光・色・構図...その上にようやく現れるのがカメラのスペックであることを自戒しつつ、それでもやっぱり「撮れた」までの最短経路になるのがZ 9だなと感じています。
そして最終的には、カメラ選びの肝は自分のスタイルにしっくり来るかどうかだと思います。写真も動画も多分に身体的な行為なので、カメラが手に馴染むか、目に馴染むか、違和感なく扱えるかという部分が一番大事だと思っています。そこはスペックでは語れない部分であり、可能であればぜひ一度店頭で納得いくまで触ってみてから購入するのをおすすめします。ただこのZ 9、触ったらほぼ買ってしまうと思いますが笑。
※2022年2月23日現在 一部カメラのキタムラ大型店および中古買取センターにて展示中。詳しくは最寄りのカメラのキタムラ 店頭にお問い合わせください。
■フォトグラファー:林
bird and insect COO/Evangelist。リコーにてカメラ設計に従事した後、フォトグラファー/シネマトグラファーとしてbird and insectを立ち上げ。現在は写真・映像に関する感覚を言語化して理論に落とし込むことと、逆に理論を感覚化することが仕事。
この記事に使用した機材
【ニコン】NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
商品詳細ページ 【ニコン】Z テレコンバーター TC-2.0x
商品詳細ページ
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
フォト/シネマトグラファーの林さんによる、ニコン Z 9レビュー記事です。N-Log撮影+カラーグレーディングによる美しい動画は必見。動画・静止画の両方でその性能を解説いただきました。
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KEYWORDS:
ニコン,Nikon,ボディー,Z 9,レビュー,動画
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AUTHOR:
TITLE: キヤノン RF14-35mm F4 L IS USM レビュー|RFユーザー待望の小三元広角ズーム
BASENAME: 485634346.html
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CATEGORY: GOTO_AKI
DATE: 02/24/2022 16:00:00
TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF14-35mm F4 L IS USM,風景,広角ズーム
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BODY:
はじめに
2021年の9月、続々と誕生するキヤノンRFレンズのラインナップに、プロからアマチュア写真家まで待ち望んでいた開放F4の広角ズームレンズ「RF14-35mm F4 L IS USM」が加わりました。開放値がF2.8Lの大三元レンズと比較されることも多いF4Lの小三元レンズですが、使ってみると大三元レンズの低価格バージョンとはいえない「RF14-35mm F4 L IS USM」ならではのメリットが盛りだくさん。レンズの魅力をポイントごとにご紹介していきたいと思います。
デザイン・外観・操作感
まずはレンズの外観です。全長99.8mmと、質量約540gの軽さは、旅行や散歩にも気楽に連れて行きたくなる大きさです。実際の撮影現場では、レンズ交換の際にパーカーのポケットなどにもスッと入れやすく重さで落ちる不安もなかったため、実用的、実践的なサイズといえるでしょう。
ワイド端14mmは超広角の領域といえますが、レンズの前玉が飛び出ているわけではなく、通常のフィルターワークが可能な便利な形状です。フィルター径は「RF24-105mm F4 L IS USM」、「RF70-200mm F4 L IS USM」と同じサイズの77mm。フィルターを共用で使えるので荷物が少なくて済むのもメリットです。
ズームリングを回転させるとワイド端とテレ端では、内筒が少し伸び縮みしますが、飛び出るのは最大でも10mm程度。小型軽量レンズですが、マウント部にはゴムのガスケットがつく仕様で、プロやハイアマチュアの使用に耐える、Lレンズらしい防塵防滴の設計になっています。砂やほこりが入りにくいので、ロケ先でも使い倒せるのがいいですね。コントロールリングやフォーカスリングなどは他のRFレンズ同様、均質で滑らかなちょうど良いトルク感が特徴です。
ズーム全域で高解像度
「RF14-35mm F4 L IS USM」は一眼レフ用の「EF16-35mm F4L IS USM」に比べて、ワイド端が2mm拡大。画角でいえば「7度」も広くなるので、目に見える空間の広がりは別次元です。パースペクティブを強調して、広い空間をダイナミックに切り取るもよし、森や洞窟などの閉ざされた空間、自然風景以外では建築の内観を広く撮るのもレンズの特徴を活かせるシーンです。
こちらの焦点距離は14mm。崖側にレンズを近づけ遠近感を強調した広角らしい一枚。被写体の細部を写し撮るシャープな描写力はLレンズならでは。絞り数値はF11で撮影しました。開放値でも線が詳細に描写されますが、F8~F11に絞るとさらにシャープです。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F11 1/1600秒 ISO400
風景写真では人気のアングル、上空へレンズを向けたカットを撮ってみました。カメラ(EOS R5)のデジタルレンズオプティマイザを「ON」にして、周辺の収差や歪みなどが補正されたカットです。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F4 1/6400秒 ISO400
こちらは焦点距離35mm、絞り値F8で捉えた一枚。海面の波の揺れや雲の立体感など、さりげないシーンもきっちり解像しています。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F8 1/1250秒 ISO400
広角ズームレンズでは歪曲や周辺減光を気にする方も多いですが、キヤノン公式のDigital Photo Professional(DPP)やAdobe Lightroomなどのアプリケーションによる補正で高画質な作品が仕上がるため、実用上は歪曲や周辺減光のことは考えずに撮影して大丈夫です。EOS R5などで、あらかじめカメラの設定をしておくと補正のことも悩まずに済むでしょう。
EOS R5の場合、やり方はカメラのメニュー表示に「レンズ光学補正」の項目がありますので、そこを選択。次に出てくる画面で「周辺光量特性」を「ON」、「デジタルレンズオプティマイザ」を「標準」にしておけば、撮影時点で補正が完了しているので便利です。
下の2枚は同じ場所から、富士山を焦点距離14mmと35mmで撮影した写真になります。
焦点距離14mmで広い空間と湖面を切り取った一枚。12月の18:30頃、絞り開放F4で、満月の逆光で撮影しています。三脚使用で露光時間は20秒。レンズが軽くてセッティングも楽。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F4 20秒 ISO800
焦点距離35mmで富士山、空、湖面を切り取った一枚。こちらは17:20頃の撮影です。ダイナミックな14mmの空間表現と比べても切り取った感じが強くなります。14mmと35mmは数値で感じる以上に幅広い表現が可能です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F8 20秒 ISO400
焦点距離プラス最短撮影距離で表現力アップ
前述でズーム域の広さを感じていただきましたが、ここではズーム域の広さ+撮影撮影距離0.2mを利用して作例を見ていきましょう。
「RF14-35mm F4 L IS USM」の撮影倍率は0.38倍で、マクロまではいきませんが擬似的なマクロ撮影ともいえる迫力のある近接撮影が可能です。この作例では登山道にあった倒木に0.2mの最短撮影距離まで近づき、絞り数値はF4に設定、AFでピントを合わせて背後をボケで描写しています。この作例は焦点距離14mmでの撮影です。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F5.6 1/320秒 ISO400
こちらも最短撮影距離まで岩に近づき、質感を詳細に捉えた一枚です。焦点距離は35mm。背後がボケすぎないようにF5.6に少し絞り、背景の様子が伝わるように撮影しています。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F5.6 1/800秒 ISO400
私の被写体は風景がほとんどですが、「RF14-35mm F4 L IS USM」は、料理やテーブルフォト、建築や子供の撮影など、被写体だけでなくその背後にどのような状況があるのかも同時に伝えやすいレンズです。被写体だけでなく背後の観察も同時に行うと撮影しやすいでしょう。
レンズのレビューでは、どうしてもスペックや画角の情報が優先されますが、写真を豊かにするためにはみなさん自身の体を動かすこともとても大事ですので、最短撮影距離や焦点距離+体を動かすことを少し書かせてください。
14mmで距離を考えずに普通に足元を撮った一枚。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F4 1/3200秒 ISO800
14mmで最短撮影距離0.2mまでカメラとレンズを近づけて撮った一枚。一見、広角域で撮ったとは思えない描写ですね。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F4 1/4000秒 ISO800
同じく14mmで、地面に寝転がり、カメラアングルを変えて奥ゆきをみせた一枚。カタログや数値で見るスペック(この作例では、レンズの焦点距離14mmプラス最短撮影距離)に体の動きを加えるだけで表現の幅が広がります。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F4 1/1250秒 ISO800
レンズやカメラのスペックと特徴が頭に入ったら、是非体も動かしてバリエーション豊かに撮影を楽しみましょう。
強力な手ブレ補正+高速AF
「RF14-35mm F4 L IS USM」はAFも優秀です。上でご覧いただいた作例は「RF14-35mm F4 L IS USM」の超音波モーター「ナノUSM」で、静かに高速にピントを合わせて撮影しています。ナノUSMのAFは静止画では被写体を高速に捉え、動画では滑らかにAFが合う設計です。ほぼ無音でスッと合焦するのが当たり前になってしまうと、もう昔には戻れません。
愛用のカメラEOS R5のEVFでは、暗い場所でも明るさが拡張されて被写体を綺麗にみることが可能です。極端な低輝度や暗がりでない限り、AFの反応もスムース。焦点距離35mmの場合、EOS Rなどではレンズ単体のISで約5.5段、EOS R5ではボディとの協調制御で約7段の手ブレ補正効果が期待できますので、暗い場所や三脚が使えないシーンでは手持ち撮影が便利です。
本栖湖と富士山、早朝の光で撮影。レンズの焦点距離は14mm。千円札の裏側に描かれた富士山の光景と同じ場所で撮影しました。シャッター速度1/25秒で手持ち撮影。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F5.6 1/25秒 ISO400
こちらは焦点距離35mmで撮影した一枚。AFでピントを稜線に合わせ、手ブレ補正をONで手持ち撮影。
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
■撮影環境:F4 1/60秒 ISO400
タイムラプス動画
風が生み出す光景を想像して、タイムラプスで雲や湖面を描写した作例です。EOS R5を三脚に取り付け、タイムラプスの機能を使って撮影しています。この日は満月で明るく、星が見えにくい環境でしたので、雲の動きを重視し焦点距離35mmで空の面積は控えめに捉えています。タイムラプスの撮影時間は1時間30分です。
VIDEO
まとめ
今回は「RF14-35mm F4 L IS USM」の焦点距離や最短撮影距離を中心に、ご紹介させていただきました。軽くて小さいだけでなくLレンズならでは描写力も備わった用途の広い、オールラウンドに活躍するレンズです。広角側に1mm差がある「RF15-35mm F2.8 L IS USM」もラインナップされているので、購入のポイントは開放F値「F2.8」が必須かどうか?といったところでしょうか。海や山など、歩く時間が長い方や、旅行へ持ち歩きたい方などにはこの軽さと小ささを存分に味わってみてください。
■写真家:GOTO AKI
1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。
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EXTENDED BODY:
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EXCERPT:
写真家のGOTO AKIさんによる、キヤノン「RF14-35mm F4 L IS USM」レビュー記事です。14mm始まりの超広角撮影が楽しめる、RFユーザー待望の小三元レンズの写りをぜひご覧ください。
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KEYWORDS:
キヤノン,Canon,広角ズームレンズ,RF14-35mm F4 L IS USM,レビュー,風景
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AUTHOR: 多賀野友輔
TITLE: ソニー α7 IV レビュー|葛原よしひろ
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CATEGORY: 葛原よしひろ
DATE: 02/25/2022 16:00:00
TAGS: ソニー(Sony) ボディー,α7 IV,野鳥,ミラーレスカメラ,フルサイズ
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BODY:
はじめに
今回レビューさせて頂くカメラはソニーのα7 IV。評価が高くロングセラーとなったα7 IIIの後継機として、ソニーが満を持して市場に投入してきた機種になります。
美しい冬の滋賀県高島市にて、越冬の為に飛来するコハクチョウの撮影を中心にα7 IVをレビューしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
α7 IVについて
先ずはα7 IVについて簡単に説明させて頂きます。α7 IVはソニーのフルサイズミラーレス一眼のスタンダードモデルになります。今回、スタンダードモデルのαとしては、初めて有効画素数を約3300万画素にアップしている点が一番大きな進化だと思います。
画素数のアップに伴い映像エンジンもアップグレードされています。α7 IIIに搭載されていたBIONZ Xから、上位機のα1やα7S IIIにも搭載されている最新のBIONZ XRを搭載し、画像処理の速度もクオリティも格段に進歩しています。
その他にもお伝えしたい機能が沢山有りますので、ここからは実際に撮影に使用した印象を踏まえて、作例も見ていただきながらお話させて頂きます。
ファインダー・AF性能について
■使用機材:SONY α7 IV + FE 600mm F4 GM OSS
■撮影環境:ISO800 SS1/1600 F4
実際に撮影を始めてまず思った事は、ファインダーが凄く見易いことでした。α7 IIIは凄く良いカメラなのですがコストを下げる為にファインダーを犠牲にしており、その点は物足りなさを感じていました。一方で、α7 IVは同じスタンダードモデルとして画素数も大幅にアップしているにも関わらず、ファインダーが見やすくピントの山もハッキリ掴めるので嬉しい改善点です。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 600mm F4 GM OSS
■撮影環境:ISO1250 SS1/1600 F4
コハクチョウ達は外敵から身を守るために、夜から朝にかけては湖で就寝しています。そして朝になると起き始め、良い風が吹くのを待って、順番に餌場の畑に飛んで移動するのです。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 600mm F4 GM OSS + 1.4X Teleconverter
■撮影環境:ISO1600 SS1/1600 F5.6
■使用機材:SONY α7 IV + FE 600mm F4 GM OSS + 1.4X Teleconverter
■撮影環境:ISO1600 SS1/1600 F6.3
コハクチョウが湖から飛び立つ時は、まず羽根を使って浮き上がり、そこから忍者のように水面を大きな水かきの有る足で蹴りながら走って、助走をつけてから飛び上がります。この一連の動作が美しく、コハクチョウ撮影の醍醐味の一つだと感じます。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:ISO2500 SS1/1600 F6.3
■使用機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:ISO1600 SS1/1600 F6.3
α7 IVのAF性能は素晴らしく優秀でした。フラッグシップ機のα1と同等の位相差759点、コントラスト425点のAF測距点を有しており、動きの速いコハクチョウが飛び立つシーンの撮影でもコンティニアンスAF-Cを使用するとフォーカスを外すことは少なく、鳥瞳AFモードもかなりの確率でコハクチョウの瞳を捉えてくれました。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:ISO2000 SS1/1600 F6.3
メカシャッター、電子シャッター共にAF/AE連動の最大10コマ/秒の撮影が可能なので、例えば野鳥撮影初心者の方は、連写時はピントや露出に関してはカメラに任せる事で、落ち着いて構図に集中する事が出来ます。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 600mm F4 GM OSS
■撮影環境:ISO800 SS1/1600 F4
私がコハクチョウの群れを撮影する時のポイントの一つですが、まず気の強い子を見つけ、その子を主役にしてマークします。すると大抵の場合、何かリアクションしてくれますので、よりアクティブなシーンの撮影が可能になるのです。そしてアクティブなシーンを逃さないチャンスに強いα7 IVは、こういった撮影では信頼感の有る相棒になってくれます。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter
■撮影環境:ISO200 SS1/800 F6.3
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter
■撮影環境:ISO250 SS1/800 F6.3
湖を飛び立つと餌場の畑に移動するので、飛び立つ瞬間を撮影したら、私も急いで餌場に向かい飛行シーンの撮影に移ります。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter
■撮影環境:ISO200 SS1/800 F6.3
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter
■撮影環境:ISO200 SS1/800 F6.3
野鳥撮影においてカメラ機材に求めるものとして、先程も触れましたAF性能は元より、総合的なレスポンスが何より重要だと思います。その点についても、α7 IVはファインダーの視認性、AFの合焦、シャッターを切っている時の操作性、全てにおいて一連の動作として不満がありません。流れるように撮影出来ますので十二分な性能を持っており、野鳥撮影で求めるレスポンスをクリアしています。
動画性能について
VIDEO
VIDEO
動画撮影に使ってみて、α7 IVは動画に強いαの性能を更に進化と強化されたモデルだと実感しました。ボディ自体のハードウェア、メニュー構成のソフトウェア、その両面から静止画と動画を独立した感覚で構成・設定する事が出来るので、まさにハイブリッドなカメラとして、どちらにも使用したい人には凄く便利に使いやすくなっているのが嬉しいです。
1つ目の動画はFHD60p撮影しています。水面から浮かび上がり飛び立つまでを、α7 IVにFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSを装着して手持ち撮影したので少し揺れていますが、超望遠手持ち撮影として許容できる範疇に収まっており、強力な手ブレ補正機能の恩恵を感じずにはいれません。途中でピントが外れるのですが直ぐに合焦し直してくれたので、動画でもAF機能の優秀さを体感しました。
2つ目の動画も機材は先程と同じα7 IVにFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSのセットですが、調子に乗って4K30pでの手持ち撮影に加えて、途中でズーミングに挑戦してみました。これも許容できる範疇で撮影出来たと思います。本当に手ブレ補正機能の凄さに驚くと同時に、機材自体の軽さのお陰でも有りますので、小型軽量化の部分でも進化を感じます。肝心の動画の内容ですが、この子、悪い子ですよね。でも撮影では悪い子が居てくれる方が盛り上がるのです。
テレコンバーターの挙動確認
■使用機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS + 1.4X Teleconverter
■撮影環境:ISO5000 SS1/1600 F13
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter
■撮影環境:ISO400 SS1/1600 F6.3
今回は野鳥メインのレビューなのでテレコンバーターの使用検証もしてみました。テレコンバーターの動作の良否はレンズ性能に由来する部分が多いイメージですが、特にミラーレス時代ではボディ側の性能や制約を受ける事も多くなりました。
1枚目はα7 IVにFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSと1.4Xのテレコンバーター(SEL14TC)を装着し、焦点距離840mmで撮影。600mmと比べてコハクチョウが一回り大きく見えますので更に迫力が増します。テレコンを装着すると開放値が暗くなりますので、ボディによってはAFが動作しなくなる等の制約が有ったりもするのですが、α7 IVの場合F22まで制約なくAFは可動しますので、殆どの場合影響を受けないと言って良いと思います。実際に撮影時の動作も滑らかで違和感も全くなく、テレコンバーターを装着している事を忘れそうになりました。画質の低下についても気にならないレベルだと思いました。
2枚目はα7 IVにFE 400mm F2.8 GM OSSと2Xのテレコンバーター(SEL20TC)を装着し、焦点距離800mmで撮影。2Xのテレコンバーターでも気になる程の性能低下は感じませんでしたので、積極的にテレコンバーターを使用して良いと思いました。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:ISO800 SS1/1250 F9
■使用機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:ISO640 SS1/1250 F9
餌場の畑に舞い降りると、くちばしで雪を掻き分けて必死に食べ始めるので、普段は美しく真っ白なその体は見る見る泥だらけになってしまいます。しかし、その姿が何ともたくましく生命観に満ち溢れているので私は夢中でシャッターを切ってしまうのです。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:ISO100 SS1/800 F2.8
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter
■撮影環境:ISO320 SS1/1600 F6.3
集中して撮影しているとコハクチョウたちが面白い動作をしてくれる瞬間に出会う事が有ります。その一瞬を逃さずにシャッターを切る事が出来なければ野鳥撮影に向いているカメラとは言えません。その点において、先程からお伝えしている通りレスポンスの良いα7 IVは野鳥撮影の強い味方となるカメラだと思います。
クリエイティブルックや液晶・防塵防滴について
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:ISO160 SS1/1600 F2.8
α7 IVではα7S IIIやα1と同じく、従来のクリエイティブスタイルからクリエイティブルックと名称を変更して、更に機能性を上げた機能が有ります。クリエイティブルックを使いこなすことで、雰囲気や色味だけでなく、シャドーやハイライトのコントロールまで調整して、仕上がりを電子ビューファインダーで確認しながらシャッターを切る事が出来ます。
そのため、撮影者の思い描くイメージを撮影現場で反映させて撮影することが可能となり、表現の幅も広がります。この機能が静止画でも動画でも設定出来るのも凄く良いと思います。この写真は、空の色が綺麗だったので更に際立たせるためにVV2をベースに彩度+2、ハイライト-2、シャドー+1、コントラスト+1で撮影。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:ISO1000 SS1/1600 F13
α7 IVでは背面液晶にバリアングルモニターが搭載されましたので、縦位置構図のローアングル撮影での構図が追い込みやすくなり、この写真のような撮影で雪の上に寝転ばずに撮影することが出来るようになったのは、とても嬉しく感じました。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:ISO100 SS1/80 F10
■使用機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:ISO500 SS1/1600 F6.3
野鳥撮影の合間に風景も撮影してみました。風景撮影でも約3300万画素に画素数がアップされたことで、より鮮明に表現することが出来るようになっており、好印象でした。
■使用機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
■撮影環境:ISO320 SS1/1000 F11
今回は雪のシーンが多く、この写真のように吹き付けるような雪の時間帯も有り、かなり濡れたりもしました。ですが、更に進化した防塵防滴に配慮した設計のお陰で不安も無く、加えて寒い場所での使用にも問題無く耐えてくれましたので、終始安心して撮影することが出来ました。
まとめ
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:ISO125 SS1/1600 F2.8
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter
■撮影環境:ISO400 SS1/1600 F6.3
■使用機材:SONY α7 IV + FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter
■撮影環境:ISO200 SS1/800 F6.3
総合的な感想としては完成度が高く、機能面の進化・レスポンス向上・画素数アップ・画質の向上、どれをとっても大満足なカメラでした。
正直、α7 IVが有れば殆どの撮影で困ることが無いと思いますので、オールマイティに使用する事が可能だと思います。このカメラをスタンダードモデルに位置付けるソニー αシリーズの進化が一番印象に残りました。是非お手に取って実感して下さい。
■写真家:葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザーJPS(日本写真家協会)正会員
α7 IV レビューはこちらの記事でもご覧頂けます
■ソニー α7 IV レビュー|風景写真家 高橋良典
https://shasha.kitamura.jp/article/485344549.html
■ソニー α7 IV レビュー|静止画も動画も撮りたい人に!これからのスタンダードミラーレスカメラ!
https://shasha.kitamura.jp/article/484908191.html
■ソニー α7 IVが登場!|上位モデル撮影性能を継承した新時代Basicモデル
https://shasha.kitamura.jp/article/484754618.html
この記事に使用した機材
【ソニー】FE 400mm F2.8 GM OSS
商品詳細ページ 【ソニー】FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
商品詳細ページ
【ソニー】FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
商品詳細ページ
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EXCERPT:
写真家の葛原よしひろさんによるソニーのミラーレスカメラα7 IVのレビュー記事です。野鳥撮影をテーマにさまざまな作例を撮影いただいています。
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KEYWORDS:
ソニー(Sony) ボディー,α7 IV,レビュー,鳥
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 愛猫の美しい姿を撮るコツ|ペトグラファー小川&湯沢
BASENAME: 485734346.html
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CATEGORY: 小川晃代・湯沢祐介
DATE: 02/26/2022 11:00:00
TAGS: ペット_動物,犬/猫/ペット
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BODY:
はじめに
愛猫をキレイに撮りたいけど可愛さを引き出せない!美しい毛が上手く表現できない!いつも同じ雰囲気の写真ばかりで撮っていてつまらない。というお悩みを良く聞きます。そこで今回はマンネリ化しない愛猫撮影のコツについてお話ししたいと思います。
■撮影機材:ソニーα7R IV +FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:f/1.4 1/400秒 ISO160 露出補正+0.7 焦点距離50mm
明るい窓際でくつろぐ所を背後からこっそり撮影し自然な姿を狙う。(撮影場所:ネコカフェMONTA)
光を感じる写真を撮ろう
きれいな写真を撮る上で明るさはとても重要な要素です。室内撮影での悩みの多くは明るさが足りない事が原因です。壁や天井に囲まれた室内撮影では屋外撮影に比べて明るさの確保が難しくなります。室内で撮影する時はまず第一に明るさを確保する事を意識しましょう。
撮影に適した時間は太陽の光がある昼間の時間帯です。出来れば窓のある部屋で外からの光を取り込んで撮影すると良いでしょう。環境によっても異なりますが、冬は窓から光が差し込む時間がとても短く、夏に比べ太陽の位置が低いため朝の早い時間はあまり光が差し込んできません。太陽の位置が高くなるお昼前後が比較的撮りやすいのでこの時間帯を狙ってみましょう。
ペットを窓辺に誘導したら、外からの光がペットのサイドか斜め後ろからあたるように、ペットの立ち位置を決めましょう。こうする事で写真に立体感が出て光を感じられる写真に仕上がります。ただこのまま撮影すると光が当たっていないペットの顔あたりが暗くなってしまうので、露出をプラス補正にして明るめに撮りましょう。又は白い厚紙をレフ版代わりにし、窓から入り込む光をペットの顔に反射させて明るく撮るのもいいですよ。でも1人でレフ板を当てながら片手でカメラの操作をするのは難しいものです。その場合は猫の足元に白いラグや毛布を敷きましょう。白いラグがレフ版のかわりになり、両手でカメラを操作できるので1人で撮影する場合はこの方法をおすすめします。
またペットの顔の向きも室内の方向を向くのではなく窓側を向くように誘導すると顔に光が当たってなお良いです。
■撮影機材:キヤノンEOS R5 + EF85mm f/1.2L II USM
■撮影環境:f/1.6 1/640秒 ISO500 焦点距離85mm
レースのカーテン越しに降り注ぐ光を生かして撮影。光に照らされた毛の質感がとても美しく表現されています。
窓辺で撮ってみても平面的な写真になってしまうという方がいらっしゃったら、それはきっと外からの光が弱いからだと推測します。外からの光が弱く、室内の人工光の方が強い場合は室内の光量を弱くするのがベストです。しかしこれだと全体的に光量が下がり暗い写真になってしまいます。こんな時私たちはストロボを使っています。窓の外から室内に向かってストロボを発光すると人工的に窓から差し込む光を作り出すことが出来るのです。本格的なストロボがなくても、クリップオンストロボやLEDビデオライトなどでも同じような事ができるのでお手持ちの照明機材を使って試してみてください。
外から光を当てるときはレースのカーテン越しに照らすようにすると自然に見えます。光が上手く被写体に当たっていれば美しい毛並みもしっかり表現出来ますし、難しいとされる黒い子もキレイに撮る事が出来ます。
■撮影機材:キヤノンEOS R5 + EF24-70mm f/2.8L II USM
■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO400 焦点距離45mm
曇りの日に撮影。普通に撮ると写真左の窓が暗く写ってしまいますが、外からストロボを当てる事で光を感じる写真に仕上がりました。
ブレないように撮るには
室内撮影の大敵はブレです。ブレが発生しないようにシャッター速度にも注意しましょう。具体的には止まっている猫の撮影では1/125秒以上のシャッター速度で撮りましょう。もしも動く子であれば1/400秒以上になるようにISO感度を上げて調整してください。ISO感度は上げすぎるとノイズが入って画質が悪くなりますので必要以上に上げないように意識しましょう。ISO感度をなるべく抑えるためにも室内撮影では明るい単焦点レンズを使うと良いでしょう。猫をお部屋で撮影する時のおすすめのレンズは35mmと50mmです。開放値がF1.4やF1.8のレンズがあれば室内撮影で重宝するでしょう。
■撮影機材:ソニーα7R IV + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:f/1.2 1/400秒 ISO125 露出補正+0.7 焦点距離50mm
こちらは50mm単焦点レンズで撮影。美しいぼけ味によって猫が引き立ちました。(撮影場所:ネコカフェMONTA)
色の表現で世界観を作る
室内撮影で次に気を付けたいのが写真の色味です。色味はホワイトバランスやクリエイティブスタイル(カメラメーカーによってフィルムシミュレーション、ピクチャースタイルなど呼び方は様々)で決まります。
ホワイトバランスとは白いものを白く写すための色味の調整です。撮影する場所の光源に合わせて適切な設定をする事で正しい色で撮影する事ができますが、大体の場合はオートホワイトバランスや光源に合わせて電球、蛍光灯、太陽マークなどに合わせればそれほど問題はないです。ただオートでは思うような色にならない場合はマニュアルホワイトバランスや色温度を調整してお好みの色に合わせましょう。見た目通りの色を再現したい、青っぽい幻想的な雰囲気を出したい、赤味を強くして暖かなイメージにしたいなどご自身の表現したい世界観をホワイトバランスで作り出してみましょう。
■撮影機材:ソニーα7R IV + FE 50mm F2.5 G
■撮影環境:f/2.5 1/500秒 ISO1250 焦点距離50mm
爽やかな朝の感じを表現したかったのでホワイトバランスで少し青みを強くして撮影。
そしてもう一つ写真の雰囲気を左右するのがクリエイティブスタイル(フィルムシミュレーション、ピクチャースタイル)です。スタンダード、風景、ポートレート、ニュートラル、モノクロなど沢山の選択肢がありますが、私たちが普段室内撮影で良く使うのは「スタンダート」「ニュートラル」です。
ある程度色味を鮮やかにしっかり出したい時は「スタンダード」、ちょっとレトロな感じで落ち着いた色味にしたいなという時には「ニュートラル」をと使いわけています。さらにもっとこだわりたい時にはこの各項目の詳細設定に進むと、コントラストの強弱や彩度、シャープネスを調整する項目があります。中でもコントラストは使う頻度が高く、例えば1枚の中で明暗差が激しい場合、特に黒い猫が暗くなりすぎてしまう場合などはコントラストをマイナスにしてあげると明暗差が縮まります。またレトロ感を強調したい時は彩度をマイナスにすると色があせている感じを表現出来ます。
RAWデータで撮っていれば現像時にこれらの設定を自由に変える事ができます。後からじっくりと現像したい方や撮影時にどうしても思い通りの色味に設定できない場合はRAWデータも撮っておくといいですよ。写真全体だけでなく部分的に色温度を変えることなどもできるのでこだわりたい方におすすめです。撮って出ししたい方やRAW現像が苦手という方は撮影時にしっかりと設定してから撮影しましょう。
■撮影機材:ソニーα7R IV + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:f/1.3 1/400秒 ISO320 焦点距離50mm
ニュートラルに設定しどこか懐かしくレトロな感じを表現しました。(撮影場所:ネコカフェMONTA)
脱マンネリ写真!
光と色味が整ったらあとは撮影です。でもいつものお部屋でマンネリ化してしまってつまらない、、、という方も多いはず。そんな時は少しだけスタイリングもしてみましょう。凝ったスタイリングだと大変ですが、「背景にするもの」、「床に敷くもの」、「小物」のこの3点があればいつもと違った写真撮りを楽しむ事が出来ます。まずは背景ですが、こちらは猫の背後に写りこむため写真の中で大部分を占める事が多いです。そのためあまりごちゃごちゃしていない方がよりペットを引き立たせる事が出来ます。どのような背景にするかはペットの毛色との統一感で決めたり、季節にあった背景を選ぶのも良いでしょう。私たちの場合、測り売りの壁紙を2~3mくらい買ってきて壁に仮止めして背景とする事が多いのですが、特に購入しなくてもお部屋の壁をそのまま使い、壁にガーランドをつけて脱マンネリをするのも良いですね。次に床になる部分。これはペットの足元として写真に写りこんできます。床もいつもと雰囲気を変えるのなら壁紙を敷くか、ラグやマルチカバー等を敷いて撮るのもおすすめです。
■撮影機材:キヤノンEOS R5 + EF24-70mm f/2.8L II USM
■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO100 焦点距離70mm
ブルーグレーの木目柄の壁紙を背景にして撮影。床には膝掛けを敷いて撮っています。
最後に小物。ペットの横にちょこんと添えると写真のアクセントとなって良いです。私が良く使うのは洋書ですが、開いた洋書の上に猫の手がちょこんと乗るように配置して撮っています。その他落ち着きの無い子には木箱やプレゼントBOX等を使ってその中に入ってもらって撮ると猫の動きが制限出来るのでかわいい写真が短時間で撮影でき、猫の負担を減らす事ができます。
このような形で少しスタイリングするだけでも脱マンネリが出来るので試してみてくださいね。また壁の近くには物が多くて壁が使えない、、、なんて方は、床だけ片付けて俯瞰から撮影してみましょう。この時にカメラ目線を撮れれば猫の見上げる仕草を可愛く撮る事ができますよ。
■撮影機材:キヤノンEOS R5 + EF24-70mm f/2.8L II USM
■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO125 焦点距離50mm
毛布を床に敷いて俯瞰から撮影した1枚。カメラ目線になるように猫じゃらしで誘導しています。
まとめ
室内撮影ではブレに注意しながら、出来れば自然光を使って撮ってあげると立体感のある素敵な写真に仕上がります。お部屋の粗を隠したいなら単焦点レンズがおすすめ。35mmや50mmレンズが使いやすいです。また脱マンネリにはちょっとしたスタイリングを。季節の小物を取り入れてのスタイリング撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。
■写真家:小川晃代・湯沢祐介
ペットやキッズの撮影を得意とする夫婦の「ペトグラファー」。トリマー、ドッグトレーナーの資格を持つ小川と、猫じゃらしを持たせたらピカ一!「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ湯沢の最強コンビで、これまでに撮影した頭数は7万頭以上。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。東京都世田谷区でペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーンSTUDIO」を運営。
関連記事はこちら
■屋外撮影で重要な光と構図を考えよう|人気ペトグラファー夫婦が解説!
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■夏を楽しむ愛犬写真の撮り方|人気ペトグラファー夫婦がご紹介!
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■ナイトズー&夜の水族館写真の楽しみ方|人気ペトグラファー夫婦がご紹介!
https://shasha.kitamura.jp/article/482776839.html
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EXCERPT:
ペトグラファー小川晃代さん、湯沢祐介さんが室内での愛猫撮影のコツについて説明しています。かわいい猫の作例と合わせてご覧ください。
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KEYWORDS:
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: あらまこと さんテスト
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CATEGORY: あらまこと
DATE: 02/28/2022 10:47:48
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テスト
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AUTHOR: 杵渕隆
TITLE: 【セミナー】Leicaプロカメラマンセミナー Vo.4 -斎藤巧一郎 氏-|新宿 北村写真機店&YouTubeライブ!3月12日(土)開催
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CATEGORY: ShaSha編集部
DATE: 02/28/2022 11:00:00
TAGS: セミナー,ライカ(Leica) ボディー
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Leica(ライカ)の魅力をお伝えするセミナーの第4弾
Leica(ライカ)プロカメラマンセミナーは、写真家の斎藤巧一郎 氏を講師としてお招きし、全4回にわたり新宿 北村写真機店6Fライカヴィンテージサロンのコンシェルジュとライカの魅力をお伝えするセミナーです。4回目となる今回は新発売の"M11"のご紹介や、これまでの総集編としてライカM型・SL・Q2の解説をいたします。当日、新宿 北村写真機店にお越し頂けない方はオンライン(YouTubeライブ)でのご視聴も出来ます。
イベント内容
11:00~12:00に開催する第1部と、14:00~15:00に開催する第2部の2部制となっています。1部と2部で紹介する内容は異なりますので片方の部だけでなく、両方の部にご参加することでより一層お楽しみ頂けるセミナーとなっています。第4弾までの集大成のような内容ですが、これまでのセミナーをご覧になっていない方もお楽しみ頂ける内容となっております。
第1部「ライカMボディに高画素は必要か?」
11:00より開催する第1部では「ライカMボディに高画素は必要か?」と題して、2022年1月21日(金)に新発売されたばかりの"M11"について、講師の斎藤巧一郎氏と当店ヴィンテージサロンのコンシェルジュが解説いたします。
第2部「ライカカメラの選び方 M?SL?Q2?」
第2部では、「ライカカメラの選び方 M?SL?Q2?」と題して、M型・SL・Q2といったシリーズごとの特徴や違いを、講師と当店のヴィンテージサロンコンシェルジュがご紹介致します。
【店舗参加者限定】魅力的な特典もご用意しております
斎藤巧一郎 氏に購入前の悩みを相談できる「販売相談会」
15時からお時間が許すまでの間、講師の斎藤巧一郎 氏が当店のスタッフとして、お客さまがご購入前に感じているお悩みをお聞きする販売相談会を開催いたします。第一線で活躍されている斎藤氏へ、ご購入前に感じている悩みを聞けるチャンスです。ぜひご来店下さい。
概要とお申込み
■開催日時:2022年3月12日(土)【第一部】11:00~12:00【第二部】14:00~15:00
※ 15:00~斎藤巧一郎先生によるご購入相談会を開催いたします。
■費用:無料
■場所:店頭参加:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン
オンライン参加:新宿 北村写真機店 公式YouTubeチャンネル
■新宿 北村写真機店の住所:東京都新宿区新宿3丁目26-14(地図 )
■定員:店頭参加は各部15名
■申込方法:
・店舗参加の第一部はこちらから 申込ください。
・店舗参加の第二部はこちらから 申込ください。
・オンライン参加の方は事前申し込みはありませんので時間になりましたら、こちらの新宿 北村写真機店 公式YouTubeチャンネル よりご覧ください。
■申込み期限:2022年3月10日(水)21:00
※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。37.5度以上の発熱、咳など風邪の症状があるお客様はご来店をお控え頂くようお願いいたします。その他、新型コロナウイルス感染症対策の詳細につきましてはこちら をご覧ください。
講師紹介
斎藤巧一郎(Koichiro Saito)
広告写真を中心に撮影業に務める写真家。カメラメーカーの写真教室や専門学校講師など、写真教育にもたずさわる。ファーストライカは、21歳で購入したライカR5。以来ライカを愛用している。ドイツライカ本社へも3度赴き、ライカの一端に触れ、片思いは増すばかり。
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EXCERPT:
今回は新発売の"M11"のご紹介や、これまでの総集編としてライカM型・SL・Q2の解説をいたします。
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