AUTHOR:   TITLE: ShaShaとは BASENAME: about-shasha.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaShaからのお知らせ DATE: 06/01/2019 00:00:00 ----- BODY:
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新しい写真のコンテンツサイト「ShaSha(シャシャ)」

「ShaSha(シャシャ)」は、写(しゃ)真愛好者(しゃ)に、もっと写真を好きになってほしい」をコンセプトに、写真に関する様々な情報を掲載する写真の総合サイトです。注目のカメラ機材や撮影用品、撮影方法の情報に加え、写真プリントやスマートフォンの撮影術、中古商品・フィルムカメラなど幅広く紹介。写真をはじめたばかりの方から、ベテランの方までお役立ていただけます。

カメラのキタムラならではの情報を発信

全国に日本最大級のカメラ・写真の専門店を展開するカメラのキタムラならではのコンテンツとして、全国津々浦々の店舗・従業員から発信する、各地域の観光地や名産物などのコラム記事の展開を今後予定しております。また新たな写真撮影の提案や作例紹介に加え、写真家による特集記事やカメラ関連メーカーとのタイアップ記事なども順次掲載いたします。

「ShaSha(シャシャ)」では、「写真」をキーワードに様々な情報やコラムを順次更新し、コンテンツを追加しつつ、ご覧いただいたお客さまからご支持をいただけるように取り組んでまいります。またキタムラは、「ShaSha(シャシャ)」を通して新しい写真体験を提案し、お客さまの楽しい写真生活をサポートしていきます。

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会社名
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相沢亮Aizawa Ryo

東京を拠点にフォトグラファー、ライターとして活動中。メーカーとのタイアップ記事、企業案件や広告撮影、雑誌への寄稿・執筆等活動の幅を広げている。

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アキラ・タカウエAkira TAKAUE

博士(工学), 一級建築士, 技術士(建設部門)。構造物の専門家の視点から世界の都市景観・土木建築構造物を撮影。

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浅岡省一Asaoka Shoichi

人物や商品等の広告撮影を得意とする傍ら夕景/夜景/雨景とモデルを絡めた作品を撮る。

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あらまことAra Makoto

神奈川県生まれ。関東を拠点に活動。ポートレート、スナップを中心にファッションや広告案件、出張撮影でのウェディング撮影などで活動している。

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A☆50/Akira Igarashi

一瞬を切り撮ることを目的とする瞬撮系航空写真家。

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石川望Ishikawa Nozomu

雑誌編集と共に、企業やブランド、自治体などの制作物を請け負う編集者兼フォトグラファー。

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礒村浩一Isomura Kouichi

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井村淳Imura Jun

「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。

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上田晃司Ueda Koji

米国サンフランシスコに留学し、写真と映像を学び、CMやドキュメンタリーを撮影。帰国後、フォトグラファー、映像作家として活動開始。

写真家 宇佐見健
宇佐見健Usami Ken

1966年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。専門誌出版社、広告代理店を経て独立。

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岡本豊Okamoto Yutaka

ボーイング787に魅了され、活躍の場を本格的に航空機撮影に専心。

写真家 大村祐里子
大村祐里子Omura Yuriko

写真家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、人物撮影をメインとし、雑誌・書籍・Webでの撮影・執筆など、さまざまなジャンルで活動中。

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小川晃代Ogawa Akiyo

トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。

写真家 小川晃代・湯沢祐介
小川晃代・湯沢祐介Ogawa Akiyo・Yuzawa Yusuke

ペットやキッズの撮影を得意とする夫婦の「ペトグラファー」。トリマー、ドッグトレーナーの資格を持つ小川と、猫じゃらしを持たせたらピカ一!「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ湯沢の最強コンビで、これまでに撮影した頭数は7万頭以上。

写真家 尾鷲陽介
尾鷲陽介Owashi Yosuke

1977年北海道生まれ。金沢美術工芸大学でプロダクトデザインを学ぶもデザインより写真の方が人に褒められるという理由でカメラマンになることを決意。

写真家 片岡三果
片岡三果Kataoka Mika

北海道三笠市出身
絵画を描く気持ちで写真を表現する写真画家。

写真家 北村佑介
北村佑介Kitamura Yusuke

出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。

写真家 北山輝泰
北山輝泰Kitayama Teruyasu

東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。天文台インストラクター、天体望遠鏡メーカー勤務を経て、2017年に写真家として独立。

写真家 木村琢磨
木村琢磨Kimura Takuma

岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影している。

写真家 クキモトノリコ
クキモトノリコKukimoto Noriko

海外ひとり旅で欧米・アジア・オセアニアを中心に作品撮りをしている神戸出身・在住の写真家

写真家 葛原よしひろ
葛原よしひろKuzuhara Yoshihiro

ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家

写真家 熊切大輔
熊切大輔Kumakiri Daisuke

東京生まれ。東京工芸大を卒業後、日刊ゲンダイ写真部を経てフリーランスの写真家として独立。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。

写真家 国分真央
国分真央Kokubu Mao

東京都出身/写真家。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に山梨県に移住し関東を中心に活動。

写真家 GOTO AKI
GOTO AKI

1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡り、現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。

写真家 こばやしかをる
こばやしかをるKobayashi Kaworu

デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。

写真家 コハラタケル
コハラタケルKohara Takeru

1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。

写真家 コムロミホ
コムロミホComuromiho

福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。

写真家 斎藤勝則
斎藤勝則Saito Katsunori

神奈川県生まれ 東海大学工学部生産機械工学科卒。 写真家 内田隆章氏に師事。

写真家 齋藤朱門
齋藤朱門Saito Shumon

宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。

写真家 齋藤千歳
齋藤千歳Saito Titoce

カメラ・写真関連の電子書籍「ぼろフォト解決」および「Foton」シリーズの出版者。

写真家 坂井田富三
坂井田富三Sakaida Tomizo

撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。

写真家 坂口正臣
坂口正臣Sakaguchi Masaomi

フォトグラファー/ ビデオグラファー。雑誌の撮影を経て広告写真・建築写真・映像撮影など福岡を拠点に幅広く活動中。

写真家 佐藤俊斗
佐藤俊斗Sato Shunto

1991年生まれ、東京都出身。幼少期から20年間打ち込んできた剣道を辞めてフリーランスとして写真の世界へ。透明感のある人物撮影を得意とし、唯一無二の質感と優れた色彩感覚が評価され、日本国内に留まらず国内外の写真ファンからも支持されている。

写真家 菅原貴徳
菅原貴徳Sugawara Takanori

1990年、東京都生まれ。幼い頃から生き物に興味を持ち、海洋学や鳥の生態を学んだ後、写真家に。野鳥への接し方を学ぶ講座を開くほか、鳥が暮らす景色を探して、国内外を旅するのがライフワーク。

SUMIZOON
SUMIZOON

2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。

久保田夏希
久保田夏希Kubota Natsuki

インスタグラムにてGoPro写真・動画を掲載。

写真家 三田崇博
三田崇博Sanda Takahiro

100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う旅写真家

SAKURAカメラスリング 杉山さくら
杉山さくらSugiyama Sakura

(株)Sakura Sling project 代表取締役社長。サクラスリングブランド創始者。

サクラスリング HP
https://sakurasling.com

ビデオグラファー だいげん
だいげんDAIGEN

日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!

写真家 高桑正義
高桑正義Takakuwa Seigi

大学卒業後、印刷会社入社。アシスタントを経て、フリーフォトグラファーとして独立。現在はBeauty Fashion 広告、雑誌、カタログなどを中心に活動している。撮影からレタッチまでの全てを自身が手掛ける。

写真家 高橋伸哉
高橋伸哉Takahashi Shinya

スナップからポートレートまで幅広く撮影。単著「写真からドラマを生み出すにはどう撮るのか?」などを出版。オンラインサロン「写真喫茶エス」などを運営。

写真家 高橋良典
高橋良典Takahashi Yoshinori

2000年よりフリーの写真家として独立、写真事務所「フォト春日」を設立。

つばさ
つばさTsubasa

大阪府出身、2002年8月11日生まれ(17歳)。高校では写真部に所属しているWebライター。

つばさ
鶴巻育子Tsurumaki Ikuko

1972年、東京生まれ。広告写真、カメラ雑誌の執筆のほか、ワークショップやセミナー開催など幅広く活動。

写真家 テラウチマサト
テラウチマサトTerauchi Masato

1954年、富山市生まれ。ポートレイト、風景、プロダクトから空間まで、独自の表現手法で常に注目を集める写真家。

写真家 富久浩二
富久浩二Tomihisa Koji

日々の通勤風景を主に、いつも見ている変わりばえのない、しかし二度とやって来ない一瞬の情景を大切にし、ちょこっと人が入った物語りのある写真をテーマのもとに、人びとの優しく楽しい感情が伝わる事を目標に日々撮影している。

写真家 中西学
中西学Nakanishi Manabu

日本国内から海外まで、その時の時事を撮影することを専門する。

写真家 中西祐介
中西祐介Nakanishi Yusuke

1979 年東京生まれ 東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。講談社写真部、フォトエージェンシーであるアフロスポーツを経てフリーランスフォトグラファー。夏季オリンピック、冬季オリンピック等スポーツ取材経験多数。

写真家 成澤広幸
成澤広幸Narisawa Hiroyuki

北海道留萌市出身の星空写真家・タイムラプスクリエイター。

写真家 Osamu Hasegawa
Osamu Hasegawa

企画・演出・撮影・編集までを一貫して行い、少人数でコンパクトな機材のポテンシャルを最大限に生かした作品づくりを得意とする映像クリエイター。

写真家 秦達夫
秦達夫Hata Tatsuo

家業を継ぐ為に写真の勉強を始め写真に自分の可能性を感じ写真家を志す。

写真家 林
hayashi

リコーにてカメラ設計に従事した後、フォトグラファー/シネマトグラファーとしてbird and insectを立ち上げる。

写真家 水咲奈々
水咲奈々Misaki Nana

大学卒業後、舞台俳優、写真雑誌編集者を経てフリーの写真家に。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので、撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。

写真家 三井公一
三井公一Mitsui Kouichi

新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。

写真家 虫上智
虫上智Mushiage Satoru

高校を卒業後、写真家緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。

写真家 村上悠太
村上悠太Murakami Yuta

1987年東京都生まれ。鉄道発祥の地新橋でJR発足年に生まれた。日本大学芸術学部写真学科卒業。

写真家 森脇章彦
森脇章彦Moriwaki Akihiko

1956年岡山県生まれ。コマーシャルフォトを中心に男性誌・女性誌などで高価な宝飾品からポートレートまでこなし幅広く活躍する写真家。

写真家 八島和浩
八島和浩Yashima Kazuhiro

1979年福島県生まれ、埼玉県在住。2016年より仕事で訪れるようになった青森県の情景に魅了され独学で写真を始める。主に青森の風景を撮影している。

写真家 山口規子
山口規子Yamamoto Mariko

栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。

写真家 山田芳文
山田芳文Yamada Yoshifumi

「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。

写真家 山本まりこ
山本まりこYamamoto Mariko

写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。

写真家 湯沢祐介
湯沢祐介Yuzawa Yusuke

1980年東京都生まれ。 七色の声を使い分けてわんちゃんの気を引き、猫じゃらしで猫を操りながら撮影するペトグラファー。

動画クリエイターWATARU
WATARU

東京を中心にロードバイクでのライド動画をはじめガジェット系・パーツなどのレビュー動画を配信しているYouTuber/動画クリエイター。

FPS24
FPS24

YouTubeにて旅行やVlogの動画を配信している2人組の映像ユニット。

写真家 6151
6151RokuichiGoichi

Instagramをきっかけにフリーランスに転身したフォトグラファー。

ライター 一覧

板見浩史
板見浩史

月刊日本フォトコンテスト(現フォトコン)誌の編集長を長年経て、現在はフォトエディター。写真賞や多くのフォトコンテスト審査にも関わる。

秋元智貴
秋元智貴

ShaSha編集部キタムラライター

愛用カメラ Nikon D750 / Sony α7Ⅲ
得意な撮影 ポートレート
【ShaSha編集部】秋元智貴の記事一覧はこちら
多賀野友輔
多賀野友輔

カメラ・ガジェットを中心としたライター

愛用カメラ 富士フイルム X-T3/RICOH GRII
得意な撮影 風景/スナップ/スポーツ
多賀野友輔の記事一覧はこちら
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ShaShaの執筆者一覧です。被写体・メーカー別に様々な写真家・ライターの方にご参画頂いております。 ----- KEYWORDS: ShaSha,執筆者一覧,ライター一覧 ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: ニコン大三元レンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」が凄い!こりゃプロも愛用するわ・・ BASENAME: 466093356.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 06/03/2019 00:00:00 TAGS: NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S,ニコン(Nikon) レンズ,標準ズーム ----- BODY:
DSC_0057.JPG <この記事の目次>
  1. はじめに
  2. あれ?本当に大三元レンズ?軽い。
  3. 正確で爆速なAF
  4. 開放F値2.8のとろけるようなボケ
  5. F値開放でもピント面はシャープ!
  6. エグすぎる逆光耐性で言葉を失う
  7. 編集後記

はじめに

 ニコンのフルサイズミラーレス”Zマウント”対応の標準ズームレンズとして、ニコンユーザー待望の「NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S」が2019年4月19日に発売されました。

 ズーム全域で開放F2.8のズームレンズと言えば、一般的に”大三元レンズ”とも呼ばれプロにも愛用されるレンズです。  特に24‐70mmのズームレンズは風景やスナップ、ポートレートや結婚式など多くの撮影シーンで使用する焦点距離をカバーしています。  加えて開放F値が2.8と小さいためボケ量が大きく、シャッタースピードを稼ぐことができるため、「大三元レンズいいなぁ」と憧れの存在になっている方も多いと思います。

 今回はレンズの描写性能を最大限活かすため、ニコンフルサイズミラーレス史上最高画質のZ 7を使用して試し撮りしてきました

※2019年4月22日現在(メーカー公式HPより)

「あれ?本当に大三元レンズ?」と思うほど軽い。

DSC_0026.JPG
■1/125秒 F8 ISO100 焦点距離50mmで撮影

 少しだけ筆者の昔話にお付き合いください。 筆者は以前”AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED"を使用していました。 「プロも使用しているから」と憧れを抱き、貯金を切り崩して購入。 このレンズで撮ってみたいからと旅行に出たこともあります。

そして風景やポートレート、結婚式などいろいろな撮影に持っていき、 美しい描写・爆速AFはもちろん”寄れる”ことに感動しました。 野球選手で例えれば「走・攻・守」のすべてが高水準な選手です。

 しかし一つだけ不満に思うことがありました。 それは"大きく・重いこと"

 望遠レンズに比べれば小さく・軽いですが、レンズとボディで約2kgあり、 首から下げていると時間が経つにつれて首や肩が痛くなることもありました。 今回のレンズもすべてが高水準なレンズであることは間違いないですが、「重いから」と持ち出さなければ意味がありません。 しかし、レンズの重量は805g。Z 7ボディと合わせても1.5gと軽量です。 これなら「普段から持っても悪くないな」と希望が見えるレンズだと思いました。

正確で爆速なAF

DSC_0172.JPG
 ■1/250秒 F5.6 ISO3200 51mmで撮影

 今回撮影した水族園では、マグロが有名のようでメインの水槽には大きなマグロがたくさん泳いでいました。マグロは泳ぐのがとても速く、時速80~90㎞で泳ぐこともあるそうです。水槽内のマグロも目の前をビュンビュンと泳いでいたため、頑張って追いかけてみました。

 昔からAFが爆速と言われる24-70 F2.8レンズとはいえ、ただでさえ暗い水族園で速いマグロ。 どうなるかと思いましたが、このレンズもマグロに負けずピントを合わせてくれました。

開放F値2.8の大きくとろけるようなボケ

DSC_0048.JPG
 ■1/250秒 F2.8 ISO100 焦点距離70mmで撮影

 単焦点レンズもそうですが、F値の小さなレンズを使ってまず試したくなるのがボケ味です。 絞って解像感のある仕上がりももちろん好きなのですが、美しいボケ感のある写真も大好きです。

 このレンズは開放F値2.8と大口径ですので、ボケ味を確認しました。 作例は駅の近くで咲いていた花を撮ったものですが、後ろは細くたくさんの葉が生えています。 レンズからすれば嫌なシーンですが、問題なく美しいボケ感を写してくれました。

F値開放でもピント面はしっかりシャープな描写

DSC_0035.JPG
■1/500秒 F2.8 ISO100 70mmで撮影

 大きいボケ味を一度味わうと、美しさから解放で撮影しがちになってしまいますが、気になるのはピント面の解像。 高画素機のZ7の描写性能の高さもありますが、F値開放で撮影してもピント面はとてもシャープでくっきり写ります。

 実は撮影後、あまりの描写力の高さにF値を間違って絞ったのかな?と再生画面で確認し、描写の良さに「いや~、良いな」と思わずため息が出ていました。

エグすぎる逆光耐性で言葉を失う

DSC_0204-2.jpg
■1/2000秒 F13 ISO125 35mmで撮影

 撮影した日はここ最近の中でもかなり暑く、冬物のウィンドブレーカーを脱いでシャツ1枚になっても暑く感じるほど日差しが強い一日でした。  使用していて良いところだらけのこのレンズ。なにか苦手なシーンはあるのかな?と考えていました。 ちょうど日差しも強かったので、逆光耐性を試すべく暑さに負けずレンズを太陽へ向けて撮影しました。

 ニコンSシリーズのレンズにはFマウントレンズの外観にあった金リングはありませんが、ナノクリスタルコートは施されています。 さらに新開発の反射防止コーティング「アルネオコート」が入っていることも相まって、かなり逆光に強いです。  フレアやゴーストを入れようと様々な角度から撮影をしましたが問題なく撮影できるどころか建物のシャドー部もしっかり描写してくれて完敗。 このレンズ、凄いです。

撮影後記

 一日の撮影を通して高性能なことはもちろんですが、やはりAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDより軽量・コンパクトになったこと、そして驚きの逆光耐性が筆者の中で印象深く残っています。

 恥ずかしながら筆者は以前「重いから」とバッグの中にしまっていたり、あるいはそもそも持ち出さずに“ここぞ”という撮影のときにだけ持ち出して、なぜか変に気負って撮影することもありました。  しかし、新しいNIKKOR Z 24-70mm F2.8 Sは高性能ながら軽量コンパクトなので撮影の際にも気負いが少なく、気づいてみれば「これも撮ってみよう」といろいろ撮って撮影を楽しんでいました。  もちろん防塵防滴仕様なので、急に天候が変わる屋外での撮影でも安心して撮影ができます。

さすが大三元レンズ!間違い無しなレンズです!

----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: ニコン「Z 7」を実際に触ってみました。 BASENAME: 466101249.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 06/03/2019 00:00:00 TAGS: ミラーレスカメラ,Z 7,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ ----- BODY:
DSC_0044.JPG <この記事の目次>
  1. はじめに
  2. 4575万画素は、とにかく凄い解像度
  3. 高画素機だけど軽量。ミラーレスの恩恵って凄いです
  4. 被写体がクリアに、しっかり見える電子ビューファインダー
  5. 約5段分。5軸の強力なボディ内手振れ補正!
  6. 編集後記

はじめに

 2018年8月。新マウントを採用したフルサイズミラーレスカメラがニコンから発表されました。  新マウントに付けられた名前は”Z マウント”で、今回発表されたZ 7、Z 6はニコンが新しいマウントを持って送り出す  最新のミラーレスカメラとなっています。  これまでのニコン一眼レフといえば1959年発売のNikonFから始まった「Fマウント」を採用していました。 フィルムからデジタルに変わっても、Fマウントは受け継がれ“不変のFマウント”とも呼ばれ、多くの銘玉を生み出してきました。  フルサイズミラーレスの発表にあたり、新しいマウントの採用。これはニコンにとって大きな英断だったと思います。  同時に発表があったレンズのロードマップには「NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct」があり、ニコンユーザーとしてはとてもワクワクしましたZマウントの今後にとても期待しています。  今回は編集長に「Z 7が使えないならもう他の記事は書かない!1回だけお願い!」という筆者の願いが無事に叶い、ルンルンで撮影しました。

4575万画素は、とにかく凄い解像度

DSC_0090(2).jpg
■使用レンズ:NIKKKOR Z 24-70 F2.8 S
1/250秒 F8 ISO100
 Z 7はZマウントの高画素機として発表されました。  ニコンの高画素機と聞くとD800番台のシリーズを思い浮かべるのですが、Z 7の画素数はD800番台で最新モデルのD850と同じく、約4575万画素。2019年5月13日現在でニコン最高画質の画素数を誇っています。  同時に発表されたZ 6が2450万画素ですから、棲み分けとしては、圧倒的な画素数で豊かな描写力を持つモデルがZ 7、画素数が抑えめなものの動画性能やISO感度の上限、連写性能などバランスを良くしたオールラウンダーモデルがZ 6というところでしょうか。  その最高画質はどのようなものかと言えば、撮影後モニターで表示された画像を見てあまりの鮮明さに思わず「いや~凄いな~」とため息が出てしまうほどの描写です。  作例の写真は「NIKKOR Z 24-70 S F2.8」で、絞りはF値開放で撮影した一枚なんですが、実はこの写真・・・トリミングをしているんです。もちろん高性能なレンズですが、その高性能なレンズの性能をしっかり引き出しているなと思います。ピントが合っている幹の部分はもちろん、周囲に落ちている枝や葉、シャドー部を見てもしっかりと描写していてさすがだなと思います。

高画素機だけど軽量。ミラーレスの恩恵って凄いです

DSC_0072.JPG
■使用レンズ:NIKKKOR Z 24-70 F2.8 S
1/500秒 F2.8 ISO100
 筆者は現在ニコンD750を使用しているのですが、購入の際は中古のD800Eと検討していました。  D750の決め手になったのは重量とサイズで、「小さく軽いD750のほうが楽になる」で選んだ過去があります。それからD800番台は大きく重いが、超高解像度のカメラという印象を勝手に抱いていました。  片頭痛持ちで、首や肩に負荷がかかると頭が痛くなる筆者。負荷を減らすため、重い機材の場合はなるべくバッグにしまうのですが、Z 7は性能を考えれば首から下げていても苦痛に感じない重さだと思いました。  Z 7での撮影はとても楽しく、すぐお腹が減ってしまった時に屋台のたこ焼き屋さんを発見。並んでいる時、ふと右前を見た時に見つけたワンちゃんを撮影したものです。  実はこの写真を撮影した後にすぐ離れてしまったワンちゃん。首から下げていたのでたまたま撮影することに成功しましたが、バッグの中にしまっていたら間に合わずに撮れなかったと思います。(可愛かったな~)

被写体がクリアに、しっかり見える電子ビューファインダー

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■使用レンズ:NIKKKOR Z 24-70 F4 S
1/125秒 F6.3 ISO250
 Z 7のファインダーは倍率が約0.8倍の電子ビューファインダーを使用しています。電子ビューファインダーと聞くと「使いこなせるか不安・・・」や「ラグがある?」、「チカチカしそう・・・」など使用感の部分で心配で一眼レフからミラーレスカメラへ移行するか悩む方も多いかと思います。  ファインダーを実際に覗いてみると、まるで光学式ファインダーのように被写体がクリアに見えました。  電源オフの状態で覗いた状態では見ることができませんし、電源オフの状態から電源を付けた後のわずかな時間は、一瞬暗い場合もありますがすぐに切り替わり、問題なく撮影できました。  むしろ暗所での撮影時や逆光時での撮影時では、撮影設定に合わせてファインダー内の明るさが変わるので見やすいと感じましたし、水準器をファインダー内に表示すれば風景や建物の撮影時に水平が確認しやすく、とても便利だなと思いました。  Z 6も同じ369万ドットのビューファインダーを搭載しており、ニコンが”ファインダーを覗いて写真を撮ること”にこだわりを持っているんだと実感しました。

約5段分。5軸の強力なボディ内手振れ補正!

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■使用レンズ:NIKKKOR Z 24-70 F4 S
1秒 F10 ISO320
 Z 7はニコンでレンズ交換式カメラにおいて初となる、ボディ内手振れ補正約(5段分※、5軸)を搭載しています。(ニコン公式HPより:NIKKOR Z 24-70F4S装着時)  これまでニコンはレンズ内に手振れ補正を搭載していましたが、「ついにニコンもボディ内に手振れ補正を入れた!?」と最初は驚きました。  実際に試してみたくなり夜の新宿へ向かいました。広角側24mmでシャッタースピードは1秒で撮影しましたが、右側にあるお店の電飾を確認し、ブレなく撮影ができました。  他にもボディ内手振れ補正の恩恵は大きいです。それは、Zレンズと比べて効果は薄まってしまうものの、別売の「マウントアダプター・FTZ」を介せば、手振れ補正がついていないFマウントレンズでも手振れ補正の恩恵を受けられることです。(ニコン公式HPより)  筆者はニコンFマウントレンズで現在使用しているレンズは手振れ補正機構(VR)を搭載していない単焦点レンズを多く使用しているので、手振れによるミスショットが減らせられるのでこれはすごく助かると思いました。  普通の交差点でもスローシャッターで撮ると、肉眼ではできない表現をするので面白いですよね。どんどん試してみたくなります。

撮影後記

 発表直後、ソニーからすでに発売されていたα7RIIIやα7IIIと比較され、XQDカードのシングルスロットであることや瞳AFがついていないことから、ユーザーからは「どうなの?」と思った方もいらっしゃったかもしれません。  しかし、瞳AFは5月のファームウェアアップデートで実装されるとのことで、アップデートで進化するのはミラーレスカメラならではだなと思いました。  実際に触ってみて、特に操作性の高さを感じました。例えば、iメニュー機能。筆者が現在使用しているD750にも搭載されていますが、独立したボタンの数が多く使用頻度はかなり低いです。  Z 7のiメニューはジョイスティックの下にあり押しやすく、よく使う設定項目を自由にカスタマイズができます。さらにファインダー内にも表示されるので、撮影中ファインダーから目を離す機会を減らすことができるため快適に撮影ができました。  加えてグリップがしっかりしていて握りやすかったり、Menuが分かりやすかったり・・と、Z 7はスペックカタログにない操作性の良さもあり、そこが魅力でもあると思います。 PS:撮った写真を見返すと「良いカメラだったな~」と未練がましく、別れを惜しんでいました。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT:  ニコンの「Z 7」の記事です。ShaSha[シャシャ]は、写真に関するレビューや情報を発信する写真コンテンツサイトです。  注目のカメラ機材や撮影用品、撮影方法に加え、写真プリント中古商品・フィルムカメラなど幅広く紹介致します。 ----- KEYWORDS: Z 6,評価,評判 ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: α7IIIを6ヵ月堪能した感想とレビュー BASENAME: 466105725.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 06/03/2019 00:00:00 TAGS: ミラーレスカメラ,ソニー(Sony) ボディー,α7 III,フルサイズ ----- BODY: ~3460305.jpg
<この記事の目次>
  1. はじめに
  2. 本当にフルサイズ?ボディがめっちゃ軽い!
  3. ボディ内手ブレ補正の恩恵…!
  4. ピーキング機能でピント合わせ良好!
  5. 星空撮影を始めてみたくなりました
  6. 撮影後記

はじめに

 2014年に世界初のフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラα7がソニーから発表されました。当時は一眼レフカメラが主流で、フルサイズミラーレスと聞いても「いや~どうなんだろう?汗」と思われた方もいらっしゃると思います。(実は私もその一人でした…)  しかし、ここ最近は各メーカーからフルサイズミラーレスカメラの発売がされています。カメラ業界ではある意味お祭りのような賑わいで、カメラの祭典CP+でも大注目のコンテンツです。  そこで今回は、先述のCP+2018で長蛇の列ができた大人気なカメラ”α7III”を6か月間使用したので感じたことをまとめました。

本当にフルサイズ?ボディがめっちゃ軽い!

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■使用レンズ:SonnarT* FE55mm F1.8 ZA
1/40秒 F2.2 ISO100
 夏が近づくと日が暮れる時間が遅くなり、ついつい遅くまで遊んだ少年時代。 幼い頃から夕陽を美しく感じていましたが、それは大人になっても変わりません。  作例は私用の買い物終わりで車に戻るとき、美しい夕日が目の前に広がっていたのでバッグからカメラを取り出してすぐに撮影しました。  画面中央のシルエットになっている家の部分や画面下部の車など、シャドウ部分も拡大表示をした際に完全に黒く潰れているわけではなく、質感が残っていました。  また、白く飛びがちな街灯の明かりもしっかり描写しており、複数のライトが集合していることが分かります。  ショッピングセンターへちょっとしたお買い物目的だったため一眼レフしか持っていなかったら、持っていかなかったと思います。 フルサイズセンサーでありながらコンパクトで軽量「一応、バッグに入れておこうかな。」が功を奏しました。

ボディ内手ブレ補正の恩恵…!

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■使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR 58mm F1.4G アダプター:Commlite CM-ENF-E1 PRO
1/125秒 F2.5 ISO200
 ボディ内に搭載された光学式5軸手ブレ補正。これ、とても大きいんです。  ただでさえミラーショックがないので暗所でも撮りやすいのですが、手ブレ補正も加わるとさらに撮影がしやすくなります。  レンズ側に手ブレ補正があるメーカーの場合、単焦点レンズ(望遠を除く)に手ブレ補正がないレンズが多い印象を抱いています。 ISO感度を上げたくないので、暗所撮影する時って明るい単焦点レンズを持っていきたくなりませんか?(私は持ってく派です)  確かに、シャッタースピードで調整できるし価格が上がるくらいなら無くても大丈夫!と思います。 しかし、もしすべてのレンズに手ブレ補正があれば、暗所撮影で「シャッタースピードを落とすとブレる。でもISOを上げればザラつく…」と考えなくても良いのです。  他メーカーのレンズをそのまま使用したい方はもちろん、特にオールドレンズの使用をご検討の方、“すべてのレンズに手ブレ補正がつく”これ魅力に感じませんか?  実はこの写真、、歩きながら片手で撮ったんです。(レンズに手ブレ補正はありません)

ピーキング機能でピント合わせ良好!

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■使用レンズ:FE85mm F1.4 GM
1/8000秒 F1.4 ISO100
 この写真は関東屈指のネモフィラ畑を撮影しに行った時の1枚。ネモフィラは小さいお花です。ローアングルの撮影だったのでファインダーを使用した撮影ではなく、搭載されているチルト液晶を使用しました。その際、オートフォーカスでなかなかピントが合わず、マニュアルフォーカスを使用して撮影しました。  一眼レフのマニュアルフォーカス撮影では、全てや、ピントの山をつかんだ後にフォーカスエイドを使用して撮影する方法があります。しかしα7IIIには、マニュアルフォーカス時にピントが合っている部分に色を付けて表示するピーキング機能がついていてこれがとても便利!  レンズのピントリングを回すことで設定した色が被写体の周りを取り囲みシャッターを切る。 いままではおおよそのピントの山を掴んだあとの微調整に苦労していたこともあるので、今回初めてピーキング機能を使用した筆者は「めっちゃ簡単!」と感動しました。

星空撮影を始めてみたくなりました

~7130533.JPG
■使用レンズ:SonnarT* FE55mm F1.8 ZA
8秒 F1.8 ISO4000
 友人から「星を撮りにいかない?」とお誘いただいたので、α7IIIをカメラバッグへ入れて撮影に行きました。 道中で機能を設定しているとき、「ブライトモニタリング機能」という聞きなれない文字を発見。 調べてみると
“周囲が暗い状況下での撮影で、構図合わせができるようにします。夜空などの暗い場所で露光時間を延ばすことにより、ビューファインダー/モニターで構図の確認ができます。 (引用:ソニー公式ヘルプガイド)“
とのこと。  星空を撮影する際は空に向けてもファインダー/モニターどちらを使用しても周辺が暗いため構図が作りにくいです。この機能を使用すると画面を明るくし、星が画面に表示されるので構図の確認が容易に感じました。  また、星空撮影はマニュアルフォーカスを使用しての撮影になりますが… そうです!ピーキング機能で星にピントが合うと星の色をフチ取りしてくれるので、ピント合わせもしやすいです。 これまで苦戦していた部分がこうも楽になると「先生…!星空撮影がしたいです!」という気持ちになります。

撮影後記

 日中~夜の高感度撮影もでき、連写は秒10コマで動体撮影もしやすい。チルト液晶でいろいろなアングル撮影が楽でオートフォーカスも速い。  そして豊富なカスタムファンクションで自分の思い通りのカスタマイズができる...これが新基準なら「凄すぎる」の一言です。  また、文中ではご紹介しませんでしたが、α7IIIと比較して、記録メディアがダブルスロットになったことやバッテリーの容量が増えたことで電池が長持ちすることは非常に助かりました。  特に、撮影枚数が多くなる結婚式や運動会では、記録メディアの残り容量やバッテリーを気にしていると、一瞬のシャッターチャンスを逃してしまうこともあります。しかし、これらが改善されたことで撮ることに集中できますし、瞳AFを合わせればピントが合っているかの心配することも減るので負担がさらに減ったと思います。  特に瞳AFは便利で、初めて使用した時はポートレート撮影における革命だと思いました。人物の瞳にピントを合わせることは、ポートレート撮影の鉄則と言っても過言ではないと思います。”目にピントを合わせる”というのも簡単に言いますが、中望遠単焦点レンズでは被写界深度が浅いため、難しいこともあるのですが、そこを任せられるのは非常に助かると思いました。  カタログに載っているスペック情報も凄いのですが、今回はカタログスペックではお伝えが難しいと思ったことを中心に書きました。特にブライトモニタリングなどは実際に触ってみたときの感動は大きかったです。ぜひ店頭でお試しください! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT:  「ソニーα7IIIのレビュー」ということで、今回はソニーから発売されている大人気ミラーレスカメラ”α7III"を半年間使用してみてのレビューです。  前モデルのα7IIから大きく進化したポイントによって、どんな撮影シーンにも対応できるほどの性能になりました。  進化したポイントをまとめてみましたので、ぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: バッテリー、ポートレート ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 「上着脱いだらカメラが重い!」にはサクラスリングがベストアイテム! BASENAME: 466179925.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 杉山さくら DATE: 06/03/2019 01:19:42 TAGS: さくらスリング,その他のアクセサリー ----- BODY:
18034059_1165059233621354_3772980730763380432_n.jpeg <この記事の目次>
  1. はじめに
  2. カメラが重く感じる
  3. サクラスリングとは?
  4. サクラスリングのこんなメリット!
  5. 最後に

はじめに

カメラを持ってお出かけが楽しい季節になってきましたね。 分厚いコートを脱いで軽装でのお出かけ。 「軽やかにいこう!」といつものカメラを身につけた時にふと、感じませんでしたか? 「いつもよりカメラが重たい。。。。」 そう。軽装になった分、薄着の洋服の上にカメラのストラップが食い込む感じはカメラ愛好家の皆さんなら一度は体感している事だと思います。「重くて辛い!」と慢性的な肩こりに悩まれているカメラユーザーも多く見られます。

春はカメラが重く感じる

冬や春はコートの生地がクッションになりカメラのストラップを支えてくれていましたが、暖かくなるとコートを着なくなる分だけダイレクトに重さを感じる原因に。ベルト状のストラップの狭い範囲にかかる負荷が首肩の血流を悪くして肩こりを起こし、一日動き回って夕方にはぐったり。夏はそんな季節ですよね。。 でも大丈夫。そんなあなたにベストアイテムをご紹介します。 スカーフみたいなカメラのストラップ『サクラスリング』です。

サクラスリングとは?

サクラスリングは写真を趣味としている私杉山さくらの実体験から発案したカメラのストラップです。6年前の5月のある日、私は毎日カメラを持つのが日課でしたが、薄着で出かけるようになってからは慢性的な肩こりがさらに酷くなっていました。ある朝、率直に「カメラ持つの嫌だなぁ。」と思ってしまった私。愛用のカメラには革製ストラップが付いておりましたが、首肩の素肌に革紐が当たる感じがとても不快で、食い込み防止も兼ねてストールも一緒に着用していましたが、首回りがモタモタしてとても撮影がしづらくストレスフル。とても悩ましい日々でした。。 「カメラを持たない日に限って撮りたいものは必ず現れる。」 「重たいとは言っても信頼しているこの愛機を手離す事は考えられない。」 「毎日カメラを持っていたい。」 「さて、この重たいカメラをどうしよう?」 そんな時、3人の子育てで私が愛用していたベビースリングが私の頭をよぎりました。幅広の布で赤ちゃんの重さを分散させて身体に優しく毎日使ったこの抱っこ紐は私の子育てには欠かせない便利なアイテムでした。「赤ちゃんが支えられたのだから、布でカメラを持てるかも?!」とふと思い、革のストラップを外し、カメラにストールを付けてみた事がサクラスリングの発案のきっかけでした。

サクラスリングのこんなメリット!

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当時はカメラに布をつけるという発想は皆無でしたし、正直私自身も恥ずかしく「今のこの肩凝りが治ったら革のストラップに戻そう」と思っていました。しかしカメラに布が付いていると、下記のような利点があることに次々と気がつきました。
    カバンにカメラをしまう時にサッとカメラを包んで仕舞うことができる カメラを置く時には布で座布団になる。 ボディーの汚れをクリーナーの様に拭ける。 スカーフをしている様におしゃれ。 何より身体に負担がなくカメラが驚くほど軽く感じる。
幅広の布は風呂敷の様に便利に使えて、カメラに布が付いていることは使えば使うほどとても便利だと感じることばかりで、結局革のストラップには戻せず、このスリングスタイルをやめられなくなってしまった私。この経験が糧になりサクラスリングスタイルのストラップの商品化に至りました。 こんなに軽く負担がなくなるなら、きっと沢山のカメラユーザーのお役に立てるようになる!と確信した私の小さな春の出来事がサクラスリングの原点です。

最後に

サクラスリングはカメラを身体に優しく長く健康に写真撮影を続けるための機材としてカメラを愛する全ての人に優しく寄り添い支えます。せっかくご縁のあったカメラを大切に使い続ける為には身体に負担がないのが一番必要な要素ですよね。 たかがストラップですが、されどストラップです。 ミラーレス時代になり機材は軽くなっていますがそれでも物には重さがあるので「カメラをどんな風に持つか」がとても大切だということを思えばストラップの形状ってとても重要だということを感じていただけると思います。 何より、カメラを持っている姿を見て「おしゃれですね♪」って声をかけてもらえたらとっても嬉しいですよね! これからの行楽シーズン、華やかに軽やかに大切なカメラを持ってお出かけしましょう! カメラを愛する皆様に、サクラスリングがお役に立てられたら嬉しいです。
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 光を見極めてレベルアップ!写真と光の考え方【写真家:高橋良典】 BASENAME: 466185280.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 高橋良典 DATE: 06/03/2019 10:29:21 TAGS: 風景,風景の撮影テクニック ----- BODY:

はじめに

写真にとって光は切っても切り離せないもの。素晴らしい作品を見るときちんと光を意識して撮影されて いることに気づくことでしょう。もちろん狙うのは、お目当ての被写体ですが、写真を撮るということは、 ある意味、光を撮っているといっても過言ではありません。それほど重要な「ヒカリ」について以下に解説していきます。

光線の種類

大きく分けて順光、サイド光、逆光、拡散光に分類されます。被写体に対して光の当たり方が変わると 影の付き方に違いが生じるため光線状態が変われば被写体の印象が大きく変わります。 ・順光 1.JPG
(写真1)
2.JPG
(写真2)
光が被写体を真正面から照らしている状態。陰影がつきにくいことで立体感や質感が乏しくなり、 べったりとした印象になります。全体に光が回るのでものの色や様子を正確に記録したい時などに 最適と言えるでしょう。また個人的には、その明暗差の少なさから穏やかな表現をしたい時に選ぶ 光線です。被写体の色については、最も忠実に表現することが出来ます。 ・サイド光 3.JPG
(写真3)
      4.JPG
(写真4)
光が被写体を横から照らしている状態。陰影がハッキリとつき、立体感、質感描写にすぐれます。  被写体の色も表現できるので私自身が撮影の際、基本としている光線状態です。絶景などを昼間に  撮影するときにも向いています。 ・逆光 5.JPG
(写真5)
6.JPG
(写真6)
光が被写体を後ろから照らしている状態。花や薄い葉など光を透過する被写体は、キラキラと輝いて 見えます。光を透過しないものは影になるので暗く写ってしまう場合もありますが、それを活かして シルエット表現にもトライしてみよう。被写体の色を正しく表現するには向きませんが、 ドラマティックなシーンは逆光であることが多く、良い作品が生まれる可能性大!作品作りには 積極的に選びたい光線状態です。ケースによっては大幅な露出補正が必要になるので撮影後の 画像確認をしっかりとして適正露出を探ることが重要です。ミラーレスカメラの場合は、露出補正を変更 するとファインダーの中にその明るさが反映されるのでシャッターを切るまでに露出イメージを 把握することが出来ます。 ・拡散光 7.JPG
(写真7)
8.JPG
(写真8)
 曇りや雨の日の光線状態。直射光が当たらないために影がつきません。立体感や質感描写では逆光や サイド光には及びませんが、落ち着いた雰囲気や、しっとりとした感じを出すのに有効です。直射光が 当たることによって、陰影が邪魔をしてしまうような場所(写真7)で撮影する際にも拡散光を 選ぶことによって(写真8)描写する事が出来ます。

撮影意図によって光線を使い分けよう。

前述の通り、「ヒカリ」は写真の仕上がりに大きな影響を及ぼします。よって光線状態を意識的に 選ぶことは一歩進んだ写真撮影への最短距離であるとも言えます。また、日中の太陽が高い状態と 朝夕の太陽が低い状態とでは光の角度が変わり描写が変わります。光の方向だけではなく、そのあたりも 頭に入れておくと良いでしょう。

光線状態を意識した具体的な撮影方法

晴れている時には撮影地に到着後、まず太陽の位置を確認する癖をつけておきましょう。 そして撮りたい思った被写体にどの方向から光が当たっているかを確認。その被写体を色々な方向から 観察してみましょう(色々な方向から見ることによって、光線状態が変わるため、見た目の印象が変わり ます)とは言え、撮りたいアングルからの光線状態がいつでも良い条件というわけではありませんよね? その場合は、スマートフォンの地図アプリや方位磁石を活用して太陽の位置を予測。時間が許せば、 最も良い時間にもう一度、同じ場所で撮影してみましょう。光の感覚がつかめるまでは両方の条件で 撮影しておいて後で比べるとわかりやすいです。同じ場所でも、曇りや雨の日に撮影することによって、 随分印象が変わるので、気に入った場所に通うことが良い結果を生むというわけです。遠方へ出かける 時でもあらかじめ地図で方角を調べて検討をつけておくと良いでしょう。

まとめ

私の場合、選ぶ光線状態の頻度としては、サイド光 > 逆光・拡散光 > 順光 となります。 光による描写の特徴を頭に入れて、撮影に出かけてみてくださいね。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 超簡単!iPadで写真編集・管理をするメリット3つを写真家・三井公一が紹介! BASENAME: 466161762.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 06/03/2019 11:00:00 TAGS: レタッチ,iPAD ----- BODY:
P1100522.JPG <この記事の目次>
  1. はじめに
  2. 安心安全のデータバックアップ
  3. スピーディーにSNSでシェア
  4. 多機能アプリでラクラク写真レタッチ
  5. まとめ

はじめに

 今や多くの人がスマートフォンを持ち歩いていますが、我々フォトグラファーにとってはスマホより大きい「タブレット」がとても役に立ちます。  特にアップルから販売されているタブレット「iPad」シリーズはラインナップも豊富で、使い方も簡単です。 どんなシーンでこの「iPad」が役に立つのか、3つの特徴をお教えします。

安心安全のデータバックアップ

 何と言っても貴重な撮影データを「iPad」にバックアップできるのがうれしいです。「Lightning - SDカードカメラリーダー」を使えば、デジカメのSDカードを挿すだけでカンタンにバックアップできます。以前ならば重いノートパソコンを持って行き内蔵ドライブにコピーをしていましたが、「iPad」なら電車での移動中などでも手軽に撮影データを保存できます。貴重な写真データをすぐに二重化できるのは安心ですね。  またカメラメーカーではデジカメからワイヤレスで写真を直接転送するアプリがリリースされています。それを使えば撮影したそばからデータを自動的に「iPad」に送ることができ、手間いらずです。  このようなことは「iPhone」でも可能ですが、大画面の「iPad」ならば読み込んだデータを大きいディスプレイで細かくチェックできます。 構図、ピント、手ブレなどの気になる部分を現場で確認できることは、写真の技術向上にも役立つことでしょう。 P1100546.JPG  iPadには「Lightning - SDカードカメラリーダー」を使って撮影データを読み込む。 ほとんどのカメラのRAWデータも読み込むことが可能(シグマ以外)。JPEGならば問題ない。
IMG_3042.PNG  カメラメーカーではスマホ、タブレット用にアプリを提供している。 このニコン「SnapBridge」では設定することにより、撮影した写真を自動的にiPadに送信することが可能だ。 ブラブラと歩いて撮影し、バッグからiPadを取り出すと、撮影したばかりの写真がすでに取り込まれている、というイメージだ。  またリモート撮影も可能で、離れた場所からiPadの大きな画面でカメラを遠隔操作撮影できる。 IMG_3041.PNG  読み込んだ写真は「カメラロール」内で確認できる。 スマートフォンより大きく明るい画面で、撮影した写真を一覧できるがiPadの利点である。 P1100533.JPG  撮影のちょっとした空き時間に貴重な写真データをバックアップできるのがいい。 そして大画面でピントや露出のチェック、手ブレなどの確認ができるので、撮影スキルの向上にも役立つ。

スピーディーにSNSでシェア

 デジカメで撮影した美しい風景や決定的瞬間の写真。そんなナイスショットをすぐ多くの人に伝えたい!そんな時に役立つのが「iPad」です。  上のように「Lightning - SDカードカメラリーダー」やアプリでデジカメのデータを読み込んで、カメラロールからすぐに「Instagram」や「Twitter」、「Facebook」などのSNSにシェアができます。セルラーモデルの「iPad」ならばWi-Fiがない屋外でもネット接続できるのでカンタンです。デジカメで撮影した写真の魅力をすぐに友だちにアピールできるのはうれしいですね。 IMG_3046.PNG  読み込んだ写真で気にいったものがあればすぐシェアできるのも魅力だ。セルラーモデルのiPadならばWi-FiがなくてもOK。例えばツイートしたいならば、写真を選択してシェアボタンからTwitterを選び、テキストを入力してツイートするだけ。デジタルカメラの高画質をすぐシェアできる。もちろんFacebookに投稿するのも同様だ。

多機能アプリでラクラク写真レタッチ

 読み込んだ写真は「iPad」の大画面でレタッチすることが可能です。無料の多機能写真アプリ「Snapseed」(グーグル)を使えば、写真の明るさやコントラスト、彩度をはじめ、傾きやクロップも調整できます。デジカメのセンサーについてしまったダスト(ほこり)も「シミ除去」で消せます。もちろん数々のフィルターも備えるので、モノクロームやドラマチックに写真を仕上げるなんてことも朝飯前です。写真に文字を入れたりフレームも付けられるのでプリント前の作業にも役立つことでしょう。「Apple Pencil」対応の「iPad」ならばペンで細かいレタッチもできますよ。 IMG_3047.PNG  無料の多機能写真アプリ「Snapseed」(グーグル)はとても優秀だ。 取り込んだ写真を自在にレタッチ可能である。画像はプリセットのフィルターを選んでいるところ。 IMG_3048.PNG  メニューから「画像調整」を選んでさまざまなパラメーターを操作して写真の現像処理ができる。 操作は指先でできるので直感的にコントロールが可能である Snapseed.JPG  河川敷を撮ったカット。どことなく寒々しいので「Snapseed」でイメージ寄りに加工したいところ IMG_3051.jpg 「Snapseed」でコントラスト、彩度などを調整し、「周辺減光」でビネット効果(トンネル効果)を加えた。  iPadの見やすい画面で写真を好きなように加工できるのが面白い

まとめ

 このように「iPad」があれば大切な「バックアップ」、スピーディーな「シェア」、そして快適な「レタッチ」が撮影フィールドで可能になります。 パソコンより薄くて軽く、指先で直感的に操作できるので、撮影時の携行や操作も苦になりません。  「iPad」は大画面で高速の「iPad Pro」から、毎日の持ち歩きも楽チンな「iPad mini」までラインナップが豊富です。 容量やカラーもさまざまなので店頭で一度試してみることをオススメします。
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT:  特にアップルから販売されているタブレット「iPad」シリーズはラインナップも豊富で、使い方も簡単です。 どんなシーンでこの「iPad」が役に立つのか、3つの特徴をお教えします。 ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!|坂井田富三 BASENAME: 466199860.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 06/04/2019 08:00:00 TAGS: カメラバッグ類,写真家のカメラバッグの中身が知りたい! ----- BODY:
_A647101.JPG 【この記事の目次】
  1. はじめに
  2. 最近のお気に入り!
  3. なんでこのバッグ?
  4. バッグ選びは一長一短
  5. 最後に

はじめに

_A647101.JPG  カメラバックの悩みは多い。その時使うレンズやボディ、アクセアリーの有無によってうまく入ったり、入らなかったり・・・ おかげでカメラバックは増える一方だ(笑) どんなタイプのカメラバックを選ぶ際にも共通の陥りやすい罠がある。それは、あれもこれも機材を持って行きたいが為に大き目のバックを選んでしまうことだ。 確かに大きなバックは収納力もあって便利なのだが、たくさん機材を詰めていくと、どんどん重くなってしまいます。 重くなりすぎたことによって行動範囲が狭くなったり、疲れて撮影に集中できないとなってしまっては問題ですよね。大きくなればバック自体の重さもそれなりに重くなってきます。 自分にピッタリのカメラバックを見つけることは、難しい永遠の課題だと思っています。

最近のお気に入り!

s_A7R04412.jpg 最近のお気に入りのカメラバック。 フィールドで撮影する時のメインのカメラバックはリュックスタイル! 自分は望遠レンズ主体の構成なので、必然的に機材全体はかなり重くなる。 リュックスタイルのカメラバックは、両手が自由になり歩きやすく動きやすいので大変気に入っている。 現在一番よく使っているのが、「Lowepro プロタクティック 450 AW」。 ※現行品は「プロタクティック BP450AW II」 見た目もシンプルなデザインで、ゴツゴツしてないため、身長162㎝の小柄な自分にもちょうどいい大きさのリュックだ。街中を歩いていても、それほど圧迫感はないのでと感じている。

なんでこのバッグ?

s_DSC5737.jpg  このバックをセレクトした最大の理由は、「SONY FE 400mm F2.8 GM OSS」のレンズがなんとか入るサイズで、なおかつシンプルなデザイン。 中の仕切りは、原形をとどめず、すべて自分の機材に合うようにアレンジ。 若干無理やり詰めている感も否めないが、いつもこんな感じが多い。 SONY α9 SONY FE 24-105mm F4 G OSS SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS SONY FE 400mm F2.8 GM OSS SONY SEL20TC(2倍テレコン) この組み合わせで、バックが約2.5kg・機材が約6kg・その他小物やタブレットで約1.5kgになり、トータル約10kgだ。  正直10kgは重いです。一日背負っているとさすがに肩が凝ってきて辛くなってきます。日頃から慣れておくことが重要なんです。 FE 400mm F2.8 GM OSSを持ち歩かない時には、代わりにソニーα7R IIとFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを入れたりするのだが、この組み合わせになると800gほど軽くなるが、 結局は約10kgほどをいつも背負っている。この10㎏が自分の限界値として、それ以上は持たないようにしている。  この10㎏という数字は、航空機の機内手荷物も持ち込み重量10㎏までにも合致している。飛行機で移動する際にも慌てることなく、いつものスタイルのままで移動ができますね。 普段から自分の機材が何キロぐらいなのか把握しておくのはとても良い事だと思う。 メイン機材以外に携帯するアクセサリー類は、ブロアー、可変式NDフィルター、予備バッテリー、予備メディア、一脚。

バッグ選びは一長一短

移動の際にはリュックタイプのカメラバックは非常にありがたいのだが、すべてに万能なわけではない、レンズの交換の際や、機材の出し入れに関してはショルダータイプのカメラバックの使い勝手はいい。リュックタイプは上の写真のように、リュックを下ろし作業をしなければならない。ショルダータイプであれば、肩にバックをかけたまま作業ができる利点があり、レンズ交換などは素早くできるメリットがある。どのタイプに一長一短の部分はある。

最後に

 歩くことが多い人、たくさんの機材を持ち歩きたい人は、リュックタイプ。 ストリートスナップや、機材がそれほどたくさんではない人は、ショルダータイプがいいのではないかと思う。ベストな選択は難しいが、両方のタイプを持って、その日の機材や気分によってバックも変える方がいいのではないでしょうか。 結局カメラバックは、どんどん増えていってしまいますが(笑) ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家坂井田富三のカメラバッグの中身はどうなっているのか?メリットとデメリットを語る ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: EOS RPがフルサイズカメラ初心者にも大人気な理由とは!? BASENAME: 466192231.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 06/04/2019 09:00:00 TAGS: ミラーレスカメラ,EOS RP,キヤノン(Canon) ボディー,フルサイズ ----- BODY:

はじめに

 キヤノンがフルサイズミラーレスの新システム「EOS Rシステム」を発表し、第一弾としてEOS Rを2018年10月に発売しました。  発売後から、わずか4か月という超スピードで第二弾のカメラが発売されました。それが本機種”EOS RP”です。フルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラのエントリーモデルでいわば入門機の位置づけです。キャッチコピーは“いい写真の予感。” とのこと。  日本限定5,000台のゴールドモデカメラ発売も相まって、カメラの祭典CP+2019では大きな注目を集めたEOS RPがフルサイズミラーレス初心者にも大人気な理由を調べました!

すっっっっごく軽い!

RP軽いよ.png  メーカー公式HPを確認すると“本体重量はEOS市場、最少・最軽量を達成”とのことです。そしてその重量はなんと、バッテリーとSDカードを入れても約485gのようです。(めっっっっちゃ軽くないですか!?本当にフルサイズセンサーのカメラ?)  とても軽いですよね。考えてみれば500mlのペットボトル飲料よりも軽いです。またキットレンズの「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」と組み合わせても約790g。なんと同じキヤノンでフルサイズセンサーを搭載した一眼レフ「EOS 5D MarkIV」のボディのみよりも軽いそうです。  日ごろからバッグに入れて、良いなと思ったものを見たまま美しく撮ることができますね。日常の景色が美しく残せるってとても良いカメラライフだと思います。

急な雨でも安心。防塵・防滴に配慮された設計

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■使用レンズ:RF24-105 F4 L IS USM
1/160秒 F4 ISO100
 EOS RPはエントリーモデルながら、少量の水濡れからカメラを守る防塵・防滴に配慮した構造になっています。実際に撮影中に雨が降ってきましたが、撮影は問題なく無事にできました。梅雨の時期は雨の日が多いので、撮影が億劫になりがちなので助かりますよね。(なんなら外出も億劫なんて方も・・)  葉や花に雫がついたり、路面が濡れて反射したり、雨上がりで日差しが水滴に反射してキラキラしていたり・・と雨の日ほど美しい場面って結構多いんですよね。  雨の日も出かけてみようかな。と思わせてくれました。

バリアングル液晶、バリ便利!

IMG_7151.JPG IMG_7135.JPG
■上写真:1/200秒 F9 ISO100
■下写真:1/4000秒 F1.8 ISO100
※どちらもRF35mm F1.8 MACRO IS STM
 EOS RPには3型104万ドットのバリアングル液晶モニターを搭載しています。チルト可動式の液晶モニターでは苦労してしまうシーンでもバリアングル液晶モニターでは楽に撮影ができます。  例えば、誕生日やクリスマスなどのイベントごとで、「みんなで写真を撮ろう!」となった時に、ミニ三脚にカメラを乗せて机にセッティングし、バリアングル液晶モニターを自分のほうに向けるとあら便利!自分も入った集合写真をスマートフォン以上にキレイで、しかも簡単に撮影ができます。  私が「バリアングル液晶って便利だなぁ」と思ったことはズバリ・・・縦位置での撮影です。上下可動式のチルト液晶モニターでは、縦位置撮影時のハイアングル・ローアングルの撮影時は自分の方向に動かせません。  お子さんを撮影する時や、高い建物、人物撮影で足を長く見えるようにローアングルで撮影する際など、かなり楽に撮影ができるのでバリ(凄く)便利です。

クリエイティブアシスト機能で、自分好みの写真へゴールを決めよう!

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■上写真:1/500秒 F7.1 ISO100 クリエイティブアシスト無し
■下写真:1/80秒 F11 ISO100 クリエイティブアシストあり
※どちらもRF35mm F1.8 MACRO IS STMを使用
 初めて持つカメラで、「こんな写真が撮りたいと思っているけど、設定の仕方が分からないな~」と不安を感じている方、いらっしゃいませんか? 任せてください!  クリエイティブアシスト機能を使えば、思い通りの写真が撮影できます。CMのような言葉ですが、この機能は「なんか、もっとこうしたいんだけど、どうすれば良いの?」を代わりに設定してくれる機能です。  専門用語ではなく、ぼかし具合や明るさ、鮮やかさや、青み(赤み)を増したいなど、撮り手が思う“こうしたい”という方向へバーをスライドさせると、カメラが自動的に調整してくれます。  作例は、左の写真がクリエイティブアシストなし、右の写真がクリエイティブアシストありで撮影した写真です。「背景はくっきり、全体的に明るく、鮮やか」に表現しようと思っていましたが、しっかり反映してくれました。 ね?簡単でしょ。

上位モデル「EOS R」搭載の”タッチ&ドラッグAF”入ってます

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■使用レンズ:RF24-105 F4 L IS USM
1/160秒 F4 ISO400
 タッチ&ドラッグ機能は、ファインダーを覗いたまま液晶モニターを指でなぞると、ファインダー内のAFポイントが簡単に決められる機能です。  フルサイズセンサー搭載ミラーレスカメラの上位機種「EOS R」で搭載された機能ですが、EOS RPにもしっかり入っています。操作感はパソコンのマウスポインターのような滑らかな動きがそのまま引き継がれています。  コンパクトなボディなので、握った際に液晶モニターまでが近く操作もしやすく、グリップもしっかりしているので落とす不安なく操作ができました。  似ている機能として他機種ではジョイスティックがありますが、ジョイスティックよりも直感的に操作ができ微調整もしやすいので、マクロ撮影時や同系色の被写体の撮影時も自分の思い通りにピント位置を動かせて便利に感じました。

撮影後記

 “軽いは正義“なんてよく言われますが、一日の撮影を通してその通りだなと思いました。特に「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」との組み合わせは、とても軽くて首から下げていても、バッグに入れていても重く感じませんでした。  ただ小さくしたわけではなく、入門機だからと手抜きをしている感じもありません。撮影者のレベルや撮影状況(周囲の明るさや雨天など)は関係なく、撮影者が思う「撮りたい」に対して素直に答えてくれるカメラだと思います。  「いつかはフルサイズ」と思っている皆さん、いい写真の予感はすぐ近くにありますよ! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: RICOH GRIII レビュー|まるで作品?なんでも撮ってみたくなる魅力的なカメラ BASENAME: 466446439.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 06/05/2019 18:30:00 TAGS: コンパクトデジタルカメラ,GR III,リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,APS-C ----- BODY: R0000055.JPG
<この記事の目次>
  1. はじめに
  2. ポケットの中にだって入る。小型・軽量でかけがえのない日常を切り抜く
  3. さすが究極のスナップシューター!起動速度が抜群に速い!
  4. 28mmのGRレンズ
  5. 「もっと近くに寄りたい・・・」を叶えるマクロモード
  6. 広角レンズですがボケ感もしっかりだせます
  7. ありがとう。手振れ補正
  8. 撮影後記

はじめに

 2018年9月、ニコンやキヤノンが初となるフルサイズミラーレスカメラを発表し、カメラ業界がお祭りのような熱がある中、リコーからも新しいカメラが発表されました。  名前は「GRIII」。初めてのフルサイズミラーレスカメラではなく、代々受け継がれている“コンデジ”です。安いと思われがちなコンデジの市場において、比較的良いお値段に感じる方もいるかもしれない高級なコンデジです。  「さぞいいカメラなんだろうな」と思いポケットの中へ入れ、いざ街へ出かけました。

ポケットの中にだって入る。小型・軽量でかけがえのない日常を切り抜く

P1077155.JPG DSC00046.JPG  GRIIIのサイズは、幅109.4mm×高さ61.9mm×厚みが33.2mmです。  幅はトランプと同じくらいでAPS-Cサイズのセンサーが入っているとは思えないほど、コンパクトなボディだと思います。重量も257g(バッテリーやSDカード含め※)と軽量で持ち運びが全く苦に感じませんでした。(なんならバッグに入っているかわからないレベルかもしれません)  バッグやポケットに忍ばせて、何気ない日常のワンシーンを切り取る「GRのある生活」。良いと思いませんか。

さすが究極のスナップシューター!起動速度が抜群に速い!

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■1/1000秒 F2.8 ISO400
使用したイメージコントロール:レトロ
 前モデルのGRIIは起動時間が約1秒。  これでも速いですが、GRIIIはGRIIを超える約0.8秒ととても速いです。起動時間が速いと撮影のテンポが良くなるので、ストレスなく楽しく撮影ができました。  特にスナップ撮影の場合は周りに人がいることもあり、同じ位置でずっと撮影すると迷惑をかけてしまうこともあります。日々の生活の中で「良いな」と思ったらすぐ撮れる。これが“究極のスナップシューター”である証明だと思いました。

28mmのGRレンズ

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■1/640秒 F2.8 ISO400
使用したイメージコントロール:ブリーチバイパス
 GRIIIのレンズは18mm(35mm換算約28mm)の単焦点レンズが搭載されています。  少し広角気味な焦点距離で「距離感はどうだろう?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は割と身近な焦点距離なんです。  機種によって異なりますが、スマートフォンに搭載されているレンズが約28mmと言われています。少し親近感湧きませんか?  少し拡大したい場面もあると思います。GRIIIにはクロップモードが搭載されています。使用することで35mm、50mm相当にクロップできます。(結構便利でした)

「もっと近くに寄りたい・・・」を叶えるマクロモード

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■1/2500秒 F2.8 ISO400
使用したイメージコントロール:ビビッド
 GRIIIに搭載された「マクロモード」はレンズの先端より6cmまで寄れるようになり、これは前モデルのGRIIに「マクロコンバージョンレンズGM-1」をつけた時とほぼ同じ撮影倍率。  ボタンワンタッチで切り替えできるため、荷物を減らせられ簡単に撮影できる・・と、うまいこと尽くしです。  ディスプレイにはタッチパネルを搭載し、被写体の部分を触るとピントが合う(シャッターを切ることも可能)ので、ピント合わせ・撮影がしやすくなりました。

広角レンズですがボケ感もしっかり出せます

R0000182.JPG
■1/320秒 F2.8 ISO400
使用したイメージコントロール:ビビッド
 28mmと広角レンズを搭載しているGRIIIですが、撮影してみるとボケ感のある撮影もしっかりできます。  しかもただボケる描写ではなくピント面から外れるとなだらかにボケて奥行き感があり、肉眼で見ているような立体感のある描写に感じました。

ありがとう。手振れ補正

R0000095(2).jpg
■1/1250秒 F2.8 ISO400
使用したイメージコントロール:スタンダード
 GRIIIにはこれまでなかったボディ内手振れ補正(3軸約4段分※)が搭載されました。  35mmフルサイズ換算約28mm相当※と広角なレンズなので、比較的手振れしにくいとは思うのですが、片手で気軽に撮影することもあるスナップ撮影において、手振れ補正はかなり助かりました。
※メーカー公式HPより引用

撮影後記

 他のメーカーから発売されたF値の小さいズームを搭載したプレミアムコンパクトや、フルサイズミラーレスなど流行に流されることなく、伝統をしっかり守ったGR。前モデルのGRIIから4年が経って大きな進化を遂げていました。  一眼レフのようにヌケの良いファインダーや、大きく心地よいシャッター音があるわけではない。ミラーレス一眼のように便利な電子ビューファインダーはなく、レンズ交換はできない。高倍率ズームタイプが多いコンパクトカメラの分類だが単焦点レンズを搭載している。  一見どこにも当てはまっていないため、使い勝手はどうなの?と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。 ですがいざ撮ってみると起動が速いことや、持ち運ぶことに抵抗を感じさせないコンパクトなボディ。テーブルフォトも花も撮れるマクロ機能。仕上がる描写は味があり、特にシャドー部の階調は美しい。  持ち運ぶ頻度が多かっただけに想いがたくさんあります。ただ一言でいうならば、“GRIIIは最高のスナップシューター”です。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: RICOH GRIIIの実写レビューです。まるで作品?と思わせてくれる、なんでも撮ってみたくなる魅力的なカメラをカラーだけでなくモノクロ写真も織り交ぜてご紹介致します。 ----- KEYWORDS: RICOH,GRIII,レビュー,作例,コンパクトデジカメ ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: 【ニコンZ 6 レビュー】ニコンZ 6は良いカメラ!スペックシートにない良さが満載! BASENAME: 466693094.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 06/07/2019 18:15:00 TAGS: ミラーレスカメラ,Z 6,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ ----- BODY:

はじめに

 ニコンZ 6はニコン初のフルサイズミラーレスとなる“Z マウント”を搭載したミラーレスカメラです。  同時に発表された、4575万画素の高画素モデル“Z 7”と比較して、2450万画素と画素数は控えめなものの、常用ISO感度や連写性能など優れている部分もあります。  そのバランスの良さから、ニコンD750を使用している方の中には「D850かZ 6か。それとも今後出る?D750の後継機か迷う・・」なんて方もいらっしゃると思います。(その気持ちわかります)

Z 7と共通点が多いボディの造り

IMG_1760.JPG  ニコンZ 6のボディスペックを見てみると、同じフルサイズミラーレスカメラのZ7と共通している部分がたくさんあります。  ボディにはシーリングが施されており、防塵防滴の仕様です。撮影した日は雨が降っていましたが、安心して撮影に臨めました。雨の日の撮影は億劫になりがちなので、逆に「植物に雫が乗ったキレイな写真を撮ってみよう!」となるかもしれません。  外観部分を見ると、ボタンのレイアウトやモードダイヤルのロックボタン、ボディ前面のファンクションボタンの数も同じです。ファンクションボタンは設定できる数に影響するため一緒なのは嬉しいですね。  私が特に良いなと思ったのは、ファインダーと背面液晶モニターの解像度がZ 7と同じであることです。  ハイエンド機とミドルクラス機で解像度が異なることがあるだけに驚きました。ファインダーとモニターは写真を撮るとき・撮った写真を見るときに影響します。特に現在一眼レフカメラを使用している方にとっては、ミラーレスの特徴である電子式ビューファインダー(EVF)がどのように映るかは気になりますよね。EVFでありながらも高精細で、ニコンが「撮影すること」をとても大切にしているんだなと思いました。

2450万画素のフルサイズセンサーが描く、美しい描写

DSC_0048(2).jpg
■使用レンズ:NIKKOR Z 24-70 F4 S
1/400秒 F4 ISO400
 画質に関して同時発表だったため、どうしてもZ 7と比較されてしまいます。しかし、Z 6も高精細なフルサイズセンサーを搭載しており、2450万画素も一般的な使用用途であれば高精細です。  作例は道端に咲いていた花を撮影したものですが、雨でぬれた花の質感や葉っぱのみずみずしさをしっかり写してくれました。

高い高感度耐性

DSC_0140-2.jpgDSC_0142-2.jpg
■上写真:1/125秒 F4 ISO25600
下写真:1/160秒 F4 ISO51200 どちらもレンズ「NIKKOR Z 24-70 F4 S」を使用 WB、ピクチャーコントロールはどちらもオート。高感度ノイズ低減を「強め」に設定
 常用ISO感度は100-51200(拡張204800まで:メーカー公式HPより引用)。さらに裏面照射型センサーを搭載したことと、新エンジンの性能のおかけで暗所を撮影した写真でもクリアな描写に仕上がります。  常用ISO感度が高いことは暗所だけでなく、スポーツや動物、乗り物など動きが速い被写体の撮影時も大いに助かります。「シャッタースピードは上げたいけど、絞りはF8にしたい。でもノイズが出るのはイヤ・・」  その願い、叶いますよ!

一瞬を逃さない。最大12コマ/秒の高速連写!

DSC_0098.JPG
■使用レンズ:NIKKOR Z 24-70 F4 S
1/800秒 F4 ISO400
 Z 6は最大12/秒(14bitRAWで撮影時は9コマ/秒:メーカー公式HPより引用)です。ここ最近はミラーレスカメラを触る機会が多かったので、「ふーん。速いね。」くらいに思っていました。  しかし最大12コマ/秒って、よくよく考えてみればニコン一眼レフのフラッグシップ機のD5と同等クラスのスピードです。これって凄くないですか?ミラーレスは、一眼レフと構造が異なることから可能にしていると思うと、技術の進歩を感じます。  超一流スポーツカメラマンも使用する一眼レフと同じレベルの連写枚数って、物欲そそられます。。

チルト液晶でローアングル、ハイアングルからの撮影が楽に・・!

DSC_0122.JPG
■使用レンズ:NIKKOR Z 24-70 F4 S
1/800秒 F4 ISO400
 Z 6は、Z 7と同様、上下に可動が可能なチルト液晶を搭載しています。ローアングルやハイアングルからの撮影でも、液晶モニターを自分に向けることで楽な姿勢で撮影ができます。  私が普段使用している一眼レフの、D750と比較するとチルト液晶のライブビュー使用時のオートフォーカスがかなり速く、ストレスなく撮影ができました。さらにタッチパネルがかなり使いやすく、撮影時のピント合わせや拡大表示をスマホのように簡単に操作できました。(これ結構うれしかったです)

撮影後記

 発表されたとき、XQDのシングルスロットであることやバッテリーの容量、スペックを他社製のフルサイズミラーレスカメラと比較されることも多かったZ 6。  しかし、一眼レフ機が持つ、抜けの良いファインダーの技術を活かし、とても見やすいファインダーに加えて美しいディスプレイ。握りやすいグリップと右手で多くの操作が完結できるボタン配置。そして、フルサイズならではの描写力の高さ。  スペックシートでは分かりにくい感覚的なところですが、Z 6はこれらが良くできているため、被写体に集中して撮影することができました。(恥ずかしながら、どこか違和感を覚えると被写体に集中できなくなってしまうことがあるんです)  スペックシートだけで決めるのではなく、ぜひ実機を触ってステップアップの選択肢に考えてみては、と思いました ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!~国内撮影編~|三田崇博 BASENAME: 466753707.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三田崇博 DATE: 06/10/2019 08:00:00 TAGS: カメラバッグ類,写真家のカメラバッグの中身が知りたい! ----- BODY:

はじめに

カメラバッグの中身画像1.png  国内撮影では車での移動が多く一眼レフカメラ2台とミラーレスカメラ1台を主に持っていきます。レンズは魚眼から400mmまで様々な被写体に対応できるようにしています。 しかし、車から降りて歩くことも多くその時の状況に応じて小型バッグに必要機材だけを入れていくことも多いです。  見出しの写真は北海道定山渓の紅葉撮影の時のものです。この時はフェリーに車を乗せ北海道に行きましたが、帰りは紅葉を追いかけながらすべて下道を運転して帰りました。

カメラバッグ

では具体的に見ていきましょう。まずはカメラバッグ。
・ロープロ プロランナー450AW カメラバッグの中身画像2.png  一眼レフ機材一式を運搬するときには大型のカメラバッグを使います。撮影地ではこの中から機材をチョイスして小さめのバッグで撮影することもあります。(現行モデル:プロランナーBP450AW II)

わたしのカメラ機材

カメラ機材も詳しく紹介していきます。
・ニコンD800 カメラバッグの中身画像3.png 少し前のモデルになりますがフルサイズセンサー3600万画素は今でも必要十分。
・ニコン D500 カメラバッグの中身画像4.png 主に望遠系のレンズ(70-200や80-400)での撮影時に使います。ミラーレスカメラのAFもかなり良くなりましたがこのカメラのAF性能はずば抜けています。また光学ファインダーは写る像に遅延がなく動物や祭りの動きの速い撮影にとても適しています。 ・ニコン AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G アイスランドでオーロラを撮るために購入。重いレンズですが写りはピカイチ。 ・ニコン AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II D500との組み合わせで35mm換算で300mmF2.8で撮影することができます。夜の祭り撮影などで威力を発揮してくれるレンズです。 ・ニコン AI AF VR Zoom-Nikkor 80-400mm f/4.5-5.6D ED D500との組み合わせで35mm換算で600mmで撮影することができます。
・ニコン Ai AF Nikkor 50mm F1.4D カメラバッグの中身画像5.png 中古でとても安価に手に入るレンズですが味のあるその描写が好きでカメラバッグの片隅に忍ばせています。
・タムロンSP 24-70mm F/2.8 Di VC USD カメラバッグの中身画像6.png  フルサイズ用の標準レンズです。手振れ補正も付いていてニコン純正の半額以下で買えるのが魅力です。描写もとてもいいレンズですが現在はG2にモデルチェンジしてその描写力にさらに磨きがかかっています。
・トキナー AT-X 107 DX Fisheye カメラバッグの中身画像7.png ズーム魚眼という珍しいカテゴリーのレンズです。使う場所を選びますが歴史的建造物内部や木々を見上げるような構図で撮るときなどに役立ちます。

アクセサリー・その他

その他にも持ち出してきます。 ・ハスキー4段雲台一体型三脚 カメラバッグの中身画像8.png エレベーターを伸ばすと244cmにもなる大型三脚。一番細い部分でも22.2mmのパイプ系があり安定感抜群です。どうしてもハイアングルで撮りたい時用に車に入れています。この三脚を使う際には脚立も必修です。車から歩く場合もあるのでもちろん小型の三脚も持っていきます。
・ニコン SB-900 カメラバッグの中身画像9.png 人物撮影以外に雪を止めて写すときや逆光での花の撮影などに使います。作例は岐阜県白川郷で大雪の中ストロボを複数回発光させて撮影したものです。 ・パナソニックレッツノート CF-J10 旅先では何度かPCを壊した経験があり、最も頑丈と言われるレッツノートを使っています。 その他、車移動時にはDC-ACインバーターも必要不可欠です。これを使うと車内でバッテリーの充電などができます。

最後に

いかがでしたでしょうか。 これでも機材紹介を絞らせていただきましたが、カメラバッグの種類によって様々な組み合わせがあるかと思います。 次回は海外旅行編のカメラバッグ紹介を行っていきます。 国内撮影とは一味違った機材やアイテムです。ぜひご覧ください。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!そんなあなたに向けて、三田崇博のバッグを覗かせていただきました。 ----- KEYWORDS: 写真家,カメラバッグ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 【ファミリーフォト】ニコンD5500・D5600を使った撮影テクニック!Vol.1|水咲奈々 BASENAME: 467049953.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 06/12/2019 10:00:10 TAGS: D5500,D5600,人物_子供,ニコン(Nikon) ボディー,ポートレート(人物),子供,デジタル一眼レフカメラ,APS-C ----- BODY:

はじめに

 この連載では、自身も6歳のやんちゃ盛りの息子を持つ写真家・水咲奈々が、ニコンD5500・D5600を使ってファミリーフォトを撮る方法をレクチャーします。これからお子さんや家族の写真を撮ろうと思っている初心者の方、動き回る子どもを相手にいつも記念的な写真しか撮れない方、笑顔でピースの子ども写真にマンネリを感じている方、家族の想い出を彩る素敵な写真が撮れるようにお手伝いします!  元気いっぱいに飛んだり走ったり、止まることを知らないかのように動き回る子どもの姿には感動さえ覚えますが、いざ写真を撮るとなると「お願いだからじっとしてて!」と思ってしまうこともありますよね。記念すべきVol1は、レンズ交換式カメラのメリットでもある大きなボケを使って、記念写真を脱した雰囲気のあるキッズ・ポートレートの撮り方をレクチャーします。

「ボケ」を作りましょう!

 まず、記念写真を脱するためには大きなボケを作りましょう。背景がはっきり写っている写真はどこに行ったかがわかっていいのですが、人物が浮き立つような背景がボケた写真は、お子さんの表情が一層引き立ちます。 ・F1.4 01_DSC_0363_p.jpg ・F5.6 02_DSC_0374_p.jpg ■D5500 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G ISO100 WBオート
 開放値のF1.4で撮影した写真(上)は、後ろのぬいぐるみがボケているので、手前の赤ちゃんが主役として引き立っています。F5.6で撮影した写真(下)は、後ろのぬいぐるみと壁紙の主張が大きいので、赤ちゃんの表情よりもどんな所で撮影したかが気になる写真に仕上がっています。  このような大きなボケを作るためには、開放F値の小さい、いわゆる大口径の明るいレンズを使いましょう。F値の小さいズームレンズもありますが大きくて重いものが多いので、荷物の多いファミリー層には軽くてコンパクトな単焦点レンズがお勧めです。

D5500、D5600に最適!単焦点レンズの選び方

ニコンD5500とD5600と相性のいい、ポートレート撮影に向いている単焦点レンズですが、キットレンズしか持っていなくて、初めて単焦点レンズを購入される方は「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」がお勧めです。 L.jpg  実際に持ってみるとわかりますが、とても小さくて軽いので気軽に持ち歩けます。D5500とD5600に装着すると75mm相当になり、ポートレートに大切な大きなボケが得られやすい画角になります。そして何よりコスパがいい!  いきなり高価なレンズを買うのも持ち歩くのも不安な方は、ぜひこのレンズでキットレンズでは見ることのできなかった、大きくて綺麗なボケを楽しんで頂きたいです。  というのは、ボケの大きさはレンズのF値と比例しますので、たとえば開放値がF3.5のレンズとF1.8のレンズでは、F1.8のほうが大きなボケを得られます。今までどんなに苦労してもできなかった大きなボケを簡単に作り出せるのが、大口径の単焦点レンズなのです。  単焦点レンズは何本か持っているけど、どれもしっくりこない単焦点レンズジプシーの方には「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」がお勧めです。D5500とD5600に装着すると87mm相当の画角になります。前述の「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」より大きさ重さ金額ともにアップしますが、このレンズを使えば写真の腕が2~3段上がった気分になれます。ボケの大きさはもちろん、人肌のグラデーションを繊細に美しく描き出してくれるので、お子さんの成長を美しく記録するのに最適なレンズです。人物を撮るのにはこれ一本持っていれば他のレンズはいらないほどです。これからもポートレートを撮り続けたい方は一生使える筆者一押しのレンズですので、ぜひご一考ください。

シャボン玉で、一味違う写真が撮れる!

03_553_0062.jpg ■D5500 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G F1.4 1/1000秒 +0.3EV ISO100 WBオート
 大きなボケを作れる単焦点レンズをカメラに付けていざ撮影となっても、肝心のお子さんがカメラの前にいてくれないと写真は撮れませんよね。お子さんの笑顔を引き出しながら、一ヶ所にじっとしてもらうお勧めの方法は「シャボン玉」です。 04_552_3941.jpg ■D5500 AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G F1.8 1/1600秒 +0.7EV ISO400 WBオート
 シャボン玉はどんなものでも構いませんが、ストローや小さな穴から息を吹きかけて膨らませるタイプにしましょう。そうすると、走り回るとシャボン玉が作れない、上や下を向いてしまうとシャボン液が垂れてしまうので、必然的に立ち止まって顔が正面を向きます。 05_553_0326.jpg ■D5500 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G F2.2 1/1000秒 +0.3EV ISO100 WBオート
 また、楽しいことをしているときは何も言わずとも笑顔が出ます。「笑って!」と命令するのではなく、思わず笑顔になってしまうようなシチュエーションを作って、お子さんが楽しんでいる瞬間を撮影しましょう。絞りは開放からF2.8くらいで背景とお子さんの距離を離すことで後ろに大きなボケを作り出すことができます。

最後に

06_553_0396.jpg ■D5500 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G F2.2 1/1000秒 +0.3EV ISO100 WBオート
 背景の大きなボケがあるからこそ、喜怒哀楽豊かなお子さんの表情が更に活き活きとして引き立ちます。笑顔でピースだけではない、その時にしか見られないかわいい表情のすべてを写真に残す気持ちで、たくさんシャッターを切ってください。30~40枚撮って1枚いい写真があれば上出来!という気持ちで、気負い過ぎずに楽しく撮影するのがファミリーフォトの基本です。これから暖かくなってきますので、お子さんとの楽しい一枚を残すために、カメラとシャボン玉を持って遊びに行きましょう! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんによる、子どもの写真をきれいに撮りたいパパママに向けた【ファミリーフォト】連載!Vol.1はレンズ交換式カメラのメリットでもある大きなボケを使って、記念写真を脱した雰囲気のあるキッズ・ポートレートの撮り方をレクチャーします。 ----- KEYWORDS: 写真の撮り方,ファミリーフォト,D5600,D5500 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 【新製品紹介】富士フイルムが「instax mini LiPlay」を発表!チェキに音が入る?? BASENAME: 467063260.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 多賀野友輔 DATE: 06/12/2019 16:40:00 TAGS: instax mini LiPlay,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,インスタントカメラ,その他カメラ ----- BODY:

instax mini LiPlayを発表

DSCF0067.jpg
(カラー:エレガントブラック)
 富士フイルムよりinstaxシリーズ最新作「instax mini LiPlay」が発表されました。 先ほど発表会にお邪魔し、実際に触ってきましたので製品概要を含めて紹介いたします!
今回の新製品には「LiPlay」の名前が採用され、

Live life & Play Live your life and enjoy yourself/play/have fun 人生をもっと楽しもう!
をテーマに、大人の女性をターゲットとした商品です。  実際に触ってきた感想を絡めながら、紹介していきます!

小型 & 軽量!

DSCF0044-2.jpg  何と言っても、今回の「instax mini LiPlay」は重さ255g!内部設計を見直し、インスタックスシリーズ最小最軽量を実現しました。 これはinstax mini8+の355gやinstax SQUARE SQ20の390gと比べると、とても軽いことが分かります!  実機の隣には水が半分入ったペットボトルが用意されていました。  同じ重さとのことで持ち比べてみると、、、その軽さに改めて驚愕しました。

ハイブリッド

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(カラー:ブラッシュゴールド)
 チェキのユーザーからよく聞く「失敗してフィルムを無駄にしたくない」を解決できる機能が盛り沢山! 背面にLCD(液晶)モニターを搭載。どんな写真が撮れているかを見ながら撮影・確認・保存ができ、好きな画像を選んでプリントできます。

プリンター機能搭載

1.jpg  今回からBluetooth機能搭載!専用アプリを利用することでスマホの写真をチェキに送信してその場でプリントができます。 チェキをただ撮るだけでなく、その場で複数枚プリントができるので、旅行やお祝い事もシェアができます!

チェキから音が出る??QRコード搭載!

DSCF0046.jpg  なんと今回の「instax mini LiPlay」は、チェキ本体で録音した音をQRコード化し、画像と一緒にinstaxプリントにすることができます! instaxプリントに印字されたQRコードをスマートフォンで読み込むと音を再生できるため、より一層臨場感あふれる思い出の残し方ができます。

その他にも魅力的な機能満載!

DSCF0085.jpg
(カラー:ブリッシュゴールド)
 今回の「instax mini LiPlay」は前述した専用のスマートフォンアプリを使用すると、スマートフォンをリモコンとして撮影できます。 本体にフレーム機能が搭載!本体に搭載されているフレーム10種類に加えて、専用アプリを使用することでもう20種類、合計30種類のフレームが使用できます! DSCF0096.jpg 本体側面の3つのショートカットボタンには、アプリで選んだフレームを自由に設定することができます。 ~7390931.jpg  様々な機能が盛り沢山搭載された「instax mini LiPlay」は2019年6月21日(金)発売! 「チェキ、興味あったんだよね~」と思われている方がいらっしゃいましたら、是非チェックしてみてください! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 富士フィルムよりinstaxシリーズ最新作「instax mini LiPlay」を発表されました。 先ほど発表会にお邪魔し、実際に触ってきましたので製品概要を含めて紹介いたします! ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!~海外撮影編~|三田崇博 BASENAME: 467116813.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三田崇博 DATE: 06/17/2019 08:00:00 TAGS: カメラバッグ類,写真家のカメラバッグの中身が知りたい! ----- BODY:

はじめに~海外撮影について~

海外編T3含む.jpg  私はこれまでに90か国以上の国や地域を旅してきました。以前は一眼レフタイプのカメラを使っていて荷物の総重量は相当なものでしたが、ミラーレスカメラの登場により飛躍的に重量を減らすことができました。仕事の内容によっては今でも機材が多くなることもありますが、基本的には海外に行く際は機材を必要最小限にすることを最も重要視しています。  プロなのに、と思われるかも知れませんが海外では長時間歩くことも多く100gでも荷物を軽くすることが旅の疲労度を左右すると言っても過言ではありません。また最近の安い飛行機(LCC)では機内持ち込みの手荷物許容量が7kgなどのこともよくあります。  見出しの写真はトルクメニスタンという国にある地獄の門といわれるガスクレーターで撮影しているところですが、ここまで来るのに真っ暗の砂漠を2時間も歩かなくてはいけませんでした。

カメラバックについて

では具体的に見ていきましょう。 まずはカメラバッグ。 2.jpg ・ハクバ GW-ADVANCE ピーク 25  リュックタイプで重量がわずか1400g。長時間背負っていても疲れにくい登山タイプです。 カメラ収納部はカメラ一台とレンズ2本のみですが、上部に着替えやドローンを収納することも可能。見た目以上に収納できます。また背中部分が直接当たらないようなメッシュ構造になっていて長時間のトレッキングなどの際にも負担が少ないのもポイントです。
・コールマン カメラショルダーバッグ  ポーチタイプの小型バッグ。すぐに取り出せるように小型のカメラや貴重品を収納しています。このサイズでポケットがたくさんあり小物や貴重品などもたくさん収納することができます。

カメラ機材

続いてカメラ機材。
・富士フイルム X-T3 T3.jpg  富士フイルムの最新の2600万画素センサーとエンジンを搭載するミラーレスカメラです。防塵・防滴仕様にもなっているので海外でも安心して使うことができます。防塵・防滴機構が不要ならさらに軽量、コンパクトなX-T30もおすすめです。
・富士フイルム X-A5 3.jpg  超小型ミラーレスカメラで常にサブバッグに入れてとっさの時の撮影に備えています。ベーシックモデルのカメラですがAPS-Cで2400万画素なので画質も安心。 ・富士フイルム XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS  とてもコンパクトであるにも関わらず、広角側の開放F値は2.8。 ・富士フイルム XC50-230mmF4.5-6.7 OIS 4.jpg  キットレンズですが写りは上々。とにかくとても軽くポケットにも入ってしまう350mm(フルサイズ換算)。 ・富士フイルム XF10-24mmF4 R OIS  広角レンズも軽量なF4通しのこちらのレンズを主に使います  これら広角から望遠まで3本のレンズの総重量は1,095gで、なんとフルサイズカメラの望遠レンズ1本よりも軽量で広角10mm~望遠230mmまでカバーできてしまうのです。

ドローンも持っていきます…!

・DJI Mavic Pro 5.jpg  これまでドローンというと大きくて持ち運びが大変とあり海外に持っていくのは躊躇していましたが、2年半ほど前に発売された折り畳み式のこのモデルであればバッグにもすっぽり入ってしまいます。今ならセンサーサイズと画素数がアップしたMavic2Proがおすすめです。

アクセサリー・その他

その他、アクセサリーや三脚などを紹介していきます。
6.jpg ・ジッツオ トラベラー GT054ST(写真右)  元祖トラベル三脚のジッツオ。カーボン製でとても軽いのに一眼レフカメラを載せても問題ないその作りは唯一無二です。 ・ベルボン UT-43Q(写真左)  2台撮影時のために主にミラーレス用に使っています。とてもコンパクトに収納できるのでリュックの中に収納できてしまいます。 ・レインコート  モンベルの最軽量レイーンスーツを常に入れています。上下合わせても217gととても軽いのが魅力です。 ・パナソニック レッツノート CF-J10  旅先では何度かPCを壊した経験があり、最も頑丈と言われるレッツノートを使っています。10.1インチモデルなのでリュックの内ポケットにすっぽりと収まります。すでに8年以上使っていますが壊れないのでなかなか買い替えができずにいます(笑) ・iPad mini2  主にドローンのモニターとして使用。しかし空港などWIFIのあるところなどでちょっとした調べものなどにも重宝します。

最後に

いかがでしたでしょうか。 先週公開を致しました、国内撮影編と合わせてご覧いただきますと、より一層荷物の違いやカメラバッグへのこだわりがお分かりいただけると思います。 ぜひ併せてご覧ください。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ソニーEマウントユーザー待望の望遠単焦点レンズ!FE200-600mm F5.6-6.3 G OSS BASENAME: 467347860.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 06/21/2019 18:00:00 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,望遠ズーム,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS ----- BODY:

はじめに

 2019年6月、ソニーから2本の望遠レンズが発表されました。 1本目は本レンズ“FE200-600 F5.6-6.3G OSS”、そして、もう1本は“FE600㎜F4GM OSS”の2本です。Eマウントの望遠レンズは純正レンズだと400㎜までカバーするラインナップでした。  望遠レンズで他社の500㎜を使用していた筆者は、α7Ⅲを購入し「Eマウントの望遠側のレンズが増えないのかなぁ」と考えていたタイミングだったので、発表されたときはかなり驚きました。  発売前ということでソニーストア銀座にお邪魔し、α7Ⅲを使用して撮影をしてきました。

ソニーEマウントレンズ最長の焦点距離(2019年6月現在)

 今までのソニーEマウントレンズラインナップでは”FE100-400㎜ F4.5-F5.6 GM OSS”と”FE400㎜F2.8 GM OSS”の400㎜が最長の焦点距離でした。  焦点距離が200㎜増えたことによって、遠くを撮影するすべての環境・場面で恩恵が得られます。 例えばスポーツや乗り物は撮影しても良い区画が決められていることが多く、動物の撮影では近づけば近づくほど逃げられてしまうリスクがあります。  あと数メートル近づければ・・・と思っていた皆様のそのお気持ち、このレンズが解決してくれそうです。

ズームしても伸びない“インナーズーム”のメリットって?

zu-mu.jpg 本レンズの特徴の一つに、ズームをしても鏡筒が伸びない“インナーズーム”があります。  
「インナーズームを採用したみたいだけど何が良いの?」
と疑問に思われた方へ、インナーズームの良さをお伝えします!
 インナーズームによる3点のメリット! ① 鏡筒が伸びないので、重心の位置が変わらず持っている時の負担が少ない ② 鏡筒が伸びるズームレンズと比べ、雨やホコリの混入リスクが少ない ③ 人が比較的多いテーマパークやサーキット場などで使用する際、ズームしても不意にぶつかるリスクが低い
とメリットがあります。
 どれも嬉しいことですが、特に①と②は撮影に集中できるという点で大きなメリットですよね。 (筆者の場合はテーマパークに行くことも多いので、実は③もめっちゃ嬉しいです)  さらにズームリングを大きく回さずに焦点距離をコントロールできるので、ズームのために持ち替える必要がない印象でした。望遠レンズを片手で支えるのはかなり困難なので、嬉しいポイントです。

テレコンバーター対応

・テレコンなし
・ソニー 1.4X Teleconvertor [SEL14TC]
・ソニー 2X Teleconvertor [SEL20TC]
 ソニーからは焦点距離を1.4倍、2倍にする2種類のテレコンバーターが発売されています。皆さんも気になるであろうポイント「テレコンを使用するとAFスピードは大丈夫?」という点について、実際に試してきました。いざ使ってみると問題なく被写体へのピント合わせができ、筆者の取り越し苦労ということが分かりました。  SONYさん、少しでも疑ってしまった私をお許しください…

第三の手ぶれ補正“mode3“とは

mode3V2.jpg 手振れ補正スイッチには第三の選択肢となる“mode3”があります。  通常の手振れ補正に対応のmode1、横方向の補正をオフにし流し撮りに対応のmode2に加えて、“400mmF2.8 GM OSS”にも搭載されたmode3が本レンズにも搭載されました。使用することで、不規則な動きをする被写体の撮影時に、被写体を追いかけていてもファインダー像が安定させてくれます。そうすることによってフレーミングが安定し、より撮影に集中できるようになります。実際に覗いてみましたが、シャッターボタン半押しした際のファインダー内がカクつかない印象でした。  不規則な動きをする被写体の撮影時に効果を発揮するので、スポーツ撮影や動物の撮影時は瞳AFも相まって大活躍なんだろうなと思いました。

美しいボケ味

DSC03129.jpg
(1/500秒 F6.3 ISO2000)
 Gレンズということで、もちろん描写力は高く、ボケは天下一品です。重要な絞り羽根は、「FE85mm F1.4 GM」や「FE135㎜ F1.8 GM」などボケ味に定評のある名レンズ達と同様に11枚の円形絞りを採用しています。焦点距離が長くボケ量が大きいうえに、美しいボケ味。写欲が湧きますね!(筆者の物欲も比例して湧きます…)

撮影後記

最長の焦点距離を持つレンズが登場し、ますます勢いを見せるEマウント。望遠レンズということで動体撮影に対して、どうすれば撮りやすいか意識していることが随所に見えました。  同じ焦点距離の”FE600㎜ F4 GM OSS”が同時に発表されたことで、廉価版に思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際に触り、撮影した描写を見ると廉価版とゆうよりも兄弟機といった印象でした。 また、今回は望遠側の600㎜をフューチャーしましたが、広角側は200㎜なので幅広い撮影シーンに対応できるなと思いました。 Eマウントユーザーの皆様は「望遠レンズはどうしよう?」と悩みが増えますね! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: FE200-600㎜ F5.6-6.3GMOが発表されました!ソニーストア銀座にお邪魔し、α7Ⅲを使用して撮影をしてきました。 ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!|山本まりこ BASENAME: 467337074.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山本まりこ DATE: 06/24/2019 08:00:00 TAGS: カメラバッグ類,写真家のカメラバッグの中身が知りたい! ----- BODY:

私のカメラバッグ

camerabag1.jpg  私が愛用するカメラリュックはmarimoa(マリモア)。 2016年にVANGUARDさんとのコラボレーションで山本がプロデュースさせていただいたオリジナルブランドです。毎日このmarimoaにカメラやいろいろな物を入れて活動しています。
 このmarimoa、初年度にブルーとオレンジ、翌年にブラックカラーを数量限定で発売しました。 嬉しいことにあっと言う間に完売。ですので、今は買うことはできません。今回写っているネイビカラーは、VANGUARDさんがプレゼントして下さった世界で一つのmarimoaです。
 名前の由来は、マリモからとっています。そう、湖に生息するあのマリモです。名前が”まりこ”なので、たまにマリモさんと呼ばれていたことからマリモをモチーフに名前をつけました。
 ちなみに、名前の最後の”a”は、マリモが住む北海道の阿寒湖(あかんこ)の”a”。阿寒湖には、直径30cmを越えるマリモがゴロゴロと生息しているのだそう。このバッグをプロデュースするときにその大きなマリモの存在が気になり、阿寒湖まで撮影に行きました。顔より大きなマリモに目を丸くしました。

marimoaのこだわり

 さて。このmarimoa、こだわりを持って作っています。 とことん使いやすいようにいろいろな提案をし、それを全てVANGUARDさんに叶えていただきました。
 女の子が背負っても可愛らしいシルエットになっていますが、たくさんの機材を入れることが出来ます。いつもの私の例で言うと、ミラーレスカメラ1台、レンズ2~3本、パソコン、iPad、お財布、鍵、携帯電話、携帯電話の充電器、化粧ポーチ、バッテリー2~3個などなどをごっそり入れて持ち運びしています。
 その他、三脚も内側に収納できますし、外側のポケットに固定して運ぶこともできます。そして、たくさんの機材を入れて背負っても疲れないところがお気に入り。背負う部分に厚めのクッション素材が入っているので、肩に負担がかからないようになっています。  また、内側にはたくさんのポケットがついていて、SDカードや、鍵、レンズキャップなど、小さくてなくしてしまいそうなものも個別に収納が出来ます。

最後に

 今後は、違うカラーのmarimoaや、形を変えたタイプを発売できたらなあといろいろ妄想しています。VANGUARDさん、そろそろ、いかがでしょうか。みんなも、そろそろ新しいmarimoaが欲しい頃だよね!
ほぼ毎日このmarimoaと一緒に過ごしています。
だから、お財布も化粧ポーチもこの中に。
それが私のカメラライフスタイルです。

バッグ・機材紹介

camerabag2.jpg 今回実際に入れているもの
①marimoa ②SONY α7RⅢ ③70-200mmレンズ(FE 70-200mm F4 G OSS) ④24-105mmレンズ(FE 24-105mm F4 G OSS) ⑤バッテリー ⑥SDカードケース ⑦お財布 ⑧化粧ポーチ ⑨サコッシュ ⑩携帯電話 ⑪サクラスリング(携帯電話用) ⑫鍵 ⑬携帯電話充電器 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!そんなあなたに向けて、山本まりこさんのバッグを覗かせていただきました。 ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 【パパママ応援企画】コレを読めば、スポーツでいつもと違う写真が撮れる! 少年サッカー編 BASENAME: 466184368.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 06/25/2019 08:00:00 TAGS: スポーツ ----- BODY:

はじめに

 学校のグラウンドで走りまわる子供達!カッコよく撮ってみたいですよね〜 でもなかなか思ったように撮れていない事多くありませんか? そんなお悩みを解決するテクニックをプロがお教えします!  今回は小学校のグラウンドでの少年サッカーです。 子どもたちがいきいきとボールを追って走り回る姿を撮ってるパパさん、ママさん多いですよね。  どんな風に撮れてるのかな~?って、そんな姿を見て少し気になっていました。 と言うのは、パパさん、ママさんが撮ってる姿がちょっと自分とは違っていたからなんです。

POINT①撮影するアングル

 みなさん結構グラウンドの周りで、立ったまま撮影している人が多いみたいです。立ったままのがすぐ動けるし悪くはなんいんですが、大人が立ったままで撮影していると、子供たちよりも視線の位置が高くなってしまうんです。 ローアングル2.jpg  この視線(カメラ)の位置で、写真の迫力は大きく変わってくるんです。 下の2枚の写真を見れば分かりますが、グラウンドの境目の位置が違ってますよね。 左の写真は立って撮影、右の写真はグラウンドに座って撮影しています。 子どもたちの視点よりも低い位置でローアングルで撮影する事によって力強さ、迫力のあるシーンを撮ることができます。 ローアングル2枚.jpg

POINT②いろいろなポジションで撮る

 撮影できる場所が自由にあるのであれば、積極的に撮影場所を変えて撮ってみることをおすすめします。もちろん試合の邪魔になるような場所での撮影は厳禁ですが、撮影場所をいろいろ変える事によって写真に変化が加わります。 練習風景.jpg  特に試合開始前やハーフタイム、試合終了のタイミングには、試合の最中と違った子供たちの表情を撮ることができます。試合時間をしっかりと確認しながら、撮影ポジションを移動しましょう。 ポジション.jpg

POINT③連写モードを使う

決定的瞬間はなかなか撮ることが難しいですよね。だから試合の最中は連写モードで撮影する事をおすすめします。 連写.jpg  連写で撮れる枚数はカメラによって異なりますが、シュートを打つシーンやセットプレーのシーンなどでは、ボールを蹴り出す前から連写でシャッターを切ることが良い瞬間を撮るコツです。  スポーツ写真を撮る際には、最初から連写モードに設定しておくのが良いでしょう。また連写する事が多くなるので、記録メディアも容量の大きいもの、予備のバッテリーも用意しておくのが得策です。ここで注意しないといけないことは記録メディア。容量に目がいきがちですが、書き込み速度が重要になります。書き込み速度の遅い記録メディアは、カメラの連写性能をフルに発揮できない場合があります。連写してる最中にシャッターが切れなくなったりする事がある場合は、記録メディアの書き込み速度遅い場合が考えられます。 本番撮影前に実際に連写テストしておくと、どのくらい撮れるか把握することができます。 連写2.jpg

POINT④スローシャッターで撮る

 ちょっと上級テクニックになりますが、シャッター速度を落として撮影する動きを表現するテクニックにチャレンジして、いつもと違った写真を撮ってみよう。 スローシャッター.jpg  この写真はシャッター速度1/80秒。ドリブルのシーンなどで、選手の動きに合わせてカメラ・レンズを振りながら撮影する、いわゆる「流し撮り」の手法です。スローシャッターで撮影する事により、写真の中にブレがでて、動き・スピード感を表現することができて、いつもと違った写真を撮ることができます。あまりシャッター速度を遅くしすぎると、たんなるブレ写真を連発するだけになるので、少年サッカーであればシャッター速度は1/100以下くらいで試してみてください。 SS.jpg  上の写真はゴールキックのシーンですが、左側の写真がシャッター速度1/640秒。右側の写真が 1/60秒。シャッター速度1/640秒でもキックする右足は少しブレてますよね。これでも少し躍動感が表現できますが、右の写真のようにシャッター速度を遅くしてキックする選手の動きに合わせてシャッターを切れば、よりダイナミックなシーンを撮ることができます。 スローシャッターでいい写真を撮るコツは、POINT③の連写モードで撮影する事。少しブラした写真を撮るのはなかなか難しいテクニック。連写で撮影する事で、うまく撮れる写真の確率を上げるんです。失敗を恐れずにチャレンジしてみてください。うまく撮れた時は感動しますよ。 スローシャッター3.jpg

POINT⑤試合だけでなく練習風景も撮る

 試合中の迫力ある写真はもちろんですが、試合の前や試合の後の練習風景や集合写真も撮っておきたいですね。  試合の時には見せない笑顔や、仲間同士の関係性など楽しさが伝わってくる写真をたくさん撮ることができます。何よりも試合の時よりも、いろいろなシーンが撮りやすいですね。  定期的な集合写真も撮っておきましょう。子供たちの成長は早いですからね。 集合写真.jpg  集合写真のコツは左右のバランス。バランスよく並んでもらう。また目をつぶっている子もいたりして全員の笑顔を撮るのはかなり難しかったりする。そこで集合写真も意外かもしれないが、連写で撮る事をおすすめしたい。連写(それほど速くなくてOK)で撮れば、全員の笑顔が撮れる確率が高くなります。2~3回に分けて連写で撮ってみましょう。  ちょっと特殊な撮り方になるが、魚眼レンズを使った集合写真の撮り方を紹介します。 魚眼.jpg  どんな風に撮っているかと言うと、子供たちに円陣を組んでもらって、その輪の中に寝転んで撮るとこんな感じに撮れるんです。  もちろん魚眼レンズや超広角のレンズが無いと撮れないんですが、最近ではスマホにつける手頃な価格の魚眼レンズのアダプターもあるのでスマホで撮ってみるのもいいかもしれません。 円陣.jpg  コレを読めば、いつもと違う写真が撮れる! 少年サッカー編。いかがだったでしょうか? プロが実践している5つのポイント。ぜひ試してみてくださいね。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 学校のグラウンドで走りまわる子供達をカッコよく撮ってみたい!でもなかなか思ったように撮れていない事多くありませんか?そんなお悩みを解決するテクニックをプロがお教えします!今回は小学校のグラウンドでの少年サッカーです。 ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: 【突撃レビュー】超弩級!ソニーFE600mmF4 GM OSSはEマウント最高クラスの光学設計! BASENAME: 467453923.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 06/25/2019 18:00:00 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 600mm F4 GM OSS,単焦点 ----- BODY:

はじめに

 今回は、先週記事を掲載したFE200mm-600mmF5.6-F6.3と同日に発表があったFE600mmF4 GM OSSのレビューです。  というのも、こちらのレンズはデモ機の本数が少ないようで、訪ねたソニーストア銀座では2019年6月23日(日)までの限定公開とのこと。その後は別のソニーストアに移動するとの事です。(また銀座に戻ってきてほしいですね)  最高の光学性能を誇るレンズなので、より良さをお伝えできるように、ボディも最高クラスのカメラα9につけて試してきました。

見た目に反するその軽さ

FE600レンズ構成2.png.jpg (出典:ソニーマーケティング)  実はソニーストアでは先にFE200mm-600mmを触っていたのですが、隣にある白く大きいレンズがあってチラチラ見ていました。  もちろんFE600mm F4 GM OSSですが、とても大きな見た目のレンズだったので心の中では「いやぁ軽いとは言っても、なんだかんだ重いんじゃない?」と疑っていました(ソニーさんすみません…)  いざ本レンズを持ってみると“えっ?軽っ!!”と声を出して驚くほど、とても軽い。この感覚はぜひ手に取ってお試しいただきたいです。  軽さの秘訣ですが、答えはレンズ構成にありました。 レンズ構成図を見てみるとFL(蛍石)レンズとXAレンズが中央に、ED(特殊低分散)レンズを後方に配置しています。  このクラスのレンズは、FLレンズやEDレンズといった特殊レンズを前に持ってくることが多いためフロントヘビーになりやすく、同時に重く感じます。しかし本レンズは特殊レンズや通常のレンズを中央~後方に多く配置することによってフロントヘビーになりにくく、重心が中心にあるため持った時に軽く感じるよう工夫がされています。

最高の光学設計

FE600mm MTF.png (出典:ソニーマーケティング)  私はあまりMTF曲線だけでレンズの性能すべてを決めるわけではありませんが、本レンズのMTF曲線を見た時、あまりにも凄いため「おぉ~」と声が出てしまいました。  MTF曲線とはレンズ性能の参考になる図表で、とても簡単に言えば線が上に行けば行くほど良いレンズというような表です。  表を見てみると本レンズは、レンズの比較的描写が甘いと言われる“絞り開放”の状態でほぼすべての線が天井に張り付いており、「凄い…」と声が出てしまいました。  光学性能の高さが分かったと同時に、「相当描写が良いんだろうな」と想像が膨らみました。

FE400mm F2.8 GM OSSと同じスイッチ配置

FE600mm.jpg  600mmの単焦点レンズは長い焦点距離に加えて、F値が明るい・速いAFスピードという特徴があるため、スポーツや動物・乗り物など一瞬のシャッターチャンスを逃せないシーンでの使用を考える方が多いと思います。  そして中には“FE400mm F2.8 GM OSSと併用”なんて方もいらっしゃるかもしれません。ですが、もし併用している時に誤ったスイッチ操作で撮影ができなったらと思うと怖いですよね。  本レンズはスイッチの配置が400mmと同じなので、レンズを変えても「えっと…600mmはこのスイッチは…」と気を取られるようなこともなく、撮影に集中できます。

テレコンを使用しても高速なAF

・テレコンなし
・ソニー 1.4X Teleconvertor [SEL14TC]
・ソニー 2X Teleconverter [SEL20TC]
   同時に発表されたFE200mm-600mm F5.6-6.3 G OSSと同様に、焦点距離を延長するテレコンバーター(1.4倍、2倍)に対応しています。  XDリニアモーターも搭載されているので、テレコンバーターを使用していてもオートフォーカスがとても速い。さすがです。

三脚座の工夫に筆者感動

印.jpg  多くの超望遠レンズには、三脚に乗せる際に重心が前に傾かないよう、レンズに三脚を取り付けられる三脚座という機構があります。また、三脚座にはダイヤル(レンズを固定するダイヤル)があり、緩めると自由に回転させることができるため、三脚に取り付けていても撮影する写真の縦位置と横位置が変更できます。  三脚座を採用しているほとんどのレンズには回転させても水平が取りやすいように、印がついています。もちろん本レンズにもその印はついているのですが、それだけではないんです!  印の場所になると“カチッ”と軽くクリック感があり、簡単に印の部分に合わせられます。これまでは印の部分に慎重に合わせていたと思いますが、とても簡単に・楽に合わせられるなと思いました。 三脚座.jpg “クリック感はいらない“という方も想定してクリック感をオフにすることもできます。

撮影後記

 いよいよ600mmの超望遠レンズも発売されて、勢いを増すソニーEマウント。光学設計を見直したことで軽量化に成功したことは大きなメリットだと思いました。  撮影時に三脚や一脚、ほかの機材のことも考えると、サイズと重量はできるだけ小さいほうが嬉しいですよね。  また、スイッチが400mmと同じレイアウトや三脚座のクリック機構など、撮影する方のことを考えた工夫もされているなと思いました。  今回はソニーストア内のみの撮影だったため、動体被写体の撮影ができませんでしたが、ぜひ機会があれば外に持ち出して動体の撮影で試してみたいなと思いました。(ソニーさん!ぜひお願いします!)

キタムラの商品ページもチェック!

カメラのキタムラネットショップでは特設サイトを公開しています。 実際の作例や対応レンズのスペック比較をしていますので是非ご覧ください。特設サイトは下記の画像をクリック! イチオシ_shasha.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: 【筆者も購入した神レンズ】SONY SonnarT*FE55㎜F1.8ZAは人気の単焦点レンズ BASENAME: 467539947.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 06/28/2019 18:00:00 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,単焦点,FE 55mm F1.8 ZA ----- BODY:

はじめに

 SonnarT*FE55㎜F1.8ZAはソニー“αシリーズ”で使用されているEマウント対応の単焦点レンズです。  早いものでこのレンズが発売されてから6年(2019年現在)経ち、すっかり初期のレンズになってしまったものの、まだまだ大人気の単焦点レンズです。  一部ユーザーからは描写の良さと、比較的にお求めやすい価格から“神レンズ”と称され、「キットレンズの次はこの単焦点レンズが欲しい」と考える人も多いかと思います。  今回はこのレンズを「キットレンズの次は単焦点レンズ・・・」と購入を迷われているユーザーが多いと勝手に予想し、SONYα7Ⅲと組み合わせて使用しました。  本レンズが”神レンズ”と呼ばれる理由。ぜひご覧ください。

上品な見た目。でも意外と軽い

外観44㎜.jpg  ソニーのレンズラインナップは大きく分けると、ソニーレンズ(無印)、ソニーGレンズ、カールツァイスレンズ、ソニーGマスターレンズの4種類があります。  その中で、このレンズはカールツァイスのブランドを冠したレンズになります。その証拠にレンズ鏡筒の左側には“ZEISS”の青いバッジがついており、コーティングは伝統のT*コーティングが施されています。  素材には高品位なアルミニウム素材の金属製※を採用しており。金属製なので持った時に少しひんやりと感じ、レンズの所有感を満たしてくれます。  しかし、重量は281g※と、とても軽量。  金属製なので重そうに見えますし、フォーカスロックボタンがなく、単焦点レンズであることから、最初は「取り回しが難しいのかな?」と思いました。しかし、持ってみると軽いので持ち運びは全然苦に感じませんでした。 ※メーカー公式HPより引用

55㎜という絶妙な焦点距離

描写.JPG
(1/40秒 F2.2 ISO100)
 このレンズの焦点距離は55㎜で、あまり聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。(フィルムの頃のレンズでは良く聞きますが…)  50㎜と比較すると、焦点距離はおよそ半歩分くらい前に行った時くらいのイメージです。ポートレートではバストアップから全身を入れた撮影も無理なく撮影ができますし、スナップでも星空撮影もできました。  感覚的には、50㎜の単焦点レンズを使っている時とあまり変わらない感覚で撮影に臨めました。

近距離は苦手

近接.jpg
(1/160秒 F2.2 ISO320)
 このレンズの最短撮影距離は49㎝のため、被写体に近寄った撮影は少し苦手です。そのため、料理や小物・花や昆虫など近寄りたいシーンでは、  例えばテーブルフォトや小物の撮影・昆虫などのシーンでは近寄って撮影することが困難なので、マクロ域をよく撮られる方は「FE50㎜ F2.8 Macro」の方がオススメです。

立体感のある描写と美しいボケ

~0607492.jpg (1/80秒 F4 ISO500)  本レンズが”神レンズ”と呼ばれる理由の1つでもあるのですが、描写性能が非常に高いです!  55㎜の焦点距離は50mm単焦点レンズと比べて焦点距離を伸ばしたことでレンズ設計に無理がなく、絞り開放からでもピント面はシャープに写り発色も非常に良い印象です。  そして私が良いなと思ったのは、ピント面を外れた部分から徐々にボケていくので、立体感のある描写を出してくれます。  玉ボケは非球面レンズ独特の年輪ボケが少し見受けられるものの、9枚の円形絞りを採用したことで美しい丸を描いてくれます。

撮影後記

 ソニーの50㎜クラスの単焦点レンズは、本レンズ以外にもFE50㎜ F1.8やFE50㎜ F2.8Macro、FE50㎜ F1.4など沢山の選択肢があります。そして、それぞれのレンズで異なる特徴があります。  本レンズはそれらと比較して、50㎜ F1.4のようなボケ味含めた描写の美しさ、50㎜ F1.8のような軽さを兼ね備えているためバランスが良いことが特徴だと思いました。  またカールツァイスのレンズは”みんなの憧れ”で、「ツァイスレンズ欲しいよ~」という方も多いと思いますが、他のソニーから発売されているカールツァイスレンズの中では比較的手が届きやすい金額だと思います。  これほどまでに高い描写力を持っていながら、お値段も比較的お求めやすいことからもSONY SonnarT*FE55㎜F1.8ZAはまさしく“神レンズ”です! PS:筆者買いました。次はあなたの番ですよ! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 今回はソニーの単焦点レンズ”SONY FE55㎜ F1.8ZA"をレビューしました!カールツァイスブランドの名を冠するレンズの美しさ、ぜひご覧ください! ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!|秦達夫 BASENAME: 467540966.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秦達夫 DATE: 07/01/2019 08:00:00 TAGS: カメラバッグ類,写真家のカメラバッグの中身が知りたい! ----- BODY:

カメラとレンズ

A機材002.jpg  撮影目的やテーマによってマウントは変えて行動するのですが、今回は風景をメインに撮影するキヤノンのシステムを紹介しようと思う。キヤノンはアシスタント時代から使用しており目で確認するまでもなく操作できるので、ここ一番と言ったシーンでの使用率が高い機材だ。16mmから800mmまで対応できるレンズバリエーション。ボディーは必ず2台用意している。

望遠レンズのステイ

Bレンズステイ002.jpg
マーキンス PV-100 + LV-170 汎用 L-プレート セット
Bレンズステイ003.jpg
マーキンス VR15J-LS(レバーシュー & York-15S)VR-ホルダー
 望遠レンズの宿命ともいえるカメラブレ。この対策を制するものが風景写真を制するといっても過言ではないと思っている。今まで様々なブレ対策グッズの試してみたが今はマーキンスのVRホルダーなるものを使用している。これを使うにはアルカスイス規格のクイックプレートが必要になる。同メーカーにカメラ専用のものが設定されているので同時購入がトラブルなくてよい。雲台はRRS(リアリー・ライト・スタッフ)を使用しているがマーキンスですべてそろえることも可能。従来のブレ対策グッズに比べコンパクトなシステムを構築できるので僕のお気に入りだ。

カメラ用レインカバー

Cカメラレインカバー001.jpgCカメラレインカバー002.jpg  風景において如何なる状況にも対応することが最も重要なことである。特に雨への対策は絶対必要になる。なぜなら雨の時に名作が生まれる可能性が高いからだ。濡れるのが嫌だと言って撮影しないのは勿体ない。最近では防塵防滴性能の優れたカメラやレンズが登場しているので雨への対策は傘程度でよいのでは思う人もいるようだが、僕らはトラブルにつながることは極力避ける。だからカメラは極力濡らさないことが鉄則と考えている。収納はザックの正面大型ポケットに入れて晴れていても持ち歩くようにしている。

バッテリー群

Dバッテリー001.jpg Dバッテリー002.jpg Dバッテリー003.jpg  デジタルカメラにとってバッテリーは生命線である。しかも一日に数個使うことがよくある。だからバッテリーの管理は重要事項の一つだ。そこでカメラのバッテリーはポーチに入れて管理している。個々に番号を付けその順番順に使用していくのだ。バラバラに使っていると入れ替えの時に空のバッテリーを挿入することがあるが、これならその間違えない。ヘッドライトやGPS端末に単三電池や単四電池を使うがすべて充電可能なエネループ使う。満充電したときにプラス端子にテープを張り使用時に剥がすようにしている。これで使用未使用を見分けるのだ。

フィルター

Eフィルター001.jpg  使用フィルターはPLフィルターNDフィルターだ。PLフィルターはレンズンに装着しままザックにしまっている。PLを必要としないときは外して使うのだ。シャッター速度を遅くしたいときにNDフィルターが必要になるので77㎜と82㎜の口径のものを持っている。番号はND32・ND64・ND400。フィルターは傷がつきやすいので必ずケースに入れるが使い勝手の良いケースが見当たらず買った時のままだ。これは嵩張るので何か対策をしたいのだがいいものが見つからない。

撮影に必要な小物

 撮影にはレンズやフィルター以外にも様々なアイテムが必要だ。なくても撮影はできるのだが快適さや利便性を考えると絶対必要なものだ。その代名詞は日本手ぬぐいだ。タオルでは役不足なので注意したい。なぜかと言うとケガをしたときなど細く裂いて包帯のようにしたりすることがあるが、タオルは裂くとばらばらになってしまうからだ。何より乾きが早く携帯性に優れている。その他レンズクリーナーやブロアーは欠かせないアイテムだ。時間が空いてしまった時の暇つぶしの本も忘れてはならない。 E小物001.jpg E小物002.jpg アイテムリスト ・手ぬぐい ・クリーナー ・ブロアー ・ヘッドライト ・電池 ・文庫本 ・名刺 ・GPS端末 ・カードケース ・スマートフォン ・iPad ・サングラス

背負った感じ

F全身001.jpgF全身002.jpg  ザックはショルダーハーネスを緩めた感じで背負い、背負ってからハーネスを引き体に密着させる。次にウエストベルトを締めザックが横揺れしないように調節をする。腰骨をしっかり掴む印象だ。チェストハーネスは苦しくない程度に調整し方からショルダーハーネスが逃げるのを防ぐ。チェストハーネスをキツク締めてしまうと肺の動きを悪くしてしまうので苦しくなるので注意だ。

~あとがき/ザックに収納されている機材~

・EF16-35mm F2.8L III USM (購入時期2017年) ・EF24-105mm F4L IS II USM (購入時期2017年) ・RF24-105mm F4L IS II USM (購入時期2018年) ・EF100-400mm f/4.5-5.6L IS II USM (購入時期2016年) ・EF100mm f/2.8L Macro IS USM (購入時期2012年) ・EXTENDER EF2×III (購入時期2016年) ・エクステンションチューブEF25II (購入時期2014年) ・RFマウントアダプター (購入時期2018年) ・EOS-5marlⅣ (購入時期2016年) ・EOS-R (購入時期2018年) ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!そんなあなたに向けて、秦達夫さんのバッグを覗かせていただきました。 ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: 【動画ユーザーも必見】FE24mm F1.4 GMは、ソニー広角単焦点レンズの最高傑作! BASENAME: 467651253.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 07/03/2019 16:41:34 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,単焦点レンズ,FE 24mm F1.4 GM ----- BODY:

はじめに

 FE24mm F1.4はソニーから発売されているミラーレスカメラ“αシリーズ”のEマウント対応の広角単焦点レンズです。名前にGMとあるとおり、ソニーレンズの最高峰である“G Master”の称号を持つレンズです。  広角域は広く写るが故に「構図(人物撮影では背景情報)を作る際の引き算が難しい」とよく聞きます。例えば、風景写真を撮る際に電線まで写ってしまったり、人物撮影では背景として意図していない範囲まで写ってしまったり、、などたくさんあります。  さらに画角が固定されている単焦点レンズだと、ズームレンズよりも自由度が少なく撮影の難易度が高いからもうお手上げ。。なんて方いらっしゃいませんか?  しかし、レンズの購入者・検討者レビューサイトや雑誌、ネットの記事での高評価はもちろん、ネットの動画配信サイトでは人気のレビューが沢山上がっている本レンズ。  筆者はよく動画を見るため非常に気になり、今回は本レンズをお借りしました。ボディは動画を撮影する性能も高いため人気のα7Ⅲをチョイスしました。

さすがG Master!キレッキレな描写力

解像度.JPG
■1/200秒 F2.5 ISO100
 広角レンズを持ったということで、どうしても建物や風景を撮りたくなりました。  今回の撮影は梅雨の影響もあり、被写体として建物内の撮影を選択。建物といっても寺院や近代的な建物など種類がたくさんありますが、今回はレンズの解像度が分かりやすくなるような、内部の造形が美しい建物に行ってきました。 個人の見解ですが広角レンズで撮影した際に見るポイントとして ① 周辺部の流れ具合 ② 周辺部の解像度 が気になります。 ①の周辺部の流れ具合は、無理に引っ張られたような不自然なものではなく、自然な描写だと感じました。 ②の周辺部の解像度は、すべての四隅を確認しても非常に良好で周辺減光も少ないと思いました。右下のガラスは奥まで見えます。左上の部分では鉄柱についた汚れまでしっかりと描写しており「スゲェ・・」と語彙力を失うほどの描写でした。  また、2枚の超高度非球面XAレンズを使用したことで、サジタルコマフレアが発生しにくく、点光源もにじみにくい※とのこと。α7Ⅲのブライトモニタリング機能も相まって、星空の撮影も良さそうです。 ※メーカー公式HP(https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL24F14GM/feature_1.html)より引用

大口径レンズならではの大きなボケ味

ボケ味.JPG
■1/200秒 F1.4 ISO160
 「広角レンズはボケにくい!」この言葉も良く聞きます。確かに望遠レンズと比較した場合、ボケ量は少なくなりがちですが、本レンズは大口径レンズならではの大きく、美しいボケ味があるレンズです。  絞り羽根は11枚の円形絞りを採用※しているため、玉ボケも美しいとのこと。分かりやすくするためにイルミネーションなどを撮りたかったのですが見当たらず。冬になったらぜひまた使いたいと思いました。 ※メーカー公式HP(https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL24F14GM/feature_1.html)より引用

ジンバルユーザーが喜ぶ?軽さ

軽さ.JPG
■1/500秒 F3.5 ISO160
 重量は445g※と非常に軽量です。  発表された時に広角の焦点距離でF値は1.4、と明るいレンズであることから「ガラスと特殊レンズが多く使われていて、重いんかな?」と予想しましたが、スペックシートの重量を見たときはあまりの軽さに衝撃でした。  ジンバルや三脚など耐重量が定められている機材を使用して撮影(特に腕に負担がかかる構え方をする動画撮影)をする方にとってはとても嬉しいですよね!  もちろん普通に使用するにも嬉しくなる軽さです!笑 ※メーカー公式HP(https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL24F14GM/feature_1.html)より

絞りリングのクリックオフで動画撮影をより簡単に

クリック.PNG メーカー公式HP(https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL24F14GM/feature_1.htmlより画像引用)  本レンズは本体で絞りを調整することもできるのですが、本体右側面には絞りリングのクリック感(ON/OFF)を切り替えるスイッチがあります。  動画を撮影する際に音声はとても重要になります。例えば草木が風でこすれ合う音や、川などで水が流れる音、動物の鳴き声のようなその場の臨場感を伝える音は良いですが、それ以外の意図していない人工音は気になりますよね。  代表的なものは、カメラのオートフォーカスを使用して撮影している時のモーター音や、ホワイトノイズ、絞り値を変更するためのダイヤル音。ピンマイクを使用している時でいえば、服がこすれた時に起きるタッチノイズなどが挙げられます。  これらはマイクから近い場所で起きるため音も大きくなりやすく、録りたい音声と被ってしまうと消すことが困難なので悩みます。  絞りリングのクリック感を消すことで、絞り値を変更する際の音をできるだけ小さくすることができます。  小さなことですが、これだけでも悩みの種を一つ解消できます。

撮影後記

 24mmという焦点距離は、大三元ズームレンズ24‐70mmや小三元ズームレンズ24‐105mmなど多くの標準ズームレンズのスタートの焦点距離で使用されているため「ズームレンズでカバーできるから、それでいいじゃん」と思っている方もいらっしゃるかと思います。  確かに焦点距離としてはカバーしているため、標準ズームの次は望遠レンズ、あるいは使用頻度の高い標準域の単焦点レンズが非常に人気です。  しかし、本レンズはその考えを覆す力を存分に持つレンズだと思います。 特に携帯性と描写力、美しいボケ味を持っていることです。ボディと合わせても約1㎏と非常に軽量なので、風景はもちろんスナップ撮影を撮られる方には非常にオススメなレンズです。  使用できた日数が少なかったため、逆光耐性や玉ボケ内の年輪ボケはあるか?など様々なシチュエーションの使用を想定した撮影ができなかっただけに、もう一回使いたいと思いました。同時に「欲しいな」と思いました!笑

FE 24mm F1.4 GMと他レンズを比較

 「FE 24mm F1.4 GM」と「シグマ 24mm F1.4 DG HSM Art ソニーEマウント用」、「カールツァイス ZEISS Batis 2/25 E-mount」の価格や主要なスペックの比較表をこちらの「スタッフイチオシ」で紹介していますので是非ご覧ください。 7901.png ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT:  今回はソニーより発売されている広角単焦点レンズ”FE24㎜ F1.4 GM"。  風景写真や人物撮影、星空からジンバルを使用した動画撮影など多岐にわたって大活躍すること間違いなし!だと思うほどの凄いレンズをレビューしました。 ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: 【機材欲注意!】RICHO GRⅢに魅せられた男による、まさかの再レビュー BASENAME: 467692882.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 07/05/2019 18:47:50 TAGS: GR III,コンパクトデジタルカメラ,リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,APS-C ----- BODY:

はじめに(なぜ第2弾?)

 第一弾のレビューで、そのコンパクトさとAPS-Cセンサーによる写りの良さからGRⅢの魅力に憑りつかれる筆者。メーカーさまへ返却する際は、とても名残惜しく感じていました。  あの小さいボディに、約2424万画素のAPS-Cセンサーを搭載。センサーの性能だけ見れば、もはやコンパクトデジタルカメラの領域を超えて一眼レフやミラーレスカメラと同じものです。  ある日、編集長から「そういえばGRⅢもう1回貸して頂けるかもしれないけど、1回使ったからもう大丈夫?」と聞かれ、心優しい編集長のおかげで第2弾が実現しました。  今回は前回のレビューとは異なる角度からGRⅢを見てみました。

イメージコントロールのエフェクトがエモい・・

ポジネガ.jpg
左写真(1/1000秒 F2.8 ISO400)
右写真(1/250秒 F2.8 ISO400)
 GRⅢには、スタンダード・ビビッド・ハイコントラスト白黒・モノトーン・ソフトモノトーン・ハードモノトーン・ポジフイルム調・ブリーチバイパス・レトロ・HDR調の合計10種類の絵作りをすることができます。  また、これらのイメージコントロールをベースに彩度や明るさを自分好みに調整することもできるので、自分なりの表現もしやすいのではないかと思いました。  特にモノクロのエフェクトだけで4種類あるので、モノクロに対する熱い思いを感じました。  ちなみに左の写真はブリーチバイパスを使用、右はポジフイルム調を使用。設定は絞り優先モードで撮影したものです。イメージコントロールを変更するだけで雰囲気が異なるので、シーンに合わせて様々な表現ができます。(筆者はブリーチバイパスが好きになりました)

さすがの逆光耐性

R0000183.JPG
(1/640秒 F2.8 ISO400)
使用したイメージコントロール:ビビッド
 撮影した場所は大阪。旅行で写真を撮りに行ったのですが、小さいボディはポケットに入るほどで非常に助かりました。  この日は5月にも関わらず、カンカン照りで気温は31度を記録するほどの暑い日でした。写真は、あまりにも暑かったので小休憩のため木陰に入った時に撮影した1枚です。  日差しがあまりにも強かったので「どんだけ暑いの?」と思って太陽を見上げた時、新緑の葉が透けて美しかったので撮ったのですが、さすがGR。逆光でも美しく仕上げてくれました。

「こうだったら…」と筆者が思う3つのポイント

R0000194.JPG
(1/800秒 F2.8 ISO400)
使用したイメージコントロール:レトロ
   ここまでGRⅢの良いところを書かせていただきましたが、好きになった故に「こうだったらなぁ」と筆者が感じたポイントが3点あります。  1点目は、チルト液晶です。なくても撮影できますが、ローアングルでの撮影であると便利だなと思いました。  2点目は内蔵フラッシュです。ISO25600までのGRⅡと比べてGRⅢはISO102400までと大きな進化を遂げたことでフラッシュを使うシーンは減ると思います。  しかし、例えば暗い場所でフラッシュを焚いてフイルムカメラで撮ったような風合いにしたいなどで使う方は「あったら良いなぁ~」と感じるかな?と思いました。  3つ点目は電池持ちです。軽くて持ち出す機会が多く、写りが良いので「とりあえずここも撮ってみよう」とたくさん撮ってしまいたくなるGRだからこその悩みです。  しかし無くても大丈夫な方は大丈夫ですし、バッテリーも小さいので予備で1個持っていることや、モバイルバッテリーで充電できるので、致命的ではなく少し気になる程度でした。

最後に

 GRⅢを持つようになってから、日常から旅行中まであらゆる被写体を見るようになりました。というのも起動時間だけでなく、AFも速いので「良いな」と思ったらすぐに撮影できる。というのは非常に良かったです。  また、被写体だけではなく、影の部分を探すようになり意識して光と影を見るようになりました。なんだか写真の基礎を勉強しているようでした笑  美しい写真を撮りたくて、どこにでも持って行ってなんでも撮ってみたくなる。そんな魅力的な部分がGRの愛されるポイントだと思います。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT:  大人気のプレミアムコンパクトデジタルカメラ「RICHO GRⅢ」。  以前、記事を公開したものの筆者はその後も心残りがありました。  そんな見せられた筆者の願いでもう1度レビューしました。  ぜひご覧ください ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!|葛原よしひろ BASENAME: 467774005.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 葛原よしひろ DATE: 07/08/2019 18:00:00 TAGS: カメラバッグ類,写真家のカメラバッグの中身が知りたい! ----- BODY:

愛用しているカメラバッグ

バッグ03.jpg  まずは私が愛用しているバッグの話から。 バッグはその時によって色々使い分けたりしていましたがtamracのプロフェッショナルバッグStratus10が手元に来てから凄く気に入ったので最近はこればかり使っています。私の場合ノンジャンル、つまり決まったカテゴリーのみの撮影を行う写真家では無いのでその時によってバッグの中身は変わります。そういう使い方をする方にベストマッチなのがレンズを装着した状態でも収納できるtamracが特許取得しているレンズゲートシステム、これが凄く便利です。それほど大型では無いショルダー型バッグですが中の仕切りが二段の弁当箱みたいになっており下段にレンズを数本入れて上段にソニーのフルサイズミラーレスα7シリーズにレンズ装着した状態で2台入る大容量なのです。レンズ装着した状態で2台平置き出来るのはシャッターチャンスを逃さずにレスポンス良く撮影出来るのですごく助かります。それでいて本当に頑丈で、しかも軽いんです。

バッグの中身は?

バッグ04.jpg  次にバッグの中身ですが、今日は撮影セミナー用作例撮り予定の風景とポートレート用に機材をセレクトしてきました。  まずはカメラ本体ですがソニーα9、α7RIII、α7III、RX100ⅥそしてレンズSONY SEL100F28GM、SEL1635Z、SEL55F18ZとSIGMA Art70mmF2.8DG MACRO、Art35mmF1.4DGの合計5本とKenkoのPro1DigitalNDフィルター2枚あとはCURAのMICRO WIPERというレンズクリーニングペーパーですね。

具体的な使用シーン

バッグ07.jpg  バッグ上段でいつでも撮影可能なレンズセットで入っているα9にSEL55F18Zは私のポートレートの基本セットとも言うべき組み合わせになります。もう一台のレンズセットされた機材α7ⅢにSIGMAのカミソリマクロ Art70mmF2.8DG MACROの組み合わせは来る途中に春の訪れを告げる土筆が顔を出し始めていたのでサッとバッグから取り出して気持ちよく撮影することが出来ました。装着こそしておりませんがα7RⅢとSEL1635Zの組み合わせは私の風景撮影の鉄板機材で有りダイナミックレンジの広いソニー製4240万画素センサーとZeissマジックのハーモニーは自信と信頼を置いて撮影することが出来ます。とは言え撮影日のレンズ選びはその時々で変化します今日はこの後野外でのポートレートも有るのでボケ味が独特で美しいSEL100F28GMいわゆるSTFレンズをチョイス、もう一本のArt35mmF1.4DGは万能選手としてポートレートから風景さらにテーブルフォト迄こなしてくれる頼りになる一本です。急な動きもの撮影や撮影メモ用のスーパーサブとして最近導入したRX100Ⅵも期待以上の働きをしてくれます。よく考えたら今日持ち出した機材で撮影に困るとしたら飛行機と野鳥位な気がします。2枚のKenko Pro 1Digital NDフィルターはそれぞれND4とND8で風景にもポートレートにも私が最も多く使用するフィルターです。  横のポケットにはレリーズと予備電池、懐中電灯、フィルターステップリング、ブロワー。前面ポケットにスマートフォンとメモ用紙や筆記具等撮影以外に使う私物も入っています。

あとがき

いかがでしたでしょうか? これだけの機材を入れてショルダーバッグで気軽に持ち歩けるのは小型軽量なソニーのαフルサイズミラーレスシステムと考え抜かれたカメラバッグtamrac Stratus10のお陰ですね。ぜひ皆様もご自身の使用用途に合ったカメラバッグを探してみてください。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のカメラバッグの中身が知りたい!そんなあなたに向けて、葛原よしひろさんのバッグを覗かせていただきました。 ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 【最速タッチ&トライ!】本日発表のキヤノン新製品3つを、品川のキヤノンプラザSまで触りに行ってきました! BASENAME: 467803638.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 07/09/2019 19:54:21 TAGS: コンパクトデジタルカメラ,PowerShot G7 X MarkIII,PowerShot G5 X MarkII,RF24-240mm F4-6.3 IS USM,標準ズーム,キヤノン(Canon) ボディー,キヤノン(Canon) レンズ ----- BODY:

新製品を求めて…キヤノンプラザSへ突撃!

P1077232.JPG  本日(2019年7月9日)キヤノンよりコンパクトデジタルカメラ2機種と、EOS RやEOS RPで採用されているRFマウント用のレンズ1本が発表されました。  G7X初代を使用しており、ワクワクの筆者。居ても立っても居られず、新製品を求めて品川のキヤノンプラザSへ行ってきました。

PowerShot G7 X Mark III

P1077270.JPG  G7X MarkⅢは動画性能が大きく進化し、4K動画が撮影できるようになりました。特に4K撮影時も画角がクロップされないのは、パーティや旅行など広角側で撮影するシーンを考えるととても嬉しいですよね!  撮影した4K動画から写真を切り出すことも可能です。撮影した映像から好きなシーンを写真にできるので一瞬のベストショットも逃さず撮影できます。カメラ1台で動画と写真が一度に撮れるって、便利で素晴らしい機能だなと思いました。  また、スマートフォンやPCと、Wi-Fi・Bluetoothで接続することで、YouTubeへライブ配信することが可能になりました。事前に設定することで限定公開配信にも対応していますので、旅行先の絶景やパーティの様子をライブ配信すれば、気分はまるでYouTuber!?  写真撮影性能も、もちろん向上しました。特に動体撮影に強くなった印象で、シャッターを押す最大約0.5秒前から記録する“プリ撮影“機能は、今まで「あ!」と思ってシャッターを押しても撮り逃していた場面で、撮り収める可能性が広がる機能なので、とても魅力に感じました。

PowerShot G5 X Mark II

P1077268.JPG  G5X MarkⅡはEVFが内蔵されたことで、外観がコンパクトかつ、見た目が大きく変わっていました。コンパクトになったため最初はG7Xと間違えてしまった程でした。もちろん内蔵になったからといって見え方が悪くなったなんてことはなく、クリアでラグが少ない美しいファインダーでした。  特にグリップが良く、握りやすい印象を抱きました。親指をひっかける部分が大きく、撮影時も安定して構えることができそうです。  動画性能の進化はG7X MarkⅢと同じ4K撮影性能を持っており、別売りのUSB電源アダプター“PD-E1”を使用することで給電ができるので、長時間の動画撮影や星空撮影、タイムラプス撮影でもバッテリーの心配をせず撮影に臨めそうです。

RF24-240mm F4-6.3 IS USM

P1077236.JPG  同時にEOS R、EOS RPで採用されているRFマウントで使用可能なレンズ、「RF24-240㎜ F4-6.3 IS USM」が発表されました。広角から望遠まで1本で撮影できる高倍率ズームレンズとなっています。  砂やほこりが多くレンズ交換が困難な運動会や、荷物をできるだけ減らしたい旅行やテーマパークなど…どんなシーンでも1本で対応できるレンズです。  今回、残念ながら撮影データを持って帰ることができませんでしたが、そこで撮影して感じたことを述べたいと思います。  まず、筆者の直感ではオートフォーカスのスピードが速くストレスなく撮影できました。また、周辺部分に玉ボケをつくっても潰れず美しいボケ感でした。手振れ補正スイッチの上にはフォーカスとコントロールを切り替えるスイッチがあり、切り替えることで、フォーカスリングとコントロールリングを切り替えて使用することができます。通常はコントロールリングとしてISO感度を設定し、望遠側を使用したマクロ撮影ではフォーカスリングとして使用するなど、様々な使用方法が思い浮かびますね!

気になる製品情報!

 今回ご紹介しました3つの製品に関して、カメラのキタムラネットショップでも製品情報をご覧いただくことができます!  記事で取り上げなかった、より詳しいスペック比較もできますので、ぜひチェックしてみてください!

【キヤノン】PowerShot G5 X Mark II

PowerShot G5 X Mark II 商品詳細ページ

【キヤノン】PowerShot G7 X Mark III ブラック

PowerShot G7 X Mark III ブラック 商品詳細ページ

【キヤノン】RF24-240mm F4-6.3 IS USM

RF24-240mm F4-6.3 IS USM 商品詳細ページ
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: キヤノンよりコンパクトデジタルカメラ2機種と、EOS RやEOS RPで採用されているRFマウント用のレンズ1本が発表されました。  G7X初代を使用しており、ワクワクの筆者。居ても立っても居られず、新製品を求めて品川のキヤノンギャラリーへ行ってきました。 ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: 【MC-20レビュー】オリンパスMC-20なら1200㎜が手持ちで撮れる!?テレコンで “もっと遠くを撮りたい“が叶う! BASENAME: 467821359.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 07/10/2019 12:55:37 TAGS: テレコンバーター,MC-20,オリンパス(Olympus) レンズ ----- BODY:

はじめに

 オリンパスといえば“機動力”をテーマに、マイクロフォーサーズセンサーの強みを活かし、レンズシステムを小型軽量にできることが自慢のメーカーです。  筆者はオリンパスに対し、機動力はもちろん、強い防塵・防滴性能を持つことから頑丈で、強力な手振れ補正と高い連写性能から動体撮影にすごく強い。というイメージを抱いています。  そんなオリンパスから新製品”MC-20”が発売されました。詳細な製品名は「M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20」で、どんな製品かを簡潔にいうと、焦点距離を2倍に延長する“テレコンバーター”です。 「オリンパスの機材を取り上げた最初の記事が、テレコンバーター…?」と思ってらっしゃるそこのあなた!このテレコンバーター、凄いんですよ。  今回は超望遠域の撮影ということで、羽田空港国際線ターミナルデッキで作例撮影をしました。  ボディは位相差AFを搭載した動体撮影にピッタリのカメラ、OM-D E-M1Xを使用。レンズはマスターレンズである望遠単焦点レンズ”M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO"と、同じくマスターレンズの望遠ズーム”M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO"の2本を使用しました。  筆者は飛行機撮影をあまりしたことがないため、お見苦しい作例ばかりですが、ぜひ最後まで見てもらえると嬉しいです。

そもそもテレコンバーターって?

MC20.jpg (オリンパス公式HPより引用) https://olympus-imaging.jp/product/dslr/mlens/mc20/feature.html  「そもそもテレコンバーターってなによ?」と疑問を感じている方へご説明します。テレコンバーターとはレンズとボディの間に取り付けることで、レンズの焦点距離を延長する構造の製品です。  撮影するデータを引き延ばす“デジタルテレコン機能”と比べ、光学的に焦点距離を補正するため画質が落ちにくい特徴を持っています。  「いやいや、焦点距離が長いレンズをつければいいじゃん」と思う方。お気持ちは分かりますが、このMC-20の最長焦点距離を見たら驚きますよ!

驚愕の1200㎜!しかも手持ちで撮れちゃうんです!

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(1/800秒 F8 ISO500) 35㎜フルサイズ換算80㎜で撮影
 機動力が売りのオリンパスは、パナソニックと共同の規格であるマイクロフォーサーズマウントを採用しています。  入門機の一眼レフに多く採用されているAPS-Cサイズのセンサーよりも小さいため、レンズも小型化に成功。もちろん望遠レンズもその恩恵を受けており、300mm F4のレンズが小ぶりになって、35mmフルサイズ換算で600mmに化けます!  そこに2倍テレコンを入れると驚愕の1200㎜!しかも強力な手振れ補正のおかげで手持ち撮影だってできるんです。  上の作例は、お借りした中で一番広角の40㎜(35㎜フルサイズ換算80㎜)の焦点距離で撮影したものです。レンズはMC-20で使用可能レンズに選ばれている“M ZUIKO DIGITAL ED 40㎜-150㎜ F2.8 PRO”でテレコンなしで撮りました。  場所は羽田空港国際線ターミナル5階の展望エリアです。これを1200㎜にすると… P7060245.JPG
(1/800秒 F8 ISO500) 35㎜フルサイズ換算1200㎜で撮影
 凄いです。東京スカイツリーがこんなに大きく撮れました。撮影時に小雨が降っていたため抜けの少ないモヤっとした写りになってしまいました。  しかし、中央展望台上の部分や左下のビルを見ると鉄柱一本一本までしっかりと描写しており、圧巻です。

小さく、軽いけど頑丈

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(1/20秒 F14 ISO200) 35㎜フルサイズ換算360㎜で撮影
 MC-20の本体重量はわずか150gと野球で使用する硬式用ボールとほぼ同じで非常に軽量。また、本体にはシーリング加工が施されており、オリンパスの強みでもある防塵・防滴性能はもちろん、耐低温性能でもあります。  撮影日は雨が降ったり止んだりの天気でしたが、安心して撮影に臨めました。屋外のスポーツ撮影や野鳥の撮影では、急な雨はもちろん、朝方や夕方、夜になると外気温が低くなる環境がありますが、そんなシーンでも撮影ができるのはとても心強いですね。

最大撮影倍率が向上。とてつもない超望遠マクロ

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(1/50秒 F8 ISO4000) 35㎜フルサイズ換算600㎜で撮影
   MC-20はただ焦点距離を伸ばすだけではありません。対応しているマスターレンズの最大撮影倍率を飛躍的に向上させてくれるんです。  上の作例はM ZUIKO DIGITAL ED300㎜ F4 IS PROレンズ(コンバーター未装着)で撮影したものです。外で撮影をしていましたが雨が強くなり、急遽空港室内にあった造花のアジサイを撮影したものですが、ここでMC-20を装着し撮影すると… P6300099.JPG
(1/100秒 F8 ISO6400) 35㎜フルサイズ換算1200㎜で撮影
 こんなに大きく撮影ができます。驚いたのはMC-20を装着しても最短撮影距離は変わらず、未装着の位置とほぼ同じ部分から撮影ができました。  今回は造花を撮影しましたが、描写の良さと超望遠マクロが手軽に撮れたことから、本物の花を撮影したら美しいんだろうな…撮りたいな。と思ってしまいました。

画質や手振れ補正はどうなの?

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(1/20秒 F5.6 ISO3200 35㎜) フルサイズ換算388㎜で撮影
 ここまで1200㎜の凄さをお伝えしましたが、「テレコンを装着して焦点距離が延びるのなんて当然だ!」と声が聞こえたような気がしました(笑)  画質の部分ですが、MC-20のレンズ構成を見てみるとHR(高屈折率)レンズを採用※しており、光学性能をできるだけ落とさないように補正しているとのことです。※  作例は40㎜-150㎜ F2.8で撮影したものですが、まず機体上部の光が当たっている部分のツヤ感がしっかり表現され、のっぺりとしたものではなく立体的に写してくれました。また、タイヤのシャドー部は潰れておらず良い描写だと思います。  手振れ補正ですが、35㎜フルサイズ換算約400㎜と望遠域で1/20秒で撮影しましたが、ブレずに撮影できました。

撮影後記

 また、撮影していて“機動力”の凄さを感じました。というのも、お借りした2本のレンズは、オリンパスの中では重い方の部類に入ると思います。しかし、レンズ性能を考えると35㎜フルサイズ換算で600㎜ F4のレンズが、他社フルサイズセンサー用70-300㎜のような感覚で、苦も無く手持ちで撮影できると思うと機動力の凄さを感じます。  さらに、もう一つ”機動力”を感じたことは、テレコンバーターを付けていながらも、AFのスピードが速いことです。今回は動きが予測しやすい飛行機の撮影でしたが、慣れていないこともありスピード自体はとても速いと感じました。しかし、E-M1Xとの組み合わせで使用した際はAFの食いつきが良く、楽に撮影することができました。  ここ最近、三脚や一脚禁止の場所が増えており、超望遠域レンズでも手持ちで撮影できるマイクロフォーサーズの需要が増えています。  MC-20に対応する発売済みのマスターレンズは2本(2019年7月9日現在)と決して多くありませんが、これから増えると思うとワクワクします! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT:  オリンパスから焦点距離を2倍に延長するテレコンバーター「MC-20」が新発売。  野鳥やスポーツ、動体撮影をする際に焦点距離が伸びたらなとお考えの方にピッタリなコンバーターとなっています。  作例撮影場所は羽田空港国際線ターミナル。天気は雨と厳しい環境で使用してきました。  ぜひご覧ください! ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: シグマ fpが公開!会見独占動画あり BASENAME: 467854687.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 07/11/2019 19:33:43 TAGS: ミラーレスカメラ,FP,シグマ(Sigma) ボディー ----- BODY:

魅力的な新製品を続々発表!

 本日(2019年7月11日)、SIGMAから3本の新しいレンズが発表されました。他にも開発途中の製品を発表するなど内容は盛りだくさん!  今回発表した新レンズは3本。名前に“DN“がついており、ミラーレスカメラ専用設計のレンズです。使用できるマウントは、ソニーEマウントと、シグマ・ライカ・パナソニックの共同マウントLマウントで、フルサイズセンサーも対応とのこと。  最近ミラーレス用の高性能のレンズが続々と発売され、改めてミラーレスカメラの技術進歩と勢いを感じました。  ソニーEマウントユーザーの私も期待に胸を膨らませ、新製品発表会に行ってきました。

45㎜ F2.8 DG DN (Contemporary)

45mm.jpg  シグマのレンズには3種類のプロダクトラインがあります。  とにかく光学性能と描写に集中のArt。望遠レンズなど動体撮影に最適化したSports。そして、光学性能とサイズのコンパクトネスを両立したContemporary。  45㎜ F2.8は今回発表された中で唯一のContemporaryラインのレンズです。  Contemporaryシリーズのコンセプト通りバランスが良くまとめられており、サイズは手のひらサイズと思うほどコンパクトで、重量も215gと非常に軽いです。  常用レンズとして使用するのはもちろん、旅行や街スナップなど持っていくレンズを軽くしたいときにピッタリなレンズです!  ボケ味にこだわっており、ボケの輪郭はソフトなもので美しい描写に感じました。扱いやすい画角に加え最短撮影距離が24㎝と非常に寄れるレンズなので、テーブルフォトや小物撮影も期待できそうです。

14-24mm F2.8 DG DN (Art)

P1077494.JPG  14-24㎜ F2.8はArtラインのレンズですが、レンズ構成をみると13群18枚と多くのレンズが入っています。さらに蛍石と同等の性能を持つFLDガラスを1枚、特殊低分散ガラスのSLDガラスを5枚、非球面レンズを3枚使用の豪華なレンズ構成で、光学性能へのこだわりを感じました。  大口径の超広角、収差(コマ収差含め)を抑制、逆光のような強い入射光に対しても影響を受けにくい、リアフィルターホルダーを標準装備といった特徴から「星景写真用レンズの決定版」と謳っています。  星景写真の撮影では街灯などを入れて撮影する場合もあるため、どれほど逆光に強いかとコマ収差がどれほど抑えられるか、ぜひ使ってみたいと思いました。  リアフィルターホルダーの採用により、ソフトフィルターが入れられること、重量が一眼レフ用のモデルより軽量になったことが嬉しいですね。

35mm F1.2 DG DN (Art)

35mm.jpg  35㎜ F1.2も12-24㎜と同じArtラインのレンズです。本レンズもSLDガラスが3枚、両面非球面含む非球面レンズを3枚使用と、非常に豪華なレンズ構成です。  注目ポイントは、やはり開放F値1.2ですよね。なんでも開放F値1.2のレンズはSIGMA初だそうです。  開放F値が明るいことに加え、絞り羽根に11枚の円形絞りを採用しているので、浅い被写界深度を活かしたポートレートや、大きく美しいボケを入れた撮影が期待できます。  近くにいたスタッフの方に聞いたところ、開放から使えるレンズとのことです。大口径レンズはどうしても被写界深度が浅いため少し絞って使用される方もいらっしゃるかと思いますが、本レンズは開放から高い解像度を持っていることからぜひF値開放で使用してほしいとのこと。  レンズの根元には絞りリングがついており、ボタンでクリックのオン・オフを切り替えができることから、動画撮影をされる方も大注目ですよ!(めっちゃ欲しくなりました笑)

会場騒然。開発中のカメラ“fp“も発表!

P1077430.JPG  新発表されたのはレンズだけではなく、フルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラの開発発表もありました。  名前は“fp”です。名前の由来は音楽用語の“Fortissimo(フォルティッシモ)”と“Pianissimo(ピアニッシモ)”で、それぞれの頭文字を取って名づけられました。  なんでもボディサイズは“Pianissimo(小さく)”、性能は“Fortissimo(強く)”という意味だそうです。(おしゃれですね)  もちろん名前負けしておらず、先に紹介した45mmとの組み合わせでは、写真のように手のひらサイズ!ボディサイズについて”ポケッタブル・フルフレーム”と銘打た通り、マウンテンパーカーなど深めのポケットにすっぽり入るほどのサイズです。  重量もレンズ交換式のフルサイズミラーレスカメラでは世界最軽量※とのことです(※2019年7月11日現在、シグマ調べ)  性能はフルサイズセンサーによる美しい描写はもちろん、動画性能にも力を入れており、山木和人社長曰く“世界中の動画ユーザーが使用したくなる性能だ”と仰っていました。  まだまだ開発段階ですが、個人的にも楽しみな製品です。

気になる新製品情報!

 カメラのキタムラYouTubeチャンネルに、発表会の動画が上がっております。ぜひご覧ください。
~製品情報は下記から!~ カメラのキタムラネットショップシグマ新製品特集!こちらをクリック! 45mm F2.8 DG DN(Contemporary) https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/product/contemporary/c019_45_28/
14-24㎜ F2.8 DG DN(Art) https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/product/art/a019_14_24_28/
35mm F1.2 DG DN(Art) https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/product/art/a019_35_12/
fp https://www.sigma-global.com/jp/cameras/fp-series/ ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT:  シグマ新製品fpが発表されました。ShaSha[シャシャ]は、写真に関するレビューや情報を発信する写真コンテンツサイトです。  注目のカメラ機材や撮影用品、撮影方法に加え、写真プリント中古商品・フィルムカメラなど幅広く紹介致します。 ----- KEYWORDS: 軽い,最軽量,テノヒラサイズ,ミラーレス ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 【開発者インタビュー】魔法の道具「MC-20」への情熱をオリンパスへ直接聞いてきました! BASENAME: 467846497.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 多賀野友輔 DATE: 07/12/2019 17:00:00 TAGS: テレコンバーター,MC-20,オリンパス(Olympus) レンズ ----- BODY:

オリンパスMC-20開発者の方へインタビュー!

MC20開発者インタビュー風景1.png  今回はオリンパス株式会社様へ直接お伺いし、ShaSha初の試み「開発者インタビュー」を行いました。  オリンパス株式会社 技術開発部門 光学システム開発本部 加藤様(写真左)と横山様(写真右)<以下敬称略>の、開発にかける想いをぜひご覧ください。 

2倍テレコン開発のきっかけは?

 1.4倍テレコンを発売した当初から、更なる望遠撮影ニーズがあることも把握しておりましたので2倍テレコンの開発は進めておりました。  ただ1.4倍テレコンに比べると画質が劣る懸念がありましたので、お客様にもご納得いただける光学性能を提供できるか、試作品の作成・検証に時間をかけておりました。  結果として、組み合わせて使用するレンズの解像力が非常に優れているため、2倍テレコンで拡大しても十分に高画質であり、お客様に納得いただけるだろうと製品化に踏み切りました。  また1.4倍テレコンの発売時にはM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mmF2.8 PROのみが対応レンズでしたが、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROが発売され、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400㎜ F4.5 TC x1.25 IS PROが開発発表されました。テレコン対応レンズが増えてきたタイミングに、より超望遠・超望遠マクロ撮影をお客様に提供できるよう2倍テレコンを投入いたしました。
<オリンパス>

オリンパス/マイクロフォーサーズマウントは全機種使用可能か?

オリンパスレンズロードマップ.png
 現時点では以下の2本が使用可能です。
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
 また既に開発発表しておりますM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400㎜ F4.5 TC x1.25 IS PROも対応予定です。  今後も対応レンズを増やしていけるよう検討しております。
<オリンパス>
 望遠レンズでもED 75-300mm F4.8-6.7 Ⅱのようなマウント近辺までレンズが詰まっているには取り付けができないとのことです。  今後、対応レンズを増やしていくことを検討されているということで、非常に楽しみですね!

テレコンバーターに特殊レンズを取り入れている理由は?

特殊光学ガラスレンズ一覧 olympus-imaging 特殊レンズMAP.png
HRレンズ(高屈折率レンズ)について  HRレンズは屈折率が高く、収差補正能力に優れたレンズです。テレコンバータは自身の収差の発生を最小限に抑えなければ、組合せて使用するレンズに相性が生まれてしまいます。  そうならないよう、HRレンズをはじめとした4群9枚というレンズ構成で収差の発生量を抑えています。 ZEROコーティングの採用箇所  採用箇所は開示しておりません。ただテレコンバータは、(対応レンズが増えれば)多くのレンズと組合せて使用するため、 可能な限り多くのレンズにZEROコーティングを使用し、どのような組合せでもゴーストやフレアの発生を最小限になるようにしました。 防塵・防滴・耐低温性能があるが、シーリング加工か?  その通りです。弊社のPROレンズをはじめとした防塵・防滴の対応レンズは、ほこりや水分の侵入する部材の隙間すべてにシーリングを施し、より信頼性の高い防塵・防滴性能を実現しています。  もちろん防塵・防滴を謳っているカメラ本体や組合せて使われるアクセサリも同様です。
<オリンパス>

他社同クラスと比較して非常にコンパクト。理由はあるか?

レンズ光線図式.png
 テレコンは同じ倍率であれば光を曲げるパワー(屈折力)が強くなるほど、製品全長を短くすることができます。一眼レフの場合、マウントからセンサまでの距離が長く、比較的弱いパワーで緩やかに光線を拡大させるため、製品全長は長くなりがちです。  対してミラーレスはマウントからセンサまでの距離が短いため、パワーを強くして製品全長を短くすることができます。加えてセンササイズが小さいため、特にセンサ側のレンズ径を小さくすることができ、比較してコンパクトな設計になっています。
<オリンパス>

最短撮影距離(最大撮影倍率)向上、背景は?

近接能力説明スライド.png
 2倍テレコンであるため、最大撮影倍率が2倍になるのは当たり前ですが…弊社のPROレンズは近接性能に優れた設計となっており、どのレンズもより被写体に近づけるよう設計されております。2倍テレコンと組合せることで、マクロレンズ並みのクローズアップ撮影(等倍に近い)が可能となります。
<オリンパス>
 オリンパスユーザーなら言うまでもなく、ご存じない方にもお伝えしたいのですが、オリンパスのレンズはクローズアップの撮影倍率が本当に凄いです!  先日キタムラライターの秋元が出した【レビュー】1200㎜が手持ちで撮れる!?オリンパスMC-20 は“もっと遠くを撮りたい“を叶えるテレコンバーターです!にも掲載があるように、マクロに近い撮影を機動力高く撮影できるのは素晴らしいですね。
~最大撮影倍率参考値~
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO(最大撮影倍率:0.6倍相当)
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO (最大撮影倍率:0.6倍相当(Wide) / 0.42倍相当(Tele))
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO + MC-14(最大撮影倍率:0.6倍相当)
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14(最大撮影倍率:0.67倍相当)
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO + MC-20(最大撮影倍率:0.84倍相当)
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20(最大撮影倍率:0.96倍相当)

最後に

 いかがでしたでしょうか?  今回の開発者インタビューだけでなく、先日キタムラライターの秋元が出した【レビュー】1200㎜が手持ちで撮れる!?オリンパスMC-20 は“もっと遠くを撮りたい“を叶えるテレコンバーターです!も併せてご覧いただければ、筆者と同様にテレコンへの印象が「撮影の手法や環境を大きく変えることができる、魔法の道具」になるのではないかと思います。 (マスターレンズの構想もお聞きしましたが、「今後のお楽しみにしてください!」とのことです…!)  ご協力いただきましたオリンパス様、ありがとうございました! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 【開発者インタビュー】今回、魔法の道具「MC-20」への情熱をオリンパスへ直接聞いてきました! ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: 【あなたもきっと欲しくなる?】ソニーFEマウント対応の単焦点レンズ”FE35㎜ F1.8”が大注目されている理由 BASENAME: 467878784.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 07/12/2019 19:17:23 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,単焦点,FE 35mm F1.8 ----- BODY:

はじめに

 ソニーFEマウント対応の35㎜単焦点レンズは、ソニーからはカールツァイスブランドの軽量・コンパクトな“SonnarT*FE35㎜ F2.8ZA”、同じくカールツァイスブランドの”DistagonT*35㎜ F1.4”が発売されています。サードパーティーではシグマやサムヤン、フォクトレンダーからも発売されています。  その選択肢の多さから「35㎜の単焦点レンズ、どうしよう?」と悩まれている方、たくさんいらっしゃると思います。私もその一人で、最近「35㎜レンズはどれにしよう」と編集長へ相談したばかりでした(笑)  35㎜が好きな理由は風景・ポートレート・スナップ・テーブルフォトなど、どんなシーンでも使いやすいため。もし“単焦点レンズ一本だけ持っていくとしたらどの焦点距離?”と聞かれたら35㎜と答えます。  本当は発表日に記事を公開したかったのですが、実際に触ってみないと、なかなか筆が走らないもので…  そこで、タッチ&トライが解禁されたソニーストア銀座へ行ってきました!

軽量コンパクトな設計

見出し(軽量).jpg  今回発表された“FE35㎜F1.8”はソニー純正の製品で、いわゆる“無印”と言われるレンズで、外見はFE85㎜F1.8に似ている印象です。  サイズは長さ73㎜・最大径65.6㎜で、軽量モデルの代名詞FE50mmF1.8と比べると少し細長いものの十分コンパクトです。重量は280gと非常に軽量なのでスナップや旅行時などできる限り重量を抑えたいときのレンズにピッタリだと思います。  さらに嬉しいのはGレンズやGMレンズのラインナップではないものの、レンズボディ外装にはアルミニウム合金を採用したことで防塵・防滴に配慮した設計だそうです。  筆者は35mmという焦点距離を「撮影者の意図を反映させやすい焦点距離」だと思っています。というのも1歩引けば、風景やスナップなど広く撮りたいシーンでも撮りやすいだけでなく、逆に1歩近づけばボケ感のある描写もしやすいのでポートレートなどでも扱いやすい焦点距離だと思います。  持ち出す機会も多くなると、急なアクシデントに会うシーンも増える可能性がありますよね。防塵・防滴性能があれば水際での撮影や急な雨が降っても安心して撮影に臨めます。

F1.8によるボケの良さ

DSC05111.JPG
(1/160秒 F1.8 ISO100 使用したボディα7Ⅲ)
 本レンズは開放F値が1.8と大口径のレンズです。開放F値1.4のレンズと比較するとボケ量は少ないものの、撮影してみると大きく美しいボケ感のある写真が撮れました。  絞り羽根は9枚の円形絞りを採用しています。F1.8で画面隅に玉ボケを配置すると少し歪みますが、F2.8から徐々に真円に近づいていきます。非球面レンズを採用しているものの年輪ボケ(玉ねぎボケ)は今回の撮影データの中からは確認できませんでした。

なんと寄れます!

寄れる.JPG
(1/250秒 F1.8 ISO100 使用したボディα7Ⅲ)
 最短撮影距離は0.22m(22㎝)、最大撮影倍率は0.24倍とFEマウントの35㎜レンズの中で、近接撮影も得意なレンズです。一方で35㎜単焦点レンズの対抗馬であるSonnarT*35㎜F2.8 は0.35m(35㎝)と近接撮影が苦手なレンズです。同じくDistagonT*35㎜F1.4はというと0.3mと少し寄れるようになりますが、サイズが大きく重くなってしまいます。  その点、軽量ながら寄ることができるのは、FE35㎜F1.8最大の特徴といっても過言ではないと思います。

AFLボタンついてますよ

AFLボタン.jpg
(1/60秒 F2.5 ISO100 使用したボディα7Ⅲ)
 レンズ左側面にはフォーカスホールドボタンが採用されています。ソニー最高峰のGMasterレンズにも採用されている機構です。例えば静止画の撮影時であれば、AWB時の優先設定やグリッドラインの表示、サイレント撮影など多くの機能が割り当てられます。  動画であれば、デフォルトのフォーカスホールドを割り当て、被写体から不意にピントが外れてしまうのを防げるのも助かりますね。

さいごに

 ソニーFEマウントに対応する35㎜単焦点レンズは、「明るいけど大きく重いレンズ」や「小さいけど少し暗くて近接撮影が苦手なレンズ」、「中間を取れたはいいものの、マニュアルフォーカス専用レンズ」などなど…と、トレードオフの関係があるように感じました。  その点を考えると、「小さく・軽量で寄れて・F1.8と明るい」これだけでもう“買い”だなと思ってしまいました。  ただし、SONYストア内の限られた空間では、逆光耐性や周辺減光を試すことができませんでしたので、引き続き調査を続けたいと思います! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT:  ソニーがフルサイズEマウントに対応の35㎜単焦点レンズ”FE35㎜ F1.8”を発表しました。  フルサイズEマウント用の35㎜レンズは選択肢が多く、トレードオフの関係。非常に悩ましいものでした。  しかし、本レンズの登場でその悩みに終止符が打てるかもしれません!  その理由とは?ぜひご覧ください! ----- KEYWORDS: 軽量,コンパクト,コストパフォーマンス,価格 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 【写真展】JPS 2019年新入会員展「私の仕事」 BASENAME: 467878371.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 多賀野友輔 DATE: 07/13/2019 12:00:00 TAGS: 【PR】,写真展情報 ----- BODY:

JPS 2019年新入会員展「私の仕事」

JPS2019新入会員展「私の仕事」.png  
公益社団法人 日本写真家協会は、現在プロ写真家1,489名を擁し、種々の活動を行っておりますが、その事業の一環である、恒例のJPS2019年新入会員展「私の仕事」を開催いたします。今年入会した様々な分野で活躍する42名が出展する、彩り豊かな会員展となります。ドキュメンタリー、コマーシャル、風景、人物など、それぞれの専門分野を活かした作品、1人2点の計84点を展示いたします。 写真家が何を見つめ、どう写真と向き合っているのかを感じ取っていただけたら幸いです。

期間・開催場所

  • 東京展
期 間:2019年7月11日(木)~7月17日(水)     午前10時~午後6時 (最終日午後3時まで) 会 場:アイデムフォトギャラリー「シリウス」(入場無料 日曜・祝日休館)     〒160-0022 東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F 電話:03-3350-1211
  • 大阪展
期 間:2019年8月23日(金)~8月29日(木)     午前10時~午後7時 (最終日午後2時まで・入館終了10分前まで) 会 場:富士フイルムフォトサロン 大阪 スペース1(入場無料 会期中無休)     〒541-0053 大阪府大阪市中央区本町2-5-7メットライフ本町スクエア1F 電話:06-6205-8000

展示写真家

飯塚 元彦/五十嵐 洋/井上嘉代子/岩月 千佳/岩本慎太郎/江口 誠 大越 邦生/大西としや/上吉川祐一/川内 陽/川口 妙子/菊池 一郎 葛原よしひろ/久保 貴弘/小林 正明/小山 光弘/酒井 梨恵/三宮 幹史 鹿野 貴司/鈴木 一彦/清家 道子/関 一也/田形 斉/武並 完治 谷口 健一/種清 豊/寺司 正彦/中塚 雅晴/中村 惠美/成澤 広幸 西村 広/ヒダキトモコ/福園 公嗣/細木 良男/本郷 剛/松浦 弘昌 松尾 純/水谷たかひと/美 都/南 博幸/山崎 純敬/山下 晃伸
(五十音順)

実行委員

寺司正彦(委員長)/田形 斉(副委員長)/井上嘉代子/大越邦生/葛原よしひろ/ 成澤広幸/西村 広/山下晃伸 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 【写真展】JPS2019年新入会員展「私の仕事」の情報です。ぜひこの機会に足をお運びください。 ----- KEYWORDS: 写真展情報 JPS ----- -------- AUTHOR:   TITLE: フジノンレンズ GF50mm F3.5 R LM WRを最速で触ってきました!【新製品】 BASENAME: 468068779.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 多賀野友輔 DATE: 07/18/2019 13:23:51 TAGS: GF50mm F3.5 R LM WR,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,単焦点 ----- BODY:

富士フイルムが新製品を発表しました!

xf16-80_gf50.jpg  本日、富士フイルムより新製品の発表がありました。
  • GF50mm F3.5 R LM WR(写真:左)
  • XF16-80mm F4 R OIS WR(写真:右)
上記のフジノンレンズ2本です。

フジノンレンズとは?

フジノンレンズとは、富士フイルムより展開される幅広い製品カテゴリに使用されるレンズのブランドを指します。80年以上の歴史を通じて蓄積した高度な技術※を駆使した各レンズは、富士フイルムがユーザーに愛される理由のひとつでもある「こだわりの描写や色」を生み出してくれます。
引用:富士フイルムHP「FUJINONレンズが選ばれる理由」より

フジノンレンズ GF50mm F3.5 R LM WR

 今回はFUJIFILM Imaging Plazaへお邪魔し、発表されたフジノンレンズのタッチ&トライが可能か突撃しました!XF16-80mm F4 R OIS WRは、まだ実際に触れることができないということで残念ながらお目にかかれず。  ですが、GF50mm F3.5 R LM WRは「あります!」ということで、実際に触ってきました!ShaShaをご覧いただいている皆さまだけにお伝えする製品外観です!

とにかく小さくて軽い!

gf50min.jpg
富士フイルムの発表によると
開放F値3.5、50mm(35mm判換算:40mm相当)の焦点距離を持つ「GFレンズ」最小最軽量(335g)の標準レンズで、GFX50Rと組み合わせても1,110gで、まさに気軽に持ち歩けるラージフォーマットカメラとなり、ストリートスナップや風景撮影などに最適です。
引用:富士フイルム ニュースリリース
ということでしたが、実際に触ってみるとこれが本当に軽い。  GFXシリーズの発売に伴ってラージフォーマットカメラが究極にコンパクト・軽量になり、1kgと少しで持ち歩けるようになるなんて、想像もしておりませんでした。1リットルの牛乳パックくらいです、信じられません… gf50min2.jpg
(500mlペットボトルと比べると、こんなにも小さい)
gf50mm1.jpg 富士ツボ.jpg

軽いだけじゃない!他にも性能盛り沢山!

 小さくて軽いだけでなく、様々な性能が盛り沢山です!気持ちを込めると長文になってしまうので富士フイルムより発表のあったリリースをぎゅっとまとめて紹介します。
  • 圧倒的な解像力と豊かな階調再現
  •  非球面レンズ1枚を含む6群9枚構成で、球面収差やディストレーションを抑制。先日発売したGFX100の1憶200万画素の性能を引き出す解像力と豊かな階調再現を実現。  またブリージングも少なく、動画撮影にも適しています。
  • 小型軽量で快適な操作性を実現!
  •  インナーフォーカス方式にすることによってフォーカスレンズを軽量化、更にリニアモーター駆動にしたことで、高速かつ静音で高精度なAFを実現します。  CIPAガイドライン準拠AF時間でコントラストAFは330ms、位相差AFは189msと快適なテンポで撮影が可能です。
  • さまざまな撮影環境に耐える高いタフネス性能を発揮
  •  鏡筒の10ケ所にシーリングを施した防塵・防滴・-10℃の耐低温構造を採用し、小雨や埃が舞うアウトドアの環境下でも安心して撮影ができます。
    引用:富士フイルム ニュースリリース
 その他、主な使用は以下の通りです。 gf50主な仕様.png
引用:富士フイルムニュースリリース
追記:2019/7/18 19:30 貴重な作例を頂くことができましたので、少しだけお見せします!
GF50mm F3.5 R LM WR作例
GF50mm F3.5 R LM WR作例
※転載厳禁

フジノンレンズ XF16-80mm F4 R OIS WRも同時発表!

XF16-80mm画像  今回、GF50mm F3.5 R LM WRと同時にXF16-80mm F4 R OIS WRも発表されました。今回、残念ながら触れることができませんでしたが、スペックだけ見ても魅力あふれる製品となっていますので少しご紹介します。
  • 高い解像性能と広い撮影領域!
  •  非球面レンズ4 枚を含む12 群16枚のレンズ構成を採用し、非球面レンズの形状と配置を最適化することで、球面収差と像面湾曲を抑制。画像中心部から周辺部まで高い解像性能を発揮し、独自開発のX-TransTM CMOS センサーの性能を余すことなく引き出します。手振れ補正レンズにはED 非球面レンズを採用することで、手振れ補正による収差の変動を抑制します。またズーム全域で最短35cm の近接撮影も可能なオールマイティーなレンズです。テレ端でも35cm まで寄れるのでワーキングディスタンスを稼ぎながら、名刺を画面一杯に撮影可能なクローズアップ撮影ができます。また、ブリージングも少なく、動画撮影にも適してします。
  • 小型軽量・スタイリッシュなデザイン、快適な操作性を実現
  •  5倍ズームレンズでありながら440gの小型軽量を実現。高い機動力を発揮します。また全長も88.9mmのコンパクトサイズです。フルサイズの5倍ズームレンズに比べて、約4割の軽量化を実現。X-T3との組合せで979g、X-T30との組合せで823gと気軽に持ち歩ける機動力は、APS-Cシステムならではのものです。  外装はXFらしい高級感を備えたスタイリッシュなデザインを実現しました。適度なクリック感を持った絞りリングや滑らかなトルク感を持ったズームリング・フォーカスリングにより、快適にお使い頂けます。
  • 交換レンズ最強のCIPA準拠6.0段分の手振れ補正搭載!
  •  交換レンズの中で最強のCIPA準拠6.0段分の強力な手振れ補正性能を有しており、手持ち撮影をサポートします。三脚固定や流し撮りの自動判別を行うので常時手振れ補正Onのままで最適な制御をします。
    引用:富士フイルム ニュースリリース

 他にもフォーカスレンズを小型軽量化するために作用されたインナーフォーカス方式と静粛性と制御性に優れるステッピングモーターで駆動させるため、AFの高速化・静音化を実現!鏡筒の10か所にシーリングを施した防塵・防滴・-10℃の耐低温構造が採用されており、X-Pro2やX-T3、X-H1といったカメラとの組み合わせで、小雨や埃が舞うアウトドアの環境下でも、安心して撮影ができます!
 以前、富士フイルムユーザーだった筆者としては、「16mmから80mmのF4通し…もしかして、風景やスナップなどがメインの私の撮影はこれ1本で済むのか…?」と、心躍っております。  作例が気になるところではありますが、今回はお預けです。 追記:2019/7/18 19:30 貴重な作例を頂くことができましたので、少しだけお見せします!
XF16-80mm F4 R OIS WR作例
XF16-80mm F4 R OIS WR作例
※転載厳禁

Youtube動画はこちら!

追記:2019/7/23 カメラのキタムラYoutubeで動画を公開しました! ぜひご覧ください

製品情報はこちら!

 今回ご紹介したGF50mm F3.5 R LM WRとXF16-80mm F4 R OIS WRの詳しい情報が見てみたい…という方は、下記からチェック!

【富士フイルム】GF50mm F3.5 R LM WR

GF50mm F3.5 R LM WR商品詳細ページ

【富士フイルム】XF16-80mm F4 R OIS WR

XF16-80mm F4 R OIS WR商品詳細ページ
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 今回はFUJIFILM Imaging Plazaへお邪魔し、発表されたXF16-80mm F4 R OIS WRとGF50mm F3.5 R LM WRレンズのタッチ&トライが可能か突撃しました!ShaShaをご覧いただいている皆さまだけにお伝えする製品外観です! ----- KEYWORDS: GF50mm F3.5 R LM WR,XF16-80mm F4 R OIS WR,FUJIFILM Imaging Plaza,富士フイルム ----- -------- AUTHOR: KITAMURA.A TITLE: 【新製品】有効約6100万画素!α7R Ⅳのタッチ&トライに行ってきました BASENAME: 468104188.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 秋元智貴 DATE: 07/19/2019 19:44:45 TAGS: ミラーレスカメラ,α7R IV,ソニー(Sony) ボディー,フルサイズ ----- BODY:

ついに第4世代!“α7R Ⅳ”を発表!

 2019年7月17日(水)13時にソニーからフルサイズミラーレスカメラ「α7R Ⅳ」の発表がありました。  名前に“R”とある通り、ソニーフルサイズミラーレスカメラα7シリーズの高画素モデルのカメラですが、なんと有効画素数は約6100万画素と超ド級!  ピクセルシフトマルチ撮影機能を使用すると解像度は2億4千万※だそうです!オクセンマンの胸騒ぎが起こりそうです笑  α7R IIIを使用しているプロカメラマンに使用感・改善点を聞き、本機種で反映したとのことでした。どこが変わったのか非常に気になるところです。本日より(7月19日)ソニーストア銀座でタッチ&トライができるとのことで、さっそく行ってきました! ※メーカー公式HPより引用

外観をチェック

〇グリップ.jpg
(左がα7R III、右がα7R Ⅳ)
 有効画素数が注目されている本機種ですが、ボディの造りも注目です。  従来のα7ユーザーで、握った時に小指が余ってしまう方いらっしゃいませんか?α7R Ⅳは前モデルのα7R IIIと比べて、グリップが少し大きく作られています。普段α7 IIIで小指が余ってしまう筆者ですが、α7R Ⅳは小指が余ることなく握れました。  特徴の高画素を活かすために大口径レンズや望遠ズームレンズなど、大きいレンズを使う方も多いと思います。大きいレンズを付けてもしっかりグリップが握ることができれば楽に撮影ができますね。 〇R3.jpg〇R4.JPG
(上がα7R III、下がα7R Ⅳ)
 α7R IIIから記録メディアのダブルスロットが採用されており、上がスロット2、下がスロット1になっています。  一方で記録メディアフォーマット画面の表記は、上がスロット1で下がスロット2なので正直に言うと分かりづらい印象でした。  しかしα7R Ⅳは、上がスロット1で下がスロット2へ変更になり、フォーマットする際も分かりやすくなったと思います。両スロットともUHS-ⅡのSDカード対応※になったので、大容量のデータでも高速記録ができるのは助かります。 〇露出補正ダイヤル2.JPG  露出補正ダイヤルにはロック機構がついたので、バッグから取り出した際の「あれ?いつの間にか回っている・・・」が防げます。 ※ソニー公式HPより引用

小さいボディに大きな画素数

〇高解像.JPG
(1/125秒 F2.8 ISO100 使用レンズFE24-70 F2.8 GM)
 やっぱり気になるのは有効約6100万画素の描写ですよね!ソニーストア銀座では夏らしく向日葵の造花があり、撮影してきました。  高解像度を活かすため“FE24-70 F2.8 GM”をお借りしました。レンズ性能の高さもありますが非常に高い解像感で、ピント部分は大きく拡大しても鮮明に写っています。大自然に持ち出して撮影がしたくなりました。

動体のスチル撮影・動画はさらに撮りやすく!

 画素数が上がっても、連写は最高10コマ/秒で維持していることに加えて、リアルタイムトラッキングが最新の物体認識アルゴリズムを採用※。動体の被写体に強くなりました。  APS-Cクロップしても約2620万画素の解像度が確保できる※ので、近づきにくい野鳥や撮影エリアが限られているスポーツや乗り物の撮影など焦点距離を伸ばしたいときも対応できます。 ※メーカー公式HPより引用

さいごに

 ソニーストア銀座では列ができており大盛況でした。1人5分と制限時間があり試せなかった機能がまだまだたくさんありました。  特にピクセルシフトマルチ撮影機能の約2億4千万画素の描写や、動画撮影時のリアルタイム瞳AFは試してみたかったです。また故障時など設定が初期化された場合でも以前の設定を呼び出しできる、カメラ設定の保存と反映機能は気になりました。  使用レビューできる日が楽しみです! ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家三井公一さんによるスマホの撮影テクニック連載です。今回はスマートフォンで食べ物を撮る編です。お店での食事や家庭での料理、ピクニックに代表される屋外でのお弁当など、食べ物を撮る機会はとても多いと思います。iPhone 11 ProやPixel 4を使って、食べ物を美味しそうに撮れるコツをお教えします。今回のキモは「シズル感」です。 ----- KEYWORDS: スマートフォン撮影のコツ,Google pixel,iPhone,スマートフォン,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: パナソニック LUMIX S5製品レビュー|フルサイズ機デビューにぴったり!高性能な小型・軽量モデル BASENAME: 477649197.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 09/30/2020 16:00:00 TAGS: LUMIX S5,ポートレート,パナソニック(Panasonic) ボディー,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: パナソニック LUMIX S5 を持つ女性.jpg

はじめに

 パナソニックのフルサイズミラーレス一眼Sシリーズに、小型・軽量モデルの「LUMIX S5」が新たに追加されました。動画も静止画もプロの要望に答えてくれる機種として名高い同社のSシリーズですが、カメラ本体の重さと大きさは、中身が詰まっているだけにしょうがないのかなと思っていた筆者と同じ考えの方は、実機を触れば思わず声が出てしまうほどの軽さと小ささに驚くことでしょう。今回は、テスト機をパナソニックさんからお借りしましたので、人物撮影をメインに、動画と静止画の両方で本機のレビューをお送りします。

キットレンズでAF性能テスト

■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■フォトスタイル:709ライク ■出演:辻美咲  レビュー動画は、フォーカスモードは動き物を撮るAFCで、AFモードは自動認識(顔・瞳・人体)で撮影しています。  近付いてくる被写体のテストでは、座っているモデルの顔にピントが合った状態から何もせず、カメラ任せで撮影しました。モデルが立つとすぐに顔が見切れてしまう状況ですが、人体認識のおかげで体にピントを合わせ変えてくれています。  遠ざかる被写体のテストでは、最初のシーンでAFを作動させると手前の水の入ったコップにピントが合ったので、そのまま撮影をスタートしてみました。モデルが座って鎖骨が見えたあたりからモデルの体にピントが合って、意図通りのシーンが撮れました。構図右のペットボトルにピントが行くことも、見苦しくAFが迷うこともありませんでした。上手くピントが合わなければ、モデルが座ったときにタッチAFを使用してピント位置を指定しようかと思っていたのですが、本機には余計な心配だったようです。  フレームイン&フレームアウトの一本目のテストは、誰もいない、目立つものが何もない状態でカメラをスタートさせて、どのようにAFが動くのか見てみました。モデルが窓辺のコップに手をかけるときには、もうピントがモデルの体に合っているのがわかります。振り向いたモデルの顔も、見切れている状態からピントが合っています。  もともと、LUMIXシリーズの人体認識AF機能の高性能さは実感していたのですが、こんな意地悪なシーンでもしっかりピントを合わせてくれるなら、子供の運動会で動画デビューしたい保護者の方々にもお勧めしやすい機種だと感じました。  ちょっと話がそれますが、子供の成長動画なら、4KじゃなくてフルHDくらいでいいんじゃないかと思う方もいらっしゃいますが、お子さんが大きくなる頃は、4Kどころか8K画質が普通(むしろそれ以上)になっているのではないでしょうか。昔の思い出として見返す動画は、高画質で撮っておいてあげると、近い将来でより楽しく思い出の共有ができると思いますよ。  ピントが迷いやすい意地悪なシーンのテストでは、壁にピントが合った状態から撮影しています。一度顔にピントが合ってしまえば、後ろを向いても、人物が画面からいなくなりそうでも、粘ってピントを合わそうとしています。被写体がフレームから外れて、ピントを合わせられるところが背景しかなくなってしまった一瞬だけ、AFに迷いが見られましたが、すぐに顔にピントを合わせる適応力には脱帽しました。  コップの向こう側の被写体のテストでは、モデルの動きがない状態で、顔の前にピントの合いやすい明るい被写体を置いたらどこにピントを合わせるか、迷い出すかを確認したくて撮影してみました。これはもう、目が見えていれば人物の顔の圧勝ですね。

動画撮影にぴったりの高性能キットレンズ

 今回はポートレートっぽい動画を撮りたかったので、かなり強い逆光での撮影が多かったのですが、キットレンズの「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」は擬色やモアレも出さず、優秀な働きをしてくれました。  マイクロフォーサーズ機からフルサイズ機に移行を考えている方は、レンズを買い直さなくちゃいけなくなることに懸念を抱かれると思うのですが、たとえば、Vlogにはまって、さらにシネマティックな映像を撮りたくなって本機の購入を考えている方は、まずはレンズキットを購入するだけでも、動画撮影を十分に楽しめると思います。  広角が20mmからなので、引きがない狭い室内での撮影もしやすく、旅先の風景などはダイナミックな広大さを演出できます。また、最短撮影距離15cmのマクロ撮影が可能なのも嬉しいところ。防塵・防滴・マイナス10度の耐低温設計と、どんなシーンでも臆せずに使用できる設計なので、海でも雪山でもキャンプでもどこにでも連れていけるでしょう。  いずれは色々なレンズが欲しくなるだろうし、使っていただきたいですが、せっかく動画撮影にぴったりの画角と性能のレンズがキットレンズで手に入るので、ぜひこのレンズも使い倒していただきたいものです。

動画のムード作りに便利なフォトスタイル

■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■出演:辻美咲  LUMIXならではの色味を味わえるフォトスタイルも、本機には「V-LOG」を含めると13種類搭載されています。動画レビューでは同じシーンでの撮り比べをしました。カラーグレーディング前提の撮影もいいのですが、メーカーの打ち出した色味を味わうのも、シーンによっては好みのムードや、さらなるインパクトが出るのでお勧めです。  ここでは13種類を紹介しましたが、この他にも、ダイナミックレンジの広いHLG階調で動画を撮影するための「2100ライク(HLG)」、HLGフォトを撮影するための「スタンダード(HLG)」、HLGフォトをモノクロームで撮影するための「モノクローム(HLG)」が搭載されています。

LUMIX S5でVlog風ムービー

■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■出演:辻美咲  今回は、モデルの辻美咲さんに出演していただき、モーニングルーティーン風の動画を制作しました。逆光を多用しているので、フォトスタイルは白飛びを抑えながらも自然な画にしてくれる「709ライク」を使用しています。レンズはキットレンズのみを使用、三脚と手持ちの両方で撮影しています。

さすが!Sシリーズの高い解像力!

01_辻美咲さんポートレート.jpg
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S PRO 50mm F1.4
■撮影環境:F1.4 1/400秒 ISO100 WB:5000K
■フォトスタイル:人物
■モデル:辻美咲
 静止画の性能を見るのに、筆者が一番好きなレンズを使用しました。「LUMIX S PRO 50mm F1.4」は、高い解像感となめらかでとろけるような優しい描写力の融合が見事なレンズです。ポートレートはもちろん、スナップも風景も、これ一本でどんな被写体でも印象的に描き出してくれます。  撮影日は、夏の最後を惜しむかのような暑い日でした。秋っぽい作品にしようと思っていたのですが、せっかくなのでこの強い日差しを利用して、夏カットの撮り納めにしました。  背後の窓からの日差しはかなり強く、レンズ的には意地悪な状況となっていますが、ピントが合っている目はキリッと力強さを、なめらかなボケのグラデーションは優しさを表現してくれて、強い光とのコントラストで印象的なカットに仕上げてくれました。

しっかり描写するキットレンズ

02_辻美咲さんポートレート.jpg
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6
■撮影環境:焦点距離:60mm F5.6 1/400秒 ISO400 WB:5000K
■フォトスタイル:人物
■モデル:辻美咲
 こちらはキットレンズでのポートレートです。前述の「LUMIX S PRO 50mm F1.4」よりも、しっかり目に描写するのは開放F値の違いもありますが、画作り的にも、コントラストを抑えながら全体にきっちりと輪郭を取るように感じました。  過度な描写をしない、ストレートな表現をしてくれるレンズで、ボケのグラデーションも自然ですので、望遠側はポートレートでも十分に使用できます。

レンズジプシーにならないために

03_辻美咲さんポートレート.jpg
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S PRO 50mm F1.4
■撮影環境:F1.4 1/400秒 ISO250 WB:5000K
■フォトスタイル:人物
■モデル:辻美咲
 今まで静止画メインでポートレートを撮ってきた方は「LUMIX S PRO 50mm F1.4」を使うと、光と影を自分で操作する楽しみを堪能できると思います。本機と「LUMIX S PRO 50mm F1.4」の相性は抜群で、2本目のレンズなら思い切ってこのレンズを購入することをお勧めしたいです。あれこれ買っても、なんだかしっくりこないレンズジプシーになるくらいなら、最初から性能の高いレンズを買ったほうが、結果的にはコスパがいいです。

静止画も動画もシネマティックな作品を生み出してくれるカメラ

04_辻美咲さんポートレート.jpg
■撮影機材:LUMIX S5 + LUMIX S PRO 50mm F1.4
■撮影環境:F1.4 1/400秒 ISO250 WB:5000K
■フォトスタイル:人物
■モデル:辻美咲
 今回の裏テーマは、強い日差しの中での撮影でした。筆者は、腕や手に光と影の部分を作ってモデルの体に立体感と艶感を出す手法が好きなのですが、白飛びとの戦いでもあるので、機種やレンズによっては難しいこともあります。「LUMIX S5」と「LUMIX S PRO 50mm F1.4」のコンビは、この手法を問題なく使わせてくれました。  動画と静止画の撮影時間は合わせて約2時間程度、Sシリーズの中でぐっとコンパクトな本機は女性の手でも握りやすく、ほとんど疲れを感じませんでした。フルサイズ機デビューにぴったりの性能、コスパを実感した2時間でもありました。 写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。 モデル出演:辻 美咲(株式会社BABYBOO) LUMIX S5 発表日のLUMIX GINZA TOKYOでの取材記事はこちらからご覧頂けます。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんが LUMIX S5の製品レビューを行っています。LUMIX S5で撮影した機能紹介動画や動画作品と合わせて、この製品の魅力をご覧いただけます。 ----- KEYWORDS: パナソニック,LUMIX S5,レビュー,ポートレート,panasonic,ルミックス ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: コスモスの撮り方 | 北村佑介 BASENAME: 477702711.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北村佑介 DATE: 10/02/2020 16:00:00 TAGS: 花 ----- BODY: 06_コスモスの作例.jpg

はじめに

 こんにちは!北村です!今回は、コスモスの撮り方を紹介させていただきます。数ある花の中でも、筆者が一番好きな花です。花畑のコスモス、道端のコスモス。様々な場所で咲き、色々な表情を見せてくれます。そして何とも「花らしい」形と色。そういったところに惹かれているのかもしれません。

一面ピンクのコスモス畑で見つけた、こちらを向いている一本

01.jpg
■撮影機材:ソニー α7III + シグマ 135mm F1.8 DG HSM Art
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/1600秒
 筆者は、基本的に花は逆光で撮ります。理由はいくつかあります。光で透けた花びらが、より綺麗だと感じること。逆光で輝いている部分を背景にすると、より良い色の後ろボケになる。ということが主な理由です。しかし、コスモスは基本的に太陽の方を向いてしまうことが多いため、逆光で正面を捉えることは簡単ではありません。なので、逆光で撮り正面を捉えることができたこの写真は、お気に入りの一枚になりました。横向きや後ろ向きでも形の良さが伝わりやすい花ですが、逆光で正面を撮ることができるシチュエーションに出会うことがあれば、是非チャレンジしてみてください。満開の花畑であれば、そう少なくはないはずです。  一面、綺麗なピンクのコスモスが敷き詰められていたため、135mmの圧縮効果も手伝いピンク一色の写真が撮れました。花の形の良さを強調するため、斜め上からのアングルとなっています。少し抜け感の良さが落ちるアンクルなので、なるべく花と背景が離れているラインを選びました。

これから色鮮やかになるであろうコスモス畑で、少し気の早い花

02.jpg
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/2000秒
 コスモスは色々な撮り方をしやすく、咲き始めも満開時も見頃過ぎも比較的撮りやすい花で す。咲き始めの花は形がとても良いものが多いので、このようにぽつんとしたイメージで撮りた い時は、咲き始めがおすすめです。主役がどの花かが非常にわかりやすいこともおすすめの理由の一つです。  コスモスに限らず、花の周りには緑色が溢れています。その緑色に変化をもたらすことが、マンネリ化した花の写真にならないようにする工夫の一つであると考えています。具体的には、ホワイトバランスをカスタムでケルビンの値を少し下げ、暖色系の花とメリハリがつく色にする。レタッチで緑を変化させたり、色を足したりする。などがあります。この写真はそのどちらも行っています。そうすることで、花のピンクが際立つ一枚になりました。

35mmのレンズで撮影最短距離付近まで寄って撮影

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■撮影機材:Canon EOS 6D + SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM
■撮影環境:絞り優先・35mm・F1.8・ISO100・1/1000秒
 何とも言えない曇り空だったので、背景にレタッチでピンクを加えてみました。このような場合は、絞って花全体にピントが合うようにするのも良いと思います。この時は絞りを開けて撮り、この花の中でも特にどの部分を見てほしいかを表現しました。コスモスは後ろ向きのものを撮っても、形の良さが伝わりやすい花です。逆光+後ろ向きのコスモスは相性も良く撮りやすいので、初心者の方にもおすすめです。

11月の半ば、満開を過ぎてしばらくが経ったコスモス畑

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■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/750秒
 ほとんどが枯れてしまっている中、夕陽に照らされキラキラと輝くコスモスを見つけました。16:00頃に逆光で撮ったものですが、後ろにある枯れた葉や茎もキラキラと輝いていて素敵なアクセントとなってくれました。コスモスの葉や茎、つぼみは、逆光で撮ると光を反射します。前ボケや後ろボケにあたる部分に上手く配置すると、このように普段と異なるイメージで撮ることができるかもしれません。

早朝、6:00頃に撮影

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■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/2500秒
 筆者は早起きが苦手ですが、コスモスの時期は写真家らしく早起きをします。その理由がこの一枚です。朝露。コスモスが咲くこの季節の早朝は、寒暖差の影響で朝露があるロケーションがたくさんあります。綺麗な朝陽を背にして輝く朝露。その朝露を纏うコスモス。そんな宝物のような瞬間を撮ることができる可能性があるならば、早起きしないわけにはいきません。  ロケーションにもよりますが、特に綺麗な瞬間は10分あるかないかくらいだと考えています。朝陽が出てくる前に、ある程度撮るエリアを絞ってスタンバイしておくのが良いでしょう。朝陽が出てきたら、即座にホワイトバランスをイメージに適したものに合わせます。カスタムでケルビンの値を変更するのですが、朝陽や夕陽は変化が早いので、日頃からホワイトバランスをイメージに適したものに合わせる練習をしておくことをおすすめします。ですが、勿論撮ることが優先です。 ホワイトバランスやその他の設定に気を取られて、撮影枚数が減ってしまっては本末転倒です。ホワイトバランスの変更に慣れていない場合は、AWBや太陽光で撮るのが良いかもしれません。

少し広く写す

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■撮影機材:ソニー α7III + SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM
■撮影環境:絞り優先・50mm・F2.0・ISO100・1/4000秒
 朝の7:00ちょっと前。少し昇った朝陽に照らされたコスモス。残っていた朝露がコスモスの可憐さを際立たせてくれています。この写真はとても気に入っているのですが、太陽というとても明るいものが写真内に入っているのに絞りを開けて撮ったため、大きな白飛びが生じています。右上の太陽の周り、真っ白になってしまっている部分がそうです。絞りを絞って光が入る量を少なくし、白飛びしてしまう面積を少なくするのが正解だったかもしれません。ですが、仕上がった写真はイメージ通りになったため、これで良かったとも思っています。白飛びに関しては色々な意見があると思います。筆者は、ゼロに近い方が良いと考えています。ですが、この写真がそうであったように、イメージによっては白飛びしている部分があっても良いかもしれないと思います。勿論主役となる花は、白飛びしていない方が良いです。花の持つ、色の美しさなどが損なわれてしまうためです。
07.jpg
■撮影機材:Canon EOS 6D + FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:絞り優先・50mm・F5.6・ISO100・1/400秒
 お次も少し広く写した一枚です。画面内のコスモス全てをはっきりと写したかったので、F5.6まで絞りました。写る全てのコスモスの形の良さが伝わりそうなエリアを切り取りました。なるべく咲き誇っていて、枯れている花やつぼみが少ないエリアというのはそう多くはなかったので少し苦労しました。至って普通の曇り空でしたが、それがコスモスの綺麗なピンクを引き立たせてくれました。この写真は空のグレーとコスモスのピンクの対比が気に入っています。薄っすらと写った雲の階調が残るよう、露出やコントラストには特に気をつけました。

夕陽を背にシルエットで撮る

08.jpg
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/3000秒
 最後は夕陽を背に、シルエットで撮りました。11月中旬の16:30頃。日没前です。パープルからオレンジにかけてのグラデーションがとても綺麗でした。シルエットで撮る時は、明るい部分、この場合は空の一番明るい部分に露出を合わせて撮りましょう。この時、コスモスに露出を合わせてしまうと、空はより明るく写ってしまい、白飛びする要因となってしまいます。

さいごに

 コスモスは比較的撮りやすい花なので、レベルをほんの少し上げた内容にさせていただきました。いかがでしたでしょうか?もしも、難しいと感じた方は、以前の記事も参考になるかと思われます。今回も、何らかのお役に立てたならば嬉しいです。最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました! 写真家:北村佑介 出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。 著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。 ▼北村佑介さんの過去記事はこちらからご覧頂けます。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の北村佑介さんにコスモスの撮り方を紹介頂きました。作例と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,花,キヤノン,シグマ,ソニー,コスモス ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: シグマ DC DNシリーズのLマウント版|軽量コンパクトで使い勝手のいい高性能レンズ3本を実写レビュー BASENAME: 477805523.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 10/08/2020 11:00:00 TAGS: SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary,SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary,SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary,シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,単焦点 ----- BODY: シグマ DC DNシリーズのレンズ画像.jpg

はじめに~シグマ DC DNシリーズ待望のLマウント版が3本登場!

 Lマウントのフルサイズミラーレス一眼カメラ「シグマ fp」が大人気のシグマから、待望の軽量コンパクトなAPS-C用交換レンズが登場した。開放F1.4の明るさを誇るレンズは「SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary」、「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」、「SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary」の3本となる。  同レンズシリーズは、すでにソニーEマウント版とキヤノンEF-Mマウント版、マイクロフォーサーズマウント版がリリースされているが、今回新登場のライカLマウント版3本をシグマ fpで試してみた。どのレンズもコンパクトなのに明るく、高い描写性能をみせてくれた。

そもそもシグマ DC DNシリーズとは?

 シグマのレンズといえばF値が明るく光学性能も素晴らしいものばかりだが、性能を追求するあまりレンズ本体のサイズが大きく、質量も大きい製品がほとんどであった。しかし、今回紹介する「DC DN」シリーズは軽量コンパクトだ。その秘密はどこにあるのだろうか?  それはAPS-Cフォーマットのミラーレス一眼カメラ専用の設計だからだ。フルサイズフォーマットより小さいイメージサークルを持つAPS-Cフォーマットに合わせると、レンズサイズがこんなにコンパクトになるのだ。  併せてマウントを大口径、ショートフランジバックのミラーレス一眼カメラに絞ることにより、センサーにより近づけてレンズを配置するなど適切なデザインができ、小型軽量化も実現できたのである。さらに、先日ご紹介した「SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art」同様、レンズの光学補正だけでなくカメラボディの補正機能を積極的に利用している。これによって、レンズ設計と配置の自由度が高まり、描写性能を向上させつつ軽量コンパクトなレンズに仕上がっているというワケだ。もちろん、最新かつ高性能の硝材も積極的に採用されている。  製品名称の「DC DN」についてはシグマ公式サイトの解説が詳しい。「APS-Cサイズ相当のイメージサークルに合わせて設計したレンズには、製品名に『DC』を記します。『DC』レンズは、フルサイズで撮影された場合、画面にケラレが生じます。撮影範囲を切り替えてご使用ください。さらに、ショートフランジバックを採用したカメラに最適な設計を行ったレンズには、製品名に『DN』を記します」とのことだ。ちなみにフルサイズ用は「DG」となる。  この「DC DN」シリーズは「最新の光学設計、最適な素材選択、動画への対応、カメラ内収差補正機能への完全対応など、あらゆる点で挑戦を行い、高画質を最優先にしながらも小型化と快適な操作性を共に実現しました」(シグマ公式サイトより)というとおり、シリーズ3本を携行してもレンズ重量合計で1kgを切るという魅力的なボリューム感になっている。価格面でもリーズナブルになっており、開放F1.4のレンズを使う「悦び」を多くの人が味わえるシリーズ群となっていると言えるだろう。

SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary をレビュー

SIGMA 16mm F14 DC DN  Contemporaryのレンズ画像.jpg  フルサイズ換算で24mm相当となる「SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary」。まずはスペックを見てみよう。 レンズ構成枚数 13群16枚 画角 83.2° 絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り) 最小絞り F16 最短撮影距離 25cm 最大撮影倍率 1:9.9 フィルターサイズ φ67mm 最大径 × 長さ φ72.2mm × 90.3mm 質量 415g 付属品 花形フード(LH716-01)  このレンズはシリーズ内で最もワイドな焦点距離だが一番大きな存在感を放つ。フルサイズフォーマットのシグマ fpに装着するとなかなか迫力を感じさせるが、軽量なので1日中持ち歩いての街中スナップでも疲れ知らずだ。F1.4という明るさと最短撮影距離25cmというスペックは魅力的で、暗いシーンからマクロ的な撮影まで難なくこなすのが頼もしい。絞り開放からの安定した描写も魅力である。ピントリングの指がかりもよく、マニュアルフォーカス時でも確実にピント合わせが可能だ。フルサイズ換算で24mm相当の画角は風景からスナップ、建築撮影などシーンを選ばない。
00_16mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/200秒 f/5.6 ISO100 焦点距離16mm EV-1.7
 竹林をF5.6で撮影した。ハイライトからシャドウ部までトーンがしっかりと整っており、均整のとれた絵作りがいい感じ。竹や草のディテールも良好で、レンズの良さを実感できた
01_16mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/500秒 f/1.4 ISO100 焦点距離16mm EV-1
 F1.4絞り開放で用水路の落ち葉を撮った。暑かった夏も過ぎ、秋も徐々に深まりつつあるが、水面の葉の色合いを美しくキャプチャーできた。水の清涼感と立体的なボケのハーモニーが好ましい
02_16mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/30秒 f/1.4 ISO125 焦点距離16mm EV-1.7
 古民家の土間に置かれていた農機具を絞り開放で。F1.4の明るさは、このような薄暗いシーンで活躍する。開放でのカットだが、農機具の素材感がとてもいい。長い間使い込まれた道具のリアイリティが伝わってくる
03_16mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/250秒 f/8 ISO100 焦点距離16mm EV-1.3
 絞り開放域での描写もいいが、絞っての写りも良好だ。秋の里山を撮ったが、微妙に色づく森の様子と刈り入れが終わった田んぼや草地の緻密なディテールがしっかりとしている。このレンズ1本をつけてブラブラと散策するのも楽しい
04_16mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/640秒 f/1.4 ISO100 焦点距離16mm EV-0.3
 秋に咲く花の代表格・彼岸花に絞り開放で迫った。25cmまで寄れる驚異の近接撮影性能とF1.4という開放値を活かせば、背景もグンとボケてくれる。しっかりと主張する見事な花の色が美しい。ボケ感も立体感があり気に入った。

SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporaryをレビュー

SIGMA 30mm F14 DC DN  Contemporaryのレンズ画像.jpg  フルサイズ換算で45mm相当となる「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」。F1.4の標準レンズ感覚で使える1本だ。スペックは以下のとおり。 レンズ構成枚数 7群9枚 画角 50.7° 絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り) 最小絞り F16 最短撮影距離 30cm 最大撮影倍率 1:7 フィルターサイズ φ52mm 最大径 × 長さ φ65.4mm × 71.3mm 質量 280g 付属品 レンズフード(LH586-01)  シリーズ内でもっとも早くリリースされた「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」はシグマ fpに装着すると45mm相当となる。シグマには「SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary」というレンズが存在するが、それよりも2段明るいことになる。その分、わずかに本レンズのほうが大きく重くなっているが、使い勝手は良好だ。まさに「標準レンズ」感覚で、どんな被写体も素直な描写で撮影できるからだ。オートフォーカスもステッピングモーター採用により静かで高速。ストレスを感じない撮影が可能だ。
05_30mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/2500秒 f/1.4 ISO100 焦点距離30mm
 このレンズは、ヒトの見た自然な感覚をそのままキャプチャーできる印象だ。河川敷に建てられた大型テントを何気なく撮ったが、その素材感と空のどんよりとした雰囲気をうまく表現してくれた。シグマ fpに装着した際のバランスもよく、精悍な印象を受けた
06_30mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/125秒 f/1.4 ISO100 焦点距離30mm
 誰もいない野球場。その看板を絞り開放で撮った。絞り開放でF1.4なので、背景が自然かつキレイにボケてくれた。ピント面の看板や、金属製の支柱やネットの質感も実に見事。立体感のある写りに脱帽である
07_30mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/160秒 f/1.4 ISO500 焦点距離30mm EV-0.3
 ブラブラと撮影中に出会ったネコ。顔見知りなのでしゃがんで撮らせてもらったが、サッと素早いオートフォーカスは確実にネコの瞳にピントが来た。実に頼もしい。ネコの毛並みの感じ、背景のボケ感すべてがいい雰囲気だ。標準域の画角が撮りやすい
08_30mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/160秒 f/8 ISO100 焦点距離30mm
 曇天の上野・不忍池。F8まで絞り込んでシャッターを切ったが、手前のボートから背景の建物までピントが来た。カリッとした締まった写りが実にいい感じ。F1.4という明るさを活かしてのボケ感と、グッと絞り込んでの深いピント描写の両方を堪能できるレンズだ
09_30mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/1250秒 f/1.4 ISO100 焦点距離30mm EV-0.7
 この「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」は、初めてこのシリーズを買おうと思っている人にピッタリの1本だろう。280gという軽さとコンパクトさ、F1.4という明るさをフットワークよく楽しめるからだ。このカットのように、ボケを活かした撮影を誰でもすぐに味わえるはずだ。風景からポートレート撮影まで幅広く使えるレンズになっている。

SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporaryをレビュー

SIGMA 56mm F14 DC DN  Contemporaryのレンズ画像.jpg  フルサイズ換算で84mm相当となる「SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary」。ポートレート撮影で活躍しそうだが、街中のスナップ撮影でも使い勝手がいい1本だ。 レンズ構成枚数 6群10枚 画角 28.5° 絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り) 最小絞り F16 最短撮影距離 50cm 最大撮影倍率 1:7.4 フィルターサイズ φ55mm 最大径 × 長さ φ66.5mm × 57.5mm 質量 285g 付属品 レンズフード(LH582-01)  本レンズはフルサイズ換算84mm相当かつ開放F1.4と「SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art」を思い浮かべるスペックだ。しかしながら「DC DN」のこちらは、より小さく軽量である。SLDガラスを採用し、コンパクトさだけでなく軸上色収差を良好に補正し、ヌケ感のある描写を実現しているのが特徴だ。シグマ fpに装着したその佇まいは、中望遠レンズとは思えないほどである。
10_56mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/200秒 f/1.4 ISO100 焦点距離56mm
 フルサイズ換算84mm相当の距離感は魅力的だ。使い慣れた「85mm」感覚ですんなりと被写体と対峙できるのがいい。ボケの感じ、立体感がいい。発色もナチュラルで好ましい。オートフォーカスも正確かつ静かである
11_56mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/400秒 f/1.4 ISO100 焦点距離56mm EV-1.3
 明るい中望遠レンズは、さまざまなシーンで活躍する。スナップ、ポートレート、静物、風景などだ。ズームレンズ主体のレンズ構成に、この明るいプライムレンズを加えると絵作りのアクセントになるに違いない。ショーウィンドウを撮ったが自然なボケと立体感が実にいい
12_56mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/250秒 f/8 ISO100 焦点距離56mm EV-1
 干されている稲と鮮やかに咲く彼岸花。このレンズは自然な距離感で撮影できるのがいい。F8まで絞ってシャッターを切ったので、ピントも深くなりコントラストも向上。情景をカッチリとキャプチャーすることができた。
13_56mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/5000秒 f/1.4 ISO100 焦点距離56mm EV-2
 彼岸花に迫ってみた。絞り開放で最短撮影距離50cmまで近寄って撮影。黒バックに美しい曼珠沙華が浮かび上がった。後方の花も背景もキレイにボケるので、メインの花がグッと際立たせることができる。明るい中望遠らしさを手軽に味わえるレンズになっている。
14_56mmレンズの作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
■撮影環境:1/8000秒 f/1.4 ISO100 焦点距離56mm EV-0.3
 草を喰むヤギを発見。フレーム内に太陽が入る強烈な逆光状態だったが、このレンズとシグマ fpは高速かつ正確にヤギの瞳に合焦した。開放F1.4で安心してシャッターを切れるのがうれしい。見事な毛並みや宙を飛ぶ虫まで、しっかりとシーンを余すところ捉えてくれるレンズである

まとめ

 「DC DN」シリーズ3本をシグマ fpで撮影したが、さまざまなシーンでどのレンズも満足のいく描写を見せてくれた。APS-Cフォーマットのレンズなので1.5倍のクロップでの撮影となったが、「軽さ」「コンパクトさ」のメリットを大きく感じた。どんなにブラブラと撮り歩いても疲れ知らずだったからだ。3本ともF1.4という明るく大口径なのでボケの効果も楽しめるし、レンズ本体のビルドクオリティもしっかりとしていて、シャッターを切っていて満足感が高かった。写りも「Art」ラインの流れを汲む上質なもので、画質に妥協を感じることもなかった。  リーズナブルな価格も注目だが、簡易防塵防滴仕様、金属製バヨネットマウント採用と造りにも妥協がない。Lマウントアライアンスに賛同しているライカやパナソニックのLマウントカメラにもオススメできるレンズランナップだろう。  動画撮影の場合、4K UHD 3840px×2160pxでフルに撮影できるのも魅力だ。可変NDフィルターを装着して、浅いピントを楽しむのも一興だ。  広角・標準・中望遠と揃った、気軽に持ち出せる待望の大口径「DC DN」シリーズ。Lマウントユーザーはキタムラ店頭でぜひ試してみてほしい。 写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんが、開放F1.4のLマウント用APS-Cレンズの「SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary」、「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」、「SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary」のレビューを行っています。 ----- KEYWORDS: SIGMA,シグマ,レビュー,SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary,SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary,SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニーα7S IIIレビュー | ビデオグラファーを喜ばせる撮影機能が満載! BASENAME: 477816819.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 中西学 DATE: 10/12/2020 11:00:00 TAGS: α7S III,ソニー(Sony) ボディー,人物_子供,ミラーレスカメラ,フルサイズ,ポートレート(人物) ----- BODY: ソニーα7S IIIで撮影したポートレートs.JPG

はじめに

 ソニー フルサイズミラーレスカメラのα7シリーズの高感度モデルとなるα7S IIの後継機、α7S IIIが登場しました。最新αシリーズの高機能が搭載され、更にビデオグラファーを喜ばせる撮影機能が沢山詰め込まれています。今回機材をお借りして薄暗い空間でのポートレートや夜のドライブシーンをムービーと一部スチールで撮影してレビューしていますので、是非ご覧ください。

プロジェクションマッピングを撮影してみて

 プロジェクションマッピングの映像を撮影する場合、色々角度や設定を変えて工夫をこらして撮影しないと、その場で見た通りに光の動きや色味を再現するのが難しく、実際の雰囲気とかけ離れた映像になってしまう事が多々ありますが、今回α7S IIIでの撮影では、目で見たのと近い映像をいとも簡単に撮る事が出来たのは驚きでした。これは有効画素数約1210万画素の新開発の裏面照射型CMOSセンサーによる高感度時のノイズ低減性能やダイナミックレンジが広くなったことが影響しているのかもしれません。  光りの当たる場所やモデルに映り込む色が刻々と変化してましたので、バランスの良い画が撮れるように4K/120fpsで少し長回しで撮影を行っていたのですが、カメラが熱を持っているのを殆ど感じませんでした。これだけの時間α7IIIで撮影していれば、カメラのグリップを握る右手や、底を支える左手に熱を感じてくるのですが今回はそれが殆どなく、α7S IIIの優れた放熱性能を感じました。この性能はα7S IIIの放熱構造によるもので4K/60Pの設定で1時間動画を撮影し続ける事が出来るようなので、安心して撮影に集中できます。  テスト動画後半のモデルの顔に黒い波の影が重なるところでは、瞳AFで撮影をしているのですが、動く影に引っ張られる事なく、しっかりと人物の瞳を捉え続けてくれました。少し意地悪なテストではありましたが、そのおかげでα7S IIIに搭載されているリアルタイム瞳AFの精度の高さを知る事が出来ました。

薄暗い屋外での撮影性能

 薄暗い屋外でのテスト撮影を行う為、夕方18時頃から撮影を開始しました。事前にロケハンを行いモデルの顔を照らす照明が必要と考え、準備機材にはLED照明を用意していましたが、当日α7S IIIで撮影を始めてみると、おや、おや、なんと?街灯や遠くの街明かりを背景に入れた状態でも、モデルの顔を自然な明るさで捉える事ができ、またその色味と雰囲気がとても気に入りLED照明なしで撮影を行うことにしました。ISO感度は12800に設定して撮影しましたが終始ノイズが気になる事なくモデルの肌をとても美しく捉えてくれました。  時間が経過し撮影の途中で空が一段と暗くなり、街灯や街明かりが目立つようになった頃には色味も大きく変化していました。ホワイトバランスは最初から最後までオートに設定していましたが、そのような大きく色味の変化がある中でも安定して目でみた色を再現してくれていました。これは今回カメラ正面の軍艦部右下に搭載された「可視光+IRセンサー」によって、難しい光源下でも、より正確なホワイトバランスをオートで得ることができるようになっていて、動画撮影ではとてもありがたい機能です。  後半の空が暗くなっている時間は19時をまわった頃でしたが、ここでも地明かり以外は使用していませんが、十分に自然な明るさでモデルの表情を捉え続けています。またここでは手持ちでモデルの歩幅に合わせて筆者も追いかけて撮影を行いましたが、今回新搭載されたアクティブモードを使う事で、ブレを大きく減らし撮影する事が出来ました。このアクティブモードは5軸、5.5段の光学手ブレ補正に加えて、ブレを補正してくれるもので、画角は僅かにクロップされますが、今回使用してみて、驚く程効果的にブレを補正してくれるのを感じました。

色変化が大きい薄暗い環境で制作したショートムービー

 撮影が難しいプロジェクションマッピングや夕方から夜にかけて色変化の大きな状況でモデル撮影することでα7S IIIの性能テストを行ってきましたが、その時撮影した映像をBGMと合わせてショートムービーにしてみました。動画は4K/120fpsのスローモーションで撮影し、最終出力で60fpsや30fpsに変化させて映像に躍動感を与える演出をしています。また今回カメラ内に搭載された10種類の色表現が可能クリエイティブルックという機能があり、これを使用することでよりシネマライクな表現を行うことができました。このショートムービーではビビット(VV)を使用しています。

AF性能と、ローリングシャッター歪みの低減

 夜走行する車のフロントガラスからの映像を撮影する為、知り合いに運転してもらい、助手席側から手持ちで撮影を行いました。高速道路で目の前を走る車にAFを合わせましたが、ボディーカラーが黒色で背景の暗闇と同化した状態であったにも関わらず、素早くピントを合わせ、そのまま追従してくれ、AF性能の高さを感じました。  映像の後半は、橋を走行中に遠くのビル群を撮影しています。このように横に流れる映像を撮影すると通常、ローリングシャッター歪みによりビルがぐにゃりと曲がって見えたりするのですが、α7S IIIではその歪みが低減されており、ビルはほぼまっすぐの状態で撮影する事ができました。

夜のドライビングシーンを撮影したショートムービー

 こちらのショートムービーは、週末の夜に彼女を迎えに行くというコンセプトで制作しています。全体にわたりLED含め様々な光の中で撮影を行いましたが、オートホワイトバランスの性能が高く、終始目で見た色味に仕上がっています。またシネマライクな色表現が可能なクリエイティブルックにより、映像にしっとりとした質感と深みを与えてくれています。  オートフォーカスの移動を調整する「AFトランジション速度」と「AF乗り移り感度」は、筆者自身が朝、目を開けて見たものが、ぼんやりした状態からちゃんと見えるまでの速度で調整を行い、出来るだけ自然に見えるようにしてます。  今回とても感動したのが、液晶モニターの色再現性能になります。α7IIIでの撮影では、実際に撮影した色味と液晶モニターでの色味が少し違うように感じる事がありましたが、今回それが解消し、外部モニターでチェックする事なく、液晶モニターでスピーディーに撮影後のチェックをする事ができました。また液晶モニターはバリアングルになっていますので、撮影の自由度が増しています。

静止画での撮影

 α7S IIが登場した5年前と比べると、その後に登場したカメラの高画素化が進み、1210万画素と聞くと静止画撮影するには画素数が少なくないか?と思う方もいらっしゃるのではないかと思います。実際に写真展で展示する事を考えると難しいかもしれませんが、WEBで閲覧するには十分なサイズだと思いますし、カメラのキタムラでも4切より少し大きいサイズ迄でをプリント推奨サイズとして紹介しており、このくらいのサイズでのプリントをされる方には十分な画素数であると考えます。  1枚のファイルサイズは1MB以下となり、とても取り扱い易く便利ですし、画素が少ない分、画素ピッチが広くなり、光をしっかりと受光することで高感度撮影時にノイズを低減する事ができます。
ソニーα7SIIIで撮影したポートレートs.JPG
■撮影機材:ソニー α7S III + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:1/30秒 f/1.4 ISO250 85mm
■モデル:鈴木海那
作例2.JPG
■撮影機材:ソニー α7S III + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:1/30秒 f/1.4 ISO250 85mm
■モデル:鈴木海那
作例3.JPG
■撮影機材:ソニー α7S III + FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:1/30秒 f/1.4 ISO250 85mm
■モデル:鈴木海那
 動画撮影時に撮影したスチール画像は、動画編集時に被写体に徐々に寄って行くズームのシーンや横に移動するパンのシーンの時に静止画を利用して編集を行うことがあります。α7S IIIは静止画も動画も4Kと同じ大きさの為動画とスチールが共存しやすく、動画編集時に撮影した静止画を便利に扱うことができます。 写真家:中西学 日本国内から海外まで、その時の時事を撮影することを専門する。その他、風景、ポートレートなど撮影ジャンルは多彩。また、ドローンやVRなど最新機材を使いこなし動画クリエーターとしても活動。写真家目線での映像技術を得意とする。 ・公益社団法人日本写真家協会 正会員(JPS) ・一般社団法人日本UAS産業振興協議会 会員(JUIDA) ・ソニーα アカデミー講師(札幌校、銀座校、名古屋校、大阪校、福岡校) ・クラブツーリズム講師 ・DJI CAMP スペシャリスト α7S III発売前のソニーストア銀座での先行展示取材記事はこちらからご覧頂けます。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の中西学さんがソニーα7S IIIのレビューを行っています。ショートムービーを2本作成し、気になる機能や性能を試していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: α7S III,ソニー,レビュー,FE 85mm F1.4 GM ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.3|ライカM10モノクローム+ズミルックスM f1.4/35mm ASPH. BASENAME: 477901508.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山本まりこ DATE: 10/14/2020 11:00:00 TAGS: M10モノクローム,ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.,ライカ(Leica) ボディー,ライカ(Leica) レンズ,ミラーレスカメラ,フルサイズ,単焦点,ライカとカレー ----- BODY: 00_ライカM10モノクローム+ズミルックスM f1435mm ASPHの製品画像.jpg

はじめに

「ライカには、モノクロしか撮れないカメラがあります。」 そう聞いたのは約一年前のこと。 デジタルで何でも撮れて、スマホで超簡単にレタッチ出来てしまう超便利且つ高速循環な時代の中で、あえてモノクロしか撮れないデジタルのカメラがあるなんて。しかもライカのカメラで。 へえええとその時はびっくり目をまるくしたのだけれど、デジタルだけれどもモノクロしか撮れない、いえ、モノクロだけを撮ることが出来るモノクロ専用機のデジタルカメラって一体どんな感じなのだろう。出来ることをあえて削って超シンプルに作られたカメラ。そのカメラに触れたら私はどんなことを思うのだろう。カメラがシンプルならば、撮る側もシンプルになるのだろうか。心が、体が、そう感じるのだろうか。そんな思いがぐるぐると巡って、その存在がどうしても私の頭の中から離れずにいた。 そして、一年が経ち、嬉しいことにそのカメラと旅に出る日が来た。

ライカ M10モノクロームとズミルックス M f1.4/35mm ASPH.と一緒に東京へ

この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、写真家山本まりこが異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をし、そしてカレーを食べて帰ってくるという内容の企画。今回は、連載の第三回目。 第三回目は、モノクロのみ撮ることができるライカ M10モノクロームとの旅。そして、レンズは、SUMMILUX(ズミルックス) M f1.4/35mm ASPH.。 01_製品画像.JPG ライカM10モノクロームと本日向かうのは東京。4年に一度の世界的なスポーツの祭典が開催されるはずだった2020年の東京の街を撮りたいと思ったから。今の東京を撮りたい。ライカで撮りたい。 JR東海道線に乗って東京に向かう。窓から少しひんやりとした風が入ってくる。最近は、ススキが揺れているのをよく見かける。あっと言う間に秋になったなあ。それにしてもお腹が空いた。カレーが食べたい。あのカレーが食べたい。いつもは、旅の最後にカレーを食べて帰ってくるのだけれども、今日はカレーを食べてから撮影に行こう。特別。

大好きなカレー屋さんへ

東急池上線雪が谷大塚駅の目の前にあるカレー屋さんモネノニワ スパイスバルは、お気に入りのカレー屋さん。いつかこの連載で紹介したいと思っていた私の大好きなお店。もう何度も訪れているので顔を覚えてくれているオーナーさんにご挨拶をし、お店の窓際のカウンター席に座る。2階にあるお店のこのカウンター席からは、東急池上線の線路と踏切が見える。数分おきに電車が行き交い、人々も行き交う。駅に行く人、買い物をする人、犬のお散歩をする人。のんびりとした街の日常の景色をこの席から俯瞰して見ていると何だかじわじわと楽しくなってくる。遮断機の音も何となく軽快なリズムに変わって聞こえてくるような気がする。 カレーを待つ間、電車のある景色をのんびりと眺める。 そして、ライカ M10モノクロームと向き合う。 ライカM10モノクロームは、ライカM10-Pをベースとして作られたモノクロ専用機の三世代目。発売は、今年2020年1月より。ちなみに、ライカM10-PのPは、プロフェッショナルのP。写真のプロフェッショナルに向けて作られたカメラで、シャッター音がライカM10よりも静かに設計されている。また、ライカM10モノクロームは、視線を集めやすいライカの赤いロゴはつけず、トップカバーの刻印も目立たないように表記され、文字の刻印にも色が付いていない。控えめ、そして、モノクローム特性をさらに際立たせたデザインとなっている。メニューボタンを押して、いろいろといじってみる。カメラの中でどんなことが出来るのかを、手探りしながら体感する時間。あっちを見たりこっちを見たり。いつも思うけれど、この時間が好きだ。 「JPEG設定」で、「コントラスト」を高・標準・低、「シャープネス」を高・標準・低と変えることが出来るので、モノクロの表現の中で柔らかくも硬くも自在に設定できる。 02_作例.JPG 03_作例.JPG 04_作例.JPG そして、「トーニング」で色調をブルー・セピア・セレンに変えることが出来る。 ん。色調を、ブルー、セピア、セレンに変えることが出来る… そうか。 モノクロとは、モノクローム(monochrome)の略で「一つの色」という意味。モノクロと言うと白黒を思い描いてしまいがちだけれど、一つの色という意味だから、ブルーやセピアやセレンがあるのだ。なるほど。ちなみに、ブルーは少しブルーに、セピアは茶色に、セレンは少し紫がかった色になる。そして、色調は、強・弱・OFFと強さを選ぶことができる。ふむふむ。 そうこうしているうちに、大好きなカレーがやってきた。
05_作例.JPG
トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
レンズSUMMILUX(ズミルックス)M f1.4/35mmのSUMMIはラテン語で最高のものを意味するSUMMA(ズンマ)から由来し、ルックスは照度の単位であるLUX(ルクス)のことであり、最高の明るさを意味する。つまり、ライカのレンズ群の中で最高レベルの明るさを持ったレンズということ。ライカのレンズは、SUMMILUX(ズミルックス)やSUMMICRON(ズミクロン)のように、明るさ(f値)によってレンズの名称が決まる。 オーナーさんに許可をいただいて、空いていたお店の中央のテーブルをお借りしてカレーを撮影。ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.の最短撮影距離は70cm。ぐぐっと寄りたい気持ちをおさえつつ、70cmの距離を保ちながら撮影。最短距離でf値を開放にして撮影すると、背景も手前も滑らかに美しくボケる。俯瞰写真は、カメラを持ち上げていてファインダーが見えないので距離を見てピント合わせをし、勘でフレーミングを決めてシャッターを切る。見えない分、きれいにキマると余計に嬉しい。ライカM10モノクロームは、もちろんレンジファインダー。もちろんオートフォーカスではない。レンジファインダーについては、vol.1で説明しているのでそちらを読んで欲しい。 本日は、基本のスパイスカレーにラムマーボーをトッピング。日替わりで、季節のサブジ(野菜の炒め物や煮物)が添えられている。お皿になみなみと注がれたカレーは、いつもびっくりするくらいの量なのだけれど、でも食べるとこれまた何と言えばいいのか分からないくらいサラっと口から入って、スルッと食べ終えてしまう。いつも笑顔で優しいオーナーさんの人柄が表れているようなカレーで、スパイスと油は控えめ。だけれども全体としてはスパイスカレーを食べていると強く実感するという、優しいのに強い印象が残る不思議なカレーなのだ。 一度食べて虜になり、もう何度も通っている。 ふとした瞬間に食べたいなあと思い出すカレー。
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トーニング:セレン強
このカレーをここで紹介出来て嬉しい。でも実は、今回紹介するのかはすごく悩んだ。と言うのも実はこのカレー、色がとても美しいのだ。カレーはブラウン、ライスはターメリックカラー(イエロー)、上に載っているのは紫キャベツのバイオレット、野菜のグリーン、トマトのレッドがのっていたりとてもカラフルで華やかなのだ。だから今回はあえての選択。モノクロで色を一色に絞っての挑戦。行きたい、食べたいと思ってくれた人がいたら、それはとてもとても嬉しい。そして、いつかまたカラーで紹介できる日があれば、このモノクロの写真と並べてみたい。それも楽しいのではないかと思う。 いつも通りスルッと食べ終える。さあ、パワー充電完了。2020年の東京の街を撮りに行こう。ライカM10モノクロームと一緒に。

東急池上線に乗ってのんびりと

東急池上線雪が谷大塚駅から電車に乗り込む。昼下がりの池上線の中は、日が当たってポカポカとしていて、いつも通りのんびりとした空気が漂っている。もうだいぶ電車にも街にも人が増えてきたなあ、一時期は電車の一車輌に2~3人なんてことも多かったのだけれど。活気が戻ってきた東京の空間を実感しながら電車は進んで行く。 08_作例.JPG いくつか電車を乗り継ぐ。
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
目的地は、国立競技場駅。

国立競技場駅へ

都営地下鉄大江戸線国立競技場駅で降りていくつものエスカレーターを登って地上に出ると、そこには新国立競技場がドンと建っていた。昔、よくこの辺りに良く来ていた。新しいホテルが建ち、すっかり新しい街に変わったなあと思いながら眺める。 私は今年の9月、この新国立競技場の中にいるはずだった。応募したチケットがたくさん当選し、その中の陸上競技観戦がこの場所だった。
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トーニング:セレン強
人はぽつりぽつり。たまに車が一台二台と通っていく。静寂。 でも私は、いつの間にか人々の歓声を重ね合わせてこの場に立っていた。
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
しばらくぐるぐると周りを歩きながら建物を見て、ここに来ることができますようにと願いながら背中を向けたその時、競技場の中から大きな音が流れてきた。物凄く大きな音が。それは多分、スポーツの祭典の時に流すはずの音楽だと思われるものが大地を包むように大きな大きな音で流れてきた。その音楽を聞きながら国立競技場を眺めていた私はいつの間にか泣いていた。いろいろなことを思い出しながら。そしていろいろな未来を想いながら。秋の始めの午後の光がとても眩しかった。
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トーニング:セレン強
世界が平和でありますように そう願いながら、JR信濃町の駅を目指した。空を見上げたら、サルスベリが咲いていた。青空に白い花びらが輝いて見えた。ふと、トーニングをブルーに変えたらどんな風に写るのだろうか。そんなことがふと頭をよぎり、ブルーに変えて撮った。
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トーニング:ブルー強
モノクロでも青空の青い色は伝わるのだろうか。でもなんだかきっと伝わるのではないか、そう思いながらシャッターを切っていた。 駅に向かう途中、大地に覆いかぶさるようにうっそうと茂った木々の中、遠くの方に純白の曼殊沙華が輝いているのが見えた。それはまるで舞台女優のように見えた。
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強

新大久保駅へ

次に向かうのは、新大久保駅。全く違う東京の表情が撮りたい。そして、カレーを作るときに使うスパイスを買いたい。韓国料理店が立ち並ぶ街と記憶していた新大久保には、スパイス通りと言われるくらいスパイス店が並んでいる場所があるらしい。新大久保の街は以前とあまり変わらず賑やかなのではないか、そんなことを思いながら山手線を降りる。そして降りたとたんにびっくりして足が止まる。10代、20代、そのくらいの若い子たちがたくさん。駅がぎゅうぎゅうするくらいにいっぱいいる。駅前を出ても、若い人、人、人。
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
さっきまでの静寂はどこかに消えて、街には若者の楽しそうな笑い声で溢れている。Instagramでよく見る韓国の食べ物を食べながら自撮りをしていたり、アイドルショップで目を輝かせていたり。賑やかな風景。あまりの人の多さに若干目を白黒させながら街を歩く。 街が変われば、人も変わる。 人が変われば、空気も変わる。 そして、お目当てのスパイス店へ向かう。大きな通りを折れるとすぐに香った。あの匂い。インドを旅しているときにいつも香っていたスパスの匂い。街で、道で、レストランで、食堂で、ホテルで、電車で、飛行機で。いつも香っていたあの鼻からぐぐっと体の中に入り込んでくる強烈なスパイスの匂い。世界を旅していて思うのは、その土地ならではの匂いがあるということ。インドはスパイス、タイはナンプラー、中国の紹興は紹興酒の匂いが町中を包んでいた。その土地の生活の中に溶け込んだ日常という匂い。ここはあのインドの匂いがする。
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トーニング:セレン強
スパイス店が並んでいるその通りを歩いてスパイスの匂いに全身包まれ、そして、行き交うインドやアジア圏の人々の言葉を聞きながら歩いていたら、いつの間にか今インドを旅している気分になっていた。オールドデリーの雑踏の中、土埃と人の渦の中を歩いているようなそんな気分だった。私は旅の中にいる。心臓がドキドキと音をたてるのが聞こえた。その心臓の音とシンクロするように、ライカM10モノクロームの優しいシャッター音が響いた。あああああ。やっぱり匂いと言うのは人の記憶を強く蘇らせるなあ、本当に。
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
香辛料専門店THE JANNAT HALAL FOOD(ザ ジャンナット ハラル フード)で、ずらりと並んだ色とりどりのスパイスたちの中から、ターメリック、シナモン、タマリンドなど買いたかったいろいろを購入。ココナッツジュースを飲みながらホッと一息。さらには、スパイス教室の友人たちからいろいろな情報をもらってアジアや韓国のお店をハシゴして気分はもう世界旅行。なんて近い海外旅行なの。なんて楽しいの。近く、旅をしたくなったらまたここに来よう、絶対に来よう、そう思いながら新大久保の街を後にした。
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トーニング:セレン強
電車で移動中、スマホにダウンロードしたアプリLeica FOTOSとカメラをWi-Fiでつないで写真を見返す。お気に入りの写真はすぐにスマホに保存。 27_画面キャプチャ.jpg 28_画面キャプチャ.jpg

高輪ゲートウェイ駅、そして浜松町駅へ

今日は、いろいろな東京を撮りたい。JR新大久保駅から山手線で新しく誕生した山手線の高輪ゲートウェイ駅へ。噂にはよく聞いている話題の駅、初降車。天井に張り巡るトラスがとても美しくて、光が良く入る明るい駅。トイレもホテルのようにピカピカで美しかった。その中で私が特に気になったのは、いつもは見ない電車の上部が二つ並んでいた瞬間。電車の上って、こんな風になっているのだなあ。窓から見える景色が薄暗くなってきた。もうすぐ夜が来る。
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
最後は、浜松町駅へ。東京の夜景が見たい。そしてもちろん撮りたい。足早に高層ビルの上階へ。時刻は、東京の街の灯りがちょうど輝き出すとき。一眼カメラを持ったたくさんの人たちがガラスに張り付きながら夢中でシャッターを切る中に混じって私もライカM10モノクロームのシャッターを切る。暗闇に輝くカラフルな液晶画面の写真たちを眺めて自分の液晶画面を見る。モノクロ。一人。それもまた楽しい。
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トーニング:セレン強
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トーニング:セレン強
ここにあるのは、2020年の東京。 来年、この街でどんなことがあるのだろうか。 未来、この街に何が待っているのだろうか。 世界が平和でありますように。そうまた強く願ってライカM10モノクロームのシャッターを切った。数枚撮ると、電池が切れた。夜景を撮ることを待ち、一日の終わりを確かめるかかのように、切れた。今日も楽しかった。そう思いながら、私はライカM10モノクロームをそっとリュックに閉まった。

家で

夜。家に帰って、撮った写真をパソコンで見返してみる。サルスベリの写真でふと手が止まる。トーニングのブルーの色が美しい。白いサルスベリの花びらの色が、ブルーにくっきりと映えている。 33_作例.JPG ライカで撮った写真をパソコンで見返すといつも思う。撮った時よりも、さらにと言うか、いえ、「強烈に」美しいと感じるのだ。撮っている時の感動も、シャッターを切った振動も、全て体感して知っているのに、写真をパソコンで見返すと、初めて見る写真のようにドキッとするのだ。特に今回は、トーニングをブルーに設定したサルスベリのお花がすごく気に入った。トーニングをブルーにしてお花をもっと撮ってみたいと思った。 後日、お花を撮りにガーデンへ。もちろん、トーニングをブルー強に設定。 34_作例.JPG 35_作例.JPG 36_作例.JPG 37_作例.JPG 38_作例.JPG 39_作例.JPG 40_作例.JPG 41_作例.JPG 42_作例.JPG 43_作例.JPG 秋のお花をいろいろ撮った。ライカM10モノクロームのシャッターを思いっきり切った。ブルーやグレーなど、青味が少し入った色が入ると、ブルー調が少し強く表現されるように思う。 写した写真を見てみる。やっぱりこの設定の描写は、とても好きだ。 うろこ雲が広がる秋の空の下、そう強く思った。

おわりに

三回目の旅が終わった。今回は、モノクロで撮る旅。カメラがシンプルならば、撮る側もシンプルになるのだろうか。心が、体が、そう感じるのだろうか。そんなことを思いながら過ごした時間。結果はどうだっただろう。 モノクロ一色で表現される写真たちは、カラーの情報がない分シンプルに写る。でも、それを撮る時は、私の頭はフル回転だった。いつもはできるだけ柔らかい空気感でカラフルな世界を、絵を描くように撮りたいと思っている。だから、できるだけ柔らかい光を選び、柔らかく写るような設定を選んでいる。だけど、このカメラで撮る時は色が締まったスカッとした写真を撮りたいから、選ぶ光はいつもと真逆。パキッとした光を選び、コントラストもシャープネスも強を選んで撮っていた。だから、頭の中は全然シンプルじゃなくて、いろいろなことを考えながらむしろお祭りのように賑やかだった。でもそれはとても楽しい時間だった。今回の撮影で、モノクロ撮影に一気に興味が湧いた。これから、モノクロでいろいろ撮影してみたいと思う。トーニングをブルーにして。 次はどんな旅になるのだろう。 そして、どんなライカのカメラ、駅、そして、カレーに出会うのだろう。 そうだ。あそこに行きたい。ずっと行きたかった場所があるんだ。 でもまだナイショ。それは次回のお楽しみにとっておきたいと思う。 ■モネノニワ スパイスバル 東京都大田区南雪谷2-15-1 2F、03-3726-1081 https://www.instagram.com/monetniwa/ ■THE JANNAT HALAL FOOD(ザ ジャンナット ハラル フード) 東京都新宿区百人町2−9−1、03-3366-6680 http://www.thejannath.com ■参考文献 ライカHP 写真家:山本まりこ 写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山本まりこさんによるライカ連載記事第三弾、ライカM10モノクローム+ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.で「カレーと旅」をテーマに様々な出会いを発見を執筆して頂いています。 ----- KEYWORDS: ライカ,M10モノクローム,ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.,連載 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 富士フイルム X-S10が登場|しっかり握れる小型ボディーに、びっしり詰まった高機能! BASENAME: 478001035.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 10/19/2020 16:00:00 TAGS: X-S10,ミラーレスカメラ,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,APS-C ----- BODY: 00_富士フイルム_X-S10の製品画像.jpg

はじめに

 2020年10月15日に富士フイルムより、小型・軽量ボディーに手ブレ補正機構が搭載され、大型グリップのミラーレスカメラ X-S10が発表されました。APS-Cセンサーを搭載するXシリーズに新たにラインナップされたこの「S」ラインは、もっと沢山の方にカメラを楽しんでもらいたいという想いから新設され、それを表す一つの特長として操作ダイヤルはシンプルになっており、はじめて富士フイルムのカメラを使われる方でも思い通りの撮影ができるようになっています。静止画・動画性能はX-T4ゆずりで、バリアングル液晶モニターを搭載。小さなボディーには上位機種の優れた撮影性能が沢山詰め込まれていました。  今回先行展示がされているFUJIFILM Imaging Plaza東京でメーカー担当の方にX-S10について取材して参りましたのでご覧ください。

刷新されたデザインとその特長

01_製品画像.jpg 02_製品画像.jpg  従来のXシリーズと比べると、シャッタースピード、露出、ISOを操作するメカダイヤルは廃され、シンプルなダイヤルに置き換わることで軍艦部の左右がすっきりした印象です。ただそれでも軍艦部中央の形状や革絞りの質感からレトロカメラの風合いを残し、シリーズ通して変わらず愛着の沸くデザインになっていると感じました。 03_手持ち画像.jpg 04_製品画像.jpg  グリップはミドル機では考えられない程大きく、深く握る事が出来ます。これであれば重さのある望遠レンズやF値の小さな大口径レンズを装着した場合でも、しっかりと取り回しが出来ます。これはサブ機として使われる方は勿論、X-S10でカメラデビューされた方が、徐々にレンズを買足し、大きなレンズを使うようになっても長い間このカメラを使い続ける事が出来るようにという想いから、思い切ってこの大きさのグリップをこのクラスのカメラにつける事にしたと伺いました。 05_製品画像.jpg  左肩にはデフォルトではフィルムシュミレーションの変更が可能なファンクションダイヤルがあり、右肩にはP、S、A、M、オート、動画、カスタム設定などを変更するモードダイヤルがあります。カスタム設定はC1~4まで割振られており、4つのお気に入りの設定に瞬時に切り替える事が可能です。 06_製品画像.jpg  右肩は、片手だけでカメラを持った場合でも素早く操作可能なように、モードダイヤルに加えて、人差し指で操作が可能なフロントコマンドダイヤルと、親指で操作するリアコマンドダイヤルがあります。また少し重たいレンズを装着した時でも深いグリップをしっかりと握りカメラを安定させて、素早く操作が可能なように設計されていますので、狙った瞬間を逃さず撮影する事ができます。

X-T4と比べてみて

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左がX-T4、右がX-S10
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左がX-T4、右がX-S10
 X-T4もAPS-Cサイズのセンサーを積んだ、機動性のあるカメラではありますが、X-S10はそれと比べてもご覧の通りとても小さくなり、質量も各段に軽くなっています。X-T4より更に持ち歩きが便利になり、撮影するつもりがない日でもバックに入れて持ち歩くことで、急に訪れたシャッターチャンスをものにする事が出来るのではないかと、想像するだけでワクワクしてきます。 ・X-S10 :[幅]126.0mm×[高さ]85.1mm×[奥行き]65.4mm、[質量]約465g ・X-T4 :[幅]134.6mm×[高さ]92.8mm×[奥行き]63.8mm、[質量]約607g ※質量はバッテリー、 SDメモリーカード含む 10_X-S10の製品画像.jpg  X-T4と同様の有効約2,610万画素のX-Trans CMOS 4(裏面照射型)と画像処理エンジンX-Processor 4を搭載しており、高画質、高速処理は勿論、超高速のAFが可能です。  最速0.02秒の高速AFが可能で、位相差AFは画面の100%をカバーしており、動く被写体を画面の四隅まで正確にAFトラッキングし続けます。被写体が人物の時は、高速・高精度な顔検出、瞳AFを可能にしており、これら全てが上位機種のX-T4と同性能になっています。  フィルムシュミレーションもX-T4と同じく18種類の設定が可能で、長年のフィルムの開発で培われてきた富士フイルムならではの色表現を最新のミラーレスカメラで愉しむ事ができます。

X-T30と比べてみて

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左がX-T30、右がX-S10
12_X-T30とX-S10の大きさ比較の画像.jpg
左がX-T30、右がX-S10
 外寸を見るとX-S10はX-T30より幅、高さ、奥行き共に大きくなっていますが、実際に並べると分かりますが艦部左右の肩の高さが低くなっており、手に取ってみると外寸のような大きさの差は感じません。また深くなったグリップを握るとしっかりとカメラを固定できるので、質量の差もあまり気になりませんでした。 ・X-S10 :[幅]126.0mm×[高さ]85.1mm×[奥行き]65.4mm、[質量]約465g ・X-T30 :[幅]118.4mm×[高さ]82.8mm×[奥行き]46.8mm、[質量]約383g ※質量はバッテリー、 SDメモリーカード含む
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左がX-T30、右がX-S10
 液晶モニターはX-T30のチルト式に対して、X-S10はバリアングル液晶モニターになっていています。
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左がX-T30、右がX-S10
 X-T30では、フィルムカメラライクなフラットなデザインを踏襲する為バッテリーを横に収納していますが、X-S10では大きくしたグリップの内部に縦に収まるようになっています。バッテリーはX-T30と同様にNP-W126Sを使用します。
 バリアングル液晶モニターはマイク端子にプラグを差し込んだ状態でぐるぐる回しても干渉しないように設計されており、動画撮影されるユーザーに対しても細部まで行き届いた配慮がされているのを感じました。 14_X-S10の製品画像.jpg  ファインダー性能はX-T30と同等で、約236万ドットの有機ELファインダーを搭載し、ファインダー倍率は0.62倍になっています。 14_2_X-S10の製品画像.jpg  またX-S10では電子ビューファインダーに3種類のブーストモードが搭載されており、薄暗い場所でも視認性を向上させる「低照度優先」と、高いピント精度が求められるシーンに向く「解像度優先」、動体撮影時に向く「フレームレート優先」があります。 ※X-T30では、フレームレートを向上させる機能のみ搭載。 15_X-S10の製品画像.jpg  メモリーカードはX-T30と同様のシングルスロットでUHS-Ⅰ対応のSDカードを使用します。

5軸6段の手ブレ補正機構

 X-T4より格段に小さくなったボディーに5軸6段分の補正効果のある手ブレ補正機構を搭載する為、質量、体積共に30%小さくした手振れ補正ユニットを新開発して搭載してます。
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左はX-H1、中央はX-T4、右はX-S10のボディー内手ブレ補正ユニット
 ボディー内手ブレ補正のユニットは、X-H1→ X-T4の時に、質量を20%、体積を30%落とす事に成功し、開発陣の間ではそれが限界だろうと考えていたところ、X-S10のコンセプト上、ユニットを更に小さくしつつもX-T4とほぼ同レベルの手振れ補正効果のあるユニットの開発が求められたそうです。その時は最初開発陣の誰もが無理なのでは?と思ったようですが、無情にもというべきか、幸運にもというべきか、更にユニットを小型化するプロジェクトはスタートし、配線やレイアウトの工夫により、出来るだけ小さな力で制御することを可能とするなど数々の課題を解決する事で、結果X-T4→ X-S10では、質量を15%、体積を30%落とす事に成功し、小型ボディーに5軸6段の手ブレ補正効果のある、ユニットを収める事ができたとの事でした。またこの難しいプロジェクトを成功させる為には、今回とは正反対のラージフォーマットの巨大なセンサーでありながら、5.5段の補正効果を持つボディー内手ブレ補正ユニットを開発したGFX100の時の経験が大いに活かされたようです。

動画性能

 4K30Pで撮影が可能で、6K相当のデータ量から4K映像を生成することで、ノイズが少ない高解像の映像を実現しています。Full HDの高画質で最大10倍のスローモーション効果が得られるハイスピード動画撮影が可能になり、18種類もの多彩なフィルムシミュレーションと組み合わせる事で、シネマライクな映像表現を可能にしています。  また動画撮影時の熱問題への対応として、冷却構造を新開発した事で、連続撮影時間は、4K30Pで約30分となっており、あまり時間を気にする事なく撮影に集中することができます。 05_製品画像.jpg  動画撮影を開始する時は、シャッターボタンの少し手前にある、赤いボタンを押す事で、撮影モードダイヤルがどこに設定されていても、瞬時に動画撮影を開始する事ができます。またモードダイヤルで動画を選択すると、動画専用メニューに切り替わりますので、事前に設定をしておけば、その設定で動画撮影を開始する事が可能になります。
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動画用メニュー

デジカメ世代には有難い親切な機能

18_X-S10の製品画像.jpg 19_X-S10の製品画像.jpg 20_X-S10の製品画像.jpg  フィルムシュミレーションの選択画面で「Q」ボタンを押すと、各フィルムアイコン毎に色再現の解説が表示されます(上記は一部で10種類の解説があります。モノクロ、セピアを除く)。はじめて富士フイルムのカメラを使われる方や、フィルムカメラを使った事がない方にはとても有難い機能ですね。

レンズキット

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左はXC50-230mmF4.5-6.7 OIS Ⅱ、右のX-S10装着レンズはXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
 ボディー単体の他発売予定のレンズキットは以下の通りです。 ●デジタルカメラレンズキット X-S10 + XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ X-S10 + XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS ●デジタルカメラダブルズームレンズキット X-S10 + XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ +  XC50-230mmF4.5-6.7 OIS Ⅱ ~ 「X-S10」はこちらの記事でも紹介されています ~ ■写真家の片岡三果さんによるX-S10レビュー記事はこちらからご覧頂けます。 富士フイルム X-S10レビュー|小さなボディーにフジ製品のいいとろこがギュッと詰まった頼れる相棒 https://shasha.kitamura.jp/article/478921868.html ■写真家のこばやしかをるさんによるX-S10レビュー記事はこちらからご覧頂けます。 富士フイルムX-S10でポートレートスナップを撮る|充実の機能と日常使いに相応しい単焦点レンズ https://shasha.kitamura.jp/article/479634542.html

特集ページ

 X-S10特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介していますのでコチラのページも合わせてご覧ください。 x-s10.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 2020年10月15日に富士フイルムより発表されたX-S10についてFUJIFILM Imaging Plaza東京に取材して参りましたので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: X-S10,富士フイルム,レビュー,ミラーレスカメラ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ニコン Z 5は日常をドラマティックにしてくれる高画質フルサイズミラーレスカメラ BASENAME: 478018215.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 10/20/2020 16:00:00 TAGS: ミラーレスカメラ,Z 5,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ ----- BODY: 03_ニコン Z5で撮影したスナップ写真.jpg

はじめに

 2020年8月28日に発売されたニコンのミラーレスカメラ「ニコンZ 5」は、2018年発売のZ 7、Z 6に次ぐ、Zシリーズのフルサイズ機です。今回は、本機を日常使いしたレビューをお送りします。

画質も携行性もGOODなキットレンズ

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■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF6.3 ISO200 WB:5000K 焦点距離24mmクリエイティブピクチャーコントロール:トイ
 有効画素数は2432万画素で、画素数の近いZ 6シリーズ(有効画素数2450万画素)と比較されることの多いZ 5。サイズもZ6シリーズとほぼ同じで、並べて置いておくと、どちらがZ 5だかわからないほどです。外見だけじゃなく性能も酷似していることから、Z 6シリーズとどちらを購入しようか迷われる方も多いと思いますが、これからニコンのミラーレスカメラデビューをしようとする方には、Z 5をお勧めしたいです。  その理由のひとつがキットレンズです。同日発売のミラーレスカメラ用フルサイズフォーマットのズームレンズ「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」は沈胴式の形状で、約51mmと薄く、約195gと超軽量サイズなので、フルサイズ機を持ち歩くときの機材の負担をぐっと軽くしてくれます。  レンズキットのコストパフォーマンスの良さは、皆さん良くご存知だと思います。本機をレンズキットで購入する場合の価格と、本機と「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」をそれぞれ単体で購入する場合の価格を比較すると、単純に引き算をするだけで「あれ? レンズの値段安すぎない?」なんて気持ちになっちゃいますよね。その恩恵に預かれるのがレンズキットです。  Z 50のときにも感じたのですが、この沈胴式のレンズは収納時の携行性はもちろん、日常のスナップや旅行との相性が抜群なのです。  レンズの繰り出しはボタンなどがなく、回すだけで撮影可能になります。それも程よいズームのトルクなので、重すぎて撮影まで時間がかかったり、軽すぎて望遠側に行き過ぎたりということはありませんでした。  描写は、隅々までしっかりとした線で描いてくれる、何を撮っても撮りやすいレンズに仕上がっています。広角側が24mmなのは、スナップはもとより、風景や動画撮影にも使いやすい画角でした。  公式ページの「Z マウントの高画質を軽快なフルサイズで手に入れる。」というキャッチコピーは、このキットレンズを使用すると体感できます。

ダブルスロット搭載

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■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF5.3 ISOオート(360) WB:5000K 焦点距離39mm クリエイティブピクチャーコントロール:ピュア
 本機はダブルスロットを搭載しています。UHS-II規格対応のSDカードを2枚使用でき、1枚目のメモリーカードがいっぱいになったら2枚目のカードに記録していく「順次記録」、2枚のメモリーカードに同時に同じ画像を記録していく「バックアップ記録」、2枚のメモリーカードをRAW画像とJPEG画像で分けて記録する「RAW+JPEGの分割記録」と、使い分けることができます。また、動画撮影時に空き容量の多いカードを記録先として指定できるのは、親切な設計だと思いました。  ダブルスロットは、仕事でミスができない撮影をしているプロもそうですが、長期間の旅行や、動画と静止画の両方を撮りたい方にもありがたい機構です。  たとえば、ワーケーションを利用してあちこちで仕事をされている方や長期間の旅行をされている方は、「順次記録」でメモリーカード2枚分の大容量のメモリーカード気分で使用すれば、いざというときに容量がなくて写真が撮れない! なんて事態から解放されます。  使用メディアがSDカードなのも、Z 50や一眼レフカメラのエントリー機から乗り換える方は、使用しているメディアをそのまま使える可能性が高いので、フルサイズ機への敷居がさらに下がるでしょう。

使い込むほど楽しいピクチャーコントロール

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■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF6.3 ISO200 WB:5000K 焦点距離24mm クリエイティブピクチャーコントロール:レッド
 ニコンZシリーズのカメラで楽しいのが「クリエイティブピクチャーコントロール」です。  一眼レフ機に搭載されていた8種類のピクチャーコントロール(オート、スタンダード、ニュートラル、ビビッド、モノクローム、ポートレート、風景、フラット)にプラスしてZシリーズから搭載された、より様々なイメージを描き出せるクリエイティブピクチャーコントロールは、静止画、動画ともに鮮やかさ、コントラスト、輪郭の強さ、色味などをワンタッチで変えてくれます。  適用度も0から100まで10ステップ刻みで調整できるので、見た目をガラッと変えたドラマティックな画にしたり、ほんの少しの色付けとして使用したりと、自分の個性を反映できる、使えば使うほど楽しくなる機能です。  この作例のクリエイティブピクチャーコントロールは「レッド」を使用しています。その名の通り全体に赤味が乗るのですが、プラスチッキーな赤ではなく、プリントが退色したような懐かしい色味になるため、筆者がスナップで好んで使っているクリエイティブピクチャーコントロールです。

見やすくて目に優しいファインダー

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■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF6.3 ISOオート(5600) WB:5000K 焦点距離50mm クリエイティブピクチャーコントロール:ポップ
 搭載されているセンサーは、有効画素数2432万画素のニコンFXフォーマットCMOSセンサーです。画像処理エンジン「EXPEED 6」との連携によって、高い解像感とノイズを排除したクリアな画を作り出してくれます。明暗の差の大きなところでのシャドウ部の粘りや、逆光時の細部の描写性能なども綺麗に彩ってくれました。  また、ニコンのカメラ全般に言える良いところが、ファインダーの見え方です。最近は背面液晶を見ながらの撮影も増えてきましたが、直射日光が反射してしまう状況や、撮影に集中したいときなど、ファインダーを使用して撮影したいシーンはたくさんあります。本機も、背面液晶と電子ビューファインダーの両方を使用して撮影をしましたが、どちらも見やすく、目に優しいファインダーは撮影をさらに楽しくしてくれると実感しました。

常用ISO感度100-51200の威力

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■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF5.6 ISOオート(12800) WB:5000K 焦点距離24mm クリエイティブピクチャーコントロール:ブリーチ
 普段はほとんど使用しないのですが、フルサイズ機移行やカメラデビューに本機を選ばれる方も多いかと思い、今回は「ISOオート」での撮影を多く試してみました。薄暗いシチュエーションや望遠での撮影時にはISO感度がかなり上がりましたが、できあがった画にノイズなどの荒れは見られず、中央から画面端まで解像度の高い画を作り出してくれました。  仕上がりの画によってはISO感度も自分で設定したいところですが、そのせいでシャッターチャンスを逃すくらいなら、慣れていない方はISOオートで撮影しても十分に綺麗な画になりますので、本機を購入された方は気張らずに写真を楽しんでほしいですね。

撮影がぐっと楽になる手ブレ補正機構を搭載

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■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF6.3 ISOオート(12800) WB:5000K 焦点距離160mm クリエイティブピクチャーコントロール:ソンバー
 こちらは7月に発売された「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」を使用して撮影しました。旅行に便利な小型・軽量の8.3倍高倍率ズームレンズです。  望遠レンズ使用時に気になるのが手ブレですが、本機は5.0段の「ボディー内センサーシフト方式VR」を搭載しています。上下、左右、Yaw、Pitch、Rollの5軸のブレを補正してくれるので、今まで三脚が必要だったシーンまで気軽に手持ちで撮影ができるようになります。

シャッターチャンスを逃さない高いAF性能

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■使用機材:ニコン Z 5 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF6.3 ISOオート(12800) WB:5000K 焦点距離200mm クリエイティブピクチャーコントロール:風景
 本機のAFエリアモードは「シングルポイントAF」、「ピンポイントAF」、「ワイドエリアAF(L)」、「ワイドエリアAF(S)」、「ダイナミックAF」、「オートエリアAF」の6種類が搭載されています。  静止画のオートエリアAF使用時には「瞳AF」と「動物AF」が使用できます。人物の瞳、もしくは犬か猫の瞳を検出して、瞳にピントを合わせてくれます。特に人物は、構図から一度外れても、戻ってきた瞬間にサッとピントを合わせてくれるので、ポートレート撮影や小さな子供を撮影するときに重宝します。  動物AFは、公式では犬と猫に対応しているとのことですが、それ以外の動物でもライオンやヒョウなどのネコ科の動物は瞳を検出してくれました。  検出してくれない動物も、タッチAFを使用して背面液晶の画面で瞳をタッチすればピントを素早く合わせてくれるので、気まぐれな動物もシャッターチャンスを逃すことなく撮影できます。  性能、コストパフォーマンス、使いやすさともに、フルサイズ機デビューがまだの方はこの機会にぜひ! と言いたくなる機種がニコン Z 5でした。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。

他カメラとの価格やスペック比較

 「Z 5」と「Z 6」、「キヤノン EOS RP」、「ソニー α7 III」の価格や主要なスペックの比較表をこちらのページで紹介していますので是非ご覧ください。 bnr_480178.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんにニコン Z 5のレビュー記事を執筆頂きました。フルサイズ機デビューにぴったりのZ 5の特長を作例と共に紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,ミラーレスカメラ,Z 5,ニコン ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ニコン Z 7II/Z 6II|ユーザーの要望に応えて正統進化を遂げる BASENAME: 478035414.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 10/21/2020 16:00:00 TAGS: Z 7II,Z 6II,ミラーレスカメラ,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ ----- BODY: 01_ニコン_Z7II&Z6II製品画像01.JPG

はじめに

 ニコンは2020年10月14日、フルサイズミラーレスカメラの新製品「Z 7II」と「Z 6II」を発表しました。2018年に発売された同社初のフルサイズミラーレスカメラ「Z 7」「Z 6」の後継にあたる機種で、ユーザーの声に耳を傾け、検証を重ねて改善してきた製品になります。具体的にはデュアル画像処理エンジンの搭載やAF性能の強化といった技術面での進化に加え、従来機ユーザーの要望に応えた縦位置グリップへの対応やメモリーカードのダブルスロット化など、既存ユーザーだけでなく、新たなデジタル一眼ユーザーからの買い替えにも対応できる正統進化を遂げたとのが、この Z 7II/Z 6IIなのです。  今回、実機のβ版をニコンより貸していただくことができたので、どんな進化を遂げたのか、チェックしていこうと思います。

Wスロットとデュアルエンジンで高速かつ快適な撮影が可能

02_製品画像.JPG  まずはメモリーカードスロットの改良について。従来機ではCFexpress/XQDスロットのみでしたが、 Z 7II/Z 6IIはCFexpress/XQDに加え、SDメモリーカード(UHS-II規格対応)のダブルスロットを搭載しています。記録方式も両方のスロットにメモリーカードを装填することで「順次記録」「バックアップ記録」「RAW+JPEGの分割記録」と、撮影者の目的に合わせて使い分けが可能となっています。なお、CFexpress/XQDスロットはPCI Express Gen3に対応しているため、 Z 7/Z 6より高速の書き込みが可能となっています。 03_製品画像.jpg   Z 7II/Z 6IIには、画像処理エンジン「EXPEED 6」を2基搭載したデュアルエンジンを採用しています。これにより、連写性能が向上しています。Z 7IIは約10コマ/秒(Z 7は約9コマ/秒)で、高速連続撮影可能コマ数※は最大77コマ(Z 7は最大23コマ)、Z 6IIは約14コマ/秒(Z 6は約12コマ/秒)で高速連続撮影可能コマ数※は最大124コマ(Z 6は最大35コマ)と大きく性能アップしています。 ※ロスレス圧縮RAW(L)/12bit時 04_アクセサリー画像.jpg  また、従来機ユーザーからの要望が多かったバッテリーパワーパック「MB-N11」を同時発表(別売)。縦位置グリップに対応し、シャッターボタンや操作ダイヤルも設置されています。これにより、縦位置撮影時のホールディング性や操作性が格段にアップしました。撮影しながらバッテリー交換が可能な「ホットスワップ」にも対応しています。 05_製品画像.JPG  もちろん撮影機能についても性能を強化しています。Z 7/Z 6から搭載された「ハイブリッドAF」は継承。Z 7IIは493点、Z 6IIは273点のフォーカスポイントで撮像範囲の水平、垂直約90%と広い範囲をカバーしています。さらに、2020年2月に公開されたファームウェアのアップデートでZ 7/Z 6に対応した「動物AF」も搭載されており、しかもZ 7II/Z 6IIでは動物AFと、人物や犬、猫の顔・瞳を検出する「瞳AF・顔検出AF」がオートエリアAFに加え、新たにワイドエリアAFにも対応しました。これにより、動きのある被写体の撮影でも安定したピント合わせが可能となります。
06_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z7 II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:F4 1/80秒 ISO500 AWB
 特に、この作例ように複数の被写体が混在したシーンでは、ワイドエリアAFによる動物AFで狙いたい被写体を簡単に選ぶことが可能となります。  なお、AF合焦のアルゴリズムも見直され、従来機より性能向上が図られています。しかもAFの低輝度限界をZ 7IIで-3EV、Z 6IIは-4.5EVに性能向上させています。より暗いシーンでの静止画撮影には「ローライトAF」機能が効果的で、Z 7IIでは-4EV、Z 6IIでは-6EVの暗さまでAF撮影が行えます。  ちなみに小さな仕様変更ですが、ピントを合わせた位置を電源オフ時にも記憶しておける「フォーカス位置の記憶」は、風景やポートレート、鉄道などを撮影する際、決めておいたピント位置が電源オフ、オンしても変わらないので便利な機能です。

バッテリー変更など細部に渡って使い勝手よく進化

07_アクセサリー画像.JPG  ほかに大きな進化として、Z 6/Z 7より長時間の撮影が可能なLi-ionリチャージャブルバッテリー「EN-EL15c」(Z 7/Z 6はEN-EL15b)を採用しています。これによりEVF使用時でZ 7IIは約380コマ(Z 7は約330コマ)、Z 6IIは約400コマ(Z 6は約310コマ)と撮影可能コマ数がアップしています。 08_Z7II_skeleton_EVF.jpg  また、デュアルエンジン搭載により画像処理速度が向上したため、連写のコマ速がアップし、結果としてEVFの表示コマ数を増加させることが可能となりました。これにより、もともと高精細なEVFの動体追従性がさらに向上。実際、動く被写体を追って連写してみたところファインダーから見える像はとても滑らかな印象を受けました。 09_製品画像.JPG  「USB給電」に加え、新たに「USB充電」も可能となっています。

Z 7II/Z 6IIそれぞれの特長や魅力とは?

 ここまでは、Z 7II/Z 6IIの従来モデルからの進化についてご紹介してきました。ここからはZ 7II、Z 6IIそれぞれの魅力や特長について説明していきます。なお、もともと従来モデルのZ 7は高画素機、Z 6は高感度機・高速連写機という特長を持っていましたがこれはZ 7II/Z 6IIでも継承しています。 10_製品画像.jpg  それでは、各モデルの特長について解説します。まずは上位機種の Z 7IIから。有効画素数4575万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、高いトリミング耐性が魅力の機種です。センサー自体はZ 7と同じですが、デュアルエンジンの搭載により画像処理速度が向上し、より快適に撮影を楽しむことができるようになりました。
11_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z7 II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:F4 1/80秒 ISO180 AWB トリミング有
 また、AFのフォーカスポイントも493点とZ 7と同じですが、前述のように瞳AF・顔認識AFと動物AFがワイドエリアモードに対応したため、より繊細なピント位置の選択が可能となりました。こうしたAF性能の高さと高画素によって、トリミングしても精細な画像に仕上げることが可能となっています。また、カメラ側の設定としてFX→DXクロップ撮影も可能なので、擬似的にズーミングすることもできます。 12製品画像.jpg  次に Z 6IIですが、フルサイズで有効画素数2450万画素の裏面照射型CMOSセンサーと、こちらもZ 6と同じセンサーを搭載しています。ただ、センサーサイズ自体は高画素機のZ 7IIと同じなので、より画素ピッチに余裕があり、1画素が受光できる光量がZ 7IIよりも大きくなります。そのため、暗所での撮影で強さを発揮するということで「高感度機」という位置づけになっています。つまり、Z 7IIより高感度撮影が強く、高感度ノイズが少なくなるということになります。
13_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:F4 1/80秒 ISO1600 AWB
 作例はISO1600と従来は高感度と言われた画像ですが、このZ 6IIに関しては常用ISO感度の範囲です。なお、Z 6IIの常用ISO感度は100~51200(Z 7IIはISO64~25600)。拡張すればISO204800相当(Z 7IIはISO102400相当)までの高感度撮影に対応しています。ちなみに、Z 6のISO感度も同じ範囲ですが、AFの低輝度限界性能がZ 6より向上しているため、暗所でのピント合わせも迷うケースが少なくなりました。  Z 7II/Z 6IIは、従来モデルのZ 7/Z 6とほとんど変わらない外観をしていますが、奥行きが2cm大きくなっています。これはグリップ部の握りやすさを改善した結果で、実際に使用してみるとガシッと安定したホールディングが実現していて、撮りやすさが向上していると感じました。見た目こそ同じですが、従来モデルからのユーザーの声をしっかり反映し、細部にわたって見直しと改善を行い、より使い勝手が向上しているのが新たなフルサイズミラーレスカメラ・ Z 7II/Z 6IIなのです。

ご予約特典。買取査定額より20%UP!

 カメラのキタムラではご予約特典として対象製品を買取査定額よりも20%UPで下取り実施中です。対象製品及び詳細はこちらをご覧ください。 bnr_A708-190.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT:  2020年10月14日にニコンから発表された「Z 7II」と「Z 6II」をメーカーからお借りして前機種からの進化点をチェックしてレビューしていますので、是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ニコン,Z,7II,Z 6II,レビュー,ミラーレスカメラ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO Art レビュー | 待望のミラーレス専用Artライン マクロレンズ BASENAME: 478155335.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 10/28/2020 16:00:00 TAGS: SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art,シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,単焦点 ----- BODY: 00_シグマ 105mm F28 DG DN MACRO Art製品画像_FP008689.jpg

はじめに

 シグマから待望のマクロレンズが登場した。このミラーレスカメラネイティブの「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」は、あらゆる収差を徹底的に抑え込み、スリムかつ軽量で、絞りリング搭載で操作性も高く、近接撮影はもちろんのこと中望遠レンズとして、あらゆるジャンルの被写体を確実に受け止めてくれる1本に仕上がっていた。

高まるマクロレンズ需要

 「日常さえも想像以上」というキャッチコピーで登場した「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」。一体これはどういうことだろうか。「ステイホーム」のかけ声とともに「感染をしない、させない」ため、テレワークや外出の自粛が求められた2020年の状況が、マクロレンズの需要を後押ししたのである。外出を控え、家の中で小物や衣類、そして料理などを撮る人が増えたのだ。何気ない日常のワンシーンをデジタルカメラで撮影する人が多く現れたというわけだ。そこへタイムリーに登場したのがこの中望遠マクロレンズだ。今までは「70mm F2.8 DG MACRO」しかラインナップになかったが、よりワーキングディスタンスが取れるこの105mmが、ライフスタイルにちょっとした変化を与え、「日常さえも想像以上」に楽しめますよ、というシグマからのメッセージなのである。 01_製品画像_FP008713.jpg

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art のスペック

レンズ構成枚数 12群17枚 画角 23.3° 絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り) 最小絞り F22 最短撮影距離 29.5cm 最大撮影倍率 1:1 フィルターサイズ φ62mm 最大径 × 長さ φ74mm × 133.6mm(Lマウント) 最大径 × 長さ φ74mm × 135.6mm(ソニー Eマウント) 質量 715g (Lマウント) 質量 710g (ソニー Eマウント) 付属品 ケースおよび花形フード(LH653-01) ■引用:SIGMA HP  ミラーレス専用Artライン初のマクロレンズとなるこの「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」。「Art」ラインの名に恥じない光学性能至上主義の元、画面中心部はもとより、周辺部までフラットで高解像感を実現した。実写したデータを4Kディスプレイで見ると唸ってしまうほどの描写である。軸上色収差も皆無で、ボケの形状も円形で気持ちがいいのだ。シグマの心意気を感じられるマクロレンズに仕上がっている。 02_製品画像_FP008703.jpg

使用感をチェック

 写りもバツグンだが使い勝手も素晴らしい。指がかりがよく、繰って心地よい絞りリングは、クリック感のオンオフができる仕様となっている。「SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art」と同様に「A」位置で固定、または「A」に入らない開放から最小絞りの範囲でロックする「絞りリングロックスイッチ」も採用。さらにカメラボディからさまざまな機能を割り当てることができる「AFLボタン」も装備されている。ピントの移動量が多いマクロレンズなのでフォーカスリミッタースイッチももちろん搭載されている。悪天候でも安心な防塵防滴構造と撥水・防汚コートも施されているので、フィールでの撮影も怖いものなしである。 03_製品画像_FP008697.jpg

描写をチェック

 さて「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」の写りを見ていこう。使ったカメラは大人気のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」である。
1_作例FP000924.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:1/400秒 f/2.8 ISO100 焦点距離105mm EV-0.7
 秋に咲く花の代名詞・曼珠沙華(まんじゅしゃげ)。その様子を絞り開放で捉えた。刈り入れを終えた水田の畦に咲いていたが、105mmという焦点距離で画面内に大きく写し込むことが可能だった。背景のボケ感も品があって美しくまとまっている
2_作例FP001108.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:1/320秒 f/5.6 ISO100 焦点距離105mm EV-0.3
 相模湾にある漁港を撮り歩いていて気になった圧力計。その様子をクローズアップで。F5.6のチョイ絞りでカッチリ感を出した。メタリックの表現と錆の描写がなかなかである。マクロレンズはふと目に付いたものをしっかりと記憶に残してくれる
3_作例FP001137.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:1/1600秒 f/2.8 ISO100 焦点距離105mm EV-0.7
 「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」は中望遠レンズとしても優秀だ。絞り開放から滲みもなくシャープな像を提供してくれる。観光客の背負ったバックパックの質感描写がいい感じである。F2.8という明るさは自然で優しい写りを楽しめる
4_作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:1/3200秒 f/2.8 ISO100 焦点距離105mm EV-1.0
 巣ごもり需要でマクロレンズの人気が高くなったが、この「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」1本あればさまざまな被写体に迫って撮影できる。つまり何でも被写体に変身するのだ。波打ち際で見つけた流木もモノクロームに仕上げればご覧のとおり。ものをしっかりと発見する力を養ってくれるレンズだ
5_作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:1/100秒 f/5.6 ISO125 焦点距離105mm EV-1.3
 公園に展示されている蒸気機関車。その重厚感を余すところなくキャプチャーできるのが「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」だ。厚く塗られたペイントと、やや波打った金属感がいい。特に「D51 408」と書かれたプレート部分のベコベコ感が何とも言えない
6_作例.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:1/160秒 f/8 ISO100 焦点距離105mm EV-1.0
 下町で発見した懐かしい雰囲気の建物をF8に絞ってシャッターを切った。瓦でできたひさしの立体感、すだれの日焼け具合と解像感、そして青々とした蔦の生命力を「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」は克明にメモリーカードに定着してくれた。このリアル感は半端ない
7_作例FP001603.jpg
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:1/400秒 f/5 ISO100 焦点距離105mm EV-1.0
 外車のヘッドライトを切り取ったが、艶やかにその光景を再現できた。ビビッドな発色は現場で感じた色そのものだ。解像感、ヌケ感だけでなく、色再現性もピカイチである。オートフォーカスも正確である
8_作例.JPG
■撮影機材:シグマ fp + 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
■撮影環境:1/100秒 f/22 ISO3200 焦点距離105mm EV+-0
 マクロレンズは特殊なレンズだと思われることが多いが、この「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」はググッと寄れる中望遠レンズだと思って入手して欲しい。ポートレートからスナップショット、風景、静物、フード撮影などあらゆるシーンで使い勝手のよさを感じることができるはずだ。描写は折り紙付きなので、このレンズを使うことができるライカLマウントおよびソニーEマウントユーザーは幸せだ

どんな方にオススメ?

 植物や昆虫などクローズアップ撮影が好きな人はもちろん、精細感とヌケ感が両立した中望遠レンズが欲しい人にオススメだ。絞り開放からほとんどの収差がない極上の写りとボケ味を堪能できる。スリムかつ軽量なので携行も楽チンで、幅広いシチュエーションで近接および中望遠の遠近感を楽しめる。ズームレンズ主体の構成にまず加える1本としてもいいチョイスになるだろう。

まとめ

 大口径、ショートフランジバックというミラーレス専用設計の「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」はまさにこれからの時代を牽引するマクロレンズと言えるだろう。極限まで封じ込めた収差やゴーストとフレア、品格が感じられる美しいボケ味、ホールドする手に馴染むスリムなレンズ鏡筒、節度感ある絞りリングなど、写りと使い勝手を高次元でまとめた1本だ。ライカLマウント版には1.4倍と2倍のテレコンバーターも用意されているので、よりクローズアップ撮影を楽しみたい人の期待にも応えてくれるはず。まずはキタムラ店頭で手にして、このレンズのオーラを感じてみて欲しい。 ■写真家 三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがSIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artをレビューしてます。使用感の紹介や作例を用いた描写チェックを行っていますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: シグマ,SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art,レビュー,中望遠単焦点レンズ,SIGMA ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: キヤノン EOS R5|航空写真家がスチル&ムービーで徹底レビュー BASENAME: 478121231.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: A☆50/Akira_Igarashi DATE: 10/29/2020 16:00:00 TAGS: EOS R5,飛行機,ミラーレスカメラ,キヤノン(Canon) ボディー,フルサイズ ----- BODY: キヤノン R5で撮影した航空機_A50_001.jpg

はじめに

 キヤノンのミラーレス一眼システムのひとつ、EOS RFシステムに待望の「5」が誕生しました。EOS R5は人気のデジタル一眼レフカメラ、EOS 5Dシリーズの流れを汲んだ高画素機。「5」というと三脚にガッツリとカメラを据え付けじっくりと風景写真を撮る…というイメージもありましたが、今回のEOS R5はシャッターの秒間コマ数や手ブレ補正の段数などの秀逸さを見ても、かなり動きモノに対応してきたなという印象を持ちました。そこで、動きモノである飛行機撮影においてEOS R5を徹底インプレッション。スチルだけでなくムービーについても、その劇的な進化をレビューします。

画素数&センサー

キヤノン R5で撮影した航空機_A50_001.jpg
■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F11 8sec 焦点距離135mm
 まずはスチル撮影にてそのポテンシャルを確認。EOS R5では新開発の有効画素数約4500万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載。EOS 5D MarkⅣが有効画素数約3040万画素、EOS Rが有効画素数約3030万画素なので、これらに比べおよそ約1.5倍の画素数を誇ります。その恩恵はまず飛行機撮影においては重要視されるディテール部分に表れますが、この写真でもドア付近の小さな文字やコックピットウインドウのリベット(鋲)部分まで精細に描き出されています。WEB上の軽い画像では分かりづらいですが、もう少しコックピットウインドウに寄った画になるとコックピットウインドウのリベット(鋲)のアタマがプラスドライバー対応であることまで分かります。  ダイナミックレンジにおいても著しい進化が見られます。この写真ではボディ右側から照明を浴びていますが、ハイライト部分からシャドー部分に至る階調の滑らかさや豊かさに驚かされました。ローパスフィルターにて偽色やモアレが軽減されていますが、解像感のトレードオフもほとんど感じられません。ズームレンズで撮影された画にも関わらず単焦点レンズで撮影されたかのような空気感、解像感を得ることができました。

高感度

A50_002.jpg
■撮影機材:EOS R5 + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO6400 F4 1/1250sec 焦点距離47mm
 EOS R5の常用最高ISO感度は51200。有効画素数約4500万画素を誇る高画素機であるがゆえ高感度撮影において一抹の不安を感じていましたが、輝度ノイズ、カラーノイズともに高画素機にしてはかなりノイズが抑えられています。このあたりはセンサー性能とともに映像エンジンDIGIC Xの性能が大きく寄与している印象。写真はISO6400で撮影しましたが、機体のディテールがしっかりと残っています。

AF

A50_003.jpg
■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO200 F8 1/1000sec 焦点距離500mm
 像面位相差AFの進化は日進月歩。ご多分に漏れずEOS R5のAFも目覚ましい進化を遂げています。飛行機撮影において一眼レフよりもミラーレス一眼が優れている点としてよく挙げるのが、ファインダー撮影時の測距可能エリアの広さ。機首部分などフォーカスを合わせたい場所が画面隅にくることが珍しくない飛行機撮影においては、この測距可能エリアの広さが重宝されます。EOS R5では顔+追尾優先AF使用で画面の最大約100%(縦)x約100%(横)を達成。対象レンズによるが、全画面でのAFを実現しています。1点AFや領域拡大、ラージゾーンなども設定可能で、この場合は対象レンズでないことやエクステンダー非装着など条件もありますが、画面の約100%(縦)x約90%(横)となります。測距輝度範囲は低輝度限界EV-6を達成。夜空の鈍く光る星でさえすぐに合焦したのには驚きました。約576万ドットの高精細0.5型EVFも優秀。ピントの山を非常につかみやすくなっています。

手ブレ補正

A50_004.jpg
■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F11 1/100sec 焦点距離500mm ※1.6倍クロップ使用
 EOS R5の目玉機能のひとつが強力に効く手ブレ補正機構。EOSシリーズとして初めてボディ内手ブレ補正機構が搭載されました。レンズにもよりますが、レンズに搭載された手ブレ補正機構(IS)との協調制御により最大8段分の補正効果を発揮。これだけの高画素機ですし、手持ち撮影の多い飛行機撮影ですから待望の機能が搭載されたとえいます。最も効果がわかりやすいのが駐機している機体の手持ち撮影。以前は三脚を使って長秒時露光で撮っていたシーンも手持ちで撮れる機会が増えました。動かない機体なら何秒というシャッタースピードでの手持ち撮影も視野に入るほど。シャッタースピードを上げられない中、せっかくの高画素機なのでISOを下げて積極的に高画質な写真を狙えるようになりました。こちらの写真も以前であればシャッタースピードを1/320くらいに設定し、ISOを800あたりにするか絞りを開放近くにして手持ち撮影しているところ。これが1/100で撮れるのですから嬉しいですよね。

連写

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■撮影機材:EOS R5 + EF600mm F4L IS Ⅱ USM x EX2
■撮影環境:ISO3200 F9 1/1600 焦点距離1200mm ※トリミング
 EOS R5は高画素機でありながら、カード書き込み性能などの高速化により電子シャッター使用時は最高約20コマ/秒、メカシャッターや電子先幕使用時は最高約12コマ/秒の高速連続撮影を実現。写真のように月にフォーカスを合わせ機体が超高速で横切るのを待つようなシチュエーションでは、秒間コマ数の多さに非常に助けられます。この写真では電子シャッターを使用し撮影。最高約20コマ/秒の性能をフルに出すには、絞り開放であることなど条件によるようだが、かなり高速連続撮影ができたため機体を真ん中にとらえることができました。  ちなみにこの写真のように月と機体のサイズがほぼ同一で、超高速で機体が横切るようなシチュエーションである場合が、最もど真ん中に機体を止めることが難しくなります。逆に画面の中で機体が大きく月が小さい場合や、逆に月に対して機体のサイズが豆粒のような時、機体が真正面や真後ろに進んでいる場合などはそこまでコマ数がなくともOKですし難易度も下がります。  ミラーレス一眼で写真のようなシチュエーションで撮る場合、EVFや背面液晶を見て月に機体が飛び込んでからシャッターを押していては間に合いません。一眼レフ機のOVFと違い「今」を映しているわけではないので、機体が飛び込みそうだと認識したら月に飛び込む前から連写を開始するのが成功の秘訣となります。

動画(記録画質の豊富さ)

■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:ISO100 F9 1/125sec NDフィルター使用 4K/120P ALL-i  スチルカメラとしての扱いながらムービーについても妥協の無い尖った性能を持つのがEOS R5の特徴。さすがは「5」の系譜、スチルカメラながらその動画性能が多くの動画クリエーターの注目を浴びたEOS 5D MarkⅡの誕生を思い出しました。2020年7月現在、世界初となる8K/30Pでの動画撮影を実現するなど出し惜しみ一切ナシ。8.2Kオーバーサンプリング処理による、4K高画質動画や4K/119.88fpsでの撮影も可能となっています。動画記録サイズは8Kや4K、FHDを選べ、フレームレートや映像圧縮方式も選択可能。撮影するシチュエーションによって色々と組み合わせることができます。その他、8Kタイムラプス動画なども撮影可能。8K動画の1フレームを切り出し約3540万画素の画像として切り出すこともできます。

動画(AF)

■撮影機材:EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:ISO100 F13 1/60sec NDフィルター使用 4K/60P IPB  AF方式はスチル撮影と同様に顔+追尾優先AFやゾーンAFなど色々と選択できます。機体真横を画面いっぱいに入れて追いかける場合はラージゾーンAF(横)、機体に寄って精密にコックピットウインドウにフォーカスを合わせたい場合はスポット1点にするなど、撮影シーンに応じて変更できるのが嬉しいです。サンプル動画のような離陸機を追いかける場合、肝となるのが動画サーボAFの性能ですが、一度つかまえたら離さない優秀なもの。動画サーボAFはカスタマイズできるのが特徴で、飛行機撮影においてはAF速度を上限の「速い(+2)」にし、機体の前に照明灯などが横切ってもそちらにフォーカスが持っていかれないように「粘る方向に(-2)」としました。

動画(高感度とその他性能)

■撮影機材:EOS R5 + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO16000 F4 1/60sec 4K/60P IPB  今回はEOS R5の「素」の状態での撮影をテストするため、外部モニターやマイク、それにウインドウジャマー(ふさふさの風防)も装着せず三脚と雲台にカメラとレンズを装着して撮影。ほぼネイキッド状態での動画撮影としましたが、やはり機体を追いかけるような撮影では外部モニターがあった方が撮影しやすく、風の強い日はやはり外部マイクとウインドウジャマーの必要性を感じました。ただ、カメラを固定して撮影する際にはEVFや背面液晶で十分だと感じる場面も多く、またウインドウカット機能が装備されているので少々の風はカメラ側が制御してくれていることも感じることができました。この動画では高感度性能をテストしていますが、Web上で観賞するくらいの大きさであればISO16000でも十分。常用ISO感度25600までゲインしてもこの大きさではほぼディテールの損失を感じませんし、夜空の質感がここまで表現されるのかと感動しました。機体の強い光を真正面から浴びているためさすがにフレアが出ていますが、これは動画らしく動きを表現できているのでOK。レンズにある絞り羽根由来の光芒が美しく表現されているのもご覧頂けるかと思います。

まとめ

 EOS R5はキヤノン社がフルサイズミラーレス一眼のRFシステムにかなり情熱を注いでいることが確認できるカメラです。スチル、ムービーともにハイスペックな機能が惜しみなく投じられていますし、同社の未だ主力商品のひとつである一眼レフカメラシステムへの遠慮が見られない、はじめてのフルサイズミラーレス一眼カメラと言っても過言ではありません。  冒頭でも述べましたが「5」シリーズというと風景など静物撮りのイメージもありますが、飛行機撮影など動きモノにも気兼ねなく投入できるカメラです。ISO100でバチッと撮れた画はまさに圧巻。その空気感、精細感に驚かれる方が多いのではないかと思います。先進的なスペックを持つムービーに関しても同様。バリエーション豊かな設定をシーンや目的に応じて細かく変更できるのが魅力です。スチル、ムービーともに「新しい世界」を見られるカメラですね。 ■写真家:A☆50/Akira Igarashi 一瞬を切り撮ることを目的とする瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、テレビなど各種メディアに作品を提供するかたわら、航空会社やカメラメーカーなどの公式撮影も担当。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。 ・EOS学園講師

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キヤノン EOS R5 レビュー|スチールも、ムービーも、ポートレートが俄然楽しくなる一台 写真家:大村祐里子 https://shasha.kitamura.jp/article/482368703.html キヤノン EOS R5 × スポーツ|中西祐介 写真家:中西祐介 https://shasha.kitamura.jp/article/482000501.html キヤノン EOS R5 × 鉄道写真|村上悠太 写真家:村上悠太 https://shasha.kitamura.jp/article/480060111.html

EOS R5・R6と他のカメラを比較

 「EOS R5・R6」と「EOS R」、「ソニー α7R IV」、「ソニー α7 III」の価格や主要なスペックの比較表をこちらのページで紹介していますので是非ご覧ください。 bnr_twitter.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の五十嵐あきら(A☆50/Akira Igarashi)さんが、航空機撮影の際にキヤノン EOS R5を使い、使用感をレビューしています。航空機のスチルとムービー作例と共にご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,キヤノン,EOS R5,飛行機,ミラーレスカメラ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: イチョウ・モミジの撮り方|北村佑介 BASENAME: 478242410.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北村佑介 DATE: 11/02/2020 16:00:00 TAGS: 花 ----- BODY: 01_イチョウの作例.jpg

はじめに

 こんにちは!北村です!今回は、間もなく紅葉シーズンなので、イチョウ・モミジの撮り方を紹介させていただきます。花以外の写真も撮るとなると腕の見せどころですね。普段花を撮る筆者ならではの、紅葉の切り取り方をお伝えできたらと思います。

イチョウの撮り方

01_イチョウの作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1
■撮影環境:絞り優先・180mm・F4.0・ISO1250・1/350秒
 公園の中で、蜘蛛の糸に引っかかっているイチョウを撮りました。ハンドパワーなどとつまらないことは言わないのでご安心ください。色とりどりの背景は、紅葉しているモミジなどです。色付いたものは被写体として選びがちですが、このように後ろボケとして使ってみても面白いと思います。カラフルなイメージにしたかったので、なるべく多くの色が入る背景を選びました。焦点距離が長いレンズを使った時は、レンズを向ける先を少し変えただけで入ってくる色が全く異なります。よりイメージに近い背景をしっかりと選ぶようにしましょう。  この時イチョウはゆらゆらと揺れていました。少し揺れていたり少し風が吹いている時、筆者はシャッタースピードを1/500秒~1/250秒は確保するようにしています。薄暗いところで開放F値もそこまで明るくないレンズを使い、シャッタースピードをある程度確保する為ISOは1250まで上げて撮影しました。ここまでISOを上げたくないという方もいると思います。しかし、花をはじめとしたネイチャーを被写体にする時は、被写体ブレしてしまうシチュエーションが多いので、ISOを多少犠牲にしてでもシャッタースピードを確保することをおすすめします。
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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/350秒
 会社勤めしていた頃の通勤途中にあったワンシーンです。普段何気なく通っていた普通の道だったのですが、黄色く色付いたイチョウで敷き詰められたこの場所を見て、心動くシーンは身の周りにもあるんだなと思いました。身の周りにある当たり前の光景を、当たり前ではなく特別なものなんだと思うようになったのはこのイチョウのおかげかもしれません。  135mmの中望遠レンズの絞り開放で撮り、圧縮効果を使いました。アイレベル、立ったままの目線から撮ってしまうとイチョウとイチョウの間のコンクリートが目立ってしまいます。このようなシチュエーションではローアングルで撮り、圧縮効果をフルに活用して一面が色付いた道のイメージにするのが良いでしょう。また、この写真に写っていない部分は道路や看板や建物などでごちゃごちゃとしています。焦点距離が長いレンズは、見せたい部分だけを切り取ることができるので、こういった切り取りにぴったりです。
03_作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM
■撮影環境:絞り優先・50mm・F11・ISO800・1/250秒
 11月の中旬、朝7時半頃に撮った一枚です。近所の公園はちょっとしたイチョウの名所なので、この時期は至る所が黄色に染まっています。花もそうですが紅葉は特に、散って地面を彩っている様もとても美しいです。咲いている時や色付いている時は勿論ですが、このように散った後のシーンを切り取るのも筆者はとても好きです。  通いつめている公園なので、散り具合や太陽の位置を正確に把握でき、イメージ通りの一枚を切り取ることができました。手前の落ち葉から奥の光芒までしっかりと見せたいことと、このレンズは絞った時の太陽の写り方が良いことが理由で、F11まで絞りました。
04_作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO4000・1/250秒
 早朝、はらはらとイチョウが舞いながら落ちていく様を撮りました。日時は異なりますが、先程と同じ公園で数メートルしか離れていない場所です。ほぼ同じ場所にも関わらず全く違うイメージの写真が撮れるのは、一部分だけを切り取る望遠レンズの醍醐味かもしれません。ISOが大きく上がっていますが、落ちてくるイチョウを止めて写すのに必要なシャッタースピード、1/250を優先した結果です。落ちてくるイチョウにピントを合わせるのは困難なため、木の幹にピントを合わせました。筆者は飽き性なので粘って撮る、ということはあまりしません。ですがこの時は、そこそこの枚数のイチョウが落ちてくるシーンを切り取りたかったため、1時間半ほど粘りました。たまには粘るのもいいかもしれませんね。

モミジの撮り方

05_モミジの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/2500秒
 雨上がりに日が射して、水溜まりの上でキラキラと輝くモミジを半逆光で撮りました。 これは、普段筆者が花を撮る時と全く同じように撮ることができました。シチュエーションも手伝ってお気に入りの一枚となりました。半逆光で撮ると、逆光で撮った時よりも透過する感じやキラキラ感は薄れますが、コントラストがそこまで強くないので被写体が暗くなり過ぎません。日中、晴れている時に逆光で撮ると被写体が暗くなり過ぎてしまう時は、半逆光で撮るのもいいかもしれません。  地面すれすれの高さから撮ったので、地面が綺麗な前ボケとなってくれました。被写体の主役感が増す写真となったのは、前ボケでごちゃごちゃとした部分が隠れてくれたおかげでしょう。
06__作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1
■撮影環境:絞り優先・180mm・F3.5・ISO640・1/250秒
 陽が傾き始めた夕方、綺麗に赤く染まったモミジを見つけました。手前にあったモミジを前ボケに使い、ごちゃごちゃとした部分を隠して主役がわかりやすくなるようにしました。前ボケをフレームのように配置しているのがポイントです。前ボケを作る時、どこか一辺だけでなく四方に作ることを意識しておくと、主役の周りに主役以外のものが隣接しているこのようなシチュエーションでとても役に立ちます。この時、ピントを合わせたものに前ボケが被らないようにするのがおすすめです。前ボケが被ると、せっかく選んだ主役の色や輪郭が薄れてしまいます。
07__作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/500秒
 近所の公園で紅く染まったモミジを撮りました。奥の青色はテニスコートです。テニスコートの手前にフェンスもあるのですが、綺麗にボケて目立たなくなっています。被写体と背景にする部分の距離が充分にとれている時、135mmなどの望遠系レンズであれば大抵のものは色として使えます。背景に人工物や地面が入るのは避けようと考える方が多いですが、距離をとればそれらも色として使えると考えると色のレパートリーが一気に増えます。花や自然の写真は、背景の色が緑色に寄りがちなので、こういった背景の作り方も是非レパートリーに加えてみてください。
08__作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7II + FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/400秒
 綺麗な落ち葉が木の間から漏れた光に照らされていました。モミジは、花以上に形をしっかりと捉えてあげなくてはならない被写体です。薄いので、横や斜めから撮ると形の良さが出ず、線として写ってしまいます。この時も腕を伸ばし、ライブビューで撮影してモミジを真上から捉えました。そのおかげで写っているモミジ全ての形をしっかりと捉えることができました。また、このような時の露出は、明るくなっている部分の色が出るよう、しっかりと下げましょう。ローキーにする時、躊躇して露出を中途半端に下げてしまう方が多いように感じます。

さいごに

 今回は初めて花以外の撮り方を書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか。いつも紅葉のおかげで、咲く花が少なくなってきたなと嘆かずに済んでいます。花の撮り方が応用できる被写体なので、普段花を撮っている方ならではの、紅葉の写真を見るのもとても楽しみです!最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました! ■写真家:北村佑介 出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の北村佑介さんにイチョウとモミジの撮り方を紹介頂きました。作例と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: イチョウ,モミジ,花,撮影テクニック,キヤノン,シグマ,ソニー,α7II,EOS 6D,EF 135mm F2L USM, SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1,FE 35mm F1.4 ZA ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー α7C レビュー|持ち歩きに最適なフルサイズミラーレスを持って小旅行! BASENAME: 478296359.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 11/05/2020 16:00:00 TAGS: α7C,ソニー(Sony) ボディー,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: 01_ソニー製カメラのα7Cを撮影した画像.jpg

はじめに

 ソニー「α7C」は、現時点での世界最小・最軽量(※)の約509g(バッテリー、メモリーカード含む)を実現したフルサイズミラーレス一眼です。そして、同時に発売された新しいキットレンズ「FE 28-60mm F4-5.6(SEL2860)」も約167gと超小型軽量化を実現しています。つまり、「いつでも、どこへでも気軽に持ち運べる」魅力的なフルサイズシステムとして新登場したのが、このα7Cなのです。 ※世界最小・最軽量:光学式ボディ内手ブレ補正機構搭載のフルサイズセンサー搭載デジタル一眼カメラとして。2020年9月時点。ソニー調べ  どのくらいコンパクトかというと、同じソニーフルサイズ機のα7IIIに比べ、質量で約78%、体積で約81%となっており、全体として8割程度の大きさになっています。また、デザイン的に似ている箱型のα6600(APS-C)と比べても、α7Cは質量で約101%、体積で約110%程度に抑えられており、バッテリーのことも考えると従来のAPS-C機のボディにフルサイズのセンサーを入れてしまったぐらいのイメージなのです。  上記の比較の資料とは機種が若干違いますが、参考までに筆者が所有しているカメラを並べて比べてみました。比較したのはα9とα6400です。
02_カメラ画像.JPG
左からα9、α7C、α6400
03_カメラ画像.JPG
左からα6400、α7C、α9

ソニー α7Cの特徴

 α7Cの特徴は、なんといってもフルサイズミラーレスとは思えないサイズのコンパクトさが挙げられますが、ただ小さくしただけではなく、バッテリーがα7/9シリーズと共通の大容量バッテリー「NP-FZ100」を使用していることも注目したい点。ボディはコンパクトになっても、撮影可能なコマ数を落とさない快適に使えるスタミナ性能は、旅行などの撮影に持ち出してもバッテリーを気にすることなく使用できるというメリットがあります。  また、モバイルバッテリーなどからもUSB Type-Cのケーブルで充電できるので、移動先での充電が手軽にできるのも魅力的です。 04_カメラ画像.JPG  右がα6400に使われているバッテリー「NP-FW50」。真ん中はα7Cのバッテリー「NP-FZ100」で、NP-FW50の2倍の容量がある 05_カメラ画像.JPG  ボディのサイドにUSB Type-Cがあり、ここからケーブル経由でバッテリーの充電が可能。なおα7Cには専用の充電器は付属していないため、家庭用コンセントから直接バッテリー単体で充電したい場合は、別途NP-FZ100専用の急速充電チャージャー「BC-QZ1」が必要になります。  そして、α7Cは「タッチトラッキング」に対応したバリアングル液晶モニターを搭載しているので、ローアングル・ハイアングルでの撮影はもちろん、自撮り撮影なども快適に撮影できるのです。まさに旅行やふだん使いにピッタリのカメラではないでしょうか。 06_カメラ画像.JPG 07_カメラ画像.JPG  α7のシリーズの“末っ子”ではありますが、α7Cは基本性能もしっかりと充実しています。オートフォーカスは、撮像領域の約93%をカバーする693点の像面位相差検出AFセンサーとコントラストAF枠を425点持っており、ピント合わせが難しいシーンでも被写体をしっかり捉えることができます。また「リアルタイム瞳AF」を搭載しており、人物や動物での撮影において動く被写体でも瞳にピントを合わせて追随してくれます。これは子供やペットの写真を撮影する時に、とても便利な機能です。  小型軽量でフルサイズと魅力十分なα7Cですが、EVFファインダーが非常に小さいという点が少々気になりました。ほかのαシリーズを使用しているユーザーが併用して使うと、このファインダーの小ささは少し気になるかもしれません。 α7Cのファインダー倍率:約0.59倍 α7Ⅲのファインダー倍率:約0.78倍 α6400のファインダー倍率:約0.70倍(※35mm判換算)

キットレンズ・FE 28-60mm F4-5.6の特徴とは

 フルサイズセンサー搭載のデジタル一眼カメラ用ズーム交換レンズとしては世界最小・最軽量と謳われたと新しいレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」。小型軽量さと高画質を両立したフルサイズEマウント用標準ズームレンズとして、α7Cと同時に発表されました。現時点では単体での購入はできず、ボディとのキットでしか購入できないレンズとなっています(単体での発売は2021年春予定)。α7Cとの組み合わせで、どこでも気軽に持ち運べて撮影できる魅力的なレンズとなっています。また、防塵・防滴に配慮しているのもありがたい設計です。  最短撮影距離はワイド端で0.3m、テレ端で0.45mとなっており、最大撮影倍率は0.16倍。テーブルフォトや自撮りなどにも使いやすいのが特徴です。ただ、レンズをコンパクトにするために、沈胴機構を採用したズームレンズになっているので、慣れないと撮影の際に少し注意が必要になります。カメラの電源をONにした状態でも、レンズを撮影できる状態まで繰り出さないと撮影ができない構造になっているので、最初は少し戸惑うこともあるかもしれませんが、慣れれば気にならなくなると思います。 08_カメラ画像.JPG 09_カメラ画像.JPG

α7Cレンズキットを持って撮影小旅行!

 ちょうど紅葉のシーズンになってきたので、さっそくα7Cレンズキットを持って撮影小旅行に。長野県・群馬県をドライブしながら、α7Cレンズキットの実力と魅力を感じてきました。やはり、なによりもその小ささは旅行にはとても魅力的な要素です。フルサイズのレンズ付きのカメラがジャンパーのポケットに入ってしまったのは衝撃です。今回は、その身軽さを活かすためにすべて手持ちで撮影してみました。  最初に訪れた場所は、東山魁夷が描いた「緑響く」のモチーフであり、テレビCMなどで話題なった絶景ポイントの「御射鹿池」。朝早くから多くの写真愛好家が撮影に来ていました。
10_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境:1/30秒 f/5.6 ISO800 焦点距離60mm
 池の写り込みが出やすい、太陽が上ってくる前に撮影をしていたのでシャッター速度を上げるのが難しかったのですが、ボディに手ブレ補正機構があるので1/30秒でも安心してシャッターを切ることができました。  少し移動して、赤く色づいた紅葉がとてもキレイな蓼科高原へ。  鮮やかな紅葉をワイド端の28mmで撮影しました。鮮やかな風景を強調するために、クリエイティブスタイルを「風景」に設定しています。
11_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境:1/100秒 f/16 ISO320 焦点距離28mm
 積もった落ち葉の上を歩いて、滝のほうまで散策。バリアングルモニターのおかげで、縦位置のローアングル撮影も苦にならずにできます。この場合、ピント合わせは液晶のタッチモニターを使って撮影すると、無理な体勢にならなくても簡単に撮影することができます。
12_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境:1/160秒 f/5.6 ISO320 焦点距離28mm
ちなみに撮影している姿はこんな感じです。 13_撮影している様子.jpg  遊歩道を登って滝が見えるポジションに。滝の流れる水をスローシャッターで表現したいので、頑張って手持ち撮影でチャレンジ。なんとかギリギリ表現できたでしょうか……。
14_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境:1/6秒 f/20 ISO100 焦点距離44mm
 小さいカメラなので気楽に片手で持って撮影できるのですが、さすがに手ブレも起きやすいので、スローシャッター時は特にしっかりと両手で持って撮影しないとブレてしまいます。  ちょっと遅めのランチはお蕎麦です。旅の思い出として食事の写真は必須ですよね。ある程度寄れるレンズなので、“映える”テーブルフォトの撮影も簡単!
15_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境:1/50秒 f/5 ISO800 焦点距離35mm
 嬬恋で見つけた大きなキャベツ。このレンズは少し絞ると、より描写が鮮明になります。
16_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境:1/160秒 f/9 ISO800 焦点距離29mm
 翌朝のペンションでの朝食。α7Cとキットレンズであれば、常に持ち運べるので気負いなく気楽に撮影ができます。
17_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境:1/80秒 f/5.6 ISO400 焦点距離60mm
18_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境:1/100秒 f/8 ISO800 焦点距離56mm
 キレイに黄色くなっている唐松を背景にススキを撮ってみました。
19_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境: 1/800秒 f/9 ISO800 焦点距離60mm
 ちょうど木々の色が変わり始めた山々。唐松が黄色く変化していて、とても美しく風景を見ることができました。
20_作例画像.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + FE 28-60mm F4-5.6
■撮影環境: 1/160秒 f/16 ISO400 焦点距離36mm
 旅行に出かける前は、正直キットレンズだけでは撮影が難しいかなと思っていましたが、いい意味で裏切られた感じです。レンズの画角が28~60mmという「中途半端な画角だな~」と思っていたのですが、今回の旅行では建物などを写すことがなく風景を中心に撮影していたので、その中途半端な感じはまったくなく、スムーズに撮影できました。

動画の試撮り

 実際に動画撮影してみてバリアングルモニターの使いやすさ、フルサイズセンサーのおかげで、キットレンズのF値でも大きなボケを演出する撮影ができるなど、とても魅力的に感じたカメラです。簡単に気軽に動画撮影できるだけでなく、遅回し・早回し撮影ができる「スロー&クイックモーション」などの機能などもあり、クリエイティブな動画撮影ができるカメラになっています。 キットレンズのFE 28-60mm F4-5.6を使って動画を少し撮ってみました。
■記録方式:XAVC S 4K ■記録設定は24p 60M(手持ちで撮影)

あると便利なアクセサリー

 今回、2日間の旅行のおともにα7Cレンズキットを持ち出したわけですが、できればこのアクセサリーは持っておいたほうがいいかなと感じたものをご紹介したいと思います。  ひとつ目は「レンズ保護フィルター」です。FE 28-60mm F4-5.6のレンズキャップは、フィルター径40.5mmのとても小さなレンズキャップです。あまりに小さいので、何回もなくしそうになりました。沈胴式のレンズということもあって、撮影の際にキャップを外し、レンズを繰り出して、ようやく撮影に入るというのが、すごく手間に感じました。  そこで旅行中は、レンズキャップを外したまま、保護フィルターを付けた状態で移動と撮影を繰り返すことでスムーズに撮影できました。  今回使用した保護フィルターは、マルミ光機「EXUS Lens Protect Mark II」をチョイスしました。撥水・帯電防止・防汚コーティングされており、超低反射率(0.2%)の可視光に影響を与えない無色透明な高性能レンズ保護フィルターです。レンズのフィルター径も40.5mmと小さいので、大きなフィルター径の製品より値段もお手頃です。 21_機材画像.JPG 22_機材画像.JPG  ふたつ目は「シューティンググリップ」です。Vlog(ブイログ)カメラのソニー「ZV-1」と同時に発売されたシューティンググリップ三脚「GP-VPT2BT」があると、小型三脚にもなりますし、自撮りなどもやりやすくなります。旅行に持っていくと、より撮影が楽しくなるアイテムではないでしょうか?  GP-VPT2BTが少し大きいと感じるなら、ワイヤレス機能はありませんが、少し小型のシューティンググリップ「GP-VPT1」という選択肢もあります。しかし、それほど価格差がないため、ケーブル不要で自由度の高い撮影を実現した、Bluetooth対応の「GP-VPT2BT」がおすすめです。 23_機材画像.JPG 24_機材画像.JPG

まとめ

 ソニー α7Cは高画質でAFも優秀な、とてもコンパクトなフルサイズミラーレスです。ボディやレンズを小さくすることによって、操作性の一部やファインダーの見やすさなどがトレードオフされてはいますが、旅行などはもちろん、ふだんの撮影もオールマイティーにこなせる魅力的なカメラであることは間違いありません。  気軽に持ち運べるフルサイズ機として、撮影する機会が増え、シャッターチャンスをたくさん得ることができそうな予感がします。今後、α7Cのコンセプトに合った、小さくて軽いレンズの発表を期待したいところです。

α7Cと他のカメラを比較

 「α7C」と「α7III」、「α6600」、「ニコン Z5」の価格や主要なスペックの比較表をこちらのページで紹介していますので是非ご覧ください。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがソニー α7Cのレビューを行っています。作例と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,α7C,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: コムロミホさんテストページ BASENAME: 478405344.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: コムロミホ DATE: 11/10/2020 09:36:51 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL F1.2 PRO 単焦点レンズシリーズ|ポートレート撮影に最適な明るく高画質なレンズたち BASENAME: 478410070.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 礒村浩一 DATE: 11/10/2020 16:00:00 TAGS: M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO,オリンパス(Olympus) レンズ,単焦点 ----- BODY: オリンパス MZUIKO DIGITAL F12 PRO 単焦点レンズシリーズ製品画像.jpg

明るい開放絞り値と高画質を兼ね備えた単焦点レンズシリーズ

 オリンパスのマイクロフォーサーズ用レンズのなかでも、「M.ZUIKO PRO」シリーズは高品位かつ高画質な設計を誇るレンズだ。ラインナップにはズームレンズのみならず単焦点レンズも用意されており、その中には開放絞り値F1.2という明るい単焦点レンズも用意されている。  2020年11月時点では、開放絞り値F1.2のレンズとして「M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」の3本がラインナップされている。いずれも解像力の高さと逆光への耐性、防塵防滴構造への対応など、PROレンズとしての高い要求に応えた高品位なレンズだ。もちろんF1.2という明るいレンズなので、非常に浅い被写界深度を活かした撮影が可能であることも大きな特徴だ。そこで今回は、これら3本のレンズを使用してポートレート撮影を行うことで、これらのレンズの「使いどころ」を探ることにしよう。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO

オリンパス MZUIKO DIGITAL ED 45mm F12 PRO製品画像.jpg ■マイクロフォーサーズ規格マウント ■焦点距離 焦点距離 45mm (35mm判換算90mm相当) ■レンズ構成 10群14枚(EDレンズ1枚、HRレンズ4枚、非球面レンズ1枚) ■最短撮影距離 0.5m ■最大撮影倍率 0.1倍(35mm判換算0.2倍) ■絞り羽枚数 9枚(円形絞り) ■大きさ 最大径70mm 全長84.9mm ■質量 410g ■フィルターサイズ 62mm ■防滴仕様 保護等級1級(IPX1)*オリンパス製防滴対応カメラとの組み合わせ時に有効、防塵機構搭載 ※引用:オリンパス製品ページ  M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PROは35mm判換算では90mm相当の中望遠域となる単焦点レンズだ。一般的に中望遠レンズは「ポートレートレンズ」とも呼ばれるほど、ポートレート撮影との相性は良い。人物を同じ大きさでフレーム内に収めるのであれば、近距離から撮影することになる広角レンズのように被写体の形が歪むこともなく、正体として捉えることができる。特に縦位置構図での人物のバストアップ撮影では、フレーム内を縦に三等分した、上から1/3の位置に顔が納まるので、とてもバランスの良い構図とすることができる。
01_作例.jpg
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F1.2 1/60 絞り優先AE +1.0EV AWB
 女性モデルの目にフォーカスを合わせて撮影。人物に正体しての撮影なので、人物本来のシェイプをそのままに、すっきりした印象の写真となる。また、開放絞りF1.2の浅い被写界深度と背景が大きくなる望遠効果の相乗効果で、背景を大きくボカして人物を浮かび上がらせている。
02_作例.jpg
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F1.2 1/60 絞り優先モード +1.3EV AWB
 同じ状況で横位置フレーミングにて撮影。縦位置フレーミングと違って左右方向の面積が広くなるので、人物は中央ではなくフレームの右半分(もしくは左半分)に配置して、左半分(もしくは右半分)を大きな空間とした。これにより構図に安定感と広がりが生まれる。
03_作例.jpg
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F1.4 1/2000 絞り優先モード +0.3EV AWB
 紅葉した木の葉越しに人物を配置して撮影。フォーカスを合わせた人物は限りなくクリアに描写し、その前後は見事なまでになだらかなボケ味となっている。滲み具合もきれい。美しいボケは合焦部のクリアな描写があってこそのものだ。
04_作例.jpg
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F2.0 1/1000 絞り優先AE +0.3EV WB:マニュアル
 引き構図でのスナップ撮影的なポートレート撮影。背景をボカすことを考えがちな中望遠レンズでの撮影だが、ときには撮影時の状況を写真に織り込むために、背景のディティールまで気を配ることも大切。人物の立体感を出すと同時に背景の黄色い木々を輝かせるために、太陽光が半逆光で差し込むようなモデルの立ち位置と背景の位置関係を構築する。

M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO

オリンパス MZUIKO DIGITAL ED 25mm F12 PRO製品画像.jpg ■マイクロフォーサーズ規格マウント ■焦点距離 25mm (35mm判換算50mm相当) ■レンズ構成 14群19枚(スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ 2枚、E-HRレンズ 1枚、HRレンズ 3枚、非球面レンズ 1枚) ■最短撮影距離 0.3m ■最大撮影倍率 0.11倍(35mm判換算0.22倍) ■絞り羽枚数 9枚(円形絞り) ■大きさ 最大径70mm 全長87.0mm ■質量 410g ■フィルターサイズ 62mm ■防塵防滴仕様 保護等級1級(IPX1)*オリンパス製防滴対応カメラとの組み合わせ時に有効、防塵機構搭載 ※引用:オリンパス製品ページ  M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROは、35mm判換算では50mm相当の標準域となる単焦点レンズだ。人の目で見たときの画角に近い見え方となり、背景との遠近感も自然になる。またポートレート撮影においては、手を伸ばすと被写体に手が届くようにさえ感じられる距離感が得られるのも特徴だ。モデルの全身を捉えるにも、バストアップを収めるにも扱いやすい焦点距離なので、初めて手にするポートレート用レンズとしてもおすすめしたい。
05_作例.jpg
■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F2.8 1/1250 絞り優先AE +0.7EV AWB
 屋外にて洋風建築物の壁面を使って撮影。モデルには壁面にもたれかかるほど近づいてもらうことで、白い壁面に反射する太陽光がレフ板同様の効果を生み出す。これはレフ板が使用できない室内などでも有効なテクニックのひとつだ。このレンズは標準域の焦点距離なので、手前から奥までの壁面の奥行き感も自然になる。さらに絞りをF2.8まで絞ることで、人物の顔と胸元、手元などが均一にフォーカスを合わせられるとともに、背景がボケすぎないようにコントロールしている。
06_作例.jpg
■使用機材:E-M1 X,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F1.2 1/400 絞り優先AE +0.3EV AWB
 明るいレンズは被写界深度のコントロールが画作りのキモ。被写体との距離が近ければ被写界深度は浅く、被写体との距離が離れれば被写界深度は深まる。ここでは十分に被写体との距離はあるので、開放絞りF1.2でも人物全体にフォーカスが合っているように見える。また絞りを絞っていないことで、背景の廊下は奥に行くに従ってディティールを残しながらも、ほどよいボケとなっている。結果的に撮影場所の状況も伝わる写真となっている。
07_作例.jpg
■使用機材:E-M1 X,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F2.2 1/25 マニュアルモード AWB
 モデルに近づき、横位置でフレームいっぱいに入れて撮影。目元にピントを合わせる。被写体に近い距離からの撮影なので相対的に被写界深度もより浅くなるが、絞りを開放から2段ほど絞ったF2.2に設定することで、浅くなった被写界深度分を補っている。また、このレンズの特徴として、フォーカスが合った箇所の描写は繊細かつクリアに、背景などのアウトフォーカス部は非常に柔らかな描写となる点が挙げられる。
08_作例.jpg
■使用機材:E-M1 X,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F4.0 1/40 マニュアルモード AWB
 古い木造校舎の教室にて撮影。カメラ背中側の窓から差し込む午後の斜光と、机の天板に反射した光が壁に囲まれた教室のなかで複雑に交じり合う。ここでは客観的な視点の写真となるように意識して、壁面や人物に歪みが起きにくい焦点距離50mm相当のこのレンズを選択。モデルの全身がフレームに収まるように被写体から距離を取り、カメラの水平垂直を保ちながらカメラを構える。これにより、モデルのボデイラインがすっきりとしたシェイプで表現できた。

M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO

オリンパス MZUIKO DIGITAL ED 17mm F12 PRO製品画像.jpg ■マイクロフォーサーズ規格マウント ■焦点距離 17mm (35mm判換算34mm相当) ■レンズ構成 11群15枚(スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ3枚、ED-DSAレンズ1枚、EDAレンズ1枚、スーパーHRレンズ1枚、非球面レンズ1枚) ■最短撮影距離 0.2m ■最大撮影倍率 0.15倍(35mm判換算0.3倍) ■絞り羽枚数 9枚(円形絞り) ■大きさ 最大径68.2mm 全長87.0mm ■質量 390g ■フィルターサイズ 62mm ■防塵防滴仕様 保護等級1級(IPX1)*オリンパス製防滴対応カメラとの組み合わせ時に有効、防塵機構搭載 ※引用:オリンパス製品ページ  M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROは、35mm判換算で34mm相当となる広角レンズだ。ポートレート撮影において広角レンズは画角の広さと、カメラに近いものは大きく離れたものは小さく写るという遠近感の誇張が強くなるため、モデルに近づいてのバストアップ撮影などでは少々扱いにくいレンズである。しかし、逆にこの特性をうまく活かす撮影方法を探ることで、周囲の環境を写し込んだ広角レンズならではの写真構成が可能だ。
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■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F1.2 1/30 マニュアルモード AWB
 大正期に建てられた写真館を再現した建物。ふんだんに外光を取り入れる自然光スタジオのキレイな光を活かしての撮影。広角レンズの広い画角で、床に座ったモデルの足先からスタジオの天井までを入れて広がりのある構図を作る。広角レンズはその特性から、望遠レンズと比べると背景がボケ難いが、F1.2という明るい絞りであれば背景もほどよくボカすことができる。
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■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F1.2 1/5000 絞り優先AE AWB
 古民家の縁側に腰掛けるモデルを庭先から撮影。レンズの近くに草花を入れることで前ボケとした。引き戸のガラスに秋空が写り込むように、ローアングルの角度を合わせて撮影している。撮影場所の状況が見るものにも伝わるようにした構図。
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■使用機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO200 F1.4 1/2500 絞り優先AE AWB
 こちらは縦位置構図でのローアングル撮影。階段に腰掛けるモデルの足元に近づき、あえて遠近感を誇張させることでダイナミックさを感じる構図にした。背景には洋館の独特な造りを取り込むと同時に、晴れた青空も入れて広がりと爽やかさを感じられるようにした。
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■撮影機材:E-M1 MarkIII,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
■撮影環境:ISO800 F1.6 1/250 マニュアルモード AWB FC-WR+FL-700WR使用
 煌びやかな繁華街の灯りを背景に夜景ポートレート撮影。撮影時は路上での安全確認を怠らず、かつ歩行者や車の通行の妨げにならない位置で機材を手持ちにして撮影。人物のライティングはオリンパスの電波式ワイヤレスストロボ「FC-WR+FL-700WR」を使用。光量を最小限に絞り、かつ発光部を斜め上に持ち上げたうえで、反射板で反射させた光を斜め上から人物に照射。周囲に影響を与えないように最大限の配慮を行っての撮影だ。広角レンズの特性を活かしてカメラアングルは低めの位置にして、人物の存在感と背景のビルの大きさを表現した。M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROは広角レンズでありながらも、街の灯りの滲み具合がとても美しく表現できるレンズだ。

単焦点レンズでポートレート撮影をするということ

 今回はオリンパスの開放絞り値F1.2の単焦点PROレンズ3本を使用して、女性ポートレート撮影を行い、その特徴から各レンズの使いどころを探った。これら3本のレンズに共通して言えることは、開放絞り値での撮影でも非常に解像力が高く、同時にアウトフォーカス部のボケ味も非常に美しいということだ。これは一般的に言われている「マイクロフォーサーズはセンサーサイズが小さいのでボケが出にくく美しくない」といったマイナス面を補うに十分な要素だと言える。開放絞り値が明るいというだけでなく、ボケの美しさはピントの合った箇所の解像感の高さも重要だからだ。たとえボケが大きく出たとしても解像感に乏しいレンズではその効果を十分に活かすことはできない。  もちろんポートレート撮影はボケの良し悪しだけでは、その魅力を語ることはできない。その点では単焦点レンズではなくとも、ズームレンズでも良いポートレート撮影は可能だ。ただ、画角が固定されている単焦点レンズでは、カメラマン自身がその画角に合わせて立ち位置を調整する必要がある。つまり裏を返せば、同じレンズで、かつ被写体をある程度同じ大きさになるように撮るのであれば、自ずと被写体との距離も定まってくるわけだ。これは被写体であるモデルとの程よい距離感となり、お互いの関係を構築する過程においては、けっこう大切な要素だと私は考える。人と人である以上、距離感を保つことは大切なのだ。これは撮られる側のモデルにとっても安心感に繋がる。  こういった面からも、あえて単焦点レンズを選んで撮影するということは、作品を創り上げるという気持ちを盛り上げることにも繋がり、メリットは大きいと言える。併せてPROレンズが持つ外観の高級感や信頼性、F1.2の大口径レンズの存在感も、いわゆる「写欲」を刺激してくれるはずだ。ズームレンズ撮影の枠を超えたい、作品を次のステージに押し上げたいと考えている人には、おすすめできるレンズたちだと私は思う。
製品画像.jpg
E-M5 MarkIIIとM.ZUIKO DIGITAL F1.2 PROレンズシリーズ
※本記事における撮影は安全かつ適切な方法で行われています。また、感染症予防の観点からも十分な措置を講じて行われています。なお、北海道開拓の村での撮影は所有者である北海道立総合博物館による撮影許可を得て行われたものです。 ■写真家:礒村浩一 写真家。女性ポートレートから風景、建築、舞台、製品広告など幅広く撮影。全国で作品展を開催するとともに撮影に関するセミナーの講師を担当。デジタルカメラの解説や撮影テクニックに関する執筆も多数。写真編集を快適に行うためのパソコンのプロデュースも担当。 ■モデル:夏弥 ■撮影地協力:北海道立総合博物館 北海道開拓の村 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の磯村浩一さんがオリンパス M.ZUIKO DIGITAL F1.2 PRO 単焦点レンズシリーズのレビューを行っています。ポートレート撮影における3本のレンズの魅力を作例と共にご覧頂けますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: オリンパス,レビュー,M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO,M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO,M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ニコン Z 6II レビュー|AF性能も堅実にレベルアップした進化機種 BASENAME: 478509065.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 11/16/2020 16:00:00 TAGS: Z 6II,ニコン(Nikon) ボディー,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: 02_ニコン Z 6IIで撮影した写真.jpg

はじめに

 2020年11月6日に発売されたニコンのフルサイズミラーレス「Z 6II」は、約2年前に発売された「Z 6」が正常進化したといえる待望の新機種です。今回は、「Z 6」を発売すぐに手に入れて、メイン機種として使い込んできた筆者から見た「Z 6II」のレビューをお送りします。  また、私事ですが、筆者は現在所持している「Z 6」に加えて本機も購入しました。なぜ買い増しという選択をしたのかについても、レビューに交えてお話したいと思います。

Zシリーズならではの丁寧な描写性能

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■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離 70mm f/4 1/125秒 ISO250 AWB ピクチャーコントロール風景
 本機の有効画素数は2450万画素、撮像素子は35.9×23.9mmサイズCMOSセンサーの、FXフォーマットです。手ブレ補正はイメージセンサーシフト方式の5軸補正、AFフォーカスポイントは273点、ISO感度は100~51200(ISO 204800相当の増感可能)、モニターは3.2型TFT液晶のタッチパネルモニターを搭載、幅約134mm、高さ約100.5mmと、ここまでは「Z 6」とまったく同じスペックです。  大きさでいうと、本機は奥行きが約69.5mmで「Z 6」は約67.5mmなので、ほんの少しだけ厚くなりました。重さも、本機が本体のみで約615gのところ「Z 6」は約585gと、こちらもほんの少しだけ重くなっています。ですが、この2mmと30gには代えられないほど、「Z 6」にはなかったものが詰まっているのが本機です。  画像処理エンジンは「デュアルEXPEED 6」を新採用しています。EXPEED 6を2基搭載して処理能力が上がったことから、高速連続撮影と連続撮影コマ数が増えました。低速連続撮影は約1~5コマ/秒、高速連続撮影は約5.5コマ/秒と「Z 6」と同等ですが、拡張の高速連続撮影は約14コマ/秒で、最大124コマまで可能となりました。  そして、「Z 6」を使い続けてきた筆者が作例のカットを撮ったときに感じたのが、Zシリーズならではの繊細で丁寧な描写性能でした。  キャンプ場で朝方の焚き火を撮ったカットですが、炎の柔らかいゆらぎ、薪の質感、立ち上る煙の濃淡、華美すぎない自然な色味など、すべてが「ああ、Zで撮ったなぁ」と思える、手に馴染んだカットになりました。  筆者がこの2年間で一番使用したカメラが「Z 6」だったので、メニューの操作系統がほぼ同じで、描き出される写真がイメージに沿っていることは、当たり前ですが、写真を撮る道具として理想的なのです。

暗いシーンで活躍する低輝度性能と手ブレ補正

02_ニコン Z 6IIで撮影した写真.jpg
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離24mm f/4 1/125秒 ISO12800 AWB ピクチャーコントロール ビビッド
 暗いシーンでのAF撮影に効果的なのが低輝度性能です。「Z 6」では-3.5EVまででしたが、本機は1段分改善して-4.5EVまでのAFが可能になりました。さらに静止画では、ローライトAFを使用すれば-6EVの暗さまでAFでの撮影が可能です。夜景だけではなく、アンダー部分を重視したシックなムードのポートレートで、筆者がよく使用する機能でもあります。  作例のカットは、椿山荘で行われている東京雲海の夜バージョンです。撮影時に開催されていた、人工的に雲海を作り出すイベントで、宿泊している部屋から見下ろすと本物の雲海のように見えました。せっかくなので、雲海の中に入るというなかなかできない体験をしたくて庭園に出て撮ったのが、このカットです。  庭園はLEDのライトアップがされていましたが、かなり暗い状態でした。ISO感度は12800まであげて手持ちで撮影しています。本機は5.0段のボディ内手ブレ補正を搭載しており、Yaw、Pitch、Roll、上下、左右の5軸のブレを補正してくれます。この手ブレ補正のお陰で、三脚を使用しないで撮影できるシーンが増えました。  筆者は薄暗い水族館での撮影が多く、本機の低輝度性能がアップした点には大いに着目しました。それプラス、手ブレ補正機能で安定した撮影ができることは「Z 6」でも確証済みでしたので、買い増しに心が動いた理由のひとつと言えます。

瞳AFが動画撮影で使える!

■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:ISO 10000  本機は動画撮影時に、瞳AFと動物AFが使えるようになりました。さらに、オートエリアAFだけではなくワイドエリアAF(L)でも瞳AFと動物AFが選択できるので、人物や動物が複数いて、ピントが任意の被写体から他に移ってしまいそうなときの撮影が格段に楽になりました。  理由は多数ありますが、筆者が本機を買い増しした理由の大きな点はここにあります。2年前よりも動画の撮影がぐんと多くなった最近では、レンズを変えたり、ジンバルや三脚に付け替える手間と時間が増えてしまい、撮影時間が今までよりも長くなってしまったり、リズムの良い撮影ができなくなってきたジレンマがありました。  「Z 6」と「D850」を併用していた時期もあるのですが、レンズのマウントが違うこともあり(急いでいるときは、マウントアダプターをつけるのすら手間に感じることも…)、いっそ「Z 6」を2台体制にしようかと考えていたところに、動画で瞳AFの使える本機の登場です。  レンズ資産はあるのだから、「Z 6」を静止画用に、本機を動画用にした2台体制がベストなのではと思えました。また、サイズと重量がほとんど同じ本機と「Z 6」なら、たとえジンバルに乗せ替える必要があっても、大きなバランス調整は必要ありません。  作例の動画では、花火の煙で瞳が隠れてしまうようなシーンでも、体付近にピントが合っているのがわかると思います。瞳が見えなくなっても顔検出が行われて、顔と平行の位置にある身体にもピントが合っているので、再度瞳が見えたときに、ピントが迷わずに瞳に合うのです。今回はジンバルを使用して、テスト的に色々と動かして撮影してみています。

しっかり進化していたAF機能

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■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離28mm f/4 1/125秒 ISO25600 AWB ピクチャーコントロール ポートレート
 静止画の瞳AFと動物AFも、もちろんオートエリアAFとワイドエリアAF(L)の両方で使用できます。オートエリアよりもAFの範囲が小さいワイドエリアは、撮影中に被写体以外の人が前後を横切る可能性があるシーンなどで、ピントをメインの被写体から外さないために使用すると便利です。  作例は、前述の東京雲海のなかで撮影中の子供を撮りました。雲海のスモークが出ているときは、肉眼でも近くの人が見えないくらいですので、スモークが少し引いてきたところを撮影しています。それでも、夜とスモークというピントの合いにくい状況で、顔と瞳を認識してくれるのは感動ものです。  本機はデュアルエンジンとAFアルゴリズムの改良のお陰で、「Z 6」よりも動体追従性能がかなり向上しているとのことですが、瞳と顔の検出性能の向上も感じられました。  また、操作系ですと「Z 6」では、メニュー画面から瞳AFと動物AFの切り替えをしなければならなかったのですが、本機はiメニューのAFエリアモードの項目から、ワンタッチで切り替えられるようになりました。これ、地味にストレスだったので助かります。

待ってました!撮影時の情報・アイコン表示OFF機能

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■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離24mm f/6.3 1/200秒 ISO100 WB 4300K ピクチャーコントロール ビビッド
 これは「Z 6」発売時から要望を出していた機能なのですが、「Z 6」では撮影時に背面液晶のライブビュー画面に、撮影設定などの数字情報やアイコンが表示されて、消すことができません。特に絞り数値、シャッタースピード、ISO感度は画面下に大きめに表示されるので、構図を作るときに心の目でその部分を取り除かなくてはならず、「D850」のようにすべて消せるようになることを熱望していました。  本機は、その願いを叶えてくれました。初期設定時、静止画撮影時の動画撮影ボタンにあらかじめ「ライブビュー情報表示の消灯」機能が割り当てられているのです。これ、実はレビュー機を触った段階では気が付かず、静止画撮影時に間違えて動画ボタンを押してしまったことで発見しました。動画撮影時にはカスタムメニューで、カスタムボタンの設定で機能を割り当てることで使用できます。  これで、画面全部を使って構図を作ることができます。ただ、電源をオフにして少し経つと設定がリセットされるようでまた情報が表示されたので、願わくば、電源を入れ直してもリセットされないようにアップデートをお願いしたいです。

安心のダブルスロット搭載

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■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離 70mm f/4 1/125秒 ISO10000 AWB クリエイティブピクチャーコントロール ポップ
 本機はダブルスロット機構を搭載しています。CFexpress/XQDカードと、SDカードを1枚づつ使用でき、「順次記録」、「バックアップ記録」、「RAW+JPEG分割記録」の3種類から記録形態を選択できます。さらに、CFexpress/XQDのスロットは「Z 6」よりも高速な書き込みが可能です。  筆者はシングルスロットでもそれほど不便を感じたことはなかったのですが、近年、動画撮影が増えるにつれて、撮影容量の増加と万が一のアクシデントへの恐怖など、ダブルスロットの便利さを再認識していました。それでも、カメラが大きくなるくらいならいらないと思っていましたが、こんな誤差の範囲程度のサイズアップでダブルスロットが手に入るのでしたら、やっぱりその恩恵に与りたいと素直に思いました。

これからのカメラには必須!USB給電・充電対応

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■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離70mm f/4 1/320秒 ISO200 AWB クリエイティブピクチャーコントロール ピュア
 筆者個人的に、これからのカメラには全部対応して欲しいと思う機能がUSB給電・充電です。普段はスマホの給電のためにモバイルバッテリーを持ち歩いていますが、これを使用してカメラの給電・充電が行えるのは、1日中出歩いて静止画と動画の両方を撮影しているような、バッテリーの消費の激しいシチュエーションでは、とても重宝します。  本機には、Li-ionリチャージャブルバッテリー「EN-EL15c」が付属しています。USB給電機能はこの付属バッテリーの他、「EN-EL15b」「EN-EL15a」「EN-EL15」でも可能です。さらに「EN-EL15c」と「EN-EL15b」では、USB充電も可能となっています。筆者は「D850」付属の「EN-EL15a」、「Z 6」付属の「EN-EL15b」も所持しているので、いつも予備バッテリーとして持ち歩いていたのですが、これからはさらに荷物を少なくできそうです。

「これ欲しかった」を叶えてくれた機種

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■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:焦点距離70mm f/4 1/250秒 ISO1600 AWB ピクチャーコントロール ポートレート
 2年前に発売された「Z 6」ユーザーの「もっとこうなって欲しい」、「これも入れて欲しい」を叶えてくれた機種が本機なのでしょう。進化したことをわかりやすくしようとデザインや操作系統、ボタン位置などを変えたりせず、中身を堅実にレベルアップさせているのが、真面目なニコンらしい新機種だと思いました。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。

Z 6IIと他カメラを比較

 「Z 6II」と「Z 7II」、「Z 7」、「キヤノン EOS R6」、「ソニー α7C」の価格や主要なスペックの比較表をこちらのページで紹介していますので是非ご覧ください。 z6iiz7ii.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんがニコン Z 6IIのレビューを行っています。「Z 6」からの進化を分かり易く紹介、ご自身で何故「Z 6II」を購入したかについても語っていますので、作例と合わせて是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ニコン,Z 6II,レビュー,nikon ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ハッセルブラッドらしいコンパクトな中判デジタルカメラ|907X 50Cレビュー BASENAME: 478531636.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 上田晃司 DATE: 11/18/2020 16:00:00 TAGS: 907X 50C,ハッセルブラッド(Hasselblad) ボディー,中判,ミラーレスカメラ ----- BODY: 00_ハッセルブラッド 907X 50Cの製品画像.JPG

はじめに

01_作例.jpg
■撮影環境:f/3.5 1/125秒 ISO800 焦点距離45mm
 ローポジションで海と富士山を撮影。生憎の天気ではあったが、中判デジタルカメラの繊細な再現力により細かな部分までしっかりと表現できている。曇り空の濃淡までしっかりと表現できているのはさすがハッセルブラッドだ。  中判カメラファン待望のカメラ Hasselblad 907X 50Cがついに発売になった。筆者はハッセルブラッドのデジタルカメラを長らく使用しており2015年にはローカルアンバサダーまでさせていただいた。フィルムのHasselblad Vシリーズは学生時代から複数台所有し、H5D、X1Dなど様々なハッセルブラッドカメラを使用している。そしてついにHasselblad 907X 50Cが発売になった。実は筆者はHasselblad 907X 50Cの発売前に一足先に発売されたHasselblad 907X Special Editionを愛用してる。実際に様々な写真を撮影しているので作例を元にHasselblad 907X 50Cの魅力、中判デジタルカメラの魅力をご紹介していきたいと思う。
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■撮影環境:f/2.8 1/800秒 ISO100 焦点距離65mm
圧倒的なダイナミックレンジと色再現
 中判デジタルカメラの魅力はなんと言っても、独特の立体感とダイナミックレンジの広さだ。16bitのRAWから得られる最高の色情報のお陰で絶妙な色もしっかりと表現できている。

スペック

 Hasselblad 907X 50Cはハイブリッドなカメラで2通りの使い方が可能だ。まず、本カメラはカメラ部分の907XとCFV II 50Cの2つのパートに分けることができる。まず、カメラ部の907Xは厚みは2.8cmと非常に薄く重量はなんと200gの軽量さを誇る。この907XをCFV II 50Cに装着するとオートフォーカスの中判ミラーレス機として使用できる。使用できるレンズは専用のXCDレンズやXH CONVERTER 0,8を使用して一部のレンズを除きほぼすべてのHCレンズを使用可能。その他のアダプターを使用すればXPANなども使用可能だ。筆者のオススメは専用設計のXCDレンズを使用することだろう。21mmF4や45mm F4P、80mm F1.9など魅力的なレンズが揃っている。専用のXCDレンズはすべてレンズシャッターで振動が少なくブレにくい設計になっている。また、1/2000秒まで全速でストロボと同調するのもポイントだ。
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45mm F4P との組み合わせ
 パンケーキレンズを付ければ中判とは思えないコンパクトなカメラになる。  CFV II 50Cはデジタルバックとなっており単体でHasselblad Vシリーズやアダプターを使って大判カメラなどにも装着できる。アナログカメラをデジタルカメラとして使用できるのもポイントだ。ハッセルブラッドのVシリーズやSWCカメラは殆どケーブルレスで使用できるのもポイントだ。CFV II 50Cは43.8 × 32.9 mmの大型CMOSセンサーを搭載する。画素数は5000万画素でピクセルピッチは5.3μmとなっている。16bitの階調でダイナミックレンジは14段と圧倒的な画像データを誇る。記録媒体はUHS-II対応のデュアルスロットだ。SDカードは順次記録と同時記録が可能だ。液晶モニターは236万画素、3.2インチのタッチパネルを採用している。チルト式のため液晶は90度可動する。
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■撮影環境:f/3.5 1/200秒 ISO400 焦点距離45mm
ローポジションで撮影
 90度チルトする液晶のお陰で猫目線でバッチリと撮影できた。動物AFなどはないが最大 117点の選択可能なオートフォーカスポイントのお陰でしっかりとピント合わせができる。
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905SWC製品画像
 筆者愛用の905SWCに装着。バッテリーが内部に入るため違和感がない。非常にバランスが良い印象だ。
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A12のフィルムバックと比較
 フィルムバックと比べるとフィルムバックの方が小さいが、バッテリーが外に出ていないので違和感なくつかえる。
07_カメラ機材.JPG
ケーブルレスで使用可能
 VシリーズやSWCシリーズなどオールドカメラを使用する場合はカメラのメニューから使用するカメラを選択しよう。
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Hasselblad 501CにCFV II 50Cを装着して撮影
 F8.0まで絞り込んで風景を撮影。CFE80mmの描写は未だ現役のシャープな描写が魅力だ。ディテールまでしっかりと表現できており、レンズ自体の階調も豊かだ。
09_カメラ機材.JPG
可動式液晶
 最大で90度までチルトできるのウエストレベル撮影も楽々こなせる。
10_カメラ機材.JPG
デュアルSDカード&バッテリー
 2枚のUHS-II対応のSDカードスロットを2つ搭載している。バッテリーもボディー内に収納可能になっている。バッテリーはX1Dシリーズと同じバッテリーを採用。

外観

 外観はハッセルブラッドらしいソリッドで高級感が感じられる。丁寧な造りはプロダクトとしての美しさが感じられる。殆どのパーツは金属製でずっしりとした重さがある。ボタン類は少なく操作の多くはタッチパネルで行う。バッテリーはX1Dシリーズと共通となっており、カメラ内部に入れることができる。今までのCFVシリーズはデジタルバックの外にバッテリーを装着していたが、CFV II 50Cよりバッテリーはカメラ内部に収納できるのでデザイン的にもすっきりしている印象だ。それによりSWCのボディーとの干渉がなく使い勝手が良い。インターフェースはUSB-Cを外部に備えておりテザー撮影※や充電なども行える。その他、ストロボの入出力、動画用にオーディオ入力なども備える。 ※テザー撮影とは、カメラとパソコン/タブレットを接続し、撮影した画像をパソコン/タブレット側のモニターで確認したり、カメラをパソコン/タブレットで制御して撮影を行うこと。
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ボタン類やダイヤル
 ボタン類は最低限でシャッター周りにはダイヤルを備えており絞り値や露出補正ができるようになっている。

使用感

 実際に使用してみて感じたことは、シンプルだということ。基本の操作はタッチパネルで行い直感性がある。メニューも少なく操作する項目は少ないので撮影に集中できるのも本カメラの魅力。筆者はX1Dも使用しているが、X1Dはボタン類も多くよりスピーディーに設定を変えたい場合はX1Dシリーズが勝るが、じっくり撮影するには907X 50Cでもストレスは感じられない。907X 50Cはカメラ自体が小さいため大きめのレンズを装着した時は少しバランスが不安定になるので注意したい。別途アクセサリーでコントロールグリップが用意されているので80mm F1.9やマクロ、ズームレンズを使う方はコントロールグリップをオススメしたい。907X 50Cを日常使いするのであれば45mm F4のパンケーキや65mm F2.8などがオススメだ。また、縦位置は撮れなくはないが、液晶モニター自体が少し斜めになっているので少し馴れが必要だろう。縦位置が多いユーザーは X1D IIの方が正直使い易いかもしれない。CFV II 50CはHasselblad Vシリーズとの相性も抜群なのでフィルムカメラファンにも使って欲しい。

画質

 筆者がハッセルブラッドを使う理由の1つは圧倒的な画質だ。16bit RAWを撮影できるため安心感がある。16bitのRAWから得られる色情報は圧倒的で深い色味をしっかり表現できる。また、ハイライトの粘り、シャドウ部の粘りはさすが中判。圧倒的なダイナミックレンジを体感できるだろう。14段分のダイナミックレンジは驚くほど表現力が高く、輝度差のあるシーンにおいても表現力は格別だ。夕日のあるシーンでもディテールを崩すことなく表現できる点はとてもメリットがある。自然風景はもちろんのこと都市風景、ポートレート、スナップなど様々なシーンにおいて圧倒的な画質を堪能できるだろう。もちろん5000万画素のセンサーから得られる世界は驚くほど緻密で立体感が感じられるはずだ。高感度性能に関しても、CMOSセンサーのお陰で中判デジタルカメラとは思えないほど高感度に強い。一昔前の中判デジタルカメラの高感度性能と言えばISO200やISO400だったが本機ではISO6400も十分実用できる印象。ISO1600やISO3200ではノイズ感もあまり感じられないだろう。恐れることなく高感度を使って欲しい。
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■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO1600 焦点距離45mm
高感度1600ではほぼノイズを感じられない
 CMOSセンサーになり高感度もフルサイズミラーレス機感覚で自由に使えるようになった。ISO1600で少し暗めの室内を撮影したがノイズレスでクリアな印象。ノイズリダクションによるディテールの破綻などもない。
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■撮影環境:f/4.5 1/350秒 ISO400 焦点距離45mm
夕日の色やグラデーションもしっかりと表現できる
 夕日の絶妙なトーンや色もしっかりと表現できるのが中判デジタルカメラの魅力。暗部からハイライトまでしっかりと粘っており表現力豊かだ。
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■撮影環境:f/3.5 1/125秒 ISO800 焦点距離45mm
マクロレンズで被写体のディテールを表現
 マクロレンズと自然光でホオズキを撮影した。シンプルな写真ではあるが 5000万画素のセンサーと120mmのマクロの組み合わせにより圧倒的な解像感を表現できた。

スマートディバイスとの連携

 本カメラはWi-Fiを搭載しているため、iOS用のアプリPhocus Mobile 2を使うことでiPadなどのタブレットで写真を見たり、RAW現像をしたりできる。必要なiPadは、iPad ProまたはiPad Air (2019)が必要になる。大きなRAWデータではあるが、サクサクと動きPCなしでもRAW現像や画像の確認ができるのもポイントだろう。人物撮影などでは有線でテザー撮影することも可能なので、PCレスでも十分活用できるので撮影現場などでも役立つ印象だ。

まとめ

 実際に使用してみて907Xは個性的でワクワクするカメラであるということ。所謂、万能で超高速AF撮影や連写ができるようなカメラではないが、じっくりと被写体と向き合ってワンショットずつ撮影するには最適なカメラ。造りもよく本当に撮影していて楽しいカメラだ。それ以上に本カメラで撮影できる圧倒的な写真を見るとハッセルブラッドの力と魅力を感じられるだろう。XCDレンズも増え様々なシーンに対応できるようになり、HasselbladのフィルムカメラもCFV II 50Cと組み合わせることで問題なく使える。現代レンズにはない温かみのある柔らかな描写により印象的な写真を撮影できるのも本カメラの面白い所だろう。様々な使い方を楽しめ、最高の画質で表現ができるので是非読者の方にも中判デジタルカメラの世界を楽しんでいただきたいと思う。
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■撮影環境:f/3.5 1/125秒 ISO800 焦点距離45mm
黒ネコの絶妙なトーンをしっかりと表現
 ガーデンでくつろぐ猫を撮影。一般的に黒猫を撮影するとディテールは潰れて真っ黒になりやすいがハッセルブラッドなら絶妙なトーンを表現できるのでしっかりとディテールまで表現することができた。 ■写真家:上田晃司 米国サンフランシスコに留学し、写真と映像を学び、CMやドキュメンタリーを撮影。帰国後、フォトグラファー、映像作家として活動開始。現在は、雑誌、広告を中心にライフワークとして世界中の街や風景を撮影。講演や執筆活動も行っている。また、YOUTUBE チャンネル 「写真家夫婦 上田家」 で写真、旅、カメラについて情報発信している。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の上田晃司さんによるハッセルブラッド 907X 50Cのレビュー記事です。ハッセルブラッドを長年愛用している上田晃司さんならではの視点で特長を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ハッセルブラッド,907X 50C,レビュー,Hasselblad ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO レビュー|米粒がアップで撮れるレベルのマクロ性能を実現 BASENAME: 478580943.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 齋藤千歳 DATE: 11/20/2020 16:00:00 TAGS: 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO,LAOWA(ラオワ) レンズ,単焦点 ----- BODY: 01_LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOで撮影した米粒の写真.JPG

はじめに

 今回は、LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOという高いマクロ性能を持つレンズをご紹介します。まずは、その驚異的なマクロ性能を実感してもらうために、お米を撮影しました。米粒を、このサイズのアップで撮影でき、しかも風景まで撮影できるレンズは、ほぼ存在しないでしょう。それでは、LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOの特長について、ご説明していきましょう。

マイクロフォーサーズ用最大撮影倍率2.0倍のスーパーマクロ

01_LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOで撮影した米粒の写真.JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO
■撮影環境:2.0秒 f/11 絞り優先AE ISO800 EV+0.3 AWB フォトスタイル/スタンダード 焦点距離100mm相当
 今回紹介するLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOは、ラオワが得意とする最大撮影倍率2.0倍のマクロレンズで、マイクロフォーサーズ(以下、MFT)用となっています。焦点距離は50mm、MFT用なので装着時の画角は35mm判フルサイズの100mm相当となります。開放F値は2.8で、35mm判フルサイズにおける100mmF2.8の定番マクロレンズに相当するレンズです。ただし、最大撮影倍率は2.0倍、最短撮影距離は13.5cmと、一般的な100mmマクロレンズの2倍の最大撮影倍率を誇ります。実際には、それ以上のインパクトなのですが、詳細はのちほど解説させてください。  レンズ構成は10群14枚、APO(アポクロマート)設計を採用し、色収差を最小限に抑えているということです。なお、絞り羽根枚数は7枚です。撮像素子サイズの小さなMFT用ということもあるでしょうが、非常に軽量でコンパクトなレンズに仕上がっています。大きさは最大径53.5mm、長さは79mm、質量はわずかに約240g。コンパクトで軽量なレンズではありますが、金属パーツが多用されており、堅牢でビルドクオリティも高いレンズです。  操作系について注目したいのは、LAOWAレンズとしては珍しくカメラ本体と情報をやりとりするための電子接点が搭載されている点。おかげで、絞りの操作はレンズの絞りリングではなく、カメラ本体の電子ダイヤルなどで操作が可能となっています。また、フォーカスリングを回すとフォーカス拡大機能が自動的に有効になります。さらにはレンズデータがExifに記録されるようになったのは、個人的には非常に歓迎したい機能です。残念ながら、AF機構は搭載されていないのでMFレンズですが、ピントリングの感触は非常に滑らかで、ピント合わせは快適です。  今回は、最大撮影倍率2.0倍でMFT向けに設計された世界初のレンズというLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOを入手し、電子書籍『LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO レンズデータベース』を制作する際に、解像力、周辺光量落ち、最短撮影距離と最大撮影倍率の実写チャートを撮影しましたので、その結果から本レンズの性能を詳細に解説したいと思います。

100mmマクロらしい開放から周辺部まで高い解像力

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■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO
■撮影環境:1/4000秒 f/2.8 絞り優先AE ISO200 EV-1.0 AWB フォトスタイル/ヴィヴィッド 焦点距離100mm相当
 気になる解像力からチェックしていきます。今回のテストでは有効画素数約1,600万画素のパナソニック LUMIX GX7 Mark IIを使用しました。そのため解像力の基準となるチャートは1.3で、1.2が解像すれば上出来といえます。ですが、LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOは、絞り開放のF2.8から、さらに小さなチャートの1.1を大部分解像していました。
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絞り開放のF2.8からチャートの1.2はもちろん、さらに小さな1.1までほぼ解像している。
 中央部分から詳細に見ていくと、絞り開放のF2.8からチャートの1.2どころか、さらに小さなチャートの1.1まで、ほぼ解像しています。非常に高い解像力を持っているといえる結果です。ただし、絞っても解像力の大きな変化は観察されず、チャートの構成する白と黒のラインがはっきりして多少コントラストが上がるため、F5.6からF8.0あたりが中央部の解像力のピークのようです。  周辺部についても、実は絞り開放から解像力は良好です。こちらでも解像すれば上出来といえるチャートの1.2は十分に解像し、チャートの1.1を大部分解像しています。非常に優秀です。しかし、周辺光量落ちの影響だと思われますが、開放付近では中央部分に比べやや暗く描写されるため、チャートを構成する白と黒ラインのコントラストが弱まり、解像力が低く見える傾向。絞っていくほどの改善し、F5.6ではほぼ中央部と変わらない解像力が得られます。  少し気になるのは、マクロレンズにしては発生する糸巻き型の歪曲収差が強いことです。Adobe Camera Rawなどでは内蔵のレンズプロファイルを適用されていても、歪みが目立つので必要のシーンでは手動で、さらに補正するとよいでしょう。

最短撮影距離で画面に写る範囲は、なんと約8.7mm×約6.5mm

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撮影倍率等倍(1.0倍)付近で撮影した花心(写真上)とLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOの最大撮影倍率である2.0倍で撮影したもの(写真下)の比較。等倍マクロでも十分なアップだが、2.0倍はそれを圧倒的に超える。
 LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOの最大特徴は最大撮影倍率2.0倍です。このときの撮影距離は13.5cmとなります。作例を見てもわかるように、一般的なマクロレンズの等倍に比べても圧倒的な近接撮影性能です。しかし、本レンズがMFT用ということを正しく理解すると、さらにそのマクロ性能の圧倒的さに驚くでしょう。
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おなじみSDメモリーカード(幅24mm×高さ32mm)を撮影。SDメモリーカードの一部が切り取られるレベルのアップになっているのがわかる。
 35mm判フルサイズで等倍のマクロレンズは36mm×24mmの範囲を画面いっぱいに写すことができます。これが最大撮影倍率2.0倍になると35mm判フルサイズでは18mm×12mmの範囲を画面いっぱいに撮影できるのです。  対してMFT用のマクロレンズでは等倍で17.3mm×13.5mmの範囲を画面いっぱいに撮影することができます。そしてLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOのようなMFTの最大撮影倍率2.0倍のレンズは8.7mm×6.5mmの範囲を画面いっぱいに撮影できるのです。  同じ最大撮影倍率2.0倍で画面いっぱいに写る範囲は35mm判フルサイズでは18mm×12mm、MFTでは8.7mm×6.5mmなので、約1/4の範囲を画面全体にアップで写すことができるわけです。まさに驚異的なマクロ性能といえるでしょう。  だからこそ、米粒のアップといったレベルの撮影が可能なわけです。とはいえ、超近接撮影になるため、被写界深度は極めて浅く、ピント合わせは非常にシビアなので、最大撮影倍率の2.0倍での撮影は、それなりに難易度の高いものになります。

必要なシーンでは後処理でさらに補正するのがおすすめ

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■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO
■撮影環境:1/125秒 f/2.8 絞り優先AE ISO200 EV+0.7 AWB フォトスタイル/スタンダード 焦点距離100mm相当
 LAOWAのレンズとしては珍しく、カメラ本体と情報をやりとりするための電子接点を搭載したLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO。これによって、RAW画像にも内蔵のレンズプロファイルが適用されています。驚異的にマクロ性能の高いレンズですが、無限遠も普通に撮影できるので、寄れる高性能な中望遠レンズと考えると、小さな赤ちゃんの撮影にも便利です。  絞り開放付近ではハッキリとした周辺光量落ちが観察されますが、絞るにつれて改善。F4.0あたりでほぼ気にならないレベルになり、F5.6以降は気になることはないでしょう。  しかしながら、マクロレンズの場合は開放のF2.8で大きくボカしたいシーンも多く、そんなときは絞って周辺光量落ちに対応するのではなく、RAW画像も撮影しておき、RAW現像時などの後処理で対応することをおすすめします。  Adobe Camera RawなどではRAW画像にも内蔵のレンズプロファイルが適用されますが、それでも開放付近では周辺光量落ちが目立つこともあるので、手動でさらに補正するとよいでしょう。

もっとマクロを極めたいユーザーにおすすめの超マクロレンズ

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■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO
■撮影環境:1/200秒 f/2.8 絞り優先AE ISO200 EV-0.7 AWB フォトスタイル/スタンダード 焦点距離100mm相当
 最大撮影倍率の2.0倍を活用すると、わずか8.7mm×6.5mmの範囲を画面いっぱいに撮影できるLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOは、LAOWAの最大撮影倍率2.0倍のウルトラマクロシリーズのなかでも、飛び抜けてマクロに強いレンズをいえます。また、電子接点でカメラ本体と情報のやり取りができるため、絞り値をカメラ側の電子ダイヤルなどで操作でき、使い勝手もよいレンズです。  価格はMFT用のマクロレンズとしては、決して安いとはいえませんが、等倍マクロレンズでは実現できないスーパーマクロが撮影可能なため、他のレンズにはマネできないマクロ撮影が可能になると考えれば高いとはいえないでしょう。 また、絞り開放から中央部はもちろん、画面周辺まで優秀な解像力。滑らかで素直なボケと、レンズとしての基本性能も高く、マクロレンズとしてだけでなく、高性能な中望遠としてポートレート撮影などにも活躍してくれます。 あえて弱点を挙げるなら、歪曲収差と周辺光量落ちでしょう。ただし歪曲収差と周辺光量落ちは、今回テストしたLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOとパナソニック LUMIX GX7 Mark IIの組み合わせではRAWファイル自体に内蔵されたレンズプロファイルが組み込まれているためか、Adobe Camera Rawの手動で簡単に補正できるので、あまり気にする必要はないでしょう。  軽量コンパクトで驚異的なマクロ性能、高い解像力、美しいボケを実現するLAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOはMFTユーザーだけでなく、マクロ撮影好きにとって非常に魅力的な選択肢といえます。ぜひ、一度“米粒のアップすら可能にする”、その圧倒的なマクロ性能を試してみてください。
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■使用機材:パナソニック LUMIX GX7 Mark II+LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APO
■撮影環境:1/60秒 f/8 絞り優先AE ISO200 EV-1.0 WB/晴天 フォトスタイル/スタンダード 焦点距離100mm相当
最後に、このレンズにおける解像力のピークであるF8.0で撮影した1枚です。周辺部まで解像力の高い中望遠レンズと考えると風景や人物撮影も楽しくなります。
■写真家:齋藤千歳 カメラ・写真関連の電子書籍「ぼろフォト解決」および「Foton」シリーズの出版者。レンズやカメラをみると解像力などの実写チャートを撮影したくなる性質があります。千歳市在住で北海道各地を撮影しています。 ■技術監修:小山壯二 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の齋藤千歳さんが、LAOWA 50mm F2.8 2X Ultra Macro APOのレビューをしています。驚異的なマクロ性能をご紹介する作例や絞開放の解像感をチャートでご覧いただけますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: LAOWA,ラオワ,50mm F2.8 2X Ultra Macro APO,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ニコン Z 7IIレビュー|フォトグラファーの細かな要望に応えた写りと操作感 BASENAME: 478647899.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 11/25/2020 16:00:00 TAGS: Z 7II,ニコン(Nikon) ボディー,スナップ,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: 00_ニコン Z 7II製品画像.jpg

はじめに

 高画質を誇るニコンのフルサイズミラーレス一眼カメラ「Z 7」のバージョンアップ版「Z 7II」が2020年12月にいよいよ発売される。大口径、ショートフランジバックのニコンZマウントを採用する「Z 7」は写りの評価が高い。光学性能の高さと高画素のハーモニーが素晴らしく、極めて緻密な描写の写真を撮ることができるのだ。満を持して登場するその新モデル「Z 7II」。フォトグラファーの細かな要望に応えた写りと操作感をインプレッションしてみた。

「Z 7II」の進化点

 「Z 7II」はパッと見「Z 7」と変わらないように思える。しかしマジメな会社ニコンらしく細かなところまでリファインされているのだ。一番のトピックは映像エンジンEXPEED 6をデュアルで積み、画像処理の高速化と連写時のコマ速アップを図ったことである。センサーは有効約4575万画素と据え置いているが、これは画質に定評があるため。映像エンジンEXPEED 6が2つになったことによって、この高画素センサーのデータを最大77コマ(約10コマ/秒連写時)連写できるようになった。これはストレスを感じることなく被写体を捉え続けられるようになり、シャッターチャンスをモノにできる確率が高まるので大歓迎だ。実際に撮影していても全体的な動作のキビキビ感が心地よかった。  493点ものフォーカスポイントがフレームの約90%を網羅し、ギリギリのところにある被写体にもフォーカシング可能なのは変わらないが、オートフォーカス性能もグンと進化している。まずは「ターゲット追尾AF」だ。ニコンの一眼レフで好評だった「3D-トラッキング」 AFに似た使い勝手のこの機能は、フレーム内の被写体を追いかけてフォーカスし続けてくれるので動体の撮影に大きな威力を発揮する。スポーツや野生動物などの撮影に活躍するだろう。またオートエリアAF時にしか使えなかった「瞳AF」、「顔検出AF」、「動物AF」がワイドエリアAF時にもチョイスできるようになった。フォーカスエリアを限定して機能をONにできるので、安定したフォーカシングが可能になっている。またこの設定はスチルだけでなくムービーでも使用できるのがうれしい。絞りを開いてのボケを活かしたモデル撮影や、素早く動くネコやイヌなどペットの撮影でも威力を発揮するに違いない。さらに低輝度環境下でのオートフォーカスも-3EVに強化された。「ローライトAF」機能を適用すれば-4EVでもオートフォーカスで撮影ができる。ヒトの目では真っ暗に感じるようなシチュエーションでも正確に合焦するので驚くことだろう。  マニュアルモード撮影時にはシャッタースピードを最長900秒まで延長できるようになった。シャッターボタンを1回押すだけで最長15分もの長時間露光がカンタンに行えるようになったのである。星空の撮影やNDフィルターを使っての長秒撮影で有効だろう。 ザッと見ただけでも「Z 7II」はこのように絵作りの根幹に関わるところが着実にアップデートされているのである。

ユーザーの声をくみ取った「Z 7II」ボディ

 「Z 7II」は待望のデュアルメモリーカードスロットが採用された。CFexpress(Type B)/XQDカードとUHS-II規格対応SDカードに対応し、それぞれ1枚ずつを同時挿入・使用が可能になったのだ。これはメモリーカードの2枚差しを熱望するユーザーの声をニコンが聞いた形で、フォトグラファーの声にしっかりと耳を傾けるメーカーの姿勢が素晴らしいと思う。記録方式は「順次記録」、「バックアップ記録」、「RAW+JPEGの分割記録」ができ、挿入したカード同士での画像コピーも可能になっている。高速で信頼性バツグンのCFexpress(Type B)の書き込みスピードは一度使うと止められなくなるはずだ。ちなみにPCへの撮影データコピーも爆速である。  「Z 7II」は新開発のLi-ionリチャージャブルバッテリー「EN-EL15c」を採用。USB充電に加えて給電も可能になったので、長時間の撮影やタイムラプス撮影時でもバッテリーの保ちを気にすることなく撮影に臨めるようになった。  別売りにはなるが、縦位置撮影に有効なシャッターボタン、AF-ONボタン、メイン・サブコマンドダイヤル、マルチセレクターなどを搭載したパワーバッテリーパック「MB-N11」も用意されている。Li-ionリチャージャブルバッテリー「EN-EL15c」を最大2本搭載できるので長丁場の現場でも安心だ。撮影を続けながらのバッテリー交換「ホットスワップ」ができるところもニクい。またUSB端子を給電および充電に使うこともできるので便利である。何よりも縦位置撮影時のホールド感と操作感が向上するので、ポートレート撮影や望遠レンズを多く使用するフォトグラファーはこの「MB-N11」を装着するといいだろう。 02_製品画像.JPG  他の細かいアップデートを見てみると、チルト式画像モニター使用時に不用意にEVFに切り替わらない点、撮影画面での情報表示を消してフレーミングに集中できる点など、ニコンがユーザーの意見を真摯に汲んだ様子がうかがえる。  ルックスにも手が入れられている。「Nikon」の文字が輝くペンタ部(ペンタプリズムは中にないが)がエッジの立った精悍(せいかん)なフォルムに変更された。APS-Cフォーマットの兄弟機「Z 50」のようにシャープな印象になる端正な顔立ちに。グリップもさらに深く握りやすくなり、ホールド感が高まっている。効きがいいと評価の高い5軸5段のボディ内手ブレ補正と相まって、安定したシューティングを約束してくれる。 ニコン「Z 7II」はデュアルエンジンを搭載しただけでなく、そのフォルムも一新されているのである。スペックなど詳細はニコンの公式サイトを参照して欲しい。

実写

 さてここからは「Z 7II」の写りを見ていこう。サンプル機での撮影となるが画質の良さは素晴らしいものであった。  公園内の池にレンズを向けてF8に絞ってシャッターを切ったがその精細感に驚いた。フレーム中央部はもちろんのこと、周辺部までキッチリと解像しきっている描写はスゴい。ニコンZマウントの底力を感じた。
02_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/8 1/60秒 ISO100 焦点距離24mm
 高山にある林道から沸き立つ雲を狙ったカット。やや湿り気を帯びている白い雲の立体感が好ましい。雲の端の写り、シャドウ部に見え隠れする立ち枯れの木と、わずかに積もった雪まで描ききる2基搭載された映像エンジンEXPEED 6の力に感服だ。
03_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/8 1/2000秒 ISO100 焦点距離180mm
 信州にあるワサビ田を訪れた。秋の太陽は動きが速くすでに夕方の色づきである。その微妙なカラーを「Z 7II」は的確に表現してくれた。また近景の石ころから、遠景の建物までシャープかつクリアに捉えてくれるカメラとレンズのパワーにニコンの底力を感じた。
04_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/8 1/250秒 ISO100 焦点距離14mm
 これはとある日の午後、ブラブラと散歩していた時のカットだ。踏切の遮断機が下りていたため、何気なく「非常停止ボタン」の標識を撮ったのだが、そのリアルな表現に舌を巻いた。ISO感度オートのためISO 90で撮れたが、ベース感度がISO 64(ISO 32相当まで減感も可能)と、広いダイナミックレンジと階調を実現しているのがいい。明るいレンズも開放域で日中にガンガン使えるところもうれしい。
05_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
■撮影環境:f/2.8 1/8000秒 ISO90 焦点距離70mm
 東京のシンボル・東京タワーを見上げてシャッターを切った。クリアでスッキリとしたヌケ感があり、かつリベットやグレーチングまで確実に解像する「Z 7II」の写りはスゴいのひと言だ。EVF(電子ビューファインダー)も「Z 7」 同様、約369万ドットのQuad VGA有機ELパネルで、見やすさも変わらず撮影が快適だった。
06_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/8 1/320秒 ISO100 焦点距離200mm
 初冬なのに暖かい日が続いている。公園でやや色づいた葉をようやく見つけてシャッターを切った。高速かつ正確なオートフォーカスは的確に狙った葉に合焦した。その解像感が実にいい。輪郭はもちろん虫食いの感じ、葉脈のリアル感が素晴らしい。揺れ動く枝にもしっかりと追従するフォーカスも頼もしい。
07_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/2.8 1/320秒 ISO64 焦点距離200mm
 「Z 7II」は撮影していて気持ちのいいカメラだ。まずしっかりとホールドできるグリップと使いやすいボタンおよびダイヤルレイアウトのボディがいい。そして被写体をクリアかつクリーンに捉えられるEVF(電子ビューファインダー)がいい。さらにレスポンスよく美しいシーンをキャプチャーできるセンサーと映像エンジンがいい。先ほどのカットと同じ公園で撮った落ち葉だがこの立体感がとても気に入った。
08_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/2.8 1/320秒 ISO320 焦点距離155mm
 お城の瓦屋根に留まっているユリカモメ。ちょこまかと移動を繰り返す鳥に正確にフォーカシングし続け、羽毛の解像感と立体感豊かにその様子をキャプチャーしてくれた。連写速度もアップし、デュアル化されたカードスロットによって撮影枚数も増え、「Z 7II」はスキのないカメラに仕上がっている。
09_作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/2.8 1/2500秒 ISO100 焦点距離200mm
 高感度というと兄弟機の「Z 6II」や「Z 6」を思い浮かべるが、「Z 7II」もなかなか素晴らしい高感度特性を持っている。「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」を装着してヨコハマの夜を撮ったが、ISO 1400でクリーンかつ情感あふれるカットが撮れた。ISO 102400相当までの増感に対応しているので、もっと条件の厳しい低照度下でも撮影できる頼もしい高解像度機になっている。
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■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:f/1.8 1/60秒 ISO1400 焦点距離50mm

まとめ

 ニコン「Z 7II」は派手さこそないが、着実かつ確実に撮り手の要望に応えて進化したフルサイズミラーレス一眼カメラと言えるだろう。使いやすいのはもちろん、何よりも大口径、ショートフランジバックのニコンZマウントの写りが素晴らしい。極上の写りをこの高解像度で味わえるのが至福である。この仕上がりぶりをキタムラの店頭で実感して欲しいと思う。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。

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 カメラのキタムラではご予約特典として対象製品を買取査定額よりも20%UPで下取り実施中です。対象製品及び詳細はこちらをご覧ください。 bnr_A708-190-thumbnail2.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんによるニコン Z 7IIのレビュー記事です。作例写真と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: Z 7II,ニコン,レビュー,nikon,nikkor ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ニコン NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sレビュー|待ち焦がれた超広角ズームはモンスターレンズだった! BASENAME: 478683172.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 11/26/2020 16:00:00 TAGS: NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S,ニコン(Nikon) レンズ,スナップ,広角ズーム ----- BODY: ニコン NIKKOR Z 14-24mm f28 S製品画像.JPG

はじめに

 ついにニコンZマウントに待望の超広角ズームレンズが登場した。この「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は、ニコンFマウント時代の銘レンズ「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」を上回る描写特性を持ち、なおかつ軽量コンパクトに仕上げたモンスター超広角ズームレンズだった。

「神レンズ」の系譜がようやくニコンZマウントに

 ニコンZユーザー待望の超広角ズームレンズ「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は、F2.8通しの明るくて高性能な1本だ。2019年4月に発売された「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」というレンズを使っている人も多いだろう。このレンズも軽量コンパクトかつ円形フィルターが装着可能で、描写も素晴らしいものがあった。しかしF4通しとやや暗いのである。「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」や「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」が続々と発売されて「F2.8」通しの「14-24mm」を熱望するユーザーが多かった。それがようやくこのレンズで叶ったのである。  ニコンの超広角ズームレンズといえば誉れ高き「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」を思い浮かべるだろう。2007年11月30日発売のニコンFマウントのレンズだが、筆者も「ニコンD3」と「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」と発売日に同時に購入して愛用していた。このレンズの描写はとても素晴らしく、マウントコンバーターを介して他社のカメラに装着して使う人もいたほどである。「神レンズ」と呼ばれるくらい写りの評価が高かったのだ。その銘レンズがようやくニコンZマウントに降臨したのである。

ミラーレス一眼カメラ専用設計で軽量コンパクトに

 「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」を手にするとそのサイズに驚かされる。「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 」は約970gだったのが、同じ明るさと焦点距離で約650gと大幅な軽量化を果たしているのである。もちろんサイズ感も一回り、いや二回り程度小さくなっている。これはスゴい。大口径、ショートフランジバックのミラーレス一眼カメラ専用設計になったことによりこのようなサイズダウンに成功しているのだ。それでいて画質に妥協がないところが恐れ入る。  レンズ構成はEDレンズ4枚、前玉の両面非球面レンズを含む非球面レンズ3枚4面とし、あらゆる部分で「神レンズ」と呼ばれた「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」の性能を上回っているのだ。ニコン独自のナノクリスタルコートとアルネオコートも施されており、厳しい条件下でもクリアな画質を誇る。逆光時に撮影したが「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 」よりヌケのいい画質であった。また軸上色収差を徹底的に排除し、サジタルコマフレアを効果的に抑制したレンズ設計は極上の写りを約束してくれるだろう。高周波の被写体から、満天の星空まで美しく撮影することが可能だ。まさに待ち焦がれた超広角ズームレンズだと言えよう。

使い勝手も良好な超広角ズームレンズ

 このレンズのトピックは大きく張りだしていた通称「出目金」レンズをやめ、大口径の両面非球面レンズを採用したことだ。これにより前面にフィルターを装着することが可能になったのだ。付属する「バヨネットフード HB-97」を使用して、レンズ先端部にニコン純正の112mmネジ込み式フィルターがつけられるのである。もちろんレンズマウント部にもシートタイプのゼラチンフィルターを挿入できるフィルター枠も装備されている。またよりコンパクトな「バヨネットフード HB-96」も付属している。こちらは常時装着できる一般的なレンズフードとなる。  Zの「F2.8」通しのズームレンズ同様に、「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」にも「情報パネル」が装備されている。これは絞り値、撮影距離と被写界深度などを鏡筒部のパネルに表示できるもので、EVFを覗くことなく設定した値を確認できる便利装備だ。またサイドにはカメラで設定したファンクションを割り当てられる「L-Fnボタン」も装備。撮影をスムーズに行えるようになっている。手に馴染むサイズ感だし、いろいろと使いやすい高性能なレンズになっていると感じた。

実写

 ここからは「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」の写りをご覧いただこう。使用したカメラは「Z 7II」(サンプル機)と「Z 6II」の2台である。  14-24mmという画角はとても重宝する。引きのない室内や広大な風景を撮る場合などだ。長野県・松本にある旧跡を「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」のワイド端で撮影したが、14mmらしいパースペクティブとフルサイズらしいボケ感が好ましい。夕暮れ時の微妙な色合いもうまく再現されている。
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■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/2.8 1/400秒 ISO100 焦点距離14mm
 松本城をフレーム下部に配置してやや露出アンダーのシルエット気味に表現した。それでもシャドウ部の瓦屋根や城壁、お濠で泳ぐ白鳥までカッチリとこのレンズは捉えてくれた。空のヌケ感もイメージどおりである。
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■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/11 1/30秒 ISO100 焦点距離14mm
 安曇野の清流を撮影。流れに身を任せる水草の浮遊感、手前から画面奥の木々の解像感がリアルでいい感じだ。木の葉までしっかりと解像しているところがこのレンズの威力であろう。
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■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/6.3 1/80秒 ISO100 焦点距離14mm
 森の中にあった狛犬(?)の眼にフォーカスし、絞り開放でググッと接近してシャッターを切った。超広角ズームレンズでもF2.8で接近すれば、このようにボケ味とワイド感の両方を演出することが可能だ。
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■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO100 焦点距離14mm
 山上湖の夕暮れ。湖面を渡る風が冷たい。日没直前の澄んだ空気の一瞬を捉えた。「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」のクリアかつクリーンなヌケ感が気持ちいい。水面に映った山の端もしっかりと解像している。空のグラデーションも美しいではないか。
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■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/11 1/160秒 ISO100 焦点距離14mm
 14-24mmというズームレンジは実に使い勝手がいい。とても広大な14mmから日常的なワイド感の24mmまで、広角レンズの醍醐味を余すところなく味わえるからだ。このカットはローカル線の旧駅舎を撮ったものだが、あまりパースをつけず24mmという画角で撮影した。強くデフォルメした写真から自然なワイド感まで自在に演出できるのが「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」である。
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■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/11 1/500秒 ISO100 焦点距離24mm
 F2.8通しながら軽量コンパクトになった「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」はいつでも持ち歩きたいレンズに仕上がっている。旅はもちろん登山やアウトドアスポーツにも連れて行きたいものだ。約650gという軽さと、埃や水滴の侵入を防ぐシーリングを各所に配した防塵・防滴性能は心強い。清流を渡る小橋から川面を撮影したが、そのきらめきと透明感をこのレンズはよく写しとってくれた。
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■撮影機材:ニコン Z 7II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/5.6 1/640秒 ISO100 焦点距離14mm
 ホリデーシーズンを控え、街ではイルミネーションの準備が始まっていた。薄暮に点灯し始めたLEDが踊り、やや寂しいライトアップの中撮影を試みた。画面中央部はもちろんとして、隅に近い部分でもLEDの形が崩れずにしっかりと写っている。さすが神レンズの系統である。F2.8という明るさもこのようなシチュエーションで威力を発揮する。
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■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/2.8 1/60秒 ISO100 焦点距離14mm
 夕闇迫る中、ダイナミックな空と雲を14mmというワイド端でうまく表現できた。濃厚で色のりのいい写りは美しい。「Z」シリーズボディにベストマッチするレンズサイズもフィールドでのフットワークを軽くしてくれる。「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は必携の1本と言えるだろう
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■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/11 1/2000秒 ISO800 焦点距離14mm
 休日、銀座の歩行者天国をワイド端で撮った。初冬の澄み始めた空気感をクリアに「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は捉えた。ハイライト部のヌケ感、空のグラデーション、建物の直線感など文句のつけようがない描写である。風景、スナップ、建築、天体など超広角ズームレンズが活躍するシーンは多い。写りが際立つこの銘レンズをぜひとも使ってみてほしいものだ。
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■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:f/8 1/4000秒 ISO800 焦点距離14mm

まとめ

 「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」は全Zユーザーが待ち焦がれた超広角ズームレンズだ。明るくて描写も最高だし、前玉にフィルターも装着でき、防塵防滴仕様で厳しい環境下でも真価を発揮できる。しかも軽く小さい。いつでも気軽に持ち出せるサイズ感なのだ。すなわち最高の描写をいつでも味わえることになるのである。この卓越した写りを多くのZユーザーに味わっていただきたいものだ。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんによるニコン NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sレビュー記事です。作例写真と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ニコン,レビュー,NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S,nikon ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー レンズ用マウントアダプター「LA-EA5」|あの名玉レンズがよみがえる BASENAME: 478701205.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 11/27/2020 16:00:00 TAGS: LA-EA5,ソニー(Sony) アクセサリー,レンズアクセサリー ----- BODY: 00_マウントアダプター「LA-EA5」装着画像.JPG

はじめに

 発表は突然やってきた。ボディやレンズならばいろいろなウワサが事前に錯綜するのだが、この製品の情報はウワサの影もありませんでした。Aマウントを所有している方にとっては、とても朗報だったのではないでしょうか。名玉と言われるAマウントの「Planar T* 85mm F1.4 ZA」が、このマウントアダプター「LA-EA5」を使えば、Eマウントボディの「α7R IV」および「α6600」で像面位相差AFが使用できるようになったんです。早速、Aマウントレンズをマウントアダプター「LA-EA5」使用して撮影をしてみました。

Aマウントレンズ用マウントアダプター「LA-EA5」の特徴と注意点

01_製品画像.jpg  マウントアダプター「LA-EA5」を使用するにあたっては、いくつか注意点があります。まずはレンズと使用できるボディの組み合わせ。SSM/SAMレンズで像面位相差AFに対応する機種は、「α7 III」「α7R III」「α7R IV」「α6100」「α6400」「α6600」「α9」「α9 II」「α7S III」「α7C」。多くのAマウントレンズが現行のαで対応可能になりますが、「Sonnar T* 135mm F1.8 ZA」や「Planar T* 85mm F1.4 ZA」などのレンズはレンズ内モーター非搭載モデルになる為、像面位相差AFに対応するのは「α7R IV」および「α6600」のみになっています。その他の機種でマウントアダプター「LA-EA5」を使って、レンズ内モーター非搭載モデルのレンズを使用する際には、オートフォーカスは作動せずマニュアルフォーカスになるので注意が必要です。  従来のマウントアダプターとの違いを整理すると下記の様になります。「LA-EA5」は小型化されてより使いやすくなったのが分かると思います。動画を撮影する際にはオートフォーカスが作動しませんので、動画撮影で使う際には注意が必要です。 表組.jpg

α7RⅣで、Planar T* 85mm F1.4 ZAを使ってみました

04_製品画像.jpg  α7RⅣボディに早速、マウントアダプター「LA-EA5」とAマウント「Planar T* 85mm F1.4 ZA」 を装着してみました。 05_製品画像.JPG  ワクワクしながら届いたマウントアダプター「LA-EA5」と「Planar T* 85mm F1.4 ZA」を装着しα7RⅣの電源をON。しかしオートフォーカスが動かない。レンズの故障かな?と一瞬慌てましたが・・・ 原因は、α7RⅣのファームウェアのバージョンアップ忘れでした。α7RⅣでマウントアダプターLA-EA5に対応するには、最新のファームウェア(バージョンVer. 1.20)が必須です。因みにSSM/SAMレンズに関しては、ファームウェアのバージョンアップしなくてもオートフォーカスも稼働するので、気が付かない場合もあるかも知れません。使用する場合は、ボディーのファームウェアのバージョンアップをお忘れなく。 ※ILCE-7RM4本体ソフトウェアアップデート (Windows) Ver. 1.20はこちら 06_キャプチャー.jpg  急いでα7RⅣのファームウェアのバージョンアップを実施し、再度マウントアダプター「LA-EA5」と「Planar T* 85mm F1.4 ZA」を装着し電源をON。無事にオートフォーカスも作動し一安心。早速我が家の猫を撮ってみました。  オートフォーカスのモードはコンティニュアンスモードで、フォーカスエリアはワイドにして動物瞳AFをオンにして撮影してみたところスムーズに猫の瞳にオートフォーカスでピントが合い、動く猫の瞳をしっかりと追い続けてく、あの「Planar T* 85mm F1.4 ZA」がEマウント同等に作動して撮影できる事に感動しました。実際のファインダー状況を動画で撮影してみたのでオートフォーカスの動きをみてみてください。
 しかし、気になる点も無い訳ではありません。レンズ内モーター非搭載のレンズなので常にピントを追い続けるコンティニュアンスモードでの撮影は、最新の駆動が静かなレンズになれているとオートフォーカス駆動の音がちょっとうるさく感じるかもしれません。
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■撮影機材:SONY α7RⅣ + Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)+ マウントアダプター「LA-EA5」
■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF1.4 ISO800 焦点距離 85mm
 ちょうど群馬県に撮影に出かけるタイミングにあったので、Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)+ マウントアダプター「LA-EA5」を持ち出して季節外れのひまわり畑で撮影をしてみました。※撮影日2020年11月18日  撮影場所は、群馬県富岡市の「丹生の丘ひまわり畑」。管理されている方にお話を伺ったところ、通常であれば夏の開花なのですが2020年は長梅雨などの雨の影響で枯れてしまい、再度、種を撒きなおした事により10月から11月中旬の開花になったとの事です。今年限定の秋のひまわりです。Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)の美しいボケとピントの合っているところのしシャープさは、流石名玉レンズと呼ばれる所以です。
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■撮影機材:SONY α7RⅣ + Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)+ マウントアダプター「LA-EA5」
■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.4 ISO100 焦点距離 85mm
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■撮影機材:SONY α7RⅣ + Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)+ マウントアダプター「LA-EA5」
■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF1.4 ISO800 焦点距離 85mm

α7RⅣで、Vario-Sonnar T* 24-70 mm F2.8 ZA SSM IIを使ってみました

10_製品画像.jpg  次にVario-Sonnar T* 24-70 mm F2.8 ZA SSM IIをマウントアダプター「LA-EA5」を介してSONY α7RⅣに装着してみました。こちらのレンズは超音波モーターSSM(Super Sonic Wave Motor)を使っているレンズなので、先にレビューしたPlanar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z)ほどの使用できるボディの制限は無く(α7Cでも問題なく作動)、オートフォーカス動作も静かでストレス無く使用できました。
 動きまわる猫にも動物瞳AFでピントも追従。
11_作例.jpg
■撮影機材:SONY α7RⅣ + Vario-Sonnar T* 24-70 mm F2.8 ZA SSM II+ マウントアダプター「LA-EA5」
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離 60mm
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■撮影機材:SONY α7RⅣ + Vario-Sonnar T* 24-70 mm F2.8 ZA SSM II+ マウントアダプター「LA-EA5」
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF2.8 ISO1600 焦点距離 45mm

α7RⅣで、ミノルタAF REFLEX 500mm F8を使ってみました

13_製品画像.jpg  マウントアダプター「LA-EA5」が発売されて、Planar T* 85mm F1.4 ZAとともにもっとも使いたかったレンズがミノルタAF REFLEX 500mm F8です。このミノルタAF REFLEX 500mm F8は、反射望遠レンズ(レフレックスレンズ・ミラーレンズ)で、オートフォーカスが使える反射望遠レンズは、ミノルタAF REFLEX 500mm F8とその後継のソニーAF REFLEX 500mm F8しかありません。ミノルタバージョンのAF REFLEX 500mm F8は2006年12月からソニーブランドに変更になりましたが、その後2010年には生産完了しており、現在では中古で入手するしか方法がないレンズです。 反射望遠レンズは通常の望遠レンズより小型、軽量で、さらに原理的に色収差が発生しないという特徴を持っています。そして点光源のボケが、円形ではなく独特なリング状になる現象が発生するのが大きな特徴です。しかし、このレンズ少し制限があります。オートフォーカスで作動するのですが、オートフォーカスのエリアは中央のフォーカスエリアに限られます。
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■撮影機材:SONY α7RⅣ + ミノルタAF REFLEX 500mm F8 + マウントアダプター「LA-EA5」
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF8 ISO400 焦点距離 500mm
 後ろの自転車に太陽光が反射し強い点光源が発生。こういったシーンでは、反射望遠レンズ特有のリングボケが発生します。このリングボケを嫌う人もいますが、このレンズにしか出せない味わいですので筆者にとってはお気に入りのレンズです。
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■撮影機材:SONY α7RⅣ + ミノルタAF REFLEX 500mm F8 + マウントアダプター「LA-EA5」
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF8 ISO400 焦点距離 500mm
 このリングボケを楽しむために、ちょっと動画を撮影してみました。マニュアルフォーカスで合えてピントを外して夕日が照らす水面を撮影しています。リングボケをとても分かりやすく表現することができていると思います。

まとめ

 マウントアダプター「LA-EA5」を使用し始めてまだそれほど日数は経過していませんが、すっかり欠かせないアイテムになりそうです。オートフォーカスも申し分なく動作するので、しばらくは手持ちのAマウントレンズを持ち出して撮影を楽しもうと思っています。 Aマウントレンズ資産をお持ちのユーザーにとっては、EマウントボディでAマウントレンズを有効に活用できるアイテムとしてとても重宝するのではないでしょうか。 またREFLEX 500mm F8などは現行品のレンズではないので、中古で購入して楽しむの面白いと思います。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員 ・日本風景写真家協会 会員 ・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事 ・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事 ・一般社団法人 日本写真講師協会 理事 ・ソニーαアカデミー講師 ・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがソニー レンズ用マウントアダプター「LA-EA5」を使った楽しみ方や制限事項などを説明しています。「LA-EA5」はAマウントのレンズを最新のEマウントカメラボディーへの装着を可能にするマウントアダプターです。 ----- KEYWORDS: レビュー,ソニー,LA-EA5 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: GoPro HERO9 Black レビュー|小さく軽く頑丈で、シャッターを押すだけで迫力の映像が撮れる! BASENAME: 478708507.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 11/28/2020 11:00:00 TAGS: HERO9 Black,GoPro(ゴープロ) ボディー,アクションカメラ,その他のカメラ ----- BODY: GoPro HERO9 Black製品画像.jpg

はじめに

 アクションカメラの代名詞「GoPro」。その最新バージョン「HERO9 Black」が登場した。近ごろ流行の「Vlog」(ブイログ)で役立つ前面カラー液晶を搭載して、5Kという高解像度での収録もでき、驚異的だった手ブレ補正機能も更に磨きをかけており話題沸騰となっている。この「HERO9 Black」は手のひらに収まる軽量コンパクトさなので、普通のデジタルカメラでの撮影のお供として連れて行くのが楽しい。ビデオ撮影機能を搭載したミラーレス一眼カメラも多いが、こちらの方が気軽に面白い映像が撮れるからだ。

手ブレとはおさらば。強化された手ブレ補正機能

 「GoPro」といえばアクションカメラの筆頭格だ。サーフィンやスノーボード、モトクロスやスカイダイビングなど、エクストリームスポーツをやる人が身体に装着して、ド派手なアクションを撮影するというイメージを持つ人が多いだろう。超広角レンズで自身と背景と写し込み、猛烈な動きでも安定した画面を撮影できるのがスゴいところだ。この最新型「GoPro HERO9 Black」は定評のある手ブレ補正機能をアップデート。「HyperSmooth 3.0」 (ハイパースムーズ 3.0) と銘打ち、他のカメラを寄せ付けない補正効果と安定性を手に入れた。実際に手に持って歩いてみるとその効果に驚くだろう。まるで電動ジンバルに載せて撮影しているかのようなスムーズ感を味わえるからだ。以前のモデルよりグッと安定感が増した印象である。さらに自動的に水平を保った映像を撮れる「カメラ内ホライゾンレベリング」も搭載。「リニア」の画角ならラフに撮影したムービーでもキチンと常に水平を維持したショットを手に入れられる。これは気に入った。

圧倒的な解像度

 ビデオ、スチルとも解像度がアップ。 23.6メガピクセルの新開発イメージセンサーを搭載し、ビデオではなんと5Kの超高精細な映像を記録可能だ。もちろん家庭にもグンと普及してきた4K解像度を最大60fpsで記録。スムーズなスロー映像をクリエイトして楽しむことも可能だ。  スチルの解像度もついに20メガピクセルに到達した。一般的なデジタルスチルカメラとして使用しても解像度的に遜色ないカットを楽しめるようになったのがうれしい。「SuperPhoto」 (スーパーフォト) モードならばHDR的な効果を持つクリアで鮮明なスチルが撮れる。最新型スマートフォンにも負けない失敗の少ない美しいカットをこの小さいカメラで撮れるのだ。 00_製品画像.jpg

フルモデルチェンジしたタフネスボディー

 少し前から「YouTube」などのビデオシェアサービスを使って、「Vlog」(ブイログ)を楽しむ人が激増している。自分が画面に登場して、日常生活をブログ的にビデオでシェアするものだ。ガジェットの紹介であったり、ペットとの生活を映像で綴るものなどジャンルは多岐に渡るが、ほとんどの場合「セルフィー」(自撮り)が主流だ。最新モデルの「HERO9 Black」にはその「Vlog」(ブイログ)にうれしい、前面カラー液晶が搭載された。スクエアタイプの1.4インチながら、これにより自分を写しながらの構図確認ができるようになったのだ。これはブイロガーに歓迎される大きなアップデートだろう。もちろん前のモデルのように撮影モードなどの情報表示や画面オフに切り替えることもできる。  「HERO9 Black」はボディサイズが一回り大きくなっている。背面のタッチパネル液晶は2.27インチに大型化され、同時に1720mAhのバッテリーも採用されている。これにより駆動時間が最大30%アップした。アクションシーンでのバッテリー交換が減らせるのはうれしい。単純に撮影時間も延びるのでいいショットが撮れるチャンスも拡がるはずだ。また取り外し式のレンズ「Max レンズモジュラー」にも対応。それでいてボディ単体での水深10mまでの防水性能も達成している。

充実の機能

 「HERO9 Black」は他にも多数の機能がバージョンアップしている。まずはエクストリームスポーツに欠かすことができないスローモーションだ。最大 240 フレーム/秒の撮影が可能になったのでクリアな映像でのスーパースローが楽しめる。 またタイムラプスの「TimeWarp 3.0」(タイムワープ 3.0) は、撮影中にジックリ見せたい部分をゆっくりと減速して撮影することができるようになった。コマ撮り中にジックリと見せたいシーンがある場合に、タップ一つで自動的に実時間での映像記録ができる。  「HindSight」(ハインドサイト)はシャッターボタンを押すタイミングが遅れた場合でも、最長30秒録画開始前の映像を撮影できる機能だ。ついウッカリしてもこの機能をアクティブにしておけば安心である。「LiveBurst」(ライブバースト)はスマートフォンでおなじみのショートムービー機能だ。シャッターを押した前後の1.5秒ずつを記録し、身近なビデオにしてくれるものだ。もちろんスチルとしてのシェアもできる。  他にはスケジュールキャプチャーがいい。これは例えば日の出のタイムラプスを撮影したい場合、早朝に早起きしなければならない。この機能でタイマーをセットすれば自動的に設定した時間に撮影してくれるのだ。これは楽チンである(笑)アイディア次第で様々なシーンで活用できそうだ。またデュレーションキャプチャーも役に立つ。撮影毎の録画時間を設定できるので、「Vlog」(ブイログ)用にこまめに撮影が必要な場合に重宝する。多くのショットを決められた長さで収録し、素材として活用しやすいからである。他にも専用アプリを使ってのFacebookでライブストリーミングが可能だし、ビデオ会議や「Zoom呑み」にも使えるので、1台持っていると何かと楽しめる小さな高性能ビデオカメラになっている。

実写

 「HERO9 Black」の「SuperPhoto」 (スーパーフォト)は手軽に印象的なスチルが撮れる。夕暮れ時の河川敷を撮ったものだが、クリアな空の感じや、地面に生える芝生の微妙なグラデーションまでしっかりと写し取れた。この小ささでスゴい! 01_作例.JPG  こちらは小田原の海岸での夕景だ。雲の立体感が素晴らしい。手前に拡がる砂利の高精細な写りにも驚きである。日没時の色再現もなかなかのものである。 02_作例.JPG  浅草・浅草寺の仲見世を「TimeWarp 3.0」(タイムワープ 3.0) で。最後の門のところでは「スピードランプ」を使って速度を実時間にしてみた。このように緩急をつけたタイムラプスビデオを簡単な設定と操作で撮影できるのがスゴいところだ。
 「HyperSmooth 3.0」 (ハイパースムーズ 3.0) は本当にスゴい。イージーに「HERO9 Black」を持って近所の竹林を歩き回ったがご覧のような安定したビデオがサクッと撮れるのだ。超広角レンズの効果もあって、迫力のあるウォークスルー映像に仕上がった。
 GoProはとても小さくて軽量だ。ポケットにポンと入るし、いつでも気軽にスマホのように持ち歩ける。クリスマスイルミネーションを歩きながら撮影したが安定したビデオ映像になった。水深10mまで潜れるタフネスさもあり、どんなシーンでも連れて行けて、驚きの映像を収めることができるだろう。ただシャッターを押すだけなので楽チンだ。
 世の中は「Vlog」(ブイログ)が大流行しているが、このように自分の写真撮影シーンを撮ってみるのも面白いだろう。これは「Nikon Z 7Ⅱ」インプレッション記事の撮影をしているシーンだ。スクエアタイプの1.4インチ前面カラー液晶や見やすい2.27インチ背面タッチパネル液晶は構図を決めやすい。
 「HERO9 Black」のビデオ映像の安定性は驚異的だ。イージーにパンニングしてもキレイなショットを得られた。それでいて高精細な絵とクリアな音声が録れるのだから。アクションカメラのイメージが強いが、このように日常的に使うのもオススメだ。スマホでは撮れない迫力のあるビデオが味わえる。
 「HERO9 Black」で撮影したショットを編集ソフトで繋いでみた。誰でもカンタンにシャッターを押すだけでステキな映像を撮れるので、ただ並べていくだけで印象的なムービーが出来上がる。アクセサリーも豊富なので、自分の撮影スタイルに合ったものを選んで、素晴らしいビデオライフをエンジョイして欲しい

まとめ

 小さくて軽く、頑丈でどこにでも持って行ける「HERO9 Black」。シャッターを押すだけで迫力のあるビデオが誰にでも撮影できるのがスゴい。ストリーミング配信やビデオ会議にも使えるので、1台持っていると役に立つカメラだ。スチル、ビデオともにちょっとしたアイディアで驚きの映像がモノにできるのでいろいろとトライしてみてはいかがだろうか。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。 ・GoPro HERO7 Blackのレビューはこちらからご覧頂けます。 ・GoPro HERO8 Blackのレビューはこちらからご覧頂けます。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがGoPro,HERO9 Blackのレビューしています。スチールと動画作例と共にHERO9 Blackの特長を紹介をしていますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,GoPro,HERO9 Black,ゴープロ,vlog ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: パナソニック LUMIX S 85mm F1.8|この価格でこの描写力!驚くほどコスパの良い中望遠単焦点レンズ BASENAME: 478767624.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 12/01/2020 16:00:00 TAGS: LUMIX S 85mm F1.8,パナソニック(Panasonic) レンズ,人物_子供,単焦点,ポートレート(人物) ----- BODY: パナソニック LUMIX S 85mm F18で撮影する女性.jpg

はじめに

 LUMIX Sシリーズ用の中望遠単焦点レンズ「LUMIX S 85mm F1.8」が、11月26日に発売されました。小型、軽量の本レンズは、85mmという画角とF1.8の明るさなので、ポートレートを撮る方が特に気になるレンズだと思います。ですので今回は、人物撮影に特化してレビューをお送りします。

空気感も描き出す高い描写性能

01_パナソニック LUMIX S 85mm F18の作例.jpg
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 WB4600K フォトスタイル 人物
■モデル:愛咲しおり
 筆者はポートレート撮影では、開放F値での描写性能をとても大切にしています。人物が浮き出るような、見ている人の目線を被写体の瞳に惹きつけるような立体感のある表現を、開放F値で隅々まで綺麗に描き出してくれるレンズであることは重要で、特にF1.8前後の開放F値のレンズでは、マストであって欲しい性能です。  この作例では、少ししっとりとした雰囲気を出したくて、筆者にしてはアンダー目に仕上げています。絞りはもちろん、開放のF1.8です。照明などは使用せず、窓からの自然光のみで撮影しています。パカッと明るくしすぎないことで、モデルの肌の質感や、優しい空気感を描くことができます。  レンズ構成は8群9枚で、EDレンズ2枚を使用しています。ピントが合っている箇所のくっきり感は素晴らしく、ボケている箇所の優しいなめらかな描写、立体感のあるディティール表現など、価格を考えるとびっくりするほど高性能なレンズに仕上がっています。また、色収差の補正能力も高く、寄りから引きの撮影まで、繊細な描写で仕上げてくれます。ポートレートではアップから全身まで、これ一本で問題なく撮影できるでしょう。

小型・軽量なF1.8単焦点シリーズ

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■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 WB4600K フォトスタイル 人物
■モデル:愛咲しおり
 本レンズはサイズや操作性を統一した、F1.8単焦点シリーズのレンズの第一弾になります。今後発売予定の24mm、35mm、50mmとサイズ(最大径Φ73.6mm、全長82.0mm)、フィルター径(Φ67mm)、フォーカスリングの位置、AF/MF切替スイッチの位置、前枠の外径が同じになる予定なので、NDフィルターなどを何枚も用意する必要がなくなります。また、動画撮影時、レンズ交換後のジンバルの調整も最低限で済むのは、とても助かります。  実際にカメラにつけて撮影してみると実感するのですが、85mmにしては小さくて軽い!筆者は人間サイズが小型なので、85mmレンズで撮影していると、とても大きなレンズを持っているように見えてしまうのですが、本レンズはそんなにオーバーに見えず、外での撮影も違和感なく行えました。LUMIX S5とのバランスも良く軽量なので、立ったりしゃがんだりと、フットワーク軽く撮影できたのも、メリットのひとつです。

くっきり感の強いレンズ

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■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 WB 5000K フォトスタイル 人物
■モデル:愛咲しおり
 絞り羽根枚数は9枚で、円形虹彩絞りを採用しているので、光のボケもなめらかで綺麗に描写します。フレアーやゴーストも抑えられていて、余計なことを考えずに撮影に没頭できるレンズに仕上がっています。  本レンズの第一印象は、線の一本一本までしっかりと丁寧に描くレンズだと感じました。髪の毛やまつげの描写が綺麗なので、顔だけではなく、モデルの色々な「線」に注目して撮影すると、さらに楽しいと思います。そのように、ピントを合わせた範囲はくっきり感が強いので、ポートレートでは開放、もしくはF2.8程度までの絞りが使いやすいでしょう。逆に、背景までしっかりと描き出したいときは、絞ることで詳細な描写の、スナップ的なポートレートを撮ることもできます。  ポートレート撮影だと、目線ありなしに関わらず、モデルの正面のカットが多くなりがちですが、横顔や斜めの顔も意識して撮るようにしてみましょう。正面からは気が付かなかった、新たなモデルの魅力を感じられるかも知れません。  緩やかにカールしたまつげのラインをくっきりと、唇の膨らみを艷やかに表現するためには、光の状態を見て撮影位置を決めます。85mmの画角なら、大きな声を出さなくてもモデルとコミュニケーションが取れる距離から撮影できると思いますので、光とモデルの位置を見ながら、ポージングの微調整を行いましょう。また、自分が低くなったり左右にずれてみたりと細かく動いてみると、綺麗な背景が見つかります。

モデルの瞳を印象的に描いてくれる0.8mの最短撮影距離

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■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 WB 5000K フォトスタイル 人物
■モデル:愛咲しおり
 最短撮影距離は0.8mなので、かなりアップまで近寄ることができます。とはいっても、85mmの画角なので、通常の撮影ならモデルが圧迫感を感じるほど近づかなくても、モデルの瞳を印象的に捉えたポートレート撮影ができるでしょう。  作例のカットは外で撮影しています。かなり天気のいい日だったので、日陰に入り、左頬を透明のガラスに近づけてもらって、反射を利用して明るさを作っています。レフ板は使用していませんが、モデルの白い衣装が、下からのレフ板効果となっています。  ポートレート撮影でモデルに衣装をリクエストできる場合、迷ったら白い衣装をお願いしてみましょう。露出が測りやすかったり、腕を伸ばしてもらって自身の服でレフ効果を作ってもらえたりするので便利ですよ。

ストレートな描写で使いやすい、コストパフォーマンスの高いレンズ!

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■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/160秒 ISO400 WB4600K フォトスタイル 人物
■モデル:愛咲しおり
 普段、50mmを好んで使用する筆者ですが、本レンズはクセが強くないので、とてもすんなりと撮影に馴染めました。人間を相手に撮影するポートレートでは、機材に振り回されている余裕はないので、自分の好みの画角のレンズを使用しやすいのですが、本レンズはストレートな描写のお陰で、様々な撮影シーンでも戸惑うことなく使用できました。  今回はそれほど過酷な撮影シーンはありませんでしたが、本レンズは防塵・防滴仕様(LUMIXの防塵・防滴対応カメラボディ装着時)で、マイナス10℃の耐低温設計なので、波打ち際での爽やかなポートレート撮影や、雪山での幻想的なポートレート撮影なども楽しめます。ポートレートを撮影しなくても、望遠画角がお好きな方は、一度使用するとバランスの良い性能にハマっちゃうと思います!    AFはもちろん素早く、そして静かに合うので、静止画はもちろん、動画撮影でも活躍するレンズになりそうです。LUMIX Sシリーズをお持ちの方、もしくはこれから手に入れようと思っている方は、ぜひ一緒に使って欲しい、コスパのいいレンズです。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。 ■モデル:愛咲しおり ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんがパナソニック LUMIX S 85mm F1.8のレビューを行っています。85mmという画角とF1.8の明るさは、ポートレートを撮る方が気になるレンズだと思いますので、今回は、人物撮影に特化してレンズ紹介をしています。 ----- KEYWORDS: レビュー,パナソニック,LUMIX S 85mm F1.8 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: スイセン・わたげの撮り方|北村佑介 BASENAME: 478794028.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北村佑介 DATE: 12/02/2020 16:00:00 TAGS: 花 ----- BODY: 01_スイセンの作例.jpg

はじめに

 こんにちは!北村佑介です!今回は、スイセンとタンポポのわたげの撮り方を紹介させていただきます。スイセンの本格的な季節はまだ先ですが、筆者は12月末から1月にかけて撮影することが多いので、今回記事にさせていただきました。つい先日も、道端で咲き誇るスイセンを見かけました。スイセンを見ると、年の瀬が迫っていることを感じます。やり残したことがまだたくさんあるような…来年頑張ります。わたげは、春の終わりに見かけるイメージがありますが、意外とどの季節にも見かけることができます。なので、筆者は花の少ない冬に撮ることも多いです。ちなみに筆者がわたげを題材にする時は、ネタに困っていることが多いです。

咲き始めのスイセン

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■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/640秒
 公園で、まだ咲き始めのスイセンを見つけました。筆者は、咲き始めの花を撮ることが多いのですが、スイセンは特に咲き始めがおすすめです。その理由は、スイセンは数輪密集して花を咲かせるので、満開付近になると1~2輪だけ撮ることが難しいからです。1~2輪だけ撮ると花の形の可愛らしさがよく伝わります。どの花を主役にして撮ったのかも伝わりやすいです。また、白い花なので枯れてしまった部分や傷んでしまった部分も目立ちやすいですが、咲き始めだとそういった花も少ないです。  写真をご覧いただいてわかる通り、スイセンは本当に可愛らしい形をした花です。この可愛さは正面を捉えないとなかなか伝わらないため、横や後ろから撮るよりも正面から撮りましょう。正面を捉えないと形の良さが伝わらない花、横や後ろから撮っても形の良さが伝わる花。それぞれを撮影時に意識することがとても大切です。

名所で捉えたスイセン

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■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/1250秒
 スイセンの名所で撮影した一枚です。満開のスイセンの中で、一輪お気に入りの花を見つけました。1月上旬の昼間、とても強い光を背に受けているので、とにかく花を白飛びさせないことを最優先に考えました。逆光で花を透過させて撮ると花びらの美しさが増しますが、色の薄い花、特にこのような白い花は白飛びさせてしまうことも少なくないと思います。このように明暗差があるシチュエーションでは尚更です。白飛びに関しての考え方は人それぞれだと思いますが、筆者は主役の花は可能な限り白飛びしている部分がない方が良いと考えています。このようなシチュエーションに出会った時は、主役の花を白飛びさせないことを第一に考えましょう。

大雪が降った日のスイセン

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■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:マニュアル・135mm・F2.0・ISO500・1/1250秒
 数年前に東京で大雪が降った時の一枚です。今まで雪の日に花を撮影する機会はそう多くはなかったため、その分行く場所や撮る花、撮りたいシーンのイメージは前もって考えていました。そのおかげで、ほぼイメージしていた通りに撮ることができました。この時、「イメージしておく」ということがとても大切だと改めて感じました。普段、ほとんどの写真を絞り優先で撮っていますが、この時は降りしきる雪の写り具合を考えてシャッタースピードを自分で決めました。F値はいつも通り開放にしたかったので、マニュアルモードを使いました。どんよりして薄暗いシーンだったので、ISOは500まで上げて、降りしきる雪を止めて写すことができるシャッタースピード1/1250を確保しました。雨や雪を止めて写す時のシャッタースピードは、シチュエーションやイメージによって異なりますので注意しましょう。  筆者は薄着が好きなので氷点下近かったこの日も、まるで秋晴れの日のバーベキューに行く ような格好で撮影しました。結果、帰宅後数日間高熱でうなされることとなりましたが、それも含めて思い出に残る一枚となりました。皆さんは、寒い日は暖かくしてお出かけください。

夕方公園で見かけたスイセン

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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/3000秒
 12月下旬、16:00頃に近所の公園で撮りました。この日はとても綺麗な夕日が降り注いでいたのを今でも覚えています。ホワイトバランスをカスタムで下げ、夕暮れのオレンジのイメージを残しつつ花の白さを表現できる値に設定しました。晴れた日の夕暮れ時は、ホワイトバランスを太陽光や曇りに設定すると必要以上にオレンジに寄ってしまうことがあるので注意しましょう。晴れた日の朝や夕方など、光の色の変化が目まぐるしい時は適切なホワイトバランスに変更するのは簡単ではありません。二度と訪れないシャッターチャンスをものにするため、日頃から練習しておくことをおすすめします。
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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 24mm F1.4 DG HSM
■撮影環境:絞り優先・24mm・F1.4・ISO640・1/90秒
 いつもよりも広角のレンズで撮りました。右から左にかけてのフレーム状に配置した葉っぱがお気に入りです。望遠レンズだとボケてしまってここまで葉っぱの質感は残せなかったかもしれません。少し上から撮り、こじんまり感をイメージしました。イメージを優先したので、花の形を捉えるということを少し犠牲にしています。花と地面の距離が近いので後ろボケも綺麗になりづらいシチュエーションでしたが、開放F値が1.4であったため、綺麗にボケてくれました。

逆光で捉えたわたげ

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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.5・ISO100・1/1000秒
 ここからはわたげの撮り方を書いていきます。真冬の陽が落ちる直前に逆光で撮りました。夕陽に照らされてキラキラと光る水滴を上手く一緒に収めることができました。わたげは球体なので、開放で撮ると1点にしかピントが合いません。それでも良いのですが、わたげのピントが合っている範囲をもう少し増やしたかったので少し絞りました。斜面に咲いていたので、前ボケと後ろボケを両立させることがとても難しかったです。この写真の醍醐味である水滴を綺麗に見せることを一番に考えると、後ろボケに気を遣わなくてはなりません。わたげと背景がなるべく離れているラインを狙い、その中でもコントラストがないなだらかな部分を選びました。後ろボケを優先したので、その分前ボケはあまりありません。

モノクロのわたげ

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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.5・ISO100・1/1000秒
 先程の写真をモノクロで仕上げてみました。花は色が大切なので、筆者はほとんどモノクロにすることはありません。この写真はわたげと水滴以外を黒く締めたら、見せたいものだけが浮かんで綺麗かもしれないと思いやってみました。色という情報を消して何かを見せたい時や、光と影のコントラストが特に綺麗な時などはモノクロにしてみるのもいいかもしれません。
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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 B01E
■撮影環境:マニュアル・180mm・F8.0・ISO2000・1/1000秒
 180mmのマクロレンズを用いてモノクロで撮ってみました。光で照らされたわたげがとても綺麗だったので、そこだけに目がいくようにモノクロで仕上げました。決して色の調整が面倒だったわけではありません。なるべくピントが合っている範囲が多くなるようにF8.0まで絞りました。マクロレンズで寄って撮るとき、開放で撮るとピントが合っている範囲が狭すぎて何を見せたいのかわからない写真になってしまうこともあります。花の写真は開放で撮るイメージがある方が多いかもしれませんが、マクロレンズを使う時は絞った方が良いシーンもあることを覚えておきましょう。わたげはほんの少しの風でも大きく揺れるので、少なくとも1/1000秒は確保することをおすすめします。

さいごに

 今回もお付き合いくださりありがとうございました!何か一つでもお役に立てる内容があったらと思っています。また次回を楽しみにしていただけたなら嬉しいです。 ■写真家:北村佑介 出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の北村佑介さんにスイセン・わたげの撮り方を紹介頂きました。作例と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,花,キヤノン,シグマ,ソニー,スイセン,わたげ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 片岡さんテスト BASENAME: 478819657.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 片岡三果 DATE: 12/03/2020 20:46:56 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ライカ M10-Rレビュー|コムロミホ BASENAME: 478831121.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: コムロミホ DATE: 12/04/2020 16:00:00 TAGS: M10-R,ライカ(Leica) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: 00_ライカ M10-R製品画像.jpg

はじめに

 長い歴史の中でカメラのデザインや撮影スタイルを引き継ぎながら作られてきたM型ライカ。そして、2020年7月また新たにM10-Rというカメラが登場した。M10をベースにM10-P、M10-D、M10モノクロームときて、今回、高画素タイプのカメラが加わることになった。

高画素機としての表現力

01_ライカM10-R作例.jpg
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/3000秒 ISO100 焦点距離50mm
 M10-RのRはResolutionの略で、高画素機であることを意味している。M10は2400万画素なのに対して、M10-Rは約4000万画素の画像素子を搭載している。それにより、少し離れたところにある東京タワーのディテールも細かく解像し、建物や手前の木の質感もリアルに表現してくれている。特に驚いたのは写真を拡大してみてみると、東京タワーの右奥に小さくヘリコプターが飛んでいるのを確認できたことだ。肉眼では感じることができないところまで写っているのが高画素機の面白さの一つかもしれない。
02_作例.jpg
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/180秒 ISO100 焦点距離50mm
 上の写真はカメラの設定をあれこれ触らずに、デフォルトの設定で撮影を行った。見たままの色を生かしながらも深みのある色表現で、しっとりとした曇りの日の雰囲気を出すことができた。撮って出しのjpegデータでも十分に作品として使用できるレベルだ。この表現力が作品を撮る意欲を十分に掻き立ててくれる。

アポ・ズミクロンとの相性

00_ライカ M10-R製品画像.jpg  今回はM10-Rの実力を生かせるようにレンズはアポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.を使用した。アポ・ズミクロンはアポクロマートレンズを使用し、現代のデジタルカメラの性能を最大限に引き出すために設計されたレンズで、絞り開放から極めてシャープな描写を楽しめる。それでいて、滑らかで美しいボケを両立しているのが特徴だ。絞り開放のF2で撮影すると、それらを両立できるため、個人的には絞り開放で使うべきレンズだと思っている。
03_作例.JPG
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/4000秒 ISO100 焦点距離50mm
 それにしてもM10-Rとアポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.との相性は最強だ。M10でアポ・ズミクロンを使用していた時も十分にその解像感を堪能できていたが、M10-Rと組み合わせると、さらにピント面がシャープになり、滑らかなボケを生かしながら撮影すると、今まで以上の立体感を写真に与えることができる。
04_作例.JPG
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO100 焦点距離50mm
 ピントを合わせた被写体が浮き立つように際立ち、何気ない1コマもドラマチックなワンシーンへと写し撮ってくれる。ライカに出会ってから今まで、このライカマジックに魅了されてきた。ライカは作品を撮る上でなくてはならない存在だが、M10-Rを使用すると更なる表現力を手に入れることができそうだ。
05_作例.JPG
■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックス M f1.4/35mm ASPH.
■撮影環境:f/1.4 1/2000秒 ISO100 焦点距離35mm
 今回は解像感を活かすためにアポ・ズミク ロンを使用したが、ズミルックス M f1.4/35mm ASPH.のように描写が柔なかなレンズと合わせてもおもしろい。さらに柔らかな描写を楽しみたければ、オールドレンズなどのチョイスも面白いだろう。
06_作例.JPG
■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックス M f1.4/35mm ASPH.
■撮影環境:f/1.4 1/4000秒 ISO100 焦点距離35mm
 純正に限らず、M型ライカに使用できるレンズは数えきれないほどたくさんあり、レンズ次第ではシャープにも、柔らかくも表現を楽しめる。画像処理でシャープネスを上げたり、やわらかくしたりすると不自然になってしまうが、レンズ本来の味を生かしながら表現方法に結びつけられる。レンズの性能を最大限に引き出してくれるM10-Rを使用すれば、表現の幅がさらに広がりそうだ。

望遠、マクロ効果を得るためのトリミング

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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO100 焦点距離50mm
 高画素機を使用するメリットはトリミング用途でも使用できる点だ。私はスナップにおいてトリミングをすることはないが、望遠効果を得たいときやマクロ的に被写体を切り取りたいときに行うことがある。
08_作例.jpg
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO200 焦点距離50mm
 たとえば、私が愛用しているアポ・ズミクロンの最短撮影距離は70cmのため、小さな被写体を画面いっぱいに切り取りたいと思っても叶わない。そういうときは接写リングを使用する方法もあるが、大概は撮影した後からトリミングしてマクロ効果を得ることが多いだろう。M10-Rであれば、1/4の大きさにトリミングしても約1000万画素確保でき、それはA3サイズにプリントする場合でも十分な画素数になる。
09_作例.jpg
上の画像をトリミングした作例
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO200 焦点距離50mm

M型ライカを使用する理由

 そして、M型ライカの良いところはカメラの操作がとてもシンプルな点だ。私が愛用しているM10とはほとんど外観も操作感も違いがないので、手にした瞬間から違和感なく、撮影を開始できる。違うところといえば、軍艦部分の「LEICA M10」が「LEICA M10-R」と刻印された文字が変わっているところくらいだろう。
10_作例.JPG
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO200 焦点距離50mm
 その場の露出を気にしながら、レンジファインダーから被写体を見て、ピントを合わせてシャッターを切る。ずっと変わらない撮影スタイルのおかげで新しいカメラでもしっくりと手に馴染み、ずっと使ってきたカメラのように使用することができる。

期待以上の高感度性能

11_作例.JPG
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/180秒 ISO1600 焦点距離50mm
 高画素機は実はメリットばかりではない。画素数が多くなることで、受光素子の面積が小さくなり、ダイナミックレンジが失われたり、高感度性能が悪くなる傾向がある。しかし、M10-Rはその2つを克服し、むしろM10よりも性能が高いというから驚きだ。
12_作例.jpg
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/3.4 1/4000秒 ISO100 焦点距離50mm
 まず、ダイナミックレンジに関してだが、明るい部分から暗い部分まで階調豊かに表現しており、特に暗部の粘りがあるように感じる。M10よりも性能が高いとされているが、個人的にあまり違いがなく、同じ感覚で撮影できるといった印象を受ける。
13_作例_ISO1600.JPG
ISO1600の作例
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/160秒 ISO1600 焦点距離50mm
14_作例_ISO3200.JPG
ISO3200の作例
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/125秒 ISO3200 焦点距離50mm
15_作例_ISO6400.JPG
ISO6400の作例
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO6400 焦点距離50mm
 次に高感度性能だ。ISO1600からISO50000まで設定を変えながら撮影を行った。ISO3200までは拡大すればノイズを確認できるが、そのまま見る分にはノイズがまったく気にらない。ISO6400からノイズが目立ち始めるが、許容範囲だろう。
16_作例_ISO12500.JPG
ISO12500の作例
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/500秒 ISO12500 焦点距離50mm
 ISO12500はノイズを確認できるが、ノイズの粒が小さいため、フィルムの粒状感に近いのではないかと思う。これはこれで表現として使ったらおもしろいと感じた。ノイズを除去しすぎて、ディテールが壊れることもなく、ISO12500と思えないほど解像感も高い。
17_作例ISO25000_50000.jpg
左:ISO25000の作例
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO25000 焦点距離50mm

右:ISO50000の作例
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/2000秒 ISO50000 焦点距離50mm
 さすが、ISO25000とISO50000はノイズで画質が荒れてしまう印象がある。ノイズを目立たせたくないのであれば、ISO3200までが使いやすい印象。しかし、個人的にはシーンや被写体によってはISO12500までありなのではないかと思う。ぜひ作風に合わせて、自分の許容範囲を見つけてもらいたい。正直、高画素機ということもあって高感度性能はあまり期待していなかったが、ここまで頑張ってくれているのは嬉しい。ライカM9から使用しているため、その名残であまり高感度で撮影することはなかったが、あえて高感度で撮影するのも楽しそうだと感じた。

高画素機の注意点

18_作例.JPG
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO1600 焦点距離50mm
 高画素なカメラは少しのブレでも写真に影響が出てしまうため、手ブレには気をつけたい。手ブレぎりぎりのシャッター速度で撮影するならば、ISO感度を上げて、シャッター速度を稼ぎながら撮影するようにしてもらいたい。この写真はISO1600で撮影しており、ノイズもなく、夜の横丁の雰囲気を引き出すことができている。そして、M10と比べてシャッター音が静かでシャッターによる衝撃によるブレも最大限に抑えられるようになっている。
19_作例.JPG
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2.4 1/90秒 ISO100 焦点距離50mm
 そして、高画素機は細部の表現力が高い分、ピントのずれが目立ちやすくなってしまう。写真のように被写界深度が浅いシーンや厳密なピント合わせが必要な場合はライブビューを使用し、ピント位置の拡大画面を確認しながら、ピント合わせすると便利だ。
20_作例.jpg
■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.
■撮影環境:f/2 1/90秒 ISO200 焦点距離50mm

まとめ

 今回、M10-Rでスナップしてみたが、一度この表現力を知ってしまうと、M10に戻れなくなる怖さがある。高い解像感を実現するだけでなく、高画素機とは思えないほどのダイナミックレンジと高感度性能を持ち合わせ、それでいて往年の撮影スタイルを貫いたM10-R。 ライカには様々なカメラがあるが、これからライカを使い始める方におすすめしたいのは、やはりM型ライカだ。前述したようにM10、M10-P、M10-D、M10モノクローム、そして、M10-RとM型だけでもさまざまなラインナップがある。撮る被写体や撮影スタイルに合わせて選択できるので、自分にぴったりなライカを選んでもらいたい。ちなみに私はシャッター音やシャッターフィーリングが好きで、M10を発売の2017年から愛用している。ぜひこのライカマジックを体感していただき、ライカのおもしろさにどっぷりとハマっていただきたい。 ■写真家:コムロミホ 福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。ニコン、パナソニック、オリンパスのカタログ撮影も担当する。ルミックスフォトスクール講師、オリンパスデジタルカレッジ講師、エプソンセミナー講師、ライカやリコーペンタックス、をはじめ多くのメーカーで講師を務める。

新宿 北村写真機店のご紹介

 この記事でご紹介したカメラ機材は新宿 北村写真機店でお取扱いしています。当店ではHASSEL BLAD、Leica製品を国内最大級の品揃えをしていますので、新宿にお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。 shasha新宿北村写真機店バナー画像.jpg 〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目26-14 電話番号03-5361-8300 【HP】https://www.kitamuracamera.jp/ 【facebook】https://www.facebook.com/kitamura.camera.tokyo/ 【instagram】@kitamura_camera_tokyo ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のコムロミホさんがライカ M10-Rのレビューを行っています。M型ライカの中で高画素機となるM10-Rの魅力を作例と合わせて紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,ライカ,M10-R ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 富士フイルム X-S10レビュー|小さなボディーにフジ製品のいいところがギュッと詰まった頼れる相棒 BASENAME: 478921868.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 片岡三果 DATE: 12/09/2020 16:00:00 TAGS: X-S10,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,APS-C ----- BODY: 01_富士フイルム X-S10で撮影した自撮り写真.JPG

はじめに

 2020年11月19日に富士フイルムから発売されたX-S10。発売前から非常に話題になっていたこちらの新製品を試用させていただき、歴代の富士フイルム製品を使ってきた上で感じたことなどを書かせていただきます。

Xシリーズの「S」ラインとは

 今回のX-S10はメインのTラインとは異なる新たなライン。 このSには ・Small&Slim‥小型軽量 ・Secure‥握りやすいグリップ ・Stabilization‥手ぶれ補正 ・Simple‥シンプルな操作性 という意味が込められています。以前X-S1というレンズ一体型カメラも出ていますが、今回はレンズ交換式になっていて多彩な富士フイルムのレンズたちから撮影シーンに合わせてチョイスすることができます。  簡単に一言でこのX-S10を表現するのなら、「フジ製品のいいところをギュッとコンパクトにした凄いカメラ」という感じでしょうか。今まで使ってきた同社のカメラの中でも、凄いカメラが登場したと実感しています。

小さく軽いボディで世界がぐっと広がる

 小型軽量なボディは、撮影のフットワークを軽くするのであれば必要不可欠でぜひ備わっていて欲しいところ。わたしも愛用しているX-T4は重さが607g※で今回のX-S10は重さが465g※です。その差は単一電池約1個分の重さ。キットレンズでもあるXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZレンズと組み合わせてX-T4のボディよりも若干軽いという組み合わせ。 ※バッテリー、 SDメモリーカードを含んだ質量です。  わたしの撮影のメインはスナップ写真ですが、スナップ撮影において大事なのはフットワークの軽さだとも思っています。持ち物は軽い方がいい。それでいてしっかり撮りたいものを撮ることができる!というのが理想です。ボディが軽い分、もう一本レンズ持っていこう!となったり、身軽な分さらに足を伸ばして素敵な瞬間を探しにいく・・などなど撮影の幅が広がりそうですね!大きさも女性のわたしが構えても大きすぎず丁度よいサイズ感です。

グリップの深さは安心の深さ

 わたしが最初に実感した進化ポイントはグリップです。とっても握りやすいグリップは少し手が大きい方でもカメラをしっかりとホールドすることができると思います。X-T3からX-T4はグリップが今までに比べて若干深くなりましたが、X-S10は今まで横向きに入れていたバッテリーをグリップ部分に縦に入れる形状に変更することで、とても深いグリップを作りだしています。  撮影をするときに右手で深く握ることができると安心感につながります。軽い上に深いグリップがあれば片手でも素早くイメージした通りの撮影を行うことができます。過去のTシリーズでは外付けのグリップやサムレストを使っていましたがX-S10にはこれらのものは不要だと思います。

このサイズ感で優秀な手ぶれ補正を搭載!

 驚きなのはこの小型軽量ボディーに最高5軸6段の高性能な防振ユニットが搭載され、高性能ジャイロセンサーとの組み合わせで静止画と動画どちらでもブレの少ない映像を得ることができます。動画撮影時はこの光学式手ブレ補正に加えて電子式手ブレ補正を使い、更にブレを抑えることが出来ます。  富士フイルムのX-H1、そしてX-T4にボディ内防振ユニットが搭載されていますが、防振ユニットを導入すると通常は本体が大きくなったり重たくなったりします。この大きさ、この重さで防振ユニットが備わっていることは本当に優秀なカメラだといえます。(X-T4に比べて重さと体積は30%少なくなっています。)  バッテリーはX-T4からの新しい規格のバッテリーではなく、X-T3までと同じ規格のものなので、電池の持ちという意味では予備バッテリーがあった方が安心です。それでもこの大きさで防振ユニット内蔵という強みには変えられないものがあります。

はじめての方でも感覚的な操作が可能

 このX-S10ですが、これからカメラを始めたいという初心者の方から、今まで富士フイルム製品に興味があったけれど、なかなか使う機会のなかった他メーカーのカメラユーザー、既に富士フイルムカメラを使っている方など、全ての方に扱いやすい操作性になっているのも特徴の一つです。  カメラの操作が複雑だとせっかく買っても使いこなせなくて部屋の飾りになってしまっている…という方もいらっしゃいますよね。シンプル、かつ感覚的に操作ができると「使いながらカメラに慣れていく」ということが容易になります。カメラは毎日のように持ち歩いてこそ、日常にあふれる決定的瞬間を逃すことなく写真に収めることができます。無理なく持ち歩けて、操作が複雑ではなく、撮りたい時にすぐ撮れる!これはとても大事なことだと感じています。

フィルムシミュレーション、全部揃っています!

 富士フイルムのカメラの人気の要素のひとつにフィルムシミュレーションがあります。フィルムを作り続けてきたからこそできる色の表現。歴代のフィルムの色味をデジタルカメラで堪能することができたり、新たに登場するフィルムシミュレーションの色味を体感することができます。  マジックアワーの絶妙な空のグラデーションも繊細に表現することができます。
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Velvia/ビビッドの作例
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/55 フィルムシミュレーション Velvia/ビビッド
 例えばモノクローム。モノクロームのフィルムシミュレーションは通常のモノクロ、そしてさらに質感が豊かなACROSがあり、それぞれスタンダード、イエロー、レッド、グリーンのフィルターから選ぶことができます。
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ACROS イエローの作例
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
■撮影環境:ISO1600 F4.4 SS 1/105/ フィルムシミュレーション ACROS+Yeフィルター
 現在のフィルムシミュレーションは全部で18種類。エントリーモデルには新しいフィルムシミュレーションが導入されていないこともあったりしますが、X-S10にはハイエンドモデルのカメラで公開されているフィルムシミュレーション全てを使うことができます。  注目のフィルムシミュレーションはクラシックネガとETERNAブリーチバイパス。今までのフィルムシミュレーションに比べて渋い色味で深みがあり、かっこいい雰囲気の写真に仕上げることができます。彩度が抑えられ、フィルム時代から写真愛好家に好まれた手法の銀残しを表現することができます。
04_作例.jpg
ETERNAブリーチバイパスの作例
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/25 フィルムシミュレーション ETERNA ブリーチバイパス
 歴代のフィルムシミュレーションと合わせて表現の幅がさらに広がり、シーンに合わせての絵作りがより一層楽しくなります。わたしは最近もっぱら「クラシックネガ」がお気に入りで、スナップ撮影時に大活用しています。高いコントラストで深みのある写真に仕上がります。
03_作例.JPG
クラシックネガで薔薇の作例
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/680 フィルムシミュレーション クラシックネガ

アドバンストフィルターの紹介

 フィルムシミュレーションとは別に、トイカメラ、ハイキー、ダイナミックトーンなど13ものフィルターを使っての撮影が可能です。フィルターで編集した作例を動画にまとめましたので是非ご覧ください。

Qボタンを使いこなして、より自分の表現したい作品を撮ろう

 さらに富士フイルムのカメラはQボタンという項目で静止画、動画それぞれに「シャドウ」「ハイライト」「カラー」「シャープ」なども簡単に調節することができます。Qボタン選択時の画面表示数は4、8、12、16表示からカスタムすることができます。わたしのおすすめは16表示。上に挙げた項目以外に「セルフタイマー」、「顔検出/瞳AF設定」、「画像サイズ」、「画質モード」などを設定しています。X-S10は物理ファンクションボタンがX-T4などと比べて少ないので色々な設定をQボタンの中で完結できるように設定すると、より使いやすいと思います。

カメラ内RAW現像で撮った後にも変化を楽しむ

 RAWという写真の生のデータでも撮影しておくと「カメラ内RAW現像」をすることができ、撮った後でカメラにSDカードが入った状態で「フィルムシミュレーション」や「シャドウ」「ホワイトバランス」「増感/減感」などなど他項目を変更してjpeg写真に新たに残すことができます。 カメラ内RAW現像でフィルムシミュレーションだけを変えると…
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クラシックネガの作例
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO200 F2.0 SS 1/45 フィルムシミュレーション クラシックネガ
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アスティアの作例
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO200 F2.0/ SS 1/45 フィルムシミュレーション ASTIA/ソフト
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ETERNAの作例
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO200 F2.0 SS 1/45 フィルムシミュレーション ETERNA
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プロネガの作例
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO200/ F2.0 SS 1/45 フィルムシミュレーション PRO Neg.Std
 少し写真を明るくしたいな…という時や、違うフィルムシミュレーションだとどう表現できたんだろう?という時にパソコンを使わずともカメラ内で完結することができます。パソコンを持っていない、あまり現像ソフトを使わないユーザーにも優しい機能ですね。  グレインエフェクトを使うと、フィルム写真のような粒子感を出すことができます。(強弱や粒度を選べます)
09_クラシックネガ作例.JPG
カメラ内RAW現像前作例(クラシックネガ)
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO800  F1.4  SS 1/25 フィルムシミュレーション クラシックネガ
10_グレインエフェクト作例.JPG
RAW現像後作例(グレインエフェクト強)
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/25 フィルムシミュレーション クラシックネガ グレインエフェクト 強 粒度 大 カラークロームブルー 強 シャープネス:+1
11_ETERNAブリーチバイパス強の作例.JPG
カメラ内RAW現像後作例(グレインエフェクト 強)
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO800/ F1.4/ SS1/25/フィルムシミュレーション:ETERNA ブリーチバイパス グレインエフェクト 強 粒度 大 カラークロームブルー 強 トーンカーブ シャドウ+0.5 シャープネス +1
 カラークロームエフェクト機能もついているので、彩度が高い被写体に色と階調に深みを出すことができます。
12_カラークロームオフ作例.JPG
カラークロームオフの作例
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO320 F1.4/ SS 1/50 フィルムシミュレーション Velvia ビビッド カラークロームオフ
13_カラークローム強の作例.JPG
カラークロームオン作例(カラークロームエフェクト強)
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO320 F1.4/ SS 1/50 フィルムシミュレーション Velvia/ビビッド カラークロームエフェクト強

センサーはハイエンドのX-T4と同じ!

 搭載されているセンサーはX-Trans CMOS 4、画像処理エンジンはX-Processor 4。これらはハイエンドモデルのX-T4と同じ。さらに最速0.02秒の高速AFが逃したくないシャッターチャンスをしっかりと捉えてくれます。
14_撮影している片岡三果さん.JPG
カメラを構えているところ
■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R
■撮影環境:ISO800 F1.4 SS 1/40 フィルムシミュレーション クラシックネガ

動画機能のご紹介(VLOGを公開)

 6K相当のデータ量から4K映像を生成し、ノイズが少ない高解像の映像を残すことができます。また、DCIフォーマット(17:9)での撮影や、18種類もの多彩なフィルムシミュレーションとの組み合わせにより、ドラマティックな映像を高解像度で記録することができます。  Full HDの高画質で最大10倍のスローモーション効果が得られるハイスピード動画撮影が可能です。1秒間を240コマで記録することができ、高解像且つ滑らかに記録することができます。 ハイスピード動画撮影のサンプル動画
X-S10を使ってショートムービーを作成してみましたので是非ご覧ください。 ■「秋の日のVLOG」

さいごに

 今回はスナップ写真でお届けしていますが、富士フイルムのカメラはオートホワイトバランス機能も優れていて、人肌の表現もとっても美しいんです。ハイエンドモデルとの価格差もありながら、上位機種と肩を並べられる機能満載のX-S10。クラシカルなデザインを継承しつつ、小型軽量なボディに盛り沢山な使い勝手。今回ご紹介しきれなかった機能もまだたくさんあります。  歴代の富士フイルムシリーズを使ってきたからこそ、今回のX-S10は「凄いカメラが出てきた!これは買いですね!」と自信を持ってお勧めできます。富士フイルムのカメラのいいところを凝縮した頼れる相棒をお探しの方にぴったりなカメラです。まだ富士フイルムの色再現に触れたことのない方は、このX-S10でデビューしてみてはいかがでしょうか? ■写真家:片岡三果 https://shasha.kitamura.jp/category/27592397-1.html 北海道三笠市出身 絵画を描く気持ちで写真を表現する写真画家。 FUJIFILM X photographer。 漫画家の両親、大叔父が油絵画家という家庭環境で育ち、幼い頃から美術、デザインを学ぶ。 写真を通して一期一会を忘れないよう、自分史を提案し撮った写真をプリントして楽しむことを大切にしている。 2017年はじめての個展「A la Parisienne!」を開催。 2018年2度目の個展「No Photo, No Life.」では大盛況を収める。 2018年台湾の台北で海外初個展「A la Parisienne!〜好想成為巴黎女子!〜in台北」 2020年10-11月「空の色に魅せられて Xで残すマジックアワー」 写真集「No Photo, No Life. ~Live in the moment~」 ~ 「X-S10」はこちらの記事でも紹介されています ~ ■FUJIFILM Imaging Plaza東京でのX-S10取材記事 富士フイルム X-S10が登場|しっかり握れる小型ボディーに、びっしり詰まった高機能! https://shasha.kitamura.jp/article/478001035.html ■写真家のこばやしかをるさんによるX-S10レビュー記事はこちらからご覧頂けます。 富士フイルムX-S10でポートレートスナップを撮る|充実の機能と日常使いに相応しい単焦点レンズ https://shasha.kitamura.jp/article/479634542.html

X-S10特集ページ

X-S10特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介していますのでコチラのページも合わせてご覧ください。 x-s10.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の片岡三果さんが富士フイルム X-S10のレビューを行っています。 同社のカメラを使い続けてきた片岡さんならではの視点で、小さなボディーに凝縮されたX-S10の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,X-S10,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 銘匠光学 TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH レビュー|クラシカルでコンパクトな標準単焦点レンズの新星誕生! BASENAME: 478938671.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 齋藤千歳 DATE: 12/10/2020 16:00:00 TAGS: TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH,銘鏡光学 レンズ,単焦点 ----- BODY: 00_TTArtisan 50mm f14 ASPH製品画像.jpg

8群10枚のすべてが特殊レンズという豪華な標準単焦点

 TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは、2019年6月に設立された銘匠光学の新レンズブランド「TTArtisan」が製造するレンズです。
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■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH
■撮影環境:f/1.4 1/100秒 絞り優先AE ISO400 +1.0EV AWB クリエイティブスタイル:ポートレート 焦点距離50mm
 このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは絞り開放のF1.4から解像力の高いレンズですが、開放付近だけは、にじむようなソフト描写が得られ、これも魅力的です。本レンズは、その名のとおり50mmの開放F1.4で、35mm判フルサイズに対応するライカ Mマウント用単焦点レンズです。なお、銘匠光学は純正でライカ Mマウントからのマウント変換アダプターを用意しています。それらを使えば、キヤノンRFやソニーE、ニコンZ、フジフイルムX、ライカLはもちろん、ハッセルブラッドX1D.X、フジフイルムGマウントにもレンズを装着できます。しかも、TTArtisanのマウント変換アダプターは比較的リーズナブルなのも魅力です。カメラと各種情報をやり取りするための電子接点を持たないフルマニュアルタイプのレンズですが、レンズ本体も比較的リーズナブルな価格になっています。  スペックや価格などからエントリー向けの標準レンズと思う方も多いと思いますが、レンズ構成は8群10枚で、ED(特殊低分散)ガラスレンズ1枚、非球面ガラスレンズ1枚、高屈折低分散ガラスレンズ8枚と、採用しているのがすべて特殊レンズという豪華な仕様です。また、ボケの形に配慮した12枚という枚数の多い絞り羽根を採用しています。  また、外観はライカMマウント用だけあって、金属パーツを多用した重厚な印象。質量は約400gですが、大きさは最大径が約57mmで長さが約67mm。35mm判フルサイズ対応の標準レンズとしては、やや不安になるほどのコンパクトさです。クラシカルな外観からボケ重視のレンズかと思ったのですが、メーカーアナウンスによると「超高画素時代にふさわしい圧倒的な描写力を誇り、大口径ながらコンパクトサイズ、カメラボディとのバランス・携帯性を考慮した設計」とのことです。  筆者は、そんなTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHを入手し、各種実写チャートや作例などを撮影しました。この実写チャートの結果などを元に、本レンズを詳細に解説していきます。

絞り開放から高い解像力、絞ると周辺部までクッキリ

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■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH
■撮影環境:f/8 1/250秒 絞り優先AE ISO100 -0.3EV WB:晴天 クリエイティブスタイル:スタンダード 焦点距離50mm
 本レンズの解像力のピークであるF8を選択しました。画面端の海面の波、灯台のライト部分の細部など、画面周辺部までクッキリと解像しています。それでは「超高画素時代」に対応したレンズというTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHの解像力からチェックしていきましょう。なお、カメラボディはSony α7R III(有効画素数約4,240万画素)を使用したため、基準となるチャートは0.8です。 03_チャート.png
04_チャート.png
絞り開放から、しっかりと解像している様子が見てとれる。
 まずは中央部から見ていきましょう。絞り開放のF1.4から基準となるチャートの0.8を、ほぼ解像しています。ただし解像はしていますが、開放のF1.4付近では、ややにじむようなソフトな描写になる傾向です。絞っていくほどの解像力が増す傾向で、チャートを構成する白と黒のラインのコントラストがアップしていきます。解像力のピークはF8からF11といった印象です。絞り開放F1.4付近でのにじむようなソフト描写以外は、基本的にどの絞りでも中央部はかなりシャープです。  周辺部分については、中央部に比べて絞り開放付近で解像力が落ちます。開放付近では、中央部と同じようにややにじむようなソフト描写も見られます。ただし、周辺部も絞るほどに解像力がアップする傾向で、F8からF11あたりでは中央部と大きな差を感じないクッキリとした描写が得られます。これは、かなり優秀な結果といえます。  絞り開放付近でのにじむようなソフトな描写は、中央部、周辺部とも発生します。筆者が実際に撮影していると近接撮影でさらに目立つ印象なので、覚えておいてポートレート撮影などに活用することをおすすめします。上記の赤ちゃんの写真は、このにじむような描写と大きなボケを意識してソフトに仕上げたつもりです。  歪曲収差は、わずかに糸巻き型で発生。絞り開放付近の周辺部では、多くはないものの色収差が観察されます。とは言え、気になるシーンではRAW画像を撮影しておき、現像時に補正してしまえば問題のない範囲と言えます。

ライカMマウント用のため最短撮影距離は70cm

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■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH
■撮影環境:f/1.4 1/3200秒 絞り優先AE ISO50 -1.0EV WB:晴天 クリエイティブスタイル:スタンダード 焦点距離50mm
 最短撮影距離の約70cm、絞り開放で撮影しました。距離計連動型のレンジファインダーカメラであるライカMマウント用のTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは、その距離計の最短撮影距離である70cmがレンズの最短撮影距離となっています。なお、最大撮影倍率は非公開です。ライカMマウント用のレンズとしては、非常に寄れるレンズということが言えるでしょう。
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ほぼ実寸になるようにプリントアウトした静物写真を複写。ライカMマウント用レンズとしては高い接写性能
 レンズテストでは使用しませんが、ライカMマウント用などのレンジファインダー向けのレンズをミラーレス一眼などに装着して使う際、より高い接写能力を望む場合は、レンズを繰り出して接写能力を強化するヘリコイド付きのマウントアダプターを使うのが一般的です。さらなる接写が必要ということであれば、ヘリコイド付きのマウントアダプターを使えば、よりダイナミックな接写が可能となります。

あえて周辺光量落ちを効果として活用する

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■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH
■撮影環境:f/1.4 1/3200秒 絞り優先AE ISO50 +0.3EV AWB クリエイティブスタイル:ビビッド 焦点距離50mm
 絞り開放で撮影したハクチョウのモニュメント。周辺光量落ちによって画面の四隅で青空が暗くなっているのが分かります。このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは、カメラと各種情報をやり取りするための電子接点を持たないタイプのフルマニュアルレンズです。そのため多くのカメラメーカー純正レンズのように、カメラ本体の周辺光量補正など、デジタル補正の恩恵を受けられません。テストの結果も、絞り開放付近ではかなりはっきりとした周辺光量落ちが発生しているのが分かります。 08_作例.png
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絞り開放のF1.4で、かなりハッキリ発生していた周辺光量落ちは、F2.8あたりまで絞るとほとんど目立たなくなる
 絞り開放のF1.4では、かなりしっかりとした周辺光量落ちが観察される本レンズですが、絞っていくと徐々に改善し、F2.8あたりまで絞ると、ほとんど気にならないレベルになります。つまり、周辺光量落ちが気になるという方は絞ってしまえば解決するとも言えるでしょう。  なお、周辺光量落ちは比較的デジタルでの補正が容易だと言われており、RAW画像を撮影しておけば現像時にかなり補正することが可能です。しかし、カメラとの各種情報のやり取りを行い、カメラ本体で周辺光量を補正している純正レンズなどでも、完全に補正していることは、ほぼありません。言うならば、意図的に周辺光量落ちを残しているようなのです。  あえて周辺光量落ちを残すのは、視線の誘導効果を狙ったものと推察されます。周辺光量が落ちることによって、画面の端に比べて中央に配置した被写体が明るく目立つため、見る人の視線を写真の主題に誘導する効果があると言われています。状況によっては、RAW現像などの後処理で周辺光量落ちを強調しているというプロカメラマンも少なくありません。  そのため、TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHの絞り開放付近の周辺光量落ちは、効果として把握しておき、活用することをおすすめします。撮影シーンによって周辺光量落ちが逆効果になる場合は、絞って解決するか、RAW画像も撮影しておいて後処理で解決するかという二択になります。これは、そのシーンでどのくらいボケを発生させたいかで判断するとよいでしょう。

12枚羽根の絞りから発生する形の美しいボケ

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■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH
■撮影環境:f/1.4 1/2000秒 絞り優先AE ISO100 WB:晴天 クリエイティブスタイル:ビビッド 焦点距離50mm
 絞り開放のF1.4で撮影したベンチ。ピントの合っている部分から、手前に前ボケ、後方に背景ボケがそれぞれ大きく発生しています。「ぼけのチャート」からは、TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHが、ボケよりも解像力を優先して設計されたレンズだということを感じられる結果を得ました。  「ぼけのチャート」からボケの質を観察するには、撮影した「玉ぼけ」が、できるだけフラットで、ザワつきやムラ、線などが入らないほうが滑らかで素直な美しいボケが得られると考えてください。また「玉ぼけ」のフチに色収差などの影響で発生する色付きなどもないほうが質の高いボケが得られます。  TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHの「ぼけのチャート」から読み解けた結果は、12枚羽根の絞りを採用した形については、絞っても目立ったカクツキが発生しづらい優秀なものです。ただし、解像力を優先したレンズのためか、ややザワつきと非球面レンズの影響と言われることの多い同心円状の線が入り、いわゆる「玉ねぎボケ」が発生しやすい結果といえます。

コンパクトで周辺部まで高解像なコスパが高い標準レンズ

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■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH
■撮影環境:f/1.4 1/13秒 絞り優先AE ISO400 -0.7EV WB:電球 クリエイティブスタイル:ビビッド 焦点距離50mm
 遠景の夜景、そして画面の四隅に細かい描写を必要とする被写体ではないので、絞り開放のF1.4で撮影しました。橋の細かな部分までしっかり解像しています。このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHはマニュアルフォーカスとはいえ、金属パーツを多用して質量は約400g、大きさも最大径が約57mm、長さが約67mm。35mm判フルサイズに対応する高解像タイプの50mmF1.4としては、さすがに小さすぎるのではないか、というのが筆者の第一印象でした。  しかし、実際に解像力チャートを撮影してみると印象は一変しました。さすがに現在主流となっている、大きくて、重くて、高価な絞り開放から画面周辺までバキバキに高解像なレンズと、このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHは異なります。開放のF1.4付近は、ややにじむようなソフトが発生しますが、基本的には解像しており、中央部分はわずかに絞れば十分以上にシャープに、中央部に比べると解像感の弱い周辺部もF8あたりまで絞ると中央部と変わらない解像力を発揮します。小型軽量でリーズナブルな50mmF1.4とは思えない結果です。  わずかに絞ると消えてしまう、絞り開放付近でのみ発生するにじむようなソフト効果は、クラシックレンズなどで言われる「解像しているが紗のかかったような」といったものに近い印象となっています。筆者は、しっかり絞って全体にシャープな印象のほかに、開放付近の近接、ポートレート撮影などに活用しやすく重宝しています。しかも、わずかに絞ったF1.8やF2.0でソフト効果が消えてしまうので、ソフト効果が必要ないシーンでは少し絞るとよいでしょう。  まとめますと、このTTArtisan 50mm f/1.4 ASPHはリーズナブルでコンパクト、しかも開放付近での柔らかな表現を得意とし、絞れば画面周辺まできっちりと解像する明るい50mm標準レンズです。1本持っていると、ポートレート撮影から風景、建築物といった撮影まで楽しめるので便利です。また、電子接点などがない代わりに、純正マウントアダプターなどを使えば、さまざまなカメラボディで使えるのも大きなメリットと言えるでしょう。
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■撮影機材:Sony α7R III +TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH
■撮影環境:f/2.8 1/100秒 絞り優先AE ISO100 -0.3EV WB:晴天 クリエイティブスタイル:ビビッド 焦点距離50mm
 周辺光量落ちの影響が少なく、周辺部の解像力もアップするF2.8を選択して撮影しました。発色もよく、気持ちのよい1枚です。 ■写真家:齋藤千歳 カメラ・写真関連の電子書籍「ぼろフォト解決」および「Foton」シリーズの出版者。レンズやカメラをみると解像力などの実写チャートを撮影したくなる性質があります。千歳市在住で北海道各地を撮影しています。 ■技術監修:小山壯二 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の齋藤千歳さんが銘匠光学 TTArtisan 50mm f/1.4 ASPHのレビューを行っています。開放付近で柔らかな表現を得意とするこのレンズの魅力を解像力を確認するチャートを用いて説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH,銘匠光学 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDレビュー|小型軽量でコストパフォーマンス抜群な望遠ズームレンズ BASENAME: 478954891.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 高橋良典 DATE: 12/11/2020 16:00:00 TAGS: 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD,タムロン(Tamron) レンズ,風景,望遠ズーム ----- BODY: 01_タムロン 70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD製品画像.JPG

小型軽量な望遠ズームレンズ

 ここ数年、純正、レンズメーカーを問わず、ソニーEマウント対応レンズの新製品ラッシュが凄い!ソニーユーザーとしては嬉しい限りですが、その反面次から次へと新しいレンズが登場すると物欲を抑えるのが大変なのが困りどころです(笑)そんな中、望遠ズームの王道とも言える70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDがタムロンから発売となりました。同社のソニーEマウント対応ラインナップはこれで10本となり単焦点レンズ3本を含み超広角17mmから望遠300mmまでをカバーできるようになりました。フィルター径がすべて67mmに統一されているのでレンズごとにフィルターを揃えなくてもよいのは嬉しいポイントです。  やはり本レンズの特徴は、世界最小、最軽量の望遠ズームであるということ(2020年8月現在。同社調べ)手にすると従来の望遠レンズとのサイズ感、重量のギャップに驚かされるでしょう。長さ148mm、最大径77mm、重量545gというサイズ感は500mlのペットボトルの直径をやや太くして、3㎝程短く、そして重量を50グラムほど増やした感じです。タムロンのフルサイズミラーレスレンズ用としてはマウントの部材に初めて特殊処理の高強度Al-Mg 系合金を採用。十分な強度と軽量化を実現するなど、昔から小型軽量にこだわってきたタムロンの意思を感じます。
02_製品画像.jpg
左:70mm側、右:300mm側
 小型化の秘密は望遠側の開放値を6.3に抑えたことにあります。一見暗いと思うかもしれませんが、近年のソニーαシリーズの高感度性能を考えれば問題ではないと感じるとともにそのおかげでレンズがこれほどまでに小型軽量化できていると考えれば納得です。なお、焦点距離によるF値の推移ですが70-151mmがF4.5、152mm-276mmが5.6、277㎜-300㎜が6.3となっており、実際6.3になる焦点域は望遠側の一部だけです。もし光量が少ないシビアな条件でどうしても5.6が使いたい場合は276㎜以下の焦点域を使い、トリミングをするという使い方も選択肢に入れておきましょう。

使用感と操作感

 使ってみてまず感じるのは70-300mmという焦点域の使いやすさです。同社でいうと70-180mmF2.8DiⅢ VXD、純正レンズでいうところの70-200mmなどいわゆる大三元・小三元の望遠レンズや同社の高倍率ズーム28-200mmF2.8-5.6DiⅢ RXDなどでは、もう少し遠くのものを引き寄せたいと感じることがあるものですが300㎜までをカバーしているとそのような不満はほぼ払拭されます。また100-400mm等の望遠ズームだと重量級になってしまいちょっと・・・と敬遠する方にも300mmかつコンパクトな本レンズなら軽快に持ち出せるでしょう。  AFの駆動にはRXDモーターが搭載されており、スムーズかつほぼ無音で合焦、動体にカメラを向けた際にもしっかりと追従してくれます。同社70-180㎜F2.8DiⅢのVXDモーターや純正70-300mmのリニアモーター駆動には一歩譲ると感じる場面もあったことは付け加えておきますが、実写上で不満はなくαボディ側のファストハイブリッドAFにもしっかりと対応、リアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキングの動作も満足のいくものでした。ソニーEマウントに関しては、各レンズメーカーにも仕様書が公開されており、それに準じた開発が行われるため、カメラ側の機能を制限なくフル活用することができますし、今後、ボディを買い替えた際にも安心感がありますね。
03_作例_300 mm_1-125 秒 (f - 6.3)_ISO 1600.jpg
強風で舞い落ちる紅葉を狙う。短いシャッターチャンスでも素早く合焦してくれます。
■撮影機材 ソニーα7R IV + タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離300mm 絞り優先AE(F6.3、1/125、-1EV補正) ISO1600 太陽光
04_作例_300 mm_1-200 秒 (f - 6.3)_ISO 800.jpg
蜘蛛の糸に引っかかり、風に揺れる落葉をリアルタイムトラッキングで撮影。ピントをはずすことなくしっかりと追従してくれます。開放での口径食はありますが望遠レンズなら仕方のないことだとも言えるでしょう。
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離300mm 絞り優先AE(F6.3、1/200、+1EV補正) ISO800 太陽光
04_作例_266 mm_1-125 秒 (f - 5.6)_ISO 800.jpg
リアルタイム動物瞳AFで撮影。こちらもしっかりと追従してくれました(※公式には鹿は動物瞳AF対応外)。
■撮影機材 ソニーα7R IV + タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離266mm 絞り優先AE(F5.6、1/125、+0.5EV補正) ISO800 太陽光
 レンズ本体にAF/MFの切り替えスイッチはなく、ボディ側で行います。AF/MFの変更は高い頻度で行いますのでスムーズに呼び出せるようカメラのカスタムキーやファンクションメニューのわかりやすいところへ割り当てておきましょう。レンズに手振れ補正は内蔵されていませんのでボディ側の手振れ補正を頼りにすることになります。三脚使用時にはボディ側の手振れ補正をOFFにする必要があるので、AF/MF切り替えと同様、素早く呼び出せるようにカメラ側の設定をしておきましょう。このレンズを使用する前は望遠域のレンズだけに欲を言えば、レンズ側にも手振れ補正機構を内蔵してほしいと感じていましたが、小型軽量化によるホールディングバランスの良さから実際に使用してみて不満を感じることはありませんでした。但しAPS-Cのαユーザーは、ボディ内手振れ補正が内蔵されていないカメラも一部ありますので、本レンズを検討する際には注意が必要です。

描写性能

 カメラのキタムラ価格では5万円台後半(2020年12月11日現在)の本レンズはエントリーユーザーでも手を伸ばしやすい価格設定のため、一見、単なる廉価版レンズ?と思われがち。しかし実写に持ち出し、撮影した写真を確認すると、決してそうではないということに気づかされます。逆に言えば「この価格でこれだけ写るのか」と感心させられる結果に。  まずは解像性能。解像度のピークとなるF8~11に絞った時は言わずもがな。高解像モデルのα7R IVと組み合わせてもしっかりとした解像力で線の細い被写体が中心となる風景撮影でも満足のいく性能を発揮してくれました。また、開放時においてもその解像力は中心付近だけでなく周辺まで保たれていますので風景的引き画においても積極的に絞りを開けた撮影ができます。そしてズーム全域にわたっての解像もポイント。ズームレンズの場合、焦点距離によって得手不得手があり、どこかで解像の良くない部分が出てくるもの。もちろんテストチャートなどを使い、詳細に解像性能をチェックすれば、焦点距離による多少のバラつきは出てくるのでしょうが、純粋に写真を撮り、作品づくりをするという点においてはどの焦点距離でも満足のいく描写が得られると感じました。
05_作例_300 mm_1-250 秒 (f - 8.0)_ISO 400.jpg
朝もやの晩秋風景。朝露と蜘蛛の巣が逆光に照らされ美しい。
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離300mm 絞り優先AE(F8、1/250) ISO400 太陽光
06_作例_186 mm_1-500 秒 (f - 6.7)_ISO 400.jpg
初冬の山肌を撮影。高い解像力によって繊細な枝ぶりがしっかりと表現されています。
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離186mm 絞り優先AE(F6.7、1/500、-1EV補正) ISO400 太陽光
07_作例_200 mm_1-60 秒 (f - 5.6)_ISO 400.jpg
単なる雑草だと思うが、そのリズム感に惹かれます。手持ち撮影のため開放で撮影していますが解像力が損なわれていないことがわかります。
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離200mm 絞り優先AE(F5.6、1/60、-1.5EV補正) ISO400 太陽光
 BBARコーティングによって耐逆光性能は良好。画角に太陽が入るシーンでもコントラストの低下や目立ったフレアやゴーストを感じる事はなく、近年におけるレンズ設計のレベルの高さがうかがえます。これなら安心して太陽にレンズを向けることが出来るでしょう。
08_作例_177 mm_1-30 秒 (f - 8.0)_ISO 200.jpg
太陽は画角に入っていませんが、完全にハレ切りするには難しいケース。レンズ前面には直射光が当たっていますが、コントラストの低下は見られません。
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離177mm 絞り優先AE(F8、1/30、-0.5EV補正) ISO200 太陽光
09_作例_75 mm_1-200 秒 (f - 22)_ISO 800.jpg
夕日に輝くススキがキラキラと美しい。このようなシーンでもゴーストやフレアに悩まされることが少ないと撮影に集中できます。
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離75mm 絞り優先AE(F22、1/200、-0.5EV補正) ISO800 太陽光
 ボケ味について私が気に入ったのが玉ボケ表現において玉ねぎ状の模様が入らない点。これは非球面レンズが組み込まれていないゆえ。非球面レンズによる画質向上は認めるところではあるのですが、こと玉ボケ撮影時には、非搭載によるメリットは大きいと感じます。円形絞りの採用は口径食を抑えたいときに有効。開放から2段絞ってもボケのカクつきを抑えることができるとのことですが、実写上、本当に美しいボケを得るには1段絞りくらいにとめておく方が良いと感じました。
10_作例_300 mm_1-750 秒 (f - 8.0)_ISO 400.jpg
最短撮影距離付近での撮影。口径食を軽減するためにやや絞って撮影していますが円形絞りの恩恵を感じます。玉ねぎ状の模様は発生していません。
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離300mm 絞り優先AE(F8、1/750) ISO400 太陽光
 最短撮影距離と最大撮影倍率は70mm側で0.8m/0.1倍、300mm側で1.5m/0.19倍。もう少し寄りたいと感じることもありましたが、ここは小型軽量化を優先したということでしょう。フルサイズαの7R IVやⅢなどの高画素モデルを使っている方に関してはAPS-Cモードをうまく使うのがお勧めです。また、花のアップなど望遠マクロ的な使い方が主になるという方には、ズーム全域で最短撮影距離0.85m、最大撮影倍率0.21倍、さらにMF限定ですが近接領域撮影機能を搭載し0.5倍まで寄れる同社70-180㎜F2.8DiⅢ VXDも検討の対象に入れると良いでしょう。すでに寄れるレンズを持っている方は、本レンズとの使い分けがお勧めです。
11_作例_450 mm_1-60 秒 (f - 6.3)_ISO 800.jpg
最短撮影距離まで近づいても寄りきれなかったのでAPS-Cモードで撮影しました。
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離300mm(フルサイズ換算450mm) 絞り優先AE(F6.3、1/60、-0.5EV補正) ISO800 太陽光

まとめ

 コンパクト設計でコストパフォーマンス抜群の本レンズは「望遠レンズ購入が初めてのエントリーユーザー」や「とにかく荷物を小型軽量化して軽快な望遠撮影をしたい人」が気負いなく購入できる点でお勧めです。また、それだけではなく簡易防滴構造採用の鏡胴や本格的な描写性能から、いわゆる大三元や小三元レンズを持っているようなヘビーユーザーにも300mmまでの望遠を補う1本としてお勧めできます。長距離を歩いて撮影地にアクセスしなければならない時などの使い分け用としても検討の価値ありです。
12_作例.jpg
コンパクト設計が特徴の本レンズ、歩き回っての撮影時には特にありがたく感じます。
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離70mm 絞り優先AE(F11、1/90、-0.5EV補正) ISO1600 太陽光
13_作例_144 mm_1-10 秒 (f - 8.0)_ISO 400.jpg
■撮影機材 ソニーα7R IV+ タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD
■撮影環境 焦点距離144mm 絞り優先AE(F8、1/10、+0.5EV補正) ISO400 太陽光
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の高橋良典さんがタムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDのレビューを行っています。「この価格でこれだけ写るのか」と感心するほどコストパフォーマンスが良いレンズのようで、作例と共に製品の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,タムロン,70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 【写真展】MAISON ONIGIRI EXHIBITION “FOOD COUTURE” BASENAME: 478959878.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 12/13/2020 11:00:00 TAGS: 写真展情報,新宿 ----- BODY:
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MAISON ONIGIRI EXHIBITION “FOOD COUTURE”

 フォトグラファー細見恵里と、ビジュアルクリエーター結城香織の女性2名からなる、クリエイティブユニットMAISON ONIGIRI。食べ物の色や形にインスピレーションを受け、フェミニンでありながらエッジの効いた力強さをまとった、独自の“カワイイ”を追求し続けるMAISON ONIGIRIの作品は、とりわけ同年代の女性たちに人気があります。本展では、「食欲を掻き立てるのは、美味しいと感じた幸せな記憶。自分で選んだ、お気に入りの物を身につけるファッションのように、身体を作る食べ物を味わいたい、楽しみたい」をテーマに、6F Space Lucidaをはじめ、3Fのブックラウンジなど様々な場所で、新作を含む30点以上の作品を展示します。また、デジタルサイネージや、プロジェクターを使用した動画作品も館内でご覧頂けます。  本展では、京都発のジュエリーブランドKAORUとのコラボレーションビジュアルも展示します。定式化された価値観ではなく、「古き良きもの」、「日常の中のもの」など、様々な物の奥に見えてくる隠れた表情や普遍的な摂理を、KAORUとMAISON ONIGIRIがそれぞれ独自の視点で宝探しするというマインドから生まれた企画。コラボレーションビジュアルは全国のKAORU店舗で掲出予定です。 独自の”カワイイ”を表現し続けるMAISON ONIGIRIの世界をお楽しみください。 ( 作品右:THE TASTE rose choquant / 左:DRESS CODE autumn)

展示概要

■会場:新宿 北村写真機店 6F Space Lucida ■住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-14   ■会期:2020年12月7日(月)~2021年1月11日(月) 10:00~22:00 ■主催:株式会社アマナ ■入場料:無料 ■お問合せ:MAISON.ONIGIRI@amana.jp

プロフィール

 MAISON ONIGIRI(メゾンオニギリ)。フォトグラファーの細見恵里、ビジュアルクリエーターの結城香織の女性2名からなるクリエイティブユニット。自然界に存在する無数の食べ物の色や形にインスピレーションを受け、フェミニンでありながらもエッジの効いた力強さをまとった、独自の世界観を表現する。  2019年には、その作品が「国際ガールズ・デー 2019 @六本木」のメインアイコンに選ばれてBARNEYS NEWYORKの店頭で展開されたほか、Bloomberg Buisnessweek誌面ビジュアル制作、渋谷PARCOレストラン「chompoo」の店内装飾制作などを手がける。また、作品eclairが「The Pink Lady Food Photographer of the Year 2020」の「Production Paradise Previously Published」部門にて「3rd Place」 を受賞。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.4|LEICA Q2 BASENAME: 479039385.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山本まりこ DATE: 12/16/2020 16:00:00 TAGS: Q2,ライカ(Leica) ボディー,ライカとカレー,フルサイズ,コンパクトデジタルカメラ ----- BODY: 00_LEICA(ライカ) Q2製品画像.jpg

はじめに

今日、新しいライカカメラが届く。 ライカQ2。 ライカQ2は、高性能レンズ「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」が搭載された、レンズとボディが一体型のコンパクトカメラ。しかも、有効4730万画素の35mmフルサイズ機。フットワーク軽く作品作りをしたい私にとって思わず目が輝いてしまうカメラ。 この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、写真家山本まりこが、毎回異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をし、そしてカレーを食べて帰ってくるという内容の企画。今回は、連載の第四回目。最近、初めてお会いする方に「ライカの連載好きです。」と声をかけていただくことが増えた。とても嬉しい。たくさん写真を撮ってどんどん記事が長くなってしまうのが今の悩みどころ。ShaSha編集部の方には写真の枚数も文章の長さもほとんど何も言われていないので短くてもいいのだけれど、でも私の写真も文章もどんどん増えていく。ライカカメラとの旅が楽しくて。うう。さて、今回は、どうなるだろう…。 私は、ライカQ2と一緒に行きたい場所がある。

お庭で

届いたライカQ2を手に持ってみる。ズミルックスf1.7/28mm ASPH.レンズはとても小さく、ボディからのせり出しはフード含め7cmもない。それにしても美しいフォルムだなあとボディとレンズのラインをしみじみ眺めていると、レンズにMACROの文字を見つける。マクロも撮れるのね。レンズ一本にしてマクロも撮れるのは嬉しい。まずは、お庭で育てている植物を撮ってみる。レンズの根元をクルリと回してMACROに切り替えると、マクロの距離計が表示される。0.17mから0.3mまで撮影できるよう。最短撮影距離17cm。それは、すごく嬉しい。 01_作例.JPG 02_作例.JPG ぐぐぐ、と寄ってみる。 赤トウガラシが生き生きと美味しそう。 カレーに入れたらとっても辛そうだ。 フジバカマは全盛期を終えてもう枯れ果てそうだったけれど、背景ボケの美しさで秋の気配を感じる写真になった。お花が咲き出した頃はアサギマダラという青い羽根の渡り蝶が数羽飛んできたけれどもう今は来ない。きっともうどこか遠くの空を優雅に飛んでいるのだろう。それにしても、このレンズ、ぐっと寄れるし背景ボケも前ボケも美しい。ライカQ2、いい。ファーストインプレッション。 メニューボタンを押してどんな機能があるのか探してみる。フィルムモードにて、STD標準・VIVビビッド・NATナチュラル・BWモノクロ・BWモノクロHC、といろいろな風合いで撮影が可能。さらにはフィルムモード設定で、コントラスト・彩度・シャープネスなどを高くも低くも出来るので、自分好みのテイストで撮影することが出来る。 さらに見ていると、デジタルズーム機能を発見。28mm・35mm・50mm・75mmと表示されている。これはさらに嬉しい。だって、1本のレンズで、マクロとそして4本のレンズ、合計5本のレンズを持ったようなものじゃない。デジタルズームだから記録画素数は小さくなってしまうけれど、でも便利であることは間違いない。駅に行くまでの道すがら、お花が咲いていたので撮ってみる。28mm・35mm・50mm・75mm。 03_作例.JPG 04_作例.JPG 05_作例.JPG 06_作例.JPG お昼に咲いているから、昼顔なのだろうか。いつもこの道でこの紫色に会うのが楽しみだったりする。ライカのカメラでレンズをつけ変えずに、こんなにも簡単にズームした写真が撮れるなんてとちょっとした感動を覚えながらシャッターを切った。ライカQ2は、高精細な368万ドットの有機EL電子ビューファインダーを搭載している。ライカM10やライカM10-Pなどのレンジファインダー機とは異なり、撮れる画像がそのままファインダーや液晶画面に反映される。撮るものが見えているという、スマホや最近のデジタルカメラに慣れている人には手に取りやすいカメラなのではないかと思う。

ライカQ2と東京へ

JR東海道線に乗り込んでボックス席の窓際に座る。東海道線の上り列車は、先頭の数輛がボックス席であることが多い。高校生の時、オレンジとグリーンカラーの高崎線の青いシートのボックス席に座って高校に通っていたからだろうか、いまだにボックス席が好きだ。ボックス席がある電車は田舎に多い気がするのだけれど、どうなのだろう。今日は人が少なくてまばら。今日もしばらくボックス席で大きな窓を横にのんびりと東京に行こう。小山に緑が生い茂る景色から、少しずつ建物が多くなっていく外界をのんびりと眺める。今日は天気がいいなあ。空が真っ青。ライカQ2、小さくてかわいいなあ。 07_作例.JPG 08_製品画像.JPG

西荻窪の謎

最初に向かうのは、西荻窪。あるカレーを食べに行くのが目的。 先日、facebookにあるメッセージが届いた。「元気ですか?今月から月2回、第2第4土曜日にカレーランチを始めます。お時間のある時に立ち寄ってもらえると嬉しいデス。」と。スパイス料理教室仲間のYUKIさんからだった。そうそう、私山本は、スパイス料理を本気で勉強中。雑誌でカレーレシピを連載中でもあります。写真の片手間ではなく、本気でスパイスについても仕事をしていきたいと思っているので、今年の夏までスパイス料理教室のインストラクターコースに通っていた。YUKIさんは、そのスパイス教室のインストラクターコースの同期、10カ月一緒に教室で奮闘した大切な仲間。今年の9月にはれて無事卒業した仲間の中で、お店でカレーを出すのはYUKIさんが初めて。そんなYUKIさんに会いに、YUKIさんのカレーを食べに、JR西荻窪駅へ。初めて降りる駅。 改札を出てGoogleマップでアクセスを確かめながらふと前を見ると、商店街のアーケードが。 まあ、商店街。 通らずにはいられない。 商店街を眺めながら歩くのが好きだ。その町の人たちの胃袋になっているお店が並ぶ商店街は、その街を知るための辞書みたいなもの。Google先生もこの方向でいいと言っているので、商店街を行こう。小さなお店がたくさん並んでいる。てくてく。 09_作例.JPG む。 むむ。 ゾウ。 何故ゾウ? しかも足に何かくっついている。猫だろうか。 上を向いて写真を撮っていると、女子大生くらいの二人組が気づいて話している。「あ、ゾウだ。好きでしょ?」「え、なんで?ぜんぜん好きじゃないけど…」「でもなんでゾウ?」「ね。」と言いながらスマホでパシャパシャっと写真を撮って通り過ぎていった。アーケードの屋根からゾウが吊り下げられているという疑問は膨らむばかり、謎だ。みんなが疑問に思っているようだけれど、まずは行こう。先に行こう。うん。

YUKIさんのカレー

西荻窪の街はなんだかのんびりゆっくりとしている。豆腐屋さん、お菓子屋さん、カレー屋さん、ごはん屋さんがポツポツとあり、なんだかとても住みやすそうな街だなあそして美味しいものがたくさんありそうな街だなあと思いながら歩く。デジタルズーム75mmに設定し街並みを撮影。数分歩くと、カレーの写真が大きく貼られた看板を発見。「スパイスごはんYUKI」。 10_作例.JPG 11_作例.JPG ビルの地下へ。BAR METEORAのお昼部門として第2第4土曜日に月2回営業している「スパイスごはんYUKI」。ここでいいのかなと開けられていた入口のドアからソロリ中に入ると、いた。YUKIさんだ。鮮やかなカラーの店内の奥で、YUKIさんはクルクルと動きながらスパイス料理を作っている。 「YUKIさん。」 「あ。まりちゃん。え、突然来るからびっくり。」 なんていう久しぶりのあいさつをしてカウンター席に座る。YUKIさんは、変わらずの優しい笑顔。ランチメニューは、2種類。スパイスカレーランチプレートと、カレーランチ。スパイスカレーランチプレートは、野菜カレー1種、野菜炒めなどのサブジが数種、野菜のピクルス、ミックススパイスライスがプレートになっているいろいろ食べられるお得なプレート。迷わずスパイスカレーランチプレートを注文。メニューにある「スパイスティーはご自由にどうぞ♪」の文字が嬉しい。カウンターの上に置いてあるスパイスティーのポットからスパイスティーを注ぐと、スパイスがふわりと香った。飲むと、シナモンがシャキッと効いたスパイスティーだった。このくらいシャキッとスパイスが効いたお茶を口飲むのは気持ちがいい。 カレーが届く間にいろいろなことを考えた。YUKIさんは今日、どんなカレーを出してくれるのだろうか。スパイス教室に通っている間、同期たちが作るカレーは毎回何十種類と山のように食べた。毎回20種類くらいのカレーを食べていたから、トータルしたらものすごい数のカレーを食べたことになると思う。もちろん私もたくさん作ったし、YUKIさんが作ってくれたカレーもたくさん食べた。私も含め、たまにびっくりするような斬新なカレーが出来上がってくることも多かったけれど、そのほとんどがとても美味しかった。インドへの愛とスパイスへの愛が溢れる先生からみっちり教えていただき、卒業するころにはびっくりするくらい美味しいカレーをみんなが作れるようになっていた。そんじょそこらのお店には負けない美味しさだなあと思いながら仲間が作るカレーをしみじみ食べていた。そして、YUKIさんのカレーはいつも上品で美味しかった。ブレずにまっすぐ美味しい、という感じ。私は思う。写真を見れば、その人がいったいどんな人かどうかという事が分かるように、料理にもその人の人柄や性格が出ると思う。YUKIさんは、まっすぐ優しい人なのだと思う。 私はと言えば、ついつい新しいことに挑戦してみたい性格らしく、使ったことがないような素材を使って探検するような気分で料理をして成功することもあれば大きく失敗することもあったり。妄想と想像が膨らんで突き進んでしまう妄想突進型だ。そんなことを考えていたら、YUKIさんのスパイスカレーランチプレートが目の前に現れた。 12_作例.JPG まあ、なんて美味しそう。今日の野菜カレーは、たっぷりきのことレンコンのカレー。サブジは、赤ひよこ豆とキャベツのスパイス炒め、長芋のマスタードオイル炒め。そして、紫キャベツとミニトマトのスパイスピクルス、ミックススパイスライスがついている。レンズをマクロモードにして野菜カレーだけにピントを当てて撮影。ライカで寄って撮影できるのは嬉しい。いつも、寄りたい気持ちをグッとこらえながら立ち上がって撮影していたので、とても嬉しい。 さあ食べよう。まずはやっぱり、野菜カレーから。一口ぱくり。きのこがぷりっとしていて、レンコンはしゃっきり、コクが深い。特に好きなのは、酸味。絶妙。うーん、すごく美味しい。思わず食べる手が早くなる。「YUKIさん、すごく美味しい。」そう伝えると、大きな笑顔で「全部野菜だけで作っているの。お肉とか一切使ってないの。」と、YUKIさん。このカレーのコク深さを野菜だけで作り出すのは、とても大変なことだと思う。手間暇をたくさんかけないと、このコクにはならないだろうなと想像しながら食べ進める。サブジもピクルスもライスも、とっても美味しい。 13_作例.JPG 相変らずクルクルテキパキと動きながらYUKIさんはサブジなどの料理を作っている。私が食べている間に、常連さんらしき人たちが数名やってきてあっと言う間に今日のカレーは完売。カレーが美味しいので「もう一杯食べたい!」と大きな声で伝えると、常連さんたちからも笑顔が返ってくる。地元の方なのだそう。 常連のみなさんと少し話をさせていただいていてふとさっきのアーケードのゾウを思い出して「あのゾウは何ですか?」と聞いてみると、あれはね、子供たちが秋祭りの時に引いたりするのねと教えて下さった。昔は手作りのハリボテで作られていて、それも味があって良かったそう。なるほど、お祭りの時の!と妙に嬉しく納得しながらうなずく。スパイスティーをごくりと飲み干し、お会計をしてまたねとお店を後にする。YUKIさん、美味しく楽しい時間をありがとう。 同期の新しい旅立ち。 おめでとうYUKIさん。 帰りがけ、YUKIさんに教えていただいたオーガニックのスパイス屋さんに立ち寄る。チャイのスパイスと、フンザのドライベリーを購入して駅に向かう。 あ、でも。そうだ。 何故ゾウなのか。 その疑問は解明されないままだった。 しまった。 くっついていた猫みたいなものはまるで分からない。 でもいいか。 また来たときに聞いてみよう。 西荻窪のゾウの謎は、続く。 14_作例.JPG 14_スマホ画面.png 移動中はスマホに入れたアプリ「Leica FOTOS」とカメラをBluetoothでつないでお気に入りの写真をスマホに転送したり。東京のアトリエに戻ると、そろそろ夕刻の時間になってきていた。チャイを作ろう。最近、インドのチャイグラスを買った。インドの町中のチャイ屋さんが使っているグラスだ。少し水色なところが気に入っている。チャイはスパイス強め、砂糖もたっぷり入ったものが好き。飲むと、インドの町に吹く風を思い出すから。 15_作例.JPG ほっ。 ひゅう。

浅草にて

翌日。今日も行きたい場所がある。合羽(かっぱ)橋(ばし)。 そう、あの、料理道具が並ぶ商店街のある合羽橋。ずっと行きたいと思っていた場所。合羽橋で料理器具を買いたい。合羽橋で買った料理器具を使ってカレーを作りたい。まずは、合羽橋がどこにあるのかgoogle先生に聞いてみると、浅草駅から徒歩で行けると出てくる。ふむふむ。浅草をお散歩して、浅草寺にご挨拶をして、合羽橋で料理器具を見る。なんて素敵なプラン。さらには、その近くに美味しそうなカレー屋さんがあったら最高じゃないと検索すると、いろいろなカレー屋さんが出てきた。中でも「西インドスパイス ガヤバジ」というお店の文字がバンと目に入ってきた。西インドのスパイスカレー。北インドや南インドカレーは人気があるけれど、でも、あえて西インドを謳うお店はなかなか見たことがない。これはもう行くしかない。インドを旅した時に、一番好きだったのが西インドのカレーだ。ジャイプールやジョードプルで食べたカレーは、スパイス強め、油も塩分も多め、肉も多め。西で食べるカレーは、バチバチと音がしそうなくらい強烈なカレーが多かった。そんなカレーに会えるのだろうか。 都営浅草線に乗ると、新しい車輛なのか鮮やかな背もたれのシートが目に入る。電車はそこそこ混んでいたけれど、ちょうど終点の駅でみんなが一旦降りるのでそのタイミングでパチリ。赤い色が美しい。ライカの赤バッジも背景の赤にシンクロして輝いて見える。赤はそう、カレーで言えばレッドペッパーの赤。ホットな赤。 16_作例.JPG 浅草駅で地上に上がると、人はまばら。雷門を埋め尽くすくらいの海外からの旅人たちでいっぱいだった去年と比べたら1/5いや、1/6くらいの人出だろうか。久しぶりの浅草の町をちょっとお散歩してみる。 17_作例.JPG 18_作例.JPG フィルムモードをBWモノクロHCにして、歩く。 19_作例.JPG 20_作例.JPG 21_作例.JPG カラーで撮ったり、モノクロで撮ったり。一瞬の心のコントラストが描けるのが楽しい。

西インドのスパイスカレー屋さんガヤバジ

さあ、合羽橋に行こう。料理道具を買いに行こう。とその前に、お腹が空いてきたので、カレーを食べに行こう。西インドスパイス ガヤバジ。調べたところによると、BARの間借りをして土日のみ営業しているカレー屋さんだそう。ビルの二階、ここで合っているのかなと少し不安になりながらも扉をそおっと押すと、中からいらっしゃいませという明るい声がした。 22_作例.JPG 23_作例.JPG 女性にカウンター席に案内されて、メニューを見る。迷わずスペシャルプレートを注文。だって、一番たくさんの種類のカレーやサブジが載っているから。食後にホットチャイも追加。西インドのカレー。ああ、なんて待ち遠しいの。わくわくうずうずしながらしばらくすると、スペシャルプレートが到着した。「わーすごい。」思わず声が出てしまう。ボリュームたっぷり。 24_作例.JPG 25_作例.JPG なんと、カレーは4種もある。マトンの辛口カレー・鳥出汁のマイルドカレー・Moth豆のカレー・チキンキーマカレー。そのほかに、マサラ味のチキン(チキンティッカ)、マサラエッグ、サブジ、アチャール、バスマティライス、アロエ。わあああ。西インド満載。ここは楽園なのだろうか。どれからいただこうか迷うけれど、まずはマトンカレーからいただく。実は匂いが強いマトンが苦手なので少々ドキドキしながらいただくと、このマトンカレーは苦手な匂いはまったくなくてとても爽やか。美味しい。次々にカレーをいただき、ボリュームたっぷりだったプレートをあっと言う間に完食。中でも、チキンキーマカレーがとりわけ好きで「食べ終わりたくない」と思いながらゆっくり噛み締めながらいただいた。 26_作例.JPG 27_作例.JPG 食後にチャイをいただく。やっぱり、カレーの後はチャイがいい。あったかくて、スパイスたっぷりで、甘いチャイがいい。そんな、あったかくてスパイスたっぷりで甘いチャイを飲んでほっと一息ついて、お店の男性の方に声をかける。掲載をさせていただいてもいいでしょうかと聞くともちろんですと快くOKをいただいた。ありがとうございます。 少しお話を聞くと、店主の富永さんと、西インドのプネーという街出身のガヤさんの二人でお店を運営しているそう。「ガヤは私の名前、バジはカレーという意味だから、ガヤバジというお店の名前はガヤさんのカレーという意味です。」と教えていただいた。ちなみに、プネーという街はムンバイの南170kmに位置するデカン高原にある人口500万人近い大きな都市だ。私が思っていた西インドは、デリーから見て西側であり、インドの中では北西の地区。砂漠が広がる地域だ。ガヤさんの故郷のプネーとは大分離れている。気候も全く異なる地域。ガヤさんのカレーを食べたときに、あれ、あの西インドの味と比べて大分優しいマイルドな味だなあと思ったのは、地域が全く違っていたからだったのか。「プネーはジャイプールやジョードプルみたいに砂漠が近くにあったり華やかではないけれど、美味しいお店がたくさんあるんですよ。」と笑顔で故郷の話をするガヤさん。西インドのプネーと言う街にいつか行ってみあいなあと想像が膨らむ。最後に「照れますね」と言いがらも微笑むお二人のツーショットを撮らせていただき、お店を後にする。 28_作例.JPG お二人は、来年2021年2月に、近所に店舗を構えることになったそう。今は間借りだけれどご縁が重なってと笑顔で話すお二人のお店が誕生することを心待ちにしています。お店が出来たら、また行きます。必ず。

かっぱの町を歩く

ガヤパジのお店を出ると、もうそこは実は合羽橋の商店街の中だった。まずはカレーを食べようとgoogleマップを起動していたので気づかなかった。合羽橋の真ん中にあるカレー屋さんだったのだ。なんて素敵な立地なのかしら。合羽橋の町を歩いてみよう。 29_作例.JPG 30_作例.JPG ズラリ。鍋、フライパン、包丁、皿、トング、箸などなど、料理器具が並ぶ。お店にちょっと入ってみると、目が丸くなるほど値段が安いものも多い。この木のスプーン欲しいなあ、このガラスのお皿も。てくてく。今一番欲しいのは、包丁を研ぐ砥石。長年使えるしっかりしたものが欲しい。 とある包丁屋さんの前でじっと砥石を眺めていると、買い物客らしい少し年上の男性が私の横にスーッと並ぶ。結構近い距離。もっと見たかったけれど、一人でじっくり見たかったのでお店を後にして信号待ちをするために立ち止まる。すると、さっき横にいた男性がすっと近づいてきて私の横に立つ。また結構近い距離。な、何だろう…、そう身構えたときに声をかけられた。「なかなか素敵なカメラですねえ。」と。あ、そ、そうね、ライカQ2ね、私じゃなくて。ちょっと恥ずかしくなりながら「ありがとうございます。」と答える。「レンズは何ミリ?28?それでフルサイズなんでしょ。」と聞かれる。「28mmです。これボディと一体型なんです。レンズ交換はできないライカQ2というカメラです。フルサイズの。」と答えると、男性はまじまじとライカQ2を眺めて「へー、一体型の。」と言ってスーッとどこかに消えていった。私はびっくりしながらも、ライカカメラが人を引き付ける力の強さについて深く実感した。東京の街を歩いていて、カメラで声をかけられるなんて滅多にない。ライカの磁力、すごい。 その後もふらふらと歩いていて、気になるお店に入ってお話を聞いたり。中でも、あるお鍋に一目惚れしてしまい、店員さんのお話をゆっくり聞く。美しいフォルムと美しい色のお鍋。なかなかのお値段だったのだけどああこのお鍋買っちゃうかもと思いながらもギリギリで踏みとどまってお店の外でAmazon検索をしてみたら、アマゾンの方が7,000円も安かった。ふう。 合羽橋には、カッパ様がたくさんいらっしゃる。 31_作例.JPG 32_作例.JPG 合羽橋(かっぱばし)というくらいなので、カッパとのご縁があるのだろうと思っていたけれど、金色のカッパ像の前に看板があり説明書きがあった。読んで見ると、1804年から1818年までの文化年間の頃、水はけの悪いこの地域は度々水害に遭っていたそう。そこで、合羽川太郎氏が私財を投じて排水工事に着手したけれど工事は難航。川太郎氏に昔助けられたことのあるカッパたちが工事を手伝い、無事工事は完了。そのことから、この辺りが合羽橋と名付けられたとのこと。他にも説あり、とのこと。 その後もたくさんのお店に入っていろいろな調理器具を見た。古いお店もあれば改装してある新しいお店もあり。あれもこれも欲しい。心が躍ってずっとドキドキしている。お料理のことを考えている間は本当に幸せだ。でも、いろいろあっていろいろ見て考えているうちに気持ちが満腹になってしまった。お腹いっぱい、心一杯。結局、何も買わなかった。また今度じっくりプライベートで来よう。そうしよう。 帰りがけにクリスマスツリーを見つける。もうそんな季節かあ。今年は月日が過ぎるのがいつもの年より何だかとても早く思える。そんなことを思いながらマクロモードで煌くツリーを撮影して銀座線に乗り込む。私の前に女性、斜め前に少し年上の男性が立つ。私は知っている。男性の視線が私のリュックの上に釘付けだったことを。つり革につかまる手に目を半分隠しながら、電車の揺れに任せて何度も何度も眺めていた。ライカQ2を。ライカの磁力、すごい。 33_作例.JPG 34_作例.JPG 銀座で降りて少し暗くなった街を歩く。煌々と光るライカ銀座店の前を通る。ライカQ2を抱きしめながら。さあ、家に帰ろう。

おわりに

今回一緒に旅をしたライカQ2、私はこのカメラが好きだ。とても好きだ。フットワーク軽く撮れることはもちろん、マクロ撮影機能あり、デジタルズームでいろいろな画角で撮影できることも大きな魅力。カラーもモノクロもと、いろいろな範囲を一台で撮れることに大きな魅力を感じた。ライカカメラの中では、自由度がとても高いカメラだと思う。そして、フルサイズというのは最大の魅力。 撮影している間、私は何だかいろいろな想像をしていた。私はこのライカQ2といろいろ旅をしたい。日本を、世界を。私の頭の中では、マレー鉄道に乗って壮大な自然を車窓に見つつライカQ2と一緒に電車に揺られている映像が浮かんでいた。いつの間にか。そして、タイのグリーンカレーや、マレーシアの赤いカレーが目の前に置かれ、ふわりふわりと湯気が揺れている映像が浮かんでいた。マレーシアには行ったことがないのに、何故か分からないけれど、浮かんでいた。いつかライカQ2と一緒にそんな旅をすることがあるのだろうか。分からないけれど、そんな気持ちになったことは確かだ。 そして、今回はカレーを二度も食べた。どちらも本当に美味しかった。スパイスごはんYUKIさんには、後日、掲載可能か聞いてみると、「うれしい。人生初だから!ワクワクありがとう。」とメッセージが届いた。私も嬉しい。YUKIさん、ありがとう、おめでとう。 ライカカメラとの旅はまだまだ続く。次はどんなライカカメラに出会えるのだろうか。のんびり、ゆっくり、綴っていきたいと思う。 35_作例.JPG 36_作例.JPGスパイスごはんYUKI 東京都杉並区西荻南荻南2-20-3サンパレス西荻パートB1 第2・第4土曜日12時~OPEN*売り切れ次第終了 ■西インドスパイス ガヤバジ 東京都台東区西浅草2-23-10 第2島谷ビル2F、080-4766-5163 土日11時~15時OPEN *売り切れ次第終了 2021年2月移転予定。詳細はInstagramにて。 ■参考文献 ライカHP ■写真家:山本まりこ 写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山本まりこさんによるライカ連載記事第四弾、ライカQ2で「カレーと旅」をテーマに様々な出会いを発見を執筆して頂いています。 ----- KEYWORDS: ライカ,連載,Q2,LEICA ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: DJI Mini 2 レビュー|4K撮影やズームを可能にした199gの小型ドローン BASENAME: 479056301.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 12/17/2020 16:00:00 TAGS: mini 2,DJI(ディージェーアイ) ドローン,その他のカメラ ----- BODY: 00_DJI Mini 2製品画像.jpg

はじめに

 2019年10月に発売され人気を得た199gの小型ドローン「MAVIC MINI」の登場から約1年たち、その後継機として、「DJI Mini 2」がDJIから発売になりました。名称が少々変わって「MAVIC」の名称が外れましたが、機体重量は199gを保持しながらもスペックはレベルアップしています。  この「DJI Mini 2」には発売形態には、「DJI Mini 2本体」と「DJI Mini 2 Fly More Combo」の2種類があります。特におすすめなのが「DJI Mini 2 Fly More コンボ」です。「Mavic Mini Fly More コンボ」には、本体の他に予備バッテリー追加2個やバッテリー充電ハブ、予備プロペラ、収納バックなのでアクセサリーが充実したセットになります。特に小型軽量な「DJI Mini 2」はバッテリーも小型の為、飛行時間が大型のドローンより短くなっています。ドローン飛行を楽しむには予備のバッテリーが必須です。「Fly More コンボ」では予備バッテリーをまとめて充電できる「2WAY 充電ハブ」もセットになっており、効率よくバッテリーを充電できますので、初めて購入する方には「Fly More コンボ」がおススメです。もし、先代の「MAVIC MINI」を持っていてバッテリーの予備もあるのであれば、「DJI Mini 2」は「MAVIC MINI」のバッテリーも使用は可能です。 ※「DJI Mini2」は「Mavic Mini」のバッテリーを使用できますが、電力が下がり、合計重量が200 gを超えるので飛行には注意が必要です。
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【左】DJI Mini 2、【右】DJI Mini 2 Fly More Combo

特長とMAVIC Miniからの変更点

 「MAVIC MINI」から「DJI Mini 2」になって大きく変更された点は動画撮影の解像度。カメラセンサーサイズは変わっていませんが、「MAVIC MINI」は2.7kであったのに対して、「DJI Mini 2」は4k対応になりました。4K対応になった事に合わせて新たにデジタルズーム機能も搭載されました。4Kモードでは2倍ズーム、2.7Kモードでは3倍ズーム、FHDモードであれば4倍ズームに対応が可能になり、動画撮影の幅も広げることができるようになりました。  また静止画においても撮影できるピクセル数に変化ないものの、「DJI Mini 2」はRAWデータの撮影保存が可能になった事が大きな変更点です。写真を撮るユーザーにとってはRAWデータで撮影できるのは、後処理で画像の調整がしやすい利点があります。 02_製品画像.jpg  仕様部分を簡単な表にして比較してみました(赤字は前機種と異なる部分) スペック比較表_DJI Mini 2とMAVIC MINI.jpg  本体の形状はほとんど変化が無く、パッと見では「MAVIC MINI」と「DJI Mini 2」の見分けはつきません。 03_製品画像.jpg  しかし機体の正面から見ると、改良された部分がよく分かります。
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【左】DJI Mini 2、【右】MAVIC MINI
 「DJI Mini 2」はカメラ部分に4kの文字が印字されています。そして機体の前部に新たにLEDライトが搭載されました。この前部にLEDライトが搭載された事によって、フライト中の機体の前後確認が分かりやすくなりました。
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【左】DJI Mini 2、【右】MAVIC MINI
 機体の後部を見るとUSBの仕様が変わったのが分かります。「DJI Mini 2」は、USB Type-Cに変更されています。USB Type-Cのコネクタは上下対称なのでケーブルの接続に戸惑うことがありません。  この機体のUSBの仕様変更に合わせて、「Fly Moer コンボ」のセットにある「2WAY充電ハブ」の充電ポートの仕様もUSB Type-Cに変更されています。このあたりの仕様が統一されて変更されているのも使い勝手をよく考えられていると思います。
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【左】MAVIC MINI、【右】DJI Mini 2の「Fly Moer コンボ」セットの「2WAY充電ハブ」
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DJI Mini 2の「Fly Moer コンボ」セットの「2WAY充電ハブ」
 本体部分とは異なりますが「Fly More コンボ」セットにある収納バック。これに関しては大きく形状が変わりました。「MAVIC MINI」はハンドポーチ型の収納バックでしたが、「DJI Mini 2」は上位機種の「Mavic Air 2 Fly More コンボ」と同様のデザインのショルダー型の収納バックに変更されています。ショルダー型になった事でドローンを飛行させている時でも、携帯するのが楽になりました。
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【左】MAVIC MINI、【右】DJI Mini 2の「Fly More コンボ」セットの「収納バック」
 そして今回一番大きな変化をしたのはコントローラーです。「DJI Mini 2」を操るコントローラーは、アンテナが内蔵型のシンプルな新デザインになり、スマートフォンもコントローラーの上部に挟み込むタイプに変更されて、非常に扱いやすくなっています。合わせて伝送システムも刷新されており、上位機種と同じ「OcuSync 2.0」が採用されてより安定した通信が可能になりました。この新型コントローラーは、DJI Flyアプリで、DJI Mini 2をファームウェアバージョン1.1.0.0以降に、DJI Mavic Air 2をファームウェアバージョン1.0.4.60以降に更新すれば、送信機はどちらの機体にも接続できます。ただ、残念ながら「MAVIC MINI」には対応することができません。
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【左】MAVIC MINI、【右】DJI Mini 2のコントローラー
新型のコントローラーは、スマートフォンのセットもし易くなり、接続するケーブルの取り回しも改善されています。 残念ながら、「DJI Mini 2」になって簡素化された部分もあります。それはプロペラガードです。 10_アクセサリー画像.jpg  「MAVIC MINI Fly Moer コンボ」には、プロペラガードがセットになっていましたが、「DJI Mini 2 Fly Moer コンボ」からは省略されました。このプロペラガードは互換性があるので、「DJI Mini 2」でも使用する事が可能です。フライトに自身が無い人にはありがたいアクセサリーですね。

飛行させる前の準備

 DJIが提供している、安全飛行フライトマップのページを確認してみましょう。 https://www.dji.com/jp/flysafe/geo-map ※ページ上部にある選択地域、フライトするドローンの機種を選びます。  「DJI Mini 2」は、機体重量199gで航空法の対象にはなりませんが、どこでもフライトできるわけではありません。マップ上に飛行制限空域、規制制限空域、おすすめ飛行可能空域などが色分けして表示されています。残念ながら東京都内は、ほぼ飛行制限空域になっています。これは東京都が管理している都立の公園と庭園でドローンを含めた小型無人機の使用を全面的に禁止しているからです。 その他自治体でも公園での飛行を禁止しているところも多くありますので、自治体、公園管理事務所などのホームページなどで飛行可能な場所を確認する必要があります。 11_安全飛行フライトマップ.JPG  その他ドローンを飛行させる場所によって、航空法、小型無人機等飛行禁止法、道路交通法、民法、電波法、都道府県市町村条例など注意しなければいけない決まり事が多くあります。しっかりと事前に確認してからドローンを飛ばしましょう。  それでは機体とコントローラーを接続して、最初にカメラの設定をしましょう。 12_設定画面.PNG  「DJI Mini 2」の静止画の設定は、JPEGかJPEG+RAWの選択が可能になりました。サイズは、4:3と16:9の2タイプが選択可能です。 13_設定画面.PNG  「DJI Mini 2」は新たに4K動画撮影が可能になったので、動画撮影サイズのバリエーションがふえています。  事前の準備ができたら、いよいよフライトです。

飛ばしてみて

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■撮影機材:DJI Mini 2
■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離 4mm(35mm換算 24mm) 4000x3000ピクセル(1200万画素)
 実際にフライトしている状態を別カメラで撮影してみました。フロントのLEDが点滅していますが、このLED点滅のカラーは変更することも可能です。
 「DJI Mini 2」は「MAVIC MINI」に比べて、最大上昇速度や最大下降速度、最大飛行速度などがアップしていますが、実際にはそれを体感できるほどの変化は感じることはできませんでした。 というのも撮影する際には、ゆっくりとした動きを基本として撮影するので通常の撮影などでは効果は薄いのが現状です。しかし、少し遠くのポイントまで高速で移動できる事はいざと言う時に頼もしい実力アップです。  「DJI Mini 2」には、新たにパノラマ撮影機能が搭載されました。このパノラマ撮影機能モードで撮影すると、撮影ポジションで自動に撮影角度を変えながら26コマの撮影しパノラマ画像を合成して作成する事ができます。
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■撮影機材:DJI Mini 2
■撮影環境:パノラマ撮影モード 4096x2048ピクセル
 撮影方法は、ホバリングしながらカメラの向きを自動で変えながら26コマ撮影しています。撮影した画像はメモリーカードに「PANORAMA」のフォルダができ、そこに全コマ保存されていて、アプリ上で自動でパノラマ画像を合成してくれます。 このパノラマ機能だけでも、とても楽しむことができる機能ですね。 16_説明画像.JPG

楽しい機能・クイックショット

 「DJI Mini 2」には簡単に撮影できるクイックショットが搭載されています。 クイックショットはインテリジェント・フライト・モードの1つで、簡単に言うとドローンが自動で素敵な動画を撮影してくれる機能です。その種類はドローニー、ヘリックス、ロケット、サークル、ブーメランの5種類で、「MAVIC MINI」より1種(ブーメラン)が増えています。 17_説明画像.png  クイックショットは、コントローラーのメニューから簡単に選択することができます。 実施したい、クイックショットを選択肢、基準なるターゲットをコントローラー上で指定(上部画像で+の部分)して、後はスタートボタンを押すだけでドローンは自動で飛行してくれます。 ■クイックショット・ドローニー  ドローニーは被写体を中央に捉え、斜め上後方に進みながら動画撮影をするモードです。
■クイックショット・ロケット  ロケットは、被写体を見下ろすように設定の高度まで上昇して俯瞰撮影するモードです。
■クイックショット・サークル  サークルは、被写体の周囲を回転しながら撮影するモードです。
■クイックショット・ヘリックス  ヘリックスは被写体を中心に、円を描きながら指定した距離まで離れていきながら撮影するモードです。
■クイックショット・ブーメラン   ブーメランは被写体を中心に円を描きながら上昇し、半分まわったところで下降しながら円を描くモードです。

まとめ

 撮影が簡単にできるクイックショットもあり、ドローンのフライトを十二分に楽しめる「DJI Mini 2」は、初めてのドローンには最適です。もちろん上位機種を持っているユーザーにも4K動画やズームしての撮影ができる事になったので満足できるドローンにはなったのではないでしょうか。 ドローンの飛行にはいろいろな規制が伴います。使う人がルールを正しく理解し、ルールを守り安全な飛行を心がける事で、今後ドローンを楽しく安全に飛行できる環境が整っていきます。まずはしっかりと飛行ルールを学ぶことからはじめてみましょう。  国土交通省のホームページには、無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルールに関する事が記載されています。ドローンに興味のある方は一度しっかりと内容を確認する事をおすすめします。 【参考】国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員 ・日本風景写真家協会 会員 ・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事 ・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事 ・一般社団法人 日本写真講師協会 理事 ・ソニーαアカデミー講師 ・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんによるDJI Mini 2のレビュー記事になります。製品特長や前モデルとの違いをはじめ、飛行させる際の諸注意なども説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,DJI,ドローン,Mini 2 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sレビュー|とろけるボケを体感できる最高性能レンズ BASENAME: 479071202.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 12/18/2020 16:00:00 TAGS: NIKKOR Z 50mm f/1.2 S,ポートレート,ニコン(Nikon) レンズ,人物_子供,単焦点,ポートレート(人物) ----- BODY: 05_ニコン NIKKOR Z 50mm f12 Sで撮影したポートレート作成.jpg

はじめに

 ニコンZマウントS-Lineの最高峰レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」が、2020年12月11日に発売になりました。開放F値1.2と浅い被写界深度ながら、STM(ステッピングモーター)を複数搭載したAF駆動で、素早く正確にピントを合わせられる本レンズの性能を、ポートレート撮影に主眼を置いて見ていきたいと思います。 00_レンズを持った女性.jpg

とろけるボケに心も溶かされる

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■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■撮影環境:f/1.2 1/250秒 ISO500 WB:4300K ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:成沢紫音
 まずなによりもそのボケ味にノックダウンされました。もちろん、開放F値が1.2の大口径レンズということもありますが、スペックのF値だけではボケの描写性能まではわかりません。その描写性能を体感できるのは、肉眼で見えている状況と、撮影した画像を見比べたときです。  作例は、ニコンプラザ東京内でライブシュートの公開収録を行ったときに、実際にその場で撮影したカットです。天井の小さなスポット照明は、色にじみのない玉ボケになっています。この玉ボケのフチが二重になってしまうレンズもあるのですが、本レンズは強い玉ボケも、弱い玉ボケもうるさくないクリアーな描かれ方をしています。また、テーブルや人までふんわりとボカしてくれるので、背景に沢山のスタッフがいるのが信じられないような画になりました。  ピントはカメラに近い方のモデルの左目に合わせ、絞りは開放で撮影しています。被写界深度が浅いので奥の目である右目はボケていますが、ピントを合わせた左目から右目へのボケのグラデーションがなめらかなので、違和感を感じることなく目力の強さを演出できました。  大口径レンズはいかに大きくボケるかに主眼を置かれがちですが、ピントが合っているところから最大ボケまでが、自然でなめらかなグラデーションで繋がれているかが、とても大切だと筆者は常々思っています。

被写体を主役に仕上げる立体感

02_作例.jpg
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■撮影環境:f/1.4 1/250秒 ISO100 AWB ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:中島あずさ
 木の緑色をふんわりとボカして人物を浮き立たせるのは、ポートレートの基本テクニックになりますが、本レンズだと被写体の存在感が段違いです。  また、後ろのボケに硬さがないので、水彩画のように柔らかい背景になりました。不自然な色にじみがないので、ハイライトを飛ばし気味にした描写も楽しめるレンズです。このカットも、自分の目に見えている状況と、背面液晶に写った撮影画像を見比べたときに、しみじみと「いいレンズだな」と感じたカットでした。  本レンズは複数のSTM(ステッピングモーター)を搭載しており、AF駆動時の静音化が成されています。ピント合わせのジーッという音が極めて小さいということは、動画撮影でAFを使用できるレンズだということです。  ニコンでは現時点で初めて開放F1.2のレンズでSTMを搭載したとのことですが、これからは高性能、高解像度のS-Lineのレンズで動画を楽しめるラインナップになっていくのでしょうか。

瞳AFとの相性GOOD!

03_作例.jpg
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■撮影環境:f/1.2 1/400秒 ISO100 AWB ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:野原ゆな
 今回使用したボディはすべて「Nikon Z 6II」です。AFモードはオートエリアAFで、瞳AFを使用しています。先月レビューした「Nikon Z 6II」の動体AFの精度が上がっているおかげか、本レンズとの相性がいいのか、瞳AFのヒット率はとても高かったです。  全身や膝上のカット、横顔、振り向きの動きのなか、強い逆光など、撮影していて楽しいレンズだったので色々なカットを撮影しましたが、どんなシーンでもすっと瞳にピントが合うので、余計なことを考えずに光や構図に集中できました。  ポートレートで多い状況が逆光での撮影ですが、本レンズは角度のある入射光の反射率を抑えるナノクリスタルコートと、レンズに垂直に入射する光の反射率を抑えるアルネオコートを併用しています。ゴーストやフレアの低減はもちろん、構図内に強い光があっても画面内が霞んだりくすんだりせず、ヌケの良い清涼感のある画が得られました。

コントロールリングでワンアクション操作が可能

04_作例.jpg
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■撮影環境:f/1.2 1/250秒 ISO800 WB:4300K ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:成沢紫音
 本レンズは、コントロールリングに「絞り値」「露出補正」「ISO感度」のいずれかを充当できます。筆者はポートレート撮影時はマニュアル露出で撮影することが多いので、テスト撮影時はISO感度を割り当てて使っていました。  作例は室内のカットですが、背景を変えるためにモデルを中心に自分がぐるぐるとまわって撮っていたので、くるくる変わる露出にワンアクションで対応できるのは便利でした。  ただ、リングのトルクが軽いので、レンズを支えている左手の指が当たってしまい、意図しないときに露出が変わってしまうこともありました。筆者個人的には、もう少し重めのトルクのほうが好みです。もしくは、筆者はカメラとレンズの重量を支えるために、かなり左手に頼っているので、右手でしっかりホールドできる方なら、そのような誤動作は少ないのかなと、感じました。

街なかのポートレート撮影が楽しくなるレンズ

05_ニコン NIKKOR Z 50mm f12 Sで撮影したポートレート作成.jpg
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■撮影環境:f/2.5 1/250秒 ISO100 AWB ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:中島あずさ
 画像周辺部までゆがみが少ないレンズだと、街なかでのポートレート撮影がさらに楽しくなります。本レンズは、線対称を突き詰めた光学設計と非球面レンズを3枚使用し、歪曲収差を極限まで抑えています。  ポートレート撮影だと、人物をゆがみが出るような構図に配置しないだろうと思われるかも知れませんが、人物の背景には縦横のラインが気になる建物があったりします。それが、ボケてはいても不自然なゆがみが見られると、写真を見ている人の目がそちらに引っ張られてしまって、主役の被写体の存在感が薄くなってしまいます。  また、EDレンズ2枚を配置した光学設計で軸上色収差を補正して、たとえばモデルと背景に明暗差のあるシーンでも、色にじみを抑えたクリアーな画に仕上げてくれます。人物が浮き立つように背景を飛ばしたり、暗く落とし込んだりすることのあるポートレート撮影では、この色収差を抑えてくれるレンズはとても助かります。

圧倒的な解像感で素材の質感まで再現!

06_作例.jpg
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■f/1.2 1/400秒 ISO100 AWB ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:野原ゆな
 ピントが合っているところはもちろん、ボケている部分の、たとえば衣装のふわふわとした柔らかい質感まで再現してくれる本レンズの基本性能の高さは、シャッターを切るたびに感じました。  アップの画を奥行き深く仕上げてくれるレンズは、撮影して楽しい、PCの大きな画面で見てもう一度楽しい、撮る楽しみを教えてくれるレンズでもあります。絞り開放の描写性能が高いので、このレンズを手にした方は、ぜひ、開放での描写をまずは楽しんでいただきたいです。

さすがのS-Lineレンズ!

07_作例.jpg
■撮影機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
■撮影環境:f/1.2 1/250秒 ISO2000 WB:4300K ピクチャーコントロール:ポートレート
■モデル:成沢紫音
 今回はポートレートでのレビューでしたが、50mmという使いやすい画角なので、スナップや風景撮影をしても楽しめるレンズでしょう。ポートレートではモデルとコミュニケーションを取りながら撮影するのにちょうどいい距離になり、スナップでは何かに注目したときの自然な視線を表現しやすい。撮り手のイメージを具現化してくれる、さすがニコンのS-Lineは違うと感動できるレンズでした。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんによるニコン NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sのレビューです。F値1.2の浅い被写界深度での写りや、ステッピングモーターによるAF性能などをポートレート撮影で検証しています。 ----- KEYWORDS: ニコン,NIKKOR Z 50mm f/1.2 S,レビュー,nikon,ポートレート,レンズ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: オリンパス OM-D E-M1X ファームウェア Ver2.0で鳥認識AFを試す|礒村浩一 BASENAME: 479140875.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 礒村浩一 DATE: 12/22/2020 16:00:00 TAGS: OM-D E-M1X,オリンパス(Olympus) ボディー,野鳥,ミラーレスカメラ,マイクロフォーサーズ ----- BODY: 00_オリンパス OM-D E-M1X 製品画像.jpg

OM-D E-M1X ファームウェアVer2.0は新機能満載

 いまやテクノロジーの最先端製品でもあるデジタルカメラは、さまざまな電子機器を組み合わせることで一つの製品(ハードウェア)として構成されている。だがハードウェアのみではカメラとしての機能を発揮することができない。そのカメラ本体の機器を正しく制御する為にはファームウェアと呼ばれる制御ソフトウエアが必要不可欠なのである。これらがうまくリンクすることで、はじめてカメラとして動作させることができる訳だ。  デジタルカメラのファームウェアはカメラ内に組み込まれたメモリに記憶されている。いったん製造してしまうとメーカーの工場などで再組み立てをしなければ更新できないハードウェアと違い、多くのデジタル一眼カメラはファームウェアをユーザー自身で新しいものに書き換えることが可能だ。この作業をファームウェアのアップデートと呼んでおり、発売開始時のファームウェアから最新版のファームウェアにアップデートを行うことで、動作の安定性や機能の向上が行われる。またファームウェアによっては機能が拡張・追加されることもある。  オリンパスのミラーレス一眼カメラであるOM-Dシリーズもユーザーによるファームウェアアップデートに対応しているカメラだ。各カメラメーカーからもファームウェアアップデートに対応したカメラが発売されているが、そのなかでもオリンパスは比較的細やかに新しいファームウェアを公開している印象だ。ファームウェアのアップデートは、カメラを付属のUSBケーブルを使用してパソコンに接続したうえで、オリンパスの画像編集ソフト「OLYMPUS Workspace」を介してアップデートを行う。今回紹介するOM-D E-M1X用の最新ファームウェアは2020年12月3日に公開されたVer 2.0だ。このバージョンではこれまでのE-M1X Ver1.xの機能に加え、いくつかの新たな機能が追加されている。

OM-D E-M1X ファームウェアVer2.0で新たに追加された機能

・インテリジェント被写体認識AFに鳥認識AFを追加 ・HDMI接続された外部機器への動画RAWデータ出力に対応 ・深度合成対応レンズに新発売予定のM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROを追加 ・動画撮影時の手ぶれ補正の安定性を向上 ・マニュアルフォーカス時にフォーカス距離指標表示を選択可能
01_MF_scale.jpg
ファームウェアVer2.0ではマニュアルフォーカス時に、フォーカスリングの回転方向と繰り出し具合をスケールで表示することが可能となった。

ついに鳥認識AFがインテリジェント被写体認識AFに追加された!

 今回のバージョンアップのなかで、もっとも大きな変化といえるのが「インテリジェント被写体認識AFに鳥認識AFが追加」されたことが挙げられる。ここで簡単に「インテリジェント被写体認識AF」について解説すると、OM-D E-M1Xに搭載された独特なAFシステムのひとつの機能のことである。これまでにオリンパスが蓄積してきた膨大な被写体の情報を基に、人工知能(AI)の基礎技術のひとつであるディープラーニングにより画像を統計的に判別し、被写体を認識させたうえでフォーカスを合わせ、同時に移動する被写体を追尾する技術である。 参考:オリンパスOM-D E-M1Xレビュー|持てる力を全て注ぎ込んだプロスペックミラーレス一眼  そこで今回のレビューでは主に鳥認識AFの使い勝手と、鳥撮影におけるメリットなどについて検証してみたいと思う。なお、最初にお伝えしておきたいのだが、私はプロ写真家ではあるが普段は鳥の撮影を行うことはほとんど無い。それゆえ鳥のように小さくてすばやい被写体を追いかけながら撮影することは正直言って苦手なのである。そういう意味では、鳥の撮影においては読者のみなさんと技量的にさほど差がないと思ってもらって良いだろう。そんな「鳥撮りが苦手なカメラマン」が、このE-M1X Ver2.0でどれほど上手く撮れるのかといった検証作業でもある。

被写体認識AFの設定方法

 E-M1Xで被写体認識AFを使用するには事前にいくつか設定しておく項目がある。MENU画面からカスタムメニューA3(AF/MF)画面に入り[追尾被写体設定]で[鳥]を選択。そのうえでE-M1XのAF方式を[C-AF+TR]もしくは[C-AF+TR MF]を選ぶと鳥認識AFが使用可能となる。
02_TORI_AF.jpg
[追尾被写体設定]で[鳥]を選択。これを設定しておかないと鳥認識AFが作動しない。

E-M1X Ver1.xとVer2.0の被写体認識AFの違い

 オリンパスのOM-Dシリーズのカメラのうち、インテリジェント被写体認識AFが搭載されている機体は、現時点においてはプロ機として開発されたE-M1Xのみだ。その理由のひとつとして、E-M1Xには画像処理の心臓部である画像処理エンジンが2機搭載されていることが挙げられる。どうやら被写体をリアルタイムで識別してそれを追いかけ続けるには相応の高速情報処理能力が必要とされるらしい。  E-M1Xには発売当初から「モータースポーツ」「飛行機」「鉄道」の追尾被写体設定が用意されており、今回のVer2.0へのファームウェアアップデートでは「鳥」が追加された。この「鳥」認識AFでは鳥の全身、頭部、瞳をピンポイントで識別し、シャッターボタンを半押しするとフォーカスを合わせてくれる。この時点でAFの追尾がスタートし、フレーム内に鳥を捉えている限りフォーカスが追いかけるというものだ。  ファームウェアVer1.xとVer2.0それぞれの被写体認識AFの状況を、ファインダー内をカメラで直接撮影して動画に記録した。Ver1.xでは被写体認識「鳥」に近い「飛行機」で、Ver2.0では「鳥」に設定している。Ver1.xでは海面の物体ごと被写体として認識してしまい、鳥のみを認識することが難しい。一方Ver2.0では鳥のみを被写体として認識できているのに加え、複数羽の鳥を個別に認識している。
 ファームウェアVer2.0にアップデートしたE-M1Xを鳥認識AFに設定して干潟に集まる鳥を撮影。こちらもE-M1Xのファインダー内画像をカメラで動画撮影したものだ。水面を歩く鳥や飛翔する鳥を、鳥認識したAF枠がフォーカスを合わせながら追尾していることがわかる。また鳥の頭部や瞳が判別できる大きさである場合はAF枠はそれらを追いかける。さらに杭の上に何羽もの鳥が止まっているシーンでは同時に複数の鳥を見分けていることがよく判る。E-M1Xでの鳥認識AFは同時に8羽までの鳥を識別して判別が可能ということだ。この動画を見ているだけでもなかなか興味深い。

E-M1Xでの鳥認識AFの使い所を考える

 ここではフレーミングする範囲の違いによって、一羽の鳥を鳥認識AF枠がどう変化して捉えるかを確認した。わずかな構図の変化ではあるが3パターンのいずれの場合でも、的確に状況を判別し、迷うことなく鳥の頭部もしくは瞳を捉え続けていることが判る。  足首から上、主に鳥の胴体と頭部で画面の中心を占めるフレーミング。被写体認識が鳥の頭部を認識してAF枠を頭部に合わせている。 03_cap2.jpg  鳥の全身が入るフレーミング。画面全体に対する頭部の大きさの比率が小さくなってもAF枠はしっかりと頭部を捉えている。 04_cap3.jpg  鳥の頭部にカメラを近づけてフレーミング。AF枠は鳥の瞳を判別してフォーカスを合わせているのがわかる。 05_cap4.jpg  鳥認識AFに設定してAFターゲットモードで121点オールターゲットを選択。追尾AF(C-AF+TR)で鳥を追尾した。通常の121点オールターゲットでのAFは画面内を占める面積が広いものや、カメラからもっとも近い距離にある被写体にフォーカスを合わせる傾向があるが、E-M1X Ver2.0の鳥認識は鳥の形状そのものを判別してフォーカスを合わせてくれる。この画像のように手前側にススキがあったとしても、E-M1Xの鳥認識AFならススキにフォーカスが取られてしまうこともないので構図を優先してフレーミングすることができる。またE-M1Xでは121点の周辺エリアに鳥がいても問題なく鳥認識してフォーカスを合わせてくれる点も心強い。これらは構図構成を自由にしてくれる大きなメリットとなる。 06_maeboke_cap.jpg 07_maeboke_RR063482.jpg

鳥認識AFとプロキャプチャーモードの最強コンボが可能!

 E-M1Xの鳥認識AFはプロキャプチャーモードとの併用使用が可能だ。プロキャプチャーモードとは、レリーズボタンを全押しした瞬間からさかのぼって、最大35コマまで記録することができる連写モードだ。レリーズボタンを半押しした時点からカメラ内のメモリ上に画像記録を始め、全押しで連写を始めると同時に、過去に遡り画像を記録することができる。この機能は、たとえば枝にとまっている鳥が飛び立つ瞬間などでも、一瞬の挙動を撮り逃さずに撮影できるという便利で確実な撮影方法だ。プロキャプチャーモード自体はE-M1 MarkIIIにも搭載されているが、この鳥認識AFとの組み合わせが可能なE-M1Xでは、動きの素早い鳥をより確実に撮影することができる。まさに鳥撮影における最強な組み合わせといってよいだろう。  鳥認識AFとプロキャプチャーモードを組み合わせて、高い木の上にとまる鳥の挙動を撮影した。人差し指をレリーズボタンにかけ半押しにして鳥認識AFを発動させた状態でフレーミングを行い、鳥が枝から飛び立とうとする挙動を見せた11コマ目あたりでレリーズボタン全押しで撮影を開始した。おそらく通常の連写モードだと10コマ目の、鳥が大きく翼を広げた瞬間は撮り逃してしまう可能性が高い。だが、プロキャプチャーモードのおかげでバッチリ写真に納めることができたのである。 08_作例.jpg

E-M1X Ver2.0 鳥認識AF作例

東京湾に面した干潟に飛来する野鳥を撮影

 E-M1Xの鳥認識AFを利用して干潟に集まる野鳥を撮影した。この干潟は野鳥観察の施設もあり、また日頃から観察に訪れる人も多く、比較的野鳥撮影もしやすいスポットとなっている。それでも野鳥である以上、私のように鳥の生態に詳しくない者にとってはいつ飛来するかも、またどのような動きを見せてくれるかを予測することは難しい。したがってこの撮影ではほとんどE-M1X任せでの撮影であったと言って良いだろう。なお、ここでの使用レンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」と1.4倍テレコンバータ「MC-14」の組み合わせである。この組み合わせでは35mm判換算で最大1120mm相当にもなる超望遠レンズである。
10_RR062853.jpg
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + MC-14 (560mm)
撮影環境:ISO1600 F9 1/1250 シャッター優先モード +1.3EV WBオート
11_RR063719.jpg
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + MC-14 (511mm)
撮影環境:ISO640 F9 1/1000 シャッター優先モード -0.3EV WBオート
12_RR064060.jpg
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + MC-14 (454mm)
撮影環境:ISO1000 F9 1/1000 シャッター優先モード +0.7EV WBオート
13_RR064283.jpg
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + MC-14 (454mm)
撮影環境:ISO6400 F8.9 1/320 シャッター優先モード +0.7EV WBオート

動物園で飼育されている鳥を撮影

 E-M1Xを携え動物園に赴き飼育されている鳥たちを撮影した。いろいろな鳥の種類を撮影することで、鳥認識AFの反応の違いが出るかを確かめてみた。結果としては顔の大きな鳥、顔の小さな鳥、首の長い鳥、くちばしが細長い鳥、くちばしが太くて短い鳥など特徴が異なっていてもちゃんと鳥認識AFが働いてくれた。このことからも、おそらく鳥認識のアルゴリズムを生成する過程でさまざまな鳥の写真をデータとして取り込んだのであろうことが想像できる。  また檻の中にいる鳥でも撮影を行ってみた。通常、檻越しに撮影しようとすると、鳥ではなく手前の格子にフォーカスが合ってしまうことも少なくないが、今回の撮影においては121点オールターゲットモードの場合でも、おおよそ2回に1回の割合で鳥にフォーカスを合わせてくれた。更にAFターゲットモードを9点や1点に絞ったうえで鳥の顔の位置に配置することにより、フォーカスが鳥の顔に合う割合を上げることができる。また、121点オールターゲットモードでも、C-AF+MFモードでいったん大まかにマニュアルフォーカスにより鳥の顔にフォーカスを持って行った上で、レリーズボタンを半押しすることによりかなり高い確率で鳥の顔および目にフォーカスを合わせることができた。こういった方法が檻越しに鳥認識AFをうまく活用する際のコツのようだ。  なお、ここでは「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」のレンズを、被写体との距離に合わせて使い分けて撮影している。鳥の手前にある檻の格子を大きくぼかして目立たなくするために、極力望遠側の焦点距離で撮影を行っていることから、自ずと鳥の体や上半身が背景から浮き上がる絵柄が多くなっている。この撮影を進めるうちに被写体認識AFで鳥の瞳にフォーカスをあてて撮影していると、まるで人物のポートレート撮影を行っているかのような感覚になったのが印象的だった。AF枠の動きは人物の顔認識AFや瞳AFとほぼ同じ挙動であるからだ。鳥ポートレートという新たなジャンルが生まれるかもしれないとも思ってしまった程だ。
14_RR144792.jpg
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (150mm)
撮影環境:ISO3200 F2.8 1/320 絞り優先モード WBオート
15_RR144826.jpg
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (115mm)
撮影環境:ISO400 F2.8 1/250 絞り優先モード -0.7EV WBオート
 
16_XC148870.jpg
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS (150mm)
撮影環境:ISO640 F7.1 1/320 シャッター優先モード -0.3EV WBオート
17_XC149077.jpg
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (150mm)
撮影環境:ISO500 F7.1 1/250 絞り優先モード -0.3EV WBオート
18_XC149124.jpg
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (150mm)
撮影環境:ISO200 F2.8 1/320 絞り優先モード +0.7EV WBオート
19_XC149276.jpg
使用機材:E-M1X,M.M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (150mm)
撮影環境:ISO200 F2.8 1/400 絞り優先モード +0.3EV WBオート

鳥撮影の楽しさが爆発するかもしれない予感を感じたOM-D E-M1X Ver2.0

 オリンパスのフラグシップ機であり、かつプロ機であるという役割を担って生まれたOM-D E-M1Xは、それまでのOM-Dシリーズのカメラを総括するような高機能なカメラだ。とくにAFシステムに関しては最上位モデルに相応しく、AIによる被写体判別のデータを活かした被写体認識という、新たな可能性を提案したカメラとしてとても印象強いものであった。それだけに発売直後から新たな被写体への対応も望まれ続けている。  Ver2.0へのファームウェアバージョンアップによって追加された「鳥」認識機能の有効性は、今回のテスト撮影で十分に証明されたと感じている。何より鳥撮影を苦手とする私でさえ、わずかな時間の練習だけで飛翔する鳥を追いかけながら撮影できるようになったくらいなのだから。  兼ねてよりファームウェアの更新により、機能の向上や新機能の追加を積極的に行ってきたオリンパスのデジタルカメラだが、今回のバージョンアップで改めてその可能性を感じている。そうとなったらもっと色々な被写体にも対応していただきたいと思ってしまうのも当然なことだろう。今後のファームウェアアップデートにおいても、認識する被写体を追加していただけることを期待したい。ぜひとも。
20_XC148923.jpg
使用機材:E-M1X,M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS (169mm)
撮影環境:ISO200 F10 1/320 絞り優先モード WBオート
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の磯村浩一さんがオリンパス OM-D E-M1XのファームウェアをVer2.0に更新して鳥認識AFの試撮りを行いレビューしています。 ----- KEYWORDS: レビュー,オリンパス,OM-D E-M1X ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: iPhone 12 Pro Max レビュー|三井公一 BASENAME: 479173261.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 12/24/2020 16:00:00 TAGS: iPhone,レビュー,スマートフォン ----- BODY: 00_アップル iPhone 12 Pro Max製品画像.jpg

はじめに

 今年もアップルのiPhoneシリーズがお目見えした。新型コロナウィルスの影響で発表と発売が遅れたが、「iPhone 12」、「iPhone 12 mini」、「iPhone 12 Pro」、「iPhone 12 Pro Max」の4機種が販売されている。サイズとカラーは機種毎に異なっているので、実機をキタムラのiPhone取扱い店舗で手にして感触を確かめて欲しい。今回はカメラ機能に力を入れた最上位機種の「iPhone 12 Pro Max」をインプレッションしてみたい。

iPhone 12 シリーズの違い

 まずは4機種のスチルカメラ機能に関連する部分をザッと見てみよう。

iPhone 12 mini

・ディスプレイ 5.4型 ・デュアルカメラ(超広角 フルサイズ換算約14mm、広角 フルサイズ換算約26mm) ・重量 133g

iPhone 12

・ディスプレイ 6.1型 ・デュアルカメラ(超広角 フルサイズ換算約14mm、広角 フルサイズ換算約26mm) ・重量 162g

iPhone 12 Pro

・ディスプレイ 6.1型 ・トリプルカメラ(超広角 フルサイズ換算約14mm、広角 フルサイズ換算約26mm、望遠 フルサイズ換算約52mm) ・Apple ProRAW対応 ・LiDAR スキャナ ・重量 187g

iPhone 12 Pro Max

・ディスプレイ 6.7型 ・トリプルカメラ(超広角フルサイズ換算約14mm、広角 フルサイズ換算約26mm、望遠 フルサイズ換算約65mm) ・Apple ProRAW対応 ・LiDAR スキャナ ・広角カメラ センサーシフト式光学手ブレ補正機能 ・重量 226g  どの機種も5G対応で、A14 Bionicチップ、Super Retina XDRディスプレイ(有機EL)、防塵防滴仕様、Lightningコネクター装備となっている。スペックを見ると写真・カメラファンは「iPhone 12 Pro Max」を選びたくなってくるだろう。

3つのカメラ

 超広角、広角、望遠の3つのカメラを搭載している「iPhone 12 Pro Max」。注目はセンサーシフト式光学手ブレ補正機能を搭載した広角カメラと、焦点距離が長くなった望遠カメラだ。広角カメラはセンサーも大型化されているので、高い描写性能も手に入れているのが特徴だ。また長くなった望遠カメラはブツ撮りや風景撮影などにも威力を発揮するだろう。雄大な画角を有する超広角カメラも変わらず、これ1台あればワイドからテレまで写真撮影を存分に楽しむことが可能だ。

進化したナイトモード

 一昔前までAndroidに暗所性能が負けていたiPhoneだが、ナイトモードを搭載してから画質的に健闘するようになってきた。今モデルから超広角カメラでナイトモードが使えない、という弱点もなくなり、描写も肩を並べるようになってきた。これは朗報だ。実際に夜の街を撮り歩いたが暗所撮影が楽しく感じた。

改善したポートレートモード

 「Computational Photography」のパワーで背景を擬似的にぼかすことが可能なポートレートモード。iPhone 7 Plus時代のベータ版から着々と進化を重ね、このiPhone 12 Proシリーズでようやく使い物になる完成度になったと言えるだろう。というのもiPhoneは被写体の境界判定がGoogle Pixelシリーズと比較して甘く、意図しない切り抜きやボケない、などの問題をずっと抱えていた。それがLiDARスキャナを採用することによって改善されたのだ。小さくて細い被写体でもまずまずの精度で撮れることが多くなった印象だ。

実写

 静岡名物の美味しいハンバーグを広角カメラで。色味が前の機種よりかなり鮮やかに撮れた。シズル感もよく出ており、室内のカットでも見た目よりゴージャスに撮影できる傾向がある。センサーシフト式光学手ブレ補正機能と大型化の恩恵だろう。 01_作例_0049.jpg  超広角カメラでもナイトモードが使えるようになったのがうれしい。夜の散歩でもクッキリとシャープな写真が撮れる。ただかなり暗い場所でないとこのモードが発動しない。暗所性能が高くなったためだが自分で選択できないのがもどかしいところ。オンになったらスライダーで「iPhone 12 Pro Max」がリコメンドするシャッター速度の範囲内で選んでシャッターを切ろう。 02_作例_0071.jpg  「iPhone 12 Pro Max」は一般的なデジタルカメラよりイルミネーション撮影がラクだ。A14 Bionicが的確な露出とHDR的な処理を高速に行ってくれるからである。これぞ「Computational Photography」。白飛びも黒つぶれも気にせずに端末任せで構図に専念できるので、誰にでもカンタンに美しいライトアップの撮影ができる。 03_作例_0125.jpg  iPhoneの擬似的に背景ボケを作り出す「ポートレートモード」は境界の判定に難があり、複雑な形の被写体(髪の毛、草葉、ストローなど)は曖昧な写真になってしまっていたが、LiDARスキャナを搭載した上位機種ならそれが改善した。まずまずの精度でキレイに被写体を判別してぼかすことができるようになったのは評価できる。プレビューしながらボケをコントロールできるのは以前と同様だ。 04_作例_0327.jpg  超広角カメラはフルサイズ換算約14mmと迫力がある。被写体を大きくフレーム内に配置してシャッターを切るのがコツだ。ナイトモードでもこの画角が使えるようになったので表現の幅が拡がった。室内を広く写したり風景をより雄大に写すのに使ってみよう 05_作例_0336.jpg  望遠カメラが「iPhone 12 Pro Max」はフルサイズ換算約65mmと長焦点距離化された。これによってより遠くのものを大きく、パースを圧縮しての撮影が可能になった。レンズはやや暗くなったが、静物やフード、スナップ撮影に役立つ長さとなり使い勝手が向上した。タイルの高精細な描写に驚かされた。 06_作例_0390.jpg  「iPhone 12 Pro Max」は低照度下の撮影に強くなったが、強烈な点光源には注意が必要だ。街灯やスポットライト、クルマやバイクのヘッドライトなどを正面付近から撮ると盛大にゴーストとフレアが発生する。このカットは高速道路を走るクルマを撮ったものだが、空の部分にUFOらしきものが多数写っている。正面付近からポジションを変えて、反射の少ない構図を取ることが大切である。 07_作例_0421.jpg  「iPhone 12 Pro Max」は超広角から望遠まで幅広く被写体を撮れるスマートフォンだ。東京国際フォーラムを撮ったカットだが、ハイライト部からシャドウ部まで安定したシャープな写りをしてくれた。誰でも失敗のない写真が撮れる現代の超簡単なデジタルカメラだと言えよう。 08_作例_0473.jpg

カメラ機能で選ぶなら iPhone 12 Pro Max

 「iPhone 12 Pro Max」はカメラ機能を考えるとシリーズナンバーワンの機種になっている。特に大きなセンサーの広角カメラは手ブレにも強く描写もいいし、望遠カメラは一段と長くなり、撮影領域がグンと広がったと言える。また「Apple ProRAW」モードで撮ることによって、アプリによる現像処理も楽しめるようになった。ただ「iPhone 12 Pro Max」は大きくて重い。「iPhone 12 mini」の約2倍近い重量なのだ。なので実際にiPhone取扱い店舗で手にしてみることをオススメする。もし気にならないのであればチョイスする価値があるスマートフォンだ。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんによるiPhone 12 Pro Maxのレビューです。iPhone 12シリーズの4機種の違いや、12 Pro Maxの特長を作例も交えて紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: アップル,iPhone,レビュー,スマートフォン ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: シグマ 35mm F2 DG DN Contemporary レビュー|街なかに溶け込めるスナップレンズ BASENAME: 479188303.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 12/25/2020 16:00:00 TAGS: 35mm F2 DG DN | Contemporary,レビュー,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,単焦点 ----- BODY: 00_シグマ 35mm F2 DG DN Contemporary製品画像.jpg

はじめに

 2020年12月18日に発売された、シグマのミラーレスカメラ用レンズ「35mm F2 DG DN | Contemporary」は、フルサイズ対応の新レンズシリーズ「Iシリーズ」として発表されたレンズの一本で、この「Iシリーズ」は、本レンズと同日発売の「65mm F2 DG DN | Contemporary」、2021年1月22日発売予定の「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」、すでに発売済みでSIGMS fpのキットレンズとしてもお馴染みの「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の4本がラインアップされています。  今回は、SIGMA fpと「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」を愛用する筆者が、スナップに最適な「35mm F2 DG DN | Contemporary」を持って、街を撮り歩いてみました。

街なかに溶け込めるコンパクトサイズ

01_シグマ 35mm F2 DG DN Contemporaryで撮影した作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/640秒 ISO100 AWB カラーモード FOVクラシックブルー
 スナップ撮影で重視したいのは、機材がコンパクトなこと。本レンズはSIGMA fpに装着すると、手のひらにすっぽり収まるサイズになります。スナップ撮影はとにかくたくさん歩きます。そんな撮影時に持ち歩きが苦にならないとともに、街なかに溶け込めるサイズなのは、筆者としてはまず嬉しいポイントのひとつです。  この「Iシリーズ」のレンズでスペックを語ることは、野暮なことのようにも思いますが、レビューなので少しだけ触れさせてください。開放F値はF2、絞り羽根枚数は9枚の円形絞り、レンズ構成枚数は9群10枚(SLD1枚、非球面レンズ3枚)、最短撮影距離は27cm、今回試用したLマウントの大きさと重さは70mm×65.4mm、325gです。  気になる描写性能ですが、ピントが合っている面のクリアーさは素晴らしく、ショーウインドウのガラスすら感じさせないほどです。かと言って角が硬い描き方ではないのは、とても筆者好みの描写でした。不自然なゆがみや、色収差もよく抑えられていて、斜めからの日差しの強い冬の日中のスナップも快適に行えました。

持つ喜びを感じさせてくれるデザイン

02_作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/400秒 ISO100 AWB カラーモード モノクローム
 撮る喜びだけではなく、所有する喜びに価値基準を置いた本レンズは、実際に触ってもらいたいと思いました。手にするとひんやりと冷たく、金属素材を主に使用したしっとりとした黒色のレンズボディは、贅沢さを感じさせてくれます。  また、フォーカスリングと絞りリング、レンズフードには、ローレットという細かい溝がついているのですが、滑り止めという利便性以上にデザインとして、いいアクセントになっています。  レンズに色々なロゴやマーク、加工などがされているものは好きではないのですが、あまりにも素っ気ないのも、いかにも「撮るだけ!」という機械感が出てしまって味気ない……本レンズは、その辺りの足し算と引き算を上手に使ったデザインに仕上がっています。

重めのトルクと使いやすい切り替えスイッチ

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■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/320秒 ISO100 AWB カラーモード サンセットレッド
 絞りリングのトルクは重めのクリック感があるので、レンズを見ずに絞りを変えても、指の感触で狙った絞り値にしやすかったです。フォーカスリングは程よい粘り感があります。動きはスムーズなので、これくらい粘りがあったほうが、細かいフォーカスの調整がしやすいと感じました。  本レンズと「65mm F2 DG DN | Contemporay」のフォーカスモード切り替えスイッチは、新規専用開発のロングストロークスイッチが採用されています。今まではレンズに垂直に付いていて、カメラを構えたときに前後に動かして切り替えていたスイッチが、本レンズではレンズに平行に付いていて、カメラを構えた状態ではスイッチを上下に動かして切り替える形状になっています。  その形状の変化によって、切替時のしっかりとしたクリック感をより味わえるようになっているとのことですが、操作上も、ストロークが長い分しっかりと指が動くので、切り替えの誤操作が格段に少なくなりました。

便利なマグネット式メタルキャップ

04_作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/640秒 ISO100 AWB カラーモード シネマ
 本レンズは、オールドレンズを持ち歩くのに似た感覚を覚えました。小さいけれどずっしりと重く、金属的で重厚感があり、直線的なデザインと重めのトルク。そんな本レンズにはひとつ、革新的な外観要素があります。それが、マグネット式メタルキャップです。  本レンズには、通常のプラスチック製キャップに加えて、専用のマグネット式メタルキャップが付いてきます。その名の通り、磁力でレンズの前面を保護してくれるレンズキャップです。これに、別売りのカラビナ付きのマグネット式メタルキャップホルダーを使用すれば、山道を走ってもレンズキャップの紛失を防ぐことができます。  レンズキャップって、毎回迷子になっちゃうんですよね。コートのポケットだったり、ジーンズのポケットだったり、カメラバッグの中だったり、外す度に毎回違う所にとりあえず入れてしまうので、どこに入れたかわからなくなっちゃって。これは、本気で便利です!

価格も含めてバランスの良いレンズ

05_作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/500秒 ISO100 AWB カラーモード ティールアンドオレンジ
 絞り開放時の奥行き感と、ピント面からボケへの自然なグラデーションが美しく、今回は筆者にしては珍しく、アンダー目のカットを多く撮影していました。  カメラを愛する人の機材欲や、写真欲は人それぞれですが、できることなら高画素のカメラボディと、できるだけ明るい大口径のレンズが欲しいという方も多いことでしょう。F2でこれだけ綺麗にボケるなら、F1.8だったら、F1.2だったらと夢や欲が膨らむかもしれませんが、F値が小さくなることで大きさやデザイン、価格が変わってしまうようなら、筆者はこのままがいいと思いました。それくらい、すべてのバランスがいいレンズだと思います。

絞り開放でも掴みやすいピントの山でMFも快適!

06_作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/400秒 ISO100 AWB カラーモード ティールアンドオレンジ
 スナップのときは絞り値をF5.6くらいにして撮ることが多いのですが、本レンズは絞り開放の描写が楽しくて、F2でばかり撮影していました。被写界深度が浅くてもピントの山は掴みやすく、SIGMA fpの背面液晶を見ながらの、マニュアルフォーカスでのピント合わせもしやすかったです。  作例は、葉の隙間から見えるほおずきに、マニュアルフォーカスでピントを合わせています。SIGMA fpではマニュアルフォーカスを使用することも多いので、前述のフォーカスモード切り替えスイッチの感触はたっぷり味わえました。

ポートレートや動画撮影にも使ってみたいレンズ

07_作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/100秒 ISO100 AWB カラーモード ティールアンドオレンジ
 最短撮影距離が27cmなのですが、実際に撮影してみると、思っているよりも寄れると感じました。円形絞り採用なので、光の丸ボケも綺麗に出ます。今回はスナップでしたが、今度は屋外でのポートレートを撮ってみたいと思いました。このコンパクトさなら、ジンバルに乗せてもそれほど重量を感じないので、動画撮影も楽しそうです。

王道スナップレンズ

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■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/320秒 ISO100 AWB カラーモード 風景
 現在4本のレンズがラインアップされている「Iシリーズ」、どれを手に入れようか迷われている方も多いと思います。35mm画角の本レンズは、街なかスナップを撮る方には標準画角の王道スナップレンズとして、自信を持ってお勧めしたいと思います。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんがシグマ 35mm F2 DG DN | Contemporaryのレビューを行っています。スナップでの写りの検証や所有する喜びに価値基準を置いた本レンズの本体質感や操作性についても触れていますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: シグマ,35mm F2 DG DN | Contemporary,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: シグマ 65mm F2 DG DN Contemporary レビュー | 「Art」「Cine」レンズで磨かれた描写を独特の距離感で楽しめる BASENAME: 479239309.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 12/28/2020 16:00:00 TAGS: 65mm F2 DG DN | Contemporary,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,スナップ,単焦点 ----- BODY: 00_SIGMA 65mm F2 DG DN  Contemporaryの製品画像.jpg

はじめに

 斬新な製品を続々とリリースしているシグマから、またもや新たなレンズ群が登場した。「SIGMA GLOBAL VISION」3ラインのうちの1つ「Contemporary」内に設けられた「I シリーズ」がそれだ。このシリーズは高級感あふれる金属外装を身にまとい、Artラインの写りを標榜する、注目のミラーレス一眼カメラ専用設計レンズになっていた。

I シリーズの位置づけ

 「SIGMA fp」と同時に発表された「SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary」。高い工作精度の金属製鏡筒と心地よい操作感の絞りリング、そして美しいメタル製レンズフードが話題になったのをご記憶の方も多いだろう。世界最小最軽量のフルサイズフォーマットミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」のキットレンズとして爆発的に売れたレンズだ。「I シリーズ」はそのデザインフォーマットを展開したイメージ、と思ってもらっていいだろう。シグマはこのシリーズについて公式サイトで下のように語っている。
 “綺麗な画が撮れる”、それ以上の価値を追求し、道具選びを通して自分らしいスタイルを大切にする。そんな人々に「私はこれ」と選ばれる存在でありたい。その想いからシリーズには“I”の字を冠しています。そして、その期待に応えられるのも私=SIGMAだけ。その自信と覚悟も込めた新しい“I”の誕生です。 https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/special/i-series/
 このように、「I シリーズ」は高い画質だけでなく、操作感や質感までも愉しめる新しいシリーズとなっているのだ。実際に手にするとその「想い」が伝わってくる。「モノ」としての存在感が他の製品とは全然違っているのが体感できるはずだ。

3つの新しい焦点距離

 その「I シリーズ」だが、既に昨年から販売されている「SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary」に下記の3本が加わる形となる。 ・「SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary」 ・「SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary」 ・「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」  「SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary」のみ発売が2021年になるが、他のレンズはすでに販売が開始されている。45mmに3つの焦点距離が加わった形になるが、「高画質と常用性」に重きを置いた「SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary」、「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」。コンパクトネスを追求した「SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary」、「SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary」と性格がわけられている。4本とも仕上げが美しく、使っていて気持ちが高ぶる造りだ。選び抜かれた焦点距離も日常的に撮りやすいレンジになっているので常用できるレンズシリーズになっている印象だ。

魅惑のメタル外装

 ルックスはとても精悍(せいかん)だ。メタル素材なので精密さを感じさせる輝きが美しい。このフィニッシュは「SIGMA fp」にマッチする仕上げだと感じる。もちろんライカLマウントを採用する「パナソニック LUMIX S5」などにも似合う。ソニーEマウント版もあるので「α」シリーズでもこの佇まいを楽しむことが可能だ。映画撮影用レンズ SIGMA CINE LENSシリーズで培った、見事な加工技術を自分の愛用するカメラで味わえるのが感慨深い。面白いのは「マグネット式メタルキャップ」というレンズキャップが新登場の3本に採用されたことだ。文字どおり磁力でレンズキャップをレンズに合体できるのだ。フードやフィルター装着時には使えないが、シグマらしいユニークな製品への取り組みとなっている。

「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」

 新たな焦点距離の「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」。高精度グラスモールド非球面レンズを複数枚採用し、レンズ構成は9群12枚となっている。フィルター径は62mm、最短撮影距離は55cm、重量405gと使いやすいスペックに仕上がっている。実際に「SIGMA fp」や「パナソニック LUMIX S5」に装着した感じもいい。85mmより取り回しが良く、F2とほどよい明るさなので軽快に感じた。  シグマ公式サイトによると、  
65mm F2 DG DN | Contemporaryは、開放F値2.0という明るさにおける最高レベルの光学性能と、ミラーレスシステムとのバランスの良いボディサイズを両立させています。中望遠で目立ちやすく、かつカメラ側での補正が効かない軸上色収差はSLDガラスを採用することにより徹底的に補正し、キレのある描写を実現。更に2枚のグラスモールド非球面レンズは、球面収差やコマ収差、非点収差の補正、そしてレンズ構成全体の小型化に寄与しています。最新の光学設計技術とそれを実現させる高度なレンズ加工技術が、高い光学性能とコンパクトさの両立を可能にしています。球面収差をコントロールすることで得られた美しいボケ味に加え、口径食の発生も抑制しているため、気になるレモン型や渦巻状のボケが抑えられ、思い通りのボケ描写が得られます。さらに、SIGMA基準の徹底したゴースト・フレア対策により、高い逆光耐性も有します。
 サイズと明るさ、そして描写と操作感が実にバランスよくまとまった中望遠レンズだという印象を持った。それでは実写をご覧いただきたい。

実写

 静岡の宇津ノ谷峠「明治のトンネル」をF2の絞り開放で撮影。カメラは「SIGMA fp」だ。レンズもボディも手ブレ補正機能を持たないが、絶妙なフィット感と重心バランスで安心してシャッターを切れた。明るいプライムレンズならではだ。ランプに浮かぶいにしえのレンガが美しい。
01_SIGMA 65mm F2 DG DN  Contemporaryの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/60秒 ISO1600 65mm
 「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」はとてもヌケがいい。多摩川に架かる橋脚を撮影したが、ハイライト部の気持ちのいいヌケが気に入った。粘りのある高輝度部と深いトーン描写の暗部がお見事。
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■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/500秒 ISO100 65mm
 フレーム内に太陽を配置して河川敷で遊ぶ家族連れを撮った。ハレーションもイヤなゴーストもなく、イメージどおりのカットを捉えてくれた。逆光時でもオートフォーカスが正確かつ高速に動作し撮影に不安はない。
03_作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/6000秒 ISO100 65mm
 カメラを「パナソニック LUMIX S5」にスイッチして、歴史ある土壁の倉庫を狙った。F8に絞り込んでディテールを全面に表現するとともに、ピント面を深くした。このレンズは克明に壁の凹凸を浮かび上がらせた。色の再現性も良好で見た目に近い仕上がりとなった。
04_作例.JPG
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/320秒 ISO100 65mm
 F2の絞り開放で石の祭壇に置かれた杯にフォーカスした。背景のボケ具合が何とも美しい。落ち葉が陽光を反射した玉ボケが端正だ。また祭壇の前ボケもスムーズで好感が持てる。両ボケとも整っており、ポートレート撮影でも活躍するに違いない。それでいてピント面は実にシャープ。オススメの中望遠レンズだと言える。
05_作例.JPG
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/200秒 ISO100 65mm
 懐かしい自動販売機を発見した。瓶に入った清涼飲料水のものだ。昔街角で見かけたものと形状が異なるので復刻版だと思われる。その中に入った瓶のラベルにピンポイントでフォーカスしてシャッターを切った。F2絞り開放の薄いピントの切れがイイ。またアクリル製ケースに写った景色と玉ボケの写り具合が何とも言えないではないか。
06_作例.JPG
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/800秒 ISO100 65mm
 「パナソニック LUMIX S5」で走り去る列車をコンティニュアスオートフォーカスで狙った。「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」は全コマしっかりと合焦してシャープな車体をメモリーカードにキャプチャーしてくれた。この追従性があれば動き回るモデルや子ども、そしてペットなどの撮影でも大いに活躍してくれるに違いない。
07_作例.JPG
■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/4 1/1000秒 ISO100 65mm

まとめ

 シグマ「I シリーズ」は同社らしいチャレンジングな製品ラインだ。緻密な加工を施された金属外装をまとい、「Art」「Cine」レンズで磨かれた描写を味わえるというユニークな製品群だと言えよう。特に「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」はちょっと長い標準レンズ&ちょっと短い中望遠レンズとして、独特の距離感を楽しめるのが面白い。明るさもF2と十分で、日常的に使用できるサイズ感なのがうれしい。この美しいレンズを自分のカメラに装着しただけでにやけてしまう。そんな存在感のある希有な新しい眼が「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」なのだ。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがSIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporaryのレビューをしています。Artラインの写りを標榜するIシリーズの実力を作例と共にご覧ください。 ----- KEYWORDS: シグマ,レビュー,65mm F2 DG DN | Contemporary,iシリーズ,SIGMA ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: センターグラデーションフィルターを使って日の出や夕焼けを撮る BASENAME: 479255413.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 12/29/2020 16:00:00 TAGS: 日の出・夕焼け,マルミ(Marumi) アクセサリー,風景,レンズフィルター,レンズアクセサリー ----- BODY: 00_マルミM100センターGNDフィルター装着して撮影した作例.jpg

はじめに

 マルミマグネット式角型フィルターGNDシリーズに新たに(2020年12月10日発売)加わったセンターグラデーションフィルターCenter GND4 / Center GND8 / Center GND16を早速使用してみました。筆者は以前からこのマグネット式角型フィルターを使用しているので、他のフィルターとの組み合わせ撮影も合わせて実施してみました。

マルミM100センターGNDフィルターの特徴

01_マルミM100センターGNDフィルター製品画像.png  マルミのM100シリーズの角型フィルターは一般的な丸形のねじ込み式とは違い、マグネット式になっているのが大きな特徴です。
02_フィルター装着画像.jpg
マルミマグネット式角型フィルターGNDシリーズ センターGND4装着した状態。マグネット式角型フィルターを使用するには、専用のM100マグネットフィルターホルダーが必要になります。
 マグネット式のため、フィルターの着脱が容易で素早く交換することが可能になっています。またフィルターを重ねて使用する事も簡単にできるため、ソフトGNDとセンターGNDと高濃度NDフィルターなどを組み合わせて、明暗差のコントロール、シャッタースピードのコントロールなどを実施する事ができ、クリエイティブな作品を想像することが可能です。  寒い時期には皆さん手袋をはめて撮影をすると思いますが、このマグネット式フィルターは手袋を着けたままでもフィルターの脱着がしやすいのもとても便利な点です。 03_説明画像.jpg  フィルター装着には、最初にレンズにアダプターリング、フィルターホルダーを装着する手順が発生しますが、それほど難しくはありません。実際にフィルターを装着するまでを動画で撮ってみました。
 今回新しく発売されたのは、Center GND4 / Center GND8 / Center GND16の3種。センターグラデーションNDタイプの濃度違いの3枚です。このセンターグラデーションフィルターは、減光するNDコートが中央部の狭い範囲に直線的に施されたフィルターになります。日の出や夕日の撮影のほか、部分的に明度の高い箇所の部分補正にも使えるフィルターになります。日の出のシーンなどでは、太陽の明るさにより中央部の明度が極めて高くなり、太陽と周囲の風景を両立させることが難しいシーンが多く発生します。そんな時に頼りになるのが、このセンターグラデーションフィルターになります。
04_作例.JPG
センターグラデーションフィルター無し
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF16 ISO100 焦点距離 67mm
05_作例.JPG
センターグラデーションフィルター有り
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/13秒 絞りF16 ISO100 焦点距離 66mm  ※100 × 150 Center GND8フィルター使用

マグネットM100シリーズには何があるの?

 このマルミマグネットM100シリーズには、今回のセンターグラデーションNDフィルターのほかに風景写真を撮るのに最適なアイテムが揃っています。 ■ソフトグラデーションNDフィルターSOFT GND ・・・GND4/GND8/GND16の3種  減光されるND部分と透明部分の境目がなだらかなフィルターです。クリアな水平線などがなく、山や木々などの凹凸が連なる構図に適しています。  ■ハードグラデーションNDフィルターHARD GND ・・・GND4/GND8/GND16の3種  減光されるND部分と透明部分の境目のグラデーションが狭いフィルターで、地平線や水平線など空と地面が直線ではっきりと分かれた構図に適しています。 ■リバースグラデーションNDフィルターREVERSE GND ・・・GND4/GND8/GND16の3種  中央が最も濃く、減光されるND部分が上部に向けて少しずつ薄くなっていくフィルターで、朝日や夕日など輝度が強い光源がある撮影に適しています。 ■100×100NDフィルター・・・ND4~ND32000までの9種類  日中のスローシャッター撮影を可能にする高濃度NDを含む9タイプをラインナップ。ニュートラル性が極めて高く、色彩に影響を与えることなく光量だけを減少させる高精度なNDフィルターです。 ■M100ホルダーリング専用Circular PL for M100  不要な反射光を抑え、色彩コントラストを強調する風景写真撮影に欠かせないM100専用PLフィルターです。 ■M100ホルダーリング専用StarScape for M100  星景・夜景撮影に適した最新の光害カットのM100専用フィルター。  実際にGNDフィルターを装着した際に、どの様に変化するか動画を撮ってみたので見てみてください。

GNDフィルターを使用した作例

 こちらは沈む太陽を撮影したもので、センターGNDフィルター使用の有無を比較してみました。まずはフィルター無しでそのまま撮影しています。
06_作例.JPG
センターGNDフィルター無し
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF13 ISO100 焦点距離 74mm
 次に太陽の部分にセンターNDを合わせて撮影してみました。太陽部分の白トビを少し抑える事ができました。
07_作例.JPG
センターGNDフィルター有り
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF13 ISO100 焦点距離 74mm ※100 × 150 Center GND8フィルター使用
 こちらの写真は、上の写真よりも少し早い時間で夕焼けになる前に撮ったものです。こちらはセンターGNDフィルターを建物の上部のあたりに合わせてあえて空のグラデーションを創っています。そしてさらに印象的に仕上げる為に、高濃度のNDフィルターND500を合わせて装着して撮影しました。
08作例.jpg
センターGNDフィルター有り
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE24-105mm F4G OSS
■撮影環境:シャッター速度8秒 絞りF22 ISO100 焦点距離 71mm ※100 × 150 Center GND8 + 100×100 ND500 フィルター使用
 こちらは、富士山をバックにゲートブリッジを撮影したものになります。最初はフィルター無しの写真です。
09_作例.JPG
センターグラデーションフィルター無し
■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度2秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 229mm
 次は富士山のラインにセンターグラデーションフィルターを合わせた写真になります。富士山と夕焼けの境目の露出を落とす事によって、夕焼けのオレンジ色を少し強調しています。
10_作例.JPG
センターグラデーションフィルター有り
■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度4秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 229mm   ※100 × 150 Center GND4 フィルター使用
 次の写真は上の写真を撮って少し水面が暗い感じを受けたので、ソフトグラデーションフィルターをゲートブリッジの上のあたりから合わせるようにして明暗差を調整して撮ってみました。
11_作例.JPG
センターグラデーションフィルター無し、ソフトグラデーションフィルター有り
■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度4秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 229mm  ※100 × 150 Soft GND4 フィルター使用
 だいぶんと自分のイメージに近づいてきたので、ここでソフトグラデーションフィルターとセンターグラデーションフィルターを重ね合わせて撮影をしたものが下の写真になります。
12_作例.JPG
センターグラデーションフィルター有り、ソフトグラデーションフィルター有り
■撮影機材:SONY α7RⅣ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度6秒 絞りF11 ISO100 焦点距離 229mm ※100×150 Soft GND4 + 100×150 Center GND4 フィルター使用
 ND4タイプのフィルターを使用しているので違いが少し分かりにくいかもしれませんが、グラデーションフィルターは、重ねて使用する事によって微妙な位置の明暗差のコントロールができるとても魅力的なアイテムです。  風景写真をメインで撮る方は、是非揃えたいアイテムです。とは言えいろいろ揃えるとなかなかの高額になってしまいます。最初は、サーキュラーPLフィルター for M100とマグネットフォルダーM100、そしてGNDフィルターはSoft GND4、Soft GND8に今回新発売になったCenter GND4、NDフィルターは64と500か1000を揃えるのがおすすめの組み合わせです。海などで撮ることが多い人はHard GND4などもあるといいですね。

まとめ

 角型グラデーションフィルターの種類も豊富になり、シチュエーションにあった選択が可能になり、風景写真の明暗差をクリエイティブに調整する事できるようになりました。風景写真をレベルアップしたい方、作品作りをする人には是非使って欲しいアイテムです。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員 ・日本風景写真家協会 会員 ・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事 ・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事 ・一般社団法人 日本写真講師協会 理事 ・ソニーαアカデミー講師 ・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師  2021年1月14日(木)までマルミ光機で「絶対!もらえるキャンペーン」 角型フィルター製品3点(新製品センターGNDも対象!)ご購入の方にもれなくプレゼント!が実施されています。角型フィルター製品を3点購入すると、マグネットホルダーや角型フィルター6枚をスマートに保護できる収納ポーチ「キャリングポーチ for M100」がもらえるお得なキャンペーンです。詳細はこちらのマルミ光機のキャンペーンページをご覧ください。 13‗20201217001.png ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがセンターグラデーションフィルターを使った日の出や夕焼けの撮影方法を説明してます。マルミM100センターGNDフィルターの特徴と合わせて設置方法や効果の違いを動画を使って説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,レビュー,マルミ,フィルター,マルミM100センターGNDフィルター,100×150 Center GND4,100×150 Center GND8,100×150 Center GND16,日の出,夕焼け,初日の出 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 梅の花の撮り方|北村佑介 BASENAME: 479374959.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北村佑介 DATE: 01/05/2021 16:00:00 TAGS: 花 ----- BODY: 01_全国的な名所で撮影した枝垂れ梅.jpg

はじめに

 新年、明けましておめでとうございます!北村です。本年もどうぞ宜しくお願い致します。より一層皆さんのお役に立てる記事を書いていけたらと思っています。今回は、梅の花の撮り方を紹介させていただきます。寒い時期に咲く花ではありますが、梅の花を眺めると春がそう遠くはないんだなと感じます。

全国的な枝垂れ梅名所で撮影

01_全国的な名所で撮影した枝垂れ梅.jpg
■撮影機材:ソニー α7III + シグマ 20mm F1.4 DG HSM | Art
■撮影環境:絞り優先 20mm F16 ISO100 1/1600秒
 普段は135mmの中望遠単焦点レンズで撮影することが多いのですが、この梅園は大きな大 きな枝垂れ梅が園内狭しと咲き乱れていたので、思わず20mmの広角レンズを使用しまし た。正直20mmでも全然おさめきれず、もっと広いレンズを使いたいなと思ったくらいです。次に行く時は、もっと広いレンズを用意しイメージ通りの一枚を撮影できたらと思います。  ボケは使わず、手前の地面から奥の空までピントが合っているように見せたかったので、このレンズの最小絞り値、F16まで絞りました。このくらいのF値を使用すると小絞りボケによる解像感の低下を懸念される方もいると思いますが、筆者は小絞りボケを気にすることはほとんどありません。許容できるラインは人それぞれですが、花の写真ならばF16くらいまではそこまで気にしなくても良いと思っています。また、光芒の写り方も絞り込んだ理由の一つです。

咲き始めの一輪

02_一輪の梅の作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先 135mm F2.0 ISO100 1/750秒
 まだ咲き始めの可愛らしい一輪を撮りました。温かい色味がやがて来る春を連想させてくれます。この色味はホワイトバランスをカスタムで7500Kに上げて作りました。筆者はこの辺りのホワイトバランスを使うことはあまりありません。花の色が必要以上に暖色系に寄ってしまったり、背景の色が花とミスマッチになってしまうことが多いためです。ただこの写真は元々の花の色がとても薄かったこと、曇天で蕾(つぼみ)や枝の色が強くなかったことが理由で、高めのホワイトバランスで温かいイメージに寄せることができました。  このように色の薄い花を撮る場合は、露光量に気を付けましょう。花の写真はハイキーで撮影することも多いと思いますが、シチュエーションを考えず色の薄い花をただただ露光量を上げて撮影すると、簡単に花の色がなくなってしまいます。露光量をどうするかは花の色、シチュエーションをよく見極めてからにしましょう。

紅梅

03_紅梅の作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1
■撮影環境:絞り優先 90mm F4.0 ISO100 1/125秒
 紅梅を撮影しました。花だけでなく開き始めたつぼみもとても可愛らしかったので、それらをセットで切り取りました。この写真はつぼみも主役の一つなので、花までの距離とつぼみまでの距離がなるべく等しくなるようにカメラを構え、少し絞って花とつぼみのどちらにもピントが合うようにしました。  紅梅は色が濃く、露光量を上げても色が残りやすいです。ですので、他の梅よりもハイキーで撮りやすいです。また、背景に薄い色を選ぶことができれば比較的簡単にメリハリも付けられます。冬は薄い色の背景も見つけやすいと思います。ハイキーの梅の写真をなかなか撮ることができない方は、まずは紅梅で練習してみるのはいかがでしょうか。

綺麗な色をした梅

04_奇麗な色の梅の作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先 135mm F2.0 ISO100 1/250秒
 散歩中に綺麗な色をした梅を見つけました。このピンクは筆者が最も好きな色の一つです。ピンクが好きと胸を張って言えるような柄ではないので小声で言います。これも咲き始めを撮りました。  梅は咲き始めを撮るのがおすすめです。他にも咲き始めがおすすめな花はたくさんありますが、梅は特におすすめです。数輪密集して咲く花なので、満開前後に撮ると主役の花が伝わりづらくなります。また、咲き始めでシベが短いうちにとると可愛さが伝わり易いというのも大きな理由です。撮りたいイメージにもよりますが、是非咲き始めを撮ってみてください。

お寺の白梅

05_お寺で見かけた白梅の作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先 135mm F2.0 ISO100 1/1000秒
 お寺で白梅が綺麗に咲いていました。白と青の組み合わせがとてもお気に入りです。背景の青はお寺の一部です。遠く離れたグレーに近い色のものは、ホワイトバランス次第で綺麗な青となってくれることがあります。  人工物が背景に入ってしまうロケーションでは、その人工物は色として使えるかもしれないと考えると撮影の幅が広がります。そして人工物を色として使うには、よくボケてくれる望遠レンズがとてもおすすめです。望遠レンズで圧縮し、その色を引き寄せることができます。単焦点だとより効果的です。  梅は横や後ろから撮ると形の良さや可愛らしさが伝わりづらいので、なるべく正面を捉えるようにしましょう。形を捉える方ことを優先した方が良いタイプの花だと考えています。

満開の枝垂れ梅の一部分を切り取る

06_枝垂れ梅の作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先 135mm F2.0 ISO100 1/1500秒
 満開付近の枝垂れ梅は密集度が高く、望遠レンズの圧縮効果を使えば比較的簡単に花の色で埋め尽くすことができます。満開付近の梅は一本の枝に複数輪花が咲いているので、最短撮影距離付近まで寄って撮り、どの花が主役なのかをわかりやすくしました。元々が小さめの花なので、寄って撮っても花の可愛さが充分に伝わります。
07_枝垂れ梅を夕方に撮影.jpg
■撮影機材:ソニー α7II + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 B01E
■撮影環境:絞り優先 180mm F3.5 ISO100 1/800秒
 満開の枝垂れ梅が咲き誇っている庭園へ行ったときの一枚です。帰り際、綺麗な夕陽が差し込みました。その夕陽にそっと照らされた枝垂れ梅に心惹かれ、シャッターを切りました。この写真は梅が照らされているところがポイントなので、そこが伝わりやすくなるように背 景は暗い部分を選びました。  ここまで紹介した写真は枝の先端付近に咲いている花を撮ったものが多いですが、そうした 撮り方が多いのは、写る枝の面積を少なくするためです。梅は撮るのが難しい花です。枝や主役以外の花の主張が強くなりやすいというのが理由の一つです。先端付近の花を撮ると自然と枝や主役以外の花が写り込みづらくなるので、是非参考にして みてください。
08_梅林で撮影した作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM
■撮影環境:絞り優先・50mm・F8.0・ISO250・1/125秒
 広大な梅林で様々な種類の梅が一斉に咲いている様は圧巻でした。その中でも特に見せたい部分を、50mmという画角で切り取りました。曇天でメリハリがなかったので、レタッチで上部を暗く下部を明るくし、梅と背景で明るさのメリハリをつけました。メリハリをつけることによって、この写真のどこを見せたいのかを伝えられる一枚になったと思います。  今回も読んでくださりありがとうございました!また次の記事も楽しみにしていただけたらと思います。 ■写真家:北村佑介 出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の北村佑介さんが梅の花の撮り方を紹介しています。作例と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 花,撮影テクニック,梅,花の撮り方,冬 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 鶴巻さんテストページ BASENAME: 479396077.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 鶴巻育子 DATE: 01/06/2021 20:19:34 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー αシリーズを自分好みに仕上げる|プロが教えるカスタムメニュー設定 BASENAME: 479406490.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 01/07/2021 16:00:00 TAGS: α,撮影テクニック,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ,APS-C ----- BODY: 00_ソニーαのカスタムメニュー設定を行っている写真.jpg

はじめに

 最近のカメラは非常にたくさんのメニューがあり、使いたい機能がなかなか呼び出せない事があったりしませんか?特に撮影するシーンが大きく変わったりすると、撮影時に設定に手こずったりして大切なシャッターチャンスを逃す事になってしまいます。そこで自分にあったカメラの設定を分かりやすく登録して、使いやすくカスタムしてみませんか。今回はソニー αシリーズのメニューカスタムのコツをご紹介します。

よく使う機能をボタンに登録しよう(カスタムキー設定)

 αには、C1・C2・C3・C4のカスタムボタンがあり、それぞれに最初からボタンに機能が割り当てられています。もちろんそのまま割り当てられた機能を使っても良いのですが、使っていない機能であれば、自分がよく使う機能を入れ換えて割り当てる事も可能です。 ※機種によってカスタムボタンの数が違います。 01_機能説明画像.jpg  例えばα7R IIIでは、C1キーのデフォルトに「ホワイトバランス」の切換呼び出しが設定されています。オートホワイトバランス設定を多用している人にとっては、もったいないポジション設定です。「ホワイトバランス」切換呼び出しを使う頻度が少ない場合は、普段の撮影で良く使う機能を割り当ててみましょう。 0001.JPG  例えば筆者の場合、高画素機のα7R IIIやα7R IVのC1ボタンには、「APS-C S35 / フルサイズ切換」を設定しています。特に望遠レンズ系を使用している時で焦点距離が少し足りない場合などに、フルサイズからAPS-Cサイズへとボタン一つで瞬時に焦点距離を1.5倍にすることができスムーズに撮影することができます。 0002.JPG  α7R IV+FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSで撮影する場合、フルサイズ6100万画素で最大焦点距離が600mmですが、APS-Cモードに切り替える事によって、2600万画素で最大焦点距離が900mmで撮影できるカメラに一瞬で変わります。  その他の設定例として「人物」や「ペット」を「瞳AF」を使用してよく撮影する人は、ここに「検出対象」を設定しておくと、「人物」と「動物」の瞳AFの検出対応を素早く切り替える事ができます。特にシャッターボタン近くにあるC1・C2ボタンには使用頻度の高い機能を割り当てるのがベストです。  また、このボタン1つに3つの機能を割り当てる事ができるのをご存知でしょうか?3つの機能と言うのは、静止画撮影モード時・動画撮影モード時・画像再生モード時のそれぞれに1つの機能を割り当てることができるんです。  撮影設定2ー操作カスタム1のページに該当する項目(静止画・動画・再生)があります。
0003.JPG
撮影設定2ー操作カスタム1のページに静止画カスタムキー・動画カスタムキー・再生カスタムキーの項目が表示されている。画像では静止画カスタムキーを選択。
 動画カスタムキーや再生カスタムキーは、特に設定変更していない場合は静止画のカスタムキーに従う設定になっています。これを動画撮影時だけ使用するカスタムキーに変更する事ができます。 0004.JPG

瞬時に撮影設定を大きく変更するとっておきの方法

 撮影している時に、大幅に設定を変えたくなるシーンがある場合に皆さんはどうしていますか?例えばスポーツやモータースポーツなどの撮影の際、被写体を止めて撮影するシーンからスローシャッターで流し撮りをする際には、シャッター優先モードで、シャッター速度を大きく落としていけば撮影が可能になるわけですが、実際にはシャッター速度の変更だけでなくISO感度の設定や絞りの値もコントロールする場合も多いですよね。  そこで使用するとっておきの機能が、「メニュー」から「カスタムキー」を選んで出てくる「押し間カスタム設定呼出」です。この機能は、自分で設定したカスタム設定を割り当てたボタンを押している時だけ呼び出して使う機能です。この「押しているだけ」がキーポイントです。 0005.JPG  例えば、筆者の場合はこんな設定をレンズについている「フォーカスホールドボタン」に割り当ています。これでファインダーを覗きながら右手はシャッターボタンに集中し、左手でレンズを支えながら「フォーカスホールドボタン」を押したり、離したりして高速シャッター撮影とスローシャッター撮影を切替えて撮影しています。 0006.JPG 0007.JPG  実際に撮影したのがこの写真になります。1枚目の写真は高速シャッター(1/5000秒)で撮影し、2枚目の写真では、すぐ後ろから来た次のライダーをスローシャッター(1/60秒)で流し撮りしています。
02_作例.JPG
■撮影機材:SONY α9 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離185mm
03_作例.JPG
■撮影機材:SONY α9 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF13 ISO64 焦点距離185mm
 この設定を使うことで、ボタンを押している時だけスローシャッターになるので、通常設定でスローシャッターにしたままでブレブレの写真を量産する事も無くなりとても助かっています。筆者がスポーツ撮影をするときに愛用している機能です。

Fn(ファンクション)メニューの入れ替えしよう

 普段の撮影で一番よく設定変更に使用するのが、このFn(ファンクション)メニューではないでしょうか?ここには普段の撮影によく使われるだろう設定変更項目が12個登録されています。 0008.jpg  撮影スタイルにもよりますが、まったく使用しない項目もあったりします。例えば上段の左から4つ目の露出補正はカメラ上部にある露出補正ダイヤルがあり、そちらを使用している人にはここのスペースは無駄なスペースです。またフラッシュを使用しない人は、下段の一番左のフラッシュの切換、その横の調光補正はまったく使用する事は無いでしょう。そういった使わないスペースがあれば、自分が使う機能の入れ替えをします。  設定を変更する際は、メニューボタンから撮影設定2ー操作カスタム1ーファンクションメニュー設定を選択します。 0009.JPG  変更したい項目を選んで、他の項目に入れ替える事ができます。 下の場合、 ・「露出補正」に項目を「サイレント撮影」の切替に変更 ・「フラッシュモード」の項目を「DRO/オートHDR」の切替に変更 ・「調光補正」の項目を「フリッカーレス撮影」の切替に変更 ・「優先記録メディア」の項目を「ピーキング表示」の切替に変更 といったように、自分が使わない項目をよく使う項目に入れ替える事によって、撮影時の設定変更をスムーズに行うことが可能になります。 0010.jpg

マイメニューを登録しよう

 メニューボタンから選択するメニュー項目は非常にたくさんありますが、少し整理する方法があります。よく使うメインの設定項目は、ここまでに簡単に呼び出せるC1・C2ボタン、およびFnキーの項目にまとめましたが、それ以外で撮影時の切換などには使わないがそこそこ使う項目をまとめたい場合などに便利な機能がマイメニューになります。  マイメニューは、メニュー項目の最後の項目の★マークの部分になります。この★マークのマイメニューに自分だけのメニュー項目をまとめることができます。デフォルトでは何も設定されていませんが、「項目の追加」から自分の必要なメニュー項目を選択して自分だけのメニューページを作成していきます。もちろん、いつでも追加・削除・入れ替えが可能です。 0012.JPG  それほど使用頻度は高くない機能の項目ですが、たくさんあるメニューページの中から都度探していると面倒なので、マイメニューにまとめています。こうする事によって、メニューボタンを押してから必要な項目に素早くたどり着くことができます。 0013.JPG

よく使う設定をまるごと登録「登録呼び出し(MR)」

 よく使うモードやカメラの設定を、カメラ本体上部にあるモードダイヤルに2~3つ(機種によって違います)まで、メモリーカードには4つ(M1-M4)まで登録でき、モードダイヤルで簡単に呼び出す事ができます。  例えば筆者の場合、自宅で猫を撮影する事が一番多いので、猫の撮影設定をモードダイヤルの1に登録しています。 04_製品画像.jpg  設定方法は簡単です。最初に登録したい撮影設定にカメラを設定していきます。撮影モードやホワイトバランス、ISO、AFエリア、瞳AFの設定などなど。一通りに設定したら、メニューキーから「MR 撮影設定 1/ MR 撮影設定 2の登録」を選択します。
0014.JPG
メニューキーの「MR 撮影設定 1/ MR 撮影設定 2の登録」を選択
 すると先ほど設定したカメラの設定が表示されます。登録した番号を選んで決定ボタンを押せば設定登録が完了します。 0015.JPG 0016.JPG  こちらの猫の写真はダイヤルモード1に登録してある設定で撮影しながら、C1ボタンに設定してあるAPS-Cモードに切り替えて撮影しています。
06_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 50mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離75mm (APS-Cモード)

まとめ

 買ったばかりのαでそのままの設定でも問題なく使用する事はできますが、使いこなしていく内に、よく使うメニューに対して使わないメニューが多く、メニューから選択する際に煩わしさが出てきます。自分なりにメニューをカスタムする事によって撮影チャンスを逃す事なく撮影に集中できる環境を整える事ができます。最初からあれもこれも設定しようとすると、結局は無駄なカスタム設定も増えてしまうので、よく使うものから少しづつ設定して使い勝手を試していくのが設定のベストな方法です。 写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員 ・日本風景写真家協会 会員 ・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事 ・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事 ・一般社団法人 日本写真講師協会 理事 ・ソニーαアカデミー講師 ・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがソニーのαのメニューカスタムのコツを紹介しています。メニューをカスタムする事で撮影に集中できる環境を整え、撮影チャンスをものにする事ができます。 ----- KEYWORDS: ソニー,α,撮影テクニック,sony ----- -------- AUTHOR:   TITLE: DJI POCKET 2レビュー|小型ジンバルカメラで叶う旅とシネマチックな動画作成 BASENAME: 479407711.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 6151 DATE: 01/08/2021 16:00:00 TAGS: Pocket 2,レビュー,DJI(ディージェーアイ) 小型カメラ,アクションカメラ,その他のカメラ ----- BODY: 00_DJI Pocket 2作例.jpg

はじめに

お元気ですか、6151です。 動画作成にトライしたいと言い続けて数年、すっかり動画用カメラ難民と化しておりますが、今回は以前から気になっていたDJIの小型三軸ジンバルカメラ「DJI Pocket 2」を連れて旅をしてきました。 最近はスマホなどにもスタビライザーの機能がついているので滑らかな動画を撮影できる機会も増えてきましたが、テクニックはさて置き高性能で高画質なカメラに頼って動画撮影にトライするのもおすすめ。 テクニックは後からついてくるから!まずは沢山撮ること。そして沢山撮るには「撮影が楽しくなる相棒」を選びましょう。DJI Pocket 2に触れればきっと「もっと早く使えばよかった~!」と叫びたくなるはず。 01_作例.jpg

ポケットサイズで超コンパクト+最強の4K高画質

最近、カメラ機材に関してよく感じる「小型軽量は正義」という持論がありますが、小さいだけでパワーが無いならパワーのあるカメラを選びたいところ。良いものが撮りたい、でも軽やかに楽なカメラで撮影を楽しみたい。 DJI Pocket 2のセンサーサイズは「1/1.7インチ」。センサーサイズが大きくなると暗い場所での撮影にも強くなるので、夜景や室内など光が弱い空間などでも高画質で映像が残せるようになります。 もちろん動画だけじゃなく、写真も高画質で撮影可能なのでこの一台さえあればどちらの記録もさらっと美しく残せる最強カメラなんです。 02_作例.jpg

「ジンバル」って最近よく聞くけど何?

簡単に説明すると、 撮影時の「手振れ」を補正してくれる機材のこと。手ぶれ補正は写真にも便利ですが、動画で使ってこそ素晴らしさを発揮してくれる機能なんです。 日常でも旅先でもカメラを構える瞬間のほとんどが「好きな瞬間」です。好きと対峙する時、テンション爆上がりしてしまいますよね。なかなか冷静ではいられません。興奮で体が揺れても写真ならシャッタースピードを上げるだけですが、動画の場合はそう上手くいかない。良い動きを撮るには自分の動きを制御する必要があるので、三脚などでカメラを固定するイメージが浮かぶと思います。 「うわーめんどくさい。。。!」 動画撮影 is MENDOKUSAI これは動画撮影に向き合っている時のわたしの心の声です、、、スケジュールの決まった旅行先で、例えば忙しい朝食のワンシーン。珈琲に立ち上る湯気を10秒だけ撮りたい。しかし10秒のために三脚を出して撮影するって、流石にしんどい。 そんな場面にサッと取り出して撮影出来ることが理想的。そういった「面倒さ」も三軸ジンバルがついたDJI Pocket 2なら手持ちで優雅に撮影が可能。折角の爽やかな朝も手振れでガチャガチャした映像になるとがっかりですが、ジンバルのおかげでぬるっとした動きの映像が撮れるのでなんだかそれだけで「シネマチック」に見えてくる。 諦めなくても「あ、なんかいいな」という瞬間を動画で残していけるのは最高です。だって今までずっと諦めてきたんだもの。 03_作例.jpg

オートフォーカスも起動も速い

サクサク撮影する写真と比べて根気のいる動画撮影、機材も時間も必要。折角撮影した良い場面も手振れで台無し、なんてことは日常茶飯事。カッコよく撮れなきゃ意味がない、でも例えば旅先で出逢う奇跡の瞬間で、日常の何気ない場面で、突然現れる瞬間に呑気に三脚立てて~カメラ設置して~なんてことをしていたら目に焼き付けるどころか見逃してしまうこともしばしば。 DJI Pocket 2はボタンひとつ、1秒ほどで起動、カメラを向けて起動から2秒で撮影も可能。「ハイブリッドAF 2.0」を搭載しているのでオートフォーカスも素早く正確。サッと撮影できてしまうのにとにかく「失敗が少ない」。 だから「あれ、わたし結構動画撮影上手いかも!」なんて嬉しくなる瞬間が増えていきます。無理せず上達するには「良い道具を使う」というのがわたしの信条ですが、自然とスキルアップに繋げてくれる機材って使い方が簡単で楽しいんですよね。 DJI Pocket 2はまさにそんな言葉が似合うカメラ。 起動が速ければ良いシーンを撮り逃さずに済むし、AFはタッチ操作で感覚的に行えるので「撮りたい」と感じた瞬間に狙い通りの映像を捉えることが出来る。 ちなみに、「Hello mode」という機能、起動と同時にPocket 2が首を振るのですがまるでこちらにご挨拶してくれているような動きで非常に可愛い。今日も宜しくね、相棒。と思わず話しかけたくなる愛嬌のあるキュートな動作で心和みます。 04_作例.jpg

Vlogやセルフィーがより簡単に

DJI Pocket 2の焦点距離は20mm、絞りはF1.8と明るいレンズ。FOV(視野)は前モデルの80°から93°の画角になって、よりセルフィーが撮影しやすい画角に改良されました。広い画角であれば手持ちのセルフィーでも背景が沢山入るので旅先の記念撮影も集合写真も撮りやすい。画面いっぱいに顔だけが映る撮影は苦手ですが、背景と一緒に撮影できるならセルフィーにもトライしやすい。 速い動きにもしっかりついてくる追従も優秀で人物の撮影も楽々です。 「8倍ズーム」が搭載されているので、遠くの撮影も可能。個人的に、この8倍ズームが動画撮影ではかなり活躍してくれて、ワンパターンな動画に新しい動きのスパイスが加わり幅広い撮影が可能になりました。 05_作例.jpg

10秒動画を沢山撮って編集はアプリにお任せ

楽しい撮影のあとは、動画の編集作業。折角だからいい雰囲気で仕上げたいけど、難しいことはわからない。そんな初心者なわたしでも簡単に仕上げられるDJIの公式編集アプリ「DJI Mimo」で今回もスマホからサクッと動画編集をしてみました。 ▼DJI Mimo iOSアプリ https://itunes.apple.com/app/id1431720653 Androidアプリ https://play.google.com/store/apps/details?id=dji.mimo 撮影データをWi-Fiでスマホとリンクして、その場で編集が可能なので旅先でもサッと作れてしまう便利なアプリです。サウンドやエフェクト、タイトルアニメーションのついたテンプレートを使うとより簡単に雰囲気あるクリップを自動作成できるので、使いたい動画を選択するだけで一気にシネマチックに大変身。 出来上がった動画がこちら。 ムードの違うテンプレートを使って仕上げてみました。
しっとりとした深海のイメージと、
ネオンなイメージ。 動画の雰囲気に合わせてテンプレートを変えてみました。いろいろなテンプレートがあるので、全部試したくなる!自動作成は短編ですが、いくつか作った短編動画を組み合わせてみても面白いかも。 06_作例.jpg

DJI Pocket 2の推し機能まとめ

・ボタンひとつで「クイック起動」 ・3軸手ブレ補正搭載カメラ ・鮮やかで繊細な映像になる「HDR動画」 ・4つのマイクで音を方位的に捉えるオーディオ「DJIマトリックスステレオ」 ・カメラの向きで音声にズームする「オーディオズーム」 ・アプリなしで動画自動編集できる「ストーリーモード」 ・4倍から8倍へ進化した「スローモーション」 ・クイック合成機能で構図をチェックできる「パノラマ」 ・動く被写体の追尾機能がグレードアップした「ActiveTrack 3.0」 ・撮影の幅が大きく広がる「8倍ズーム」 ・自動クリップで編集してくれる「AI編集」 07_作例.jpg 沢山の機能が前モデルの「Osmo Pocket」よりバージョンUPしているので、どちらか選ぶならわたしはDJI Pocket 2一択ですね。アクセサリーも充実しているセットの「DJI Pocket 2 Creator コンボ」が推しです。 というわけで。話始めると止まらないくらいお気に入りになったDJI Pocket 2なのでした。 ■写真家:6151 Instagramをきっかけにフリーランスに転身したフォトグラファー。風景からブツ撮りまで幅広く手掛け雑誌やウェブで執筆活動をする傍ら、全国でフォトワークショップを開催するなど「写真の楽しさ」を広く伝える活動にも取り組む。共著「インスタグラム商品写真の撮り方ガイド」 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家6151さんによるDJI Pocket 2のレビュー記事です。6151さんならではの視点で切り取った映像作品と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,DJI,Pocket 2 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: レオフォト(Leofoto)の三脚を使った夜の飛行機撮影テクニック|長時間露光と多重露光で787を力強く撮る BASENAME: 479488440.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 岡本豊 DATE: 01/13/2021 18:00:00 TAGS: 飛行機,三脚,撮影テクニック,レオフォト(Leofoto) アクセサリー,その他 ----- BODY: 00_レオフォト(Leofoto)の三脚を使って夜の飛行機撮影している画像.jpg

はじめに

 今回は、私が愛用している三脚、レオフォト(Leofoto) LS-284CEX LSレンジャーシリーズを使った夜の飛行機の撮影テクニックをご紹介します。最近のカメラは高感度撮影に対応しているものが多く、夜間撮影でも三脚を使用せずに、手持ち撮影をされている方もいらっしゃると思いますが、私の長時間露光撮影テクニックを学んだら、次回からの夜間撮影には三脚を持って行きたくなると思います。 00_レオフォト(Leofoto)の三脚を使って夜の飛行機撮影している画像.jpg

Leofoto LS-284CEX LSレンジャーシリーズ

 Leofoto LS-284CEX LSレンジャーシリーズは、軽量、コンパクトなので持ち運びも便利です。荷物の多い遠征時でも、機内持ち込みも可能ですので、ためらう事なく持っていく事ができます。更に、超望遠レンズを装着したフルサイズのカメラをのせても、ビクともしない頑丈さ。長時間露光撮影では、三脚の強度がとても重要なので、その点でも安心して使用できます。  今回紹介する作品は、空港の展望デッキから撮影したものですが、設置の難しいフェンス越しの撮影においても、カーボンの軽い足は扱いやすく固定も簡単。目的の機体が来る度に移動をしなければならないので、とても重宝しています。 LS-284CEX仕様 ・パイプ径:28/25/22/19mm ・全伸長:1566mm ・最低高:176mm ・収納高:626mm ・段数:4段 ・質量:2.09kg ・耐荷重質量:10kg  この作品は、よしみカメラの787忍者レフを使い機内の照明反射をおさえて撮影しました。 01_作例.jpg  機内に持ち込んだLeofoto LS-284CEX は雲台(BV-10)を外してバッグの中に収納。三脚単体では長さ53cm。大きなスペースをとらずカメラバッグと一緒に座席上の扉の付いた棚に収納ができます。カメラバッグはマンフロット社 MB PL-BP-R-310 PL Redbee 310 です。 02_説明画像.jpg

長時間露光撮影について

 まずは、夜間の長時間露光撮影での三脚の使用法とカメラの設置について説明をします。シャッタースピードを遅くしての撮影なので、三脚は必須です。 下の写真のように、カメラをなるべくフェンスに近づけて設置するため、三脚の足の長さの調節が必要です。空港の展望デッキや、撮影地によってフェンス側を少し短くしたり、なるべくしっかり固定するのがポイント。また小型軽量三脚ではありますが、設置する時に場所をとる為、周囲への配慮は忘れないようにしましょう。  三脚の足を固定した後に必ずやってほしい事は、三脚の水準器で水平の確認をきちんとする事。水泡が真ん中に来ている事を確認してからカメラを装着してください。三脚の向きを変えたり、三脚を移動した時も、その都度必ず水平を確認してください。カメラの準備ができたら、いよいよ撮影です。
03_製品画像.jpg
三脚の撮影位置を決めて準備する。その際カメラを装着する前に水準器で水平を確認する。
 三脚を使って撮影する際、すべての足を伸ばす必要はありません。ベストアングル、または障害物が少ない隙間を狙って撮影するようにしましょう。 04_撮影画像.jpg

多重合成をするための撮影時の注意点

 展望デッキにはワイヤーがつきものです。高速シャッターで絞りを開放で撮影すれば気にならないワイヤーも、絞りを絞って長時間撮影すると、はっきりと映ってしまいます。カメラをセッティングしたら、ワイヤーが画角に入っていないかを確認するようにしましょう。どうしてもワイヤーが画面に入ってしまう場合は、画面の四隅にワイヤー箇所を入れて、後からトリミングをする事を意識して撮影します。  撮影時は、ISOを上げすぎない事です。私はキヤノン社のDigital Photo Professional 4と言うソフトで多重合成をしていますが、ISO感度を高くして撮影してしまうと、合成完成時にハイライト(画面の明るい部分)が白飛びしやすくなってしまいます。ISOは100~200までにしましょう。  飛行機や作業車の光跡を撮影する場合、どこから動き出してどこで止まるのか、どのくらいの速度で移動するのかを予測するのは難しいです。なので飛行機や作業車の動きに合わせて、露光時間を変更しています。その時に注意しなければならないのがISOの設定です。露光時間を変更した時は、白飛びしないよう、忘れずにISOを下げて適正露出にします。露光時間の設定は、写したいものや、その時の状況によって全く違ってくるので、普段手持ちで使用しない1/2秒くらいから30秒という時間で撮影する事で、どのようなものが写しだされるのか、現場で体験してみてください。  撮影が全て終わるまで、三脚が数ミリでも動いてしまうと、後に多重合成する際にブレが出てしまいシャープ感を得ることができません。そこでカメラのリモート機能を使いスマートフォンと連携します。キヤノンの場合は、『Camera Connect』と言うアプリを使う事で、露出設定、撮影データ変更、シャッターを切る作業まで全て行うことができる機種もあります。もちろん私が使用している最新のEOSR5とR6には搭載されているので、普段の長時間撮影ではカメラに触れる事なく撮影し、ブレを軽減しています。この機能がないカメラの場合は、シャッターを押すことによるブレを防ぐために、タッチシャッター(数秒後に切れる)を使う事をおすすめします。レリーズを使う場合は風の影響を受けないように露光中はレリーズを手で持つと良いでしょう。  風の強い日は、どんなに頑丈な三脚を使用していてもブレてしまうので、風があまり吹いていない日を選んで撮影に行きましょう。カメラのストラップや、超望遠レンズのストラップは、風の影響を受けブレの要因となる可能性があるので、結んでしまうか、外す事をおすすめします。また、PM2.5などの有害物質が少ない視程の良い日を選んで撮影に行く事も大切です。

多重合成を楽しむ

 キヤノン社のDigital Photo Professional 4を使用して多重合成をする場合、最初に合成する画像のフォルダを作成してまとめておくと便利です。ソフトを起動して、多重合成ツールを使いながら画像を重ねていきます。各写真を重ねる時、画面表示を大きく(100%に)してズレがない事を確認しながら丁寧に重ねていきましょう。途中3カット毎に保存しておく事をおすすめします。少しでもずれてしまうとぼやけた写真になってしまうので注意が必要です。  私は比較(明)で合成する事が多いのですが、色々とモードを試してみてください。一枚では表現できない世界が見えてきます。また、合成するソフトがない場合は、スマートフォンのアプリでも多重合成してくれる便利なものがあるので、自分に合うアプリを探してみてはいかがでしょうか。  Digital Photo Professional 4を起動して、多重合成ツールを使いながら画像を重ねていきます。ツールから多重合成ツールを選択して作業開始します。 05_編集画像.jpg  各写真を重ねる時、ずれがない事を確認しながら丁寧に重ねていきましょう。画面表示を100%にして、一枚ずつ位置合わせをしながら、ずれがないか確認。途中3カット毎に保存しておく事をおすすめします。少しでもずれてしまうとぼやけた写真になってしまうので注意が必要です。 06_編集画像.jpg

福岡空港展望デッキ

07_作例.JPG
■機体:ANA 787-8 JA817A
■撮影機材:キヤノン EOSR5 + RF15-35mm F2.8L IS USM + Leofoto LS-284CEX (雲台 BV-10)
■撮影環境:20秒 F9 ISO200 WBオート ピクチャースタイルオート Digital Photo Professional 4を使って10枚を合成
 今年リニューアルされた福岡の展望デッキの作品です。新しい展望デッキでは、フェンス越しとはいえ、とても近くで飛行機を撮影することができます。取材に訪れた日は、運よくボーディングブリッジの付かない8番スポットに787が駐機してくれました。羽田空港から到着後の787の周りを、定時運行の為に忙しく作業をする様子を長時間露光で表現してみました。多重合成する事で、スポットで働く人達の動きをイメージ通りに仕上げることができました。また、視程が良く、空にうっすらと雲がかかっていたので、光の反射があり普段よりも明るく撮影することができました。

羽田空港787洗浄シーン

08_作例.JPG
■機体:ANA787-8 JA835A
■撮影機材:キヤノン EOSR5 + RF70-200mm F2.8L IS USM + Leofoto LS-284CEX (雲台 BV-10)
■撮影環境:1/2秒 F2.8 ISO200 WBオート ピクチャースタイルオート Digital Photo Professional 4を使って3枚を合成
 羽田空港外周にて、深夜に飛行機を洗っているシーンを撮影しました。この場所では二重フェンスをクリアして撮影をしなければなりません。まず、液晶画面の露出を少し明るめに設定し、フェンスの位置が機体にかかっていないか確認します。その後、適正露出にしてからシャッターを切ります。照明に照らされている機体のハイライト部分を適正露出に調整するのがポイントです。

羽田空港展望デッキ

09_作例.jpg
■機体:ANA787-8 JA821A
■撮影機材:キヤノン EOSR6 + RF15-35mm F2.8L IS USM + Leofoto LS-284CEX (雲台 BV-10)
■撮影環境:30秒 F14 ISO100 WBオート ピクチャースタイルオート Digital Photo Professional 4を使って7枚を合成
取材に訪れる日によって、駐機している機体も、飛来してくる機体も様々ですが、私のライフワークとも言える、787の撮影の為に集まってくれたのではないかと思えるほど、この日はたくさんの787がやってきてくれました。ボーディングブリッジを入れずに撮影できる位置に駐機してくれた機体は、過去にも多くの劇的なシーンを撮らせてくれた「JA821A」と言うのも嬉しい偶然でした。この作品の光跡は全て787のもの。苦難の時期に懸命に働いている空港の人々と、次世代航空機として期待されているボーイング787の作品を明るく、力強く、そして美しく創り上げる事で、この時期をみんなで乗り越えていこう、と言う想いを込めました。

まとめ

 以上のように、三脚を使用して長時間露光撮影をする事によって、表現の幅がぐんと広がります。今回の作品は三脚を使用して、夜の空港のボーイング787を撮影しました。いつもとは違う夜の美しい光景を映し出す事ができる長時間露光撮影を、是非一度、夜の空港で試してみてください。 ■この記事で掲載している作例は緊急事態宣言前に撮影したものです。 ■写真家:岡本 豊 1972年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学卒業後、企業の広告写真やポートレートを中心に撮影。ボーイング787に魅了され活躍の場を本格的に航空機撮影にスイッチ。現在、月刊エアライン連載「Go! Go! 787」、航空会社の撮影、セミナー等で活動中。年間50回以上787に搭乗。魅力を追う旅へ飛んでいます。Canon EOS学園講師。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の岡本豊さんが三脚を使った夜の飛行機撮影テクニックを紹介しています。長時間露光と多重露光で制作した作例と共にご覧ください。 ----- KEYWORDS: 飛行機,レオフォト,三脚,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR:   TITLE: タムロン 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD レビュー|軽量で汎用性に優れた大口径標準ズームレンズ BASENAME: 479507401.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 葛原よしひろ DATE: 01/14/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,タムロン(Tamron) レンズ,17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD,標準ズーム ----- BODY: 00_タムロン 17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXDの製品画像.jpg

はじめに

02_タムロン 17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXDの作例.jpg  今回はタムロンから新しく発売されましたソニーEマウントAPS-C用の「17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD」について実写を交えてレポートさせて戴きます。  ズーム域は17mm-70mm(35mmフルサイズ換算25.5-105mm)と標準ズームとしては充分な画角をカバーしており、尚且つズーム全域において開放F2.8と比較的明るいレンズのため汎用性に優れています。風景は勿論のことポートレートや暗い場所での撮影も広範囲にこなせるので実写するのがとても楽しみです。外観は現在タムロンより発売中のソニーEマウント用レンズ群と同じような雰囲気で統一性が見られます。そして、レンズ本体の重量が525gと非常に軽いのでα6000シリーズにとてもマッチします。

ポートレートでの写りをチェック

00_タムロン 17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXDの製品画像.jpg  まずはポートレートから撮影しました。モデルさんは世界最大規模のミスコンテスト、ミス・グランド・インターナショナル2020 日本大会のファイナリストである安藤美樹さんにお願いしました。  カメラ本体はα6400を使用してソニーの追いかける瞳AF機能を使って撮影しました。瞳AFは問題なく動作してくれ、ズーム全域での合計5カット(17mm/24mm/35mm/50mm/70mm)をテンポ良く連続で撮影してみましたがストレスを感じる事は有りませんでした。ファインダーを覗いてみた時にはタムロンらしい優しく柔らかい雰囲気があり、個人的にはポートレートに合うレンズという印象でした。  17mm(35mmフルサイズ換算25.5mm)の広角端でも歪みが少ないので、パースペクティブを活かした構図でのポートレート撮影にも使用出来ますね。
03_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO125 焦点距離17mm
■撮影日:2020/12/20
 24mm(35mmフルサイズ換算36mm)は広角ポートレートでは定番の画角になりますが、素直な描写のためズームレンズでは無く単焦点レンズで撮影したと言っても解らない位解像感も有ります。
04_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO125 焦点距離24mm
■撮影日:2020/12/20
 35mm(35mmフルサイズ換算52.5mm)は標準レンズとしての画角ですが、開放F2.8での撮影では少しボケを活かした撮影が出来るようになってきますね。
05_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO160 焦点距離35mm
■撮影日:2020/12/20
 52mm(35mmフルサイズ換算78mm)はポートレート撮影のスタンダードな画角に近いのですが、この辺りの焦点距離だとF2.8でもかなりボケを表現に取り入れる事が出来るので、より主役のモデルさんを引き立つように撮影出来ますね。
06_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO160 焦点距離52mm
■撮影日:2020/12/20
 70mm(35mmフルサイズ換算105mm)もポートレート撮影の王道の焦点距離だと思いますし私自身も好きな焦点距離なので、APS-C用の標準ズームで使えるのは凄く嬉しく思います。開放もF2.8なので本当に使いやすいですね。
07_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO200 焦点距離70mm
■撮影日:2020/12/20

万能感抜群の焦点距離と描写力

 続いては風景写真です。ちょうど雪が積もったので地元で雪の景色を撮影してみました。絞りをF8まで絞って撮影したのですが、発色も良く山のふもとの集落まできっちり解像してくれますので風景にも使いやすい印象ですね。
08_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/8 1/500秒 ISO125 焦点距離43mm
■撮影日:2020/12/23
 雪のメタセコイア並木を望遠端70mmで撮影してみましたが、フルサイズ換算105mmでの望遠圧縮効果で並木の雰囲気を出すことが出来ました。
09_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/8 1/100秒 ISO100 焦点距離70mm
■撮影日:2020/12/23
【動画手振れ補正比較】  足元の悪い雪上での手持ち撮影でしたが、レンズ本体に手振れ補正が搭載されており静止画だけでなく動画撮影にも強い味方になってくれました。 ▼手振れ補正なし
▼手振れ補正あり
 京都の銀閣寺近くの喫茶店でケーキセットをテーブルフォト撮影してみました。この写真は広角端17mmで窓からの明かりを使用して、少し引き気味にお店の雰囲気も伝わるように撮影してみました。テーブルのケーキや紅茶だけでなく、カーテン越しの太陽光のコントラストも美しく優しく描写してくれるのはこのレンズの良い所ですね。
10_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO100 焦点距離17mm
■撮影日:2020/12/21
 標準域の30mmは椅子に座ったままちょうどテーブル上のトレーが良い構図で撮れる画角でした。椅子から立ち上がらずにズームで画角調整できるため、お店や他のお客さんの迷惑にならないのが嬉しいですね。
11_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO125 焦点距離29mm
■撮影日:2020/12/21
 望遠端70mmを使用してケーキだけをアップで撮影。最短撮影距離が短く寄れるレンズなのでこのカットも椅子に座ったまま撮影することが可能でした。
12_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO250 焦点距離70mm
■撮影日:2020/12/21
 仕事の際に通りがかったJR京都駅の駅舎とそこに写り込む京都タワーのスナップ写真。このレンズは駅舎の鏡面ガラスの微妙な色の違いやコントラストも表現してくれます。
13_作例.JPG
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO100 焦点距離61mm
■撮影日:2020/12/30
 こちらも仕事の行き道にスナップ撮影した大阪駅構内の写真。通りがかりに目についたものを切り取り、素早くピントを合わせて撮影出来る機動性はスナップ撮影には一番必要な機能ですが、それらを高次元で達成しているレンズだと思います。
14_作例.JPG
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO125 焦点距離37mm
■撮影日:2020/12/30
 大阪国際空港近辺にて撮影した着陸機の写真。日暮れ前の暗くなり始めた時間帯にシャッタースピードを上げて、間近を凄いスピードで通り過ぎる被写体をAF撮影するには開放値の明るさが絶対条件です。このレンズは流石開放F2.8なので、シャッタースピード1/1600秒に設定してトラッキングAFを使用するだけで簡単に撮影出来てしまいます。
15_作例.jpg
■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/1600秒 ISO640 焦点距離17mm
■撮影日:2020/12/12

まとめ

01_製品画像.jpg  短期間で出来る限り色々な被写体を撮影してみたのですが、α6000シリーズとのバランスが良く何より軽いので取り回し良く撮影出来ました。長さ119.3mm、フィルター径67mm、重量525gとズーム全域開放F2.8の明るい標準ズームとしてはかなり小型軽量であり、最短撮影距離も17mm広角端で19cm、70mm望遠端で39cmと被写体にもグッと寄れます。AFも速くて明るく写りも良いので「17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD」の万能感は抜群でした。α6000シリーズをお使いの方は是非一度お試し頂きたいと思うレンズです。 ■写真家:葛原よしひろ ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。 大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー JPS(日本写真家協会)正会員 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の葛原よしひろさんにタムロンの17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXDをレビューしていただきました。ポートレート、風景、スナップと幅広く使える万能レンズの写りをぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,タムロン,17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: シグマ 24mm F3.5 DG DN Contemporaryレビュー|質感高く所有欲まで満たされる小型軽量の広角レンズ BASENAME: 479600569.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 葛原よしひろ DATE: 01/19/2021 16:00:00 TAGS: 24mm F3.5 DG DN | Contemporary,レビュー,SIGMA,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,単焦点 ----- BODY: 01_シグマ-24mm-F35-DG-DN-Contemporary製品画像.jpg

はじめに

 今回はSIGMAの新しいフルサイズミラーレス用レンズ24mm F3.5 DG DN | Contemporaryの紹介をさせて戴きます。このレンズはSIGMAのフルサイズミラーレス用小型軽量のIシリーズとして発表されました。SIGMA Iシリーズには他に45mm F2.8 DG DN | Contemporaryと最近発売された35mm F2 DG DN | Contemporary65mm F2 DG DN | Contemporaryが有りこのレンズを含めると合計4本がラインナップされる形になります。Iシリーズのレンズは本体もフードも大部分がアルミ合金を使用して造り込まれており、デザインも含め質感が高くて所有欲も満たされるので外観だけを眺めていてもニヤニヤしてしまいます。  眺めているだけでは勿体ないので早速撮影に出てみました。今回も色々なジャンルの撮影をしてみましたので作例を交えながら24mm F3.5 DG DN | Contemporaryの特性をレポートさせて戴きます。

風景

02_24mm F3.5 DG DN Contemporaryで撮影した風景の作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/18 1/15秒 ISO100 焦点距離24mm
 まずは私が公認フォトアドバイザーをしております滋賀県高島市のマキノ町で風景撮影から始めてみました。去年に比べて今年は雪の日が多く、高島市も雪に覆われる日が増えており撮影日も積雪が有りました。撮影時は時折雪が舞い散る分厚い雲に覆われた生憎のお天気でしたが、SIGMAのレンズが得意とするコントラスト性能のお陰も有りダイナミックな曇り空の雰囲気を表現することが出来ました。降雪という条件でも簡易防塵防滴機能が備わっているので安心して使えますね。
03_風景の作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/22 1/80秒 ISO100 焦点距離24mm
 滋賀県南部の草津市で撮影した写真なのですが、同じ滋賀県でも北部の高島市に比べ殆ど雪は積もりません。夕暮れの時間帯に太陽の光芒が写るように最小絞りF22を使用して撮影したのですが、レンズに絞りリングが装備されているのでファインダーを覗きながら光芒を確認しながらの撮影もしやすかったです。完全な逆光状態にも係わらずゴーストもハレーションも全くと言って良いくらい発生しないので、このレンズの逆光耐性レベルは相当な物だと感じました。風景撮影は勿論のこと、あらゆる撮影シーンにおいて嬉しいポイントだと思います。  もう一点、落陽の時間帯では色の変化が多く色味を出すのが難しいのですが、このレンズは発色が良くグラデーションも綺麗に写るので曇り空から晴天まで天気を選ばずに使え、風景撮影で重宝します。

スナップ

04_鉄道運転士を写したスナップ作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/3.5 1/400秒 ISO6400 焦点距離24mm
 次の写真は京都から大阪に仕事で移動しなければならず、その道中でのスナップです。24mm F3.5 DG DN | Contemporaryをソニー α7Cに装着して撮影していると、フルサイズのカメラを持ち出して撮影しているのを忘れてしまうくらい小さくて軽く、スナップ撮影には最適だと実感しました。京都駅を出発するJR新快速電車の先頭車両で運転士さんの後ろ姿を撮影してみましたが、ISOオートの設定でISO6400まで上がっていたにも関わらず運転士さんのマスクの結び目までしっかり解像しており、高感度でも充分使用出来るレンズだと実感しました。
05_JR大阪の駅のホームの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/3.5 1/400秒 ISO250 焦点距離24mm
 新快速を降りてJR大阪駅構内の渡り廊下の窓から撮影。広角24mmとは思えない程、画角の四隅まで歪みが少なく、両端のビルが真直ぐ描写されています。それに加え画像を拡大すると駅のホームの看板を殆ど読むことができ、解像感が凄く有る事を確認出来ました。
06_逆光でのスナップ作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/14 1/400秒 ISO3200 焦点距離24mm
 大阪駅のエスカレーターの途中で太陽光が良い具合に差し込んでいたので逆光で撮影。風景撮影で逆光耐性を確認済みなので安心してシャッターが切れました。逆光下でも迷わず無音で素早く合焦してくれるレスポンスもスナップ撮影には欠かせないレンズ性能だと思うのですが、その辺りも非常に満足しました。

マグネット式のレンズキャップとホルダー

07_シグマのマグネット式レンズキャップとホルダーの画像.JPG
マグネット式レンズキャップとマグネットレンズキャップホルダー
08_シグマのマグネット式レンズキャップとホルダーを装着した画像.JPG
マグネットホルダーにマグネット式レンズキャップを装着した状態
 作例では無いのですが新しく導入されたマグネット式のレンズキャップも秀逸です。SIGMA Iシリーズの24mm F3.5 DG DN | Contemporary、35mm F2 DG DN | Contemporary、65mm F2 DG DN | Contemporaryの三本にはレンズ購入時に通常タイプのバネ式レンズキャップに加えてもう一枚マグネット式レンズキャップが同梱されており、合計2枚のレンズキャップが入っています。少し得した気分になりますね。今まではスナップ撮影や風景撮影等の野外撮影時にレンズキャップの保管方法に困ることが多く最悪な場合は行方不明になることが有ったのですが、オプションになりますがカラビナ付のレンズキャップホルダーが販売されておりカメラバッグ等にぶら下げておけば撮影時の保管場所に困ることが無くなります。マグネットもかなり強力なので撮影中に落下する事も無く安心して使用出来ました。これはレンズ購入時に一緒に購入されることをオススメします。

ポートレート

09_HANAさんのポートレート作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/3.5 1/40秒 ISO400 焦点距離24mm
 ここまで使用して収差が極めて少ないのでポートレートにも使用してみました。モデルは関西での撮影会等でお願いすることが多いHANAさんに協力して頂きました。落書きの多い高架下の歩道で撮影したのですが薄暗い状況でもAFは迷わずに合焦してくれました。モデルさんを画面中央より端に構図してもモデルさんが歪むことなくイメージ通りの撮影が出来ました。
10_HANAさんのポートレート作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/3.5 1/40秒 ISO400 焦点距離24mm
 もう一枚同じ場所での撮影ですが、瞳AFも機能していてストレスなくリズムよく撮影することが出来るので楽しくなります。
11_HANAさんのポートレート作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/3.5 1/40秒 ISO100 焦点距離24mm
 場所を少し移動して古いレンガの壁の前で撮影。このレンズは凄く寄れるので顔のアップも撮影しやすいです。絞りを開放F3.5で撮影したのですがピントの合っている右目から髪の毛の1本までシャープに解像しており、なだらかに自然で柔らかいボケの効果により立体感が出てモデルさんが浮き上がります。撮影しながら24mmで顔のアップの撮影が違和感なく出来る事に感心してしまいました。

10.8cmの最短撮影距離

12_キーボードに寄って撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α7C + シグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/3.5 1/50秒 ISO400 焦点距離24mm
 凄く寄れるレンズなので最後にこの原稿を書きながら手元のPCのキーボードを撮影。最短撮影距離10.8cmは凄いですね。キーボードのカタカナひらがなローマ字ボタンに開放F3.5で、ひらがなにピントを合わせる事が出来る時点で凄いのですが上下のカタカナとローマ字の表記がボケる事にも驚きました。ここまで寄れるとマクロレンズみたいですね。

さいごに

13_シグマ 24mm F35 DG DN Contemporary製品画像.JPG  今回はSONY Eマウントで御紹介させて戴きましたがLEICA Lマウント用も発売されております。金属製で質感が高いことは冒頭にも書かせて戴きましたが金属製にも関わらず230g(Lマウント用225g)と凄く軽量でありフィルター径55mm全長50.8mm(Lマウント用48.8mm)と非常にコンパクトなのでSONYのα7シリーズ、特にα7CやSIGMAの「fp」に非常に合うレンズだと思います。こんなに軽量コンパクトなのに驚くほど高性能で解像感、発色、収差どれをとっても申し分が無く、絞り環やAF.MF切替スイッチ、簡易防塵防滴まで備わっておりAFは凄く速くて正確でマクロ的な所まで寄れるなんて、これ以上望んだらバチが当たりそうなくらい良く出来たレンズでした。このレンズは勿論のことSIGMA Iシリーズから目が離せません。是非、実際に手に取ってお確かめ下さい。 ■写真家:葛原よしひろ ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の葛原よしひろさんがシグマ 24mm F3.5 DG DN | Contemporaryをレビューしています。質感優れた小型軽量広角レンズの撮影性能を風景、スナップ、ポートレートで試していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: シグマ,24mm F3.5 DG DN | Contemporary,Iシリーズ,レビュー,sigma ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 富士フイルムX-S10でポートレートスナップを撮る|充実の機能と日常使いに相応しい単焦点レンズ BASENAME: 479634542.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 01/21/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,X-S10,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,人物_子供,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ,APS-C ----- BODY: 00_富士フイルムX-S10で撮影する女性.JPG

はじめに

 旅行に出かけることがままならない今、カメラを片手に出かけたい気持ちをグッと抑えている方も多いのではないでしょうか? そんな中、生活の中で撮影に臨んでいる方も少なくないはず。2020年11月に発売となった富士フイルムX-S10は、日常での撮影に強い味方となってくれる機能が装備されており、その上キットレンズを活用することで撮影シーンが広がります。また、次へのステップとして初めての単焦点レンズ選びの参考になればと思い、今回はポートレートスナップを中心に、日常的に使いこなしたいレンズについても紹介して行きたいと思います。

X-S10の深いグリップとバリアングルモニター

 XシリーズのハイエンドモデルであるX-T4と一番の相違点はグリップの深さとシャッターフィーリングの良さ。手の小さい方や女性にとっても安心感が得られるホールディングの良さは特筆すべきところ。  ロー&ハイアングル撮影、セルフィー撮影、動画撮影、Vlogまで網羅し、タッチシャッターを含め“片手で撮る”という行為が増えている昨今の状況を取り入れた安定性を確保するデザイン・設計となっています。 01_モデルがC-S10を手で持っている写真.JPG  早速、普段はカメラを持ち歩かないモデルさんにも1枚セルフィー撮影をしてもらいファーストインプレッションを聞いてみました。 02_モデルの鈴木マイラさんが自撮りをしている写真.JPG  「持った感じはとても軽く、ストラップを首にかけて持ち歩いても、セルフィー撮影で片手でも負担にならない重さ。写真の美肌補正にも驚き!またバリアングルモニターは、撮影はもちろん、モデルとカメラマンとで写りを確認するときにも便利です。」と、撮影時だけではないメリットも。セルフィー撮影時には美肌機能が働き、自然と明るく美しい肌色に仕上がるところにも富士フイルムらしさを感じます。
03_自撮りの作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
■撮影環境:SS 1/75秒 絞りF3.5 ISO320 焦点距離15mm(23mm) WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
■セルフィー撮影:鈴木マイラ

キットレンズXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZを使いこなす

 軽量コンパクトな標準ズームレンズXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZの最大の特徴は広角端である15mm(35mm換算23mm)。室内などの狭い場所、風景などのダイナミックな光景、また先述のように、セルフィー撮影やグループ撮影までカバーしてくれる頼れる画角。開放F値がF3.5であることで遠景の解像力が高められ、背景までしっかりと写し込むことができます。
04_ローアングルの作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
■撮影環境:SS 1/340秒 絞りF4 ISO320 焦点距離15mm(23mm) WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 しかもこのレンズ、先端からの撮影距離が5cmときわめて近接することができるので料理や小物などのおうちフォトでも大活躍する優れもの。
05_XC15-45mmのレンズで5cmまで寄って撮影.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
■撮影環境:SS 1/60秒 絞りF3.5 ISO320焦点距離15mm(23mm) WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 フォーカスレンズをステッピングモーターで駆動させているのでAF動作も静か。5軸6段のボディ内手ぶれ補正に加えレンズ側の手ブレ補正機構を併用しブレを強力に補正。バリアングルモニターと併せることで動画撮影も、三脚を使わなければ撮れなかったシーンも手持ちで楽々と撮影することができるのです。XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZのこうした特徴を様々な撮影シーンにおいて活かし、使い込むほどにその魅力が増していきます。

自分好みの設定をカスタムポジションに登録しておこう

 X-S10にはモードダイヤルに「C1~4」と4種類のカスタム設定を登録できるカスタムポジションが存在します。画質設定、フォーカス設定、撮影設定の設定値をそれぞれ保存することができ、撮影シーンや用途に応じて使い分け。撮影頻度の多いシーンや被写体によって登録しておけば設定に戸惑うことなく素早く撮影を行うことが可能になります。 06_X-S10製品画像.JPG
07_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF35mmF1.4 R
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF1.4 ISO160 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先
■カスタムポジション:PRO Neg.Hi /ポートレート撮影用にハイライトを-1.5にし、AF-C、顔検出・瞳AFなども設定してカスタム登録した。
08_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF35mmF1.4 R
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF2.0 ISO320 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先
■カスタムポジション:シネマルックなETERNAは柔らかなトーンとコントラストなので、私の場合はカラーを+1、シャープネスを+2加えた設定で登録している。オールドレンズ使いにも相応しい。
09_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF35mmF1.4 R
■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF2.0 ISO320 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先
■カスタムポジション:街中でのスナップ撮影にぴったりなフィルムシミュレーションクラシックネガ(Classic Neg.)は日常使いに。
 自分なりのこだわりをカスタマイズしてそれぞれに登録しておき、ダイヤルを回すだけ。今までならカスタム設定はQボタンで一度呼び出し→変更する操作が必要でしたが、その手間も不要になるので撮影は快適です。ファンクション(Fn.)ボタンの設定も合わせて使うことで様々なシーンに幅広く対応できます。

内蔵ストロボで日中シンクロ撮影

 良い意味でボディーとストロボが一体化し過ぎているので、その存在に気が付かないかも。と、思うのが内蔵ストロボ。暗い室内などで光量不足の際に使われることの多いストロボですが、屋外撮影でも活躍してくれます。
10_製品画像_2.jpg
ボディ左肩にあるレバーを手前に引くことでストロボがポップアップする。
11_フラッシュをポップアップした画像.JPG  強い逆光で被写体が暗く写ってしまう場合、ちょっとレフ板が欲しいな。というようなシーンでストロボを使うだけでメインの被写体をより鮮明に写すことができます。(日中シンクロ撮影)
12 flash off_on.jpg
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF56mmF1.2 R
■左:ストロボなし/SS1/400 絞りF3.2 ISO320 焦点距離56mm WBオート雰囲気優先
■右:内蔵ストロボ発光/SS1/200 絞りF3.2 ISO200 焦点距離56mm WBオート雰囲気優先
 日中シンクロは、普段ストロボはほとんど使わないという人でも失敗をしたくない記念撮影や花撮影の補助光としても大いに役立つので覚えておきたいテクニックの一つ。また、X-S10のフラッシュ設定はX-T4同様となっており、クリップオンストロボなどの外部ストロボとのスレーブ撮影が可能なので拡張性も高くなっています。

日常使いに相応しいレンズ

 今回紹介する単焦点レンズはXF35mmF1.4R、XF35mmF2R WR、XF56mmF1.2 R。 それぞれのレンズは、キットレンズにはない明るい開放値が特徴的で、小型ボディであるX-S10にも相応しいサイズ感です。 13_lens_.jpg

標準レンズは基準レンズ|XF35mmF1.4 RとXF35mmF2 R WR

 いわゆる標準レンズと呼ばれる画角で単焦点レンズを初めて購入される方にまずはおススメしたいのが35mm(35mm換算53mm)。焦点距離に対し、開放値F1.4 RとF2 R WR の2本があり、明らかな違いは1段分の開放F値。  F1.4 Rは発売当初から根強いファンを持つ1本。ボケ方に特徴がありポートレートに相応しい柔らかな描写、とろけるようなボケが魅力。かつ、髪の毛一本一本もシャープに映し出す描写力にファンが多いレンズ。ただし、全群繰り出しAFの動作音が少々気になります。  一方で、スナップ撮影メインであれば、F2 WRを選ぶのもよい選択肢と言えます。F2 WRはAFがクイックレスポンスで描写もシャープな印象があり、人物と背景両方を活かしたいシチュエーション、建造物などの景観撮影で解像力を発揮します。加えて天候も気になる屋外であれば防塵・防滴仕様・-10℃の耐低温構造が心強い味方になってくれるはず。筆者も愛用しているレンズです。
14_35mmF2-F1.4で撮影した作例.jpg
■上:XF35mmF1.4 R / SS 1/50 秒 絞りF1.4 ISO 2500 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先
■下:XF35mmF2 R WR / SS 1/50 秒 絞りF2.0 ISO 2500 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先
 モデルとの距離は変えずに撮影すると背景の差が顕著です。玉ボケの形が美しいF1.4 R、奥行き感が出せるF2.0 R WR、この辺りは自分の好みやメインにする被写体でレンズを選んでも良いでしょう。
15_35mmf1.4で撮影した作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-S10+ XF35mmF1.4 R
■撮影環境:SS 1/40秒 絞りF1.4 ISO3200 焦点距離35mm WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
 夕暮れ時は光量が少なく、明るい開放値である単焦点レンズが優位に。描写の良さが発揮され、薄暮の空もクリアで青さが際立ち背景の玉ボケも印象的になりました。  単焦点レンズは何よりもレンズワークとフレーミングが大切。この35mmという画角を広く感じるか、狭く感じるか、さらにはこのレンズで被写体に寄れるか引けるか。という感覚を基準に、自分自身の撮影しやすいレンズを決めていく目安にもなるはずです。

ポートレート撮影の定番 XF56mmF1.2 R

 XF50mmF1.0の登場で少しばかり存在が薄く感じられますが、ポートレート撮影の定番と言えるレンズがXF56mmF1.2 R(35mm換算85mm)。X-S10のボディサイズとのバランスも抜群で、APS-Cの機動性を活かしたポートレート撮影をメインにするならばぜひ持っていたい1本。405gのコンパクトな設計は、移動を伴う撮影でも苦にならない重量と威圧感のない見た目、モデルとの距離感も最適です。  振り向いた瞬間をキャッチ。住宅街の路地裏でも背景が雑多にならず、ほどよい圧縮効果と気持ちよいボケによってモデルがグッと引き立ちます。平面表現である写真はレンズの力で奥行きを出したいもの。
16_56mmf1.2で撮影した作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-S10/XF56mmF1.2 R
■撮影環境:SS 1/1000秒 絞りF1.2 ISO320 焦点距離56mm WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
 最短撮影距離0.7mで撮影。合焦点のキレの良さと、ソフトフォーカスをかけたような優しいボケ、肌の滑らかさと透明感もこのレンズの特徴です。撮ってもらうことが嬉しくなる写りのこのレンズは、歪むことなく真っ直ぐ捉えることができる画角であり、スナップや風景の撮影でも構図と切り取りを考えるのに相応しいレンズです。
17_56mmf1.2で撮影した作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-S10/XF56mmF1.2 R
■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF1.2 ISO320 焦点距離56mm WBオート雰囲気優先
■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
 単焦点レンズは被写体で選ぶだけでなく、自分の視線を超えて“イメージの目”となり、表現を楽しめる一本をぜひ持ちたいですね。

おわりに

 高速連写性能と動体追尾性能以外のほとんどの機能がX-T4から引き継がれながら、最新の機能を搭載したX-S10は、守備範囲の広いキットレンズによって身軽な装備で普段着のように気負わず撮影を楽しめます。「写真も、動画も両方気軽に楽しみたい!」という欲張りな要望に応えてくれる一台。 また、表現力の高い単焦点レンズは、今回紹介したレンズの他にもXシリーズの性能を引き出すレンズがラインナップされています。皆さんも「自分自身の1本」を見つけて〝今〟という目の前の光景、大切な人を写してみませんか。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。 ■モデル:鈴木マイラ

「X-S10」はこちらの記事でも紹介されています

■FUJIFILM Imaging Plaza東京でのX-S10取材記事 富士フイルム X-S10が登場|しっかり握れる小型ボディーに、びっしり詰まった高機能! https://shasha.kitamura.jp/article/478001035.html ■写真家の片岡三果さんによるX-S10レビュー記事はこちらからご覧頂けます。 富士フイルム X-S10レビュー|小さなボディーにフジ製品のいいとろこがギュッと詰まった頼れる相棒 https://shasha.kitamura.jp/article/478921868.html

X-S10特集ページ

製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介していますのでコチラのページも合わせてご覧ください。 x-s10.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんが富士フイルムのX-S10を使ってポートレート撮影を行いました。日常的に使える標準の単焦点レンズと合わせてX-S10の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,富士フイルム,X-S10,標準単焦点レンズ,ポートレート ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 国産ソフトウェア「SILKYPIX Developer Studio Pro10」でRAW現像にチャレンジ! BASENAME: 479718333.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 01/26/2021 16:00:00 TAGS: SILKYPIX,SILKYPIX Developer Studio Pro10,RAW現像,ソフトウェア ----- BODY: 0000_SILKYPIX Developer Studio Pro10での編集中のキャプチャー画像.JPG

はじめに

 皆さんは現像ソフトって何を使ってますか?デジタルカメラで撮影したRAWデータは、汎用的な画像データとして見る事ができるようにするため現像する必要があります。RAWデータを現像するソフトは各種ありますが、カメラメーカー純正のRAW現像ソフトやAdobe社のPhotoshopやLightroom、そしてSILKYPIXなどの現像ソフトがよく使われています。今回は、国産のRAW現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio Pro10」の使い方と特徴を紹介します。

RAW現像ソフトSILKYPIX Developer Studio Pro10の特徴

 市川ソフトラボラトリーのSILKYPIXシリーズには、今回紹介するプロフェッショナル版の「SILKYPIX Developer Studio Pro10」、スタンダード版の「SILKYPIX Developer Studio 10」、そしてJPEG版の「SILKYPIX JPEG Photography 10」の3種類があります。 0001_製品ロゴ.jpg  「SILKYPIX JPEG Photography 10」はRAW現像には対応していませんが、JPEGデータを高画質に調整できる独自の技術と露出・ホワイトバランスなどの基本的な調整機能を有しながらも、気になる箇所のみ調整できる「部分補正ツール」など、優れた機能が沢山あります。JPEGデータのみで撮影している方にも、高品質の作品作りをサポートしてくれるソフトです。  スタンダード版の「SILKYPIX Developer Studio 10」は、RAW現像に必要な基本的な機能を網羅しつつも、写真の仕上がりイメージに合わせて選択するだけで瞬時に調整結果が得られる人気の「テイスト」機能67種類が収録されています。  「SILKYPIX Developer Studio Pro10」は、スタンダード版の機能にプラスして複数の画像を合成する機能を搭載。また、定評のあるノイズリダクションを更に進化させた「ファインディティール」モードの搭載や大量の高解像度の画像でも高速表示を可能とする「セレクト」セクションの新設など、調整の自由度と使いやすさが向上しています。  RAW現像ソフトは、それぞれのカメラメーカーが自社のカメラのRAW現像ソフトを無料で公開しています。カメラメーカーのRAW現像ソフトのメリットは、「無料で使える」・「新機種のRAWデータに発売日から対応」などのメリットがあります。それでは「SILKYPIX」のようなサードパーティー製のRAW現像ソフトを使うメリットはどのようなところにあるのでしょうか?  例えば、メーカーの違う複数のカメラを使っているユーザーであればメーカー純正のRAW現像ソフトを使うとなると、それぞれのメーカーのRAW現像ソフトを使用しないと現像する事ができません。そんな時に「SILKYPIX」を使えば、メーカーの違うRAWデータを一つのソフトで現像することができます。昔ちがったメーカーのカメラを使っていた方や、今後メーカーを替える予定のある方、違うメーカーのカメラを複数持って写真を楽しむ方には、「SILKYPIX」などのサードパーティー製のRAW現像ソフトを使った方が効率よく現像作業をすることができます。

RAW現像ソフトSILKYPIX Developer Studio Pro10の基本的な使い方

0002_キャプチャー画像.JPG 0003_キャプチャー画像.jpg  初めてソフトを使う時、戸惑うのはたくさん並んでいるメニューの数々やアイコンの数です。たくさん並んでいるので、それだけで難しそうな感じがしてきますね。まずはソフトを立ち上げたら画面右上の項目の「セレクト」をクリックして、現像したいRAWデータが格納されているフォルダを選びます。フォルダ内のRAWデータのサムネイルが一覧で表示されます。サムネイルの大きさを変えるには横にあるスライダーで調整する事が可能です。  表示を切り替えたい場合は、画面左上部にある表示切替ボタンを選んでクリックします。「サムネイル表示」、「コンビネーション表示」、「プレビュー表示」が選べ、「コンビネーション表示」や「プレビュー表示」を選ぶと大きな画面イメージで画像を確認することができます。 0004_キャプチャー画像.jpg
0005_キャプチャー画像.JPG
コンビネーション表示
 現像するRAWデータを探すにはサムネイル表示で全体から探し出し、その後にコンビネーション表示やプレビュー表示にすることで、現像するRAWデータを確認する手順がスムーズに進みます。  ここからRAW現像の本番です。RAW現像する画像を選んだら、画面右上の「調整」をクリックし現像モードに変更します。 0006_キャプチャー画像.jpg  画面右側に現像調整できる各種項目「パラメータ・コントロール」などが表示されます。現像の各項目の調整は、このパラメータ・コントロールやサブコントロールから現像調整を実施します。 0007_キャプチャー画像.jpg  SILKYPIXでは現像の調整を、露出補正、ホワイトバランス、調子(コントラスト)、カラー(彩度)、シャープ・ノイズリダクションの順で進めていくことを推奨しています。この調整の順番に沿って調整がしやすい様、パラメータ・コントロールには各調整項目が上から順番に配置されています。  露出補正は、パラメータ・コントロールに表示されているスライダーを使って明るさを調整します。  例えば「ホワイトバランス」項目のプルダウン▼をクリックすると、「SILKYPIX Developer Studio Pro10」でプリセット登録されているホワイトバランスの設定項目が表示され、簡単に選択することができます。または、サブコントロールが表示されるので個別に色温度を細かく設定する事も可能です。 0008_キャプチャー画像.JPG  調子(コントラスト)では、サブコントロールでコントラスト調整・ガンマレベル・黒レベル・明瞭度・かすみ除去の調整ができます。 0009_キャプチャー画像.JPG  カラー(彩度)では、サブコントロールで彩度・色表現の調整ができます。 0010_キャプチャー画像.JPG  シャープでは、サブコントロールで輪郭強調・偽輪郭抑制・ボケ保護などの各種調整ができます。 また種類を選択するとシャープの種類が選べるようになり、アンシャープマスクの設定も可能です。    シャープ調整をする場合は、かけ過ぎに注意する必要があるので画像データを等倍で表示にして効果の効き具合を確認しながら調整をしましょう。 ※等倍表示ショートカットキーは「shiftキー+→ キー」 ※全体表示ショートカットキーは「shiftキー+← キー」 0011_キャプチャー画像.JPG  パラメータ・コントロールの下に表示されているアイコン14種 0012_キャプチャー画像.JPG 上段左から ■ホワイトバランスの微調整 少しだけホワイトバランスを変更したい場合に使用 ■トーンカーブ 調子表現の微調整、効果を与えるための明度変換をおこなうツール ■ハイライトコントローラー ハイライト領域の色づくりをコントロールする機能白飛びした領域に階調を復元させることができます ■ファインカラーコントローラー 色を自由に操ることができる強力な色調整機能 ■レンズ収差補正 現像時にレンズの収差を補正することで、より高品位な画像を生成するための機能 ■回転、デジタルシフト 回転は±45度の範囲で画像の回転角度を設定できますデジタルシフトは、シフトレンズで撮影したような変形効果を与る機能 ■環境設定 現像設定サブコントロールにあるデモザイク精鋭度は、現像時のピクセル分解の精緻さを決めます通常は「80」程度でOK、ノイズの多い画像では低めに設定します 下段左から ■効果 美肌効果、ノイズ付加の他、周辺ぼかし効果やシャープネスをかけたりすることができます ■モノクロコントローラー 指定したカラーフィルターをレンズに装着した効果、特定の色相の明度を調整する「明度」の2種類の設定を使って、モノクロ化する際の調整ができます ■マリンコントローラー 水中写真専用のホワイトバランスや水中で失われる色を復元する色復元など水中写真に特化した調整ができます ■スポッティングツール 写真に写りこんだゴミなどを消去したり、赤目を補正するためのツールです ■部分補正ツール 部分補正ツールは、補正したい領域を指定し、その領域内の明暗やコントラストなどを部分的に補正するためのツールです。逆光で暗くなってしまった人物の表情の明るさを持ち上げたり、光の反射で明るく映りすぎた対象物の一部のホワイトバランスを微調整する場合など、画像の一部に補正することを主な目的としています ■トリミング領域設定 画像の一部を切り取った作品をつくる場合に使用します ■編集履歴 編集内容を一覧で確認して、履歴の一部を操作し直すことも可能です。  このように「SILKYPIX Developer Studio Pro10」にはたくさんの調整機能があり、作品づくりを強力にサポートしてくれます。  「部分補正ツール」を使いこなす事ができると、細かな部分の調整が可能になり、今までとは一味違った写真に仕上げる事が可能になります。特に「スポッティングツール」は、RAWデータ上で写り込んでしまったゴミなど消去ができる優れた機能です。普段の撮影で気が付かないセンサー上のホコリも絞って撮影した際には写り込んできます。そんな場合でもスポッティングツールで画像データ上のゴミの部分を簡単に修正することができます。
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スポッティングツール
 一通り現像の調整ができ作品ができあがり、JPEG・TIFFデータなどに出力する場合は上部にある「現像(D)」→「一コマ現像(S)」を選択し保存場所を決めて「現像(S)」をクリックすれば作品の出来上がりです。 0014_キャプチャー画像.JPG 0015_キャプチャー画像.JPG  またRAW現像したデータをそのまま印刷するには、画面右上部にある「印刷」をクリックしプリンター設定で細かな調整を実施し、そのまま印刷する事も可能になっています。 0016_キャプチャー画像.JPG  「SILKYPIX Developer Studio Pro10」は、初めて使用する方でもRAWデータのセレクトから現像、そして印刷までスムーズな流れで作業できるようになっています。最初は難しく感じるかもしれませんが、自分の作品作りをしていきたい人にはとても頼りになるツールになると思います。

RAW現像ソフトSILKYPIX Developer Studio Pro10の凄い機能

 「SILKYPIX Developer Studio Pro10」には、RAW現像機能のほかに充実した「合成機能」が新たに追加になりました。「比較明合成」・「多重露光合成」・「多重露光合成(夜景)」・「被写界深度合成」・「動体除去合成」・「ストロボモーション合成」などの多彩な合成機能があります。 0017_キャプチャー画像.JPG
0018_SILKYPIX Developer Studio Pro10で編集した作例.jpg
3枚の画像データを「ストロボモーション合成」
 「SILKYPIX Developer Studio Pro10」の6種の合成機能を使いこなすには、撮影段階から作品の出来上がりをイメージして撮影する必要があります。詳しくは、また別の機会で撮影方法なども含めて活用方法を紹介したいと思います。

高速ビューアソフトPhoto ExpressViewerもおすすめ

 実際にRAW現像をやっていくと、パソコンのスペックにもよりますが、いろいろ時間がかかってストレスも溜まることもあります。特にたくさんの撮影データから現像したいRAWデータを探すのも、サムネイル表示が遅くてイライラする事も多いのではないでしょうか?そのイライラを解消してくれるソフトが最近発売されました(2021年1月21日発売)。「SILKYPIX Developer Studio Pro10」と同じ販売元の市川ソフトラボラトリーの「Photo ExpressViewer」です。 0019_キャプチャー画像.JPG 0020_キャプチャー画像.JPG  このソフトは、JPEG、TIFF、RAW画像の閲覧や整理に特化したソフトでGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)対応による高速表示など、セレクト作業を素早く快適に進めることが出来ます。RAW現像以外にも画像データにタイトルやコメントなどを付加できたり、撮影の際に使用したフィルター情報などを記録したりする事もできるので、とても便利です。また、検索機能を使って画像を検索することも出来るので、キーワード的なものを付加しておくといいかもしれません。

まとめ

 今回紹介した「SILKYPIX Developer Studio Pro10」Windows版・macOS版および「Photo ExpressViewer」Windows版は、30日間無料体験が可能です。この30日間の無料期間には、機能制限などは無くすべての機能が使える状態で体験する事ができます。 気になった方は、市川ソフトラボラトリーのSILKYPIXのページからソフトをダウンロードしてRAW現像を試してみてください。 ・「SILKYPIX Developer Studio Pro10」のダウンロードページはこちら ・高速ビューアソフト「Photo ExpressViewer」のダウンロードページはこちら ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員 ・日本風景写真家協会 会員 ・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事 ・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事 ・一般社団法人 日本写真講師協会 理事 ・ソニーαアカデミー講師 ・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがRAW現像用ソフトウェアの「SILKYPIX Developer Studio Pro10」を紹介しています。優れた特徴や基本的な使い方説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: SILKYPIX,SILKYPIX Developer Studio Pro10,RAW現像,ソフトウェア ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 私のメインカメラはキヤノン EOS R6。その驚異のスペックと操作性を中心にレビューします! BASENAME: 479736882.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 鶴巻育子 DATE: 01/28/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,EOS R6,キヤノン(Canon) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: 01_キヤノン EOS R6で撮影した作例.JPG

はじめに

 キヤノン製品で「6」といえば2番手と思われがちですが、EOS R6は今後、キヤノンフルサイズミラーレスのスタンダードモデルに位置付けられるそうです。EOS-1D X Mark IIIのCMOSセンサーを改良して搭載され、EOS R5と同様のエンジンDIGIC Xが採用されていると聞けば、納得。同時期に発表されたEOS R5とどちらを購入するか迷ってる方も多いのではないでしょうか。コストパフォーマンス、サイズ感、操作性を含めて考えた結果、現在、私のメインカメラは、EOS R6。その驚異のスペック、操作性などを中心にレビューします。

高画質

 いつからか、デジタルカメラはまず画素数を気にする傾向になっており、約2010万画素と聞くと頼りなく感じてしまうのは確かです。しかし、EOS R6は、EOS-1D X Mark IIIをベースに開発されたCMOSセンサーとEOS R5と同様のエンジンDIGIC Xが採用されています。  こちらの港風景の写真は、キットレンズのRF24-105mm F4-7.1 IS STMを使用して高層ビルから撮影しています。コンテナに積まれるのを待つ自動車や手前の木材の細かな部分まで描写されており、非常に高精細であることが確認できます。
00_作例.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4-7.1 IS STM
■撮影環境:f/11 1/125秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離27mm
 チェスの写真は、RF50mm F1.2 L USMを装着し開放F1.2で撮影。さすが大口径レンズ。繊細で美しいボケとピント部分のシャープさ、立体感が際立ちますが、逆光で捉えたチェスの駒の白と、背景の黒の色に注目していただくと、ダイナミックレンジの広さが確認できます。パソコン画面よりもプリント作品にしたときにこそ、階調の豊かさが実感できると思いました。
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■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF50mm F1.2L USM
■撮影環境:f/1.2 1/50秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離50mm
 画像を広告写真など仕事として使用する場合や展示で大判プリントをすることを考えると当然大きい画素数が必要となりますが、過度なトリミングをしない限り、A4やA3サイズを出力するには2010万画素でも全く支障はなく、データ保存の容量など考慮すると、通常の使用ではむしろ最適とも言えるかもしれません。

高感度性能

 EOS R6の常用ISO感度は100~102400を実現しています。EOS R5に関しては100~51200までとなっていることから、夜間や暗所での撮影ではEOS R5よりも有利。こちらの高感度のISO1600で撮影した写真を見るとわかるように、高架下の壁や天井部分もノイズが感じられず滑らかに仕上がっています。
02_作例.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4-7.1 IS STM
■撮影環境:f/7.1 1/13秒 ISO1600 露出補正-1 焦点距離24mm
 このカラスの写真はRF600mm F11 IS STMを装着して高感度で撮影しました。ISO2500に設定していますが、やはりノイズが発生していません。太陽光が当たったカラスの羽が、質感や色のグラデーションなどディテールが美しく表現されているのがわかります。高感度撮影とは思えない階調豊かな描写を得ることができ、夜のスナップ撮影や都市の夜景風景撮影にも、高ISO感度でも躊躇なく撮影が楽しめます。
03_作例.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:f/11 1/100秒 ISO2500 露出補正-0.7 焦点距離600mm

手ブレ補正性能

 キヤノンはこれまで手ぶれ補正機能はレンズ側のみ採用してきましたが、遂にEOS R5とEOS R6ではボディ内手ぶれ補正が搭載されました。装着するレンズにもよりますが、5軸の補正に対応し最高でIS8段が補正される効果(レンズとボディーの協調制御による補正効果)は、他社と比較しても圧倒的です。
04_作例.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4-7.1 IS STM
■撮影環境:f/8 1/4秒 ISO125 露出補正-0.3 焦点距離105mm
 RF24-105mm F4-7.1 IS STMを装着し、望遠端、シャッタースピード1/4秒、手持ちで撮影に挑戦してみました。100%ではありませんでしたが、かなりの確率で成功。広角側だと1秒以上に設定してもブレなく写せました。暗い場面でも、手持ちで低感度の高画質を得られるのがメリット。ほかにも、車のライトなどを利用した光の軌跡や、被写体ブレを生かした撮影をする場合、以前は三脚必須でしたが、手持ちならいつでも気軽に撮影可能ですから、スナップでも撮影の幅が広がります。

AF性能

 カメラ内のさまざまな機能に頼らず撮影するのが絶対と考えていた私は、AFはワンショット、スポット1点を貫いてきました。しかし近頃は拘りを捨て、便利な機能は使ってみようと気持ちの変化が起きています。ディアルピクセルCMOS AF IIを搭載し、広範囲に及び高速で精度の高いオートフォーカスを実現したEOS R6。私も早速、顔+追尾優先AFに設定しカモメや猫を狙ってみました。ピントは瞳に面白いほどピッタリ合致。飛んでいるカモメにフォーカスが追尾し続けます。これじゃ、撮影スキルも必要なくなっちゃう?! と戸惑いを感じますが、とにかく、いいモノが撮れたらいいんじゃない?と素直に受け入れることに。
05_作例.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4-7.1 IS STM
■撮影環境:f/9 1/800秒 ISO125 露出補正-0.3 焦点距離24mm
 このAF性能は、動物撮影にはもちろん、スポーツや子どもの撮影にも重宝するに間違いありません。測距エリアは、最大で縦横100%を達成しています。但し、レンズによって測距エリアの範囲が異なり、私が最近お気に入りの新レンズRF600mm F11 IS STMとRF800mm F11 IS STMの場合はAFエリアが横40%縦60%の範囲に制限されます。被写体は殆ど中央に配置する私にとっては全く問題ありません。余談ですが、この2本のレンズ、F11固定というハンデはありますが、軽量、安価で本気でおすすめです。
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■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF600mm F11 IS STM
■撮影環境:f/11 1/800秒 ISO1600 露出補正-0.3 焦点距離600mm

操作性

 EOS Rに搭載されていたマルチファンクションバーがなくなり、サブ電子ダイヤルが復活。私もその一人でしたが…この変更は多くのEOSユーザーの声を反映した結果?…ですよね。サブ電子ダイヤルを親指でクルクル回す感覚は、身体に染み付いているので抜群の使用感。カメラはとにかくシンプルな操作性が好みな私にとって、EOS R6はモードダイヤルというのも大きなポイントで、操作性に関しては、個人的にEOS R5よりも断然好み。  電子ビューファインダー(EVF)の進化も魅力のひとつです。画像がカクカクせず滑らかなEVFは、光学ファインダーに慣れている人でも、違和感なく使用できると思います。今まで背面モニターとの切り替えのちょっとしたレスポンスのズレがどうにもストレスでしたが、そこも改善されており、もうストレスを感じることはありません。
07_作例.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:f/2.2 1/2500秒 ISO400 露出補正-1 焦点距離35mm

信頼性

 デュアルスロットが採用となり、画像をダブルで書き込めるのは安心感が増します。静止画、動画の記録の振り分けも可能です。さらに、新規フォルダーも作成できるので、撮影後の画像整理もスムーズに進むのは想像がつくはずです。  そして、意外と大事なのが、バッテリーです。以前までメインカメラとして使用していたEOS RPではバッテリー(LP-E17)を常に3~5本は予備として持ち歩いていました。EOS R6のバッテリーLP-E6NHは、容量が2130mAhに増量され持ちがかなり良いため、一日スナップしていても、1本で済むことがほとんど。さらにうれしいのは、EOS 5Dや6DのバッテリーLP-E6Nも使用できるため、一眼レフカメラも所有しているユーザーにとっては、とりあえずは予備バッテリーを改めて購入する必要がないのも大きなアドバンテージです。

動画性能

 EOS R6の性能を動画撮影でも検証してみました。水族館で熱帯魚やクラゲを狙ってみたところ、さすがカメラ内5軸手ブレ補正機能により手持ちでも快適に行え、AF設定を追尾優先AFにセットすれば、面白いほど動くクラゲにピントを合わせ続けてくれました。私は子どもがおりませんので試せませんでしたが、小さな子どもやペットの撮影に重宝するのは間違いないですね。  今回はFHDでの撮影でしたが、もちろん4Kにも対応しており手軽に高画質の映像を楽しめます。既にテレビ画面では4Kが主流となっていますので、撮影した映像をテレビで観ると考えれば、4Kで撮影するのがベターでしょうか。
 私がハマったのは、タイムラプス動画。空の変化や人の動きなど、時間の流れを感じる場面を選ぶと効果を感じられます。普段見慣れた風景も、不思議な世界に変化します。最近は、Youtubeなどで料理の手順説明に活用している方も多いですね。

まとめ

 冒頭にも述べましたが、キヤノンの「6」と言えば、「5」の廉価版というイメージでしたが、これからは、これぞ「New Standard」と言えるカメラ。歴代のキヤノンミラーレスシリーズを使い続けてきて、その都度、もうひとつ物足りなさを感じていたのは事実でしたが、EOS R6は、驚異的なスペックはもちろんですが、キヤノンらしい操作性が戻ったことに加え、ファインダーの見易さが、そのモヤモヤ感を感じず、ストレスフリーで気持ちよく撮影できる理由なのでしょう。 ■写真家:鶴巻育子 1972年、東京生まれ。広告写真、カメラ雑誌の執筆のほか、ワークショップやセミナー開催など幅広く活動。写真家として活動する傍ら、東京・目黒、写真専門ギャラリーJam Photo Gallery 主宰を務める。ライフワークでは、これまでに世界20カ国、40以上の都市を訪れ、街スナップや人物を撮影。主な写真展 Brighton-a little different(2012年、オリンパスギャラリー)、東京・オオカミの山(2013年、エプソンイメージングギャラリーエプサイト)、3[サン] (2015年、表参道スパイラルガーデン)、THE BUS(2018 年、ピクトリコギャラリー・PLACE M)、PERFECT DAY(2020年、キヤノンギャラリー銀座)など。THE BUS(2018年、自費出版)、PERFECT DAY(2020年、冬青社)がある 。 ShaSha用_その他の商品はこちらから.png ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の鶴巻育子さんがキヤノン EOS R6のレビューを行っています。EOS R5ではなく、何故R6をメインカメラとしているかを作例と共に解説していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,EOS R6,キヤノン ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー フルサイズミラーレス α1|新次元フラグシップモデルが登場! BASENAME: 479818915.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 02/01/2021 16:00:00 TAGS: α1,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: 00_ソニーα1のシャッター閉鎖時の画像.jpg

はじめに

 2021年1月27日にソニーからフルサイズミラーレスカメラのフラグシップ機「α1」が発表されました。これまでの一眼フルサイズのフラグシップ機は画素数を低く抑えたモデルになっていましたが、α1はそれとは一線を画し有効約5010万画素の高画素のミラーレスカメラでフラグシップ機を仕上げてきました。  α1は高画素ながら15ストップの滑らかな諧調表現を可能とし、画像処理エンジンの高速化によりAF/AE追従で30コマ/秒のブラックアウトフリーの高速連写を実現。演算処理速度を高める事によりAF追従性能を向上させ、超高精細の電子ビューファインダーは世界初となる240fpsのリフレッシュレートで上下左右にパンする時の残像が大幅に低減され、電子シャッターでのフラッシュ同調も可能にしています。  ミラーレスカメラの強みを飛躍的に向上させ、弱い部分に大幅な改善が施されており、今まで見たことがないスペックの高さに、一眼フルサイズのフラグシップ機が新たなフェーズを迎えたの感じました。動画は8K30Pにも対応、ワークフローではプロの現場で必要とされる即納を実現する為高速通信性能を持っています。  今回はメーカーからリリースされた情報の中で気になる機能を紹介し、補足としてソニーストア銀座の先行展示機(サンプル機)を触ってきましたのでその時の印象を含めて記事を書かせて頂きました。是非ご覧ください。

高画素でありながら超高速性能を実現

01_ソニーα1製品画像.jpg  α9シリーズから大幅に進化したメモリー内蔵積層型CMOSセンサー「Exmor RS」は有効約5010万画素となり、α9IIの約8倍の処理性能をもつ画像処理エンジン「BIONZ XR」と連携することで、ブラックアウトフリーのAF/AE追従で30コマ/秒の連続撮影を可能にし、JPEGでは165枚、圧縮RAWでは155枚の連続撮影を可能にしてます。これにより今まで撮り逃していた一瞬の動きや被写体の表情の変化をより確実にそして高精細に捉える事が出来るようになるのではないでしょうか。  高画素化により、APSCサイズにクロップした時でも約2100万画素での撮影が可能になり、またフルサイズのMサイズも2100万画素を設定することができるのでクロップのBefore、Afterで解像度を揃えることが出来るのは嬉しいですね。  電子シャッターの弱点の一つにローリングシャッター歪みがありα9シリーズでも相当軽減していましたが、α1では更にその1.5倍の歪みを抑えることに成功しているようです。他にも電子シャッターでのフリッカーレス撮影を可能にしたり、1/200秒でのフラッシュ同調を可能にしているということですので、電子シャッターの弱点は殆ど無くなっているのでは?と思いました。  シャッター速度は最高1/32000秒で撮影が可能との事ですので、どんな画を撮る事が出来るのかとても楽しみです。また天気の良い時に絞りを開けて撮影したり、スローシャッターにしたい時にNDフィルターを使う事なく撮影を進められます。 ■30コマ/秒の連写音  シャッターを切ったタイミングを音で掴めるように連写音を入れているようです。元々音も振動もありませんので、設定で無音にすることも可能です。
■メカシャッターでの10コマ/秒の連写音  メカシャッターには2重のダンパーが搭載されていて、音も静かで振動もとても少なく感じました。
■シャッターでセンサーをカバー  電源OFFにするとシャッターを閉じるように選択する事ができます。レンズ交換の際にゴミやホコリがイメージセンサーに付着しにくくなりますし、誤ってセンサーを傷つけてしまいそうな恐怖心も薄れますねw
 高画素化にも関わらず、裏面照射構造の高い感度特性などにより常用ISO100-32000、拡張ISO50-102400(拡張は静止画のみ対応)の設定が可能になっています。

AF性能

 759点の像面位相差AFを画面のほぼ全域(約92%)に配置しており、425点のコントラストAFはその少し内側の範囲に配置されています。このハイブリットAFにより高密度かつ広範囲で被写体にフォーカスを合わせる事を可能にしています。  演算処理はα9IIの2倍のスピードの120回/秒になり、AFの追従性能が向上。速度変化に緩急のある被写体や、フレーミングが難しい被写体に対して追従の精度が向上したようです。  リアルタイム瞳AFは人物が下向き、横向きなど、角度のついた状態でも高精度に瞳を捉え続け、その精度はα9IIよりも約30%向上。犬や猫などは寝転がって逆さになった状態でも瞳を追従出来たり、左右の瞳の切替えも出来るようです。また今回新たに鳥の瞳にもAFを合わせる事が出来るようになっています。大空を飛び回る鷹や鷲、小鳥が枝から羽ばたいて飛んで行くところなどで是非試してみたいですね。

ファインダー/手振れ補正/外観

 α7S III同等のクラス最高約944万ドットの電子ビューファインダーを搭載。リフレッシュレートは世界初※の240fpsとなり速く動く被写体を捉えやすくなっています。ショールームの中でファインダーを覗いて実際の見え方を確認しましたが、本当によく見えるので電子ビューファインダーである事を忘れてしまいそうでした。また上下、左右にパンしても残像など気になりませんでした。またファインダーのサイズは0.64型、倍率は0.9倍ですので、大きく被写体を見ることができます。 ※2021年1月27日ソニー調べ。フルサイズミラーレスカメラにおいて。 α1 :約944万ドット、240fps、0.64型、視野率 約100%、倍率 約0.9倍 α9II :約369万ドット、120fps、0.5型 、視野率 約100%、倍率 約0.78倍 α7S III:約944万ドット、120fps、0.64型、視野率 約100%、倍率 約0.9倍 α7R IV :約576万ドット、120fps、0.5型 、視野率 約100%、倍率 約0.78倍 02_製品画像.jpg  液晶モニターはチルト式を採用。光軸上に画を捉えて撮影する事ができます。 03_製品画像.jpg 04_製品画像.jpg 05_製品画像.jpg 06_製品画像.jpg 07_α1を手持ちした時の画像.jpg  手振れ補正は5軸5.5段分のボディー内手ブレ補正機構を搭載。手持ちの動画撮影を強力にサポートしてくれるアクティブモードが搭載されています。このアクティブモードはわずかに撮影画像がクロップされますが、効果的に手ブレを補正してくれるようです。  ダイヤルやボタンによる操作系はα9シリーズから継承しており、外寸はα9IIと比較してもほぼ同程度ですが質量は約59g重くなっています。外寸はα7S IIIと全く一緒で、グリップの深さや握った感触も同じような感じがしました。 α1 :約128.9x96.9x80.8mm、約652g α9II :約128.9x96.4x77.5mm、約593g α7S III:約128.9×96.9×80.8mm、約614g α7R IV :約128.9×96.4×77.5mm、約580g α7III :約126.9×95.6×73.7mm、約565g ※外寸は横×高さ×奥行、質量(本体のみ) 08_製品画像.jpg  メモリーカードはCFexpress Type AメモリーカードとSDカードの両方を利用する事ができます。ダブルスロットの片方にCFexpress Type Aを入れて、もう片方にSDカードを入れて利用する事も可能です。下の画像はCFexpress Type Aの大きさを説明する為に撮った画像で、SDカードより小さい事がお分かり頂けるかと思います。またXQDはCFexpress Type Bの大きさと同じですので、CFexpressはType AとType Bでこれだけ大きさが異なる事が分かるかと思います。
09_メモリーカードの比較画像.jpg
(左)CFexpress Type A、(中央)SD、(右)XQD
 メニュー操作はタッチで滑らかに操作できるようになっています。
 ストラップをボディーにつなぐ為にある三角環は通常ピラピラと動いてしまい、微かに音がしますが、その音さえもださないようにと、動かした場所で固定されるようにつくられています。音響にこだわる動画撮影者への配慮が細部迄行わたっているのを感じます。

動画性能

 8K30Pで4:2:0 10bitの記録が可能で、構造上α7R IVの5倍の放熱性能を持ち、8K30Pでの撮影においても30分間の連続撮影を可能にしています。また4K 120pで4:2:2 10bitの記録が出来、高精細なスローモーション表現を可能にしています。業務用ラージフォーマットカメラ「FX9」およびプロフェッショナルカムコーダー「FX6」で好評な、肌の色をシネマチックに表現するルック「S-Cinetone」を搭載しており制作者のさらなるクリエイティブな表現要求に応えてくれます。  オートフォーカスはリアルタイムトラッキング、リアルタイム瞳AFでの撮影も可能で、フォーカスの移動スピードを調整する「AFトランジション速度」や「AF乗り移り感度」の機能も搭載されています。 ※動物、鳥の瞳AFは動画では非対応となります。

その他魅力的な機能

 フラッシュ撮影の際メカシャッターでは世界最速※の1/400秒で同調させる事が可能になっています。さらにAPSCにクロップすれば、1/500秒での同調も可能となり、今まで撮影できなかった映像表現にチャレンジできます。前述しましたが、電子シャッターでも1/200秒(APSCでは1/250秒)でフラッシュ同調が可能です。 ※2021年1月27日時点、ソニー調べ。フルサイズレンズ交換式デジタルスチルカメラにおいて。  「ピクセルシフトマルチ撮影」という機能があり、これは16回の撮影で約1億9900万画素の画像を生成し、より高解像度の画をつくる事を可能にしています。  静止画、動画共に使えるクリエイティブルックという機能があり、10種類の色味がプリセットされていて、選択したモードをベースにさらに独自の画作りを楽しめるようになっています。

報道系のプロのワークフロー

 業界トップクラスの転送速度を持つWi-Fi 802.11ac 2x2 MIMOを搭載。外付けアダプター不要のボディー内蔵型で、報道、スポーツ系のFTP転送やスタジオでの無線テザー撮影などで高速かつ安定したデータ転送が可能です。また物理的にも1000BASE-Tに対応した有線LAN端子や、SuperSpeed USB 10Gbps (USB 3.2) 対応のUSB Type-C端子を搭載しており、データ転送は勿論リモート撮影時も安定した通信を実現させています。

さいごに

 フルサイズのフラグシップ機を使うプロフェッショナル及びハイアマチュアの為に、機能と操作性が磨き上げてられており、また高速性能を高めながらも高画素機となり機動性を持っている事からα1は唯一オールジャンルに対応したフルサイズのフラグシップ機となっているのではないでしょうか。今回紹介しきれなかった機能や、フィールドでの実機レビューに関しては今後記事にして参りますので、是非楽しみにしていてください。

「α1」はこちらの記事でも紹介されています

■写真家によるレビュー記事 ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ https://shasha.kitamura.jp/article/480563123.html

特集ページ

 α1特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページも合わせてご覧ください。 bnr_708-190.jpg ■更新 ・2021年2月2日:予約開始に伴い予約開始時期の文言更新と商品ページへのリンクを追記しました。 ・2021年3月19日:製品の発売に伴い予約受付中の内容を差し替えました。 ・2021年3月22日:「ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ」記事リンクを追加しました。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 2021年1月27日にソニーからα1が発表となりました。先行展示機を触った印象を含めてα1の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,α1 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: まるで海に潜って撮影したかのような写真が撮れる!?水族館撮影テクニックをご紹介。 BASENAME: 479835439.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 虫上智 DATE: 02/02/2021 16:00:00 TAGS: 水族館,撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー,オリンパス(Olympus) レンズ,OM-D E-M1 Mark III ----- BODY: 00_水族館で写真撮影をしているシーン.JPG

はじめに

 多くの場合、水族館というと暗い部屋でお魚を見学する場所というイメージですよね。しかし最近のスマホやカメラ機材を使用すると暗い場所でも簡単に海に潜って撮影したかのような写真が撮れるのです。
01_四国水族館でオリンパス E-M1MarkIIIを使って撮った作例.JPG
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4 1/60秒 ISO400 露出補正-1 焦点距離100mm(35mm判換算では200mm)
■撮影場所:四国水族館
 この魚は熱帯の海域でよくみられる、レインボーカラーで絵になるマンダリンフィッシュ(日本名:ニシキテグリ)です。小さな魚ですがアップで撮影すると背景のボケも大きくなり、絵になります。小さな魚こそ、実はよく観察すると案外絵になる魚が多いです。見逃さないように。

最近の水族館事情

 最近できた水族館はただ単に水槽に魚が泳いでいるような展示はしていない水族館が多く、魚が住んでいる自然環境に合わせた景観を考えて作られていますので、以下の写真のように本当の海や川で撮影したような雰囲気で撮影できる場所が多々あります。
02_作例.JPG
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/5 1/50秒 ISO3200 露出補正-0.3 焦点距離35mm(35mm判換算では70mm)
■撮影場所:マリホ水族館
 この水槽は淡水魚の水槽であたかも実際の渓谷に居るような感じに見学できるように岩の色や質感、空気の泡などをうまく取り入れているので撮影するとご覧の通りです。

水族館撮影におすすめのカメラ機材

 水族館の撮影でお勧めできる機材なのですが最近の最新スマホは暗いところでも撮影できるモードがあり、スマホの液晶で見るとびっくりするほど奇麗に撮影できますが最終的に大きなプリントをするときにはまだまだ解像度が足らないスマホが多いのです。ミラーレス一眼カメラならきちんとファインダーから目を離さずに作画しやすく、解像度も高いので展示用に大きくプリントしても奇麗なのでお勧めです。カメラ内部に手振れ補正機能があるカメラならより失敗しにくくなります。  推奨できるレンズは屋内撮影の場合、基本的にはより手ブレを少なくするため、広角気味でしっかり構えて撮影します。また、出来るだけ開放F値が明るい(数字が小さい)レンズが早いシャッタースピードを稼げて良いのですが、逆に開放F値が暗い(数字が大きい)レンズはシャッタースピードが遅くなり、動いている魚はブレすぎて失敗しやすくなります。その際、ISO感度を思いっきり上げてシャッター速度を速くする方法がありますがあまり上げすぎるとざらついた写真になりやすいです。また、極端に暗い水槽(深海)ではどうやってもブレますのでガラスの縁などを利用し、カメラを固定してシャッターを切るというような撮影方法もあります。 注意:水族館ではストロボは基本的には禁止のところが多いですし、使わないようにしましょう。動物にストレスを感じさせますし、もし、ストロボを焚いたとしても記念写真になりがちです。 03_OM-D E-M1 Mark III製品画像.jpg  今回筆者が撮影したカメラ:ミラーレス一眼カメラOM-D E-M1 Mark IIIはカメラ本体に強力な手振れ防止機能があり、本体は軽量で撮影がしやすいです。 ※一部の写真はE-M1 Mark IIで撮影しています。 04_M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとその作例.jpg  撮影レンズは主にM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROです。このレンズは高倍率ズームでしかも接写も得意とするレンズでガラス越しの撮影には便利です。

水族館撮影のポイント

 水族館の撮影では場所によっては狭い通路で撮影することとなりますから、三脚を広げてじっくりというスタイルは一般見学者の邪魔になりやすいので手持ち撮影を推奨します。まずは受付で水族館マップを貰いましょう。マップには地図のほか、餌やりイベントなどの開催時間が記載されていますので撮影にまわる順番を決めるには好都合です。  水槽に着いたらまずはインフォメーションを見て、魚を観察することをお勧めします。どんな動きでどんな生体かがわかることでその被写体の興味が倍増し、撮影するモチベーションも上がります。  主にガラス越しでの撮影となりますのでレンズをガラスにぴったりと付けると反射なく撮影できますがレンズを動かすことが出来なくなりますから画角が制限されます。その際、ゴム素材で出来たラバーレンズフード忍者レフなどを取り付けると良いでしょう。 05_製品画像.jpg  また、ガラスの反射をとるPLフィルターも効果的ですが暗い屋内だとシャッタースピードがより遅くなるので不向きです。明るい屋外での使用を推奨します。  混雑時など、水槽から離れて撮影する場合、じっくりとファインダーで水槽のガラス面の映り込みを確認して自分や、周りの建造物等ができるだけ目立たない角度で撮影します。また、場合によっては映り込みを逆に取り入れた作品も成功することがありますので映り込み=悪いというイメージを捨てることも考えてみるといいでしょう。この作例ように映り込みをわざと取り入れることで奇麗さが強調されることがあります。
06_作例.JPG
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4.5 1/100秒 ISO640 焦点距離80mm(35mm判換算では160mm)
■撮影場所:四国水族館
 大きな大水槽では悠然と大きな魚が泳いでいて圧倒されますが、水槽を見ている観客を取り入れることで物語性がプラスされた作品に出来ることがあります。この作例では大水槽の前に人が入り逆光になり、人がシルエットになり、また天井と床を多く取り入れることでハイビジョンTVを見ているような広がり感も強調出来ました。
07_作例.JPG
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4 1/6秒 ISO640 露出補正-0.3 焦点距離16mm(35mm判換算では32mm)
■撮影場所:四国水族館
 動画を見ていただくと人物が入ると雰囲気が変わることを実感できると思いますので是非見てください。
■撮影場所:四国水族館  水槽の上部に強いライトがあると魚がシルエットになり、まるで太陽の下で魚が泳いでいるかのような写真が撮れます。
08_作例.JPG
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/6.3 1/50秒 ISO640 露出補正-1.7 焦点距離28mm(35mm判換算では56mm)
■撮影場所:四国水族館
 動画を見ていただくとわかりますがこの頭の形に特徴のある魚は常に早く動いているのであまりにブレすぎると何の魚か判別がつきにくくなるのでこの水槽では少しISO感度を上げつつ、露出補正をマイナスにしてシャッタースピードはある程度速くする必要があります。
■撮影場所:四国水族館  写真のように出来たばかりの水族館や、リニューアルした水族館はガラスや水も奇麗なので驚くほどクリヤーな写真が撮れます。あと、古くても水を変えたばかりの水槽も奇麗な写真が撮れますから事前に調べていくのも良いと思います。
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■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4 1/125秒 ISO800 露出補正-0.7 焦点距離12mm(35mm判換算では24mm)
■撮影場所:マリホ水族館

水族館撮影テクニックあれこれ

 クラゲの展示などはクラゲ自体が幻想的な被写体ですから、多重露出機能が付いたカメラならより幻想的な作品に仕上げることも出来ます。
10_作例.JPG
■撮影機材:オリンパス -M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4 1/80秒 ISO400 露出補正-2 焦点距離12mm(35mm判換算では24mm)
■撮影場所:四国水族館
 この作例はカメラを多重露光モードにセットして1枚目はピントを合わせて撮影し、2枚目はピンボケにして撮影したものです。この撮影で注意したことは2枚目の撮影時に、1枚目の主役となるクラゲを配置してからピントのずらし加減でボケの大きさを調節してシャッターを切ることです。また、ライトの当たり具合でタコクラゲが真っ白になったりしますので、露出補正はその都度変更してきちんと模様がで出るようにしました。  最近の水族館の照明はLEDを使用した太陽光を基準となるように設計されている水族館が多いのでホワイトバランスはオートではなく、基本的に全ての場面は晴天(☀)マークで撮影しています。RAWで撮影して後から色温度を微調整すれば、より自分が表現したい色に仕上げることができるためです。このクラゲの写真はあえてピンク色を少し強調しました。  実際には以下の動画のように見えています。撮影当時、タコクラゲは沢山泳いでいなかったので多重を使うとタコクラゲの量を2倍に増やすこともできますよ。(多重露光の回数により3倍とか4倍とかもできるカメラがありますが重なった部分に違和感が出ることがありますので注意してください)
■撮影場所:四国水族館  動画を見ていただくとわかりますが、クラゲだけでもユニークな形なので絵にはなりますが静止画だと多重露出機能を使用して作品に変化を加えました。クラゲの水槽は暗いのでISO感度を多少上げつつ、露出補正をマイナス気味での撮影を推奨します。  また、水族館でしか表現できないユニークな展示物を取り入れた撮影も効果的です。水槽の周りが奇麗なピュアホワイトの壁でしたので額縁効果を考えてフレーミングしました。
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■撮影機材:オリンパス -M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/7.1 1/320秒 ISO400 焦点距離24mm(35mm判換算では48mm)
■撮影場所:四国水族館
 動画を見ていただくとわかりますが、この水槽のアシカは同じ動作を繰り返しているのがわかります。ですので慌てず、じっくりとフレーミングをしてチャンスを待ちましょう。この撮影では額縁構図にするためにカメラ位置が真正面でしたのでPLフィルターなどで反射を防ぐことが出来ないですが、自分の足の影をわざと取り入れて作画してみました。
■撮影場所:四国水族館  この写真のように魚の紹介写真になりがちなときは自分の体の一部などを取り入れてみるアイデアも面白く表現できます。
12_作例.JPG
■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4 1/25秒 ISO800 露出補正-2 焦点距離12mm(35mm判換算では24mm)
■撮影場所:マリホ水族館

まとめ

 水族館なら外の天候に左右されず、寒い時には暖かく、暑いときには涼しく楽に気分よく撮影できる場所ですし、家族サービスにもお勧めです。また、いつ行っても同じ魚が展示しているとは限りませんので一期一会、是非その時に出会った気に入った被写体を出来る限り撮影してくださいね。最後に私が撮影した水族館写真を楽しんでもらえたら幸いです。  イトヒキアジはなかなか海に潜っても見られない絵になる魚なのですが、背景が黒でしかもペアで撮影できた時は大変嬉しかったです。この後、数か月後にもう一度この水族館に行ったのですが、もうイトヒキアジはいませんでした。
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■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4 1/125秒 ISO640 露出補正-3.7 焦点距離24mm(35mm判換算では48mm)
■撮影場所:四国水族館
 実際に瀬戸内海に潜るとこのような同じ光景を目にします。キヌバリとアマモのコラボとか瀬戸内に潜っても濁っててこんな感じにはなかなか撮影できないんですよ(;^_^A
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■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4 1/500秒 ISO800 露出補正-0.3 焦点距離34mm(35mm判換算では68mm)
■撮影場所:四国水族館
 テトラポッドにメバルが居る光景は釣り人やダイバーなら想像がつきますが実際、海に潜ってもこのような場所はやっぱり濁っていてなかなか撮影は出来ないんです。この作品はテトラの白い部分にメバルが来るチャンスを狙いました。
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■撮影機材:オリンパス E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/4 1/60秒 ISO800 露出補正-0.3 焦点距離16mm(35mm判換算では32mm)
■撮影場所:四国水族館
 餌やりのタイミング時にモモイロペリカンが1匹の魚を巡って争っています。一瞬のチャンスでしたがモノに出来て良かったです。それにしても水が奇麗なのと大水槽の下から見られるこの展示方法には脱帽ですね。
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■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/7.1 1/500秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離24mm(35mm判換算では48mm)
■撮影場所:サンシャイン水族館
 大都会をまるで飛んでいるかのようなペンギン!静止画だと不思議な写真になりました。こちらも同じようなユニークな展示方法に脱帽。
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■撮影機材:オリンパス E-M1MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:f/7.1 1/250秒 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離29mm(35mm判換算では58mm)
■撮影場所:サンシャイン水族館
※今回ご紹介した作例は全て緊急事態宣言前に撮影したものです。  最後に合わせて読みたい単行本をご紹介します。この本は全国の水族館を対象に沢山の素晴らしい写真と詳しい解説で構成されていて絵になりそうな魚や各水族館のアイドル的な魚の紹介など、これからどの水族館に行ってみようかな?と思う方にとても参考になる本です。因みに私も作品を提供しておりますので探してみてください^^。 18_本「水族館めぐり」の画像.jpg 詳細:https://www.gbnet.co.jp/ ■写真家:虫上智 1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)、会員一般社団法人 日本写真講師協会認定フォトインストラクターフォトマスターEX(総合) オリンパスカレッジ講師
ShaSha用_その他の商品はこちらから.png
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の虫上智さんが水族館での撮影テクニックを紹介しています。最近できた水族館の展示は自然環境に合わせた景観で作られているところが多く、雰囲気のある撮影が出来ますので是非試てみてください。 ----- KEYWORDS: オリンパス,OM-D E-M1 MarkIII,水族館,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム GFX100S|1億画素を小型ボディに詰め込んだ夢のラージフォーマットセンサーカメラ BASENAME: 479848507.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 02/03/2021 16:00:00 TAGS: GFX100S,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,ミラーレスカメラ,ラージフォーマット ----- BODY: 00_富士フイルムGFX100S製品画像.JPG

はじめに

 2021年1月27日に配信された、富士フイルムのライブイベント「X Summit GLOBAL 2021」にてベールを脱いだ「GFX100S」。フルサイズセンサーを超える対角55mmのラージフォーマットセンサーを搭載した同社の「GFX」シリーズ最新作であり、モデル名の通りGFX100をベースとしつつ大幅な軽量小型化を実現した機種になります。  フルサイズセンサーよりも大きいラージフォーマットセンサーをカメラ内に収めようとしたら、当然ボディのサイズは大きくならざるを得ません。しかしGFX100Sは“HIGH MOBILITY=機動力”をキャッチコピーに掲げ、常識破りのコンパクトなボディを手に入れました。もはやフルサイズカメラと変わらないサイズ感で、1億2百万画素の圧倒的な画質を備える、革新的なカメラがここに誕生しました。  今回は富士フイルムイメージングプラザ東京にてGFX100Sの先行展示品を触ってきましたので、開発担当者への取材内容も交えつつ製品をご紹介していきます。

ラージフォーマットセンサーがもたらす圧倒的な画質

08_製品画像.JPG  富士フイルムがラージフォーマットと呼ぶ大型センサーは、対角55mm(43.8×32.9mm)というフルサイズセンサーの1.7倍もの大きさになります。ラージフォーマットサイズのセンサーは、より広い面積でより多くの情報を受け取ることが可能になり、その情報を豊かな階調や緻密な色再現に活かしているのです。実際にボディキャップを外して現れるセンサーを目の当たりにすると、フルサイズ以上というその大きさに驚かされます。と同時に、これなら確かな写真が撮れるという確信も得られることと思います。  GFX100SはGFX100と同じく1億2百万画素という、民生用ミラーレスデジタルカメラでは世界最高(※)の画素数を引き継いでいます。一般的なミラーレスカメラというと2500万画素前後のものが多く、GFX100Sはそのさらに4倍ということになります。つまり一般的なカメラが1つの色しか表現できないところを、4つの色を使って表現できるということです。複雑な色味でも滑らかに諧調し、色再現の緻密さによって質感や立体感の美しい画を撮れる、ラージフォーマットだからこそできた圧倒的な画質がGFX100Sの特長の一つになります。 ※2021年1月27日時点。富士フイルム調べ。  「写りの良し悪しは個人の感じ方や好みに左右される部分ですが、それでもGFX100Sで撮れば明らかに他とは“違う”ということが分かるはずです。きっとどなたにも感動していただけると思います」と富士フイルム(株)光学・電子映像事業部 上野氏は自信を覗かせます。 20_製品画像.JPG 21_製品画像.JPG  画像処理エンジンは富士フイルム最新のプロセッサーである「X-Processor 4」。GFX100から変更はないため画質はもちろん、約5.0コマ/秒の連写速度など各種性能はそのまま維持されています。顔検出/瞳AFによってポートレート撮影でも快適、さらにはAFのアルゴリズムが改良されたことでトラッキング性能が若干向上しており、動きのある被写体に対してもピントを合わせ続けてくれます。

完全新設計により大幅な軽量小型化を実現

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左がGFX100S、右がGFX100
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左がGFX100S、右がGFX100
 GFX100から目に見えて変わったのがボディのサイズ感。横に並べてみるとその差は一目瞭然です。上野氏曰く「目指したのはフルサイズミラーレスと同等のサイズ感、そしてアンダー1kgの重量だった」とのこと。GFX100Sではフォーカルプレーンシャッター、手ブレ補正ユニット、バッテリーなどボディの内部を占める各種機構をGFX100S専用設計にて刷新。GFX100と比較して30%のサイズダウン、約500gの軽量化を果たしています。 GFX100:(幅)156.2mm×(高さ)163.6mm×(奥行き)102.9mm、(重量)約1,400g GFX100S:(幅)150.0mm×(高さ)104.2mm×(奥行き)87.2mm 、(重量)約900g ※重量はバッテリー、 メモリーカード含む  フォーカルプレーンシャッターに着目すると、GFX100に搭載されているものと比べ、正面視で約20%、重量で約15%のサイズダウンを実現。それでいてメカシャッター/電子先幕シャッターで最速1/4000秒を実現するなど、性能は少しも犠牲になっておりません。 14_製品画像.JPG 11_製品画像.JPG  大幅な小型化に成功した要因の一つがバッテリーです。GFX100では縦グリップ位置にバッテリーを2個横並びで装填していましたが、GFX100Sではグリップ部分に縦に配置する形となりました。バッテリーはX-T4と共通のNP-W235。従来のバッテリーよりも大容量となり、かつ中央を削ったかまぼこ型が特徴的です。X-T4開発時からすでにGFXを見越したバッテリー設計だったようです。  静止画撮影可能枚数を比較してみると、GFX100が約800枚、GFX100Sが約460枚と電池が1つ減ったことで当然バッテリー持ちは落ちたものの、その分軽快な取り回しができる機動力を手に入れたということになります。 03_製品画像.JPG 16_製品画像.JPG  縦グリップの廃止・非対応も小型化を優先した大きな変更点です。現代のユーザーは縦グリップよりも小型で軽量なサイズ感を求める声の方が大きく、GFX100Sはオプションでも縦グリップは用意されていません。電子基板の配置や防塵防滴などを考えると、縦グリップを後付けできるようにするだけでボディサイズが大きくなってしまうため、割り切って廃止したそうです。  また、GFX100ではチルトファインダーへ換装するためにEVF(電子ビューファインダー)が取り外し可能でしたが、GFX100Sはボディ一体型になりました。EVFのスペックを比較すると約576万ドットから約369万ドットへ、倍率も0.86倍から0.77倍へと変更されており、さすがにGFX100のフラッグシップたる威厳が垣間見える部分です。  実際に手に取ってみても、サイズ感はフルサイズミラーレスと遜色なく野暮ったさなどは一切感じませんでした。重量面で若干のビハインドがありますが、それでも大口径レンズを装着したフルサイズと変わりないような感覚でしたので、至って普通に持ち運べると思います。グリップも深めの形状ですので、重量のあるレンズを装着しても安定して撮影ができそうです。1億画素をこんなに手軽にフィールドに持ち出せるなんてワクワクしてきませんか。

強化された手ブレ補正、刷新された操作系

 GFX100Sは5軸ボディ内手ブレ補正を搭載。ボディが小型化したにも関わらず、GFX100よりも手ブレ補正段数が0.5段向上した点は驚きです(GFX100S:6段、GFX100:5.5段)。富士フイルムは機種ごとに手ブレ補正ユニットを作り変えており、その開発はGFX100Sで5個目になるそうです(X-H1、GFX100、X-T4、X-S10、GFX100S)。既存製品の開発で培われたノウハウが性能強化に繋がっており、小型ユニットでも十分な手ブレ補正力が実現できたといいます。  軍艦部を見ていくと左肩には新たにモードダイヤルが採用されました。P、S、A、Mのモードに加え、好みの設定を保存して瞬時に切り替えできるカスタムポジションもC1~C6まで備わっています。多くの人に馴染み深いであろうモードダイヤルを採用することで他社カメラからも移行しやすく、また他機種と併用するときでも操作系統が一致している方が使いやすいという考えだそうです。 01_製品画像.JPG 15_製品画像.JPG  また、ダイヤルを増やすとその分サイズアップを招いてしまうとのことから、GFX100Sではモードダイヤルを採用しました。モードダイヤルの前部にあるスチール/ムービーの切り替えスイッチも現代のニーズを反映したものと言えるでしょう。  さらには、親指で操作する背面のフォーカスレバーの形状も刷新されています。今までは先の細いスティック形状でしたが、GFX100Sでは平面形状のレバーが採用されました。広い面が指に当たるので操作性はさらに快適になっており、今まで以上に狙った箇所にフォーカスポイントを移動させやすくなったように感じます。 04_製品画像.JPG 07_製品画像.JPG 02_製品画像.JPG  背面液晶は引き続き視野率100%の3方向チルト式。3.2インチと大型で見やすく、上90°下45°右60°に可動するため様々なアングル撮影が可能です。ボディ上部にはサブ液晶モニターが備わっており、各種撮影情報を確認できます。このモニターは電源オフにしていても常時表示されるほか、ダイヤル風の表示やヒストグラム表示に切り替えることも可能です。 05_製品画像.JPG  記録メディアはUHS-I/UHS-Ⅱ対応のSDカードで、ハイアマチュアからプロユースには欠かせないダブルスロット仕様となります。ボディ自体はGFX100と同じくマグネシウム合金が使用されており、実際に操作してみてもしっかりとした剛性を感じます。もちろん防塵・防滴・-10℃までの耐低温構造によって過酷な撮影環境でも安心して使うことができます。

新たなフィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」

18_製品画像.JPG 19_製品画像.JPG  富士フイルムならではの機能であるフィルムシミュレーションには、新しく「ノスタルジックネガ」が追加されました。現状ではGFX100Sのみで選択できるもので、ややアンダートーンながら豊かなシャドー階調を残すことで、文字通りノスタルジックな雰囲気を醸す1枚が撮影できます。1億という圧倒的な画素だからこそ再現できたフィルム時代の情緒的な風合い、ぜひスナップ撮影でも使ってみたいですね。  もちろん既存のフィルムシミュレーションは全て搭載されており、ノスタルジックネガを加えた全19種類から選択することが可能です。ビビッドな色味の「ベルビア」、雰囲気のある画が撮れると人気の「クラシックネガ」や「クラシッククローム」など、フイルム時代から色にとことんこだわってきた富士フイルムの真骨頂とも言える機能に酔いしれてみては。

さいごに

23_製品画像.JPG  富士フイルムのフラッグシップであるGFX100が登場したときには、驚異的な画質に合わせてボディサイズや価格もモンスタークラスとあってなかなか手が伸ばせる代物ではありませんでした。しかし、そのネックポイントを克服し高い機動力を手に入れた今回の「GFX100S」は本当に魅力的なカメラに仕上がっていると思います。シャッターを切るだけで1億画素の唯一無二の写りが簡単に手に入るなんて興奮せずにはいられません。今後フィールドでの実機レビューなどの記事もアップしていきますので、ぜひチェックしてみてください。

特集ページ

 GFX100S特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページも合わせてご覧ください。 bnr_T_newcamera 2.jpg ■更新 ・2021年2月25日:製品発売に伴い、予約受付中の内容を差し替えました。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 富士フイルムから発表された新作のラージフォーマットカメラ、GFX100S。先行展示機を触った印象や開発担当者への取材内容を交えて製品を紹介していきます。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,GFX100S ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム X-E4|携帯性をアップしたXシリーズ最小最軽量カメラ BASENAME: 479865060.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 02/04/2021 16:00:00 TAGS: X-E4,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,ミラーレスカメラ,APS-C ----- BODY: 00_富士フイルムX-E4製品画像.JPG

はじめに

 2021年1月27日に配信されたライブイベント「X Summit GLOBAL 2021」にて、GFX100Sと同時に発表された富士フイルムの「X-E4」。X-E3の後継機として開発されたモデルであり、“MINIMALISM(ミニマリズム)”のコンセプトを引き継ぎつつ、さらにシンプルで洗練されたデザインへと変更されました。フィルムカメラを彷彿とさせるクラシカルなルックスで、往年のカメラファンもつい手に取りたくなるような機種に仕上がっていると思います。  スマートフォンが広く浸透した現代でも、カメラを常に持ち歩いてシャッターを切ってほしい。そんな願いの下に誕生したX-E4は、従来モデル以上に携帯性にこだわって作られたカメラであり、カバンやポケットに忍ばせやすいサイズ感とデザインになっています。さらにはX-E3からセンサーとプロセッサーが進化しており、不意のシャッターチャンスを逃さず撮り収めることができるでしょう。  今回は富士フイルムイメージングプラザ東京にてX-E4の先行展示品を触ってきましたので、開発担当者への取材内容も交えつつ製品をご紹介していきます。

Xシリーズ最小・最軽量

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グリップレスのフラットデザイン
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背面モニターもきれいに収まっている
 ファインダー搭載&レンズ交換式の「Xシリーズ」現行機の中で最小・最軽量という点がX-E4最大の特長。前作X-E3も十分に小型でしたが、今作はボディの前面/背面ともにフラットデザインとすることでシンプルなルックスに磨きをかけています。X-E3にあったフロントのグリップやリアの親指を掛ける突起部分は廃され、非常にスマートな印象に。出っ張りが少ないため、カバンの中や上着のポケットからもスムーズに出し入れできそうです。  「エントリー機寄りの価格帯とあって誤解されやすいのですが、X-E4はどちらかと言うとカメラのマニュアル設定に慣れているやや玄人向けの機種だと思います。上級者になるほどカメラの持ち方に個性が出ますから、グリップの有り無しで困るようなことはないはずです。フラットな分持ち方の自由度が高いカメラですし、自分の好きなように指の位置をアジャストして使っていただけるはずです」と富士フイルム(株)光学・電子映像事業部 上野氏は説明してくれました。
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左がX-E4、右がX100V
 トップカバーもエッジが立ったシャープなデザインへと変更されクラシカルな印象を強めました。レンズ一体型のコンパクトカメラ「X100V」を参考にしたとのことで、素材の違い(X-E4:マグネシウム合金、X100V:アルミニウム)はあれど色味は揃えられており、金属の質感が美しい所有欲を掻き立てるデザインに仕上がっています。  質量は約364g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)で、同時に発表されたパンケーキ型の単焦点レンズ「XF27mmF2.8 R WR」を装着するとトータル質量は448g。これはコンパクトデジカメのX100Vより約30gも軽い値になります。まさにXシリーズ最軽量、毎日持ち歩いても荷物にならないライフスタイルに寄り添うカメラとなってくれるでしょう。
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ボディが薄く手に取りやすいサイズ感
 実際に持ってみても、コンパクトデジカメのような手のひらに収まるサイズ感が好印象。軽いことに加えボディが薄いので、指先でつまんでサッと取り出せるような気軽さがあります。それでいて細部まで作りこまれた造形のおかげで高級感も漂わせます。持つことの喜びをこのクラスの機種でもしっかりと味わうことができる、富士フイルムのモノづくりへのこだわりがひしひしと伝わってくるはずです。

第4世代センサー&プロセッサーに進化

 X-E3ではイメージセンサーが「X-Trans CMOS 3」、画像処理エンジンが「X-Processor Pro」でしたが、X-E4ではそれぞれ最新世代の「X-Trans CMOS 4」と「X-Processor 4」に刷新されました。X-T4などハイエンド機と同等のスペックによって、優れた描写力と高精度なAF性能を手に入れています。APS-Cセンサーで約2610万画素という数字も上位機種と同じで、画質に妥協なく撮影を楽しめます。  メカシャッターの最速連写8.0コマ/秒はX-E3と変わりませんが、測距点が325点から425点に増えたり、最速AF速度が0.06秒から0.02秒に縮んだりと、撮影の性能は全方位に進化しています。オートフォーカスのカバー範囲も画面全域約100%(X-E3:横50%、縦75%)と広くなり、より正確に被写体を捉えることができるでしょう。
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X-E3との前面比較
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左がX-E3、右がX-E4 グリップレスのデザインに変更された
 もちろん、顔検出/瞳AFも備わっており快適な人物撮影が可能です。動きのある被写体に対してフォーカスを合わせ続けるトラッキングAFも撮影をサポートしてくれます。さらには-7.0EV(XF50mmF1.0装着時)の低輝度環境でもAFが可能で、小さいボディでも上位機種と全く引けを取らない撮影が可能となっています。  富士フイルムに特徴的なフィルムシミュレーションももれなく搭載。GFX100Sのみに採用される「ノスタルジックネガ」を除く、最新の18種全てのフィルムシミュレーションを選択することが可能です。雰囲気ある色調や階調へと素早く変更することができ、写真撮影が楽しくなること間違いなしの機能となっています。

富士フイルムらしいマニュアルの操作系

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軍艦部にはシャッタースピードと露出のダイヤルを配置
 軍艦部に着目するとシャッタースピードと露出の2つのダイヤルを配置したレイアウトはX-E3から変わりません。2020年10月に登場した「X-S10」は他社カメラからも移行しやすいようモードダイヤルを採用したそうですが、このX-E4はXシリーズ特有のマニュアル操作になれたユーザーのためのサブカメラ的な役割も考えられており、独立した調整ダイヤルを継続採用したそうです。  シャッタースピードダイヤルとレンズの絞りリングをしっかりと使って、好みの設定で撮影する。やや上級者向きではありますが、カメラとしての本格さや“撮る”こと自体の楽しさが味わえる富士フイルムならではの設計思想を感じとることができます。
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F値の調整はレンズの絞りリングを使う
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X-E3(左)との比較 ダイヤルにPポジションが追加された
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新たにチルト式モニターを採用
 その上でシャッタースピードダイヤルには新たにプログラム(P)ポジションが追加されました。ダイヤルを回してプログラムオートとすることでマニュアル操作から解放され、一瞬のシャッターチャンスを逃さず撮影することができます。マニュアル操作に慣れない人もPポジションなら安心して撮影できるため、幅広いレベルのユーザーが満足できる仕様といえますね。  背面モニターは新たにチルト式を採用。可動するモニターにも関わらず、背面の美しいフラットデザインを維持できている点に驚かされます。様々なアングル撮影に対応するほか、最大180°上方向に反転するため自分の方を向けてセルフィー撮影も楽々行えます。動画撮影など昨今のニーズを反映した進化ポイントと言えますね。もちろんタッチ操作にも対応しています。  また、EVF(電子ビューファインダー)は引き続きボディ左上に配置されたレンジファインダースタイルを維持しています。丸型ファインダーに変更された以外のスペックはX-E3と同じで、高精細な約236万ドット、視野率約100%、ファインダー倍率0.62倍となっています。
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左がX-E3、右がX-E4 ファインダーの形状が変更されている
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クイックメニューからカスタム設定を素早く呼び出せる
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カードスロットはバッテリーと同室
 小型軽量化に当たりリアコマンドダイヤルやいくつかのボタンが省略された部分も細かな変更点です。操作系がシンプルになった分、クイックメニューから呼び出せるユーザーカスタム設定をうまく使いこなすのがX-E4らしい撮影スタイルとのこと。C1~C7まで最大7種類もの設定を登録することができ、風景やポートレート、夜景などシーンに合わせた設定を瞬時に呼び出すことが可能です。  バッテリーはX-E3から共通のNP-W126S。記録メディアはUHS-I対応のSDカードで、バッテリーと同室に差し込むシングルスロット仕様です。

相性抜群の新作レンズ「XF27mmF2.8 R WR」

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コンパクトなサイズがX-E4とマッチする
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レンズフードの上から被せるキャップも付属する
 X-E4と同時に発表された単焦点レンズが「XF27mmF2.8 R WR」です。薄型のパンケーキレンズであり、ボディがコンパクトなX-E4にぴったりの一品となっています。従来品に絞りリングと防塵防滴機能を追加してリニューアルされたレンズとなり、それでいて重量はわずか6g増に抑えられたことが特徴です。  「X-E4に付けっぱなしにしておきたい、写真が撮れるボディキャップくらいに考えていい」と上野氏が太鼓判を押すほどX-E4との組み合わせに最適。ドーム型のレンズフードも常時付けておけるよう、フードの上から被せるキャップも付属します。オールドレンズに付いてくるような柔らかめのプラスチックキャップとなっており、レトロ/クラシック感を引き立てるようこだわって作られたそうです。

ホールド感をアップさせるアクセサリー

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ハンドグリップを装着した状態(左)
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ハンドグリップとサムレストによってホールド感をアップ
 撮影の時にカメラが安定しないという人に向けて、ホールド感を高めるハンドグリップとサムレストもオプション品として用意されています。大きめのレンズを付けたい時や片手で撮影したい時にも、これらがあればしっかりとしたグリップを確保できますね。特にサムレストは背面ボタンやダイヤルの回しやすさに配慮したこだわりの形状だといいます。トップカバーとマッチした金属の質感も良いですね。

さいごに

 富士フイルムのラインナップで究極のスナップシューターと言っても過言ではないX-E4。小さいカメラを持つくらいならスマートフォンで十分?そんなことを言わせないほど満足いく写真が撮れるはずです。何よりこの洗練されたデザインがカメラファンの心に刺さるのではないでしょうか。携帯性良し、操作性良し、デザイン良しのX-E4、ぜひ一度手に取ってほしいカメラです。

特集ページ

 X-E4特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページも合わせてご覧ください。 bnr_hatubai.jpg ■更新 ・2021年2月25日:製品発売に伴い、予約受付中の内容を差し替えました。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 富士フイルムから発表された新作のミラーレスカメラ、X-E4。先行展示機を触った印象や開発担当者への取材内容を交えて製品を紹介していきます。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,X-E4 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: クリスタルに輝く氷「ジュエリーアイス」を撮る BASENAME: 479857711.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 02/05/2021 16:00:00 TAGS: ジュエリーアイス,撮影テクニック,ソニー(Sony) ボディー,雪/氷などの冬のシーン ----- BODY: ジュエリーアイス日の出日の丸

はじめに

 ジュエリーアイスという言葉を聞いたことがありますか?  ジュエリーアイスは、1月中旬~2月下旬頃まで北海道中川郡豊頃町大津にある、大津海岸の砂浜で見られる透き通った氷の塊です。どうして透き通った氷の塊が砂浜にあるのかというと、海でできた流氷とは違い十勝川が凍って海に流れ出た氷が、海の波にもまれて氷の角が取れて透明なクリスタルのような氷になります。世界的にも珍しい現象であり、人気の撮影スポットになっています。  今回はそんなジュエリーアイスの撮影方法を、何度も訪れ撮影しているからこそわかるポイントを踏まえてご紹介します。

ジュエリーアイスを撮るための準備

 ジュエリーアイスを撮るためには、事前の準備がとても大切です。

■交通機関・移動方法

 まずは、撮影スポットまでいく交通機関の確保です。ジュエリーアイスを見ることができる大津海岸に行く手段として注意が必要なのは、公共の交通機関がないことです。車、レンタカー、タクシーなどを使って行く必要があります。当然見ごろの1月中旬~2月下旬は、道路に積雪や凍結などがあり、慣れないレンタカーなどで移動する際には注意が必要です。  自分で移動するのが難しい場合は、帯広駅出発の期間限定の「ジュエリーアイス バス&タクシーパック」などの日帰り路線バスパックを利用するのがおすすめです。  レンタカーなどで移動する場合は、海岸近くにある無料駐車場があるのでそちらを利用して、駐車場から海岸までは徒歩で移動します。無料駐車場は数か所ありますが、海岸に近い駐車場は早朝から撮影にくる方で早く満車になってしまう場合もあるかもしれません。  と言うのも、早朝の日の出のタイミングで撮影する人が多いので、皆さん結構早くから来ています。早朝から撮影する方は事前に日の出の時刻を確認し、駐車場からの移動および撮影場所決定まで含めて日の出時刻の30分~1時間前程度に現地に着くのがいいと思います。  ちなみに、大津海岸付近にはコンビニ等はありません。一番近いところでも20kmほど離れたところになります。早朝から撮影に行く人は事前に出発地点で飲み物や食べるものなどは用意してから移動してください。

■服装

 ジュエリーアイスがある大津海岸の風景。雪の積もった海岸を少し歩いてジュエリーアイスを探します。
どんど焼き
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE16-35mm F4ZA ■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF8 ISO400 焦点距離29mm
 ジュエリーアイスが撮影できる1月中旬~2月下旬の朝6~7時の大津海岸は、ちょうど最低気温になるような時間帯なので、マイナス15℃~マイナス20℃の寒さになります。場合によってはもっと寒さを感じることもあります。  とにかく暖かい服を重ねて着てください。耳まで覆うニットの帽子やフード付きの防寒着、手袋、スノーブーツ、カイロは必需品です。上着のポケットにもカイロを入れておくと、撮影しているときに指先などを暖める事ができます。特に足のつま先に貼るようなカイロはおススメです。  また凍結した場所を歩く場合もあるので、シューズに付ける簡易的な滑り止めスパイクなども用意しておくと安心です。

■機材

 カメラ・レンズの防寒対策が必要です。極寒の撮影現場でのレンズ交換などは難しいので、あらかじめ撮影に合わせたレンズを装着し、大まかなカメラの設定も事前にしておいて撮影ポイントに向かうのがいいでしょう。  レンズは、広角のズームレンズか標準のズームレンズで問題なく撮影できます。
 JJC-DHS-1デューヒーターストリップ
※JJC JJC-DHS-1 デューヒーターストリップ(使用の際には別途モバイルバッテリーが必要です)
 ただ低温下の状態で撮影を長く続けていると、寒さでズームリングの動きなどが鈍くなることがあります。極寒の中で安定したレンズ性能・動作を確保したい時などには、レンズヒーターなどを装着することを検討してもよいでしょう。簡易的な対策として筆者はリストバンドなどをレンズに着けたりすることもあります。 ニット帽で防寒する  また撮影しないときには、カメラ・レンズはタオルなどの布で包んで、カメラバックに収納して移動するなどの対策を実施しましょう。筆者は寒いところで撮影する際には、よくニット帽を利用しています。保温性もあってよく伸びてレンズを装着したカメラをそのまま素早く包むことができとても便利です。  カメラのバッテリーはフル充電したものを用意して撮影に挑みましょう。極寒の低温下ではバッテリー容量の低下が激しく、通常時のような撮影枚数をこなす事ができません。念のために予備バッテリーも用意し、ポケットなどに入れて温めておくのがベストです。  早朝の暗い段階から撮影する場合などは三脚が必要です。寒いなか手袋をしたまま撮影すると、カメラブレを起こす場合があります。三脚を使用してブレない工夫も必要です。ジュエリーアイスを撮影する時、低いアングルで撮影する場合が多いので三脚はローアングルが可能な三脚がベストです。  また、スローシャッターで波を白く表現したい場合などは、NDフィルターなどを用意しておくと一味違った写真を撮影する事もできます。
NDフィルター使用ジュエリーアイス
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE16-35mm F4ZA ■撮影環境:シャッター速度1秒 絞りF22 ISO100 焦点距離28mm NDフィルター使用

ジュエリーアイスを撮ってみよう

 実際に海岸まで歩いて行ってジュエリーアイスを探していると、その時のタイミングにもよりますが、既に撮影されたジュエリーアイスが不自然に積み上げられたものを目にすることもあります。皆さんいろいろ工夫されて自分なりのジュエリーアイスを撮影しています。  特に撮影に慣れている方でしょうか、水の入ったペットボトルを持参してジュエリーアイスに着いた砂を洗い流して撮影している方もいらっしゃって、自分の気に入ったジュエリーアイスを見つけて撮影を楽しんでいる方が多いようです。  日の出前後の撮影がオススメなのは、ちょうどジュエリーアイスが撮影できる大津海岸から奇麗な日の出を見る事ができ、日の出前後の空の色あいが奇麗にジュエリーアイスを輝かせてくれるからです。撮影は大変ですが、キレイに撮れた時はとても感動的です。  自然が生み出すジュエリーアイスは、様々な形のものがあってお気に入りのジュエリーアイスを探すだけでも楽しめます。気に入ったジュエリーアイスを見つけたら、少しホワイトバランスの設定を自分なりに変更して撮影を楽しんでみてください。  ちょっと色温度を下げて青みを強くしてみたり、逆に色温度上げて黄色味を強くしてみたりすることで、ジュエリーアイスに写り込んだ光を様々な表現に写すことができます。
ジュエリーアイス日の出
SONY α9 + FE24-105mm F4G ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF9 ISO100 焦点距離105mm
ジュエリーアイス
■撮影機材:SONY α9 + FE24-105mm F4G ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF9 ISO500 焦点距離101mm
ジュエリーアイス日の丸
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE16-35mm F4ZA ■撮影環境:シャッター速度2秒 絞りF22 ISO100 焦点距離16mm
ジュエリーアイス引き
■撮影機材:SONY α7RⅢ + FE16-35mm F4ZA ■撮影環境:シャッター速度1/10秒 絞りF20 ISO50 焦点距離24mm
ジュエリーアイス日の出WB
■撮影機材:SONY α9 + FE24-105mm F4G ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF9 ISO100 焦点距離105mm
 撮影後には気を付けないといけない事があります。極寒の中で撮影した後、車などに戻った時の急激に温度変化による結露には注意が必要です。寒い中撮影していたので、車の暖房を強くしたいところですが、急激な温度変化による結露発生の恐れが生じます。シリカゲル(乾燥材)を入れたビニール袋などにカメラを入れて密封し、ゆっくりと暖めて結露が発生しないようにしましょう。
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まとめ

 ジュエリーアイスは自然現象が生み出す素敵な被写体です。その時にしか撮れない素敵な形や光・色があります。いつでも撮れるわけではなく、撮影スケジュールを組むことが難しい被写体です。筆者も何回か撮影に行っていますが、まったくジュエリーアイスを見られなかった時もありました。  厳しい撮影環境ゆえに余裕を持った撮影スケジュールを組んで、事前のリサーチをして撮影にチャレンジしてみてください。下記の豊頃町のジュエリーアイスHPや豊頃観光協会のHPには、直近のジュエリーアイスの状況が掲載されてします。その他情報も掲載されているので、撮影に行く前にチェックしておきましょう。 ■豊頃町の新絶景/ジュエリーアイスHP http://www.toyokoro.jp/jewelryice/ ■豊頃観光協会ジュエリーアイスHP https://www.toyokoro-kankoh.com/ ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員 ・日本風景写真家協会 会員 ・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事 ・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事 ・一般社団法人 日本写真講師協会 理事 ・ソニーαアカデミー講師 ・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがジュエリーアイスの撮影テクニックを紹介しています。限られた地域で短いシーズンのみ撮影できるジュエリーアイスの作例とともに機材の選び方や注意点も紹介。 ----- KEYWORDS: ジュエリーアイス,ソニー,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: フォクトレンダー SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical レビュー|しっとりと優しい描写のF0.8の超大口径レンズ BASENAME: 479933263.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 02/08/2021 16:00:00 TAGS: コシナ,レビュー,SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical,フォクトレンダー(Voigtlander) レンズ,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点 ----- BODY: 00_コシナ フォクトレンダー SUPER NOKTON 29mm F0.8 Asphericaを手に持つ女性.jpg

はじめに

 2020年12月10日に発売された、フォクトレンダーのマイクロフォーサーズ用単焦点レンズ「SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical」は、現在発売されている写真用のレンズとしてはもっとも明るい、開放F値0.8の超大口径レンズです※。35mm判換算では58mm相当の画角になり、絞り羽根枚数12枚で自然な丸みのあるボケが得られ、金属製で高級感を醸し出すクラシカルなデザインを有する本レンズの性能と魅力を、ポートレートを通じてお伝えしたいと思います。 ※2020年11月株式会社コシナ調査による

F0.8の大口径が生み出すとろけるようなボケ味

01_フォクトレンダー SUPER NOKTON 29mm F0.8 Asphericaで撮影した作例.jpg
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical ■撮影環境:F0.8 1/500秒 ISO200  AWB  フォトスタイル「人物」 ■モデル:水穂まき
 フォクトレンダーのマイクロフォーサーズ用レンズのうち29mm以外は、10.5mm、17.5mm、25mm、42.5mm、60mmがラインナップされており、いずれも開放F値は0.95でした。これらのレンズの名称には「NOKTON(ノクトン)」が付いていましたが、本レンズはさらに明るい開放F値0.8を実現して「SUPER NOKTON(スーパー・ノクトン)」と、パワーアップをイメージさせる名称になっています。  皆様が興味を惹かれるのは、なんといってもこのF0.8の開放値についてだと思います。第一印象として強く感じたのは、しっとりとした柔らかい描写でした。ポートレート撮影で筆者が大切にしているのは女性を柔らかく描くことですが、それを得意としているレンズです。  ピント面のお話も後でゆっくり行いますが、まずはボケのタッチについて。いわゆるボケ味は優しくなめらかで、好感の持てる自然なボケ方をします。レンズの中でゆっくりと蕩(とろ)かしたような、とろみのあるボケ味を作り出してくれるのが特徴的です。  作例は、筆者が高いところからモデルを見下ろすように撮影しています。モデルの顔の背景はスタジオの床です。この床に作られた太陽の光と影の模様を、ただ白飛びさせるのではなく、印影のあるグラデーションで描き出してくれています。

何気ないシーンをムード溢れるポートレートに変えてくれるレンズ

02_作例.jpg
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical
■撮影環境:F0.8 1/500秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」
■モデル:水穂まき
 前ボケがあったり奥行きがあったりするシーンは、ボケの大きさやボケ具合がわかりやすいので、レビュー撮影ではよく撮影するのですが、本レンズは壁と、そこに写った影だけで奥行き感とムードを作り出してくれるので、シンプルな背景の撮影を楽しむこともできました。  レンズ構成は7群11枚で、非球面レンズを2枚採用しています。そのうちの1枚は、独自開発のGA(研削非球面)レンズで、これを採用することでF0.8という超大口径でありながらもコンパクトなサイズ、高い描写性能が実現されています。  絞り開放時のボケ味はもちろん、周辺部の繊細な描写性能は素晴らしく、何気ないシーンをムードのあるポートレートに作り変えてくれるレンズだと感じました。もともと光量の少ないシーンでも、そこにある光だけで撮影できる大口径のレンズですので、木漏れ日や窓辺から入り込んでくる光を利用した、自然なポーズのポートレートが似合いました。

滑らかで適度な重みのトルク

03_作例.jpg
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical
■撮影環境:F0.8 1/1600秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」
■モデル:水穂まき
 本レンズはマニュアルフォーカスですので、ピント合わせはフォーカスリングを動かして行います。そうなると気になってくるのが、フォーカスリングの操作性です。  するすると滑り過ぎると、ピント位置を行き過ぎてしまうし、重すぎるとシャッターチャンスを逃す可能性がある。トルクの操作性は、使用する方の好みもありますが滑らかさは必須だと思っています。まず、その滑らかさは合格。変な引っ掛かりもなくするっと動き出し、止まってくれるのは、マニュアルフォーカスのレンズでは絶対条件です。  トルクの重さは、レンズ単体で操作してみたときは、もう少し重くてもいいかなと思ったのですが、LUMIX G100に装着して操作してみると、丁度いい重さに感じました。なぜかというと、LUMIX G100のボディが軽くて小さいので、トルクが重いとカメラが回転に引っ張られるように感じることがあります。本レンズはその引っ張られる感がなかったので、小型軽量のボディが多いマイクロフォーサーズ用のレンズとして、適度な重さのトルクになっていると感心しました。

ピント面はシャキッとシャープ!なのでピント合わせがしやすい!

04_作例.jpg
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical
■撮影環境:F0.8 1/1250秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」
■モデル:水穂まき
 カメラ任せの顔認識、瞳認識のオートフォーカスに慣れてしまうと、マニュアルフォーカスのレンズでのポートレート撮影は敷居が高くなってしまうかも知れませんが、じっくりと瞳にピントを合わせる作業は、写真を撮っていることを実感できる楽しい時間にもなります。  モデルとの撮影距離も2m前後であれば、29mmという焦点距離も手伝って、ボケボケすぎてピントを合わせにくいということもありません。使用するカメラにもよりますが、LUMIX G100では背面液晶でピントを合わせる箇所を等倍して見ることで、マニュアルでのピント合わせも楽に行えました。  そのピントの合わせやすさは、ピントが合っている面をしっかりとシャープに、立体的に描く本レンズの描写性能に依るところも大きいと感じました。今回は絞り開放でのポートレートに拘ってみましたが、絞り込むと切れ味のいいシャープな画が得られるので、街なかのスナップや風景でも使ってみたいレンズだと思いました。

持つ楽しさを感じさせてくれる総金属製鏡筒

05_作例.jpg
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical
■撮影環境:F0.8 1/500秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」
■モデル:水穂まき
 数字上のスペックや写真ではわかりにくいけど素晴らしいのが、手にしたときに感じる高級感です。レンズ本体は金属製で、触るとひんやりと冷たく適度な重みがあります。それでも重量は703gと、F0.8の大口径レンズにしては抑えられています。  軽さと携行性を考えればもっと軽い素材でもと思えますが、じっくりとレンズを触るマニュアルフォーカスレンズの場合、金属的な触り心地のほうが撮影するテンションが上がるのは、ここを読まれている皆様なら、おわかりになると思います。

デザイン性の高いフォーカスリング

06_作例.jpg
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical
■撮影環境:F0.8 1/300秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」
■モデル:水穂まき
 本レンズのフォーカスリングは、なかなか特徴的なデザインになっています。ですが、見た目だけでなく、指の滑りを防止してくれる、使いやすさも両立した考えられた結果のデザインだと実感できます。この無地とストライプの混合デザインのフォーカスリングは、カメラバッグの中から本レンズを探し出すときに触っただけでわかるので、思わぬところでも活躍しました。  ここでマニュアルフォーカスでのポートレート撮影について、ちょっとだけアドバイス。撮影慣れしているモデルさんの場合、シャッターごとや短時間で色々なポーズを取ってくれたりしますが、このようなマニュアルフォーカスのレンズを使用する場合は、手動でピントを合わせるので、ピント合わせに少し時間が必要なことをお伝えして、落ち着いてピントを合わせるようにしましょう。そうすることで、モデルさんも体の緊張を無駄に続ける必要がなくなるので、自然な表情や仕草なども撮りやすくなります。  モデルさんに声が届く程度の撮影距離なら、ピント位置は最短からスタートして、徐々にピント位置を奥に動かすとピントが合う場所を探しやすいです。そのうち、指がフォーカスの位置を覚えて、ピント合わせはどんどん早くなります。

柔らかい空気感と優しいムードが楽しめるレンズ

07_作例.jpg
■撮影機材:LUMIX G100 + SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical
■撮影環境:F0.8 1/2500秒 ISO200 AWB フォトスタイル「人物」
■モデル:水穂まき
 今回は室内と屋外、両方で撮影をしてみましたが、どちらでも柔らかい空気感を作り出してくれて、しっとりとした優しいムードに仕上げてくれるので、ポートレート撮影をする方は、一度撮影をするとハマってしまうレンズだと感じました。  描写性能、デザイン共に「もっと撮りたくなるレンズ」に仕上がっています。本レンズの最短撮影距離は0.37mなので、テーブルフォトや小物の撮影も楽しめそうです。今の時期、自宅でゆっくりと撮影をするのもいいですね。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんがコシナ フォクトレンダー SUPER NOKTON 29mm F0.8 Asphericaのレビューを行っています。ポートレート撮影でボケ味やピント面の描写力を検証していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: コシナ,フォクトレンダー,SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherica,レビュー,ポートレート ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 早春の花の撮り方|北村佑介 BASENAME: 479966227.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北村佑介 DATE: 02/10/2021 16:00:00 TAGS: 花 ----- BODY: 01_アネモネの作例.jpg

はじめに

 こんにちは!北村です。今回は早春に咲く花の撮り方を紹介させていただきます。昨年の記事タイトルで初春という言葉を使ってしまったので頭を悩ませていましたが、早春という言葉を見つけたので無事に記事を書き進めていくことができそうです。この季節に咲く花はサイズが小さいものが多いので、可愛く撮りやすいです。また、背が低く地面を前ボケにして撮りやすい花。形を捉えやすい花も多いのでとてもおすすめです!

アネモネ

01_アネモネの作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO100 露出補正+0.5 焦点距離135mm
 花壇の端っこで綺麗な色のアネモネを見つけました。アネモネは花びらに厚みがあり、色も比較的濃いものが多いので順光で撮るとのっぺりしてしまうことが多いです。このように逆光で撮り、花びらを透かすと一枚一枚の美しさが際立ちます。厚みがある花、色が濃い花はまずは逆光で撮ってみることをおすすめします。また、色の美しさが最も見せたいものの一つだったので、写真の中に入る色の数が最低限になるように構図を整えました。そのような意図の際は、花と近い色をなるべく入れないことがポイントです。

クロッカス

02_クロッカスの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:f/1.8 1/1000秒 ISO100 露出補正+2 焦点距離135mm
 とても綺麗な形をしたクロッカスを見つけました。クロッカスは横から撮るとクロッカスらしさが伝わりやすい花です。ただ普通に横から撮るだけでも可愛らしいのですが、狙えるのであればより可愛らしく見える向きから撮ることをおすすめします。具体的に言うと、このようになるべく左右対称で捉えると可愛らしさが増し、花びら一枚一枚の美しさに目が行きやすくなります。そしてこの花はクロッカスの中でも色が薄い種類です。そのため、陽に当たっているものを撮ってしまうと白飛びしやすくなります。この写真は木陰の中に咲いているものを選び、白飛びを防ぎました。また、背景は木々なのですが、そのまま撮るとこの花に似合わない色となってしまうため、ホワイトバランスを下げてイメージに合う色に変更しました。
03_クロッカスの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7III + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離50mm
 ポツンとはみ出て咲いているクロッカス。それを50mmで撮りました。筆者が普段撮っている写真と少し異なります。いつもならば、花の美しさがシンプルに伝わるように木の幹やロープ、看板などを入れずに135mmの中望遠で撮ります。この写真は、はみ出て咲いているというシチュエーションを見つけた時、花の周りの空間も含んだ写真のイメージが浮かびました。そのため、それらを敢えて入れて撮りました。美しい花を美しく撮る。それだけでも充分ですが、この記事を読んでくださっている皆さんは是非周りの空間も含んだ花の写真にもチャレンジしてみてください。花の写真というものは、バリエーションが決して多くはありません。普段と異なる撮り方にもチャレンジすると、きっと表現の幅が広がることでしょう。

アイスランドポピー

04_アイスランドポピーの作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO100 焦点距離135mm
 春を待ちきれずに咲いたアイスランドポピー。ポピーというと5月頃のイメージがありますが、このアイスランドポピーは3月頃から見かけることができます。特に早いところだと、年明け早々に咲いています。オレンジのアイスランドポピーは、ハイキーで撮っても逆光で撮っても色が残りやすく、透け感も出しやすいのでとてもおすすめです。曇天だったので光でメリハリを付けることが難しかったのですが、一本だけ咲いているというシチュエーションのおかげで印象的な一枚となりました。暖色系とも寒色系とも言えない絶妙なトーンがお気に入りです。 この写真もやはり、花と近い色を写真内に入れなかったため、花をこれだけ小さく撮っても主役感があります。

ビオラ

05_ビオラの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離135mm
 陽が沈みきる直前、わずかに残った光で照らされたビオラを撮りました。ビオラはほぼ正面、顔を捉えて撮らないといけない花であると考えています。ビオラは横から撮るとペラペラです。後ろから撮ると茎の主張が強かったり、ビオラならではの模様が見えづらかったりで良さが伝わりづらいです。そう言った理由でなるべく正面、顔を捉えて撮った方が良いということをお伝えしています。記事でも繰り返しお伝えさせていただいていることになりますが、形をしっかりと捉えないと良さが伝わらない花は、それを最優先にして撮るようにしましょう。ただそうは言っても、撮る時の優先順位は人それぞれであるのは勿論です。自分が何に惹かれてその花を撮るのか。何を写真で伝えたいのか。それらを意識して撮った写真は、きっと大切な一枚になるはずです。

シクラメン

06_シクラメンの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:f/1.8 1/500秒 ISO100 露出補正-1 焦点距離135mm
 群れから外れてひっそりと咲いていたシクラメン。秋以降見かけることの多い花ですが、2月3月にも元気に咲いているのをよく見かけます。この写真は135mmでぼかして撮った写真ではありますが、周りの空間も含んだイメージの花の写真となります。この記事3枚目のクロッカスと近いイメージです。敢えて引いて撮り、花壇の縁をわざと入れることによって日常感が演出できます。日常感は筆者が大切にしているイメージの一つです。綺麗にシンプルに撮った写真とはまた異なった趣がこういったイメージにはあり、花が身近な存在であることが伝わります。 また、引いて撮ったのには、花の可愛らしさを強調するといった理由も勿論あります。

セツブンソウ

07_セツブンソウの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7II + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:f/2 1/1600秒 ISO100 露出補正-1.7 焦点距離135mm
 今時期丁度咲き誇っているセツブンソウ。ここ数年人気の花で、SNSでもよく見かけるようになりました。そんなセツブンソウをアンダーで撮りました。色の薄い花、特に白い花はアンダー、ローキーの写真と相性が抜群に良いです。反対にハイキーの写真を撮るのは難しいです。ハイキーの写真を撮りたいからといって、ただやみくもに露光量を上げて撮ると、白い花はすぐに白飛びしてしまいます。 ハイキーで撮る際は、その花がハイキーで撮ることができるシチュエーションかどうかをよく見極めることが大切です。いくらハイキーのイメージがあるからといって、適していないシチュエーションで撮ってしまうとその花の良さを損なってしまうことがあるので注意しましょう。

スノードロップ

08_スノードロップの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7III + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:f/2 1/2000秒 ISO100 露出補正-3 焦点距離135mm
 最後はアンダーで撮ったスノードロップ。こちらは年明け早々に咲いているのを見ることができる花です。ぽつんと咲いている様子がとても可愛らしいです。先程のセツブンソウよりも暗めに露光量を下げて撮りました。周りに写したくないものが多かった事と、花と近い色のものも多かったため、露光量を中途半端に下げても花が目立たなかったです。その2つのことが主な理由で、露光量をそこそこ下げました。

最後に

 今回も最後まで読んでくださり誠にありがとうございました!ShaShaで記事を書かせていただくようになってから一年が経ちました。これからも花の写真に関して色々とお伝えできたらと思っております。今後ともどうぞ宜しくお願い致します! ■写真家:北村佑介 出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の北村佑介さんが、早春に咲く花の撮り方を紹介しています。アネモネ、クロッカス、アイスランドポピー、ビオラ、シクラメン、セツブンソウ、スノードロップの撮り方を是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,花,アネモネ,クロッカス,アイスランドポピー,ビオラ,シクラメン,セツブンソウ,スノードロップ ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: リコー GR IIIレビュー|小さなボディに詰まった多彩な機能で日常を切り取ろう BASENAME: 479956011.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 02/11/2021 16:00:00 TAGS: GR III,レビュー,コンパクトデジタルカメラ,リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,スナップ,APS-C ----- BODY: GRIIIスナップに最適.JPG

はじめに

 フィルムカメラの頃から瞬間を切り取るスナップシューターとして定評のあるリコー GRシリーズ。携帯性の良いサイズ感であることから女性にも人気が高いそう。いわゆる「高級コンデジ」と言われるGR IIIには一眼レフに匹敵する魅力的な機能がたくさん詰まっています。  発売されてから約2年になるGR III。その間、日常のテーブルの上から海外旅行まで使用してきた筆者のよく使う機能設定やイメージコントロールなどをご紹介したいと思います。

よく使う機能をレバー、ダイヤル、ボタンに割り当てる

 コンパクトカメラと思えないほど機能が豊富なので、撮影時にわざわざメニューの中を探らなくても必要な設定がすぐ変更できるよう、よく使う機能をボディの外側にあるダイヤル、ボタン、レバーに設定しています。 GRIIIボディ背面操作.jpg ■ADJレバー:筆者はイメージコントロール、アスペクト比、測光モード、記録形式、フォーカスの5項目を割り当てています。 ■Fn.ボタン:クロップ機能を割り当てています。ボタンを押下するたびに28mm、35mm、50mmと切り替わります。 ■USER設定:MENUの「静止画設定画面」からフォーカス設定、スナップ撮影距離、測光モード、NDフィルター、イメージコントロール、タッチAFなど自分好みの設定を全て反映し、6種類登録可能。 登録した中から3つをダイヤルのU1~3に割り当てることができます。 GRIII上部ダイヤル操作.jpg  ここまで設定してしまえば、その日の天候、光の強弱、被写体、によってWBの調整と、露出補正を行うだけであまり細かい事を気にせずに撮影に集中できます。

レスポンスのいい起動とタッチAFはテーブルフォトでも活躍

 突然のシャッターチャンスを逃がさず撮影できる約0.8秒の起動とコンパクトなボディサイズは、スナップ撮影だけでなくテーブルフォトでも優位。食事を前にして一眼レフを構えるのは何かと人目も気になる上、料理を提供してもらうというシーンを考えれば少々ナンセンスかもしれません。そんなシーンでもGR IIIは最適なカメラとして応えてくれます。
GRIIIテーブルフォト.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm  ■イメージコントロール:スタンダード
 狭いテーブルでも邪魔にならないサイズがGR IIIの良さ。オートAF設定からモニター画面をタッチすることでタッチAFに切り替わるので、ピントを意図したところへすぐ移動させ、サッと撮ってお料理の冷めないうちに頂く。それこそが、料理写真の極意です。

単焦点レンズ+高画質センサーだから可能なクロップモード

 明るいF値、広角28mm単焦点レンズが魅力のGR III。ズームができないと言われますが、クロップ機能を使えばGR IIIを使うシーンの想定内でほとんどの物が撮影可能だと言えます。  私がよく使うのは50mmクロップ。28mmの約1.8倍となり、いわゆる標準ズームレンズの画角です。広角レンズの歪みがなくなり、被写体に正対できるのでポートレート撮影にも向いています。
GRIIIポートレート.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/125秒 F/2.8 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm  ■イメージコントロール:レトロ
 小さなボディだから、モデルさんに近づく時もお互いに表情が見て取れ、会話を楽しみながらの撮影ができて安心です。安定した光源さえあれば物撮りにも最適。
GRIII物撮り.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm (28mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/13秒 F/4.5 ISO640 WBマルチパターンオート クロップ50mm  ■イメージコントロール:スタンダード
 クロップはいわゆるデジタルズームですが、50mm時最大7Mb /長辺3360pixelで画質を損なうことなく、A4サイズのプリントでも十分な画質が得られます。

6cmまで寄れるマクロモードで美しいボケの表現

 コンパクトカメラでボケの表現はなかなか難しいものですが、マクロモードではGRレンズと2,400万画素の高画質センサーの威力感じます。マクロモードはレンズ先端から6~12cmの範囲でピントが合焦。ただ寄れるだけでなく、クロップ50mmとの相性が抜群で、玉ボケ、前ボケ、背景ボケなど美しくぼかすことができます。
GRIII 50mm Macro.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm+マクロモード ■イメージコントロール:ブリーチバイパス
 スマートフォンのカメラで背景画像処理が優秀になったとはいえ、このボケ感は得られないもの。傘の縁にピントを合わせたことで画面奥の街中の明かりが彩りのある玉ボケとなりました。
GRIII玉ボケ.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm+マクロモード ■イメージコントロール:スタンダード
 コートに着いた雪。東京で降る雪は水分が多すぎてキレイな結晶は見えませんが、ここまで写すことができました。水滴も小さな玉ボケになっています。雨や雪が降っても、傘の下片手でちょっと撮影できるサイズ感がGR IIIの良いところ。
GRIII雪の結晶.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ50mm+マクロモード ■イメージコントロール:ポジフィルム調
 ちなみに、マクロモードと通常モードの切り替えは手動のみ。背面のマクロボタンをひと押しして切り替えます。マクロモードのままでは無限遠にはならないので覚えておきましょう。

イメージコントロールをカスタマイズしてこだわりの色づくり

 モノクロ4種、カラー7種(+カスタマイズ2種)のイメージコントロールは、被写体によって選ぶ楽しみがあり、さらに、それぞれの色をパラメーターで詳細に調整できます。色を作り込んで自分らしく表現する楽しさも特徴的です。ここでは筆者の設定を少しばかり紹介いたします。

<スタンダード>

 鮮やかさもありながら階調を損なわないのがスタンダード。できるだけ忠実かつ、イメージに相応しく仕上げたい時の設定で、抜け感と透明感に重きを置いた設定にしているので私の中で〝さわやか〟と命名しています。
GRIII テーブルフォト2.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/160秒 F/3.2 ISO200 WBマルチパターンオート クロップ35mm ■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
 飽和しやすい赤や黄色がメインの場合には彩度は0~+2の間で微調整。明るい被写体の時にはハイライト補正オンにしておくことで効果が発揮されます。 
GRIII 花.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/125秒 F/2.8 ISO200 WBマルチパターンオート ■イメージコントロール:スタンダード(彩度+1/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)

<レトロ>

 筆者がGR IIIを手にしてまず気に入ったのがレトロ。その名の通り、下町の商店街や町工場、廃墟などの懐かしさを感じる被写体にしっくりとハマります。また、夜の人工光で使用すると柔らかくふんわりとしたムードのある表現が可能なので、ぜひ試して頂きたいイメージコントロールの一つ。ただし、デフォルトの設定のままだと眠たい印象が強いのでコントラストとシャープネスを調整しています。
GRIIIレトロ.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/25秒 F/5.1 ISO200 WB曇天 ■イメージコントロール:レトロ(彩度+3/コントラスト+1/シャープネス+1/調色+3/シェーディング-2)
 昭和を醸し出すトタンも、路地裏のネコもどこか寂しげ。こんな時はやはり明るい色よりは雰囲気を優先してレトロを選びます。
GRIII レトロ路地裏.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/200秒 F/3.5 ISO200 WB曇天  ■イメージコントロール:レトロ(彩度+3/コントラスト+1/シャープネス+1/調色+3/シェーディング-2)

<クロスプロセス>

 GRならではの色とも言えるクロスプロセス。独特な色転びをするモードですが、原色はより印象的で鮮やかに発色する面白さがあります。夏空や強い日差しの下使うことが多い色です。快活で元気なイメージに仕上げたい時に使っています。
GRIIIクロスフィルター.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO200 WB太陽光 ■イメージコントロール:クロスプロセス(彩度+2/色相+1/シャープネス+1/明瞭度+1)
 青空はより青さが強調されます。下の写真は花壇を撮影したものですが、壁の黄色と花の赤が強調されアメリカンテイストのPOPなイメージになりました。色が派手過ぎると感じたら彩度はマイナスに。
GRIIIクロスフィルターPOP.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/60秒 F/2.8 ISO200 WB太陽光 露出補正+0.3 ■イメージコントロール:クロスプロセス(彩度+2/色相+1/シャープネス+1/明瞭度+1)
 紹介した3つのイメージコントロール以外にもポジフィルム調、ブリーチバイパス、HDR調などの個性的な色があります。また、PCのRAW現像では得られないGR IIIならではの色を楽しみたい方にはカメラ内RAW現像がおススメです。撮影時には「RAW+」で撮影しておき、後からカメラ内RAW現像でパラメーターを調整しながら作り込んだりすると、いろいろ試せるので自分好みの色を探るのに相応しい機能と言えます。

手持ち撮影で長秒に耐えうる手ぶれ補正

 シリーズ初搭載となる手ぶれ補正はセンサーシフトタイプ。磁石の力で撮像素子を動かすことで、3軸方向の補正に対応しています(シャッター速度換算で4段の補正)。一般的に手ぶれの起きるシャッタースピードは、「1/レンズ焦点距離」を超える(それ以上に遅くなる)と言われますが、手持ち撮影でも1秒を超える露光が簡単にできてしまうことに驚きます。  街中なら、ガードレールなどのカメラを固定できる場所を利用すればさらに速度の遅いシャッタースピードで撮影が可能に。
GRIII長時間露光.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:シャッター優先モード SS2.0”秒 F/11 ISO200 WB太陽光 露出補正-0.5 ■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
 この時役立つ機能が「ISO感度設定」の中にある「低速限界値」の設定。設定したシャッタースピードを下回ると感度が上がるというもの。ISO感度をオートにし、上下限値の幅を持たせておくことで撮影がしやすくなり、手ぶれも起こりにくくなります。私は低速限界値を1/15に設定。 GRIII ISO感度設定.jpg  この設定はスナップ撮影でも活用できるので、モーションブラー(動体をカメラで撮影した時に生じるブレ)の表現も可能です。
GRIIIシャッタースピード.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:シャッター優先モード SS0.8”秒 F/16 ISO200 WB太陽光  ■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
 日中屋外でも長秒撮影を活かした撮影が楽しめます。波が寄せ返す様子は幻想的になりました。
GRIII波打ち.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:シャッター優先モード SS1.3”秒 F/16 ISO200 WB太陽光 ■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
 人がカメラを構えて1秒以上震えずに止まることはほとんど無理に近いですが、手ぶれ補正の恩恵を受けることにより撮影シーンが大きく広がります。

多重露光でクリエイティブな表現を楽しむ

 筆者が作品づくりに取り入れている多重露出は背面ボタンのドライブモードの中にあります。 GRIIIドライブ撮影.jpg  多重露出は、1枚目に撮影した画像にさらに画像を重ねて写し込み、1つの画像として記録する撮影方法。筆者の撮影する多重露出は始めに撮影する被写体にピントを合わせ、次に撮影する被写体はマクロモードを使ってぼかす二枚を重ねる方法です。  大輪の紫陽花を引きと寄りで大小重ねて淡く優しい印象にしてみました。
GRIII紫陽花多重露光.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WB昼白色蛍光灯 クロップ50mm ■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
 おうちフォトでも多重露出が楽しめます。鈴なりになったトマトをサラダの上に重ねてみました。
GRIIIトマト多重露光.JPG
■撮影機材:RICOH GR III GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/25秒 F/3.2 ISO200 WB太陽光 クロップ50mm ■イメージコントロール:スタンダード(彩度+2/キー+1/コントラスト+1/シャープネス+2/明瞭度+1)
 様々なモノを重ね、工夫次第でカメラでしか見えない世界が生まれるのが多重露出の面白さ。あまり使用したことがない方も身の回りの被写体でぜひ一度試してみてほしい機能です。

おわりに

 今回は日常の中で撮影できるシーンをメインに紹介しましたが、その他にもまだまだ使い込んでいる機能はたくさんあり、〝本当にコンパクトカメラなのか?〟と思うほど充実した機能満載のGR III。  機動性・携行性がよく、スナップ撮影に最適なカメラですが、街中を歩くのは何かと気が引ける昨今、コンパクトなサイズ感を活かし、身近な場所、身の回りにある被写体でGR IIIの機能を引き出しながら撮影に挑戦し、自由な表現を楽しんでみてください。 @kobayashikaworu_gr では、その他のスナップ写真もご覧いただけます。
■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんによるリコーGRIIIのレビューを紹介しています。発売されてから約2年になるGRⅢ。その間、日常のテーブルの上から海外旅行まで使用してきたこばやしさんのよく使う機能設定やイメージコントロールなどをご紹介いただいています。 ----- KEYWORDS: リコー,レビュー,GR III,コンパクトデジタルカメラ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: F1.0が魅せる新たな表現|富士フイルム XF50mmF1.0 R WR BASENAME: 479953332.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 浅岡省一 DATE: 02/12/2021 16:00:00 TAGS: XF50mmF1.0 R WR,レビュー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点 ----- BODY: 00_富士フイルム XF50mmF1.0 R WRの作例.jpg

はじめに

 Xマウントで最強の明るさを誇るレンズXF50mmF1.0 R WR 。重量845g、フィルター径77mm、全長103.5mmという存在感あるこのレンズはどんな描写なのでしょうか。そして、どのような表現ができるのでしょうか。

F1.0の性能で広がる表現の幅

01_作例.jpg
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/80秒 ISO160 露出補正±0 焦点距離50mm
 XF50mmF1.0 R WR は35mm判換算で76mm相当の、開放F値1.0というレンズです。いわゆる大口径中望遠レンズという部類に属します。初心者にも分かりやすいよう簡単に解説しておくと、レンズのF値というのは、そのレンズがどれだけ明るさを取り込めるかを示す指標となっており、数字が小さければ小さいほど明るさをたくさん取り込めることを意味しています。一般的に、F値が2.8より小さくなると明るいレンズとみなされ、F1.6やF1.4のレンズになるとみんなの憧れ、F1.0はもはや夢のようなレンズとなります。  では、F値が小さくなるとどんな良いことがあるのでしょう?F値が小さいレンズは、暗いところでも(ISOを上げなくても)明るく撮れるので、画質的に綺麗に撮れるのはもちろんのこと、(シャッター速度を早く設定できるので)手振れや被写体ブレを防ぎやすくなります。また、大きくボカすことができるので、ポートレートで女性を柔らかく美しく撮ったり、幻想的に撮ったりすることが可能になります。つまり、レンズのF値が小さくなることで「表現の幅が大きく広がる」ことになるのがお分かりいただけると思います。
02_作例.jpg
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/1800秒 ISO160 露出補正+1.0 焦点距離50mm
 さて一方で、F値の小さいレンズは良いこと尽くし…というわけにはいきません。ちょっと大きめで、ちょっと重くて、ちょっとお値段お高めという特徴もあります。これは高性能レンズの宿命みたいなもので、良いレンズほどそのような傾向があります。XF50mmF1.0 R WRは重量845gで、全長103.5mmなので手にするとなかなかの塊感を感じますが、重心バランスが良いのでカメラに装着するとそこまでのアンバランスさは感じません。実際、数週間の間XF50mmF1.0 R WRをX-T4につけっぱなしにしていたのですが、苦になることはありませんでした。  ちなみに、私のX-T4にはSmallRig社のグリップ(富士フイルムX-T4用L字型グリップ 2813)が装着してあるので、気になる方はそういったグリップを少し大きくするオプションを使ってみるのも良いかもしれません。

絞り値により変化する描写

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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.3 1/75秒 ISO640 露出補正±0 焦点距離50mm
 理論上、明るいレンズを設計することは難しくないのですが、明るくなればなるほど、レンズは(非現実的な)大きさと重さになり、当然お値段も上がっていきます。そこのバランスをどう取るかというのが、大口径レンズの一つのポイントになってきます。  最近では解放からシャープでキレのある描写を見せるレンズが多いのですが、XF50mmF1.0 R WRは解放だと少し柔らかめの描写で、絞り込むほどにシャープになっていく性格です。柔らかいといっても、単にレンズの粗が出て描写が甘くなっているという類の性格のものではなく、表現の一つとして積極的に活用できる品のある柔らかさに仕上げているので、ポートレートはもちろんのこと、スナップやテーブルフォトなど、様々なシーンで積極的に活用できる描写だと感じました。
00_富士フイルム XF50mmF1.0 R WRの作例.jpg
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/75秒 ISO320 露出補正-0.3 焦点距離50mm
 同様に、解放値では収差や口径食(フレーム周辺のボケの形が真円にならずレモンの形になる現象)がみられますが、F2.8辺りまで絞り込むとそれらが改善されます。ただ、F2.8まで絞るとボケの大きさが小さくなってしまうので悩みどころ。私はボケの形よりも大きさの方を表現の手段として選択することが多いため、撮影では積極的に解放値を利用しました。  特に、カメラがすべて綺麗に整えて撮ってくれる今の時代では、多少の収差や口径食は、写真全体を目にした際にむしろ写真の味となり、場の雰囲気を伝える要素のような気がします。私の写真はボケを真円に撮ることが目的ではなく、自分が心奪われた現場の雰囲気やモデルさんの表情を伝えることが目的なので、ボケがレモン型だとしても自分の写真が崩れることはありません。イチゴ型でもメロン型でも大丈夫でしょう。流石に、クワガタになったらちょっと目立つので気にしちゃうかもしれませんが…笑。

従来では不可能な撮影も可能に

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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/90秒 ISO160 露出補正+1.0 焦点距離50mm
 大きくボカせるということは、被写界深度(ピントが合う幅)が浅いということに他なりません。つまり、ピント合わせはシビアになりますし、フォーカスを合わせるための時間も普段より余計にかかることになります。ですが、最近の機種であればオートフォーカス機能や顔認識機能はかなり強化されているので、撮影時に何度も首をかしげることにはならないでしょう。  実際、X-T4との組み合わせで、さすがに100発100中というわけにはいきませんが歩留まりはかなり良く、「フォーカスがあっていないので今のシーンをもう一回」ということは一度もありませんでした。
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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/75秒 ISO1250 露出補正+1.0 焦点距離50mm
 そのため一瞬を切り取るようなスナップ撮影にはあまり向いてはいませんが、だからといって撮れないわけではありません。被写体とある程度の距離をとればF1.0でも被写界深度は深くなり、その分フォーカス速度も速くなります。なにより、F1.0の明るさをいかせば暗くてもシャッター速度を稼げ、被写体ブレを防ぐことができるので、普段では撮影を諦めていたようなシチュエーションでの撮影が可能になってきます。  たとえばこのカットは日没後モデルさんに適当に動き回ってもらい、その瞬間を切り取って撮影したものです。絞りを開放にしてISOを1250まで上げることで、1/75秒のシャッター速度を稼いでいます。通常なら周囲の暗さゆえに止まっているところを撮るしかないシチュエーションなのですが、このレンズなら実際に動いてもらってその瞬間の自然な表情や自然な動きを捉えることが可能になるのです。

新たな表現を求める方へ

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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/75秒 ISO320 露出補正±0 焦点距離50mm
 このようにF1.0という明るさをいかせば、通常よりも大きなボケを得たり、今までなら撮影を諦めていたようなシチュエーションでも撮影できるようになったりするなど、表現の幅が広がります。日中撮影するのであれば、ND16ぐらいの減光フィルターを利用すれば、絞り解放値でもシャッター速度をそれほど早くすることなく撮ることができるでしょう。電子シャッターを利用可能なカメラであれば、それを利用すればNDフィルターいらずです。  さすがに最初の一本目のレンズとしてXF50mmF1.0 R WRをオススメすることはできませんが(笑)、夕景や夜景の撮影が多い方、自分の写真の表現に行き詰まっていたり、新たな表現を求めていたりする方にはぴったりなレンズでしょう。みなさんならこのレンズでどんな写真を撮りますか…?
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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/14 1/90秒 ISO160 露出補正-2.0 焦点距離50mm
■写真家:浅岡省一 1973年東京都生まれ、中央大学大学院法学研究科修士課程修了。人物や商品等の広告撮影を得意とする傍ら夕景/夜景/雨景とモデルを絡めた作品を撮る。独特の光と空気感を表現する写真は多くのファンを魅了する。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 富士フイルムの標準単焦点レンズ、XF50mmF1.0 R WRを写真家の浅岡省一さんにレビューしていただきました。解放F1.0のボケ味を活かした魅力的なポートレート写真とともにお楽しみください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,XF50mmF1.0 R WR,レビュー,ポートレート,標準単焦点レンズ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 村上さんテストページ BASENAME: 480045488.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 村上悠太 DATE: 02/15/2021 15:06:03 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第1回】スチルだけでなくムービーも簡単! BASENAME: 480042654.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 02/15/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,LUMIX S5,パナソニック(Panasonic) ボディー,動画撮影・編集,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: パナソニック LUMIX S5にジンバルを装着した画像 (1).jpg

はじめに

 2020年9月に登場したパナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」。シリーズ中もっとも小さくて軽いサイズながら、上位機種「LUMIX S1H」顔負けのムービー撮影機能を盛り込んで話題になりました。スチル撮影はもちろん、高解像度の4Kムービーから、魅惑的なスローモーションとクイックモーションなど、このカメラがあれば誰でも楽しむことができるようになっています。その素晴らしいムービー機能をビギナー向けに紹介するため、短期連載をスタートします。まず今回は「LUMIX S5」の基本ムービー機能をザッと見ていきましょう。

豊富な動画フォーマット

 「LUMIX S5」はフルサイズフォーマットのデジタルカメラです。描写性能の高いその大きなセンサーサイズを有効に使ったフルサイズ画角と、APS-C画角を切り替えて撮影することができます。単焦点レンズを装着していてもモードの切替で2つの焦点距離を使うことが可能なのです。これはとても便利ですね。  このムービーは「LUMIX S5」に「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」を装着してテレ端の60mmで撮影したものです。このようにフルサイズフォーマットでの60mmと、1.5倍の画角となるAPS-Cフォーマットでの90mmという2つの画角を使うことができるのです。フォーマットを切り替えることによって30-90mmのズームとして利用可能となります。
 また記録形式も多彩です。とても多くの形式を備えるので、詳細はパナソニック公式サイトを確認していただくとして、簡単に説明すると「解像度」と「フレームレート」、「ビットレート」などの組み合わせが豊富にあるということです。しかもそのモードによっては記録時間に制限がない、高いフレームレートで撮影できるなど、実に使い勝手のいい仕様になっているところに注目です。 s5_movie_img02.jpg  さらにHDMI端子経由で外部機器に向けて5.9Kという高画質の出力を行うことも可能です。これにより編集ソフトを使って色味などの編集を自在にできます。映像制作者にとってうれしい機能ですね。これらについてはあとの回で解説する予定です。

カメラ単体でシネマルックなムービー撮影を

 「LUMIX S5」はカメラに搭載されている標準機能を使って、まるで映画のようなムービーを撮影できます。スチル撮影時と同じように「フォトスタイル」をそのまま活用でき、このモードにセットするだけで美しい映像を撮影可能です。  カメラのキタムラ 東京・玉川高島屋店がある二子玉川の街を多摩川越しに撮影してみました。フォトスタイルを変化させ5秒ごとにまとめています。スタンダード、ヴィヴィッド、ナチュラル、L.クラシックネオ、フラット、風景、人物、モノクローム、L.モノクローム、L.モノクロームD、L.モノクロームS、シネライク D2、シネライク V2、709ライク、V-Logと録画ボタンを押すだけで、誰にでもカンタンに印象的なムービーが撮影可能です。  このほかに自分で登録できるMY PHOTOSTYLE や、HLGフォト設定時のみ、スタンダート(HLG)、モノクローム(HLG)を設定することができます。また自分好みに彩度やコントラストなどの調整も可能なので、より深い表現が実現できるのです。
 さらに22種類もの「フィルター効果」も搭載しています。こちらも「フォトスタイル」と同じようにメニューから選ぶだけで印象的なムービーの撮影が可能になっています。
 古民家の軒先をフィルターの効果を変えて撮影してみました。ポップ、レトロ、オールドデイズ、ハイキー、ローキー、セピア、モノクローム、ダイナミックモノクローム、インプレッシブアート、ハイダイナミック、クロスプロセス、トイフォト、トイポップ、ブリーチバイパス、ジオラマ、ファンタジー、ワンポイントカラーと親しみやすいネーミングなのでわかりやすいですね。このように「LUMIX S5」は搭載されている機能だけで、人目を引くムービークリップを収録可能なのです。

超カンタン!スローモーションとクイックモーション

 「LUMIX S5」は印象的なムービー作品に欠かせないスローモーションとクイックモーションもカンタンに撮影できます。ボディ上面のダイヤルにある専用の「S&Q」モードがそれです。これにセットしてスローかクイックかを選ぶだけでOKです。ムービーは一般的に1秒間に30コマなので、設定で180fpsを選べば6倍のスローモーションに、反対に10fpsに設定すると3倍のクイックモーションになるというわけです。2.5倍と3倍スローモーションはマニュアルフォーカスに、3倍の場合はクロップになります。4KかフルHDかで設定できるフレームレートが異なります。  走る電車をスローモーションとクイックモーションの両方で撮影しました。2倍スローと2倍クイックですが、優雅に走るイメージと疾走するイメージの2つの雰囲気を出すことができました。このようにダイヤルと設定をセットするだけで、記憶に残るシーンをパッと撮影できるのが「LUMIX S5」の良さですね。

手持ちでもブレが少ないムービー撮影ができる LUMIX S5

 ザッと「LUMIX S5」のムービー基本性能をおさらいしましたが、映画のような色合いのフィルター効果や、夢に出てくるようなスローモーションまで、リッチな描写を手軽に撮影できるフルサイズミラーレス一眼カメラだということがお分かりいただけたでしょう。軽量コンパクトながらフルサイズセンサーを搭載した「LUMIX S5」はスチルだけでなくムービーでも大活躍するカメラなのです。種類豊富なLマウントレンズを使用できたり、強力な手ブレ補正機能「Dual I.S.2」で手持ち撮影ができたりするなど、ビギナーからプロフェッショナルまで幅広いユーザーが楽しめる素晴らしいカメラに仕上がっています。 パナソニック LUMIX S5レンズキット .jpg  最後に「LUMIX S5」にキットレンズ「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」を装着して、イージーに手持ち撮影をして収録したムービーをカンタンに繋いだものをご紹介します。モードダイヤルをムービーにして録画ボタンを押しただけですが、買ったその日からこんな美しい4Kムービーがハンドヘルドで撮影できる「LUMIX S5」。本当に楽しいカメラだと思います。次回はビデオ三脚や電動ジンバルと組み合わせた撮影法などをご紹介したいと思います。
~ 「パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう」連載はこちらからご覧頂けます ~ 【第2回】ムービー三脚と電動ジンバルを使ってムービー撮影 【第3回】ムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集! 【第4回】シネマティックムービーに挑戦しよう! ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがパナソニック LUMIX S5のムービー性能をビギナー向けに短期連載で紹介しています。第1回目はクロップ、色味調整、スローモーションなどの基本機能を説明しています。 ----- KEYWORDS: レビュー,動画撮影,パナソニック,LUMIX S5 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: キヤノン EOS R5 × 鉄道写真|村上悠太 BASENAME: 480060111.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 村上悠太 DATE: 02/16/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,EOS R5,鉄道,キヤノン(Canon) ボディー,鉄道/電車,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: 00_キヤノン EOS R5で撮影した鉄道.JPG

はじめに

 2018年に発足した次世代の映像表現を目指すキヤノンEOS Rシステム。新マウント「RFマウント」とともに、革新的な機能と可能性を秘めたEOS R、小型軽量なEOS RPと徐々にラインナップの拡充が行われ、2020年7月に待望の「5シリーズ」を掲げたEOS R5が発売されました。EOS史上、最高解像性能を実現したEOS R5ですが、これまで使用してきたニュアンスとしては、単に高画質なカメラという印象ではなく、それ以上にあらゆる面でEOS Rシリーズが次のステップに移行したカメラだなというのが私の率直な感想です。今回は鉄道 × EOS R5の撮影シーンからこのカメラの魅力をお伝えします!

連写性能

 EOS R5が発表された時に私が最も期待した進化が連写性能です。EOS Rでは連続撮影速度約8コマ/秒と、これまでの同クラスフルサイズEOSと比べても、連写速度は決して遅い機種ではなかったのですが、高速走行を行う車両を撮影する鉄道写真のジャンルでは連写速度は可能な限り速いほうが望ましいです。  そんな中、EOS R5ではメカシャッター、電子先幕シャッター使用で最高12コマ/秒の連写速度を達成し、欲しい「一枚」が的確に狙えるようになりました。メカシャッターでこの連写性能を維持してくれているのは、新幹線やアップぎみに列車を撮影する際に特に強い味方になっています。鉄道写真は、周囲にケーブルや電柱など様々な障害物が列車の周囲に存在しています。そこでフレーミングを工夫したり、列車自身で隠したりしながら、可能な限りクリアに車両を描写する工夫を現場で行うのですが、こうしたシーンでも高速連写が大活躍しています。  この作例のように上から5枚目のOKカットの一つ手前では背景に赤と白の鉄塔が写り込むため、その存在がやや気になりますが、OKカットではそれを車体で隠すように撮影できました。 01_作例.JPG 02_作例.JPG 03_作例.JPG
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OKカットに近いが、背景の鉄塔を車両で隠したいところ。
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OKカット(赤と白の鉄塔を車体で隠している)。 ■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF24-70mm F2.8 L IS USM + C-PL ■撮影環境:f/8 1/4000 ISO1600 焦点距離45mm
 この位置の「一枚」が決まるのがまさに12コマ/秒の連写性能です。さらに鉄道敷地外の安全な場所から、流線型のボディの特徴を活かすために標準系のレンズで撮影しているため、列車の見かけ上の移動量も多く、シャッターチャンスは限りなく一瞬です。こうしたシーンではどうしても10コマ/秒以上の連写性能が欲しくなるのですが、EOS R5ではより余裕ある12コマ/秒の連写速度を達成しているため、決定的瞬間を逃さずに撮影できることが多くなりました。  また、電子シャッターによる独特の歪みが目立たない構図や画角であれば、電子シャッターに切り替えることでEOS R5の最速である20コマ/秒での超速連写も可能です。
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電子シャッターで撮影 ■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF70-200mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:f/4 1/4000 ISO800 焦点距離86mm

画質

 EOS Rシリーズの最大の魅力に新たにラインナップされたRFレンズの「高画質」があります。ミラーレスになったことによるショートバックフォーカス機構を存分に生かし、従来のEFレンズでは達成できなかった画質の向上やズームのワイドレンジ化、ISなどの付加機能の追加など、レンズ面でも大きな進化を遂げています。  このRFレンズの描写性能を写し止めるのが、EOS R5のために設計された有効画素数約4500万画素の自社生産35mmフルサイズCMOSセンサーです。鉄道写真ではこの写真のように、周囲に存在する四季折々の風景とともに車両を写し込むといったフレーミングをすることも多いのですが、この場合、車両が画面の中でやや小さめになることも少なくありません。そこで重要になってくるのが解像性なのです。
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■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:f/9 1/1250 ISO640 焦点距離50mm
 このシーンでは線路の横に立つ、銀杏の木を主題に、横を走る列車は副題として小さく描写しています。このようなシチュエーションでも列車に書かれている行先の文字などもきちんと読めるくらい解像していますし、銀杏の葉の細かなディテールも繊細に描写してくれています。加えてこの時は、銀杏をきらめかせるためにやや逆光の条件で撮影しています。そうするとおのずと空の階調は白く飛びがちになりますが、高画質だけでなく広いダイナミックレンジを確保しているこのセンサーが自然な階調を維持してくれています。さらに「高輝度側階調優先」をONにすることで、よりハイライト域で粘りある階調表現を実現しています。

EVF

 一眼レフカメラを長くお使いになってきた方がミラーレス一眼への移行を検討する上で、おそらく最も気になるのが液晶ビューファインダー(EVF)ではないでしょうか。私自身、ミラーレスカメラを初めて触ったときにはこのEVFの見え方が慣れず、やや苦戦していました。ただ、EOS Rが登場して以来、日常スナップ向けに持っているEOS Kiss Mと合わせて、機材構成がほぼEVF機になっていったこともあり、今では完全に違和感なくEVFを使用しています。慣れという時間が解決してくれたところもありますが、それ以上に私は露出設定をほとんどマニュアルモードで行っているため、光学ファインダーでは晴れたり曇ったりを繰り返し露出が大きく変わるシチュエーションや、とっさのシャッターチャンス時の露出決定をこれまでの経験に頼って決定するといったことが少なくありませんでした。これがEVFであれば、現在設定しているシャッター速度と、絞り値、ISO、さらにはWB、ピクチャースタイルなど、最終的な仕上がりを限りなくシミュレートしながら撮影することができるため、EVFの方が私の撮影スタイルには合っているように感じています。  そんなEVFですが、一つだけ私の中でマイナスポイントがありました。正直な話をすると、シャッターを切った際に発生する微妙なタイムラグがカメラをパーンしながら撮影する「流し撮り」の際にやりづらさを感じていました。ここについてもEOS R5では大きな進化が見られます。有効画素数約369万ドットだったEOS RからEOS R5では大幅に高精細化された約576万ドットのEVFを搭載し、リフレッシュレートも119.8fpsまで向上し、EOS Rの59.94fpsに比べて約2倍※と、より滑らかでリアルタイムさを追求したEVFに生まれ変わりました。この進化により、ほぼ光学ファインダーの時の感覚で流し撮りができるようになったと実感しています。また、兄弟機であるEOS R6と比べてもEOS R5のほうが高画素のEVFを搭載しています。 ※EOS R5・EOS Rともになめらかさ優先ON
00_キヤノン EOS R5で撮影した鉄道.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:f/18 1/50 ISO50 焦点距離176mm

ボディ内手ブレ補正

 兼ねてから搭載が期待されていたボディ内手ブレ補正機構も、EOS R5ではついに実装されました。特にEOS R5ではレンズ内の手ブレ補正機構と協調し、RFレンズを使用すると最大で8段分もの手ブレ補正効果を持ちます。レンズ内に手ブレ補正機構を持たないレンズでもボディ側で手ブレ補正をしてくれるのも、このボディ内手ブレ補正の大きな魅力の一つでしょう。  鉄道写真では、夜のホームなど三脚の使用を控えたい箇所が点在しています。そうした際にEOS R5の強力な手ブレ補正機能は撮影チャンスを大幅に広げてくれるだけでなく、微細な手ぶれやカメラぶれなども目立ってしまう高画素機ならではの悩みも効果的に解決してくれ、4500万画素の高解像度センサーの繊細な描写力を最大限に活かした撮影が楽しめます。
08_作例.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF70-200mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:f/13 1/8 ISO1600 焦点距離135mm
 私の経験ではぶれに注意しながらそっとシャッターを切るように意識すれば、広角~標準レンズで1/8秒程度のシャッタースピードまで、中望遠レンズであればもう一段程度速いシャッタースピードでかなりの割合で手ぶれを抑制したシャープな画像を得ることができました。

AF

 EOS Rを導入して以来、自身の撮影スタイルで大きく変わったのがAFの設定です。これまで一眼レフEOSを使用していた時には、最も精度の高いセンサーである中央一点のAFを多用していたり、画面内で列車が最終的に来る位置のAFフレームを選択してAIサーボAFで撮影していました。しかしEOS R以降、AFのエリアがファインダー内のほぼ全域に拡大したことと、顔+追尾優先AFのトラッキング性能と色認識の高精度化が目まぐるしい進化を遂げ、今ではAF撮影のほとんどが顔+追尾優先AFを使用しています。この追尾性能についてもEOS R5の進化が光るシーンです。  鉄道写真では、顔+追尾優先AFを使用すれば、カメラが車体の色を認識し、画面内でその車両がいる限り、徹底的にピントを追いかけてくれます。作例では、東海道新幹線の最新型車両である、「N700S」のコックピット部分の色情報を認識させたあと、ひたすらピントを追従しつつ、連写して求めていた一枚を残すことができました。 09_作例_AF1_2.jpg
10_作例_AF3_4.jpg
連写中のAF追尾の様子を一部抜粋(コックピット部分に赤色のフォーカスが合い続けています)
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■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM + EXTENDER RF1.4x ■撮影環境:f/11 1/4000 ISO1600 焦点距離630mm
 この時、使用しているレンズはRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMでさらにEXTENDER RF1.4xをつけて630mmで撮影しています。この状態での開放F値はF9.0とやや暗めとなり、高感度性能も高いEOS R5にとっては露出面ではこの暗さはさほど気にならないものの、AFの精度は少し気がかりです。しかし、EOS R5は最高で開放F値F22でもAF撮影が可能な性能を搭載しており、F9程度では全く不安がない精度があると実感しています。  またEOS Rでは動体にピントを合わせ続けてくれる「サーボAF」を使用すると連写速度が最高約5コマ/秒と鉄道撮影には不足気味のスペックでしたが、EOS R5では連写速度の低下はなく、サーボAF時でも最高で約12コマ/秒(メカ・電子先幕シャッター時)を達成し、本格的な連写+AF撮影が可能となりました。  私は元々AFの設定を基本、動体でも静体でも「サーボAF」(一眼レフEOSでの名称はAIサーボAF)としていました。これは動体撮影時にもかかわらず、うっかり「ワンショットAF」に切り替えたまま撮影をしてしまい、ピントを追従できなかったことがあり、このようなケアレスミスを未然に防ぐための対策です。「サーボAF」でもボタンカスタマイズを使用して、シャッターボタンからAFの起動機能を外し、右手の親指部分にある「AF ONボタンのみでAFを起動するようにすることで、「ワンショットAF」のように使用することができるので重宝していたのですが、EOS RではAFの設定によって連写速度が大きく変化してしまうため、この使い方が難しかった問題がありました。しかし、EOS R5ではこの問題もクリアされ、従来のように常に「サーボAF」にしたままでも問題がありませんし、何よりも「サーボAF」と高速連写を両立した撮影が行えるようになりました。

動画

 最高で8K30Pという次世代のスペックを持つEOS R5の動画性能。最近では動画の案件も増えてきており、動画のスペックをカメラに求めることも多くなりました。今回、私が最もありがたかったのが4K60Pへの対応でした。最近では4Kでの撮影が徐々に主流になる中、動きの速い鉄道というジャンルの特性上、60Pでの撮影を求められることも少なくありません。さらに4K撮影時にはクロップなしでの撮影が可能となり、RFレンズのボケ味や広角レンズの画角をしっかり活かしたフレーミングが可能になりました。
 今回は外部マイクを使用せず、現場にいた他の方のカメラなどの音もそのまま公開しています。キヤノンでは純正アクセサリーとして、「指向性ステレオマイクロホン DM-E1」、「ステレオマイクロホン DM-E100」の2つがラインナップされているのも嬉しいポイントです。高精細且つなめらかな映像表現を実現しています。

まとめ

 EOS Rでスタートしたキヤノンの新時代。EOS R5では画素数や連写速度など目立つスペックだけでなく、細かなブラッシュアップポイントとしてリモートスイッチがEOS 5D系やEOS-1DX系と同じ、リモートスイッチRS-80N3が採用されています。復活を望む声が大きかったEOSのアイデンティティともいえる、背面部のサブダイヤルとマルチコントローラーも復活しました。また、CFexpressカード(Type B)とSDカードのデュアルスロット化もなされ、バックアップ面も拡充されています。  最近ではチルトタイプのモニターを採用する機種も多い中、EOS R5ではバリアングルタイプのモニターを搭載しています。バリアングルモニターはチルトタイプに比べ、縦構図でも自由に使用でき、三脚使用時でも横にモニターが展開するため、雲台等に干渉しづらい特徴があります。こうした細かいポイントの進化も、日頃の撮影シーンの大きな力になってくれるはずです。 ■写真家:村上悠太  1987年東京都生まれ。鉄道発祥の地新橋でJR発足年に生まれた。日本大学芸術学部写真学科卒業。「ひとと鉄道、そして生活」をテーマに制作活動を行う。鉄道旅を通して日台観光促進、相互交流にも携わり、2019年台湾観光貢献賞(台湾政府 観光局)を受賞。高校時代には、毎夏北海道東川町で開催されている「写真甲子園」に出場し、2019年開催大会では出場者で初めて審査委員を務める。主な個展に、鉄道写真+動画展「てつ動展」(EIZOガレリア銀座 2015年)、「つなぐ旅」(キヤノンオープンギャラリー 2016年)、「つなぐ旅-その、日々へ-」(キヤノンギャラリー銀座・大阪 2020年)。 ・キヤノン EOS学園東京校 講師 ・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師 ・日本鉄道写真作家協会 理事 ~ 「 EOS R5」はこちらの記事でも紹介されています ~ キヤノン EOS R5 レビュー|スチールも、ムービーも、ポートレートが俄然楽しくなる一台 写真家:大村祐里子 https://shasha.kitamura.jp/article/482368703.html キヤノン EOS R5 × スポーツ|中西祐介 写真家:中西祐介 https://shasha.kitamura.jp/article/482000501.html キヤノン EOS R5|航空写真家がスチル&ムービーで徹底レビュー 写真家:A☆50/Akira Igarashi https://shasha.kitamura.jp/article/478121231.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の村上悠太さんがキヤノン EOS R5をレビューしています。鉄道写真を撮影する際の製品特長を作例と共に紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,EOS R5,キヤノン,鉄道 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: シグマ 65mm F2 DG DN Contemporaryレビュー|モデルとの距離を近付けてくれるレンズ BASENAME: 480046126.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 02/17/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,65mm F2 DG DN | Contemporary,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点 ----- BODY: 00_シグマ 65mm F2 DG DNの製品画像.jpg

はじめに

 シグマのミラーレス機用フルサイズ対応のレンズ「Iシリーズ」は、現在4本がラインナップされています。2021年1月に発売されたばかりの「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」、SIGMA fpと相性のいいキットレンズ「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」、筆者が昨年スナップでレビューをした「35mm F2 DG DN | Contemporary」、そして今回は「Iシリーズ」で一番望遠画角の「65mm F2 DG DN | Contemporary」のレビューを、スチールとムービーでお送り致します。

小さな背面液晶でも感じられる自然で美しいボケ味

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■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/125秒 ISO400 WB 5000K カラーモード ポートレート ■モデル:水穂まき
 65mmの画角とF2という明るさを考えると、レンズ自体の大きさが懸念されると思いますが、トップのカットをご覧いただければ分かる通り、撮影にも持ち運びにも便利な手のひらサイズの大きさに収まっています。今回使用したのはLマウントで、最大径72mm、長さは74.7mm、重さは405gと、手持ちでのスチール撮影はもちろん、動画撮影でジンバルにも気軽に乗せられるサイズなのは嬉しい限りです。  作例は絞り開放での撮影です。ピントが合った右目のマツゲのシャープな描写は見事で、さらに感動したのは背景の優しく自然なボケ味です。構図右にある緑色の葉は、優しい輪郭で嫌味なくボケていますし、ともすれば雑味のあるボケになってしまう構図左下のストライプのクッションも、写真に彩りとストーリーを添える小道具として、とても自然なボケ方をしています。  本レンズは、中望遠で目立ちやすくなりがちな軸上色収差はSLDガラスを、球面収差は高精度のグラスモールド非球面レンズを採用することで補正を行っています。これにより、レモン型や渦巻状のボケが抑えられ、美しいボケ味を作り出しています。このボケ味の美しさは、実際に撮影してみるとカメラの背面液晶でも感じられるほどでした。

ポートレート風ショートムービー

 筆者は静止画は中望遠、動画は広角での撮影が多いのですが、「Iシリーズ」が発表されたときに、珍しく65mmの画角を動画で使用してみたいと思いました。特に筆者がシリーズ化しているポートレート風のショートムービーでは、どこかから誰かが覗き見しているような、モデルが大きく映し出されているけれど、手が届きそうだけどなんだか遠いような、そんな遠近感を感じられるシーンを描き出したかったので、この「ほんの少し望遠」の画角はベストなのです。  ベストな理由は画角もですが、今まで筆者が使用してきたシグマのレンズは、被写体の周りの空気を優しく描き出してくれていたので、そこへの信頼感もあります。  今回のムービーは、朝から少しの時間経過を描きました。光の回るスタジオで撮影しており、実際に時間の経過で太陽が動いているのでその光をそのまま取り込んで、時系列もほぼそのままで編集しています。

高級感を醸し出す金属素材

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■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート ■モデル:水穂まき
 本レンズは描写性能もですが、デザインと質感を味わって欲しいレンズでもあります。「Iシリーズ」のレンズは金属素材の削り出しで作られており、耐久性を上げる意味も強いと思いますが、一方で所持する側の気持ちとしては、その触り心地の良さにテンションが上がらざるを得ないというメリットがあります。金属のキンと冷えた感触、写真を撮る機材として重みを感じさせてくれる質感は、持つ喜びと、撮る楽しさを増幅させてくれます。

撮影者を自由にしてくれる描写性能

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■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート ■モデル:水穂まき
 最短撮影距離は55cmなので、通常のポートレート撮影であれば不自由は感じません。作例のような寄りと、背景まで写し込んだ引きの両方の画を撮ってみましたが、いずれも気になる収差や口径食は感じられず、自由な撮影が行えました。  不自然なボケ味や気になる収差があると撮影に集中できなくて、ストレスを感じることがあります。特に寄りが多かったり、逆光での撮影が多かったりするポートレートでは、レンズがクリアーできない事項が目につきやすいのも確かです。  スナップではその不自由さが逆に楽しかったりするのですが、ポートレート撮影では無駄な懸念は取り除きたい気持ちが強いので、余計なことを気にしないで撮影に集中できる、自然な描写性能の本レンズは撮影がしやすかったです。

レンズキャップ迷子問題を解決してくれるマグネット式メタルキャップ

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■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO400 WB 5000K カラーモード ポートレート ■モデル:水穂まき
 本レンズにはプラスチック製のレンズキャップの他に、専用のマグネット式メタルキャップも付属してきます。磁力でレンズの前面にピタッとくっ付くこのキャップは、スムーズな付け外しはもちろん、「撮影中にレンズキャップが迷子になる問題」をスッキリと解決してくれました。  いざ、キャップを付けてカメラをしまおうとすると、よく迷子になるレンズキャップ。コートのポケット、ジーンズのポケット、カメラバッグの中、テーブルの上に置いたまま…などなど、黒いだけに見つかりにくいレンズキャップを何回探したことか。専用のマグネット式メタルキャップホルダーも別売されており、外したキャップを探す手間を減らしてくれます。

落ちる心配のないしっかりとしたレンズフード

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■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート ■モデル:水穂まき
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■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート ■モデル:水穂まき
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■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO640 WB 5000K カラーモード ポートレート ■モデル:水穂まき
 レンズ構成は9群12枚(SLD1枚、非球面レンズ2枚)で、絞り羽根枚数は9枚の円形絞りを採用。逆光でのゴースト、フレアもよく抑えられていて、強い逆光状態の撮影でもピント面のシャープさは失われていません。フードは丸形のフードが付属しています。レンズ本体にはカチッとしっかり装着できるので、撮影中に落ちることもありませんでした。  スポーツの撮影などでは、フィールドを走り回っているときに体にフードが当たって、その衝撃で回ってしまい、気がついたらフードが落ちて無くなっていたなんてこともあるのですが、ポートレートでもモデルの上から撮影するときは、万が一でもモデルの顔にフードが落ちないようにとても気を付けています。緩めのフードなどは安全のために逆に外してしまうこともあるのですが、本レンズのフードは装着具合がしっかりとしているので、装着したまま安全に撮影できました。

優しい日常を写し取れるレンズ

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■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/125秒 ISO400 WB 5000K カラーモード ポートレート ■モデル:水穂まき
 筆者の好きな画角が50~60mmなので、65mmは、いつもよりもほんの少し集中した自分の目線で、ストレートに被写体に向き合える、とても撮影のしやすい画角でした。肉眼よりも美しいボケを作り出しながら、不自然にはならない素直なボケ味を作り出す開放での描写性能は、今回のような作り込みすぎない、モーニング・ルーティーンのような優しい日常を写し取るのにぴったり。自己主張をしすぎない穏やかなレンズは、モデルとの距離を近付けてくれます。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: シグマの中望遠単焦点レンズ、65mm F2 DG DN | Contemporaryを写真家の水咲奈々さんがレビュー。このレンズに特徴的な、自然なボケ味を活かしたポートレート写真とともにご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,シグマ,65mm F2 DG DN | Contemporary,ポートレート ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 富士フイルム X-T4|抜群の安定感でどこにでも連れて行きたくなるパワフルなカメラ BASENAME: 480051808.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 片岡三果 DATE: 02/18/2021 16:00:00 TAGS: X-T4,レビュー,ミラーレスカメラ,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,スナップ,APS-C ----- BODY: X-T4レビュー

はじめに

 2020年4月28日に発売されたX-T4。初代X-T1から愛用し始めX-T2→X-T3と使用していました。前モデルは2018年9月20日に発売されましたので、1年半というスピードでパワーアップして登場しました。  今回はX-T4購入から1年近く撮影し続けてきたからこそ分かった、このカメラの良さをレビューさせていただきたいと思います。

X-T4ってどんなカメラ?

 X-T4はAPS-CサイズのX-Trans CMOS 4センサー搭載のミラーレスカメラ。有効画素数は2610万画素。登場してから、わたしにとって1番の相棒カメラです。  同じくフラッグシップ機であるX-Proシリーズはレンジファインダー搭載機。今回紹介するTシリーズは中央にファインダーを搭載しており、それぞれユーザーの撮影スタイルに合わせて選べるラインナップとなっています。  今回のX-T4の登場で一番注目されていたのが「ボディ内手ブレ補正」機能搭載ということ。X-H1の登場でとても評価されていた機能がX-T4にも搭載され、さらには防振ユニットの小型化・軽量化の実現にも成功しています。現行レンズ群との組み合わせにより最高で5軸・6.5段という高い補正効果を発揮し、手ブレを抑えられることで写真も動画も以前より撮影がますます楽しくなるでしょう。  また、引き続き防塵防滴なタフなボディですので、対象レンズとの組み合わせであらゆる天候でも安心して撮影に臨めます。新バッテリーNP-W235は、従来品の約1.3倍を誇る大容量の専用バッテリーです。長時間の撮影や寒い環境でも、今まで以上に頼れる存在となりました。 本体充電はUSB Type-Cに対応しており、給電しながら撮影することができます。インターバル撮影などの長い撮影時間の時も、モバイルバッテリーなどを使用することで給電できるので心強いですね。

暗いシーンでもAF迷わない!

 暗い場所でのAFの性能も、最大で-7.0EVの環境下でAFがしっかりと起動するため、フォーカスで迷うことがありません。遅めのシャッタースピードでもブレることなく、手持ちで撮影が楽しめます。 ※露出補正については-5.0EVから+5.0EVまで対応。(動画の際は- 2.0EVから+2.0EV)
X-T4作例
■撮影機材:X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:ISO400 F1.1 SS1/20 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ
 AF速度は最適化の環境では最速0.02秒という驚きの速さ。霧が立ち込めるような場所でもAF合わせは素早いです。この恩恵で、撮影者側はフレーミングやタイミングに集中することができます。

やっぱり推したい、フジの色。

 「色」はフジフィルムを使い続ける理由のひとつ。富士フイルムが長年培ってきた色再現の技術を簡単に作品に取り入れることができます。  それをより実感するひとつは「空の色」。
X-T4作例2
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO80 F1.4 SS1/15 ■フィルムシミュレーション: Velvia
 自然が織りなす美しい色が移り変わる時間「マジックアワー」は、薄オレンジの「鴇色」から、紫がかった「紺色の花紺青」へと刻一刻と変化する薄明の時。「何色」とは一言で言い表せないほど壮大に広がる空のパレットを、見たままの色・残したい色で表現できるのが富士フイルムの素晴らしいところのひとつです。  色表現でもうひとつの推しポイントは「肌の色」。ポートレート撮影時に気にしなければならないのは美しい肌色ですよね。
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■撮影機材:X-T4 + XF16-55mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:ISO3200 F2.8 SS1/140 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ ■モデル:恋七(lena)

大事なポートレートのお作法

 撮影シーンによって、ダークな印象の仕上げや消えてしまいそうな儚い印象の仕上げなど、人肌は世界それぞれ。  わたしが撮影時に意識しているのは「撮られる側が嬉しい肌色」です。 せっかくの撮影なのに肌への色被りが激しく、肌が美しく見えないトーンに仕上がってしまっては、「被写体が喜んでくれる写真」からは遠くなってしまいます。もちろん、難しい光源や環境での撮影ではうまく質感をコントロールできないこともあるでしょう。  でもそんな時にX-T4なら、肌色はAWB(オートホワイトバランス) に頼りっきりでオッケーです。わたし自身モデル経験がある中で様々なカメラで撮っていただきましたが、いつも思っていたのは「フジのカメラで撮ってもらった時の肌色が好きだなぁ」という率直な感想です。  写真家に転身して6年になり、その経験からいろんなカメラでポートレートを撮影してきましたが、やはりこのカメラが一番信頼できる確かな色を実感できるのです。
X-T4作例4
■撮影機材:X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:ISO800 F1.0 SS1/30 ■フィルムシミュレーション: ASTIA ■モデル:矢沢なり
 AWBが非常に優れているので、日中の自然光下の撮影でも夜の様々な色の街灯が光輝く環境でも、あとから肌色を調整することもなくそのままの色で楽しめます。  顔瞳AFの性能もバッチリです。しっかりとAFポイントが追従しますので、モデルさんに動いてもらいながらでも慌てずにしっかりカメラを構えて撮影に専念しましょう。

ボディ内手ブレ補正が使えてこの軽さ!

 カメラの重さはバッテリーとSDカード含めて約607g。わたしが標準装備としているXF35mmF1.4 Rレンズを装着すると約794g。この重さを他のものに例えると、ジーンズ1本分だそうです。この軽さなら、女性のわたしでも毎日持ち歩く相棒として全く苦になりません。
X-T4作例5
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO320 F1.4 SS1/80 ■フィルムシミュレーション: ACROS+Yeフィルター
 前機種のX-T3から約68gの重量増となった訳ですが、この差でX-T3には搭載されていないボディ内手ブレ補正の恩恵が受けられるのは、とってもとっても大きなメリットです!通常、ボディ内手ブレ補正を搭載するとシルエットが大きくなるものですが、ボディの厚みもX-T3と比べてほぼ違いを感じない造りになっています。  美しいボディデザインを損なわずに機能は格段に向上。カメラ内はこの1年半で凄まじい進化を遂げたのですね。

毎日持ち歩きたくなる、そんなカメラです。

 カメラは持ち歩いてこそ。 現在世界的に大変な世の中になっていますが、自分ができる範囲で日常を写真に残すことはとても大切です。
X-T4作例6
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO320 F1.4 SS1/80 ■フィルムシミュレーション: クラシックネガ
 今は決して無理はしないこと。そのなかで見つかる自分の世界を写真に残す。 カメラと一緒に歩いていくと、普段では見過ごしてしまうような存在に気付けたりします。
X-T4作例7
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO320 F1.4 SS1/240 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ
 肉眼で見えている世界とはまた別の世界を表現することができるのも、カメラならではの楽しみです。アングルを変えてみたり、色温度を意図的に変えてみたり、レンズを変えてみたり。
X-T4作例8
■撮影機材:X-T4 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO80 F8.0 SS1.0 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ
 シャッターを開ける時間が1秒間でも、三脚なしで通過する車のライトの軌跡を表現できます。ボディ内手ブレ補正のおかげで撮影できる写真表現の幅が広がります。  どんなシーンでもX-T4があれば、自分の想像の中の世界を具現化して写真に描くことができます。

液晶は便利なバリアングル式タッチパネル!

 撮りたい被写体が自分の目線の高さと差がある場所にあっても、X-T4の液晶画面はバリアングル式を採用しているのでローアングル、ハイアングルの撮影が簡単です。  また、動画配信の際に自分の顔を確認することや、手持ちでセルフィー撮影など3方向チルト式のX-T3ではできなかった、アングル確認をしながらの撮影ができます。
X-T4作例9
■撮影機材:X-T4 + XF23mmF2 R WR ■撮影環境:ISO400 F2.0 SS1/35 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ
 このご時世ですので被写体がわたしの作例が多くて失礼いたします。腕を伸ばした状態、かつ片手でずっとセルフィーの構えは少し重みを感じますが、X-T4のバリアングル液晶のおかげでセルフ撮影が容易になったことは、わたしにとってとても嬉しいことでした。  もちろんX-T3の3方向チルト液晶もスナップ撮影時にとても助かっていました。チルトかバリアングルかについては、撮影者側の好みに左右されます。どちらの液晶も良い点がありますが、X-T4では「できることが広がったな」という印象です。

4K動画やハイスピード動画を気軽に楽しもう

 カメラ業界で4Kムービー撮影は標準な世の中になってきました。その中でいかに綺麗に、難しい撮り方をせずに簡単に撮影できるかが、今までの写真撮影ユーザーとこれからはじめようとしているユーザーには肝になってくる部分ですよね。  もちろん動画撮影時にもボディ内手ブレ補正は効果を発揮します。 加えて、動画時に使用できる電子式の手ブレ補正機能(DIS)を搭載しているので、動いている被写体相手でも強力にブレを補正することができます。
 ダンサーの恋七(lena)さんに動画を撮らせていただきました。夜の地明かりだけの光源で動いていてもしっかりと顔瞳AFが効いていることがお分かりいただけると思います。  そして、まるで時の流れが止まったかのような、最大10倍のスローモーション効果で撮影ができるハイスピード動画機能も搭載しています。(ハイスピード動画はFull HD 240Pです。) 動画のアクセントに挿入するとより印象的に作品を作れます。

X-S10との差別化は?

 X-T4の良さについて作品とともにお話しさせていただきましたが、昨年11月に発売されたX-S10との比較が気になる方も多いのではないかと思います。  まずは前述したバッテリーの容量。X-T4の大容量バッテリーの心強さは他のラインナップに比べてトップクラスです。 写真も、動画もこまめに...と一生懸命撮り続けて、更にもう1撮影もってくれるなぁ、と感じています。今のところ、念のため撮影時に予備電池を持っていきますが、大抵は使わずに済むことが多いです。このバッテリーNP-W235が対応している機種は執筆時現在でX-T4とGFX100Sのみです。  X-S10では背面の物理ボタンである十字ボタンがなくなり、タッチやジョイスティックでの操作です。十字ボタンで慣れている人はX-T4の物理ボタン操作が早いです。タッチパネル操作もユーザーの好みに依存するところがありますね。  SDカードのスロットの数はX-S10は1つ。X-T4は2つですので、2枚のSDカードで同時記録や、容量がいっぱいになった後にもそのまま撮影など、必要に応じて切り変えることができます。 プロユースとして使う現場にもX-T4は活躍してくれることでしょう。  また、防塵防滴かどうかも違いの一つですね。わたしは雨の日の撮影も好きなので、X-T4の防塵防滴の機能は非常にありがたいです。  そしてダイヤルボタン。X-T4はISO感度ダイヤル、シャッタースピードダイヤル、そして露出補正ダイヤルが上面についています。 X-S10は代わりに使いやすいモードダイヤルが搭載されていますが、撮影する前から「現在のカメラの設定」がわかるのはX-T4の各ダイヤルの恩恵です。  いつどんなシャッターチャンスに出会えるのかは誰にも予測ができません。そんな運命的な瞬間に出会い、ファインダーを覗くと 「...あれ、ISO感度とシャッタースピードは昨日の星空撮影のままだった??ということもあるかもしれません。  ファインダーを覗く前から、液晶画面を確認する前から今のISO感度、シャッタースピード、露出補正設定を知ることができると、撮影に取り掛かるまでの時間を短縮することができます。双方の違いの中でこれが一番大きな差かなと感じます。 運命的な瞬間を逃さずに撮影したいものです。

まとめ

 どんな天候でも、どんな撮影シーンでも自分のペースに合った撮影を思う存分楽しむことのできる、フラッグシップ機のX-T4。クラシカルなデザインも毎日連れ歩きたくなる存在で、所有欲も撮影欲も満たしてくれます。  こだわり派のカメラユーザーに是非使って実感していただきたいカメラです。 ※これらの撮影は、緊急事態宣言期間外に、周りに人がいないことを確認した上でマスクを外して撮影しています。 ■ダンサー:恋七(lena) https://www.instagram.com/lenakatsumata/ https://www.facebook.com/lena.katsumata ■モデル:矢沢なり https://www.instagram.com/nari_yazawa/ https://twitter.com/nari_yazawa ■写真家:片岡三果 北海道三笠市出身、絵画を描く気持ちで写真を表現する写真画家。FUJIFILM X photographer。漫画家の両親、大叔父が油絵画家という家庭環境で育ち、幼い頃から美術、デザインを学ぶ。写真を通して一期一会を忘れないよう、自分史を提案し撮った写真をプリントして楽しむことを大切にしている。

「X-T4」はこちらの記事でも紹介されています ~

■FUJIFILM Imaging Plaza東京でのX-S10取材記事 富士フイルム X-T4 レビュー|ボディ内手ブレ補正など新機能満載! https://shasha.kitamura.jp/article/473764072.html

【フジフイルム】XF50mm F1.0 R WR

XF50mm F1.0 R WR商品詳細ページ

【フジフイルム】XF23mm F2 R WR

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 今回は写真家の片岡三果さんによる富士フイルムX-T4のレビューです。今回はX-T4購入から1年半以上で撮影し続けてきたからこそ分かった、このカメラの良さをレビューしていただきます。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,X-T4,レビュー,ミラーレスカメラ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第2回】ムービー三脚と電動ジンバルを使ってムービー撮影 BASENAME: 480102716.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 02/22/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,LUMIX S5,三脚,ジンバル,パナソニック(Panasonic) ボディー,動画撮影・編集,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: LUMIX S5 をビデオ雲台に取り付けた画像_2.jpg

はじめに

 2020年9月に登場したパナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」。シリーズ中もっとも小さくて軽いサイズながら、上位機種「LUMIX S1H」顔負けのムービー撮影機能を盛り込んで話題になりました。スチル撮影はもちろん、高解像度の4Kムービーから、魅惑的なスローモーションとクイックモーションなど、このカメラがあれば誰にでも楽しむことができるようになっています。今回はその素晴らしいムービー機能に親しむビギナー向け短期連載の第2回目になりますので是非ご覧ください。

ムービー三脚を使った安定感のあるパンとティルト

 「LUMIX S5」は優秀なボディ内手ブレ補正機能(B.I.S.)を搭載しています。パナソニック純正レンズのレンズ内手ブレ補正機能(O.I.S.)を搭載したものを装着すると、「Dual I.S.2」として各々が協調してさらに手ブレ補正効果が効きますが、フィックス(固定)しての撮影や長時間撮影時、さらに安定したパンとティルト撮影を行うならムービー用三脚を使うのがオススメです。なぜなら撮影がグンと楽になるからです。以前は重くて無骨な製品が多かったのですが、近年はカーボン素材を積極的に採用した、旅行にも携行できるようなライトウェイトなムービー三脚が増えてきています。もちろんスチル撮影でも活躍するので、これから本格的な三脚を購入するのであれば検討の対象にしてもいいでしょう。  今回はマンフロット社製の軽量でコンパクトなムービー用三脚「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」を「LUMIX S5」に組み合わせて使ってみました。この三脚の特徴は「レベリング機能」を備えているところと、「フルードビデオ雲台」を搭載しているところです。  「レベリング機能」とは三脚のセンターポール部分にボール状の機構が備わっており、それを動かすことによって雲台の水平を出すことができます。これによってパンニングをきちんと水平に行うことが可能になります。  「フルードビデオ雲台」は滑らかでスムーズな動きをしてくれるので、スチルと違ってカメラを動かすムービー撮影には欠かせない機能といえるでしょう。またこの雲台は前後にプレートを動かしてカウンターバランスが取れるので、滑らかなティルトの動きが可能なところがいいところです。重量も1.38kgで最大耐荷重も4kg、最大高150cm、格納高41cmとサイズも必要十分で、軽量コンパクトな「LUMIX S5」と「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」の組み合わせにピッタリだと言えます。 ビデオ雲台の画像DSCF0023.JPG  このムービーは「LUMIX S5」を「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」に装着した模様です。雲台の下にあるダイヤルを緩めて、水準器のバブル(泡)を指標に合わせると水平出しが完了します。これを行っておくとパン撮影時にキレイな水平の動きをすることが可能です。設置場所を変えるたびにきちんと水平を出すことが大切です。またカメラを装着したプレートを前後させて、カウンターバランスも取りましょう。前後方向とも戻りのバランスが取れると、動きを止めた際もピタッと静止することができます。軽量コンパクトながら、このカメラとレンズにピッタリのムービー三脚だと言えます。

「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」を使って試し撮り

 「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」に「LUMIX S5」を載せて、鉄橋を走ってくる電車を撮影しました。滑らかなフルード雲台とレベリング機構で水平をきちんと取っていたので、スムーズに電車の動きをフォローして撮影できました。手持ちだとこうはなかなかキレイに撮れません。
 多摩川の立ち木を根本からてっぺんまでティルト撮影しました。「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」のカウンターバランスをしっかりと取っていたので、この上方への動きも実に滑らかになりきれいなカットとなりました。軽量コンパクトながらツボを押さえたムービー三脚なので、いつでもどこにでも携行できそうですね。

電動ジンバルで楽しむ

 電動ジンバルも印象的なムービー作品制作に必須のギアと言えるでしょう。どういうものかというと、電動モーターで装着したカメラのバランスを自動的に保ってくれる手ブレ補正装置と言えばいいでしょうか。この電動ジンバルも小型化と低価格化が進み、以前とは比べものにならない気軽さで入手できるようになりました。  今回使用した「Zhiyun Weebill S」はとてもコンパクトで軽いのに高いパワーのモーターを有し、フルサイズミラーレス一眼カメラでも安定してバランスを取ってくれるので人気が高い製品です。「LUMIX S5」にマッチしたジンバルは他にもあるのでご自身にあった電動ジンバルをご検討してみてください。 S5に電動ジンバルを装着した画像DSCF0029.JPG  使い方もカンタンです。カメラを装着して、ロックを解除して3つのバランスを取りましょう。ロール、ピッチ、ヨーの3つの軸でカメラが傾かないようにセットしてあとは電源をON。「Zhiyun Weebill S」の自動調整をかければモーターのパワーでカメラのバランスを取ってくれるようになります。事前のバランスをヤジロベエの要領でしっかりとっておくことが重要になります。もちろんレンズを交換したなど重量が変化した場合は再度バランスを取り直す必要があります。  あとは付属のUSBケーブルで「LUMIX S5」と「Zhiyun Weebill S」を接続してカメラコントロールをONにすれば絞り値などを「Zhiyun Weebill S」から変更・設定できるようになります。スマートフォンに「ZY Play」というアプリをインストールすればスマホからも動きのコントロールが可能になりますよ。
 「Zhiyun Weebill S」の動きはムービーをご覧頂いた方がわかりやすいでしょう。電動ジンバル機種によって呼び方が変わってきますが、基本的にはPF(パンフォロー)モード、L(ロック)モード、F(フォロー)モードを覚えておけば撮影に困ることはないでしょう。  PFモードは水平方向を維持して動きに追従するモードです。左右に「Zhiyun Weebill S」を振ると上下動を抑えてフォローする動きをしてくれます。風景などを水平方向にじっくりとパンして見せる場合などに使います。  Lモードの場合は常にカメラが一定方向を向くようになります。そのため「ZhiyunWeebill S」を左右に振ってもレンズは前方を向いたままとなります。このモードは自分が横方向に移動しながらもカメラは前方に固定されたままになるので、例えば川に沿って歩きながら向こう岸の景色を見せたい場合に役立ちます。  Fモードは「Zhiyun Weebill S」の動きをカメラがフォローしてくれます。高層ビルを見上げるシーンなどに有効です。動きのスピードや遊びの調整などは「Zhiyun Weebill S」のメニュー内で行えるので、自分のイメージあったスピードでフォローする動きができるようにセッティングしてみましょう。

電動ジンバルを使って試し撮り

 河原の不整地を「LUMIX S5」を装着した「Zhiyun Weebill S」を持って歩いてみました。ムービーをご覧頂ければわかるように、なかなかの傾斜と荒れ具合の河川敷です。それなのに「Zhiyun Weebill S」は実に滑らかで安定した手ブレ補正と安定性を発揮してくれました。もちろん「LUMIX S5」の「Dual I.S.2」も機能していますが、見事なスムーズな動きのムービーを撮ることができました。電動ジンバルの威力はスゴいですね。

さいごに

 素晴らしいムービー撮影機能を持つ「LUMIX S5」ですが、単体での撮影が楽しいのはもちろん、このようにムービー三脚や電動ジンバルを組み合わせることによって、より安定して美しく印象深いムービーの撮影が可能になります。次回は「LUMIX S5」を使った撮影のコツやスマートデバイスを使ったカンタンな編集方法などをお届けしたいと思います。お楽しみに! ~ 「パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう」の連載はこちらからご覧頂けます ~ 【第1回】スチルだけでなくムービーも簡単! 【第3回】ムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集! 【第4回】シネマティックムービーに挑戦しよう! ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがパナソニック LUMIX S5のムービー性能をビギナー向けに短期連載で紹介しています。第2回目はムービー三脚や電動ジンバルを組み合わせた撮影方法を説明しています。 ----- KEYWORDS: レビュー,動画撮影,パナソニック,LUMIX S5,三脚,ジンバル ----- -------- AUTHOR:   TITLE: キヤノン RF24-105mm F4 L IS USMレビュー|コンパクトなサイズに高描写力を備える万能レンズ BASENAME: 480156863.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: A☆50/Akira_Igarashi DATE: 02/23/2021 16:00:00 TAGS: RF24-105mm F4 L IS USM,レビュー,飛行機,キヤノン(Canon) レンズ,標準ズーム ----- BODY: 00_キヤノン RF24-105F4Lの作例.jpg

はじめに

01_作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO160 F8 1/1250秒 焦点距離40mm
 2018年秋にキヤノン社がスタートさせたEOS Rシステム。シリーズ初のカメラであるフルサイズミラーレス一眼、EOS Rとともに初めてのRFマウントレンズの1本として発売されたのが、今回レビューをおこなうRF24-105mm F4 L IS USMです。使用頻度の高い画角、焦点距離を網羅した標準ズームレンズであること、発売当初のRFレンズのラインナップの中では最も手頃な価格であったことから、発売から長期に渡りRFレンズとして随一の人気を得ている1本。RFレンズのラインナップが充実してきた現在においても、はじめての1本として選ばれることが多いレンズです。

コンパクト設計

02_作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO100 F8 1/640秒 焦点距離24mm
 RF24-105mm F4 L IS USMは全長107.3mm、重さ約700gとこのスペックのレンズとしては小型、軽量にまとめられています。このあたりは、大口径かつショートバックフォーカスであるEOS Rシステムの利点をしっかり活かしてきた印象。EOS Rシステムの広角〜標準域のレンズは、同社一眼レフのEFシステムに比べ設計の自由度が大幅に上がっているため、より高画質かつコンパクトに作れるのが特徴です。EF24-105mm F4 L IS Ⅱ USMは全長118mm、重さ約795gなので、長さにして約10mmの短縮化、重さ約100gの軽量化を達成。航空機撮影では、遠征することや撮影場所まで大きな荷物を持って歩くということがあるため、荷物が少しでもコンパクトにまとまるというのは利点となります。

画質

03_作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO400 F6.3 1/3200秒 焦点距離24mm
 レンズ構成は14群18枚。絞り羽根枚数は9枚の円形絞りとなります。非球面レンズとUDレンズが採用されLレンズらしいシャープな描写を実現。機体に描かれた小さな文字や外板の継ぎ目に打ち込まれた鋲など、ディテール部分のシャープな表現が求められることの多い飛行機撮影においても十分な描写性能を有しています。  中央部分の描写力はもちろん、画面周辺部分における描写力の高さも特徴。広角域でありがちな周辺部の嫌な像流れもなく、収差や偽色が最小限に抑えられています。飛行機撮影では機体が横長であることが多いため、コクピットウインドウなどフォーカスを合わせた位置が画面周辺部にくることが多く、周辺部の描写力は最も重要と言っても過言ではありません。その点、このレンズは周辺光量落ちも少なくズーム全域に渡り安心して使えるレンズと言えます。  逆光時、または夜間に機体の着陸灯などを真正面から受けた際などはゴーストが出やすい印象。ASCコーティングがされてはいますが、ゴーストの影響が気になる場合はレンズの角度を変えるなど工夫が必要になります。
00_キヤノン RF24-105F4Lの作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS RP + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO100 F4 1/1600秒 焦点距離105mm
 前述の通り、飛行機撮影ではディテール部分のシャープさやカッチリ感が重視されることが多く、ボケ味についてはレンズ選択時にそこまで重要視されません。望遠レンズを多用するジャンルではありますが、遠くの機体と遠くの背景という組み合わせで撮ることが多い飛行機撮影。なかなか、ボケ味を活かす場面が少ないというのが正直なところとなります。  しかし、写真のように草花の咲く時期にはこれらを前ボケにして飛行機を撮ることも。開放F値がF4のレンズですから、ボケ味をそこまで気にしていないという方も少なくないとは思いますが、テレ端あたりでのボケ味はなかなか。点光源などは円く柔らかい優しいボケとして描き出されます。ワイド端付近では若干、二線ボケが目立つものの、ポートレートやお花の撮影などでボケ味を活かした撮影も十分に堪能できるポテンシャルを持つレンズです。

AF

04_作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO400 F8 1/1250秒 焦点距離30mm
 キヤノン社のラグジュアリーレンズであるLレンズとしては、はじめてオートフォーカス(以下AF)の駆動にナノUSMが採用されました。ナノUSMは小型に設計され、リングUSMやSTMの特徴を併せ持ちます。リングUSMは高速性とパワー、STMは静粛性と滑らかさを特徴としますが、ナノUSMは高速性、静粛性、滑らかさを兼備。飛行機写真の撮影においてはAFの高速性が活き、飛行機動画の撮影においてはその静粛性と滑らかさが活きます。  飛行機写真の撮影においては、木々の間から機体が出現しフレームアウトするまでのほんの何秒かの間にフォーカスを合わせシャッターを切る…というタイトな撮り方をすることがあります。合焦速度が少し遅いだけで失敗してしまうため、瞬時に目標をとらえてくれるこのナノUSMにだいぶ助けられています。

手ブレ補正

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■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO25600 F4 1/160秒 焦点距離60mm
 飛行機はもともとカメラやレンズの性能に頼る部分の多い被写体。AFとともに頼ることの多いシステムが手ブレ補正機構になります。RF24-105mm F4 L IS USMは、レンズ単体でも最大5段分の手ブレ補正効果がありますが、これは光学ISの制御の見直しとデュアルセンシングISにより実現されたもの。手持ち撮影の多い飛行機撮影では、とくに助かる効果といえます。  さらに、キヤノン社のカメラでははじめて、EOS R5とR6にボディ内手ブレ補正機構を搭載しましたが、これらのカメラと当レンズの組み合わせでは、なんと8段分の手ブレ補正効果を発揮。夜間など低露出下での撮影においても、手持ち撮影で挑める範囲が広がりました。とくに夜間、駐機している機体を手持ち撮影する際などに絶大な効果を実感。R5やR6との組み合わせでは、ミラーショックレスのアドバンテージと相まって、かなりのスローシャッターで撮影しても歩留まりが良かったりします。

操作性

06_作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO400 F8 4秒 焦点距離24mm
 レンズの先端付近に新たに追加されたのがコントロールリング。ここでは絞りやシャッタースピード、ISO感度変更などの機能を割り当てることが可能になりました。ズームリング、ピントリングとほぼ隙間なく設置されているため、咄嗟のシーンでいきなり使用するには慣れも必要ですが、慣れてくると便利。EVFから目を離さずとも、シャッターを押す寸前まで露出の変更が可能です。被写界深度目盛りは省略されていますが、マニュアルフォーカスにしてピントリングを動かすとEVF内に目盛りが表示されます。

防塵防滴

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■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO2000 F5 1/1000秒 焦点距離50mm
 RF24-105mm F4 L IS USMには防塵防滴機構を採用。フッ素コーティングも施されているため、汚れを簡単に落とすことが可能です。ほぼ屋外で行われる上、埃っぽい場所や雨の日の撮影などもある飛行機撮影。レンズの堅牢性、耐久性の高さを求められるジャンルであるがゆえタフな作りが喜ばれます。

まとめ

08_作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:ISO400 F8 1/1000秒 焦点距離28mm
 EOS Rシステムの利点としてよく挙げられるのがショートバックフォーカスであるという点。ミラー機構が無いため、EFシステムに比べレンズの後玉からセンサーまでの距離が短いという利点です。この利点を活かしやすいのが広角〜標準あたりのレンズ。設計の自由度が上がるため、コンパクトで高画質なレンズを作りやすくなりました。  EOS Rシステムの発表と同時に紹介されたレンズが、どれも広角〜標準域の短めレンズだったことを思い出します。やはり、まずはこの利点を最大限に活かせるレンズを…ということもあったのでしょう。その中でもこのRF24-105mm F4 L IS USMは、コンパクトかつ高画質というEOS Rシステム最大の利点を大いに活かしたレンズ。広角〜標準だけでなく望遠域までカバーしています。  発売から時を経ても売れ筋の一本として挙げられる名玉。ゆる〜く撮る時に気軽に持ち出すことができるコンパクトさ、ガチで撮る時にしっかり応えてくれる画質の良さ、使いやすい焦点距離を網羅している点といい、万能レンズとして多くの方に自信を持ってオススメできるレンズです。 ■写真家:A☆50/Akira Igarashi 絶景ヒコーキ写真を求め全国を駆け巡る瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、TVなど各種メディアに出演、作品を提供するかたわら大手航空会社やカメラメーカーなどのオフィシャル撮影を担当。キヤノンEOS学園講師。公益社団法人 日本写真家協会会員。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 航空写真家のA☆50/Akira Igarashiさんに、キヤノンのRF24-105mm F4 L IS USMレンズをレビューしていただきました。飛行機を被写体にこのレンズの特長を解説していきます。 ----- KEYWORDS: キヤノン,RF24-105mm F4 L IS USM,レビュー,飛行機 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: RAW現像だけじゃない「SILKYPIX Developer Studio Pro10」で出来る画像合成機能が凄い! BASENAME: 480190609.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 02/24/2021 16:00:00 TAGS: SILKYPIX,SILKYPIX Developer Studio Pro10,ソフトウェア,合成機能,RAW現像 ----- BODY: 12_作例.jpg

はじめに

 前回、RAW現像ソフトとして「SILKYPIX Developer Studio Pro10」の使用方法を紹介しましたが、「SILKYPIX Developer Studio Pro10」はRAW現像だけでなく、多彩な合成モードを搭載しています。RAW現像ソフトと画像加工ソフトがセットになっており、より写真を楽しむことができるソフトになっています。今回は合成機能の特徴や使い方を紹介したいと思います。

SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「多重露光合成」

 SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる多重露光合成は、カメラ本体で多重露光をしなくて良いので、いろいろなシチュエーションや素材を元に合成する事が可能です。例えば、まったく違った日に撮影したデータや違う場所で撮影したデータを組み合わせたり、違った種類のカメラで撮影したデータを使用したりして多重露光合成イメージを作成する事ができます。  多重露光合成できるデータは、JPEGでもRAWデータからでも可能になっています。またRAWデータとJPEGデータの混合でも多重露光合成できる柔軟さがあります。ただ画像のピクセルサイズが違ったデータには対応できないので、違ったカメラなどで撮影したデータなどは、画像加工ソフトなどを使って撮影サイズ(タテヨコのピクセル)を事前に揃えておく必要があります。 では実際にやってみましょう! 01_キャプチャー画像.JPG  「SILKYPIX Developer Studio Pro10」の合成機能は、上部メニューのツールバーのアイコンをクリックするか、サムネイル表示上で選択コマを右クリックして表示されるコンテキスト・メニューから「選択コマを合成」を選択すると、ダイアログが表示されます。 02_キャプチャー画像.JPG この2枚の画像データで選択して多重露光合成をしてみます。 03_04作例.jpg  合成した画像は、TIFF形式かDNG形式を選択して出力が可能になっています。 ※TIFFやDNG形式は画像データが大きくなるのでご注意ください。 05_キャプチャー画像.JPG  合成した結果の画像データがこんな感じで仕上がります。モニュメントの枠の中に、反対方向で撮影した富士山を合成することができました。この多重露光合成は、合成する画像を等分に扱いカメラで多重露光をおこなった場合と同様な仕上がりになります。 06_作例.jpg  画像合成は2枚以上でも可能で、複数枚を選択して合成することもできます。上で使用した2枚にもう1枚画像を追加して3枚で多重露光合成をしてみました。 07_作例.JPG  あまり画像の枚数を増やして合成すると、なかなか表現が難しくなってくる感じがします。合成する画像の選択をよく考えて実施する必要があると感じます。 08_作例.jpg  多重露光合成には「夜景」の合成モードもあり、夜景向けのノイズ除去や彩度、黒レベルを重視した合成をすることができます。みなとみらいの夜景と、マニュアルフォーカスでピントをずらした大きな光のボケを作って撮った画像データで、多重露光合成(夜景)モード・黒浮き補正: 中(初期値)で合成してみました。 09_10作例.jpg 11_キャプチャー画像.JPG 12_作例.jpg

SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「比較明合成」

 比較明合成は、複数枚の撮影画像を重ね合わせる際にピクセルごとの明度を比較し、明るい部分を優先して1枚の写真に合成する方式で、夜景や花火、星の軌跡を表現する際によく使用されています。SILKYPIX Developer Studio Pro10では、比較明合成をしたい画像を選択して、「比較明合成」を選択するだけで簡単に比較明合成写真を作ることができます。  花火を撮影した8枚のデータで比較明合成した写真を作成してみました。単発で上がっていた花火で1枚1枚は寂しかった写真でしたが、比較明合成をする事で華やかさがでた写真になりました。 13_作例.jpg  さらに、みなとみらいの夜景(クロスフィルター使用)1枚を追加して比較明合成モードで作成してみました。明るい部分のみ加算して合成するので、夜景と花火などを組み合わせる事も簡単にできます。 14_キャプチャー画像.jpg

SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「被写界深度合成」

 被写界深度合成は同じ撮影シーンでピント位置が異なる複数枚の画像から、広い範囲でピントがあった写真に仕上げます。このモードを使うと被写界深度が浅いマクロレンズで撮影した画像なども全面にピントが合った写真に仕上げることができます。 15_作例.JPG  上の写真は90mmマクロレンズで撮影したバーバリウムですが、手前から奥までピントを合わす事は難しいです。そこで撮影の際に、ピントを合わす位置を手前から奥まで少しづつずらして5カット撮影し、SILKYPIX Developer Studio Pro10の被写界深度合成をしました。 16_キャプチャー画像.JPG  そうして出来上がった画像がこちらになります。被写界深度がしっかりととれて、ビンの中に入ったお花全体にピントがあった写真に仕上がりました。 17_作例.jpg

SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「動体除去合成」

 同じ撮影シーンの複数枚の画像から、動きのある被写体を除去して合成をおこないます。このモードを使うと、景勝地などで人がいるようなシーンで人を除去したりする事が可能になります。動体除去合成モードでは複数の写真から、静止している被写体のみを像として残して合成します。良好な合成結果を得るには、背景がしっかりと静止していて、動体の動きが顕著である必要があります。今回は世界遺産の白川郷の景色で5枚の撮影データから動体除去合成をしてみました。
18_作例.jpg
※合成前のカットの1枚 道路に自動車のライトの軌跡が写っています。
19_キャプチャー画像.JPG  パッと見た目それほど変わっていないように見えるかも知れませんが、撮影中に道路を走行していた車の軌跡(ライト)などが除去できて、静かな白川郷の姿を演出する事ができました。 20_作例.jpg

SILKYPIX Developer Studio Pro10でできる「ストロボモーション合成」

 ストロボモーション合成は、同じ撮影シーンの複数枚の画像から、動きのある被写体を残して合成をおこないます。このモードを使うと、動いている被写体を連続的に捉えた1枚の写真に仕上げることができます。このモードでは複数の写真から、動きのある被写体を像として残して合成します。良好な合成結果を得るには、背景がしっかりと静止していて、動体の動きが顕著である必要があります  今回は、海辺で連続撮影したカモメの写真7枚を使ってストロボモーション合成をしてみました。 21_キャプチャー画像.JPG
22_キャプチャー画像.jpg
※7枚の画像データを「ストロボモーション合成」

まとめ

 SILKYPIX Developer Studio Pro10は、国産RAW現像ソフトとしてとても使い勝手の良いRAW現像ソフトですが、RAW現像だけでなく様々な合成もできる優れたソフトです。ここで紹介した合成機能ですが、撮影シーンによってはイメージ通りに合成できない場合もあります。何枚合成したらよいのか、どのモードで合成したら良いイメージになるか、試行錯誤しながら合成結果を楽しむのもいいかもしれません。こういう合成がイメージできていると、撮影の段階で合成にあった撮影方法で撮影しておく事もできます。写真を楽しむ方法の一つとしてチャレンジしてみてはどうでしょうか。  「SILKYPIX Developer Studio Pro10」Windows版・macOS版は、30日間無料体験が可能です。この30日間の無料期間には、機能制限などは無くすべての機能が使える状態で体験する事ができます。市川ソフトラボラトリーのSILKYPIX のページからソフトをダウンロードしてRAW現像と合成機能を試してみてください。 「SILKYPIX Developer Studio Pro10」のダウンロードページはこちら ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員 ・日本風景写真家協会 会員 ・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事 ・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事 ・一般社団法人 日本写真講師協会 理事 ・ソニーαアカデミー講師 ・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがRAW現像用ソフトウェアの「SILKYPIX Developer Studio Pro10」を紹介しています。合成機能の特徴や使い方を説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: SILKYPIX,SILKYPIX Developer Studio Pro10,RAW現像,ソフトウェア,合成機能 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー FX3|シリーズ最小・最軽量のシネマカメラが登場! BASENAME: 480269511.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 03/01/2021 16:00:00 TAGS: Cinema Line,FX3,ソニー(Sony) ボディー,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: 00_ソニー シネマカメラ FX3の製品画像.jpg

はじめに

 ソニーは映像制作用カメラのCinema Line(シネマライン)にフルサイズセンサー搭載の「FX3」を2021年3月12日(金)に発売すると発表しました。Cinema Lineシリーズは同社の映像制作用カメラとして展開され、VENICEを最上位機種としたプロの制作現場で求められる映像表現力や操作性を持ったカメラです。FX3はそのCinema Lineと一眼ミラーレスカメラ「α」で培った先進テクノロジーが融合した、シリーズ史上最も小型・軽量※となるシネマカメラになります。  カメラ性能はα7S IIIと同性能な部分も多く、より動画向きになったカメラがFX3という印象です。同性能な部分で主だった所は、大きな画素ピッチを持つ裏面照射型CMOSセンサーと高速処理を可能とする画像処理エンジンBIONZ XRを搭載し優れたAF性能と高感度性能を持っています。最大4:2:2 10bitの4K 120pでの動画撮影が可能で手振れ補正は5軸で5.5段分の補正効果があります。一方異なる部分としては、ファインダーは無くなり、操作ボタンやレバーが動画撮影に特化した配置になり、冷却ファンが搭載された事で最長13時間の連続撮影が可能になりました。またトップハンドルとなるXLRハンドルユニットが付属され取り回しの自由度が向上し、ボディー本体にネジ穴があけられケージ不要の拡張性能があります。  今回はソニーストア銀座の先行展示機(サンプル機)を触ってきましたのでその時の印象を含めて記事を書かせて頂きました。是非ご覧ください。 ※ソニーCinema Lineシリーズ内。2021年2月時点。

外観/操作性

01_製品画像.jpg
XLRハンドルユニットを装着したFX3
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XLRハンドルユニットを外したFX3
03_製品画像.jpg
向かって左がα7S III、右がFX3
04_製品画像.jpg
向かって左がα7S III、右がFX3
 付属のXLRハンドルユニットを外すと大きさはα7S IIIとほぼ同程度に見えます。電子ビューファインダーが無くなり撮影画像は液晶モニターもしくは、外部モニターで確認するようになっており高さは約2cm低くフラットになっています。また、長時間撮影を可能にする冷却ファンが搭載されたことで奥行きは約4mm増しています。 外寸と質量 FX3 :約129.7×77.8×84.5mm、約640g α7S III:約128.9×96.9×80.8mm、約614g ※外寸は横×高さ×奥行、質量は本体のみ 05_製品画像.jpg  グリップを握って持った感触は少し厚みのあるα7S IIIといった感じで、グリップは深く握りやすいものでした。とてもシネマカメラを手持ちしていると思えないくらい小型軽量で取り回しの良さを感じます。 06_製品画像.jpg 07_製品画像.jpg  電源ボタンがあったところにはズームレバーが配置されており、対応する電動ズームレンズの「光学ズーム」の操作はもちろん、単焦点レンズ装着時にも画質劣化の少ない画像処理による「超解像ズーム」や「デジタルズーム」も行えます。 08_製品画像.jpg  上面はフラットですっきりしたデザインになっており、一眼ミラーレスにあるような撮影モードダイヤルや露出補正などのダイヤルは無くなり、動画撮影に適したボタンやレバーが右側にレイアウトされています。右上に(1)IRIS「絞り」、(2)WB「ホワイトバランス」、(3)ISOが初期設定されたカスタムボタンが配置されており、その手前には大きなRECボタンがあります。 09_製品画像.jpg  上面同様に背面も操作ボタンは右側に集約されていますので右手のみの操作を可能にし、左手はレンズに添えてカメラを安定させることが出来ます。また少し見づらいかもしれませんが、右側の中央より少し下にあるリング状のダイヤル部分(コントロールホイール)には左側に「ZEBRA」、右側に「PEAKING」のカスタム可能な物理ボタンが配置されており、動画撮影に便利な操作性になっています。 液晶モニターは解像度144万ドット、3.0型のバリアングルを採用。これにより自由度の高いアングルでの撮影が出来ます。
 録画開始ボタンを押し忘れて凍り付いた経験があるのは私だけではないはずです(笑)。FX3にはタリーランプがカメラの前面、背面、天面の計3箇所にあり、加えて動画記録中はモニター画面も赤枠を表示することで、自撮りしている時や、リグやジンバルを装着して画面が見づらい場合でも、記録中かどうかすぐに見分けることができるので安心です。 10_製品画像.jpg  デフォルト設定がRECボタンのカスタムボタン(6)が前面向かって右下についており、自撮り撮影中に親指と人差し指でつまむかたちで押せるのでカメラを揺らすことなく録画のON/OFFが可能です。 11_製品画像.jpg  CFexpress Type AメモリーカードとSDカードの両方を利用する事ができます。ダブルスロットの片方にCFexpress Type Aを入れて、もう片方にSDカードを入れて利用する事も可能です。

拡張性

12_製品画像.jpg  ボディーには上面3か所、左右それぞれに1か所の計5か所にネジ穴(1/4-20UNC)が開いており、ケージを使うことなくアクセサリーを直接ボディーに装着する事が可能です。ケージが不要となることで機動力は向上し、短時間でのセットアップができるようになります。 13_製品画像.jpg  同梱のXLRハンドルユニットにはXLR端子を2基備えたデジタルオーディオインターフェース対応XLRアダプターを搭載しています。別売のXLRマイクとの組み合わせでデジタル信号をカメラに伝送できます。本体側の設定により、デジタル4CHや24bitでの音声収録もサポート。またXLRハンドルユニットにもネジ穴が3つ(上面2、後ろ1)ありますので、更なる拡張が可能です。 ※写真では上面に1つのネジ穴しか見えませんが、右側のアクセサリーシューがもう1つのネジ穴を利用していて見えなくなっています。 14_製品画像.jpg  グリップと反対側面の左側にはHDMIの大きいType-A端子が付いており、右側は上から順に3.5mmの音声入力端子、ヘッドホン端子、USB Type-C端子、マイクロ USB端子が装備されています。

連続撮影性能

15_製品画像.jpg  α7S IIIでも優れた放熱構造により、4K/120Pで60分間の連続撮影を可能にしていましたが、FX3ではその放熱構造に加え、冷却ファンを搭載する事で4K/120Pで最長13時間の連続撮影を可能にしています。冷却ファンの動作モードは撮影条件に合わせて、「オート」、「最小」、「記録時Off」、「常にOff」から選択を行え、音に拘るクリエイターの方でも安心して撮影することが出来ます。ショールームでは実際に「オート」と「最小」で冷却ファンを動作させてみたのですが、周りが騒がしいせいか、まだセンサーに熱を持っていなかったせいか、カメラに耳をあててもファンの音を聞き取る事ができませんでした。ひょっとしたらすごく微細な音なのかもしれない?とも思いましたが、ここは後日レビューでしっかり確認してみたいと思います。

シネマの映像表現力

16_製品画像.jpg  上位機種であるFX6やFX9でも好評な、肌の色を美しく見せるスキントーンを中心としたルック「S-Cinetone」を搭載しておりシネマのようなルックを手軽に再現することができます。  また階調特性を重視したS-Log3を搭載し、上位モデルとの親和性を高めています。S-Log3設定時は15+ストップという再現域を確保しています。  カメラ内で最高4K/120Pのハイフレームレートの動画記録が可能で、4K解像で最大5倍のなめらかなスローモーションで印象的な映像表現ができます。

αで培ったAF性能と高感度性能

17_製品画像.jpg  像面位相差とコントラストのハイブリットAFで浅い被写界深度でも、素早く動く被写体にも高精度に追従します。像面位相差AFでは画面のほぼ全域(約9割)の範囲で被写体を捉える事が可能です。またリアルタイム瞳AFを使うことで、被写体へのフォーカス合わせをカメラ任せに出来るので、画面の隅々まで気を配り撮影することが出来ます。  α7S IIIとほぼ同等の有効画素数約1026万画素(静止画時は1210万画素)の裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジンBIONZ XRを搭載する事で高画質はもちろん拡張最高ISO感度409600になり、暗所での撮影性能も非常に優れています。  また5.5段分の補正効果がある5軸のボディー内光学式手振れ補正と手振れ補正効果を更に向上させるアクティブモードにより、シーンによってはジンバルなどを使わずに機動力を持って撮影を行うことができます。

さいごに

 Cinema Lineとαが融合する事で、業務用と思っていた映像制作用カメラは益々身近になり、プロだけでなく趣味で映像美を求めるクリエイターにとっても魅力的なカメラになっているのではないでしょうか。今度は実際の撮影現場にもって行ってレビューしてみたいと思いますので、そちらも公開しましたら是非ご覧ください。

特集ページ

FX3特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページも合わせてご覧ください。 発売後8329.jpg ■更新 ・2021年3月2日:予約開始に伴い予約開始時期の文言更新と商品ページへのリンクを追記しました。 ・2021年3月15日:製品の発売に伴い予約受付中の内容を差し替えました。
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 2021年2月24日にソニーは映像制作用カメラ FX3を発表しました。先行展示機を触った印象を含めてFX3の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,Cinema Line,FX3 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 桜の撮り方|北村佑介 BASENAME: 480289119.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北村佑介 DATE: 03/02/2021 16:00:00 TAGS: 花 ----- BODY: 02_安行桜の作例.JPG

はじめに

 こんにちは!北村です。3月になり暖かい日が徐々に増え、至る所で春を感じられるようになりました。花を撮る方は特に待ち焦がれていた季節だと思います。この時期になるとソメイヨシノの開花まであっという間です。早咲きの桜はもう見頃や満開を迎えたところも多いのではないでしょうか。というわけで、今回は桜の撮り方を記事にさせていただきます。普通にシャッターを切っても絵になる桜ですが、少し工夫するだけで色々な撮り方ができる花です。なるべく色々な桜を色々な撮り方で紹介するので、何か一つでも参考にしてもらえたなら嬉しいです。

河津桜

01_河津桜の作例.JPG
■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/400秒
 綺麗に開いた河津桜。春の訪れをいち早く伝えてくれる、代表的な早咲きの桜です。こちらを向いている数輪の花があったので、その数輪が主役になるように撮りました。普段は一本や一輪の花を主役にして撮ることが多いですが、どれか一輪が主役というよりはそのエリア内の花全てが主役と感じた時は、それらが主役と伝わるようにピント位置や構図を調整します。一輪を主役とするのか。エリアを主役とするのか。少し意識するだけで写真の仕上がりがぐっと良くなります。今まで特に意識していなかった方は、是非意識してみてください。  また、この写真の大きなポイントはやはり前ボケです。主役の花たちよりも手前に咲いている花にレンズを可能な限り近づけ、前ボケを作りました。この前ボケが柔らかさを生み出し、枝や主役以外の花を隠してくれる重要な役割を担ってくれます。

安行桜

02_安行桜の作例.JPG
■撮影機材:ソニー α7II + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 B01E ■撮影環境:絞り優先・180mm・F4.0・ISO100・1/250秒
 安行桜という早咲きの桜です。形や色が非常に可愛らしく、お気に入りの桜です。雨が上がった直後、薄らと水たまりが張っていたのでリフレクションさせて撮ってみました。地面はグレーのコンクリートです。地面の色や種類でリフレクション具合が結構違うので、リフレクションさせて撮る時は色々な地面で試してみてください。個人的には、グレーのコンクリートやアスファルトはリフレクションさせやすく、ホワイトバランスの変更でイメージを作りやすいのでおすすめです。  深さがある水たまりでないとリフレクション写真が撮れないと思っている方も結構いますが、わずかな水たまりでも充分これくらいのリフレクション写真が撮れるので、水たまりと落ちている花を見つけた時は是非撮ってみてください。
03_安行桜のリフレクションを使った作例.JPG
■撮影機材:ソニー α7II + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1 B01E ■撮影環境:絞り優先・180mm・F4.0・ISO100・1/320秒
 こちらも安行桜をリフレクションさせて撮った一枚です。先程とほぼ同時刻、同じロケーションで撮りました。ホワイトバランスやレタッチ、そして別のイメージで撮ることにより、全く異なる一枚となりました。グレーのコンクリートはホワイトバランスの変更やレタッチで色を変化させやすいので、比較的簡単に自分の持つイメージを反映できます。  この写真は撮っただけで、鏡で反射させたように綺麗にリフレクションしてくれました。綺麗にリフレクションさせるために大事な要素はいくつかありますが、大切なのはアングルと高さで、特に高さが大事だと考えています。シチュエーションは合っているのに上手くいかない方は、是非高さの変更をメインに色々と試してみてください。

陽光桜

04_陽光桜の作例.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/750秒
 近所の公園に陽光桜という桜が咲いていました。一本しか咲いていなかったのですが、満開のその桜はとても綺麗で印象的だったのをよく覚えています。その中でも特にボリュームがあるエリアを切り取りました。正直なところ、桜自体の色や形が可愛すぎて普通に寄って撮っただけでイメージ通りになったのであまり解説することがありません(笑)。ただ少し無理矢理ポイントを言うとすれば、ボリュームがあるエリアの中でどの花が主役かをわかるようにするには寄る必要があったため、このレンズの撮影最短距離で撮りました。このような時、マクロレンズやもっと寄れるレンズの場合はもう一歩あゆみ寄っても良いかもしれません。写真左側はなるべく遠い背景を選び、後ろボケが綺麗になるようにしました。

ソメイヨシノ

05_ソメンヨシノの作例1.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/500秒
 ここからは桜代表のソメイヨシノで解説していきます。やっぱり桜はソメイヨシノですね。満開のソメイヨシノ。ぴょこんとボール状に飛び出しているエリアがあったので、それを主役にして撮りました。ホワイトバランスを少し暖色系に寄せ、温かみのある色合いで仕上げました。桜はピンクのイメージがありますが、ソメイヨシノはかなり白寄りのピンクの時が多いです。なので、ホワイトバランスのちょっとした変更で寒色系のイメージにも暖色系のイメージにもできます。適正なホワイトバランスで撮るのが基本かもしれませんが、イメージをどちらかに寄せて撮るのも良いと思います。ただ、白に近い花なので、ホワイトバランス変更の影響をとても受けやすいので変える時は少しずつ慎重に行いましょう。
06_ソメンヨシノの作例2.JPG
■撮影機材:ソニー α7III + キヤノン EF 135mm F2L USM ■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/1000秒
 満開のソメイヨシノの中で、夕陽に照らされた一輪を見つけました。4月上旬、17:30過ぎのとても光が綺麗なゴールデンタイムに逆光で撮った一枚です。開き切っていない花なので、このように後ろから撮っても形の良さが伝わります。花びらが透けている部分や重なっている部分、シベのシルエットの美しさなどが逆光で撮ったことにより際立っています。  ただ、このようなシチュエーションの時は白飛びに注意です。色の薄い花を逆光で撮ると、とても白飛びしやすいので露出にはいつも以上に気を付けましょう。筆者は基本的には、主役の花の最も明るい部分の色や脈が残っているかどうかで露出を決めます。また、この写真も前ボケで主役以外を隠していますが、桜は前ボケを作るのが簡単な花ではありません。主役の花と前ボケのバランスを両立させるのが難しい時は、前ボケを先に作ってみると上手くいくこともあります。是非お試しを!
07_ソメンヨシノの作例3.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM キヤノン用 ■撮影環境:絞り優先・50mm・F2.8・ISO400・1/125秒
 地元の公園にて。いつもなら桜の時期は賑やかな公園ですが、この時は大雨が降っていたので無人でした。筆者はあまり根性がある方ではないので、雨の日の撮影は好きではありません。ですが、桜を無人で撮りたいときは大雨大歓迎です。桜を広めに、且つ桜だけを撮りたい時は雨の日にチャレンジすることをおすすめします。勿論雨対策はお忘れずに。いつもは白っぽいピンクのソメイヨシノも、雨に濡れるとはっきりとしたピンクで写ることも多いです。それも雨の日がおすすめである大きな理由です。
08_ソメンヨシノの作例4.JPG
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF35mm F2 IS USM ■撮影環境:絞り優先・35mm・F11・ISO100・4秒
 山奥に佇むソメイヨシノ。湖面に映る桜も綺麗に写したかった為、三脚を使いシャッタースピード4秒で撮りました。長めのシャッタースピードで撮ることにより、湖面に反射した桜もしっかりと写ってくれました。露出は少し暗めにし、桜のピンクが際立つよう心がけています。

さいごに

 今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!また次回を楽しみにしていただけると嬉しいです! ■写真家:北村佑介 出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の北村佑介さんが、桜の撮り方を紹介しています。河津桜、安行桜、陽光桜、ソメイヨシノでの色々な撮り方を是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,花,桜,河津桜,安行桜,陽光桜,ソメイヨシノ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: カスタム自由度が高いオリンパス OM-D|メニュー設定を活用して世界でひとつのMyカメラをつくろう BASENAME: 480279462.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 礒村浩一 DATE: 03/03/2021 16:00:00 TAGS: OM-D,撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー,ミラーレスカメラ,マイクロフォーサーズ ----- BODY: 00_オリンパスOMD製品画像.jpg

はじめに

 いまやデジタルカメラは様々な被写体の撮影に対応できるほどにとても万能なカメラとなった。便利な機能が多数搭載され、強力な手振れ補正機能やカメラ内合成機能などにより、以前には考えられなかった撮影までもが可能となっている。それだけにカメラの設定は以前より複雑になっており、各メーカーによってレイアウトも違うことから初めて手にしたメーカーのカメラだったりすると、何がどうなっているものやら判らずにあたふたしてしまうことも少なくない。  オリンパスのミラーレス一眼カメラOM-Dシリーズも、多機能であるだけにカメラの設定項目はとても細かく設けられている。かくいう私も長年オリンパスのカメラを使っているにも関わらず、変更したい設定がどこのメニュー内に配置されているのか、とっさには答えることが難しいほどだ。ただ、各メニューには役割にあわせて大まかな分類がなされているので、変更したい設定がどの機能に関わるものなのかを理解しておけば、比較的スムーズにメニューの中から設定項目の在りかを見つけることができる。

それぞれのメニューが担う役割を理解しよう

 OM-Dのメニューを大まかに分類すると以下の7種類の構成となっている。さらにそれぞれのメニューの中にはより細かい設定項目が用意されており、これらを撮影の状況や被写体に合わせて設定することで、よりユーザー好みのカメラとなるのだ。 セットアップメニュー:撮影前に行う日時や言語などカメラの基本設定 撮影メニュー1:撮影に関する基本的な設定 撮影メニュー2:より高度な撮影の設定 動画メニュー:ムービー撮影設定 再生メニュー:撮影画像の再生設定 カスタムメニュー:カメラを好みに合わせて細かく設定 マイメニュー:任意の設定項目をショートカット登録  2021年2月現在、OM-DにはE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M1 MarkII、E-M5 MarkIII、E-M10 MarkIV、E-M10 MarkIIIの6機種がラインナップされている。このうちE-M1 MarkIIとE-M10 MarkIIIはすでに旧機種扱いとなっているので、ここではE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIII、E-M10 MarkIVの4機種をピックアップして全メニュー項目を一覧表にしてみた(下記リンク参照)。これを読み解くと各メニュー分類の役割はおおむね共通していることが判る。この分類を基本に各機種特有の機能に関する設定項目が設けられている。エントリーモデルのE-M10 MarkIVは上位機種と比べると機能が絞られていることからメニュー数が少なくなっていることもわかるだろう。 OM-Dメニュー機種別一覧表.pdf  こちらは各機種の実際のメニュー画面をすべて並べたもの。E-M1XとE-M1 MarkIIIとでは、E-M1Xに搭載された被写体認識追尾AFやGPS・フィールドセンサーに関するメニューが追加されている以外はほぼ同じものとなっており、またE-M1 MarkIIIとE-M5 MarkIIIではライブND機能の有無やバッテリーグリップ装着可・不可に伴う設定項目の有無が違いとなっている。
01_EM1Xmenu.jpg
E-M1Xメニュー画面
02_EM1_3menu.jpg
E-M1 MarkIIIメニュー画面
03_EM5_3menu.jpg
E-M5 MarkIIIメニュー画面
04_EM10menu.jpg
E-M10 MarkIVメニュー画面
 これだけ多くのメニューから設定変更したい項目を探すことはなかなか大変だ。そこで活用したいのが「マイメニュー」である。マイメニューには頻繁に変更を行うなどの目的で、希望する設定項目へのショートカットを作成登録できる。メニューに表示された項目を選択した状態で赤丸のムービーボタンを長押しするとマイメニューにショートカットが登録される。ただし登録できる項目は★(星)印が付いているもののみ。また、対応機種はE-M1XとE-M1 MarkIIIである。
05_MY_EM1X.png
ショートカット登録できる「マイメニュー」

OM-Dカスタマイズの肝は機能のボタン割り当てにあり

 ご覧のようにOM-Dシリーズのメニューの特徴は、多機能であるが故に細かい設定がとても多いことである。これはユーザーにとっては設定の自由度が高く、上手く使いこなせればより自分好みのカメラとすることができるというメリットに繋がる。  OM-Dシリーズのカメラには各種の機能を割り当てることができるボタンが多く用意されている。初期設定では各ボタンにそれぞれの機能(ISO感度設定など)が割り当てられているが、カスタムメニュー内(B1.ボタン/ダイヤルレバー)にはボタン機能の設定項目があり、その中で提示される候補のなかから任意の機能を割り当てることができる。  OM-Dシリーズのハイエンドモデルでありプロ機とされているE-M1X には17個、E-M1 MarkIIIではボディ10個+バッテリーグリップ5個の合計15個と、機能割り当てが可能なボタンが特に多く用意されている。ミドルクラスのE-M5 MarkIIIであっても10個と十分な数が用意されており、さらにエントリーモデルであるE-M10 MarkIVでさえ3個のボタンが用意されている。つまりOM-Dシリーズを使用するのであればボタンの機能割り当て設定を利用しない手はないのだ。
06_製品画像ドライブ.jpg
E-M1X天面ボタン
07_製品画像フロント.jpg
E-M1X正面ボタン
08_製品画像バック.jpg
E-M1X背面ボタン
09_製品画像サイド.jpg
E-M1X側面ボタン
10_製品画像LFn.jpg
レンズに搭載されたL-Fnボタン
 E-M1Xではボディに用意されたカスタマイズ可能なボタン17個に加え、一部のレンズに搭載されているL-Fnボタンを合わせると最大で18個もの機能を割り振ることができる。  ボタンに割り当てが可能な機能設定はライブND撮影やデジタルシフト撮影、顔認識設定やLVブースト設定など多岐にわたる。また、機能割り当てができるのはボタンだけにはとどまらない。Fnレバーが搭載されているE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIIIでは「レバー位置1」と「レバー位置2」のそれぞれで、フロント/リアダイヤルの機能を変えたり、AF方式/AFターゲットモード/AFターゲットの位置、静止画/動画撮影モードを切り替えたりもできる。さらにはFnレバーを電源スイッチとして使用することも可能だ。 11_製品画像Fnレバー.jpg 12_Fnレバーメニュー.png  カメラをグリップした際、親指で操作できるようになっているFnレバーには、レバー位置1とレバー位置2それぞれで機能の切り変えができるような仕組みが用意されている。このレバーはファインダーを覗きながらでも操作が可能なので、被写体の動きに合わせて瞬時に切り替える必要があるAF設定などを割り当てると便利だろう。

筆者の設定ボタンカスタマイズ例

 このようにOM-Dシリーズでは多くの設定項目と割り当て可能なボタン&レバー類が多く用意されている。ただその一方、あまりに設定できる項目が多くて、理解することが難しいという声があることも確かだ。そこでここでは筆者である私が、OM-Dで実践しているカスタマイズ例をいくつか紹介しよう。
13_製品画像RECボタン.jpg
各ボタンに機能を割り振ることができる
14_EM1ボタン設定.jpg  E-M1 MarkIIIでのボタン機能割り当て画面。私の場合はOM-Dで動画を撮影する際には、撮影モードを動画撮影モードに切り替えて行うようにしている。その際の動画撮影スタートには「動画メニュー - ボタン/ダイヤルレバー」設定画面でシャッターボタンを使用するように設定してあるため、赤丸表示の「ムービー撮影ボタン」は使用することがない。  そこでこのボタンには画像の一部分を拡大する「拡大枠」機能を割り当てている。これによりAF時およびMF時ともに精密なピント合わせが必要な場合には、まず「拡大枠機能を割り当てたムービー撮影ボタン」を押して枠内を拡大したうえでピント合わせを行うようにしている。
15_製品画像フィッシュアイ補正.jpg
AEL/AFLボタンにも多様な機能を割り振れる
16_フィッシュアイ補正設定.png  E-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIIIにはオリンパス製の魚眼レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を使用する際に、魚眼レンズ特有の像の歪みをデジタル補正することで、4:3比率ならば焦点距離にして最大約5.5mm(35mm判換算約11mm相当)、画角にして125°の超広角画像を得ることができるフィッシュアイ補正機能が搭載されている。この機能を活かすことでF1.8という明るいレンズでありながら、コンパクトな超広角単焦点レンズとしてM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROを利用することができるのだ。
17_作例フィッシュアイ補正オフ.jpg
フィッシュアイ補正機能 OFF
18_作例フィッシュアイ補正オン.jpg
フィッシュアイ補正機能 ON
 この約11mm相当という広い画角は、風景撮影や室内撮影においてなかなかに重宝するものであり、特に徒歩での登山撮影などでは、広角ズームレンズと比較するととても軽量なレンズであることから使い勝手が良い。しかしフィッシュアイ補正機能の設定項目はメニュー内の深いところにあるため、毎回メニュー画面を開き探すのはなかなか手間がかかってしまう。そこで私はカメラ背面にある「AEL/AFLボタン」にフィッシュアイ補正機能を割り当てている。これにより、ファインダーを覗いたままでもワンタッチで魚眼撮影/超広角撮影を切り替えることができるわけだ。  ただこの割り当て方法だとひとつ問題が発生する。現時点ではE-M1 MarkIIIにのみ搭載されている「星空AF」の初期設定では「AEL/AFLボタン」を押すことで星空AFがスタートするように設定されているからだ。したがって「AEL/AFLボタン」にフィッシュアイ補正機能を割り当ててしまうと、星空AFが使用できないのだ。そこでこの問題を解決するために、私はカスタムメニューA1.「AEL/AFLモード」内の「星空AF」設定により、「シャッターボタンの半押しにより星空AFが開始」する設定に変更してある。このようにボタンへの機能割り当てを行う際には排他的な設定もあるので注意が必要だ。 19_星空AFL設定.png  AEL/AFLモード - 星空AF設定画面。初期設定では[mode3]になっているので[mode1]に設定を変更することで、シャッターボタン半押しで星空AFがスタートするようになる。 20_星空AF設定.png  カスタムメニューA4内、星空AF設定画面。E-M1 MarkIIIを三脚等に据え付けるなどして、星に精度高くピントを合わせたいときには「精度優先」に設定すると、AF動作を小刻みに開始して正確にピントを合わせようと動作する。ただしそれ故に少々時間がかかってしまう。逆に「速度優先」を選択するとフォーカスの挙動は若干大まかにはなり精度はわずかに下がるが、ピント合わせのためにカメラを動かさないように保持しなければならない時間も短くなるので、条件さえそろえば三脚を使用しなくとも手持ちでの撮影も可能となる。
21_作例星空AF.jpg
星空AFを使えば手持ちで星空撮影もできてしまう
 E-M1 MarkIIIを星空AF(速度優先)に設定して、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとの組み合わせで星空を手持ち撮影。ISO6400で絞りF4.0、4秒露光。ボディ内手ぶれ補正機構とレンズ内手ぶれ補正機構との5軸シンクロ手ぶれ補正による、強力な手ぶれ補正機能のサポートで、いまや星空もAF&手持ちでの撮影が可能な時代となった。
22_EVF設定ボタン.jpg
E-M1 MarkIIIではファインダー横に配置されているライブビューボタン
23_EVF切替メニュー.png  E-M1XおよびE-M1 MarkIIIではカメラ左肩の位置に、E-M5 MarkIIIではカメラ上面左端、E-M10 MarkIVはファインダー右側面に配置されている「ライブビュー表示ボタン」を長押しすると「EVF自動表示切り替え」設定が可能となる。これは撮影者がファインダーを覗いた際に、背面モニターからEVFへと自動的に表示を切り替える際の設定を行う為のものだ。初期設定では「On1」の自動切り替えが選択されているが、この設定ではファインダー部に手をかざしただけでもアイセンサーが反応しEVFへ切り替えてしまうので、意図せず背面モニター表示が消えてしまうということがある。しかしだからといって「Off」に設定すると毎回手動で背面モニター表示とEVF表示を切り替える必要が出てきてしまい、これはこれで面倒に感じてしまう。  そのような時は「On2」を選択すれば「モニターを閉じている時のみアイセンサーが有効になる」という条件を付与することができるので、たとえばローアングル撮影時に背面液晶を開いて撮影しているようなシーンならば意図しない自動表示切り替えを避けることができるのだ。ただしE-M10 MarkIVには「On1」「Off」しか選択肢がないのでこの機能は使用できない。

お気に入りの撮影モードはカスタムモードに登録して一発で呼び出し

 OM-Dシリーズのカメラには、任意で設定した撮影モードやそれに伴う設定を記憶させておき、必要なときにそのセットで呼び出すことができるカスタムモードも搭載されている。カスタムモードはE-M1XとE-M1 MarkIIIではC1,C2,C3,C4の四つ、E-M5 MarkIIIはC,C2,C3の三つが用意されている。ただしE-M10 MarkIVにはカスタムモードは搭載されていない。 24_カスタム.png 25_カスタム登録.png  カスタムモードに登録するには、事前に登録したい撮影モードを選択したうえで、ISO感度やAFモード、ホワイトバランス、ドライブモードなどを設定し、撮影メニュー1の中のリセット/カスタム設定からカスタム登録へと進み、E-M1XとE-M1 MarkIIIではカスタムモードC1〜C4に、E-M5 MarkIIIではCに登録する。登録した内容を読み出したい場合は、任意のカスタムモードをモードダイヤルから選択することで、即座に撮影モードと機能設定を呼び出すことができるわけだ。  なお、E-M5 MarkIIIではC2,C3にも登録が可能だが、モードダイヤルにはC2,C3が存在しない。これらの登録情報を読み出すには、撮影メニュー1の中のリセット/カスタム設定からカスタム呼び出しに入りC2およびC3の情報を読み出す必要がある。ただし撮影モードはその時点で選択されているモードのままとなり、各種撮影設定値のみが反映される。同様にE-M1XとE-M1 MarkIIIでもカスタム呼び出しから登録情報を呼び出すことも可能だが、やはり撮影モードはその時点で選択されているモードのままとなるので注意が必要だ。
26_作例ハイレゾ.jpg
高解像度な撮影ができるハイレゾショット
27_ハイレゾ.png  カスタムモードにハイレゾショットの設定を記憶させた。ハイレゾショットはE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIIIに搭載された高解像度撮影モードで、一回の撮影で自動的に複数ショットの画像を取り込みカメラ内で合成することによって、搭載しているイメージセンサーの解像度を超えた高解像度の画像を得ることができる機能だ。  このハイレゾショットを有効にするには、通常はドライブ設定の中からハイレゾショットを選んだうえで絞り値やシャッタースピード、ISO感度などを設定する手順となる。ただし、ハイレゾショットでは動きのある被写体は合成時にずれて合成されてしまうという特性があることや、被写体が風景等の比較的深い被写界深度を望むものが多いということから、ある程度は毎回、絞り値やシャッタースピードが近い値となることが想定される。これらの条件から、事前にハイレゾショット撮影セットをカスタムモードの一つに登録しておくことで、モードダイヤルを合わせるだけで基本的な設定を呼び出すことができる。あとは状況に合わせて各設定の微調整を行うだけでよいので、素早く撮影を進めることができる。
28_作例コンポジット.jpg
星空撮影に最適なライブコンポジット機能
29_LIVECOMPSIT_EM1.png  ライブコンポジット撮影もカスタムモードに設定することができる。ライブコンポジットは、比較明合成と呼ばれる合成方法をカメラ内で自動的に行うことで、夜空の星や飛行機などの明かりを輝線として一枚の画像に記録できる機能だ。この機能はE-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIII、E-M10 MarkIVに搭載されており、設定するには撮影モードをB(E-M1X、E-M1 MarkIII、E-M5 MarkIII)もしくはM(E-M10 MarkIV)を選択したうえでシャッタースピード値をもっとも遅くなるようにするとライブコンポジット機能に切り替えることができる。  この機能で撮影する被写体は夜景や星景が多いことから、絞り値は使用するレンズの開放値、ISO感度は3200前後となることが多いと想定されるため、事前に撮影セットをカスタムモードの一つに登録しておくとよい(ただしE-M10 MarkIVはカスタムモード非対応)。セットを呼び出した後はメニューボタンを押して表示された「コンポジット撮影設定」で1ショットあたりの露光時間を設定すればよい。

カスタム設定した設定値はOLYMPUS Workspaseで保存・読み込みが可能

 このようにOM-Dのカメラは、ユーザー好みの撮影モードや設定をセットとして保存・読み出しが可能なカスタムモードが利用できる点からも、とても便利かつ合理的なシステムと言える。更にこれらのカスタマイズ設定はパソコンにインストールしたオリンパス純正の画像管理アプリケーション「OLYMPUS Workspase」との連動で、設定値としてパソコン内に保存・カメラへの書き込みがが可能だ。  OM-Dでは随時リリースされる新バージョンのファームウェアによって、動作の安定および機能の拡充が頻繁に行われるのだが、新バージョンの条件によってはせっかく細かく設定したカスタマイズ設定がすべてリセットされ初期設定に戻ってしまうことがある。その際には保存しておいた設定値を再度カメラに書き込むことで、カスタマイズした状態に戻すことも可能だ。
30_workspace.png
OLYMPUS Workspaseのメニューからカスタム設定を選択
31_save.png
「セーブ」からカスタム設定をパソコンに保存できる
32_Backup.png
「ロード」からカスタム設定を読み込む
 OM-Dをカメラに同梱されたUSBケーブルを使ってOLYMPUS Workspaseがインストールされたパソコンと接続。アプリケーションを立ち上げて[カメラ- カスタム設定]から[セーブ]を選択してカメラ内の設定値を保存することができる。カメラに設定値を書き込む場合は同じく[カメラ- カスタム設定]から[ロード]を選択して、表示されたファイルの中から対象のカメラ用の設定値ファイルを選択すればよい。(E-M1X、E-M1 Mark III、E-M1 Mark II、E-M5 Mark II、PEN-Fが対応。E-M5 MarkIII、E-M10 MarkIVは未対応)

自分の撮影方法に最適なカスタマイズを行って世界でひとつのMy OM-Dをつくろう

 このようにオリンパス OM-Dシリーズには多くの設定値変更の選択肢が用意されており、これらをまとめて管理するために必要なのが複数ページにわたる各メニューである。選択肢が多いだけに慣れないうちは望む設定ページを見つけるのに苦労するかもしれないが、それぞれのメニューに割り振られたことの意図を汲めるようになれば、自ずと戸惑いも解消されていくことだろう。さらにカメラに配置された各ボタンへの機能割り当てや、カスタムメニューをうまく使いこなすことができれば、実際の撮影現場でもスマートに設定変更が可能となるはずだ。  OM-Dの特徴の一つとして、ハイエンドモデルからエントリーモデルまで、搭載機能の差はあれども操作性やメニュー構成は共通する点が多いということが挙げられる。これにより複数の機種を併用する場合や、下位モデルから上位モデルへと機種を変更した際でも、操作に戸惑うことは非常に少ない。これはシステムとしての設計思想が、あらかじめしっかりと定められているからだと思われる。  本年2021年を迎え、オリンパスの映像機器部門は、新会社として発足したOMデジタルソリューションズ株式会社に事業移管され再出発となった。現時点では前社時代に開発・発売されたシステムをそのまま引き継いでいる状態ではあるが、新体制となったこれからもきっとOM-DおよびPENのマイクロフォーサーズシステムを継承すると同時に、新たな発想のカメラ・レンズを発売してくれるはずだ。その期待を込める意味もこめて、読者のみなさんもここまでの完成度を築いたOM-Dシステムを、ぜひ「My OM-D」となるようにカスタマイズしてあらゆる被写体の撮影を楽しんでいただきたいと思う。
33_作例.JPG
■使用機材:E-M1 MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ■撮影環境:ISO1600 F1.8 2秒 マニュアルモード WBカスタム4800K ライブコンポジット906コマ ■撮影協力:国立天文台水沢VLBI観測所(http://www.miz.nao.ac.jp/)
■写真家:礒村浩一 女性ポートレートから風景、建築、舞台、製品広告など幅広く撮影。全国で作品展を開催するとともに撮影に関するセミナーの講師を担当する。デジタルカメラの解説や撮影テクニックに関する執筆も多数。写真編集を快適に行うためのパソコンのプロデュースも担当。
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の礒村浩一さんにオリンパスのメニュー画面とカスタム設定を解説いただきました。カメラをより便利に使いこなすためのノウハウが詰まったオリンパスユーザー必見の記事です。 ----- KEYWORDS: オリンパス,OM-D,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第3回】ムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集! BASENAME: 480309219.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 03/04/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,LUMIX S5,パナソニック(Panasonic) ボディー,動画撮影・編集,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: 00_LUMIX S5とiPhoneの製品画像_FP008919.jpg

はじめに

 昨年登場したパナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」。シリーズ中もっとも小さくて軽いサイズながら、上位機種「LUMIX S1H」顔負けのムービー撮影機能を盛り込んで話題になりました。スチル撮影はもちろん、高解像度の4Kムービーから、魅惑的なスローモーションとクイックモーションなど、このカメラがあれば誰にでも楽しむことができるようになっています。その素晴らしいムービー機能に親しむビギナー向け短期連載の第3回目です。

美しいムービーを LUMIX S5 で撮影するには

 フルサイズ機なのに小さくて軽く、豊富なライカLマウントレンズが使える「LUMIX S5」。スチルだけでなくムービーも美しくカンタンに撮影できます。一番ベーシックなのはモードダイヤルを「iA(インテリジェントオートモード)」にセットして「動画記録ボタン」を押して撮影する方法です。一度押すと撮影が始まり、もう一度押すと記録が止まります。このモードではカメラが自動的にシーンを判別して「人物」や「風景」など被写体に合った最適な仕上がりになります。とても楽チンなのですが、だんだんと撮り慣れてくるともっと自分なりに撮影したくなってくるはずです。そうなったらモードダイヤルを「ムービーカメラのアイコンとM」で構成された「クリエイティブ動画モード」にセットしてみましょう。 01_S5のモードダイヤル_FP008907.jpg  そしてメニューに入って「動画メニュー」を見てください。その中にある「動画露出設定」内に、写真撮影で慣れ親しんだ「P(プログラム)」「A(絞り優先オート)」「S(シャッター優先オート)」「M(マニュアル)」の文字を発見できるでしょう。例えば「A(絞り優先オート)」を選べば自分なりに絞りを設定して、ボケをコントロールしたムービー撮影が可能になります。  オススメは「M(マニュアル)」です。ムービーは基本的に30コマ/秒なのでシャッタースピードを1/30秒~1/60秒に設定することが一般的。ですのでシャッタースピードを1/60秒、絞りを好きな値にセットし、「露出自動制御」を設定して撮影するのです。いわゆる「ISO感度オート」撮影というイメージですね。こちらはデフォルトで「ON」になっているので、「もう少し明るく」とか「もっと暗く」という場合は「露出補正」を適用して好みの明るさになるようにしましょう。  「LUMIX S5」を使うのなら、やはり高精細でリッチな描写の「4Kムービー」を撮影したいですよね。そこで再びメニューから「動画画質」→「4K/10bit/72Mbps/30P」を選択してみましょう。このモードを選べば「3840 x 2160」ピクセルで10bitというリッチな4Kムービーが撮影できます。メディアカードスロットには高速で大容量なSDカードを挿入しておくといいでしょう。撮影データはかなり大きなものになるからです。また記録ファイルは編集しやすい「MOV」形式推奨です。ホワイトバランスはオートの「AWB」にセットします。数多くの「フォトスタイル」を備えるこのカメラですが、オススメは「シネライク V2」です。シネマチックな色合いが魅力ですよ。  次はオートフォーカスです。「LUMIX S5」は大変優秀なオートフォーカスシステムを備えています。今回撮影したスナップ的なムービーの場合、カメラ任せで問題ないと言えます。設定としては連続的にピントを合わせる「AF連続動作」、オートフォーカスエリアは被写体によって「AFモード」で「自動認識(顔・瞳・人体・動物)」や「225点」、「1点」などをチョイスしましょう。  あとはバッテリーです。ムービー撮影はかなり電力を消費しますので、予備バッテリーを用意したり、モバイルバッテリーで充電できるように準備することが大切です。スマートフォンとも共用できるので、大容量のものを携行したいものですね。

脱着できるストラップが便利

 ムービーを撮影する場合、「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」などのビデオ三脚や、「Zhiyun Weebill S」など電動ジンバルに「LUMIX S5」を搭載するケースが増えてきます。撮影にパンやティルトなどの動きをする場合や、ジンバルの動作時にカメラのストラップが障害になるケースがあります。そこでカンタンに脱着できるストラップを「LUMIX S5」に装着することをオススメします。今回のようなブラブラ手持ち撮影時には肩や首から提げることも可能ですし、上記のような撮影ケースの場合にパッと瞬時にストラップを外してスムーズに臨戦態勢に入ることが可能です。代表的な製品は「ピークデザイン LEASH」などがあります。とても便利なのでオススメです。 02_脱着可能なストラップ_FP008911.jpg

撮影のコツ

 今回は「LUMIX S5」に「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」を装着して、神奈川県の横浜港周辺をブラブラと撮影しました。カメラの設定は上記のとおりで、手持ち撮影を敢行。撮影したムービーを編集して使用するので、ひとつひとつのムービーは最低でも10秒間記録するようにしました。また横にカメラを振る「パン」動作などの場合に、動かす前と後に約3秒ほど静止した場面を撮影しました。編集して繋げた場合に画面遷移の効果をかけるのですが「のりしろ」的な部分が必要なためです。 あとはレンズのワイド端とテレ端をまんべんなく使用して、変化のあるムービーを揃えることを心がけました。また交換レンズを共用できるLマウントアライアンスに参加している「シグマ」のレンズも使用して、ムービーにバリエーションがでるように配慮し、楽しんでいろいろなものにレンズを向けるようにしています。いろいろと撮影してみましょう!

iPhone で撮影したムービーを編集してみよう

 さてはじめての4Kムービー撮影はいかがでしたでしょうか?ここからはスマートフォンを使っての編集作業になります。使用する端末はアップルの「iPhone 12 Pro Max」です。詳細は過去記事をご参照ください。またキタムラのiPhone取扱い店舗では実機を試すことが可能なので、気になることがあったらお店のスタッフに尋ねてみるといいでしょう。

「Panasonic LUMIX Sync」はとっても便利

03_キャプチャー画像_5715.PNG  まずは「LUMIX S5」から撮影したムービーデータを「iPhone 12 Pro Max」にコピーする必要があります。カードリーダーを使うこともできますが、パナソニックが無料で配布しているアプリ「Panasonic LUMIX Sync」を使うと、ワイヤレスで手軽にデータを端末に移すことができます。iPhoneからリモート撮影などもでき、とても便利なアプリなので是非ダウンロードしてみて下さい。 さて指示に従って「Panasonic LUMIX Sync」と「iPhone 12 Pro Max」をワイヤレスで接続したら撮影したムービーデータを選択してコピーしましょう。 04_キャプチャー画像_5718.PNG  「画像取り込み」から使いたいムービーを選択して、画面下部にあるスマホアイコンをタップすれば「iPhone」にコピーが始まります。4Kムービーはとてもデータサイズが大きいので少しの間待つ必要があるかもしれません。

「iMovie」でラクラク編集

 無事に撮影したムービーデータをコピーできたら「iMovie」をタップしましょう。これはアップル純正のムービー編集アプリで、パソコンの「Mac」版も存在します。どちらも無料です。もしアプリを削除してしまった場合は「App Store」からダウンロードしましょう。 05_キャプチャー画像_5729.PNG  「iMovie」を立ち上げると「プロジェクト」を作る画面になります。「+」をタップして次に進みましょう。そして「新規プロジェクト」→「ムービー」を選びます。 06_キャプチャー画像_5732.PNG  すると制作に必要なムービーを選択する画面になるので、使用したいものをタップして選びます。 07_キャプチャー画像_5733.PNG  編集画面に切り替わり、選択したムービーが編集画面の「タイムライン」並んでいる状態になります。
 この状態でのムービーを確認してみましょう。「LUMIX S5」とiPhoneだけでこんな風にカンタンにムービーが作れてしまうのです。すごいと思いませんか? 08_キャプチャー画像_5734.PNG  さてここからは上で確認したムービーをもっとよくするために手を入れていきます。「iMovie」は横画面でも使うことができるので、もしタイムラインを横長に見たい場合は「画面縦向きのロック」を解除して横位置にしてみましょう。  タイムラインには選んだ順にムービーが並んでいます。その長さを調節するにはムービーを指先でタップして選択し、ムービーの左右端部分をドラッグすることで好きな長さに変えることが可能です。またプレスしたままドラッグすると、ムービーの順序を入れ替えることができます。自分の好きなように構成を変えてみるのがオススメです。始まりから終わりまでチェックして、ムービーの長さと順序を納得いくまで編集します。 09_キャプチャー画像_5735.PNG  ムービーを選択した状態で画面下部にあるスピーカーアイコンをタップすると、音量を調整できるスライダーが現れます。これを左右に動かすことにより、選択したムービーの音量をコントロールできます。 10_キャプチャー画像_5736.PNG  選択したまま一番右側にある円が3つ重なったアイコンをタップするとフィルター効果のメニューが登場します。サムネイルを選ぶことによって好きなフィルターをかけることができるのです。実にカンタンに劇的な変化をムービーにつけられます。これには驚きです。スライダーを動かすことによって効果の強弱をつけられますよ。  11_キャプチャー画像__5772.PNG  先ほど確認したムービーですが少しスローにしたい部分があったので、時計アイコンをクリックして、スライダーを「カメ」方向に動かし、ややゆっくりとした動きに変更しました。もし速度を速めたい場合は「ウサギ」方向に動かすとクイックモーションになります。このように動きのテンポも「iMovie」は瞬時に変更可能です。 12_キャプチャー画像_5778.PNG  ムービーとムービーの間の画面切り替えの効果を「トランジション」と呼びますが、この効果も変更することができます。境界を選択してから下から望みの効果を選ぶだけです。効果の持続する時間も4種類から選べます。雰囲気にあったものを当ててみましょう。 13_キャプチャー画像_5775.PNG  次に文字要素です。文字を入れ込みたい部分で画面下の「T」をクリックしてテキスト入力をします。文字の出現方法もアニメーションで確認できるので、好みのものを選んでタイトルを入力します。フォントやカラーもチョイス可能です。「END」の文字も入れてみましょう。 14_キャプチャー画像_5779.PNG  最後に音楽です。BGMをつける場合はタイムラインで「+」アイコンをタップしましょう。するとメニューが出るので「オーディオ」を選択。「サウンドトラック」と進み、ムービーにあった音楽を選びましょう。BGMが入ればこれで完成です! 15_キャプチャー画像_5781.PNG  全てが終了したら「完了」をクリックします。いよいよ仕上げの書き出しです。下部中央のアイコンをタップして「ビデオを保存」を選ぶと書き出しが始まります。終了すると「カメラロール」内にムービーがあるはずです。タップしてじっくりと鑑賞してみましょう。もしここで気にならない部分があれば「iMovie」に戻って編集しなおせばOKです。満足のいく出来でしたらYouTubeなどにアップして世界中の人に見てもらうことも可能ですよ。

まとめ

 このように「LUMIX S5」とiPhoneがあればカンタン且つ楽しく4Kムービーの撮影と編集が可能です。軽量コンパクトな「LUMIX S5」で撮影を楽しみ、帰りの電車内でiPhoneを使ってサクサク編集し、5G回線を使ってすぐさま4Kムービーを世界の人たちに発信することができるのです。パナソニック「LUMIX S5」のことはもちろん、「iPhone」シリーズについてもカメラのキタムラは精通したスタッフが揃っています。どちらも購入することができるので、気になることがあったら問合せることができるのが心強いですね。  さて次回は「LUMIX S5」を使ったシネマチックRAWムービーの撮影と編集方法をお届けしたいと思います。お楽しみに! ~ 「パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう」の連載はこちらからご覧頂けます ~ 【第1回】スチルだけでなくムービーも簡単! 【第2回】ムービー三脚と電動ジンバルを使ってムービー撮影 【第4回】シネマティックムービーに挑戦しよう! ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがパナソニック LUMIX S5のムービー性能をビギナー向けに短期連載で紹介しています。第3回目はムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集方法を説明しています。 ----- KEYWORDS: レビュー,動画撮影,パナソニック,LUMIX S5 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム GFX100Sレビュー|1億画素でこの一瞬を切り取る唯一無二のカメラ BASENAME: 480319995.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 中西学 DATE: 03/05/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,GFX100S,ミラーレスカメラ,ラージフォーマット ----- BODY: 00_富士フイルムGFX100S作例.jpg

はじめに

 富士フイルムのラージフォーマットセンサーカメラ「GFX」シリーズの最新作として、2021年2月25日から発売が開始された「GFX100S」。フルサイズセンサーの1.7倍もの面積を持つラージフォーマットセンサーと、1億2百万画素という圧倒的な画素数がもたらす高画質・高解像度、そして豊かな階調表現と広いダイナミックレンジが特長のミラーレスカメラです。それでいてGFX100Sは、フルサイズミラーレスカメラと遜色ないほどコンパクトなサイズに仕上がっており、GFX100の課題であった機動力にも磨きをかけ、あらゆる撮影シーンに持ち出せる取り回しの良さも獲得しています。今回はシーン別に作例を紹介しつつ、GFX100Sの良さをたっぷりと語っていきたいと思います。 ※掲載写真はすべて画像クリックでオリジナルサイズが確認できます。

ポートレート

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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF110mmF2 R LM WR ■撮影環境:F2.5 1/800秒 ISO100
 今までのGFX100と比べたときに一番の違いとして感じるのが、やはりサイズ感や重量。軽くなったことで手持ちでの撮影も非常に楽になりましたし、マニュアルでの繊細なピント合わせの時もカメラを持つ手が震えず安定してリズムよく撮影できるようになりました。ラージフォーマット用のGFレンズも大きめなサイズですし、GFX100を使っているとモデルさんには「撮られている感がすごい」と言われるのですが、このGFX100Sであれば威圧感を与えずより自然な撮影ができるように思います。  機能面で言えば、ポートレート撮影では瞳AFが非常に役立ちます。実際の撮影現場で瞳AFが使えるレベルなのかは今やカメラ選びで重要なポイントですが、このGFX100Sは十分に信頼して使うことができますね。引きの画でも顔をしっかりと認識してくれましたし、瞳AFの精度が良いとピント合わせに心の余裕ができて、周りの情景もしっかり見ながら被写体を配置することができます。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F4 1/250秒 ISO160
 注目点である描写力の良さは言わずもがな。画像クリックで拡大してみれば良く分かると思いますが、肌や髪の毛の質感が手に取るように伝わってきます。拡大して瞳の中をよく見ると、撮影している私の姿がちゃんと確認できるはずです。瞳AFだとまつげ辺りにピントが合うので、そこからマニュアルでフォーカスを追い込んで、しっかり瞳にピントが合うよう撮影しています。ラージフォーマットは被写界深度も浅いですから、絞り解放で撮るときやマクロ的な撮影をするときは特に緻密なピント合わせが必要になりますね。  また、1億画素もあると顔のしわ等映ってほしくないものまで鮮明に撮れてしまいます。そんな時は、肌を滑らかにしてくれる「スムーススキン・エフェクト」の機能を使います。富士フイルムが映し出す肌の色味は定評がありますし、この機能でさらに美しく撮ることができます。仕事でポートレートを撮るときには現場でいかにモデルさんが納得する写真にできるかも重要になりますからね。後からソフトで補正せずともその場でキッチリ仕上げられるのがGFXの良さです。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF50mmF3.5 R LM WR ■撮影環境:F4 1/160秒 ISO160
 逆光で撮った写真は特にラージフォーマットの良さが出ている1枚だと思います。普通だったら露出オーバーで肌が白飛びしてしまうような部分も、このGFX100Sだったら踏ん張れるんです。ダイナミックレンジの広さのおかげですね。フラッシュも使わず何の補正もせずともきれいに顔が映し出せている。これだけ逆光なのにゴーストも出ていないのでレンズの性能もいいんでしょうね。色が飛びすぎると顔も認識しづらくなりますが、この撮影では色もしっかりと残り瞳AFがきちんと働いてくれています。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF110mmF2 R LM WR ■撮影環境:F4 1/250秒 ISO160
 フルサイズやAPS-C機とは違う写真の縦横比率も特徴的です。やや正方形に近づいたこの比率はラージフォーマットならではですよね。縦構図にしたときに横幅があるので被写体を収めやすいですし、個人的にはすごく好きですね。

物撮り

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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F8 1/5秒 ISO100
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F8 0.3秒 ISO100
 これこそまさに1億画素が表現できる「質感」ですよね。撮影した野菜や果物は自分で切ったのですが、切り方の上手い下手、使った包丁の切れ味、そして野菜の新鮮さまでもが写真から分かってしまうほど鮮明に映し出せていると思います。そうすると写真を通して味まで想像できてしまうと思いませんか。圧倒的な描写力のおかげで写真なのにライブ感が伝わる、そんな作品をGFX100Sなら撮ることができるんです。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F4.5 1/320秒 ISO4000
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F4.5 1/320秒 ISO3200
 色の再現性の高さもGFX100Sは抜群にいいですね。水の入ったグラスに絵の具を垂らしたときに見られる、この美しいグラデーション。ダイナミックレンジの広さと解像度の高さがないと、なかなかここまで表現できません。大抵のカメラだったらブロックノイズが出て色が潰れてしまいますが、色の情報をたくさん持っているラージフォーマットだからこそ、これだけ滑らかなグラデーションと深い階調を再現できるんだと思います。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F7.1 1/320秒 ISO5000
 モノクロの花の写真はISO感度を5000まで上げて撮っていますが、ここまで高感度にしてもノイズは全く見られなかったですね。ISO5000でもざらつき感なくきれいに映し出せていると思います。富士フイルムはACROS(アクロス)というモノクロフィルムを作っていますから、やはり色への説得力が違います。フィルムを知らないメーカーが作ったモノクロではない、本当の色味という信頼感がありますね。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF110mmF2 R LM WR ■撮影環境:F7.1 1/80秒 ISO3200
 赤いタイプライターの写真は、お店の壁にかかっていたものをガラス越しに撮影したものです。とてもガラス越しには見えないほどキレイに映せていると思います。ISO3200まで上げていますが、灰色っぽくノイズが乗ることもなくズバッと黒の色が出せています。さらに注目すべきはタイプライターの解像感。機械の細かな線も潰れることなく描写できており、撮った時にGFX100Sすごいなと改めて感動しましたね。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F4 1/40秒 ISO800
 花びらと水滴を撮った写真はトリミングすることでマクロらしい画に仕上げています。オリジナルの写真はもっと大きいのですが、これだけ小さくトリミングしても全く問題ない画素数が残っています。小さくカットして使えるので、背景などを気にせずお家でも簡単に撮ることができると思います。

動体スナップ

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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F4 1/800秒 ISO250
 ラージフォーマットのカメラってAF性能はどうなのと思われている方もいるかもしれませんが、GFX100Sは被写体へのAF追従も申し分ない精度に仕上がっています。GFX100からAFのアルゴリズムも改良されたとのことで、使い比べるとその進化具合はしっかりと感じられます。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F4 1/800秒 ISO250
 こちらのスケボーのパークは手前にガラスがあって、さらに柵もある場所だったのですが、AF-Cのモードで迷いなく動く被写体をフォーカスし続けてくれました。レスポンス良くピントを合わせ食いついたら離さない、ラージフォーマットでしかも手持ちでここまでいけるなんて普通考えられないですよ。かつ、小型化したボディは取り回しも良いので被写体を追うためにカメラを振ったり、撮影ポイントを変えたりすることも気軽にできます。

ラージフォーマットの証「65:24」

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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F5.6 1/160秒 ISO160
 現状、GFXシリーズでしか選ぶことができない撮影比率の65:24。まさにラージフォーマットで撮影した証と言える1枚です。上下をトリミングしたようなシネマライクな表現になり、この細長いサイズによってより主役が引き立つ見せ方ができるようになります。この花の写真も普通の3:2で撮っても面白くはないですが、65:24で撮ることで印象的に見せられたかなと思います。  65:24だと広く風景を切り取るパノラマ的な見せ方が思い浮かぶと思いますが、自分はもっと自由に撮れる比率だと考えます。こうやって花や物に寄るのもいいし、ポートレートで使っても面白いと思います。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F11 1/320秒 ISO160
 こちらは富士フイルムのコーポレートカラーを意識してグリーンのコンテナを撮ってみました。日陰と日向が入り混じると普通は色が白飛びしたり黒く潰れたりするものですが、GFX100Sならダイナミックレンジが広いためしっかり映し出せています。色が潰れるだろうなと予想して撮っても色が残っているので、逆にイメージ通りいかないこともあるくらいです。そんな時はDR設定を調整して狙った写真になるようにしています。  また、新しく追加されたフィルムシミュレーションの「ノスタルジックネガ」は非常に気に入りました。個人的に70年代80年代のビンテージ物が好きで、そんな自分の思うアメリカっぽさが完全に再現された色味だと感じたんです。今回の撮影もノスタルジックネガで撮ったものが多いですね。撮っていてわくわくするような、もっと撮りたいと思わせるような色味がフィルムシミュレーションの魅力ですよね。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F9 1/640秒 ISO160
 ノスタルジックネガは青系の色が弱めなので、自分はカラークロームブルーで色を強めています。フィルムシミュレーションに加えて、こういった色付けの調整がカメラ内で簡単にできるのが本当にいいですよね。富士フイルムのカメラを使うときはRAW現像する必要なんてないと常々思っています。

フィールドへの持ち出しやすさ

 写り以外の部分でいうとボディ内手ブレ補正が良く効いてくれる印象です。シャッタースピード1/15くらいのスローシャッターでも手持ちでいけるくらいだと思います。例えば美しい夕景を撮るときにもし三脚がなくても、躊躇うことなく手持ちで撮影できます。三脚が立てられない場所、光量が少ない暗めの場所など、今までは厳しかった条件下でも1億画素で撮れる。これは非常に価値あるメリットだと思います。  さらに富士フイルムのカメラは防塵防滴機能にも優れていますから、メーカーのプロモーション動画にもあった通り雪山や砂浜などにも安心して持ち出せるでしょう。また、ラージフォーマットのカメラはあれだけマウント径が大きいにも関わらずセンサー部にホコリやゴミが全く付かないんですよね。超音波のクリーニングがいい仕事をしているようですが、環境の悪いところでレンズ交換する際も安心できます。
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■撮影機材:富士フイルム GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro ■撮影環境:F4 1/800秒 ISO250
 自転車でふらっと通りがかった時にカメラをサッと構え道端の花を撮る、こんなことはGFX100ではできませんでしたからね。あれだけボディが大きいと気軽に持ち歩けるものではありませんでした。しかしGFX100Sならそれができる。動画を撮るときもちゃんとジンバルに乗るようになりましたし、1億画素で撮れる作品の幅がグッと広がったと思います。

まとめ

 今回GFX100Sを使ってみて、GFX100とは全く違う機種なのだと改めて感じました。ただボディが小さくなっただけではなく、撮影スタイルそのものが違うといったらいいでしょうか。その中でもラージフォーマットでかつ1億画素をこれだけ気軽に持ち運んで、身の回りのあらゆる瞬間を切り取れるようになったことの価値は非常に大きいと思います。フルサイズとは明らかに差別化できる写真が撮れるはずです。センサーの大きさしかり、富士フイルムの色味しかり、写りに説得力のあるカメラという点はGFXシリーズの大きな魅力です。 ■写真家:中西学 日本国内から海外まで、その時の時事を撮影することを専門する。その他、風景・ポートレートなど撮影ジャンルは多彩。ドローンやVRなど最新機材を使いこなし動画クリエーターとしても活動。写真家目線での映像技術を得意とする。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の中西学さんに富士フイルムGFX100Sをレビューしていただきました。ラージフォーマットセンサーと1億画素がもたらす圧倒的な描写力を、作例を通してご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,GFX100S,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporaryレビュー|真綿のようなソフトな描写にハマるレンズ BASENAME: 480386399.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 03/08/2021 16:00:00 TAGS: 45mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,i シリーズ,シグマ(Sigma) レンズ,人物_子供,ポートレート(人物),単焦点 ----- BODY: 05_シグマ45mm F28 DG DN  Contemporaryで撮影したポートレート作例.jpg

はじめに

00_.jpg  シグマの「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、フルサイズミラーレスカメラ対応の「I シリーズ」に属するレンズで、2019年に発売されました。同シリーズは2021年発売の「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」と、2020年発売の「35mm F2 DG DN | Contemporary」、「65mm F2 DG DN | Contemporary」の4本が現在ラインナップされています。今回は、本レンズだからこそ撮れるポートレートを、スチールとムービーの両方でレビューします。

シームレスなボケが絶大な魅力!

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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 WB5000K カラーモード「ポートレート」 ■モデル:成沢紫音
 本レンズの画角は45mmなので、ポートレート撮影にはちょっと望遠が足りないのでは?と思われる方も多いかも知れません。また、F2.8の開放値は暗いのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。最初に、筆者がこのレンズでポートレートを撮る一番の理由をお教えすると、画角やF値のスペック上の数字ではわかり得ない、逆光時の自然でソフトなボケ味にあります。  絞り込めばシャープで鋭い切れ味の描写を楽しめるレンズですので、スナップ撮影やムービー撮影にも活躍しますが、開放時の描写は同じレンズとは思えないほど、ふんわりと、まるで真綿のような優しいボケを作り出してくれます。  特に、強い逆光時に開放で撮影したときに感じられる、フレアーとボケがシームレスにつながったソフトな描写は、このレンズの絶大な魅力とも言えます。  オールドレンズのような優しい画作りと、色収差がしっかりと抑えられた光学性能のおかげで生まれる高い解像力を味わえる、なんとも贅沢なレンズなのです。

ポートレート風ショートムービー

■カラーモード:ティールアンドオレンジ ■モデル:愛咲しおり  今回のポートレート風のショートムービーは、カラーモードをティールアンドオレンジに設定して撮影しています。日常使いのレンズらしく、日常のちょっとしたシーンをシネマティックに仕上げてみました。

やっぱり小型・軽量なのは嬉しい!

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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 WB5000K カラーモード「ポートレート」 ■モデル:成沢紫音
 ポートレートの撮影というと、モデルに声を掛けながら、笑い合いながらというような、楽しそうなシーンを思い描かれると思います。確かに私の撮影は楽しくをモットーとしてはいますが、撮影者の体は悲鳴を上げそうな撮影スタイルが多いのも事実です。  この作例も、低い生け垣の向こう側の、ちょうど良い位置にモデルの体と顔が来るように、筆者は中腰よりも低い空気椅子のような状態で撮影しています。(柵の中や、芝生養生中の場所など、一般的に入ってはいけないところには足を踏み入れないで撮影をするので、足の位置が不自然になることも理由のひとつでもあります。)  そんなときに助かるのが、レンズが軽くて小さいことです。性能や価格とのバランスもありますが、求める画質が得られるのなら、レンズは小さいに越したことはありません。

瞬間の表情だけでなくムードも表現してくれるレンズ

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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO100 WB:5000K カラーモード「ポートレート」 ■モデル:成沢紫音
 本レンズの撮影最短距離は24cmです。ポートレートやスナップはもちろん、テーブルフォトでも座ったままテーブルの上のメニューを撮影できる距離なので、普通に使用していて不便を感じる最短撮影距離ではありません。  シグマのレンズらしいなと感じるのが、瞬間の表情と一緒に周りの空気もパッケージするような写真が撮れたときです。主役の被写体だけではなく、その周辺のムードも一緒に表現しようと、レンズとカメラが頑張っている手応えを感じられるのが好きで、シグマの製品を使い続けているとも言えます。

ボケからピント面への滑らかな繋がりがGOOD

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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2.8 1/320秒 ISO100 WB:5000K カラーモード「ポートレート」 ■モデル:成沢紫音
 撮影日はとても天気が良かったので、影を利用したカットも楽しめました。地面に柵の影が写っていますが、ボケている手前のほうから、モデルの足元より少し前のピントが合っている面の辺りまでを拡大して見てみると、本レンズのボケの繋がりの良さ、滑らかさを感じられると思います。  F2.8というボケが小さな開放F値と、レンズ枚数の制限が出るコンパクトさのなかで、球面収差をコントロールして、ソフトな描写のボケと高い解像力を実現したという本レンズ。寄りでも、引きでも、フットワーク軽くポートレートを楽しめました。

逆光のソフトな描写を楽しもう!

05_シグマ45mm F28 DG DN  Contemporaryで撮影したポートレート作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 WB:5000K カラーモード「ポートレート」 ■モデル:成沢紫音
 絞り羽根枚数は7枚で、円形絞りを採用しています。作例の遊具にあたった光が丸ボケになりました。その他にも、木漏れ日の逆光などでの撮影もしましたが、本レンズは丸ボケよりも、逆光によって生じるフレアーぎりぎりのソフトさを味わったほうが、より楽しくなるレンズだと思います。  本当のオールドレンズだと滲みすぎてしまう被写体は、自然に立体的に解像され、きっちりくっきり描きすぎて現実に引き戻されすぎない画を作り出してくれるのは、筆者の求めるポートレートレンズの条件としてピッタリでした。  購入当初はスナップ用、風景のムービー用と思っていましたが、これからはポートレート常用レンズとしても活躍しそうです。

ティールアンドオレンジなら何気ないシーンもドラマティックに

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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2.8 1/1000秒 ISO100 WB5000K カラーモード「ティールアンドオレンジ」 ■モデル:成沢紫音
 45mmの画角ゆえ、狭い都内の道でも全身のポートレートが撮れるメリットもあります。マクロレンズ好きな筆者は、ポートレートでも寄りの撮影が多いのですが、本レンズは、ムービーの中のワンシーンのような、全身ポートレートを撮りたくなるレンズでした。  この作例は、ティールアンドオレンジのカラーモードを使用しています。ティールアンドオレンジは筆者がムービーでよく使用するモードで、ポートレートのスチールではあまり使用しないのですが、ここでは衣装と前ボケの白い手すりの色合いを落ち着けてくれながら、青空をノスタルジックに仕上げてくれました。

スペックだけでは見えないレンズの実力

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■撮影機材:SIGMA fpp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 WB:5000K カラーモード「ポートレート」 ■モデル:成沢紫音
 今回は本レンズでスチールとムービーを撮影しましたが、開放時の描写性能は筆者好みの優しさ、小型カメラにベストバランスのコンパクトさ、街中でのポートレート撮影でカメラを意識させないシンプルなデザインと、高級感のある金属製の素材などなど、まだこのレンズで撮影をしていない方には「貸してあげるから撮ってみて!」と言いたくなるような、スペックだけではわからないワクワクできるレンズでした。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんがシグマ 45mm F2.8 DG DN | Contemporaryをポートレート撮影でレビューしています。逆光時のソフトなボケ味はポートレートに最適です。 ----- KEYWORDS: シグマ,45mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,水咲奈々,i シリーズ ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 富士フイルム X-E4 レビュー|写真を撮るためのカメラ X-Eシリーズ待望の新モデル BASENAME: 480385592.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 03/09/2021 16:00:00 TAGS: X-E4,レビュー,富士フイルム(Fujifilm) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,APS-C ----- BODY: X-E4レビュー|写真を撮るためのカメラ X-Eシリーズ待望の新モデル

はじめに

 「写真を撮ること」を喜びとする “Xシリーズらしいカメラが帰ってきた”という印象のX-E4が発売となりました。X-H1以降、動体や動画など動く被写体を主目的にしたカメラのラインナップが続き、さらにX-S10ではそれまでのXシリーズ全てをいいとこ取りしたカメラとなりましたが、ようやく「写真を撮るためのカメラ」が登場したと感じます。  レンジファインダー型のミラーレスカメラとしてはX-Proシリーズに並び人気の高いEシリーズ待望の新モデル。そのファーストインプレッションとキットレンズの魅力を併せてお伝えいたします。

X-E4ボディデザインの魅力

 筆者も過去にはX-E2を愛用していましたが、1世代越え、見た目の印象や機能操作面からも全く新しいカメラになったと感じます。X-E4のフルフラットなデザインは、ミニマリズムとしての最良の形と言っても良いのではないでしょうか。クラシカルで美しいデザインは、小さくてカワイイではなく、シンプルでスタイリッシュという表現がよく合います。 X-E4外観  持ち歩くことを負担としない軽量・コンパクトなデザイン。軍艦部にはマグネシウム合金を採用した質感の良さなど、剛性を確保しつつ364g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)の軽量化を実現し、日常的な持ち歩きにも最適と言えます。普段使いの小さなバッグや、コート、男性用ジャケットならポケットにも入ってしまうサイズ感が何より魅力的です。

プログラムモードをダイヤルに設置

 今までXシリーズのカメラ(モードダイヤルのある機種以外)では、プログラムモードはレンズ側の絞りリング位置を「A」に置き、シャッタースピードを「A」にセットして使用するのが通常ですが、今回X-E4で初めてシャッターダイヤルに「P」(プログラムモード)が加わり、咄嗟のシャッターチャンスを逃さない俊敏な撮影を意識していることも感じられます。
X-E4ダイヤル部分
シャッターダイヤルの中に「P」モードがある。Qボタンは二つのダイヤルの間に配置されている。
もちろん、絞りリングのあるレンズは、従来通りの使用方法でプログラムモードでの撮影が可能です。

操作ボタン・ダイヤルの変更点と外部入出力端子

X-E4外観2  シンプルになったボディデザインと相まって、ボタン・ダイヤル操作に変更点があります。Qボタンは背面から天面(上部)に配置され、前面のフォーカスモード切換レバーと背面のリアコマンドダイヤルを無くしたことにより、全体的にフラットな形状へ姿を変えました。フロントコマンドダイヤルではSS.→F.→ISOと切り換えます。絞りリングの無いレンズはこのダイヤルで絞りを変更できます。
X-E4操作ボタン
ボディ前面の操作はダイヤル1つだけとなった。
 ボタン数が減っているので、Fn.機能を最小限に割り当て、タッチFn.と併せて使い、また、カスタム設定と上手く組み合わせながら、自分に合った操作のしやすい設定をしていくことが必要になります。  外部入出力端子は、本体充電にType-CのUSBケーブルが使用可能、 HDMIケーブル、3.5mm径のステレオミニジャック(マイク、リモートレリーズ兼用)などが採用され汎用性があります。

タッチパネル搭載の180°チルト式モニター

 X-E3が発売された時点で一番残念に感じていたのが、チルトモニターがなかったことでした。その声に応えるべく、また昨今の撮影環境、動体・動画需要に応じた180°チルト式モニターは、3.0型TFTカラー液晶モニター・約162万ドット。  ウエストレベルでの撮影や、テーブルや台に置いたままの高さでの撮影、もちろん180°回転させれば動画・Vlog、セルフィーなどアングルの自由度を上げてくれるので撮影バリエーションが格段に広がります。
X-E4モニター
モニターを手前に引き出してから上部へ立ち上げて180°にて使用。この構造により背面もフルフラットにすることができている。
 タッチシャッターを切ることができるので、これもプログラムモードと併せてスナップ撮影で咄嗟の撮影に活用したい機能です。その他にもAF、フォーカスエリア選択、ダブルタップ画面拡大、タッチFn.などモニター画面にも機能が詰まっています。もちろんモニター画面で操作しない場合は機能OFFも可能です。

Xシリーズの基準となった「X-Processor 4」と「X-Trans CMOS 4」

 ハイエンド機X-T4から引き継がれた高速な情報処理を実現している「X-Processor 4」による描写性能と、イメージセンサーの全面(約100%)に渡り像面位相差画素を216万画素配置しており、「X-Trans CMOS 4」のフォーカス性能、画面端にある被写体も高速且つ高精度で捉えられます。動くものを瞬間的にキャッチするこのスペックも今やXシリーズの基準となっています。

18色のフィルムシミュレーション

 富士フイルムの色として定評あるフィルムの色彩や質感をベースした18色のフィルムシミュレーションに加え、カラークロームエフェクト、カラークロームブルー、モノクロームカラーなど、個性的に表現するために調整パラメーターで仕上がりを変更して楽しみたいもの。  RAW+JPEG撮影しておけば、撮影後にカメラ内RAW現像で微調整もできる上、富士フイルムの色から「自分のこだわり色」に変わる楽しさがあります。これらは、画像処理エンジン「X-Processor 4」の処理能力の高さと「X-Trans CMOS 4」だからこそ実現可能なエフェクトです。  赤や黄色といった色飽和しやすい色ではカラークロームエフェクトを加えることで立体感が出せます。カラークロームエフェクトで壁面の赤色の深みと質感を引き立て、シャドー部をマイナスにして引き締めました。
X-E4作例
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXF35mmF2 ■撮影環境:SS 1/640秒 絞りF5.0 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
快晴の青空を強調するならカラークロームブルー。より印象的で鮮やかな青色に仕上がります。
X-E4作例1
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離17.5mm) ■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF5.0 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
 この他にもモノクロームカラーや、ホワイトバランスシフト、ハイライト・シャドーのトーンカーブ補正、質感とエッジの際立つ明瞭度など、カメラの中でできることが多く撮影後も存分に楽しめます。

キットレンズと呼ぶのは勿体ないXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ

 X-S10の時にも紹介しましたが、キットレンズと呼ぶには忍びないほど描写力の高いレンズであるXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは、パンフォーカスでの撮影に最適で、周辺減光もほとんど感じられず、画面の四隅までクリアな描写が得られます。  陽に透ける葉脈の一本、一本までしっかりと写し込めており階調も美しく表現できています。
X-E4作例2
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離21.5mm) ■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF4.2 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード
 広角端15mmの汎用性は高く、35㎜換算で約23㎜の広角レンズなので、パースを活かした構図で狙いたい建物・空間などでも描写力の高さを感じます。薄暮時間の空をカラークロームブルーで引き立てています。
X-E4作例3
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離15mm) ■撮影環境:SS 1/125秒 絞りF8.0 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:Velvia/ビビッド
 スナップ撮影にもふさわしく、開放的な視野がとても気持ちよい15mm。長く伸びる影も広角によって強調されています。歪曲もほとんど感じさせません。ここでもカラークロームブルーで青空を強調しました。
X-E4作例4
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離15mm) ■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.0 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:Neg.Hi
 望遠端45mm(35mm換算で約69mm)は最短撮影距離35cm~となっており、近距離での撮影ではボケの表現ももちろん可能。
X-E4作例5
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離45mm) ■撮影環境:SS 1/125秒 絞りF5.6 ISO160 WBオート雰囲気優先  ■フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード
 程よい距離感で直線的な建物を切り取るときも、料理や小物などの正対で撮影する被写体にも適した画角です。
X-E4作例6
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ フジノンXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ(焦点距離44.5mm) ■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF8.0 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:ETERNA ブリーチバイパス
 滑らかな電動ズームは、動画・Vlogで威力を発揮し、様々なシーンにおいて幅広く対応できます。使用頻度の高い焦点距離をカバーしたこのレンズは、日常から旅先での様々なシーンで活躍する1本になっています。

オールドレンズで雰囲気写真も味わう

 今回は、オールドレンズも試してみました。筆者の持ち合わせているオールドレンズはロシア製Industar 50-2 50mm/f3.5という小型パンケーキレンズ。Carl ZeissのTessarをモデルにしたレンズです。オールドレンズ使用時は、「マウントアダプター設定」をレンズの焦点距離を合わせ、操作ボタン・ダイヤル設定で「レンズなしレリーズON」にして使用します。
X-E4作例7
ロシア製Industar 50-2 50mm/f3.5は、コーティングが甘く、逆光源では光が降り注ぐような虹色フレアが出るのが特徴。M42スクリューマウントのためアダプターはK&F concept社製を使用。
 夕日を浴びてまどろむネコ。町中でのスナップ撮影には距離感もちょうど良く、クラシックネガを選べばフィルムライクな懐かしい雰囲気と味わいを表現可能。
X-E4作例8
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ Industar 50-2 50mm/f3.5 ■撮影環境:SS 1/80秒 絞りF5.6 ISO320 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 早咲きの河津桜は、逆光によるフレアで優しく光が回り、柔らかく春らしい雰囲気に。クラシッククロームで色を抑えてみました。
X-E4作例9
■撮影機材:富士フイルムX-E4/ Industar 50-2 50mm/f3.5 ■撮影環境:SS 1/80秒 絞りF3.5 ISO320 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 解像感溢れる写真だけでなく、オールドレンズを使用することによって改めてフィルムカメラのような感覚でじっくりと撮影するのもX-E4らしいですね。

おわりに

 あれもできる、これもできる。といった万能なX-S10とは異なり、「一枚の写真を撮る、瞬間を切り取る。」本来の“写真を撮るためのスタンス”を根本に考えられた良さが感じられるX-E4。  見た目のデザインの良さも、携行性の良さも、描写性能の高さも写真を撮る楽しみを存分に味わえる一台。じっくりと写真に向き合いたい人に迎え入れてもらいたい大人の雰囲気を漂わせるカメラに仕上がっています。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。 ~ 「X-E4」はこちらの記事でも紹介されています ~ ■FUJIFILM Imaging Plaza東京でのX-E4取材記事 富士フイルム X-E4|携帯性をアップしたXシリーズ最小最軽量カメラ https://shasha.kitamura.jp/article/479865060.html

特集ページ

 X-E4特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページも合わせてご覧ください。 bnr_hatubai.jpg
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんによる富士フイルム「X-E4」のレビューです。レンジファインダー型のミラーレスカメラとしてはX Proシリーズに並び人気の高いEシリーズ待望の新モデル。そのファーストインプレッションとキットレンズの魅力を併せてお伝えいたします。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,X-E4,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう|【第4回】シネマティックムービーに挑戦しよう! BASENAME: 480421564.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 03/10/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,LUMIX S5,パナソニック(Panasonic) ボディー,動画撮影・編集,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: 00_パナソニック LUMIX S5で動画撮影している画像_FP003812.jpg

はじめに

 昨年登場したパナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」。シリーズ中もっとも小さくて軽いサイズながら、上位機種「LUMIX S1H」顔負けのムービー撮影機能を盛り込んで話題になりました。スチル撮影はもちろん、高解像度の4Kムービーから、魅惑的なスローモーションとクイックモーションなど、このカメラがあれば誰にでも楽しむことができるようになっています。その素晴らしいムービー機能に親しむビギナー向け短期連載の第4回目です。

より本格的なムービーを撮影してみよう

 前回の連載第3回目で「LUMIX S5」はカンタンに4Kムービーの撮影ができ、iPhoneを使って手軽に編集できることがお分かりいただけたと思います。パナソニックやシグマ、ライカ製の豊富なライカLマウントレンズを使いこなせば、より自分なりの映像表現ができ、スチルとムービーという両方の楽しみを存分に味わえるようになります。  さて近ごろ「YouTube」を見ていると「シネマティックムービー」という言葉を目にすることがあります。これは4Kなど高解像度なだけでなく、色合いや階調などをまるで映画のように仕上げたムービーのことを指します。これらのムービーを見てみると独特のトーンを持った印象的な色彩で、一般的なムービーとは異なる仕上がりになっています。実はパナソニック「LUMIX S5」なら撮影および編集でひと手間かければ、このようなシネマティックなムービーを作ることができるのです!そのためにはどうすればいいのか今回はカンタンに解説していきましょう。

スチルのようにムービーも「RAW」で撮る

 カメラのキタムラファンでスチル撮影を楽しんでいらっしゃる皆さんなら「RAW」という言葉を聞いたことがあるでしょう。これはデジタルカメラで撮影したときの「JPEG」など一般的なファイル形式に出力される前の「生(RAW)」データのことを指します。カメラの映像エンジンで処理される前のデータは、メーカー独自の発色傾向などが加味されていないので、RAW現像に対応したアプリケーションで「現像処理」することにより、撮影者が自分好みの個性を持った色合いやコントラスト、シャープネスなどの特徴を引き出すことができます。  「LUMIX S5」はその「RAW」の「ムービー」を撮影できるフルサイズミラーレス一眼カメラなのです。一般的にこのような機能を持ったカメラは少なく、存在していてもメーカーのサービスセンターに持ち込み、有償で機能制限を解除をしないと「RAWムービー」の撮影ができません。「LUMIX S5」はその必要がなく、周辺機器を揃えるだけで「RAWムービー」の撮影が可能になっています。まるで上位機種の「LUMIX S1H」のようですね。  ではその「RAWムービー」を「LUMIX S5」で撮影して編集するには何が必要なのでしょうか。まず「RAWムービー」を収録する機器が必要です。この「RAWムービー」はアップルが提唱している「Apple ProRes RAW」という形式となり、認められた機器でしか収録できないようになっています。そのために必須なのが外部レコーダーです。
01_ATOMOS NINJA V製品画像_FP008929.jpg
ATOMOS NINJA V
 この製品は5.2インチ・1920 x 1080 ピクセル 10bit HDR 表示が可能なディスプレイで、SSDドライブを挿入してHDMIケーブル経由で映像の収録ができるモニターレコーダーです。高い性能を誇りながらボディわずか360gと軽く、自由雲台などを用いて「LUMIX S5」のホットシューに搭載できます。対応のバッテリーとSSDドライブを装着して使っているシーンがこんな感じです。使用前にユーザー登録をして、メールで送られてきたコードを入力すると「Apple ProRes RAW」の収録が可能になります。 02_製品画像FP008936.jpg  このように被写体を大きい画面で確認しながら「RAWムービー」を「NINJA V」に収録していくのです。設定が終わると「5.9K RAW」 5888 x 3312 という超高解像度の「RAWムービー」が撮影できるようになります。 ※「LUMIX S5」との詳しい設定などは英語のメニュー表記になってしまいますが、ATOMOS社の公式YouTubeチャンネルが詳しいのでこちらを参照してください。

撮影から編集まで

03_製品画像_FP003819.jpg  今回の撮影では「LUMIX S5」に自由雲台を介して「NINJA V」を搭載し、「befree live カーボンT三脚ビデオ雲台キット」に装着して撮影をしました。カメラ一式とのバランスもほどよく安定していましたが、もしこれより長いレンズを使う場合は三脚と雲台をランクアップした方がいいかもしれません。  さて撮影が終わったら編集です。「Apple ProRes RAW」の編集アプリケーションといえばアップルの「Final Cut Pro」でしょう。Mac専用となりますが「Apple ProRes RAW」を策定しているアップル製だけあって動作も軽快で扱いやすいです。その機能や手順を広く紹介するとかなりのボリュームになってしまうので、要点をいくつかピックアップします。 04_キャプチャー画像_fcp.png  「NINJA V」に収録された撮影したデータは「RAW」なので、これを「Final Cut Pro」に読み込み、前回の「iMovie」のようにタイムラインに並べて長さなどを編集し、色補正やトーンを調整していきます。また必要であれば色空間も一般的なものに変更します。
 「Apple ProRes RAW」はこのように眠い感じのムービーになっています。なので「Final Cut Pro」で現像処理をする必要があります。
 「Final Cut Pro」で処理したムービー。カラーホイールを使って明るさを調整し、LUTを当ててコントラストをハード目にし、メリハリの効いたムービーにしてみました。 05_キャプチャー画像_info.png  「LUMIX S5」で撮影したデータを「Final Cut Pro」で読み込むと自動的に「Panasonic V-log」という「LUT(ルックアップテーブル)」が当てられ、パナソニックらしいLogムービーになっています。「Log」とは乱暴に言ってしまえばフィルター効果を施したような感じの、やや「調理」された「RAWムービー」です。またこの「Final Cut Pro」の表示を見るとわかるように、この画面で「ISO感度」「露出オフセット(露出補正)」「カメラの色温度(ホワイトバランス)」の変更が可能なことが確認できるでしょう。これが「RAWムービー」のいいところなのです。撮影時のカメラ設定そのままでなく、自分が意図した色合いや明るさに撮影後でも自由にコントロールできるのです。 06_キャプチャー画像_iso.png  ISO感度も自由にプルダウンメニューから選択して変更できます。明るさが目まぐるしく変わるシーンなどでも、編集作業で対応できるところがうれしいですね。同様にスライダーで露出補正もホワイトバランスも変更可能となっています。 07_キャプチャー画像_lut.png  ではシネマティックに仕上げるにはどうすればいいのでしょうか?「Final Cut Pro」の「カラーホイール」などで明るさなどをコントロールするのはもちろんですが、先ほどの「LUT」を当てて独特のトーンを演出することが可能なのです。この「LUT」はパナソニックがウェブサイト上で無料配布しているものがあるので、まずはその「.cube」形式で好みのものを「Final Cut Pro」に読み込んでムービーに適用するといいでしょう。  またインターネット上に「LUT」を販売していたり配布しているところもあるので、検索して好みのものを導入して撮影したムービーに当ててみるのもオススメです。そしてイメージ通りのものができたら書き出して完成です!
 古刹(こさつ)の雰囲気を出すようにアンダー目にコッテリとした色合いを出すLUTを当ててみました。適用後に好みに応じて補正をかけることにより、もっとイメージを変えることも可能です。  「LUMIX S5」は音声収録も高性能です。鳥の鳴き声や鐘の音など実にきれいに録ることができます。もしインタビューなど人物の声を録る場合などは外部マイクの導入を検討するといいでしょう。純正アクセサリーでも「ステレオガンマイクロホン DMW-MS2」、「ステレオマイクロホン VW-VMS10」が用意されています。より高性能なマイクが使用できる「XLRマイクロホンアダプター DMW-XLR1」もラインナップされている点が心強いですね。
 休日の公園風景を明るくポップに仕上げてみました。インターネット上のさまざまなサイトでは無料でLUTを配布していたり、有料で販売しているところもあるので、ネットサーフィンをして気に入ったものをダウンロードして適用すると面白いと思いますよ。場面転換のトランジションやBGMも同様です。
 手持ちでブラブラと散歩しながら撮ったムービーを繋いでみました。「LUMIX S5」は小型軽量なので「NINVA V」を装着してもさほどかさばらないのがいいですね。「Final Cut Pro」でカンタンに速度調整などを行い、フィルムルックなLUTをかけてみました。

まとめ

 「LUMIX S5」は素のままで「RAWムービー」が出力できるモンスターカメラなのです。あとは「NINJA V」など外部収録機器を用意すれば、シネマティックなムービーを撮影できてしまいます。軽量コンパクトなフルサイズミラーレス一眼カメラなのにとてつもないパワーを秘めているのです。今回は駆け足でそのシネマティックな基本性能を紹介しました。この世界はとても奥が深いので、もし興味をお持ちになったらインターネット上を検索して最新の情報を得ることをオススメいたします。「LUMIX S5」は多数のライカLマウントレンズを使うことができるので、交換レンズでの素晴らしい描写と、ポテンシャルを秘めた「Apple ProRes RAW」撮影とでフルサイズ一眼ムービーの世界を楽しんでください! ~ 「パナソニック LUMIX S5 で気軽にムービー撮影を楽しもう」の連載はこちらからご覧頂けます ~ 【第1回】スチルだけでなくムービーも簡単! 【第2回】ムービー三脚と電動ジンバルを使ってムービー撮影 【第3回】ムービー撮影設定と iPhone でのカンタン編集! ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがパナソニック LUMIX S5のムービー性能をビギナー向けに短期連載で紹介しています。第4回目はシネマティックなムービーの撮影&編集方法を説明しています。 ----- KEYWORDS: レビュー,動画撮影,パナソニック,LUMIX S5 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ソニー Distagon T* FE 35mm F1.4 ZAレビュー|プライスダウンで魅力を増した高性能レンズ BASENAME: 480402773.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 葛原よしひろ DATE: 03/12/2021 16:00:00 TAGS: Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA,レビュー,ソニー(Sony) レンズ,単焦点 ----- BODY: 00_ソニーSEL35F14Zの製品画像.jpg

はじめに

 今回のレンズレビューはSONYの「SEL35F14Z」です。SONY純正ながら正真正銘のZEISS Distagonレンズであり、新製品「SEL35F14GM」の発表後大幅にプライスダウンされました。発売から少し時間が経っているとは言え、現在の価格であればEマウントユーザーには気になるレンズに再浮上間違いなし。という事で実写を交えながら改めてこのレンズの魅力を探ってみたいと思います。

スナップ

01_ソニーSEL35F14Zの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:F5.6 1/20秒 ISO100 露出補正-1
 現場に向かう道中に大阪の淀屋橋界隈をブラリ撮影。趣のある建物の窓を中心に、向かい側のビルの写り込みも考慮してシャッターを切りました。ファインダーを覗いた瞬間に建物の線が歪んだり曲がったりせずに真直ぐシャープに見える事で、このレンズがハイクオリティであることが理解出来ました。
02_作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO6400 露出補正+1.3
 先程の写真を撮影した後スマートフォンの地図アプリを見ると、目的の撮影地が遠のいている事に気付いて駅の方向に戻る事になりました。実は私は生粋の方向音痴なのでこのような事は日常茶飯事なのですが、駅方向に戻って路上地図と地図アプリを合わせ見て方向確認していると、地図の落書きと路駐自転車が気になりパシャリ。田舎者の私には何となくこういうものが都会的に見えてフォトジェニックに思えたりもするのですが、地図の落書きも自転車の路駐も迷惑行為なので止めて下さいね。  そして以前からZEISSのレンズを使うといつも思う事なのですが、このSEL35F14Zも例外では無くて良く黒が締まってくれます。黒が締まるレンズは私が街スナップに持ち出すレンズを選ぶ時の選択基準として外せない要素です。
03_作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO6400 露出補正+1.3
 黒が締まるレンズを使うとB&Wにした時の仕上がりも格段に良い雰囲気になりますので、特に街スナップのレンズ選択ではその点も押さえたいポイントになります。そういった意味でもこのDistagon 35mmはスナップに連れ出したくなるレンズです。
04_作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:F1.4 1/2000秒 ISO6400 露出補正±0
 目的地までの目途がついてホッとした気持ちになると、朝食を未だ食べていないことを思い出しました。通りすがりの喫茶店のモーニングセットにつられて入り口をみると、良い感じの階段が目に入ってきたので4階のお店まで上りながら撮影。おそらく床材を剥がした跡をそのままにされているのだと思うのですが、自然な経年変化も含めてアートな感じになっており、昭和の雰囲気と薄暗い空間のハードボイルドな匂いが私好みで食欲を満たす前に写欲が満たされました。  少し暗い場所での撮影でも、開放値F1.4にダイレクトドライブSSM高速モーター搭載のこのレンズはAFが迷う事も無く素早く合焦するので、ストレスなく撮影を楽しめるのは嬉しいですね。
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■撮影機材:ソニー α7C + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:F5.0 1/30秒 ISO400 露出補正±0
 少し遅めの朝ごはんとなったモーニングセットを撮影。窓からの自然光と店内の電球色の光源が合わさったミックス光なので、通常だと狙った色味を出すのが難しい状況なのですが、AWBで撮影したところお店の雰囲気も食材も美味しそうな感じに収まりました。こういう微妙な雰囲気を表現したいときにZEISSのレンズは期待に答えてくれる事が多いので助かります。  珈琲は勿論の事、ちゃんと手の込んだサイドメニューもとても美味しくて大満足な朝食にこの後のお仕事での撮影の鋭気も養われました。隠れ家的な店内は店主のセンスの良さが溢れていて、時間が有れば店内も撮影したかったのですが出来なかった事が少し心残りでした。

ポートレート

06_作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:F1.4 1/125秒 ISO100 露出補正±0
 次の被写体も35mmF1.4レンズを使用しての定番撮影となるポートレート撮影です。今回のモデルさんは世界最大規模のミスコンテスト、ミス・グランド・インターナショナル2017 日本大会ファイナリストで、鈴鹿サーキットクイーン37期生の森江由衣さんを京都市内で撮影させて戴きました。  一枚目は叡山電鉄の無人駅にて撮影。雨の日の撮影でしたが森江さんの大きな瞳と白い歯が印象的な笑顔で明るい一枚になりました。このレンズは以前より私の中でポートレートを得意とするレンズというイメージが有りました。その理由は女性の肌に透明感が出るといいましょうか、少し透き通るように美しく描写してくれるので柔らかく優しい表現がしやすいと感じていたからです。そして雨の日は防塵防滴に配慮したレンズは心強いですね。
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■撮影機材:ソニー α7R IV+ Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:F1.4 1/125秒 ISO100 露出補正±0
 アメリカンな壁画の前で撮影。色とりどりの壁をみると、このレンズの発色の良さが解ります。開放F1.4でも原色系から淡い色まで鮮やかに濁らず再現してくれるので、どの様な背景でも安心して撮影することが出来るのは頼もしいですね。特にネオン管の薄いピンクの色が蛍光感も有りつつも、ここまで発色している事に驚きました。

風景

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■撮影機材:ソニー α7R IV + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:F13 30秒 ISO100 露出補正±0
 最後は私の地元である滋賀県高島市の琵琶湖に浮かぶ竹生島と対岸の伊吹山が直線状に並んで見えるポイントで撮影。雪化粧の伊吹山と流れる雲と晴れ渡る空の青さに惹かれながら寒さを忘れて夢中で撮影しました。それにしても風景撮影にZEISSのレンズを使うと、いつも空や水面のグラデーションの美しさに顔が緩んでしまうのは私だけでは無いと思います。操作面ではレンズ本体に絞り環が付いているので、撮影時に絞り環を廻して絞りのコントロールが出来るのは凄く便利です。

さいごに

09_製品画像.jpg  今回、改めてじっくりSEL35F14Zを使用しましたが、初期SONYフルサイズEマウントレンズとあって最新の同スペックのレンズには解像感やAF性能で及ばない面も確かに有ると感じます。AF/MF切替スイッチもないため、マニュアルで撮影したい場合はボディ側で設定操作する必要があります(昨今のカメラはAF性能が良く、MFの出番はほとんどなくなっていますが…)。 しかしフィルター径72mm、最大径78.5mm、長さ112mm、重さ630gと決して小さいとは言えないボディに8群12枚のレンズ群を持ち、高度非球面レンズ1枚を含む非球面レンズ3枚を使用した高性能レンズであることは紛れもありません。35mmF1.4のZEISS DistagonをAFで使用する事が出来て、尚且つそれがSONYの純正レンズでも有るなんて、それだけでも充分過ぎるほど魅力的ですよね。それに加え衝撃のプライスダウンがなされた現在の価格で明るい単焦点のZEISSマジックが手に入るとなれば、どう考えても最高のコストパフォーマンスを持った一本であることは間違いないと思います。是非一度お試しされてみては如何でしょうか。 ■写真家:葛原よしひろ ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の葛原よしひろさんに、ソニーのDistagon T* FE 35mm F1.4 ZAレンズをレビューしていただきました。ZEISS製の高性能レンズながらプライスダウンによってさらに魅力を増した一本です。 ----- KEYWORDS: ソニー,Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 森の賢者「フクロウ」を撮る|坂井田富三 BASENAME: 480438539.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 03/13/2021 16:00:00 TAGS: 撮影テクニック,フクロウ,野鳥 ----- BODY: 00_フクロウの作例_DSC3133.JPG

はじめに

 森の賢者、森の番人、森の物知り博士、森の哲学者などと呼ばれるフクロウ。夜行性のため実際にお目にかかることも少ない鳥類です。それだけに自然の中で見つけ撮影できた時の喜びもひとしおです。  実際に撮影したいと思っても、何処にいるのかは分からないし、仮に生息場所が分かっても森の中では簡単に見つける事はできない、撮れないのがフクロウです。日本に生息する野生のフクロウは11種類。日本全土に生息するものや、北海道でしか生息していないものもあります。 アオバズク オオコノハズク キンメフクロウ シロフクロウ コノハズク コミミズク シマフクロウ トラフズク フクロウ リュウキュウコノハズク ワシミミズク ※50音順

フクロウを撮るための準備

 フクロウ撮影をする前に、最初に野鳥撮影のマナーをよく理解する必要があります。「公益社団法人日本野鳥の会」でとても重要な「野鳥撮影のマナー7か条」を紹介しています。 1、野鳥の巣には近づかない 2、野鳥を追い回さない 3、珍鳥や人気の鳥の情報を公開しない 4、周囲の人や撮影場所選びには十分な配慮をする 5、餌付けや、環境改変は行わない 6、自然にやさしいマナーを心がけよう 7、ストロボは使用しない  フクロウ撮影だけに限らず野鳥を撮影する際には、これらの項目をよく理解し行動をする必要があります。この「野鳥撮影のマナー7か条」の「1、野鳥の巣には近づかない」を守るためには、撮影には必然的に望遠レンズが必要になってきます。通常の300mmや400mmのレンズは足りないシーンがほとんどです。人気のシグマ・タムロンの150-600mmのレンズや、各メーカーの400mmや600mmの大型の単焦点レンズとテレコンバーターなどを組み合わせた機材が必要になってきます。  下の写真は、シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sportsを使用して焦点距離600mmで撮影したコミミズクです。コミミズクは草原などでみられる冬鳥で、夜だけでなく日中も活動することがあるため、フクロウ類のなかでも比較的見られやすい種です。一面雪景色の北海道での撮影で真っ白な雪原なので、比較的見つけやすい環境での撮影でした。
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■撮影機材:SONY α7RIII + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports + MOUNT CONVERTER MC-11 ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF8 ISO800 焦点距離600mm
 「野鳥撮影のマナー7か条」の「3、珍鳥や人気の鳥の情報を公開しない」が原則なので、ここでも基本的には野生で撮影した場所は詳細には記載をいたしません。そういった訳でどこにいったら撮影できるのか?という情報をなかなか手に入れる事ができないのが現状です。実際にこのコミミズクの撮影は、北海道でキタキツネを探しながら撮影していた時に偶然に出逢って撮影したものになります。  フクロウ撮影において、一番難しいのがフクロウを見つけることです。自分で情報収集する方法は、最初は各地域にあるネイチャーセンターなどのガイド情報などを参考にすると良いかも知れません。ネイチャーセンターにあるガイド情報には、その地域で見られる野鳥の種類や時期などが記載されているものがあったりします。また最初はガイドツアーなどに参加して情報取集するのも方法の一つです。

フクロウを撮ってみよう

 フクロウを見つける事はなかなか難しいのですが、実は比較的撮影のしやすい所もあります。北海道目梨郡羅臼町のある「鷲の宿」が有名な撮影スポットです。撮影のツアーもあったりする有名なポイントなので場所も含めて紹介させて頂きます。  ここでは宿に宿泊して撮影できるほか、観察施設から「シマフクロウ」を撮影する事ができます。「シマフクロウ」は、国の天然記念物に指定されている超大型のフクロウで、北海道東部(知床・根室・日高)に生息しています。必ず「シマフクロウ」が撮影できる保証はありませんが、宿の間にある渓流で「シマフクロウ」の狩りを観察撮影できるよう、撮影環境が整えられているので初めてのフクロウ撮影には向いている場所です。 ・「鷲の宿 観察施設 シマフクロウオブザバトリー Fish-Owl Observatory」のHPはこちらからご覧頂けます。  筆者も北海道の道東方面を撮影に行くときには、この「鷲の宿」を撮影するコースに組み込んでいます。シマフクロウが撮影できる確率は非常に高くおすすめできるスポットです。
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■撮影機材:SONY α9 + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary + MOUNT CONVERTER MC-11 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF6.3 ISO12800 焦点距離531mm(撮影時期9月)
 この場所ではシマフクロウを1年を通して観察撮影する事ができ、撮影時間は、日没30分後くらいから深夜24時ぐらい迄になります。
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■撮影機材:SONY α9 + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary + MOUNT CONVERTER MC-11 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF6.3 ISO25600 焦点距離600mm(撮影時期9月)
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■撮影機材:SONY α9 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF5.6 ISO6400 焦点距離400mm(撮影時期2月) ・真冬の撮影でも、観察小屋にはストーブも用意されていて安心して撮影する事ができます。
 こちらは渓流の魚を狩るシマフクロウ
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■撮影機材:SONY α9 + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary + MOUNT CONVERTER MC-11 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF6.3 ISO16000 焦点距離347mm(撮影時期9月)
 基本的には夜間での撮影になる為、ISO感度を上げて撮影する必要がありますが、この場所ではシマフクロウの目に優しい照明装置が設置されているため、シャッター速度1/80秒でも上記の様な写真を撮影する事ができます。  ここからは別のスポットで撮影したフクロウになります。野生のフクロウは大きな樹の洞を巣にします。ですので野生のフクロウを探すポイントとしては日中に巣になりそうな洞を見つける事がポイントです。
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■撮影機材:SONY α7RIII + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports + MOUNT CONVERTER MC-11 ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF9 ISO400 焦点距離600mm
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■撮影機材:SONY α7RIII + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports + MOUNT CONVERTER MC-11 ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離600mm
 森の中にいるフクロウを見つけるのは容易ではありません。下の写真は焦点距離600mmで撮影したものですが、肉眼では何処にいるのかまったく分かりませんでした。実際の撮影にあたっては、双眼鏡を使って森を観察して見つけてそれから撮影するのがよいでしょう。超望遠レンズをカメラに付けて、ファインダーからこの状況を見つける事はかなり難しいです。
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■撮影機材:SONY α7RIII + シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary + MOUNT CONVERTER MC-11 ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離600mm
 下の写真はフクロウの雛ですが、フクロウの雛の撮影するのには特に注意が必要です。「野鳥撮影のマナー7か条」の「1、野鳥の巣には近づかない」にあたります。雛はまだ飛べないので巣の近くいます。そして雛を見守るように親鳥も近くにいて常に警戒しています。その場所に人間が入っていってしまうと、親鳥が巣の異常を感じたりして巣を見捨ててしまう事も考えられます。巣には不用意に近づかないように注意しましょう。また雛がいる場所、時期がインターネットなどに公開されてしまうと雛が危険にさらされてしまいますので、絶対にしないようにしましょう。 09_作例.JPG

まとめ

 フクロウを含む野鳥や野生動物を撮影するには、被写体とのある程度の距離が必要になってきます。できれば600mmクラスのレンズが必需品になるでしょう。APS-Cサイズのカメラと組み合わせれば900mm相当にもなります。また、このクラスのレンズになるとそこそこの大きさになるので、それに合ったカメラバッグや三脚、雲台などを検討する必要があります。また少し大きめの双眼鏡も用意しておくと便利です。  フクロウを含む野鳥撮影は簡単ではありませんが、その分撮影出来た時の喜びもとても大きいものになります。しっかりと被写体の生態を理解して、撮影のマナーを守り、撮影できるポイントを見つけ気長に時間をかけてチャレンジしてみてはどうでしょうか。 【参考】野鳥撮影マナーブック ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員 ・日本風景写真家協会 会員 ・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事 ・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事 ・一般社団法人 日本写真講師協会 理事 ・ソニーαアカデミー講師 ・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんが「フクロウ」の撮り方を紹介しています。撮影のマナーやフクロウの生態についても丁寧に説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,鳥,フクロウ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ソニー FE 35mm F1.4 GM|シャープな解像感と美しいボケ味を両立する大口径単焦点レンズ BASENAME: 480408349.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 葛原よしひろ DATE: 03/15/2021 16:00:00 TAGS: FE 35mm F1.4 GM,レビュー,ソニー(Sony) レンズ,単焦点 ----- BODY: 00_ソニーSEL35F14GMの製品画像.jpg

はじめに

 2021年3月12日にソニーから発売されましたフルサイズEマウント用レンズ「SEL35F14GM」のレビューです。大好評のGMシリーズとして待望の定番焦点距離35mmのレンズが満を持しての発売という事で、期待値も高く実写するのが楽しみなのですが先ずは外観から。  従来のGMシリーズと同様の外観で、最高級ラインナップとして申し分のないしっかりとした造りになっています。絞り環と動画撮影時に便利な絞りクリックのオンオフ切替スイッチ、AF/MF切替スイッチ、他の機能に割付可能なフォーカスホールドボタンと機能的にも充実しています。そしてフルサイズ用35mmF1.4としては凄く小型軽量なことに最も好感を持ちました。それではここからは実写を交えて、お話させて戴きます。

ポートレート

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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/125秒 ISO100
 まずはポートレートに使用してみました。今回、協力してくれたモデルさんは世界最大規模のミスコンテスト、ミス・グランド・インターナショナル2020 日本大会グランプリ受賞者の佐治瑠璃さんです。開放F1.4で撮影しているのですが、ピント面の透き通る美しい瞳には撮影する私がしっかりと写り込んでおり解像感の高さが分かります。ボケは柔らかくなだらかで、嫌な滲みも無くスッキリとした立体感を出してくれます。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/125秒 ISO100
 全身撮影の構図で横顔に近い状態でも瞳AFがきっちり作動しており、フォーカスをカメラとレンズに任せて、階段を下りるモデルさんの左足が階段の地面に付いた瞬間を切り取れるレスポンスの良さに満足しました。このレンズをポートレートに使用して感じた事は、透き通るような透明感の有るレンズという印象です。この透明感というのがポートレート撮影においてレンズ選びの凄く重要な要素だと考えているので、最初の撮影で早くもSEL35F14GMを好きになりました。  撮影日は雨だったのですがこのレンズとモデルさんの透明感に助けられた撮影となりました。加えて、レンズもボディも防塵防滴に配慮した設計になっているので安心して撮影することが出来ました。

風景

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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/14 20秒 ISO100
 次は風景撮影です。一枚目は滋賀県高島市、琵琶湖岸の私の定番お気に入りスポットでの撮影です。夕暮れ時に優しい紫に包まれた琵琶湖と空に癒されながらシャッターを夢中で切りました。空と湖の淡い紫とコントラストの微妙な雰囲気を再現出来るかは、最終的にレンズに掛かっていると言っても過言では無いのですが、GMシリーズは本当に素晴らしくこのレンズも期待に応えてくれました。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/400秒 ISO100
 次は同じ滋賀県の守山市での撮影。早咲きの菜の花畑を開放F1.4で撮影。ポートレート撮影で確信した美しいボケを表現に使用して、ピント面の菜の花を浮き立たせてみました。発色に関しては先程の淡い色彩とは逆に今度は原色の被写体ですが、菜の花の黄色と茎や葉の緑、そして空の青、どの色も鮮やかに映し出してくれました。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/8000秒 ISO100
 もう少しボケを楽しみたくなったので、続けて開放F1.4で被写体に寄りながら構図に前ボケも入れて撮影してみると、想像通り前ボケも柔らかくて優しい雰囲気になりました。風が強かったのでトラッキングAFを使用しての撮影です。勿論ボディ性能も大きな要因なのですが、レンズのAFスピードが速くて正確なので、トラッキングAFを使用する事により風に揺れる花を合掌し続けてくれ、シャッタースピード1/8000で揺れる菜の花も簡単にクッキリと止まってくれました。定番だけど菜の花には青い空が良く似合う。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 2/5秒 ISO400
 ここまで撮影してみて、このレンズの開放F1.4でのピント面の解像感と美しいボケを利用した立体感のある描写が凄く気に入ったのでもう一枚。逆光に揺れるススキをシャッタースピード2/5秒で少し揺らして撮影してみたのですが、イメージ通り日没の赤い太陽がススキを赤く色付かせノスタルジックな雰囲気にしてくれました。このカットの撮影中、逆光状態の色々な角度で構図を決めている最中に全くと言って良いくらいフレアもゴーストも発生せず、ナノARコーティングⅡの高い逆光耐性の素晴らしさを改めて感じる事が出来ました。

ZEISS製35mm F1.4レンズとの違い

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左:FE 35mm F1.4 GM(SEL35F14GM) 右:Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA(SEL35F14Z)
 ここで少し私が気になっている事についてお話させて戴きます。SONYからは実はというか既にフルサイズ用Eマウントの35mmが存在しており、しかもあのZEISSブランドなのです(型名:SEL35F14Z)。正直どっちが良いのって気になりますよね?(以下レンズ表記について、省略してGMとZEISSと書かせて戴きます)  まずは外観の比較ですが、写真の通り明らかにGMの方が小型軽量化されております。サイズとしてはGMがフィルター径67mm、最大径76mm×長さ96mm、重量524gに対して、ZEISSがフィルター径72mm、最大径78.5mm×長さ112.0mm、重量630gと完全にワンサイズ違うレンズという位の差が有ります。  また、ZEISSにはAF/MF切替スイッチとフォーカスホールドボタンがありませんでしたが、今回GMにはそれらが搭載されています。現行の最新機種は十分に優れたAF性能を持っており、個人的にはMFへの切り替えはほとんど必要なくなりましたが、α7 IIなど少し前の機種をお使いであればシビアなピント合わせでAF/MF切替スイッチが活躍することでしょう。フォーカスホールドボタンも主にポートレート撮影での右目左目切替に使用する事が多く重宝しています。フォーカスリングの動きに関してもGMレンズの方が粘りがあり、MF時に合焦させてからズレにくい印象です。
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上:FE 35mm F1.4 GM(SEL35F14GM) 下:Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA(SEL35F14Z)
 ここからは実際に撮影に使用してみた私の素直な印象の違いをお話させて戴きます。私が感じた違いは大きく4点ありました。まず1点目の違いは、α7シリーズのボディに装着時のバランス差が大きいという印象です。GMはレンズ後方に重心があり撮影時の安定感が有るのに対して、ZEISSは重心が前寄りな事と大きく重い事も含めてかなりバランスが悪く感じました。やはり撮影時の安定感を考えるとバランスは良いに越したことは無いと思います。  2点目は開放時の解像感です。これについてはメーカー公表のMTF曲線を見ても解るのですが、決してZEISSが悪い訳では無くてGMが凄すぎるといった印象が強く、実際にGMで開放F1.4の撮影をしてみると納得してしまいます。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/16 1/2500秒 ISO100
 3点目は逆光耐性についてです。これについては今までZEISSを使用してかなり不満を持っていた部分でも有ったのですが、盛大にフレアやゴーストが出るので逆光での撮影時ではフレアとゴースト有りきでの構図を考えて撮影しておりました。対してGMは上記作例の通り逆光の太陽を構図にそのまま配置しても、殆どの場合全くと言って良い程フレアもゴーストも出ませんでしたので本当に驚きました。因みにこの写真ですが、滋賀県大津市の坂本城跡で撮影しており、後ろ姿は明智光秀公です。少々『麒麟が来る』ロス中の私で失礼しました。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/80秒 ISO100
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■撮影機材:ソニー α7R IV + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA ■撮影環境:f/1.4 1/100秒 ISO100
 そして4点目は最短撮影距離の差です。これが私にとって一番大きな違いとなりました。簡単に言うと被写体にどれだけ寄れるのかという部分ですね。これに関してはZEISSを使用されている方は感じている方が多い点だと思うのですが、特にポートレートやテーブルフォトの撮影時に「何でもう少し寄れ無いの!」と悔しい思いをすることがよく有ります。  それに対してGMは物凄く寄れます。実際にイチゴを盛ったお皿を最短撮影距離で撮り比べて見ましたが1枚目がGM、2枚目がZEISSになります。一目瞭然ですがGMの方が圧倒的に寄れるという事が解ります。この2枚の撮影時の絞りはどちらも開放F1.4なので、解像感も比べて戴くと違いが解ると思います。  結果、比べてみると殆どの面でGMが勝っているという感想なのですが、時の流れというより技術者の方々の努力の結果というべきですね。そもそもの発売時期が全く異なりますし、実際に私はZEISS発売当時はZEISSがAFで使えることに狂喜乱舞しておりました。そしてレンズの良し悪しは数値だけでは無くてそれぞれの好みという部分が大きく関与しますよね。そこの所が一番難しいのですが、レンズ選びの一番楽しいところでも有りますよね。(このSEL35F14GM発表とともにSEL35F14Zが値下げされ、ビックリしたのと同時に更に悩ましい事になりました。)

スナップ

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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/400秒 ISO100
 最後にスナップ撮影をしてみました。見つめ合うショーウインドウのマネキンの写真ですが、これも開放絞りF1.4で撮影。ピントを合わせた側のマネキンのシャープな解像感がこの写真の雰囲気を支えております。
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■撮影機材:ソニー α7C + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/9 1/60秒 ISO100
 こちらは絞りF9での撮影ですが、やはり絞り環が有るとレスポンス良くリズミカルに撮影出来るので嬉しいですね。開放での解像感も良いのですが、やはり絞った時の解像感は素晴らしくて構図の隅々まで更にシャープな線を描いてくれました。

さいごに

14_製品画像.jpg  最近、新しいレンズが発売される度に、これ以上良いレンズなんてもう出来ないんじゃないかと思う事が多いのですが、良い意味で裏切られ続けています。その中でも今回のSEL35F14GMは本当に素晴らしくて次の時代を感じるレンズでした。是非お手に取って確かめて欲しいです。 ■写真家:葛原よしひろ ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ソニーから新登場した大口径単焦点レンズ、FE 35mm F1.4 GMを写真家の葛原よしひろさんにレビューしていただきました。最上位モデルであるGMレンズらしいシャープな解像力と高い描写力が特徴的な一本です。 ----- KEYWORDS: ソニー,FE 35mm F1.4 GM,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: パナソニック LUMIX S5レビュー|コムロミホ BASENAME: 480520388.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: コムロミホ DATE: 03/16/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,LUMIX S5,セミナー,パナソニック(Panasonic) ボディー,スナップ,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: 00_パナソニック LUMIX S5で撮影した作例_P1061290.JPG

はじめに

 デジタルカメラにはない味わいのある写真が撮れるということもあって、いまだにフィルムカメラの根強い人気があり、手軽なカメラから、こだわりの一台までさまざまな選択肢があるため、最近フィルムを始める方も多い印象を受ける。しかし、フィルムの種類が減り、ランニングコストも上がっているため、デジタルカメラでフィルムのような味わいのある写真が撮りたいと願う方も多いのではないだろうか。  そこで、今回はLUMIX S5でフィルムライクな写真を楽しむ方法をご紹介したい。LUMIX S5のフォトスタイルにL.クラシックネオとL.モノクロームSという効果が追加された※。フォトスタイルは好みに合わせて色味やコントラスト、彩度などを変更できる機能で、鮮やかに表現するヴィヴィットやモノクロ写真を撮る効果などが搭載されている。 ※最新のファームウェアへの更新が必要な場合があります。

L.クラシックネオ

01_作例P1061311.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/4000秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離85mm
 今回追加されたL.クラシックネオは「カラーフィルム風の、ノスタルジックで優しい色合い」に仕上げてくれる効果だ。一枚撮影してみると、どことなく、懐かしく、やわらかく、独特な空気感で、味わい深い世界観となる。
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■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/4.9 1/1300秒 ISO100 焦点距離44mm
 まるでコダックのフィルム『ポートラ』のような発色を彷彿とさせる画づくりになっており、スタンダードと比較してみると、コントラストが低く、低彩度で落ち着きがある。それでいて、青の出方が独特だ。そのため、空や海など青い被写体を無性に撮りたくなる。フィルムカメラにポートラを入れていると、空にカメラを向けたくなる感覚に似ている気がする。
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(左)スタンダード、(右)L.クラシックネオ
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(左)スタンダード、(右)L.クラシックネオ
 左がスタンダード、右がL.クラシックネオで撮影。淡く、やわらかなトーンで落ち着きのある印象に仕上がり、独特な色合いで被写体を表現してくれる。
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■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/6400秒 ISO100 焦点距離85mm

色ノイズと粒状の効果

 通常、フォトスタイルはコントラストや彩度などを細かく設定できるが、L.クラシックネオには今回新たに「色ノイズ」という効果が追加された。ノイズの乗り方が一定ではなく、フィルム同様にランダムにのるように工夫されている。よりカラーフィルムで撮影した風合いを楽しめるようにと、粒状の出し方にもこだわって開発されたそうだ。
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■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/4.8 1/60秒 ISO250 焦点距離41mm
08_作例_P1061230.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/4.2 1/160秒 ISO100 焦点距離31mm
 加えて、「粒状」の強弱は3段階で選ぶことができ、上の写真は「強」で撮影を行った。被写体や撮りたいイメージに合わせて粒状の設定を変更しているが、普段は「中」を使用することが多い。いろんなシーンで試してみたが、ノイズの乗り方、サイズ感のバランスが最も好みだ。上の写真のようにノイズを乗せて、高感度フィルムで撮影したような風合いを出したいときは「強」を選ぶようにしている。被写体やシーンによって粒状の強弱を変えながら、ぜひ自分の好きな設定を見つけてもらいたい。

周辺減光補正OFF

 さらにフィルムカメラで撮ったような風合いを楽しむために、周辺減光補正のOFFをおすすめしたい。レンズによる周辺減光(写真の中央に比べて、四隅にいくほど暗くなる現象)を抑えるために、デフォルトの設定はONになっているが、フィルムで撮影したようなビネッティングを作るのであれば、あえて周辺減光補正をOFFにするのも面白い。
09_作例_P1061268.jpg
(左)周辺減光補正をOFF、(右)周辺減光補正をON
 左側が周辺減光補正をOFF、右側がONの状態。露出が変わらないようにシャッター速度1/8000、F値F1.8、ISO100に設定し、撮影を行った。中央の建物の明るさはほぼ変わらないが、周辺の明るさが違うのがわかる。
10_作例_P1061270.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/5000秒 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離85mm
 このままでは全体的に写真が暗く見えるので、バランスをみながら露出をプラスに補正すると、周辺減光とL.クラシックネオの風合いを楽しめる。今回は海と手前の植物を淡く表現したいため、+2/3EV明るくしたが、被写体と周辺減光のバランスを見ながら露出補正を変更していただきたい。
11_作例_P1061280.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/5000秒 ISO100 焦点距離85mm
12_作例_P1061318.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/1300秒 ISO3200 露出補正-0.7 焦点距離85mm
13_作例_P1061285.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 85mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/2500秒 ISO100 焦点距離85mm
 犬の散歩コースとして、よく訪れる場所だが、L.クラシックネオの世界を通すと、見慣れた場所も独特の空気感で写真をまとめることができるため、思わずいろんなものにシャッターを切りたくなる。

L.モノクロームD

14_作例_P1061339.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/3.5 1/500秒 ISO100 露出補正-1.3 焦点距離20mm
15_作例_P1061334.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO1250 露出補正-1 焦点距離20mm
 そして雨の日の新宿、モノクロでスナップをすることにした。今回、フォトスタイルは「L.モノクロームD」という効果を選んだ。今回新たに搭載された「L.モノクロームS」は「ポートレート撮影に適した軟調で柔らかな印象のモノクローム」。これでフォトスタイルには4つのモノクロの効果が追加されたことになる。その4種類の中で一番好きなのが「L.モノクロームD」だ。
16_作例_P1061428.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO200 露出補正-1 焦点距離20mm
 ハイコントラストながらも階調豊かに表現し、ダイナミックなモノクロ表現を楽しめる「L.モノクロームD」。この効果もフィルムの絵作りを研究しながら開発されたという。S5にはフォトスタイルに4種類、クリエイティブコントロールモードに4種類のモノクロの効果が搭載されているため、モノクロ作品をこだわって仕上げたい方にぜひおすすめしたいカメラだ。
17_作例_.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/4 1/40秒 ISO6400 露出補正-0.3 焦点距離28mm
18_作例_P1061372.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/5.3 1/60秒 ISO1000 露出補正-0.3 焦点距離51mm
19_作例_P1061391.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/5.3 1/60秒 ISO800 露出補正-0.3 焦点距離20mm
 L.モノクロームDも粒状を追加が可能。こちらも3段階で強弱を変更できるが、私は「強」に設定することが多い。ぐっとノイズを乗せることで、よりフィルムライクな表現を楽しむことができる。ノイズを入れると、すっきりとしたデジタルっぽさがなくなり、ざらざらとした粒状が古い建物のディテールやアスファルトの質感を引き出してくれる。
20_作例_P1061392.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO1000 露出補正-0.3 焦点距離20mm
21_作例_P1061386.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 ■撮影環境:f/3.5 1/60秒 ISO1250 露出補正-0.3 焦点距離20mm

さいごに

 S5は上位機種のS1同様に2420万画素のセンサーを搭載し、高い色再現性と階調表現、そして高感度性能など、小型軽量ながらも、ハイスペックな1台だ。風景やポートレートなど、被写体の魅力を最大限に活かしてくれるS5だが、今回はご紹介したようにフィルムライクな表現を楽しむ1台としてもおすすめしたい。使い方次第ではさまざまな表現を楽しめるカメラなので、試行錯誤しながら自分だけの表現をS5の中に見つけてもらいたい。 ■写真家:コムロミホ  福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。ニコン、パナソニック、オリンパスのカタログ撮影も担当する。ルミックスフォトスクール講師、オリンパスデジタルカレッジ講師、エプソンセミナー講師、ライカやリコーペンタックス、をはじめ多くのメーカーで講師を務める。

[申込終了]【3/27開催】LUMIX S5 店頭&オンライントークイベント

コムロミホ先生プロフィール画像_07113438761492_xxlarge.jpg ~ 本イベントは申込を終了しました。沢山のご応募誠にありがとうございました ~  2021年3月27日(土)11時より、講師にコムロミホさんをお招きしてLUMIX S5の魅力を紹介するセミナーを開催いたします。初心者の方でも簡単にフィルムライクな写真や動画を撮影するコツを伝授いたします。参加方法は店頭参加とZoomを使用したオンライン参加の2通りをご用意しており、無料になりますのでお気軽にご参加ください。 ■日時:2021年3月27日(土)11:00~12:00 ■費用:無料 ■参加方法:店頭(新宿 北村写真機店)& オンライン(ZOOM)※どちらか選択してお申し込み頂けます。 ■申込み:こちらからお申込みください。 ■締切:定員に達しましたら締め切らせて頂きます。お早目にお申込みください。 ■更新 ・2021年3月25日:イベント申込みを締め切らせて頂いたことを追記しました。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のコムロミホさんがパナソニック LUMIX S5のレビューを行っています。フィルムライクな写真を楽しむ方法を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,パナソニック,LUMIX S5 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 富士フイルム XF27mmF2.8 R WR レビュー|日常使いに最適 クリアで質感際立つ描写力の小型・軽量レンズ BASENAME: 480441668.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 03/17/2021 16:00:00 TAGS: レビュー,XF27mmF2.8 R WR,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,スナップ,単焦点 ----- BODY: 00_富士フイルムXF27mmF2.8 R WR製品画像.jpg

はじめに

 解像性能とコンパクト設計を両立し、特にスナップシューターの間で人気の高いXF27mmF2.8が発売されたのは2013年。今までXFレンズの中で唯一絞りリングのないレンズでした。「XFレンズなのになぜ絞りリングがないのか」というユーザー、ファンの声がある中、XFレンズの中で初めてリニューアルされ、2代目となる XF27mmF2.8 R WRの登場です。先日発売となったばかりのX-E4にこのレンズを装着し、その魅力を探りながら街中を歩いてみました。製品レビューと合せてご紹介いたします。

XF27mmF2.8 R WR主な仕様

 XF27mmF2.8 R WRは、35mm判換算で41mm相当の焦点距離であることから、自然な遠近感で描写できる汎用性の高いレンズとなっています。XFレンズの最新ラインナップのなかで最薄・最軽量となる長さ23mm、質量約84gのコンパクト設計。 ●非球面レンズ1枚を含む5群7枚のレンズ構成 ● レンズ前群5枚を繰り出すフォーカス方式の採用により撮影距離による収差変動を抑制し、画質面のほかAFでも高速・高精度な動作を実現 ● AF駆動はパワフルなDCモーターによる高速・高精度AF  ここまでは前モデルと同様になっており、光学系にも変更はありません。新たに追加されたのは指標付き絞りリングと防塵・防滴・-10℃の耐低温構造となります。

日常的に持ち歩くためのレンズ

 XFレンズシリーズの中で最も薄いパンケーキ型レンズであるXF27mmF2.8 R WRは、X-E4に取り付けると、まるでコンパクトカメラのような外観です。 01_製品画像.jpg  このサイズ感は街中でのスナップやポートレート撮影でも威圧感を与えることなく自然な表情を捉えることができます。X-E4となら単焦点レンズで歩くカメラと言い切れるほど、相応しい組み合わせ。 “写真を撮る者、いつもカメラを持っていること” を大切にしている筆者にとって、日常的に持ち歩ける嬉しいサイズ感は、通勤バッグなどにも忍ばせておけます。

A(オート)ポジションロック&指標付き絞りリング

 注目すべきは、23mmという薄さを変えずに絞りリングを加えたこと。A(オート)ポジションロックを採用し、撮影時に絞りリングが不用意にAポジションから動かないようロックすることができます。指標付き絞りリングは、絞り値を確認し素早く変更できるため、瞬時に撮影設定を調整することが求められるスナップ撮影などで威力を発揮します。 02_製品画像.jpg  絞りステップ段数は1/3ステップ。クリック感も程よく軽快。ロック解除ボタンを押しながらAポジションから最少絞りF16方向に回すことでロックが解除されます。逆に絞りリングをF16からAポジションに回すとロックされます。

レンズの大きさとボディバランスの比較

 手持ちのXF35mm F2 R WR(左)とXF27mmF2.8 R WR(右)を比較してみました。コンパクトだと思っていたXF35mm F2 R WRが大きく見えてしまうほどXF27mmF2.8 R WRは薄くて小さいことに驚きます。 03_レンズ比較.jpg  筆者が所有しているX-T3にXF27mmF2.8 R WRを取り付け、X-E4にXF35mm F2 R WRをつけるとX-T3が想像以上に小さく感じ、X-E4はその逆に。 04_ボディ比較.jpg  この写真を見れば、X-E4とXF27mmF2.8 R WRがいかにバランスの良い組み合わせであるか、また、XF27mmF2.8 R WRがいかにコンパクトかがわかるはず。  XF27mmF2.8 R WRであれば、従来機種でも気軽にスナップ撮影ができそうな雰囲気さえ感じます。レンズを装着したままカバンの中にしまえるサイズ感は、レンズ数本の持ち運びを考えたときに重要なポイントになります。前モデルの時からボディキャップ代わりに付けているというユーザーも少なくないとか。

質感の良いレンズフードとレンズフードキャップ

05_レンズ比フード&キャップ.JPG
中央:レンズフード「LH-XF27」/右側:レンズフードキャップ「LHCP-27」(付属品)
 XF27mmF2.8 R WRの発売に合わせて、39mmのフィルター径に対応したレンズフードLH-XF27とレンズフードキャップLHCP-27も同梱されています。別売も用意されており前モデルのXF27mmF2.8にも取り付けることが可能で、装着すると見た目のカッコよさが格段にアップするので、これはかなりおススメです。 06_レンズフード&キャップ.jpg  フジツボ型のレンズフードはアルミ製で、塗装も美しく質感の良さが際立ちます。持ち運びにも邪魔にならない厚みと、フードキャップはソフトプラスチック製ながらもフードにしっかりとフィットし、外れにくい設計に。少し昭和っぽいレトロな雰囲気を感じさせるデザインにユニークさも感じます。

様々なシーンで高画質な写真撮影を楽しめる1本

 焦点距離27mm(35mm判換算で41mm)という標準とも広角とも言い難い、人の視野に近い画角は、見たままのシーンを素直に捉える事ができます。  真っ直ぐ向き合うのが心地よい風景。枯れすすきの解像感も薄っすらした雲も、しっかりと写し込めました。風が吹いて砂埃が舞うような場所や急に小雨が降っても防塵防滴だから安心です。
07_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR ■撮影環境:SS1/100秒 絞りF16 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 AFも高速で、高精度な動作を感じます。サクッと切り取っていく感覚が気持ちよく、出会った瞬間を撮り逃したくないスナップ撮影に最適。遠景のビルまでしっかりと写し込めており、シャドー部のつぶれもなく、ボディ側の機能であるトーンカーブ補正の効果もよく効いています。
08_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR ■撮影環境:SS1/1600秒 絞りF6.4 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 X-E4に手ぶれ補正は装備されていませんが、片手だけで撮影しても問題ないくらい軽快なシャッターと、被写体に素直に向き合える焦点距離。そんな感覚とフットワークの軽さが心地よく、街歩きにはピッタリ。
09_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR ■撮影環境:SS1/160秒 絞りF4.0 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 画面奥までしっかりと写し込め、このレンズをつけた日はスナップ撮影に集中する。そんな風に決めてもよいのではないでしょうか。クラシックネガの雰囲気との相性の良さはこのレンズならでは。「レンズが変われば撮るモノが変わる。」そんなことを体感できるはずです。
10_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR ■撮影環境:SS1/125秒 絞りF9.0 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 ここでは、あまり絞り込まず水面にピントを合わせていますが、水面の写り込みと実像両方に解像力の高さを感じられました。
11_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR ■撮影環境:SS1/100秒 絞りF6.4 ISO200 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 35mmほど遠近感やゆがみがつき過ぎず建物なども撮影しやすい画角。狭い路地では一歩引いて。時には寄って。自分自身が動くことで様々な切り取り方ができる絶妙な焦点距離は、旅先での撮影なら1本のレンズで撮ることで写真に統一感を出すことができます。
12_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR ■撮影環境:SS1/100秒 絞りF8.0 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)

最短撮影距離での撮影

 深度が深いため最短撮影距離(撮像素子から34cm)で撮影しても、ボケはほどほどになりますが、その分周囲の雰囲気を取り込んで撮影するのが適切と言えます。ぼかしたいときは背景との距離を取ることが必須。
13_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR ■撮影環境:SS1/320秒 絞りF2.8 ISO160 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 テーブルフォトも撮影してみました。こんなシーンでは大げさにならないサイズ感のカメラが相応しいもの。お皿の位置は食べる時よりも少し奥へ置いた方が撮りやすい距離となるので、テーブルを囲む楽しい雰囲気を一緒に切り取るのにピッタリ。
14_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルムX-E4 / XF27mm F2.8 R WR ■撮影環境:SS1/100秒 絞りF3.2 ISO1000 WBオート雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:ASTIA/ソフト
 前モデルで高い評価を得ている解像性能をそのまま引継ぎ、被写体の細部までとらえることが可能で、さらには「X-Processor 4」による描写性能と、「X-Trans CMOS 4」のフォーカス性能によって画質が格段に向上していることを実感。クリアで質感も際立つ描写と小型・軽量さを持ち合わせ、様々なシーンに対応し、見たままを素直に捉える事ができます。

おわりに

 筆者にとって使用頻度の少ないレンズでしたが、改めてその解像感の良さ、描写性能の高さに魅了されました。寄っても引いてもいろいろな撮り方ができるレンズであり、幅広いシーンに対応し、そして何より「小さくて軽い」は正義。と言えるほどスマートな感覚で気負わず撮影できる楽しさを感じます。また、これぞスナップ撮影のための定番レンズ。気が向いて「少し外を歩きたいな。」なんて思ったら迷わず一緒に連れていく相棒のような一本です。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんが富士フイルムXF27mmF2.8 R WRのレビューを行っています。これぞスナップ撮影のための定番レンズと言えるその魅力をご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,富士フイルム,XF27mmF2.8 R WR,レンズ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRレビュー|広い焦点距離をカバーする望遠ズームレンズ BASENAME: 480461443.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 多賀野友輔 DATE: 03/18/2021 16:00:00 TAGS: XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR,レビュー,レンズ,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,高倍率ズーム ----- BODY: 06_製品画像.jpg

はじめに

 今回は、2021年3月18日に発売されました富士フイルムの新製品「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」をレビューさせていただきます。富士ユーザー待望の焦点距離70mm-300mm(35mm判換算107mm-457mm相当)という望遠ズームレンズであり、製品名が長いことから分かるように、防塵防滴やレンズ内手ブレ補正など、富士フイルムのレンズ性能を余すことなく注ぎ込んだ1本となっています。実際に触らせて頂いたことで分かった製品の特徴を、外観や作例と共にお伝えしていきます。

基本スペックと外観

 まずは、本レンズの基本スペックと外観で気になるポイントを紹介していきます。はじめにスペックのおさらいです。

製品スペックの紹介

■レンズ構成:12群17枚 (非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚) ■焦点距離:f=70-300mm(35mm判換算:107-457mm相当) ■画角:22.9°-5.4° ■最大口径比(開放絞り):F4-F5.6 ■最小絞り:F22 ■絞り形式:羽根枚数 9枚、ステップ段差:1/3ステップ(全16段) ■最短撮影距離:0.83m ■最大撮影倍率:0.33倍(T端) ■外形寸法:最大径×長さ*1(約)  Ø75mm x 132.5mm(W端)、Ø75mm x 205.5mm(T端) ■質量*2(約):580g ■フィルターサイズ:Ø67mm *1 先端よりマウント基準面まで *2 レンズキャップ・フード含まず *本レンズのズームロックスイッチは携帯時の自重落下を防ぐためのもので、ワイド端でのみロックが可能です。 尚、ロックはズームリングを回すことで解除されます。 ■引用:主な仕様 | フジノンレンズ XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR | Lenses | 富士フイルム Xシリーズ(リンク:https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/lenses/xf70-300mmf4-56-r-lm-ois-wr/specifications/)

製品外観の紹介

01_富士フイルムXF70-300mm製品画像.jpg  本製品はなんと言ってもコンパクトなサイズ感が大きな特徴。560gで35mm判換算107mm-457mm相当が叶えられるのはAPS-C機ならではですね。
02_製品画像.JPG
防塵防滴仕様であることを表す「WEATHER RESISTANT」の文字
 本製品は鏡筒の10ヶ所にシーリングを施した防塵・防滴・-10℃の耐低温構造(WR)です。スポーツや野鳥撮影など天候に左右される撮影でも安心ですね。
04_製品画像.JPG
レンズが不意に伸びてしまうのを防ぐズームロックスイッチ
 レンズのズームロックスイッチは携帯時の自重落下を防ぐためのもので、ワイド端でのみロックが可能です。 ロックはズームリングを回すことで解除されます。
05_製品画像.jpg
専用のレンズフードが付属する
 専用レンズフードです。少し凹みがあることで装着がしやすくなった印象です。
06_製品画像.jpg
レンズ径はØ67、リニアモーター搭載を表すLMの文字
 レンズ径はØ67です。レンズ名にあるLMは静かで高速、省電力なオートフォーカスを実現するリニアモーター搭載のレンズのことで、LM非搭載のレンズと比較するとかなりの静音AFを実現しています。

3つの特徴を紹介

小型軽量・テレコンバーターにも対応

07_テレコン装着.jpg
テレコンXF2X TC WRを装着しても500mlペットボトルより小さい
 本レンズは70-300mmという広い焦点距離をカバーしつつも、製品重量は580g(レンズキャップ含まず)とかなり軽量設計となっております。更に「XF2X TC WR」や「XF1.4X TC WR」のテレコンバーターを組み合わせることが可能です。焦点距離が2倍になる「XF2X TC WR」との組み合わせでは、焦点距離600mm(35mm判換算:914mm相当)までカバーすることができ、重さはわずか750g。35mmフルサイズ機などに使用する同一焦点距離の他社製品と比較すると、相当軽量かつコンパクトな筐体で超望遠の撮影が可能ということが分かります。そのサイズは、なんと500mlペットボトルよりも小さいという驚きのコンパクトさです。

超望遠・マクロ撮影も可能

08_画角の違い.jpg
スマートフォンで撮影(左)、テレコンXF2X TC WR+ワイド端撮影(中央)、テレコンXF2X TC WR+テレ端撮影(右)
 上記スマートフォンとの比較写真を見ていただければ一目瞭然ですが、スマホでは広角の風景だった写真が、テレコンをつければ坂の頂上にあるミラーに映る人の姿まで撮影することができます。
09_XF70-300mm作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO160 SS1/500 F7.1 焦点距離300mm
 ズーム全域で最短撮影距離83cm、最大撮影倍率0.33倍(35mm判換算:約0.5倍相当)を実現し、迫力のあるマクロ撮影が可能です。花や虫など小さな被写体を撮影する方にもおすすめです。前述のテレコン「XF2X TC WR」装着時では、最大撮影倍率0.66倍(35mm判換算:約等倍相当)を実現します。

静音AF・レンズ内手ブレ補正も搭載

 本レンズには最大5.5段分のレンズ内手ブレ補正機能があり、LM性能も相まって、驚愕の静音性とブレの少ないAFが実現できます。実は私がレビュー撮影していく中で、マクロや長距離撮影ができることよりも驚かされたのがこのAF性能です。X-T3との組み合わせで驚きを感じたため、X-T4やX-S10などのボディ内手ブレ補正が備わっている機種との掛け合わせはもっと素晴らしいものになると感じました。この安心感あるAFがあれば飛行機や野鳥など、通常のレンズではブレが気になる動く被写体もバッチリ撮影できることと思います。

作例

10_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5 焦点距離300mm
 望遠側を使用すれば、今までは諦めていた遠くの被写体が撮れるようになります。
11_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR+XF2X TC WR ■撮影環境:ISO160 SS1/160 F11 焦点距離600mm
 複数咲いていた菜の花の中で飛び抜けていた一輪を撮影。風に揺られる花を、ブレなく狙い撃ちができるのはこのレンズならでは。
12_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR+XF2X TC WR ■撮影環境:ISO160 SS1/160 F14 焦点距離462mm
 前述しました通り、全ズーム域35mm判換算でハーフマクロに値する撮影倍率での撮影が可能。さらに遠影を背景にすることで一味違ったぼかしを入れることができます。
13_作例.JPG
■使用機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5 焦点距離206mm
 圧縮効果は望遠レンズならでは。日常の一場面をドラマチックに仕上げることができます。
14_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5 焦点距離146mm ■モデル:犬飼紀香
 橋の対岸からポートレート撮影をしてみました。人肌やサイド光などはっきりと写し止めてくれることで、新たな画が撮影できます。
15_作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5.6 焦点距離300mm ■モデル:犬飼紀香
 レンズ内手ブレ補正の恩恵もあり、スポーツや運動会など遠くの人物を写すのに最高のレンズです。

XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISとの比較

 本レンズの魅力を伝えたところで、同じ富士フイルムのレンズ群のなかにある既存製品との比較をしてみます。今回はかなりスペックの似ているXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISと比べてみました。
16_XF55-200との比較1.JPG
左:XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR 右:XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
 筐体はほんの数センチXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRの方が長いですが、焦点距離の違いを鑑みるとこれだけコンパクトなサイズに収まっていることに驚かされます。ズームロックスイッチやOISのON/OFFレバーの有無などスイッチ部分にも違いが見られますね。
17_XF55-200との比較2.JPG
左:XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR 右:XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
 レンズ径はXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRがØ67、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISがØ62と、やや前者のほうが大きい作りになっています
18_XF70-300.png
主な仕様 | フジノンレンズ XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR | Lenses | 富士フイルム Xシリーズより引用
19_XF55-200.png
主な仕様 | フジノンレンズ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS | Lenses | 富士フイルム Xシリーズより引用
 また、ややニッチな話になってきますがレンズ構成が異なります。スーパーEDレンズの採用可否やレンズの枚数など、どちらも発売時点で実現可能なこだわりを詰め込んだレンズ群であると言えます。  加えて性能面での大きな違いは、前述したWRがついているか否かといった部分になるかと思います。砂埃舞う運動会での撮影や、小雨の滴る場所での野鳥撮影などあらゆるシーンで活躍してくれるのはXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR。お手頃・コンパクトで気軽に望遠撮影に挑戦するならXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISといったところでしょうか。  購入を迷われた際は、ぜひお近くのカメラのキタムラで相談してみて下さい。

さいごに

 その名の通り、富士フイルムのレンズ性能を余すことなく注ぎ込んだ本レンズは、人物撮影からマクロ撮影まで幅広い撮影シーンで活躍してくれます。 ・お子さんの運動会で手ブレしたくない! ・登山を伴う野鳥撮影に軽量機材で挑戦してみたい! ・標準ズームや単焦点だと撮ることのできない新しい画作りをしてみたい! そんな方がいらっしゃれば、ぜひ一度本レンズを触ってみて下さい。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: 富士フイルム,XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR,レビュー,レンズ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.5|ライカ M10-R+ズミクロン M f2.0/50mm BASENAME: 480546122.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山本まりこ DATE: 03/19/2021 16:00:00 TAGS: 連載,ライカ(Leica) ボディー,ライカ(Leica) レンズ,M10-R,ライカとカレー,ミラーレスカメラ,フルサイズ ----- BODY: 00_ライカとカレー見出し.jpg

はじめに

春。 快晴。 旅日和。 01_ライカM10-R作例.jpg こんな気持ちのいい日は、ライカを持って旅に出よう。 JR二宮駅のホームに降り立つ。いつものんびりとした空気が流れているのどかな駅。駅前に山があるのが好きだ。ホームからも吾妻山(あずまやま)が見える。 02_作例.jpg 東海道線で東京方面へ。 といっても、今日降りるのは大磯駅。 二宮駅の隣の大磯駅。 そう、一駅で降りるのだ。 遠くに行くことが難しいこの時世。近場で楽しいことがあるかしらと探していたら、夫が「湘南平(しょうなんだいら)はどう」と言う。湘南平とは、大磯町と平塚市の境にある標高181mの丘陵のこと。先日夫に連れて行ってもらったときに見た、そこから見渡せる湘南の美しい景色と気持ちの良い風が忘れられない。頂上はびゅうびゅうと風が吹いていてそして湘南のあっちもこっちもが見渡せて、富士山も見えた。東京の島も見えた。春は桜でいっぱいになるんだよと教えてもらって、そんな春にまた行きたいなと思っていた。湘南平には歩いて行けるのかしらとネット検索してみたらなんと、お隣の大磯駅から歩いて行けるハイキングコースが出てきた。さらには、いくつかのルートがあるらしい。大磯駅の北側は、湘南平に通じる丘陵だったなんて知らなかった。駅の北側には緑が多いなあと思っていたけれど、湘南平に続いているなんて。四年も住んでいるのに全く知らなかった。こんなに楽しそうなことがこんなに近くにあるなんて。 今日の相棒は、ライカM10-R。4000万画素を超える高画素の撮像素子、さらに、静音シャッターやタッチパネル式液晶モニターを搭載している。選んだレンズは、ズミクロン M f2.0/50mm。いつか使ってみたいと思っていた憧れのレンズ。ストラップは、春色を選んだ。 この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、写真家山本まりこが異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をし、そしてカレーを食べて帰ってくるという内容の企画。今回は、連載の第五回目。ライカM10-Rに搭載されている4000万画素の撮像素子は、その五回の中でも最高画素数になる。今までもとっても美しい写真だなあと思っていたけれど、それを遥かに超える画素数。どんな写真が撮れるのだろう。楽しみだ。

東海道線に乗って大磯へ

東海道線に乗り込むと、ほとんどの席が埋まっていた。いつも、座席にライカカメラを置いて写真をとるのだけれど、今日は難しいみたい。乗車時間は4分。一駅。 手で持って撮ってみる。 03_作例.jpg あっと言う間に大磯駅に着いた。 駅の高架を歩いて何気なく外を見ると、窓の外の景色の中に気になるものを見つけた。 宿り木(やどりぎ)。 04_作例.jpg 大きな木にポコンポコンとまあるいものがたくさん付いている。わあ、気になる。見に行こう。早速進路変更。湘南平に行く前に、ちょっと寄り道しちゃおう。だって近くで見てみたい。これだからカメラを持つと楽しいなと思う。大磯駅には何度も来たことがあるけれど、改めてカメラを持って作品を撮ろうという目で歩いてみると見えるものが増える。確実に増える。 大磯駅を出て近くに行くと、駐輪場の隣に聳え立っている木だと分かる。駐輪場の屋上に登ってみると、近くで見ることが出来た。ポコンポコンとなんとまあ可愛らしいこと可愛らしいこと。 05_作例.jpg 宿り木は、他の樹木に寄生して幹や枝に根を食い込ませて成長する寄生植物。自分でも光合成をする半寄生で、ヨーロッパでは神聖な存在として幸運を呼ぶ木と言われている。と言うのを、先日教えてもらったばかり。幼い頃に食べたことがあるという人によれば、ガムみたいにネバネバするそう。えええええ。私は絶対に食べないけれど。 カチッコッ ライカM10-Rのシャッター音は、やっぱり静かだ。うん。 駅前にある観光協会の前のラックに湘南平のハイキングの地図があった。シンプルな地図に、3つのルートが赤い線で記されていた。行きは「高田公園コース」という南から北に向かうルートで行くことに決めた。理由は、帰りに寄りたいカレー屋さんがあるから、そこに近いルートとは違う道で歩いてみたいと思ったから。帰りは「高来(たかく)神社コース」で高麗山(こまやま)を通るルートで東に向かって平塚のカレー屋さんに寄って帰って来よう。高田公園コースは、大磯駅から湘南平まで約2.3km、高来神社コースは湘南平から大磯駅まで約3.6km。 大磯駅前は毎年3月、華やかに色づく。ミモザの大きな木が満開になる。 昔から政治家や文豪など著名人が多く住む地だけあって、駅前からとても優雅な空気が流れている。 06_作例.jpg 07_作例.jpg ミモザの花言葉は、優雅・友情。 黄色いミモザの花言葉は、秘密の恋。

高田公園コースをてくてく

線路沿いからガードをくぐって、住宅街を歩く。大磯の住宅街の道はとても細い。車が通るのがやっとというくらい細い道も多い。少しずつ坂が増えてくる。 08_作例.jpg 09_作例.jpg 10_作例.jpg 11_作例.jpg 海が見える素敵なお家がぽつぽつと並ぶ、間の細いくねくねとした道をほんの数分歩いただけで、こんな高台に出た。遠くに真鶴半島が見える。なんて気持ちがいいところなのだろう。ふぅぅ。 12_作例.jpg 13_作例.jpg 春がいっぱい落ちている。 この時期に町や山を歩くと、椿のお花がたくさん落ちているのを見かける。椿の絨毯のようになっている場所がたくさんある。カメラを持っていると、落ちているお花も美しいと思える。 ズミクロン M f2.0/50mmの美しいボケに見惚れながらシャッターを切る。優しくとろけるボケ。このボケを体感してみたくて、今回このレンズを選んだ。タッチパネル式液晶で拡大してボケの先にある椿のピントを確認する。ちなみにライカM10-Rは、レンジファインダーだけれども、LV(ライブビュー)でシャッターを半押しすると、撮れる露出で画像が表示されるのでとても便利。絞りは大体開放f2.0、ISO感度は100にし、シャッタースピードで明るさを決めながら、ファインダーを覗いてピントを合わせ、半押しして露出を見てシャッターを切る。 ホホホーケッキョ 頭の上からうぐいすの鳴き声が聞こえた。今年初めて聞くうぐいすの声。そろそろそんな時期だ。うぐいすは繁殖期になるとホーホケキョと鳴くのは知っていたけれど、鳴き始める春の始まりの頃は鳴き声がたどたどしいことをこっちに住み始めてから知った。泣き始めは、ホホホーケッキョというような可愛らしくたどたどしい鳴き方をする。春が進み4月くらいになると、ホーホケキョと唄い誇るように鳴く。 コンコンコンコン コゲラが木をつつく音が聞こえる。音のする方に足音をひそめて近づいてみると、大きな木の上の方でコゲラが一生懸命頭を振って木を削っている。こちらも愛の時期。子育てのための巣作りをしているのだろう。春だなあ。 14_作例.jpg

山道を行く

15_作例.jpg 地図によるとこのあたりは羽白山(はじろやま)という山らしい。ぐんぐん進んで行くと、並木が美しい道に出る。後ろからスクーターの音がして、女性が通り越していく。私のちょっと先まで行くと、スクーターは停まった。「お一人で来たの?」と声をかけられる。「はい。」と答えると、その女性はいろいろなお話をして下さった。近くに住んでいる方だそう。 昔はうっそうと木々が茂っていたけれど、たくさんの方が楽しく歩けるように整備したのよと微笑む。湘南平が千畳敷(せんじょうじき)と呼ばれるのは、千枚の畳が引けるくらい平らな土地だからそう呼ばれるという事も教えて下さった。「昔はイノシシもよく出たのよ。でも、最近は出ないわ。」とニコリ。このあたりのいろいろなことを教えて下さり最後に楽しんで下さいねと言って、颯爽とスクーターで去って行った。関東で歩いていて声をかけられることはほとんどない。いい文化があるなあとしみじみしながら先に進む。 16_作例.jpg 17_作例.jpg 18_作例.jpg 19_作例.jpg 20_作例.jpg 途中で思う。トレッキングシューズを履いてくれば良かった、と。スニーカーを履いて来てしまったことを激しく後悔する。想像以上にアップダウンがあり、急勾配な場所もたくさんあった。なかなか激しく楽しい、湘南平へのハイキングコース。 でも、熊の心配をしなくていいのは気持ちがすごく楽だ。熊野古道を歩いている時は、常に、一秒ごとにと言っていいくらい熊の事を考えている。熊に遭ったことを考えながら、いつも歩いている。Youtubeなどを何度も見て、シミュレーションは何度もしている。ああして、こうして、こうすればいい、そんなことを何度もシミュレーションしている。 いやでも本当に気持ちいいなあ。 聞こえるのは、鳥の声とライカM10-Rのシャッター音。 心地いいい音。 このレンズ、好きだな。 今まで撮影したライカレンズの中で、一番好きだな。 21_作例.jpg そうこうしていると、赤と白の塔が見えてきた。テレビ塔だ。あそこが湘南平のてっぺん。そう、あそこに行きたいの。 てくてく てくてく

湘南平で

湘南平に到着。 22_作例.jpg 23_作例.jpg 24_作例.jpg 25_作例.jpg 展望台に上ってみよう。 私の住む二宮町が見える。その向こうは真鶴半島。 26_作例.jpg こっちは平塚の方。 その先は、江ノ島とか、三浦半島。 27_作例.jpg こっちは、平塚の平野。 28_作例.jpg 富士山も見える。 29_作例.jpg 深呼吸。 すーはー すーはー すーはー 30_作例.jpg 終りかけの河津桜が咲いていた。

テレビ塔で

テレビ塔にも上ってみよう。 31_作例.jpg 32_作例.jpg 33_作例.jpg 34_作例.jpg 35_作例.jpg 赤と白の間から空を見る。海を見る。町を見る。湘南を見る。 ここからの景色も、楽しい。

おやつとモノクロと

36_作例.jpg 37_作例.jpg 海を一望できるブランコに乗りながら、太陽を撮った。 ゆらりゆらり、揺れながらシャッターを切った。 両手でブランコの鎖を持って空を見ながらブランコをこいだ。 気持ちが良かった。空が青い。どこまでも青い。 おやつは、三宅島の牛乳煎餅。最近いただいたもの。この海の先の遠くにあるであろう三宅島を想いながら、食べた。いつか行けるかな。三宅島。 38_作例.jpg ライカM10-Rは、モノクロも撮ることが出来る。 39_作例.jpg 40_作例.jpg 41_作例.jpg 42_作例.jpg モノクロを撮る時は、カラーを撮る時とは違う思考に切り替わる。頭の中にあるチャンネルが切り替わるようだなあといつも思う。昔、カラーテレビのリモコンで、ボタンをガチャッと押して番組が切り替わったような感じ。ガチャッと。古い例えなので、若い人は分からないかも。兎にも角にも、ライカ一台でカラーもモノクロも撮れるのは、楽しい。

高来神社コースをてくてく

さあ、カレーを食べに行こう。 43_作例.jpg 44_作例.jpg 45_作例.jpg 46_作例.jpg 47_作例.jpg 48_作例.jpg 49_作例.jpg 50_作例.jpg 51_作例.jpg 52_作例.jpg 53_作例.jpg 行きの道「高田公園コース」では、ほとんど人に出会わなかったけれど、帰りの道に選んだ「高来神社コース」ではすれ違う人にたくさん出会った。年配の方が集団でハイキングを楽しんでいるようだった。途中、木々が茂る山の中にテーブルやイスがたくさん置いてあったのだけど、山の真ん中で読書をしている女性がいた。 私が横を通っても、ご夫婦が横を通っても全く気にせず読書を続けていた。その女性の世界が、森の中に輝くようにあった。それは、自然の中で読書をすることをとても楽しんでいて、自然も読書も心から好きだと言うような空気が流れていた。素敵だと思った。空からキラキラと光が降り注いでいるかのようにその女性のその場所が輝いて見えた。 以前、フィンランドの森の中を歩いた時に同じようなことを思った。フィンランドの人々は、自然の中にいることを楽しんでいてそこにいることが幸せだというような空気が森一帯に流れていた。家族とか、友達とか、グループで一緒に歩いているときにものすごくたくさん笑い声が聞こえていた。すごくゆっくり歩きながら、自然を見ながら笑っていた。ああなんかすごく素敵だなとその時に思ったことを強く覚えている。山とかハイキングと言うと、どうしても踏破することを目的とすることが多いけれど、フィンランドの人たちはそういうことではなくて、その場所をその時間を楽しんでいた。その女性の周りには、そんな風な輝く空気が流れていた。 54_作例.jpg 山から下りてきて家が近くなると、空気が変わる。急に人と家の気配が強まる。人の声は聞こえないのだけれど、人の気配がぐっと強くなる。山から下りていくといつもそう思う。高来神社でお参りをする。最近祈ることはいつも一緒だ。世界が平和でありますように。人々が幸せでありますように。十分年を重ねたのかな、なんかもう、最近は自分の事は一番最後に祈る。幸せでありますように。 55_作例.jpg 56_作例.jpg 57_作例.jpg 国道一号線を歩く。 目的のカレー屋さんは、もうすぐ。 花水川(はなみずがわ)を渡って、もう少し。

カレー屋さんで

58_作例.jpg 59_作例.jpg ピンク色の扉を開けると、明るい光に包まれた店内は笑い声でいっぱいだった。あっちからもこっちからも笑い声が聞こえた。スタッフの方とお客さんがとても楽しそうに話している。なんて楽しい空気に満ち溢れているお店だろう。スタッフの女性にとても丁寧にメニューを説明していただき、気持ち良くなりながらバターチキンカレーと鯛出汁が効いた鶏のカレーのダブルチョイスカレーをオーダー。サラダと冷たいチャイも注文。 しばらくしてサラダが届く。 思わずトキメク。 なんてかわいいサラダなのでしょう。 ズミクロン M f2.0/50mmの最短撮影距離は70cmなので、ちょっと立ち上がりながら撮影する。もちろん、撮影してもいいですかと聞いてOKをいただいてから。 60_作例.jpg 61_作例.jpg 色使いと盛り付けの美しさに感激しながら、そして、美味しくてあっと言う間に完食。 そしてカレーが運ばれてきた。 62_作例.jpg ああ、なんて可愛いの。美しいの。 カウンターの色も、お皿の形も、スプーンも、もちろん盛り付けも、可愛い。すごく好き。 まずは、バターチキンカレーから。 パクリ。 美味しい。 酸味と旨味がグッとくる。スパイスはまろやか。 鯛出汁が効いた鶏のカレーはどうだろう。 パクリ。 レモンが爽やかに効いていて、優しい。 美味しい。 すごく、美味しい。 あっと言う間に完食。 この二倍くらい食べたいくらいの気持ちで、完食。 いや、絶対、食べられる。 二倍、食べられる。 実は以前、このお店には来たことがある。テイクアウトで持ち帰ったカレーとサブジ(野菜のおかず)がとても美味しかったので、また絶対に来ようと思っていたのだ。このお店に来たいので、今回の湘南平行きを決めた気持ちが半分。 食べている時も、店内にはあっちからこっちから笑い声が溢れていた。 店内には太陽の光がサンサンと降り注いでいる。 お店にいるみんなが何だかとても幸せそうだ。 何て居心地のいいお店なのだろう。。。 63_作例.jpg 若い男性が調理されているので、話を伺う。 この企画の趣旨をお話して掲載のお伺いをすると、もちろんOKですと快諾いただいた。ありがとうございます。この企画では、いつも、カレーを食べてからお店の方に企画の趣旨を説明して掲載のOKをいただいているので、カレーの写真は座った状態で撮影していることが多い。 64_作例.jpg 65_作例.jpg オーナー小西健司さんは、2年前の2019年にこのお店NEW ROSEをオープン。一軒家というのに憧れがあってここを見つけたときにビビッときたのだとか。カレーの修行は特にされていないけれども、昔務めていたレストランでインドの方が作るカレーをずっと食べていたのでカレーの舌が鍛えられたのかなとニコリ。 柔らか笑顔で優しく話される小西さんのカレーは、繊細で深くて美味しい。他のカレーもぜひ食べてみたくなる。「お店を長く続けていきたいから気持ちの良い場所を選びました」と小橋さん。太陽の光がたっぷりサンサンと入って来て、窓から青い空が見えるお店は、本当に気持ちいい。居心地抜群です。もう、絶対に再訪します。

大磯駅へ、そして二宮駅へ

66_作例.jpg すっかり長居させていただいたお店を後にし、大磯駅まで歩くことに。さっき降りてきた高麗山が小さく見える。 てくてく 67_作例.jpg 68_作例.jpg 69_作例.jpg のんびりのどかな空気が流れる大磯駅から東海道線に乗って、一駅、二宮駅で降りる。階段を上ると、向こうから半袖を着ている人が歩いて来る。ご近所さんだ。隣の隣に住んでいるご近所さん。帰りに寄ろうと思っていたパン屋さんに行こうとお誘いして(半ば強引に)、町の人気のパン屋さんBoulangerie Yamashita ブーランジェリーヤマシタさんへ。そんなご近所付き合いがあるのも、小さな町のいいところ。 70_作例.jpg 71_作例.jpg 72_作例.jpg 73_作例.jpg 74_作例.jpg 75_作例.jpg シナモンロールを二つ購入。そう、カレーのスパイスで使われるシナモンがたっぷり入ったパン。以前デンマークに留学され、デンマークの家具屋さんに勤められていたオーナー山下雄作さんが作り上げた北欧テイストの空間は美しくお洒落。全国からここを目指して訪れるお客さんでパンが早々に売り切れてしまうこともしばしば。雑誌にも引っ張りだこの大人気店だ。お店の食堂の壁には夫の写真を飾って下さっていて、私の写真集を置いてくださっている。本当にありがとうございます。 ライカM10-Rを首から下げ、パンを片手に、ご近所さんと家に帰る。湘南平は気持ち良かったよと報告したり。家の斜面に実っているふきのとうを収穫して、ご近所さんとお別れ。

おわりに

76_作例.jpg 家の掘りごたつで、シナモンロールをかじる。がぶり。そう言えば、フィンランドを旅した時、フィンランドを舞台にした映画「かもめ食堂」が撮影されていた食堂を訪れてシナモンロールを食べたなあと思い出す。お店のお母さんに一生懸命英語で話しかけていたのだけど、しばらくたって饒舌な日本語で答えてくれて、とても恥ずかしかったなあなんて思い出す。ここでもなんだかフィンランドを思い出した。シナモンの思い出。スパイスの中でもシナモンは特別に好き。 ライカ M10-R+ズミクロン M f2.0/50mmとの旅は、とても心地が良かった。すうっと心の中に入り込んでくる、私にとってそんなカメラとレンズだった。新しいカメラやレンズに出会うと、いつも思う。相性があるなと。最初から気が合うカメラもあれば、なかなか気持ちが入り込めないカメラもある。最初から惚れ込むレンズもあれば、ずっと使い続けて好きになるレンズもある。毎回様々だけれども、この組み合わせはとても好きだと思った。もし今、ライカでどのレンズが好きと聞かれたらズミクロン M f2.0/50mmと答える。とても小さなサイズ感が好きだし、やっぱり50mmという画角が好きだし、このトロけるボケはたまらない。1本で、いろいろな幅が楽しめるところが楽しい。 ああ、今日も本当に楽しかった。 こんなに近くにこんなに楽しいことがあるなんて。 カメラと一緒だと本当に楽しいなあ。 今日もライカと旅が出来てハッピーだ。 楽し過ぎてまた今回も撮り過ぎてしまった。 約14km。2万歩以上。良く歩きました。 夏が近づいた頃、また旅に出よう。 ライカと一緒に。 さあ、次はどの駅で降りようか。 ■NEW ROSE ニューローズ 神奈川県平塚市撫子原4-17 0463-79-6247 日曜日及び第1・第3月曜日定休 ■Boulangerie Yamashita ブーランジェリーヤマシタ 神奈川県中郡二宮町二宮1330 0463-71-0720 木曜日・金曜日定休 ■参考文献 ライカHP ■写真家:山本まりこ 写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山本まりこさん連載記事「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」Vol.5となる今回はライカM10-Rを片手に湘南平をハイキング。春らしさを感じるスナップ写真と美味しいカレーにご注目下さい。 ----- KEYWORDS: ライカ,M10-R,ズミクロン M f2.0/50mm,カレー ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ BASENAME: 480563123.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 葛原よしひろ DATE: 03/22/2021 16:00:00 TAGS: α1,レビュー,ソニー(Sony) ボディー,人物_子供,野鳥,ミラーレスカメラ,フルサイズ,ポートレート(人物) ----- BODY: shasha α1前編¥017

はじめに

 今回はSONYより発売されました、フルサイズミラーレス一眼αシリーズのフラッグシップとなりますα1のレビューをさせて頂きます。α1はSONYが満を持して送り出したフラッグシップ機だけの事は有り、あえて一言で言わせて頂くとすれば「高性能機能全部入りと呼べるカメラ」です。  あまりにも、お伝えしたい事が多すぎるので今回は前編と後編に分けた全2回でレビューさせて頂きます。前半は主に滋賀県高島市でのコハクチョウ撮影と、名古屋港でのポートレート撮影の作例を使用してα1の特性についてレビューさせて頂きます。
shasha α1前編¥002
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor ■撮影環境:ISO100 SS1/2000 F5.6
shasha α1前編¥003
■使用機材:SONY α1+FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8

α1のブラックアウトフリー超高速シャッターについて

shasha α1前編¥004
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor ■撮影環境:ISO400 SS1/1600 F5.6
 先ずはブラックアウトフリー秒間30コマ超高速シャッターです。α9シリーズの2400万画素で秒間20コマでも凄いと思っていましたが、一挙に秒間30コマ、しかも5000万画素での連写が実現できたのですから凄い進歩ですね。  私は地元の滋賀県高島市に越冬飛来に訪れるコハクチョウを毎年撮影しているのですが、α9で初めて秒間20コマ撮影が可能になった時も、本当に凄いと思いました。しかし、今回のα1の秒間30コマでの撮影もその時と同じ位の衝撃を受けました。  大きく違いを感じた事は、白鳥の羽ばたく間のカット数が明らかに増えた事です。具体的には、飛び立とうとするコハクチョウが一羽ばたきする間にα9だと平均5コマ撮影出来たのですが、α1だと8コマ撮影可能になりましたので、この差は本当に大きく感じました。  しかも、全てジャスピンな点に脱帽しました。1秒間に撮影する枚数が増えたにも関わらず、この正確で素早いAFの合焦ができる理由は、位相差759点コントラスト425点の多大なAF測距ポイント数に加え、一秒間に120回の演算技術によるところが大きく影響しています。
ブラックアウトフリー連射
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor ■撮影環境:ISO400 SS1/1600 F5.6
 この連写作例は撮って出しの無加工ですが、5000万画素になったことでトリミングがしやすくなっている点も嬉しいですね。これはα1に限った事では無いのですが、現在発売中のミラーレスαシリーズの殆どがサイレントで無音撮影が可能な点も、野鳥撮影には欠かせないポイントになります。レフ機だとミラー作音のせいで野鳥が怖がって逃げることや、飛び立ってしまう事が多いので、撮影以外に野鳥観察される方たちの迷惑にもなりますし、鳥たちへの迷惑という観点からも必要不可欠な機能だと思います。  さらに付け加えると、サイレントと記載されていても動作音の大きなカメラが多く存在しますので、購入の際は要注意で確かめて下さい。勿論現在発売中のαはその様な心配が殆どないので、安心してサイレント設定を使用出来ます。  私自身の体験ですがミラーレスαのサイレント撮影に変更してから野鳥の警戒心が少なくなったので、以前より撮影中に野鳥が離れたり逃げたりしなくなり、近くで撮影することが可能になりました。これは凄く助かりますし、鳥たちが安心している証拠でも有ると思いますので嬉しいですね。

α1の野鳥AFについて解説

shasha α1前編¥013
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor ■撮影環境:ISO320 SS1/1600 F5.6
 次は、せっかくコハクチョウの作例なので新機能の鳥瞳AFのお話です。人物が対象の瞳AFは、現在かなり激しく動き回る人物の瞳に合焦出来るレベルに到達しており、しかも右目と左目を選べるように進化し続け、私も本当に頼りにしている機能となっています。  また、少し前の機種から動物瞳AFが搭載された事により、走り回るワンコの撮影が多い私には凄く有難い機能で嬉しかったのですが、とうとう今回は鳥瞳AFが搭載されました。鳥撮影ファンには待望の機能なのですが、実際撮影に使用してみるとコハクチョウの瞳が見えている状況だと殆ど反応し続けてくれましたので、実用レベルとしては充分だと感じました。今後、色々な鳥で試してみたいです。
 こちらはコハクチョウが飛び立とうとする瞬間を8K30fpsにて撮影した動画になります。水面から飛び立とうと浮き上がる瞬間を8K高解像の動画で見ると、羽根の様子や水しぶきが美しいですね。

α1のポートレート撮影について

shasha α1前編¥014
■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8 (左から、中山知紗、湊谷アドリン、安藤美樹、京谷果林、森江由衣)
 次にポートレート撮影についてです。今回のモデルさんには、世界最大規模のミスコンテスト、ミスグランドインターナショナル日本大会歴代のファイナリストの方々に御協力頂きました。  この写真の撮影にはα1の機能の中でも先進的な機能である、超高速1/400シンクロを使用しております。従来の高速シンクロ同調スピードは1/250まででしたが、α1ではフルサイズでメカシャッター使用時同調速度1/400、APS-Cクロップ時は同調速度1/500シンクロを搭載(フルサイズ、電子シャッター使用時は同調速度1/200)しており、今まで以上にフラッシュ撮影の幅が広がりました。この作例は名古屋港でアルファロメオ4Cとダイハツ コペンの前で躍動感を出す為に、モデルさん達に髪を手で掻き揚げて頂いた瞬間を撮影しました。  私自身1/400シンクロでのフラッシュ撮影は初めてなのでどの様に写るのかとても楽しみだったのですが、跳ね上げた髪がある程度静止するところをイメージして狙っていたのですが、それ以上に髪を跳ね上げた手が指先まで五人全員シャープに静止しており、狙った以上の躍動感が出て凄く嬉しくなりました。
shasha α1前編¥015
■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8
shasha α1前編¥016
■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8
 撮影していて気付いた点なのですが、発色の良さが素晴らしいと感じました。  この2枚を撮影した時には日が傾き始めており、複雑な淡い空の色と真っ赤なアルファロメオ4Cとモデルさん達の肌の色という、超難関な再現性を求められる状況だったのですが、結果として何の心配も必要なかったと言えるほどα1のダイナミックレンジの広さと発色の良さにより、鮮やかな原色から淡いトーンまでを美しく再現してくれました。勿論ボディだけでは無く、信頼の置ける純正FE 85mm F1.4 GMのレンズ性能も一役買っているわけで有ります。  もう一つ感じた部分ですが、ここまで撮影していてα1のファインダーの美しさと滑らかさには驚きました。この944万ドット249fpsのEVFは、私の覗いたことの有るカメラ史上、過去最高にクリアなファインダーでした。そのため、ブラックアウトフリーでの連写時でも、夕暮れ時のモデル撮影においても本当に見易く、白鳥の細かな動きも複数のモデルさんたちの表情も、シャッターチャンスを逃さず撮影することが容易に出来ました。

さいごに

shasha α1前編¥001.jpg  これで前編は終了ですが、後半は主に高画素の5000万画素、高感度撮影、電子シャッター使用時のローリング歪軽減、1/32000秒高速シャッター、4K120fps動画について他、作例を交えながらレビューさせて頂きますので楽しみにお待ちいただければと思います。 ■写真家:葛原よしひろ ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員

「α1」はこちらの記事でも紹介されています

■ソニー α1 レビュー(後編:風景・ステージ撮影)|葛原よしひろ https://shasha.kitamura.jp/article/480649337.html ■ソニー α1 レビュー|スポーツ撮影現場で使ってみました!(坂井田富三) https://shasha.kitamura.jp/article/480653303.html ■ソニーストア銀座での取材記事 ソニー フルサイズミラーレス α1|新次元フラグシップモデルが登場! https://shasha.kitamura.jp/article/479818915.html

特集ページ

 α1特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページも合わせてご覧ください。 bnr_708-190.jpg

【キヤノン】EF70-200mm F2.8L IS III USM

EF70-200mm F2.8L IS III USM商品詳細ページ

【キヤノン】EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM商品詳細ページ
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 航空写真家A☆50/Akira Igarashiさんによるヒコーキ撮影テクニック第一弾! 今回はヒコーキ撮影の王道であるスポッティングカットの撮影テクニックを素敵な作品と共に解説しています。 ----- KEYWORDS: 飛行機,ヒコーキ,撮影テクニック,スポッティングカット ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: MOZA MOIN Cameraレビュー|超広角2.45インチタッチスクリーン搭載ジンバルカメラ BASENAME: 482245953.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 08/18/2021 16:00:00 TAGS: (MOZA)小型カメラ,その他カメラ ----- BODY: top_catch.jpg

はじめに

 今回はケンコー・トキナーで取り扱いを始めたポケットサイズのジンバルカメラ、MOZAの「MOIN Camera」をお借りすることができたので早速使ってみました。筆者はこのタイプのポケットサイズのジンバルカメラは、DJIの「Osmo Pocket」を使用しているのですが、このMOIN Cameraは2.45インチ大型モニターを搭載しており、とても気になっていたカメラです。  実際にMOIN Cameraを使ってみて、Osmo Pocketとの違いなども含めてMOIN Cameraのレビューをしたいと思います。

MOIN Cameraのスペック確認

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MOIN Cameraのパッケージと専用ケース
 MOIN Cameraは、買ったその日からすぐに使える操作の簡単なポケットサイズのジンバルカメラです。パッケージ内には、カメラ本体と専用ケース、ケーブルが入っており、microSDカードさえ用意すればすぐに撮影ができます。専用ケースはしっかりとしたつくりで、カメラ本体を安全に持ち運ぶことが可能なケースです。眼鏡をかけている人なら分かると思いますが、若干分厚めの眼鏡ケースといった感じの大きさになります。ケース内には本体の他、ケーブルや予備のメディアなどが入れられるスペースも確保されており、このケース一つで機材関連のすべての保管ができたり持ち運びできたりするので便利になっています。記録に必要なmicroSDは、最大容量256GBまで対応です。ビデオクラスV30以上が推奨されていますので、使用する際はV30の記載のあるメディアを用意しましょう。  ポケットサイズのジンバルカメラMOIN Cameraの基本的なスペックを確認するために、コンセプトの近いポケットジンバルカメラOsmo Pocketと比較してみました。
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※左:MOZA MOIN Camera 右:DJI Osmo Pocket
MOZA MOIN CameraDJI Osmo Pocket
サイズ129×37.8×32mm121.9×36.9×28.6mm
重量175g116g
ディスプレイ480×272 2.45インチタッチスクリーン (90°チルト機構付き)小型タッチパネル
バッテリー容量930mAh(リチウムイオン)875mAh
動作可能時間145分(1080p/30fpsでの動画撮影時)140分(1080p/30fpsでの動画撮影時)
充電時間90分(5V/2Aで充電時)73分(10W充電器使用時)
入出力ポートmicroSDカードスロット USB Type-Cポート microSDカードスロット USB Type-Cポート
操作可能範囲パン:-230°~+50° チルト:-95°~+50° ロール:±45° パン:-230°~+50° チルト:-95°~+50° ロール:± 45°
センサー1/2.3インチ 有効画素数1200万画素 CMOSセンサー1/2.3インチ CMOS 有効画素数:12M
レンズ焦点距離14mm(35mm判換算)焦点距離26mm(35mm判換算)
F値F2.21F2.0
画角120°80°
ISO感度静止画:100~3200 動画:100~3200 静止画:100~3200 動画:100~3200
電子シャッター速度4000×3000pixel4000×3000pixel
静止画撮影モード写真 パノラマ タイムラプス 露出ブラケット フォトバースト(連写) シングルショット パノラマ タイムラプス モーションラプス ハイパーラプス
動画撮影解像度4K(3840×2160):60/50/48/30/25/24fps 4K(3840×2880):30/25/24fps 3.2K(3200×2400):30/25/24fps 2.7K(2704×1520):60/50/48/30/25/24fps 2.7K(2704×2016): 60/50/48/30/25/24fps 1080p(1920×1080):200/120/100/60/50/48/30/24fps 720p(1280×720):240/200/120/100fps 4K Ultra HD:3840×2160 24/25/30/48/50/60p FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/120p
動画撮影モード通常撮影 スローモーション タイムラプス オート スローモーション
最大ビデオビットレート100Mbps 100Mbps
写真フォーマットJPG/JPG+DNG JPG/JPG+DNG
対応SDカードmicroSD(最大256GB/ビデオクラスV30以上推奨) microSD(最大256GB)
音声フォーマット48kHz、AACステレオ 48kHz、AAC
 非常によく似たカメラですが、スペックから見てもMOIN CameraがOsmo Pocketをターゲットとして作られているのがよく分かります。 ※なお、Osmo Pocketは現在、「DJI Pocket 2」という名前の後継機に変わっており、センサーサイズの変更や静止画の画素数アップなどの機能が強化されています。  実際にMOIN Cameraを使ってみると、今まで使用していたOsmo Pocketで少し使いにくかった部分が、MOIN Cameraでは改善できていると感じました。違いを感じる大きなポイントは2つ!  一つ目のポイントは、大きな液晶タッチスクリーンの搭載。このポケットサイズの本体にもかかわらず、2.45インチタッチスクリーン(90°チルト機構付き)が付いたことは、操作性のアップだけにとどまらず撮影範囲の確認においても非常に見やすく、実際に使ってみて凄く魅力的な機能ということを実感しました。Osmo Pocketでは、スマホをつなげて撮影する場合には問題ありませんが、本体だけでの撮影の場合、本体の小さな液晶モニターではメニュー操作の切り替えや画像の確認などの際、少々辛いものがありました。一方でMOIN Cameraはモニターが大きいため、スマホやパソコンがなくても画像確認をしっかりできるようになり、さらに小さなサイズに収まっているのでとても便利です。
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2.45インチタッチスクリーン
 二つ目のポイントは、レンズの画角。MOIN Cameraのレンズは、焦点距離14mm(35mm判換算)という超広角です。この超広角レンズにより、自撮りの際も画角に余裕を持って撮影することができます。実際自撮りで使ってみて、Osmo Pocketではかなりアップ目になっていたものが、MOIN Cameraでは余裕のある画角で撮れていてビックリしました。Osmo Pocketで自撮りする際には、よくワイドコンバージョンレンズを着けて撮影していたので、MOIN Cameraの焦点距離14mmの超広角レンズはすぐに撮影できるというメリットを凄く感じました。

MOIN Cameraでの動画撮影

 動画撮影が気楽に、そして簡単に撮れるのがこのMOIN Cameraの最大の特徴です。本体にあるのは電源ボタンと録画ボタンの2つのボタンのみ。この2つだけですぐに撮影を開始できます。  細かな設定はタッチスクリーンをスライドさせて設定メニューを表示し、タッチで変更等をおこないます。事前に撮影したい解像度やフレームレートだけ設定しておけば難しいことはありません。
04.タッチスクリーン.jpg
メニューからタッチで設定を変更できます
 MOIN Cameraを右手で持ちながら、1080p(1920×1080):60fpsで歩きながら撮影してみました。若干上下のブレが感じられますが、小型ジンバルカメラとしては問題ないレベルかと思います。
 次は同じ設定(1080p(1920×1080):60fps)のまま、カメラを自分の方に向け自撮りモードにして右手で持ちながら歩いてみました。超広角で画角に余裕があるため、こういった背景を大きく取り込みながらの自撮り撮影にはとても有効的なカメラと言えるでしょう。
 次は4Kで撮影してみました。当たり前ですが、フルHD(1920×1080pixel)で撮影したものよりも高画質です。解像度はご自身の用途や編集環境によって、設定画面で切り替えが簡単にできるので、撮影する前に解像度をよく確認して撮影しましょう。  内蔵マイクに関しては通常であれば問題ありませんが、コロナ禍のご時世でマスクをした状態では、音声は少し録りづらい状態なります。また、風の音も多く拾うので風の強い場所での撮影の際には少し工夫が必要になるかもしれません。
4K(3840×2160):30fpsで撮影
4K(3840×2160):30fpsで撮影
4K(3840×2160):30fpsで撮影
 最後にタイムラプス動画も撮影してみました。タイムラプス動画を撮影するにあたって困ったことは、本体に三脚穴等が無いこと。長時間撮影をするタイムラプス動画撮影には機材を固定するものが必須です。そこで、今回は手すりにマジックベルトを使用して本体を固定しながら撮影をしました。三脚などに固定できるアクセサリーなどはまだ未発売ですが、発売したらそちらを活用するのも良いでしょう。
 設定はインターバル3秒撮影にし、約2時間10分撮影をしたものになります。なぜ約2時間10分かと言うと、このあたりでちょうどバッテリ―切れになったためです。目安としてタイムラプス動画撮影はフル充電で、おおよそ2時間ほど可能という印象です。 ※撮影間隔や気温などの環境で変わりますので、おおよその目安としてください。

MOIN Cameraでの静止画撮影

 本来は動画撮影をメインに扱うカメラだと思いますが、静止画撮影がどの程度なのか非常に興味があるので撮影してみました。下の写真はオートでカメラ任せにしてJPGで撮影したものです。 
05_MOIN_Cameraで撮影した作例1.JPG
■撮影機材:MOIN Camera  ■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/3846秒 ISO感度131 焦点距離15mm ピクセル数4000×3000(4:3)
06.MOIN_Cameraで撮影した作例2.JPG
■撮影機材:MOIN Camera  ■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/3846秒 ISO感度103 焦点距離15mm ピクセル数4000×3000(4:3)
07_MOIN_CameraMOIN_Cameraで撮影した作例3.JPG
■撮影機材:MOIN Camera  ■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/3846秒 ISO感度139 焦点距離15mm ピクセル数4096×2304(16:9)
08_MOIN_CameraMOIN_Cameraで撮影した作例4.JPG
■撮影機材:MOIN Camera  ■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/4115秒 ISO感度100 焦点距離15mm ピクセル数4096×2304(16:9)
MOIN_Cameraで撮影した作例5.JPG
■撮影機材:MOIN Camera  ■撮影環境:絞りF2.2 シャッター速度1/1923秒 ISO感度191 焦点距離15mm ピクセル数4096×2304(16:9)
 16:9と4:3のパターンで撮影してみましたが、16:9で撮影した場合、センサーの上下の画素を使用していないため、トータル画素数は4:3で撮影したものよりも落ちてしまっています。しかし、2枚目の画像を見ても分かるように、自撮りするにはとても便利な超広角なので、余裕をもって自撮り撮影ができ、背景もしっかりと写し込むことができていてとても有効的な画角になっています。

まとめ

 MOIN Cameraを2週間ほど使用してみて、ジンバル付き小型カメラとして気軽に使える便利なツールと感じました。特に小さなボディにしっかりとしたタッチスクリーンが付いていて、撮影をするにあたり撮影範囲を確実に見ることができるということは、後での動画編集作業の軽減にも繋がるので、とても重要なポイントだと思います。  レンズにはズーム機能こそありませんが、昔流行った縦型タイプの8mmビデオカメラの様な感じで撮影することができ、かつジンバル機能によってブレの少ない映像を撮影でき、日常や旅行などを簡単に記録できるカメラです。日頃からカバンやポケットに入れて持ち運びたいアイテムの一つですね。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがMOZA MOIN Cameraをレビューしてくださっています。小型でありながら、しっかりとした描写力を持つカメラをお探しの方はぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: (MOZA)小型カメラ,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: テラウチマサトさんテスト BASENAME: 482994992.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: テラウチマサト DATE: 08/19/2021 09:18:49 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: パナソニック LUMIX GH6 開発発表を受けて、期待する進化について語る|Osamu Hasegawa BASENAME: 482919488.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: Osamu Hasegawa DATE: 08/19/2021 16:00:00 TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX GH6,LUMIX GH5II,マイクロフォーサーズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: 00_LUMIX GH5Ⅱで撮影した作例.jpg

はじめに

 パナソニックは去る5月、LUMIX GH5IIの発売発表と同時にGH6の開発発表を行いました。GH5IIは、S1H等の先行製品の技術を反映させたアップデートがなされているほか、無線ライブ配信に対応し、昨今高まるオンライン・ライブ配信のニーズに対して次なる一手をいち早く打ったという印象を持ちました。一方で私のように、プリプロダクション・撮影(プロダクション)・ポストプロダクションといったプロセスを含む一連の「映像制作」を主たる業務とするクリエイターにとっては、GH5/5Sの真のフルモデルチェンジとしてのGH6への期待は、GH5IIとはまた別の次元にあるのも事実です。現在明らかにされているGH6の情報はかなり限られていますが、今回はGH5IIのインプレッションとGH6の発表情報を元に、GH6への期待についてお話しさせて頂きたいと思います。

現時点のGHシリーズ最新版、GH5IIを使ってみて

手持ちで撮影した映像作品

■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH. + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. + LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH. ■モデル:林愛実、中嶌由梨  はじめの砂浜から海を臨む風景は、すべて手持ちショットです。ボディ内手ブレ補正自体が、従来機の5段からS1系譲りの6.5段へと向上していますが、特筆すべき点は、手ブレ補正が強力に効きつつもカメラワークが可能なことです。一般的に、ボディ内手ブレ補正のあるカメラにおいては、補正ONの状態でパンやティルトなどカメラをゆっくりと上下左右に振る動きを行った場合、その動きにセンサーシフトのブレ補正が滑らかに追従できず、カクついた挙動を示すことはしばしばあり得るのですが、このカメラではそうしたことはほとんどありません。したがってこの手ブレ補正の有効性というのは、FIXショットのためだけでなく、雲台を使ったカメラワークについても手持ちで行うことが可能になると言えます。これは、結果的に撮影時の機動力が格段に上がります。中盤のカヤックとSUPの海上シーンでは、ジェットスキーの後部シートに後ろ向きに座り、DJI RS2とGH5IIのセットでシーカヤックやSUPを撮影しました。終盤では、GH5用の水中ハウジングにGH5IIを入れて、海の中で撮影をしたショットを少し入れています。このようなアウトドアなロケにおいては特に、マイクロフォーサーズはレンズを含めた小型軽量性という点でフルサイズに対して大きなアドバンテージを持っていると感じています。

LEICA 10-25mm F1.7での映像作品

■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH. ■モデル:林愛実  前半は、雨の合間を縫って観光地で撮影しました。レンズはすべてLEICA 10-25mm F1.7の1本のみで撮影しました。街中や観光地では大掛かりな機材での撮影はハードルが上がってしまいますが、コンパクトな機材で撮影できるのがGHの良さでもあります。またこのレンズは人物を移動撮影する際には特に重宝し、このレンズが使えるからGHが使いたいと思わせるくらいの価値があると感じています。これ1本あればワイド側を使えば迫力のある構図や勢いのある移動ショットも撮れますし、換算50mm側を使えばバストアップの背景ボケショットで人物を浮き立たせることも出来ます。さらに、8月26日発売のLEICA 25-50mm F1.7と合わせれば最強の2本になるでしょう。質量はどちらも600グラム台後半で多少の誤差はあるものの、最新機種のジンバルと併用すれば、バランス調整無しでレンズ交換が可能となるでしょう。この2本のレンズがあることによって、GHの価値がより一層高まります。特に少人数でRun&Gunで撮影していくプロジェクトには大変重宝する組み合わせだと思います。GH6のボディサイズがどれほどになるかは分かりませんが、スペックアップのためにボディサイズが大型化したとして、レンズを含めたシステムとしてのコンパクトさという点はいずれにしてもGHシリーズの長所として継承されることに変わりはないでしょう。  また今回は悪天候にもかかわらず防塵防滴のボディとレンズのおかげで積極的に撮影が出来ました。場所や天候を限定せずに持ち出せ、傘をさしての固定ショットではなく、移動撮影も積極的にこなせてしまうオールラウンドなカメラであることを再認識しました。

円偏向フィルターを使った映像作品

■モデル:林愛実    夏らしい雲と空を活かした風景と人物の組み合わせで短い動画を繋いでみました。NiSi Ti Enhanced CPLというパンチの効いた円偏向フィルターを使用して、ポスプロに頼らず撮影時点で無駄な拡散光を抑制し、空の青をより深く、雲は白トビを抑えつつ輪郭をくっきりと出す描写を狙いました。ここではLEICA 12-60mm F2.8-4.0をメインに、一部で8-18mm F2.8-4.0の超広角ズームと単焦点ノクチクロンを使いました。上述のLEICA F1.7シリーズは人物撮影においては最高な1本ですが、ズーム幅を利かせたい場合には、LEICA 12-60mm F2.8-4.0を使用。逆光時にもコントラストの低下やゴーストはあまり見られず素晴らしい描写性能ながら換算24-120mmまで対応可能で、320gと驚くほど軽量です。同8-18mm F2.8-4.0も315gとほぼ同じ質量で、両レンズとジンバルを使っての撮影効率も非常に良い組み合わせとなります。このあたりの焦点距離のカバレッジとジンバルとの相性による効率性は、GH6になっても変わらず引き継がれることになるマイクロフォーサーズの大きな魅力のひとつと言えるでしょう。
01_NiSi Ti Enhanced CPLをLEICA DG VARIO-ELMART 12-60mm F2.8 ASPHに装着した画像.jpg
NiSi Ti Enhanced CPLをLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.に装着

ダイナミックレンジの拡張:静止画とLog動画

 マイクロフォーサーズ・マウントのカメラは、フルサイズ機に比べてどうしてもダイナミックレンジ(以下、略してDR)において劣る点が懸念される傾向にありますが、今回のGH5IIはLog撮影以外の時にハイライト側のDRがGH5から25%も拡大したとのことで、実際写真を撮ってみて従来のマイクロフォーサーズ機に比べて安心感がありました。一方で、GH6においては、V-Logプロファイルでの動画記録時のダイナミックレンジにおいても、より一層ワイドなDRを期待したいです。DRは、露出コントロールにおける失敗を防ぎたいという守りの視点からワイドであってほしいというだけでなく、カラーグレーディングのスタート地点の素材としてハイライトとシャドーに色がしっかり残っているかどうかがイメージクオリティに大きく影響を与えるので、その観点からも動画記録時のDRのさらなる拡張を期待しています。  もちろんノイズが増加することを前提にすればDRの拡張はより実現しやすいと思いますが、それを良しとするかどうかはユーザーによって評価が分かれるかもしれません。私個人としてはどちらかと言うと、多少ノイズに目をつぶってもV-LogでのDR拡張を望みます。なぜなら、ノイズは後から(シャープネスを犠牲にすれば)リダクションすることが出来ますが、色が飛んでいるハイライトや潰れているシャドーは後からどうにもならないということと(RAWであればある程度回復も可能ですが)、同じひとつのフレーム内においてハイライトからシャドーまで明確に色表現できるということは本当にリッチな印象をもたらすからです。でも理想としては、従来のノイズレベルに抑えたV-Log Lに加えて、DR重視(ノイズは少々増加)の「V-Log L 2」ないしは「V-Log L DR」といった設定があれば、ダイナミックレンジとS/Nのトレード・オフにおいて、どちらを重視するかユーザー側が選ぶことが出来るのでとても嬉しいです。例えば、日差しの強い屋外での撮影ではDRの広いほうのV-Log L2/DR、夕方でシャドーが多く含まれそうなシーンでは低ノイズのほうの従来のV-Log L、といった具合です。
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■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH. ■撮影環境:ISO 200 F2.8 SS 1/200 焦点距離8mm(35mm判換算16mm相当)

現時点で明らかにされているスペックについて

(1) Cinema 4K 60p 10bitの時間無制限記録(推奨動作温度内において) (2) 10 bit 4K/120p (3) 10 bit 5.7K/60p

(1) Cinema 4K 60p 10bitの時間無制限記録(推奨動作温度内において)

 まず、現状フルサイズのLUMIX S1(別売ファームSFU2適用機)およびS1Hの場合ではCinema 4K60pで10bit色深度は実現できていますが(S5の場合はUHD 4Kまでが10bitで Cinema 4Kは8bit)、クロマ・サブ・サンプリングについては4:2:0でした。視覚上の影響は 4:2:0と4:2:2の違いよりも8bitと10bitの違いのほうが圧倒的に大きいので、10bitになっているだけでもLog素材のカラーグレーディングにおいては格段の違いになりますが、できればクロマ・サブ・サンプリングの4:2:2と色深度の10bitがセットであるのが望ましいと感じていました。そういった意味でGH6の進化としてはとても歓迎すべきアナウンスで、期待しています  コーデックについては未発表ですが、そこにも注目しています。GH5 mark2までの4K60p 10bit 4:2:0の記録時は、HEVC(H.265)というコーデックが採用されていました。これは従来のH.264コーデックに比べて、同じ情報量(情報再現性)を半分のデータ容量で確保することが出来るという面で優れていますが、編集ソフトでの操作上はデコードの負荷が高くて動作が重くなってしまうデメリットがありました。つまり、「データは軽くて動作は重い」という一長一短があります。GH6の「Cinema4K60p 4:2:2 10bit」がどのようなコーデックで実現されるのかはわかりませんが、尺やカット数の多いプロジェクトでも後処理においてストレスにならない快適なコーデックやファイル形式で実現されるといいなと思っています。  「時間内無制限記録」という点において、GHシリーズはこれまで舞台撮影などの記録系映像にもこれまで重宝されてきたカメラでもあるので、動画記録時間無制限というのは舞台撮影やイベント撮影などの長回しの記録系やインタビュー撮影においても重宝されることでしょう。それがCinema 4K 60p 10bitで実現可能ということになれば、例えば太陽がフレームインするような屋外スポーツイベントなどでもバンディングが起きにくい10bitで長回しをしつつ、後からスローモーションの編集にも対応可能な60pでも記録することが出来、記録映像としてのクオリティや表現力が高まるでしょう。

(2) 10bit 4K/120p

 これは素晴らしいと思います。60pを越えるハイスピード撮影の領域が、解像度と色深度を犠牲にせず、すなわち4Kかつ10bitで実現できることのメリットは大きいです。一眼動画の世界でGH4がはじめて60pを越えるバリアブルフレームレートでの96fpsを実現した際に、筆者自身の個人体験としても表現の可能性が広がったように思いました。しかし当時の96fpsは、フルHDの8bitでした。それが4K 10bitで120pまで進化すると考えると感慨深いものがあります。東京オリンピックでは、スケートボードで日本からメダリストが男女合計3名も生まれました。今後ますます注目度が上がるアクション系スポーツにおいても、4K120pという高解像ハイスピード撮影は大活躍の機能だと思います。

(3) 10 bit 5.7K/60p

 フォーサーズセンサーは、フルサイズセンサーに比べて「解像感」が低いというイメージを持たれる傾向にあると思います。動画においては、実際の「解像度」として5.7Kが記録できるなら、解像感の懸念は過去のものとなるかもしれません。しかも10bitで記録できるということが素晴らしいと思います。ですが、4:2:2と記載がないことを考えると、クロマ・サブ・サンプリングは4:2:0で、解像度とビットレートのバランスからしても、従来の延長上の考えではコーデックはHEVC(H.265)となるのではないかと思います。もしそうだとすると、長い尺や多くのカット数を使ってこの5.7K60pという高画素60pのHEVC素材をサクサク運用できるマシンスペックのPCを使える人は限られてきてしまうでしょう。その懸念を払しょくしてくれる何らかのソリューションがあったらとても嬉しいと思っています。
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■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. ■撮影環境:ISO 200 F1.7 SS 1/200 焦点距離25mm(35mm判換算50mm相当)

予想される追加スペックについて

 まだ発表されていないスペックの中で、おそらく高い確度で実現されると予想されるのが、HDMI外部出力による動画のRAW記録対応です。AtomosやBlackmagicのモニター一体型SSDレコーダーで4K(4.1K)60pや、5.7K 30pのProRes RAWおよびBlackmagic RAWに対応することでしょう。その後、予想されるのが Atomos NINJA V+への 4K 120p ProRes RAW出力です。4K 120pの高解像ハイスピード撮影素材が12bit RAWで出力可能になればシネマカメラに一気に近づきます。それがGHのボディ・レンズのサイズで実現出来ることの機動力は、アウトドアでのスポーツ撮影や複数台のカメラを導入・配置したいレース撮影など、実用的な価値はとても大きいと感じます。
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■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 50-200mm F2.8-4.0 ASPH. ■撮影環境:ISO 200 F1.7 SS 1/400 焦点距離50mm(35mm判換算100mm相当)

映像クリエイターはこの機能が欲しい!

 未発表スペックの予測ではなく、単に映像系の撮影者としての切なる希望と期待というものをひとつ挙げさせて頂くとすると、「内蔵NDフィルター(ボディ内NDフィルター)」の実装です。ハイエンド・ミラーレスカメラの動画性能が向上すれば、コンパクトシネマカメラとスペック的にもターゲット的にも重なり得る部分が出てくるかと思いますが、動画に強いミラーレス一眼に対する小型シネマカメラの大きなアドバンテージのひとつとして、ボディ内NDフィルターの存在があります。一方で現在市場に出ている小型シネマカメラは、ワンプッシュしかオートフォーカスが効かなかったり、内蔵バッテリー持続時間の問題から結局Vマウントバッテリーを外付けしてゴツいリグを組んでたりと、結果的に柔軟なカメラワークが出来ないセットアップになってしまっている例が散見されます。カメラワークの自由度や移動の容易さを期待して導入した小型シネマカメラが運用上実際は大型になってしまっていては、本末転倒な現象と言わざるを得ません。このように小型シネマカメラが事実上解消できていない問題に不満を抱える小型シネマカメラ不満層や小型シネマカメラ購入予備軍(躊躇層)および一眼動画上級層をターゲットとして、動画マーケットに振り切っていってもらいたいというのが映像系ユーザーの私の期待するところです。もしボディ内NDフィルターが実装されたら、史上初のボディ内ND搭載ミラーレス一眼の登場として大いに話題になるになるでしょう。  内蔵NDフィルターが求められる理由は、単にNDフィルターの脱着をせずに済むからということではありません。例えばは、フィルターの付けられないレンズや、付けられるけれどケラレが発生する場合への解決策としても重要です。焦点距離が35mmフルサイズ換算で15mmを下回るレンズ、たとえば14mmの超広角レンズ(マイクロフォーサーズでは焦点距離7mmのレンズ)などではレンズ前玉側にNDフィルターを装着出来ませんが、ボディ内NDフィルターはそれを一気に解決します。  もうひとつは、C-PLフィルターや昨今流行りのミスト系フィルターなど、色や光の演出のために使用するフィルターがありますが、ボディ内NDフィルターがあればレンズに装着するフィルターはこれらの演出系のみに専念できるということです。NDフィルターを個別にレンズ前面につけなければならない場合は、NDフィルターと演出系のフィルターと2枚、都度脱着して交換することの手間はかなり大きく、またケラレのリスクも高まります。動画でニーズの高い可変NDフィルターやC-PLフィルターは径そのものが回転するため重ね付けした際に外すのが大変だったり、両者を同時につけると回転させたいフィルターでないほうのフィルターが回転してしまって事実上併用が不可能だったり・・・、現場のユーザーとして悩みは膨大です。内蔵NDフィルターはそれを一気に解決できるのです。  一方でNDフィルターの内蔵化はメカニカルシャッターとスペース的に競合してしまい、どちらか一方しか入れられないという問題があるかもしれません。その場合、電子シャッターの技術が向上し(かつ、センサーの読み出し速度の向上もあれば)、電子シャッターでの動体撮影時の被写体形状の歪みやスローシャッター時の被写体形状の歪み問題が解決され、なおかつ外部メーカーも含めたストロボの発光がメカニカルシャッター同様に行えるようになれば、メカニカルシャッターレス化が受け入れられる準備が整ってくる気がします。  スローシャッターやストロボの問題が解消された状態でボディ内NDフィルターが搭載されていれば、写真ユーザーにとってもハイスピードシンクロを必要とせずに日中に弱めの光量のストロボで人物撮影できるメリットもあるのではないでしょうか。例えば内蔵NDでシャッター速度を1/250秒以下に落とせるようになることでポートレート写真撮影、シャッター速度1秒以上で露光出来れば滝の流れや水面を滑らかに描写したい風景写真撮影にもメリットが大きいと考えます。写真ユーザーにおけるNDフィルター使用へのハードルが下がれば、滝の流れを絹の糸のように滑らかに表現することが出来るだけでなく、大きくて高価なストロボを買わなくても、小型で手頃な価格のストロボを使って日中の強い逆光下でも自由なアングルでモデルや家族を撮影する楽しみが増えるかもしれません。つまり、風景撮影においても人物撮影においても、より多彩で上質な写真表現へのハードルが下がります。  このように、NDフィルターが外付けから内蔵へと変わることで可能になることは実は沢山あると思っています。それは、ユーザーがこれまで苦労してきた多くの無駄なプロセスをスマートに解決してくれるという表現も出来るかもしれません。フルフレーム・センサーのサイズでミラーレスカメラのボディにNDフィルターを搭載するのはサイズ的なハードルがかなり高いと思いますが、フォーサーズ・センサーならもしかして・・・と心のどこかで期待してしまいます。
05_LUMIX GH5Ⅱで撮影した作例.jpg
■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH. ■撮影環境:ISO 200 F1.7 SS 1/100 焦点距離22mm(35mm判換算44mm相当) 定常光 + アンビエントライト ■モデル:林愛実
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■撮影機材:LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH. ■撮影環境:ISO 200 F1.7 SS 1/160 焦点距離25mm(35mm判換算50mm相当) 定常光 + アンビエントライト ■モデル:林愛実

おわりに

 私自身が映像クリエイターとして過去からわずかでも成長できている部分があるとすれば、それはGHシリーズの進化と共に過ごしてきた中で可能になったものだったと思っています。クリエイターは、カメラのスペックに一辺倒に頼っては自分のオリジナルな表現に行き着くことは出来ません。しかし、カメラのスペックがクリエイターに新たな表現の扉を開いてくれることがあるのも事実で、たとえばLogプロファイルの実装とダイナミックレンジの拡張と10bit色深度/12bit RAW動画の組み合わせは、従来においては躊躇してしまっていたような環境、例えば屋外でのワンマンでの移動撮影のようなライティングの難しい状況においても、人物を逆光の下に配置する構図での撮影を積極的に取り入れることが出来るようになり、自然光の活かし方の可能性が広がりました。このようにカメラがクリエイターに与える影響はとても大きく、それをどう活用するかというところで創り手のユニークさが問われると考えています。これまでのGHシリーズが私に新しい表現の可能性を感じさせてくれ、時に背中を押してくれたように、GH6という機材がまた自分の表現の可能性の扉を開いてくれることに何よりも期待しています。 ■映像クリエイター:Osamu Hasegawa 企画・演出・撮影・編集までを一貫して行い、少人数でコンパクトな機材のポテンシャルを最大限に生かした作品づくりを得意とする映像クリエイター。

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はじめに

 2018年、ミラーレスカメラ「EOS R」の誕生とともに生まれたキヤノンのRFレンズは、2021年8月時点で広角から望遠、マクロレンズまでほぼ出揃い、個人的にもEFレンズからRFレンズへの買い替え移行が完了したところ。中でも使用頻度が高いレンズが、今回ご紹介する「RF28-70mm F2 L USM」です。  正直に言うと、このレンズの第一印象は「重い!大きい!お値段も立派!」といった皆さんと同じような感想でした。でも「ズーム全域で開放F2だし…」と気になって使いはじめてみると、ミラーレスカメラとの相性も抜群。写真好きには堪らない繊細な描写力に圧倒され、いつの間にかこのレンズの虜になっていました。今も作品を撮影する時の標準ズームレンズとしては一番使用頻度の高いレンズです。  今回のレビューはこのレンズで撮影した日本各地の風景の作例をご覧いただきながら、お届けしたいと思います。

デザイン・外観

00_RF28-70製品画像.jpg  重量1430gのどっしりとした存在感、AF/MF切り替えスイッチのみの質実剛健な佇まい。ショートバックフォーカス設計のミラーレスカメラのシステムだからこそ、28mm~70mmのズーム全域でF2の明るさを確保した高画質かつ小型のレンズが実現しました。小型?と驚く人もいるかもしれませんが、EFレンズで同じスペックで設計すると、より重く大きくなってしまうため製品化が難しかった、夢のようなスペックのレンズなのです。

開放から使える描写力

 まず驚いたのが、開放F2から風景の線が細かく描写される点です。EFレンズの描写も綺麗でしたが、綺麗の質がちょっとその上をいく繊細さ。  下の写真は那須岳の峠の茶屋駐車場から、登山前に「これから登るぞ~!」と、朝日岳方面を手持ちで気楽に撮影した一枚ですが、ご覧いただきたいのは山の稜線です。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F2 1/15秒 ISO800 登山口などで撮影の出発時にひとまずご挨拶のシャッターを切ります。準備運動のような感じです。 山の稜線がとてもシャープに描写されています。F2でこのレベル!
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F2 1/5000秒 ISO400
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F2 1/8000秒 ISO50 登山の途中で気になった岩の表情をF2で撮影。ピントが合っている箇所がシャープだからこそボケが活きてきますね。
 今まで風景の質感や造形を撮りたい時に、開放値から2〜3段絞ったF8~F11前後を使うのが当たり前だと思い込み、いつの間にか「常識」として染み付いていましたが、このレンズを使い始めてから開放値を積極的に使って、ざらざらした岩や山肌などを撮影するようになりました。お花などの被写体も花びらの細かな線が今までのレンズ以上に繊細に浮かび上がります。

一本で4本分!?お得なレンズ

 冒頭に第一印象として「重い!大きい!お値段も立派!」と書きましたが、使用してみると開放値F2の単焦点レンズ、「28mm・35mm・50mm・70mm」の4本が一本にまとまったレンズとして考えるようになりました。単体での1430gは確かに重いですが、単焦点レンズ4本分と考えるとコストパフォーマンス的にもかなりお得なレンズではないでしょうか。  海や山の自然環境では風が強いことも多いため、ホコリが入りやすいレンズ交換はなるべく避けたいところですが、RF28-70mm F2 L USMを装着していれば、レンズ交換をせずに単焦点4本分かそれ以上の描写が楽しめるのも魅力です。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F16 1/3秒 ISO50
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F2 2秒 ISO50 上の写真はいずれも焦点距離70mmで撮影。ズーム域の数値だけでは測れないのが写真の面白さ。被写体との距離感で写真が変わります。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F4 1/3200秒 ISO400 こちらも焦点距離70mmで撮影。最短撮影距離39cmで被写体にぐっと寄って撮影した一枚。体感としては思っていた以上に寄れる印象です。
 近年の標準ズームレンズは、ワイド側で24mm、望遠側で70mmや105mmのレンズが主流。RF28-70mm F2 L USMはそれよりも少し控えめなズームレンジですが、私はその狭さを個性として捉えています。少し足りないなと感じる場合は体を動かして被写体に近づいたり離れたりして、単焦点レンズで撮影するような楽しみ方でカバーしています。  このレンズは決して撮影者を楽にしてくれるレンズではありませんが、写真を単焦点で撮り始めた時に当たり前にやっていた「体を動かして、被写体を発見する喜び」を思い出させてくれたレンズなのです。体を使って手に入れた高画質の写真をみて、思わずニヤッとしたことが何度あったことでしょう。このレンズ、超個性的ですが作品を撮りたい方にはデフォルトの標準レンズとしてオススメです。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F11 1/2000秒 ISO200 焦点距離28mmで撮影した阿蘇中岳の噴煙。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F5.6 1/1250秒 ISO800 焦点距離50mmで撮影した杵島岳。肉眼で見る感覚と近い自然な画角です。

逆光に強い

 単焦点に匹敵する画質のRF28-70mm F2 L USMは、「SWC」と「ASC」の反射防止効果をもつコーティングの採用で、フレアとゴーストを大幅に低減しています。風景の撮影では太陽光が有害光となりうるのですが、実際の撮影現場では「逆光だから撮れないな。」とか、「フレアやゴーストが気になるな。」ということはほとんどありません。撮影者が意識しない状態で、高画質をサポートしてくれているコーティングはとてもありがたく、頼れる裏方さん的な性能です。逆光に強いことが体感できたら、あとは気にせず積極的に逆光で撮影を楽しみ、表現の幅を広げていきましょう。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F16 1/8000秒 ISO100 太陽光が正面から入る逆光のシーンでもこの写り。

相性の良いおすすめカメラ

 RF28-70mm F2 L USMはイメージスタビライザー(IS)機能がないレンズのため、EOS Rで使用していた時は手持ち撮影の場合、手ブレしないように慎重に撮影するか三脚を使用して対応していました。しかし、5軸ボディ内手ブレ補正機構が搭載されたEOS R5やEOS R6とセットで使えば、IS機能のついたレンズと同じように、暗い夕暮れ時や屋内での撮影でも気楽に手持ち撮影が楽しめるようになりました。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F2 1/160秒 ISO400 夜明けの頃、月にAFでピントを合わせて手持ち撮影。EOS R5のAF領域はスペック上は縦100%、横90%(一点AF等、任意選択時)ですが、体感としてはほぼ100%AFが合う感覚です。開放F2+広いAF領域で、今までのセオリーから外れた、新しい構図にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
 被写体は光学ファインダーのような自然な見え方をするEVF(EOS R5・R6)での確認と撮影がおすすめです。暗い場所でも被写体が明るく見え、画面に不要なものが入っていないか確認できます。EVFでは撮影の設定やヒストグラムでの白飛びチェックなども一目瞭然のため、撮影のコックピットとして使っています。  また、明るい時間に屋外で撮影する場合、カメラ背面の液晶モニターでは外の光が明るく、反射で見えにくいことも多いため、私はEVFを覗くことで外光の影響を受けずに確認しています。それは映画館で映画をみるような感覚です。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF28-70mm F2 L USM ■撮影環境:F10 1/500秒 ISO125 日の出の撮影。広いAF領域を利用して、手持ちで手軽に撮影。AFの合焦も素早いです。
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上の写真を編集ソフトで確認。ピントを合わせているのは太陽のすぐ下の山の稜線あたりです。

フィルター・三脚のおすすめ

 RF28-70mm F2 L USMのフィルター径は95mmで、よく使われている77mmや82mmの径よりも一回り大きいサイズです。95mmのフィルターなんてあるのか?と思われる方のために、私自身が使用している円形タイプのPLフィルターとNDフィルターをご紹介します。円形を使用している理由は、角形よりも面積が小さくて持ち運びに便利であることと、山などで風の影響も受けにくいためです。複数の異なる径のフィルターを持ち歩きたくない方はステップダウンリングを使うといいでしょう。
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カニフィルターのCPLフィルター「HT PRO + MC CPL(95mm)」とNDフィルター 「HT PRO + MC ND 64-1000・ND 2-400」
 三脚を選ぶポイントの一つに「耐荷重」のチェックが挙げられます。RF28-70mm F2 L USMが1430g、EOS R5が738gですので合わせると2168gになります。このレンズよりもさらに重い望遠ズームなどを使うこともあると思いますので、雲台と三脚の耐荷重5~6㎏以上の製品を選んで使いましょう。私が使用しているのはGITZOの三脚、GITZOの雲台、マーキンスの雲台です。雲台はそれぞれピタッと止まって使いやすいというシンプルな理由で使用しています。
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三脚はGITZOのGT3542(左)とGT3543LS(右)。雲台はGH3382QD。
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マーキンスの雲台 Q10i-BK

まとめ

 標準ズームレンズは群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)、どの一本にするかお悩みの方も多いと思います。RF28-70mm F2 L USMはズバリ、暗いところでも撮りやすいズーム全域F2という明るさに魅力を感じる方、単焦点レンズと同等の高画質、描写力で作品力をアップさせたい方にオススメのレンズです。大きさと重さは、日々使っていると当たり前になり慣れてきますのでどうぞご安心を。 ■写真家:GOTO AKI 1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のGOTO AKIさんが愛用する、キヤノンの標準ズームレンズ「RF28-70mm F2 L USM」のレビュー記事をお届け。このレンズの特徴である繊細な描写力を、風景作例とともにご確認ください。 ----- KEYWORDS: キヤノン,Canon,標準ズームレンズ,RF28-70mm F2 L USM,レビュー,風景 ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 レビュー|葛原よしひろ BASENAME: 482951170.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 葛原よしひろ DATE: 08/21/2021 16:00:00 TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,単焦点 ----- BODY: 20mm F2.8 Di III OSD M12.jpg

はじめに

 今回はタムロンのSONYフルサイズEマウント用人気シリーズ、トリプルタムロンから20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F050)についてレビューさせて戴きます。  まずレンズを箱から出して手に取った瞬間に本体のあまりの軽さに、このレンズは本当にフルサイズ用のレンズなの?と疑問に思った位でした。この220gの軽くて小さなレンズにはSONYのα7Cが合うと考え、装着してみると見事にフィットしていて写欲に駆られます。
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ポートレート撮影に迫力を

 最初の撮影は大阪国際空港の近くで飛行機撮影と飛行機を絡めたポートレート撮影に使用してみました。この場所は飛行機撮影をする方には有名な場所で、着陸寸前の旅客機を広角レンズで大きく撮影することが可能なので頭上を通過する飛行機の裏側をパシャリ。最近のタムロンレンズに搭載されているOSDモーターのお陰で、猛スピードで通り過ぎる機体もバッチリAFが追い続けてくれるので簡単に撮影することが可能でした。
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■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:1/1250秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-100
 次はモデルのPOSOさんに協力戴いて背景に飛行機を入れた広角ポートレート撮影。スタイルの良いPOSOさんの赤い衣装と青空と飛行機を絡めて映える撮影をすることが出来たのは、このレンズの発色の良さも一因です。
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■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:1/1250秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-320
 飛行機が見えたと同時にPOSOさんに衣装を靡かせながら歩いて戴いて超広角を活かしたローアングル撮影。20mm超広角ローアングル撮影は狙い通りの躍動感が出てくれました。24mmだと、こうは行きませんので20mmは1本持っておきたい焦点距離ですね。
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■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:1/1250秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-250

スナップ撮影にも適したレンズ

 ここからは京都市内でのスナップ撮影。風情のある石畳の道で夕暮れ時の太陽を構図に取り入れて絞りを絞り光芒を出して撮影してみました。光芒の線が凄くシャープに出てくれるところが凄く気に入りました。更に気に入った点は逆光耐性です。御覧の通り、完全逆光で太陽を構図に取り入れてもゴーストやフレアの発生は極めて少なく、タムロン独自のBBARコーティング技術が良い仕事をしております。
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■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:1/15秒 f22 焦点距離20mm ISO-100
 解像感にも優れており、竹垣や石畳の質感もキッチリ表現出来ていて風景撮影にも使いやすいですね。
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■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:1/50秒 f7.1 焦点距離20mm ISO-1000
 こちらの写真は先程と同じ京都ですが嵐山の渡月橋での撮影になります。この数日間凄く長い時間持ち歩いているのですが、軽くて小さなレンズなので特に小型なフルサイズミラーレス一眼のα7Cとの組み合わせは想像以上に軽快です。
20mm F2.8 Di III OSD作例6.jpg
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:1/20秒 f10 焦点距離20mm ISO-400
 嵐電嵐山駅にあるモニュメントと青紅葉です。このレンズの最大の特徴は寄れるという点なのですが、軽く寄れるといレベルでは無く1:2のハーフマクロなので草花に凄く寄って撮影することが出来ます。超広角20mmでの接写では、このように背景を残した構図で青紅葉の葉脈が写るところまで寄ることが可能となり、普通のマクロ撮影とは全く違う表現の写真撮影が出来ます。
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■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:1/125秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-320
 お腹が減ったので嵐山で御飯を戴きました。その時に出てきた刺身の小皿を撮影。構図的に直径10cm位の皿のフチを切る所まで寄れるので、超広角お料理撮影が出来てしまうのはとても便利でした。因みにマクロ域でもAFで問題なく撮影することが出来ました。
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■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:1/100秒 f5.6 焦点距離20mm ISO-10000
 20mmというレンズは星を撮りたくなりますよね。ということで滋賀県高島市で開放F2.8での星景撮影。この写真は1枚撮りで合成無しなのですが充分な数の星を写すことが出来ました。
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■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:15秒 f2.8 焦点距離20mm ISO-3200

このレンズの注意点

 このレンズを使用する時に必ず覚えておいて欲しい事が有ります。それは湾曲収差についてです。今回のタムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F050)は、SONYフルサイズミラーレスαシリーズ用として湾曲収差のデジタル補正有りきで開発されており、デジタル補正がオフの設定ではかなりの収差が出ます。デジタル補正がオンになっていれば、下記の写真を観て戴いた通り収差は改善された状態になります。
タムロン 20mm F2.8 Di III OSD M12比較1.jpg
湾曲収差デジタル補正:オフ
タムロン 20mm F2.8 Di III OSD M12比較2.jpg
湾曲収差デジタル補正:オン
 何故このお話をさせて戴いたかというと、現在発売中のSONY αシリーズは購入して箱から出した状態のときはレンズ補正項目の湾曲収差が切(オフ)に設定されているので、使用される場合は基本的に設定を切り替えて戴く必要が有るからです。  この写真は名古屋で撮影しましたが、敢えて先程説明させて戴いた湾曲収差をオフの設定で撮影しました。レンズの歪みを利用して少しフィッシュアイ的な撮影が出来るのも面白いと思います。
20mm F2.8 Di III OSD M12作例10.jpg
■使用機材:ソニー α7C+タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 ■撮影環境:1/160秒 f6.3 焦点距離20mm ISO-100

まとめ

 このレンズについての感想ですが、一言で言うと『めちゃくちゃ面白い!!』です。機動性とユーザーのお財布への考慮からだと思いますが、シンプルな造りになっておりコンセプトも伝わりやすく好感が持てます。難しい事は考えず気軽なボディに気軽に装着して気軽に持ち出して、好きなものを手あたり次第パシャリする。本当に撮影することが楽しくなるレンズなので、難しく考えずに是非お試し戴きたいレンズでした。
20mm F2.8 Di III OSD M12 2.JPG
 スペック等はライターの多賀野さんのレビューで解説されていますので、是非そちらも観て戴いてより深くこのレンズについて知って戴けましたら幸いです。 ■写真家:葛原よしひろ ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。 大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー JPS(日本写真家協会)正会員

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三田崇博 写真展「Pray for Myanmar」

現在クーデターにより混乱のさなかにあるミャンマー。私はスー・チー氏が国家顧問に就任する前年の2015年から毎年この国を訪れています。この5年ほどの間に著しく経済発展し町の様子はどんどん変わっていきましたがこの国にはまだまだ古き良き文化がたくさん残っています。 本展示では主にミャンマーで行われている伝統行事を中心にスー・チー氏が国家顧問に就任した2016年から2017年に撮影した写真で構成しています。私の第二の母国であるミャンマーに一日でも早く平穏な日々が訪れるよう願いを込めて。
スーチーさんが描かれた気球.jpg ライトアップされ輝きを増す.jpg

写真展概要

■会期 2021年8月26日(木)~9月1日(水) ■時間 平日 10:00~18:00     土日祝 11:00~18:00(最終日は15:00まで) ■会場 ポートレートギャラリー(入場無料)  東京都新宿区四谷1丁目7番地12 日本写真会館5階

プロフィール

■三田崇博 1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。 日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師 公式サイト http://photosanda.com/ ツイッター https://twitter.com/takahirosanda ▼三田崇博先生のShaSha記事一覧はこちら https://shasha.kitamura.jp/category/27314494-1.html ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 三田崇博写真展「Pray for Myanmar」が2021年8月26日(木)~9月1日(水)の期間で開催されます。場所は東京都新宿区にある日本写真会館のポートレートギャラリー。 ----- KEYWORDS: 三田崇博,写真展 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: パナソニック LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. レビュー|1本で様々なムードを生み出してくれる優秀レンズ BASENAME: 483005736.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 08/22/2021 11:00:00 TAGS: パナソニック(Panasonic) レンズ,人物_子供,LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.,標準ズーム,ポートレート(人物) ----- BODY: LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. レビューサムネイル

はじめに

 最初に結論からお話しますと、ズーム全域でF1.7の開放値を実現した本レンズは、「LEICA」の冠に相応しい美しい描写性能と、高い解像性能を有していました。その詳細を、ポートレートのスチールとムービーでレビューしたいと思います。

ズミルックスが生み出すなめらかで繊細なボケ味

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.作例
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ■撮影環境:F1.7 1/400秒 ISO200 WB:5000K フォトスタイル 人物 ■モデル:水野はる
 本レンズは、望遠ズームレンズとして世界で初めて(執筆時現在、レンズ交換式デジタルカメラ用望遠ズームレンズとして)、ズーム全域で開放F1.7での撮影が可能です。レンズ構成は11群16枚で、非球面レンズ1枚、EDレンズ3枚、UHRレンズ1枚が採用されています。  大口径F1.7の「SUMMILUX(ズミルックス)」の生み出す、なめらかで繊細な美しさのボケ味は、被写体をより立体的に、魅力的に描き出してくれます。雑味のないボケは、見る人の目を自然にピントの合った主役の被写体に誘導してくれます。  作例の撮影日はかなり天気が良く、日差しの強い日でした。コンクリートの地面が眩しい状況でしたが、ハイキー部分も派手になりすぎず、なんとも爽やかな作品に仕上がってくれました。

ポートレート・ショート・ムービー

■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ■撮影環境:フォトスタイル 人物 ■モデル:水野はる
 筆者は、ムービー撮影時はシーンによってAFとMFを使い分けることが多いのですが、本レンズはフォーカスリングをスライドさせるだけでAFとMFを切り替えられる「フォーカスクラッチ」が搭載されており、これがとても使いやすくて便利でした。硬すぎず緩すぎないリングは、操作性も高かったです。  また、「LUMIX GH5II」の手ブレ補正効果のお陰もあり、全編手持ちで、カメラを固定せずに動かしながら撮影を楽しめました。編集時にソフトで動きを加えることもできるのですが、レンズがコンパクトなこともあり、今回はカメラをどんどん動かして自由に撮影してみました。  スチールもですがムービーでは特に、ガラス越しの車の光や反射した丸ボケなど、レンズが作り出す水のようななめらかなボケが美しかったです。

標準から望遠まで、単焦点レンズ4本分の焦点距離がこのレンズに!

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.作例2
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ■撮影環境:F1.7 1/400秒 ISO200 WB:5000K フォトスタイル 人物 ■モデル:水野はる
 通常、ポートレートは単焦点レンズで撮影することが多い筆者ですが、本レンズはズームレンズでのポートレート撮影の良さを、あらためて教えてくれました。  本レンズの焦点距離は、35mm判換算で50mm〜100mmになります。筆者がポートレートでも、それ以外の撮影でも一番良く使う焦点距離は50~60mmなので、どんな画になるかが瞬時に想定できる一番使いやすい画角といえます。次に75mm、85mmは筆者もポートレートで多用する画角で、バストアップ以上の寄りのシーンで背景を活かした撮影をするときの定番画角でもあります。100mmは、個人的に以前はそれほど使用していなかった画角なのですが、ここ1~2年はレンズの軽量化に伴って使用頻度がぐっと増えた画角です。  それらの多用する画角がこの一本のレンズに収められているのは、やっぱりとても便利ですし、ズームレンズながらF1.7通しの開放F値は、妥協することなく選べるレンズだといえます。

単焦点レンズ4本持ち歩くよりもコンパクト!

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.作例3
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ■撮影環境:F1.7 1/200秒 ISO1000 AWB フォトスタイル 人物 ■モデル:大川成美
 最近のレンズの小型、軽量化には目を見張るものがあります。本レンズの最大径は87.6mm、全長は約127.6mm、重さは約654gです。これで単焦点レンズ4本分の画角が入っているのですから、単焦点レンズを4本持ち歩くよりも断然軽くて小さいです。  スタジオで三脚に据えてじっくりと撮影するときには、レンズのコンパクトさはそれほどこだわらなくてもいいのですが、ロケで身軽に動きながら撮影したいときや、街中であまり存在感のある撮影をしたくないときなどは、サイズ的にも主張の激しくないレンズがありがたいものです。  最初に持ったときに「小さい!」と感じましたが、昼から夜まで一日撮影していても、その感想は変わりませんでした。重さでお困りの方に、手と肩の負担軽減のためにもお勧めしたいレンズです。

静かで素早いAFはさすがのLUMIX

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.作例4
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ■撮影環境:F1.7 1/400秒 ISO200 WB:5000K フォトスタイル 人物 ■モデル:水野はる
 AFの性能は言うまでもなく、アップのシーンでは瞳をすぐにキャッチし、引きのシーンでも顔と瞳をすばやく捉えるのはさすがのLUMIXです。  本レンズのフォーカスは、フレームがリニアモーターで駆動する構成になっており、素早くて精度の高いAF性能とともに、静かなピント合わせが可能となっています。これはスチール撮影時にストレスになる不穏な音がないことはもちろん、動画撮影時に自分のフォーカス音を収録してしまうなんて悲しいことがおきないために、とても大切な性能でもあります。

大口径レンズならではの点光源のボケの美しさ

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.作例5
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ■撮影環境:F1.7 1/100秒 ISO1000 WB:5000K フォトスタイル 人物 ■モデル:大川成美
 せっかくの大口径レンズなので、点光源の丸ボケを味わえるカットも撮影。背景にはワイングラスやフィルムカメラなどが並んでおり、室内の照明を反射してムードのあるボケになってくれています。  室内は赤みのある照明で彩られているので、背景とモデルの髪は赤味がかった色に、まだ日が落ちていない夕方で、モデルの顔は自然光でうっすらと照らされている為、5000Kのホワイトバランスにすることで、ムードを残しながらも自然な色味になりました。

乱反射する撮影シーンでもフレアやゴーストをカット

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.作例6
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ■撮影環境:F1.7 1/100秒 ISO1000 WB:3700K フォトスタイル 人物 ■モデル:大川成美
 室内は照明をすべてつけると、あらゆる角度から照らすセッティングになっているので、吊り下げられているワイングラスなどの乱反射は美しいのですが、レンズにもあらゆる角度から照明が差し込む状況でもありました。そのような状況でも、不要なフレアやゴーストは見受けられず、描写性能の高さを感じました。  また、かなり暗いなかでの撮影でしたが、ブレや解像感の低さも感じず、ピントが合っている面からボケている面までしっかりと描かれていました。

反射の丸ボケも自然に美しく描写

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.作例7
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ■撮影環境:F1.7 1/400秒 ISO200 WB:5000K フォトスタイル 人物 ■モデル:水野はる
 店内のモデルをガラス越しに外から撮影。窓ガラスに写り込んでいるのは筆者の後ろにある木の木漏れ日と、その後ろにある道路を走る車の反射です。今回の撮影場所は反射や点光源が沢山あったので、ボケを存分に楽しむことができました。

これ1本で様々ムードの作品を仕上げられる!

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.作例8
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II + LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ■撮影環境:F1.7 1/80秒 ISO1000 WB:3700K フォトスタイル 人物 ■モデル:大川成美
 先ほどと同じ場所で、日が沈んでから撮影しました。木漏れ日の反射がなくなり、店内の光が強くなったので、1枚フィルターを通したようなふんわりとしたカットに仕上がりました。  単焦点派の筆者ですが、様々なムードを1本のレンズで仕上げられるのは、やっぱり便利なことだと実感したレビューでした。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。

キャッシュバックのご案内!

F1.7_GLens_CBCP_bnr_kitamura_1240_320.jpg  LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.(H-X2550)の発売を記念して、期間中に対象商品をご購入いただいた方にもれなくキャッシュバックを行っています!詳しくはパナソニックHPのキャッシュバックキャンペーンページをご覧ください。 ■更新 ・2021年8月23日:キャッシュバックキャンペーンの情報を追記しました。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんによるパナソニック LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.のレビュー記事です。単焦点派の水咲さんが納得した最高の写りを作例とともにご紹介しています。 ----- KEYWORDS: パナソニック(Panasonic) レンズ,レビュー,人物_子供,LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: カールツァイス ZEISS Batis 2/25レビュー|撮影者の想像力を掻き立てるレンズ BASENAME: 483017008.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 08/23/2021 16:00:00 TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,ZEISS Batis 2/25,単焦点 ----- BODY: 00_カールツァイス ZEISS Batis 225の製品画像.jpg

はじめに

 カールツァイスの広角AFレンズ「Batis」の25mmF2レンズ。ZEISS Batisレンズはソニー製フルサイズミラーレスシステムのために開発され、高画素のカメラの性能を余すことなく発揮できる魅力あるレンズです。特に25mmという焦点距離は自然風景、都市風景、街角スナップなど、幅広く対応できる画角で常用レンズとして、とても使い勝手良いレンズです。発売されたのは2015年8月で少々年数は経っていますが、そんなことを感じさせないBatis 2/25を、街角スナップ撮影に持ち出してみました。

ツァイス ZEISS Batis 2/25の魅力

 Batis 2/25の光学系は、ディスタゴンタイプの25mmレンズ。レンズ構成は8群10枚で絞り羽根は9枚。両面非球面レンズ4枚と特殊低分散レンズ5枚を使い各収差を抑えて画面の周辺まで素晴らし描写を実現しています。レンズ設計はデジタル用に設計され、光学収差を最小限に抑えるフローティング機構も採用されており、デジタル時代のディスタゴンタイプのレンズです。  αユーザーで気になるのは、Batis 2/25とFE24mmF1.4GMの差ではないでしょうか。画角も近く、どちらもとても優秀なレンズです。
01_(左)ソニー FE24mmF14GM、(右)ZEISS Batis 225.JPG
(左)ソニー FE24mmF1.4GM、(右)ZEISS Batis 2/25
FE24mmF1.4GMBatis 2/25
焦点距離24mm25mm
画角(35mm判)84°82°
開放絞り(F値)F1.4F2
最小絞り(F値)F16F22
絞り羽根11枚9枚
最短撮影距離0.24m0.2m
フィルター径67mm67mm
外形寸法 最大径x長さ75.4 x 92.4mm81 x 78mm
質量約445g約335g
 こうやって仕様を並べてみると違いはあるのですが、実際に使ってみると外見の違いほどは撮影した写真の違いを感じるとる事ができませんでした。但しもちろん撮影している段階では、ツァイスレンズで撮影しているという意識が大きく働くので、その辺は全然違うと言えます(笑)。  Batis 2/25は、レンズの外観も専用フードもシンプルなのでカメラに装着したシルエットも非常に洗練されたシンプルなイメージになります。街角スナップ撮影においては、気軽に持ち運びができ仰々しさも無くスマートな撮影が出来るのではないでしょうか。特に最短撮影距離は短く寄れるレンズなので、広角レンズでも大きく背景をボカした撮影ができます。
02_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF20 ISO100 焦点距離25mm
 筐体はちょっと太目な感じのレンズですが、重量自体はそれほど重くない為、αの装着時も非常にバランスの良いレンズです。カフェで休憩している時に、テーブルの上に置いておいても何となく様になっているような気がします。  SONY FE24mmF1.4GMに比べると、絞りリングやAF/MF切替スイッチなどがレンズに無いため、それらの操作をするには、カメラ側でのコントロールになりますが、純正レンズでも絞りリングやAF/MF切替スイッチが無いレンズもあるので、それほど気にならない人も多いのでは無いでしょか。  Batis 2/25は絞り羽が9枚なので、光芒の線は下の作例の様に18本になります。
03_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF20 ISO100 焦点距離25mm

ツァイス ZEISS Batis 2/25で街中散策スナップ

 Batis 2/25を持って、東京駅から有楽町まで撮影しながら散策してみました。スタートは東京駅の丸の内北口。ここには、開業当時の姿に復元された駅舎の美しいドーム状の天井があります。
04_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/15秒 絞りF8 ISO800 焦点距離25mm
 少し歩いて皇居方面から東京駅の駅舎や丸の内のビルを撮影。25mmの広角レンズですが歪曲は極めて少なく、画面の中心から隅々まで乱れることなくシャープな描写をしています。
05_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF14 ISO400 焦点距離25mm
06_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF13 ISO400 焦点距離25mm
 絞りを開けて撮影すると、広角レンズでもしっかりとしたボケを活かす事ができます。
07_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF2 ISO200 焦点距離25mm
08_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境: シャッター速度1/1600秒 絞りF2 ISO100 焦点距離25mm
 Batis 2/25の25mmの画角は非常に使いやすく、街角スナップで気になったモノを切りとって撮影するのがとても楽しいレンズです。気になった被写体に寄ることもでき、絞れば画面全域でシャープに解像させて意図したイメージを創り上げる事ができます。
09_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF9 ISO200 焦点距離25mm
10_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF8 ISO800 焦点距離25mm
 カラフルに施されたストリートピアノがあったので撮影してみましたが、発色やコントラストはやはりツァイスといった発色が感じられます。
11_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF9 ISO800 焦点距離25mm
12_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF5 ISO800 焦点距離25mm
 街角を散策しながら気になった被写体を撮影しましたが、ズームレンズでは味わえない単焦点レンズでの切とり、自らが動いて構図を決めていく楽しさを感じ、想像力を高めてくれる魅力あるレンズです。
13_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF16 ISO800 焦点距離25mm
14_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF4.5 ISO800 焦点距離25mm
15_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF8 ISO800 焦点距離25mm(B/Wモードで撮影)

ツァイス ZEISS Batis 2/25で夜のスナップ

 夜景の撮影でも、単焦点の明るいレンズなので三脚なしの気楽な夜景撮影も可能です。レンズ自体には手ブレ補正の機能はありませんが、カメラボディ側の補正機能を使って撮影しています。
16_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/40秒 絞りF2.5 ISO800 焦点距離25mm
 絞り開放で被写体に寄った時の背景のボケは、広角レンズでも大きな玉ボケを表現してくれます。
17_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF2 ISO800 焦点距離25mm
18_カールツァイス ZEISS Batis 225での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ZEISS Batis 2/25 ■撮影環境:シャッター速度1/25秒 絞りF2 ISO200 焦点距離25mm

まとめ

 25mmの画角は常用レンズとしてとても使いやすく、ツァイスレンズの発色やコントラスト、シャープ感はどれも満足がいくレベル。フルサイズのαの性能を余すことなく表現できるレンズの一本です。F2開放からしっかりとした解像をしますが、2段分ほど絞ると解像感は文句なしのレベルで解像します。ツァイスレンズの所有感が撮影の際にもワクワクさせてくれ、Batis 2/25 は撮る者の想像力を掻き立てる魅力が秘めているそんなレンズではないでしょうか。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがカールツァイス ZEISS Batis 2/25のレビューを行っています。αユーザーが気になるFE24mmF1.4GMとの比較も行って製品の魅力を紹介してますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: カールツァイス(zeiss) レンズ,レビュー,ZEISS Batis 2/25 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ×テスト【セミナー】ソニープロカメラマンセミナー -山田 芳文 氏-|全国のキタムラ19店舗で参加可能! BASENAME: 483065046.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 08/23/2021 21:25:55 ----- BODY: 山田さんプロフィール_06040127929797_xxlarge.jpg

SONY(ソニー)フルサイズミラーレスカメラ”α7R IV"やFEレンズの魅力を伝えます

 2021年9月18日(土)にSONY(ソニー)のフルサイズミラーレスカメラ"α"の魅力を伝えるセミナーを開催いたします。新宿 北村写真機店で開催しているセミナーの様子を、一部のカメラのキタムラ店舗にライブ中継で放送いたします。新宿 北村写真機店へお越しいただくことが難しい方でもセミナーをお楽しみ頂けます。  講師にはCP+でのご登壇や、SONYの公式webサイト「αUniverse」にて野鳥カメラマンでご紹介されている写真家の山田芳文 氏をお招きし、野鳥撮影の際に高画素モデルα7R IVやフラッグシップモデルのα1、G Masterレンズを「なぜ選び、なぜ使用しているのか」という理由を実際に撮影された作例と合わせてご紹介。  イベント終了後には機種の機能などで知りたいことや、ご購入に際してのお悩みなどのご相談もお答えいたします。参加費は無料となっており、既にα9やα7シリーズなどのフルサイズカメラを使用している方、α6600・α6400などのAPS-Cモデルを使用中の方はもちろん、これからソニーのカメラを買おうか検討されている方もぜひお気軽にご参加ください。

概要とお申込み

■開催日時:2021年9月18日(土)【第一部】11:00~12:00【第二部】14:30~15:30 ■費用:無料 ■場所:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン、ライブ中継先店舗 ■定員  □新宿 北村写真機店:各部15名  □ライブ中継先店舗:下記リンクより希望店舗へお問い合わせください。 ■お申し込み方法  □新宿 北村写真機店:こちらよりお申込み  □ライブ中継先店舗:下記リンクより希望店舗へお問い合わせください。 ■申込み期限:2021年9月15日(木)20:00

ライブ中継先店舗一覧

 募集状況やお申込み、ご質問などはお申込み希望店舗へお電話ください。 中継予定店舗 ■北海道:帯広/白樺通り店 ■岩手県:盛岡/南店 ■山形県:馬見ヶ崎店 ■茨城県:神栖店 ■埼玉県:幸手/東店 ■神奈川県:厚木/林店 ■長野県:松本/並柳店 ■愛知県:豊川/諏訪店 ■愛知県:西尾/シャオ店 ■石川県:金沢/浅野本町店 ■京都府:四条西院店 ■大阪府:豊中店 ■岡山県:下中野店 ■広島県:尾道店 ■山口県:周南店 ■香川県:高松南店 ■宮崎県:宮崎/中央店 ■熊本県:東バイパス中央店 ※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。 ※ ご予約後、情勢によってセミナー講師の変更やセミナーが中止となる場合もございます。予めご了承ください

講師紹介:山田 芳文 氏 -Yoshifumi Yamada-

 写真家。「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。撮った写真はカメラ雑誌やバードウォッチングの専門誌、自然保護団体の会報誌などで発表。ライフワークは鳥がいる風景写真。著書は、『写真は「構図」でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)『野鳥撮影術』(日本カメラ社)、『やまがらちょこちょこ』(文一総合出版)など。最新刊は、『SONY α6600基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)。専門分野 野鳥。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: 可愛くて仕方がない⁉ 愛しのベビー|サバンナ撮影記 Vol.04 BASENAME: 483011918.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 井村淳 DATE: 08/24/2021 11:00:00 TAGS: 撮影テクニック,サバンナ撮影記,野生動物/動物 ----- BODY: KEN004-008_チーター.JPG

はじめに

 ケニアに通うようになってしばらく経つと、自分の好みの被写体がわかってきます。もともと私は、肉食動物が草食動物を捕食する弱肉強食の世界を見たいと思っていたのでそれは今でもメインテーマです。しかし、そのテーマを追いながら途中で出会う被写体にもとても心を惹かれるものがあります。それは、動物の赤ちゃんです。中でも肉食動物の赤ちゃんは可愛すぎます。
KEN004-001_ライオン.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV + EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO1000(オート) F5.6 1/250秒
 赤ちゃんはいつでもいるわけでもありません。そして、肉食動物の赤ちゃんは1年を通して出産する決まったシーズンはなく、その時にたまたまいるかどうかという運次第です。動物の赤ちゃんは成長が早いので、1ヶ月ごとに姿が変わってしまいます。なるべく赤ちゃんのうちに出会いたいのですが、小さい時は、見つけ辛いところで育てているため滅多に見つけることはできません。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM ■撮影環境:ISO320 F5.6 1/100秒 焦点距離400mm

百獣の王も赤ちゃんは可愛い

 例えばドライバーから、よく見かけていたライオンの妊娠していたお腹が小さくなっていたと知らされることで、どこかで赤ちゃんが産まれていることを知ることができます。ただ、そのタイミングで私がサファリに出かけたとしても、それがどこなのかまではわかりません。「おそらくこの辺だと思う」というドライバーを信じて連日探すこともあります。生まれてから数週間経つと、赤ちゃんが自由に歩くようになり、茂みからチラッと見えたりして、発見することがあります。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV + EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO2000(オート) F4 1/500秒
 生まれて間もなくは、親ライオンはとても警戒していて、他の肉食動物に見つからないようにねぐらを何度も引越しをします。一箇所に長くいると匂いで見つかってしまうと言われています。その時、まだ歩けなかったり、歩くのが遅い子ライオンを口にくわえて引越しをします。この場面は当初からぜひ撮りたい場面でしたが、私が初めて見られたのはケニアに通いだして17回目の時でした。  その時は3頭の子供がいて、ちょこちょこ歩けるくらいに成長をしていたのですが、1頭だけ少し遅れてしまうのをお母さんライオンが見かねてくわえたのです。感激の瞬間でした。移動するライオンの先で望遠レンズで狙います。子ライオンの顔がどっちに向いているかは運です。どうせなら他の子供たちも一つの画面に入れたいなどとファインダーを覗きながらイメージをします。ピントはくわえているお母さんの顔に合わせ、画面の周囲に他の子供を確認しながらシャッターを切ります。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark III + EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO400 F5.6 1/500秒
 ライオンはプライドという家族的なグループで行動をします。そのプライドでは、同じ時期に複数のメスライオンから子ライオンが生まれることがよくあり、1頭のお母さんからは多いと4〜5頭生まれるようです。同じタイミングで2頭のお母さんから計9頭の赤ちゃんがいる場面に出合ったことがります。生後2ヶ月くらいでしたがまだミルクを飲みます。2頭のお母さんが同時に赤ちゃんたちにミルクをあげていました。そのうち1頭の赤ちゃんがとなりのお母さんのところに行きそちらでもミルクを飲み始めました。ライオンはプライド内では共同で子育てをする事がよく分かる瞬間でした。  子ライオンが遊ぶシーンは、思っているより動きが速く、ブレてしまうことがよくあります。感度が決まっていたフィルム時代には、その場面で撮影したフィルム3〜4本分全て被写体ブレで失敗だったことがあります。その経験から、ある程度画質が落ちてしまう高感度になってもブレないシャッター速度に設定することを優先するようになりました。カメラのデジタル化の最大の有利なところは高感度の高画質化で、それまで撮れなかった場面を捉えられるようになったと思います。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV + EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO800(オート) F4.5 1/800秒
KEN004-006_ライオン.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM ■撮影環境:ISO2500(オート) F6.3 1/1250秒
 ライオンはサバンナに暮らす大型ネコ科3種類の中でも体が大きい分、走るのが遅いです。通常プライドでは狩をするときも共同で獲物を囲い込んだりして捕獲します。獲物の大きさが小さいとオスが独り占めしてしまうこともありますが、総合的には分け合ってプライドの皆が食べることができます。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM ■撮影環境:ISO2500(オート) F6.3 1/1250秒 焦点距離400mm

似ているようで全然違う!? チーターとヒョウ

 ではその他の大型ネコ科の2種類はどうでしょう。チーターとヒョウですが、皆さんは見分けることはできますか。たまにテレビ番組などでも、チーターなのにヒョウとテロップが出ていたりします。私も初めは違いが全くわかりませんでした。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF400mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF1.4×III ■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/1250秒 焦点距離560mm
 チーターとヒョウの違いを説明します。一番簡単に見分けられるのが顔です。チーターは目元から口にかけて黒い涙線とも言われる模様があります。これは、生まれた時から付いているので赤ちゃんチーターでも見られます。チーターは比較的クルマを怖がりません。かなり近くまで来てくれることもあります。たまに、クルマの日陰に入ってくることもあります。超望遠レンズでは、最短撮影距離内でピントが合わないこともあります。あるとき、チーターが車の脇でじっとしていたのでエクステンションチューブ(中間リング)を使って顔の接写なんてことも経験があります。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF400mm F2.8L IS II USM ■撮影環境:ISO200(オート) F3.5 1/800秒 焦点距離400mm
 次に大きな違いは模様です。チーターの斑点も一般的にはヒョウ柄と言われてしまうこともありますが、よく見ていただくとチーターは黒い点々なのに対してヒョウはいくつかの黒い点が集まって一つの花柄のような模様になっています。前回ご紹介しました動物園でもチーターとヒョウの模様の確認はできます。細かな模様の違いまで観察してみてください。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS II USM ■撮影環境:ISO3200(オート) F4.5 1/1250秒 焦点距離500mm
 さらに見慣れてくると違いがわかるのがシルエットです。つまり体型ですが、チーターは陸上最速で走る哺乳類と言われているほど走るために進化した動物です。空気抵抗を少なくするために顔は小さく体はスリムに、足は細くて長いです。それに比べてヒョウは獲物を仕留めるのに有効な噛む力が強くなるように顔が大きく、木の上での生活で有利になるように足は短く太いです。どちらも尻尾は長く、チーターは高速で走っている時の舵取りのためで、ヒョウは樹上でのバランスを取るためのようです。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF200-400mm F4L IS USM EXT ■撮影環境:ISO250(オート) F5.6 1/1600秒 焦点距離383mm
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF100-300mm F4-5.6L IS USM ■撮影環境:ISO640(オート) F5 1/1250秒 焦点距離170mm
 チーターとヒョウはライオンのグループでの子育てとは違ってお母さんが1頭で子供を育てます。オスは子育てには参加しません。交尾をして去っていきます。また、チーターは夜はあまり目が効かないので基本的には夜は草原で寝ます。決まった寝床はなく毎日変わります。ヒョウやライオンは夜目が効き夜にも得物を狩る夜行性とされています。大型のネコ科3種類はそれぞれの生活スタイルに合わせた進化や、生活の行動形態を構築しています。ある程度の生態を知ると撮影でも予想をしながら狙うこともできます。定説とは違う行動なども見えてくると観察することが楽しくなります。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM ■撮影環境:ISO200(オート) F9 1/500秒 焦点距離250mm
KEN004-014ヒョウ.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS II USM ■撮影環境:ISO2500(オート) F4.5 1/1250秒
 チーターの赤ちゃんは生まれて間もない頃は背中にたてがみのような白っぽい産毛が生えています。草原でカムフラージュになるようです。成長するとともに産毛はなくなっていきます。チーターは多いと8頭の赤ちゃんが生まれます。乳首の数が8つあります。私が見た中で最大なのは7頭の赤ちゃん連れでした。それが全て成長することはほとんどないでしょう。他の肉食動物に狙われた時に全員を守れないからです。  私が過去に見た生まれたての6頭のチーターの赤ちゃんは、私が帰国し1週間後にライオンに見つかり赤ちゃんは全滅させられたとドライバーから聞かされとても残念に思いました。チーターは狩りに行くときは赤ちゃんを茂みに置いていきます。お母さんがその場にいたとしても助けられるのはくわえて逃げる1頭だけです。野生の掟と言ってしまえばそれまでですが、日々、生と死が目の前にあるのです。
チーター15.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS 2 USM ■撮影環境:ISO2000(オート) F8 1/1000秒
KEN004-016_ヒョウ.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF200-400mm F4L IS USM EXT ■撮影環境:ISO640(オート) F5.6 1/1250秒 焦点距離560mm
KEN004-029_チーター.JPG
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II + EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO400(オート) F5.6 1/1600秒 焦点距離500mm
 ヒョウは木登りの名人です。大型ネコ科3種類の中で木登りを得意とするのはヒョウだけです。狩をした得物を口にくわえて木に登ります。大きすぎる得物を狩ってしまったときは地上で半部くらい食べてから、残りを樹上にあげます。樹上は他の肉食動物が来られないので、横取りされることはないヒョウにとっての安全地帯なのです。子育ても木の上でします。小さい時から木登りをしているので得意なわけです。また、お母さんが狩に行くときも赤ちゃんは樹上で待つので他の肉食動物に襲われる心配が少ないです。ただ、大型の猛禽類やどう猛なサルの仲間のバブーンなどは要注意です。バブーンは大人のヒョウでもよく追いかけ回しています。 
KEN004-017_ヒョウ.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM ■撮影環境:ISO12800(オート) F5.6 1/160秒 焦点距離170mm
KEN004-018_ヒョウ.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM ■撮影環境:ISO1600(オート) F5.6 1/320秒 焦点距離400mm
 ヒョウは一度に1〜3頭の赤ちゃんが生まれます。私は野生下で3頭連れはまだ見たことはないですが資料にはそう書かれていました。ヒョウは茂みや岩場で赤ちゃんを育てていることが多く、サファリカーではなかなか入っていけないような場所が多いです。それでも、茂みの葉と葉の隙間から見える位置を探し、超望遠レンズにエクステンダー(テレコン)をつけて撮影したりします。じっと構えてたまに姿が見え、たまに顔が見えた瞬間を撮影します。ヒョウの子はチーターの子に比べて黒っぽく見えます。背中の産毛がないのと模様の関係でそう見えるのだと思います。
KEN004-019_ヒョウ.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS 2 USM ■撮影環境:ISO3200(オート) F4.5 1/640秒
KEN004-020_ヒョウ.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D X + EF500mm F4L IS 2 USM ■撮影環境:ISO6400(オート) F4 1/1000秒 焦点距離500mm
 ヒョウは日中は木の上で昼寝をしているところをよく見かけます。昼寝をしているヒョウを見つけて、そのヒョウが動き出すのを待つか、他を探しに行くかという葛藤になります。ヒョウがすぐ動き出すかもしれないし、何時間も動かないかもしれない。他に行けば何か見つかるかもしれないし、そのヒョウを撮り逃すかもしれない。そこにヒョウがいるときはまだ良いのですが、フレッシュな獲物が木の上にさがっているところを見つけた場合、きっとその獲物を食べに戻ってくるという判断をする場面です。  夕方に戻ってくるだろうけど、日没までに戻ってくるだろうか。日没までに終了し、宿に帰るのが国立公園のルールです。本当に今日戻ってくるのか、などドライバーともディスカッションします。相手が動物ですから絶対はないので、当たっても外れても、それがサファリ!と楽しめれば良いのです。そして、狙い通りにヒョウが戻ってきたら、夢中でシャッターを切りながら知らずのうちに顔がにんまりしてしまうのでした。ヒョウが木に登る時間は数秒です。被写体ブレしないように1/1000秒以上に設定して2時間弱待っていました。
KEN004-021_ヒョウ.JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS 2 USM ■撮影環境:ISO1000(オート) F5.6 1/1250秒 焦点距離200mm

ネコ科だけが主役じゃない!! その他の肉食獣

 サバンナの代表的な大型ネコ科3種類の他にも肉食動物がいます。ここでクイズです。次の写真は肉食動物の赤ちゃんです。それぞれ、なんの動物の赤ちゃんでしょう。 クイズ.JPG  大型のネコ科以外の肉食動物は小型のネコ科やイヌ科、ハイエナ科などがいます。ネコ科はサーバルやカラカル、イヌ科はセグロジャッカルやリカオン、オオミミギツネ、ハイエナ科はブチハイエナなどに実際に出会っています。他にもマングースや猛禽類、ワニなどという肉食動物がいますが、それはまた機会がありましたらお話しいたします。  大型ネコ科以外の6種類をサバンナでよく見かける順に紹介します。まずはブチハイエナです。他の肉食動物が狩りをした残りを横取りするイメージが強いかもしれませんが、狩りの名手と言われています。逆にライオンがそれを横取りすることも珍しくないとか。ハイエナは走るスピードこそあまり速くないですが持久力が強く、何キロでも追いかけて相手がへばったところを狩ると言われています。クイズの左の写真の答えです。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM ■撮影環境:ISO640(オート) F4 1/1000秒
 次によく登場するのがセグロジャッカルです。こちらも、他の肉食動物の食べ残しを頂戴しにやってきます。小型で身軽な分すばしっこくて、目を盗んで一口くわえて逃げてを繰り返しています。見かけるジャッカルの多くはセグロジャッカルですが、他にヨコスジジャッカルやキンイロジャッカルなどがいます。滅多に会うことはありません。クイズの真ん中の写真の答えです。
KEN004-024_セグロジャッカル.JPG
■使用機材:キヤノン EOS -1D Mark II + EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO200(オート) F5.6 1/500秒 焦点距離500mm
 オオミミギツネは草原を素速く走って逃げていく姿をよく見かけます。そんなに逃げなくてもいいのにと思うほど逃げます。そして遠くで振り返ります。しかし、たまに逃げずに車の近くで遊んでくれることもあります。気分屋なのでしょうか。赤ちゃんがいる巣では近づくことができませんので遠くから超望遠レンズで狙います。警戒している限り親は帰ってこないし、赤ちゃんも巣から出てきません。じっと待ちます。クイズの右の写真の答えです。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM ■撮影環境:ISO2500(オート) F4 1/400秒 焦点距離500mm
 サーバルは小さいチーターのようにも見えます。模様はキングチーターにも似ています。草原でじっとしているところを見かけます。地中のネズミが動く音を聞き分け、一気に飛びかかります。その瞬間を撮影しようと構えたまま何十分もじっとしていることもあります。鼻が痒くなって一瞬目を離した瞬間にジャンプして撮り逃がしたこともあります。また、アップで狙おうと画面いっぱいにフレーミングしていたら、高くジャンプすることを想定していなくてジャンプとともに画面から消えてしまったこともあります。とにかくサーバルの動きは速く、1/1000秒でも被写体ブレをします。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM ■撮影環境:ISO160(オート) F4.5 1/1600秒
 リカオンは超がつくほど希少です。過去2回しか見た事がありません。ぱっと見、汚い犬などと言われてしまうこともありますが、白黒茶と三色で耳は丸くて大きい可愛い顔をしています。集団で狩りをすることが知られています。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM ■撮影環境:ISO160(オート) F4.5 1/1250秒 焦点距離500mm
 リカオン並みに希少なのがカラカルです。日中滅多に出てこないのでこちらも過去に2回だけしか合っていません。2回目に会ったときは、ドライバーが友人から情報をもらい、1時間以上離れた場所に移動して会えたものでした。その間にいなくなってしまうかもしれませんがそれでもいく価値があると判断しました。カラカルは耳の先に長い毛がありオオヤマネコのような顔立ちです。鳥などを捕食する際に3メートルの高さまでジャンプすることで有名です。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D X Mark II + EF500mm F4L IS 2 USM ■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/1000秒
■写真家:井村淳 1971年生まれ。横浜市在住。日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。

連載記事リスト

サバンナ撮影記|Vol.01 ~ケニアへの行き方~サバンナ撮影記|Vol.02 ~草食動物は地平線と共に~サバンナ撮影記|Vol.03 ~動物園でも野生さながらに撮影する秘訣~
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の井村淳さんによる連載記事サバンナ撮影記の第4回! 今回は可愛らしい赤ちゃん特集です! 井村淳さんの過酷な環境で生きる動物の愛らしい姿を写した作品は必見です。 ----- KEYWORDS: ペット_動物,撮影テクニック,サバンナ撮影記 ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: 富士フイルム GF32-64mmF4 R LM WR ~超解像度GFレンズの凄み~|八島和浩 BASENAME: 482962561.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 八島和浩 DATE: 08/24/2021 16:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,風景,標準ズーム ----- BODY: GF32-64mmF4 R LM WR作例1.jpg

はじめに

 私は、フジノンレンズの光学技術を駆使した大型センサーのポテンシャルを最大限生かす、高精度・高解像度のGFレンズに魅了された一人です。今回、GF32-64mmF4 R LM WRをレビューさせて頂きます。このレンズは、フルサイズ換算で約25mm相当の広角域から約51mm相当の標準域の画角までをカバーできる便利な一本で、ズーム倍率約2倍のレンズとなります。  特に私のように風景写真を撮影する方におすすめです。このズームレンズがあるだけで広角域~標準域の焦点距離をカバーしている為、目まぐるしく変化する風景を直感的に撮影することに集中させてくれます。また、私は青森での撮影がメインとなるため、厳しい自然環境下でこのズームレンズはマストアイテムになります。では、作例を中心にレビューしていきます。はじめに、主な仕様をご覧ください。

主な仕様

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型番フジノンレンズ GF32-64mmF4 R LM WR
レンズ構成11群14枚 (非球面レンズ3枚、スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ1枚)
焦点距離f=32-64mm (35mm判換算:25-51mm相当)
画角81°-46.3°
最大口径比(開放絞り)F4
最小絞りF32
絞り形式羽根枚数:9枚(円形絞り) ステップ段差:1/3ステップ(全19段)
撮影距離範囲50cm - ∞(W端) 60cm - ∞(T端)
最大撮影倍率0.12倍
外形寸法:最大径×長さ(約) ø92.6mm × 116mm(W端) ø92.6mm x 145.5mm(T端)
質量(約)875g
フィルターサイズø77mm
外形寸法:先端よりマウント基準面まで 質量:レンズキャップ・フード含まず

全域で単焦点並みの解像力を持つズームレンズ

 GF32-64mmF4 R LM WRの最大の特長と言っても良いのが「単焦点並みの解像力を持つ」ということです。当初、取り回しが便利でズームレンズである以上、画質は単焦点レンズと比較して妥協せざるを得ないと考えていました。しかし、良い意味で裏切ってくれる素晴らしい結果を得ることができました。  下の作例をご覧下さい。ワイド端32mm、絞り開放F4で撮影しています。雨上がりの八甲田の森の静けさの中、手前の水たまりの柔らかいボケ、そしてブナの木々にピントがしっかりと合い幻想的な雰囲気を表現することができました。
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■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR ■撮影環境:焦点距離32mm F4 1/60秒 ISO800
 また、階調が豊かなことも相まってヌケの良い空気感のある仕上がりとなっています。冒頭に述べたようにズームレンズとは思えぬ解像力です。この他に最も注目すべきは、「収差」がほとんど感じられないという点です。収差にも「色収差」「歪曲収差」「球面収差」などあります。この様な状況下では、周辺部分に各収差が出ますがほとんど感じることができません。まさに、単焦点レンズに匹敵するズームレンズと言っても過言ではありません。

耐逆光性能

 私のように風景撮影がメインになる方は、耐逆光性能も気になるところではないでしょうか?逆光で撮影をする上で気を付けることとして、「フリンジ」「フレア」「ゴースト」が挙げられます。作例をご覧ください。狙いとしては、冬期で凍りつく湖に立つ1本木の枝の影を雪面に写し込むことです。この狙い通りに撮影するためには、太陽に向かって真正面に撮影しなければなりません。この場合、木々の枝部分と空の白い部分の境目に「フリンジ」、そして「フレア」「ゴースト」のオンパレードになることが想定されます。これらが出ないように気を付けて撮影していることを前提としていますが、作例を見る限り皆無です。
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■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR ■撮影環境:焦点距離32mm F22 1/125秒 ISO320

信頼できる防塵防滴構造

 この話をする前に私の撮影フィールドである青森県について紹介したいと思います。私は、2016年に仕事で訪れるようになった青森の風景に魅了され写真を撮るようになりました。今もそうですが、埼玉県在住なのに青森県以外の撮影地では全然スイッチが入らず、青森県でしか風景を撮影していません。「奥入瀬渓流」「十和田湖」など美しい景勝地がありますが、なぜ青森県かと問われれば「自然環境の厳しさ」と答えると思います。太平洋と日本海に囲まれ強風の日が多く、一年の半分を雪で覆われます。特に冬期の八甲田山での撮影においては、-10~15℃で且つ暴風雪という天候続きで快晴と言う日が殆どありません。このような青森が持つ風土、自然環境を象徴とした厳しい環境の中に微かに存在する美しい情景に魅了されています。  前置きが長くなりました。私は、この様な自然環境の厳しい土地だからこそ風景写真家にとってチャンスと捉えています。チャンスを活かしきるためには「信頼できる防塵防滴構造」を備えているカメラとレンズを持つことが必然となった訳です。その様な状況下で撮影した作例を2枚ご紹介します。
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■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR ■撮影環境:焦点距離43mm F22 0.6秒 ISO100
 強風の吹く荒波が立つ日の夕暮れです。青森を象徴とするような風景です。狙いとしては、巨岩を背にして手前にある岩礁に打ち砕かれた波しぶきを写し込み躍動感のある動的写真を撮ることです。夕暮れ時の短時間でこの狙いを表現するには「シャッタースピード」と「タイミング」が重要です。シャッタースピードに関しては、今までの経験から予測はつきました。ただし、タイミングに関しては待つしかありません。案の定、そう簡単には絶好のタイミングはやってきてはくれません。カメラもレンズも海水をかぶってしまいましたが、何も無かったかのように快適に作動し続けてくれました。
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■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR ■撮影環境:焦点距離45mm F8 1/680秒 ISO100
 続いて八甲田山の樹氷です。こちらも青森を象徴とする風景です。狙いとしては、曇天の中に時に恐怖感を感じるくらいの巨大なモンスターを撮ることです。撮影当日は、気温-13℃・暴風雪という荒れた天候でした。一瞬だけ風と雪が止まり狙っていた光景が目の前に飛び込んできました。前述した通りですが、この様なタイミングにすぐに出会うことはありません。どれほど待ったか記憶が定かではありませんが、一瞬のタイミングを逃すことなく普段通りに作動してくれました。GF32-64mmF4 R LM WRは、防塵・防滴に加えてメーカー公表値である-10℃の耐低温性能もしっかりと発揮してくれる信頼できる一本であることは間違いありません。

暗所もしっかりと解像するGFレンズ

 私は、しばしば主役となる被写体を暗闇から浮かび上がるような風景を撮影します。この場合は、測光モードを「スポット」にします。このスポットとは、画面中央部約2%部分の露出が最適になるように測光するものです。この特性を利用して、輝度の最も高いところに測光ポイントを合わせて適正露出として撮影しています。これに伴い、もともと暗部だった部分が自ずと暗くなっていきます。注目すべきは暗部が黒つぶれしていないことです。理由は2つあると思います。 ①私が使用しているGFX 50SとGFX100Sのラージフォーマットの恩恵であるダイナミックレンジが広いことで明暗差に強い。 ②フジノンレンズの光学技術を駆使した大型センサーのポテンシャルを最大限生かす高精度・高解像度GFレンズの性能。  以上の特性を生かして撮影した作例を2枚ご紹介していきます。
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■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR ■撮影環境:焦点距離35mm F13 1/13秒 ISO100
 先ほどご紹介した撮影方法で水辺に佇む枯木と若木を撮影しました。暗部がより黒く引き締まったことで、朽ち果てた枯木と若葉を身にまとった若木が印象的になりました。撮影している時にヒストグラムを見ながら黒つぶれをしていないことを確認できていますので安心してシャッターを切っています。
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■使用機材:富士フイルム GFX 50S + GF32-64mmF4 R LM WR ■撮影環境:焦点距離47mm F16 1/4秒 ISO100
 次に同じ撮影方法で撮影した青森県十和田市「蔦沼」の新緑リフレクションをご紹介します。蔦沼と言えば紅葉の時期に朝焼け時に現れる真っ赤なリフレクションを想像することと思います。紅葉の時期に訪れることも良いのですが、新緑の時期にこそ訪れてほしい場所です。なぜなら、新緑の時期は人影も少なく時間帯によって一人でこの贅沢なひと時を楽しめるからなんです。この作例を撮影した日も私一人でじっくりと水鏡が現れるのを待ち、先ほどと同じ方法で撮影しています。こちらも暗部がより黒く引き締まり幻想的な蔦沼を表現することができました。  いかがですか?ご紹介した2枚の作例も全撮影領域で単焦点並みの解像力を維持して、収差を抑え込むことで、1億画素のポテンシャルをフルに発揮する前提で設計されているGF32-64mmF4 R LM WRなくして語ることはできません。

まとめ

 GF32-64mmF4 R LM WRは、私がGFX 50Sを使い始めた時にはGFレンズで唯一のズームレンズでした。風景写真をメインに撮影している私にとって、天候によってはレンズの交換もままならない時もあります。そんな時に広角域から標準域まで使いやすい画角を網羅している標準ズームレンズである本レンズは頼もしい存在です。そして、私が今まで使用してきたズームレンズの中で最もシャープな描写力があると実感しています。これに加えてリニアモーターの駆動で速いAFも魅力的です。  本レンズが登場した時に1億画素のポテンシャルをフルに発揮する前提で設計されているとメーカー発表がありました。現在、GFX100Sを使用していますが、まさにその通りだと実感しています。GFXシリーズの購入を検討されている方の最初の1本にGF32-64mmF4 R LM WRは最適です。 ■写真家:八島和浩 1979年福島県生まれ、埼玉県在住。2016年より仕事で訪れるようになった青森県の情景に魅了され独学で写真を始める。主に青森の風景を撮影している。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の八島和浩さんがGF32-64mmF4 R LM WRのレビューをしています。雄大な青森の自然を写した作品と共にぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,レビュー,風景,ズームレンズ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: カメラと歩んだ30年。新作写真展に寄せて|テラウチマサト BASENAME: 483081587.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: テラウチマサト DATE: 08/25/2021 16:00:00 TAGS: 写真展情報,京橋 ----- BODY: 07_テラウチマサトさん富士さんを被写体おした作品.jpg

独立30周年の記念写真展を開催

 1991年、私は写真家として独立し、会社を立ち上げ、写真雑誌「PHaT PHOTO」の創刊、雑誌と並走した「PHaT PHOTO写真教室」や参加型写真展「御苗場」の主宰、写真を軸にした地域創生事業など、写真家にとどまらない様々な活動をしてきました。  今年、独立30周年を迎えます。そこで2021年9月に30周年記念の写真展を開催することになり、ここ最近に撮った新作『LETTERS 一緒に見た富士山』を発表します。  私のアトリエは河口湖にあるのですが、コロナ禍になるまでは東京、そして国内外を行き来して、仕事や作品撮影に出かける毎日を過ごしていました。ところが2020年からは新型コロナの影響で河口湖で過ごす時間が増え、以前から取り組んでいた富士山の作品を撮る時間が増えました。今回の写真展は、この1年半で撮った作品がほとんどになります。

TPOに合わせて選ぶ、カメラ

 写真展などで在廊していると、「カメラは何を使っていますか?」と聞かれることが多いのですが、いつも答えに困ります。なぜなら、私が使用しているカメラはすべてのカメラメーカーのカメラですから(笑)。  写真家を始めた当初のフィルム時代は、キヤノンのカメラで撮影することが多かったのですが、それはフィルムを入れ替えて、その時々に色合いが変えられていたからです。富士フイルムのベルビアやプロビア、コダックのコダクロームなど、撮る被写体によってフィルムを目的ごとに変えて使っていました。デジタルになってからは、フィルムではなくカメラのメーカーごとに、それぞれの特徴的な色合いが出るようになり、カメラ自体も目的に応じて変えるようになりました。  この被写体を撮るときはこのカメラ、このシーンではこのカメラというように、カメラを変えています。もちろん、ひとつのカメラで撮影して、後でイメージに近い色合いに変えるというやり方もありますが、私はできる限りその場で感じた色を、その場で再現したいと思っています。  ふだんTPOによって洋服を変えたりするでしょう。八百屋にわざわざスポーツカーで行く人も少ないと思います。カメラも場所や被写体に合うもので撮影したい。だから私は、コンパクトカメラから一眼レフまで、様々なメーカーの様々なカメラを使うようにしています。

見ているけど、良さに気付かないでいる富士山に光をあてて輝かせる!

 ここからは、9月の展覧会で発表する新作の一部をご紹介したいと思います。  私は普段アトリエがある山梨県側から富士山を撮影しているのですが、この写真は静岡県側から撮影した富士山の写真です。山宮浅間神社と言って、石と木だけがある、社殿がないことで知られる神社。富士山そのものを神として拝む神社です。日本武尊が東国遠征に出る途中で攻撃に遭い、この地で富士の神を祈念して無事に全うしたといういわれもある場所。古来の富士信仰を表現しようと、三が日、神域に入らせていただき写した1枚です。
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■撮影機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM ■撮影環境:F11 1/4000秒 ISO800 露出補正-2.3
 今回の写真展タイトルには、『一緒に見た富士山』というサブタイトルを入れました。その言葉に込めた意味は、いつも私や地元の人が見ている〝普段着の富士山〟を写した作品だから。パーティ衣装を着た富士山ではなく、江戸時代から庶民が見ていた普段着の富士山。家族や友人と何気ない日常で一緒に見たい富士山の姿を知ってもらいたかったのです。それは化粧っけなしの素の美しい富士山です。
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■撮影機材:SONY α1(ILCE-1)+ FE 24-70mm F2.8 GM ■撮影環境:F8 1/200秒 ISO100
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■撮影機材:SONY α1(ILCE-1)+ FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:F16 1/80秒 ISO100
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■撮影機材:NIKON D5 + AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED ■撮影環境:F5.6 1/8000秒 ISO3200 露出補正-0.3
 河口湖に来る人は、富士山が見えないと残念がりますが、本当は残念がる必要はありません。河口湖だけでも美しいので、そこも見てほしい。風景を見つけ出すとき、定番の富士山を撮って喜んでいては物足りない。みんなが見つけ出せないものを見つけ出すのが写真家の仕事だと思うから。次の写真は、本当は左のほうに富士山が見えているのですが、河口湖がとても美しかったので、富士山はすそ野だけ少し入れて、メインで入れるのをやめました。
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■撮影機材:Canon EOS 60D + TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 ■撮影環境:F11 1/250秒 ISO640
 富士山は雲と一緒に撮影されることも多いのですが、この写真は少し変わっていて、羊毛みたいにくるくるしているでしょう。もしかしたらよく見られる雲なのかもしれないけれど、雲のかかり方が珍しくて、羊になった富士山と思って撮影しました。
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■撮影機材:Canon EOS 60D + TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 ■撮影環境:F8 1/5000秒 ISO800
 初夢で見ると縁起の良いものとして「一富士二鷹三茄子」ということわざがありますが、これは富士山と鳥が写っている写真です。鷹だといいのですが、大鷲の可能性もありますね(笑)。縁起がいいなと思って写した2020年のお正月の写真です。
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■撮影機材:Canon EOS 60D + TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 ■撮影環境:F5 1/8000秒 ISO1600 露出補正+0.7
 次の写真は、「富士山と花」を撮るときに、ありきたりにならないためにどう撮るかと試行錯誤した中の1枚。「イルミネーション富士」というシリーズです。クリップオンストロボでわざと花に強い光を当てて飛ばし、イルミネーションに囲まれているような富士山を撮影しました。現代風な富士山を狙っています。
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■撮影機材:Canon EOS 60D + TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 ■撮影環境:F5.6 1/80秒 ISO2000

誰も考えていなかった視点でものを見る

 私が著名人の撮影や風景写真など、どんな写真を撮るときにも心掛けているのは、「これはテラウチさんの撮った写真だね」とわかるような、私なりの写真を撮影するということ。美しい富士山って、季節や天候の条件のいいときにその場にいたら、案外誰でも撮れるものなんです。でも、それだと個性ある作品とはいいがたいですよね。  今はカメラの性能がすごく良くなってきているから、単純にきれいな富士山、誰もが撮りたくなる“見つけやすい富士山”だけ撮っていては作品にはならない。そういう写真は「すごい、きれい」と言われるけど、同時に「私も撮ったことがある」と言われてしまう。五重塔に富士山と満開の桜、それは撮影場所の珍しさや、「絶景写真」という印象だけで終わってしまう、賞味期限の短い写真で終わってしまう、それを避けたいのです。それが富士山など、被写体自体が美しく、誰もが知っているものを撮影するときの難しさだと思います。  私が、「PHaT PHOTO写真教室」のオンライン授業で教える中でよく伝えているのは、「アートの楽しさは、今まで誰もが考えていなかった視点でものを見て、それを提示できる」ということ。言わば「影の部分に光をあてて輝かせる」ということ。今回、そういう思いで見つめた〝普段着の富士山〟の写真作品にチャレンジしてみました。 来場いただき楽しんでもらえたら嬉しいです。 テラウチマサト写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』 2021年9月15日(水)~9月26日(日) 72Gallery(東京都中央区京橋3-6-6エクスアートビル1階) TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY - We hope this place to be the information podium for all who loves photography. (tip.or.jp) 詳しくはこちらをご覧ください。 人の心つかむ写真表現 ~ PHaT PHOTOオンライン写真教室 ~ https://www.ppschool.jp/about_phatphotoschool?utm_source=ktmweb&utm_medium=shasha&utm_campaign=ktm2108&utm_id=phatphoto1 ■写真家:テラウチマサト  1954年、富山市生まれ。ポートレイト、風景、プロダクトから空間まで、独自の表現手法で常に注目を集める写真家。中でも、ポートレイト作品においてはこれまで6,000人以上の俳優、モデル、タレント、経営者などの著名人を撮影。テラウチにしか撮らせないという声も多い。2012年パリのユネスコ内にあるイルドアクトギャラリーにて、葛飾北斎の浮世絵と共に富士山写真展開催。写真家としてのクリエイティビティを活かした幅広い創作活動を得意とし、2014年10月より富山市政策参与に就任。河口湖 音楽と森の美術館の特別国際学芸員も務める。日本写真家協会会員。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のテラウチマサトさんが30周年を記念して行う写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』の紹介と、そこで展示する作品の狙いや視点を紹介しています。 ----- KEYWORDS: 写真展情報,テラウチマサト,富士山,京橋 ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: [申込終了]【セミナー】ソニープロカメラマンセミナー -山田 芳文 氏-|カメラのキタムラ18店舗でライブ中継予定! BASENAME: 483057022.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 08/26/2021 11:00:00 TAGS: セミナー,ソニー(SONY)ボディー,α7R IV ----- BODY: 山田さんプロフィール_06040127929797_xxlarge.jpg

SONY(ソニー)フルサイズミラーレスカメラ”α7R IV"やFEレンズの魅力を伝えます

~ 本イベントは終了いたしました。沢山のお申込み誠にありがとうございました ~  2021年9月18日(土)にSONY(ソニー)のフルサイズミラーレスカメラ"α"の魅力を伝えるセミナーを開催いたします。新宿 北村写真機店で開催しているセミナーの様子を、一部のカメラのキタムラ店舗にライブ中継で放送いたします。新宿 北村写真機店へお越しいただくことが難しい方でもセミナーをお楽しみ頂けます。  講師にはCP+でのご登壇や、SONYの公式webサイト「α Universe」にて野鳥カメラマンでご紹介されている写真家の山田芳文氏をお招きし、野鳥撮影の際に高画素モデルα7R IVやフラッグシップモデルのα1、G Masterレンズを「なぜ選び、なぜ使用しているのか」という理由を実際に撮影された作例と合わせてご紹介。  イベント終了後には機種の機能などで知りたいことや、ご購入に際してのお悩みなどのご相談もお答えいたします。参加費は無料となっており、既にα9やα7シリーズなどのフルサイズカメラを使用している方、α6600・α6400などのAPS-Cモデルを使用中の方はもちろん、これからソニーのカメラを買おうか検討されている方もぜひお気軽にご参加ください。

概要とお申込み

■開催日時:2021年9月18日(土)【第一部】11:00~12:00【第二部】14:30~15:30 ■費用:無料 ■場所:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン、ライブ中継先店舗 ■定員  □新宿 北村写真機店:各部15名  □ライブ中継先店舗:下記リンクより希望店舗へお問い合わせください。 ■お申し込み方法  □新宿 北村写真機店:こちらよりお申込み  □ライブ中継先店舗:下記リンクより希望店舗へお問い合わせください。 ■申込み期限:2021年9月15日(木)20:00

ライブ中継先店舗一覧

 募集状況やお申込み、ご質問などはお申込み希望店舗へお電話ください。 中継予定店舗 ■北海道:札幌/羊ケ丘通り店 ■岩手県:盛岡/南店 ■山形県:馬見ヶ崎店 ■茨城県:神栖店 ■埼玉県:幸手/東店 ■神奈川県:厚木/林店 ■長野県:松本/並柳店 ■愛知県:豊川/諏訪店 ■愛知県:西尾/シャオ店 ■石川県:金沢/浅野本町店 ■京都府:四条西院店 ■大阪府:豊中店 ■岡山県:下中野店 ■広島県:尾道店 ■山口県:周南店 ■香川県:高松南店 ■宮崎県:宮崎/中央店 ■熊本県:東バイパス中央店 ※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。 ※ ご予約後、情勢によってセミナー講師の変更やセミナーが中止となる場合もございます。予めご了承ください

講師紹介:山田 芳文 氏 -Yoshifumi Yamada-

 写真家。「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。撮った写真はカメラ雑誌やバードウォッチングの専門誌、自然保護団体の会報誌などで発表。ライフワークは鳥がいる風景写真。著書は、『写真は「構図」でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)『野鳥撮影術』(日本カメラ社)、『やまがらちょこちょこ』(文一総合出版)など。最新刊は、『SONY α6600基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)。専門分野 野鳥。 ■更新 ・2021年9月22日:イベント終了の旨追記しました。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 本ソニープロカメラマンセミナーは、北村写真機店及び、各店舗にて無料でご参加いただけます。 ----- KEYWORDS: セミナー,ソニー,SONY,α7R IV,山田 芳文,新宿 北村写真機店 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ペンタックス HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW レビュー|解像力抜群の大口径標準ズームレンズ BASENAME: 483062236.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 08/26/2021 16:00:00 TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW,スナップ,標準ズーム ----- BODY: 13_作例.JPG

はじめに

 前モデルsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDMが2007年に発売されてから14年の時が経ち、リニューアルされた大口径標準ズームレンズ「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」がいよいよラインナップに加わります。光学系を刷新した新モデルを手にすると前モデルのどこか一部を改良したという程度ではなく、全く新しいレンズを手にしたことを実感。  筆者が好んで使用する焦点距離が大いに含まれているこのズームレンズで、その魅力と実力をレビューでお届けします。

前モデルとの比較 機能と外観

 まず、レンズの名称から新機構を把握することができます。HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWは…… HD=高解像度、高精細度コーティング(HD Coating) ED=特殊低分散ガラス(Extra-Low Dispersion) PLM=フォーカス機構を駆動するパルスモーター(Pulse Motor) AW=防塵・防滴構造(All Weather)   これらが"新世代★(スター)レンズ"に相応しい機構として搭載され、前モデルとは設計もフォーカス駆動も全く異なることがわかります。ちなみに、前モデルはsmc=スーパーマルチコーティング、AL=非球面レンズ、IF=インナーフォーカスシステム、SDM=超音波モーターです。  新モデルの光学設計には、フォーカスレンズ群を小型軽量化し、高い色収差低減効果が得られるEDガラスを1枚、EDガラス非球面レンズを2枚、異常低分散ガラス1枚が採用されています。 01_pentax 16-50mmF2.8製品画像.JPG  レンズ鏡筒は口径に合わせたストレートなデザインになり、重量は約712g。前モデルより147g重く一回り大きくなった印象ですが、ボディ接合部のくびれによってしっかりとホールドでき、Kシリーズのフラッグシップ機であればボディグリップにより撮影時の荷重負担は感じられません。K-3 Mark IIIとのバランスが良くスマートな印象です。
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左:新モデル 右:前モデル 前モデルと比較すると全長が1cmほど高い。フィルター径は77mmと変更はない。 新モデルには、AFモードのままでもマニュアルでのピント合わせが可能になるクイックシフト・フォーカス・システム (Quick-Shift Focus System)を採用。それ以外のボタンなどの装備はなくシンプルにとりまわすことができる。

圧倒される解像力の高さ “質”を写す標準ズームレンズ

 使ってみて初めに驚いたのが「ここまで写し込むのか」と思うほどの解像力の高さでした。前モデルを使用していたこともあり、その写りから率直に全く新しいレンズを手にしたことを感じられます。  まずは、茂みの葉を平面的に捉えてみましたが一枚一枚が重なる奥行きや葉の葉脈もハッキリとしていて、触れた時の感触までも伝わるようでした。同色系の色味は微細な色の違いにレンズの表現力が出るのですが、一つ一つが異なる絶妙な緑色の再現も”流石PENTAX”と言える写りです。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/200秒 絞りF5.6 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離29mm ■カスタムイメージ:ナチュラル
 熱を帯びたペットボトルの汗。水滴には立体感があり、肉眼で見ているような細やかな再現性を得られました。ハイライトの色収差も感じません。日頃目にするものも「ここまで写せる」という革新的な写りです。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/4000秒 絞りF2.8 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm ■カスタムイメージ:ポップチューン
 反射する西陽を受けて走る車体の金属質や、建物が密集する中にも建造の一つ一つのテクスチャーには立体感があり、画面右奥の建物までキッチリと描き出され空間にある全てのものが臨場感に溢れています。大口径レンズで初めてPLMが搭載され、AFコンティニュアンスでの撮影時フォーカシングは気づかないくらい静かで滑らか。的確に被写体を捉えストレスのない撮影が楽しめます。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/100秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 焦点距離50mm ■カスタムイメージ:人物
 ここまで数枚写しただけでも★(スター)レンズの名に相応しく、自信を持って“質”を写す標準ズームレンズであることが実感できます。

気持ちの良い開放的な広角端16mm

 APS-C機の場合、焦点距離18mm(35mm換算28mm)ではパースや奥行きなどダイナミックさに欠けてしまうシーンや、自分が引けない撮影場所は結構あるものです。また、スマホカメラの超広角では広すぎて余分な物が入り込みやすいということもありますが、HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの広角端16mmは35mm換算24.5mmで、肉眼で見るよりも目の前がパッと開けるような開放的な視界に爽快さを感じます。  ガード下からタイミングよく通過する列車をとっさに構えて撮影しました。ここでは、見上げたことによって16mm(24.5mm)によるダイナミックな構図で捉えることができています。ハイライトからシャドーまで明暗のコントラストもバランスの取れた写りです。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/200秒 絞りF8 ISO200 WB白色蛍光灯 露出補正+0.3 焦点距離16mm ■カスタムイメージ:ナチュラル
 窓越しに見える夏空の青さを強調するためスポット測光で撮影。空の青さが卓上にも写り込み、静かな雰囲気が出ています。広角で撮ると窓枠などに歪みが生じることが多いですが、レンズによる歪曲収差補正の制度の高さを感じられます。窓越しにも関わらず、駅舎やビル群まで抜群の解像力。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/500秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 露出補正-2.3 焦点距離16mm ■カスタムイメージ:風景
 街中での一枚は、パースペクティブを活かした構図でダイナミックに。歩道や狭い路地などでも広さと奥行きの両立を味わえる広角端16mm(24.5mm)の良さがあります。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/13秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離16mm ■カスタムイメージ:人物
 庭園の小さな池は18mm(28mm)だと部分的に切られてしまい、スマホカメラだと広さが誇張されすぎてしまいますが、このレンズの広角端16mm(24.5mm)なら自然な画角が活かされるので風景写真でも使いやすい焦点距離です。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/500秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 露出補正-2.3 焦点距離16mm ■カスタムイメージ:風景
 1mm違うと画が大きく変わると言われる広角域においては、歪みに対する意識が一段と求められますが、歪曲収差を抑え込みつつ広角レンズらしい特徴が活かされた満足度の高い描写が得られます。16mm(24.5mm)という画角にパンフォーカスの写り。筆者がこのレンズで一番気に入った点です。

最大撮影倍率アップによりボケが美しい

 ズーム全域F2.8の開放絞り値に加え、最大撮影倍率が0.21倍から0.24倍にアップしたことでボケ量が大きくなり、小さな被写体もクローズアップすることができます。「マクロレンズを持ち出すほどでもないけど、ちょっと花も小物も撮りたいな。」という欲張りな願望にも応えてくれるのも嬉しいところ。  地面から顔を出す小さい花は背景が近接していることが多いですが、雑草さえも美しいグラデーションとなり主役を引き立ててくれました。草に反射した柔らかい光が玉ボケとなってアクセントに。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/1250秒 絞りF2.8 ISO200 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm ■カスタムイメージ:ポップチューン
 ソフトフォーカスを効かせたようにボケ足は柔らかく、花びらがふわっとなびくよう。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/1600秒 絞りF2.8 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm ■カスタムイメージ:ナチュラル
 望遠端50mm(35mm換算70.5mm)の最短撮影距離は30cmとなり、テーブルフォトでも活躍します。人工的な光は硬く強く写りがちですが、ボケ量は大きく柔らかく表現できる上、ピント合焦面は質感が際立ちます。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/125秒 絞りF2.8 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm ■カスタムイメージ:人物
 また、絞り羽根の形状が多角形のレンズで絞った場合、点光源を撮影すると鋭い光条が発生しますが、本レンズは絞り羽根9枚によって円形絞りを実現。F8.0の撮影でも点光源は多角形にならず円形ボケとなります。

逆光耐性の高さ

 HDコーティングにより、従来のマルチコーティングと比較して50%以下まで反射率を低減させたことで、強い逆光下でも大きなゴーストやフレアの発生はありません。その描写からみれば理想的なカラーバランスが得られるという特長も感じられるはず。  西陽に向かって真正面から狙いましたが美しい光条が表現できています。画面をすり抜けていく自転車をピントの迷いもなく的確に捉えてくれました。コントラストの高さも見事です。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/2000秒 絞りF8 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離36mm ■カスタムイメージ:リバーサルフィルム
 花びらだけでなく、茎や葉も光を浴びて美しい輪郭を描いています。金属に反射した玉ボケも演出に加わり柔らかい表現に。強い逆光の中に優しさも引き出せる表現力があります。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:SS1/2000秒 絞りF6.3 ISO400 WB太陽光 露出補正+0.3 焦点距離50mm ■カスタムイメージ:人物

おわりに

 撮影する中で、「建物も撮りたい、夜も撮りたい、逆光でも狙いたい、マクロは持っていないけどここまで寄れるなら一本で済むかも。」と、 “あれもこれも撮りたい”という贅沢な欲求を抱きました。撮影シーンや被写体を選ばす使える頼りがいのあるレンズです。極端に言えばオールマイティーすぎるのですが、これこそが汎用性の高い標準ズームレンズであり、皆さんが求めていた写りなのではないでしょうか。  標準ズームレンズという言葉から想像し得ない表現力はさすがの★(スター)レンズ。写りだけではなく操作がスムーズでストレスを感じないという点でもパフォーマンスの高さに大満足です。今回街中でのスナップ撮影でしたが、風景写真やポートレートでも写りの結果に納得の一本だと言えるでしょう。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんによる、ペンタックス「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」のレビュー記事をお届け。旧モデルとの違いも解説いただきました。 ----- KEYWORDS: ペンタックス,標準ズームレンズ,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW,レビュー,スナップ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム XF10-24mmF4 R OIS WR レビュー|旅写真家が選ぶ広角ズームはどれ? BASENAME: 483074149.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三田崇博 DATE: 08/27/2021 16:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF10-24mmF4 R OIS WR,風景,広角ズーム ----- BODY: 00_XF10-24撮影風景.JPG

はじめに

 こんにちは。旅写真家の三田崇博です。今回は2020年11月に発売された富士フイルムの広角ズームレンズ「XF10-24mmF4 R OIS WR」をレビューします。私は長らく前モデルの「XF10-24mmF4 R OIS」を愛用してきました。超広角の10mm(フルサイズ換算15mm)から標準画角の24mm(フルサイズ換算35mm)までをカバーしているので、広角好きの私にとって実は標準レンズ以上に使用頻度の高いレンズになっています。発売されて6年が経過してのリニューアルなので、前モデルとの比較を交えながら進めていきたいと思います。

広角レンズの特徴

 広角レンズは単に広い範囲を写すものだと考えている方もおられるかと思いますが、レンズの特性を生かすことによって広角ならではの表現をすることが可能です。広角レンズには近くのものは大きく、遠くのものは小さく写るという特徴があります。当たり前のように思いますがそれが見た目以上に強調され、これを「パース効果」といいます。  まずは見上げるような構図で撮影してみましょう。パース効果によって画面の端に行くほど直線が画面中央部に向けて歪むという特性があります。建築物や人物などを見た目通り写すのには向いていないのですが、逆にその特性を生かして迫力のある作品に仕上げることが可能です。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS ■撮影環境:F4 SS20秒 ISO5000 焦点距離10mm ■撮影地:大台ケ原(奈良県吉野郡)
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■撮影機材:FUJIFILM X-T3 + XF10-24mmF4 R OIS ■撮影環境:F9 SS1/7秒 ISO160 焦点距離10mm ■撮影地:伏見稲荷大社(京都府京都市)
 またローアングルで撮影をするとよりその効果が強く感じられます。この写真は蓮畑で撮影したものですが、一輪だけ水面に咲く蓮を見つけ水面ギリギリで撮影しています。この位置でカメラを構えるとファインダーを覗くことは困難なので、バリアングルモニターのついているX-T4やX-S10などが便利です。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F22 SS1/38秒 ISO160 焦点距離10mm ■撮影地:藤原京跡(奈良県橿原市)
 逆に対象物を画面中央にもっていくようにすると、ほとんど歪みなく撮影することができます。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F10 SS13秒 ISO800 焦点距離12mm ■撮影地:第一突堤(兵庫県神戸市)
 また、同じ絞り値の場合、広角になればなるほど被写界深度が深くなり、画面全体にピントが合う(ように見える)という特徴があります。風景などの撮影ではある程度絞り込んで撮影することが多いですが、シャッター速度の稼ぎにくい夜間の手持ち撮影などでは思い切って開放絞り付近で撮影しても、全体にピントの合った写真を撮ることができます。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS ■撮影環境:F4.5 SS1/8秒 ISO2000 焦点距離10mm ■撮影地:長谷寺(奈良県桜井市)

スペック比較

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左:XF10-24mmF4 R OIS WR 右:XF10-24mmF4 R OIS
 左が新モデル、右が旧モデルです。大きさはほとんど変わらないので、見た目では違いがほとんどわからないほどです。各レンズのスペックは以下のようになります。参考までに、もうひとつの広角ズームレンズであるXF8-16mmF2.8 R LM WRのスペックも載せています。
 XF10-24mmF4 R OIS WR(新型)XF10-24mmF4 R OIS(旧型)XF8-16mmF2.8 R LM WR
焦点距離(フルサイズ換算)15-36mm15-36mm12-24mm
重量385g410g805g
最短撮影距離24cm24cm25cm
開放F値F4F4F2.8
手ブレ補正3.5段2.5段非搭載
フィルターサイズ72mm72mm装着不可
絞り羽7枚7枚9枚
防塵防滴ありなしあり
発売時期2020.112014.32018.11
 そして、リニューアルされたXF10-24mmF4 R OIS WRは以下のように進化しています。

①軽量化

 重量が410gから385gに軽量化。微々たるものと思われるかもしれませんが、光学系をそのままに軽量化できたのはすごいことだと思います。旅先での荷物は1gでも軽いに越したことはありません。

②防塵防滴耐低温化

 私にとっては一番歓迎するべき進化点です。ボディは防塵防滴構造なのにレンズがそうでなければ雨の日の撮影を安心して行うことはできません。

③手ブレ補正の進化

 レンズ単体での手ブレ補正は2.5段から3.5段に進化しています。ボディ内手ブレ補正を搭載している機種では進化の恩恵は少ないですが、X-T4との組み合わせでは6.5段もの補正効果となります。

④絞りリング付近の変更

 進化というより変更といったほうがいいかもしれませんが、絞りオートの切り替えスイッチがなくなりリングを回すことで「A(オート)」ポジションに変わる機構になりました。私はあまり絞りオートは使わないのですが、前モデルで時々絞りリングを回しているときに、指が触れて勝手にオートになっていることがあったので使い勝手は良くなったと思います。また、目盛りがついてファインダーを見なくても目視で絞り値が確認できるのも地味に便利です。  光学系の変更はないので写りに関しては同じと考えていいと思います。私がこのレンズを使い始めて特に気に入ったのは光条(太陽など強い光源を撮ったときに現れる光の筋)が綺麗なところです。このレンズは7枚絞りを採用しているので、絞り込んで撮影したときには光源から14本の光の筋が出ます。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F22 SS1/38秒 ISO160 焦点距離10mm ■撮影地:林崎ひまわり畑(兵庫県佐用郡)
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F16 SS3.1秒 ISO1000 焦点距離10mm ■撮影地:第一突堤(兵庫県神戸市)

フィルターを使って表現の幅を広げよう

 XF10-24mmF4 R OIS WRはワイド側が超広角の10mm始まりながら、特殊な器具を使うことなくフィルターを装着することが可能です。72mm径のフィルターに対応(角型フィルターの場合は100mm幅に対応)しているので、比較的安価にフィルターワークを楽しむことができます。 09_フィルター.JPG  私が普段よく使うフィルターです。上段は角型のハーフNDフィルターで半分だけに減光効果があります。左からソフト(グラデーションがゆるやか)、ハード(グラデーションがはっきりしている)、リバース(上部にいくほどND効果が薄くなる)などのタイプをシーンにより使い分けしています。また、水面の反射や空の青みを増すためのPLフィルター(左下)、滝などの撮影に重宝する可変式のNDフィルター(右下)をよく使います。  本レンズはダイナミックに空を入れて撮影することが多いため、特にハーフNDフィルターの使用頻度がとても高いです。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F11 SS1.5秒 ISO160 焦点距離11mm ■新海浜水泳場付近(滋賀県彦根市) ※ハーフNDフィルター(ハード)使用

XF10-24mmF4 R OIS WRの作例

 ではこのレンズで撮影した作例を紹介いたします。地元奈良を中心に撮影しています。

①平城京(奈良県奈良市)

 まずは地元奈良の世界遺産である平城京の大極殿です。家から車で30分程度なのでよく行く場所なのですが、梅雨時期の天気の安定しない時期には夕暮れに空が大焼けすることがあります。そんなときは超広角で空を思いっきり入れて撮りたいものです。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F10 SS1/7秒 ISO160 焦点距離10mm
 建物を主役にしたいときには、24mmにするとパース効果もほとんどなくなり標準レンズ同様の使い方ができます。(写真は朱雀門)
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F11 SS3.7秒 ISO160 焦点距離24mm

②藤原京跡(奈良県橿原市)

 四季折々の花が咲くことで知られている藤原京跡。もともとは日本で初めての本格的な都が造成された地です。夏には蓮が咲き誇ります。太陽の光条を出すためにF20に絞って撮影していると、偶然飛んできた蜂がワンポイントのアクセントになりました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F20 SS1/280秒 ISO200 焦点距離10mm
 ちょうど同じ時期にキバナコスモスも咲いていたので日没直後の夕焼け空と一緒に撮影しました。ハーフNDフィルターを使用したので花も黒つぶれすることなく撮影することができました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F8 SS2秒 ISO160 焦点距離13mm ※ハーフNDフィルター使用

③佐用町のひまわり畑(兵庫県佐用町)

 兵庫県西部にある関西を代表するひまわり畑です。午後に嵐のような雨が降り夕方は撮影できないと諦めかけていたのですが、最後に太陽が顔を出してくれました。おかげで誰もいないひまわり畑を独占して撮影することができました。空の白とびを抑えるためにハーフNDフィルターを使用しました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F8 SS1/6秒 ISO160 焦点距離11mm ※ハーフNDフィルター使用
 思いっきり寄っての撮影もしました。太陽の光の一部を遮ることで光条を綺麗に出すことができます。手持ちで微妙に位置を変えながら何枚も撮影しました。このような場面では強力な手ブレ補正がついているのはありがたいです。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F18 SS1/25秒 ISO160 焦点距離15mm

④飛龍の滝(兵庫県佐用町)

 ひまわり畑から近いところにある高さ20mの滝です。滝はなるべく近くでダイナミックに撮りたいものです。広角レンズは横位置で使いがちですが縦位置にすることでイメージががらりと変わることがあります。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F13 SS2秒 ISO160 焦点距離14mm ※NDフィルター使用

⑤世界遺産白川郷合掌造り(岐阜県白川村)

 合掌造りで有名な白川郷ですが四季折々の風景が楽しめる場所でもあります。花が咲き青空とのコントラスがきれいな8月に訪れました。暑さのためか、ひまわりも元気なさげでしたが一本綺麗に咲いていたのでぐっと近づいて撮影しました。かなり近づいても背景を広く入れることができるのもこのレンズの特徴です。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F9 SS1/160秒 ISO160 焦点距離10mm ※PLフィルター使用
 ため池があったので映り込みを狙いました。このようなシーンでは超広角レンズの威力が発揮されますね。このような構図の写真は隅々まで目がいってしまいますが、周辺部の画質劣化も少なく気にならないレベルです。
19_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F9 SS1/125秒 ISO200 焦点距離10mm ※PLフィルター+ハーフNDフィルター使用

⑥名もなき池(岐阜県関市)

 ここ数年で有名になった通称「モネの池」です。普段は観光客も多く、人が写り込まないカットはなかなか撮れないのですがこの日は雨模様で人も少なかったのがラッキーでした。雨に濡れながらの撮影でしたがボディ・レンズ共に防塵防滴対応だったので安心して撮影することができました。
20_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F8 SS1/40秒 ISO640 焦点距離14mm ※PLフィルター使用

⑦円原川(岐阜県山県市)

 川霧と光芒で有名な場所です。あいにく、昨年の大雨により治山工事が行われていたため途中までしか行くことができませんでした。川に入っての撮影でしたが夏にもかかわらず水はとても冷たかったです。水面ギリギリに置いて動画も撮影してみました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F11 SS1秒 ISO80 焦点距離10mm ※NDフィルター使用

まとめ

 富士フイルムにはもうひとつの広角ズームレンズであるXF8-16mmF2.8 R LM WRがあります。Xシリーズの広角ズームレンズを選ぶ場合は現在この2択になります。XF8-16mmF2.8 R LM WRの広角側2mmの画角の違いは思った以上に広く感じます。また、F2.8の明るさは星空を撮る場合には魅力的です。  ただ重量、価格を考えると最初に買う広角レンズとしてはXF10-24mmF4 R OIS WRがおすすめです。特に、標準レンズにXF16-80mmF4 R OIS WRを使っている人はフィルター径が同じなのでフィルターを共用できるというメリットもあります。前モデルから光学性能は変わらないものの使い勝手は大きく向上しており、広角好きなら持っていて損はないレンズです。さらに予算が許せば、表現の幅が広がるXF8-16mmF2.8 R LM WRもチェックしてみてください。 ■写真家:三田崇博 1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。 日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 旅写真家の三田崇博さんによる、富士フイルム「XF10-24mmF4 R OIS WR」のレビュー記事をお届け。前モデルから使い勝手を進化させた広角ズームレンズの写りをご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,広角ズームレンズ,XF10-24mmF4 R OIS WR,レビュー,風景 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ペンタックス HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW レビュー|三井公一 BASENAME: 483078427.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 08/28/2021 11:00:00 TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW,スナップ,標準ズーム ----- BODY: top_ペンタックス16-50F2.8.JPG

理想の画質を追求した待望の★(スター)レンズがついに登場

 優れた画質と操作性で大人気のAPS-C一眼レフ、ペンタックス「K-3 Mark III」。それに相応しい標準ズームレンズがいよいよ登場です。この「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」は★(スター)レンズの名に相応しいスペックと描写性能を備えた、高級感あふれる明るく素晴らしいレンズに仕上がっていました。  このレンズをK-3 Mark IIIに装着すれば、約24mm〜約75mm相当の標準ズームレンズとなり、風景やスナップ、ポートレートなど幅広い被写体を高画質で撮影できるようになります。最新ボディにオススメのレンズと言えるでしょう。

スペックと特徴

 さっそくですが「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」のスペックと特徴を見てみましょう。 ・焦点距離 16-50mm 35ミリ判換算値 24.5-76.5mm相当(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時) ・開放絞り値 F2.8 ・最小絞り F22 ・レンズ構成 10群16枚 ・画角(対角) 83-31.5°(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時) ・最短撮影距離 0.3m ・最大撮影倍率 0.24倍 ・絞り羽根枚数 9枚 円形絞り (16mm:F2.8-5.6, 50mm:F2.8-8) ・フィルター径 77mm ・最大径 x 長さ 約84mm x 約117 mm ・質量(重さ) 約712g(フード付:約750g) ・防塵防滴 あり ・付属品 レンズフード PH-RBN77、レンズキャップ O-LC77 、レンズケース S120-150  このレンズの特徴は、画質を追求した「★(スター)レンズ」であるということです。将来的な画質向上も見越した設計を施されており、最上級の写りを長く楽しめるようになっています。最新の光学設計を採用することで、コントラストと解像力の劇的な進化を実現。あらゆる収差を極限まで抑制して、画面の中心部はもちろん、周辺部においてもクリアかつシャープな写りを堪能できるようになっています。  レンズ構成はEDガラスを1枚、EDガラス非球面レンズを2枚、異常低分散ガラスを1枚採用。ズーム全域での色収差を効果的に抑えているとのことです。  光学系は駆動させるフォーカスレンズ群を小型軽量化し、最新のPLM(Pulse Motor)を搭載することによって、フォーカシングの高速化と静粛性を達成しています。実際にK-3 Mark IIIに装着してシャッターを切れば、その実力をワンショット目に体感できるはずでしょう。  また、従来のマルチコーティングと比較して50%以下まで反射率を低減した「HDコーティング」を採用し、ヌケ感の高い画質を実現しています。さらに最前面のレンズには「SPコーティング」を施して、高い撥水性と撥油性を持たせています。これによって水滴やダストが付着しにくいだけでなく、万が一の場合でも簡単に除去できるようになっているのがうれしいところです。  そして撮影フィールドをグンと広げてくれる、防塵防滴構造の「AW(All Weather)」仕様が安心感を高めてくれます。K-3 Mark IIIとの組み合わせなら過酷な環境下でも撮影を遂行できることでしょう。

充実と納得の操作性

 HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWは操作感も素晴らしくなっています。まずは「クイックシフト・フォーカス・システム」でしょう。オートフォーカスからマニュアルフォーカスへと瞬時に移行できるので、微妙なピント調整がしやすくなっています。絞り開放域やクローズアップ撮影にごくわずかにピント位置を変えたい場合に重宝するに違いありません。スイッチの切り替えがいらないので実に使いやすいと思います。  また最短撮影距離が0.3mなので、被写体に肉薄して撮影することが可能です。F2.8という開放絞りでシャッターを切ると極上なボケを堪能できます。このレンズを装着しておけば、いざという時にググッとマクロ的なカットを撮ることができるので便利ですね。  レンズフード「PH-RBN77」はPLフィルターを回しやすくする操作窓が設けられているので、風景撮影での操作性が高くなっています。このような細かい配所が実にペンタックスらしいところだと感じます。またレンズのバランスもよく、K-3 Mark IIIとのマッチングが良好です。どんな被写体でも確実に狙うことが可能でしょう。

K-3 Mark IIIで実写!

 HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの絞り開放でのボケ感は極上です。公園に設置された「じてんしゃはおりてください」という標識を撮りましたが、背景のスムーズなボケ味は実にいい感じです。自然で優しくとろけていく描写はポートレート撮影でも活躍することでしょう。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/100秒 F2.8 ISO400 露出補正-1.0 焦点距離50mm
 HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWをK-3 Mark IIIに装着してブラブラと歩きながら興味あるシーンをキャプチャーしましたが、合焦スピードが高速なので、感じた瞬間にシャッターを切るかのような撮影が可能でした。また、このレンズのヌケ感はさすが★(スター)レンズという印象で、実にクリアな印象を受けました。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/320秒 F6.3 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離24mm
 最短撮影距離0.3mというのはHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの大きな武器でしょう。雨上がりの公園で葉の先端についた水滴を発見。ピントリングを最短撮影距離にして、K-3 Mark IIIを手に接近して撮影したカットです。大きく豊かなボケを得ることができましたが、イヤな収差もありません。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/125秒 F2.8 ISO200 露出補正+1.0 焦点距離50mm
 今度は「北村写真機店」のペットボトル入りの水をベンチに置いて撮ってみました。絞りF2.8開放ですが、ピント面は実に解像感が高くシャープな描写です。それでいて背景の美しいボケ感が堪らないですね!木漏れ日の印象を昇華してくれました。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/200秒 F2.8 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離50mm
 成長を続ける稲穂をF2.8テレ端で撮りました。後ボケはもちろん前ボケも美しいですね。グリーンの発色も素晴らしく、コントラストも良好です。風景撮影からスナップ、ポートレートまで大いに活躍するレンズなのではないでしょうか。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/1000秒 F2.8 ISO200 露出補正±0 焦点距離50mm
 木々から差す太陽をフレームに入れてみましたが、その光芒が実にいい感じです。フレアやゴーストの発生も見られず、大変優秀なレンズであることがわかります。コントラストもしっかりとしており、ディテールもバツグンですね。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/250秒 F7.1 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離16mm
 この日は天気雨でした。青空にもかかわらず雨粒がどこからともなくポツポツと降り続いていました。それでもHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWなら安心です。防塵防滴のタフネスさとSPコーティングなので鬼に金棒ですね。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/100秒 F2.8 ISO1600 露出補正-0.3 焦点距離50mm
 HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWはK-3 Mark IIIに装着すると35ミリ判換算値 24.5-76.5mm相当となります。広角域から中望遠域をF2.8という明るさでカバーできるので、日常的に使いやすいズームレンズだと言えるでしょう。写りもご覧のとおり深い色合いとゴージャスなボケ感を味わえます。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/8000秒 F2.8 ISO1000 露出補正-0.3 焦点距離50mm
 ズームリングも扱いやすく、ピントも「クイックシフト・フォーカス・システム」対応で実に合わせやすくなっています。オートフォーカスも高速で正確、かつとても静かです。メタリックなバルーンを撮りましたがその質感をしっかりと描写してくれました。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/320秒 F4 ISO200 露出補正±0 焦点距離50mm
 F8まで絞れば解像力も高く、近景から遠景までメリハリがあり、印象深い写真を手にすることが可能です。日常に、旅に、これ1本で幅広く被写体を鮮明に残せることでしょう。
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■撮影機材:ペンタックス K-3 Mark III + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:1/500秒 F8 ISO200 露出補正+0.7 焦点距離16mm

まとめ

HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWは★(スター)レンズの名に相応しい高次元な描写力を持つレンズだという印象を受けました。操作性も高く、撮影者の意図通りに被写体を捉えてくれました。さらに、防塵防滴性能などタフネスさも備え、全方位的に隙のない高級な標準ズームレンズだと言えるでしょう。ペンタックスユーザーなら一度は試さずにいられないレンズに仕上がっていますね。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。

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■ペンタックス HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW レビュー|解像力抜群の大口径標準ズームレンズ https://shasha.kitamura.jp/article/483062236.html
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はじめに

 ペンタックスからついにAPS-C用大口径ズームレンズ、HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWが発売となった。2007年に登場したsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDMから14年ぶりのリニューアルということもあり、待ちに待ったという方も多いのではないだろうか。今回はK-3 Mark IIIと共に、本レンズの魅力や使いこなしをご紹介していきたい。  ★(スター)レンズは、ズーム全域において、諸収差を抑え、画像中央から周辺部分まで安定した画質を得ることができる。また、絞り開放から抜けの良いシャープな描写を楽しめるのも特徴だ。旧レンズであるsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDMも★レンズということもあり、その当時の技術を集結し開発されたレンズになる。2007年の登場から、長く愛用しているという方も多いだろう。14年の歳月を経て、どのように進化したのか楽しみだ。  今回、新たに登場したHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWがこれからの世代のAPS-C用大口径ズームレンズになる。K-3 Mark IIIだけでなく、今後登場するAPS-C一眼レフでも十分な画質を得られるようにと、未来を見据えたレンズ設計になっている。

旧レンズとの比較

 まず、旧型と新型で外観を比較していきたい。旧型が長さ98.5mm、重さ565gに対して、新型が長さ117mm、712gになる。新型の方が大きく、重くずっしりとした印象だ。フィルター径は両方とも77mmと共通で、旧型に使用していたフィルターをそのまま使用できるのは嬉しい。そして、フードを付けたままでもC-PLフィルターが使用しやすいように、フードの一部分が取り外せるようになっている。  また、レンズ名の最後にあるAWはAll Weatherの略になる。9つのシーリングを施し、防塵・防滴構造を採用。-10℃から40℃の撮影環境に対応し、どんな天気でも、どんな状況下でもフィールド撮影を楽しめるようになっている。  次に旧型と新型で画質の比較を行いたい。絞り開放がレンズの個性が出やすいので、開放F値のF2.8で広角端と望遠端で撮影を行い、画像の中央部分と周辺部分をそれぞれ比較していく。下記のように建物などディデールが細かい高周波な被写体が解像感を比較するのに適している。
比較新1.JPG
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
比較旧1.JPG
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
 まずは広角側の周辺部分からだ。下の写真は上の写真の右上の部分を拡大したものだ。旧レンズと比べてみると、新レンズの方が明らかにクリアでコントラストが高い。絞り開放で撮影しているため、まったく収差がないというわけではないが、比較してみると、圧倒的に収差が抑えられているのがわかる。旧レンズは中央部分から周辺部分にかけて、コントラストが徐々に下がり、解像感も低くなっている。
比較切り抜き元1.jpg
比較新3.jpg
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
比較旧3.jpg
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
 次に中央部分だが、赤い枠の中で比較をしていきたいと思う。比較してみると、大きな差がないが、新レンズの方がクリアでコントラストが高く、細かな線まで描写している。
比較切り抜き元2.jpg
比較新2.jpg
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
比較旧2.jpg
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
 そして、望遠側も同じように周辺と中央の画質を確認していきたい。同じようにF2.8で撮影した写真で比較していく。
比較新望遠.JPG
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
比較旧望遠.JPG
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
 望遠側は圧倒的な違いを確認することができた。旧レンズの周辺は収差により、ぼやけたように写り、中央部分においても、やや解像感がない印象だ。それに対して、新レンズは中央部分から周辺部分まで安定した画質を得ることができ、全体的にクリアな印象を受ける。今回比較してわかったのは、新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの抜けの良さだ。被写体をディテールを細かく描写してくれるだけでなく、クリアで抜けのよい描写を楽しめる。F2.8通しのズームレンズということもあり、絞って使用するというよりは開放F2.8から撮影をしたいという方の方が多いだろう。F2.8ならではのボケと、絞り開放から、広角端から望遠端まで安定した画質を得られるため、撮影の幅が広がりそうだ。  こうして比較してみたが、旧レンズのsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDMが悪いレンズというわけではない。撮影者の意図や撮影する被写体によって、いいレンズの定義が変わると考えている。旧レンズは癖はあるが、F2.8ではシャープさやコントラストがない分、やわらかな印象になり、F5.6くらいまで絞ると周辺までシャープに表現できる。その癖をデメリットと感じるのか、作品の味付けとして楽しむのかは撮影者次第だ。  ただ、新レンズと旧レンズのF5.6に絞った画像で比較してみると、やはり新レンズの方が線を細く描写し、クリアで抜けのよい印象を受ける。その描写力の違いに14年間の技術の進化が現れている。風景やスナップなど、被写体の質感をより豊かに表現するなら、新レンズの方が相性が良さそうだ。私のYouTubeチャンネルでは新レンズの使いこなしとして、広角端、望遠端の美味しいF値をご紹介しているので、ぜひチェックしてもらいたい。どのくらい絞れば、よりシャープな描写を楽しめるのかをご紹介している。
 新旧で比較すると、最大撮影倍率にも違いがある。旧レンズは0.21倍に対して、新レンズは0.24倍となる。下の写真は両方とも最短撮影距離で撮影しているが、被写体が写る大きさに違いがある。
比較新5.JPG
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
比較旧5.JPG
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
 最大撮影倍率を比較するために撮影した上の写真だが、細部まで見てみると意外な違い出た。ライオンの髭の黒と口の白の境目のあたりに、旧レンズは紫色の線が確認できる。これは軸上色収差で、明るい部分と暗い部分の境目に現れやすい。被写体にはないマゼンタや紫色のようなものが写ってしまう。
比較新6.jpg
新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
比較旧6.jpg
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
 下の写真は撮影した一部分を拡大したものになるが、逆光のシーンに現れやすい。パープルフリンジが出ると、被写体の色も違って見えてしまうので、要注意だ。新レンズは色収差もなく、被写体本来の色を生かしながら撮影できている。諸収差を抑えるために10群16枚の中に4枚の非球面レンズを採用している。EDガラスレンズを1枚、EDガラス非球面レンズを2枚、異常低分散ガラスを1枚を使用することで、ズーム全域で色収差を抑えている。また、高性能マルチコーティング、HDコーティングを採用することで、逆光撮影時に発生するゴーストやフレアーを最小限に抑えている。
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新レンズ HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
比較旧7.JPG
旧レンズ smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
 そして、撮影していて驚いたのはAF速度だ。旧レンズに比べて、広角側で約2.2倍、望遠側で約1.5倍高速になっている。旧レンズではセットになっていたフォーカシングとズーミングを分けることで、1/3に軽量化。さらにPLM(パルスモーター)で駆動させることで、高速化と静音化を実現している。また、フォーカシングとズーミングを分けることでレンズ設計に自由度が生まれ、より描写力の高いレンズを目指すことができている。

作品と共にレンズの魅力に迫る

 ここからは作品と共に、このレンズの魅力をご紹介していきたい。HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWは35mm判換算約24.5mmから76.5mm相当の画角を得ることができる。広角から中望遠までカバーしてくれるため、一本あると便利なズームレンズだ。
16-50mmF2.8ED PLM AW作例1.JPG
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/4 1/1600秒 ISO-100 焦点距離16mm
 広角側の面白さはその場の広さや広がりを表現するだけでなく、遠近感を生かした写真を楽しめるところだ。手前にある被写体を大きく、遠くにある被写体を小さく写し、遠近を強調することができる。被写体にどのくらい近づくのか、どこに近づくのかで写真の印象が大きく変わるので、いろいろと試してもらいたい。
16-50mmF2.8ED PLM AW作例2.JPG
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/4 1/2000秒 ISO-100 焦点距離16mm
 下の写真は広角端の16mmで撮影。自分の目の高さ、アイポジションで撮影を行っている。風景の広がりは感じるが、遠近感が活かせていないように感じる。
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/7.1 1/800秒 ISO-100 焦点距離16mm
 地面すれすれのローポジションで撮影を行った。同じ場所から撮影しているが、低い位置でカメラを構えているため、桟橋だけでなく、手前の砂も一緒にフレーミングできている。手前にあるものに近づけば近づくほど遠近感が強調されるため、上の写真よりも広がりと奥行きを感じる写真に仕上がった。
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/2.8 1/5000秒 ISO-100 焦点距離16mm
 F2.8と開放F値が明るいため、手前にピントを合わせれば、下の写真のような表現も楽しめる。被写体に近づきながらどこにピントを合わせるのかによって、写真が大きく変わるので、ピントの位置も意識してもらいたい。
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/2.8 1/5000秒 ISO-100 焦点距離16mm
 近づき方一つで写真が大きく変わるのが広角レンズの面白さだ。一つの被写体に対して、撮影する方向や高さ、距離を変えながらアプローチしてみると、写し方が大きく変わるため、いろんな視点で被写体を見ることが大切だ。
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/2.8 1/4000秒 ISO-100 焦点距離16mm
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/2.8 1/4000秒 ISO-100 焦点距離18mm
 広角側の16mmでも被写体にぐっと近づいてF2.8で撮影すると、ボケを生かして撮影することができる。背景が近くて、ボケがうるさくなりそうなシーンもとろけるように美しくボケてくれるため、ピントを合わせた草が浮き立って見える。
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/2.8 1/3200秒 ISO-100 焦点距離16mm
 望遠側でスナップするときに心がけているのは、広角側に比べて写る範囲が狭くなるため、目の前の情景の中で、何を切り取ったらいいのか明確にすること。広い風景の中から一部分だけを切り取ることができるため、見せたい被写体を明確に伝えやすくなる。
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/2.8 1/4000秒 ISO-100 焦点距離39mm
 ボケを最大限に生かして撮影したい場合は望遠側で撮影するのがおすすめだ。一輪の花にぐっと近づきながら撮影しているが、開放F2.8から高い描写力を得ることができるため、背景のボケの美しさと、ピント面のシャープさを両立することができている。
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/4 1/800秒 ISO-100 焦点距離50mm
 望遠側で撮影すると、広角側のような遠近感は出なくなるが、圧縮効果により、望遠側ならではの奥行き表現を楽しむことができる。奥にある被写体を引き寄せて撮影できるため、手前の被写体だけでなく、奥の被写体も強調しながら撮影することができる。
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/2.8 1/3200秒 ISO-100 焦点距離50mm
 縦位置にカメラを構え、手間のパラソルの一部分もフレーミングすることで、ビーチにパラソルがたくさん並んでいるような印象で写真をまとめることができた。
16-50mmF2.8ED PLM AW作例12.JPG
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/2.8 1/5000秒 ISO-100 焦点距離50mm
 広角側、望遠側だけでなく、35mm判換算35mm相当や50mm相当の撮影も楽しめるのが標準ズームレンズのメリットだ。被写体やシーンに合わせて、ズームしながら撮影してもらいたい。
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■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/7.1 1/500秒 ISO-100 焦点距離26mm
16-50mmF2.8ED PLM AW作例14.JPG
■使用機材:ペンタックス K-3 Mark III+HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-100 焦点距離36mm

さいごに

 今回はHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWの魅力や使いこなしを中心にご紹介したが、14年の歳月を経て、これからの世代の大口径ズームレンズへと生まれ変わっている。大口径標準ズームレンズは、さまざまな表現を楽しめるため、一本あると便利なレンズだ。ぜひ本レンズの魅力を実写しながら味わっていただきたい。  今回の内容はYouTubeチャンネル「カメラのコムロ」でもご覧いただけます。さらに詳しく使いこなしを紹介しているので、ぜひご覧いただけますと幸いです。

関連動画

■写真家:コムロミホ  福島県出身。文化服装学院で学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。ニコン、パナソニック、オリンパスのカタログ撮影も担当する。ルミックスフォトスクール講師、オリンパスデジタルカレッジ講師、エプソンセミナー講師、ライカやリコーペンタックス、をはじめ多くのメーカーで講師を務める。 ■YouTubeチャンネル「カメラのコムロ
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のコムロミホさんにペンタックスの「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」をレビューしていただきました。旧レンズとの解像感比較にも注目です。 ----- KEYWORDS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,レビュー,HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 北山輝泰さんテスト BASENAME: 483166819.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北山輝泰 DATE: 08/30/2021 12:05:55 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: ソニー α1×木村琢磨|次世代のフラグシップ「THE ONE」 BASENAME: 483104078.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 木村琢磨 DATE: 08/30/2021 16:00:00 TAGS: α1,ソニー(Sony) ボディー,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: α1 00.jpg

はじめに

 2021年1月27日、ソニーからとんでもないカメラが発表された。  その名は「α1」。    「THE ONE」という称号を与えられたα1はαシリーズの特徴でもある「高解像度のR」「動画・高感度のS」「高速性の9」を一つにまとめたフラグシップモデルだ。ソニーはこのα1で今まで用途に合わせて使い分けていた3機種を一台にまとめてしまったのである。つまり、α1は「高解像度」「高感度」「動画」「高速性」の全てを兼ね備えた次世代フラグシップということだ。

ボディ

 実はαシリーズのボディを使うのはα7R II以来で、それ以降はしばらくαシリーズから離れてしまっていた。しかし、α1の発表を見た時に「これは買わなくてはならない」という衝動に駆られた。スチルだけでなくムービーの仕事も同じ割合で増えているため1台で全てが完結するα1は魅力的だった。特に私の場合は高画素、高感度と動画性能が必要となるため仕事カメラとしてはこれ以上無いスペックだ。
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他社のフラグシップと比較するとかなりコンパクトに収まっている。私の場合はそのままだと少し指が余るのと、縦位置での撮影も多いためバッテリーグリップVG-C4EMを装着することでちょうどいいバランスになる。VG-C4EMを組み合わせることでバッテリーが2つ搭載できる様になるため長時間の撮影では重宝する。
 撮影を楽しむ上で画質以外に重要なのがボディの造りだ。質感は非常に良く、機能盛り沢山なカメラにしては非常にコンパクトに纏まっている。またミラーレスの弱点でもあるセンサーダスト問題も電源OFF時にシャッター幕を降ろすことで軽減している。センサーが剥き出しにならないおかげで日中屋外でのレンズ交換も安心してできる。
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電源OFF後しばらくするとシャッター幕が降りてセンサーを保護してくれる。レンズ交換時にセンサーにダストが付着するリスクの軽減と太陽光がダイレクトにセンサーに当たらないので安心感がある。
 α1では操作系も細かな改善が施されており上面左手側のドライブモードダイヤルとAFモードダイヤルにロック機構が搭載され撮影中の不用意なモード変更を防止してくれる。どのカメラにも言えることだが、モードダイヤルはカメラバッグから出し入れしているときにモードが知らないうちに変わっていたということもよくあるので嬉しいポイントだ。
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軍艦部にモードダイヤルやAFモード、ドライブモードダイヤルなど集約されている。カスタム設定も自由度が高いが、私の場合は初期設定のままでも十分使いやすいので特に変更はしていない。
 背面モニターはチルト可動式でありα7S IIIの様なバリアングル方式ではないので好みが分かれるところかもしれない。光軸がズレないためカメラセンターを重要とする建築の撮影などでは、チルト式は重宝するが私の様に縦位置撮影が多かったりローアングル、ハイアングルで撮影することが多いタイプにはバリアングル方式も捨てがたい。チルト可動式の場合、ボディ左側のコネクタ部分と干渉することがないため動画撮影時には重宝する。
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チルト可動式なので光軸がズレない。動画撮影時にはボディ左側のコネクタを多用するため干渉しないのは嬉しいポイント。可動式であるためモニターを開いておくことでセンサーの熱を逃すこともできる。
 α1はマルチスロットとなっておりSD(UHS-I/II対応)カードとCFexpress Type Aカードと対応している。スチル撮影であればSDカードでも十分足りるが、連写を多用したり4K120pやハイスピード撮影をするのであればCFexpress Type Aカードを使いたい。カードの速度によっては使用できないモードもあるので(その場合は警告が表示される)あらかじめ自分がα1でどの様な撮影をしたいのか明確にしておく必要がある。  CFexpress Type AカードはSDカードと比較するとコストもかかるため、ボディやレンズだけでなく使用するカードの金額も考えて購入計画を立てておく必要がある。私の場合はUHS-IIのSDカードで足りないということはほどんどなく、バックアップを兼ねて128GBのUHS-IIを2枚同時記録設定(2枚のカードに同じ画像を記録するモード)で運用している。画素数が多いのでカードの書き込み速度が早い方が撮影のテンポも良くなるが、風景撮影であればUHS-Iでも使えないことはない。
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マルチスロットになっているためSDカードとCFexpress Type Aカードと両方使うことができる。2枚カードが挿せるためRAWとJPEGを分けて記録したりバックアップとして同時記録も可能。

画質・撮影性能

 α1のスペックで多くの人が気になっているのは画素数だろう。α1の画素数は5010万画素(8640×5760px)とトップクラスの画素数だ。5010万画素がどれくらいの情報量かというと解像度350dpiでA2サイズ(420×594mm)のプリントが補完なしで可能であり大判プリントをしても解像感が損なわれない程情報量を持っている。これだけ高画素であれば大胆にトリミングをしても画素数に余裕があるため、わざと広めに撮影して後からトリミングで画角や構図を調整するということも簡単にできる。今回の記事では特に画質面について紹介していきたいと思う。  「高画素=高感度に弱い」というイメージを持っている人も多いかもしれないが、実際に使ってみるとそんなことはない。もちろん低感度で撮影するほど画質は良いわけなので、α1は丁寧に撮影するほど期待に応えてくれるカメラだと思っている。高画素になるほどブレにはシビアになるがそれだけ解像しているということだ。高解像性能を引き出すためα1には光学式5軸ボディ内手ブレ補正が搭載されており、どのレンズとの組み合わせでも補正が効くのはありがたい。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/4.0 1/320秒 ISO400 焦点距離105mm ■上の写真は実は下の写真をトリミングしてアップにしたもの。これだけ大胆にトリミングをしてもA4サイズのプリントでも画素数不足にはならない。5010万画素もあれば撮影後に焦点距離やマクロ撮影の倍率をトリミングで稼ぐことも簡単だ。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/16 1/15秒 ISO400 焦点距離46mm ■高画素化の恩恵は解像感だけでなく立体感なども向上している様に感じる。以前は高画素はそこまで重要視していなかったがα1を使ったことで考え方が変わった。
 高画素の恩恵は解像感、トリミング耐性の向上、豊かな階調表現、と写真を撮るモチベーションにも繋がるためメリットが非常に大きい。フルサイズセンサーということもありダイナミックレンジも広く絵作りの自由度も高い。高画素モデルのα7R IV(6100万画素)の解像感に匹敵する解像感をキープしたままボディのレスポンスを向上させているのは凄いの一言。軽快な動作なおかげで撮影のテンポも良い。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/11 1/2500秒 ISO100 焦点距離78mm ■逆光のハイコントラストなシーンでの撮影。5010万画素の高画素が飛沫や水面のディティールまで写しとった。シャドウからハイライトの階調も残っている。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/11 1/125秒 ISO200 焦点距離76mm ■FE 24-105mm F4 G OSSを標準レンズとして組み合わせることが多いが、α1の5010万画素にも十分耐えうる性能だ。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/4.0 1/125秒 ISO100 焦点距離105mm ■F4.0とは言えフルサイズだとかなり被写界深度が浅い。デジタルカメラのフルサイズは銀塩135フィルムよりもピントが浅い様に思う。α1のAF精度には毎回助けられている。
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■撮影機材:SONY α1+FE 16-35mm F2.8 GM ■撮影環境:f/4.0 1/640秒 ISO200 焦点距離16mm ■屋内と屋外と輝度差があるシーン。上の写真が元の明るさ。ハイライトよりもシャドウに情報が残るためハイライトに露出を合わせた。撮影後に暗部を持ち上げて肉眼で見た時の明るさに調整。シャドウを持ち上げてもディティールが十分に残っている。
 大前提として、いくら高画質と言っても、ピントが合っていなければ意味がない。高画質とAF精度はイコールでなければならないのだが、α1はAFの性能もさらにブラッシュアップされており、ピントを合わせる精度と追従性能がとにかく素晴らしい。フルサイズの浅い被写界深度を生かした撮影や動体撮影で撮影者をサポートしてくれる。絞り込んでパンフォーカス撮影をする場合でもピントは重要な要素であるため正確なピント合わせは大切だ。AF追従に関してはこちらが一度ピントを合わせたい被写体を選択すればあとはα1が勝手に合わせ続けてくれるので、こちらは構図やシャッターチャンスに集中して撮影ができるのだ。
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■撮影機材:SONY α1+SIGMA 105mm F1.4 DG HSM Art ■撮影環境:f/1.4 1/125秒 ISO400 焦点距離105mm ■瞳AFを使って撮影。α1のAFを使えば動きが予想しづらい子どもでも正確なピントを狙える。AF追従が始まれば後はこちらがフレームに収める様に追い続けるだけだ。105mmのF1.4とかなり浅い被写界深度でも正確に瞳にピントを合わせてくれる。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/13 1/100秒 ISO400 焦点距離56mm ■葉の隙間から射す太陽の光条を狙った。ちょっとしたカメラ位置の違いで光条がでなくなるため、桃にピントを追従させた状態で光条がベストな状態になる位置を探りながら撮影した。
 α1を使っているとフルサイズというよりもまるで中判カメラで撮影しているような気持ちになる。高速連写と高感度に注目されることが多いため手持ちでとなりがちなのだが、5010万画素の高画素ということもあり一枚一枚丁寧に撮影するスタイルも楽しい。ボディは小さいがレンズはフルサイズ設計のサイズと重量なので、三脚はなるべくしっかりとしたものを使いたい。電子シャッターも搭載されているので、セルフタイマーと三脚と組み合わせて撮影することでより良い結果を得られる。  また、電子シャッターの性能も向上しており、ローリングシャッターの歪みもほとんど感じない。さらに電子シャッターでもフラッシュ同調速度が1/200というのだから驚きだ。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/8.0 1/160秒 ISO800 焦点距離43mm ■高解像度が気持ちがいい。植物や柱状節理の質感がしっかりと再現されている。ISO800程度では画質の変化がないためF値とシャッタースピードの自由度が高い。暗所でも絞り込んでシャッタースピードを犠牲にすることはなくなった。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/11 5秒 ISO100 焦点距離70mm ■α1は三脚と組み合わせて撮影することも多い。高画素ということもあり中判カメラで撮影している様な気持ちでの撮影を心がける。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/16 10秒 ISO100 焦点距離24mm ■NDフィルターを使用してスローシャッターで撮影。α1は動画撮影や長時間露光時に熱を持つことがあるが、背面モニターを開いて撮影することで放熱することができる。
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■撮影機材:SONY α1+FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:f/8.0 30秒 ISO160 焦点距離24mm ■滝に近づいてスローシャッターで撮影し迫力のある一枚を狙った。滝の近くは飛沫が多く長時間撮影しているとシャワーを浴びた様にびしょ濡れになることもある。
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α1は防塵・防滴にも配慮された設計がなされており、雨の日の撮影や滝の近くでの撮影でも安心して撮影を続けられる。防滴性能が優れているとは言え、あくまで防滴なので常識の範囲内での撮影を心がけよう。

写真と動画の境界線

 α1はスチルだけでなく動画性能も優れている。ここでは動画の性能というよりはα1に搭載された8Kについて少し紹介したい。テレビで主に使われている解像度はフルハイビジョンという規格であり、ピクセル数で言うと1920×1080pxの解像度(約200万画素)を持つ。そして、最近のスマホやカメラには標準で搭載されるようになった4Kは3840×2160pxの解像度(約800万画素)を持つ。  4Kが搭載された頃は写真が動いているとも言われていたが、α1にはさらに4倍の解像度を持つ8Kが搭載されている。8Kの解像度は7680×4320pxと実に3300万画素の写真データが動いていると考えても良い。3300万画素となればスチルでも高画素の部類に入るわけだが、α1ではその3300万画素のデータを秒30コマで記録しているのだ。 画素数比較.jpg
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8K収録した動画から切り出したワンシーン。もはや画質だけで考えるとスチルとムービーの境界線はどこにあるのか?と思ってしまう。
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8K30pで収録した映像からスチルを生成して2秒分のコマをコンポジット。シャッタースピード1/60秒で撮影しているが60コマをコンポジットすることで2秒分の川の軌跡を描いた。
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動画といえば横向きのイメージがあるが、スマホなどの普及に伴って縦位置の動画も増えてきた。16:9のアスペクト比で縦構図の撮影はまるで掛け軸の様だ。
 動画撮影と写真撮影が一度に行える、まさに8Kの解像度がなせる技だ。今後30pから60pや120pも実装されていくのは時間の問題で、8Kよりもさらに高解像度な12Kなども一般的になってくるだろう。今後、写真と動画はどう住み分けるのか…どう使い分けていくのかが課題になっていくだろう。新しい写真表現や動画表現が誕生することにも期待したい。  動画の撮影はスチルと違って難しそう…と思うかもしれないがまずはスチルを撮った後に同じシーンを動画で撮影するところから始めればいいだろう。今回動画用にではなく単純にスチルと同じシーンを動画収録したものを用意しているのでまずはスチル撮影後にRECボタンを押すところから始めてみよう。
スチルで撮影したシーンを単純に8Kで収録したもの。動く写真だと思ってまずは難しいことは考えずに撮影してみよう。手持ちではなく三脚に乗せてFIX撮影(カメラと画像を固定したままで撮影すること)から始めると簡単だ。

まとめ

 α1のスペックを見て欲しいと思った人はかなり多いのではないだろうか。フルサイズミラーレスフラグシップの決定打と言っても過言ではないスペックだが、やはり価格もそれなりに高額にはなってしまう。しかしR、S、9シリーズが1台になったと考えればコストパフォーマンスは最高で、1台で全てカバーできるのは非常に楽だ。とにかく撮影時の負担がほとんどなく、「THE ONE」の称号に相応しいカメラであり、このα1の登場により特別な数字である「1」シリーズがいよいよ始動したということだ。  α7R IIで一度αから離れて今回α1でまたαに戻ってきたわけだが、その選択は間違っていなかったと自信を持って言える。今回は使用感や画質についての自分が感じたファーストインプレッションとして書かせていただいたが、このα1に関しては一度に全てを語り尽くせないほどに高密度なカメラに仕上がっているし、自分自身まだまだ使いこなせていないのでこれからさらに使い込んでいくことが楽しみなカメラだ。楽しみな反面、思ったものが撮れなくても言い訳ができないカメラである。 ■写真家:木村琢磨  1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。

α1はこちらの記事でも紹介しています

■ソニー α1 レビュー|風景撮影で使ってみました!(坂井田富三) https://shasha.kitamura.jp/article/480756709.html ■ソニー α1 レビュー|スポーツ撮影現場で使ってみました!(坂井田富三) https://shasha.kitamura.jp/article/480653303.html ■ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ https://shasha.kitamura.jp/article/480563123.html ■ソニー α1 レビュー(後編:風景・ステージ撮影)|葛原よしひろ https://shasha.kitamura.jp/article/480649337.html ■ソニー フルサイズミラーレス α1|新次元フラグシップモデルが登場! https://shasha.kitamura.jp/article/479818915.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の木村琢磨さんがソニー α1のレビューをしています。素晴らしい作品も複数掲載されておりますので、ぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー(SONY)ボディ,レビュー,α1 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門 BASENAME: 483154709.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 齋藤朱門 DATE: 08/31/2021 16:00:00 TAGS: 星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック ----- BODY: 星景写真の撮影テクニック11.jpg

はじめに

 今回は星景写真撮影の撮影方法と必要な機材について紹介したいと思います。星景撮影は、3月から9月頃までは美しい天の川と風景を絡めて撮るのが醍醐味の一つです。また、冬の時期は空気が澄みますので、満天の星空と雪景色を撮るのも楽しいと思います。

星景写真を撮る

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■撮影機材:ソニー α7R II + キヤノン EF16-35mm F2.8L II USM(変換用マウントアダプター着用) ■撮影環境:マニュアル露出・16mm・F2.8・ISO3200・30秒
 沖縄・宮古島の海岸で撮影した天の川です。国内での星の撮影で一番気にすべきことは光害の影響です。特に天の川のような銀河を撮影するためには、光の弱い星も多く撮影する必要があるため、光害の少ない宮古島のような離島や南端の海岸、山中のような街の光害の影響を受けにくい場所が適しています。新月期で光害の少ない場所であれば肉眼でも天の川を見て楽しむことができます。

設定のポイント

 天の川を撮影する場合は、まずF2.8以下の明るいレンズを使うことをお薦めします。絞り設定は可能であればF2~F2.8程度にします。ISO感度は光害の状況によっても変える必要がありますが、高感度ノイズを考えるとISO1600-6400程度、シャッタースピードは20秒~30秒です。  気をつけるポイントとしては、焦点距離が長いレンズで長秒撮影を行うと、星の日周運動により、星が動くために、星が流れて線のように写ってしまう点があります。  実は、なるべく星を点として写すためのルールがあります。 「焦点距離 (mm) x シャッター時間(秒) < 500 」  これは通称 “500ルール”と呼ばれています。例えば、焦点距離が16mmの場合は 500/16 = 31.25なので、シャッター時間は約31秒以内とすれば良いことになります。  もし、50mmくらいの焦点距離で撮影する場合は、シャッター時間を10秒以内にしないと星が流れて線のように見えるので注意が必要です。(この場合明るいレンズ&ISO感度をあげることで10秒でも撮影可能です。)
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■撮影機材:ソニー α7R III + トキナー FíRIN 20mm F2 FE AF ■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2・ISO3200・15秒
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■撮影機材:ソニー α7R III + トキナー FíRIN 20mm F2 FE AF ■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2・ISO12800・3.2秒
 灯台と天の川をした一枚。灯台の光が一定周期で回転するため、かなりシャッター時間を短くする必要がありました。そのため、ISO感度を12800まで上げています。

構図

 星景撮影の場合、星と周りの風景をどう配置するかの構図が重要になります。天の川の場合はスマホアプリなどで天の川が見える方角を調べておくと良いでしょう。季節や時間によっても天の川の中心の出現位置や角度、方角が大きく異なるので注意が必要です。  特に8月くらいになると、早い時間に既に天の川が垂直に立ってきてしまうので、縦構図で撮る場合が多くなります。縦構図でも違和感のない構図、前景の場所で撮ると良いでしょう。
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■撮影機材:ソニー α7R + カールツァイス Distagon T*2.8/15ZM(変換用マウントアダプター着用) ■撮影環境:マニュアル露出・15mm・F2.8・ISO6400・25秒
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■撮影機材:ソニー α7S + キヤノン EF16-35mm F2.8L II USM(変換用マウントアダプター着用) ■撮影環境:マニュアル露出・24mm・F2.8・ISO6400・10秒
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■撮影機材:ソニー α7R IV + トキナー FíRIN 20mm F2 FE AF ■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.8・ISO3200・20秒
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■撮影機材:ソニー α7R IV + トキナー FíRIN 20mm F2 FE AF ■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.5・ISO5000・20秒

いろいろな撮り方

 星景写真は季節や月齢によってさまざまな撮り方で楽しむことができます。

日周運動

 北極星を中心に星の日周運動を撮るのも面白いと思います。日周運動を撮る場合は、バルブ撮影で数時間の長いシャッター時間にする方法と、連続撮影で数百枚の写真を撮り、それを後処理でスタックする方法の2つがあります。前者は一発撮りになるので失敗するリスクも高いため、筆者の場合は通常は後者の方法である連続撮影で撮影することが多いです。  連続撮影の場合は、カメラを連続撮影モードにした状態のままレリーズでシャッターボタンを押し続ける状態にすると比較的簡単に撮影することが可能です。  下の写真は八ヶ岳の北横岳で撮影。冬季だったため、雪に覆われた木々とともに星の日周運動を撮影。
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■撮影機材:ソニー α7R III + サムヤン XP14mm F2.4(変換用マウントアダプター着用) ■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F2.4・ISO2500・25秒 x 76枚をスタック
 こちらは富士山近郊での撮影。街が近く光害が強いため、ISO感度は低めに抑えています。
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■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 20mm F1.4 DG HSM Art ■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.2・ISO800・30秒 x 120枚をスタック

月と絡める

 星を撮影する場合、通常は月入り後から月の出までの月が出てない時間帯が適しています。満月期は明るい星以外は見えなくなりますが、新月期前後など、月齢によっては完全に星が見えなくなる前に月と星空を絡めて撮ることもできます。  宮古島の海岸で撮影。月の出とともに、空が明るく青くなってゆき、徐々に天の川も薄れていきました。
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■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 20mm F1.4 DG HSM Art ■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.2・ISO800・30秒 x 120枚をスタック
 燕岳で撮影。尾根の反対側から月が出始めており、雲を明るく照らしていました。
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■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 20mm F1.4 DG HSM Art ■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2.2・ISO800・30秒 x 120枚をスタック

パノラマ撮影

 天の川は南から北に伸びているので、パノラマ撮影をすることも可能です。下の写真は上高地で撮影。縦構図で十数枚に分けて撮影したものをパノラマ合成しています。
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■撮影機材:ソニー α7R + サムヤン XP14mm F2.4(変換用マウントアダプター着用) ■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F2.8・ISO6400・20秒 x 12枚

必要な機材

 星景撮影に必須もしくはあると便利な機材をいくつか紹介します。

三脚

 長秒撮影になるため、三脚はほぼ必須です。お使いのカメラ・レンズの重量をしっかり支えられる、なるべくしっかりとブレない三脚を使うことをおすすめします。

タイマーレリーズ

 カメラにタイマー機能が備わっている場合はなくても問題ないですが、備わってない場合はタイマーレリーズが必須となります。また、バルブ撮影時にも必要です。

レンズヒーター

 冬に星撮影する場合は結露防止のために、レンズヒーターがあると便利です。USB給電のタイプが便利。

USBバッテリー

 日周運動の撮影時など、長時間カメラの電源を入れた状態にすることがありますので、USBバッテリーがあると便利です。

赤道儀

 筆者はあまり使いませんが、赤道儀があるとよりくっきりと鮮明に天の川等の銀河を撮影することができます。

ブライトモニタリング機能

 機材ではないですが、ソニーのα7シリーズにある星景撮影に便利な機能を紹介しておきます。最近のα7シリーズには「ブライトモニタリング」という機能が備わっており、暗い中での構図決めに有効です。
周囲が暗い状況下での撮影で、構図合わせができるようにします。夜空などの暗い場所でも、露光時間を延ばすことにより、ビューファインダー/モニターで構図の確認ができます。 (α7IIIのヘルプガイドより抜粋)

さいごに

 作例を交えながら星景写真の撮影方法やポイントをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。星景撮影は天の川が醍醐味と思われる方も多いと思いますが、一年中さまざまな撮影方法で楽しめると思います。この記事が星景写真を撮影する際の参考になれば幸いです。 ■写真家:齋藤朱門  宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。

齋藤朱門さんの撮影テクニックの連載記事はこちら

・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html ・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html ・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html ・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html ・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の齋藤朱門さんによる星景写真の撮影手法とそれに伴う必要機材の解説記事です。様々さな作例とともにご覧ください。 ----- KEYWORDS: 星景_天体,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR:   TITLE: シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|私たちの最初のレンズ BASENAME: 483180936.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: FPS24 DATE: 09/01/2021 16:00:00 TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,45mm F2.8 DG DN | Contemporary,i シリーズ,単焦点 ----- BODY: 01_見出し画像.jpg

はじめに

 こんにちは、FPS24です。みなさんは、45mmという焦点距離のレンズはお使いになられたことはあるでしょうか? 実は45mmはSIGMA fpのキットレンズの焦点距離でもあり、SIGMA fpをお使いの方であれば馴染みのあるレンズだと思います 。  このレンズの正式名称は「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」です。SIGMA fpと同時に発表され、2019年7月26日に発売となりました。持ち運びしやすいサイズと光学性能との両立はもちろんのこと、外観デザインには並々ならぬこだわりを感じられるシグマらしいレンズです。  まさに、このようなデザインのレンズを待ち望んでいた、と言ってしまえば大袈裟に聞こえるかもしれませんが、所有する喜びと使用する楽しみを兼ね備えた素晴らしいレンズの一つです。小さいけれど高品質なレンズという意味で、「交換レンズ界のバンデンプラ・プリンセス」という愛称も発表会の中で紹介されました。このレンズに相応しい愛称だと感じていて、私達も積極的に推し進めていきたいと考えています。  今回は、軽量コンパクトで普段使いにもピッタリなレンズ「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の魅力を、じっくりご紹介していきたいと思います。

レンズの質感と焦点距離について

 先ほどお伝えしたように、「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」はSIGMA fpのキットレンズとして、最初に触れる方も多いのではないでしょうか。  私もそのうちの一人でした。そして触って一番に感じるのが、レンズの完成度と質感の高さです。このレンズは後に、シグマが近年打ち出した「Iシリーズ」と呼ばれるシリーズに分類されることになりました。SIGMA fpのような洗練されたデザインのカメラや、小型のミラーレスカメラと非常に相性が良く、カメラと組み合わせただけで心が満たされるような感覚に陥ります。 02_sigma45mmF2.8.jpg  外観を見てみると、フォーカスリングと絞りリング、AF/MF切り替えスイッチがあり、丁寧な塗装が施されています。リングはそれぞれ気持ちよく滑らかに回ります。  筐体とレンズフードには金属が使用されており、少しひんやりとした感触がします。この質感の高さは、手にして初めて感じられたポイントでした。この触り心地が、より所有欲を満たしてくれる決め手となっています。マウント部のゴムのシーリングによって、簡易防塵防滴構造も採用されています。  Iシリーズには2021年8月現在、他に「35mm F2 DG DN | Contemporary」、「65mm F2 DG DN | Contemporary」、「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」の3本がありますが、どれもコンセプトが同じくデザインが統一されており、非常に質感が高い為にシリーズで揃えたくなってしまいます。 03_sigma45mmF2.8.jpg

45mmという焦点距離とコンパクトさの利点

04_sigma45mmF2.8.jpg  このレンズ一番のメリットは、なによりこのコンパクトさだと思います。フードを外すと手のひらに収まってしまうのではないかと感じられるほど、非常にコンパクトです。それだけで撮影の幅や使える場面が多くなるのは間違いありません。  また45mmという焦点距離は、私達にとってはこれまであまり馴染みのない焦点距離でもありました。しかし実際に使ってみると、ふとした日常を気軽に切り取るのに絶妙的なバランスであり、さらに小型軽量であるという点からも、普段使いに欠かせないレンズの一つになっています。

45mm F2.8 DG DN | Contemporaryで写す世界

 レンズキットとして発売中のSIGMA fpと「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の組み合わせで、ふらっと街中を撮影してみました。コンパクトなカメラボディとレンズなので、撮影時にはとても軽快に動くことができます。この身軽さは一度味わうと癖になります。  撮り歩いているシーンの裏側を動画で撮影してみました。動画でももちろん使いやすく、他のレンズに引けを取らない美しい映像を撮ることができます。軽量さを生かした機動力、カバンからさっと出してすぐ撮影できる気軽さはとにかく素晴らしいです。
 とある日に大雨が降って、近所の公園が水浸しになりました。すぐに止んだものの、道に大きな水たまりがいくつも出来ていて、いつもと違う公園を楽しめました。思い立った時に迷うことなくカメラを持って出かけられるのは「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」の気に入っているポイントの一つです。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/200
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/200
 温室の中で美しく咲いていた植物を撮影しました。赤い葉脈が光に照らされて、蛍光色のように鮮やかな赤色になっています。空間における光の当たり方を確実に捉えて、見事に表現してくれています。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO125 F2.8 SS1/200
 フルサイズセンサーならではの背景ボケが、被写体である植物をより際立たせていて、鮮やかな色に引き込まれます。「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は特にボケの表現を重視して設計されたそうです。上品かつ柔らかな印象のボケからは、シグマがこれまで培ってきた技術力の高さが伺えます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO200 F2.8 SS1/200
 最近は、SIGMA fpに追加されたカラーモード「パウダーブルー」で撮影することが多いです。特に夏の晴れた日との相性は抜群です。照りつける太陽の光と合わさって、ますます夏を感じさせる写真になる気がしています。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/1600
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/640
 浅草で撮影した一枚です。妙に下町っぽさを感じるのは私だけでしょうか。生まれも育ちも東京ではないですが、この辺りの街並みや自転車に乗るお巡りさん、行き交う人々を見ていると、ほっこりします。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/200
 だんだんと街中は暑くなる季節でしたが、隅田川のほとりに降りてみると風が吹いてとても気持ちよかったのを覚えています。隅田川と、橋と、ボートと、佇む男性と。見ている風景を気持ちよくフレームに収めてくれます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO500 F8 SS1/200
 ビル群を背景に、神田川を挟んで電車が行き交います。地下鉄丸ノ内線の赤色がとても映えていました。電車が来るまで待とうとしたのですが、矢継ぎ早に電車が来ていて、東京の規模の大きさを感じました。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO160 F2.8 SS1/1600
 近くにあったカフェで食事をしました。色とりどりの野菜が乗ったサラダが食欲をそそります。こじんまりとしたカフェでもカメラを取り出しやすく、「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」を使っていると食事の撮影機会が増えたような気がします。机の上に置いていてもコンパクトなので、料理の邪魔にはなりません。レンズのコンパクトさは、こういった日常の細かなところでも活きてくるのだと思います。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO12800 F2.8 SS1/200
 さらに「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は最短撮影距離が24cmです。寄って撮影したいことが少なくない日常使いでも、安心してこのレンズを使うことができます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO5000 F2.8 SS1/125
 夏空と海に黄色いバスが映えていました。運転手の方たちは潮風に吹かれながら休憩しています。この日のような暑い日は荷物を減らして身軽に歩きたいので、身軽さという意味では、今のシーズンにはもってこいのレンズなのかもしれません。
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■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO100 F6.3 SS1/400

おわりに

 「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、日常を自然体で切り取るのにとても扱いやすいレンズだと思います。45mmという焦点距離と、ボケの表現が自慢の光学性能、小型軽量なコンパクトさが合わさって、それを実現しているのだと感じました。  加えて、レンズの小ささからは想像できないような質感の高さがとても気に入っています。日常生活の中で普段から使うことを前提としているからこそ、質感の高さが重要になってきますよね。  最後に、私たちのYouTubeチャンネルでも「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」を使った映像を公開しております。映像にも興味をお持ちの方は、ぜひこちらもご覧いただけると嬉しいです。
■執筆者:FPS24 2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。

「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介中

■シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporaryレビュー|真綿のようなソフトな描写にハマるレンズ https://shasha.kitamura.jp/article/480386399.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 映像ユニットのFPS24さんによる、シグマ「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」のレビュー記事です。SIGMA fpのキットレンズとしても馴染みのあるこのレンズで、日常を美しく切り取っていただきました。 ----- KEYWORDS: シグマ,Sigma,単焦点レンズ,45mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,Iシリーズ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: Vlog(ブイログ)とは何か? ~楽しみ方含めてソニーのマーケティング担当者へインタビューしてきました~ BASENAME: 483108202.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 09/02/2021 16:00:00 TAGS: ソニー(Sony) ボディー,Vlog,インタビュー ----- BODY: シューティンググリップ装着画像.jpg

はじめに

 ここ最近Vlogへの注目度は高まっていますので、“Vlog“と聞いたり、視聴する事が増えてきたりしているのではないでしょうか。またご自身でVlogを始める為の準備をされている方もいらっしゃると思います。今回はそんなVlogについて、そもそも“Vlog“って何?だったり、どんな魅力があるの?について、Vlog向け製品の開発を行っているソニーマーケティング株式会社デジタルイメージングマーケティング部MK1課今井様へインタビューしてきました。“Vlog“についてもう少し詳しく知りたい方も、これから“Vlog“を始めようと考えている方も参考になるかと思いますので是非ご覧ください。 DSC00003.jpg

Vlogって何?

- Vlogを一言で説明してください  Vlogとは基本的には“video blog“の略称ですが、当社では、“自分が伝えたいことや残したいことを動画に残すこと”をVlogと言っています。 - Vlogはいつ頃から注目されるようになりましたか  国内では2019年の春頃から徐々に注目を集めています。Googleトレンドを見てみるとVlogというキーワードは、2019年あたりから右肩上がりにアクセスが増加しています。そして2020年6月にVLOGCAM ZV-1という商品を発売すると更にアクセスは急上昇しました。当社では2019年以降現在に至るまで一貫して「Vlog」というキーワードを使い製品プロモーションを行って来ていますので、Vlogというワードの認知が加速することは嬉しく思っています。
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Googleトレンドでの「Vlog」の人気度動向
- 動画の視聴環境や編集環境の変化もVlogが注目を集めることに影響していますか  もちろん影響しています。視聴環境ではSNSなどのプラットフォームの進化や、2020年春頃からコロナの影響により、お家時間が増えた事でYouTubeの視聴時間は大きく増加していますので、それに伴い動画コンテンツを提供する側も増えていると考えられます。更に芸能人の方でYouTubeを始める方が増える事で、その循環の環は益々大きくなり、Vlogへの注目度も同様に増加傾向にあると考えられます。  そして編集環境では2019年5月にAdobeからVlog向けにAdobe Premiere Rushがリリースされて、スマホでもPCでもシームレスに編集できるようになり、場所を選ばず、よりカジュアルに編集できるようになった事なども影響を与えているのではないでしょうか。

Vlogの種類と魅力

- Vlogにはどのような種類がありますか  自分が伝えたいことや残したいことを動画に残すことをVlogと定義しているので、ジャンルは非常に多岐にわたりますが、整理する上で下のようなジャンルに区切っています。

デイリー

行った場所、その時にしか経験できないことなど、日々の出来事を思いのままに残す。

旅の行程や、その土地の情景など、その瞬間にしか出あえない旅の思い出を残す。

ライフスタイル(ルーティング動画など)

料理や家事、食事をしている様子など、穏やかで幸せなひとときを残す。

レビュー

自分の視点と自分の声で、製品やサービスの使い心地や魅力を残す。

子育て

子供やペットの成長を記録して、大事な思い出として残す。

作品風に仕上げる

デイリーからレビューまで、ボケ表現を活かし被写体を引き立たせ、自分好みのルックやライティングでより印象的に表現する。
- Vlogの魅力を教えてください  日常の出来事や思い出、経験をたくさんの情報量で記録できますので、単純に記録するのでも良いですし、ダイジェスト動画のように、ストーリーをつけて残すこともできます。そういった変化をつけながら日常をカジュアルに記録として残していける事がVlogの魅力であると考えています。  またVlogは凄く凝った作りのものから、非常にシンプルな構成になっているものがあり、クオリティーには大きな差はありますが、どちらもVlogだと考えております。この幅の広さを許容する懐の深さみたいな所もVlogが支持されている理由になるのではないでしょうか。

Vlogの始め方

- Vlogを始めるのは大変だったりしますか  あまり肩ひじ張らずに在りのままの日常を動画に収めていって、それを繋いでみて記録として残して行こうというところが原点としての考えにあります。ですので、もの凄い映像に拘りたいという方はそれで良いでしょうし、思い出を残していって日記的につづるなどは誰にでも簡単にできますのでVlogを始めるのは難しくないと思います。 - かっこいい映像をつくるコツはありますか  撮り方のコツはあります。大きくはカメラ機材と、撮影の仕方、編集の話しがあって、これらが動画制作のワークフローと呼ばれたりしますが、それぞれに適切な判断やコツがあります。例えばカメラの撮影の仕方であれば、静止画のようにずっと止まっているのではなくて、撮影中カメラを動かしておくとか、動かしながら被写体に近づいたり、その周りをぐるっと回ったりと変化をつけて撮影するヒントが沢山あります。また編集でも音楽のリズムに合わせて映像を切り変える事でテンポの良い映像になったりと同じくヒントは沢山あります。そういったヒントを沢山蓄えて行くとコツを掴んでかっこいい映像をつくる事が出来るようになったりします。 - Vlogに適した機材を教えてください  撮りたい映像に応じて機材が異なってきますが、大別すると表現を求めるのか?、コンパクト性能を求めるのか?によって分かれると思います。Vlogerの方とお話しをしていると、ここぞという時は一眼ミラーレスのような大きいセンサーを積んだカメラで撮影する一方、友人との旅行では、大きいカメラとレンズを構えてしまうと自然な表情が得られなかったりするので、そういった時はコンパクトカメラで撮影するなど機材の使い分けをしていると聞きます。  またVlogの種類に合わせて細かく製品を紹介すると下の図のようになります。色々な製品がありますが、これからVlogを始められる方はZV-1やZV-E10をおすすめします。冒頭にも話しましたが、今のような注目度をVlogが集めているのも、ZV-1のヒットが要因としてありますし、多くのVlogerの方にご愛用頂いている実績があります。また2021年9月17日に発売予定のZV-E10はAPSCサイズのセンサーを搭載したレンズ交換式のミラーレスカメラになりますので、作品風に仕上げるのにオススメです。
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ZV-E10は発売前となる為まだこちらの表には入っていませんが、「作品風に仕上げる」α6400、α7Cと並ぶ位置にポジショニングされる製品となります。 参照元:https://www.sony.jp/camera/special_vlog/

Vlogのこれから

- Vlogはこれからどのように発展して行くと考えられますか  撮影機材や、撮影方法、編集環境、SNSなどのプラットフォーム環境などが進化をして行く中で、今では難しいとされる事が可能になると同時に、より簡単に誰でもそれらを出来るようになっているような気がします。ですので、動画がより身近になり残したい映像や思い出を、届けたい人に直ぐに見せれる環境が整ってくるのだと思います。一人の個人がYouTubeで思いや考えを世界に発信して行く事はもちろん、今日の嬉しかったちょっとした出来事を身近な家族や友人に伝える事もどんどんやりやすくなるのではないでしょうか。

ソニー製のVlogに適した機材のレビューはこちらからご覧頂けます

■ソニー VLOGCAM ZV-E10 レビュー|山本まりこ https://shasha.kitamura.jp/article/482887882.html ■ソニー α7C × 夏らしい景色|大村祐里子 https://shasha.kitamura.jp/article/482845570.html ■ソニー ミラーレスカメラ VLOGCAM ZV-E10が登場!|APS-Cセンサーサイズのレンズ交換式VLOGCAM https://shasha.kitamura.jp/article/482739772.html ■ソニー ZV-1レビュー 動画も静止画もこれ1台で大満足!|WEBカメラにも対応! https://shasha.kitamura.jp/article/476958678.html ■【レビュー】ソニー Cyber-Shot DSC-RX100M7はB.LEAGUEも撮影できる!|坂井田富三 https://shasha.kitamura.jp/article/470579453.html ■更新 ・2021年10月4日:キャンペーン終了に伴い、内容を修正しました。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: そもそも“Vlog“って何?、どんな魅力があるの?について、ソニーマーケティング株式会社の担当者にインタビューしました。“Vlog“についてもう少し詳しく知りたい方も、これから始めようと考えている方も参考になるかと思いますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,Vlog,インタビュー,ZV-1,ZV-E10,α7c,動画 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか? BASENAME: 483200571.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 09/03/2021 16:00:00 TAGS: オールドレンズ,撮影テクニック,マウントアダプター ----- BODY: 00_top.jpg

はじめに

 昔使っていたレンズをまた楽しみたいと思った事ありませんか?オートフォーカスでなくても、ちょっと古くて味わいのあるレンズを使ってのんびりと撮影を楽しみたい。でも、どうやって今あるカメラに装着して使えるのか分からない人も多いのではないでしょうか。  今回はマウントアダプターを使用し、オールドレンズをミラーレスカメラに装着して撮影できるようになるまでの準備編を紹介します。

オールドレンズを使い始める前の準備

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■撮影機材:ソニー α7R III + コンタックス プラナー T* G 45/2 クローム ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
 最初に準備するものは、お気に入りのオールドレンズとミラーレスカメラのボディ。そして重要なのは、マウントが異なるオールドレンズを装着する為のマウントアダプターです。今回は1994年~2005年までに販売されていたコンタックスGシリーズの交換レンズ、 ・コンタックス ビオゴン T* G 28/2.8 クローム ・コンタックス プラナー T* G 45/2 クローム の2本を例にご紹介します。
 ビオゴンT*28mmF2.8プラナーT*45mmF2
レンズ構成5群7枚4群6枚
焦点距離28mm45mm
画角75度50度
絞りF2.8/F22F2/F16
最短撮影距離0.5m0.5m
フィルター径46mm46mm
重量150g190g
 コンタックスGマウントはもともとフランジバックが短く、レンズ側もボディ内にミラーなどの障害物が無い前提に設計されているため、一眼レフボディで使用することが難しかったのですが、フランジバックの短いフルサイズのミラーレスカメラが発売になると再び脚光を浴びたレンズなのです。中古でも在庫を見かける事は多く、値段的にも購入しやすい範囲のレンズです。  このGマウントのレンズをソニーEマウントに装着するには、マウントアダプターを用意しなければなりません。「K&F Concept」や「SHOTEN」、「Fotodiox」、「Fringer」など様々なメーカーからマウントアダプターが発売されています。今回は「ボディ側Eマウント・レンズ側Gマウント」のK&F Concept製マウントアダプターをチョイスしました。 02_マウントアダプター.jpg  このマウントアダプターを介する事で、フォーカスはマニュアル、絞り調整も手動にはなりますが、GマウントのレンズをソニーのEマウントボディに装着する事が可能になります。実際にソニー α7Cに装着したものが下の写真になります。絞りはレンズの絞りリングを使用して調整、ピント合わせはマウントアダプターのシルバー部分を回転させてピント合わせをします。  オートフォーカスに慣れている人にとっては、最初はピント合わせに少々手こずる事もあると思いますが、ミラーレスカメラ側の機能をしっかりと使いこなせば、オールドレンズも快適に撮影することが可能になります。
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マウントアダプターを介してオールドレンズを装着
 マウントアダプターを介しての撮影には幾つかの問題点も発生します。この「K&F Concept」マウントアダプターには電子接点は無いので、例えばExif情報の一部が記録されないことです。具体的には、撮影時の絞り値やレンズ情報、レンズの焦点距離情報などが記録されません。レンズ情報などは、撮影中に頻繁に交換しなければ後で情報を付加する事も簡単ですが、絞り値になるとなかなかそうはいきません。きちんと絞り値も残したい方は、撮影時にメモ(ファイル番号と絞り値)を取る事をお勧めします。撮影後にパソコンに画像を取り込んだ後に、メモを参考に情報を追記しましょう。
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Exif情報を見ると絞り値や焦点距離などが記録されていないことが分かる

オールドレンズ使用時のカメラの設定

 オールドレンズを使いこなすには、カメラ側の準備がとても重要です。先にもお話ししましたが、電子接点が無いためレンズ側の情報がボディに伝わりません。ですから、あらかじめボディ側にオールドレンズ+マウントアダプターを使うための設定をしておきます。今回はソニー α7R IIIのメニューで紹介します。

■「レンズなしレリーズ」の設定を「許可」にする

 カメラのデフォルト設定では、もともと「許可」にはなっていますが、設定を変更している人は確認が必要です。この項目が「禁止」になっていると、オールドレンズ+マウントアダプターを装着した状態でシャッターを切ることができませんのでご注意を。 04_設定.JPG 05_レリーズ.JPG

■ピーキング表示の設定を「入」にする

 オールドレンズの使用に限らず、ピントをマニュアルで撮影する際には便利な機能なので積極的に使いましょう。ピーキング表示を「入」にすればピントを手動で合わせる際に、ピントがあっている部分を色で表示してくれます。下の写真はピーキング表示「入」でピーキングレベルは「中」、そしてピーキング色を「レッド」で表示した場合の見え方になります。ピントがあっている部分が赤くなり、手動でのピント合わせを楽にしてくれます。  「ピーキングレベル」は、ピーキングによる輪郭強調の程度を変えることが出来る設定です。最初は「中」で良いと思いますが、よりシビアなピント調整をして行きたい場合は「低」を選択するとピーキング表示の輪郭強調が弱くなるので、ピーキングで色が表示される範囲が少なくなります。 06_ピーキング.JPG
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ピーキング表示をすればマニュアルフォーカスでもピントが合わせやすくなる

■撮影モードは絞り優先で、ISO感度はオートに設定するのが便利

 レンズ側で絞り値を設定して撮影するため、絞り優先モードで撮影した方が楽に撮影する事ができます。また、ISO感度も上限値と下限値を設定した上でオート設定にした方が撮影が楽になります。

■手ブレ補正は「入」に

 ミラーレスカメラでオールドレンズを使用する際にとても助かる手ブレ補正。ボディ側に手ブレ補正機能があるカメラであれば、オールドレンズでもその恩恵を受ける事ができます。 08_手ブレ補正.JPG  ここで少し気を付けなければいけない点は、手ブレ補正「入」に設定をした後に、「手ブレ補正設定」で「手ブレ補正焦点距離」の設定をして、使用するレンズの画角に設定を合わせる事が必要になります。  普段の電子接点のあるレンズでは、自動でレンズの焦点距離などの情報がボディに伝わって最適に対応してくれるのですが、流石にオールドレンズ+マウントアダプターではここまで対応ができません。ですので、使用するレンズにその都度焦点距離を合わせる事を忘れない様にしましょう。 09_手ブレ補正.JPG 10_焦点距離.JPG

■DRO(Dレンジオプティマイザー)は、「切」がおすすめ

 ソニーαのDRO機能は、デフォルトではオートになっています。Dレンジオプティマイザーの機能は、明暗差が大きい撮影で暗部がつぶれず、そして明るいところも白飛びしないようにコントロールしてくれる機能です。これがONのなっていると、せっかくのオールドレンズの味わいをスポイルしてしまいます。 11_DRO.JPG  これでカメラ側の事前準備はほぼ完了です。

■レンズの装着手順を確認する

 オールドレンズをカメラに装着する際には、あらかじめオールドレンズにマウントアダプターを装着しておきます。オールドレンズの指標とマウントアダプターにある指標を合わせて装着し、マウントアダプターの指標とカメラボディ側の指標を合わせて装着します。最初は少し戸惑う事もありますが、オールドレンズにマウントアダプターを装着した状態であれば、レンズ交換は通常と同じ方法で簡単に交換ができます。 12_製品画像.JPG

オールドレンズ撮影のコツ

 カメラ側の設定が終わり、マウントアダプターを装着したオールドレンズをカメラボディに装着できたら、いよいよワクワクする撮影です。オールドレンズでの撮影の際には、少しコツがあります。 1. オールドレンズの絞りリングを操作し、絞りを開放に設定します。どうして最初に絞りを開放にするのかと言うと、ピントを合わせたい被写体への精度を高く合わせるための手段になります。 2. 絞りを開放にセットしたら、次にピント合わせです。先に紹介したピーキング機能を使いピントを合わせたい位置にレンズ(レンズにピントリングがない場合はマウントアダプター)のピントリングを調整してピントを合わせていきます。この時、さらにカメラ側にある「ピント拡大機能」を使えば、ピントを合わせたい位置をファインダー上で拡大する事ができる為、より正確なピント合わせをする事できます。 3. ピント合わせができたら、レンズの絞りリングを調整して撮影する絞り値を決めて、シャッターを押して撮影します。絞り値の決め方が慣れないうちは、「絞りを開放、少し絞る、大きく絞る」の3パターンぐらいを同じ被写体で撮影しておくと、使用するオールドレンズの特徴をつかみやすくなり、以後の撮影がスムーズになります。 4. 撮影後は撮影したデータを再生し、拡大表示をしてピントが合っているかを確認します。デジタルで撮影できる最大のメリットは、その場で撮影したデータが見れること。積極的にデジタルの恩恵を使いながらオールドレンズを楽しみましょう。  現在発売されているレンズはどの絞り値でも非常にシャープに写りますが、オールドレンズはレンズにもよって異なりますが、開放値では周辺部で滲むものが多いです。この滲みを楽しむのがオールドレンズで表現する大きなポイントになります。オールドレンズの味わいを楽しむ方法として、積極的に絞り開放で撮影するのがおすすめの撮り方の一つとなります。  今回撮影に使用したコンタックスのGマウントレンズは、絞り羽根が6枚と現在のレンズに対して少ないので光芒の出方も特徴的になります。羽根枚数が偶数枚の6枚なので、光芒の線の数も6本になります。
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■撮影機材:ソニー α7R III + コンタックス ビオゴン T* G 28/2.8 クローム ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF22 ISO100 焦点距離28mm

まとめ

 オールドレンズを持って撮影に出かけると、普段とは違った感覚で撮影ができます。そのオールドレンズでどういう撮影をしたら、一番そのオールドレンズの味わいを表現できるのか、そしてその味わいを活かすための被写体はなんなのかを凄く考えながら撮影することができます。もちろんそんなに難しく考えなくても、普段と違う撮影の仕方がとても新鮮で撮影自体を楽しめるはずです。  最近ではフイルムカメラを使ってフイルムでオールドレンズを楽しむ方が増えていますが、もう少し気楽に楽しめるのが、ミラーレスカメラとマウントアダプターを使って、オールドレンズを活用する方法です。撮影の失敗のリスクも少ないので、フイルムカメラを楽しみたいと思っている人も、まずはマウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しむのが良いのではないでしょうか。
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■撮影機材:ソニー α7R III + コンタックス プラナー T* G 45/2 クローム ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんに、マウントアダプターを活用してオールドレンズを楽しむ方法を解説いただきました。ミラーレスカメラでもオールドレンズならではの風合いを楽しんでみてはいかがでしょう。 ----- KEYWORDS: オールドレンズ,撮影テクニック,マウントアダプター ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: ニコン「Z fc」はブラブラスナップが面白い!|三井公一 BASENAME: 483182915.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 09/04/2021 11:00:00 TAGS: Z fc,スナップ,ニコン(Nikon) ボディー,APS-C,ミラーレスカメラ ----- BODY: Z fc.JPG

大人気のニコン「Z fc」は街の遊撃手

 ニコンの「Z fc」が話題になっています。その美しいデザインは発表と同時に予約が殺到しました。発売後ひと月ほど経ちますがバックオーダーがいまだに解消しないほど人気です。  それもそのはず。このカメラは見た目もバツグンですが、本当に写真を撮るのが楽しく、撮り手をワクワクさせてくれるからです。画質に定評がある「Z 50」と同等の写り、アナログ機のようなわかりやすい操作感、どこまでも持って行ける軽さと小ささなど、魅力がたくさん詰まっているのです。なので必然的に街へと連れ出すことが増え結果的にいい写真が撮れる、というわけなのです。これで人気が出ない理由がありませんね。

「Z fc」のスペックをおさらい

 そんな人気者の「Z fc」のスペックを確認してみましょう。 ・レンズマウント:ニコン Z マウント ・総画素数:2151万画素 ・有効画素数:2088万画素 ・撮像素子:23.5×15.7mmサイズCMOSセンサー ニコンDXフォーマット(APS-C) ・手ブレ補正:レンズ手ブレ補正 レンズシフト方式(VRレンズ使用時) ・低速連続撮影:約1~4コマ/秒 ・高速連続撮影:約5コマ/秒 ・高速連続撮影(拡張):約11コマ/秒 ※ ニコン試験条件での最大撮影速度 ・記録媒体:SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード(SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカードはUHS-I規格に対応) ・ファインダー:電子ビューファインダー、0.39型XGA OLED、約236万ドット、明るさ調整可能(オート、マニュアル7段階)、カラーカスタマイズ可能 ・視野率:上下左右とも約100%(対実画面) ・倍率:約1.02倍(50mmレンズ使用時、∞、-1.0m-1のとき) ・モニター:バリアングル式3.0型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約104万ドット、視野角170°、視野率約100% ・ISO感度:ISO 100~51200(ステップ幅:1/3ステップ)、ISO 51200に対し約1段(ISO 102400相当)、約2段(ISO 204800相当)の増感、感度自動制御が可能 ・寸法(幅×高さ×奥行き):約134.5×93.5×43.5mm ・質量:約445g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)、約390g(本体のみ) ・付属品:Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL25、バッテリーチャージャー MH-32、ストラップ AN-DC23、ボディーキャップ BF-N1、接眼目当て DK-32
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 スペックから読み取れるように、Z fcはデザイン性に優れているだけでなく、APS-Cフォーマットで高性能かつ軽量コンパクトなミラーレス一眼カメラだということがわかりますね。写りは評価の高いZ 50と同等なので問題ないでしょう。2088万画素のセンサーは画像処理エンジン EXPEED 6とともに、精細感あふれ豊かな写真をキャプチャー可能です。何よりも採用する大口径、ショートフランジバックのニコン Z マウントは、優れた光学性能のNIKKOR Zレンズがラインアップされており、明るさ、解像度、ピント精度、ボケの美しさをZ fcで堪能できます。  オートフォーカス性能も魅力です。人物だけでなくペットのネコやイヌにも対応した「瞳AF/動物AF」は、動き回る被写体でも高速かつ正確にフォーカスしてくれます。これにAF/AE追従で最大約11コマ/秒の高速連続撮影(拡張時)と、シャッターチャンスを逃さない仕様がうれしいですね。高感度もISO 100~51200と強いです。さらに拡張することもできますよ。  中身は最新のミラーレス一眼カメラですが、Z fcのルックスは往年のフィルム一眼レフ・ニコンFMシリーズのようです。手に取ってみるとわかりますが、大きさや重量感、とくに薄さがそれを彷彿とさせます。軽快感がありいつでもどこにでも持ち出せるコンパクトさが魅力になっています。軍艦部に目を移すとアナログなダイヤルが並んでいます。各々のシャッタースピードダイヤルやISO感度ダイヤルは、節度感高くなっており使いやすくなっています。カチカチとセッティングするのが楽しくなってきますね。  初心者は「カッコいいけどダイヤルがわからない!」と思ってしまうかもしれませんが、撮影もカメラに全てお任せの「AUTO」モードがあるので安心です。これにセットしておけばあとはシャッターを切るだけ!Z fcを被写体に向けてドンドンと写真を撮影しましょう。上級者は「P」「S」「A」「M」とおなじみのモードがあるので、表現手法に応じて切り替えて撮影すればいいでしょう。露出補正ダイヤルもあるのでカンタンに明るさも調節可能です。  また、ニコン「Z」として初採用となるバリアングル式の液晶モニターも特徴です。クルリと回してセッティングをして、ローアングルやハイアングル時だけでなく、セルフィー(自撮り)も可能になっています。これなら4KムービーモードでYouTube用のクリップもラクに撮影することもできますね。スゴいのはインスパイアしているニコン「FM」シリーズの雰囲気を損なわず、薄いボディのままバリアングル液晶モニターを実装したところでしょう。ニコンの技術力がキラリと垣間見えました。Z fcはデザインと技術が融合したミラーレス一眼カメラなのです。

「Z fc」でブラブラ実写!描写バツグン!

 肩から提げて歩くだけでフォトウォークが楽しくなるZ fc。同時に発表された「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」と「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」をつけてブラブラとスナップ撮影してみました。  Z fcは本当に小さくて軽いので、ちょっとしたお出かけや散歩にも気軽に連れ出せます。特にNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)とのマッチングは最高です。「Creative Picture Control」のセピアで小旅行を演出してみました。いい雰囲気です。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:f/5.6 1/50秒 ISO-360 焦点距離28mm
 クラシカルなルックスのZ fcですが、中身は最新のミラーレス一眼カメラです。速く正確なオートフォーカスと的確なホワイトバランスと露出は、旅のワンシーンをしっかりと捉えてくれました。シャープかつリアリティのある描写は記憶より鮮明です。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:f/2.8 1/50秒 ISO-280 焦点距離28mm
 Z fcにテイストを合わせたNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)は写りも極上です。瓦にググッと寄って、F2.8の絞り開放でシャッターを切りましたがご覧のようなリッチなボケ感となりました。ピンポイントのフォーカス位置とシルキーな”Bokeh(ボケ)”が魅力的ですね。
Z fc作例3.JPG
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:f/2.8 1/400秒 ISO-125 焦点距離28mm
 ニコン「Z」シリーズ初となるバリアングル式液晶モニターはなかなか使いやすいです。このようにノラネコをローアングルで撮るときに威力を発揮しました。もちろん「動物AF」も効果バツグン!しっかりとその瞳を捉えてくれました。素晴らしい。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-125 焦点距離28mm
 Z fcの描写がとても気に入りました。Z 50と同等の質感表現は実に豊かで精細感あふれています。小旅行でのワンカットですが、錆びた郵便受けと朽ちた壁、そしてシダの様子を克明に捉えてくれました。ルックスが注目されますが、その実力も申し分ありません。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO-125 焦点距離28mm
 とても軽く小さいZ fcは、旅はもちろん散歩にも気軽に持ち出せるカメラになっています。動作のレスポンスもよく、「あ!」と心が動いたシーンを直ぐさま撮影可能です。こちらも小旅行でのカットですが、オートホワイトバランスが的確で見た目同様に撮影できました。初心者でも安心して使えるカメラになっています。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:f/2.8 1/80秒 ISO-3200 焦点距離28mm
 有効2088万画素のセンサーは実にシャープに思い出を記録してくれます。湖上をいくボート、対岸の木々、青い空など、フォトグラファーが受けた印象そのままにキャプチャーしてくれます。発色も素晴らしく、オールマイティーに使える1台でしょう。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:f/8 1/400秒 ISO-100 焦点距離28mm
 NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの写りも秀逸です。16mmワイド端でのカットですが、湖面の波の様子、手前の緑の解像感、遠景の対岸まで申し分ない描写ですね。これで重量約135gというのですから驚きです。沈胴機構なので携行時にコンパクトになるのもいいですね。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:f/7.1 1/400秒 ISO-100 焦点距離16mm
 同じくNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRでのカットです。苔むした岩の上にトカゲを発見してシャッターを切りました。一瞬の出来事でしたが。Z fcとこのレンズはその瞬間を鮮明に捉えてくれました。実に機動性の高い組み合わせと言えるでしょう。トカゲの身体と苔の描写が見事です。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:f/10 1/320秒 ISO-100 焦点距離50mm
 Z fcとNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは日常的なシーンを余すところなく撮影可能でしょう。フルサイズ換算24mm〜75mm相当なので、スナップやポートレート、風景までカバーできます。このカットは箱根・芦ノ湖でのものですが、遊覧船と湖上の鳥居までシャープかつ色鮮やかに撮影できました。富士山が雲に隠れていたのが残念でしたね。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:f/9 1/320秒 ISO-100 焦点距離50mm

まとめ

 ニコン「Z fc」はその美しいデザインがとても魅力です。眺めているだけでも楽しいですし、手に取ってもニヤニヤが止まらないですし、シャッターを切っても楽しいカメラに仕上がっています。見た目、使い勝手、撮り心地、そして描写が高次元にまとまったスタイリッシュなミラーレス一眼カメラだと言えるでしょう。広い世代に受け入れられて大人気になるのも納得できます。  このカメラがあれば、撮影するという行為が今以上に深く豊かになるのは間違いありません。ぜひキタムラの店頭で実機を手に取って、そのオーラを体感してみてください。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。

ニコン Z fcはこちらの記事でも紹介中

■ニコン Z fc レビュー|上田晃司 https://shasha.kitamura.jp/article/482757772.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがニコン Z fcのレビューをしています。素敵なスナップ写真とともにご覧ください。 ----- KEYWORDS: ニコン(Nikon)ボディー,Z fc,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: テスト コハラタケル BASENAME: 483249768.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: コハラタケル DATE: 09/04/2021 17:31:19 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSSで撮る動物写真|小川晃代 BASENAME: 483234526.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 小川晃代 DATE: 09/05/2021 10:00:00 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,犬/猫/ペット,望遠ズーム ----- BODY: 05_作例.jpg

はじめに

 普段様々な焦点距離のレンズを使用している私ですが、中でも一番使用頻度の高いレンズは70-200mmF2.8の望遠ズームレンズです。写真を始めて約20年、使用するメーカーこそ変われど常に愛用し続けている、私にとってなくてはならないレンズです。何故ならペット・動物撮影においてこの1本があればどんなシーンでも素敵な写真が撮れるから。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが本当に様々なシーンで活躍する魔法のようなレンズなんです。今回は私がソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSSで撮影した作品をご覧いただきながらその魅力をお伝えします。

FE 70-200mm F2.8 GM OSSの活用法

 FE 70-200mm F2.8 GM OSSは見た目も大きく長いレンズです。その見た目から「重そう」と敬遠している方もいるのでは無いでしょうか?確かに広角系のレンズやキットズームレンズに比べると重く感じると思います。ペット撮影をする方だと出来るだけ軽量コンパクトに済ませたい気持ちもわかります。でもその重さというデメリットを補って余りあるメリットがあるレンズなのです。まず重さですが超望遠のように持っているのがつらい重さではなく、女性の私でも手持ちで普通に撮影できるほど。もともと三脚や一脚を使わないスタイルの私にとって手持ちで撮影できるFE 70-200mm F2.8 GM OSSは最高の1本です。はじめは重いと感じるかもしれませんがすぐになれてしまう程度の重さなのです。また200mmという焦点距離はちょっと遠くにいる被写体撮影に便利です。ペットはもちろん身近な野生動物や野良猫、最近は動物園撮影もコレ1本を使っています。
01_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSSで撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO125 露出補正+0.3 焦点距離184mm
 こちらは奈良の鹿。比較的人慣れしていて近づく事も出来るため、どんなレンズでも対応できますが、70-200mmだと近すぎず遠すぎずのベストの距離感で鹿の自然な様子を狙えられます。 2匹がとても仲が良くてほほえましかったので邪魔をしないように200mmで切り取ってみました。背景は梅の花でピンクのボケを入れ込みました。寒空の中、春の訪れを感じる作品になったかなと思います。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/2.8 1/400秒 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離200mm
 野良猫撮影や動物園撮影をする時、昔は70-200mmレンズと100-400mmレンズの2本を持って撮影に行っていました。ですがこの2本のレンズの付け替えや嵩張る荷物のわずらわしさから、最近は70-200mmレンズ1本で出かける事が多いです。動物園ではいかに人工物を入れずにフレーミングして野生のように見せるかが需要となります。こんな時このレンズが本領を発揮します。望遠レンズは広角レンズに比べ、画角が狭いです。つまり狭い範囲を大きく写すことが出来るレンズです。広角では写り込んでしまう余計な要素を望遠端の200mmで上手くフレーミングすれば余計な物を排除した野生感漂う写真に仕上がります。  また檻の中にいる動物を撮影する時は、手前の檻をぼかす事で檻を消してしまいます。開放値が大きいレンズだと手前の檻がボケきれずに残ってしまう事があるのですが、私が使っているレンズは開放値がF2.8。F2.8であれば檻がしっかりとボケて消えてくれるので、檻の有無を気にする事なく動物園撮影が楽しめるのも嬉しいです。(檻の太さや檻と被写体の距離の関係によって消えない事もあります)望遠レンズでありながらこのF2.8という開放値は本当に便利。同じ焦点距離でF4のレンズもありますが、上記の理由も含め動物園の動物~ペット撮影で使用するのであればこちらのF2.8を購入した方が良いと思います。
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■撮影機材:ソニー α9 II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離151mm
 こちらは野良猫写真。野良猫は半野生動物なので近づき方にもコツがあります。最初からぐっと近寄るとビックリして逃げてしまうので、まずは200mmでこっそり狙って徐々に距離を詰めていきます。というように遠くにいる被写体を撮るために望遠レンズを使うというのは誰でもわかる事ですが、他にも愛犬撮影でもとっても役に立つこのレンズの特徴があるのです。

愛犬撮影でFE 70-200mm F2.8 GM OSSを使う

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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO125 露出補正+0.3 焦点距離184mm
 季節の花々とわんこを一緒に撮りたい。そんな時に欠かせないのが美しいぼけ味のこのレンズ。わんこやわんこの近くに配置した花はシャープにくっきり写り、背後に広がる花々はやわらかく優しいボケ味で包んでくれます。ぼけ味の他にさらに役立つ特徴は「圧縮効果」です。圧縮効果とは遠くにあるものが手前にギュッと引き寄せた(圧縮された)ように見える事。遠くの物が大きく引き寄せられるので遠近感が少なくなり密集したイメージの写真に仕上がります。わんこやにゃんこ撮影の場合、あえて被写体から離れて望遠レンズを使うのはこの圧縮効果を生かしたいからです。 この圧縮効果をお花畑で使うと、花と花の隙間が埋まって密集感が出ます。せっかく行ったお花畑がスカスカで淋しかった。という時でも望遠レンズの圧縮効果を使えば花と花の隙間を埋めて密集したお花畑のように写すことが出来るのです。
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■撮影機材:ソニー α7C + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/3.2 1/2000秒 ISO500 露出補正+1 焦点距離128mm
 ラベンダーの並木道で撮影した1枚。奥行きを出したかったので写真の中でラベンダーを対角線上に配置して撮っています。標準レンズではスカスカ感が目立ってしまいますが望遠レンズの圧縮効果で密集感が出ました。またF3.2で撮影しているので手前と奥のラベンダーがふんわりとボケて被写体を引き立てています。この美しいボケ味もこのレンズの魅力です。  例えばお花畑で観光客が多くても望遠レンズで上手くフレーミングし画面の中を被写体のわんこと密集したお花や青空で埋め尽くせます。そうすると実際には狭い範囲しか切りとっていないのにまるで広大なお花畑を独り占めしたかのような写真に仕上がります。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/3.5 1/400秒 ISO800 露出補正+0.3 焦点距離126mm
 こちらの写真も圧縮効果が良くわかる作品。奥へと続く木々がぐっと手前に引き寄せられて存在感が出ています。縦位置にフレーミングする事で木の大きさやたくましさを表現してみました。そして紅葉が始まった木々の階調豊かな色の表現がしっかりでています。

このレンズの魅力とは

 私はこのレンズはどんな場所でもキレイに美しく写してくれるレンズだと感じています。このレンズの持つ美しいボケ味が被写体を目立たせ、特に何にもない場所でもキレイな作品へと仕上げてくれるのです。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/2.8 1/200秒 ISO100 露出補正+1 焦点距離187mm
 公園の一角で撮影。足元にはたんぽぽが咲いていたので、なるべく沢山のたんぽぽが入るようにフレーミング。カメラを低く構え、被写体より手前のタンポポを前ぼけにする事でより柔らかな印象に仕上げています。

動きシーンでも大活躍

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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/2.8 1/2000秒 ISO500 露出補正+1.3 焦点距離174mm
 そして極めつけは動いているシーンの撮影。上の写真は河津桜の並木道を走るわんこ。動きシーンの撮影は美しい描写力だけではなくAF精度が必要不可欠。不規則に走り回る被写体に瞬時にピントを合わせてくれる高度なAF精度が求められるのです。 走る姿を綺麗に撮るためにはワンコの目線よりも低く構えるのが良いので私の場合は寝そべって撮ることが多いです。カメラから遠ざかったり急に近づいてきたりするわんこをちょうど良いサイズにフレーミングするのにズームレンズは最適なのです。 わんこの動きに合わせてカメラを振り画面内にわんこを入れ続け良きタイミングで連写。高度なAF制度を持つFE 70-200mm F2.8 GM OSSだからこそ、決定的シーンを逃さずに瞬間の撮影が出来るのです。よく「わんこの動きシーンの撮影って難しくて撮れない」というお声を聞きます。ある程度撮る側の反射神経が求められますが、このレンズを使って練習をすれば誰でも撮れると私は確信しています。そして何よりもこのレンズで動きシーンを撮るのが本当に楽しいのです。
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■撮影機材:ソニー α9 II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/2.8 1/4000秒 ISO1600 焦点距離159mm
 カメラやレンズが苦手とする黒い被写体もこの通り。激しい動きに加え、水しぶきがピント合わせの邪魔をしますが、そんな事もお構い無しでちゃんとピントが合います。そして細かい水しぶきの一つ一つもしっかりと綺麗に描写されていますね。

まとめ

 身近な野生動物~ペット撮影まで幅広く活用出来るレンズ。私は個人的にもFE 70-200mm F2.8 GM OSSが大好きでこのレンズに絶対的な信頼を持っているのでひいき目な所があるのかもしれませんが、美しいボケ味と豊かな階調、そして高度なAF精度を持ちながらこれだけ幅広く活用できるレンズは他に無いのではと思います。普段の風景をもっとお洒落に美しく見せたい時や、生き生きと走り回る愛犬の一瞬を撮ってみたくなったら是非このレンズを使ってみてください。 ■写真家:小川晃代  トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の小川晃代さんがソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSSのレビューを行っています。可愛い動物作例と合わせて製品の魅力をご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー(Sony) レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,ペット_動物 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: テスト 熊切大輔さん BASENAME: 483278264.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 熊切大輔 DATE: 09/06/2021 14:45:55 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: ビクセン 星空雲台ポラリエU レビュー|北山輝泰 BASENAME: 483188285.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北山輝泰 DATE: 09/06/2021 16:00:00 TAGS: ポラリエU,赤道儀,PR,ビクセン,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック ----- BODY: 01.JPG 【PR記事】

はじめに

 星景写真家・写真講師の北山輝泰です。ShaShaでは初めて記事を執筆させていただきます。今回は、天体望遠鏡メーカー「株式会社ビクセン」より発売されております、大人気のポータブル赤道儀「星空雲台ポラリエU」についてご紹介させていただきます。  星景写真撮影は何度か経験はあるけれど、赤道儀を使って撮影したことはないという方もまだまだ多いのではないでしょうか。そんな皆さんに、赤道儀の特徴や、追尾撮影のメリットをお伝えした上で、ポラリエUの魅力をご紹介できればと思います。

赤道儀とは

 赤道儀とは、星空の動き(日周運動)と同じ速度で回転することで、長時間の追尾撮影を可能にした星空撮影に適した機材のことを言います。昔は手動で操作するものなどありましたが、今は電動のものが一般的です。また、赤道儀のラインナップも、星景・星野写真の撮影を目的とした小型のものが多く発売されるようになるなど、ニーズに合わせて変わってきています。

追尾撮影のメリット

 ポラリエUの魅力をお伝えしていく前に、まずは赤道儀を使用した撮影についてお話ししていきます。赤道儀を使用して撮影することを「追尾撮影」と言いますが、星空を追尾しながら撮影することのメリットとしては、主に下記の2点があります。 1. 長時間シャッターを開けて撮影しても星を点像で撮れること 2. 流星群のシーズンなどに、流星が流れる起点(放射点)方向を常に画角の中に収めながら撮影できること  1つ目の「長時間シャッターを開ける」というシチュエーションですが、主に以下のような時です。 ・空が暗いところに遠征をして撮影する時 ・ISO感度を低くして撮影する時 ・F値が暗いレンズ(F2.8以上)を使って撮影する時  空が暗いところとは、天の川が肉眼で分かるような環境です。そういった場所で撮影を行う際のカメラの設定は、F2.8程度の明るいレンズでも、シャッタースピードが30秒、ISO感度が3200程度になります。30秒もシャッターを開けると、どんなに広角レンズで撮影をしても、星の流れが見て分かる写真になります。  さらに、F値が2.8以上の暗いレンズは、明るく撮るためには光をたくさん受け取らなければいけないため、さらにシャッタースピードが遅くなります。それらを補うために、ISO感度を高くして撮影するという考え方もありますが、ISO感度を高くすると、どんなカメラであれノイズが出てきますので、極力上げたくないというのが正直なところです。以上のことから、空が暗いところで、ISO感度をそこまで上げずに星空を点像で撮影するためには、赤道儀が必要ということになります。
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■使用機材:Canon EOS 5DS + EF16-35mm f/4L IS USM ■撮影環境:シャッター速度:90.0秒 絞り値:F4.0 ISO感度:6400 ホワイトバランス:蛍光灯 星空雲台ポラリエ 恒星追尾モード
 2つ目の流星の放射点方向を常に画角の中に収めるというものは、流星が降り注ぐような比較明合成写真を作りたい時のことを指します。流星群は、放射点と呼ばれる起点から四方八方に流れる特徴があり、ある一方向を撮り続けると、そこに写る流星はほぼ同じ方向から流れてきます。
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■使用機材:α7Ⅲ + FE 20mm F1.8 G 焦点距離 (35mm換算):20.0mm ■撮影環境:シャッター速度:10.0秒 絞り値:F1.8 ISO感度:6400 ホワイトバランス:蛍光灯 11枚を比較明合成
 上の写真は、8月のペルセウス座流星群の際に撮影した写真のうち、流星のみを比較明合成した作品になりますが、赤道儀を使わないで撮影した場合は、時間の経過と共に放射点の位置が変わってくるため、写り込んでくる流星の方向が最初と最後では異なってしまいます。一方、放射点方向を追尾して撮影することで、合成した時に「一点から放出される」様子を残すことができます。  もちろん、最初に映り込んでいた地上景色は時間の経過とともにずれてきますので、地上景色の写真は別に撮影して合成する必要があります。

星を点像でとること

 ここまでは追尾撮影のメリットについてご紹介しましたが、ここで一度話を戻し「星を点像で撮ること」について考えたいと思います。逆説的なことを言いますが、星は必ずしも点像で撮る必要はありません。  長時間露光や比較明合成をして星の動きを線で表現する作品があるように、「点」と「線」という2つの表現方法があるのが星空写真です。では、星を点像で撮る必要があるのはどういったシーンなのかについて考えたいと思います。それは大きく分けて3つあります。 ・写真を大きなサイズに印刷して発表したい時 ・天の川銀河の中心方向を撮影する時 ・星座や天体がテーマの作品を撮る時  一つ目の写真を大きく印刷する時ですが、A4サイズ以上の大きさに写真を印刷した時、それまで気にならなかった星のわずかな流れが目立ってきます。特に焦点距離で24mm以上になると顕著に現れます。わずかな流れというのは、言わば手ブレした作品を見ているような印象で、どんなに魅力的な構図で撮られていても残念な印象になってしまいます。撮った作品はSNSで共有するだけということであれば、気にする必要はありません。  次に天の川銀河の中心方向を撮影する時ですが、これは星景写真の被写体でもおなじみの 「夏の天の川」の一部分を指します。無数の星が集まり、まるで夜空を流れる川のように写る天の川は、誰しも一度は撮ってみたいと思う被写体ですが、その中でも、色彩豊かな星雲があり、暗黒星雲とバルジの対比が美しい銀河の中心部分は、赤道儀で撮影すべき領域です。 05.png 04.png  上の写真はシャッタースピードを360秒にして撮影した写真で、上が赤道儀を使わない撮影、下が赤道儀を使った撮影になります。追尾撮影をした写真の方が美しいのは一目瞭然です。赤道儀を使う目安としては、30秒以上の露出をかけて撮影したい時と覚えておきましょう。  最後に星座や天体がテーマの作品を撮る時ですが、具体的には「冬の大三角形を撮りたい」「北斗七星を撮りたい」「彗星を撮りたい」など、主に標準~中望遠レンズを使って撮影するようなシチュエーションの時には、星を点像で撮影する必要があります。
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■使用機材:α7Ⅲ + TAMRON 35mm F/2.8 Di III OSD 焦点距離 (35mm換算):35.0mm ■撮影環境:シャッター速度:20.0秒 絞り値:F2.8 ISO感度:800 ホワイトバランス:蛍光灯 ポラリエU 恒星追尾モード
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■使用機材:Canon EOS R + TAMRON SP 35mm F/1.4 Di USD ■撮影環境:シャッター速度:15.0秒 絞り値:F2.0 ISO感度:1600 ホワイトバランス:蛍光灯 ポラリエU 恒星追尾モード
 その際、赤道儀で追尾撮影するのに加え、ソフトフィルターなども併用すると、より星を強調して撮影することができますのでおすすめです。

ポラリエUとは

 2020年1月31日に発売されたポラリエUは、以前より発売されていたポータブル赤道儀「星空雲台ポラリエ」のイズムを受け継ぎながらも、様々な点でブラッシュアップされています。 主な点としては、 ・よりコンパクトになり、カメラバッグへの収納がしやすくなったこと ・約150g軽量化され、持ち運びしやすくなったこと ・タイムラプス撮影を意識したカスタム速度が搭載されたこと ・スマートフォンまたはタブレットの専用アプリでコントロールできること ・アルカスイス式の雲台に直接取り付けができるようになったこと などが挙げられます。  これらの変更は、ポラリエを愛用していた天文ユーザーの声を少しずつ拾い上げて改良されているということで、同社の物づくりに対する姿勢が表れています。 08.JPG

ポラリエUのモーター速度

 ポラリエUには5つのモーター速度があります。 ・恒星時に対して0.5倍速追尾 ・恒星時追尾 ・太陽追尾 ・月追尾 ・カスタム  0.5倍速は、主に星景写真撮影で使用する速度です。恒星時追尾で地上風景の流れが目立ってしまうようなシチュエーションの時に使用します。恒星時追尾は、星空をメインに撮影する時に使用します。  太陽追尾は、皆既日食や部分日食の際、太陽が欠けていく過程を一定間隔で撮影する時や、太陽の前をISS(国際宇宙ステーション)が通過する時に、その瞬間まで太陽を画角にいれておくなどの用途で使用します。  月追尾は、皆既月食や部分月食の撮影、ISSの月面通過や、惑星食(月が惑星を隠す)の撮影などで使用します。カスタム速度は、0.0倍~10倍までの間で、0.1刻みで任意の速度を設定することができ、主にタイムラプス撮影で使用します。カスタム速度の設定は、ポラリエU専用のアプリ上で行います。 09.JPG10.png

ポラリエUのセッティング

 赤道儀を使って正確に星空を追尾するためには「極軸合わせ」というセッティングが必要なります。極軸合わせとは、赤道儀の赤経軸を天の北極方向に向ける作業のことです。北半球の場合は、北極星のある位置がおおよそ天の北極方向になりますので「北極星の方向に赤道儀を向けること」と言い換えることもできます。  ポラリエUの極軸合わせには、三通りの方法があります。 ・付属のポーラファインダーを使用する方法 ・別売のポーラメーターを使用する方法 ・別売の極軸望遠鏡を使用する方法  最も基本的な方法は、ポーラファインダーを使用する方法です。ポーラファインダーには直径約9mmの素通しの穴が空いており、ここから北極星を探すことで、おおよそ極軸を合わせることができます。最初は慣れないかもしれませんが、おおよそ向いているだけでもいいのであまり難しく考える必要はありません。  次に別売のポーラメーターを使用する方法ですが、これは北極星が山などに遮られて視認できない時や、雲に隠れて見えない時に極軸を合わせることができる便利なツールです。ポーラファインダーでの極軸合わせに難しさを感じた方にもおすすめです。  ポーラメーターには、方位磁石、角度計、水準器がついており、方位磁石を北に、角度計を北極星がある高さに、水準器の気泡が円の中心にあるようにすれば、おおよそ極軸合わせは終了となります。北極星の高さは撮影する地域によって異なりますので、使用する前に調べるようにしましょう。また、方位磁石の北は、真北とはちょっとだけずれており、厳密なセッティングをするのであれば「偏角」を調べ修正してあげる必要があります。  最後に、極軸望遠鏡を使用する方法ですが、これは主に100mm以上の望遠レンズを使用する際に、より正確な極軸合わせが必要な時に行います。望遠鏡という言葉通り、拡大した視野の中で北極星を導入する必要が出てきますので、極軸微動雲台などを併用することが前提となります。 11.JPG12.JPG13.JPG  このように、ポラリエUはユーザーのレベルや使用目的によって、極軸合わせの方法を変えることができるのが魅力です。特に、別売のポーラメーターは、極軸合わせが難しいとされる南半球での撮影でも大変役に立ちますので、いずれ海外遠征を考えている方は購入を検討してみてください。

ポラリエからの改良点

 ポラリエUは、ポラリエと比べると形状がよりスクエア型になっているのが分かりますが、この形は撮影において理想的な形をしています。それは「南方向の縦構図での撮影がしやすくなった」ことです。  従来のポラリエは、横長の長方形の形をしていたため、カメラを縦構図にして南に向けると、レンズとポラリエが干渉してしまうことがありました。そのため、L 字ブラケットなどを併用して、ポラリエとカメラの距離を離して撮影する必要がありましたが、それに対してポラリエUは、縦構図にして南に向けても機材が干渉することがないため、ストレスなく撮影することができます。 14.JPG15.JPG  夏から秋にかけては、南の空に天の川が聳え立つような形になり、冬は明るい星座たちが南の空に集まります。縦構図で南の空を撮影したいというシチュエーションは年間を通して何度もありますので、この形は理にかなっています。
16.JPG
■使用機材:α7Ⅲ + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD 焦点距離 (35mm換算):44.0mm ■撮影環境:シャッター速度:20.0秒 絞り値:F2.8 ISO感度:4000 ホワイトバランス:蛍光灯 ポラリエU 恒星追尾モード
 また、ポラリエUはタイムラプス撮影にも使用することができます。タイムラプスとは、星空の日周運動などの長時間かけて変化する動きを一定間隔で撮影し、短時間に圧縮して動画として見せる技法のことです。  ポラリエUは、このタイムラプスの素材撮影の際に、構図に動きを加えることができます。ポラリエUで付与できる動きとしては、横の回転運動であるパニングと、縦の回転運動であるチルトの2つです。
 こういった動きはモーションタイムラプスと呼ばれ、タイムラプスを作る上では必須のテクニックです。  ポラリエUとカメラを別売のシャッターケーブルで繋ぐことで、専用アプリからシャッター制御をすることができます。露光中、露光停止中の回転速度や、回転方向、さらには撮影間隔、露光時間など、細かく設定することができるため、自分が理想とする動きのタイムラプスを撮影することができます。  それらを設定すると、アプリ画面に回転角度が表示されますので、ポラリエU本体に刻まれた目盛り(一目盛りは5度)と照らし合わせることで、どの程度回転するのかをシミュレーションできるのも良い点です。 17.png18.png

まとめ

 ポラリエUは、その小さく可愛らしいボディながら、発想次第ではクリエイティブな作品作りにも挑戦することができる魅力的な機材です。極軸合わせの様々なバリエーション、豊富なモーター速度やアプリを利用した制御など、これから追尾撮影やタイムラプスに挑戦したいと思っている方からすでに撮影されているベテランの方まで、幅広いニーズに答えてくれる機材です。  ビクセンの公式YouTubeチャンネルでは、ポラリエUを使用して撮影した星景タイムラプスムービーをアップしておりますので、ぜひそちらもご覧いただければと思います。 ■写真家:北山輝泰 東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。天文台インストラクター、天体望遠鏡メーカー勤務を経て、2017年に写真家として独立。世界各地で月食や日食、オーロラなど様々な天文現象を撮影しながら、天文雑誌「星ナビ」ライターとしても活動。また、タイムラプスを中心として動画製作にも力を入れており、観光プロモーションビデオなどの制作も行っている。星空の魅力を多くの人に伝えたいという思いから、全国各地で星空写真の撮り方セミナーを主催している。セミナーでは、ただ星空の撮り方を教えるのではなく、星空そのものの楽しさを知ってもらうために、星座やギリシャ神話についての解説も積極的に行なっている。

第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ

main-1.jpg  ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。宙(そら)は、もっとも身近にある、スケールの大きな被写体です。満天に星の広がる高原や海辺から、歴史的な建造物とともに、都会の景色の中で、あるいはご自宅からも、星空を撮影することができます。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。お一人何点でもご応募可能です。 ・募集締め切り:11月30日(火) ・募集テーマ:星にまつわる8つのテーマ(国内・海外問わず) (1)自然風景 (2)山 (3)海 (4)建造物 (5)水鏡 (6)天体写真(星雲星団、惑星など) (7)月 (8)自由 ・応募方法:プリントまたはWeb ・各賞:グランプリ(1作品)ビクセンオンライン商品券5万円分 + 「星空雲台 ポラリエU」 ほか 詳細はビクセンホームページをご覧ください。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 星景写真家・写真講師の北山輝泰さんによるビクセンの星空雲台「ポラリエU」レビュー記事です。 製品の特徴や使い方を作例と併せてご紹介しています。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,赤道儀,ポラリエU,星景_天体 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック|菅原貴徳 BASENAME: 483282597.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 菅原貴徳 DATE: 09/07/2021 16:00:00 TAGS: 撮影テクニック,野鳥 ----- BODY: はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック

はじめに

 このところ、野鳥撮影が人気のようです。確かに公園や森を散策すると、超望遠レンズを持った方によく出会います。私は小学生の頃に野鳥の魅力に出会い、以来、観察や撮影を楽しんでいますが、高価で重量級の、いわゆる“大砲レンズ”以外の選択肢がなかった当時を思うと、このところの各社のレンズ(特に超望遠ズーム)、カメラの充実したラインナップには隔世の感があります。  野鳥たちが魅力的であり、多くの人の関心を誘うことは必然的なこと。そして、機材も充実した今、撮ってみたいと思うのも自然なことでしょう。同時に、野鳥たちには野鳥たちの暮らしがあって、撮影や観察する際には「お邪魔している」という謙虚な気持ちを常に忘れないようにしたいものです。  今回の記事では、最初に知るべき基礎的な心構えにも触れつつ、最も初歩的なところ、どのように野鳥撮影をはじめるとよいかをご紹介したいと思います。

野鳥撮影の醍醐味とは

 野鳥撮影の醍醐味とは、写真を撮るという目的・行為を通して、野鳥たちのことを知っていくことにあると考えています。例えば、図鑑を1冊めくることや、関心を持って歩くようになると、身近なところにも色々な鳥が暮らしていることに気がつきます。  フィールドではいきなりカメラを据えるのではなく、一歩引いた距離から観察するようなアプローチをすることで、いざ撮影となった時にいい成果を生むことができます。  例えば、魅力的な飛翔写真を撮影したいと思った時、飛翔ルートがわかれば、背景や光線も考えて位置取りをし、カメラの設定も整えて待つことができます。遠回りのようで、実はその過程で得る経験や知識は興味深いものばかりですし、そうして得た1枚には思い入れも宿るでしょう。    下の写真は、秋の水辺に浮かぶオシドリ。日本にも魅力的な鳥がたくさんいます。
はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック作例
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/80 ■絞り優先モード 35mm判換算1000mm相当

野鳥撮影の機材 カメラとレンズ

 飛翔撮影、特にカワセミやツバメのような小鳥を対象にするのであれば、AFのポイント数や速度がより優れているハイエンドの一眼レフやミラーレスが有利です。一方、サギ類やハクチョウ類のような大型の鳥であれば、高倍率ズーム機能付きデジカメのような機種でも十分撮影可能です。  システムを組む上で大切な指標のひとつは、「〇〇mm相当」と表記される、俗に言う35mm判換算と呼ばれる焦点距離です。人の生活圏に住み、ある程度に人に慣れた大型の鳥であれば、300mmや500mm相当の焦点距離の範囲でも撮影できますが、日本の野鳥は警戒心が強いものが多く、800mmや1000mm相当の焦点距離をもってしても、なかなか思う大きさに撮影できないことが少なくありません。また、地形的にそもそも近付けない状況も多々あります。  そのため、基本的に長ければ長いほど撮影チャンスは多くなると言えます。35mm判換算の焦点距離をそれぞれ1.5倍、2倍に伸ばしてくれる、APS-Cやマイクロフォーサーズといったセンサーサイズが、望遠系の撮影では有利になるのはこのためです。超望遠の狭い画角になれるのは、最初は大変かもしれませんが、野鳥に近づく労力に比べれば微々たるものです。  超望遠レンズを使うことで、野鳥と離れたところから撮影できるということでもあります。つまり、無理に接近して飛ばせてしまう、というような、野鳥へのプレッシャーも軽減できます。鳥の方が安心していれば、結果的にゆっくり、じっくりと撮影できることにもなります。近年は、高性能で比較的手ごろな価格帯の超望遠レンズも増えてきました。野鳥への配慮、という観点からも、ぜひ超望遠レンズの導入を検討して欲しいと思います。    下の写真は街中の川に暮らすコサギを、散歩の途中で撮影したものです。比較的大型の鳥なので、鞄に入る小型のシステムでも充分でした。
はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック作例2
■使用機材:フジフイルム X-T4 + XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR + XF1.4X TC WR ■撮影環境:ISO 400 F8.0 1/1900 ■絞り優先オート 35mm判換算630mm相当
 下の写真は、都内の緑地でも普通に見られるキツツキの仲間、コゲラです。大きさはスズメほど。鳥が小さい上、木の上にいて近づけないので、35mm判換算1000mm相当のシステムでもこの大きさに写すのには苦労します。
はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック作例3
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/125 ■絞り優先モード 35mm判換算1000mm相当

野鳥撮影の機材 三脚と雲台

 カメラやレンズに搭載の手ぶれ補正や、カメラの高感度耐性の向上によって、手ブレ防止という観点で見れば、その心配はある程度解決されているように思います。最初の鳥の見つけ方をよく知るべき段階では、機動性を重視して手持ち撮影専門や、軽めの三脚にとどめるのが良いと思います。  三脚が重宝するのは、野鳥を待ち伏せる時。野鳥は追いかけると逃げますが、静かに待ち伏せていれば近づいてきてくれることがあります。三脚にカメラが据わっていれば、野鳥の出現時にカメラを構える動作を小さくすることができ、野鳥を驚かせにくくすることができます。  雲台は、野鳥撮影で使うレンズには三脚座がついていることが多いので、ビデオ雲台や2WAY雲台が使いやすいでしょう。“大砲レンズ”とジンバル雲台の組み合わせは野鳥の素早い動きに対応するのに人気がありますが、大きく、そして重いので、どうしても機動性が落ちます。観察を通して、待つべきポイントが明確であれば重宝しそうです。  下の写真は、ジッツオGT2532三脚に、レオフォトのビデオ雲台 BV-10の組み合わせ。間には、スリック レベリングユニット2を挟んでいます。動きを連続的に追うためには、雲台自体が水平であると快適になります。 はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック機材

野鳥撮影の機材 双眼鏡

 上述のように、機材の軽量化が進み、身軽に散策することができるようになったからこそ、ぜひ充実させて欲しいと思うのが観察機材。その代表格が双眼鏡です。カメラのファインダーと比べると、両眼視できることで目も疲れにくく、視野が広いため鳥も見つけやすいといったメリットがあります。  いい写真を撮るという観点から言えば、そもそも写真とは、他人に伝えたいなにかを見つけた時に、伝えるための手段です。よく鳥を見て、魅力的な仕草や角度を見つけることが、いい写真の第一歩。ぜひ、その時間を楽しんで欲しいと思います。  カメラレンズと同様、対物レンズ径が大きくなるほど明るいのですが、当然重くなります。視野が広い8から10倍、口径25から32mmくらいが使いやすいでしょう。防水機能も野外では重宝します。

カメラ設定のポイント

 まずAF設定は、C-AF(コンテニュアスAF)を基本にし、うまくピントが合わずAFが迷ってしまう場合はS-AF(シングルAF)への切り替えを考えると良いかと思います。AFターゲット(AFエリア)は、小さすぎると野鳥の動きに対応しづらく、大きすぎると障害物に合焦します。概ね、画面の面積の20~50%程度をカバーする範囲で調整すると良いでしょう。  画面内の鳥が小さい時はより小さく、逆に大きい時は拡げるといいと思います。機種によっては、鳥認識AFや動物の瞳認識AFといった機能がサポートしてくれる場合もあります。機種ごとの差が大きい部分でもありますので、お手持ちのカメラで試してみましょう。  私は、新しいカメラを手に入れた際は、身近なカラスやハトを対象にして、特性が理解できるまで練習してから実際の撮影に導入するようにしています。  連写はなるべく速い方が有利です。ミラーレスカメラでは、連写速度を最大にすると、AFやAEが追従しなくなる場合があるので注意しましょう。  露出制御は、最もよく使うのは「絞り優先オート」です。絞りを開放にしておくことで、レンズの明るさを担保しながら、適切なシャッタースピードをカメラが決めてくれます。「ISOオート」と組み合わせることで、任意のシャッタースピードを下回った時に、自動的にISO感度を上げてくれるように設定できます。自身のシステムで、手振れが起きやすいシャッタースピードを事前に知っておき、設定時の参考にしましょう。  「シャッタースピード優先オート」や「マニュアル露出」は、鳥の羽ばたきを確実に止めたい、あるいは流し撮りをしたいなど「シャッター速度を使った表現」を目指す時に使います。ちなみに、小鳥が飛び立つ瞬間を止めるには、最低でも1/2500、できれば1/4000程度の高速シャッターを切りたいところです。    下の写真のアオサギのように、大型の鳥は飛翔速度が比較的遅いので、練習に良いでしょう。より小型の鳥でも、動きに合わせてカメラを振ることができれば1/500や1/1000程度のシャッター速度でも飛翔を写すことができます。
はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック作例4
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/800 ■絞り優先オート 35mm判換算600mm相当

まずは水辺からはじめよう

 さて、野鳥撮影を始めたいと思った時、最初にいく場所としては、山野よりも水辺がおすすめです。その理由を挙げると、 1.開けているので、野鳥の姿を見つけやすいこと 2.カモ類やサギ類、ハクチョウ類など、大型で見つけやすく、かつ動きが比較的ゆっくりしているものが多いこと 3.光が潤沢なので、ブレを抑えやすいこと などがあります。  ベストなのは、市民の憩いの場になっている、池の周りが遊歩道になっているような場所。人の姿を見慣れている鳥たちも多いので、比較的近くで撮影できるチャンスが期待できます。特に秋から春にかけては、多種のカモ類がやってきて賑やかです。撮影の際には、一般の方の邪魔にならないよう、カメラを構える前に周囲を見回す配慮をしましょう。
はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック作例5
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:ISO 320 F4.5 1/640 ■絞り優先オート 35mm判換算40mm相当
はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック作例6
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1 mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/2500 ■マニュアル露出 35mm判換算800mm相当
 下の写真のように、小鳥が羽ばたく瞬間も、光が潤沢な水辺なら撮影チャンスが多くあります。虫を追い、石を転々と飛び回るハクセキレイを、プリ連写機能と高速シャッターの組み合わせで写し止めました。
はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック作例7
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 800 F5.6 1/4000 ■マニュアル露出35mm判換算1000mm相当 ■プロキャプチャーモード(プリ連写機能)
 水辺では、人気のあるカワセミの発見も期待できます。小さい鳥なので、慣れないうちは見つけるのが難しく感じるかもしれませんが、コツを掴めば案外身近なところにも多く生息している鳥だとわかります。  カワセミを発見するには、まずは双眼鏡で、杭の上や、水面に張り出た枝をみる癖をつけること。カワセミは、概ね水面から1~10m程度の高さから水に飛び込んで魚を捕らえます。次に、声を覚えること。カワセミの声は特徴的で、自転車のブレーキのような、金属的な声です。  カワセミに限らず、生態を知ることや声を気にすることで、発見できる鳥の数は飛躍的に増えていくはずです。開けた水辺と違い、森の中ではより声が重要です。まずは水辺でトレーニングをして、徐々にいろんな環境に出かけるようにすると良いでしょう。
はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック作例8
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 250 F4.5 1/320 ■絞り優先オート 35mm判換算800mm相当

野鳥について、知ってほしいこと

 野鳥と接する上で、鉄則と言えることをいくつか紹介します。冒頭に示したように、「お邪魔している」という謙虚な気持ちを持つことはもちろんですが、以下のようなことを心がけると、鳥との距離が縮まる可能性があります。

1.すべての動作を、ゆっくり、ちいさく、静かに!

 急に立ち上がる行為、三脚を振り上げるのはNG。カメラを構える動作もゆっくり行いましょう。

2.情報発信は慎重に!

 人気のある鳥の居場所をSNSに晒してしまうと、人が集まってしまいます。特に子育ての時期は、カメラマンが集まることで天敵を呼び寄せることにつながるため、怯えて子育てを放棄する事件が毎年起こっています。すぐにSNSに公開せず、子育てが終わってからにするなどの配慮が必要です。

3.自分のシルエットを小さく見せる

 立つよりしゃがむ、半身を植え込みや木の幹の影に隠す、大勢で群れないなどを心がけると、鳥も安心します。  下の写真は、地上で食べ物を探すツグミです。立って近づくと飛び去ってしまいますが、低い姿勢で待つようにすると、近くに来てくれることもあります。背景も綺麗にボケやすいので、写真的にもメリットがあります。
はじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック作例9
■使用機材:オリンパス OM-D E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS ■撮影環境:ISO 500 F6.3 1/250 ■絞り優先オート 35mm判換算800mm相当

最後に

 いかがだったでしょうか。野鳥撮影は、相手が思う通りに動いてくれないことも多く、難しく感じるかもしれません。しかし、大事なことは、野鳥のことを知り、思いやる気持ちを持つことです。  一見、テクニックとは関係のないように思われてしまいそうですが、鳥が飛び立たない距離で立ち止まることができれば、鳥の生活の邪魔をせずにすみますし、結果的に撮影チャンスも広がります。そして、じっくり撮影できれば愛着も湧くことでしょう。  いつまでも野鳥撮影を楽しめるように、鳥や周りの環境にも敬意を払いながら、奥深い野鳥の世界を楽しんでいきましょう。 ■写真家:菅原貴徳  1990年、東京都生まれ。幼い頃から生き物に興味を持ち、海洋学や鳥の生態を学んだ後、写真家に。野鳥への接し方を学ぶ講座を開くほか、鳥が暮らす景色を探して、国内外を旅するのがライフワーク。著書に最新刊『図解でわかる野鳥撮影入門』(玄光社)ほか、『SNAP!BIRDS!』(日本写真企画)などがある。日本自然科学写真協会会員。 オリンパスカレッジ講師。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の菅原貴徳によるはじめての野鳥撮影方法とコツ・テクニック記事です。作例と併せて野鳥撮影の始め方をマスターしましょう。 ----- KEYWORDS: ペット_動物,撮影テクニック,鳥,菅原貴徳 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: テスト高橋伸哉さん BASENAME: 483297390.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 高橋伸哉 DATE: 09/07/2021 19:12:14 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USM×ポートレート|大村祐里子 BASENAME: 483293604.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 大村祐里子 DATE: 09/08/2021 16:00:00 TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF100mm F2.8 L MACRO IS USM,ポートレート(人物),単焦点 ----- BODY: 10_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリング少し-.jpg

はじめに

 2021年7月15日に発売となった、キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USM。名前の通り、マクロレンズです。今回は、EOS R5にこちらのレンズを装着してポートレートを撮影してみました。当記事では、マクロレンズの機能を一つずつご紹介するのではなく、マクロレンズである当レンズをポートレート撮影に使ったらどういったところが面白かったか、という視点でお話させていただきます。 ▼大村祐里子さん執筆のEOS R5レビュー記事はこちらからご覧頂けます。 大村祐里子さん執筆のEOS R5レビュー記事の画像.jpg

SAコントロールリングでボケ描写を変える

01_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMの製品画像.jpg  F2.8の100mmマクロ、という観点でみると、かなりスリムな印象である当レンズ。手が相当小さい私でもしっかりとホールドできます。現場に手伝いに来てくれた人も「これで100mmなのですか!小さいですね!」と驚いていました。  このレンズの特筆すべきポイントは「SAコントロールリング」です。公式HPを見てみると、SAコントロールリングとは、リングを回すことで、SA(Spherical Aberration:球面収差)を変化させ、ボケの輪郭をやわらかくしたり硬くしたり自在なボケの描写を可能にするもの、とのこと。  実際に、同一シチュエーションでSAリングの回転方向を変えてみて、その描写を比較してみました。まずはSAコントロールリングを動かさず、ノーマルな状態で撮影したものをご覧ください。
02_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリングノーマル.jpg
■SAリングはノーマル ■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO100 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 次に、リングを「-」方向いっぱいに回転させてみました。背景がグルグルと柔らかくボケて、全体的にソフトフォーカスがかかったような雰囲気になりました。
03_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリング-.jpg
■SAリングは-方向に回転 ■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO100 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 今度は、リングを「+」方向いっぱいに回転させてみました。背景の玉ボケの輪郭がクッキリとして、ボケの主張が強めな印象になりました。全体的にソフトフォーカスがかかったような雰囲気なのは、さきほどと似ています。
04_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリング+.jpg
■SAリングは+方向に回転 ■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO100 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 このように、当レンズはSAコントロールリングを回転させることで、本当に同じレンズなの?と驚いてしまうほど、異なるボケの描写・ソフトフォーカス効果が楽しめます。その点が非常に個性的で面白いなと感じたので、この日は当レンズのボケの描写やソフトフォーカス効果を存分に取り入れた作品づくりをしたいなと思いました。

ノーマルな状態で撮ってももちろん良い!

 と、ここまでSAコントロールリングを回転させる話ばかりしてしまいましたが、もちろんノーマルな状態で撮っても、とても良いです。線がスッキリとしていて、キヤノンらしい描写だなと思いました。個人的には自分の作風に合っていて好みです。
05_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリングノーマル.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/100 ISO400 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
06_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリングノーマル.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/4 1/100 ISO400 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 100mmという焦点距離ゆえに歪みもほとんどないので、マクロレンズという名称ではありますが、ポートレート撮影でも大変使いやすいレンズだなと思いました。

ソフトフォーカスを生かした優しい絵作り

 この日のモデルさんは女性らしい雰囲気で、お花を持っていただいたらさらに柔らかい空気をまとわれるようになりました。その空気感が伝わるような作品にしたいなと思い、SAコントロールリングを「+」に回転させて、背景とモデルさんのお顔はちょっと硬めに描写してしっかりと見えるようにし、逆に手前のお花は大きくぼかして、柔らかさが出るようにしました。
07_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリング+.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/100 ISO400 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 今度は、先ほどと反対に、お花を主題にして、モデルさんが背景に佇んでいるような構図にしました。SAコントロールリングを「-」に回転させて、背景は大きくぼかしながら、手前のお花はある程度見えるようにしました。
08_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリング-.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/100 ISO400 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 キラキラとした木漏れ日をバックに微笑むモデルさんが眩しかったので、SAコントロールリングを「+」に回転させて、背景の玉ボケをあえて強調してキラキラ感を高めてみました。ソフトフォーカス効果ゆえのハイライトのにじみが、私の感じた眩しさをうまく表現してくれたように思います。
09_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリング+.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/125 ISO125 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 太陽を背に、お花を覗き込むモデルさんが輝いて見えました。お花や表情感はしっかりと描写しつつ、背景はなだらかにぼかして、私がこの場所で感じた空気をそのまま写し取りたいと思いました。SAコントロールリングを少しだけ「-」の方向に回して、過剰にボケないようにし、適度なソフトフォーカス効果が残るくらいの絵にしています。
10_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_SAリング少し-.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/3.2 1/60 ISO400 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 リングの回転加減で、ボケやソフトフォーカスの量を調節できるのはとても良いなと思います。

パーツのアップもおまかせあれ

 当レンズは撮影倍率1.4倍、最短撮影距離:0.26mのマクロレンズです。ゆえに、マクロ撮影はお手の物。
11_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_マクロ.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/80 ISO400 ■モデル:川口紗弥加
 ポートレートにおいてマクロ撮影はしょっちゅう行うものではないですが、写真を組んだときに、ときどきパーツのアップが入っていたりすると、作品全体にリズムが生まれます。 今回も、パーツに寄った撮影をしてみました。瞳にだって、こんなに寄れてしまいます。このくらいのアップの絵があると、組写真を作りやすくなるのでありがたいです。 モデルさんが見つめているものまでハッキリとわかります。レンズフードがお顔にぶつかりそうになるくらいまで寄れるので、緊張しました。
12_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_マクロ.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/60 ISO640 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 モデルさんがしていたイヤリングがかわいかったので撮影しました。「あ、いいな」と思ったパーツに躊躇なく寄れるレンズは、ポートレート撮影においてとってもありがたい存在だなと思いました。

ノスタルジックな表現にも

 このレンズは、優しくて柔らかい表現だけではなく、ノスタルジックな表現も得意です。トンネルを通りがかったとき、そこを歩くモデルさんを「柔らかくて優しい」というよりは、どこかノスタルジックに感じました。その感じをこのレンズで表現できないかな?と思い撮ってみたところ、まさに私が思い描いていたような絵になりました。
13_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_モノクロ.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/80 ISO100 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
14_キヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影した作例_モノクロ.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:f/2.8 1/320 ISO100 ■モデル:川口紗弥加、ヘアメイク:齊藤沙織
 ソフトフォーカス効果と大きなボケは、どこか昔懐かしい雰囲気の写真に仕上げてくれます。モノクロにしてみると、よりそれが誇張されるように思います。

ショートムービー

 4K・DCI(4096×2160)、通常画質、29.97fps、Canon Logで撮影しています。全編、手持ちです。レンズの描写を生かして、ふんわりと優しい雰囲気に仕上げてみました。

おわりに

 一本で、様々な描写が楽しめるRF100mm F2.8 L MACRO IS USM。マクロレンズとしてはもちろんですが、ポートレートを撮影するためのレンズとしても、非常に優秀だと思いました。ノーマルな状態でも良いですし、SAコントロールリングを活用して、大きなボケやソフトフォーカス効果を楽しまれてみてはいかがでしょうか。 ■モデル:川口紗弥加 ■ヘアメイク:齊藤沙織 ■写真家:大村祐里子 写真家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、人物撮影をメインとし、雑誌・書籍・Webでの撮影・執筆など、さまざまなジャンルで活動中。趣味はフィルムカメラを集めて、使うこと。 2020年3月に『フィルムカメラ・スタートブック』(玄光社)を出版。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の大村祐里子さんがポートレートでキヤノン RF100mm F2.8 L MACRO IS USMをレビューしています。ボケの輪郭を調整するSAコントロールリングを使った作例を中心に製品の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: キヤノン,Canon,レンズ,レビュー,人物,ポートレート,RF100mm F2.8 L MACRO IS USM,SAコントロールリング,大村祐里子 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: タムロン 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD レビュー|お手軽価格だけど超広角&鋭い高画質! BASENAME: 483292333.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 成澤広幸 DATE: 09/09/2021 16:00:00 TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,11-20mm F/2.8 Di III-A RXD,広角ズーム,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック ----- BODY: 01_top.jpg

基本情報【外観・スペック】

02_タムロン11-20mm.JPG  TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD(MODEL B060)は、2021年6月24日に発売された小型・軽量な超広角ズームレンズ。価格は希望小売価格で102,300円 (税込)。対応マウントはソニーAPS-CサイズのEマウントで、焦点距離は35mm判換算16.5~30mm相当をカバーします。ズーム全域でf2.8を実現しており、ミラーレス一眼カメラ専用設計となっています。  近年タムロンのレンズは小型軽量化に力を注いでいるように感じますが、このレンズも同じで他社から発売されている超広角ズームレンズと比較すると圧倒的に小さく軽い。その重さはなんと335g。α6600に装着した感じはとても使い勝手のよさそうな印象を受けます。 03_製品画像.JPG          
04_装着画像.JPG
α6600に装着するとこんな感じのサイズ感
 フィルター径は67mm。同社で発売されているレンズには67mm径が多いので、フィルターやレンズキャップの使い回しができるのは地味に嬉しいポイントだったりします。ズームリング・フォーカスリングの動きは適度に滑らかです。これだけ小型軽量だと写真だけでなく、動画撮影時はジンバルでの運用もしやすそうです。  そしてこのレンズ、最短撮影距離は広角端11mmで0.15m、望遠端20mmで0.24mを実現したということで、超広角レンズにも関わらずかなりの近接撮影ができる仕様のようです。

私ならこう撮る~作例の紹介~

05_作例.jpg
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD + H&Y Soft GND 0.9 ■撮影環境:ISO100 f22 SS1.3秒 焦点距離26mm(35mm換算) 三脚使用、Photoshop CCで画像処理
 あじさいの咲く雲海スポットで撮影。広角レンズの近接撮影は通常のマクロと違い、構図内にいろいろなものを入れることができます。この構図はかなり花に近寄って撮影していますので、背景がボケすぎてしまわないようf22まで絞り込みました。回折現象よりもパンフォーカス感を求めた上での設定です。
06_作例.jpg
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD + H&Y Soft GND 0.9 ■撮影環境:ISO100 f22 SS2秒 焦点距離24mm(35mm換算) 三脚使用、Photoshop CCで画像処理
 奥行きの表現がとても楽しいレンズだと思いました。また、この撮影では絞り込みすぎていますが、f8程度で撮影するとバッキバキにシャープに撮れます。f22まで絞り込んだときの回折現象が気にならないのは、もともとレンズのポテンシャルが良いからかもしれません。
07_作例.jpg
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD + H&Y Revaerse GND 1.2 ■撮影環境:ISO100 f6.3 SS4秒 焦点距離16.5mm(35mm換算) 三脚使用、Photoshop CCで画像処理
08_作例.jpg
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD + H&Y ND32-CPL + Balancer GND 1.2 ■撮影環境:ISO200 f8 SS30秒 焦点距離16.5mm(35mm換算) 三脚使用、Photoshop CCで画像処理
 これだけの超広角レンズなら、とにかく風景写真が楽しい。広い範囲を切り取ることで自然の雄大さというのを表現できる気がします。そしてこれだけの超広角レンズなら星空も撮ってみたいと思いますよね。星空適正を調べてみました。 09_作例.jpg
左上.png
左上を拡大
中心.png
中央を拡大
右上.png
右上を拡大
 中央と端の星を200%で拡大してみました。中央はびっくりするくらい鋭い星像です。端の星も極端に肥大することなく、平坦性を保っているように見えます。若干の周辺減光が見られますが画像処理で簡単に補正できる程度で軽微なものです。これは驚きました!価格を考えると性能よすぎませんか?(笑)画像処理して仕上げてみました。
10_作例.jpg
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD ■撮影環境:ISO12800 f2.8 SS10秒 焦点距離16.5mm(35mm換算) 三脚使用、フリーソフトSequatorで13枚を加算平均合成、Photoshop CCで画像処理
 月明かりの下で撮影したので空が少し青みがかっています。手前の風景が明るいのは街灯があった影響です。画像処理時に彩度を下げています。この加算平均合成という手法は同じ構図で撮影した画像を合成してランダムノイズを軽減するというもので、周辺が肥大しているレンズで行うとさらに星が肥大してしまうため、周辺までしっかりと点で撮影できるレンズでなくては効果を発揮できません。「TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」は、こういった表現方法にも適応できる素晴らしい描写性能を備えていることがわかります。
11_作例.jpg
■撮影機材:SONY α6600 + TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD ■撮影環境:ISO12800 f2.8 SS10秒 焦点距離16.5mm(35mm換算) 三脚使用、フリーソフトSequatorで14枚を加算平均合成、Photoshop CCで画像処理
 この構図ではわかりにくいですが、かなり上にカメラを向けています。それだけ天の川の位置が高い時間帯に撮影していたということになります。通常のレンズではこういう構図を撮ると風景部分がカットされます。星空も風景も、めいっぱい写せるのは超広角レンズならでは。星景写真の場合は超広角レンズを使用することで構図の自由度が上がります。これほどの広い画角を持ったレンズは高価なものばかりですが、対してこのレンズは10万円前後。より幅広いユーザーに星空を楽しんでもらえるレンズだと感じました。

APS-C業界からみた本レンズの立ち位置

 実はAPS-Cサイズのカメラでは星空撮影向きのレンズが少ないのをご存知でしょうか。ソニー、富士フイルム、ペンタックス、キヤノンでAPS-C用レンズ、しかもf2.8で焦点距離20mm以下の超広角レンズで絞ると、実は数本しかないんです。「星空撮影はフルサイズ」というイメージがあるせいか、各社フルサイズ用のレンズで星空向きのものを開発しているんですよね。  そのため、純正で該当商品があるのは富士フイルム「XF8-16mmF2.8 R LM WR」(でもとても高価)と、ペンタックス「HD PENTAX DA★11-18mm F2.8ED DC AW」くらいではないでしょうか……。APS-Cユーザーが星空撮影を楽しむには、レンズ選びというハードルがあると認識しています。  そこで登場した「TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」。うーん、ソニーユーザーは本気で羨ましいぜ。ぜひとも他のマウントでも発売して欲しいと願うばかりです。

まとめ

 今夏は晴天が少なく、充分な撮影ができませんでしたが、それでもこのレンズの素晴らしさ、コスパの良さを身を持って体感することができました。ソニーAPS-Cユーザーなら1本持っていて間違いのないレンズと言えるでしょう!  私のYouTubeチャンネルでも、このレンズを紹介している動画があります。こちらもぜひご覧ください。
■写真家:成澤広幸 1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。 ・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」 ・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 星系写真家の成澤広幸さんによる、「TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」レビュー記事をお届け。超コンパクトで手ごろな価格、星空撮影にぴったりのレンズを紹介します。 ----- KEYWORDS: タムロン,Tamron,広角ズームレンズ,11-20mm F/2.8 Di III-A RXD,レビュー,星景_天体 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。Vol.7|ライカQ2モノクローム BASENAME: 483324999.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山本まりこ DATE: 09/10/2021 11:00:00 TAGS: Q2モノクローム,ライカ(Leica) ボディー,ライカとカレー,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: 01_ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。Vol.7|ライカQ2モノクロームのTOP画像.jpg

はじめに

サルスベリの鮮やかなピンク色が青空に揺れている。 もうすぐ夏の終わり。 先日我が家に届いたライカQ2モノクローム。 デジタルカメラとしては世界で初めてモノクローム撮影専用の撮像素子を搭載している。さらには有効4730万画素の撮像素子、シャープな描写を可能にする大口径レンズ「ライカ ズミルックスf1.7/28mm ASPH.」を搭載しているフルサイズのコンパクトカメラ。簡単に言い変えると、ライカのモノクローム撮影専用のフルサイズコンパクトカメラだ。本体はマットなブラック。さらに、本体正面にはライカ伝統の「Leica」の赤いロゴを配さずに、モノクロームというコンセプトを強調している。 ライカ、モノクローム撮影専用、レンズが一体になっているカメラ。それを聞くだけで何だか心がうずうずする。早く撮りに行きたい。 02_ライカQ2モノクローム製品画像.JPG この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、毎回山本まりこが異なるライカカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をする。そしてカレーを食べて帰ってくる、という内容の企画。早いもので、今回は連載の第7回目。 以前、ライカQ2で撮影し、高い機動力とその描写に感激した私は、ライカQ2モノクロームが発売されたと聞きぜひ撮影したいと思い続けてきた。さらに、ライカM10モノクロームで体感したライカのモノクロームの描写の美しさに惹かれていたので、ライカQ2の高い機動力と描写性能、そしてライカのモノクロームの描写の美しさ、そのどちらも共有したカメラであるライカQ2モノクロームで撮影できる日を待ち望んでいた。以前の記事はこちら。気になる方はぜひ読んで欲しい。
03_ライカとカレーVol.3のTOP画像.jpg
ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.3|ライカM10モノクローム+ズミルックスM f1.4/35mm ASPH.
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ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.4|LEICA Q2

AREA8.5

私の住む神奈川県の小さな海まち二宮町(にのみやまち)は、東海道五十三次の宿場町の大磯と小田原の真ん中にある。 東海道五十三次とは、江戸時代に整備された五街道の一つで東海道にある53の宿場を指し、または、日本橋から京都までの53の宿場町を繋げたものを言う。歌川広重の浮世絵木版画の連作はきっと見たことがあるだろう。ちなみに日本橋から京都までは492kmあるのだそう。品川が第1番目の宿場町で、大磯は8番目、小田原は9番目。その真ん中にある二宮町周辺をAREA8.5(エリアはってんご)とし、町の中にAREA8.5の壁画が描かれていたり、イベントなどが開催されたり、と盛り上がっている。 先日、二宮町の老舗の印刷会社フルサワ印刷さんと知り合ったとき、東海道五十三次が描かれた歌川広重の絵が表紙のノートをいただいた。1枚に印刷してあるプリントもいただいた。そのプリントは今の印刷機ではもう印刷できないのだそうだ。その中に、なんと、二宮の海岸あたりを描いたものがあった。 「これは二宮なのよ。」 と見せていただいた絵を見て、ゾクゾクと体と心が動いた。 05_作例.JPG そこには、鶴が舞い、大きな富士山が描かれていた。 江戸時代、今から200年前は、二宮町にこんな景色が広がっていたのだろうか。 今回は、ライカQ2モノクロームとこの景色の中を歩いてみたいと思った。

旅の始まり

自宅を出ると、サルスベリの花の奥に月がうっすらと見えた。 昼間の月の儚げさはいつ見ても美しいなと思う。 06_作例.JPG さあ、二宮駅に行こう。

二宮駅へ

本日は真夏、気温33℃。 二宮駅から、歩けるところまで歩いてみよう。 そして、帰りに電車に乗って帰って来よう。 07_作例.JPG 08_作例.JPG 09_作例.JPG 10_作例.JPG 11_作例.JPG 12_作例.JPG 13_作例.JPG 14_作例.JPG 15_作例.JPG 16_作例.JPG 二宮駅に着くまでに思ったのは、カメラが変わると、撮りたいと思う被写体が変わってくるということ。特にライカQ2モノクロームは、モノクローム撮影専用カメラということもあって、視界と脳内で注目する被写体が確実に変わることを実感した。いつもは、お花や植物や空などを見ていることが多いけれど、このカメラで撮影していてふと気づくと、コンクリートや、鉄や、建造物を撮っている時間も多い。もう一人の自分の脳内を覗いているようだ。そして、いつも歩いている町の別の顔が見えてくるようだ。 ああ、なんて楽しいのだろう。

海へ

ライカQ2モノクロームは、フルサイズセンサー搭載のレンズ付きコンパクトカメラ。その身軽さは魅力だ。そして、やはりモノクロームの黒の引き締まり具合にグッとくる。JPEG設定で、コントラストやシャープネスの強弱は自由自在に設定できる。キリっとも、ふんわりも、自在だ。 17_作例.JPG 18_作例.JPG そして、カメラ内のクロップ機能を利用すれば、ズームが可能。搭載されているのは、28mmのズミルックスレンズ。デジタルズームで、35mm、50mm、75mmのズームが可能。単焦点レンズではあるけれど、ズームレンズのように利用できるのはとても便利だ。 よく行く袖ヶ浦(そでがうら)海岸(かいがん)に向かう海が見える坂の景色を撮影した。 ■28mm 19_作例.JPG ■35mm 20_作例.JPG ■50mm 21_作例.JPG ■75mm 22_作例.JPG 28mmの広角側から、75mmに切り替えれば、背景をギュッと圧縮して撮ることが出来る。クロッピング撮影時の画像は、35mm、50mm、75mmの各レンズ相当の画角の設定でそれぞれの記録画素数は、4730万画素、3000万画素、1470万画素、660万画素。 撮影していて、ライカQ2モノクロームはとても軽快に撮影できるカメラだなと思った。例えば、MENUボタンを押す場合、1回押せばMENU1、2回押せばMENU2に画面が切り替わる。また、画面がタッチで操作できるのも便利だ。タッチでシャッターを切ることができ、タッチでMENU画面も操作でき、再生した写真は液晶画面上で指を使って拡大できる。スマホ感覚でスムーズに設定できて撮影できるのは爽快。それが、ライカのカメラで出来るところが嬉しい。 23_作例.JPG

東海道五十三次の香り

袖が浦海岸に降りると、見えてきた。 そう、東海道五十三次AREA8.5の壁画。 24_作例.JPG 漁師が地引網をしている壁画。モノクロなので補足すると、鮮やかなブルーがとても美しい絵だ。この袖が浦海岸では毎朝、漁師船市五郎(いちごろう)丸(まる)が出航する。日の出の頃、たくさんの漁師さんが集まり賑やかになる。観光地引網も行うことができる。私も以前一度地引網を体験したことがある。透明でぷりぷりのシラスや金色のアジやボラなどが獲れた。自宅に持ち帰り、みんなで捌いていただいたご飯は本当に美味しかった。 25_作例.JPG 26_作例.JPG 27_作例.JPG 東海道五十三次は昔の事だと思っていたけれど、でも、こうやって壁画を見ると、今もその香りを引き継いで意識を残していくことはとても素敵なことだと思った。 始めに書いたけれどこの日は真夏、気温33℃。 少し歩くだけで汗が流れる。日陰に入ってすうっと風が吹いたときの気持ち良さは格別。しばらく高架の下で風に吹かれながら海を眺めた。 モノクロは涼やかに見える効果もあるのだと思う。

モノクロの色

ライカQ2モノクロームは、モノクロ専用カメラ。モノクロとは、モノクローム(monochrome)の略で「一つの色」という意味。モノクロと言うと白黒を思い描いてしまいがちだけれど、一つの色という意味。このカメラには、ブルーやセピアやセレンの色がある。ブルーは少しブルーに、セピアは茶色に、セレンは少し紫がかった色になる。そして、色調は、強・弱と強さを選ぶことができる。というのは、ライカM10モノクロームで撮影したときに知った。そう、モノクロームは単色という意味。 ブルーを選んで、たくさん撮影した。 28_作例.JPG 29_作例.JPG 30_作例.JPG 34_作例.JPG 35_作例.JPG 36_作例.JPG 37_作例.JPG 38_作例.JPG 39_作例.JPG 40_作例.JPG 41_作例.JPG 42_作例.JPG 43_作例.JPG 作例000000.JPG 小路を見つけて入ってみると、大きな木が聳え立っていた。タブの木。推定樹齢300年だそうだ。その下には、お稲荷さんも祀られていた。よく通る道だけれど、初めて気づいた。カメラを持つと、新しい出会いが本当に多い。新しいものに出会う度にカメラに出会って良かったと思う。 私はライカのこのブルーの色調が好きだ。薄っすら青い、決して青過ぎない、この色。特に好きなのは、青空を少しアンダーで写したとき。再生ボタンを押して写真を確認する時、モノクロだけれど、真っ青な青が撮れた、いつもそう思う。 45_作例.JPG

広重が描いた景色

歌川広重が描いた二宮の海岸あたりを訪れる。 絵には、相州梅澤左と書かれていて、現在の梅沢海岸辺りと考えられている。 46_作例.JPG 47_作例.JPG 48_作例.JPG 絵が描かれたのはこの辺りだろうか。 49_作例.JPG 富士山があるのは、このもう少し右側。 この辺りに、江戸時代は鶴が舞っていたのだろうか。 富士山までびっしり緑に覆われた景色の空に鶴が舞っているのを想像してみる。 昔の人々は、そんなのどかな景色を見ながら京都を目指したのだろうか。 歌川広重も、そんな景色を眺めて歩いたのだろうか。 何だかとても不思議な感じもする。そして、想像しているだけで楽しい。 200年という時間は短いようでとても長いのだなあと思う。 そんなことを考えながら、トーニングを変えて、撮影した。 ■トーニング「セピア」 50_作例.JPG ■トーニング「ブルー」 51_作例.JPG ■トーニング「セレン」 52_作例.JPG

無農薬野菜のスパイスカレーを作る

歩数計を見ると、4.3kmと表示される。真夏の炎天下の中の4kmは予想以上にキツイ。なんだかちょっと頭がぼおっとしてくる。JRで一つ静岡側の国府津駅まで歩けたらいいなと思っていたけれど、半分くらいで危険を感じてその先を断念。ひとまず帰ることに。 でも、この連載、電車に乗って旅をして、カレーを食べて帰ってくると言う企画。 そのどちらもクリアしていない。 ぼおっとする頭をこらし、うーんと考えて思いついたのは、帰りがけに地元の野菜をたっぷり買い、二宮駅に寄り、自宅でスパイスカレーを作るという事。ちなみに私、数年前からスパイスカレーを本気で習い、今は自身が主宰するRoom5656という写真教室で自作レシピのスパイスカレーを作る料理教室のレッスンも開催している。いつか、この連載の中でも自分でスパイスカレーを作る回もあるだろうなと思っていたけれど、今回になることに。うん、そうしよう。 嬉しいことに、帰り道には無農薬野菜を販売しているカフェ「のうてんき」さんがある。のうてんきさんで、いきのいいぷりぷりの無農薬野菜をたんまり購入。二宮駅に寄り、半分フラフラになりながら帰宅。 53_作例.JPG シャワーを浴びて少し生き返り、野菜を撮影。 54_作例.JPG 55_作例.JPG 56_作例.JPG 57_作例.JPG58_作例.JPG 59_作例.JPG 60_作例.JPG ライカQ2モノクロームには、マクロ撮影機能がある。レンズの一番ボディ寄りのマクロリングをMACRO側に回せば、マクロ撮影が可能になる。通常最短撮影距離は30cmだが、マクロモードに切り替えれば17cmまで寄ることが出来る。さらに、クロップ機能を併用して75mmで撮影すれば、かなりクローズアップして撮影することが出来る。 野菜は近隣で採れたぷりぷりで見事なものばかり。野菜たちが主役になるカレーを作ることに。ゴーヤ、黒ピーマン、赤オクラ、ナス、トマト、ニンニク、ショウガをたっぷりと、スパイスは、マスタードオイル、マスタードシード、ターメリック、レッドペッパー、ブラックペッパー、コリアンダー、ヒーング、お庭で育てているグリーンチリを入れた。ココナッツミルクと、ナンプラーとレモン汁で熱帯アジアのカレーに。家に帰ってから玉ねぎがないことに気づき呆然としたけれど、そうだナスをベースにしたカレーを作ろうと思いついた。ナスを皮ごと焼いてトロトロにし、ナスベースの夏のスパイスカレーが出来た。お庭で採れた梅のスパイスシロップソーダを添えて。空心菜もスパイスと一緒にさっと炒めた。 さあ、夏を食べよう。 61_作例.JPG 62_作例.JPG 野菜は炒めすぎずに食感がシャキシャキ残る程度にした。 軽快に響く音と一緒に、夏が、口に体に広がった。 このカレー、とても美味しかったので料理教室のいつかのレシピにしたいと思う。そのくらい美味しくできました。うふふふふ。 お腹がいっぱいになり、体力消耗が激しかったこともあり、その後数時間動けなかった。 歩数計を見ると、8.5kmと表示されている。 真夏の炎天下、よく歩きました。

電車で

次の次の日、気温がぐっと下がり、まるで秋のような日になった。 あんなに暑かった日がまるで幻だと思うような涼しい風が吹いている。 朝、カメラを持ってJR二宮駅へ向かう。一駅静岡側の国府津駅で降り、二宮駅まで歩いてみることに。 電車はガラガラ。ボックス席でライカQ2モノクロームを撮ったり、流れる景色を撮ったり。 63_作例.JPG 64_作例.JPG 68_作例.JPG 69_作例.JPG 70_作例.JPG 71_作例.JPG 72_作例.JPG 気温は、28℃を示している。 5℃違うだけで、こんなにも体感が違うのかと思うくらい快適。海を見ながらずんずん歩いて、あっと言う間に二宮駅に着いた。8.1km。 道には、イチジクが大きな実を付けていたり、椿の実が大きく膨らんでいたりするのをみかけた。 秋が確実にすぐそこに来ている。

おわりに

この連載「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」も今回で7回目。たくさんのライカカメラと旅をしてきた。連載を読んで下さっている方に「正直なところ、どのライカのカメラが一番好きですか。」と聞かれることも多い。思い返してみれば、どのカメラも特徴があって好きだけれど、今回のライカQ2モノクロームは特に好きだと思った。あくまで個人的見解でしかないけれど、私には合う。 何が好きかと言えば、モノクローム撮影だけに特化していることの潔さ、そして、トーニングのブルーの色調の美しさ。そして、クロップ機能でいろいろな画角を気軽に撮ることが出来るのも嬉しい。モノクロームで撮ることだけを考えるという自分の心が一つ整理されることも心地いいし、写真の作品の幅が広がるように思えたことも大きな理由の一つ。 という訳で今のところ、私は、ライカQ2モノクロームが特に好きだ。 お庭では、サルスベリの鮮やかなピンク色の花が青空にゆらゆらと揺れている。 最近、ミンミンゼミの声が少し少なくなったように思う。 もうすぐ夏が終わる。 そして、秋が来る。 過ぎゆく夏と、やってくる秋を撮ろう。 73_作例.JPG ■撮影協力 観光地引網 市五郎丸 神奈川県中郡二宮町 袖が浦海岸 (事務所)二宮町二宮92-2-102 0463-68-2522 観光地引網 市五郎丸 (amebaownd.com) のうてんき 〒259-0124 神奈川県中郡二宮町山西885-5 090-5568-9615 のうてんき ー オーガニック農業の情報発信基地 フルサワ印 刷(株) 神奈川県中郡 二宮町二 宮 904 番地 1 0463-71-0114 フルサワ印刷 (株) (f-print.co.jp) ■写真家:山本まりこ 写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。

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"ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。"の連載記事
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山本まりこさん連載記事「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」Vol.7となる今回はライカQ2モノクロームを持って二宮駅から歩けるだけ歩いてみました。気温33℃の中、モノクロームの魅力を感じるスナップ写真と美味しいカレーにご注目下さい。 ----- KEYWORDS: ライカ,Q2モノクローム,山本まりこ,二宮,カレー ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: 富士フイルム X-S10|肌をキレイに描写できてモデルにも喜ばれる! 小さくてもスゴイやつ! BASENAME: 483327056.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 高橋伸哉 DATE: 09/11/2021 11:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,X-S10,APS-C,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ ----- BODY: 富士フイルムX-S10作例.jpg

はじめに

 筆者はフィルムの時代から富士フイルムのカメラを愛用していますが、ここ数年の同社のデジタルカメラを見ているとそのスペックが年々高まっていることに驚きを隠せません。中でもポートレートのジャンルにおいては富士フイルムのデジタルカメラは非常に優秀と言えるでしょう。  2020年11月に発売されたFUJIFILM X-S10は、コンパクトでありながらポートレート撮影に向いているカメラです。一昔前までは、モデルさんの撮影というとフルサイズの大きなカメラ、いわゆるプロ機で撮影するようなイメージがありましたが、X-S10はボディ単体で約465gと小さく、そしてAPS-Cにもかかわらず描写力に優れています。カメラ側で細かい設定をしなくても発色のよい写真になり、なにより肌がきれいに写るのが本機の最大の特長であると言えます。  イメージセンサーの「X-Trans CMOS」はフルサイズ機に匹敵する性能があると言っても過言ではなく、ハイライトからシャドウ部までダイナミックレンジが広く、階調豊かに表現できるのも、ポートレート撮影において高いパフォーマンスを発揮してくれます。他機種でJPEG撮って出しだと、色被りをしてしまい肌に余計な色が乗ってしまうことが割とありますが、X-S10ではそのような心配がなくJPEG撮って出しで十分に美しい一枚になります。そして、裏を返せばRAWデータを編集すればより美しく表現することも可能ということでもあります。  今回は、そんなX-S10を用いて、ポートレート撮影におけるちょっとしたティップスをご紹介したいと思います。

小型ボディで自然な表情を引き出す

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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R ■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm) ■モデル:溝畑 幸希
 前述の通り、X-S10は約465gと非常に軽いカメラです。軽いということはロケーション撮影の際に、持っていく機材の種類を増やせるということでもあります。レンズはもちろん、ストロボやライトスタンド、ソフトボックスなど重い機材が多々ありますが、カメラが小さい分移動にかかる負担は軽減できるでしょう。  また、コンパクトなボディのメリットはそれだけではなく、「圧迫感がない」ということも大きなメリットでもあります。特に撮られ慣れていないモデルさんの場合、大きなカメラや大きなレンズを向けられると萎縮してしまうものです。しかし、X-S10のように小さなカメラであれば緊張感も抑えられ、より自然な表情を引き出すことも可能となります。

ハイ・ローアングルに対応できるバリアングル式モニター

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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R ■撮影環境:F7.1 1/100秒 ISO2000 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm) ■モデル:黒木 百花
 筆者は基本的にファインダーを通して撮影することが多いのですが、もし読者の方が初心者であれば「バリアングル式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター」を活用してみるのもよいでしょう。特にバリアングル式のモニターは高いところから撮るハイアングル撮影、低いところから撮るローアングル撮影に向いています。脚立がある環境ならファインダーでハイアングル撮影できますが、脚立がない環境のほうがほとんどでしょう。そういうときは積極的にバリアングル式モニターを使ってみるのもいいですね。  また、その際におすすめの機能が「タッチショット」です。スマートフォンのカメラと似たような感覚で、モニターにタッチしてピントを合わせ、シャッターを切ってくれる機能です。もちろん、ハイ・ローアングル撮影時にシャッターボタンを使ってシャッターを切っても問題ありませんが、撮影者の目とモニターの距離が離れている以上、より正確にピントを合わせるならモニター上の被写体をタッチするほうが確実でしょう。

ポートレートには心強い瞳AF

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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R ■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm) ■モデル:黒木 百花
 ポートレート撮影において瞳にピントを合わせることは重要です。さらに言えば、ピントを合わせる瞳は手前側が原則です。なぜなら、日常生活の中で横向きの人の目を見るとき、最初に見る部分は自然と手前側になるからです。奥側の目を見る人は少数、またはほぼいないでしょう。よって、奥側の瞳にピントが合っていると違和感が生まれるので、必ず手前側の瞳にピントを合わせます。  瞳にピントを合わせる際は「顔瞳AF」を活用するとよいでしょう。X-S10は前述の「X-Trans CMOS 4」と優れた画像処理エンジン「X-Processor 4」によって最速0.02秒の高速AFが可能です。構図を決めるだけで、カメラ側で素早く瞳にピントを合わせてくれるので、撮影者のシャッターを切るテンポが上がっていくメリットがあります。また、仮にモデルさんに動いてもらっていても追従して瞳にピントを合わせてくれるので、撮影者側の機動力も大幅に上がるでしょう。

暗くてもピントを外さない優れたAF性能

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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R ■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm) ■モデル:あずりな
 肉眼で見ると一見明るそうに見える場所でも、カメラを通すと思った以上に暗く写ります。特に室内での撮影では露出の設定次第では真っ暗に見えることもあるでしょう。もちろんAFも思ったように動いてくれないことも多々あります。その場合、露出を上げれば解決しますが、たとえば上の写真のようにしっとりとしたイメージで撮ろうと思うと、露出を上げることは本末転倒です。  X-S10は低輝度環境の撮影に向いたカメラです。つまり、暗い環境下でも瞳にピントを合わせることができ、アンダー気味で撮影しても問題なくAFを使うことができるのです。また、暗い環境下での撮影はシャッター速度が遅くなりがちですが、しっかりとカメラをホールドして撮れば問題ないでしょう。なぜなら、X-S10には最高5軸6段の防振ユニットが搭載されており、手ブレを最大限に抑えてくれるからです。

輝度差があるシーンではヒストグラムで露出を確認

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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R ■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm) ■モデル:あずりな
 上の写真は室内で、カーテンの隙間から漏れる光を活かした一枚です。光の当たる肌の部分と黒い服、そして背景に、輝度差、つまり明るさの違いが発生しています。しかし、X-S10はダイナミックレンジに優れたカメラであるため、白トビ黒つぶれのない写真に仕上がっています。ただ、ダイナミックレンジが広いとは言え、撮影した段階で白トビ黒つぶれがあるとRAW現像でも修復できなくなるので、撮影時にはヒストグラムをファインダー内または液晶モニター上に表示して、ハイライトとシャドウ部に気をつけるように心がけましょう。ヒストグラムは右側がハイライト、左側がシャドウで、山となる部分が右端にピタリとくっついていると白トビ、左端にくっついていると黒つぶれを起こしていることを示しています。このヒストグラムの山の位置をよく確認しながら撮影しましょう。

室内でノンストロボなら高感度撮影で

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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R ■撮影環境:F1.4 1/180秒 ISO2000 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm) ■モデル:柊 里杏
 暗い室内での撮影でまず思いつくのは、ストロボを使った撮影でしょう。しかし、ストロボを使うとたとえば窓から注がれるナチュラルな光を活かすことができなくなる上、ストロボの光の当て方が悪ければ硬く不自然な印象になりがちです。特に初心者であるほど、ストロボにハードルを感じる方もいるかもしれません。その場合は、思い切ってISO感度を上げて撮影してみましょう。「ISO感度を上げるとノイズが乗るんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、X-S10はAPS-Cセンサーにもかかわらず高感度ISO性能を発揮します。人それぞれの印象があるのは否めませんが、ISO3200程度までであれば多少ノイズが乗ってもディテールはしっかりと維持しており、肌の写りにも支障をきたしません。

キツいコントラストはトーンカーブで対応

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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R ■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm) ■モデル:あずりな
 コントラストが強くなってしまうシーンでは、あとからRAW現像でコントラストの値を弱めたりする方も多いのではないでしょうか? 撮影時にある程度コントラストを調整しておけば、JPEG撮って出しでも十分ですし、RAW現像をするにしても編集の負担が減るのでおすすめです。コントラストの調整に使う機能が「トーンカーブ」です。X-S10はハイライトとシャドウのトーンを13段階で調整することができます。  ではなぜトーンカーブを使うのか。多くのカメラの設定にはコントラストを調整する機能がありますが、これをただマイナスにするだけだと、一律的にハイライトが下がりシャドウが上がることとなり、その結果、のっぺりとしたいわゆるネムイ写真となってしまうのです。一方トーンカーブでハイライト、シャドウをそれぞれをコントロールすることでイメージ通りのコントラストにすることが可能となります。もちろんコントラストを強める際もトーンカーブは有効です。  トーンカーブはX-S10の静止画撮影画面で「MENU/OKボタン」を押して、「画質設定」のタブから選択することができます。撮影環境と自分のイメージに合わせてハイライトとシャドウをコントロールしてみるとよいでしょう。

ポートレート撮影に最適なフジノンレンズ XF23mmF1.4 R

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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R ■撮影環境:F2.2 1/500秒 ISO400 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm) ■モデル:ひかり
 ポートレート撮影におけるレンズワークは多種多様です。その中でも、35mm判換算で35mmのレンズはスナップ的に撮れる画角なのでおすすめのレンズです。ポートレートというとどうしても人物がメインになりがちですが、その場の状況も同時に写すことでより雰囲気を出すことができ、ドラマチックな印象になるものです。  とはいえ、35mmの画角はやや広角であり、広角レンズの特性上ボケにくくなります。そこで、フジノンレンズ XF23mmF1.4 Rのような明るいレンズ、つまり最小絞り値が小さいレンズを使うとよいでしょう。上の写真はF2.2で撮影したものです。標準〜望遠域のレンズでF2.2にして撮ると、背景は相当ボケますが、23mm(35mm判換算で35mm)ならほどよくボケてその場の雰囲気を残しつつ、モデルさんの存在感も際立たせることができます。
富士フイルムX-S10作例 (9).jpg
■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + XF23mm F1.4 R ■撮影環境:F2.0 1/180秒 ISO2000 焦点距離23mm(35mm判換算:35mm) ■モデル:柊 里杏
 一般的に絞りは開放で撮るよりもやや絞って撮るほうが、解像感が増すと言われています。明るいレンズを買って嬉しくなって絞り開放で撮るのももちろんよいですが、ときにはやや絞って撮ると解像感の違いに気づくはずです。上の写真もフジノンレンズ XF23mmF1.4 Rで、絞りをやや絞ったF2.0で撮影した一枚です。瞳やまつ毛はもちろんですが、髪の毛一本一本まで解像感高く描写しています。「せっかく明るいレンズなのに絞って撮るとボケなくなっちゃうなぁ」と思われる方もいるかもしれませんが、背景をしっかりボカしたいなら思い切ってモデルさんに寄って撮影してみましょう。ボケは被写体との距離が近くなる程大きくなります。ただ、あまり近すぎるとモデルさんがびっくりするので、ほどほどに。

まとめ

 ポートレート撮影で重要なことは多々ありますし、なにを重視するかは人それぞれでしょう。しかし、「モデルさんの肌をきれいに写す」「光と影を意識する」ということは普遍的なもの。ご紹介した写真をご覧いただければわかる通り、X-S10は肌の描写とダイナミックレンジの広さ、そして色の再現性に優れているだけでなく、高いAF性能や高感度性能などの撮影者にとって助かる機能が数多く含まれた、ポートレート撮影に優れた機種と言えるでしょう。すでにポートレートを撮影されている方も、そしてこれから始めようと思っている方も富士フイルムのカメラをご一考してみてはいかがでしょうか。 ■写真家:高橋伸哉 写真家 単書「写真からドラマを生み出すにはどう撮るのか?」などを出版。雑誌などにも幅広く写真を提供。オンラインサロン「写真喫茶エス」を立ち上げて現在400名近い人が参加。全国でオフライン、オンラインにて学びの場を提供している。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の高橋伸哉さんが富士フイルム X-S10のレビューをしています。美しいポートレート撮影もございますので、ぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,ボディー,X-S10,レビュー,高橋伸哉,ポートレート ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: #01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル BASENAME: 483346238.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: コハラタケル DATE: 09/12/2021 10:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,ポートレート(人物),なんでもないただの道が好き ----- BODY: 02_コハラタケル_ポートレート作例.jpg

はじめに

こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。今回は苦手な人が多いと思われる、夏のロケ撮影時におけるポートレートのポイントについて話していきます。

2~3歩、前に進むだけで景色は変わる

まず初めに当日の空の写真をご覧ください。
13_コハラタケル__撮影写真.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F7.1 1/500秒 ISO160
撮影時期は8月中旬、13:30頃。ほぼ太陽が真上にあるような状態です。光も硬く、夏場のこの時間帯は撮影を避ける人も多いのではないでしょうか。 この状況下でいかに光を読んで撮影するか。また、そもそも撮影場所としてどういうところを選べば良いのか。最初に情報整理と視線誘導について解説します。
01_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F8 1/500秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
ポートレートでは基本的に人物を主題とします。 では、主題にするとはどういうことでしょうか? 僕のなかでは"視線誘導すること"だと考えています。 視線誘導とは写真を見た瞬間、写真を見る人の視線が撮影者が見て欲しい部分に誘導できているかどうかです。 改めて、先ほどの写真をご覧ください。 02_コハラタケル_ポートレート作例.jpg 僕がもっとも見て欲しい部分はモデルの女の子ですが、右側の非常ボタンが目立っています。おそらくこの写真を初めて見た人は「モデルの女の子」と「非常ボタン」の2カ所に視線誘導されるはずです。 そこでもっと前に進み、この非常ボタンが入らない位置まで移動してから撮影をしました。
03_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F8 1/500秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
余計なモノが写っておらず、放射構図も相まって、中央にいる人物に視線誘導することに成功しました。 左上の住居を見てわかる通り、先ほどの失敗写真から2~3歩前に進んだだけでこれだけ見える世界が変わります。 このような判断に至ったのは何を見せたいのかが決まっていたからです。ポートレートに限らず、撮影においては主題を決めることが重要であり、主題が決まっていないと現場で判断することができません。 闇雲に撮影するのではなく、「自分は何を一番に見せたいのだろうか?」という部分を考えてください。

太陽が真上にいるときは被写体を影に入れてしまう

早朝や夕方のように太陽が傾き、光がやわらかい時間帯の方がポートレートは撮りやすいです。 真夏、とくに太陽が真上にあるときは目の下に影が落ちやすく、撮りづらいと感じる人が多いのではないでしょうか。 太陽が真上にある状態で撮影すると目の下に影が落ちてしまいます。
06_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F4 1/2000秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
太陽が真上にある時間帯を避けるという方法もいいのですが、仕事に限らず趣味の撮影においても、どうしても12:00前後の撮影しかできないという場合もあるでしょう。 また、苦手なシチュエーションでも上手に撮影できる練習はしておいたほうが良いです。得意なシチュエーションばかりで撮影していても成長しません。 次にこちらの写真をご覧ください。
04_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F4 1/125秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
先ほどの写真と比べ、目の下に影が落ちておらず、肌もやわらかく見えています。現場の状況はこのようになっています。 05_コハラタケル_ポートレート作例.jpg 最初に見せた失敗写真は(1)で撮影しています。影がまったくない場所です。 対して、成功写真の(2)はモデルさんの全身を影に入れています。 撮影のポイントは"自分が写したい範囲をすべて影にする"ことです。 夏場の12:00前後の撮影では光と影の両方が入っている場所で撮影すると輝度差が激しくなることがあります。 モデルの上半身の明るさを意識して現像したものがこちら。 07_コハラタケル_ポートレート作例.jpg ハイライトの質感がわかるように現像したものがこちら。 08_コハラタケル_ポートレート作例.jpg 上記の2パターンの写真はどちらも個人的に微妙です。 もちろん最近のデジタルカメラであればダイナミックレンジが広く、ハイライトとシャドウのバランスを現像でうまく調整することも可能ですが、撮影に慣れないうちは撮影時に露出を合わせるポイントを絞るようにします。 例えば、先ほどの写真の場合。もっとモデルさんに寄って、光が当たっている部分を少なくしましょう。こうすることでハイライトとシャドウの輝度差を意識することなく、撮影時の露出調整がしやすくなります。 24_スクリーンショット 2021-08-26 15.00.15のコピー.jpg 実際に撮影した写真がこちらになります。
09_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F4 1/500秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
光が強く当たっている場所と影になっている場所の両方を広く入れた状態だと、どちらに露出を合わせればいいのか迷ってしまいます。光が当たっている部分を減らすことで、露出を合わせるポイントをモデルさんの顔に絞りました。

逆光時、太陽光を直接レンズに入れないで撮影

次は逆光時に意識していることです。 まず、僕は基本的にコントラストがある写真のほうが好きです。なぜ、自分の好きをここで発表するのか。実はそこが決まっていないと、そもそも撮影するときの判断が鈍ります。 逆光での撮影というのはコントラストが低く、淡い雰囲気に仕上げる人もいるでしょう。もちろんその撮り方でも良いです。実際、僕も撮るときがあります。 しかし、重要なのは完成形をコントロールできるかどうかであり、何もわかっていない状態でなんとなく撮影していても上達しません。ここでは逆光でもコントラストがある写真の撮り方について解説します。 先に成功写真をご覧ください。
15_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F1.4 1/4000秒 ISO200 ■モデル:五味未知子
逆光で撮影していますが、コントラストが維持されています。ちなみにレンズフードは付けていません。 僕はポートレートのときは少しでもカメラの見た目を大人しくしたいと考えています。レンズフードの種類にもよりますが、付けるか付けないか両者を比べた場合、付けたほうが威圧感が増すと考えているため、基本的にロケ撮の場合は付けません。 次の写真をご覧ください。
14_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F1.4 1/4000秒 ISO200 ■モデル:五味未知子
同じロケーションで撮影していますが、こちらの写真のほうがコントラストが弱くなっています。少しだけカメラの角度を下から上へ煽るような角度にしているのですが、それだけで光の入り方が異なります。 現場の状況を俯瞰した写真をご覧ください。 16_コハラタケル_ポートレート作例.jpg 実は逆光にすればどこでも良いかというと、そんなことはありません。 僕は逆光で撮影する場合はレンズに直接、太陽の光が入らないようにすることも意識しますが、もうひとつ意識するポイントとしては"背景が暗いところを選ぶ"ようにしています。そのほうが写真に明暗差を付けやすく、モデルに光が当たっているハイライト部分の輪郭も見やすくなります。 ちなみに現場を俯瞰している写真のときも少しカメラの角度を持ち上げるだけでこのようになります。 17_コハラタケル_ポートレート作例.jpg 太陽光を入れるか否かでこれだけ変わります。 もう一度、言いますが、もしもあなたが淡い雰囲気の写真を望んでいるのであれば、太陽の光を入れても良いです。 最初にも言いましたが、自分がどういう写真にしたいのかが決まっていないと、そもそも撮影できないので、まずは完成形がどこにあるのかを決め、完成形に合わせた撮影方法にしましょう。

人がいなくても目立つ存在の近くにモデルを配置する

街撮りで質問されることのひとつが「どこでモデルさんを撮ればいいのかわかりません」というものです。 僕がやる方法としては、人物がいなくても目立つ被写体を探すという方法があります。例えば、こちらの写真をご覧ください。
10_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F4 1/250秒 ISO160
「ただのカーブミラーでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、僕にとっては違和感と新鮮味があるカーブミラーです。 僕の経験上、カーブミラーは頭上にある場合が多く、低い位置に設置されていることのほうが珍しいです。このカーブミラーを見た瞬間「使えるな」と僕は思いました。実際に撮影した写真がこちらになります。
11_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F4 1/250秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
何気なく撮影していますが、実はポイントがあります。 これは花や飲み物が入ったコップなどと一緒に撮るときも同じことが言えるのですが、モデルさんに顔をくっつけるようにして撮影したほうが良いです。今回のカーブミラーでいうと、カーブミラーに顔の側面が当たるようにしてもらっています。 12_コハラタケル_ポートレート作例.jpg 絶対に離してはダメということはありませんが、くっつけることによってふたつの被写体ではなく、ひとつの被写体としてまとまりを持たせることができます。 僕は仕事で家族写真も撮影しているのですが、集合写真を撮るときは「肩と肩がぶつかるまで寄ってくださーい!」と声をかけることが多いです。 これも離すよりもくっついているほうが構図としてもバランスが取りやすく、収まりが良い写真にすることができるからです。

街撮りのコツは自分のなかの違和感を探すこと

先ほどのカーブミラーのように街撮りに関しては自分のなかにある違和感を常日頃から知っておくことが重要です。 街撮りをしているときに自分のなかの違和感を探してください。見つけたら、そこで撮影をします。違和感を写すことで自分らしい写真・自分にしかない視点の写真に仕上げることが可能です。 もう使われてなさそうな古い看板を入れたものがこちら。
19_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO200 ■モデル:五味未知子
傾いている木を発見! モデルさんにも同じように傾いてもらいました。
23_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO200 ■モデル:五味未知子
コンクリートブロックの間に木!?
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■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO200 ■モデル:五味未知子
落ちているゴミを活用することもあります。 20_コハラタケル_撮影写真.jpg
21_コハラタケル_ポートレート作例.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F8 1/500秒 ISO200 ■モデル:五味未知子

まとめ

違和感というのは人それぞれ異なります。例えば、海外の方だと日本の自動販売機の多さに驚き、そこで写真を撮るかもしれません。 写真というのは技術的な部分と感覚的な部分の両方が大切だと考えています。「あ、なんかアレ気になるな……」と感じたモノがあったとき、いかにすぐシャッターを切ることができるかどうか。それが自分の視点であり、撮影において大切なポイントになります。 ■モデル:五味未知子 ■写真家:コハラタケル 1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のコハラタケルさんが夏場日差しが強い中でのポートレートの撮影テクニックを紹介しています。成功例、失敗例を交えて分かり易く説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,ポートレート,撮影テクニック,コハラタケル,X-Pro3,XF 23mm f/1.4 R ----- -------- AUTHOR:   TITLE: より一層深く使いこなしたいRICOH GR III BASENAME: 483344207.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 09/13/2021 16:00:00 TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,GR III,APS-C,コンパクトデジタルカメラ ----- BODY: 00 GR3.JPG

はじめに

 つい先日GR IIIxがリリースされたばかりで期待が高まる中、GR IIIもまだまだ使いこなしたい!という方も少なくないはず。以前のGR III記事でご紹介した内容に加え、今回は一歩掘り下げて、今までの設定でも問題ないけど、知っておくとさらに表現が広がる。プラスαの使い方で様々な楽しみ方ができる!そんなGR III活用法をお届けします。

測光モードを使い分ける

 普段はマルチパターン測光でバランスの取れた露出で撮影をしている筆者ですが、時折ハイライト重点測光を活用しています。ハイライト重点測光は、画面内の明るい部分を重視した露出です。つまりスポットライトが当たっているような状況下でちょうどいい明るさになるように調整してくれる測光モード。被写体の一部分に光が当たる場合、明暗差が激しく、露出が取りづらいことがありますが、そうしたシーンでもハイライト部分の階調がなくなってしまうことがないような露出になる測光方式です。  全体的にアンダーな写真になりますが、白トビさせたくないハイライト部分のディテールが損なわれることがないため、晴天時の空もくっきりと描写されます。 01 測光方法_s.jpg  光量が少ない路地裏での夜のスナップ撮影でもムードのある雰囲気が出せます。
02 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/20秒 F/2.8 ISO800 WB曇天 -1.3EV ■イメージコントロール:ポジフィルム調

クロップモードで焦点距離を変える

 GR IIIは広角28mmの単焦点レンズですが、デジタルズームして(イメージをトリミング)、「35mm」「50mm」として撮影できるクロップ機能があります。近づきたいのに近づけない、ズームしたいのにできないと嘆かずぜひ活用したいもの。  クロップされる際の画像サイズはL/28mm:6000×4000px(24MP)、M/35mm:4800×3200px(15MP)、S/50mm:3360×2240px(7.5MP)で、どのサイズにクロップしてもモニター表示で使うのであれば十分すぎる画質です。アプローチするには遠すぎる、あるいは近づくことのできない場所でのクロップモードはやはり頼れる存在です。
03 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/1600秒 F/5.6 ISO800 WB太陽光 -0.7EV クロップ50mm ■イメージコントロール:スタンダード
 50mmはマクロモードとの組み合わせが相性抜群。ピントの合う距離が6cmから12cmの範囲で小さな被写体にクローズアップでき、コンパクトカメラとは思えない美しいボケ表現が可能に。こういう描写はスマホカメラではまだまだ難しい領域です。
04 作例 50mmMacro_s.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/80秒 F/3.5 ISO800 WB昼白色蛍光灯 +0.3EV クロップ50mm マクロモード ■イメージコントロール:スタンダード
 50mmクロップでもA4サイズのプリントまで問題なく使用できます。以前、写真展でA2サイズに伸ばしましたが、解像を損なわず描写力は見事で、プリントの仕上がりには高評価をいただいたほどです。

多彩なモノクロ表現を使い分ける

 GR III発売当初、いままでになかった4つのモノクロ設定(モノトーン、ソフトモノトーン、ハードモノトーン、ハイコントラスト白黒)が搭載されたことに白黒撮影への本気度を感じました。長年「GR×ハイコントラスト白黒」はスナップシューターの間で定番になっていますが、モノクロはそれだけでなく陰影と階調の美しさや柔らかさを表現することもできます。  ここで理解しておきたいのがモノトーンと白黒の違い。モノトーンは「グレーの濃淡グラデーション(階調表現)」、白黒は言葉が示す通り「白」と「黒」の2階調表現と捉えておくとその違いが明確になります。  筆者はハイライトからシャドウにかけてモノトーンの滑らかな階調の美しさに魅かれるため、基本のモノトーンをローキーに調整してコントラストを加えています。
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■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/250秒 F/3.5 ISO160 WB太陽光 -1.3EV クロップ35mm ■イメージコントロール:モノトーン
 硬い光を和らげることができるソフトモノトーンでは、全体的に柔らかすぎると感じたらシャドウにコントラストを利かせています。
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■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO125 WB昼白色蛍光灯 +0.7EV クロップ35mm ■イメージコントロール:ソフトモノトーン
 晴天時のハードモノトーンは青空が暗く落ち込み、コントラストも高くどっしりとした表現に。
07 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/200秒 F/7.1 ISO800 WB太陽光 -0.3EV クロップ50mm ■イメージコントロール:ハードモノトーン
 ハイコントラスト白黒を選ぶときは、黒でグッと引き締めつつ、粒状のざらつき感を目立たせるよりも全体的のコントラストを抑えて使っています。
08 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/40秒 F/2.8 ISO160 WBマルチパターンオート -1.0EV クロップ50mm ■イメージコントロール:ハイコントラスト白黒
 こうして、雰囲気に合わせた4つのモノクロ設定で被写体の持ち味を引き出しながら、自分好みを探るのがGR IIIらしい楽しみ方でしょう。

モノクロフィルターを使いこなす

 イメージコントロールにプリセットされた設定をそのまま使っている方も多いと思いますが、モノクロ設定で一歩踏み込んで使っていただきたいのが、詳細項目「フィルター効果」です。かつて白黒フィルムで撮影する際に、レンズ先端に装着していた白黒用フィルターと同様の効果が得られ、コントラストを付けてくっきりさせる、人物の肌の調子を整えるなどのために使われていたフィルターと同様の効果をカメラ内で代替しています。
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【フィルター効果1~4の違い】光源や被写体の色に対して効果がそれぞれ変化する ハードモノトーン以外の3種のモノクロで設定が可能になっています。
 このフィルター効果を加えることで、被写体の持つ色、光源の波長などにより、コントラストが強まりグッと引き締まったり、トーンがきれいに整ったりするので試してみてほしい機能です。その効果を確かめながらカメラ内RAW現像してみるのがおすすめ。  微調整可能な詳細項目はこの他にもあり、一層深い白黒写真表現に踏み込むことができるので、自分なりのチューニングで好みを探ればまるでフィルム時代にプリント暗室に入っているかのような楽しさが味わえます。

日中でも流れる表現が可能になるNDフィルター

 ボディ内には約2段分の減光効果のあるNDフィルターも内蔵されています。日中屋外、明るい時間帯でも長秒撮影を楽しむためにはTvモードで、ISO感度を100に固定し、F値を絞り込みシャッタースピードを1秒程にする必要があります。その際に欠かせない設定がNDフィルターです。NDフィルター設定を「ON」にしておくことで、光量を減少させ、スローシャッターを切ることができます。  目の前を行き交う人がぶれて流れるような表現が日中でも可能に。
18 作例 ND.jpg
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS1/2秒 F/16 ISO160 WB太陽光 NDフィルターON クロップ50mm ■イメージコントロール:スタンダード
 三脚が必要なシーンでも手ぶれ補正機能と合わせれば水の流れも撮影できてしまうので、風景写真を撮られる方にも嬉しい機能です。
19 作例 ND.jpg
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 ■撮影環境:SS 0.8秒 F/8.0 ISO800 WB太陽光 NDフィルターON -0.7EV ■イメージコントロール:スタンダード

広々とした視界を堪能する ワイドコンバージョンレンズGW-4

 別売されているGR III専用のアクセサリーには、広角28mmをさらに超広角化できる大口径ワイドコンバージョンレンズ GW-4があります。すでに28mmが広いと感じている人には広すぎるかもしれませんが、超広角レンズらしい迫力ある描写が好みのならぜひ使ってもらいたいレンズです。フィルム時代のGR21を彷彿させる焦点距離21mm。撮影倍率0.75倍、口径72mmです。本体とGW-4レンズの間に挟み込むレンズアダプター GA-1を用いて装着します。
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周辺の歪みも感じられず広々として開放的。28mmは見た目に50mm標準域のように感じてしまうほど。
 28mmとの画角差は明解で、21mmはやはりダイナミックで迫力があります。大胆にパースの効いた奥行きが気持ちよく、GRらしいシャープな描写が魅力。スケール感を引き立てるのに相応しいレンズと言えます。
11 作例 WC21_s.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8+ワイドコンバージョンGW-4 21mm ■撮影環境:SS1/30秒 F/2.8 ISO640 WB白色蛍光灯 ■イメージコントロール:ポジフィルム調
12 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8+ワイドコンバージョンGW-4 21mm ■撮影環境:SS1/20秒 F/2.8 ISO160 WB太陽光 +0.3EV ■イメージコントロール:スタンダード
13 作例 WC21_s.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8+ワイドコンバージョンGW-4 21mm ■撮影環境:SS1/250秒 F/4.0 ISO160 WB太陽光 +0.7EV ■イメージコントロール:HDR調・モノクロ
 また、ワイドコンバージョンレンズを使用しない状態ではレンズフードとして機能します。さらに、レンズアダプターは単体でも活用でき、アダプター径49mmに合わせてレンズフィルターを装着することが可能。一手間加えて撮影表現を楽しむことができるのも嬉しいです。
14 フィルター装着.JPG
Kenko ブラックミストNo.05(49mm)を使用してみました。
 ブラックミストフィルターを付けて撮影をしてみました。ブラックミストはソフトフィルターの一つで、強い光源に柔らかさを加えた雰囲気が楽しめます。逆光での撮影時は、シャドウ部のコントラストを抑えた柔らかい表現が可能に。ポートレートなどにも使われることが多いフィルターです。
15 作例 BM_s.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 レンズフィルター:ブラックミストNo.05 ■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO160 WB太陽光 -0.3EV ■イメージコントロール:スタンダード
16 作例 BM_s.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 レンズフィルター:ブラックミストNo.05 ■撮影環境:SS1/200秒 F/3.5 ISO160 WB太陽光 +1.3EV ■イメージコントロール:ブリーチバイパス
 こちらはクロスフィルターを使用して撮影しています。玉ボケだけでも美しいですが、印象的な輝きを加えることができます。
17 作例 cross_s.JPG
■撮影機材:RICOH GR III / GRレンズ18.3mm(28mm)F2.8 レンズフィルター:Rクロススクリーン ■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO160 WB太陽光 多重撮影 ■イメージコントロール:スタンダード
 GR IIIはカメラ内にデジタルフィルターのような機能を装備していないので、スナップ以外の被写体ではレンズアダプターGA-1+レンズフィルターを活用して表現方法を広げるのも一つの手段と言えるでしょう。

おわりに

 私の相棒となりいつもカバンの中にいるGR III。様々な機能やプラスαのアイテムを加えてみることで活用範囲と表現が広がり、一眼レフに匹敵する撮影ができてしまう素晴らしいカメラです。自分らしい設定や使い方を探る楽しみもまたGR IIIらしさだと思います。  ポケットやバッグに忍ばせておけば撮影シーンの広がりは間違いなく、スマホカメラでは納得のいく写真が撮れない、物足りないと感じていたらぜひとも手元に置きたい一台です。  Instagram(@kobayashikaworu_gr)でもRICOH GRで撮影したその他の写真がご覧いただけます。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんに、リコー「GR III」の使いこなしテクニックを解説いただきました。コンパクトなボディに備わった多数の機能を使いこなして自分好みの表現を楽しんでみては。 ----- KEYWORDS: リコー,Ricoh,レビュー,GR III,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 【写真展】テラウチマサト写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』 BASENAME: 483391147.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 09/14/2021 11:00:00 TAGS: 写真展情報,京橋 ----- BODY: 30years_Invitation_banner-1-scaled.jpg

テラウチマサト写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』

株式会社シー・エム・エスは2021年12月で30周年を迎えることを記念し、代表取締役社長テラウチマサト様による写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』を 9月15日(水)~ 26日(日)まで開催します。本展覧会では2020年より撮影した新作の富士山作品を中心に、額装作品18点を展示されます。 発表する新作の一部はこちらからご覧いただけます。 作品の狙いや視点についてもご紹介していますので是非ご覧ください。 リンク画像.jpg

開催概要

■会期:2021年 9月15日(水)~26日(日) 12:00~19:00 (会期中9月21日(火)のみ休廊、最終日17:00まで) ■作家在廊日:9月19日(日)12:00~16:00・9月20日(月)12:00~19:00 混雑を避けるために、こちらよりご予約の上お越しくださいませ。 ※ご予約いただかない場合は、お待たせしてしまう可能性がございますのでご了承ください。 ■会場:72Gallery ■住所:東京都中央区京橋3-6-6 エクスアートビル 1 階 JR東京駅八重洲南口より徒歩 7分 都営浅草線宝町駅A4番出口より徒歩 1 分 東京メトロ銀座線京橋駅 1 番出口より徒歩 1 分 東京メトロ有楽町線銀座 1丁目駅 7番出口より徒歩 3分 ■ホームページ https://www.terauchi.com/?p=1032

プロフィール

テラウチさんプロフィール写真.jpg ■テラウチマサト 1954年、富山市生まれ。ポートレイト、風景、プロダクトから空間まで、独自の表現手法で常に注目を集める写真家。中でも、ポートレイト作品においてはこれまで6,000人以上の俳優、モデル、タレント、経営者などの著名人を撮影。テラウチにしか撮らせないという声も多い。2012年パリのユネスコ内にあるイルドアクトギャラリーにて、葛飾北斎の浮世絵と共に富士山写真展開催。写真家としてのクリエイティビティを活かした幅広い創作活動を得意とし、2014年10月より富山市政策参与に就任。河口湖 音楽と森の美術館の特別国際学芸員も務める。日本写真家協会会員。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 株式会社シー・エム・エスは2021年12月で30周年を迎えることを記念し、代表取締役社長テラウチマサト様による写真展『LETTERS 一緒に見た富士山』を 9月15日(水)~ 26日(日)まで開催します。 ----- KEYWORDS: 写真展情報,京橋,テラウチマサト ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.8 S レビュー|熊切大輔 BASENAME: 483376947.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 熊切大輔 DATE: 09/14/2021 16:00:00 TAGS: NIKKOR Z 35mm f/1.8 S,ニコン(Nikon) レンズ,スナップ,単焦点 ----- BODY: ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.8 S レビュー|熊切大輔

35mmレンズの魅力

 皆さんの得意とするレンズはなんでしょうか?撮る被写体によってその選択肢は大きく変わると思います。鳥や野生動物、乗り物系は超望遠を。ポートレートなら中望遠。風景ならワイドとジャンルに沿ったレンズ選択をされていると思います。    街をスナップで切り撮る私は昔から35mmをメインに使っています。そんな35mmが生み出す画とはどんな特徴があるのでしょうか?標準レンズは50mmというのが一般的です。人間の視野に近く、見た目の感覚に近い画角で写し撮る事ができます。それより少し広く写るのが35mmレンズなのです。
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■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S ■撮影環境:ISO200, F16, SS1/30
 35mmの焦点距離は、フットワークを上手く使えば寄り引きが幅広くバランス良く表現できる画角だと感じています。私自身の画作りの特徴の一つとして「情報量の多い画作り」というのがあります。  構図の中に様々な要素を詰め込むことで時代や流行が写り、ストーリーも生まれて来ると考えています。ポートレートなどでも寄った時に、被写体の背景に多くの空間を取り入れる事ができます。それによって背景を活かした、その場所で撮る意味を構図の中に忍ばせることが出来るのです。
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■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S ■撮影環境:ISO100, F5.6, SS1/800
 引きの画作りの場合、28mm以下の広角レンズでは写る要素が構図の中で散漫になりすぎて間の抜けた画作りになりがちです。画角の中に程よく要素を詰め込む、そんなまとまりの良い画作りがしやすいのが35mmという画角なのです。  ワイド感が足りなければ、構図の中に上手くラインを配置すれば、画角以上の広がりを感じさせることが出来ます。放射状のラインは特に実際の見た目よりも広く写し出しているように見えます。そんな凝縮と広がりのある表現を使い分けられるのが35mmレンズの魅力なのです。

NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sで撮る

DSC_0017.jpg  最近スナップ撮影によく持ち歩いているのは、ニコンZシリーズのミラーレスカメラです。今更説明するまでもないですが、フルサイズミラーレスの特徴でもあるコンパクトなボディでありながら妥協のない高画質な画作りを実現しています。二駅三駅とブラブラ街歩きをしながらの撮影にもストレスにならない、スナップにぴったりなカメラシステムがこのニコンZシリーズなのです。  そんなZシリーズ本体と同時にリリースされたZマウントレンズ群。フランジバックの短いボディ構造に最適化され、自由度の高いレンズ設計により切れのある高解像な画を写し出すことが出来るようになりました。  ボディとともに登場した標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」、広角単焦点レンズ「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」、標準単焦点レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」、そんなラインアップの中で使用頻度が最も高いのがこのNIKKOR Z 35mm f/1.8 Sなのです。 DSC_0018.jpg  NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sの「S」はS-Lineレンズと呼ばれ高品質なレンズに与えられる称号です。そのSが物語るようにナノクリスタルコートも施された35mmf1.8は高い解像感と切れのある描写力、そして美しいボケ味が魅力のレンズです。  そのコンパクトなサイズもカメラ本体とバランスが良く、スナップ撮影に適したレンズと言えるでしょう。今回組み合わせるボディはZ6です。Z7は高解像、Z6は高感度に強いカメラ、ざっくりいうとそんな棲み分けになっています。スナップでは解像感より高感度の表現の強さが活かされるケース多いので、今回は35mmf1.8とZ6の組み合わせで様々な街の情景を切り撮ってみました。

高い解像力

 なんといってもその高い解像力は被写体の幅を広げてくれます。EDレンズ2枚加えた9群11枚のレンズ構成、マルチフォーカス方式の採用により色収差を抑えてシャープで切れのある描写を実現しています。
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■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S ■撮影環境:ISO400, F2.2, SS1/800
 無骨な東京駅の高架下の鉄骨。その線が生み出すデザイン的な面白さを活かした画作りが楽しい表現です。水平垂直をしっかり出すのがポイントなので、中途半端に斜めから撮らないようにしたいところです。歪みの少ないレンズ描写が正確な幾何学模様を生み出してくれます。あとはデザイン的に効いた構図に人をうまく絡ませると良いアクセントになって効いてきます。
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■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S ■撮影環境:ISO400, F1.8, SS1/5000
 川越など古い宿場町を旅することも多いと思います。その歴史を感じる建物や看板の質感をしっかり写し撮ることで時の流れ、蓄積を表現することができます。細かいディテールを写し出すレンズの解像力が活かせる被写体と言えるでしょう。  この場合被写体の色味が渋く暗い色が多いので露出オーバーになりがちです。風合いが飛んでしまいますので気持ちアンダー目に写すくらいがちょうどよい気がします。

美しいボケ味

 大口径単焦点レンズの表現の最大の魅力は美しいボケ味にあります。ワイドレンズはパンフォーカスで引いた画を想像するケースが多いと思います。ボケをだしにくい、そんなイメージがある方もおられると思いますが、使い方次第で様々な柔らかいボケを楽しむことが出来ます。
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■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S ■撮影環境:ISO100, F1.8, SS1/31250
 街スナップと言うとビルや行き交う人々しか撮らないように思う方もいると思いますが、そこに気になる被写体がいれば何でも撮ります(笑)。ミツバチが一匹花の蜜を吸いにきました。  たっぷりとした緑のボケ味で周りを囲む画作りにするため、後ボケはもちろん前ボケも多めに入れて柔らかい表現で切り撮りました。チルト式液晶を活用して、ローアングルで狙うことで前の草をレンズ前に配置し強い前ボケを演出しています。
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■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S ■撮影環境:ISO200, F1.8, SS1/8000
 雨の日は雨の日の魅力があります。街歩きにでて雨でテンションが下がることもありますが、しっとりと濡れた神社などは非常にフォトジェニック撮影スポットです。絵馬やおみくじ、灯籠など神社にはずらっと並ぶ、連続性のある画になる被写体が多く存在します。  ボケ味を活かした奥行き感のある演出で空間を切り撮りました。ボケの中に雨粒も上手く写り込みました。
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■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S ■撮影環境:ISO6400, F1.8, SS1/1000
 テーブルフォトも楽しいものです。料理写真はSNSに最も上がっている被写体と言っても良いでしょう。スマートフォンで撮る方も多いですが、やはりカメラで撮ったボケ味を活かした作品のほうが「いいね」は多いようです。  最短撮影距離が撮像面から25cmと、料理だったら一皿がちょうど収まるくらいまで寄れます。マクロレンズに交換しなくてもボケ味の効いた美しいテーブルフォトが十分楽しめるのです。友人のイタリアンにて桃の冷製パスタを頂きました。つややかなシズル感がたまりません。
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■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S ■撮影環境:ISO400, F3.5, SS1/1000
 AFの性能はジャンルを問わず高性能に越したことはありません。マルチフォーカス方式はスムーズかつ高速で高精度なAF性能を実現しました。出会い頭のシャッターチャンスにどれだけ反応できるか、スナップ写真の生命線です。  街を歩いていたらミニオントラックと三輪車のドラッグレースが突然始まりました。瞬間的にカメラを向けてもスムーズかつスピーディに合焦してくれます。
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■撮影機材:Nikon Z6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S ■撮影環境:ISO800, F1.8, SS1/2000
 f1.8の大口径レンズは夜の撮影にも強い武器となります。あわせて像面位相差AFとコントラストAFのコンビネーションのハイブリッドAF、-6EVの低輝度までAF可能なローライトAFを擁したZ 6のAF性能が夜間撮影の可能性を広げてくれています。  ショーウインドウが生み出す都会的な瞬間を切り撮ってみました。わずかな光もクリアに表現してくれています。

まとめ

 様々なレンズを使い分けるのも面白いものです。しかし自分が得意とする画角、レンズを一本決めておくのもまた撮影を楽しむ一つになります。得意な画角が決まってくると被写体への距離感が事前につかめてきます。そうすれば自ずとシャッターチャンスへの反応が早くなります。  もし今レンズ交換せず一本で乗り切るならどのレンズを使いますか?と問われればNIKKOR Z 35mm f/1.8 Sと答えるでしょう。高性能でフットワークの良いレンズはきっと皆さんの作品作りを一歩上のランクに押し上げてくれるでしょう。 ■写真家:熊切大輔 東京生まれ。東京工芸大を卒業後、日刊ゲンダイ写真部を経てフリーランスの写真家として独立。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。 スナップで街と人を切り撮った写真集「刹那 東京で」を2018年に発売と共に写真展を開催。2021年には写真集&写真展「東京美人景」そして「東京動物園」の三部作で東京の今を撮り続けている。 公益社団法人日本写真家協会理事
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の熊切大輔さんによるニコン NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sのレビュー記事です。スナップの作例を存分に盛り込んで本製品の魅力を語っていただいています。 ----- KEYWORDS: レビュー,NIKKOR Z 35mm f/1.8 S,ニコン(Nikon) レンズ,標準単焦点レンズ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ニコン Z 6IIとオールドレンズで楽しむ水族館写真 BASENAME: 481656888.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 09/15/2021 11:00:00 TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,水族館,Z 6II,オールドレンズ,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: 00_ニコン Z 6II+オールドレンズ.jpg

はじめに

 ニコンのZ 6IIはミラーレス機の中でも特にフランジバックが短いので、マウントアダプターを使用すれば、様々なオールドレンズを装着して撮影を楽しめます。今回は、最新のフルサイズミラーレス機と、半世紀前に作られたオールドレンズの組み合わせで撮影した水族館写真とともに、マウントアダプター遊びについてレビューしたいと思います。

オールドレンズ撮影で手ブレ補正が使える!

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マウントアダプターを使いオールドレンズを装着したニコン Z 6II
 筆者が使用しているマウントアダプターは、焦点工房の「Megadap(メガダプ)」です。このマウントアダプターは、ライカMマウントレンズをニコンZマウントに変換する製品ですが、特筆すべきはAF駆動用モーターを搭載している電子マウントアダプターな点です。オールドレンズなのに、AFを使って撮影ができるのです。もちろん、瞳AF、顔検出も使用できます。  今回のような魚の撮影では瞳AF、顔検出機能は使用しませんが、ポートレート撮影もされる方は、なかなかおもしろい体験ができます。AFの音は少々派手ですが、今までMFでしか使用していなかったオールドレンズでAF、しかも瞳AFが働くのは、新鮮な驚きとともに便利でした。  さらに、このマウントアダプターはカメラボディ内の手ブレ補正機構「VR」に対応しており、事前にレンズの焦点距離を設定するだけで、手ブレ補正の恩恵を受けることができます。これは、暗い水族館の撮影ではとても重宝しました。

最短撮影距離を短くしてくれる自動ヘリコイド機構付き

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ヘリコイド機構付きのマウントアダプターを使えばさらなる接写が可能
 筆者がマウントアダプターを購入するときに重視するのが、ヘリコイド機構が付いているかです。ライカMマウントレンズの最短撮影距離は0.7~1.0mほどと、あまり被写体に近付けないのですが、マウントアダプターにこのヘリコイド機構を組み込むことで、さらなる接写が可能になるのです。  このヘリコイドを繰り出せば接写が、繰り出さなければ無限遠の撮影ができるので、さらに幅広い被写体の撮影を楽しむことができます。本製品は、フォーカスリングの距離目盛を最短撮影距離に合わせて、被写体に向けてシャッターを半押しすることで、このヘリコイドが自動で繰り出して、本来のレンズの撮影最短距離よりも近寄った接写ができます。  水族館撮影では、なるべく水槽のアクリル面に近付かないと、撮影している自分や、後ろを通るお客様、点灯している非常口の照明などが、反射して写り込んでしまいます。また、小さな魚を大きく写すために、被写体に近付きたいということもあります。  そんな訳で、通常のレンズでもマクロレンズを愛用していますが、オールドレンズでもできるだけ魚に近付きたいという気持ちから、ヘリコイド機構付きのマウントアダプターを好んで使用しています。

高感度でもクリアーに描いてくれるニコン Z 6II

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ニコン Z 6IIであれば暗い水族館でもキレイに撮ることができる
 水族館は暗い水槽が多く、撮影ISO感度は高くなります。その点、常用感度が高いニコン Z 6IIは、ISO1600からISO12500の間で撮影することが多い水族館で、とても活躍してくれます。  今回はF1.5からF2のロシアレンズ数本を使用して、すべて絞り開放で撮影しているので、シャッタースピードは稼げているのですが、それでも低感度では暗いかブレブレの写真になってしまいます。  最新のデジタルミラーレス機だからこその技術の恩恵を、オールドレンズの撮影で受けられるのは、マウントアダプターレンズ遊びの醍醐味と言えるでしょう。

水族館撮影でのピントの合わせ方

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動き回る魚に対してはMFでシャッターチャンスを狙う
 今回使用しているレンズは、金魚は「ジュピター8」と「インダスター」、クラゲは「ライカズマリット」になります。いずれもライカLマウントのレンズなので、「Megadap(メガダプ)」に装着できるように、「K&F Concept KF-LM-5075 マウントアダプター」を使用しています。  金魚を撮影している「ジュピター8」は1962年製、「インダスター」は1961年製で、ロシア製のレンズになります。いずれも、柔らかくてとろみのある滲んだようなボケ味と、ムードのある立体感を生み出してくれるレンズです。外観がクラシカルなのも筆者的にはかなり好みです。  AFが使えるマウントアダプターを使用していますが、水族館撮影では明るいところで最短撮影距離にピントを合わせてからMFにして、自分が前後に動くことでピント合わせを行いました。  明るいところではいいのですが、水族館のような暗いところで、動き回る小さな魚にAFを合わせるのはなかなか難解で、ヘリコイドが繰り出した接写の状態でピントを固定してしまったほうが、シャッターチャンスに強いレンズになります。  この作品は、デコボコした水槽の中にいる金魚の正面の顔を捉えました。色味は特に変えておらず、全体に緑がかった水槽でした。つまり、コントラストが低い、カメラが被写体を認識しにくい、かなりAFに意地悪な撮影状況となっています。  こんなときは、思い切ってMFで撮影してしまったほうが、自分の意図する箇所にピントを置けるのでお勧めです。

色味は変えすぎないようにピクチャーコントロール:風景を使用

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水族館の演出をそのまま活かす色味調整で撮影
 筆者が水族館で写真を撮り始めたのは、水中をただようクラゲがドレスをひるがえしながらステージで踊るダンサーのように見えて、その一瞬の表情をポートレートのように表現したいと思ったからでした。  最近の水族館では魚の種類や季節によって、照明や音楽で様々な演出がなされています。特に半透明の体を持つクラゲは、カラフルな照明に彩られていることが多く、とても幻想的です。そのカラフルさをそのまま出すために、色味の過度な調整はせず、見た目よりもほんの少しだけ鮮やかな表現になる、ピクチャーコントロールの風景を主に使って撮影しています。

ミストなふんわり描写が楽しいオールドレンズ

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独特な味が出る柔らかな表現はオールドレンズならでは
 なぜ、オールドレンズで魚たちを撮影しようと思ったかと言うと、はっきりくっきりのシャープな作風よりも、ゆらゆらと捉えどころのない、水というよりも霧のような作品を撮りたかったからと言えます。  半世紀前のロシアンレンズは、ピントが合ったところは切れ味よく、でもその周辺部は、足元の床がストーンと無くなったかのように、急に滲んだようなボケが広がる。古いレンズ特有の、個体差のあるクモリは周辺部にあればそれもまた味となります。  最新のデジタルミラーレス機で高い解像力を得て、独特の味を出せるオールドレンズで柔らかい表現を得る。マウントアダプターを使ったオールドレンズ遊びは、この時代だからこそできる贅沢な遊びです。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。

水咲奈々 写真展「みずあかり」

mizuakari.jpg ■会期:2021年9月17日(金)~23日(木) ■時間:10:00~20:00 ※最終日は16:00まで  ※店舗の営業時間に準じて変更になる可能性があります。 ■会場:新宿 北村写真機店 6F Space Lucida ■住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-14   ■入場料:無料 写真展「みずあかり」情報サイト https://lit.link/misaki7info
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんにニコン Z 6IIとオールドレンズで水族館撮影をしていただきました。マウントアダプターを使った写真撮影の楽しみ方を解説します。 ----- KEYWORDS: ニコン,Nikon,レビュー,水族館,Z 6II ----- -------- AUTHOR:   TITLE: キヤノン RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM レビュー|様々な風景撮影をこれ1本でカバー BASENAME: 483411799.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: GOTO_AKI DATE: 09/16/2021 16:00:00 TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM,風景,望遠ズーム,風景の撮影テクニック ----- BODY: 014_作例.JPG

はじめに

 自然風景の撮影に適したレンズはなんでしょう?  風景といえば広角レンズをイメージする方が多いようですが、私自身の風景撮影で使用頻度が一番高いのが、超望遠ズームレンズです。今回は、鉄道や飛行機、鳥やスポーツだけでなく、風景の撮影シーンでも幅広く撮影を楽しめるキヤノンの「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」をご紹介していきたいと思います。

デザイン・外観

019RF100-500.jpg  RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは、「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」と比較されることが多いレンズです。テレ端の焦点距離が100mm伸びたにもかかわらず、約200gも軽量化。レンズ駆動はナノUSMでAF性能の向上や近接撮影の画質アップに貢献しています。ボタンは、上から距離距離範囲切り替えスイッチ、フォーカスモードスイッチ、手ブレ補正スイッチ、手ブレ補正モード選択スイッチの配置で、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMから買い換えてもすぐに手に馴染むデザインです。  近年の夏場の撮影では、レンズを触ると熱くて大丈夫かな!?と心配になる時もありますが、赤外線の反射率を高めた遮熱塗装で温度上昇を抑制、猛暑下でも動作良好です。

プラス100mmで広がる表現

 以前は、EOS 5D Mark IVもしくはEOS Rにマウントアダプターを取り付けて、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMを愛用し画質も満足していました。ところが、美しい風景が広がる景勝地、国立公園などの観光地では、自然保護のために遊歩道や展望台を設置している場所も多く、被写体へ寄り切れない場合は撮影を諦めていました。  また、絶景が広がる山々では、崖の上などでそれ以上は前に進めないシーンもあり、焦点距離がもう少し長ければいいのになぁと感じたことも一度や二度ではありません。作画的に多少の不足を感じていたところに、テレ端が100mm伸びたRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMが登場し、届く!寄れる!と、スペックの数値以上に撮影の幅がぐっと広がりました。  下の2枚は長野県の北八ヶ岳の景勝地「白駒の池」の遊歩道からのカットです。2点とも手持ち撮影です。焦点距離100mmで撮影。中望遠領域の100mmでは状況がわかる写真が撮りやすい。
002_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F11 1/1250秒 ISO400
 こちらは焦点距離500mm。EOS R5との組み合わせでは電子ファインダーを覗きながら自分が反応する風景の表情を探します。周囲の余計な被写体を写さず、気に入った箇所だけ切り取れるのがポイントです。
003_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F11 1/320秒 ISO400
 次は和歌山県の「那智の滝」で撮影した2枚です。三脚とNDフィルターを使っています。展望台から焦点距離100mmで撮影。山と木々の表情もわかる画角です。
004_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F16 1秒 ISO50
 岩の造形と滝の流れを中心としたカット。気になった美しさを500mmで切り取っています。
005_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F16 1秒 ISO50

最短撮影距離

 写真歴の長い方は、望遠レンズは被写界深度が浅くて近接撮影に向かないという意識があるかもしれません。もしこのレンズを使う時は、一度騙されたと思って足元の植物などを撮ってみてください。100mmから500mmまで、解像力の高さに驚くと思います。私が使用しているEOS R5との組み合わせでは、望遠マクロでもAFが無音でピタッと合うことが多く、マクロ撮影にありがちなピント合わせのストレスがほぼありません。最短撮影距離を頭に入れておくことで撮影できる被写体の幅が広がります。  こちらはワイド端100mm、最短撮影距離0.9mで撮影した一枚。
006_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F8 1/3200秒 ISO800
 こちらはテレ端500mmで撮影した一枚。擬似マクロとして撮影する時は、焦点距離500mm&最短撮影距離1.2mでの撮影がおすすめです。撮影倍率は0.33倍で被写体にグッと寄った撮影が楽しめます。
007_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F8 1/2500秒 ISO800

安定の操作性

 さて突然ですが皆さんの撮影スタイルは手持ち派でしょうか、それとも三脚派?  私の場合70%手持ち撮影、30%三脚撮影です。レンズの手ブレ補正スイッチはスローシャッター撮影以外では常時オンにしています。風景やポートレートを撮る時は「ISモード1」がデフォルトの設定です。鉄道などの流し撮りでは「ISモード2」、スポーツなど、被写体が不規則な動きをする場合は「ISモード3」を使い分けましょう。  手ブレ補正の効果は、EOS R5などのボディ内手ブレ補正機構があるカメラに装着した時は協調ISで約6段分、EOS Rや一眼レフでは約5段分の効果を発揮します。機材が進化して手ブレを抑制できても、被写体ブレは防げませんので両脇を締めてカメラをしっかりとホールドして、基本に忠実に撮影することが大事です。  私のデフォルト設定。風景の撮影ではISモードは「1」に設定しています。 008_IS.jpg  ズームトルクの強弱は写真のトルク調整リングで好みの感触に簡単に調整可能です。レンズを下に向けたときに鏡筒が伸びてしまわないかチェックするといいでしょう。SMOOTHでやわらかめ、TIGHTでかための操作感です。 009_ズームトルク.jpg

ズーム全域で高画質

 私が自然風景の撮影で大事にしていることの一つが、質感です。RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは全焦点域で高解像度の繊細な描写が楽しめます。  阿蘇中岳の火口周辺とその造形を捉えた一枚。RFレンズの繊細な描写力で被写体の息吹を感じることができます。撮影している時は「UDレンズ、スーパーUDレンズの効果で収差が抑制されているな。」とは考えませんが、仕上がりを見るとなるほど!と思うのです。焦点距離は500mm、手持ち撮影です。
010_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F11 1/125秒 ISO400
 水面の表情も解像感が高く、水の冷たさが伝わってくるようです。焦点距離100mm、手持ち撮影。このような流体にもAFは素早く反応します。下の写真の中央がピント位置です。
011_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F6.3 1/500秒 ISO400
012_フォーカス位置.jpg
ピント位置は写真の中央、赤枠の部分です
 フレア、ゴーストを低減するASCの効果で、逆光でもストレスなく普通に撮影が可能です。こちらは焦点距離300mm、手持ち撮影です。
013_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F11 1/80秒 ISO400
 下の写真は五島列島へ取材へ行った時に撮影した夕景。波頭の細部まで捉えた一枚です。反射による逆光での撮影でしたが、撮影時は逆光すら意識しないで撮っています。ピクチャースタイルはスタンダード、ホワイトバランスは太陽光の撮って出しです。焦点距離451mm、手持ち撮影。
014_作例.JPG
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F11 1/1250秒 ISO400
 RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは開放F値がF4.5で、F6.3で撮ったこの写真でも背景ボケが十分綺麗です。多少の暗いシーンでも、周辺解像やコントラストが向上しているため、ISO感度をあげて撮影しても高画質はそのままです。
015_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:F6.3 1/1000秒 ISO400

便利なフィルター径77mm

016_NDフィルター.jpg
77mm径のフィルターが使用可能
018レンズフード.jpg
付属のフードにはフィルターの調整がしやすいよう、スライド式の窓も備わっている
 RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMのフィルター径は77mmで、標準ズームレンズ「RF24-105mm F4L IS USM」やF2.8の明るい望遠ズームレンズ「RF70-200mm F2.8 L IS USM」と同じです。自然風景の撮影ではPLフィルターやNDフィルターを使用することも多いため、ステップアップリングやステップダウンリングを使うことなく、フィルターワークができるのも魅力です。C-PLフィルターや可変NDフィルターを使う時は、レンズフードにフィルターの調整がしやすいスライド式の窓がついているので、ここを開けて簡単に調整できます。

スローシャッター

018_撮影の様子.jpg  付属の三脚座のほか、写真のような2点でレンズを安定させるVRホルダーなどがおすすめです。風でレンズが揺れそうな時やNDフィルターで長秒撮影するときに振動が抑制されて作画が安定します。

まとめ

 今回は「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」のお気に入りポイントを順にご紹介させていただきました。中望遠から超望遠までの焦点距離から近接撮影まで、自然風景の撮影でカバーできる範囲が広いことが伝わりましたか?アクセサリーなどの周辺機材も活用して、みなさん自身の色で撮影をお楽しみください。 ■写真家:GOTO AKI 1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のGOTO AKIさんによる、キヤノン「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」レビュー記事です。幅広い望遠域をカバーする、風景撮影におすすめのレンズの写りをご覧ください。 ----- KEYWORDS: キヤノン,Canon,望遠ズームレンズ,RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM,レビュー,風景 ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: ZEISS Loxia 2/50 レビュー|立体感のあるボケとムードを楽しめるMFレンズ BASENAME: 483337577.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 09/17/2021 16:00:00 TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,ZEISS Loxia 2/50,単焦点,ポートレート(人物) ----- BODY: ZEISS Loxia 250.jpg

はじめに

 「ZEISS Loxia 2/50」は、ソニーのフルサイズミラーレスカメラシリーズのために開発された、マニュアルフォーカスのレンズです。4群6枚のプラナーのレンズ設計は高い画像品質を生み出し、金属が詰まっている感のある鏡筒は持つ喜びを感じさせてくれます。今回は、本レンズとソニーα7Cの組み合わせで、ポートレートのスチールとムービーでレビューしたいと思います。

諸収差を抑えたクリアな画

ZEISS Loxia 250作例.jpg
■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50 ■撮影環境:F2 1/200秒 ISO1000 WB:5000K クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:小栗絵里加
 本レンズの設計は、高性能レンズの代名詞とも言える、ツァイスの伝統的な「Planar(プラナー)」を採用しています。4群6枚のレンズは、ダブルガウス型の前後対称の構成になっており、球面収差、色収差、倍率色収差、歪曲収差を抑えて、被写体をクリアに描き出してくれます。  今回はポートレートですので、絞り開放での描写がメインのレビューとなりますが、明るい系のポートレートが好みの筆者が、めずらしく露出アンダー目の描写のカットが多い結果となりました。  なぜかというと、諸収差が抑えられているお陰で、露出を下げたシックな画にしても濁りが出ずに、ヌケのいい画が得られたからです。さらに階調の豊かさのお陰で、明るいところも暗いところもグラデーションとして階調が残り、べったりとした平面的な画にならずに意図したムードを表現してくれました。  絞り開放、最短撮影距離の0.45mに近い近距離で、わずかな光で撮影していますが、コントラストの高い、それでいてバキバキに無駄なシャープさを入れてこない、心地良い描写に惚れました。

ポートレート・ショート・ムービー

■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50 ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:小栗絵里加 手持ち、ジンバル、三脚併用
 今回、何よりも楽しみだったのはこのムービー撮影でした。ツァイスのプラナーレンズでのムービー撮影は初めてで、どのような描写をしてくれるか、撮影前からわくわく感が溢れてしまうほどでした。  結果、思い描いていたムードをそのまま、ムービーに落とし込むことができました。かなり光量の少ないところでの撮影でしたが、逆にそれが功を奏して地面に反射する硬い光、ブーツの柔らかさを表現する丸みのある光、ブレスレットの一瞬の輝きや逆光が形作るあごの輪郭など、被写体とシーンを繊細に彩ってくれました。  撮影は手持ちと三脚少々、大部分をジンバルを使用して行いました。α7Cはフルサイズながら小型のカメラなので、小型・軽量の本レンズとの相性も良く、ジンバルでの片手の撮影も軽々行えました。  カメラボディとレンズの重さ、大きさは、スチールではそれほど苦にならないのですが、ムービーの場合はスチールよりも低い位置での撮影が多く(これは筆者個人の好みでもありますが)、ジンバルを地面すれすれの低さで歩きながら撮影するときなどは、どうしても片手での撮影となり、その重量によって苦しさを感じてしまいます。  本レンズは重量320g、最大径62mm、全長66mとその小ささは手のひらで包めるほど。重量はこのサイズにしては重みを感じますが、金属の塊のようなずっしり感はむしろ好みです。ジンバル装着時は、レンズの重量を見た目よりも重めに計算すると、バランスが取りやすいでしょう。  また、動画撮影時に便利な機能として、絞りのクリック感をなくせる「デクリック」を搭載しています。同梱の専用ツールを使ってバヨネット面にある調整ネジをまわすことで、絞りリングのクリック感を消すことができるので、撮影中に絞りを変化させたいときに、絞りを動かす音を拾ってしまったり、露出がカチカチと不自然に変動することなどがなくなります。  今回のムービーでは絞りの変化で印象が変わるようなシーンがなかったので、ピントをインフォーカスからアウトフォーカスにする、MFらしいフェードアウトを試してみましたが、いずれ屋外のシーンで、絞りの変化を見せるようなムービーを試してみたいと思いました。

ピントの合わせやすさは最上位!

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■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50 ■撮影環境:F2 1/250秒 ISO400 WB:5000K クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:小栗絵里加
 マニュアルフォーカスのレンズですので、ピント合わせは手動で行うことになります。そういうと、オートフォーカスに慣れている方は、ピント合わせに苦労するんじゃないかと思われるかもしれませんが、本レンズのピント合わせは、筆者が今まで使ってきたマニュアルフォーカスのレンズの中でも最上位に来るほど、とても見やすく合わせやすかったです。  50mmの画角が扱いやすいということもありますが、余計なディストーションのない光学設計のお陰で構図がスムーズに行えるのも、本レンズがマニュアルフォーカスでもピントが合わせやすいことの一旦を担っていると思いました。  ピントリングのトルクは筆者好みの重すぎず、軽すぎない、スタートダッシュがかかり過ぎない粘りのある感触で、モデルの瞳へのピント合わせという繊細な作業も、ストレスなく行えました。

マウントは電子接点搭載でEXIF情報の記録可能

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■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50 ■撮影環境:F2 1/250秒 ISO400 WB:5000K クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:小栗絵里加
 本レンズはマウントに電子接点を搭載しているので、絞り値などの撮影情報が記録できるのと、α7シリーズのMFアシスト機能が利用できます。  筆者はポートレート撮影のときは、自動的にフォーカスエリアを拡大表示する機能はオフにすることが多いのですが、テーブルフォトや風景撮影などではオンにすることもあるので、撮影状況や好みによって選択できるのはありがたいと思いました。

信頼のおける「T*」レンズ

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■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50 ■撮影環境:F2 1/200秒 ISO400 WB:6200K クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:小栗絵里加
 レンズ前面に「T*」の赤い印字があり、このレンズが「T*(ティースター)コーティング」であるという証になります。  レンズの表面に幾層も薄い膜を均一に重ねて、レンズ表面の反射と共に内面の反射をも抑え、フレアーを抑制することで、よりコントラストの高いヌケの良いレンズに仕上げるコーティング技術で、一定の性能基準を満たしている場合にのみ、「T*」の印字を施して信頼の証としています。  逆光で撮影することの多いポートレート撮影では、このコーティング技術の恩恵に預かることがとても多いです。各メーカーによって、名称は違えどレンズ内外の反射を抑えるコーティング技術があり、画のクリアさを上げる手助けをしてくれています。  本レンズも、このコーティング技術の恩恵は深く、屋内、屋外共に撮影を行いましたが、不要な反射が見当たらないだけではなく、その画のヌケの良さを感じることができました。

雰囲気を楽しめる立体感のあるボケ

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■使用機材:ソニー α7C+ZEISS Loxia 2/50 ■撮影環境:F2 1/250秒 ISO400 WB:4800K クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:小栗絵里加
 絞り羽根枚数は10枚、開放時には丸ボケの出やすい仕様です。木漏れ日のようなわかりやすいところ以外でも、ブレスレットの光や、背景の光源など、様々な写り込みが優しい形にボケるのは、ポートレートに向いているとともに、単純に写真を撮るのが楽しくなります。  前ボケ、後ろボケについては、前ボケのほうが柔らかい傾向にあり、後ろのボケは物体の輪郭を保持しながら、柔らかくにじませるようなボケ方をします。背景をスッキリさせたいときは色数の少ない場所を選んだほうがいいですが、ボカしながらもその場の雰囲気を残したいときは、効果的に立体感を持ったままボケてくれるので、新しい演出を楽しめるレンズだと感じました。  ツァイスのLoxiaシリーズの最初の一本として、本レンズはスチールを撮る方にも、ムービーを撮る方にもお勧めしたいレンズでした。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんがカールツァイスのZEISS Loxia 2/50をレビューしています。ムービーでも大活躍のこのレンズに興味がある方はぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: カールツァイス,zeiss,レンズ,レビュー,ZEISS Loxia 2/50,人物,ポートレート ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: #02 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル BASENAME: 483447191.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: コハラタケル DATE: 09/18/2021 11:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,撮影テクニック,ポートレート(人物),なんでもないただの道が好き ----- BODY: DSCF3408のコピー.jpg

はじめに

 こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。今回も前回に引き続き、僕が大好きな街撮りについて解説していきます。みなさん、隙間と枠は好きですか?

モデルさんに"隙間"と"枠"の中に入ってもらう

 僕はモデルさんに"隙間"と"枠"の中に入ってもらうのが大好きです。写真表現のなかでも定番ではあるのですが、意外と奥が深い撮り方だと考えています。
DSCF3804.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
DSCF3311.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 「#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座」でも話したのですが、ポートレートでは視線誘導が重要だと考えています。隙間や枠に何かが収まっていると、意識がそこに集中しないでしょうか。  隙間や枠のなかに人物を配置することで、自然と視線誘導しやすい写真にすることができます。先に見せた2枚の写真は、手すりの隙間からと支線カバーの隙間からということでわかりやすい例だったと思うのですが、ほかにも影と影の隙間や枠に入ってもらうという方法もあります。
DSCF3408.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 わかりやすいように影の部分を線でなぞってみました。 DSCF3408のコピー.jpg  隙間や枠というのは探せば意外と多く、影に関しても僕は隙間や枠として捉えて写真を撮ることがあります。  次はクイズ形式でいきましょう。まずは人物がいない状態で写真をお見せします。みなさん、僕が人物をどこに入れるか、わかるでしょうか。
DSCF2574.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/60秒 ISO160
 正解はココです。
DSCF2571.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/60秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 さすがに簡単すぎたかもしれません。ただ、今回は写真(結果)で見せているのでわかりやすいですが、実際、現地を歩くと通り過ぎてしまう人もいるのではないかと思います。  次の写真はどうでしょうか。わかりますかね。
DSCF2667.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F2.8 1/250秒 ISO200
 答えはココです。
DSCF2675.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F2.8 1/250秒 ISO200 ■モデル:五味未知子
 「???」という人もいると思うので、こちらも写真に線を入れて解説します。 DSCF2675のコピー.jpg  というわけでは答えは怪物の口の隙間でした。見る人によっては「そこは隙間じゃないでしょう」という人もいると思いますが、そこが写真のおもしろいところです。  今回の写真でいうと、撮る人によっては右下の方に人物を配置したかもしれないですし、奥に進んでもらって怪物の瞳のところから顔を出してもらっていたかもしれません。  絶景ロケーションでは「この構図じゃないとダメかな」という場合もあるのですが、今回のような街撮りの場合は撮る人の感覚によって構図も切り取り方も変わるのが、僕が街撮りの好きな理由でもあります。

モデル側の行動に余白を残しておく

 隙間や枠に収まってもらうというのは視線誘導の役割もあるのですが、モデル側の気持ちを考えても効果的な方法だと考えています。例えばですが、「ここに立って欲しい」と指示を出して立たせると、本当に立っているだけになってしまう場合が多いです。
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使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 撮られ慣れている人であれば「ここに立って欲しい」という指示出しだけでも、いろんなポージングをしてくれることもありますが、撮られ慣れていない人を撮るときもあるでしょう。  語弊があるといけないので先に補足しておくのですが、僕は立っているだけというのは好きで、よく撮ります。決して失敗写真ではないということをここではお伝えしておきたいです。  ただ、1度の撮影のすべてでモデルさんが立っているだけというのも、それはそれで味気ないのも事実で、やはり変化が欲しいです。そういうときにも隙間や枠は役に立ちます。  もう一度、最初の写真をご覧ください。 DSCF3804のコピー.jpg  このときの僕の指示は「この隙間から顔を出して欲しい」というものでした。実際に僕も写真のようにポージングした僕の姿をモデルの子に見せているのですが、手の位置や握り方などの細かい指示は出していません。あくまでここから顔を出して欲しいという簡単な指示出しで済ませます。  「立って欲しい」という指示出しだと、ただ立ってしまうだけになってしまいことが多いのですが、今回のように隙間や枠に人物を配置すると、その人、独自の行動をしてくれる場合があります。ここが重要です。  今回の写真でいうと表情や握る位置はモデルの子が勝手にやってくれました。右手はしっかり握っているのに対して、左手はなぜか人差し指だけ伸びているのも個人的には好きなポイントです。このように指示を出しすぎないことで"モデル側の行動に余白を残しておくことが大切"です。  支線カバーの写真も、もう一度、見てください。 DSCF3311のコピー.jpg 「中途半端に上がった左足」 「身体の傾き方も絶妙」 「右手は支線カバーに触っているけど、左手は微妙に触れていない」  このような細かい動作も僕は何も指示を出していません。支線カバーの隙間に入って欲しいという指示出しだけで済ませることにより、行動に余白を作ったからこそのポージングだと考えています。

モデル側の気持ちを考えて、なるべく自然に。

 最後にこちらの写真をご覧ください。
DSCF3672-Edit.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F4 1/500秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 写真の余白や構図のバランス、収まり方を考えると「もうちょっと顔の近くで握ってもらったほうがよかったかな」とか「頭の上側の余白がもうちょっと欲しかったな」とも思うのですが、このなんとも言えない表情や手の位置というのは、ここにしかないものという感じがして、すごく好きな一枚です。  モデル側の気持ちを考えても、手を添える場所や枠に収まるという行動が入ることで、より自然な雰囲気を出しやすいのかなと思います。実際、僕も仮にモデル側になったとして「ここに立って欲しい」という指示出しよりは「この枠から顔を出して欲しい」という指示出しのほうが自然にできると思います。  隙間と枠の中に入ってもらうというのは視線誘導の役割もあるのですが、モデル側の気持ちを考えて、なるべく自然に行動できるようにしてもらうというのが本来の目的なのです。

まとめ

 僕は隙間や枠に入ってもらうのが好きという話をしましたが、あなたの好きを探してください。そこに写真のヒントが隠されています。  そういうものは無意識のうちにやっている場合が多く、今回の僕の記事のようにできれば一度、文章に書いたほうが良いです。そうすることで別のロケーション、別日での撮影でも同じテクニックを使うことができます。  写真はその日にしかない現象を写すことも大切ですが、自分が持っているテクニックを別現場でも同じようにすることができる"再現する力"も重要です。 ■モデル:五味未知子 ■写真家:コハラタケル 1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。

コハラタケルさんの連載記事はこちら

#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/483346238.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のコハラタケルさんが隙間と枠を活用したポートレートの撮影テクニックを紹介しています。作例と解説コメントを分かり易く説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,ポートレート,撮影テクニック,コハラタケル,X-Pro3,XF 23mm f/1.4 R ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: ソニー VLOGCAM ZV-E10 レビュー|山本まりこ BASENAME: 482887882.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山本まりこ DATE: 09/19/2021 10:00:00 TAGS: ソニー(Sony) ボディー,VLOGCAM ZV-E10,APS-C,ミラーレスカメラ ----- BODY: SONY VLOGCAM ZV-E10-1.JPG

はじめに

台風一過。 真っ青な空に、サルスベリのビビッドなピンク色の花がゆらゆらと揺れている。 夏を撮りに行こう。 9月17日発売、SONY VLOGCAM ZV-E10。 αユーザーが待ち望んだ待望のレンズ交換式、APS-Cセンサーを搭載した、Vlog撮影を主軸に置いたミラーレス一眼カメラだ。 今日はこの、小さく軽く薄いカメラが相棒。 SONY VLOGCAM ZV-E10-1.JPG

動画「UMIMACHI ARASHI NO ATO」

仕様や機能などいろいろと紹介したいのだけれど、とりあえず、まずはこのカメラで撮影した動画を編集して1つの動画を作ったので見て欲しい。 撮影地は、私の住む海まちの駅前にある吾妻山(あづまやま)という132mほどの小さな山。 台風が去った翌日、ジリジリと照り付けるような太陽、その下で勢いよくうねる海、色濃く葉を茂らす木々、夏を待ち望んでいた花たち。30度をゆうに超える灼熱の太陽の下、弾けそうな夏を撮った。 レンズは、ZV-E10L(パワーズームレンズキット)のキットレンズE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSを使用している。 タイトルは、「UMIMACHI ARASHI NO ATO」。
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:XAVC S 4K
全て撮り終えて、動画を家で視聴。 正直、この小さなカメラでこの映像が撮れることに驚いた。唸りながら、二度見、三度見、五度見をしてしまった。編集で大音量のセミの声を聞きつつ灼熱の中でフラフラになりながら撮影した記憶が蘇ってくる中、何度も何度も動画を見返した。

仕様と機能

VLOGCAM ZV-E10の主な仕様は下記。 □レンズ交換式ミラーレス一眼 □総画素数:約2500万画素、カメラ有効画素数約2420万画素 □撮像素子:APS-Cサイズ (23.5 x 15.6 mm)Exmor CMOSセンサー □本体のみ質量:299g、質量:343g(バッテリーとメモリーカード含む) □外形寸法:115.2 x 64.2 x 44.8 mm(グリップからモニターまで) □連続撮影速度:Hi+時: 最高約11コマ/秒、Hi時: 最高約8コマ/秒、Mid時: 最高約6コマ/秒 、Lo時: 最高約3コマ/秒 □実動画撮影時:液晶モニター使用時: 約80 分 (CIPA規格準拠)、連続動画撮影時:液晶モニター使用時: 約125 分 (CIPA規格準拠) □カメラまかせで被写体を自動で追い続ける「リアルタイムトラッキング」機能搭載、リアルタイム瞳AFにも対応 ここで、撮像素子APS-Cサイズのα6600と比べてみる。α6600は、外形寸法が約120.0(幅) x 66.9(高さ) x 69.3 (奥行き)mm、120.0x 66.9x 59.0mm(グリップからモニターまで)、質量が503g(バッテリーとメモリーカード含む)、本体のみ質量は418gである。比べると、VLOGCAM ZV-E10は、さらに小さくて軽くて薄いという事が分かるだろう。 SONY VLOGCAM ZV-E10-2.JPG SONY VLOGCAM ZV-E10-3.JPG SONY VLOGCAM ZV-E10-4.JPG SONY VLOGCAM ZV-E10-5.JPG スイッチは、スライド式。これならカバンに入れていていつの間にかスイッチが押されていた、なんてこともなくなるだろう。 SONY VLOGCAM ZV-E10-6.JPG Vlog撮影を主軸に置いたミラーレス一眼ということだけあって、Vlog撮影に便利ないろいろなボタンが配置されている。 撮影モードは、「静止画 / 動画 / S&Q切換ボタン」ボタンを押すことで、切り替えることが出来る。特に、ボタン一つの切り替えで、スローモーション動画を撮影出来るのはとても便利だ。 人物の後ろに山がシマシマに描かれているマークは、ワンタッチで瞬時に表現の切り換えができる「背景ぼけ切換機能」。撮影時、このボタンを押せば、背景がボケたり、くっきりしたり、瞬時に切り替えることができる。あまり写真や動画撮影に詳しくなくても、背景がトロリとボケた動画が撮影できてしまうという、初心者さんに優しい機能。 SONY VLOGCAM ZV-E10-7.JPG 筆者的にとても良かったと思う点は、動画ボタンが大きいという事。静止画のシャッターボタンの近くに配置された動画ボタンは、今までのαに搭載されていた動画ボタンより大きく、押しやすい。 ゴミ箱マークの右上、人物の前に箱のような立方体が描かれているマークは、素早くピントの移動ができる「商品レビュー用設定」。このボタンを押すと、動画撮影時に人物の顔の前に商品を出すと商品にピントが合う。Vlogger向けの機能だ。ちなみに、今更かも知れないが「Vlog」とはVideo blog(ビデオブログ)の略で、文章で表現する一般的なブログの動画版のことを言う。 SONY VLOGCAM ZV-E10-8.JPG カメラボディの上の可愛らしいモフモフしたものは、ウインドスクリーンという風よけ。これを装着し「風音低減」を入にして撮影すると、かなりの割合で風音を入れず撮影することができる。装脱着できるので、風音を気にしない撮影の場合は着けなくてもOK。 SONY VLOGCAM ZV-E10-9.JPG

強い手ブレ補正機能、そして、風の音が防げる

動画を見返してみよう。 ここで、注目して欲しいのは、山の上でコスモスを撮影したシーン。 山の上なので風が吹いているけれども、風の音は見事にカットされてセミや鳥の鳴き声や、山の下の道に車が走る音が聞こえる。装着したウインドスクリーンが効いている。ちなみに、これはカメラ内のマイクで撮影したもの。山は132mなので、道とそれだけ離れていても車が走る音を拾っている。カメラ内のマイクとしてはかなり秀逸だ。 そして、この動画は三脚は使わずに手持ちで撮影している。手ブレ補正は、「アクティブ」「スタンダード」「切」の3種で設定できる。この時は「アクティブ」に設定。手持ちでこれだけゆっくり移動させて撮影してもこの滑らかさ。
録画をストップするときにカメラが動いたのは、停止させるためにボタンを押したから。それまではかなり滑らか。 こちらは、歩きながら足元の木漏れ日を撮影した動画。 手持ちで歩きながら撮影しているのに、この滑らかさ。 手ブレ補正「アクティブ」がかなり効いている。

静止画を楽しむ

もちろん、静止画も美しく撮ることが出来る。
SONY VLOGCAM ZV-E10作例1.JPG
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF5.6 ISO100
SONY VLOGCAM ZV-E10作例2.JPG
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF29 ISO100
SONY VLOGCAM ZV-E10作例3.JPG
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF5.6 ISO100
SONY VLOGCAM ZV-E10作例4.JPG
■使用機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10+E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:SS 1/30秒 絞りF10 ISO100
液晶画面の右側に配置されたFn(ファンクション)ボタンを押せば、ISO感度、ホワイトバランス、クリエイティブスタイル、フォーカスモード、フォーカスエリア、美肌効果などを切り変えることが出来る。既存のαと変わらず便利なFnボタンは、引き続き利用できるのは嬉しい。 筆者としては、正直、VLOGCAM ZV-E10では動画ばかりを撮影していて、静止画はほとんど撮影しなかった。半日撮影して、動画は203シーン、静止画は58枚撮影していた。動画撮影が便利な分動画撮影がやはり楽しく、動画ばかり撮影していた。いつもなら、同じ時間だけ撮影しているとしたら、1000を超える静止画を撮っていると思う。VLOGCAM ZV-E10は、動画メインの撮影機として保有するのもいいだろう。

おわりに

今回、VLOGCAM ZV-E10と付属のキットレンズE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSのみで撮影した。弾けそうな強い夏が撮れた。そして、すごく簡単に撮れた。機材を背負ったリュックも軽かった。レンズ交換式カメラなので、実は、撮影には他のレンズも持って行ったけれど今回は使わなかった。キットレンズでどこまで撮れるか、それを試したかったのもある。持って行った機材は、VLOGCAM ZV-E10、E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS、そして、三脚、単焦点レンズレンズとマクロレンズの2本。三脚を使ったのは、山の上から海を定点で撮影するときのみ。後は全て手持ちで撮影した。カメラが軽いので、軽い三脚を持って行った。撮れた動画を見て、正直びっくりした。この小さなカメラとレンズでここまでの動画を撮影できる時代になったのかと。 でも、いろいろ考える点もあった。 まずは、ファインダーがないこと。カメラを小さく軽くするためなのか時代なのかファインダーがないので、最後までピントが合っているか不安を持ったままの撮影。でもこれは、撮影した動画をパソコンでチェックして気持ちがスッキリと晴れた。目を見張ってしまうほどの美しい映像が撮れていた。カメラまかせで被写体を自動で追い続けるリアルタイムトラッキング機能が効いていて、激しく動く植物にも俊敏にピントが追いついていた。そして次に、バッテリーが小さい分、消耗も早いという事。今回半日の撮影で、1個と少し使った。筆者は今、α7R IVやα7Cをメイン機として撮影しているので、バッテリー交換はほぼしないで撮影出来ている。なので、消耗は早いなという印象。1日たっぷり動画を撮影したい人は、予備バッテリーを数個所持しての撮影をおススメする。 その点を踏まえたとしても、このVLOGCAM ZV-E10というカメラはとても魅力的に私に写った。小さくて軽くて写りが素晴らしく美しく、何よりフットワーク軽く撮影出来るところがかなりの魅力。すぐに欲しいと思った。動画初心者さんには、かなりのおススメカメラだと思う。 それにしても、熱い夏の日だった。帰宅後、すぐにシャワーを浴びて、しばらく動けなかった。家族からは、よくこんな日に撮影に行くものだと心配されたけれど、そんな真夏を撮影したいと思わせてくれたカメラには感謝。おかげで思い描いていた夏を撮ることが出来た。カメラというのは、時に人を奮起させてくれたり、大きな喜びを持たせてくれる。とてもありがたい存在だなあといつも思う。今度は、このカメラで、レンズをいろいろ変えた撮影にも挑戦してみたいと思う。 VLOGCAM ZV-E10は、9月17日発売。 夏から秋に変わってゆく頃。 ぜひ、あなたの目の前の季節を撮ってみて欲しい。 ■写真家:山本まりこ 写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。

「VLOG」や「ZV-E10」についてはこちらの記事でも紹介しています

■Vlog(ブイログ)とは何か? ~楽しみ方含めてソニーのマーケティング担当者へインタビューしてきました~ https://shasha.kitamura.jp/article/483108202.html ■ソニー ミラーレスカメラ VLOGCAM ZV-E10が登場!|APS-Cセンサーサイズのレンズ交換式VLOGCAM https://shasha.kitamura.jp/article/482739772.html ■更新 ・2021年10月4日:キャンペーン終了に伴い、内容を修正しました。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山本まりこさんがソニーVLOGCAM ZV-E10のレビューをしています。Vlogにも写真にも使えるこのカメラに興味がある方は必見です。 ----- KEYWORDS: ソニー(Sony) ボディー,レビュー,VLOGCAM ZV-E10 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: シグマ fpシリーズとオールドレンズで楽しむ水族館写真とポートレート BASENAME: 483403884.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 09/20/2021 11:00:00 TAGS: シグマ(Sigma) ボディー,水族館,オールドレンズ,フルサイズ,ポートレート(人物),ミラーレスカメラ ----- BODY: 00_sigma.jpg

はじめに

 シグマのfpシリーズは、小さいながらもフルサイズセンサーを備えたミラーレス機で、その個性的な外観から、装着するレンズによってガラリとイメージが変わる、撮る楽しさだけではなく、持つ楽しさも味わえるカメラです。  今回は、そのfpシリーズとオールドレンズを使って撮影した、水族館写真とポートレートをご覧いただきながら、マウントアダプターとオールドレンズでの撮影の楽しみ方を、お話したいと思います。

撮影できる範囲が広がるヘリコイド付きがお勧め

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■撮影機材:SIGMA fp
 筆者がfpシリーズのカメラに使用しているマウントアダプターは、焦点工房オリジナルブランドSHOTEN(ショウテン)の、「LM-LSL M (ライカMマウントレンズ→ライカSL.Lマウント変換) ヘリコイド付きマウントアダプター」です。  これは、ライカ、パナソニック、シグマなどのLマウントのカメラに対応したマウントアダプターで、ヘリコイドが付いているので接写が可能です。マウント部にある5mmのヘリコイドを繰り出すことで、最短撮影距離を短縮できるので、被写体にぐっと近付いて撮影できます。  この作品も、金魚が画面いっぱいに大きく写し出されていますが、水槽から離れて撮影していては、このように被写体を大きく捉えることはできません。また、水族館では水槽から離れれば離れるほど、館内の常設灯や非常口のマーク、後ろを通る他のお客様などが水槽のアクリルに映り込んでしまうので、幻想的とは程遠い写真になってしまいます。  これからマウントアダプターを使ってオールドレンズ遊びをしたい方は、ぜひ、接写も可能なヘリコイド付きのマウントアダプターをお勧めします。  9月17日~23日に新宿 北村写真機店で開催する写真展「みずあかり」では、この作品を大きな銀塩プリントでご覧いただけます。人でも動物でも、ピントを目に合わせるのはセオリーですが、筆者は水族館撮影、特に金魚の写真では、ひらひらと軽やかになびくレースやオーロラのようなヒレに、ピントを合わせて構図することが多いです。  普段ははっきり見ることのできない、泳いでいる金魚のヒレの繊細な美しさを、写真という形にすることができるのも、作品作りの楽しさでもあります。

ピント合わせは自分の体で!

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■撮影機材:SIGMA fp
 今回使用しているオールドレンズは、1962年製の「ジュピター8」、1961年製の「インダスター61」と、「ズマリット50mm F1.5」です。いずれもライカLマウントのレンズで、くるくると回して装着するスクリュータイプなので、このままではマウントアダプターに装着できません。そのため、ライカMマウントに変換する「K&F Concept KF-LM-5075 マウントアダプター」を使用しています。  オートフォーカスが使えないマニュアルフォーカスのレンズですので、ピント合わせはすべて手動で行うことになります。そう聞くだけで、難しそうだなぁと感じる方も多いかと思いますが、実は水族館撮影でのマニュアルフォーカスの撮影方法はとても簡単なのです。  順番としては、ヘリコイドを繰り出して一番接写ができる状態にして、絞りを開放にして、ピントを近いものがはっきり写る最短距離に合わせます。そして、その状態で固定したまま、カメラを前後させてピントを合わせましょう。  被写体が大きく写りすぎる場合は、ピントは最短距離のまま、少し後ろに下がるなりして構図を整えてから、じっくりとピントリングを動かすようにしましょう。カメラと被写体との距離を変える場合は、カメラを動かすこととピントリングを動かすことを同時にしないで、場所が決まってからピント合わせをするというように順番に行うことで、マニュアルフォーカスでのピント合わせの難易度はぐっと下がります。

カメラ側の設定

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■撮影機材:SIGMA fp
 カメラ側の設定ですが、絞りはレンズ側の絞りリングを使用して設定します。幻想的な水族館写真を撮りたい場合は絞り開放に、動き物にあまり慣れていない方や、魚の体をはっきり表現したい方は、F5.6くらいまで絞ってもいいでしょう。  ただ、あまり絞りすぎると、ISO感度の設定によってはシャッタースピードが遅くなって、ブレブレの写真になってしまう危険があるのと、水槽の壁や配管などがボケずにはっきり写ることで、生活感のある写真になってしまうので気をつけましょう。  シャッタースピードは1/1000秒前後でしたら、大体のシチュエーションで被写体ブレも抑えて撮れます。逆に少し遅くして、わざとブラしてみても面白いでしょう。  ISO感度は明るい水槽ならISO400くらいで撮れることもありますが、暗い水槽だとISO6400くらいがお薦めです。ホワイトバランスはオートでもいいですし、色味を統一したい方は色温度設定で5000K前後に設定しておくと、照明の変化が大きい水槽でも、色味の変化なく撮影できます。  露出は、上記を踏まえて自分で調整することになります。通常の撮影だと明るめが好みの筆者ですが、水族館撮影では明るくしすぎず、むしろ少し暗めに、暗いところがしっかり暗くなるように撮ることが多いです。  なぜかというと、鮮やかな光の演出がされている水槽を明るめに撮ってしまうと、色鮮やかさが減少して全体のコントラストが低くなり、爽やかにはなるのですが、ドラマティックさが少なくなってしまうからです。  オールドレンズで撮影する場合は、F値の小さな明るいレンズを使うことが多いでしょうから、絞りを開ければ暗くなりすぎることはないと思います。主役の魚は水槽内の明るいところにいるときに、照明の届かない暗い部分との明暗の差が大きくなるような構図にすると、コントラストの高い、ドラマティックな写真に仕上がります。  オールドレンズは高コントラストの描写が美しいレンズが多いので、コントラストを高く仕上げたいときは、カメラ側の明暗の差をなくす設定をオフにして撮影しましょう。

オールドレンズはポートレート撮影も楽しい

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■撮影機材:SIGMA fp L ■モデル:大川成美
 こちらは、7月の個展で展示した作品になります。カメラは「SIGMA fp L」、レンズは「ズマリット50mm F1.5」を使用しました。B2サイズと大きく印刷しましたが、「SIGMA fp L」は有効画素数約6,100万画素ですので、もちろん問題なく綺麗に仕上がりました。  前ボケになっているのは木のトルソーです。オートフォーカスですと、逆に手前の被写体にピントを合わせたがって、奥の被写体にピントが合いにくいことがあります。動物園で、檻の中にいる動物にピントを合わせたいのに、手前の柵に合ってしまうのも、その例ですね。  顔/瞳優先AFも効きにくいようなこんなシーンでは、マニュアルフォーカスでピントを合わせてしまったほうが、素早く正確に合わせられることも多いです。

高コントラストが活きるモノクロ写真

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■撮影機材:SIGMA fp L ■モデル:大川成美
 こちらも、7月の個展で展示した作品です。このときは、すべての作品をモノクロで撮影しました。写真から色の情報を無くすことで、見る人の想像力を掻き立てる効果が倍増します。  被写体を優しくまろやかに表現してくれるオールドレンズと、人の肌質やコンクリートの質感などをしっかり表現してくれる、高い解像力の最新デジタル機との組み合わせは、ポートレート撮影でも堪能することができます。  モノクロ撮影は、カラーで撮影したものをモノクロに変換するよりも、最初からモノクロで撮影することをお勧めします。そのほうが、露出や細かい色味のグラデーションをその場で確認することができるので、より、自分の完成形のイメージに近い作品が撮れます。  また、モノクロ写真は通常よりも明暗の差があったほうが格好良くなりますので、特別な意図がないようでしたら、高コントラストで撮影しましょう。

自分だけの一本を見つけよう!

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■撮影機材:SIGMA fp L ■モデル:大川成美
 オールドレンズで撮影するなら、ぜひ撮って欲しいのが逆光でのふんわりポートレートです。最近の高性能のデジタルレンズでは出ないようなフレアーやゴーストは、オールドレンズ・ポートレートならではの味になります。  この撮影時も、強い光に向かって撮影する逆光の状態でしたので、画面全体に薄い霧のような紗がかかりました。それがソフトフィルターのような効果になり、ドリーミーに仕上がりました。さらに、カラーモードをパウダーブルーにしているので、より透明感のあるムードになりました。  ドラマティックにも、ドリーミーにも仕上げてくれる半世紀前のレンズは、中古カメラ店やオンラインなどで気軽に購入できます。同じ名称のレンズでも個体差があって、写りも違うのは、オールドレンズ遊びのさらに楽しいポイントでもあります。ぜひ、みなさんの一本を見つけてください! ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。

水咲奈々 写真展「みずあかり」

mizuakari.jpg ■会期:2021年9月17日(金)~23日(木) ■時間:10:00~20:00 ※最終日は16:00まで  ※店舗の営業時間に準じて変更になる可能性があります。 ■会場:新宿 北村写真機店 6F Space Lucida ■住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-14   ■入場料:無料 写真展「みずあかり」情報サイト https://lit.link/misaki7info
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんに、SIGMA fpでのオールドレンズ撮影の楽しみ方を解説いただきました。マウントアダプターを活用すれば、最新カメラでもオールドレンズを使うことができます。 ----- KEYWORDS: シグマ,Sigma,水族館,人物,オールドレンズ ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: シグマ 24mm F2 DG DN Contemporary レビュー|Iシリーズ2本目の明るい24mm登場! BASENAME: 483454979.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 09/20/2021 16:00:00 TAGS: 24mm F2 DG DN | Contemporary,スナップ,シグマ(Sigma) レンズ,単焦点 ----- BODY: SIGMA 24mm F2 DG DN  Contemporary.jpg

はじめに

 シグマから新しい単焦点レンズが登場しました。シグマの創立60周年記念日に発表された、この「24mm F2 DG DN | Contemporary」は、高いビルドクオリティと描写が人気の「Iシリーズ」に加わります。すでにこのシリーズには開放F値が異なる「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」が存在しますが、同時に発表された「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」と合わせて6本のラインナップに拡充されました。  24mm(2タイプ)、35mm、45mm、65mm、90mmと、広角から望遠まで「Iシリーズ」だけでも十分に撮影が楽しめるような陣容になってきましたね。軽量コンパクトながら高品位なプライムレンズは撮影気分を高めてくれます。

24mm F2 DG DN | Contemporaryの特徴

 このレンズはIシリーズに属するので、とても素晴らしいレンズに仕上がっています。フルメタルの外装をまとい、カチカチと節度感の高い絞りリングを備え、高品位なメタル製花形フードが付属します。実際にこのレンズを手にすると、ヒンヤリとした素材感とともに適度な重量を感じられ、「モノ」としての存在感を確実に味わうことができるでしょう。所有する悦びを感じられますね。また、ユニークなプロモーションビデオで話題を呼んだマグネット式レンズキャップも同梱されます。  見た目だけではなく、光学性能ももちろん高められています。11群13枚のレンズ構成で、SLDガラス2枚、FLDガラス1枚、ガラスモールド非球面レンズ2枚を使用して各種収差を良好に補正し、画面中心部から周辺部まで解像感高い写りを実現しています。また、絞り羽根は9枚の円形絞りです。最短撮影距離は24.5cm、フィルター径は62mmという仕様です。フレアやゴーストの発生を低減するシグマ独自のスーパーマルチレイヤーコートも施されています。このレンズはミラーレス一眼カメラ専用設計となっており、小型軽量化に配慮しつつ画質を最大限に高めています。  レンズ鏡筒のサイド部には、円弧方向に動かすフォーカスモード切替えスイッチを備えています。これはとても操作しやすいので気に入った部分です。オートフォーカスはステッピングモーターを採用して、動画撮影時でも静かかつ高速に合焦するようになっています。また、簡易防塵防滴構造になっているので、悪天候時でも安心して撮影ができるのがうれしいところです。  「SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary」はより明るく、さまざまなシチュエーションでボケ味を活かした描写を楽しめる24mmレンズになっています。

高品位なプライムレンズ「24mm F2 DG DN | Contemporary」

 鬱蒼とした草が生い茂る日陰の斜面をチョイ絞りで撮影しました。明るい部分から暗い部分にかけての写りが何とも言えません。このレンズはちょっとした森のディテールを豊かにキャプチャーしてくれました。
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■使用機材:SIGMA fp+24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2.8 1/80秒 ISO-100 露出補正-2.7
 24mm F2 DG DN | Contemporaryは開放F2と明るく、最短撮影距離24.5cmと寄れるレンズです。これに世界最小最軽量のミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」を組み合わせれば、大きなボケを楽しむことができるのです。このカットは塀の住所表示に迫ったものですが、24mmのワイド感とボケ味を表現することができました。
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■使用機材:SIGMA fp+24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/1250秒 ISO-100 露出補正-1.7
 24mm F2 DG DN | Contemporaryは光学的に収差を封じ込め、カメラボディでのデジタル補正と相まって、被写体を正確に表現します。建造物の直線もスッキリときれいに写し撮ってくれます。
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■使用機材:SIGMA fp+24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/22 1/25秒 ISO-125 露出補正-0.3
 24mmという画角はスナップ撮影から風景撮影まで活躍します。誇張されすぎない広がり感は、自然な雰囲気を壊しません。24mm F2 DG DN | Contemporaryは6100万画素の「SIGMA fp L」の解像力にも余裕を持って応えてくれました。歴史ある建物のカッチリとした描写が頼もしいですね。
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■使用機材:SIGMA fp L+24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/8 1/160秒 ISO-100 露出補正-2.0
 24mm F2 DG DN | Contemporaryの開放F2という明るさは、情感あふれるシーンを見た目そのままに捉えます。古いお屋敷の土間を撮りましたが、レンズの明るさと、F2での解像力とで狙ったとおりの仕上がりとなりました。
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■使用機材:SIGMA fp L+24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/30秒 ISO-100 露出補正-2.7
 F2と明るく寄れる24mm F2 DG DN | Contemporaryはシーンを印象的に撮影可能です。「パナソニック LUMIX S5」で、竹の節目にフォーカスしてシャッターを切りましたが、芯のあるピント面と背景のガウス感、そして玉ボケが素晴らしいカットになりました。このレンズだから撮れるカットと言えるでしょう。
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■使用機材:LUMIX S5+SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/60秒 ISO-800 露出補正0
 開放での描写が魅力ですが、チョイ絞りで撮るとよりシャープネスと解像感が増してキリリとしたカットになります。土蔵の立体感がまるで肉眼で見ているようではありませんか。
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■使用機材:LUMIX S5+SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/6.3 1/60秒 ISO-320 露出補正-0.7
 24mm F2 DG DN | Contemporaryは明るいワイドレンズを求めているフォトグラファーにオススメの1本です。何よりも美しくカッコよいルックス、そして操作感、文句のつけようのない描写は、長期間に渡って撮影のパートナーになってくれることでしょう。このような暗い室内でも精細感ある写真を手にすることが可能です。
SIGMA 24mm F2 DG DN作例 (8).JPG
■使用機材:LUMIX S5+SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:f/2 1/60秒 ISO-250 露出補正-1.3

24mm F2 DG DN | Contemporaryのスペックを確認

レンズ構成枚数:11群13枚 画角:84.1° 絞り羽根枚数:9枚 (円形絞り) 最小絞り:F22 最短撮影距離:24.5cm 最大撮影倍率:1:6.7 フィルターサイズ:φ62mm 最大径 × 長さ:L マウント φ70mm × 72mm ソニー E マウント φ70mm × 74mm ※ 長さはレンズ先端からマウント面までの距離です。 質量:L マウント 365g ソニー E マウント:360g エディションナンバー:C021 付属品:マグネット式メタルキャップ(LCF62-01M)、花形フード(LH656-02)

まとめ

 「SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary」は、「モノ」としての仕上がりと存在感、そしてそれにマッチした上質な写りを約束してくれるプレミアムな24mmレンズです。これを使えるLマウントとEマウントユーザーは幸せなのではないでしょうか。それでいてお値打ち価格なのですから驚きです。実際にカメラに装着して試されることをオススメいたします。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがSIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporaryのレビューをしています。高いビルドクオリティと描写に興味がある方におすすめのレンズです。 ----- KEYWORDS: SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary,シグマ(SIGMA)レンズ,レビュー ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: 森脇章彦さんテスト BASENAME: 483516308.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 森脇章彦 DATE: 09/21/2021 09:57:06 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ミラーレスカメラでロードバイクムービーを撮る|お洒落に仕上げる為の構図とTips BASENAME: 483453882.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: WATARU DATE: 09/21/2021 16:00:00 TAGS: 撮影テクニック,サイクリング/自転車 ----- BODY: ロードバイクをフォトジェニックに撮影.JPG

はじめに

 今回は、ミラーレス一眼カメラを使ったお洒落なロードバイクやサイクリング動画を撮る際のテクニックに関して、前回の記事から一歩踏み込んだ部分に関してご紹介して行きます。僕自身、動画クリエイターとして活動しているのもあり動画にフォーカスしてお伝えしますが、全て写真にも応用がききますので、YouTubeをやられている方以外にも普段InstagramやTwitterなどにロードバイクの写真をUPしている方の参考になれば幸いです。普段、僕が普段どんな風に撮影を行っているのか、実際の撮影現場を観て頂きながらご紹介して行きます。是非、最後までご覧下さい。

撮影する前のポイント

 簡単な下準備をしておくだけでよりこだわりのある映像や写真を撮る事が出来ます。撮影するのであれば、自身のロードバイクを一番カッコ良い状態で撮影したいですよね。メーカー各社のカタログ写真を見て頂ければ分かりやすいですが、それが良いお手本です。  方法としては、まず初めにチェーンの位置をアウタートップにします。こうする事でチェーンの上側のラインが水平になりスッキリ綺麗に纏まります。クランクアームはチェーンステーと平行に合わせます。ラインを合わせる事でより美しく。そして、ホイールの位置(向き)を合わせ、ハンドルが左右どちらかに切れてしまわない様にフレームに対して真っ直ぐの状態でキープさせます。僕自身、必ずしもこれを徹底している訳ではないですが、スピードが重要な撮影ライドの中で時間に余裕のある時に実践すると、これだけで安定感があってビシッとキマった映像(写真)になると実感しています。今まであまり意識していなかったという方は是非試してみて下さい。準備が整ったら、次は構図に関して具体的に映像を撮りながらご説明していきましょう。

二分割構図/三分割構図

 例えば風景だけを撮る場合に、空と海を半分ずつにして撮影すればシンプルな二分割構図になります。空を大きく見せたいなら横に三分割した内の2/3を空に、1/3を海にします。これが三分割構図です。  では、そうした風景をバックにバイクを撮影する際、どの様な構図が美しいでしょうか。作例を観て頂きましょう。こちらの映像ではどこに目が行くでしょうか。恐らく手前のロードバイクと背景にある東京タワーかと思います。右下にバイク、左上に東京タワーを持って来る事でバランスを取った二分割構図にて撮影しています。  続いての映像でも、二分割構図にて撮影していますが、こちらでは縦に分割し左側にバイク、右側にはヘッドライトが照らす灯りのみを映し、広がりや奥行き感、そして夜間撮影の光と影を表現しています。  バイクをより小さく1/3の大きさで左端に寄せれば三分割構図になります。綺麗に分割させる事が出来れば構図の凝った映像や写真を撮る事が出来ますが、慣れないうちはiPhoneなどのカメラで三点分割のラインが見える機能を使って、それを見ながら意識して撮る様にしていくと、次第に慣れて来てラインがなくても勝手に見えて来る様になります。

額縁構図

 門や建物や木々などをフレームの縁に入る様に撮影します。綺麗にフレームに収める事が出来れば狙いがわかりやすいカッチリした映像や写真を撮る事が出来ます。門の作りや素材や柄などによって雰囲気が変わって面白い絵を撮る事が出来ます。普段、街中を走っていてこの構図で撮れそうな場所があったら是非撮影して見て下さい。面白い絵が撮れると思います。

放射構図

 長い一本道などで消失点が生まれる構図。奥行き感が出るので被写体がより引き立つ映像を撮れる構図です。僕自身もこの構図が好きで度々映像の中で使用しています。作例を見て頂くと分かりやすいと思いますが、消失点が映っていない映像よりも消失点のある放射構図を意識した映像の方が奥行き感や映像の広がりを感じて頂けると思います。  また、一つの消失点へ向かって全てのものが収束する透視図法を一点透視図法といいます。 最もシンプルな透視図法で深い奥行きを表したい時によく使われます。

アルファベット構図

 読んで字のごとく、アルファベットの文字に沿った構図です。今回は、荒川左岸下流の高速下にてC字構図(この時の映像では逆C字の構図です)をバックに撮影してみました。背景が真っ直ぐに伸びる道では無くC字に伸びて行くので、そのラインに沿って視線誘導によって目線が動く、動タイプと言われる構図となります。C字の他にも定番なのがS字構図。九十九折の峠道を上から映した映像などがそれです。

日の丸構図

 主役を真ん中に置くだけのシンプルな構図です。バイクを映像や写真のど真ん中に来る様に撮影すれば日の丸構図となります。これはバイクだけを目立たせたい時に使いますが、バイクと背景との距離が離れているなら背景ボケも相まって効果的な構図となるでしょう。逆にバイクと背景との距離が近いと急激に素人っぽい雰囲気になってしまうので注意が必要です。

水平を保つ

 前回の記事でもお伝えしましたが、例外を除いてとにかく水平を保つ事が重要です。わざと水平にせず撮影したものと見比べてみて頂ければ一目瞭然だと思いますが、安定感が全然違います。基本を抑えた上で敢えて斜めに撮影する事で効果を狙うのであれば良いと思いますが、そうでなければ意識して水平を保つ様にして撮影してみて下さい。

記念撮影ではなく、魅せる写真にする為に

 バイクを停めていざ撮影しようとした場面での行動範囲を意識してみましょう。カメラ初心者の頃によくありがちなことですが、行動範囲の狭さ故に撮影しようとしたその場所から動かず記念撮影で終わってしまうパターンが見受けられます。前回の記事でもお伝えしましたが、重要なポイントは"一つの場所だけで完結させない様にする事"です。足を使いましょう。歩き回って一番のポイントを見つけるのです。僕自身、撮影の際には欲しい構図が見つかるまでロードバイクに近づいたり遠ざかったり、周りをぐるぐる回ったり、背景とのバランスを取りながら時間をかけて撮影しています。大事なのは行動範囲の広さなのです。  そして、車体全体を撮影する際にホイールが見切れてしまわない様にする事。せっかく良い角度で撮れているのにホイールが切れていたら勿体ないです。見切れてしまった部分は取り戻せないけど、余分に撮ってしまったならアップにすれば良いです。ここも足を使って少しだけ引くなどしてフレームの中に確実に収まる様に撮影してみましょう。

見せたい部分だけをアップで撮る

 美しい塗装やカーボンフレームの曲線美、アルミやクロモリの綺麗な繋ぎ目、コンポーネントの造形美などなど、ロードバイクなどの自転車が好きな方はより細かい部分を見たがっています。引きの絵だけではなく、ロードバイクを構成するパーツやフレームの一部分だけを切り取って映像(写真)にするだけでより興味深い映像(写真)を撮影出来ると思います。これも、どこをどの角度からどの様な構図で撮るのか、ここが重要になって来ます。まずは、ご自身のロードバイクの一番好きな部分を一番カッコ良い角度から撮ってみて下さい。何度も撮影を重ねる度に良い”切り取り方”というものが出来る様になっていくと思います。大事なのは、"何となく撮る"のではなく、"意識して撮る"という事。是非、意識しながら撮影に臨んでみて下さい。

映像や写真に正解はない

 映像や写真に正解はない。その通りですが、ただ闇雲に撮影しまくる事を続けるのではなく、方法を知り、基本を押さえる事で、自分自身の感性やセンスを引き出し、より良いものを撮影出来るのではないかなと思います。「いつも何となく撮ってた」という方には是非今回の記事の内容を活用していただければと思いますし、「自分のロードバイクをもっとカッコ良く撮りたい」という方には映像や写真のクオリティを上げる為に是非次回のライドから取り入れてみて頂ければと思います。SNSやYouTubeなどを通して、この記事を読んで頂いている皆さんのロードバイクをよりカッコ良く撮影されたものが世界中に届けられる事を願っています。 ▼今回の記事で紹介した内容は総編集した動画からもご覧頂けます。是非こちらもご覧ください。
■執筆者:WATARU 東京を中心にロードバイクでのライド動画をはじめガジェット系・パーツなどのレビュー動画を配信しているYouTuber/動画クリエイター。ロードバイクのある風景をお洒落に映し出す事を得意とし、ミラーレス一眼・GoProを駆使し大自然の絶景や美しい都心の夜ライド動画を季節感のある映像に仕上げる事に定評がある。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 動画クリエイターのWATARUさんがミラーレスカメラでロードバイクムービーを撮る際にお洒落に仕上げる為の構図とTipsを紹介しています。YouTubeをやられている方以外にも普段InstagramやTwitterなどにロードバイクの写真をUPしている方の参考にもなりますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ロードバイク,サイクリング,vlog,シネマティック,構図,WATARU CH ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ニコン Z fc 開発者インタビュー|話題のミラーレスカメラを徹底解説 BASENAME: 482954090.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 09/22/2021 16:00:00 TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,開発者インタビュー,APS-C,ミラーレスカメラ ----- BODY: 20_top.jpg

はじめに

00_ニコンZ fc.jpg 往年のフィルムカメラにインスピレーションを受けたデザインが話題を呼んでいるニコンの新作ミラーレスカメラ「Z fc」。今までのZシリーズとは一線を画す存在であることはその見た目から明白ですが、ではなぜこのZ fcは誕生したのか。Z fcとはどんなカメラなのか。開発者へのインタビューを通して注目のカメラを深掘りしていきたいと思います。 今回お話を伺ったのは、商品企画全般を担当した株式会社ニコン 映像事業部のハウ・ネルソン氏、プロダクトデザインを担当した株式会社ニコン デザインセンターの鈴木舟氏です。

Z fcの開発経緯

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株式会社ニコン デザインセンター 鈴木舟氏(左)、映像事業部 ハウ・ネルソン氏(右)
― まずZ fcですが多くの反響を呼んでいます ネルソン:ありがとうございます。ここまで反響があるとは予想していなかったので未だに半信半疑ではありますが、非常にありがたいと思っています。 鈴木:ニコンのカメラでここまで話題になる、お客様からこんなにも反応があることが、(私自身)初めての経験でしたので非常に嬉しく思います。 ― Z 7・Z 6シリーズ、Z 5、Z 50などミラーレスカメラのラインナップが揃ってきた中でZ fcが開発された経緯を教えて下さい ネルソン:ラインナップを拡充させてきた中で、他のZシリーズとは一味違うコンパクトで高機能なモデルを出したいと考えました。ユーザー層の裾野を広げることを一番の目的に、何をどうしたらいいか考え、一味違う、ニコンのヘリテージ(伝統)を活かしたデザインの発想が生まれました。プライマリーターゲットは20~30代の若年層を意識しており、特に持ち物にこだわっている女性にもアピールしたいと考えました。そういった方にはニコンのいままでの製品とは違うものを出さないと響かないと思い、こういったカメラを企画しました。 鈴木:従来のニコンのカメラは使い勝手を重視し、機材として本格的に使えるという部分にフォーカスしてきました。それに対して今回のZ fcは、よりユーザーの生活やライフスタイルに馴染む、より身近に使ってもらえる、そういったコンセプトがありました。また、ニコンのヘリテージデザインをベースにしようと、企画が進んでいきました。
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Z fc(中央)と歴代のFMシリーズ
― Z fcという名前に込められた意味を教えて下さい ネルソン:Z fcの「f」はfusion(フュージョン)を表します。以前発売されていたデジタル一眼レフカメラ「Df」のfと同じで、ヘリテージなフォルムに最新の技術が融合されていることを意味します。 また、「c」はcasual(カジュアル)です。とにかく気軽に写真を撮っていただきたい。アウトプットも大事ですが、そこまでのプロセスを楽しんでほしいと思います。カジュアルにコンパクトに、どこに持っていっても自分のライフスタイルに融合するように開発しています。

こだわりのデザインや機能について

― FM2にインスパイアされたデザインとのことですが、外観のポイントは何でしょうか
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Z fc(左)とFM2(右)。Z fcはFM2をインスパイアして作られたモデルだ
鈴木:Z fcは、FM2という明確なインスピレーションの元があり、これまでニコンの機材を使ってこられた方は、ご存じの方も多くいらっしゃいます。そういうお客様が手に取った時に違和感がないように、FM2が持っている存在感を大事にしました。 FM2はフィルムカメラ、今回のZ fcはミラーレスカメラなので、そもそもの骨格が違いますよね。なので、同じようなデザインを着せても全く違うものになってしまいます。同じ佇まいを感じさせつつも、デザイン自体はそれぞれの骨格に合わせてチューニングしていくことで、新しいデザインでありながらFM2が持っている雰囲気が表現されるように工夫しました。 細かいディテールで言えば、丸型のファインダーや革の意匠などはフィルムライクなカメラのデザインにおいて喜ばれるポイントと考え、そういう部分まで一つ一つ丁寧に作り込んでいます。手に取ったとき、「本物のデザインなんだな」と感じてもらえたら嬉しいです。
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「FM2のデザインのみならず、その存在感も落とし込むよう工夫した」と鈴木氏
また、Z fcではFM2の完全再現を目指したわけではなく、新しいミラーレスカメラにFM2にインスパイアされたデザインを入れ込んだモデルになります。例えば、ダイヤル類に関していうと、FM2ではプラスチックでしたが、Z fcではより「持つ喜び」や「操作する喜び」を高めるため、金属削り出しのダイヤルを使っています。さらに、文字の一つ一つをとっても、FM2発売当時の刻印文字を採用し、文字自体も彫り込んで色を入れるという手間とコストがかかるようなことをしています。手に取って近くで見た時も「ああ、ここまで作り込んでいるんだな」と感じられるデザインとなるよう、努力しました。 ネルソン:FMシリーズは、見た目でいうと実はどれも大きく変わりません。しかし、FMからFM2になって、シャッタースピード1/4000秒やシンクロ速度1/250秒など画期的な機能が加わり、コンパクトで高機能、かつ手に入りやすい価格だったことも極まり、プロだけではなく一般の人にも広く使ってもらえるカメラとなりました。結果、大ヒットモデルとなりました。Z fcでは、FM2をオマージュするという想いがありました。 ― 完成形のデザインに辿り着くまでの過程を教えていただけますか
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いくつもの試作モックを作りデザインを決めていったと言う
鈴木:ここに並んでいるような検討用のモックをいくつも作って、デザインをブラッシュアップしました。Z fcではデザインのバランスやプロポーションがとても大事だったので、簡単にできる石膏モックや樹脂モックをどんどん作りながら細かいディテールを詰めていきました。最初に作ったモックはペンタプリズムが小さく、全体的なバランスが悪い結果になりました。EVF搭載のミラーレスカメラでは「頭」が小さくなりがちですが、やっぱり違和感がありますよね。 ペンタプリズムとボディのバランスだけでなく、シルバーとブラックの色のバランスなども慎重に検証しています。サイズが同じでも、白黒の比率が違うだけでプロポーションが変わって見えるんです。そういった部分も立体で確認しながら、実際の製品となったときにどういうバランスに見えるのか、検証しながら作っています。 開発の過程では、実際のマテリアルに近い素材を使用したモック、ダイヤルやレバーが動かせるモックも作って操作性などを検証しました。操作したいときにすぐに操作できるけど、誤作動などで簡単に動かない、そんな力量と形状のパラメータのバランスがとれた快適なデザインとなるよう、試作機で感触をみながら仕上げています。Z fcでも、従来のZシリーズと同じ開発プロセスを踏んでおり、社内で操作性のレビューなども経ているので、その辺りの性能もしっかり担保されています。 ネルソン:外観から入ったデザイン、見た目のためだけのデザインではなく、使いやすさも考慮されたデザインというわけです。ボタン一個一個のクリック感なども何回も微調整して完成にこぎつけています。 ― フラットなボディデザインもZ fcの特徴ですよね
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Z 50(左)とZ fc(右)。グリップの有無は大きな違いだ
ネルソン:Z fcとZ 50を比べると明らかに違うのがグリップ部分です。フラットボディーを実現するためバッテリーを縦から横向きに変更し、シャッターユニットもZ 50からは180度ひっくり返した向きに配置しています。FM2にインスピレーションを受けていることももちろん影響していますが、Z fcでは女性や若年層を意識しているので、スムーズにカバンに出し入れできることが重要と考えたこともあり、グリップをなくしています。コンパクトさを優先した美しいフォルムを実現した一方で、ホールド感は多少犠牲になっています。そのため、オプション品として「Z fc用エクステンショングリップ Z fc-GR1」も別で企画することになりました。 鈴木:Z fcはレンズ交換式ですし、装着するのはコンパクトなレンズだけではないだろうということで「Z fc用エクステンショングリップ Z fc-GR1」を用意しました。Z fcは軽量で撮り回しが良いことが売りなので、エクステンショングリップを装着してもゴツくなってはいけない。カメラに装着した際、より一体感があるよう設計しています。ホールド性は高まるけどコンパクト性は損なわれないことを考慮した結果、底面などは最低の高さで抑えつつ、従来前側にしかなかったグリップをリア(親指部分)にも設け、両方でケアすることで小さくてもしっかり握れるよう工夫しています。
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Z fcではバッテリーを横向きに配置してフラットボディを実現した
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エクステンショングリップもボディと一体感あるデザインに仕上がる
― 機能面での特徴は何が挙げられますか ネルソン:基本的な性能はZ 50と同じです。違いはモニターがバリアングルであること、USB Type-Cの給電・充電ができること、内蔵フラッシュです。ただ、形が違うと使い方も違ってきますし、Z fcでは特に上面に並んだダイヤルを活用していただきたいと思っています。Z 50ではいかに速く、正確に、キレイな写真や動画が撮れるかを重視し開発しましたが、Z fcでは撮るときの喜びを大事にしました。一個一個ダイヤルをいじって、自分が何をしたらどういう写真が撮れるのか、写真の基本が上から見てすぐわかるようにレイアウトしてあります。 こういったマニュアル操作は初心者には難しいと思われがちですが、実はメニューに入らず全てダイヤルで操作できることは逆にシンプルな一面があります。一つのダイヤルに一つに機能しかついてないのがポイントですね。
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「ぜひダイヤルを操作して撮る喜びを感じてほしい」とネルソン氏
鈴木:一方で、正しく設定をして撮らなければいけないこともないと思っていて、Z fcでは自由に自分が表現したいように撮ってほしいと思っています。設定してみて「なんか光飛んじゃったけどキレイに撮れたな」とか、「ピント合ってないけどなんかおしゃれに撮れたな」とか、そういうのがあってもいいと思います。 写真が上手くなりたい人はそこから、「このダイヤルはもっとこうすればこうなるんだ」と学んでいけばいいし、もしくはこれも表現だと、そのまま使ってもいいでしょう。とにかく、パラメータをいじるカメラの楽しみは最近のカメラではなかなか感じられないと思うので、難しいか簡単かというより、撮影の楽しさを再発見してもらういいキッカケになるんじゃないかなと思います。 ネルソン:バリアングルモニターも撮影の自由度を高めてくれますが、裏返しにしておけば昔のフィルムカメラみたいに何がどう撮れたのか分からないため、ドキドキ感が味わえます。Z fcのEVFはZ 50同様に見やすさを重視しているので、背面モニターを使わずとも快適に撮影できると思います。EVFは他社と比べても輝度を高くしており、明るく見えることで“見やすさ”に繋がっています。
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シャッタースピード、ISO感度、露出を調整できるダイヤルが備わった軍艦部
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モニター裏にも革のようなシボ加工が施されている
― Z fcではAUTOモードでも露出補正ができるようになりましたね ネルソン:露出はシャッタースピードと絞りをいじると大きく変わってしまうので、簡単に調整できるよう露出ダイヤルを設けました。どんなモードでもすぐに微調整できた方が便利ですからね。自分の思った通りの露出で撮影できるよう、ぜひプラス/マイナスに回してみてください。 ― 動画撮影については意識された部分はありますか ネルソン:Vlog撮影においても、バリアングルモニターが役立つと考えています。自分撮りモードも搭載しており、モニターを反転させるとタッチ操作しやすい位置にセルフタイマーが表示される点もZ 50と比べて進化したところですね。Zシリーズの若年層ユーザーは、旅行はもちろん自宅でもいろんなシーンを撮ってSNSにアップしているので、その点については意識して使いやすいように開発しました。

Z fcをどう使ってほしい?

― 往年のカメラファンからこれからカメラを始める若年層など、幅広いユーザーに受け入れられる機種になりそうですね
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FM2と同じく幅広いユーザーに手に取ってほしいとの想いが込められたZ fc
鈴木:Z fcのインスピレーション元にFM2を選んだのは、ニコンのカメラをこれまでなかなか使ってこられなかった若年層や女性の方々、そしてもちろんこれまでのニコンファン、どちらのお客さまにも届けたい想いが込められています。FM2は壊れにくいこともあって、プロもサブ機として使うほどでしたが、一方で、写真学校などの教育場面で初心者にも使われるカメラだったため、Z fcを届けたいユーザーとすごく重なる部分がありました。表層的にFM2をイメージしたのではなく、これまでFM2が築いてきた価値や存在感みたいなところをこのカメラで体現したい想いがありました。この想いも、ユーザーの皆さんに届けられたらいいなと思っています。 こういうクラシカルな外観にした場合、カメラが好きな方が見ると「これはこうあるべき」「なんでこうじゃないんだ」と色々な思いを抱くことがあると思います。私たちが作ってきたカメラを大事に想ってくださるのは非常にありがたことですが、一方でもっと自由にいろんな解釈でどんどん変えながら使っていっていいと思うんです。だからこそ、若年層の方やこれまでニコンを知らなかった方がZ fcを手にした時に、新しい使い方が生まれるんじゃないかと思います。
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人工皮革の張替でカラーを変えられるプレミアムエクステリアは6色展開
その一例ではないですけど、今回プレミアムエクステリアも用意しています。見る方によっては邪道と思われるかもしれませんが、でも、こういう色があってもいいじゃん、こういう楽しみ方があっていいじゃん、と提案したい想いがあり、思い切ってカラフルなカラー展開にしています。 加えて、今回化粧箱なども大きく刷新しました。既存のZシリーズではニコンの従来の化粧箱の高級感を意識したデザインを採用し、Z fcはそこから切り離し、化粧箱自体も飾っておきたくなるようなスタイリッシュなデザインに仕上げています。同梱されているリーフレットも、ただの説明書ではなく、持っておきたい、飾っておきたいと思えるようにデザイン面で工夫しました。こういったディテールからも、Z fcの世界観が伝わると思います。また、このカメラを愛せるひとつのキッカケにもなると思いますので、ユーザーの方には自分のグッとくるポイントをそれぞれの視点で見つけ、楽しんでいただきたいですね。「ニコンだからこうでなきゃ」「FMだからこうでなきゃ」といったことはありませんので、自由な見方でいいかなと思います。
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他のZシリーズとは異なるスタイリッシュなデザインの化粧箱
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リーフレットも飾っておきたくなるようなデザインに仕上がる
ネルソン:箱を開ける前から喜びを感じてもらいたくて、通常のZシリーズとは一味違うデザインにしました。箱を開ければプレミアムエクステリアのリーフレットもあり、Z fcの世界観をトータルコーディネートしています。 ボディーもデザインが格好いいとか、可愛いとか、評価していただけて非常にありがたいのですが、FM2を真似たわけではない、表面的なデザインだけがポイントではないことを強調したいですね。ダイヤル一個一個とっても、そこに配置する理由があり、理にかなった機能美を感じ取ってもらえたら嬉しいです。 ― プレミアムエクステリアへの反響はいかがですか
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ペンタプリズム部分にもカラーが入ることでガラッと印象が変わる
鈴木:正直、発売するまでは、受け入れてもらえるか、何これって思われるか、心配しました。プレミアムエクステリアのサービスも張り替えにしており、本当に利用してもらえるのか不安なところもありましたし、ニコンとしてもこういうサービスを展開するのは初めてでしたので、少しチャレンジングな企画でしたね。ですが、予想以上に良い反応で、「この色が好き」「自分だったらこの色を選ぶ」など話題にもなり非常にありがたいです。ペンタプリズム部分の革の色が変えられるのも大きな特徴ですし、カメラの印象もガラッと変わるのでぜひ活用してほしいですね。 ― SNSなどデジタルでの写真の楽しみ方が主流となる中、Z fcが果たす役割をどうお考えですか 鈴木:私としては、これまでの写真の楽しみ方を見直すきっかけとなるような役割を、このZ fcが果たしてくれたら嬉しいですね。デジタルカメラが主流の昨今では、写真はデジタルで楽しむことが主流となり、逆にプリントされたものが新鮮になりました。スマートフォンで手軽に撮影し、情報のようにどんどん流れていき、見ないかもしれないけどストックしておく。そういう中で、簡単にキレイに撮れることも重要ですが、長い間カメラを作り続けてきた私たちのブランドが伝えたいことはそれだけではありません。 ダイヤルをいじる、ファインダーを覗くなど、一枚の写真に対して向き合って撮影したことがない方も多いですが、じっくり撮影してみると、「写真を撮るってこういうことなんだ」と感じることでしょう。もしかしたら、Z fcに興味をもっていただくきっかけは「なんか可愛い」「なんかオシャレ」というところからかもしれませんが、このZ fcを手に取って撮影する時に、そういうことを感じていただけたら嬉しいですね。 現状、カメラ市場はスマートフォンに押されていますが、Z fcを通してカメラならではの強みや価値を再発見していただきたいと思っています。
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「Z fcを通して写真と向き合う時間を作り、写真の価値を再発見してほしい」と想いを語ってくれた

今後の展望について

― Z fcのような機種は今後も開発されるのでしょうか ネルソン:個人的にはぜひやりたいと思っていますが、目先はZ fcをどうやって手に取っていただくかに集中したいと思います。 鈴木:どこまで企画できるか分からないですが、次のカメラを出すだけではなくて、例えばプレミアムエクステリアのようにカラー追加してみるとか、色々な展開のし方があると思うので、そういうことも考えながら、カメラ市場を盛り上げていけたらと思います。

「Z fc」レビュー記事はこちら

■ニコン Z fc レビュー|上田晃司 https://shasha.kitamura.jp/article/482757772.html ■ニコン「Z fc」はブラブラスナップが面白い!|三井公一 https://shasha.kitamura.jp/article/483182915.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ニコンの新作ミラーレスカメラ「Z fc」について、開発者の方にインタビュー取材をしてきました。Z fcに込める想いを熱く語っていただきました。 ----- KEYWORDS: ニコン,Nikon,Z fc,開発者インタビュー ----- -------- AUTHOR:   TITLE: シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生 BASENAME: 483500379.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 09/23/2021 16:00:00 TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,90mm F2.8 DG DN | Contemporary,スナップ,単焦点 ----- BODY: 00_90mm F2.8 DG DN.JPG

掌にスッポリ収まる!小さい中望遠レンズ降臨

 驚きの小ささと軽さの「90mm」がシグマから誕生しました。シグマの創立60周年記念日に「24mm F2 DG DN | Contemporary」とともに発表された、この「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、300gを切るライトウェイトで、世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」にピッタリ!  この90mm F2.8 DG DN | Contemporaryはシグマ・グローバル・ビジョン(SGV)の「Contemporary」ラインに属します。その中で最近ひときわ注目されている「プレミアムコンパクトプライム」として名高い「Iシリーズ」の1本になります。このIシリーズは同時発表の24mm F2 DG DN | Contemporaryと合わせて計6本のラインナップになり、広角から望遠までIシリーズだけでも撮影が楽しめるような構成に成長してきました。今後もレンズを拡充するようなので期待したいですね!

90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの特徴

 掌に収まる可愛らしいサイズ感ながら、90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの写りはなかなかのもの。そのスペックを見てきましょう。レンズ構成枚数は10群11枚で、シグマ最新の光学技術をふんだんに盛り込み、SLDガラス5枚を含むレンズ群で、カメラ側で補正できない軸上色収差を抑制しています。加えて、カメラ側の光学補正機能を利用することによって、レンズ単体を小さく軽くすることに成功しているのです。  さらに、高精度グラスモールド非球面レンズによって高い解像感とボケ味の美しさを両立しています。その高精度グラスモールド非球面レンズは、金型の表面を±5ナノメートル(0.000005ミリメートル)以下の精度で管理した高精度金型を採用。シグマ会津工場の技術力が光っていますね。絞り開放からガンガンと使っていけるレンズになっています。  90mm F2.8 DG DN | ContemporaryはIシリーズのレンズ。ということは「フルメタルジャケット」ということです。金属製の外装は高いビルドクオリティで精緻に組み上げられ、操作する楽しみを演出する絞りリングを装備。高品位なローレット加工を施したメタル製フードを標準装備と「SIGMA CINE LENS」のDNAを感じられる工芸品とも言える仕上がりになっているのです。撮るだけでなく、使い心地も絶品で、装着するだけで撮影気分を高めてくれる中望遠レンズだと言えます。

ブラブラスナップ実写!

 90mmという画角は新鮮です。ポートレートで使う85mmよりやや長く、105mmよりわずかに短いからです。ブラブラと街中を撮り歩きましたが、片側1車線道路の反対側をやや斜め方向から撮るとシックリきました。オートフォーカスもキビキビとしていて、散策がてらの撮影で活躍してくれました。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO100 露出補正-1.0
 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryは中望遠レンズに属する焦点距離ですが、このように遠近感を圧縮した効果を演出することが可能です。街並みや木々など、印象深い絵作りを楽しむことができますね。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F2.8 1/2500秒 ISO100 露出補正-0.7
 90mmという画角をうまく使いこなすには、視線をレンズに合わせてやや遠くに持つことです。そしてちょっと先を予測して歩きましょう。するとなぜかちょうどいい光景が目の前に展開されるはずです。90mm F2.8 DG DN | Contemporaryは機敏に撮影者の動きに反応してくれます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F2.8 1/1600秒 ISO100 露出補正-2.0
 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryは被写体に寄れて、ボケが非常に美しいのが特徴です。前後とも豊かで整ったボケ感が何とも言えませんね。「ラジオ」の文字にフォーカスしましたが、自転車のライトとハンドル、そして後輪あたりのシルキーなボケがとてもキレイではないですか!
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F2.8 1/500秒 ISO100 露出補正-2.0
 とあるお店のフラッグと影がキレイだったので、90mm F2.8 DG DN | Contemporaryをチョイ絞りで。キリリとしたコントラストと、鮮やかな発色、そして壁面のディテール描写が見た目以上にキャプチャーできました。このレンズ、なかなかやりますね。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F8 1/250秒 ISO100 露出補正+0.7
 90mm F2.8 DG DN | ContemporaryのF2.8という開放F値は薄暗いシーンでもイケます。古民家のかまどを狙いましたが、わずかに絞ってシャープさを出してみました。すり減った木製のふたが実に鮮明に写しとれました。ポートレート撮影でも活躍するに違いありません。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F2.8 1/160秒 ISO3200 露出補正-3.3
 夏の名残がキツい日のとある県の駅前です。木に設けられた噴射機からミストが放出されていました。90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの解像力は素晴らしく、その水粒を克明に描き出しました。フレームに入った太陽の、イヤなフレアやゴーストの発生もありません。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F5.6 1/640秒 ISO100 露出補正-1.3
 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの最短撮影距離は50cm。テレマクロ的な使い方ができるので多くのシーンで活躍できそうです。このカットは山梨の渓谷で撮ったものですが、道標の風雨にさらされたテクスチャーをリアルに撮ることができました。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F5.6 1/500秒 ISO100 露出補正-1.0
 小さく軽く寄れる90mm F2.8 DG DN | Contemporary。カメラバッグにスルリと忍ばせておくと、ちょっとしたシャッターチャンスに大いに役立つことでしょう。このシーンでは十五夜のお供え物をクローズアップで撮影できました。プライスもお手頃なので、愛機の新レンズとして迎えるのもオススメです。
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■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F2.8 1/100秒 ISO500 露出補正±0

90mm F2.8 DG DN | Contemporaryの主要諸元

レンズ構成枚数:10群11枚 画角:27.0° 絞り羽根枚数:9枚 (円形絞り) 最小絞り:F22 最短撮影距離:50cm 最大撮影倍率:1:5 フィルターサイズ:φ55mm 最大径 × 長さ:L マウント φ64mm × 59.7mm ソニー E マウント φ64mm × 61.7mm ※ 長さはレンズ先端からマウント面までの距離です。 質量:L マウント 295g ソニー E マウント 295g エディションナンバー:C021 付属品:マグネット式メタルキャップ(LCF55-01M)、フード(LH576-02)

まとめ

 お手頃価格かつとても小さくて軽く、しかも近接撮影もできる中望遠「SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary」。これはスナップから風景、ポートレートや静物撮影までオールラウンドに役立つレンズになっています。F2.8という手頃な明るさも魅力で、美しいボケ味を堪能できるレンズです。小さなボディのSIGMA fpやα7Cにピッタリのサイズ感がうれしいですね。装着したルックスもさすがは”Iシリーズ”なのでとても決まります。キタムラの店頭で要チェックな1本となっています。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんによる、シグマ「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」レビュー記事です。Iシリーズに加わった中望遠単焦点レンズをスナップ撮影で試しました。 ----- KEYWORDS: シグマ,Sigma,単焦点レンズ,90mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,スナップ ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: 軽快なLマウント広角レンズ「LUMIX S 24mm F1.8」現る!|三井公一 BASENAME: 483563931.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 09/24/2021 16:00:00 TAGS: パナソニック(Panasonic) レンズ,LUMIX S 24mm F1.8,単焦点 ----- BODY: LUMIX S 24mm F1.8.JPG

LUMIX S F1.8シリーズに新たな広角レンズ登場

 パナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S シリーズ」。スチルからムービーまでこなす質実剛健なカメラですが、それらに対応するLマウント交換レンズも着々とラインナップを拡充してきました。ライカのお墨付き「S PRO」シリーズとパナソニック「S」シリーズの2本立てとなっていますが、今回紹介するのは「S」シリーズの大口径広角単焦点レンズ「LUMIX S 24mm F1.8」となります。ルックスはソリッドでとてもシンプルな外観のレンズになっています。

「LUMIX S 24mm F1.8」の特徴

 「S」シリーズレンズにはさまざまな画角や明るさの製品がありますが、この「LUMIX S 24mm F1.8」は「F1.8」というF値からわかるように軽量コンパクトな製品となります。同じような製品には現在「LUMIX S 50mm F1.8」、「LUMIX S 85mm F1.8」が用意されており、将来的には「LUMIX S 35mm F1.8」も加わる予定です。これは楽しみですね。  レンズ構成は11群12枚構成。非球面レンズを3枚採用して球面収差を抑制しつつ、EDレンズ3枚を最適に配置。それによって色収差を補正しています。また、UED(Ultra Extra-Low Dispersion/特殊低分散)レンズを採用し軸上色収差を良好に補正。卓越した光学設計とマテリアルによって、さまざまな収差などを封じ込めたレンズと言っていいでしょう。オートフォーカスも速くて正確です。しかもとても静か。これはムービー撮影で培ったパナソニックならではの配慮と言えそうです。「LUMIX S5」に装着してさまざまな被写体を撮影しましたが、納得の速度と精度だと感じました。

「LUMIX S 24mm F1.8」のニクい仕様

 さて、この「LUMIX S 24mm F1.8」含む「LUMIX S 50mm F1.8」、「LUMIX S 85mm F1.8」の「F1.8 単焦点シリーズ」ですが、操作性や仕様を統一することによって、フォトグラファーやビデオグラファーが撮影に集中できるようになっています。まずは描写です。この「F1.8 単焦点シリーズ」の一貫した描写性能は、どのレンズを使用してもカット毎の描写に違いが少なく、作品の質が一定に保たれるような性能になっています。これはスゴいですね!  さらにサイズなども下記のように共通化されているのです。 ・サイズ(最大径Φ73.6mm、全長約82.0mm) ・フィルター径(Φ67mm) ・フォーカスリングの位置 ・AF/MF切替スイッチの位置  これによってレンズ交換による使用感の差違をなくし、ムービー撮影におけるリグやジンバル搭載時のセッティングなどの簡略化が図れるというわけです。もちろん、フィルター径も同じなので特殊で高価なフィルターも使い回すことが可能になっています。これは心憎いですね。もちろん防塵防滴で、マイナス10℃の耐低温設計となっています。過酷な環境下でも安心して撮影ができる仕様です。

「LUMIX S 24mm F1.8」であちこちを実写スナップ!

 24mmという画角は「広角レンズ」らしさを味わえる使いやすい焦点距離です。狭い場所を広く、広い場所をより広大に写しとれます。このような街中で見つけた古民家も極端なデフォルメなくフレームに飲み込んで撮影可能です。ベーシックなワイドレンズと言っていいでしょう。
LUMIX S 24mm F1.8作例.JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/6.3 1/250秒 ISO-100 露出補正-0.7
 F1.8という開放F値は魔力です。広角レンズでも被写体に迫って絞りを開けることによって、フォーカス面前後を大きくぼかすことが可能です。特徴的な塀を撮ったカットですが、豊かで整ったボケ感が魅力ですね。
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■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/640秒 ISO-100 露出補正-0.3
 竹を伝う蔦を絞り開放で。「LUMIX S5」の豊富なオートフォーカスメニューの1点AFで狙いました。「LUMIX S 24mm F1.8」の解像感が開放からとてもシャープなのがわかりました。また、背景のボケ方も実にいいですね!
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■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/200秒 ISO-100 露出補正-0.3
 チョイと絞ればキリリと締まった描写を見せてくれるのが「LUMIX S 24mm F1.8」です。手前の芝から中央の木々、そして遠景の海まで鮮やかに写し撮ることができました。
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■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/5 1/640秒 ISO-100 露出補正0
 古民家にお邪魔してその魅力を撮影しました。こういうシチュエーションではやはり24mmが有効です。広すぎず歪まずいい雰囲気に撮影できるからです。奥のガラス戸にフォーカスしましたが、手前のボケ感が実に美しいではありませんか!
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■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO-100 露出補正0
 これも古民家でのカットです。ランプシェードをF1.8で撮りましたが、優しいボケの上に美しくシェードが浮かび上がってくれました。「LUMIX S 24mm F1.8」、いいレンズですね!
LUMIX S 24mm F1.8作例 (6).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/1.8 1/60秒 ISO-1250 露出補正-1
 「LUMIX S 24mm F1.8」で大木を見上げて撮りました。その幹の力強さ、枝振りの安定感、葉の精細感がしっかりとキャプチャーできたと感じます。色再現も自然でとてもいいと思います。
LUMIX S 24mm F1.8作例 (7).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/5.6 1/60秒 ISO-200 露出補正-0.3
 手前の壁をぼかして奥の城を引き立てて撮ってみました。「LUMIX S5」のフルサイズならではのボケ感とリッチな描写がいいですね。「LUMIX S 24mm F1.8」は写りもサイズ的にもベストマッチだと思いました。
LUMIX S 24mm F1.8作例 (8).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/2 1/4000秒 ISO-100 露出補正-0.3
 「LUMIX S 24mm F1.8」の24mmというワイド感は、屋外のみならず室内でも大活躍します。ポートレートや催し物などの撮影に、F1.8という明るさとともにフォトグラファーのイメージを確実なものにしてくれるに違いありません。強力なボディ内手ブレ補正機能をもつ「LLUMIX S」シリーズとの相性は抜群でしょう。
LUMIX S 24mm F1.8作例 (9).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/2.8 1/60秒 ISO-1600 露出補正-0.3
 相模湾でのワンシーン。「LUMIX S 24mm F1.8」で釣り人が防波堤で次々とメジナを釣り上げている様子をうしろから撮影しました。自然な発色、近景から遠景までシャープな写りで納得の写りです。小型軽量で携行がラクなのでアウトドアでも活躍するレンズになっていますよ。
LUMIX S 24mm F1.8作例 (10).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX S5+LUMIX S 24mm F1.8 ■撮影環境:f/5 1/640秒 ISO-100 露出補正0

パナソニック「LUMIX S 24mm F1.8」の主要諸元

レンズ構成:11群12枚(非球面レンズ3枚、UEDレンズ1枚、EDレンズ3枚) マウント:ライカカメラ社L-Mount規格準拠 画角:f=24mm:84° 焦点距離:f=24mm 開放絞り:F1.8 最小絞り:F16 絞り形式:9枚羽根 円形虹彩絞り 撮影可能範囲:0.24m~∞(撮像面から) 最大撮影倍率:0.15倍 フィルター径:Φ67mm 最大径×長さ:Φ73.6mm×約82.0mm 質量:約310g (レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップを含まず) 付属品:レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップ

まとめ

 「LUMIX S 24mm F1.8」はクルマに例えるとライトウェイトスポーツカーでしょうか。取り回しが軽快でオートフォーカスも速く、ソリッドかつシンプルでかっこいいデザインはまさにそれです。描写もそつなく誰にでもオススメできるLマウント用広角レンズだと言えます。スナップや風景、ポートレートなど広く使い倒せる製品に仕上がっていました。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがLUMIX S 24mm F1.8のレビューをしています。「S」シリーズの大口径広角単焦点レンズに興味がある方は必見です。 ----- KEYWORDS: パナソニック,Panasonic,単焦点レンズ,LUMIX S 24mm F1.8,レビュー,三井公一 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: テスト 湯沢さん BASENAME: 483571574.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 湯沢祐介 DATE: 09/24/2021 19:33:45 ----- BODY: テスト ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 【写真展】ソニーイメージングギャラリー 企画写真展 わたしのともだち ~ 写真家と愛しい存在の物語 ~ BASENAME: 483567186.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 09/25/2021 10:00:00 TAGS: 写真展情報,銀座 ----- BODY: SONY写真展.jpg

わたしのともだち ~ 写真家と愛しい存在の物語 ~

 お互いに支えあい癒してくれるペットにありがとうの気持ちを伝える、25名の写真家による写真展です。
私たちは皆コロナ禍で生活が一変し、人と気軽に会うことができなくなったり、うちに閉じこもって自粛をしなければならなかったり、そんな日々を長く過ごしてきました。そのような中で、お互いに支えあい癒しとなるのは家族や同居人だけではなく、ペットなどの生きものもまた大切な存在だったのではないでしょうか。そこで、そのような大切な存在を慈しみ、ありがとうの気持ちを伝えられるような写真展を開催したいと考えました。ご賛同いただいた写真家の“愛しい存在”は、犬・猫・鳥・魚など多岐にわたりました。写真家の皆さん方の想いやメッセージと共に一堂に展示します。
企画写真展主催者

出展作家(あいうえお順)

阿部秀之、伊藤智通、大和田良、奥山淳志、尾崎たまき、金森玲奈、河田一規、KYON.J、坂井田富三、鹿野宏、清水朝子、杉本奈々重、曽根原昇、高村達、鶴巻育子、中藤毅彦、中村征夫、西垣仁美、原田佳実、山口規子、吉野英理香、吉村永、若子jet、渡辺達生、山下恒夫 ※予告なく出展作家が変更となる可能性もあります。ご了承ください。

概要

■期間:2021年9月24日(金)〜10月7日(木) ■時間:11:00~18:00 ■場所:ソニーイメージングギャラリー 銀座 ■住所:〒104-0061 東京都中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6階 ■電話:03-3571-7606 ■費用:入場料無料 ■HP:https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/210924/ ※新型コロナウイルス感染症への対策はこちらをご覧ください。
伊藤智通さま作例.png
(C)伊藤智通
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(C)山下恒夫
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(C)中村征夫
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(C)坂井田富三
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(C)清水朝子
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: お互いに支えあい癒してくれるペットにありがとうの気持ちを伝える、25名の写真家による写真展です。2021年9月24日(金)〜10月7日(木)にソニーイメージングギャラリー 銀座で開催。 ----- KEYWORDS: 写真展,阿部秀之,伊藤智通,大和田良,奥山淳志,尾崎たまき,金森玲奈,河田一規,KYON.J,坂井田富三,鹿野宏,清水朝子,杉本奈々重,曽根原昇,高村達,鶴巻育子,中藤毅彦,中村征夫,西垣仁美,原田佳実,山口規子,吉野英理香,吉村永,若子jet,渡辺達生,山下恒夫 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18 レビュー|オールマイティーに使える超広角レンズ BASENAME: 483501133.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 09/25/2021 16:00:00 TAGS: Zeiss Batis 2.8/18,カールツァイス(zeiss) レンズ,単焦点 ----- BODY: カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18 レビュー|オールマイティ―に使える超広角レンズ

はじめに

 前回はBatis 2/25のレビューを書きましたが、今回はそれよりもワイドなツァイスの超広角AFレンズ「Batis」の18mm F2.8レンズです。高画素のカメラの性能を余すことなく発揮できる魅力あるツァイスレンズをご紹介します。  今回の18mmという焦点距離のレンズの画角は99°。普段使いしている標準のレンズよりもかなりワイドな画角になります。超広角レンズのジャンルに入りますが、12mmや16mmほどワイドではないので、使い勝手はそれほど難しいものではありません。  「Batis 2.8/18」が発売されたのは2016年5月で発売開始後5年ほど経過していますが、今回あらためて「Batis 2.8/18」の魅力を探ってみました。

ツァイス Zeiss Batis 2.8/18の魅力

 Batis 2.8/18の光学系は、ディスタゴンタイプの18mmレンズ。このディスタゴンは歪曲(直線が歪む)が非常によく補正されているのが大きな特徴です。ZEISS Batisレンズシリーズの中では一番ワイドなレンズ。レンズ構成は10群11枚で絞り羽根は9枚です。  Batisシリーズは防塵防滴シーリングになっており、埃や水しぶきからレンズを守る特別設計のおかげで、厳しい野外の撮影でも安心して使用することができます。  現状で「Batis 2.8/18」と競合しそうなFEマウントのレンズ(結構性格が違うレンズですが……)になると、ソニーの「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」や「FE 20mm F1.8 G」になるでしょうか。すこし比較してみました。
「Batis 2.8/18」と競合しそうなFEマウントのレンズ比較
(左)ソニー Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS (中)ZEISS Batis 2.8/18 (右)ソニー FE 20mm F1.8 G
 
Vario-Tessar T*
FE 16-35mm F4 ZA OSS
Batis 2.8/18FE 20mm F1.8 G
焦点距離

16-35mm

18mm

20mm

画角(35mm判)

107-63°

99°

94°

開放絞り(F値)

F4

F2.8

F1.8

最小絞り(F値)

F22

F22

F22

絞り羽根

7枚

9枚

9枚

最短撮影距離0.28m0.25m0.19m
フィルター径

72mm

77mm

67mm

外形寸法

最大径x長さ

78 x 98.5mm

100 x 80mm

73.5 x 84.7mm

質量約518g約330g約373g
 こうやって並べてみると「Batis 2.8/18」の独特な筐体デザインでシンプルかつ美しく印象的です。このレンズを単体で見た時は、随分と大柄な太目のレンズだなと思いましたが、使ってみると長さは短く重量も軽いので意外に扱いやすいものでした。  「Batis 2.8/18」と他の2本のスペックを比較してみたのは、普段から愛用しているレンズとどんな違いがあるのか気になったからです。「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」は、風景撮影の際によく使用しているレンズ。ツァイスレンズらしく発色も良く、レンズ自体もそれほど大きくなく非常に扱いやすく使用頻度も高いレンズです。もう一つの「FE 20mm F1.8 G」は、街中スナップする時によく持ち出すレンズ。ツァイスレンズに匹敵するGレンズですが、重量も軽く最短撮影距離も短く万能的な使いやすさと表現力を兼ね備えているレンズです。  「Batis 2.8/18」で撮影していて感じたのは、「FE 20mm F1.8 G」の使いやすさと「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」のツァイスレンズの魅力を合わせ持ったレンズということ。実際に使い始めてすぐに馴染めたのも、筆者が気に入っている要素がしっかりとこのレンズに詰まっているからだと思います。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例
■使用機材:SONY α7R Ⅳ+ Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離18mm
 実際に撮影しても発色、解像度、ボケのどれをとってもレベルは高く、歪みの不満も感じませんでした。欲を言えば、もう少し寄れるレンズ(最短撮影距離が0.2cmぐらい)であると良いと感じたぐらいです。

ツァイス Zeiss Batis 2.8/18で街中散策スナップ

 「Batis 2.8/18」を持って街中スナップをしてきました。18mmという画角は都会風景の高層ビルを撮影するには、とても重宝するワイドな画角です。また、歪みが少なく非常にシャープな描写をするレンズなので、直線的な都会のビル群などを撮影するのにとてもマッチしたレンズです。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例2
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF20 ISO800 焦点距離18mm
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例3
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF16 ISO800 焦点距離18mm
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例4
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF11 ISO800 焦点距離18mm
 ビル群などを撮影していたのですが、あまりの天気が良く暑かったので、少し涼みがてら品川駅近くのアクアパーク品川水族館に移動して撮影をしてみました。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例5
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度2秒 絞りF9 ISO100 焦点距離18mm
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例6
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離18mm
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例7
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離18mm
 水槽内のクラゲや魚をガラス越しで撮影してみましたが、かなり暗い場所とガラス越しという悪条件でも、オートフォーカスはしっかりと仕事をしてくれる優れものです。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例8
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF5 ISO3200 焦点距離18mm
 人気のドルフィンパフォーマンスを水がかからない程度の前の席で撮影してみました。「Batis 2.8/18」は防塵防滴のレンズですが、ドルフィンパフォーマンスのプールの水は海水なので、一応水のかからない位置で撮影しましたが、防塵防滴仕様のレンズはいざという時の安心感があります。  「Batis 2.8/18」は18mmのワイドなレンズなので、イルカのパフォーマンスをアップで撮影する事はできませんが、パフォーマンス全体の雰囲気を撮影するのには丁度良い画角です。  ドルフィンパフォーマンスの後は、JRガード下(新橋~有楽町)を散策しながら撮影してみました。昭和レトロ感が漂う場所やオシャレなお店もあり、スナップ撮影には面白いスポットです。雰囲気を表現する為に、少し彩度を落としてレトロ感を表現する撮影と白黒モードで撮影をしてみました。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例9
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF13 ISO800 焦点距離18mm
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例10
■使用機材:SONY α7R IV + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離18mm ※白黒モードで撮影

ツァイス Zeiss Batis 2.8/18で風景撮影

 次に「Batis 2.8/18」を持って自然風景を撮影してみました。単焦点レンズですのでズームレンズのような便利さはありません。自分の脚で動いて構図を考える調整する必要があります。普段ズームレンズを使用していると忘れがちな部分をあらためて思い出させてくれます。  もちろん、どうしても動けない場所もありますが、「Batis 2.8/18」の画角をどう活かし、ツァイスレンズの魅力を最大限に引き出すことができ、イメージ通りの撮影ができるか、試行錯誤しながらいろいろと考えて撮影するのは、自分にとって凄く有意義な撮影時間でした。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例11
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF14 ISO400 焦点距離18mm
 稲刈りが始まった棚田ですが、18mmという超広角レンズのおかげでしっかりと棚田全体を押さえる事ができ、奥行き感も写し込む事ができています。薄曇りの空でしたので空の表情が乏しいですが、緑のグラデーションの表現力は流石がツァイスレンズだと感じます。  棚田を後にして房総半島の最南端に向かい、海辺で少し撮影をしてみました。砂浜に寝転がって「Batis 2.8/18」の最短撮影距離まで寄って、絞り開放で撮影。18mmという超広角レンズと思えない様な、前後の大きなボケを表現することができます。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例12
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離18mm
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例1
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離18mm
 先の街角スナップ撮影でも実証されていますが、風景撮影においても直線的な被写体を入れて撮影すると、シャープで歪みの少ないレンズだと実感させられます。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例14
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF14 ISO100 焦点距離18mm
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例15
■使用機材:SONY α1 + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF16 ISO100 焦点距離18mm
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例16
■使用機材:SONY α1 + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF9 ISO100 焦点距離18mm
 超広角レンズの使用趣旨から少し外れますが、下の写真は「Batis 2.8/18」でフルサイズではなくAPS-Cモードで27mm相当(35mm換算)で撮影したコスモスの写真です。高画素機のフルサイズカメラを使えば、APS-Cモードで撮影しても十分な画素数も残り、場合によっては標準レンズの様な画角でも撮影できます。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例17
■使用機材:SONY α1 + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離27mm(35mm換算) ※APS-Cモードで撮影

まとめ

 「Zeiss Batis 2.8/18 」を自然風景と街角スナップに持ち出していろいろと撮影してみましたが、風景撮影にも不満はまったく無くオールマイティーに使えるレンズです。  ですが個人的にはこのレンズの一番得意とするのは街角スナップ撮影だと感じます。超広角を感じさせない使いやすさと歪みの少ないシャープな解像感は、建築物や人工的な構造物などを含んだ被写体撮影にベストなレンズではないでしょうか。
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例18
■使用機材:SONY α1 + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF5 ISO800 焦点距離18mm
カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18作例19
■使用機材:SONY α7R III + Zeiss Batis 2.8/18 ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF13 ISO400 焦点距離18mm
■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがカールツァイス ZEISS Batis 2.8/18のレビューを行っています。αユーザーが気になるFE 20mm F1.8 Gなどの類似製品との比較も行って製品の魅力を紹介してますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: カールツァイス,zeiss,レンズ,レビュー,Zeiss Batis 2.8/18,坂井田富三 ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: パナソニック LUMIX GH5II|キットレンズの描写力と、さらに1本追加するならこのレンズ BASENAME: 483516821.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 森脇章彦 DATE: 09/26/2021 10:00:00 TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX GH5II,LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.,LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.,マイクロフォーサーズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: LUMIX DC-GH5II _001.JPG

はじめに

 プロ仕様の静止画&動画ハイブリットミラーレス一眼として2017年に登場したLUMIX GH5から4年を経て、2021年6月にGH5IIとしてリニューアルされた。今回はこのDC-GH5M2M 標準ズームキットの写りと、もう1本レンズをプラスするならこのレンズといった内容でお届けしたいと思う。

標準ズームレンズの特徴

LUMIX DC-GH5II _002.JPG  GH5IIとセットになっている「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」は、35mm換算で24-120mmまでの5倍の画角をカバーする標準ズームレンズだ。この12mmからの5倍ズームは日常を幅広く撮影できるオールマイティなレンズで、ワイド側で20cm、テレ側で25cmまでの近接撮影が可能とあって、ほとんどハーフマクロレンズとしても使用可能だ。

スナップ撮影に重宝する5倍ズーム

LUMIX DC-GH5II _003.JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. ■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/160秒 F4.5 W/B AWBc ISO200 フォトスタイル:スタンダード 約23mm(35mm換算47mm相当)で手持ち撮影
 この12-60mmズームレンズは広角側が35mm換算24mmスタートなので、街をブラブラしながら撮影するスナップ撮影に適した画角といえる。特に新しくなったGH5IIの絵作りと上手くマッチして、暗い部分から明るいハイライトまでのグラデーション表現が素晴らしく、ただの写真でも作品のような仕上がりを見せる。

逆光時でもフレアやゴーストもなくシャープな画質

LUMIX DC-GH5II _004.JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. ■撮影環境:絞り優先オート F8.0 1/320秒 -2/3露出補正 W/B 4300ケルビン ISO200 フォトスタイル:スタンダード 約12mm(35mm換算24mm相当)で手持ち撮影
 広角側12mm画角でいつもテスト撮影を行う、JR大阪駅の待ち合わせ場所「時空の広場」にて。太陽を画面内に入れて撮影しているが、フレアやゴーストによる画質低下も見られず良好な画質だ。レンズのコーティングとGH5IIのセンサーに施されたARコーティングの効果が現れた1枚だ。

とっさの時に助かる近接撮影能力の高さが◎

LUMIX DC-GH5II _005.JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. ■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/250秒 F5.6 +2/3補正 W/B AWBc ISO400 フォトスタイル:スタンダード 約60mm(35mm換算120mm相当)で手持ち撮影
 自由が丘近辺をブラブラとスナップ撮影していたところ、道ばたから強い視線を感じて足下をじっくり見渡したら、ハナスベリヒユ(ポーチュラカ)の花が一輪咲いていた。通常群生して咲く花なので一輪だけは珍しく「私を撮って!」と自己主張されたのでパチリと撮影した。このレンズの近接撮影能力は高く、ハーフマクロレンズ的に使用できるのが大変助かる。

小旅行や風景撮影でも扱いやすい標準ズームレンズ

LUMIX DC-GH5II _006.JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. ■撮影環境:絞り優先オート F8.0 1/2秒 -1補正 W/B 4400ケルビン ISO200 フォトスタイル:風景 約23mm(35mm換算46mm相当)で三脚使用撮影
 GH5IIと12-60mmズームレンズの組み合わせは、三脚を使用しての本格的な風景撮影でも素晴らしい写真が撮影できる組み合わせだ。毎月定点撮影をしている東京ゲートブリッジ近辺での撮影だが、晴れた日の日没後マジックアワーと呼ばれる時間帯には富士山のシルエットが美しい写真が撮影できる。これからの寒い季節は特に空気が澄んでいるので美しく撮影できる。キットレンズとして非常に優秀な写りといえる。

先ずは望遠ズームレンズを1本増やし撮影範囲を広げるのが良い

LUMIX DC-GH5II _007.JPG  標準ズームキットに1本買い足すなら、先ずは望遠ズームレンズであろう。LUMIXには小型・軽量で超強力な手ブレ補正機能Dual I.S.2に対応し防塵防滴にも対応した「LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.」がある。35mm換算200-600mm相当の画角を持つ優れたズームレンズなのでぜひお勧めしたい。GH5IIと組み合わせでスポーツ競技や野鳥撮影などに威力を発揮してくれる。

小型・軽量ズームレンズは女性でも扱いやすい

LUMIX DC-GH5II _008.JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S. ■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/2500秒 F4.2 -2/3補正 W/B 5200ケルビン ISO400 フォトスタイル:スタンダード 約120mm(35mm換算240mm相当)で手持ち撮影
 最近多くなった飛行機撮影を得意とする女性達にもお勧めしたいのがこの100-300mmズームレンズ。35mm換算で200~600mmまでをカバーするズームレンズでありながらとにかく軽い、軽い、軽い。広角側で撮影したのがこの写真で、手ブレ補正も良く利くので女性や高齢者の方でも振り回しやすい。こんなに小型な超望遠ズームは見たことがない。画質も優秀なのでオールマイティに使用できる。

望遠300mm側での撮影でも優秀な画質だ

LUMIX DC-GH5II _009.JPG
■使用機材:パナソニック GH5II+LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S. ■撮影環境:絞り優先オート F8.0 1/2500秒 -2/3補正 W/B AWBc ISO200 フォトスタイル:スタンダード 約246mm(35mm換算492mm相当)で手持ち撮影
 雨上がりの一瞬に顔を出した太陽と着陸態勢に入った飛行機をシルエットに入れて撮影した。GH5IIに採用されたARコートを施したセンサーは、PL・NDフィルターを使用せずとも輪郭のハッキリした夕日が撮影できるのでありがたい。

野鳥撮影でも威力を発揮する超望遠ズーム

LUMIX DC-GH5II _010.JPG
■使用機材:パナソニックLUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S. ■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/400秒 F5.0 -1補正 W/B 5100ケルビン ISO500 フォトスタイル:風景 約200mm(35mm換算400mm相当)で手持ち撮影
 雨交じりの曇り空で野鳥撮影には少し厳しいお天気であった。しかし、GH5IIと100-300mm超望遠ズームの組み合わせなら手ブレ補正が優秀なので手持ち撮影でも狙った通りの撮影ができた。背景の緑を鮮やかに写したかったのでフォトスタイルを風景に設定して撮影した。

写真好きなら単焦点レンズ1本は持っておきたい

LUMIX DC-GH5II _011.JPG  LUMIXといえば「LEICA」レンズであろう。中でもこの「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II ASPH.」は、35mm換算50mm相当かつF1.4の明るい単焦点レンズなので、カメラバッグに1本入れて持っておくと本当に重宝するレンズなのだ。超お勧めレンズである。

絞りF1.4解放から使える最高のレンズだ

LUMIX DC-GH5II _012.JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX GH5II+LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH. ■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/400秒 F1.4 -1/3補正 W/B 2800ケルビン ISO10000 約25mm(35mm換算50mm相当)で手持ち撮影
 僕の周りに飛行機好きが多く、よく一緒に撮影に行くことがある。この写真も伊丹空港に離着陸する飛行機の撮影ポイントとして有名な、通称「千里川の土手」で撮影した1枚だ。飛んでいる飛行機なので出来るだけ速いシャッターを切りたい。だから絞りが開放になってしまう。つまりレンズの素性がバレバレになる夜間動き物撮影である。どうだろうか?素晴らしい1枚が撮れたと思うのだが。

GH5IIの強力な手ブレ補正機能で動画撮影も楽だ

■撮影機材:パナソニック LUMIX GH5II+LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S. ■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/400秒 F5.0 W/B AWBc ISO500 FHD ハイスピード動画 バリアブルフレームレート180fps 電子補正(動画)ON 手ブレ補正ブースト(動画)ONにて手持ち撮影
 GH5 IIの動画撮影時には電子手ブレ補正と手ブレ補正ブーストを上手く使いこなすことが重要だ。カメラを動かしながら撮影する場合は電子手ブレ補正機能ONで、カメラが動かない場合は手ブレ補正ブーストもONにすれば、専用の三脚がない場合でも撮影できる凄さがありがたい。100-300mm超望遠ズームでハイスピード動画を手持ち撮影してみた。

明るい単焦点レンズがあれば夜の動画撮影もOKだ

■撮影機材:パナソニック LUMIX GH5II+LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH. ■撮影環境:シャッター速度優先オート 1/30秒 F1.4 -1/3補正 W/B 2800ケルビン ISO6400 MP4 FHD 60P 三脚使用で撮影
 夜間の空港での撮影は、通常のズームレンズではF値が暗すぎて超高感度撮影になってしまい、大きなテレビなどで鑑賞するには少し無理がある。タイトルで使用した写真とは別の日の動画撮影となったが、解放F値がF1.4のLEICA DG SUMMILUX 25mmなら撮影も楽にこなせた。

まとめ

 4年の歳月を経て進化したGH5IIを使って思ったことは、静止画の魅力的な写真表現力を身につけた画質と、さらに磨きがかかった動画撮影能力。高級なLEICAレンズでなくとも、手持ちのLUMIX Gレンズ達だけでもその素晴らしさは十分伝わってくる仕上がりで、お世辞抜きに良いカメラになってるぞGH5 II。座布団3枚差し上げよう!! ■執筆者:森脇章彦 1956年岡山県生まれ。コマーシャルフォトを中心に男性誌・女性誌などで高価な宝飾品からポートレートまでこなし幅広く活躍。またカメラ専門誌などでの執筆活動精力的にこなし独特の辛口批評が読者から好評を得ている。特にデジタルカメラは創世記から積極的に活用し。カメラ画質やレンズの良し悪しについて「影のご意見番」と呼ばれている。

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の森脇章彦さんがLUMIX GH5IIのレビューをしています。3本のおススメレンズと共に撮影シーンごとの分かりやすい説明をしていますので、興味のある方は必見です。 ----- KEYWORDS: LUMIX GH5II,レビュー,LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.,LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.,パナソニック,Panasonic,森脇章彦 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門 BASENAME: 483573391.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 齋藤朱門 DATE: 09/27/2021 16:00:00 TAGS: 風景,風景の撮影テクニック ----- BODY: 06_唐松岳からの日の出と雲海を広角レンズで撮影した作例.jpg

はじめに

 今回は丘や山の風景の撮影方法と必要な機材について紹介したいと思います。丘や山は季節ごとに違った表情を見せてくれるので年中撮影が楽しめます。春から初夏の丘は新緑が美しく、秋の紅葉の季節は色とりどりの山肌や森を撮るのも楽しいです。冬は白い雪に覆われた険しい山々の景色も風景写真の醍醐味の一つだと思います。

丘・山を撮る

 九州の阿蘇で撮影した一枚。夕日の柔らかく温かい光が遠くの丘を照らしている光景が目に飛び込んできたので、望遠レンズを使って撮影しています。
01_九州の阿蘇で撮影した一枚.jpg
■撮影機材:ソニー α7R II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:マニュアル露出・140mm・F8・ISO125・1/100秒
 別の年の初夏に再び阿蘇に訪れた際、さきほどと同じ場所から撮影しています。
02_初夏に阿蘇を撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:マニュアル露出・321mm・F11・ISO100・1/60秒
 冬に訪れた霧ヶ峰にて。朝日に照らさられたススキと遠くに見える富士山が印象的でした。
03_冬に訪れた霧ヶ峰での作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R III + キヤノン EF16-35mm F2.8L III USM ■撮影環境:マニュアル露出・33mm・F16・ISO100・1/160秒

構図

04_丘や山脈を望遠レンズで撮影した作例.jpg
■撮影機材:シグマ sd Quattro H + 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary ■撮影環境:マニュアル露出・202mm・F11・ISO100・1/100秒
 前者の場合は、ポイントとなる部分を中心にしつつ、丘や山脈が作り出すレイヤーの配置・バランスを意識すると良いでしょう。
05_丘の中腹を望遠レンズで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7S + FE 70-200mm F2.8 GM OSS + 2Xテレコンバーター ■撮影環境:マニュアル露出・310mm・F8・ISO125・1/400秒
 また、丘の中腹になにかパターンのようなものを見つけたら、それを望遠レンズで切り取ってみるのも面白いと思います。  2つ目の前景を入れて広角で撮る場合の作例です。
06_唐松岳からの日の出と雲海を広角レンズで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:マニュアル露出・27mm・F16・ISO100・1/500秒
 唐松岳からの日の出と雲海を撮影した一枚。朝日が昇り始めるとそれまで濃い雲海で覆われていた山肌が徐々に現れてきました。オレンジ色の光に照らされた岩や山肌を前景とし、遠くの山に見える山々と朝日の構図バランスを意識しています。
07_広角レンズで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:マニュアル露出・24mm・F16・ISO100・1/60秒
 筆者は山を主要な被写体ではなく、全体の構成要素の一つとして撮ることが多いのですが、それは、その場の奥行き感・臨場感を意識しつつ各構成要素のバランスを考えて構図を決めると自然とそうなることが多いためと考えています。

天候と光

 個人的には雲ひとつなく晴れた天気よりは、ある程度の雲がある天候の方が空にも表情が生まれるので好みなのですが、なかなか狙った天気になることも少ないですよね。そのときの天気や場面に応じて空を入れるバランスや切り取るポイントを変えたりするなど、臨機応変に撮影していくとさまざまな風景が撮影できると考えています。
08_雨上がりに発生する霧や靄の作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 16-35mm F2.8 GM ■撮影環境:マニュアル露出・19mm・F16・ISO100・0.6秒
 雨の日は撮るのが難しいですが、雨上がりに発生する霧や靄も美しい光景を生み出してくれる場合があります。
09_雲の隙間から差し込む光を撮影.jpg
■撮影機材:ソニー α7R II + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:マニュアル露出・89mm・F8・ISO100・1/1000秒
 早朝の撮影、現地についたときは少し雨が降っている状況で、もともと撮りたいと考えていたイメージの写真は撮れず少し諦めていましたが、しばらく待っていると時折雲の隙間から差し込む光が予想外の光景を作り出していました。レンズを望遠レンズに変えて撮影した一枚です。
10_夕日が沈む瞬間に厚い雲の隙間から光が差し込んだ時の作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R II + キヤノン EF16mm-35mm f2.8L II USM ■撮影環境:マニュアル露出・33mm・F16・ISO100・1/13秒
 どんよりと曇っている日でしたが、夕日が沈む瞬間に厚い雲の隙間から光が差し込み、あたりをオレンジ色に照らしていました。

絞りとピント位置

 絞りやピント位置も構図によって変える必要があります。望遠で切り取る場合はそれほど被写界深度を深くする必要はないので、F8前後のF値で十分な場合が多いでしょう。ピント位置も中心にするのが良いと思います。広角で手前の前景から奥の山々まで、奥行き感があるような感じで撮影する場合は被写界深度をかなり深くする必要が出てきます。パンフォーカスで撮影するために、かなり絞って(F11~F16)、被写界深度が最大になるフォーカス位置にピントを合わせます。パンフォーカスのピント位置を正確に求めるアプリなどもありますが、撮影現場でアプリを使うのが難しい場合、筆者はだいたい画面上の手前1/3くらいの位置を目安にピントを合わせています。
11_作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 ZOOM ■撮影環境:マニュアル露出・33mm・F16・ISO100・1/2000秒
 また、レンズにもよりますが、絞ることで太陽の光条(光房)もきれいに出せますので、筆者の場合はかなり絞る(F16くらい)ことが多いです。カメラのフォーカスブラケット機能などを使って複数のピント位置が異なるショットを撮影しておき、後処理で被写界深度合成を行う方法もあります。この場合は、F8くらいの絞り値で、手前、真ん中付近、奥と3~5箇所程度でピント位置を変えたショットを撮っておくと良いと思います。

必要な機材

 基本的には通常の撮影と同様にカメラ・レンズ・三脚があれば撮影できますが、特に望遠レンズを使う場合はしっかりとした三脚とレンズサポートを使用し、レンズの微小なブレを軽減すると良いでしょう。シャッターを押す際のブレを軽減するためにレリーズを使用するのも有用です。レンズですが、望遠で切り取る場合は100~400mm、広角で奥行きがあるような写真を撮りたい場合は16~35mmくらいの焦点距離のレンズがおすすめです。

さいごに

 今回は筆者なりの丘と山の撮影方法をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。山や丘の風景は季節を問わずいつでも撮ることができる風景写真の王道ですが、構図や切り取り方を工夫するだけで、さまざまなオリジナルの作品が撮影できると思います。丘や山を撮影する機会があれば、是非この記事の内容を参考にしていただけると嬉しいです。 ■写真家:齋藤朱門  宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。

齋藤朱門さんの撮影テクニックの連載記事はこちら

・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html ・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html ・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html ・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html ・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
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はじめに

top_Cross1.jpg
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 ■撮影環境:F5.6, 1/320秒, +1.3EV, ISO 400, WB 蛍光灯 ■仕上がり設定:クロスプロセスⅠ
 撮影した写真を見栄えよくドレスアップさせるツールは、スマートフォンが普及した今となってはさまざまなアプリが開発され、広く一般的に認知されて使う人も多いものとなっています。そしてこのツールの先駆けとなったのが、2008年12月にオリンパスから発売されたデジタル一眼レフ「E-30」に搭載された「アートフィルター」ではないでしょうか。  ミラーレス一眼カメラであるPENシリーズ向けに開発が進められていたものが一足先に一眼レフのE-30、その後のE-620を経て、2009年7月に発売されたミラーレス一眼(当時はマイクロ一眼)カメラであるPENシリーズの第一弾「E-P1」に搭載され、以来今日までPENシリーズとOM-Dシリーズ(2012年3月に初号機「E-M5」が発売)に引き継がれています。  アートフィルターが世に出た当初は「こんな機能を誰が使うんだ?」と言われることもあり、かなり風当たりが強かったと開発に携わった方からも伺ったことがあります。しかしその後、スマートフォンユーザーが増えてアプリによる画像処理やレタッチ、またSNS投稿の際にエフェクト機能を利用することが特異なことではなくなった今では、もはやこういったフィルター機能を使うことに対してナンセンスだ、などいう意見はほぼ聞かなくなったように思います。  そんなフィルター効果で写真をドレスアップするツールのパイオニアともいえる、アートフィルターも登場からはや10年以上が経つのですが、今でもまだ意外と知られていない面や、オリンパスユーザーであってもいつの間にか増えてあまり知られていない機能もあると思われるので、今回改めてご紹介したいと思います。

アートフィルターの種類と特徴

 アートフィルターは当初全6種類(ポップアート、ファンタジックフォーカス、デイドリーム、ライトトーン、ラフモノクローム、トイフォト)からスタートしましたが、その後PEN/OM-Dシリーズの新機種発売とともに徐々に増えてゆき、またベースとなるアートフィルターのバリエーションタイプやエフェクト(効果)の追加などが加わり、今では16種類をベースに31タイプにまで増えました。  そこにエフェクト(効果)を足していくと194通り、さらにモノトーン系のバリエーションとして加わったフィルター効果と調色、パートカラーの色の選択も入れて数えるとなんと962通り(!)もの写真を撮ることができます。これがすべてパソコンのソフトを使わず、カメラ上でできてしまうということには驚くばかりです。さらに、ここに最近の機種に追加された「ファインチューン」機能、またのちに紹介する様々な設定と組み合わせることで、もはや表現の可能性は無限大といっても過言ではないでしょう。  まず今回は最初にベースとなるアートフィルター(と効果の追加の一部)を簡単にご紹介します。尚、これだけでも相当なボリュームであることを先にお伝えしておきます。

1. ポップアート

 ピクチャーモードのVividよりもさらに彩度を上げて色の美しさを際立たせ、文字通りポップな印象にしてくれます。色鮮やかに表現したいときに仕上がり設定(オリンパス機ではピクチャーモード)をVividにしても期待したほどの効果が得られない、そんなときに非常に活躍してくれます。明るめかつ彩度が高くてビビッドな仕上がりのタイプ1と、彩度は高いものの全体的な明るさを抑えて落ち着いた印象となるタイプ2があります。
ポップアート1_Vivid.jpgVividポップアート1_Pop1.jpgポップアートⅠポップアート1_Pop2.jpgポップアートⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 ■撮影環境:F6.3, 1/25秒, +1.7EV, ISO 1600, WB 蛍光灯
ポップアート2_Vivid.jpgVivid 
ポップアート2_POP1.jpgポップアートⅠポップアート2_POP2.jpgポップアートⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 ■撮影環境:F5.6, 1/800秒, +0.3EV, ISO 400, WB オート

2. ファンタジックフォーカス

 ソフトフォーカスをかけたような幻想的な雰囲気となるファンタジックフォーカスは、ふんわりやわらかい印象ながらもピントの芯はしっかり残した仕上がりが特徴です。
ファンタジックフォーカス.jpgNaturalファンタジックフォーカス_Fantasic.jpgファンタジックフォーカス+スターライト効果
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 EZ ■撮影環境:F5.3, 1/60秒, -0.3EV, ISO 200, WB オート

3. デイドリーム

 白昼夢の中にいるかのような、明るめでコントラストが低くやわらかい印象でありつつ、全体的にブルーがかったタイプ1と、アンバー系の仕上がりとなるタイプ2があります。
デイドリーム_Natural.jpgNaturalデイドリーム_Day1.jpgデイドリームⅠデイドリーム_Day2.jpgデイドリームⅡ
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/640秒, +1.0EV, ISO 320, WB 晴天

4. ライトトーン

 コントラストが低くゆるくてやわらかい、またかわいらしい印象の写真に適したアートフィルターです。一方で、白飛びや黒潰れをしにくい、暗い部分を起こしてくれるという特徴から、輝度差がある場面にも適しています。  尚、コントラストが低めになるライトトーンは、被写体の「角が取れてやわらかい印象になる」という特徴もあるため、毎年桜のシーズンに活躍してくれます。
ライトトーン1_Natural.jpgNaturalライトトーン1_Light Tone.jpgライトトーン
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P5 + M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 ■撮影環境:F1.8, 1/320秒, +1.0EV, ISO 200, WB 晴天+5STEP(G)
ライトトーン2_Natural.jpgNaturalライトトーン2_Light Tone.jpgライトトーン+フレーム効果
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR ■撮影環境:F11, 1/2000秒, ISO 1600, WB オート
ライトトーン3_Natural.jpgNaturalライトトーン3_Light Tone.jpgライトトーン
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro ■撮影環境:F4.0, 1/640秒, +0.7EV, ISO 200, WB 曇天-2STEP(G)

5. ラフモノクローム

 ピクチャーモードにある通常の白黒モード「モノトーン」よりも、白と黒のコントラストがはっきりしていて、かつ高感度のモノクロフィルムで撮影し、増感現像を行ったときのようなざらっとした粒状感が楽しめます。その粒状感とコントラスト具合の違いでタイプ1と2があります。さらにはモノクロ撮影時に使用するカラーフィルター効果で、例えば空の色を濃くすることなどや、調色でセピアや青などのバリエーションも楽しめるようになっています。
ラフモノクローム1_Monotone.jpgモノトーン
ラフモノクローム1_Rough1.jpgラフモノクロームⅠラフモノクローム1_Rough2.jpgラフモノクロームⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro ■撮影環境:F2.8, 1/2500秒, -0.7EV, ISO 400
ラフモノクローム2_Monotone..jpgモノトーンラフモノクローム2_Rough1_1N.jpgラフモノクロームⅠラフモノクローム2_Rough1_2Ye.jpgラフモノクロームⅠ+フィルター効果(Yellow)
ラフモノクローム2_Rough1_3Or.jpgラフモノクロームⅠ+フィルター効果(Orange)ラフモノクローム2_Rough1_4Re.jpgラフモノクロームⅠ+フィルター効果(Red)ラフモノクローム2_Rough1_5Gr.jpgラフモノクロームⅠ+フィルター効果(Green)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/4000秒, +0.7EV, ISO 200
ラフモノクローム3_Monotone..jpgモノトーンラフモノクローム3_Rough1_1N.jpgラフモノクロームⅠ
ラフモノクローム3_Rough1_2S.jpgラフモノクロームⅠ+調色(セピア)ラフモノクローム3_Rough1_3B.jpgラフモノクロームⅠ+調色(青)
ラフモノクローム3_Rough1_4P.jpgラフモノクロームⅠ+調色(紫)ラフモノクローム3_Rough1_5G.jpgラフモノクロームⅠ+調色(緑)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F11, 1/100秒, -0.7EV, ISO 500

6. トイフォト

 プラスチックレンズでできたトイカメラやオールドレンズを使う古いカメラで撮影したような、画面の四隅が暗く落ちる周辺減光を大きな特徴として、全体的に少し緑がかったような色になるタイプ1、青みが強くなるタイプ2、赤みがかぶるタイプ3があります。
トイフォト_Natural.jpgNaturalトイフォト_ToyPhoto1.jpgトイフォトⅠ+フレーム効果
トイフォト_ToyPhoto2.jpgトイフォトⅡ+フレーム効果トイフォト_ToyPhoto3.jpgトイフォトⅢ+フレーム効果
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/20秒, ISO 200, WB オート

7. ジオラマ

 本物の風景をまるでミニチュアの世界のように見せるには、本来ティルトレンズという特殊なレンズが必要ですが、デジタル処理によってピントを合わせた位置から周辺にかけてを急激にぼかすこと、また彩度を高くすることで簡単に実現してくれます。またこのモードで動画を撮影すると、以前の記事でお伝えした通りパラパラ漫画のようなタイムラプス動画となります。
ジオラマ_Natural.jpgNatural
ジオラマ_Diorama1.jpgジオラマⅠジオラマ_Diorama2.jpgジオラマⅡ
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/200秒, +0.3EV, ISO 400, WB オート

8. クロスプロセス

 ネガフィルムをポジ現像、またはポジフィルムをネガ現像することをクロスプロセスと言いますが、その際に得られる「不思議な色に転ぶ」現象をデジタルで意図的に再現したもの。タイプ1はグリーン系、タイプ2はマゼンタ(赤)系の仕上がりとなります。  緑が強く出るタイプ1は、茶系にくすんだ葉や冴えないグレーの背景が鮮やかな緑となる一方で、紅葉の赤や黄色を鮮やかに表現してくれるため、紅葉シーズンによく活躍してくれます。
クロスプロセス1_Natural.jpgFlat
クロスプロセス1_Cross1.jpgクロスプロセスⅠ+フレーム効果クロスプロセス1_Cross2.jpgクロスプロセスⅡ+フレーム効果
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P5 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR ■撮影環境:F5.6, 1/4000秒, -0.3EV, ISO 200, WB 晴天
クロスプロセス2_Natural.jpgNaturalクロスプロセス2_Cross1.jpgクロスプロセスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro ■撮影環境:4.0, 1/1000秒, ISO 200, WB オート
クロスプロセス3_Natural.jpgNaturalクロスプロセス3_Cross1.jpgクロスプロセスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO ■撮影環境:2.8, 1/60秒, ISO 640, WB オート

9. ジェントルセピア

 セピアは他にモノトーンのバリエーションとしての「セピア」がありますが、「ジェントルセピア」は全体的に赤みが足され、また暗い部分が引き締まったセピアとなっています。
ジェントルセピア_Natural.jpgNatural
ジェントルセピア_Sepia.jpgセピアジェントルセピア_Gentle Sepia.jpgジェントルセピア+ピンホール効果+フレーム効果
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR ■撮影環境:F9.0, 1/125秒, +1.0EV, ISO 200, WB 晴天

10. ドラマチックトーン

 急激なコントラストの差によって立体感を強調し、彩度は高めで高コントラストなまま、暗部の暗さは残しつつ黒く潰れてしまいがちな部分を持ち上げることでディテールを表現し、肉眼で見ている世界とは違った表現ができます。タイプ1はカラー、タイプ2がモノクロームになっていて、タイプ2はさらにラフモノクローム同様のフィルター効果の追加や調色の選択が可能です。
ドラマチックトーン1_Natural.jpgNaturalドラマチックトーン1_Dramatic1.jpgドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR ■撮影環境:10.0, 20秒, ISO 200, WB オート
ドラマチックトーン2_Natural.jpgNaturalドラマチックトーン2_Dramatic1.jpgドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 ■撮影環境:4.0, 1/320秒, ISO 1600, WB 晴天-3STEP(G)
ドラマチックトーン3_Vivid.jpgNaturalドラマチックトーン3_Dramatic1.jpgドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/200秒, ISO 200, WB オート
ドラマチックトーン4_Monotone.jpgモノトーンドラマチックトーン4_Dramatic2.jpgドラマチックトーンⅡドラマチックトーン4_Dramatic2_1B&Rd.jpgドラマチックトーンⅡ+調色(青) +フィルター効果(Red)
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F5.6, 1/100秒, -0.3EV, ISO 400

11. リーニュクレール

 難しい発音のネーミングですが、フランス語である”Ligne claire”は訳すとクリアライン。つまり「明確な線」という意味になる言葉の通り、色の縁にラインが引かれ、また階調を飛ばしてしまうことでペタッとした絵画調になる、ポスタリゼーション効果を楽しむアートフィルターです。タイプ1と2があり、タイプ2の方が引かれるラインがしっかりしたものとなります。
リーニュクレール_Natural.jpgNatural
リーニュクレール_Line1.jpgリーニュクレールⅠリーニュクレール_Line2.jpgリーニュクレールⅡ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR ■撮影環境:F8.0, 1/400秒, +0.3EV, ISO 200, WB 晴天

12. ウォーターカラー

 名前の通り、写真のはずがまるで水彩画のような仕上がりとなります。水や空の青や、お花の色など、はっきりした色やカラフルな被写体と相性がいい一方で、黒い部分が白く抜けてしまう特徴があります。被写体の輪郭を強調するタイプ1と、色のみで表現するタイプ2があります。
ウォーターカラー1_Natural.jpgNatural
ウォーターカラー1_Water1.jpgウォーターカラーⅠウォーターカラー1_Water2.jpgウォーターカラーⅡ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR ■撮影環境:F7.1, 1/250秒, ISO 200, WB 晴天
ウォーターカラー2_Natural.jpgNaturalウォーターカラー2_Water1.jpgウォーターカラーⅠウォーターカラー2_Water2.jpgウォーターカラーⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F4.0, 1/800秒, ISO 200, WB 晴天

13. ヴィンテージ

 フィルムプリントが経年劣化したことによる写真の変色や退色を再現する、そんなコンセプトで開発されたヴィンテージは、レトロな雰囲気や懐かしさを表現するのにぴったりです。雰囲気の異なる3タイプがありますが、どんな被写体を選んでもいずれかのタイプがフィットしやすい、万能フィルターとも言えます。
ヴィンテージ_Natural.jpgNaturalヴィンテージ_Vintage1.jpgヴィンテージⅠ
ヴィンテージ_Vintage2.jpgヴィンテージⅡヴィンテージ_Vintage3.jpgヴィンテージⅢ
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 ■撮影環境:F1.8, 1/8000秒, +0.3EV, ISO 200, WB オート-2STEP(R)

14. パートカラー

 特定の色だけを残してあとはモノクロームで表現する、というパートカラーは他社のカメラでも見かけますが、オリンパス機の特徴は「赤」「緑」のようにシンプルな色を選択するだけではないこと。色相環になった6色18パターンから強調したい色を選択し、さらにタイプ1から3により残す色の幅(色相環で選択した色だけでなく近い色までを残す)を選ぶことができるのが大きな特徴です。効果の追加と組み合わせることで、このパートカラーだけでなんと432通りものパターンから選ぶことができるのはなんとも驚きです。
パートカラー1_Natural.jpgNaturalパートカラー1_Part3.jpgパートカラーⅢ+COLOR(4)
パートカラー1.jpg色選択画面(6色18パターン)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ ■撮影環境:F8.0, 1/320秒, ISO 400, WB 晴天
パートカラー2_vivid.jpgVividパートカラー2_Part1-5.jpgパートカラーⅠ+COLOR(5)
パートカラー2_Part2-5.jpgパートカラーⅡ+COLOR(5)パートカラー2_Part3-5.jpgパートカラーⅢ+COLOR(5)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 ■撮影環境:F16, 1/8秒, +1.7EV, ISO 2000, WB 蛍光灯

15. ブリーチバイパス

 フィルムや印画紙での「銀残し」という手法の再現を楽しむアートフィルターで、タイプ1と2があります。金属のメタリックな質感を印象的に伝えたり、街並みに古い映画のような味わいを持たせたり。一方で、タイプ1が意外とお花の撮影に活躍してくれます。
ブリーチバイパス1_Natural.jpgNaturalブリーチバイパス1_Bleach1.jpgブリーチバイパスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL9 + フィッシュアイボディーキャップレンズBCL-0980 ■撮影環境:F8.0, 1/640秒, -0.3EV, ISO 200, WB 晴天
ブリーチバイパス2_Natural.jpgNaturalブリーチバイパス2_Bleach2.jpgブリーチバイパスⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/400秒, -0.3EV, ISO 800, WB 晴天
ブリーチバイパス3_Natural.jpgNaturalブリーチバイパス3_Bleach1.jpgブリーチバイパスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/1000秒, -0.7EV, ISO 200, WB 蛍光灯
ブリーチバイパス4_Natural.jpgNaturalブリーチバイパス4_Bleach1.jpgブリーチバイパスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-20mm F3.5-6.3 ■撮影環境:F6.3, 1/1600秒, -1.7EV, ISO 400, WB 曇天

16. ネオノスタルジー

 公式WEBサイトによると「ノスタルジックな雰囲気を残しつつ現代風に仕上げる」ということですが、インスタントフィルムカメラで撮影した写真のイメージというコンセプトのアートフィルターです。
ネオノスタルジー1_Natural.jpgNaturalネオノスタルジー1_Neo.JPGネオノスタルジー
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL9 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F18.0, 1/60秒, +0.7EV, ISO 200, WB 晴天
ネオノスタルジー2_Natural.jpgNaturalネオノスタルジー2_Neo.jpgネオノスタルジー
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/6400秒, -1.0EV, ISO 250, WB 5000K

効果の追加とファインチューン

 それぞれベースとなるアートフィルターに「効果の追加」(エフェクト)を足すことができるのですが、効果の数は下記の通り最大で9種類、「効果なし」を入れると最大10パターンとなります。 「ソフトフォーカス」「ピンホール(周辺減光)」「ホワイトエッジ」「フレーム」「スターライト」「上下/左右ぼかし」「上下/左右シェード」(上下/左右で2種類をここではまとめて表記)  ただし、ベースとなるアートフィルターによって選べる効果の数が異なり、例えばヴィンテージ、ブリーチバイパス、ネオノスタルジーは効果なしを入れると最大の10パターン、逆にトイフォトとジオラマはフレーム効果か効果なしの2パターンのみとなっています。
ファインチューン1_Natural.jpgNatural
ファインチューン1_Vintage1_1.jpgヴィンテージファインチューン1_Vintage1_2Soft.jpgヴィンテージ+ソフトフォーカス効果
ファインチューン1_Vintage1_3Pinhole.jpgヴィンテージ+ピンホール効果ファインチューン1_Vintage1_4WhiteEdge.jpgヴィンテージ+ホワイトエッジ効果
ファインチューン1_Vintage1_5Frame.jpgヴィンテージ+フレーム効果ファインチューン1_Vintage1_6StarLight.jpgヴィンテージ+スターライト効果
ファインチューン1_Vintage1_7jougebokasi.jpgヴィンテージ+上下ぼかし効果ファインチューン1_Vintage1_8sayuubokasi.jpgヴィンテージ+左右ぼかし効果
ファインチューン1_Vintage1_9jougeShade.jpgヴィンテージ+上下シェード効果ファインチューン1_Vintage1_10sayuuShade.jpgヴィンテージ+左右シェード効果
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/100秒, -0.7EV, ISO 2000, WB オート
 また、一部のアートフィルター(ポップアート、ファンタジックフォーカス、トイフォト、クロスプロセス、ネオノスタルジー)に対して、基本となるアートフィルターの効果を調整できる「ファインチューン」という新たな機能が2019年11月に発売されたE-PL10より搭載され、アートフィルターのさらなる可能性を広げてくれています。
ファインチューン2_Vivid.jpgVivid
ファインチューン2_Pop1_-5.jpgポップアートⅠ-5ファインチューン2_Pop1.jpgポップアートⅠファインチューン2_Pop1_+5.jpgポップアートⅠ+5
ファインチューン2_Pop2_-5.jpgポップアートⅡ-5ファインチューン2_Pop2.jpgポップアートⅡファインチューン2_Pop2_+5.jpgポップアートⅡ+5
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/60秒, +0.7EV, ISO 1600, WB 3000K
 以上、ここまでは基本となるアートフィルターの種類やバリエーションについてご紹介してきました。「基本」だけでもこれほどバリエーション豊かなことから、アートフィルターがどれほど様々な表現の可能性を秘めているかについて理解いただけたでしょうか。  後編は「ただアートフィルターを使っただけ」で終わらせず、自分の作品に取り入れるために素材としてのアートフィルターのポテンシャルを最大限に活かし、いかにオリジナリティを持たせるかについてをお伝えします。 →続編のアートフィルター解説記事 Part.2はこちら ■写真家:クキモトノリコ 学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。 公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のクキモトノリコさんがオリンパスの「アートフィルター」を徹底解説。PEN/OM-Dシリーズに搭載された全てのアートフィルターを作例とともに紹介していきます。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,オリンパス,Olympus,アートフィルター,クキモトノリコ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: RICOH GR IIIx ~40mm単焦点レンズを搭載した新星GR~|こばやしかをる BASENAME: 483618178.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 09/29/2021 16:00:00 TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,GR IIIx,スナップ,コンパクトデジタルカメラ,APS-C ----- BODY: 01 GR IIIx製品画像.JPG

はじめに

 発売目前。「GRは単焦点28mm」という概念を超えた、新たな焦点距離40mmレンズを搭載した新星GR IIIxがいよいよ登場します。フィルムカメラの頃から28mmの焦点距離と画角に慣れ親しんできた方も多い中、どのような感覚で自分に寄り添ってくれるのか?と筆者自身も期待と不安を胸に手にしました。ドキドキしながらいち早く使わせていただいた感触と、新機能の一部をピックアップしてお伝えいたします。

GR IIIxの「x」とは

 「高画質・携帯性・速写性・深化」という一貫した基本コンセプトの下、新たにラインアップされるGR IIIx。GR25年の歴史における新境地とも言える標準域40mm相当(実焦点距離26.1mm・画角約57度)のレンズには、スナップ撮影の表現を広げるという意義が込められており、「x」にはextended=拡張させるという意味があります。撮影領域と機能の両方を拡張させることによって、コンパクトカメラでありながら様々な被写体と撮影シーンに対応できる1台に仕上がっています。

焦点距離40mm 撮影時の距離感をつかむ

 広角好きで28mmの画角が身についている筆者。スマホカメラも28mmが一般的であり、〝広角は寄って撮る〟が染み付いていて、いつも通りに被写体に近づくと戸惑い隠せず少々動揺。「おっと、これは踏み込みすぎなのか。」と思い三歩下がる。それこそが初めて使った時の感覚です。  スナップ撮影では「まずはこの距離感をつかむことから」と言われているかのよう。しかし、一眼レフであれば標準レンズ50mmでも撮影をしており、レンズ交換をしたと思えば問題なく、手持ちのフィルムコンパクトカメラを見れば35mm、38mmといった近しい焦点距離のものもあります。「そういえばアイツいたな。」と思い出し、「3日付き合えば慣れる。」そんな感じですんなりと受け入れることができました。  実際の撮影では、住宅地で一般的な幅員4m道路で思い切り反対側まで下がるようなイメージです。全体的に捉えるというよりも具体的に、より明確に被写体をクローズアップできます。
02_40mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO200 WB曇天 -0.3EV  ■イメージコントロール:ポジフィルム調
 フレームインしてくる人物を待ちながら撮影できる余裕さえ感じられ、スナップ撮影距離設定を存分に活かしてタイミングを狙った撮影が可能。
03_40mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/1000秒 F/5.6 ISO200 WB太陽 -0.3EV  ■イメージコントロール:ポジフィルム調
04_40mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/100秒 F/16 ISO200 WB曇天 -4.0EV  ■イメージコントロール:スタンダード
 撮影をする中、GR IIIxの40mmこそ撮影しやすい被写体も増えていくのだろうと感じました。建造物など28mmだと歪曲を感じられてしまう被写体も、歪むことなく見たままの素直な写りになります。また、焦点距離が長くなったことでボケもより柔らかくなります。
05_40mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/50秒 F/2.8 ISO200 WB昼白色蛍光灯 -1.0EV  ■イメージコントロール:スタンダード
06_40mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/160秒 F/3.2 ISO800 WB曇天 ±0EV  ■イメージコントロール:レトロ

テーブルフォトでも大活躍

 今までのGRでも、スマホカメラでも、広角レンズで撮ると漠然とした写真になり苦手意識の高い人が多いのがテーブルフォト。これまでGR IIIではクロップ機能50mmを使うのが適切でしたが、GR IIIxの40mmであればカメラを構えてアレコレ設定せず、カメラを取り出してサッと撮影できるので、食事をいただくマナーの上でもメリットです。  タテに構えて撮影すればテーブルの上がすんなりと収まります。
07_40mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/80秒 F/2.8 ISO800 WBマルチパターンオート +1.0EV  ■イメージコントロール:スタンダード
 高さのある被写体を撮影してもパースがつかないので、40mmという焦点距離の使いやすさに気が付くはず。なだらかにボケる背景によってより被写体が浮き立ちます。
08_40mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/40秒 F/2.8 ISO800 WBマルチパターンオート -1.0EV  ■イメージコントロール:スタンダード
 40mmは28mmよりもグッと被写体に視線を注ぐようなアングルや切り取りの工夫も自然と身につきます。

クロップモードで中望遠を楽しむ

 GR IIIのクロップ機能(デジタルズーム)では「35mm」「50mm」の撮影が可能でしたが、GR IIIxでは「50mm」「71mm」となり、中望遠域までをカバー。GRで中望遠が撮影できるとは思いもよりませんが、遠方の被写体や近づくことのできない場所でのクロップモードはやはり頼れる存在で、大胆なフレーミングを可能にしてくれます。  ここでは空に向かって撮影。オブジェから雲が吐き出されるように切り取ることができました。
09_70mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/800秒 F/11 ISO200 WB曇天 -1.3EV クロップ71mm ■イメージコントロール:ポジフィルム調
 1.5mほどの距離にいたカラスは、カメラがコンパクトであることで威圧感を与えることなく至近距離で捉えることができました。
10_70mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/400秒 F/5.0 ISO200 WBマルチパターンオート -0.7EV クロップ71mm ■イメージコントロール:モノトーン
 ガラス越し、柵越しといった手の届かない場所や距離での撮影も実現してくれる嬉しさも感じられます。
11_70mm 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/40秒 F/9.0 ISO400 WB日陰 -1.3EV クロップ71mm ■イメージコントロール:レトロ

美しいボケを表現できるマクロモード

 マクロモードは最短撮影距離12cm。画像処理に頼ることのないその描写は、特にマクロ領域においてレンズの力が発揮されます。標準~中望遠らしい柔らかく美しいボケによって、雨の日の情景もしっとりとした雰囲気に。
12_Macro 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/20秒 F/2.8 ISO800 WB太陽 -1.3EV マクロモード ■イメージコントロール:スタンダード
 クロップ71mmとマクロモードの組合せでは望遠マクロ的撮影が可能になります。手すりに巻きつくツタにクローズアップして撮影したところ、背景の木漏れ日が玉ボケになって美しく、コンパクトカメラとは信じがたい写りに。合焦面の細部にわたる描写も見事です。
13_Macro 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/125秒 F/2.8 ISO200 WB太陽 +0.3EV クロップ71mm マクロモード ■イメージコントロール:スタンダード
 小さな被写体もよりフォーカスした撮影が可能になる上、撮影していてモニター画面を通して見えるボケの美しさに感動するはずです。

トリミング機能が充実

 今までになかった機能として、画像再生時メニューの「トリミング」項目ではアスペクト比を変えられる他、水平垂直補正が可能になりました。慌てて撮影した際に不用意に斜めになってしまった画像を、0.1度ずつ回転させながら微調整し真っ直ぐにすることができます。JPG画像を調整するので、RAWデータは撮影時のままに、PCに画像を取り込む必要がなくその場で調整できるのはありがたい機能です。
14_Trim 斜め補正.jpg
【左】撮影時データ 【右】トリミングで傾き調整後 0.1度ずつ回転させることが可能。傾きの角度調整と同時にトリミングされます。
 また、アスペクト比は1:1の他、GR IIまで馴染み深かった4:3も加わり、さらに16:9にもトリミングが可能になるなど、被写体に合わせた見せ方の工夫ができるのも嬉しい点です。
15_Trim-4:3.jpg
【左】3:2で撮影 【右】4:3にトリミング 従来機で馴染み深い4:3はスマホ撮影に慣れている人も使いやすいはず。
 ボクシングリングのロープに合わせて横に流れる視線を利用して16:9にトリミングしたところ、TV画面を見ているような面白さが出せました。
16_rim 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/125秒 F/2.8 ISO200 WBマルチパターンオート -0.7EV クロップ50mm ■イメージコントロール:ブリーチバイパス

プログラムラインに深度優先(深い)が追加

 あまり気にかけたことがないかもしれませんが、撮影時の露出設定には「プログラムライン」という項目があり、ピント合焦面より背後をどのように表現するかという設定を行うことができます。GR IIIxではプログラムラインに「深度優先(深い)」が追加され、優先的に絞り込んだF値(F11基準)が選択されるようになっています。
17_P line比較.jpg
【上】「開放優先」:被写体が浮き立つように合焦点から背面がボケる 【下】「深度優先(深い)」:画面全体にピントが合うようになる 被写体との距離に対して深度が決まる。深度合成ではなくカメラの絞りを変えることによる表現。深度優先(深い)ではほとんどの場合、自動的に絞りF11となる。
 ピントが浅くなってしまう、ピントの甘さが気になる、パンフォーカス的に描写したいなどの時に「深度優先(深い)」を機能させることで、今までのGRらしく画面全体にパンフォーカスして被写体を狙うことができます。記念撮影などでも役立つ機能です。
18_P line 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/500秒 F/11 ISO800 WB太陽 +0.3EV  ■イメージコントロール:ハードモノトーン
 開放優先で撮影すれば、合焦面は物凄くシャープで精細な描写でありながら、ボケのニュアンスが効いて優しい雰囲気に。どちらも撮影シーンと被写体により使い分けることで表現の幅が広がります。
19_P line作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx / GRレンズ26.1mm (40mm) F2.8 ■撮影環境:SS1/60秒 F/2.8 ISO200 WB太陽 +1.7EV  ■イメージコントロール:スタンダード
 プログラムラインの「深度優先(深い)」は、ファームウェアのアップデートによりGR IIIの広角28mmでも使える機能となるので、より深度の深い撮影が可能になります。 ※トリミング機能もファームウェアでアップデートされます。

おわりに

20_GR IIIx製品画像.JPG
【中央】RICOH GR IIIx 【右】RICOH GR III
 まだまだ機能を紹介しきれていませんが、GR IIIxは私の相棒GR IIIによき友だちが増えたようで頼もしく感じました。二つを比べるのではなく被写体とシーンによってそれぞれに使い分けるのが良い使い方と言えます。今までに「GR使いたいけど28mmは広すぎて難しい。」という声もありましたが、これで解消するのではないでしょうか。  また、スマホカメラ+GR IIIxという組み合わせもあり。スマホカメラだけでは叶わなかった一眼レフに匹敵する機能とレンズの力による美しい表現を取り入れることは、これからのスタイルとして定着しそうな予感さえします。気軽に出かけるという点でも、写真の質という点でもとてもベストチョイス。初めてのデジタルカメラとしてもGR IIIxをおすすめします。  GR IIIxの写真はInstagram(@kobayashikaworu_gr)でも随時アップする予定です。ぜひご覧ください。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。

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はじめに(GRとの出会い)

 GR IIIが発売されたのが2019年3月。GR IIIのカタログを手にして「これだ!」と思った。私のシステムはミラーレスがメインとなり全体的に小型・軽量化されていたが、それでもレンズ交換式はそれなりのスペースを取る。慣れとは怖いもので、小型ミラーレスカメラがあればコンパクトカメラの出番はもうほとんどないかもしれない…そう思っていたにもかかわらず「やはりコンパクトカメラも欲しいな」と思い始めていた。気がつけばGR IIIの発売日にはGRistになっていたのだ…。  写真家にとってカメラはもう一つの眼であり自己表現をするためのツールであり、写真は言葉の垣根を超えたコミニュケーションができるグローバルな表現技法だ。写真は記録する道具でもあり表現をするツールでもある。そして、どちらの場合でも言えることはそこにカメラがないと写真は撮れないということ。個人的にカメラに求めるものは「気軽さ」と「楽しさ」だ。そして「画質」が良ければ尚良い。そんな条件を満たしているカメラが私の中ではGR IIIだった。そして今回、突如としてGR IIIから派生した標準レンズを搭載したGR IIIxが登場し、発売前にお借りすることができたので使用感などをまとめていこうと思う。今回はRAW現像は一切なしの全て撮って出しの作品で構成しているので、一人でも多くの方にGRシリーズの雰囲気が伝わってくれると嬉しい。

似て非なるもの、2つのGR

RICOH GR IIIx.jpg
■発売日に手にしたGR IIIとワイドコンバーションレンズGW-4。一台で28mmと21mmを楽しめる。
 今回発売されたGR IIIxは2019年に発売されたGR IIIの派生版であり、何が違うかというとレンズの焦点距離だ。GR IIIは換算28mmの広角レンズであるのに対し、GR IIIxは換算で40mmの標準レンズが搭載されている。焦点距離が伸びたにもかかわらずボディサイズはそのままに、若干レンズ部分が伸びた程度(約2mm増)に収まっている。
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■GR IIIのコンパクトさはそのままにレンズの換算焦点距離が28mmから40mmに伸びた。開放F値もF2.8のままなのも嬉しいポイント。
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■大型センサー搭載のコンパクトカメラはレンズキャップ式でレンズ剥き出しの物も多いが、GRシリーズはレンズバリアがあるのでポケットに入れても安心だ。
 GR IIIでも評判の高かった「切れ味の鋭いレンズ」はGR IIIxにも継承されている。GR III、GR IIIxともにAPS-Cサイズの有効画素数2424万画素のセンサーが搭載されているが、レンズの性能が突出しすぎていてセンサーの性能が追いついていない印象だ。今後GR IIIの後継機種に3000万画素オーバーのセンサーが搭載されても余裕で対応できる性能だ。フルサイズのGRを望む声もあるが、GR IIIの様にスナップ的に撮影したいカメラの場合、被写界深度が浅すぎても使いにくいのでAPS-Cセンサーはちょうどいい落とし所なのではと思う。
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■GR IIIxに搭載された換算40mm(実焦点距離26.1mm)のレンズ。解像度は文句なし。まさに「切れ味」という言葉がふさわしいシャープさ。解像度の高さだけでなく、マクロ撮影時のボケも美しい。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F2.8 1/2500秒 ISO200 ■開放から驚くほどシャープな写りで、積極的に開放を使いたくなるレンズだ。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F5.6 1/1500秒 ISO200 ■個人的にはF5.6〜F8.0に絞り込んでパンフォーカス撮影することが多い。絞り込むとさらに切れ味が増す。
 GR IIIの操作系は片手で完結する様に設計されているためシャッターチャンスにも強い。背面液晶モニターも3.0型と、構図を確認するには十分なサイズでタッチパネルが採用されている。個人的にはタッチパネルで撮影することも多いので嬉しいポイントだ。  GR IIIxのボディサイズは非常にコンパクトなので各ボタン、ダイヤルに指が届かないということはないだろう。逆に手が大きい人には小さすぎるかもしれないが、このコンパクトなボディにAPS-Cサイズのセンサーが搭載されていて且つ換算40mmの標準レンズが内蔵されていると考えるととてもワクワクする。50mmではなく40mmなのがまた絶妙だ。GR IIIに魅力を感じていたが28mmは自分には広角すぎる…と悩んでいた人も多いかもしれない。GR IIIxは間違いなく近年の40mmブームを助長させる一台になるだろう。
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■GR IIIとGR IIIxは3.0型背面液晶モニターを搭載しておりタッチパネルが採用されている。タッチシャッターにも対応しており、更にボディの右側にボタンやダイヤルが集約されているため片手で操作できる。「シャッターチャンスに強いボディデザイン」だ。
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■GR IIIの基本的な持ち方としては親指以外の指でグリップを握り、親指で各ボタンやダイヤルを操作するのが一般的かもしれない。手に持つとGR IIIxの小ささがさらに引き立つ。厳密な構図を作るときやじっくり撮影するときの持ち方。
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■個人的なGR IIIxの持ち方はこんな感じだ。タッチパネルでもシャッターボタンでもシャッターが切れる様にグリップではなく上下を鷲掴みする様な持ち方で撮影する。シャッターボタンを使うときは小指で、タッチパネルでシャッターを切るときは人差し指を使う。
 GR IIIとGR IIIxとふたつのGR IIIがラインナップされたことで、GRだけで撮影が完結することも増えるだろう。さらに11月にはGR IIIx用のテレコンバーションレンズGT-2が発売され焦点距離が75mmまで伸びる。GR IIIとGR IIIxに加えてワイドコンバーションレンズとテレコンバーションレンズを揃えると、換算21mm〜75mmをGRでカバーできる様になる。GRのデザインで100mm以上の焦点距離はあまり実用的ではないしGRでなくてもというところだ。どうしてもという場合はクロップ機能で107mm相当までカバーできるので必要十分だろう。

眼前の景色を切り取る

 GR IIIxの魅力はなんといっても軽快さだ。とにかく気になったものを切り取る、一眼よりもより能動的にシャッターを切ることができるのがGR IIIxの魅力だ。40mmのレンズは標準よりも少し広く、自分が見た構図が綺麗に収まる焦点距離だ。GR IIIの28mmはスマートフォンのカメラに近い画角でスマホで撮影している様な感覚で気軽にシャッターを切ることができたが、GR IIIxはさらに「自分の視点」をより明確に写すのに向いている。50mmは自分が見ている景色よりも若干狭いので写したい被写体などをより明確にするのに向いているが、スナップ的に撮影する場合は自分の視野によりイコールに近い40mmの方が軽快に撮影を行える。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F5.6 1/1000秒 ISO200 ■片手にGR IIIxを持ち港町を散策。気になった景色にGR IIIxを向けてシャッターを切る。GR IIIxは自分の視野そのままの景色を切り取ってくれる。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO400 ■小さなカメラはアングルの自由度が高い。好きな位置にカメラを持っていき気軽にシャッターが切れる。GR IIIxは軽いが手ぶれ補正のおかげで安定した撮影を楽しめる。(撮影協力:みなと珈琲焙煎所)
 GR IIIxには自分好みの画作りを楽しめる「イメージコントロール」という仕上がり調整機能が搭載されている。自然な写りを楽しめるスタンダードや彩度とコントラストが強めなビビッド、銀塩経験ユーザーには嬉しいポジフィルム調にモノトーンなど基本的な設定はもちろん、クロスプロセスやHDR、ブリーチバイパスなども搭載されている。プリセットのイメージコントロールをベースにさらに自分好みのカスタムイメージコントロールも登録できる。個人的にGR IIIはちょっと荒っぽい写りが好きで設定をかなり調整している。カスタム設定は最大2つまで登録することができるが既存プリセットのイメージコントロールも調整ができる。私の場合はポジフィルム調とブリーチバイパスをベースにしたカスタムイメージコントロールを2つ登録している。既存プリセットはなるべくオリジナルのまま残しておきたいのでカスタム設定を活用している。  写真を撮るなら「絶景」を撮りに行かなければ!とまるで強迫観念にかられたように思ってしまう人もいるが、写真とは純粋に自分の撮りたいもの、残したいものを撮ることが大切だと思う。何より、自分が撮っていて楽しいことが最重要で、私の場合は何気ない日常や散歩で出会う綺麗な光や植物のディティールが大好きだ。GR IIIxの気軽さは私の様な撮影スタイルにぴったりで「日常を切り取るのにちょうど良いカメラ」なのだ。撮るものに合わせてカメラを使い分けることでより写真の幅が広がると私は思う。
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■私好みのカスタムイメージコントロールを2つ。ポジフィルム調とブリーチバイパスはGR IIIxの中でも特に好きなイメージコントロールだ。基本的にはコントラスト強め、彩度強めなハードな画作りを楽しんでいる。カスタムイメージコントロールが強すぎるシーンの場合はプリセットのイメージコントロールと使い分けている。GR IIIも同じ設定にして使っている。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F5.6 1/800秒 ISO200 ■カスタム1の設定で撮影。原色をメリハリのある色味で写したいのとGRレンズの切れ味を強調させる様な設定に。GR IIIxは暗部の表現が気持ち良いので黒が引き立つ様に心がけている。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F4.0 1/50秒 ISO200 ■カスタム2の設定で撮影。色の再現性は無視して仕上がりの面白さを重視した設定。私がブルートーンを好きなこともあり(無意識のうちに青っぽい写真を撮っている)青が似合うブリーチバイパスをベースに調整している。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F2.8 1/40秒 ISO100 ■家に飾ってあるドライフラワーを生けた花瓶を撮影。まるで静物画の様なしっとりとした一枚に仕上がった。GR IIIxの独特の仕上がりに自分の好みをプラスすることで自分とGRの両方の世界観がより広がる。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F8.0 1/100秒 ISO200 ■気になったものを撮る。それが自分流のGR IIIxの楽しみ方だ。コンパクトなボディからは考えられないほどよく写る。目で見ていた以上に細部まで写し撮ってくれるので後で写真を見返すのが楽しくなる。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F8.0 1/120秒 ISO100 ■GRレンズが写しとる砂粒のディティールが気持ち良い。GR IIIxで撮影していると画素数以上の写りを実感することが多い。GR IIIと写りの傾向がほとんど変わらないので28mmと40mmと焦点距離で使い分けがしやすい。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO200 ■GRはついつい暗部を意識して撮影してしまう。シャドウからミッドにかけてのトーンの繋がりが美しい。思い返してみても、GRでハイキーの写真は撮ったことがほとんどないかもしれない…。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F11 1/60秒 ISO100 ■家に帰ってGR IIIxで撮影した写真を見返すといつもと違う写真を撮っていることに気付く。カメラが変わると視点も変わる。カメラから教わることも多い。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F8.0 1/1000秒 ISO100 ■ファインダーと背面液晶モニターとではカメラとの距離感もポジションも変化する。そのちょっとしたズレが写真には大きな変化をもたらす。GRの撮影スタイルは「カメラを構える」よりも「カメラを向ける」という方がしっくりくる。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F4.0 1/60秒 ISO400 ■換算焦点距離40mmは広角としても使える汎用性の高い焦点距離だ。田んぼの畔の奥行きを生かすことで広角っぽさを演出。畔に咲いた彼岸花がいいアクセントになってくれた。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F2.8 1/80秒 ISO200 ■GR IIIxは寄れるカメラなのでテーブルフォトも得意分野だ。28mmのGR IIIの場合テーブルフォトには画角が広過ぎたのと広角故にパースがつき過ぎていたが、40mmのGR IIIxはテーブルフォトにも丁度良い。程よくパースも付き、周りの環境も少し入れることでシチュエーションも含めて撮影できる。

まとめ

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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F16 1/15秒 ISO800 ■岡山県の吉備路に広がる赤米の景色。毎年撮影に来ているが、GR IIIxで撮影するとまたいつもと違った雰囲気に仕上がった。まるで「こういう写真好きでしょう?」とGR IIIxに見透かされている様だ。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx ■撮影環境:F2.8 1/250秒 ISO200 ■我が家の愛猫「はち」が日向ぼっこしているところを撮影。コンパクトカメラは威圧感がないので自然な瞬間を撮影しやすい。GR IIIxはまさに手のひらに収まるもう一つの眼である。
 家の中、近所の散歩、田んぼ、海…遠出はあえてせずにちょっと出かける範囲にGR IIIxを持ち出してみた。私の目の前に広がっている景色が気持ち良いくらいちょうどのサイズ感で切り取られて行く心地よさがGR IIIxにはある。GRといえば21mm、28mmでなければ…その思い込みを払拭してくれる一台に仕上がっている。とにかく撮影が楽しいというのが素直な感想で、GR IIIユーザーとしてはGR IIIxは互いに良い相棒になってくれると確信した。  今後テレコンバーションレンズも発売され、さらに対応できるシチュエーションも増えるわけで、GRの進化はまだまだ止まらないようだ。 ■写真家:木村琢磨  1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。

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カメラのキタムラ フォトコンテストを開催します

 こころ動かされた風景、日常のふとした瞬間。かけがえのない思い出や感動を写真にしませんか。お気に入りの写真をたくさんご応募ください。スマホ、フィルムカメラ、ミラーレス一眼、一眼レフなにで撮ってもOK。こどもから大人までどなたでもご応募できます。カメラのキタムラ店頭でも簡単にご応募いただけますので、ぜひご参加ください。

募集期間・テーマ

■募集期間:2021年10月1日(金)~2022年2月15日(火) ■テーマ:秋・冬に撮った写真  過去に撮影した写真もご応募ください。お一人様何回でも、何枚でもご応募いただけます。 詳しい応募方法などはこちらのページからご確認ください。

1:秋の風景

 紅葉、もみじの絨毯、秋の花、ころ柿 など 1秋の風景.jpg

2:冬の風景

 雪、氷、イルミネーション、雪の富士山 など 2冬の風景.jpg

3:ナイトフォト

 夕景、夜景、星空、星景 など 3ナイトフォト.jpg

4:動物

 野鳥、昆虫、水中の生物、動物園 など 4動物.jpg

5:家族・ペット

 こどもの成長、赤ちゃん、ペット など 5家族・ペット.jpg

6:ポートレート

 友人、季節の行事、モデルスナップ など 6ポートレート.jpg

7:祭り・イベント

 踊り、火祭り、祭りの準備、冬の花火 など 7祭り・イベント.jpg

8:乗り物

 鉄道、飛行機、路面電車、船 など 8乗り物.jpg

9:自由

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審査員:清水哲郎 先生

審査員プロフィール.jpg 1975年、横浜市生まれ。独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。撮影執筆の他、多くのフォトコンテストで審査員を務めている。個展開催多数。第1回名取洋之助写真賞、2014 日本写真協会賞新人賞、2016 さがみはら写真新人奨励賞。公益社団法人 日本写真家協会会員。

主催:カメラのキタムラ

協賛:OMデジタルソリューションズ、キヤノンマーケティングジャパン、ソニーマーケティング、ニコンイメージングジャパン、パナソニックコンシューマーマーケティング、富士フイルムイメージングシステムズ、リコーイメージング 後援:一般社団法人 日本フォトコンテスト協会(JPO)

各賞

グランプリ(1名)・・・・・・・30万円 特選(3名)・・・・・・・・・・10万円 準特選(7名) ・・・・メーカー協賛賞品 入選(20名)・・・・・1万円分の商品券 佳作(50名)・・・・・3千円分の商品券

詳しい応募方法はこちら

■カメラのキタムラ フォトコンテスト2021秋冬WEBサイト 過去の上位入賞作品は、カメラのキタムラホームページ上でもご覧いただけます。 →フォトコンテストトップページはこちら ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: カメラのキタムラ フォトコンテスト2021〈秋冬〉を開催いたします。スマホ、フィルムカメラ、ミラーレス一眼、一眼レフなにで撮ってもOK。ぜひご応募ください。 ----- KEYWORDS: カメラのキタムラ,フォトコンテスト ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム GFX50S II|ラージフォーマットセンサーの新型カメラを深掘りレビュー BASENAME: 483616250.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 成澤広幸 DATE: 10/01/2021 16:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,GFX50S II,ラージフォーマット,ミラーレスカメラ ----- BODY: 00_TOP.jpg

富士フイルム「GFX50S II」とは

 富士フイルムから2021年9月29日に発売された新型のミラーレス一眼カメラ「GFX50S II」。富士フイルムの強みである、35mmフルサイズセンサーの1.7倍もの大きさを誇る「ラージフォーマット」センサーを搭載した新機種です。前機種であるGFX50Sが2017年に発売されてから、4年が経過してのリニューアルとなります。  富士フイルムのラージフォーマットセンサー搭載モデルでは、「GFX100S」が今年3月に発売されたのが記憶に新しいですが、GFX100Sが1億200万画素なのに対して、GFX50S IIは5140万画素。GFX100Sよりも25万円ほど抑えられ、50万円を切る価格設定となっています。ボディの筐体をGFX100Sと同じものを使用するなどパーツの共通化を図ることでコストを下げた結果、実現した価格ということです。  さて、その実力はいかほどのものか。発売前に短い期間ですが使用することができました。天候が悪く、撮影機会がわずかしかない状況でしたが、なんとかこのカメラの魅力を伝えられる材料を得ることができました。GFX50S IIの実力を徹底検証してみようと思います。 01_外観1.JPG 02_外観2.JPG  GFX100SとGFX50S IIを並べてみましたが、ほんとに外観は同じ。唯一違うのは本体側面のGFXロゴ。GFX100Sは「GFX」だが、GFX50S IIはGFXの下に「50S II」と表記されています。

GFX50S IIの特徴 ~「センサーは前機種と同じ」ことは実はメリットだった

03_外観3.JPG  GFX50Sとの違いは、カメラ内画像処理エンジンであるプロセッサーにX-T4と同じ「X-Processor 4」が搭載されたこと。これにより前機種よりもさらに処理が高速化し、画質の向上にも成功したということです。しかしながら、このカメラのリリースを見た時に一般ユーザーはこう思ったはずです。 「あれ、センサーは前機種と同じなんだ……」  古いモデルと同じということは、あまりプラスのイメージにはなりませんね。しかし皆さんご存知でしょうか。GFX100Sが発売されたとき「GFX50S/50Rのほうがキレがいいね」という評価があったことを。その理由はまさにセンサーにありました。
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特殊なマイクロレンズ形状によって「画質のキレ」を実現
 メーカーHPより抜粋。GFX50S IIの「画質のキレ」を実現しているのはマイクロレンズによるものだそうです。  私もこのあたりは詳しくないので簡潔に述べようと思いますが、マイクロレンズとはセンサーの1画素に光を集める役割を果たすレンズのこと。マイクロレンズの働きにより効率的にセンサーへ光を届けることができるのですが、画素と画素のつなぎ目の部分が原因で画質に影響を及ぼすことがあるそうです。GFX50S IIに搭載されたセンサーはマイクロレンズの形状がGFX100Sとは異なっているため、こうした悪影響が少ないということでした。これがGFX50S IIの「画質のキレ」につながっているそうです。  このためか、GFX50S IIに搭載されたセンサーは高感度撮影時のダイナミックレンジ(露光可能な光の範囲。ダイナミックレンジが広い=黒潰れ・白飛びに強い)の低下が極端に少ないものとなっています。とあるサイトで各社カメラのダイナミックレンジを測定する記事を見たのですが、通常は感度が上がっていくに従いどんどんダイナミックレンジが低下するのに対し、GFX50S IIはISO1600~ISO12800までの間はダイナミックレンジがほぼ一定であると評価されています。  加えて「X-Processor 4」の搭載。実は私が前機種を使用したとき、ダイナミックレンジの広さは認めつつも、シャドー部の色ムラやノイズ耐性について不満がありました。今回GFX50S IIを使用してみたところ、その不満が「X-Processor 4」の搭載によって全て解決したという印象を持ちました。

富士フイルムからの提案内容を検証

 さて、理屈っぽい話が続いてしまいましたが、ここからは実写画像を用いながら解説をしていきます。富士フイルム公式チャンネルでGFX50S II発表時の内容は「フルサイズで高画素のタイプを使うなら、センサーサイズがより大きくてピクセルサイズの大きなGFX50S IIを」というものでした。  フルサイズセンサーで高画素化すると、画素ピッチ(1画素の大きさ)が小さくなってしまうため、1画素に対しての情報量が少なくなってしまう。すなわち高感度撮影時のノイズやダイナミックレンジが低下してしまうということです。GFXのようなラージフォーマットのカメラであれば、高画素化してもセンサーサイズが大きい分画素ピッチも大きくなり、悪影響が少なくなるというわけです。  この点について他社高画素フルサイズ機とどう違うのか、実際に検証をするべく同一条件で撮影をしてきました。次の画像を見てください。
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【GFX50S II】検証画像①
06_検証1_他社高画素フルサイズ.jpg
【他社高画素フルサイズ機】検証画像①
 月没間近の時間帯に撮影しました。どちらもISO12800、f4、SS10秒、ホワイトバランスはAWBで撮影した「JPEG撮って出し」の画像です。もしここまでで説明した通りの性能であれば、高感度撮影時のダイナミックレンジ幅に大きな差がでるはずと考えました。中央の建屋の部分を拡大してみます。 07_検証1.jpg  明らかな差がでました。他社高画素フルサイズ機は建屋や下の草の部分などの描写が曖昧な感じになっていますが、GFX50S IIは比較的ディテールを残しつつシャープに撮影できていることがわかります。  同じ環境で別の構図で撮影したものを見てみましょう。以下の2枚も同じ設定で撮影した画像です。
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【GFX50S II】検証画像②
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【他社高画素フルサイズ機】検証画像②
 空と木の境界線部分を拡大してみましょう。 10_検証2.jpg  これも明らかな差が出ました。GFX50S IIで撮影した画像はひとつひとつの木の枝がくっきりとしていますね。画像処理が得意なユーザーはここからさらにノイズ低減やコントラストの強調などを行います。元データにこれだけ差があると、後の画像処理にも大きな影響がでると考えられます。画像処理をしないユーザーにとってはさらに恩恵があるでしょう。

ダイナミックレンジを生かすには

 ここまでの検証で、富士フイルムが提案する内容が実証されたと思います。GFX50S IIが素晴らしい画質を誇ることはわかりました。次に私が考えたことは「このカメラでどんな被写体を撮影したいか」です。広大なダイナミックレンジを生かしてどんな表現をしたらよいのか。私が得意とする星空の撮影は、この性能を生かせる被写体のひとつだと思いますが、カメラをお貸し出しいただいている間は悪天候が続き、月齢も満月近辺にさしかかったため、満足のいく星空撮影をすることができませんでした。  そこで、より明暗差のある被写体を求めて、私は池袋にあるサンシャイン水族館へ行ってきました。 ※サンシャイン水族館から許可をいただいて撮影しております。
11_クラゲ1 before.jpg
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF80mmF1.7 R WR ■撮影環境:ISO6400, f2.8, SS1/640, AWB
 パーフェクトブラックの中を浮遊するクラゲ。これならGFX50S IIのダイナミックレンジを活かせるだろうと考えましたが、間違いのない選択だったようです。画像を開いた瞬間にラージフォーマットで撮影したことがわかる圧倒的なディテール。暗いところから明るいところまでの、なだらかな変化と締まった背景の黒がとてもうっとりしませんか。  画像処理で明るさのみを持ち上げた画像がこちら。 12_クラゲ1 after.jpg  もう一枚別角度から。
13_クラゲ2 before.JPG
■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF80mmF1.7 R WR ■撮影環境:ISO6400, f2.8, SS1/640, AWB
 画像処理後のものがこちら。 14_クラゲ2 after.jpg  画像処理をしていて、とてもいじりがいのあるデータだと思いました。ちょっとした操作で一気にいろいろなものが溢れ出てきます。画像の中に含まれる情報量がいかに豊富であるかの証です。とても楽しく画像処理をすることができました。私のYouTubeチャンネルのライブ配信で、GFX50S II撮影画像を画像処理する場面をお見せしました。興味のある方はご覧ください。1:01:35~です。

その他の作例

■朝焼けに包まれる伊豆大島  こちらも画像処理なしの作例です。朝焼けを狙って展望台で待ち構えていたところ、急激に焼けました。とっさの撮影でしたが、白飛びも黒潰れもなく非常に粘りのある描写です。これぞまさにラージフォーマットの力!
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■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF32-64mmF4 R LM WR ■撮影環境:ISO100, f8, SS1/2秒, 焦点距離64mm, AWB
■池袋サンシャイン展望台から  こちらも画像処理なしです。レンズの性能も相成って、絞ると隅々までバッキバキですね!レタッチの必要性を感じない画像です。
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■撮影機材:FUJIFILM GFX50S II + GF32-64mmF4 R LM WR ■撮影環境:ISO125, f10, SS30秒, 焦点距離35.6mm, AWB

ここは惜しかった!3つの気になる点

 画質について素晴らしい性能があることはよくわかりました。が、気になった部分ももちろんありますのでここで述べておきます。 ①大きい・重い  センサーサイズが大きい分、一般的なフルサイズ機に比べてボディもレンズも大きくなります。持ち運びがしやすいとは言えません。 ②AFが安定しない  GFX100Sには備わっている位相差AFがGFX50S IIにはありません。コントラストAFのみです。それでも前機種よりはAF性能が上がっているとも感じましたが、水族館での撮影ではピントが迷うことが多く、時折マニュアルフォーカスを使う場面もありました。 ③「低照度優先」機能がない  X-T4やGFX100Sには「低照度優先」という液晶ブースト機能がありますが、GFX50S IIには搭載されていません。この機能があると星空撮影時の構図確認が格段にしやすくなるのですが、センサーの問題か、残念ながら非搭載。

GFX100Sユーザーは買い換えるべきか?どんな人におすすめ?

 実はここで迷っている人が多いのではないかと思いますので、私の意見を述べさせていただきます。GFX100SとGFX50S IIを迷っている方には、個人的にはGFX100Sをおすすめします。GFX50S IIを実際に使ってみるとその高画質ぶりには驚きましたが、高感度時のノイズ耐性や画像処理時の元データの素直さはGFX100Sの方が処理がしやすいという印象を持ちました。GFX100Sを検討されている方は画像処理などの技術をすでにお持ちの方が多いかと思いますので、そのあたりについては私のGFX100Sレビュー記事をご覧ください。  GFX50S IIは、他社フルサイズ機を使用していて風景写真の分野でさらなる画質を追求したい方や、前機種をお持ちの方におすすめです。特に前機種GFX50Sからの買い替えは強くお勧めしたいと思います。  いかがでしたでしょうか。少々理屈っぽいレビューになってしまいましたが、GFX50S IIに大きく踏み込んだレビューになったのではないかと思います。今後も富士フイルムの動向から目が離せませんね! ■写真家:成澤広幸 1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。 ・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」 ・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の成澤広幸さんによる、富士フイルム「GFX50S II」レビュー記事です。他社の高画素フルサイズ機とも写りを比較し、ラージフォーマットならではの性能を解説していきます。 ----- KEYWORDS: ミラーレス,富士フイルム,Fujifilm,GFX50S II,レビュー,ラージフォーマット ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 富士フイルム X-S10はペット撮影に適しているのか?|湯沢祐介 BASENAME: 483637308.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 湯沢祐介 DATE: 10/02/2021 11:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,X-S10,APS-C,犬/猫/ペット,ミラーレスカメラ ----- BODY: 210811_9096.jpg

はじめに

 私が本格的にペット写真を初めて約15年。当時に比べ、ペット写真を撮る人の数はかなり増えました。カメラの普及はもちろんSNSの普及がペット写真人気に拍車をかけたように感じます。かつてペット写真はプロに撮ってもらうものだったのが、自分で撮るものに変わりました。  たくさんのペット写真で溢れているSNS上にはプロと見紛うほどの腕前の方もたくさんいます。そしてそんな素敵な写真を見て「私もこんな風に撮りたい!」とカメラを始める人も多くいます。実際に私が受けるカメラ選びの相談で多いのが重さです。出来るだけ小型で軽いカメラがいいけどちゃんと撮れるカメラがいい。そんな相談を実によく受けるのです。  そこで今回は2020年11月に発売されたFUJIFILMのX-S10でペット撮影に挑戦。コンパクトでありながらX-T4と同等なスペックを持った優秀なカメラと言われているのは本当なのか。実際に撮ってみてX-S10はペット撮影に適しているのかを検証していきます。

ペット連れに嬉しい小型軽量

 冒頭でお話しした通り、ペット撮影を楽しむ一般の方は非常に多く、そのレベルはとても高いです。みなさん季節に合わせて様々な場所で撮影をするのですが、ペット撮影でネックになるのは荷物の多さでしょう。ペット撮影を楽しむ方たちはカメラ以外にたくさんのペット用品や撮影に使う小道具を持って出かけています。そんな中でよく聞くのは小さくて軽いカメラを求める声です。犬を連れて犬用品と小道具を持ってとなると、やはり重たいよりは軽いカメラにしたいですよね。  その点X-S10の重量はわずか465グラム(SDカード、バッテリー含む)と軽いので、肩や首からかけて歩いても重たくありません。またカバンに忍ばせて必要な時にさっと取り出せるので、遠方への撮影はもちろん、普段のお散歩のお供にも最適です。  ちなみに私が普段使用しているX-T4と比べると142グラム軽くなっています。操作性もより一般的な使いやすさになっていて、どなたでも抵抗なく使用できます。
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF16-55mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:ISO640 SS1/1600 F5
 多頭飼育している方はさらに荷物が増えます。2匹、3匹と連れて歩く方には特にオススメです。

しっかり握れる深いグリップと安心の手ぶれ補正

 小さいカメラを使う上で私がネックに思っているのはグリップの小ささです。片手で撮影する事も多々ある私にとってグリップはとても重要な要素なのです。今まではカメラが小さくグリップも浅いのでしっかりと掴む事が出来ず、無駄に握力を使わなければならないなんて事もありました。しかしこのX-S10は小型にも関わらずグリップがとても深いのでグッとしっかり握る事ができるのです。  まるで大型のカメラのような安定感のあるグリップ。それでいて軽いんですから言うことなしです。このグリップの深さは片手撮影が多い私にとってとても大きなメリットです。
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO1250 SS1/500 F1.4
 こちらの写真のように目線をコントロールして撮りたい時には左手に猫じゃらし、右手にカメラを持って猫をあやしながら撮影します。もしもグリップが浅いとカメラが安定せず手が必要以上に疲れてとても撮影しづらいのですが、グリップの深いX-S10ならしっかりと握る事が出来、片手でもカメラを安定させて撮る事が出来ました。  深いグリップでしっかり持てたとしてもやはり片手撮影で気になるのは手ぶれです。その点X-S10には5軸6段のボディ内手ぶれ補正が付いています。これのおかげで片手持ちでも手ぶれのない写真に仕上がります。屋内撮影がメインとなる猫撮影において深いグリップとボディ内手ぶれ補正はとても心強いです。

野良猫撮影との相性は?

 さて家猫もさることながら野良猫も私の好きな被写体の筆頭です。果たして野良猫撮影とX-S10の相性はどんなものでしょう。  野良猫撮影は最初に被写体である野良猫を探すところから始まります。普通の街中、観光地、公園などなど、野良猫がいそうな場所をただひたすら探し回ります。今回もちょっと大きめな公園をあっちこっちと歩き回りながら野良猫を撮影してきました。  このようにたくさん歩きながらの撮影の時、小型軽量はやはり嬉しいです。大きなカメラを持って歩くとじわじわとストラップをかけた肩が痛くなるのですが、X-S10では全く疲労を感じませんでした。長時間且つ移動も多い野良猫撮影との相性は抜群です。
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF16-55mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:ISO250 SS1/320 F3.2
 公園内をふらふら歩いていると園内でくつろぐ野良猫を発見。警戒されないように遠くからちょっとずつ近づきます。人に慣れているのか、単に私に興味がないのかはわかりませんが、逃げる様子がなかったのでグッと近づいて撮影。カメラがコンパクトだと被写体に圧迫感を与えないので近づきやすく、自然な表情を捉える事ができます。

バリアングルでもう服は汚さない

 人間に比べかなり背の低い犬や猫。そんな彼らの表情をしっかりと撮りたいのならば被写体の目線の高さで撮る必要があります。出来るだけ低く、地面すれすれで構える場合、かつての私は地面に寝そべってファインダーを覗いて撮影していたものです。  室内ならまだしも屋外でしかも雨上がりや朝方の公園などでは水や泥で、一瞬で服が汚れてしまうんです。でもバリアングル方式のX-S10なら寝そべらずとも被写体目線(ローアングル)で無理なく撮る事が可能です。
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF16-55mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:ISO250 SS1/320 F2.8
 こちらの写真は液晶を上に向け、しゃがみながら撮った一枚。ペットや野良猫撮影ではローアングルで撮る事が多いのでバリアングル液晶の恩恵をモロに受けます。私はファインダーを覗いて撮る派ですが最近は液晶を使って撮る機会もかなり増えました。おかげで服をドロドロにしながら撮るなんて事もなくなりました。

ペット撮影の命、ボケ味はどうなの?

 ペット撮影で重要なのは何と言ってもふんわりとしたぼけ感。X-S10とレンズの組み合わせでどんなぼけ味の写真が撮れるのでしょう?
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF35mmF1.4 R ■撮影環境:ISO320 SS1/1000 F1.4
 まずはこちらの写真。使用したのはXF35mmF1.4 R。開放値1.4の明るくて軽量なレンズです。柴犬を廊下であやしながら撮影しているとペタッと座って一瞬口を開きました。その一瞬を逃さず撮るとこのように笑ったような写真に仕上がります。  さて肝心のボケ味ですが、さすが単焦点レンズと言える柔らかなボケ味です。背景はもちろん、目よりも手前に伸びている鼻もぼけています。ふんわりとした優しいボケ味が被写体のかわいらしさを引き立ててくれていますね。  続いてはこちら。私がペット撮影でよく使うXF50-140mmF2.8 R LM OIS WR。ペット撮影の定番レンズで、特に屋外での撮影で重宝します。
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO640 SS1/800 F2.8
 お花畑で撮った一枚。望遠端の140mmで撮影しています。狭い範囲を切り取る望遠レンズはお花畑で大活躍。綺麗なボケ味はもちろん、圧縮効果で手前から奥までお花で埋め尽くされた写真に仕上がります。
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO500 SS1/320 F2.8
 そして再び野良猫です。こちらも綺麗なボケ味ですね。遠くから被写体を狙い、前ボケを入れる事で野生感を出しています。ネコ科の鋭さを強調するために少し暗めに設定。フィルムシミュレーションはVelvia。緑が鮮やかになりました。よく見ると猫の瞳も緑なのがポイント。
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO500 SS1/320 F2.8
 同じ被写体を別角度から撮影。背景の見え方が変わるだけで印象も変わります。後ろにいるもう1匹の睨みが最高です。  私が普段から愛用しているレンズをX-S10につけて撮影してみましたが、そのぼけ味はご覧の通りとても美しいという事がわかりました。

走り回る犬を激写する!

 ペット撮影で絶対撮りたいのが元気に走っている愛犬の姿。成功すれば躍動感のあるかっこいい写真になりますが、じっとしている写真よりも難易度グッと上がります。ペット写真を撮り慣れている方でも「走っている写真を撮るのは苦手」という方も多いです。  さて、この写真を撮る時にカメラに求められるのがAF精度です。コンパクトなX-S10は走っている犬の写真をしっかりと捉えるAF性能があるのでしょうか?  AFモードをAF-Cに設定し走ってくる犬を正面から撮影。AFフレームが出来るだけ被写体の目に合うようにフレーミングしてシャッター半押しでフォーカスを合わせ続けます。被写体がちょうど良い大きさになるぐらいまで近づいたらシャッターを押し込み連続撮影。そうして撮った写真がこちら。
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO320 SS1/2500 F4.5
 勢いよく走ってきた所を連写し空中を飛んでいるような写真になりました。かなり速い動きでしたが、しっかりとピントを合わせてくれました。  今度はもっと難易度を上げて川遊びをしているシーンに挑戦です。
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■使用機材:富士フイルム X-S10 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR ■撮影環境:ISO2000 SS1/2500 F2.8
 まっすぐこちらに向かってくる先ほどとは違い、どこをどう動くかわからない状態での撮影です。さらに水しぶきも上がるので余計にピントが合い辛い非常に難しい条件ですが、見事にピントを合わせてくれています。  出来るだけ水面に近い方が犬の表情がわかるので私も川に入り胸のあたりまで水に浸かりながら撮影しました。流れに負けないように踏ん張りながら(大事なカメラを水没させないように慎重に)撮った1枚です。なかなか大変な撮影でしたが難しい条件でもピントを合わせ、動きのあるシーンもしっかり撮れるカメラだということがわかりました。

まとめ

 様々なシーンを撮ってわかったのは小型な見た目とは裏腹に、十分な性能を持った心強いカメラだと言うこと。かわいくもかっこよくも撮れるX-S10はペット撮影に適していると言えます。  これからペット写真を始めたいと言う方もサブ機として使ってみたいと言う方、そして何より小さくてもしっかり撮れるカメラが欲しいと思っている多くの方々にオススメな一台です。 ■写真家:湯沢祐介 1980年東京都生まれ。 七色の声を使い分けてわんちゃんの気を引き、猫じゃらしで猫を操りながら撮影するペトグラファー。 その巧みな猫じゃらしさばきから「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。 写真教室講師、原稿執筆、テレビ出演、レンタルフォト撮影など多岐にわたる活動をしている。著書には「ペトグラファーが教える ペットの可愛い撮り方」(日本カメラ社)「こねこ」「こいぬ」(ポプラ社)、「ねこもふ。ごーじゃす」(宝島社)他がある。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ペトグラファーの湯沢祐介さんによる富士フイルムX-S10のレビュー記事です。ペットや動物を撮影するにあたって、様々な被写体・シーンを用いた作例と一緒にレビューしています。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,X-S10,レビュー ,ペット_動物 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム GFX50S II 開発者インタビュー|ラージフォーマットを身近にする5000万画素機 BASENAME: 483326811.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 10/03/2021 11:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,GFX50S II,開発者インタビュー,ラージフォーマット ----- BODY: 00_GFX50S II.jpg

はじめに

 富士フイルムからラージフォーマットセンサー搭載のミラーレスカメラ、GFXシリーズの最新作「GFX50S II」が2021年9月29日に発売されました。2017年に登場した「GFX 50S」の後継機種で、2021年2月に登場した「GFX100S」を踏襲することで性能向上を果たすとともに、より多くの人にGFXシリーズを使ってもらいたいとの想いから前モデルから大幅なプライスダウンも実現しています。  今回はいち早く実機に触れる機会をいただきましたので、開発担当者へのインタビューも交えてGFX50S IIを解説していきたいと思います。GFX50S IIはボディ単体と、新作レンズ「GF35-70mmF4.5-5.6 WR」をセットしたレンズキットで販売されます。

5000万画素×ラージフォーマット

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フルサイズセンサーの1.7倍もの面積を持つラージフォーマットセンサー
 対角55mm(43.8×32.9mm)という、フルサイズセンサー比で約1.7倍もの面積を持つ富士フイルムのラージフォーマットセンサー。そのセンサーを搭載したミラーレスカメラが「GFX」であり、シリーズ初のモデルとして登場したのがGFX 50Sでした。5140万画素という高画素とラージフォーマットセンサーとの組み合わせにより、世界最高レベルの写真画質を実現。富士フイルムの新たな歴史を刻むモデルとなりました。  2018年にはレンジファインダータイプの「GFX 50R」もリリースされ、2ラインアップで販売を続けてきたGFX50シリーズでしたが、GFX 50S登場から4年が経過し、遂に初のモデルチェンジを果たし第二世代機へと進化しました。
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カメラの左サイドにモデル名が刻まれる
 引き続き5140万画素は継承されており、受光面積の大きいラージフォーマットセンサーによって圧倒的な解像力や階調性能、色再現や広いダイナミックレンジを実現した超高画質な撮影を楽しめるのがGFX50S IIの特徴。メリハリのあるシャープさ、ノイズの少ないクリアな画像、被写界深度の浅い豊かなボケなど写真に求められる性能を高次元で達成しています。  その上で、画像処理エンジンは富士フイルム最新のプロセッサーである「X-Processor 4」を搭載。処理能力の高速化により今まで以上のリズムで撮影が可能になったほか、最新アルゴリズムによる高速・高精度なオートフォーカスも実現しています。顔検出/瞳AFに関しても認識の精度や追従性が向上しており、ポートレート撮影もさらに快適性を増しています。  さらに、富士フイルムならではの機能であるフィルムシミュレーションは、最新の「ノスタルジックネガ」を含む全19種類を搭載。ビビッドな色味の「ベルビア」、雰囲気のある画が撮れると人気の「クラシックネガ」や「クラシッククローム」、シネマ風の色合いで動画撮影にもぴったりの「エテルナ」など、様々な色表現を簡単に楽しむことができます。

より多くの人にラージフォーマットを

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サブ液晶モニターは前モデルよりも画面が大きくなった
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GFX100Sと同じくモードダイヤルを採用したシンプルな操作系統
 GFX50S IIはGFX100Sと共通のボディを採用することで操作性の統一とともにプライスダウンを実現。そこには、より多くの人にGFXを楽しんでもらいたいという想いが込められています。もはやフルサイズ機と遜色ない価格とサイズ感に仕上がっており、重量も約900g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)と十分に機動性の高い撮影が可能になっています。サイズは幅約150mm、高さ約104mm、奥行約87mmです。  前モデルであるGFX 50Sと比較すると、まずボディ内手ブレ補正機構の搭載が大きな改良点になります。しかも、GFX50S IIは手ブレ補正効果が5軸・6.5段。ベースとなったGFX100Sよりも0.5段分性能がアップしており、三脚を使用できない場所や光量が少ない場所での手持ち撮影をより強力にサポートしてくれます。
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背面液晶モニターは3方向チルト式で様々なアングルに対応できる
 軍艦部に目を移すと、GFX 50SではシャッタースピードダイヤルとISO感度ダイヤルが個別に配置されていましたが、今回はモードダイヤルのみとなり、よりシンプルな操作系統へと変更されています。モードダイヤルには好みの設定を保存しておけるカスタムポジションもC1~C6まで備わっているほか、その前側にはスチール/ムービーの切り替えスイッチも配されています。  天面に配置されるサブ液晶モニターもGFX 50Sより画面が大きくなり、情報を確認しやすくなりました。このモニターは電源オフにしていても常時表示されるほか、ダイヤル風の表示やヒストグラム表示に切り替えることも可能です。また、背面液晶モニターは3.2インチで視野率100%。 上90°下45°右60°に可動する3方向チルト式のためハイアングル/ローアングル撮影も容易に行えます。  GFX 50Sで着脱可能だったEVF(電子ビューファインダー)は、GFX50S IIではボディ一体型に。記録メディアはUHS-I/UHS-II対応のSDカードで、ハイアマチュアからプロユースには欠かせないダブルスロット仕様となります。筐体には高強度なマグネシウム合金が使用されており、加えて防塵・防滴・-10℃までの耐低温構造によって過酷な撮影環境でも安心して使うことができます。

手のひらサイズの新レンズ「GF35-70mmF4.5-5.6 WR」

09_GF35-70mm.jpg  GFX50S IIでキットレンズとしても用意されるGFレンズの新作「GF35-70mmF4.5-5.6 WR」。焦点距離35~70mm(35mm判換算28~55mm相当)をカバーする標準ズームレンズであり、GFレンズのズームタイプで最小・最軽量となる質量約390g、長さ約96.4mm(広角端)を実現しています。GFX50S IIと組み合わせても1,300gを切る質量で、軽快な撮影を楽しむことが可能です。  レンズ鏡筒を収納できる沈胴構造を採用することで抜群の携帯性を実現。沈胴時の長さは約73.9mmと、非常にコンパクトなサイズながら非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚を含む9群11枚のレンズ構成が採用されており、十分に優れた描写性能を備えています。最短撮影距離は35cm。レンズ先端からは最短約25cmまで被写体に寄った撮影が可能です。レンズ単体では2021年11月発売予定。

開発担当者インタビュー

 今回は富士フイルム(株)イメージングソリューション事業部 統括マネージャーの上野氏にGFX50S IIとGF35-70mmF4.5-5.6 WRについて伺いました。 13_上野さん.jpg ― まずはGFX50S IIの開発コンセプト教えてください  初代機GFX 50Sが出たのが2017年なので今年で4年経つのですが、モデルチェンジのタイミングとしてもちょうどいい頃なのかなと。ご存知の通りGFXは2019年のGFX100、そして2021年2月に出したGFX100Sと、ここのところ1億画素モデルを出してきました。しかし、お客様からは5000万画素のラージフォーマットが非常にバランスが良い、という声も引き続き多くいただいており、1億画素だけでなく5000万画素のGFXもちゃんとモデルチェンジしてしっかり作らなきゃな、と思っていたんです。  では5000万画素モデルをやるとなった時に、最大のポイントは「GFXをより多くの人に使っていただけるカメラにしたい」ということでした。なおかつ、最新の機能や性能・画質を持った状態でより5000万画素を進化させたいと思ったんです。そうなったときに、やっぱりお値段というものが重要になってきます。機能や使い勝手はGFX100Sの時にかなり考えて作りましたから、それを活かしてさらにリーズナブルな価格帯でご提供する。そのためにはボディを共通化して操作性も一切同じにして、違いはセンサーだけという兄弟機の形で作っていこうと決めました。 ― フルサイズでも高画素機はありますが、ラージフォーマットならではの良さは何ですか  まず同じ5000万画素でもセンサー面積がフルサイズに比べて1.7倍大きいですから、1ピクセル当たりの面積も大きくなり、それだけ光を豊富に受けることができます。光の情報量が増えることで、同じ画素数でもフルサイズを凌駕する画質を実現できるわけです。色再現、階調再現、ダイナミックレンジ、高感度ノイズなど全ての面を合わせて画質と言えますが、やはりセンサーが大きい方がこれらの性能は良くなります。フルサイズで同じクラスの画素数を持ったカメラよりも、さらに高画質を実現できるという設計のもと開発されているのがGFXなのです。 DSCF1249.jpg ― 画像処理エンジンがX-Processor 4になって何が進化しましたか  プロセッサーの能力が高くなったことであらゆる演算能力が上がっています。例えば、GFX 50SやGFX 50Rの時の第3世代プロセッサーですと、カラークロームエフェクトをかけて撮影すると、その処理に時間がかかってしまい撮影間隔が長くなっていました。今回X-Processor 4になってカラークロームエフェクトをオンにしてもリズムよく撮影できますし、顔/瞳検出能力も向上するなど、ハードウェアやソフトウェアの動き方って言うんですかね、それらが全て速くなっています。確かにセンサーだけは基本的にGFX 50S/GFX 50Rと同じものを使っていますが、それを動かすための頭脳が格段に速くなってますので、あらゆる面でレスポンスが上がっていると言えます。 ― ボディはGFX100Sと同じですが、デバイスとしてはどう進化しましたか  まずはなんといっても手ブレ補正が入ったという部分ですよね。しかも、GFX100Sの6.0段という補正効果よりも0.5段多い6.5段という、ある意味GFX100Sを凌駕している性能の手ブレ補正を積んでいる訳ですね。ここが圧倒的に目玉になっていると思います。  また、GFX 50SまではシャッタースピードダイヤルやISO感度ダイヤルなど、Xシリーズの操作性を踏襲した形にしたのですが、今回GFX50S IIは見て分かる通りシンプルな操作性となっています。実はGFX100Sは他社カメラからの切替えや追加の1台として使うユーザーが非常に多いので、そういった方でも慣れ親しんだ操作性で使えるのは重要だと考えています。シンプルなコマンドダイヤルを使って構えながら覗きながらでも右手2本の指で、もしくはボタンでいろんな設定を変えられる即時性の方が合っているのかなと思っています。そういった操作系統の変化も大きいですね。 04_製品画像.jpg 05_製品画像.jpg ― GFX50S IIはどんな撮影にマッチしますか  どういう撮影にベストかと言えば、まずはやっぱり風景ですね。みなさんご存知だと思いますが、この5000万画素センサーには位相差画素がないんです。ですので、オートフォーカスは基本コントラストAFのみになり、AF速度で比べると少し遅くなります。そうなったときに風景写真でいわゆる爆速オートフォーカスってそんなに必要ないですよね。なんならマニュアルでじっくりと一点に合わせにいく方も多いと思いますので、そういったリズムで撮る分には十分速くて正確なAFが効きます。  また、1億画素と5000万画素の差で顕著なのが画素ピッチからくるモアレや偽色の発生ですね。1億画素の方が解像力が高く、模様や色の判別力が上がるのでモアレや偽色は少なくなります。ただ、モアレが発生しやすい一定パターンを持った被写体などは風景撮影ではあまりないですよね。ですので、GFX100Sよりもモアレや偽色が発生しやすいデメリットも風景ならほぼ無視できると思います。  続いてはポートレートにおすすめです。解像力やトリミング耐性、ファイルサイズなどを考慮しても人物撮影をするには5000万画素くらいが丁度いいと思います。一方的に高速動体を撮るわけではなく、ポートレートは基本的には1対1でしっかり構えて、意思疎通しながらリズムよく撮っていきますよね。そういったリズムでも十分使えるオートフォーカスになっています。 ― また、GFX50S IIキットレンズでもあるGF35-70mmF4.5-5.6 WRはどんなレンズでしょうか 11_レンズ画像.jpg  先ほどGFXをより多くの方に使っていただくにはお値段が重要だと言いました。これはボディだけではなくてレンズにも言えることです。ただ、GFXは富士フイルムのシステムの中ではいわゆるトップオブトップになるので、世の中でいうところのキットズームレンズがいるのかという議論はありました。それでも、GFX50S IIを広めるためには必要でしょうということで誕生したのがこのレンズです。  お得な価格と性能を両立するために開発のグループが大変頑張ってくれました。F値を可変にするなど今までのGFレンズからいくつか譲っていいポイントは上げましたが、それでも開発のハードルは十分に高かったと思います。私もXシリーズを始めてからXレンズ・GFレンズで計40本くらいの企画に関わりましたが、このレンズほど狐につままれた感のあるレンズってないんですよね。結構な無理難題を言ったので、これはできませんとか重量が100g増えちゃいますとか色々開発側から言われると思っていましたが、ほぼ満点の形で返ってきたんです。  絞り開放での周辺画質などはある程度妥協せざるを得ないと思っていましたが、もはや妥協とは言えないレベルにまで仕上がっており、本当にどなたにもファーストレンズとしておすすめできる製品が出来上がっていると思います。 ― これだけ小型軽量化できた理由は何でしょう
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鏡筒が収納できる沈胴式を採用し携帯性を向上させた
 まず、耐久性や精度は犠牲にすることなく可能な限り軽い材質を選んでいます。さらに、沈胴式なので鏡筒が伸びた時に生まれるスペースを有効活用しています。F値に関しても無理のない設計なので、フォーカスレンズも小さくでき、GFレンズとしては初のステッピングモーターでフォーカス玉を動かすことができています。そうなるとリニアモーターのような重量物がなくなり軽量化に繋がります。  そして最後にマウント部分。元々GFレンズは堅牢性を重視してマウント部に真鍮を採用していますが、これだけ軽く作れると真鍮だと過剰になってくるんです。ですのでGFレンズで初のアルミマウントにすることで、さらに重量を下げることができました。これら設計の工夫が重なって効果を生み、最終的に400gを下回る驚愕の軽さを達成したわけです。  かといって全く安っぽくないのもポイントです。価格で言えば安いレンズと言えるかもしれませんが、決して安っぽくはありません。ですのでGFX100Sに装着しても、質感でも外観でも操作感でも見劣りしない良いレンズができたなと思っていますね。  また、GF35-70mmF4.5-5.6 WRはGFレンズで14本目のレンズであり、これまでの開発経験が活きたレンズと言えます。お客様的には始めから出してほしかったと思うかもしれませんが、今までのGFXを通じて培われた経験値があるからこそできた部分は少なからずあると思います。加えて、絞りリングの採用を見送ったり開放F値の可変を許したり、コストダウンと軽量化のために思い切って決断した部分は多々あります。それでも実用上何も問題ない、画質や質感にも影響を与えない、そういった箇所を的確に探すこと。さらに経験値と設計能力が上がっていることの相乗効果でこのレンズが完成したと思っています。
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マウント部分に真鍮ではなくアルミを採用
― 著しい軽量化を果たしていますが、GFXシリーズの重量についてはどうお考えですか  ミラーレス同士で比較してしまうとラージフォーマットはまだ少し重いですね。センサーが大きい分、どうしてもレンズも大きくなります。ただ、デジタル一眼レフの時代と比べたら逆にGFXの方が軽い部分もあり、なにより大きさは遜色ないですよね。カメラが大きいからGFXはちょっと……とはならないレベルにまできていると思います。それプラス写りの違いは明らかですので、十分にフルサイズにも対抗できるカメラになっていると思います。 ― 最後にGFX50S IIのアピールを一言お願いします  冒頭でも言いましたが、GFX50S IIはより多くの人にこのラージフォーマットを体感していただくために企画した製品になります。我々としても頑張ってレンズもボディも低価格に抑えました。価格的にもほぼフルサイズ同等、5000万画素クラスで考えれば同等になってきます。そこで注目していただきたいのがラージフォーマットならではの写りの雰囲気です。なかなかロジカルには説明しづらいですので、とにかくこれは撮っていただくしかない。確実に違いを体感いただけると思いますので、手の届きやすくなったこのGFX50S IIをぜひお試しいただいて、皆さんにとっての新しい表現にしていただけると富士フイルムとしては嬉しいですね。

さいごに

08_製品画像.jpg  4年越しのモデルチェンジによって性能を進化させた「GFX50S II」。価格、性能、機動性あらゆる面でバランスに優れたカメラに仕上がっていると感じます。ぜひこのGFX50S IIから富士フイルムのラージフォーマットセンサーカメラを試してみてはいかがでしょうか。ラージフォーマットがもたらす高画質を体感いただければと思います。

特集ページ

 GFX50S IIは好評発売中。GFX50S II特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページも合わせてご覧ください。 bn_gfx50s2-c.jpg
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 富士フイルムからラージフォーマットの新作ミラーレスカメラ「GFX50S II」が発表されました。開発者インタビューも交え製品の概要を解説していきます。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,ボディー,GFX50S II,開発者インタビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ビクセン 第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ BASENAME: 483646531.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 10/04/2021 11:00:00 TAGS: ビクセン,フォトコンテスト ----- BODY: main-1.jpg

第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ

 ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。宙(そら)は、もっとも身近にある、スケールの大きな被写体です。満天に星の広がる高原や海辺から、歴史的な建造物とともに、都会の景色の中で、あるいはご自宅からも、星空を撮影することができます。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。お一人何点でもご応募可能です。

応募期間、テーマ

・2021年8月1日(日)-11月30日(火) ・募集テーマ:星にまつわる8つのテーマ(国内・海外問わず)
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(1)自然風景、(2)山、(3)海、(4)建造物、(5)水鏡、(6)天体写真(星雲星団、惑星など)、(7)月、(8)自由

各賞

■グランプリ(1作品) ビクセンオンライン商品券5万円分 + 「星空雲台 ポラリエU」 ■特選(2作品) ビクセンオンライン商品券3万円分 + スタイリッシュな星空雲台。星景写真撮影のお伴に「星空雲台 ポラリエ」 ■準特選(4作品) ビクセンオンライン商品券1万円分 + 星空観察におすすめの大口径42mmモデル「双眼鏡 アスコット ZR8×42WP(W)」 ■入選(10作品) ビクセンオンライン商品券5千円分 + こだわりのコーティングでクリアで高コントラストな視界「双眼鏡 アリーナM6×21」 ▼星空撮影に役立つ「星空雲台 ポラリエU」についてはこちらの記事でご紹介しています。 バナー2.jpg

審査員

大西 浩次氏 博士(理学)。日本星景写真協会理事、国際天文学連合(IAU)会員、日本天文学会、日本天文教育普及研究会ほか。第4回淵行男賞入賞。研究分野は重力レンズと系外惑星探査。地球と宇宙と人のつながりをテーマに星景写真を撮影。毎日小学生新聞「ガリレオ博士の天体観測図鑑」隔週土曜連載中。 北山 輝泰氏 プロカメラマン。日本大学芸術学部写真学科卒業。天体望遠鏡メーカーで営業として勤務後、星景写真家として独立。天文雑誌のライターをしながら、全国で写真講師の仕事を行う。星景写真を始めとした夜の被写体の撮影について、座学・実習を通し学べる「ナイトフォトツアーズ」を運営中。

応募方法

・お一人様何点でも何回でもご応募いただけます ・応募後の辞退はできません ■プリント ・応募サイズは、2Lサイズ・6切・ワイド6切・A4・4切・ワイド4切 ・応募用紙に必要事項を記入してお送りください ・応募用紙はコピーでも構いません ■Web ・ウェブページの応募フォームに必要事項をご入力の上お送りください ・応募作品画像の容量は1枚10MB未満に調整の上、JPEG形式でお送りください ・何回でもご応募いただけます フォトコンテスト及びご応募の詳細についてはビクセン星空フォトコンテスト2021のページをご確認ください。 バナー.jpg ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。応募受付は2021年11月30日(火)まで。 ----- KEYWORDS: ビクセン,フォトコンテスト,2021,ポラリエU ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: 富士フイルム XF33mmF1.4 R LM WR & XF23mmF1.4 R LM WR|開発担当者インタビューから新レンズの魅力に迫る BASENAME: 483324993.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 10/04/2021 16:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF33mmF1.4 R LM WR,XF23mmF1.4 R LM WR,開発者インタビュー,単焦点 ----- BODY: XF33mmF1.4 R LM WR、XF23mmF1.4 R LM WR.jpg

はじめに

 富士フイルムからXシリーズ用交換レンズとして、新たに「XF33mmF1.4 R LM WR」と「XF23mmF1.4 R LM WR」の2本が発表されました。ともに”MORE SHARPNESS(モア シャープネス)”をコンセプトに掲げたレンズであり、リッチな光学設計によって収差を徹底的に取り除き、圧倒的な解像力を実現しています。2021年5月に発売されたXF18mmF1.4 R LM WRと合わせて、新世代の「大口径プライム」シリーズとしてラインナップされる製品です。そんなXF33mmF1.4 R LM WRは2021年9月29日発売、XF23mmF1.4 R LM WRは2022年2月発売予定となっています。  今回は先行して製品に触れる機会を設けていただきましたので、開発担当者へのインタビューも交えつつ2本の新作レンズを紹介していきます。

XF33mmF1.4 R LM WR

DSCF1238.jpg  XF33mmF1.4 R LM WRは圧倒的な解像性能と開放F値1.4の明るさを実現した大口径単焦点レンズ。焦点距離33mm(35mm判換算50mm相当)という人間の視野に近い標準画角によって、自然な遠近感を表現することが可能です。第1群6枚、第2群にも6枚、第3群には3枚の計15枚(うち非球面2枚、EDレンズ3枚)という贅沢なレンズ構成によってコマ収差を抑制し、軸上色収差を低減することで非常にシャープな描写性能を実現しています。  開放F1.4の大口径かつ優れた解像性能が与えられつつも、重さは400gを下回る約360gに仕上がっており、持つことが負担にならない高い機動力も魅力の一つ。実際にX-T4に装着した際もレンズが大きいとは一切感じず、パッと被写体にカメラを向けられる取り回しの良さを感じました。最大径はØ67mm、長さは73.5mm、最短撮影距離は30cmです。  絞りリングにはA(オート)のポジションで固定できるAポジションロックも搭載。撮影時に絞りリングが不用意に動かないようロックすることができ、快適に撮影を楽しむことが可能です。絞りリングは回したときに明確なクリック感が指先に伝わるため、操作感は非常に良いと感じました。
XF33mmF1.4 R LM WR (2).jpg
絞りリングの動きを固定するAポジションロックを搭載
 また、フォーカス駆動にリニアモーターを使用したインナーフォーカス方式を採用。静粛性に優れているほか、フォーカス群の移動する範囲を短く設計したことで、最短約0.04秒の高速・高精度AFを実現しています。実際にピントを合わせた際の駆動音も耳を澄まさないと聞こえないほどです。  さらには、過酷な環境下でも撮影できる防塵・防滴・-10℃の耐低温構造を採用。X-T4やX-Pro3など防塵防滴機能を備えたカメラと組み合わせれば雨天でも安心して使用することができ、埃が舞う環境や冬の天体撮影などあらゆるシーンに持ち出せるタフネスさも備えています。

XF23mmF1.4 R LM WR

XF23mmF1.4 R LM WR.jpg  XF23mmF1.4 R LM WRは目で見た光景に限りなく近い画角を切り取ることの出来る、焦点距離23mm(35mm判換算35mm相当)の大口径単焦点レンズ。こちらも10群15枚のリッチなレンズ構成によって収差を徹底的に除去し、圧倒的な解像性能を実現しています。最短撮影距離は19cmと従来モデルのXF23mmF1.4 Rよりもさらに寄れるスペックを獲得し、被写体をクローズアップしながら背景を大きく取り入れたダイナミックな撮影を楽しむことが可能です。  サイズはXF33mmF1.4 R LM WRとほぼ同じで、最大径はØ67mm、長さは77.8mm、質量は約375gと大口径レンズながら持ち運びやすいコンパクトな設計となっています。絞りリングへのAポジションロック搭載、リニアモーターによる高速・高精度なAF、防塵・防滴・-10℃の耐低温構造なども共通で、最新のスペックを備えた高性能レンズに仕上がっています。

開発担当者インタビュー

 今回は富士フイルム(株)イメージングソリューション事業部 統括マネージャーの上野氏にXF33mmF1.4 R LM WRとXF23mmF1.4 R LM WRについて伺いました。 インタビュー.jpg ― まずはこの2本のレンズのコンセプトを教えてください  富士フイルムがミラーレスカメラをやり始めて10年。その間にデバイスがどんどん進化し、APS-Cとはいえ高解像化の波は今後確実にやって来るだろうと思っています。そこで高解像化に対応できる第二世代レンズに着手し、まずXF18mmF1.4 R LM WRを開発しました。そして、それと全く同じ設計思想で開発したのが今回のXF33mmF1.4 R LM WRとXF23mmF1.4 R LM WRです。よって、この2本は収差を徹底的に除去して高解像度対応したレンズとなっています。  ― 実に多くのレンズが使われていますがどんな効果があるのでしょう  解像度を上げることは、イコール収差を取り除くことである、ということはXF18mmF1.4 R LM WRの時にもお話しました。そのために非球面レンズを2枚、EDレンズを3枚を含む10群15枚ものレンズを採用しています。この贅沢なレンズ構成が球面収差の除去や色収差の低減に貢献しているのです。  同時にリニアモーターも搭載しています。リニアモーターはピント位置での停止精度が非常に高く、AFスピードも断然速いです。どんなにレンズの設計が良くても、ピント位置が1、2パルスずれているだけでそれが発揮できないわけですから、やっぱり精度の高い高速オートフォーカスシステムは必要です。光学設計とメカ設計が合わさって高画質化が実現されており、レンズの組み方や防塵防滴なども含めトータルで性能向上を果たしています。
XFレンズ.jpg
左:XF33mmF1.4 R LM WR 中央:XF23mmF1.4 R LM WR 右:XF18mmF1.4 R LM WR
― 解像力の向上は写りにどのような影響を与えていますか  人の目はやはり優れていて、収差が発生して画面全体の印象やスッキリ感に悪影響があると、それを敏感に感じ取ってしまいます。例えばX-T4で言えばどのレンズをつけても2600万画素は一緒で、センサー側での解像力は変わりません。ただ、センサーは同じでも高解像レンズを付けた時は、一個一個の画素への焦点の合い方が違うとでも言いましょうか、撮影して画面に表示された瞬間に「すごくスッキリしてない?」「クリアじゃない?」という印象を受けることでしょう。目に飛び込んでくる情報量の豊富さ、という部分で大きな違いを感じていただけると思います。 ― 従来のXF23mmF1.4 RやXF35mmF1.4 Rと比べたときに解像力の違いは感じられますか  仮にピクセル等倍のようにPC上で見え方の違いを確認せずとも、ぱっと見でクリアさの違いを感じられると思います。ただ、このクリアさが写真の価値を上げるかと問われれば、それはちょっと別の話でしょう。例えばベールが一枚かかったような写真でも、それがすごく魅力的で味があれば、それはその人にとって良いレンズということになりますよね。どっちが良いということはありませんが、今回の2本はよりクリアな解像感が発揮されてきますので、別の魅力が生まれたと捉えていただきたいですね。
DSCF1295.jpg
2本ともフィルター径は58mm
― 今回のレンズは解像性能が注目箇所ではありますが、一方でボケ感の進化はいかがですか  XF23mmF1.4 R LM WRは最短撮影距離が19cmと従来モデル以上に寄れるようになりましたので、当然被写体に寄ることで背景はグッとボケてきますよね。そして、XF23mmF1.4 R LM WRはそのボケがなんとも滑らかなのが特徴です。  XF33mmF1.4 R LM WRは併売モデルであり人気のXF35mmF1.4 Rと比べてみると、個人的に使ってみた感じでは、かなり負けず劣らずの滑らかなボケになっていると思います。画面端の方にいっても口径食が強烈に出てくることはありません。ただ、XF35mmF1.4 Rに比べて焦点距離が2mm短くなっているので、その差によるボケ感の違いはあると思います。1mmでも焦点距離が長い方がボケの量は大きくなるでしょうからね。ただ、解像度が上がればボケが固くなるような先入観がありましたが、そんなことは全くありません。撮ってみてかなりクリーミーなボケの表現に驚きました。なので、そこは期待していただければと思います。
XF23mmF1.4 R LM WR (2).jpg
開放F1.4の大口径がもらたす滑らかなボケも魅力
― 33mmと35mmの画角の違いで撮れる画は変わってきますか  焦点距離の差はたった2mmですので、意識をすれば画角の違いも感じていただけるとは思いますが、画に対する影響はそこまで大きくはないと思います。もちろん先ほど言ったようにボケに違いがあったりはしますが、そこはそれほど大きなことではなく、XF33mmF1.4 R LM WRのクリアな表現が良いのか、XF35mmF1.4 Rのまろやかな表現が良いのか。この2つの表現の差の方が、2mmの差よりも大きいと思いますね。  なので、XF35mmF1.4 Rをお持ちの方がXF33mmF1.4 R LM WRに買い替える必要があるかと問われれば、それは別の話ではないかと思います。ただ、XF33mmF1.4 R LM WRは独自の表現力を持っていると思いますし、もっと言うとDCコアレスモーターで重たい100g以上のフォーカスユニットを全群繰り出しでごそっと動かしているXF35mmF1.4 Rと、一方でリニアモーターを搭載したXF33mmF1.4 R LM WRでは撮影のリズムや向いている被写体も変わってきます。そのため、性格の全く違うこの2つのレンズを好みによって使い分けていただきたいですね。 ― 既存のXF23mmF1.4 RやXF35mmF1.4 Rよりもサイズや重量はアップしていますね  XF33mmF1.4 R LM WRはXF35mmF1.4 Rにくらべて重量は倍近くなっていますが、レンズ構成が片や6群8枚、片や10群15枚ともなれば重さも当然変わってきます。ただ、そうは言っても収納した状態でのXF18-55mmF2.8-4 R LM OISと同じかそれよりも少し小さいぐらいですよね。逆にフルサイズで50mmのF1.4のレンズとなればさらに大きい訳ですから、そういった意味では高解像力を求めた中でも400g以下に抑えて、機動力を失わないように工夫したのがこのレンズだと思っていただけるとありがたいですね。 ― 外装へのこだわりポイントも教えてください  XF18mmF1.4 R LM WRと共通の装いを採用しており、ローレットの間隔が広くなってゴミの目詰まりも減りましたし、絞りリングを回した時のしっかり感にもこだわっています。XF35mmF1.4 RもXF23mmF1.4 Rも登場からかなり経っているので、そこから見た目の質感だけでなく操作した時の質感も向上させました。そのため、撮影する際今まで以上に快適な操作が出来ると思います。
DSCF1285.jpg
操作リングのローレット加工など使い勝手と質感を両立する仕上げとなっている
― どういったシーンで使いやすいレンズとなっているのでしょうか  まずXF23mmF1.4 R LM WRは35mm判換算で35mm相当。キング・オブ・スナップレンズと呼べるのがこのレンズだと思います。人間が何気なく自然に見ている画角が換算35mmだと言われているように、非常に自然な表現が可能です。逆に言うと誇張があまりなく、大きなボケやワイド感、圧縮感があるわけではありません。そのため難しいレンズとも言えると思います。ただ、35mmのレンズを使いこなす人って「写真が上手いな、魅力的だな」って個人的には感じるんですよね。人間の自然な視覚で撮ったようなスナップや風景、人物など、何気ないけど魅力的な写真を撮っていただきたいですね。  一方のXF33mmF1.4 R LM WRは35mm判換算50mm相当の画角で、感覚的に若干狭いように感じるんですよね。標準レンズの焦点距離は、フォーマットの対角線と同じという話もあり、フルサイズで言えば24mm×36mmですから対角線だと43mm。そうしてみると50mmはそれより長く狭いわけです。この感覚は個人的にはかなりしっくりきていて、人間の視覚で言うならギュッと見つめた時の視界に近いと思っています。とはいえ、望遠レンズのように圧縮感のある視覚効果が現れるわけではありませんので、若干の視覚効果と注目ポイントを切り抜く様な撮り方が換算50mmの魅力だと思います。そのため、XF33mmF1.4 R LM WRは「そこに着目したんだ」という人間の視点のおもしろさを、高速AFとクリアな画質で切り取っていただけると嬉しいです。

さいごに

XF33mmF1.4 R LM WR、XF23mmF1.4 R LM WR (2).jpg  最も汎用性の高い換算50mmと35mmのレンズだけに、最新作を待ちわびていたXシリーズユーザーも少なくないはず。さらなる解像性能を獲得し、加えてAF性能の向上、防塵防滴構造の採用など全方位に性能を進化させています。今まで以上のシャープさとクリアさを求めるなら、是非とも手に入れてほしいレンズとなっています。次世代を見据え開発を続ける富士フイルムから目が離せません。 ■更新 ・2021年10月14日:XF23mmF1.4 R LM WRの発売延期を受け、内容を修正しました。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 富士フイルムから発表された広角単焦点レンズ「XXF33mmF1.4 R LM WR」と「XF23mmF1.4 R LM WR」を、担当者インタビューも交えて紹介します。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,XF33mmF1.4 R LM WR,XF23mmF1.4 R LM WR,広角単焦点レンズ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 表現の可能性は無限大!OLYMPUS アートフィルター徹底解説 Part.2 BASENAME: 483612998.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: クキモトノリコ DATE: 10/05/2021 11:00:00 TAGS: 撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー ----- BODY: 04.ウォーターカラー_Water1_Vivid.jpg

はじめに

アートフィルター作例.jpg
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/100秒, +0.7EV, ISO 200, WB 3200K ■仕上がり設定:デイドリームⅡ(Vivid), 周辺光量調整+20
 前回の記事では、基本となるアートフィルターの種類や効果についてお伝えしました。今回は応用編として、このアートフィルターをどのように自分の作品に取り入れてゆくとよいかについて解説いたします。 →前編のアートフィルター解説記事 Part.1はこちら

カメラ任せにせず、アートフィルターでオリジナリティを追求する

 カメラのモードダイヤルで「ARTモード」を選択すると簡単にアートフィルターでの撮影ができますが、一方で絞りとシャッター速度はカメラ任せのプログラムモード同様となり、どのアートフィルターを選んでもホワイトバランス(WB)はAUTOからスタートすることになってしまいます。このモードでもWBやその他の細かな設定の変更は可能ながらも手間がかかることから、結果的に「仕上がりはアートフィルターを使いつつもカメラ任せで撮った」ということになりやすくなります。  一方で、意外とご存知ない方も多いのですがP/A/S/Mのモードでも色の仕上がり設定である「ピクチャーモード」の選択肢の中にアートフィルターが入っています。これらのモードで撮影しつつアートフィルターを選択すると、例えばAモードで絞りを開放に設定してボケを表現しながら、アートフィルターのポップアートで色鮮やかに、かつホワイトバランスは「電球」にする、といった自由な撮り方が実現します。もちろん露出補正も併用できます。  アートフィルターの種類や効果は、写真の明るさ(露出)や色合い(WB)によって様々な表情を見せてくれます。これらの機能や設定をフルに活用することで「自分の求めるオリジナルな表現を追求する」という撮り方は十分にできると考えます。
Super Control Panel.jpg
様々な調整が可能なスーパーコントロールパネルの画面
 尚、ピクチャーモードやWBの他にも、アスペクト比やハイライト&シャドウコントロール(カメラ上でトーンカーブを調整する機能)など複数の設定を、スーパーコントロールパネルやライブコントロールを使用することで直感的に組み合わせて変更することができます。

明るさによって効果の差が出る例

 スターライト効果は露出によってそのエフェクト具合が変化します。
01.ポップアート_Natural.jpgNatural02.ポップアート_POP1-0.7EV.jpgポップアートⅠ+スターライト効果 -0.7EV
03.ポップアート_POP1-0.3EV.jpgポップアートⅠ+スターライト効果 -0.3EV04.ポップアート_POP1.jpgポップアートⅠ+スターライト効果 ±0EV
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/40秒, -0.7EV, ISO 3200, WB 3200K
 ドラマチックトーンは露出によってその効果のかかり具合が変化します。
01.ドラマチック_Natural.jpgNatural02.ドラマチック_Drama1-0.5.jpgドラマチックトーンⅠ-0.5EV
03.ドラマチック_Drama1.jpgドラマチックトーンⅠ±0EV04.ドラマチック_Drama1+0.5.jpgドラマチックトーンⅠ+0.5EV
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P5 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6ⅡR ■撮影環境:F10.0, 1/640秒, +0.3EV, ISO 200, WB 晴天

明るさの調整を利用した例

 ざらっとした粒状感の他、白と黒のコントラストがかなり強くなるラフモノクローム。オリンパスのカメラには、カメラ上でトーンカーブを調整できる「ハイライト&シャドウコントロール」という機能があるのですが、この機能(または後述のOlympus Workspace)でハイライトを目一杯明るく、シャドウを目一杯暗くすることで切り絵のような写真に。もちろんシチュエーションにもよりますが、白っぽい曇り空を背景にわかりやすい特徴のシルエットを持つ被写体を選ぶことがポイントです。
ラフモノクローム1_Monotone.jpgモノトーンラフモノクローム1_Rough1.jpgラフモノクロームⅠ+フレーム効果 ハイライト+14 シャドウ -14
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 ■撮影環境:F8.0, 1/3200秒, +1.3EV, ISO 500
ラフモノクローム2_Monotonejpg.jpgモノトーンラフモノクローム2_Rough1.jpgラフモノクロームⅠ+フレーム効果 ハイライト+14 シャドウ -14
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F4.0, 1/6400秒, +1.0EV, ISO 200

ホワイトバランスによって印象がガラリと変わる例

その1−デイドリームⅡ  当初はどう使ってよいやら戸惑うことの多かったデイドリームですが、ある夕暮れ時にアンバー系の色になる「タイプⅡ」とホワイトバランス「蛍光灯」の組み合わせでなんとも幻想的な光景となることを発見。以来、お気に入りの設定となりました。
デイドリーム1_Natural_AWB.jpgWBオート, Natural
デイドリーム1_Day2_AWB.jpgWBオート, デイドリームⅡデイドリーム1_Day2_Fluorescent.jpgWB蛍光灯, デイドリームⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/125秒, +0.3EV, ISO 200
 他にも同じくデイドリームⅡでWBの蛍光灯や電球など、色温度を低くする設定にすることで、光の状況にもよりますが、透明感を持たせたり幻想的なイメージにすることができる場合も多く、紅葉シーズンに活躍してくれています。
デイドリーム2_Natural.jpgWBオート, Naturalデイドリーム2_Day2_AWB.jpgWBオート, デイドリームⅡデイドリーム2_Day2_3000K.jpgWB 電球, デイドリームⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/320秒, +1.0EV, ISO 200
その2−クロスプロセス  前回も少しご紹介しましたが、クロスプロセスⅠは毎年紅葉シーズンに活躍してくれるアートフィルターのひとつ。背景や葉の緑と赤や黄色の紅葉のコントラストを非常に綺麗に表現してくれます。この時に、ホワイトバランスの色温度設定で4000〜5000Kあたりにすることで緑や紅葉の色の微調整ができます。
01.クロスプロセス1_Natural.jpgWBオート, Natural
02.クロスプロセス1_Cross1_AWB.jpgWBオート, クロスプロセスⅠ03.クロスプロセス1_Cross1_4000K.jpgWB 4000K, クロスプロセスⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/60秒, -0.7EV, ISO 640
 画面全体が真っ赤になるクロスプロセスⅡは、そのままだとどんな場面で使ってよいのやらイメージしにくいという方も多いのではないでしょうか(私自身がそうでした)。このクロスプロセスⅡでホワイトバランスを3000〜4000Kの色温度に下げると、思いもよらない色合いを生み出してくれることがあります。これもその時のお天気など光の状況に左右されますが、晴れた日のコスモスとは非常に相性が良く、ぜひ試していただきたい設定です。
クロスプロセス2_Natural.jpgWBオート, 仕上がり設定 Natural
クロスプロセス2_Cross2_AWB.jpgWBオート, 仕上がり設定 クロスプロセスⅡクロスプロセス2_Cross2_3500K.jpgWB 3500K, 仕上がり設定 クロスプロセスⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/1600秒, +0.7EV, ISO 200

パソコンソフト「Olympus Workspace」を活用する

 画像処理ソフト「Olympus Workspace」を使用することで、それぞれのアートフィルターにおいてカメラ上の設定にはない「カラーフィルター効果」や「周辺光量の調整」といった機能を取り入れることができます。そしてピクチャーモードとアートフィルターの設定が別項目となっているため「モノトーンのリーニュクレール」や「セピアのウォーターカラー」といった、カメラ上の設定では不可能(カメラでは「モノトーン」「リーニュクレール」が同列にあり、どちらか一方しか選べないため)なことも可能となります。
リーニュクレール_Natural.jpgNaturalリーニュクレール_Line2.jpgリーニュクレールⅡ(Natural)リーニュクレール_Line2_Mono.jpgリーニュクレールⅡ(モノトーン)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F5.6, 1/640秒, +0.3EV, ISO 200, WB 晴天
 さらに、やはりカメラ上の設定では不可能な「効果の追加の重ね掛け」も可能です。作例ではヴィンテージをベースに、可能な限りの効果の全部盛りをしてみました……この写真がいいかどうかは別ですが。笑
効果_Vintage_all.jpg
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/100秒, -0.7EV, ISO 2000, WB オート ■仕上がり設定:ヴィンテージ+ソフトフォーカス効果+ホワイトエッジ効果+フレーム効果+スターライト効果+上下ぼかし効果+上下シェード効果
OLYMPUS WS.jpg
Olympus Workspaceからは効果の重ね掛けが可能
 またウォーターカラーで仕上げたものをプリントすると、モニターで見ていたよりはるかに淡い色となることが多く、モニターで見ている通りの仕上がりにするには明るさやホワイトバランス、仕上がり設定での調整が必要となることが多いことも覚えておきたいポイントです。  下の作例では、ウォーターカラーでWBをオートから晴天にしただけでガラリと色の鮮やかさが変わり、さらに仕上がり設定をVividにすることでより鮮やかになったことがわかります。
01.ウォーターカラー_Natural_AWB.jpgWBオート, Natural02.ウォーターカラー_Water1_Natural_AWB.jpgWBオート, ウォーターカラーⅡ(Natural)
03.ウォーターカラー_Water1_Natural.jpgWB 晴天, ウォーターカラーⅡ(Natural)04.ウォーターカラー_Water1_Vivid.jpgWB 晴天, ウォーターカラーⅡ(Vivid)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 ■撮影環境:F1.8, 1/1600秒, +0.3EV, ISO 200, WB
 そのほかにも、ヒストグラムを見ながらトーンカーブの調整をするといったことももちろん可能です。尚、以前はあとからアートフィルターをかけるにはRAWデータで撮影しておくことが必要でしたが、現在ではJPEGで撮った画像でもOlympus Workspace上やスマートフォンのアプリ「OI.Share (OLYMPUS Image Share)」であとからアートフィルターへの変換が可能です。とはいえ、RAWデータの方がより細かく自由に様々な画像処理や調整をすることができます。

映り込みや多重露出とアートフィルターの相性

 ガラスや水面への映り込みはガラスや水を通すことや反射によりコントラストが低くなり、インパクトに欠けてしまいがちです。また複数の写真を重ねる多重露出も主題の存在感が薄れてしまうことがあります。そんなときにもアートフィルターの効力によりイメージした作品に近付けることが多々あります。個人的には色のインパクトが足りない時にはポップアートⅡをよく使いますし、コントラストの強弱でそこに写っているものの存在感を際立たせたい時にはドラマチックトーンをよく使用します。  ピクチャーモードがVividだと、水中の金魚の赤色が強調されはするものの、全体としてインパクトに欠けます。そこでポップアートⅡにすることで、全体的に暗めになることで緑色も深みが出てより一層赤が際立つと同時に、水面の波紋とそこに映るフラミンゴ(このフラミンゴは実は造りものですが)の存在感も強調されました。
池作例_Vivid.jpgVivid池作例_Pop2.jpgポップアートⅡ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/60秒, -0.7EV, ISO 400, WB 4800K
 営業時間外のレストランの外から、カメラの正面の壁に描かれた虎とレンズの前にあるガラスの映り込みを撮影しています。ドラマチックトーンにすることで虎のインパクトと虎に食べられそうになっている通行人の存在感が強調されました。
トラ_Natural.jpgNaturalトラ.jpgドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS PEN-F + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/40秒, -0.7EV, ISO 400, WB 4700K
 こちらもガラス越しの店内と映り込みですが、ドラマチックトーンの暗い部分を起こしてくれる効果によりディテールが浮き上がってきました。
ガラス作例_Natural.jpgNaturalガラス作例_Drama1-3Mid.jpgドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F11, 1/125秒, -2.3EV, ISO 200, WB オート
 多重露出で全体的に白っぽくなってしまいましたが、ポップアートⅡにすることで暗い中に浮かび上がる金魚や照明の鮮やかさがしっかり伝わるようになりました(カメラ内多重露出にて3枚合成)。
金魚作例_Vivid.jpgVivid金魚作例_Pop2&more.jpgポップアートⅡ(Vivid)
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8, 1/100秒, -1.3EV, ISO 1600, WB 5300K -3STEP(G)
                    Vividの仕上げでも良さそうではありますが、香港の街のギラギラとしたエネルギーや混沌とした様子を伝えるには、OLYMPUS Workspaceでドラマチックトーンを選びつつ、仕上がり設定をVividにしました(カメラ内多重露出にて4枚合成)。
香港作例_Vivid.jpgNatural香港作例_Drama1-3Shadow.jpgドラマチックトーンⅠ
■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F5.6, 1/25秒, -2.3EV, ISO 200, WB オート

まとめ

 私自身は以前から作品づくりにも必要な際にはアートフィルターを躊躇なく取り入れてきたのですが、今から数年前まではアートフィルターに対して否定的な意見も割と多かった印象です。その理由のひとつに、例えば「たいしたことのない写真でも、アートフィルターの力を借りることでカッコよく見えたりする」ということが挙げられ、その点に関してはそういった側面があることは否めないと思います。  一方で「カメラの設定に頼るものであり、誰が撮っても同じような仕上がりになる」という意見もあるようですが、この点については異論を唱えたいと思うのです。アートフィルターは、ほぼカメラ任せで撮影することもできますが、実はかなり細かな設定が可能なので自分のイメージを表現するためのツールとして十分に使えるものです。カメラで設定できるパターンだけでも962通りもあり、そこにさらに露出の調整やホワイトバランスの変更など細かな調整を加えて造り込んでゆくことで、オリジナリティ溢れる作品になるはずです。  これからもこの表現力を助けてくれるツールを使って様々な写真撮影を楽しんでゆきたいとともに、たくさんの方にもアートフィルターの楽しさや表現の可能性を知っていただけたらと思います。
作例_Vintage_Gr.jpg
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-PL9 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 ■撮影環境:F8.0, 1/50秒, -0.3EV, ISO 400 ■仕上がり設定:ブリーチバイパスⅠ(モノトーン+緑フィルター)+ソフトフォーカス効果
■写真家:クキモトノリコ 学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。 公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家クキモトノリコさんによる、オリンパス「アートフィルター」解説記事の第2弾。アートフィルターを活用しつつ自分らしい作例に仕上げるテクニックを解説いただきました。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,オリンパス,Olympus,アートフィルター,クキモトノリコ ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 初めてのオールドレンズにおすすめ!ツアイスレンズ コンタックス「プラナー T* G 45/2」・「ビオゴン T* G 28/2.8」 BASENAME: 483729656.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 10/05/2021 16:00:00 TAGS: プラナー T* G 45/2,ビオゴン T* G 28/2.8,オールドレンズ ----- BODY: 初めてのオールドレンズにおすすめ!ツアイスレンズ コンタックス「プラナー T* G 45/2」・「ビオゴン T* G 28/2.8」

はじめに

 前回の「マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?」で紹介した、コンタックスGマウントの「プラナー T* G 45/2」と「ビオゴン T* G 28/2.8」の2本で撮影を楽しんできました。  このGマウントのレンズは、オールドレンズと言っても製造後20年程度の比較的新しいレンズで、中古のお値段もカール・ツァイスのレンズの中では比較的お手頃の値段で購入ができる、はじめてオールドレンズを使う方にもおすすめできるレンズです。ちなみに「 T*」の読み方は「 ティースター」で、特殊なコーティングがされていることを表します。  そんな、ちょっとだけレトロ気分を味わえるコンタックスのGマウントレンズの魅力をお伝えしたいと思います。

コンタックス「プラナー T* G 45/2」と「ビオゴン T* G 28/2.8」の魅力

 コンタックス「プラナー T* G 45/2」と「ビオゴン T* G 28/2.8」は、1994年~2005年までに販売されたコンタックスブランドのレンズ交換ができるフイルムカメラ用に発売されていたレンズです。当時筆者もコンタックスのG1を所有していた、愛着のあるカメラとレンズです。  この発売されていた期間で、Gマウントのレンズは全部で7本発売されており、全てカール・ツァイスブランド・T*コーティング仕様になっています。 Gマウントレンズ一覧

レンズ名

焦点距離

構成

画角

最大絞り

最短距離

ホロゴンT*16mmF8

16mm

3群5

106°

F8固定

0.3m

ビオゴンT*21mmF2.8

21mm

7群9

90°

F22

0.5m

ビオゴンT*28mmF2.8

28mm

5群7

75°

F22

0.5m

プラナーT*35mmF2

35mm

5群7

63°

F16

0.5m

プラナーT*45mmF2

45mm

4群6

50°

F16

0.5m

ゾナーT*90mmF2.8

90mm

4群5

27°

F22

1.0m

バリオゾナーT*35-70mmF3.5-5.6

35-70mm

8群13

62°-35°

F22

1.0m

 ホロゴン T*16mmF8以外は、日本製のレンズになります。今回はこの中から「ビオゴン T* G 28/2.8」と「プラナー T* G 45/2」をピックアップし紹介します。 コンタックス「プラナー T* G 45/2」・「ビオゴン T* G 28/2.8」  今回なぜこの2本をピックアップしたかというと、昔筆者が使っていた愛着あるレンズというのもありますが、使いやすい画角と魅力ある性格のレンズ、そしてなによりもツアイスレンズなのに比較的購入しやすい価格帯で入手が可能なレンズなので、初めてオールドレンズを使って撮影したいというユーザーにもおすすめしやすいレンズだからです。  「ビオゴン T* G 28/2.8」は、ちょっとした風景も含めて撮れる万能なスナップレンズとして使え、単焦点レンズならではの絞り開放で大きなボケも表現できます。ただし、絞らないと中心部以外の周辺がかなり甘い感じになるので、シャープな画像を撮りたい時はしっかりと絞って撮った方がよくなります。  しかし、現在のレンズではなかなか表現できない、オールドレンズ感を出した画像を撮影するのは、こういったところを強調して撮影すると、雰囲気が出てとても面白いので、できればあまり絞りを絞らずに撮った方が、「ビオゴン T* G 28/2.8」の魅力を楽しめるのではないでしょうか。
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■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF2.8 ISO500 焦点距離28mm
 「プラナー T* G 45/2」はシャープな画像を映し出し、周辺部までしっかりと解像するので「ビオゴン T* G 28/2.8」よりも扱いやすいレンズです。45mmの画角は街角スナップで気になったものを切り取って撮影するのにもってこいの画角のレンズです。絞りを開放で背景を大きくぼかして撮影するのもよし、絞ってシャープな画像を撮影するのもよしのレンズです。
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■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm

コンタックス「ビオゴン T* G 28/2.8」で小江戸佐原を散策スナップ

 コンタックス「ビオゴン T* G 28/2.8」を使って撮影するのに、より雰囲気を出すために小江戸と呼ばれる千葉県の佐原市の重要伝統的建造物群保存地区を散策しながら撮影をしてみました。  この佐原は「あやめ」でも有名な撮影スポットで、5月~6月にはハナショウブを撮影に、また夏と秋におこなわれる「佐原の大祭」(※令和3年は中止)では多くの方が訪れる魅力ある撮影スポットです。  オールドレンズを使って撮影する場合のカメラの設定やピント合わせなどのコツは、前回の記事をご参照下さい。 【参照】 「マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?」
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■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離28mm
 奥の建物の中心部にピントを合わせて、絞りを開けて撮影した場合、前景はもちろんピントを合わせた建物の四隅もかなり描写が甘くなります。オールドレンズの特徴に慣れるまでは、同じシチュエーションでも絞りをいろいろと変えて撮影するのがおすすめです。
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■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF16 ISO160 焦点距離28mm
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■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF22 ISO100 焦点距離28mm
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■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF22 ISO100 焦点距離28mm
 撮影してみるとコントラストも高く、絞れば周辺の滲みも少なくなりシャープな印象を受けるレンズです。このレンズの特徴を出して撮影するのであれば、思い切って絞りを開ける、思い切って絞るの両方パターンで撮影するとより楽しめます。
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■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離28mm
 散策しながら気になった丸い郵便ポスト。よく見てみるとこんなところにアマガエルがかくれんぼしていました。このレンズで一番寄れる最短撮影距離で撮影してみました。郵便ポストの赤、アマガエルの緑が鮮やかに発色をして、さすがツアイスレンズといったところ。  次にオールドレンズならではの、あえてフレアとゴーストを出すように撮影もしてみました。普段の撮影ではフレアやゴーストの発生は嫌うことがほとんどですが、オールドレンズで楽しんで撮影するのであれば、積極的にこういったシーンを撮影するのもありです。
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■使用機材:SONY α7R III + ビオゴンT*28mmF2.8 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離28mm

コンタックス「プラナー T* G 45/2」で浅草を散策スナップ

 「プラナー T* G 45/2」は別日に、浅草散策撮影に持って出かけました。ミラーレス機に小さなレンズの組み合わせは、気軽なお散歩撮影には最適な組み合わせといえます。
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■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF16 ISO125 焦点距離45mm
 コンタックス「プラナー T* G 45/2」は、「ビオゴン T* G 28/2.8」よりも癖は少なく、テイストはより現代のレンズに近いものを感じます。周辺までの解像感も高く、シャープさ解像感を含めて非常に高く、オールドレンズといえどもプラナーT* レンズの高スペックさを実感させられました。  それゆえ、使いやすさ・品質・価格を考慮しても初めてのオールドレンズを買う人にはおススメの1本だと思います。
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■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF16 ISO100 焦点距離45mm
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■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF16 ISO100 焦点距離45mm ※白黒モードで撮影
 45mm標準レンズの画角なので、絞った時は周辺部まで非常にシャープ。コントラストのメリハリもありシャドー部の諧調も申し分なく、安心して撮影できるオールドレンズです。  絞りを開放にして撮った場合、周辺部に関しては徐々に甘くなっていくものの、ピントの合った中心部は非常に切れのあるシャープな像を表現してくれます。そして、背景で現れるボケは非常にやさしく味わいのあるボケを演出してくれます。
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■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
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■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
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■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm
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■使用機材:SONY α7R III + プラナーT*45mmF2 ※K&F Conceptマウントアダプター使用 ■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF2 ISO100 焦点距離45mm

まとめ

 今回ピックアップした、コンタックスGマウントの「プラナー T* G 45/2」と「ビオゴン T* G 28/2.8」の2本のレンズは、オールドレンズと言っても比較的新しい分類のレンズなので、中古での程度の良いものも多く入手しやすいツアイスレンズなので、これから始めるオールドレンズ初級者でも安心して扱える魅力あるレンズです。  レンズ本体も小さく軽量な為、ミラーレス機のボディには非常にマッチし、街角スナップに持ち出すには最適の組み合わせです。オールドレンズを持ってのんびりと被写体を探しながら街並みを散策しながら、写真ライフを過ごすのは楽しいですよ。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

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「iPhone 13 Pro」シリーズがカメラユニットを大型化して登場!

 今年も注目のスマートフォン、アップルの「iPhone」シリーズが登場しました。この「iPhone 13」シリーズは全部で4種類。「iPhone 13」、「iPhone 13 mini」、「iPhone 13 Pro」、「iPhone 13 Pro Max」となります。この中でもカメラユニットを大きくして性能をアップした、要注目の「iPhone 13 Pro」シリーズを試してみました。

「iPhone 13」シリーズの特徴

 「iPhone 13」シリーズは画面の大きさとカメラ機能の性能によって分けられます。ベーシックな「iPhone 13」は画面サイズ6.1インチの超広角+広角のデュアルカメラ仕様。小さくてかわいい「iPhone 13 mini」は画面サイズ5.4インチの超広角+広角のデュアルカメラ仕様。超広角+広角+望遠のトリプルカメラ搭載「iPhone 13 Pro」は画面サイズ6.1インチ。そして、最も大きい画面の「iPhone 13 Pro Max」は6.7インチとなっています。この「Pro」の名を冠したモデルは最先端のカメラ性能を誇っており、ShaSha読者も気になる存在でしょう。  前のモデル「iPhone 12 Pro」シリーズでは「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」とでカメラ性能に差がつけられていましたが、今回のモデルからはそれが同スペックとなりました。なので自分なりの撮影スタイルに合ったものをチョイス可能です。これはうれしいですね。 ・「iPhone 13 mini」:5.4インチ 超広角+広角 ・「iPhone 13」:6.1インチ 超広角+広角 ・「iPhone 13 Pro」:6.1インチ 超広角+広角+望遠 ・「iPhone 13 Pro Max」:6.7インチ 超広角+広角+望遠
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iPhone 13 Proシリーズの3つのカメラ

「iPhone 13 Pro」シリーズのカメラスペックと実写

 トリプルカメラ搭載の「iPhone 13 Pro」シリーズですが、3つのカメラは全て1200万画素。4032 x 3024ピクセルの写真が撮影可能です。焦点距離とF値は下のとおりになっています。 ・超広角カメラ:35mm版換算 約13mm F1.8 ・広角カメラ:35mm版換算 約26mm F1.5 ・望遠カメラ:35mm版換算 約77mm F2.8 02_iPhone 13 Proシリーズ 超広角カメラでの撮影画像.jpeg  35mm版換算 約13mm相当の広大な画角は風景撮影にピッタリ。川面から対岸の屋敷までフレームに収めることができました。 03_iPhone 13 Proシリーズ 広角カメラでの撮影画像.jpeg  「カメラ」起動するとこの画角になります。35mm版換算 約26mm F1.5の広角カメラは、シャープかつオートフォーカスも正確で、瓦屋根から護岸までキッチリと描写してくれました。 04_iPhone 13 Proシリーズ 望遠カメラでの撮影画像.jpeg  望遠カメラは35mm版換算 約77mm F2.8。デジカメの中望遠レンズと張り合える長さと画角ですね。黒塗りの板塀のリアル感がスマートフォンで撮ったとは思えないほどの描写ですね。  前のモデルより超広角カメラのF値が明るくなり、望遠カメラの焦点距離が長くなりました。これにより写真表現の幅が広がることになります。  さらに、超広角カメラにはマクロ機能が搭載されました。レンズ前面から何と2cmまで被写体に寄れるようになったのです。これはユニークですね。超広角なのでパースペクティブを強調したマクロ写真が楽しめますね。  望遠カメラは被写体を引き寄せ圧縮効果を演出した写真が撮影できます。都市風景の撮影などでもダイナミックな視点を得られるでしょう。もちろんポートレートモードで背景をぼかしたカットも撮影可能で、焦点距離が伸びたことによってより立体感のある表現ができそうです。 05_iPhone 13 Proシリーズでの撮影画像.jpeg  小田急ロマンスカー「GSE」を停車中に撮影しました。今まで使っていた「iPhone 12 Pro Max」では望遠カメラが短く、ここまで大きく先頭車両を撮ることができませんでした。ここまでグッと引き寄せて撮れる新型は魅力的ですね。 06_iPhone 13 Proシリーズ 望遠カメラでの撮影画像.jpeg  蔵の街で発見した商店の軒先です。どうやらお休みのようでしたが、「iPhone 13 Pro」の77mm相当の望遠カメラは、その閉まった引き戸を克明に写し撮りました。のれんとカーテンの煤けた感じ、ガラスの写り込み、戸のディテールが実に見事ですね。 07_iPhone 13 Proシリーズ超広角カメラでの撮影画像.jpeg  超広角カメラは被写体にググッと肉薄できます。コーヒーカップに思い切り近づきましたが、金属の素材感までバッチリわかりますね。超広角なのでカップが面白くグニャリと写りました。 08_iPhone 13 Proシリーズでの撮影画像.jpeg  家の玄関前で寝ていたイヌもこのとおり。一時期流行ったペットのデフォルメ写真も撮影できますね。それにしても毛並みがキレイなこと!解像感もなかなかです。 09_iPhone 13 Proシリーズ 広角カメラでの撮影画像.jpeg  広角カメラの描写も向上しています。まずはゴーストやフレアの発生が低減したことです。竹林から差す光を撮りましたが、光芒を美しく撮ることができました。「スマートHDR4」によってヒトの見た目に近い描写を実現しています。 10_iPhone 13 Proシリーズでの撮影画像.jpeg  室内でのホワイトバランス調整も進化しています。色かぶりが少なくなっており、自然でクリアな色再現をしているように感じました。 11_iPhone 13 Proシリーズ 広角カメラでの撮影画像.jpeg  一番使用する広角カメラですが、センサーのピクセルサイズが1.9μmと大型化されているので、よりリッチで高品位な写りを楽しめます。もちろん、これにより低照度下の撮影も有利になりますね。小屋のディテールと発色、そしてホワイトバランスも秀逸です。 12_iPhone 13 Proシリーズでの撮影画像.jpeg  ポートレートモードも望遠カメラが77mmになったことにより、背景を美しくぼかすことができるようになりました。また「A15 Bionic」と「Neural Engine」の力によるコンピュテーショナルフォトグラフィー効果で、境界の判定が以前のモデルより向上しています。背景と被写体をしっかりと認識、分離して光学的なボケに近づいてきた印象を受けました。 13_iPhone 13 Proシリーズ ナイトモードでの撮影画像.jpg  ナイトモードも面白い機能です。このモードにセットして「iPhone」の指示通りキープすれば、明るく鮮やかな写真を低照度下でも撮影できます。三脚も照明もなしで驚くような写真を手にできるでしょう。

「フォトグラフスタイル」で自分のプリセットを適用

 新しい「フォトグラフスタイル」にも注目です。これは撮影前に自分好みの撮影パラメーター「トーン」と「暖かみ」を設定できるものです。一度設定してセットすればずっと自分のスタイルで撮影できる優れもの。iPhoneにはあらかじめ「標準」、「リッチなコントラスト」、「鮮やか」、「暖かい」、「冷たい」の5つが用意されています。ここからゲージを動かして設定を追い込んでいきましょう。アプリを使って撮影後に編集するのも楽しいですが、この機能を使えばシャッターを切るだけでオリジナルテイストの仕上がりが簡単に得られますよ。
14_「標準」設定の画像.PNG
「標準」
15_「リッチなコントラスト」設定の画像.PNG
「リッチなコントラスト」
16_「鮮やか」設定の画像.PNG
「鮮やか」
17_「暖かい」設定の画像.PNG
「暖かい」
18_「冷たい」設定の画像.PNG
「冷たい」

画期的な「シネマティックモード」が面白い!

 「ポートレートモード」ではスチル撮影で背景をぼかすことができますが、今回から搭載される「シネマティックモード」では何とムービー撮影でもそれが実現されたのです。しかも撮影後にフォーカス位置を指定することも、F値を変更することができるのです。これはスゴい!
 小雨降る巴波川を背景に画面左からフレームインしました。フォーカスが人物に当たり、背景がごくわずかにボケるのがわかるでしょう。そしてフレームアウトすると背景にフォーカスが移動します。これは「iPhone 13 Pro」を三脚につけてフルオートで撮ったものです。
 さて、上で撮影したムービーを「カメラロール」の編集で調整しました。F値を「F16」から「F2」と大きく絞りを開けた効果を出してみました。背景がグンとボケて雰囲気が出たことがわかります。このように、撮影後にボケ効果を出すことができるのが「シネマティックモード」なのです。フォーカス位置も同じ編集画面で指定可能となっています。今後のアップデートにより、プロ用のフォーマット「ProRes」での撮影と編集ができるとのことなので、「iPhone 13 Pro」シリーズでのムービー撮影がより楽しめそうですね。

まとめ

 このようにカメラ機能を強化した「iPhone 13 Pro」シリーズは撮影を存分に楽しめる5Gスマートフォンになっています。超広角から望遠まで、ポケットの中に入ってしまう驚くべきデジタルカメラと言える端末です。キタムラの店頭で実際に手に取って、その先進的なカメラ機能をぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんがiPhone 13 Pro シリーズのカメラ性能をレビューしています。大幅に強化されたカメラ性能を作例と合わせて是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: iPhone,レビュー,スマートフォン,アップル,iPhone 13 Pro,三井公一,カメラ性能,トリプルレンズ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: これから始める星景写真 Vol.1|自宅周辺で夜の撮影に慣れよう BASENAME: 483663405.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北山輝泰 DATE: 10/07/2021 16:00:00 TAGS: 撮影テクニック,ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ,これから始める星景写真,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック ----- BODY: 01_星空写真.JPG

はじめに

 星景写真家の北山輝泰です。今回は、これから星景写真を始めたいと思っているビギナーの方向けに、撮影に必要な道具から撮り方までをご紹介します。普段見慣れている自宅周辺も、見上げてみるとそこには必ず星があります。まずは身の回りの環境で夜の撮影に慣れることから始めましょう。

星景写真とは

 星景写真とは「星空」と「風景」を一緒に撮影する写真のことです。「せいけい」写真と読みます。星空には、星座や惑星、月などがありますが、それらを夜ならではの風景と共に撮影していくのが星景写真の醍醐味です。撮影には特殊な機材は必要なく、すでに持っている機材で始めることができますが、暗い中での機材の操作や構図決めなど、昼間の撮影にはない難しさがあります。 星景写真撮影を始める上で大事なことは 1. 身近な環境で夜の撮影に慣れること 2. 暗い中での機材の扱いになれること 3. 月明かりがある日から始めること の3つです。いきなり自宅から離れた真っ暗な環境に行くのではなく、まずは月明かりがある明るい日を選んで機材の扱いに慣れるなど、コツコツ経験を積み上げていくのが星景写真を始める上で重要です。
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■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO250 F1.8 8秒 WB蛍光灯 焦点距離18mm(35mm判換算27mm相当)

星景写真撮影に必要な機材

 撮影に必要な機材は主に下記の4つです。 ・カメラ ・レンズ ・三脚 ・ヘッドライト  まずカメラは、マニュアルモードが搭載されている機種であれば、一眼レフ、ミラーレスのどちらでも構いません。高級なコンパクトデジタルカメラにはマニュアルモードが使えるカメラもありますので、そのような機種であればコンデジでも大丈夫です。また、カメラはセンサーの大きさによって「フルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」と種類が分かれていますが、どのサイズのカメラでも問題ありません。もちろん、最新の機材であればあるほどノイズが少ない綺麗な写真が撮れますが、まずはお持ちの機材でどのような写真が撮れるのか試してみましょう。
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ソニー α6400に高倍率ズームレンズキット同梱レンズのE 18-135mm F3.5-5.6 OSSを装着。レンズ単体はFE 20mm F1.8 G。
 カメラで重要なことは、ライブビュー機能が使えるかどうかです。星空のピント合わせや構図合わせは、ライブビューを見て行う方が遥かに簡単ですので、お持ちのカメラにこの機能があるかは必ず確認しましょう。  2つ目にレンズですが、カメラを買った時についてきたキットレンズでも十分ですが、星景写真は夜空に加え風景も撮影しますので、広い範囲を撮影できる広角をよく使います。レンズに刻印されている焦点距離の値を見て広角で撮影できるかを確認しましょう。目安は35mm判換算でおおよそ24mm以下です。また、暗い星空を明るく撮影するためには絞り値(F値)も明るい方がいいでしょう。理想的なのはF2.8以下のレンズですが、キットレンズでそのような明るいレンズはなかなかありませんので、そこはシャッタースピードやISO感度で補いながら撮影しましょう。F値が明るいレンズは、空が暗い場所での撮影には欠かせませんので、星景撮影に面白さを感じていただけたらぜひ購入も検討してみてください。
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左はE 18-135mm F3.5-5.6 OSS。右はFE 20mm F1.8 G。
 3つ目に三脚ですが、調べてみるとたくさん種類があり、どれを買ったらいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。星景写真用の三脚で一番重要なことは、安定性です。空の暗さによっては、30秒程度シャッターを開ける必要もあり、この間に風が吹いてブレてしまっては意味がありません。安定性は、三脚のパイプの太さと材質が関係していますが、おすすめは、パイプが太く、材質がアルミやカーボン製のものです。  また、三脚を伸ばした時の高さも気にする必要があります。ピント合わせや構図合わせ、撮影した写真の明るさの確認など、カメラのモニターを確認する頻度は非常に多いです。そのため、自分が無理な姿勢にならずにモニターを確認できる高さにカメラがあることが重要です。三脚の仕様欄には「全高」という項目がありますので、自分の胸から顔の高さになる三脚を購入されるのがおすすめです。最後にカメラを載せる雲台の部分ですが、主に2WAY、3WAY、自由雲台式がありますが、水平が取りやすい3WAY式、もしくは自由雲台式がおすすめです。  4つ目にヘッドライトですが、これは暗い中で両手を自由に使うためには必ず必要になります。防災のためにヘッドライトをお持ちの方も多いかと思いますが、星景写真では主に手元を照らすために使いますので、あまり明かりが強いものは使いません。私の場合は、駐車場から撮影場所まで徒歩移動する時に使う登山用ライト(右側)と、撮影用に使う天体観測用ライト(左側)の2つを使い分けています。
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右は登山用ライト。左は天体観測用ライト。

星景写真撮影の流れ

 星景写真撮影の難しいところは、カメラが自動で明るさや色を決めてくれるオート撮影ができないことです。日中の撮影では、ある程度のことはカメラが自動で調整してくれるため、構図決めに集中することができますが、星景写真撮影では、自分で一つ一つ丁寧にセッティングをしていく必要があります。以下が基本的な星景写真撮影の流れになります。 1. 撮りたい方向を決める 2. カメラと三脚をセットする 3. ピント合わせをする 4. 構図を決める 5. 試し撮りの値を入力しシャッターを切る 6. ISO感度、シャッタースピードを変えて試し撮りをする ※5~6を繰り返しながら明るさや色味を確認する 7. 本番撮影をする  はじめに撮りたい方向ですが、最初は明るい星がある方向がおすすめです。季節によって変わりますが、肉眼でもはっきりと分かる星を探しましょう。次にカメラを三脚にセットしたら、見つけた明るい星の方向にカメラを向けます。レンズキャップを外してライブビューを起動したら、目の前の風景がぼんやり映る程度まで、シャッタースピードを遅くします。そうすると、明るい星が背面液晶に写りますので、その星でピント合わせを行います。もし星が写らない場合は、以下の原因が考えられますので、一度カメラの設定を見直しましょう。 ・ピント位置が近くのものにピントが合う状態になっている ・ISO感度が低すぎる ※露出設定がライブビューに反映される場合 ・絞りが閉じている ※露出設定がライブビューに反映される場合。または、絞り機構がレンズ側についている場合。  星のピントはオートフォーカスでは合わせられませんので、マニュアルフォーカスに切り替えて、自分でピントリングを回し、ピント合わせを行います。手順については解説動画を作成しましたので、こちらの動画をご覧ください
 おおよその手順としては 1. モニターに写った明るい星のところにピント拡大枠を動かす 2. モニターを拡大する 3. ピントリングを回して、星の点像が一番小さくなるところを探す 4. 最初の画面に戻す となります。  次に構図合わせですが、はじめのうちは無理に風景を上手に撮ろうと考えるより、星空が綺麗に撮れているかを優先的に考えるようにしましょう。何回かシャッターを切り、明るい星の撮影に慣れてきたあとは、撮影したい星座を決めてその方向を撮る練習を何度も繰り返します。星座を探すときには、星座早見盤やスマートフォンのアプリを使います。  次はいよいよ試し撮りです。そのときの目安となる露出設定はISO感度800 / F値 開放(一番小さい値) / シャッタースピード 10秒になります。この値は、郊外の住宅地で撮影した時の目安の設定ですので、撮影場所によっては明るすぎたり暗すぎたりするでしょう。そのため、一枚撮影したら写真を再生して明るさを確認します。もし、明るいと感じたらISO感度を400にしてみてもう一度撮影してみましょう。逆に暗いと感じたら、シャッタースピードを10秒ずつ長くしてみましょう。  この「明るい」もしくは「暗い」という感覚ですが、ここに落とし穴があります。人間の目のメカニズムですが、暗い環境では、安全を確保するために目の瞳孔が拡大し、たくさん明かりを吸収しようとします。一方、室内など明るい環境では、瞳孔が縮小します。写真を見る環境は主に室内ですので、夜、瞳孔が拡大している状態で撮影し、丁度良いと思った明るさの写真も、明るいところで見ると暗いということになります。そのため、夜の撮影では多少明るめに撮っておくほうが良いでしょう。写真の明るさは「ヒストグラム 」を使って確認することもできます。  明るさの確認の時に、合わせて色味も確認しましょう。ホワイトバランスを曇天や太陽光にすると写真は赤みが強くなり、逆に蛍光灯や電球にすると青みが強くなります。この辺りは好みもありますので一概には言えませんが、私は蛍光灯で撮影することが多いです。  ここまでくれば、あとは本番の撮影を残すのみです。カメラのシャッターボタンを押す際のブレをなくすため、セルフタイマーで撮影するのが良いでしょう。撮影が終わったら撮った写真を再生し、ピントがずれていないかなど再度チェックします。  自宅周辺が明るくて、どうしても星空の印象が弱くなってしまう時は、ソフトフィルターを併用するのも良いでしょう。ソフトフィルターは、被写体を滲ませて柔らかい印象にしてくれるフィルターのことですが、星景写真では、星の存在感を際立たせるのに使います。ソフトフィルターは効果の強弱によって種類が分かれていますので、どれくらい滲ませたいかで選ぶようにしましょう。下記の写真はケンコー・トキナーさんから販売されているソフトフィルターで、効果の弱いものから強いものを順に並べたものです。
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■プロソフトンクリアを装着 ■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G ■撮影環境:ISO400 F1.8 2.5秒 WB蛍光灯 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
09_プロソフトン(A)を装着して撮影した星空写真.JPG
■プロソフトン(A)を装着 ■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G ■撮影環境:ISO400 F1.8 2.5秒 WB蛍光灯 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
10_プロソフトン(B)を装着して撮影した星空写真.JPG
■プロソフトン(B)を装着 ■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G ■撮影環境:ISO400 F1.8 2.5秒 WB蛍光灯 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)

自宅の周りで撮影できるもの

 ご自宅にベランダやバルコニーがある方は、ぜひそこから星空の撮影に挑戦してみましょう。その時、三脚を置くスペースがない場合は、ゴリラポッドなど、フェンスに巻きつけることができる三脚もあります。
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JOBYのゴリラポッド 3K PRO キットを使用
12_星空写真.JPG
■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G ■撮影環境:ISO250 F1.8 8秒 WB蛍光灯 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
 星景写真の面白いところは、地上の風景が変わらなくても、季節や時間が変わることで写る星空がガラッと変わり、また違った印象の写真になることです。撮影した写真をもとに星空のアプリで写っている星を確認したら、アプリ上の日にちや時間を変えることで、その場所からどんな星が撮れるのかをシミュレーションするのもおすすめです。  お庭がある方はそこに咲いているお花と撮るのも面白いでしょうし、車をお持ちの方は愛車と星空を撮影するのもいいでしょう。星空と風景の組み合わせは発想次第で無数にありますので、もう一度身の回りの風景を見直してみてくださいね。近くに街灯など強い光源がある場合、一緒に写してしまうとゴーストという光の反射が写ってしまうことがあります。カメラの向きを変えるか、焦点距離を変えるなどして、なるべく構図の中に写り込まないように撮影される方がいいでしょう
13_星空写真.JPG
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO400 F4.0 5秒 WB蛍光灯 焦点距離22mm(35mm判換算33mm相当)
14_星空写真.JPG
■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO400 F4.0 5秒 WB蛍光灯 焦点距離22mm(35mm判換算33mm相当)
 肉眼ではわずかにしか見えなくても、カメラで撮影すると意外とたくさんの星があることが分かります。ぜひ一度お持ちの機材で身の回りでの星空撮影に挑戦してみてくださいね。次回の「これから始める星景写真 Vol.2」では、星景写真の景色にテーマを置いて、自宅からちょっと離れて風景を探して撮る方法についてご紹介したいと思いますので、どうぞご期待ください ■写真家:北山輝泰 東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。天文台インストラクター、天体望遠鏡メーカー勤務を経て、2017年に写真家として独立。世界各地で月食や日食、オーロラなど様々な天文現象を撮影しながら、天文雑誌「星ナビ」ライターとしても活動。また、タイムラプスを中心として動画製作にも力を入れており、観光プロモーションビデオなどの制作も行っている。星空の魅力を多くの人に伝えたいという思いから、全国各地で星空写真の撮り方セミナーを主催している。セミナーでは、ただ星空の撮り方を教えるのではなく、星空そのものの楽しさを知ってもらうために、星座やギリシャ神話についての解説も積極的に行なっている。

第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ

main-1.jpg  ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。宙(そら)は、もっとも身近にある、スケールの大きな被写体です。満天に星の広がる高原や海辺から、歴史的な建造物とともに、都会の景色の中で、あるいはご自宅からも、星空を撮影することができます。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。お一人何点でもご応募可能です。 ・募集締め切り:11月30日(火) ・募集テーマ:星にまつわる8つのテーマ(国内・海外問わず) (1)自然風景 (2)山 (3)海 (4)建造物 (5)水鏡 (6)天体写真(星雲星団、惑星など) (7)月 (8)自由 ・応募方法:プリントまたはWeb ・各賞:グランプリ(1作品)ビクセンオンライン商品券5万円分 + 「星空雲台 ポラリエU」 ほか 詳細はビクセンホームページをご覧ください。
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の北山輝泰さんが、これから星景写真を始めたいと思っているビギナーの方向けに撮影に必要な道具から撮り方までを紹介しています。まずは自宅周辺で夜の撮影に慣れるところから説明を行っています。 ----- KEYWORDS: 星景,天体,撮影テクニック,ソニー,Sony,ゴリラポッド,JOBY,ゴリラポッド 3K PRO キット,初心者,北山輝泰 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 暮らしに溶け込むレンズ SIGMA Iシリーズ BASENAME: 483632662.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂口正臣 DATE: 10/08/2021 16:00:00 TAGS: iシリーズ,シグマ(Sigma) レンズ ----- BODY: 00_シグマIシリーズとfp.jpg

はじめに

 シグマから2019年7月に発売されたフルサイズミラーレスカメラ「SIGMA fp」。そのキットレンズに採用されて登場したのが45mm F2.8 DG DN | Contemporaryで、デザインの良さとコンパクトさが記憶に残っている。このレンズは、その後3本のレンズと2021年9月に発売された24mm F2 DG DN | Contemporaryと90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを加えてIシリーズとして統合され、6本のレンズラインナップとなる。Iシリーズは24mmの広角から90mmの中望遠域までと、非常に早いスピードでシステムとして充実してきている。今回はそのIシリーズの中で、既に使い込んでいる方も多い24mm・35mm・45mm・65mmの4本を使用してレビューをしたいと思う。

Iシリーズとの出会い

 実はfpをレンズキットで購入しなかった私、初めて手にしたIシリーズレンズは24mm F3.5 DG DN | Contemporaryで、レンズのレビュー動画を制作するためにシグマさんからお借りしたものである。 ▼その際の動画はこちらからご覧頂けます

ファーストインプレッション

 このレンズを手にして最初に感じたのは、ひんやりとしたメタルの質感だった。そこからじっくりと観察すると筐体からフードの先端まで続く美しいローレットがあり、フォーカスリングや絞りリングを回してみると非常に滑らかに動き、とても精巧な作りで質感が高いことが分かる。手の中に収まる大きさと軽さにも驚いた。そしてfpにセットした姿は「本当にこれがフルサイズのカメラとレンズなの?」と疑うほどのコンパクトさと凝縮感、機能美を追求しミニマライズされた佇まいで、しばし見惚れてしまうほどだった。

手にすると分かる質感の良さ

 常に触り続ける筐体の質感は、ブラスト処理でマットに仕上げられ、タフでエレガントなアルマイト処理が施されている。とても上品な艶がありプレミアム感が伝わってくる。昨今の洗練されたモダンなイタリア家具のような仕上げをしたレンズは数少ない。これほどまでに私の所有欲をくすぐるカメラとレンズがあっただろうか、これまで写真は大柄な中判デジタルカメラをメインで使用してきた私が、この小さなカメラとレンズに完全に魅了された。  それからというもの、ダイニングテーブルの隅や車のダッシュボード、庭の外テーブルなど、お気に入りの場所で過ごす時間にいつも傍に置いている。日々の記録や作品を見事な描写力で写してくれる頼もしい相棒のような存在であり、いつの間にか暮らしに欠かせない大切な『道具』になった。  スペックだけではないモノとしての価値と機能美を熟考して形になったであろうこのレンズ達は、大切に防湿庫に入れるのも良いが、カメラにセットしてリビングのキャビネットなどに無造作に置くのもしっくりくる、いつでも気軽に写真を撮れるように。

田舎暮らしでの作例

 今回は私の暮らしに溶け込んでいるIシリーズレンズで撮った、田舎暮らしの平凡な日常の一コマを作例として見ていただければと思う。  『お隣さんの夏野菜』雨が降る前に急いで家に帰ると、お裾分けの野菜が置いてあった。何気ないシーンが画になる。開放f2の浅い被写界深度と滑らかなボケ味、曇り空の柔らかい光と繊細に描写された野菜のディティールからも空気感を感じる。
01_シグマ 65mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.JPG
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/320 f2 ISO200 焦点距離65mm
 『いつ植えたのかすら忘れてしまったタイム』ローズマリーの隣に植えた2株ほどのタイムが、今では一番広いスペースを占有している。ピントがあった部分は非常にシャープ、対照的にボケ感はとても滑らかでソフトな印象。
02_シグマ65mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/2000 f2 ISO200 焦点距離65mm
 『食事の前に』夕食の準備をする頃、音楽と早めの晩酌を楽しみながらレンズを眺める時間。レンズの筐体とグラスのディティールを写したかったので少し絞る、絞りリングの操作感がとても心地よい。
03_シグマ65mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/5 f3.5 ISO400 焦点距離65mm
 『庭のテーブルでツユクサと』天気の良い日は庭でゆっくりと過ごす。その際のお供には65mm F2 DG DN |Contemporaryとfpの組み合わせが楽しい。いつも手帳の上が特等席になる。革の手帳の上に何気なく置くときの「トンッ」という小気味よい音と、塊感のある適度な重みを感じるが、実際はとても軽いシステム。
04_シグマ35mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/4000 f2 ISO100 焦点距離35mm
 空き時間ができるとコーヒーとレジャーシートを持って、リラックスをするためにお気に入りの所へ移動。Iシリーズ4本とfpを持ち出してゆっくりと過ごす。スマホの電波も繋がらない湖畔の森で、自分もオフラインになって自然豊かな景色と風の音や小川のせせらぎを動画や写真に残して楽しむ。沢を渡ったり草をかき分けたりしながら、少し険しいルートを通らないと行けない場所なので、軽量でコンパクトなIシリーズのレンズとfpにはとても助けられた。持てる荷物が限られることが多いアウトドアにも最適だと思う。軽量コンパクトで機能的なキャンプギアとも相性がよく、「ここのポケットにカメラが入るかも?」とあれこれ考えながらパッキングするのも楽しい。それでいて、いざ撮影となるとfpのフルサイズセンサーに余すところなく妥協のない画質で描写してくれる。実に頼もしい。  『氷のような水』小川のせせらぎを高速シャッターで時を止めて撮ると、愛用のロックグラス iittala ウルティマ ツーレのように美しい。水面の繊細な表現が素晴らしく、開放絞りでも周辺までとてもシャープに描写している。
05_シグマ45mm F2.8 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/640 f2.8 ISO400 焦点距離45mm
 抜けの良い描写で、透明感を見たままに表現してくれる。
06_シグマ45mm F2.8 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/640 f2.8 ISO400 焦点距離45mm
 『猫バスのドア』木の幹の隙間から差し込む光がバスの扉のような形に見える。こちらの写真も開放絞りのf2だが、周辺までとても繊細な表現をしてくれる。
07_シグマ35mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/640 f2 ISO400 焦点距離35mm
 『トンネルの先は』木の枝の重なりで偶然にできた穴、その先には池がかすかに見える。その奥に鳥がいればもっと良かったが、この日は留守だった。このカットは少し絞り込んでf4に設定した、画全体から伝わる緻密な描写、解像感がさらに増して素晴らしい。35mmレンズの画角で構図を考えるのはとても楽しかった。
08_シグマ35mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/400 f4 ISO400 焦点距離35mm
 『月面着陸』苔むした木の幹を細い足の蜘蛛が、まるで無重力かのようにゆっくりと移動する。私も重力を無視して斜めにカメラを構えてみた。苔の質感や蜘蛛の細い足を繊細に描写している、絞りは開放f2だ。
09_シグマ35mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/320 f2 ISO400 焦点距離35mm
 24mm F3.5 DG DN | Contemporaryは個人的に接写がとても楽しいレンズだと感じる。最短撮影距離約10cm、最大撮影倍率1:2と被写体にかなり近づいて撮影することができる。手前にもボケを入れた画が欲しい時は、レンズフードを外して撮影するほど接近できる。これまで24mmレンズでは広い画ばかり撮ってきたが、このレンズで広角の接写を楽しむことが多くなった。数歩下がって構えれば広角レンズならではのダイナミックな撮影ができて、逆にグッと被写体に近づくと細かなディティールも表現できる。この両極端さが撮影する写真に広がりやリズム感を与えてくれる。
10_シグマ24mm F3.5 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/80 f3.5 ISO400 焦点距離24mm
11_シグマ24mm F3.5 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/320 f5.6 ISO400 焦点距離24mm
12_シグマ24mm F3.5 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/2500 f3.5 ISO400 焦点距離24mm
 65mm F2 DG DN | Contemporaryは頻繁に使うレンズだ。私は中望遠が好きなのだが、このレンズの少しだけ広い画角がとても使いやすく感じる。主役を引き立てつつも適度に周りの状況を映し出す。50と85の間の65mmというのが絶妙だと使っていて感じる。
13_シグマ65mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/640 f3.5 ISO400 焦点距離65mm
14_シグマ65mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/200 f2 ISO400 焦点距離65mm

Iシリーズでの撮り比べ

 同じアングルでレンズを交換して、Iシリーズレンズそれぞれの画角の違いと描写を撮り比べてみた。
15_シグマ24mm F3.5 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/5 F3.5 ISO200 焦点距離24mm
16_シグマ35mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 35mm F2 DG DN | Contemporary 1/20 F4 ISO200 ■撮影環境:1/20 F4 ISO200 焦点距離35mm
17_シグマ45mm F2.8 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/15 F5.6 ISO200 焦点距離45mm
18_シグマ65mm F2 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 65mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/13 F4 ISO200 焦点距離65mm
 統一感のある写り、うまく言い得ないがSIGMA Iシリーズの方向性を感じる。同じIシリーズのレンズなので共通した写りは当然と思うかもしれないが、同じメーカーのレンズシリーズでも印象の違う写りをする事もあるので、カット毎に微調整をする事は珍しくない。しかし、今回のテストでは調整作業を行う必要がなかった。Iシリーズをコレクションして正解だったと感じる。特にシーンの繋がりが重要視されるムービー撮影でも積極的に使いたい。カラーグレーディング前のカラーコレクション(映像の色を修正しフッテージを整える作業)の手間が少し減るかもしれない。  シネマレンズの様なスタイルからも分かる様に、コンパクトではあるが映像でもとても使いやすい。ジンバルを使っての撮影が多くなった昨今では、カメラとレンズの軽量化は複数の恩恵がある。フロントヘビーになりがちなミラーレスカメラにおいてコンパクトで軽量なレンズは重量バランスが取りやすい、結果的にジンバルへの負荷が少ないのでペイロードが低めのコンパクトなジンバルも選択肢に入ってくる。  写真を撮る合間に気軽にムービーも撮影する、写真とはまた違った楽しみがある。見苦しいが自分の姿も思い出の一つとして残す。シネマプライムレンズではよく使う、65mmという焦点距離もラインナップされるのがIシリーズの特徴でもある、シネマモードではこの65mm F2 DG DN | Contemporaryを使うことがとても多い。
19_シグマ45mm F2.8 DG DN  Contemporaryでの作例.jpg
■撮影機材:SIGMA fp + 45mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/2000 f2.8 ISO400 焦点距離45mm
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F3.5 DG DN | Contemporary ■撮影環境:1/1600 f3.5 ISO400 焦点距離24mm
21_シグマiシリーズの製品画像.jpeg
レンズラインナップ 左から65mm F2.8 DG DN | Contemporary / 45mm F2.8 DG DN | Contemporary / 右下 35mm F2 DG DN | Contemporary / 右上 24mm F3.5 DG DN | Contemporary / カメラボディー SIGMA fp

モノとしての価値を再定義する稀有な存在

 撮影をするための機材であるレンズなのでスペックはもちろん大切なのだが、このレンズはそれを使うユーザーの体験までも素敵にデザインされているように感じる。シグマは数多くのユーザー達が夢中で撮影する姿やライフスタイルにまで思いを馳せ、それはそれは丹精込めて仕上げたのではないだろうか。日本の会津で大切に作られて私達の手元へ届くこのレンズ達。リアキャップのローレットからも見て取れるように、撮影をする時以外の些細なことまでも気にかけているのが分かる。だからこそ素直に愛着が湧く。ここまで思いを込めて、徹底的にユーザーに喜んでもらえるよう考えられたプロダクツは数少ないと思う。私の相棒であり大切な道具であるこのレンズで、これからも特別な瞬間を楽しんで撮影しようと思う。 ■フォトグラファー/ ビデオグラファー:坂口正臣 雑誌の撮影を経て広告写真・建築写真・映像撮影など福岡を拠点に幅広く活動中。坂口写真事務所(SPO)を運営。

Iシリーズ各写真家のレビュー記事はコチラ

■シグマ 24mm F2 DG DN Contemporary レビュー|Iシリーズ2本目の明るい24mm登場! 三井公一 https://shasha.kitamura.jp/article/483454979.html ■シグマ 24mm F3.5 DG DN Contemporaryレビュー|質感高く所有欲まで満たされる小型軽量の広角レンズ 葛原よしひろ https://shasha.kitamura.jp/article/479600569.html ■シグマ 35mm F2 DG DN Contemporary レビュー|街なかに溶け込めるスナップレンズ 水咲奈々 https://shasha.kitamura.jp/article/479188303.html ■シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|私たちの最初のレンズ FPS24 https://shasha.kitamura.jp/article/483180936.html ■シグマ 45mm F2.8 DG DN Contemporaryレビュー|真綿のようなソフトな描写にハマるレンズ 水咲奈々 https://shasha.kitamura.jp/article/480386399.html ■シグマ 65mm F2 DG DN Contemporary レビュー | 「Art」「Cine」レンズで磨かれた描写を独特の距離感で楽しめる 三井公一 https://shasha.kitamura.jp/article/479239309.html ■シグマ 65mm F2 DG DN Contemporaryレビュー|モデルとの距離を近付けてくれるレンズ 水咲奈々 https://shasha.kitamura.jp/article/480046126.html ■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生 三井公一 https://shasha.kitamura.jp/article/483500379.html
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: フォトグラファー/ビデオグラファーの坂口正臣さんが、シグマIシリーズの魅力を紹介しています。普段使用されてきた24mm・35mm・45mm・65mm の4本のレビューをスチールと動画の作例と合わせてご覧ください。 ----- KEYWORDS: iシリーズ,シグマ,24mm F3.5 DG DN Contemporary,35mm F2 DG DN Contemporary,45mm F2.8 DG DN Contemporary,65mm F2 DG DN Contemporary ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: ソニー FE 35mm F1.4 GM レビュー|ペトグラファー小川晃代 BASENAME: 483646345.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 小川晃代 DATE: 10/09/2021 11:00:00 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 35mm F1.4 GM,単焦点,犬/猫/ペット ----- BODY: ソニー FE 35mm F1.4 GM作例 (3).jpg

はじめに

 外でも室内でも暗い場所でも使いやすいソニーのFE 35mm F1.4 GMレンズ。今回はこのレンズの魅力をお伝えする為、ペット写真家である私の作例作品をお見せしながらご紹介します。

ペット撮影で35mmレンズが必要なわけ

 ペット撮影をする上で1本は持っておきたい単焦点レンズ。様々な焦点距離の単焦点レンズがありますが、私が気に入っているのは35mmです。その理由は2つあります。  1つは画角です。35mmとよく比較される50mmよりもちょっと広い画角で撮れるので、被写体と一緒に美しい背景を多めに入れたいという時に役立ちます。また、撮る角度によって標準っぽくも広角っぽくもなるので様々なバリエーションで撮ることもできるのです。  ハウススタジオなどで撮る時も、おしゃれな室内をより多く入れ込むことが出来るので重宝します。ご自宅での愛犬や愛猫を撮る時にもオススメですが、中には「生活感が写りこんでしまうからちょっと……」と敬遠される方もいますよね。でもこのレンズは広い画だけが撮れるわけではありません。被写体にグッと近づいて撮れば、画面いっぱいに被写体を配置した構図でも撮れるのです。  その上、このレンズの開放F値はF1.4。ピントを合わせた所以外がものすごくボケます。下の写真でも分かるように片目にはしっかりピントが合ってシャープに写っていますが、もう片方の目や鼻はボケていますよね。こんな感じで画面に大きく被写体を配置して背景をキレイにぼかしてしまえば、お部屋の粗は見えなくなってしまうんです。これでお家での撮影が楽しくなる事間違いなし。
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■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO-500 露出補正+2.3
 そして、2つ目の理由がこのレンズの最短撮影距離の短さ。最短撮影距離とは被写体までの最短で撮影出来る距離の事。上で書いた通りグッと近づいて撮る時にとても重要な要素です。最短撮影距離はレンズごとに異なっていて、最短撮影距離よりも被写体に近づきすぎてしまうとピントが合いません。そしてこのレンズの短撮影距離は27cm。つまり被写体に27cmまで近づいてもしっかりピントが合うんです。  最短撮影距離は、待てが出来ないペットを一人で撮影する場合には必ずチェックしたい項目の一つです。私はまだしつけの入っていないわんこを撮影する時、右手にカメラを持って構え、左手であやしながら撮影をしています。最短撮影距離が27cmであれば、わんこにかなり近寄って撮影出来るのであやしながらの撮影が可能です。この最短撮影距離が50cm以上のレンズになると、わんこに手が届かなくなるのでカメラを構えながらあやす事が出来ません。このようにあやしながら撮影する場合や、飼い主さんから離れるのが怖い等の臆病な子を撮影する場合、最短撮影距離は出来るだけ短いレンズがおすすめなのです。
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■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/2 1/80秒 ISO-1000 露出補正+2
 子犬を片手でなでなでしながら撮影していたら寝てしまいました。でも寝初めはちょっとした物音ですぐに起きてしまうので、なでなでしながらその手を一瞬離して撮影。またなでなでをしてと繰り返します。優しい光が差し込む部屋で撮影したので、ポカポカあたたかくて気持ちがよかったのですね。

美しいボケ味が魅力

 このレンズの良さは何よりもやわらかく自然で美しいボケ味。ペット撮影でより良い作品作りにかかせないのがこのボケ味です。美しいボケは可愛いペットをより一層引き立てて可愛く印象的に見せてくれます。そのためペット撮影は、多頭撮影でない限りは絞り開放で撮る事が多いです。35mmを使ってF1.4の美しいボケ味を楽しんでいます。
ソニー FE 35mm F1.4 GM作例 (3).jpg
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/800秒 ISO-250 露出補正+2
 広いバスルームで撮影。バスタブの白が反射して顔を明るく照らしてくれました。広めの背景を写しこんでもこのボケ感。とろけるようなボケ味がたまりません。
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■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/400秒 ISO-100 露出補正+1.3
 こちらはお庭の一角で撮影。後ろにはブリキポットに入ったラベンダーを配置し、手前にもラベンダーとグリーンを前ボケ用に配置、これらの間にわんこを配置して撮影しました。とても狭いスペースの中で撮影したため、ほとんどの物が主役のわんこのすぐ近くにある状態でしたが、これだけボケてくれるので絵にメリハリが出ました。  高い逆光耐性もこのレンズの魅力です。下の写真のように背景から光が沢山差し込む中での撮影であっても、主役のわんこはとても鮮明に、毛の質感もしっかり写っています。ペット撮影では特に瞳をキレイに写したいので、このように瞳のうるおいもしっかりと写してくれる描写力はとても心強いのです。
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■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.8 1/1000秒 ISO-320 露出補正±0
 瞳が美しく表現でき、玉ボケもキレイに入りました。この高い描写力が撮影を楽しくしてくれます。

小型軽量で野良猫やお散歩撮影にも便利

 私は野良猫の撮影にもよく行くのですが、ここでもFE 35mm F1.4 GMをよく使います。野良猫撮影では野良猫の表情やしぐさを切り撮るのも楽しいですが、この子達がどのような環境で生きているかを写真で残したいと思うので、広い背景を入れ込んで撮る事があります。野良猫は半野生動物なので近づくと逃げてしまう子もいますが、逃げてしまうかどうかは近づき方とその時に使っているレンズの大きさにも関係します。  あまり大きなレンズを持って近づくと怖がって逃げてしまうのですが、威圧感の無い小型のレンズであれば相手をビックリさせません。FE 35mm F1.4 GMは重さも約524gと軽量設計。もう一つの35mmレンズ「Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA」と比べても100gちょっと軽いんです。このちょっとした軽さが地味に嬉しいです。
ソニー FE 35mm F1.4 GM作例 (6).jpg
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/320秒 ISO-100 露出補正+0.3
 カメラを地面ギリギリの低い位置で構え、ぐっと近寄って撮影。広い景色を入れ込む事で、のどかな景気の中でくつろぐ様子を表現出来ました。田舎な感じの風景が野良猫らしさを演出しています。  小型なので普段のお散歩でもこのレンズ1本つけて持ち歩く分には苦になりません。この苦にならないっていうのは結構重要です。愛犬のふとした可愛い瞬間って普段の何気ないお散歩時に見れたりしますが、重たいからとカメラを持ち歩いていなかったら撮り逃してしまいますよね。でも、いつでも持ち歩けるサイズ感のレンズだったら、いつでもかばんにポンと入れておけるので撮り逃しもなくなります。

水族館撮影にはかかせない

 屋外でも室内でも幅広く使えるレンズのFE 35mm F1.4 GMですが、さらに暗い場所での撮影にもピッタリなレンズなんです。特に水族館で撮影する時におすすめ。水槽の中の魚を撮るにはこのレンズ1本で私的には十分。暗くて撮影が難しいとされる水族館でもFE 35mm F1.4 GMがあれば、撮影が難しいなんて事を忘れるくらい、簡単にしかも美しく撮れるので夢中になって時間も忘れてしまうほど。暗い中ではどうしてもピントが合わせづらくなりがちですが、すいすい泳ぐ魚たちにも瞬時にピントを合わせてくれるので決定的瞬間を逃しません。この高いAF精度もペットをはじめ生き物撮影にはかかせないポイントです。
ソニー FE 35mm F1.4 GM作例 (7).jpg
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/200秒 ISO-400 露出補正±0
 ガラス面近くに来た魚を撮った1枚。魚の質感や色味を忠実に再現。水の中&ガラス越しとは思えないほどの美しい描写力。
ソニー FE 35mm F1.4 GM作例 (8).jpg
■使用機材:ソニー α9 II+FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:f/1.4 1/250秒 ISO-640 露出補正-1
 かなり暗い水槽の中で様々な色でライトアップされていました。背景の光源が美しい玉ボケとなって写っていますね。ふんわりとぼかす事で幻想的な雰囲気に仕上がります。  水族館撮影では反射を無くすために水槽にレンズをくっ付けて撮ることがほとんど。そこに向かって近づいてきた魚にも、最短撮影距離の短いFE 35mm F1.4 GMはしっかりとピントを合わせてくれるので単純に撮影のチャンスが増えます。しかも、F1.4の明るさがあるので最近の水族館撮影ではこのレンズ1本だけ持ってでかける程のお気に入りのレンズになっています。

まとめ

 小型軽量でこれだけの美しいボケ描写と圧倒的な解像感。様々な場面で活躍するレンズなので一度使うと手放せないレンズです。普段のお家でのシーンやお散歩シーン、おでかけ先の美しい景色と一緒の愛犬愛猫写真をこのレンズで撮ってみてはいかがですか。 ■写真家:小川晃代  トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ペトグラファーの小川晃代さんがFE 35mm F1.4 GMのレビューをしています。可愛いペットの作例と共にぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー(Sony) レンズ,FE 35mm F1.4 GM,単焦点レンズ,レビュー, ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: ニコン Z fc レビュー|持って、撮って、見せて楽しめるミラーレスカメラ BASENAME: 483661088.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 10/10/2021 10:00:00 TAGS: Z fc,ニコン(Nikon) ボディー,APS-C,ミラーレスカメラ ----- BODY: ニコン Z fc.jpg

はじめに

 「ニコン FM2」にインスパイアされたクラシカルなデザインで、発表と同時に話題となった「Nikon Z fc」。「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」のズームレンズがセットになった「Z fc 16-50 VR SL レンズキット」は7月23日に発売され、「NIKKOR Z 28mm f/2.8」の単焦点レンズがセットになった「Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット」は、ようやく10月1日より発売となりました。  筆者が予約したセットはこの単焦点レンズキットでしたので、記事執筆時はまだ自分の機材は手元にないのですが、広報機をお借りできましたので、ポートレートのスチールとムービーでレビューをお送りいたします。

ファッションの一部になるクラシカルデザイン

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■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8 ■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO125 WB:5000K ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:辻美咲
 本機を語るのでしたら、まずそのデザインについて言及したくなります。一見すると銀塩カメラのようなフラットな形状のボディ、黒とシルバーの色味も安っぽくないのが好印象。ペンタプリズム部のデザインとNikonの刻印文字は、ノスタルジックな気分を盛り上げてくれますし、アルミ削り出しのダイヤルは操作する楽しみを増してくれます。個人的には、円形の接眼目当ての採用がかなり嬉しいです。  また、「NIKKOR Z 28mm f/2.8」との組み合わせで約605gと、気軽に持ち歩ける重さなのもポイントが高いです。軽くて嬉しいのは、首から下げて歩くことが多くなりそうだから、という理由もあります。この可愛らしい外観でしたら、バッグにしまわずにファッションの一部として使いたくなります。

ポートレート・ショート・ムービー

■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8 ■モデル:辻美咲
 動画は、4K UHD/30pをクロップ無しで撮影できますし、ジンバルを使った低い位置での撮影に便利なバリアングル式画像モニターや、瞳AF/動物AFの搭載、フルHDであれば120pのハイフレームレートの撮影が可能なことや、ソフトがなくてもカメラ内でスローモーション動画を撮影できたりと、動画撮影に必要なひと通りの機能が搭載されています。  そのなかでも、本機で動画を楽しむのでしたらぜひ使っていただきたいのが「アクティブD-ライティング」と、「クリエイティブピクチャーコントロール(Creative Picture Control)」です。  「クリエイティブピクチャーコントロール」は、静止画と動画の色味や鮮やかさなどの雰囲気を、ワンタッチで変えられる画作り設定機能です。撮影後にカラーグレーディングを行って、イメージに合うように色味を編集するのもいいのですが、カメラが生み出す色味をそのまま動画にするのは、そのカメラを使う楽しさのひとつだと思います。  また、「アクティブD-ライティング」は白とび、黒つぶれを軽減してくれる機能で、静止画撮影では多用しています。動画撮影時も、天気のいい日にポートレートムービーを撮るときは、明暗の差が出すぎないように「標準」か「強め」に、街中の光と影を強調したいときは「弱め」か「なし」に設定して、輝度差をコントロールすると、より自分のイメージに近い動画を簡単に撮ることができます。  今回は、「クリエイティブピクチャーコントロール」を多用して、ノスタルジックながらも、ちょっとコミカルなイメージに仕上げてみました。足のカットだけ、ソフトを使用してハイスピードにしています。

シャッターチャンスを逃さない瞳AF機能

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■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8 ■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO100 WB:5000K ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:辻美咲
 ポートレート撮影でやっぱり便利だなと思えるのは、瞳AF機能です。正面はもちろん横顔も、後ろを向くと頭を人体として認識するので、振り向いた顔にすぐピントが合い、シャッターチャンスを逃しません。  また、街中でのポートレート撮影はカメラボディやレンズによって注目を浴びることもあるのですが、「Nikon Z fc」と「NIKKOR Z 28mm f/2.8」のセットで撮影をしていると、商業的ではなくライトな撮影に見えるので、道行く人の足を止めることもなく、自然な街の情景の撮影が行えました。

安心の高画質性能

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■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8 ■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO200 WB:5000K ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:辻美咲
 画質の綺麗さは言うに及ばず。可愛らしい外観には似つかわしくないほど、しっかりとした性能がボディに詰まっています。画像処理エンジンはEXPEED 6を採用。常用最高ISO感度は51200で、薄暗いシーンでもノイズを抑制したクリアーな描写を得られます。Z 6II、Z 50を所持している筆者が安心して使用できる高画質性能でした。

遊び心のある「クリエイティブピクチャーコントロール」

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■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8 ■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO200 WB:5000K クリエイティブピクチャーコントロール:レッド ■モデル:辻美咲
 こちらは「クリエイティブピクチャーコントロール」のレッドを使用しました。この「クリエイティブピクチャーコントロール」は動画でも使用しましたが、ワンタッチで写真のムードを変えられる便利な機能で、ニコンが開発した様々な色味を体験できます。  このレッドは、単に赤色が乗るだけではなく、退色したフィルムのようなノスタルジックな画にしてくれるので、スナップで多用しているモードです。写真は、そこにあるものを正確に写し取ることも大切ですが、遊び心のあるカメラなら、撮影も遊び心満載で行いたいなと思いました。  モードの切替などの設定は、背面液晶のiメニューからタッチ操作で変えられるので、液晶や電子ビューファインダーで確認しながら、簡単、気軽に行えます。

やっぱりピカイチ!ニコンの電子ビューファインダー

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■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8 ■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO200 WB:5000K クリエイティブピクチャーコントロール:ピュア ■モデル:辻美咲
 今回、Zシリーズ初のバリアングル式液晶モニターを搭載しています。Z 50のような下方向のチルト式ですと、三脚に干渉してしまって自撮りのときに不便を感じていたのですが、本機でそれが解消されました。バリアングル式液晶モニターは自撮りだけなく、静止画、動画共にローアングル撮影時にも使用するので、今ではなくてはならない機能となりました。  また、ニコンの特徴として、電子ビューファインダーの見え方が素晴らしく綺麗だということがあります。これは本当に、カタログスペックを見るよりも、とにかく実機を覗いて見ていただきたい綺麗さなんです。普段液晶モニターを見ながら撮影している方も、ニコンのカメラなら、電子ビューファインダーを覗いて撮影したくなること間違いなしです!

デザイン性だけではなく操作性も向上させたダイヤル類

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■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8 ■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO125 WB:5000K ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:辻美咲
 デザイン性だけでなく、操作性の向上にも一役買っているのが、カメラ上部の3つのダイヤルです。ISO感度、シャッタースピード、露出補正を天面のダイヤルで変更できるので、基本的な操作系統がまとまって使いやすくなっています。  特に、カメラを初めて持って、これから写真を始めようという方には、この3つが目に見える位置に物理ダイヤルとして存在しているのは、わかりやすくて便利だろうなと思いました。筆者はポートレート撮影はマニュアル露出で行うことが多いので、ISO感度とシャッタースピードをダイレクトに変更できるこのデザインはとても便利でした。

Z fcにぴったりなクラシカルデザインの単焦点レンズ

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■使用機材:Nikon Z fc+NIKKOR Z 28mm f/2.8 ■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO400 WB:自然光オート ピクチャーコントロール:ポートレート ■モデル:辻美咲
 今回使用した「NIKKOR Z 28mm f/2.8」も、「Nikon Z fc」が「ニコン FM2」にインスパイアされたデザインなのと同様に、「ニコン FM2」発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたヘリテージデザインとなっています。特徴的なローレットや、存在感の大きなコントロールリングなど、「Nikon Z fc」と併せて持ちたいレンズ外観に仕上がっています。  28mmという画角なので、使用するボディによって見え方がガラリと変わるのが、このレンズの特徴です。FXフォーマット機で使用すれば、空間の広がりを表現できる広角画角のレンズとなり、DXフォーマット機で使用すれば焦点距離42mm相当(35mm判換算)なので、今回のようなボケを活かしたいポートレートでの使用が楽しい、標準画角のレンズとなります。  ステッピングモーターを使用しているので、駆動音や操作音を気にしないで動画撮影時ができるのも、大きなメリット。個人的には、非沈胴式なのも好みです。  「Nikon Z fc」は「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」のズームレンズがセットになった「Z fc 16-50 VR SL レンズキット」も試用しましたが、単焦点好きな筆者としては、クラシカルなデザインも手伝って、本レンズとのセット「Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット」のほうが、やっぱり好みだなと感じました。  このデザインでしたら、きっとオールドレンズも似合うんでしょうね。まだ手元には届いていませんが、試用してさらに夢が広がりました。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。

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はじめに

 皆さんこんにちは。今回はSFのような世界観の写真が撮れる?というテーマでお話ししたいと思います。SFというと科学が進んだ未来の社会とか宇宙とかを舞台とする、映画のような空想的な世界を指しますね。私たちのリアルな日常の世界にも沢山の不思議な人工物や珍しい自然現象がありますので、それらを上手く作画するとSFの一場面のような作品が撮れることがあります。  また、ご存知の通り、写真は光で描く表現方法です。その光を思い描いたように自在に操る手法を使えばよりインパクトのある、印象的な作品が撮れる可能性が大きくなります。今回はそんな非現実的な写真を撮るには、どのようにアプローチすればよいかを考えてみました。

空想=非現実な世界観

 SFというと筆者は最近のSFX映画を想像するのですが、現実の世界でもそのような場面に遭遇することがあります。下の写真のように塀にユニークな壁画があり、夕方の強い黄色い光で非現実的な表現を試みました。強い赤色の壁画に負けないくらいの強い赤い色の車が脇役に合うと思い、車が来るまで待機していました。シャッタースピードを遅くして少し車をブラすことで、よりSFの世界観を表現出来ました。
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タイトル:「夕暮れのいざない」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F22 1/25秒 ISO64
 この写真は倉庫の中の窓を撮影したものですが、倉庫内に車用のミラーがあり、その部分を上手く利用してコマ送りのような雰囲気にフレーミングしました。
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タイトル:「セルフポートレート」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F5.6 1/125秒 ISO200

空想撮影のポイント

 SFのような世界観を表現するのには、想像とは違う大きさのモノを入れて撮影することも一つの手段です。作例のように現実離れした大きさの物体(サイコロトイレなんですよ!)を配置することで、不思議な空間を表現できることもあります。木の部分は影になっており、影=黒の背景になりますので丁度いいタイミングで地元の方が通ったときにシャッターを切りました。また、水たまりの映り込みを利用してシンメトリーにしてより不思議感を強調しました。
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タイトル:「ある光景」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F8 1/200秒 ISO400
 こちらは以前、瀬戸内国際芸術祭で展示されていた作品で、そのままの形で現在も使用されているトイレです。巨大なシャボン玉のようなものを表現している現代アートとバイクの対比がとても新鮮に感じシャッターを切りました。奇麗な雲と青空の空気感も出したかったのでこのような表現としました。
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タイトル:「青空トイレ」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F8 1/250秒 ISO200

空想撮影テクニックあれこれ

テクニック1:夜に撮影

 SF写真を表現するのに簡単な方法があります。それは夜に撮影することです(笑)。夜に撮影すると背景が暗くなることが多く、昼間は見慣れた被写体でも怪しく、幻想的に表現できます。  この作例のように、昼間は見慣れた田舎の消防車ですが夜になるとこんな感じに表現できます。また、昼間でもライトを使用したり暗い背景を使用したりすると同じような効果を得られます。
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タイトル:「不安な夜」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/30秒 ISO800
 こちらは金魚ねぶたのライトアップを撮影した1枚。今年もコロナ渦で縮小して開催していたイベントですが、逆に人も少なくじっくりと撮影できました。アクセントが欲しかったので傘を差したシルエットの人物を入れて幻想的に表現してみました。
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タイトル:「ねぶた壁画」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F5 1/10秒 ISO400
 こちらは工業地帯と車の光跡を三脚を立てて長時間露光で表現したものです。肉眼ではこの様には見えませんが、車のライトの光をスローシャッターで取り入れることでこのような表現になりました。
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タイトル:「夜へ」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F5.6 2秒 ISO200
 こちらの作例は神戸のルミナリエです。美しいライトアップに魅了されました。このような大きなライトアップはフレーミングが非常に大切になります。
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タイトル:「未来への希望」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F11 1/15秒 ISO200
 そこにしかない珍しい被写体は時間をかけてじっくり撮影することもお勧めします。この被写体は昔使用されていた太陽望遠鏡で今はモニュメントとして存在しており、昼間はあまり感動しませんでしたので夜にもう一度訪れて星を入れて撮影しました。
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タイトル:「悠久の刻」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ■撮影環境:F1.8 20秒 ISO800

テクニック2:夕暮れ時に撮影する

 この作品は日が沈むタイミングに逆光で撮影したものです。日が沈む頃には影が長く伸び、影の部分を狙うことで非日常的な作品が撮れたりします。
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タイトル:「宇宙人」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 ■撮影環境:F6.3 1/200秒 ISO200

テクニック3:光と影を強調する

 この作例は近所の川ですが、水の流れの波紋がいい感じでしたのでシャッターを切りました。露出補正をマイナスにして、全体的に暗く表現をして波紋の面白さを表現しました。
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タイトル:「ゆらぎ」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ■撮影環境:F2.8 1/640秒 ISO400
 肉眼ではどこにでもありそうな空間に見える古民家の部屋も、光を影を利用してフレーミングするとこのようなSFチックな新しい発見があります。
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タイトル:「とある空間」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ■撮影環境:F3.5 1/320秒 ISO320
 車で走っていて偶然見つけた古いガレージです。もともとはこの色ではないのですが、レタッチで全体的に青くすると私のイメージ通りになりました。
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タイトル:「格納庫」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F10 1/40秒 ISO200

テクニック4:多重露出機能を使う

 最近のカメラにデフォルトで搭載されている機能の一つに、「多重露出」というものがあります。その機能を使うと、簡単にSF的な撮影が出来ますので是非使用してみてください。  今はコスモスが沢山咲いている時期でもありますが、見慣れた風景を撮影することに飽きたら、多重露出機能を使用してみることをお勧めします。この作例では1枚目に花畑を撮影後、2枚目に自分の左手を空にあげて右手でシャッターを切りました。その際、指と指の隙間に太陽を入れることで光条を出してみました。
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タイトル:「マイハンド」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F14 1/100秒 ISO200

テクニック5:魚眼レンズを使う

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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ■撮影環境:F10 17秒 ISO400
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + LUMIX G FISHEYE 8mm / F3.5 ■撮影環境:F7.1 0.8秒 ISO800
 上の作例2点のように、普段の視線より極端にデフォルメされた表現が出来るのが魚眼レンズです。広い空間を1枚に写し入れた印象的な表現ができますので是非使ってみてください。注意することは、魚眼レンズを使用したらこんな風に撮れるかな?という実験的な視点が必要となります。

作品にタイトルを付けてみよう

 SFチックな表現の作品には幻想的なタイトルが似合いますので、作品タイトルも重要となります。また、写真コンテストなどにも応募するのには絶対に欠かせない要素です。  こちらは吉野川のシラス漁を撮影した1枚です。よく見受けられるのが、あるがままをタイトルとしている方がおられます。この作品はタイトルを「シラス漁」よりも自分がどう見えたのかどう感じたのかが重要となり、タイトルのヒントにもなります。私には宇宙船のように見えましたので、タイトルは「宇宙船」としたほうが良いと思いました。
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タイトル:「宇宙船」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F4 1/100秒 ISO6400
 この作品は「沈む太陽」を撮影したものですが、人物をわざとシルエットにして太陽を二人の隙間に入れこんだ作品です。二人の距離感というものを感じましたので、タイトルは「二人」ということにしました。タイトルを出来るだけシンプルにすることで、自分の作品を見る人それぞれに考えてもらえる余地を残すことも大切です。
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タイトル:「二人」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F9 1/800秒 ISO100
 この作品は最近撮影した彼岸花ですがこの日は気温が高く、昆虫も沢山居ました。そのなかでじっと動かず獲物を待っている蜘蛛を見つけました。蜘蛛の糸の張り方が標識のように見えたので、均等に花の茎を配置して作画しました。主役は「彼岸花」ではないので、タイトルは「獲物待ち」としました。
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タイトル:「獲物待ち」 ■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro ■撮影環境:F2.8 1/125秒 ISO200

空想撮影におすすめのカメラ機材

 SFのような写真を撮影するのには特別な機材は必要ありません。あくまで自分の所有している機材で十分だと思います。最近ではスマホカメラでも十分奇麗な写真が撮影できますが、望遠でより大きく撮影したり被写体に近寄ってクローズアップしたりするような撮影は、まだまだ専用カメラに分がありますね。  筆者が使用しているミラーレス一眼カメラは、文字通りミラーが無いためファインダーから目を離さずに撮影画像を確認でき、被写体に集中できるメリットが素晴らしいです。また、カメラ本体に強力な手ぶれ防止機能がある機種が多く、暗い場所でも三脚いらずで撮影できます。そしてミラーが無い分、本体は小さく軽量で撮影がしやすいです。
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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO(画像はオリンパスHPより)
 使用したレンズは、主に高倍率ズームのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROです。このレンズは接写も得意とするレンズで、様々な撮影に使える便利さがあります。しかも、OM-D E-M1 Mark IIIに装着するとなんと7.5段という手ぶれ補正効果を発揮します。筆者は夜景撮影で手持ちでのシャッタースピード2秒でも手ぶれしませんでした!
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M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO(画像はオリンパスHPより)
 もう1本、よく使用している魚眼レンズを紹介します。M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROです。上記の作例のようにデフォルメされた仮想現実のような世界観を表現するのにも最適ですし、広角レンズの代わりにもなる、一石二鳥のレンズなのです。

まとめ

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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F4 1/80秒 ISO200
 いかがでしたでしょうか、被写体を求めてわざわざ遠くへ行くことも大切ですが、逆に遠くへ行かずとも身近な場所でもリアルSF(空想)的な写真を撮影できることが理解いただけたと思います。皆さんの新たな表現手段として参考になれば幸いです。 ■写真家:虫上智 1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。 日本写真家協会(JPS)会員。日本写真講師協会 認定フォトインストラクター。フォトマスターEX(総合)。オリンパスカレッジ講師。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の虫上智さんに、SFの世界を表現するような写真撮影テクニックを解説いただきました。光を利用して幻想的な表現を楽しんでみませんか。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,オリンパス,OLYMPUS,OM-D ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: ニコン Z fc レビュー|熊切大輔 BASENAME: 483769602.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 熊切大輔 DATE: 10/12/2021 16:00:00 TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,スナップ,APS-C,ミラーレスカメラ ----- BODY: ニコン Z fc レビュー|熊切大輔

シャッターチャンスとカメラの関係

 シャッターチャンスに強くなる方法。それはカメラがすぐにシャッターを押せる状態にあることです。当たり前ですが、ここが一番重要なのはおわかり頂けると思います。首からいつもカメラが下がっている状態が理想的です。  ではいつも首から下げたくなるカメラ、とはどんなものでしょう。当然サイズは小さく軽く、そして何よりデザインの良いカメラでファッションの一部にもなるような格好の良さが重要です。撮る楽しみと同等に持ち歩く楽しみがある。そんなカメラがZ fcなのです。 KK2_0370.jpg

ニコン Z fcについて

 フィルムカメラの名機FM2を彷彿とさせるボディデザインは往年のファンはもとより、若い世代にもかっこよく新鮮に感じられるのではないでしょうか。  ダイヤル類もアナログ式になっていますが、これは単にデザイン的に昔風になっているだけではありません。スイッチOFFの状態でも首から下げた時に上から見て、設定がひと目で分かる利便性も兼ね備えているのです。もしかすると、液晶画面で設定を確認するよりも直感的に設定を理解できるかもしれません。ちなみにダイヤル類は回した時の感触、トルクをそれぞれ微妙に変えるなど、細部に渡ってアナログ的なこだわりのある作りとなっています。 KK2_0491.JPG  そんな撮ること・持ち歩くことが楽しくなるカメラ、Z fc。7月23日のZ fc 16-50 VR SLレンズキットとボディの販売から予想以上の反響があったようで、NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Editionレンズキットの登場が少し遅れていましたが、いよいよ2021年10月1日に待望の発売となりました。 KK2_0382.jpg  そこで私のオススメのZ fcの使い方を一つお話します。それはZ fc-GR1 (エクステンショングリップ)を装着することです。  本体は445gと小型軽量が特徴となっていますが、かなり個人的な感覚かもしれませんがボディの持つ雰囲気、イメージよりも軽く思えるほど軽量なのです。そこに約84gのエクステンショングリップを装着することで、イメージ通りのしっくり来る重量感になります。  加えてやや上重心なボディバランスも下にさがって、安定感がぐっと増してきます。当然小さなグリップですが指掛かりも断然良くなり使い勝手がよくなります。普段小型カメラにあえてグリップを付けない派の私ですが、サイズ感に大きく影響しないモノとしての質感と、利便性を強く感じられるエクステンショングリップはオススメのアイテムです。 KK2_0390.jpg  今回ボディと共に大きな注目を集めているのが、もう一つのキットレンズとなったNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)です。ボディ同様FM2と同時期のマニュアルレンズにインスピレーションを受けた鏡胴デザインは、当然の様にZ fcにピッタリマッチしています。  今までリリースされたZシリーズの単焦点レンズは比較的に長めのサイズとなっていましたが、この28mmは小型軽量になりZ fcの小型ボディとのサイズバランスが絶妙にとれている印象となっています。  開放F値は2.8ですがそのレンズ表現は優秀で、タップリとしたボケ味も十分楽しむことができます。0.19mまで寄れる近接撮影能力を活かして遠近のギャップをつけて、よりボケ味を楽しむ構図で撮影してみました。
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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/100
 合焦面の高精細な画から柔らかくボケていく表現はメリハリの効いた美しい描写能力を持っていることがわかります。ちなみに、画角を合わせてもう一つのキットレンズNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRでも撮影してみました。
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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:ISO400 F4.8 SS1/125
 当然開放値が違いますのでボケ味に関しては比較的弱めです。しかし、コンパクトなDXキットレンズですがこちらもキレとボケのバランスが想像以上に良く優秀なレンズであることがわかりました。NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRには4.5段効く手ブレ補正効果を発揮する光学式VR機構も内蔵しており、こちらも手に入れたいレンズに仕上がっています。そんな2本のレンズとZ fcを持って街を切り撮ってみました。

ニコン Z fc 作例

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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:ISO400 F5.6 SS1/125
 DX(APS-C)フォーマットのセンサーに対して画質的にネガティブなイメージを持っている方も中にはいらっしゃると思いますが、心配は無用です。切れのある高精細な画を切り撮ることが出来ます。都電に乗って王子の飛鳥山公園に行きました。SLが展示しておりそのメカメカしい機関部分に心惹かれシャッターを押しました。真正面から平面的に撮ることによってデザインが効いた構図になります。
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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:ISO400 F5 SS1/1000
 Z fcはZシリーズ初のバリアングル液晶モニターを採用しました。動画で画像確認しながらの収録用はもちろん、スチールでは縦位置でのアングル変化も出来るようになるなど撮影フィールド、表現が更に広がりました。日本橋の福徳神社は車止めも鳥居の形をしています。地面スレスレのローアングルで捉えると本物の鳥居とダブルでくぐるお子さんが楽しそうに写りました。
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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:ISO400 F5.6 SS1/200
 水面反射もローアングルが効くシーンです。よりクリアに多くの情報を写し込むには水面ギリギリを狙いたいところです。クリアな二重世界が不思議な一瞬を生みだしました。
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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:ISO200 F2.8 SS1/200
 当然ハイアングルの表現も広がります。チルトではカバーできなかった真下に液晶を向けたアングルなど、高所のフォトジェニックな被写体も捉えることが出来ました。
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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:ISO400 F5.6 SS1/200
 悟ったようにこちら見ているような猫に出会いました。Z fcは動物AFもしっかりと対応。機能的にZシリーズの上位機種から見劣りすることはありません。28mmはS-Lineレンズ以外で初のマルチフォーカス方式を採用。動き物もスムーズでスピーディかつ高精度にピントを捕まえてくれます。
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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:ISO1600 F2.8 SS1/4000
 高感度は常用ISO51200と余裕のある高感度描写を実現しています。ISO1600、3200あたりの「使える高感度」の画質は全く問題なく暗所での撮影も躊躇なく挑めます。夕暮れの巣鴨地蔵通りの大きなこけしの柔らかい明かりが灯りました。
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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:ISO400 F2.8 SS1/800
 像面位相差AFとコントラストAFを自動的に切り換え、素早く高精度にピント合わせを行うハイブリッドAFは瞬間的に現れる被写体に的確に対応してくれます。提灯と風車の間の一瞬を捉えました。スナップの瞬間性を活かした画作りを後押ししてくれます。
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■使用機材:ニコン Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition) ■撮影環境:ISO1600 F2.8 SS1/1000
 カメラがノスタルジックだとそれに合わせた画作りをしたくなります。フィルムの頃を思い出し、モノクローム専用機にするのも楽しいかもしれません。Zシリーズ全般でおなじみのクリエイティブピクチャーコントロールもすべて楽しむことが出来ます。カーボンモードにして飲み屋街をハードボイルドに写してみました。

まとめ

 シンプルにカメラが持ち歩きたくなるような物であれば、シャッターを押す回数は自ずと増えていきます。カメラが違うだけでこんなにもシャッターチャンスに巡り会えるのか、モチベーションを上げてくれるカメラを持った人は必ず実感できるはずです。  技術も大事ですがまずは身近に写真のある生活を楽しんでいただきたい。そうすれば自ずと素敵な作品をご自身が撮ることが出来る、そう思います。初心者もベテランも同じ様に撮影を楽しめる、そんな写真ライフのパートナーにピッタリのカメラがこのZ fcだと思います。 ■写真家:熊切大輔 東京生まれ。東京工芸大を卒業後、日刊ゲンダイ写真部を経てフリーランスの写真家として独立。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。 スナップで街と人を切り撮った写真集「刹那 東京で」を2018年に発売と共に写真展を開催。2021年には写真集&写真展「東京美人景」そして「東京動物園」の三部作で東京の今を撮り続けている。 公益社団法人日本写真家協会理事

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■ニコン Z fc 開発者インタビュー|話題のミラーレスカメラを徹底解説 https://shasha.kitamura.jp/article/482954090.html ■ニコン Z fc レビュー|上田晃司 https://shasha.kitamura.jp/article/482757772.html ■ニコン「Z fc」はブラブラスナップが面白い!|三井公一 https://shasha.kitamura.jp/article/483182915.html ■ニコン Z fc レビュー|持って、撮って、見せて楽しめるミラーレスカメラ https://shasha.kitamura.jp/article/483661088.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の熊切大輔さんによるニコン Z fcのレビュー記事です。NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Editionと一緒に撮影されたスナップ作例と一緒にご連絡ください。 ----- KEYWORDS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,レビュー,スナップ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー FE 50mm F1.2 GM×動画クリエイター DAIGEN|異次元の映りでポートレートムービーに最適! BASENAME: 483743647.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: だいげん DATE: 10/13/2021 16:00:00 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 50mm F1.2 GM,動画クリエイター,ポートレート(人物),単焦点 ----- BODY: 00_ソニー FE 50mm F1.2 GMでの作例.jpg

はじめに

~2021年11月20日にだいげん氏によるセミナーが開催されますのでご参加希望の方は文末の案内を是非ご覧ください。~  本日はソニー FE 50mm F1.2 GMの動画撮影での描写や基本性能についてご紹介いたします。本レンズを今回はじめて使用してみて、今まで使ってきたレンズとは少し毛色が違う、とても素晴らしいレンズという印象を受けました。まずは作例がありますのでご覧ください!
 作例はいいかがでしたでしょうか?今まで色々なGMレンズを使ってきましたが、ソニー FE 50mm F1.2 Gは、今まで使ってきたGMレンズのどれにもない感じの映りをしてくれるレンズだと感じました。 ※今まで使った事のあるGMレンズ:FE 24mm F1.4 GM、FE 16-35mm F2.8 GM、FE 35mm F1.4 GM(借りて利用)、FE 85mm F1.4 GM(借りて利用)。 00_ソニー FE 50mm F1.2 GMでの作例.jpg

GMレンズとは?

 ソニーのレンズは3つのブランドに分かれています。 ・ZEISSレンズ ・・・ カールツァイスとソニーが共同開発しているレンズ ・Gレンズ   ・・・ 解像度とボケ味にこだわった優れた表現力が特徴 ・GMレンズ   ・・・ 高い解像力となめらかなボケ味を高次元で両立させた最高峰のレンズ  今回紹介したGMレンズはソニーが持つ技術力を全て集結させたレンズで、フォーカスの精度はもちろん、解像感を保ちながら綺麗なボケを出せるといった両立が難しいと言われている表現を、とことん突き詰めてつくられたレンズとなっています。 02_ソニー FE 50mm F1.2 GMでの作例.jpg  今回使ってみて、最もこだわって作られたGMレンズの中でもさらにひとつ抜けた存在であるという印象を受けました。

ボケ感

 特に良いなと感じた部分はボケ感です。今まで使ってきたレンズの中で最も明るいF1.2というレンズなのですが、ここのF値が小さいと背景もトロトロにボケていて背景に何があるか分からないぐらいの表現になります。 03_ソニー FE 50mm F1.2 GMでの作例.jpg 01_ソニー FE 50mm F1.2 GMでの作例.jpg  大きなボケが出来るのも良いのですが、フォーカスが合っているところとそれ以外がナチュラルにボケていってるのもキレイなボケを作る要素のひとつなんだな、というのをこのレンズを使って再確認しました。 04_ソニー FE 50mm F1.2 GMでの作例.jpg  玉ボケに関しては、丸くてナチュラルで没入感が高いボケ、凄く気持ちの良いボケ感を出してくれています。  映像を作る時にボケ感が全てというわけではないと思いますが、表現の幅が広がる事は間違いありません。ボケの量をコントロールすることで、画面内の情報量をコントロールすることもできたりするんですよね。背景が大きくボケているカットと、そうでないカットを並べてみましたのでご覧ください。 05_ボケ量の比較.jpg  左側の背景がそこまでボケていないカットでは、今どういう場所で撮影しているのかがしっかり伝わります。一方で、右側の背景が大きくボケているカットでは場所の情報量は少なく被写体へ意識がフォーカスされます。伝えたい事、フォーカスしたいことをしっかりと表現できるというのもF値が小さくて大きなボケ感を出せるレンズの魅力ではないでしょうか。  玉ボケも丸くてキレイに出ていますね! 06_ソニー FE 50mm F1.2 GMでの作例.jpg 07_ソニー FE 50mm F1.2 GMでの作例.jpg

AF性能

 カメラ本体の性能も影響していると思いますが、今回の作例のような暗い場所での撮影、そして動きの速い被写体の撮影であってもフォーカスを外すシーンは殆どありませんでした。瞳オートフォーカスの精度もバッチリです!顔を振っても激しく動かしてみても前後に動いてみてもフォーカスを外すことなく撮影できますので、これからカメラを始めようと思っているビギナーの方にも安心して使えるレンズだと思います。

フォーカスブリージング

 フォーカスブリージングとは、ピントの合う場所が変わると画角が若干変わってしまうことです。レンズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。FE 50mm F1.2 GMレンズのブリージングを見てみましょう。フォーカスの合う位置を手前・奥と変えてみても、そこまで大きなブリージングは出ていないように感じます。
 ブリージングは写真を撮る方に関してはそこまで気になるところではない思いますが、動画を撮る方にとっては被写体が動く度、フォーカス送りをする度に画角が動いてしまうと映像への没入感が損なわれ易くなってしまいますので、とても気になるところだと思います。

レンズスペック

FE 50mm F1.2 GMのスペックはこちらをご覧ください。 ・レンズ構成:10群14枚 ・開放絞り:F1.2 ・最小絞り:F16 ・絞り羽根枚数:11枚 ・最短撮影距離:0.4m ・フィルター径:72mm ・質量:約778g  最短撮影距離は短く、結構寄って撮る事ができます。ここも撮影表現を拡げる嬉しいポイントですね。質量は結構ずっしりしていますが、今回FX3に装着して撮影したところバランス感は非常に良かったです。α7Cなどコンパクトサイズのカメラと組み合わせると、カメラ本体自体が軽いのでフロントヘビーになって少し使いにくい(バランスが取りにくい)かなっていう感じる方もいらっしゃるかもしれません。 08_説明画像.jpg  ただ、重さの割にレンズの長さがそこまで長くないので、例えばジンバルでのバランス調整はそこまで難しくないように感じます。レンズの長さがあるものに比べると重心が中心にき易くなってますので、比較的重さは感じにくいデザインになっているのかなと思いました。

まとめ

 今回はソニー FE 50mm F1.2 GMレンズを紹介しました。このレンズは今年使ったレンズの中で1番感動したレンズです。購入しようか迷っている方は1度カメラのキタムラの店舗に行って試してみると、心がだいぶ購入の方に傾いてしまうんじゃないかと思います(笑)  この内容は私のYouTubeチャンネル「DAIGEN TV」でもご紹介しています。ぜひ合わせてご覧いただけますと幸いです。

ソニー FE 50mm F1.2 GMのレビュー記事はこちらでもご覧頂けます。

■ソニー FE 50mm F1.2 GMレビュー|山本まりこ https://shasha.kitamura.jp/article/482798999.html ■ソニー FE 50mm F1.2 GM レビュー|葛原よしひろ https://shasha.kitamura.jp/article/481333517.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ソニー FE 50mm F1.2 GMを動画クリエイターのだいげんさんがレビューしています。ポートレートを撮影した動画作品と合わせてご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,レンズ,FE 50mm F1.2 GM,人物,ポートレート,動画クリエイター,vlog,動画作品,だいげん,DAIGEN TV ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 料理写真をうまく撮るコツとは?サルデーニャ料理でトライ!|山口規子 BASENAME: 483836904.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山口規子 DATE: 10/14/2021 16:00:00 TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,ニコン(Nikon) レンズ,撮影テクニック,静物/物撮り/料理 ----- BODY: 00_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理.JPG

はじめに

 旅先や自宅で、料理写真を撮った時、「あれ?なんか、美味しそうじゃないなあ」と思った経験はありませんか?今日は料理写真をうまく撮るコツをいくつかお教えします。今回はイタリアのサルデーニャ料理を、料理研究家の山内千夏さんに作っていただきました。  まずは、サルデーニャ島のことをちょこっとだけ。「サルデーニャ島ってどこ?」サルデーニャ島は地中海に浮かぶイタリア領土の島。面積は四国の1.3倍、地中海で2番目に大きな島です。昔から異国の船が立ち寄り、様々な文化を吸収しながら独自の文化を作り上げ、人々は自分たちのことをサルデーニャ人と言い、料理はサルデーニャ料理と呼びます。またパスタの種類は村の数ほどあると言われており、今回作っていただいたパスタは「マロレドゥス」といい、島でよく食べられている伝統的なパスタ。平かごの網目に生地を押しつけて、コロンと転がし、筋の模様をつけます。この筋にソースがからんでパスタ全体が美味しくなります。  今日のメニューは「マロレドゥスのサルシッチャソース」「ムール貝のパン粉焼き」、銅鍋で作る「蒸しナス」、祝日のドルチェ「パバッシーニ」。作っている様子も楽しかったので、撮ってみましたよ。

レンズ選びとレフ板

 まずはレンズ選び。近づけるレンズ、マイクロレンズがお勧めです。マイクロレンズを持っていない方は、被写体に寄れる撮影最短距離が短いレンズで、焦点距離は50~100mmぐらいのレンズを使いましょう。また影を薄くするために反射板、リフレクションボード、通称「レフ板」があると便利です。レフ板は手作りでも簡単にできます。A4サイズの厚紙、もしくはA4サイズぐらいの段ボールを2枚用意し、そこにコピー用紙などの白い紙を全面に貼ります。その2枚の1辺をセロテープやガムテープで貼り、本を開くように垂直に立てば出来上がり。被写体側に白い部分を当てます。作るのが面倒な人は、ぜひカメラのキタムラへGO!  今回はNikon Z 6IIにマイクロレンズ「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」と、「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」を使用しました。
01_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/8 1/25秒 ISO1000
02_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/4 1/50秒 ISO400 絞りを大きく開いてふんわり系に撮影
03_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/16 1/2秒 ISO400 絞りを小さく閉じてカッチリ系に撮影
04_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/6.3 1/40秒 ISO800
05_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/6.3 1/40秒 ISO800

光の選び方

 自然光が入る窓際がお勧めです。ご自宅の場合は窓際にテーブルを寄せて、窓が自分の右側か左側に来るように立ちます。いわゆる横からの光で撮ります。すると窓がない側に影が落ちるので、そこで先程のレフ板を立てて活用します。窓がない方に置くときに白い紙を貼った部分をお料理にあててください。またレストランなどでは、必ず窓際のテーブル席を希望しましょう。  窓のないレストランでは、天井を見上げて照明の光源の種類を確認します。電球なのか?蛍光灯なのか?それによってカメラのホワイトバランス(以下WB)の設定を変えてくだい。よくある失敗パターンは、WBが太陽光に設定されたままで、電球の下で撮ると、オレンジっぽく赤くなってしまうパターンです。最近の照明は光源がわからない場合があります。そんな時はWBをいろいろ変えて撮ってみましょう。
06_撮影中お窓とレフ版の位置を説明ひている画像.jpg
窓の位置とレフ板の位置
07_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/4.5 1/80秒 ISO800
08_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:f/5.6 1/60秒 ISO400

構図の作り方

 構図は一番センスが問われる部分です。お皿など全て入れて写そうとせず、ポイントを自分で決めて、余分な部分は画面から排除します。いわゆる切り取り構図。ポイントはケーキの上にちょこんと乗ったハーブだったり、ラーメンの上の煮卵だったり、自分でポイントを決めることが大事です。そして構図は潔く切り取る、削除法を心がけます。  また、カメラアングルも構図に大きな影響を与えます。分厚いステーキなどはアングル低めの方が迫力あり、ピザのような平らなものはアングル高めにするなど、料理の高さによって、アングルを変えます。
09_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/5.6 1/50秒 ISO100
10_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:f/4 1/100秒 ISO5000
11_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:f/4 1/800秒 ISO5000
12_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/3.2 1/320秒 ISO800

最後のアドバイス

13_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ■撮影環境:f/16 1/4秒 ISO800
 私たちプロ写真家の間では「料理は1分で死ぬ」と言われています。それは簡単にいうと「料理は出来立てが命」、だから「素早く撮る」ことです。時間が経つにつれ、刻々と料理も変化します。アイスクリームが解けてきたり、カレーのルーが固まってきたり、味噌汁の具が沈んできたり、ラーメンの上に乗っている海苔がふにゃふにゃになったりします。コツは、 (1)すぐ取れるようにカメラ機能の設定はしておく (2)F値を決めておく(被写界深度浅めでふんわりと、または被写界深度深めで全カッチリ系など) (3)お皿の置く場所も決めておく (4)背景の要らないものは排除しておく (5)頭の中でその料理をイメージしてカメラアングルもほぼ決めておく (6)おいたら素早く撮りたいポイントにピントを合わせ、すぐ撮る (7)余裕があるときは、アングルを高くしたり低くしたり、縦位置横位置も撮って、いろんなバリエーションを撮る。  そして、一番大事なのは撮るときの気持ちです。「美味しそう!」と思わないとやっぱり「美味しそう!」には撮れないものです。気持ちを大切に~。  しかしながら、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは、ボケが綺麗だし、ピントはシャープだし、手ブレ補正機能も付いているし、めちゃくちゃいいレンズ!これは、買いですね! ■料理協力:山内千夏(やまのうちちなつ) 料理家。イタリアへ料理留学後、神奈川県にてイタリア家庭料理教室を主宰。イタリアのマンマが愛情たっぷりに作る滋味あふれる料理を探求している。 ■写真家:山口規子(やまぐちのりこ) 栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会理事。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山口規子さんが料理写真をうまく撮るコツを紹介しています。色味の綺麗なサルデーニャ料理の作例と合わせてご覧ください。 ----- KEYWORDS: 料理,ニコン,Nikon,撮影テクニック,サルデーニャ,山口規子 ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: 屋外撮影で重要な光と構図を考えよう|人気ペトグラファー夫婦が解説! BASENAME: 483726417.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 小川晃代・湯沢祐介 DATE: 10/15/2021 16:00:00 TAGS: 撮影テクニック,犬/猫/ペット ----- BODY: 構図作例6.jpg

はじめに

 暑い夏が終わり気候も良くなってくるこの季節。暑くも寒くも無いこの時期は、屋外での愛犬の撮影を楽しめる時期でもあります。そこで今回はお外で撮影するためのポイント「写真の印象を左右する光と構図」についてお話します。

光の向きを意識しよう

 一つ目のポイントは、写真を撮る上でとても重要な要素である「光」です。光が少ない事が原因で、ぶれてしまったり画質が悪くなったりするので、出来るだけ光の当たる明るい場所で撮る事が重要なのですが、ただ単に光が当たっていればいいというわけでもありません。重要なのは被写体に光がどのように当たっているかです。  光の当たり方によって写真の印象は大きく変わります。天気の良い日はまず太陽がどの位置にあるかをチェックし、被写体と太陽との位置関係を考えてみましょう。この位置関係によって光の当たり方が変わり、影の出方が変わってくるのです。光の方向は大きく分けると、順光、逆光、サイド光、斜光とあります。光の向きによって見た目にどんな違いがあるのか、ペット撮影ではどの光が向いているのか見ていきましょう。

ペット撮影ではどの光を使う?

 まずは順光。順光とは被写体が真正面から受ける光です。顔や体全体にまんべんなく光が当たりますが、これによってストロボの光を直接当てたかのような、影のないペタッとした平面的な写真になってしまいます。また何よりも、正面から光が当たる事でわんこがまぶしい顔をしてしまい良い表情が撮れないので、ペット撮影において順光はなるべく避けた方が良いでしょう。  例外として走っているシーンを撮るときは順光がおすすめです。走りシーンの撮影ではピント合わせの精度が最も重要となります。せっかく撮ってもピンボケでは意味がないですからね。被写体に影の部分が多いとピント合わせが難しくなってしまいますが、順光で被写体にしっかりと光が当たっていればピントが合いやすくなります。ただでさえ難しい走るワンコの撮影では、順光でピントを合わせやすい状態を作ってあげましょう。
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■使用機材:ソニー α7R III+FE 24-70mm F2.8 GM ■撮影環境:f/6.3 1/1000秒 ISO-160 焦点距離70mm ■カメラに向かって来るシーンを順光で撮影。光がまんべんなく被写体に当たっているのでピントが合わせやすい。

実は優秀な逆光

 ペット写真ではふんわり優しい写真が好まれます。やわらかい写真を撮りたい場合は、被写体の後ろ側から光があたる逆光で撮ってみましょう。逆光と聞くと「被写体が暗くなって良くない」と思う方もいると思いますが、実はペット撮影においてもよく使う優秀な光なのです。  下の写真のように後ろからの光を受けて毛の輪郭がキラキラと輝き、とても美しく、神々しく仕上がります。ただそのまま撮ってしまうと被写体が暗くなってしまうので、プラス補正をして撮ると良いでしょう。露出補正は写真全体を明るくするので、元々明るい背景部分まで明るく補正してしまいます。その結果背景が白トビしてしまう事が多いです。  そんな時はレフ板やストロボを使って被写体だけを明るくして撮影しましょう。ストロボはハードルが高い、という方はレフ板がおすすめ。しかもプロ用のしっかりしたレフ板を使わなくても、白い厚紙で代用できます。小型犬であればA3サイズくらいの白い厚紙を用意しましょう。この厚紙に太陽光が当たるように構え、紙で反射した光がわんこの顔にあたるように紙の角度を調整します。こうする事でわんこの顔も明るく照らされ、目の中に白い光:キャッチライトも入るので一石二鳥です。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark IV+EF70-200mm F2.8L IS II USM ■撮影環境:f/5.6 1/320秒 ISO-320 焦点距離168mm ■半逆光+白い厚紙を使って撮影。白い厚紙効果で背景の色もしっかりと出しつつわんこの顔を明るく写せています。さらにキャッチライトも入るから一石二鳥。
 わんこの場合は特にこのキャッチライトの有無で表情が全く違って写ります。より可愛く生き生きとした表情に見せるために、キャッチライトは入っていた方が良いです。最初のうちは反射光をわんこの顔に当てるのが少し難しいと感じるかもしれませんが、厚紙を細かく動かしてわんこの顔が明るくなる角度を見つけましょう。1人で撮影する場合など、厚紙を持ちながらの撮影が難しいという方は、白い洋服を着てわんこの近くで撮影してみてください。白い服がレフ版代わりになってくれますよ。  次にかっこよく撮りたい時の光についてお話します。被写体の横から当たるサイド光は陰影がはっきりと出るので、ちょっとカッコよく撮りたい時におすすめです。コントラスト高めの印象的な作品を撮りたい時はサイド光に挑戦してみましょう。
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■使用機材:ソニー α7R III+FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/2.8 1/2500秒 ISO-250 焦点距離200mm ■サイド光でカッコよく凛々しく撮った例。
 オーソドックスで撮りやすい光は斜光です。順光とサイド光の間の位置の斜光はほどよい影が出来るので、写真に立体感が生まれます。また順光とは違い真正面より少しずれた位置から光があたるため、順光ほどまぶしそうな顔をせずに撮る事が可能です。
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■使用機材:フジフイルム X-T4+XF35mm F1.4 R ■撮影環境:f/1.6 1/8000秒 ISO-160 焦点距離35mm ■斜光は程よい影が出る事で写真に立体感が生まれ、色も鮮やかに写してくれます。

フレーミングのコツ

 同じ景色でもどこをどう切り取るかによって写真の印象は大きく変わります。これをフレーミングと言いますが、慣れないとなかなか難しいものです。愛犬を美しい景色の中で撮影する時、主役の愛犬が引き立つように、そして背景がキレイに入るようにと考える事がいっぱいなので、いざ愛犬を素敵なフレーミングで撮影しようと思っても慌ててしまって上手く撮れなかった……なんて事も多いと思います。  上手なフレーミングのポイントは余計な物を入れない事。あれもこれもと欲張っていろいろ入れ込んでしまうと、写真を見る人があれこれと目を奪われてしまうので、主役のわんこがかすんでしまいます。なるべく余計な物は入れないように背景に目を配りながら、且つわんこが小さすぎにならないように意識してフレーミングしてみましょう。  またカメラを構える位置も重要です。下から見上げるように撮るのか、上から見下ろすように撮るのか等、写したい背景とのバランスでカメラアングルを調整します。ですがペット撮影では愛犬の表情をしっかりと写すためにペットの目の高さで撮るのが基本です。まずペットの目の高さに構え、背景とのバランスを見ながらカメラの向きを調整して撮影しています。

おすすめの構図

 構図はその場の状況に合わせた選択が必要になりますが、構図を全部覚えようとする必要はありません。私たちがペット撮影でよく使うのは「日の丸構図」「二分割構図」「三分割構図」、たまに「S字構図」「放射線構図」と「シンメトリー構図」です。  日の丸構図は主役を真ん中にどんと配置する構図です。なんとなく単調に見えるこの構図は嫌われることもありますが、主役の表情を目立たせたい時には一番ベストな構図です。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark IV+EF70-200mm F2.8L IS II USM ■撮影環境:f/4 1/640秒 ISO-1000 焦点距離170mm ■この子の可愛さを強調するために日の丸構図で撮影。
 美しい背景をできるだけ多く入れ込みたい場合は、二分割構図や三分割構図を使ってみましょう。画面を二分割してその1/2に主役を配置する二分割構図はとても簡単で、主役を右寄せか左寄せ、または上半分か下半分に配置して撮るだけです。こうする事で写真の中に余白が生まれるのでまとまりのよい写真になります。主役を配置するポイントは写真に入れ込みたい背景と、ペットの顔の向きで判断すると良いでしょう。ペットが左右どちらかを向いていたら、ペットの向いている先に空間があるようにして撮ります。これだけで写真の印象はぐっと良くなりますので実践してみてください。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark IV+EF70-200mm F2.8L IS II USM ■撮影環境:f/3.5 1/1250秒 ISO-250 焦点距離200mm ■二分割構図。被写体が少し右向きだったので右に空間を。また背景のグリーンを多く入れこんだ方がキレイという理由から、わんこを左寄せにして撮影しています。
 また、三分割構図は縦と横がそれぞれ三分割になるように線を入れ、線と線が交わった4つの点(交点)のどこかに主役を配置する構図。二分割構図よりも大きな空間が撮れるので、景色を多めに入れたい時におすすめの構図です。実はこの三分割構図、スマホでも構図のアシスト線を普段から出しておけます。スマホの機種によって設定方法は多少異なりますが、設定→カメラ→グリッド線→9分割→ONのように設定すると、カメラを立ちあげた時に画面に線が表示されるようになります。普段からスマホでこの構図を意識して撮っていれば、カメラで撮影する時にも自然と三分割構図で撮れるようになるのでおすすめです。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark IV+EF70-200mm F2.8L IS II USM ■撮影環境:f/2.8 1/1000秒 ISO-400 焦点距離200mm ■三分割構図。右下の交点に主役を配置して撮影。
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■使用機材:ソニー α7R III+FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:f/4 1/500秒 ISO-400 焦点距離200mm ■橋等の奥行きを生かした放射線構図

まとめ

 今回は屋外で撮影するためのポイントについてまとめてみました。これからのおでかけシーズン、光と構図を意識してワンランク上の写真撮影を楽しんでみてくださいね。 ■写真家:小川晃代・湯沢祐介 ペットやキッズの撮影を得意とする夫婦の「ペトグラファー」。トリマー、ドッグトレーナーの資格を持つ小川と、猫じゃらしを持たせたらピカ一!「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ湯沢の最強コンビで、これまでに撮影した頭数は7万頭以上。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。東京都世田谷区でペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーンSTUDIO」を運営。

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 人気ペトグラファー夫婦の小川晃代さんと湯沢祐介さんがペットを撮影する時の構図やライティングのテクニックを解説しています。是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ペット_動物,犬,撮影テクニック,小川晃代,湯沢祐介 ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: 険しき野生の試練 『ヌーの大移動』|サバンナ撮影記 Vol.5 BASENAME: 483754544.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 井村淳 DATE: 10/16/2021 11:00:00 TAGS: サバンナ撮影記,野生動物/動物 ----- BODY: ヌー (4).JPG

ヌーの生態

 ケニアのマサイマラ動物保護区では、毎年7月になるとヌーという名のウシ科の動物がタンザニアから移動してきます。徐々に数を増やし、8月〜9月が最多になります。その数は、総べ100万頭を超えると言われており、ヌーはタンザニアのセレンゲティ大平原などで1年の多くの時期を過ごし2月頃に出産のピークを迎え、間も無くすると移動を始めます。ヌーが移動をするのは、好物の芽吹いたばかりのやわらかい草を食べるためと言われています。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF500mm F4L IS USM+×2 ■撮影環境:ISO400(オート) F9 1/500秒
 アフリカの草原では、茶色く乾いた地に雨が降ると早ければ数日で芽が出て、さらに数日後には一面緑色の地面へと変貌します。ヌーは遠く50キロ先の雨の匂いを嗅ぎつけるそうで、その匂いを追ってたどり着く頃にはちょうど好みの草に育った草にありつけるのでしょう。そして、またタンザニアへと戻っていきます。その総距離は3,000キロもあり、命がけで毎年移動を繰り返しています。その一番の難関は、マサイマラを流れるマラ川を渡ることです。「ヌーの川渡り」と言われ、そのシーンを見るために世界中から観光客も集まってきます。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO400(オート) F4 1/1300秒
ヌー (3).JPG
■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM ■撮影環境:ISO400(オート) F4 1/1300秒
 マラ川はその年や、直前の雨量によって水位が大きく変動します。水量が少ない時は、ヌーの膝くらいまでの流れの中を簡単に渡っていくのですが、通常や水量が多い時は、水面から顔だけ出して泳がなければなりません。川幅はそれほど広くはなく50メートル〜100メートルくらいです。しかし、長い時間をかけて流れで削られ、水面は周囲より低いところを流れ、川岸は崖の様になっています。深いところでは10メートルくらいの急な崖で、そこを落ちる様に下っていくこともあります。その時に足を怪我してしまい、泳げず溺れてしまったり、川の中で待ち構えているワニに捕まってしまうこともあります。
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■使用機材:キヤノン EOS 1DX+EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO100(オート) F5 1/1300秒
 ワニの攻撃をかわしても、渡った先ではライオンが待ち構えていることもあり、怪我してしまうと速く走れないので狙われてしまいます。まさに命がけの一大イベントなのです。マラ川以外にも中クラスの川はいくつもあり、その川を超えるたびに死と背中合わせです。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV+EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO400(オート) F4 1/1300秒
 川渡りは、肉食獣にとってはご馳走が群れでやってくる幸せな時期と言えるかもしれません。それはサバンナの掃除屋と呼ばれる、ハゲワシにも同様で、1万頭を超える様な大きな群れの川渡りの後には、残念ながら溺れてしまって流されていくヌーを何頭も見かけることがあります。ワニやライオンなどの食べ残しだけでなく、川岸に流れ着いたヌーが食べ放題状態になります。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM ■撮影環境:ISO100(オート) F8 1/1000秒
 ヌーの敵は、肉食獣だけではありません。昼間の川にはカバがいます。カバは夜行性で夜になると草原に上がり草を食べる草食動物です。しかし、気性が荒く、昼寝を邪魔されると機嫌が悪くなりヌーを攻撃することがあります。ある時、マラ川を渡り終わった一頭のヌーが、濡れた脚が滑ってなかなか岸に上がれずバシャバシャと水音を上げていると、近くにいた大きなカバがヌーに近づいていき、大きな口を開きヌーの胴体に噛みつきました。何度か噛みつくと、ヌーは次第に力を無くし、やがて川の流れの中に沈んでいきました。カバは動物を食べることはないですが、長い牙を持ち、大きな口で攻撃する怖い動物です。人間が動物に殺されてしまう事故で一番多いのがカバだそうです。それは生活のための水を汲みに行った時に出くわしてしまうことが多いからだそうです。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D MarkIII+EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO320(オート) F4 1/500秒

ヌーの撮影は我慢

 さて、ヌーの川渡りを撮影するには、心構えが必要です。それは、「ひたすらじっと待つ!」ことです。ヌーが川を渡るポイントはいくつもあります。そのポイントをチェックして、たくさん集まっているところを見つけ、そのヌーがどういう状態かを観察します。多くが座っていたり、リラックスしているとしばらく渡らないかなと予想がつきます。何頭も河岸に並んで水面を見つめていると、すぐにでも渡りたいのだなと判断します。  しかし、それも勝手に人間がそう思っているだけで、思う様に事が進むわけでもありません。今にも渡ると思い待っていても、なかなか動きがないこともしょっちゅうです。水際ギリギリまで進み、飛び込むかとカメラを構えていても。水を飲んでまた戻っていくことや、誰か一頭でもビクッとすると、一斉に群れが引き返してしまうこともあります。ヌーはリーダーがいないとも言われていて、誰かが行ったらついて行く的な雰囲気があります。群れの反対側で誰かが歩き始めるとそれについて行き、向こうのほうで渡るのかと思って移動すると、やはりこっちに戻って行ったりを何度も繰り返し翻弄されます。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV+EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO250(オート) F4 1/1300秒
 ヌーは臆病でとても警戒心が強い動物です。見えるところにワニがいれば渡るのをやめてしまいます。かと思っていると、一頭のシマウマが水際までやって来て川を渡り始めると、それについてヌーの群れが一斉に動き出し大規模な川渡りが始まることもあります。しかし、待つときは朝から夕方まで待って結局目の前では渡らなかったということも珍しくはありません。  川渡り狙いの基本的なサファリのスケジュールは、通常のサファリと同じ様に、宿で作ってもらった朝ご飯を持参して早朝に出ます。ヌーが川を渡るのを待ちながら車内で朝食をとり、ランチのために宿に帰ります。3時半頃再びサファリに出ます。しかし、ヌーがいつ渡るかは決まっていません。早朝すぐに渡ることもありますし、昼間の気温が高い時間によく渡るという人もいます。夕方渡ることもあるのでこればかりはヌー次第です。となると、12時を過ぎた頃、決断をしなければなりません。  宿のランチタイムは大概12時半〜14時なので、一度宿に戻るかランチを抜いてチャンスを待つか。ドライバーに相談すると、どちらでもいいよと言ってくれます。ランチが惜しいわけではありません。ドライバーの食事と休憩時間を取らせなければと思うから悩みます。往々にしてランチに戻るとその間に渡ってしまい、待ち続けると夕方まで渡らないなどという結果になるものです。ちなみに、朝ご飯と昼ご飯の両方を持って朝日から夕日までフルデイサファリということもたまにします。
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■使用機材:キヤノン EOS 70D+EF70-200mm F2.8L IS II USM ■撮影環境:ISO100(オート) F9 1/1000秒
 また、ヌーの川渡りを待っていると、他の動物を見に行けなくなります。川渡りを待っている間に、チーターの狩がどこかで行われているんだろうな、ライオンの赤ちゃんがいるかもしれない、などと隣の芝生が気になってしまいます。最近のサファリカーは他の車の無線が聞こえてきたりすると、ヒョウがいたらしいとか、ライオンが何か食べているなど誘惑もあります。「今日はヌー一途に行くぞ!」と決めてひたすら待つという決心が必要になります。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM ■撮影環境:ISO160(オート) F5 1/1000秒
 私はヌーの川渡り狙いでこの時期に10年くらい通っていましたが、その時期はカメラの進化でフィルムカメラからデジタルカメラに切り替わって行く頃でした。フィルムでは感度がISO100でしたから、ヌーが川に飛び込むところなどはよほどの日向でなければ、1/250秒程度で流し撮りにしないとブレてしまったのですが、デジタル化で高感度が使える様になり1/1000秒以上の高速も使え、今まで撮れなかった場面も撮れるという実感を持ちました。
ヌー (11).JPG
■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV+EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/1000秒
 川岸はどこからでも川面が見えるわけではありません。川の周辺には木が茂っていることも多く、隙間を見つけて狙うようになります。車1台がかろうじて見える隙間や、1台の車でも一番後ろの人しか見えないようなところもあります。良いポジションを取りたいのですが、どこから渡るか分からないのでポジションを決められません。また、最近は観光客も激増し、エリアによってサファリカーは川岸から少し離れたところで待たなければならいようになりました。ヌーが警戒して渡れなくなるという考えのようです。先頭のヌーが渡り終えたら近づいて良いという感じでレンジャーが見張っています。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF16-35mm F2.8L II USM ■撮影環境:ISO250(オート) F3.5 1/1000秒
 川渡りの撮影は、ポジションにもよりますが、ある程度のアップで狙うには500ミリ以上の超望遠が必要になります。1.4倍や2倍のエクステンダーを使うこともあります。大きな渡りの時は、全体切り取ることもありますので、16-35ミリのような超広角から100−400のような望遠ズームもよく使います。前にも少し述べましたが、超望遠レンズでヌーがジャンプをする場面では、1/1600秒以上でないとブレてしまうのである程度は動きに合わせてレンズを振りながら撮ります。光線は時間帯や川の流れの角度によって、変わりますが、逆光のところでは水しぶきを狙うと迫力が出ます。順光では、より高速シャッターで動きを止めやすくなります。対岸から手前の方まで見渡せるポジションであれば、短いレンズで、川の流れとそれに逆らいながら泳ぐようなヌーの列がラインに見えるように狙います。その時に対岸に車が映ったりしなように画面の四隅も確認しながら切り取ります。
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■使用機材:キヤノン EOS 5D Mark II+EF70-300mm F4-5.6L IS USM ■撮影環境:ISO125(オート) F4.5 1/1300秒
 ヌーの群れは、数十頭の時もありますが写真的にはそれでは寂しく、また一瞬で終わってしまいます。数千頭クラスのグループだとそこそこの迫力があり1万頭越えでは1時間ほども渡り続けることもあります。対岸にいたヌーが皆こちら側に移動して来ると、周りはヌーだらけとなります。あちこちで「ヌー、ヌー」という鳴き声が聞こえます。
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■使用機材:キヤノン EOS-1D Mark IV+EF500mm F4L IS USM ■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/1300秒

マサイの村

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 ケニアの草原にはマサイ族も暮らしています。国立公園や国立保護区の中に住むことはできないのですが、エリアの周辺に住宅を見かけます。マサイ族は昔ながらの生活をしている人も多く、ドロとウシのフンで壁を作る小さな家が10〜20戸程度が一つの村となり、ぐるっと円を描く用に建てられていて、その周辺は枯れ枝などで囲いを作ります。夜になると放牧していた家畜のウシやヤギ、ヒツジを円の中心にしまいます。
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 普段はサファリ中にマサイ族を見かけても勝手に撮影することは控えています。彼らは、写真を撮られると魂が抜かれるという様な事を信じている人もいます。たまにことわって撮らせてもらうこともあるのですが、大概はお金を要求されるので諦めることもあります。写真を撮らせるとお金をもらえるという風習になってしまうからです。
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 サファリの途中にマサイ村にお邪魔するということがあります。一人10ドル〜20ドルお金を払って見学させてくれます。また、その時は撮影は自由になります。到着すると、マサイの女性たちが並んで歌を歌ってくれたり、マサイの男性がマサイジャンプを披露して歓迎してくれることもあります。訪れるマサイの村によっては、女性の結婚するときの衣装で迎えてくれれることもありました。また、少し大きな村では学校(こじんまりとした教室が一つだけの建物)があるところもありました。
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 観光客を受け入れることで、その村人の薬を買ったり、子供達の教材費などに使われると言います。また、若い村人が、英語を勉強し、街で働いたり、サファリロッジのスタッフをして出稼ぎをする人もいます。僕らがお願いしているドライバーの多くはマサイ族の出身で、実家に帰るとウシを世話しているそうです。

マサイの市場

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 村で暮らすマサイ族の人たちも週に一度の青空市場(スワヒリ語でソコ)に買い物に出かけます。近くの町(といっても数キロなら近い方で)へ何時間もかけて買い物に行きます。その市場は私も大好きで曜日が合えばたまに寄ってもらいます。市場では、果物や紅茶葉などや、日用雑貨、衣類など生活に必要なものが並んでいます。
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 マサイ族の女性が手作りする装飾品に使うカラフルなビーズや、生きた食用のニワトリもいます。私が市場で買うのはマサイクロスやブランケットと言われるチェック柄の布です。赤色系が多いのですが最近では青や黄色のものもあります。寒い時はこれを巻くとかなり暖かく、日本でも自宅のソファーや車にも数枚積んであります。
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 そのマサイクロス以外にもついついビーズの装飾品を買ってくるのですが、日本では使い道がなく、買ってきた袋のまましまってあるものがたくさんあります。少し冷静に考えてから購入するべきだと、毎回、日本に帰ってくると反省しています。
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■写真家:井村淳 1971年生まれ。横浜市在住。日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。

連載記事リスト

サバンナ撮影記|Vol.01 ~ケニアへの行き方~サバンナ撮影記|Vol.02 ~草食動物は地平線と共に~サバンナ撮影記|Vol.03 ~動物園でも野生さながらに撮影する秘訣~可愛くて仕方がない⁉ 愛しのベビー|サバンナ撮影記 Vol.04
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の井村淳さんによる連載記事第5弾。今回は過酷な野生の中で生きるヌーのお話です。 ----- KEYWORDS: サバンナ撮影記,ペット_動物,ヌーの川渡,井村淳 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary × 旅|山口規子 BASENAME: 483892659.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山口規子 DATE: 10/17/2021 10:00:00 TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,90mm F2.8 DG DN Contemporary,単焦点 ----- BODY: SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary レビュー|山口規子

はじめに

 このシグマ 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを初めて見た時、とても小さくてびっくり!そしてこの小ささなら旅のお供にいいかもしれないと思い、早速、SIGMA fp Lのカメラにつけて旅に出てみました。90mmという焦点距離のレンズは、風景や人物ポートレート、町歩きスナップにも最適。そして、このレンズの特徴は最短撮影距離が50cmという点です。そう、マクロレンズとしても使えたのです。

シャープな切れ味

 シグマのレンズは、どのレンズもシャープで、きれっきれな画像を作り出すことで有名ですが、今回は、シャープな中にも、しっとり感があるバランスのいいレンズ。この写真は長崎県上五島の頭が島教会の写真ですが、この十字架の部分の金属の質感が手に取るように表現されています。  またこの長崎県小値賀島の猫の写真は、ピントを合わせた猫の瞳はシャープなのに、周辺部の柔らかい光の空気感はそのまま活かさされています。
SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary作例
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary ■撮影環境:F4 1/400 ISO400
 長野県の南木曽で囲炉裏の炎を撮ってみると、炎の柔らかな曲線はシャープですが、炎の中がきれいなグラデーションでびっくりしました。基本的に私は水滴や炎を撮ると、そのレンズの善し悪しがわかると思っていますが、この炎は合格ですね。(笑)
SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary作例2
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F4.5 1/200 ISO800

90mmって難しい?と感じるか、楽しい?と感じるか、それはあなた次第。

 90mmという焦点距離は、風景のように広くは撮れないし、かといって、望遠レンズのようでもなく、難しいと感じる人も多いと思いますが、実は、スナップの切り撮り撮影に最適なのです。この写真のように、路地裏の一部を切り取り、赤の自転車にピントを置き、画面の中に他の赤色のもの(赤い壁、赤いビール箱、赤いほうき)などを入れ込み、画面のバランスを整えます。
SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary作例3
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F2.8 1/200 ISO100
 また、この朝顔の写真のように、朝顔だけをアップで撮るのではなく、朝顔の花弁の柔らかさと対照的に、錆びたトタンの壁を入れ込み、手で感じるような硬さと柔らかさの触感を表現するのも楽しいです。
SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary作例4
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F4 1/60 ISO100

最短撮影距離50cmを活かして、テーブルフォト

 最短撮影距離が50cmというので、自分が食べたかき氷を撮ってみました。氷の上にかけられたいちごミルクの質感がリアルに表現されています。
SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary作例5
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F2.8 1/320 ISO200

もちろん!風景も人物ポートレートも。

 また、人物ポートレートにもちょうどいい距離感でした。そして風景も中望遠として活躍してくれます。開放値でのポートレートのボケも綺麗です。風景では雲のグラデーションもきちんとでています。
SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary作例6
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F2.8 1/400 ISO100
SIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary作例7
■使用機材:SIGMA fp L + SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:F11 1/60 ISO400

まとめとおまけ情報

 このレンズは オール金属でできており、ある暑い日、うちの愛猫ナミイちゃんは、金属の冷たさが気持ちよかったのか、ちょっと目を離したすきに、冷え冷え枕として使っていました!(シグマさん、ごめんなさい。汗) nami chan SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryキャップホルダー  そして、マグネット式メタルレンズキャップと、プラスチック製レンズキャップの2つが梱包されているので、別売のレンズキャップホルダーCH-11を買うと、キャップがマグネットにくっつき、撮影中に失くすことがありません。これは便利ですね。  最後に、描写力はもちろんこと、機動性もいいので、この1本があれば何でも楽しめちゃうということです。295gという軽さも魅力ですが、オール金属のため、安っぽさがないから見た目もかっこいい!ぜひお勧めしたい1本ですね。 ■写真家:山口規子 栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして♫~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会理事。

シグマ 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryのレビューはこちらの記事でもご覧頂けます。

■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生 三井公一 https://shasha.kitamura.jp/article/483500379.html ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山口規子さんによるSIGMA 90mm F2.8 DG DN I Contemporary レビュー記事です。作例ともにスナップにも使用できる手軽さをご紹介しています。 ----- KEYWORDS: シグマ(Sigma) ボディー,レビュー,fp L ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: キヤノン EOS R3|「1」と「5」を繋ぐ「3」の秘密をメーカーインタビュー BASENAME: 483676578.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 10/18/2021 16:00:00 TAGS: EOS R3,キヤノン(Canon) ボディー,インタビュー,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: EOS R3 (2).jpg

はじめに

 キヤノンから35mmフルサイズ裏面照射積層型CMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」を搭載した、フルサイズミラーレスカメラ“EOS R3”が2021年11月に発売されるとアナウンスがありました。このカメラはデジタル一眼レフカメラのフラッグシップ機「EOS-1D X Mark III」に代表される「EOS-1」シリーズと、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」に代表される「EOS 5」シリーズに並ぶ、新しいラインのカメラとして登場します。  これまでShaShaでは何度か動物写真家さんの井村淳さんに「EOS R3」の性能予測をしてもらってきましたが、正式に発表され性能の詳細が判明した現在、本製品の魅力について、キヤノンマーケティングジャパンの担当者へ直接インタビューしましたので是非ご覧ください。 関連記事 (3).jpeg 関連記事

概要

■デジタル一眼レフでは発売されなかった、「3」の名称を持つカメラが今回初めてデジタルのEOSシリーズとして登場ということになりますが、この名称に決まった経緯を教えてください。 ープロ向けフラッグシップである「1」系と、ハイアマチュア向けである「5」系の間に位置する新しい製品ラインナップです。市場に必要なカメラの方向性として、高速・高感度・高信頼性をコンセプトとするカメラが必要だと考えました。その製品性能を含めたキャラクターから、「1」系と「5」系の間のライン「3」としました。 ーハイアマチュア向けだけでなく、プロユーザーも十分に満足できる性能を目指しています。
EOS R3 (3).jpg
■左:EOS R5 右:EOS R3
■デジタル一眼レフでは「1」の名前が付いたEOS-1D X Mark IIIが発売されていますが、ミラーレスカメラでもフラグシップである「1」の名を冠するカメラがこの後に控えているのでしょうか。 ー現時点では、絶対的な信頼感と安心感を持って多くのプロの方々に使われているEOS-1D X Mark IIIがプロ用「フラッグシップ」カメラと位置付けております。ただ、EOS R3はスペック上はEOS-1D X Mark IIIを上回っている部分もあり、「フラッグシップ」といえるレベルになっています。 ー将来製品についてはお答えできませんが、RFシステムはEFシステムよりも進化したシステムであり、その「1」を冠するフラッグシップモデルは、更に高い次元の性能を狙わなければならないと考えており、その高いハードルを越えるために我々は挑戦を続けています。

描写性能

■多くの要望があった積層型CMOSセンサーがEOS史上はじめて搭載されましたが、このセンサーによる処理の高速化によってEOS R3が得る最も大きい恩恵はなんですか? ー積層型センサーは画素部と回路部を独立した基板上に搭載するため、画素部は高画質化に特化し、回路部は高速化・高機能化に特化することができます。そのため、高速連続撮影や6K動画、高感度撮影時の高S/N、ローリングシャッター歪みの低減などの実現に貢献しています。電子シャッター時のローリングシャッター歪みが、EOS-1D X Mark IIIに対して約1/4に低減しています。
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■EOS R3で積層型CMOSセンサーがEOS史上はじめて搭載された。
■今回搭載されているセンサーにはローパスフィルターは搭載されているのでしょうか ーEOS R3にチューニングされた従来タイプのLPF(ローパスフィルター)を搭載しています。 ■有効画素数2410万画素でありながら、EOS 5D Mark IVを凌ぐ解像性能を実現しているとのことですが、これは画像処理エンジンの進化に起因するところなのでしょうか。 ーRFレンズとの組み合わせで、高速通信が可能になっているため、絶対に避けられないレンズ収差、センサー構造の影響(ローパス)などを高度に解析・補正することが可能になっています。そのためCMOSセンサー、RFレンズ、DIGIC Xとの組み合わせにより、ピクチャースタイル初期条件、かつISO12233準拠のCIPA解像度チャートでの評価において、EOS 5D Mark Ⅳと同等以上の解像感を実現しています。 ■オートホワイトバランスがより高精度になったと伺いましたが、主にどういったシーンで性能を発揮できますか? ーディープラーニング技術を取り入れた新しいオートホワイトバランスアルゴリズムにより、自然の緑を多く含むシーンのオートホワイトバランス性能が向上しています。風景撮影などで、より正確なホワイトバランスで撮影することが可能です。

電子シャッター

■今回、カタログやWEBサイトにて「電子シャッター」という言葉を多く目にしました。これは今まではデメリットが不安視されていた「電子シャッター」が歪みや画質において「メカシャッター」と同じレベルまで到達したのでしょうか。 ーEOS R3ではメカシャッターと比較した際でもブラックアウトフリーの連写や、最速1/64000秒のシャッタースピードなど電子シャッターでないと実現できなかった機能が搭載されています。また電子シャッター時はレリーズタイムラグもEOS-1D X Mark IIIよりも高速化されますのでほとんどの場合、電子シャッターのデメリットは感じないでしょう。そのため、電子シャッターがデフォルトで設定されています。
EOS R3 (4).jpg
■EOS R5やR6ではポートレートを撮影されている方から、シャッター音のボリュームを調整したいというお声を伺うことがありました。EOS R3は電子シャッター時にシャッター音のボリュームを調整できる機能が搭載されたとのことですが、この点についてどのようにお考えでしょうか。 ーEOS R3では様々なシチュエーションに対応するために、電子シャッターの音量を5段階で調整する機能を有しております。ポートレート撮影では撮影のリズムやモデルのテンションが重要な要素だと思っています。そのリズムやテンションを生み出すためにシャッター音が必要であるという事で、今回は5段階で音量調整可能な仕様にしております。進化した人物へのAFと合わせてお使いいただきたいと思っています。

AF性能

■「視線入力AF」がフィルム一眼レフ「EOS7、EOS7S」以来の搭載となりますが、今回実装した意図を教えて下さい。 ー高速性を持つカメラという点で、複数被写体の切り替えやAFフレーム・AFエリアの移動などをさらに早く行わせるために搭載しております。被写体にAFフレームを合わせるために行っていたフレーミングの煩わしさから解放され、より快適で集中できる撮影環境を提供できると考えております。 ー以前は測距点が少ないため搭載可能でした。そこから一眼レフタイプは測距点やエリアを広くする方向に開発を進めていました。もちろん視線入力のご要望も多くいただいていましたが、実用的かどうかというと使いにくい点も多いと思っておりました。今回、進化したセンサーとデュアルピクセルCMOSAFIIの組み合わせで視線入力を使っていただくことで、よりよい使い勝手を実現できたと思っております。 ■「視線入力」AFはどういったシーンで活躍しますか? ーファインダーを使用した静止画撮影で使用可能です。視線の位置にAF フレーム/AF エリアを素早く移動することができるため、複数の被写体へのAFを素早く切り換える際に有効です。例えば従来のシステムで陸上撮影を行う場合は、複数の選手が画角に収まっていた場合瞳AFを使用しながら撮影したい選手の選択を素早く行うことは難しかったですが、視線入力を行う事で簡単に選択することが可能です。 ■新たに実装した「乗り物優先AF」で車やバイクなどの検出が可能とのことですが、検出した際にどの部分に優先してピントが合うのでしょうか。 ーディープラーニングにより、クルマ(フォーミュラカー、ラリーカーなど)、バイク(モーターバイク、オフロードバイク)を検出することが可能になりました。被写体が高速で移動するモータースポーツにおいても、車体とヘルメットという2つの手がかりを補完し合うことで、粘り強くトラッキングすることが可能です。また、ドライバーやライダーのヘルメットなど、重要部位を検出する[スポット検出]も設定できます。

ファインダー

■設定に追加されたOVFビューアシストや表示Simulationという新たな機能について教えてください。 ー「OVFビューアシストモード:入」設定時は、ピクチャースタイル/ホワイトバランス/オートライティングオプティマイザ/露出設定に応じた明るさ(表示 Simulation)/高感度撮影時のノイズ低減/高輝度・階調優先/HDR撮影(HDR PQ)がライブビュー映像に反映されなくなります。その代わりに、次のようなOVFビューアシスト専用の画作りの実現により光学ファインダーのような自然な「見え」に近付けています。 ● より広い出⼒ダイナミックレンジでの表⽰を⾏い、ハイライトや暗部の階調をより⾃然に⾒えやすく表⽰ ● ピクチャースタイルの反映をしないため、彩度の⾼いピクチャースタイル設定でも、⾒たままに近い⾊味で表⽰ ● コントラストの⾼い設定や、屋外等のコントラストが⾼いシーンでも、⽩とびや⿊つぶれを低減し被写体を⾒やすく表⽰ ー表示Simulation設定時は従来の露出Simulationに加え、リアルタイムで被写界深度を確認できる設定が追加されました。
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■OVFビューアシストは一眼レフの光学ファインダーのような見え方が出来るということですが、実際に写る映像と色合いや露出などに差が出るということでしょうか。 ー従来の光学ファインダー撮影時と同じように差が出ます。撮影後のイメージを常に確認したい場合はOVFビューアシストを切ることをおすすめいたします。

その他

■今回動画性能の向上も大きな話題を呼んでいますが、静止画同様のAF性能や、手ブレ補正はそのまま使用できるのでしょうか。 ーAF性能は低輝度限界こそ静止画が上回っていますが、それ以外は同様に使えます。手ブレ補正ではもちろん協調補正も可能です。そのためジンバル等も使用しなくてもブレを抑えた映像を撮影可能です。また、ジンバル等に載せて撮影する際も従来機種より調整しやすい仕様になっております。 ■今回アクセサリーシューが新しくマルチアクセサリーシューに変更になり、ストロボだけでなく、スマートフォンアダプターやマイクなどが発売されていますが、今後どういった拡張がされていくのでしょうか。 ー今回のシューはPD対応、高速通信が可能な次世代インターフェースです。それによって、トランスミッターやスマホホルダーなどの純正ACCだけでなく、XLRアダプターなども対応予定です。今後、映像表現や通信の進化などに合わせて、純正ACCも拡大していきたいと思っております。
B61A8459.jpg
■電子シャッターの撮影時のデメリットが改善されたことにより、スポーツシーンだけでなく多くの場面で使用できるようになりました。メカシャッターの限界を超えるような性能、機能が搭載される中、メカシャッターとの使い分けはどうなっていくと考えられますか。 ー今後ますます電子シャッターの技術は進歩していくと考えております。一方でメカシャッターはシャッターを切る気持ちよさや安心感につながります。両者の特性をうまく使い分ける事で、撮影領域を拡大していければと考えております。

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はじめに

 新宿でスナップを撮影するとしたら皆さんはどのような写真を撮るだろうか。高層ビルやガード、大きな交差点、その交差点を行き交う沢山の人々など、この街らしさはそこかしこにある。今回はそんな新宿の街中で新たな視点を探してスナップを撮ったので、構図の作り方や工夫したところと合わせて紹介したい。

京王デパート前の横断歩道

01_富久浩二さんが京王デパート前の横断歩道で撮影した作例.jpg
■撮影機材:Nikon 1 J3 + 1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 ■撮影環境:f/6.3 1/15秒 ISO800 露出補正-0.3 焦点距離16mm(35mm判換算で42mm)
 雨の夜、信号が変わるまでの数十秒、真ん中で傘を差しながら信号を待つ女性をどう撮るかでこの写真が決まる。まずはKeioの明かりがついているひさしを真っすぐ綺麗に3つ入れたいと思い全体的な構図作りを行った。次に構図の中で傘を持つ女性のシルエットがしっかりと見えるようにカメラの高さを微調整し、通りの向こう側の人影との間に隙間が出来るようにする。この隙間が非常に大事でとにかくメインの被写体と被らないことを意識した。ここでシャッターを切りたくなるところだが、左右に少し流れた車を入れたいので、シャッタースピードを調整してじっと我慢。そして全てがそろったところでシャッターを切る。予想外の事が起きるのが一番面白い写真になるのだが、この様にすべて考えが纏まって、その通りになるのもまたスナップの面白いところだと思う。

新宿大ガードの赤い交差点

02_富久浩二さんが新宿大ガードの赤い交差点で撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α77 + シグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM ■撮影環境:f/8 1/800秒 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離8mm(35mm判換算で12mm)
 赤い道路に無数のタイヤ痕があったので、それを撮りたいと思った。アクセントをさりげなく入れる事を考え、車だと大きすぎるので自転車がいいかなと思い待つことにした。そこに信号待ちの自転車が現れたので構図づくりをはじめる。交差点の向こう側にはごちゃごちゃした景色があり、そこは入れたくなかったのでカメラを持つ手を上にあげて高い位置からレンズを下向きにして遠くが入らないようにしてから構図を確認。奥行感やバランスを考えると左上の道路の模様は欲しかったのでギリギリ入るようにカメラの向きを微調整する。超広角レンズの端に人や車などを入れると歪んでしまい不自然な形となり、なかなか綺麗な写真にするのは難しいので、腰を境に切り取ることで不自然差を和らげる。上半身の切れてしまったところは影として入れ込んだ。この道路の赤は実際はもう少し柔らかい赤なのだが、ドキッとなるような赤色に編集してインパクトある写真に仕上げた。

新宿大ガードの横断歩道

03_富久浩二さんが新宿大ガードの横断歩道で撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α77 + シグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM ■撮影環境:f/6.3 1/1000秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離8mm(35mm判換算で12mm)
 都内でも1番大きな幅と長さのある交差点を超広角レンズの広角端12mmで撮影。カメラは頭より上に持ち上げてレンズを下に向けると横断歩道の射状態が引き立つ。また人がこの位置にいると影が伸びてかっこよくなる。ちょうど信号の変わり際で横断歩道には一人しかいなく、少し駆け足になったところでカメラの性能にまかせて4~5枚を連写、その中から形のいいものを選んだ。人間の反射神経を超えるタイミングが必要な時はカメラ性能に任せるのもありだと思う。

都庁展望台からの運動場

04_富久浩二さんが都庁展望台からの運動場を撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α57 + ミノルタ AF200/2.8G
 展望台は遠くの山や景色を見るところというイメージがあると思うが、都心では特に下を見て回ると面白い瞬間がたくさん見つかる。バスケットをしている二人、ボールが浮くとその影が目立つ。なるべくボールと影がわかりやすい位置に来たところでシャッターを切った。また如何にもバスケットしていますといった体勢や動きが出てしまうと狙っている感が出すぎる為、あえて二人が直立している時に撮影。一生懸命さがでない緩い感じに仕上げてみた。

コクーンタワー地下

05_富久浩二さんがコクーンタワー地下を撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R III + LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D ■撮影環境:f/4 1/80秒 ISO100 露出補正-1.7 焦点距離 9mm
 APC-S用の9mmのレンズをフルサイズのカメラに装着してクロップさせずに使用することで、画角はなんとフルサイズで9mm。周辺は真っ黒になるが、元々周辺が暗い場所ではこの様な使い方が可能になる。出来るだけ下がって、余計なものが入りだしたら少し前に出て構図を固定する。その後に人の位置と形を見て撮影した。カラーで撮っているものの、色は少ない方が好きなので彩度を少し下げて仕上げた。

新宿サブナードの通路(地下街)

06_富久浩二さんが新宿サブナードの通路(地下街)で撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α700 + ミノルタ AF 35mm F1.4 G ■撮影環境:f/3.2 1/60秒 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離35mm(35mm判換算で52mm)
 娘のバレーシューズを買いに出かけた時のこと。四つ並んだバレエの衣装がかわいくディスプレイされているのを見た下の子がお姉ちゃんのバレエの真似をしたところ、お姉ちゃんの怒りを買って、もみ合いになっている場面(笑)。この様な決定的な場面を見てしまうとどうしてもレンズをメインの被写体(子供)に向けてしまいがちだが、そこを我慢して2番目に見てほしい衣装の並びを正面に撮影した。 被写体を追いかけないことによって全体として理想的な構図を守りつつ、瞬間をとらえる写真になったと思う。

新宿のホテルとカラス

07_富久浩二さんが新宿のホテルとカラスを撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α57 + ミノルタ AF ZOOM 100-200mm F4.5 ■撮影環境:f/10 1/250秒 ISO125 焦点距離140mm(35mm判換算で210mm)
 ビルを撮るときは広角系のレンズを使うことが多いと思うが、望遠ズームでの切り取りも面白い。今回の場合はカラスになるがワンポイントとなるものは遠くの窓となるべく被らないようにする。そして背景ボケを少なくして沢山の窓をくっきり写したいので絞り気味に撮影した。

階段の踊り場

08_富久浩二さんが階段の踊り場を撮影した作例.jpg  ガラスの反射の中に見つけた蝶々の形。ただカメラをガラスに近づけるだけではなく、そこから回転させたり、ちょっと離したりと調整している。そのままでは手前のガラスに自分の足が映り込んでしまうのでなるべく暗いズボンだったり、カメラバックの裏でガラスの反射をくっきりさせている。また下向きの反射を狙うときは、画角が狭いと窮屈な画になってしまうので、超広角で撮影してみて、余計なものが写る時はトリミングする事をオススメする。

さいごに

09_富久浩二さんが新宿の横断歩道で撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α77 + ミノルタ AF200/2.8G ■撮影環境:f/13 1/1000秒 ISO640 焦点距離200mm(35mm判換算で300mm)
 新宿で撮影したスナップ写真はいかがでしたか。瞬間的な出来事をキレイな構図におさめる為に工夫しながら撮影しているので、それらをお伝え出来れば嬉しく思う。普段、生徒さんとの新宿の撮影では、三角ビル、都庁、NSビル(上る)、コクーンタワーの下、大ガードなどを撮影しているので、撮影場所に迷われている方は参考にして欲しい。 ■写真家:富久浩二 日々の通勤風景を主に、いつも見ている変わりばえのない、しかし二度とやって来ない一瞬の情景を大切にし、ちょこっと人が入った物語りのある写真をテーマのもとに、人びとの優しく楽しい感情が伝わる事を目標に日々撮影している。子供の頃の目線、何と無く懐かしさを感じて貰える様に、ライブビューを使った低い目線、思い切って背伸びをした様な高さからの撮影が特徴的。

「スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。」の連載記事はこちら

■スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.2|渋谷 https://shasha.kitamura.jp/article/485268415.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の富久浩二が都内近郊で撮影したスナップ写真を紹介しています。第1回目は新宿で撮影したスナップ作品と合わせて撮影方法を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: スナップ,撮影テクニック,富久浩二,新宿,ミラーレスカメラ,カメラ ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: キヤノン RF100-400mm F5.6-8 IS USM|メーカーインタビューから魅力に迫る BASENAME: 483837771.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 10/20/2021 16:00:00 TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF100-400mm F5.6-8 IS USM,インタビュー,望遠ズーム ----- BODY: RF100-400mm F5.6-8 IS USM (4).jpg

はじめに

 キヤノンから望遠レンズであるRF100-400mm F5.6-8 IS USMが2021年10月下旬に発売されるとアナウンスがありました。このレンズは優れた描写性能と機動性を両立しています。また、別売りのエクステンダーを装着することで、焦点距離800mmまで望遠域を拡大し、被写体を大きく引き寄せた迫力ある撮影をすることができます。  今回はキヤノンマーケティングジャパン担当者の方へのインタビューを交えつつ、この製品をご紹介していきます。 RF100-400mm F5.6-8 IS USM.jpg

基本仕様と特徴

画角(水平・垂直・対角線)20°00′~5°10′・14°00′~3°30′・24°00′~6°10′
レンズ構成9群12枚
絞り羽根枚数9枚
最小絞り32(100mm時)、45(400mm時)
最短撮影距離0.88m(200mm時)
最大撮影倍率0.41倍(400mm時)
フィルター径67mm
最大径×長さ約φ79.5mm×164.7mm
重量約635g
・焦点距離100mmから400mmのズーム全域で高画質と小型・軽量を両立 ・超音波モーター「ナノUSM」による高速かつ滑らかなAF ・本体との協調ISで最大6段分の効果を発揮する手ブレ補正 RF100-400mm F5.6-8 IS USM (2).jpg

メーカーインタビュー

■重量635gという値は、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMから半分以下、EF70-300mm F4-5.6 IS II USM(約710g)よりも軽いレンズです。軽量化を可能とする要因や、開発に際し苦労された点はどのようなところでしょうか。 ーターゲットユーザー層における携帯性と実用性のバランスを取り、それを実現するため光学系を最適化し、さらに鏡筒や外装の構成部品に適材適所の材質を使用することで、堅牢性を確保しながらも軽量化を実現しました。 ■コンパクトながら「UDレンズ」と「非球面レンズ」を含む9群12枚のレンズ構成で画質も妥協をしていないイメージです。 ー画質面で多くの方から好評を頂いていたEF70-300mm F4-5.6 IS II USMより75g軽量に、かつ望遠域を100mm拡張したうえで、同等の画質を有しておりますので、今回のRF100-400mm F5.6-8 IS USMも満足して頂ける仕様となっております。 ■協調補正最大6段、レンズ単体でも5.5段分の手ブレ補正はEOS R5やEOS R6だけでなく、EOS RやEOS RPをお使いの方にも喜ばれると思います。 ー本商品は400mmという超望遠域を小型軽量かつ手に取っていただきやすい価格帯で手軽に楽しんで頂けるレンズに仕上がっております。ボディ内手ブレ補正を持たないEOS R、EOS RPでもレンズ内手ブレ補正により安心して撮影に集中できます。これから初めて望遠レンズを手にする方はもちろん、気軽に撮影するためのサブの望遠レンズとしてもお使い頂けるなど様々なユーザーに使って頂けるレンズだと思います。 RF100-400mm F5.6-8 IS USM (4).jpg ■RF600mm F11 IS STMやRF800mm F11 IS STMを含め、RFレンズには一眼レフ用交換レンズとしては望遠で暗めのF値を設定しているレンズの開発にチャレンジされています。さらにエクステンダーも使用可能です。装着することでさらに暗くなるわけですが、結果的に多くのユーザーに受け入れられているイメージです。こういったある意味「暗いレンズ」の開発背景にはどのような理由がありますか。 ーミラーレスは一眼レフと異なりEVFを使用することによってレンズの明るさに左右されることなく見やすいファインダー像で撮影することができます。またRシステムのボディはデュアルピクセルCMOS AFによりF22の状態でもAFを使用することが可能ですし、最新のセンサーと映像エンジンの組み合わせで高感度性能も向上しております。 ーそのようなRシステムだからこそ実現できるスペックをもつレンズで、新しいユーザー体験による楽しみをご提供したいという想いがあります。 ■お求めやすい価格に、軽量コンパクト、収差を抑えた描写力に手ブレ補正。多くの方にオススメしやすい望遠レンズだと感じました本レンズの発売で、RF用のエクステンダーも同様にお求めやすいモデルを期待される方が増えてくるのではないでしょうか ー将来の具体的計画についてはお答えできませんが、従来のEFレンズ同様、幅広い撮影シーンをカバーする充実したラインナップを完成させることを目指しています。

さいごに

 RFマウントの望遠ズームレンズはRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMがすでに発売されていますが、1,500gを超える重量(三脚座含む)のため、軽量で取り回しの効く望遠ズームの登場は多くのユーザーから望まれていました。短いインタビューでしたが、満を持して登場する本レンズは、キヤノンの自信が伺えるものでした。  軽量コンパクトで画質、AF性能ともに妥協がなく強力な手ブレ補正の搭載。これまでこのラインではなかなか実現できなかったエクステンダー対応と、初代EOSRからEOSR5、R6。発売予定のR3まで多くのRSYSTEMユーザーにとって満足の行くレンズとなりそうです。 RF100-400mm F5.6-8 IS USM (3).jpg

キタムラネットショップ特集ページ

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 2021年10月下旬に発売となるRF100-400mm F5.6-8 IS USMをメーカーへのインタビューと共に紹介しています。新たな望遠レンズに興味のある方はご覧ください。 ----- KEYWORDS: キヤノン,Canon,レンズ,開発者インタビュー,RF100-400mm F5.6-8 IS USM ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: カールツァイス Zeiss Batis 2/40 レビュー|シャープさと柔らかさが両立した標準レンズ BASENAME: 483904908.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 10/21/2021 16:00:00 TAGS: Zeiss Batis 2/40,カールツァイス(zeiss) レンズ,単焦点 ----- BODY: ツァイス Zeiss Batis 240.JPG

はじめに

 今回はバティスシリーズ5本の中で標準領域の画角、40mmをセレクトしてご紹介します。バティスシリーズでは、5番目に発売(2018年11月)された末っ子のレンズになります。普段室内で猫を撮るときに50mm前後の画角の単焦点レンズをよく使用するので、このレンズもお気に入りの1本です。  ツァイスレンズならではの色の鮮やかさや自然なボケの表現、豊かな描写力の高さをもっとオールマイティーに使える「Batis 2/40」の魅力をお伝えしたいと思います。

ツァイス Zeiss Batis 2/40の魅力

 Batis 2/40の光学系は、バティスシリーズの特徴であるディスタゴンタイプ。このディスタゴンは歪曲(直線が歪む)が非常によく補正されているのが大きな特徴です。  Batis 2/40は焦点距離40mmの優れた軽量標準レンズです。クローズアップ撮影にも理想的な、画質の優れた万能レンズです。また他のBatisシリーズ同様に防塵防滴シーリングになっており、埃や水しぶきからレンズを守る特別設計のおかげで、厳しい野外の撮影でも安心して使用することができます。現状で「ZEISS Batis 2/40 CF E-mount」と競合するのは、2021年4月に発売されたソニーGレンズ「FE 40mm F2.5 G SEL40F25G」になります。
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FE 40mm F2.5 GBatis 2/40
焦点距離(mm)40mm40mm
画角(35mm判)57°56
開放絞り(F値)F2.5F2
最小絞り(F値)F22F22
レンズ構成9群9枚8群9枚
絞り羽根7枚9枚
最短撮影距離 (m)0.28m0.24m
フィルター径49mm67mm
外形寸法 最大径x長さ68 x 45mm91 x 93mm
質量 約(g)約173g約361g
 レンズの筐体が大きく異なるこの40mmのレンズ、どちらもとても魅力的なレンズです。こうやって並べてみると筐体の大きさの違いがよく分かりますね。「Batis 2/40」はバティスシリーズの独特な筐体デザインでシンプルかつ美しく印象的です。  SONY「FE 40mm F2.5 G」は高性能をコンパクトに凝縮したレンズで、機動力を合わせ持ったレンズですね。 ■ZEISS Batis 2/40 CF E-mountで撮影
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■使用機材:SONY α7III+ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
■SONY FE 40mm F2.5 Gで撮影
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■使用機材:SONY α7III+ FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.5 ISO800 焦点距離40mm
 我が家の猫を2つのレンズで撮影(どちらも絞り開放)してみましたが、どちらのレベルも高く解像感に関しては同等のレベルだと感じます。発色に関して比べてみると、少しそれぞれの特徴が現れたようです。「Batis 2/40」はとてもニュートラルな自然の色合いを表現するのに対して、「FE 40mm F2.5 G」は若干イエローが乗った暖色系の色合いを表現しています。被写体にもよりますが、この辺りで好みが分かれるかもしれません。  筐体の大きさ・重量を除けば、レンズの明るさ最短撮影距離の短さなど「Batis 2/40」が勝るところは多いと思います。

ツァイス Zeiss Batis 2/40で街中散策切取りスナップ

 「Batis 2/40」を持って定番の街中スナップをしてきました。今回は40mmの画角なので、街中で気になった被写体を切り取って撮影するスタイルです。ゆっくりと歩きながら目に留まったものを切り取りながら撮影していくのは、とても楽しい瞬間です。  観光地や繁華街でよく見られる看板などにたくさん貼られたステッカーは困ったものですが、そんな街中にあるイタズラされた標識を少し撮ってみました。絞りは浅くして背景をぼかし被写体である看板部分を強調する感じで撮影しています。
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■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF3.2 ISO100 焦点距離40mm
ツァイス Zeiss Batis 240作例 (2).JPG
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF2 ISO100 焦点距離40mm
ツァイス Zeiss Batis 240作例 (3).JPG
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF4 ISO100 焦点距離40mm
 「Batis 2/40」で撮影して感じたことは、青空を入れた構図で撮影した時に青空のクリアーな再現がとても気に入りました。ツァイスレンズならではの魅力の部分でもあると感じます。
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■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF16 ISO100 焦点距離40mm
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■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF14 ISO200 焦点距離40mm
 絞り込むと隅々までとてもシャープな描写をします。
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■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF18 ISO100 焦点距離40mm
 街中で見かけたバイクを撮影。浅い絞りでもピントの合ったところのシャープさとその前後の柔らかいボケを両立。そしてシャドー部の諧調も良好なので、明暗差、輝度差の激しい被写体の撮影においても安心して使えるレンズです。
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■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF2 ISO100 焦点距離40mm
ツァイス Zeiss Batis 240作例 (8).JPG
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF4 ISO100 焦点距離40mm ※白黒モードで撮影
 「Batis 2/40」は最短撮影距離が24cmと短く、ぐっと寄って撮影することが可能なレンズです。お花やお料理、小物撮影などの撮影にも最適なレンズです。絞りを開ければ柔らかいボケを表現することができ、被写体をより引き立てることができます。
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■使用機材:SONY α7R III A+ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/40秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
 明るい単焦点レンズなので、絞りを開放で被写体にしっかり寄って撮影する事で背景の玉ボケも演出する事も簡単にできます。
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■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2 ISO200 焦点距離40mm
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■使用機材:SONY α7R III A+ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
 最短撮影距離が短い事で、被写体の真上から撮影も非常にしやすいレンズです。
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■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2 ISO200 焦点距離40mm
ツァイス Zeiss Batis 240作例 (13).JPG
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF10 ISO100 焦点距離40mm

ツァイス Zeiss Batis 2/40で室内猫撮影

 筆者が猫撮影によく40mm前後のレンズを使用するので、「Batis 2/40」で撮影してみました。室内猫を撮影するのには、やはり明るい単焦点レンズが必須です。多少自然光が入ってくる部屋で撮影をしていますが、やはり全体的には暗いので絞りを開けて撮影しないと速いシャッタースピードで撮影することができません。ですから「Batis 2/40」の絞り開放F2というのは室内撮影においては、非常に助かります。  絞り開放で撮影しても、ピントのあったところは非常にシャープなのはもちろん、そこから外れたところが非常に柔らかいボケを表現し、猫などの動物撮影において毛並みの柔らかさを表現するのに非常にマッチしたレンズだと感じます。
ツァイス Zeiss Batis 240作例 (14).JPG
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
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■使用機材:SONY α7R III A+ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm
ツァイス Zeiss Batis 240作例 (16).JPG
■使用機材:SONY α7R IV A +ZEISS Batis 2/40 CF E-mount ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF2 ISO800 焦点距離40mm

まとめ

 「Zeiss Batis 2/40 」は、高性能な標準単焦点レンズです。よくある35mmや50mmの単焦点レンズの中間にあたり、中途半端な焦点距離とも揶揄されることもありますが、実際に使ってみると絶妙な画角で、ペットなどの室内撮影や外でのスナップ撮影においても非常に使い勝手の良い焦点距離です。どちらかと言えば焦点距離35mmよりは焦点距離50mmのレンズを購入検討している人におすすめです。ズームレンズでは味わえない、カールツァイス単焦点レンズのキレのあるシャープさと両立する柔らかなボケが魅力的なレンズです。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがカールツァイス Zeiss Batis 2/40のレビューをしています。SNSで映える表現に興味のある方におススメのレンズです。 ----- KEYWORDS: Zeiss,Batis 2/40,カールツァイス,レンズ,レビュー,ミラーレスカメラ用交換レンズ,坂井田富三,単焦点,標準レンズ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: シグマ 24mm F2 DG DN Contemporary レビュー|旅の記録に欠かせない一本 BASENAME: 483951814.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: FPS24 DATE: 10/22/2021 16:00:00 TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,24mm F2 DG DN | Contemporary,単焦点 ----- BODY: 01_見出し.jpg

はじめに

 こんにちは、FPS24です。2021年9月24日、シグマのIシリーズに新たな2本のレンズが追加されました。「24mm F2 DG DN | Contemporary」と「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」です。  24mmのレンズは、既に発売中の「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」と合わせて、Iシリーズとしては2本目のラインナップとなります。開放絞り値がF2となったことで暗い環境でも明るく撮影できるようになり、映像においても写真においても、作品の可能性を大きく広げてくれます。  特にVlogや旅行の動画を撮っている私たちにとって、被写体と周りの風景を広く映すことができる焦点距離24mmと、夜間の光が少ない時にも美しく映像に残すことができる開放絞り値F2の組み合わせは、非常に魅力的です。今回は、そんな「24mm F2 DG DN | Contemporary」の魅力をご紹介します。

焦点距離24mm

 24mmという焦点距離は、皆さんも馴染みの深い焦点距離なのではないでしょうか。私たちも旅行やお出かけの際は「14-24mm F2.8 DG DN | Art」という広角ズームレンズを常用していたこともあり、瞬時にイメージしやすい画角でもあります。さらに「24-70mm F2.8 DG DN | Art」でも、広角端の24mmはよく使う焦点距離でありました。  そしてIシリーズの単焦点レンズ「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」は、コンパクトなサイズ感が非常に人気のレンズです。様々なコンセプトで同じ24mmという焦点距離で撮影できるレンズがあるからこそ、その人気と馴染みやすさが伺えます。

質感にこだわった外観

 「24mm F2 DG DN | Contemporary」はシグマIシリーズのレンズの一つです。“プレミアムコンパクトプライム” というコンセプトでお馴染みのIシリーズとして、光学性能はもちろん外観にもこだわって作られた仕上がりは、Iシリーズならではです。  Iシリーズのレンズでは定番となった、縦型のフォーカスモード切換えスイッチや絞りリングがあります。レンズ側で絞りを操作できるのはとにかく便利で重宝します。 02.jpg  Iシリーズとして欠かせないものの一つとなった、マグネット式メタルキャップも付属しています。装着することでレンズの存在感が一段と増します。個人的に、金属削り出しのレンズボディが纏う重厚感がとても気に入っています。並べて見るからこそ感じる統一感は、コレクション欲がより一層と高まります。 03.jpg 04.jpg  光学性能についても申し分ありません。広角レンズならではの広々とした画角を活かしつつ、細部まで繊細に映しだすことができます。特に今回の「24mm F2 DG DN | Contemporary」では、開放F2での撮影が可能となりました。明かりが少ない暗がりの中でも安心して撮影に臨んでいけます。  映像を撮る際にもF2という開放絞り値を使って感度を上げすぎずに撮影することができるので、非常に役立っています。また、24mmという広角域でもボケを活かした写真や映像を撮ることができます。

「24mm F2 DG DN | Contemporary」と歩いた風景

 まずはSIGMA fpと「24mm F2 DG DN | Contemporary」で撮影した動画です。夕暮れ時の多摩川周辺を中心に、これまでこのレンズで撮影してきた印象的なシーンをまとめてみました。  コンパクトなレンズなので、「良い夕焼けになりそうだ」と思えばすぐに持って行けますし、カバンに忍ばせておいても負担にはなりません。もちろんジンバルにも載せやすく、取り回しにも余裕があるので安心感があります。
 続いてSIGMA fpに「24mm F2 DG DN | Contemporary」を組み合わせて撮影した写真です。24mmの焦点距離で切り取られる景色は実際に目で見るよりもダイナミックで、広々としています。一瞬を切り取る写真だからこそ、映像では味わえない、空間の奥ゆかしさを感じました。  こちらはSIGMA fpに搭載されているアスペクト比7:6で撮影しました。木々に囲まれながらひっそりと佇む建築物。周りに高く生えた木と、根っこや石階段に張り付く苔を見ると、時間の流れを感じます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO125 F2 SS1/100 ■NDフィルター装着
 手水舎にあった龍です。塗装の剥がれた部分や鱗模様、角の質感を精細に描写しています。お社と生い茂る森も背景にあるので、神社全体の厳かな雰囲気も同時に撮影することができました。  24mmの焦点距離では、背景も含めることで広がりのある写真を残しておけます。知らない場所に行ったときに感じる高揚感を、改めて写真を見ることで思い出します。
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO250 F2 SS1/100 ■NDフィルター装着
 朝の陽の光がそっと下駄を照らしていました。暗い屋内でしたが、見事に光と影の濃淡を描写しています。特に地面の冷たいザラザラとした質感がよく伝わってきて、下駄で歩いたときの音が聞こえてくるようです。明かりが少なくてもノイズを抑えて撮影できるのは、このレンズの強みです。
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO500 F2 SS1/100
 早朝でまだ暗い道すがらでも、細部までくっきりと写し出してくれます。箒の毛を一本一本見ていて驚かされました。ブラシの取っ手のサビや木の板の質感も美しいです。  散歩をしながらスナップのように撮り歩いていたのですが、被写体との距離が近くても広く撮影できるのは広角レンズならではのメリットだと思いました。  レンズの外観も見ていて気持ちよく、質感が非常に高いので、お散歩など日常で使う際にもファッションアイテムのように気兼ねなく持ち歩けます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO640 F2.8 SS1/100
 こちらもお散歩中の一枚。夏も後半に差し掛かっていましたが、アサガオが美しく咲いていました。開放F2のボケを活かしたクローズアップ撮影が楽しいです。絞り開放での撮影ですが、よく見ると草や茎の小さな産毛まで見て取ることができます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO250 F2 SS1/100
 こちらはSIGMA fpに搭載されているアスペクト比7:6で撮影しました。「24mm F2 DG DN | Contemporary」の最短撮影距離は24.5cmです。焦点距離24mmと相まって、テーブルフォトもそつなくこなします。開放F2での滑らかなボケが被写体をより際立たせています。
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO125 F2 SS1/100
 こちらはSIGMA fpに搭載されているアスペクト比21:9で撮影しました。映画のような横長の比率と「24mm F2 DG DN | Contemporary」との組み合わせで、ますます広がりのある写真になったのではないでしょうか。
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO100 F3.5 SS1/160
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO100 F2 SS1/2500 ■NDフィルター装着
 広角レンズならではのダイナミックな空模様と風景を撮ることが出来ました。旅先で出会った風景を印象的に残すことができるのが、使っていて何よりも素晴らしいポイントだと実感しました。
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■撮影機材:SIGMA fp + 24mm F2 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO125 F2 SS1/100 ■NDフィルター装着

おわりに

 「24mm F2 DG DN | Contemporary」のビルドクオリティ、解像力やボケ味は非常に高いレベルでまとまっています。そしてそれらの性能が、僅か365gのコンパクトなレンズボディに詰まっています。  「作品の質を今より一歩進めたい」「小さいけれども品位あるレンズが欲しい」といった方には、広角単焦点レンズとして間違いない選択肢だと思います。  2021年9月24日に同時発売された「24mm F2 DG DN | Contemporary」と「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、FPS24のYouTubeチャンネルでも先行でレビューさせていただいております。映像に焦点をあててご紹介しておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひこちらもご覧ください!
■執筆者:FPS24 2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。

「24mm F2 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介中

■シグマ 24mm F2 DG DN Contemporary レビュー|Iシリーズ2本目の明るい24mm登場! https://shasha.kitamura.jp/article/483454979.html
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 映像ユニットのFPS24さんによる、シグマ「24mm F2 DG DN | Contemporary」レビュー記事です。動画とも静止画とも相性の良い焦点距離24mmで映し出す、旅の1コマをご覧ください。 ----- KEYWORDS: シグマ,Sigma,24mm F2 DG DN | Contemporary,レビュー,広角単焦点レンズ,FPS24 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム XF8-16mmF2.8 R LM WR|旅写真家が選ぶ広角ズームはどれ? BASENAME: 483979052.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三田崇博 DATE: 10/23/2021 11:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF8-16mmF2.8 R LM WR,広角ズーム ----- BODY: 04_作例.JPG

はじめに

 こんにちは。旅写真家の三田崇博です。今回は富士フイルムの超広角ズームレンズ「XF8-16mmF2.8 R LM WR」をレビューします。前回レビューした「XF10-24mmF4 R OIS WR」との違いを交えながらお話しできればと思います。  旅写真では様々な被写体に対応できるように超広角から超望遠まで揃えるのが理想ですが、特に公共の交通機関で移動したり歩いたりすることが多い場合は、機材の重量も重要な要素になってきます。私は旅に行くときには、軽量のXF10-24mmF4 R OISをメインに使用してきましたが、本レンズでしか撮れないものもあり海外まで持っていったこともあります。 ■XF10-24mmF4 R OIS WRの記事はこちら

8mmという画角について

 このレンズは広角側が35mm換算で12mmという超広角ズームレンズです。それでいてズーム全域でF2.8という、富士フイルム最広角が撮影できるレンズになります。他メーカーでも同様の焦点距離と明るさを持つズームレンズは、ソニーのFE 12-24mm F2.8 GMくらいかと思います。  画角がXF10-24mmF4 R OIS WRと比べて2mmしか違わないと思う方もおられるかと思いますが、広角側にいけばいくほどこの2mmの差は大きく感じられます。数字を使って説明すると8mmは10mmに比べて約35%広い面積を撮影することができます。これは望遠レンズで比べると400mmと500mmの違いと同じになります。
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XF8-16mmF2.8 R LM WRのワイド端8mmにて撮影
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XF10-24mmF4 R OISのワイド端10mmにて撮影

XF10-24mmF4 R OISとの比較

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左:XF8-16mmF2.8 R LM WR 右:XF10-24mmF4 R OIS
 XF8-16mmF2.8 R LM WRXF10-24mmF4 R OIS WR
焦点距離(フルサイズ換算)12-24mm15-36mm
質量805g385g
最短撮影距離25cm24cm
開放F値F2.8F4
手ブレ補正非搭載3.5段
フィルターサイズ-(前面装着不可)72mm
絞り羽枚数9枚7枚
防塵防滴
発売時期2018.112020.11
 XF10-24mmF4 R OIS WRと比べ2倍以上の重量を持つ本レンズは、カメラに付けて軽快に持ち運ぶというよりも、バッグにしまっておいて「ここぞ!」というときにじっくり撮影するタイプのレンズだと思います。手ブレ補正という点はXF10-24mmF4 R OIS WRのほうが勝るポイントですがX-T4、X-S10、X-H1などのボディ内手ブレ補正が搭載されている機種でしたら全く問題ありません。  このレンズは9枚羽絞りを採用しているので、絞り込んで撮影したときには光源から18本の光の筋(光条)が出ます。XF10-24mmF4 R OIS WRは7枚羽(光条は14本)なので、強い光源や太陽を撮ったときの印象が変わります。ただ、光条の本数に関しては多いほうがいいというわけではなく、そこは好みによります。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F22 SS1/240秒 ISO200 焦点距離8mm ■撮影地:天空の鳥居(山梨県富士河口湖町)
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF10-24mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F16 SS1/340秒 ISO160 焦点距離10mm ■撮影地:美人林(新潟県十日町)

XF8-16mmF2.8 R LM WRが必要な被写体

①星空

 このレンズで一番撮りたいものといえば星空ではないでしょうか?星だけを撮るならここまでの広角は必要ないかも知れませんが、旅先ではなるべくその土地が分かる対象物と一緒に撮影したいものです。また、星は1時間に15度のスピードで動いています。よってあまり長いシャッター速度だと星が線状になり、ブレたような写真になってしまいます。  よく言われるのが「500ルール」というもので、500をレンズの(フルサイズ換算した)焦点距離で割った値が星が止まって写るギリギリのシャッター速度だというものです。このレンズの最広角側の8mm(フルサイズ換算12mm)の場合は約40秒まで星が止まったように見えることになります。XF10-24mmF4 R OIS WRの場合は10mm(フルサイズ換算15mm)なので約30秒となります。解放F値の違いを考えるとこのレンズのほうが圧倒的に星を撮る場合には有効なことが分かります。  奈良県の星空撮影で有名な大台ケ原に行ってきました。ここは容易にアクセスができて駐車場からでも満天の星空を撮影することができます。下の地図は全国各地の光害分布の分かる「light pollution map」というものですが、大台ケ原の位置(赤の星印)は光害がとても少ないことが分かります(赤色になるほど光害が多いことを示す)。この地図はインターネットで簡単にアクセスできますので、ぜひご自宅の近くの光害の状況をチェックしてみてください。 06_光害マップ.png
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F2.8 SS15秒 ISO6400 焦点距離10mm ■撮影地:大台ケ原(奈良県吉野郡)
 星空を撮影しようと紅葉の立山室堂のキャンプ場で一夜を過ごしました。晴れの予報でしたが思った以上に雲が多く、一晩インターバル撮影をした中で一番雲が少なかったカットです。この日は月明かりがあり雲がなかったとしても星空撮影には不向きな条件でした。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F2.8 SS10秒 ISO1000 焦点距離8mm ■撮影地:室堂(富山県立山市)
 以前に撮影した北海道屈斜路湖の星空です。水面に映る星まで捉えています。山の向こうが明るく見えるのは北見などの町の明かりです。このように、星空の撮影は月や町の明かりが少しあるだけでも写真に影響がでてしまいます。
09_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T3 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F2.8 SS30秒 ISO3200 焦点距離8mm ■撮影地:屈斜路湖(北海道川上郡弟子屈町)
 立山と大台ケ原ではタイムラプスムービーも撮影してきたのでぜひご覧ください。

②建築物

 世界遺産の撮影をライフワークとする私は、建物内部の撮影のときには1mmでも広いレンズで撮りたいと思うことがよくあります。野外だと対象物との距離を変えることで解決できますが、屋内の場合はそうもいきません。ただ、このレンズには手ブレ補正が搭載されていないので、三脚が使えない場所ではボディ内手ブレ補正のついたカメラに装着することをお勧めします。  少しでも海外気分を味わおうと向かった先は、日本に二か所しかないイスラム教モスクの一つ「東京ジャーミイ」。天井ドームの装飾全体を美しいステンドグラスとともに写し込むことができました。ちなみにもう一か所のモスクは神戸にあるのですが規模は東京に比べてとても小さいです。 ※礼拝中の撮影は禁止されていますのでご注意ください。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F11 SS1/6秒 ISO400 焦点距離8mm ■撮影地:東京ジャーミイ(東京都渋谷区)
 次に螺旋階段で有名な白丸ダムです。ここには魚の往来のための「魚道」が造られていて、4月から11月の土日祝には見学することが可能です。超広角レンズは中心に向かって遠近感が強調されるので、吸い込まれていくような印象の写真に仕上がりました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F7.1 SS1/5秒 ISO1600 焦点距離8mm ■撮影地:白丸ダム(東京都西多摩郡)

③風景

 単に広く写るだけでなく、独特の遠近感を使った表現をすることができます。カメラを水平よりも少し上に向けたり下に向けたりしてファインダーで効果を確認しながら撮影することにより、このレンズの特徴を出すことができます。そのためになるべく被写体に近づき撮影してみました。  まずは超広角を生かす場所として選んだのが鍾乳洞。奈良県の特別天然記念物の指定を受けた面不動鍾乳洞に行きました。全長280mに及ぶ洞窟内部は天然のクーラーになっていて夏場でも快適に撮影ができます。また、最近はカラフルにライトアップされていて自分の好きな色を見つけて撮影するのも楽しいです。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F8 SS2.6秒 ISO1000 焦点距離8mm ■撮影地:面不動鍾乳洞(奈良県吉野郡天川村)
 ライトアップの色の変化を動画でも撮影したのでご覧ください。
 次に東海地方の彼岸花の名所です。有名な童話「ごんぎつね」の舞台となった矢勝川周辺には全長約1.5kmにわたって、300万本以上の彼岸花が咲き誇ります。到着が夕方だったので日没後の撮影になってしまいましたが、フラットな光で撮影することができました。手前の花にかなり近づいて撮影しました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F16 SS4.5秒 ISO160 焦点距離8mm ■撮影地:矢勝川(愛知県半田市)
 富士の樹海と呼ばれる富士山の北西に広がる原始林で雨上がりを狙って撮影しました。遠近法で手前に伸びた樹木の根に張った苔がとても強調されています。まるで今すぐに動きそうなほどの存在感を出すことができました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F8 SS1/6秒 ISO500 焦点距離8mm ■撮影地:青木ヶ原樹海(山梨県富士河口湖町)
 少し前の撮影になりますが、冬の北海道をこのレンズと共に旅したときのものです。流氷観測船の船上からの撮影ですが、近くの氷の大きさと遥か遠くまで延々と続く流氷を同時に画角に入れることができました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T3 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F16 SS1/480秒 ISO200 焦点距離8mm ■撮影地:網走沖(北海道網走市)

④海外撮影

 最後に、コロナ禍以前の2019年にこのレンズを使ってタイとミャンマーで撮影した作例をいくつか紹介したいと思います。  世界遺産のアユタヤ遺跡にある巨大涅槃(ねはん)仏です。そこで祈る家族の姿が印象的だったため夕日で伸びる影を入れて撮影しました。逆光での撮影でしたがゴーストやフレアの発生もなくクリアな写真を撮ることができました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T30 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F22 SS1/75秒 ISO160 焦点距離11mm ■撮影地:ワット・ロカヤスタ(アユタヤ/タイ)
 バンコクのインスタ映えで有名になったワット・パークナムという寺院です。アユタヤ王朝時代に建てられた王室寺院で、印象的なドームの天井画全体とさらに床への映り込みまでも画角に収めることができました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T30 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F11 SS0.62秒 ISO160 焦点距離8mm ■撮影地:ワット・パークナム(バンコク/タイ)
 ミャンマー最南端にあるタイとの国境の町コータウンです。約200の島々が点在しそこへのクルーズやダイビングの拠点となっています。タイからの船がひっきりなしに発着する港の桟橋で早朝に撮影しました。この時間帯の空の色合いがなんとも言えません。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T30 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F2.8 SS1/15秒 ISO320 焦点距離8mm ■撮影地:コータウン(ミャンマー)
 あまり日本人には馴染みの少ないミャンマー東部のパアン周辺には、巨大な洞窟がたくさん存在しその一部が洞窟寺院となっています。洞窟の壁一面に刻まれた仏様はこのレンズを使ってもすべてを収めることができないほどでした。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T30 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F11 SS1.8秒 ISO160 焦点距離8mm ■撮影地:コーゴン洞窟寺院(パアン/ミャンマー)

まとめ

 大きさもお値段も重量級のレンズですが星の撮影をする方には必修のレンズだと思います。オールマイティーに使うならXF10-24mmF4 R OIS WRのほうがおすすめですが、超広角8mmの遠近感は使っていると結構クセになります。個人的には海外に行けるようになった時には防塵・防滴・-10度の耐低温構造にもなっている本レンズをオーロラの撮影でぜひ使ってみたいです。 ■写真家:三田崇博 1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。 日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 旅写真家の三田崇博さんによる、富士フイルム「XF8-16mmF2.8 R LM WR」のレビュー記事をお届け。超広角がもたらすダイナミックな構図と大口径レンズらしい優れた描写力をぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,広角ズームレンズ,XF8-16mmF2.8 R LM WR,レビュー,三田崇博 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ニコン Z fc|小型でクラシカルな外観×最新技術=旅にぴったりなミラーレス一眼 BASENAME: 483985980.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: クキモトノリコ DATE: 10/24/2021 11:00:00 TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,APS-C,ミラーレスカメラ ----- BODY: 01_Z fc作例.JPG

はじめに

 Z fcは、ニコンZ 50に続いて発売されたDXフォーマット(APS-C)のミラーレス一眼カメラですが、何よりもまずそのクラシカルな外観に魅了された方は多いのではないでしょうか。筆者もそのうちのひとりです。今回は「連れて歩くだけで写欲の上がる」そんな本機とともに長崎を訪れる機会を得たので、実際の使用感を旅先での写真とともにお伝えします。
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■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F6, 1/320秒, ISO100, WB:自然光オート, クリエイティブピクチャーコントロール:ソンバー(70%)

小型軽量と独立ダイヤルによる使いやすさ

 今回は本機(質量:約445g ※)とともに標準ズームレンズであるNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR(約135g)と、望遠ズームレンズNIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR(約405g)の2本を持参したのですが、トータルで約985g、なんと驚異の1kg以下。メイン機として使っているZ 6IIがカメラ本体だけで約705g(※)あることを考えると、この軽量さはなるべく荷物を軽くしたい旅にはピッタリの装備と言えます。 ※バッテリー及びメモリーカードを含む  個人的にはZ 50と比較してカメラ本体が少し大きい印象でしたが、実はZ fcの方が5g軽いという点は驚きでした。グリップはありませんが、フラットな本体は機内持ち込み用のバッグでの収まりも良く、またすんなりと取り出すことができて、空港で搭乗を待つひとときや機窓からの景色も気軽に撮ることができました。  窓の外にブロッケン現象が!慌ててカメラを取り出してパチリ。機内でも手元に置いておけるサイズというのは非常に重要です。
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■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F6.3, 1/1250秒, +1.3EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
 搭乗までの待ち時間に、飛行機を真横から撮影できるスポット(待合スペース)へ。
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■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F3.5, 1/500秒, +2.0EV, ISO1600, WB:オート, ピクチャーコントロール: オート
 本機に標準ズームレンズの組み合わせだと見た目がかなりコンパクトなので、レストランやカフェでの食事の撮影も仰々しくなくスマートに行える点がメリットと言えます。
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■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F5.6, 1/80秒, +0.7EV, ISO400, WB:オート, ピクチャーコントロール: オート
 本機はNikon FM2の外観を踏襲したデザインにより、露出補正とシャッター速度、そしてISO感度の設定は、それぞれカメラ上部に独立したダイヤルが設けられています。これにより変更したい設定にダイレクトにアクセスできるので、ダイヤルの位置さえ感覚で覚えてしまえばファインダーを覗きながらの設定変更が容易に行えます。私は日頃から動きのある被写体もAモードのままで撮影してしまうことが多いのですが、希望のシャッター速度になるようにISO感度で微調整……そんな撮り方もとても操作がしやすく感じられました。
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■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F3.5, 1/1250秒, +0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
06_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR ■撮影環境:F6.3, 1/2000秒, -0.3EV, ISO500, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート

ローアングルでのタテ位置撮影がしやすいバリアングルモニター

 Z fcはZシリーズ初のバリアングルモニターが搭載されたことで、ローアングルでの撮影でヨコ位置のみならず、なんといってもタテ位置が非常に撮りやすくなったことも特筆すべき点のひとつ。今回はたくさんの猫たちと出会ったのですが、このバリアングルモニターが大活躍してくれました。
07_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F3.5, 1/250秒, +0.7EV, ISO100, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
08_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR ■撮影環境:F6.3, 1/200秒, +0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート

使いやすくなった瞳AFと動物AF

 現在はZシリーズのどの機種でも(一部機種はファームアップにより)瞳AFと動物AFを使用することが可能です。しかし、機種によってはAFエリアモードでオートエリアAFを選んでおきつつ、カスタムメニュー内の「オートエリアAF時の顔と瞳認識」の項目で「顔認識と瞳認識する」や「動物認識する」といった項目を選択しておく必要があります。  一方、本機ではZ 6IIなどと同様にデフォルトでAFエリアモードの選択肢として「ワイドエリアAF(L-人物)」「ワイドエリアAF(L-動物)」「オートエリアAF(人物)」「オートエリアAF(動物)」という項目があります。iボタンでよく使うショートカット的なメニューを呼び出し、AFエリアモードからすぐに設定を変更することができて非常に便利となりました。
09_Z fc画面.JPG
AFエリアモードはiボタンから素早く変更できる
10_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR ■撮影環境:F8, 1/60秒, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
 路地に佇む黒猫を発見。カメラはまず猫の体全体を捉えてピントを合わせていましたが……
12_AFエリア.jpg
猫の顔が見えないと動物AFは効かない
11_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR ■撮影環境:F6.3, 1/80秒, -0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
 こちらに気づいて振り向くと動物AFの本領発揮。猫の目をキャッチしたあとは猫の動きに合わせてフォーカスポイントも移動してくれました。
14_AFエリア.jpg
猫や犬の瞳を検出してピントを合わせる動物AF
13_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR ■撮影環境:F6.3, 1/80秒, -0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
 とあるおうちの前の路地で寛ぐ猫ちゃんを発見。ちょうど飼い主さんがおられたので一緒に撮らせていただきました。この時は動物よりも人物優先、iボタンから設定をオートエリアAF(人物)にパパッと変更して撮影。操作性の良さは重要です。
15_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F9, 1/20秒, +0.3EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
 尚、この動物AFは「犬と猫にのみ対応」であり、後日動物園を訪れた際に試してみましたが「ネコ科の大型動物」はダメでした、残念!(笑)

高ISO感度とローライトAFの実力

 本機の最高常用ISO感度は51200であり、ローライトAFと組み合わせることで、かつてなら撮影が不可能であったような暗闇でも動物撮影が可能に。肉眼では気付かなかった暗闇にいる猫までカメラは捉えてくれました。
16_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F6.3, 1/4秒, -1.0EV, ISO10000, WB:オート, ピクチャーコントロール: オート
17_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F6.3, 1/8秒, -1.0EV, ISO25600, WB:オート, ピクチャーコントロール: オート
 夜も更けた時間に駐輪場全体を照らす街灯はなく、とにかく暗い場所でしたが翌朝同じ場所を通りかかると印象は一変。実はこんな場所でした。
18_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F8, 1/640秒, +0.7EV, ISO400, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート

やわらかい仕上がりと解像感の良さ

 今回持参した2本のレンズは、以前Z 50を初めて手にしたときにキットレンズとは思えない描写力を体感して手に入れましたが、Z fcでも変わらずそのパフォーマンスの良さを実感。個人的にニコン機らしいと感じる、しっかり芯がありながらもやわらかい絵作りの他、ピクチャーコントロールの詳細設定で簡単に変更ができる「クイックシャープ」を使用することで、数キロ以上先の海上にあってモヤっとしてしまうような被写体もシャキッと描写することができ、レンズのヌケの良さをしっかり体現してくれています。外観のレトロさに今の新しい技術を組み合わせたハイブリッドなカメラの楽しさ・素晴らしさを実感するものでした。  稲佐山へ上がるロープウェイより。夕刻のやわらかな陽射しに包まれる街の空気感をうまく捉えてくれました。
19_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F5, 1/100秒, +1.0EV, ISO640, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
 午後の出島ワーフ付近を散策中の一枚。こちらもよく晴れた日の午後の逆光をうまく捉えてくれています。
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■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F8, 1/60秒, +1.3EV, ISO100, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
 黒島へ向かうフェリーより九十九島を望む。クイックシャープを+2.0に上げることで、遠くの山上にある風力発電機もよりはっきりと捉えることができました。
21_作例.JPGクイックシャープ022_作例.JPGクイックシャープ +2.0
23_作例.jpgクイックシャープ024_作例.jpgクイックシャープ +2.0
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F9, 1/200秒, +1.0EV, ISO100, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート
 稲佐山山頂展望台より撮影。望遠レンズを通して初めて目にする端島(通称 軍艦島)の、確かに軍艦のような姿をした島影にひとりテンションアップ。次回は実際に訪れてみたいものです。
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■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR ■撮影環境:F8, 1/80秒, -0.3EV, ISO200, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート(クイックシャープ +2.0)
 佐世保に向かって航行中の自衛隊の護衛艦を海上で発見、目一杯望遠の250mm(35mm判換算375mm)でクイックシャープを+2に設定。拡大して見ると甲板にはマスクをした自衛官の姿や「こんごう」という護衛艦の船名、またその奥に位置する島の造船所名と会社の標語までもがしっかり見て取れます。のちに地図上で確認すると、護衛艦までの距離はおそらく約10km程のようでした。
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■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR ■撮影環境:F8, 1/500秒, +0.7EV, ISO200, WB:自然光オート, ピクチャーコントロール: オート(クイックシャープ +2.0)

まとめ

 サイズ感と性能の両面から、本機が手軽な旅カメラとして非常に使いやすいカメラであることを実感する良い機会となりました。今回は上記の2本のレンズを連れて行きましたが、個人的には旅の装備としてここに35mm判換算で35〜50mmの明るい単焦点レンズを1本足したいところ。10月1日にZ fc本体とのSpecial Editionキットとして発売となったNIKKOR Z 28mm f/2.8 (Special Edition) (DXフォーマット機では35mm判換算で42mm相当−レンズ単体は11月19日発売予定)がまさにピッタリの画角。次の機会にはぜひこのレンズも一緒に連れて旅に出たいものです。
27_作例.JPG
■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR ■撮影環境:F11, 1/400秒, +0.7EV, ISO200, WB:自然光オート, クリエイティブピクチャーコントロール:ソンバー(80%)
■写真家:クキモトノリコ 学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。 公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員

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はじめに

 マクロレンズといえば「等倍撮影」という常識を打ち破り、最大撮影倍率1.4倍が特徴のRF100mm F2.8 L MACRO IS USMが登場しました。マクロ撮影から中望遠まで、RFレンズらしい高い描写性能とSAコントロールによる新たなボケの描写が魅力のハイスペックな一本です。  今回のレビューは、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMの性能を活かした作例をご覧いただきながら、お届けしたいと思います。 01_RF100製品画像.jpg

デザイン・外観

 長さ148mm、重量約730gとマクロレンズとしては標準かやや大きいかなというサイズですが、SAコントロールリングなど新しい機能の実装を考えると十分コンパクト。細かな操作をすることも多いマクロレンズとしては、手に馴染むちょうどよいサイズ感です。レンズ側面には、フォーカスリミット、AF/MF切り替えスイッチ、イメージスタビライザースイッチの三つが配置されています。SAコントロールリングは視認性が高く見やすい配置です。 02_レンズ側面.jpg

最大撮影倍率1.4倍

 長年のマクロユーザーであるほど、「マクロ=等倍」のイメージが強いのではないかと思います。このRF100mm F2.8 L MACRO IS USMはその常識を破り、最大撮影倍率が1.4倍に大変身。スペック上の1.4倍という数字も凄いのですが、写真を見て比べるとその違いがわかりやすいので倍率の違う作例を早速見てみましょう。

等倍と1.4倍の比較

03_等倍.jpg
等倍:写真に写っている被写体の横幅実寸は約36mm
04_1.4倍.jpg
撮影倍率1.4倍
 ファインダーを覗いて撮っていると、「え?ここまで寄れるの?」というぐらい近くまで寄れます。RF100mm F2.8 L MACRO IS USMのセンサーから被写体までの最短撮影距離は26cmですが、実用上はフードを外した状態でのレンズ面から被写体までの距離が9cm弱ぐらいと覚えておくと便利です。また、近接撮影ではレンズ側部のフォーカスリミットを0.26m-0.5mに設定するとピント合わせが速いです。

撮影倍率1.4倍で撮影した作例

 長年、等倍で撮影してきたので、撮影倍率1.4倍は体感的には驚くほど近寄れる印象です。
05_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/1000秒 ISO400
 マクロ撮影を超えて、顕微鏡の世界に入り込んだかのよう。
06_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/200秒 ISO800
 倍率1.4倍は葉脈などの質感や造形を切り取る時にも有効ですね。個性的な写真を撮りたい方に是非体感して欲しい世界です。
07_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/1000秒 ISO400
 等倍撮影でも小さな被写体を十分大きく描写可能ですが、撮影倍率が1.4倍となると、まるで顕微鏡で覗いた時のような、肉眼で見えているようで見えていない被写体の表情を捉えることができます。近所の公園などでも見たことがないような写真を簡単に楽しめるので、散歩のお供としてもおすすめです。ご覧いただいた近接写真は、実は家から5分以内の公園や路地で撮影した作例です。身近な世界の驚きの表情が撮れるのが嬉しいですね。

SAコントロールリング

 さて、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMのスペックで、皆さんが気になるのは「SAコントロールリング」ではないでしょうか?SAとは球面収差のことですが、この言葉は覚えなくても大丈夫!皆さんに知っていただきたいのはボケ味をコントロールできるリングであるという点です。早速、写真を見て比べてみましょう。 ■SAコントロールリングをセンターで撮影 08#.jpg
08センター.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/3200秒 ISO400
 SAコントロールリングを回すと、センターでカチッとなります。センターの状態にある時のみ、レンズ横にあるロックボタンが効きますので、普段はセンターでロックしておくとリングが回らずに撮りやすいです。  今までのマクロレンズと同じ感覚で、ピントを合わせた箇所をシャープに描写したい時は、SAコントロールリングはセンターと覚えておくと便利。開放F2.8の撮影でも、ピントを合わせた被写体はシャープで繊細な線を描きます。それでいながら、被写体前後のボケ味はやわらかくて美しい描写です。シャープさとボケのメリハリが心地よいレンズです。 ■SAコントロールリングを「+」で撮影 09#.jpg
09プラス.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/2500秒 ISO400
■SAコントロールリングを「ー」で撮影 10#.jpg
10マイナス.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/3200秒 ISO400
 まず最初にSAコントロールリングを「+」でも「ー」でもピントを合わせた被写体はソフトフォーカスフィルターを使ったかのようにやわらかい描写されることを覚えておきましょう。ピントが合っていないわけではないので心配しないでOKです。違うのはピントを合わせた被写体の前後のボケ具合です。 ■ボケの特徴 ピントを合わせた被写体を基準にすると、 「+」は背景のボケが硬く、前景のボケはやわらかい。 「ー」は背景のボケがやわらかく、前景のボケは硬い。  下の作例は、SAコントロールリングを「+」で撮影した一枚です。ボケの硬さを強調するためにメモリーの端までリングを回しています。リングの位置によって、ボケの強度は変わりますので、被写体をモニターかファインダーで確認しながら効果を調整して使うのがいいでしょう。
11_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/2000秒 ISO800
 下の作例はSAコントロールリングを「ー」で撮影した作例です。全体がやわらかい印象の写真になります。
12_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/1600秒 ISO400

高画質の中望遠レンズ

 自然風景の撮影で、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMはマクロ撮影だけでなく中望遠の単焦点レンズとしても高い描写力を発揮するレンズです。マクロ撮影ではF2.8などの開放寄りの絞り数値をよく使いますが、中望遠では私自身はF8~F11前後に絞り、被写体である自然風景の細部を豊かに写し出して、今までにない解像感とシャープネスを楽しんでいます。  マクロと中望遠という2本の役割が1本に収まり、実は汎用性が高いのもこのレンズの嬉しいポイントです。中望遠として使う時は、フォーカスリミットは、0.5m-∞で撮影しています。ナノUSMモーターで駆動するAFは超高速でストレスがありません。  中望遠レンズの圧縮効果を使いながら、手持ちで神奈川県の城ヶ島の岩肌から海、空の表情までを微細に捉えた一枚。このレンズを手にしたら、是非プリントをしてその繊細な描写力を味わってみてください。
13_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F11 1/1000秒 ISO400
 上の写真と同じく、城ヶ島から眺めた相模湾のゆらめき。絞りF11で撮影することで、波頭を繊細に描くことができました。海を撮る時は明暗に注目すると質感のある波の表情を撮りやすいですね。RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは中望遠レンズとしても超優秀なレンズです。
14_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F11 1/4000秒 ISO100
 こちらは和歌山県の那智の滝です。カメラはEOS R5で、EVF(電子ビューファインダー)を覗きながら、手持ち撮影しました。岩肌の造形と木々の細かな質感だけでなく、高速シャッターで水の一瞬の表情も捉えています。
15_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F11 1/2000秒 ISO400

手ブレ補正

 RF100mm F2.8 L MACRO IS USMはEOS R5のようなボディー内手ブレ補正機構のあるカメラとの協調制御で、8.0段分の手ブレ補正効果を発揮します。よく、マクロレンズはブレやすい、AFが合わなくて撮影が難しいという話を伺いますが、8.0段分の手ブレ補正効果があれば、絶対とは言えませんが、ほぼ大丈夫。  小さなキノコの撮影などは足場が悪くて三脚が立てられない場面も多く、手持ちで撮影する機会が多いマクロですが、強力な協調手ブレ補正で撮影がかなり楽になりました。暗いシーンでもとても撮りやすいです。  夕方の日が沈んだ後の時間帯。カメラとの協調制御のおかげで手ブレもなくピントがシャープ。シャッター速度は1/10秒というスローシャッター。
16_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/10秒 ISO1600
 ISをわざとオフにして撮影してみました。シャッター速度は同じ1/10秒です。上の写真と比べると、いかに手ブレ補正が効果を発揮しているかが分かると思います。
17_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ■撮影環境:F2.8 1/10秒 ISO1600

まとめ

 今回は、超近接撮影から中望遠までの幅広い撮影が楽しめるRF100mm F2.8 L MACRO IS USMをご紹介させていただきました。RFシリーズの新世代マクロレンズは描写がシャープなだけでなく、強力な手ブレ補正や個性的なSAコントロールリングによるボケの表現で、新たな写真の世界へ皆さんを連れて行ってくれるでしょう。 ■写真家:GOTO AKI 1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。

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はじめに

 ソニーからEマウントのフルサイズ ミラーレスカメラ用交換レンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」を2021年11月26日(金)に発売するとアナウンスがありました。 本レンズはボディー性能の進化と動画撮影ニーズの高まりに合わせて進化した大三元レンズで、EマウントのG Masterレンズとしては、初めてのII型となります。光学系の見直しとAFを動かすアクチュエーターの刷新等により、描写性能を進化させつつ大幅な軽量化とAF速度を最大で4倍向上させ、動画撮影時でも使い勝手の良いモデルになっています。今回はソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたので、そのレポートを是非ご覧ください。

大幅な軽量化と描写性能の向上

 従来モデルと外寸は全く一緒にも関わらず、質量は約29%(1,480g→1,045g)の軽量化を実現しており、従来モデルと持ち比べてみるとその軽さに驚かされます。これは光学系の見直しにより、超高度非球面XAレンズやスーパーEDガラスをはじめとするエレメントを効果的に配置する事でレンズ枚数を6枚減らし、アクチュエーターや鏡筒部分の材質をより軽量にする事で実現しているとのこと。インナーフォーカスの70-200mm F2.8 大三元と言えば、描写力は高いけど少し重くても当然だと思っていましたが、これだけ軽くなった事に驚きでした。
01_70-200mmの1型と2型の比較画像.jpg
一見するとどちらも同じレンズに見えます。 左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
02_70-200mmの1型と2型の大きさ比較.jpg
並べてみるとII型の方がフォーカスリングの幅が短くなり、絞りリングがついた事が分かります。 左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
03_70-200mmの1型と2型の重量比較.jpg
同じ大きさに見えても重量はこれだけ違います。 左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS ※写真はセキュリティーコード類が付いた重さになります
 従来モデルはフロントヘビーになっていましたが、本機は三脚座の真上あたりに重心がくるようになっており、カメラに装着した際のバランスがとても良いのを感じます。 04_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIを手に持った画像.jpg  また、光学系の見直しは高解像を実現する為にも行われており、解像度をグラフで確認できるMTF曲線で従来モデルと比較してみると、広角、望遠側共に開放からF8まで解像力が向上しているのが見てとれます。従来モデルも描写力という点では高評価を得ていましたので、それを上回る解像力を持つ本レンズと最新のαシリーズとを組み合わせて撮影するのはとても楽しみですね。 ▼FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIのMTF曲線はこちら https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL70200GM2/feature_1.html#L1_340 ▼FE 70-200mm F2.8 GM OSSのMTF曲線はこちら https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL70200GM/feature_1.html#L1_140  高解像と共にG Masterならではの美しいボケも健在です。
05_作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/320 ISO1000 露出補正+1 焦点距離200mm

AF速度と追従性能

 AFを駆動させるアクチュエーターは、従来モデルではリングドライブSSMと2つのリニアモーターを採用していましたが、今回のモデルでは刷新されXDリニアモーターを4基搭載し、これにより最大で4倍のAF速度を実現しています。手前と奥にAFを移動させて撮影したサンプル映像がありますのでご覧ください。
 AFはスピードだけでなく追従性能も向上しており、絞った時やズーミング時の追従性能も大きく向上しています。ズーミング時の追従性能は従来モデルと比べて30%向上しているとの事でしたのでサンプル映像を撮影してみました。人物が奥から手前に走ってくるのに合わせて、望遠側から広角側にズーム操作を行いながら瞳AFで追従させています。
 また、AFは静粛性にも優れており、音作りに拘る動画撮影ユーザーにも配慮したつくりにもなっています。

操作性能

 インナーフォーカスは前玉が繰出すタイプと比べて重心の移動が少ないのでバランスが良く操作しやすい事や、PLフィルターが回転しないので使い勝手が良いなどの特長があります。今回は更にAFスピードの向上や最短撮影距離を短くするなど、インナーフォーカスのメリットを最大限に活かしたつくりになっています。 06_70-200mm-手持ち1.jpg  レンズフードは丸型のバヨネット式が採用されており、先端にはゴム素材が巻いてありますので、フードを下にしてカメラを置くことが出来るのは嬉しいですね。また、円偏光フィルターや可変NDフィルターの操作を可能にするフィルター操作窓があります。
07_フィルター操作窓.jpg
フィルターの操作窓を開いた状態
 フルタイムDMFスイッチが新たに搭載され、AF-Cで撮影している途中で、フォーカスリングを回せばマニュアルフォーカスにする事ができます。AF-Cで撮影中に意図しない被写体にフォーカスが移動してしまった時でも、マニュアルフォーカスで瞬時に狙った被写体にピントを戻す事が出来ます。 08_70-200mm-スイッチ1.jpg  他にも、手ブレ補正では動体撮影に最適化されたMODE3が追加になっていたり、絞りリングが搭載されクリックのON/OFFが可能になっていたりしますので、動画撮影中にも音を立てずスムーズに絞りの開閉が可能になります。
09_絞りリング1.jpg
絞りリングを回して絞りを開閉させている
10_CLICKのON OFF70-200mm-14.jpg
絞りリングのクリック音をON/OFFできるスイッチ

フォーカスブリージング

 動画撮影する際にピント位置が移動すると、フォーカスブリージングといって画角が少し変わってしまう事があります。従来のG Masterレンズでもこのフォーカスブリージングを抑制していましたが、本レンズでは最新の設計技術により、更に抑制できるようになっているようです。サンプル映像を撮影してきましたのでご覧ください。

0.3倍の撮影倍率

 最大撮影倍率は0.3倍で、ワイド端70mmの最短撮影距離は40cmです。従来モデルは96cmでしたので、比較すると56cmも近くに寄って撮影する事ができます。風景撮影に出かけた時には、花やそこに止まった蝶々を大きく映すことができます。
11_最短撮影距離.JPG
70mm側の最短撮影距離で撮影
12_最短撮影距離_作例.JPG
最短撮影距離で撮影した写真

テレコン

 1.4倍、2倍のテレコンバーターを使用できるため、レンズの焦点距離を変えて撮影の幅を広げることも可能です。
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FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIに2xテレコンを装着
 200mm~400mmの超望遠を頻繁に撮影される方は、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSの購入を検討されている方もいらっしゃると思います。写真家の坂井田富三さんが従来モデルのFE 70-200mm F2.8 GM OSS + 2xテレコンとFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを使った場合の比較作例を用いてレビューしていますので、こちらの記事も是非ご覧ください。 ■ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS レビュー|αユーザーなら是非持っておきたいレンズ(坂井田富三) 坂井田さん記事へのリンク画像.jpg

さいごに

 これまで大三元レンズの描写力やAF速度、撮影倍率がこれだけ向上すれば、希少なレンズ素材を使用することで価格がぐんと上がるか、価格が同じでも重量が増えるものだと思っていました。「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」には良い意味で期待を大きく裏切られ、インナーフォーカスはそのままに、これだけの描写力や撮影倍率の向上がなされる中で価格は殆ど変わらず、質量も約29%軽量化され、動画撮影性能が向上するなど驚くべき進化を遂げたレンズになっていると感じました。今までI型を使っていた方は勿論、大三元の描写力に魅力を感じつつも重くて諦めていた方、動画撮影を楽しまれる方、素早く動く被写体を確実にものにしたい方などは是非本レンズを触って使用感や性能を確認してみて欲しいと思います。次回は写真家によるFE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビューを公開したいと思いますので、そちらも楽しみにしていてください。

その他のソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II の記事はこちら

・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|この軽さは異次元!飛躍的に進化した望遠ズームレンズ https://shasha.kitamura.jp/article/484841184.html ・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|人物、航空機、紅葉、風景、スナップ撮影で本レンズの魅力を探る! https://shasha.kitamura.jp/article/484608135.html ・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|小川晃代 https://shasha.kitamura.jp/article/485832622.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ソニーからEマウントのフルサイズ ミラーレスカメラ用交換レンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」が登場。ソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたので、その時のレポートを是非ご覧ください。2021年11月26日発売。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,交換レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,ミラーレスカメラ,大三元,望遠ズーム ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: ソニー α7R IV レビュー|野鳥撮影における高解像度モデルの優位性 BASENAME: 484055118.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山田芳文 DATE: 10/27/2021 16:00:00 TAGS: α7R IV,ソニー(Sony) ボディー,野鳥,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: α7R IV作例 (3).jpg

はじめに

 今現在、私は2種類のカメラをメイン機として使って野鳥を撮影しています。ひとつはソニーのα1で、もうひとつはα7R IVです。今回は後者のα7R IVでの野鳥撮影の優位性についてご紹介させていただきます。

撮る道具として使いやすい

 写真を撮る道具としての使いやすさは、数値化されたスペックとして表に出てくることがないため、あまり知られていないかもしれませんが、第4世代になったα7R IVは非常に使いやすいカメラです。第3世代と比べて使いやすくなったところはたくさんありますが、特筆すべきところは、 ①グリップが深くなった ②ボタン類が押しやすくなった ③ファインダーが見やすくなった ④露出補正ダイヤルにロックがついた の4点です。  深くなったグリップは握りやすく、長時間手持ちで撮影する時に疲労の低減にもつながります。 α7RIV(グリップ)01.jpg  そして、背面のボタン類は少し大きくなり、中のパッキンも一新されたそうです。これによって、非常に押しやすくなりました。 α7RIV(ボタン)02.jpg  EVFはα7R IIIのファインダーから約1.6倍の576万ドットに高解像化されました。ファインダーをのぞいた瞬間にキレイになったことが実感できますので、ぜひ1度体感してみてください。 α7RIV(ファインダー)03.jpg  最後は露出補正ダイヤルです。露出補正ダイヤルにロックがついていないカメラだと、撮影に行く移動中にカメラバッグの中でダイヤルが勝手に動いて、撮影現場に着いたら+2になっていてビックリ、というような経験がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。α7R IVは露出補正ダイヤルにロックがついたことで、このような事態になることはありません。こういう気の効いた改良点は個人的にも非常に有り難く思っています。 α7RIV(露出補正ダイヤル)04.jpg

AFの精度と追従性能

 AFの精度と追従性能については、第3世代のα7R IIIでも十分に良好でしたが、さらに進化しました。いわゆる空抜けのようなシンプルな背景の時に、問題なくピントを鳥の目に合わせてくれるのはもちろんのこと、かつてAFが外しやすかった複雑な背景の時でも、ピントがバックに引っ張られてしまうということはありません。  その昔、背景が複雑なシーンで飛んでいる鳥を撮る時は、AFが後ろに外すことが当たり前だったので、仕方なくマニュアルフォーカスに切り替えて撮影していましたが、2021年の今、α7R IVをもってすれば、このようなシーンでもAFで撮影することができるようになりました。背景が複雑なシーンでα7R IVを使って飛んでいる野鳥を撮る時、私は、フォーカスモードはAF-C(コンティニュアスAF)にして、フォーカスエリアはトラッキング:ゾーンに設定することが多いです。そして、AF被写体追従感度ですが、ハクチョウのように直線的に飛ぶ鳥の場合は、4もしくは3に、コミミズクのようにひらひらと飛ぶ鳥の場合は2もしくは3にすることが多いです。  撮影前に野鳥の観察を丁寧に繰り返すと、行動パターンが読めるようになります。それができれば、もう撮れたも同然で、あとは最適な設定にしたα7R IVに委ねるだけ、そんな時代になりました。
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■使用機材:ソニー α7R IV+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:焦点距離400mm F5.6 1/2500秒 ISO1250
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■使用機材:ソニー α7R IV+FE 600mm F4 GM OSS ■撮影環境:焦点距離600mm F4 1/1600秒 ISO400

α史上最高の解像性能で撮る野鳥風景

 近年のカメラは、どのようなものを使っても、それなりによく写るので、鳥を大きく写す場合に画質的に残念な結果になることはあまりありません。しかし、鳥を小さく写す場合はちょっと話が変わってきます。鳥がいる風景写真をライフワークにしている私は、鳥の周囲に大きく風景を取り入れて主役の鳥を小さく写すことが多々あるのですが、このような条件で撮ると、カメラの本当のポテンシャルがよくわかります。  α7R IVは鳥を小さく写す場合でも、約6100万画素の高解像なフルサイズのセンサーとローパスフィルターレス仕様によるクリアな解像感、G Masterレンズの解像力が互いにリンクして、考えられないような高画質で鳥がいる風景写真を撮影することができます。野鳥は600mmクラスの超望遠レンズがなければ撮影できないと思っている人はぜひ、このカメラに焦点距離が短めのレンズをつけて鳥を風景的に小さく写してみてください。本当によく写ることが実感でき、もう元には戻れなくなることでしょう。
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■使用機材:ソニー α7R IV+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:焦点距離400mm F8 1/800秒 ISO160
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■使用機材:ソニー α7R IV+FE 135mm F1.8 GM ■撮影環境:焦点距離135mm F2.8 1/3200秒 ISO160
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■使用機材:ソニー α7R IV+FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:焦点距離85mm F2.8 1/250秒 ISO400

ダイナミックレンジが広い

 かつての高画素機はダイナミックレンジ的にちょっと問題がありましたが、前モデルのα7R IIIがそれを克服し、ダイナミックレンジが広い高画素機として登場しました。α7R IVは6100万画素とα7R IIIの4240万画素から1.5倍近く高画素になったので、使う前はダイナミックレンジが狭くなっているのではないかとちょっと心配しましたが、全く問題はなく、広いダイナミックレンジをキープしてくれています。なので、明暗差が激しい条件でも躊躇なく撮影することができます。  シジュウカラのような白黒模様の鳥を晴天の硬い光で撮影する時、ダイナミックレンジが狭いカメラだと、ハイライトかシャドウのどちらか一方を犠牲にしなければなりませんが、α7R IVで撮影すれば、暗いところから明るいところまで全ての階調を再現することができます。
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■使用機材:ソニー α7R IV+FE 600mm F4 GM OSS ■撮影環境:焦点距離600mm F4 1/250秒 ISO160

ローパスフィルターレス仕様でもモアレが出ない

 デジタルカメラが普及し始めた頃、カメラには通常、モアレが出にくくなるようにローパスフィルターがついていましたが、普通にモアレが出ました。α7R IVは高画素化することで、ローパスフィルターレスにしてもモアレがほとんど出ないと聞いたので、テストするためにマガンを撮影しました。モアレが出やすい条件(羽根が規則正しく並ぶところに対して、センサー面ができるだけ垂直水平になるようにカメラ位置を決め、シャープに像を結びやすい絞り値でクローズアップ)で撮影しましたが、ご覧の通り、モアレは出ていません。
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■使用機材:ソニー α7R IV+FE 135mm F1.8 GM ■撮影環境:焦点距離135mm F5.6 1/250秒 ISO500

まとめ

 撮る道具として使いやすいα7R IVは、確かなAFと広いダイナミックレンジが特徴です。そして、考えられないような高画質で野鳥を撮影することができるので、寄りで切りとる時はもちろんのこと、引きで風景的に野鳥をとらえる場合にもおすすめです。鳥がいる風景写真を撮っている人や撮ってみたい人は、ぜひこのカメラを使ってみてください。 ■写真家:山田芳文 「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。ライフワークは鳥がいる風景写真。主な著書は『写真は「構図」でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)、『やまがら ちょこちょこ』(文一総合出版)など。最新刊は『SONY α6600 基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)。

[終了しました] 山田 芳文 写真展 『ともに生きる〜野鳥と人〜』

写真展告知用ジョウビタキ.jpg ■会期:2021年10月23日(土)~2021年11月5日(金) ■時間:11:00~20:00 ※最終日は17:00まで  ※営業時間に準じて変更になる可能性があります。 ■会場:αプラザ(大阪)※ ソニーストア 大阪内 ■住所:〒530-0001 大阪市北区梅田2-2-22 ハービスエント 4F   ■入場料:無料 ■写真展『ともに生きる〜野鳥と人〜』のイベントページ
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山田芳文さんがソニー α7R IVのレビューをしています。野鳥撮影でのα7R IVのメリットも解説していますので、野鳥に興味がある方も必見です。 ----- KEYWORDS: α7R IV,レビュー,ILCE-7RM4A,ソニー,Sony,ボディー,鳥 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports レビュー|葛原よしひろ BASENAME: 484002727.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 葛原よしひろ DATE: 10/28/2021 16:00:00 TAGS: 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports,シグマ(Sigma) レンズ,望遠ズーム ----- BODY: ShaSha150-600mmDGDN\01.jpg

はじめに

 SIGMAから先日発売された超望遠ズームレンズ「150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」は、SONY Eマウント用とLEICA Lマウント用の2種類のマウント用レンズが販売されていますが、今回は装着ボディにSONY α1を使用してEマウント用にスポットを当ててレビューをさせていただきます。

150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports スペックについて

 このレンズはDG DNシリーズという事で、ミラーレス一眼用レンズとして完全な新設計となっており、従来のSIGMA 150-600mm DG OS HSM | Sportsとは全く別のレンズとして製造された製品になります。  ミラーレス用という事もあり手に持った瞬間、明らかに軽量化されている事を感じました。実際カタログを見比べてみると150-600mm DG OS HSM | Sportsは重量2860g、フィルター径105mm、長さ290.2mmx直径121mmに対して、150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sportsでは重量2100g、フィルター径95mm、長さ265.6mmx直径109.4mmと大幅に小型軽量化されている事が分かります。

150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports 作例

ShaSha150-600mmDGDN\02.jpg
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports ■撮影環境:ISO250 SS1/1600 F8
 超望遠ズームレンズなので、先ずは大阪国際空港(伊丹空港)近辺で飛行機の撮影に使用してみました。  実際に使用してみて、解像感の良さは超望遠ズームレンズでは無く、単焦点レンズかと勘違いしそうなほど素晴らしいものでした。作例の写真を拡大して観ていただくと、これから着陸するパイロットの真剣な眼差しや、飛行機の機体に写り込むエンジン・飛行場近辺の町が細やかに描写されており、圧倒的な解像感について納得いただけると思います。
ShaSha150-600mmDGDN\03.jpg
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports ■撮影環境:ISO500 SS1/1600 F8
 私が動体撮影時に設定しているAF設定の殆どは、最近のSONY αシリーズに搭載されているトラッキングAF機能(選んだ被写体が移動してもAFが追い続けてくれる機能)を使用しています。  動体撮影を前提としたレンズ選びの場合に、このAF機能がどのくらい力を発揮出来るレンズなのかが私の購入時に最重要ポイントの一つになっています。この点に関して、結果から言うと満足する性能を発揮してくれました。  先ず被写体に合焦するスピードは素早く正確に合焦してくれるので合格です。ただし最近のAFレンズの場合、ここで不合格になるレンズは少ないです。問題は一度AFが合焦してから動体にどのくらい喰い付き続けてくれるかなのですが、このレンズはこの点で素晴らしく良い印象でした。追い続けている最中にAFを外す事は少なかったのですが、逆光でコントラストがかなり低くなったりするとどうしても外れてしまう事は有ります。その場合、大抵のレンズは復旧出来ずに外れたままになるのですが、このレンズはかなりの確率でAFが戻って合焦してくれました。  これからAF性能の競争は多分この部分がポイントになってくると思うのですが、勿論ボディ側の性能はベースとして必要な上で、ボディの性能を100%活かせるレンズ性能は同じくらい重要な要素です。今回は超望遠ズームレンズとしてはかなりの完成度だと感じました。
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■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports ■撮影環境:ISO100 SS1/125 F13
 AFの捉え続けてくれる性能が良いレンズだと、流し撮り撮影もとても楽に撮影しやすくなります。この写真では機体側面にある飛行機会社のロゴマークにトラッキングAFを設定してSS1/125で振っています。結果、機体側面の窓の中が見えるくらい合焦したまま流せているのが解ります。  そしてAF機能の良さ以外にもう一点、このレンズの機能に助けられている事が有ります。それはレンズ側に搭載されている手ブレ補正機能なのですが、この手のレンズでは最近当たり前になりつつあります。  その中で本レンズには、横方向の手ブレ補正だけをオフにする手ブレ補正OSスイッチが搭載されているのですが、それとは別に斜め方向の重力を感知するセンサーが内蔵されています。実際この写真のように真横移動(電車や自動車撮影に多い)では無く、飛行機の飛び立つ瞬間のような横移動プラス浮き上がるような複雑な斜め移動を感知・制御してくれるので、このようなシーンの撮影が今までよりも簡単に撮影しやすくなっていることも好印象でした。
 飛行機が滑走路に入ってきて飛び立つまでの動画です。まず滑走路へ横向きに入ってくるときのパイロットの動き、旋回してから浮き上がるまで機体に写り込む滑走路のホワイトラインや路面、そして何より、この日は気温が高く気圧の関係で風が強かったので機体を真っ直ぐにする為に尾翼が細かく動きながら調整している様子を、4K60Pできっちり映してくれました。  気温の高さで陽炎が強い場合や浮き始めのコントラスト低下で一瞬フォーカスがズレますが、直ぐに合焦し直す点も素晴らしく、動画にも使いやすいレンズです。 (*途中音声に話し声等入っております)
ShaSha150-600mmDGDN\06.jpg
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports ■撮影環境:ISO6400 SS1/400 F6.3
 ここまで昼の明るい時間から暗くなるまで撮影しましたが、どちらも発色も良い印象です。かなり暗い状況での速い被写体もAF追尾してくれましたので、使用出来る範囲や時間も想像より広いと思いました。
ShaSha150-600mmDGDN\07A150-600mm.png
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports ■左上より150mm 200mm 300mm  左下より400mm 500mm 600mm
 150mm~600mmまでの画角の違いを、東京駅を背景に2020 Miss Grand Japanファイナリストの安藤美樹さんに御協力いただいて撮影。改めて画角の違いを比べてみると、飛行機や野鳥だけでなく風景等いろいろなシーンでも活躍出来そうな感じがします。

150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports 本体・性能をチェック

ShaSha150-600mmDGDN¥08写真.jpg  レンズ本体のスイッチ類ですが、一言で言うと「痒い所にも手が届く」といった感じで、各種設定をすればスムーズな撮影ができる便利な機能が多いです。先ずは写真に向かって右側の並んでいるスイッチを上から説明させていただきます。 ■フォーカスモード切換えスイッチ:AF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)の切替スイッチ。 ■フォーカスリミッタースイッチ:AFのフォーカス稼働距離を設定するスイッチ。 ■手ブレ補正OSスイッチ:手振れ補正をオフ・縦横方向や縦方向だけ有効に切り替えるスイッチ。 ■カスタムモードスイッチ:OS(手ブレ補正)発動時のファインダーの見え方を変更出来るスイッチ。 ■ズームトルクスイッチ(写真に向かって左側のスイッチ):繰り出し式レンズの先端の伸をL=ロック、T=タイト、S=スムースと調整できるスイッチ。 ■AFLボタン(3か所):フォーカスロック以外の機能に変更割付可能なボタン。 ShaSha150-600mmDGDN¥09A写真.jpg ShaSha150-600mmDGDN¥09B写真.jpg  レンズ先端のレンズフード付け根辺りに付いている溝ですが、直進ズームとして使用する際に便利な指を掛ける為の溝になります。  私自身は使用していてあまり気にならないのですが、ズームリングの回転方向がSONY純正レンズと逆回転なので、使いづらいと感じる方もいらっしゃるみたいです。溝に指をかけて直進ズームしてしまえば回転方向は関係なくなりますので、気にならない使い方が出来ます。 ShaSha150-600mmDGDN¥10A写真.jpg ShaSha150-600mmDGDN¥10B写真.jpg ShaSha150-600mmDGDN¥10C写真.jpg  三脚座についてですが従来のネジ穴方式に加え、購入時からアルカスイス規格対応の溝が切ってあり、私もそうですがアルカスイス規格の雲台を導入している人にはかなり嬉しい部分です。  しかし、購入時付属パーツの三脚座では私の使用方法だと少し短いので、SIGMAから純正パーツとして販売されているTRIPOD SOCKET TS-101に変更して使用しています。
ShaSha150-600mmDGDN¥11写真.jpg
■使用機材:SONY α1 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports ■撮影環境:ISO400 SS1/200 F8
 最短撮影可能距離はワイド端150mmの時に58cmまで寄ることが可能で、最大撮影倍率も1:2.9(180mm)と、このレンズの寄れる所は凄く気に入りました。写真は180mm付近で最短撮影可能距離まで寄って百合の花の雌しべと雄しべを撮影したのですが、こうなってくるともう殆どマクロですね。

さいごに

ShaSha150-600mmDGDN¥12写真.jpg  今回のSIGMA150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sportsは飛行機撮影がメインでしたが、何一つ不満が無いと言って良い程の仕上がりでした。  外観も含めSIGMAらしく造りもしっかりしており、解像感は特に600mmでは単焦点レンズに引けを取らない程素晴らしく、逆光耐性もしっかりしており、AF性能も申し分なく、レンズ側での設定も豊富で何より軽くて小さい。その上、防塵防滴に配慮した設計までされていて至れり尽くせり。本当に凄いレンズが出てきたと思いますので是非お試しください。 13_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg 14_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg 15_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg 16_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg 17_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg 18_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg 19_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg 20_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg 21_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg 22_シグマ 150-600mm F5-63 DG DN OS Sportsで撮影した作例.jpg ■写真家:葛原よしひろ ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。 大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー JPS(日本写真家協会)正会員

シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports レビュー記事はこちらでもご覧頂けます

シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS Sports レビュー|三井公一 ~ Lマウント用にスポットを当てたレビューになっています ~ https://shasha.kitamura.jp/article/482815439.html
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はじめに

 動画も写真もこだわって他人と差をつけたい!という方におすすめのレンズ交換式Vlogカメラ「VLOGCAM ZV-E10」。αユーザーの私にとっても楽しみにしていたカメラです。  わんこにゃんこを撮影をしていると、あっ!このシーンは動画でも撮っておきたい!と思う事も多いもの。もちろんスマホでも手軽に動画撮影は出来るけど、より美しい映像を残したいと思うと物足りなさを感じますよね。  テレビや映画などで背景が大きくボケた美しい映像を目にしますが、やっぱりボケ味がキレイだとすごくお洒落に見えますし映像に引き込まれます。そんなボケ味を生かしたお洒落な動画も撮りたい!と思い今回は動画も撮ってみました。

簡単お洒落に動画が撮れる

 今回少し暗めの室内で撮影しましたが、そんな事を感じさせないほどディテールまでしっかりとキレイに撮影出来ました。撮影していると、このシーンはこのレンズで撮ってみたい、あのシーンはこのレンズで撮りたい!とレンズを使い分けたくなるのですが、それを可能にしたのがこのZV-E10。普段のαシリーズで使っているレンズを、アダプター無しでそのまま取り付けられるのが嬉しいポイントです。  さて、今回は全て手持ちで撮影しました。もともと写真撮影も手持ち派の私は、動画撮影においても手持ちでどこまで手ブレが軽減できるかが重要な要素でもあります。なんといってもペットの動画撮影をする時に一番苦労するのが、手ブレとピント合わせなのです。  今まではこの2点が解消できず、撮影を断念することも多々ありました。しかし、ZV-E10搭載の手ブレ補正「アクティブモード」は手持ち動画撮影時にとても心強い味方になってくれました。さらに、別売のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」を使えば、手元で録画のオン/オフが出来るので録画ボタンを押すときのブレを起こさず、初めから終わりまでブレの少ない動画を撮影できます。また、置いたままで撮影出来る三脚機能もあるので、愛犬のしつけトレーニングをしている様子の記録動画を撮ったり、カメラから離れて愛犬との記念撮影をしたりする時にも使えますね。  ZV-E10は「リアルタイムトラッキングAF」にも対応しているため、液晶モニターの画面をタッチしてピント合わせ、被写体を追尾させることができます。だからペットが動いてしまってピントが外れてしまった!なんて事もなく快適に撮影が出来るんです。  また、このカメラはボタンを押すと「静止画、動画、S&Q」の順に切り替えられるのですが、このS&Qモードが結構使えます。S&Qモードにするとスローモーション撮影やクイックモーション撮影が出来るようになります。ペット撮影で特にオススメなのはスローモーション撮影。高いフレームレートを選んで撮影すれば、なめらかでしっとりとしたイメージのスロー動画に仕上がります。

商品レビュー機能の使い方

 ペットの動画撮影では出番が少ないかもしれませんが、便利だなと感じた機能の一つが「商品レビュー機能」です。YouTube等で良く見る商品紹介動画の映像、紹介する商品をカメラの前に近づけるシーンがありますよね。この時通常であれば人の顔の方にピントが合い続けてしまう(=商品にはピントが合わない)のですが、商品レビュー機能をONにしておけば、カメラの前に来た商品にピントが合い、商品を手元に戻すと今度はしっかりと人の方に合うという便利な機能なんです。これはわんこの手作りグッズを作られている飼い主さんにオススメな機能です。  一つだけ注意しなくてはならない点は、この商品レビュー機能がONになっている時は、リアルタイム瞳AFが作動しない事。私も、商品レビュー機能をONにしたままでなんか瞳に合わないなあ?と感じながらペット撮影をしてしまった苦い経験があるので、ペット単体を撮る時にはこの商品レビュー機能は必ずOFFにして使いましょう。

αレンズがそのまま使える!

 ZV-E10はとにかく小型です。質量は約343gと持っているのを忘れてしまうくらいの小型軽量カメラなのに、センサーサイズはAPS-C。暗い場所にも強く美しいボケ味が楽しめるカメラです。先ほども言いましたが、ZV-E10はEマウントを搭載しているのでαレンズをそのまま使用出来ます。サブ機として迎え入れてあげるというのもおすすめですね。  私が愛用している70-200mmF2.8GMレンズをつけて撮影。主役のわんこはシャープに、手前と奥のコスモスはふんわりとボケています。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:F2.8 1/400秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離167mm
 光量が少ない環境でも瞳のうるおいや毛の質感をしっかりと再現してくれています。わんこと背景との距離は比較的近いのですが、しっかりと背景がボケていて被写体を引き立たせていますね。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 35mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO320 露出補正+1.0 焦点距離35mm
 背景のボケ味の調整はF値を設定しますが、初めてカメラを使う初心者さんにはこの作業がちょっと難しいですよね。ですがこのカメラを使えば安心!F値の事が何も分からなくても簡単に背景のボケを楽しめちゃうんです。ZV-E10はシャッターボタンの後ろに背景ボケ切り替えボタンがついています。  ボタンを押すと自動的に絞りが開放になって背景が大きくぼけて、もう一度押すと絞りが絞りこまれてピントの合う奥行が広がりわんこから背景までピントが合った写真が撮れます。ペット撮影では背景を大きくぼかした写真を撮る事が多いですが、例えばお友達わんことの集合シーンを撮ろう!なんて時でも、ボタンを一つ押して背景くっきりモードにするだけ。集合した全わんこにピントが簡単に合ってくれるので楽ちんです。  また、ちょっとおもしろレンズで撮ってみるのも良いですよ。今回はE 16mm F2.8にフィッシュアイコンバーターを使って撮ってみました。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 16mm F2.8 + フィッシュアイコンバーター ■撮影環境:F2.8 1/2500秒 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離16mm
 今回はわんこの顔を強調したかったので少し上からのカメラアングルで撮ってみました!わんこにぐっと近寄って撮ればこんなにおもしろい写真が撮れます。  わんことレンズの距離は25cmほど。カメラもレンズも小型なので近づきすぎてもわんこに威圧感を与えません。また、広角レンズを使用しているので地平線が半円を描くように写り普段とは違った雰囲気で撮影できました。

便利なバリアングル液晶

 小型ですがバリアングル液晶モニターはしっかり搭載しています!これ、ペット撮影では頻繁に使うのでありがたいです。下の写真は猫がこちらに向かってくるシーンを、猫の目線よりもカメラを下げて地面ギリギリの位置から撮影しています。このような時もバリアングル液晶モニターがあるので撮影がものすごく楽でした。  また、最高約11コマ/秒の連写で動きの一瞬の良いポーズも逃さず捉える事ができます。これだけ高速連写であれば走りシーンの撮影でも十分です。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 50mm F2.5 G ■撮影環境:F2.5 1/500秒 ISO500 露出補正+0.7 焦点距離50mm
 ローアングルから撮る事で迫力が増します。今回は目力の強い猫がこちらに向かってくる様子を狙ってみました。

ペット撮影で必須のリアルタイム瞳AF

 静止画撮影では動物の瞳を自動的にとらえて追従するリアルタイム瞳AFにももちろん対応しています。今やこの画期的なAF性能が、私の中でもなくてはならない程の存在になっています。画面の中であちこち動きまわるペットは、AFエリアをワイドにしてリアルタイム瞳AFに頼るのがとても撮りやすく今回もその方法で撮っています。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 14mm F1.8 GM ■撮影環境:F1.8 1/2000秒 ISO100 露出補正+1.0 焦点距離14mm
 元気な秋田犬子犬。目の周りが黒毛&あちこち動くのでピントが瞬時に合うかと心配でしたが、リアルタイム瞳AFでしっかりと瞳を捉え続けてくれました。広角レンズで下からあおって撮ったので、ヤシの木が内側に入り込み写真の良いアクセントになったと思います。

まとめ

 動画を手軽にかっこよく、写真も高画質で美しく残せるZV-E10。レンズ交換式のAPS-Cサイズのカメラがこんなに小型軽量でこれだけの機能がぎゅっと詰まっているだけでも魅力的ですが、何よりも値段が本当に安くてびっくり!はじめてのカメラにorサブカメラにおすすめの1台です。 ■写真家:小川晃代 トリマー・ドッグトレーナー資格を保持し、ペットや野良猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。

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はじめに

 2020年7月にキヤノン社より発売されたRF800mm F11 IS STMとRF600mm F11 IS STM。このレンズのお話を聞いた時、正直なところ発売せず賑やかしで終わるのではないかと考えていました。何しろ、長大な焦点距離があれど、絞り機構レスの開放F11というスペック。RFシステム誕生の際にキヤノン社の開発の方から「これからRFシステムの利点を活かした面白いレンズをどんどん作っていきたいと思います」とは聞いていましたが、まさかこんな面白すぎるスペックのレンズが本当に発売されたことにまず驚きました。  そして、使ってみてさらに驚き。ヒコーキ撮影など長大な焦点距離を必要とする撮影においては、意外にもといっては失礼ですが、非常に使い勝手の良いレンズだということが理解できました。ここでは、RF800mm F11 IS STMとRF600mm F11 IS STMの2本を一緒にレビュー。ヒコーキ撮影における様々なシーンの撮影をおこないました。

外観と優れた携行性

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■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF800mm F11 IS STM ■撮影環境:ISO200 F11 1/640sec 焦点距離800mm
 キヤノン社の超望遠単焦点レンズというと、白いバズーカ砲のようなレンズを思い浮かべる方も多いと思いますが、RF800mm F11 IS STMとRF600mm F11 IS STMはシンプルなブラックボディ。本当に800mmや600mmのレンズなの?というくらいコンパクトで軽いのが特徴です。コンパクトさの最大に秘密が沈胴式構造。撮影時にレンズを引き出すこの構造により、持ち運び時はコンパクトに収納することを可能としています。  同じく単焦点600mmの焦点距離を持つRF600mm F4 IS L USM…いわゆる「ロクヨン」と呼ばれる白いバズーカレンズが同社にはありますが、カメラバッグにこちらを1本入れるスペースに、RF800mm F11 IS STMとRF600mm F11 IS STMの2本縦に並べて収納することも可能。それくらい、コンパクトに設計されたレンズなのです。  また、RF600mm F4 IS L USMは重さが約3090g。それに対しRF800mm F11 IS STMは約1260g、RF600mm F11 IS STMは約930gですから、開放F値の違いはあれど、長大な焦点距離を持つ同じ単焦点レンズでもこれだけ重さに違いがあります。手持ち撮影の多いヒコーキ撮影においては、軽さこそ正義という場面も少なくありません。こうした翼上から雲が発生する、いわゆるベイパーシーンの撮影においては手持ちかつファインダーを覗きながら機体をずっと追いかけることも少なくないため、本体重量の軽さが大いに役立ちます。

信頼感のある画質

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■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF600mm F11 IS STM ■撮影環境:ISO200 F11 1/640sec 焦点距離600mm
 RF800mm F11 IS STMは8群11枚、RF600mm F11 IS STMは7群10枚で構成されるこれらのレンズ。DOレンズにより各収差を補正し小型、軽量化にも寄与しています。単焦点レンズらしくヌケの良い描写。ディテールが重視されるヒコーキ撮影においても満足のいく解像感で、細かいパーツひとつひとつまで細かく描写してくれます。ただ、絞り開放固定となりますゆえ、中心部のシャープさに比べると周辺部はやや柔らかい感じに。条件によっては周辺光量落ちが目立つこともあるので、カメラ本体のレンズ補正にある「周辺光量補正」をONにするか、現像処理の際に補正しましょう。
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■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF800mm F11 IS STM + EXTENDER RF1.4x ■撮影環境:ISO100 F16 1/30sec 焦点距離1120mm
 レンズそのものの焦点距離でも長大な焦点距離となりますが、エクステンダーを装着しさらに焦点距離を伸ばすことも可能。1200mmや1600mmなど、超々望遠撮影もできますが、EXTENDER RF1.4xで開放F値がF16、EXTENDER RF2xで開放F値がF22と、なかなかお目にかかることの無い開放F値になります。画質落ちも1.4xの方ではそこまで感じることはありません。視程の良い日を選ぶなど条件の考慮が必要となりますが、2xの方も思ったより使えるなという印象を持ちました。

動画撮影にも嬉しい滑らかなAF

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■使用機材:キヤノン EOS R6 + RF800mm F11 IS STM ■撮影環境:ISO100 F11 1/160sec 焦点距離800mm
 このレンズを使用する際、AF測距可能エリアは撮像面の横約40%と縦約60%の範囲になります。撮像面の端にAF測距可能エリアを置き、追従AFで…という撮影もあるにはありますが、工夫をすればこのAF測距可能エリアであっても不自由は少なく感じました。AFの合焦速度、精密さともに問題はなく快適。リードスクリュータイプのステッピングモーター搭載のSTM方式なので、動画撮影時には嬉しい滑らかなAFも実現しています。

流し撮りでも活躍するIS

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■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF600mm F11 IS STM ■撮影環境:ISO100 F11 1/50sec 焦点距離600mm
 手持ち撮影が多く、超望遠撮影を多用するヒコーキ撮影においては手ブレ補正機構のスペックも気になりますが、RF800mm F11 IS STMは4段、RF600mm F11 IS STMは5段と十分なスペックを保持。EOS R5/R6に装備されたボディ内手ブレ補正(IBIS)との協調補正には対応していませんが、それでも普通に撮る分には不足を感じませんでした。むしろ、こうした流し撮りをする際は適度な補正効果の方が撮りやすい場合もあります。IBISとの協調補正は、組み合わせによってはかなり強力に補正効果を発揮するため、一眼レフから移行してきたユーザーは流し撮りの際に慣れが必要になるかもしれません。

それぞれのコスパ

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■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF600mm F11 IS STM ■撮影環境:ISO200 F11 1/2000sec 焦点距離600mm
 このレンズの最大の魅力はコスパの良さに尽きます。同じくキヤノン社の超望遠単焦点レンズには、前述した通りRF600mm F4 IS L USMがありますが、こちらは2021年10月時点でのキタムラ価格が160万円前後。それに対し、RF800mm F11 IS STMは11万円前後、RF600mm F11 IS STMは9万円前後と、およそ15〜16倍程度の価格差があります。  印刷して大きく引き伸ばすことが多い方、露出が厳しい中でも失敗できない撮影の続く方…つまり業務用途の撮影が多い方などは通称ロクヨンがオススメですが、SNSなどWEB上での作品発表が主流の方や日中の露出が稼げる時間のヒコーキ撮影が中心という方は、RF800mm F11 IS STMやRF600mm F11 IS STMもオススメです。開放F値3段分ということや絞り機構レス、AF測距可能エリアが狭いことなどは、この価格差を考えれば十分に相殺できるものだと考えます。  もちろん、描写力など画質の差もありますが、正直なところこちらも15〜16倍の価格差から考えると素晴らしい性能のレンズだと感じます。10万円前後でこの焦点距離の画角、単焦点ならではの画質が手に入るのは素晴らしいこと。ロクヨンに比べて軽量、コンパクトなので、携行性や手持ちでブンブン振り回せるという点では、こちらが圧倒的に有利ですから。

まとめ

RF800mm F11 IS STM作例 (8).jpg
■使用機材:キヤノン EOS R5 + RF800mm F11 IS STM ■撮影環境:ISO100 F11 1/1000sec 焦点距離800mm
 RF800mm F11 IS STMやRF600mm F11 IS STMをオススメしたいのは、100-500mmや100-400mmといったレンズに続く超望遠レンズをお探しの方。ヒコーキ撮影においては機体をさらにググっと引き寄せることができるので、新しい画角の新しい作品が生まれます。切り取り系…いわゆる迫力のあるヒコーキ写真や旋回シーン、月に機影が刺さるシーンなどの撮影にも、この焦点距離が威力を発揮。今まで焦点距離の短いレンズで撮影し、クロップやトリミングで対応していたという方も光学的な寄りで対応することができます。「F11という開放F値が…」「絞りが無いのが…」と心配される方もいらっしゃると思いますが、RFシステムのカメラはだいたい高感度性能も秀逸なので安心。ヒコーキ撮影においてこのような長大な焦点距離を用いた撮影をおこなう際はガッツリと絞り込むことが少ないので、この点についてもそこまで気にする必要は無いかと思います。  そもそも、一眼レフのOVFではこの開放F値を持つレンズの開発は難しかったのではと推察します。ミラーレス一眼のRFシステムならではのコンパクトかつ軽量、魅力的な価格のレンズです。視程など撮影条件をしっかり選び、現像処理で光量落ちなど気になる部分を改善できるなら、コスパの良さをしっかりと体感できるレンズです。 ■写真家:A☆50/Akira Igarashi 絶景ヒコーキ写真を求め全国を駆け巡る瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、TVなど各種メディアに出演、作品を提供するかたわら大手航空会社やカメラメーカーなどのオフィシャル撮影を担当。公益社団法人 日本写真家協会会員。
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はじめに

 XFレンズの「第二章」と言われ、将来的なイメージセンサーの高画素化を見据えた高解像性能を有する新世代「大口径プライムシリーズ」。先に発売されたフジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WRに加え、XF33mmF1.4 R LM WR(35mm換算:50mm相当)がラインナップに加わりました。  街を歩いてスナップしながら感じた〝新たな標準レンズ〟となるその描写と特徴、解像性能のインプレッションをお届けします。

デザイン&ボディバランス

 ストレートでシンプルなレンズデザインは、このプライムシリーズの特徴となっています。質量約360gのコンパクト設計はX-T4とのバランスが最適です。その質量だけを比較してしまうとXF35mmF1.4 RやXF35mmF2 R WRの約2倍と感じますが、非球面レンズ2枚とEDレンズ3枚を含む10群15枚のレンズ構成に加え、リニアモーターを採用していることから見ても決して重たいわけではなく、むしろ小ささと軽さを感じます。
01 XF33㎜外観.jpg
後に発売となるXF23mmF1.4 R LM WRと同時発売の角型レンズフード「LH-XF23 II」をXF33mmF1.4 R LM WRにも装着できます。
 小さなボディのX-E4に装着すると、フード装着時には見た目の大きさを感じてしまいますが、鏡筒がしっかりと握れるサイズなのでホールド感が増し、安定した撮影が可能に。手の大きな男性でも扱いやすいと感じました。  プライムシリーズには絞りリングにAポジションロック機構が装備されており、リング動作時のクリックする感触と操作感が心地よく、取り回しの良さも魅力です。

50mm相当の標準レンズで感じる遠近感、立体感

 筆者がこのレンズで一番嬉しいと感じたのは、35mm換算で50mm相当であること。いままでのXF35mmF1.4 RやXF35mmF2 R WRは35mm換算53mm相当であり、少々狭さを感じるようなこともありましたが、この「2mmの差」はAPS-Cサイズのセンサーでありながらきっちりと標準レンズ50mmで35mmフィルムの隅々まで写し込んでいるようで、とっさに構えた時のフレーミングの決まり方に納得感があり、フィルムで撮影していた時の感覚が自然と蘇り撮りやすさを感じました。
03 F1.4 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/100秒 F/1.4 ISO200  AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV  ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 特に開放F1.4では、被写体との距離の取り方によってリアルな視野と立体感を得られる標準レンズらしい写りです。自然な遠近感のあるポートレート撮影やスナップ撮影にピッタリと言えます。
04 F1.4 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/100秒 F/1.4 ISO200 AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV  ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)

開放F値1.4のボケ

 開放値F 1.4のボケにはこのレンズの特徴が凝縮されており、ボケの種類の豊富さに魅了されるのがこのXF33mmF1.4 R LM WR。ここで、比較されやすいのはXF35mmF1.4 Rですが、そのボケの質は異なり、XF35mmF1.4 Rのように輪郭が滲みながら溶けていくようなボケではなく、輪郭を残しながらも滑らかに優しくボケるのがXF33mmF1.4 R LM WRです。  常緑樹の葉は色も強く透け感が出にくいですものが、優しく前ボケとなり、葉に反射した光は柔らかな玉ボケとなりました。最短撮影距離30cmで捉えるとその特徴が掴めます。
05 ボケ 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/640秒 F/1.4 ISO320  AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV  ■フィルムシミュレーション:ASTIA(アスティア/ソフト)
 こちらのシーンでは、網目の小さな金網越しにピントを合わせて撮影しています。レンズ前で網目の形状がうっすらと見える程にボケたことで、グルグルとしたオールドレンズのような効果が生まれました。
06 ボケ 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/3000秒 F/1.4 ISO200  AUTO WB雰囲気優先 +1.0EV  ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 高精細なピント面の描写はキリっとシャープ。浅い被写界深度の柔らかいボケは日陰で捉えたことで情緒的でしっとりとした雰囲気に。深度の浅い撮影ではリニアモーターによる正確なピントの合焦を実感します。
07 ボケ 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/800秒 F/1.4 ISO160  AUTO WB雰囲気優先 -0.3EV  ■フィルムシミュレーション:ETERNA
 玉ボケは美しい輪郭を見せてくれます。チェーンに反射した小さな光が画面奥に行くほどボケながら背景に馴染んでいき、車のヘッドライト、ショーウィンドウも優しいニュアンスになりました。
08 ボケ 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/100秒 F/1.4 ISO640  AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV  ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 バリエーション豊かで奥深い表現が可能なボケを味わえるのがXF33mmF1.4 R LM WR。フィルムシミュレーションとの組み合わせ次第でより印象的な仕上がりを楽しめます。

圧倒的な解像性能

 どんな被写体でも使いやすい35mm換算で標準画角の50mm。レンズ自体は33mmと広角レンズであるため、深度も深く、特にスナップ撮影において嬉しいパンフォーカスのキレの良さが際立ち、絞り込まずとも驚くべきシャープネスを発揮します。
09 PAN 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/3200秒 F/2.8 ISO160 WB曇天 +0.7EV  ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 画面全体の奥行きを感じられる立体感や、コントラストが高い中に陰影を感じる解像力の高さは、ふと立ち止まりシャッターを切るスナップにおいて肝というべきところをしっかりと担ってくれます。
10 PAN 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/1250秒 F/4.5 ISO320 WBマニュアル -0.3EV  ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 肉眼で見ると平面的に見えてしまう日本建造物ですが、その微細な材質までも精細に写し出します。職人が手作業で仕上げたことがわかる表面のザラっとした質感と、陰影の美しさを見事に引き出す非常にリアルな描写です。
11 解像 作例.jpg
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/350秒 F/1.4 ISO160  AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV  ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 夜間薄暗い軒下を撮影してみましたが、シャドウ部の奥まで緻密に写し出しています。
12 解像 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/80秒 F/5.6 ISO200 WBマニュアル -1.3EV  ■フィルムシミュレーション:ACROS+Rフィルター
 解像ピークはF5.6前後。浅すぎるのではないかと思われるかもしれませんが、これも次世代の高画素センサーを見据えてのことを察すると納得のいく数値と言えます。

リニア駆動のインナーフォーカスAFと防塵・防滴機構

 フォーカス群の駆動にはインナーフォーカス方式を採用。リニアモーターによる正確なピントは、浅い被写界深度ではピント精度を高め、光量の少ないシーンでも手ブレやノイズを抑制した高画質な撮影が可能に。音を全く感じないほど静かで、高速・高精度なAFは被写体を素早く正確に捉えます。  また、X-T4のボディ内手ブレ補正を効かせ、気軽に長秒撮影も撮影ができてしまうほど。暗所でも明るくとらえることができる大口径レンズの醍醐味を感じます。
13 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS 2秒 F/10 ISO250 AUTO WB雰囲気優先 -0.3EV  ■フィルムシミュレーション:Velvia (ベルビア/ビビッド)
 XFレンズに標準装備となりつつある防塵・防滴・-10℃の耐低温構造は、鏡筒の11ケ所にシーリングが施されています。傘を差しながら小雨の中撮影していて、気が付けば濡れていたということも少なくありません。防塵・防滴機構は風景写真だけでなく、街中の撮影や海辺などでも安心です。 14 作例.JPG

おわりに

15 解像 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF33mmF1.4 R LM WR (50mm) ■撮影環境:SS1/1000秒 F/7.1 ISO200 AUTO WB雰囲気優先 -0.3EV  ■フィルムシミュレーション:Velvia (ベルビア)
 直感的に、Xマウント単焦点レンズの中でもストロングと言えるほど力強さを感じました。開放F値の明るさと似た焦点距離からも、神レンズ言われるXF35mmF1.4 Rと比較してしまいがちですが、約10年前のXシリーズ発売当初とはデザインもセンサーも、プロセッサーも世代と設計が異なり、これはやはり次世代のために新設計された“新たな標準レンズ”と認識するのが相応しいでしょう。  この先どんなカメラが登場し、このレンズの写りがどう変わるのか?活かされていくのか?という期待値も高く、これからのために使いこなしておきたい標準レンズです。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんによる、富士フイルム「XF33mmF1.4 R LM WR」のレビュー記事です。圧倒的な解像性能を獲得し生まれ変わった、新世代レンズの描写をぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,単焦点レンズ,XF33mmF1.4 R LM WR,レビュー,スナップ,こばやしかをる ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: ニコン NIKKOR Z 40mm f/2 レビュー|クリアーな描写でリズミカルにシャッターを押せる単焦点レンズ BASENAME: 484012315.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 11/01/2021 16:00:00 TAGS: NIKKOR Z 40mm f/2,ニコン(Nikon) レンズ,スナップ,単焦点 ----- BODY: NIKKOR Z 40mm f2.JPG

はじめに

 10月1日に発売された「NIKKOR Z 40mm f/2」は、焦点距離40mmの使いやすい標準画角で小型・軽量な、フルサイズ対応の単焦点レンズです。今回は、本レンズとNikon Z 6IIの組み合わせで、街中のスナップとともにレビューをお送りします。

四隅まで歪みのない美しい描写

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■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2 ■撮影環境:f/2 1/5000秒 ISO100 AWB ■ピクチャーコントロール:ビビッド
 まず気になるその描写性能ですが、価格からは信じられないほどクリアーで美しい画を生み出してくれました。特に、明暗の差が大きなシーンでも色のにごりなどを作らずに、ヌケの良い描き方をしているのが好印象。絞り開放でも四隅まで手を抜かずに描ききっているので、構図内に何をどのように配置するかを考えるのが楽しいスナップ撮影では、構図の自由度がさらに上がります。  レンズ構成は4群6枚で、非球面レンズを2枚採用しています。本レンズは、この非球面レンズのおかげで歪曲収差と球面収差が抑えられて、自然かつ見やすい画像を楽しむことができます。街中のスナップでは構図内に縦横のラインが入ることが多く、また、それを楽しみたい気持ちも強いので、余計な歪みが少ないことは嬉しいです。

絞り開放での撮影が楽しい自然なボケ味

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■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2 ■撮影環境:f/2 1/2500秒 ISO100 AWB ■クリエイティブピクチャーコントロール:トイ
 開放絞り値はF2、絞り羽根枚数は9枚のレンズ構成によって、自然で柔らかいボケを味わうことができます。スナップ撮影時はF5.6前後の絞り値を使うことが多いのですが、本レンズは絞り開放値のF2のボケ具合が心地よく、ボケのグラデーションもとても自然だったので、絞り開放での撮影を堪能しました。  わざとらしく見えないボケ味は焦点距離も手伝っていると思いますが、レンズの性能の良さを感じさせてくれます。ピントが合っているところのシャープさと、その周辺部のすっきりとした描き方は筆者の好みでした。このような建造物の写真は、レンズの解像性能が低いと眠い写真になってしまうのですが、そんな心配はいらないほど、アンダー部も綺麗に描き出してくれています。  この写真では、クリエイティブピクチャーコントロールの「トイ」を使用しています。彩度を高めることで床の木目の色味を強調して、周りの金属的な縦横のラインも温かみのある色味にしてくれるので、全体にこってり感のある深みのある写真に仕上げてくれるモードです。暗部をぐっと引き締めたいこのような写真で使用すると重厚感が出るので、スナップでは時折使用するクリエイティブピクチャーコントロールです。

取り回しのいいコンパクトサイズ

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■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2 ■撮影環境:f/5.6 1/125秒 ISO100 AWB ■クリエイティブピクチャーコントロール:ソンバー
 本レンズの全長は約45.5mm、重さは約170gとかなりコンパクトなのも特徴のひとつです。今までのZマウントの単焦点レンズは長いものが多かったのですが、この薄さならカメラに装着した状態でも、バッグからの出し入れが容易に行なえます。  また、ホコリや雨、飛沫などの侵入を防ぐ防塵・防滴設計ですので、天候や撮影状況に左右されずに撮影が可能。繰り出しの動作がいらない非沈胴式なのも、シャッターチャンスを逃さないためには嬉しい点です。  ここでは、クリエイティブピクチャーコントロールの「ソンバー」を使用しました。ポートレートではふんわりした写真が好きな筆者ですが、本レンズで撮影するとコントラストの高い、くっきりとした画を描き出したくなり、彩度を高めて暗部を引き締めてくれる「ソンバー」がぴったりハマりました。

STM採用の素早く静かなAF性能

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■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2 ■撮影環境:f/2 1/125秒 ISO100 AWB ■ピクチャーコントロール:ビビッド
 本レンズはSTM(ステッピングモーター)を採用しており、ピント合わせはより静かに素早くなっています。その素早さのおかげもありますが、筆者は最近マニュアルフォーカスのレンズを使うことが多かったので、オートフォーカスでの撮影はよりリズミカルに行えて楽しかったです。  今回のNikon Z 6IIでの撮影は、ファインダーと液晶画面の両方を使用してピント合わせを行っています。ファインダーを覗くのが難しいローアングル撮影時や、街中でカメラの存在感を誇張したくないときなどは、液晶画面をタッチしてピントの箇所を指定して、シャッターボタンでシャッターを切る方式で撮影しています。  また、STM採用の効能として、動画撮影時に気になるピント合わせの駆動音の低減があります。カメラを回しながら、液晶画面をタッチしてAF箇所を指定し、ピント変えを行うときなどは駆動音が気になってしまうのですが、本レンズはかなり静かでした。さらに、コントロールリングをクリックレスにすることができるので、絞りの操作音やリング操作の駆動音などを入り込ませない動画撮影が可能です。  最近開発されるレンズは動画撮影についても考慮されているものが多く、ミラーレス機で動画撮影を行うことが日常化してきたことを強く感じます。  コンパクトなサイズ感、絞りとレンズの駆動音が軽減されていること、フォーカスを前後に動かすときに発生する画角変動(フォーカスブリージング)を抑制して、不自然な画角変化が起きないようにしていることの3点について対応されているレンズは、動画撮影に出動する機会が多いレンズになりますね。

奇をてらわないシンプルデザイン

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■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2 ■撮影環境:f/5.6 1/200秒 ISO100 AWB ■ピクチャーコントロール:ビビッド
 本レンズの好感が持てる点のひとつに、奇をてらわないシンプルなデザインということがあります。色や形で主張しないレンズは、街中でのスナップにぴったりです。  また、コントロールリングには、カメラ側からAF時にコントロールリングを操作することでMFに切り替えられる「M/A」機能の他、「絞り値」、「露出補正」、「ISO感度」の4つの項目のいずれかを割り当てて使用できます。素早く操作したい機能を割り当てておけば、シャッターチャンスに強くなるのと同時に、動画撮影時の操作音対策にもなります。

初めての単焦点レンズに一番お勧めできるレンズ

NIKKOR Z 40mm f2作例.JPG (5).JPG
■使用機材:Nikon Z 6II+NIKKOR Z 40mm f/2 ■撮影環境:f/2 1/2500秒 ISO100 AWB ■クリエイティブピクチャーコントロール:デニム
 描写の美しさ、デザインのシンプルさ、動画撮影にも考慮した設計など、撮影するには十分魅力的な性能を有しているのですが、一点だけ、小型のレンズフードを付属させて欲しかったなと思いました。フレアー、ゴースト軽減にプラスして、スナップシューターとして多用する場合、レンズフードを装着していれば、レンズキャップを付けずにさっとバッグに出し入れできるので、シャッターを切るまでのタイムを最速にできます。レンズ先端からレンズ面の距離が短いので、レンズ保護の意味合いももちろんあります。  52mmのレンズフードを探して別途購入すればいいのですが、レンズのデザインにマッチしたフードを探すのって結構難しいので、筆者は同梱を望みますが、カスタムを楽しむという意味では、丸型か、角型か、自分好みのレンズフードをセレクトして装着すると楽しいかも知れませんね。  今回はスナップでのレビューでしたが、DXフォーマットのカメラでポートレートや、最短撮影距離が0.29mを活かしたテーブルフォトなど、活躍の場が広そうなレンズです。キットレンズを卒業して2本目のレンズとして単焦点レンズを検討されている方に、一番お勧めできるレンズと言えるでしょう。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんがNIKKOR Z 40mm f/2のレビューをしています。スナップの作例と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: NIKKOR Z 40mm f/2,ニコン(Nikon) レンズ,単焦点レンズ,水咲奈々,スナップ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: GoPro HERO10 Blackはどう進化した?|サイクリスト目線で徹底解説! BASENAME: 484103945.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: WATARU DATE: 11/02/2021 16:00:00 TAGS: GoPro(ゴープロ) ボディー,HERO10 Black,サイクリング/自転車,HERO 9 Black,アクションカメラ ----- BODY: WATARU CH GoPro記事用サムネイル画像.JPG

はじめに

 様々なアクションカムがメーカー各社から発売されていますが、その代名詞とも言えるGoProから最新作HERO 10が発売されました。毎年進化を続けている中、今回の登場により撮影性能が大幅に向上。その大きな進化としては、HERO6 BLACKから採用されていたGP1プロセッサーがGoPro HERO 10では"GP2"へと刷新された事によりフレームレートが5.3Kでは60fpsまで、4Kでは120fpsまで、2.7Kでは240fpsまで対応可能になったのです。綺麗な画質でより滑らかな映像を撮りたいという方には嬉しいポイントですね。  また、僕自身一番の注目ポイントが高感度性能の向上。これにより暗所撮影でのノイズ軽減も実現したという事です。僕自身のYouTubeチャンネルでは都心の夜景を映し込みながらライドシーンを撮影する事が多いので、実際のライドでどう影響して来るのか、ここもしっかり注目してみたいと思います。  さて、今回の記事ではロードバイクなどでサイクリング動画を撮っている、もしくはこれから撮ってみたいと思っている方へ向けて、HERO 9とHERO 10を比較しながら、どの様に進化しそれがサイクリング動画を撮る際どんなメリットがあるのか、徹底検証します。すでにHERO 9を愛用している方にはHERO 10に買い換えるべきか?参考になれば幸いです。

外観とフロントディスプレイ

 GoProロゴと側面の10 BLACKのロゴがブルーになった以外に見た目の変化はほぼありません。 HERO 9で大好評だったフロントディスプレイもそのまま引き継がれています。フロントディスプレイは、自撮り撮影の多いYouTuberに特に好評な様ですが、サイクリング動画を撮影する際にもメリットがたくさんあります。例えば絶景ポイントで自分と景色を一緒に撮りたい場合、構図を確認しながら簡単に撮影出来てしまいます。そしてライドシーンの撮影では、HERO 8まではチェストマウントを装着した場面で構図を確認しようとすると、GoProアプリを開いてスマホで確認するしかありませんでしたが、フロントにディズプレイがある事で構図を確認出来るので瞬時に角度を決められる様になりました。  完成されたGoProらしいルックスはあえて変える事なく、中身の進化が物凄い事になっている様ですので撮影しながらのライドでどれだけの効果を発揮するのかしっかり検証して行きましょう。

電源の立ち上がりの早さ

 同時に電源ボタンを押した場合の立ち上がりの早さを観て行きましょう。
 一秒ほどHERO 10の方が早く録画待機状態になっているのがわかります。ライド中に突然目の前に絶景が広がって、すぐにでも撮影したい場合一秒でも早く録画を開始したいので、立ち上がりが早くなったのは嬉しいポイントです。例えばロードバイクで36km/hで走行する場合、一秒間で進む距離は10mにもなります。立ち上がりが数秒早くなるだけで絶景ポイントの一番撮りたいシーンを撮り損ねるという事が少なくなるのでは、と思います。映像を撮り続けている身として、"撮りたい"と思った時にすぐ撮影を開始出来るというのは大事なポイント。立ち上がりの早さは、後にご紹介する暗所撮影時の進化と同じレベルで評価出来るポイントです。

手ブレ補正機能がHyperSmooth 4.0に

 ロードバイクなどでのライド動画撮影では、車載マウントでの細かい振動やボディマウントでの激しく身体を動かす場面など、どうしてもブレが発生しやすいもの。そんな時手ブレ補正機能が優秀なGoProは最高の相棒ですが、今回の進化により手ブレ補正機能のHyperSmoothが「HyperSmooth 4.0」へとバージョンアップし、従来より手ブレ補正がさらに強化されました。  まずはGoProの手ブレ補正機能"HyperSmooth"というものがどの様なものなのか理解して頂ける様に、HERO 9の手ブレ補正をoffに、HERO 10のHyperSmooth 4.0を標準に設定し比較動画を撮影しましたので観て頂きましょう。
 やはり手振れ補正をoffにした映像ではロードバイクで起こる振動やブレがありのままに撮影されており、映像酔いしてしまいそうですね。比べてHyperSmooth 4.0で撮影した映像では驚くほどにスムーズで観やすい映像になっています。  では次にHyperSmooth 3.0から4.0になりどの様に進化しているのか比較しながら観て頂きましょう。
 HERO 9のHyperSmooth 3.0も十分過ぎるほどに安定した映像を撮影出来ていますが、HERO 10のHyperSmooth 4.0では、そこからさらにもう一段階手ブレ補正機能の効きが強くなりました。 ロードバイクのハンドル周りは細かい振動が付き物ですが、車載マウントの振動もより綺麗に消し去ってくれていて、ボディマウント時に下ハンダンシングで激しく身体を動かす場面でもより安定した映像を撮影出来ています。  特にチェストマウントでの比較動画を見て頂くと、画面左上に映る土手下の部分の揺れがかなり抑えられているのをご確認いただけると思います。  HyperSmooth 3.0の完成度が高過ぎた故に劇的な進化とまでは行っていない印象ですが、確かな進化を確認する事が出来ました。

SuperViewにて4K/60fpsでの撮影が可能に

 4K/60fpsで撮影する際、HERO 9の画角は一番広くて"広角"になる仕様でした(4K/60fpsにした状態でSuperViewを選択すると自動的に4K/30fpsに設定が変わります)が、HERO 10の場合は4K/60fpsでSuperViewでの撮影が可能になりました。より広い画角で、しかも高画質で撮影したいという方には非常に嬉しいポイントですね。参考動画ではどちらも、4K/60fpsにて撮影していますが、HERO 10ではより画角の広い映像を撮影出来ています。高画質で、しかも一番広い画角で景色を撮影しながらライド動画の撮影を出来るというのは、映像にこだわる方にはとても嬉しいポイントですね。  また、HERO 9は4Kで撮影する際のフレームレートは60fpsまででしたが、HERO 10になり4K/120fpsにて撮影可能になりました。解像度とフレームレートだけで言えばSONY α7 SIIIと同等というスペックです。高画質のままフレームレートを上げて撮影出来るので、より滑らかな映像を撮影出来るようになりました。

色味が3パターンから選択可能に

 色味に関してですが、HERO 9は"GoProカラー"と"フラット"の2択でしたが、HERO 10ではデフォルトが"ナチュラル"に。そして"フラット"と"鮮明"の3択から選べる様になりました。"鮮明"というのはHERO 9でいう所の"GoProカラー"と同じ設定です。使い分けについては好きな色味を選択すれば良いと思いますが、例えば色鮮やかな映像にしたい時は"鮮明"を選択すれば、所謂"映える"映像を撮りやすいのではないでしょうか。僕自身のYouTubeチャンネルでは、ライド中のシーンで青空をより鮮やかに撮影したいという場面が多いので、HERO 10を使う際には"鮮明"を多用するかと思います。彩度やコントラストが出すぎて不自然だなと思う方は"ナチュラル"や"フラット"を使って撮影すると良いと思います。ここは実際に撮影しながら確認してみて、ご自身の感性に合った設定を選ぶのが良いのではないでしょうか。

水平維持機能を使って撮影

 レンズをリニア+水平維持に、手ブレ補正をHyperSmoothブーストに設定し、水平を維持しながら撮影してみました。
 ロードバイクなどの二輪車は車体を傾けてコーナーを曲がるので、映像もそのまま傾いた方が臨場感が得られると僕は考えますが、どうしても水平を維持したいという方は使ってみても面白いかもしれません。コーナーで車体を傾けても、ロードバイクと景色を撮影する際にも、水平を維持してくれるので安定感のある映像を撮影可能になります。

TimeWarp 3.0で撮影

 GoPro HERO 9で機能が追加になったTimeWarp 3.0はHERO 10でもそのまま引き継がれています。2.0から追加となったポイントとしては、撮影中リアルスピードに戻したときに音声を録音出来るようになった事。これによって緩急を付けた映像の撮影が可能になりました。ただ、それはあくまで手動による操作が必要なためロードバイクでの走行中には使えませんが、ライド先の観光地などでバイクを降りて歩きながら散策する場面などでは大いに使える追加機能だと言えます。ロードバイクは長距離を走るスポーツなので、ライドの記録をサクッと観られる面白い映像をTimeWarp 3.0を使って撮ってみるのも面白いかもしれません。

暗所撮影で検証

 高感度性能の向上により、暗所撮影でのノイズ軽減も実現したという事で僕自身一番注目していましたので、夜ライドにて夜間撮影してみました。GoProは夜間の撮影や暗い室内での撮影にはめっぽう弱く、暗い映像しか撮れなかったので、HERO 10になりどこまで明るく且つノイズも少なく撮影出来る様になったのか検証してみました。
 見比べて頂ければお分かり頂けると思いますが、同じカラー設定(HERO 9をGoProカラー、HERO 10を鮮明)の場合、残念ながら実感できるほどの違いを確認する事が出来ませんでした。ですが、HERO 10のカラー設定を”フラット”にする事でノイズを目立たせる事なく格段に明るい映像の撮影が可能になりました。HERO 9以前のGoProでは夜ライドの映像は編集段階にて明るさと色味を編集する事で見やすく仕上げていましたが、明るさを上げる事でノイズも目立ってしまうのでノイズが目立たないギリギリのラインで編集する事が必要でした。ですがHERO 10ではカラー設定により撮影段階にてここまで明るく撮影出来ている事もあり、今までよりノイズを気にする事なく明るさの調整が可能になったと言えます。記録映像として残すだけで特に編集はしないという方に取っても、これは嬉しいポイントではないでしょうか。

操作がサクサクに

 ライド先で設定変更などをする際、操作がモッサリしているとそっちに気を取られてしまいがちですが、HERO 10にて刷新されたGP2プロセッサーによりタッチ操作の反応が格段にUPしています。例えばHERO 9では設定画面でスクロールする際、画面の動きがカクカクしていて所謂これがモッサリ感に繋がっていましたが、HERO 10では非常に滑らかにスクロール出来る様になりました。フロントディスプレイでのモニター時も、HERO 10では映像の滑らかさが格段に向上しています。こうした細かい部分が使い込んで行く毎に気になって来る要素のひとつだと思いますので、何もストレスが無いというのは小さいながら大きな進化と言えるでしょう。

最後に

 今回、検証動画を撮りながら感じたのはHERO 10はHERO 9の正当進化版だという事。ロードバイクなどでの走行動画を撮影する際、映像にこだわりたいという方に取ってHERO 9では物足りない部分もしっかりアップデートされました。HERO 9でも安定した美しい映像を撮影出来ますが、より映像にこだわりたいという方はHERO 10を導入する事で、より高い満足度を得られるのではないかと思います。今回の記事が走行動画撮影に興味のある全てのサイクリストの方の参考になれば幸いです。 ▼今回の記事で紹介した内容は総編集した動画からもご覧頂けます。是非こちらもご覧ください。
■執筆者:WATARU 東京を中心にロードバイクでのライド動画をはじめガジェット系・パーツなどのレビュー動画を配信しているYouTuber/動画クリエイター。ロードバイクのある風景をお洒落に映し出す事を得意とし、ミラーレス一眼・GoProを駆使し大自然の絶景や美しい都心の夜ライド動画を季節感のある映像に仕上げる事に定評がある。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: サイクリストの動画クリエイターWATARUさんがGoPro HERO10 Blackをレビューしています。HERO09 Blackからどのくらい進化したか比較テストを行っていますので分かり易く本機の性能を知る事ができます。 ----- KEYWORDS: サイクリング,GoPro,ゴープロ,HERO10 Black,HERO09 Black,wataru,ロードバイク ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 レビュー|クラシカルな描写が美しいMFレンズ BASENAME: 484104310.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 11/03/2021 16:00:00 TAGS: ZEISS Loxia 2/35,カールツァイス(zeiss) レンズ,単焦点,ポートレート(人物) ----- BODY: ZEISS Loxia235.jpg

はじめに

 ソニーのフルサイズミラーレスカメラ用に設計されたZEISS Loxiaレンズのラインナップから、今回は「ZEISS Loxia 2/35」のレビューをお送りします。焦点距離35mm、開放F値はF2、レンズ構成はBiogon6群9枚のマニュアルフォーカスレンズのクラシカルな描写は、身近な日常をシネマティックに表現するのにぴったりでした。

ディストーションの少ない素直で自然な写り

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■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 ■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO125 WB:5000K ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:山上ひかり
 まず撮影して驚いたのが、35mmの画角にしてはディストーションが少ないことです。レンズ構成はほぼ対称型のBiogon。そのお陰で歪曲収差が軽減されているのでしょうが、それでもこの四隅が誇張されない、素直で自然な写り方は感動でした。間違えて50mmのレンズを持って来てしまったかと思ったほどです。  この写真はかなり日差しの強いなかで、モデルに太陽を背負ってもらい、思いっきり逆光で撮影しました。太陽が雲に隠れないタイミングを狙い、モデルの頭で太陽を少しだけ欠けさせるように構図を作っています。フレアーやゴーストが出やすい構図ですが、ゴーストは見当たらず、フレアーも軽減されています。オールドレンズのようなクラシカルな描写ではありますが、設計はデジタル用の最新型であることを強く感じました。

ポートレート・ショートムービー

■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:山上ひかり ■ジンバル使用
 本レンズの仕様は、焦点距離35mmのマニュアルフォーカスレンズ、絞り範囲はF2-F22、レンズ構成はBiogon6群9枚で特殊低分散ガラスレンズを1枚使用しています。最短撮影距離は0.3m、絞り羽根枚数は10枚、最大径62mm、全長66mm、重量340gです。  フィルター径は52mmで、以前レビューした「ZEISS Loxia 2/50」を始めとするZEISS Loxiaシリーズのフィルター径は、現在ラインナップされているものは52mmで統一されています。これはフィルターワークを考えると、とても便利でした。特に動画撮影ではNDフィルターを日常的に使用しますので、ステップアップリングなどを付けずに、さっとフィルターを付け替えられる同径レンズは大変ありがたいです。  今回はハイキーな映像を撮りたかったのもあって、NDフィルターは使用していませんが、コンパクトなボディは、ジンバルに載せながらローポジションで歩きながら撮影するシーンなどで重宝しました。

クラシカルな描写と色乗り

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■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO160 WB:5000K ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:山上ひかり
 前述の通り、マニュアルフォーカスのレンズですのでピントは手動で合わせます。粘りのあるピントリングのトルクは筆者好みの感触で、α7Cの見やすい液晶画面も手伝って、引きの画でもピントは合わせやすかったです。  ピント面はしっかりとした、切れ味のいいシャープな描写です。その上、ピントが合っているところからボケているところへのグラデーションはなめらかで癖がないので、ポートレートにピッタリでした。  ディストーションが少ないので、モデルを構図の端に置いた撮影もでき、撮影の自由度が上がって楽しかったです。そして、色乗りと描写から感じるクラシカルさがとにかく筆者好み。広角レンズと望遠レンズのどちらが好みかといえば、実は望遠レンズ……の筆者なのですが、本レンズは画角の好みを感じさせないほど、その描写で魅了してくれました。

美しい丸ボケと癖のない素直なボケ味

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■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100 WB:5000K ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:山上ひかり
 全体の描写は、雑味がなくストレート。オールドレンズっぽいクラシカルな描写でもあるのですが、最新型のレンズらしい癖のないボケ方をします。「ZEISS Loxia 2/50」の後ろボケは少し形を残すような立体感があったのですが、本レンズはそれよりも柔らかく、砂を濡らしてギュッと凝縮させたような、素直ながら湿度を感じるボケ味でした。  画面全体の点光源の丸ボケは、すべてが丸く表現されており、雑味となってしまう模様も入っていません。モデルを主役として際立たせたいポートレートで、純粋な丸ボケは強力な脇役として活躍してくれます。驚いたのが、画面の隅の丸ボケまで綺麗な丸い形をしていること。贅沢な絞り羽根枚数10枚の恩恵ですね。  ここで見て取れるのが、周辺部の像の流れがないことです。絞り開放で撮影していますので、ピントを合わせたモデルの瞳以外はアウトフォーカスとなってボケているので、像が流れているように見えるかも知れませんが、丸ボケを維持していることから上記のことが読み取れます。

嬉しい小型・軽量サイズ

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■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 ■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO125 WB:5200K ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:山上ひかり
 四隅に直線やモデルの頭を配置するような構図は、ディストーションが強いと不自然な写真になってしまいますが、本レンズのようにディストーションが少ないと構図の自由度が上がります。  また、ローアングルはもちろん、ハイアングルの撮影も容易に行えるのが、レンズが小さいことのメリットです。モデルの頭上にカメラを掲げるような撮影には、細心の注意が必要です。どんな万が一の事故も起こってはいけません。カメラボディをしっかりとグリップすることや、ストラップを手に巻きつけることなど、何重もの危険回避の手段を講じますが、軽くて小さいカメラとレンズの組み合わせは、事故回避の手助けにもなりますね。

細い線まで丁寧に描写!

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■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100 WB:5000K ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:山上ひかり
 本レンズの特徴として、細い線の描写が丁寧だと感じました。石の柱やタイル状の石畳の模様、葉っぱの輪郭、スカートのドレープなど、グラデーションに埋もれてしまいそうなギリギリの色味も、綺麗に描いています。  撮影時にはそんなに気にならないかも知れませんが、撮影後に写真を見返したりセレクトするときに、あって欲しいのがEXIF情報です。本レンズは電子接点を搭載していますので、自動的に記録されるのがとても便利です。また、このカメラとレンズの信号接点は特殊シーリングで保護されているのも、手厚い構造です。

創造力を盛り上げてくれる高品質レンズ

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■使用機材:ソニー α7C+カールツァイス ZEISS Loxia 2/35 ■撮影環境:f/2 1/1000秒 ISO125 WB:5200K ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:山上ひかり
 クラシカルな描写、素直で癖のないボケ味、丸くて美しい点光源ボケなど、本レンズでお勧めしたいポイントは沢山あるのですが、そのひとつに「操作するときにうっとりできる金属感」をプラスしたいです。  金属の塊のような重量感と、キンと冷たい触り心地は、撮影するときにレンズに触る喜びを感じさせてくれます。撮るためだけの道具ではなく、気持ちと創造する力をも盛り上げてくれそうなこの金属感は、ぜひ一度手に取ってみていただきたいです。  また、丁寧に施されたトルクの細かい溝、青地に白文字の誇らしげな「ZEISS」が彫り込まれたレンズフード、丸く盛り上がった前玉の美しさも、スペック上ではなく実物をご覧になれば、筆者がお勧めしている意味をおわかりいただけると思います。  自分が頭の中に思い描くイメージをじっくりと表現するレンズとして、本レンズは活躍してくれることでしょう。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんが ZEISS Loxia 2/35のレビューをしています。写真だけでなく動画の作例もございませんので、是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ZEISS Loxia 2/35,カールツァイス(zeiss) レンズ,レビュー,人物_子供 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 【お得な情報】αフルサイズ ウィンタープレミアムキャンペーン 2022.1.11迄開催中! BASENAME: 484133288.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 11/04/2021 11:00:00 TAGS: キャッシュバックキャンペーン,ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ ----- BODY: ソニー αフルサイズ ウインタープレミアムキャンペーンご案内バナー.jpg ※こちらのキャンペーンは終了いたしました。

キャンペーン内容

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概要

ソニーが開催するαフルサイズ ウインタープレミアムキャンペーンでは、キャンペーン期間内に対象商品を購入し、応募期間内に不備なくご応募されたお客様に、対象商品毎に定めた金額をもれなくキャッシュバックしています。

期間

2021年10月22日(金)~2022年1月11日(火) ※この期間内にご購入された商品が対象です。

対象商品(単品購入)

■50,000円キャッシュバック:対象カメラ本体の購入 α7R IV α7R III ■20,000円キャッシュバック:対象レンズ購入 FE 16-35mm F2.8 GM FE 24-70mm F2.8 GM FE 70-200mm F2.8 GM OSS FE 24mm F1.4 GM FE 85mm F1.4 GM ■10,000円キャッシュバック:対象レンズ購入 FE 24-105mm F4 G OSS FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS FE 90mm F2.8 Macro G OSS Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS Planar T* FE 50mm F1.4 ZA Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA

対象商品(同時購入)

同時購入キャンペーンのバナー.jpg 同時購入キャンペーンは、対象のフルサイズ対応Eマウントボディαと対象レンズ同時購入なら追加で10,000円のキャッシュバックとなります。 ■同時購入キャンペーン対象ボディ α1 α9 II α7R IV α7R III α7 III α7C FX3 ■同時購入キャンペーン対象レンズ FE 24-70mm F2.8 GM FE 70-200mm F2.8 GM OSS FE 24-105mm F4 G OSS Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS 詳しいキャンペーン内容や応募方法についてはソニーHPの「 αフルサイズ ウインタープレミアムキャンペーン」ページをご覧ください。 ソニーへのリンク.jpg ■更新 ・2022年1月12日:キャンペーン終了の旨追記しました ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ソニーが開催する『αフルサイズ ウインタープレミアムキャンペーン』では期間内に対象商品を購入し応募されたお客様に定めた金額をもれなくキャッシュバックしています。期間は2021年10月22日(金)~2022年1月11日(火)です。 ----- KEYWORDS: ソニー,キャッシュバックキャンペーン ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル BASENAME: 484139215.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: コハラタケル DATE: 11/04/2021 17:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,ポートレート(人物),なんでもないただの道が好き ----- BODY: #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル

はじめに

 みなさん、こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。「なんでもないただの道が好き 街撮り講座」ですが、今回でいよいよ3回目です! 引き続き僕が大好きな街撮りについて解説していきますので、過去記事と合わせて読んでいただけると嬉しいです。

「垂直水平」と「アイレベル」を中心に考えない

 例えばですが、ここで撮りたいと思ったとします。
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル2
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F7.1 1/1000秒 ISO160
 次に人物をどこに配置して撮ろうかと考えたとき、よくやってしまいがちなのが……
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル03#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル04
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO160 ■モデル:五味未知子 ※2枚とも同じ設定
 このような感じではないでしょうか?こういう写真の撮り方になってしまう人は写真を撮るときに「垂直水平を取ること」や「アイレベル」を中心で考えている人に多い気がしています。  もちろん、この撮り方が悪いというわけではなく、僕もよく撮りますしこういう写真も残しておきます。ただ、写真は写真集のように組んで考えるのが大切だと考えているため、バリエーションが欲しいです。  そこで垂直水平を取ることやアイレベルで考えるのではなく、余計なものを排除してみようという考え方で画角を決めてみます。 #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル05  今回は上部に情報が密集していると感じたため、大胆に上半分を削ってみました。完成した写真がこちらです。
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル06
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/2000秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 垂直水平を取ることとアイレベルを無視したことで、先ほどまでの写真とは違う雰囲気の写真になりました。  「垂直水平ってそんなにずらしてるんですか?」と思う人もいるかもしれないので最初の写真で解説すると…… #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル07  これだけ傾いています。ちなみに完成写真のモデルさんがしゃがんでいる写真は現像で垂直水平を整えているのではなく、撮るときにカメラを傾けて撮影しています。  最近は高画素のカメラが増え、トリミングの自由度も高くなりましたが、"撮ったときに完成していること"を意識できているかどうかはとても大切です。「あとからトリミングすればいいや」という考えは、僕は捨てたほうが良いと思っています。  ちなみにですが、僕はEVF(電子ビューファインダー)や液晶モニターに電子水準器を表示させていません。電子水準器が表示されていると、無意識のうちに水平を取ろうとしてしまうことがあります。  基本はOFFにしておき、「ここはしっかり水平を合わせたい」というシーンでは電子水準器を表示させるというやり方のほうがおすすめです。

目立たせたい色だけを写真に入れる

 最初に失敗写真をご覧ください。
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル08
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F3.2 1/125秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 このときの僕の気持ちは「赤い実とモデルさんを一緒に撮ろう」です。この二つを中心に画面を構成していくことになります。赤色は危険を察知させる色のため目立ちます。失敗写真では赤い実のほかにも赤色が入っていますよね。 #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル09  赤い実とモデルさんを目立たせるためには右側の車や左の赤色の塗装の壁面を画角に入れないようにしなければいけません。まずは右側の車が入らないよう縦にして撮影してみました。
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル10
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F3.2 1/125秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 うん。悪くはないのですが、やはり左の赤色の塗装に目移りしてしまいます。あとは右上の離れている赤い実も気になるところです。一ヶ所に赤色がまとまっているほうがその周囲に視線誘導しやすいので、もう少し寄ってみましょう。
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル11
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F3.2 1/125秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 ここまで情報を整理すると「赤い実とモデルさん」を主題にしたいというのが伝わるのではないかと思います。

隙間を無くしてみる

 先ほどの写真なのですが、もうひとつ覚えておいて欲しいことがあります。それは"隙間を無くす"です。 #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル12  このような隙間を無くすだけでも写真の見え方が変わるので実践してみてください。
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル13
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F3.2 1/125秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 この隙間を無くすという撮り方はいろんなシーンで役に立ちます。「撮り方どうしよう……」と迷ってしまったときに一度は実践して欲しい撮り方です。

反射光を発見したら積極的に使っていこう

 次は反射光を使った撮影です。みなさん、反射光ってご存知ですか?
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル14
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/1000秒 ISO160
 中央の四角い光に注目してください。これは反射光で太陽の光がガラス面や金属面などに当たって反射して起きる光です。 #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル15  狙って撮りに行けば出会える確率も高いのかもしれませんが、僕のようにあくまで街撮りがメインで撮りにいく場合、何回も出会えるような光ではありません。だからこそ発見したときは積極的に写真を残しておきます。実際に撮影した写真がこちらです。
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル16#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル17
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO160 ■モデル:五味未知子 ※2枚とも同じ設定
 反射光の位置がちょうどモデルさんの顔の位置に近かったため、今回は顔に光が当たるようにしました。さらにこのロケーションでは右側半分の影が濃かったので、明暗差が出てよかったですね。  反射光で撮影するときは、モデルさんを反射光が当たる位置に立たせると太陽の光そのものは逆光になる可能性が高いため、面白い写真を撮ることができます。
#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル18
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
 逆光にも関わらず、まるでレフ板を当てたかのように顔に綺麗な光が当たっています。今回は街撮りということもあり、寄りではなくちょっと引いた写真を掲載していますが、最初に話した通り反射光に出会える確率が低いので、発見したら寄り引き両方の写真を残しておきます。

偶然をいかに発見できるか

 最後に掲載した反射光を使った逆光写真ですが、僕も前回、いつ撮れたのか覚えていないぐらい久しぶりに撮影することができました。街撮りではこのような偶然の光を探す力が大切で、僕も撮影時はモデルさんと会話をしつつも良いロケーション・良い光を見逃していないかどうか常にチェックしています。「あ、なんかあそこの光、良いかも」と少しでも思ったら、必ず一度は写真を撮ってみましょう。 #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル19 ■モデル:五味未知子 ■写真家:コハラタケル 1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。

コハラタケルさんの連載記事はこちら

#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/483346238.html #02 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/483447191.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のコハラタケルさんによる連載第三弾記事です。街撮りポートレートの撮影テクニックを紹介しています。作例と解説コメントを分かり易く説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,人物_子供,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 【オールドレンズレビュー】ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2|憧れのF1.2大口径レンズ BASENAME: 484178734.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 11/05/2021 16:00:00 TAGS: オールドレンズ,ニコン(Nikon) レンズ,単焦点 ----- BODY: 00_top.jpg

はじめに

 今回のオールドレンズは魅惑の大口径レンズ、開放F値1.2の「ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」をピックアップしてみました。この「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」は、1965年発売されたFマウントニッコール初のf1.2という開放F値を持つ、当時最も明るいレンズです。自分の生まれた時代のレンズがどんな描写をするのか興味を持ち、発売から50年以上経過した大口径レンズ開放F値1.2のレンズをマウントアダプターを使ってデジタルで撮影をしてみました。

ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2の魅力

01_製品画像.jpg  「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」の魅力はなんといっても、大口径レンズでレンズの明るさがF1.2というところにつきます。  基本的なスペックは、 ・焦点距離:55mm ・最短撮影距離:0.5m ・絞り開放:F1.2 ・レンズ構成:5群7枚 ・絞り羽根枚数:7枚  さすがに50年程経過したレンズなので、中古市場で程度の良いものを見つけるのは難しくなってきています。状態のランクがB~Cランクのものが多く、外観のスレやキズ、レンズ内の小さなゴミ、ホコリの混入が見受けられるものが多くなっています。そのせいもあって中古価格相場は、30,000~40,000円程度になっているような感じです。憧れていた大口径F1.2のレンズが、お手頃の価格で入手できるのは魅力を感じます。  実際の写りはどうなのかと言うと、レンズの程度によるところも大きくなりますが、最新のレンズでは表現できない、オールドレンズならでは味わいのある写りを醸し出してくれます。  今回「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」を使用して撮影するにあたっては、カメラはソニーα7R IIIに、焦点工房のマウントアダプター「SHOTEN NF-SE」(ニコンFマウントレンズ → ソニーEマウント変換)を使っています。このマウントアダプターは実売価格で5,000円を切るお手頃な価格で入手できるマウントアダプターです。 02_アダプター.jpg  実際に「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」を持ち出して撮影してみると、これがなかなか苦戦しました。絞りを絞れば、しっかりと解像したシャープな絵を表現してくれるのですが、絞りを開放F1.2にして撮影してみるとピント合わせが難しく、カメラの設定でピント合わせ時の拡大モードを最大値にしながらの撮影していたのですが、もう何処にピントが合っているのか分からないような画像を沢山撮っていました。このあたりはレンズ個体の程度によるところもあると思いますが、手持ち撮影でピントマニュアル、絞りF1.2の難しさを痛感しました。
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
 絞りは少し絞れば、解像感も増し撮影も凄く楽になりましたが、ここはやっぱり大口径F1.2の味わいを楽しみたいので、何度もチャレンジしながら撮影を繰り返しました。オールドレンズの難しい設定での撮影でも、デジタルカメラを使えば確認と撮影を繰り返すことで、失敗のリスクを軽減できるメリットは非常に大きいですね。これがフイルムでの撮影となると急にハードルが上がってしまいます。  あえての不便さと昔の味わいを醸し出すオールドレンズを気楽に楽しめるのは、フルサイズミラーレスカメラとマウントアダプターのおかげです。 ※オールドレンズを使って撮影する場合のカメラの設定やピント合わせなどのコツは、こちらの記事をご参照下さい。 ■「マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?」 https://shasha.kitamura.jp/article/483200571.html

レトロな空間「西武園ゆうえんち」をスナップ

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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
 以前からオールドレンズを使ってどうしても撮りたいところがあったので、今回「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」を持って行ってきました。場所は埼玉県所沢市にある「西武園ゆうえんち」の、1960年代の昭和レトロな「夕陽の丘の商店街」。  正に「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」が発売されていた時代にピッタリのシチュエーションです。そんな1960年代の昭和の街並みをこのレンズで撮影したら、とても面白いのではと思い撮影を楽しんできました。
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
 「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」の絞り開放時では、オールドレンズの特有の滲みとボケが盛大に発生します。この滲みこそ現代のレンズには無い、オールドレンズを楽しむ大きな要素で、滲みが撮影した写真にノスタルジーを加えてくれます。
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
 色の発色はとてもニュートラルな発色、しかしノスタルジーを感じる様な抜けてしまった感じでもなく、絶妙な味わいのある色調を感じます。赤色系の派手さが無く好感のもてる発色です。
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF4 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
 少し絞ることによって滲みが無くなり、ピントのあった部分のシャープさとその前後のきれいなボケを演出してくれるレンズに変わります。さらにしっかり絞れば、四隅までシャープに解像し50年も前のレンズと思えないほどしっかりとした表現をするようになります。
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF16 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用

都内を散策スナップ

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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF8 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
 遊園地での撮影でだいぶ「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」に慣れてコツをつかんできたので、いつのも街中スナップに持ち出してみました。  オールドレンズをカメラに付けていると、どうしても下町を歩いてみたくなってしまいます。街中の風景を切り取って撮影する時には、絞りを絞って撮影することでピント合わせのストレスが少し減って気持ち的にも楽に撮影ができます。ここぞいう被写体を見つけた時には、思い切って絞り開放で撮影するメリハリを効かした撮影がおすすめです。
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF1.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
 絞りを大きく変えて撮影する時に少し気にしておく点は、玉ボケの形に注意が必要かもしれません。絞りを開けて撮った時と、絞った時の形がはっきりと変わります。 ■F1.2で撮影:きれいな丸ボケ
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF1.2 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
■F8で撮影:玉ボケの形が七角形
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF8 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
 「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」は開放付近で撮影すれば奇麗な丸ボケを表現しますが、絞って撮影すると絞り羽根7枚の影響が出て、玉ボケの形がはっきりとした七角形の形になります。こういった違いをしっかりと認知したうえでボケの演出を楽しむのもいいかもしれません。
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF5.6 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
 カラーでの撮影も非常にニュートラルな描写をしていたので、少し気になっていた白黒モードでの撮影に切替えてみました。ちなみに筆者の生まれたころの写真をアルバムで振り返ってみると、ちょうど白黒写真とカラー写真が半分半分くらいでありました。この「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」もちょうどそんな時代を過ごしてきたレンズとあって、白黒モードで撮影した写真も非常にニュートラルな味わいのある描写をします。
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF1.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF1.2 ISO100 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用

まとめ

 今回ピックアップした、「ニコン NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」は大口径F1.2のレンズでありながら中古市場ではお手頃な価格で入手できるアイテムです。F1.2のボケとオールドレンズの滲みを楽しむことができると同時に、絞ればしっかりとシャープに解像する両方の描写を楽しむことができるレンズです。試行錯誤をしながら撮影を楽しむことができるオールドレンズの候補の一つにいかがでしょうか。きっと写真ライフが楽しくなりますよ。  最後に我が家の猫を撮影してみしたが、絞り開放F1.2で動く被写体は至難の技でした。ほとんどピントが合わず大苦戦です。しかし、ピントが合った写真のボケと滲みが猫の毛並みを柔らかく表現してくれるので、お気に入りの写真になりました。
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■撮影機材:SONY α7R III + Nikon NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF1.2 ISO800 焦点距離55mm ※マウントアダプター:SHOTEN NF-SE使用
■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんに、ニコンのオールドレンズ「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」をレビューしていただきました。開放F1.2が見せる魅力的なボケ味をぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: レビュー,オールドレンズ,ニコン,Nikon,NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ソニー VLOGCAM ZV-E10 レビュー|旅で、日常で、ワクワクする。写真撮影も楽しいカメラ BASENAME: 484181479.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 11/06/2021 11:00:00 TAGS: ソニー(Sony) ボディー,VLOGCAM ZV-E10,スナップ,APS-C,ミラーレスカメラ ----- BODY: 00 作例.JPG

はじめに

 VLOGCAMとして発売され、動画性能の高さで評価を得ているソニーZV-E10。有効画素数約2420万画素のAPS-Cセンサー、レンズ交換式カメラでありながらレンズ装着の状態でポケットに入るという極めて小さなカメラです。動画撮影用カメラとして注目を集めていますが、写真の写りってどうなの?撮影シーンはどこまで対応できる?と、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はVLOGCAM ZV-E10の機能と、レンズの組み合わせで撮る旅と日常写真の魅力をお伝えいたします。

携行性抜群 Vlogだけでなく写真も楽しめるカメラ

 初めて手にしたとき、まずはコンパクトカメラのようなサイズに驚きました。〝どこに行くにも気軽に連れて行ける〟そんな佇まいで、バッテリーとメモリーカード含めても約343gの質量。重さを感じないことがこのカメラの最大の魅力。
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女性が持っても大きさを感じないサイズ、普段持ち歩くカバンにも入る嬉しさ。携行性抜群で荷物の負担は少ない。
 VLOGCAMとして発売された本機ですが、α6400とほぼ同等の機能を持ち、当然ながらセンサーサイズも画素数も変わらないため写真の写りも良質です。  大きく異なるのはファインダーがないこととボタン類の操作面で、ボディ外装に撮影モード切替ダイヤルがないため、撮影モードの切り替えやホワイトバランス、ドライブモード、AFモード、測光モード、露出補正などよく使う機能は、背面のFn.ボタン(ファンクションメニュー設定)に割当てて使います。
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ボタン類は右手側に集約されています。赤丸は動画撮影、グリップ部のボタンが静止画撮影。Ⅽ1右側は背景ぼけ切換ボタン。ソニーのAPS-Cミラーレスでは初搭載のバリアングルモニターはタッチパネル式で操作も簡単。
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αシリーズで馴染み深いFn.ボタン。撮影時親指のかかる位置にボタンがあるので、利用頻度の高い項目を割り当てておくと使い勝手がよい。
 手ブレ補正、リアルタイムトラッキング+顔/瞳認識などはメニューで設定。動画撮影で使える機能は静止画撮影でも大いに効果を発揮してくれます。静止画撮影ではシンプルな操作感で撮影を楽しむことを優先し、思い切ってP(プログラムオート)モードで気負わずにサクサクと撮り歩く感覚が一番似合うカメラだと感じました。

旅で味わうキットレンズE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSの魅力

 荷物を持ち歩く旅先では、持ち運びに負担がないことは必須条件。キットレンズである「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」はZV-E10での撮影を存分に楽しめる組合せです。ボディとのバランスが考慮された小型軽量のレンズは35mm換算で24~75mmをカバーし、ダイナミックなアングルの広角の良さと具体的に切り取る中望遠の良さがあり、旅先でなら「絶対撮りたい!」を叶えてくれる万能選手です。  この日は久しぶりに足を延ばして伊豆大島へ。最近ドラマの舞台にもなった小さな港町波浮(はぶ)を訪れ、同行していた友人たちと散策スナップ撮影を楽しみました。ほどよく背景を取り込める距離で静かな港を背景に横顔で一枚。風になびく髪を繊細に写し出しています。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離29mm) ■撮影環境:SS1/125秒 F/8.0 ISO100 オートWB
 電話ボックスでガラス越しに撮影したポートレートはヌケ感のある写りに。スナップやポートレート撮影で欠かせない「美肌効果」は低(Lo)、中(Mid)、高(Hi)と3段階で調整可能。低(Lo)設定でも肌の描写が自然に美しく仕上がります。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離26mm) ■撮影環境:SS1/40秒 F/4.5 ISO100 オートWB
 木造家屋が並ぶ路地では、奥行きを強調できる広角端16mmでパースを活かした迫力ある一枚に。すっきりとした印象の描写です。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離16mm) ■撮影環境:SS1/100秒 F/36.3 ISO100 オートWB -0.3EV
 ひなたぼっこ中の猫に出会いました。警戒心が強いので望遠端50mmで距離感を保ちながらタイミングを狙います。ここでは被写体の瞳や顔にピントを合わせ続け自動で追従する「リアルタイムトラッキング」「リアルタイム瞳AF」がキャッチしてくれるので、ファインダーがなくても安心です。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離50mm) ■撮影環境:SS1/200秒 F/8.0 ISO200 オートWB
 ZV-E10はバリアングルモニターなのでしゃがみ込んでの撮影も楽々。地面から生える花にピントを置き、背景を取り込んだローアングルでの一枚。このアングルではタッチフォーカスも活躍します。こうした角度で撮影が楽しめるのは小型軽量だからこそ。そして、背景がボケ過ぎないのでその場の雰囲気を感じられるこのレンズの良さが引き立ちます。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離16mm) ■撮影環境:SS1/320秒 F/8.0 ISO100 オートWB -0.7EV
 画面全体にパンフォーカスしやすく、きりっとシャープな描写はダイナミックな風景写真にも適しています。素直に感じたまま記録しておきたい旅写真では、キットレンズE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSの写りに納得感が得られるはずです。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離16mm) ■撮影環境:SS1/500秒 F/8.0 ISO200 オートWB -0.3EV

便利な「背景のぼけ切換」ボタンとズーム範囲

 ボディ天面にある「背景ぼけ切換ボタン」はぜひ使いたい機能。被写界深度の「浅い・深い」が一瞬で切り替わるので、ボディ外装に撮影モード切替ダイヤルがない本機で、手元の撮影からいきなり遠景の風景写真への撮影も可能になります。絞りを都度変更する必要がなくとても便利。
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左:背景ぼけ切り換え「オフ」パンフォーカスするF11 右:背景ぼけ切り換え「オン」開放F1.8 と切り替わりました。
 ボケの効果を大きく発揮させるためには、被写体との距離の置き方にも注意。被写体までの距離が近く、ピント面から背景が離れているほどその効果が高くなります。また、開放F値の明るいレンズを使うことにより、一層優しい雰囲気のボケ表現を楽しめるので単焦点レンズでの撮影がおすすめです。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:SS1/860秒 F/1.8 ISO200 オートWB +0.3EV
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:SS1/60秒 F/1.8 ISO400 オートWB +0.3EV
 本機は、持ち合わせたレンズが単焦点レンズしかない場合や、遠景で届かない、これ以上近づくことができない場所などで高倍率なズームが可能になる「全画素超解像ズーム」も使えるので、撮影倍率を高め、さらに大きなボケを作ることができます。
14 超解像ズーム.jpg
上:「ズーム範囲」設定では、光学ズームのみ/全画素超解像ズーム/デジタルズームが選択可能。このほか、[JPEG画像サイズ]がM、Sのときに使えるスマートズームがある。 下:撮影時画面には撮影有効範囲(点線枠)とズーム倍率の表示がされる。ズーム操作はシャッターボタンにあるレバーで行う。
15 解像ズーム.jpg
左:単焦点レンズE 35mm F1.8 OSS 通常の画角(ズームしないで撮影) 右:「全画素超解像ズーム範囲」1.6倍での撮影

手ブレ補正機能で夜間撮影も軽々と

 夜景やナイトスナップなど日常生活の中でも撮りたいと思うシーンに出会うことがありますが、いつも三脚を持ち歩いている人は多くないはず。筆者もどちらかと言えば三脚を使用せず撮影することが多いのですが、ZV-E10は小さなボディでありながら片手で撮影することを考慮したグリップの握りやすさに加え、手ブレ補正による効果が抜群です。レンズ側のOSS(光学式手ブレ補正)機能を使うことでブレを抑えた撮影が可能です。(レンズ名称に「OSS」表記のないレンズでは設定できないので注意。)  長秒撮影で路面電車が目の前をすり抜けていく瞬間をキャッチ。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (焦点距離16mm) ■撮影環境:シャッタースピード優先 SS2秒 F/5.6 ISO100 オートWB -0.3EV
 揺れ動く川面の鮮やかな光も美しく捉えます。夜間撮影時の黒の引き締まりもグッと深く、解像感も損ないません。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:シャッタースピード優先 SS2秒 F/7.1 ISO100 オートWB -1.7EV
 わずかな光の暗い場所でもスナップを楽しむことができました。
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■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:SS1/60秒 F/1.8 ISO800 WBオート -1.7EV
 三脚を使用すればインターバル撮影による星景撮影も可能。スマートフォンからのリモート操作もできるので、より撮影範囲が広がります。

おわりに

 「動画も静止画も両方楽しみたい!」というわがままを叶えてくれるVLOGCAM ZV-E10。レンズ交換式カメラでありながら「カメラを持って出かけよう。」と思わせてくれる小さなボディ、そして撮影のしやすさを考慮した動画撮影のための機能は、静止画でも大いに活躍します。そのハイブリッドな良さを旅でも、日常でも存分に感じられました。  ファーストカメラがZV-E10の方は、ぜひ撮りたい被写体に合わせてEマウントレンズを揃えながら撮影表現の楽しさを感じてもらいたいと思いますし、すでにαユーザーなら頼れるサブカメラになってくれること間違いなしです。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。

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はじめに

~2021年11月20日にだいげん氏によるセミナーが開催されますのでご参加希望の方は文末の案内を是非ご覧ください。~ こんにちは!動画クリエイターのだいげんです。 本日はフルサイズ ミラーレスカメラ用交換レンズのソニー FE 40mm F2.5 Gを紹介します。まずは動画のこのレンズを使って撮影した作例をご覧ください。
作例はいかがでしたでしょうか? カメラはα7C、PPはS-log2を使って撮影しました。 こんなにコンパクトなカメラとレンズセットでこんなに綺麗に撮れるのはちょっと驚きですよね。撮影した場所やモデルさんも良かったのもあって雰囲気も抜群に良く撮れたんじゃないかなと思います。 今回のロケ地は関西国際空港の近くのマーブルビーチっていうところで撮影しました。白い大理石で埋め尽くされた人工のビーチで撮影するにはとても良い場所です! 今回使った40mmという焦点距離は個人的に1番好きな焦点距離でして撮影してる時にストレスや違和感なく撮影できるところが気に入っています。

ビルドクオリティー

Gレンズですので撮影に必要な機能はしっかりと揃っています。 フォーカスリング、絞りリングはもちろんフォーカスホールドボタンやオートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えスイッチもついています。
01_ソニー FE 40mm F2.5 Gの製品外観画像.jpg
上側のリングは「フォーカスリング」 下側のリングは「絞りリング」
スイッチ、ボタン.jpg
左は「フォーカスホールドボタン」 右は「フォーカスモードスイッチ」
フォーカスリングと絞りリングの位置が近いのでお互いが干渉してしまう時もありますがボディがコンパクトなのでしようがないところかなと思います。 レンズ径は49mmです。 最近のEマウントのレンズは67mmのレンズ径のものが多いので2回りぐらい小さくなっております。 03_レンズキャップの大きさ紹介.jpg レンズフードが今までのものと大きく変わってまして、最初見たときにこれがレンズフードだと気づきませんでした(笑)。
04_ソニー FE 40mm F2.5 Gレンズフードの画像.jpg
レンズフード
この形状のレンズフードはかなり便利だと感じました。 特にNDフィルターなどのフィルターの付け外しはレンズフードを外すだけで簡単にできますので忙しい撮影の際には使いやすいのではないかなと思います。

スペック

スペックを見ていきましょう。 ・焦点距離 40mm ・レンズ構成 9群9枚 ・開放絞り  F2.5 ・最小絞り F22 ・絞り羽根枚数 7枚 ・最短撮影距離 AF時 0.28m / MF時が0.25m ・フィルター径 49mm ・フードタイプ キャップタイプ ・重量 約173g α7Cと組み合わせてもフルサイズのカメラを持っているという感じが全くしないぐらいの重量感です。軽くてサイズもコンパクトなのでミラーレスカメラビギナーの方にも扱いやすいレンズではないかなと思います。 AF時とMF時の最短撮影距離は下の写真くらいの差があります。
05_最短撮影距離.jpg
左はAF時、右はMF時の最短撮影距離で撮影
価格はカメラのキタムラでは71,280円(税込)※となっており、僕はこれだけのクオリティーのレンズであれば結構安めのレンズなんじゃないかなと思います。 ※2021年11月3日時点

写真の作例

写真の作例をご覧ください。
06_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/3.2 1/320秒 ISO80
06_1_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/3.2 1/320秒 ISO80
08_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/3.2 1/100秒 ISO200
09_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/2.5 1/4000秒 ISO80
10_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/2.5 1/1250秒 ISO64
12_1_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/2.5 1/640秒 ISO64
12_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/5 1/125秒 ISO64
13_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/5 1/400秒 ISO64
13_1_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/2.5 1/1000秒 ISO64
14_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/3.2 1/400秒 ISO80
14_1_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/4.5 1/320秒 ISO80
15_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/3.5 1/320秒 ISO80
動画だけでなく写真の撮影にも向いているレンズだなと感じました。 40mmという焦点距離は普段目で見ている画角に近いので違和感なくシャッターを切れるところが気に入っています。 大きなボケを出して撮影するレンズというよりは気軽に思ったままに日常を切り取るような使い方が向いているなと思います。

AF性能

オートフォーカスはソニーのカメラと純正レンズの組み合わせなのでトラッキングの精度も合うスピードも全く問題ありませんでした。 フォーカスの合う速度をご覧ください。
さすが純正レンズとの組み合わせですね。 全く迷いもなくスムーズにナチュラルにフォーカスを合わせることができていました。 作例ではα7Cとの組み合わせで使用していましたがフォーカスが遅いなと感じることや合わないなと感じることはほとんどありませんでしたのでストレスなく動画を撮影することができました!

瞳AF

瞳AFに関しても全く問題なくトラッキングしてくれています。 こちらの動画をご覧ください。

フォーカスブリージング

フォーカスブリージングとはピントの会う場所が変わると画角が若干変わってしまうことです。レン ズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。40mm F2.5 Gのフォーカスブリージングを見てみましょう。フォーカスが合う位置を手前、奥と変えてもそこまで大きなブリージングは出ていないように感じます。
被写体が後から入ってくるのでフォーカスが合うところが海から被写体に変わりますがフォーカスが合うところ大きく変わってもブリージングはあんまり気にならなかったと思います。 動画を撮る時はこういった映像表現することもあったりするのでブリージングが大きいレンズだと画角が変わってしまって違和感があったり没入感が損なわれたりする原因になってしまうかと思います。

逆光耐性

撮影中に太陽の日差しなどでフレアやゴーストが出てしまうケースもあります。人工的に光を当ててゴーストやフレアがどれぐらい出るか見てみましょう。
逆光耐性はかなり強いレンズなんじゃないかなと思います。 NDフィルターやミストフィルターをつけたりして撮影するとフィルターの影響でゴーストやフレアが出たりすると思いますのでその辺は注意しながら撮影していく必要があるかなと思います。
16_ゴーストの説明写真.jpg
赤丸のところがゴースト

まとめ

本日は40 mm F2.5 Gレンズを紹介しました。 F2.5ということでボケ感もそんなに出ないんじゃないかなと思われる人もいらっしゃるかもしれませんが全然そんなことありません。 被写体と背景の綺麗なボケのコントラストもあったりしますし、もちろん前ボケも綺麗に出てくれるレンズなんじゃないかなと思います。
17_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/2.5 1/640秒 ISO64
18_ソニー FE 40mm F2.5 Gで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 40mm F2.5 G ■撮影環境:f/3.2 1/000秒 ISO80
周辺減光が少し気になりますが、LightroomやPremiere Proで簡単に補正できるレベルです。 今回の動画の作例ではこの減光を逆手にとって逆に四隅を暗くするようなカラーグレーディングを行いました。 工夫次第で様々な使い方ができる40mmの単焦点レンズ。 小さくてコンパクトでα7Cとの組み合わせにも最適です! ぜひ一度試してみてください!  今回の記事の内容は僕のYouTubeチャンネル「DAIGEN TV」でもご紹介しています。ぜひ合わせてご覧いただけますと幸いです。
■動画クリエイター:だいげん 日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像製作。北海道出身、大阪在住。

FE 40mm F2.5 Gはこちらの記事でも紹介されています

ソニー FE 40mm F2.5 Gレビュー|山本まりこ https://shasha.kitamura.jp/article/481492272.html ソニー FE 40mm F2.5 G レビュー|坂井田富三 https://shasha.kitamura.jp/article/482106171.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ソニー FE 40mm F2.5 Gを動画クリエイターのだいげんさんがレビューしています。ポートレートの映像作品と合わせて、動画撮影時のレンズ性能をご覧ください。 ----- KEYWORDS: FE 40mm F2.5 G,ソニー,Sony,レンズ,人物_子供,動画クリエイター ----- -------- AUTHOR: 伊藤拓真 TITLE: 物撮りのコツ|自然光とレフだけでカメラをブツ撮りする BASENAME: 484161896.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 11/08/2021 16:00:00 TAGS: 撮影テクニック,静物/物撮り/料理 ----- BODY: 物撮り.JPG

物撮りのコツ解説

 以前の記事「物撮りのやり方|写真家が教える物撮り初心者のカメラテク3つ!」で、ニコンのフルサイズミラーレス一眼カメラ「Z 6」とスピードライトを使った、カンタンなブツ撮りの方法をお伝えしましたが、今回はより手軽な「自然光」を使った撮影方法についてお伝えしたいと思います。

スマホでも出来る物撮りの撮影方法はこちらの記事から

物撮りのやり方|スマホで出来る物撮りのコツ! 関連記事 (5).jpeg写真家に教わるスマートフォン撮影のコツ!|食べ物を撮る編 関連記事 (7).jpeg

自然光の「太陽」で撮る

 一番身近な「光源」、それは太陽です。いわゆる「自然光」ですが、とても明るくて力強く、しかも「無料」で使えます。さらに電球やライトとは違って地球上のどこでも利用可能であるため、非常に頼もしい「光源」と言えるでしょう。今回はこの「自然光」を利用したカンタンなブツ撮りを紹介していきます。被写体は一番身近なカメラとレンズにしましょう。  ひとつ気をつけなければいけない点があります。それは「太陽」は動くもので、ホワイトバランス(色合い)が常に変化し続けている、ということです。季節によって日が昇るのも沈むのも時間が違いますし、朝方や夕方は大きく色味が変化していきます。多くのカットを撮影する場合、手際よくシャッターを切っていかないと太陽が動いてしまって、カットによって影の出方や色合いが変化してしまうと言うことになりかねません。また、日なたで撮影していたのに日影になってしまったりと言うこともありえます。  その一方で、例えばその夕方の淡い色合いを活かしたり、あえて真夏のギラギラ感を利用した演出をすることも可能なのです。撮影する季節と時間帯、そして撮影場所は熟考する必要があります。基本的には撮影時間はお昼前後の時間帯に撮影するのがオススメです。

ホワイトバランスはどうする?

 太陽光で撮影するので、カメラのホワイトバランス設定は「デイライト(もしくは「太陽」などメーカーによって呼称が異なります)」が基本です。ホワイトバランスをセットすることによって、色合いを固定しての撮影が可能です。  室内で撮影する場合、部屋の壁の色や天井の色が影響して「色かぶり」してしまうことがあります。そのような場合はホワイトバランスを「オート」に設定するか、マニュアルでホワイトバランスを取って設定しましょう。

おすすめのカメラはフルサイズミラーレス「LUMIX S5」

 今回の使用カメラは、パナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」。バリアングル液晶を搭載しているので、三脚にカメラを据え付けた場合でもフレーミングをラクに行うことができます。また、フルサイズセンサーの伸びやかでディテール豊かな写りと、ノイズが少なく高感度にも強いのでさまざまな環境光下で一定の仕上がりが期待できます。  レンズはシグマの「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」をチョイスしました。このレンズは切れ味が鋭く、絞り開放からとてもシャープな像を結んでくれます。105mmというワーキングディスタンスもカメラ撮影にピッタリで、フォルムを崩さずにストレートに被写体を捉えることが可能な素晴らしいレンズです。最短撮影距離は29.5cmとなっています。

実際に窓辺で撮影

 というわけで一番手軽な自然光、太陽を利用してカメラを撮影してみましょう。窓辺に台を設置して白いバック紙を敷きます。これは台に合わせるのがセオリーですが、できればA3サイズより大きなものを推奨します。なぜなら被写体が大きくなってくると写り込む背景もある程度スペースが必要になってくるので、小さいものより大きなものがいいからです。  バック紙の中央に被写体となるカメラを置きます。今回は「SIGMA fp」と「SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary」のセットを起用しました。  するとどうでしょう。カメラ部分にサッシの影がドーンと落ちてしまっています。これではダメですね。と言っても台を他に設置するスペースはありません。さてどうしましょうか。
物撮り (2).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/22 1/160秒 ISO-2000
 そこでレースのカーテンを閉めてみました。光が弱まってコントラストも和らぎましたね。やや影が気になりますが、「室内でのカメラカット」という感じで悪くありません。しかしオークションやフリマサイトに出す写真の場合は、これでは商品がよく分かりません。
物撮り (3).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/22 1/160秒 ISO-5000
 そこで「ディフューザー」の出番です。ディフューザーとは光をやわらげる道具で、簡単に言ってしまえばトレーシングペーパーのように光をソフトに透過するものとなります。これで太陽光を拡散してフラットな光を作ってあげるのです。マンフロット社の「ラストライト ハロコンパクト ディフューザー 82cm」を使用して仕上がりは柔らかなイメージとなりました。
物撮り (4).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/22 1/160秒 ISO-4000
 カメラの持つ金属の質感をもうちょっと出したい場合は「レフ」でそれを演出してみましょう。表がホワイト、裏がシルバーのマンフロット社「ラストライト ハロコンパクト リフレクター82cm シルバー/ ホワイト」を使ってみます。シルバーの面で太陽光をキラリと被写体に向けて反射してみます。  するとどうでしょう、レンズ鏡筒にキリリとしたハイライトが入り、カメラの上面もクッキリと見違えるようになりました。このように「ディフューザー」と「レフ」とで「光を和らげる」ことと「光を導く」ことによって、家の窓辺でも手数をかけることなくカメラの撮影ができました。
物撮り (5).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/22 1/160秒 ISO-3200
 上記と同じように、往年の名機「ニコン F3P」に迫ってみました。これはボクが報道機関にいた時代に愛用していたカメラです。このカットは窓辺からの太陽光のみの撮影なので、やや逆光気味になっています。
物撮り (6).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISOI-160
 画面左サイドから先ほどのレフを入れてみました。ホワイト面を使ってみましたが、チタン製のペンタプリズム部、シャッターダイヤル部、モータードライブ「MD-4」のシャッターボタン周りの輪郭がピシッとしましたね。
物撮り (7).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/2.8 1/160秒 ISO-160
 今度は背面のファインダー接眼部周辺を撮ってみましょう。このカットは窓辺に置いただけのカットです。今見てもこのニコン「F3」シリーズはカッコいいですね。新宿にある「北村写真機店」ではコンディションのいい個体が入荷している場合があります。興味がある方はぜひお店までどうぞ!
物撮り (8).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/8 1/125秒 ISO-1000
 ここではレフのシルバー面を使って、強めに光を当ててみました。ちょっとずつ「F3P」を移動させて、光とフォルムが一番マッチするところを探して撮ってみました。ネーミングのテープが30年の時を超えてクッキリと浮かび上がりました。
物撮り (9).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/8 1/125秒 ISO-2500
 撮影時には絞りも変えてみましょう。写真の印象が大きく変わってきます。これは「F3P」の銘板部にフォーカスして、「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」の絞り開放「F2.8」で撮ったカットです。なかなか雰囲気のあるものになりましたが、もうちょっと「MD-4」をクッキリと出したくなりました。
物撮り (10).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/2.8 1/125秒 ISO-125
 今度は「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」の絞りを「F8」に設定。3段分絞り込んだので「MD-4」のグリップはもちろん、銘板部全体にピントが来たので「F3P」の雰囲気もグンと伝わってくるカットになりました。
物撮り (11).JPG
■使用機材:パナソニック LUMIX DC-S5+シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art ■撮影環境:f/8 1/125秒 ISO-1000
 今回使ったディフューザーとレフです。マンフロット社の「ラストライト ハロコンパクト」シリーズです。今後ブランドがマンフロットに統合されていくようですが、世界中のフォトグラファーに愛用されている照明関係の人気あるブランドの製品となります。写真左が「ディフューザー」、右が「レフ」となります。
物撮り (12).JPG
■左:ラストライト LL LR3301 ハロコンパクト ディフューザー ■右:ラストライト LL LR3300 ハロコンパクト リフレクター
 この製品は折り畳み式で、キャンプで使うテントのように折り畳まれたポールを円形に展開し、そのポールにディフューザーやレフの生地をフックで引っかけて張るスタイルです。ポール結合部には三脚穴もあるので、雲台やライトスタンドに設置可能です。一人での撮影でも光をコントロールすることができます。
物撮り (13).JPG
 折り畳むとペットボトル代のコンパクトさ。小さめの折りたたみ傘くらいでしょうか。カラビナも付属しているので、カメラバッグにひっかけることもできます。軽くかさばらないので気軽に持ち歩くことも可能ですし、家での収納場所にも困りません。ディフューザーとレフの両方を携行するのも楽チンです。
物撮り (14).JPG
 このように日中の窓辺でも、自然光とディフューザーとレフを使ってブツ撮りを楽しむことが可能です。「光を和らげる」ことと「光を導く」ことによって、カンタンにブツ撮りを楽しんでみてください。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。

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はじめに

 一年が過ぎるのは早いもので、気が付けば今年も後半に差し掛かり、あっという間に年末が近づいてきました。そんなタイミングで友人ファミリーと横浜にお出かけをしたので、年賀状に使える写真を撮ってみました。今回は写真入り年賀状に使える写真の撮り方やコツなどを紹介したいと思います。

家族写真を上手に撮るコツ

01_年賀状用の家族写真.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF9 ISO800 焦点距離78mm
 家族全員の写真は、自分たちだけで撮るのは難しいですよね。通常家族全員で撮ろうと思うと、三脚を立ててカメラをセットしてセルフタイマーで撮る事になりますが、小さなお子様や家族の人数が多くなると、全員の笑顔やカメラ目線を撮るのは少し難しかったり、時間がかかったりもします。  そこで今回は、自然な家族の写真を上手に撮るコツとして、お友達家族と一緒にお出かけをして、お互いの家族を撮り合う方法をご紹介します。気心知れた家族どうしであれば笑顔の写真も撮りやすくなりますし、お父さんお母さん、お子様の緊張感もほぐれ自然な笑顔を引き出す事もできます。また、お子様どうし遊びながら撮ることもできるので、お父さんお母さんもカメラマンとして撮影に集中できます。  撮影する場所も、普段からよくお散歩や遊びに行くポイントなどが良いですが、年賀状に使う家族写真であれば、住んでいる土地柄が分かるような場所で撮影するのも良いと思います。  撮影するカメラは、望遠レンズや標準ズームレンズの望遠側を使って、少し離れて撮影するのがおすすめです。背景のボケも出やすくなりますし、少し離れて撮影することで撮られる側の緊張感を少し和らげることができます。また、カメラの機能で顔認識AFや瞳AF機能があるものであれば、積極的に利用しましょう。  家族全員の写真を撮るときには、撮る側はできるだけ声をかけ、会話をしながら全員の視線をカメラ方向に向いてもらうように注意を惹きシャッターを切ります。家族の人数が増えれば増えるほど、全員の視線をカメラに向けてもらうのはかなり大変です。1回、2回シャッターを切っただけで上手くいかない事も多いので、できるだけ沢山シャッターを切って良い笑顔を撮りましょう。お子様の集中力は長く続かない場合が多いので、短期集中でできるだけ沢山シャッターを切ることが成功の近道です。
02_年賀状用の家族写真.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離181mm
 お子様の集中力が切れてきたら家族撮影は一旦終了して休憩することをオススメします。うまく撮れないと言って無理に頑張って撮影しても笑顔を引き出す事は難しくなります。

写真年賀状に使える構図

 年賀状に写真を使う場合は、先に年賀状をどのようなデザインで作りたいかを決めておくと撮影ではイメージを掴み易く、効率よく進行することができます。できれば、1~3種類くらいの年賀状デザインのテンプレートを候補にあげておくと、必要な写真の枚数やタテ・ヨコの写真の方向なども分かって、後で写真選びに苦労するという事がなくなります。ですから写真を撮る前に、WEBサイトやお店で配られている年賀状のカタログでデザインをチェックしておくのが良いでしょう。 ■カメラのキタムラ年賀状特設サイトはこちら https://nenga.kitamura.jp/  写真の年賀状には、全面に大きな写真を使って作る年賀状や、沢山のカットを散りばめた年賀状など色々なデザインがあります。沢山のカットを散りばめた多画面のタイプであれば、家族をまとめて撮らなくても、それぞれで撮影して家族全員の写真を入れる事ができます。例えば、お子さんにカメラを持たせてお父さん、お母さんを撮ってもらうのも面白いですよ。お子様には、大きいカメラは少し大変かもしれないので、お子様でも扱いやすいコンパクトカメラがおすすめです。 03_年賀状用の家族写真を撮る娘.JPG  お子さんが撮る写真であれば、きっとお父さんお母さんも笑顔一杯になるのではないでしょうか。 04_年賀状用の家族写真を撮る娘.JPG 05_年賀状用の家族写真.JPG
06_年賀状用の家族写真.JPG
※LETTERS・シンプルの写真入り年賀状デザイン・テンプレート LN-114
 お子様が撮った写真とお父さんお母さんが撮った写真を2枚使えば、家族全員の笑顔を1枚の年賀状で作ることができます。年賀状に使う写真を撮るときに、あまりアップで撮らない方が年賀状のテンプレートに写真をはめ込む際にレイアウトし易くなります。アップで撮ってしまうと、調整できる範囲が制限されて、思った位置にレイアウトすることができない場合も発生します。また、人物を中央に配置する構図では無く、左右どちらかに寄せた構図で撮影しておくと、年賀状作成の際にレイアウトが楽にできます。 07_年賀状用の家族写真.JPG
キャプチャ001.JPG
枠線で足が切れてしまった例
 年賀状のテンプレートの種類によっては、重要な部分が見切れてしまう事も発生します。少しひいた状態で撮影しておけば、切れる心配もなく、レイアウト上で拡大も出来るのでデザイン調整がし易くなります。  下のように少しひいた写真を撮っておけば、足元が切れない程度に拡大しながら位置を調整できます。 09_年賀状用の家族写真.JPG
10_年賀状用の家族写真.JPG
こちらは成功例 シンプルな写真入り年賀状デザイン・テンプレート KLN-140NY
 「アップで撮りすぎない=余白部分」を設ける事によって、年賀状の大きな要素である文字入れ(賀詞や住所・名前)などのレイアウトし易くなります。上下左右に少しゆとりをもった構図で撮影しておくと、年賀状デザイン編集が凄く楽になります。

家族写真で2022年の年賀状デザインを注文してみました

11_キタムラの年賀状サイト.JPG  撮影した家族写真で、実際に年賀状注文サイトを使って注文してみました。ここからは写真入り年賀状の作り方をご紹介します。 https://nenga.kitamura.jp/  年賀状特別サイトから、「年賀状デザインをチェック」→「クラフト年賀状」を選んでデザイン選択。目的のデザインを選ぶと年賀状の編集画面が表示されます。この編集画面で画像を拡大したり、傾きを調整したり、スタンプを入れたり、コメント入力や差出人の住所氏名などを入力する事ができます。  今回は家族全員で撮れたお気に入りの1枚の写真をピックアップしてみました。写真の良さを活かすために、デザインはできるだけシンプルなものをセレクトしてみたいと思います。
12_年賀状用の家族写真.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF8 ISO800 焦点距離82mm
年賀状を注文する際にワンポイントアドバイス!  年賀状の注文時に、画像補正(自動)で画像の明るさなどを注文画面でしてくれますが、あらかじめパソコンやスマホのアプリなどで、自分のイメージに合うように画像の調整(明るさなど)をしておくことをおすすめします。 13_14スマホのキャプチャー画像.jpg 15_年賀状用の家族写真.JPG  年賀状のデザインをセレクトしたら、年賀状に使う写真データをアップロードしてテンプレートに合成します。テンプレートに合わせて、写真データの拡大や位置調整が可能になっています。イラストの追加や住所、家族の名前も入れる事ができます。テンプレートの種類やテンプレートに合成する写真のセレクト、位置調整に悩んだら、途中までに作成したデータを「一時保存」しておくと便利です。
16_年賀状用の家族写真.JPG
LETTERS・シンプルの写真入り年賀状デザイン・テンプレート LN-100
 最後に「仕上がり確認」に進んで、レイアウトの確認と入力した文字の間違いがないかしっかりと確認しましょう。仕上がり確認が終わったら年賀状のハガキの種類や枚数を選択して注文完了です。  注文方法は非常にシンプルで簡単です。お店で注文・自宅からパソコンで注文・スマホで注文といろいろな方法があるので、ご自身のスタイルやご都合に合わせて注文する事ができます。スマホアプリから簡単に注文できるのはとても魅力的ですね。 17_キャプチャー画像.jpg

年賀状の宛名の印刷

18_年賀状お宛名印刷.JPG  キタムラの年賀状注文サービスでは、とても便利なオプションサービスの宛名面の印刷サービスも実施しています。宛名用のデータを用意すれば、同時に宛名も印刷されて写真年賀状を仕上げる事ができます。忙しい人にはピッタリのサービスですね。  「写真キレイ仕上げ」タイプの年賀状は、お年玉付き年賀状と写真用紙を貼り合わせて作られているため、仕上がった年賀状は少し厚みのある仕上がりになります。そのためご家庭のインクジェットプリンターでは、用紙が厚いためプリントが上手くできない場合があります。そんな不安を取り除いてくれのが、この便利な宛名同時印刷サービスです。宛名の印刷を自分でやって印刷を失敗するリスクも無くなります。 宛名用印刷データは事前に用意して、年賀状注文時に同時に利用します。詳しくはカメラのキタムラ「年賀状特設サイトの宛名同時印刷」のページをご参照ください  https://nenga.kitamura.jp/atena/print/

まとめ

 写真の年賀状はいろいろなテンプレートデザインから注文出来ます。多すぎて迷ってしまう事もあると思いますが、家族写真を撮る前に、ある程度デザインを決めておくのがポイントです。そうする事で、よりデザインにマッチした構図で撮影することができます。 年賀状用の写真撮影のポイント! ・事前にWEBやカタログで年賀状デザインの候補を1~3種類選んでおく。 ・望遠レンズや標準ズームレンズの望遠側を使って、少し離れて撮影する。 ・短期集中でできるだけ沢山シャッターを切る。 ・もし可能であればお友達家族と一緒にお出かけして、お互いの家族を撮り合う。 ・小さな多画面タイプのテンプレートを使う場合は、人物をアップで撮りすぎない。 ・全画面などの写真を大きく入れる年賀状は、文字スペースの空間を加味して撮影する。 ・同じ撮影シーンでタテ位置・ヨコ位置の両方の構図を撮影する。 ・一つのポーズだけでなく、立ち位置を入れ替えたりして同じ場所でも何回も撮影する。  お子様が大きくなっていくにつれて、家族全員の写真を撮るのが難しくなってきます。ですが、毎年年末に年賀状用に家族写真を撮るという習慣にしてはどうでしょうか。年賀状を通じて、親しい人に家族全員の成長をお知らせするのは、年賀状をもらった人もとてもハッピーな気持ちになりますよ。
19_年賀状用の家族写真.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF7.1 ISO800 焦点距離103mm
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真年賀状の家族写真の撮り方をフォトグラファー 坂井田富三が紹介しています。2022年写真年賀状のテンプレートを使ってどのように年賀状用に撮った家族写真を入れるかについても説明しおり、家族写真で写真年賀状をつくろうと考えている方は是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 年賀状用写真,家族写真,人物_子供 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: これから始める星景写真 Vol.2|被写体を意識して撮影しよう! BASENAME: 484194195.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北山輝泰 DATE: 11/10/2021 16:00:00 TAGS: ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ,これから始める星景写真,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック ----- BODY: 00_北山輝泰さんが撮影した星景写真.JPG

はじめに

 星景写真家・写真講師の北山輝泰です。「これから始める星景写真 Vol.1」はご覧いただけましたでしょうか? Vol.1では夜の撮影に慣れることをテーマに、自宅周辺での撮影についてご紹介しましたが、Vol.2では自宅を少し離れて被写体を探しながら撮影する際のポイントやテクニックについてご紹介したいと思います。 ■「これから始める星景写真 Vol.1」はこちらからご覧頂けます。 前回記事(Vol.1)のキャプチャー画像.jpg

星景写真で大事なこと

 星景写真の面白さは、星空だけでなく風景を一緒に撮影することにあります。風景が変われば、たとえ同じ星空を撮影したとしてもまた違った印象の写真を残すことができます。目の前の風景にどのような星空をマッチングさせるかを考えるのが醍醐味であり、難しいところでもあります。  風景の候補としては、自然の景観は元より、都市風景など様々なものがあります。雑食的に色々な風景と星空を撮影していくのも良いですが、まずは自分が一番得意なフィールドを作るのが良いでしょう。勝手が分かった場所であれば、落ち着いて被写体と向き合うことができるため、星景写真撮影で最も重要な「取捨選択をする力」を養うことができます。さらに、季節が変われば星空も風景もガラッと変わりますし、月明かりの有無でも撮影できる写真は変わってきます。同じフィールドで撮り続けることでしか発見できないこともありますので、通い続けることはとても大事です。

近くの公園や展望台に出かけよう

 星景写真の練習場所として理想的なのは、自由に歩ける広さがあり、色々な方角が撮影できる場所です。モチベーションを維持するためには、ある程度暗く星空がよく見える場所が良いでしょう。郊外にお住まいの方は、近場でもそういった場所を見つけやすいかもしれませんが、市街地にお住まいの方はそれなりに移動しないといけないかもしれません。電車移動の場合は、星空を撮影したあと終電で帰ってこられるような距離感の場所を探してみましょう。  民間施設の場合は、出入りできる時間が決まっており、夜の撮影ができないことがほとんどですので、公共施設で24時間出入り可能な場所を探しましょう。おすすめは芝生広場があるような広い公園や展望台です。そこにある木立や木、遊具は、星景写真の立派な題材になります。展望台は、夜景と星空の撮影を練習する場所としては最適です。一部の方角しか開けていない展望台でも、時間帯を変えることで、マッチさせる星空を変えることができます。公共施設での撮影の際は、不特定多数の人がいる場合がありますので、周辺状況に配慮しながらマナーを守って撮影を行うようにしましょう。
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■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO800 F3.5 4秒 WB蛍光灯 焦点距離18mm(35mm判換算27mm相当)
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■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO800 F4.5 10秒 WB蛍光灯 焦点距離30mm(35mm判換算45mm相当)

撮影を始める前に

 星景写真を上手に撮るためには、一度昼間に行ってロケハンをするのがよいでしょう。ロケハンでは、風景の題材探しはもちろん、撮りたいと思った方向を定めたら、コンパスを使って方角を確認していきます。その後、星空アプリなどを使ってどのような星空と一緒に撮影するかを考えます。私が使用しているのは、天体望遠鏡メーカーのビクセンからリリースされている「Interval Book」です。このアプリは、月や太陽の連続写真を撮影する時の画角シミュレーション用のアプリになりますが、星景写真撮影でも大いに役立ちます。 ■App Storeのビクセン「Interval Book」アプリはこちら ■Google Playのビクセン「Interval Book」アプリはこちら アプリ操作画面をキャプチャーした画像.jpg  緑色で表示されている枠が、設定画面で入力した焦点距離で撮影できる星空の範囲を示しています。方角の表記の上に敷かれている線は地平線です。あとは撮りたい方角に画面をスワイプした後、画面下部のスライドバーを操作し時間を変えながら、自分が撮ってみたいという星空が枠の中に来る時間を探します。撮りたい星空が分からない場合は、季節ごとの代表的な星座から撮影してみるのがいいでしょう。それ以外には、ご自身の誕生星座を探して撮影してみるのも面白いかもしれません。ちなみに、例えば11月15日生まれの方の星座は「さそり座」になりますが、さそり座は夏の星座なので11月に見ることができません。これは、誕生星座の考え方が「生まれた日の太陽の方向にある星座=誕生星座」だからです。そのため、自分の誕生星座を撮影したいと思った場合は、およそ半年後の夜の空を時間帯を変えながら探してみるといいでしょう。  もし昼間にロケハンができない場合は、月明かりがある日に撮影に行くのも手です。そうすることで、夜でもおおよそどんな風景が目の前にあるか分かり、ライブビューを使った構図決めもしやすくなります。  撮影現場に着き準備が整ったら、まずはピント合わせを行いましょう。ズームレンズの場合は一番広角側にします。次にVol.1でご紹介した目安となる露出設定(ISO感度、絞り、シャッタースピード)をカメラに入力し、ホワイトバランスも決めたら準備は完了です。ここで入力する露出設定はあくまで試し撮りの値になりますので、あとは実際に撮影した写真を見ながら「明るすぎるかな?」と思うくらいで撮影をするとちょうど良い明るさになるでしょう。  ちなみに、今回私が撮影した場所は、山梨県大月市にある富士山を遠くに望める公園です。昼間は多くの親子連れで賑わう公園ですが、夜は私以外は誰もいませんでした。この日使用した機材は、前回と同じくソニーのα6400とE 18-135mm F3.5-5.6です。星景写真ではF値の明るいレンズが有利とVol.1でご紹介しましたが、今回のように月明かりがある日や、空が明るい場所で撮影をする場合には、F値が多少暗いレンズでも十分綺麗に撮影することができます。

焦点距離を変えながら撮影をする

 自宅周辺の撮影では夜の撮影に慣れることをテーマに「ピント合わせ」や「明るさの確認」について紹介しましたが、それらが問題なくできるようになったら焦点距離を変えながら構図を意識して撮影する練習をしましょう。焦点距離が変わるとピント位置も変わるため、その都度やり直す必要が生じますが、とにかく練習と思って頑張りましょう。今回使用したレンズのように、焦点距離によって開放F値が変わるレンズの場合、選択した焦点距離によって写真の明るさも変わってくるため注意が必要です。  広角で撮影すると風景を広く切り取りつつ、星空もたくさん写すことができますので、使用頻度は一番多いです。広角では、実際の印象に比べると地上の被写体一つ一つの存在感は小さくなってしまうため、被写体との距離感が重要になってきます。大きさを強調したい被写体に近づき、遠近感を生かした撮影ができると印象的に仕上げることができるでしょう。
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右側の写真は大きさを強調したい被写体に近づき、遠近感を生かした構図づくりを心掛けています。 ■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO800 F3.5 8秒 WB蛍光灯 焦点距離18mm(35mm判換算27mm相当)
 広角では余計なものが多く写ってしまう時には、焦点距離を標準にします。写る範囲は狭くなりますが、それだけ被写体をクローズアップして撮れますので、迫力のある画を見せたい時には有効的です。ある一つの星や天体をテーマに星景を撮る時には、35mm判換算で150mm以上の焦点距離にすることもありますが、短時間のシャッタースピードでも星の流れが目立ってしまうため、星の動きを追尾できる赤道儀を使って星を止めて撮影することになります。赤道儀を使った撮影についてはこちらの「ビクセン 星空雲台ポラリエUレビュー」にまとめておりますのでご参照ください。 ▼18mm(35mm判換算27mm相当)で撮影
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■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO800 F3.5 8秒 WB蛍光灯 焦点距離18mm(35mm判換算27mm相当)
▼24mm(35mm判換算36mm相当)で撮影
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■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO800 F4.0 8秒 WB蛍光灯 焦点距離24mm(35mm判換算36mm相当)
▼32mm(35mm判換算48mm相当)で撮影
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■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO800 F4.5 8秒 WB蛍光灯 焦点距離32mm(35mm判換算48mm相当)

縦構図で撮影をする

 基本的な撮影に慣れてきたら、構図を縦にして撮影する練習も行いましょう。星景写真では、南中する(ちょうど真南にくる)天の川と風景を撮影する時など、縦構図の方が収まりが良いシーンも多いため、暗い中でもその切り替えができるようになっておくことが重要です。横の構図で撮影に慣れていると、縦にした時にボタンの配置なども変わるため、撮影のやりにくさを感じると思いますが、これも経験を積んで慣れるほかありません。三脚の雲台の種類によって縦構図の切り替えの仕方はバラバラですが、私の場合は、L字ブラケットとアルカスイス式の雲台を併用することでスムーズに切り替えができるようにしています。
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■撮影機材:ソニー α6400 + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS ■撮影環境:ISO800 F4.5 13秒 WB蛍光灯 焦点距離28mm(35mm判換算42mm相当)
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まとめ

 Vol.1とVol.2を通してご紹介してきたことをまとめると以下の項目になります。 ・ピントの合わせ方 ・試し撮りからの明るさの確認 ・焦点距離を変えながら撮る ・横や縦など構図を変えながら撮る  これらのことが場所や空の明るさが変わっても問題なくできるようになるまで、繰り返し練習をしましょう。ちなみに、今回使用したα6400をはじめ、ソニーのミラーレスカメラの一部には、ライブビューを明るくして暗い中での構図確認をしやすくする「ブライトモニタリング」機能が搭載されています。使用するためには、メニューの中にあるカスタムキーに登録をする必要があります。詳しくは下の動画で解説していますのでよろしければご覧ください。
 次回のVol.3では、いよいよ空が暗い本格的な撮影地に行った時の撮影ポイントや注意点についてご紹介したいと思います。お楽しみに! ■写真家:北山輝泰 東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。天文台インストラクター、天体望遠鏡メーカー勤務を経て、2017年に写真家として独立。世界各地で月食や日食、オーロラなど様々な天文現象を撮影しながら、天文雑誌「星ナビ」ライターとしても活動。また、タイムラプスを中心として動画製作にも力を入れており、観光プロモーションビデオなどの制作も行っている。星空の魅力を多くの人に伝えたいという思いから、全国各地で星空写真の撮り方セミナーを主催している。セミナーでは、ただ星空の撮り方を教えるのではなく、星空そのものの楽しさを知ってもらうために、星座やギリシャ神話についての解説も積極的に行なっている。

北山輝泰さん星景写真撮り方講座の連載記事はこちらからご覧頂けます

■これから始める星景写真 Vol.1|自宅周辺で夜の撮影に慣れよう https://shasha.kitamura.jp/article/483663405.html

第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021のお知らせ

main-1.jpg  ビクセンでは第2回「それぞれの宙を見上げて」星空フォトコンテスト2021を開催しています。宙(そら)は、もっとも身近にある、スケールの大きな被写体です。満天に星の広がる高原や海辺から、歴史的な建造物とともに、都会の景色の中で、あるいはご自宅からも、星空を撮影することができます。みなさんの「宙を見上げる時の想い」を、ぜひ作品にしてご応募ください。お一人何点でもご応募可能です。 ・募集締め切り:11月30日(火) ・募集テーマ:星にまつわる8つのテーマ(国内・海外問わず) (1)自然風景 (2)山 (3)海 (4)建造物 (5)水鏡 (6)天体写真(星雲星団、惑星など) (7)月 (8)自由 ・応募方法:プリントまたはWeb ・各賞:グランプリ(1作品)ビクセンオンライン商品券5万円分 + 「星空雲台 ポラリエU」 ほか 詳細はビクセンホームページをご覧ください。
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の北山輝泰さんが、これから星景写真を始めたいと思っているビギナーの方向けに撮影に必要な道具から撮り方までを紹介しています。Vol.2の今回は自宅を少し離れて被写体を探しながら撮影する方法について説明しています。 ----- KEYWORDS: 星景,天体,撮影テクニック,ソニー,Sony,ゴリラポッド,JOBY,ゴリラポッド 3K PRO キット,初心者,北山輝泰 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ニコン Z fc活用術|旅の記録やVlogにタイムラプスを取り入れてみよう! BASENAME: 484271197.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 成澤広幸 DATE: 11/11/2021 16:00:00 TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,Z fc,フルサイズ,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック,ミラーレスカメラ ----- BODY: Top.jpg

Nikon Z fcはこんなユーザーが多いのでは?

 2021年7月に「16-50 VR SL レンズキット」が、10月に「28mm f/2.8 Special Edition キット」が発売されたNikon Z fc。フィルムカメラライクなクラシカルなデザインがユーザーの心を鷲掴み!しかも外観の変更が可能(プレミアムエクステリア張り替えサービス。納期は2週間程度)ということもあり、キュートなカラバリで男性・女性の双方に受け入れられたヒット商品となりました。
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6色から選べるプレミアムエクステリアも用意(画像はニコンHPより)
 外観だけでなく、中身も秀逸。もともとフランジ径の大きなZマウントは周辺にいたるまで光量が豊富。それをAPS-Cサイズのセンサーで使用するのだから、ある意味贅沢な仕様の機種であると言えます。もちろん画質も申し分なし。実際の操作もフィルムカメラのような操作感。こういったテイストはこれまで富士フイルムのカメラで多く見られるものでしたが、ニコンでも採用したことが話題になりました。  実際に撮影してみると、初めての人にはどのダイヤルが何をするのかわからない部分もあると思いますが、私のようなフィルムカメラの頃からカメラの操作をしている者にとっては非常に直感性に優れたものになるため、撮影していてとても心地が良いです。特に、昼間の撮影で一つの構図に対してさまざまな設定を駆使して追い込んでいくような撮影では、非常に”ハマる”カメラなのは間違いないです。 02_Zfc製品画像.jpg 03_Zfc天面.jpg  キュートな外観と画質、そして趣味性の高い操作系統。「こんなカメラ、普段使い用に1台は持っていたいよね」。これがZ fcが幅広いユーザーに受け入れることになった理由なのではないでしょうか。

Z fcにも備わってる!?ガチなタイムラプス撮影機能

 Z fcは”カジュアルな印象・機能”だけではなく、実はタイムラプス撮影においては”ガチな機能”を備えているカメラなのをご存知でしょうか。その機能とはタイムラプス撮影における強烈な露出平滑化と低輝度性能。実はニコンのカメラはタイムラプス撮影において、他社と比べて圧倒的とも言える差を誇っています。  特にその強さが発揮されるのが夕焼け→星空→朝焼けといった、露出変化が激しい時間帯のタイムラプス。この時間帯のタイムラプス撮影は”ホーリーグレイル(Holy Grail)”と呼ばれ、長時間のマニュアル制御による撮影と撮影後の高度な画像処理を必要とする、とても難しい撮影として知られています。しかし、近年のニコンはこれをPCを必要としないフルオート、完全カメラ任せで撮影できるということで注目されているのです。 ■ホーリーグレイルについてはこちらの動画をご覧ください
 Z 7IIやZ 5など、中上級者向けの機種でできるならまだしも、Z fcにも同じ機能が備わっているんですか!?こんな可愛いカメラなのに……。実はZ fcが発売されたとき、私のところへ「Z fcでもホーリーグレイルは撮影できますか?」という質問は数多く寄せられていました。  そうなんです、Z fcでもホーリーグレイルが撮影できちゃうんです!  で、実際にやってみました。こちらの動画は、私がZ fcで撮影したホーリーグレイルタイムラプス動画集です。すべて、カメラ内で動画生成した、言わば「撮って出し」の画像処理を施していない素材で動画化されています。動画をつなぐ編集作業はPCソフトで行っていますが、動画自体はなにも画像処理していないものになります。こんな可愛いカメラなのにすごい……。

新しい旅の記録にタイムラプスを

 Z fcは旅先の思い出を記録するにはもってこいの機種でしょう。小型・軽量ゆえに持ち運びが楽で、カメラを持つ姿がファッション性に優れていることもあります。いろいろな場所で、気軽なスナップ・ポートレート・風景を残す。昼間のうちに旅先での思い出を残したら、夜はゆっくりと体を休めるために心地よい眠りにつく。でも、その就寝時間を利用することで新しい旅先の思い出が追加できます。  就寝前に、Z fcをベランダもしくは窓際に設置して朝までタイムラプス撮影をしてみましょう。すると起きた時には、旅先の宿泊施設から見える夜~朝焼けの美しいタイムラプスが記録されているはずです。寝ている間にこんな美しい変化が起こっていたのかと衝撃を受けるでしょう。もし、Vlogなどの動画を作っている人であれば、タイムラプスを1シーン追加するだけで作品のクオリティがアップすること間違いなし。目が覚めれば美しいホーリーグレイルタイムラプスが完成している……これがZ fcに限らずニコンでタイムラプス表現をすることの大きなメリットだと思います。  窓越しの撮影は後ろからの光の反射を防止するため、「忍者レフ」などを使用すると効果的。その上からカーテンをすれば光が映り込むことはなくなります。就寝時間中の撮影で気をつけることは、忍者レフと窓にちょっと隙間をつくること。反射を恐れるがあまり、テープで固定して隙間をなくしたことがあるのですが、朝起きると忍者レフの内側のガラスだけが見事に曇ってました。がびーん。
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ガラスの反射を抑える忍者レフ
 画像は横浜にあるホテルニューグランドの「ガンダムコンセプトルーム」に宿泊した際の撮影風景。このときに撮影したタイムラプスは以下から見ることができます。こんな風に旅の記録のひとつにタイムラプスを追加できると素敵ですよね!
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旅の記録にタイムラプス動画を撮影してみよう

Z fcでホーリーグレイルを撮影するときの設定方法

 それではZ fcでホーリーグレイルタイムラプスを撮影するときのおすすめ設定を紹介します。ちょっと項目が多いですが、この通りに設定すれば完璧に撮影することができます! ①絞り優先「A」、ISO感度「100」、シャッタースピード「T」にする
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撮影モード切り換えレバーを「A」の位置にする
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ISO感度ダイヤルを回して「100」の位置にする
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シャッタースピードダイヤルを回して「T」の位置にする
 ここからメニュー画面での設定になります。 ②静止画撮影メニュー→フォーカスモードを「MF」にして、外の景色(夜は街灯など)にピントを合わせておく 09_メニューMF.jpg ③静止画撮影メニュー→測光モードを「中央部重点測光」に 10_測光メニュー.jpg ④セットアップメニュー→USB給電を「ON」に 11_給電メニュー.jpg ⑤静止画撮影メニュー→ISO感度設定 感度自動制御をON、制御上限感度を6400、低速限界設定を15 12_メニューISO.jpg ⑥静止画撮影メニュー→インターバルタイマー撮影設定 撮影間隔を17、露出平滑化をON、サイレント撮影をON、撮影間隔優先ON 14_メニュー.jpg 13_メニュー.jpg  撮影枚数については、下に表示されている「終了日時」を確認し、何時まで撮影したいのか?で決めましょう。メモリーカードの空き容量(撮影可能枚数)にも注意。 15_メニュー.jpg  このとき、「オプション」からカメラ内で動画を作ることができます。PCで動画化するのが苦手なひとには大変おすすめ。画像サイズは「1920x1080 30p」で撮影しておけば十分でしょう。 16_メニュー.jpg 17_メニュー.jpg  ここまで設定したら「撮影開始」を選択すれば撮影スタート。あとは朝までカメラを放置して、ゆっくりと眠りにつきましょう。  この設定ですと、動画と一緒に撮影した静止画も残ります。それが必要ない場合は、静止画撮影メニュー→タイムラプス動画に進んで設定すると、静止画を残さずにタイムラプス動画のみを記録することができます。

撮影時の注意点

 何かしらカメラを固定するための三脚などは必須です。窓越しに撮影する場合は、窓に固定する吸盤雲台なども効果的です。撮影時は十分な容量のメモリーカードを準備しましょう。空き容量がないとその後の旅で撮影ができない!なんてことに……。バッテリーは予備を持っていきましょう。Z fcはUSB給電ができますので、モバイルバッテリーを接続してタイムラプス撮影をすれば、電池が切れる心配はありません。 18_USB給電.jpg

まとめ

 いかがでしょうか?ニコンのガチなタイムラプス撮影機能がそのままZ fcにも搭載されたことによって、キュートさとゴリゴリな感じが共存する不思議なカメラになったのではないかと思います。「私のかわいいZ fcちゃんにこんな機能があるの!?」と思ったら、ぜひお試しを。まずはご自宅の窓際・ベランダから撮影をしてみましょう。  Z fcを使ったタイムラプス撮影方法について、より詳細な話を私のチャンネルで説明しています。内容がかぶる部分もありますが、興味のある方はぜひ見てみてください。
■写真家:成澤広幸 1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。 ・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」 ・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員

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はじめに

 レンズ式カメラを使っていると必ず一度は憧れる特殊レンズ。超望遠レンズや超広角レンズはだれもが一度はカタログを眺めながら『これを使ったらどんな景色が見えるんだろう』と妄想するはず。超広角レンズはアクションカムやスマートフォンにも搭載され始めたこともあり身近に感じることも多くなったのではないだろうか。  今回紹介する超広角レンズは、フルサイズに対応しつつ非魚眼レンズの超広角レンズである。その焦点距離はなんと9mm。マイクロフォーサーズやAPS-C用ではなくフルサイズ用で9mmなのだから驚きだ。この「LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer」をソニー α1と組み合わせて地元をスナップ撮影してみたので作例と合わせて紹介する。

外観や質感

 超広角レンズなので前玉が大きくて重たいのでは?と思うかもしれないが、LAOWA9mmは手のひらにすっぽりと収まるサイズだ。外装の質感も金属で高級感があり所有感を満たしてくれる。AF非搭載ということもありこのサイズの収める事ができたのだろう。電子接点も非搭載であるため絞りは実絞りでの撮影となる。ボディ側の手ぶれ補正を使う時も焦点距離を手動で入力する必要があるので注意が必要だ。
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触った時にひんやりとした感触の金属外装は高級感がある。 フォーカスはMFとなり、絞りは絞りリングを回して設定する。
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前玉が出っ張ったレンズは通称『出目金』と呼ばれる。 LAOWA9mmも出目金なので前玉に触れてしまわない様に注意が必要。
 LAOWA9mmは通称出目金と呼ばれるレンズの前玉がドーム状に手前に膨らんだ形状をしており、レンズ交換時などに前玉に触れてしまうこともある。かぶせ式のフードが同梱されているため、撮影していない時はなるべくフードを装着しておく方が良いだろう。  絞りは開放F5.6で最小絞りはF22となっている。焦点距離9mmともなれば開放F5.6でも既にパンフォーカス状態だが、私がよく使う撮影時の設定はF8.0〜11が多い。シャープさは開放よりも少し絞った方が高く、周辺の画質も若干上がる。画質云々書いてはいるが、兎にも角にもこのレンズは『焦点距離9mm』に価値があると思っているため、まずは別次元の超広角の世界を楽しむのが一番だ。

超広角を活用する

 このレンズを装着してまず撮影して欲しいのは『家の中』だ。自分の家ってこんなに広かったっけ?とちょっと勘違いしてしまうほどに広く写る。強烈なパース(奥行き)が空間を広く見せてくれるため、特に屋内での撮影は効果が大きく感じられる。実際、私も広告の写真撮影でこのレンズを使ってお店の内観写真を撮影した時にまるで『ワンショットパノラマ』だなと思った。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/25秒 ISO200 焦点距離9mm レンズ効果のおかげで自分の家がいつもより大きく感じられる。
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9mm〜24mmまでの画角の比較。超広角の16mmや12mmよりも遥かに広い画角を得られる。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/250秒 ISO200 焦点距離9mm 水平垂直をキープして撮影することで歪みを抑えて撮影する事ができる。
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水平垂直をしっかりと出して撮影しておきトリミングすることでシフトレンズと同じ効果を得る事ができる。 高画素機で撮影することでトリミング後の画素数もキープできる。 上記シチュエーションの場合、5000万画素で撮影するとトリミング後でも約2200万画素(5760×3840px)残っているため印刷物でも十分なデータ量だ。
 普段の自分が見ている以上の視野を操るとになると構図の整理が非常に大変だ。ただ漠然とカメラを構えてもただ広いだけの一枚になってしまうので今まで以上に被写体に近づいての撮影や、周辺まで意識しての構図作りが必要となってくる。  もちろん難しいことを考えずただ超広角を楽しむのも全然OKだ。テキトーに撮影した一枚から意外性やヒントを得られることも多いので、まずは超広角でいろいろなシチュエーションを楽しみたい。

超広角でスナップ その1

 9mmの超広角は魅力だが、9mmで何を撮れば良いのだろうかと悩んでしまうかもしれない。撮影ジャンルに応じて得意・定番なレンズというのは必ずあるが、9mmを日常使いするとなるとやはりスナップが一番しっくりくるかもしれない。必ずこれを撮らなければいけないというルールはないので、いろいろな被写体を9mmで撮影すると自分のイメージとしっくりくる瞬間が来るだろう。  今回は街中で撮影してみたが、いつもは画角に入りきらないビルも楽々入る楽しさや、強烈な遠近感が生み出す奥行き感は街中スナップとの相性の良さを感じた。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/100秒 ISO200 焦点距離9mm 足元に広がる影を意識して真正面から整体に撮影。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/100秒 ISO200 焦点距離9mm 超広角のパース効果でただのエスカレーターもどことなくSFチックに見える。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/1600秒 ISO200 焦点距離9mm 絞ると綺麗な光条が出現する。9mmにもなると通常より太陽が入りやすいので作品のアクセントとして使いたい。
 パンフォーカス撮影がメインとなるため、今回の撮影ではほとんどピントは合わせていない。開放でも問題ないが解像感を得るために絞りはF8.0〜11まで絞り、ピント位置は無限マーク少し手前に合わせておくと基本的に画面全体にピントが合う。9mmの超広角な画角も相まってレンズを向けると必ず目の前の景色は写っているので、気になったものをドンドン写しとるのが凄く楽しいレンズだ。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/40秒 ISO200 焦点距離9mm 天窓から差し込む光が綺麗だったのでパチリと。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/80秒 ISO200 焦点距離9mm 近くのものは大きく、遠くのものは小さく、遠近感を生かして天井のオブジェクトと人のシルエットを対比する構図に。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離9mm 真上にレンズを向けて撮影。魚眼レンズ顔負けの画角に驚く。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/80秒 ISO200 焦点距離9mm 街路樹と街並みを一枚で。超広角の歪みを生かして画面に動きを出すことも。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/2000秒 ISO200 焦点距離9mm 個人的には水平垂直をしっかり出した一枚が好きだ。
 超広角レンズなので通常のレンズよりも歪曲は多い。が、9mmという特殊な焦点距離から考えると想像以上に歪曲は少ない。手にする前はもっと盛大に歪むものだと思っていたが実際に使用してみるとそこまで気にすることなく使えることに驚いた。  歪曲よりも周辺減光の方が気になる人が多いかもしれないが、RAW現像ソフトを使うことで歪曲も周辺減光も軽減する事ができる。周辺減光に関しては、中央と周辺とでは1EV以上あるので補正をする場合は多少画質が落ちると考えておこう。

超広角でスナップ その2

 せっかくなので街中以外でも撮影をしてみることに。普段は24mm〜50mmで撮影する港町にLAOWA9mmを持ち出してみた。よく撮影する場所でもレンズが変われば新しいフィールドに早変わりだ。見慣れた景色がいつも以上に新鮮に感じる。  正直、「広すぎる」と感じる事が多い9mmだが慣れてくるとどういう被写体やシーンが自分にしっくり来るのかがわかってくる。歪みを活かすのか抑えるのかでも好き嫌いがかなり分かれるだろう。私の場合、歪みはなるべく抑えた一枚が好みということもあり水準器を使ってなるべく水平垂直をしっかり出す様にして撮影している。  特に街中での撮影は直線の物が多いので垂直がしっかり出ると気持ちがいい。ネイチャー写真ではそこまで目立たないため、多少ラフに撮影してもレンズ効果がしっかりと出るので動きのある一枚を撮りやすい。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/40秒 ISO200 焦点距離9mm 牡蠣の加工施設を撮影。天井のブルーシートが印象的。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/1250秒 ISO200 焦点距離9mm 周辺減光を活かして日の丸構図で撮影。中央の被写体に視線誘導しやすい。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/400秒 ISO200 焦点距離9mm 渓流している漁船を手前のロープを強調して撮影。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/40秒 ISO200 焦点距離9mm 9mmを使っていてモノクロで撮りたいと思ったシーンが多くあった。
 9mmの画角を活かして上下をカットしてワンショットパノラマも楽しめる。展望台などから撮影した一枚を16:9や16:8のアスペクト比にトリミングすることでパノラマ撮影した様な一枚に。通常の広角レンズで複数枚撮影してパノラマ写真を生成すると、繋がりが甘くなったり歪みが目立ったりすることがあるが、ワンショットで写すことで繋がりも歪みもどちらも気にすることなく撮影できるは嬉しい。このレンズのために高画素機が欲しくなる人も出てくるのではないだろうか。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離9mm 展望台から撮影。今までは複数枚の写真を合成していたシチュエーション。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離9mm 上下をトリミングするとパノラマ写真の完成。上下をカットすることで画面が整理される。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離9mm 周辺光量のおかげでドラマチックな一枚に。特殊レンズだが写りもしっかりとしているので高画素機で撮影するとディティールが気持ちがいい。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO800 焦点距離9mm 最短撮影距離は12cm(最大撮影倍率0.21倍)なので強烈なパースを生かしたマクロ撮影もできる。
 広い画角には広い景色、ということで海岸に。日が暮れてきて空のグラデーションが美しい時間帯の撮影となった。コンパクトなレンズであるため一日撮影しても疲労感は少ない。気軽に撮影できるレンズは撮影が楽しくなる。広角ズームも便利だが、手のひらサイズのLAOWA9mmを割り切って使うのも面白い。コンパクトであるため持っていくか悩んだらとりあえずカメラバッグに入れておいても邪魔にならない。それも含めてのレンズスペックであるため手頃な超広角が欲しいという人にはぴったりな一本だろう。  高画素機ユーザーであれば撮影後にトリミングをして構図を詰めていくのもいいだろう。広く撮影しておいて後でいろいろなトリミングを試してみることで次の撮影の予習・復習にもつながる。超広角であるため手ぶれも目立たないので、ボディ内手ぶれ補正が搭載されたカメラと組み合わせればスローシャッターも楽々手持ちでいける。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/160秒 ISO200 焦点距離9mm 画面右端にフレアが出現している。フレアをあえて活かして日差しの感じを演出した。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/250秒 ISO400 焦点距離9mm 近景、遠景どちらでも素晴らしいパフォーマンスだ。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/1250秒 ISO200 焦点距離9mm 夕焼けのグラデーションを松林のシルエット越しに撮影。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/30秒 ISO400 焦点距離9mm 今までは魚眼レンズでしか入らなかったアングル。歪みなく写せるのは嬉しい。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/11 1/15秒 ISO200 焦点距離9mm 瀬戸大橋のある夕景。画角が広すぎて非現実的な一枚に感じる。
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■撮影機材:SONY α1+LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer ■撮影環境:f/5.6 1/6秒 ISO800 焦点距離9mm 夕焼けを背景に瀬戸大橋をシルエットにして撮影。

まとめ

 LAOWAにはメーカー純正にはない個性的なレンズが数多くラインナップされている。特に広角系はバリエーションも多く、この9mmも発表された時からずっと気になっていた一本だ。過去にLAOWAのレンズを何本か使用していたこともあり写りに関しては何の心配もしていなかったが、今回9mmを使ってみてLAOWAレンズへの信頼性が更に高まった。  超広角レンズが欲しいけど純正は手が届かない…他にはない個性的な特殊な焦点距離のレンズが欲しいという人にはぴったりのブランドだ。レンズ接点が搭載されていないレンズが多いためMFオンリー、実絞り撮影、手ぶれ補正の焦点距離の入力の手間などもあるが、それ以上に撮影が楽しくなるレンズが多いため気になることはないだろう。レンズの造りの良さも撮影のモチベーションが上がるので大切なポイントだ。  今回紹介した9mmはこれぞ特殊レンズといえる個性を持っているし、使いこなすのも難しい。しかし、このレンズでドンピシャの一枚が撮れた時の喜びは一入だ。  定番レンズの隙間を埋めてくれるバイプレーヤーポジションのレンズだが、こういうレンズがあるおかげで表現の幅も広がっていく。LAOWAが今後どの様な「個性」を見せつけてくれるのか楽しみだ。LAOWAの個性に負けない様に今まで以上に自分の個性も磨いておくことにしよう。 ■写真家:木村琢磨  1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の木村琢磨さんによるLAOWA 9mm F5.6 W Dreamer レビュー記事です。超広角レンズの様々な活用方法として風景だけでなくスナップの作例も含めて解説しております。 ----- KEYWORDS: LAOWA(ラオワ) レンズ,レビュー,LAOWA 9mm F5.6 W Dreamer,スナップ,風景 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: [申込終了]【セミナー】ソニープロカメラマンセミナー -だいげん 氏-|カメラのキタムラ17店舗でライブ中継予定!11月20日開催 BASENAME: 484314362.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 11/13/2021 11:00:00 TAGS: セミナー,ソニー(Sony) ボディー ----- BODY: メインビジュアル_14110757476719_xxlarge.jpg

SONY フルサイズミラーレスカメラα7C、手軽に動画が撮れるVLOGCAMを中心に魅力を伝えます

 2021年11月20日(土)にSONY(ソニー)のフルサイズミラーレスカメラα7C、手軽に動画が撮れるVLOGCAMを中心に製品の魅力を伝えるセミナーを開催いたします。新宿 北村写真機店で開催しているセミナーの様子を、一部のカメラのキタムラ店舗にライブ中継で放送いたします。新宿 北村写真機店へお越しいただくことが難しい方でもセミナーをお楽しみ頂けます。  講師には、YouTubeクリエイター・ビデオグラファーとして第一線で活躍されている、だいげん氏をお招きいたします。動画に適したカメラの選び方や講師が撮影した美しい作例をもとに大人気のVLOGや、シネマチック風動画の撮り方を教えて頂きます。だいげん氏へ直接質問できるコーナーもございますので是非ご参加ください。 ※当日の進行状況により質問を打ち切らせて頂く場合がございます。
講師作例の一例  イベント終了後には機種の機能などで知りたいことや、ご購入に際してのお悩みなどのご相談もお答えいたします。

概要とお申込み

■開催日時:2021年11月20日(土)【第一部】11:00~12:00【第二部】14:30~15:30 ※第一部は北村写真機店でのお申込みは終了、ライブ中継店舗ではお申込み受付中。 ■費用:無料 ■場所:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン、ライブ中継先店舗 ■定員  □新宿 北村写真機店:各部12名  □ライブ中継先店舗:下記リンクより希望店舗へお問い合わせください。 ■お申し込み方法  □新宿 北村写真機店(第二部):こちらよりお申込み  □ライブ中継先店舗:下記リンクより希望店舗へお問い合わせください。 ■申込み期限:2021年11月17日(水)21:00

ライブ中継先店舗一覧

 募集状況やお申込み、ご質問などはお申込み希望店舗へお電話ください。 中継予定店舗 ■北海道:札幌/羊ケ丘通り店 ■岩手県:弘前/高田店 ■山形県:山形/馬見ヶ崎店 ■茨城県:神栖店 ■埼玉県:春日部/ユリノキ通り店 ■神奈川県:厚木/林店 ■長野県:飯田店 ■静岡県:浜松/柳通り店 ■三重県:四日市/西浦店 ■福井県:福井/バイパス南店 ■京都府:京都/桂店 ■大阪府:豊中店 ■岡山県:岡山/下中野店 ■山口県:山口/バイパス吉敷店 ■香川県:高松南店 ■福岡県:久留米/上津店 ■福岡県:小倉/湯川店 ※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。 ※ ご予約後、情勢によってセミナー講師の変更やセミナーが中止となる場合もございます。予めご了承ください

講師紹介

73bbabe58ffbf7103beee903efbe5c87_f8e95d17-b1a6-4ed8-a4c7-6294497bbb66_360x.jpg だいげん(DAIGEN) 日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間勤めた製薬会社を退社し動画制作の道へ! 1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像制作。北海道出身、大阪在住。 ■Youtube:https://www.youtube.com/c/TVDAIGEN ■ShaSha:https://shasha.kitamura.jp/category/27677279-1.html ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 2021年11月20日(土)にSONY(ソニー)のフルサイズミラーレスカメラα7C、手軽に動画が撮れるVLOGCAMを中心に製品の魅力を伝えるセミナーを無料開催いたします。応募締め切りは11/17(水)21:00。 ----- KEYWORDS: ソニー,セミナー,vlog ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 料理の動画はライブ感が命!パスタ作りを撮る|山口規子 BASENAME: 484332681.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山口規子 DATE: 11/14/2021 10:00:00 TAGS: ニコン(Nikon) ボディー,ニコン(Nikon) レンズ,撮影テクニック,静物/物撮り/料理 ----- BODY: 00_サルディーニャ パスタづくりの様子.jpg

はじめに

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■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/4 1/100 ISO400
 スマートフォンやカメラの動画機能も向上し、気軽に動画撮影を楽しむ人が増えてきました。撮る人も「これは、動画で撮る方が面白いね」「これは、写真で撮る方がいいね」など被写体によって使い分ける方も多いと思います。そこで、今回は料理の動画撮影。一瞬の瞬間を狙う写真も素敵ですが、次々と手から生まれる料理を見ていると、魔法のようでワクワクします。  そう、料理動画は楽しい。では料理の動画はどう撮ればよいのか、ポイントをお教えします。料理の手順などの作業をカメラで追う説明動画もいいけれど、ちょっとイメージ寄りの楽しい動画にチャレンジ!まずはこちらの動画をご覧ください。

まずはイメージトレーニング

 まずは自分のイメージを考えておくことが大事です。世界の巨匠、映画監督の黒澤明氏も映画撮影の前に絵コンテを描いて、スタッフに説明していたといいます。自分が撮りたいイメージを料理する人に説明し、流れを共有。まずは撮らずに自分の動く動線を確保し、シミュレーションで動いてみます。  そして、音も録音されるのが、写真と違うところ。被写体に対して言葉じゃなくて、スタートやストップを知らせるサインも考えておくといいですね。私の場合は左手でスタートは3、2、1と指をカウントし、ストップはぐっとと手を握るゲンコツを合図にしています。今回使用した機材は、カメラはNikon Z 6II、レンズはNIKKOR Z 24-70mm f/4 S。カメラ設定は動画モード、1920×1080 60P、ISO感度AUTO、オートエリアAF。では撮影スタート! (※スチール写真は、カメラNikon Z 6II、レンズNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sを使用)
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■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/4 1/100 ISO400

寄りと引きをバランスよく

 なぜズームレンズを使うかというと、寄りも引きも撮りたからです。もちろん、単焦点レンズで、自分が前後に動けばよいかもしれませんが、料理の場合は、コンロなど火を扱うスペースなど近づけない場所もあるからです。動画の中に寄りの絵と引きの絵を入れ込むことによって、動画全体の中でリズム感がでてきます。ピントは液晶画面を見ながら、合わせたいところを指でタッチします。同じ画面でも奥の粉に合わせたり、手前の手に合わせたりできます。
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■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/3 1/100 ISO400

ライブ感が大事

 何といっても一番大事なのはライブ感です。料理動画はその場の空気、つまり匂い、音、ツヤ、シズル感など「今、作っているよ!」的なライブ感が写せるといい感じになります。ライブ感を出すには、「長回し」。短く撮ってあとの編集で繋ぐより、とにかく長く撮ること。少々の手ブレなら気にせず、長く撮ることによって、その場の空気をまるごと写せるのです。  映画「カメラを止めるな!」で、カメラが地面に落ちて横になったまま撮影し続けているシーンがありましたが、首を曲げて見たくなるほど画面は見づらいけど、なぜかその場の空気が伝わってきます。そして料理の場合は、味覚、嗅覚、視覚、触覚、聴覚の5感を考えながら、このシーンはアップで撮るべきか、引きで撮るべきかを判断すると、より充実した動画になります。
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■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/3.2 1/80 ISO800

まとめ

 写真も同じですが、瞬時に判断して画角やピントを決めないと被写体の動きはどんどん先に進んでしまいます。だから撮る前のイメージトレーニングを必ずやってください。シミュレーションして動線と画角をチェック、本番に入ったら、とにかく長回し。そして、自分の気持ちを大切にしてください。動画は撮影者の気持ちが色濃く反映されてしまいますので、気を付けてくださいね。まずは自分の食べたい料理からチャレンジ!
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■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S ■撮影環境:f/3 1/40 ISO400

おまけ情報 サルデーニャ島のパスタの話

 イタリアのサルデーニャ島は地中海に浮かぶ2番目に大きな島です。シチリア島の上に位置し、イタリアなのに、イタリア本島とは全く違う文化があり、パスタも独特な形のものが多いです。「サルデーニャでは村ごとにパスタの形が違って、村の数だけ種類があるのよ」と人々は言います。ほとんどがショートパスタで、代表的なのは「フレーゴラ」というつぶつぶのパスタです。魚の卵という意味のフレーゴラは、たらいのような底が平らなボウルに、セモリナ粉を入れ、塩とサフランを入れた卵水(全卵を水でといたもの)を、少しずつ垂らし入れ、シャカシャカと手の平を素早く動かしながら粒状にしていきます。  そのほかにも復活祭前に子どものために作られていた鳩のような形の「カオンパザ」、モルゴンジョーリ村でお祭りのときに食べるリングの形の「ロレギッタス」、今では作れる人が少なくなってしまった神の糸という意味の「フィリンデゥ」、生地にマッシュポテトを包み込んだ餃子のような「クルルジョネス」など、話を聞いているだけでパスタ博物館にいるようです。今回のパスタは「マロレドゥス」というフレーゴラの次に伝統的なパスタです。かごや専用の器具を使って、筋の模様をつけるのでパスタソースがよく絡み、美味しくなるパスタです。 ■料理協力:山内千夏(やまのうちちなつ) 料理家。イタリアへ料理留学後、神奈川県にてイタリア家庭料理教室を主宰。 イタリアのマンマが愛情たっぷりに作る滋味あふれる料理を探求している。 ■写真家:山口規子(やまぐちのりこ) 栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会理事

料理写真の撮り方についてはこちらの記事で紹介しています。

料理写真をうまく撮るコツとは?サルデーニャ料理でトライ!|山口規子 https://shasha.kitamura.jp/article/483836904.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山口規子さんが料理動画の撮り方を紹介しています。料理の手順を追う動画もありますが、今回はイメージ寄りの楽しい動画づくりを説明しています。 ----- KEYWORDS: 料理,ニコン,Nikon,レンズ,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR:   TITLE: タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 × 動画クリエイター DAIGEN|標準ズームレンズはこれで決まり! BASENAME: 484396363.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: だいげん DATE: 11/17/2021 16:00:00 TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,28-75mm F/2.8 Di III VXD G2,動画クリエイター,標準ズーム ----- BODY: 2875.jpg

はじめに

 軽量・コンパクトで写りも良くリーズナブル。3年前、タムロンから発売された28-75mm F/2.8 Di III RXDは標準ズームレンズの常識を覆しました。そして2021年。進化を遂げた28-75mm F/2.8 Di III VXD G2が発売されました。まずは作例をご覧ください。
■スケートボーダー:大野 薫 (https://www.instagram.com/kaoru.0411/)
 作例はいかがでしたでしょうか。スケボーの撮影は初めてで戸惑ったのですが、このG2は3年前に発売された初代の28-75mmよりも性能がアップしていて、レンズ性能に助けらた撮影になりました。フォーカスの精度やブリージングの少なさ、28-75mmという焦点距離の使いやすさなど、このレンズだったからこそスムーズに撮影ができたと思います。
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左:28-75mm F/2.8 Di III RXD 右:28-75mm F/2.8 Di III VXD G2

AF性能

 スケボーの撮影をする時に大事なポイントがひとつあります。それはフォーカスの速度・精度です。このレンズにはVXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)というリニアモーターフォーカス機構が搭載されています。このVXDにより、前モデルよりも高速で高精度のAFが実現しました。  確かに今回の作例撮影の際もフォーカスは外さないし、トリックをしてもらってる時もすぐにフォーカスが合ってくれて、かなり快適に撮影することができました。
 広角側も望遠側もフォーカスの合う速度は同様に早く、トラッキングもしっかりとされていました。これだけフォーカスの精度が良いと全くストレスなく撮影ができるので、ビギナーの方にも使いやすいんじゃないかと思います。

フォーカスブリージング

 フォーカスブリージングが少ないかどうかも動きのある撮影をする際には重要です。ちなみにフォーカスブリージングというのは、フォーカスが合う位置が前後で変わると、それに合わせて画角も動いてしまう現象のことです。レンズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。  広角側も望遠側も全くブリージングがないわけではありませんが、ほとんど気にならないぐらいでした。動いているものを撮影していても、没入感を損なうことなく表現できるのは良いところだなと思います。

ボケ感

 F2.8通しと比較的明るめのレンズですので綺麗なボケ感を出してくれます。ナチュラルなボケ感がすごく気に入っており、本当に撮っていて気持ちの良いレンズだなと思います。玉ボケも綺麗に出ますし、ボケ感を重視した表現をする場合にはうってつけのレンズかと思います。
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■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO1250
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■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:F4 1/1600秒 ISO64
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■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:F5.6 1/80秒 ISO1600

解像度

 本レンズのMTF曲線を旧型の28-75mmと比較してみると、全然違っていることが分かります。グラフ上の実線が解像度を表しており、これが上にくっついているほど解像感が高いということになります。グラフの横軸が画面中心からの距離です。初代28-75mmは画面の中心から10mmあたりから解像度が落ちているのに対し、G2は画面の端でも解像度が保たれています。
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28-75mm F2.8の初代とG2とのMTF曲線比較(画像はタムロンHPより)
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■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:F6.3 1/100秒 ISO200
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上の画像を拡大。解像度の高さがよく分かる

デザイン

 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2は、今までのタムロンレンズとはひと味違ったデザインになっています。さらに、フォーカスセットボタンというボタンが追加されており、これに下記のような様々な機能を割り当てることができます。
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様々な機能を割り当てられるフォーカスセットボタン
■ABフォーカス 任意で記録した「2つ」のピント位置でフォーカスを行き来させることができます。 ■フォーカス/絞り リング機能切り替え フォーカスリングの機能を「フォーカス操作」もしくは「絞り操作」に切り替えることができます。 ■AF/MF 切り替え フォーカスセットボタンの操作で、「AF」もしくは「MF」の切り替えができます。 など、他にもいろいろな機能を割り当てることができます(詳しくはこちらのタムロンページをご確認ください)。
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パソコンと直接接続できるUSBポートを備えている
 USBポートを使ってパソコンと接続することで、TAMRON Lens Utilityというタムロン独自のソフトウェアを使ってカスタマイズすることができます。ファームウェアアップデートもカメラと接続することなく、レンズとパソコンのみで行うことも可能です。

スペック

・モデル名 A063 ・焦点距離 28-75mm ・明るさ F2.8 ・レンズ構成 15群17枚 ・最短撮影距離 0.18m (WIDE) / 0.38m (TELE) ・最大撮影倍率 1:2.7 (WIDE) / 1:4.1 (TELE) ・フィルター径 φ67mm ・質量 540g ・絞り羽根 9枚(円形絞り) ・最小絞り F22  最短撮影距離が広角端で0.18m、望遠端で0.38mなので被写体に寄った撮影も可能です。寄れるとそれだけで表現方法が一つ増えるのも良いですよね!  今回の作例はα7S IIIに装着して撮影したのですが、540gという重さはボディとのバランス感も良く使いやすかったです。α7S IIIよりも少しコンパクトなα7Cとの組み合わせもバッチリです! 05_装着例.jpg

まとめ

 フォーカスの精度も良くてブリージングも少ないレンズですので、動いている被写体の撮影に最適なレンズでした。28-75mmという標準ズームの焦点距離に加え、最短撮影距離も短いのでテーブルフォトやポートレート撮影、スナップなんかにも向いていると思います。僕は標準ズームレンズはこのTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2を今後使っていこうと思います。
■動画クリエイター:だいげん 日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像製作。北海道出身、大阪在住。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 動画クリエイターのだいげんさんによる、タムロン「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」レビュー記事です。軽くて写りも良くリーズナブル。動画撮影でも抜群の使い勝手を発揮してくれるレンズです。 ----- KEYWORDS: タムロン,Tamron,標準ズームレンズ,28-75mm F/2.8 Di III VXD G2,レビュー,動画クリエイター,だいげん ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 レビュー|小型軽量な大口径標準ズームレンズの第二世代 BASENAME: 484398478.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 高橋良典 DATE: 11/18/2021 16:00:00 TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,28-75mm F/2.8 Di III VXD G2,風景,標準ズーム ----- BODY: 001_タムロン28-75mm F28 Di III VXD G2製品画像.JPG

はじめに

 タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(ModelA063)は、同社初のソニーEマウントフルサイズ対応レンズとしてリリースされた28-75mm F/2.8 Di III RXD(ModelA036)の後継モデル。2018年5月の発売からわずか3年半という短い期間でのリニューアルに複雑な気持ちの先代モデルユーザーもいると思いますが、その進化の程をレポートしていきたいと思います。  Eマウント用レンズはサードパーティー製であっても、公開されているEマウント仕様書に則って開発されているため、周辺光量や各種収差のカメラ内レンズ補正にも対応。また、カメラ側のAF性能をスポイルしないので安心して購入できます。今回の撮影でも純正レンズと変わらず快適に使用することが出来ました。

外観と操作性

 先代のストレートな外観と比べると、やや凹凸が付き、ホールディングが良くなりました。そしてツヤ感のあるデザインに一新され高級感がアップ!より所有欲を満たしてくれる仕上がりとなっています。サイズと重量は最大径75.8mm×長さ117.6mm、540gで先代とほぼ同じ。大口径F2.8の標準ズームレンズとしての小型軽量さはしっかりと継承されています。花型のレンズフードが付属します。  フィルター径はタムロン同シリーズ共通の67mm(35-150mm F/2-2.8 Di III VXDと150-500mmF/5.6-6.7 Di III VC VXDを除く)。ほかの焦点距離のレンズも含め、同社のレンズで揃えている方はフィルターが共用できるのがありがたいですね。とは言え、CPLフィルターの使用頻度が高い風景撮影などの場合は、レンズ本数分のフィルターを購入、全てのレンズにつけておくと速写性が上がるのでおすすめです。そんな場合でも径が大きすぎず、フィルターの金額を抑える事が出来ます。ソニー純正のズームレンズと比較すると、ピントリングとズームリングの前後が入れ替わっており(ソニー製はズームリングがカメラ側、ピントリングが前玉側)、混在して使う場合はやや慣れが必要だと感じました。
002_タムロン28-75mm F28 Di III VXD G2製品画像.jpg
左:広角側(28mm) 右:望遠側(75mm)
 レンズにAF/MFの切り替えスイッチは装備されていないので、素早く変更出来るようカスタムキーやファンクションメニューに割り当てておきましょう。この点は正直に言うと、ファインダーから目を離さず直感的操作が可能なスイッチの装備をしてほしかったところ。ズームのロックスイッチは装備されていませんが、望遠側にした時でも繰り出し量が少ないので問題ありません。  フォーカスセットボタンとUSB-Cポートが先代より追加装備されています。簡易防滴構造が採用されており、USB Type-C端子にも防水タイプが採用されているので雨や霧の中での撮影も安心です。手ブレ補正機構VCは内蔵されていませんが、現行のソニーフルサイズカメラにはボディ内手ブレ補正が内蔵されているので心配ないでしょう。手持ち撮影に加えて三脚使用が多い風景撮影においては、手ブレ補正のONとOFFを頻繁に切り替えることになりますので、こちらも使いやすいようにカスタム設定をしておくのがベターです。私の場合、手ブレ補正の切り替えはソニー製レンズを使用する際、フォーカスホールドボタンに割り当てていましたので、それと同様に扱えるフォーカスセットボタンのタムロンレンズへの採用はとてもありがたく感じました。
004_タムロン28-75mm F28 Di III VXD G2製品画像.JPG
フォーカスセットボタンと防水タイプのUSB Type-C端子

描写性能

 小型軽量にこだわり続けるタムロン。本レンズに限らず、従来からの「大口径、高画質レンズは大きくて重い」イメージを覆してきました。最初はその見た目の小ささに不安になったものですが、今となっては全くその心配はありません。細かな絵柄が多い風景撮影において実写でもリアリティある描写性能を発揮してくれます。  実は少しの期間、先代モデルも試用したことがあるのですが、比較すると明らかに周辺部の解像感が増した印象で6100万画素のα7R IVでも躊躇なく開放から使えると感じました。競合ひしめく標準ズームレンズ群の中、この小さく軽い筐体ながら一歩も引けを取らない性能には驚くばかりです。ここは光学系をゼロから見直し、刷新したこと。そして広角端を28mmとしてズーム倍率を抑えたことで実現できたと想像できます。
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雲間からの光を捉える。絞り開放でも周辺まで解像力が保たれているのがわかります。 ■撮影機材:ソニーα7R IV + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:焦点距離75mm 絞り優先AE(F2.8、1/750、-2EV補正) ISO200 太陽光 CPLフィルター
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強風の中目まぐるしく動く雲と紅葉。少し絞るとさらに解像力が高まります。 ■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:焦点距離31mm 絞り優先AE(F6.7、1/500、-0.5EV補正) ISO800 太陽光 CPLフィルター
 被写界深度の浅い望遠レンズと比べて、標準ズームでは背景をぼかしにくいものですが、ここで大口径F2.8と近接性能が生きてきます。円形絞りによるボケ具合は柔らかく満足のいくもので、非球面レンズ採用にも関わらずボケが玉ねぎ状にならない点が気に入りました。開放時、周辺部では口径食が見受けられますが、そもそも無しにすること自体が難しいことです。どうしても気になる場合は1段階程絞ることで改善されますが、せっかくの大口径レンズ。そこは割り切って積極的に開放を使いたいところ。  最短撮影距離と最大撮影倍率は望遠端で0.38m、1:4.1、そして特筆すべきは広角端。0.18m、1:2.7まで寄ることが出来るので、広角マクロとして背景の雰囲気を取り入れ、遠近を生かしたボケ描写が楽しめます。最も近づくとレンズフードが被写体に当たってしまうほどです。
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広角側(28mm)最短撮影距離で撮影
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望遠側(75mm)最短撮影距離で撮影
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キノコの大きさは1cm程ですがここまで近接出来ます。広角で撮影することで森の中の雰囲気を伝えています。 ■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:焦点距離28mm 絞り優先AE(F4、1/45、補正なし) ISO800 太陽光 CPLフィルター
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紅葉をバックにススキの透明感を望遠側で狙いました。美しいボケ味が主役を引き立ててくれます。 ■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:焦点距離75mm 絞り優先AE(F2.8、1/350、+1EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
 今回の使用で最も驚かされたのが耐逆光性能です。先代より進化したBBAR-G2コーティングによる効果は絶大で、カメラと太陽の角度、また焦点距離によって多少の違いはあるもののゴーストやフレアの発生が相当に抑えられています。直接太陽を画面に取り入れる強い逆光時においてもコントラストの低下は感じられず、ゴーストに関してもシーンによっては全くと言ってよいほど気にならない、もしくは入る場所によっては後処理で対応できる程度です。
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朝日に輝くコスモス畑。直接太陽に向けてもゴーストやフレアの発生は極めて少なく抑えられています。 ■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:焦点距離28mm 絞り優先AE(F16、1/200、-0.5EV補正) ISO400 太陽光 ハーフNDフィルター
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朝霧に光芒が入りました。画面中央下部に若干のゴーストが見受けられますが、この程度なら許容範囲と言えます。強い逆光状態にも関わらずコントラストは低下していません。 ■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:焦点距離33mm 絞り優先AE(F11、1/200、+1EV補正) ISO200 太陽光
 光条は絞り羽根の枚数によって出方が変わり、奇数の羽根枚数の場合はその倍数が出ます。本レンズの絞り羽根は9枚、つまり18本で派手めの光条が楽しめます。光条の一本一本の線は細めでシャープなので扱いやすいと感じました。ちなみに偶数の羽根枚数のレンズの場合、それと同数が出ますので覚えておきましょう。(例えば絞り羽根が8枚なら8本)
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美しい光条が楽しめる本レンズ。耐逆光性能が高いので積極的に太陽にカメラを向けられます。 ■撮影機材 ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境 焦点距離29mm 絞り優先AE(F16、1/750、+0.5EV補正) ISO400 太陽光

AF性能

 描写性能だけではなくAFも大きく進化。先代のステッピングモーターRXDからリニアモーターのVXDにアップデートされました。もちろんファストハイブリッドAFやリアルタイムトラッキング、リアルタイム瞳AFなど、ボディ側の各種AF機能にも対応。特に望遠側でのピント移動が大きなケースでは明らかに体感速度が上がり快適になりました。風景撮影というと止まっているものを撮影するイメージで、高速なAFは必要ないという考えもあるかもしれませんが、やはり合焦までの速さと精度は、撮影時の集中力や作品の仕上がりに影響してくるものです。
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草を食んで(はんで)いた鹿が顔をあげた瞬間をややハイキー気味に撮影しました。先代からのAF性能の大幅アップは 動体撮影時には頼もしい限りです。 ■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:焦点距離73mm 絞り優先AE(F2.8、1/30、+2EV補正) ISO800 太陽光 CPLフィルター

TAMRON Lens Utility

 新たに装備されたUSB-CポートにTAMRONコネクションケーブルを介してPCを接続することで、フォーカスリングやフォーカスセットボタンへ各種機能の設定が出来るようになりました。設定は多岐にわたりますが、動画撮影を意識した設定も出来るようになっています。また、ファームウェアのアップデートが簡単に出来るようになり利便性が高まりました。

まとめ

 大幅な性能アップで第二世代として進化を遂げた本レンズ。弱点の見当たらない描写力に加えて、小型軽量とくればおすすめしない理由がありません。それを前提に敢えて言うならですが……やはり広角側がもう少し欲しいと感じるシーンがあったことは事実なので、できれば広角ズームと組み合わせて使用するのがおすすめです。例えば、同社17-28mm F/2.8 Di III RXDであれば重量は420g。本レンズと組み合わせても1kgに満たない重量で、超広角域から中望遠域までカバーできるとなれば撮影のバリエーションが広がる事間違いなしです。
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雨に濡れた苔の森。その空気感が伝わるような描写でイメージ通りの表現が出来ました。 ■撮影機材:ソニーα7R Ⅳ + タムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ■撮影環境:焦点距離58mm 絞り優先AE(F2.8、1/15、-1EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
■写真家:高橋良典 (公社)日本写真家協会会員・日本風景写真家協会会員・奈良県美術人協会会員・ソニーイメージングプロサポート会員・αアカデミー講師
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の高橋良典さんがタムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2のレビューをしています。純正レンズと変わらず快適に使用できたという事ですが、その詳細を風景作例と共にご覧ください。 ----- KEYWORDS: タムロン,Tamron,28-75mm F/2.8 Di III VXD G2,風景,高橋良典 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO×木村琢磨|「OM SYSTEM」を冠した最初のレンズで風景スナップを撮る! BASENAME: 484299356.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 木村琢磨 DATE: 11/19/2021 16:00:00 TAGS: オリンパス(Olympus) レンズ,M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO,OM SYSTEM,風景,単焦点 ----- BODY: 00_オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO製品画像.jpg

はじめに

 先日、OMデジタルソリューションズ(オリンパス)より新ブランド「OM SYSTEM」が発表された。M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは新ブランドを冠した最初の製品となる。レンズにはOM SYSTEMと書かれており、いよいよOMデジタルソリューションズとしての本格的な新章が始まるのだと思うとワクワクする。このM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは、換算焦点距離が40mmと人気が高い焦点距離であり日常使いにぴったりな一本だ。OM SYSTEMのブランドステートメントにもあるように「どこにでも持ち歩ける」「感じたものが思ったままに撮れる」を体現した様なレンズだ。

ファーストインプレッション

 まず、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROを手にして思ったことは「小さい・軽い」と言うこと。この「小さい・軽い」は私がマイクロフォーサーズを使う理由のひとつであり、それだけでなく写りもいいのだから満足度は高い。F1.4の大口径でこのサイズ感は気軽に持ち歩くにはちょうどいい。  そして、このサイズ感を最大限に活かすのであればOM-D E-M5 Mark IIIとの組み合わせがベストだろう。かつてのOMシリーズを思わせるサイズ感とフォルムは写欲を掻き立ててくれる。PROレンズということで性能に関してはお墨付きだ。OMデジタルソリューションズユーザーにとってPROレンズは安心材料となる。
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OM-D E-M5 Mark IIIとのマッチングは完璧だ。マイクロフォーサーズならではの組み合わせではないだろうか。
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手のひらに収まるサイズ感はより気軽に撮影ができる。写真を撮る上で気軽さもスペックの一つと考えている。
 PROレンズにはF1.2の大口径単焦点シリーズがラインナップされており、広角側から17mm(換算34mm)、25mm(換算50mm)、45mm(換算90mm)と定番の焦点距離をカバーしている。F1.2ではないが、今回ここに20mm(換算40mm)がラインナップされたことでより表現の自由度が高まった。特に今回ラインナップに加わったM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROはF1.2シリーズよりもはるかにコンパクトであり、いままでOM-D E-M1XやOM-D E-M1 Makr IIIにはぴったりだったがOM-D E-M5 Mark IIIにはちょっと大きすぎてバランスが悪い……と思っていた不満を解消してくれる一本だ。  M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROを手にして、もう一つ「おっ?」と思ったことがある。それはレンズキャップだ。「OLYMPUS」から「OM SYSTEM」になっているのだ。ボディには「OLYMPUS」と「OM-D」、レンズには「OM SYSTEM」が。もしかしたら今しか見れない組み合わせになるのかもしれない。
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レンズキャップには新ブランドの「OM SYSTEM」のロゴが。 思っていた以上に違和感がない(OLYMPUSと使っているアルファベットが似ているから?)。

換算焦点距離40mmの丁度感とPROレンズの安心感

 私が主に撮影にしている被写体は風景であり、普段であればズームレンズを使っての撮影がメインとなる。今回はM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROとOM-D E-M5 Mark IIIを組み合わせて、風景写真を撮影しに出かけてみることにした。換算40mmといえばスナップを撮るのにちょうどいいと感じる焦点距離だが、風景写真でもそのちょうど良さを実感した。  35mmと50mmの間の焦点距離は人によっては中途半端に感じるかもしれないが、個人的にはどちらの焦点距離も兼ね備えた撮りやすい焦点距離だと思う。35mmよりも主題を明確にしやすく、50mmよりも広く写せるので、慣れると40mmこそ真の標準なのではないか?と思うほどだ。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F5.6 1/100秒 ISO200 ファインダーを覗いた時に自分の視野とイコールのフレーミングに。40mmの焦点距離は自分の目線の延長線上の様だ。日没後も雲は抜けなかったが全景が見えないことで大山の雄大さが表現できた。
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撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F5.6 1/100秒 ISO200 ズームレンズだともっとアップに写していたであろう一枚。焦点距離が固定されることでいつもと違う景色に出会える。
 M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは「小型・軽量」だけでなく、描写も信頼のPROレンズクオリティなのでそれだけで撮影が楽しくなる。開放F1.4はボケ味だけでなく解像感も両立されているので主題を明確できる。  私がマイクロフォーサーズの気に入っている点は、そのセンサーサイズが生み出すちょうどいいバランスだ。システム全体のサイズ感だけでなく、被写界深度のバランスもちょうど良く、あまり絞らなくてもパンフォーカスを狙うことができるので風景写真との相性も良い。浅い被写界深度が必要であれば、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROやF1.2シリーズのPROレンズもラインナップされているので自由度も高い。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO200 F1.4開放での撮影。雑多なシーンでもぼかすことで主役を引き立てることができる。マイクロフォーサーズは最短撮影距離も短いのでほとんどのレンズでマクロ的な撮影が可能なのでより浅い被写界深度で撮影も可能だ。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/1250秒 ISO200 開放で撮影するといつもとちょっと雰囲気の違う写真が撮影できる。風景を撮影する時もF1.4で撮影すると立体感がより強調される。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/400秒 ISO200 明るくて寄れるレンズは足元の落ち葉もドラマチックにしてくれる。OM-D E-M5 Mark IIIはバリアングルモニター搭載なのでローポジションの撮影も楽チンだ。
 マイクロフォーサーズレンズ全般に言えることだが最短撮影距離が短く、最大撮影倍率が大きいレンズが多いため、ほとんどのレンズでマクロ撮影が可能だ。M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROも例外ではなく最短撮影距離が短い(撮影倍率0.22倍)。近接撮影になるほど被写界深度がより浅くなるため、F1.4のF値と組み合わせるとそれだけで雰囲気のある写真が撮れてしまう。ピントが浅いということは自分が何を見せたいのか、どこにピントを合わせたいのかを明確にしていないと、ただボケただけの写真になってしまうので注意が必要だ。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO200 F1.4のおかげで足元の草を前ボケにしつつ、薄暗いシーンでも滝を高速シャッターで撮影することができた。滝と言えばスローシャッターと思いがちだが高速シャッターで滝の勢いを写しとるのも全然OKだ。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/1600秒 ISO400 迫力を出すためにしぶきを浴びながら撮影した。F1.4が生み出す高速シャッターはまさに一瞬を切り取る。
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OMデジタルソリューションズの防塵・防滴性能はどのメーカーよりも信頼性がある。防滴ではなく防水では…?と思うほどの超高性能なのでついつい滝に接近しての撮影や雨天でもレインカバーなしで軽快に撮影できる。
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フッ素コーティングによる撥水効果は抜群だ。ブロアーで簡単に水滴を除去できるので撮影も楽になる。
 M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROはPROレンズであるため、防塵・防滴性能もバッチリで滝のしぶきを浴びながらの撮影も全然余裕だ。最前面のレンズにはフッ素コーティングが施されており、水滴が流れ落ちやすいのでメンテナンスも簡単だ。レンズが濡れそうなシーンを撮影する場合は、ブロアーを用意しておくと簡単に水滴を取り除くことができる。是非ブロアーを一つカメラバッグに忍ばせておこう。

自分のフィールドに持ち出してみる

 風景を撮影する上で解像感も重要なポイントとなる。OMデジタルソリューションズには画素数を向上させるマルチショット機能のハイレゾショットを搭載している機種があり、今回組み合わせているOM-D E-M5 Mark IIIにも搭載されている。OM-D E-M5 Mark IIIのハイレゾショットは三脚が必須となるため、小さな三脚でもいいので一つ用意しておくと便利だ。  シングルショットで2000万画素あり、ハイレゾショットを使用することで最大8000万画素(RAW記録時)での撮影も可能なので、ここぞというときはハイレゾショットで撮影している。高画素撮影ということはレンズに求められる性能も必然的に高くなるが、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROはハイレゾショットでも余裕を感じさせる写りだ。私の場合、レンズは資産だと考えているので今後ボディが高画素化しても対応できるレンズはお得感がある。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F4.0 1/250秒 ISO200 ハイレゾショットで撮影。木々のディティールがシングルショットよりもさらに向上する。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F4.0 1/100秒 ISO200 絞り開放のボケも美しいが、円形絞りのおかげで絞っても綺麗な玉ボケを楽しめる。F値を使い分けることで玉ボケのサイズ調整が簡単にできる。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F4.0 1/100秒 ISO200 レンズの解像感を楽しみたい人はF4.0あたりを使うとシャキッとした写りを楽しむことができる。F1.4まで開けられると撮影時の気持ちの余裕が違ってくる。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/250秒 ISO200 前ボケを生かして撮影。F1.4で前ボケを作るとディティールが消失しカラーフィルターの様な効果を得ることができる。
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ピントが合わないくらいに近づいて撮影することで大きな前ボケに変化する。F1.4の開放で前ボケを作ると幻想的な演出に。
 M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO+OM-D E-M5 Mark IIIの小型軽量コンビはものすごく楽だ。機材が小さい、軽いだけで撮影するときの気持ちの余裕も全然違ってくる。とくに山や森など足場が悪いところを歩くときや長距離移動する時にその恩恵を実感する。小さいカメラはアングルの自由度も高く、片手で撮影できるので、ファインダーを覗きながらだと大変なシーンでもバリアングルモニターを見ながらフレーミングも可能だ。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/320秒 ISO200 開放で撮影することで主題の木が浮き上がった。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/200秒 ISO200 換算40mmは自分が注目した被写体にスポットを当てやすい。
 ズームレンズの魅力は焦点距離の自由度の高さだ。一方で、考え方によっては選べる焦点距離が多い分だけ迷うこともあるということだ。カバーしている焦点距離が広いほど悩みも増える。しかし、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROの様な単焦点レンズだと焦点距離で迷うことはない。ズームできないことをメリットに変えてしまうと軽快な撮影が可能となる。換算40mmは使いやすい焦点距離なのでズームしか持っていない、使ったことがないという人にとって単焦点デビューにもってこいの一本だ。  森の中や木々に囲まれたロケーションは日中でも意外と暗い。OM-D E-M5 Mark IIIには強力な手ぶれ補正が搭載されているが、被写体ブレを抑えるとなればシャッタースピードを確保する必要がある。F1.4の明るさがあれば、森の中などのロケーションでも十分なシャッタースピードを得られる。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO200 風で揺れる紅葉をシャッタースピードを早めることでブレることなく写しとった。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO200 さらに紅葉に近づいて大きな前ボケに変化させた。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境:F5.6 1/40秒 ISO200 パンフォーカスを狙うときはF5.6あたりが良い。絞ることでより一層中央から周辺まで均一な写りになる。解像感の高さはさすがPROレンズと言ったところだ。
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■撮影機材:OM-D E-M5 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO ■撮影環境(左):F5.6 1/80秒 ISO200 ■撮影環境(右):F1.4 1/1250秒 ISO200 大口径レンズの楽しさは絞りの調整幅の広さだ。同じシーンでも絞りによって立体感に差が出てくる。

まとめ

 OM SYSTEMブランド第一弾として登場したM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは、想像以上に撮影していて楽しいレンズだ。小型・軽量に防塵・防滴、F値の自由度の高さにPROレンズクオリティの描写性能と、マイクロフォーサーズの魅力がギュッと詰まった一本に仕上がっている。そして、M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROの小型・軽量を生かせるOM-D E-M5 Mark IIIがラインナップされていることは、OMデジタルソリューションズのマイクロフォーサーズシステムの強みだ。
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OM-D E-M5 Mark IIIとの相性は抜群だ。小型軽量の全天候型システムとしてこれからも使い続けたい組み合わせだ。
 撮影に持ち出す際についつい便利なズームレンズに手を伸ばしがちだが、単焦点レンズだけ持って撮影に出かけてみるのもいいだろう。M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは単焦点レンズの気軽さと描写を十分に楽しむことができ、画角が制限されることで新しい一枚に出会うことができるだろう。自分の好みに焦点距離を合わせるのではなく、レンズの焦点距離に自分を合わせてみるのもいいかもしれない。風景から日常スナップまで幅広く使えるレンズなので、是非いろいろなシチュエーションに持ち出してみて欲しい。 ■写真家:木村琢磨  1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の木村琢磨さんがオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROのレビューを行っています。OM-D E-M5 Mark IIIに装着して撮影した風景作例と共に本レンズの魅力を語っていますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: オリンパス,Olympus,単焦点レンズ,M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO,OM SYSTEM,レビュー,風景 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: カールツァイス Zeiss Batis 1.8/85 レビュー|被写体を引き立てる柔らかなボケが魅力 BASENAME: 484483846.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 11/22/2021 16:00:00 TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,Zeiss Batis 1.8/85,単焦点 ----- BODY: ツァイス Zeiss Batis 1.8/85 レビュー|被写体を引き立てる柔らかなボケが魅力

はじめに

 前回までは、広角・標準領域のバティスシリーズをレビューしてきましたが、今回はバティスシリーズ5本の中では、中望遠の画角になる85mmの「Zeiss Batis 1.8/85」の紹介になります。「Zeiss Batis 1.8/85」は、2015年8月に発売されたバティスシリーズの最初の2本のうちの1本です。中望遠の85mm単焦点レンズは人気のジャンルのレンズ。この「Zeiss Batis 1.8/85」もオートフォーカスで使え、手ブレ補正搭載のツアイス単焦点レンズとして魅力あるレンズの1本です。今回も様々なシーンを撮影してみました。

Zeiss Batis 1.8/85の魅力

_DSC9959.JPG  「Zeiss Batis 1.8/85」の光学系はゾナータイプ。ソニーEマウント純正レンズの85mmとはスペック的には近いレンズですが、「Zeiss Batis 1.8/85」はツアイスレンズらしいナチュラルなボケの美しさと柔らかさを表現できるレンズです。焦点距離55mmにはなりますが、ソニーブランドのゾナータイプのツアイスレンズ「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」も魅力あるレンズですので、少し一覧で比較してみました。ソニー純正のプレミアムレンズ”GMタイプ”では、中望遠の単焦点レンズは100mm、135mmしかありませんので、85mmの焦点距離では「Zeiss Batis 1.8/85」はその点を補完できる魅力あるレンズと言えます。


  
 Batis 1.8/85FE 85mm F1.8Sonnar T* FE 55mm
F1.8 ZA
焦点距離(mm) 85mm85mm55mm
画角(35mm判)29°29°43°
開放絞り(F値)F1.8F1.8F1.8
最小絞り(F値)F22F22F22
レンズ構成 8群11枚8群9枚5群7枚
絞り羽根 (枚)9枚9枚9枚
最短撮影距離 (m) 0.80m0.80m0.50m
フィルター径(mm) 67mm67mm49mm
外形寸法 
最大径x長さ(mm)
92 x 92mm78 x 82mm64.4x 70.5mm
質量 約 (g) 452g371g281g
 焦点距離85mmの中望遠の効果と、絞り開放F1.8の効果が合わさってピントが合った後の自然なボケの表現が魅力的。絞り開放では全体的に柔らかな描写をするレンズですが、中心部はしっかりとした芯がありシャープ感があって柔らかなボケとシャープ差が両立しています。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF1.8 ISO800
 F2.8など少し絞れば周辺部の光量落ちもほぼ解消され、このレンズの魅力がさらにアップします。もちろん大きく絞っても、被写体との距離にもよりますが自然なボケを演出できるレンズです。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF2.8 ISO1600
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/4秒 絞りF10 ISO1600
 「Zeiss Batis 1.8/85」は色味、ボケの表現などは申し分ないレンズなのですが、一つ気になる点があります。それは「糸巻き型収差」が大きくでることです。RAWで撮影していればRAW現像の際に、レンズのプロファイル補正を使用すれば「糸巻き型収差」も修正することができますが、JPEG撮って出しをする場合は「糸巻き型収差」が気になるところです。
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■使用機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF1.8 ISO800
 直線基調の被写体をメインに撮影した時には、この歪みはかなり気になるレベルです。被写体にもよりますが、デジタルでの補正を使う前提で撮影をしないといけないかもしれません。
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■使用機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF9 ISO800

ツァイス Zeiss Zeiss Batis 1.8/85でお子様スナップ撮影

 85mm単焦点レンズと言えば、やはりポートレート撮影用途をイメージする人が多いと思います。今回はお子様モデルさんで撮影をさせて頂きました。ピントが合った面のシャープさと、そこからの続く柔らかいボケは人物撮影にピッタリ。かわいいお子様の撮影にピッタリのレンズですね。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
 日中に絞り開放で撮影する場合は、カメラ側でシャッター速度の上限までいってしまうのは、さすが明るい単焦点レンズというところでしょうか。場合によってはNDフィルターなどを用意することも必要になってきます。ですが、絞り開放では周辺光量がやや落ちるので、空などの単調な背景の場合などは少し絞って撮影する方が良いでしょう。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF1.8 ISO100

ツァイス Zeiss Zeiss Batis 1.8/85で猫のいるイングリッシュガーデンでスナップ

 「Zeiss Batis 1.8/85」を持って、猫がいるイングリッシュガーデンに撮影に行ってみました。撮影当日はあいにくの大雨でしたので、室内撮影がメインになってしまいましたが、開放F値1.8の単焦点レンズなので、少し暗めの室内撮影でも威力を発揮してくれました。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF1.8 ISO800
 被写体にもよるかもしれませんが、後方の柔らかい自然なボケに対して、絞り開放では前ボケは少しだけうるさい感じを受けます。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/125秒 絞りF1.8 ISO1600
 狭い室内ですと、85mmの焦点距離は少し長すぎる感じもしますが、少し広い空間での撮影では、被写体とある程度距離を取ることで構えた写真になりにくく、猫の自然の表情が撮れるメリットがあります。  全体的に柔らかい表現ができるレンズなので、毛並みの柔らかさなどを表現できるペット撮影にもマッチするレンズではないでしょうか。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF1.8 ISO800
 雨の野外撮影においても、「Zeiss Batis 1.8/85」は防塵防滴効果があるレンズなので撮影の際に安心感があり、撮影に集中することができます。色ノリの派手さは無く雨の日の撮影によく合った、しっかりと雨降りの空気感を表現してくれるレンズと感じました。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF1.8 ISO800
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF1.8 ISO800
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.2 ISO800

ツァイス Zeiss Zeiss Batis 1.8/85で街中スナップ撮影

 85mmのレンズで街中スナップするのは少々焦点距離が長いのですが、気になったものを思い切って切り取る撮影ができます。下の写真は手前にあるチェーンの柵の前ボケ反射を狙って撮影し、写真にアクセント加えました。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF1.8 ISO100
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF1.8 ISO100
 遠景の描写も中心部から四隅までしっかりとキレのあるシャープさがあり、絞ることによって周辺光量不足も解消されます。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF16 ISO800
 夜のスナップも開放F1.8の明るさがあるので、ISO感度を無理に上げなくても気軽にスナップ撮影ができるのもメリットです。
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/20秒 絞りF1.8 ISO800
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■使用機材:SONY α7R III+ Zeiss Batis 1.8/85 ■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF1.8 ISO800

まとめ

 「Zeiss Batis 1.8/85」は、とても魅力的な中望遠の単焦点レンズです。85mmという焦点距離は汎用性も高く、日常のシーンを少しアップで撮影するのに使いやすいレンズだと思います。今回「Zeiss Batis 1.8/85」で撮影して特に感じた事は、猫の毛並みの柔らかさ、子どもの肌の質感などの表現力が素晴らしく、ペットや人物を撮るのにとてもマッチしているレンズだと感じました。「Zeiss Batis 1.8/85」は、ズームレンズでは味わえないカールツァイス単焦点レンズならではの、ピント合焦部でキレのあるシャープさとその前後で柔らかなボケが両立するレンズです。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

その他坂井田さんによるBatisシリーズ記事はこちら

・カールツァイス Zeiss Batis 2/40 レビュー|シャープさと柔らかさが両立した標準レンズ https://shasha.kitamura.jp/article/483904908.html ・カールツァイス Zeiss Batis 2.8/18 レビュー|オールマイティーに使える超広角レンズ https://shasha.kitamura.jp/article/483501133.html ・カールツァイス ZEISS Batis 2/25レビュー|撮影者の想像力を掻き立てるレンズ https://shasha.kitamura.jp/article/483017008.html
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんによるツァイス Zeiss Batis 1.8/85のレビュー記事です。ポートレートから一味変わったスナップ写真まで、被写体を引き立てる柔らかなボケが魅力な作例とともにご紹介しています。 ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」が登場!|100種類の撮影エフェクトが楽しめるシリーズ最上位モデル BASENAME: 484483866.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 11/23/2021 10:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,instax mini Evo,チェキ,インスタントカメラ ----- BODY: 01_1_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の製品画像.jpg

はじめに

 富士フイルムからハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”「instax mini Evo(インスタックス ミニ エヴォ)」を、2021年12月3日に発売するとアナウンスがありました。本モデルはインスタントカメラ instaxシリーズの最上位モデルとなり、クラシックデザインとアナログ操作が楽しめ、レンズとフィルムエフェクトの切替えをデジタル上で行い合計100種類の組み合わせで撮影出来ます。また、高画質なチェキプリントを実現しており、お店プリントに近い色合いでプリントが可能になりました。今回はinstax mini Evoの発表会で、開発担当者にお話しを伺いながら実機を触ってきましたので、その時感じた製品の魅力をご紹介させて頂きます。
01_2_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の製品画像.jpg
今回発表になったinstax mini Evo(インスタックス ミニ エヴォ)
02_富士フイルム“チェキ”のラインナップ.jpg
今まで発売されたインスタントカメラ instax シリーズ。今回はこの中の最上位機種として「instax mini Evo」が登場

デザインと操作性

03_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の製品画像.jpg 000_instax mini evoのロゴDSCF1895.jpg  ボディーはシリーズ最上位機種に相応しく高品位なクラシックなデザインになり、シルバーの操作レバーやダイヤルが採用されており遊び心をくすぐる仕上がりになっています。 04_1_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の製品画像.jpg  革絞り風に加工された生地がシルバーのカメラの表と裏、そして左右に貼られていて、見た目はもちろんカメラを持った時にも質感の良さを感じます。 04_2_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の製品画像.jpg  フィルムカメラにはフィルムを装填してそれを巻くレバーがありますが、instax mini Evoにも同じようなレバーがついていて、レバーを引くとフィルムを巻く代わりに撮った写真をプリントアウトできるようになっています。レバーを引いた時には、じーこ、じーこという音がして、フィルムを巻くかのような感触が楽しくて、ついつい沢山プリントしてしまいそうです(笑) 05_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の製品画像.jpg  レンズの回りがダイヤルになっていて、これをくるくる回すとレンズエフェクトを変更できるのですが、レンズ交換のような動作をしてこのエフェクトを変更するのが面白いのと、レンズに付いたリングを回す感じが本格的な一眼カメラを操作しているようでもあり、癖になりそうな操作リングでした(笑) 06_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の製品画像.jpg  上の写真の向かって左側にあるダイヤルは、使いたいフィルムエフェクトを選択するダイヤルです。  従来モデルのinstax mini LiPlayに比べると操作レバーやリングが盛り込まれたことにより、触って楽しむアナログ要素を強く感じるハイブリットカメラになっています。 07_1_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の製品画像.jpg  instax miniシリーズでは人物を撮る事が多いことを想定して縦に構えて撮影を基本としていますが、横に構えても撮り易いデザイン設計になっています。見た目も元々横位置を基本としたつくりになっているかのようにも見えます。
07_2_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の製品画像.jpg
赤枠で囲まれたところはミラーになっている
 自撮りを行う際はここのミラーを使って構図を確認する事ができます。広角28mmの画角に対応しており広い範囲を確認できます。
000_instax mini evoのアクセサリシュー.jpg
赤枠で囲まれたところは電気接点のないアクセサリーシュー
 電気接点はありませんがアクセサリーシューも備わっており、外付けのLEDライトなどをここにつけて撮影する事ができます。

100通りの撮影エフェクト

 従来モデルのinstax mini LiPlayでは音までもプリントに閉じ込めて写真と一緒にメッセージを伝えることが出来るなど遊び心に富んだ楽しいカメラでしたが、instax mini Evoの「100通りの撮影エフェクト」も凄く遊び心があり、カメラ好きの心をくすぐるものになっていました。
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10種類のレンズエフェクト(ノーマル/ビネット/ソフトフォーカス/ぼかし/魚眼/色ずれ/光漏れ/ミラー/二重露光/ハーフフレーム)と10種類のフィルムエフェクト(ノーマル/ビビッド/淡い/キャンバス/モノクロ/セピア/イエロー/レッド/ブルー/レトロ)
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横軸がレンズエフェクト、縦軸がフィルムエフェクト
 100通りの撮影エフェクトは、10種類のレンズエフェクトと10種類のフィルムエフェクトの掛け合わせで表現できるようになっています。アナログっぽい楽しみを追求する中で、レンズやフィルム交換をして楽しむ世界観をデジタル技術を用いて表現する事が出来ないかというアイディアから実現した機能のようです。開発の際は沢山の数のレンズとフィルムの掛け合わせをつくり、試行錯誤の上新しいチェキで使ってもらいたいオススメのレンズ10種類、フィルム10種類をセレクトしたと開発担当の方に伺いしました。上の写真を是非拡大してみてもらいたいのですが、本当に沢山の魅力的なエフェクトを使った撮影が出来るようになっていることが分かります。  レンズ交換する際にレンズ周辺にあるダイヤルをくるくる回す作りも拘りを感じて、心にぐっと響きました。デジタルではありますがレンズとフィルム交換を直感的に行い沢山の表現が出来ますので、被写体と向き合った写真撮影が楽しめそうです。
09_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の作例一覧.jpg
様々なエフェクトで撮影した作例サンプル
10_広瀬すずさんが撮影した写真.jpg
ギャラリースペースには今回instax mini Evoの発表会で登壇された女優の広瀬すずさんの作例も展示されていました
11_WONKボーカリストの長塚健斗さんが撮影した写真.jpg
WONKボーカリストの長塚健斗さんの作例です。エフェクトが上手に活かされていて、どれもお洒落で魅力的な作例でした

高画質と撮影性能

 プリントでの風合いは従来のチェキっぽい柔らかい風合いの“instax-Natural モード”に加え、今回新たにお店プリントやスマホ画面の色彩豊かな風合いの“instax-Rich モード”での色再現が可能になっています。
12_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」の作例.jpg
左は従来モデル同様のinstax-Natural モード、右は今回新たに追加されたinstax-Rich モード
 プリントの解像度は、従来モデルの約600×800ドットから約600×1600ドットの2倍の露光密度で滑らかにプリントできるようになっています。  ホワイトバランスもinstax mini LiPlayでは「オート」だけでしたが、本モデルでは「オート」「晴れ」「日陰」「蛍光灯1」「蛍光灯2」「蛍光灯3」「電球」から選択可能になっているので、イメージ通りの色味に調整して撮影する事ができます。  プロセッサをチューニングする事で従来モデルよりもオートフォーカスの速度も速くなっているという事でしたので、急に訪れたシャッターチャンスをものに出来そうですね。

進化したスマホとの連携機能

 従来モデル同様にスマホをリモコンがわりに、少し離れた場所からチェキを操作して撮影する事が出来たり、スマホの中の写真データをチェキを使ってプリントする事ができたりします。ここで従来モデルと違うところは、スマホからのプリントも“instax-Rich モード”を選択する事ができますので、スマホの液晶モニターと近い色彩豊かな色味の再現が可能になっています。
04_リモート撮影.jpg
スマホを使ってinstax mini Evoをリモート撮影
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スマホの画像をinstax mini Evoでプリント
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スマホからのプリントも“instax-Rich モード”を選択可能
 また、今回新たにチェキで撮影した画像をスマホに送りSNSなどにアップロードして友人や知人と共有することが出来るようになりました。スマホに転送した画像をスマホ側で簡単に編集する事ができます。また、転送した画像はinstaxのフレーム付きになっていますのでチェキで撮影した事が分かるようになっています。
08_スマホへ画像を転送.jpg
instax mini Evoでの撮影画像をスマホへ転送
09_編集.jpg
スマホへ転送した画像を簡単に編集できる
16_スマホえ保存ひた画像.jpg
転送した画像はスマホのライブラリで閲覧が可能
 このフレームをよくご覧いただくと、非常にアナログ的なフレームになっていて単に白い枠が付いているのではなく、影などにフイルムのざらつき感などが表現されています。全てデジタルでつくっていますが、スマホの中に手仕事でつくったかのような画像を保存して楽しめるようにしたいという想いから、このような工夫をしたとお伺いしました。この辺の作り込みを見ると、instax mini Evoが大事に大事につくられ、世に送り出されたのが分かります。こんな細部にまでしっかりと製品コンセプトが宿っています!

さいごに

 シリーズ最上位モデルのinstax mini Evoの魅力をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。今までのチェキ同様に若い方が友人との撮影の際にお使い頂くのも良いと思いますし、一眼カメラで趣味の撮影をされている方が、少し肩の力を抜いてスナップや風景などを撮影されても魅力的に感じるカメラに仕上がっていると思います。次回はフォトグラファーの方にinstax mini Evoを使ってレビューを公開させて頂きますので、そちらの記事も楽しみにしていてください。
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左は充電専用のマイクロUSB Micro-B端子、右はMicroSDカードの挿入口
14_富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」のカメラケース像.jpg
instax mini Evo専用のカメラケース

instax mini Evo発表会での開発担当者へのインタビューはこちらの動画でご覧頂けます

■2021年11月26日:開発担当者へのインタビュー動画を追記しました。
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 富士フイルムから新しいチェキ「instax mini Evo」が登場しましたので、その発表会で実機を触り開発担当者に魅力を伺ってきました。凄く遊び心があり、カメラ好きの心をくすぐる製品に仕上がっていましたのでその時のレポートを是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,instax mini Evo,チェキ ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: [申込終了]【セミナー】Leicaプロカメラマンセミナー Vo.3 -斎藤巧一郎 氏-|新宿 北村写真機店&YouTubeライブ!12月11日開催 BASENAME: 484507024.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 11/24/2021 11:00:00 TAGS: セミナー,ライカ(Leica) ボディー ----- BODY: 斎藤巧一郎さんプロフィール画像_05100253723796_xxlarge.jpg

Leica(ライカ)の魅力をお伝えするセミナーの第3弾

 Leica(ライカ)プロカメラマンセミナーは、写真家の斎藤巧一郎 氏を講師としてお招きし、全4回にわたり新宿 北村写真機店6Fライカヴィンテージサロンのコンシェルジュとライカの魅力をお伝えするセミナーです。3回目となる今回は「ライカレンズの魅力に取り憑かれた新宿 北村写真機店スタッフが実際に使ってみた」と題して、当店スタッフ25名の作例を交えながら、ライカレンズの魅力を講師と当店のコンシェルジュが解説いたします。当日、新宿 北村写真機店にお越し頂けない方はオンライン(YouTubeライブ)でのご視聴も出来ます。

イベント内容

 11:00~12:00に開催する第1部と、14:00~15:00に開催する第2部の2部制となっています。1部と2部で紹介する内容は異なりますので片方の部だけでなく、両方の部にご参加することでより一層お楽しみ頂けるセミナーとなっています。

第1部「初めて使ってみたライカレンズ」

 11:00より開催する第1部では「初めて使ってみたライカレンズ」と題して、当店スタッフでまだライカを持っていないスタッフが実際に撮影した作例を解説いたします。

第2部「ライカレンズ描写の徹底追及」

 第2部では「ライカレンズ描写の徹底追及」と題して、先生をはじめ当店のベテランスタッフによる作例をもとに、ライカレンズの描写力がどれだけ高いのかを、解説いたします。

【店舗参加者限定】魅力的な2つの特典もご用意しております

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1.斎藤巧一郎 氏に購入前の悩みを相談できる「販売相談会」

 15時からお時間が許すまでの間、講師の斎藤巧一郎 氏が当店のスタッフとして、お客さまがご購入前に感じているお悩みをお聞きする販売相談会を開催いたします。第一線で活躍されている斎藤氏へ、ご購入前に感じている悩みを聞けるチャンスです。ぜひご来店下さい。

2.参加者限定の特別プレゼント

 当日店頭に参加の上、新品のライカ製ボディ・またはレンズをご購入頂いたお客さまへプレゼントもご用意しております。 ※オンライン参加の方へは通常価格での販売となります。

概要とお申込み

■開催日時:2021年12月11日(土)【第一部】11:00~12:00【第二部】14:00~15:00 ※ 15:00~斎藤巧一郎先生によるご購入相談会を開催いたします。 ■費用:無料 ■場所:店頭参加:新宿 北村写真機店 6F ライカヴィンテージサロン  オンライン参加:新宿 北村写真機店 公式YouTubeチャンネル ■新宿 北村写真機店の住所:東京都新宿区新宿3丁目26-14(地図) ■定員:店頭参加は各部15名 ■申込方法: ・店舗参加の第一部はこちらから申込ください。 ・店舗参加の第二部はこちらから申込ください。 ・オンライン参加の方は事前申し込みはありませんので時間になりましたら、こちらの新宿 北村写真機店 公式YouTubeチャンネルよりご覧ください。 ■申込み期限:2021年12月8日(水)21:00 ※ 新型感染症の感染拡大防止の観点より、ご入店時はマスクのご着用をお願いいたします。また手指のアルコール消毒や体温の計測もご協力ください。37.5度以上の発熱、咳など風邪の症状があるお客様はご来店をお控え頂くようお願いいたします。その他、新型コロナウイルス感染症対策の詳細につきましてはこちらをご覧ください。

講師紹介

斎藤巧一郎(Koichiro Saito)  広告写真を中心に撮影業に務める写真家。カメラメーカーの写真教室や専門学校講師など、写真教育にもたずさわる。ファーストライカは、21歳で購入したライカR5。以来ライカを愛用している。ドイツライカ本社へも3度赴き、ライカの一端に触れ、片思いは増すばかり。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 今回は「ライカレンズの魅力に取り憑かれた新宿 北村写真機店スタッフが実際に使ってみた」と題して、当店スタッフ25名の作例を交えながら、ライカレンズの魅力を斎藤巧一郎 氏と当店のコンシェルジュが解説いたします。 ----- KEYWORDS: セミナー,ライカ,Leica,北村写真機店 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: タムロン 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD|旅に最適な高倍率ズームレンズ BASENAME: 484447485.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三田崇博 DATE: 11/24/2021 16:00:00 TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD,風景,望遠ズーム ----- BODY: 01_top.JPG

はじめに

 こんにちは。旅写真家の三田崇博です。今回は2021年10月に発売になった、タムロン初の富士フイルムXシリーズ向けレンズ「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」をレビューします(本レンズはソニーEマウント用もラインナップ)。富士フイルムの高倍率ズームレンズはこれまでXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRのみでしたが、望遠側が300mmまで対応する本レンズは、富士フイルムXシリーズユーザーは待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。

高倍率レンズのメリットとデメリット

 レンズ1本で広角から望遠まで撮影できてしまう高倍率ズームレンズは、レンズ交換をすることなくほとんどの被写体を撮影することが可能です。風景を撮影していて急に動物が現れた、鳥が飛んできたというようなシーンでも素早く対応することができます。また、レンズ2本分が1本で収まるため荷物も少なくて済みます。個人的には特にミラーレスカメラになってから、レンズ交換時に埃が付着するリスクを減らすことができることも大きなメリットだと思います。  良い面ばかりが目立つ高倍率ズームレンズですが、もちろんデメリットもあります。高倍率を実現するためにどうしてもレンズ構成が多くなり、ゴーストやフレアが発生しやすく、特に望遠側の画質面が不利だと言われてきました。その点も今回検証していけたらと思います。

18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDの特徴

02_製品画像.JPG ・APS-Cサイズミラーレス対応レンズとして世界初となる16.6倍のズーム比 ・AF駆動にはタムロン独自のリニアモーターフォーカス機構VXDを採用 ・高倍率ズームレンズの常識を覆すほど優れた近接撮影能力 ・4枚のLD(Low Dispersion:異常低分散)レンズや3枚の複合非球面レンズといった特殊硝材を贅沢に使用することで、画面中心から周辺に至るまで美しい描写を実現 ・タムロン独自の手ブレ補正機構VCを搭載

XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRとの比較

 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
焦点距離(フルサイズ換算)27-450mm27-206mm
質量620g490g
最短撮影距離15cm45cm
開放F値F3.5F3.5
手ブレ補正5段
フィルターサイズ67mm67mm
絞り羽枚数7枚7枚
防塵防滴
発売時期2021.102014.7
 富士フイルム純正のXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRはすでに発売から6年が経過していますが、今なお高い描写性能を誇るレンズです。焦点距離が違うので重さや大きさの違いは仕方ありませんが、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDは300mmまで撮影できるレンズとしては小型軽量に仕上がっています。  気になる画質の違いを、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS Wの望遠端である135mm付近で比べてみたいと思います。 ■18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影
03_18-300作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F5.6 SS1/680秒 ISO160 焦点距離137mm ■撮影地:あべのハルカス(大阪府天王寺区)
■XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
04_18-135作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR ■撮影環境:F5.6 SS1/680秒 ISO160 焦点距離135mm ■撮影地:あべのハルカス(大阪府天王寺区)
 上の写真を切り出して、解像性能を比べてみましょう。 ■F5.6で比較
F5.6.png
左:18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影 右:XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
■F8で比較
F8.png
左:18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影 右:XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
■F11で比較
F11.png
左:18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影 右:XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
 解放F5.6の切り出し画像の比較では、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRのほうが解像感の高い結果となりました。しかし、F8付近まで絞り込んでいくとその差は縮まっていき、F11では18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDのほうが良好な結果となりました。このレンズは少し絞って使うことでその性能を発揮するように感じました。

最望遠側での画質比較

 望遠端300mmでの解像力も検証するため、富士フイルム純正の望遠ズームレンズ、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRと比較してみたいと思います。望遠に特化したズームレンズとの比較になるので当然画質は劣りますが、十分に実用の範囲内だと思います。 ■18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影
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■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F7.1 SS1/300秒 ISO160 焦点距離300mm ■撮影地:立石寺(山形県山形市)
■XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRで撮影
12_100-400作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR ■撮影環境:F7.1 SS1/300秒 ISO160 焦点距離291mm ■撮影地:立石寺(山形県山形市)
 画面右のお堂の部分を切り出したものが以下となります。作例はF7.1で撮影したものですが、もう少し絞るとさらに良好な結果になるのではないでしょうか。どちらにせよこれだけの高倍率ズームレンズということを考えると、望遠側の画質はかなり良好だと言えます。
比較.png
左:18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDで撮影 右:XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRで撮影

驚異的な近接撮影能力

 個人的にこのレンズで特に気に入ったところは近接撮影の強さです。最短撮影距離が15cmなので、レンズの長さを考えるとほぼレンズ先端に被写体が当たりそうになるまで近寄って撮影することができます。撮影倍率も1:2(0.5倍)とハーフマクロレンズとしても使えます。先ほど高倍率ズームレンズはレンズ2本分が1本にと言いましたが、このレンズはマクロレンズの代わりにもなり、レンズ3本分を1本でカバーすることができますね。
15_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F6.3 SS1/50秒 ISO6400 焦点距離18mm
16_作例.jpg
最短撮影距離は15cm。レンズ先端ギリギリまで寄って撮影することができる

このレンズを持って東北まで紅葉撮影に

 実際の使い勝手や携行性を検証するにはテスト撮影だけでは難しいと思い、実際に1週間ほど東北に撮影に出てみました。私の住む奈良県から青森までは約1000kmの道のりですが、今回は行き帰りの途中の撮影も楽しみました。  行く途中に富士山に立ち寄りました。河口湖より積雪のあった富士山頂を撮影。300mmの超望遠で一部分を切り取って撮影すると、見慣れた富士山がまるでヒマラヤの山々のような荒々しい姿に写りました。
17_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F11 SS1/85秒 ISO160 焦点距離300mm ■撮影地:川口湖畔(山梨県富士河口湖町)
 日本三大瀑布でもある華厳の滝です。滝に虹がかかったので急遽望遠側にズームして撮影しました。水の流れが七色になり不思議な光景でした。
18_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F6.3 SS1/480秒 ISO160 焦点距離300mm ■撮影地:華厳の滝(栃木県日光市)
 岩手県八幡平国立公園の南東に位置する松川渓谷。初めて行きましたが、橋の上から見下ろす紅葉と渓谷のコントラストは「美しい」の一言でした。橋の上に三脚を立てての撮影だったのでこの軽量なレンズで助かりました。
19_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F16 SS1/5秒 ISO80 焦点距離56mm ■撮影地:松川渓谷(岩手県八幡平市)
 八幡平は霧で覆われていました。その隙間から紅葉が見え隠れし始めた一瞬、風がやみ湖面に赤や黄色が写り込みました。
20_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F11 SS1.6秒 ISO160 焦点距離101mm ■撮影地:八幡平(岩手県八幡平市)
 今回の旅の一番の目的地でもある奥入瀬渓流では、例年より遅めの紅葉に出会うことができました。レンズが軽量なので三脚を使った縦位置の撮影時でもブレなく安定しています。
21_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F16 SS0.83秒 ISO80 焦点距離56mm ■撮影地:奥入瀬渓流(青森県十和田市)
 動画でも撮影しましたので美しい紅葉の奥入瀬渓流をぜひご覧ください。
 十和田湖畔の紅葉もほぼピークで、湖の周辺は黄色を中心とした紅葉でカラフルに彩られていました。
22_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F8 SS1/60秒 ISO160 焦点距離34mm ■撮影地:十和田湖畔(青森県十和田市)
 世界自然遺産に登録されている白神山地のブナ林です。トレッキングコースになっているので歩きながら撮影しましたが、広角レンズと本レンズのみの軽装で長時間歩いても疲れがなく快適に撮影することができました。
23_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F11 SS1/6秒 ISO80 焦点距離30mm ■撮影地:白神山地(青森県西目屋村)
 白神山地で撮影中に突然現れた野生のサル。急な時にもレンズ交換することなく被写体に寄れるのは、高倍率レンズの一番のメリットだと思います。
24_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F6.3 SS1/350秒 ISO1600 焦点距離300mm ■撮影地:白神山地(青森県西目屋村)
 日本一の木造三連太鼓橋である鶴の舞橋です。日の出の時間に太陽を直接逆光で撮影してみましたが、ゴーストやフレアの発生はなくコーティング技術の進化に驚きました。
25_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F8 SS1/1800秒 ISO160 焦点距離69mm ■撮影地:鶴の舞橋(青森県北津軽郡鶴田町)
 動く被写体には弱いと言われている高倍率ズームレンズですが、広角側から望遠側に切り替えたときに少しAFの動作のもたつきが見られるものの、一度被写体を捉えると追尾能力は高いです。(もちろんカメラの性能による部分も大きいですが)
26_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F8 SS1/1500秒 ISO160 焦点距離300mm ■撮影地:鶴の舞橋(青森県北津軽郡鶴田町)
 鶴を望遠で撮影していると突然虹が出現しました。レンズを交換していると消えてしまうと思い、そのまま広角側で撮影することができました。
27_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F8 SS1/320秒 ISO320 焦点距離18mm ■撮影地:鶴の舞橋(青森県北津軽郡鶴田町)
 帰りに立ち寄った戸隠の鏡池。晴れの予報でしたが日の出前に到着したときには雲りでした。日の出時間後にしばらく待っていると霧が晴れて山々が姿を現しました。広角18mmから望遠300mmまでの様々な画角での撮影を堪能できました。
28_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F11 SS1/5秒 ISO160 焦点距離18mm ■撮影地:鏡池(長野県長野市戸隠)
29_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F11 SS1/3秒 ISO160 焦点距離60mm ■撮影地:鏡池(長野県長野市戸隠)
30_作例.JPG
■撮影機材:FUJIFILM X-T4 + TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD ■撮影環境:F11 SS1/6秒 ISO160 焦点距離300mm ■撮影地:鏡池(長野県長野市戸隠)

まとめ

 これまでの高倍率ズームレンズの常識を覆す描写性能を誇る18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDは、旅に持っていくのに最適な一本となりそうです。これに加えXF10-24mmF4 R OIS WRなどの広角ズームレンズが一本あれば、旅写真で撮影する被写体はほぼすべてカバーできるのではないでしょうか。すでに標準レンズと望遠レンズをお持ちの方も、このレンズがあればレンズ交換をする余裕のない動物や祭りの撮影などで活躍することと思います。 ■写真家:三田崇博 1975年奈良県生駒市生まれ。旅好きが高じ、現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行う。作品は各種雑誌やカレンダーへの掲載に加え全国各地で写真展を開催している。 日本写真家協会(JPS)会員・FUJIFILM X-Photographer・アカデミーX講師
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三田崇博さんによる、タムロン「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」レビュー記事です。タムロン初のXマウント用レンズ、かつ16倍もの高倍率を実現した万能ズームレンズの写りを解説します。 ----- KEYWORDS: タムロン,Tamron,高倍率ズームレンズ,18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD,レビュー,風景,三田崇博 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 富士フイルム GF23mmF4 R LM WR レビュー|もう後戻りできない「More than Full Frame」の威力 BASENAME: 484505403.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 八島和浩 DATE: 11/25/2021 16:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,GF23mmF4 R LM WR,単焦点 ----- BODY: 01_富士フイルム GF23mmF4 R LM WRで撮影した作例.jpg

はじめに

 私は、GFX100に続いてGFX100Sの登場に心躍ったのを今でも鮮明に覚えています。なぜならば、1億画素の性能を最大限生かすことを前提に設計された高精度・高解像度GFレンズとの組み合わせで、私の追い求める写真が撮れると思ったからです。今回、GF23mmF4 R LM WRをGFX100Sに装着した写真と共にレビューさせて頂きます。  GFX100Sの登場が2021年2月25日(木)になりますので、この組み合わせで私の撮影フィールド青森県の紅葉作例は珍しいのではないでしょうか?それでは、GF23mmF4 R LM WRの主な仕様をご覧ください。

主な仕様

02_富士フイルム GF23mmF4 R LM WRの製品画像.jpg
型番フジノンレンズ GF23mmF4 R LM WR
レンズ構成12群15枚 (非球面レンズ:2枚、スーパーEDレンズ:1枚、EDレンズ:3枚)
焦点距離f=23mm (35mm判換算:18mm相当)
画角99.9°
最大口径比(開放絞り)F4
最小絞りF32
絞り形式羽根枚数:9枚(円形絞り) ステップ段差:1/3ステップ(全19段)
撮影距離範囲38cm - ∞
最大撮影倍率0.09倍
外形寸法:最大径×長さ(約) ø89.8mm x 103.0mm
質量(約)845g
フィルターサイズø82mm
外形寸法:先端よりマウント基準面まで 質量:レンズキャップ・フード含まず

特性を理解して超広角レンズを使いこなす

 超広角レンズは扱い方が非常に難しいレンズです。ただし、うまく使いこなし理想の写真が撮影できた時は、その体験をした者にしか分からない万感の思いが到来します。具体的には、超広角レンズは人間の視野角以上の写真が撮影できますので、「異次元の視点で捉えた写真」が撮れます。その反面、撮影する被写体をどう表現するかイメージをして撮影しなければ満足な結果は得られません。私は超広角レンズを使いこなすポイントとして、以下2点を心がけて撮影しています。 1.引きで撮影の場合:「主役のスケール感が分かるように比較対象物を入れる」 2.寄りで撮影の場合:「主役を大胆に入れ込み異次元の視点で構図を考える」  冒頭1枚目の作例をご覧ください。紅葉のピークを迎えた十和田湖に夜明け前からカナディアンカヌーに乗り込み、普段徒歩では踏み入れることが出来ない湖上から手持ちで撮影しています。GF23mmF4 R LM WRは、フルサイズ換算で18mm相当の画角で手ブレ補正機能がない単焦点レンズになりますが、GFX100Sにボディ内手ブレ補正機能が搭載されたことでこのような条件でも安心して撮影できるようになりました。  湖面に向かって真っ赤に染まった紅葉が突出している光景を、画角99.9°のGF23mmF4 R LM WRの特徴を最大限に引き出すために1の考え方で撮影をしています。1の考え方でカナディアンカヌーを構図の中に入れ込むことで、この光景のスケール感が伝わってくると思います。階調が豊かでヌケの良い空気感のある仕上がりとなっています。ズームレンズとは異なり単焦点ならではの解像力です。画角99.9度ながら歪曲を極限まで抑制したという通り、倍率色収差がしっかり抑制され画面全域での高解像を実現しています。

撮影最短距離38cm、異次元の視点を手に入れる!

 次に先に述べた2の撮影方法で撮影した作例をご紹介します。GF23mmF4 R LMWRは、最短撮影距離38cmと被写体に寄れるレンズです。主役を大胆に構図の中に入れ込むことができます。作例をご覧下さい。青森八甲田のブナ林に幹の形状が1回転して空に向かって伸びているブナがあります。この形状を最大限表現するために、主役である樹が1回転している部分を大胆に入れ込み異次元の視点で構図を考えて撮影しました。この時の私は、人間の視点ではなく自分が小動物になった視点でこのブナを見上げているイメージで撮影しました。
03_富士フイルム GF23mm F4 R LM WRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR ■撮影環境:23mm | F22 | 1/6 sec. | ISO100
 いかがでしょうか?主役を大胆に構図に入れ込むことで、ブナの生命力が伝わってくると思います。GF23mmF4 R LM WRは最短撮影距離38cmと被写体に寄れるだけではなく、GFX100Sとの組合わせによって得られるこの解像力が最大の魅力です。ブナの葉が雨を集めて漏斗のように枝から幹へ筋状に雨水が垂れて来ます。これを樹幹流(じゅかんりゅう)と呼びます。作例は、その樹幹流をしっかりと捉えて実物を目の前で見ているかのように解像しています。まさに空気感が伝わってきます。後述しますが、ナノGIコーティングによる万全の対策の恩恵があるからだと実感できます。

レンズの逆光耐性とラージフォーマットの恩恵

 私のように風景撮影がメインになる方は、超広角レンズで撮影を行う場合に逆光のシチュエーションが多くなると思います。逆光撮影時には、「ゴースト」「フリンジ」「フレア」に気を付けなければいけません。作例をご覧ください。作例を見る限りこれらの現象は皆無です。これはナノGIコーティングによる万全な対策を施しているからこその納得の結果です。
04_富士フイルム GF23mm F4 R LM WRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR ■撮影環境:23mm | F13 | 1/240 sec. | ISO100
 これだけではありません。作例中央下部の人物2名に注目です。拡大したものがこちらです。撮影時は、「白つぶれ」「黒つぶれ」にならないようにヒストグラムを確認しながら撮影をします。 05_富士フイルム GF23mm F4 R LM WRで撮影した作例.png  太陽をまともに入れての逆光撮影ですので、暗部は真っ黒に潰れているようになります。暗部を持ち上げてPCで拡大した時に思わず笑ってしまうくらい驚きました。カラーノイズが殆ど感じられず、人物2名の服装まで分かるくらい情報がしっかりと残っています。ナノGIコーティングによる万全な逆光耐性をはじめとした光学技術を駆使した高精度・高解像度GFレンズの性能。そして、GFX100Sのラージフォーマットの恩恵であるダイナミックレンジが広いことで明暗差に強いことがこれらの恩恵を生み出していると実感できます。まさに「More than FullFrame」たる所以ここにありです。

実際に体験して分かる防塵防滴性能

 前回のレビュー記事でも同じことを書きましたが、この話をする前に私の撮影フィールドである青森県について紹介したいと思います。私は、2016年に仕事で訪れるようになった青森の風景に魅了され写真を撮るようになりました。今もそうですが埼玉県在住なのに青森県以外の撮影地では、全然スイッチが入らず青森県でしか風景を撮影していません。青森県には「奥入瀬渓流」「十和田湖」など美しい景勝地がありますが、なぜかと問われれば「自然環境の厳しさ」と答えると思います。 06_富士フイルム GF23mm F4 R LM WRでの撮影シーン.JPG  太平洋と日本海に囲まれ強風の日が多く、一年の半分を雪で覆われます。特に冬期の八甲田山での撮影においては、-10~15°Cで且つ暴風雪という天候続きで快晴と言う日が殆どありません。今回の撮影期間中にも悪天候の日が続きました。雨・風が強くしっかりとした防塵防滴性能がなければ撮影を断念しなければならない状況でした。この様な状況下でも普段通りに問題なく撮影することができました。防塵防滴性能に助けられるシチュエーションは、必ずしも悪天候の時だけではありません。私は、よく水面ギリギリの際どいところで撮影します。そのようなシチュエーションで撮影した作例を2枚ご紹介します。
07_富士フイルム GF23mm F4 R LM WRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR ■撮影環境:23mm | F6.4 | 1/6 sec. | ISO800
 初秋の奥入瀬渓流になりますが、水面ギリギリのところで撮影する場合は視点が低くなりますので、渓流と森をバランス良く構図に入れるために超広角レンズGF23mmF4 R LM WRが必須アイテムになります。渓流の流れは一定のリズムで流れてはくれませんので、水しぶきや水がレンズに丸かぶりしてしまうこともあります。そのような状況でもしっかりとした防塵防滴性能を備えているので、安心して撮影に集中することができます。  次にさらに防塵防滴性能が必要とされる滝を撮影した作例になります。滝の迫力を切り撮るために滝壺の近くで且つ、ローアングルでの撮影になります。水の流れがさらに激しく不規則になるため、この作例撮影した後にレンズに水が丸かぶりしてしまいました。しかし、防塵防滴性能がしっかりとしているので全く問題なく撮影を続けることができました。
08_富士フイルム GF23mm F4 R LM WRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR ■撮影環境:23mm | F4 | 1/6 sec. | ISO200

GFX100Sとの相性の良さでさらなる高みへ

 ここまでGF23mmF4 R LM WRのレンズ特性に焦点を当ててレビューしてきましたが、カメラとの相性の良さにも触れてレビューしていきたいと思います。富士フイルムのカメラは、長年フィルムメーカーとして培ってきた色の再現性に定評があります。私もこの色の再現性に魅力を感じています。  この色の美しさを表現するために様々な機能があります。富士フイルムと言えば、表現の意図に合わせた色調表現や階調表現を、フィルムを選ぶ感覚で設定することができる「フィルムシミュレーション」が有名だと思います。この他の機能として「カラークロームエフェクト」を活用した作例をご紹介していきます。
09_富士フイルム GF23mm F4 R LM WRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF23mmF4 R LM WR ■撮影環境:23mm | F8 | 1/250 sec. | ISO100
 「カラークロームエフェクト」は、GFX50Sで初めて搭載された機能になります。高彩度な被写体を撮影する時に効果が絶大で、陰影がつきにくくベタッと塗りつぶしたような色飽和状態で描写される現象を軽減してくれます。赤・黄色系統に作用して色飽和を防ぐことでより立体的に表現することができます。効果は「弱(WEAK)」「強(STRONG)」の2段階で設定ができ、私は、「弱(WEAK)」に設定して撮影をすることが多いです。  今回、GF23mmF4 R LM WRのレビューで「カラークロームエフェクト」機能を紹介する明確な理由があります。作例のように超広角レンズを用いて引きの構図、そして朝焼けの陽光を浴びた紅葉を撮影する場合に色飽和を起こしやすくなります。そこで、前述した「カラークロームエフェクト」機能を使うことでより自然に立体的な紅葉の森を表現することとしました。いかがでしょうか?1億画素を超えるGFX100S 、高い解像力を誇るGF23mmF4 R LM WR、そして「カラークロームエフェクト」の掛け合わせによって、赤・黄色に染まった木々がより自然に階調豊かに水面に映り込む紅葉までも立体的に表現することができました。
10_富士フイルム GF23mm F4 R LM WRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:FUJIFILM GFX100s + GF23mmF4 R LM WR ■撮影環境:23mm | F8 | 1/250 sec. | ISO100
 次に「カラークロームエフェクト」の青色版である「カラークロームブルー」機能を用いた作例をご紹介します。「X-Pro3」の登場の際に発表された機能で、青空を撮影する際に非常に効果的です。こちらもGF23mmF4 R LM WRのレビューでこの機能を紹介する明確な理由があります。  普段であればPLフィルターを用いるところですが、今までの経験から超広角レンズでは偏光にムラが生じることがありました。そこで、この機能を利用して撮影することとしました。私は、GF23mmF4 R LM WRのような超広角レンズを用いて広大な風景をする場合に「奥行き」の表現を意識しながら撮影します。青に特化した「カラークロームブルー」は、空の青い色部分に作用して意識している「深み」と「奥行き」、自然な鮮やかさを加えることができました。ただし、この機能の効果はとても強力な印象があり、「強(STRONG)」で撮影する場合はシチュエーションを選ぶ必要があると思います。

まとめ

 GF23mmF4 R LM WRは、画角99.9°と人間の視覚を超越したダイナミックな写真を私にもたらしてくれました。GFX100Sの1億画素のポテンシャルをフルに発揮するためには、レンズ性能も同様に優れていなければ自分が思い描いた理想の1枚は撮れないと改めて実感することができました。GF23mmF4 R LM WRは、現在のところ最も広角なGFレンズとなります。先日の「X Summit PRIME 2021」にて2022年に最広角ズーム20-35mmの製品開発発表があり、その登場が待ち遠しいですが、単焦点ならではの空気感を写し込む高い解像力を有しているGF23mmF4 R LM WRは今後もGFレンズ群の中で唯一無二の存在として君臨し続けることと思います。  今回の撮影に際して、リニアモーターの駆動で高速・高精度・静音のAFも魅力的で、目まぐるしく変わる自然環境の中で撮影する私にとって強い味方となってくれました。また、撮影しながら実感したことがですが四隅までしっかりと解像し且つ、しっかりと抑制されたディストーションも自然風景以外に建築物などを撮影される方々にも強い味方となってくれるはずです。GF23mmF4 R LM WRは、あなたにとって異次元の視点をもたらす最高の相棒になってくれるはずです! ※最後に自然風景を撮影する上で撮影ルールを守り、安全に撮影することを第一に考えて撮影されて下さい。今回の作例は、青森県八甲田・十和田湖周辺域を中心にご紹介させて頂きました。どの作例も無理をせずに安全に撮影できる場所を選んで撮影しています。カナディアンカヌーでの十和田湖の撮影に関しても「十和田湖ガイドハウス櫂(かい)」の早朝・十和田湖カヌーツアーに参加し、ガイドの安全なサポートのもと撮影をしています。 ■写真家:八島和浩 1979年福島県生まれ、埼玉県在住。2016年より仕事で訪れるようになった青森県の情景に魅了され独学で写真を始める。主に青森の風景を撮影している。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の八島和浩さんが富士フイルム GF23mm F4 R LM WRをレビューしています。1億画素のセンサーを持つGFX100Sに装着して風景撮影で本レンズの性能を確認していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,レンズ,GF23mm F4 R LM WR,レビュー,八島和浩 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ソニー FE 16-35mm F2.8 GM × 動画クリエイター DAIGEN|Vlogにも最適な万能レンズ BASENAME: 484445698.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: だいげん DATE: 11/26/2021 16:00:00 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 16-35mm F2.8 GM,動画クリエイター,広角ズーム ----- BODY: 01_top.jpg

はじめに

 こんにちは、だいげんです。本日はソニーのFE 16-35mm F2.8 GMレンズをレビューします。このレンズは普段自身のYouTubeチャンネルにアップするVlogや、お仕事の映像制作を撮影する際に大変使いやすい焦点距離のズームレンズです。  まずは作例をご覧ください
■フリースタイルバスケットボーラー:Yuji (https://www.instagram.com/yuji_fsb/)
06_作例.jpg
■撮影機材:SONY FX3 + FE 16-35mm F2.8 GM ■撮影環境:F2.8 1/160秒 ISO3200
07_作例.jpg
■撮影機材:SONY α7S III + FE 16-35mm F2.8 GM ■撮影環境:F3.2 1/80秒 ISO2000
08_作例.jpg
■撮影機材:SONY α7S III + FE 16-35mm F2.8 GM ■撮影環境:F2.8 1/100秒 ISO400

16-35mmという焦点距離

 16mmという焦点距離はワイドでダイナミックに撮れる画角です。35mmは普段見ている視野に近い画角です。  16-20mmぐらいは自撮りをするのにも適している焦点距離ですので、例えばVlogを撮影する際にも活用しやすいのではないかと思います。35mmにするとボケ感も出やすくなってきますので、おしゃれに見せたいMVや企業のPRムービーにも使いやすいのではないかと思います。
02_画角比較.jpg
16mmと35mmの画角の違い
 F2.8と比較的明るいレンズでもありますので、夜間の撮影でもノイズを載せることなく綺麗な表現ができるのも特徴の1つだと思います。

AF性能

 AFはものすごく速いです。今回の作例は動きの速い被写体を撮影していましたが、フォーカスを外すことなくどのカットもスムーズに撮影することができました。
 今回の作例で使用したボディはα7S IIIということもあり、ボディの性能に助けられている面はあると思いますが、純正レンズとの組み合わせでのフォーカス性能は安定していて安心して撮影できました。  私は二児の父でもありますので、動きの予測のつかない子供の撮影もしっかりとフォーカスが食いついてくれるのは嬉しいところだなと思います。

手ブレ補正

 α7S IIIとの組み合わせで手ブレ補正もかなり効くなと感じました。  作例では普通に歩きながら撮影しますが、ガクガクした手ブレはあまり感じられません。何も気にせず歩きながら撮影して、これぐらい手ブレが抑えられるのであれば十分だなと感じました。

重量とブリージングが弱点

 弱点としてはレンズの重さで、このFE 16-35mm F2.8 GMは約680gあります。今回の作例はFX3にこのレンズをつけて撮影したのですが、やっぱりちょっとずしっとした感じはありました。ジンバルとマンフロットの一脚を使ってのハイアングル撮影では、ある程度の腕力が必要だなと感じました。
03_装着例.jpg
ソニー FX3に装着した際のサイズ感
 フォーカスブリージングも結構あります。フォーカスブリージングというのはフォーカスが合う位置が前後で変わると、それに合わせて画角が少し動いてしまう現象です。レンズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。  このレンズを使う際には、ブリージングが起きやすいレンズであると頭に入れながら撮影しておくといいんじゃないかなと思います。

NDフィルター問題

 動画を撮影する時に必須アイテムのひとつとしてNDフィルターがあります。NDフィルターはレンズにつけるサングラスみたいなもので、これで光量を調節します。
04_NDフィルター.jpg
光量を調節できるNDフィルター
 16mmの広角側で使うとどうしても四隅が暗くなっちゃいます。特にNDフィルターの暗さを濃くした場合に顕著になりますが、どうしても四隅の暗さが気になる場合にはシャッタースピードでもある程度明るさを調整してあげると良いかもしれません。  もしくは可変式のNDフィルターではなく、固定式のNDフィルターを使うという手段もあります。いずれにせよ広角というレンズの特性ゆえの工夫が必要かなと思います。
05_周辺減光.jpg
広角側で撮影すると四隅の減光が見られる

まとめ

 本日はソニー FE 16-35mm F2.8 GMレンズを紹介しました。僕はこのVlogやクライアントワークにもこのレンズを使っていきたいと思います。  もう少し大きなボケが欲しい、人物を中心に撮影したいという時は前にご紹介したFE 50mm F1.2 GMレンズがおすすめです。この2本の組み合わせであれば大体どのようなシーンでも撮影できるのではないでしょうか。ぜひ一度カメラのキタムラ店頭などで試してみてください!
■動画クリエイター:だいげん 日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像製作。北海道出身、大阪在住。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 動画クリエイターのだいげんさんによる、ソニー「FE 16-35mm F2.8 GM」レビュー記事です。Vlogにも最適な広い画角と高画質な映りを、動画作例とともにご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,広角ズームレンズ,FE 16-35mm F2.8 GM,レビュー,動画クリエイター,だいげん ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ライカ × ポートレート × 水咲奈々 Vol.1|ライカM10-R BASENAME: 484508235.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 11/27/2021 11:00:00 TAGS: ライカ(Leica) ボディー,M10-R,ライカ × ポートレート連載,ポートレート(人物),フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: Ν_L_ライカ M10-Rでの作例.JPG

ライカの波に乗ってみよう

 写真家になり色々なカメラを使ったが、実はまだライカのカメラを使ったことはなかった。しかし今年、ライカのオールドレンズの描写力に圧倒され、急激にライカブランドに興味が湧いてきた。  新宿 北村写真機店で9月に開催した写真展では、隣のフロアーがライカサロンだった。ふと周りを見回すと、デジタル・フィルム共にライカのカメラを所持している写真愛好家も多い。興味がないことには盲目になる私の目に、今ライカという文字が飛び込んできたのなら、その波に乗ってみよう。

ライカで日本人女性を撮影したポートレート作品が見たい!ので自分で撮ってみた

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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO100 ■モデル:大川成美
 ライカが気になりだしてから、WEBでレビュー記事を検索して色々と見てみたが、モノクロのナイスミドルなおじさまのポートレートは沢山見つかるのだけど、女性のポートレートが少ない!これではポートレートを撮りたいユーザーの購入の参考にならないじゃないか!という、もっともらしい理由を掲げて、ライカM10-Rで自由にポートレート撮影をする機会をいただいたので、ご覧いただきたい。
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■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100 ■モデル:大川成美

モデル・大川成美という女性

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■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH. ■撮影環境:f/1.5 1/250秒 ISO100 ■モデル:大川成美
 ライカM10-Rでポートレートを撮ろうと思ったときに、モデルとして真っ先に浮かんだのが大川成美さんだった。彼女を初めて撮ったのは2018年。カメラ雑誌のレビュー記事のモデルとして、編集者に呼ばれていた。成美さんを初めて撮影したレンズも、マニュアルフォーカスのレンズだった。  ピント合わせを手動で行うマニュアルフォーカスのレンズでポートレートを撮るときは、オートフォーカスの撮影よりも、モデルと息を合わせることが重要になってくる。  ピントをシビアに追い込みたいときに動かれてしまうと撮影が進まないが、あまりにも微動だにされなくても作品のバリエーションがなくなってしまう。細かい指示をあれこれしたいような複雑なポーズのときも、自分の口を沢山動かすと当然手元も動き、ピントのズレが気になってくる。  そんなときはモデルの勘の良さが、作品の出来を左右することがある。成美さんの撮り手の意図を読む勘の良さと、それを全身で表現するセンスは、これぞ一流の表現者と感動できるレベルである。もちろん、彼女だって天才のように最初から何もかもができた訳ではなく、ガッツのある彼女がこれまで積み上げてきた成果だろう。  今回は、彼女の身体に一本通った「芯の強さ」をテーマに撮影を行った。撮影前にはここまで具体的にテーマは決まっておらず、何となくこんな感じで……くらいの、ふわっとしたイメージしかなかった。このテーマに定まったのは、ライカM10-Rで最初の1枚を撮影してからだ。
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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO100 ■モデル:大川成美

黒に惚れる

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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO100 ■モデル:大川成美
 ファーストカットを見た瞬間、私もこれで撮ってもらいたいと思った。肌の透明感は高く、質感は陶器のように滑らかに再現されている。そして特筆すべきは、黒色の締まりの良さ。不自然ではない、でもぐっと強く引き締められた黒色は、びっくりするほど私の好みだ。  今回の掲載作品はすべてJPEG撮って出しで、露出も、色味も、トリミングも何もしていない、現場で撮ったそのままの状態でご覧いただいている。もちろんRAWでも撮影しているのだが、できることならそのままの色味を楽しみたくて、JPEGでも撮影していたのが大当たりした。  ライカM10-RのJPEG設定の「コントラスト」、「シャープネス」、「彩度」はすべて標準のまま。ストロボやLEDライトなどは使用せず、自然光のみで撮影している。
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■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100 ■モデル:大川成美
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■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO200 ■モデル:大川成美

街中ポートレートのカメラ設定

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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO200 ■モデル:大川成美
 街中のポートレート撮影だったため、今回はライブビューを多用して撮影を行った。レンジファンダーを覗いて小さな四角を合わせる作業は大変好物なのだが、そこに集中し過ぎてしまうと、街ゆく方々の通行の妨げになってしまうこともあるので、周囲にも意識を向けたいときは、ライブビューで撮影を行うようにしている。  フォーカスピーキングの色は、青、緑、ホワイト、offから選択できるが、デフォルトが赤だったのでそのまま使用してみた。撮影時に被写体を自動的に拡大表示する「MFアシスト」は、オートではなくマニュアルにして、必要なときだけフォーカスボタンを押すか、モニター画面をダブルタップして呼び出して使うほうが私は撮影しやすい。シャッターボタンを半押しすると拡大表示が解除されて、構図全体が確認できるのは大変ありがたかった。  撮影中にモニター画像で露出の確認ができるように、露出シミュレーションはホールドに設定。ホワイトバランスはオート、測光モードは中央重点測光を使用した。
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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO800 ■モデル:大川成美

ある機能を見直すきっかけをくれたライカM10-R

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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO800 ■モデル:大川成美
 今年はマニュアルレンズの年なのかというほど、今までで一番マニュアルフォーカスで撮影した年だった。この1年で様々な撮影方法を体験したが、ライカM10-Rのフォーカスピーキングの精度の高さと、液晶画面での確認のしやすさは、ピント合わせの時間が半分になるほど快適だったので、私的2021年度フォーカスピーキング王の名称をお贈りしたい。  ここだけの話、私はマニュアルフォーカスの撮影でも、フォーカスピーキング機能をオフにしてしまうことが多い。撮影している画像に、実際の像以外のモノが表示されるのが嫌いなのだ。  だがしかし、自分が今まで撮影したことのないカメラの波に乗ってみようとしているのだ、ここは今まで敬遠していた機能も使ってみるべきではないか。結果、液晶に直射日光が当たるような見にくいシーンでも、ピント合わせが容易に行えて便利だった。以降、ライカM10-Rではこの機能を使用していこうと深く思った。
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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2 1/250秒 ISO100 ■モデル:大川成美

今回出会ったレンズたち

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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO200 ■モデル:大川成美
 今回、ライカM10-Rには「アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.」と「ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.」の2本のレンズを組み合わせて撮影した。  ライカM10-Rと「アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.」のコンビネーションは鉄板で、実際に所持したらこのセットでしか撮らないのではないかと思うくらいだった。シャープで鋭い切れ味のピントとボケの滑らかな美しさはもちろん、ボディとバランスの良いサイズとデザインに惚れ惚れした。  「ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.」は重量があるので、ライカM10-Rのストレートなボディと組み合わせると長時間の撮影は少々手に疲れを感じるが、撮影後に大きなモニター画面で写真を確認すると「ああ、もっと撮ればよかった」と思ってしまうほど、私好みの湿度の高い空気感を写し込んでくれていた。  絞り開放での描写はもちろん美しいのだが、少し絞って丸ボケに表情をつけると、今回のテーマに合った強いムードが出せて面白かった。
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■撮影機材:ライカM10-R + ズミルックスM f1.5/90mm ASPH. ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO200 ■モデル:大川成美

ライカM10-Rと私

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■撮影機材:ライカM10-R + アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH. ■撮影環境:f/2.4 1/90秒 ISO100 ■モデル:大川成美
 撮影の最後に、シャッタースピードを遅くして、わざとブラした写真が撮りたくなった。優等生じゃない写真が撮りたくなった。ふと、カメラに撮らされているんじゃないかと感じた。だとしても、新しい何かに出会えるなら、それもいいかも知れない。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。

ライカM10-Rはこちらの記事でもご紹介しています

■ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。vol.5|ライカ M10-R+ズミクロン M f2.0/50mm(山本まりこさん執筆) https://shasha.kitamura.jp/article/480546122.html ■ライカ M10-Rレビュー|コムロミホ https://shasha.kitamura.jp/article/478831121.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんがライカを使ってポートレート撮影を行い、その魅力を紹介する連載企画です。Vol.1ではM10-Rを使って撮影を行いました。 ----- KEYWORDS: ライカ,Leica,M10-R,ポートレート ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 冬の星景写真には必須!!ソフトフィルター活用術 BASENAME: 484502398.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 成澤広幸 DATE: 11/28/2021 11:00:00 TAGS: ケンコー・トキナー(KenkoTokina) アクセサリー,ソフトフィルター,レンズフィルター,星景/夜空/星空/天体 ----- BODY: TOP.jpg

冬だ!星空が美しいシーズンのスタートだ!

 「冬は星空がきれい」と言われるのはなぜでしょう?星空の撮影に大きく影響を及ぼすのは、空気中の水分・水蒸気です。これが空を霞ませ、星空の写真写りを悪くしてしまいます。冬は乾燥し空気中の水蒸気が少なくなるため、空が霞まずに透明度があがります。冬は星空がきれいということの理由がこれです。地球と星の間にある空気のカーテンがクリアになって、写真写りが良くなるんですね。  今回はそんな冬の星空という被写体について、そして特に冬の星景写真の撮影において効果を発揮するソフトフィルターの活用術についてご紹介します。

冬の星景写真の悩み

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■撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ■撮影環境:ISO3200 f2.2 SS15秒 WB:蛍光灯 画像処理なし
 さて、空気が美しい冬の期間ですが、冬の天の川は夏とは違い濃淡が少なく、少々ダイナミックさに欠けることが悩みです。冬の天の川は光の弱い星(微光星)の集まり。知識を持たずに夏の天の川のイメージを持ったまま冬の星空を撮影にいくと……あれ?なんかイメージと違う?となります。  天の川は常に同じではなく、春夏秋冬で撮影できる領域が変わってくるんですね。また、近年発売されているレンズはとても高性能・高画素のため、星が小さく写りちょっとシャープすぎる感があって星座の形がわかりづらい。そんな冬の星空撮影で活用できるのが、実は「ソフトフィルター」なんです。

星景写真でソフトフィルターを使うメリット・デメリット

 冬の星空の特徴は、1等星と呼ばれる明るい星が多いということ。そして、青や黄色など星の色が複数存在することです。また、すばるやオリオン大星雲など、大きな星雲・星団があるのも特徴です。下の画像を見てみましょう。Kenkoのソフトフィルター「PRO1D プロソフトンA(W)」の使用あり・なしの作例です。星が大きく滲んでいるのがわかります。それによって「星座感」が出て、オリオン座などの形がわかりやすくなっていますね。これがソフトフィルターの効果です。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T2 + XF16mmF1.4 R WR ■フィルター:Kenko PRO1D プロソフトンA ■撮影環境:ISO8000,f2.2,SS20秒 Adobe Photoshop CCで画像処理
 明るい星ほど、レンズの焦点距離が長いほど、星が大きく滲みます。そしてソフトフィルターを使うと星の色も強調されています。色は、光があって初めて感じることができます。ただでさえ自然光の少ない星景写真の撮影では、写真をカラフルに見せるのがとても難しいのです。星の色が出ているかどうかは、色の演出においてとても重要な要素であると言えるでしょう。夏と比べると天の川が地味な冬ですが、その代わりに明るい1等星が多いため、冬の星空はソフトフィルターとの相性が抜群なのです。  反面、ソフトフィルター使用時のデメリットもあります。下の画像を見てみましょう。Kenko PRO1D プロソフトンA(W)を使用しています。星は大きく滲んだものの、明るい夜景の光も大きく滲んでちょっとうるさい感じになってしまいました。また、富士山の稜線もソフトがかってぼやけてしまっています。星にはソフトフィルターが効果的ですが、こうした明るい夜景や街灯には不向きであり、風景部分のシャープさを保てなくなってしまうことがわかります。
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■撮影機材:FUJIFILM X-T2 + XF16mmF1.4 R WR ■撮影環境:ISO3200 f2.5 SS20秒 Adobe Photoshop Lightroom Classicで画像処理
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富士山部分を拡大。稜線のシャープさに違いが出ている
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夜景部分を拡大。光が大きく滲んでいることが分かる
 そして、周辺の星が四隅に引っ張られるように描写されてしまいますね。これはレンズの収差性能をもろに受けてしまうためです。傾向として広角になればなるほど、レンズの前玉が小さく湾曲した設計のものほどこのような写りになります(このようなレンズは建物などをまっすぐ撮るような、昼間の風景写真向けの設計です。星空撮影には向かないというだけで、レンズの良し悪しではないことに注意)。  そのため、このような歪みが気になる場合は、広角すぎない焦点距離24mm前後で前玉の大きなレンズを選ぶと良いでしょう。このあたりは個人差ですが、私の場合は多少周辺が歪むのは気にしていません(もちろん程度によります)。それよりも星空をきらびやかに描写することの方にメリットを感じており、超広角レンズ使用時には周辺に明るい星を入れないように配慮する、などの対処をしております。
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■撮影機材:SONY α7S II + TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD ■フィルター:Kenko プロソフトンクリア ■撮影環境:ISO8000 f2.8 SS20秒 Adobe Photoshop CCで画像処理
 上の画像は超広角レンズを使用したソフトフィルター作例です。左上の明るい星「アルクトゥルス」の形が歪んでいますが、ソフトフィルターなしでは右上の「北斗七星」の星座感が出せません。なるべく構図の最周辺からアルクトゥルスが離れるようにして、歪みを最小限に抑えました。それでも左上に向かって楕円になっていますが、この構図では他の描写を優先した妥協点と言えるでしょう。

星景向けソフトフィルターに求めること、Kenkoソフトフィルターが定番の理由

 星景写真にソフトフィルターを使用した表現が効果的であることはご理解いただけましたでしょうか。しかしながら、ソフトフィルターならなんでもよいかというそうではありません。ソフトフィルターのぼかし効果にも様々なものがあります。  星の周りに不思議なゴーストが発生したり、星がおにぎりの形になったり、星が不鮮明にぼけたりといった現象が発生するものもあります。星をきれいな円で表現できる、という描写で人気があったのがKenkoのソフトフィルターなのです。Kenko製ソフトフィルターは星景写真の写真表現を広げる最も優れたものとして、長らくユーザーから愛されてきたのでした。
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「浅間山に沈むオリオン座」 ■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + Tokina atx-m 33mm F1.4 ■フィルター:Kenko ハーフプロソフトンA 100x125mm ■撮影環境:ISO8000 f2 SS5.6秒 Adobe Photoshop CCで画像処理
 私がソフトフィルター使用時に好きな構図が、標準レンズ程度の画角で低い位置の星座と風景を収めること。焦点距離が長くなると速いシャッタースピードで撮影することができ、周辺部の星の形が歪むことも少ないです。圧縮効果で星座を大きく見せることができるのも撮影していて楽しいポイント。個人的にはハーフプロソフトンAはこんな撮影のときに最も効力を発揮する気がしています。この作例のように浅間山はシャープに、でも星しっかりとにじんで、きらびやかな星座感を演出することができています。

Kenkoから発売されているソフトフィルターいろいろ

 さて、Kenko製ソフトフィルターが星景写真の撮影においてベストチョイスであることは前述の通りですが、実はKenkoからはいくつかソフトフィルターが発売されています。

①PRO1D プロソフトンA(W)

画像13.png  薄枠タイプの丸型ソフトフィルターで広角レンズ使用時のケラレが少ない。元々はポートレート用のフィルターでしたが、たまたま星景写真で使用すると星の形がきれいな円になり、にじみが美しいことが注目され、星景写真のスタンダードとして使用されてきました。ポートレート用だけあってにじみはやや強め。星空の演出を大きく見せたい時におすすめ。風景部分がシルエットに近い状態などが特に適している構図になると思います。

②PRO1D プロソフトンクリア(W)

画像14.png  ポートレート用で開発されたものを星景写真に流用するというのが定番だったのに対し、星景写真専用に開発されたのがこの丸型フィルター。従来のプロソフトンAではにじみが強く、風景部分の描写への影響が大きいというユーザーの意見を反映し、星もほどよくにじませつつ、風景部分に影響が少ないちょうどよいソフト効果(プロソフトンAの約半分)を実現しました。星景写真の新しいスタンダードソフトとして定着しつつあります。

③ブラックミストNo.1/No.05

画像15.png  こちらは映画のようなミスト感を出すことを目的として開発されたフィルター。私も動画撮影時には愛用しています。逆光撮影時に効果が出やすいという特徴があり、独特のフレア感を求めて使用することが多いです。他のフィルターとは違って、No.1がもっとも効果が強く、No.05が効果が弱い。私は動画撮影時にはNo.05を使用しています。

④ハーフプロソフトン(A) 100x125mm、130x170mm

画像16.png  こちらは他の3種とは違い、丸型フィルターではなく角型フィルターです。使用には専用のホルダー+アダプターリングが必要となります。角型フィルターは構図内の特定の部分に効果が得られるように角度を変えたり、上下に動かすことができるようになっています。これを使用することにより、星空の部分だけにソフト効果をかけ、風景部分はシャープなまま撮影をすることができます。

角型フィルターの装着方法について

 今回、専用ホルダーはCokin製のものを使用しました。角型フィルターの装着方法は以下の動画のようになります。
 Cokin製の専用ホルダーはサイズごとに3種類発売されていますが、星景写真で使用するなら100mm幅角型タイプ・130mm幅角型タイプがおすすめ。通常のレンズであれば100mm幅、大口径・超広角レンズなら130mm幅がおすすめです。大口径・超広角レンズになるとホルダーが映り込んでケラレが発生しやすくなるため、角型フィルターも幅の広いものを使用することが必要になります。また、ホルダーにも2種類あります。

①Cokin フィルターホルダー

画像17.JPG  樹脂製で軽量。角型フィルターのみを使用する設計になっています。100mm幅角型フィルターにはZ-PROフィルターホルダー [BZ100]、130mm幅角型フィルターにはX-PRO フィルターホルダー [B100A]が適合します。

②Cokin EVO フィルターホルダー

画像18.jpg  高強度のアルミ製フィルターホルダー。付属の丸形フィルタープレートを装着することで、丸型フィルターも使用できるようになります。角型フィルターとC-PLフィルターなどを使用したい場合に効果的。100mm幅角型フィルターにはEVOフィルターホルダーL[BZE01]、130mm幅角型フィルターにはEVOフィルターホルダーXL[BXE01]が適合します。  また、フィルターネジのない出目金レンズのタイプには、ユニバーサルリング[X499N]を使用することで角型フィルターを装着することができます。 画像19.png 画像20.jpg

ソフトフィルター別に撮り比べてみました!

 まずは円形フィルター3種を試してみます。それぞれ星がにじんでいますが、この時点でブラックミストは星景写真には不向きと言えそうです。輪郭を残しつつふわっとさせるというか、同じソフトフィルターでもだいぶ効果が違うものですね。ブラックミストは動画撮影などで人気のある素晴らしいフィルターで(実は私も愛用しています)、ユーザーから星で使えますか?という質問が多かったのですが、今回の結果を見ると星景写真ならプロソフトンAやプロソフトンクリアを選んだ方が良さそうです。
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■撮影機材:FUJIFILM GFX100S + GF32-64mmF4 R LM WR ■撮影環境:ISO12800 f4 SS15秒 AWB
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星空の写りを拡大比較
 今度は風景部分のソフト感も検証したいと思います。富士山とオリオン座の構図を狙ってみました。フィルターなしだとやはり星座感がなく主題が曖昧な感じになりますね。それではソフトフィルター使用時の比較をしてみましょう。今回はハーフプロソフトンも使用してみました。
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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + Tokina atx-m 33mm F1.4 ■撮影環境:ISO6400 f1.4 SS4秒 画像処理なし
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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + Tokina atx-m 33mm F1.4 ■撮影環境:ISO6400 f1.4 SS4秒 画像処理なし
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上の4枚を拡大比較
 このような構図だと、星のにじみ加減よりも風景部分(富士山)の描写が気になりますね。プロソフトンAは風景部分の描写がかなり甘くなります。プロソフトンクリアだとそれが弱まります。ハーフプロソフトンはさすが風景部分はきっちりとシャープに撮影できていますね。プロソフトンAだと富士山がにじみすぎ、プロソフトンクリアだとまだ妥協できる、という感じでしょうか。

星座写真でもソフトフィルターは使える

 星空のみを写す、星座を写すという場合にもソフトフィルターは有効です。このような場合は「プロソフトンクリア」がおすすめ。プロソフトンAだと、明るい星よりも細かい星・微光星の描写にもにじみが及ぶのが気になってしまいます。星座を演出する明るい星だけをにじませ、背景の天の川などの微光星はそのままにしておきたい、というのが理想です。
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■撮影機材:FUJIFILM X-S10 + Tokina atx-m 56mm F1.4 ■撮影環境:ISO3200 f4 SS30秒 AWB Kenko スカイメモSで追尾撮影 画像処理なし

光害カットフィルターとの併用もOK

 PRO1Dタイプのフィルターは薄枠タイプのため、フィルターの重ねがけにも対応しています。星景写真では人気のある光害カットフィルター「スターリーナイト」などとソフトフィルターを併用することも可能です。 starrynight.png
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■撮影機材:SONY α7S II + TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD ■フィルター:Kenko プロソフトンクリア+スターリーナイトなし/あり ■撮影環境:ISO6400 f2.8 SS20秒 AWB

まとめ

 いかがでしたでしょうか。フィルターワークは星景写真の世界でも欠かせないものになっています。こうした機材を活用し、常に写真表現に幅を持たせるようにしましょう。いざというときに何をどう表現したいのか、その選択肢を広げる機材のひとつが、フィルターだと思っています。  プロソフトンクリアについては、私のYouTubeチャンネルでも紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
■写真家:成澤広幸 1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。 ・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」 ・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 星空写真家の成澤広幸さんに、星景撮影時のソフトフィルター活用術を解説していただきました。各種フィルターの写りの違いも検証、ソフトフィルター選びの参考にしてみてください。 ----- KEYWORDS: ケンコー・トキナー,ソフトフィルター,撮影テクニック,星景,星空撮影,成澤広幸 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: オリンパス PEN E-P7|プロファイルコントロールで描く旅と日々 BASENAME: 484541190.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: クキモトノリコ DATE: 11/29/2021 16:00:00 TAGS: オリンパス(Olympus) ボディー,PEN E-P7,マイクロフォーサーズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: E-P7-2.jpg

はじめに

 2021年6月に発売されたOLYMPUS PEN E-P7は、これまでのOLYMPUS PENシリーズのデザインを踏襲しつつ、操作性の良さを極力損なわず、機能面は充実していて、それでいて小型軽量と、”いいとこ取り”のようなカメラではないでしょうか。中でも以前のPEN-Fに搭載された「プロファイルコントロール」機能が、PEN-Fよりもさらに充実して搭載されたことが大きな特徴のひとつだと感じます。  今回、このE-P7を連れて訪れた金沢、そして地元・神戸での写真を交えてこのプロファイルコントロールがどのようなもので、どんな写真が撮れるのかをご紹介します。
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■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/200秒, +1.7EV, ISO 200, モノクロプロファイル3(粒状フィルム効果 中) たまたま同じ日程で金沢を訪れていた知人と合流、娘さんの洋服の黒と白、そして頭上の空の黒さと壁の白さが印象的な一枚になりました

プロファイルコントロールについて

 そもそも、プロファイルコントロールって何?そう思われる方も多いのではないでしょうか。カメラがフィルムからデジタルになり、さらにデジタルカメラもどんどん進化して、今や誰でも簡単に高画質でいわゆる「きれいな写真」を撮ることができる時代になりました。  一方で、昔も今も「表現」として1枚の写真の細部にこだわり、作り込んで「自分の作品」として仕上げる方も多くいます。そのためにはまず撮影時に、必要であれば特殊なフィルターを使って撮影し、フィルム写真であれば暗室での現像・印画紙への焼き付けで様々な技術を駆使したり、プリントを請け負うお店に指示を出して思い描く1枚に仕上げます。一方でデジタルカメラになっても、カメラ上でできることには限りがありPCソフトなどでやはりさまざまな機能や技術を駆使して仕上げることが必要でした。それが、あとで暗室やPC上で行う作業を撮影時に直感的にカメラ上でできてしまう……!そんな画期的な機能がこのプロファイルコントロールなのです。  モノトーン撮影とカラー撮影のそれぞれにプロファイルコントロールが用意されているのですが、まずはそのどちらにも共通する機能からご紹介します。

設定について

 まず、この機能は色の仕上がり設定部分に当たるため、撮影モードはP/A/S/Mのいずれのモードでも使用が可能です。通常の仕上がり設定(ピクチャーモード)と違う点は、カメラ本体のフロント側、右手のグリップとレンズの間にある「プロファイルコントロールスイッチ」で切り替えること。PEN-Fではカラープロファイルとモノクロプロファイルでスイッチを切り替える仕様になっていましたが、E-P7はカラーとモノクロをまとめて「プロファイルコントロールを使うか否か」の二択になり、操作がシンプルになりました。  プロファイルコントロール画面の中にモノクロプロファイルから始まり、同列でカラープロファイルの選択肢が並んでいます。尚、撮影中の設定変更はカメラ上部にある「ショートカットボタン」でいつでも設定画面を呼び出すことができるとともに、OKボタンで呼び出すスーパーコントロールパネルからの設定変更も可能です。  最初に、モノクロプロファイルとカラープロファイルのどちらにも共通の設定からご紹介します。(メニュー画面の表記が見やすいよう黒背景でキャプチャしております)
コントロールスイッチ.jpg
右手で簡単に切り替えできるプロファイルコントロールスイッチ
ショートカットボタン.jpg
カメラ上部にあるショートカットボタン
モノクロプロファイル.jpgモノクロプロファイルコントロールカラープロファイル.jpgカラープロファイルコントロール

シェーディング効果

PB251567_Shading.jpg  写真の四隅を暗く落としたり、反対に白くぼかしたりするシェーディング効果。写真を見る人の視線を真ん中に誘導し、被写体を強調する効果があります。もともとはアートフィルターの効果の追加で登場したものの特定のアートフィルターでしか使えませんでしたが、PEN-Fのプロファイルコントロールでこの機能が搭載され、E-P7にも引き継がれています。アートフィルターを使わない写真でもこの効果を足せるようになったこと、そして効果の強弱を黒白それぞれ5段階で調整できる点がとても使いやすいですね。尚、あれこれ変更した設定は、OKボタンの長押しであっという間に規定値に戻してくれます。(後述の設定もすべて同様です)  金沢の「にし茶屋街」で、マトリョーシカに似たお人形さんが外の通りに向かって手を振っていました。いつもは周辺減光に使うことの多いシェーディング効果ですが、ここでは白くぼかしてこのお人形さんをまあるく囲むことでなんだか額縁に入っているようにも見えます。 ■モノクロ:モノクロプロファイル4
シェード2.png
左からシェーディング効果 -5 / -2 / 0 / +2 / +5
■カラー:カラープロファイル4
シェード1.png
左からシェーディング効果 -5 / -2 / 0 / +2 / +5
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F9.0, 1/13秒, +0.3EV, ISO LOW(100), WB 晴天

ハイライト&シャドウコントロール

 今やPEN / OM-Dのいずれの機種にも搭載されているハイライト&シャドウコントロール。一般的には撮影後に画像処理ソフトを使って行うことが多いと思われるトーンカーブの調整が、カメラ上で、しかも撮影時にできてしまうというこの機能。全機種共通の「スーパーコントロールパネル」からの設定が可能な他、このプロファイルコントロール機能からも簡単にアクセスできます。  ハイライト部分を明るく、シャドウ部分は暗くするS字カーブに整えてコントラストを強くしたり、その逆でコントラストを低くしたりできる他、中間調を整えるミッドトーンの調整も行うことができ、さらにハイライトやシャドウにミッドトーンの調整を組み合わせることも可能です。
トーンカーブ.png
下記作例のハイライト&シャドウコントロールの設定
 金沢の「ひがし茶屋街」で見つけたレトロな看板。コントラストを変えることで、看板や建物の存在感や印象が変わることがわかります。 ■モノクロ:モノクロプロファイル1
06_M.Pro1.JPGハイライト0 シャドウ0 ミッドトーン007_M.Pro1_Hi+7_Sd-7.JPGハイライト+7 シャドウ-7
08_M.Pro1_Hi-7_Sd+7.JPGハイライト-7 シャドウ+709_M.Pro1_Md+7.JPGミッドトーン+7
10_M.Pro1_Md-7.JPGミッドトーン-711_M.Pro1_Hi+7_Sd-7_Md+7.JPGハイライト+7 シャドウ-7 ミッドトーン+7
■カラー:カラープロファイル1
12_C.Pro1.JPGハイライト0 シャドウ0 ミッドトーン013_C.Pro1_Hi+7_Sd-7.JPGハイライト+7 シャドウ-7
14_C.Pro1_Hi-7_Sd+7.JPGハイライト-7 シャドウ+715_C.Pro1_Md+7.JPGミッドトーン+7
16_C.Pro1_Md-7.JPGミッドトーン-717_C.Pro1_Hi+7_Sd-7_Md+7.JPGハイライト+7 シャドウ-7 ミッドトーン
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/100秒, -0.7EV, ISO 800, WB 晴天日陰

モノクロプロファイルコントロール

カラーフィルター効果

 フロントダイヤルでフィルターの色を選択することでそれぞれのフィルター効果を得ることができ、さらにリアダイヤルでフィルター効果の強弱を3段階から選択することができます。これにより、選択したフィルターと同系色の被写体は明るく、補色にあたる被写体は暗く写り、特定の色の明暗を強調することができます。  モノクロ撮影時にレンズの先端に装着するカラーフィルターが内蔵されたイメージで、フィルターを何枚も持ち歩かなくて済むのは非常に有難いですね。尚、フィルター効果は通常のモノクロ設定であるピクチャーモードの「モノトーン」でも、OKボタンを押して呼び出す「スーパーコントロール」で「なし / 黄色 / オレンジ / 赤 / 緑」を選択することが可能です。(ただし効果の調整はできません)
PB251565.jpgカラーフィルターなしPB251566.jpgカラーフィルター赤 Level+2
 神戸の「南京町」で見つけた看板の一部。中華街なだけあって赤が印象的ですが、赤のフィルターを選ぶことで赤が白っぽくなり、反対色にあたる青やシアンのフィルターでは黒くなることがよくわかります。
01_Natural.JPGナチュラル
02_None.JPGカラーフィルターなし03_Ye.JPG黄色+304_Or.JPGオレンジ+3
05_Rd.JPG赤+306_Mg.JPGマゼンタ+307_Bl.JPG青+3
08_Cy.JPGシアン+309_Gr.JPG緑+310_Yg.JPG黄緑+3
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F4.0, 1/100秒, -0.7EV, ISO 400, WB 曇天, モノクロプロファイル1
 金沢の冬の風物詩ともいえる兼六園の「雪吊り」が設置されていました。この日はちょっと不安定なお天気で、通り雨のあとすぐに晴れ間が戻ったところで撮影。赤のフィルターを濃くしていくことで、青空がどんどん暗くなる一方で、画面左端で紅葉した木が白っぽくなっていくのがわかります。
01_Natural.JPGナチュラル
02_Red 0ff.JPGフィルター赤Off03_Red Level1.JPG赤 Level+1
04_Red Lever2.JPG赤 Level+205_Red Level3.JPG赤 Level+3
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/200秒, +0.7EV, ISO 400, WB 晴天, モノクロプロファイル1

粒状フィルム効果

 モノクロの銀塩フィルムのようにザラッとした粒状感を加えるこの機能。OKボタンを押して呼び出す「スーパーコントロール」で「OFF」「LOW(低)」「MED(中)」「HIGH(強)」から簡単に設定できます。ただし撮影後に画像処理で足されるため、設定時(撮影時)にライブビューモニターには反映されないのでご注意を。再生画面で仕上がりをチェックしましょう。 粒状設定.png  床の素材の組み合わせと影によるラインの入り方が面白いと思って撮影した1枚ですが、滑らかな仕上がりだと無機質に感じられる一方で、粒状感によりどこかあたたかみが感じられる気がします。
01_Natural.JPGナチュラル02_Film Grain Off.JPGモノクロプロファイル1(粒状フィルム効果なし)
03_Film Grain Low.JPG粒状フィルム効果 弱04_Film Grain Med.JPG粒状フィルム効果 中05_Film Grain High.JPG粒状フィルム効果 強
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/800秒, -0.3EV, ISO 200, WB オート

調色

 ピクチャーモードから選ぶシンプルなモノクロ「モノトーン」でも設定できる「調色」。多くの方がイメージしやすいと思われる「セピア」を筆頭に「青」「紫」「緑」を加えた4つのバリエーションがありますが、モノクロプロファイルコントロールでも同様に設定することが可能です。 調色.png  金沢散策中に見つけた古いおうちは既に空き家になっているようで、その佇まいと時の経過を伝えるにはセピアや紫を選ぶのも良さそうです。
01_Natural.JPGナチュラル02_Mono Color N.JPG調色なし03_Sepia.JPGセピア
04_Blue.JPG05_Purple.JPG06_Green.JPG
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F5.6, 1/320秒, -0.3EV, ISO 500, WB 晴天, モノクロプロファイル2

3つのプリセット

 と、ここまで細かな設定の説明をしましたが、「そうは言っても、こんな細かな設定を使いこなす自信はないよ……」と思われる方も多いのではないでしょうか (笑) 。でも大丈夫です。個性的なモノクロフィルムになぞらえたプリセットが用意されているので、まずはイメージに一番近いものを選ぶことからスタートできます。その上でそこからさらにそれぞれの設定値を変えてイメージに合わせて作り込んでいくことができ、さらにしばらく同じ設定で撮影したい場合にはその設定を保存しておくことも可能です。尚、今回のE-P7ではPEN-Fのときの2つのプリセットに加えて3つ目のプリセットが追加され、自分の表現により素早く近付けるようになったと感じられます。 Mono Preset.jpeg ・モノクロプロファイル1:標準(モノトーン) それぞれの設定値が0で、彩度を落として色を抜いたシンプルなモノトーン。 ・モノクロプロファイル2:クラシックフィルム モノクロ コントラストが高めで粒状感の強い、コダックのトライXといったトラディショナルなフィルムのイメージに近い。 ・モノクロプロファイル3:クラシックフィルム IR 赤のカラーフィルター効果が強く設定されており、赤外線フィルムのような効果を得られる。フィルターと同じ赤色は白く抜け、また青空が黒く落ちるといった独特な表現を楽しむことができる。 ・モノクロプロファイル4:クラシックフィルム ローコントラスト コントラストが低めでやわらかい印象の仕上がり。  見事な青空が広がる日に、街中、赤が印象的な神戸・南京町で撮影。プリセット内容によってかなり印象が変わることがわかります。赤外フィルムのような効果が得られるプリセット3がやはり印象的ながら、真ん中の看板や左の人形「財財」の顔が白くなりすぎてしまうことから、最終的にハイライト&シャドウコントロールでハイライトをできるだけ下げてシャドウは少し持ち上げてみました。  ちなみに、広場で昼間だけ出迎えてくれる小財神人形は、触れるとご利益があるとも言われるお金の神様だそう……。神戸を訪れたらぜひ触れてみてください。
01_Natural.JPGナチュラル02_Profile1.JPGモノクロプロファイル103_Profele2.JPGモノクロプロファイル2
04_Profele3.JPGモノクロプロファイル305_Profele4.JPGモノクロプロファイル406_Profele3_Hi-7_Sh+1.JPGモノクロプロファイル3(ハイライト-7 シャドウ+1)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/250秒, -0.7EV, ISO 400, WB オート

旅と日々のここで使ってみました!

 ここまでの内容を踏まえて、実際にE-P7を連れて出かけた先での写真をご紹介します。  瀬戸内海の小さな島の海辺でくつろぐ猫たちの中に、とても凛々しい一匹がいました。ふさふさで首まわりだけ白い毛並みはまるで襟巻きを巻いているかのよう。その毛並みと対照的な鋭い眼差しでこちらを見据える圧倒的な存在感を伝えるため、モノクロプロファイル2をベースに、シェーディング効果を使ってみました。
01_Natural.JPGナチュラル
02_Monotone.JPGモノトーン03_Mono Profile.JPGモノクロプロファイル2(シェーディング効果-5)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 ■撮影環境:F6.1, 1/125秒, +0.3EV, ISO 800, WB 晴天
 金沢城のお堀端を歩いていると、青い空にぷかぷか浮かぶ白い雲。モノクロプロファイル3の赤いフィルター効果により、空の青さと雲の白さのコントラストが際立ちます。この時ふと、写真家 奈良原一高の、ふたつのごみ罐が宙に浮かんだ作品を思い起こしました。
04_Natural.JPGナチュラル05_Monotone.JPGモノトーン06_Mono Profile.JPGモノクロプロファイル3
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 ■撮影環境:F8.0, 1/500秒, +0.3EV, ISO 200, WB 晴天
 兼六園で突然の通り雨。傘など持っていない晴れ女の私(笑)は、軒下で雨宿りをしつつスナップ。「晴れているのに雨!」を伝えるのにこのモノクロプロファイル3はうってつけです。
07_Natural.JPGナチュラル08_Monotone.JPGモノトーン09_Mono Profile.JPGモノクロプロファイル3
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 ■撮影環境:F8.0, 1/200秒, +1.0EV, ISO 400, WB 晴天

カラープロファイルコントロール

色相と彩度の調整

 カラープロファイルコントロールでは12色の色相環からフロントダイヤルで調整したい色を選び、リアダイヤルで彩度を調整します。また、すべての色の彩度を上げたり下げたりしたい、そんなときはinfoボタンを押すことで全色を一括して調整することができます。また、ここでもやはりOKボタンの長押しで、すべての項目をまとめて瞬時に規定値へ戻すことができます。便利! PB251572.jpg  前出の神戸・南京町での1枚ですが、カラー写真では色の彩度を上げたり下げたりすることで特定の色を強調したりあまり目立たないようにすることができます。尚、このカラープロファイルコントロールでは選択した色の彩度を一番低く設定しても完全に色がなくなることはありません。つまり全ての色の彩度を下げてもモノクロになるわけではなく、ゆえに一色だけ彩度を高く、残りを低くしてもアートフィルターのパートカラーと同じようにはならないところがまた不思議で面白い点です。
01_All Color 0.JPGすべての設定が0
02_all+5.JPGすべての色が+503_all-5.JPGすべての色が-5
04_red+5.JPG赤のみ+5で他-505_part color.JPGパートカラーⅢ(アートフィルター)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F4.0, 1/100秒, -0.7EV, ISO 400, WB 曇天, カラープロファイル1

3つのプリセット

 カラープロファイルコントロールもモノクロ同様3つのプリセットが用意されており、一から自分で作り込んでいくことができる一方で、まずはイメージに近い設定を選んでから微調整を加えていくことも可能です。これらのプリセットの設定値も自由に変更し、そのまま保存が可能です。 Color Preset.jpeg ・カラープロファイル1:標準(ナチュラル) それぞれの設定値が0のシンプルなカラー。 ・カラープロファイル2:クラシックフィルム リッチカラー 渋みと濃厚感が感じられる「ややこってり」な印象の仕上がり。 ・カラープロファイル3:クラシックフィルム ビビッド 彩度が高く濃厚な発色が特徴の「こってり」な印象の仕上がり。 ・カラープロファイル4:クラシックフィルム ソフトトーン コントラストが低めで淡くやわらかい色調の「あっさり」な印象の仕上がり。  金沢の玄関口、金沢駅にそびえる「鼓門」は夜はライトアップされてなんとも艶やかです。その鼓門も、カラープロファイルの設定によって朱色の鮮やかさと手前の松のディテールが変化することがわかります。カラープロファイル3だと朱色は鮮やかですが、松が黒くなりすぎる。そこでミッドトーンを少し持ち上げてみました。これがカメラ上でできてしまうということがなんとも便利です。ちなみにシャッター速度1/6秒で撮影していますが、この時はあいにくと三脚を持っておらず手持ち撮影ながらも5軸のボディー内手ぶれ補正がしっかり効いてくれています。
01_Profile1.JPGカラープロファイル102_Profile2.JPGカラープロファイル2
03_Profile3.JPGカラープロファイル304_Profile4.JPGカラープロファイル4
05_Profile3_Mid+3.JPGカラープロファイル3(ミッドトーン+3)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F4.0, 1/6秒, -0.7EV, ISO 800, WB オート

旅と日々のここで使ってみました!

 暖かな秋の一日、夏を取り戻しに瀬戸内海に浮かぶ小さな島へ出かけた帰り。もう秋の始まりの海は少しこっくりと深みのある色にしたくてカラープロファイル2を選びつつ、楽しかった一日ももう過ぎた時間……ということで、画面の周囲をシェーディング効果で白くぼかしてみました。
01_Natural.JPGナチュラル02_Color Profile.JPGカラープロファイル2(シェーディング効果+1)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED12-200mm F3.5-6.3 ■撮影環境:F8.0, 1/400秒, ISO 400, WB 晴天
  寄り添って緑に潜むような紅葉がかわいらしく、カラープロファイル2で秋の深みのある色に近付けつつさらにミッドトーンを少し下げてみました。
03_Natural.JPGナチュラル04_Color Profile.JPGカラープロファイル2(ミッドトーン-2)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 ■撮影環境:F5.6, 1/1000秒, -1.7EV, ISO 400, WB 晴天
 金沢21世紀美術館を訪れた際にふと外に目をやると、ちょうど映り込みを利用することで通り過ぎる人がまるで異世界に吸い込まれるようになることを発見。カラープロファイル3で彩度を上げてハイライト&シャドウコントロールでコントラストを高くしつつ、周囲は暗く落として視線を中央に誘導するように調整しました。
05_Natural.JPGナチュラル06_Color Profile.JPGカラープロファイル3(シェーディング効果-4, ハイライト+6 シャドウ-6)
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F8.0, 1/250秒, -0.3EV, ISO 400, WB 晴天

まとめ

 今回、カメラ上であれこれ設定を変えて撮影を楽しんだのですが、このE-P7は小型軽量化のためかファインダーが搭載されておらず、天気の良い屋外で液晶モニターを見ながらの撮影には正直苦労した部分もありました。ゆえにあとから、ここはこういう設定にしたらよかったな、と思うこともあったのですが、そんな時はカメラ内でのRAW現像機能を利用しました。(当然、RAWデータを記録しておく必要があります)  カメラ内現像でも撮影時同様、プロファイルコントロールなども細かく設定ができるので、帰りの電車に揺られながらカメラの液晶モニターで見返しつつ、気になったらその場で現像する。こんなスタイルの撮影旅行も良いものですね。とにかくこのカメラがあれば、いつでもどこでも暗室やPCで行っていたような作業ができてしまう。それでいて小型軽量ゆえに旅に連れて行くカメラとしても最高の一台ではないでしょうか。
02_作例.JPG
■撮影機材:OLYMPUS PEN E-P7 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO ■撮影環境:F5.6, 1/160秒, -1.0EV, ISO 640, モノクロプロファイル2(カラーフィルター(緑) Level3 ミッドトーン-2 粒状フィルム効果 強)
■写真家:クキモトノリコ 学生時代に一眼レフカメラを手に入れて以来、海外ひとり旅を中心に作品撮りをしている。いくつかの職業を経て写真家へ転身。現在はニコンカレッジ、オリンパスカレッジ講師、専門学校講師の他、様々な写真講座やワークショップなどで『たのしく、わかりやすい』をモットーに写真の楽しみを伝えている。神戸出身・在住。晴れ女。 公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のクキモトノリコさんに、オリンパス PEN E-P7のプロファイルコントロール機能を解説していただきました。自分好みの表現を、ぜひPEN E-P7で追求してみませんか。 ----- KEYWORDS: オリンパス,Olympus,撮影テクニック,PEN E-P7,クキモトノリコ,ミラーレス ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 海での風景撮影テクニック|齋藤朱門 BASENAME: 484586478.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 齋藤朱門 DATE: 11/30/2021 16:00:00 TAGS: 撮影テクニック,風景,風景撮影テクニック ----- BODY: 海での風景撮影テクニック|齋藤朱門

はじめに

 今回は海での風景の撮影方法と必要な機材について紹介したいと思います。  海と一言で言っても、国内にはさまざまな地形の海岸や気候がありますので、撮り方は千差万別だと思います。また、広く撮影地として知られてないような海岸を発見し、個性ある海景写真を撮ることも楽しみの一つですね。

海での風景撮影

 沖縄県・宮古島の海岸で撮影した1枚。朝日のオレンジ色の光に染まる砂浜と雲が印象的でした。広角レンズで撮影することで空と海のダイナミックさを強調しています。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門1
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 16-35mm F2.8 GM ■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F16・ISO100・1/100秒
 こちらも宮古島の海岸で撮影。波が岩にぶつかり砕ける様子が特徴的だったので、シャッタースピードを変えながら、砕ける波の動きを捉えられる瞬間を狙って撮りました。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門2
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 16-35mm F2.8 GM ■撮影環境:マニュアル露出・19mm・F16・ISO100・1/6秒
 特徴的な奇岩がある海岸での撮影も絵になるので、海撮影の醍醐味の一つだと思います。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門3
■撮影機材:ソニー α7R III + シグマ 14-24mm F2.8 DG HSM ■撮影環境:マニュアル露出・17mm・F16・ISO100・1/40秒
 夕日が沈んだ後、暗くなった空に浮かぶ三日月が印象的でした。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門4
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:マニュアル露出・15mm・F4.5・ISO400・4秒
 光害の影響を受けにくい南の空で天の川を撮るのも面白いと思います。これは宮古島の海で天の川撮影中に月が昇り始めて来た瞬間を撮った1枚です。月の光によって星は徐々に消えていきました。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門5
■撮影機材:ソニー α7R II + ツァイス Batis 25mm/F2 ■撮影環境:マニュアル露出・25mm・F2.5・ISO3200・13秒
 岸壁に囲まれた入江からのぞく天の川を撮影。入り江のような海岸では地形を生かした撮影を楽しむことができます。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門6
■撮影機材:ソニー α7R III + トキナー FíRIN 20mm F2 FE ■撮影環境:マニュアル露出・20mm・F2・ISO3200・15秒
 九十九里海岸にて、早朝に撮影。穏やかな海岸では、ビーチに空の色が映り込み美しい情景を作り出してくれます。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門7
■撮影機材:ソニー α7R II + カールツァイス Distagon T*2.8/15ZM(変換用マウントアダプター着用) ■撮影環境:マニュアル露出・15mm・F5.6・ISO400・1.3秒
 夕日で黄金色に輝く海面が綺麗だったので、望遠レンズで切り取ってみた1枚。望遠レンズを使うことで、普段とは少し違った海の写真も撮ることが出来ます。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門
■撮影機材:ソニー α7R III + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:マニュアル露出・400mm・F6.3・ISO100・1/160秒

撮影テクニック

 海での撮影時に一番ポイントとなるのが、構図とシャッタースピードです。海岸には美しい砂浜、岩礁、奇岩などと特徴的な被写体があるので、これらをどう配置した構図とするかは重要なポイントであり、かなり難しい部分だと思います。  また、波の動きをイメージ通りに表現するためにはシャッタースピードが重要となってきます。

構図

 構図はオーソドックスなパターンを基本としつつ、撮りたいイメージに合わせて工夫を凝らすことでオリジナルの個性ある写真にすることが出来ます。  海面に映り込んだ空が印象的なシーンだったため、空の反射を強調するために上下のシンメトリーの構図で撮っています。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門9
■撮影機材:ソニー α7R II + EF 16-35mm F2.8L USM II(変換用マウントアダプター着用) ■撮影環境:マニュアル露出・16mm・F16・ISO100・1/400秒
 面白い地形の海岸での撮影だったため、地形の作り出すラインと波が引く様を手前の低い位置から広角レンズで縦構図撮影しています。自然が作り出すラインを意識し、視線を手前から奥に惹きつけるようなイメージで撮影するとこのような写真になります。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門10
■撮影機材:ソニー α7R II + サムヤン XP14mm F2.4 (変換用マウントアダプター着用) ■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F16・ISO320・2.5秒

シャッタースピードとタイミング

 激しい波が特徴的なシーンでは、ダイナミックな波の動きを捉えるためにシャッタータイミングとともに、シャッタースピードも大事な要素となります。また、NDフィルターを使って長秒撮影を行うことで、肉眼では見られない写真ならではの表現を行うことも可能です。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門11
■撮影機材:ソニー α7R II + ライカ Summicron-M 28mm F/2 ASPH.(変換用マウントアダプター着用) ■撮影環境:マニュアル露出・28mm・F11・ISO100・1/5秒
 手前の岩に当たり、弾ける水しぶきが朝日に照らされて輝く瞬間が美しいと感じ、その瞬間を狙ってシャッターを切っています。シャッタースピードは短すぎると、ややつまらなくなりがちなので、少しだけ長い1/5秒としています。
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門12
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:マニュアル露出・21mm・F16・ISO640・0.8秒
海での風景撮影テクニック|齋藤朱門13
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:マニュアル露出・21mm・F16・ISO50・74秒
 この2枚は全く同じ場所でシャッタースピードを変えて撮っています。上は0.8秒とすることで波のうねりを意識して撮影。下はNDフィルターも併用することで柔らかくシルキーなイメージとなるようにしています。

必要な機材

 海での風景写真撮影で必要な機材としては、基本的に他のシーンと同様にカメラ・レンズ・三脚があれば撮影できますが、各種フィルターを活用すると更に作品の幅が広がります。特に、輝度差を抑えるためのGNDフィルターや長秒撮影のためのNDフィルター、濡れた岩の反射を抑え、海面の反射を調整するためのCPLフィルター等があると良いでしょう。  また、シャッターレリーズを使うと、シャッタータイミングを合わせる場合や、バルブ撮影を行う際に便利です。

波・海水に注意

 海で撮影する時は潮の満ち引きに注意が必要です。安全な場所で撮影しているつもりでも、撮影に夢中になっている間にいつの間にかどんどん満ちてきてしまうことや、突然予期しない大きな波が来る場合もあります。常に安全に注意して撮影するようにしましょう。また、予期せぬ波によって、カメラやレンズに海水がかかってしまうと故障の原因になりますのでご注意を。  三脚はどうしても海水に入れることになると思いますが、その場合はなるべく一番下の足を伸ばし、三脚内に海水が侵入しないようにすると良いです。また、海での撮影後には海水を洗い流すなどのメンテナンスを行うと良いでしょう。

さいごに

 今回は筆者なりの海での風景撮影方法をお伝えしました。海もあまり季節と関係なくいつでも撮影することができますし、まだ誰にも知られていないスポットも沢山あるので、自分で絶景スポットを探す楽しみもあると思います。  海で撮影する機会があれば、是非この記事の内容を参考にしていただけると嬉しいです。 ■写真家:齋藤朱門  宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。

齋藤朱門さんの撮影テクニックの連載記事はこちら

・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html ・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html ・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html ・冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485081309.html ・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の齋藤朱門さんが海における風景撮影の方法と必要な機材について紹介しています。国内にはさまざまな地形の海岸や気候があるため、数多くの作例を元に解説しています。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,風景 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD|高画素機にも耐えうる高解像度・高性能レンズで野鳥を撮る BASENAME: 484555653.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山田芳文 DATE: 12/01/2021 16:00:00 TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD,野鳥,望遠ズーム ----- BODY: 手持ち01_タムロン 150-500mm F5-67 Di III VC VXDで撮影した作例.jpg

はじめに

 今回はタムロンから発売されている「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」を使った、野鳥撮影についてレビューさせていただきます。

操作性に優れ、使いやすい

 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、使い勝手がいいたくさんの機能が搭載されていますが、実際に撮影現場で使ってみて、私が特に気に入った機能を3つに絞ってご紹介します。  ひとつめは、個人的に最も気に入っている「フレックスズームロック機構」です。これは、ズームリングをカメラ側とレンズの先端側の前後にスライドさせることで、どのズーム位置でもロックと解除が瞬時にできる機能です。ロックされた状態の時は焦点距離の目盛りとTAMRONの文字の間が白くなり、見た瞬間にロック状態かどうかわかるように配慮されています。全長が変わるズームレンズの場合、カメラを上にレンズを下にして一定時間保持すると、レンズの自重で鏡筒が動いてしまうことがありますが、このレンズはフレックスズームロック機構によって、そうなることはありません。こういうのが欲しかったと実感できる機能ですので、是非一度、店頭で手にとってお試しください。
道具(ズームロック)01 .jpg
ズームリングをロックできるフレックスズームロック機構
 ふたつめは、スライドスイッチです。撮影距離の切り替えやAFとMFの切り替えなど、4つあるスライドスイッチはすぐに手に馴染み、自然に切り替えることができます。聞くところによると、スイッチの縁をスロープ状にすることで、ノブに触りやすくなるように設計されているんだそうです。こればっかりは理屈よりも体感だと思いますので、実際に触ってみていただくことをお勧めします。  最後は、レンズフードです。レンズフードには保護用のラバーが先端についています。500mm側にして撮ることが多い野鳥撮影では、レンズの全長が長くなるので、フードの先端に傷がつかないか不安になる人もいらっしゃるのではないでしょうか。保護用ラバーはそんな不安を解消してくれるので、安心して撮影に集中することができます。
道具(スライドスイッチ)02.jpg
操作性に優れたスライドスイッチ
道具(保護用ラバー)03.jpg
フード先端の保護用ラバー

コンパクトで取り回しやすく、手持ちで快適に撮影できる

 長さ209.6mm、最大径93mmと、フルサイズセンサー対応レンズで500mmまでをカバーする超望遠ズームとしては、考えられないほどコンパクトなレンズです。500mm側に伸ばした場合でも長さは約283mmに抑えられているので、取り回しやすく、手持ちで快適に撮影することができます。  今回、オナガガモの飛翔を手持ちで撮影しましたが、レンズがコンパクトなおかげで、狙い通りのフレーミングで容易に撮影することができました。また、1,725g(三脚座除く)と500mmまでをカバーするレンズとしては軽いので、それなりの時間撮影を続けていても、身体的な負担を体感することはありませんでした。
手持ち01_タムロン 150-500mm F5-67 Di III VC VXDで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD ■撮影環境:395mm F6.3 1/2000秒 ISO1250
手持ち02_タムロン 150-500mm F5-67 Di III VC VXDで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD ■撮影環境:403mm F6.3 1/2000秒 ISO640

細部まで描写する解像力と柔らかなボケ

 次はトモエガモを被写体にして、このレンズの解像力をテストしました。使用したカメラは、5010万画素のソニーフラッグシップ機「α1」です。まずは、500mm域にしてバストアップで切り取った写真をご覧ください。フォーカスを合わせた目は凄まじく解像していて、カメラ位置から目までと同じ距離にある目の周りの羽も細部まで精密に描写されています。オーバー5000万画素のカメラにもセンサー負けせずに、余裕をもって解像していることがおわかりいただけると思います。
解像01_タムロン 150-500mm F5-67 Di III VC VXDで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD ■撮影環境:500mm F8 1/500秒 ISO200
 次に150mm域にしてトモエガモの周囲も含めて引きで撮影したカットをご覧ください。このように引きで鳥を小さく写すと、レンズの本当のポテンシャルがよくわかるのですが、十分に良好な結果となっています。私は鳥がいる風景写真をライフワークにしているので、鳥を小さく写してもしっかり写ってくれるレンズは本当に有り難いのです。B0サイズに出力したいなと思えるほどですので、可能であれば、面倒ですがスマホの小さな画面ではなく、PCの大きな画面で見ていただきたいと思います。それほど細部まで写っているのです。
解像02_タムロン 150-500mm F5-67 Di III VC VXDで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD ■撮影環境:150mm F8 1/500秒 ISO200
 最後はボケについてですが、ボケの柔らかさ、なめらかさをテストしたシジュウカラが2羽写っている写真をご覧ください。ピントを合わせた手前のシジュウカラから奥のシジュウカラ、さらに遠くの岩へと、ピント位置から離れていくにつれてなめらかにボケていっています。そして、手前のシジュウカラよりカメラに近い画面下の岩の前ボケも非常にナチュラルです。このことから150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、近年ありがちな解像力が高いだけのレンズではなく、解像力と柔らかなボケを両立したレンズと言えるのではないでしょうか。
ボケ01_タムロン 150-500mm F5-67 Di III VC VXDで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD ■撮影環境:425mm F8 1/60秒 ISO500

α1との親和性を動画でチェック

 今回の写真は全てソニーフラッグシップ機のα1と組み合わせて撮影しました。上述のように5010万画素にもセンサー負けしない解像力と柔らかなボケ、コンパクトで取り回しやすいレンズなので、ボディとのバランスもよく、α1とのマッチングも良好だと思いました。  動画での親和性についても気になったので、今回、シジュウカラが水浴びしているシーンを動画で記録しました。導入部でカメラを振っているところ以外は全て、私はカメラから離れて遠隔操作で撮影しました(シジュウカラへのストレスを低減させるためです)。フォーカスはAFで撮りましたが、何の問題もなく、画質的にも満足できる結果となりました。α1との親和性は動画でも良好なので、是非こちらの動画でご確認ください。

野鳥撮影でも十分に使用できる強力なAF性能

 AFについては、ハードルを上げて、ちょっと意地悪ともいえるようなテストをふたつしました。ひとつめは、カメラ位置をうんと低くして水面の手前にある草地と被るところを泳ぐオナガガモを撮影しました。設定はAFモードがAF-Cで、瞳AFの瞳検出対象は鳥です。フォーカスが手前の草に引っ張られてしまうのではないかと予想していましたが、結果はご覧の通り。草地にフォーカスがもっていかれることはなく、オナガガモの瞳を検出して、しっかりと目にピントを合わせてくれました。
AF01_タムロン 150-500mm F5-67 Di III VC VXDで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD ■撮影環境:500mm F8 1/1000秒 ISO640
 ふたつめのテストは、シジュウカラが水浴びをしているところです。シジュウカラが2羽とも枠内に入るようにフォーカスエリアを大きめのゾーンに設定、AFモードはAF-Cにして、手前のシジュウカラが水浴びをせず、奥にいるシジュウカラが水浴びをしている時にシャッターをきりました。フォーカスが奥の水しぶきに引っ張られるかどうかのテストをしたのですが、ピントはご覧の通り、手前のシジュウカラの目に合わせてくれました。
AF02_タムロン 150-500mm F5-67 Di III VC VXDで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD ■撮影環境:432mm F8 1/100秒 ISO800

まとめ

 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、高画素機にも十分についていける確かな解像力と柔らかなボケを両立している超高性能レンズです。そして、コンパクトで取り回しやすいので、150-500mmという焦点距離を手軽に手持ち撮影することができます。野鳥を撮影してみたいけれど、大砲のようなレンズにビデオ用の雲台をつけた大型の三脚はちょっと重いよなぁ、と思われている人は是非、一度このレンズで野鳥撮影を始めてみてください。 ■写真家:山田芳文 「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。ライフワークは鳥がいる風景写真。主な著書は『写真は「構図」でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニック23』(エムディエヌコーポレーション)、『やまがら ちょこちょこ』(文一総合出版)など。 最新刊は『SONY α6600 基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)。

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はじめに

 ニコンから10月28日に発表されたミラーレスカメラのフラッグシップモデル「Z 9」。事前に公開されていた性能と、当日の公式オンラインライブ配信で発表された新たな機能や作例、11月予約開始時に案内された価格から大きな反響を呼んでいます。  この度、株式会社アフロの協力で、1万人以上の視聴者を集めた公式オンラインライブ配信や、後日のスペシャルライブで多くの作例と説得力のあるレビューで話題を呼んだアフロスポーツ所属のスポーツフォトグラファー、松尾憲二郎さんにインタビューを行うことができました。スポーツ撮影の第一線で活躍するフォトグラファーはZ 9についてどのように感じたのか。生の声を包み隠さず聞かせて頂きました。
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アフロスポーツ所属 松尾憲二郎さん

D5・D6から違和感なく移行でき、撮影の自由度が格段に上がった

― Z 9を使うまでにどんなカメラを使われていたのですか  ずっとニコンのD5を使っていました。今回Z 9発売イベントへの出演が決まった段階でD6を使っていないと語りきれない部分がある、ということになり2ヶ月ほど集中して毎日のようにD6使っていましたので、D5同様に違いを語れると思います。 ― すでにZ 9をかなり使用されていると思いますが、第一印象やこれまでのカメラと比べ何か違和感はありましたか  使う前に説明を受けた時は「すごいカメラが出てきたな」と。それが第一印象でしょうか。とはいえ実際に使ってみないとわからない。特にミラーレスのフラッグシップはニコンとして初めてじゃないですか。正直なところ、半信半疑な部分は大きかったですね。今使用しているD5やD6で十分すぎるほど僕の仕事はこなせていたから、ということもあります。 ― 発表会でも仰ってましたが、そのような中ぶっつけ本番でモトクロスの撮影を試された。そういった半信半疑的な部分はどう変わっていったのでしょう  これまで使っていたカメラとの違和感がほとんどなかったことに驚きました。一眼レフがミラーレスに変わり、どこか自分なりに変化に対応する必要があるだろうと思っていましたが、本当になかった。撮影に対する不安が一瞬でなくなりましたね。
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■撮影機材:ニコン Z 9 ■撮影環境:非公開 松尾さんがZ 9を使って最初に撮影したモトクロスのシーン。D5やD6と同じ感覚で使えたという。
― 逆に便利に感じた機能はありますか  ファインダーがEVFになったことです。今回の作例撮影のような「撮って出し」「ノートリミング」が求められるシビアな現場で、ファインダー内に水準器やヒストグラムなど欲しい情報が写っている。思った以上に便利でした。一発で撮影を終わることができる。テスト撮影のフローを省けます。 ― D5・D6と比べて、同じフルサイズセンサーでも測距点の数やエリアが広くなっています。その点についてはいかがですか  この写真は一眼レフだとこの画角では撮れないと思います。おそらく測距エリアにギリギリバイクが入っていない。測距点の数やエリアが広くなったことで撮影の自由度が格段に上がりました。実際このような写真はこれまでもあったんです。でもそれは、トリミングしたものを提出することが多かった。置きピンでの撮影でこの画角を狙うことはありましたが、自分が熟知している現場でかつ、「ここに来る」と読めていないといけないですよね。今回の作例はそこを気にせず狙って撮れた。Z 9を使った最初の現場ですよ。元々一眼レフの測距点は狭いと感じていたので、ミラーレスである良さを痛感しました。
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■撮影機材:ニコンZ 9 + AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR + マウントアダプター FTZII ■撮影環境:400mm F2.8 1/2000秒 ISO200 AFエリアモード ワイドエリアAF(L) 一眼レフでは困難な画角の撮影もミラーレスであるZ 9ならスムーズに対応できる

電子シャッターはスポーツ撮影にとって「革命」

― Z 9ではメカシャッターを廃し、電子シャッターのみ搭載となりました。ローリングシャッター歪みなどデメリットの印象もある電子シャッターですが、シビアな撮影シーンで使われてどう感じましたか  一言で回答できますね。デメリットは一切感じないです。むしろ(メカシャッターが)なくなったことはすごくポジティブに捉えていて。現場で一番困るのはカメラが壊れること、特に後戻りが出来ない報道の現場ではあってはならない。シャッターユニットは現場では一番酷使され、いつかは限界が来るわけです。一番壊れる可能性が高い。僕はそれを経験したことはありませんが、物理的に存在しないのは安心感に繋がります。  よく言われる「歪み」についても、どこまで言っていいかわかりませんが「出ない」とは言えない、完全にゼロになっているわけじゃないと思います。ただ、それは自分がしたい表現を阻害するものではないレベルまで下がっている。僕にとっては問題なく仕事で使えます。 ― 電子シャッターによる恩恵は他にも色々ありますね。Z 9は1/32000秒で切れるシャッターやサイレント撮影、ブラックアウトフリー撮影など電子シャッターを活用した機能が搭載されています  スポーツ撮影にとって「革命」ですよ。まずサイレント撮影。すでに他社はフラッグシップ級のミラーレスを発売していたのでその恩恵を受けていた人はいるのですが、ニコンもようやく「スポーツで無音」が出来るようになった。スポーツの現場では本当に「緊張の一瞬」という場面があります。撮りたいんだけど状況を考えると音を出せない、アスリートファーストというところがある。今後は思うがままに写真を撮ることが出来ます。スポーツの現場では大会運営側もどのメーカーのどのカメラにサイレント撮影が搭載されているか把握している。今後はサイレント撮影が搭載されているカメラでしか撮れない場所が増えてくる可能性もあります。 ― よりアスリートに近い場所で撮れるようになるわけですね。1/8000秒より早い速度でシャッターが切れる点についてはいかがですか  パッと思いつくのは、水を扱うスポーツで表現の幅が広がりますね。後は雨が降っている時。雨の状況にもよりますが、1/8000秒は雨粒が微妙に動いていたんですよ。これを1/10000秒にしたら止まって写った。これまでは雨の「線」だけの表現が「点」も選べるようになる。表現の幅が広がることで、今まで妥協しないといけなかった点をどんどんなくしていける。発想のままに絵が撮れる。これも新しい革命だと思います。

「3Dートラッキング」はD6と同等かそれ以上

― 進化したAFについてもお伺いします。今回ミラーレスでは初めて「3Dートラッキング」が搭載されました。レスポンスやAF精度についてはいかがでしょうか  D6と同等かそれ以上に感じました。僕はD5からメインのAFエリアモードは「3Dートラッキング」で、9割以上このモードで撮っています。その特性を掴んでいる僕から見ても何ら違和感はない。これまで以上に敵なしの機能だと思います。 ※3D-トラッキングとは 選んだフォーカスポイントで被写体にピントを合わせると、シャッターボタンを半押ししている間は被写体の動きに合わせて、フォーカスポイントを自動的に切り換えて被写体にピントを合わせ続けるAFエリアモード。左右に動く被写体を自由な構図で撮影するのに適している。 ― ユーザーの皆さんが一番聞きたかった言葉だと思います。私が面白いと思ったのが、そんな松尾さんがZ 9発表後のスペシャルライブで「3Dートラッキングだけでなく被写体によって他のAFモードを切り替えることが重要」と話されていました  切り換えないと撮れないシーンはあります。そこは僕の経験や自分ならこう撮れる。という技術もあるので、「こういう時はこの設定、このモード」とお伝えしにくい部分ではあるのですが、「3Dートラッキング」とそれ以外のモードを切り替える基準は、「被写体を補足してからシャッターチャンスまでの時間」が目安になると考えています。  この時間がそれなりにあれば「3Dートラッキング」が使えます。補足してから即シャッターを切るようなシーンは別のモードを使ったほうが良い。そのようなシーンで一番使えるのは「ワイドエリアAF(L)」もしくは「オートエリアAF」。例えば前段にお見せしたモトクロスで急にバイクが出てきているシーン。これは「3Dートラッキング」よりも「オートエリアAF」のほうが強いシーンです。逆に「3Dートラッキング」を使用した作例は、被写体が出てきてから追い掛ける時間が十分にあるシーンです。この時間の長さが一つの目安になると思います。
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■撮影機材:ニコンZ 9 + AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR + マウントアダプター FTZII ■撮影環境:400mm F2.8 1/3200秒 ISO500 AFエリアモード 3Dートラッキング 3Dートラッキングを使用して撮影した写真。松尾氏は「被写体を追いかける時間」を目安にAFエリアモードを選択するという
― 被写体検出機能についても聞かせてください  スポーツ撮影では十分に使えますし、使わないといけない場面が増えています。ただ、これについては一言お伝えしたいことがあって。ニコンのレフ機は昔から検出精度は高かったんです。確かD5からAFエリアモードを「3Dートラッキング」を選択した時に顔認識をするかしないか選べるんです。この時点ですでに他社と比べてもかなり高い精度で人物の顔を検出して瞳にピントが来ていたんですね。なので僕は昔からこの機能はずっと使っていたのでZ 9でも全く違和感はなかったですね。 ― その話はご購入されたお客さまからも伺ったことがあります。非常に精度が良いと  元々ベースにあった機能がZ 9でさらに磨きがかかって、精度も検出する種類も増えています。被写体認識があることによって多少AFポイントがズレてもカメラがわかってくれているので、撮影の補助をしてくれるんですね。狙いを助けてくれるイメージです。 ― 120コマ/秒をはじめ、進化した連写性能も話題です  追い込まれているシーンであれば、1秒間に切れる数が多ければ多いほど心強いです。鬼に金棒の金棒が来た!というイメージです。ですが毎回金棒を使うかというとそうではなくて。 ― 発表会でもお話されていました。MAX値で使うことはあまりないと  僕のフィールドでは秒間10コマか15コマで十分な場面が多いです。Z 9はD5やD6同様、連写モードのコマ数を選べるので自分に合った連写コマ数に設定して使っていますね。Z 9に搭載されている「クイック設定ポジション」は撮影中にコマ数を設定できるので使いやすいです。連写モードLもHも使わなくなりました。
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ボディの左肩に配置されているレリーズモードダイヤル
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「クイック設定ポジション」を使えば撮影中でもコマ数を細かく設定できる
 これはスポーツを撮影される方には共感頂けると思うのですが、連写速度に頼ってしまうと本当に良い瞬間を狙うことや被写体を追うことを怠ってしまい、アスリートの動きを観察しなくなるんですね。全てをカメラ任せにすると本当に狙った瞬間を撮る力は段々失われていってしまう。  Z 9の話でこういったことを伝えてしまって良いのか悩んでしまいますが、スポーツ撮影の理想は「ワンショットで狙った構図を撮ること」だと考えています。ただ競技によってはアスリート側も予測にない動きをします。そこには連写機能やシャッターのレスポンス、レリーズタイムラグを考慮し、対応幅が広いZ 9やD5・D6といったフラッグシップを選ぶ理由が出来る。とはいえ、追い詰められる現場では秒間120コマを始めとした高い連写性能が備わっていることは非常に心強いです。

一番の魅力はEVFの見やすさ

― 光学ファインダーと比べZ 9のEVFは見やすさ、またスポーツ撮影でのレスポンスなどはいかがでしょうか。特に表示遅延について気になる方も多いと思います  僕がZ 9で一番良い部分は、このEVFの見えが良いところだと思っています。Z 9の魅力を語るのにむしろAF性能部分がいらないくらい、このEVFはすごく良いです。EVFになり構造上遅延が出ている可能性はありますが、これまでと違和感なく撮れています。  むしろ遅延よりもEVFになって使えるようになった機能、先にお伝えした撮影をサポートする情報が画面に出るという部分ですね。これが非常に便利なのでEVFの恩恵は大きいです。Z 9を検討されている方でこの部分が気になるという方には、自信を持って「気にしないでください」とお伝えできます。

ノイズに臆せず高感度領域を使ってほしい

― スポーツ撮影の分野では撮って出しのJPEGで納品するシーンが多いと伺います。RAWで編集できない現場での人肌の再現性や高感度時のノイズはD6等と比べていかがでしょうか  僕が撮影するスポーツの現場ではJPEGでしか撮らないのですが、これまで撮った中で肌色など画質面で気になったことはないです。高感度ノイズについてもD5やD6の時から(設定で)使える高感度領域はどんどん使っていて。この点については人がどう感じるか次第だと思っているのですが、その時からノイズが気にならなかった僕からするとZ 9も同様に悪くないですね。EVFの遅延のように気になっている人ほど僕は「臆せず高感度を使ってくれ」と伝えたいですね。
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■撮影機材:ニコンZ 9 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S + Z TELECONVERTER TC-1.4x ■撮影環境:165mm F4 1/1600秒 ISO6400 AFエリアモード 3Dートラッキング ISO6400で撮影された撮って出しの写真。水面や選手のキャップなどノイズが目立ちやすい場面だが、A4サイズにプリントしてもノイズはほとんど見られなかった
 画質や高感度ノイズを気にする人は一度「ピクチャーコントロール」の設定を色々試してほしいです。僕は新しいカメラを使う時はここの設定をかなり詰めます。「JPEG撮って出し」用の機能ですがRAWで詰めるよりも好みの画質になったり、高感度ノイズが目立たなくなりますよ。作品づくりでRAW編集を楽しまれている方も、ぜひ一度「RAW+JPEG」同時記録を使って「ピクチャーコントロール」の絵とぜひ見比べてみてほしいです。Z 9はモニターのカラーカスタマイズも出来るので僕は普段使っているPCとモニターの色を合わせています。

縦横4軸チルトでアスリートとのコミュニケーションが取りやすくなった

― 発表会でお話されていた縦横4軸チルト液晶の使い勝手についても聞かせてください  最高ですね。発表会でもお見せした写真ですが、こういったシーンでも地面スレスレにカメラを置きながら楽な姿勢で撮影できるようになりました。しかも液晶画面を見れば水準器などの情報も確認できる。この作例は動画チームと一緒に撮影していましたので、周りを気にしながらアスリートともコミュニケーションを取って撮影しました。  今まではファインダーを見ながら寝そべって構えて、その状態でアスリートとコミュニケーションを取らなければいけなかった。そんな姿勢だとアスリート側も動きにくくなったり、コミュニケーションが取りづらいですよね。正直(コミュニケーションが)出来ない場面の方が多かった。勘に頼って何も見ずに撮ることも出来ますが、報道の現場ではそれはできるだけ避けたい。これも1つの革命だと思います。Z 9の縦横4軸チルトでアスリートとのコミュニケーションが格段に取りやすくなった。
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■撮影機材:ニコンZ 9 + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S ■撮影環境:18mm F2.8 1/2000秒 ISO100 AFエリアモード オートエリアAF  縦横4軸チルトを活用して撮影した写真。姿勢だけでなくアスリートとコミュニケーションをとりながら撮れるようになった
― フラッグシップモデルに搭載されたことも大きいですね  便利さ以上に、頑丈さ、壊れないというのは僕がカメラに求める条件です。フラッグシップを使う理由として、堅牢性に対する信頼感があり、これまでのD5でも応えてくれた。ですからZ 9の縦横4軸チルトを過酷な状況でも使っていきます。また、購入される方はぜひ試してもらいたいのですが、モニターを上に向けて確認するとき、そのまま上に向けるより、モニターを引き出して上に向けたほうがファインダーの突起に干渉しないので圧倒的に見やすいです。ぜひ試してみてください。

ボタンのカスタマイズは「AFエリアモード」を中心に設定

― D6やZ 7II・Z 6IIと比べ、カスタマイズできるボタンが増えています  カスタマイズできるボタンは全て使っています。Z 9はファンクションボタンに直接AFエリアモードをそれぞれ割当することが出来ます。Z 6やZ 7はAFエリアモード選択をファンクションボタンに設定することが出来ますが、実際のモード選択にはさらにダイヤル操作が必要で、ダイレクトにAFモードを設定できない。  先程「3Dートラッキング」について話をした通り、現場では瞬時の判断で適切なAFエリアモードに選択することを求められます。ボタンに直接AFエリアモードを割り当てできる機能は、仕事で使う判断基準になるくらい重要な機能です。ボタンをカスタマイズできる部分はこの機能を中心に設定しています。
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Z 9はAFエリアモードをダイレクトにボタン割当可能。松尾さんは横位置、縦位置同じ撮影フローにするためFn1とFn3ボタンに同じ「ダイナミックAF(S)」を割り当てている
 「撮影機能の呼び出し」を登録して、「日射と日陰」、「会場と表彰式」のように現場で露出が変わる場面に対応するため、露出が違う撮影機能を呼び出しています。また、スペシャルライブでコムロミホ先生が設定されていた「ライブビュー情報表示の消灯」も現場で使えるすごく良い機能だったので早速、動画撮影ボタンに割り当てて使おうと思っています。  このようにカスタマイズできるボタンの量が増えたことで、今後使っていく中でまた新たな撮影フローが出来るかもしれない。新しい考え方が出来る楽しさ、嬉しさがありますね。

話題の作例はZ 9を使って緻密な計算の元撮影

― 最後の個人的な質問です。発表会で松尾さんが紹介された、ハンドボール選手がシュートする瞬間をとらえた写真。発表会当日も作例が出た際、視聴者から驚きの声がチャット欄に続々と投稿されていました。この作例はZ 9とレンズ性能に加え、松尾さんの技術が凝縮された写真だと感じました。この写真はZ 9をどのように使って撮られたものかお聞かせ頂けますでしょうか
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■撮影機材:ニコンZ 9 + NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S ■撮影環境:24mm F2.8 1/2500秒 ISO2500 AFエリアモード 3Dートラッキング 頭に描いたシーンを再現するため、Z 9のAF、連写、操作性全てを活用して撮影された作例
 この作例は、ハンドボールの撮影で必要なカットは全て撮り終わった後に撮ったテスト写真なんですね。他で紹介されている作例など必要なものがスムーズに撮り終わって、僕が撮りたいイメージの写真を撮れる時間的な余裕ができた。元々このシーンはイメージがあったので、120コマ連写を使用し複数の選手に全力で動いてもらいテストしました。実際の競技での撮影ではありませんが、アスリートを追い詰めて、本番と同様に動いてもらわないと本当のパフォーマンスは出ない。選手によってはフェイントなども混ぜて動いてもらいました。  そうして撮影した画像をコマ送りして確認し、撮影する瞬間のイメージが出来たので、今度は縦横4軸チルトでモニターを引き出してアングルやAFエリアモードを変えてテストしました。次に、選手との距離感や安全面を考慮しながら使うべきレンズを選定。最初頭の中では「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」を想定していたんですが間合いが近すぎたため、最終的に3Dートラッキングモードで「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」を使用して撮影しました。  なお、モデルになる選手をテスト撮影して選ぶ段階で、ピントの精度を確認していました。何人も撮る中でずっとピントが来てるんですよ。すごいなと。そうやってようやく準備万端で撮影に望んで撮った写真がこちらです。Z 9の機能面で信頼がおけたので、難しい撮影ですが構図と選手の動きだけに集中できました。 ― 相当なテストと計算の元撮影された作例だったのですね。話題になるのも納得です。本日は長時間、色々とお聞かせ頂きありがとうございました。
12_Z9作例.jpg
インタビューは実際に撮影した写真をA4サイズにプリントし、それを見ながら実施した

さいごに

 今回、松尾さんにはZ 9を使用して感じたポイントを自身の撮り方を交えながら詳細に語って頂きました。インタビューを通じて感じたのは、第一線で活躍するスポーツフォトグラファーがカメラに求める水準の高さと、その水準を超えた上で、これまで以上に撮影をサポートすることができるZ 9の性能でした。本文には掲載していませんが、インタビューの途中途中で松尾さんは「Z 9は使っていて楽しい」と言っていたのが印象的でした。 「どうせ撮るなら楽しく使えるほうが良い。Z 9はこれから使いこなしていく楽しみを持ちながら現場の撮影がこなせるんです」  この言葉にZ 9への愛着と新しく生まれる写真への期待が感じられました。ニコン初のフラッグシップミラーレスカメラ「Z 9」は、プロフォトグラファーも大きく満足できるカメラであることは間違いありません。   ※本記事は(株)ニコンイメージングジャパン協力の元、松尾さん撮影の公式データを提供頂いております。 ※本記事に登場するニコンZ 9は試作機をお借りして撮影しています。 ■松尾憲二郎さんプロフィール 1985年東京生まれ。都立工芸高校デザイン科卒業。バックカントリースキーの撮影にあけくれ雪山を登ってきた。2014年より「アフロスポーツ」に所属。現在は様々なスポーツを報道・広告撮影している。 ・国際スポーツプレス協会 (AIPS) 会員 ・日本スポーツプレス協会 (AJPS) 会員 13_松尾さんプロフィール写真.jpg ■アフロスポーツ Twitter  https://twitter.com/aflosport Instagram  https://www.instagram.com/aflosport/ 取材場所:新宿 北村写真機店

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はじめに

 今回はソニー(SONY)から2021年11月26日に発売されたフルサイズEマウント用レンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」のレビューをさせていただきます。まず思う所としましては、ソニーフルサイズミラーレス用交換レンズのGMシリーズも遂に2型が出始めた事への感慨深い気持ちです。この話をしだすと、おそらくこのレンズの話になる前に今回のレビューが終わってしまいそうなのでレンズレビューを始めさせて頂きます。写真を見て頂きたいのでスペック的な話は後回しにして、作例からはじめさせて頂きます。

ポートレート

002_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/100 ISO-125 +0.7ステップ 焦点距離170mm ■モデル:りなぽそ
 まずはα1に装着してポートレート撮影に使用したのですが、このレンズ無茶苦茶軽いんです。持ち上げた瞬間にこれまでの、いわゆるナナニッパのレンズ(70-200mm F2.8)にしては軽すぎて戸惑ってしまいました。こんなに軽くて大丈夫なの?という懸念を抱きましたが、その疑念はファインダーを覗いたら一瞬で吹き飛び素晴らしい描写が目に飛び込んできました。
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■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/800 ISO-1000 +0.7ステップ 焦点距離180mm ■モデル:りなぽそ
 開放F2.8での撮影でもピント面の解像感はとても素晴らしかったです。そして何よりポートレート撮影で重要なボケ感は、前ボケ後ボケ共に素晴らしくズームレンズとは思えない程、なだらかに淡く溶けてくれます。撮影していて非常に嬉しくなりました(笑)
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■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-200 +1ステップ 焦点距離110mm ■モデル:りなぽそ
 少し大人な雰囲気の難しい構図でも、レンズの表現力が高いのでイメージ通りの撮影がしやすくスムーズに撮影が進みます。
005_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-125 +1ステップ 焦点距離90mm ■モデル:りなぽそ
 正面だけでなく寝転んだり少し引いたりして画面内における顔の面積が小さくなった時でも、瞳AFは常にモデルの瞳を捉え続けてくれました。この辺りの性能はカメラのボディ側の絶対的な性能が必要なのですが、その機能を最大限に活かす為にはレンズ側の性能が高い必要があります。本レンズのAF性能は素晴らしく、微妙で難しいモデルさんの動きに常に合わせて続けてくれました。このような前後左右微妙な動きに素早く対応する為にリニアモーターが4基搭載されているのだと感じ納得しました。
006_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-250 +0.7ステップ 焦点距離165mm ■モデル:りなぽそ
 上述したのですが重要な事なので、もう一回言わせて頂きます。ボケ感がたまらなく良いです。そして撮影時の空気感までも伝えることが出来る表現力のあるレンズになりますので、本レンズはポートレート撮影の時に絶対に忘れず持って行きたいレンズになりました。
007_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/320 ISO-800 +0.7ステップ 焦点距離115mm ■モデル:りなぽそ
 それにしてもこのレンズ本当に軽くて使いやすいです。この日は朝から夕方まで撮影しましたが全く疲れる事はありませんでした。1型と比較すると435gの減量に成功しており、重量は1045gとナナニッパとしては世界最軽量になります(オートフォーカス対応のフルサイズ70-200mm F2.8 望遠ズームにおいて)。

航空機

008_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/3.5 1/4000 ISO-125 +0.3ステップ 焦点距離200mm
 次は超小型軽量フルサイズのミラーレスカメラ α7Cに装着して、千里川土手で飛行機撮影をしてみました。猛スピードで迫りくる着陸機を捉えて放さないAFは本当に頼りになります。そして小型軽量なレンズと超軽量カメラの組み合わせは航空機撮影を手持ちで行う際に強い味方になってくれます。
009_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7C + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/4 1/1600 ISO-640 +0.3ステップ 焦点距離70mm
 ポートレート撮影時にも感じていたのですが、このレンズを通した色味は表現豊かで階調にも優れており原色から淡い色まで美しく表現することが可能です。夕暮れのなかで実際の空の色と機体に写り込む空の色の違いをしっかりと描写してくれるので、よりドラマチックな表現に仕上がります。

紅葉

010_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/5.6 1/100 ISO-100 焦点距離200mm
 再びα1に装着して紅葉も撮影しました。余談ではありますが今年の京都の紅葉は例年と比べて美しかったように思います。
011_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/5.6 1/100 ISO-100 焦点距離195mm
012_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/250 ISO-100 焦点距離195mm
 発色の話で飛行機の作例では淡い色を見て頂きましたので今度は原色系の作例をご紹介します。赤、黄、緑のコントラストを捉えて鮮やかに表現してくれます。
013_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/250 ISO-100 焦点距離195mm
 前ボケを使った表現をしたい場合はピント位置をトラッキングAFで奥の紅葉に合わせてあげるとスムーズに撮影出来ます。本レンズは狙った被写体にピントを合わせる能力が高いのでとても撮影しやすかったです。
014_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/500 ISO-800 焦点距離200mm
 開放F2.8から素晴らしい解像感でした。ボケ感を活かしつつも、ピント面のモミジの葉脈がクッキリと写ります。
015_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/9 1/80 ISO-800 焦点距離200mm
 F9まで絞ると更に解像感と深みが増します。 ▼焦点距離70mmで撮影
016_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した焦点距離70mmの作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-400 焦点距離70mm
▼焦点距離100mmで撮影
017_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した焦点距離100mmの作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-400 焦点距離100mm
▼焦点距離135mmで撮影
018_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した焦点距離135mmの作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-400 焦点距離135mm
▼焦点距離200mmで撮影
019_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した焦点距離200mmの作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/200 ISO-400 焦点距離200mm
 ズーム域の各焦点距離と描写の違いです。どの焦点距離でも解像感が有り描写力も高く、ズーム全域で素晴らしい性能だと思います。
020_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/500 ISO-1000 +3ステップ 焦点距離200mm
 逆光下でもコントラストが失われず発色も良いです。

風景

021_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/5.6 1/250 ISO-125 焦点距離200mm
 次は霧ケ峰高原で風景撮影です。風景なのでカメラは高解像度のセンサーを持つα7R IVを使いました。この日は透き通るように晴れた日だったので、冠雪(かんせつ)した富士山までしっかりと望むことが出来ました。撮影時には雲の位置が良くなるまで少し待って、ベストと思う位置まで雲が来てからシャッターを切りました。
022_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/5.6 1/250 ISO-125 焦点距離200mm
 秋を写すにはやはり発色の良いレンズが必須です。本レンズは冠雪した雪の白から色とりどりの紅葉、そして抜けるような青空まで一枚の中で全ての色を美しく表現してくれます。
023_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/5.6 1/250 ISO-125 焦点距離200mm
 今まで風景撮影にナナニッパを使いたいけど重たいから開放F4レンズで我慢されていた方も多いと思いますが、この新しいGMレンズの軽さは、その問題を解決してくれます。

スナップ

024_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/6.3 1/250 ISO-100 焦点距離200mm
025_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/2500 ISO-250 -1ステップ 焦点距離200mm
 最後は倉敷の美観地区で撮影したスナップです。倉敷の繊細な情景とスナップでのレスポンスを考えてボディはα1にしました。
026_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/4 1/250 ISO-100 焦点距離200mm
 ここまで全面に前ボケを持ってくる構図の場合では、本レンズのDMF機能が役立ちます。AF稼働中でもMFリングを廻すと瞬時にMFとして使用する事が出来る便利な機能です。AFからMFへの切り替わりが遅いと使いにくいのですが、このレンズのDMFは瞬時に切り替わりますので凄く使いやすくて気に入りました。
027_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/4.5 1/80 ISO-100 焦点距離180mm
 この写真もDMF機能を使用しての撮影です。緑の葉が写り込む窓を覗くと、向こう側にクラシカルな扉と装飾が優しい光の中にセンス良く配置されていました。こういうシチュエーションではピントの置き場所が難しいのですが、DMFでMFリングを廻しながら自分のイメージに近い所でシャッターを切る。こういった使い方がAFからボタン操作せずにそのまま使えるのは、スナップ撮影には必須な機能だと思います。
028_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/2.8 1/250 ISO-100 焦点距離200mm
029_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/4.5 1/2000 ISO-100 焦点距離100mm
 倉敷と言えば建築物も写欲をそそられるのですが、このレンズは持ち前の解像力で木造でも煉瓦でも質感をしっかり伝えてくれます。
030_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/4.5 1/320 ISO-100 焦点距離170mm
 スナップ撮影をしていて、こういった瞬間に出会った時にレスポンスが悪くて悔しい思いをすることが多くあります。しかし本レンズとカメラの組み合わせであれば狙った瞬間を素早く捉える事が出来ます。私がスナップ撮影を行う時の機材の組み合わせでは、これがベストに近いと感じました。
031_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:f/6.3 1/250 ISO-100 焦点距離200mm
 望遠スナップは切り取り構図が楽しいのですが、70-200mmというのはある意味スナップ向きの焦点距離なんですよね。美観地区の川面に映るリフレクションの揺らぎを気持ちよく撮影出来ました。

スイッチでの切替機能

032_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS II製品画.jpg  スイッチパネル上部から一番上がAF/MF切替スイッチ、その下が上述させて頂き私が凄く気に入っている機能でもある、AF中にMFに瞬時に切り替える事が可能になるDMF機能のON/OFF切替スイッチがあります。また、その下にはフォーカスレンジの切替スイッチ、手ブレ補正(OSS)のON/OFF切替スイッチ、手ブレ補正の流し撮り対応等の手ブレ動作方向切替スイッチ(MODE)、絞り環のAモードとMモードをロック出来るIRIS LOCKスイッチがあります。写真には写っておりませんが絞り環のクリックON/OFF切替スイッチや、他機能に割付可能なフォーカスホールドスイッチが3か所もついており、あらゆるジャンルの撮影に最適な設定が可能となっていて便利です。

さいごに

033_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS II製品画.jpg  今回も色々なジャンルの撮影をさせて頂きました。このレンズの印象ですが今後これより良いナナニッパが開発できるのか?と思う程、殆ど全てにおいて素晴らしかったというのが私の印象です。AFスピードと正確さに加え動体を捉え続ける能力、質感と空気感を伝える事の出来る解像感と描写力。原色から淡い色まで鮮やかで豊かな表現力、どれをとっても素晴らしくそれでいてとても軽いので一日中撮影していても疲れません。この総合力はソニー Eマウントユーザーの方には是非体験して頂きたいと思います。  最後にポートレート撮影時に御協力いただいたモデルさんの写真が有りますので是非ご覧ください。
034_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■モデル:ルル
035_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■モデル:イブ
036_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■モデル:しぃ
037_ソニー FE 70-200mm F28 GM OSS IIで撮影した作例.JPG
■撮影機材:ソニー α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■モデル:りなぽそ

その他のソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II の記事はこちら

・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|この軽さは異次元!飛躍的に進化した望遠ズームレンズ https://shasha.kitamura.jp/article/484841184.html ・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIが登場|大幅な軽量化と最大4倍のAFスピードを実現! https://shasha.kitamura.jp/article/484056077.html ・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|小川晃代 https://shasha.kitamura.jp/article/485832622.html ■写真家:葛原よしひろ ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。 大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー JPS(日本写真家協会)正会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の葛原よしひろさんがソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIをレビューしています。5つのジャンルで撮影を行い製品の魅力を紹介していますので作例と共に是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,レビュー ----- -------- AUTHOR:   TITLE: シグマ fp Lの写真と動画をアウトドアで堪能する BASENAME: 484602449.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂口正臣 DATE: 12/04/2021 11:00:00 TAGS: シグマ(Sigma) ボディー,fp L,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: 00_top.jpg

はじめに

 私の住む九州地方も11月になってグッと気温が下がり肌寒くなった、山の木々も鮮やかに色付き冬支度をはじめている。今回は、発売から変わらず魅力を放ち続けるSIGMA fp Lを一泊二日のソロキャンプで使用した。

fp Lとは

 fp Lと言えば先に発売されているfpと同じく、非常にコンパクトなボディーの中に高解像度フルフレームセンサーを搭載したカメラだ。バランスが良くオールマイティーなfpと、写真の性能にシフトしたfp Lという位置づけとなる。写真の画質にシフトしたとは言え、動画撮影の性能がスポイルされたか言えば決してそうではなく、ムービー撮影でも充分な性能を発揮する。  fp発売から約1年半を経て登場したfp Lだが、ユーザビリティが向上し、操作系などが少し仕様変更された。いずれもボタンや一部端子カバーの形状の見直し、ダイヤルのクリック感の変更などユーザーのフィードバックを得て細やかな配慮がなされている。そしてなんと、それらの改良は購入済みのfpにも希望があれば提供してくれるという(有償サービス)。こういったところが、私がSIGMAというブランドを好きな理由のひとつでもある。  今回はキャンプの様子を動画に残してきた。日中の動画の性能はもちろん素晴らしいが、夜の撮影で少し心配していた高感度ノイズに関してもfp Lの性能は必要十分で心配することはない印象だ。夜の調理シーンでも問題なく使用できた。

今回の旅で使用したレンズ

 私は景色を撮影するとなれば、まず広角レンズを手にする。SIGMAの広角レンズには、既にIシリーズの24mm F3.5 DG DN | Contemporaryという非常にコンパクトなレンズがあるのだが、今回は敢えてIシリーズの中望遠レンズ90mm F2.8 DG DN | Contemporaryをセレクトした。  このレンズとfp Lのセットは、とても90mmのレンズとフルサイズのカメラとは思えないほどコンパクトで軽い。できるだけ荷物を少なくしたいソロキャンプの相棒としてもマッチしていると感じる。そして、強靭なマグネシウム合金のボディーと防塵防滴性能が、激しい温度や湿度の変化があるアウトドアではとても心強い。  コンパクトで上質なデザインでありながら非常に高性能なこのカメラとレンズは、効率を突き詰めたキャンプギアと相性がよい。愛用しているギアのひとつ、SIGMAと同じMADE in JAPANのIWATANI FORE WINDS マイクロキャンプランタンとバーナーと一緒に。 01_fp L.jpg

fp Lと90mmで写す秋の景色

 中望遠は個人的に程よい画角の狭さがなんとも楽しい。限られたフレームの中で「こっちが主役か?いや、それともこっちか?」と写真の主役を取り合い、フレームを調整するのがこのレンズの醍醐味だと思う。動画は初日の夕方から夜をメインに撮影したが、写真は翌朝から散歩や沢登りをしながら紅葉する秋の景色を記録した。早起きして朝日が昇る前の冷たい空気感を撮影、冷たさの中に湿度を感じさせる描写。気温は4℃、数日降り続いた雨の影響で湿度は夜通し80%を超えていた。
02_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/160 f4 ISO400
03_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/250 f2.8 ISO400
 暗部に隠れた鮮やかな色は、濃厚で深い色合いに写し出される。暗部の階調が豊かなSIGMAの味付けは、アンダーな写真を撮りたくなる。山間部の谷にあるこのキャンプ場は、朝日が直接届くまでにまだ少し時間がかかる。
04_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/640 f2.8 ISO200
 朝の霧が残る広場を情報豊かに描く。この画が開放絞りである事、レンズの高いクオリティーにも驚かされた。普段はあまり好まないイエローとブルーの組み合わせが心地よいのは、この日に使用しているテントとハリケーンランタンの組み合わせと同じだからか。
05_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/250 f2.8 ISO400
 空だけが明るくなり始める時間にふと見上げると、やわらかな光がイチョウの葉を透過していた。これぐらいの控えめな黄色は好みだ。ひと歩きしてコーヒーを淹れるためにテントに戻る頃、ようやく朝日が射し込む。明るさと暖かさを感じる。テントの中にやわらかく映し出される木の葉のシルエットが美しい。
06_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/200 f2.8 ISO200
 ポリコットンの素材感を繊細でシャープに描写しながらも、グラデーションは滑らかに表現する。テントの表面には霜がおりて雨でも降ったかのように濡れている。早く乾くように裏側から幕を弾いて水滴を飛ばすのがなぜか少し楽しい。
07_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/1000 f2.8 ISO200
 テントの表面についた霜をとても繊細に描写している。あとで拡大して見ると水滴をしっかり捕らえていた。朝のコーヒーを淹れて一息ついたら、カメラを手に撮影にでかける。
08_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/250 f3.5 ISO200
 朝日が射し込んで、あちらこちらに木漏れ日のスポットライトが当たりはじめる。秋の訪れを実感する。
09_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/1600 f2.8 ISO200
 衣装を借りるかのように後ろにある木の葉を羽織って着飾る大樹。コントラストが輝く葉を際立たせる。
10_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/1000 f2.8 ISO200
11_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/1000 f2.8 ISO200
 虫たちは時折ユニークなものを見せてくれる。まるでミニチュアのクレーンの様だ。
12_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/250 f2.8 ISO200
 細い枝の先から伸びる蜘蛛の糸を繊細に描写する。シャープネスが強いという訳ではなく、超高解像度がもたらす豊富な情報量が緻密さを表現するのだろう。パッキングされたかのように種を包んでいる、来年またここに生えますように。
13_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/200 f2.8 ISO200
 キャンプ道具は無造作に置いてもなぜか画になる。知人から頂いたランタン、フュアーハンド276。煤汚れとタンクの艶、相対する質感をありのままに表現する。
14_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/200 f2.8 ISO200
15_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/2500 f2.8 ISO200
 バックパックのナイロン生地とハチェットのヒッコリーの木目もリアルに写し出している。このアングルの主役は迷うことはない。
16_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/3200 f2.8 ISO200
 この写真も開放絞りで撮影している。驚くような解像感。白い岩肌が紅葉した葉の色鮮やかさを引き立てる。
17_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/1250 f3.5 ISO200
 手前のボケ感と合焦した部分のシャープさからもこのレンズのキレの良さが分かる。柔らかなラインが多くのレイヤーとなって表面に現れている。特に珍しいことではないが、実際何年かけてこうなったのだろう。
18_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/2500 f2.8 ISO200
 複雑な形状の岩肌の描写が美しい。水はスローシャッターで流すよりハイスピードで止めた方が冷たく感じる。写真の雰囲気と実際の温度は近い。
19_作例.jpg
■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/2000 f2.8 ISO200
 この高さまでは水位が上がってくるという印。よく観察すればこの様な自然のインフォメーションがたくさんある。
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■撮影機材 : SIGMA fp L + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境 : 1/200 f2.8 ISO200

さいごに

 今回一泊のキャンプで早朝から夜までfp Lを使用した。何よりもコンパクトで軽くデザインが美しいこのカメラは、アウトドアシーンにもマッチしている。使い込んで味がでるほどに愛着が湧く道具と言った感じだ。アクセサリーをあえて使用せず素のままで使用したが、とても楽しかった。面倒なことを敢えて楽しむキャンプと似て、背面モニターの反射を手で覆いながら覗いたり絞りリングを使ったりと、敢えて手間のかかる使い方をする事が何とも楽しい。  ひと手間かけて撮影した写真や映像は、有効画素数6100万画素の超高解像度で自分なりの特別な瞬間を最高の画質で記録してくれる。この頼もしい相棒とこれからも多くの撮影をしていこうと思う。 21_fp L.jpg ■フォトグラファー/ ビデオグラファー:坂口正臣 雑誌の撮影を経て広告写真・建築写真・映像撮影など福岡を拠点に幅広く活動中。坂口写真事務所(SPO)を運営。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: フォト/ビデオグラファーの坂口正臣さんによる、シグマfp Lレビュー記事。今回は秋も深まるキャンプでの一コマを、高解像な動画と静止画で収めていただきました。 ----- KEYWORDS: シグマ,Sigma,ボディー,fp L,レビュー,アウトドア ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ソニー FE 85mm F1.4 GM×ペット撮影|小川晃代 BASENAME: 484643748.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 小川晃代 DATE: 12/05/2021 11:00:00 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 85mm F1.4 GM,単焦点,犬/猫/ペット ----- BODY: 04_作例.jpg

はじめに

 ソニーの「FE 85mm F1.4 GM」は人物のポートレート撮影で王道の中望遠レンズです。重さは約820g。私が使っているα7R IVやα9 IIのボディとの組み合わせも良くしっくりきます。決して軽いレンズではありませんが、普段70-200mmレンズを使用してペット撮影をしている私にとっては、軽いと感じてしまいました。  高い解像力と美しいボケ味なので、一度使うとやみつきになるレンズ。今回はこのレンズでペットのポートレート撮影をしてみました。

ペットのポートレート撮影

 まずはバッチリカメラ目線のわんこを撮影。パグは顔周りに黒い部分が多いので、暗い場所だと特にピント合わせが難しい被写体なのですが、しっかりとシャープにピントが合ってくれました。解像感が高く、黒い部分も階調豊かに表現されています。また、毛の質感やパグの特徴であるしわの感じもしっかり再現されています。  奇声を出して一瞬こっちを見た瞬間に連写で撮影。いろいろな事に興味がある子がカメラを見てくれるのは一瞬なので、ペット撮影ではこの一瞬を撮り逃さずに撮れるかどうかが一番のポイントです。
01_作例.JPG
■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.4 1/250秒 ISO100
 普段は元気なイメージのパグ。ついさっきまでは元気に遊びまわっていましたが十分に探検もしたので、ちょっと疲れたのかな?ウトウトと眠りそうな雰囲気。せっかくなので少しイメージを変えてシックで落ち着いた感じで撮ってみました。どんなイメージにしたいかは色味がすごく重要になってきますが、重厚感がありながらも全体的には重たすぎず、ゆったりとした時間の流れを感じるような空気感を表現出来たと思います。斜め背後から固い光が当たっていて少しコントラストの強い場所ではありましたが、せっかくくつろいでくれたのでわんこに場所を移動してもらうわけにもいきません。逆光により暗くなってしまった顔周りは下からレフ板を当てる事で解消しました。  結果、目にキャッチライトも入り大きな目がより強調されたと思います。また、この子はまだ生後10ヶ月という事もあったので、いろいろな事に興味津々。その好奇心旺盛でキラキラとした輝く瞳もしっかり表現出来ました。ペットのポートレート撮影は、人間のモデルさんのようにポーズをつけたり場所を決めて撮影する事もありますが、基本はわんこの性格に合わせてこちらが動いて撮影をする事が多いです。わんこ次第で、遊びながら撮影をしたり、又は一通り遊んだ後に撮影をしたりとその子に合わせて撮影をしていきます。今回のようにわんこが落ちつく場所が出来たのであればその場で瞬時にフレーミングをして撮影するのが大事です。こんな時に一瞬の表情を逃さないようしっかりとピントが合ってくれたのは心強かったです。  大きくてキラキラした瞳。この子の可愛さを表現出来た1枚。
02_作例.jpg
■撮影機材:ソニー VLOGCAM ZV-E10 + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.6 1/1000秒 ISO320
 こちらも同じ場所で撮影した写真。木の枝のオブジェを手前に入れ込んだ所、良い感じの前ボケになってくれました。こっそりと覗き見している感じが表現出来たかなと思います。窓ガラスの模様がキレイだったので、窓を入れ込んだ縦位置で撮影した1枚。
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■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.4 1/500秒 ISO400 露出補正+1.0

魅力は大きなボケ味と圧縮効果

 このレンズの魅力は何よりも大きなボケ味。美しいボケを持つ作品はパッと見ただけで見るものをぐっと引き込んでくれます。こちらはカヤックの先端にいるわんこ。わんこの瞳はキレイに写り、カヤックは大きくぼけています。大きくぼけた赤と背景の青や緑が写真を華やかにし、その中でわんこがシャープに浮かび上がっていますね。水遊び後の写真ですが、太陽で半分乾いた毛の感じもしっかりと写せています。
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■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.4 1/3200秒 ISO100 露出補正+0.7
 水遊び中のわんこをあえて広くフレーミングして撮った写真がこちら。中望遠の圧縮効果が効いていて遠くにある山々がぐっと手前にあるかのように写せています。また、実際には他にも湖にカヌーが浮いていたのですが、入らないよう撮ればまるでこの湖と山を独り占めしているかのような気分に浸れます。この写真を見てわかるようにピントが合っている範囲はとても狭いです。その分手前と奥がキレイにぼけているので立体感のある美しい仕上がりになっています。手前にも大きなボケを入れたかったのでカメラは水面近くまで下げて撮影しました。  この日はおひさまが顔を出したり雲に隠れたりと明るさがころころと変わる日でしたが、ちょうどわんこの泳ぐあたりにうっすらと光が差し込んだ良い状況でした。
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■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.4 1/6400秒 ISO100 露出補正+0.7
 この圧縮効果が好きで私は望遠寄りのレンズを使う事が多いのですが、例えばこんなシーンでも落ち葉と猫の関係が良く撮れていると思います。公園内で下がコンクリートのため、シチュエーションとしては良くある平凡な状況です。しかし、FE 85mm F1.4 GMの圧縮効果で奥まで続く並木がぐっと引き寄せられ、木々の隙間がなくなり密集感が出ました。また、全体的にグリーンで埋め尽くされた事で人工的なコンクリート部分が目立たなくなって、自然と調和しているナチュラルなテイストで仕上がっています。
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■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.6 1/1000秒 ISO400 露出補正+0.3
 この公園に行く度にこの道で出会うにゃんこ。時々散歩で人間やわんこが目の前を通りすぎていきますが気にしない様子。ここがお気に入りのくつろぎスポットのようです。

ボケの利用方法

 公園の野良猫をワイルド感たっぷりに撮りたいなら多めの前ボケが効果的です。写真はこちらが見ている事にも気づかずくつろぐ猫たち。大あくびの瞬間を捉えました。場所的には猫がバッチリ見える所でしたが、手前にある低めの木の葉を探し、その葉でレンズ前を覆うような形で撮影しています。大きな前ボケと背景のボケ味に囲まれ、顔部分だけが鮮明に写っているのでより立体感が出て猫を浮き上がらせて写せました。顔部分だけはシャープに写したかったので、顔が葉で隠れないようしながら、前ボケ多めで撮影。  ボケ味が大きいと美しいだけでなく、背景の粗も隠せるので便利です。特に室内での撮影では生活感が出てしまい、写真を見た人も主役の方ではなくその背景の方に気をとられてしまいがちです。ですが、背景が大きくボケてくれれば、主役のみに集中してもらえます。
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■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.4 1/320秒 ISO125 露出補正+0.3
 こちらは和室での1枚。ちょうどくつろいでくれた場所がふすまのすぐ前。標準ズームレンズで撮ってみると、ふすまと子犬の距離が近すぎて、ふすまの柄が強調しすぎるしボケないしでこの子犬の可愛さが全く伝わりません。ですがFE 85mm F1.4 GMで撮れば、ふすまの柄が何だかお洒落なランダム模様の背景紙の前で撮ったかのように写り、全体的に優しい雰囲気になりました。  少しレトロでそれでいてさわやかな空気感もあります。ちらりと見えた子犬の白目が無邪気だけどあざと可愛さを兼ね備えていて、この子の良さを引き出してくれました。特に演出した訳ではなかったのですが、毬で遊び疲れた1シーンを狙ったかのように写っていますね。  ペットを撮る時は基本、ペットの目と同じくらいの位置にカメラを構えて撮影します。この子は畳に顎をつけてかなり低い位置だったのでカメラも畳においた状態で撮影をしています。
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■撮影機材:ソニー α9 II + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.4 1/800秒 ISO3200 露出補正+1.7
 こちらも室内での1シーン。興味津々で近づいてきたにゃんこを撮った1枚。シャープに合った瞳や顔部分から体にかけてのボケ味が滑らかで自然ですね。全体的にナチュラルなペット写真が好きな私にとってこのボケ感はたまりません。光が少しだけ差し込む窓際で撮影。こちらを見る美しい瞳に吸い込まれそう。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE 85mm F1.4 GM ■撮影環境:F1.8 1/400秒 ISO500 露出補正+0.3

まとめ

 FE 85mm F1.4 GMはきりっとシャープなピント面とそこからつながる柔らかいボケ味、主役を引き立たせるのに欠かせないレンズです。やわらかいボケ味が好きな私にとって、このボケ感はたまりません。85mmという焦点距離と中望遠レンズの圧縮効果は特に屋外のペット撮影で重宝します。開放値がF1.4なので暗い場所も安心。これからの時期、イルミネーションポートレート撮影でも頼りになるレンズです。 ■写真家:小川晃代 トリマー・ドッグトレーナー資格を保持し、ペットや野良猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ペトグラファーの小川晃代さんによる、ソニー「FE 85mm F1.4 GM」レビュー記事です。ボケの美しい中望遠単焦点レンズで撮る、ペット写真の写りをぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,単焦点レンズ,FE 85mm F1.4 GM,レビュー,ペット,動物 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: #04 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル BASENAME: 484640119.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: コハラタケル DATE: 12/06/2021 16:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,ポートレート(人物),なんでもないただの道が好き ----- BODY: 01_コハラタケルさんが撮影したモデルの五味未知子さん.jpg

はじめに

みなさん、こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。「なんでもないただの道が好き 街撮り講座」4回目の記事です! 今回は光条を利用したポートレートや街の背景色について解説しています。背景色に関しては僕が街撮りにおいて、もっとも気をつけているポイントですので参考にしていただけると嬉しいです。

フロントガラス×光条×ポートレート

みなさん、光条をご存知でしょうか? 主に風景写真やスナップの写真で太陽から放射状の光の線が伸びているのを見たことがあると思います。 02_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg 光条の有無で写真の印象は異なります。またレンズによって光条の出方が変わりますので、是非一度、自分が使っているレンズがどのような光条が出るのか調べてみてください。 光条はポートレートにおいても利用することがあります。太陽を使うこともあるのですが、街中で撮影する場合はビルの窓ガラスや車のフロントガラスを利用することもあります。
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■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F8.0 1/320秒 ISO160
太陽は位置が高く、光条+人物で撮影しようと思うと人物よりも高い位置にあるため、ローアングルで撮らない限り光条を人物の近くに配置するのが難しいです。 また、ローアングルでの撮影はフェイスラインやモデルさんの顔の角度などに気をつけないと顎のラインが消えてしまうことで顔が大きく見えることもあります。 ポートレート、とくに女性を撮影する場合は小顔に見せるためにも少し見下ろすような角度で撮影することが多いのですが、そうなると太陽の光を使った光条を見せるのは難しくなります。 しかし、ビルの窓ガラスの光やとくに車のフロントガラスは人物の顔の高さとほぼ同じ位置にあるため、光条+人物で撮影しやすいです。実際に撮影した写真がこちらです。
04_コハラタケルさんが撮影したモデルの五味未知子さん.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F8.0 1/320秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
アイレベルで撮影していますが、光条を顔の近くに配置することができました。 レンズの絞りを開放だけで撮影しているとこのような写真は撮れません。「#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座」でも話しましたが、写真は写真集のように組んで考えるのが大切だと考えているため、一度の撮影でなるべくバリエーション豊富に撮ることを心がけています。 強い光源を発見したら開放だけでなく、絞って撮ることもチャレンジしてみてください。

背景に入る色をなるべく淡色にする

まずはこちらの3枚の写真をご覧ください。 <1枚目> 05_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg <2枚目> 06_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg <3枚目> 07_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg どれも何気ないただの道の写真に見えるかもしれませんが、実は僕のなかで順位があります。 08_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg 結果は2枚目に見せた写真がもっとも好きな背景です。ちなみにそれ以外の写真に関しては失敗写真です。 「えっ? 何が違うんですか?」と思う人も多いかもしれません。 僕は街で写真を撮るとき"背景に入る色がなるべく淡色で構成されるようにしています。別の言い方をするならば、原色や二次色のなかでも色が強い(濃い)ものが入らないようにしています。 改めてそれぞれの写真をご覧ください。 09_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg 1枚目に見せたこの写真はわかりやすいですね。右手前にオレンジ・赤・青の3色が大きい範囲で写っています。ほかにもいろんな場所に原色・二次色が入っており、ここに記していない箇所もあります。 僕は原色・二次色は淡色よりも目立つ色だと考えています。人物はどのロケーションにおいても目立つ存在ではありますが、原色・二次色が強すぎるとそちらに視線が奪われることも少なくありません。より主題である人物を目立たせるためにも、僕は背景色はなるべく淡色になるようにしているのです。 次の写真も見ていきましょう。 10_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg さきほどの写真に比べると小さい範囲ではありますが、この写真にも多くの原色・二次色が含まれています。 気にならない人もいるかもしれませんが、このような細かいこだわりが自分以外の人との写真に差を生むと考えています。 もちろん妥協することもあります。例えば、この写真を背景にしてモデルさんがすごく良い表情をしている場合、そちらを優先して写真を残すこともあります。しかし、欲を言えば背景も整理されていてモデルさんの表情も良いというのがベストだというのは間違いありません。 次に成功写真を見ていきましょう。 11_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg こちらも原色・二次色が含まれていますが、全体的に背景が淡い色で構成されているのがわかると思います。 背景に関しては歩いている人や走っている車、洗濯物も重要です。 12_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg 右側に布団が干されていますが、もしもこの布団が原色や二次色だったら、おそらく僕はこの場所で写真を撮っていません。 建物の色や看板はそう簡単に短い期間で変わることはありませんが、歩いている人や走っている車、洗濯物などはその日・時間帯によって異なります。右手前に白い車、そして、道路をシルバーの車が走っていますが、もしもこの車がもっと派手な色だったら、僕はここで写真を撮りません。奥にいるサラリーマンの方達ですかね。この方達の服の色も重要です。 もちろん妥協点を見つけるのも重要で、様々な色が混在する街撮りにおいてはあまりにもこだわりすぎると、全然シャッターを切れない状態になってしまうこともあります。 また、写真に絶対はないと僕は考えています。僕とは逆に原色を入れた撮影をしている人もいますし、それ以外の色の組み合わせで背景を選んでいる人もいます。 さらに原色が目を引くということは、逆にそれを利用して写真を撮ることもあります。こちらに関してはまた別の機会にお話しできれば良いなと思っています。

シャッターはたくさん切るが、1ヶ所で粘らない

最終的に選んだのがこちらの写真となります。
13_コハラタケルさんが撮影したモデルの五味未知子さん.jpg
■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F9.0 1/1000秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
残念ながら道路を赤いバイクと奥からこちらに向かって走ってきているトラックの前面が赤色なので、これらが写真に入っていなければと思うところなのですが、これが僕の妥協点ですね。モデルさんの立ち位置・動き・ほかの車の色などを優先しました。 このように車の通りや人通りが多い道では何度もシャッターを切ることが多いです。実際このときは…… 14_コハラタケルさんが撮影した写真.jpg これだけシャッターを切っています。 途中では大胆に空を入れない構図も考えたのですが、「これじゃないな……」と思い、最終的に空を入れた構図へ変更しています。 僕は街撮りにおいてシャッターを切る回数は多いものの、2回・3回と同じ場所で何度もチャレンジすることは少ないです。このときもこの場所では1度しか撮影していません。 絶景と違い、街撮りでは数十メートル歩けば景色が変わっていきます。1ヶ所で粘って撮影するよりはどんどん歩いて次の場所で撮影するほうが僕は好きです。さらにモデルさんのテンションを考えると、何度も何度も同じ場所で撮影するよりは、いろんな場所で撮影したほうが飽きもこないし、楽しいのではないかと僕は考えています。 もちろん人によってこだわりたいポイントは違うと思いますので、1ヶ所で何度も撮影にチャレンジすることも素晴らしいと思います。

まとめ

写真を撮っている人は皆、こだわりのポイントがあると思います。しかし、そのポイントを自身が把握しているかというと把握できていない人もいます。今回の記事を通して、自分が写真において何にこだわって撮影しているのか振り返るきっかけになれば幸いです。 15_コハラタケルさんが撮影したモデルの五味未知子さん.jpg ■モデル:五味未知子 ■写真家:コハラタケル 1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。

コハラタケルさんの連載記事はこちら

#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/483346238.html #02 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/483447191.html #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/484139215.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のコハラタケルさんによる連載第四弾記事です。街撮りポートレートの撮影テクニックを紹介しています。作例と解説コメントを分かり易く説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,レンズ,人物_子供,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 今コストパフォーマンスが高いカメラ|ソニー α7R IIIとα7 III BASENAME: 484604017.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 12/07/2021 16:00:00 TAGS: ソニー(Sony) ボディー,α7 III,α7R III,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: 00_top.JPG

はじめに

 仕事柄よくカメラやレンズの購入に関して相談されることが多くあります。これからカメラを趣味に始めたい方からベテランの方まで様々。最近写真撮影が楽しくなってきて、本格的にカメラを購入したい友人から相談があったので、改めていろいろな観点で何がおすすめできるかを考えてみました。  予算が無尽蔵にある人であれば、何も考えずフラッグシップのカメラを購入すれば満足すると思いますが、そんな人はほとんどいないでしょう。欲しいカメラが決まっていれば、購入金額を貯めて欲しいカメラを購入すればよいですが、意外にも購入したいカメラを決めきれない人も多いと思います。 何を撮りたいのか? どんなレンズが必要なのか? 予算はいくらなのか? どんなアクセサリーが必要なのか?  相談を受けると必ずこのあたりの質問を返してアドバイスをします。撮影したい内容によってカメラ本体に予算をかけるのか、レンズに予算をかけるのか変わってきます。今回はソニーのフルサイズαで、今どの機種がコストパフォーマンスが高いのか、実際に撮影した作例も合わせて紹介します。

コストパフォーマンスの高いソニーフルサイズαはどれだ

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■撮影機材:SONY α7R III + FE 70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離83mm
 現在(2021年11月現在)ソニーから発売されているフルサイズのαは、α1、α9 II、α7R IV、α7S III、α7R III、α7 III、α7C、α7 IIの8機種。ソニーは新型が出た後も旧機種になったα7R III、α7 IIなどを現行の機種よりもお得な価格にして継続的に販売しています。この8機種を個人的主観で、コストパフォーマンスの高い機種を絞り込んでみました。  α7 IIは供給不足により現在注文ができない状況にありますが、値段的にも一番安価。しかし、発売(2014年)からかなり年数経過をしており、価格面では魅力はあるものの全体的な魅力は劣るので現時点では購入をおすすめしにくい。その理由の一つにバッテリーの問題があります。というのも、現状販売されているフルサイズαの中で、唯一バッテリーが「NP-FW50」の仕様。その他のフルサイズαはすべて「NP-FZ100」の仕様で、「NP-FW50」に比べて約2倍の高容量バッテリーになっています。バッテリーの余裕は撮影の余裕に直結する問題ゆえ、この点においてα7 IIは今回のピックアップから除外となります。  α1やα9 IIはとても素晴らしいカメラである事は間違いありません。筆者もスポーツ撮影には欠かせないカメラとなっています。しかし、値段という点ではなかなかハードルが高い機種です。ボディだけで50万円を超える価格は簡単に出せるものではないですよね。業務で使うとかプロスポーツを撮るとかで、高速な連写性能やAF性能を必要とする被写体を撮影するのが必須の人は選択するべき機種ですが、それ以外ではよほど懐に余裕がないと厳しいのが現状だと思います。  動画撮影寄りのα7S IIIは少し特殊性があるので、静止画がメイン撮影の人にはおすすめする機種から外れます。こうやって絞り込んでくると残りはα7R IV、α7R III、α7 III、α7Cの4機種。  高画素機の新旧(α7R IV、α7R III)で比較してみると、当然のごとく画素数もα7R IV(約5100万画素)の方が多く、α7R III(約4240万画素)よりも魅力的なスペックです。価格面を見てみるとα7R IVボディが約38万円弱、α7R IIIボディが約32万円弱とその差は6万円ほど。この価格差であれば、新しいα7 IVを選択する方が良いと思われますが、現在「αフルサイズウィンタープレミアムキャンペーン」(2021年10月22日~2022年1月11日)が実施されており、この2機種は5万円のキャッシュバック対象になります。そうなると実質α7R IVボディが約34万円弱、α7R IIIボディが約27万円弱となり、α7R IIIが30万円を切って魅力的に見えてきます。 mainvisual.jpg ※こちらのキャンペーンは終了しております。 キャッシュバックセールを加味した価格で4機種を検討してみると、 α7R IV(2019年発売)…約34万円 ※αフルサイズウィンタープレミアムキャンペーン対応 α7R III(2017年発売)…約27万円 ※αフルサイズウィンタープレミアムキャンペーン対応 α7 III(2018年発売)…約24万円  ※レンズキットFE28-70mm F3.5-5.6 OSS付き α7 III(2018年発売)…約22万円 α7C(2020年発売)…約20万円  α7Cが価格も安く新しい機種として魅力もありますが、α7 IIIレンズキットのコストパフォーマンスの高さは目を引くものがあります。α7 IIIは新たに発表されたα7 IVの事もあり、今後の価格を注目したいところです。 ※売価は(記事掲載)2021年12月7日時点のキタムラネットショップ価格(税込)を参考にしています  実際に各機種を使用した感覚と市場の価格面からコストパフォーマンスの高い機種を個人的に選んでみると、風景写真などをメインに趣味の写真を満喫する人にはα7R IIIをおすすめし、家族写真やスナップ写真、ペットなど少し動く被写体を含めたものを撮りたい方にはα7 IIIがおすすめになります。  α7 IVが発表されたことで共に一世代前の機種になりますが、その性能は問題なく一級品の実力とスペックを持っています。特にα7R IIIに関しては、このキャンペーンが魅力的な機種です。また、キャンペーン対象にはなっていませんが、α7 IIIもキットレンズ付きの価格がとても魅力的になっています。

α7 IIIとα7R IIIのどちらを選ぶ?

 α7 IIIはとても優秀なオールラウンダーのスタンダード機、α7R IIIは高画素機といった性格の違いがあります。スペック的に違う部分をピックアップして比較してみました。
 α7R III(ILCE-7RM3A)α7 III(ILCE-7M3)
カメラ有効画素数約4240万画素約2420万画素
フォーカスエリア
ワイド
399点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
ワイド
693点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
ISO感度
静止画撮影時:ISO100-32000
(拡張:下限ISO50、上限ISO102400)
静止画撮影時:ISO100-51200
(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)
ファインダー総ドット数
3,686,400 ドット
2,359,296 ドット
液晶モニタードット数2,359,296 ドット921,600 ドット
手ブレ補正機能5.5段5.0段
連続撮影可能枚数
JPEG Lサイズ エクストラファイン:約76枚
JPEG Lサイズ ファイン:約76枚
JPEG Lサイズ スタンダード:約76枚
RAW:約76枚
RAW+JPEG:約76枚
RAW(非圧縮):約28枚
RAW(非圧縮)+JPEG:約28枚
JPEG Lサイズ エクストラファイン:約163枚
JPEG Lサイズ ファイン:約172枚
JPEG Lサイズ スタンダード:約177枚
RAW:約89枚
RAW+JPEG:約79枚
RAW(非圧縮):約40枚
RAW(非圧縮)+JPEG:約36枚
静止画撮影可能枚数
ファインダー使用時:約530枚
液晶モニター使用時:約640枚
ファインダー使用時:約610枚
液晶モニター使用時:約710枚
質量(本体のみ)約572g約565g
 連写の最高速度はどちらも同じの10コマ/秒ですが、有効画素数の違いにより約4240万画素のα7R IIIの方がファイル1枚あたりの容量も増える為、連続撮影枚数はα7 IIIよりも落ちます。通常の撮影や風景撮影などにおいては、画素数の多いα7R IIIの方に分がありますが、連写をする撮影においては(連写する枚数にもよりますが)α7 IIIが有利になります。  ISO感度は設定できる上限値がα7 IIIの方が1段階高く設定できますが、実際にはそれほどの高感度設定を使用するシーンはほとんど無いので、大きな問題にならないでしょう。  フォーカスエリアにおいて、コントラスト検出方式では測距点の差はありませんが、位相差検出方式ではワイドで693点の測距点を持つα7 IIIの方が優秀で、オートフォーカスのピント合わせの精度がより高いと言えます。  ファインダー内の見やすさ、背面液晶の見やすさという点においてはドット数が多いα7R IIIが有利です。 ※2021年6月にILCE-7RM3からILCE-7RM3Aにマイナーチェンジされており、液晶パネルの仕様が変更(約144万ドット→約236万ドット)になっています。
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■撮影機材:SONY α7R III + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF11 ISO200 焦点距離105mm
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■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF8 ISO800 焦点距離105mm
 画素数が多ければ、撮影した後の画像調整においてトリミングができる範囲も広く余裕がありますが、α7 IIIの2400万画素が足らないという訳ではありません。実際に2400万画素あればA3サイズプリントの必要画素数(理論値)をカバーできますし、A1サイズのプリントでも問題なく対応可能です。  どちらか一つを選ぶとなると難しい選択にはなりますが、風景などの被写体をメインに撮影するならα7R III、オールマイティーにいろいろ撮影をしたい人にはα7 IIIがおすすめになると思います。

α7R IIIの高画素機の魅力

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■撮影機材:SONY α7R III + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離77mm
 α7R IIIの最大の魅力は、やはり約4200万画素という大きな画素数に尽きます。後継のα7R IVは約5100万画素に画素数をアップしていますが、今なお約4200万画素は高画素であり必要にして十分な画素を持っています。写真展で使用するような大きなプリントでも安心してイメージ通りのプリントをする事ができます。  筆者がこのα7R IIIでよく使用する方法があるのですが、それは高画素機ならではの使い方だと思っています。具体的には望遠側で撮影していて距離感が足りない場合に、積極的にクロップ撮影をします。  ボディのカスタムボタンに、フルサイズとAPS-Cの切替を登録し積極的に使用しています。α7R IIIであれば、フルサイズ撮影なら約4200万画素(7952x5304ピクセル)になりますが、APS-Cモードで撮影しても約1780万画素(5168x3448ピクセル)残ります。APS-Cモードであれば焦点距離を1.5倍で撮影する事ができるので、望遠でのクロップ撮影をしても画素数が十分に残っているのは非常にありがたいと感じています。
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【α7R IIIカスタムキー設定画面】筆者はカスタムボタン1かレンズのフォーカスホールドボタンに「APS-C S35/フルサイズ切換」を割り当てている
 実際にα7R IIIでクロップ撮影をしたものが下の写真になります。
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■撮影機材:SONY α7R III + FE 400mm F2.8 GM OSS (x2倍テレコンバーター使用) ■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離1200mm(APS-Cモード撮影)
06_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF8 ISO800 焦点距離600mm(APS-Cモード撮影)
07_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + FE 70-200mm F2.8GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF16 ISO200 焦点距離300mm(APS-Cモード撮影)
 高画素機ならではAPS-Cクロップ撮影は、レンズ交換の手間を省き瞬時に1.5倍相当の望遠に切換えできるメリットは大きいです。
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■撮影機材:SONY α7R III + FE 400mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度20秒 絞りF8 ISO100 焦点距離400mm
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■撮影機材:SONY α7R III + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF10 ISO800 焦点距離158mm
 もちろん通常のフルサイズモードで撮っておけば、約4200万画素のピクセル数があるので、後でトリミングなどの調整でも余裕をもって対応する事ができます。
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■撮影機材:SONY α7R III + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF6.3 ISO400 焦点距離600mm
 リアルタイム瞳AF(動物・人物)にも対応しているので、ペットの撮影はとても快適にピント合わせをしてくれます。
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■撮影機材:SONY α7R III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA ■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
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■撮影機材:SONY α7R III + FE 70-200mm F2.8GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離200mm
 α7R IIIは風景からネイチャー、ペットまでそつなくこなせる高画素機。十分な画素数と瞳AF、そして秒間10コマの連写性能があり、一世代前の機種である事を感じさせないカメラです。

α7 IIIは高性能なオートフォーカスが魅力

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■撮影機材:SONY α7 III + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離535mm 撮影協力:ソニーHC BRAVIA Ladies
 α7 IIIは、α9に搭載された撮像エリア全体の約93%をカバーする693点像面位相差AFセンサーを搭載しており、この点においてはα7R IIIよりも高性能です。  オートフォーカス性能が高いと言うのはかなりの重要なポイントです。リアルタイム瞳AFと合わせて、人物/ペットや野生動物の瞳を高速・高精度に検出してオートフォーカス追随を可能にしていますし、スポーツ撮影にも十分に対応できるオートフォーカス性能を有しています。  下の写真は、FE 50mm F1.2 GM OSSで撮影した猫の写真ですが、絞りをF1.2の開放で撮影しています。F1.2という非常に浅い被写界深度で撮影しているのですが、さすが動物瞳AFといったところでしょうか、動く猫の目にピントばっちりです。
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■撮影機材:SONY α7 III + FE 50mm F1.2 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF1.2 ISO400 焦点距離50mm
 モルモットの目でも瞳AFは有効でした。
15_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 III + ZEISS Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離135mm
 10コマ/秒の連写撮影も、最新のスペックには劣るものの必要にして十分の能力と言えます。下の様なシーンでは連写機能はとても重宝します。 16_作例.JPG
17_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF3.2 ISO6400 焦点距離55mm
 α7 III、α7R IIIでスポーツ撮影や動く被写体を撮るときに注意点があります。シャッターの設定をサイレントモード(電子シャッター)で撮影すると、ローリングシャッター現象が発生する頻度が高くなることです。  ローリングシャッター現象は、下の様な写真で高速で動く部分に影響が出てくる場合が多く、被写体に大きな歪みが生じます(※ボールの歪みに注目)。こうなってしまうとせっかくの写真も台無しになってしまうので、α7 IIIやα7R IIIで動く被写体を撮影する際には、メカニカルシャッターで撮影するのがベストです。
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■撮影機材:SONY α7 III + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF8 ISO400 焦点距離315mm ※サイレントモード(電子シャッター撮影)
 高感度ノイズ関して、α7 IIIは無理のない画素数なのでα7R IIIよりも良好です。常用でISO6400までは許容範囲で使用できます。下の写真はISO12800で撮影してみたものになりますが、ISO12800でも思っていたよりノイズが少なくビックリしました。
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■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF4 ISO12800 焦点距離24mm
 α7 IIIで今回の「αフルサイズウィンタープレミアムキャンペーン」(2021年10月22日~2022年1月11日)の対象になっているレンズ「SEL24105G」と「SEL55F18Z」を使って撮り歩きをしてきました。  このFE 24-105mm F4 G OSS「SEL24105G」レンズは、広角24mmから中望遠105mmまでをカバーするGレンズ。α7R IIIと同時に発売されたレンズで、非常に使い勝手もよく万能なレンズであらゆるシーンで活躍してくれるレンズです。また、Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA「SEL55F18Z」はZEISSブランドのレンズで、ハイライトからシャドウまで優れた階調再現性と高解像を実現できると人気のレンズです。
20_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離24mm
21_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF20 ISO800 焦点距離24mm
22_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 III + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/40秒 絞りF5 ISO6400 焦点距離65mm
23_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
24_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm
25_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 III + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm

まとめ

 今回、新機種ではなくあえてコストパフォーマンスという面からピックアップしてみたα7R IIIとα7 III。実際に撮影してどちらもスペック的に大きな不満は感じない良くできたカメラだと改めて感じました。  個人的にさらに絞り込んで1機種を選ぶとなると、キャンペーンによるキャッシュバックをしているα7R IIIを選択することになります。理由としては、高画素によるクロップ撮影にも耐えられる点が挙げられます。筆者はよく望遠側の領域を使って撮影する事が多く、クロップ撮影に頼ることも多いのがα7R IIIを選ぶ理由です。  最終的には撮影する被写体や頻度、目的によってカメラ本体を選ぶことになりますが、使わないであろう機能にお金を投資するよりも、その差額の金額をレンズ購入に充てたほうが良い写真を撮れます。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。 ■更新 ・2022年1月12日:キャンペーン終了につき内容を修正しました
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんに、ソニーのα7 IIIとα7R IIIを比較レビューしていただきました。コストパフォーマンスに優れるこの2機種で違いは一体何なのか。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,ボディー,α7 III,α7R III,レビュー ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム XFレンズコンパクトプライムシリーズ|XF35mmF2 R WR レビュー BASENAME: 484600381.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 12/08/2021 16:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF35mmF2 R WR,スナップ,単焦点 ----- BODY: 00 Top.JPG

はじめに

 富士フイルムXマウントレンズの大口径プライムシリーズにXF33mmF1.4 R LM WRが加わり、標準単焦点レンズのラインナップはXF35mmF1.4 R、XF35mmF2 R WRと合わせて計3本になりました。  その中でも使い勝手のよいコンパクトプライムシリーズであるXF35mmF2 R WRは、筆者にとって発売当初より使ってきた使用頻度の高い愛着あるレンズです。都度XF35mmF1.4 Rと比較されることの多いXF35mmF2 R WRですが、その魅力は小さいだけでなく、確かな写り。今回はミニマルボディのX-E4と一緒にXF35mmF2 R WRを連れて街をスナップしながら歩いてみました。 ■第二弾のXF23mmF2 R WR編はこちら ■第三弾のXF16mmF2.8 R WR編はこちら

取り回しやすいコンパクトサイズXF35mmF2 R WRの魅力

 質量わずか170gの軽量コンパクトなXF35mmF2 R WRは、35mm判換算で53mmの画角に相当します。F1.4よりも絞り一段分暗いと言われますが、購入しやすい価格帯やサイズは大いに魅力的。開放F値2.0という明るさは大口径ではない分、性能面にも余裕があり光学設計を無理せず小型軽量化されています。6群9枚のレンズ構成を採用しており、そのうち非球面レンズは2枚で構成されています。  レンズ最大径60mm、全長45.9mmというコンパクトスリムなデザインは、撮影される被写体にとってもレンズの存在を意識させることがないという点で大きなメリットです。 01 XF35mmF2.JPG  鏡筒全面に金属を使用した上質な造りで、マニュアル操作を意識したピントリングと絞りリングのしっとりと重さを感じるトルクはマニュアルレンズのような上質で心地良い手応えと、操作感も抜群。  また、レンズの色が選べるという点もコンパクトプライムシリーズの良さで、筆者はシルバーレンズ×ブラックボディの組み合わせが好きなので迷わずシルバーを購入しました。今はX-E4との組合せでベストなサイズ感にも大満足しています。さらに、防塵・防滴・-10℃の耐低温構造というXF35mmF1.4 Rにはなかった機能も盛り込まれおり、雨や埃、外気温を気にせず歩けるのでアクティブなシーン、スナップ撮影には最適です。

キビキビとしたストレスのないAF

 AFスピードはインナーフォーカス採用により最速0.08秒という超高速を実現。何よりもステッピングモーターで駆動させるAFの速度が素晴らしく速いのが特長。私自身、スナップ撮影においてはタイミングを逃さずテンポよく撮影していきたいので、オートフォーカスの速さは重要視しています。
02 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/850秒 F/3.6 ISO160 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 室内や光量が少なくなる夕刻、強い光を浴びたコントラストの高い被写体などでも、インナーフォーカスによってストレスのない合焦をしてくれるので、軽快に撮影ができる心地良さを感じています。撮影が捗るフォーカスの速さだけを見てもかなり優秀なレンズです。
03 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/1500秒 F/2 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション: ETERNA/シネマ

しっかりと写し込む力強い描写

 絞り開放から解像力があり、少し絞り込むだけで輪郭線が力強く描写されます。コントラストが高い描写で、明瞭感のある被写体をよりくっきりと見せる事が得意なレンズで、全体的に深みを感じられる発色は、レンズの発売当初ボディに搭載されていなかった有効画素数2,610万画素APS-Cサイズのセンサー「X-Trans CMOS 4」や画像処理エンジン「X-Processor 4」、新たなフィルムシミュレーション「クラシックネガ」「ETERNAブリーチバイパス」などが加わってより印象深い画作りとなり、レンズの解像力が益々引き出されたように感じます。
04 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/100秒 F/3.6 ISO1000 AUTO WB雰囲気優先 +1.3EV ■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
 散歩をしながら撮影していると、日々の中でも突然思いがけないシーンに出会いシャッターを切ることも多いのですが、明暗のコントラストがあっても細部までしっかりと描写してくれる安心感があります。
05 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/170秒 F/11 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 -1.0EV ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 夕陽が差し込むマンションはアドバンストフィルター「Pop」で陽射しの鮮やかさを引き出してみました。画面奥に行くほど細くなる電線もしっかり映し込んでいます。
06 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/750秒 F/3.6 ISO320 AUTO WB ■フィルムシミュレーション:Adv.フィルター Pop

開放F2のボケと最短撮影距離35cm

 輪郭が溶けていくようにボケるXF35mmF1.4 Rに対し、XF35mmF2 R WRは輪郭を残しながらその場の雰囲気を感じさせてくれるボケです。もちろん、被写体との距離や、合焦面と背景の距離の関係によってボケ方も異なりますが、筆者はこのXF35mmF2 R WRの臨場感ある雰囲気が好み。X-E4でフィルムシミュレーション「クラシックネガ」を使うようになり、ピント合焦面のキレの良さとボケのバランスによって一層ネガフィルムらしい深みのある優しさが感じられるようになりました。
07 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/2900秒 F/2.6 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
08 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/80秒 F/2 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 +1.0EV ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 最短撮影距離は35cm。主にテーブルフォトで活躍しますが、近寄って撮影する被写体の大きさを考えれば十分すぎるほど。立体感を感じる質感描写には高い満足度が得られます。
09 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/105秒 F/2 ISO500 AUTO WB雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 雑草の中に咲く野花は背景から分離して浮き上がるように。小さなつぼみはかわいいボケとなってアクセントになりました。こうして画面全体にニュアンスが感じられるところも気に入っている理由の一つです。
10 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/85秒 F/2 ISO160 WB太陽光 ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)

散歩しながらご近所フォトでウォーミングアップ

 在宅時間も増え、なかなか思い切って撮影に出かけられない時は日々の中で撮影を楽しんでいます。小さなバッグにも入り、持ち運びの負担にならないX-E4とXF35mmF2 R WRのサイズ・重量はベストバランス。  また、被写体の魅力を引き出す「寄り・引き・アングル・距離」の変化といった標準レンズの画角で身に付けたい基本的なレンズワークや、レンズの特長・風合いを感じるには〝ご近所フォト〟が最適です。動物たちとの出会いを楽しみながらお互いの距離感をつかんだり、アングルを変えてみたり、目に留まったものを切り取ってみるなど、旅写真と同じ感覚が養えるのでフラッと散歩に出掛けてウォーミングアップ。
11 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/480秒 F/2 ISO320 WB曇天 +0.3EV ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
12 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/38秒 F/2 ISO160 WB曇天 +0.3EV ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
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■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/100秒 F/2 ISO160 WB曇天 +0.7EV ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 素敵な店先に出会ったら、迷わずお店の方に声を掛けて撮影させていただくなど、コミュニケーションが必要なシーンでも威圧感のないコンパクトプライムシリーズならではの良さを感じられます。
14 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/340秒 F/2 ISO320 AUTO WB雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
15 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF35mmF2 R WR (53mm) ■撮影環境:SS1/105秒 F/2 ISO400 AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV ■フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
 カメラやレンズの操作慣れはもちろんですが、小さな発見も、出会ったときの会話も、日頃から心掛けておかないと忘れがちです。気持ちの良い撮影を行うためにも今から少しずつ積み重ねておきたいですね。

おわりに

 私にとっては理屈抜きで純粋に撮影が楽しいレンズがXF35mmF2 R WRです。このレンズを購入してからというもの、代々所有してきたXシリーズのボディにはほぼXF35mmF2 R WRを付けて歩いています。  標準レンズの王道ともいえる仕様とクイックレスポンスのAFに加えて、サイズのコンパクトさは旅行時にも心強い味方。描写力の高さから見ても決して普及型レンズと言われるものではなく、むしろ優れているといえるでしょう。フィルムシミュレーションとの組み合わせによって益々魅力的な画作りが可能になったXF35mmF2 R WRは、被写体を限定せずどんなシーンでも活躍してくれるので、Xユーザーならぜひ手元に置いてもらいたい一本です。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんによる、富士フイルム「XF35mmF2 R WR」のレビュー記事です。軽量コンパクトながら開放F2の明るさと優れた描写力を持った、スナップに最適な単焦点レンズです。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,単焦点レンズ,XF35mmF2 R WR,レビュー,スナップ,こばやしかをる ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD レビュー|葛原よしひろ BASENAME: 484544415.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 葛原よしひろ DATE: 12/09/2021 16:00:00 TAGS: タムロン(Tamron) レンズ,35-150mm F/2-2.8 Di III VXD,ポートレート,望遠ズーム ----- BODY: TAMRON35-150mm F2-2.8 Di III VXD

はじめに

 今回はタムロンより新しく発売されましたソニーフルサイズEマウント用レンズ、35-150mm F2-2.8 Di III VXDのレビューをさせて頂きます。おもしろい焦点距離の明るいズームレンズですが、F値の低さから見て、主な使用用途はポートレートかと思いますのでポートレート中心でお話させて頂きます。

35-150mm F2-2.8 Di III VXDポートレート作例

タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD002.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2.8 1/30秒 ISO-1600 焦点距離 100mm ■モデル:安藤美樹
 Miss Grand Japan 2020ファイナリスト安藤美樹さんと撮影。撮影時に雨が振っており、雨宿りに立ち寄った神社が少し薄暗かったのですが、雰囲気が良くて撮影することにしました。開放F値が2-2.8と明るいズームレンズですので少々暗くても平気なのは嬉しいですね。また簡易防塵防滴構造な事も、雨の日の撮影では嬉しい機能です。
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD003.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2 1/160秒 ISO-1600 焦点距離 35mm ■モデル:安藤美樹
 最近のタムロン製レンズの特徴と言っても良い程、近接撮影能力が高くて被写体に寄れるので本当に使いやすいです。この写真は焦点距離35mmの時は開放F2での撮影が可能ですが、ピント面から背景まで柔らかく優しいボケ味が心地良い印象でした。
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD004.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-1600 焦点距離 150mm ■モデル:安藤美樹
 次は望遠端150mmでの撮影です。35mm側では柔らかい印象でしたが、それと比べると150mm側は、かなり解像感が高くシャープな印象を受けました。150mmも絞り開放撮影なのですが、開放値が変動するレンズなので35mmの開放がF2なのに対して150mm側ではF2.8になります。その辺りも解像感の差と関係しているのかもしれませんね。
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD005 35mm.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2 1/100秒 ISO-1600 焦点距離 35mm ■モデル:ゆりな
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD006 50mm.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2.2 1/160秒 ISO-1600 焦点距離 50mm ■モデル:安藤美樹
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD007 70mm.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2.5 1/1600秒 ISO-1600 焦点距離 70mm ■モデル:安藤美樹
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD008 105mm.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2.8 1/100秒 ISO-100 焦点距離 100mm ■モデル:りのん
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD009 135mm.jpg
■使用機材:SONY α7 R IV+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-100 焦点距離 135mm ■モデル:ゆりな
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD010 150mm.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2.8 1/100秒 ISO-100 焦点距離 150mm ■モデル:りのん
 焦点距離を変えた作例を並べてみましたので、各焦点距離での描写を参考にしてください。どの焦点距離でも被写体との距離も関係なくAFの動作は速くて正確だったので、ズーム全域でストレスなく軽快に撮影することが出来るのは、かなり良かったです。
011-A 35mm.jpg
■使用機材:SONY α7 R IV+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2 1/2000秒 ISO-100 焦点距離 35mm ■モデル:ゆりな
011-B 100mm.jpg
■使用機材:SONY α7 R IV+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO-100 焦点距離 100mm ■モデル:ゆりな
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD012 150mm.jpg
■使用機材:SONY α7 R IV+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/2.8 1/1250秒 ISO-100 焦点距離 150mm ■モデル:ゆりな
 撮影をしていて気付いたのですが、このレンズの前ボケが凄く好みです。後ろのボケも良いのですが、前ボケからゆっくり優しく後ろまで均一にトロけるようなボケが、本当に心地よくて凄く気に入りました。作例は35mm広角端の時と中望遠100mmと、望遠端の150mmですが、ズーム全域で統一感の有るボケ方なので使いやすいです。

35-150mm F2-2.8 Di III VXDスペックについて

35-150mm F2-2.8 Di III VXD35-150mm F2-2.8 Di III VXD35-150mm F2-2.8 Di III VXD35-150mm F2-2.8 Di III VXD35-150mm F2-2.8 Di III VXD  スペックのお話もさせて頂きます。届いて箱から出した時の印象は正直デカい!でした。実際、長さ158mm、幅89.2mm、フィルター径82mm、重量1,165gの本体は持ってみるとズッシリと重量感が有り、最近のタムロンのレンズは小さくて軽いイメージの物が多かったので少々驚きました。よく考えれば35mm-150mmのズームでF2-F2.8という凄く明るくて高倍率のズームレンズなので、大きくなるのは当たり前なのです。  大きさはともかく重さに関しては少し印象が違います。正直、今回のレンズは今までのタムロンレンズとは一線を画すほどに造りが良いです。外観の高級感も含めズームリングやフォーカスリング、その他スイッチ類まで耐久性の有る印象でしっかりとしています。勿論今までの物がしっかりしていなかった訳では無いのですが、更にしっかりとした印象で、この造りであればこの重量も頷けると思いました。  使ってみた印象は作例の項にも書きましたが、VXDリニアモーターの制御が素晴らしくAFのスピードも精度も文句なしの性能でした。他機能に割付可能なフォーカスホールドボタンも3か所に装着されており、縦位置横位置に限らず、あらゆる角度で押せるのは操作しやすくて嬉しかったです。  その他にも別売のケーブルを購入すると、TAMRON Lens Utilityで色々なカスタマイズ可能な事も、被写体や撮影条件に対してシビアに調整出来てとても良いです。焦点距離や開放F値が2.8通しでは無く35mm広角側でF2始まりという事から、このレンズは基本的にポートレート向きなレンズだと判断して今回はポートレートを沢山撮らせて頂きました。  このレンズ1本有れば、ポートレート撮影会のような撮影は殆ど行けてしまうので、最初の印象で大きく重いと思いましたが、1本だけでレンズ交換無しに満足のいく撮影が出来ると考えると手軽な印象に変わりました。

35-150mm F2-2.8 Di III VXD風景作例

 マルチスタイルフォトグラファーの私としてはポートレートばかりというのも寂しいので、最後に風景写真も観て下さい。
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD018.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/7.1 1/50秒 ISO-200 焦点距離 150mm
 秋晴れの霧ケ峰高原は撮影スポット満載でした。紅葉が始まった丘の上から富士山がクッキリ見えて、雲も私を歓迎してくれたみたいに絶好の位置に来てくれました。階調豊かな発色性能なので風景撮影にも向いています。
タムロン 35-150mm F2-2.8 Di III VXD019.jpg
■使用機材:SONY α1+TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD ■撮影環境:f/7.1 1/125秒 ISO-200 焦点距離 150mm
 こちらも霧ケ峰高原ですが、遠方の冠雪し始めた山の解像感も良く、被写体までの距離を選ばず性能を発揮してくれました。ポートレートだけでなく準広角から望遠まで1本で補える明るいズームレンズは、旅の1本としても良い選択だと思います。 35-150mm F2-2.8 Di III VXDend ■写真家:葛原よしひろ ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザーJPS(日本写真家協会)正会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の葛原よしひろさんによるタムロンの高倍率ズームレンズ35-150mm F2-2.8 Di III VXDのレビュー記事です。ポートレートと風景の作例を織り交ぜて使用感をお伝えいただいています。 ----- KEYWORDS: タムロン,Tamron,レンズ,レビュー,35-150mm F/2-2.8 Di III VXD ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー α7 IVが登場!|上位モデル撮影性能を継承した新時代Basicモデル BASENAME: 484754618.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 12/10/2021 16:00:00 TAGS: ソニー(Sony) ボディー,α7 IV,フルサイズ ----- BODY: 04シャッター.jpg

はじめに

 ソニーからEマウントのフルサイズ ミラーレスカメラ「α7 IV」を2021年12月17日(金)に発売するとアナウンスがありました。 従来モデルのα7 IIIは発売されてから4年近い歳月が経過している中、今だに人気が衰えないBasicモデルとなりますので、その後継モデルとなるα7 IVに多くの方が注目され、仕上がりに期待されているのではないでしょうか。今回ベールを脱いだα7 IVはBasicモデルの系譜にありながら上位モデルにあたるα1、α7S III、α7R IVの性能が継承されており、もはやBasicモデルではないのでは?と思ってしまうくらい撮影性能が各段と底上げされていました。今回もソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたので、その時のレポートをご覧ください。 DSC01962.jpg DSC01968.jpg

外観から見られる特長

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左はα7 III、右はα7 IV
DSCF2229.jpg
左はα7 III、右はα7 IV
 大きさはα7 IIIよりやや横幅が広くなり少し厚みが増した印象ですが、質量は見た目の印象とは異なりたったの8g増ですので今まで通りの取り回しが可能になっています。この厚みのあるボディーはα7R IV、α7S III、α1と似たデザインになっています。ボディ内に新開発の放熱構造が採用されたことで厚みを増した分、長時間の連続録画を可能にしています。 ・α7 IV:約131.3x96.4x79.8mm、約573g ・α1:約128.9x96.9x80.8mm、約652g ・α7S III:約128.9×96.9×80.8mm、約614g ・α7R IV:約128.9×96.4×77.5mm、約580g ・α7 III:約126.9×95.6×73.7mm、約565g ※外寸は横×高さ×奥行、質量(本体のみ) DSC02002.jpg  液晶モニターはα7 IIIのチルト式からバリアングル式に変更されています。3型約103万ドットとなっておりα7 III(約92万ドット)よりドット数は増えています。このクラスのミラーレスカメラの中では決してドット数は多い方ではありませんが、とても良い映りの液晶モニターになっていることに驚かされます。α7 IIIでは確認が難しかった色味や階調も、この液晶モニターではしっかりと確認する事ができます。もし液晶モニターの映りが気になりα7 IIIの購入を躊躇された経験がある方がいましたら、是非お近くのカメラのキタムラでα7 IV実機を触って確かめて頂ければ嬉しいです。 DSC02036.jpg  ファインダーのドット数も約368万ドットと増えています(α7 IIIは約236万ドット)。こちらも同クラスのモデルと比べると多くはありませんが、覗いてみると非常にクリアに見えるので驚きです。個人差はあると思いますが一眼レフを使っているような見え方に近いと感じました。またカメラを横にブンブン振ってみましたが、像がしっかりとついてくる印象です。 DSC01990.jpg DSC01998.jpg
DSCF2240.jpg
左はα7 III、右はα7 IV
 天面向かって左側にあるモードダイヤルは2層構造になりました。上には従来通り撮影モードが選択できるようになっており、その下には静止画、動画、スロー&クイックを選択できるダイヤルがついています。動画撮影の場合は今まで撮影モードダイヤルを動画にして、その後A,S,Mなどをカメラ内のメニュー画面で切替える必要がありましたが、この切替スイッチにより動画撮影時でもモードダイヤルでA,S,Mなどの撮影モードを選択する事ができるようになっています。  また、天面向かって右手前にあるダイヤルはα7 IIIでは露出補正を変更するものでしたが、今回は他の機能も割り当てが出来るようになっており、マニュアルで撮影される方はここのダイヤルを有効活用できるようになっています。ダイヤルの中央にはボタンがついていて、これを押し込むとダイヤルはロックされるので誤動作を防いでくれます。 DSC02050.jpg 01グリップ.jpg
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左はα7 III、右はα7 IV
 従来モデルに比べるとグリップは深くなっていてしっかりと握ることが出来ます。この辺もボディーサイズと同じく、α7R IV、α7S III、α1のグリップのホールド感と似た印象があります。小指が余ることなくしっかり握り込むことができるので、重たいレンズを装着した際の安定感もα7 IIIより上がっていると感じました。 DSC02023.jpg  記録メディアはSDメモリーカード(UHS-I /II対応)とCFexpressカード(Type A)に対応したデュアルスロットで、CFexpressカードは上側のSLOT 1のみで使えるようになっています。 ■両方のスロットにカードを入れる場合はこちのパターンで使えます。 パターン(1) ・SLOT 1:SDメモリーカード ・SLOT 2:SDメモリーカード パターン(2) ・SLOT 1:CFexpressカード ・SLOT 2:SDメモリーカード DSC02020.jpg  向かって左側にはHDMI端子があり、大きいサイズのタイプAが使えるようになっています 。右側には上からマイクジャック、イヤホンジャック、USB Type-C、マイクロUSBの端子があります。一番上にある赤い丸穴のマイクジャックは、この画では少しわかりづらいのですがバリアングルの液晶モニターを開いた時でも干渉しづらい位置にあります。  また、端子を覆うふたは扉のように開いて、手を放しても開いた状態を維持できますので、ふたが端子の邪魔をする事がないようになっています。 DSC01977.jpg  α7 IIIで背面にあった録画開始ボタンが天面に移動し、その位置にC1のカスタムボタンがあります。また、親指あたりにあるAF-ONボタンが少し大きくなり押し易くなるなど、背面はα7S IIIと同様のデザインになっています。 03シャッター.jpg  電源OFFの時はセンサーの前にあるシャッターを閉めておく事ができます。センサーを傷つけたりゴミが入りづらくなるので嬉しいですね。

AFと連続撮影性能

 位相差測距点はセンサーのほぼ全域に配置されたα1と同等となる759点で、コントラストAFは425点になります。リアルタイムトラッキングはより粘り強く被写体を追尾してくれ、マスク装着などの顔の一部のみの被写体に対しても、瞳を捉える性能はα7 IIIより約30%向上しています。リアルタイム瞳AFは人物以外にも動物、鳥にも対応し動画撮影時も同様になります。動画撮影時に鳥瞳AFに対応するのはαシリーズ初となり、フラグシップのα1よりも対応範囲が広くなっています。 14.jpg ■瞳AF 人物(静止画)
■瞳AF 鳥(静止画)
■瞳AF 人物(動画)
 AF追従での連写速度はメカ、電子シャッター共に最高約10コマ/秒となっています。処理能力の向上とともにバッファメモリーが大容量になっていますので、圧縮RAW+JPEG撮影時は1000枚以上の連続撮影が可能です。 ■シャッター音はこちら(α7 IIIとα7 IVとの比較)

高画質

DSCF2237.jpg  有効約3300万画素の新開発フルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを搭載していますので、従来モデルよりも高解像度の撮影が可能になっていて、4K動画撮影時も7Kからのオーバーサンプリングを可能にしています。  画像処理エンジンは上位モデルのα1やα7S IIIで採用された最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載することにより、高画素化に伴うノイズを高次元で低減させ、ダイナミックレンジのグラデーションは滑らかで15ストップを実現しています。また、処理速度ではα7 III比最大8倍の高速処理が可能になっています。  静止画、動画共通して常用ISO感度100-51200となり静止画拡張時50-204800、動画拡張時100-102400の広い感度領域を実現しています。

手ブレ補正

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スタンダードは光学式の5軸手ブレ補正、アクティブモードは動画専用の手ブレ補正
 光学式のボディ内5軸手ブレ補正はα7 IIIの5段から5.5段に向上し、本モデルではα7S IIIに搭載されて注目を集めた動画専用の手ブレ補正アクティブモードも搭載しています。 ■手ブレ補正(アクティブとスタンダードの比較)
 また、ソニーが開発するソフトウェアのCatalyst Browseを使用すればクロップ範囲を任意で選択して大幅に手ブレを抑えた映像をつくることが可能です。

動画性能

 Super 35mm(APS-C)では4K/60P、フルサイズとSuper 35mmでは4K/30Pでの撮影を可能にしています。4K60Pでは10bitの4:2:2の設定を可能とし、色情報が豊富になって滑らかな階調で表現できるようになっています。 11.jpg  写真も動画も、カメラ単体で思い通りの表現が可能なクリエイティブルックを搭載し、FX3などのCinema Lineで好評なシネマティックな表現を実現するルック「S-Cinetone」にも対応しています。もちろん、S-Log2およびS-Log3にも対応しています。

ブリージング補正/注目の基本性能

10.jpg  動画撮影中にピント位置を前後に動かした時に画角が少し変わる事をフォーカスブリージングと言いますが、本機では全画素超解像技術を活用し、フォーカスを動かした時も画角が変わらないよう補正することが可能になっています。 ■ブリージング補正
 α7 IVで新たに搭載された「フォーカスマップ」は、動画撮影時にピントの合う範囲(被写界深度)をライブビュー画面に映し出してくれます。従来はビデオグラファーの感覚で行っていましたが、これによりピント位置を可視化された状態で確認できるようになっています。 ■フォーカスマップ
DSC02028.jpg  バッテリーはα7 IIIなどと共通の「NP-FZ100」を使用しており、静止画はファインダー使用時に約520枚、液晶モニター使用時に約580枚撮影ができます。動画撮影時は実動でファインダー使用時に約100分、液晶モニター使用時に約110分撮影出来ます。同クラスのミラーレスカメラと比較すると非常に省電力設計に優れ、1本のバッテリーで長く撮影する事ができます。

さいごに

 α7 IVは高画素モデルになる中、最上位モデルのα1と同じ画像処理エンジンを搭載することで大幅なノイズ低減を行い高画質な映像表現を可能にしています。またAF性能含む撮影性能が大幅に向上され静止画、動画共にオールジャンルでクリエイティブな撮影を楽しめるカメラになっていると言えます。最近では動画撮影される方が増え、α7S IIIやFX3が人気を博していますが、動画も楽しみたいけど、スチールも高画素に楽しみたいと思っていた方にとって非常にバランスがとれてた仕上がりになっているのではないしょうか。またスチール写真の趣味を深めたいと考えるフォトグラファーにとっても魅力的なカメラになっていると感じました。

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α7 IV レビューはこちらの記事でもご覧頂けます

■ソニー α7 IV レビュー|風景写真家 高橋良典 https://shasha.kitamura.jp/article/485344549.html ■ソニー α7 IV レビュー|静止画も動画も撮りたい人に!これからのスタンダードミラーレスカメラ! https://shasha.kitamura.jp/article/484908191.html ■ソニー α7 IV レビュー|葛原よしひろ https://shasha.kitamura.jp/article/485650113.html
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ソニーからEマウントのフルサイズ ミラーレスカメラ「α7 IV」が2021年12月17日(金)に発売されるとアナウンスがありました。早速ソニーストア銀座の先行展示機を触ってきましたのでレポートを是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,α7 IV ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 富士フイルム XF50mmF1.0 R WR レビュー|湯沢祐介 BASENAME: 484691069.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 湯沢祐介 DATE: 12/11/2021 11:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF50mmF1.0 R WR,単焦点,ポートレート(人物) ----- BODY: XF50mmF1.0 R WRレビュー3.jpg

はじめに

 2020年9月に発売された富士フイルムの「XF50mmF1.0 R WR」。35mm換算で76mmの中望遠レンズです。  ポートレート撮影に向いているこの中望遠レンズをペット撮影に使用するとどうなるのか?重さやボケ味やAF速度といったペット撮影に重要な要素を、作例を見ながら一つずつ確認していきましょう。

気になる重量は?

 XF50mmF1.0 R WRの重量は845g。見た目にも手に持ってみてもズッシリ感があります。私は普段からもう少し重いレンズを使っているのであまり気になりませんが、普段コンパクトなレンズを使っている方には重たく感じてしまうかもしれませんね。ただ、大口径中望遠レンズなので個人的にはこの重さも問題ないかなという感じです。  まずは愛用しているX-T4に装着して野良猫撮影へ。とある島の海岸沿いの岩場を歩いていると野良猫を発見。
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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.1 1/8000秒 ISO160 いい構図で撮るために岩を登りローアングルで撮影。 バリアングル液晶のおかげで地面すれすれのローアングルも楽な体勢で撮影できます。
 岩を登り降りしたりしゃがんで地面すれすれで撮ったりと、この時は2時間ほど歩き回りながらの撮影でしたが、思ったほど手の疲れはありませんでした。ただ、ずっと撮影しっぱなしだと流石に疲れるので、ゆったりと撮影するのがおすすめ。  また、X-S10やX-H1のようなグリップの深い機種だとより手の負担が軽くなると思います。

圧倒的なボケ味はペット撮影に最適

 XF50mmF1.0 R WRを使用する上で一番気になるのはやはりボケ味です。なにせペット撮影ではこのボケ味がとても重要な要素になってきますからね。大口径の中望遠レンズというだけで美しいボケ味だとは想像できますが、開放値F1.0のボケ味とはどのようなものなのでしょうか。  こちらは先ほどとは違う場所で撮った野良猫さん。石の上でくつろいでいるところを開放値で撮影。ピントを合わせた顔のすぐ近くの石もぼけるほど被写界深度が浅く、少し距離のある背景はとろけるようなボケ味です。そのおかげで被写体の背後にある看板も目立たなくなりました。
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■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/1600秒 ISO80 寝ているところにそっと近づくと私に気づいて鋭い視線を向けてきました。 その後もまたすぐ寝ちゃう図太さがたまらなく可愛かったです。
 続いてはイチョウの木を背景に撮った柴犬です。この時は黄色くなって葉が落ちている木もあれば、まだ緑のままの木もあったりとイチョウの色づきにばらつきがあり、残念ながら綺麗な背景になる場所がありませんでした。
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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.3 1/5400秒 ISO160
 そこでXF50mmF1.0 R WRの圧倒的なボケ味の出番です。開放値で撮ると背景が先ほど同様にとろけるようにぼけてくれます(ちなみに開放値でなくてもとろけてくれます)。こうする事であまり綺麗ではなかった背景も気にならずに、やさしくかわいらしいイメージの写真に仕上がります。  このようにペットや野良猫撮影においてぼかしというのはふんわりとかわいい印象を出す為だけではなく、止むを得ず写ってしまう余計なものやあまり綺麗とはいえない背景をごまかす為にもとても重要なのです。  また、背景多めの引きの画もF1.0のぼけ味で被写体を引き立たせ、ふんわりと美しい世界を作り出してくれます。
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■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/1600秒 ISO250
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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/340秒 ISO160
 私が普段使っているXF16-55mmF2.8 R LM WRやXF50-140mmF2.8 R LM OIS WRでは表現できないXF50mmF1.0 R WRならではの美しさ。撮っていて本当に楽しくなります。  何気ない風景をやさしく、美しく表現してくれる圧倒的なぼけ味はペット撮影に最適といっていいでしょう。

AF精度は?一瞬を切り取ってみる。

 さて、ぼけ味と同様にペット撮影で重要なのがAF精度です。どれだけ速く、確実にピントを合わせられるかで成功率も変わってきます。  実際に使ってみた感想としてXF50mmF1.0 R WRのAF速度はものすごく速くはないが、思っていたよりは素早く、しっかりと合わせてくれるなといった感じです。なので撮る時もしっかりと確実に目にピントを合わせる事を意識しましょう。何と言ってもF1.0ですから、ちょっとのズレも許されませんからね。まずはあまり動かない被写体を狙ってじっくり撮影する方が良いでしょう。
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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.4 1/3000秒 ISO160
 向こうを向いていた猫が振り向くのを待って撮影。AFフレームを顔付近に移動してひたすら待ちました。こちらを向いたらAFフレームを目に合うように微調整ししっかりとピント合わせ。振り向いた姿勢と表情がたまらなくかわいいですね。きれいなぼけ味のおかげで手前のホースですら美しく見えます。  とは言え動いている被写体も撮りたいですよね。今度はカメラに向かって歩いてくるシーンに挑戦。AFモードをAF-Cに変え、AFフレームを少し大きくして撮影したのがこちら。
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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/500秒 ISO250
 トコトコと歩いてくる子猫を連続撮影したうちの一枚。あまり速くない動きであればしっかりとピントを合わせてくれました。F1.0の浅い被写界深度で動いているペットを撮るのはなかなかシビアですが、ある程度の動きであれば撮れる事がわかります。  もともとスポーツなどの動きのあるシーンを撮るようなレンズではありませんが、ちょっとした動きだったら撮れるので挑戦してみましょう。

暗い場所でも美しく。

 F1.0の明るいレンズとなれば挑戦したくなるのが暗い場所での撮影です。普段は出来るだけ明るい場所で撮るように教えているのですが、これだけ明るいレンズであれば逆に暗い場所での撮影も楽しみたくなりますよね。
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■撮影機材:富士フイルム X-S10 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/400秒 ISO1000
 こちらは古民家スタジオで柴犬を撮影したノスタルジックなイメージの一枚。昼間でも暗い古民家の廊下のコントラストがきれいで、とてもいい雰囲気なので私のお気に入りの場所です。  普段使っているレンズだったら暗いからちょっとやめておこうかなと思うところですが、XF50mmF1.0 R WRの開放値で撮ればノイズの少ないきれいな作品に仕上がります。
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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/2200秒 ISO160
 こちらは夕暮れ時の野良猫さん。日が落ちる時間が早い今の季節も明るいレンズを使えば焦らずに撮影を続ける事ができます。
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■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF50mmF1.0 R WR ■撮影環境:f/1.0 1/1000秒 ISO800
 小さな橋の下に移動して水を飲んでいた野良猫がこちらに気づいて見つめてきた瞬間。リフレクションもあっていい雰囲気になりました。先ほどよりも暗い場所に移動したのでISO感度を上げて撮影。それでもまだISO800です。レンズが明るい事で撮れるものが増えるのは単純に嬉しいですね。  暗い場所での撮影はペットを可愛いだけじゃなく格好良く撮るのにも有効です。XF50mmF1.0 R WRはこのような写真を撮るのにも適しています。また、昼間でも室内だとぶれた写真になってしまうというペット写真の悩みもXF50mmF1.0 R WRを使えば解決するでしょう。

まとめ

 圧倒的なボケ味でどんな場所でもふんわりとした優しい写真が撮れるXF50mmF1.0 R WRは、ペット撮影との相性抜群です。加えて、暗い場所での撮影も可能なので、撮れる写真の幅が広がります。  かわいいも格好いいも見た目に美しい写真に仕上がるので、撮っていてとても楽しいレンズ。思わず見とれてしまうようなペット写真を撮りたい方にオススメの1本です。 ■写真家:湯沢祐介 1980年東京都生まれ。 七色の声を使い分けてわんちゃんの気を引き、猫じゃらしで猫を操りながら撮影するペトグラファー。 その巧みな猫じゃらしさばきから「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。 写真教室講師、原稿執筆、テレビ出演、レンタルフォト撮影など多岐にわたる活動をしている。著書には「ペトグラファーが教える ペットの可愛い撮り方」(日本カメラ社)「こねこ」「こいぬ」(ポプラ社)、「ねこもふ。ごーじゃす」(宝島社)他がある。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ペトグラファーの湯沢祐介さんによる富士フイルム XF50mmF1.0 R WRのレビュー記事です。今回はペットや動物の撮影における本レンズの使用感を詳細にお伝えいただいています。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,レンズ,XF50mmF1.0 R WR,レビュー,ペット,動物 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: キヤノン RF15-35mm F2.8 L IS USM レビュー|想像以上の高い汎用性が魅力 BASENAME: 484614202.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: GOTO_AKI DATE: 12/12/2021 10:00:00 TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF15-35mm F2.8 L IS USM,風景,広角ズーム ----- BODY: 11_作例.jpg

はじめに

 2019年9月に発売された「RF15-35mm F2.8 L IS USM」を使いはじめてから約2年。EF16-35mm F2.8L III USM、EF16-35mm F4L IS USMからの買い換えで使い始めた当初は、ちょっと重いなぁと思いながらも、広角側が1mmワイドに広がった喜びと画質の良さで納得したことを思い出します。  この期間にメインカメラはEOS R からEOS R5へと変わり、協調手ブレ補正でさらに撮りやすくなりました。今日のレビューではこの2年間に撮影してきた写真や動画をご覧いただきながら、レンズの魅力をお伝えしていきたいと思います。

デザイン・外観

01RF15-35mm.jpg  長さ126.8mm 、重量約840g、EF16-35mm F2.8L III USMよりも50g重いのですが、撮影が始まると重量の違いはすぐに忘れるぐらいのもの。RFレンズシリーズ共通のコントロールリングやスイッチ類もおなじみの外観です。フィルター径はEF16-35mmF2.8L III USMと同じ82mmですので、フィルター資産をそのまま活かせるのもメリットです。

広角域だけでない幅広い表現

 広角ズームレンズというと、どうしても広角域に注目してしまいがちですが、私の場合は、15mmから標準域近くの35mmまで満遍なく使っています。ボディ内手ブレ補正機構があるミラーレスカメラとレンズのイメージスタビライザーを活用して、手持ちで撮れる範囲がぐっと広がっているのもお気に入りのポイントです。  北海道のオンネトー湖から撮影した阿寒富士と雌阿寒岳の一部。焦点距離15mmで撮影。広角レンズで広い風景を撮ると、ただ広いだけの写真になりがちですので、シャドウ部を活かして、メリハリが生まれるように心がけて撮影しています。
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■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F22 10秒 ISO50
 上の写真と同じ場所から焦点距離を35mmで足元の湖の一部を切り取った作品。焦点距離35mmの場合は、情報が入りすぎないように四隅を確認して、切り取る意識で撮影します。
03_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F22 10秒 ISO50
 細かな枝の表情が繊細に描写された一枚です。焦点距離15mmですと広角レンズによる歪みを気にする方も多いと思いますが、RF15-35mm F2.8 L IS USMは四隅のピントは流れず、自然な描写力が魅力です。色収差や回折収差などを補正して、描写を最適化してくれるデジタルレンズオプティマイザがデフォルトで有効になっているので、キヤノンの純正現像ソフトDPPでの現像がおすすめです。
04_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F13 1/320秒 ISO400
 こちらは焦点距離35mmで撮影した早朝の森のシルエットです。シャッター速度は1/20秒、手持ち撮影しています。EOS Rとの組み合わせでは約5段、EOS R5の場合は約7段分の手ブレ補正効果があり、スローシャッターでも気楽に撮影できるようになって、ブレているかも?という不安が激減しました。
05_作例.jpg
■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F2.8 1/20秒 ISO3200

最短撮影距離

 次に最短撮影距離を知って、さらに表現の幅を広げましょう。RF15-35mm F2.8 L IS USMの最短撮影距離は28cmです。レンズ面からですとおおよそ15cmぐらいまで被写体に近づけます。実用上、広角ズームレンズでここまで寄れたら十分という距離感です。  岩場の氷柱を手持ち&AFで撮影。焦点距離は33mm。
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■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F2.8 1/6400秒 ISO400
 これは筑波山の登山道で撮影した巨木です。RFレンズらしく質感描写も繊細に。焦点距離27mmで撮影。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F8 1/60秒 ISO1600

広角域は狭い場所、小さな場所で威力を発揮

 広角域のメリットは何でしょう?  広い空間を広々と捉えるのはもちろんですが、狭い空間を広く見せるというのが、広角域の最大のメリットです。不動産屋さんのサイトを見ると、狭い部屋でも広く見える写真を見たことがある人は多いハズ。風景においても、狭い場所や森の中などで広角域は有効です。  洞窟のトンネルの外側の景色が白飛びしないように、露出はマイナス2.33で撮影。DPPの現像でシャドウ部を明るく調整しています。焦点距離15mmで、手持ち撮影です。絞りはF4.5ですが、RFレンズがすごいなぁと思うのは、岩肌の質感描写。開放に近い絞り値でもここまでシャープな表情を捉えてくれます。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F4.5 1/25秒 ISO1600
 海岸の岩場で撮影した直径50cmくらいの小さな水たまりです。カメラ位置をギリギリまで下に置いて、前ボケを作り、遠近感を強調することで実際よりも広くみえるような効果を狙っています。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F5.6 1/125秒 ISO400

F2.8で星空を捉える

 EOS R5などのミラーレスカメラでは、高感度の撮影でもノイズが目立たなくなったこともあり、星景撮影ではISO1600~3200をよく使っています。私自身はF2.8であれば星空はOK、開放F4だとちょっと暗いなという認識があります。今後さらに高感度が強いカメラの登場で変わってくるかもしれません。下の作例はそれぞれ焦点距離15mmと35mmで撮影した星空の写真です。  風の強い草原にて、流れる雲と共に。焦点距離15mmで撮影。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F2.8 15秒 ISO3200
 こちらは朝の5時過ぎ、空が明るくなり始めた頃の早朝の星空です。F2.8で肉眼で見えている以上に星が写ります。焦点距離35mmで撮影。ちなみに星空の撮影では、星を点で止めて撮影する基本知識「500ルール」(計算方法は500÷撮影焦点距離=露光秒数)で撮影しています。
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■撮影機材:Canon EOS R + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F2.8 15秒 ISO3200

ND2000・ND32000との組み合わせ

 レンズの解像感の高い描写力は上に書いた通りですが、撮影の現場ではフィルターワークも重要です。ダイナミックな雲の動きと空の表情を捉えたい時には、RF15-35mm F2.8 L IS USMにNDフィルターを組み合わせて撮影します。  最近のお気に入りは、昼間でも11段分の光量が落ちるND2000と15段分の光量が落ちるND32000を愛用しています。フィルターそのものも濃いサングラスのようで反対側が見えないぐらいです。これほどまでに濃いNDフィルターは、データの色としてはややマゼンタ被りの傾向がありますが、DPPなどの現像ソフトでグリーンへ寄せて、ものの数秒で簡単に調整できるのが嬉しい点です。  ND2000を使用し、焦点距離17mmで撮影しました。撮影時間は夕方の16時過ぎの夕暮れの頃。ISO400のままで90秒の露光時間です。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F11 90秒 ISO400
 ND32000で午後13時頃に撮影した一枚です。広角ズームレンズとNDフィルターの組み合わせで、明るい日中でも超スローシャッターが楽しめます。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F16 131秒 ISO100
 使用した道具のご紹介です。NDフィルターとホルダーはNiSiフィルターの100mm角形フィルターホルダー「V7」、フィルターはケースにそれぞれND2000とND32000が入っています。 14_作例.jpg

タイムラプス

 カメラ(EOS R5など)のタイムラプス機能で、夕方や早朝の露出の変化が激しい時間帯でも簡単にタイムラプス動画が撮影できます。タイムラプスは連続する静止画を自動的に繋いで動画を生成してくれる便利な機能です。目で見ていると動きが遅いような雲の動きも、ダイナミックに移動していることがわかります。広い範囲を捉えるRF15-35mm F2.8 L IS USMは、タイムラプスの撮影で大活躍するレンズです。定点で撮影するため、三脚を必ずご用意ください。

水中でも活躍

 RF15-35mm F2.8 L IS USMは、陸上だけでなく、私の水中風景撮影でもメインのレンズとして活躍しています。  EOS R5とRFレンズで水中風景の質感を描写しました。ダイビングライセンスを取ったのは30年ほど前ですが、今は主に素潜り中心です。RF15-35mm F2.8 L IS USMの高い描写性能を陸上だけで使うのはもったいなく、水中にも連れ出しています。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F5.6 1/5000秒 ISO1600
 EOS R5のAF性能は水中でも陸上と同じように鋭く反応してくれます。浮遊する葉を捉えた一枚。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:F5.6 1/5000秒 ISO1600
 水中ハウジングはSEA AND SEAを長年愛用しています。ハウジングはレンズ部分の中間リングを変えれば他のレンズでも使用可能です。
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EOS-R5用水中ハウジング MDX-R5

まとめ

 今回は、撮影焦点距離に応じて幅広い撮影が楽しめるRF15-35mm F2.8 L IS USMをご紹介させていただきました。焦点距離の変化や撮影距離に応じて、「広角ズーム」という言葉以上に幅広い写真が楽しめるのが特徴です。皆さんの表現したいフィールドに合わせて、広角ズームの世界をお楽しみください。 ■写真家:GOTO AKI 1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。

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■キヤノン RF15-35mm F2.8 L IS USM レビュー|秦達夫 https://shasha.kitamura.jp/article/481374022.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のGOTO AKIさんによる、キヤノン「RF15-35mm F2.8 L IS USM」のレビュー記事です。広い画角で切り取るダイナミックな風景や星景にぴったりの広角ズームレンズです。 ----- KEYWORDS: キヤノン,Canon,広角ズームレンズ,RF15-35mm F2.8 L IS USM,レビュー,風景 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 最新スマートフォンで気軽に撮影を楽しもう!|三井公一 BASENAME: 484718745.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 12/13/2021 16:00:00 TAGS: スマートフォン,iPhone,pixel,レビュー ----- BODY: PXL_20211026_072949279.jpg

はじめに

 この秋もたくさんのスマートフォンが登場しました。どの端末もカメラの性能に磨きをかけて、美しく素晴らしい写真が誰でも撮影できるようになっています。  今回はその中でも注目の、アップル「iPhone 13 Pro」とグーグル「Pixel 6 Pro」を使った写真撮影のコツをお伝えいたします。特にカメラ性能に優れたこの2機種を使用することで、デジタルカメラと同様にスナップ撮影が楽しくなりますよ。

スマートフォンのカメラは「感じて」シャッターを切ろう

 ShaSha読者の皆さんなら、毎週末のようにデジタルカメラと交換レンズを持って、さまざまな場所へ撮影に行っていることでしょう。中には平日の通勤、通学時にもカメラを携行して、素晴らしい光景との出会いに胸を躍らしている強者もいるはずです。  しかし、プロフェッショナル・フォトグラファーならともかく、常時デジタルカメラと交換レンズを持ち歩ける人は多くありません。やはり普段はスマートフォンのみ、という人がほとんどなのではないでしょうか。
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いつでもどこにでも持って行けるデジタルカメラがスマートフォンでしょう。機内から美しい日本をiPhone 13 Proで撮りました。気軽に携行できるのでいいシーンを撮る機会が増えるのがいいですね。
 幸いなことにこの数年スマートフォンのカメラ性能が格段に向上しています。画素数はもとより、「AI(機械学習)」を活用しての「コンピュテーショナルフォトグラフィー」が進化して、端末についている小さなレンズとセンサーでも目を見張るほどの写真を撮れるようになりました。「HDR」による白飛びと黒つぶれを抑えたショットや、数秒にわたるスローシャッターの夜間撮影でも手ブレしなかったり、計算によって美しく背景ボケを作り出せたりと機能の充実度が止まりません。  コンパクトデジタルカメラを市場から駆逐してしまうのを納得できるほどです。誰でもスマートフォンを構えてシャッターを押すだけでキレイな写真がカンタンに撮れてしまうのですから。
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「いいな!」と思ったら感覚的に撮影できるのがスマートフォンのカメラですね。湘南の夕景をPixel 6 Proで撮ったカットですが、デジタルカメラだと露出補正などを考えてしまい、パッと撮影できなかったかもしれません。
 デジタルカメラで撮影する場合、多く人はシャッターを切る瞬間にこんなことを考えるはずです。「この露出モードでいいのだろうか?」「このレンズで画角はあっているだろうか?」「露出補正はどれくらいにしようか?」などと。乱暴に言ってしまうとスマートフォンの場合はあまり考えなくて済みます。「構図」にさえ集中すれば「AI」が何とかしてくれるのです。スマートフォンで撮影する時は難しいことを考えずに、楽しんで気軽にたくさんのシャッターを切ることが大切です。  「考えて撮る」デジタルカメラ、「感じて撮る」スマートフォン、と心に刻み込んで撮影するといいでしょう。デジタルカメラを持ち歩いていないときでも、素晴らしいシーンやシャッターチャンスはあるものです。そんな時「!」と感じた瞬間にスマートフォンのカメラで撮影してみましょう。
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建物のプレートが反射する光に「!」と思い、iPhone 13 Proのシャッターを切りました。スマホは常時携行できる手軽なデジタルカメラと言えます。

とっさのシャッターチャンスに備えよう

 冬であればジャケットのポケット、夏であればパンツのポケットなどにスマートフォンをしまっているはずです。ある日の午後に散歩中、いいシーンが目の前に現れたとします。「撮りたい!」と思った時、スマートフォンのカメラをどうやって起動していますか?毎回、顔認証もしくは指紋認証をしてロック解除してカメラを立ち上げていないでしょうか?それではとっさのシャッターチャンスを逃してしまうかもしれません。  ポケットに手を入れて、スマホを握って外に出すタイミングでカメラを立ち上げられるようにしておけばその心配も無用でしょう。そのためには、 ・iPhone 13 Proの場合:待ち受け画面右下にあるカメラアイコンを横にスワイプする ・グーグル Pixel 6 Pro:電源ボタンをダブルクリック と憶えておきましょう。これでとっさのシーンでも、スマートフォンを見ずにカメラを起動できるはずです。あとは望むように構図を決めてシャッターを切るだけです。練習しておくといざという時に役立つでしょう。  iPhone 13 Proは「A15 Bionic」、Pixel 6 Proは「Tensor」と独自のチップを採用しているので、起動も撮影もスピーディーに行えますよ。
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土手の上をランナーが走ってくるのを歩行中に発見。ポケットから取り出すと同時にカメラを起動してPixel 6 Proのシャッターを切りました。電源スイッチのダブルクリックで手探りでもカメラ起動できるPixel 6 Proはシャッターチャンスに強いスマホですね。

グリッドを表示して構図の参考にしよう

 「感じた」ままに撮ろうと前述しましたが、こだわりたいのは構図です。撮りたい被写体をど真ん中に捉える「日の丸構図」もストレートでいいですが、「グリッド」を表示してその線上や線の交点に被写体を置くと安定感がある写真になります。ですので常にグリッドを表示しておくといいでしょう。 ・iPhone 13 Proの場合:「設定」→「カメラ」→構図の「グリッド」をオンにする ・グーグル Pixel 6 Pro:「カメラ」の左上の歯車アイコンをタップ→「その他の設定」→構成の「グリッドの種類」→「3 x 3」を選ぶ
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ふと立ち寄ったスタンディングのワインバーで。グリッドを常に表示しておけばガイドとして利用できるので、水平が傾かない写真撮影が行えます。

カメラを効果的に切り替えて撮影しよう

 iPhone 13 Proもグーグル Pixel 6 Proもカメラを3つ搭載しています。広い範囲を写し撮る「ウルトラワイドカメラ」と、一般的な撮影をこなす「広角カメラ」、そして遠くのものを大きく写しだす「望遠カメラ」です。  この3つの眼を、見つけた被写体に合わせてうまく選択すると写真がグンと見違えてきます。カメラ機能をとっさに起動した時に、すかさず使いたいカメラに切り替える練習もしておくことをオススメします。  また、iPhone 13 Proはウルトラワイドカメラでマクロ撮影が可能ですし、Pixel 6 Proは4倍の光学ズームに加えて20倍ものデジタルズームで鮮明な望遠写真を撮影できますよ。
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iPhone 13 Proの望遠カメラは3倍になりました。前モデルより長めになったので、人によっては使いにくく感じるかもしれません。室内よりもこのような屋外ではその威力を発揮する可能性大です。
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iPhone 13 Proはマクロ機能が搭載された。ググッと被写体に迫ってのクローズアップ写真も手軽に撮れますね。

コンピュテーショナルフォトグラフィーを楽しもう!

 「AI」を活用した撮影機能もスマートフォンカメラの特徴です。計算によってボケ効果を作り出す「ポートレートモード」が代表的なものですね。これは人物ポートレートだけでなく、静物などでも有効なので積極的に使って印象深い写真を撮ってみましょう。  「ポートレートモード」はボケ量を撮影時またはあとから変更できるのが便利ですね。Pixel 6 Proの場合はピント位置も自在に変えられるのがいいですね。
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紅葉を「ポートレートモード」で。まるで大口径単焦点レンズをデジタルカメラに装着して撮影したかのようなカットが撮れました。Pixel 6 Proはあとからピント位置の調整も可能です。
 また「夜間モード」も面白い機能の一つです。スマートフォンのカメラは1回のシャッターを切ったときに、実は複数枚の画像を取得しています。露出の明暗差、ボケとブレの量、トーンやノイズなどをその何枚かの画像を解析して、最適と思われる画像を写真としてアウトプットしてくれているのです。「夜間モード」は光源を飛ばさずに暗部を持ち上げ、ノイズを抑制して手ブレを低減した画像を写しだしてくれます。  iPhone 13 Proは「ナイトモード」を自動的に、Pixel 6 Proは「夜景モード」を選択して撮影できます。長秒露光時でも「AI」のおかげで三脚いらずの手ブレのない写真撮影を楽しむことが可能です。
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Pixel 6 Proの「夜景モード」で郊外ニュータウンのイルミネーションを撮りました。手持ちで気軽に美しい夜景を撮影できるスマートフォンの「AI」は本当にスゴいですね。
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逆光でも明暗差をうまくコントロールしてくれるので、ヒトの見た目に近い仕上がりをしてくれます。独自のチップを採用したPixel 6 Proは落ち葉の精細感も高く、光芒も美しく捉えてくれました。

まとめ

 スマートフォンは常に携帯する「デジタルカメラ」です。情報端末でもありますが「カメラ」だと思って持ち歩いていると、自然とさまざまな被写体に出会い、いいシーンが見えてくるようになるものです。  デジタルカメラの相棒として、新しいスマートフォンで写真生活をエンジョイするのもオススメです。お近くのカメラのキタムラでは最新のカメラ機能を搭載したスマートフォンを取りそろえています。ぜひチェックしに訪れてみてください! ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんによる最新スマートフォンを使用した撮影方法をレビューしていただいています。 iPhoneとPixelの違いも含めて、ぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: スマートフォン,iPhone,Pixel,レビュー ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 全国絵になる水族館めぐり撮影旅~沖縄編~ BASENAME: 484792720.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 虫上智 DATE: 12/14/2021 16:00:00 TAGS: 撮影テクニック,オリンパス(Olympus) ボディー,オリンパス(Olympus) レンズ,水族館 ----- BODY: 26.JPG

はじめに

 皆さんこんにちは。写真家の虫上です。今回から新企画として、南は沖縄から北は北海道まで全国の水族館を巡ってその土地ならではの水族館を紹介していきます(過去の連載記事「まるで○○撮影」シリーズはこちら)。  最近、日本には3Dマッピングを利用したり、アート表現のためにハイテクを駆使した展示や変わったアングルで見学できたりする水族館が次々とできています。なんと実は現在、全国に水族館は約150か所もあるんです。驚きですよね。その中で絵になる水族館や撮影することが楽しくなる水族館をピックアップして、南から順番に紹介していきたいと思っています。皆さんのお近くの水族館やいつか行ってみたい水族館が出てきましたら、撮影旅行のバイブルとして参考になれば幸いです。さて、記念すべき最初の水族館は沖縄編です!

超ハイテク水族館「DMMかりゆし水族館」とは!?

01.jpg 02.JPG  2021年7月にリニューアルオープンした出来立てホヤホヤの水族館、その名もDMMかりゆし水族館にまずは行って来ました。なんでも、映像コンテンツと空間演出が凄いとのこと。  白を基調とした入口に奇麗な演出が期待できます。入館してまず最初に通された部屋では、この水族館のコンセプトムービーが流れつつ、ダイナミックなサラウンド音響も相まってまるでUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に来たような錯覚を起こします。この演出でこれから先の展示にかなりの期待感が出ますね。ただ、ここだけは撮影禁止ですから皆さんは実際に行ってみてください(笑)。 03.JPG  まず、入館すると奇麗な大型ハイビジョン水槽がお出迎えしてくれました。床面への映り込みまで計算された美しい展示に思わず息をのみます。そして次に右のスマホの案内板(アクセスポイント)に目がいきます。 04.JPG  なんと、この水族館は展示している魚の説明はスマホで見られるとのこと。掲示板のスマホの部分に自分のスマホを当てると、その場所付近での展示説明が出るんです。これは試してみるととても素晴らしいサービスでした!館内はWi-Fi完備なのでダウンロードやアクセスも大丈夫でした。展示説明が表示されるのに少しタイムラグもありましたが、慣れてしまえば気にならなくなりました。是非皆さんも試していただきたいですね。逆にスマホがないとちょっと物足りないかも…… 05.JPG  こちらは金魚のような魚。実は金魚では無くてコスタリカに住む淡水魚なんだとか。このように、周りの方に迷惑をかけずに目の前の魚の説明を詳しく見られるのはとても素晴らしい試みだと感じました。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/200秒 ISO200
 さて、はやる気持ちを抑えながら淡水魚のコーナーではシルバーアロワナのみの展示に目がいきました。背景も暗く落とすことができ、同じ種類のアロワナが泳いでいますので前ボケにもう一匹のアロワナを取り入れてみました。このような写真は水族館でしかなかなか撮影できないので素晴らしい展示ですね。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/40秒 ISO200
 お次は案外全国の水族館でもたまに見かけることがある、ブラジルカイマン。半水面写真はいつ見ても不思議に見えますよね。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F2.0 1/40秒 ISO400
 淡水から海水の水槽に向かう区切りとして「うみかじドーム」があります。ここで撮影できた作品、誰が見ても驚愕の写真ですがこれは実際の背景は映像なんです。いつか本当にこのような場面で撮影出来たらな……と考えてしまいますね。それだけ最新の水族館のアイデアは凄いということですが。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/160秒 ISO400
 かわいらしいハコフグの幼魚の展示もゆっくりと撮影できました。実際の海でもこの幼魚はたまに見かけるのですが、サンゴの隙間に入り込んで撮影がしにくい被写体の一つ。しかし水族館ならこんなカットも簡単に。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/1250秒 ISO400
 人気者のゼブラオレンジのチンアナゴ。餌やりタイムの時は全てのチンアナゴが砂からにょきにょき出てくるのでねらい目ですよ。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ■撮影環境:F1.8 1/60秒 ISO400
 近未来的な形の水槽に魚たちが泳いでいました。絵になるサメが来るのを待ちました。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ■撮影環境:F1.8 1/100秒 ISO400
 ここの水族館の目玉でもある、クラゲの水槽。凄く幻想的で何時間も居たくなります。この写真は魚眼レンズで撮影しました。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.8 1/640秒 ISO400
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.8 1/80秒 ISO400
 このように水槽の映り込みもわざと取り入れると透明感や立体感が表現できます。  さらに、クラゲ水槽を動画でも撮影してみました。どんな雰囲気なのか、また、どんなアングルが作品になるのかが伝われば幸いです。

DMMかりゆし水族館

入館料金は大人(18歳以上)2400円、中人(13~17歳)2000円、小人(4~12歳)1500円で、スマホをかざして入場できるWebチケットも販売している。営業時間は10時~22時(入場は閉館の90分前まで)。無料駐車場あり(イーアス沖縄豊崎の敷地内)。開館日、営業時間はWebサイトやアプリで確認してくださいね。 HP:https://kariyushi-aquarium.com/ 展示規模       ★★★☆☆ コストパフォーマンス ★★★★☆ 撮影向き       ★★★★★ お勧め度       ★★★★☆

老舗の「沖縄美ら海水族館」

 次に向かったのは沖縄を代表する、誰もが知っているジンベイザメで有名な美ら海水族館に行きました。 15.JPG  まずは入り口から巨大なジンベイザメのモニュメントがお出迎え。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ■撮影環境:F2.2 1/80秒 ISO400
 やはりそのインパクトからか巨大水槽に釘付けになりますね。この写真は魚眼レンズで巨大水槽の近くまで寄って撮影しました。大きさや面白さを対比させる人物のシルエットがポイントですね。現在、ジンベイザメとマンタが同時に見られるという贅沢な展示になっていました!
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.4 1/60秒 ISO200
 しかも、そのうち1匹はなんとダイバー憧れの全身が黒いブラックマンタです!(右上の黒いマンタ)
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.6 1/50秒 ISO200
 人物の大きさとジンベイザメの対比が本当に素晴らしい展示ですね。絵になりますね。動画も撮影したのでご参考に。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/60秒 ISO1600
 光と影を意識して作画しました。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/320秒 ISO200
 はく製の展示も多々あります。はく製の場合はモノクロにすると印象的な作品になりやすいです。  ここはとても大きい水族館なので、巨大水槽以外に様々な魚の水槽があります。しかも、展示スペースに余裕があるのでじっくり観察&撮影できます。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/60秒 ISO3200
 からだ全体が光る魚や……
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/125秒 ISO200
 眼だけが光る魚の展示も……  流行りの暗闇で光る魚シリーズの展示もあり、涙が出るほど感動しました。ブラックライトで照らされた魚もシャッターチャンスを逃しにくいミラーレスカメラと明るいレンズ、そして超高感度(ISO)撮影が出来る機種があれば、写真の成功率は非常に高くなります。撮影するときは被写体ブレが生じやすいのでシャッター速度に注意しながら撮影しましょう。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/640秒 ISO200
 ダイバーとエイ。エイが手前に来るのを待って撮影。こちらも大きさの対比で表現しています。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO ■撮影環境:F1.2 1/100秒 ISO1250
 イソギンチャクを背負ったヤドカリ。これ、見たかったんですよね~。まさか水族館で見られるとは嬉しかったです。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F4.0 1/800秒 ISO200
 自然の光が差し込んでいる水槽。ウミガメを幻想的に。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:F4.0 1/1000秒 ISO200
 ウミガメはシルエットがとても奇麗なので、水槽に差し込む光などをうまく利用して撮影すると絵になります。動画を見るとどのタイミングがシャッターチャンスなのかが判ると思いますので参考にしてください。

沖縄美ら海水族館

入館料金は大人(18歳以上)1880円、中人1250円、小人620円でした(2021.11時点)。営業時間は8時30分~18時30分(入場は閉館の1時間前まで)。大型無料駐車場あり。開館日、営業時間はWebサイトやアプリで確認してくださいね。 HP:https://churaumi.okinawa/ 展示規模       ★★★★★ コストパフォーマンス ★★★★★ 撮影向き       ★★★★☆ お勧め度       ★★★★★

今回の水族館撮影テクニック

 今回訪れた2つの水族館ですが、DMMかりゆし水族館はアート志向、美ら海水族館はダイナミック志向と対照的でとても良かったです。共通点としては展示の照明等が凝っていて写真の色がなかなか出にくいため、カメラのホワイトバランスを頻繁に替えて撮影しました。また、スポットライトも多いので露出補正も常に変更して撮影しています。  このような撮影状態の中、常にファインダーから目を離さずに作画状態が確認できるミラーレスカメラがとても撮影しやすいのでお勧めです。どちらの水族館も午前中は人が多く、午後から人が少なくなるので再入館できる水族館は2回周ると良いかと思います。

【番外編】ダイビングでリアルを体験してみよう

 私はスキューバダイビングでの撮影もしていますが、沖縄に来たら是非とも大自然の中でリアルを体験してほしいですね。ライセンスが無くても体験ダイビングもできますし。もちろん見られる魚の豊富さや手軽さを考えると水族館に分があるのですが、船で大海原に出るととても感動的ですよ。 27.JPG  沖縄でも慶良間諸島まで来ると、このようなバスクリンのような青々とした海を見ながらランチしたりダイビングしたりできます。この開放感がとても素晴らしいので是非!! 28.JPG  今回1日だけ那覇のショップで予約して慶良間(けらま)諸島に船で行って来ました。丸1日ケラマクルーズしてダイビングすると、1万5千円くらいから楽しめます。最近は水中カメラも機材も無料でレンタルしてくれるショップもあり、とてもサービスが良いですよ!
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■撮影機材:オリンパス STYLUS TG-4 Tough ■撮影環境:F2.8 1/640秒 ISO100
 コンパクト水中カメラでもここまで撮影できます!
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■撮影機材:オリンパス STYLUS TG-4 Tough ■撮影環境:F2.8 1/800秒 ISO100
 この水中の広々感は水族館では表現できませんね。
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■撮影機材:オリンパス STYLUS TG-4 Tough ■撮影環境:F3.2 1/320秒 ISO100
 超マクロモードで小さなアカテンイロウミウシを撮影しました。
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■撮影機材:オリンパス STYLUS TG-4 Tough ■撮影環境:F8.0 1/800秒 ISO100
 太陽とウミガメのショット。こちらもオリンパスのコンパクトカメラ「TG-4」での撮影。美しいブルーが撮影できました。水族館で撮影した作例と比べると水の色が違うことが判るかと思います。 33_TG4.png  今回、ダイビングで使用したコンパクトカメラ、オリンパス TG-4と専用ハウジングです。カメラ本体も水深15mまでの防水仕様になっており、シュノーケリングでは専用ハウジングなしでも使用できます。専用ハウジングに入れても大変コンパクトになりますので、気軽に旅行に持って行けるメリットがあります。  このカメラの基本性能は広角から望遠、超マクロ撮影まで全てを一台でこなしてしまうというとても優れたコンパクトカメラなんです。ダイバー仲間の間ではコンパクトカメラはTGシリーズ一択というのも頷けます。最新のTG-6では、これに加えてレンズの結露防止性能が強化されているそうなのでおすすめです。  結局この日は3回もダイビングをしたのですが、大物はこのカメさんとロウニンアジだけでした。水族館に居たマンタやジンベイザメ等はダイビングで水中では滅多に出会うこと無いですね。 ■今回お世話になったダイビングサービス マリンプロダクト:https://www.marine-p.com/ 写真家・清水淳さんが運営しているダイビングショップです。スタッフ皆さんとても親切で一人でも安心してダイビングできます。

【番外編】沖縄での移動手段や閉館後のアフタータイムの過ごし方について

35グルメ等.jpg  今回、本土からの移動は関西空港からLCCのジェットスターを利用しました。なんと現在、関西空港から沖縄まで片道数千円で行けるということに驚きました!!また、沖縄に着いてからは水族館を巡るという事でレンタカーを手配しました。沖縄は道が狭いところや渋滞が多いので軽四のレンタカーがとても良かったですね。道中、奇麗な道の駅もあり、仮眠もとりやすくいい旅となりました。  今回、レンタカーで借りた軽四は新車だったため、中も凄く広くて快適でした(もちろん、ETCやナビは標準装備でした)。アフターファイブのグルメはソーキそばや紅イモアイス、ステーキなど価格もリーズナブルで沖縄らしいグルメを堪能できました。

まとめ

 いかがでしたでしょうか、今回は真新しい最新の水族館と老舗の水族館を2つ紹介しました。どちらの水族館も魅せる工夫が随所に施されており、自然な演出を常に模索しているかのような展示方法にとても感心しました。いつか本当にリアルな海で見ているかのような展示が見られることが出来るのでしょうね。是非、皆さんも沖縄に行かれることがありましたらこの2つの水族館、お勧めします。
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■撮影機材:オリンパス OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO ■撮影環境:F1.8 1/160秒 ISO400
■写真家:虫上智 1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事、地元のカメラ店で撮影業務などを学び、2000年に独立。現在、スタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査等を受け持つ。 日本写真家協会(JPS)会員。日本写真講師協会 認定フォトインストラクター。フォトマスターEX(総合)。オリンパスカレッジ講師。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の虫上智さんによる新連載「全国水族館めぐり撮影」記事の第一弾。今回は沖縄のDMMかりゆし水族館と美ら海水族館で撮影した美しい写真をご覧ください。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,オリンパス,Olympus,水族館,虫上智 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: キヤノン EOS R3 レビュー|中西祐介 BASENAME: 484753879.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 中西祐介 DATE: 12/15/2021 16:00:00 TAGS: キヤノン(Canon) ボディー,EOS R3,フルサイズ,ミラーレスカメラ ----- BODY: EOSR3ビジュアル.jpg

はじめに

 2021年11月27日にキヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R3」が発売になりました。EOS R3は視線入力の搭載やトラッキングAF、広いAFエリア、視認性のよいEVFファインダー、EOS-1D X Mark IIIを継承した操作性など多くの機能を盛り込んだカメラとなりました。私はこれまでEOS-1D X Mark III、EOS R5、EOS R6を使用していますが、この度スポーツ取材におけるメインカメラとしてEOS R3を導入しました。  スポーツ取材の現場ではまだまだEOS-1D X Mark IIIを使用しているフォトグラファーが多くいますが、EOS R3は注目の的です。今回は私のライフワークである馬術競技の写真をご覧いただきながら、上記の機能を実際の現場で使用した時の感想をお届けしたいと思います。
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■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:1/2500sec F2.8 ISO200 WBオート

強化されたAF性能(トラッキングAFと視線入力)

 EOS R3を使用して一番使える!と思ったのは強化されたAF性能です。一眼レフのEOS-1D X Mark IIIのAF性能も大変優秀でしたが、EOS R3は更にAFの自由度が広がった印象です。トラッキングAFや視線入力がとても注目されていますが、この機能を支える土台となっているのは広いAFエリアです。一眼レフではどうしても画面の中心に集まりがちだったAFエリアが画面全体に拡大し、ファインダーの中で被写体がどの場所にいてもストレスなくAFエリアを選択、追従してくれます。特に一眼レフから移行してきた方は、改めてミラーレスの利便性の良さを感じられると思います。  そして、トラッキングAFは様々な被写体でとても有効です。次の動きを予測しながら被写体の動きを追っていくスポーツ撮影において、狙った被写体を追い続けてくれるので、AFエリアを気にすることなくフレーミングに集中できます。また、瞳や顔検知に加えて頭部検知が可能なため、ヘルメットを被っている被写体や後ろ姿でも問題なく追従してくれます。このあたりはEOS R5、EOS R6から正確性や追従スピードがブラッシュアップされています。  EOS 7s以来となる視線入力も注目の機能です。一眼レフ時代に搭載されていた視線入力は実践での使用は厳しいという印象でしたが、EOS R3は全く別物になっていました。事前に個人の視線の動きを登録するキャリブレーションをしっかり行えば、撮影者の視線の動きに合わせて素早くAFポイントが移動してくれます。加えて、私のように眼鏡をかけていても問題なくスムーズに使用できますし、キャリブレーションもとても簡単に行ことができます。  視線入力がどのようなシーンで使いやすいのかを今後検証していく予定ですが、私の場合はAFエリアを素早く動かす一つの選択肢として使っていこうと思っています。AFエリアは領域拡大をデフォルトとしていますが、フレキシブルゾーンや全域AFでも信頼を置けることがわかり、これらを活用する機会も増えそうです。
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■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:1/2500sec F3.2 ISO400 WBオート

ローリング歪みを抑制した電子シャッターとフリッカーレス機能

 スポーツの現場では、これからサイレントシャッターを求められる場面が増えてくると予想しています。ゴルフやテニス、私が撮影している馬術など、少なからずシャッター音が競技に影響を及ぼす可能性があるからです。これまではスチール撮影(静止画)でシャッター音がするのは仕方がないことと認識されていましたが、ミラーレスカメラの急速な普及によりサイレントシャッターの存在が大会主催者の間で広まっています。  馬術の場合は馬の近くでシャッター音がすることで、馬の集中力を阻害してしまうこともあります。実際の大会でもシャッター音を指摘され、サイレントシャッターが望ましいと言われるケースも体験しました。このような理由から電子シャッターでの撮影機会が増えています。そこで一番気になるのはローリングシャッター歪みですが、EOS R3ではEOS R5と比較してもローリングシャッター歪みが大きく抑制されています。球技を含め様々なシーンで使用してみましたが実用上問題なく、安心して電子シャッターを使用できるようになりました。  また、ブラックアウトフリーで撮影できるのも大きなメリットです。特にバスケットボールのように攻守が一瞬で切り替わり、選手同士が速いスピードで交錯する競技の場合、選手の動きを見ながら撮影が出来るためこれまで以上に次の展開を読みやすくなりますし、チャンスを逃さず撮影ができます。これもローリングシャッター歪みを抑えているからこそ実現できる機能です。  スポーツ以外でも舞台撮影、動画と並行してスチール撮影を行うなどシャッター音を出せないシーンは多くあると思います。それらの制限を気にすることなく撮影が出来るのは大きなメリットです。また、EOS R3では電子シャッター時もフリッカーレス機能が使用できると同時に高周波フリッカーレスも追加されました。屋内競技場ではたくさんの種類の人工灯があり、フリッカーが気になる場面が多くありますが、これによって室内での撮影でも電子シャッターを安心して使用できます。
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■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:1/2500sec F3.2 ISO200 WBオート

快適な操作性と軽量なボディ

 EOS R3を最初に手に取った時の感想は「軽い!」の一言でした。特にEOS-1D X Mark IIIと比較するとグリップの握りやすさも相まって軽量になったと感じられると思います。グリップの表面素材も滑りにくく指が引っかかりやすいので、長時間の撮影でも疲れを感じにくくなりました。また、RFレンズもEFレンズと比較すると小型・軽量化されていますので、移動時のカメラバックの重量を減らすことが出来ています。  ボディ背面のボタンやダイヤルを見ると、EOS-1D X Mark IIIとEOS R5を合わせたようなボタン配置となっています。その中でも「スマートコントローラー」が搭載されたのは嬉しい機能です。AF-ONと測距エリアの変更を兼ねたスマートコントローラーは、全てのボディに付いて欲しいと願うとても便利なものです。マルチコントローラーよりもAFエリアを移動する際の反応がよく、瞬時にAF-ONを使えるためより直感的に操作ができます。  さらにボタン・ダイヤルカスタマイズを行えば、自分が一番使う機能をワンボタンの操作で呼び出すことが可能になります。少ないボタン操作で機能の切り替えをすることで、撮影時の操作ストレスを大幅に軽減できるはずです。また、スイッチを入れた時の起動時間がより短くなり、ボタン操作時の反応の良さもEOS R3のお気に入りポイントになっています。
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■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:1/2000sec F3.2 ISO400 WBオート

心地よい解像感

 EOS R3の正式発表前は、3000万画素以上の高速連写対応機になるのではないかという予想をしていましたが、有効画素数は2410万画素でした。これを見てもう少し画素数があってもいいのではないかと思っていました。しかし、実際に使用してみるとRFレンズの効果もあると思いますが高い解像力があり、想像以上に被写体の質感やその場の空気感、奥行きなどをしっかりと描写してくれていました。もちろん4500万画素のEOS R5には及びませんが、心地よい解像感がとても気にいっています。  高感度特性もよく、私はISO8000からISO12800までを許容範囲にして使用しています。2410万画素としたのは高感度とのバランスだったのかもしれません。ボディが持つ能力をフルスペックで発揮するためにはRFレンズの使用をお勧めします。
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■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:1/2000sec F4 ISO400 WBオート

まとめ(現場で使った感想)

 現在スポーツ取材の現場では、EOS R3をメイン機としてEOS R5、EOS R6を使用用途によって使い分けています。特に激しい動きを追いたい場合は迷わずEOS R3を選択。以前はスポーツ撮影のメイン機はEOS-1D X Mark IIIでしたが広いAFエリア、トラッキングAF、サイレントシャッターなど高いポテンシャルと撮影の新しい可能性を感じてメイン機を切り替えました。EVFファインダーも実用上問題なく、とても満足しています。  特にAFエリアが広くなったことで、ファインダーの中で動き回る被写体をどこに置いてもAFが追従してくれるおかげで、これまでのAFエリア優先からフレーミング優先になり、撮影時のストレスを大きく減らすことが可能になりました。これからも様々なシーンでポテンシャルを発揮してくれるものと確信しています。
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■撮影機材:Canon EOS R3 + RF400mm F2.8 L IS USM ■撮影環境:1/2500sec F3.2 ISO200 WBオート
■撮影協力:日本大学馬術部 ■写真家:中西祐介 1979年東京生まれ 東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。講談社写真部、フォトエージェンシーであるアフロスポーツを経てフリーランスフォトグラファーに。夏季オリンピック、冬季オリンピック等スポーツ取材経験多数。スポーツ媒体への原稿執筆、写真ワークショップや大学での講師も行う。現在はライフワークとして馬術競技に関わる人馬を中心とした「馬と人」をテーマに作品制作を行う。 ・日本スポーツプレス協会会員 ・国際スポーツプレス協会会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の中西祐介さんによる、キヤノン「EOS R3」レビュー記事です。スポーツ撮影の現場で感じた高い性能や使い勝手を馬術写真とともに解説いただきました。 ----- KEYWORDS: キヤノン,Canon,ボディー,EOS R3,レビュー,ミラーレス ----- -------- AUTHOR:   TITLE: シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|より印象的に切り取る一本 BASENAME: 484725419.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: FPS24 DATE: 12/16/2021 16:00:00 TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,90mm F2.8 DG DN | Contemporary,単焦点 ----- BODY: 01_見出し.jpg

はじめに

 こんにちは、FPS24です。2021年9月24日にシグマから発売された「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、Iシリーズの中望遠レンズとして、焦点距離65mmに続きラインナップに加わりました。  実際に使用して感じる90mmの魅力は、画面を大きく整理して、より被写体を強調させた撮影が行いやすくなるという点でした。日常では見過ごしてしまうような被写体や風景でも90mmのレンズを使用することで、その存在をしっかり際立たせることができると思っています。 02_fpと90mm.jpg  私たちが愛用している「SIGMA fp」にもバランスよくマッチします。Iシリーズ全般に言えることですが、日常でも非常に持ち歩きやすいコンパクトなサイズ感が魅力的です。そしてサイズだけでなく、高い光学性能も魅力的です。実際に自分で使ってみて、写真と動画の両方で表現の力強さを感じました。  今回は、私たちが引き込まれた「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」の魅力をご紹介します。

レンズのスペック

 Iシリーズにラインナップされた「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は今までと同様に、繊細なこだわりが垣間見える外観が特徴的です。金属製のボディ、リングのローレット加工、操作の感触など、レンズ自体の質感を高めるために施された加工は細部にまで至ります。 03_90mmF2.8.jpg 04_フード.jpg  レンズフードは大きく、しっかりとした印象です。外してみるとレンズのコンパクトなサイズが分かりやすいです。 05_製品画像.jpg  最短撮影距離は50cm、最大撮影倍率が1:5となっています。近くのものを撮影するときにも、構図を絞ってしっかりと撮影ができます。  フィルターサイズはφ55mmで、Iシリーズの「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」と同じフィルターサイズになっています。この3本のレンズで広角、標準、中望遠と使い分けができて、一緒に持ち運ぶ際にもフィルターなどが共通で使えて非常に便利です。

「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」で写す風景

 SIGMA fpと90mm F2.8 DG DN | Contemporaryで撮影した動画をまとめてみました。中望遠だけで綴る動画もなかなか悪くありません。
 私たちはこれまで広角レンズを使う機会が多く、中望遠から望遠までのレンズはなかなか馴染みがありませんでした。そんな私たちにとって90mmという焦点距離は新鮮で、いつもとは異なる感覚で被写体を探しながら散策できる面白さがありました。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO1000 F2.8 SS1/200
 早朝、森の中を歩きました。ひんやりとした空気の森の中を歩くと、とても気持ち良くリフレッシュできます。そして少し険しいトレッキングコースでも、レンズのコンパクトなサイズのおかげで気兼ねなく持ち歩くことができます。両手を空けておきたい時にはバックパックの隙間に入れておけるので、このサイズには重宝しました。  道から少し離れた距離感の景色でも、焦点距離90mmを活かして撮影を楽しむ事ができます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO125 F2.8 SS1/200
 木に生えた苔が木漏れ日で優しく照らされていました。朝露で濡れたしっとりとした雰囲気も写真に収めることができました。地面ではなく木の根からも新たな葉っぱが次々と生えているのは、自然の力強さを感じます。  普段の歩き方だと見過ごしてしまうような景色も、「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」を持っているとついシャッターを切ってしまいます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO250 F8 SS1/400
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO125 F8 SS1/200
 このレンズを持ってからは、遠くのものを撮ることも楽しくなりました。90mmで撮ると、街並みの背後にある山々や雲はより一層力強さが増します。  山の描写はもちろん立体感があり、遠くからでも稜線や形が綺麗に分かります。さらに、電線や鉄塔のディティールもかなり緻密に描写されています。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO100 F4 SS1/3200
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO100 F4 SS1/2500
 飛行機の窓から撮るのも面白い使い方だと思いました。コンパクトなレンズボディは機内でも邪魔にならず、90mmの焦点距離を活かして街並みをアップで撮ることができます。  普段何気なく使っている道路や建物でも、上から見ると思わぬ発見があるかもしれません。撮った写真を後で拡大して見てみるのも楽しみの一つです。日常では見ることのない角度から街を切り取って楽しめるのは、このレンズで味わえる面白さだと感じました。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/8000
 被写体を引き立たせてくれるのは中望遠レンズならではの魅力です。背景のボケも美しく、より立体感が出ています。上の写真の場面では被写体との距離が少しありましたが、離れていても服の生地の肌触りが分かるほどの描写力も強みですね。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO4000 F4 SS1/400
 軒下に吊るされていた沢山の玉ねぎ。大きくて美味しそうです。こういった光景は都心ではあまり見かけないので、不思議な感覚で眺めてしまいます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO4000 F4 SS1/400
 建物と建物の間の道を行く人。先に見える明るい空間に歩く姿に惹かれました。この辺は細い道が多く入り組んでいたので、スマホで道を確認しつつ歩かないと迷子になってしまうほどでした。  暗がりが多いような場面でも光を捉えてしっかり安定した写りになっています。実は屋根と屋根の間に蜘蛛の巣があり、それも描写されていたのには改めて驚かされます。
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■撮影機材:SIGMA fp + 90mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:ISO2000 F4 SS1/200
 この季節にはありがたい囲炉裏です。炭火で体が温まるのはもちろん、お湯を沸かしたり、鍋で料理を作ったりすることが出来ます。炭火のじんわりとした暖かさが写真からも伝わってくる気がします。  「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、ピンポイントに意図した構図で、伝えたいものをしっかりと撮るような撮影に向いていると感じました。

まとめ

 「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」はそのコンパクトなサイズとビルドクオリティが印象的なレンズです。しかし他のレンズと同様に光学性能も決して妥協しておらず、細部に至るまで緻密に描写できる性能を持っています。さらに同時発売された「24mm F2 DG DN | Contemporary」や、コンパクトな他のIシリーズのレンズと一緒に持ち歩くと、メリハリのある写真や映像を残すことができます。特に動画を撮影する場合には、画角の変化がより楽しめるのではないでしょうか。  取り回しの良いコンパクトな中望遠レンズなので、日々持ち歩いているレンズに「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」をプラスして出かけるという選択も気軽にできます。写真や映像を撮る上での選択肢を広げてくれるのが、このレンズの魅力だと思います。  最後に、今回ご紹介した「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」と同時発売の「24mm F2 DG DN | Contemporary」はFPS24のYouTubeチャンネルでもご紹介させていただいております。映像に焦点をあててご紹介しておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひこちらもご覧ください!
■執筆者:FPS24 2019年12⽉からスタートした、2⼈組の映像ユニット。「SIGMA fp」「SIGMA fp L」を使⽤して旅⾏やVlogの動画を撮影しYouTubeで配信している。

「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」はこちらの記事でも紹介中

■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary|新焦点距離90mmがIシリーズに誕生 https://shasha.kitamura.jp/article/483500379.html ■シグマ 90mm F2.8 DG DN Contemporary × 旅|山口規子 https://shasha.kitamura.jp/article/483892659.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 映像ユニット「FPS24」さんによる、シグマの90mm F2.8 DG DN | Contemporaryレビュー記事です。被写体を強調して写し取る中望遠レンズの魅力を、動画と静止画の両方で解説いただきました。 ----- KEYWORDS: シグマ,Sigma,単焦点レンズ,90mm F2.8 DG DN | Contemporary,レビュー,FPS24 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: カールツァイス ZEISS Batis 2.8/135 レビュー|撮影者のイメージを引き出す魅惑のレンズ BASENAME: 484752576.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 12/17/2021 16:00:00 TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,ZEISS Batis 2.8/135,単焦点 ----- BODY: 00_top.JPG

はじめに

 バティスシリーズのレビューも広角~標準、そして望遠と今回で5本目の最後となりました。「ZEISS Batis 2.8/135」は2017年5月に発売され、カールツァイスではシリーズ4本目になるバティスです。135mmの焦点距離はポートレート撮影などに多く使われるレンズですが、ポートレート以外にも中望遠でのボケを活かした撮影にも幅広く使えるレンズです。  今回は、人物・動物・スナップの3つのシーンを撮影し、「Batis 2.8/135」の魅力をお伝えしたいと思います。

Zeiss Batis 2.8/135の魅力

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 Batis 2.8/135FE 135mm F1.8 GM
焦点距離135mm135mm
画角(35mm判)18°18°
開放絞り(F値)F2.8F1.8
最小絞り(F値)F22F22
レンズ構成11群14枚10群13枚
絞り羽根枚数9枚11枚
最短撮影距離0.87m0.7m
フィルター径67mm82mm
外形寸法(最大径x長さ)98 x 120mm89.5 x 127mm
質量約614g約950g
 「Batis 2.8/135」の光学系はアポゾナー設計。高次元の色収差補正により、非常に高性能な中望遠レンズに仕上がっています。また、撮影時のブレを防ぐための光学式手ブレ補正機構も搭載しており、様々なシーンの撮影に安心感をもたらします。  F値こそ変わってきますが、ソニーEマウント純正G Masterレンズ「E 135mm F1.8 GM」とは価格ラインも近く、135mmの単焦点を購入する際には悩むところです。
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■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
 バティスシリーズの中では一番長い135mmの焦点距離。開放F値はF2.8と若干平凡な値ではありますが、レンズ自体の重量も614gと抑えられており、非常に扱いやすい筐体になっています。  望遠効果と絞り開放F2.8の効果が合わさって、ピントが合った後の自然なボケの表現がとても魅力的。「Batis 1.8/85」と同様に、絞り開放では全体的に柔らかな描写をするレンズですが、中心部にはシャープ感があり柔らかなボケとシャープ差が両立しています。  「Batis 2.8/135」も「Batis 1.8/85」と同様に「糸巻き型収差」が出ます。RAWで撮影していればRAW現像の際に、レンズのプロファイル補正を使用すれば糸巻き型収差も修正することができますが、JPEG撮って出しをする場合は糸巻き型収差が気になるところです。 03_作例.JPG  上の様な写真をあえて撮ることは無いと思いますが、構図の隅に直線的なものが入るような撮影する際に、こういう傾向があると認識しておいて損はないと思います。
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■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/5000秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
 直線基調の被写体も、少し内側寄りに配置する構図にすると糸巻き型収差は目立ちにくくなります。  焦点距離こそ違いますが、写りの質は「Batis 1.8/85」と非常に似通っており、派手さが抑えられた鮮やかな発色と柔らかさを写す事ができ、カールツァイスらしさが非常によく現れているレンズです。
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■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF3.2 ISO800 焦点距離135mm

Zeiss Batis 2.8/135でポートレート撮影

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■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
 「Batis 2.8/135」が魅力を一番発揮するのが人物撮影です。「Batis 2.8/135」は、カメラにレンズを装着しファインダーを覗いたときから、何か素敵な写真が撮れる事を感じさせてくれます。撮影していてワクワク感が止まらず、とにかくシャッターを切りまくる感じになっていました。ファインダー越しからでも分かる、ピントを合わせたところのシャープ感とそれ以外の和らかなボケ感が両立し、被写体を一層引き立ててくれます。
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■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
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■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離202mm ※APS-Cクロップ撮影
 フルサイズ135mmという焦点距離は、APS-Cで使用すれば焦点距離約200mm相当の画角になり、フルサイズの高画素機で使用すれば、135mmと200mmの焦点距離を楽しむことができます。今回は撮影できませんでしたが、室内スポーツなどにも「Batis 2.8/135」をAPS-Cモード焦点距離200mmで使用する事もできるのではないかと思います。
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■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離202mm ※APS-Cクロップ撮影

Zeiss Batis 2.8/135でお子様スナップ撮影

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■撮影機材:SONY α1+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
 大人の被写体を撮るのより難しいのが小さいお子さん。動き回る元気なお子さんを撮影するには、やっぱりカメラの性能が左右する部分も出てきます。「Batis 2.8/135」は瞳オートフォーカスにもしっかりと対応し、AF精度も高いので、カメラの性能を存分に活用できる力強いレンズです。  背景にあるイチョウの木からの木漏れ日の柔らかいボケが、被写体であるお子さんを柔らかく包み込むような表現をしてくれました。この一枚が撮れるだけでも所有したくなるレンズです。
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■撮影機材:SONY α1+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
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■撮影機材:SONY α1+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
 焦点距離135mmで屋外にてお子様を撮る場合、丁度いい感じの距離感がありお子様もカメラを向けられた時の緊張感も和らぎ撮影もしやすくなります。
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■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF2.8 ISO125 焦点距離135mm
 「Batis 2.8/135」の最短撮影距離は0.87mと決して短くはありませんが、十分にアップで撮影する事もできます。

Zeiss Batis 2.8/135で動物園撮影

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■撮影機材:SONY α7 III+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/100秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離135mm
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■撮影機材:SONY α7 III+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO6400 焦点距離135mm
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■撮影機材:SONY α7 III+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離135mm
 動物園でのフェンスやガラス越しの撮影において、135mmの望遠効果+絞り開放F2.8効果で、フェンスやガラスの存在を薄くすることができます。上の写真の鳥の写真はガラス越し、ワオキツネザルの写真はフェンス越しに撮影したものになります。
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■撮影機材:SONY α7 III+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF2.8 ISO400 焦点距離135mm
 カワウソなどの動物の速い動きにも、AF-C(コンティニュアンスAF)でしっかりとオートフォーカスが追随し、カールツァイスのレンズでありながらオートフォーカスが使える魅力を大きく感じます。

Zeiss Batis 2.8/135でスナップ撮影

 さすがに中望遠「Batis 2.8/135」だけ一本持って街角スナップ撮影は難易度が高いですが、思い切って被写体を大胆にキリトルのは、撮影者の腕を試されるような感じです。たまにはそんな撮影も面白く、試行錯誤しながら撮影を楽しむことができました。
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■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
19_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/1250秒 絞りF4.5 ISO800 焦点距離135mm
20_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
21_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離135mm
22_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV+ Zeiss Batis 2.8/135 ■撮影環境:シャッター速度1/30秒 絞りF2.8 ISO1600 焦点距離135mm

まとめ

 「Zeiss Batis 2.8/135」は、バティスシリーズの中でも魅力的なレンズです。135mmという焦点距離は、日常的に使うには少し焦点距離が長く難しいかもしれませんが、人物撮影においては距離感、描写性、柔らかさ、味わいのどれにおいても撮影者のイメージを写真に表現してくれるレンズではないでしょうか。  今回のレビューでバティスシリーズも最後ですが、5本のバティスレンズを使って日常的な使いやすさは「Batis 2/25」がナンバー1でした。しかし、一番使いたい魅力的なレンズはと問われると、この「Batis 2.8/135」がナンバー1です。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんによる、カールツァイス 「ZEISS Batis 2.8/135」レビュー記事です。中望遠の美しいボケを活かしたポートレートに最適なレンズです。 ----- KEYWORDS: カールツァイス,zeiss,単焦点レンズ,ZEISS Batis 2.8/135,レビュー,ポートレート,坂井田富三 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: これから始める星景写真 Vol.3|星空と風景のマッチングを意識して撮影しよう! BASENAME: 484845987.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 北山輝泰 DATE: 12/18/2021 11:00:00 TAGS: ソニー(Sony) ボディー,ソニー(Sony) レンズ,これから始める星景写真,星景/夜空/星空/天体,星景写真の撮影テクニック ----- BODY: 11_作例.jpg

はじめに

 星景写真家・写真講師の北山輝泰です。「これから始める星景写真」の連載もVol.3を迎えました。前回は身近な場所で、構図を意識しながら撮影する際のポイントについてご紹介をしましたが、今回はいよいよ星景写真で最も重要な「星空と風景のマッチング」について、私の遠征記録を振り返りながら深掘りしていきたいと思います。本格的な星景写真の撮影に挑戦したいと思われている方、必見です!

星景写真の考え方

 Vol.2でもご紹介しましたが、星景写真の面白さは星空と風景のマッチングを考えることにあります。マッチングは大きく二通りの考え方があります。 (1) どのような星空を撮りたいかを考えてから、撮りたい風景を探す(星空が優先) (2) 撮りたい風景を探してから、どのような星空を撮りたいかを考える(風景が優先)  考え方に優劣はなく、作品の狙いによって変えることが重要です。心に留めておくことは、星空と風景のどちらも疎かにしない、ということです。とはいえ、星景写真をこれから始められる方の多くは、星はあまり詳しくないという方がほとんどかと思います。そのため、まずは(2)の考え方の「撮りたい風景を探す」ことから始めるのがおすすめです。星景写真で必要な星の知識などは、また別の機会にご紹介できればと思います。

星景撮影に適している場所

 人を魅了する星景写真を撮影する場合は、やはりある程度空が暗く、たくさんの星空が見える場所で撮影することが重要です。そのため、車を使い自由に撮影場所まで行ける方が、作品のバリエーションを増やすことができるのは間違いありません。ですが、公共交通機関を使って行ける宿泊施設などを探し、そこをベースに星空撮影をするスタイルもありますので、車移動ができない方はそのような場所を探してみるのも良いでしょう。  星景写真撮影でおすすめの撮影地の条件は以下の通りです。 (1) 視界がある程度開けている場所 (2) 構図のアクセントになる自然風景、人工物などがある場所 (3) 撮影したい方向に撮影の邪魔になる明るい街灯や建物の灯りなどがない場所  これらの要素を全て満たしながら、かつ夜間に自由に撮影ができる場所となると、日本全国たくさんあるように思えて意外とありません。特に(2)の「構図のアクセントになる自然風景、人工物」を夜に見つけるのは至難の業です。そのため、日中の空き時間を使ってロケーションハンティング(以下、ロケハン)をするのがおすすめです。  しかしながら、お仕事の都合などでロケハンをすることが厳しい方もたくさんいらっしゃると思います。そのような方は、まず各都道府県の有名な観光地・景勝地の中から、夜間に出入りができる場所を探して撮影していくのが良いでしょう。インターネット上で「○○県 観光名所」などと調べると、観光地の情報が手に入りますし、旅行雑誌やツーリング雑誌などを購入してみるのもいいでしょう。今回は、福島の遠征の途中で見つけた鳥居のある海岸風景を前に撮影を行いましたので、その様子をご紹介します。
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日中のロケハンで撮影した写真

撮影候補地を探したらまず行うこと

 こちらもVol.2で簡単に触れましたが、撮りたいと思った風景が見つかったら、まずはじめにコンパスを使って方角を確認します。この時、同時に方位角もおおよそ分かるとシミュレーションをする時に役に立ちます。インターネット上で撮影地を探す場合は、GoogleMapの航空写真表示機能を利用して、撮影場所と被写体とのおおよその距離や方角を調べるのが良いでしょう。過去にそこを訪れたことのある方の写真投稿なども、貴重な参考資料になりますので、一つずつチェックするのもいいでしょう。  今回撮影をした福島県いわき市の勿来海岸は、東の方向に鳥居がありますので、東の地平線から昇る星空と一緒に撮影できることになります。  ちなみに、もし山や人工物など高さがある被写体を撮影する場合は、その被写体が邪魔になり星空が隠されてしまう可能性がありますので、被写体の高さをおおよそ測っておくことも重要です。測り方ですが、はじめに握り拳を作り、つぎに目の高さでまっすぐ腕を伸ばしたらその拳の厚みが10度となります。仮に目の前の被写体が10度の高さがあるものであれば、10度以上の高さの星空を見ることができることになります。私の場合は、スマホのカメラ機能と連動しながら、目の前の方角と方位角、そして高さを同時に調べることができる「SpyGlass」というアプリを導入してロケハンを行なっています。
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SpyGlass操作画面
・App Storeでの「Spyglass」アプリページはこちら ・Google Playでの「Spyglass」アプリページはこちら  撮りたい風景が決まったら、次にどのような星空を撮影するかを考えます。星空というのは、星座や惑星などの星々や、天の川のことを指します。撮影するタイミングによって撮れる星空は変わってきますので、同じ場所に撮影に行くとしてもその都度調べ直す必要があります。  今回は11月10日に遠征に行くことが事前に決まっていましたので、その日の20時~24時ごろに撮影できる星空を調べます。調べる方法は、Vol.2でもご紹介した、ビクセンから配信されている「Interval Book」というアプリを使います。
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Interval Book操作画面
・App Storeでの「Interval Book」アプリページはこちら ・Google Playでの「Interval Book」アプリページはこちら  Interval Bookは、撮影日時と撮影場所、撮影地の標高の入力の他に、使用するレンズの焦点距離も入力することができます。自分が使用するレンズの焦点距離が決まっている場合は、その値を入力してください。私の場合は、シミュレーション結果を元に使用するレンズの焦点距離を決めますので、ここではひとまず24mmと入力しています。  一通り入力が終わったら星図の画面を表示し、撮影する方角が表示されるようスワイプした後、左上の方位角と高度の値を見ながら表示位置を微調整します。最後に画面下部の時間のバーを左右にスワイプしながら、撮影する星空を決めます。今回は、地平線から昇るオリオン座と鳥居を絡めて撮るのが面白そうですので、オリオン座が地平線から昇る20時30分からを撮影時間とします。オリオン座は郊外・市街地問わず、どこでも見つけることができる明るい星座ですので、星景写真の入門ではおすすめの被写体です。オリオン座だけを撮影する場合は、35mm判換算で50mmのレンズがあればちょうど良いですが、今回は鳥居と一緒に撮影する狙いがありますので、余裕を持って30mmで撮影を行うことにします。  今回ご紹介をしたIntervalBookの使い方については、動画でも解説しておりますので、こちらもぜひご参照ください。
 ここまでシミュレーションができれば、あとは実際に現地を訪れて撮影になります。撮影場所には、撮影予定時刻の1時間前に着けるよう行動するのが良いでしょう。

撮影現場に着いたら

 撮影現場に到着をしたら、機材を展開する前に一度撮影場所の確認をしましょう。人気の撮影地の場合は、先に撮影されている方がいらっしゃる場合もありますので、その際は邪魔にならないような位置を探すようにしましょう。もしコミュケーションを取れる状況であれば、声がけも大事です。何を撮りにきているのか狙いが分かれば、どのようなことに注意をすればいいかも分かりますし、情報交換の中で新しい発見があることもあります。

本格的な星景写真の撮影手順

 問題がなければいよいよ撮影開始です。まずは、事前のシミュレーションで求めた焦点距離にセットをしたら、明るい星を探してピント合わせを行います。撮りたい方向とは違う方向でピントを合わせても問題はありません。ピント合わせをした後は、ピント位置がずれるのを防ぐため、なるべくレンズに触らない方がいいですが、不用意に触ってしまう恐れがある場合は、ピントリングをテープで仮止めしてしまってもいいでしょう。  ピント合わせが完了したら、構図を決めます。この時、しっかり水平が取れているかを水準器などで確認するようにしましょう。  構図もおおよそ決まったら、試し撮りを行います。試し撮りの値は、場所や月齢によっていくつかパターンがあります。今回は郊外の星がよく見えるところでの撮影でしたが、撮影方向とは反対方向に明るい電灯があるという状況でしたので、ISO1600 / F値開放(F1.8)/ シャッタースピード5秒と設定しました。ホワイトバランスは個人的に好きな色の蛍光灯の温白色を選択しています。
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■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G ■撮影環境:ISO1600 F1.8 5秒 WB蛍光灯の温白色 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
 試し撮りをした後は、明るさの確認をするためにヒストグラムを表示します。Vol.1でも紹介した通り、星景写真の撮影では多少明るめに撮影しておくことが重要になりますが、暗いところでの撮影は、ヒストグラムを見てしっかり確認をする方が良いでしょう。今回の試し撮りの結果は以下の通りです。
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ヒストグラムを確認しながら試し撮り
 見るべき箇所は、白い色のヒストグラムです。このグラフのようなデータは、輝度を表しています。枠の横軸は写真の諧調(=明暗の差)を表しており、左側が写真の暗い部分のデータ。右側が明るい部分のデータになります。縦軸はその明るさのデータがどれくらいあるかを示しており、山が高くなればなるほど、その部分の明るさが最も多いことを示しています。仮に、枠の真ん中付近にデータが集まっている場合は、中間の明るさのデータが最も多いことを示しており、おおよそ日中の適正露出になります。星景写真は夜の撮影ですので、真ん中にデータが集まってしまっては明るすぎるということになります。そのため、真ん中から少し左側の位置にデータが集まっているように明るさを調整する必要があります。  試し撮り結果を見てみると、シャッタースピード5秒の写真はちょうど良い位置にデータが集まっており、露出設定は問題ないことが分かりました。仮にもし写真が暗い場合は、シャッタースピードを少しずつ長くするか、ISO感度を上げながら、写真を少しずつ明るくしていきます。逆に明るい場合は、その逆を行えば写真は少しずつ暗くなっていきます。
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シャッタースピード3.2秒では少し暗くなりました
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シャッタースピード10秒では少し明るくなりました
 明るさの確認はヒストグラム以外にカメラ内の露出計を見る方法もあります。露出計は満月近くの明るい月が照らす状況や、今回のように街灯の明かりで風景が明るく照らされている状況では参考にできますが、あまりに暗すぎる環境では露出計自体が参考にならないため注意が必要です。露出計を使う場合は、カメラの測光モードの選択が重要になります。α6400では「マルチ測光」を選択して、露出計が+-0になるところを探してシャッターを切ると、夜の雰囲気が出ているちょうど良い明るさの写真を撮ることができます。  最後に、シャッターボタンを押す際に力が入ると写真がブレる原因になるため、セルフタイマー機能や、有線or無線レリーズなどを使用する方が良いでしょう。
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露出計が+-0になっている

撮影中に確認すること

 撮影した写真を再生して満足いく写真が撮影できたと思っても油断してはいけません。特にピントずれはレタッチでもどうすることもできないため、撮影現場で頻繁に確認する癖をつけましょう。  また、写真の構図に関しても注意が必要です。よくやりがちなミスとしては「星座が見切れてしまっている」ということがあります。事前のシミュレーションでどの星座を撮るかを決めても、実際に見える星空と照らし合わせるのは簡単ではありません。シミュレーション通り撮れたと思っていた写真が、実際には撮れていなかったということもありますので、やはり撮影中に隈なく確認することが大事ですし、不安な場合は少し広めの画角で撮影しておくのも良いでしょう。  地上風景に関しても、自分がカメラを構えている位置、アングルが正解なのかを気にしながら撮影するようにしましょう。少しカメラのポジションを変えるだけで写真の印象は大きく変わりますので、少しずつ角度を変えながら様々なバリエーションの写真を撮っておくようにしましょう。また、ソフトフィルターも併用すると写る星の印象も変わりますので、お持ちの場合は、ソフトフィルターあり/なしの作品も撮っておくと良いでしょう。
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■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G ■撮影環境:ISO1600 F1.8 5秒 WB蛍光灯の温白色 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
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■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G ■撮影環境:ISO1600 F1.8 5秒 WB蛍光灯の温白色 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)
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■撮影機材:ソニー α6400 + FE 20mm F1.8 G ■撮影環境:ISO1600 F1.8 6秒 WB蛍光灯の温白色 焦点距離20mm(35mm判換算30mm相当)

まとめ

 今回はいわき市で撮影した星景写真を元に、本格的な撮影場所での撮影手順についてご紹介しました。自宅周辺での撮影とは違い、暗い中での撮影では、カメラの操作がスムーズにできなかったり、露出の感覚が大きく違ったりと、難しさを感じる場面が多いかと思います。最初のうちは上手くいかなくても、撮影経験を積み夜の撮影に慣れていくことで、スムーズに撮影できるようになりますのでご安心ください。 ■写真家:北山輝泰 東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。天文台インストラクター、天体望遠鏡メーカー勤務を経て、2017年に写真家として独立。世界各地で月食や日食、オーロラなど様々な天文現象を撮影しながら、天文雑誌「星ナビ」ライターとしても活動。また、タイムラプスを中心として動画製作にも力を入れており、観光プロモーションビデオなどの制作も行っている。星空の魅力を多くの人に伝えたいという思いから、全国各地で星空写真の撮り方セミナーを主催している。セミナーでは、ただ星空の撮り方を教えるのではなく、星空そのものの楽しさを知ってもらうために、星座やギリシャ神話についての解説も積極的に行なっている。

北山輝泰さん星景写真撮り方講座の連載記事はこちらからご覧頂けます

■これから始める星景写真 Vol.1|自宅周辺で夜の撮影に慣れよう https://shasha.kitamura.jp/article/483663405.html ■これから始める星景写真 Vol.2|被写体を意識して撮影しよう! https://shasha.kitamura.jp/article/484194195.html
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の北山輝泰さんが、これから星景写真を始めたいと思っているビギナーの方向けに撮影に必要な道具から撮り方までを紹介しています。Vol.3の今回は星空と風景のマッチングについて説明しています。 ----- KEYWORDS: 星景,天体,撮影テクニック,ソニー,Sony ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」レビュー|片岡三果 BASENAME: 484719175.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 片岡三果 DATE: 12/19/2021 10:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,instax mini Evo,インスタントカメラ,その他カメラ ----- BODY: 01_富士フイルム_instax mini Evoの製品画像.jpg

はじめに

 2021年12月3日に富士フイルムから発売されたハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”「instax mini Evo」をご紹介させて頂きます。このカメラは撮ったその場でプリントが楽しめるインスタントカメラでありながらデジカメの機能を併せ持つ事で、撮った写真をデータとして保存したり、スマホに送ってSNSにアップする事が出来るようになっています。また特長的な機能としては、合計100種類もの撮影エフェクトが使えるようになっていますので、個性豊かで遊び心のある撮影を楽しめるようになっています。今回は「instax mini Evo」の特長的な機能を使って撮影してきましたので、作例を交えて本製品の魅力を紹介させて頂きます。

ハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”の魅力

 instax mini Evoの魅力を紹介する前に少しだけハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”の魅力をお話しさせてください。  私は今ではミラーレスカメラをメイン機に使っていますが、幼少の頃から今日に至るまでフィルムカメラでの撮影も楽しんできました。ミラーレスカメラを使いはじめた理由はフィルターエフェクト在りきで撮影をしたいと思ったのがきっかけで、フィルムカメラを使い続けるのは撮影後のプリントまでを一連の流れとして楽しみたいと考えているからです。ハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”はこのフィルター在りきの撮影とプリントまでを楽しめるといった良いところが融合されていて、しかもそれらを気軽に扱えるところが凄く魅力的だと感じています。また背面の液晶モニターで撮影した写真を確認できますので失敗を恐れず撮影を楽しみつつ、お気に入りの写真だけをプリントしたり、同じ写真を何枚もプリントしたりする事も出来ますので、とても便利に使うことが出来ます。  ということで私は、この“チェキ”が大好きで今まで数台を所有して、旅行にも、友人知人との集まりにも、日常のお出かけにも鞄に入れて持ち出し、撮影→プリント→共有(プリントをあげる)を沢山楽しんできました。それでは次はinstax mini Evoの魅力をご紹介させてください。

100種類もの撮影エフェクトを楽しめるinstax mini Evo!

 instax mini Evoはクラシカルなデザインになっていて操作ダイヤルやレバーはフィルムカメラを彷彿させるつくりになっています。見た目がとてもお洒落な上このアナログの操作系は直感的な操作を可能にしながらも遊び心が詰まっていて、持ち歩いて撮影するのがとても楽しくなります。操作レバーはプリントする時に使うものなのですが、このレバーを引くとフィルムカメラでフィルムを巻き上げるような、じ~、じ~という音がします。  またinstax mini Evoはレンズエフェクトとフィルムエフェクトをそれぞれ10種類ずつ選択できるようになっていて、それらを掛け合わせる事で合計100種類の撮影エフェクトが楽しめるようになっています。 ■10種類の「レンズエフェクト」
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※フィルムエフェクトは全てノーマルに設定しています。
■10種類の「フィルムエフェクト」
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※レンズエフェクトは全てノーマルに設定しています。
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■レンズエフェクト『光漏れ』×フィルムエフェクト『レトロ』
 正面からの太陽の光を強く感じ、その眩しさや木漏れ日の様子を表現したかったのでレンズエフェクトは「光漏れ」を使っています。「光漏れ」は毎回同じではなくランダムに数種類のかたちが現れるようになっていて、今回は左側に弓のようなかたちで現れています。このあたりも実際のフィルムカメラで光漏れが起きた時にどのように写り込むかが分からないのと同じように、運任せの要素を再現してくれています。秋と冬が入り混じった時期でしたのでフィルムエフェクトは「レトロ」にして肌で感じた温度感を少しでも表現出来ればと思いました。
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■レンズエフェクト『ミラー』×フィルムエフェクト『セピア』
 エスカレーターに乗った時にレンズエフェクトの「ミラー」を使いエッシャーのような不思議な世界観を幾何学的に表現してみました。より不思議な雰囲気にする為色味が無くなるようにフィルムエフェクトは「セピア」をチョイスしています。
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■レンズエフェクト『色ずれ』×フィルムエフェクト『ビビッド』
 鏡に映る自分をレンズエフェクト「色ずれ」を使い、良い意味で背景のバランスを崩して撮影しました。フィルムエフェクトは「ビビット」を使う事で色ずれを強調しています。衣服の模様の色ずれも強調され全体的にサイケデリックな電子工学のようなデザインで写しとめる事が出来ました。
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【左】レンズエフェクト『色ずれ』×フィルムエフェクト『ビビッド』 【右】レンズエフェクト『色ずれ』×フィルムエフェクト『ブルー』
 こちらのツリーのオブジェもレンズエフェクトに「色ずれ」を使って撮影していますが、フィルムエフェクトの選択でこれだけ画が変わります。フィルムエフェクトは「ビビット」と「ブルー」の2つを使って撮影。どちらも気に入った画になりましたが、「ブル―」の方は竹の緑色に反応して、とてもキレイなエメラルドグリーンになりました。
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■レンズエフェクト『魚眼』×フィルムエフェクト『キャンパス』
 魚眼のレンズエフェクトは丸い被写体をよりまるく、印象的に撮影することができます。キャンバスフィルターは布地感を演出して他のフィルターと比べて全体的にあえて荒削りのザラッと感で、絵画のキャンバスプリントのように表現できます。
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■レンズエフェクト『ソフトフォーカス』×フィルムエフェクト『レトロ』
 クリスマスツリーに飾り付けられた小さなサンタさんにフォーカスをあてて撮りました。ソフトフォーカスを使い全体を柔らかい雰囲気にしてクリスマスっぽい演出を行いました。これからの時期にぴったりのエフェクトですね。
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■レンズエフェクト『二重露光』×フィルムエフェクト『イエロー』
 お洒落なネオンサインがありましたので二重露光のレンズエフェクトで撮影して、それを引き立てるものを探していたら丁度良く鹿の壁画を見つけて、それらを組み合わせる事でクリスマスにあった写真がつくれました。
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■レンズエフェクト『ハーフフレーム』×フィルムエフェクト『レトロ』
 神社の前にかまえる狛犬さんをハーフフレームを使って1枚で表現してみました。同じレトロのフィルムエフェクトで仕上げていますが、上の狛犬の周辺にある葉には光があたっていて生き生きした様子に写り、下は全体的に色素が少なく記憶の中の狛犬に見えて面白い画がとれました。  instax mini Evoでは従来モデルよりも撮影性能が向上し、露出補正、マクロモード、フラッシュ、ホワイトバランス(オート / 晴れ / 日陰 / 蛍光灯1 / 蛍光灯2 / 蛍光灯3 / 電球)の調整が出来るようになっていますので、イメージ通りの撮影を楽しむことが出来ますので、これらの機能も積極的に使って行きたいですね。

色彩豊かなプリント“instax-Rich モード”

 従来モデルのチェキの画質(instax-Natural モード)に加えて、今回はお店プリントに近い色彩豊かな風合いの“instax-Rich モード”での撮影ができるようになっています。
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■左がinstax-Rich モード、右がinstax-Natural モード
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■プリントする前の画像データ ■レンズエフェクト『ノーマル』×フィルムエフェクト『ブルー』
 プリントの解像度は、従来モデルの約600×800ドットから約600×1600ドットの2倍の露光密度でプリントできますので、見比べてみると解像度が上がった事が見てとれます。

スマホ連携でSNSへのアップが可能に!

 スマホをリモコンがわりに使うことが出来るので、自分も含めた集合写真もバッチリ撮る事ができます。撮影する時はスマホに撮影画面を映し出して構図を確認してシャッターを切ることができます。またこの写真を見てお気づきかもしれませんが、一番左にいる私がスマホでシャッターを切っているのですが手にスマホはありません。これはスマホをリモコンとして使う時でも2秒もしくは10秒のタイマーをかける事が出来るので、タイマーをかけたらスマホを机に置いて両手でピースをつくり撮影しています。
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■友人との集合写真をスマホのリモコン機能を使って撮影
 今回のinstax mini Evoでは撮った写真は“チェキ”のプリントデザインのままスマホに送る事が出来ますのでSNSでの共有も簡単にできます。まわりに縁が付いたチェキらしい写真のままの表示となりますので、SNSへアップした時でも“チェキ”らしさを残せます。
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スマホ側でチェキの画像を簡単に編集が出来ます。
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背景の選択画面。色の選択や他の写真を背景に入れることが出来ます。
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スマホ画面のキャプチャー画像。チェキで撮った写真の背景を白地にしたものです。
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スマホ画面のキャプチャー画像。チェキで撮った写真の背景に別の写真を入れたものです。
 また従来モデル同様にスマホで撮影した写真や保存されているイラストをinstax mini Evoをプリンターとして活用してフィルムにプリントすることがで来ます。
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スマホの中のイラスト画像もこのようなデザインにしてプリントが出来ます。

まとめ

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友人との集まりでinstax mini Evoを使い思い出を共有しました。新色の「ストーングレー」のフィルムを使ってプリントしています。
 今回のinstax mini Evoはチェキの中で最上級モデルとなっていますので、デジタルカメラとしての性能も高く、100種類の撮影エフェクトを使えるなど思い通りの撮影を楽しむ事ができます。外観はいつも持ち歩きたくなるクラシカルなデザインになっていて、操作ダイヤルやプリントレバーは遊び心があります。またプリントして人に渡す時は色味に深みのある少し“Rich”になった写真をプレゼントする事ができますし、遠く離れた友人にもSNSを使って思い出をシェアする事が出来るのも嬉しいですね。instax mini Evoは実際に手に取って触ってもらうと更に魅力が伝わると思いますので、是非お近くのカメラのキタムラで試してみてください。プリントした写真を使ってコミュニケーションをとられる方が増えていったらいいなと思います。 ■写真家:片岡三果 北海道三笠市出身、絵画を描く気持ちで写真を表現する写真画家。FUJIFILM X photographer。漫画家の両親、大叔父が油絵画家という家庭環境で育ち、幼い頃から美術、デザインを学ぶ。写真を通して一期一会を忘れないよう、自分史を提案し撮った写真をプリントして楽しむことを大切にしている。

「instax mini Evo」はこちらの記事でも紹介されています。

富士フイルム“チェキ”「instax mini Evo」が登場!|100種類の撮影エフェクトが楽しめるシリーズ最上位モデル https://shasha.kitamura.jp/article/484483866.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の片岡三果さんが富士フイルム instax mini Evoのレビューを行っています。遊び心ある100種類の撮影エフェクトを使った作例と共に本製品の魅力をご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,instax mini Evo,レビュー ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II レビュー|この軽さは異次元!飛躍的に進化した望遠ズームレンズ BASENAME: 484841184.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 12/20/2021 16:00:00 TAGS: ソニー(Sony) レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,望遠ズーム ----- BODY: 00_top.JPG

はじめに

 今回は、新しくなったソニーの望遠ズームレンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」を早速いろいろなシーンで使ってみました。筆者にとってFEレンズの中でもお気に入りで非常に使用頻度の高かった「FE 70-200mm F2.8 GM OSS(I型)」の後継は待ちに待った、発売が待ち遠しかったレンズです。予約開始後、予想を大幅に上回る注文のため出荷までに時間がかかる可能性がある、と発表されるぐらいの人気ぶりです。どんな点がI型から進化し、どんな写真を映し出すのか、撮影した写真と合わせてご紹介します。

FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIの魅力と進化

 FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを手にして最初に思うことは本当に軽いと感じる事です。レンズ自体はそれなりの重量がありますが、I型のレンズと見た目はそれほど変わらないのにII型は本当に軽く感じます。FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIのレンズを最初に手にした時、「これモック?ガラス入ってる?」って聞いたくらいの衝撃でした(笑)。
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左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS(I型) 右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(II型)
 FE 70-200mm F2.8 GM OSSFE 70-200mm F2.8 GM OSS II
焦点距離70-200mm70-200mm
画角(35mm判)34゚-12゚30'34゚-12゚30'
開放絞り(F値)F2.8F2.8
最小絞り(F値)F22F22
レンズ構成18群23枚14群17枚
絞り羽根枚数11枚11枚
最短撮影距離0.96m0.4-0.82m
最大撮影倍率0.25倍0.3倍
フィルター径77mm77mm
外形寸法(最大径x長さ)88 x 200mm88 x 200mm
質量(三脚座別)約1480g約1045g
フード(型名)ALC-SH145ALC-SH167
 仕様を比較して分かるように外寸の大きさは同じなので、I型を持ってからII型を持つと重量の違いに驚いてしまいます。三脚座別の重量で約30%も軽量化されているのはレンズ構成の変更によるもので、18群23枚から14群17枚の構成になって5枚もレンズが減っています。
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左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS(I型) 右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(II型)
 実際にレンズキャップ(フロント・リア)、レンズフード、三脚座を付けた状態で重量を計ってみました。I型は約1682g、II型は約1269gで約25%の軽量化になっています。付属品を付けない状態よりも軽量化率が減っているのは、レンズフードの形状変更によるものです。  I型とII型を比べた時に外観の部分で大きく違うのがレンズフードの形状になります。I型の花形フードからII型では筒形フードに変更されました。レンズフード形状の好みは分かれると思いますが、個人的には花形フードの形状は大好きです。しかし、筒形フードに変更になったのは実用的なメリットを多く感じます。
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左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS(I型) 右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(II型)
 写真のようにレンズをタテて置いた場合(レンズ交換をするようなシーン)で、レンズの安定性が増しました。また、II型のレンズフード(ALC-SH167)は、フード先端部にラバーが付いている為、置いた時に滑りにくくより安定性が増すようになっています。  II型のレンズフードを装着した状態は、「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」と非常によく似たデザインになりました。ちなみにFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSのレンズフードの型番は「ALC-SH151」。形状は似ていますが仕様は違っています。お互いのフードを入れ替えて装着を試みましたができませんでした。  I型からII型への進化は、軽量化やレンズフード形状の変更だけではありません。 05_製品画像.JPG  II型で進化したポイントは、レンズ筐体のヨコにある様々なスイッチ類。  一つ目はポイントは「クリック切り換えもできる絞りリングの追加」。I型にはなかった絞りリングが追加になった事によって、即時性の高い操作を実現できるようになりました。クリックのON/OFFはスイッチで切り換え可能で、ON時はどのくらい絞りを動かしたかを体感できるので静止画撮影に便利。OFF時は絞りのクリック音を抑制するとともに、絞り値をシームレスに変化させることができるので動画撮影に最適です。  二つ目のポイントは「アイリスロックスイッチの追加」。ロックを有効にすると、撮影中不用意に絞り値が変わってしまわないよう「A」ポジションに固定、もしくはF2.8からF22の間で動かすことできます。ロックを無効にすると、「A」からF2.8の間で絞りリングをシームレスに動かすことが可能になります。  三つ目のポイントは「フルタイムDMFスイッチの追加」。AF-Cモード時でもフォーカスリングを回転させるだけで、瞬時にマニュアルフォーカスが可能なフルタイムDMFスイッチが搭載されました。AF撮影時に狙ったところからピントがはずれても、フォーカスリングを回転させれば狙った被写体にピント位置をすばやく戻すことが可能になりました。  四つ目のポイントは、動体撮影時の手ブレ補正アルゴリズムを最適化した光学式手ブレ補正機構「MODE3」が搭載されたこと。通常の光学式手ブレ補正がMODE1、流し撮りに対応したのがMODE2、動体撮影時のフレーミングの安定を重視し手ブレ補正のアルゴリズムを最適化したのがMODE3になります。スポーツなど動きが不規則で激しい被写体撮影時も、従来の手ブレ補正モードよりも被写体を追いやすくなります。  いろいろな機能が追加されて進化したのは大きなポイントですが、実際に撮影してみて感じた魅力の一つが、今まで以上に寄って撮影できるようになったことです。最短撮影距離が飛躍的に改良されており、今までのI型では撮れなかったシーンにも対応できるようになりました。
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■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/2500秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離70mm
 上の写真は、左手で紅葉を持ちながら右手でα1とII型のレンズを持って撮影しています。I型であれば最短撮影距離の問題でそもそもピントを合わせる事ができませんし、片手でカメラボディとレンズを持って撮影するのも重くて大変でした。その点、II型ではワイド端では最短撮影距離が0.4mとなり、ぐっと寄って撮影することが可能になっています。最短撮影距離が短くなったのはとても魅力的なポイントです。  I型からII型への進化はすさまじく、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを一度手に取って使ってしまうとI型にはもう戻れません。それほど魅力的なレンズに仕上がっています。

FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでポートレート撮影

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■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離273mm ※APS-Cクロップ撮影
 FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでポートレート撮影をしてみました。フローティングフォーカス機構や高度なレンズ制御に加え、ソニー独自の4基の高推力なXDリニアモーターを搭載したことで、I型のレンズよりもAF速度が最大約4倍も高速化。また、AF精度や動体への追随性能も向上しています。瞳オートフォーカスの食いつきも良く、モデルさんに動いてもらってもピントを追い続けて合わせてくれる安心感が増しました。
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■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離286mm ※APS-Cクロップ撮影
09_作例.JPG
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離286mm ※APS-Cクロップ撮影
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■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離135mm
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■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離123mm
 たまには自分の写真も欲しいのでモデルになってみました。逆光での撮影ですが、I型よりもレンズ枚数が減っているので逆光耐性に効果があると思われます。単焦点レンズと違い、ズームレンズならでは機動性と全域でのしっかりとした解像感が両立されているところは流石GMレンズ。どの焦点距離でも安心して使えるレンズです。

FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでぶらりスナップ撮影

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■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/3200秒 絞りF2.8 ISO125 焦点距離70mm
 FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを持って、倉敷の美観地区と吉備路をスナップ撮影してみました。ぶらり散策しながらの撮影では、軽くなったレンズが身体への負担を減らしてくれました。最近特に、重いレンズを長時間持ち運びながら撮影するのはちょっと疲れるので、この軽量化されたレンズの有難みを凄く感じました。
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■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF2.8 ISO125 焦点距離147mm
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■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/60秒 絞りF5.6 ISO125 焦点距離200mm
15_作例.JPG
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/25600秒 絞りF2.8 ISO800 焦点距離200mm
16_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/200秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離300mm ※APS-Cクロップ撮影
17_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離160mm
18_作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/6400秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離142mm

FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでスポーツ撮影

19_作例.JPG
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC(2倍テレコンバーター) ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離600mm ※APS-Cクロップ撮影
20_作例.JPG
左:FE 70-200mm F2.8 GM OSS 中:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC
21_レンズ2.png
左:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 右:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC
 FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIに「SEL20TC」(2倍テレコンバーター)を装着した重量は1478g。「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」の重量は1622gなので、ここでもレンズの軽さが際立ってきます。  ただ、テレコンバーターを使用すれば、当然レンズの枚数が多くなり多少の解像度の劣化、オートフォーカス性能の劣化は避けられないところです。しかし、実際に使ってみるとソニー独自の4基の高推力なXDリニアモーターの恩恵もあり、オートフォーカス性能に関してはスポーツ撮影でも問題は感じられませんでした。  今回ちょうど撮影のタイミングが合ったので、ホッケーの試合撮影でFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを使ってみました。普段であれば「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」か「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」を使うところなので、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでは、さすがに焦点距離が足りません。SEL20TC(2倍テレコンバーター)を使って焦点距離140-400mmにし、さらにAPS-Cクロップ切替などもして撮影をしています。
23_作例.JPG
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC(2倍テレコンバーター) ■撮影環境:シャッター速度1/8000秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離525mm ※APS-Cクロップ撮影
24_作例.JPG
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC(2倍テレコンバーター) ■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF5.6 ISO800 焦点距離376mm
25_作例.JPG
■撮影機材:SONY α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + SEL20TC(2倍テレコンバーター) ■撮影環境:シャッター速度1/1600秒 絞りF5.6 ISO1600 焦点距離376mm
 スポーツ撮影においては、カメラボディ側のスペックによって撮れる・撮れないが出てきますが、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIはボディのスピード性能を引き出すAF性能を持っています。実際に2倍のテレコンバーターを装着しても、狙ったシーンを撮影する事が出来ました。

まとめ

 自分にとって、もともと使用頻度の高かったFE 70-200mm F2.8 GM OSSが別レンズと言えるぐらい進化しているという事を、撮影をしてみて改めて実感しました。FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは、今まで重くて手が出しづらかった方にもきっと満足できるレベルの軽さです。とにかく手で持ってみれば分かります。I型で不満であった最短撮影距離の問題とAFスピードの問題が改善されて、II型は今まで以上に使用頻度が上がるのは間違い無なしです。  「軽い・AF速い・寄れる!」という3つの要素が進化したFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは満足度No.1のレンズです。 ■撮影協力:ソニーHC BRAVIA Ladies(ソニー・ホッケークラブ・ブラビア・レディース) https://www.sony-global-mo.co.jp/hockey/

その他のソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II の記事はこちら

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんによる、ソニー「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」レビュー記事です。大幅な軽量化とAF性能の改善など、使い勝手を進化させた望遠ズームレンズの写りをご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,望遠レンズ,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II,レビュー ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ニコン NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR モノクロ都市景観でのレビュー|アキラ・タカウエ BASENAME: 484848381.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: アキラ・タカウエ DATE: 12/21/2021 16:00:00 TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR,望遠ズーム ----- BODY: 01_NIKKOR Z 24-200mm f4-63 VRで撮影した作例.jpg

はじめに

 本格的なミラーレスカメラ時代に突入して久しいですが、ニコンではZシリーズおよびNIKKOR Zレンズのラインナップ拡充が進み、NIKKOR Z14-24mm f/2.8 S(以下Z14-24mm)のような、いわゆる「大三元・神レンズ」のような製品も生まれてきているところです。(Z14-24mm Zスペシャルコンテンツ:アキラ・タカウエによるレビュー記事はこちら)  大三元レンズの描写性能の秀逸性は感嘆の域を感じ得るところですが、それらを補完する意味合いもあろうかと考えられるズームレンズ、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(以下Z24-200mm)が2020年7月に発売されています。このレンズのF値はf/4から6.3と少々暗いとはいえ、24mmの広角から200mmの望遠まで広範にわたる画角であり、様々なシーンで非常に重宝するレンズだと思われます。一方で、いわゆる「便利ズーム」と呼ばれてしまい、その描写性能について心配されておられる方々も多いかもしれません。  そこで、本記事では、このZ24-200mmについて焦点を当て、本当に便利ズームとしての役割で終わってしまうのか、描写性能はどれほどのものなのか、について高い描写性能、直進性、解像力が要求される建築および都市景観写真をベースとしてレビューしてみたいと思います。

NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRの仕様、魅力と留意点

02_NIKKOR Z 24-200mm f4-63 VRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度8秒 絞りF8 ISO100 焦点距離24mm ※NDフィルター:Kani Filter/ホルダー ND64使用
 Z24-200mmの仕様ですが、ニコン社は機動力を確保しながら様々なシーンを撮影したい旅行などに最適なトラベルレンズのスタンダード、と謳っており、小型軽量(約570g)で24mmから200mmまでと幅広い画角をカバーでき、とても嬉しいことに強力な手ブレ補正効果を発揮するレンズシフト方式VR機構を搭載しています。また、描写性能も追求されており、ED非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚、非球面レンズ2枚が採用され、周辺領域における画像劣化の低減に努力されているところです。どうしても屋外における都市景観撮影ではシビアとなってくるゴーストやフレアですが、反射防止効果の高いアルネオコートの採用によりこれらを低減してくれるようです。  では実際に、本レンズのMTF(Modulation Transfer Function)を見てみましょう(Fig.1広角端およびFig.2望遠端)。ちなみにこの、MTF曲線はレンズ性能を評価する指標のひとつで、レンズの結像性能を知るために、被写体の持つコントラストをどの程度忠実に再現できるかを空間周波数特性として表現したものであり、レンズ性能におけるコントラストと解像性能を評価する一つの尺度となります。  赤線で示す空間周波数10本/mm曲線は縦軸1に近いほどコントラストがよくヌケの良いレンズであると評価でき、青線で示す空間周波数30本/mm曲線はこれも縦軸1に近いほど高解像性能を発揮していると評価できます。ここで、横軸は像高、いわゆる画面中心からの距離mmを示します。 ■MTF曲線
03_MTF曲線.jpg
左:広角端のMTF曲線、右:望遠端のMTF曲線
04_MTF曲線の説明図.jpg 参照元:ニコンイメージングジャパンHP NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR製品ページ  先ずは赤で示すコントラストに関する評価ですが、広角端および望遠端の双方において、放射方向の空間周波数の漸減がほとんど見受けられず、同心円方向においても30%程度の低減にとどめられている優位点が挙げられます。更に、青で示す解像性能に関する評価ですが、こちらはどんな神レンズでも周辺領域において30~50%の低減が見られるわけですが、本レンズはよく粘っており、広角端放射方向でZ24-70mmを上回る20%の低減、望遠端で40%の低減にとどまっており、ニコン社のステートメントの如く、非常に高い描写性能が維持されていることがデータとして裏付けられています。  一方で、同心円方向においては、横軸で示す像高15mmまでは粘っているものの、それを過ぎれば極端に曲線の低減が確認でき、結果的には70%前後の低減となっています。ここで、当該MTF曲線は、絞り開放の場合に対応しているものであり、増高の状況を鑑みた場合、高解像度の描写性能が要求される、純建築・橋梁写真等の場合は、1~2段絞ったうえでの撮影で対応したいところです。  いずれにせよ、非常に軽い当該レンズは機動性は勿論のこと、このMTF曲線のデーターからも十分な解像およびコントラスト性能を保有していることが確認でき、日常使いのスナップそしてトラベルレンズのみならず、都市景観撮影におけるコマーシャル撮影や展示作品レベルの描写性能も期待できるところです。

都市景観を撮影することの魅力とNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRの適用性

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■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離54mm
 私たちが普段目の当たりにしている都市景観は、その地域における長年の人間生活の間、人工構造物や用途地域の特性に応じた利便性、構造性、商業性、景観性等の様々な「要素」に基づき、進化・退化そして最適化が繰り返された結果収束し、今日そこに紛れもなく存在している「人間社会上の結論」であるといえるかもしれません。  従って、この都市景観を着目対象に応じた「要素」あるいは「コンセプト」に基づいて的確に切り取ることは、人間生活の歴史や都市の変化変遷の最中にある文化までをもメッセージとして切り取ることに繋がり、写真撮影においても極めて有意義な被写体であると考えています。勿論それは旅行先での街並みをスナップすることも同様です。  一方で、上記において少し述べましたが、この都市景観・建築・土木構造物の撮影を行った場合、その撮影結果はレンズ性能に強い影響を受けます。折角素晴らしい建築・橋梁そして都市景観に出会えて、凄い構図で撮れたのに、なんか眠たい写真だな、なんか眠たいコントラストだな、となってしまっては少し残念ですよね。そこで、このZ24-200mmの描写性能がどこまでこの都市景観撮影に追随できるのか、その適用性は合格点なのか、レンズの描写性能がより顕著に表れるモノクロによるアウトプットを主体として横浜の街並みをモチーフに確認してみたいと思います。

広角域でのパースペクティブを活かした近景撮影

06_NIKKOR Z 24-200mm f4-63 VRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度1/45秒 絞りF16 ISO200 焦点距離24mm
 旅先などのでは高層ビル群や変わった構造物を見上げてみることもよくあるのではないでしょうか。その時、24mmなどの広角域での近景撮影は、垂直方向のパースペクティブ(遠近感)がうまれ構造物のスケールを表現できる迫力ある都市景観を撮影でき、まさに広角レンズならではの醍醐味です。ここで、近景撮影における都市景観上の定義としては、対象とする構造物の意匠や仕様材料そして反射率などを視点においても把握することができる、という範囲を指します。従って、その定義を写真撮影においても満足させる必要があります。  ここは、横浜みなとみらいの早朝の市街。手前に位置する歩道橋と高層建築との対比を構図内に収めていまして、画角内の全て被写体が重要な要素なのですが、全ての被写体において高い解像と直進性を保ちながら、強烈なパースに的確に追随しています。ここで、上記のレンズ仕様の際に、少々心配していた写真周辺部や隅角領域で解像性、コントラストそして豊かな階調が大きな崩れもなく維持されており、朝日を浴びる高層ビル群の一角をシャープな解像性にとソフトな階調を同時に表現することができています。
07_NIKKOR Z 24-200mm f4-63 VRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度8秒 絞りF16 ISO140 焦点距離24mm ※NDフィルター:Kani Filter/ホルダー ND64使用
 次は、NDフィルターを用いて8秒ほどの昼間長時間露光を行い、風の強い日に或る街角にたたずみ、ダイナミックに流れる雲と微動だにしない構造物に直面している、という場面をかなりチャレンジングな構図設定で表現してみました。この写真においても、このレンズの解像性と近景の電灯から近・中景に位置する高層ビル群にいたるまでの解像力と構造物の直進性はまさに合格点。  そして、右上に位置する電灯や左に位置する高層建築の下部などにおいてもその性能は維持されており、このような少々チャレンジングな要求においても果敢に追随してくれる性能を保持していることが明らかになりました。更に付け加えれば、NDフィルターを使用することによるレンズ性能の顕著な劣化は確認できていません。

構造物単体の中景撮影

08_NIKKOR Z 24-200mm f4-63 VRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度8秒 絞りF16 ISO200 焦点距離102mm ※NDフィルター:Kani Filter/ホルダー ND8使用
 それではもう少し離れた視対象に言及してみましょう。先ほどのような近景撮影を行い、引き続き街中を散策している際、突如としてなかなか面白い形をした構造物にであうこともあるでしょう。このような高層建築の全容を立面図のように撮影することが可能となる範囲は、大抵の場合その距離は中景(概ね400m程度)に位置することになります。こんな時でもこのレンズ交換は勿論必要ありません。近接撮影に引き続き、そのままこのような中景撮影に集中することができます。これがいわゆるトラベルレンズの最も有意な点です。いわゆる被写体の散策と構図設定に集中できるわけです。  被写体は横浜インターコンチネンタルホテルの北側正面。柔らかい光があたる優雅な曲線を有する構造物のテクスチャーと反射光のグラデーションを中景でありながら美しく表現できています。ここで少し意地悪をして、左下にパシフィコ横浜の屋根を入れてみたのですが、私の懸念は徒労に終わりました。独特の意匠性をもつシェイプの解像性とコントラストの階調性能はしっかりと維持されています。
09_NIKKOR Z 24-200mm f4-63 VRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度1/1500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離53mm
 折角ですのでこの北側も廻ってみましょう。視対象を縦構図で撮影。豊かな階調とともに頂部の女神像までしっかりと解像されています。

複合的な視対象

10_NIKKOR Z 24-200mm f4-63 VRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離100mm
 次に、もう少しチャレンジングな構図に挑戦してみましょう。複合視点です。近くに或る視対象と中景に位置する視対象を複合的に画角の中にパッキングした構図になります。ここで景観写真上、重要となるのは先ほど申し上げた、近景撮影における都市景観上の定義を満足させることのみならず、中景も同時に満足させる必要があります。ここで、中景は被写体自体にコントラストの違いを理解することができて、その形態や意匠、そして構成要素を理解できる程度、と定義できます。  近景に赤レンガ倉庫の壁面、中景に赤レンガと朝日を浴びて美しく輝くランドマークタワー、少々難しい条件ですが、近景の赤レンガ壁面の詳細なテクスチャーと材質感のみならず、中景における複合視対象の構成要素がしっかりと、明確に表現することができています。
11_NIKKOR Z 24-200mm f4-63 VRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度1/1500秒 絞りF8 ISO200 焦点距離170mm
 それではこの複合視点をもう少し発展させて望遠域ではどうなるのかを見てみましょう。ランドマークタワーを含む高層ビル群を遠景に捉え、中景に高層ビル群の中景として画角に挿入したコンセプトです。このレンズの望遠域での性能も特筆すべきものがあることがわかりました。近景での要求事項である「構造物の意匠や使用材料そして反射率などを視点においても把握することができる」ですらこの望遠域においてもしっかりと満足されています。加えて、同時に背景としている雲や空の大気の変化もマッシブな構造物と同時にその対比として表現されています。
12_NIKKOR Z 24-200mm f4-63 VRで撮影した作例.jpg
■撮影機材:NIKON Z 7II + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ■撮影環境:シャッター速度213秒 絞りF8 ISO200 焦点距離24mm ※NDフィルター:NiSi Filter V7ホルダー & ND32000使用
 最後に、みなとみらいの全景をとらえることができる万国橋からのスカイライン撮影です。ここで、人・雲・大気そして水等の全ての動体物を全て消去・平坦化し、構造物自体を先鋭化するため、15 stopの効果があるNDフィルターを用いて、213秒もの超長時間露光を行いました。中央に視認できる、タワークレーンのみならず付属するジブやワイヤまでもしっかりと解像しているとともに、周辺に至るまで歪のない正確な描写を表現することができています。

まとめ

 今回は、トラベルレンズといわれているこのZ24-200mmを使用し、はたして描写性能はどこまで街並みの撮影に追随できるのかをテーマとし、様々な距離に位置する視対象について都市景観の基本に準拠した画角設定で撮影に臨んでみました。その結果、解像度、直進性、そして階調性などの描写性能は、いわゆる便利ズームの域を超越した性能を保持していることが明らかとなりました。  勿論、等倍プリントを行う際の画像劣化を極限まで低減したより高い描写性能を有する高性能レンズと使い分けることも適宜必要になることあるかもしれません。しかしながら、やはり便利・軽量は正義なのかもしれません。兎角荷物も多くなる旅行先や仕事での業務撮影等、利便性と描写性能とバランスが要求されるようなケース、こんなケースは多々ありますよね。そんな時、軽量で広域にわたる画角をレンズ交換を行うことなく撮影できる高い機動性という最大の利点と、この描写性能とのバランスは、そのようなケースにおいても撮影に集中でき、そしてシャッターチャンスを逃さない、更に描写性能においても大きな問題は発生しない、という利点を鑑みれば、このレンズの適用性と汎用性は極めて高いものと考えられます。 ■写真家:アキラ・タカウエ  写真撮影での主たるカテゴリーは、構造工学や景観理論に基づく論理的で精密な構図に芸術的要素を加えた「アーキテクチュラル・ファインアートフォトグラフィー」。構造物の専門家の視点から世界の都市景観・土木建築構造物を撮影。世界規模の国際写真コンテストでは、インターナショナルフォトグラフィーアワード(米国:ニューヨーク・カーネギーホール)での建築写真総合部門・最優秀賞受賞をはじめ、海外で数多く受賞。 建築・橋梁のエディトリアル撮影の他、国際写真コンテストの審査員も務める。また写真作家としてアートギャラリーでの個展および定期展示開催。博士(工学), 一級建築士, 技術士(建設部門)
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のアキラ・タカウエさんがニコン NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRのレビューを行っています。建築士、構造物の専門家の視点から横浜の街並みを撮影して本製品の魅力を紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ニコン,Nikon,レンズ,NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー α7 IV レビュー|静止画も動画も撮りたい人に!これからのスタンダードミラーレスカメラ! BASENAME: 484908191.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 12/22/2021 16:00:00 TAGS: ソニー(Sony) ボディー,α7 IV,スポーツ,フルサイズ,犬/猫/ペット,野鳥,ミラーレスカメラ ----- BODY: 01_ソニーα7 IV製品画像.JPG

はじめに

 コストパフォーマンスが高く、今なお人気の高い「α7 III」が発売されてから約3年9か月。多くのユーザーが待っていたα7 IVが2021年12月17日に日本国内でも発売になりました。筆者は現在ソニーのフルサイズミラーレス機では、α1、α9、α7R IV、α7R III、α7Cを所有していますが、今後静止画撮影だけでなく動画撮影を増やしていこうと思っていたので、今回のα7 IVは予約開始日に予約して発売日に購入しました。それでは早速α7 IVを使って機能の進化と魅力を皆さんにお伝えしたいと思います。

進化したα7Ⅳの性能と魅力

02_ソニーα7 IVで撮影した作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF2.8 ISO200 焦点距離 200mm
 最初にα7 IVを持った時に感じたのは、正直に言えばいつものαと変わらないというのが第一印象でした。色々変わっている部分もあるものの、全体的にボディーを持った感じはさほど変わりません。α7 IIIやα7R III、α9に比べればグリップ部分が大きくはなっていますが、α1やα7S III、α7R IVとほぼ同じ大きさなので、これらの機種を持っているユーザーにはボディーを持った時の変化は感じられないでしょう。それ故、フルサイズのαを使ってこられた方がこのα7 IVを初めて手にしても、すぐに手に馴染み撮影を楽しむ事ができると思います。  では、性能面でα7 IIIからどのように進化したのか、少し比較して確認してみたいと思います。
α7 IV(ILCE-7M4)α7 III(ILCE-7M3)
カメラ有効画素数
約3300万画素
7008 x 4672 (33M)
約2420万画素
6000 x 4000 (24M)
フォーカスエリア
ワイド
759点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
ワイド
693点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式)
ISO感度
静止画撮影時:ISO100-51200
(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)
静止画撮影時:ISO100-51200
(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)
ファインダー総ドット数3,686,400 ドット2,359,296 ドット
液晶モニタードット数1,036,800ドット921,600 ドット
手ブレ補正機能5.5段5.0段
クリエイティブルックST, PT, NT, VV, VV2, FL, IN, SH, BW, SE, カスタムルック1-6
×
クリエイティブスタイル
×
スタンダード、ビビッド、ニュートラル、クリア、ディープ、ライト、ポートレート、風景、夕景、夜景、紅葉、白黒、セピア、スタイルボックス1-6(コントラスト<±3段階>、彩度<±3段階>、シャープネス<±3段階>)
瞳AF
[静止画]
人物 (左右瞳選択可)
動物 (左右瞳選択可)
[動画]
人物 (左右瞳選択可)
動物 (左右瞳選択可)
[静止画]
人物 (左右瞳選択可)
動物 (左右瞳選択可)
動画記録フォーマット
XAVC HS: MPEG-H HEVC/H.265
XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264
XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264
AVCHD: MPEG-4 AVC/H.264
主な動画撮影モード
(XAVC HS 4K) 3840 x 2160 (4:2:0, 10bit)
(XAVC HS 4K) 3840 x 2160 (4:2:2, 10bit)
(XAVC S 4K) 3840 x 2160 (4:2:0, 8bit)
(XAVC S 4K) 3840 x 2160 (4:2:2, 10bit)
(XAVC S-I 4K)3840 x 2160 (4:2:2, 10bit)
(XAVC S HD)1920 x 1080 (4:2:2, 10bit)
(XAVC S HD)1920 x 1080 (4:2:0, 8bit)
(XAVC S-I HD)1920 x 1080 (4:2:2, 10bit)
(XAVC S 4K) 3840 x 2160 (4:2:0, 8bit)
(XAVC S HD) 1920 x 1080
(AVCHD) 1920 x 1080
スロット
SLOT1:SD (UHS-I/II対応)カード or CFexpress Type Aカード
SLOT2:SD (UHS-I/II対応)カード
SLOT1:SD (UHS-I/II対応)カード
SLOT2:SD (UHS-II対応)カード
連続撮影速度
Hi+:最高約10コマ/秒
Hi:最高約8コマ/秒
Mid:最高約6コマ/秒
Lo:最高約3コマ/秒
Hi+:最高約10コマ/秒
Hi:最高約8コマ/秒
Mid:最高約6コマ/秒
Lo:最高約3コマ/秒
連続撮影可能枚数
JPEG Lサイズ エクストラファイン:1000枚以上
JPEG Lサイズ ファイン:1000枚以上
JPEG Lサイズ スタンダード:1000枚以上
RAW:1000枚以上
RAW+JPEG:1000枚以上
RAW(非圧縮):1000枚以上
RAW(非圧縮)+JPEG:828枚
JPEG Lサイズ エクストラファイン:約163枚
JPEG Lサイズ ファイン:約172枚
JPEG Lサイズ スタンダード:約177枚
RAW:約89枚
RAW+JPEG:約79枚
RAW(非圧縮):約40枚
RAW(非圧縮)+JPEG:約36枚
静止画撮影可能枚数
ファインダー使用時:約520枚
液晶モニター使用時:約580枚
ファインダー使用時:約610枚
液晶モニター使用時:約710枚
質量(本体のみ)約573g約565g
 α7 IVは画素数のアップ、高精度な像面位相差AF対応センサーの採用により位相差測距点が759点と高密度に配置されたことでAF精度が向上し、フラッグシップモデルのα1やα7S IIIで採用された最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載した効果がとてもよくあらわれています。「BIONZ XR」の搭載により、システムへの負荷が高い状況でも、様々な処理を同時にスムーズに実行し、AFおよび顔/瞳検出の速度・精度向上を実現できています。4K 60pの動画記録などの膨大な映像データ処理、EVF表示やメニュー操作におけるレスポンス向上、「CFexpress Type A」メモリーカードへの高速書き出し性能など、α1やα7S IIIで実現した多くの機能や性能をスタンダード機であるα7 IVでも可能になっている事は、一番大きな進化であり魅力であると感じます。  ただ、α7 IVの魅力を最大限に引き出すには「CFexpress Type A」メモリーカードを使用する前提があります。通常のスナップや風景撮影などは必要ありませんが、動画撮影やスポーツ、動物、鳥などの撮影などで連写する場合は、より高速でメディアに書き込みできる「CFexpress Type A」メモリーカードがあると「鬼に金棒」って感じになります。実際に連写を続けてみると、メディアの容量が一杯になるまで最高速度で連写が可能です。書き込み速度の遅いSDカードを使用して連写すると、書き込み速度が追い付かなくなり、すぐに連写速度が落ちてしまいます。撮影するシーン、使用用途によっては使用するメディアに注意が必要です。  α7 IVのメディアスロットは2スロット仕様。スロット1(上)は、SDXC/SDHCメモリーカード UHS-II/UHS-Iに加え、CFexpress Type Aメモリーカードに対応しています。スロット2(下)はSDXC/SDHCメモリーカード UHS-II/UHS-Iに対応しています。動画撮影や静止画連写する時はCFexpress Type Aメモリーカードを使用するなど、記録メディアの選択や細かな振り分け設定などが可能になっていますので、上手く撮影する内容で使い分けをしたいところです。 ■CFexpress Type Aカードで連写
 「CFexpress Type A」メモリーカード(最大書込速度700MB/s)使用時の連写。左上部のメディア撮影可能枚数のカウントダウンに注目。ボディキャップを装着した状態でJPEG+RAW(ファイル容量約42MB)で撮影。 【結果】314枚連写で平均連写枚数は8枚/秒。 ※ライブビュー方式では最高約8コマ/秒。 ■SDカードで連写
 サンディスクSDメモリーカード(最大書込速度90MB/s)使用時の連写。左上部のメディア撮影可能枚数のカウントダウンに注目。ボディキャップを装着した状態でJPEG+RAW(ファイル容量約42MB)で撮影。 【結果】最初は秒8コマの撮影が可能であったが、3秒経過ほどで書き込み速度が追い付かず急速に連写速度が低下し2コマ/秒程度に。90枚連写で平均連写枚数は2.5枚/秒という結果になった。  オートフォーカスでは従来の瞳AF(人物)と(動物)にプラスして(鳥)の瞳AFが追加され、鳥を撮影するユーザーにとって嬉しい機能アップになっています。動物園ではありますが、実際にどの様に瞳AF(鳥)が作動するか確認してみました。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + 2倍テレコンバーター使用(焦点距離400mm相当)
 途中、瞳AF(動物)に切り替えてみましたが、(動物)ではAFは外れ(鳥)に戻すとすぐにしっかり目にピントが合う事が確認できました。鳥の大きさやレンズの焦点距離、撮影環境によって動作が変動すると思いますが、鳥を撮影するユーザーにとって非常に便利な機能であることは間違いないと思います。
03_ソニーα7 IVで撮影した作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/4000秒 絞りF7.1 ISO800 焦点距離 600mm
 従来からある機能の瞳AF(動物)も瞳認識精度が向上したという事で、我が家の猫で試してみました。
 従来のものと同条件での比較ができないので精度の向上という点での評価は難しいのですが、撮影していて瞳AF(動物)の効果に改めて感心させられました。ペットを飼っているユーザーには欠かせないオートフォーカスの機能ですね。  α7 IIIからメニュー表示が大きく変わった部分もポイントです。α1、α7S IIIと同じメニュー表示に変わっています。筆者は既にα1を使用しているので、α7 IVを初めて使っても難なく使いこなす事が可能でしたが、α7 IIIなどを使っているユーザーが初めてα7 IVを使うとメニュー設定で戸惑うことが多いのではないでしょうか。 04_ソニーα7 IVのメニュー画面.JPG  最初は、設定したい項目を探すのに苦労するかもしれません。コツとしては、「☆」マイメニューがメニューの一番最初に出てくるので、よく変更に使う項目をマイメニューに登録しておく事で、素早く変更したい項目を探す事が可能になります。また「Fn」キーに表示される項目を一番よく使う項目に入れ替えてカスタマイズするのがベストでしょう。 05_ソニーα7 IVの製品画像.JPG  今回のα7 IVでは、新しく搭載された[静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル]によって、「Fn」キーに登録されている表示を「静止画」と「動画」で分けて使うことが可能になっています。  この[静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル]によって、静止画/動画/S&Qごとの露出モード選択も、モードダイヤルを回すだけで簡単に設定できるようになりました。また、従来の機種にあった露出補正ダイヤルの代わりに、自由に機能を割り当てられる後ダイヤルRを搭載。後ダイヤルL同様にカスタマイズが可能で、静止画撮影時と動画撮影時のそれぞれに、別々の機能をアサインできるようになり、より自由度の高いカスタマイズが可能になりました。  メニュー以外にも大きく変わった点があります。従来のクリエイティブスタイルに替わりα1、α7S IIIと同じクリエイティブルックが導入されています。撮影する静止画・動画を思い通りの雰囲気に仕上げることができるクリエイティブルックは、全10種類のモードがカメラ内にプリセットされています。
クリエイティブルック
効果
ST被写体・シーンに幅広く対応する標準の仕上がり。
PT肌をより柔らかに再現する。人物の撮影に適している。
NT彩度・シャープネスが低くなり、落ち着いた雰囲気に表現する。パソコンでの画像加工を目的とした撮影にも適している。
VV彩度とコントラストが高めになり、花、新緑、青空、海など色彩豊かなシーンをより印象的に表現する。
VV2明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に仕上がる。
FL落ち着いた発色と印象的な空や緑の色味に、メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気のある画像に仕上がる。
INコントラストと彩度を抑えたマットな質感に仕上がる。
SH透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気に仕上がる。
BW白黒のモノトーンで表現する。
SEセピア色のモノトーンで表現する。
 従来のクリエイティブスタイルよりも、数は減り日本語表示も無くなっているので少し分かりにくくなっているかもしれませんが、色味の変化は設定項目を変えることで見た目が変化するので直感的に分かります。これは使っているうちにすぐ慣れると思います。  筆者もまだα7 IVを使いこなせていない部分もありますが、撮影するのに関して十分に満足できるカメラだと思います。完全に使いこなすには、メニュー項目の把握とよく使う項目のカスタマイズがどれだけできるかが鍵になると思います。 06_ソニーα7 IVの製品画像.JPG  実際にデフォルト状態で使っていてよく失敗したのが、カメラ上部にある録画ボタンでした。従来の機種であれば、「C1」ボタンがある場所です。α7 IVでは従来機種と違って「C1」ボタンと録画ボタンの場所が入れ替わっています。筆者は「C1」ボタンにクロップ切替を入れているのですが、静止画撮影の時にクロップするつもりが何回も動画録画を開始させていました(笑)。従来機と並行してα7 IVを使用する場合は、ボタンの割り当てメニューを変更した方がミスが減ると思います。 07_ソニーα7 IVの製品画像.JPG  背面液晶はバリアングル液晶モニターが採用されており、α7 IVは動画撮影ユーザーもターゲットにした機種という事が分かります。タッチパネルによる操作性は良く、静止画・動画撮影においてタッチ操作によるトラッキングが非常に楽になっています。
08_05_ソニーα7 IV液晶でのトラッキング設定.jpg
液晶画面でトラッキングしたい対象部分をタッチするだけで、トラッキングしてピントを合わせ続けてくれます。
09_ソニーα7 IV製品画像.JPG  α7 IVには電源OFF時にシャッターを閉じる機能も追加されています。これによってレンズ交換時に起きやすいセンサーへのゴミやホコリの付着が軽減されます。従来のα7 IIIはこの機能がなかった為、レンズ交換の際にかなり気を使っているユーザーも多いと思います。電源OFF時にシャッターが閉じてセンサーを保護してくれるので、ホコリやゴミ付着に悩まされていたユーザーにとって非常にありがたい機能追加です。  静止画の画素数アップ、動画撮影機能アップ、瞳オートフォーカスの性能アップととても魅力的な進化を遂げたα7 IVは、スタンダード機の枠を超えたカメラであることは間違いないと思います。

業務機に迫る動画撮影機能

 α7 IVはスタンダード機でありながら動画撮影がかなり強化されたモデルです。動画でも瞳AF(人物)はもちろん、(動物)と(鳥)にも対応し、ミラーレスカメラでの動画撮影の敷居をぐっと下げてくれます。  早速、筆者が飼っている猫で動画を撮影して、その性能を確認してみました。実際にリアルタイム瞳AF(動物)で動画撮影時の挙動を、α7 IVのHDMI出力したものをキャプチャーしてみました。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 20mm F1.8(クロップにより焦点距離35mm) ■動画設定:XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) 60p
 的確に猫の瞳を捉え続けているのがよく分かると思います。α7 IIIでは静止画は瞳AF(動物)に対応していたものの、動画には対応していませんでした。α7 IVは動画でも瞳AF(動物)に対応し、ペットを飼っているユーザーにとって魅力的な機能アップになっています。筆者にとってもα7 IVを購入するポイント一つになりました。ただ、4K30pで撮影する場合は問題ありませんが、4K60pで撮影する場合は1.5倍にクロップされるので、60pをメインで撮影する人は広角側が厳しくなるので、レンズのセレクトに注意が必要です。  α7 IVではよくある30分の録画時間制限は無く、長時間の動画撮影が可能です。しかし、デフォルトの状態では温度制限がかかっているので、撮影環境によっては設定を変更しておかないと温度警告マークが表示され、強制的に使用できなくなる場合があります。長時間撮影が予測される場合などは、あらかじめメニューから設定を変更しておく必要があります。
10_オーバーヒート.JPG
画面上部にオレンジ色の温度警告マークが表示される場合があります。
 α7 IVでは動画撮影できるフォーマットも拡充され、色情報の豊富な4:2:2 10bitでも撮影できます。しかし、編集できるソフトの制限もあるので、動画撮影の際のフォーマットや撮影モードは使用している編集ソフトに対応しているか、事前によく確認した方がよいでしょう。今回の作例に関しては、XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) モードをメインで撮影しています。いくら高画質で撮影しても、編集ソフトが対応していないと撮りっぱなしになってしまいます。α7 IVを購入したユーザーは一度パソコンを含めた編集環境を見直した方が良い場合もあるかも知れません。筆者も4K動画を編集するのにパソコンのスペックに不満がでてきているので、この後にパソコン・ソフトを含めて環境の見直しを実施する計画です。  α7 IVの動画性能を確認にするために、愛知県稲沢市を本拠地に活動している女子ホッケーチーム「ソニーHC BRAVIA Ladies」の練習にお邪魔していろいろなシーンを撮影させて頂きました。
 瞳AF(人物)をオンの状態で、レンズは「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」を使用しました。60pモードで撮影しているので、1.5倍にクロップされ焦点距離は105m-300mm相当の画角になります。ファインダー上では、左下「人物マークAF ON」が瞳AF、右下の四角い点線と実線枠がクロップを意味しています。下の動画でもドリブルでカメラに向かってくる選手にしっかりとピントを合わせ続けているのが分かると思います。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■動画設定:XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) 60p
 FE 20mm F1.8を付けたα7 IVをハンドヘルドジンバル「MOZA AirCross 2」に装着して、選手のドリブルに並走してみたり、カメラに向かってドリブルをしてもらい背走したりしながら撮影。迫力ある映像を撮影する為に、ジンバルに装着したα7 IVをローアングルポジションで撮影しています。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 20mm F1.8 ※ ハンドヘルドジンバル「MOZA AirCross 2」使用 ■動画設定:XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) 60p
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 20mm F1.8 ※ ハンドヘルドジンバル「MOZA AirCross 2」使用 ■動画設定:XAVC S 4K_3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) 60p
 α7 IVには高性能手ブレ補正「アクティブモード」も搭載されていて、手持ちでの撮影でもかなり手ブレを抑えた動画撮影が可能になっています。しかし、本格的に動画撮影をするのであれば、三脚+ビデオ雲台やハンドヘルドジンバルなどを使用する事をおすすめします。特にハンドヘルドジンバルは、圧倒的にブレを抑えてくれスムーズな滑らかな映像制作の手助けをしてくれます。  新しく搭載された[静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル]によって、個別の設定とスムーズな変更がしやすくなった為、スロー&クイックの撮影が非常にしやすくなり、印象的な映像表現がしやすくなりました。4K解像度で最大2.5倍のなめらかなスローモーション(音声記録不可)ができるようなっています。スローやクイック動画撮影するには、【記録設定】と【フレームレート】の組み合わせで設定します。 表組.jpg 11_4倍スロー.jpg  この場合、フレームレート120fps・30pの設定なので、4倍スローの動画が撮影されます。ファインダー左上部に「4倍スロー」の表示が出ています。実際のデータが下の動画になります。
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■動画設定:XAVC S HD 4倍スロー
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■動画設定:XAVC S HD 4倍スロー
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 20mm F1.8 ※ ハンドヘルドジンバル「MOZA AirCross 2」使用 ■動画設定:XAVC S HD 4倍スロー
 スポーツや動きのある被写体を動画撮影する際には、スロー撮影はとても印象的な映像になるので積極的に使ってみたい機能です。  さらにα7 IVには、新しい「フォーカスマップ」という機能が追加されています。「フォーカスマップ」は動画撮影時の被写界深度を可視化する機能で、フォーカス情報(深度マップ)を、ライブビューの実映像にリアルタイムに重ね合わせることで、ピントの合っている範囲と合っていない範囲を視覚的かつ直感的に画面上で表示してくれます。 12_フォーカスマップ.JPG  他にもα7 IVにはスタンダード機でありながら、FX9、FX6、FX3などのCinema Lineで好評な、肌色を美しく見せるスキントーンを中心としたルック「S-Cinetone」を搭載。S-Log2およびシャドウからミッドトーン(18%グレー)にかけての階調特性を重視したS-Log3も搭載されており、業務用カメラと合わせた撮影、編集がさらに容易になっています。  また魅力的な機能の一つとして、動画撮影中のフォーカス時に起こるフォーカスブリージング(フォーカスレンズ位置の変化に伴う画角変動)現象を最小化するブリージング補正機能をαシリーズで初めて搭載しています。  とてもスタンダード機とは思えないハイスペックな機能が搭載されていて、撮影が今まで以上に簡単できる面もありつつ、α7 IVの機能を引き出して使いこなす為にはユーザー側もいろいろと勉強をしなければならないカメラだと感じます。私もまだまだα7 IVのすべてを使いこなせていません…。

正常進化したα7 IVの静止画撮影機能

13_ソニーα7 IVでの作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF4.5 ISO100 焦点距離 300mm(APS-Cクロップ撮影)
 α7 IVの静止画のおいては、α7 IIIから画素数アップしたことによりトリミング耐性が強くなりました。クロップ撮影した場合でも、4608x3072ピクセル(約1400万画素程度)残る為、従来のα7 IIIのクロップ撮影よりも使いやすくなったと思います。  画素数アップによる高感度のノイズの問題をよく聞きますが、個人的にはISO6400ぐらいまでは実用的に問題なく使用できるレベルです。
14_ソニーα7 IVでの作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 12-24mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:シャッター速度1/13秒 絞りF11 ISO6400 焦点距離 12mm
15_ソニーα7 IVでの作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/2000秒 絞りF4 ISO12800 焦点距離 200mm
 連写性能に関してはα7 IIIと同等。メカ・電子シャッターともに最大約10コマ/秒の連写性能。電子シャッターにおいてはローリング現象が発生することもありますので、私は動きの多い被写体では基本はメカシャッターで撮影していました。 16_連写.JPG
17_ソニーα7 IVでの作例.JPG
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF2.8 ISO100 焦点距離 200mm
 実際のオートフォーカスの挙動及び連写の動きは、こちらのファインダー情報動画を参考にしてみてください。
 瞳AF(鳥)は細かい枝が多いシーンなどでは、とても有効なオートフォーカスです。通常のオートフォーカスであれば、手前の枝にピントが合うようなシーンですが、α7 IVの瞳AF(鳥)は的確に鳥の瞳にピントを合わせてくれました。
18_ソニーα7 IVでの作.JPG
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/500秒 絞りF6.3 ISO800 焦点距離 900mm(APS-Cクロップ撮影)
 様々な静止画・動画のプロからのフィードバックを反映し、従来機α7 IIIよりもさらに防塵・防滴に配慮されているα7 IVは、雨の日でも積極的に撮影できる安心感が増しています。防塵防滴のレンズとの組み合わせで、雨の日のスナップも安心して撮影できますね。
19_ソニーα7 IVでの作.JPG
■撮影機材:SONY α7 IV + FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:シャッター速度1/1000秒 絞りF4 ISO800 焦点距離 105mm

まとめ

 今回は動画をメインにレビューをしましたが、静止画も動画もどちらも満足できるハイブリッドなスタンダード機という事が実感できました。静止画撮影だけでなく、これから動画撮影もチャレンジしていきたいユーザーにピッタリのカメラではないでしょうか。ただ、このα7 IVはそのまま使うのではなく、カスタマイズしてこそ本当の性能を発揮できるカメラです。短期間ではなかなかカスタマイズも上手くいかないかも知れませんが、使い込んでいく程ユーザーにマッチした仕上がりになる楽しいカメラではないでしょうか。
20_ソニーHC BRAVIA Ladies集合写真.JPG
ソニーHC BRAVIA Ladies
■撮影協力:ソニーHC BRAVIA Ladies(ソニー・ホッケークラブ・ブラビア・レディース) https://www.sony-global-mo.co.jp/hockey/ ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

α7 IV レビューはこちらの記事でもご覧頂けます

■ソニー α7 IV レビュー|風景写真家 高橋良典 https://shasha.kitamura.jp/article/485344549.html ■ソニー α7 IV レビュー|葛原よしひろ https://shasha.kitamura.jp/article/485650113.html ■ソニー α7 IVが登場!|上位モデル撮影性能を継承した新時代Basicモデル https://shasha.kitamura.jp/article/484754618.html
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんがソニーα7 IVのレビューを行っています。ペット、スポーツ、鳥を被写体に本モデルの 動画、静止画性能をサンプル映像と共に紹介していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,ボディー,α7 IV,レビュー,ペット,動物,鳥,スポーツ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: おすすめ撮影スポット Vol.1『京都・嵐山』|カメキタ店舗スタッフに聞いてみた! BASENAME: 484522177.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 12/23/2021 15:46:21 TAGS: おすすめ撮影スポット ----- BODY: 05.JPG

はじめに

全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.1。今回紹介する撮影スポットは京都で定番の観光地「嵐山」。夜の厳かな雰囲気にも注目です。この撮影スポットの魅力やお勧めの撮影方法を、カメラのキタムラ京都・桂店の西山道也さんに聞いてみましたのでご紹介します。

撮影スポット情報

01.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-55mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F11 1/35秒 ISO12800
■京都・嵐山 住所:京都市右京区嵐山 アクセス方法:JR京都駅からJR嵯峨野線に乗り換え(約20分)嵐山駅下車 おすすめの被写体:有名な渡月橋、嵐山竹林、嵐山電鉄のライトアップ(年中)、天竜寺などのお寺

「嵐山」の魅力と撮り方

02.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-55mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F5 1/850秒 ISO12800
03.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-80mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F11 1/30秒 ISO3200
04.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF8-16mmF2.8 R LM WR ■撮影環境:F9 1/15秒 ISO640
― 「京都・嵐山」の魅力、好きな理由 春夏秋冬オールシーズンで魅力的な撮影スポットがあり、撮影だけで無く、散歩や食べ歩きも出来ます! ― おすすめの撮影時間 夕方から夜にかけてライトアップされていたり、川辺も夕日がピンクに染まったりお勧めです。 ― おすすめの構図 景色写真が中心になるので、左右に広く撮影する構図と被写体を思い切り切り取る構図もお勧めです。 ― 作例を撮った時に考えたこと・思い 普段から散歩で歩いたり商店街の方とも仲が良いので嵐山の魅力を伝えたいな、という思いでした。
06.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-80mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F4 1/3200秒 ISO160
07.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-80mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F4 1/60秒 ISO640
08.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-T4 + XF16-80mmF4 R OIS WR ■撮影環境:F4.5 1/100秒 ISO160

今回のスタッフ

■西山道也さん(カメラのキタムラ京都・桂店) 【お店の紹介】 小さいお店でカメラも沢山の品揃えではございませんが、お客様に合ったカメラをご提案させて頂きます。 店舗住所:京都府京都市西京区下津林東芝ノ宮町20番地 営業時間:10:00-19:00 TEL:075-381-1690 URL:https://blog.kitamura.jp/26/4144/ 以上、カメラのキタムラスタッフが紹介するおすすめの撮影スポット紹介でした。今後も定期的に全国の撮影スポットを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。 ■おすすめ撮影スポット記事一覧はコチラからご覧ください。
その他の商品はこちらから
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.○。今回は全国でも有数の観光地、京都・嵐山を紹介します。夜の嵐山が見せる厳かな雰囲気に注目です。 ----- KEYWORDS: おすすめ撮影スポット,カメラのキタムラ,嵐山 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: マイクロレンズを楽しむ!ニコン NIKKOR Z MC 50mm f/2.8を最大限に活かせるボディとの組み合わせは? BASENAME: 484860321.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 熊切大輔 DATE: 12/23/2021 16:00:00 TAGS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z MC 50mm f/2.8,スナップ,マクロレンズ,ポートレート(人物) ----- BODY: ニコン NIKKOR Z MC 50mm f/2.8を最大限に活かせるボディとの組み合わせは?

はじめに

2.8外観.jpg  ニコンから2021年6月に2本のレンズが同時に登場しました。NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR SとNIKKOR Z MC 50mm f/2.8です。ニコンZシリーズ初のマイクロレンズとなります。ちなみにその呼び名ですが、一般的にはマクロレンズと聞くことが多い中でなぜニコンはマイクロレンズと呼んでいるのでしょうか。  ニコンのHPを見ると「マクロレンズは本来、原寸大以上の倍率が得られる顕微鏡のような拡大光学系のレンズを指します。このためニコンは定義の厳密性をより重要視し、各社が「マクロレンズ」と呼ぶ縮小光学系で等倍撮影ができるレンズを「マイクロレンズ」と呼んでいます。」と書かれています。顕微鏡を作ってきたニコンならではのこだわりが詰まっているのがマイクロレンズなのです。

マイクロレンズのすすめ

 マクロ撮影は昆虫や花など被写体が限られていて私には無縁、と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、意外に日常を何気なく切り撮っていても、ここ一番で寄って撮影したいシーンが訪れる事が多くあるものです。いざという時に撮れると便利なマクロ撮影、それを気軽に楽しめるのがNIKKOR Z MC 50mm f/2.8なのです。  同時発売のNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは非常に高性能なマイクロレンズです。信頼のS-Lineレンズの描写は高い解像性能と色にじみを抑えた描写力を誇っています。強力な手ブレ補正搭載など、高性能ながら値段を抑えたバランスの良いレンズはプロの中でも大いに好評を得ています。  一方で、105mmという焦点距離を使いこなすには被写体との撮影距離も確保せねばなりません。加えて、50mmと比較して大きめなサイズ感もあり、日常的に気軽に使うというよりはプロや専門的なマクロ撮影に特化した撮影に適していると言っても過言ではありません。日常のテーブルフォトなど取り回しよく気軽にマクロ撮影も楽しみたければ、このNIKKOR Z MC 50mm f/2.8を選択することをオススメします。

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8スナップ作例

 マクロマクロと言っていますが当然、普通の50mmレンズとして日常の様々なシーンで幅広く撮影を楽しむことが出来ます。圧縮の程よく効いた表現は情報量の多い構図を生み出します。車の向こうの面白い表情。窓越しに撮ることでストーリーを演出しました。
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■使用機材:ニコン Z 6+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO200 F4 SS1/250
 日常使いならサイズ感が重要になります。なにより、大幅に小型軽量化されたレンズサイズはミラーレスシステムとのバランスがよく相性抜群です。  静音かつスムーズなSTM(ステッピングモーター)と「前群繰り出し方式」のフォーカシングシステム採用で、ボディの小型化(全長約66mm、重さ約260g)が実現できています。電車の中から見えた気になる景色を追って気ままに下車。二駅三駅分の距離を撮り歩くのも全く苦になりません。
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■使用機材:ニコン Z 6+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/1600
 もちろん近接撮影が最大の醍醐味です。最短撮影距離が0.16m、レンズの先端から被写体に約5cmまで近づいて、等倍のマクロ撮影ができます。小さなクローバーに乗る小さな水の宝石。日常では見過ごしてしまうようなミクロの世界をしっかりと写し出すことができるのです。
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■使用機材:ニコン Z 6+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO800 F5.3 SS1/800
 採用されているEDレンズは色収差(色にじみ)を抑え、非球面レンズの効果と合わせて周辺部まで高い解像力を得ることが出来ていて、小型でも表現力に妥協がないことがよく分かると思います。奥行きのあるたっぷりとしたボケ味も十分楽しむことが出来ます。加えて、暗所での光の表現も嫌なにじみもなく切れが感じられます。暗闇に続く提灯がこの場所の空気感をあらわしています。
2.8作例4.jpg
■使用機材:ニコン Z 6+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO800 F3 SS1/1250
 そんな優秀なレンズの画角、サイズ感を更に上手く、楽しく活かすボディとの組み合わせとして、私はZ fcにNIKKOR Z MC 50mm f/2.8をつけることをオススメします。 2.8作例5.jpg  Z fcはDXフォーマット採用によりZシリーズの中でも更にコンパクトになり、持ち歩きカメラとしてクラシカルなデザインも相まって人気を博しています。そんなフットワークの良いサイズ感が小型軽量のNIKKOR Z MC 50mm f/2.8とぴったりなのは言うまでもありません。  仮にNIKKOR Z 28mm f/2.8をお持ちの場合、その焦点距離の差は(APS-Cの為35mm換算)28mmは約42mm、50mmは約75mmとちょうど良いバランスになります。キットレンズの次のレンズとしてベストチョイスなのではないでしょうか。  実質75mmという焦点距離はスナップでも効果を発揮します。程よい引き寄せ効果は手の届かなかった遠景を画角いっぱいに描いてくれます。交差点での俯瞰の表現。図形的な切り撮りをしつつ、印象的な登場人物が現れるのを待ちました。
2.8作例6.jpg
■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO320 F6.3 SS1/1000

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8ポートレート作例

 そんな中望遠レンズはポートレートで非常に相性がよく、ボケ味の効いた美しい人物撮影が可能となります。そこで仮にデートに一本レンズを持っていくなら、というシーンを想定してZ fcにNIKKOR Z MC 50mm f/2.8をつけてモデルの雨宮ひろさんと東京の街にでかけてみました。  紅葉の美しい街並みの背景を活かしながらブラブラと撮り歩きました。適度な前ボケを活かして奥行き感のある表現で切り撮ってみました。ちなみに、中望遠のボケ味ばかり意識すると単調な画ばかりになりがちです。ロケーションが良ければ意識して少し引き気味の画作りも挟むことによってメリハリをつけるのもポイントです。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO100 F3.2 SS1/250 ■モデル:雨宮ひろ
 もちろんポートレートならではの背景のボケ味を活かした撮影も十分楽しむことが出来ます。程よい緩やかなボケは適度に撮影環境を写し込み、街の個性を描きつつ、奥行きを演出してくれます。一方、シャープな表現は髪の毛一本一本を精細に写し出しています。  瞳の中の横断歩道の写りこみもしっかりと写し切る描写は、スペック以上の表現力を実感させてくれます。ボケとシャープさのバランスが非常に良いレンズといえます。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO100 F2.8 SS1/160 ■モデル:雨宮ひろ
 雰囲気の良いレストランでランチタイム。電話をしに表に出ると、店の看板やガラスに反射する街の景色が重なったフォトジェニックな構図の中にいる彼女を見つけました。シャッターチャンスはいつ訪れるかわかりません。肌身離さず持ち歩けるサイズ感はそんな瞬間を逃しません。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO800 F2.8 SS1/160 ■モデル:雨宮ひろ
 出てきたパスタは見た目からシズル感たっぷりで食欲をそそります。いくらマクロだからといって寄りすぎると素材写真になってしまいます。適度に皿を写し込んで構図のバランスを取りたいところです。  少し引いた画角を意識した場合、105mmでは引ききれない場合があります。座ったままで撮影できる距離感。50mmという気軽に撮影できるディスタンスが大きなポイントになります。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO800 F3.3 SS1/200
 短いデートの終わり。少し寂しげに見える彼女の瞳の表情にぐっと寄ってみたくなりました。マクロならではの距離感。そしてシャープな合焦面とそこからなめらかにボケいく立体感はその瞳を強調し表情をドラマチックに演出してくれます。
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■使用機材:ニコン Z fc+NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 ■撮影環境:ISO100 F3.3 SS1/160 ■モデル:雨宮ひろ

まとめ

 優秀で評判の良いNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sの影に隠れている印象のあるNIKKOR Z MC 50mm f/2.8。しかし、その使い勝手の良さは多くの人の撮影環境にマッチするのではないでしょうか。  加えてFX機とDX機の組み合わせを使い分ける事によって、それぞれ違った楽しみ方ができるのです。ジャンルを選ばず出会った被写体は何でも撮りたい、そんな欲張りな望みを叶えてくれるレンズと言っても言い過ぎではないかもしれません。 ■写真家:熊切大輔 東京生まれ。東京工芸大を卒業後、日刊ゲンダイ写真部を経てフリーランスの写真家として独立。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。 スナップで街と人を切り撮った写真集「刹那 東京で」を2018年に発売と共に写真展を開催。2021年には写真集&写真展「東京美人景」そして「東京動物園」の三部作で東京の今を撮り続けている。 公益社団法人日本写真家協会理事
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の熊切大輔さんによるニコンのマイクロレンズNIKKOR Z MC 50mm f/2.8のレビュー記事です。NIKKOR Z MC 50mm f/2.8を最大限に活かせるボディとの組み合わせは?をテーマに、スナップとポートレートの作例とともにレビューしています。 ----- KEYWORDS: ニコン(Nikon) レンズ,NIKKOR Z MC 50mm f/2.8,レビュー,スナップ,人物,ポートレート ----- -------- AUTHOR:   TITLE: RICOH GR IIIx レビュー|テレコンバージョンレンズGT-2でポートレートスナップを楽しむ BASENAME: 484917191.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 12/24/2021 16:00:00 TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) ボディー,GR IIIx,APS-C,ポートレート(人物),コンパクトデジタルカメラ ----- BODY: 00 top.JPG

はじめに

 焦点距離40mmレンズのGR IIIx登場に驚いた方も少なくないと思いますが、2021年11月26日にはテレコンバージョンレンズGT-2も発売され、さらに中望遠域の撮影が可能になりました。  〝GRで望遠!?〟そんな未知の領域を広角好きな筆者が実際にGT-2を装着し、ポートレートスナップを中心に撮影してきました。モデルさんとの距離感、レンズによる描写、中望遠レンズならではの表現など、実際に撮影した感触をお伝えします。

テレコンバージョンレンズGT-2について

 GR IIIx専用のテレコンバージョンレンズGT-2は、ボディ(マスターレンズ)の先端部に装着する形のフロントコンバージョンレンズ(フロントコンバーター)です。レンズアダプターGA-2を使用することによりボディに装着可能になります。 【テレコンバージョンレンズGT-2の仕様】 ・GR IIIx専用の1.5倍テレコンバージョンレンズ ・3群5枚のレンズ構成 ・最大径:約65mm / 長さ:約45.1mm / 質量:209g ・GT-2使用の際、26.1mmの焦点距離は39.15mm相当の実焦点距離になります。 【レンズアダプターGA-2の仕様】 ・最大径:約59.0mm / 長さ:約25.8mm(部分的突起含まず)/ 質量:12.5g ・テレコンバージョンレンズGT-2を自動検知。クロップや手ぶれ補正の最適化を図ります。
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GR IIIx用テレコンバージョンレンズGT-2は専用アダプターGA-2を使用して機能する。 GR III用のワイドコンバージョンレンズGW-4はGR IIIxには装着できないので覚えておこう。
 ボディと接続するレンズアダプターGA-2には電子接点があり、GT-2を装着すると50mmクロップの状態で自動的に認識され75mm相当の焦点距離に。ボディ側で71mmクロップすれば107mm相当の焦点距離を実現し、いわゆる中望遠レンズとなり、これらの撮影時にはEXIF情報もデータに反映されます。  GA-2は単体で使用することもでき、レンズフードの役割や、市販品の49mm径のレンズフィルターを装着可能で撮影表現の幅を広げられます。ちなみ、テレコンレンズの外側のフィルター径は62mmです。  GR IIIxボディ約262g(バッテリー、SDメモリーカード含む)にアダプターGA-2、そしてGT-2を合わせると約484g。多少重量感があり、バランスが前傾になりやすいことと、接点部に重量がかかるので撮影時にはしっかりとホールディングが必要など、取扱いには少々注意をしたいところです。

同じ撮影位置からの画角の違い

 モデルさんと一緒に街中を歩く前に、同じ位置から画角の違いを撮影してみました。モデルさんまでの距離は約1.5m。75mmの焦点距離は、どちらかと言えば中望遠よりも標準レンズ感覚の使いやすさを感じ、人物を対象とすると真っ直ぐに見つめるような画角で撮影ができます。107mmを使うことではじめて中望遠らしい画角とボケを具体的に感じられるようになります。  中望遠レンズでポートレート撮影の場合は、特に周辺の情報量と人物が引き立つ背景・ボケが肝心です。背景の路面に注目してみると、よりボケ方が大きくなり人物がより引き立っていきます。
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左上:クロップなし焦点距離40mm/右上:クロップ50mm 左下:GT-2装着・クロップ50mm(75mm)/右下:GT-2装着・クロップ71mm(107mm) 人物の大きさが変わるのはもちろんですが、背景のボケ方が重要。107mmではコンパクトカメラとは思えない描写が可能になります。

ポートレート撮影時の距離感

 最短撮影距離は焦点距離75mmでセンサー面から約60cm。人物を目の前に顔全体を入れる位の距離で撮影が可能です。焦点距離107mmで全身を入れるとなると4~5mの距離が必要になります。  街中でポートレート撮影をする際4~5mの距離となると、気になるのがカメラの存在です。カメラと被写体の間をすり抜ける人や自転車・バイクなどの往来にも迷惑行為にならないよう細心の注意が必要です。  撮影中は、速やかに場所を移動したり、撮影を止めたり、こちらから挨拶したりといった周囲への配慮、気配りもスムーズにできる余裕さえ感じられました。大きなレンズを付けてカメラを構え、ファインダーの中に集中していると気が付かないことも、GR IIIxというコンパクトなサイズによって撮影者として守るべきマナーにもしっかりと配慮できる良さを実感しました。  車の通りすぎるタイミングを待ちながら、自然な表情をキャッチ。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ 39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm) ■撮影環境:SS1/60秒 F/2.8 ISO200 WB曇天 -0.3EV  ■イメージコントロール:ポジフィルム調
 移動中、壁に写った影をアクセントにしてニーアングルで。撮影距離は1.5mほど。ちょっと立ち止まってサッと撮る。というテンポのいい撮影がGRならではの心地よさです。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm) ■撮影環境:SS 1/200秒 F/3.5 ISO200 WBマルチパターンオート +0.3EV  ■イメージコントロール:ポジフィルム調
 75mmでの最短撮影距離60cmでの撮影。威圧感がないので親しい仲なら近づいて1m以内の距離での撮影も。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm) ■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO640 WB太陽光 -0.3EV  ■イメージコントロール:モノトーン
 街に溶け込み、人にも安心感を与える見た目とサイズ感はスナップにもポートレートにもジャストフィットして、撮影のしやすさを感じるはずです。

光をキャッチする大口径レンズならではの表現

 大口径のテレコンバージョンレンズGT-2によって焦点距離が伸び、光を取り込む量も増えるため、いわゆる“GRぽくない”大きな柔らかいボケとソフトな描写が可能になります。このレンズは光を捉えるのが得意で、特に逆光時の描写はベールをかけたようなソフトでハイキーな表現ができます。まさにポートレート向きです。  逆光を浴びた柔らかい描写の中にも、髪の毛一本一本をしっかりと写し出してくれました。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm) ■撮影環境:SS1/30秒 F/2.8 ISO200 WB曇天 +1.0EV ■イメージコントロール:ポジフィルム調
 深度の浅さを利用してモデルさんに視線を集中するように奥行きを表現。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm) ■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO250 WBマルチパターンオート +0.3EV  ■イメージコントロール:ビビッド
 植栽をレンズ前に位置させて前ボケに。日陰で撮影したことによって、より一層柔らかく優しい雰囲気が出ています。
08 ボケ.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm) ■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO640 WB太陽光 +0.3EV  ■イメージコントロール:スタンダード
 夜の人工光も硬くならずにふんわりと光がよく回ります。レンズフィルターは装着していないのですが、まるでソフト系フィルターをかけたような雰囲気さえ感じます。
09 作例.JPG
■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm) ■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO6400 WB昼白色蛍光灯 ■イメージコントロール:レトロ
 マクロモードに切り替えてあえてピントを外して玉ボケを捉えれば、これまで以上に大きく柔らかいボケ表現が可能です。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm) ■撮影環境:SS1/60秒 F/2.8 ISO200 WBマルチパターンオート -2.3EV  ■イメージコントロール:スタンダード
 ここまで撮影していて、「これはコンパクトカメラ?」と一瞬信じられなくなることも。それだけ懐が広い表現がGR IIIx1台だけでできてしまうのは革新的ではないでしょうか。

遠景を引き寄せる圧縮効果を発揮

 もちろんポートレート撮影以外でも大いに役立ちます。風景撮影をはじめとする遠景、高所などの撮影も軽々とできるのが望遠レンズの魅力です。公園の柵越しに遊具を撮影してみました。背景が大きく迫ってくるように引き寄せる圧縮効果も発揮されます。
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左:GT-2装着・クロップ50mm(75mm) 右:GT-2装着・クロップ71mm(107mm)
 高枝の紅葉の撮影でも背景のイチョウが引き寄せられ、密集した感じが出せました。紅葉一枚、一枚しっかりと細部まで描写してくれます。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm) ■撮影環境:SS1/40秒 F/2.8 ISO200 WB曇天 +1.0EV  ■イメージコントロール:スタンダード
 自分自身がアプローチできない場所からの遠景撮影はスナップや風景などでも役立ちます。
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■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ39.1mm / GT-2装着・クロップ71mm(107mm) ■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO1250 WB昼白色蛍光灯 -0.7EV ■イメージコントロール:クロスプロセス
 望遠レンズがないと撮影ができない状況もテレコンバージョンレンズによって撮影可能になり、撮影シーンや被写体が広がることは間違いありません。

おわりに

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■撮影機材:RICOH GR IIIx GRレンズ26.1mm / GT-2装着・クロップ50mm(75mm) ■撮影環境:SS1/25秒 F/2.8 ISO320 WB昼光色蛍光灯 +0.3EV ■イメージコントロール:ハードモノトーン
 コンパクトなボディが一段とパワーアップするテレコンバージョンレンズGT-2。以前紹介したGRらしいシャープな描写のワイドコンバージョンレンズGW-4(GR III専用)による超広角21mmから、GRとは思えないほど柔らかい描写の中望遠107mmまで格段に表現領域が広がりました。  GR IIIxとテレコンバージョンレンズの組み合わせは、広角レンズが苦手という人にも、ポートレートを気軽に撮りたい人にも、風景写真が撮りたい人にも寄り添ってくれるはずです。見た目に威圧感の無いサイズ、気負わず撮影できる距離、優しく包んでくれる光。それだけでも撮りたいものがより具体的になるように思いますし、日常的に撮影する機会が増える気がしました。テレコンバージョンレンズGT-2という新たな表現を手に入れることで、今までとは違う被写体を求めて撮影に出かけるのも楽しみの一つになりそうです。 ■モデル:ひらまつ まな ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんに、リコーGR IIIxにテレコンバージョンレンズGT-2を装着してレビューしていただきました。中望遠の画角を手に入れたGR IIIxの写りをご覧ください。 ----- KEYWORDS: リコー,Ricoh,GR IIIx,レビュー,ポートレート,テレコンバージョンレンズ ----- -------- AUTHOR:   TITLE: カールツァイス ZEISS Loxia 2.4/25 レビュー|透明感を演出してくれる広角レンズ BASENAME: 484916827.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 水咲奈々 DATE: 12/25/2021 11:00:00 TAGS: カールツァイス(zeiss) レンズ,ZEISS Loxia 2.4/25,単焦点,ポートレート(人物) ----- BODY: 04_作例.jpg

はじめに

 今回レビューをお送りする「ZEISS Loxia2.4/25」は、ソニーのフルサイズミラーレスカメラ用に設計された、マニュアルフォーカスのレンズです。25mmという広角の画角を、ポートレートのスチールとムービーでどのように使用するかも併せてご覧ください。

色収差を抑えた高い描写能力

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■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25 ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO125 AWB ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
 本レンズは25mmの広角画角の単焦点レンズです。絞りはF2.4からF22まで使用可能、レンズ設計はDistagon8群10枚で、特殊低分散ガラスレンズ2枚と、非球面レンズ1枚が使われています。特殊低分散ガラスレンズは、光の波長の違いによって起こる結像位置のズレが生み出す色収差という現象を抑えて、描写性能を高めてくれる働きをします。  ポートレートで多用する逆光耐性も素晴らしく、にじんだような優しい描写はお手の物です。絞り羽根枚数は10枚。背景の木漏れ日のボケの丸さと柔らかさは、撮影しながらもわかるほど美しくて筆者好みでした。

ポートレート・ショートムービー

■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25 ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
 撮影日はかなり日差しが強く、前日に降った雨の名残で、場所によって地面は少し濡れている状況でした。水分を含んだ地面の照り返しは、通常よりも構図内のコントラストを高めてくれる役割をしてくれます。  この後のスチールでも思ったのですが、コントラストの強いシーンでの描写性能が飛び抜けて素晴らしく、特に白飛びギリギリの箇所の、白飛びしそうでしないグラデーションが美しく、背景に明るいボケを作るのが楽しかったです。  ムービーはスチールよりも、全体的に明るすぎたり白すぎると見ている方が疲れてしまうので、全体的にコントラストを抑えたり、アンダー目に撮影すると安定しやすいのですが、今回は明るいシーンを多用する珍しいムービーとなりました。  また、スチールでもムービーでも、人物が被写体だと寄りたくなってしまうことが多い筆者ですが、今回は引きの画も意識して撮影しました。寄りだと、ともすればわざとらしく見えてしまうことがある、手動でピントを変動させて徐々にボカしていく手法ですが、ちょっと引き目の構図だと自然におさまってくれました。  ラストのボケていくシーンは、上記の手法でジャストピントからアウトフォーカスに、ピントリングを動かして撮影しました。リングのトルクは操作しやすい適度な重みがあるので、構図と動作を見ながらじっくりとピントを変えていくのは、撮影していても楽しかったです。

スペックの数字だけではわからない美しさ

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■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25 ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO200 AWB ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
 広角画角ながら、ディストーションはないと言ってもいいほど見当たらず、画面の隅々まで歪みなく正確に描ききっています。絞り開放時、周辺減光はほんの少し見られますが、ポートレートではドラマティックな表現と感じる程度でそれほど気になりません。  絞り値は開放がF2.4と、ポートレート撮影で使用するには控えめな数字ですが、手前から奥に抜ける、自然ながらコックリとした深みのあるボケのグラデーションは、レンズはスペック上の数字だけではその描写力は計りきれないのだと、再認識できる美しさでした。

広角レンズならではの可愛らしい撮り方

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■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25 ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO200 AWB ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
 広角レンズを使用したポートレートの表現方法として、背景を写し込む手法がポピュラーですが、上から見下ろすようなカットは、可愛らしいイメージを高めてくれます。この場合ですと、カメラに近い顔が大きく、顔よりもカメラから遠くなる手が小さく表現されるため、表情の存在感がぐっと増します。また、小さな手は小動物を連想させて、愛らしいイメージに仕上げてくれます。  モデルが下を向いていると目と口の距離が開いてしまい、広角レンズの特徴でもある四隅を伸ばしたようなパースに引っ張られて、大きく間延びしたような顔に写ってしまいます。モデルには、レンズの方を向いてもらうように顔を上げてもらうと、パースのつきすぎない、可愛らしいカットを撮ることができます。

高い透明感、清涼感を生み出すレンズ

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■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25 ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO320 WB:5200K ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
 ハイライト部の表現が美しかったので、背景はボケを求めながらも、明るい場所を選んで撮影しました。シャドウ部の粘りが強いレンズやカメラには、幸運なことに複数出会っていますが、ハイライト部の粘りが強いレンズで、これほど清涼感のある画を生み出せるレンズには、なかなか出会えないと言っていいでしょう。  その清涼感をさらにあげるために、ここではホワイトバランスを5200Kにしています。人肌の自然な色味を出すのであれば、AWBでも綺麗に描かれていたのですが、冬のつんと冷たい風の表現を重視した色味にすると、全体に透明度の高い画にすることができました。

強い逆光シーンでもクリアーな描写

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■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25 ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO320 AWB ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
 強い太陽を背にして、その光が漏れ出るようなシーンは、筆者が好んで撮影するシーンのひとつですが、レンズによっては全体に霞がかかってしまったり、フレアー・ゴーストが出やすいシーンでもあります。本レンズではそんな心配は杞憂と言わんばかりに、印象的なカットに仕上げてくれました。  Loxiaシリーズはどのレンズも小型、軽量なのが本当に素晴らしい!本レンズの最大径は62mm、長さは88mmと、焦点距離25mmの広角画角なのに、手のひらサイズのコンパクトさ。重さも393gと軽量で、シンプルなストレートデザインは、街中での撮影にも溶け込みやすいです。

コンパクトなボディは撮影の自由度を上げる

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■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25 ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO640 WB:5700K ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
 コンパクトなボディだからこそできるのが、このような下からの撮影。レンズが長いと、モデルとの距離を取るために段差があるところを探さないと、下から煽るような撮影方法は使えないのですが、短いレンズで広角画角の本レンズなら気軽に撮れるカットです。  最短撮影距離は0.25mですので、ポートレートとしては十分寄れるレンズと言えます。モデルに寄ることで背景の印象を弱め、「主役はこちらです!」という、人物の印象の強いカットに仕上げられます。背景まで写し込みたいときは絞ったり、日中シンクロを使用しますが、街中のポートレートはナチュラルなほうが筆者は好みです。

期待に大きく応えてくれるレンズ

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■撮影機材:ソニー α7C + ZEISS Loxia 2.4/25 ■撮影環境:f/2.4 1/250秒 ISO500 WB:5700K ■クリエイティブスタイル:ポートレート ■モデル:早瀬さな(株式会社オフィスパレット)
 普段なら、ポートレートを撮るには広角過ぎる画角で、撮影前にどうやって撮ろうかひと悩みする画角なのですが、Loxiaシリーズを使ってきて、各種収差がほとんどないことを体感していたので、「広く写る、寄れるレンズ」くらいの感覚で撮影に臨めました。  広角ならではのパースもそれほどきつくないので、構図の四隅まで人物を配置できるし、逆光でも、背景を思いっきりハイキーにしても、余計な光や色収差が出ないだろうと安心感を持ってシャッターを押せましたし、その期待に応えてくれる仕上がりでした。  風景やスナップを撮る方にもお勧めしたい本レンズは、マニュアルフォーカスということで二の足を踏んでいる方にこそ、ぜひ一度使ってみていただきたいと思います。 ■写真家:水咲奈々 東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の水咲奈々さんによる「ZEISS Loxia 2.4/25」レビュー記事です。焦点距離25mmの広角単焦点レンズをポートレート撮影で使っていただきました。 ----- KEYWORDS: カールツァイス,zeiss,単焦点レンズ,ZEISS Loxia 2.4/25,レビュー,ポートレート,水咲奈々 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。Vol.8|ライカCL+エルマリート TL f2.8/18mm ASPH. BASENAME: 484924124.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 山本まりこ DATE: 12/26/2021 10:00:00 TAGS: ライカ(Leica) ボディー,CL,エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.,ライカとカレー,APS-C ----- BODY: DSC00379.jpg

はじめに

キリッとした青空の東京は、ピリッとする寒さ。先週までコートを着ないでも暖かいくらいの秋だったのに。そろそろ冬が始まりそうだ。昨日、大きな写真展が終了した。もう一つの大きな仕事も、もうそろそろ終盤に差し掛かっている。ここ半年はバタバタの渦中にいたので、久しぶりに思いっきり写真が撮りたい。 ライカと一緒に旅に出よう。 でも、今日はまだどこに行くかも決めていない。 どこに行こう。 そう思いながら寝ぼけ眼でInstagramのストーリーを眺める。クロワッサンの横のあつあつのコーヒーを飲みながら、ふと目に留まったお蕎麦屋さんの写真。素敵な外観。投稿しているのは、埼玉県戸田市のマクロビのお弁当屋さん「ゴハン屋フタバ」。一歳年下の私の妹と友人が運営しているお店だ。妹よ、美味しそうなお蕎麦屋さんに行っているなと、気になるのでそのお蕎麦屋さんのInstagramを見てみる。最近の投稿を見てみると、何やら気になる写真、と文章。 『来ちゃいましたね、この季節が。 このカレー南蛮を食べるために 冬はやってきてくれるんじゃないでしょうか。 うちのカレー南蛮は優しいんです。 美味しさの決め手は豆乳と胡麻。 とってもクリーミーなカレースープに しっかり効いた鰹出汁と白菜の旨味。ええ本気です。』 ズキュン。 これは決まりです。 今日はここにお伺いいたします。 このカレー南蛮をいただきにまいります。 即決。 いつも思う。 どこに行こうと決まらない時は、決まるその時が絶対に来ると。直前まで決まっていなくても、いつもこんな風に何かが降ってくる。そして、ズバッと決まる。 さあ、ライカと一緒に旅に出よう。 01_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG

ライカCLとエルマリート TL f2.8/18mm ASPH.

今日、旅を一緒にする相棒は、ライカCL。 レンズは、エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.。 ライカCLは、トラディショナルなボディに最新のデジタルテクノロジーが搭載された、記録画素数2400万画素、レンズ交換式、Wi-Fi経由でライカ専用のモバイルアプリLeica FOTOSに接続可能、4K動画撮影が出来る、APS-Cサイズセンサーを搭載したデジタルカメラ。質量は、403g(バッテリー含む)。ライカM10の660g(バッテリー含む)と比べてもとても軽い。 エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.は、全長は21mm、重さは約80g。同クラスのレンズでは最小レベルのコンパクトなボディが最大の魅力。さらに、同クラスのレンズの中で群を抜く優れた描写力を発揮、高速オートフォーカスにも対応。 ボディは、トラディショナルで軽量、レンズは、超コンパクトで超軽量。 ライカのカメラの重厚感を味わいながら、フットワーク軽く撮影出来るという、二重にも三重にも嬉しい二つの組み合わせ。手に持ったファーストインプレッションは、やっぱり、軽い。この軽さにして、ライカを持っているという満足感が味わえるのは、かなり嬉しい。 02_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHの製品画像.JPG

調布取水堰(ちょうふしゅすいせき)へ

目指すお蕎麦屋さんは、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線の戸塚(とつか)安行(あんぎょう)という駅の近くにある。どんな場所なのだろう。せっかく行くのならば、近くの撮影スポットも楽しみたい。Googleマップで拡大縮小しながら見ていると、ほど近くに気になる場所を発見。旧岩淵(きゅういわぶち)水門(すいもん)。タップすると写真まで見ることが出来る便利な世の中、早速写真を見ると、赤い色が美しい大きな水門がどんと写っている。なんて素敵な水門なのでしょう。これは見てみたい。撮りたい。私は建築物が好きだ。建築学科出身で前職は設計。だから、旅先を建築物や建造物を見たくて決めることが多い。トルコのブルーモスクもカッパドキアも、スペインのサグラダファミリアも、シンガポールのスーパーツリー・グローブも建物が見たくて旅に出た。体感したいし、写真を撮りたい。でも、あと、食べ物で決めることも多い。今回みたいにカレーが食べたくて旅先を決めることも。ふふふ。 水門を見るのならばと、いつも行くお散歩コースの中にも似たようなところがあるので、まずはそちらを訪れることに。調べると、調布取水堰(せき)と言う工業用水を取水するための建造物なのだそう。東急東横線の多摩川駅からすぐ、東横線に乗っていると見える取水堰(せき)。 03_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 04_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 05_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 取水堰(せき)と川。 遠くに武蔵小杉のビル群。 なんといってもすぐ横を通ることが出来るのが嬉しい。 川の水と取水堰(せき)の迫力を間近で体感出来る。 楽しい。 ライカCLのメニューボタンを押し、フィルムモードはNAT(ナチュラル)、コントラストとシャープネスを低くし、彩度を高く設定。ライカでエアリーな写真を撮る準備も大分手際が良くなってきた。この連載「ライカとカレー。今日はどの駅で降りようか。」は、毎回山本まりこが異なるライカのカメラとレンズを持って電車に乗り、気になる駅で降りて旅をする。そしてカレーを食べて帰ってくる、という内容の企画。この連載も今回で8回目。たくさんのライカのカメラと一緒に旅をしてきたなあ。 今回は、焦点距離18mmのレンズ。APS-Cサイズセンサーなので、35mmサイズ換算で27mmの画角。近くの建築が適度に入る大きさ。広すぎず、狭すぎず。街スナップにはちょうどいい。さらに、ライカCLはデジタルズームで1.3倍、1.7倍で撮ることが出来る。35mm単焦点換算すると、1.3倍で約35mm、1.7倍で約46mm、で撮れるということ。27mm、35mm、46mm、この3つの画角で撮ることができるのはかなり嬉しい。そのあたりの焦点距離のレンズは、誰もが1本ずつは欲しいところでもある王道画角のレンズ。単焦点レンズを着けていても、3つの画角で撮れるのは嬉しい。 さあ、カレー南蛮を食べに行こう。 埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線の戸塚(とつか)安行(あんぎょう)までは、多摩川駅から直通もあるので、乗り換えなし。カレー南蛮を思いながら電車に揺れること1時間とちょっと。満席になった車両からどんどんと人が少なくなっていく。シートにライカCLを置いてパチリ。 06_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 07_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG

戸塚安行(とつかあんぎょう)駅で

戸塚(とつか)安行(あんぎょう)駅で地上に出ると、すうっと広い道路と青くて広い空。東京から埼玉県に来るだけで、少し開けた空気感が漂っている。住みやすそうな場所だなあと家々やスーパーを眺めながら数分歩くと、Instagramで見た通りのお店の外観が見える。「蕎麦と酒 ととの」。お店の料理の美味しさは、外観の佇まいや空気感でほぼ分かると思っている。外観の素材の洗練さや植栽の手入れの美しさ、入口周りの掃除が行き届いているとか、そういった全てが美味しいと伝えてくれると思っている。すっきりとしたファサードの中、木の温もりがある外観のお店。素敵。これは美味しいに間違いない。勇んで来たので、開店時間まであと数分ある。近所をお散歩して待っていよう。 空が青いなあ。 08_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 開店時間ぴったりに行くと、看板を出している男性が。もう入れますかと聞くと、ハイと案内して下さる。とびきりの笑顔で。店内は、木の温もりがあり、まるでカフェのような可愛らしさもありながらすっきりとしている。オーダーメニューは、カレー南蛮に決まっている。「忘れちゃいけないのは〆のリゾットセット」とInstagramの投稿に書いてあったので、追加で注文。のんびりとInstagramを眺めながら待っていると、お待ちかねのカレー南蛮が到着。 09_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 湯気と鰹節が、ゆらりゆらり。 胡麻たっぷり。 なんて美味しそうなのでしょう。 写真を撮っていいですかと聞くと、どうぞどうぞと、これまた満面の笑顔の男性スタッフさん。エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.の最短撮影距離は、30cm。適度に寄れる。座りながら撮影。食べ物の撮影はいつも心が大変。撮りたいし、食べたい。でも今回は、カレー南蛮。お蕎麦が伸びないうちに食べましょう。撮影も早々にいただきます。 10_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG まずはスープをいただく。とっても優しい中に、奥深いコクがある。次にお蕎麦ごといただく。柔らかいお蕎麦にスープがドロリと絡まる。お蕎麦は細かったり太かったり、とても柔らかい。胡麻や炒めた豚肉や白菜の旨味が、スープやお蕎麦に絡まっていて、すごく柔らかい全体感の中にコクのパンチがくる。カレーは、全体のまろやかさの中にふわりと香る。これは、美味しい。すごく、美味しい。そして、これは何かに似ている、と考えながら食べる。そうだ、お鍋をしていて最後の方で煮詰まって、最後に柔らかい麺を投入した時のようなこってり感とお楽しみ感だ、と気づく。たまに黒七味をかけて少し引き締めて食べるのも楽しい。新食感のカレー南蛮。 あっという間にお蕎麦を食べ、スープだけになる。ここで、リゾットセット登場。粉チーズがかかっているごはんを、スープの中にイン。今まで吹いていた和の風が、ここで急にイタリアの風に変わる。日本から、世界へ。こ、これは、楽しい。そして、美味しい。 11_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 12_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG とっても美味しかったです。 店主の渡辺健一さんにそうお伝えすると、「出汁は、関東出汁と関西出汁の両方を使っていて、カツオとサバをがっつり効かせている中に、たっぷりの豆乳と胡麻が入っているから優しいんです。」とおっしゃる。優しい中にパンチが効いていましたと伝えると、ここの味にするのが大変でしたとニッコリ。全体感はとっても柔らかくまとまっているのに、まるでお肉の出汁で食べているようなパンチ力があるカレー南蛮。本当に美味しかった。 またお伺いします。 13_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG

旧岩淵水門(きゅういわぶちすいもん)へ

電車で赤羽(あかばね)岩淵(いわぶち)駅を目指し、旧岩淵(きゅういわぶち)水門(すいもん)がある荒川まで歩く。 まだ紅葉した葉が輝く木々を撮りながら、旧岩淵(きゅういわぶち)水門(すいもん)を目指す。 相変わらずキリッとした青空にピリッと冷たい空気。 時折強い風がびゅうと吹くと、12月の寒さだなあと思う。 14_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG なにこれすごい。 そんな言葉が思わず口から出てしまう。海のように雄大な荒川にどんと鎮座する赤い水門。水門の奥には、紅葉した葉を茂らせた大きな銀杏の木が立つ中之島(水門公園)がある。ぷかぷかと浮かんでいるカモがびっくりしないように、そろりそろりと水門の近くまで歩く。 15_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 16_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 17_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 18_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 19_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 20_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 21_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 22_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 23_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG びゅう シャラシャラシャラ 風が強く吹いて、銀杏の葉が舞い上がる。 ごろん シャラシャラシャラ 黄色の絨毯が広がっているところに寝転がって空を眺める。 黄色い銀杏の葉が勢いよく舞って秋が降ってくる。 まるで、真冬の雪のように。 24_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 25_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG なんて気持ちいいんだろう。 ライカCLのファインダーを覗きながら、私はシャッターを切る。たくさん、切る。 久しぶりだ、この感じ。 青空と、カメラと、ドキドキと。 時間を忘れるくらい、しばらく夢中で撮影した。 26_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 27_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHの製品画像.JPG 28_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 29_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 30_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG ライカCLは、ライカだけれど、気負わず気楽に撮れるところがいい。いつも、ライカを持っていると、ついつい大切に握りしめながら歩いてしまうけれど、なんだか今日はとっても気楽な気分だ。 ずいぶん長いこと、ごろんとしながら空に舞う銀杏の葉を撮っていた。気付いたらだいぶ体が冷えている。ぶるぶるぶる。風邪をひく前に、そろそろ帰ろう。ぶるぶるぶる。

帰り道で

帰り道は、何も考えずに、目に留まる面白いと思うものを撮った。空間をザクザクッと切るように撮った。 31_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 32_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 33_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 34_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 35_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 36_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 37_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 38_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 39_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG 途中、自由が丘駅で乗り換えると、駅に差し込んだ夕日が大きくて強い光を放っていた。まるで大きな花火のように、駅と行き交う人々を照らしていた。

おわりに

久しぶりのライカとの旅。ライカCLとエルマリート TL f2.8/18mm ASPH.との旅は、とても楽しかった。何がそんなに楽しかったのだろうと思うと、やっぱりそれは、コンパクトで扱いやすく、気楽に撮ることが出来るからだと思う。ライカの高級感を味わいながら、でも、フットワーク軽く撮りたい人には、おススメのカメラとレンズだ。猛烈におススメしたい。この組み合わせなら、広い景色から、寄りのごはんまで、楽しむことが出来る。 そうそう。妹のInstagram投稿だと思っていたお蕎麦屋さんの記事は、共同で営んでいる妹の友人が投稿したものだったそう。素敵な情報ありがとうと伝えると、お仕事のアシストができて嬉しいと喜んでくれた。忘れられぬカレー南蛮。出会えて嬉しい。また食べに行こう。 電車を降りると、外は、キリッとした澄んだ夜空が藍色に色づいてきている。ううう、寒い。でも、美しい。そろそろ、本格的に冬が来る。旧岩淵水門で見たあの銀杏の木も、今週には葉が落ちるだろう。そして、秋から冬の景色に変わるのだろう。 40_ライカCL+エルマリート TL f2818mm ASPHでの作例.JPG ■撮影協力 蕎麦と酒 ととの 埼玉県川口市長蔵1-23-12 048-242-5595 https://soba-sake-totono.com/ ■写真家:山本まりこ 写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の山本まりこさん連載記事「ライカとカレー。今日はあの駅で降りようか。」Vol.8となる今回はライカCL+エルマリート TL f2.8/18mm ASPH.を持って戸塚(とつか)安行(あんぎょう)駅の近くにあるお蕎麦屋さんを目指します。魅力的なスナップ写真とカレー南蛮にご注目下さい。 ----- KEYWORDS: ライカ(Leica) ボディー,連載,CL,エルマリート TL f2.8/18mm ASPH. ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: テスト尾鷲陽介さん BASENAME: 484971978.html STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 尾鷲陽介 DATE: 12/27/2021 10:32:57 ----- BODY: テスト尾鷲陽介さん ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 自然な描写とボケ味が魅力!パナソニックの「LUMIX S 35mm F1.8」を試す|三井公一 BASENAME: 484939828.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 12/27/2021 16:00:00 TAGS: パナソニック(Panasonic) レンズ,LUMIX S 35mm F1.8,スナップ,単焦点 ----- BODY: 01_Lumix 35mm.JPG

ますます拡充!パナソニック LUMIX S F1.8シリーズ

 開放F値が「1.8」と明るく、小型軽量で大人気のパナソニック LUMIX S F1.8シリーズ。そのレンズラインナップにようやく「35mm」が加わりました。これで以前ご紹介した「LUMIX S 24mm F1.8」と「LUMIX S 50mm F1.8」、「LUMIX S 85mm F1.8」の合計4本になりました。これによって広角から中望遠まで、画質に定評ある「LUMIX S5」などでフットワーク軽く撮影を楽しむことが可能になりました。 02_F1.8シリーズ.JPG

LUMIX S 35mm F1.8の特徴

 「35mm」という画角は広角レンズながら、ヒトの見た目に近い自然なパースペクティブが魅力の描写となります。「50mm」の標準レンズより広い範囲を撮影可能ですが、被写体を大きくゆがめることなく写しとれるのが魅力です。ですのでスナップ撮影から風景、そしてポートレートまで存分に楽しめるとても使い勝手のいい焦点距離と言えるでしょう。  「LUMIX S 35mm F1.8」はその使いやすい画角に「F1.8」という絶妙な明るさを採用したことがキモです。明るすぎず暗すぎない「F1.8」にしたことにより、レンズの大きさと重さを適度なものにすることができたのです。ボケ味も美しく品があり、作画の楽しさを十二分に堪能できるものになっています。ズームレンズ主体の構成に「はじめての単焦点レンズ」として加えるのにふさわしい1本です。

LUMIX S 35mm F1.8の仕様

 レンズ構成は9群11枚構成。撮影領域全域において優れた画質を実現するために非球面レンズを3枚採用して球面収差を抑制。さらにEDレンズ3枚を最適に配置することによって色収差を良好に補正しています。絞り開放から安定した描写を得られることでしょう。さらに、オートフォーカスも静かなのでムービー撮影の現場でも安心です。また、合焦速度と精度も両立しているので撮影時にストレスを感じることも少ないでしょう。

LUMIX「F1.8」シリーズの魅力

 「LUMIX S 35mm F1.8」が属する「F1.8」単焦点シリーズですが、操作性や仕様が統一されており、フォトグラファーやビデオグラファーが、「LUMIX S 35mm F1.8」から「LUMIX S 24mm F1.8」、「LUMIX S 50mm F1.8」、「LUMIX S 85mm F1.8」にレンズ交換した場合でもオペレーションに差違がなく撮影に集中できるようになっています。 03_F1.8シリーズ.JPG ■LUMIX「F1.8」シリーズの共通点 ・サイズ(最大径Φ73.6mm、全長 約82.0mm) ・フィルター径(Φ67mm) ・フォーカスリングの位置 ・AF/MF切替スイッチの位置  さらに、一貫した描写性能が得られることによって画質が一定に保たれるようになっています。スチルだけでなく長尺のムービー作品ではうれしい仕様ですね。編集時のカラーマッチング作業が軽減されそうです。まさにクリエイター向けのシリーズと言えますね。広角から中望遠までのこのシリーズを揃えて、作品作りをしてみるのもオススメです。

ブラブラと実写スナップ!

 快晴の日。「LUMIX S5」に「LUMIX S 35mm F1.8」を装着してとある街をブラブラと撮影しました。商店街のファサードが気になって見上げて撮ったカットですが、そのパリッとした写りと、深い空の色に感銘を受けました。精細感と立体感の同居がいい感じですね。
04_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F8 1/500秒 ISO100
 同じ商店街のアーケード内を歩きます。角に昔懐かしいスタイルの玩具店がありました。お店をのぞき込むお客さんをパシャリ。外光が差す部分と日陰の部分がフレーム内にありますが、ハイライト部の粘る描写によって肉眼で見た感じに近い写りに仕上がりました。
05_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F3.5 1/320秒 ISO100
 「LUMIX S 35mm F1.8」の35mmという画角は広角ながらクセのない描写が可能です。建物の中を撮ったこのカットでわかるように、自然なワイド感の写真を撮影できるのです。直線は真っ直ぐに写り、実にシャープで芯のある描写が魅力です。太陽も写り込んでいますが、イヤなフレアやゴーストの発生もなく頼りになるレンズだと感じました。
06_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F5.6 1/1000秒 ISO100
 「LUMIX S 35mm F1.8」は優しいボケ味が魅力のレンズです。絞り開放で船具を狙いましたが、船体が美しくボケました。フルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5」の上品な描写にマッチしている印象です。
07_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/8000秒 ISO100
 港に入っていた豪華な船を連続撮影しました。オートフォーカスも正確かつ高速で、しかも静粛性に優れているので申し分ありません。ムービー撮影時でも安心です。それにしても船の姿から、遠景の港の様子まで克明に捉えることができました。
08_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F5 1/640秒 ISO100
 港にあったオイルタンクを撮りました。その金属でできた表面の質感描写が実に見事です。リアル感溢れ、かつ非常にシャープな像を「LUMIX S 35mm F1.8」は見せてくれます。
09_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F7.1 1/1300秒 ISO100
 「LUMIX S 35mm F1.8」は近接撮影時の写りも素晴らしいですね。割れたガラスのドアをクローズアップで撮りましたが、F1.8絞り開放のピント面がキリリとキャプチャーできました。周辺のボケ具合もスムーズに感じます。
10_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/3200秒 ISO100
 「LUMIX S 35mm F1.8」は球面収差を抑制する非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚で構成されています。色収差も良好に補正されており、絞り開放から安定した画質を誇ります。発色も鮮やかでダルマが美しく浮かび上がりました。
11_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F5.6 1/800秒 ISO100
 「F1.8」という開放値は十分に背景をぼかすことが可能です。これは紅葉に接近して絞りを開けて撮ったカットですが、背景にある電柱と電線もキレイにぼけて、狙ったとおりの効果が得られました。人物撮影でも有効なF値だと言えるでしょう。
12_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/5000秒 ISO100
 軽くて小さい「LUMIX S 35mm F1.8」は携行が楽チンです。旅行やちょっとしたブラブラ散策にも気軽に持ち出せます。「F1.8シリーズ」でレンズを揃えて旅に出るのもいいでしょう。瓦屋根に積もった落ち葉にフォーカスして、背景をぼかして撮ってみました。
13_作例.JPG
■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/60秒 ISO125
 「LUMIX S 35mm F1.8」は被写体で迫っての撮影が可能なので、「F1.8」という絞り値とで面白い効果の撮影ができます。サボテンに肉薄して「LUMIX S5」のシャッターを切りましたが、周囲がキレイにボケてくれて、立体感のあるカットになりました。このレンズ、自然な描写がいい感じですね!
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■撮影機材:パナソニック LUMIX S5 + LUMIX S 35mm F1.8 ■撮影環境:F1.8 1/100秒 ISO100

LUMIX S 35mm F1.8の主要諸元

レンズ構成:9群11枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚) マウント:ライカカメラ社L-Mount規格準拠 画角:f=35mm:63° 焦点距離:f=35mm 開放絞り:F1.8 最小絞り:F22 絞り形式:9枚羽根 円形虹彩絞り 撮影可能範囲:0.24m~∞(撮像面から) 最大撮影倍率:0.22倍 フィルター径:Φ67mm 最大径×長さ:Φ73.6mm×約82.0mm 質量:約295g (レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップを含まず) 動作環境(使用可能温度 / 湿度):-10~40 ℃ / 10~80 % 防塵防滴:あり 付属品:レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップ

まとめ

 「LUMIX S 35mm F1.8」はクセのないとても自然な描写が楽しめる、軽くて明るいプライムレンズです。「F1.8」シリーズの「LUMIX S 24mm F1.8」、「LUMIX S 50mm F1.8」、「LUMIX S 85mm F1.8」と組み合わせて画質の平準化と、ムービー撮影のジンバル使用時オペレーションの簡略化など得られるメリットはさまざまです。フットワークを活かしたスナップ、風景、ポートレートモード撮影などオールジャンルで役に立つ高性能レンズに仕上がっています。 ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。

キャッシュバックキャンペーン実施中

 現在、パナソニックでは「F1.8単焦点レンズシリーズ キャッシュバックキャンペーン」を実施中。2022年3月13日(日)までにLUMIX Sシリーズレンズ F1.8単焦点シリーズを購入して専用台紙より応募すると、もれなく5,000~8,000円のキャッシュバックが受けられます。キャンペーンの詳細はこちらのページをチェック。 campaign_cashback2021.jpg
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんによる、パナソニック「LUMIX S 35mm F1.8」レビュー記事です。4本目となったF1.8シリーズの中でも、万能に使える35mmの写りをぜひご確認ください。 ----- KEYWORDS: パナソニック,Panasonic,単焦点レンズ,LUMIX S 35mm F1.8,レビュー,三井公一 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: オリンパス OM-D E-M1 Mark III レビュー|野鳥撮影に最適な機能が満載! BASENAME: 484965914.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 菅原貴徳 DATE: 12/28/2021 16:00:00 TAGS: オリンパス(Olympus)ボディー,OM-D E-M1 Mark III,マイクロフォーサーズ,野鳥,ミラーレスカメラ ----- BODY: OM-D E-M1 Mark IIIレビュー.jpg

はじめに

 2020年の発売以来、その小型軽量性や機能性で人気のOMデジタルソリューションズ(オリンパス)のOM-D E-M1 Mark III。野鳥撮影においても、高速なAFや連写、そしてプロキャプチャーモードのような便利機能が搭載されたこともあって、フィールドで見かける機会が増えてきているように感じる。M.ZUIKOシリーズに、超望遠レンズが増えてきたことも一因だろう。もちろん、発売当初からのユーザーである筆者のもとでも活躍してくれている。  今回は、実際に撮影してきた作例を見ていただきつつ、使いこなしがわかってきた今だからこそわかる魅力もご紹介しようと思う。機材選びに悩んでいる方はもちろん、すでにユーザーの方にも最後までお読みいただければ嬉しい。

野鳥撮影に適するM.ZUIKOレンズ選び

 野鳥撮影では、対象となる鳥との間に距離が開いていることも多いため、機材を使ってその距離を埋める必要がある。一般的には超望遠のイメージがある600mmや1000mm相当(35mm判換算)も、日常的に必要となってくる。それを踏まえてシステムを組むと良いと思うが、マイクロフォーサーズ規格のOM-D E-M1 Mark IIIなら、レンズ表記の2倍相当の望遠効果が得られるため、鳥を大きく写したい!と思った時に有利なシステムだ。結果的に、システムを軽量に組むことができる。  以前の記事で詳しく書いたように、超望遠レンズを使うことは、野鳥へ与えるストレスを軽減することにも繋がるし、結果的に撮影チャンスも増える。野鳥撮影を始めたい!と思われた方には鳥望遠レンズの導入をおすすめしたい。 OM-D E-M1 Mark IIIレビューオススメレンズ.jpg  現在のM.ZUIKOのうち、筆者が野鳥撮影に向くと考えるレンズを並べてみた。左からおすすめ順に、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS。これに、1.4倍または2倍のテレコンバーターを加えれば、かなりの広い幅をカバー可能。あとはご自身の体力やスタイル(そして予算)を基に選んでいただきたい。

最大8段分の手ぶれ補正

 さて、システムを組んだら早速フィールドへ出よう。OM-D E-M1 Mark IIIで最大の特徴の一つが、強力な手ぶれ補正。一部のPROレンズとの組み合わせでは、その補正幅は最大8段分になる。合わせて、小型軽量なシステムであることも重要なポイント。おかげで、三脚によるブレ防止は必須ではなくなり、身軽な探索を可能としてくれる。生まれた余裕で双眼鏡などの観察器具を充実させてもいいし、バードウォッチング特有の「探す楽しみ」を損なわないまま、クオリティのある撮影を楽しめる、というわけだ。
OM-D E-M1 Mark IIIレビュー作例ノビタキ.jpg
ノビタキ ■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/320 絞り優先 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
 上の写真は、秋の渡り時期に見つけたノビタキ。草の合間からそっと覗き込むように撮影したことで、鳥を驚かせずに撮影できた。手持ちだと、限られたアングルからしか対象を視認できない時も撮影が容易だ。
OM-D E-M1 Mark IIIレビュー作例シメ.jpg
シメ ■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 640 F5.6 1/1000 絞り優先 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
 こちらは関東の平野部で冬鳥のシメ。この冬最初の出会いだった。季節ごとの出会いを期待して歩くことも野鳥観察の楽しみの一つだが、軽量な撮影システムであれば観察と撮影を両立しやすい。  

AF性能を引き出す設定

 OM-D E-M1 Mark IIIには、OM-D E-M1Xのような鳥認識AFは搭載されていないものの、高速・高精度なAF機能が備わっているので、野鳥撮影でも十分に活躍してくれる。  原則として、開けた場所で動く鳥を追う際はC-AFと広めのAFターゲット設定にし、不規則な動きにも対応できるようにする。逆に、林内で枝などに止まっている鳥を撮影する際は、周囲の障害物に合焦しないようにスモールターゲットというように、環境や鳥の行動によって使い分ける。OM-D E-M1 Mark IIIでは、カスタム設定ダイヤルや、ファンクションレバーから登録したAF設定を素早く呼び出すことが可能なので活用したい。
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タゲリ ■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 400 F5.6 1/3200 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
 上のタゲリは、田んぼの上を飛ぶ様子を、展望台から見下ろして撮影した。鳥が画面内で小さめなので、AFターゲットは気持ち小さめの3×3を使用した。
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コサギ ■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 800 F4.5 1/2000 マニュアル 焦点距離280mm(35mm判換算560mm相当) 連写L
 こちらのコサギは、近かったのでズームを引きながら撮影している。鳥が画面内で大きく、カメラが迷う心配がないと判断し、AFターゲットは広めの5×5を使用した。
OM-D E-M1 Mark IIIレビュー作例カワセミ.jpg
カワセミ ■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/250 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
 このカワセミのように、鳥が静止していて、周囲にカメラが迷いそうな小枝がある時は、スモールターゲットを使用すると良い。  
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カイツブリ ■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 320 F5.6 1/250 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L 内蔵テレコン使用
 さらに、デフォルトのターゲット設定だけでなく、「カスタムターゲットモード」を使用することで、任意の縦横比でAFターゲットを設定することもできる。例えば上のカイツブリは、縦1×横3にカスタマイズしたAF設定で撮影しており、水面に合焦するリスクを排除しつつ、鳥の泳ぐ動作にも対応できるようにした。大きさ、動き、環境など、毎度大きく状況が変化する野鳥だけに、自身で自由に設定できるメリットは大きく、とても重宝している。    もうひとつ、「C-AFの追従感度」の設定も可能だが、筆者は常時+2とし、俊敏な鳥の動きにも対応できるようにしている。安定的にフレーミングできない場合には、設定したAFターゲットから外れた瞬間にピントが外れてしまうが、そこは練習と経験でクリアしたいところ。AFターゲットと同様、色々と試して自身に合う設定を見つけて欲しい。

アングルの自由度

 筆者はよく、野鳥の視点と、カメラの高さを合わせて撮影する。その際は、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISといった軽量なレンズが扱いやすい。  水面を泳ぐカモ類を撮影する時、カメラ位置をギリギリまで下げると、背景に奥行き感と大きなボケを生むことができ、画面を整理しやすくなる。その際、多少無理な姿勢になっても、OM-D E-M1 Mark IIIの手ぶれ補正を使えば、安定した画面で鳥を追うことが可能だ。
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オナガガモ ■撮影機材:OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:ISO 400 F4.0 1/3200 マニュアル 焦点距離300mm(35mm判換算600mm相当) 連写L
 上の写真は、羽繕い中のオナガガモ。バリアングル液晶を上から覗くようにして撮影した。連写を活用して、思った表情の1枚を撮影できた。使用したM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは軽量なので、微妙な高さ調整も容易。
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カルガモ ■撮影機材:OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS ■撮影環境:ISO 400 F6.3 1/1000 マニュアル 焦点距離328mm(35mm判換算656mm相当) 連写L
 水浴びの後に羽ばたくカルガモ。M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISも軽量なのは300mm F4.0と同様だが、ズームなので細かい画角調整も可能。野鳥撮影では、ズームは「引くもの」と考えるのがよく、例えばこのシーンであれば、水浴び中は400mm(800mm相当:35mm判換算)で撮影し、羽ばたく直前に、羽が切れないところまでズームを引いて対応した。

高速連写性能

 OM-D E-M1 Mark IIIの連写は、連写H、静音連写H、連写L、静音連写Lから選択可能。露出・ピントが1コマ目で固定となる「連写H、静音連写H」では、それぞれ最大15コマ/秒、60コマ/秒の高速撮影が可能だ。連写中もAE・AF追従するのは「連写L、静音連写L」の2モードで、それぞれ最大10コマ/秒、18コマ/秒の高速撮影が可能だ。  野鳥撮影では、AFが追従する「連写L、静音連写L」のいずれかが使い易い。静音連写は、電子シャッターのことで、文字どおり音を立てずに撮影可能。また、シャッターブレも生じないので、基本的には「静音連写L」を使い、ローリングシャッター現象による歪みが気になるようなシーンでは、通常の「連写L」を選ぶ、という風に使い分けると良いだろう。  実際の作品作りにおいては、連写した中から翼の開き具合、背景の良い1コマを選ぶことになるが、その際には高速連写が役に立つ。例えば、比較的羽ばたくのが遅い、ナベヅルのような大型の鳥の飛翔を撮影した時でも、18コマ/秒で撮影すると、わずか0.5秒(9コマ分)の間に、これほど大きく翼の形が変化することがわかる。
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ナベヅル ■撮影機材:OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 400 F4.5 1/4000 マニュアル 焦点距離500mm(35mm判換算1000mm相当) 静音連写L
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プロキャプチャーモード

 プロキャプチャーモードとは、OM-Dに特有の「時間を遡る」機能のことだ。使い方は、シャッターを半押しした時点から仮撮影が始まり、全押しすると、直前の最大35コマ分、遡ってSDカードに記録されるといった具合だ。  連写速度は10~18コマ/秒のプロキャプチャーLモード(AE・AF追従)、または15~60コマ/秒のプロキャプチャーHモード(AE・AF固定)から選ぶことができる。例えば、18コマ/秒に設定した場合には、約2秒遡れる計算。60コマ/秒の場合は、約0.58秒遡れる計算だ。連写速度が多いほど、鳥の動きをより細かく記録できるのは通常の連写モードと同じだが、遡れる時間は短くなる。初めは慣れが必要だが、特に鳥の飛び出す場面を記録するのに有効なモードなので、ぜひ使えるようになっておきたい。
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25コマ前 OM-D E-M1 Mark IIIレビュー作例カワセミ連射2.jpg16コマ前 OM-D E-M1 Mark IIIレビュー作例カワセミ連射3.jpg11コマ前 OM-D E-M1 Mark IIIレビュー作例カワセミ連射4.jpg0コマ前(シャッター全押し時) カワセミ ■撮影機材:OM-D E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO ■撮影環境:ISO 800 F5.6 1/4000 マニュアル 焦点距離280mm(35mm判換算560mm相当) プロキャプチャーHモード(30コマ/秒) (4コマ共通)
 上の例では、カワセミの飛び出すシーンを撮影するため、30コマ/秒に連写速度を設定し、約1秒遡れるようにした。シャッタースピードは1/4000となるよう、ISO感度と絞りを設定してシャッター半押しで待ち、飛び去ったと認識してから全押しした。SDカードには、全押し前の35コマが記録されている。プロキャプチャーモードを使うことで、旧来難しかったこの瞬間を「狙って」撮影できるようになる。

野鳥撮影×ライブND機能

 OM-D E-M1Xではじめて実装され、OM-D E-M1 Mark IIIにも引き継がれた機能の一つに「ライブND」機能がある。コンピューテショナルな処理によって、物理的なNDフィルターを使わずとも、スローシャッターを使ったような作品を撮影できる画期的な機能だ。風景写真で活躍しそうな機能だが、シーンによっては野鳥撮影にも応用できる。例えば、水際に佇むサギ類を、川面の流れを滑らかに写したい場面で使用してみた。
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ダイサギ ■撮影機材:OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ■撮影環境:ISO 100 F4.5 1/1.3 シャッター優先 焦点距離100mm(35mm判換算200mm相当) 静音単写 ライブND(ND16)
 この時は、M.ZUIKOレンズ群の中でも最も強力な手ぶれ補正効果を持つ、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを組み合わせることで、1.3秒での手持ち撮影を試みた。通常このような撮影を行うためには、風に負けないがっしりした三脚と、NDフィルターが必要になるところだが、OM SYSTEMなら撮りたいと思った時に、機能を呼び出すだけでそれが実現するのだ。

終わりに

 いかがだっただろうか。ご覧いただいた作品に写る鳥たちのバリエーションから、OM-D E-M1 Mark IIIのカバーする範囲の広さを感じていただければと思う。  機能が多岐に渡るOM-D E-M1 Mark IIIだが、せっかくのチャンスを生かすためにも、機材の特性をよく知ることが重要。既存のユーザーにとってもなにかヒントがあれば嬉しく思う。 ■写真家:菅原貴徳 1990年、東京都生まれ。幼い頃から生き物に興味を持ち、海洋学や鳥の生態を学んだ後、写真家に。野鳥への接し方を学ぶ講座を開くほか、鳥が暮らす景色を探して、国内外を旅するのがライフワーク。著書に最新刊『図解でわかる野鳥撮影入門』(玄光社)ほか、『SNAP!BIRDS!』(日本写真企画)などがある。日本自然科学写真協会会員。 オリンパスカレッジ講師。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の菅原貴徳さんによるOM-D E-M1 Mark IIIレビュー記事です。様々な野鳥を被写体に魅力の詰まったOM-D E-M1 Mark IIIを細かくレビューいただいています。 ----- KEYWORDS: オリンパス(Olympus)ボディー,レビュー,鳥,OM-D E-M1 Mark III ----- -------- AUTHOR:   TITLE: おすすめ撮影スポット Vol.1『瀬長島で楽しむ飛行機撮影』|カメキタ店舗スタッフに聞いてみた! BASENAME: 484922752.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 12/29/2021 10:00:00 TAGS: おすすめ撮影スポット ----- BODY: R.jpg

はじめに

全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.1。今回紹介する撮影スポットは、沖縄県豊見城市にある「瀬長島」。そこを飛ぶ航空機を魅力的に撮影できるエリアになります。この撮影スポットの魅力やおすすめの撮影方法を、カメラのキタムラ イオン那覇店の矢嶌亮一さんに聞いてみましたのでご紹介します。

撮影スポット情報

■瀬長島(せながじま) 住所:〒901-0233 沖縄県豊見城市瀬長 アクセス:那覇空港から車で約15分。路線バス『ウミカジライナー』の運行もあります。 おすすめの被写体:飛行機、海を絡めた風景等

「瀬長島」の魅力と撮り方

― 「瀬長島」の魅力、好きな理由 「飛行機写真とは何ぞや」が一から学べ、沖縄で飛行機撮影といえばここ!という聖地です。
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JALトリプルセブンと瀬長島 ■撮影機材:Canon EOS 5D Mark III + EF24-105mm F4L IS USM ■撮影環境:焦点距離 99mm|F8 1/800秒|ISO640
― おすすめの撮影時間 朝から日没、夜間までずっと撮影できる場所です。 ― おすすめ構図 広角から望遠レンズまで様々なレンズを使用することができ、飛行機だけを撮ることもできますが、海やシーサーなどを飛行機と絡めて撮るといかにも沖縄でしか撮れない作品に仕上がります。
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ANA787とシーサー ■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:焦点距離200mm|F20 1/800秒|ISO1250
― 撮影時におすすめのアクセサリー 草や金網などが邪魔で、目線を上げたい時の脚立があると良いです。三脚や一脚を使用することもできますが、フットワークを軽くするため手持ち撮影が多いです。 ― 作例を撮った時に考えたこと・思い 飛行機だけを考えればどの空港に行っても撮ることはできますが、せっかく旅行でも人気のある沖縄に住んでいるので、飛行機を被写体にして、写真を見てくれた方がまた沖縄に行きたい!と思ってくれるような写真をいつも目指しています。
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ANAウミガメジェット ■撮影機材:Canon EOS R5 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM ■撮影環境:焦点距離428mm|F11 1/1000秒|ISO400
― 撮影スポット周辺のおすすめ情報 瀬長島にはウミカジテラスという商業施設があります。海や飛行機を眺めながら食事などができるのでおすすめです。 ― おすすめのカメラ設定 飛行機の撮影時、カメラはマニュアルモード、シャッタースピードは1/1000秒を基本に、絞りとISOを調整。ミラーレスならファインダーを覗きながらイメージがすぐにわかるのでオススメです。私はRAWで撮影し、現像作業も楽しんでいます。
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ジンベイジェットと夕日と女の子 ■撮影機材:Canon EOS R5 + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM + エクステンダーEF1.4xIII ■撮影環境:焦点距離573mm|F16 1/500秒|ISO800

今回のスタッフ

■矢嶌亮一さん(カメラのキタムラ 那覇・イオン那覇店) ― お使いの機材を教えて下さい 昔から使っているレンズもあるのですが、今は主にキヤノンEOS R5、RF24-105mm F4 L IS USM、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMに、エクステンダーRF2xを使用しています。これで飛行機撮影は風景を絡めたものから月を入れる構図まで幅広く対応できます。
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JTA737と月 ■撮影機材:Canon EOS 7D Mark II + EF500mm F4L IS II USM+ エクステンダーEF1.4xIII ■撮影環境:焦点距離 700mm|F5.6 1/1000秒|ISO500
― 普段、写真はどうやって勉強していますか 私は、今まで見たことがないような写真や「これ、どこから撮ったんだろう」と想像させてくれる写真が良い写真だと考えていて、そういった写真を撮るために、プロカメラマンの写真を飛行機を問わず色々見て勉強したり、移動中にいつも空を見て、ここからだとどんな風に撮れるかな、と考えています。とにかく実践、検討して経験を積んで自分の好きな構図を探しています。 【お店の紹介】 カメラのキタムラ イオン那覇店は、イオン那覇の3階にあり、お買い物をしながら気軽にお立ち寄り頂けます。プリントはもちろん、カメラの買取やスマホ・カメラのメンテナンスやクリーニングもお任せください。お越しの際はぜひ私と飛行機写真について話しましょう! 店舗住所:沖縄県那覇市金城5-10-2 イオン那覇SC3F 営業時間:10:00-22:00 TEL:098-852-1117 URL:https://blog.kitamura.jp/47/7544/ 以上、カメラのキタムラスタッフが紹介するおすすめの撮影スポット紹介でした。今後も定期的に全国の撮影スポットを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。 ■おすすめ撮影スポット記事一覧はコチラからご覧ください。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.1。今回は沖縄県豊見城市にある「瀬長島」を紹介します。飛行機撮影にピッタリのスポットです。 ----- KEYWORDS: おすすめ撮影スポット,カメラのキタムラ,飛行機撮影 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: キヤノン RF35mm F1.8 MACRO IS STM レビュー|マクロから風景まで守備範囲の広い一本 BASENAME: 484939041.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: GOTO_AKI DATE: 12/30/2021 10:00:00 TAGS: キヤノン(Canon) レンズ,RF35mm F1.8 MACRO IS STM,単焦点 ----- BODY: 006 作例.jpg

はじめに

 ズームレンズは持っているけど、単焦点は使える範囲が狭いかな?と思っている皆さんへ、最初の単焦点レンズとしてオススメしたいのがキヤノンの「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」です。  風景のみならず、お散歩写真、家族旅行など、単焦点レンズながら守備範囲が広く使い勝手の良いこちらの一本をご紹介していきたいと思います。

デザイン・外観

001 RF35mm.jpg  「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」は軽くて小さい、かわいいレンズです。RFマウントのショートバックフォーカスと大口径、開放F1.8の明るさを実現しながら、全長80.5mmは指一本分ぐらいの長さで片手にすっぽり入るサイズに収まっています。普段ズームレンズを常用している方でしたら、約305gの軽さとスモールサイズに驚くでしょう。  実用上はカメラバッグなどのわずかなスペースにスポッと入るため、持ち運びが楽なレンズです。登山をしながらの撮影ではパーカーのポケットに入れたりもしています。このコンパクトボディに手ブレ補正機能とマクロ撮影機能を搭載。イメージスタビライザーやAF/MFの切り替えスイッチは他のRFレンズ同様、手に馴染みのある使いやすい配置です。

風景を切り取る

 35mmは広角と標準の中間的な画角のレンズです。撮影者が被写体に近寄ったり離れたりすることで、広角的な写真から身近な光景を切り取った作品まで表現の幅が広いのが特徴です。特にこのレンズはマクロ機能もあるため、焦点距離が限定されている単焦点レンズの印象よりもバリエーション豊かな撮影が楽しめます。  千円札の裏側に描かれている山梨県本栖湖側から眺めた早朝の富士山。RFレンズは開放F1.8でも描写がシャープで稜線も綺麗です。この写真はF1.8の明るさを活かして手持ち撮影、シャッター速度は1/200秒(ISO800)です。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO800
 群馬県浅間山への登山道からの光景。レンズが軽いため、カメラを片手に登りながらも気楽に手持ちで撮影。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F2.8 1/5000秒 ISO100
 同じく浅間山への登山道で撮影。足元の植物を身長170cmの筆者が少し屈んで撮影した一枚。スナップのように、見つけた瞬間に素早く撮影。スタンダードレンズとはいえ、さすがのRFレンズ。解像感が気持ちいい。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F5.6 1/400秒 ISO200
 上の写真の撮影後、最短撮影距離17cmまで被写体に近づいて撮影。ハイブリッド手ブレ補正でピントもバッチリ。被写体とカメラの距離感を意識するだけで写真が変わるので、単焦点レンズでは体を動かすことが大事ですね。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F5.6 1/400秒 ISO200

F1.8のボケ味 × 5段分のハイブリッド手ブレ補正 × マクロ撮影

 レンズのレビューではボケ、手ブレ補正などを個別にご紹介することが多いのですが、「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」では、F1.8のボケ味 × 5段分のハイブリッド手ブレ補正 × マクロ撮影を同時に使うことが多いため、まとめてお伝えしたいと思います。  「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」はLレンズではないものの、RFレンズらしく開放F1.8から写りがシャープ。開放値では優しいふわっとしたボケ味も楽しめるのが魅力です。約5段分の手ブレ補正機能と、撮影倍率0.5倍のマクロ撮影機能を同時に活かした作例を見ていきましょう。  こちらは自宅で撮影したバラの花です。室内でやや暗めの自然光の環境下、手持ち&一点AF、開放F1.8で撮影しました。イメージスタビライザーは基本的に常時オンで撮影しています。最短撮影距離は17cmですが、レンズ前からですと約8cmの近さに被写体がある距離感です。近接撮影でも角度ブレとシフトブレを同時に補正するハイブリッドISで、手ブレを気にせず手持ち撮影が楽しめます。近接撮影で手ブレ補正が効くのは、撮影者としてはかなり安心です。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F1.8 1/80秒 ISO400
 浅間山の登山道にあるベンチにて撮影。ピントが合っている箇所はシャープに、ボケは柔らかな描写です。このカットもイメージスタビライザーをオンで撮影しています。実際に撮っている時は「お~、ハイブリッドすごいなぁ。」などとは考えず、ブレのことを忘れて被写体に集中しています。良い機能ほど、でしゃばらない。そっと支えてくれている感じがとても心地よいです。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F3.2 1/2000秒 ISO400
 こちらはコロナ禍の中、家の前で撮影したプランター。こちらの写真は現像でグリーンを少し強調しています。前ボケを大きく描写して空間を活かした一枚です。都市部にお住いの方で自然写真を身近な公園などで撮りたい場合、マクロ機能のある「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」はとても便利です。ぐっと被写体に近寄って、人工物を写さないフレーミングが簡単にできますね。
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■撮影機材:Canon EOS R + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F1.8 1/4000秒 ISO800

絞り数値のバリエーション

 開放F1.8での撮影は存分にボケを楽しめますが、実際の撮影現場では状況に応じてさまざまなF値で撮影しています。F2.8~F4などの開放側の数値の選択は、「ちょっと被写界深度を深くしようかな」ぐらいの、感覚的な調整がほとんどです。逆にF5.6より深い被写界深度は、「被写体の質感を描写したい」などの意図をもって数値を決定。EOS R5でEVFを覗きながら撮影しています。  登山道で気になった樹木の表層。ボケと同時に被写体の表情も少し残したいと思いF4で撮影した一枚。ピンの合っているところはカリッと、ボケているところは、樹木の質感を残しながらもやわらかく捉えました。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F4 1/160秒 ISO400
 足元のスナゴケを絞り数値F8、最短撮影距離17cmまで近づいて撮影。一点AF、ほぼ中央にピントを合わせて、手ブレ補正機能もオン、手持ち撮影です。コケの一部がボケているのは、これはカメラ側に伸びている背の高いスナゴケのボケです。描写性能が高く、被写体の質感が捉えられています。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F8 1/200秒 ISO400
 シラゲムカデゴケをF5.6で撮影。開放の描写も線が美しいですが、3段絞ったF5.6ではさらにコケの線が繊細に描写されました。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F5.6 1/320秒 ISO400
 気になるカットは、ピントやボケ感などを撮影後にEVF内で拡大して確認しています。背面の液晶モニターだと、反射などで見にくいこともありますが、EVF内では有害光がほぼシャットアウトされるのでチェックしやすいです。

明るいレンズで星景撮影

 星景撮影では、星を流さずに撮ることがポイントになってきます。星を点として写す「500ルール」に従えば、500÷焦点距離(35mm)=14.2秒より短い露光時間であれば、星が点として描写される計算になります。絞り数値F1.8で、MFでピントを星に合わせて撮影。この写真は明るいレンズを利用して露光時間は10秒です。都市部に近い空でも、肉眼で見るよりも多くの星を捉えることができます。
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■撮影機材:Canon EOS R5 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM ■撮影環境:F1.8 10秒 ISO1600 ※三脚使用

タイムラプス

 EOS R5を三脚に設置して「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」を装着すれば簡単にタイムラプス撮影ができますが、この作例ではさらにカメラの下にモーションコントロールのアイテム、SyrpのGENIE MINI IIを使ってタイムラプスに回転を加えています。「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」は軽量なため、回転への重量的な負荷も少なめです。カメラを固定するタイムラプスに回転を加えることで映像の動きがワンランクアップします。
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カメラを自動で回転させるSyrpのGENIE MINI II
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専用アプリからインターバル時間などを設定できる
 GENIE MINI IIとEOS R5を接続し、スマートフォンにSyrpのアプリをダウンロードすると、撮影時間やインターバルの設定がスマホの画面上で簡単にできます。明るいレンズは露光時間が短く済むため、インターバルの短い撮影が可能です。  EOS R5に「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」とGENIE MINI IIを装着。この日は遠雷で不規則に空が明るく照らされた夜でした。

まとめ

 オールマイティなスタンダードレンズ「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」のインプレッションはいかがでしたでしょうか。一本のレンズでマクロと明るい単焦点、意外と幅広い撮影が楽しめるなと思っていただけたら幸いです。何よりRFレンズシリーズの中ではお財布に優しいリーズナブルな1本、ポケットやバッグに気軽に入れて撮影へお出かけください。 ■写真家:GOTO AKI 1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。

「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」関連記事はこちら

■キヤノン RF35mm F1.8 MACRO IS STM レビュー|村上悠太 https://shasha.kitamura.jp/article/481121962.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のGOTO AKIさんによる、キヤノン「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」レビュー記事です。F1.8の大口径ながら持ち運びやすいサイズで、風景からマクロ撮影まで活躍するレンズです。 ----- KEYWORDS: キヤノン,Canon,単焦点レンズ,RF35mm F1.8 MACRO IS STM,レビュー,マクロ撮影 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: ペンタックス HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR|ついに登場!Limitedシリーズ初のD FAレンズ BASENAME: 484973239.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 三井公一 DATE: 01/02/2022 10:00:00 TAGS: リコー_ペンタックス(Ricoh) レンズ,HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR,スナップ,単焦点 ----- BODY: 01_DFA21mm.JPG

「Limited」シリーズの魅力高まるHD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR

 高品位なラインナップでマニア羨望の眼差しを集める、ペンタックスの「Limited」レンズシリーズ。測定機器による数値評価だけでなく、実写による官能性能試験を繰り返し、さらに工芸品に近い外観デザインと操作フィールを実現しています。そのラインナップに初の「D FA」レンズが加わりました。それが「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」です。 02_製品画像.JPG

HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WRの特徴

 EDガラスを4枚、スーパーEDガラスを1枚採用し、近景から遠景までクリアかつシャープな像を約束してくれます。「F2.4」という明るさと、ボケ味と解像感、そして滲みや流れがない収差特性は、風景やスナップなど被写体を問わず、21mmというパースペクティブを存分に味わえることでしょう。また、ゴーストやフレアを抑制する「HDコーティング」や、光芒が見事な「8枚円形絞り」、過酷な環境での撮影が可能な高い防滴構造など信頼性も抜群です。  そして、趣のある佇まいと美しいレンズ鏡筒は、手にした瞬間に「Limited」レンズにしてよかったな、と思わせてくれる品位あるレンズだと言えます。「写欲」を高めてくれる1本となってくれることでしょう。

HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WRで実写スナップ!

 光がやさしく差し込むレトロな建物。その様子を「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」で写し撮りました。ハイライト部からシャドウ部まで明るさのグラデーションが何とも言えないですね。タイル部も克明にメリハリ高く写し撮れました。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F8 1/500秒 ISO200
 こちらは冬の太陽がダイレクトに当たっている建物です。コントラスト豊かに、そして建築物の直線が真っ直ぐに表現できました。壁面と窓周りの描写も繊細でレンズの性能を物語っていますね。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F8 1/250秒 ISO200
 大きく見事な銀杏を撮影する女性の姿をスナップしました。フレームに太陽光が入っていますが、「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」はしっかりと主要被写体を描ききりました。イヤなゴーストやフレアも認められません。銀杏の葉を1枚1枚解像しているのも分かります。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F8 1/500秒 ISO200
 城門横に置かれたかがり火の台を絞り開放で。背景には門を通ろうとする観光客を配置しました。「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」のF2.4という開放F値なら、21mmという超広角レンズでもこのようにぼかした表現が可能です。工夫次第でさまざまな演出ができることでしょう。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F2.4 1/3200秒 ISO200
 熱海駅の夕景です。「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」の明るさと「K-1 Mark II」のボディ内手ブレ補正があれば、薄暮のシーンも気軽に撮影できますね。空のグラデーションが美しく撮れました。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO200
 「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」の最短撮影距離は18cm。まだ目が入っていないダルマがやさしくフレームに浮かび上がりました。2つ目を書けるのはいつの日でしょうか。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F2.4 1/100秒 ISO200
 21mmという画角は狭い場所を広々と写したり、広大さをより出すのに有効です。このカットは人通りが多く、後にひきがないシーンでしたが、狙ったとおりに立て看板とテーブルをフレーミングできました。オートフォーカスも素早いのでスナップ撮影でも活躍するレンズだと言えます。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F2.4 1/800秒 ISO200
 お寺の裏門を手前に入れて、道路を歩く人を配置して「K-1 Mark II」のシャッターを切りました。21mmというワイドさがこのような構図を可能にしてくれます。素直な描写がとても気に入りました。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F8 1/40秒 ISO400
 もう真冬なのですがこちらは紅葉の写真です。季節感がなくなってしまいますね。「K-1 Mark II」と「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」は絞り開放ながらその葉を克明にキャプチャーしてくれました。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F2.4 1/800秒 ISO200
 「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」をF6.3まで絞り、木立をあおって撮りました。幹を真っ直ぐに、枝を繊細に、そして葉を克明に撮影できました。絞り開放の柔らかさと絞ってのシャープ感を楽しめるレンズだと感じました。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F6.3 1/160秒 ISO200
 このカットは斜光を浴びる橋です。上に積もった細かい葉を実に鮮明に「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」は捉えました。色再現も的確で、あらゆるシチュエーションで頼りになる1本になるでしょう。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F6.3 1/160秒 ISO200
 絞り開放でのピント面のシャープさと、アウトオブフォーカス部分の描写が素晴らしいですね!「K-1 Mark II」の光学ファインダーをのぞきながらため息が出てしまうほどです。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F2.4 1/160秒 ISO200
 明るく広い範囲を写し込める「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」は、このような屋内スナップからイベント、建築写真までこなしてくれます。ペンタックスファンなら一度使っておきたいレンズなのではないでしょうか。ルックスの流麗さと高い画質の両立は実に魅力的ですよ。
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■撮影機材:ペンタックス K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR ■撮影環境:F3.5 1/80秒 ISO200

HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WRの主要諸元

レンズ構成:8群11枚(EDレンズ4枚) マウント:KAF4 焦点距離:21mm 35ミリ判換算値 32mm相当(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時) 画角:92°(ペンタックス 35ミリフルサイズ一眼レフカメラ装着時) 68°(ペンタックス APS-Cサイズ一眼レフカメラ装着時) 開放絞り:F2.4 最小絞り:F22 絞り形式:8枚羽根 円形絞り 最短撮影距離:0.18m 最大撮影倍率:0.26倍 フィルター径:Φ67mm 最大径×長さ:Φ74mm × 約89mm 質量:約416g 使用温度:-10~40 ℃ 使用湿度:85%以下(結露しないこと) 防滴構造:あり 付属品:レンズキャップ O-LW74A 、レンズマウントキャップK、レンズケース P80-150

まとめ

 「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」は「Limited」シリーズの名の通り、美しいルックスと仕上がりで、手にしただけで感動するほどの造りです。それをカメラに装着してシャッターを切れば、極上の絵を堪能できるのです。使ってよし、眺めてよし、手にしてよしと、三拍子揃った新世代の長く使える「Limited」レンズとなっています。ブラックもシルバーもフィニッシュが美しく、どちらのカラーにするか迷ってしまいそうです。ぜひ店頭で現物をチェックしてみてください! ■写真家:三井公一 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の三井公一さんによる、ペンタックス「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」レビュー記事です。Limitedシリーズ初の「D FA」レンズの写りをぜひご確認ください。 ----- KEYWORDS: ペンタックス,レンズ,HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR,レビュー,スナップ,三井公一 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: シグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary レビュー|自分の視点を知るための基準になるレンズ BASENAME: 484972449.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 尾鷲陽介 DATE: 01/03/2022 10:00:00 TAGS: シグマ(Sigma) レンズ,28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary,標準ズーム,スナップ ----- BODY: 001_シグマ  28-70mm F28 DG DN  Contemporaryで撮影した作例.jpg

はじめに

 はじめまして。カメラマンの尾鷲陽介と申します。フリーランスで活動して16年目になります。普段の仕事では著名人のポートレートや家具などのプロダクト、住宅・店舗のインテリアなど様々なジャンルの撮影をしています。仕事以外では、散歩をしたり車や電車で移動したりしながらスナップ的に「日常のちょっと気になる良い風景」を作品として撮り続けています。いつどこで撮りたい風景に出会うかわかりません。なのでいつもカメラを身近に置いて生活しています。
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離57mm|F2.8 1/25秒|ISO800
 4年ほど前に一眼レフからミラーレスへの移行を決心し、カメラをSONYのαに、レンズのほとんどをシグマに換えました。それ以前は重たい一眼レフを仕事以外であまり持ち歩く気にはなれず、主にRICOHのGRなどコンパクトカメラで日常やスナップ的な風景を撮っていたのですが、ミラーレスにしたことで以前にも増して写真を撮るようになりました。
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離57mm|F2.8 1/400秒|ISO1250|露出補正-0.5EV

シグマレンズを選ぶ理由

 当時はフルサイズセンサーのミラーレス機に選択肢があまりなかったので、カメラはさほど悩むことなくSONYを選びましたが、レンズは思うところあってシグマにしました。  シグマ製レンズの写りの良さは以前から耳にしていたのですが、なんと言っても導入の決め手はそのデザインでした。デザインと言ってもプロダクトの外観だけの話ではありません。シグマ製品はカメラやレンズは元より、レンズキャップなどの細かなアクセサリーも含め、外箱、カタログ、WEBサイトなどありとあらゆるところが丁寧にデザインされていて、それが独自の世界観を作っています。シグマ製品には強く美意識を感じていました。 004.jpg
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SONY α1に24mm F2.0 DG DN | Contemporaryと90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを装着
 写真を撮る上で美意識を持つことが必要だと思っています。何を撮るかよりも何を撮らないかを決めることで作風に個性が生まれてくるだろうと感じていて、その判断には自分の美意識を頼りにすることにしています。  また、写真を撮ることで仕事をもらっている立場としては、撮影の現場での周囲の目も気にしています。撮影に立ち会うアートディレクターやデザイナー、編集者はカメラマンの美意識を見ているはずです。モニターに映し出される写真からわかる構図や色彩のセンスはもちろん、どんな機材を選んでいるかにもその人の美意識は滲み出るでしょう。美意識のある機材を選べば、自分は美意識を持っていますよと周囲へ静かに表明することができます。何より機材の選択は今後一緒に仕事をしていく相棒を選ぶということです。ならば当然美しい機材を選びたいですよね。それがシグマを選んだ理由になります。
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離40mm|F2.8 1/1000秒|ISO250|露出補正+0.7EV
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離29mm|F2.8 1/6400秒|ISO400|露出補正+0.3EV
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離50mm|F4.5 1/1000秒|ISO320|露出補正+0.5EV

軽量コンパクト、すぐ取り出せる

 さて、前置きが長くなりましたが、今回僕がレビューするのはシグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryです。2021年の3月に発売されたミラーレスカメラ用の標準ズームレンズです。  シグマの標準ズームレンズといえば、元々ミラーレス用に24-70mm F2.8 DG DN | Artがあり、僕はこちらを日頃から仕事用のメインのレンズとして愛用しています。28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryは24-70mm F2.8 DG DN | Artをベースに、広角側のズーム域を28mmに狭めることにより軽量でコンパクトなサイズを実現したとのことです。WEBサイトを見れば様々な技術と工夫が盛り込まれていることがわかります。28-70mmを今回の作例だけでなく仕事でも何度か使用しましたが、写りに関しては何も心配することはありません。
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大きさの比較。左から28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary、24-70mm F2.8 DG DN | Art
 とにかく、このレンズを箱から出して持った瞬間、小ささと軽さにとても驚きました。SONY αシリーズの筐体に対して実にちょうどよい大きさだと思いました。こういうレンズをずっと待っていました。  2つのレンズの重さを比べると約380gも違いました。およそ350mlの缶ビール1本分ということですね。以前から仕事用の24-70mm F2.8 DG DN | Artを付けたカメラを首からぶらさげて散歩することがありましたが少し首が痛くなることもありました。28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryでは首への負担が少なくなり、長い距離を持ち歩くのがすごく楽になりました。
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離28mm|F2.8 1/250秒|ISO640
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離59mm|F2.8 1/1000秒|ISO320|露出補正-1.2EV
 仕事で使うレンズは重く大きくても僕はあまり気にしません。むしろ機材が大きい方がプロっぽく見えますし現場のクライアントにはハッタリが効くかもな。と思っているくらいです。でも日常使いのレンズは軽く小さく持ち歩くのが苦にならないことが一番重要です。  近所のスーパーや郵便局に行くときでさえ、何か面白いものを見つけてもいいように念のためカメラとレンズを何本か小さいカバンに入れて出掛けることがあります。撮りたいときにすぐカメラを取り出せないと意味がありません。いつもPeakdesignのエブリデイスリング10Lにカメラとレンズ一式を入れていますが、レンズがコンパクトな分、パッと取り出しパッと撮れます。
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普段持ち歩くPeakdesign エブリデイスリング10Lとカメラとレンズ一式

40mm位置を基準に画角を考える

 人ぞれぞれ好きな焦点距離、自分に合った焦点距離があると思います。僕は普段35mm~45mmくらいで撮ることが多いです。それが自分の視点であり、見ているものとの程よい距離感だと思っています。なのでカメラを首から下げているときは基本的に焦点距離を40mmくらいのところに合わせておきます。何か撮りたいものを見つけたとき、40mmよりちょっと広角側に回すか、ちょっと望遠側に回すかを瞬時に判断し撮影できるようにしています。
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40mm付近にズームリングを合わせているところ
 画角を決めるとき常に構図を意識します。構図を意識することは画面内を整理整頓することだと思っています。それは必要なものを入れ、余計なものを入れないということです。単焦点レンズであれば撮影者が寄ったり引いたりしてそれを行いますが、状況によってはそれができないこともあるでしょう。広めに撮っておいて後でトリミングするのも手ですが、ズームで構図を整えるのも一つの考え方だと思います。
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離32mm|F2.8 1/8000秒|ISO320|露出補正-0.3EV
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離63mm|F5 1/1000秒|ISO320|露出補正-0.5EV
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離47mm|F3.2 1/640秒|ISO100|露出補正+1.7EV
 写真の初心者がズームレンズを使っていると画角の感覚を掴むのが難しいと、よく写真の本に書いてあったりします。確かにただ何となくズームを使って撮っていればそうかもしれません。しかし単焦点レンズを何本も同時に付けていると考えればこんなに便利なものはありません。僕は自分が今何ミリで撮っているかを常に意識し、その上でもう少し対象に寄るべきか離れるべきかを考えるようにしています。  僕自身、写真の学校に行ってきちんと理論を学んだわけではないので、自分なりに感覚としての話なのですが、何を撮るにしても適切な画角があると思います。そしてそれを判断するにはたくさん撮って体で覚える必要があると思います。  どの焦点距離にすると自分にとって気持ちがよい写真になるかというのは量を撮ることによって感覚を掴んできました。いい写真を撮れるようになるには質よりも量が重要で、その量が質に転化していくということを実感として持っています。いちいちレンズを換えていたら撮る機会を逃してしまいます。いい写真かどうかはあとで決めてまずたくさん撮ることが大事だと思っています。
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離70mm|F2.8 1/320秒|ISO200|露出補正+0.5EV
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離28mm|F8 1/250秒|ISO100|露出補正-1.2EV
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離43mm|F9 1/200秒|ISO250|露出補正-0.5EV
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離41mm|F2.8 1/50秒|ISO5000|露出補正+0.5EV
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離41mm|F2.8 1/60秒|ISO4000|露出補正+0.5EV

最後に

 ズームレンズに慣れてくれば他の焦点距離のレンズが欲しくなることもあるでしょう。シグマからは単焦点からズームまでありとあらゆるレンズのラインナップが揃っています。そして年々拡充されています。  28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryは自分の視点を知るための基準になるレンズです。より広角側にも、より望遠側にも、よりボケを活かした表現にも、自分に合ったレンズを探す第一歩として相応しいレンズです。少しずつ自分にあったレンズを探していきましょう。そしてシグマの美意識を多くの方に実感してもらえると嬉しいです。 022.jpg
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■撮影機材:ソニー α1 + シグマ 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary ■撮影環境:焦点距離59mm|F2.8 1/1600秒|ISO250|露出補正-0.5EV
■写真家:尾鷲陽介 1977年北海道生まれ。金沢美術工芸大学でプロダクトデザインを学ぶもデザインより写真の方が人に褒められるという理由でカメラマンになることを決意。2001年にスタジオエビスへ入社しスタジオマンとして実践の場で撮影の基礎を学ぶ。2006年よりフリーランス。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の尾鷲陽介さんがシグマ 28-70mm F2.8 DG DN Contemporaryをレビューしています。シグマの美意識が感じられ、レンズを探す第一歩として最適な本レンズの魅力を是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: シグマ,Sigma,レンズ, 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: 風景写真でのISO感度設定のポイント|高橋良典 BASENAME: 485000306.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 高橋良典 DATE: 01/04/2022 16:00:00 TAGS: ソニー(Sony) ボディー,風景,α7R IV,ミラーレスカメラ,フルサイズ,風景の撮影テクニック ----- BODY: 00_ISO 3200_001_600 mm_1-3000 秒 (f - 16)_-3 EV_SD-8494.JPG

はじめに

 デジタルカメラではISO感度を自由に変更することができ大変便利です。フィルムが主流の時代、ISOはフィルムによって決まっていたので、1本撮り切ってしまうか途中で交換しない限りISOの変更はできませんでした。しかも、最近のデジタルカメラの高感度画質は驚くほどの進化を遂げています。昔は難しかった極めて暗い場所での撮影や高速シャッターでの撮影ができるようになった事で、表現の幅が広がり自由度が高まったと言えます。そこで今回は、なんとなくわかっていても、どう設定すれば良いのかが難しいISO感度について解説と使いこなしをお送りいたします。

ISO感度の基本

 ISO感度変更の恩恵は、主にシャッタースピードをコントロールできることだと考えて良いでしょう。下記はISO感度の系列を表したものです。 01_スライド2.JPG  数字が倍になれば「1段階ISO感度が上がる」、 数字が半分になれば「1段階ISO感度が下がる」といいます。数字が4倍になれば倍の倍で「2段階」です。1段階は1EVと表記することもあり、同じ意味です。それではISO感度を変更するとシャッタースピードはどう変化するのでしょうか? 02_スライド3.JPG  いかがでしょうか?三脚を使わなければカメラブレを起こしてしまうような暗いシーンでも、ISO感度を高くすることでシャッタースピードを速くできるのがわかります。具体的にはISO感度の数字を「1段階(つまり倍)」大きくするとシャッタースピードが「半分の時間」となります。同様に「2段階(つまり4倍)」大きくするとシャッタースピードが「4分の1の時間」となります。「3段階(つまり8倍)」にすればシャッタースピードは「8分の1の時間」です。ISO感度が上がれば露光時間が短くなっても写真の明るさは同じに写ります。ISOが上がるに従ってセンサーが光に対して敏感になっていくと考えればわかりやすいでしょう。

ISO感度による画質の差

 ISO感度をコントロールすることでシャッタースピード設定の幅が広がるので私もその恩恵を最大限に生かして撮影をしています。また高い数値に設定すれば暗い場所においても三脚なしでの撮影が可能。と聞けば良いことずくめに感じられるかもしれませんが、注意点もあります。もっとも気を配ってほしいのは「画質の低下」についてです。以下は同じ時間帯にISO感度を変えて撮影した写真となります。 ■ISO感度を変えてソニーα7R IVで撮影 ISO 100_200.jpg ISO 400_800_80 mm.jpg ISO 1600_3200.jpg ISO 6400_12800.jpg ISO 25600_51200.jpg  ISO400以下の低感度ではほぼ画質に差がないように見えますが、ISO800や1600からノイズが増え始めます。6400までISO感度が上がるとさらに、ざらつきが増してきますが、十分実用的なレベルです。さらにISO12800や25600では一目見ただけでノイズを感じるようになりますが、それでも被写体によっては実用に耐えられるでしょう。さすがに拡張感度のISO51200となるとカラーバランスも崩れ、相当な画質の荒れを感じます。下の写真は更に拡大したものになりますのでこちらも合わせてご覧ください。 ■上記写真の一部を拡大した画像 拡大ISO 100_200.jpg ISO 400_800.jpg ISO 1600_3200.jpg ISO 6400_12800.jpg ISO 25600_51200.jpg  ISO感度が低い方がノイズ成分が少なく、諧調表現性能にも優れます(小さな写真でわかりにくいかもしれませんが……)。逆にISO感度が高くなるにしたがってノイズ成分が増え、ざらついた印象となります。確かに暗い場所で手持ち撮影しても速いシャッタースピードが切れ、カメラブレを防げることには間違いありませんが、あまりに高感度を使うと画質が低下してしまいます。そこは感度の高低と画質のトレードオフであると覚えておきましょう。  同時期に発売されたカメラで比較すると、一般的にはセンサーサイズが大きく、画素数が少ないカメラほど高感度に強く「暗い場所での手持ち撮影が多い」「高速シャッターを多用する」など、高感度性能を優先させたいならフルサイズ以上のセンサーを搭載したカメラの中から、さらに常用ISO感度の上限が高いものを選ぶと良いでしょう。  以下は現在発売されている代表的なフルサイズセンサー搭載のカメラです。同じメーカーでも画素数が少ない程、常用ISO感度が高くなり、画素数が多いほど常用ISO感度が抑えられていることがわかりますね。なお、拡張ISO感度領域ではさらに高い数値も設定可能ですが画質が相当落ちてしまいますので、あくまでも非常用だと割り切って考えるのが良いでしょう。 03_スライド1.JPG

風景撮影におけるISO感度設定の考え方

 さて、ここまでは一般的な知識として説明してきましたが、ここからは風景撮影において私がどのようにISO感度を使い分けているかをお伝えしていきましょう。結論から申し上げると「ISO感度は低めが基本」しかし「高感度を使わなければ撮れない写真」においてはその限りではありません。  まず前者「ISO感度は低めが基本」についてですが、風景作品の場合、全紙や全倍など大きなサイズに引き伸ばす事も多く、撮影時から「画質の良い」写真を意識しています。ベースの画像が高画質であるほど撮影後のレタッチ耐性も高く、画質を保てますので無駄にISO感度を高くすることは避け、状況によりISO100~400を常用しています。暗い状況での撮影時、シャッタースピードが遅くなってしまう場合でも、ISOを上げることに頼らず、三脚を使用することが第一選択です。近年のデジタルカメラの高感度性能は素晴らしく、高感度を使ったからと言ってすぐに画質が破綻することはありませんが、リアリティのある風景を大伸ばしで見せたいと考える以上、写真の内容はもちろん画質にもこだわりを持っています。逆にSNS等で小さな画像を見せるのならISO6400以上の高感度でも問題はないでしょう。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-70mm F2.8 GM ■撮影環境:焦点距離26mm 絞り優先AE(F16、3秒、-0.5EV補正) ISO400 曇天 CPLフィルター
 雨上がりの朝、落葉が乾かないよう薄暗いうちに撮影。パンフォーカスのため絞り込んでいるのでシャッタースピードが相当遅くなるが三脚を使えばISO感度を上げずに撮影できる。後に述べるが、ISOがオートになっていると三脚を使用しているにも関わらず無駄にISO感度が上がってしまうので注意。
05_ISO 400_001_72 mm_1-6 秒 (f - 16)_-1-2 EV__DSC1153.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE70-200mm F4 G OSS ■撮影環境:焦点距離72mm 絞り優先AE(F16、1/6、-0.5EV補正) ISO400 太陽光 CPLフィルター
 小雨の降る、やや暗めの状況。こちらも三脚を使用している。もし手持ち撮影なら少なくともISOは1600~3200まで高める必要があっただろう。
06_ISO 100_001_59 mm_1-6 秒 (f - 13)_-1 EV_FE 24-70mm F2.8 GMSD-9098.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-70mm F2.8 GM ■撮影環境:焦点距離59mm 絞り優先AE(F13、1/6、-1EV補正) ISO100 太陽光 ハーフNDフィルター
 雲海たなびく里山風景を狙う。輝度差のあるシーンにおいて高感度で撮影、後からシャドウ部を明るく持ち上げるとノイズが出やすくなることがある。レタッチを想定する場合も無駄に感度を上げる事は避け、基本的には三脚を使う。  続いて後者「高感度を使わなければ撮れない写真」と言えば、まず星景が思い浮かびますね。それから動きのある被写体。風景ジャンルで代表的なものと言えば、滝や渓流などが挙げられます。スローシャッターで水流を表現するときには低感度側を使うことが多いので画質上、心配ないのですが、滝のしぶきを写し止めるには最低でもシャッタースピードは1/1000秒より高速を切りたいところ。その場が明るければ比較的、高速シャッターを切りやすいと言えますが、暗めの状況下での1/1000秒。また水量が多く1/2000秒や1/4000秒を切るには高感度に頼らざるをえません。その他、三脚使用禁止場所などで暗くてもカメラを固定出来ない場合、動物を狙う時も被写体が動くことや機動性重視で手持ち撮影をするなら速めのシャッターが求められます。それらが「高感度を使わなければ撮れない写真」にあてはまります。  いくら画質が良くても描写が中途半端になってしまうと作品としての完成度が低くなってしまうので、このようなシーンにおいては、躊躇なく常用感度の範囲内で高感度を使います。とは言え、その中でもなるべく無駄に高感度に振る事はせず、被写体や撮影状況を見極めてシャッタースピードを決定、最低限必要な感度設定に留めることを心掛けています。
07_ISO 6400_001_24 mm_10.0 秒 (f - 1.4)_0 EV_FE 24mm F1.4 GMSD-8675.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24mm F1.4 GM ■撮影環境:焦点距離24mm マニュアル露出(F1.4、10秒) ISO6400 太陽光 光害カットフィルター
 星の点像表現は、フィルムが主流の時代には撮ることが極めて難しかったが、デジタルカメラの高感度性能が飛躍的に良くなり、今ではコツさえつかめば容易に撮影できるようになった。
08_ISO 100_001_48 mm_0.7 秒 (f - 16)_-1-2 EV_FE 24-105mm F4 G OSS_DSC7674.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:焦点距離48mm 絞り優先AE(F16、0.7秒、-0.5EV補正) ISO100 太陽光 CPLフィルター
 スローシャッターでの撮影では低感度側を使うことが多く、ほとんどの場合、意識せずとも良好な画質が得られる。
09_ISO 800_001_200 mm_1-200 秒 (f - 2.8)_1-2 EV_FE 70-200mm F2.8 GM OSS_DSC9513.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE70-200mm F2.8 GM OSS ■撮影環境:焦点距離200mm 絞り優先AE(F2.8、1/200、-0.5EV補正) ISO800 太陽光 CPLフィルター
 やや風がある状況で、椿の花が被写体ブレをおこす可能性があったためISOをやや高めの800に設定した。雨の線の長さもシャッタースピードによって変化する。
10_ISO 640_001_58 mm_1-2000 秒 (f - 9.5)_0 EV_SD-4957.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE24-70mm F2.8 GM ■撮影環境:焦点距離58mm 絞り優先AE(F9.5、1/2000) ISO500 太陽光 CPLフィルター
 荒々しく押し寄せる波しぶきを高速シャッターで写し止めた。このような明るい状況であれば少々絞ってもISO感度を上げずに速いシャッターが切れる。
11_ISO 4000_001_400 mm_1-1000 秒 (f - 5.6)_0 EV_FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSSD-7840.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:焦点距離400mm シャッター優先AE(1/1000、F5.6) ISO4000 太陽光
 踊る様に飛び跳ねる小鹿。既に日没を迎えている暗い状況だが、ISO感度を4000にして高速シャッターを切る事でしっかりと写し止めることができる。拡大すると高感度ノイズの発生が見られるが、躊躇なく感度を上げた。
00_ISO 3200_001_600 mm_1-3000 秒 (f - 16)_-3 EV_SD-8494.JPG
■撮影機材:ソニー α7R IV + FE200-600mm F5.6-6.3 G OSS ■撮影環境:焦点距離600mm 絞り優先AE(F16、1/3000、-3EV補正) ISO3200 太陽光
 滝の水しぶきを銀河に見立てて撮影。600mmという超望遠域での撮影では被写界深度確保のため、絞り込む必要がある。ISOを高くして高速シャッターと両立。しぶきを写し止めた。高感度を使わないと撮れない写真だと判断した場合はノイズ感が出ても気にせずにシャッターを切る。
13_ISO 6400_001_198 mm_1-750 秒 (f - 11)_-1 EV_SC-2286.JPG
■撮影機材:ソニー α7R III + FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:焦点距離198mm 絞り優先AE(F11、1/750、-1EV補正) ISO6400 太陽光
 上流より流れ込んでくる落葉に素早くピントを合わせて撮影。超望遠域400mmでの撮影のため被写界深度確保のため絞っているが、1枚前の写真よりさらに暗い状況。水の流れは案外早いのでさらに感度を上げてしっかりと落葉を写し止めた。ISO6400に設定しているので高感度ノイズの発生が見られる。とは言え近年のカメラの高感度性能は素晴らしく実用に耐えうる画質だ。

ISOオートについて

 多くのカメラではISO感度の初期設定が「オート」になっています。「ISOオート」とは明るいシーンではカメラが自動的に低感度側に調整、高画質を保ちます。また、暗いシーンではシャッタースピードが遅くなりすぎないようカメラが自動的に高感度側に調整、カメラブレを防いでくれる大変便利な機能です。但し、注意点もあります。  こちらも結論から申し上げると風景撮影の多くのケースにおいて「手持ち撮影時のISOオートはOK」だが「三脚使用時のISOオートはNG」だと考えています。繰り返しになりますが暗いシーンで「ISOオート」設定だとカメラが自動的にISO感度を高くしてシャッタースピードが遅くなりすぎないよう調整、カメラブレを防いでくれます。これは手持ち撮影では大変有効です。なぜならどれだけ高画質でもブレてしまっていては意味がありません。しかしそのようなシーンでも三脚をカメラに固定、かつ被写体に動きがない場合はシャッタースピードが低速になっても何ら問題はありませんよね?その際、設定が「ISOオート」になっていると意識しないうちに高感度側に振られて画質の低下を招いてしまう場合があります。それだとせっかく三脚を使っている意味がなくなってしまいます。  それから別の話ですが「ISOオート」にはISO感度と画質のバランスをとって、上限と下限の感度を決めて範囲設定することができるようになっています。(例えばISO100~上限はISO6400までにしか上がらないようにするなど)風景撮影の場合は三脚を使用できることが多いので私自身は「ISOオート」は使わずに被写体の性質によってその都度ISO感度の数値を設定しています。また、手持ちの場合は、自分自身がどれくらいまでのシャッタースピードまでブラさずに撮れるかを把握できているとベターです。

さいごに

 ここまでISO感度について説明してきましたがいかがでしたでしょうか?今回は風景撮影に特化した内容でお送りしましたが、ISO感度設定は撮影ジャンルによっても随分と変わってきます。例えば激しく動くスポーツを室内で撮影する場合。また、スナップ撮影では機動性を重視して手持ちでの撮影が基本になります。そのようなケースにおいてはより高感度を使うことや、ISOオートも効果的です。撮影を通して、適切にISO感度が設定できるよう、理解を深めましょう。 ■写真家:高橋良典 (公社)日本写真家協会会員・日本風景写真家協会会員・奈良県美術人協会会員・ソニーイメージングプロサポート会員・αアカデミー講師

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の高橋良典さんが風景撮影をする際のISO感度設定のポイントを説明しています。なんとなくわかっていても、どう設定すれば良いのかが難しいISO感度について解説と使いこなしを紹介しています。 ----- KEYWORDS: ソニー,Sony,レンズ,風景 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: ソニー FE 12-24mm F2.8 GM レビュー|究極の超広角ズームレンズ BASENAME: 485004753.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 木村琢磨 DATE: 01/05/2022 16:00:00 TAGS: FE 12-24mm F2.8 GM,風景,ソニー(Sony) レンズ,広角ズーム ----- BODY: FE1224GMレビュー.jpg

はじめに

 広角レンズといえば21mm辺りから「超」がつき始める広角の焦点距離だが、気がつけば16mmや14mmの超広角レンズも当たり前になってきた。超広角レンズといえば、焦点距離はカバーできているが周辺の描写低下や極端な周辺光量落ちなどは「あって当たり前」に感じているのではないだろうか?  ソニーがラインナップしているFE 12-24mm F2.8 GMは、超広角ズームレンズとしてはまさにパーフェクトに近い一本に仕上がっているので作例と共に紹介していく。

大きく重たい、という安心感

FE1224GMレビュー01.jpg  決して手のひらには収まりきらない(収める気がない)このサイズ感は、いい写りをするだろうという期待と安心感を与えてくれる。ズッシリと感じる重みもサイズ感と相まって中身が詰まっている安心感がある。この重さが手ブレを防ぐ効果にも寄与していたりするので、重いことがメリットになることもある。  基本的に大きくて重たくて高いものは「ハズレが少ない」というのを身をもって実感しているので、FE 12-24mm F2.8 GMもまさに当たりのレンズだろうと使う前から思っていた。 FE1224GMレビュー02.jpg  拳サイズの大きさのレンズは描写にも貢献している。超広角レンズでよくある周辺光量落ちや周辺の流れなどもかなり抑えられていて、直線が直線に写る気持ちよさを体験できる。直線が多い人工物などを撮影すると特に気持ちがいいだろう。

超広角ズームの楽しさと難しさを味わう

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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO400 焦点距離12mm
 超広角レンズは特殊レンズの類になるため、見慣れた景色やいつも撮影している場所に持ち出してみると特に効果が分かりやすい。  僕がよく訪れる橋の足元から広角側の12mmで撮影。12mmの超広角レンズということもあって極端なパース効果が発生する。初めて12mmを体験する人は思っていたよりもメインの被写体が遠くに見えるように感じるだろう。手前は極端に大きく、奥は極端に小さく、このレンズ効果を理解して使うことでFE 12-24mm F2.8 GMでの撮影が一気に楽しくなる。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/16 1/400秒 ISO100 焦点距離12mm
 橋の下から側面に回り込んで逆光で撮影。絞り込んで撮影することで光条撮影が可能だ。光条は絞り込むほど伸びるため自分のイメージに合わせてF値を決めればOKだ。  私の場合はF11〜16あたりが画質と光条のバランスがいいので多用している。絞り込み過ぎると小絞りボケが発生し解像感が少し落ちてしまうため、気になる人は解像感を優先してF8.0くらいで撮影するのもいいだろう。私の場合は解像感よりも全体の仕上がりを優先して撮影するため、表現優先でさらに絞り込むことも多い。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/1000秒 ISO200 焦点距離24mm
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/160秒 ISO200 焦点距離24mm
 私の地元は黄ニラの栽培で有名であちこちに黄ニラ畑がある。12mmだと広すぎたため24mmまでズームして、程よい遠近感を生かして黄ニラ畑を逆光と順光の2パターンで撮影した。  FE 12-24mm F2.8 GMのいいところは何と言ってもズームができること。12mmだと流石に広過ぎる…なんてときは標準ズームの広角側として定着した24mmが使えるのはありがたい。高画素機を使っている人は、APS-Cクロップ機能を使うことで36mmとしても使うことができるのでより使い勝手が良くなる。ちなみにα7R IVの場合、APS-Cクロップ機能を使っても約2620万画素を保ったまま撮影ができるので、FE 12-24mm F2.8 GMとの組み合わせとしてはオススメの一台だ。  FE 12-24mm F2.8 GMはただ画角が広いだけではなく逆光に強い。さらに、光条の変化を楽しめるレンズでもあるので逆光での撮影が非常に楽しい。逆光撮影は立体感も出やすいので光で迷ったら逆光を狙ってみて欲しい。慣れるまでは露出に悩むかもしれないが最近のカメラはダイナミックレンジが広く、機種によってはHDRと呼ばれるハイライトからアンダーまで適正露出にして撮影してくれる機能が付いているものも多いので活用してみよう。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離24mm
 焦点距離24mm。本来はかなり広角の部類に入るのだが、慣れとは怖いもので24mmの画角は標準ズームでカバーする画角になってしまったこともあり標準の画角として考えることが増えてしまった。12mmとなると一体どれだけ広いのだろうか…超広角を体験していない人にとってはなかなか想像できない焦点距離だ。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/200秒 ISO200 焦点距離12mm
 同じ場所で12mmを採用し撮影するとこんな感じで、水平垂直をキープしたまま12mmと24mmを撮り比べたものだ。24mmで同じように撮影しようとするとかなり後ろに下がらなくてはならない。単焦点レンズで自分の足で稼いで撮影しなさい、と何度も言われた人もいるのではないだろうか?ズームレンズのいいところは単焦点ではできないその場で焦点距離を変化させることなので使い分けが重要ということ。  楽をするためにズームを…というのももちろんアリだが、焦点距離が持つレンズの効果を理解して撮影すると撮影はもっと楽しくなるし表現の幅が増えるのは間違いない。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/400秒 ISO200 焦点距離12mm
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/400秒 ISO200 焦点距離24mm
 これは橋の上から撮影したもので物理的に後ろに下がれない状況で撮影したもの。こういう場合はズームレンズの方が便利だ。  橋の作例のように被写体との距離感が近いものはレンズ効果が大きく反映されるが、このように遠景のみを撮影する場合はレンズのパース効果も目立たない。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/15秒 ISO200 焦点距離12mm
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/50秒 ISO400 焦点距離12mm
 超広角レンズはレンズ効果が大きいため立ち位置で写り方が大きく変化する。同じ12mmで撮影位置を少し変えるだけで結果が大きく違う。  奥の橋のアーチは変化がほとんどないが手前側のアーチは極単位変化する。このレンズ効果を生かして動画撮影にチャレンジするのも良いかもしれない。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/11 1/125秒 ISO00 焦点距離12mm
 肉眼では決してこのようには見えないが、12mmの焦点距離のフィルターを通して見るとまるで別世界に入り込んでしまったような景色を体験できる。

超広角ズームのいろいろ

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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/2.8 1/13秒 ISO1600 焦点距離12mm
 超広角のメリットは広く写るだけではなく手ブレをしにくい(目立ちにくい)のもポイントだ。本来であれば三脚を使用して撮影するようなシーンでも、超広角であれば少し練習すれば簡単に撮影することができるようになる。私の感覚では12mmの場合はシャッタースピード1秒を境に手持ちか三脚か切り替えることが多い。  αシリーズはコンパクトなボディであるため、FE 12-24mm F2.8 GMを組み合わせるとフロントヘビーになるため三脚もしっかりとしたものを使うようにしたい。そうなると三脚が荷物に感じてしまうことも多いので手持ちでの撮影をメインに考えている。  αシリーズにはボディ内手ブレ補正も搭載されているため、しっかりと構えて撮影すればほとんどブレることはないので、実際に自分の手持ち撮影の限界値を事前に計測しておくと現場で判断しやすくなる。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/2.8 1/40秒 ISO1600 焦点距離12mm
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/2.8 1/40秒 ISO1600 焦点距離12mm
 12mmは縦と横の構図でかなり表現が変わってくるので、同じシーンで縦横2パターン撮影しておくのがオススメだ。  12mmとなると少しでもカメラが傾くと大きく歪みが発生するので、奥行き感を出したり大きさを誇張したりすることができる。建物などをまっすぐ撮影したい場合は水平垂直を意識して撮影しよう。12mmの焦点距離であれば大体の建物が画角内に収まるので建築撮影などでも重宝する。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/2.8 1/5秒 ISO1600 焦点距離12mm
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/2.8 1/5秒 ISO1600 焦点距離12mm
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/2.8 1/5秒 ISO1600 焦点距離24mm
 超広角の特性上、画面の端にいくほど像が歪み、中心に近づくほど歪みは減少する。超広角レンズで日の丸構図の撮影も被写体が引き立って面白いのでオススメだ。超広角レンズに限らず、構図で迷った場合はシンプルに日の丸構図を狙うのもいいだろう。  12mmから24mmにズームすると「24mmってこんなに狭かった…?」と思ってしまうほど12mmは広い。標準ズームではワイド端の24mmもFE 12-24mm F2.8 GMではテレ端になるので、同じ24mmでも目線が変わって面白い。  標準ズームの次に何を買うか悩んでいる人は、まずは超広角の世界を体験して欲しい。ソニーのαシステムは最高峰のGM(G MASTER)シリーズで超広角〜超望遠まで揃えることができ、レンズは資産になるので長く使うのであればGMシリーズを検討してみて欲しい。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/5.6 1/30秒 ISO400 焦点距離24mm
 FE 12-24mm F2.8 GMは単焦点レンズも顔負けの描写なのでディティールの細かい被写体の撮影も楽しい。風景写真との相性はもちろんバッチリで、いざという時に12mmが使える安心感はすごい(12mmで入りきらなかったら諦めよう)。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/5.6 1/10秒 ISO400 焦点距離12mm
 高所から見下ろす体勢で撮影。超広角は奥行き(距離感)を誇張してくれるので、ハイアングルやローアンングルとの相性が良い。目で見た以上に高さが誇張されて迫力のある一枚に仕上がった。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/5.6 1/10秒 ISO400 焦点距離12mm
 同じポジションから縦構図で撮影。横構図とはまた違った奥行き感が演出され空をより広く写し込むことができるので、朝焼けや夕焼けなど空のグラデーションをより多く取り込みたい時には縦構図がオススメだ。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/8.0 1/10秒 ISO400 焦点距離12mm
 展望台併設のカフェから撮影。水平垂直を意識して撮影することで柱の歪みを抑えることができた。輝度差のあるシーンだがα7R IVの広いダイナミックレンジのおかげで、暗部が黒潰れすることなく写しとることができた。
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■撮影機材:SONY α7R IV+FE 12-24mm F2.8 GM ■撮影環境:f/2.8 15秒 ISO400 焦点距離12mm
 12mmの焦点距離のメリットは星景写真でも発揮される。星を点状に写すのであれば本来は赤道儀を使用して撮影するが、12mmの超広角であれば十数秒のシャッタースピードであればほとんど星の流れが気にならない写りだ。FE 12-24mm F2.8 GMは周辺まで描写が安定しているため画面端に写った星もちゃんと点に写るので、夏の天の川など写すと楽しそうだと思った。

まとめ

 これまでに超広角レンズは何種類か使用してきたが、FE 12-24mm F2.8 GMを使ってみてその安定感に驚かされた。これまで使用してきた超広角レンズは「超広角だから」と正直どこか諦めていたところもあったが、FE 12-24mm F2.8 GMに関してはほとんど不満に感じるポイントがないのだ。人によっては大きくて重たいのはちょっと…という人もいると思うが、その大きさと重さがこの写りを実現しているのだと考えると納得しかない。  αシリーズは小型軽量ボディなのでFE 12-24mm F2.8 GMと組み合わせるとフロントヘビーになってしまうが、それが返って手ブレの抑制につながっていたりもするので、特に気になることもなく楽しく撮影ができた。  FE 12-24mm F2.8 GMは、α7R IVやα1など上位モデルを使用している人にこそ使ってもらいたいレンズだ。特にα7Rシリーズは高画素モデルであり、今後出てくる後継機がさらに高画素化したとしてもFE 12-24mm F2.8 GMは十分対応できる描写だと実感した。 ■写真家:木村琢磨  1984年生まれ。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に風景・料理・建築・ポートレートなどの広告写真の撮影や日本各地を車で巡って撮影。ライフワーク・作家活動として地元岡山県の風景を撮影し続けている。12mのロング一脚(Bi Rod)やドローンを使った空撮も手がけ、カメラメーカー主催のイベントやセミナーで講師を務める。

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のさんによるソニーの超広角ズームレンズ FE 12-24mm F2.8 GMのレビュー記事です。今回は風景をテーマに様々なシチュエーションで作例を交えた解説を頂いています。 ----- KEYWORDS: FE 12-24mm F2.8 GM,レビュー,風景,ソニー(Sony) レンズ ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門 BASENAME: 485081309.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 齋藤朱門 DATE: 01/06/2022 16:00:00 TAGS: 風景,風景の撮影テクニック ----- BODY: 冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門

はじめに

 今回は冬の時期の風景撮影と必要な機材について紹介したいと思います。冬の時期は雪や氷、霧氷や樹氷とそれまでとは全く異なる表情の風景に出会えますので、個人的には一年の中で一番面白いと感じる季節です。気温が低いので、外での撮影は過酷ではありますが、そんな寒さも忘れるほどに撮影に夢中になることがありますね。

冬の風景

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■撮影機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM ■撮影環境:マニュアル露出・28mm・F8・ISO100・1/50秒
 青森の八甲田周辺で撮影した1枚。突然の大雪に見舞われ、吹雪で荒れた天候でしたが、通りかかった森の中で印象的なシーンに出会えました。
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■撮影機材:ソニー α7R III + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:マニュアル露出・81mm・F14・ISO100・1/800秒
 裏磐梯の凍結した湖面に、降り積もった雪によって広大な雪原ができていました。冬の裏磐梯は雪が多いことでも有名です。天候も変わりやすく、この時は一瞬だけ雲の隙間から差し込んだ太陽の光に照らされる雪原を撮ることができました。
冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門3.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:マニュアル露出・49mm・F4・ISO100・1/40秒
 降りしきる雪によって霧に包れたような雰囲気の森を撮ってみました。雪によって森の表情も普段とは全然異なるのが面白いですね。
冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門4.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:マニュアル露出・35mm・F13・ISO100・1/50秒
冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門5.jpg
■撮影機材:ソニー α7R IV + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:マニュアル露出・28mm・F13・ISO100・1/30秒
 この2枚は北アルプスの西穂山荘の近くで撮影しました。冬山登山はしっかりとした装備が必要で、撮影機材を持っていくのも一苦労ですが、その苦労に十分見合う風景に出会うことができると思います。
冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門6.jpg
■撮影機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM | Art ■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F6.3・ISO100・1/1250秒
 凍結した湖面の上で散策しながら撮った1枚。普段は見ることが出来ない氷などを切り取って撮影するのも面白いですね。
冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門7.jpg
■撮影機材:ソニー α7R III + ソニー FE 24-105mm F4 G OSS ■撮影環境:マニュアル露出・68mm・F8・ISO100・1/250秒
 同じように、こちらは凍った川の近くで見つけた氷の結晶を撮ってみました。このように風景写真とは異なりますが、足元にある様々な氷の結晶をクローズアップ撮影してみると撮影の幅が更に広がり、より冬の撮影を楽しめると思います。

アイスバブル

 ある特別な条件が必要ですが、冬の凍った湖面ではこのようなアイスバブルと呼ばれる現象を撮影することができます。
冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門8.jpg
■撮影機材:ソニー α7R III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 ■撮影環境:マニュアル露出・14mm・F11・ISO100・1/125秒
冬の風景撮影とテクニック|齋藤朱門9.jpg
■撮影機材:ソニー α7R III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 ■撮影環境:マニュアル露出・13mm・F13・ISO100・1/500秒
 アイスバブルはカナダにあるアブラハム湖が有名なので、ご存じの方もいるかもしれませんね。  実はこの2枚のアイスバブルの写真は、2019年に北海道の糠平湖で撮影したものです。 アイスバブルは湖の中で発生したガスが凍った湖の中に閉じ込められたものですが、通常は湖面が雪に覆われてしまっていることや、綺麗な透明な氷にならないと見ることができないので貴重な瞬間だったと思います。 以前、アブラハム湖でもアイスバブルを撮影したことがありましたが、北海道の糠平湖のアイスバブルはその時よりも広範囲にアイスバブルが広がっていました。  北海道では雪が少ない年に稀にアイスバブルが大量に見ることができるようですので、機会があれば是非、北海道を訪れてみてください。

撮影テクニック

 冬でも基本的に風景撮影の方法自体は普段と大きく変わりませんが、いくつか冬ならではのシチュエーションに使える簡単なテクニックがあるので、ご紹介します。
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■撮影機材:ソニー α7R III + ソニー FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:マニュアル露出・100mm・F6.3・ISO100・1/20秒(ストロボ使用)
 降りしきる雪を幻想的に撮影する場合は、なるべく絞りを開放に近い状態にし、クリップオンストロボなどで手前の雪を照らしてあげると、前ボケでこのように手前に降る雪を大きく撮ることができます。
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■撮影機材:ソニー α7R IV + ソニー FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ■撮影環境:マニュアル露出・400mm・F13・ISO100・1/40秒
 遠くの霧氷や樹氷の木々を望遠レンズで切り取る場合のテクニック、というよりは注意点ですが、超望遠レンズの場合、三脚を使っていても微風でのレンズ振動の影響が大きいため、なかなかシャープな写真を撮ることが難しい場合があります。 そのような時は望遠レンズ用のレンズサポートを使って、レンズとカメラ全体を支え、なるべく振動を抑えると良いでしょう。また、レリーズシャッターを使用することで、カメラに触れずにシャッターを切ることも忘れずに。

必要な機材

 マイナス10°C以下の寒冷地での動作が保証されてないカメラの場合は、カメラジャケットでカメラの冷えを抑えることも重要です。ただ、最近のカメラではカメラジャケットなしでも平気な場合が多いように思います。 また、カメラによっては寒いところでのバッテリーの保ちが悪い場合もあるので、そのような場合は予備バッテリーも多めに持っておくと良いでしょう。USB接続のモバイルバッテリーに対応している場合は大容量のUSBモバイルバッテリーを持っておくと安心です。  また、湿度が高い等で、結露してしまうようなシチュエーションの場合はレンズヒーターをレンズに巻きつけておくと、結露防止に役立ちます。 万が一、うっかりすぐに温かい車内や室内に冷えたレンズを持ち込んでしまう等で、レンズの内部が結露した場合は、ジップロックに防湿剤を入れて物にレンズを入れておくと比較的早く結露を取ることができます。  マイナス10°C以下の環境での撮影は防寒着も重要になってきます。特に明け方や夜中などに長時間撮影を行う場合は、冷え込みますのでご注意を。 最近はUSB電源のヒーター内蔵のジャケット等も増えてきているので、ヒーター内蔵の防寒着を活用するのも良いと思います。

さいごに

 今回は筆者なりの冬の時期の風景撮影方法をお伝えしました。 冬は寒いので、つい撮影が億劫になりがちですが、雪景色や霧氷・樹氷等、冬にしか見れない風景もあり、撮影のチャンスが多い時期だと思います。 撮影に出かける際には、しっかりと防寒装備と撮影機材を準備して行きましょう。また、この記事の内容を参考にしていただけると嬉しいです。 ■写真家:齋藤朱門  宮城県出身。都内在住。2013年カリフォルニアにて、あるランドスケープフォトグラファーとの出会いをきっかけにカメラを手に取り活動を始める。海外での活動中に目にした作品の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、自らがその場にいるかのような臨場感を出す撮影手法や現像技術の重要性を感じ、独学で風景写真を学ぶ。カメラ誌や書籍での執筆、Web等を通じて自身で学んだ撮影方法やRAW現像テクニックを公開中。

齋藤朱門さんの撮影テクニック連載記事はこちら

・丘や山での撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/483573391.html ・星景写真の撮影テクニックと機材|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/483154709.html ・滝・渓流での撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/482531059.html ・海での風景撮影テクニック|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/484586478.html ・望遠ズームレンズで切り取る風景撮影の楽しみ方|齋藤朱門 https://shasha.kitamura.jp/article/485398095.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の齋藤朱門さんが冬の風景撮影方法と必要な機材について紹介しています。撮影に行きづらくなる時期だからこそ撮れる数多くの作例を元に解説しています。 ----- KEYWORDS: 撮影テクニック,風景 ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: #05 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル BASENAME: 485002016.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: コハラタケル DATE: 01/07/2022 16:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) ボディー,富士フイルム(Fujifilm) レンズ,ポートレート(人物),X-Pro3,XF23mmF1.4 R,単焦点,ミラーレスカメラ,APS-C ----- BODY: 07.jpg

はじめに

みなさん、こんにちは。フォトグラファーのコハラタケルです。「なんでもないただの道が好き 街撮り講座」5回目の記事です! 今回も背景の色を意識した撮影方法の話で前回の記事と繋がるような記事となっております。合わせて読むとわかりやすいと思いますので、前回の記事がまだの方はそちらの記事を読んでから今回の記事を読んでいただると嬉しいです。

人がいない段階で目立つ色を把握しておく

前回の「#04 なんでもないただの道が好き 街撮り講座」では背景色を淡色にすることでモデル(主題)を目立たせるという方法を取りましたが、今回は逆の方法です。 背景色のなかにひとつだけ違う色、もしくは目立つ色を入れることで視線を誘導させる方法です。 例えば、こちらの写真。全体的に緑・白・グレーで構成されている色合いのなかに1箇所だけ赤色が入っています。
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■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F10 1/250秒 ISO160
この背景だと人がいない状態でも中央部分に視線を誘導させることが可能です。とくに赤色は街撮りにおいて重要な色だと僕は考えています。というのも皆さんご存知の通り赤色は危険色のため、自然と視線が向かう場所です。 自分が撮影しようと思っている場所で赤色がどの位置、どれぐらいの面積で入っているのかは常に確認する必要があります。そうしないと本当はモデルを見て欲しいのに別の赤色部分に視線が引っ張られてしまい、自分が意図していない写真に仕上がる可能性があります。

人は存在感が強く、適当に撮っても目立つ存在である

そして、もうひとつ覚えておいて欲しいことがあります。それは、そもそも人は存在感が強いということです。 人は背景色や危険色を意識しなくとも視線を誘導させることが可能なのですが、できれば僕は人物がいない背景だけの状態でも、どこに視線が集まるのか確認しておくべきだと考えています。
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■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F6.4 1/320秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
例えば、こちらの写真なのですが、モデルの周辺にはたくさんの通行人がいます。背景の色の整理もされておらず、モデルの顔まわりにはのぼり旗や歩道橋の手すり部分が被っていたりなどごちゃごちゃしていますよね。それでもほとんどの人が一番最初に視線を向かわせるのは中央にいるモデルだと思います。 街撮り写真では「モデルさんの表情は良いのだけれど、背景は考えて撮っていないんだな」というものを見ることがあります。 これらの写真がダメというわけではなく、重要なのはコントロールできているかどうかです。日本の街撮りでは電線・看板・自動販売機など、背景の情報量が多くなる場合が多く、何も考えずに撮ると、先ほど見せたようなまとまりがない写真になってしまいます。 この写真においても通行人の流れを見て、せめてモデルさんの顔まわりに通行人がいないタイミングで撮る、もしくは歩道橋の手すりが被らない位置、そうですね……今、見返すとカメラマン側から向かって左側の壁を背景にしていればよかったですね。そうすればモデルの顔まわりの情報も少なく、整理された写真に見えていたと思います。 03.jpg

背景を整理 → 人物を配置

最初の写真に話を戻します。 何度も言いますが、日本の街撮りでは背景の情報が多くなりがちです。そういう写真も良いのですが、整理された写真も撮れるようになっておくと写真にバリエーションをつけることができます。 なんとなくではなく、理解した上で人物を配置させる背景(場所)を考える。そうすることで明確に撮影者の意図を伝えることができる写真になります。最終的に撮影した写真がこちらです。あなたの視線はどこに集まっているでしょうか?
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■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F10 1/250秒 ISO160 ■モデル:五味未知子
別のロケーションでも見てみましょう。
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■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F6.4 1/250秒 ISO160
こちらも同じパターンですね。緑・白・グレーで構成されているなかに赤色が入っています。人物がいなくとも中央上部に視線が向かいますね。モデルを配置する場合も背景の段階で視線が向かいやすい場所の近くに立ってもらいます。
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■使用機材:富士フイルム X-Pro3 + XF23mmF1.4 R ■撮影環境:F6.4 1/250秒 ISO160 ■モデル:五味未知子

1枚の写真に複数の要素を入れる

僕は大前提として写真は記録だと思っているため、世にある写真に良いも悪いもないと思っているのですが、技術的な部分での良し悪しはあります。 最初に見せたこちらの写真ですが、「#03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座」で紹介した反射光も使っています。影に注目してください。 07.jpg 太陽からの光に関しては建物側から道路側に向かっているのに、モデルの顔にも光が当たっています。普通に撮ればモデルの顔には光が当たらない状況なのですが、反射光を使ってモデルにも光を当てています。さらに四隅に隙間を作らないことも意識して撮影しました。 実は最初のモデルがいない背景写真のときは左上に隙間ができています。 08.jpg 「え、たったこれだけで?」と思う方もいるかもしれませんが、このようなちょっとした隙間、とくに四隅をどのように仕上げるのかというのは重要です。写真に限らず、隙間や四隅って視線が向かったり気になったりしませんか? ・色の構成を考える ・隙間を作らない ・反射光を使う このようにひとつの写真のなかにポイントとなる要素を複数入れると写真の力強さが増すと僕は考えています。力強さが増すというのは初心者の方とはちょっと違うなと思わせる部分です。それは言葉にしても明白で、例えば…… 「三分割構図を意識して撮りました!」 「三分割構図と色の配色、四隅を埋めることで写真の中央部分にいる被写体へ視線が向かいやすいように調整しました」 後者の写真のほうが「おっ」と思わせてくれるような写真なのではないかと想像できませんか。もちろん実際に写真を見ないとわからないこともありますし、前者の写真が素晴らしい場合もありますが、僕の経験上、複数の要素を入れて撮れる場所というのは限られていて、1度の撮影で何度も出会えるようなものではありません。

まとめ

写真教室やフォトウォークでモデルを立たせてから背景を考えている人を見かけます。慣れてくればそれでも良いのですが「まずは背景を考える、次に人物の配置を考える」というように慣れていないうちはひとつひとつをクリアしていくことがオススメです。たまには街にひとりで出かけ、「ここにモデルさんが立ってくれたら絵になるかも!」と想像しながらシャッターを切ってみてください。 09.jpg ■モデル:五味未知子 ■写真家:コハラタケル 1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークルを運営している。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。

コハラタケルさんの連載記事はこちら

#01 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/483346238.html #02 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/483447191.html #03 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/484139215.html #04 なんでもないただの道が好き 街撮り講座|コハラタケル https://shasha.kitamura.jp/article/484640119.html
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のコハラタケルさんによる連載第五弾記事です。街撮りポートレートの撮影テクニックを紹介しています。作例と解説コメントを分かり易く説明していますので是非ご覧ください。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,レンズ,人物_子供,撮影テクニック ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: オールドレンズを手軽にはじめる最初の一本におすすめ!|ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 BASENAME: 484936130.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 坂井田富三 DATE: 01/08/2022 11:00:00 TAGS: オールドレンズ,レビュー ----- BODY: 01_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8製品画像.JPG

はじめに

 今回のオールドレンズは「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」をピックアップしてみました。この「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」は初期型が1962年発売、前期型が1963年、後期型が1965年に発売になったレンズです。当時1964年に旭光学(ペンタックス)が発売した35mm一眼レフカメラ「ASAHI PENTAX SP」は全世界で400万台以上を売り上げており、そんなベストセラー機との組み合わせもあって、「Super Takumar 55mm F1.8」は中古市場の在庫も多く、非常にリーズナブルな価格で購入できるオールドレンズ代表格のようなレンズです。今回は、初期型・前期型・後期型から特徴のある後期型の「Super Takumar 55mm F1.8」を紹介いたします。

ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 の魅力

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 「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」の魅力はなんといっても、市場価格がとてもお手頃な価格。初めてのオールドレンズにピッタリなのでないでしょうか。ちなみに筆者が持っている後期型は6,000円弱で購入したものになります。  「Super Takumar 55mm F1.8」後期型の基本的なスペックは、 ・焦点距離:55mm ・最短撮影距離:0.45m ・絞り開放:F1.8 ・レンズ構成:5郡6枚 ・絞り羽根枚数:6枚 ・フィルター径:49mm ・マウント:M42マウント  初期型と前期型、後期型の見分け方は、レンズ銘の中の製造番号の位置から判断する事ができます。Super-Takumar文字の前に製造番号があるのが初期型と前期型になり、後期型はAsahiの前に製造番号があります。
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製造番号がAsahiの前にあるので、このレンズは後期型というのが分かります。
 この「Super Takumar 55mm F1.8」後期型は、ちょっと特徴があるレンズで別名「アトムレンズ」と呼ばれています。このアトムレンズというのは放射性物質を含んだレンズの総称です。アトムレンズと呼ばれるものは「Super Takumar 55mm F1.8」後期型以外にも同時期にいろいろなメーカーから発売されていたレンズも存在します。  使用されていた「酸化トリウム」は、レンズの屈折率の精度をあげる効果があるので描写力を向上させ、色収差を低減させた画像を得る事ができました。しかしアトムレンズにも欠点もあり、経年劣化によりレンズが黄ばんでしまうのです。レンズが黄色く変色してしまえば、撮る写真も黄色っぽい仕上がりになってしまいます。デジタルカメラで使用する分には、色温度設定で対応できますが、フィルムカメラで使用する場合は、撮る写真が黄色っぽいものになってしまいます。  この「トリウム」は放射性物質なので、被ばくの恐れもあり使用されなくなった経緯があります。製造から50年以上経過しているレンズですが、身体には影響をおよばさない程度の微量な放射線を発していることは確かな事実のようです。気になる方は後期型の購入はさけて、前期型をチョイスする方がよいでしょう。 04_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8製品画像.JPG  今回「Super Takumar 55mm F1.8」を使用して撮影するにあたっては、カメラはソニーα7R IIIに、焦点工房のマウントアダプター「K&F Concept KF-42E.P」(M42マウントレンズ → ソニーEマウント変換)マウントアダプターを使っています。このマウントアダプターは実売価格で4,000円を切るお手頃な価格で入手できるマウントアダプターです。  「Super Takumar 55mm F1.8」自体が小さなレンズなので、マウントアダプターを装着してそれほど大げさな感じにはなりません。ソニー純正のFE50mmF1.8と同じ程度の大きさです。 05_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8製品画像.JPG  現在のレンズに比べると小さくて重量感はしっかりとあります。アトムレンズなどと呼ばれてはいますが、とてもスタンダードなレンズなので写りに大きな個性を持っているレンズではありません。また、価格面では非常にリーズナブルに購入できるので、初めてのオールドレンズとして使いやすいレンズと言われ人気を得ています。  ただ、発売から年数が経過しているので程度の良い中古も少なくなっているようです。程度の良いものが適正価格で見つける事ができたらゲットしておきたいですね。できれば、当時のかぶせ型のレンズキャップの付いたものを入手するとベストです。
06_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
 「Super Takumar 55mm F1.8」は絞りを開放で撮れば、少しノスタルジーを感じるボケを表現でき、絞れば芯のあるシャープな画像を映し出すレンズです。  オールドレンズを使って撮影する場合のカメラの設定やピント合わせなどのコツは、こちらの記事「マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しんでみませんか?」をご参照下さい。

横浜・都内をスナップ

07_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7RⅣ + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF1.8 ISO125 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
 お天気のいい日に、「Super Takumar 55mm F1.8」を持って横浜と都内を散策しながら撮影をしてみました。
08_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF16 ISO125 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
 お天気の良い横浜山下公園からの大さん橋。絞りを絞って撮影しているのでオールドレンズといえども非常にシャープな画像になります。ホワイトバランスはAUTOで撮影しているので、レンズの状況(アトムレンズ特徴の黄ばみ)の影響が少しでている感じです。絞りを浅くして撮影すると、シーンによっては色収差が大きく発生する場合があります。画像を拡大すれば分かりますが、ベンチの白い部分や白い鉄柵の部分などで発生しているのが分かると思います。
09_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/6400 絞りF1.8 ISO125 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
 順光で絞りを絞って撮影すると面白みは無くなりますが、オールドレンズの雰囲気は一切なくなりシャープな写りになります。
10_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF16 ISO125 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
 逆に逆光で絞りを開けて撮影すると、オールドレンズらしく盛大にフレアーやゴーストが発生します。
11_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/5000 絞りF1.8 ISO125 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
12_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/8000 絞りF1.8 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
 フレアーやゴーストの出やすいレンズでは、意図的にこういった楽しみ方をするのも面白いですね。  「Super Takumar 55mm F1.8」は、55mmの焦点距離で最短撮影距離も45cm程度と寄れるレンズなので、気になった被写体にぐっと寄って撮影できる魅力があります。
13_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R IV + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF1.8 ISO125 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
14_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF1.8 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用

白黒撮影

15_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF4 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
 今回は少し趣を替えて、カメラの設定を白黒モードにして撮影をしてみました。というのも、「Super Takumar 55mm F1.8」が発売になった頃は、カラーフィルムが少し一般的に普及し始めた頃で、まだまだ白黒フィルムがメインで使われていた頃です。その頃の白黒写真の仕上がりをイメージしてスナップ撮影をしてみました。絞りを開けて撮ると全体的にニュートラルな柔らかい印象の仕上がりになるので、カメラ側のコントラストを上げた設定で撮影をしています。
16_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/3 絞りF16 ISO200 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
 オールドレンズでもカメラボディの手ブレ補正が使用できるので、スナップ撮影での手持ちスローシャッター撮影でも心強い。  実際に白黒モードで撮影して、撮ったデータを見直して思ったことは、少し奇麗に写りすぎるのかな?と感じました。ISO感度をあげて粒状感を出した方が、より古い時代に近い雰囲気を醸し出せると思います。
17_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF16 ISO800 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
18_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/80 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用
 窓越しの逆光でも、絞りや露出補正で、味付けも大きく変わります。オールドレンズらしさを演出するには、絞りを開けて逆光のフレアーを活かすと白黒写真でも雰囲気を出すことができます。
19_ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8での作例.JPG
■撮影機材:SONY α7R III + ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 ■撮影環境:シャッター速度1/40 絞りF1.8 ISO800 焦点距離55mm ※マウントアダプター焦点工房使用

まとめ

 「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8」はマウントアダプターも合わせて購入しても約1万円程度ですので、オールドレンズに興味を持った方、これからはじめてみたい方にはお手頃価格な魅力的な一本だと思います。大きな癖のあるレンズではないので、50年ほど経過したオールドレンズを使ってみたい方にも安心して使うことができると思います。購入する際にも、比較的中古在庫を多いレンズなので、品質を比較して予算に合わせて選ぶことも可能です。 ■写真家:坂井田富三 写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の坂井田富三さんに、オールドレンズ「ペンタックス Super Takumar 55mm F1.8 」をレビューしています。絞り開放が見せる魅力的なボケ味と絞った時の解像感をぜひご覧ください。 ----- KEYWORDS: オールドレンズ,レビュー ----- -------- AUTHOR:   TITLE: 富士フイルム XFレンズコンパクトプライムシリーズ|XF23mmF2 R WR レビュー BASENAME: 484987481.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: こばやしかをる DATE: 01/09/2022 10:00:00 TAGS: 富士フイルム(Fujifilm) レンズ,XF23mmF2 R WR,スナップ,単焦点 ----- BODY: 00 top.JPG

はじめに

 富士フイルムのミニマムボディX-E4とXマウントコンパクトプライムシリーズ単焦点レンズと歩く第二弾。今回はXF23mmF2 R WRを連れて冬の街角を歩いてみました。シャッターチャンスを逃さず軽快に撮影が捗るスナップシューター必携のXF23mmF2 R WR。記憶に残したい日常を忠実に再現してくれる信頼度の高さ、その魅力をお伝えします。 ■第一弾のXF35mmF2 R WR編はこちら ■第三弾のXF16mmF2.8 R WR編はこちら

小型軽量のXF23mmF2 R WRについて

 XF23mmF2 R WR(35mm判換算:35mm相当)は2016年10月に発売されたレンズ。非球面レンズ2枚を含む6群10枚の光学設計を採用し、ステッピングモーター駆動による最速0.05秒の高速AFを実現しており、進化したXシリーズボディに相応しく作られ、単に小型軽量なだけではなく、機能も充実した高画質な単焦点レンズに仕上がっています。  インナーフォーカスによる静音かつ高速なAFに加えて、XF23mmF1.4 R LM WR同様に防塵・防滴・-10℃の耐低温構造を採用していることもあり、雨や埃、外気温を気にせず歩けるのでアクティブなシーン、スナップ撮影時に安心して活用できるのも嬉しい点です。  XF23mmF1.4 R LM WRと比較されることが多いと思いますが、AFの静粛さと俊敏さを最優先に考える撮影ならXF23mmF2 R WRが優れています。
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X-E4との組み合わせはスッキリとしたシャープな印象
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左からXF23mmF1.4 R LM WR/XF23mmF2 R WR/XF35mmF2 R WR 数本のレンズ携行に相応しいF2コンパクトプライムシリーズのサイズ
 XF23mmF1.4 R LM WRは開放絞りが1段分明るい大口径レンズですが、質量300gとなり、X-E4とのボディバランスは前傾になり少々不安定。バランスを考えてレンズ選択することも大切なので、スナップ撮影の場合は単焦点レンズを数本持ち歩くことも考慮したい点です。見た目の小ささは撮影のしやすさにも繋がります。

標準レンズとなる35mmの画角

 「標準レンズが1本欲しい。」と思う時に悩むのが、35mm換算で50mmか35mmだと思います。肉眼の視野に近いと言われ、議論されることの多い「標準レンズ」ですが、画角差はもちろん、被写体との距離の取り方によって大きく異なるのが標準レンズです。被写体に近寄って撮ることの多い筆者は32mm~35mm位を標準レンズとしています。
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いずれも同位置からの撮影 上段:XF23mmF2 R WR=35mmの画角63.4° 客観的な視野 下段:XF35mmF2 R WR=53mmの画角44.2° 主観的な視野
 広がりか、奥行きか。引けるのか、寄れるのか。このあたりを基準にして「標準レンズ」を持つのが良いでしょう。個人差があるので一概に言えませんが、画面の隅々まで状況を把握する点から見てもXF23mmF2 R WRはスナップシューターの標準レンズと言えそうです。  今までズームレンズしか使ってこなかったという方は、EXIF情報で一番撮影していることの多い焦点距離を探ってみると自分自身の「標準レンズ」が分かるはずです。

パースを活かした力強い描写を楽しむ

 客観的な視野を持つ広角レンズらしく、パースペクティブを活かした撮影を楽しみたい。そんな時こそXF23mmF2 R WRの持ち味が活かされます。  広すぎず、狭すぎない広角レンズは、被写体との立ち位置やカメラを構えた時のちょっとした手首のスナップによるアングルや角度でパースの付き方を変化させながら楽しむことができ、さらにその迫力をX-E4ボディの有効画素数2,610万画素APS-Cサイズのセンサー「X-Trans CMOS 4」と画像処理エンジン「X-Processor 4」によって、しっかりと余すところなく写し込む解像感あふれる描写を堪能することができます。  階段を上りながらふと見上げた視線の先に消火栓の赤が目に留まってサッと撮った一枚。手すりへ写り込んだ青色のグラデーションもキレ良く冴えています。
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■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/480秒 F/4.5 ISO320  AUTO WB雰囲気優先 -0.3EV  ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 旅先を想像しながら建造物を見上げて写した一枚は、陰影の深さと建材の細やかなディテールまで細部にわたり描写されていて見事です。カラークロームブルーによる濃い青空の色も美しい。
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■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/1100秒 F/6.4 ISO320  AUTO WB雰囲気優先 -1.3EV  ■フィルムシミュレーション:PRO Neg.Hi
 周囲が高層ビルに変わりゆく中で残された建物を照らす光と影が印象的でした。誇張されすぎないパースは視野に近い臨場感があります。道路を挟んで対角から全景を捉えることができました。
06 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/340秒 F/4.5 ISO320  AUTO WB雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
 このレンズは細く狭い場所でも威力を発揮してくれます。旅先でもこうした場所に出会いそうだなと思い撮影した一枚。
07 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/100 F/2.5 ISO320  AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV   ■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
 角度を付けて奥行きを活かした撮影では、東京の狭い路地を強調してくれました。
08 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/85秒 F/2.5 ISO320  WB日陰 -0.3EV ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 駐車場ではフロントガラスに写り込んだ小さな空によってこの場所の狭さが伝わります。車一台がすっぽりと収まるように近づいて切り取ってみました。
09 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/240秒 F/3.6 ISO160  WB太陽光 -0.3EV ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 窮屈になりそうな路地でも、パースの活かし方によってこのレンズ持ち味を楽しむことができ、足取りも軽やかにテンポよく撮影が捗る、そんな撮影スタイルまで考えられたレンズであることを感じます。

最短撮影距離とボケによる表現

 最短撮影距離は22cm。パンフォーカスだけではなく、開放F値でボケの表現も楽しみたいならグッと被写体に迫ってみるのが条件。深度の深い広角レンズでは、むしろ近づかないとボケの効果や魅力が半減してしまいます。  その反面、ボケを積極的に取り入れる柔らかい描写の甘い表現よりも、画面の中にアクセントとして取り入れることで柔らかい雰囲気が活きてきます。
10 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/105秒 F/2 ISO160  AUTO WB雰囲気優先 +0.3EV ■フィルムシミュレーション:スタンダード(PROVIA)
12 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/30秒 F/2 ISO160  WB AUTO +0.7EV ■フィルムシミュレーション:スタンダード(PROVIA) ■撮影協力:Taste of Tunisia
 X-E4のチルトモニターを活用すれば座ったままでも気軽なテーブルフォトが撮影でき、カメラを構えて大袈裟にならないのでマナーとして気配りができるのも魅力のひとつ。会食や旅先で頂く料理などの撮影時も役立ちます。
13 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/210秒 F/2 ISO320  WB AUTO +0.7EV ■フィルムシミュレーション:クラシッククローム(Classic Chrome)
 ボケがキレイというだけではなく、近寄ることで活かされる奥行きによって周囲の雰囲気や背景・画面奥までを取り込むことができるので、余韻が伝わる表現ができるのもこのレンズの良さです。
14 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/30秒 F/2 ISO160  WB AUTO +1.0EV ■フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi ■撮影協力:Taste of Tunisia

日常を切り取る心地よさCandid Photoを味わう

 周囲との関係性や人との距離感をリアルに感じられ、ストレートに切り取ることができるまさにCandid Photo(キャンディッド・フォト)のためのレンズ、XF23mmF2 R WR。何か特別なことがなくてもふらりと散歩に出かけて〝いつも〟を切り取る・記録するのに相応しく、「力を抜いた素直な気持ちで撮ろう。」と言われているよう。記憶に残したい日常を忠実に再現してくれる信頼感を抱きます。
15 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/340秒 F/5.0 ISO320  AUTO WB雰囲気優先 ■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
16 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/350秒 F/5.0 ISO320  AUTO WB雰囲気優先  ■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
17 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/125秒 F/3.2 ISO320  AUTO WB雰囲気優先 +0.7EV  ■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
18 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/240秒 F/4.0 ISO160  AUTO WB雰囲気優先 -0.7EV  ■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
19 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/600秒 F/5.6 ISO320  AUTO WB雰囲気優先  ■フィルムシミュレーション:ETERNA/シネマ
 懐かしい、面白い、楽しい、美味しい。そんなそんな日常を純粋な気持ちでそっと写真に収める。まさにそんなレンズです。

おわりに

20 作例.JPG
■撮影機材:富士フイルム X-E4 + XF23mmF2 R WR (35mm) ■撮影環境:SS1/480秒 F/4.5 ISO320  AUTO WB雰囲気優先  ■フィルムシミュレーション:クラシックネガ(Classic Neg.)
 客観的視点に立ち、気負わず被写体との距離を保ちながら自分自身の視界を伝えることのできるXF23mmF2 R WRは、心が動いた瞬間にテンポよくシャッターを押していることが快感であり、「考えるより先にシャッターを切りたい」そんな気持ちに寄り添います。また、俊敏なAFによって同行者のいる旅先でもペースを乱さずに撮影が楽しめると感じました。  一瞬にして撮影した一枚、素直な気持ちで切り取った写真には、後に心に響くものが写し出されている気がします。XF23mmF2 R WRは、旅に、日常に必携の一本であることは間違いありません。 ■写真家:こばやしかをる デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。スマホ~一眼レフまで幅広く指導。プロデューサー、ディレクター、アドバイザーとして企業とのコラボ企画・運営を手がけるなど写真を通じて活躍するクリエイターでもあり、ライターとしても活動中。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家のこばやしかをるさんによる、富士フイルム「XF23mmF2 R WR」のレビュー記事です。換算35mmの自然な画角でスナップを楽しめる、小型軽量な単焦点レンズです。 ----- KEYWORDS: 富士フイルム,Fujifilm,単焦点レンズ,XF23mmF2 R WR,レビュー,スナップ,こばやしかをる ----- -------- AUTHOR: 杵渕隆 TITLE: ソニー E 35mm F1.8 OSS × ペット|小川晃代 BASENAME: 485127824.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 小川晃代 DATE: 01/10/2022 10:00:00 TAGS: E 35mm F1.8 OSS,ソニー(Sony) レンズ,犬/猫/ペット,単焦点 ----- BODY: 01_ソニー E 35mm F1.8 OSSで撮影した作例 .jpg

はじめに

 ソニー E 35mm F1.8 OSS の魅力は何といってもコンパクトで軽量なレンズである事。今回は話題のZV-E10と組み合わせて撮影しましたが、私が今まで経験した中でも間違いなく最軽量。この組み合わせだと超コンパクトなのでカメラバッグは不要なほど。普段のお洒落バッグにポンと入れて持ち歩いても重さやボリュームは気になりません。これであればいつでも気軽に持ち歩けるので出かける時の良き相棒になります。また、高価である事が多い単焦点レンズですが、E 35mm F1.8 OSS レンズはお値段がお手頃なのにもびっくりしました!

ペットとの距離感がちょうど良いレンズ

 本レンズはAPS-Cフォーマット専用となっていて撮影すると35mm換算で52.5mm相当の撮影画角となります。風景込みのスナップ撮影やボケを生かしたポートレート撮影まで幅広く使えるレンズです。このあたりの標準前後の焦点距離のレンズを使用する時に私が一番に確認するのはレンズの最短撮影距離です。ペット撮影では最短撮影距離は短い方が何かと使いやすいので、まずはじめにここをチェック。このレンズの最短撮影距離は30cmと短いので一人でペット撮影するのにもバッチリです。ペットの生き生きした様子を撮りたい場合には、一緒に遊ぶのが一番です。そのため右手にカメラ、左手におもちゃを持ってペットと遊びながら撮影をします。この時、ペットとカメラの距離はとても近くなるため、レンズの最短撮影距離は短い必要があるのです。  猫じゃらしを使って撮影した写真はコチラ。にゃんことの距離はちょうど30cmくらい、猫じゃらしをレンズ前にひらひらとさせたのでバッチリカメラ目線になりました。
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■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:f/1.8 1/500秒 ISO1000 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当) このような片手での手持ち撮影ではレンズの質量も重要です。E 35mm F1.8 OSS の重さはたったの154gですので片手でも楽々撮影できます。
 自由きままな外猫の撮影では、猫たちに気づかれないように遠くからこっそり撮影する事が多いのですが、猫たちの息づかいを感じながら近くで撮影するのも良いもの。人慣れしている猫の場合は猫の方から人間に寄って来ます。このレンズであれば最短撮影距離が短いので、例え猫がカメラに向かって来ても大丈夫。カメラ前を通りすぎる所だってそのままパシャパシャと撮影出来ちゃいます。このような時に最短撮影距離の長い望遠レンズで撮っていると後ずさりしながらの撮影になってしまうのですが、E 35mm F1.8 OSS では後ずさりすることもなくこの近い距離感で撮れるのでむしろ猫に寄って来てほしいとさえ思ってしまいました。
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■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO125 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当) カメラを低い位置に構えて撮影。猫の目線で世界を見ているかのようです。人慣れしている猫はこのように近い距離でカメラを構えていてもへっちゃら。何事もなかったかのようにカメラの前を通りすぎていきました。

高速AFでストレスフリー

 屋外で過ごすにゃんこ達は性格も様々で自由きままです。カメラを向けると怖がって逃げてしまう子もいれば、近づいてくる子もいたりといろいろですが、半野生の彼らはペットと違い「待って」は通用しません。普段から猫たちをよく観察して、次の動きを予測しながら撮影をしていますが、写真映えしそうな良いシチュエーションで、かつ良いポーズで居てくれるのはほんの一瞬です。カメラを向けて瞬時に構図を決めてシャッターを押しますが、ピント合わせの遅いレンズを使うと一瞬を逃してしまいますしストレスも溜まります。その点E 35mm F1.8 OSS は素早くピントが合ってくれるのでストレスフリーでした。
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■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:f/1.8 1/400秒 ISO1250 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当) 木々と岩に囲まれた空間で毛づくろいをしていた猫。カメラに気づき一瞬カメラを見た所を撮影。暗い&一瞬のシャッターチャンスという状況下でもしっかりとピントを合わせてくれました。

美しいボケ感

 そして肝心なのは何といってもボケ味。小型で軽量なのでボケ味もそこまでなのでは?と疑ってしまいがちですが、この通り。ナチュラルでキレイなボケ味です。ボケ味が良いので主役のわんこがくっきりと引き立ち、立体感のある仕上がりに。そして色味も良いのでこの場の空気感をしっかりと伝えてくれます。
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■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:f/1.8 1/4000秒 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当) ボケ味の良さも去る事ながら青空とグリーンも実に美しいです。日差しの強い日の白い毛の被写体も綺麗に写し出してくれました。
 こちらは子猫写真。ふわふわした柔らかい毛の様子がしっかりと伝わる写真に仕上がっています。このしっとりと落ち着いた空気感をしっかり描写してくれるのもうれしいです。開放で撮るとピントの合った部分がきりっとシャープでそれ以外はふんわりと優しいボケ味が得られます。
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■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:f/1.8 1/800秒 ISO100 露出補正+1.3 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当) ブルーの美しい瞳の輝きを鮮明に写してくれた1枚。さわりたくなるほど柔らかな毛の様子が繊細に描写されています。
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■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:f/1.8 1/500秒 ISO1000 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当) 形が印象的な窓を背景にして撮影。窓の全体が写真に入るくらいに窓とにゃんこの距離を離して撮影しました。窓からの光がにゃんこを優しく照らし毛の輪郭がキラキラと輝いています。
 何でもない場所でも素敵に描写してくれるので、片付いていないお部屋の中でも安心して撮影出来ちゃいます。ペットの何気ないシーンや撮りたい瞬間って急に来ますが、背景がいまいちだと撮ろうかどうしようかと迷ってしまいがちです。でもキレイにぼかしてくれるなら背景とか場所とか気にする事なく撮影出来るので嬉しいですよね。  お部屋撮影だけでなくお外でもそうです。例えばスカスカのお花畑や、特段絵にはならなそうな空間であっても、柔らかいボケ味が写真に加わるだけで一気に作品度がアップします。  こちらは夏の終わりに撮った写真です。暑さもやわらぎ秋になりかけの頃、遅咲きのひまわりがほんの少しだけ咲いていました。見る限りスカスカだったので最初は撮るのをためらいましたが、ひまわりを背景に開放値で撮影。すると小さいひまわり達の黄色いボケ感が良い感じに写り華やかな作品になりました。
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■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:f/1.8 1/800秒 ISO100 露出補正+2 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当) ひまわりの下の茎部分や土を写真に入れ込むと全体的に重くなってしまうため、それらが入らないようにバスケットを使いました。空が青空でなかったのは残念ではありましたが、全体的にさわやかな1枚になったと思います。

開放値F1.8の実力

 最後に暗い場所で撮影した1枚を見ていただこうと思います。こちらは光がほとんど差し込まない木々の空間で撮影した1枚です。光が無い場所ではただでさえ撮りにくいのに、さらにそこに動きのある動物が入り込むと難易度がぐんとアップします。光が無い場所ではピント合わせが難しくなかなか被写体にピントが合ってくれません。使用するレンズによってはピントが合わず結局撮れなかったという事もあるほどです。しかし開放値1.8であるE 35mm F1.8 OSS は暗い場所にも強く、猫がカメラ目線を見せた瞬間を逃さずにピントを合わせてくれました。F値は開放のF1.8、ISO640で1/250秒で撮影。そういえばこのレンズ、光学式手ブレ補正が内蔵されているのでもう少しシャッター速度を落としても大丈夫だったなと後から気づきました。これよりもさらに暗い場所でも撮れると思うととても心強いレンズです。
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■撮影機材:ソニー ZV-E10 + E 35mm F1.8 OSS ■撮影環境:f/1.8 1/250秒 ISO640 焦点距離35mm(35mm判換算52.5mm相当) カメラ目線で止まってくれた瞬間を撮影。かっこいい1枚になりました。

まとめ

 軽量コンパクトで常に持ち歩きたくなるE 35mm F1.8 OSSは嬉しことにお値段もお手頃です。APS-Cセンサーサイズのボディとキットレンズを買われた方の次のステップアップレンズとしてもおすすめの1本です。普段使いから美しい風景の中でのペットのポートレート撮影まで幅広く使えるので是非使ってみてくださいね。 ■写真家:小川晃代 トリマー・ドッグトレーナー資格を保持し、ペットや野良猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 写真家の小川晃代さんがソニー E 35mm F1.8 OSSのレビューをしています。可愛らしいにゃんことわんちゃんの作例を共に本レンズの魅力をご覧ください。 ----- KEYWORDS: E 35mm F1.8 OSS ペット,動物,ZV-E10,ソニー,Sony,猫、犬 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: パナソニック LUMIX S5の星空適性を検証|写真・動画の両立を実現した良質な一眼! BASENAME: 485107825.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: 成澤広幸 DATE: 01/11/2022 16:00:00 TAGS: パナソニック(Panasonic) ボディー,LUMIX S5,ミラーレスカメラ,星景/夜空/星空/天体,フルサイズ ----- BODY: 01 TOP.jpg

はじめに

02 外観.JPG  Panasonic「LUMIX DC-S5」(以下、LUMIX S5)は、2020年9月に発売されたフルサイズミラーレス一眼カメラです。同社のフルサイズ一眼で先行機であるDC-S1、S1R、S1Hと比べて非常に小型・軽量化されたモデルで、価格も20万円前後とフルサイズ一眼にしては比較的手に入れやすい価格が話題となりました。  LUMIXと言えば、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。初めてミラーレス一眼を作ったメーカー、動画に強いメーカーなど……正直に申し上げると、星空撮影に向いているという印象を持っている方はいないんじゃないかと思います。  実は私、以前から同社のカメラに関心が高く「そのうち使ってみたい」と思っておりました。そして発売から一年が経った2021年9月にLUMIX S5購入しました。私はほぼ全てのメーカーで星空を撮影した経験があるのですが、LUMIX S5はその中でも星空撮影への適性が高いカメラだと感じています。今回はLUMIX S5の魅力について星空撮影の観点からレビューしたいと思います。 01-2 TOP2.jpg

高感度特性を星空撮影の面から検証

 星空はゆっくりと動いており(地球が自転しているので実際は地面が動いている)、ずっと止まっている被写体ではありません。そのため、可能な限り速いシャッタースピードでの撮影が必要となります(と言っても10秒~20秒くらいはかかります)。その上で、適正露出を得なければなりませんので、星空撮影ではISO6400前後の高感度撮影が必要となります。でもそんなに感度を上げるとノイズがたくさん出るじゃん!と思いますよね?そうなんです。だから高感度撮影時の描写性能が気になるわけです。まずはLUMIX S5の高感度性能について見てみましょう。  以下の画像は、それぞれISO3200、ISO6400、ISO12800、ISO25600で撮影した画像です。同じ露出になるように、感度に合わせてシャッタースピードを変化させています。 03 感度比較.jpg  次に、この画像のオリオン座の部分を拡大して比較してみます。 04 感度比較.jpg  ちょっとびっくりしませんか。いや、私はびっくりしたんですけども。ISO12800のノイズの少なさ!なんじゃこりゃ!LUMIX S5にはGH5SやS1Hに搭載されている「デュアルネイティブISO」が採用されています。以下、メーカーHPより抜粋。
LUMIX S1から受け継いだ高感度性能に加え、当社製シネマカメラ VARICAMに搭載している独⾃技術「デュアルネイティブISOテクノロジー」を搭載。例えばV-Log撮影時にISO4000以上を必要とする低照度環境下では、ベース感度がISO4000に自動的に切り替わり、低ノイズ・高ISO回路を使用した撮影になります。これにより、通常の低ISO回路(V-Log時ベース感度640)で撮影した場合と比べてノイズを抑制した映像クオリティを実現します。作品の品質を大きく落とさず、照明機材のコンパクト化や定常光を活かした撮影が可能となります。 ⼀般的なイメージセンサーは、単⼀の感度・ゲイン回路構成を有していることから、⾼感度になるほどノイズも同時に増幅されてしまうという課題がありました。1画素ごとに専⽤回路を2系統備えたデュアルネイティブISOテクノロジーは、「低ISO感度回路」と「低ノイズ・⾼ISO感度回路」の2系統を自動的に切り換えることで、⾼感度時もノイズを抑えた、より⾃然で美しい絵作りを可能にします。
 前半は動画性能についての記述、後半は静止画についての記述です。つまり、ISO3200よりもISO4000以上の方が低ノイズということになってしまうと!この傾向を理解していないとLUMIX S5の性能を引き出せないことになってしまいますので注意しましょう。  上の画像でISO3200とISO6400を拡大して比較して見ていただきたいのですが、確かにISO3200と6400ではあまり差を感じないんですよね。そしてISO12800が一般的なISO6400くらいのノイズレベルに感じます。これが「デュアルネイティブISO」の力なのか……!!  星空撮影では高感度撮影時のノイズの少なさも重要ですが、同時に「画像処理がしやすいか」も重要だと考えます。高感度撮影時はダイナミックレンジが狭くなるため、もやっとした描写になりやすく、低ノイズであっても画像処理がしやすいかどうかは、実は別問題だったりします。  星空の写真はただでさえ高感度撮影でノイズが多い上に、光害などの余計な光を軽減したい場合があるので、画像処理をすることは前提と言っても良いでしょう。LUMIX S5はこの点においても合格で、高感度特性に優れていると同時に、撮影されたデータは非常に画像処理のしやすいものであると感じました。
05 画像処理.jpg
■撮影機材:Panasonic LUMIX DC-S5 + SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art + Lee ソフトフィルターNo.1 ■撮影環境:ISO12800,f2.8,SS10秒,WB:オート Adobe Photoshop Lightroom Classicで画像処理 (シャドウ+30,明瞭度+20,シャープ0,ノイズ低減+20,カラーノイズ低減+30)
 左が元データで、右が画像処理を加えたものです。ご覧の通り、元データが非常に優れていることがわかりますね。これなら左の元データからの撮って出しでもそこそこ使えそうな感じがします。画像処理があまり得意でない初心者の方にも良いカメラであると感じます。

シャドウ部の豊かな階調が魅力的

 LUMIX S5を使用していて感じたことは、シャドウ部の画像処理がしやすいという点です。シャドウ側に余裕を持たせているのか、画像処理時にシャドウを明るく補正したときの諧調が非常によいのです。これは完全な私の感覚で根拠がない話ですが、反面、白飛びしやすいような印象もあり、画像処理での白飛び復元がしにくいようにも感じます。  通常は露出アンダーなシャドウ部にノイズが発生しやすいため、画像処理時にシャドウ部が復元しやすいよう”多少白飛びしても少し露出オーバーめに撮影”することが多いのですが、LUMIX S5を使用するときは白飛びに注意しながらカメラの設定をします。多少黒つぶれしていても、画像処理時にきれいに明るさを補正できる感じが、他社カメラよりも優れていると感じました。もちろん限界はありますが、露出アンダーと、露出アンダーによる暗部ノイズの発生を恐れずに撮影することができます。 ■画像処理前の元データ 06 元データ.jpg ■上の写真のシャドウを大きく補正 07 処理後.jpg  顕著な例をお見せします。上の画像は画像処理をしていない状態の元データです。完全に同じ撮影データではないのですが、どちらも露出アンダーで黒つぶれ気味の画像です。もうひとつの画像は、景色が確認できるくらいにシャドウを明るく補正したデータです。このように、露出アンダーのシャドウ部分を明るく補正すると、ざらつきや赤いアンプノイズなどが発生しやすいのですが、LUMIX S5の場合はこのようなノイズが発生しにくい印象です。 08 シャドウ部の復元具合.jpg  もうひとつ作例をお見せします。これは完全に露出アンダーで撮影したものを、大幅にシャドウ部を明るく補正しました。素直な感じで明るく補正できていることがわかります。ただ、さすがにここまでやると、拡大して見れば白い輝点ノイズもありますし、ダイナミックレンジが低下して不明瞭な感じになっています。露出アンダーすぎるとこのようになってしまいますので、失敗作品をカメラの力でなんとかできるわけではないことに注意しましょう。  また、星空を撮影するユーザーは「赤」の写りを気にします。HⅡ領域という、近赤外(656nm)あたりの波長のことを指しますが、大手メーカーではホワイトバランスに影響があるということで、ここを大幅にカットしており、星空の空間に存在する赤い色が写りにくくなっているのです。LUMIX GH5Sを使用したときは、HⅡ領域があまり映らないイメージでしたが、LUMIX S5はこの領域をそこそこ通してくれており、星のみを撮影する天体写真の分野でも活用できると感じました。
09 天体写真差し替え.jpg
■撮影機材:Panasonic LUMIX DC-S5 + LUMIX S50mm f1.8 VIXEN 星空雲台ポラリエUで追尾撮影 ■撮影環境:ISO12800,f4,SS60秒x10枚(総露出時間600秒),WB:太陽光 Astroarts ステライメージ9で10枚を加算平均合成 Photoshop CCで画像処理
 ゴリゴリに画像処理した天体写真を見せても意味がないと思いますので、加算平均合成後に彩度を+50した画像をご紹介します。オリオン座付近を撮影したものですが、左上にあるバラ星雲やオリオン座付近のバーナードループなどが写っていることが確認できます。一般的なカメラとしては、まずまずHⅡ領域が写る機種だと感じました。

豊富なLマウントレンズ:星空撮影時のベストレンズは?

 Lマウントアライアンスはパナソニック、シグマ、ライカが提携したレンズマウントの規格。この3社が発売しているレンズをLUMIXでは使用することができます。シグマから発売されているMC-21を使用すれば、キヤノンEOSマウントからの変換も可能ということで、非常に豊富な選択肢が生まれることになります。  私は現在、SIGMA 14mm F1.8 DG HSMにMC-21を介してLUMIX S5で使用しています。ここまでご紹介した星景写真はすべてこの組み合わせで撮影しています。LUMIX S5ユーザーとしてはぜひ持っておきたいアダプターです。
10 SIGMA MC-21を介して.JPG
マウントコンバーター MC-21を使用してレンズを装着
 ですが、所詮は一眼レフ用のレンズなので、ミラーレス専用設計のレンズ精度には及びません。おそらくLUMIX S5と最も相性の良いレンズはSIGMA 14-24mm F2.8 DG DNでしょう。星景写真のために設計されたレンズとSIGMAがうたっている通り、もともと素晴らしいレンズですし、やはりミラーレスならではの短いフランジバックを生かした専用設計となると、非常に高画質で周辺までピシッとシャープな写真が撮れます。今回は残念ながら時間がなく、この組み合わせでの十分な作例を撮ることができませんでしたが、最もおすすめできる組み合わせなのは間違いないでしょう。
11 S5.JPG
LUMIX S5にSIGMA 14-24mm F2.8 DG DNを装着

使ってみて良かったところ

①液晶モニター拡大時の詳細な設定

 星を撮影するときはピント合わせをマニュアルで行います。液晶モニターに写っている点光源を拡大し、ピントリングを回す。点光源が大きくなったり小さくなったりしますが、もっとも小さくなったときがピントが合っているときということになります。  液晶モニターの拡大率が20倍まで上がるので、非常に精度の高いピント合わせが可能です。また、拡大ポイントを非常に細かく選べるのもポイントが高いです。他社のカメラでは拡大ポイントが細かく設定できず、点を真ん中に配置したいのにできず、カメラの構図ごと変えなければならないときがありますが、LUMIX S5は非常に細かく拡大ポイントを選択することができ、それをタッチパネル方式で選べるのも便利な点です。液晶をピンチアウトしても拡大することができます。

②液晶ブーストモード:ライブビューブースト(MODE1,2)

 星空撮影地は真っ暗なので構図の確認がしにくいのですが、LUMIX S5に搭載されている「ライブビューブーストモード」がとても心強いです。 ■ライブビューブースト MODE1:明るさ弱め、液晶表示のなめらかさを優先。 MODE2:明るさ強めの設定で、星空撮影時には天の川の位置も確認できる。星景写真の構図決めで頻繁に使用する設定。  カスタム設定に割り振っておくと、一発で呼び出せるのでとても便利です。注意点としてはライブビューブーストをONにすると、液晶画面のフレームレートが遅くなるため、カクカクした動きになります。構図を決めるときや、ピント合わせに明るい星を探すときなどはONにし、実際にピント合わせ(フォーカスリングを動かす)をするときはOFFにすることをおすすめします。

③ライブビューコンポジット

12 ライブビューコンポジット作例.jpg
■撮影機材:Panasonic LUMIX DC-S5 + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art ■撮影環境:ISO1600,24mm,f2.8,SS10秒 ライブビューコンポジットモードで撮影、撮影時間約20分。
 カメラ内比較明合成で、星を軌跡にして表現することができます。どこまで軌跡になっているのかが常時表示されているので、撮影終了のタイミングがつかみやすいです。合成途中の画像は残らず、最終画像のみが保存されますのでタイムラプスへの応用などはできませんが、初心者にはとてもありがたい機能です。電子シャッターでは使用できない(メカニカルシャッターのみ)ので撮影時の設定に注意!
13-1 撮影開始直後.jpg
ライブビューコンポジット撮影開始直後の液晶画面
13-2 16分経過.jpg
ライブビューコンポジット16分経過時の液晶画面。 時間が経つほど軌跡が長くなっていきます。このように軌跡がどこまで伸びているのかをリアルタイムで確認できます。
 良いところばかり言いましたが、もちろん気になる点もあります。今後の改善に期待したいですね。 ①カメラボディはPD非対応だが、バッテリーチャージャーはPD対応  電気を供給し続けながら撮影できるUSB給電に対応していますが、バッテリー切れの心配がなくなる便利なUSB給電方式・PD(Power Delivery)は非搭載。そのため、長時間の動画・タイムラプス撮影でUSB給電をすると、いずれは電池が切れるというリスクがあります。でも充電器はPDに対応しています。 ②レリーズ端子  レリーズやマイクの端子には3極と4極があります。プラグに黒い線2本が3極、3本が4極です。カメラのメーカーの多くは3極を採用していますが、LUMIXは4極のレリーズ端子が採用されているんです。LUMIXだけ使用している方は問題ないですが、私のように他社カメラと併用している人は要注意! ③ナイトモード(赤色表示)  液晶画面を赤色表示することができる「ナイトモード」は、暗所での撮影で目に刺激を与えたくない場合にはとても有効的です。ただ、ナイトモードにすると撮影した写真を確認する際も赤色に表示されてしまうため注意してください。 ④常時プレビュー  露出やホワイトバランス、絞りなどの効果を液晶モニターに反映する「常時プレビュー」。他社にも搭載されている機能なので特に変わった部分はないように感じると思いますが、LUMIX S5では昼間に撮影するときはON、星空を撮影する場合はOFFにすることを推奨します。  星空撮影で「常時プレビュー」をONにしたままにしておくと、露出効果がそのまま反映されてしまうため、例えばシャッタースピードを5秒に設定すると5秒おきに画像がモニターに表示されるようになり、構図などの確認がしづらくなります(液晶のフレームレートよりも露出効果が優先されてしまう)。しかしながら昼間の撮影では常時プレビューをONにしておかないと、シャッターを切った瞬間に全く違う露出の画像が表示されることになります。最初は戸惑いましたが、昼間はON、夜はOFFに切り替えしやすいよう、Fn設定などに振り分けておくことをおすすめします。

作例

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■撮影機材:Panasonic LUMIX DC-S5 + Vixen SD103S + SDフラットナーHDキット ■撮影環境:ISO25600,SS0.5秒,811mm,f7.9,WB:太陽光 DxO Pure Rawでノイズ低減後、Photoshop Lightroomで画像処理、トリミングなし
 富士山測候所の後ろから昇ってきた細い月。光が当たっている部分が測候所の両脇から顔を出した瞬間を撮影する、通称「イヤリング富士」。遠方にある地上風景を撮影するにはレンズ枚数の多いカメラ用レンズだと描写が甘くなってしまいます。しかしながら、遅いシャッタースピードだと月がブレてしまうため、可能な限り速いシャッタースピードで適正露出を得たい。速いシャッタースピードで撮影するには明るいf値と、月の面積比を増やすための望遠効果も必要です。  いろいろと考えることが多い奥深い撮影ですが、ややf値の暗い望遠鏡でもLUMIX S5の高感度特性の良さでなんとか撮影することができました。左上にちょっと彩雲がでていて、それが構図内にもっと入っていればパーフェクトでした……。

まとめ

 いろいろと独特の操作感があるため良いこと悪いこと書きましたが、総じて私はこのカメラを気に入ってます!高感度性能は素晴らしく今回触れませんでしたが動画性能も素晴らしいです。特に絵作りに影響を及ぼす「フォトスタイル」はスタンダード、L.クラシックネオ、シネライクD2あたりはカラーグレーディングも必要としないくらいで非常に重宝しています。  星空撮影者の中ではマイナーなLUMIXですが、今回使用してみて過小評価されているというか、こんなにもトータルバランスに優れた魅力的なカメラなのかと驚愕しました。現在すでにLUMIX S5を使用している人にも、今回の記事が参考になれば嬉しいです。  私の過去のライブ配信では、LUMIX S5で撮影した星空画像を画像処理する過程をお見せしています。今後もLUMIX S5関連の動画をアップ予定ですので、ぜひチャンネル登録してみてくださいね!
■写真家:成澤広幸 1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで執筆を担当。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。 ・著書「成澤広幸の星空撮影塾」「成澤広幸の星空撮影地105選」「プロが教えるタイムラプス撮影の教科書」「成澤広幸の星空撮影塾 決定版」 ・月刊「天文ガイド」にて「星空撮影QUCIKガイド」を連載中。 ・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 星空写真家の成澤広幸さんによる、パナソニック「LUMIX S5」レビュー記事です。星空撮影における高感度性能や描写性能、使い勝手などを細かく解説していきます。 ----- KEYWORDS: パナソニック,Panasonic,LUMIX S5,レビュー,星景,星空撮影,成澤広幸 ----- -------- AUTHOR:   TITLE: おすすめ撮影スポット Vol.2『宍道湖の夕陽』|カメキタ店舗スタッフに聞いてみた! BASENAME: 484923849.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: ShaSha編集部 DATE: 01/12/2022 16:00:00 TAGS: おすすめ撮影スポット ----- BODY: 夕日スポット03.JPG

はじめに

全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.2。今回紹介する撮影スポットは、島根県松江市にある「宍道湖」。日本の夕陽百選に選ばれるほどの絶景スポットです。この撮影スポットの魅力やおすすめの撮影方法を、カメラのキタムラ 松江店の田北淳二さんに聞いてみましたのでご紹介します。

撮影スポット情報

■宍道湖(しんじこ) 住所:〒690-0049 島根県松江市・出雲市 アクセス:松江駅から徒歩約25分 または、駅からバス南循環線内回りに乗車「県立美術館前」下車徒歩7分 おすすめの被写体:夕陽の撮影

「瀬長島」の魅力と撮り方

― 「宍道湖」の魅力、好きな理由 宍道湖の夕陽は「日本の夕陽百選」に選ばれるほど美しく、湖に浮かぶ嫁ヶ島が見えるこのスポットは駐車場やテラスやベンチ、歩道なども整備されており地域に愛されています。また、観光客も沢山訪れることから日没前にはたくさんの人が集まり夕陽に照らされます。その情景に心を打たれました。
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■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD ■撮影環境:焦点距離 24mm|F8 1/250秒|ISO100|露出補正+0.33EV
― おすすめの撮影時間 日没前からの撮影準備がおすすめです「夕陽指数」はこちらでご確認ください https://www.kankou-matsue.jp/omoshiro/sunset/sunset_information ― おすすめ構図 嫁ヶ島や袖師地蔵を入れた構図が人気です、天気の良い日は観覧遊覧船が嫁ヶ島に近づきますので夕陽と一緒の構図もおすすめです
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■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD ■撮影環境:焦点距離 60mm|F7.1 1/180秒|ISO400
― 好きな画角 撮影スポットであり観光スポットでもあるので、広い画角を使い夕陽に染まる人々をシルエットで捉えるのが好きです ― 撮影時におすすめのアクセサリー   ハーフフィルターを使えば撮影の幅が広がります。撮影中、効果が画面上で実感できるのでハーフフィルターの使い方がわからない方はぜひここで試してみてください!また、当店で夕陽の撮影をされているお客さまは、スリックの4段三脚「VS-543AS」をよく購入されます。構図の自由度を高めることが出来る三脚なのでオススメさせて頂きます。
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■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD ■撮影環境:焦点距離 70mm|F2.8 6秒|ISO1600|露出補正-0.33EV
― 作例を撮った時に考えたこと・思い 数えきれないほど訪れている場所ですが、同じ夕陽は一度もなく、また撮影した時に考えることも同じ数だけありました。「今日はいい夕陽が撮れないかな」と毎回考えますが、撮っているうちに撮影とは関係のないことなどを思い浮かべ、「今日も夕陽を見て心が洗われた」と感じます。
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■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD ■撮影環境:焦点距離 176mm|F5 1/1250秒|ISO100|露出補正-0.33EV
― 撮影スポット周辺のおすすめ情報 周辺には岸公園や白潟公園、県立美術館などがあり市民の憩いの場となっています。宍道湖は人気の観光地でもあり、夕陽以外の撮影も楽しめます ― おすすめのカメラ設定 夕陽の撮影時には強い光源が入るため、表現に適した露出に調整することをオススメします。
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■撮影機材:キヤノン EOS 6D Mark II + タムロン SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD ■撮影環境:焦点距離 35mm|F3.5 1/3200秒|ISO100

今回のスタッフ

■田北淳二さん(カメラのキタムラ 松江店) ― 普段、写真はどうやって勉強していますか 撮影、確認、プリントを繰り返しました。また店頭のお客様やSNSで見てもらい、頂いた意見も勉強になりました。撮影していく中で「物語を感じる写真」が好きで、見て頂く方にそれを感じてもらえるよう日々撮影しています。
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■撮影機材:キヤノン EOS6DMarkII + タムロン SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD ■撮影環境:焦点距離 135mm|F5 1/125秒|ISO100
【お店の紹介】 カメラ・レンズは新品、中古、それに伴うカメラ用品のご相談などお任せください!今回ご紹介した撮影スポットの行き方や撮り方などお気軽にご質問ください。また、証明写真や通常のプリントサービスも実施しておりますので、お写真のお困りごとはぜひカメラのキタムラ松江店へ! 店舗住所:島根県松江市本郷町1-22 営業時間:10:00-19:00 TEL:0852-26-9151 URL:https://blog.kitamura.jp/32/4500/ 以上、カメラのキタムラスタッフが紹介するおすすめの撮影スポット紹介でした。今後も定期的に全国の撮影スポットを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。 ■おすすめ撮影スポット記事一覧はコチラからご覧ください。
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----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: 全国の撮影スポットを紹介していくShaSha連載企画のVol.2。今回は島根県松江市にある「宍道湖」を紹介します。日本の夕陽百選に選ばれる絶景スポットです。 ----- KEYWORDS: おすすめ撮影スポット,カメラのキタムラ,宍道湖 ----- -------- AUTHOR: 多賀野友輔 TITLE: 動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.1 撮影フォーマットの基礎知識 BASENAME: 485127121.html STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 1 ALLOW PINGS: 0 PRIMARY CATEGORY: CATEGORY: SUMIZOON DATE: 01/13/2022 16:00:00 TAGS: 動画撮影・編集 ----- BODY: 動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 vol.1 撮影フォーマットの基礎知識

はじめに

 ここをご覧の方の中には動画撮影・編集を始めて見たいけど、動画は良く分からない用語が多くてどの設定で撮ったらいいのか分からない、編集もどうやって始めたらいいのか分からないという方も多いかと思います。  今回はこれから映像制作をはじめたい方向けに撮影フォーマットの説明、撮影~編集、書き出しまでをなるべく分かりやすい様に説明したいと思います。  第一回は撮影フォーマットの基礎知識。映像制作をする上で、知っておいたほうが良い内容をまとめました。
ちょっとした日常も編集して形に残すことは楽しい LUMIX S5のLogプロファイルにて撮影(スチルカットはG100を使用)

撮影フォーマットの基礎知識

 まず撮影する際に分かりにくいとされる撮影フォーマットの用語について記載しておきたいと思います。初めて動画を撮影される方が頭を悩ませるものにフレームレート、解像度、ビット深度、カラーサンプリング形式、圧縮方式、ガンマ設定というものがあります。
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LUMIX S1Hの画質選択メニューの例
 動画画質を選択すると機種にもよりますが、これらの情報が表示され、この情報を見ながら撮影フォーマットを選ぶことになります。それぞれ何を示しているか、映りにどう影響があるかについて紹介します。

解像度(4K/FHD)とは?

 撮影フォーマットの選択画面には必ず4K/FHDなどの解像度を選択するメニューがありますが、これは記録画素数と考えてください。  最近のカメラでは多くが4K(3840x2160)の撮影が可能となりましたので、4Kで編集したいという方は多いかと思います。4Kで撮影した映像は解像感が高く、SNSなどにアップする上においては写真と見まがうほどの解像感得られますが、再生・編集時のPCへの負担が大きくなります。後述する様にご自身のPCのスペックに見合う解像度(編集でストレスを感じない解像度)で撮影するのが良いかと思います。また、カメラによってはフレームレートによっては画角が変わる事があります。

フレームレートとは?

 フレームレートは1秒間に記録するフレーム数と考えてください。24p(24fps)であれば1秒間に記録されるフレームの数は24枚、60p(60fps)であれば1秒間に記録されるフレーム数は60枚という事になります。このフレームレート数値は大きい程より滑らかな動きの表現が可能となるのですが、いつでも滑らかな映像が良いかというと、そういう言うわけでもありません。  例えば映画はそのほとんどが(スロー撮影を除いて)24pで撮影されています。動きが滑らか過ぎるというのは、リアルな動きを再現できる一方で現実的すぎる傾向にあります。映画の様なコマ落ち感のある如何にも映画的な動きを表現したいのであれば、24pを選ぶとよいかと思います。尚、私は汎用性の高い30pを使用する事が多いです。  また、60pで撮影して30pの動画編集を行えば、コマ落ちなく半分の速度(50%)のスロー動画を作ること可能となります。同様に120pで撮影すれば速度を1/4のスロー動画を作ることが出来ます。 ※尚、ここでは24pは23.97p、30pは29.97p、60pは59.94pと同義語として扱っています。
60p撮影で50%スローを適用した例(LUMIX GH5Sにて撮影)

4:2:2/4:2:0とは?

 カメラのスペック表を見ていると動画記録時の設定に「4:2:2」や「4:2:0」などの表示がされていることがあると思います。これはカラーサンプリング(クロマサブサンプリング)形式と呼ばれるものです。  詳細は割愛しますが、カメラは動画記録する際には輝度と色差という情報に分けて記録します。色情報である色差を間引いて記録する方式がクロマサブサンプリングと呼ばれるものです。人間の目は輝度情報よりも色情報に鈍感であることから、データを間引く際には色情報を間引くことで少ないデータ量で記録を行う処理をします。  4:2:2は水平方向に半分に色解像度を間引きます。更に4:2:0は水平及び垂直方向に半分に間引く処理をして記録する方式です。4:2:0に比べて4:2:2は間引き量が少なく高品質な記録ができる方式です。
4:2:2 10bit撮影(LUMIX S1撮影)

10bit/8bitとは?

 10bit/8bitもスペック表や動画の記録設定で見かける表記です。これはビット深度と呼ばれるもので記録時の映像の階調性をあらわすものです。10bitは8bitに比べて圧倒的に綺麗なグラデーション表示が可能です。  ほとんどのカメラが動画では8bitフォーマットで記録されますが、LUMIX GH5/SシリーズやSONY α7S IIIなどでは10bitの記録フォーマットで撮影することが可能です。これは後述のLog撮影におけるカラーグレーディングを行った際に、映像が破綻しにくい特徴があります。特に動画編集時に色味を変更するような事を行わない場合は8bitフォーマットで十分です。  また、10bitデータはPCに大きく負担がかかりますので、10bitデータを扱うには高いパフォーマンスのPCが必要です。
8bitと10bit素材を同じ環境でグレーディングした場合の映像の見え方を説明したもの。10bit素材の有効性がわかるかと思います。

コーデック H.264/H.265(HEVC)とは?

 上のメニューの写真には示されていませんが、動画の記録は一般的なミラーレスではH.264もしくはH.265にて記録することになります。この2つについても少し解説しておきます。  H.264もH.265(High Efficiency Video Coding -HEVC-)も動画圧縮規格の事です。ほとんどのミラーレスカメラで撮影したFHDの解像度の動画はH.264記録となります。最近は4K10bitが記録できるカメラでは少ないデータ量で高画質を実現できるH.265を採用しているカメラが増えてきています(H.264で記録できるカメラもあります)。  また、4K60pの10bit記録できるカメラのほとんどはH.265形式となります。(一部業務用カメラでは例外があります)一般にH.265はH.264に比べて半分のデータ量で同じ画質を実現すると言われていますので、良い事ばかりのH.265の様に聞こえますが、H.265はH.264に比べてPC側の負担が大きく、編集する際には比較的ハイスペックなPCが必要になるケースが多いです。  H.265を常用される場合は、ご自身のPCがH.265の再生、編集に耐えられるかを確認頂くのが良いかと思います。

LongGOP(IPB)/ALL-Iとは?

 これも動画撮影を行った事のない方にはあまりなじみがないと思いますが、例えば先に述べたH.264の中でもLongGOPとALL-Iなど動画の圧縮方式に分けられます。LongGOPは時間方向に圧縮がある方式で、ほとんどのカメラに搭載されている圧縮方式です。  ALL-Iは時間方向の圧縮の無い方式でPCでの再生時に負担が少なく、画質も有利なのですが、記録容量が大きくなるためミラーレスカメラの動画機能では限られた機種にのみ搭載されています。LongGOP/ALL-Iを選択できないミラーレスカメラは基本的にLongGOP方式だと思って頂いて良いかと思います。

ビットレートとは?

 たとえば、上の写真の例ですと、100Mbpsと表示されています。これは1秒間に記録するデータの大きさを示しています。つまり10秒撮影すると1000Mbit≒1Gbitとなります。8bitは1Byteになりますので100Mbpsの設定で10秒撮影するとそのデータ量は約120MByteのデータを記録する事になります。  このビットレートは大きければ大きいほど高品質に撮影することができます。通常の4K撮影であれば100Mbps、FHDであれば25Mbps程度で十分な品質を得ることが出来ます。ご自身の撮影するカメラのビットレートを確認してみると良いかと思います。

Log撮影とは?

 動画撮影においてカメラのダイナミックレンジを最大限に活かす記録方法(プロファイル)です。通常のプロファイルでの撮影が「完成された料理」に例えると、Log撮影によって得られた動画は「下味をつけた料理素材」に近いと言えます。  Logは撮って出しに使用する撮影方法ではなく、トーンの調整をする、LUT(ルックアップテーブル)を適用するなどの処理を経て動画を仕上げる作業が必要です。つまりある程度自分なりの味付けが可能な素材という事になります。
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LUMIX S5のフォトスタイル選択画面 Log撮影(V-Log)を選択したところ
 広く使われている8bit撮影でもそれなりの調整幅がありますが、10bit撮影であれば余裕のある調整幅が得られます。なお、ホワイトバランスなどは焼き付けれられているため、色相、ホワイトバランス、トーンなどを大きく変更するような調整を行うと画が破綻しますので注意が必要です。あくまで記録フォーマットはH.264やH.265の一般的なコーデックで記録される形式であり、あくまでトーンが特殊なものだと考えてください。  また、このLogプロファイルで撮影された素材に関しては、通常のガンマ(トーン)に変換するLUTが各メーカーからリリースされています。

RAWとは?

 センサーからのデータをほぼそのまま記録する方法です。RAWは料理に例えると、全く味付けされていない料理素材そのものです。その為、Logよりも自由度の高い画作りができます。スチルのRAWは当サイトをご覧の皆さんの多くがその恩恵を感じていると思います。そのRAWがこの数年、動画撮影において一般のユーザーが使えるレベルになってきました。  ただし、動画RAW撮影の多くは外部レコーダーによる収録が前提であり、撮影したRAWデータが編集ソフト(NLE)の読込み/編集に対応していないケースがあります。気軽に撮影できるものでは無いにせよ、色味/露出を後処理で変更する場合はベストな記録方法であり、画作りを追い込みたいのであれば是非使って頂きたい記録方式です。
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LUMIX S5の例
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Blackmagic Video Assist 12G HDRを接続した場合RAW動画収録ができる
BlackmagicRAWフォーマットの撮影例(LUMIX S1H撮影)

まとめ 結局動画を撮る時にどんな設定を選べばいいのか?

 以前、私の個人SNSと主宰するフォーラムで、趣味の撮影で使うフレームレートについてアンケートを取ったところ、汎用性の高さから30pの使用率が一番高い結果となりました。私自身も特別理由が無い限りは30pで撮影、編集を行う事にしています。  動画をこれから始めたいという方に対しての意見ですが、PCのスペックに余裕があるのであれば、まずは4K 8bit 30p 、PCのスペックが不安な方はFHD 8bit 30pあたりから動画編集を初めてみるのが良いかと思います。PCの環境に合わせてより解像度の高い4Kや10bitを使っていく事をお勧めします。 ■ビデオグラファー:SUMIZOON 2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。現在Youtube「STUDIO SUMIZOON」チャンネル登録者は1万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。

『映像制作入門』連載記事はこちらからご覧頂けます

■動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.2 DaVinci Resolveを使用した動画編集のワークフロー https://shasha.kitamura.jp/article/485127256.html ■動画撮影をして作品を作ってみよう!|映像制作入門 Vol.3 素人丸出しの動画にならないために撮影時にできること https://shasha.kitamura.jp/article/485131546.html