総評:
初めて審査をさせていただくにあたり、3つのポイントを考えていました。まず素晴らしいものを発見したと思える、発見感のあるもの。そして心の琴線に触れる何かを表すもの。それから雰囲気を大事にしたもの。これらの点に注意しながら作品を選びたいと思い、普通のフォトコンテストとは違う視点で選考を進めてみましたが、面白い作品がありすぎて、これほど充実した審査になるとは思いませんでした。
審 査 員
奈良 巧 氏
なら たくみ/1958年秋田県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、小学館勤務。女性セブン、GORO、TOUCH、SAPIO、週刊ポスト、DIME、サライなどを経て50歳で早期退社。編集部時代に篠山紀信氏、竹内敏信氏、田沼武能氏、石川梵氏、赤城耕一氏などを担当。現在は雑誌記者、カメラマン、編集者。季刊「フォトコンライフ」に「奈良巧カメラ」連載中。
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「会いたかった、ありがとう」
下元愛美(高知県高知市)
高知/土佐道路店
寸評:
お子さんが誕生し、出産に立ち会ったお父さん、この作品の作者であるお母さんの三人揃って最初の記念撮影です。作者の下元さん自身の顔が一番大きく写っています。お母さんの立場で、生まれたばかりの赤ちゃんに、タイトル通り「会いたかった、ありがとう」という気持ちでベッドの上で、しかも自分撮りしている。三人がなんとも言えない表情で、新しい三人の人生が始まる場面に収まっています。これはまさにスマホでなくては撮れない作品ということで、何の迷いもなくグランプリにさせていただきました。