ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
カメラ関係の書籍を扱う編集部の仕事をしていたとき、「このAUTOとP(プログラムオート)って、どうちがうんですか?」と聞かれました。どうやら彼はメーカーから借りたカメラをいじっていて撮影モードダイヤルを見て気がついたようでした。たしかにちょっとわかりにくいことでしょう。最近のカメラは賢くなっているので、カメラにおまかせしておけばたいていの場面で無難に撮ることができます。そのための撮影モードなのですが今回はこのAUTOとPの使い分けについて話してみましょう。
一方Pモードですが、Pでカメラ任せにするのは露出〔シャッター速度と絞りの組み合わせ)だけです。露出補正は自由にできますしホワイトバランスもISO感度も撮影者が自分で設定することができます。また、シャッター速度と絞りの組み合わせもある程度変えることができます。たとえばPモードでカメラが算出した露出よりもちょっと速いシャッター速度が使いたい、と思ったらコマンドダイアルを動かすことでシャッター速度を変えることが出来、その分絞りのほうも自動的に変えてくれます。場合によってはわざと色をかぶらせたい時もありますから[作例(3)]そのような時はAUTO以外の撮影モードでないとホワイトバランスをかえることができません。
これは機種によりますが、初心者向けの機種の多くはPやAUTOに設定していると、そのとき使っているレンズによってなるべく手ぶれしないようなシャッター速度を選択してくれるようになっています。望遠レンズほどブレが目立ちやすくなるので、たとえば望遠系レンズをつけていれば、カメラが「今、長いレンズを使っているからシャッター速度は速めにしておこう」ということを考えてくれると言う具合です。AUTOモードはおもに初心者向けの機種にしか採用されていないことからも、本当の入門用モードだと思っていいでしょう。
AUTOはすべてがカメラ任せ
まずAUTOのほうですが、モードダイアルをAUTOにあわせるとすべてがカメラ任せになります。まさかシャッターまではカメラが勝手にきるわけではありませんが、シャッターを押す以外何の設定もしなくていい、というより撮影者が何にも設定できない撮影モードです。ためしに私が持っているニコンの中級モデルで試してみました。撮影モードダイアルをAUTOに設定するとシャッター速度と絞りの組み合わせはもちろん、ホワイトバランスもオート、ISO感度もオート、露出補正もできませんし、ストロボモードもオートに自動設定されました。私個人はAUTOで写真を撮ることはほとんどありませんが、カメラを買ったばかりで何もわからないというユーザーさんがとりあえずカメラに触って撮ってみるにはいいかもしれません。
ただし意図的に何かを設定することが出来ないので、[作例(1)]のような軽いスナップなどにはむいていると思いますが、[作例(2)]のように露出補正なしでは撮れないような状況には不向きです。個人的にはせっかく一眼レフを使うのにAUTOでしか撮らないのではもったいないのではないかと思います。