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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2011.11.25【Vol.039】

マウントアダプターの話

マイクロ一眼や、一部レンズ交換型のデジタルカメラが普及するにつれ、様々な世代にカメラが浸透し、その使い方、遊び方が幅広くなってきています。そんななか、古いレンズを最新のデジタルカメラに装着できる、所謂マウントアダプターが最近注目されているようです。

本来はボディーマウントとレンズマウントの規格が一致しない場合それらを使えるように仲介するカメラアクセサリーです。基本的にはフランジバック(マウント面とフィルム面、撮像素子面との距離)が短いボディーにフランジバックの長いレンズを使用するアダプターが一般的で、その逆もありますが、実際の使用に際して大きな制約が出るためこちらは一般的ではありません。また、もともと規格が違うものどうしですので、AFやAEが連動せずピント操作、露出がすべてマニュアルになってしまう場合もあるので注意が必要です。

そもそも、マウントアダプター自体は最近のものではなく、昔からカメラアクセサリーのひとつとして存在していました。レンズマウント変換リングとも呼ばれていたマウントアダプターですが、昔はカメラ本体や交換レンズが今ほど身近に手に入るような価格製品ではなかった点、趣味のためにレンズを違うボディーにつけて撮影するというよりは、あくまでも実用のための限られた使用であったり、カメラメーカーのサポート的な役割が高く、そもそもマウントの種類が今ほど多くありませんでしたので、現在のように一般的ではなかったようです。

今からちょうど10~15年前にクラシックカメラのブームがあり、それが次第に古いカメラを趣味として集める愛好家の間で、新しいボディー、違ったボディーに取り付けて撮影したいというジャンルが広まってきたようです。ただフィルムカメラの場合、たとえどんなカメラに特定のレンズを取り付けてもフィルムの種類でしか写りは変化しません。レンズ特有の写りの変化を楽しむためにはたくさんレンズを集めるしかないわけです。そうなるとレンズは増えても、それに対応したボディーをもっていないということも起こってきます。そういったニーズも一部要因となり一時期かなりの数のマウントアダプターが製品化されました。

そして近年ではマイクロフォーサーズのマウントを持つデジタルカメラが写真愛好家から注目されました。フランジバックを短く設計することでカメラ本体の小型、軽量化を図ったわけですが、それがマウントアダプターにも有利な結果となったわけです。デジタルの場合は、レンズの写り具合だけでなく、メーカーや機種ごとの写真の仕上がりが異なる点、フィルムカメラの場合よりも仕上がりに変化がでたりバリエーションが出てくるのは事実です。また、フィルム用に開発されたオールドレンズ本来の写りとデジタルでの撮り比べというのも面白いかもしれません。そう考えれば、デジタルでマウントアダプターがこれからも普及していくことも多いにありそうです。