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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2012.03.23【Vol.056】

測光モードの話

露出計内蔵のカメラ、(現在のデジタルカメラでほとんど該当します)であれば、カメラの機能の中に測光モードというのがあります。カメラが露出を測る場合、画面のどの部分を基準に測ればいいかを設定する機能のことです。大きく分けて3つの測光モードが一般的で「中央部重点平均測光」、「スポット測光」、「多分割(評価)測光」が挙げられます。

まず「中央部重点平均測光」ですが、画面中心部の明るさを優先的に基準とし画面全体を平均的な露出に導くモードで、画面中心付近の被写体から外れた、背景などが暗かったり、明るすぎたりした場合などに有効です。ファインダー像で中心部およそ数mm~10数mm程度の範囲を基準に測光しているカメラが多いようです。実際の被写体と照らし合わせ、中心部の明るさをイメージした露出補正が行いやすいため、フィルム時代からの流れで愛用者も多い測光モードといえます。

また、中央部重点平均測光に近いモードとして「部分測光」というモードを備えたカメラもあり、中央重点より少し狭い範囲を測光する場合などに試用します。

次に「スポット測光」ですが、文字通り画面の一部分、局所的な露出を測るモードです。画面中心部数%の部分測るわけですが、被写体の明るさ、画面全体の明るさを考えた上で露出を測る場所を撮影者自身が細かく決めなければなりません。ポートレート撮影など、顔を基準に露出を決める場合、周囲の明るさが極端に違う場合などにはかなり効果的といえるでしょう。ただしあくまでも被写体の明るさ「反射率」がわかった上でなければ思わぬ結果となることもありますので注意が必要です。

最後に「多分割測光」についてですが、現在のカメラでスタンダードとして採用されている測光モードです。画面内をいくつかのブロックに区分けし、それぞれで得られた情報を元に露出を決定してくれます。最近ではAF測距点ごとに細かく分割した測光もできるようになり、露出の精度面でばらつきが少なく安定した露出が得られます。カメラを買ったばかりの所期の設定はこの「多分割測光」になっています。多少の逆光シーンなど光の状況が変化しやすい場面でも極端に明暗のでる露出値を出すことがないので初心者の方でも安心して使うことができます。

以上3つの測光モードについて簡単に解説してみました。それぞれ特徴はあるものの、どの測光モードを使用しても写真は撮影できます。それが果たして使いやすいかということがまずは第一。普段おこなっている、露出補正の操作などに迷いが出ないモードを選択すればOKでしょう。どの測光モードが万全で失敗がないということではなく、自身が撮影する被写体や露出の考え方も含めて判断される機能ということを知っておけば大丈夫です。