種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2012.10.12【Vol.085】
写真はそこに当たる光の強さで画面の濃淡や色の見え方が変化していきます。結果簡単にみると出来上がる写真の露出、コントラストに違いが現れます。この露出、コントラストというものは写真の印象を大きく左右します。画面全体フラットな淡い光なのか、明るいところと暗いところに差が激しいいわゆるコントラストの高い写真なのか。昔は採光方法などという言葉で表現されたりしたのですが、それら、写真で一番大切な光の採り方について簡単にお話しします。
まず、屋外で撮影する際のメインライトは太陽光になります。この太陽光を自分の意のままに、あらゆるところに配置できればいいのですが、そういうわけにもいきません。 ということは自分が動いて、被写体に対してどの位置から光が当たっているか。そしてどの位置から当たっている(当てる)のがその被写体に対してもっとも適切なのかということを考えないといけません。実は皆さんも普段撮影している際に無意識のうちに太陽の位置を考えて撮影しているはずです。一番わかりやすいのが、逆光の撮影です。葉っぱを透かして撮影する場合逆光を用いたりするわけですが、輪郭にハイライトが出て大変きれいです。むしろ逆光以外の光は被写体が適当に照らされてしまうので、インパクトは薄く感じるかもしれません。ただ、逆光以外でも細かく見ていけば光の角度によっていろいろな呼び方があります。順光、斜光、側面光などです。
また、太陽の高さも重要で、太陽が真上にあるような場合トップライトといったりします。普通、被写体正面をまんべんなく照らす光を得るために、撮影者の後ろに太陽を置く(正面光)といいなんていわれたりします。少し斜めから当たる光これが順光なのですが、被写体に少し立体感が出ます。真横からの光(側面光)は光があたる反対側に影がはっきり出て被写体にコントラストがつきます。 そういった光の組み合わせのなかで写真が撮影されているわけですが、たまたま見つけた被写体が逆光できれいだったのか、それとも逆光になるように被写体を狙ったのか、たとえ結果は同じになったとしても、意識的に光の位置を考えて撮影するようにすると良いのではないでしょうか。そうすれば短い時間で撮影位置を選択できたり、またはバリエーションの違った位置からの撮影を数多く作ることが出来るようになるはずです。
採光法