ママカメラマン山ちゃんの写真教室コラム・ギャラリー
Mモードは今まで説明してきた、A、S、Pモードとちがってカメラが露出を決めてくれるものではありません。
絞りとシャッター速度を自分で設定して写真を撮るためのモードです。
カメラが適切な明るさになるように考えてくれるわけではないので、
適切な設定をしなければ当然適切な明るさの写真にはなりません。
山岡は花火の写真はMで撮っています。花火の場合火花の軌跡が被写体なので、シャッター速度で軌跡の長さが決まります。そして花火の明るさは絞りで決まります。なので両方をコントロールすることができるMモードが便利なのです。 ちなみに作例の写真は絞りはF8シャッター速度はバルブで10秒ほどです。バルブと言うのはシャッターボタンを押している間だけシャッターを開いておく機能で、このバルブはMモードでなければ使えません。
スポーツの写真を撮る時は、正直言って選手が適切な明るさに写っていれば、背景がつぶれようがすっ飛ぼうがあまり気にしていません。
ところがスポーツの写真の場合シャッターチャンスが来たときに背景が明るいか、暗いかの予想がつかないのです。もし露出をオートにして撮っていたら「チャンス」と思ったとき、背景が日陰で暗く落ち込んでいるばしょだったり、明るい日向だったりしたらそのたびに露出補正をしなければならず、シャッターチャンスに集中できないし、チャンスを逃すことにもなりかねません。
また、アップで何枚か撮ったあと全身写るように引いただけで露出が変わることもあります。もちろん選手自身が日向と日陰の間を出たり入ったりしていればまた別の方法をとりますが、そうでない場合は、選手が適切な明るさになる露出をMモードでセットしてそのまま撮り続けるほうがずっと楽なので、山岡はこの方法で撮ることが多いです。
この2点の作例は同じ時に撮った写真です。露出をカメラ任せにしてみました。全身入るように撮ったときと上半身アップで撮ったときではカメラが算出した露出が違っていました。このためアップで撮ったほうの写真はぶれてしまっています。Mモードを上手に使うとこのような失敗は防ぐことができます。
マニュアルで露出を決めるわけですから自分の設定が不適切であれば、へんな明るさ(極端に暗かったり明るかったりする)になってしまいます。デジカメなら画像の確認ができるモニターがあるのですから、モニターで明るさを確認しながら撮るようにしましょう。
Mモードの使い道
昔はカメラに内蔵された露出計というのは今ほどの信頼性がありませんでしたから、山岡も写真を撮る時はカメラとは別に露出計を持っていました。撮影するときはそれで露出をはかり、カメラのほうはマニュアルで絞りとシャッター速度を設定して撮る、という方法をとっていました(歳がバレる)。しかし、今のカメラでは露出での失敗はほとんどないくらいカメラがおりこうさんになっています。
現在、山岡がMモードを使うのは
(1)スタジオでの大型ストロボを使った撮影
(2)花火の撮影
(3)スポーツを撮るとき等です。
(1)の撮影についてはここで説明するような内容ではないので省くとしましょう。