ママカメラマン山ちゃんの写真教室コラム・ギャラリー
ほとんどの人が常時使っているAF(オートフォーカス)。
でもこのAFにも大きく分けて3種類のAFがあって
使い分けるととても便利です。
おもに動いていないものを撮るときと動いているものを撮る時に使い分けるのですが
今回はこのAFモードについてお話したいと思います。
シングルAFではカメラ側が「今ピントが合っている」と認識していないかぎりシャッターが切れません。ピンボケを防ぐための機能だと思いますが、ファインダーで合焦マークが点いていることを確認してからシャッターを切りましょう。
また、AFロックした後にカメラや被写体が大きく動くとピンボケになってしまいます。よくあるのが人物の写真をアップで撮るときなどです。作例(2)では人物を大きく撮っています。こういうときはピントが浅くなるのでAFロックした後はカメラと人物の距離がちょっと変わっただけで(近づいたり遠のいたりする)ピンボケになってしまいます。カメラを動かさないように気をつけていても被写体の人物が動いてしまえばピンボケになってしまいます。こまめにピント合わせをすることと、やっぱり人物の写真のときは保険をかけて同じカットを何枚か撮っておきましょう。
スポーツや動物など、動いているものを撮るにはAF-Cです。作例(3)のような運動会では走っている子供にピントを合わせるにはこのモードが最適です。このAF-Cはシャッターを半押ししている間はAFフレームに重なっている被写体のピントを追い続けてくれます。AF-Sの場合はカメラが「ピントが合った」と思った瞬間にAFロックが働いてピント合わせをやめてしまいますから、どんどん走ってくる子供をそのまま撮ったらピンボケになってしまいます。コンティニュアスAFではAFロックは働きません。一度ピントが合ったら被写体の動きに合わせてピントを追い続けます。スポーツの写真などにはぜったいこちらがお勧めです。
AF-Cでは「ピントが合ってる」状態でなくてもシャッターが切れます。つまりカメラのAFが被写体の動きに追いつかず、まだきっちりピントが合っていない状態でもシャッターボタンを押しさえすればシャッターが切れるのでピントの甘い写真になってしまうこともあります。また、動く被写体をAFフレームで追いかけるのは意外と難しいので慣れるまでは失敗することも覚悟の上で撮りましょう。
AF-AではAF―SとAF―Cのどちらを使うかをカメラが判断して切り替えてくれます。じっとしている被写体にピントを合わせるとカメラが「これは動いてない」と判断してAFロックしますが、被写体が動き始めると「あ、動いた」と判断してAF-Cに切り替えます。ただし、あくまでもカメラの判断ですから撮影している人のイメージ通りに判断してくれるとはかぎりません。その点を考慮した上で使いましょう。
山岡はニコンユーザーなのでAF―S、AF-Cなどニコン流の名前で説明しました。他メーカーのカメラにもだいたい同じようなAFモードがあるのですが、呼び名がばらばらで、キヤノンではAF-SがワンショットAF、AF-CがAIサーボAF、AF-AがAIフォーカスAFと言った具合に呼び名がちがいます。ややこしいので統一してもらいたいものなのですが企業の事情でそればできないようなので、仕方がないとあきらめています。
一番よく使われるAF-S(シングルAF)
これは動いていないものを撮る時に一番良く使われるAFモードです。動くものを撮る機会はそれほど多くないので普段はこのモードでほとんど対応できます。このAFモードの特徴はAFロックが使えることです。AFフレームをピントを合わせたいものに合わせると、AFフレームからその被写体が外れてもピント位置を保持してくれるという機能です。
例えば作例(1)で説明してみましょう。画面左上の鳥にピントを合わせたい、と思ったらまず中央のAFフレームを鳥に重ねてシャッターを半押しします。AFが鳥にピントを合わせてピピッと鳴れば(鳴らない設定にもできますが)AFロックが完了です。このままシャッター半押し状態でフレーミングしなおしてシャッターを全押しすればOKというわけです。