ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
だいぶ前から花がいろいろ咲いていて、そろそろ花を撮っておかないと、と思っていたところでした。今までにも何回か花の写真の話をしてきましたが、今回は色を中心に考えてみましょう。主役の色と背景や前ボケなどにどんな色を入れるかで写真のイメージはまったくちがってきます。ちょっと足をのばしたところに毎年ポピーの花畑が作られている場所があるので、そこを使って、今回は主役と背景や周りとの色のバランスを考えながら撮ってみたいと思います。
[作例(2)]では主役にピンク色のポピーを選びました。前ボケと後ボケに同じような色のポピーが入るようなアングルをさがして撮ってみます。主役と同じ色で全体をまとめているので「色があってない」と言うこともなく、やわらかい印象にまとまっています。これもまた、きれいに撮る一つの方法です。前ボケを大きくぼかすことで画面全体に占めるピンク色の割合が大きくなります。前ボケを大きくぼかすには絞りをあけるのはもちろんですが、なるべくカメラに近い前ボケ素材を探しましょう。
[作例(3)]はいろいろな色を画面に入れてにぎやかな感じにしてみました。この作例では主役じたいが2トーンの色を持つ花ですが、背景に入る後ボケに主役と同じ赤だけでなく緑や黄色、そして画面左側には青い花が入っています。これだけたくさんの色が画面内にあるとかなりにぎやかな印象になりますね。[作例(3)]の色のにぎやかさを強調しているのは左側の青い花です。暖色系の色のボケでまとめられている中でこの青はちょっと目立ちます。その結果ちょっと個性的な印象の写真になりました。ためしに縦位置にして青い花を切ってみたのが[作例(4)]です。[作例(4)]は暖色系の色で画面が埋まっています。こうして比べてみると、この青い花の存在感がわかると思います。
緑背景は無難な印象
とりあえず明るい緑を背景にして撮るととりあえずは無難に撮れます[作例(1)]。明るい緑はどんな花にも合う背景なので、芝生や草むらなどを背景にして、絞りをあけて適度にぼかせばたいていな場合、そこそこきれいに明るい感じに撮れるはずです。ただし、気をつけるのはあくまでも「明るい」緑をえらぶことです。常緑樹の緑のように黒っぽい緑だとあまり明るい感じにはなりません。確かにきれいにまとめやすい緑背景ですが、今回はもうちょっと色で遊んでみましょう。