ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
「ちょっと今日暑くない?」と思っていたら沖縄が入梅し、近畿東海も近々入梅するらしいですね。はやいなあ、すぐに夏が来ちゃいそう、とつぶやきながら今週は雨の写真です。まいとしこの時期に雨の写真を撮っていますが、雨の日というのはカメラが濡れるし傘を持ったままだと写真が撮りにくいなどの理由でどうも嫌われがちです。撮影会などは「雨天中止」の場合もあります。もちろん私もカメラが濡れるのはいやですし、傘をさしたまま撮影するのは正直おっくうなのですが、雨の日は意外とドラマチックな写真が撮れることがあるので、捨てたものでもないのです。今回は雨写真を撮ってみましょう。
[作例(2)]は赤信号を線路に映してポイントにしてみました。こういった沈んだトーンの写真にはハイライトが存在感のあるアクセントになります。赤信号(青より赤がおすすめ)や車のテールランプなど、特に赤い色は目立つのでアクセント素材にお勧めです。作例2では信号が線路に映りこむ角度を探してアングルを決め、赤が反射した部分にピントを合わせて撮りました。
前にも説明しましたが雨の雫は暗い背景に載せましょう。[作例(3)(4)]を撮ったときはかなり暗い時間帯で、すでに夜景の撮影に入るレベルの暗さでした。道端の自転車が雨に濡れてぽつんと置かれていました。それを背景にお店の明かりが入る角度で撮ったのが[作例(3)]です。ハンドルのグリップ部分やブレーキレバーについた雫が黒くつぶれてしまっています。水の雫は逆光に光ることでハイライトになり、小さな雫でも目立つことが出来るのですが、明るい背景に乗ってしまったので黒くつぶれてしまったのです。[作例(4)]は同じようなフレーミングで撮った写真ですがわずかにアングルを変えて暗い背景だけで撮っています。こうすると、雫がハイライトになって引き立ってきます。雫は暗い背景で撮りましょう。
雨の日は色がさびしい
晴天のときは色が鮮やかに見えます。空の青も鮮やかですし、やはり太陽光は物の色をきれいに見せてくれる光なので、同じように撮った写真でも、晴天のときに撮った写真と雨の日に撮った写真では発色がまったくちがいます。どうしても雨の日の色はさびしく、全体に暗い感じになることは避けられません。それなら、それを逆に利用すればいいのです。モノトーンのような沈んだ色合いを生かして写真を撮ってみましょう。[作例(1)]はもし晴れていれば、空が青く雲は白く写るはずですが、雨の日に撮ったため全体にモノトーンに近い色になっています。また、雨のせいで遠景がかすんだようにコントラストが弱くなっているのも雨の景色ならではの描写です。このように雨そのものが写っていなくても色の感じなどで雨のイメージの写真を撮る事ができます。