ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
前回は自分で自分の顔を撮るコツをひとつ紹介しました。自分撮りに限らず人物の写真を撮るとき、光が写真の出来を左右するおおきなポイントになります。特に夏の日は高く、正午前後は真上にあるので、顔に影が出来やすくなります。しかし、夕方や朝の光なら人の写真を撮り光線条件になるので、今回は夕方の光を使った人物を撮るときのコツを紹介します。
[作例(2)]は夕方撮ったスナップです。[作例(1)]と同じ子供で表情も似ていますが、顔の写りがまったく違います。[作例(2)]は子供にの顔に左側からの夕日が直接あたっていますが、夕日なら昼の光よりも弱くなっている分、顔に直射日光が当たっていてもそれほどまぶしくありません。夕方だと赤系の色がかぶりますがそのままの色でもおかしくはありませんし、色の偏りが気になるようならWBをオートに設定するか、夕日に設定するなどの対策をとれば問題ありません。実際にプロの撮影現場でもモデルを使った撮影は朝か夕方にやることが多く、よほど詰め込んだ撮影でない限り昼前後の撮影はなるべく避ける場合がほとんどです。私自身は、屋外の撮影はなるべく朝夕にして、屋内の撮影を昼に回すか日陰などで済ませることが多いです。
低い位置に太陽があると逆光も使いやすくなります。人物の写真の場合一番よく使われる光が逆光ですが、太陽が高い位置にあると完全な逆光にするのは難しく、どうしても斜め上からの半逆光になってしまいます。朝や夕方なら低い太陽からの光になるので逆光も半逆光も使いやすくなります。[作例(3)]はわずかに左よりの逆光で撮っています。髪に当たった光も顔のシルエットに沿った反射もきれいに出ています。高い反逆光ではこうはいきません。背景は草むらですが、草に反射したボケも夕方らしいアンバー系の色のボケになっています。このように人物のポートレートなどの場合は朝か夕方の時間帯がお勧めです。機会があったら試してみてください。
昼前後の光は真上からの強烈な直射日光になる
夏の日差しは強い、これは誰もが知っていることです。強い直射日光は濃い影を作るので、どうしても真夏の昼間に撮った写真は日向は明るく影は濃く、コントラストの高い写真になります。人物の写真を撮るときこの濃い影が顔に落ちると顔が真っ黒につぶれてしまったり、目に直射日光が入る状態だとまぶしくて目が細くなったりして、なかなかきれいな写真になりません。[作例(1)]は真夏の昼間、太陽が高い位置にあるときに屋外で撮った社員ですが、真上から光が当たっているため目のくぼみ部分や顔の下半分が陰になってしまい、暗くなっています。どう見ても人の顔がきれいに写る光線状態ではありません。レフ板などを使えば何とかなるのですが、普通軽く撮るようなスナップでそこまで用意する人はいないでしょう。