ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
先週は初心者向けのモデルについてお話しました。今回は中、上級者向けのモデルについてお話します。最初の一台としてはちょっと敷居が高いイメージですが、私は個人的には初心者の人にも中級以上のモデルを勧めています。中上級モデルはお値段が高いので勇気がいるのは確かですが、やっぱりメーカーが力を入れて作ったカメラはよいのです。
さて、中上級モデルの場合まずお値段が高いです。ビギナーモデルならボディ単体で5万円前後で買えるものもありますが、中級モデルでも15万円前後(約3倍ですね)その次の価格帯で30万円前後、フラッグシップモデルになると50万円くらいします。以下は私の個人的な印象です。フラッグシップ機についてはあまりにお高いのでアマチュアカメラマンが購入することはほとんどないと思うのでおいておきます。まず、おおよそ15万円前後のモデルでは、初級者モデルをちょっと使いやすくしたカメラという印象でした。以前私も一台サブとして持っていました。しかし私の使い方が悪かったのかそれとも酷使しすぎたのか3~4年使うと故障が目立ってきました。使っていて不便を感じるような設計ではないのですが、仕事に使うには耐久性にやや不安があるといった感じでした。30万円クラスのカメラになると明らかにイメージが違います。AFははっきり体感できるほど速いですのでスポーツなど動きの速いものも撮りやすいです[作例(1)]。ファインダー視野率も高く100パーセントのものもあります。ファインダー視野率の低いカメラだと「撮るときに切ったはずのものが写真に入っていた」と言うこともありえます。[作例(2)]では左端に変な前ボケが入ってしまっていますが、これはファインダーではギリギリ切ったはずなのに写真に入ってしまっていたと言う例です。耐久性もよく、かなり長いこと使っているカメラでもいまのところトラブルはありません。また、各種設定が細かく出来ることなど、「いい写真を撮りたい」と思う人にはやはりこちらがお勧めです。
しかし、中上級モデルになると重くてかさばると言うのが現実です。初級者用の小さな一眼レフなら500グラム前後ですが30万クラスのカメラになると倍の1キログラムくらいあるものがざらです。もちろん写真を撮るときはレンズもつけるので、重いレンズをつければもっと重くなります。持ち歩くのに気合がいることを覚悟しましょう。やはり、「重くてもいい写真のためなら」と思える人向きのカメラと言えるでしょう。
ビギナー向けモデルではものたりない
最初の一台としてビギナー向けモデルを購入する人は多いと思います。というより「自分は初心者だから」と思うと、メーカーが初心者向けに作っているモデルに目がいくのは当然です。先週書いたように、ビギナー向けモデルには初心者に優しい機能が採用されているので、より失敗しないように撮るにはいいと思います。ただ、中には使っているうちに「このカメラではもの足りない」と思うようになる方がいるのも事実です。こういう方は、大体が「失敗しないように撮る」ことより「もっといい写真を撮りたい」という考えをお持ちの方です。某有名メーカーのビギナーモデルを何年も使っている友人(腕はそこそこいいです)が「同じ発表会を一緒に撮影していたパパ友の写真を見せてもらったらすごくきれいだった」とがっかりした表情で言っていました。きれいな写真を撮っていたパパ友は同じメーカーの上級機種を使っていたそうです。もちろん腕のよしあしもあるでしょう。しかし、やはりメーカーの力の入れようがカメラの出来に反映しているのは考えてみれば当然のことなのです。