ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
先週に引き続き桜を撮ってみましょう。私は桜の写真を撮る場所が近場の公園であったり川原の桜並木だったりするので余計なものを写さないようにしているとついつい望遠で一部分を切り取るように撮ることが多くなります。でも今回は広角で撮った写真を例にしてみます。広角を使うとい広い範囲が写るので、日曜日など花見客が多すぎるときは避けているのですが平日の昼間などなるべく人がいないときにたまに使っています。桜がきれいなタイミングは短いのでチャンスを逃さず撮りに行きましょう。
次は晴天の日に撮った作例です。作例2は晴天の時に逆光で撮った桜の木です。これもまたいまひとつですね。太陽が桜の枝に隠れるようにして撮っているのでほとんど真逆光です。これだと背景の空が明るすぎて桜が灰色になってしまい、きれいに撮れません。晴れた日でも大陽のある方向は空の青が薄い色になっているので、それもまたきれいに撮れない原因の一つです。晴天でも一番空の色は均一ではありません。太陽のある方向は青が薄く、太陽と反対方向の空は青が濃いので、そのことも覚えておきましょう。
背景が青い空であれば白い桜が引き立ちます。順光と言っても広角で見上げるように撮っているので順光気味といったところですが、やはり青い空を背景にして抜いたほうが桜が引き立ちます。作例3は順光の青い空を背景に広角で桜の木を撮りました。このほうが晴れた日のさわやかな桜のイメージが出ると思います。また、広角で撮るときはちょっと絞って全体にシャープな印象にしたほうがきれいだと思います。広角ではボケが小さいため、ふわっとした大きなボケを生かすような撮り方はなかなかできません。中途半端にボケを作るよりはちょっと絞って全体にシャーな感じにしたほうがかっこいい写真になります。
先週もPLフィルターを使って桜を撮りました。今回は空を青くするためにPLフィルターを使ってみました。PLフィルターはただレンズに装着するだけでは不十分で、フィルター枠を回して効果が適度に出る角度を探します。作例4はPLフィルターの効果が最大になっているところで撮りました。作例3に比べて空の青がかなり濃くなっているのがわかります。また、空の色の濃さに対するPLフィルターの効果にはムラがあり、あまり広い範囲を写すとPLフィルターの効果が出ているところと出ていないところが画面に入ってしまうのでムラが目立たないように木で隠すなど工夫して撮りましょう。
曇りの日はNG
広角で撮るとどうしても空が写りこむことが多くなります。というよりなかなか空を入れないで撮ることが難しいといったほうがいいかもしれません。そうなると問題はその日のお天気です。晴天で青い空であれば絵になるのですが、曇りや雨の時には空は雲で白っぽくべたっとした印象になりがちです。作例1は曇りの日に木全体を広角で撮った桜の木の写真です。桜自体は満開でよいタイミングでしたが、背景の空が真っ白でなんだか味気ない印象になってしまいました。白い桜を白い背景で撮ってもなかなか桜を引き立てるような写真にはなりません。曇天の白い空はどう撮っても絵にならないので、曇天や雨天の日には広角は避けたほうが無難です。