ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
夏休みに入り、暑い日が続きます。始まったばかりの夏休みに子供たちは「夏休みが終わらなければいいのに」と言う一方、私のママ友の中には早くも「あ~、夏休み早く終わらないかしら」とつぶやいている人もいます。私個人としては夏休みはお出かけの機会が多いので、それほど子供の夏休みは嫌いじゃないんですが。今年は早くも山に一泊で出かけました。途中の山道にねむの木がたくさんあったので、車を停められそうな場所で少し写真を撮りました。その時の作例を使ってPLフィルターの使い方を中心にいくつかのコツを紹介します。
ねむの花は白とピンクの毛束のような花です。暗い背景で撮ると引き立つので背景に濃い緑の木を入れて撮りました(作例1)。このままだと葉の照り返しが白く写ってしまい、花が引き立たないと思ったのでPLフィルターで葉の照り返しを除去しました(作例2)。このほうが周りが濃い緑だけになり、白い綿毛のような花が引き立ちます。葉の照り返しは結構強い光で、特に花が白の場合は葉の反射の白と花の城が紛らわしくなってしまうためPLフィルターを使うと効果的です。
作例3と4はやはりPLフィルターなしとありの作例です。作例3はPLフィルターを使っていないので空の青が明るい色になっています。明るいいらの上に白い花をおいても目立ちません。そこでPLフィルターを使って空の青を濃くすることにしました。白っぽい花は濃い色の背景に重ねたほうが引き立ちますので、作例4のPLフィルターを使った写真のほうが花が引き立って見えます。このように余計な反射光を抑えるPLフィルターは晴天時の撮影には結構役に立ちます。
PLフィルターは他のソフトフォーカスフィルターやNDフィルターのようにつけるだけで効果が出るフィルターではありません。前枠が回るようになっていて、ファインダーを見ながら効果が出る角度を探します。ファインダーを見ながら前枠を回していると、反射光がなくなる(弱くなる)ポイントがはっきりわかりますので、よいと思うところまで回して使います。ただ、光との角度によって効果が大きい場合と小さな効果しか得られない場合があります。こう書くとなんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、初心者にもはっきりとわかるくらいの効果があるので、風景を撮るなら一枚持っていると便利です。
昼の時間帯でも写真を撮る工夫を
この日は晴天でした。おまけに撮影したのは10時近かったので夏のこの時期では日も高くなってきている時間帯です。あまり日が高い時間帯というのは実はあまり風景の撮影には向いていません。有名な風景写真家の中には早朝と夕方は撮影に出るけどお昼はホテルのもどって昼寝している、という人もいるくらいです。太陽が高いとトップ光に近くなるため立体感が出しにくいし逆光や順光といった光の変化がつけにくいためです。それでも夏のぎらっとした日差しのイメージを利用するなど、工夫次第で撮ることができますのでがんばればお昼でもお昼なりに撮ることはできます。