ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
先日、この写真教室が掲載されているフォトライフの制作チームに新しい方が入ったのでご挨拶に行ってきました。入学式の話になり「サクラと入学式のタイミングが合うといいのですが」という話をしたところ、その方の地元ではサクラは卒業式の時に咲いているものだ、というイメージがあるそうです。考えてみれば当たり前で温暖な地域に住んでいればその分桜が咲くのは早いはずです。私の地元では3月下旬くらいから開花するのが当たり前なのでそのタイミングで毎年サクラの撮り方を取り上げていましたが、「ちょっと早いほうがいいかな」と思い、今回は早速サクラの写真の話にしました。
桜の花びらは小さいので、それを考慮しないとなかなか思うようには撮れませんがいくつかヒントを紹介します。まずはサクラの花びらが散っているところを撮るには暗い背景が必要だと言うことです。暗くなくても濃い色の背景が必要なので、まずは使えそうな背景を探しましょう。今回は空を見上げる角度で、青空を背景に散る花びらを撮ってみることにしました。ふつう、花弁が散っているところを撮るなら逆光のほうがいいのですが、空を背景に使うということを考えると逆光では背景の空が白くなってしまうので白い花弁が背景に埋もれてしまいます。そこで順光に近い角度から空を見上げるようにカメラを構え、画面の右のほうに桜の枝を入れて、左に大きく空間をとり、この空間に飛んでくる花弁を写しこむことにしました(作例1)。逆光よりは空の青が濃いのですがやはり小さな花びらははっきりとは見えません。よく見れば確かに写っているのですが、やはりこのままでは花びらが地味すぎます。
そこでPLフィルターを使って空の色が濃く写るようにしてみました(作例2)。これくらい濃い背景なら花びらの白がわかりやすいと思います。また、散っている瞬間を撮るにはシャッターチャンスも大事です。なるべく花弁がカメラの近くに落ちてくる瞬間を狙うと、近い分花ビラが大きく写りますから、遠くのほうにある小さな花びらよりもインパクトの強い写真になります。
サクラの時期の公園では人がたくさんいることが多いので、人を写さないように気を使いますが、逆に花を見に来た人の後ろ姿などを脇役として使うという方法もあります。作例3は平日の公園です。週末ほどではありませんが、やはりサクラを見に来ている人がいました。この作例ではサクラの大きな木を眺めている人物の後ろ姿で春ののどかな公園のイメージを撮ってみました。意外と大事なのが、「人物が桜を眺めている」ということです。もちろん顔が写るような角度は避けなければなりませんが、人の気配を感じさせるとまた違うイメージの写真を撮ることができます。
ちょっとタイミングが遅かったときは散る桜を撮る
いつも桜が咲くと写真を撮りに行く公園があるのでそこで撮った作例で説明しようと思います。この時はそろそろ桜が散り始め、花をアップで撮るにはちょっと遅い、というタイミングでした。公園で撮るときはひきで撮ろうとすると人が入ってしまうことが多いので自然とアップの写真が多くなってしまうのですが、このタイミングで撮ると花弁がかけた花が多く、アップで撮ると絵にならない場合が多いのです。こういうときは散るサクラを撮ってみるといいと思います。