ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
先ほど天気予報を見ていたら番組の天気予報士さんが「今年は梅雨入りが早くなりそう」とコメントしていた。えっ?!もうそんな?と思わず思ってしまいましたが、そういえばもうすぐ6月なのだからそろそろ梅雨ですよね。いけない、梅雨入りする前に撮りたいものを撮っておかなければ。そして梅雨入りしたらアジサイも撮りに行こう、と決意したところです。今週はガクアジサイをしっとりとした落ち着いたイメージで撮ってみましょう。
落ち着いたイメージにするためにちょっとマイナス補正して全体のトーンを暗くしてみましょう。もともとアジサイは葉の色が濃いので、露出をカメラ任せにして撮るとどうしてもオーバー(明るすぎ)な感じになってしまいます。作例2はカメラ任せで露出補正なしで撮りました。花の色はとんでしまっていますし、葉の緑もちょっと白っぽく不自然な感じの明るさです。そこでとりあえず-1補正して撮ったのが作例3です。これは比較的見た目に近い色と明るさです。適正な露出になっていると言えるでしょう。しかし、もうちょっとトーンを落としたい、と思ったので露出補正を-1.7かけて撮ったのが作例4です。これは見た目よりやや暗い感じの印象です。こちらのほうがアジサイの色も濃く、写真全体も落ち着いたイメージになっています。普通は見た目に近い印象になる明るさが適正とされていますが、見た目通りでなくても撮影する人が伝えたいイメージにするために意図的に暗くするのも一つの方法だと思います。
作例5は暗い背景の中、主役のガクアジサイを浮かび上がらせるように撮ってみました。白いガクアジサイが印象的に見えるように撮った写真です。このような効果を狙いたいときに大事なのは暗い背景を選ぶ、と言うことです。暗く沈んだ背景の中に白い花があるからこそ主役の花が引き立つのであって、ほかに明るいものや白いものがフレーミングに入っていると主役が引き立ちません。もちろんマイナス補正もしていますが、暗い背景を選ぶことと、よけいなものを入れないように注意してフレーミングすることがこのような効果を狙うコツになります。また、暗い背景と主役の大きさのバランスも大事です。このアジサイを画面いっぱいに大きくアップにしてしまうと背景の暗い部分のスペースが小さくなります。大きく撮るのもよいのですが、この場合はある程度背景の暗いスペースを見せる空間もあったほうがいいでしょう。
とりあえず晴天の日は避ける
今回はガクアジサイを落ち着いたイメージで撮りたいと思います。本来はガクアジサイのほうがアジサイの原種に近いそうで、手まりのように咲くアジサイは人が人工的に作った種類だそうです。落ち着いたイメージで撮るにはできれば硬い光は避けたいところです。晴天の日向ではどうしても影がうるさくてアジサイをきれいに撮るのは難しいと思います。(作例1)晴れた日に撮影することになったら、なるべく日陰に咲いているアジサイを探すといいでしょう。