ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
昨年はヒガンバナを撮りに行こうと思っているうちにタイミングを逃してしまい、気が付いたら9月末。今年は忘れずに撮りに行こう、と今からネットで花のタイミングをチェックしています。私の住む地域ではヒガンバナは9月中旬から下旬にかけてが一番きれいなのですが、それもその年の気候や天気に左右されるので時期が近づいたらチェックしておかないと良いタイミングを逃してしまいます。花でも紅葉でもそうですが、自然のものは予想通りに行かない面が多いので「ネットって便利だな」と情報をあげてくれる人に感謝しつつ利用させてもらっています。今回はヒガンバナを撮ってみましょう。
背景に違う色を持ってきたい場合、私は「あの辺を背景にするか」という具合に背景を決めてからそこに主役が重なるような場所に移動します。カメラの高さについても同じで、背景と主役の重なり具合をどの程度にするかをファインダーを見ながら調節しています。作例1は赤い花が主役なので同じ色の後ボケに重ならないようにすることにしました。ただ、後ろに写っている白い花の後ボケは入れておきたいと思っていたので白い後ボケが切れないようにファインダーで確認しながら少しだけ左に移動して、さらにちょっとカメラの高さを高くしました。白い後ボケを上に入れることにしたので縦位置に変えて撮ったのが作例2です。赤い花が緑の背景に重なっているので色が溶け込むことはありませんし、白い花の後ボケも入っています。
チューリップなどもそうですがヒガンバナの茎も太くまっすぐに伸びていて低いアングルから撮るとやわらかい緑色の林のようです。作例3は花よりも低いアングルから撮ることで手前のヒガンバナの茎の間から向こうにある花を主役にして撮りました。花よりも高いアングルから撮ると手前の花が前ボケになって画面下に入ります。作例3では上に向かってまっすぐ伸びた茎もきれいに写したかったので花よりも低いアングルから撮ってみました。上からや斜め上から撮るよりも低いアングルから撮ったほうが茎をきれいに写すことができます。
作例4は上から撮ってみた作例です。同じ花でもアングルによって表情が違うので、いろいろ試してみましょう。作例4は花を引き立たせるために暗い背景を選びました。暗く黒っぽい背景に赤い花を重ねて花の色を印象的に見せることができました。
背景を考えてアングルを決める
ヒガンバナは群生する花なので、一株だけでなくまとまって咲いている姿をよく見かけます。今回はヒガンバナをたくさん植えて咲かせている公園で撮影しました。適度に起伏のある公園なので、ローアングルからの写真も撮りやすいですし、斜面に群生していたり、高い場所から見下ろすように撮ることもできるのでいろいろ撮ることができます。花を撮るときはローアングルから撮ることが多いのですが、ヒガンバナは一つ一つの花がほぼ同じ背の高さで咲いているという特徴があります。横から水平方向に撮ろうとすると、作例1のように花の後ろに同じ色の花の後ボケが重なってしまい、主役が引き立たないという場合があります。このままだと主役の色が後ボケに溶け込んでしまい、ちょっと存在感がありません。これももっと主役をアップにして撮ればまた違ってくるのですが、このくらいの大きさだと背景に違う色を重ねたほうが、主役が引き立ちます。