修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2007.12.05
米谷氏の傑作オリンパスペンFです。
チタン製の幕を組み込んだロ-タリーシャッターは、マツダのロータリーエンジンと並ぶ独創的な機構で、一眼レフとして始めて全速ストロボが同調します。
限られた空間に組み込まれたファインダー経路は、下町の横町の鬼ごっこに似ています。
しかるに、カビ取って~「ヨシャ~」とは行かないんですね!
メインプリズムのカビ、ファインダーダイキャストのモルト(遮光スポンジ)の経年変化による傷みが酷いでしょ。
ここの所は「忍び寄る化学反応 Part2」を参照下さい。
ファインダーダイキャスト内のレンズは、♪見つめてご覧このカビを~ですね!
清掃が終わりましたら、当初の透明感が戻りました。
ワインを飲むグラスが曇っていてはシャレになりません。
焦点板とメインプリズムの間にカビ(赤○部)が発生するとさぁ~大変。
レンズマウントが取り付けてある前板と呼ばれるダイキャストを分離しないといけないのです。
しかも、前板を組み込む際は、シャッター駆動用のメインコイルバネの力量とミラー駆動用コイルバネの力量を考慮しながらコイルバネにテンションを掛けなければならないのです。
特にメインコイルバネのテンションを過重にしますとシャッター秒時組み品(通称スローガバナー)の破損に繋がり、ミラー駆動部の組み込み位置を間違えるとミラー駆動部のコイルバネの断裂で万事窮すになります。
日本橋店中古売場 田口由明
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