修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.07.30
タンスカメラが入院してきました。レンズは極度の白内障、シャッターは不動状態である。
同僚が欲しかったのでと盆の窪に手を当てる。
うン~、満月の夜は明るく足下に陰影が出るが、之はレンズ故、満月ではすまされない。
先ずは、座金を緩めシャッター部を分離する。
ヘリコイド制限ネジを外し、赤矢印方向に廻すと終端位置となる。
シャッタースピード環をT位置にすれば、外ヘリコイド終端位置の目安となる。
内ヘイコイドに数字が刻印されており、締め付け位置の目安となる。
外したレンズを清掃すると透明感が蘇る。第一関門を通過する。 同僚に見せると喜び、安堵の顔になる。
シャッター機構部は、ブログ記事「F.DECKEL-MUNCHEN Part.1&2」と大きな違いは無く、羽根が5枚となりRAPIDとなっている。
※F.DECKEL-MUNCHEN Part.1 へはこちらからご覧いただけます。
※F.DECKEL-MUNCHEN Part.2 へはこちらからご覧いただけます。
開閉レバーを強制的に開放にするが、赤点線矢印の方向に戻らない。
開閉レバーを外してみると、裏側は、酸素と握手した結果の錆がある。
成る程、錆の厚みで開閉が妨げられたのか僅かの厚みが悪さをするものである。
開閉環の動きも悪いので、その後、分解清掃をした。
機構部に使用されている素材は、短期間では錆びないが、長い年月の間に徐々に酸素と友好関係を結ぶのであろうか?
食品に保存使用されている、脱酸素剤を入れておけば酸素との友好関係を断ち切れるかも知れないが、小生、50有余年後の結果を確認するには年を取りすぎました。
日本橋店中古売場 田口由明
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