修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.09.22
※この記事は、「初めてのお使いTENAX の招き猫シャッター(Vol.1)」「 〃 (Vol.2)」からの続きとなっています。
アンクル係りレバーは楔で止めてある。カッターナイフを差し込みこじるように外す。
アンクル係りレバーを外す際には、取り付けてあるバネ(赤点線)を逃がしながら作業をする。
押さえ板を外す。アンクルの楔を抜き外す。
秒時作動レバーのピン(赤丸部)は、先に外した秒時カムカムにより移動量が変わる。
各々の歯車を外す。この時代の仕様としてカシメ方法は採られておらず、軸は裏側からネジ止めになっている。真ん中に位置する歯車は取り付け軸がカシメてあり、裏側よりのネジ止めである(赤点線部)。時代を考えると当時のドイツの工作機械は驚愕の加工精度を誇っているのが解り、多くのマイスターの技術の結晶でもある。
分解は個々までとして、汚れをAベンジンで洗浄後、咬合部は注油をする。
何とか組み上げた時代物は心地よい音色で答えてくれた。
表題「初めてのお使いTENAX GOERZの招き猫シャッター」と付けたのは、初めての分解挑戦であり、笑いあり、涙ありの人気番組「初めてのお使い」から付けました。
何しろ何が起こるか分からない中、個々の部品の働きを確認しながらの作業でした。
修理記事に興味が起こらなくても、機構を理解頂き、大事にお使い頂く資料としてお読み頂ければと思います。
日本橋店中古売場 田口由明
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