修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.11.20
※この記事は「懐かしい民具の入院(ミノルチナS編)」からの続きとなっています。
押さえ盤を外します。
絞り作動環が外れ、多量の油分の湿潤が見られ、毛細管現象により機構部へと進入してきたのです。
3本のネジを外せば身二つになります。
シャッター羽根は6枚で構成されており、6枚目の羽根は最初の羽根に重なるのです。
スローガバナを外しますと、まぁ~大変多量の油分が隠れていました。
毛細管現象の恐ろしさと言えましょう。
開閉環・台座を外し、Aベンジンで洗浄しましてから開閉環との滑走面に二硫化モリブデン粉を塗布します。
絞り羽根部も油分の湿潤で張り付いていますね!
このまま無理やりに動かせば損傷に繋がります。
昔のテレビジョンと違い叩いても動きませんから修理依頼をいたしましょう。
ファインダー硝子が汚れています。外さないで清掃しますと押さえ板との間に汚れが残り見栄えが良くありません。接着を剥がして拘りの清掃をします。
四角い部屋を丸く掃除をしてはいけないのですよ!
手入れが終わり陳列いたしましたら、早速嫁入り先が決まったのです。
綺麗で完動品を探していたと話されたお客様は「中々綺麗で動いているカメラがなくてね!」と、巡り合えたチナSに喜びを隠せません。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。