修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.01.09
マミヤ6IV B。座金を外せばシャッターが分離する。軍艦部を外し、ファインダーを清掃する。
良く眼鏡が汚れているのを見受けるが、油膜で乱反射し、見づらいであろうと思う。
ズイコーのレンズにしては状態が宜しい。細かな拭き傷は勲章でもある。
精工舎MXシャッターは持病の羽根油があり、総分解で洗浄をする。
もう一台は、KII型である。セコールが取り付けられたお気に入りの一台との事。
微細なスパイダーマンが対物レンズに取り付いて目障りのお邪魔虫である。
蜘蛛の子を散らせば、透明感が蘇る。覗けば気持ちが良い。 持ち主は喜ぶであろう。
分解した全ての部品に油槽にでも浸かったかの様相である。
同僚が、羽根の枚数に驚いている。確かに組み込みは大変ですがね!
ネジ穴まで浸透した油分の洗浄は、Aベンジン浴で洗い落とす。
シャッター制御部も油分の汚濁が酷い。細部までの洗浄は、同じくAベンジン浴だ。
精工舎製のシャッターと比べるとコパル製(現・日本電産コパル)は面倒である。
プロンター製の亜種故であろうか。
修理に持ち込まれたマミヤ6二台の完成である。
そもそも、外部生の入院となった経緯であるが、ブログ記事「MAMIYA6 AUTOMATIC」を買われたお客様が、よく手入れされたのに感激し、比較すれば保有機種が可哀相だとの思いから電話打診してきたのです。
聞けば、父親所有のマミヤ6で写真を撮り始め、魅了されてしまってからマミヤ6ファンになったとか。
笑みを浮かべて来店した時は「遠慮して2台持参しました」と、剣呑である。
暫くは、マミヤ6に錦糸町の「おいてけぼり」の如く「なおしていけ」と言われるのであろうか?
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。