修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.02.10
ブログ記事「修理が出来ますか?と外部生(ZEISS Nettar 515 編)」の方が、修理が出来たことに感激して、この子達も直して下さいと来店です。
初めての対面で、ローヤルカメラ株式会社(東京都練馬区)製と判明しました。
如何なります事やら。。。
レンズキャップに商標であろうか?ロゴであろうか?が刻印されている。
擬皮にも刻印があります。
何とかなるだろ~と、フロントカバーを外せば6本のネジで固定された前板部が見える。
ネジを外せば、シャッターごと分離できた。
シャッターに製造元の銘がない。自社製作か買い入れたのかも分からない。
ないないづくしのプロンター系亜種シャッターである。
シャッターを前後に分離する際に一部の羽根がバラけてしまいました。
おや~、羽根の形状が可笑しいのです。故意に加工したのか?其れにしては加工面が雑です。
この、摩訶不思議な形状は何を意味するかが、組み込みの際明らかになったのです。
今までの経験では、羽根は同じ形状であり、一卵性五つ子とばかり思っていました。
辛うじてバラけずにいた1番羽根を起点に5枚の羽根を並べましたが、完全に開放せず止まってしまいました。
そして1番羽根の怪しげな加工の意味が判明したのです。1番羽根が開放方向に動いた時、完全形状ならレリーズレバーに激突してしまうので、羽根の一部を切り取ったのです(赤点線部)。他の羽根は問題ないのか?ですが、ありました。
5番の羽根が同じようにセット軸に激突します。
残り4枚の羽根の形状を見比べますと、5番の羽根(赤点線部)に曲線の深いのが見つかりました。真相は、今となっては検証できません。
世の中には、定石で解決できない場合がある事を知りました。
さてと、組み立てれば終わりと思いきや、作動音が可笑しいのです。
組み立て方を間違えたかと思いました。拡大しますと多数の亀裂が走っています。
omgです。
その為に羽根開閉環の動きに障害が出ていたのです。羽根開閉環と溝部に粘性研磨剤を塗布し、僅かに変形しました溝部を研磨します。黄土色に見えるのが研磨材で、研磨されて黒く見えるのが、変形した部位です。
どれ程、研磨したでしょうか?洗浄して、確認をして、又研磨です。
やっと、滑らかになりました。
大変な民具の修理でした。後一台リコーデラックスが待ってます。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。