修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.03.19
※この記事は「溜息を喜びに(Condor V2 編 その1)」からの続きとなっています。
本体から分離しましたシャッターの裏側にはレリーズ環・セット環があります。
この仕様は、後にコニカオートS・S2・キヤノネット等に引き継がれています。
まぁ~外部買い付けのシャッター仕様に合わせた機構となったのでしょう。
RECTUS-MXVの表記がありますシャッターで、調べますと富士精密製との事でした。
加工はしっかりと作られており、創生期のコパルと勘違いしそうです。
その後、この会社は如何相成りましたのでしょうか?
旧コパル(現電産コパル)製でキヤノネットに搭載されたシャッターです。
どうゆう訳か、妙に似ています。
RECTUSの良いところは羽根がバラケ無いよう押さえ盤が機構側にあります。
修理人としては有り難い仕様ですね!組み込みがとても楽になります。
コパル製のシャッターでは、この押さえ盤が絞り羽根押さえを兼用しましたから非常に組み込みづらくなり、ストレスの溜まる仕様で有名ですね!
羽根に少し油分の湿潤が見られますが、持病とは違うようでレンズを外し楊枝で突きましても動きませんでした。
では、何が原因だったかと申しますと、シンクロ遅延機構にありました。
切り替えレバーを矢印側(M接点時)に動かしますと開閉環で係止されます。
シャッターを動作させますと開閉環が少し動き係止が外れ、アンクルが遅延時間を作り出す
アンクル部を外した所です。開閉環にあるもう一方の突起が遅延機構の赤点線部で動きを止められるのです。
動きが悪かったのは、遅延機構を組み込みます軸が錆び付いているからでした。
もう一つ、アンクル部にも錆が発生していました。
薬品処理で錆を落としますと、本来の働きが戻りました。
この後、絞り羽根の洗浄を致しましたが、一部変形があり、最小経が乱れました経になって仕舞いました。
溜息は、未だ続きます。
日本橋店中古売場 田口由明
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