修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.03.27
中古屋に無くてはならない絵になる民具が入院してきました。
先幕が飛び込まず、画面枠に残ってしまいます。幕軸の空腹か?それともブレーキ不良か、の見立てが外れてしまいました。
CTスキャンの設備が無く、開腹することにしました。
何と、置き忘れの千切れたフィルム片が出てきました。
(フィルム片で無くドライバーやピンセットが出てきたら怖いですね)
同じ様なバルナック仕様のライカでも良く起きるフィルム装填時の人為的故障です。
フィルム片を取り去り、幕軸に食事を与えますとサクサク動きました。
異物は民具に取りまして迷惑この上ないのです。装填には気を遣いましょう。
スローガバナにチリチリ虫が住み着いており、洗浄注油の処置を致します。
アンクルが複数構造になっています。
ファインダーもご多分に洩れず霧の中です。
(中心部は、二重像合致部の為に白く見えます。)
全ての光学部を研磨剤(酸化セロックス)で綺麗綺麗しますと透明感が蘇ります。
昨今はデフレ状態で手間を掛けましても売り上げ減の状態が続きます。
何処までデフレが続くのでしょうか?
気が萎えてきます。
3回に分けて書きましたConndorV2(溜息を喜びに)は、お披露目数時間で新たな保護者が現れました。
其れもその筈、殆どが手を入れませんと商品にならない時代物でして、完動品なる物は希です。
手を入れましたマイナーな民具は新鮮なようです。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。