修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.07.07
休日の間に電話問い合わせがあり、福島県より送られて来ましたペンFの外部生です。
電話を受けました同僚の話では、父親の遺品との事でした。
其れにしても擬皮が剥がれて時間が経過していました。となると、何処で分解をしたのでしょうか?部品の損傷が心配です。
第一話の保存アドレス第345話は此方になります。
http://kitamura.jp/photo/repairer/2009/re345.html
ミラー駆動部が作動しましたが、シャッター機構部に気持ちが伝わらないようです。
前板を分離しまして、ミラー駆動部を診察します。
ミラー駆動バネは生きています。第一関門通過です。と申しますのは、ミラー駆動バネに損傷がありますと、ゲームオーバーなのです。
情報の無い方が分解・組み立てを致しますと、過重にミラー駆動バネを蒔いて断裂さしてしまうのです。
叩いても響かない太鼓の原因は、ブレーキ部にありました。
ブレーキ環とブレーキゴム保持環が錆び付きまして動けなかったのです。
ブレーキゴムは油分が無くなりましたのと錆のために硬化しています。
亀裂も沢山ありで切れてしまいました。どうしましょうかね!部品取りようのカメラから移植することにしました。
シンクロ端子のリード線が綺麗に剥離していました。
其れにしましても綺麗に剥離した物です。
シャッターダイアルに汚れが蓄積されており、見づらいので洗浄致しました。
目に眩しい雪山の白さです。
接眼枠に止めネジのストレスによる亀裂が発生しています。
塩化メチレンを使用し、溶着させます。その際に軽くクリップで挟みます。
接眼枠素材であるポリカーボネットは塩化メチレンで良く溶けますから、僅かの量を亀裂に流せば良いのです。決して過度に流してはいけません。
折角溶着させまして、ネジ止めだけですとストレス亀裂が発生してしまいますから、ワツシャーを置き、ネジを止めます。こうすることによりネジ圧が平均するのです。
理由は、補修部品の手当が出来ません故、気を遣いました対策を怠らないのです。
本体の修理が終わりまして、レンズの修理を致しました。
両者の修理後、合体させますと気持ちの良い作動音が致しました。
この記事が節目の400話となりますのも何かの縁でしょうか?
古の夜行列車の最後尾にありますテールランプの残光が赤い糸と重なります。
日本橋店中古売場 田口由明
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