修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.12.14
クロスポイントからの依頼品である。過去に経験は無い。
何かが起こりそうな予感がします。初顔は、先ずは観察から始めます。無闇に部品を外すとアリャ~ラとなるのですね。
視野レンズ・固定ネジを外します。
合致レンズは横に固定ネジがありまして抜きますと外れます。
レリーズ釦飾りを外します。過去の他の機種の履歴ではA-Rレバーを外すのですが、とんでもないことになりました。と言うのは。。。。
A-Rレバーの働きは、巻き戻しの際に歯車からスプロケット歯車を逃がす役割をしています。何の懸念も無く外したのです。そうしましたらスプロケット歯車を逃がす螺旋の部品が中に落ちてしまったのです。この様な仕様は知らないよ~。
苦心をして落ちた部品を引き上げ元に戻しました。
教訓:上カバーを外す際にA-Rレバーを外してはいけないのです。
他の部品はセオリー通り外していきました。最後に残りました上下調整レンズが外れません。通常は、茶筒状の中に摺動レンズが入っているだけで面位置より出ており簡単に外れるのです。所が面位置より中に入っています。所謂掴みどこらが無いのです。
摺動レンズは機能の性格からネジ切りしていない滑空仕様です。幾ら回しても状況は変わらないのです。デフレスパイラルです。
意を決しましてアルミを貼り付けたヤットコで捻ってみました。
怖いですね!強く押さえますと摺動レンズの損傷に繋がりかねません。
外すことが出来ましたが、血の気が失せた顔になっていたことでしょう。
青くなりながら外したレンズ達です。
上カバーが外れましてファインダー組み品・シャッター制御部が顔を出します。
ライカコピーですから、先日書きましたニッカ5型と制御部に大きな違いは見られません。
何れの機種も閉塞型のファインダー清掃には手を焼きますね。
特に直角プリズム斜辺部の汚れやカビは厄介です。小津産業製の麻を使用しました清掃紙の助けを借りねばなりません。
ライゼ光学(チヨタックスⅢF編 其の二)に続く。
日本橋店中古売場 田口由明
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