修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.12.16
この記事は「ライゼ光学(チヨタックスIIIF 編其の一)」からの続きとなっています。
閉塞ファインダーの清掃前と後を比べてみて下さい。綺麗になりましたでしょう。
二重像もハッキリ。視野ファインダーも透明感が戻り気持ちが良いです。
では、チリチリ虫退治の為にマウントを外します。
低速ダイヤルを外した下から出てくるネジとスカートカバーを止めているネジ。
それに本体前側4本・裏側3本のネジを外しますと分離します。
距離計アームを外し、遮光枠を止めている3本ネジを外します。
チリチリ虫のお宿のスローガバナが見えてきました。
洗浄後、アンクルとガンギ車に注油をします。
シャッター機構部にも注油を致します。濁りのある作動音から力強い作動音が戻ったのですが。。。
低速の速度調整が上手く行かないのです。
低速軸は低速ダイアルを動かすことにより赤矢印方向に動き、後幕が作動する際にスローガバナで減速されますよね。減速時間が低速の秒時になり、後幕が開いているのです。
所が、低速を満足させるとT(タイム)が働かなくなるのです。
Tは低速ダイアルが低速軸を手前に一番深く押します。そしてT調整ネジ(赤○)が通せんぼをします。其れで開き放しになるのです。T調整ネジは偏芯ネジです。
最長の一秒は、どうぞと通し、Tは通せんぼをするように調整します。
この両者の関係が上手く調整できないのです。
多くの理由は、低速ダイアルの螺旋部品の摩耗や各々の関与する部品に僅かな摩耗が在るためと推察致します。
Tを捨てて低速秒時を満足させて終わることにしました。
日本橋店中古売場 田口由明
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