修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.06.08
「創業地からの依頼品」から二年の年月が流れました。
https://www.kitamura.jp/photo/repairer/2008/re167.html
「覚えておりますか?」との電話が入りました。
「綺麗な稀少機種のペンS3.5を手に入れたのですが、不具合が発生してしまいました。
修理をして頂きたい。」と依頼されたのです。
以前、修理を依頼した時にファインダー硝子が曇るのはプラスティクだからと説明されたとか、慎重に外しますと素材は、硝子でした。硝子は、時を経ますと曇るのは致し方がありません。
シャッター機構部もレンズシャッターの宿命・持病で油分の湿潤が見られます。
部品を全て外し、洗浄致します。
特に駆動レバーは肝心要ですから、洗浄を致しませんといけませんね!
油分の注油は直注しをしてはいけません。過分な油量となり湿潤に繋がります。
シャッター羽根開閉環と溝部の滑走面に油分の湿潤が見られます。(撮影が難しかったのですが、僅かに色調の違いがあります。)洗浄して二硫化モリブデン粉を塗布します。
シャッター機構部を組み立てましたところです。一枚の羽根に傷が付いておりました(左下の填め込み画像)。部品取り用から移植をした次第です。
ファインダーに透明感が蘇り、機構部の作動音も良き音が蘇りました。
大事にお使い下さりませ。
日本橋店 田口由明
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