修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.07.01
軽い宅配便が届いた。ピンポ~ンが鳴ると眠っていたクイーポはむくっと起きて狂ったように吠えまくる。近所の方は誰か来たのだとあきらめ顔でもある。何時も吠えられる方と外で会っても知らん顔。外は自分の縄張りでないと認識しているようです。
開きますと初顔の様です。此処から脳の皺を増やす格闘が始まりました。
ガイドレールを外し、座金を外す。(座金を外す際に傷を付けないため)
座金を外すとセット環・鏡筒が本体から分離するが、シンクロリード線が邪魔をしている。
鏡筒を若干引きずり出しシンクロ接続部のネジを外す。組み込みの際、本体とセット環の汚れを取り新たにグリスを塗布する。
距離環のセットネジ3本を緩める。
距離環にある突起(赤○部)は回転範囲の制限の役目をしており、内ヘリコイド(赤○部)の切り掛けから抜くことが出来る。
経年変化によるグリスの固着はヘアードライヤーで加熱するとグリスが緩む。(加熱によるレンズバルサムへの影響に注意する)
内外ヘリコイド環の抜ける位置に罫書きがあった。組み込みの際に同位置にすればピントは出る。罫書きが無いときは罫書きを入れる。
外ヘリコイドにある2本の固定ネジを外し、外ヘリコイドを反時計方向に回すと外せる。
やっとシャター組み品に手を入れることが出来る。
秒時カム環を外すと、シャター機構部が現れる。
シャター組み品の背面部にある3本のネジを外すと前後に分離できる。
シャター機構部の部品を外し、洗浄・注油を施す。
隠居人の干涸らびた頭に鞭打ち半日の思考で分解することが出来ました。頭を悩ましたのがヘリコイドとシャター機構部を如何に分離するかでした。この辺の思考は狩猟民族と農耕民族の違いですね!オマケに修理票には「分解の手順を頂けると助かります」とある。
分解だけでも手を焼いているのに手順書とは。。。墓場まで持って行けませんが、知的所有権を加えて請求でも致しましょうかね!
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