修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.10.21
珍品の但し書きがあった。確か、初顔を合わせと思う?隠居人が現役のころは銀塩全盛期。依頼数も多く分業制で持ち駒は少なかった。所が時世時節とはいえ、デジタル時代。残り僅かな勤めに暗雲が射し、敢え無く修理部は廃部の憂き目にあう。家族の生活もあり、販売が新たな糊口を凌ぐ職場となる。又、理解者のお陰で数年を過ごした時間が、隠居人の新たな人生を変え、勉強の時間でした。
そこに、重厚に作られたCANON製旧コンタックスマウントレンズが手元に届いたのです。
ヘリコイド連結環を下に押し下げると鏡筒固定環の緩み防止のセットネジ(赤○部)が現れる。この辺はニコン製仕様を参考に分解方法を探る。
記憶に日本光学からレンズ技術者がキヤノンに移籍した際、元の職場を思いながら設計したと推測すればロマンでもあり、郷愁を感じ取れる。
鏡筒固定環を外す時は、最後まで押さえておかないと押さえバネのバネ圧で打ち上げ花火になってしまう。
鏡筒固定環を外したことで、ヘリコイド部と鏡筒部が分離する。Cリングの形が変形している。
絞り値クリック・絞り値作動軸ネジを外し、Cリングを回転させながら外す。
前記の作業をすると絞り値環が外れる。鏡筒とヘリコイド部の間に個体固有の調整ワシャーが入っており、紛失・入れ忘れに注意する。この時点で、Cリングの変形を修正してある。
鏡筒部の赤丸部に前群レンズを固定しているセットネジがある。故に直接前群レンズを外すことが出来ない。後群レンズを固定しているネジは無い。
前群レンズを外せた事で内面のカビの清掃が出来た。
初顔は分解するに当たり、どの様な仕様であるか?を想像しなければならない。
時代的に日本光学製と同じように設計されたと推測した。それにしてもこの時代は良い仕事をしている。末長く受け継がれればと願う。
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