修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.01.06
ペンタックスMマウント仕様の描写力のあるリケノンは人気でもある。
しかし、御多分にもれず絞り羽根に油分の湿潤の症状を起こす。
ヘリコイドの潤滑に使用してあるグリスからの湿潤を招いたからである。
それでは、腑分けをして行きます。前枠を止めている3本のセットネジを緩め、外します。
前群レンズを外します。
前群レンズを外すと絞り羽根室が露出しますが、前側からは腑分けできないようです。
絞り羽根室に54.6.16の日付が印字されています。元号でしょうかね?陽暦でしょうか?陽暦を表していれば57年前の製造になります。随分昔ですね!隠居人の肌に張りが有る頃になります。
4本のネジを外し、バヨネット環を腑分けします。
絞り値クリック鋼球が有りますから、バヨネット環側に注意しながら絞り値環を動かします。気短に動かしますと、鋼球の花火を打ち上げてしまう事になります。
絞り値環を移動した事でバヨネット台座とヘリコイド部を固定している3本のネジが表れます。
(1)~(3)のネジを外しますと、絞り羽根室を腑分けする事が出来ます。
ヘリコイドグリスが長年に渡り湿潤していますから、直進キーが取り付けてある縁側を清掃しておきます。清掃後に直進キーを外してみてください。
ヘリコイドと直進キーの僅かな隙間に毛細管現象により油分が滞留しています。
なかなか、撮影が難しかったのですが、僅かに明度の違いが見て取れると思います。
2ヶの直進キーを外して清掃をします。ネジ切り穴もコヨリで清掃します。
ヘリコイド部から絞り羽根室を腑分けしたところです。
絞り羽根室に油分の湿潤が顕著ですね。湿潤の場所が直進キー取付位置と符合します。
直進キーを外さなければ、そう遠くない時間で絞り羽根が湿潤してしまいます。
Cリング・絞り値カム環と腑分けをして行きます。
引っ張りバネの一端(赤○部)を逃がします。(引っ張りバネの紛失に注意)
(1)・(2)のネジを外しますと押さえ盤が腑分けされ、絞り羽根を清掃できます。
絞り羽根を腑分けしたら、絞り羽根室の此処の部品をベンジン浴します。
作業が終わりましても、頭の中に引っかかるものが有りました。
思い出しました!タクマーの分解方法と似ているのです。
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