修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.05.02
現役時代無精をしていたのか?日々の業務に忙殺されていたのか?FDマウント仕様は避けたい。そんなことはお構いなしにカメラ修理教室の受講生から相談を受ける事もある。
事前に苦手であるとは宣言してあるが、苦手であっても出来ない事は無いだろう!ぐらいにしか捉えてもらい無いのである。講師とは辛い立場である。
前置きは、さて、として腱鞘炎になりそうなので諦めた個体です。カビがレンズの裏側で笑っている。3本のセットネジを外しても前レンズ群を外せないのである。
前レンズ群の口径から最後に組み込んだと想像する。緩み防止にセットネジで止めてあるか?
道が開けたのです。ゴチバトルではありませんが、何と!何と!化粧環のネジ切が左だったのです。人生長生きをするものですね!
フードを前側に移動すると3本のセットネジが現れたのです。
一度は諦めました前群レンズが分離でき、笑っていましたカビを除去出来ました。
簡易的には前群レンズを外せましたから、後レンズを清掃することは可能なのです。
所が内面に反射防止の植毛紙が貼ってあります。
作業を続けますと清掃紙の繊維が植毛紙に付いてしまい始末が悪くなるのです。
バヨネット環を止めている3本ネジを外します。
組み込みの時悩みそうと思いながらも絞り値連動部を外していきます。
組み込みの際は、絞り値連動部と絞り値カム環・絞り作動環を咬合させなければなりません。種種の制約があり、両者の咬合状態の目視が難しい。組み立て工程では絞り連動部を組み込み位置に固定する専用工具があったと想像します。
後レンズを外す工具も用意されていたと思います。
掴むのりしろが十分でありませんのでもう少し分解する事にします。
バヨネット台座を止めている4本のネジを外します。
バヨネット台座を外した事で絞り値環が浮き上がってきました。
作業の支障にならないよう外しておきます。絞り値環の裏側にクリックのコロがあります。
鋼球と形状が違い代用品を探すのが難しいです。紛失に注意します。
やっとの思いで後レンズを外す事が出来ました。
絞り値環を組み込む際に注意が必要です。絞り値環の制限爪が乗り上げたままバヨネット台座を締め付けてしまう恐れがあります。
(正)の画像のように制限爪を捌いてからバヨネット台座を取付けます。
何とか組み立てる事が出来ました。大きな収穫は、ネジ切りが左であった事です。
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