修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.05.18
ASAHI Flexに装備されたレトロなTakumarです。
持病の絞り羽根に油分の湿潤があります。絞りの仕様がプリセットで枚数が多い。
洗浄をするのは面倒でもあるのです。確か、絞り羽根自体の形状もレトロと記憶しています。気が重いですが、洗浄する事にします。
社名環をゴムアダプターで外します。
社名環を外しますと、前群レンズが外れます。
矢張り絞り羽根の形状がレトロですね!表側からの分解は一時保留です。
マウント側からの締付環を外しますとヘリコイド部・鏡筒部に分離できます。
後群レンズも外します。
絞り作動環の仕様が一体のようです。ヘタに分解すると絞り羽根の組み込みに苦労するのでは、と嫌な予感がします。
Cリングを外します。
分離しました絞り作動環の裏側です。絞り羽根が落ちないのは、油分の湿潤で張り付いているものと思います。所が、それだけの理由では無いのです。
絞り羽根の支点(赤○部)の形状がダボ仕様では無く、羽根自体をプレスして突起を作り出していたのです。洗浄するには羽根を外した方が宜しいのですが、プレス仕様の為、損傷する恐れがあります。
絞り羽根を絞り作動環に組み込まれたままベンジン浴をして筆で注意深く洗います。
洗浄が終わりましたら、鏡筒に組み込み、鏡筒側の絞り羽根作動の支点となる溝切りに納めていきます。
創始期の絞り羽根はプレス仕様ですから、取扱に十分な注意が必要ですね。
後に加工技術の向上により絞り羽根にダボが取り付けられました。
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