これだけ路上観察に力を入れていると、普段でも道を歩きながらキョロキョロしてしまうし、タクシーに乗っていても、「あっ、アレは何だ?」ってつい路上の物件が気になってしまう時もありますね。かといってタクシーに「そこで止めてくれ」とは言えず、遠ざかる物件を後ろ髪引かれる思いで振り返るだけなんですが…(笑)。
『土手に下るな』“土手に上るな”ってのはよくあるけど、“下るな”っていうのは珍しい。でも土手より上にあるんだから、洪水の心配はない。埼玉県の大宮にて。
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『番犬のアヒル』アヒルを鎖でつないで、瓦を小口揃えにして囲っている。この瓦がなかなか豪華な敷居。多分前の家を壊した時の瓦で、廃物利用。埼玉県の川越にて。
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だから海外に行った時でも路上観察はしっかりやっています。例えばベトナムなんかに行くと、人々は結構みんな几帳面なようで、たくさんの自転車が同じ角度で斜めにビシッと並べられている光景とかね。でも、やはり異国の地では目に入るすべてが基本的に珍しいものですから、単なる観光客となって、あれこれ見物してしまいます。
最初は何か見つける度にパチパチ写真を撮りまくるんですよ。だけどそんな物件が次々に出て来るんで、そこでようやく「あ、この国ではどこにでもある普通のモノなんだな」って気づいて撮るのをやめるんです。まぁ、それはそれでたくさん集めて並べてみると、結構面白いんですけどね。
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『”の“の字を書いて、あら恥ずかしや』ホースとパイプの口が寄り添ってひそひそ話をしている。”の“の字なんか書いちゃって、恥ずかしがりやのホースだね。埼玉県の川越にて。
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今後の路上観察活動の目標としても、やはりまだ行ったことのない外国を歩いてみたいと思っているんですけど。我々の場合、もう国内の物件はかなり観察しつくしましたから、海外にはどんな面白い物件があるのか、とても関心があるんです。
未知の領域に入っていくには、それだけ難しい部分もあるとは思いますが、とにかく新しいモノ、珍しいモノには興味が尽きないですからね。例えば共産圏の国なんか面白いんじゃないかなぁ。普通の観光客は見ないような所をジロジロ観察していたら、それこそ怪しいヤツだと思われるでしょうけど(笑)。
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路上の面白物件を心から遊びで楽しんでいる南伸坊さんに、「路上観察学」を論理的に追求する赤瀬川原平さん。このコーナーでは、4回にわたって”「路上観察」の達人“おふたりにお話を伺ってきました。「路上観察」の楽しみ方はそれぞれですが、皆さんもおふたりのお話を参考にして、自分流の「日常風景」の見方を発見し、写真の楽しみをいっそう広げていってください。(完)
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